約 849,772 件
https://w.atwiki.jp/itmsanime/pages/852.html
【作品名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 OP 【曲名】I SAY YES 【歌手】Ichiko 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200 □■iTMS■□ 【作品名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 ED 【曲名】スキ?キライ!?スキ!!! 【歌手】ルイズ(CV 釘宮理恵) 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200 □■iTMS■□ 【アルバム名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 キャラクターCD1 ルイズ 【歌手】ルイズ(CV 釘宮理恵) 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200(*パーシャルアルバム) □■iTMS■□ 【アルバム名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 キャラクターCD2 アンリエッタ 【歌手】アンリエッタ(CV 川澄綾子) 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200(*パーシャルアルバム) □■iTMS■□ 【アルバム名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 キャラクターCD3 シエスタ 【歌手】シエスタ(CV 堀江由衣) 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200(*パーシャルアルバム) □■iTMS■□ 【作品名】ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜 キャラクターCD4 エレオノール カトレア 【歌手】エレオノール(CV 井上喜久子) カトレア(CV 山川琴美) 【ジャンル】アニメ 【価格】¥200(*パーシャルアルバム) □■iTMS■□ 【詳細】各キャラクターCDは1曲のみ収録
https://w.atwiki.jp/kut19/pages/11.html
このページの使い方 ページの構成 各科目(全学共通科目・専門科目)にそれぞれ1つのページが割り当てられています。 そのページでそれぞれの科目の 授業の傾向と対策 勉強法などのアドバイス レジュメ・ノートなどの配布 試験の傾向と対策、過去問の公開 などを行います。 ページの編集・情報提供 このサイトは誰でもページを編集できる、wiki形式をとっています。 あなたの情報は、ここに書くことによってクラス全員で共有され、このページの最終目標、全員単位無事修得の鍵になります。 わけのわからない記号を使って編集することは、難しく思えるかもしれません。 ですが、文章だけ記入してくれたらほかの人がページを見やすく整えてくれるでしょう。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1141.html
コルベールがそれに気づいたのは、学院の午前中の授業の終わりごろ、昼休みも間近という頃だった。 自分が担当している午前中の授業は終わったので、それからライフワークとなっている機械いじりをずっと行っていた。 作業がひと段落ついたところで空腹を感じ、食堂へ向かおうとしたところ、ふと見ると宝物庫の扉が開いているのである。 コルベールは不思議に思った。あそこは貴重な秘宝、危険な宝を保管しておく場所であり、 そうそう足を踏み入れるところではない。大体普段は鍵もかかっており、特別な用事がなければ開けることさえ許されない。 一体誰が?そう思い、コルベールは宝物庫へ足を運んだ。 つん、と鼻に来る、閉鎖空間によくある特徴的な匂い。コルベールは薄暗い室内に誰かいるのか、と目をやる。 そしてその人は、あっさりと見つけることが出来た。 後姿しか見えないが、短く刈った髪にがっしりとした体つき、シャツを無雑作に着ている。 少なくとも、この辺りで見た覚えのない人間。それが宝を物色するかのように、中腰になっている。 コルベールの脳内に、ある一つの答えが出るのは当然と言えた。 すなわち、 「ど、どろぼーっ!!」 「どろぼう!?泥棒じゃない!トレジャーハンターだ!」 コルベールの叫びが気に入らなかったのか、男は一瞬で後ろを振り向き怒声を上げた。 しかし落ち着け、今の状況でそんなことを言っても意味がないだろう。 「ミスタ・コルベール!彼は泥棒じゃありません!」 後ろからいきなりかけられる声。コルベールが後ろを振り向くと、そこにいたのはコルベールも良く知っている女性だった。 「ミス・ロングビル?」 「彼はミス・ヴァリエールの召喚した使い魔です!」 言われてもう一度男に目をやる。薄暗くてよく見えなかったが、確かにそこで この辺りでは見ない、赤を基調とした特徴的な服を羽織ろうとしているのは、 数日前に召喚された明石暁その人だった。 「…なるほど、宝物庫の目録を作ろうとしていたんですか」 「ええ、そうしたら彼が来て、手伝うから宝を見せて欲しいと言われたんです。 さすがに数も多いですし、別に盗みはしないだろうと思ったので手伝ってもらったんです」 ロングビルが説明し終わると、三人は安心のため息をついた。 もっとも、誤解が解けた安心、泥棒でなかった安心、大騒ぎにならなかった安心と、安心の内容は三者三様だったが。 「しかし、本当に面白いものばかり置いてありますね。それもこれほど大量にあるとは」 微妙に途切れた空気を変えるために、明石が会話を始める。 明石の言葉に、勘違いした恥ずかしさからか、小さくなっていたコルベールは顔を明るくした。 「そうだろう?ここの宝の中には、ハルケギニア全土にもそうそうないようなものがあるからね。 それも結構頻繁に宝を持ってきたりするから、目録を作るのも一苦労なんだ」 笑顔を見せるコルベール。やはり自分の学院のことを褒められると嬉しいのか、やけに饒舌になっている。 「一年程前にも学院長のオールド・オスマンが色んなものを持ってきてね。 なんでも危ないところを助けてもらった人から、預かってもらえないかと渡されたとか。 私には一体なんなのか分からないものばかりだったよ。『眩き槍』と『光の箱』と『秘宝の地図』 だったかな。確かオールド・オスマンはそう呼んでいたよ」 「秘宝の地図?」 途端に明石の目の色が変わる。こんな不思議な世界の宝物庫に安置されるような秘宝の地図。 一体どんなものが記されているのか、興味を引かれずにはいられなかった。 「その宝の地図、見せてもらっていいですか!?どこに置いてあるんです!?」 「え?ああ、別に構わないが、なにやら暗号めいた文で書かれてて読めないぞ」 「暗号!?すっごいわくわくするじゃないですか!ぜひみせてくださ」 「いたああああああああああ!!!」 耳をつんざかんばかりの大声に、三人が声の方向を向く。そこにいたのは明石の主人、ルイズだった。 「授業の時もいない!授業終わってもこない!いったいどこほっつき歩いてるのかと思ったら!」 「い、いや待てルイズ、落ち着け」 「やかましい!」 のし、のしと肩をいからせて歩いて近づくと、ルイズは明石の首筋をつかんで引っ張る。 その力と迫力はいくつもの戦いを潜り抜けてきた明石やコルベールも思わず冷や汗をかきそうになるほどだった。 「ちょっと待ってくれルイズ!宝の地図が!宝の地図が見たいんだ!」 「宝の地図!?知ったこっちゃ無いわよそんなの!さっさとついてきなさい!」 「俺の地図ーーー!!!」 泣きそうな声で絶叫する明石を引っ張っていくルイズ。 突然の出来事に、コルベールとロングビルは、彼らが視界から消えるまで、固まったままだった。 明石を探すのに手間取り時間を食ってしまったため、時間が押していることを考え、 昼食を少し急ぎつつ取りながら、ルイズは考え事をしていた。 自分の使い魔の、明石のことである。 彼を召喚し、契約も行った。理想とはかなり、かなり違ってはいたが、初めて成功した魔法の成果なのだ、 嬉しくないはずがない。 だが、ここ数日彼と生活しているうちに、その『初めて成功した魔法』が本当に成功しているのか疑わしくなってきたのだ。 使い魔は主人に絶対服従、となるはずなのに、全くと言っていいほどその気配が見られない。 朝自分を起こし、朝食を摂ったら、それ以後はお構いなしで辺りを散策する。 他の生徒の使い魔に興味があるらしく、使い魔たちとじゃれあっていることも珍しくない。 授業が終わるとタバサから文字を教わっているらしい。タバサに明石の事を尋ねたらただ一言、 「子供みたいな人」と返してきた。覚えは早いらしいがその辺はどうでもいい。 問題は、主人である自分の事をほとんど考えずに、自分の興味の向くままに行動している、という点だ。 それどころか、たまに話すことになると「子供を躾けるのは大人の役目」とか考えていそうな対応をしてくる。 一体自分を何だと思っているのか。そう思うと腹の底から苛立ちがむくむくとわきあがってくる。 誰が主人で、自分がどういう立場にいるか躾けてやろう、と思い、色々と行動したこともある。 「使い魔に個室なんてないんだから床で寝てね」とやると、野宿は慣れているのかあっさり寝る。 次の日にはどこからか失敬してきた藁を布団がわりにして寝ていた。 「無礼な事をやる使い魔には食事抜き」とやると、本を読んで覚えたての山菜やら小動物やらを取ってきて、 料理長に料理してもらっていたのには絶句した。 結局、どんな躾けも、どういう状況にも適応する明石には効果がなかったのだ。 それを思い出してちょっと凹みつつ、ルイズは心の中で始祖ブリミルに毒づいた。 (もう少し、もう少しだけでいいんで素直で従順な使い魔が来てほしかったんですが、ブリミル様。 あたしにはそれすら贅沢ですかそうですか) まあいいや。いつか必ずあいつを自分に従わせて、立派な魔法使いになってみせる。 あたしはまだ走り出したばかりなのよ、この果てしないメイジ坂を…… 「君は自分が何をやったのかわかってるのかい!」 食堂に響く声に反応して、途端に硬直するルイズ。まさか明石がまたなにかやったのか、 一番最初にそんな考えが浮かんでくる自分がちょっと嫌になりながら、ルイズは辺りを見回す。 食堂の中心に人だかりが出来ており、そこでメイドを誰かが怒鳴りつけている。 見覚えのあるあの後姿は、同じクラスのギーシュ・ド・グラモンだ。 一体何をやってるのかと耳を傾ける。どうやらメイドの彼女が拾った香水のビンのせいでギーシュの二股がばれたらしい。 それで、八つ当たりに彼女を苛めている、というわけだ。 「…バカバカしい」 自業自得の典型だ、そう思うルイズ。ギーシュ本人もそう思ってるのだろうが、一旦始めると止められないのか、 どんどんメイドを追い詰めていく。メイドは今にも泣きそうになりながら必死に謝っている。 正直、見ていて愉快なものではなかった。 いい加減止めなきゃ。ルイズがそう決心して動こうとしたとき、 「その辺にしたらどうだ」 ギーシュの目の前に、メイドをかばうようにして、明石が立っていた。 「アカシさん!」 メイドは思わず驚きの声を上げていた。 「あ…のバカ!」 ルイズは思わず怒声を上げていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/145.html
前ページ次ページ蒼炎の使い魔 場所は変わってルイズの部屋。 「何で「フライ」を使えたの?あなたもしかして貴族?」 「……」 「答えなさい。マスターの命令が聞けないの?」 「……」 ルイズは依然として何も話さないカイトに質問をしていた。 それでもカイトは話さない。いや、話せないでいた。 聞こえているし、何を言われているのかも理解できるのだが、 自分の知識に無い物を羅列されても、 「考える」ことを出来るようになった彼でも彼女の言っている意味がわからない。 「フライ」とは何だ。 「キゾク」とは何だ。 「マスタ-」とはこの女のPC名なのか。 自分の世界の知識はあっても何も知らない場所ではまったく役に立たない。 それは何なのか聞きたくても数えられるくらいの「単語」を発することしか出来ない。 「あんたもしかして何も知らないの?」 ルイズがもしやと思ってカイトに声をかける。 一瞬間をおいて、カイトはコクリと頷いた。 「はあ…、何でこんな田舎者を召喚しちゃったんだろ。 もういいわ、説明してあげる」 あきれてため息を吐いたルイズがカイトに説明を始める。 長い時間が過ぎた… 「…ということよ!わかった!?」 「……」 ぜんぜん分からない。 しかしここで首を横に振るとまた彼女が怒鳴りそうだった。 仕方なく首を縦に振る。 「まったく馬鹿への説明は疲れるわ」 「…」 「ああ、帰りたいって言っても無駄よ」 「…」 「それに使い魔をやめるには死ななきゃならないの」 「…」 「死んでみる?」 「…」 「なんか言いなさいよ!!」 「ハアアアアアアア…」 「それ以外に何か!名前ぐらい教えなさい!」 名前とはPC名の事か、それくらいのことなら自分でもしゃべれるだろう。 「……カ#ト」 「は?何だって?」 「カイ&」 「聞き取りづらいわ、もう一度」 「カイト」 「カイトって言うのね、あんた。でもしゃべれるならそういいなさい!」 彼の言葉には所々にノイズが入る。 調子が悪いというわけでもなく、もともとこういう仕様なのだろう。 「はあ、今日は疲れたからもう寝るわ」 ルイズはカイトの前で服を脱ぎ、パジャマに着替え始めた。 脱いだ衣類を投げつけ、 「これ明日洗濯しといて」 「……」 「あ、あんたは床で寝なさい、それと朝は起こすこと」 「……」 「じゃ、おやすみ」 「……」 そう言い、布団に入った。 ルイズは絶望していた。 失敗ばかりしていた。 周りからも馬鹿にされ、先生にも可哀相な「目」で見られた。 いつか見返してやる。 血のにじむほどペンを持ち、腕がしびれて感覚がなくなるほど分厚い教科書を 暗唱出来るほどまで読み返した。 魔法も数え切れないほど唱えた。 喉が擦り切れて血が出てきた。しかし、魔法は必ず「爆発」して「失敗」する。 それでも彼女はあきらめない。 だが、現実は残酷だった。 火も、水も、土も、風も、すべての系統の魔法は爆発して終わった。 そんな彼女を世間は笑う。 それでも彼女はあきらめなかった。 悔しいことがあると自室のベッドで一人声をかみ殺して泣いていた。 だが、周りにはそれを出さずに、貴族としてのプライドを無くすことなく持ち続けた。 サモンサーヴァント それは使い魔を召喚する神聖な儀式。 召喚した者は、誇らしげになっている。 召喚できない者は、笑われる。 彼女は引くことが出来なかった。 どんなものでもいい。蛙でも犬でも何でもいい。 しかし出てきたものは爆発とともに現れた「田舎者」だった。 そしてまた周りは彼女を笑う。 まるで何かに取り付かれたかのように… ルイズは悔しさを心に刻みつけながら静かに夢の世界へと旅立って行った。 しかし、この世界のものは誰も知らない。 彼が元々何と噂されてきたのかを。 それは伝説のPK(プレイヤーキラー) 彼にPKされたものは、意識不明になる。 そいつの名前は「トライエッジ」 噂と現実は違ったのだが、その腕は本物。 彼はかつて「死の恐怖」といわれたPKKを圧倒、そして「初期化」させるほどの強さがあった。 彼にとってこの世界の使い魔のほとんどは相手にならないだろう。 カイトは考える。 元の世界に帰らねば、と。 しかし、女神の言葉を思い出す。 「眠りにつく私にはもう必要ないから」 そういわれ、カイトたちは「ハセヲ」に引き取られた。 自動で動いていた自分はもう必要ない。 「世界」の脅威はひとまず去ったのだ。 それに自分がいなくても他に2体の騎士はいる。 彼にはいつの間にか「自我」が生まれていた。 それがあのデータの海に飲まれた際に彼に変化を与えた正体。 カイトは初めてのことに好奇心を覚えていた。 それに1人で出て行っても当てなどない。 タウンにつながるゲートでもあれば別だが。 そして、彼はこう決めた。 ルイズノチカクニイヨウ、と。 数分後ここで突っ立っているのに飽きたのか、カイトは廊下に出た。 寝静まっている夜。彼は道が分からなかったので窓から外に出たあとに屋上へ跳んだ。 カイトは驚いていた。 静かな世界に、風が心地よく彼の体にあたる。 そらには月が2つある。 うろついているモンスターもいない。 自分の世界はいけるところは限られていた。 作られた世界、いける場所も限定され、モンスターがうろついている。 いくらグラフィッカーが頑張ってもデータはデータ。 一瞬金色のよろいをまとったPCが浮かんだが、すぐに意識からなくした。 そういえば、自分の力は大丈夫だろうか? 彼は自分のデータを確認する。 結論から言うと、何も問題なかった。 専用の装備も変わりなく、レベルも上限である150になっていた。 腕輪もつけていたので、あの「チカラ」も使えるだろう。 呪紋もハセヲからもらった魔道書で覚えたスキルは忘れていない。 そして、左手にはいまだ分からない謎の模様。 どうやらこれが使い魔の証らしいが…。 ルイズの言葉を思い出す。 使い魔は主人の盾となり守らなくてはならない。 おそらく何も問題はないだろう。 そう思い、また目の前の風景をじっと見つめていた…。 こうしてカイトがハルケギニアにきて1日目を終えたのだった。 前ページ次ページ蒼炎の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4708.html
前ページ次ページ紙袋の使い魔 ミスタ・コルベール。二つ名は炎蛇のコルベール。 その名の通り火系統の魔法を得意とするメイジである。 トリステイン魔法学院にて、かれこれ20年間は教師をしている 先日行われた使い魔召喚の儀式の際、彼の生徒の一人であるルイズは前例が無い 人間を召喚し、使い魔とした。 その際、使い魔契約の証として刻まれたルーンは彼の見た事が無いものであった。 魔法学院で教師をやってはいるが、本来は人に物を教えるよりも自分の知識欲を満たす 事を望む研究員肌の人間である。 そんな彼の好奇心を刺激する何かが、その使い魔とルーンに感じれた。 彼はその好奇心を満たす為にあの日以来、図書館にてルーンについて過去の文献を 調べる毎日を送っていた。 図書館内にある、教師クラスのみが閲覧できる区間にてその日も本を漁り続けた。 彼の日々の努力か・・・はたまた、研究員としての本能が悟ったのか。 彼はついに自分の目当ての物を見つけたのである。 自分の好奇心が満たされていく事を感じると共に、その書物に書かれている内容に 冷や汗を流し、彼は文献を読み続けた。 思いもしなかった内容に、彼はその書物を手に取り学園の長。偉大なるオールド・オスマン の下へと向かった。 その日も、トリステイン魔法学院の長。オールド・オスマンは自室にて退屈を持て余していた。 白い口ひげに長く伸びた白髪。魔法のローブを着たその姿はまさに魔法使いである。 齢300歳は越えるとも言われる、彼からは有無を言わせない迫力がある・・・・筈なのであるが・・・。 彼は沈黙を破ると、近くに居る秘書風の女性へと話しかけた。 「ミス・ロングビル。今日は何色かね・・・?」 「オールド・オスマン。申し訳ありませんが意味が分かりかねます」 「ワシは何色と聞いておるのじゃよ・・・。ミス・ロングビル。ワシくらいの男児が色を聞いたら一つしかあるまいて?」 ミス・ロングビルと呼ばれた女性は軽くプルプルと震えた後、呟いた。 「・・・・・黒ですわ」 「ヒャッホウ!!ワシの勝ちじゃよ!モートソニグル!」 イヤラシイ目で笑った後、自らの足元の鼠へと話しかけた。 彼の使い魔と思われるその鼠は、主と同じ様な目つきでニヤニヤと笑っている。 「オールド・オスマン。朝からそのような下卑た事ばかり仰るのでしたら・・・私にも考えがありますよ?」 彼女の周りからドス黒いオーラの様な物を感じる。 窓や机が振動しているような気もする・・・。 「・・・・ごめんちゃい・・・。寂しいジジイの言う戯言じゃよ・・・ボーナス1割増しするからアレだけは止めて欲しいのじゃ・・・」 「そうですか。反省されているのなら私も今日の所は水に流しましょうボーナス2割増しして下さる事ですし」 「え・・・?1わ・・・・・」 「何かおっしゃいましたか?」 人のものとは思えない殺気が部屋を支配した。モートソニグルにいたっては泡を吹いて意識を失っている。 セクハラに対する女子の怒りはギアをも打ち滅ぼすのだ。 「ナンデモナインジャ・・・ナンデモ・・・」 コルベールが学院長室の前へと到達すると、扉一枚隔てた向こうから言い知れない殺気を感じた。 炎蛇のコルベールと呼ばれた彼にさえ感じた事の無い種類の殺気である。 呼吸を整え、いざ扉を開く。 「失礼します。オールド・オスマン・・・」 部屋のドアを開けると、軽く意識を手放しているオールド・オスマンと自らの席に鎮座している ミス・ロングビルが彼を出迎えた。 「ど、どうかしたのですか?オールド・オスマン・・・。何かあったのでしょうか?」 「大丈夫・・。大丈夫じゃよ。ワシはオスマン。オールド・オスマンじゃ・・・」 大丈夫と言う彼の目はあからさまにコルベールを見ていない。そんな様子を見た後、ミス・ロングビルの方へ目を向けると、彼女は我、関せずといった様子で自分の仕事をしていた。 少し考えたコルベールであったが、先ほどの自分の調べた内容の重大さを思い出すとオスマンへと 話しかけた。 「オールド・オスマン。報告があります」 その言葉と彼の雰囲気にオスマンは曖昧な状態から我へと帰る。 「ミスタ・バストール。何かあったのかね?」 「はい。先の召喚の儀式に関してなのですが・・・。ちなみに私はコルベールです。オールド・オスマン」 「ふぉっふぉっふぉ。すまんのう。そうじゃったな。それは昨日夢で見た妖精の名前じゃったわい」 「夢と現実を一緒にしないで頂きたいものです・・・」 「して、何があったのじゃね?」 コルベールは、図書館で見つけた自分の探していた内容の本を彼へと手渡す。 「その本と、この絵を見てください。これは召喚の儀式の際、私の生徒が召喚した人間に刻まれていたルーンと同じものです」 オールド・オスマンは眼光を鋭くし、その姿に相応しい威圧感を発するとミス・ロングビルへと声を出した。 「ミス・ロングビル。席を外しなさい」 先ほどまで、自分の怒りのオーラに震えていた人物とは同一人物とは思わせぬ迫力を感じ取ると 2人へと一礼し、彼女は無言で部屋から出て行った。 「詳しく説明をするのじゃ。ミスタ・コルベール」 先日、魔法の失敗の原因が分かるかも知れないと言ったファウストとルイズは部屋で語り合っていた。 「・・・・そうですね。法力の主な理論としてはこんな所ですかネ」 「それにしてもすごいわねぇ・・・。理論化した法力を学べば、平民でさえ扱う事が出来るだなんて・・・」 「まぁ、それでもきちんと扱うにはそれ相応の努力が必要なんですけどね・・・。ルイズさんの頑張りならすぐにでも修める事が出来るでしょう」 「私の魔法の為ならいくらだって努力してやるわ!それで、私が法力について知識を深めた方がいい事は分かったけどあんたの方はどう?この世界の魔法については?」 ルイズの自室に広がっている書物を見渡し元にあった場所へと返却していく。 「大体は理解しましたヨ。この世界の魔法は実に奥が深い。ここにある書物に書き記していない事がまだまだあるでしょうね」 「もう全部覚えたの・・・!?私が必死に覚えた内容をここ数日で・・・文字も最初は読めなかったのに・・・」 「これでも医者ですので・・・ネ?」 「関係ないと思うけど・・・・。それなら後は私があんたから法力を覚えればいいのね・・・・」 ぐぅぅぅぅぅぅぅ・・・・とファウストの方から音が鳴り響く。 どうやらもう正午のようだ。魔法の事になるとついつい周りが見えなくなってしまう癖が 自分にはあるようだ。 ファウストの方へと向きなおす。 「今日はここまでにしましょうか。もうお昼だもの。お腹すいたわよね?」 「ハイ、ルイズさん!ごはんー!ごはんー!」 「分かったわよ。それじゃぁ食堂へ行きましょうか?」 学院のメイドであるシエスタは、その日も忙しい昼の時間帯をきりきり舞いになりながら仕事をしていた。 最後のメニューであるデザートを貴族へと運んでいた。 食堂の一角で、貴族の少年たちが声を上げていた。 どうやら金髪のキザな少年に対し、周りが冷やかしの言葉をかけているようだ。 「なあギーシュ! お前、今は誰と付きあっているんだよ!」 「誰が恋人なんだ? ギーシュ!」 ギーシュと呼ばれた少年は口に咥えていた薔薇を右手へと持ち直した。 「何をいっているのだね君たちは?僕は薔薇だ・・・そう・・・薔薇は皆を楽しませる為に自分を美しく咲かせる・・・。そんな僕が特定の女性と付き合うなどと・・・」 優雅に舞う様に踊りながら語る彼のポケットから、ガラスの小瓶が落ちた。紫色をした液体が中に詰まっている。 彼らはそのことに気付かず、話に夢中になっていた。 「貴族様、こちらをお落とされましたよ」 ギーシュへとそれを差し出したが、彼は一瞥しただけですぐに話へと戻っていった。 「こちらへ置いておきます。失礼致します」 シエスタは、彼らの近くの席へとそれを置いて仕事へと戻ろうとした。 「ん?その香水はモンモランシーの香水じゃないのか?」 「そうだ!その鮮やかな紫色は、モンモランシーが自分の為だけに調合している香水だぞ!」 「それが、ギーシュ。君のポケットから落ちたという事は・・・君のお相手はモンモランシー と言う事になるな?」 彼が反論を言おうと席を立った時、後ろのテーブルに座っていた少女も立ち上がった。 栗色の髪の、可愛らしい少女である。彼女はギーシュの前へ出ると。 涙を流した。 「ギーシュ様。やはり、ミス・モンモランシーと・・・」 「ケティ、待ちたまえ。それは誤解だよ。話を聞いてくれたま・・・・」 キッとギーシュを睨み付けると、思い切り彼の頬へ平手打ちを放った。 「言い訳なんて聞きたくありません!さようなら!!」 走って食堂を出て行った彼女と入れ替わりに見事な巻き髪の女の子が ギーシュの元へとやってきた。 「モンモランシー!誤解だ!待ってくれ!!話を・・・」 「聞くまでもないわ。貴方があのケティって子に手を出していた事実は変わらないもの・・・」 近くにあったワインボトルをギーシュの頭上へと持っていくと、ドボドボと中身を頭にかけた。 「浮気者!!」 と、怒鳴り散らすと彼女もその場から立ち去っていった。 暫く、呆然としていたギーシュであったが、ハンカチで顔を拭くと芝居がかった言い回しで喋った。 「フフフ。どうやら彼女たちは薔薇という花の真の美しさを知らぬようだね」 一部始終を見ていたシエスタは、残りの仕事を思い出しその場を離れようとした。 「そこのメイド。待ちたまえ。黒髪の・・・君だよ」 「貴族様。何か御用でしたでしょうか?」 「君が軽率に香水の壜なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 「私は、この学院に雇われているメイドとして、貴族様がお困りになられないように落し物を拾って差し上げただけで御座います」 ギーシュはこの言葉に面食らってしまった。自分の考えていた事と全く違う反応である。 沈黙しているギーシュを見て 彼の周りの少年達はどっと笑った。 「そうだぞ!ギーシュ!そもそも君が二股なんかかけるからこういう目にあうんだぜ?」 「そうだそうだ!俺たちモテナイ男のしっと心に対して失礼だぞ!!」 なんやかんや少年たちが言った台詞をギーシュは全く聞いていなかった。 シエスタへ向き直ると低い声で言った。 「君は、貴族に対しての態度がなっていないようだね。君達平民・・・」 「なっていないと言われようと、自分の正義を曲げる事は出来ません。これは祖父から日々教えられた事ですから。それが貴族様のいう事であろうと、私は自分を曲げる事は出来ません」 この言葉に、食堂は静まり返った。特にギーシュと親しく、彼が貴族としてのプライドは人一倍強い事を知っている生徒達は息を呑んだ。 当然、この様子をみていたのは貴族達だけではない。他の給仕をしているメイド達やコックもこの喧騒を見つめていた。 ただでさえ冷や冷やと見ていた者達もシエスタの台詞は予想外すぎた。 貴族が白と言えば、黒い物でも白いといわなければいけない。それが貴族と平民の関係だ。 シエスタはそのルールを破ったのだ。 誰もが、声も発することなく成り行きを見つめ続けていたその時。 彼女達は現れたのある。 「おや?どうかしたのですかねぇ?人だかりが出来ていますよ」 「何かあったのかしらね?そこのメイド。何か見せ物でもやっているのかしら?」 シエスタの同僚であるメイドは、ルイズへと事の成り行きを説明した。 「あのギーシュの女ったらし・・・。完全に自分が悪いじゃないの。それを平民になすりつけるなんて貴族の風上にもおけないわ。それにあの黒髪のメイド・・・以前ファウストに食事を頼んだ子じゃない」 「そうです。アレはシエスタさんに間違いありません。ルイズさん・・・」 「えぇ。言われなくても分かっているわ。止めに行くわよ」 ギーシュがシエスタの方へ杖を突きつけ、声を発しようとした時 目の前にルイズと背の高い異様な男が現れた。 「・・・何か用かね?ルイズ。僕は今から礼儀がなっていないメイドに躾をしなきゃいけない所なんだ。退き給え」 「何言ってるのかしらギーシュ?事情は聞いたわよ。完全にあんたが悪いじゃないの。確かにそこのメイドは礼儀はなってなかったかも知れないわ。でも間違ってもいない。アンタは自分の腹いせに彼女に絡んだだけじゃない」 「ルイズ。君まで僕を馬鹿にするのかい?いいだろう・・・。そのメイドを庇うというなら・・・・決闘だ!!」 「上等よ!!」 ギーシュの発言に、食堂は騒然となった。貴族同士の決闘はご法度だ。それを彼は宣言したのである。 ギーシュの周りの少年も彼を諌めようと話しかけた。 「ギ、ギーシュ。気持ちは分かるけども決闘は行きすぎじゃないか・・・?それに貴族同士の決闘はご法度だぜ?先生に見つかりでもしたら・・・」 頭に紙袋をつけた背の高い男が、彼らの前へと歩いてきた。 「まぁまぁ。みなさん。落ち着いて下さい。それに貴族同士の決闘は禁じられているのでしょう?」 突如、話に参入してきた謎の男にギーシュを始め少年たちは彼の顔を見上げた。 「誰かと思ったらルイズの使い魔じゃないか。紙袋を被っているなんてふざけている。貴族の前で失礼だとは思わないのかい?」 ギーシュはファウストを一瞥すると鼻で笑うようにそう言った。 「それとも何かね?君がご主人様の代わりに僕と決闘でもする気かい?それなら貴族同士の決闘ではなくなるがね」 「いいでしょう。聞き分けの無い子にはオ・シ・オ・キが必要のようですからね。戦う気はありませんでしたがそれも大人の務め。私がお相手いたしましょう」 「ちょっとファウスト、何を勝手に・・・!!」 「ハハハハハっ!!貴族でもない使い魔の・・・しかもルイズの使い魔の君が僕にオシオキすると!?いいだろう!その思い上がり・・・僕がたっぷりと後悔させてあげよう!!決闘だ!!!」 彼は目を怒りの色へと変えて叫ぶと食堂から出て行く。 「ヴェストリの広場へ来たまえ!!そこが決闘場だ!!」 出て行った彼を追うように周りの少年たちもその場を後にした。 前ページ次ページ紙袋の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3254.html
「The Elder Scrolls IV OBLIVION」(海外ゲーム)より、アルゴニアンと闇の一党を召喚 ゼロの使い魔-闇の七人-1 ゼロの使い魔-闇の七人-2
https://w.atwiki.jp/wiki1_itunes/pages/20.html
iTunesの使い方 使い方はAppleのサイトを読めば誰にでも使いこなせるようになる。 iTunes サービス&サポート ※トラブル解決方法も↑のAppleのサイトを見ればOK
https://w.atwiki.jp/srx3cn7w/pages/35.html
医療器具の使い方 ちょっとしたコツを紹介。 ヒールゼリー 小さな傷の治療をする場合は、ほんの少しでOK。 縫合箇所の消毒をするときは重ね塗りをしなければOKはでない。 縫合箇所の消毒は手術の最後であるので、一気にたっぷり使って手術時間を短縮しよう。 注射 炎症の沈静剤は、炎症の大きさと使用量が比例する。 注射器いっぱいにロードした状態で、小さな炎症なら4つ、大きな炎症は2つ治療できる。 薬を注射器にロードする際、ちゃんと薬ビンの上までポインタを移動させないとMissになってしまうので、薬ビン周辺でのロードは避けよう。 針&糸 縫合は傷口の端から端まで、全部カバーできるように範囲に気をつけよう。 縫合が傷口中央に寄るとCool判定が出にくくなる。 通常、傷口の左右2ヶ所くらいでOK。大きな傷口は左右3ヶ所。 ドレーン 特にコツはない。 レーザー 特にコツはない。 小さな患部へは当てすぎないこと。 スキャナ ルーペの場合、拡大する位置に気をつけよう。 拡大したが、看護婦が邪魔で見えづらくなることも多い。 次に拡大する場所が分かっている時は、患部が出現する前にあらかじめ拡大しておくことで、手術時間の短縮が可能。 メス 切開する場合、ラインに沿うように気をつけよう。 メスでの切開はMiss判定にさえならなければ、Coolにしかならない(?)。 ピンセット 除去した異物を回収トレイに置く際、回収トレイの底までポインタをシッカリ移動させよう。 そこでAとBボタンを離さなければMissになってしまう。 回収トレイの縁付近は危険だ。 保護テープ(Extra) 縫合した傷口に張る。 傷口の一方の端から、他方の端までカバーしよう。 傷口の若干外側あたりを狙うとCool判定になりやすい。 あと、傷口と平行に張ること。傷口に対して角度が着くとCool判定は出にくい。 カウンターショック(Extra) 指示が出てからWiiリモコンを前に突き出そう。 指示がある前に突き出していると、そこからさらに突き出す羽目に。 このゲームで一番操作性の悪い部分なので、下手に手術時間短縮は求めずに 確実に動作を行って無駄な時間を使わないようにしよう。
https://w.atwiki.jp/keio_quiz/pages/110.html
カレンダーの使い方 カレンダー右下の「貼記」をクリックして「ミニ日記カレンダー」のログインページへ行き、管理パスワードに「keioquiz」と入力しログインボタンをクリックすると編集ページに移ります。 基本的にKQKの活動に関係するものしか記載しないようにしてください。 企画者は希望する企画日に自分の名前と企画の概要を書いてください。 企画者は企画が終了したら「活動報告掲示板」へ結果報告をしてください。 カレンダーには当月の予定しか表示されないため、翌月以降の予定を見る場合は、お手数ですが編集ページにログインしてご覧ください。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6570.html
前ページ次ページ残り滓の使い魔 悠二が学院長室で互いの情報を交換している頃、ルイズは部屋で目を覚ました。 悠二がいなくなってしまったと思い込み、枕を濡らしているうちに眠ってしまっていたのだった。眠ったからなのか、ルイズは寝る前とは心機一転していた。 (使い魔がご主人様を置いていなくなるなんて、ありえないわ) ルイズは、昨日から今日にかけての悠二の発言を振り返ってみることにした。 (そういえば、使い魔のこと何も知らないわね) 今更ながら、自分が使い魔から何も聞いていないことを思い出した。 (まあそれは、あいつが帰ってきてから聞けば良いわよね) 自分が覚えている限りのことを思い出そうとするが、 (……あいつの話ちゃんと聞いておけばよかった) 悠二の話をあまり覚えていなかった。 (でも、ミスタ・コルベールのこと聞いていたわね) 朝食を食べているときに、悠二にコルベールについて聞かれていたことを思い出した。この時は気にも留めていなかったが、よくよく考えてきるとおかしかった。 (ミスタ・コルベールとは何も関係なかったはず。ということは、ミスタのところ!) ルイズは飛び起き、一直線に部屋の外に出ようとしてドアの前まで行き、すぐさま回れ右した。 (泣いたまま寝ちゃったし、ひどい顔になってるかも) そう思い鏡を覗いてみると、案の定目は腫れて、頬には涙のあともついていた。 (まずは、顔を洗わなきゃね) ルイズは顔を洗ってから、本塔と火の塔の間にあるコルベールの研究室である小屋に来ていた。 「ミスタ、いらっしゃいますか?」 何度かドアをノックして、呼びかけてみたが中からの反応はなかった。 失礼します、と言ってドアを開けると、立ち上ってきた異臭にルイズは顔をしかめ、鼻をつまんだ。 鼻をつまみながらも、小屋の中に入ってコルベールがいるか確かめようとしたが、それも即座に頓挫した。 「もう限界! この臭いには耐えられないわ! それに何回も呼んだのに返事がなかったし、いないのよね」 ルイズの悠二の手がかりは早くも無くなってしまった。 (そういえば、昼食抜きにしたからお腹空いてるはずよね) 今度は、厨房に向けて歩き出した。 厨房に来てみると、昼食の後片付けと夕食の下ごしらえのためにコックやメイドたちが忙しなく働いていた。 貴族の存在に気づいたのか、黒髪でそばかすがあるメイドが近寄ってきた。 「何か御用でしょうか?」 「私の使い魔ここに来てない?」 それを聞いたメイドは昼食の時に食堂の前で会った少年を思い出した。 「ミス・ヴァリエールの使い魔の方なら、ミスタ・コルベールに会いに図書館に行きましたよ」 「そう。もし、私の使い魔が来たら、私に教えに来てちょうだい」 ルイズはそう言い残し、図書館に向けて歩き出した。 結論から言うと、図書館にはコルベールも悠二もいなかった。この時は学院長室でまだ話をしていたのだが、ルイズには知る由もない。 この時、図書館に司書がいなく、生徒が一人いるだけだった。 (あれは、確かタバサよね? キュルケの友達の) ルイズよりも小柄な青髪の少女に話しかけた。 「あの、私の使い魔かミスタ・コルベール見なかった?」 タバサは読んでいた本から顔を上げ、ルイズの顔を一瞥し短く告げた。 「知らない」 タバサはそれだけ言うと再び本に顔を向け直した。 ルイズは再び自室に戻ってきていた。戻ってくる途中、キュルケに話しかけられたが思考の海の中を漂っていたルイズはキュルケに気づかなかった。 (図書館に向かってから消息が不明ね。これは迷宮入りかもしれないわ) そう結論付け、ルイズはうんうん唸りながらベッドに腰掛けていた。しばらくすると、ドアがノックされた。 「開いてるわよ」 「失礼します。ミス・ヴァリエール、使い魔の方が厨房にいらっしゃいました」 メイドの言葉を聞き、 (あんの使い魔ったら、ご主人様に心配かけるなんて……) クククと黒い笑みを浮かべて厨房に向かうルイズに、黒髪のメイドことシエスタは言い知れぬ恐怖に震えた。 悠二、オスマン、コルベールの三人は厨房に来ていた。 オスマンとコルベールが来たにもかかわらず、厨房で働いている人たちは挨拶もそこそこに、すぐに仕事に戻ってしまう。 学院長室からここに来る間に、二人から、ハルケギニアの身分階級を聞いていた悠二はこの態度に首をかしげた。 (この態度から、二人とも厨房によく来てるみたいだし、貴族とか平民とかの身分もあまり気にしないみたいだな) そして、悠二は思い出していた。こっちに召喚されてから、ルイズには同じ椅子に座ることさえ許されなかった。 そして、周りの人たちもそれを当たり前のように見ていたことを。 それを鑑みると、学院長室に入り盗み聞きを咎められなかったこと(普通は身分階級にかかわらず、盗み聞きをしてはいけない)や、 同じ椅子に座ったことなどが特殊なケースであることを自覚した。 そこに、四十過ぎくらいの丸々とした体の男性がオスマンとコルベールに笑顔で話しかけてきた。 話によると、その男性はコック長のマルトーと言い、二人とは中々に仲が良いようだった。 「それで、お二人さんの横にいるその少年は誰だい?」 マルトーが二人との冗談の言い合いも終わると、二人の横にいた悠二に訝しげな視線と共に問いかけた。 「彼は、ユージ君と言っての、この間の使い魔召喚の儀式で呼び出された少年じゃよ。今では、私らの友人じゃ」 「ああ、お前が噂の使い魔か! 貴族にこき使われて大変だろうが、俺らは味方だからな!」 悠二の首に腕を回し、ガハハと豪快に笑った。 「シエスタ! 三人に何か食べるものを持ってきてくれ!」 喧騒に包まれた厨房の中で、二人は悠二の話に耳を傾けていた。オスマンからの助言で、悠二は東方から来た平民と言うことでマルトーに紹介され、マルトーが仕事に戻ってからは地球での生活を話すことになった。 やはり、異世界の話というのは興味深いのか、二人とも熱心に聞いていた。 コルベールに至っては、そのまま近づいて悠二に熱い接吻をしてしまうのではないか、と誤解してしまうくらいに前のめりになって話を聞いていた。 「身分階級がなく、誰でも教育が受けられるというのは素晴らしいことじゃのう」 悠二が、まずは、と思い学校の話をすると、二人とも感慨深いからなのか、うんうん唸りながら頷いていた。そこへ、マルトーに食事の用意を言われたシエスタがおいしそうな料理を運んできた。 「たいしたものは出せませんが」 そうは言っていたが、見ているだけで涎が出てしまうくらいの料理が目の前に並んだ。並べ終わった後に、シエスタは悠二の耳元に口を寄せ、 「さきほど、ミス・ヴァリエールがユージさんをお探しになってましたよ」 囁いた。では、ミス・ヴァリエールをお呼びしてきますね、とぺこりと礼をしてからシエスタは厨房からいなくなった。 疑問に思う。ルイズは、あまり悠二自身に興味ないはずなのに、なぜ探しているのだろうか、と。 (どうせ、使い魔は側にいないとダメなのよ、とか言われて怒られるんだろうな) その予想はあながち間違いではなかったが、実際は惨劇が繰り広げられると思うほどルイズが怒っているとは、その時は思っていなかった。 内心で大きくため息をつき、目の前にある料理を頬張った。 「これ、すごくおいしいですね!」 悠二は召喚されてから初めてまともなものを食べ、感動のあまり大きな声で言っていた。 「私はこれを食べたいがために、こうして厨房まで足を運んでしまうんじゃ」 「マルトーさんが作る料理は絶品なんですよね」 オスマンもコルベールも、そう言って食べ続け、悠二はつかの間の幸せを貪った。 (あんの生意気な使い魔にどんな罰を与えてあげようかしら) 勝手にいなくならないように首輪でもつけようかしら、一週間縄で縛っておくのもいいかもしれないわね、などぶつぶつと言いながらルイズは厨房にやって来た。 ちなみに、ルイズの後ろをついてきていたシエスタは、厨房に着くまでルイズから発せられ続けた毒の強い言葉に顔面蒼白になりつつあった。 悠二は厨房の入り口からの不穏な気配を感じ取り、振り向いてみると青筋を立てながら笑顔を浮かべているルイズがいた。 この時悠二は、笑顔は肉食獣が獲物を前にしたときに浮かべる表情だと聞いたことを思い出していた。 (ははは、冗談には聞こえないな……) これから自分の身に降りかかる不幸を思い、それから逃れられぬことも知り、自身の境遇を呪った。 「おお、ミス・ヴァリエール! いいところに来ましたな!」 そういった彼の輝く頭頂部に、悠二は希望の光を見た。 「ミスタ・コルベールにオールド・オスマン! どうして厨房なんかで私の使い魔と!?」 「そう! そのことでルイズに大事な話があるんだ!」 ルイズからの怒りを逸らすために、ここぞとばかりに大きな声を出した。 幸いにもルイズは混乱しているようで、既に悠二に対する鬱憤は霧散していた。 (え? なによ、急に大事な話って。まさか、私がひどいことをしたとか言い出すんじゃないでしょうね。 そんなわけないわね。ということは、わわ、私の、み、魅力に……) ポカンとした表情を浮かべたと思ったら、急に頬を赤く染めてもじもじし始めたルイズに、悠二は訝しげな視線を向けたが、 ルイズは、いきなりそんなことを言われても、だとか、貴族である私が平民なんかとは、とか小声で独り言を言い続けていた。 「と、とりあえず今日の夜にヴェストリの広場で待っておりますぞ」 そう言い残し、コルベールは、メイドたちにいやらしい視線を送っているオスマンを引っぱり、去っていった。 残された悠二は、厨房にいる人たちに感謝の辞を述べ、いまだにくねくねしているルイズを連れ部屋に戻った。 部屋に戻る頃にはルイズも冷静になっていたが、そうなると次第に悠二に対する怒りがふつふつと沸きあがってきた。 (だ、大事な話とか言ってご主人様を騙すなんて! やっぱり一回しつけなおさないとダメかしら) しかし、とりあえず主人である自分がいかに寛大であるかを教えてあげよう、と思ったらしく、部屋に入るなり怒鳴り散らす、などということはせずに、ルイズなりに優雅に椅子に腰掛け、 「それで、大事な話って何かしら?」 やはり上目線で問いかけた。 「学院長とコルベール先生にはもう話したんだけど、実は、……僕はこことは違う魔法がない世界から来たんだ」 悠二がそう言うと、ルイズはまるで汚いものを見るかのような目で悠二を見下した。 「で、それをどうやって証明するわけ? そうじゃなくちゃ信じられないわ」 オスマンとコルベールをも納得させた道具──財布──を、(仰々しく、とまではいかないが)悠二がポケットから取り出す姿には、 ──これを見たら絶対に信じる──という自信が滲み出ていた。実際に悠二の自信はその通りで、ルイズも一応は信じたようだった。 「あんたが異世界から来たってのはわかったわ。で、それが大事な話ってわけ?」 「いや、ここからが本題なんだけど、簡単に言うと、僕は普通の人間じゃない。それで、元の世界を守るために戻らないといけない」 悠二は言ってしまった後に後悔した。 (うわ、この言い方だと自分を正義の味方だと思ってる頭の痛いやつみたいだな) 自分の今の発言を思い出し、あまりの酷さに笑いそうになったが、ここで笑ってしまうと場違いだし、ルイズに信じてもらえないだろうと思い必死に我慢した。 ルイズはそんな悠二を、養豚場のブタでもみるかのように冷たい目で見ていた。 「あんたの大事な話ってそれ? 冗談を言うならもっと面白い冗談を言ってよね」 「冗談に聞こえたかもしれないけど、本当なんだ。それを今日の夜に証明するから」 ルイズはまだ悠二を軽蔑の視線で見下していた。その視線を感じながらも、 (ルイズに“この世の本当のこと”は教えたくないしな) 聞いたとき受けるであろう衝撃を考慮し、何も言わなかった。 その後、夕食を食べ(悠二は当然のように床で固いパンとスープのみ)、ほとんどの生徒の部屋から明かりが消えた頃、ルイズと悠二はヴェストリの広場にいた。 「ちょっと! 私、明日も授業あるんだから早くしてよね!」 「静かにして。他の人たちに気づかれたら困るから」 ルイズはつむじを曲げながらも、とりあえず静かになった。 魔法学院近くの森の中。 (こんな夜に、誰……?) 彼女は女性の甲高い声が聞こえ、目を覚ました。 数分後、オスマンとコルベールが暗闇に包まれたヴェストリの広場に現れた。 「待たせてしまったかの?」 「いえ、じゃあ始めますね」 悠二がそう言うと、オスマンは周囲にサイレントの魔法をかけ、コルベールは悠二にディテクトマジックをかける。 「これで音が外に漏れることはないから安心じゃ」 「探知魔法でも、やはり普通の人間のようですな」 こうして準備が整い、悠二が自在法の基礎でもある炎弾を見せる運びになった。 悠二は目を瞑り右手を胸の前に出す。 (僕の体を形作っている“存在の力”を統御する) 一度実戦で使用したことにより、明確に『戦うための力』として認識できるようになった、 (そして、炎のイメージで──) 己の力を、具現化する。銀色の炎が悠二の手のひらの上に浮かぶ。その大きさは、ちょうど手に収まるほど。 悠二は具現化と同時に目を開け、他の三人の様子を伺う。三人とも驚愕の表情を浮かべている。 「先住魔法のようだが、それとも違うようじゃな。色も普通の炎とは違うしの」 「ええ、先住魔法も詠唱無しでは使えませんからね」 オスマンとコルベールは悠二の手のひらの上に出ている炎について検証しているが、 ルイズは鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしたまま、硬直してしまっていた。 闇の中に銀の炎が浮かんだ。 (──あれは、──?) 手のひらに炎を浮かべる少年を、彼女は目撃した。 手のひらにあった炎は、悠二の元を放れ、あらかじめ用意していた的──数本の木の枝──に向かう。 手のひらの炎は残滓も残さず飛んでいき、的を吹き飛ばした。 (よし。今までより確実にコントロール出来てる!) 力の繰り方にも満足し、三人へ振り返る。 「とまあ、こんな感じです。まだ基礎しか出来ませんが、他にも色々パターンはありますよ」 説明をちゃんとした二人は納得したようだったが、ちゃんとした説明をしてない一人──ルイズ──は腑に落ちないという顔をしていた。 「おぬしの判断次第じゃが、あまり公にはしないほうがいいのう」 その言葉に悠二は頷き、四人は各々帰った。 部屋に戻るとルイズが一気にまくし立ててきた。 「あんた、なんで先住魔法のようなもの使えるのに言わなかったのよ! それで、なんか他にできることはないの?」 ルイズにとっては、使い魔がなぜ力を使えるかではなく、使い魔として何が出来るか、自分の使い魔が有能なのかのほうが重要なようで、自在法についての質問は一切なかった。 「あとは、剣が使えるんだけど、今は持ってないから……」 実際には『吸血鬼』を栞にして持っていたが、あまり自分の手の内を見せたくない、それとハルケギニアでの武器が見たかったという理由で言わなかった。 (魔法がかかってる武器があるかもしれないし) すると、ルイズはわずかに考え込み、 「次の虚無の曜日に剣を買いに行くわよ」 宣言した。 深い闇の中。 彼女は先ほど目にした現象を思い出す。 ──銀の炎に映し出された黒髪の少年の姿を。 前ページ次ページ残り滓の使い魔