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すっかり日も暮れ、夜行性の動物たちが活動を始める時間となった幻想郷の森。その中 から、今日もゆっくり達の悲鳴が聞こえてくる。 「……うー! うー!」 「や゛め゛て゛え゛え゛え! ゆ゛っぐりざぜでえ゛え゛え゛え!」 四匹のゆっくり達が、まだ体の生えていないゆっくりれみりゃから逃れようと、必死の 形相で飛び跳ねているのだった。目を覚ましたばかりで空腹のれみりゃは、獲物をいたぶ るような真似はしない。懸命にぴょんぴょん逃げる二匹ずつのゆっくりれいむとゆっくり まりさにあっという間に追いつくと、一気に急降下して最後尾にいたれいむの後頭部にが ぶりと噛み付いた。 「ゆっ、ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ! やめでやめではな゛じでえ゛っ、ゆ゛っぐ りざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 両目を剥き、涎を飛ばしながら絶叫するゆっくりれいむ。それを聞いた他の三匹は、愚 かにも、もしくは立派なことに、足を止めて後ろを振り返る。三匹の目に映ったのは、満 面の笑みを浮かべながら獲物に牙を突き立てるゆっくりれみりゃと、牙が皮を貫く痛みに 震えるゆっくりれいむの姿だった。 「は、はなしてね!」 「ゆっくりやめてってね!」 「ゆっくりできないよ、ゆっくりさせてね!」 三匹が抗議の声を上げる。本当ならばすぐにでも助けてやりたいが、全員でかかっていっ たところで、単に全滅が早まるだけ。だがそれでも、これまでずっと一緒にゆっくりし てきた仲間は見捨てられない。三匹にできるのは、こうして叫び続けることだけだった。 そんな三匹の苦悩などどこ吹く風、ゆっくりれみりゃは自らの空腹を満たすため、ゆっ くりれいむに噛り付く牙に力をこめた。 「いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! あああ゛あ゛あ゛ あ゛っ゛!!!」 れいむの皮に突き立った牙が餡子に到達し、その中に潜り込んで容赦なく進んでいく。 れいむの絶叫が夜の森に響く中、れみりゃはそんなものお構い無しに食事を続ける。 「ゆああ゛あ゛っゆっがっあっあっあっあっああ゛あ゛っ゛っ゛っ゛!!!!」 ついに、れいむの体はれみりゃによって噛み千切られた。れみりゃの牙が餡子の中心に 達したとき、れいむの体は飛び跳ねんばかりに大きく痙攣した。その光景に、残された三 匹の声も止まる。六つの眼に映るのは、体の四分の一以上を噛み千切られ痙攣を続ける仲 間の姿と、その四分の一を口一杯にほおばり幸せそうに咀嚼している捕食者だった。 「……ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 体の一部を欠き、白目を剥いて、涙と涎でぐちゃぐちゃになったれいむの口から、体の 痙攣にあわせてそんな泣き声ともつかぬ音が断続的に漏れていた。一方、れみりゃは満足 そうな顔で口の中のものを飲み込むと、残った餌を食べようと再びその口を開き、れいむ へと噛み付いた。れいむの顔の内、口より上の部分がすっぽりと、れみりゃの口の中に納 まった。 「ゆうっあっ、がっ゛っ!!!」 ろくな叫び声を挙げる暇もなく顔を噛み切られると、残ったれいむの体からは力が失わ れ、そのまま動かなくなった。仲間の身に降りかかった惨事に言葉を失っていた三匹のゆ っくりも、その死を目の当たりにして再び声を上げ始めた。ただし、今上げるのは抗議の 声ではなく、仲間の無残な死を嘆く声だ。 「れいむう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ!」 「どおじでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ!!」 「もっどゆっぐりじだがっだよお゛お゛お゛お゛お゛!!」 三匹の悲痛な叫びが周囲を満たす。しかし、三匹とずっと一緒にゆっくりしてきた仲間 は、その叫びを聞いても、もう何も言ってはくれなかった。それが悲しくて、叫びは更に 高まる。 「……うー!」 場違いに楽しそうな声が上がり、唐突に叫び声が止まる。あまりの出来事に忘れていた。 今自分達は、危険な捕食者の前にいることを。気付かなかった。哀れなれいむを食い散ら かしたれみりゃが、次の獲物に狙いを定めていることに。思い付かなかった。逃げ出すこ となど。 「いっ、いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!! ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛ え゛!!!」 ついさっきまで仲間だったものに背を向け、三匹は全力で駆け出した。死にたくない。 もっとゆっくりしていたい。仲間の死に様が更なる恐怖を駆り立て、三匹を追い立てる。 「ゆっ!」 二匹いるゆっくりまりさの内の片方が、木の根に引っかかった。あっと思う間もなく、 そのまま顔から地面に転がる。真っ白になったまりさの頭の中に絶望が襲い掛かるよりも 早く、れみりゃの牙が二匹目の獲物を捉えた。 「……ゆううううう゛う゛う゛う゛っ゛!!!」 まりさの絶叫に、残りの二匹が思わず振り返る。しかし、先程と違って何やらまごつい ている様子だ。このまま逃げる足を止めてしまえば、また同じことの繰り返しになるとい うのが、ゆっくりの頭でも分かっているのだろう。だが、 「だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ……」 助けを求める仲間の声が、二匹を逃がしてはくれなかった。恐怖と友情の板ばさみの中、 喰われ行くまりさを見つめながら、二匹はみんなでゆっくりできた頃のことを思い出して いた。四匹でずっと一緒にゆっくりしてきた。ずっと一緒にゆっくりしていけるのだと思っ ていた。悔しかった。無力な自分たちが惨めでたまらなかった。もう声も出ない。代わり に涙があふれて止まらなかった。 二匹目の餌が動かなくなると、れみりゃは更なる獲物を求めて飛び上がった。そのまま、 何かを諦めてしまって動かなくなった二匹のゆっくりへと飛び掛る。二匹はそれを避けよ うとはしなかった。 「うー! うーぐえっ!?」 と、突然妙な声が上がった。思わず二匹が顔を上げると、そこにはれみりゃではなく、 もっともっと大きな影があった。突然の乱入者に涙も止まる。 そこにいたのは人間だった。片足を、今まさに何かを蹴り上げたかのように上げたまま の、一人の人間だった。二匹がそれを呆然と見上げていると、 「……う゛あ゛あ゛あ゛っ!! いだぁいよお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 ちょうど上がったままの人間の脚が向いている方から、こんな泣き声が聞こえてきた。 見れば、れみりゃが地面に転がって泣き叫んでいる。呆然とする二匹には目もくれず、人 間は上がったままだった足を下ろすと、れみりゃへと歩み寄っていった。 「う゛っ? うー! だべぢゃうぞー!!」 目の前にまで近づいた人間に対し、泣きながらも威嚇をするれみりゃ。しかし人間はそ れを完全に無視してれみりゃの前にしゃがみこむと、無言でその脳天に手刀を叩き込んだ。 手刀と地面にはさまれたれみりゃは短い悲鳴を上げると、そのまま気絶した。 動かなくなったれみりゃの羽をつまみあげ、人間は残された二匹のゆっくりの方へと振 り向き、初めて口を開いた。 「……大丈夫か?」 れいむとまりさは床の上で身を寄せ合っていた。二匹とも疲れ切った表情で部屋の隅っ こにうずくまったまま、床の一点を見つめたまま動かない。魂が抜けてしまったかのよう だ。憔悴しきっていたが、先程のショックのせいで眠ることなどできないようだった。 がらり、と戸の開く音がして、二匹は緩慢に顔を上げる。そこにいたのは先程の人間だっ た。その人間が、二匹を食い殺そうとしていたれみりゃを叩きのめし、家に連れ帰ってく れたのだ。 彼は二匹の前にやって来ると、手に持っていた皿を床に置いた。そこにあったのは二つ のおにぎり。 「……ほれ、食え」 ぶっきらぼうにそう言い放ち、皿を差し出した。二匹は人間の顔を見、差し出されたお にぎりを見て、のそりのそりと動き出し、皿の上に乗っかっておにぎりに噛り付いた。 それは具も入っていなければ海苔もまかれていないただの塩おにぎりだったが、人の食 事を初めて口にした二匹にとっては、格別のご馳走だった。最初はぼそぼそと覇気の感じ られない食べ方だったが、一口、また一口とかじりつく度に、二匹に活力が戻ってくるよ うだった。二匹は飲み込むごとに元気を取り戻していった。疲れ切った頭が回り始め、一 度は折れた心も徐々に立ち直っていく。 だからこそ不意に、 ―――いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! ―――だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ…… 仲間の断末魔が脳裏をよぎってしまう。 半分ほど食べ終えたあたりで、二匹は唐突におにぎりに噛り付くのを止めた。人心地つ いたせいで、かえって先程の悲劇を思い出してしまうのだった。 二匹は皿の上で震え始め、こらえ切れないというようにぼろぼろと涙をこぼす。四匹は 兄弟ではなかったが、生まれてすぐの頃からずっと一緒にゆっくり過ごしてきた親友だっ た。……だった。過去形の話だ。その内の二匹は、すでに物言わぬ饅頭になってしまった。 れみりゃの牙に噛み千切られ、無残に変わり果てた親友の姿が頭から離れない。死ぬ間際 の叫びが耳に残ったままだ。 「……ゆっ、ゆっ……」 「れいむぅ……まりざあぁぁ……」 いつも通りの元気があれば泣き叫ぶこともできたろうが、今の二匹には親友の死を嘆く ように泣くのが精一杯だった。 そんな二匹の様子を見た人間は、ふらりと立ち上がると部屋を出て行った。程無くして 戻ってきた人間は、箱を一つ抱えていた。そのまま食べかけのおにぎりの前で泣き続ける 二匹の前に、その箱を置く。二匹の注意を引くように、わざと大きな音を立てて。二匹は 突然の音にびくりと震え、顔を上げる。涙でにじんだ視界に映るのは、透明な箱に収まっ たれみりゃだった。 『……ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っっ!!!』 ガチャガチャン! と、思わず後ずさりした二匹は皿から転げ落ちた。後頭部を床にぶ つけながらも、必死の形相で再び部屋の隅へと逃げていく。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! たべないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「だずげでえ゛え゛え゛! だれかだずけでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛! おがあざああ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んん!」 親友の死に様で頭が一杯になっていた二匹は、一気に混乱の極みに追い込まれた。今ま でさめざめと泣いていたのが嘘のように泣き叫ぶ。死にたくない。食べられてしまった二 匹のようになりたくない。その思いに囚われた二匹は、目の前に自分たちを助けてくれた 人間がいることも忘れて泣き叫んでいた。しかしながら、いつまで経っても二匹が襲われ ることはない。 「……いやあ゛あ゛あ゛あ゛、ああ、あ?」 そのことに先に気付いたのは、れいむの方だった。襲われないどころか、よく見ればそ もそもれみりゃは動きさえしていなかったし、更によく見れば、どうやら箱の中に閉じ込 められているようだった。 「ゆっ。まりさ、まりさっ」 「……だずげでえ……おがあざぁん……」 「まりさっ!」 親友の喝に、まりさも顔を上げる。そして一足遅れて、現状が認識できたようだった。 二匹はしゃくりあげながら、隅から離れてれみりゃの収まった透明な箱を見つめた。れみ りゃはピクリとも動かない。人間に喰らった手刀によって気絶したままのようだった。 そんなれみりゃを見つめたまま動かない二匹に向けて、人間が口を開いた。 「……お前ら……」 二匹が顔を上げる。人間は二匹の目を交互に見、言った。 「仇を討ちたくないか?」 思いがけない言葉が飛び出てきた。仇を討つ。食べられてしまった親友の仇を、自分た ちが。あのれみりゃに対して、自分たちが。 ……無理だ。 「俺がお前たちを勝たせてやろう」 うなだれる二匹に、人間はそう言い放った。 「やる気があるなら、まず飯を食え」 れみりゃが目を覚ましたとき、目の前には二匹のゆっくりがいた。赤いリボンのゆっく りと黒い帽子のゆっくりが、互いに少し距離を置いて、床の上にいた。それがさっき追い かけていたゆっくりだと気付いた途端、なぜか頭に残っていた鈍痛のことなど綺麗さっぱ り忘れ去り、背中の羽を広げて勢いよく 「うー! たべちゃう゛っ゛!?」 飛び立てなかった。何もないはずの場所で壁にぶつかったれみりゃが感じたのは、痛み よりも混乱であった。そもそも満足に羽根を広げることもできていない。れみりゃはうー うー唸りながら暴れ回る。しかしどれだけ力をこめても事態は好転せず、自分が陥った窮 屈さを実感させられるだけであった。 じたばたもがくれみりゃだったが、突然視界がぐるりと回転した。そのまま床の上に落 ち、転がっていく。これは人間の手によって透明な箱から落とされたから、なのだが、ゆっ くりの中でも一等出来の悪いれみりゃの肉饅脳に分かるはずもない。れみりゃが理解でき たのは、羽を存分に伸ばせるようになったことと、これで目の前のゆっくりを食べられる ということだけだった。 「うー! うー! たぁべちゃぁうぞぉー!!」 自由な身となって宙へと舞い上がったれみりゃは、それはそれは楽しそうに言った。既 に食事は済ませている。今、目の前にいるゆっくりたちは、存分になぶり、いたぶって遊 んでからおやつにしてやろう。 「うー! うー! うー……、う?」 馬鹿の一つ覚えで唸っていた肉饅脳が新たな異変に気付いた。目の前のゆっくりたちが、 自分の威嚇に全く動じていないのだ。普通なら自分の姿を見かけただけで大混乱に陥って 逃げ惑うというのに。これに不満を覚えたれみりゃは、いつもより大きな声で威嚇を始め た。これを怖がらないゆっくりなどいない、と本人は自信満々の威嚇であったが、ゆっく りたちがおびえる様子は微塵もない。それどころかゆっくりにはありえないくらいに険し い面持ちで、こちらを睨み付けているではないか。 「……ううううううっ!!!」 空中から一気に飛び掛る。れみりゃにはゆっくりたちの態度が我慢ならなかった。もう いい、どうせ自分に襲われたら無様に泣き叫んで助けを請うのだから。苛立ちに任せて、 れみりゃは赤いリボンのゆっくりへと襲い掛かった。それでもゆっくりは動かない。逃げ 出すこともせず、自分を更に睨み付けてくる。それがれみりゃの苛立ちを助長した。 繰り返すが、れみりゃの頭は、様々な種類がいるゆっくりたちの中でも一等出来が悪い。 普通の人間であれば、否、普通のゆっくりであってもすぐに気付いたであろう二匹の異 変にも、だから最後まで気付かなかったのだろう。 「うあ゛っ!?」 赤いリボンのゆっくりに気を取られて、もう一匹の存在を忘れていたれみりゃの横っ面 に、そのもう一匹が体当たりをした。黒い帽子のゆっくりはそのまま綺麗に着地し、不意 打ちを喰らったれみりゃは衝撃で床を転がっていく。 自然の世界ではありえない反撃。しかしれみりゃは力ある捕食者であり、相手は所詮、 やわらかい饅頭のゆっくり。森の中を勢いよく飛んでいて木にぶつかったときの方がはる かに痛い。 「……うっ、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!!! いだい゛っ゛、いだあ゛あ゛ あ゛あ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っっっ!!!」 はずだった。本来ならば。 「ぢ、ぢぐっでじだ! ぢぐっでしたあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛!!」 れみりゃが泣き叫んでいるのは、黒い帽子のゆっくりに体当たりされたときの衝撃が思 いのほか大きかったから、ではない。 自分の皮に何かが突き刺さる痛みを、それも一箇所ではなく何箇所にも、味わったから だった。 ――ちくっとした。鋭く尖った小枝ににぶつかってしまったかのような痛みが、体当た りされた頬のあちこちを襲ったのである。予想外の痛みにれみりゃはごろごろと床の上を 転げまわった。 そこへ容赦なく追撃が入る。赤いリボンのゆっくりが、痛みにのた打ち回るれみりゃに またも体当たりを敢行した。 「うぶえ゛っ!?」 痛い痛いと泣き叫ぶことさえ忘れ、不細工な悲鳴を上げるれみりゃ。転げまわることを 中断させられたれみりゃは、改めて、自分のおもちゃになるはずだったゆっくりたちを見 る。そして、出来の悪い肉饅脳がようやっと、ゆっくりたちの体の異変に気が付いた。 とげが、生えている。ゆっくりたちの全身に、鋭いとげが何本も。それが体当たりの際 にれみりゃの皮を突き刺していたのだと、肉饅脳がゆっくり理解する。この痛みの原因は あのとげなのだ。 とげの生えたゆっくりなど、れみりゃは見たことがなかった。あれは食べられるのだろ うか。そもそもあれはいつもと同じゆっくりなのか。足りない頭の中をそんな考えがぐる ぐると巡る。しかし、悠長に考えている暇はなかった。ゆっくりたちが再びこちらに体当 たりしようと向かってきたのだ。れみりゃの肉汁に濡れて怪しく輝くとげが、どんどん近 づいてくる。 「う、う゛う゛う゛――――――っ!!!」 すんでのところで、れみりゃは宙へと飛び上がって体当たりを避けることができた。そ うだ、自分には羽がある。とりあえず飛んでいれば、体当たりをされることもないではな いか。それが分かると、さっきまで泣き喚いていたれみりゃも一転、どこか自慢げに部屋 の中を飛び回り始めた。その顔は、自分は決して捕まることはないのだという自信にあふ れていた。 人間の大きな手がれみりゃの体をむんずとつかみ、ゆっくりたちが待ち構える方へと軽 く放り投げた。赤いリボンのゆっくりがタイミングを合わせて、自分の方へと飛んでくる れみりゃに体当たりをかます。とげに貫かれ衝撃に跳ね飛ばされて、れみりゃは再び床の 上に転がった。思い切りぶつかったために、赤いリボンのゆっくりも少々ふらついている。 「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!! めえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!! れ゛み゛ り゛ゃ゛の゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 とげの一本が運悪く、れみりゃの右目に突き刺さったのだった。片目を潰されたれみりゃ は激痛にのた打ち回る。そこに黒い帽子のゆっくりが飛び掛った。体当たりを仕掛けるの ではない。狙いはれみりゃの背中。転げまわるれみりゃに上手く飛び付くと、その片羽に 思い切り噛み付いたのだ。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! はなぜ、はなぁぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 全身全霊を込めて振り払おうとするが、黒い帽子のゆっくりは喰らい付いて離れない。 むしろ暴れ回るせいで、羽に噛み付く歯がより深く食い込んでいく。そして、あっけなく 羽は噛み千切られた。 「い゛だぁい゛い゛い゛い゛い゛い゛!! はねっ、れ゛み゛り゛ゃのはね゛え゛え゛え゛ え゛え゛え゛!!!! がえ゛ぜっがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!! う゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 バランスの悪くなった体で泣き叫びながら、れみりゃは自分の羽を取り戻そうと黒い帽 子のゆっくりへと向かっていった。そこへダメージから回復した赤いリボンのゆっくりが 襲い掛かり、残った羽に喰らい付いて全身の力を使って引き千切る。両翼を失ったれみりゃ は、ただの肉饅となって床に転がった。 肉饅が二匹の腹の中に納まるまでに、そう時間は掛からなかった。二匹は満腹感の中で、 勝利の余韻に浸っていた。憎き親友の仇を、自分たちが取った。しかもあのれみりゃを相 手取って。その事実に、二匹はかつてないほどのゆっくり感で満たされていた。 ――そうだ、おにーさんにおれいをいわないと。 ゆっくりにしては割と賢い二匹は、自分たちを助けてくれた人間の方へと向き直った。 人間はちょうど、二匹が食べ残した肉饅の羽を拾い集めているところだった。 『――おにーさん!!!』 自分を呼ぶ声に、人間は二匹の方を振り向いた。 「おにーさん、ありがとう! おかげでふたりのかたきがうてたよ!!」 「もうこれでれみりゃなんかこわくないよ! ありがとう、おにーさん!!」 興奮気味に礼を言う二匹。まあ、人間の手助けがあったとは言え、捕食種を自力で倒す ことができたのを考えれば当然かもしれないが。 二匹の体に突如生えたとげ。それは、画鋲であった。人間はれみりゃへの対抗手段とし て、接着剤で二匹の体に画鋲を貼り付けていったのだ。こうすれば食べられることはない し、その上反撃することだってできる。二匹は人間にそう言われて、全身武装化に踏み切っ たのだった。 そんな二匹を見た人間は、ふらっと部屋から出て行った。どうしたのだろうと思ってい ると、程無く、瓢箪を手に人間が戻ってきた。そのまま二匹の前に座り込んで胡坐をかく。 そして、黙って両手を二匹の前に差し出した。 『……ゆっ?』 差し出された両手は、手のひらを上に向けていた。理解できない様子の二匹に対し、人 間は両の手のひらを招くように動かす。乗れ、ということなのだろうか。 事情はよくわからないが、とにかく二匹は人間の手のひらに乗ることにした。体の画鋲 を手に突き刺してしまわないように慎重に飛び乗る。右手にまりさ、左手にれいむ。人間 は手のひらの上の二匹を自分の肩ぐらいの高さまで持ち上げると、二匹に向かって笑いか けた。これまで無表情だった人間の笑顔を見て、思わず二匹も笑い返す。手の上の二匹は 互いに目配せをすると、タイミングを合わせて 『ゆっくりしていってね!!!!!』 元気一杯、お決まりの挨拶をした。それを見た人間は笑顔をより濃くする。そして、両 手の指で二匹をしっかりとつかんだ。無論、画鋲が刺さらないように気をつけて。 「ゆ、ゆ、ゆっ? おにーさん?」 「ゆゆっ、おにーさん、どうしたの?」 人間は笑顔のまま、ゆっくりと、二匹が乗った両手を揺さぶり始めた。 「おにーさん、やめてね!」 「ゆっくりゆらさないでね!」 突然の揺さぶりにゆっくりと抗議の声を上げるが、人間はそれを完全に無視して、更に 強く揺らし始める。がくがく揺れる視界に翻弄されながらも二匹は抗議を続けるが、一向 に止まる様子はない。 「ゆっ……ゆうう……」 「ゆっ、ゆっ、ゆー……」 揺さぶられる二匹の目が、次第にとろん、とし始める。それを見た人間はさらに揺さぶ りを強めていく。体の奥底から湧き上がる衝動に、二匹は抗うことが出来なかった。 しばらくして、人間は二匹を床の上に置いた。呼吸の荒い二匹。完全に発情しきってい た。二匹は同時に相手の方を向いた。 「ま、まりさぁ! まりざあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!」 「れっ、れいむう゛う゛う゛うううぅぅぅ!!」 駆け寄る二匹。早く、早く触れ合いたい。一つになりたい。その一身で、最愛の親友の 元へと飛び跳ねていく。 そして、 『い゛っっっっっっっっ!!!!!!』 互いの体に画鋲が深々と突き刺さった。 反射的に距離を取る二匹。突然の痛みに混乱したまま、改めて、相手の体を見る。理解 するのは、どこかの肉饅よりずっと早かった。 『……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛っ゛っ!!!!!!』 絶望の声が上がる。二匹は距離をとってぶるぶる震えたまま、悲痛な叫びを上げていた。 早く肌をこすり合わせたい。でもできない。体のとげが刺さってしまう。 『お゛に゛い゛ざん゛っ!!!』 二匹の様子を見守りながら瓢箪の酒を傾けていた人間に向かって、二匹は助けを求めた。 「とっで、おにいざんこのとげとげとっでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 「おねがい゛い゛い゛い゛! すっきりできないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 必死の形相で訴えかける二匹。それを見て、人間は酒を一口。 「おにーざぁん、ゆっぐりしないでえ゛え゛え゛え゛!!」 「はやぐこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!!」 「……いいのか? それがないと、また襲われるぞ」 人間の言葉に、二匹はびくりと体を震わせる。確かに、このとげを取ってしまったら、 またれみりゃに襲われたときに反撃できなくなる。だが、 「まっ、またつけなおせばいいよお゛お゛!」 「またあとでつければいいから、だからこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!」 「……無理、だな」 『!!』 「簡単には剥がれん。無理に引っ張れば皮ごと剥がれて死ぬぞ」 『!!!!』 人間の言葉は、二匹を絶望のどん底に突き落とすには十分なものだった。二匹は人間を 見て、お互いを見て、がくがくと震えだした。両目からは涙があふれて止まらない。やが て体の震えが最高潮に達し、二匹に我慢の限界が訪れた。 「……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! ま゛り゛ざっ!! ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」 「れ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! れ゛ぇい゛ぃむ゛ぅう゛う゛う゛う゛ う゛う゛う゛う゛!!!!」 『い゛だあ゛っっっっっっ!!!!!!』 「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! ずっぎり、ずっぎりじだいよ゛お゛お゛お゛お゛!! れ゛ い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! あ゛づっっっっ!!!!!!」 「ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ずっぎりできないよ゛お゛お゛お゛ お゛お゛お゛お゛!!!! う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ !!!! あぁぁい゛だい゛い゛い゛い゛!!!!!!」 二匹はお互いの肌をこすり合わせようとするが、近寄るたびに全身の画鋲が体に刺さり、 思わず飛びのいてしまう。それでも何とか画鋲が刺さらないように触れ合える場所を探そ うとするのだが、どれだけ身をよじってもそんなものは見つけられなかった。二匹は号泣 しながら、近寄っては離れるを繰り返している。 人間はそんな二匹の様子を、肉饅の羽を酒の肴に、楽しそうな笑顔で眺め続けていた。 このSSに感想を付ける
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「あら…遅いお目覚めだこと」 舞園を見る時とは違い、愛しさのうちにも苛立ちを含んだ目で、セレスは朝日奈を見る。 言うことを聞かないペットをたしなめるような目つき。 「あ…私…」 ややあって、朝日奈は自分の現状を思い出し、そして舞園と目を合わせ、途端に顔を真っ青にした。 「あなたがなかなか起きないから、仕方なく私が舞園さんの相手をしていたのですよ」 セレスは舞園から手を離し、ベッドを下り、朝日奈の方へと歩み寄る。 朝日奈は上体を起こそうとして、 「んっ…」 どうやら下半身に力が入らないようで、腕で状態を支えたまま、床で突っ伏した。 今更という感じだが、片手で自分の胸を隠し、もう片手で自分の体を支え…ようとして、力が入らずに四苦八苦。 見かねたセレスが、朝日奈の腕をつかみ、その場で立たせた。 ――助かった… 咄嗟に、舞園は思った。 偶然とはいえ、朝日奈が目覚めてくれたことで、セレスの興味が自分から外れた。 そう、愚かにも、舞園は安心してしまった。 その一瞬の気の緩みが、 「ほら…ここからはあなたが舞園さんを責める番ですわ」 より深い反動となって、彼女を絶望へ突き落すことになる。 「「え…」」 朝日奈は胸の前で手を組み、青い顔のまま舞園を見る。 「む、無理だよ…私、出来ないよ」 セレスは目を細くして、朝日奈をベッドに突き飛ばした。 「あぅっ!?」 「ペットが飼い主に逆らうな、と言いましたわよね。あなたはただ、ワンワン吠えて、私が言うとおりにすればいいのです」 「そ、そんな…だって…」 「…まだ、イき足りないようですわね」 ビクッ、と、朝日奈が震える。 すでに心が折られている。舞園は把握した。朝日奈はもう、セレスには逆らえない。 「わ、わんっ…」 「…分かればいいのですわ。そうそう、くれぐれも舞園さんは丁重に扱うこと。あなたと違って繊細なのですから」 「…わん」 セレスは満足そうにうなずくと、例の道具群に手を伸ばした。 「さて、次はどれを…」 舞園は唾を呑みこんだ。 高鳴る鼓動に耳を閉ざし、絶対期待なんかしていないと、自分に言い聞かせながら。 セレスが道具を漁る間、朝日奈は居心地悪そうに、ベッドの上でもぞもぞとしていた。 時折舞園に視線を向けては、目が合うと気まずそうにそらす。 「?」 「…」 おそらく、何かを言いたいのだろうが、セレスの手前で喋ってしまえば、また絶頂させられるのだろう。 それでも朝日奈が、意を決して口を開こうとしたその瞬間に、 「はい、朝日奈さん」 セレスが振り向いて、途端に彼女は口をつぐんでしまった。 手渡されたのは、大きな注射器の尖端に、ゴムのチューブがついたようなもの。 「ふぇ…?」 「使い方は、以前教えたとおりですわ」 「…っ、…わん」 異議を唱えようとして、やはり朝日奈は口をつぐんだ。 「あ、あの…」 代わりに尋ねたのは、舞園。 「それ…浣腸器ですよね…何に使うんですか…?」 尋ねた声はか細く、細い方は頼りなく震え、目には怯えの色が浮かんでいる。 何に使うか、そんなの尋ねる必要はなかった。認めたくないだけなのだ。 「ねえ…『お尻で感じちゃうアイドル』なんて…そそるフレーズじゃありませんか?」 セレスがにこやかにそう言った途端に、どこかに潜んでいた恐怖心が、どっと噴き出してきた。 「やっ、やだっ!嫌ぁっ!」 拘束されていたことも忘れ、パニック状態で舞園が暴れ出す。 「大丈夫、ちゃんと気持ちよくして差し上げますから、安心してくださいな。 私じゃ舞園さんをバスルームまで運べませんから、朝日奈さんが起きるのを待っていたのですけど。 『アイドルはう○ちをしない』って都市伝説…ねえ、舞園さん…本当なのでしょうか?」 セレスは笑っている。笑っているということはつまり、本気ということだ。 舞園は真に恐怖した。背骨が震えていると錯覚するほど。 少しでも期待してしまった自分が、本当に恨めしい。 「嫌ぁあっ!たっ、助け…ふぁああっ!!」 再びセレスがローターの電源を入れ、舞園の助けを求める声もかき消されてしまう。 「んっ…しょ」 朝日奈に軽々と抱えあげられ、宙に浮いた状態で、太ももを掴まれている。 放尿を強制されているような、不安定な体勢が羞恥心を煽る。 背中に柔らかな朝日奈の乳房を感じて、舞園は更に顔を赤くした。 「ひぁっ…」 相変わらずローターで敏感な乳房を刺激され、地に足が付かない不安定さも相まって、 「あっ、あ、あぁああぁっ…」 再び舞園は、簡単に絶頂を迎える。 「あっ…やっ!あぁあぁ…」 辺りに潮を撒き散らし、大きく背をそらせた。 「ま、舞園…ちゃん?」 朝日奈が抱えたまま、心配そうに尋ねる。 「あら…期待しすぎて、先にイっちゃいました?」 セレスがからかうように、ニヤニヤと舞園の顔を覗き込む。羞恥に耐えきれず、舞園は目を潤ませてセレスを睨んだ。 「そんな可愛らしい顔で睨まれても、怖くありませんわよ」 本当に子供をあやす姉のような仕種で、セレスが舞園の頭を撫でる。 悔しさと羞恥心に身を委ね、舞園は唇を噛んだ。 バスルームの中には簡易便器が用意され、舞園はその便座の上に下ろされた。 セレスは汚れ役は嫌なのか、「終わったら呼んでください」と言って、ベッドに戻ってしまった。 朝日奈はローターの電源を切ると、居心地悪そうに扉に背を向けてしまった。 浣腸器を握り締めたまま、不安そうに視線を泳がせている。 やはり彼女としても、浣腸などしたくはないのだろう、なんて考えていると、 「…怒って、るよね」 おもむろに朝日奈が口を開いた。 「へ?」 何のことかわからずに、聞き返してしまう。 その舞園の問い返しを、何と勘違いしたのか、可哀そうなほどに肩を震わせた。 怯えたように後ろを向き、話しながらいそいそと浣腸器の準備を進めていく。 「ゴメンなさい…でも…」 「あっ…ちょっと…!」 何のことかを尋ねる前に、朝日奈が舞園に覆いかぶさった。 「やらなきゃ、私がやられるんだ…だから!」 「いっ、あ゛…!」 注射器にとりつけられた細い管が、肛門を押し分けて入ってくる。 舞園は、声にならない声をあげた。感じたことのない苦しさや嫌悪感が、背筋を駆け上がった。 鋭い痛みと、異物感。 「いくよ…!」 「いやっ、嫌ですっ…!朝日奈さん、待って、ダメっ!!」 問答無用に、注射器の取っ手が押し込まれた。 「うぁ…!は、入ってくる……やっ…あ、ぅあ、っく…いやぁああぁあっ…」 「うっ…ぐ…!」 余りの異物感に、吐き気さえ催す。 内臓が痙攣しているような錯覚さえ覚える。 「いやっ…ひやぁああ…気持ち、悪いぃ…」 舞園はその苦痛から逃れるように体を捩った。 しかし動くたびに、注射器の管が存在を主張し、より強い苦痛を訴えてくる。 朝日奈は注射器を管から外して、追加の液体を込める。 まるで自分がされているかのような、そんな苦悶の表情を、朝日奈は浮かべていた。 だが、舞園にはそれを確認する余裕すらもない。 「ふぅう、うぅううぅ……」 「ゴメン、ゴメンね…」 「ま、まだ…っ、入れるん、ですか?」 朝日奈も、舞園も、涙目のまま声と肩を震わせ、互いが互いに怯えていた。 朝日奈は肯定の代わりに、たっぷりと液体を補給し終えた注射器を、管に取り付ける。 追いつめられた顔のまま、朝日奈は舞園の肛門に注ぎ続ける。 「いやっ…いやぁあはぁああぁう…ダメ、だめっ…もう入らないっ、ですっ…くぁああぁあっ!!」 下腹が少し膨れたのがわかる。管から発射される液が、腸壁を刺激する。 どんどん注がれているのに、気を緩めれば全て出してしまいそうだ。 舞園は必死に足先に力を込め、苦痛と排泄欲に耐える。 キュルルルルル 可愛い音を立てて、腹が異常を訴えている。 「はっ、はぅ、はっ…」 苦しさの余り、肩で息をしてしまう。 「力抜いてね…お尻の穴、無理に力をかけると切れちゃうみたいだから…」 「力を抜いたら…っ、ぐ…出ちゃいますっ…」 それを聞いて、朝日奈は舞園の肛門から管を抜くと、朝日奈は舞園の膨らんだ腹部を、力強くさすった。 「やめっ…!…だ、ダメ、朝日奈さんっ…出ちゃう…!」 「いいよ、出して…もう入れてから時間経ってるから」 「なっ…!?」 舞園は驚愕の眼差しで、朝日奈を凝視した。 言葉が出ない。顔から血の気が引いていく。嫌な汗が額に浮かぶ。 「何…言ってるんですか、朝日奈さん…」 常識的に考えて、人が見ている前で、排泄なんかできるわけがない。 「わ、私…これでも、アイドルなんです!そんな、人の見ている前で、出すなんて…」 「舞園ちゃん…ここじゃもう、アイドルとか、関係ないんだよ。私たちはただ、女であるだけ。 ただ、女に生まれたことを後悔しながら、セレスちゃんのオモチャにされていくんだ…」 舞園に諭すように、自分に言い聞かせるように、朝日奈は言った。 朝日奈の言葉を、舞園は理解できないでいた。 舞園は、自分たちはまだ平穏な日常に戻れると、信じていたから。 「うぶっ!!」 そして、そんな儚い希望を押しつぶすかのように、朝日奈が体重を乗せて腹を押すと、 「ぐっ…うぁあ、ダメ…見ないでっ…!!」 滑稽な空気音とともに、液体が飛び散った。 いやだ。 こんな屈辱、耐えられない。恥ずかしすぎて、死んでしまいたい。 人前で、こんな… 「やだっ…朝日奈、さん゛っ!う、…ふぐっ!!…あ、…ダメぇ…」 何度も、何度も、舞園の腹を朝日奈が荒々しく押しつける。 余程必死なのか、手加減すらなく、殴打のように腹に鈍痛が走る。 しかし、痛みなど、舞園には些末な問題。 朝日奈が腹を押すたびに、我慢しているのに、肛門から飛沫が飛び散る。 そのうち朝日奈が押さずとも、緩まった肛門から、尿のように液体が押し出されてくる。 肛門を水が通り抜けていく。気持ち悪いはずなのに、肛門を刺激されるのが心地いい。 もう、いやだ。こんな羞恥、耐えられない。死んだ方がましだ。 目から、大粒の涙がこぼれおちる。 舞園が、声をあげて泣き出した。 「ふぇっ…うぇえぇええぇっ…っ、うぁあああぁあぁぁ…」 乳首を弄ばれて絶頂した時のような、すすり泣きではない。 本物の、号泣。 けれど泣いても、排泄は止まらず、彼女の肛門を刺激し続ける。 貫くような罪悪感に駆られたのは、朝日奈。 押さえつけていた、考えないようにしていた自責の念が、一度にあふれ出してくる。 テレビ画面の向こう側にいた、笑顔の眩しい、汚れを知らないような、あの憧れのアイドル。 それを裸に剥いて縛り上げ、浣腸器を指し込み、嫌がっているのに排泄を強要し、そして泣かせてしまった。 たちが悪いのは、罪悪感に責め立てられつつも、 この現状に興奮している自分が、ここにいるということ。 『泣いても、乳首をいじめてあげれば、すぐに彼女は泣きやみますわ』 ベッドに戻る前の、セレスの言葉を思い出し、朝日奈はローターの電源に手を伸ばした。 「ふぇえぇえ……っ!?あっ、う…ふひゃあぁ!!」 涙でゆがんでいた舞園の瞳が、一気に見開く。 「あ、さひな、さ…何を…」 ふるふると、顔が震えている。見開かれた目は朝日奈を捉え、懇願するような色を浮かべている。 ぞくり、と、背徳感を刺激される。 「大丈夫だよ、舞園ちゃん…乳首の気持ちいいのに、集中してて…」 「んっ…あぁ、はぅ…」 舞園の様子はまさに、セレスの言葉通り、といったところ。 まだ涙の跡を光らせてはいるものの、その頬にはもう赤みが差している。 「乳首、そんなに気持ちいの…?この器械のせい?それとも…舞園ちゃんが、特別敏感なの…?」 「やだっ、やだぁあ…変な事、言わな…っん、あぁああ…!」 「でも、こうやって耳元で恥ずかしいこと言われるの、ホントは気持ちいいでしょ…? 自分のエッチなところを容赦なく責められるの、ホントは大好きでしょ…? わかるんだよ?そういうの…私も、同じなんだから…」 今度は、朝日奈が舞園の痴態に当てられる番だった。 裸のまま縛られて泣きじゃくる舞園は、とても可愛らしくて、とても官能的。 小動物のような愛おしさがあるのに、これ以上ないくらいにエロい。 守ってあげたくなるのと同時に、もっといじめてやりたくなる。 胸の刺激に耐えきれないのか、大きく背をそらしているけれど、それで胸が突き出されて、 結局もっと刺激を与えられ、跳ねるように体を震わせて、背を丸め…という一連の仕種を、舞園は繰り返している。 「もっかい、入れるからね」 そう言って浣腸を準備する朝日奈を、舞園は蕩けた目で見ている。 「や、やめ…ふぁ…」 言葉だけでも抵抗しようと声を上げるも、意識は半分向こう側にイってしまっているらしい。 心なしか、浣腸を準備する自分の手つきが、焦って見える。 もっと彼女をいじめてやりたい。もっと彼女を堕としてやりたい。 管に注射器を取り付け、舞園の肛門へと差し込む。 一度経験したからか、それとも快感で緩んでいるのか、彼女の肛門はさっきよりも簡単に、奥までそれを加えこんだ。 「まだ、痛い?」 朝日奈が尋ねる。 「ふえ…よ、く、わかんない…です…っく、んぅ…」 蕩けたままの目で、舞園が答える。 乳首に意識を集中させたのは、正解だったかもしれない。 同じ要領で、何度も彼女の中に、ぬるま湯が流し込まれて行く。 「やだ、やだっ…ふあぁああ、乳首、ダメぇ…!」 管を抜くと、だいぶ抵抗なく、ほぼ透明なお湯が押し出され、流れ出てくる。 舞園も嫌がってはいるものの、乳首をこねくり回されて力が入らないようだった。 何度も、何度も。 自分の肛門にぬるま湯が注がれ、そして排泄を繰り返すうちに、 その排泄に、明らかに性的な心地よさを覚えてしまっていることに、舞園はまだ気が付けずにいた。 「そろそろ綺麗になりましたか?」 どれくらいの時間が経ったのか、下着姿のセレスがしびれを切らしたように顔を出す。 舞園は文字通り、『出来あがって』いた。 「はぁ…はぁう…」 パシャパシャと音を立てて水流がアナルを舐めあげ、そのたびに背筋を得も言われぬ感覚が走り抜ける。 たった今、直接内側を泡立てたボディソープで洗われたところだった。 朝日奈がシャワーのノズルを伸ばし、舞園の肛門に当てがっている。 もう力は入らず、時々肛門が物欲しげに開いてはヒクつく。 水流がもたらす、苦しみにも似たむず痒い刺激に、彼女は息を荒げていた。 「良い具合ですね、舞園さん」 セレスが舞園の頬を掴み、顔を自分に向けさせる。 力が入らず、睨み返すことさえできない。蕩けきった目で、舞園はセレスを見上げた。 「痛みや苦しみが消えて、別の感覚が肛門から伝わってくるでしょう? お尻の穴だって、ちゃんと開発してあげれば、立派な性感帯になるのです」 朝日奈に舞園を運ばせ、ベッドの上に横たえさせる。 舞園の身体は、とっくに弱りきっていた。 数分、いや数十分、肛門への刺激を耐え続け、我慢も限界に達している。 そして、結局一度も、まともに股間を弄ってもらえていない。 女としての欲が、絶頂へのフラストレーションが、徐々に肛門から感じる刺激を、性感と認識し始める。 さっきとは逆に、舞園はベッドの上にうつ伏せにされていた。 顔は枕に押し付けたまま、膝を曲げて尻を突き出すような格好を強要されている。 今度は、何をされるのだろう。 抵抗など頭になく、訪れるだろう未知の刺激を、顔を枕にうずめて待つ。 中々触れられず、セレスが朝日奈に何か命じているのも、自分を焦らすためではないかと思ってしまう。 「緊張していますか?」 セレスが身を乗り出し、ベッドの上の舞園に、自分の体を添える。 「あ…」 密着する、肌と肌。 セレスの肌から香る、香水に混じった、雌の匂い。 とても、いやらしく感じてしまう。 「大丈夫、力を抜いていれば、痛くはありませんから」 唐突に、冷たいローションが肛門に垂らされる。 「ふぁっ!?」 急な感覚に戸惑い、思わず尻を締めてしまう。 「ほら、力を抜いて…」 朝日奈に続いて、舞園もまたセレスに屈服しつつあった。 朝日奈のように心を折られたのではなく、純粋に女としての快感を期待させられて。 ほんの数時間前まで、舞園はアイドルである自分に、少なからず矜持を持っていたのに、 今ではその肩書は、『アイドルなのに』と、自分を辱めるための材料でしかなくなっていた。 力を抜いて、なんて言われても、そんな簡単に脱力なんてできるわけじゃない。 まだ感じたことのない、知識でしか巡り合ったことのない、アナルでの快楽に期待してしまう。 「うふふ…お尻の穴、弄って欲しそうにヒクつかせちゃって…もう我慢できないのでしょう?」 枕にうずめた顔の耳元で、セレスが囁いた。 表情を見られたくなくて、もっと力強く枕に顔を押しつける。 「言っておきますが、弄るのは、基本的に朝日奈さんですわ…」 「わん…」 なんでもいい。 とにかく早く弄って欲しい。 気を抜けばそんな、アイドルにあるまじき言葉を口走ってしまいそうで、枕に顔を押し付ける。 それでも体は、彼女の意思とは無関係に、腰をつきあげて誘惑するように振るのだった。 「うぅ…」 朝日奈の指が尻を掴み、その溝をなぞる感覚に、うめき声を上げる。 彼女はいささか力が強く、触り方もどこか乱暴に感じる。 けれど今の舞園には、それは十分すぎる刺激。 アナルの周りにローションをすりこむように、指の腹が円を描く。 「ふっ…う、んっ…」 枕に顔を押し付けているから、何とか声を我慢できた。 あまりにじれったくて、拘束さえなければきっと、今頃自分で自分を慰めているだろう。 「そう、もっと丁寧に…まずは周りのお肉を、ほぐしてあげてください」 「…わん」 こすったり、引っ張ったり、振動を与えたり。朝日奈の指が、単調ながらも変化を与えて刺激する。 「…ん……ふっ…ぅ…っ!!」 「あ…」 「どうしました?…ああ、人間の言葉で答えてよろしいですよ」 「お尻の穴…膨らんできた」 言われて、ビクッと舞園が震える。 顔から火が出る思いだ。 「あらあら…ふふ、顔が真っ赤ですわよ、舞園さん」 恥ずかしくて、思いっきり枕に顔を押し付けるのに、腰は刺激を求めて勝手に高く上る。 「もうそろそろ、指を入れてあげてもいいですわ」 「わん」 ぬるり、と、唐突に、何の抵抗もなく、舞園のアナルが朝日奈の指を咥えこんだ。 「あっ、ぐ…!!!」 余りの感覚に、顔をあげてしまう。 異物感。肛門がそれを排除しようと、力強く締まる。 朝日奈の指は、途中で躊躇いがちに止まったが、 「ほら、奥まで入れてあげなさい」 「っ、わん…」 セレスの言葉に逆らえず、指の根元まで舞園のアナルに突き刺していく。 「ふっ、う、ぅうう…」 「ゆっくり呼吸して…力を抜いてください」 そんなこと言われても、と舞園は当惑した。 天性の脱力の才能があった朝日奈とは違い、緊張した舞園の身体からは、そんな簡単に力を抜けはしない。 痛いくらいに、朝日奈の指を締め付けている。 「はっ、はっ……痛い、苦しい、です…っ、抜いて、ください…」 舞園が苦しそうに訴える顔を、セレスは楽しげに覗きこんでいる。 「…だ、そうですよ、朝日奈さん。ゆっくり、優しく、抜いてあげてください」 「わんっ…」 ずるり 「――っひ…!?」 なまめかしい音が、耳に届く。 実際はそんな音はなかったのだが、あまりの感覚に、舞園の脳がそれを知覚してしまった。 締め付けられたままの指を、ゆっくりと朝日奈が抜いていく。 ぬるぬると、内壁が擦れて引きずり出されてしまうような感覚。 「ふっ、うぁっ…!?……やっ、ダメっ!これダメですっ!!」 舞園は腰を大きく跳ねあげた。 けれども拘束されてろくに抵抗も出来るはずなく、結局自分で暴れて刺激を増長させてしまう。 「あなたが抜いてとお願いしたんですよ?」 跳ね上がった舞園の顔を、セレスがしっかりととらえる。 「あっ、あ、あぁああぁあ…!」 「お尻の穴を弄られて蕩けちゃうアイドルの顔…しっかりと見せてください」 「いやっ、あ、言わないで、くださ…んっ、う…!!」 入れられた時の苦痛とは全く異なる、全身の力を抜きとられるような感覚。 刺激される排泄欲に、自分から朝日奈の指を締め付けてしまい、ますます感覚が強くなる。 くぽっ、と、吸盤のはがれるような音がして、朝日奈が舞園の肛門から、指を引き抜く。 「ふぅ、んっ…ふぅ、んっ…ふぅ、んっ…」 「あら、一度指を出し入れしただけで、こんなになっちゃって…これからもっとすごいことをするというのに」 潤んだ目、真っ赤な頬。 荒い息、蕩けた顔。 もう、セレスに顔を見られていることすら、気にならなくなってきた。 震えながら息を吐く舞園の頭には、もうその一つのことしか浮かばない。 「も、許してくださ…」 「あら、まだまだこれからですわよ?」 「違…ちゃんと、ちゃんと…おまんこ、弄ってください…もう、切なすぎて我慢できないんです…」 結局一度も、まともに弄ってもらえていない。セレスも、それをわかって放置していた。 先ほどからずっと、緩んだ蛇口のように愛液が垂れ続け、膝を伝っている。 「…次は、舌で舐めまわしてあげてください」 「わ、わん」 朝日奈の顔をアナルに押しつけながら、またセレスが舞園の顔を覗き込む。 この、顔を覗きこまれるという行為が、たまらなく羞恥心を煽ってくる。 けれど、もう枕にうずめて顔を隠す力もない。 快楽で蕩けきった自分の顔を、まじまじと覗かれる。 それだけの行為なのに、ひどくドキドキする。 まるでセレスの瞳から、催眠でもかけられているかのようだ。 「ふふ…あのアイドルの舞園さんの口から、そんなエッチな言葉を聞けるなんて…」 すりすりと頬を撫でられる。 それまでは恥ずかしいだけだったのに、頬を滑るセレスの指が気持ちいい。 頭が熱い。 いいのだろうか、こんな。 自分はアイドルなのに。 こんな恥ずかしい恰好をさせられて。 あんな恥ずかしいことを言ってしまって。 「ふっ、うぁっ!?…んっ!」 アナルに入り込んだ朝日奈の舌が、舞園の思考を寸断する。 生温かいザラザラとしたそれが与える刺激は、先ほどまでの指とは比べ物にならない。 「私も鬼じゃありません…アナルでイけたら、ちゃんと前の穴も弄ってあげますわ」 「そ、そんな…無理です…ふっ、うぁあ、ん…」 舞園は泣きじゃくりながら、セレスに訴えかける。 朝日奈の舌が、器用に入口を舐め濡っている。 気持ちいいのに、感じてしまうのに、絶頂には辿りつけない。 「もう、頭おかしくなっちゃいます…んっ……ぁ、ダメ、ダメなんです… さっきからイきそうなのに、ずっと寸止めされてるみたいで、もう無理です…ふっ、ん…! おまんこでイかせてください…お願いします…!」 ゾクリ、と、セレスが恍惚の表情を見せた。 舞園のその懇願だけで、あやうくイってしまいそうなほどに興奮させられる。 「ふ、ふふふ…舞園さんの、こんな…苗木君あたりが見たら、一生もののオカズになるのでしょうね」 「…あっ、うぁあっ!!」 自分の声じゃない。 獣のようなうめき声が漏れた。 想像してしまう。彼の顔を。 全身に緊張が走り、忘れかけていた羞恥心がよみがえってくる。 「ふあっ……舌、押し出されちゃった…」 朝日奈が、口を離す。 舞園の顔を覗き込んでいたセレスは、いやらしく笑ってにじり寄る。 「へえ…」 「まさか、あなたも苗木君を…」 「な、なんの話ですか…」 聞くまでもない。舞園本人も、自身の反応の変わりように驚いていた。 自分の中にある彼への好意を隠すことは、恥ずかしいことではない。 しかし、この状況で、この女に知られることは、 何かとてつもなく致命的な弱みを握られてしまうことのように思えた。 「とぼけても無駄ですわ…体は正直でしたから」 「くっ…」 「…?」 朝日奈に気が付かれなかったことは、せめてもの救いかもしれない。 「…初めてお尻でちゃんと、感じてしまったのでしょう?苗木君のことを考えて…」 「…」 「それならそうと、早く言ってくれればいいのに…良い夢、見せてあげますわ」 セレスは例の小箱を漁る。 おもちゃ箱をひっくり返したように、様々な小道具がベッドの上に広げられた。 ただ散らばったその道具たちは、おもちゃと呼ぶにはあまりにも生々しい。 ヘッドホンが取り付けられた、大仰な目隠し。 男性器を模した、ピンク色のゴムのディルドー。 1㍍はありそうな、定間隔にゴムのこぶが付いているゴムの紐。 「今度は何を…するつもりなんですか」 弱弱しく震えた声で、舞園がたずねた。 答えずにセレスが、ヘッドホンの取り付けられた目隠しをする。 視覚と聴覚を奪われ、思わず舞園は口を閉じた。 どんどん、抵抗ができなくなる。 服を剥がれて体の自由も利かなくなり、目と耳まで塞がれて、忘れていた恐怖心を思い出す。 快感と恐怖の間で弄ばれ、舞園の心はもう壊れかけていて、 だからこそセレスの毒が、より深くしみ込んでいく。 『…舞園さん』 「え…?」 ヘッドホンから届く、その声は。 聞き違うはずはない、愛しい彼の声だった。 目隠しのその向こうでは、ただセレスが蝶ネクタイ型の変声器に声を当てているだけ。 しかしそんなことを、舞園が気づけるはずもない。 それがヘッドホンを通して、耳元で話しかけられているような錯覚を与えられる。 『今から舞園さんのお尻…本格的にぐちょぐちょにしてあげるからね』 「あっ…」 違う、これは彼じゃないと必死に自分に言い聞かせても、 彼女には、耳から流れ込んでくるその声だけが真実だった。 体は彼の声に反応して、じわじわと愛液を流し続ける。 何かがアナルに突きいれられ、そこから冷たい液体が流れ込んでくる。 「うっ、ふぁっああぁあっ…!?」 すぐにローションだと理解する。 冷たさがゾクゾクと背中を這い上がる。 「な、何を…」 『力抜いて…今からすごいの入れるから』 「っ…ふ、う…」 苗木の声に当てられて、本当に力が抜けていく。 耳が気持ちいい。 耳元で直接、彼に囁かれているような。 目を開けば、すぐそばに彼がいて、自分のこんなあられもない姿を見られているかのような。 そんな錯覚に陥らされる。 ぐ、と、肛門の壁を押し分けて、何かが押し入れられてきた。 「うぁあっ…!」 異物感を感じ取り、反射的に排泄を行うと直腸が収縮し、 『ホラ、力抜いて』 「んっ…!?」 苗木の言葉に、身体が従ってしまう。 『ゆっくり深呼吸するよ…吸ってー、吐いてー』 「んっ、ふ、ふぅうう…はぁあぁあ…」 逆らえない。逆らう気力さえ奪われている。 苗木誠の声に、逆らえない。 視覚も聴覚も奪われた彼女にとっては、快楽に似た異物感と、苗木誠の声だけが全て。 それだけが彼女の世界。逆らうことのできない、催眠の世界。 それを、セレスはこの短時間で作り出してみせた。 わざと秘部を弄らなかったのも、彼女のアイドル時代の秘密を暴露したのも、 乳首だけで絶頂を与えたのも、慣れない肛門での性感を覚えさせたのも、 全てはこのため。 もう舞園の意識は、苗木の声――セレスの命令には、逆らえない。
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人外×人間でハァハァするスレ 601-625 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972 601. 名無しさん@ピンキー 2008/09/26(金) 02 13 22 ID ESbS7NSE 600 良いね 漫画はたぶん「音禰のないしょ」。葵DESTRUCTION!って短編集に入ってる 602. ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 08 24 ID E2hg/eLK 今晩は、5レス程お借りします。 スライム♀(擬態練習中)× 人間♂ 124 or 保管庫 参照 エロ少 会話多。 苦手な方はトリップNGでお願いします。 603. 1/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 10 10 ID E2hg/eLK 前の村から4日目にして、やっとたどり着いた宿は祭りの前とかで込み合っていた。 案内された部屋は狭く、明らかに一人部屋として普段は使われているものだろうと推測 できた。 「狭いベッドが一つ……言えば毛布くらいは借りれるかな」 呟いて部屋を出ようとして俺はつんのめる。 振り返ると旅の連れである青い髪の少女が服の端を掴んでいた。手ではなく髪の毛で。 「おい、物を掴む時は手を使え」 諸事情あって一緒に旅をしている擬態練習中のスライムは俺との距離を詰めると服に 絡めていた髪を離す。 上目遣いに俺を見上げる少女型スライムと視線が合い、鼓動が速まった。 「私、あなたのこと、けっこう気に入ってるンですよ」 個人的な好みの問題だが、少々たれ目な点を除けば整った顔立ちの美少女である。 正体がスライムだと知らなければ嬉しい状況だろう。 唐突に言うスライム少女に、その意味を図りかねて聞き返す。 「だから何だ」 「この間の続きをしませンか?」 空気が凍った。正しくは俺の周りの空気だけだが、背中を嫌な冷たい汗が伝う。 「俺、寝るわ」 誤魔化して出ていこうとした俺の前に回り込んだスライム少女が両手、いや髪を広げて 立ちはだかった。 「何処に行くンですか、部屋はここですよ。ちゃンと今度は優しくしますから、ね?」 「髪を使うなっての……」 一応ツッコミつつ今のは普通は男側のセリフだよなと胸中確認する。 「何が嫌なンですか? 前はすごくのり気で止める私を無視して、無理矢理したンじゃ ないですか」 「それは水に流したんだろ」 「だから、もう一回ヤり直しましょうって言ってるンです」 「発音がおかしい。と言うか忘れろ」 食い下がるスライム少女を一蹴する。 すると顎に手を当て髪をふよふよと泳がせながら暫く悩む仕草をしていたスライム少女の 口から、とんでもない言葉が飛び出した。 「なら、私から強姦する事になりますが」 「女からの強姦は逆レイプと言うんだ。それと」 「そうなンですか、では言い直します。私が逆レイプをしますが、良いンですか?」 どこで覚えたのか物騒な言葉に驚きつつ話題を逸らそうと試みるが早々に割り込まれる。 「いや、良くはない……って言ってるそばから脱ぐなっ!」 「大声を出すと人が来ちゃいますよ。私はバレても構いませンけど?」 「それは女の子の吐くセリフじゃないっ」 服を荷の上に置くとスライム少女はクルリと振り返る。 均整の取れた文字通りシミ一つない身体だったが既に肌の色が抜けていた。 「おーじょうぎわが悪いです。すえぜンは食わねば男のはじになるンです」 「そんな言葉どこで覚えた」 「この間会ったサンゾクの皆さンが言ってましたよ」 「いたな、そんな奴ら」 こいつをスライムとも知らずに手を出したが故に儚くも退治されてしまった憐れな奴等が いた事を思い出す。 説得は諦めた方が良さそうだった、鼻息荒く自信満々である。 「それに私はスライムですからね。オンナノコではありませンし」 「お前はっ、都合で切り替えるなっ」 「さあ、自分で脱ぐか私に消化されるか、どちらか選ンで下さい」 「その2択かよ。まずは俺の話を聞けっ」 「嫌です」 604. 2/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 11 38 ID E2hg/eLK 暫くの問答の後、俺は全裸で文字通りスライムに包まれている。 人間の女の姿ならまだ興奮もできるが、本性のゼリーのままなので何の感慨もない。 感触としては粘り気はあるがベタベタはしない不思議な感覚だった。 一部を掬い上げてみるが掌を滑りヌルリと落ちる。 これは擬態時にはどの部分なのだろう。 「どンな気分ですか?」 いつもより少々低いスライム少女の声が響く。ただのゼリーに見えるが発声器官はどこに あるのか、気になる点は多い。 「中途半端な温度の風呂に入ってる気分だ」 「そうですか。……あの、ちょっと教えて欲しいンですが」 気を使っているのだろう、スライム少女が控えめに訊ねる。 「何を?」 「局部に前回のような質量の変化が見られないンですが、何でですか?」 「俺にその気が無いからだ」 「えぇ? ややこしいモンですね」 「デリケートなんだよ、ややこしい扱いすんな」 「感覚あるンですか?」 「無いと動かないだろ」 「生えてるンですから当然なンでしょうが、本当に妙なものですね」 他人事だと思って好き勝手なことを言う。 「妙とか言うな。付いてるもんなんだよ」 「へぇ、普段は柔らかいンですね。曲げると痛いンですか? あ、先っぽに穴がある」 「うぁっ、玩具じゃないんだから揉むな」 まだ柔らかいソレを捏ねるように揉まれる。水が意識を持った様な何とも表現し難い感触。 なんでこう無邪気に弄り回せるのか不思議だったが、人間そのものがスライムにとって玩具 だからかと納得する。 「止めろ気色悪い」 「そうなンですか? うーン、硬度を変えてみましょうか。人間のオンナノコの胸部で…… えと、たしか」 ただの水の様だったゼリーはプニプニとした心地好い柔らかさへと転じた。 見た目には何の変化も無いのがまた奇妙だ。 「パイズリ? これなら良いンですか?」 予想外の刺激に反応してしまった。 「あ、ああ」 「ちょっと大きくなりましたよ。その気になりました?」 「……どこで覚えた、こんなもん」 スライムに息子を弄ばれているにも関わらず意外と冷静な自分に驚きつつ訊ねてみる。 あまりにも異常な状況に陥ると、逆に落ち着くと聞いていたが本当だったとは知らなかった。 「以前あなたから貰った“ほん”に載ってたンですよ」 「あれは貸しただけだ。お前が持ってたのか、返せ」 前回の客室半壊時のどさくさ紛れに無くなったと思っていた。 「まだ読み終わってませンからイヤです」 「じっくり読む物じゃないだろ」 「いえいえ、けっこう興味深い内容だったンですよ」 渡してしまった本の内容が内容な上、フィクションだと言っても理解しないだろう。 後悔しても手後れだった。とりあえずSM系でなかったのは救いかもしれない。 605. 3/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 13 18 ID E2hg/eLK 「お前は楽しそうだな」 「それはもう。“しる”のと“する”のとでは全く違うンですからね」 苦笑いする俺の前に、透明ないつもの顔が造られ舌を出し笑った。 「口も良いですか?」 これもいつもの事だが俺が答えるより早く行動を開始している。 冷たく柔らかい感触が俺の口内に滑り込んだ。 そこでふと思い出す。口は前に消化用とか言って無かったか? 疑問を察したのか口腔内を確認するようになぞりながら下のゼリーが喋る。 「ああ、心配しなくても大丈夫ですよ。それは消化器官に繋いでいませンから」 まぁ、消化されないのならば遠慮する事は無いか。 舌を絡めるとツルリとした相手は戸惑う様にうねったが、直ぐに何重にも巻き付き俺の舌を 引っ張った。 人間ならあり得ない動き。と言うか待て、痛い。 「ひョラ、ひゃて」 当然ながら舌を絡め取られていては喋れない。 ゼリーから腕を抜きスライム少女の首を引き離すと予想に反してその舌が伸びた。 「はりゃせ」 「ああ、すみませン。やり過ぎました」 舌が伸びたまま半透明のスライム少女が驚いた顔をして、ゼリーから答えが返る。 一応、反省しているらしく舌を縮めると絡め直す。 スライムの内部で行われているため殆ど音はしないが、そんな事をしている間も下は下で、 にゅるにゅると流動して無数の指に全身を突きまわされている様な、擽ったいやら何やら解らない。 特にペニスの周辺は念入りに音でもしそうな程に扱き立てられる。 吸い出すように絡み付き気持ち良い、情けないが早々に限界だった。 「あ、イイ感じみたいですね。前回と同等のサイズに……」 呑気な声を後目に全身を駆け抜けそれは発射口へ至る。 「わわっ! なンっ、出すなら出すって合図して下さいよっ」 スライム全体が波打ち、絡められていた舌が引き抜かれた。 「んなもんする隙あるか。お前が急にするからだ」 呆れた直後に意外と反応が普通だと思う。 「そういえば、この前みたいに変な汁とか出してないな」 スライムの特性を活用しているだけで、割と普通だ。普通の尺度がずれてる気もするが。 「優しくするって約束しましたから、使わなかったンですけど……使用しても良いンですか?」 「ダメ」 「私的には使えば楽なンですけど」 「いや、戻って来れなさそうだから止めろ」 「そうですか。まぁこっちの方法もコツは分かりましたし、イケる所までイッちゃって下さい」 「え、おい」 スライム少女は既に流動を再開している。 「ま……」 休憩をくれ俺は普通なんだ。 しかし当然と言うべきか止めるヒマなど無く、頭の隅であの本は絶倫ものだったかな、などと 考えていた。 606. 4/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 15 16 ID E2hg/eLK 「“ほん”にもありましたが回を重ねるごとに量が少なくなっていくのは面白いもンですね」 俺は面白く無い。 満足げな相手の声を聞きながら意識があるのを不思議に思う。 呼吸の度に肺が灼ける。鼓動の度に心臓が痛い。 気が済んだ相手が動きを止めて結構な時間が過ぎていたが、呼吸は落ち着かず汗で湿った髪が 気色悪く額に貼り付いている。 「前は気がつきませンでしたけど行為が終わるとなンだか、ぐったりしてませンか。 大丈夫です?」 ニュッと触手を伸ばして俺の髪を持ち上げた。流れる汗がスライムに吸収され消える。 「おま、連打させんな」 「スミマセン。あなたの反応が楽しくて……水でも飲みます?」 全く反省していない様子で答えるスライムに脱力する。 「あー。とりあえず、くれ」 「はいはい。どうぞ遠慮なく」 ゼリーから差し出されたのは1本の触手だった。 先が窪んでそこに水が入っている。 「おい、勘弁しろ」 「中身は極々普通の水なンですが」 「頼むからテーブルの水差しを」 「ええ? どうせおンなじ水なのに……」 「いいから、本気で頼む」 「なンで……分かりましたよ、だからその本気で情けない顏を変えて下さい」 喉を潤し一息着いて、どうにか動悸も収まったが、未だに俺を解放しないスライム少女に 前々から気になっていた疑問をぶつけてみる事にした。 「なぁ。出した物とか、吸収してるのか」 青みがかったスライムは最初と同じ様に透き通っている。 濁っていても嫌だが、結構な量が出た筈の精液は既に影も形もない。 「もちろンです」 「……気になるんだが、お前ら的には旨いのか?」 「ええっと、好みの問題だと思うンですけど、けっこう珍味な感じで、血とか他の水分 よりも濃い感じでして。こう、活きが違うンですよ」 珍味なのか、確かに粘るとは思っていたが。 もよもよと表面を動かして一生懸命に説明しようとしている様子は何だか可愛い。 「やっぱり細かく言わなくていい」 「あなたの方から聞いたンじゃないですか」 包んでいたゼリーが不満そうに揺れた。 「で、そろそろ出してくれないか」 「いえいえ、ここからなンですよ。思い付いたのが」 俺の言葉に気を取り直した様子で嬉々として答える。 「お前、思い付きでヤってるのか?」 「いいえ。まえに私の仲間がしてるのを見た事があるンです」 「何をするつもりだ?」 質問に暫しの間を置いて、また声が響く。 「心配しなくても大丈夫ですよ。あ、なンなら少々は飲み込ンでも平気ですから」 「ノミコム? 多少はヘイキ?」 一抹の不穏な空気が流れる。 「多分、一応。まぁ、覚悟はしておいて下さい」 段々と声に自信が無くなり、俺を包んでいたゼリーが揺れ蠢く。 「……覚悟?」 言葉に一時思考が停止する。 607. 5/5 ◆IyobC7.QNk 2008/09/27(土) 22 16 19 ID E2hg/eLK 飲み込んでも、たぶん平気……つまり、これが口の中にまで入る位置にくるって事か? そこでやっと自分の置かれている状況に気がつき自然と口が開くのと、ほぼ同時に スライムが襲いかかる。 ぎゃああああぁ…… 叫んだ筈の俺の悲鳴は弾力性に富んだスライムの中に飲み込まれ消えた。 「やンっ、中で暴れないで下さいっ」 もがく俺の耳に響くスライム少女の声は衝撃に近かった。 “やンっ”じゃない、俺の生命の危機だ。 半分意識が飛びかけた頃、スライム少女が文句を言いつつ頭部を解放する。 「ちょっと、私の声が聞こえてるンですか?」 口に残っていたスライムを吐き出し、返事もできずに必死で肺に空気を送り込んだ。 呼吸を整えてから抗議する。 「お前はっ! 俺を喰う気か、殺す気かっ」 少し食べてしまった。まだ胃の中で動いてる気がする。 「いやですね、そンな言い方。私を食べたのは、あなたの方じゃないですか」 「お前が押し込んだんだろうがっ」 俺は怒鳴る様に応え、おもわず振り降ろした腕に何かが触れる。 「……っ!」 ピリッと何かが走った。 同じ位置を探ると見た目には何もないが、確かに何かがあった。 大きさは手に収まる程度で、軽く握るとブルリとスライム全体に震動が伝わる。 もう一度、また水面が波打った。 「あっ、ちょっ……止め……っ」 「ほほぅ。お前の弱点はここか」 焦りを含んだ声に俺は仕返しとばかりにニヤリと笑うと更に揉む。 「……うンっ、やっ……」 「これは何だ? ん?」 聞く。俺も随分と親父臭いと自覚する。 「……それはっ、消化……のっ」 その言葉に昇りかけていた血の気が引く。 スライムにも内臓があったのか、透明な内臓って何だ。 「……はやくっ、私から出てくださいっ」 「どうやってだ!」 反射的に叫ぶ、できるなら言われなくとも逃げている。 答えより早くゼリーが俺を噴き出した。 「いたたたた……」 派手な音がして、したたかに背中を打つけたが、とりあえず助かったらしい。 ニュルリとスライムの一部が伸び少女の半身を形作った。 「誰かさンが消化器官を刺激してくれたおかげで、お腹がすいちゃいました」 俺の事など気にも留めず屈託のない笑顔でケロリとして空腹を訴える。 「俺は全身がピリピリしてるんだが」 「消化しかけたンですから当然です。あなたが、あンな所を触るからですよ」 半透明な上半身だけ人間の形をしたスライムが身をくねらせた。 「で、何をするつもりだったんだ?」 「今回の案としては、あなたの身体に穿いている穴の、できるかぎり奥まで侵入して内部と 外部両方の反応を観察しようかと……次回の課題は呼吸路の確保ですね」 見る間に成形を終わらせ荷物を探っていたスライム少女は振り返りもせずに答える。 「ない! 絶対に次は無いからなっ」 全力で否定するが、ビチビチと跳ねる何かを食べ始めた相手の答えは無かった。 <終> 608. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 22 16 59 ID E2hg/eLK ↑投下終了です。 お邪魔しました。 609. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 23 34 45 ID iRcsT1/c 規制に継ぐ規制で半年ばかり来てなかったら、こんなスレが 出来てたのな。 557 確か中国の昔話で、女の姿を模った栞が美女になって 古本マニアのとっちゃんぼーやに学問から芸事から あんな事やこんな事まで教えちゃう、みたいな話が あったような希ガス。 でも人間男×人外女はオカルト娘スレ向きかな。 564 民話で女が人外ってのは良くあるけど、女が人間でと言うと…… 聊斎志異だったかなぁ? 馬皮に包まれて蚕になった女の話。 帰りが遅い父親を心配した娘が「お父さんを連れ帰って来たら 結婚しても良い」みたいな事を飼ってた馬に言ったら本当に迎えに 行って、帰って来てから話を聞いた親父が怒って馬を殺して皮を 剥いだんだけど、皮を庭先に干してた所に娘が通り掛ったら突然 その皮に包まれて桑の木の上に行っちゃって、何日かもにょもにょ してるうちにそれが巨大な蚕になってしまった、と言う話。 確かその後にあの世で夫婦になって養蚕の守護神になったとか 言って親父の夢枕に立ったんだっけ? うろ覚えで自信が無いが。 610. 名無しさん@ピンキー 2008/09/27(土) 23 43 57 ID iRcsT1/c ところで、先日メモ帳を整理してたら昔の日記が出て来たんだが、 こんな事を書いていた当時の自分は荒んでいただろうか? ↓ 先日たまたまテレビのチャンネルを変えたら国営放送第二の 教育番組で「伊勢物語」の一節、 「身分違いの恋に焦がれた男が姫君をさらって逃げ出し、 打ち捨てられた蔵の奥に姫君を隠し、入り口に立って寝ずの番を したが、実はそこは『鬼が住んでる』と地元民に忌避されていた 曰くつきの蔵で、姫君は鬼に一口で食い殺されてしまった。 その時姫君は悲鳴を上げたが、折からの雷雨で男には届かず、 男が顛末を知ったのは夜が明けてからだった」 の説明をやっていたんだ。 リア厨の頃に学校の図書室でこの段を読んだ時は 「うわ、男間抜け過ぎっつーか姫君可哀想」 と思ったんだが、それから●●年経った今は 「え〜一口で食べちゃうなんて勿体無いよ鬼さん。俺やったら 朝まであんな事やこんな事しまくって、男の間抜け面を笑い飛ばして やるのになぁ」 などと考え、更に 「姫君が気に入ったんで食わずに掻っ攫って逃亡→寝取られ男 怒りの追跡→三年後、山奥の住処で可愛い鬼っ子と赤子を抱いて めっさ幸せそうな姫君発見→おまいを殺して漏れも死ぬる→ 狩りから帰って来た鬼が一撃粉砕→今日はこいつで鍋でもするか」 みたいな光景が四ページギャグ漫画風に浮かんだ。 ……時の流れって恐ろしい、と、しみじみと思った。 611. 名無しさん@ピンキー 2008/09/28(日) 00 00 49 ID 5r15siSz 608 乙。スラ娘さん可愛いな。 612. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 02 42 25 ID ObKmdfK3 610 早くそれを文章にする作業に戻るんだ 613. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 18 43 57 ID WC7/nkVo 610 でもその話って実際は男が姫を連れ出すことに成功するも姫の家来が助けに来て姫は連れ戻されてしまう 男はそれでは面目が立たないので「実はそこの蔵には鬼が住んでいて姫が食われてしまった」っていう話にした っていうオチだった気がする でもここのスレ的にはそのオチは余計だな、夢がないw 614. 名無しさん@ピンキー 2008/09/29(月) 21 13 24 ID gyEPodik 613 いっそのこと、姫は鬼の生贄として差し出されていたのを見初めた鬼が生かしておいていたら 人間の男が惚れ込んで連れ出したのを連れ戻しに来たって話でよくね? あれ? 615. 名無しさん@ピンキー 2008/09/30(火) 07 13 54 ID lW+56rFb 613 やだなぁ。 610 の勘違い男っぷりが鬼と姫のイチャイチャっぷりをひきたてるんジャマイカ。 616. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 18 46 50 ID X3vHwVmX 573 の亜里の続きを投下します。 一人かくれんぼやコトリのお話が苦手な方は、スルーした方が幸せ。 タイトルの亜里でNGをしてください。 617. 亜里3 2008/10/01(水) 18 47 39 ID X3vHwVmX 暗い面持ちで椅子に座っていた男だが、入室した亜里を一目見るなり腰を浮かせた。 この場にはまるで不釣り合いな、華やいだ紅色。 面会室のガラスに区切られた向こう側、まるで銀幕の女優に着色を施したような洋装の美人が、男の前へ音もなく座る。 「お待たせ致しました。私が山岸亜里でございます」 そう言ってニィと微笑む唇も、緩やかなドレープを描くワンピースも嘘のように紅い。 男は我に返って着席し、上気した顔を恥じらうようにハンカチーフで押さえた。 「山岸先生でいらっしゃいますか。二川と申します。この度は依頼の相談を受けていただけるとのことで…」 二川と名乗る男は随分と身なりのいい若者だった。まだ三十前だろう。 がっちりとした広い肩に上等な仕立ての背広がよく似合っていた。 恐縮した二川の言葉に、亜里は甘い笑みを浮かべる。 「まあ…。私のような卑しい囚人を先生だなんて、勿体の無い…勿体の無い…」 揃った赤い爪で口元を覆い、喉の奥でくつくつと湧く笑みを殺した。 些か芝居がかかった嫌らしさが、彼女の浮世離れした容姿と相まりひどく淫靡だ。 二川は強くときめいた。 霊能者など、どんな化物が出るかと畏れていたのが馬鹿らしい。 618. 亜里4 2008/10/01(水) 18 49 07 ID X3vHwVmX 亜里の背後の壁に控えた看守は、二川の様子に眉をひそめた。 男の依頼者が亜里の外見に心を奪われるのは珍しくない。 しかし、その中でも二川は感情が隠せない類の人間なのだろう。 不躾に亜里を眺めるような真似こそしないが、彼の紅潮した皮膚下に巡る色欲は、誰の目にも明らかだった。 二川はふと思い出したように目線を落とし、膝の上のハンカチーフをきつく握る。 重い扉を押し開くように、彼は静かに語りだした。 「…先生に聞いていただきたいのは、私の屋敷にある土蔵の事なのです」 依頼の話になると亜里もゆらりと姿勢を正す。 亜里はうっすら口角に笑みを乗せたまま二川の話を聴いた。 「先祖の代に建てられた古い蔵でして、中に何が収められているか、私はもちろん、父も祖父の代も把握しておりませんでした」 二川の顔色は徐々にあせていった。 「中を確かめようにも、扉の溝に土が塗り込まれ、壁と一体になっているのです――」 ―中に何が入っているかは判りませんが、高価な物などはないでしょう。 そうならば放っておけばよいのでしょうが、入口のない土蔵が屋敷に在るなど気味の悪い事です。 父の代に、屋敷の改築を兼ねて土蔵を取り壊そうとしました。 619. 亜里5 2008/10/01(水) 18 50 55 ID X3vHwVmX 私も子供でしたが既に屋敷におりましたので、あの時の事はよく覚えております。 土蔵は古く、大きさもさほどありませんでしたから、人力で壊す予定でした。 数人の大工が大槌を手に土蔵を囲みます。 私は父の傍らで、縁側からそれを見守っておりました。 一人の大工が大槌を振りかぶり、力を込めて土壁にそれを降ろしました。 ―私は、その時の事を、未だに夢に見るのです。 ブツンと何かが切れる音が、私の耳にも聞こえた気がしました。 その大工は大槌を振り降ろした格好のまま、しばし静止していました。 やがて、上半身がぐらりと反ります。 天を仰ぐその顔は、まるで笑っているように見えました。 大工仲間が、妙に思ってその大工に声を掛けようと歩み寄ります。 父も私も、何だろうと首を伸ばして彼を注視しました。 大工の下半身から赤黒い物が勢いよく流出し、庭に広がりました。 立ったまま魚のように大きく体を痙攣させた後、大工は自らの排泄物の中に倒れ込みます。 一斉に、周囲から怒号に似た悲鳴が上がりました―― 「―それから、あの土蔵には誰も触れておりません」 そう結んだ二川の唇は、白く乾き震えていた。 620. 亜里6 2008/10/01(水) 18 52 31 ID X3vHwVmX 亜里の真っ黒な目がつうと細められる。 その唇は血のように紅く、未だ平然と笑みの形を保っていた。 共に二川の話を聞いた看守は、肌を粟立たせ立ち竦んでいる。 思わず自らの下腹部にも鈍痛を感じ、脂汗が浮かんでいた。 「それはそれは、大変な事…」 忌まわしい物を語った二川を気遣うような、柔らかく穏やかな声色で亜里はそっと囁いた。 二川は弾かれたように顔を上げ、救いを求める目で亜里を見つめる。 亜里は笑った。 「御依頼…お引き受け致します」 続く 621. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 18 54 58 ID X3vHwVmX 投下以上です 622. 名無しさん@ピンキー 2008/10/01(水) 21 23 34 ID u5X8tpPc 待ってたよ、投下乙 これからの展開が楽しみだ 623. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 02 02 16 ID NupH4qrm 中途半端に古く、マイナーなアニメなんだけど まりんとメラン知ってる人いない? 人外好きにはたまらないアニメだと思うんだが。 624. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 02 37 53 ID tNJVF9iF 623 あれは人外好きで鬱平気なら見て損はない。 自分はDVD全巻買ったけど後悔は全くしていない。 625. 名無しさん@ピンキー 2008/10/06(月) 23 05 08 ID ibmXjh9l 懐かしいなw あれのOPだったか…歌も好きだ。 ←・→ 1-50 51-100 101-150 151-200 201-250 251-300 301-350 351-400 401-450 451-500 501-550 551-600 601-625 626-650 651-700 701-750 751-800 801-850 851-900 901-972
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Aggressive Heartbeat ◆vV5.jnbCYw ああ、素晴らしいよ、この世界は。 俺だけじゃなくて、他の知らない少女も愛を語っている。 この世界で、俺は本当の愛を確かめるよ。 そして、本当の愛を知った暁には、是非ともあの子にそれを告げよう!! □ この殺し合いが始まってすぐの真夜中の草原。 二人の男女が睨み合っていた。 男子の方は、紺色のヒーローコスチュームに身を包み、右が白髪、左が赤髪になっている左右非対称な面持ちをしていた。 彼が右足で踏んでいる箇所から、鋭利に尖った氷が生え、女子の方を攻撃する。 「そうカリカリしなさんな。焦凍くんは目当てではありませんから。」 八重歯と縦長の瞳孔が印象的な少女は、軽口を叩く。 叩きながらも、少年が地面から生やした氷の槍を、確実に躱していく。 まるで路地裏を走るネズミのような、小回りの利いた動きで。 素早い身のこなしで近距離に入り込むと、セーラー服から何かを出す。 それは人を斬れるとは思えないほど、細い刀だった。 彼女のお気に入りの武器である、血を吸い取る針は奪われてしまったが、彼女にとっても軽くて使いやすい武器だった。 「じゃあその妙に細長い刀は何だ。」 彼女の刺突を躱しながら、焦凍と呼ばれた少年は叫ぶ。 今度は左手から炎を出して、敵を焼こうとする。 彼の持ち技は氷だけではない。 炎の個性『ヘルフレイム』を持つ父と、氷の個性を持つ母の間で生まれたヒーローである彼は、その両方を使うことが出来る。 刀で焦凍を串刺しにしようとした少女は、その寸前に攻撃をキャンセルし、宙返りを2度ほどして炎を躱した。 (チッ、氷もそうだが、炎が上手く出ない?もしかしてこの空間、個性に何かの干渉があるのか?) この戦い、最初に襲い掛かったのは彼女、トガヒミコの方だ。 少年の方はヒーローとして、この殺し合いに乗った者を倒そうという使命を全うしようとしているのみ。 「女の子の顔を焼こうとするなんて、随分とひどいヒーローですね。」 八重歯をむき出しにして、妙に腫れぼったい瞳で、焦凍を睨めつける。 進んで他者に危害を加えようとする彼女も、他者に思いを寄せる所は、一人の青い少女だ。 勿論、自身の美貌の一つにも気を使う。 「人の血を吸おうとするヴィランに言われたくはないな。」 冷静に相手の挑発を流す。 その瞬間、トガの周囲に爆発が起こった。 それは何かの偶然という訳ではない。 彼が氷結の個性を用いて空気を冷やした後、炎の個性を用いて急激に気温を上げた熱膨張を利用した爆発技だ。 その爆発の威力は、爆撃をメインとする彼の同期、爆轟にも劣らない。 膨冷熱波と名付けたこの技は、彼の個性の中でも特に高い威力を持っている。 (やはり爆発の威力も落ちているか……) だが、上空でくるりと身を翻し、猫のように着地したトガを見たヒーローの顔は、苦々し気だ。 先の技は轟本気を出して使えば、オールマイトの力を得た緑谷の全力の一撃さえ吹き飛ばせる。 勿論、殺すつもりはなく手加減したことを加味しても、爆発の威力も範囲も小さすぎる。 最初に撃った氷攻撃、穿天氷壁も、本来なら大型ドーム半分を覆えるくらいの広範囲を攻撃出来るはずだった。 だというのに、精々がプロレスリング1つといった所。 天を穿つというには、名前負けも良い所だ。 これはこの殺し合いにおける、ある世界の鬼の血鬼術の制限、はたまた別の世界の否定者の能力の減退と同じようなものだ。 現に彼はこの殺し合いの会場に来てすぐ、自身の居場所を知り合いに知らせるために、高層ビル程の高さを持つ氷山を作ろうとしたが、それは叶わなかった。 「まだまだですよ。轟クン。」 セーラー服やクリーム色のカーディガンはいくらか汚れているし、ダメージも受けてない訳ではないが、致命傷を負ってもない。 トガがかつて異能解放軍との戦いの最中、個性による地雷攻撃を受けたこともある。 その際に、吹き飛ばされた後の受け身の取り方を覚えていたのもあった。 「君の血を奪って変身すれば、私の大好きな出久くんに警戒されずに近づける。 だから、轟くんの血を頂戴してほしいな。」 「そう言われて、渡すヒーローがどこにいると思っているんだ。」 この2人は直接対面したことは無いが、互いにその名は知っている。 片や悪を討つ、未来のプロヒーローとして。 片やその雄英高校を何度も襲い、また一般市民にも危害を加えようとするヴィランとして。 「ああ、でも、ステ様にも会いたい。ステ様のために殺すのもいいかもです。ステ様を殺すのもいいかもです。」 彼女がセリフを言い終わってから、一拍置いて、舌打ちの音が響いた。 顔をぽうっと赤らめ、口角を耳に届くか届かないかというところまで上げる。 まるで狂気と殺気に満ちた場所にいるとは思えない、恋する乙女の表情だった。 恋する乙女と何ら変わらないようで、全く異なる感情を胸に抱いている彼女に、地面から氷の槍が殺到する。 「私の恋路を、邪魔して欲しくないですね。好きで好きで好きな人に会いたいという気持ち、分かりますよね?」 S字を描くように走り、攻撃を躱していく。 「お前がその為に他人に危害を加えようとするからだろうが。」 今度は右手から出る炎が、赤い蛇のようにトガに絡み付こうとする。 「!?」 後ろへ下がろうとするが、ズルンと足を滑らせる。 焦凍の個性によって、地面がスケートリンクのようになっていた。 それでもトガはバランスよく重心をキープし、大縄跳びのように迫りくる炎を飛び越える。 「私の愛を、邪魔しないでくれませんかあ?」 彼女は赦されなかった。 当たり前に生きることを。当たり前に異性を愛することを。 なぜなら、彼女は好きな相手の血を吸うことでしか充足を得ることが出来ないのだから。 それは何が悪いのか?我慢しない彼女が悪いのか?否、それを許さない社会が悪いのだと、彼女は断定した。 だから、ヴィラン連合に入り、自身のあたりまえを許さない癖に身勝手な当たり前を押し付けてくる社会にツバを吐いてやろうとした。 だが、もしこの殺し合いの世界ならば。 従来の法や規則の一切合切が撤廃されたこの世界ならば。 彼女の求めているものは、手を汚さずとも手に入るのではないか。そして願いも叶うのではないか。 そう考えて、彼女は殺し合いに乗った。 10人の命など比べ物にならないくらい、元の世界で手に入らなかったそれは輝かしかった。 勿論同じように殺し合いに巻き込まれた連合のリーダー、死柄木弔を援助しようという気持ちは無いわけではない。 あくまで無いわけではない、というぐらいだ。自身の未来より優先するほどでもない。 「へえ、君も愛を求めているんだ。」 急に第三者の声が聞こえたと思ったら、突然空気が重くなる。 既に戦いによって上がっていた二人の心拍数が上がる。 聞こえたのはおおよそ敵意を感じさせない、聊か高くて穏やかな声。 だというのに、下手なプロヒーローより強いと評価された焦凍や、ヴィランの1人として修羅場を潜って来たトガでさえ、悪寒が走った。 これまで互いしか見ていなかった二人の視線は、離れた場所に立っていた男に集まる。 「やあやあ初めまして。俺の名は童磨。良い夜だねえ。」 そこにはニカニカと笑う、不気味な風貌の男が立っていた。 一昔前の衣装に、虹色の光彩。頭から血を被った様な髪の色をした鬼がそこにいた。 妙に高貴な衣装に身を包み、 今まで全くそりが合わず、争っていた同じ世界の二人は、奇天烈な色をした瞳に見つめられた瞬間に同じ思考を抱いた。 あの男は相当ヤバイと。 「どうしたの?」 次の瞬間、二人は予想が当たっていたことに気付いた。 なにしろ、さっきまで離れていた男が、瞬きもせぬうちに近くにいたからだ。 (コイツは、移動に関する個性の持ち主か?) そう考えながらも、焦凍は氷塊を童磨目掛けて放つ。 まだ目の前の男が完全な悪だと断定したわけではないため、雄英高校体育祭で瀬呂にやったような、拘束するだけの氷技だ。 「おっ、すごいな。君は鬼だったのかい?でも君のような鬼に会ったことはないんだけどな……」 目の前に氷塊が来ても童磨は慌てず騒がず、愛用していた奥義を2,3度振る。 氷はチーズのように簡単に砕けた。 「お返しだよ。血鬼術 蓮葉氷。」 もう一度童磨が金の奥義を振ると、蓮の葉を模した氷が、焦凍の顔面を切り裂こうとする。 だが、かざした左手の炎が、彼を守る。 童磨が放った氷は、瞬く間に水へと融解した。 氷への最大の武器は炎。たとえ個性を持つ者が現れようと、超常的な力を持つ鬼が現れようと、この理は変わらない。 「俺は鬼じゃない。お前のような奴から参加者を救うヒーローだ。」 焦凍は童磨からの疑問に答えると、またしても右手をかざした。 今度は童磨の足元から、氷の山が竹のように出てくる。 いくら度を超えたヴィランだろうと、初見で彼の技を見抜くのは不可能、そうは思わなかった。 焦凍の悪い予想は命中する。 童磨は素早く個性の出所から離れた。 「へえ、救うって、俺と同じじゃん。奇遇だね。」 お前は何を言っているんだという空気が漂う中、童磨は話を続ける。 「俺もね、この殺し合いに無理矢理入れられた可哀想な人たちを、救ってあげようって思「邪魔です。」 ニカニカと、しかし力の入らない笑みを浮かべて話している童磨の首筋を、後ろからトガが刺す。 彼女にとって、笑顔を浮かべて悩みを解決してあげようなどとぬかす輩は、全て憎悪の対象だった。 そんな相手は、彼女が刃物で血を吸い取ろうとした瞬間、悉く異常者として見て来たからだ。 「お?君はどうしてそんなに怒っているんだい?」 後ろ手で刀を受け止めるという離れ業をやってのけるも、表情一つ変えない。 彼が生前に、教祖として信者の悩みを良く聞いていた。 その時に良く浮かべていた屈託のない表情と、何ら変わりはない。 「ッ!離しなさい!!」 人の力を優に超す鬼、しかもその中でも上澄みの童磨の力は強く、その刀を奪うことは出来ない。 「この手触り、この細さ。よく見れば俺の大好きな人の刀じゃないか。懐かしいなあ。 でも、使い方がなってないよ。」 迂闊に振り回すと、細い刀が折れてしまうのはトガにも分かっていた。 だが、愛用の針が無い今、手放すわけにもいかない。 余裕を見せている童磨に、またも氷の刃が迫りくる。 曲がりなりにもヒーローである自分に向かって救うとはなんたる言い草だ、とあきれ半分憤り半分に焦凍が放ったものだ。 今度は狭い範囲に、より鋭利な氷が現れる。 白銀の刃は、童磨の右手を切り落とした。 決して焦凍は、トガを許したわけではない。 だが、それ以上にこの男をどうにかしないといけないと考えただけだ。 「う~ん、やはり血鬼術とは違うのかな?」 童磨は片腕を失っても、ケロリとした表情で目の前の氷を観察していた。 彼ら鬼にとって、それは大した怪我ではないからだ。 (再生も僅かだけど遅くなってる……この世界、あの方の血の呪いに干渉する何かがあるのかな?) 四肢の喪失ぐらい、上弦の鬼ならば一瞬で元通りだ。 だが、腕が生えたばかりの瞬間、トガが彼の虹色の瞳を串刺しにする。 それに続くかのように、焦凍は炎の個性で童磨を焼こうとする。 たとえ相手を焼けなくても、先程と同じように熱膨張によって、爆発技へとつなげることが可能だ。 そんな彼の目論見は、あっさり破綻することになる。 ――血鬼術 散り蓮華 童磨は失ってない方の腕で奥義を振ると、文字通り蓮華の花びらを思わせる氷のつぶてが現れ、焦凍の炎を打ち消す。 氷使い相手に、炎ほど打ってつけな力は無い。そんな常識は、上弦の鬼に通じない。 最も、彼の炎の個性が無ければ、2人共童磨が放った氷を吸って、呼吸さえもままならないことになっているのだが。 (!!) 炎を消してなお、解け切ってない氷の刃が焦凍に殺到する。 咄嗟に後ろに退き、安全地帯まで下がる。 攻撃は避けられた。だが、既に童磨の失った腕は再生していた。 ――血鬼術 蔓蓮華 今度は童磨はトガに向かって奥義を振るう。 現れたのは、植物の蔓を連想させる氷。 それでいて、本物のそれより鋭利であり、彼女の服の袖を傷付けた。 彼女は逃げ足は優れているため、致命傷は追わなかったが、それでも腕を少し切り裂かれた。。 「それが救うって行為か。」 「そうだよ。俺は昔から、苦しんでいる人たちを食べてあげていたんだ。強い者が弱い者を救うのは義務でしょ。」 最初は恐ろしい相手だと思っていたが、実際に対面してみると、存在してはいけない相手だと伝わった。 だが、童磨の氷を操る血鬼術は、自分の個性よりも上手だと同時に思い知らされた。 「そんなことで私を救えると?」 腕を傷付けられて猶、トガは相手を刺し殺そうとする。 ムカつくムカつくムカつくムカつく。 勝手な押し付けで他者を救っている気になっている男が、本当にムカつく。 トガもまた、そんな怒りに任せて童磨を何度も突き刺そうとする。 だが、その刺し傷はすぐに再生してしまう。 「君はさ、さっき愛を語っていたよね?」 童磨の虹色の瞳が、トガの黄色い瞳を見据える。 「俺もさ、愛を求めているんだ。だから同じ悩みを抱えている者同士、話に乗ってやることも出来ると思うんだよ。」 悩み相談の相手は針のような刀で、虹色の瞳を何度も刺す。 目玉が、光彩が、網膜が、水晶体が血に混じって飛び散るが、態度を改める様子はない。 自身をザクザク刺してくる相手に語り掛けているとは思えない穏やかさで話しかける。 「そう構えなくても、俺は君が可哀想な人間ってことはよく理解しているよ」 「~~~~~~~!!!」 刀を握るトガの力が、一層強くなった。 彼女が思い出したのは、異能解放軍の幹部のキュリオス。 記者を名乗っていた彼女もまた、この男のように勝手に自分のことを不幸だ何だと言って来た。 だからこいつも、あの女と同じ目に遭わせてやる。 そんな気持ちで、目玉、首筋、心臓、肺と急所と思い当たる場所を次々刺す。 (私はちっとも不幸じゃない。嬉しい時はにっこり笑うの) 攻めているのは彼女の方。だというのに、勝負は全く有利に傾かない。 「離れろ!!」 その状況を鑑みた焦凍が、トガに指示を出す。 「ヒーローなのに、私に命令しないでください!」 そう言いながらも、トガは後方に避難する。 彼女がいた場所に、尖った氷柱が降り注ぐ。 ――血鬼術 冬ざれ氷柱 「これでも食らってろ!!」 氷柱が落ちてくる場所に、炎が巻き起こり、その後すぐに大爆発が空気を揺らす。 先ほど焦凍が炎と氷を出して爆発を起こしたが、今度はそれを童磨の氷でやってのけた。 最も、相手の氷に合わせて炎の威力を無理矢理強くしたため、彼の疲労も馬鹿にはならないが。 敵の技を利用して大技を打ってなお、彼の表情は固いままだ。 あの程度の爆発くらいで人の皮を被った怪物を倒せると思うほど、彼は楽天家ではない。 「いやあ、驚いたなあ。そっちの女の子が時間を稼ぎして、俺が攻撃してきたところで爆発させる。実に見事!! しかし今の爆発……血鬼術とはやっぱり違うみたいだけど……一体何なんだい?」 鉄扇の一振りで、濛々と上がっていた煙が、一瞬で晴れる。 そこにいたのは、衣服や顔が汚れているが、致命傷らしきものは負っていない童磨。 このままでは勝てない。 感情を露わにしながら戦うトガも、冷静を保ちながら戦う焦凍も、共に心臓が高鳴り始めていた。 全身から冷や汗が止め処なく滴る。 ヒーローとヴィランは、両者の敵を相手にまたも同じことを考える。 そして、トガヒミコは奥の手を使った。 彼女の強さは、そして社会の網から掬われずにいられた理由は、素早さだけではない。 ペロリと刀に付いた、童磨の血を舐める。 棒付きキャンディーの甘味でも味わうかのように、チウチウと吸い取る。 映画やドラマで、三下がやりがちな挙動だが、彼女の場合は威嚇や彼らの真似事などではない。 トガヒミコは、他者の血を飲むことで、姿をその血の持ち主に変えることが出来る。 そして、異能解放軍との戦いで個性が覚醒し、相手の個性までも使えるようになった。 目の前の男は強い。だが、強いからこそ変身した時強力な個性を使える。 そう思ったのが、彼女の不幸だった。 お、と珍しい物でも見るような顔つきで童磨は彼女の行為を見続ける。 「あなたのこと、嫌いで嫌いでたまらないけど、この際仕方な………」 突然、バクンと異常な鼓動が彼女を襲った。 同時に、ズキンと異様な痛みが彼女の身体を走る。 「な……なに……? き、気持ち、悪ぃいィィ……………。」 血走った眼を見開き、歯を砕けるほど食いしばり、ガクリと膝をつく。 彼女はかつて血を爆発させる個性の持ち主の血を吸ってしまったがために、手痛いダメージを受けたことがあるが、それとは全く違う。 まるで毒物でも盛られたかのように苦しみ始める。 事実、それは毒のようなもの。童磨が鬼の首魁、鬼舞辻無惨から承った血は、人間にとっての猛毒になる。 「俺の血を吸ったらそんなことにもなるでしょ。」 この殺し合いの会場では、血鬼術の威力が弱められているように、鬼舞辻無惨の血の毒も弱められているのが、不幸中の幸いだった。 もしそうなっていなかったら、皮膚が内側からドロドロに溶けていたり、そのまま死ぬこともあり得たからだ。 (まずい!) 何が起こったのかは分からなかったが、状況がまずくなったのは焦凍にも分かった。 今までの戦いは、敵が両者に向いていたことで、ギリギリ均衡を保っていられた。 ヴィランに頼るのは癪だが、1対1では間違いなく勝てる相手ではない。 (落ち着け……こういう時こそ、相手がどう出るか考えろ……) ヴィラン連合との戦いで、父エンデヴァーとのヒーロー活動で、自らの個性をどう使うべきか学んでいた。 「辛そうだね、でも大丈夫。俺が救ってあげるよ。」 童磨は瞬間移動でもしたかのような速さで消える。 だが、その先が分かっているかのように、焦凍は地面を凍らせ、スケートの要領で予測地点に走って行く。 目論見通り、敵はトガの首を斬りに、彼女のすぐ近くに現れた。 速さは相手が上。だが、何処に向かうか分かれば、攻撃を当てることも不可能ではない。 (体の熱を限界まで引き上げろ!!) 左半身のエネルギーを上げに上げ、限界まで温度を上げた拳を、童磨の顔面に打ち付けた。 鬼の顔の肉と血が飛び散り、首の上が真っ黒なクレーターになる。 (慣れない技だったが、何とかなったか。) 彼の父が得意としていた赫灼熱拳は、炎の力を一転に集めるのが苦手な彼が撃っても、威力は父の物に比べて数段は落ちる。 それでも、氷によるブーストをかけて撃った渾身の一撃は、上弦の鬼の顔面を打ち抜き、大きく吹き飛ばすことに成功した。 (恐ろしい敵だった……さて、アイツをどうするかだな……) 有害な血を飲んで青息吐息とは、人の血を吸い続けたヴィランらしい末路だが、無視するわけにはいかない。 あのいけすかない異形と同じことを考えたのは癪だったが、もし彼女が死ぬしかないのなら、自分の手で殺してポイントを取っておきたい。 それに、彼が気になったのは同じ高校の友や、殺し合いに巻き込まれた父のこと。 特に父とは長い確執を経てようやく和解の兆しが見え始めた所だ。 こんな所で死ぬとは到底思えないが、それでも早期の再会を望んでいた。 別の方向を見ると、セーラー服の彼女は覚束ない足取りで、それでも必死で走って逃げている。 大分姿が小さくなっているが、追いかけないと面倒なことになるかもしれぬと考え、地面を凍らせて走り出そうとした。 【1日目/未明/D-6・草原】 【轟焦凍@僕のヒーローアカデミア】 [状態]:ダメージ(特大) 疲労(大) [装備]:轟焦凍のコスチューム@僕のヒーローアカデミア [道具]:基本支給品、ランダム支給品3 [思考] 基本:殺し合いに乗っている者を倒す。どうしようもない相手だけは殺してポイントにする 1:まずは、逃げたトガヒミコを追いかける 2:父はどうしているか 3:出来るなら緑谷や爆轟とも再会したい 4:元の世界のヴィラン(死柄木、ステイン、マスキュラー)に警戒 [備考] ※参戦時期はエンディング捕縛後~超常解放戦線前 ※童磨の斬撃によって、脇腹から首筋にかけて致命的な傷がありますが、気付いていません。 不意に逃げるヴィランを入れた視界がぼやけたと思いきや、走ろうとする足が動かなくなった。 おかしい、と思った瞬間、身体から大量の血が迸る。 焦凍は気づかなかった。 自分の身体に、一筋の深い裂傷が刻まれていたことを。 「ああごめんごめん。さっき君が俺の顔を殴った時、俺も君をこうやって斬りつけていたんだよ。」 まだ顔面の一部が焼け砕けているというのに、倒したはずの鬼が立っていた。 ほんの少し前まで、痛みさえも感じなかった。 そうなるのも無理はない。 童磨は生前、鬼殺隊の中でも最高峰の速さを持つ蟲柱の攻撃を受けながら、斬撃を与える離れ業をやってのけたのだ。 「さっきのは中々いい一撃だったよ。俺の友達ほどではないけどね。 でも俺達はそれじゃ殺せないんだ。」 彼の言う通り、鬼は首を斬り落とすか、はたまた太陽の光を当てねば殺せない。 焦凍の不運は、敵の再生力がいつもより落ちていたことだ。 中々顔面の形が戻らなかったからこそ、倒したと思ってしまった。 勿論、彼は敵が回復に関する個性を持っているという可能性も考えていたが、どうにかせねばならない相手が2人いるということも災いした。 「ほら、こんな風にね。」 焦凍はそれでも敵を焼き、氷漬けにしようと、両手を上げようとする。 だが時すでに遅し。 「ま……まだ俺は……。」 「救うのは俺の方だよ。」 鬼は鉄扇をヒュッと振り、彼の胴と頭は生き別れになる。 (う~ん、この人の力の源、知りたかったんだけどな。まあ、あっちの女の子を食べてから考えるか……) 早速トガが逃げた方向に足を速めようとする。 しかし、一瞬足が動かなかった。 焦凍が、最期に自らの血を凍らせ、鬼の足はそれに捕らわれていた。 このヴィランをのさばらせていては、自分以外にも多くの人間が犠牲になる。 ほんの少しでも、止めねば。1人だけでも、殺されるのを止めねば。 それが、プロヒーローの父を持ち、ヒーローであろうとした彼の、最期の意志だった。 だが、それは上弦の鬼にとって、ほんの数秒の時間稼ぎでしかない。 「そんな意味のないことをして、なのに他の人を救った気になって、やっぱり君も哀れな人間だね。」 扇の一撃で、真っ赤な氷は自分の足ごと砕ける。 壊れた脚はすぐに再生する。 「君も食べてあげたいけど、彼女を救うのが先だから、少しだけ待っててね。」 鬼の災害は終わらない。 今度はヴィランの少女と、彼の鬼ごっこが始まった。 (彼女の分も合わせれば、あと8人で上がりというわけか。待っててね、しのぶちゃん。) 蟲柱の彼女の笑顔を、脳裏に浮かべる。 彼の胸が、高鳴るのを感じた。 【轟焦凍@僕のヒーローアカデミア 死亡確認】 【1日目/未明/D-6・草原】 【童磨@鬼滅の刃】 [状態]:健康、しのぶちゃんへの恋心 [装備]:金の鉄扇@鬼滅の刃 [ポイント]:5 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~1、皮下真の研究資料@夜桜さんちの大作戦 [思考] 基本:生き残って、しのぶちゃんを蘇らせ、結ばれる。 1:無惨様の為になるであろう『夜桜の血』の情報を探る。 2:苦しむ可哀想な少女(トガヒミコ)を追いかけ、殺して食べてあげる 3:鬼殺隊は始末する。特にあの娘(カナヲ)は厄介だから早急になんとかしないと。 4:何時もの如く、可哀相な参加者は救うために喰らう。 5:他参加者へのポイント譲渡のルールを追加させる。 6:黒死牟殿や猗窩座殿、あと黒死牟殿が血をあげた例の新入りは何処にいるのやら? [備考] ※参戦時期は死亡後 「はあっ………はあ……ゲホッ……!!」 金髪の少女が、草原を走る。 その表現はおかしいのだが、そう描写するしかない。 何しろ彼女は、虹色の目の男に姿を変えたり、少女の姿に戻ったりしているのだから。 息を切らし、何度か血の混じった咳をするが、その足を止めることは無い。 支給品を覗いてみたが、薬になりそうな物は無かった。 とにかく、今の状況から脱しないと、殺し合いに勝つどころか、生き残ることさえ難しい。 (あの嫌な奴から逃げないと……!) かつてヴィラン連合に入る前のように、今はとにかく逃げる。 心臓は、ずっと高鳴り続けていた。 【トガヒミコ@僕のヒーローアカデミア】 [状態]:ダメージ(中) 全身に鈍痛 脈の狂い [装備]:胡蝶しのぶの日輪刀(童磨の血入り)@鬼滅の刃 [道具]:基本支給品一式、ランダム支給品2(薬関係は無い) [思考・状況] 基本方針:殺し合いに勝利し、自分が普通に生きられる世界の実現をさせてもらう……はずだったけど? 1:とにかく童磨から逃げる 2:どうにかして、解毒方法を探す 3:デク君(緑谷出久)やステ様(ステイン)に会いたい 4:死柄木やマスキュラーは割とどうでもいい。まあ会ったら支援ぐらいはする [備考] ※参戦時期はアニメ5期終了~超常解放戦線前のいつか ※原作で背中に背負っている背中のボトルにチューブが繋がれた注射器は没収されているため、原作で変身したキャラ(お茶子、ケミィなど)に変身出来ません。 ※童磨から鬼の血を吸ってしまったことで、様々な効果が表れています。鬼化するかは次の書き手にお任せします。 ※現在、姿は童磨になったり元に戻ったりしています。 【金の鉄扇@鬼滅の刃】 童磨が生前から愛用していた、金色の扇。 軽く振っただけで鬼殺隊を隊服ごと切り裂く鋭さを持つ 【胡蝶しのぶの日輪刀@鬼滅の刃】 トガヒミコに支給された、細長い刀。鍔は水色の地に橙色の縁取りが成された蝶の羽を思わせる鍔は水色の地に橙色の縁取りが成された蝶の羽を思わせるデザインをしている。 敵を斬るのには向いていない形をしているが、毒を射し込むことを目的としている。 また、鞘に納刀することで、刀に入れた毒を調合できる。 前話 次話 蜘蛛糸は垂らされず 投下順 沸血インヘリット 蜘蛛糸は垂らされず 時系列順 沸血インヘリット 前話 登場人物 次話 羽化 童磨 激闘開幕 童磨VSカタクリ START 轟焦凍 GAME OVER START トガヒミコ 激闘開幕 童磨VSカタクリ
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分類不明の情報、どこにまとめるか分からない情報をメモしておく場所です ex)ダメージ計算式などの検証データ 堅苦しく書いてありますが、なんでもかまいません。 起動時のメッセージ あらすじ(ネタバレ注意) EXP ロボ アビリティパッシブ増加値 アビリティパッシブ増加値(FD) アビリティ 計算式 BYスキル 91階以降のモンスターのドロップ91~99階モンスターLv 消費品 装備品 虚経路グループCD スキル 100階以降 フロアボス 書き残す 起動時のメッセージ 歩武 Now Dying... 弓那 Now Singing... 雲母 Now Rolling... 藍 Now Eating... 麻衣乃 Now Reading... 黎 Now Tomoring... 月夜 Now Summoning... 陽子 Now Planning... 会長 Now Wondering... FDも一緒。FD新キャラ分も少しあり るみね Now Appealing... リリーティア Now Damaging... エレオノール Now Victiming... あらすじ(ネタバレ注意) +【共通ルート】 [部分編集] 神撫学園二年生の翠下弓那は、成績不良によりぎりぎりの学園生活を送っていた。ある日そんな弓那のクラスに、朱島歩武が転入してくる。 父親の言いつけにより転入してきた歩武だが、その理由とは『神撫学園にいる翠下弓那という少女が、世界を守る救世主だから』という突拍子もないものだった。 二人は根本的にそりが合わず、口喧嘩の絶えない毎日を送っていた。その果てに弓那は、テストの日に暴力事件を起こし、留年決定の事態に陥ってしまう。絶望に打ちひしがれる弓那の前に、論説部の部長・黒河雲母が現れる。 論説部部長である雲母は、超選挙トーナメントに勝ち抜き会長になれば、すべての権限を手に入れられると教える。 そして歩武と弓那は、強引な部長に導かれ留年を取り消すため、超選挙大戦に立候補することになった! 恋と友情と感動の、超青春&超能力ヘリクツバトルが幕をあける。 以下省略 決勝戦を勝ち抜いたで翠下弓那だが、正体不明の武装集団に誘拐される。 一回戦…図書委員 二回戦…運動連合 三回戦…巫女委員会 決勝戦…神楽なゆた 以下省略 論説部一行は宇宙へ… +【弓那ルート】 [部分編集] +【雲母ルート】 [部分編集] 戦闘演習中に雲母が反乱を起こし、銀河連邦総帥ガレオーンを暗殺しようとするが、歩武とディーレに止められ失敗。 ※雲母曰く、ガレオーンがイシリアルと異空体の共倒れを策略した為に、弓果が死亡したとのこと ※ガレオーン曰く、イシリアルは道具、イシリアルが異空体を滅ぼすと、イシリアルは人類の敵となるため、戦力は小出しにして然るべきであると 今までの異空体の出現位置から異空体の群れが銀河連邦本部を目指していることを知る。 雲母は異空体と銀河連邦が消耗しているところに乗り込んで、異空体を滅ぼすべきであるというが、歩武が納得せず。 すぐに救援に向かうことになる。 銀河連邦本部近くで、カラレスと再会。 カラレスは置き土産(異空体のデカイモノ)を置いて退散。 ディーレも救援に来るが倒すことができない為、 雲母は敵と自分たちとを、ティルセシードにテレポートさせる。 ベリダディアが剣に変身し、敵を撃破する。 以下省略 +【藍ルート】 [部分編集] リシェインとディーレ=グムラ=タリムにより異空体の母体の位置が判明したとの情報が得られる。 ※リシェインはアルゴダの総帥 ※アルゴダは銀河連邦に技術支援を行ってる星で、実質銀河連邦よりも上の立場 ※ディーレは藍の姉であり、現時点で最強のイシリアル能力者 ※藍は元々銀河連邦側の人間であり、アルゴダ星出身 一行は母体に乗り込み、そこにいたカラレスを撃破。 カラレス撃破により異空体は全滅したかに思えた… だが、異空体の集団が襲来。 なすすべもない一行だが、急遽リシェインが駆る天空体が出現し、異空体の集団を撃破後消えた。 ※リシェイン曰く、最後の生き残り達であると カラレスを撃破した功績により藍は天空都市に招かれる。 一行はリシェインの不審な行動に疑問を抱くと同時に 仲間を連れ戻す為に、一行はアルゴダに乗り込む。 藍の精神を天空体のコアとして取り込み、完全体となる天空体だが、雲母の力により藍の精神世界に進入した歩武により藍の精神を助ける。 不完全な天空体を撃破。 めでたしめでたし。 +【完結編】 [部分編集] +【過去】 [部分編集] 神撫学園二年生の翠下弓果(弓那の母)は、黒河雲母、恋人の鹿島武人(歩武の養父)と共に 星徒会優勝し、宇宙にあがった。宇宙でカラレスと出会う。 ※武人は弓果を補佐する為に銀河連邦から派遣された人間 ※当時カラレスは宇宙最強のイシリアル能力者 我々4人は当時最新鋭の宇宙船であるゼーレルムに乗り込み、異空体と戦った。 幾多の戦いを経た弓果は宇宙最強であるカラレスと肩を並べる存在になっていた。 戦いの中、弓果は武人の子供を身籠もった。 武人は弓果を前線から遠ざけ、地球へ返した。 弓果がいない二年弱の間、武人は銀河最強と肩を並べる働きをした。 だが、弓果が弓那を生み、なんとか動けることになった時、武人の体は壊れていた。 ふたりの位置は、そっくり入れ替わった。 弓果が宇宙で戦い、武人が安全な場所で弓那を育て、守る。 異空体の核の存在を発見。 戦いの最中カラレスは異空体と融合。止めようとした弓果は敵性宇宙に取り込まれる。 雲母は敵の攻撃に晒され、気付いた時には能力の暴走を引き起こし、 ベリダディアたちのいる世界へと移動してしまった。 雲母は能力の使い方をティルセシードで訓練後、元の世界に能力を使い戻る。 EXP +... [部分編集] Lv差 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 倍率 1.1 1.3 1.5 1.75 2 2.4 2.8 3.4 4 5 Lv差 1 2 3 4 5 6 7 8 倍率 0.75 0.5 0.3 0.2 0.1 0.05 0.02 0.01 論説戦 敵Lv 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 EXP 50 100 384 575 792 1280 1607 1970 2793 3253 3743 オーダクル 敵Lv 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 EXP 177 312 485 727 981 1272 1598 1958 倍率 RARE 1.1 HB 1.15 HB RARE 1.25 ロボ +... Rフレーム Lv HP 攻防 1 750 10 10 1737 24 20 4909 59 30 10265 115 40 17805 192 50 27529 289 60 39437 408 70 53529 547 80 69805 707 90 88265 888 100 110000 1100 天空体 Lv HP 攻 防 天 1 30000 25 25 1 10 32610 95 56 5 20 41020 315 146 15 30 55230 715 294 25 40 75240 1202 501 35 50 101050 1867 767 45 60 132660 2682 1091 60 70 170070 3646 1474 70 80 213280 4756 1915 80 90 262290 6216 2415 90 100 320000 7500 3000 100 アビリティパッシブ増加値 [部分編集] Lv 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 最大HP +20 +70 +140 +240 +390 +590 +860 +1230 +1750 +2500 論理攻撃心理攻撃論理防御心理防御 +1 +3 +6 +10 +15 +20 +26 +33 +41 +50 論理心理攻撃論理心理防御 +1 +2 +4 +6 +9 +12 +16 +20 +25 +30 全能力(表記はないが天空力も上昇する)天空力 +1 +2 +3 +5 +7 +9 +11 +14 +17 +20 [部分編集] アビリティパッシブ増加値(FD) Lv 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 最大HP +3% +6% +9% +12% +15% +18% +21% +24% +27% +30% 論理攻撃心理攻撃論理防御心理防御 +2% +4% +6% +8% +10% +12% +14% +16% +18% +20% スキル論理ダメージ値スキル心理ダメージ値スキル論理ディフェンス値スキル心理ディフェンス値 +3% +6% +9% +12% +15% +18% +21% +24% +27% +30% 天空力 +2% +4% +6% +8% +10% +12% +14% +16% +18% +20% スキル回数 +3% +6% +9% +12% +15% +18% +21% +24% +27% +30% オーディエンス変動値 -2% -4% -6% -8% -10% -12% -14% -16% -18% -20% トランプル効果値 +3 +6 +9 +12 +15 +18 +21 +24 +27 +30 プロテクト・カウンター効果値 +2 +4 +6 +8 +10 +12 +14 +16 +18 +20 シフト・ドレイン効果値 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +10 ダメージ軽減値 +2% +4% +6% +8% +10% +12% +14% +16% +18% +20% トランプル プロテクト カウンター シフト ドレイン ダメージ オーディエンス スキル 歩武 ○ ○ ○ 黎 ○ 弓那 ○ ○ 麻衣乃 ○ ○ ○ 藍 ○ ○ ○ 月夜 ○ ○ ○ 雲母 ○ ○ ○ 陽子 ○ ○ ○ 那由他 ○ アビリティ +... 剣技 戦う心 螺旋 集中力 刀閃 貫く心 錐揉 中心力 巧妙な発剣 怒れる心 竜巻 透徹力 絶妙な発剣 荒ぶる心 渦巻 不惑力 心機溌剌 優しさ 心法・砕 冷静な目 闘志 いたわり 心法・堕 冷徹な瞳 怒気 真心 心法・魂 催眠 闘魂 風楯 心法・闇 集団催眠 激怒 土楯 求心法 偃月陣形 心機充実 大樹鎧 混沌 鶴翼陣形 忘却の楔 大気鎧 焦熱 消沈 守備の理 偶像 流体・太 抑圧 防御の理 平常心 交叉法 停滞 受体 歌声 流体・極 残心 鋼体 岩石の守り 転換法 防御メソッド 抜き打ち 鋼鉄の守り 見切り 守勢 狙い打ち 金剛の守り 刹那の捌き 攻勢 打ち掛け 疾風の守り 毒刺 防衛メソッド 防護円 捌き 突貫 沈黙 熱情 避難 遠当て 遮蔽 熱狂 魂の壁 闇討ち 遮断 魂の壁 心の壁 崩し・身 混乱 心の壁 崩し・身 崩し・心 途惑 守護者 崩し・心 崩し・総 熱情 不屈の魂 安心 混乱 熱狂 上天の刃 平坦 途惑 除去 炎熱抵抗力 浄化 混濁 走査 自然 献身の心 克己の意思 透明な精神 暗黒 大空の護り 後の先 大海の護り 氷雪 貫通 鷹の目 奪熱 不動 強打 釣り針 迅雷 縮地 上天の癒し 先の先 逆転 孤高 不動 影縫い 収束 計算式 ダメージ期待値=(効果値*倍率+攻撃力)*(1+天空力/600) 最大倍率のために必要な攻撃力 相手防御力x10 ディフェンス期待値=(効果値*倍率+防御力/2)*(1+天空力/600) 最大倍率のために必要な防御力 効果値×5 +相手防御力13の時の攻撃力/攻撃力倍率 SkillLv1 0 1.00 1 1.00 2 0.78 3 0.80 4 0.83 5 0.83 6 0.85 7 0.88 8 0.90 9 0.90 10 0.93 15 1.03 20 1.23 21 1.29 22 1.29 23 1.35 24 1.41 25 1.48 26 1.56 27 1.56 28 1.64 29 1.72 30 1.83 31 1.83 32 1.90 33 2.00 116 2.00 117 7.50 118 7.50 119 7.56 120 7.64 121 7.74 122 7.74 123 7.86 124 8.00 125 8.16 126 8.16 127 8.48 128 8.88 129 9.40 130 10.00 +... 最大倍率 購買販売攻撃スキル 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 アユム 10 10 10 10 8.5 8.5 8.5 7 6.8 6.8 10 10 10 8.5 8.5 7 6.8 6.8 7.1 7.5 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.1 7.5 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.5 8 8 ユミナ 10 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.1 10 10 10 8.5 8.5 7 6.8 6.8 7.1 7.5 10 10 8.5 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.5 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.5 7.5 8 キララ 10 10 10 8.5 8.5 8.5 7 6.8 6.8 7.1 10 10 10 10 8.5 8.5 8.5 7 7 6.8 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.1 7.5 10 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 6.8 7.1 アイ 10 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.5 10 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 6.8 7.1 10 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.1 7.5 10 8.5 8.5 7 7 6.8 7.1 7.5 8 8 +... ディフェンススキル最大倍率 全スキル共通 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 4 4 4 4.25 4.25 4.5 4.5 4.75 4.75 5 藍に蒼天弓フェンデローテスを装備させ、自然な無視の論理ディフェンス期待値と倍率を調べる 論防 Lv10 Lv9 5810 2.35 2.26 7060 2.96 2.82 8310 3.74 3.60 9560 4.56 4.36 10810 5.00 4.75 11220 5.00 4.75 +... ディフェンススキル発動時 ダメージ=(ダメージ期待値-ディフェンス期待値)*属性耐性 属性耐性 赤→緑→黒→青→赤 弱点 順方向1.1 耐性 逆方向0.95 例外 弱点逆方向 リザードマン 弱点1.05 麻衣乃・黎・月夜・陽子 弱点なし 味方4人・那由他・クラカワ機・ディーレ・天空体 プロテクト・シフト・トランプル プロテクト減衰=(ダメージ期待値-ディフェンス期待値)*プロテクト効果値/100*(1-トランプル効果値/100) シフト回復=ダメージ期待値*シフト効果値/100*(1-トランプル効果値/100) BYスキル +... FD 攻up 防up 攻down 防down 歩武 ○ ○ 黎 ○ ○ 弓那 ○ ○ 麻衣乃 ○ ○ 藍 ○ ○ 月夜 ○ ○ 雲母 ○ ○ 陽子 ○ ○ 全体 攻up 防up 攻down 防down 論 アクセラレートゼム マテリアライズゼム 堕落した理想 無限の苦悩 心 ライジングゼム ブレッシングゼム 超心理戦 偽りの真理 論心 マキシマムゼム レジスタンスゼム 美徳の喪失 深遠の呼び声 敵 司令体 複合ダメージ軽減 ブラスト+敵論心攻▼ ブラスト妨害+敵論心防▼ ディーレ 複合ダメージ軽減 ブラスト+特殊攻撃防御▼ 継続解除+全能力▼ カラレス 敵任意複合攻撃+対象前進 ブラスト+ダメージ 継続解除+全能力▼ 天空体 ブラスト+ダメージ 継続解除+ダメージ 全体複合攻撃 那由他 ブラスト妨害+ダメージ 耐性効果無効化 継続解除+ダメージ 空母型 ブラスト 敵FW全能力▼ 弱点増進 敵性宇宙 ブラスト妨害+ダメージ 全体複合攻撃+Dr 敵全体全能力▼ 91階以降のモンスターのドロップ +... 前置き モンスターをグループで分けることにする グループA ダンジョンの61~70階で出現するもの グループB ダンジョンの71~80階で出現するもの 虚経路ではモンスターが16種出現するので、グループABCDと呼称する 91~99階 モンスターLv 最高 階数-1 最低 max(90,階数-5) 消費品 下表は階数が偶数の場合のドロップを示す。 奇数の場合にはグループA・Bが逆になる。 通常 階 属性 グループ A B 91~93 赤 HP回RARE29 HP回RARE30 緑 HP回RARE29 HP回RARE30 青 HP回RARE30 HP回RARE29 黒 HP回RARE30 HP回RARE29 94~96 赤 HP割回 攻割up 緑 防割up HP割回 青 HP割回 攻割down 黒 HP割回 防割down 97~99 赤 全up HP回 緑 HP回 全up 青 全down HP回 黒 全down HP回 ハイパーバトル 属性 グループ A B 赤 HP回 スキル回 緑 HP回 スキル回 青 スキル回 HP回 黒 スキル回 HP回 装備品 通常(全てRARE29) 階 属性 グループ A B 奇数 赤 心攻 天空 心ダ% 論心攻 HP 心ダ 緑 論防 天空 論デ 論心防 HP 論デ% 青 論心防 HP 心デ 心防 即死 心デ% 黒 論心攻 HP 論ダ 論攻 即死 論ダ% 偶数 赤 論心攻 HP 心ダ 心攻 即死 心ダ% 緑 論心防 HP 論デ% 論防 即死 論デ 青 心防 天空 即死 論心防 HP 心デ 黒 論攻 天空 論ダ% 論心攻 HP 論ダ ハイパーバトル(全てRARE30) 階 属性 グループ A B 奇数 赤 論心攻 HP 心ダ% 心攻 天空 心ダ 緑 論防 天空 論デ 論心防 HP 論デ% 青 心防 HP 心デ 論心防 回復 心デ% 黒 論攻 回復 論ダ 論心攻 HP 論ダ% 偶数 赤 心攻 HP 心ダ 論心攻 回復 心ダ% 緑 論心防 HP 論デ% 論防 回復 論デ 青 論心防 天空 心デ% 心防 HP 心デ 黒 論心攻 天空 論ダ% 論攻 HP 論ダ 虚経路グループCD 下表に対応するグループの属性と同じものをドロップ 属性 グループ C D 赤 B黒 B緑 緑 A赤 A黒 青 B赤 B緑 黒 A青 B青 スキル ハイパーバトルでも変化無し 簡便のためにスキルの組に番号を振る 虚経路 番号 スキル 1 アカシマキャリバー 2 炎の服 7 パワーアクセルワン 8 マインドライズワン 9 アクセラレートワン 10 ライジングワン 11 パイロスプリット 12 ハートビートレッド 21 アカシマヴォルケイノ 22 炎の兜 23 アカシマイリュージョン 24 マテリアライズワン 25 ブレッシングワン 26 イクシードナウ 27~30 炎の服 炎熱・常緑・蒼穹・暗闇 31 クロスノヴァ 32 ムービングウォール 33 イラプション 41 アカシマアヴァランチ 42 炎の楯 43 アカシマスペシャル 46 マックスハートワン 47~50 炎の兜 炎熱・常緑・蒼穹・暗闇 51 アカシマゲヘナ 53 メルトダウン 57~60 魔除け 緋・翠・蒼・影 61 アカシマディバイダー 62 炎の鎧 63 アカシマストーム 64 アカシマメテオ 65 プライマルオーダー 66 マックスハートゼム 67~70 炎の楯 炎熱・常緑・蒼穹・暗闇 73 アカシマインフェルノ 76 リミットブレイクスルー 77~80 炎の鎧 炎熱・常緑・蒼穹・暗闇 スキルドロップ表 階 属性 グループ A B C D 91 赤 64 70 80 62 69 79 63 68 78 61 67 77 緑 63 67 65 61 70 79 64 67 65 62 70 79 青 61 66 73 64 69 78 62 66 73 63 69 78 黒 62 68 77 63 76 80 61 68 77 64 76 80 92,93 赤 2 8 11 1 7 12 2 10 11 1 9 12 緑 2 10 11 1 9 12 2 8 11 1 7 12 青 1 9 12 2 8 11 1 7 12 2 10 11 黒 1 7 12 2 10 11 1 9 12 2 8 11 94,95 赤 21 24 31 22 26 32 23 30 33 21 29 31 緑 23 24 33 23 28 33 23 26 33 23 27 33 青 21 26 31 21 27 31 21 30 31 21 25 31 黒 22 25 32 22 29 32 22 24 32 22 28 32 96,97 赤 41 46 60 42 50 59 43 49 58 41 48 57 緑 43 47 53 43 50 59 43 48 53 43 46 59 青 41 46 51 41 49 58 41 47 51 41 50 58 黒 42 48 57 42 46 60 42 49 57 42 47 60 98,99 赤 61 66 76 65 70 73 64 69 76 62 68 73 緑 63 67 77 65 70 80 62 68 77 61 66 80 青 61 66 73 64 69 79 63 67 73 65 70 79 黒 62 68 78 61 66 76 64 69 78 63 67 76 虚経路以外 番号 スキル 緑 黒 青 1 ユミナチャージ エンドオブデスペラード ディスラプター 2 ユミナチャージ エンドオブデスペラード 傷の反転、重傷対応 3 ガード スマイル 溶痛の闇衣 自然な無視 4 ガード スマイル 溶痛の闇衣 反転の大氷壁、展開 7 ハードマテリアルワン 胸刺さる棘 怠惰な思考 8 ブレストエイムワン 心切り裂く剃刀 拘束された心 9 マテリアライズワン 息苦しい沈黙 愚鈍な思考 10 ブレッシングワン 思慮なき言葉 傷ついた真心 11 メディカルアローン ハートビートブラック ハートビートブルー 12 ヒーリングアローン ハートビートブラック ハイドロブラスター 13 ハートビートグリーン ハートビートブラック グラシアルハート 14 ヒーリングアローン ハートビートブラック ハートビートブルー 15 メディカルアローン ハートビートブラック ハイドロブラスター 21 ユミナダイナマイツ マニフォールドバイト デヴァステイター 22 ガード ガッツ 苦痛の闇鎧 容赦ない無視 23 ラディカルスラッグ トラキュレントソウ クライオバンブレイザー 24 ユミナバリヤー 凶刃の黒楯 全員による聞き捨て 27 息苦しい沈黙 レイジングフィーバー ヌルサイレンサー 28 思慮なき言葉 オーバーレイド レリーブアローン 29 息苦しい沈黙 コンヴィクション ヌルサイレンサー 30 思慮なき言葉 光断つ闇の輝き レリーブアローン 31 シャイニングスマイル 心締めつける鎖 アクセラレートワン 32 メディカルオール バーニングハート 反転の超雪山、展開 33 リダクションアローン 魂縛る蔦 ライジングワン 41 ユミナシュート ラセレイトフレッシュ ブランディッシュ 42 ハイパーガード スマイル 悦痛の黒冠 聞く耳を持たない心 43 スカイダイブインパクト バックインブラック オーバーウェルキャノン 44 ユミナフィールド 暴刃の闇鎧 団結した無視、自己防衛 45 リカバリーアローン 闇から覗く瞳 思念停止 46 レジストスピリットワン 闇から覗く瞳 思念停止 47 リカバリーアローン 闇から覗く瞳 反転の水壁、展開 48 レジストスピリットワン 闇から覗く瞳 反転の水壁、展開 49 リカバリーアローン 闇から覗く瞳 傷の反転、防壁硬化 50 レジストスピリットワン 闇から覗く瞳 傷の反転、防壁硬化 51 サイレンスハート ゲームオブカオス 傷の反転 52 ヒーリングオール ゲームオブカオス 傷の反転 53 サイレンスハート ヒートアップアリーナ 峨々たる山の陣 54 ヒーリングオール ヒートアップアリーナ 峨々たる山の陣 55 サイレンスハート 天覆う深淵の煌めき 燃えたぎる血 56 ヒーリングオール 天覆う深淵の煌めき 燃えたぎる血 スキルドロップ表 階 属性 グループ A B 92,93 赤 4 8 14 2 7 15 緑 3 10 13 1 9 13 青 1 9 11 4 8 11 黒 2 7 12 3 10 12 94,95 赤 24 28 33 22 27 31 緑 23 30 23 21 29 33 青 21 29 31 24 28 31 黒 22 27 32 23 30 32 96,97 赤 44 47 55 42 50 52 緑 43 49 55 41 50 56 青 41 46 52 44 45 51 黒 42 48 54 43 47 53 階 属性 グループ A B 91 赤 ロジカルラビリンス ユミナディメンション リバイバル ユミナザ100t ユミナスペース リカバリーオール 緑 ユミナザ100t ユミナスペース レジストスピリットゼム ロジカルラビリンス アストラルブレイカー リカバリーオール 青 ユミナザ100t ワイルドスクリーミング アークティックフラット ロジカルラビリンス アストラルブレイカー クワイアットダウン 黒 ユミナザ100t ユミナディメンション リダクションオール ロジカルラビリンス ワイルドスクリーミング リダクションオール 98,99 赤 ユミナスペース リカバリーオール リバイバル ロジカルラビリンス ユミナディメンション アークティックフラット 緑 アストラルブレイカー ワイルドスクリーミング リダクションオール ユミナザ100t レジストスピリットゼム クワイアットダウン 青 ユミナザ100t レジストスピリットゼム クワイアットダウン ユミナスペース リカバリーオール リバイバル 黒 ロジカルラビリンス ユミナディメンション アークティックフラット アストラルブレイカー ワイルドスクリーミング リダクションオール 91 赤 暴刃の闇鎧 妖刃の黒冠 運命貫く深淵の槍 悦痛の黒冠 ヒートアップアリーナ 運命貫く深淵の槍 緑 バックインブラック アーベインクレッセント 天覆う深淵の煌めき ラセレイトフレッシュ 闇から覗く瞳 ゲームオブカオス 青 ラセレイトフレッシュ 闇から覗く瞳 ゲームオブカオス 暴刃の闇鎧 妖刃の黒冠 運命貫く深淵の槍 黒 悦痛の黒冠 ヒートアップアリーナ 運命貫く深淵の槍 バックインブラック アーベインクレッセント 天覆う深淵の煌めき 98,99 赤 妖刃の黒冠 サルベージョン 運命貫く深淵の槍 アーベインクレッセント サルベージョン 運命貫く深淵の槍 緑 妖刃の黒冠 サルベージョン 運命貫く深淵の槍 アーベインクレッセント サルベージョン 運命貫く深淵の槍 青 アーベインクレッセント サルベージョン 運命貫く深淵の槍 妖刃の黒冠 サルベージョン 運命貫く深淵の槍 黒 アーベインクレッセント サルベージョン 運命貫く深淵の槍 妖刃の黒冠 サルベージョン 運命貫く深淵の槍 91 赤 ディレクショナルバースト 傷の反転、防壁硬化 反転の水壁、展開 イラディエイター 満たされぬ想い フローズンソリッド 緑 ディレクショナルバースト 傷の反転、防壁硬化 反転の水壁、展開 グラビティスパイラル 傷の反転、攻性防壁 インナーサイト 青 イラディエイター 満たされぬ想い フローズンソリッド 大波にかき消される声たち 峨々たる山の陣 レリーブオール 黒 心の声と歩く気持ち 燃えたぎる血 クールダウンフロアー 崩さない自我を皆に… 反転の氷壁、展開 ブレインフリーズ 98,99 赤 ディレクショナルバースト グラビティスパイラル クールダウンフロアー イラディエイター 満たされぬ想い フローズンソリッド 緑 ディレクショナルバースト グラビティスパイラル クールダウンフロアー 傷の反転、重傷対応 反転の氷壁、展開 ブレインフリーズ 青 イラディエイター 満たされぬ想い フローズンソリッド 大波にかき消される声たち 傷の反転、攻性防壁 インナーサイト 黒 心の声と歩く気持ち 崩さない自我を皆に… レリーブオール 反転の大氷壁、展開 反転の超雪山、展開 グラシアルハート 追記 スキル番号21等は誤植ではない。 ミゼルド91~99階のドロップでハイパーバトルと橙歪みを少し調べてみて出てこなかったもの サブジュゲイト・鈍痛の黒楯・インビテイショントゥヘル・返刃の闇衣・ チェインステイシス・光裂く影の閃き・愚鈍な思考・傷ついた真心 100階以降 登場モンスターLv95~99 ドロップは91~99階のものからランダム。 アイテム・スキルの組み合わせから考えて、偶数階の装備品と91階のスキルの組み合わせを90階のドロップと呼称すると、100階以降のドロップは90,93,94,97,98階の5パターン。消費品は6パターン中5。スキルは5パターン全て出現。 目当てのものの収集は91~99階が無難か。ただし上天の刃などのLv10を取得できるかは不明 フロアボス ドロップするスキルは、同属性モンスターが91~99階でドロップするもののどれか。 ドロップするアイテムは各属性4通り。100・110・120階,ハイパーバトルでおそらく変化せず。 属性 1 2 3 4 赤 即死 軽論心 プロテクト 軽論心 オーディエンスリミット 軽心 スキル回数 軽心 緑 即死 軽論 オーディエンス減 軽論 スキル回数 軽論心 青 即死 軽心 シフト 軽心 ドレイン 軽論心 効果継続 軽論心 黒 即死 軽論心 オーディエンス増 軽論 効果継続 軽論 書き残す ネタバレ部分を展開式にしてみました。反転式とどっちがいいだろう… -- 箱 (2009-01-31 20 11 13) 反転式の方が見栄えがすっきりしていいと思いますよ。 -- 名無しさん (2009-02-01 00 21 56) 反転式で作成してみたのですが、文章が多くなる分下スクロールが長くなってしまい、なんだか冗長になってしまいました。テストページ01に反転版を作成してみたので比較してみてください。 -- 箱 (2009-02-01 00 56 22) これからもっと文章量が増えると思われるので、展開式がいいかと思います。 -- 名無しさん (2009-02-01 01 19 02) 名前 コメント
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象の像の人 ◆Nap/gUKt9Eの凸装備 58 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 34 21.63 ID LnT2lPIj0 さて、俺の探索遍歴を語り終えたところで、探索装備について考えていきたいと思う。 何を大げさな、と思われるだろうが、にわかミリタリーマニアの俺としては、装備には拘っておきたいのだ。 お金は無いけど。 59 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 36 44.76 ID LnT2lPIj0 出来れば意見なども言って欲しい。 只、俺も凄い眠たいので、何時落ちるかわからないし、此のスレも何時落ちるかわからない。 返事が無くても許して欲しい。 60 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 38 02.19 ID LnT2lPIj0 あと、保守がてらの行動なので、文章が小出しなのは目をつぶっていて欲しい。 決して眠たいからではないんだ。 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 08 41 02.17 ID rMxcK6wF0 この企画でガチで幽霊と遭遇した事あんの? 62 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 45 03.69 ID LnT2lPIj0 先ずは服装だ。 今現在、イラク戦争真っ只中なので、本物のBDU、所謂戦闘服は手に入りづらい。高いしな。 そこで、服装については動きやすい、汚れても良い服装としか言えないのが現状だろう。 それこそが究極のチョイスだと思われる。 因みに俺は、メーカー不明の偽BDUを着込んで探索している。頭おかしいのは今も同じだったのだ。 色はOD色。良く見る軍隊チックな緑色だ。 これは、低視認性を獲得したいが為の選択だった。 何故か。 結局、日本には私有地と国有地しかないのだ。見も蓋もない言い方になるが、人に見つからないようにしたいのだ。 遭難したときは地獄なんでしょうね。 矢張り、偽者の為か、破れやすそうな印象を受けている。 63 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 46 52.36 ID LnT2lPIj0 61 俺に関して言えば、無い。 只、今回の象の像は、存在する地区が何かしら暗いイメージを伴っていたので、後味は嫌な感じだった。 64 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 08 54 12.00 ID LnT2lPIj0 さて、話が聊かずれてしまったが、次は靴だ。 御他聞に漏れず、廃墟は荒れている。自然の淘汰能力は恐ろしい。 ヴェトコン並みのトラップを随所に仕掛けていることも多々ある。 例えば釘。 並みの靴では踏み抜いてしまい、足を怪我すること請け合いだ。 しかも、その釘が錆びていたら、シリアスプロブレムとなる。 足が腐り落ちてしまうぞ。 靴底が厚いもの、ソールが比較的新しいものがベストだろう。 因みに俺は、心斎橋の軍用品店で購入したジャングルブーツを履いている。 これには踏み抜きようの鉄板が内蔵されている為、気楽に廃墟を走破できるのが魅力だ。 防水性能は無い。 雨の日に廃墟には行かない。 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 08 58 07.36 ID jhOxkZQN0 すげー拘ってるwwwwwwww 釘は怖いな確かに 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 08 59 09.83 ID oNExmalnO サバイバルwwww 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 09 01 20.89 ID qe0uq5iB0 廃墟にかかわらず雨の日は嫌だな 68 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 09 02 45.71 ID LnT2lPIj0 そして、グローブ。 意外に軽視されそうだが、此れが以外に重要なファクターを占めている。 やはり廃墟というのは荒れている。 足場が不安定な場合、手腕により体制を保持せざるを得なくなる。 その際、手がむき出しだと、いらぬ負傷をする可能性が高い。 それを防ぐ為、グローブは着用すべきだ。 また、寒さが堪える此の季節、防寒用具としてもグローブは必需品だと思う。 因みに俺は、自衛隊勤務時代に購入したOD色の革手を愛用している。 軍手より丈夫だし、なにより保温性も高い。 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 09 10 49.38 ID qe0uq5iB0 本格的だな。 ライトはどんなの使ってる? 70 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 09 16 09.45 ID LnT2lPIj0 65 コスプレイヤーの気持ちは、友人の中では俺が一番理解している筈だ。結局は頭がおかしいんです俺。 66 矢張り、これくらいは揃えるべきだと声高に主張しても聞き入れてもらえない俺涙目。 67 俺としては雨は好きなんだが、友人達が嫌がる。 被服装備としての最後は頭部。 理想を言えばフリッツヘルメットなんだが、これは単に俺の趣旨だったりする。 安全ヘルメットでも、戦場ではないから、十分に頭部を保護してくれるだろう。 只、その姿は異常な様相を呈すること請け合いなので、ここではキャップを推奨する。 落下物による頭部への負傷を抑えるのだ。 むき出しの頭では、裂傷に発展しかねない落下物も、キャップを被ることにより鈍痛に押さえることが期待できる。 出血というのは、意外にストレスを感じるものである。 只でさえ、廃墟という非日常空間で活動しているのだ。余計な心理的負担は予防するべきであろう。 因みに俺は、これまた偽ファティーグキャップを使用している。勿論ODだ。 71 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 09 32 07.57 ID LnT2lPIj0 69 それについては、今から語ろうと思っていた。 被服関連はこれで網羅したと思う。抜けがあれば指摘して欲しい。自信があるわけではない。勉強したいのだ。 さて、次は探索用具となる。 先ずは照明器具。 廃墟探索は夜間が多い。人が少ない時間でもあるし、何より雰囲気を楽しみたいなら、矢張り夜間だ。 となると、必要なのは照明器具だ。 多く見受けられるのは、防災ライトと呼ばれる、手提げ式の赤いライトだ。電気屋等で叩き売られているのを目にすることが多いだろう。 大雑把に言えば、広範囲を照らせればいいのである。 只、用途によって使い分けたほうが良い。 室内などの閉所であれば蛍光灯系のライト、野外であれば通常の豆球ライト。 避けたいのは常備灯のような小型サイズのライトだ。 はっきり言えば意味をなさない。 因みに俺は、マグライトとシュアファイアを併用している。 使用法は次に示す。 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 09 34 31.41 ID YlK6QXTnO む 73 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 09 42 00.75 ID LnT2lPIj0 マグライトはバトンサイズを2本所持している。 ショートサイズの1本は腰のホルダーに予備として刺し、通常はロングサイズを使用する。 これは、例えば避けたい事態であるが、遭遇戦に陥った際、相手を威嚇し、攻撃を躊躇させ、その場を離脱する為に使用する。 余程の身体的危険を予測できる情況以外では、絶対にこちらから攻撃してはならない。正当防衛に当てはまらない可能性があるからだ。そんな度胸も無いしな。 また、野外に於いて野生動物が襲ってきた場合の護身用具にもなる。 但し、トンファーグリップを装備してしまうと、それは武器となってしまうので、外で持ち歩けなくなってしまう可能性がある。あくまでもライトなのだ。 シュアファイアは上記のような、遭遇戦にも効果を発揮するが、探索に於いてはその光量に注目したい。 匍匐姿勢での照明確保には、ペンサイズでありながら、LED以上の光量を有するシュアファイアは強力なパートナーとなるだろう。 因みにマグライトは照らす範囲を調節できる。 野外の道では広範囲設定で、室内などでは狭範囲設定で使い分けることができる。 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 09 47 01.31 ID YlK6QXTnO 73 つまりLEDよりもマグライトの方が効率的って奴か… 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 09 48 18.75 ID YlK6QXTnO マグライトとシェアファイアだったな 76 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 09 58 36.80 ID LnT2lPIj0 次は携行するべき物品についてだ。 先ずは救急用具。 何も衛生兵のようにショルダーを携えろとは言わない。 携行するのは小型の軟膏、消毒液、絆創膏、ガーゼ、包帯だ。 これらを防水性のある入れ物に入れて携行しておくのだ。 これならある程度の傷には対応できる。 また、骨折などは、付近の適当な硬さを持った棒状の物を添え木とし、包帯で固定してやれば応急処置は済む。 それ以上の大きな負傷、例えば開放性の骨折や貫通創は、最早俺達素人の出番ではない。 速やかにその場を離脱し、プロに任せるべきだ。 理想を言えば、チームで一人、衛生担当が欲しい。救命講習を受けているのであればベストだ。 因みに救命講習は地域の消防署が主催で行っているので、受けに行くと良い。 大阪では無料だ。まあ、俺はまだ受けに行ってないんだが。 77 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 05 52.16 ID LnT2lPIj0 74 LEDでも、照度を調節できるものが在る筈だから、使いやすいほうを選んだほうが良い。 俺は個人的趣旨が多めに入っているから此のチョイスになった。 LEDの長所は長持ちすることであり、維持費が安い。 只、目に付きやすい光だから、他人に発見されやすいと俺は考えている。 また、バトンサイズのLEDライトもある。 先述のような機能をLEDに求めることも可能だ。 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 10 08 12.08 ID qe0uq5iB0 サバイバルというかゲリラ戦というか本格的だな。 ヘッドマウントのライトもあったほうが良くないか? 79 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 09 15.48 ID LnT2lPIj0 無線は個人的趣味によるものなので割愛する。 只、携帯の電波が届かないところでの探索では必要になる可能性がある。 まあ、複数チームに分かれての探索に於いてだが。 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 10 12 06.55 ID qe0uq5iB0 昔持ってたアマチュア無線のトランシーバーに ロングライフバッテリーを装着すると鈍器完成ww 81 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 17 25.49 ID LnT2lPIj0 78 それは盲点だった。 確かに両手は自由に使えたほうが良い。 それの購入も検討する。 只、光度、スイッチの操作性を検証しなければならないと思う。 俺は実物を持っていないので、実物を持っている方は是非、使用感をレポートして欲しい。 今、ざっと妄想してみたが、可搬式のライトの利点は照明方向の自由性にあると思う。 例えば、自分は前を注視しつつ、後ろを照らしたい、等の状況では、可搬式ライトのほうが分があると思う。 使ってみなければ解らないのだが。 あと、俺は矢張り格好にも拘りたいのでマグライトを推した。 と、情けない言い訳を言ってみる。 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 10 17 51.70 ID YlK6QXTnO 救急箱、デジカメ、地図、資料、ライト、メモ用紙しか持ってない俺には詳しい説明は助かるな 車の中にはノートパソコン。車中泊用の布団とカーテンが入ってるが…。 83 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 18 49.80 ID LnT2lPIj0 80 兎にも角にも、身を守る手段をどれに求めてもいいと思う。 が、矢張り俺は格好に(ry 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 10 22 36.96 ID gooAU1s9O つまり、自衛隊時代に購入した迷彩服と半長靴、テッパチ(新型)、マグライトを所持していて 救命講習、応急救護講習を終えていて尚且つスキー場でのレスキューを4年ほどしていたので実践経験があって オマケにアマチュア無線の免許も持ってる俺は廃墟探索には最強ってわけですね? あ、偽装網とドーランは必要ですか? 85 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 23 24.01 ID LnT2lPIj0 82 それだけでも凄い装備だと思う。 地図は防水マップケースに入れれば、長時間の活動や雨露にも対応できる。 俺は、付近の詳しい地図はグーグルマップ等の印刷したものを併用している。皆も一緒だと思うが。 それらも防水マップケースに入れれば長持ちする。 資料は何の資料だろうか? 86 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 27 49.33 ID LnT2lPIj0 84 最強。 チームを編成する際、必要な人材、というかリーダーだと思う。 是非、ぐいぐい引っ張っていって欲しい。 また、今まで俺が述べてきたことに添削もして欲しい。いやまじで。 因みに俺は海上自衛隊だった。 基地防備訓練の指導に来た陸上自衛官が「ええ、敵は殺しますよ」と真顔で言ったのに肝っ玉冷やしたのは秘密だ。 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/19(水) 10 31 50.01 ID YlK6QXTnO 85 ライブドア地図と廃墟探索の証拠物件を集めた宝の地図だな。 だいたい場所も書いてあるので推理して探すことになるがな 88 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 31 53.95 ID LnT2lPIj0 あと、記録器材についても、俺が貧乏だという理由で割愛させて頂く。 持ってないんだよね、デジカメ。 携帯のカメラしかないんだよね。 89 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 33 36.98 ID LnT2lPIj0 87 素晴しい。 俺もそのように記録していこうと思う。 片付けが出来ない子だが。 90 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 35 26.12 ID LnT2lPIj0 84 ああ、あとテッパチは譲って欲しい。 91 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 37 04.46 ID LnT2lPIj0 本当なら、編成等にも言及したかったが、遍歴で語ったように、 行動を共にする友人がいまや一人になってしまったので割愛する。 92 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/19(水) 10 42 39.57 ID LnT2lPIj0 どうだろうか、参考になっただろうか? 間違っている点や意見が在ればどんどん言って欲しい。 あくまで保守的な意味で。 探索者 ◆M2JESBg.7cの凸装備 377 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 09 40.87 ID mjxy4seRO えーっと、昨日の象の象の人が書いてた探索の際の装備を 俺の好みを多分に織り交ぜて書いていこうと思うんだけど、いいかい? 380 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/20(木) 11 12 38.34 ID W8qR2+TEO 377 要望を出した、俺の口からは何とも言えない。 保守がてら、ということにして、メインの話題が来たら止めるという方向がベストではないだろうか。 382 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 17 55.07 ID mjxy4seRO まずは、頭。 像の人も言っていたけど、怪我を防ぐためにもせめて帽子の着用はした方が良いと思う。 今の時期は寒いから、防寒という点を考えると ニット帽は最適だと思うんだ。 あるならドカヘルとかなら安全だけどね。 ただ、いくら安全でもバイクのフルフェイスはオススメできない。 384 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 20 30.23 ID mjxy4seRO メインの話題が出たら止める、ね、了解した。 携帯からだから若干のラグは許してちょーだい 386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 11 23 43.64 ID 592lTPNf0 いいよ~ メインなんてないからどんどん書いて 391 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 45 48.24 ID mjxy4seRO んじゃ続けるね~。 次に服装ね。 今は寒いから半袖なんていないだろうけど、真夏でも長袖長ズボンはデフォな。 んで、寒いからといって着込んで行くと、動き回ってるうちに汗をかいて その汗で逆に体温を奪われるなんて事もあるから、あまり厚着はおすすめしない。 機能性インナーなんかあると重宝するよ。 予算に余裕があるなら「ゼロポイント」とか「アーマー」とか 余裕が無いなら確かユニクロにもあった 392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 11 48 51.12 ID aWV6TpSQO あと質問。夏冬とも作業服凸ってどうなの? 俺よくやってるんだけど 393 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 54 35.03 ID mjxy4seRO 手は素手は厳禁な。 像の人が言ってたとおり、ケガが怖いし、自衛官ぐらいしか破傷風の予防接種なんて受けてないだろうし。 なので、手の装備でオススメは皮の手袋。 皮の手袋から滑り止めのついた軍手を装着すれば最強かな。 靴は底とか爪先に鉄板が入ってる奴を推奨。 ただ、履き慣れてないと靴擦れとかが怖いから、履き慣れたスニーカーなんかでもいいかも。 そこは各自の判断に任せる 394 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 11 56 43.28 ID mjxy4seRO 392 作業服凸は悪くないと思うよ。 汚れても問題ないし、普通の服よりは生地もしっかりしてるだろうから。 後は季節に合わせたインナー選びじゃないかな 395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 11 58 42.27 ID aWV6TpSQO 394 了解しましたー。 396 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 02 47.39 ID mjxy4seRO じゃあ、次から持ち物書いてくね。 質問があったらどんどん書いていってー。 まずは、ライトからいこうか。 ライトは俺もLEDよりマグをオススメするかな。 確かにLEDは輝度も高いし明るいんだけど、見にくいんだよね。 あとLEDの特性なんだけど、視認性は高いけれど照明性はイマイチなんだ。 言い換えると、相手からは見やすいけど、自分はイマイチ見にくいって感じ。 だから、マグを一つくらい持ってた方がいいかも。 像の人が言ってたとおり、場所や状況に応じて使い分けるのがベストだけどね。 ヘッドライトはあったらとても便利だと思う。 397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 02 52.49 ID 47TB5sgHO まぁ、気楽に凸しようぜぃ 398 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 07 47.10 ID mjxy4seRO 397 そうそう、気楽が一番。 ただ、安全第一で凸してもらいたいのと、これから凸してみたいって人の参考になれば良いなと思って書いてるんだ。 399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 17 19.29 ID aWV6TpSQO あと安全靴のスニーカーてのもどこかに売ってあるんだよな。 それとこれが気になった。 http //m.rakuten.co.jp/arde/i/10021942/?aftk=S7h3Lda.FjKjUYkq0ufV67IXbpf3ofhdKz.DWveBGtPrRGbNnU(携帯用) 400 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 20 37.04 ID 5rEmqEO70 トレッキングシューズとかいいんじゃね? 401 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 22 10.87 ID mjxy4seRO 後は軽いケガにその場で対応出来るように応急救護セット。 最低でも絆創膏、ガーゼ(できれば滅菌ガーゼ)、化膿止めの軟膏、包帯、水は用意した方が安心。 知識があるなら、包帯じゃなくて三角巾がモアベター。 三角巾は一枚あれば何でもできる優れものなので、あると便利です。 402 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 25 37.16 ID mjxy4seRO 399 安全靴のスニーカーはワークマンとかホームセンターで3000円しなかったかな。 そのインナーソール良いね。俺も買おうかな。 400 トレッキングシューズも悪くないと思う。 歩きやすいのが一番! 403 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 29 01.83 ID mjxy4seRO 後は下着の着替えは持っていったら安心だと思うよ。 んで、持ち物は防水対策をちゃんとした方が良いよ。 防水対策に便利なのは、ジップロック。 衣類はジップロックに入れて圧縮すればかさばらないし、防水にもなるから、非常に便利なのでぜひ使ってもらいたい 404 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 30 35.55 ID 47TB5sgHO たしかに備えあれば憂いナッスング とりあえず高いところから飛びおりるときは足元確認を! 405 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 32 50.75 ID l74pBjj+O 段差がないかとかね 落ち葉で見えにくいしね 406 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 12 34 07.28 ID mjxy4seRO 箪笥飛び降りオ(ryの際は要注意って事だなwww 407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 12 44 21.98 ID l74pBjj+O 大した高さじゃなくても足捻ったらいたいしねー 411 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 13 02 40.84 ID mjxy4seRO 後は持っていって便利なものを書いていこうか? 414 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 13 26 33.78 ID mjxy4seRO 凸レポ用のカメラは必需品だろ? ライターと10得ナイフみたいなのもあると便利かも。 後は、高いけどポケナビがあると便利だよ~。 ポケットサイズのGPSナビで、現在地の座標と方角が表示されるから、山奥なんかの凸の際は重宝するはず。 目的地の座標がわかればナビゲートもしてくれるし 415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 30 01.28 ID l74pBjj+O ポケナビ…便利な世の中になったものです!ポケットピカチュウ! 416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 36 30.11 ID EpNJwhGLO 10得ナイフ欲しいなー…… あと新しいデジカメ 修理出しても直るかどうか…orz 417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 40 16.48 ID l74pBjj+O 刃物怖いですぅ<●><●> 418 :象の像の人 ◆Nap/gUKt9E :2007/12/20(木) 13 43 17.40 ID W8qR2+TEO 休憩保守をかます。 詳しい説明が有り難い。 勉強になる。 420 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 13 49 27.91 ID mjxy4seRO ポケナビは登山用品扱ってるスポーツ用品店ならあると思う。3万くらいだったかな 10得も安いやつでいいんだけどねー。 他には何か聞きたいことある? 421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 50 19.41 ID l74pBjj+O 3万… 422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 54 07.17 ID 5rEmqEO70 携帯のナビ機能で我慢するわ。 電波はいらないと使えんかったような気もするが・・・。 423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 13 55 09.31 ID EpNJwhGLO とりあえずはEZナビウォークでもいいじゃない! 10得ナイフの代わりになるもの、何かあった気がするけど思い出せない´` 425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 14 02 05.35 ID bPaIJvk40 420 今までの実績をよろしく! (経験談など) 426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/20(木) 14 07 21.12 ID aWV6TpSQO あと地図なんだけど、スーパーマップル関西道路地図06版と姫路圏道路地図があるんだよ。 それでおk? 427 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 14 08 44.12 ID mjxy4seRO 俺の実績かい? 俺は廃墟凸は数回しかないんだぜ。 ただ、山登りとか、雪山のバックカントリースキーとかが好きだから、装備が充実してるのだ。 429 :探索者 ◆M2JESBg.7c :2007/12/20(木) 14 12 42.18 ID mjxy4seRO 426 その地図装備で十分だと思うんだぜ。 行く前にグーグル先生に場所教えてもらうと安心なんじゃない? 探索者気分を味わうならポケナビ買ってグーグルアースで座標だけ調べて座標のみで向かうとか最高に楽しいんだけどなー
https://w.atwiki.jp/newani4/pages/452.html
Vivid Survivors(後編) 不屈の夢の彼方まで ◆Oe2sr89X.U 痛ましい、絶叫だった。少女として生まれ、数多くの戦いとドラマを経験した彼女が、その人生で間違いなく最大の声量での絶叫をあげた瞬間だった。 無理もない。純粋な痛みもさることながら、彼女が今受けた傷はファイターとして致命的すぎるものだ。 アインハルトはもう、左の拳を握れない。片手落ちの戦士がどれだけの不利を被ることになるか、想像するだけで背筋が凍る。彼女は今、まさにそうなってしまった。 だがジャック・ハンマーは止まらない。人間だった頃ならいざ知らず、只の殺戮者と成り果てた今ならば、彼の親孝行を止めることが出来る悲鳴など、この世のどこにも存在はすまい。 「てめぇッ!!」 発砲したのはホル・ホースだ。至近距離であるにも関わらず、誤射の可能性を完全に排して銃撃が行えるのは彼のスタンド特有の強みである。 ジャックの潰れた右視界を切りながら進む弾丸は、見事意表を突くことに成功した。 一瞬ジャックが怯んだ瞬間を、激痛とショックに支配されていても尚見逃すこと無く俊敏に動き、アインハルトはホル・ホースを背負うようにしてその場から離脱を図った。 しかしそれは逃走する、という意味ではない。袋小路を遠ざける程度の効き目だ。 ジャックが、追い掛けてくる。 その速度は今や、アインハルトよりも速い。 ホル・ホースはこの時ほど、自分の『皇帝』に装弾数の概念がないことに感謝したことはなかった。 もしも弾切れなどを引き起こし、一瞬でも手を止めていたならば、その瞬間にジャック・ハンマーは自分達を殺すことが出来る。この男は、それだけ強い。 DIOとは違う意味での強さだった。ホル・ホースの脳内には今も、DIOの暗殺に失敗した時の記憶と恐怖が染み付いている。彼の強さが底の知れない強さなら、此奴の強さは理解の出来ない強さと言うべきか。 眼球は絶対に鍛えることのできない部位で、尚且つ脳髄にまで直結している。 そこを撃ち抜かれて死なない人間など百人に一人居るかどうかといったレベルの確率であろうし、よしんば助かったとしても、その後すぐにこんな速度と猛威で追い立ててくることなど絶対に不可能だ。 尋常ではないタフネス。人間を超えているスペック。これでは、もはや――人間を『やめている』。 「ちくしょうがッ! 何だってんだ、てめぇはよォ~ッ!!」 「ジャック・ハンマー。今は何者でもない」 「知るかタコッ!!」 叫ぶと同時、眉間に向けて発砲。撃ってすぐにホル・ホースは、しまった、と思った。 そして予想は的中する。あまりにも分り易いその狙いを読んだジャックは頭を大きく横へ逸らすことで弾丸を回避し、軌道変更のそれも回避。体勢を立て直そうとするアインハルトへ追い縋り、その足を勢いよく払った。 小さなうめき声とともに、アインハルトの体が揺らぐ。 ホル・ホースは宙へ投げ出され、地面により痛む体に鞭打つ勢いで衝撃を与えられた。 しかしこの瞬間、彼が案じたのは自分の身ではない。今狙われるのは、どう考えてもアインハルトの方だ。そして彼女を殺されれば、自分が生き延びられる可能性も完全に潰える――それに子供とはいえ、女性をこれ以上嬲らせ、ボロ雑巾のようにされるのはむかっ腹が立つというのもあった。 「貴様は後だ」 銃口をどうにか向けた時、もうそこにジャックの姿はない。 いつの間にか自分の傍らへ移動していたその爪先が脇腹を抉り、骨の一本が折れた感触と痛みが伝わってくる。 そこへホル・ホースを守るべく果敢に跳びかかったアインハルトの拳は片手落ち。迎え撃つなど、ジャックにしてみれば造作もない話であった。 拳と拳の衝突。力比べの趨勢が決する前に、ジャックが彼女の右手を掴み取る。 咄嗟に左手でそれを払おうとする彼女だが、手首から先が食い千切られて指の一本さえ残っていない身でやれることには限度がある。そのまま彼女は腕を起点に、勢いよく地面へ投げ付けられた。 肺に溜め込んだ空気が、一気に逆流していくのを感じる。ジャック・ハンマーは柔道家ではないが、逆に言えば専門でないからこそその投げは容赦も型もなく、剣呑さと粗暴さが同居したアウトローなものに仕上がっていた。 起き上がろうとするアインハルトを、ジャックは躊躇なく踏み潰す。 肩がごりりと嫌な音を立て、アバラはぼりぼりと砕け、バリアジャケットの下の白い皮膚には内出血の跡が所々滲み始める。アインハルトの悲鳴は、最早戦いではなく、虐待か何かを連想させるものへ変わりつつあった。 女性に優しい男を自負するホル・ホースでなくとも、こんなものを見せられて怒りを抱かない人間は異端だろう。 「いい……加減にしろ、ってんだ……この仏頂面野郎ッ!」 「後だ、と言ったはずだが」 「がッ!?」 ジャックの爪先が、ホル・ホースの左目に突き刺さった。 眼球が一撃で潰れ、尋常ならざる激痛が襲いかかってくる。 堪えずことも出来ずに声をあげて悶絶する彼を尻目に、ジャックは再びアインハルトを破壊していく。 踏み付けられ続け、体の各所を破壊されていった彼女の抵抗はもう弱々しい物になりつつある。永くはないだろうとジャックは認識。止めを刺す為に、その体へ馬乗りの姿勢を取る。 こうなれば、もう努力ではどうにもならない。格闘技でマウントを取られることの意味は、絶対的な不利を意味する。満艦飾マコという少女――ジャックが今纏っている極制服の本来の持ち主であった少女のように。 後はただ、潰されるだけだ。 (ちくしょうちくしょうちくしょうッ!! まさかあのクソ悪魔の居る方へ行った方がマシだったなんて思わなかったぜッ!! こんなイカレ野郎がいると分かってりゃ、絶対に来なかったのによぉ~~ッ!!!!) ホル・ホースは心の中で、あらん限りの後悔を吐き出していた。 鏡がないので傷口がどうなっているかは分からないが、まず間違いなく目は元に戻らないだろう。こんな筈ではなかった。もっと上手く立ち回って、もっと賢く生き残る筈だったのだ。 それがこのザマ。この化け物みたいな格闘家のせいで、何もかもが台無しになろうとしている。 アインハルト・ストラトスは殺されるだろう。 可哀想だとは思うが、ああなってしまっては、もう絶対に生き延びることは不可能だ。 相手に遊びがあるならばともかく、あれほど無感動な顔で殺しに来れる相手なら、完全に詰んでいると言っていい。 そしてその後はまず間違いなく自分だ。先の脳震盪の影響も、腹を蹴られたダメージも、目の痛みも全部残っているのだから、逃げきれるとは到底思えない。 彼女も自分も、詰んでいる。高い所から誤って落ちた時の感覚に似ていたが、先に待つのは底の知れない死という奈落だ。挙句ホル・ホースは、自分は天国に行けるとそう思えるような人生を送って来なかった。 「クソ、ッ……死にたくねえ……死にたくねえぜ、おれはよ……!」 這ってでも生きてやる。こんな所でくたばるなんて、めっぽう御免だ! 痛む体に鞭打って動き出そうとし、そこで一度だけ振り返った。 そこにあったのは、あまりにも無残な――アインハルト・ストラトスの姿であった。 清潔感のあるバリアジャケットの白が土埃でどろどろに汚れ、手から流れた血で地面を真っ赤に染め上げながら、しこたま殴られた顔面は無残な有様になっていた。 折れていた鼻が醜く潰れ、頬骨が陥没し、歯など一本も残っていないだろう。 その姿を見た瞬間、ホル・ホースは思った。ああ、これが『絶望』というやつなのかと、心の底からそう思った。 返り血と自らの血で真っ赤に染まったジャック・ハンマーの姿は、まるで地獄の鬼(オーガ)か何かのようだった。 その背中に鬼の貌は浮かんでいなかったが、血に染まった凄絶な彼の姿を前にして、ジャック・ハンマーが鬼の血を薄くしか引いていないなどと言える人間は、当の範馬勇次郎以外には間違いなく一人も居ないだろう。 ジャック・ハンマーは、鬼(オーガ)だ。範馬勇次郎という存在の死で完成した、一体の鬼。 「………フー」 彼の拳が、振り上げられる。 目が見えているのかどうかも怪しいアインハルトを確実に仕留める、最大の力が籠もった拳だ。これを叩き付ければ少女の頭など、軽々粉砕してしまえるだろう。 ホル・ホースはもう、銃口を向ける気にもならなかった。 寧ろアインハルト・ストラトスという少女にとっては、殺された方が幸せだろうと、そう思えたから。どの道死ぬのなら苦しみは短い方がいいだろうと、その行く末を哀れんだゆえだった。 「さらばだ、覇王流とやら」 断頭台から落ちてくるギロチンのような無情さで、王の命を潰す鉄拳が――落ちた。 ◆ ◆ 諦めていたのは、ホル・ホースだけではなく、当のアインハルトもまた同じであった。 只の逆境で膝を屈するほど、アインハルトは弱くない。だが今の彼女はホル・ホースが称した通り、死に体の状態だ。人間としても、ファイターとしても。再起不能レベルの傷を負って、朽ち果てかけている。 体に付いた傷など改めて語るまでもない。しかしその中でも、食い千切られた左の手だけは話が別だった。 失うだなんてことを考えもしなかった自分の拳が、もう二度と戻らない。それを自覚した瞬間、アインハルトの中の何かがぷっつりと切れた。 彼女は覇王の記憶を継ぐ者だが、それはそれとして、一人の歳相応の少女である。 十代半ばにも届かない年齢の少女にとって、身体部位の欠損というのがどれほど大きなショックか。まして彼女はファイターなのだから、ショックの度合いは更に跳ね上がる。 もう拳は握れない。覇王流の技にも、二度とは繰り出せないものが出てくるだろう。 それどころか戦いを続けられるかも分からない。それ以前に、この男には勝てない。この場を生き延びて、ミッドチルダの大地を踏むことは二度とないのだ。 アインハルトは優れたファイターであったから、余計に強くそのことを理解してしまった。 結果、心が砕けた。人より強かった心はグシャグシャにされ、踏み潰され、絶望の底に沈んでいた。 コロナや、この会場で出会った仲間にもう一度会えないのは悲しい。それを思うとやり切れない気持ちになる。 特にコロナはヴィヴィオを失い、自分が死んでしまったなら、元の世界からの知り合いはもう誰もいなくなってしまう。どうか彼女には最後まで立ち続け、生きて帰って欲しいと心からそう思う。 (ヴィヴィオさん……) 独りぼっちで戦い続けるしか出来なかった自分は、いつの間にか沢山の仲間に囲まれていた。 皆でトレーニングをしたり、合宿をしたりして過ごす日々はとても楽しく、満ち足りた時間だった。 だからこそ心のどこかで思ってしまっていたのだ。汗を流し、夜が来て、寝て起きれば。当たり前のように愛すべき日常が広がっていて、そこから誰かが欠けることは決してありえないと。 日常は壊された。繭という少女の道楽で、アインハルトは友人を失った。 そして今――アインハルト・ストラトスは自分の使命さえも失い、静かに朽ち果てようとしている。 ただ。これでいいのかもしれないとも、アインハルトは思っていた。 高町ヴィヴィオは、聖女オリヴィエの記憶を継ぐ少女はもうどこにもいない。繭の思惑の前に、無情に消えた。もう彼女と会うことも、友誼を育むこともなければ、再度拳を合わせることもない。 ――もしも。死んだ先にもしも続きのようなものがあるのなら、今度こそ彼女とずっと一緒にいたいと思う。 理不尽な何かに引き裂かれることもなく、ずっと。アインハルト・ストラトスが愛した日常を繰り返しながら、他の皆がやって来るのをずっと待っていられたなら。 それに優る幸せはきっと、ない。そう思ったから、アインハルトは諦めることを受け入れた。 ――――アインハルトさん! だが、それを許さないぞと脳裏に響く声がある。それは愛らしい少女のもので、アインハルトが今一番聞きたいと思っていた好敵手の声でもあった。 ――――これで、いいんですか? あなたは……本当に、これでいいんですか!! 高町ヴィヴィオ。 その声が、頭の中でうるさいほど大きく響いている。 頭の中のヴィヴィオは怒気すら含んだ大声で、今まさに全てを諦め、死という未来に身を委ねようとしているアインハルトを一喝していた。 薄れかけた意識が鮮明さを取り戻すくらいに、彼女の声はアインハルトの頭の中に深く、深く響いてくる。 ――――違うはずです。私が好きだったアインハルトさんは、こんな所で諦めたりなんてしないッ!! ハッと、アインハルトは腫れた瞼を見開いた。 ヴィヴィオが好きだった、アインハルト。それはきっとインターミドルに備え、毎日のように鍛錬を共にしていた頃の自分のことだろう。 間違っても戦いの勝利を諦め、楽な方向へと逃避しようとしている情けない少女のことではない筈だ。 ヴィヴィオだけではない。頭の中には、皆がいた。リオが、コロナが、ヴィヴィオが、ナカジマ家の皆が、なのはが、フェイトが、皆まっすぐにボロボロのアインハルトを見つめ、小さく頷いてみせた。 (でも……でも! 私は、もう……!!) ――――大丈夫。私が、皆が、アインハルトさんには付いてます!! 頭の中に居た皆が、アインハルトを応援していた。諦めないで、立って、生きてと、皆思い思いの言葉をぶつけてくる。そして先頭に立つヴィヴィオも、まっすぐに自分の目を見据えていた。 その姿を視界でなく、心で認識した途端、アインハルトの目から一筋の涙がこぼれ落ちた。 頭の中で手を差し伸べる美しい瞳の彼女の姿は、まさに記憶に残る、聖女オリヴィエの勇姿そのもので…… (そうだ……わた、しは…………) 振り落とされる拳が見える。それに向けて、隻腕も同然になった腕を動かす。体勢は馬乗り。体はボロボロで、頭がふらつくどころか噛み締める歯の一本も残っていない。 そんな有様になっても、いや、だからこそか。アインハルトは諦めるという選択肢を、自然に思考の内から外していた。残った拳を握る――使えなくなった左手は盾で、こちらが剣だ。 ああ、と思う。役割が明確に分かっているなら、やりようなんてものは幾らでもあったのだ。 「ヴぁ、おう、ひゅうッ――」 覇、王、流。呂律の回らず、ただ空気が抜けていくだけの口で、それでも名乗り上げる。 「――アインハルト・ストラトスッ!!」 ハイディ・E・S・イングヴァルトとしてではなく、彼女たちとともに戦った一人の戦士として。 左手で落ちてくる拳を止め、骨がバリアジャケット越しに砕ける激痛など意にも介さず、ジャック・ハンマーの顔面を真正面から右拳で殴り抜いた。 破裂音にも似た音を鳴らして炸裂した拳は、だが威力で言えば然程でもなかった。 死に体同然の少女が、魔力もろくに込めず放った一撃なのだ。極制服の強化を受けて魔人になったジャックを仕留めるには力不足も甚だしいと言わざるを得ない。 しかし、アインハルトの拳を受けたジャックは大きく仰け反り、彼女が馬乗りの体勢を脱せるほどの大きな隙を作る結果に至ってしまった。 何故、この屈強なるファイターが、たかが気力だけの拳を前にこれだけの有様を晒したのか? その答えは、まさしく彼の超人性を後押ししていた極制服にこそあった。 (くッ……!) 喧嘩部特化型二つ星極制服――生命戦維で編まれた、本能字学園の技術の結晶。特にこの喧嘩部特化型極制服はジャックによく合った性能を持っていたが、その分燃費がひどく悪い欠点を制限により加えられてもいる。 それこそ戦闘を不用意に続ければ、限界点がものの数分でやって来てしまうほどに。 (此処で、かッッッッ!!) アインハルトの猛攻もさることながら、ホル・ホースの『皇帝』が大きかった。放たれる弾丸を時に避け時に叩き落としとする中で、極制服の消耗は着々と進んでいたのだ。 そしてちょうど今、極制服がもたらすアシストが完全に尽きた。そう、完全にだ。極制服は再度、休眠する。 残るのは極制服が与えた疲労。それはジャックのパフォーマンスを目に見えて劣化させ、その瞬間を偶然にも縫って炸裂した拳が、予想以上の戦果を挙げた。 更に言えば、ジャックの切り札……マックシングの発生にも期待できない。 半日間以上のステロイド非摂取、殺し合いに運ばれる前の時間から合わせれば非摂取時間は更に伸びる。もしもこの会場で、彼が薬物ドーピングを行う機会があれば別だったろうが、生憎とそれはなかった。 だが、それまでだ。片手の消えたファイターなど、極制服の力なくしても押し切ることは難しくない。 アインハルトの姿は生きているのが不思議なほどだ。もはや油断だとかそういう次元でもなく、頑然たる事実として楽勝と認識してしまうのが普通だろう。 それどころかジャックには、立ち上がってきたのが理解できない程だった。しかしそこは、彼もファイター。そして強い信念の下に動く身だ。 すぐに悟った――この少女も、朽ちる訳には行かなかったのだ。 ならば潰そう。その意気も諸共に叩き潰し、勇次郎を甦らせるための糧としよう。 ジャックは待ちの体勢を取るアインハルトに勢い良く踏み込み、強烈なボディーブローの一撃を叩き込んだ。 抵抗も出来ず、ボディに拳が吸い込まれた。……かのように思われたが、実際には、アインハルトの左肘を前に攻撃は止められていた。 それと同時に拳へ走る鈍痛。防御主体の鋼性の構え、『牙山』だ。手がなくとも腕だけで繰り出せる技として駆使されたこれは、十分にその役割を果たす。 ――小癪な真似を―― ジャックは再び強く拳を握り、アインハルトの残り少ない体力を削り切るべく猛攻を仕掛けにかかった。 しかし吹き飛ばされたのは彼の方だった。痛烈なアッパーカットを受け、両の足を地から放し、口から血さえ吐き出しながら宙を舞っていた。 カウンターのように放たれた一撃が、彼の顎を抉ったのだ。何もそれは、大それた技ではない。 「ヴぁ、おう、ひゅぅ」 繰り出されるは覇王流が奥義、覇王空破断。拳撃と共に衝撃波が飛び、空中のジャックを強く打ち据えた。 されどジャックも強者だ。そこは吹き飛ばされながらも脚力で耐え切り、それ以上の後退と痛手を避ける。 だがそれも、明らかに以前に比べて衰えが見えている。極制服の使用で溜まりに溜まった疲弊が、ジャック・ハンマーが誇る鋼の肉体に綻びを生んでいる。 次いで、足取りも覚束ずに、アインハルトが迫ってくるのが見えた。 繰り出す技は読める。覇王断空拳――彼女が誇る、絶大な威力を持った拳撃だ。以前ならば受け止めることも容易だったが、今の状態でそれをすることが良いとはとても思えない。 ならば先手を取る。 技が出る前に潰せば、脅威は存在しない。 ジャックの算盤が弾き出した最適解は、確かに的を射ていたと言えるだろう。 繰り出される技が本当に断空拳であったなら、だが、それが一番手早い解決法であった筈だ。 しかし繰り出されたのは、あろうことかまたもカウンターだった。ジャックの拳を逆に打つべく放たれた、多量の魔力を帯びた一撃。衝突の瞬間、ジャックは思わず拳を引いた。魔力の多分に込められたそれと真正面から張り合えば自分の拳が無事では済まないと、そう感じ取ったからだ。 ジャック・ハンマーは知る由もないことだが、この技はアインハルトが誇る覇王流の技ではない。 技の名は、アクセル・スマッシュ――かつて高町ヴィヴィオという少女が必殺技として用いていた、守りさえも攻撃に回す一閃必中の技であった。 無論アインハルトはこの技を会得するために訓練したわけではないのだから、ヴィヴィオのものに比べれば細部は大きく異なっている。 だがアインハルト・ストラトスが記憶の中で垣間見た、好敵手にして友であるヴィヴィオの一撃を思い返し、その極意を借り受けたのには違いない。 今、アインハルトは一人で戦っているのではなかった。記憶の中の皆と、共に戦っているのだ。 ジャックの拳が、アインハルトの顎を跳ね上げる。 ぐらりと揺らいだ隙に、その顔面に右フックを打ち込むジャックだが、彼女がそのまま屈み込むと同時に繰り出された奥義・破城槌が生んだ衝撃で逆に体勢を崩される。 復帰したアインハルトの、今度はれっきとした覇王断空拳の一打。 受け止めるジャックは、しかしその顔に紛れもない焦燥の色を浮かべ始めていた。 「ヴ、おおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉッッ!!!!」 猛進してくるアインハルトの体力は、可視化したならもう1ミリ程度しか残っていないほどに減退しているはず。 なのに、どういうわけだか彼女を攻め切れない。ほんの少しが削れない。そしてもう一つの不可思議として、アインハルトのパフォーマンスが徐々に向上しているような気さえする。 今のアインハルトはまさに、最後の力を燃焼させている状態だった。 その身に培った経験、残されたセンス、全てを全力で発揮し、文字通りの全身全霊でジャックに向き合っている。 アインハルトが、ジャックの懐まで飛び込んだ。 ボディーブローを受けた彼は吹き飛びこそせず持ち堪えたが、流石にダメージを受けるのは避けられない。しかしジャックは至近距離、絶対に外さない間合いでアインハルトへ文字通り牙を剥く。 勝負を決めるための手段として、ジャック・ハンマーが用いたのはあろうことかまたもバイティングだった。 最大の得意技にして、最も凶悪な攻撃。それをもって覇王の生涯に幕を引かんとしている。アインハルトも即座にそれを察知して拳を振り上げた。こうなると、もう勝敗を決める要素は一つしかない。 バイティングを切り札とするジャック・ハンマーの驚異的な顎の力を打ち砕き、へし折るほどの力がアインハルトにあるかどうか。それだけが、勝負の分かれ目だ。 しかし、しかしだ。此処で悪辣な運命は、今度はアインハルトに矛先を向けた。 ――振り上げた拳が、接触を待たずに脱力する。 出血多量、脳震盪、顎へのダメージ、崩壊した顔面、全てがアインハルトの生命力を現在進行形で蝕んでいた。それが限度まで達し、アインハルトは今この瞬間、まさしく『死にかけた』のだ。 ジャックの歯が、アインハルトの首に突き刺さらんと迫る。少女の細い首など、ジャックにかかれば簡単だ。骨を噛み砕くような真似は不可能でも、頸動脈を切り裂けば出血多量気味の人間は数秒足らずで死ぬ。 届かないのか。あと一歩で、届かないのか――アインハルトの胸に満ちる焦り、失意。しかし運命は彼女の敵に回ったが…… ――――メギャンッ!! メギャンッ!! メギャンッッ!!! 『皇帝』は、変わらず彼女の味方だった。 不規則な軌道で誰にも気付かれずに飛来した銃弾がジャックの口に炸裂し、その前歯をへし折り喉を貫く。 ぐおんと跳ね上がる顎。その瞬間はまさに、千載一遇の好機であった。アインハルトは最後の力を振り絞り、握り締めた拳を――ジャック・ハンマーの腹筋に、全ての力と思い出を込めて、叩き込んだ!! くの字に曲がる体、吐き出される胃液。あと一撃だ。それさえあれば、事足りる。 「な、め、……」 だが。 「ナメルナヨッッッッ!!!!」 全身全霊、命全てを燃やして戦っているのは、ジャック・ハンマーも同じなのだ。 ジャックの拳が、アインハルトより一瞬速く、彼女の顔面を貫いていた。顔を破り、頭蓋に届くまで深く突き刺さった拳。それを受けたアインハルトの腕が、だらりと、今度こそ完全に脱力する。 「が……ががががが、がが」 ガクガクと痙攣さえしながら、動く拳。 それはジャックの体へ一度だけ、ぽこ、と軽い音でぶつかり…… 「……終わりだ」 「がぁ……がガガ……がががががぁぁぁぁぁ…………が、ガヘッッ!!」 少女は、完全に動かなくなった。手を喰われ、体中を砕かれ、顔を潰されても戦い続けた勇敢な子は、死んだ。 勝ったのは、鬼(オーガ)だった。拳を顔から引き抜くと、アインハルトの体は完全に力を失い、地面へ俯せに倒れ臥す。それからジャックは、自分の血に汚れた手を見ながら、今の戦いを回想する。 覇王流という技術体系は、遊戯の域を出ていない。自分は確かに、そう言った。その認識は今も変わっていない。 だが、アインハルト・ストラトスというファイターに対しては評価を改めねばならないと、彼は今そう思っていた。平和島静雄のような化け物じみた強さがあるわけでは決してないが、それでも、弱くはなかった。 強かったと、そう評してもいい。最後の猛攻は、ジャックをして焦りを禁じ得ないほどのものだった。 「おめでとよ、兄ちゃんの勝ちみてぇだぜ」 そしてファイター二人の戦いを締め括るゴングの代わりに鳴り響いたのは、冷たく弾ける銃声。 極制服の酷使による疲弊、度重なる連戦で蓄積されたダメージ、それらが一斉に伸し掛かっているジャックにそれを回避する術は何一つとしてない。 軌道の変更すらされないまま突き進んだ銃弾は、ジャック・ハンマーの眉間へ突き刺さり、その脳を撃ち抜いて向こう側へと貫通していった。 (勇次郎よ……俺は………) 蘇る、地獄のような鍛錬の光景。殺人の記憶。 それだけしても、自分は範馬勇次郎を越せなかった。 目的の一つも果たせなかったのだから、父の域に至れている筈もない。 (俺は……ッッッッ) 最後にあったのは、底のない無念。まだ生きたい。やはり死ぬ訳にはいかない。勇次郎を生き返らせねばならないのだ。そして勇次郎を越さなければ、生きていた意味がない。 だから動け俺の身体と、ジャックは自らを鼓舞する。 (動け) (動け) (動け) (動け) (動け) (動け) (動け) (動け) それでも、彼の体は微動だにすることなく。 「俺はッッッッッッッッ、まだ死ねんッッッッッッッッ!!!!」 絶叫の中、止めの弾丸でこめかみを撃ち抜かれ、ジャック・ハンマーは完全に沈黙した。無念の形相を浮かべたまま死に果てた男へと、未だ硝煙の立ち上る銃を持ったガンマン――ホル・ホースは冷たく言い放つ。 「だが最後に勝つのは、おれだったな」 フッと微笑んで決め台詞を言い終えるなり、ホル・ホースはその場に仰向けに倒れた。 体の節々が痛む。中でもやはり潰された目が訴えかけてくる激痛は凄まじい物があり、今や意識を維持しているだけも相当な負担になっている。 出来ればどこか屋内で休むべきなのだろうが、生憎と、もう一歩だって歩ける気がしなかった。 凄腕の格闘家にボコボコに殴られ、痛め付けられて、今まで気絶せずにいるだけでもホル・ホースにしてみれば勲章ものの奮闘という話だ。 薄れゆく意識の中、過剰なほどに眩い日差しに照らされながら、ホル・ホースはらしくない真似をしたもんだと呆れたように述懐した。したが、しかしすぐに「いいや、おれらしい行動だったか」と彼はへらへら笑う。 なんてったってホル・ホースは、世界で一番女に優しい男なのだから。 ホル・ホースは諦めていた。自分もアインハルトも此処で殺されるのだと決めつけ、それは彼女も同じだと勝手に納得していた。だが、違ったのだ。アインハルトは諦めてなどいなかった。 ボロ雑巾のように痛め付けられ、生きているのが不思議なほどの状態になりながらも拳を振るい、果敢に戦った。 結果彼女は勝てなかったが、本来なら、ああやって戦うことすら不可能だった筈。 奇跡のような善戦で命を繋ぎ、その生き様を拳で語った彼女の精神は、気高い黄金色に輝いていたように思う。 「嬢ちゃんよ…………さすがのおれも……『敬意』ってやつを評するぜ。後は精々、ゆっくり休みな……おれもちょっとばかし疲れたからよぉ、少し、眠る…………ぜ………………」 アインハルト・ストラトスという少女が今際の際に見た友人たちの姿は、身も蓋もないことを言ってしまえば単なる走馬灯の亜種、幻影に過ぎなかったのだろう。 それでも彼女の中では、あの時見た皆の姿と言葉はまごうことなき真実だった。 走り続けた覇王は眠りに就いた。聖女も去り、覇王も去り。彼女たちが戦う勇姿を見ることはもう二度とないだろうが、その鮮烈(Vivid)な生き様は、人々の記憶の中に永遠に残り続ける。 不屈の夢の彼方まで羽ばたき続けた二人の少女に、どうか安らかな眠りがあらんことを。 【アインハルト・ストラトス@魔法少女リリカルなのはVivid 死亡】 【ジャック・ハンマー@グラップラー刃牙 死亡】 【G-2/一日目・日中】 【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】 [状態]:疲労(大)、肋骨数本骨折、左目失明、気絶 [服装]:普段通り [装備]:デリンジャー(1/2)@現実 [道具]:腕輪と白カード、赤カード(10/10)、青カード(10/10) 黒カード:不明支給品0~2、タブレットPC@現実 [思考・行動] 基本方針:生存優先。女は殺さない……つもり。 1:休む。つーか休まないと死ぬ 2:ジョースター一行やDIOには絶対に会いたくない。出来れば会う前に野垂れ死んでいてほしい。 3:アインハルトの生き様に、強い『敬意』。 4:夏凜にちょっぴりの『敬意』。 5:どうするかねえ、これから [備考] ※参戦時期は少なくともDIOの暗殺に失敗した以降です ※犬吠崎樹の首は山の斜面にある民家の庭に埋められました。 ※小湊るう子と繭について、アザゼルの仮説を聞きました。 ※三好夏凜、アインハルト・ストラトスと情報交換しました。 支給品説明 【メルセデス・ベンツ@Fate/Zero】 アインハルト・ストラトスに支給。 エンジンは排気量2966cc、直列六気筒SOHCのM198エンジン。最高時速は260キロ。ガルウィングのドアが特徴的。 第四次聖杯戦争時に切嗣が、アイリスフィールとセイバーの冬木における足として運び込んでおいた物。元々は本国のアインツベルン城にあった、アイリスフィール曰く「切嗣が持ち込んできてくれた玩具」のひとつ。 時系列順で読む Back Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳 Next 夢の跡、帰れない思い出の城 投下順で読む Back Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳 Next 夢の跡、帰れない思い出の城 159 Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳 ジャック・ハンマー GAME OVER 159 Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳 アインハルト・ストラトス GAME OVER 159 Vivid Survivors(前編) 引き合うように重なる拳 ホル・ホース 167 リボルバーにくちづけを
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今までのバトン渡し16 第3901回目~第4100目 3901回LaRa ラジオのやりかた忘れたw http //203.131.199.131 8060/etcgbu.m3u 3902回大塚フルフル クリスマス中止の署名↓にどうぞ・・・ http //203.131.199.131 8020/apathy.m3u 3903回ムーミン=カバ 初めまして。ふつらじデビューです。 http //203.131.199.131 8060/kamome.m3u 3904回ニャンチュー臭太 よろしくお願いします http //203.131.199.131 8090/piyopiyo.m3u 3905回マス男 三回目の放送になります http //203.131.199.131 8070/test1117.m3u 3906回pandaです 雑談 傷と消毒について・・・etc http //203.131.199.131 8070/test1117.m3u 3907回kura 初ねとらじです 30分トークが続くか不安です http //203.131.199.131 8030/kura.urontya.m3u 3908回肉男(怒) 相変わらず雑談です http //203.131.199.131 8080/Kreanga.m3u 3909回イカやろう テスト前です 集え聖戦士たち 色々改良してみた http //203.131.199.131 8070/bakaaaaa.m3u 3910回撫シコ 忙しくなってまいりました 熱しやすく冷めやすい 最近思うこと http //203.131.199.131 8060/nadesiko.m3u 3911回なかの フリーダム、風邪時々腹痛 http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 3912回ゆま 絶賛不調中。原稿終わらん。寒い。 http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 3913回ニャンチュー臭太 姉フラグがやばかったら終わってしまうかも・・・ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3914回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストは中川翔子ちゃん! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 3915回 ゆうたろう(仮) http //203.131.199.131 8070/yutaro15.m3u 3916回ゲイリーターナー 初ラジオよろしくおねがいしましあ 性格と胸の大きさ(二次) http //203.131.199.131 8050/onryoutest.m3u 3917回キャナルジ(神主) ちょっと設定変えてみた iPodのトップレート 冷え性 http //203.131.199.131 8090/canaldi.m3u 3918回肉男(美) 相変わらず雑談です http //203.131.199.131 8080/voevoda.m3u 3919回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3920回(なしまる) 23才 声優・アニメ・(最近やってないけど)泣きゲ好き 復帰後3回目は通算10回目くらい記念ということで、過去放送第3回のスタイルで。 http //203.131.199.131 8040/nashimaru.m3u 3921回タミフル おでんの美味しい食べ方 http //203.131.199.131 8060/realtinker.m3u 3922回初放送でDJ名はない 詳しくないけどアニメ、漫画が好きですね。 http //203.131.199.131 8050/test76.m3u 3923回綾丸 ゲップーが強すぎる件について(ハエ蜜・フラッシュβ使用不可縛り) http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u 3924回J 久々にDJ“J”の悪魔のラジオ!チョイ悪ジャン! http //203.131.199.131 8010/nageyariradio.m3u 3925回AVM 音楽を流しながらトークメイン http //203.131.199.131 8020/alvenis.m3u 3926回牛乳 14歳DJ いろんな意味でテスト\(^o^)/ http //203.131.199.131 8010/milk.m3u 3927回ニャンチュー臭太 よろしくお願いします。 http //203.131.199.131 8090/piyopiyo.m3u 3928回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストはRaLaさんでーす! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 3929回大塚フルフル またCD買っちまった\(^o^)/ ブログの改造楽しいです http //203.131.199.131 8020/apathy.m3u 3930回綾丸 出落ち それだけ(涙 http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u 3931回ysd Xmas クリスマスに家でニコニコ見る俺は間違いなく勝ち組www http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 3932回マス男 二回目の放送です。つまらないと思いますけど,お聴きくださいましたら幸いです。 http //203.131.199.131 8050/test76.m3u 3933回高速ティッシュしおりちゃん ktsIGLOOスペシャル http //203.131.199.131 8020/shioriradio.m3u 3934回あべなつこ おねがいしまーす http //203.131.199.131 8020/opan2.m3u 3935回マンバ・ケーン 初出勤\(^o^)/ ズッコケ三人組についてでも語ろうかと思う。 http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 3936回DJ名募集中 ばっちり童貞20歳男 http //203.131.199.131 8100/normal.m3u 3937回タンポポ のろけ http //203.131.199.131 8060/tanpopo.m3u 3938回ロドリゲス 転載どうも。 http //203.131.199.131 8030/enfonios.m3u 3939回牛乳太郎 何話したらいいですか? http //203.131.199.131 8070/gyunyu-.m3u 3940回LaRa ラジオのやりかた忘れたw あちこちガタがきてる http //203.131.199.131 8060/etcgbu.m3u 3941回大塚フルフル クリスマス中止の署名↓にどうぞ・・・・ http //203.131.199.131 8020/apathy.m3u 3942回ムーミン=カバ 初めまして。ふつらじデビューです。 http //203.131.199.131 8060/kamome.m3u 3943回ニャンチュー臭太 よろしくお願いします http //203.131.199.131 8090/piyopiyo.m3u 3944回マス男 三回目の放送になります http //203.131.199.131 8070/test1117.m3u 3945回pandaです 雑談 傷と消毒について・・・etc http //203.131.199.131 8070/test1117.m3u 3946回kura 初ねとらじです 30分トークが続くか不安です・・・ http //203.131.199.131 8030/kura.urontya.m3u 3947回肉男(怒) 相変わらず雑談です http //203.131.199.131 8080/Kreanga.m3u 3948回イカやろう テスト前です 集え聖戦士たち 色々改良してみた http //203.131.199.131 8070/bakaaaaa.m3u 3949回撫シコ 忙しくなってまいりました 熱しやすく冷めやすい 最近思うこと http //203.131.199.131 8060/nadesiko.m3u 3950回なかの フリーダム、風邪時々腹痛 http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 3951回ゆま 絶賛不調中。原稿終わらん。寒い。 http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 3952回ニャンチュー臭太 姉フラグがやばかったら終わってしまうかも・・・ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3953回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストは中川翔子ちゃん! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 3954回ゆうたろう(仮) http //203.131.199.131 8070/yutaro15.m3u 3955回ゲイリーターナー 初ラジオよろしくおねがいしましあ 性格と胸の大きさ(二次) http //203.131.199.131 8050/onryoutest.m3u 3956回キャナルジ(神主) ちょっと設定変えてみた iPodのトップレート 冷え性 http //203.131.199.131 8020/canaldi.m3u 3957回肉男(美) 相変わらず雑談です http //203.131.199.131 8080/voevoda.m3u 3958回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3959回(なしまる) 23才 声優・アニメ・(最近やってないけど)泣きゲ好き http //203.131.199.131 8040/nashimaru.m3u 3960回タミフル おでんの美味しい食べ方 http //203.131.199.131 8060/realtinker.m3u 3961回kura レッズ勝利おめでとう!!!!!! http //203.131.199.131 8010/urontya.m3u 3962回ぶちゃ夫 初めての保守放送 なので何も考えてません http //203.131.199.131 8010/himatsubushi.m3u 3963回募集中 緊張してますがよろしくお願いします>< http //203.131.199.131 8070/auau.m3u 3964回動詞 初めてですが、よろしくおねがいします。 http //203.131.199.131 8040/verv.m3u 3965回AVM 音楽を流しながらトークメイン http //203.131.199.131 8020/alvenis.m3u 3966回なかの ビッグショットにハマった俺、そしてフリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 3967回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストは押尾学さんです! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 3968回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3969回ばんそーこー 4回目のねとらじです http //203.131.199.131 8020/bandaid0512.m3u 3970回枕 なぞかけ http //203.131.199.131 8060/pillow.m3u 3971回ゲイリーターナー ocnユーザー歌 「アクセス規制が解除されない」 http //203.131.199.131 8050/onryoutest.m3u 3972回高速ティッシュしおりちゃん キングライオンvs負け犬スペシャル http //203.131.199.131 8020/shioriradio.m3u 3973回キャナルジ(神主) 初の2日連続 誤爆とかネタレスが滑ると悲しいよね 誰がうまいこといえと 謎かけ(?)のりうどん http //203.131.199.131 8020/canaldi.m3u 3974回イカやろう 2008年度流行語大賞を審議 http //203.131.199.131 8070/bakaaaaa.m3u 3975回マンバ・ケーン 保守兼ね この時間帯に放送するのは初めてなんです>< http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 3976回バファリン 第二回放送ですよろしくお願いします バッファがひどいのは仕様です http //203.131.199.131 8070/auau.m3u 3977回動詞 2回目です><保守がてら、酒とか音楽とかその他もろもろ http //203.131.199.131 8040/verv.m3u 3978回マス男 4回目です。頑張ります http //203.131.199.131 8020/test1117.m3u 3979回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 聴いた時点であなたの負けですm9(^Д^)プギャー! 今日のゲストはhy○eさんです! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 3980回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3981回DJてく 新しくBGMを手に入れたので流したい放送 話すこと?・・・えーと・・・んーと http //203.131.199.131 8020/narronace.m3u 3982回MOM団の長門有希 似てないと思いますけど、長門の声真似放送orz http //203.131.199.131 8080/momnagato.m3u 3983回AVM 音楽を流しながらトークメイン http //203.131.199.131 8020/alvenis.m3u 3984回ニャンチュー臭太 こんにちわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3985回ムーミン=カバ 今年の漢字決定。あなたが決める「今年の漢字」とは http //203.131.199.131 8060/kamome.m3u 3986回 尾腐れ∴リア充かもしれない 彼女が淫乱。クリスマス寂しい。明日カラオケ http //203.131.199.131 8100/ogusare.m3u 3987回なまえはまだない さむい、さみしい http //203.131.199.131 8040/unko.m3u 3988回さむい、さみしい ばっちこーい! http //203.131.199.131 8060/kakko-warai.m3u 3989回なかの 究極のフリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 3990回ニャンチュー臭太 こんにちわ http //203.131.199.131 8020/piyopiyo.m3u 3991回ゆま 冬と時間と私の人生。プリンは美味しい http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 3992回タンポポ バイト http //203.131.199.131 8060/tanpopo.m3u 3993回綾丸 未来・過去・現在 哲学的な話? 実際にタイムマシンを造った男 http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u 3994回チン深爪 眠いです http //203.131.199.131 8060/deeptume.m3u 3995回てなよし 冬休みしか眼中にないよw 今日からてなよし復活って感じだよw http //203.131.199.131 8050/lirux.m3u 3996回なかの フリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 3997回ysd カヲル 俺のネタとさ、この気温って比べるとどっちが寒いのさ http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 3998回小太郎 テスト\(^o^)/結果 竹とんぼランデブー。 http //203.131.199.131 8070/kurokuro.m3u 3999回ふたギスカン(・´ω`・)放送96回目 適当 http //203.131.199.131 8020/futafuta.m3u 4000回高速ティッシュしおりちゃん ゆるふわもてかわスリム愛され自分へのご褒美 スイーツスリーエフのねーちゃんスペシャル http //203.131.199.131 8020/shioriradio.m3u 4001回(´・ω・`)ショギョーン 下腹部に鈍痛が・・・at秋葉原 http //203.131.199.131 8080/syogyo-n.m3u 4002回枕 一人ぼっち http //203.131.199.131 8060/pillow.m3u 4003回マンバ・ケーン とりあえずズッコケ中年三人組age41は読んだ。 この時間帯に放送できて万歳\(^o^)/ http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 4004回牛乳太郎 学校が休みで一日暇になりそう どうやって貴重な休日を過ごすか悩み所 http //203.131.199.131 8070/gyunyu-.m3u 4005回カロリーメイト大好き少年(53歳・男) だいぶ久しぶりの放送 http //203.131.199.131 8010/kmdboy.m3u 4006回イカやろう テスト\(^o^)/オワタ http //203.131.199.131 8070/bakaaaaa.m3u 4007回ysd カヲル こんなに寒くても俺のハートはギンギンさ http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4008回なかの 今宵、初のゲスト登場!!!! http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 4009回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストはあのアニメキャラ! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 4000回ゆま 今日出かけるのに寝れない自分\(^o^)/ http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 4011回タミゾウ☆デーブ ふたご座流星群今がピーク 首が痛いww http //203.131.199.131 8060/kakko-warai.m3u 4012回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4013回マス男 もう早朝といった時間ですね http //203.131.199.131 8020/masu1117.m3u 4014回(なしまる) 声優・アニメ・(最近やってないけど)泣きゲ好き http //203.131.199.131 8040/nashimaru.m3u 4015回ysd ↓ダウナー↓ スロットいってきたよー>< テンション低いのは仕様 http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4016回ゲロ太郎 がんばりまっす。 http //203.131.199.131 8100/abc.m3u 4017回♂!番長 日曜から地獄の20日間が始まるお( ^ω^) みんなが休みの日に働く仕事です。鬱です。寒いです( A`) クリスマスケーキ誰か買ってwwwwお願い誰かwwww ケーキの予約の締め切りは16日だから安心・・・今日じゃねぇかwwwww 年末もクリスマスもバイトバイトバーイトー♪ お腹すいた・・・2日前から何も食べてない・・・orz http //203.131.199.131 8010/tabako.m3u 4018回うみんちょ 真性ゆとりがやるラジオ。 風邪ひいた。 アコギの弦換えてみた。クリスマス中止のお知らせ。 http //203.131.199.131 8040/gomyway.m3u 4019回増田ジェゴロウ saku×2風gdgdトークショー♪ 今日のゲストはタイガージェットシーンさんです! http //203.131.199.131 8010/futsunisuckx2.m3u 4020回マンバ・ケーン 初体験しちゃいました>< http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 4021回ニャンチュー臭太 こんばんわ http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4022回ちえたん 今日だけ部屋にパソコンがあるのです。 http //203.131.199.131 8100/chietan.m3u 4023回せっちゃん(せつなさ。) 過疎ってる時にやるのが私だろうね http //203.131.199.131 8010/setunasa.m3u 4024回なかの 歌唄うお!それとフリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 4025回ysd まごころを君に 凸られたら口説こうと思う http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4026回♂!番長とかマジうけるんですけどー(笑) 高橋さんは相変わらずマジうけるんですけどーの反応 クリスマスケーキ予約してきた。自分の分・・・orz 先月の給与明細をゲット。まずまずの手ごたえですた http //203.131.199.131 8010/tabako.m3u 4027回高速ティッシュしおりちゃん 実写にするなよwスペシャル http //203.131.199.131 8020/shioriradio.m3u 4028回動詞 勘違い?フラグ?違いはなんやねん! 生肉あたったかも FF6始めました http //203.131.199.131 8040/verv.m3u 4029回ニャンチュー臭太 また自分ででサーセン http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4030回ゆま リアルに厨二病の人がいてテラ吹いた事件 http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 4031回AVM 音楽を流しながらトークメイン http //203.131.199.131 8020/alvenis.m3u 4032回マス男 6回目かな? http //203.131.199.131 8020/masu1117.m3u 4033回ちえたん 部屋パソが6時までになった腐女子が授業短縮で早く帰ってきたから愚痴。 http //203.131.199.131 8100/chietan.m3u 4034回ニャンチュー臭太 月見うどんについて http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4035回てなよし 喉枯れてますが気にせずに… 明日から歌いまくってやんよ! 冬休みのバイトの件。 http //203.131.199.131 8050/lirux.m3u 4036回大塚フルフル 注文したお http //203.131.199.131 8020/apathy.m3u 4037回ysd カヲル http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4038回DJてく 2回目書くのは面倒なので略 http //203.131.199.131 8020/narronace.m3u 4039回枕 まだ諦めません なぞかけ http //203.131.199.131 8060/pillow.m3u 4040回特になし 音楽を流したりするかもです。好きな物はニューメタル http //203.131.199.131 8010/nerd.m3u 4041回てなよし 宅配物来ないよ! 5時からバイトあるよ! 桃鉄ってやっぱ楽しいよ! http //203.131.199.131 8050/lirux.m3u 4042回大塚フルフル これなーんだ? http //203.131.199.131 8020/apathy.m3u 4043回ニャンチュー臭太 月見うどんについて http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4044回ksk クリスマスなんて・・ http //203.131.199.131 8010/hiroshi.m3u 4045回なかの お寿司買ってきた、そしてフリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 4046回ysd with キャナルジ ガチホモぎゅーっとキャナルッジ http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4047回ふたギスカン(・´ω`・)放送97回目 献血やった インフルエンザ もうすぐ冬休み http //203.131.199.131 8020/futafuta.m3u 4048回動詞@4回目 予告どおり&お望み通り情熱の律動歌ってやんよ! 深夜なのに無意味にハイテンション http //203.131.199.131 8040/verv.m3u 4049回♂!番長 不幸話でもしていけばいいと思うよ。明石家サンタ的な意味で http //203.131.199.131 8010/tabako.m3u 4050回マス男 メールフォーム作ってみました。 http //203.131.199.131 8030/masuotoko.m3u 4051回マンバ・ケーン OCN解除ひゃっほー( ^ω^) これ笑うしか無いだろ・・・常識的に考えて・・ http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 4052回ナ・ガーレ☆彡 36回目 ネオ 若い頃にかっこいいと思っていたこと 19vs70 http //203.131.199.131 8020/nagaare.m3u 4053回日南丈 久しぶりですが2回目です^^よろしくお願いいたします。 http //203.131.199.131 8100/hinan.m3u 4054回マンション久保田 読針術は俺に聞けm9`・ω・´) http //203.131.199.131 8010/kubota.m3u 4055回ぬこ 期限がやばい http //203.131.199.131 8020/nyaa.m3u 4056回(´・ω・`)ショギョーン 今日もgdgdとカラオケのバイトでの出来事とゲーセンについて http //203.131.199.131 8080/syogyo-n.m3u 4057回J この時間帯はかなり久しいの~。凸デモなんでもこいやー! http //203.131.199.131 8010/nageyariradio.m3u 4058回肉男(笑) トーク内容は全てフィクションです http //203.131.199.131 8080/voevoda.m3u 4059回ちえたん 声真似しつつ雑談。にょろーんとかやってますってヴぁ http //203.131.199.131 8100/chietan.m3u 4060回尾腐れ∴リア充かもしれない 彼女の名前「John」に決定。Jam Projectが腐女子間でブーム。 http //203.131.199.131 8100/ogusare.m3u 4061回ニャンチュー臭太 てんぷらうどんについて http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4062回苦労人 手帳・カラオケ・ココア缶・ごっすん・その他色々 http //203.131.199.131 8100/lightnovel.m3u 4063回なかの 明日休みいやっほいいいいい!!!ソングtoフリーダム http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 4064回ブラックめがね ocnユーザーと喜びを分かち合いたい http //203.131.199.131 8020/jac.m3u 4065回人間モルモット ヒナギクは俺の嫁 俺のクラスが崩壊した http //203.131.199.131 8040/morumotto.m3u 4066回ksk マジックザギャザリングと俺とじいさん http //203.131.199.131 8010/hiroshi.m3u 4067回ちえたん たぶんこんどこそ今期最後。 http //203.131.199.131 8100/chietan.m3u 4068回マンバ・ケーン 卒論\(^o^)/ MTG勢が多くてびっくりした http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 4069回ゆま 貧弱すぎる自分に吹いた http //203.131.199.131 8070/yuman.m3u 4070回ysd カヲル 凸◎ コンタクト追加◎ 男スネーク△ 女スネーク× http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4071回アクエリアスR 夏影練習中 P90用資金たまりましたぜ http //203.131.199.131 8050/akueriasuR.m3u 4072回せつなさ。 出かけよう出かけようと思ってもなかなか出かけられない。冬休みこないで。 http //203.131.199.131 8010/setunasa.m3u 4073回募集中 新人なんで適当にいじってくださいw http //203.131.199.131 8020/real.m3u 4074回セクシャルバイオレット吾郎 二回目です ysdさん前はほんとうに失礼しました http //203.131.199.131 8030/sgr.m3u 4075回綾丸 悲惨な出来事 http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u 4076回チン深爪 こたつってほんといい物ですね http //203.131.199.131 8020/deep.m3u 4077回ニャンチュー臭太 うどんについて話すかもわかりません http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4078回なかの ワックスのつけ方が・・・、ギターは楽しい、クリスマスどうすっかな・・・ http //203.131.199.131 8060/nakano.m3u 4079回タミゾウ(略)デーブ センターまであと1ヶ月って?またまたwwww http //203.131.199.131 8060/kakko-warai.m3u 4080回マンバ・ケーン 保守兼ね 卒論 出勤 チロル http //203.131.199.131 8060/bunnbunn.m3u 4081回つるぞう スーパーハイパーサンダーウルトラメガ冬休みタイムだお! http //203.131.199.131 8060/ouka.m3u 4082回サイボーグ159 クリスマスシーズンですね。だからどうしたーヽ(`Д´)ノプンプン http //203.131.199.131 8050/sai159.m3u 4083回肉男(美) トーク内容は全てフィクションです http //203.131.199.131 8080/voevoda.m3u 4084回ニャンチュー臭太 うどんについて話すかもわかりません http //203.131.199.131 8020/purapura.m3u 4085回綾丸 寒い季節にピッタリ 怖い話♪(体験談や有名な話) 相変わらず体調不良 http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u 4086回ysd 恋愛局 たまにはこういうのもいいだろ・・・常考 http //203.131.199.131 8040/hentai.m3u 4087回あーるあい 前に一回やったきりなんですが・・・! 話すことないけどいっぱい喋ります(`・ω・´) http //203.131.199.131 8000/ri.m3u 4088回ksk 決めた!わし!おしゃれになる!! クリスマスなんか企画やれよ・・・ だれか http //203.131.199.131 8010/hiroshi.m3u 4089回吾郎 3回目です 誰かいいうpろだ教えてください http //203.131.199.131 8020/popopo.m3u 4090回マス男 メールフォーム作ってみました。 http //203.131.199.131 8030/masuotoko.m3u 4091回DJてく 音楽かけながら朝っぽくマッタリしましょう http //203.131.199.131 8020/narronace.m3u 4092回DJ名募集中 サッカーとryぷりが好きです http //203.131.199.131 8050/test.m3u 4093回高速ティッシュしおりちゃん 来年のクリスマスイブまであと367日しかないスペシャル http //203.131.199.131 8020/shioriradio.m3u 4094回(なしまる) 声優・アニメ・(最近やってないけど)泣きゲ? http //203.131.199.131 8040/nashimaru.m3u 4095回大塚フルフル 初めての・・・・・ 冬休みの宿題・・・・・orz クリスマスと正月どうしよう・・・・・ http //203.131.199.131 8020/village-vanguard.m3u 4096回DJてく 今日のテーマは『プレゼント』 http //203.131.199.131 8020/narronace.m3u 4097回薄汚い枯れ声ですみません(名前特にないです 初めてなんで優しくしてくだしあ>< http //203.131.199.131 8020/karegoe.m3u 4098回ブラックめがね 明石家サンタ直前! 一人で過ごす事うけ合いのねとらじリスナー様(笑) http //203.131.199.131 8020/jac.m3u 4099回募集中 gdgdになりそうです http //203.131.199.131 8050/nishiura.m3u 4100回綾丸 かなり酔っ払っててゴメンナサイwwwwwwww 酔ってるから出来る若気の至り話wwwwwwwwww http //203.131.199.131 8070/smelsba.m3u
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だが…信用できないのはルルーシュ・ランペルージだ…!◆4EDMfWv86Q 丑三つ時。草木も眠るとされる時刻は最も深い夜だという。 それを越えた頃から夜は白みかけ朝の訪れに近づいていく。 今の時間に照らし合せれば、寅の刻を越え卯の刻に差し掛かるあたりだろうか。 陽とよぶにはあまりにか細い光が地平線から昇る最中、一人の男と女は舗装された道を歩いている。 「たっくん、どこへ向かってるの?」 「別に、どこでもいいだろ」 足取りが重い。体のダメージは決して浅くはない。 加えて後ろからついていく少女のことも足を重くする要員である。 愛称で呼ぶのをやめさせることはもう諦めた。 「さっきの人…木場、さんは北にあなたの道具があるといっていたけれど、取りには行かないの? そうでなくても佐倉さんと合流したいし……」 「ベルトは、いい。今の俺には使えない。今持ってる奴の方がいいだろ。 佐倉って奴にも会わない方がいい」 「そう、それじゃ仕方ないわね」 巴マミは質問なり意見を絶やさず話題を振りってくる。無視する気にもなれないし一応答えはしている。 そんな遣り取りを続けながら、目的もなく戦場から逃げるように歩いていた。 道を違えてしまった木場からファイズのベルトが北にあると聞いても、そこに行く気はしなかった。 自分が知る中でベルトを使える奴には見当がついている。おそらくは草加だろう。 嫌味ったらしくて、何度も自分を陥れようとして正直気に入らないが、あいつがその胸に宿した信念は本物だ。 きっと人を襲う奴とは戦うだろうし真理だって守ろうとするだろう。少なくとも今の俺や木場よりは相応しいと思う。 ……その間、無実のオルフェノクまでも手にかけられてしまうかもしれないが。 それを守れるのは、あの社長やあいつの役割だろう。けれど、そうしたら今度は人が死ぬ。 結局、互いに憎み合い、どちらかが滅ぶまで戦い続けてしまう。 (……木場) 見たことのないベルトを纏い出会った木場。 人とオルフェノクの共存を望んでいたあいつが、全ての人間を滅ぼすと言い啓太郎も殺した。 いったい、何があったっていうんだ。 今まで誤解や行き違い(主に草加のせいで)で憎み合い何度も戦ってきた。決して埋まらない溝だと思っていた。 けれど、顔を合わせていくうちに次第に分かり合えるようになった。オルフェノクにも人の心があるのだと知った。 あいつが語る夢に、いつの間にか惹かれていた。 こいつになら倒されてもいい。こいつの夢のためになら死ねる。 そう思ってスマートブレインに入った。真理達を裏切った。安心して、敵になることができた。 なのに。あいつはその夢を捨ててしまった。人を滅ぼす道を選ぶと宣言した。 知らぬ間に掛け替えのない仲間を人間に奪われてしまったのか。それともあの社長に誑かされたのか。 「ッ……!」 視界が揺れた。 足を踏み外す。 動くたびに、身が削れていくような痛みが疼く。 あの黒仮面にやられた傷は今でも暴れている。オルフェノクの体ならほっといても治るだろうが、ここに来てからどうも動きが鈍いように感じる。 それならいっそ動けなくなってしまえ。そんな風にも考えてもしまう。 「―――、……?」 不意に、背中に暖かい感触が通った。 肩甲骨の間程の小さな熱。そこから柔らかな何かが体中へと流れていく。 まるで傷が癒えていくような優しさで、体の痛みが消えていく錯覚を感じる。 事実、体は癒えていた。体に残っていた傷が消え体力が充実していく。 訝しみ振り返ると、そこには祈るように背に手をかざすマミがいた。 「…よし、これでどう?少しは楽になったと思うけど」 光をかざして微笑む。光は小さな掌に収まる小物から出ていた。 装飾が施された宝石の中身は、黒く澱んでいる。 「やっぱりどこかで少し休んだ方がいいわね…あ、あのバーなんてどうかしら。地図にも載ってるみたいだし」 そこはここで始めて足を踏み入れた場所であり、二重の意味で見たくない場所。 ついさっき死んだ仲間と出会ったことと、化物の四つ葉が集う拠点ということ。 そんな事情も知らないマミは手を取って勝手に進んでいく。当然、繋がれてる体は自由が利かず連れられてしまう。 「おい、お前……」 「何をするにしても、体を休ませるのに越したことはないでしょ? さっきはああ言ったけど…やっぱりあなたにはいなくなって欲しくないから」 最後に言った言葉は、顔を前に向けていたのでよく聞こえなかった。 ただ、無碍にはできないという諦めにも似た思いを感じた。 ■ ■ ■ バー・クローバー。 オルフェノクの属する企業スマートブレイン、その中で選りすぐりのエリート集団であるラッキークローバー。 社長村上に四人まで選抜されたメンバーの集合場所となっているバークラブである。 地下フロアに居を構え、光源も薄く深い闇に包まれた部屋はまるで死者の国のそれ。 泥酔して紛れ込んだ客が来ようものなら、常連の酒のつまみとして頂かれることになるだろう。 「先客がいたみたいね。グラスを割ったままだなんて、この状況にとんだ酔漢ね」 「それ俺だ」 「たっくんって、二十歳?」 「…十八だよ、悪いか」 「…あまりお説教染みたことを言いたくはないけど、自棄酒は駄目よ?」 ぴっ、と指差しで嗜めてカウンターへと入っていく。 中学生の未成年であるマミは当然クラブなど行った経験などないが、勝手知ったる口で棚に置かれたボトルを検分している。 「カクテルなんかには果汁を使ったりしてるからジュースがあればいいんだけど…うーん、フルーツしかないわね。仕方ない、おひやでもいいか」 シャンパンなんて飲める心境でもないしね。付け加えてグラスに水を注ぐ。 器に満ちていく液体と壁を伝う滝の音だけが、傷負う二人の間で流れていた。 巧の隣に座りグラスを口につける。 喉を通る水がひどく心地よい。疲労した時に飲む水は至高の味というのは本当だったようだ。 支給品にも水はあったが、冷たいというだけで味わいも大きく変わる。少しとはいえ心に余裕が生まれる。 ゆとりが出来たことで、今後の自分の動きを考えてみる。 「さて、これからどうしましょうか」 基本として、マミはこの儀式を壊すスタンスでいる。 理不尽な災いから人々を守り、これを打ち倒す。それが魔法少女の使命。 心に迷いこそあるものの、それを手放すことはしない。 暫くはここで体力の回復に努めるとして、次はどう動くべきか。 ひとつは、仲間を集めることだろう。 悔しいが、自分一人では黒衣の魔王と騎士にはまるで歯が立たない。少なからずあったベテランとしてのプライドも形無しだ。 別れた佐倉杏子のようにこの儀式に抗する参加者は複数いる。 それらと合流し集団を成せば戦力も整い一般人も守りやすくなる。 もうひとつが、参加者を縛る術式の解呪だ。 魔女の口づけという、自分たち魔法少女にとっては馴染み深い呪いの証。 これがある限り主催者への反抗も会場からの脱出も叶わない。出来るだけ早急に解決したい問題だ。 呪いを解く方法自体は明瞭としている。口づけを施した魔女を倒せばいい。 規模からして会場の外に魔女がいるとは考えにくい。ソウルジェムの反応を辿っていけば結界の出処も突き止められるだろう。 だが、懸念する事態もある。 魔女には知性というものがない。まるで理や知を司る部分だけが抜け落ちてしまったかのように無差別に絶望を振り撒く。 それに口づけを受けた被害者は飛び降りなど自殺を誘発する傾向が殆どだ。 体に青色の炎が上がり灰化するなどという死に方は聞いたこともない。しかも『禁止エリアから出る』という条件に基づいて発動するという。 ここから導き出される推論、それはアカギが魔女の制御法を手にしているということ。 理論の見当もつかないが理屈の上ではそうなってしまう。 所詮は仮定の上塗りでしかないが、考察の必要はある。 キュゥべえ。あの捉えどころのない白い彼は、果たしてこの儀式に関わっているのか……。 考えること、為すべきことは多くある。本当なら休める時すら惜しい状況だ。 正義の魔王少女であるなら、誰かを守ることを意義とするならそうするべきだ。 けれど、マミは、 「ねえ、たっくんは、どうしたい?」 隣に座る青年の意見を、何よりも重きに置きたかった。 「…木場の奴を元に戻す。とにかくそれからだ」 今の巧にとっての行動原理はそれだった。木場勇治の豹変を解明し、元の道に戻してやりたい。 そうでなければ、それこそ死んでも死にきれない。 「その人とは、やっぱり友達?」 「そんなんじゃねーよ。ただの…仲間だ」 付き合いを考えればそう呼べるのかもしれないが、友達、という響きがなにか気恥しくて言葉を濁す。 そんな態度を見て、巧にとって彼がどれだけ重要な人だったかがマミにも分かる。 友に裏切られた。その慟哭はどれだけのものか。 それを察しながらも、マミは深くえぐり込むような言葉をかける。 「そう…けど、難しいわよ。あの人の人間に対する憎悪は本物だった。負の感情の権化のような、本物の怪物だった」 絶望を振り撒く死の化身。あれでは魔女と大差がない。いや、感情をもって襲いかかる以上よりタチが悪いといえよう。 「私は、怖かった。あんなに恐ろしいモノがいたなんて思ってもみなかった」 あれほどの激情を向けられたことなど、殺意を見たことなど一度もない。魔女との戦いにすら経験になかった。 腕に絡んだ指を強く握りしめる。思い出す度に体が震え、悪寒が染み入ってくる。 「それでも、あなたは彼を止めたい?」 マミの告白を、巧は黙って聞き入れてる。その顔は今にも泣きそうなほど弱々しいものだった。 二人の命を奪い、今も奪おうとしている化物。そう友人を突きつけられたのだ。 やり場のない怒りが自責に変わって彼を苛ませている。 この言葉が巧の心を大きく傷つけることはわかってる。それでもマミは本心を吐露しないわけにはいかなかった。 本心を隠したままでは決して、彼に協力することができなかったから。 数秒か、それとも数分か。 時間の感覚が飛ぶような沈黙の中、巧は答える。 「ああ、止めてやるよ。ぶん殴ってでもこっちに連れ戻してやる」 夢の話を憶えている。いつか聞かせてくれた夢を。 あの夢を、それを信じたあいつを嘘にしたくはない。 たとえ乾巧が間違いだらけでも、その夢は本物であると信じたい。 そのためになら抗える。罪だらけの自分でも何か出来るはずだ。 「…わかったわ。ごめんなさい、試すようなことをして」 前向きな答えにマミは安堵する。これなら彼は大丈夫だ。きっと立ち直れる。 体が怪物であっても彼はこんなにも優しくて、強い。 「お詫びといってはなんだけど、私もそれに協力させてもらいます」 同時に、彼がここまで信じている人を自分も信じてみる気にもなった。 自分が見た木場勇治でなく、乾巧の中にある木場勇治を信じた。 「…なんだって、そんなに俺に構うんだよ」 うんざりといった表情で巧が睨む。 自他共に認める不器用な性格だ。どうしても態度は悪く見えてしまう。 「うん…そうね。ちょっとだけ、昔に重ねちゃったのかな」 それは懺悔なのか。罪を告白するのを聞いてくれれば誰でもよかったのかもしれない。 自嘲を含んだ口調で、少女は独り昔を語る。 「事故でなにもかも、自分の命さえも失いそうになって、助かる代わりにこの力を得て、戦う運命を背負った」 選択の余地などなかった。その契約を結ばなければ死ぬ他なかったのだから。 それでも思う時がある。あの時自分は何を願ったのだろう。 生きたかったのか。死にたくなかったのか。それとも助けてほしかったのか。 「誰かを守ることにやりがいは感じていたけど、ずっと孤独だった。辛かった」 魔法少女の生活は戦いの繰り返し。いつ果てるとも知らない魔女と力尽きるまで戦い続ける運命。 同じ魔法少女以外には力を借りることも相談することもできない。 「親しくなった人を危険に巻き込まないか、秘密を知られて離れてしまうのが恐かった」 誰も知らない、気付かれない魔女。自由な時間は殆どがその探索と排除に費やされる。 気心知れた相手と街を回ることも、他愛もない会話に花を咲かせることも、恋に患う暇すらもない。 「結局の所、自己満足なのかもしれないわね。自分と似た境遇の人を助けていい気になろうとしているのかもしれない。 けれど、ここであなたを見捨てたら、もう二度と自分の私は罪に向き合えなくなる。 だから―――私に、あなたを手伝わせて下さい」 瞳が潤むが涙が流れることはないのは小さな意地だ。いじらしい虚仮の一念だった。 さっき泣いたばかりで二度も泣き顔を見せるなんてみっともない。 何故なら自分は―――夢と希望を叶える、魔法少女だからだ。 「……勝手にしろ」 「え?」 「勝手にしろって、言ったんだよ」 巧は認める。ああ、同じだ。自分とこいつはまるきり同じだ。 事故で全てを失い、生き返る代償に力を得て、否応なしに戦いの道に引きずり込まれた。 誰かを傷つけることを恐れ、裏切ることを恐れて孤独に生きてきた。 だとすればどうなのだろう。何が変わるでもない。 二人は互いの傷の痛みを知った。それだけでしかない。 それだけでも、今の二人には幾許かの救いがあった。 同行を了承と受け取ったマミは花が咲いたような笑顔を見せる。 そう。情けない様まで、俺たちは似た者同士だ。 ―――戦うことが罪なら、俺が背負ってやる!!――― かつて決意した誓い。捨てようとしても、掌に残る信念。 この灰色の手でも誰かを守ることができるのなら――― 「――――――!」 取り戻しかけた夢は、扉を開いた足音に踏みにじられることになる。 壁を伝う水が凍りつくかと思う程に、店内の温度が下がる。 「…先客がいたか。お楽しみ中邪魔して済まなかったね」 階段を降りてくる影は男の声を発した。 氷のように冷ややかで、ナイフのように鋭い、威厳すら感じさせる声。 「あなたは…無事だったのね……!」 その顔に憶えがあるマミは安堵の声を漏らす。 黒髪の怜悧な男は、柔らかな笑みを返した。 ■ ■ ■ 「魔法少女に魔女か。俄には信じがたいが…この目で見た以上否定することもできないな」 「あの魔女、いえ魔王と本人は言っていたかしら。ルルーシュさんが間に合って本当によかった…」 カウンターの席がひとつ埋まり、三人の男女が隣り合って座っている。 二人の前に現れた男とは、マミが黒の魔王の魔手から救い出した縁がありすぐに協調が取れた。 今はマミが魔法少女と魔女について、要点のみをかいつまみ、それでいて理解しやすいよう噛み砕いた内容で説明をしている。 「この辺りには危険な人物がうろついているわ。少し危ないけど、私達の仲間と合流するまで送らせてもらっていいでしょうか」 「願ってもない話だ。ずっと一人では心細くてね。是非お願いしたい」 北に残る杏子の元へ行くまで彼の護衛をすると申し出る。 自分達はかなり分の悪い賭けに出ようとしている。戦う力のない彼を巻き込むわけにはいかなかった。 既に何人かの集団を形成しているらしい杏子達へと回した方がメリットが大きいと判断していた。 「おい、そいつも一緒に連れてく気か?」 「佐倉さんのとこまでは送っていくわ。彼女以外にも仲間がいたから適任だと思うし」 一時的とはいえ、これ以上人が増えることに巧は難色を示す。 元来団体行動に馴染めない性格だし、今は誰かを守ることに自信が持てないでいた。 マミもそれを理解している。巧には立ち直って欲しいと思ってるが、期待しすぎても耐え切れず潰れてしまう。 だから、こうして臨時的に人と行動を共にすればあるいはという淡い期待がこもった提案でもあった。 「しかし、一度ならず二度も世話になるには忍びない。 ずっと考えていたんだ。君に再会したとき、この恩に報いるためには何をもって返せばいいんだろうとね」 無償の加護に礼を尽くすのは紳士の義務と立ち上がる。 紡ぐ言葉は甘く、浮き足立つような賛美に彩られている。 立ち居振る舞いといいどこかの貴族なのかと場違いなことを考える。 「そこで思いついたんだ。大したものではないがせめてもの礼として――――――」 男の顔は微笑を浮かべる。淑女を虜にしてやまない端正な顔立ちは甘く香る蜜のように女性を誘うのだろう。 なのにマミは、その顔をうすら笑いにしか見えなくて――― ――――――――――――――――――――――――――――――――――――空白。 「苦しまずに逝かせてあげよう」 死の宣告も、少女の胸を穿つ銃声も、零にまで微分された世界に伝播せず凍りついた。 「――――――――――――な、」 全てが終わって、漸く巧は目の前の惨状に気がついた。 銃弾を心臓に受けて、吹き出した血の海に倒れている巴マミ。 前のめりに倒れた体は紅に濡れ、伸びた四肢は力なく伸びている。 確かめるまでもなく、それは既に死体だった。 「――――――お、い……」 膝を降ろして横たわるマミに近づく。もしかしたら自然に折れていたのかもしれない。 慟哭も悔恨もなにも感じなかった。正常な思考力を維持できていなかった。 あるのは頭を痺れさせる衝撃と、深い喪失感のみ。 ハンマーで思い切り殴られた鈍痛が、乾巧という存在を叩き潰していた。 そんな溝に落ちていた巧を押し上げたのは、階段を登り外に出ていこうとする足音が聞こえたからだった。 半ば衝動的に駆け上がる巧。その根源はマミを殺したルルーシュへの怒りなのか。 それとも、何もできず守れなかった自分の罪からの逃避だったのか。 答えなど定まらないまま扉を乱暴に開ける。大地を照らす朝日に目が眩む。 おかしい。微かに空は白み始めているが、翔陽にはまだ早いはずだ。 慣れてきた目が正しい外界の情報を伝えてくる。 はじめからそこにいたかのように、金色の魔人が荘厳にそびえていた。 世界を凍てつかせる絶対零度の悪意を膨らませて。 □ □ □ ゼロの猛攻から逃げ果せ気球に乗っていたルルーシュ・ランペルージは、すぐさま着地点からの離脱を開始していた。 気球というのはとにかく目立つ。発明当初のならいざしらず現代にとってはいい的だ。 追いかけたり待ち伏せしている可能性があるため一刻も速く離れること大事だった。 今の自分には瀕死のキリキザン一体のみ。もしあの魔王の類の殺人者に補足されればなす術もない。 なけなしの体力を使って走り続け、危険がないことを確認してやっと一息ついた。 (…誰も追ってこないな、ひとまずは安心か) キャップをあけ、ペットボトルの水を飲む。渇きが癒えていく爽快感が喉を満たす。疲労時の水は至高の味とはいったものだ。 「さて、これからどうするか」 水分補給を終えすぐに行動を開始する。休む暇など本来あろうはずもないのだ。 己の目的達成のためには行動あるのみ。ルルーシュにとっては即ち思索だ。 基本として、ルルーシュはとにかく生還するスタンスを取る。 全ての人の悪意を受け止め、これに打ち倒される。それが皇帝となった己の使命。 心に未練こそあるものの、歩む足を止めることはない。 暫くはここで体力の回復に努めるとして、次はどう動くべきか。 第一に、ルルーシュは決して自分ひとりだけ助かるわけにはいかないことだ。 枢木スザク。親友であり、敵であり、そして『ゼロ』を継ぐべき者。 優しい世界の創造、ゼロレクイエムは彼がいてこそ成り立つ計画だ。 それに賛同してくれたC.C.に藤咲咲世子とて、なるべくは見殺しにしたくはない。二人とも単なる協力者ではない縁があるから。 ならば自然、ただ一人生き残る生還という形を取ることはできないことになる。 「…脱出か、転覆か」 取るべき道は二つ。儀式の会場からの脱出か、それを管理するアカギを倒すか。 正直、どちらもかなり成功率としては乏しい。なにせ情報がまるで足りないのだ。 会場の座標。プレイヤーを縛る術式。主催者の正体。儀式の目的。 (外界から隔離された無人島、区画整理された都市群、かなりの組織力があるのは間違いない。 魔女の口づけ……C.C.と何か関係があるのか?何らかのギアスに細工を加えたものなのか。 アカギ以外にも協力者がいる可能性は高い。何から何まで不明瞭だからな。 儀式と銘打った以上、そこには確かな成果を求めているはず……それさえ満たせば俺たちは要済みとなる?もっともそれで解放されるとは思えないが) 考察すべき事項はあまりにも多くて考えが散開する。やはり得るべきは情報だろう。 アカギは術式や自信についてプレイヤーの誰かが知っているようなそぶりを見せた。そこから突くべきだろう。 ある程度の方針は決まった。ここからはプレイヤーとの接触を考えていく。 友好的な者には情報の交換、敵対者へはギアスを活用して撤退・排除。 最低でも、あのもうひとりのゼロを下せるだけの戦力は見つけ出しておかねばならない。 「向かうなら…南か」 地図のH-2に記されてる名称。ルルーシュの認識が正しければ斑鳩は黒の騎士団の旗艦だ。 よもや飛行やハドロン砲が搭載されてるとは思えないが、旗印とするには最適ではないか。 ここF-3からはそう遠くはない。6時にあるという放送の前後には着くだろう。 休めていた体を立ち上げる。正面の道路を避けて路地裏を進もうとした矢先。 コンクリートを砕く音がルルーシュの鼓膜を叩いた。 「ここでも戦闘があるか……」 地響きが体表を伝わる。依然、戦闘は続いているらしい。 1エリア先の巨大ビルが倒壊したのだ。集まる人数はかなりいるだろう。 そこにスザク達が来る可能性もあるが…炎の中に飛び込む無鉄砲は無理だ。離れるのが無難だろう。 だがせめて敵の姿くらいは把握しておきたい。戦場は比較的近いようだ。 ビルの影から顔を出して外を覗こうとする。 そこで戦っているのは、一体の怪人と一機の機動兵器だった。 灰色の狼を思わせるフォルム、開会式の場で姿を変えたオルフェノクという種族と思しき怪人。 そして―――。 「ヴィンセント…ロロか?」 スザクも騎乗するランスロットの量産型であるナイトメアフレーム、ヴィンセント。ゴールドカラーは弟であるロロが乗る試作機の配色だ。 無論機体だけで本人だと判断するのは短慮だ。それよりもこの場合はナイトメアが支給品として送られてることこそ見るべきだ。 自分の中では死んだ人間。殺すと決めた並行の異人。 監視役とし送られた義弟だが、最期には本物の弟と認めた愛すべき人。 出方を決めかね様子を窺うことにする。幸いこちらには気づいていない。確かめるチャンスはあるはずだ。 注意深く戦闘を観察していたルルーシュの足元が、突如として光り出した。 「な……ッ!?」 淡い黄色の光は帯になり無数の蛇を思わせる動きでルルーシュへと飛びかかってきた。 帯は華奢な体に巻き付き、地面と固定され完全に縛り付けらてしまう。 (伏兵……なんという迂闊だ!あれだけ派手に暴れれば他の誰かが気付かぬわけがないというのに!) 歯噛みして下手人とされる影を睨みつける。 両目は塞がれてない。ならば使える。絶対遵守のギアスの力を。逆転の機会は消えていない。 眼に力を込めてその姿を見る。 サイドを巻いた金のロールヘア。髪の色と同じ意向の衣装。両手に構えられたマスケット銃。 その顔に憶えがあるルルーシュは驚愕の息を漏らす。 疑念に染まった目を向けて、巴マミが立っていた。 ■ ■ ■ ソウルジェム。魂の宝石。 つまるところ、これは魔法少女の魂そのものを収めたアイテムだ。 魂と肉体が物理的に分離した状態、肉体はいわば行動するための外付けのハードウェアでしかない。 この小さな宝石が砕かれれば、幾ら体が健常でも魂が壊れ即死してしまう危険を孕む。 だが逆にいえばソウルジェムさえ無事ならば、首が撥ねようが心臓が穿たれようが生死には問題がない。 魔力の続く限り肉体を再生することができる無敵の戦士。朽ちることなき屍生人(ゾンビ)といえよう。 ソウルジェムが砕ける要因は主にふたつある。 戦闘などで外的な衝撃で破壊される場合と、ジェム内の穢れが溜まりきった場合だ。 穢れは魔力の消費、もしくは精神の状態によって澱んでいく。 日常と戦いとの軋轢、人間関係、人は小さなことで心に不浄を募らせる。多感な第二次成長期の少女であればなおのことだ。 たとえば体を裂かれたとして、そこで『死んだ』と認識し絶望すれば、その瞬間ソウルジェムは砕けてしまう。 これは欠陥などではない。すべて仕組まれたこと。 ジェムを突き破る、希望と絶望の相転移が生み出すエネルギーの収集のための『消耗品』としての機能だった。 故に、心臓を不意に撃たれた巴マミもまた絶望し死んでいく。 不意ということは死を意識してなかったということ。だがその寸前に訪れる激痛は絶望に追いやるだけの効果を持っていた。 何も守れず、何も成せず、孤独に少女は死んでいくしかない。 ただひとつの、例外がなければ。 『生きろ』 「ぅ……」 小さく、蠢いた。 朽ちる筈の心が、有り得ぬ声によって修復される。 『生きろ!』 何処からか聞こえてくる声。 聞き覚えのない、だが芯まで届いてくる叫び。 己の意思に関わらず、呪いのように生を謳う。 欲望でも衝動でもない、刻まれた命令(ギアス)に従う。 『生きろ!!』 「生き…る…」 そうして、巴マミは覚醒した。 「なぜ…私を撃ったの?」 混乱する頭の中で、マミは男に問いかける。問わずにいられなかった。 まだ十分に回っていない脳では自分で回答を出すことができず、誰かに聞いてみねばわからなかった。 それでも撃たれた状況を考えて相手を束縛してることから比較的冷静を保ってるといえよう。 穴の空いた左胸は塞がっており痛みもない。 肉体のコントロール権はソウルジェムにある。痛覚の減衰をはじめとして知覚機能の制御を無意識に行うことが可能だ。 ただ不安なのはジェムの濁り。ここに来てから三連戦。そのいずれも強敵揃い。かなりの魔力を消費してしまっている。 光は消えかかり、今にも失ってしまいそうな蝋燭の輝きだった。 (いったい…何を言っている…ッ!?) そして混乱してるのはルルーシュも同じだ。 女の顔は覚えている。筋骨隆々のゼロに追われていた時颯爽と助けに現れた少女だ。 それがどうして、こうも一方的に拘束されねばならないのか。 見捨てたことを根に持った?それはないだろう。向こうから率先して来たのだ。それで恨み言を吐くなど逆恨みにも程がある。 そして撃たれた、とはどういうことだ。言動から察するに、自分に撃たれたと思っているらしい。 まったく身に覚えのない事態にルルーシュもまた対処法を即座に取れなかった。 「…銃を下ろしてくれないか。俺と君は一度会っているが君に危害を加えたことはないはずだが」 「言い逃れはできないわ。あなたの顔も声も名前も私は聞いているの。ルルーシュ・ランペルージさん」 どうやら想定以上に錯綜しているらしい。ルルーシュは事態の危険度を一歩繰り上げた。 犯人は自分の顔と声と名前を騙って殺人に及んだと推測できる。 (この断言のしよう…本当に俺と瓜二つの顔のプレイヤーに会ったのか。 可能性しては変装道具を支給された線が最も高いか……) 不思議なことではない。現に自分の従者でありSPでもある藤咲咲世子は顔から声帯まで模倣できる道具を所持している。 体格さえ合っていれば、初対面の相手なら難なく騙し通せるだろう。 これはもう即刻排除せねばならない。生かしておく程害を撒き散らしていく。 だがそのためには、どうにかしてこの場を収めなければならない。 厄介だ。なにがといえばもう既にこの女にはギアスを使ってしまっているのだ ギアスの効果は一人に一度のみ。強制的に解決できる策を封じられてしまった。 (急がないと。もう時間がない、ぐずぐずしていられない…!) マミは焦っている。 濁りが溜まれば魔法が使えなくなること、巧が一人で謎の敵と戦っていること、そして自分を殺そうとした男への対処を。 どれも対応を誤れば命取りになりかねず、かといって慎重に及ぶ時間もまたない。 ジェムの穢れは正しく魂の穢れ。余裕なき心は視野を著しく落とす。 このまま縛り動けなくするか、足を奪うかという選択肢までも考え引き金にかける指の力を強める。 「斬撃(シュナイデン!!)」 張り詰めた緊張を切り落とす刃が二人の間へ落とされる。地面に三日月状の爪痕がたつ。 第三者の乱入にマミとルルーシュの視線が同じ方向を向く。 現れたのは、銀の髪をたなびかせ、桜色の衣装に身を包んだ少女。 星形の杖を握り中空を飛ぶ姿はまさに、 「魔法少女…!?」 正義を振りまき愛を語る魔法少女、カレイドルビー改めイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。 混迷の戦場を問答無用に解決すべく、大空を駆け抜ける!! …事態は、より混迷となる。 →
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;;SE『チャイム音』。BGM『ある日のこと』。背景『教室』 @bg file="kyousitu.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500 @bgm file="aruhiA.ogg" @playse storage="se3.ogg" @wait time=1500 @fadeoutse time=1500 @wf 「休みは黒川、と……黒川?」[lr] ;;検索エンジン(動揺) 滅多に聞かないググレの動揺した声。寝耳に水とはこのことだ。眦をこすってから、背筋を伸ばして体を起こした。[lr] ;;ググレ(困惑) 意識を回想から引き戻す。目の前でググレが珍しく戸惑っていた。普段は超然かつ傲慢、それが今はいい気味だ。とはいえ、理由が分からなければ、旨みも半減だ。[lr] 「おい、何があったんだ?」[lr] ;;エンジン消し、毒男(デフォルト) 「珍しいよな。委員長が休みだってよ」[lr] @fadeoutbgm time=2000 「…………」[lr] 「どうした?」[lr] 何故だろう。息苦しい。胸を押さえつける。心臓が暴れていた。[pcm] ;;みずき(泣き)を一瞬だけ表示。BGM『兆候』 @bg file="black.jpg" time=500 @bgm file=choukou.ogg" [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b] @cl @bg file="kyousitu.jpg" time=500 「知るか……っ」[lr] 短く、小さく、そして鋭く吐き捨てる。[lr] 証拠があるわけではない。ただ目に見えない恐怖を、はっきりしたものに仕立てたいだけだ。[lr] ――恐怖?[lr] @playse storage="heart.ogg" @ws 心臓が一際大きく跳ねた。[lr] そうだ、俺は恐れている。俺の前からいなくなったのは、みんな俺にかかわりのある人だから……。[lr] ――関わり?[lr] 姉さん、先輩、委員長……。一つの線で繋がるとしたら、それこそ無数だ。だが、俺の知り合いであるという線もそこには含まれている。[pcm] ;;毒男(心配げ) 「おい、どうした?」[lr] 心配そうに聞いてくるが、俺は曖昧に頷くと体の向きを変えた。机の下に隠しながら携帯を開く。新着メールはなし。姉さんはおろか先輩からさえも返ってきていなかった。[lr] ひとつ、考えが浮かんだ。バレればググレに没収だが、そうはならないだろう。確信めいた予感があった。[lr] ;;背景『携帯のズーム』 委員長の携帯番号に発信した。[lr] ;;SE『電話のトゥルルルー音』 @playse storage="tm2_phone006.ogg" @ws やはり出ない。[lr] メールなら成りすましも容易だ。いや、姉さんとは電話で話した。なら成りすましではない?[lr] 思考は激流めいて矛盾を押し流す。あの電話の後で何かに巻き込まれたというのなら、筋は通る。[pcm] ;;みずき(泣き) @bg file="black.jpg" time=500 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=5a m=1 t=2 y=b] @cl @bg file="kyousitu.jpg" time=500 ……危険、なのかもしれない。首筋の産毛が逆立っていた。[lr] ;;SE『チャイム音』 @playse storage="se3.ogg" 疑問は残っていたが、それを皮切りに思考を打ち切った。[pcm] @fadeoutse time=1000 ;;委員長(デフォルト) @bg file="black.jpg" time=500 [ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=3] ググレから委員長の住所でも訊き出して訪ねてゆくか?[lr] @fadeoutbgm time=3000 否。今の俺にとって大切なのは――。[lr] ;;みずき(笑い) [ld pos=lc name="mizu" wear=u pose=2 b=2 e=2a m=2] ――すまない。[lr] 目を閉じて顔をそむける。まだ呼び出しを続けていた携帯を切った。[pcm] [ld pos=rc name="yuri" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=4] ;;委員長(哀)の後消し ;;背景『廊下』、BGM『兆候』 @cl @bg file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=1500 @bgm file="choukou.ogg" 何故か足音を響かせないようにしていた。焦燥はあくまで足を急かしている。だが、ひそやかに廊下を馳せた。[lr] どこか足が地についていなかった。リノリウムを蹴りつけているはずなのに、泥沼に嵌まりでもしたような気がする。入っては戻れない領域に踏みこんでしまったような。[lr] いいや、そんなはずはない。足元を見つめて首を振る。眩暈がするのは、ただの寝不足だ。[lr] @bg file="kaidan2.jpg" rule="左下から右上へ" 階段を駆け下り、角を曲がる。[lr] @bg file="rouka1.jpg" rule="左下から右上へ" ;;伊万里(驚き)を一瞬だけ表示 [imar f="驚き" pose=1 pos=c] @cl 人影。前進をためらった刹那、重心の乱れで左足首が挫けた。膝が折れ、右足で床を蹴って体を跳ばす。辛うじて人影との衝突を避けつつ、床へとダイブした。[pcm] ;;伊万里(驚き) [imar f="驚き" pose=1 pos=c] 「みのりんっ!?」[lr] 「……痛っ!」[lr] とっさに衝いた左手首が鈍痛を訴えている。いつだったか、こんなことがあったような気がする。[lr] 痛みを無視して立ち上がった。[lr] ;;伊万里(真面目) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4] 「話を聞いてほしいんだ」[lr] 「後にしてくれっ!」[lr] 掴まれた裾を乱暴に振った。[lr] ;;伊万里(必死)。BGM『crazeforyou』 [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1] 「今じゃないとダメなんだっ!」[lr] 怒りと焦りと後悔と躊躇。無数の感情がごちゃ混ぜにされた一声だった。[pcm] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=4 s=1] 自然と動きがとまっていた。沈黙に荒い息づかいだけが響く。伊万里の力が緩んだところで、裾からその手を引き剥がした。[lr] ;;伊万里(デフォルトかほっとした笑み) 「少しだけだぞ」[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=1 e=4a m=2] 右足一本で廊下に背を預けた。[lr] ;;伊万里(真面目というかシリアスというか) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5] 「でね、話っていうのは――」[lr] 跳ねる心臓を右手で押さえつける。俺はまだ伊万里と向き合えない。すくんだ足は今も走り出そうとする。[lr] 「――みずきちのことなんだけど」[lr] あっと驚きの声が漏れかけた。みずきのことを心配していたはずなのに、いつの間にか保身のことしか考えていなかった。[pcm] ――これだから、伊万里と向き合えないのだろう。痛む手首を気にするフリをして、視線を逸らした。[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1] 「だ、だいじょうぶ?」[lr] ――なんで心配するんだ。[lr] 理不尽だ、とても理不尽だ。けれど理不尽なことを思ってしまう。[lr] 思考するのがイヤになる。[lr] 「それより、話? みずきのことでか?」[lr] ;;伊万里(浮かない) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4] 「うん……」[lr] 頷いたっきり、沈黙する伊万里。[pcm] 唇は震え、全く動きを止めてはいない。けれど、なかなか言葉は出てこなかった。[lr] 言葉が見つからないわけではない、何か途轍もなく重々しいものを紡ぎ出そうとしていていた。[lr] すうっと、息を吸う音が明瞭に聞こえた。[pcm] ;;伊万里(シリアス) ;「ひめさん、いないよね?」 ;「早紀先輩もいないよね?」 ;「百合さんもいないよね?」 [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=3a m=5] 「ひめさん、いないよね? 早紀先輩もいないよね? 百合さんもいないよね?」[lr] 矢継ぎ早に放たれた三つの質問。首が勝手に頷き、たじろぐ。[lr] 「だからみずきが危な……」[lr] ;;伊万里(哀) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4] 「みずきちなんだ」[lr] 次のターゲット、か。[lr] 「分かってる分かってる。みずきが危ないんだろ?」[lr] ;;伊万里(怒) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7] 「そうじゃないんだ!」[lr] 「どう、いう?」[lr] みずきが危ないわけじゃない?[pcm] 血が落ちて首筋が冷える。脳の奥深く封じこめておいた仮説がよみがえった。[lr] 「……まさか」[lr] 止めろ言うなそんなはずはない![lr] ;;伊万里(哀) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=5] 「みずきちがやったんだ」[lr] 奇妙なほど滑らかに言う伊万里。最初の雨粒が地面を叩くように、ぽつり、と。[lr] 「……なんで?」[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4] 「それはボクにも……」[lr] 「なんでこんな嘘をつくんだ?」[lr] ;;伊万里(困惑) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1] 「……え?」[lr] 分かっている。けれど認めるわけにはいかない。[pcm] モノマネ娘。紅茶色に紛れていたペールグリーン。夜な夜な外出してはまとってくる鉄錆びたような異臭。今朝、見かけたMTBの泥だらけのタイヤ。[lr] ;;伊万里(哀) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=5 s=1] 「嘘なんて……」[lr] 「嘘に決まってるだろ! みずきが、そんな……」[lr] ;;伊万里(必死) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7 s=1] 「だって!」[lr] 感情が爆ぜたように上履きが床を叩いた。[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=5a m=7 s=1] 「だってそうなんだ! 仕方ないんだよ!」[lr] 静謐に叫びの余韻だけが立ち込めた。伊万里はしばし黙ってから、やがて呟いた。[pcm] ;;伊万里(哀) [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4] 「ボクがそんな嘘をつくと思うの……?」[lr] 「それは……」[lr] 伊万里が俺にそんな嘘をついて何の利益がある? みずきを犯人に仕立て上げて……。[lr] 気づいていた。ただ気づかないフリをしていただけだ。とても残酷な覚悟を決めた。[lr] 「思う」[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=2a m=5 s=1] 「――!?」[pcm] ;;伊万里(シリアスな驚き。ショック) 「伊万里、お前はみずきに嫉妬してるんだろ? だからこうやってみずきを貶めようとする。みずきの家にいるのは、別にお前が勘繰ってるような理由からじゃない。もう嘘は止めろ。今なら水に流してやるから」[lr] あってはならないものを見てしまったように、伊万里は目を見開いて言葉を失っていた。唇が震えるものの、言葉ではなく白い息しか漏れなかった。[pcm] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=5 s=1] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=5 s=1] 「そんな……ボクがそんなことっ!?」[lr] 固まった伊万里の視線が俺ではなく、俺越しの誰かを見つめていることに気づいた。[lr] @cl ぱっと振り向くが、窓があるのみ。いや、そこに一瞬、空気抵抗になびいた紅茶色のツインテールが映っていたような気がした。[lr] ;;みずき(怯え)を一瞬だけ表示。 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=4 b=7 e=9a m=5 t=1] @cl 「……みずきっ!?」[lr] [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=2 e=2a m=7 s=1] @cl 伊万里が袖を掴んでいたが、振り払って猛然と駆けた。[lr] ;;BGM消し、伊万里消し、画面を赤く明滅。 @fadeoutbgm time=1000 @bg file="red.jpg" time=300 @bg file="kaidan2.jpg" time=300 激痛。ふわり、と浮遊感が襲った。左足が階段を踏み外していた。[lr] ハッと思い出す。さっき伊万里とぶつかりかけたとき、左足首を挫いていた。[pcm] 気づく頃には段差を転げ落ち、床へ叩きつけられていた。間の抜けた笛の音のような音が喉からこぼれる。[r] ダメージを受けた肺は空気を押し出されていて、酸欠状態だった。だが、肺を広げようとすると、いきなり強烈な痛みを訴え出す。満足に呼吸さえできない。[lr] なおかつここに来て左の手首と足首の痛みまでもが蘇った。早くみずきを追いかけなければ。だが激痛が全身を灼き尽くし、一人で起き上がることすらできない。[lr] 絶望的に時間が過ぎてゆく。[pcm] ;;BGM『13と1の誓い』 @bgm file="13_1.ogg" 「……!?」[lr] 実は頭も打っていたのかもしれない。視界に小さな上履きが入りこんだ。かすかに震えている。一瞬、引き返そうかと動くのも見えた。だが、最終的には近寄ってきた。[lr] 「みの、る……?」[lr] ためらったような、怯えたようなソプラノは、間違いなくみずきのそれだった。[lr] 支えてやらなければならなければ。だが、俺は起き上がることすらできない。むしろ助けを求めていた。[lr] 軋んだ頬骨が痛むものの、なんとかして言葉を発する。[lr] 「俺はみずきを信じてる」[lr] びくん、と空気が波打ち、動揺しているのが伝わってきた。[pcm] 「本当に?」[lr] 「信じてくれないのか?」[lr] 俺の返答に再び黙りこむ。[lr] 「……信じてる」[lr] 「…………」[pcm] ;;みずき(泣き) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=3a m=9 t=1] ややあって、助け起こされた。併せて全身の力を振り絞る。右足は膝が痛かったものの、足首はそれほどでもない。なんとか階段へと座りこんだ。[lr] 「保健室に」[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=2a m=9 t=1] @cl 言い終わる前にみずきが首を振った。携帯を出して電話をかけると、怒鳴るような声で早口にまくしたててからあっという間に切った。[r] 途端に静謐が立ちこめる。華奢な輪郭が小さくなったように見えた。[lr] 「車、手配してもらったから」[lr] 背中越しに投げられたのは、感情のこもっていない報告。[pcm] ;;みずき(怯え) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=7 e=3a m=10] 「あたしのこと、信じてる?」[lr] 限りなく虚ろで、しかし異なる重みの問い。[lr] 「……もちろん」[lr] 間髪入れず、というには間が空きすぎてしまったかもしれない。実際、揺らぎがないとは言えなかったから。[lr] 俺は本当に信じているのだろうか。伊万里が嫉妬して、みずきを貶めようとしたなんて。[lr] いや、そうでないはずはない。そうでなければ、みずきは……。[pcm] ;;みずき(泣き笑い) [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=5 e=6a m=8 t=1] 「ありがと」[lr] その笑顔はとても痛々しかった。むしろすがりついてきてくれた方がまだ安心できた。[lr] 俺は気づいてやれなかったのに。どうして? どうして? どうしてなんだっ!?[lr] 何も語らない。みずきはただ花のように微笑むばかりだった。[pcm] ;;BGM『Lunatic Lovers~xxx』。背景『みずき宅の客人用の部屋』 @fadeoutbgm time=3000 @cl @bg2 file="wafuu_kositu00.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" time=3000 @bgm file="llxxx.ogg" ベンツに乗せられた俺はそのまま病院へと連れていかれた。それもかなり規模が大きかった。[lr] とはいえ、正直、過剰すぎると思った。出血もなければ、頭を打ったわけでもなし。保健室の処置で間に合うレベルだ。[lr] 極めつけは料金。俺が保険証を持ち合わせているはずもない。請求金額はぼったくられてるのかと思うほどだった。[lr] しかし、そこでみずきの父はすべて代わりに支払ってくれた。その姿に感謝と尊敬を覚えたものの、一抹の疑念が胸に宿った。[pcm] よくよく考えてみればおかしな話とも言える。年頃の娘が男を連れてきて、しばらく泊める。それもいきなり。[r] だというのに、全く怪訝そうな顔もせず、むしろ後押しするような雰囲気だった。[lr] 人柄、と言ってしまえばそうなのだろうが、本当にそうなのだろうか。元々、あの人はあんな感じの紳士だっただろうか。思い出せない。分からない。[lr] そもそも会話をほとんど交わしていなかった。泊めてもらっておきながら食卓を囲んでいない。いつも俺の食事はみずきと二人で……みずきと二人で?[lr] そういえば、みずきも家族と食卓を囲んでいなかった。[pcm] 「痛っ!」[lr] 傷の痛みが思考を引き裂いた。[lr] 布団の中から手を出し、携帯を引きずりこむ。その仕草だけでも傷に障る。[lr] 眠りに落ちる前までは、布団の傍にみずきが張りついていたはずだったが、もういなくなっていた。代わりにスポーツドリンクと丁寧に畳まれた着替えが置かれていた。[lr] ;原文 ベッドの傍に ――ありがとうな。[lr] 心の中で礼を言い、そして謝罪する。俺はこれからみずきへ嘘をつく。いや、嘘にする。さっきみずきへ宣したことを。[pcm] ;;みずき(病み)一瞬だけ表示。 [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=1 e=3a m=10 y=b] @cl @fadeoutbgm time=1500 「あたしのこと、信じてる?」[lr] 「……もちろん」[lr] 信じてはいる。信じてはいるが。[lr] ;;背景『携帯のズーム』。BGM『雪景色』 @bgm file="yuki.ogg" 張り詰めていた息を吐ききると、携帯の電話帳を開いた。[lr] 『伊万里寿司』[lr] ;;SE『トゥルルルー音』 @playse storage="tm2_phone006.ogg" 本当に、そうなのだろうか。伊万里が嫉妬でみずきを貶めようとしたのだろうか。[lr] 有り得ない。そう思う。アイツが嘘をついて人を中傷するはずはない。なら、本当にみずきが……。[pcm] いや――と、独白で思考を中断させる。目下の難題は、今も開封さえできずにいるチョコレートへの答えだ。断るしかないのだろうか。それとも欺くか。[lr] 断ったところで、それは『愛』がまだ分からないから。欺いたところでそれも『愛』が分からないから。結局のところ、決めてしまえば理由は後付けできてしまう。[lr] それとも、俺は本当にアイツを……。[pcm] ;;SE『電話に出る音』。伊万里(落ち込み)表示。 @stopse @playse storage="tm2_phone006.ogg" @bg file="black.jpg" time=500 [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4] @cl @bg file="wafuu_kositu00.jpg" time=500 @stopse @playse storage="others_10_mikenoize.ogg" @ws 「今日は悪かったごめんっ!」[lr] 開口一番、早口に言葉をほとばしらせた。[lr] 「……いいよ、信じてたから」[lr] いともあっさりとしていたが、言葉を呑ませる一言だった。こんな俺を、どうして信じてくれるのだろう。[pcm] 「お前の言うことを信じたわけじゃない。ただ本当じゃなくても間違いっていうことはあるからな。お前がその結論に至った経緯を教えてくれ」[lr] 恐らくは、かつての俺と同じだ。混乱するうちに証拠らしいものを見つけては都合の良い仮説を立てて、強引に憎むべき対象を見つけてしまっているだけだ。[r] そう、そうに違いない。なぜなら……。[lr] そうでなければ、困るから。みずきが犯人だなんて、思いたくないから。[lr] ;;伊万里(デフォルト) 「うん、分かってる。こんなこと、なかなか信じられるとは思わないし」[lr] 伊万里は一息置いてから、話し始めた。[pcm] 「あの後――みのりんにチョコをあげた、あの後」[lr] 冷や汗で手が滑る。今はまだそのときじゃない、そう言い聞かせるものの、心拍は跳ね上がってゆく。[lr] 「だ、だいじょうぶ? なんだか息が荒いけど」[lr] 「気にするな。続けてくれ」[lr] 左手で心臓を押さえながら、深呼吸を繰り返す。[lr] 「あの後、ボクはすぐには家に帰らなかったんだ。……その、なんていうか」[lr] ;;伊万里(苦しげ) 「言わなくてもいい。分かってるから」[lr] 告白直後というのは、顔を合わせ辛いことこのうえない。だが、俺と伊万里の場合、家は隣同士だ。[pcm] 「ありがと。ちょっと山に行こうと思ったんだ。自然と接するっていうか、その……一人になりたくて」[lr] 「独りに?」[lr] 聞きに徹するべきところだったが、舌が勝手に問い返していた。[lr] 「いや、続けてくれ」[lr] 独りになりたい? 俺には理解できなかった。[lr] 「なら続けるけど、山に入ったら、みずきちを見つけたんだ。でも、ちょっと声をかけづらくて。みずきち、泣いてたんだ……」[lr] みずきが泣いていた? どうして? 口を挟みそうになるのを必死でこらえる。[lr] 「道もないところを進んでくし、大きなバッグを運んでたから、ちょっと気になってついてったんだ。そした――っ!?」[pcm] ;;SE『伊万里の殴られる音』 @playse storage="tm2_hit002.ogg" 突如、鈍い音が響いたかと思うと、伊万里の声が途絶えた。[lr] 「伊万里っ!?」[pcm] ;;SE『ブツッ。電話が強引に切られる音。ツーツーツー』 @playse storage="others_07_putu.ogg" @ws @playse storage="TelephoneA@08.ogg" @wait time=700 @fadeoutse time=700 「伊万里! おい、返事をしろっ!」[lr] @stopse @playse storage="tm2_phone006.ogg" 叫ぶ。かけ直す。出ない。かけ直す。五回ほど繰り返して携帯を投げ捨てた。[pcm] @stopse ;;背景『みずき宅客人用の部屋』 すでに頭は冷えていた。もう、驚かなかった。[lr] 今の俺こそがそうなのかもしれない。みずきを信じたい。だからどんな証拠を突きつけられても、ことごとく耳を貸さない。[r] 強引に真実から目をそむけ、都合の良い虚構にすがりついているのではないだろうか。[lr] 揺るがぬ確証を得た。得てしまった。伊万里は嘘をついていない。とすれば……。[lr] 心に氷が張り詰めてゆく。冬の湖のように薄氷がすべてを覆い隠し、波紋はない。何一つを弾き、受けつけない。思考は凍りついていた。[lr] そのまま、待った。[pcm] ;;ホワイトアウトの後、しばらく停止。この間BGMはなし。 ;;SE『床板が軋む音。ギシッ』。BGM『13と1の誓い』 @fadeoutbgm time=2000 @bg file="white.jpg" @wb @bg2 file="rouka1_mizu_y.jpg" time=1000 @playse storage="f11_5.ogg" @ws @bgm file="13_1.ogg" どこかから帰ってきたみずきがこそこそと廊下を歩んでいる。[lr] ひそやかに。誰かに見つかるのを恐れるように縮こまりながら、歩を進めている。[lr] 角に隠れているこちらにまで押し寄せる鉄錆びた刺激臭。もうその正体が何なのかは推測できていた。[lr] いや、そんなはずはない。それを打ち消そうとする囁きも聞こえる。[pcm] @bg file="black.jpg" @snowinit forevisible=true 夜の闇に細雪が降り積もり、黒く閉ざされた視界が白くけぶってゆく。[pcm] ;;背景『雪景色』と伊万里(シリアスかつ照れ) @snowinit backvisible=true @bg file="white.jpg" [ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=3a m=4 c=1] 伊万里。俺は今こそ答えを出そう。[lr] ;;選択肢。A『みずきを愛している』B『伊万里を愛している』 [nowait] [r] [link target="*mizuki"]1.『みずきを愛している』[endlink][r] [link target="*imari"]2.『伊万里を愛している』[endlink] [endnowait] [s]