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武器拳 剣 槍 弓 銃 斧 杖 魔物用 石版 武器 拳 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) へっぽこグローブ 0 0 5 0 0 0 0 5 無いよりは、マシなグローブ ハッスル軍手 0 0 8 0 2 0 0 8 香ばしいニホヒがします 往復ビンタ 0 0 12 0 0 0 0 12 ごめんよ母ちゃん、もう浮気しないから メリケンサック 0 0 17 0 0 0 0 17 右ポケットに忍ばせて タコなぐり 0 0 23 0 0 0 0 23 野郎、今日こそボッコボコにしてやる だだっこパンチ 0 0 30 0 0 0 0 30 ポカポカポカポカポカポカポカ! マナ増加屋 ボクサーグローブ 0 0 38 0 0 0 0 38 困ったな・・・お箸が持てないよ 指パッチン 0 0 47 0 6 0 0 47 リズミカルに、そして華麗に・・・ おやじのげんこつ 20 0 57 0 0 0 0 57 若者たちよ、団塊世代の怒りを食らえ! クリティカル屋 スパイクグローブ 0 0 68 0 0 0 0 68 そんな物で殴らないで。痛いから しっぺ返し 0 0 80 0 15 0 0 80 何か間違ってる気もするが・・・まあいいか 鉄のつめ 0 0 93 0 0 12 0 107 背中を掻くのに丁度いい。んなわけあるか! 番長フィスト 30 0 107 0 0 0 0 107 番長ってまだ存在するの? アイアンパンチ 0 0 122 0 0 20 0 122 欠点、重くて肩がこる 肩たたき拳 0 25 138 0 18 0 0 138 僧帽筋に大ダメージを与えます ラブスパンキング 0 0 155 0 22 0 0 155 いかん!だんだんクセになってきた 堕落屋 てぢから 0 38 173 24 0 0 0 173 トリック+マジック?=てぢから 空手チョップ 47 0 192 0 0 0 0 192 かわらわりって言いにくいですよね ナックルボンバー 60 0 212 0 -10 0 0 212 拳爆発、これあぶなくね? 超でこぴん 0 0 233 0 35 0 0 233 あまりの衝撃に脳震盪起こします ふくろだたき 70 20 255 0 0 0 0 255 これ、武器なんですか?答えてくださいよ総理! パタ 0 0 278 0 0 40 0 278 インドで使われたちょっと風変わりな武器 どすこいつっぱり 100 0 302 0 0 0 0 302 チャンコエネルギーオーバードライブ! バグナグ 0 0 327 0 0 50 0 327 虎の爪…って意味でしたっけ、教授? クロスカウンター 0 0 353 0 70 -50 0 353 決まる瞬間はなぜかスローモーション 技上達屋 ブッチャーハンド 0 0 380 -60 0 0 0 380 学校にこんな物持ってきちゃいけませんっ 毒手 0 0 408 80 60 0 0 408 いけね!指舐めちゃった 毒屋 ビチャッワ 0 0 437 0 0 80 0 437 正確には拳じゃないんだけど…許して バーニングブロウ 120 80 467 0 0 0 0 467 熱い思いで燃え上がる拳です 地獄突き 0 0 498 0 100 0 0 498 打点すべてが急所となる。ヒドイ クリティカル屋 デスガントレット 0 0 530 0 0 120 0 530 死の呪いが込められた小手 怒りの鉄拳 160 80 563 0 80 0 0 563 散っていった者達の想いを乗せて! 七年殺し 0 0 597 0 140 0 0 597 もう少し即効性があるほうがうれしいな クリティカル屋 男のグーパン 250 0 632 0 0 0 0 632 最後に頼れるのはこれしかない 極楽掌 0 0 668 0 120 0 120 668 こ…この手の動きはっ!? 黄金の右 200 0 705 0 150 0 0 705 見せてやるよ、俺のとっておきを! 百烈拳 200 120 750 0 100 0 100 750 75…87…93…まだ増えるだと!? 武器上達屋 スターブレイカー 240 180 920 0 180 0 0 920 星すらも砕くパンチが撃てます ゴッドハンド 380 250 1500 100 300 100 200 1500 殴った瞬間ビッグバン アムルテン 1000 400 3600 100 500 300 200 3600 すべての頂点に立つ拳 剣 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) なまくらソード 0 0 6 0 0 0 0 0 頑張って高い武器を買いましょう ブロードソード 0 0 10 0 0 0 0 0 平凡な幅広の剣。威力はそこそこ レイピア 0 0 15 0 0 0 0 5 細身の剣。プスプス刺して使います 青龍刀 0 8 21 0 0 0 0 0 カンフー映画とかでたまに見かける シャムシール 0 0 28 0 8 0 0 0 刀身が反っている剣。アラビア~ン ナイトソード 12 0 36 0 0 0 6 0 騎士が愛用した剣。かっこいい スパタ 0 0 45 25 12 0 0 0 歴史のある剣。大事に使ってね バスタードソード 20 0 66 0 0 0 0 0 無骨だけど頼れる奴です カタナ 0 0 68 0 12 0 0 12 切れ味抜群の日本刀です クリティカル屋 ヘビーソード 25 0 78 0 0 10 0 -10 重いだけあって破壊力抜群 クノイチブレード 0 0 91 40 0 0 0 20 クナイを改良して作りました 毒屋 ニンジャブレード 0 10 105 0 15 0 7 25 闇討ち御免っ! 毒屋 ベカトワ 30 0 120 0 15 0 0 0 質素だけど使いやすい剣です カッツバルゲル 35 0 136 0 20 0 0 0 名前の響きがかっこいい 狂戦士の剣 60 30 153 -30 -20 20 0 0 見境無く斬りかかります。迷惑な事だ イビルバスター 0 40 171 80 20 0 0 0 邪悪な者を断ち切る剣 ド忘れ屋 コリシュマルド 0 30 190 0 46 0 0 40 優雅に、そして華麗に、斬る! ファルシオン 0 35 210 0 40 0 60 0 この切れ味!どうですか奥さん! ナイトメアソード 0 60 253 100 40 0 0 0 切られると悪夢にうなされるとか マンイーター 0 0 231 -40 60 -40 0 80 人の命を食らう魔剣。ナマンダブ 毒屋 阿修羅の剣 80 0 276 0 0 60 -40 60 戦う事が生きがいのあなたに ダマスカスソード 0 0 300 0 50 50 50 0 虹色に輝く不思議な剣 ルーンセイバー 0 80 325 150 80 0 60 0 地味に見えるけど魔力がこめられてるんだ! 技上達屋 エグゼクター 160 0 351 -100 -40 120 0 -40 「処刑用の剣じゃ」その時村長はつぶやいた クリスタルソード 0 60 378 170 60 0 100 0 天然水晶を切り出して作りました 羅刹の剣 120 0 406 0 60 80 0 80 あかんあかん!刃物振り回したらあかんで~ 殺生丸 0 0 435 0 80 0 0 120 お命頂戴つかまつるっ! 毒屋 薄刃陽炎 0 100 465 220 0 0 0 100 妖しく輝く幻の忍者刀 武器上達屋 レーザーブレード 0 120 496 250 100 0 60 0 悪を滅ぼす光の剣 九龍刀 80 80 528 0 80 0 80 80 地脈を司る龍の力が封じられています ドラゴンバスター 100 0 561 0 60 0 60 0 かつてドラゴンを倒したとされる剣 デュランダル 0 80 595 280 60 0 80 0 伝説の騎士が使ったとされる聖剣 バルムンク 0 100 630 0 0 120 -80 -40 多くの英雄を死に至らしめた魔剣 ティルフィング 0 120 666 320 80 0 100 0 持ち主を勝利へと導く幸運の剣 武神の剣 120 0 703 0 80 100 0 100 その刃は幾万の戦いによって磨かれている 妖刀村正 0 100 741 0 150 -150 -100 150 一降りすれば血の雨が降る。いにしえの刀 サンライズソード 0 150 840 400 120 0 120 0 日輪の輝きを発する光の剣 マナ増加屋 魔王の剣 200 100 1120 0 160 100 160 160 魔王一族代々に継承される剣 エクスカリバー 300 200 1800 800 400 200 400 400 ロストテクノロジーによって作られた伝説の剣 魔剣良綱 800 400 4000 2000 800 600 400 1000 銀河宇宙世界最強の伝説剣 無敵ソード 0 0 4 0 0 0 0 0 この世に斬れるもの無し! コロシアムで盗む レアリティ屋 槍 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) レプリカスピア 0 0 5 0 0 2 0 0 見た目だけ立派な槍 十字槍 0 0 8 0 2 3 0 0 昔僧兵が使ってたんだってさ パイク 4 0 12 0 0 5 0 0 戦闘用に改良された槍。実用性が高い なぎなた 6 0 17 0 0 7 0 0 女性にも扱えるように工夫されています 黒曜石の槍 0 6 23 0 0 10 0 0 原始的ですがなかなかの威力 足軽の槍 0 0 30 0 0 12 0 7 敵将討ち取ったり~とか言ってみる ベクドコルバン 0 0 38 0 0 15 0 0 なんか強そうな名前の槍 ドゥ・サンガ 10 0 47 0 0 19 0 0 ちょっと変わった形をしていますが槍です 武将の槍 12 0 57 0 8 25 0 0 これで一騎打ちも怖くない スコーピオン 0 0 68 0 14 30 0 0 サソリの尾のように尖ってます 毒屋 トライデント 0 0 80 0 12 35 0 12 でっかいフォークとか言うな ボーンスピア 24 12 93 0 -8 41 0 0 見た目はグロいけど使いやすいよ 毒屋 ベンケイグレイブ 30 0 107 0 10 47 0 -8 弁慶お気に入りの一本 方天戟 25 0 122 0 0 54 10 10 中国の兵士が使ってた槍アル ショヴスリ 0 0 138 0 28 61 0 0 コウモリの羽をモチーフにして作られた槍 ダイミョースピア 35 0 155 0 35 68 0 0 参勤交代のお供に 金剛槍 0 20 196 0 0 76 35 0 金剛ってダイヤモンドの事か。初めて知った デーモンスピア 0 30 192 0 -12 84 -12 30 悪魔が持つとさまになるかもしれない槍 堕落屋 ツインランサー 0 40 212 0 60 93 0 0 何かが2倍お得な槍 ハルバード 60 0 233 0 40 102 0 0 挿して良し、斬って良しの万能槍 ブレイブランス 0 0 255 0 60 112 60 60 勇者が地方巡業してた時持ってた槍 ブラッディクロス 0 50 278 0 90 122 -40 -40 返り血を浴びすぎて真っ赤になっちゃったの バルキリーの槍 0 60 302 0 60 133 100 0 戦乙女達が携える槍 エルダースピア 0 80 327 60 60 144 80 80 古代都市から発掘された謎の槍 技上達屋 ヘルフォーク 120 0 353 0 80 156 0 0 地獄の鬼が食事するときに使うのかも ヘル増加屋 死者の槍 0 80 380 -80 100 168 -80 0 死者の怨念がまとわりついています 眠り屋 雷鳴の槍 0 0 408 0 100 181 0 100 まるで雷のごとく敵を貫きます トリトンランス 0 100 437 0 60 194 120 0 海神の恩恵が受けられます 原始の槍 160 80 467 0 80 208 0 0 世界で最も古い槍。なぜだか強い マヒ屋 無双槍 180 0 498 0 100 222 0 80 波乱の時代を駆け抜けた名槍 堕天使の槍 0 120 530 100 120 237 -80 0 神に反逆したくなった時に使ってね エメラルドランス 0 100 563 120 80 252 160 0 緑色に輝く精霊の槍 ブリューナク 200 140 597 0 100 268 0 100 魔神を倒したとされる光の槍 武器上達屋 グングニル 0 0 632 0 160 284 0 120 投げても戻ってくるので有名な槍 魔王の槍 0 120 668 140 140 301 0 100 魔王が持つにふさわしい槍 ピナカ 220 0 705 0 100 318 100 140 稲妻を起こす破壊神の槍 ガイアの槍 180 160 790 120 120 350 120 80 荒ぶる大地のパワーを秘めた槍 ビームジャベリン 0 200 920 0 180 400 200 120 最新の技術の導入によりついに完成しました 神槍ロンギヌス 400 150 1500 200 500 600 420 300 神を傷つける事が出来る唯一の槍 ドリルエンペラー 1000 300 3600 500 1200 1400 600 800 最強のドリル…もとい槍 弓 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) おもちゃの弓 0 0 4 0 4 0 0 0 戦う気あんのか! ウッドボウ 0 0 6 0 6 0 0 0 木を加工して作った、簡素な弓 ロングボウ 0 0 9 0 9 0 0 0 特に射程が長いという訳じゃないです 銀の弓 0 0 13 0 13 0 6 0 銀には魔を退ける効果があるとか エルブンボウ 0 8 18 0 18 0 0 0 森の妖精が愛用した弓 アサシンボウ 0 0 24 0 24 0 0 15 暗殺するのに適した弓。怖っ 霊木の弓 0 8 31 0 31 0 8 0 ありがたい木から作られてます ジュエルボウ 0 0 39 0 39 0 10 0 持ってると成金趣味に見られるかも コンポジットボウ 0 0 48 0 48 12 0 0 色々改造している内に強化されちゃった弓 破魔弓 0 0 58 0 58 0 16 0 魔を打ち払うありがたい弓 ド忘れ屋 黄金の弓 24 0 69 0 69 14 0 0 よく見たら金メッキです スケルトンボウ 28 10 81 0 81 0 -12 0 何で出来ているのか考えるのやめとこ 毒屋 クリスタルボウ 0 0 94 0 94 0 22 0 殴った方が痛そう。 ウソです デーモンの弓 0 0 108 0 108 28 -14 0 悪魔の角で無理やり作った弓 エンジェルボウ 0 18 123 12 123 0 32 0 天使が使っていた物の中古品 テンプテーション 0 28 139 0 139 0 36 0 アイツのハートもイチコロです 堕落屋 フォレストボウ 40 0 156 0 156 0 0 40 大自然の息吹を感じます ハンターボウ 0 0 174 38 174 0 0 48 狙った獲物は逃がしません ムーンライトボウ 0 30 187 0 187 0 45 0 月の光を集めて作りました シルフィード 0 50 213 0 213 0 0 70 風の精霊を封じた弓 耐風屋 漆黒の弓 0 0 234 0 234 50 0 50 暗いところだと何も持っていないように見える? 天女の弓 0 0 256 60 256 0 80 0 天女がボーイハントする時使います ビーストキラー 80 60 279 0 279 0 0 0 対魔獣用の弓。麻酔効果あり マスターボウ 0 80 303 0 303 60 60 80 百発百中の名人の弓 クリティカル屋 デッドリーボウ 0 100 328 -40 328 -40 -40 140 誰も見ていないとクネクネ動きます プラチナボウ 0 0 354 0 354 80 80 80 白金に輝く美しい弓 ソウルイーター 0 120 381 0 381 180 -80 -80 魂を貪るといわれる冥界の弓 サラマンダー 0 100 409 100 409 0 100 0 火の精霊を封じた弓 耐炎屋 幻魔弓 0 140 438 0 438 0 140 0 妖しい霊気をまとう弓 エビルチェイサー 0 0 468 0 468 120 0 120 どこへ逃げてもムダです 雷神の弓 0 100 499 0 499 0 120 130 放たれし矢は雷光の如し 貪欲の魔弓 200 0 531 -100 531 0 80 0 幾多の命奪えども、その渇き満たされる事なし シャインルミナス 0 180 564 0 564 0 240 0 聖なる光を発する祝福されし弓 赤い月の弓 120 80 598 120 598 80 200 0 罪深き者どもの魂を浄化する幻の弓 ドレイクハンター 180 0 633 0 633 140 220 0 空を飛ぶ龍ですら打ち落とすと言われています ラグナロク 200 100 669 200 669 -100 100 100 終末を招く災いの弓 魔神の弓 0 200 730 0 730 200 200 0 その一撃は星をも貫くという セラフィックボウ 0 240 810 240 810 0 300 240 静粛の矢を降らせる大天使の弓 技上達屋 アルテミス 380 320 1300 400 1300 240 280 260 狩猟の女神の名を冠する弓 ラブアーチェリー 800 400 3100 1000 3100 800 450 320 乙女チックエナジー臨界点突破! 銃 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) 豆鉄砲 0 0 0 0 5 0 0 0 これで我慢してください ハンドガン 0 0 0 0 6 0 0 2 安全装置をはずしてからご使用ください ラッパ銃 0 4 0 0 9 0 0 0 楽器としても使える便利な銃 スチームガン 0 0 0 0 13 0 4 0 蒸気の圧力で弾が発射される・・・のか? 44マグナム 0 0 0 0 18 0 0 0 とりあえずぶっ放したい人向け パルスガン 0 0 0 6 24 0 0 0 ハイテクっぽい銃。詳しくは知らない アンティークガン 0 6 0 0 31 0 0 0 街角のショーウィンドウに飾ってあります 光線銃 0 0 0 0 39 0 10 0 7しゅるいのひかりとおとがでるよ 種子島MkⅡ 0 0 0 0 48 0 0 10 時代を超えた名銃 ツインブラスター 0 12 0 0 58 0 0 14 穴は2つだけど弾は1つしか出ません HG4 0 0 0 0 69 0 8 0 改良型ハンドガン。フィット感抜群 堕落屋 熱線銃 0 0 0 0 81 0 0 16 なんでもチリチリにしちゃいます スレッジハマー 0 0 0 0 94 14 10 0 弾が外れるから動くなよ! ゴッドファーザー 0 18 0 0 108 0 12 0 マフィアの掟を教えてあげてください レイガン 0 0 0 0 123 0 0 20 霊力を打ち出すからレイガン、とかダメですか? スプレーガン 0 20 0 0 139 0 0 10 虫とかに効きそうだけどそうでもない 眠り屋 フォトンガン 0 0 0 0 156 0 24 16 光の弾を打ち出すのだ。間違いない パラライザー 0 28 0 0 174 0 0 0 食らうとショックでしびれるるるるる マヒ屋 セイグリッド 0 0 0 0 193 0 20 30 聖なる弾丸で浄化します ミラクルバスター 0 40 0 0 213 0 30 20 5つ組み合わせるとバズーカに、なりません グローリー 0 0 0 0 234 35 0 45 死者に後悔、勝者に栄光 ディスラプター 0 50 0 40 256 0 30 0 発射すると気持ちいいです イオンブラスター 0 55 0 0 279 0 60 0 イオンて昔習ったな、なんだっけ? ピースメーカー 0 0 0 0 303 40 40 60 平和のために死んでくれ~ イントッカービレ 0 60 0 0 328 50 0 50 触れられざる者という意味の銃 スペースガン 0 0 0 0 354 0 65 65 SF映画の主人公が持ってそうな銃 クライシス 0 40 0 0 381 -40 0 100 狙われると危機一髪! 建御雷 0 80 0 0 409 0 80 80 雷神の名を冠した霊銃 マヒ屋 ノーブルローズ 0 100 0 80 438 80 120 100 魔界の貴族が愛用した護身用の銃 武器上達屋 コスモガン 0 60 0 120 468 0 80 60 遠い宇宙からのプレゼント ギャラルホルン 0 120 0 0 499 100 80 0 神々の戦いの火蓋を切って落とす伝説の銃 レクイエム 0 140 0 140 531 0 100 120 すべての者に等しき安らぎを シムルグ 0 100 0 0 564 0 0 200 翼ある者たちの王の名を冠する銃 ドラグーン 0 120 0 0 598 140 140 0 戦士の魂を導く永遠の名銃 プロメテウス 100 100 0 200 633 0 180 100 神の炎が宿る伝説の銃 轟雷銃 0 0 0 140 669 100 140 210 地の果てまでも銃声が轟きます。うるさすぎ 地球勇者の銃 200 160 0 0 730 80 180 200 その意志は世代を超えて 技上達屋 デスウィスパー 0 200 0 0 810 -80 -80 280 銃口は優しく死を囁きかける メギドシューター 0 280 0 200 1300 0 400 400 地獄の業火を打ち出す銃 エトワール 500 600 0 800 3100 200 800 1200 宇宙科学の粋を結集した最強無限銃 斧 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) 安物アクス 0 0 8 0 -2 0 0 0 バーゲンの売れ残り品 鉄の斧 0 0 14 0 -3 0 0 0 鉄だから重いです。文句言わないでね 山賊の斧 0 0 21 0 -5 0 0 0 なぜか山賊には斧が似合う 原始の石斧 0 6 29 0 -7 0 0 0 深い地層から発掘された斧 大木槌 12 0 38 0 -10 0 0 0 出る杭は打たれる。それが社会ってもんだ バトルアックス 0 0 48 0 -12 8 0 0 実戦向けに作られた斧。なかなかの性能 バイキングの斧 0 0 59 0 -15 0 10 0 荒々しい海の男の息吹を感じます ギロチンアクス 0 0 71 0 -19 0 -10 0 恐ろしい、口に出すのも恐ろしい斧 ビッグハンマー 20 0 84 0 -25 0 0 0 ビッグすぎるよ、ママ~ まさかり 0 0 99 0 -30 25 0 0 赤い前掛けとセットでご使用ください トマホーク 0 20 115 0 -35 10 0 0 投げたくなる衝動に駆られます ドワーフの斧 30 0 132 0 -41 0 12 -12 熟練の技が光る名品 ヘビーアックス 0 0 120 0 -47 30 0 -20 持ってるだけで筋トレ効果アリ 巨人の斧 45 0 169 0 -54 28 0 0 大きいことはいいことだ。いろんな意味で ベルゼルガー 0 36 189 0 -61 0 -20 34 突然凶暴になる若者が増えています ギルティアクス 40 20 210 0 -68 40 0 -25 この斧で悪い事してきたんだろうなァ 鬼の金棒 54 0 232 0 -76 54 30 -30 渡る世間もこいつで切り抜けろ! マヒ屋 メタルバッシャー 65 0 255 0 -64 0 60 0 こんなもんで殴られた日には みなぎりアックス 80 20 279 0 -93 0 0 0 あっちもこっちもみなぎりっ放し オーガアックス 85 0 294 -40 -102 30 -20 30 パックリ割れてポックリ逝った トゲ鉄球 0 0 320 0 -112 60 60 -60 皆さんお待ちかね。例の物です。 マヒ屋 ウイングエッジ 0 50 347 0 -122 0 60 70 羽のように軽い斧。見た目は エンフォーサー 0 55 375 0 -133 50 50 50 処罰者という意味の斧。処罰しちゃうぞ グレートアックス 90 0 404 0 -144 60 0 -50 偉大な親父が遺した斧。もうええわ! アベンジャー 0 65 434 0 -156 0 60 80 憎いあんちくしょうを今日こそは! 神木の槌 100 0 465 0 -168 0 50 -50 樹齢1万年の大樹から作られた木槌 マヒ屋 マスターアクス 0 0 497 0 -181 65 65 0 斧を極めし者のみが持つ事を許されます アースクエイカー 80 60 530 0 -194 80 0 -60 東海地方では震度4を記録しています 暴君の戦斧 120 0 564 -40 -208 90 -40 0 悪逆非道を尽くした伝説の皇帝の斧 ホーリーアックス 0 75 599 0 -222 0 90 45 神々に祝福されし斧 ギガトンメイス 130 0 635 0 -237 100 0 -60 敵を場外ホームランにします 獣王の斧 140 80 672 0 -252 0 0 0 ペットのポチにも尊敬されます エルドラド 100 100 710 80 -268 0 120 0 金色に輝く伝説の斧 サクリファイス 0 120 749 0 -284 -60 -60 100 神への生贄の儀式に使われた斧 地獄の一番星 160 0 789 0 -301 120 100 -80 お星様がいっぱい見えます。殴られると デスサイス 0 120 830 140 -318 0 0 140 死神さんの仕事道具 セイントアックス 0 100 1000 0 -350 100 180 0 女神を守護する戦士達に与えられた斧 魔神の斧 200 120 1400 0 -400 240 150 -100 魔神には斧が似合うよね。なんとなくだけど ビームアックス 0 200 2400 200 -600 0 300 150 やった!ついに斧にもビーム技術がっ アポカリプス 1200 400 5200 200 -1400 400 500 0 全てを滅ぼす終末の斧 夢氷黄泉路 0 65 140 0 -30 0 40 80 氷の刃を持つ魔性の斧 斧雪から盗む 杖 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) 見習い杖 0 0 4 5 0 0 0 0 まずはこれで修行しましょう 木の杖 0 0 6 8 0 0 2 0 堅い木から削りだされた杖。握り心地がいい ボーンスタッフ 0 0 9 12 0 0 0 0 何かの動物の骨を加工した杖 マジシャンロッド 0 4 13 17 0 0 0 0 魔法使いがよく持ってるやつ ピクシーワンド 0 0 18 23 0 0 0 8 妖精の魔法がかかっているらしい 神官の杖 0 0 24 34 0 0 10 0 聖なる儀式に使われるありがたい杖 ウイッチワンド 0 8 31 38 0 0 0 0 魔女がいたずらする時に使ってます クリスタルワンド 0 0 39 47 0 0 19 0 大地の霊力が宿る杖 ルーンスタッフ 0 10 48 57 0 0 0 0 難しい事が書いてあります…多分 プリニースタッフ 0 0 58 68 8 0 6 0 プリニー村の村おこしグッズ 眠り屋 ファンシーロッド 0 10 69 80 0 0 10 10 頭の中がお花畑になります 堕落屋 ドルイドの杖 0 0 81 93 12 0 12 0 大自然の中で暮らしたい…そんなあなたに ソーサリーロッド 0 14 94 107 0 0 14 0 妖術師必携の一本。就職祝いに 古代の杖 0 0 108 122 12 12 0 -4 古臭いけどまだまだ現役です 眠り屋 ジュエルセプター 0 16 123 138 0 0 18 0 ちょっとゴージャスな杖。ブランド品 イビルワンド 0 20 139 155 24 0 -10 0 悪人が持つとそれっぽくなる杖 大地の杖 0 0 156 173 0 30 28 0 地下深くから掘り起こされた杖 ミスリルスタッフ 0 24 174 192 0 32 30 0 軽い割には硬い魔法の金属で作られています 月光の杖 0 30 193 212 30 0 30 20 神秘的な光を放つ美しい杖 眠り屋 精霊の杖 0 32 213 233 0 0 60 0 四大元素を自在に操ると言われています フォーススタッフ 0 60 234 255 40 0 0 0 精神の力を魔力に変換する杖 デーモンスタッフ 0 80 256 278 -40 0 20 60 悪魔の手作り民芸品 長老の杖 0 0 279 302 54 45 0 0 ふぉっふぉっふぉ ラブリーロッド 0 60 303 327 0 0 65 0 さり気無い愛くるしさを演出 堕落屋 クリムゾンワンド 60 0 328 353 70 0 0 0 真紅に輝く宝石を設えた杖 ウィザードロッド 0 70 381 408 75 0 45 0 高位の魔法使い用の杖 聖者の杖 0 65 354 380 0 60 60 0 持つだけで心が洗われるようです 天啓の杖 0 65 409 437 80 60 80 0 死んじゃえって神様がゆってた ド忘れ屋 神秘の錫杖 0 90 438 467 0 0 100 80 何が神秘かって?それは言われへんな~ 死霊の杖 0 100 468 498 100 -60 0 0 自縛霊さんが取り付いてる杖 太陽の杖 120 0 531 564 0 0 120 0 冬でもぽかぽか、あったかい ドゥームスタッフ 0 0 499 530 80 60 -120 120 ずばり言うわよ!あんたたち地獄行き ビーナスワンド 0 120 564 597 0 0 140 0 これで愛の天罰を落としちゃってください プリニー棒 0 0 598 632 110 80 120 0 さみしいときに 森羅万象の杖 0 140 633 752 80 0 140 80 世の中まるっとお見通し! 世界樹の枝 100 150 669 705 100 80 80 0 微妙に杖じゃない。でもそこがいい 神罰の杖 0 0 730 790 180 0 180 0 天網恢恢疎にしてもらさずっ 賢者の杖 0 175 810 920 0 120 240 0 これさえあれば東大合格間違いない! 魔王の杖 200 300 1300 1500 240 0 300 0 別名「まおたんすてっき」 全知全能の杖 400 600 3100 3600 600 200 1000 200 全ての英知を司る杖 魔物用 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) 肉球グローブ 0 0 6 0 4 0 0 0 ぷにぷにのあれです とがった骨 0 0 12 0 7 0 0 0 何の骨かはまだ調査中です ゴブリンの爪 0 0 15 0 9 0 0 4 あまり手を洗わないから、汚い オオカミの牙 0 0 21 0 13 0 0 0 物が良く噛めるようになります スライムの粘液 0 6 28 0 18 0 0 0 ぬるぬるファッションが今年のトレンド カニはさみ 0 0 36 0 24 8 0 0 大事なアレをチョン切ります サソリのシッポ 0 0 45 0 31 0 0 8 たまに自分の頭を刺してしまいます あやしい触手 0 12 55 0 39 0 0 0 ご好評につき2本増量サービス中 ベアークロー 20 0 66 0 48 0 0 0 クマカレーっておいしいのかな? バイパーバイト 0 0 78 0 58 0 0 0 先生!噛みつかれました! 毒屋 野牛のツノ 25 0 91 0 69 10 0 0 赤い物に異常に反応してしまう恐れあり トゲ甲羅 0 0 105 0 81 25 0 0 これぞ攻防一体なり。まいったか! テンタクラー 0 20 120 0 94 0 0 18 十本の腕が獲物を狙います ポイズンニードル 0 22 136 0 108 12 0 0 少しチクッとしますがすぐ楽になります 毒屋 イバラのムチ 0 0 153 0 123 0 20 26 ほ~ら綺麗な血の花が咲いた 幻獣のツノ 0 22 171 0 139 0 34 0 不思議な動物の不思議な角 タイガーファング 40 0 190 0 156 0 0 40 道頓堀から引き上げられました ライオンハート 45 0 210 0 174 0 40 0 誇り高い心の持ち主になれます ゴーレムパンチ 0 0 231 0 193 60 20 -20 ホームラン100本分のパンチ力 ツチノコアタック 0 36 253 0 213 0 20 44 実在するのかどうかあやしい オーガパワー 60 0 276 0 234 40 -40 0 背筋がすごい事になっちゃう~っ 落し子の烙印 0 60 300 0 256 -30 -30 60 あんたなんて橋の下で拾った子だよっ 眠り屋 マッドパラサイト 80 45 325 -60 279 0 66 0 元気の出る寄生虫 ダークオーラ 0 80 351 0 303 0 80 0 なんか話しかけづらい…怒ってる? キメラの遺伝子 100 40 378 0 328 60 0 -60 まるで自分の体じゃないみたい ペガサスの蹄 0 0 406 0 354 0 80 85 普通の馬のとどう違うんだ? 夢魔の嘶き 0 70 435 0 381 74 0 80 なでると嫌な声が出ます 眠り屋 タイタンフィスト 120 0 465 0 409 70 40 -50 かつてなくでかいパンチ ドラゴンの怒り 60 80 496 0 438 60 80 0 マグマのごとく煮えたぎる怒り デーモンの牙 0 100 528 80 468 0 0 60 ハミガキしないから、ちょっと虫歯ぎみ 死の翼 0 120 561 0 499 -50 80 120 王の怒りで呪っちゃいます 堕落屋 アシュラアーム 130 0 595 0 531 60 85 85 ネコの手も借りたいアナタに… 逆鱗 0 0 630 0 564 120 120 0 そんなとこ、触らないで デビルマトリクス 0 125 666 125 598 0 0 0 負のエネルギーを増幅します インサニティアイ 0 130 703 130 633 0 100 0 第三の目でにらみ殺します 堕落屋 獣の刻印 150 100 741 150 669 0 0 100 ないしょの数字は666 イモータルボディ 0 100 840 0 730 150 -100 150 異次元の存在を憑依させます 鳳凰の羽 0 200 1120 0 810 0 250 250 永遠の命を司る羽 サタンフォース 300 250 1800 400 1300 300 300 300 魔の力を最大限に引き出します バビロンの王冠 1500 600 4000 800 3100 800 800 1000 最も古き魔王の冠 石版 名前 HP SP ATK INT HIT DEF RES SPD 説明 備考(固定イノセント) 弱者の石版 0 0 5 5 0 0 0 0 弱い事はそれだけで罪です 腐食の石版 0 0 8 8 0 0 0 0 石版なのに腐ってるの? 死者の石版 0 0 14 12 0 0 0 0 実はただの墓石だったりして 生贄の石版 0 8 17 17 0 0 0 0 今度は私を召し上がれ 外道の石版 0 0 23 23 6 0 0 0 て、てめーの血は何色だーっ! 下僕の石版 12 0 30 30 0 0 0 0 今日から私を犬とお呼びください 傀儡の石版 0 0 38 38 0 10 0 0 イエスマン人生万歳! 妖魔の石版 0 10 47 47 8 0 0 0 名前の通りあやしい石版です 幻影の石版 0 0 57 57 0 0 0 18 あるようでないようでないようであるようで 邪眼の石版 0 0 68 68 0 0 20 0 そんな目で私を見ないでっ マヒ屋 悪夢の石版 0 10 80 80 16 0 0 -10 ・・・・・・はっ!夢か・・・ 眠り屋 呪怨の石版 0 14 93 93 14 -8 -8 0 最近どうも右肩のあたりが重くて・・・ 堕落屋 夢幻の石版 0 0 107 107 10 0 22 0 おいおい夢オチかよ… 眠り屋 悲哀の石版 0 0 122 122 0 25 0 0 おかしいね、もう泣かないって決めたのに 魅了の石版 0 20 138 138 0 0 0 20 どきっ…なんだこの感情は? 堕落屋 恍惚の石版 0 0 155 155 24 0 24 0 うっとりするほど美しい石版 堕落屋 錯乱の石版 0 10 173 173 0 -20 0 30 落ち着け、とりあえず落ち着け ド忘れ屋 狂気の石版 0 0 200 200 -20 0 23 23 もう一つの人格が目覚めます… 貪欲の石版 40 20 212 212 0 0 0 0 満たされない感情は行動を生む 堕落の石版 30 0 233 233 0 30 30 -30 あ~働きたくね~…ゴロゴロ 堕落屋 魔性の石版 40 60 255 255 20 0 0 0 ミステリアスな魅力の虜になります 地獄の石版 40 0 278 278 0 20 -30 20 本当の地獄ってやつは身近にあるんだ! 魍魎の石版 0 0 302 302 -25 45 45 0 グロい?キモい?ほっといてくれ! 災厄の石版 0 80 327 327 40 -30 0 0 そらあ神様も怒りなさるで 奈落の石版 0 60 353 353 50 0 50 0 落ちる所まで落ちたら這い上がるのみ 暗黒の石版 60 40 380 380 10 30 0 0 真っ暗闇って不思議と安心しませんか? 断罪の石版 0 0 408 408 80 0 0 40 おおっと、勝訴!勝訴です! 黄昏の石版 70 0 437 437 0 70 -50 0 暗い所にこそ輝く物があります 武器上達屋 傲慢の石版 0 60 467 467 70 0 70 -70 偉そう、じゃない。偉いんだよ 深遠の石版 0 0 498 498 0 30 100 0 行こか戻ろかアッチの世界 悪徳の石版 0 40 530 530 0 0 0 100 オヌシも悪よの~ 異能の石版 0 0 563 563 100 0 80 0 個性ばかり主張してちゃいけません 覚醒の石版 0 80 597 597 0 0 0 120 私の本当の恐ろしさを見せてあげましょう 滅亡の石版 0 0 632 632 150 -50 -50 -50 も、もうおしまいじゃ~っ 憤怒の石版 100 0 668 668 -80 80 0 100 そんなに怒ると血管切れますよ。爺さん 運命の石版 0 100 705 705 0 0 120 80 転がる石ころの様な俺の生き様 激動の石版 120 150 790 790 120 0 0 0 天変地異を呼ぶ神秘の石版 冥府の石版 0 200 920 920 150 150 180 0 死者の国のベストセラー小説 覇王の石版 200 300 1500 1500 320 200 450 200 持つ者を王へと導くという… 愚者の石版 1000 800 3600 3600 1200 600 1400 800 愚者こそ最も賢き者なり
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23スレ目 修正 79 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 12 29 43 ID /NGobWPZ 76 思念体なしで使える根拠が無いのが問題だったはずだが 80 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 12 35 48 ID kAEPiSq9 79 情報操作能力は長門固有のものとして考察。と言うよりこの能力が借り物だとか 情報統合思念体と接続していないと使えないとかいう描写がそもそもないので。 こう書いてあるから、いいんじゃねーの? 81 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 13 08 34 ID /NGobWPZ 雪山?かどこかで接続が切れた時に弱体化したから 接続が切れたら全能力が落ち込むか否かみたいな議論が解決してなかったような 長門議論は割とスルー気味だったから自信はないが それに朝倉が出来たから長門も出来るとか論外なんだけど 随分都合よくテンプレ作ってる感じがする 82 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 13 14 39 ID kAEPiSq9 ハルヒは一度も読んだことないが 朝倉は長門のバックアップなのでその能力はおそらく長門の劣化コピー。 よって長門もこれらの技が使用可能かと。 これなら普通ありじゃない? 84 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 13 29 37 ID ++Pwrz1g バックアップである事は確実で能力が共通である事は推測? 85 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 13 32 31 ID /NGobWPZ まず劣化コピーっていう根拠が薄い。解ってるのは朝倉の能力を長門が上回ることだけ それに他の端末が出来ることが上位の端末にも出来るっていう根拠もない AができることならBも出来るってのを認めさせようとしたら 種族、流派的に必ず同一の能力、特性(ウロコが堅いとか火を吹けるとか)があると明言されていないと無理 86 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 13 33 21 ID M3T7wjiN 戦法で不可視遮音フィールド展開しながら世界改変てなってるけど フィールド張りながらやってないよな。朝倉を止めにいくのもフィールドといてたと思うけど。 87 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 15 24 08 ID VLakj2VC 73 攻撃の射程は教室ひとつ分は硬いので少なくとも30メートル以上。 物体の材質変更は少なくとも教室1つ分なので20m以上。 高校の教室は三十メートルも無い、八メートル前後程度だ ~アメフトグランドから観客席の距離なので50~200m以上 アメフトのフィールドは 長辺120ヤード(約109.73メートル)、短辺53ヤード1フィート(約48.78メートル)の長方形 200メートルはないだろ 結局初手は動作ロックと時間凍結のどちらからするんだ 氷柱は天井がないとできないし、槍や杭も周囲に机や椅子がないとできないだろ 幽霊などには「呪文」→情報生命体の活動凍結 幽霊に効くかわからない 不可視遮音フィールドの説明がない 88 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 16 32 07 ID H0A47Va7 毎回同じこと言われてるぞ。本当に直す気あるのかと言いたくなるんだが。強引に出したいだけにしか見えん 89 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 16 47 13 ID NwWymwEt 87 幽霊には不思議パワーなら効くんじゃないのか? 90 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 16 54 08 ID NwWymwEt 87 あと、教室は斜めの幅なら10mは超えるみたいだな。30mは無いがw 基本的に縦9.1mX横7.19mで65.429平方mになっているらしい。 氷柱は天井無しなら出来ないだろうけど、 槍や杭は長門の後ろに机や椅子が転がってる状況で参戦すれば良いんじゃないか? 他は、確かに。 91 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 17 03 36 ID C/6z6Do7 73 崩壊因子をどうやって仕込んだかも解らないのに仕込んだ時の結果を書かれても困る。あと朝倉のは以下略 74 不可視遮音フィールド、無呼吸行動は防御力欄に入れるもんじゃないと思う 75 前六行とそれ以降、書き方統一して欲しい。あと明らかに無意味なの削った方が良くないか? 「特定の人間のコピー~」なんて何に使うんだよ。相違付加可能って説明も。 92 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 17 07 06 ID A9rIy3Cb 時間凍結はどこでもやれるかどうか不明だから却下だったはずだが 93 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 17 18 22 ID M3T7wjiN 89 情報操作って不思議に分類されるか? これって高度に発達した科学って奴なんじゃないか。 90 教室の中での位置関係が判らない。 斜めに陣取って端と端なら10m越えるけどさ。 不定な場合に最大値はとれないだろう。 そういや素早さにワープと反応以外に行動の早さもいる希ガス。 94 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 17 41 33 ID /Xa0bAOc 93 科学でも空間攻撃とかは幽霊でも効く扱いだったよね? 科学なら効かないという問題でもないだろうし、 実体が無い相手に通用した実績があれば十分だと思うけど。 95 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 18 05 37 ID BPz9Qnmv ヘイズの悪夢再び。 96 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 18 08 57 ID /NGobWPZ 空間攻撃も切断以外は扱いが微妙だったような 97 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/22(日) 18 10 17 ID esok0mwh 78 ドラゴンアタックがギリギリ長いが飛び道具だしまず関係ないだろう。 他は関係ナシでいいな。多分そのあたりだろう。 ハルヒを読んでない身なので詳しくつっこめない。 とりあえず前から言われてる 87を直して欲しい。 もし槍や杭を使うために 90にするならその時のスペックだけだから多分全能使えなくなるんじゃ。 後は時間凍結とかの特殊能力が対戦相手に使用できる根拠。 個人的には動作ロックの対象を書いて欲しいな。そこまでしか止められないから。 さて、ちょっと長いのを投下する。 22スレ目 593 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 37 03 ID vPVKvTTy 長門修正版投下。統合思念体を付加してみた。 【攻撃力】 長門有希の攻撃力 素の戦闘力だと男子高校生一人を数m蹴り飛ばすだけの脚力がある。 また後述する情報操作能力により以下のような攻撃が可能。 教室の天井を目にも止まらぬ速さで氷柱状に変形させて攻撃。氷柱の数はまるで林が出来たかのように見える数。 「呪文」を唱えることなく天井をちらりと見るだけで発動可能で、残像が残るほどの高速移動でなければよけきれない。 情報連結解除:相手をきらきら光る砂のようなものに分解。分解完了まで数秒かかる。 崩壊因子をあらかじめ仕込めば同様の能力を持った相手に干渉されても教室丸ごと分解可能。 発動時には相手に触れる必要がある。 なお長門の仲間の朝倉涼子にも同じような能力があり、こちらがやったのは以下のとおり。 情報操作能力は長門>朝倉なので長門はこれらの技も使えるものと思われる。 空気を凝縮して常人には視認不可能な速度で攻撃。一瞬チャージした後は次々に連射可能。当たれば一発で黒板を粉砕する威力。 机を杭に変形させて突き刺す攻撃。常人に気づかれないほどの短時間でダース単位の数を生成・発射可能。人体を軽々貫通する威力。 腕を2倍以上に伸ばして突き刺す攻撃。人体はおろかコンクリの壁も貫通可能。 情報統合思念体の攻撃力 攻撃描写なしのため不明だが、そもそもサポートキャラ扱いなので必要なし。 【防御力】 長門有希の防御力 ナイフを素手でつかんでも平気。人の頭をぶち抜くレーザーを手のひらに受けても当たった部分が焦げるだけ。 先述の朝倉の空気凝縮攻撃&杭攻撃を情報連結解除で次々に分解して無効化。 これを腹や胸にダース単位で食らって血まみれになっても行動可能な上、数秒で自己再生も可能。 不可視遮音フィールドを展開。展開は瞬時に可能。 50mプールを泳ぎきる程度の時間ならばならまったく無呼吸で普通に行動可能。 情報統合思念体の防御力 情報生命体なので物理的に存在しているわけではない。よって物理攻撃は無効と思われる。 またいかなる光学的観測でも視認することはできない。 防御力そのものは大きさ相応かと。 594 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 39 36 ID vPVKvTTy ってミスった。最初のとこが欠けてるしorz 【作品名】涼宮ハルヒシリーズ 【名前】長門有希 with 情報統合思念体 【属性】情報統合思念体主流派のTFEI端末with宇宙規模の情報生命体 【大きさ】154cm で、防御力以下はこっち 【素早さ】 長門有希の素早さ 「よもや瞬間移動としたとしか思えない動き(長門本人の解説でもおそらくワープ) 」が使用可能。 200mトラックを使ったリレーで使ったところを見ると最大移動可能距離は50~100m。 反応速度は本物のレーザー発射に反応して身代わりになったりしていたので光速対応レベル。 情報統合思念体の素早さ そもそも時を超越した存在なので素早さと言う概念が通用するかどうか。 【特殊能力】 長門有希の特殊能力 情報制御:物体の情報そのものを書き換えることで分子の結合を変えたり物体の動きを制御する。 発動時には超高速で「呪文」を唱える。(詠唱時間はかなり短く、人の耳には言語としては聞き取れない。) 分子の結合をいじると言ってもガラス窓がコンクリートになるなど原子の種類ごと変えている可能性あり。 これを応用すると以下のようなことが可能。 相手の動きを完全ロック。相手に触れることなく「呪文」なしで瞬時に発動。 滞空中の相手の落下タイミングをいじることで後遺症の残らない脳震盪を起こし、相手の持って異能力を消去。 時間凍結:流体結合情報を凍結させる。この間戦闘力はそのままだが他時空への移動はできない。 作中では客間1室に人間2人を入れた状態で3年間時間を停めた。 思索活動だけで全地球上のイヌの脳全てをメモリ領域として使用する規模の情報生命体の活動を凍結。 自重をほぼ完全に0にする。反重力か何かの可能性あり。 なお情報操作が可能な距離は最長でアメフトグランドから観客席の距離なので50~200mぐらいか。 595 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 43 21 ID vPVKvTTy ナノマシン注入:相手に噛み付いてナノマシンを注入。噛み付き自体は甘噛みのようなもの。 ナノマシンの効果は「目から出るレーザーの無効化」 「次元振動周期を移送変換し重力波に置き換える作用をもつ力場を対表面に発生(=単分子振動カッターを無効化)」 「対情報操作用遮蔽スクリーンと防護フィールドを対表面に発生(=世界改変に巻き込まれない)」 の3つが確認されている。なおこれらのナノマシンの効果は自身に適用する場合噛み付く必要なし。 世界改変:涼宮ハルヒ(無自覚全能存在)から奪った能力の意識的行使。作中で行ったこととしては、 大勢の記憶や記録の改竄。 過去に死亡した存在の復活。 宇宙規模の存在である自分の上位存在(情報統合思念体)の消去。 など、少なくとも任意全能クラス。 発動時間は長くても十秒程度。遠くの時間からでも観測される大きな時空震(詳細不明)が発生する。 その他位相がずれただけの異空間の検知・進入、上位の存在の作成した異空間からの脱出など。 情報統合思念体の特殊能力 情報統合思念体は宇宙中の英知そのものなので下手に常人がアクセスすると、 たとえ端末を介したその一端に触れただけでも、数時間茫然自失してしまう。 世界改変:端末に力を貸し与えた上で行う。先述した世界改変で変えられた世界を元どおりにした。 この際に自分自身も創造しているため改変能力は全能クラス。 ただし改変にかかった時間が不明なので考慮外。 596 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 44 35 ID vPVKvTTy 【その他】並外れた演算処理能力、8/17~31間の15498回ループ(全記憶を保持)に耐えられる精神。 【長所】素早さと動作ロック、時間凍結、世界改変。 【短所】描写不足による射程距離の小ささと火力不足。 【戦法】基本はは動作ロックor時間凍結→氷柱や槍、杭で攻撃or情報連結解除。 これで倒せそうにない相手(デカい奴とか防御堅牢な奴)はワープで距離をとって不可視遮音フィールドを展開→世界改変で相手を消滅。 幽霊などには「呪文」→情報生命体の活動凍結 【備考】長門有希と情報統合思念体が切り離された場合、情報操作は一切使えないものとする。 なお接続を切るには全能存在が長門本人を時の流れの違う異空間に閉じ込め負荷をかけるぐらいのことはしなければならず、 位相のずれただけの異空間や別時空などでは普通に接続を維持可能。 597 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 45 28 ID 2btFNV7b 592 相手の耐久力は分かるの? 分からないなら、人間相手だと初手は常人が戦闘不能くらいになる攻撃しかできなさそうだけど 593 参戦キャラの条件 「姿形が解る」又は「実態がほぼ完全に判明している」を絶対条件とする 598 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 46 51 ID T2DTNLXe ちょwwwおまw 前回、出した時から何も進展してないだろ。谷川厨自重しろよ。 599 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 53 52 ID hE9sEKke ハルヒキャラをそんなに強くしたいのかw 600 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 54 23 ID ogRKLZJL 594-596 情報操作の射程を一緒くたにするのはどうだろう? 魔法なんかも種類が違えば射程は別個に描写とるし。 あと特殊能力の接触無しでのロックって朝倉がやったことだろう。 601 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 13 56 25 ID 3Ptlf2Ny 情報統合思念体は詳細に不明点が多いから無しになったんじゃ? 長門有希のテンプレの途中に、情報統合思念体のテンプレを散りばめるなんて読みにくい 長門と情報統合思念体をそれぞれ別にまとめて出したらどうよ 【その他】の欄なんか別に作らなくても、【防御力】【特殊能力】【備考】のどこかに入れればいいじゃん 602 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 14 30 07 ID T2DTNLXe 600みたいな指摘が何度目だ?何で直らない。直す必要がないなら、その事を説明すべきだろ。 ちゃんとレス読んでるのか?過去ログも読め。 603 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 15 07 48 ID 3Ptlf2Ny 【属性】情報統合思念体主流派のTFEI端末 TFEI端末じゃ長門が何なのか、本読んだことない人は理解できんだろ 不可視遮音フィールドの詳細 ナノマシン注入 :~なおこれらのナノマシンの効果は自身に適用する場合噛み付く必要なし この文章の流れだと、まるで長門に発射されたレーザーや分子振動カッターも無効に出来るようにも読めてまぎらわしい 氷柱は天井が無いから出せない(参戦地形を屋内とかにすればできるかな) 槍、杭は、机とか椅子が周囲にないから出来ない 基本はは動作ロックor時間凍結→氷柱や槍、杭で攻撃or情報連結解除。 結局、動作ロックと時間凍結のどっちから攻撃開始するんだ?次も氷柱と情報連結解除のどっち 「or」を入れたら戦法として書く意味が無い 朝倉の能力は全て使えるとしているが 種族や武器とかの共通能力があって、それを上位キャラが使える、というはありと思うけど 世界一の魔法使いだから、別の下位の魔法使い達の魔法が全て使えて 下位の魔法使い達がしていた戦闘方法(戦法)を全て使える、とかは無しと思うんだが 604 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/10/08(日) 16 05 01 ID Kabq0Rza 前とたいして変わらんし、指摘されてるとこも直せないなら、直すな。余計わかりにくくなる。 21スレ目 74 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 16 08 45 ID 50v4HUbi 73 時間凍結は戦闘で使ったわけでないから 微妙みたいなこと前から言われてるぞ 75 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 16 14 31 ID ISw97BDY 72-73 能力が共通である説明がないから、朝倉が出来る事でも出来ない扱いにしないと駄目だ。 76 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 17 31 02 ID vpPzWLMI 74 時間凍結も情報操作でやったことだから「呪文」オンリーで発動可能だろ。 というかそんなこと言ってたら長門はほぼ戦闘不能になるぞ・・・。 75 もともと朝倉は長門のバックアップだから情報操作のスペックも似たようなものじゃないか? パトロンの情報統合思念体が二人のスペックを大きく変えて創造する意味もないだろうし。 77 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 17 41 22 ID lvfSm0c4 76 違う違う。それはそうなんだけど、テンプレにそれ組み込まなきゃだめって話。 簡単でもいいから、情報統合思念体と端末(長門たち)だけでも世界観として載せたほうがいい。 絶対原作知らない考察人は疑問レス付けるんで、手間減らしとして頼む 78 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 18 37 45 ID ISw97BDY 同種族でも能力共通の説明がなければ駄目なルールだし それがされてないから長門自身のやったことで作るべきだ 79 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/03(日) 18 44 03 ID 50v4HUbi 78 同意。ほかのやつもさんざん細かく言われてきたんだし 267 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22 10 11 ID m3bIeovA 長門有希の統合思念体がルール1-1にひっかかるはどうなったの? 268 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22 16 18 ID YnbWpl8k フランクは超高速ぐらいからか。 長門は分かんね、何かまた物言いが付いて議論されそうだし。 269 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22 17 15 ID 6eG7Q5Bm 長門は 74-79の突っ込みが修正されてからかな? 270 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22 19 46 ID MxYXk/jR 長門は作り直そうかと思う、朝倉の描写抜きで。 統合思念体のバックアップを受けている明確な描写はない。 行動に際して許可申請してたりするけど。 271 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22 23 57 ID m3bIeovA 433 名前:イラストに騙された名無しさん :2006/07/22(土) 14 38 23 ID YN7OaUs4 実は428と同じような意図で書いたのだが言葉が悪かった。 ともかく長門についてなんだけど 統合思念体から切り離されて弱体化っていうのが雪山でのことしか見つからんのよな。 このときに戦闘してないから何がなにやらさっぱり不明。 しかも、詳細不明ながら統合思念体に匹敵する相手に負荷をかけられて純粋に切り離された状態とは言い難い。 長門 with 統合思念体 とかいう考えもあったけど思念体がテンプレ作れるほど情報がないのでダメポ。 434 名前:イラストに騙された名無しさん :2006/07/22(土) 16 04 20 ID q91UKmH+ withにしても統合思念体をどうこうできないみたいだから無理だろ。 でも1-1っていっても、長門と思念体って他人か? 思念体の一部って認識なんだが。 でもそうすると一行目に戻って結局ダメかw 修正行きかな こんな感じで何か言われてるけど 274 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 23 04 56 ID MxYXk/jR 雪山でのことは、切り放されたからか 負荷をかけられたからか不明なんだ。 こう言う場合、このスレではどう判断すべきだ? ちなみに高熱でもうろうとした状態になって倒れたが 閉じた空間を突破する仕掛けは作れた。戦闘行為は一切してない。 285 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 02 14 54 ID eiusXHCd 長門 『統合思念体の加護下にある状態』で出せば良いんじゃね? これ、そういう一つの状態と見て良いだろう。 別に統合思念体の方から勝手に何かしてくれるわけでもないし。 288 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 14 04 12 ID g3JOPV8t 285 力を借りている可能性があれば駄目なんじゃ?思念体の力を強制的に使える根拠があれば平気だろうけど。 307 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/09(土) 14 47 55 ID oHoCdvuk とりあえず長門は朝倉の攻撃が使えるかどうかってことでこじれてるってことでいいのか? あの二人の使う情報操作能力は同じものにしか見えんが・・・。 それと思念体の扱いなんだが、長門の能力は思念体経由って訳でもないだろ。 思念体との接続が切られた状態でも思念体と同等レベルの存在と情報戦やってるし 同期機能封印のときも「自分の」能力の封印みたいなことを言ってたし。 308 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/09(土) 14 51 10 ID ZO+vAvDM じゃあ、思念体との接続が切られた状態でやったことのみテンプレに書けば? 309 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/09/09(土) 14 52 25 ID zClazOse ロードスの魔神王なんて別の魔術師と同系統の魔法を使えるはずで 魔力もより大きいとされていて、設定的にも上位の魔法が使えるはずだが やったことしかできない 20スレ目 292 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 15 20 48 ID 18EzAnlp 世界改変は? 発動時間や対象の問題は解決したと思ったけど。 293 名前:289[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 15 59 08 ID acRhdXom 世界改変はハルヒから奪った能力だしいまいち効果不明だから省いた。 そのほうが長門そのものスペックが出せていいと思ったんだが。 294 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 17 03 16 ID 18EzAnlp ハルヒを普通の人間にする。 ハルヒと古泉を別の学校に通わせる。 近隣の女子高を共学にし、学校の1クラス分を丸々そちらに移した。 関係者の記憶を改竄。 以前倒した自分と同類の朝倉涼子を復活させた。 自分より上位の存在の情報統合思念体を消し去った。 自らの記憶を改竄。 効果はこんなところか。 やったことに共通性はないし、規模的にも宇宙(銀河だっけ?)レベルの情報統合思念体を どうにかしているから、任意全能かそれに近い能力はあると思う。 能力を奪うのも一方的な収奪はルール的に問題なかったはず。 317 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 21 24 29 ID jwvzuhfj とりあえず長門の世界改変用追加テンプレを参考までに作ってみた。 294を一般化しただけなんだが。とにかく 294にThx。 世界改変:奪った涼宮ハルヒ(無自覚全能存在)の能力を行使する。作中で行ったこととしては、 ・涼宮ハルヒを普通の人間にする。 ・大勢の記憶の改竄。 ・過去に死亡した存在の復活。 ・銀河規模である自分の上位存在の消去。 など、少なくとも銀河任意全能クラスである。 発動時間は長くても十秒程度。遠くの時間からでも観測される大きな時空震(詳細不明)が発生する。 こんなもんか。発動時間が長めなのは作中であんなに改変したからだろうが、作業あたりの時間がわからんし。 火力が補えるってことで、ロックまたは時間凍結のコンボから使えるか。 間違いなんかがあったら適当に改稿してください。俺は追加の如何は今のテンプレ作者に任せるが。 318 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 21 30 15 ID J3Koc+cD 時間凍結は戦闘で使用したわけでないから 微妙みたいに言われてた思うが。使ったタイミングも分かりづらいし 498 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/23(水) 10 45 49 ID GfjO+r82 491 それの正体って、宇宙生命体の群体じゃなかった? もったいないがアウトな気も線でもない 289 亀レスだが 長門は追加情報を待ったほうがいい、特に速さについては10キャラ考察分に匹敵する「光速定義」が待ち構えてる ・・・・と思ったがルール修正用の案が立ち消えしたり、チョコチョコ話されて忘れられるのも 効率が悪いと思われるのでキャラではないが点プレでも作るか? 【名前】適当にどうぞ、修正案01でも改正案ver1.21でも 【内容】重要、できるだけわかりやすく(いくつかに箇条書きしたほうがわかりやすいかも) 【長所】修正により解決される問題を挙げる、現在あがっている問題は 「作者がレーザー=光速を考えていない場合」問題が大きいためこれの修正は入れたほうが望ましい その他、わかり易い、考察が楽等の利点も 【短所】修正により発生するデメリットをあげる (何キャラかは考察しなおさなければならない、特定の世界が有利(不利)になりすぎる等) 数キャラの再考察ぐらいなら問題はないが、できるだけ抑えた方が良い 799 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/27(日) 22 43 07 ID s1jbYqnS 498 超遅レスだが 【長所】修正により解決される問題を挙げる、 現在あがっている問題は「作者がレーザー=光速を考えていない場合」 問題が大きいためこれの修正は入れたほうが望ましい 作者がどう考えているかっていう憶測は最強スレには一切関係ない。 (銃弾の速度知らないだろうとか落雷の速度知らないだろうとか言う推測も一切無関係) 作中から読み取れる描写や設定からレーザー回避なら光速回避になる。 806 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/27(日) 23 47 07 ID E9Fuc8S5 まとめサイトの長門光速議論読んだけど、 「涼宮ハルヒの暴走」の方でみくるビームについて 「恐るべき殺人光線は光速でもって空間を横切り~」 って解説が入ってるのには触れられてないのね。 807 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/27(日) 23 57 03 ID s1jbYqnS 光速って明言されてるなら話は早いな。 808 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 00 00 32 ID 2XqvIJzD 今までの議論は何だったのよ 809 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2006/08/28(月) 00 06 48 ID REypaTAE 俺はハルヒ知らんから参加してなかったが 今まで議論してたのがなんかアホらしいな
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/5872.html
ここは、どこだろう? 五月に見た夢と似ているような気がする。 だけど、違う。 あそこは邪悪な世界じゃなかった気がする。 あの建物をぶち壊していた巨人もあたしの味方だったような気がする。 だけどここは…。 決してあたしの味方じゃあない。 巨大な洞窟の中のようにも見える。 ただっぴろい、大きくくりぬかれたような空間。 それでも中の様子はよく見える。 岩壁には、鍾乳石のように垂れ下がった岩のようなもの。 それが天井だけじゃなく、ウニのトゲのようにすべての壁に生えている。 きっと太陽の光など絶対に入ってこない、地中の奥深く。 早くここから逃げ出さなきゃいけない。 そう思った途端、まわりの細長い岩が生き物のようにするする伸びて、あたしの両腕にからみついた。 「放しなさいよ、バカッ!」 あたしの叫び声にもかかわらず、そのからみついたモノはみるみるあたしの体を持ち上げ、洞窟の中央にぶら下げてしまった。 「何する気?! ヘンなことをしたら承知しないわよ!」 すると目に見える限りの鍾乳石みたいなものがうねうね動き出した。気持ち悪いわね…。 と思った途端、そのイソギンチャクの触手のようなものが、突然槍みたいに鋭く尖った! その矛先は全てあたしの方を向いている…。 磔にされたあたしには、逃れるすべはない。 無数の槍がいっせいにあたしに向かって伸びてきた! 「くっ…。」 目をつぶった時、ものすごい大音響と、瞼の内側からでもわかるような閃光があたしの耳と目を貫いた。 おそるおそる目を開ける。 大爆発が起きている。あたしを襲おうとした触手たちが、ぶすぶすという音を立てて焼け焦げている。 「涼宮さん…、大丈夫ですかあ?」 下を見た。あたしから見て右側の岩壁の近く。栗色のウェーブのかかった長髪。あどけない声。どでかい胸。 みくるちゃん? みくるちゃんはレザーのような質感の、ライダースーツのようなものを着て、ゴーグルをかけている。手には流線形の、SFマンガに出てくるような銃を手にしていた。 「光線銃です。ビルの一つや二つふっとびますよ! それより、わかりますよね。こいつらは鈴宮さんの敵。SOS団の敵です! あたしだって団員です。鈴宮さんを守りますよ!」 みくるちゃんは銃を乱射し始めた。狙う必要はないらしい。そこら中が敵だから必ず当たる。 音響と閃光で何がなにやらわからなくなった。煙がもうもうとたちこめる。みくるちゃんが撃つのをやめた。と同時にさっきの無数の槍が、今度はみくるちゃんに狙いを定めている。 いっせいにみくるちゃんの小さな体に向かってそいつらが突進する! そいつらが体に突き刺さる一瞬前に、みくるちゃんの姿が消えた。 どういうこと? と思う前にみくるちゃんがそこから三メートルくらい左側に突然姿を現した。 ほっとしたのもつかの間、やっぱりみくるちゃんはみくるちゃんだった。 バランスを崩したのか、何かにつまずいたのか、ころんでしまった。 こんな時にドジッ子属性を発揮しなくてもいいじゃない! ってあんた、銃を落としてどうするのよ! 「みくるちゃん、うしろ!」 「きゃあああっ!」 みくるちゃんが口をおさえる。くそ、あたしの体さえ動けば、あんな奴ギッタンギッタンにしてやるのに! そいつが体を貫く前に、みくるちゃんの姿が消えた。 「みくるちゃん……?」 今度はみくるちゃんは姿を現さなかった。 敵によって消されてしまったのだろうか。それともさっきのように姿を消して逃げることができたのだろうか……。そうであると信じたい。 さっきの触手たちが再び針のように尖る。 確実にあたしに狙いをつけている。 今度こそ最期だ。 もう目をつぶらない。 そんなのはあたしらしくない。 しっかりと見てやる。 いっせいにそれが飛びかかってきた時、空中に二メートル位の紅い玉がぼうっと現れた。 あたしの体の前にある紅い玉にあたって、無数の槍がべきべきと音を立てて折れる。 「味方……なの?」 「当たり前じゃないですか。」 紅い玉は声が出せるらしい。 「誰……?」 「おやおやひどいですね……。副団長をお忘れですか、団長殿?」 「まさか……あなたは……。」 「僕です。古泉一樹ですよ。」 まさか…、紅い玉になって空を飛べるなんて…。だけど、さっきみくるちゃんは光線銃を持っていたし、どういうことなの? 「申し訳ないですが、今は説明している暇がありません。忙しくなりそうだ…。」 無数の槍があたしたちを襲う。だけど古泉君の戦いぶりには危なげがなかった。 火の玉のようなものを次々と発射し、槍を確実に撃ち落とす。それでいて本体はあたしの前から微動だにしない。 さすが副団長、頼りになるわ。みくるちゃんとは違うわね。 助けてもらってあんまりだけど、さっきはあたしの方がハラハラさせられたし。 と、一本の槍が古泉君の火の玉をくぐり抜けて迂回し、あたしの背後に回った! 「古泉君!」 「大丈夫です!」 後ろを振り返ると左側から槍があたしに迫ってくる。それを紅い玉が右上方から二倍以上のスピードでぶちあたり、殴り飛ばすように撃ち落とした。 「ふう……。」 「驚かせてしまってすみません。以後気をつけます。」 こういう所が紳士なんだわ、古泉君は…。どっかの誰かに見習わせたいわね…。 だけど槍は何本でも伸びてくる。キリがない。それになんだか紅い玉の光がだんだん弱くなってきているような気がする。 「古泉君、このままじゃ…。」 「わかってます。僕は時間稼ぎにしかすぎません。バトンは渡しましたよ、長門さん!」 紅い玉がぼうっと消えた。 代わりに空中に浮かんでいるのは、セーラー服に小柄な体、見慣れたショートヘア…。 後ろ姿だけど見間違えようもない。 「有希なの……?」 「話しかけないで。気が散る。」 何よあんた、愛想がないわね…。キョンの前ではけっこうしゃべるくせに…。 妬いてる場合じゃないけど。 だけどあたしがいちばん不安なんだから、話し相手になってくれてもいいじゃない…。 その点古泉君は偉いわね。あたしを守るだけじゃなく、不安にさせないようにしてくれたみたいだし。 無数の槍は相変わらずこちらに伸びてくる。ワンパターンの攻撃ね。つまんないわ。 有希が手をかざすと、槍が次々に消えていく。古泉君はいちいち撃ち落としてたけど、こっちの方がスゴイ。 三人ともすごいけど、有希がいちばん強いんじゃないかしら…。 ついに有希は全ての槍を消してしまった。 岩壁は尖った岩も触手もなにもないのっぺらぼうになっている。 急に静かになった。 「やったの…?」 「だいじょうぶ…。」 あたしはやっと安堵のため息をついた。どうにかなったらしい。 だけどみくるちゃんと古泉君は大丈夫だろうか…。 「ねえ有希、みくるちゃんと古泉君は…。」 「来る。」 来るって、何が来るのよ…。 するとさっきまでのっぺらぼうだった全ての岩壁に、にょっきりと無数の槍がいっせいに生えてきた! 「何よ! ずるいじゃない!」 今度は伸びてくるんじゃなくて、弓矢のように飛んできた! 「うかつ。」 有希が手をかざす暇もなかったらしい。 ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ、ドスッ…。 いやな音がする。 有希の体に無数の槍が突き刺さっている。 一本は肩から脇腹にかけて、一本は胸から背中にかけて、一本はお腹から肩にかけて、一本はお腹から背中にかけて、もう一本は脇腹から背中にかけて…、小さな体を貫いていた。 空中に浮いていた有希がゆっくりと下降していく。 「有希! 有希! ゆきぃ……。返事をしなさい! ゆきいっ!」 下を向いて大声で叫ぶ。 何も聞こえない。 有希は大丈夫だろうか。 あんなことになったんだ。大丈夫なはずがない。 不安と焦燥と恐怖がたちまちあたしを包み込む。 もう、あたしを守ってくれるひとは誰もいない。 みんなが守ってくれたのにこんなことを考えるのは利己主義的だとは思うけど、やっぱり死ぬのは怖い。 岩壁にあった無数の槍がつぎつぎに収斂して一本の巨大な棒になっていく。 完成したそれはあまりにも禍々しく、気持ち悪かった。 そしてそれはなんのためらいもなく、あたしに向かって飛んできた! 今度こそ本当に最期なのだろう。 と思った時、下降していった有希が岩の床を蹴って、天井に向かってジャンプした。 有希は天井近くでトンボを切ると、そのまま下降してあたしの前にふさがった! ドスッ。 のあとに、 メキッ。 という音がした。 ビシャッという音がして、あたしの体になにかがかかる。 ひいっ…血? 有希は自分の体の幅の七割くらいある太いものに貫かれている。 さっきまで体を貫いていた五本の槍は、これに押し出されてしまったらしい。 どこかから声がする。きっと敵の声だ。 「有機結合情報連結解除。」 何のことだかわからないけど、有希にとってよくないことをしようとしているのは気配でわかる。 「情報連結、解除開始……。」 声がやむと、有希を貫いている太い棒と、有希の体が棒のそばから光っていく。 光は粒子となる。光の粒がまるで砂粒のように崩れ落ちていく。 みるみるうちに有希の全身が崩れていく…。 「ゆ…有希…。」 もう有希の体は首から上しかない。 ヨカナーンの首のように空中に浮いている。 有希が首だけであたしの方に振り返った。 「へいき。」 「へいきって…。」 「まだ彼がいる。」 「彼って…アイツのこと…?」 「そう。わたしも時間稼ぎ。もうすぐ彼が来る。あなたを守る、最後の砦…。」 「ちょっと待ってよ!」 有希はそれだけ言うと、結晶となって消えていった。 呆然とした。 有希が消えて、やっぱり古泉君とみくるちゃんも逃れたのではなく、どこにもいなくなってしまったのではないかという気がしてきた。 「ハルヒ、大丈夫か?」 「大丈夫なわけないじゃないの、バカ!」 姿を捜す前に怒鳴りつけてしまった。 下を見るとアイツが制服のポケットに手をつっこんだまま、やる気のなさそうな顔をしてこっちを見上げていた。 けっこう遠くにいるようにも見えるけれど、声ははっきり聞こえる。 「なあ、おまえ、けっこう子供っぽいところがあるんだな。」 「なに言ってんのよ!」 「おまえは上にいて、おれは下にいるわけだ。」 「だから何よ!」 「それで、おまえは制服の、わりと短いスカートをはいているわけだ。」 ま、まさかこいつ……。あわててスカートを押さえ…たかったんだけど両手が動かない。 足をぶらんと垂れさせていたのを、無理に空中で閉じた。多分こんなことをしても無駄だろう。なんかこんなことをすること自体が屈辱的。 「かわいいと思うぞ、俺には紐属性は無いし。」 「この、えろっきょおおおおおおん!」 い、いつもはそんなこと絶対言ってくれないくせに、こんな時に「かわいい」って…。 ちっとも嬉しくないわよ! 大体その「かわいい」っていうのはあたしじゃなくて、あたしのパンツのことなの? その上「子供っぽい」って最初に言われたら、「かわいい」って言われても素直に受け取れないわよ! あんたに見られると知ってたら、あたしだって、少しは気を使ったわよ! って、何考えてるのよ、あたしは。 そうじゃなくて、あんたに「かわいい」なんて言われても嬉しくないわよ! それに、たとえ見えてしまったとしても、それを言わないのがマナーでしょ! その点古泉君は紳士だわ。 絶対に下に回ろうとしなかったし、紅い玉になってたからよくわからないけど、あたしの背後に危険が迫っていてさえ後ろを振り向かなかったみたいだもの。 だけどしまりのない表情をしていたキョンが、急に真顔になった。 「ハルヒ……。」 あの三人に関する大事な話かもしれない。 「なに。」 「似合ってるぞ。」 最っ低! 最っ低! 最っ低! あ、あたしがいちばん大切にしている思い出を、本人のあんたがよごすなぁぁぁぁぁっ! これから先、あの時のことを思い出すたびに「子供っぽいパンツが似合ってる」って言われたことも思い出さなきゃならなくなるじゃない! 「あ、あんた、あたしを怒らせたいの?」 「そうだ。」 そうだって…。 「どういうことよ!」 「だけどこれくらいじゃあ、どうにもならないようだなあ。」 「あんたねえ、みくるちゃんと古泉君と有希が…。」 「今は敵側の攻撃も止んでるな。それには理由があるんだ。だからおまえのパンツの話もできる。 そしてあの三人は……おまえ次第だ。」 「だから、どういうことよ…。」 「前にも言ったが、長門は宇宙人で、朝比奈さんは未来人で、古泉は超能力者だ。今なら信じられるな。」 「信じるわ。それぞれが何なのかはよくわからないけど、三人とも普通じゃなかった。」 「いちばん普通でないのはおまえだ。」 「どういうことよ。」 「自律進化の可能性、時空の歪み、神様、SOS団団長。」 「最後の以外はよくわからないわ。」 SOS団団長が普通だとは思わないけど。 「要するに、おまえは何もないところから情報を生み出すことができる。」 「どういうことよ。」 さっきからあたし、「どういうことよ」ばかり言っているわね。それほどコイツの話はワケがわからないわ。 「ここでおまえが捕らわれの身となり、あの三人が消えてしまったという情報を上書きすることができる。つまり、なかったことにできるわけだ。」 「あたしにそんなことができるわけがないでしょ。」 「おまえはその力があるが、制御することができない。そこで外部から情報爆発を起こす必要がある。」 「どうするのよ。」 「『あるモノ』をおまえに見せれば、おまえは情報爆発を起こす。おまえはここから脱出することができる。」 「その『あるモノ』ってここにあるわけ?」 「ねえな。」 「あんたねえ……。」 「どこぞの神様が言ってたな。ないモノは作ればいいんだよ。」 「あんたが今から、ここで作るわけ?」 「そうだ。朝倉がそう言っていた。 俺にはそれだけの影響力があるとは思えないが、試してみる価値はある。というより俺にはそれしか方法がない。 それを見ればおまえは完全に心のタガが外れる…らしい。」 「らしいって何よ…。」 「俺は普通の男子高校生だ。 朝比奈さんのように未来の道具を使えるわけじゃない。 古泉のように超能力が使えるわけじゃない。 長門のように宇宙的パワーを使えるわけじゃない。 それでも、おまえを守るすべを何も持たないとは思わないでくれ。 俺はただの男だが、おまえの鍵だ。『鈴宮ハルヒの鍵』だ。」 「だから、『あるモノ』って何よ!」 「それはな、ハルヒ…。」 こんなに遠いのにアイツがニヤリと笑うのがわかった。 「おれの死体だ。」 こ、こ、こ、このバカ、何を言い出すのよ! 「今までおまえがこれだけのことをされながら情報爆発を起こさなかったのは、怒りより恐怖を感じているからだ。しかしこれを見れば、おまえは怒りのあまり恐怖を忘れる…、俺がおまえの能力を開く鍵となる。」 「あ、あんた…自分が何言ってるか、わかってんの?」 「わかってるぞ。うまくいけばあの三人は帰ってこれるし、おまえも脱出することができる。」 「あんたは?」 「おまえはあの三人が消えたところを見ただけだから、あの三人は帰ってくる可能性はあるが、死体を見てしまえば俺の死を受け入れざるを得ないだろうな。まあ、死にっぱなしだ。」 「自惚れないことね。あんたが死んだくらいであたしがそんなにショックを受けるわけが…。」 「さっきも言っただろう。俺には他の方法なんかないんだよ。」 「あんた……、怖くないの?」 「バカ言え。これから死ぬんだ。怖え。今にもゲロが出そうなほど怖え!」 「だったらやめなさい!」 「ハルヒ、俺はおまえを三日間だけ永遠に失ったことがある。だから今の俺は、おまえを失うくらいならどんなことでもするんだよ。」 「団長命令よ! 今すぐここから逃げなさい!」 「抗命する。俺が本当は頑固なことをおまえは知っているだろう? それにおまえにはさんざんバカにされてきたが、やっぱりおまえに軽蔑だけはされたくない。臆病者だと思われたくない。」 「ふざけるんじゃないわよ! あたしはあんたを軽蔑したことなんか一度もないわ!」 さっきの…、のぞき行為は…、許してあげるわよ! 「なぜこんな話をおまえにしたかわかるか? これは情報爆発を起こすことが目的なんだ。死ぬのが目的じゃあない。 だからおまえには、俺が死んでいくところをしっかり見てもらわなきゃならない。 さらに、何で敵側の攻撃がさっきから止んでいるかわかるか?」 「あたしにわかるわけがないでしょ!」 「この敵っていうのは…。まあ、おまえに説明しても無意味だから『敵』ですませるが、あいつらの目的も、おまえに情報爆発を起こさせることなんだ。それを観測したいらしい。 だからさんざんおまえの肉体を、損傷させることまで見切って攻撃してきた。 その直後におまえが死んでもかまわなかったようだ。 しかしあの三人がそれを邪魔した。 そこでこいつらは俺を使うことを考えたんだ。俺がおまえに説明する猶予を与えたのもそのせいだ。 おまえが俺の死体を見て、あいつらの情報を上書きするほどの、つまりあいつらを消すほどの情報爆発を起こせば俺の勝ち。 ただのサンプルデータになってしまえば俺の負け。 つまり……。」 「おまえに賭ける。」 「トークタイムは終わりだ。 今、おまえの体のそばには敵によって結界のようなものが張られている。 だから古泉や長門は近くに寄ることができたが、普通の肉体を持った俺や朝比奈さんは異物として排除される。 まあ、俺の場合は排除されるというより攻撃されるわけだが、それを利用する。 今からそこに突っ込む! それに俺は……、死ぬんなら1センチでもおまえの近くがいい…。」 あいつは、本当にこっちに走ってきた! 「来るな、バカァ!」 触手の一本があいつの体に向かって伸びる。左腕を取られてあいつの体が宙に浮く。そのまま岩の床に叩き付けられようとした時、あいつは右腕を伸ばして受け身を取ろうとした。 その瞬間、別の触手が右腕にからみついた。あいつはバランスを崩して受け身を取れず、尖った岩が脇腹にぶつかる。 な、なんて陰険な……。 「ぐえええっ!」 あいつは四つんばいになってゲエゲエやっている。 「キョン、もう一回命令するわ。いますぐ逃げなさい!」 「くそ。簡単には死なせないってことだな。わかってるな、あいつらも。 俺の死に方がみじめならみじめなほど、おまえが怒ることがわかってるんだ。 だから、ハルヒ。 ちゃんと見てろよ。 おれの死体を見ておまえが何のリアクションも取らなかったら、 俺は死に損だ!」 からみついていた触手があいつの体をほどいた。あいつが立ち上がる。また走り出した。 今度は足に触手がからみつく。勢いよく転んだ。顔面から血が出ている。 よつんばいになったあいつの体のそばに、触手がゆっくりと移動する。 触手は槍ではなく、ドリルのような形状になった。 ドリルの先端があいつの右肩の、腕の付け根に触れる。 きりを揉み込むように、ぐいっ、ぐいっと回転しながらあいつの体に入っていく。 「ぐっ、ぐっ、ぐっ、ぐっ……。」 ドリルが停止した。 あいつは肩で息をしている。 と、いきなりドリルがズボッと抜かれた! 「ぎゃああああっ!」 傷口からあいつの血と、なんだかわからないものが一気に噴き出した。 「はあっ、はあっ、はぁっ、はあっ…………。」 それでもあいつは立ち上がろうとする。 左手を肩の傷口に添え、片膝立ちになって右手を膝に添えると、勢いをつけて立ち上がった。 よろよろ歩きながらこっちに来ようとする。 ……見ていられない。 胸が痛い。心が痛い。ぎりぎり痛い。 涙がボロボロこぼれる。 「キョン、お願いよお……。 お願いだから逃げてよお………。 今ならまだ逃げられるでしょ……。 あんた、あたしの命令に従わなかったことはたくさんあったけど、 あたしのお願いを無視したことだけは一度もなかったじゃない…。 あの時も、あたしがいっしょうけんめいお願いしたら、ちゃんと目を覚ましてくれたじゃない……。」 「……ハルヒ、忘れないでいてくれ……、おれがここにいたことを。」 「何言ってんのよ、バカ! あんたはなんにもわかってない! あの時あたしがどんなに怖かったかわかってない! あの時あたしがどんなに嬉しかったかわかってない!」 触手があいつの背中に回る。あいつは気がついているのだろう。 それでもあいつはこちらに向かって歩いてくる。 槍があいつの背中を串刺しにした。 いやな音を立てて槍が抜かれる。 あいつが口から血を吐いて倒れる。 あいつが倒れたのは何回目だろう。 「急所は……、外したようだな……。わざとか……。」 あいつはそれでも、立ち上が……れない。 あいつは這ったままこちらに来ようとする。 触手があいつの前方に回り込んで待ちかまえている。 「来……来ちゃだめ。」 表情がはっきりと見えるところまであいつは来ている。 さっきは不思議とあいつがニヤリと笑ったのがわかったけど、 あいつがどんな顔をしているかわかっても不思議じゃないところまで来ている。 あいつの顔を……見るのが怖い。 「見ろよ、ハルヒ。 おまえが見てなきゃ意味がねえんだ。」 悔し涙がボロボロこぼれる。 みくるちゃんも古泉君も有希も、そしてキョンも、あたしを守ろうとする。 あたしはただ守られるだけの存在なんだろうか。 みんなを守ることなんてできないのだろうか。 なにが団長だ。 あたしにものすごいパワーがあるとあいつは言ってたけど、あいつを守ることができない力なんて、あったってしょうがないじゃない! 前方にあった触手はフェイントだったらしい。 あいつの背後から触手が伸び、あいつの首にからみついた! あいつは……、首にそれを巻き付けたまま、前に出ようとしている! そんなことをしたら……。 あいつが前に出ようとするたびに、気管がぎりぎりしめつけられているのがわかる。 あいつの顔を見てしまった。 顔色は土のようだったが、なんだか笑っているようにも見える。 「こ、こないで……。」 「ハ、ハルヒ……、すこしでも……おまえのそばで……。」 ……こいつはあたしのお願いを聞いてくれない! こいつはあたしのお願いを無視しようとしている! 猛烈に腹が立った。 ちっくしょぉぉぉぉぉぉ! 「こっち来んなあ! バカキョン!」 叫ぶと同時にあたしは立ち上がった。 立ち上がった? みくるちゃんが口に手を当ててあわあわしているのが見える。 有希が本から視線を上げて、こちらをじっと見ているのが見える。 古泉君があっけにとられたような顔をしているのが見える。 部室? 「なんだよ、うなされてるから起こしてやろうと思ったのに…、こっち来んなって……。」 こいつは根本的な勘違いをしているみたいね。 「なんだ、おまえ泣いてるのか? そーかそーか。泣くほど俺がいやか。」 キョンが背中を向けて団長席から遠ざかろうとしている。 あんたが拗ねてもかわいくないわ。 「待ちなさい。」 あんたが誤解しているのはわかっているけど、解いてやらないわよ。 そんな気分じゃないし。 あたしは涙を拭いて鼻をかんだ。 「その椅子をこっちに持ってきてここに座りなさい。」 「なんだよ、来るなって言ったり、来いって言ったり……。」 「いいから早く!」 キョンはいつもの「やれやれ」の表情を浮かべてあたしの前に座った。 「キョン、あたしは真面目に聞くから、あんたも真面目に答えなさい。」 「いきなり何を言い出すんだ? 俺が真面目に答えたらからかおうっていう魂胆か? まあ、いつものことだからいいけど。」 なんかムカツクわね。だけどこれは聞かなきゃならない。 「あんたさあ……、あたしを失うくらいならなんでもするとか考えてる?」 いつものキョンだったらここで皮肉か何かで返すだろう。それならそれでいい。 キョンがため息をひとつついた。 「やれやれ……何で知ってる? おまえにはそれを言ったことはないはずだが。 まあ、これはおれの勝手な思いだから、おまえには関係ないことだ。 真面目に答えたぞ。からかいたかったらからかえばいいさ。おまえにバカにされるのは慣れてるんだ。」 「余計なことまで言わなくていいわよ。それで、『なんでもする』っていうのは、命を失うようなことでもするっていうことなの?」 「ああ、多分な。 もちろんその場面になってみなければわからないが、今のおれはおまえを失わないためなら死ぬことだってできるような気がする。 それは嘘じゃない。」 キョンの顔は真剣で、嘘を言っているようには見えなかった。 「ただ……その時は、死ぬ瞬間には、おまえの笑顔が見たいな。」 「キョン……、あんたって……」 「最低ね。」 夢でも現実でも。 五月の悪夢の行為は許してあげるけど、今日のはどうしたって許せないわよ! 「あたしを失うくらいなら死ぬって、結局自分のことしか考えてないってことじゃないの!」 渾身のビンタをかましてやった。 「痛ってえ、なにしやが……。」 「あんたはそれでいいかもしれないけどね、あたしはどうなるのよ!」 今度は左手で思いっきりひっぱたく。往復ビンタだ。 「しかもあたしの目の前で死ぬって……、あんた、あたしを殺す気?!」 最後はグーで締めた。完璧だ。いや、もう一つ残っていたわね。 「最後にもう一つ……おまえが死んで、あたしが笑うかぁぁぁぁぁぁぁっ!」 キョンの顔をおもいっきりひっつかむと、渾身の頭突きを叩き込んでやった。 「脳震盪が……、おまえ、世界を狙えるぞ。今からでもジムに通ったらどうだ?」 何わけのわからないこと言ってるのよ。 あたしは椅子にすわったままのキョンの頭を、思いっきり抱え込んだ。 まだ言うことが残っている。こうしていれば逃げられないはず。 こいつの体温をじかに感じる。 あたしの胸の鼓動がこいつの頭に当たって、トクトクいっているのがわかる。 それがこいつの鼓動のようにも感じる。 まぎれもない、こいつは生きている! 「だから……、どんなことがあったって死なないって言ってよぉ……。あたしのお願いを聞いてよぉ……。」 「おやおや、今日の鈴宮さんはずいぶん素直ですね。 思いのたけをすべてぶちまけていらっしゃいます。」 「………まさに、情報爆発。」 「ふええ、長門さん、上手いですねえ……。」 外野がなんか言ってるわ。うるさいわね。 「ハルヒ、あたってるから放せ。」 あたしは飛び退いた。 「あててるわけじゃないわよ、バカ!」 「あのなハルヒ、さっき『こっち来んな』とか言ってたけど、夢の中のおれがおかしなことでもしたのか?」 「した。最低の行為をした。」 あたしの目の前で死のうとした。 あたしを殺そうとした! 「だから、責任取りなさい!」 「いや、おまえの夢の中のおれの行為に全て責任取るのはな。まだ覚悟ができてないっていうか。心の準備ができてないっていうか……。」 「だけどキョン君はいつものようにヘタレですね……。 『おまえを失うくらいだったらなんでもする』って言えたのに……。」 「彼自身は言っていない。鈴宮ハルヒの質問に肯定の返事を与えただけ。」 「心の準備をするのに百年以上かかりそうですね。」 だから外野、うるさいわよ! 「今までのことはいいの。そっちはまあ、今はまだ許してあげるから。だけど、今日のことは許せないわ!」 あたしはビシッと指を突きつけた。 「今からあんたの家に連れて行きなさい! 駐輪場まで腕にぶら下がらせなさい! 自転車の後ろに乗せなさい! あんたのご家族と晩ご飯をご一緒させなさい! その時はあんたの隣に座らせなさい!」 「ああわかった、わかった……。いま家に連絡するからちょっと待ってろ。」 「それだけじゃないわよ……。今夜はあんたの部屋に泊めなさい!」 「なんだ、泊まるつもりか? しょうがねえな……って、俺の部屋って、ええええ?」 あたしのパンツ見たんだからね! 当然その責任も取らせるわよ!
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作者:飛崎 琥珀 タイトル:Prologue ネオンに彩られる遊楽街。 深夜を回る時間にあって、その人通りは途絶える事がない。 行き交う人間は愉のしみを求めて彷徨よい、誰もが街のあちこちに潜む危険に気づかない。 休憩や待ち合わせに使われる噴水の側。其処に一人の少年が立っていた。 例年以上の寒さを記録している冬の夜にしては、少年の姿はズボンにパーカーと軽装であり、その外観は場所と時間も相まって目立たずにはいられない。 しかし、少年の前を行き交う人々は、誰一人として少年を気にも留めない。 少年の横のベンチに座って戯れるカップルも、横で立ち尽くす少年を気にすることなく、赤裸々にその情事を続けている。 そう、誰も彼を気に止めない。――気づかない。 少年は、そんな周囲を軽く見渡してから、既に一時間程、一点だけを見つめていた。 自分と対岸に当たる噴水の前。 ロングコートを着た、どちらかといえば背の高い女性。 茶色く染めた髪は艶やかで、控えめながらも整えられた化粧の貌は、すれ違えば異性が振り向いてしまうくらいに美人である。 しかし、その表情は暗く沈み、何度目かの時間の確認を、左腕の腕時計でしている。 一時間以上、其処に立っている彼女が待ちぼうけをしているのは、同じ様に其処に立ち尽くしていた少年には明白であった。 はっきり言えば、彼女は少年の好みの女性である。 周囲を眺めていた少年は、その自分の好みの女性が待ち合わせをしているのを見つけて、どんな彼氏が来るのか見届けてやろうとしていた。 そわそわと待つ女性の顔が、二度、三度と時計を気にし始め、その表情を暗くするにつれ、少年は彼女が約束をすっぽかされたことに気づいていた。 それでも、じっと待ち続ける女性に、少年は遅れてでも良いから、彼女の――そして、自分のために彼氏が約束の此処にやって来ることを願った。 しかし、とうとう時計の長針が二週目を過ぎようとした時、女性は、そっと時計を見るのをやめた。 少年は、その姿を見て何か胸の奥がぽっかりと空くのを感じた。それと同時に、何か言いようのない怒りが胸の奥からこみ上げてくる。 そして、その場を動き始めた女性の姿を見て、少年は、やっとその棒立ちだった足を動かして、彼女の方へ駆け寄った。 「お姉さん」 「――え!?」 ◇ 「へえ。雄二“ゆうじ”くん、月明の学生なんだ。そうだよね、見たまんままだ未成年だし」 女性――片岡 彩香“かたおか さやか”は、自分に声を掛けてきた少年――藤代 雄二“ふじしろ ゆうじ”と話をしながら、遊楽街の外れにやってきていた。 約束をすっぽかされた事に気づいた彩香は、泣き出しそうになる自分に気づき、急いでその場を離れようとした。 あと少し、自分に声を掛けるこの少年に驚かなければ、自分は往来の場で泣き出していたかもしれないと、彩香は顔を赤くする。 声を掛けてきたのが子供だと気づいた時、言いようのない落胆と同時に、何処か安堵する心が、彩香の中にはあった。 控えめに見て美形と言える雄二の貌に微笑まれた彩香は、言いようのない救いを感じていた。 「でも、本当によかったの? 彼氏と待ち合わせしてたんでしょ」 気を許せば、約束の場所から離れて此処まで、執拗に話しかける雄二に段々と笑みを見せると、雄二は申し訳なさそうに、そんな問いを発していた。 一瞬、言葉に詰まった彩香は、しかし、表情に笑みを戻すと――、 「いいのよ、あんな奴。元々、最近会ってなかったし。きっと他に女ができたんだと思う。 本当はさ。私、友達にあいつの女グセの悪いところ聞かされてたんだ。それで、そんな話はウソだって、本人に会って言って欲しかったんだけど…」 結果はごらんの通り、約束すら守ってくれない奴だった、と彩香は笑って答えた。 その顔があまりにも痛々しくて、雄二は思わず彩香の顔をじっと見つめる。 「彩香さんみたいな綺麗な人を裏切るなんて、きっとそいつ、女性を見る目がないんだよ」 雄二の真剣な顔に驚いた彩香は、しかし、目に涙をかすかに浮かべて微笑んだ。 「キミ、意外と年上殺しだね。でも、ありがとう」 彩香は涙を拭うと、雄二の手をとった。 「え、ちょっと彩香さん!?」 「ほら早く! 今夜は私が何でも奢ってあげるから、最後まで私のエスコートしてね」 戸惑う雄二の手を引いて、彩香は楽しそうに雄二へと向き直る。最初は戸惑っていた雄二も、次第に戸惑いを笑みに変え、彩香と共に夜の街へ繰り出した。 ◇ 「はぁ――、堪能した。久しぶりに童心に帰った気がするわ」 少し休もうと言い出した彩香は、二人して人気のない公園へやってくると、夜風を一心に浴びるように伸びをする。 街のイルミネーションを見て周り、ゲームセンターで熱くなって、ラーメン屋で早食いをする。 二人して街に繰り出してからの彩香は、雄二の目からもまるで同年代の少女の様に思えた。 だが、自然と雄二の目には、そんな彩香が見劣りする様なことはなかった。 気持ちよさそうに伸びをする彩香の横顔も、雄二には、見ていて飽きない絵画のように見えている。 「どうしたの?」 自分をじっと見る雄二に、彩香は爽やかな笑みを向ける。 「あ…、えっと、す、座ろうよ!」 突然声を掛けられ、慌ててベンチを指差して雄二は先に向かってしまう。 その姿を見て笑う彩香も、雄二に続くようにベンチに腰を下ろした。 互いに声を発することなく、しばしの沈黙が続く。 気まずさを感じた雄二は、何かを言おうとして彩香を見つめ――その瞳が晴れ晴れとしていることに気づいた。 その瞳に吸い込まれそうになって、雄二はまた言葉を失う。 「どうしたの、雄二くん?」 また自分を見ている雄二に気づいた彩香が、そう訊ねる。 「あ、いや。彩香さんが元気になってくれてよかったな、て…」 思ったままに口にした雄二の言葉に、彩香は笑みを濃くする。 「うん、雄二くんのおかげだよ。あのまま帰ってたら、私きっと今頃は大泣きしてるところだったかも」 だからね、と彩香は雄二の顔を覗き込む。 その貌が、何処か女を感じさせる艶を出している事に、雄二は気づいていた。 「ん――」 突然吹いた風に、彩香は僅かに身をすくませる。 その様子に、雄二は自分の心がひとつの衝動に染まっていくのを実感する。 「――寒い?」 雄二の声音は、既に落ち着きを取り戻していた。 「うん、ちょっとだけ。でも、雄二くんの方が寒いんじゃない? ずいぶんと薄着だけど」 「うん。だから彩香さんで暖めて欲しい」 「――もう。ませたこと言うんだから」 くすりと笑う彩香だが、雄二が一息、二人の顔の距離を詰めることで、その笑みが止まった。 頬を赤らめ恥ずかしがる彩香は、年下の少年から視線を逸らしそうになって、しかし年上としてのプライドがそれをとめた。 「僕、彩香さんで温まりたいな。身体も――心も」 「もう。本当はこういうのを期待してあそこにいたんじゃないの? 実は私も他の子と同じ様に騙されたのかしら」 「どうだろ。――でも、彩香さんみたいな綺麗な人は、初めて出会ったよ」 「本当に、口がうまいんだから――あ、」 彩香の手に、雄二の手が添えられる。その事に驚いている間に、彩香は雄二の唇を許していた。 「ん、うん――」 軽い口付けから段々と激しくなっていく雄二の口付けに、彩香はなす術もなくされるがままとなる。 息が苦しくなり始めたところで、そっと雄二の唇が離れた。 つう、と二人の間に引く糸に、彩香は恥ずかしさと高まる感情に身体を疼かせた。 「もう、本当に上手なんだから――え!?」 そっと胸元に添えられた雄二の手に、彩香はそのままベンチへと押し倒される。 「こんな、ところで…?」 「大丈夫だよ。誰も来ないから。――僕が彩香さんを暖めてあげる」 「あ、待って――、」 彩香の制止の声が、雄二の口付けで遮られる。 再び自分の口に進入する暖かさに、強張っていた彩香の身体は、徐々に硬さを失っていった。 耳に、頬に、首に、胸に、雄二の手と舌が這い、彩香は甘い声を吐き出す。 年下とは思えない、女を知り尽くした雄二の愛撫に、彩香は今まで感じたことのない高ぶりと、なす術のない悔しさが浮かんでいく。 その二つの感情が、彩香の疼きをいっそう強いものにしていた。 「ん、――はあ、はあ…。痛っ!!」 徐々に思考が薄れていく中、不意に胸に突き立った痛みに、僅かに意識を取り戻した。 「ちょっと、雄二くん。あんまりがっつかないで――、」 若さに暴走しようとする雄二を落ち着けようとして、しかし、彩香は声を失った。 自分の乳房を押さえる雄二の手。――そう、雄二の手であるはずのそれが、鋭利な爪を持ち、薄黒い毛に覆われていたからだ。 「どうしたの、彩香さん? ほら、服を脱がすよ」 愉しそうに笑う雄二の手が、彩香の上着を肌蹴させ、白いシャツに爪を立てる。 「ひぃっ!」 ジリジリとシャツの繊維だけを切り裂いていく爪に、彩香は小さな悲鳴を上げる。 爪によってシャツと下のブラまで切り裂かれた彩香は、薄桃色の乳首をあらわにする。 「綺麗なおっぱいだね、彩香さん。僕、しゃぶりつきたいよ」 そう言って、乳房に噛み付こうとする雄二の歯は、鋸のような犬歯が並んでいた。 「い、いや! 止めてぇ!!」 此処に来て、彩香は全身に恐怖が沸き立つのを感じた。と同時に、昔々の歌のフレーズを何故か思い出してしまった。 さっきまで心を許していた年下の男が、薄黒い毛に覆われた手をしていて、その口は獣のように牙を剥き出しにしていた。 「良かった。彩香さんもやっぱりそういった類の才能があったんだね。他の人はこの姿の僕が見えていないから、ただ殺して食べるだけなんだけど。 ――彩香さんだけは、優しく、生きたまま食べてあげるよ」 彩香には、その訳の分からない言葉を理解する余裕は既になくなっていた。 何度も泣き叫び、自分に圧し掛かっている存在から逃れようとするが、その声が誰かに届くことも、その身を押しのけて逃げることも叶わなかった。 「どうしてそんなに嫌がるの。僕はただ、彩香さんの悲しみを癒してあげたいだけなのに。ほら見て、僕の姿を…」 「い、いやっ…!」 彩香に圧し掛かる影は既に人ではなかった。 全身を薄黒い体毛に覆われたそれは、先に尖る様な口を持つ犬の顔をしていた。 その異形に恐怖が臨界にまで達しようとする中。 剥き出しになる犬歯が彩香の胸に喰らいつこうとして、彩香は最後の力を振り絞って叫び声をあげた。 「止めてぇ――!!」 瞬間。目の前からその顔が消えた。 「えっ?」 驚きに目を見開く彩香は、遠くで大きな何かが引きずるような音を耳にした。 「――大丈夫か?」 すぐ側で、無愛想で――しかし、何処か優しさを感じる男の声がした――かと思えば、そっと黒い外套が、あらわになった胸を隠すように自分に掛けられた。 そっと見上げれば、一目で長躯だと分かる男の背中があった。 すらりと引き締まった足も、身体も、黒いズボンと長袖の服に覆われ、無駄のない体躯が伺える。 背中まで伸びた黒髪は艶のある癖毛で、右目を隠していた。 その髪の隙間から、見えている茶色の瞳とは違う、銀の三白眼が微かに覗いた。 その、一目で異性の心をときめかせる様な整った顔立ちで、自分の前に立つ青年は彩香を見下ろした。 「――もう大丈夫だ。少し休んでいろ」 先ほどと同じ、無愛想ながらもたくましい声が、まるで呪文の様に彩香の身体の緊張を解く。 強張っていた身体が力を失えば、それに繋がるように意識が薄れていった。 「――――あ、駄目…」 眠ってはいけないと思う心と、このまま全てを忘れてしまいたいと思う心が、僅か、数回の瞬きの間に葛藤する。 しかし、身体がベンチの上に横たわる頃には、彩香の意識は静かな眠りへと落ちていった。 ――彩香が次に目を覚ました頃。 其処には、真上に昇る太陽と、無残に抉られた公園の地面、薙ぎ倒された木々が残っているだけだった。 ◇ 静まり返っていた公園に、破砕音が広がった。 アスファルトの路面を抉り、土煙を上げる場所には、無様に倒れる黒い塊が蠢いている。 体毛に覆われ、身体の至るところが埃で汚れている。 しかし、十メートルという距離を殴り飛ばされたにも関わらず、その身体には傷ひとつ存在しなかった。 「――男は狼なのよ、気をつけなさい♪」 調子っぱずれま歌を口ずさんでゆっくりと立ち上がる影は、赤い三白眼を自分を殴りつけた相手に向けた。 黒い服の――まだ青年とも呼べる男。 無愛想な顔をこちらに向けているのが気に食わないのか、狼男は牙をぎらつかせて笑みの形を作る。 「おじさん。彼女は僕が初めに見つけたんだ。後から出てきて横取りしないでくれないかな」 既に声も変質させた雄二は、ガラガラと擦れた声を上げて、既に敵と認識した青年を睨み付ける。 「ほら。その大きなケースで一撃を入れた事は忘れてあげるから。早く何処かに行っちゃいなよ。僕、男を喰らう趣味はないんだよね」 だから、例外なく男は八つ裂きに切り刻んできた事を、雄二は口にしない。 目の前の青年が背中を向ければ、一息にその鋭い爪の餌食にするつもりだ。 「本当はさ。今回は最初からうまく行ってなかったんだ。 最初は、あの女を彼氏の目の前で、犯して喰らってやろうと思ったんだけど。肝心の男の方があの女を捨てちゃったでしょ。まあ、年下の女にすぐ股を開くような尻軽女じゃ、捨てられて当然だろうけどね。 まあだから、せめて彼女は愉しく食べたいと思っていたんだ」 饒舌に喋る雄二を、青年は無愛想なまま、雄二の話を聞いているのかも分からない表情で立ちつくしている。 「なのにさ。いざって時になって、おじさんみたいなヒーロー気取りがやって来て…。 ――本当、僕今、マジでムカついてるんだけど」 殺気を膨らませて、今にも襲い掛かろうと雄二は青年を威嚇する。 しかし、雄二の殺気に晒される青年の表情は、何処までも涼しげなものだった。 その表情が、雄二の愉悦感を根こそぎ削ぎ落とす。 「その貌を、やめろって行ってんだろ!! お前、この俺が何か分かってんのか? 狼男だぞ、狼男! お前みたいな人間、この爪で、この牙一発でお陀仏なんだよ! どうだ、びびったか!? ――なら、その澄ました貌を止めろ!!」 我を忘れて激昂する雄二に、青年は初めて表情を変えた。さもつまらないと言いたげな、何処か侮蔑を含んだ目を向け――、 「違うな…」 ぼそりと、しかしよく通る声で青年は呟いた。 「お前は狼なんかじゃない。――ただの駄犬だ」 さも事実のように、簡潔に述べた青年の言葉に、雄二と青年の間にある空気が割れた。 身体を震わせる雄二は、カタカタと噛み合わない歯を揺らし――いちどだけ。歯を噛んだ。 「アンタ、殺してやるよ!」 雄二はアスファルトを踏みしめた足を膨らませ、弾丸のように青年へと飛びかかった。 人の肉眼では、プロの野球選手すら視認することが難しい、百五十キロメートルを超える超弾丸速。 十メートルという距離は、刹那の間にゼロと化していた。 必殺の手ごたえを持って、雄二は黒衣の青年に肉薄していた。 それも、直線ではなく必殺を期した二段階の直角軌道。 くの字を描くように、青年の前髪で隠れた視界から攻め込んだ雄二は――気がつけば、人とは思えない銀の三白眼に捕らえられていた。 「――えっ?」 自分の動きが見透かされている事への驚きか。それとも、その瞳を見てしまったがための、内に出ていた恐怖の自覚か。 何れにせよ、その声が――藤代 雄二の最後の言葉となった。 青年に爪を届かせる距離まであと五ミリという距離で、狼男の顔面が、横から振り上げられた黒い塊に殴り飛ばされていた。 自分が持つ速度をそのままに、軌道を逸らされた巨体は、そのまま青年の後ろにある木々へと突っ込んだ。 圧倒的な暴力で薙ぎ倒される木々に、気を失った狼男が、だらりと力なくぶら下がっていた。 骨を折る勢いで繰り出された一撃も、人ではない異形の存在には、脳震盪を起こすに留まっていた。 しかし、青年は構わないとでも言うように、狼男から視線を逸らすと、ベンチで倒れる女性――彩香へと歩き出した。 穏やかに眠る彩香の寝顔に、青年はどうしたものかと、困った顔をする。 その、感情らしい感情をはじめて浮かべた青年に――、 「ご苦労様です、沙耶”さや”」 突然現れた少女が、笑みを浮かべながら名を呼んだ。 ◇ 惨状の広がる公園に現れた少女――烽火“のろし”は、何処からか持ってきた毛布を抱えたまま、青年――沙耶”さや”の横を通り過ぎて、彩香の眠るベンチへと向かう。 沙耶の外套を抱きしめて眠る、無防備な彩香の姿を赤縁の眼鏡越しから見る目は、呆れた色を映し出していた。 それが同じ女としてのものなのか。それとも、自分より年上の人間のだらしなさに対する苦笑なのか。 烽火は乱暴に外套を彩香から取り上げると、それを沙耶に渡して持っていた毛布を代わりに掛けてやる。 一向に目を覚ます気配のない彩香を無視して、烽火は外套を着て皺を伸ばしている沙耶へと向き直った。 着直した外套のポケットから、沙耶は女物のハンカチを一枚取り出していた。 彩香が外套を抱きしめている間に、皺になったりしていないかと確認する沙耶に、烽火は今度は酷く冷めた視線を向ける。 それに気づいた沙耶は、黙ってハンカチをポケットに戻すと、思い出した様に木々に突っ込んだ狼男に向き直る。 「――また、外れみたいですね。これで十人目ですけど、思ったよりも相手は数が多いようですね」 不満そうな声を発しながら、烽火は伸びている狼男の方へ向き直る。既にその身体は獣のそれではなく、裸をあらわにした高校生の――人間の姿だ。 「《感染者》-フォースデーモン-の拘束、処理も勿論重要ですけど。今回は数を増やしているのは《真祖》-トゥルーデーモン-と思われる一人だけです。《真祖》自体を拘束しなければ、いつまでも《感染者》が増え続けることになります」 思ったよりも、面倒な任務になりましたね、と烽火は楽しそうに沙耶を見る。 「そんな事はいつもの事だ。それより、その肝心の《真祖》の匂いは覚えた」 「本当ですか!? いつもより時間が掛かってたんで、そっちの方は今回は当てにしてなかったんですけど」 沙耶が有する有益な特徴が、まだ発揮している事に烽火は喜んだ。 「この街は、異形の匂いが多すぎる」 「それは当然ですよ。全ての異形が集う始まりの地。そんな風に言われている街なんですから。 本当は私、こんな任務はとっとと終わらせて、会ってみたい人がいるんですからね」 「――“鬼殺し”の少女、か」 「そうですよ。本当はこんな任務、私の予想では十日ぐらいで済んでしまうはずだったんですから」 欧州からこの地へ逃れてきた異形――“狼男”と分類されるそれが、この天夜市にいることが分かってから。 その危険性と欧州側からの救援要請に急かされ、ちょうど休暇を与えられるはずだった一人の《傭兵》-マーセナリー-とそのパートナーが、何の因果か借り出された。 気乗りのしない《傭兵》の胸中を無視し、《討滅対象》-ターゲット-の潜伏先を知ったパートナーが、一言返事で返してしまった。 単純な任務だと、内容を見た傭兵も納得したが、蓋を開けてみれば、現状の様子だった。 当初は、日本に逃れたターゲットを追い詰めるだけと思われていたこの任務も、様々な不幸が重なって、思ったはかどりを見せていなかった。 「それで、あっちからの増援は何時来るんだ?」 「まだ内部抗争の事後処理に追われているみたいですね。増援組がこっちに着くのも、あと三日は掛かるかと…」 「――そもそも、あっちが主導で動くはずの任務だろ」 元々、沙耶たちは日本側での彼ら――“聖ラザロ騎士団”の後方支援――バックアップが任務であった。 しかし、いざ蓋を開けてみれば、欧州からやって来る《追跡者》-チェイサー-は、本部で起こった内部抗争に追われ出発を延期。天夜市に置かれているはずの支部もまた、本部の問題に掛かりきりで、こちらとの接触すら持たない。 「俺たちのことなんか、忘れてしまったようだな」 「統括組織内でも、早くこちらに合流するように言ってあるんですけどね。――ほら、あっちは独自色が強いですから」 騎士団内の派閥争いは、統括組織や協会本部側でも有名な話だ。 そもそも、今回の内部抗争も派閥争いの延長線上にあり、ある一派が、今回のターゲットを国外に逃した事による他派閥からの糾弾によって発展した抗争である。 「――迷惑な話だ」 沙耶の言葉は最もだが、いま言っても詮無いことである。 「――さて。とにかく、この《感染者》はこのまま組織に引き渡すとして…。 どうします、今日はもう戻りますか?」 烽火は、着ているコートから携帯電話を取り出すと、短縮ダイヤルを押しながら沙耶を見る。 烽火の提案に応じようと周囲をもう一度だけ辺りを見渡した沙耶は――、 「―――!」 一際強い風が沙耶たちの間を吹きぬけた瞬間、沙耶は微かに――しかし、確かにその匂いを嗅ぎ取った。 「まだ、奴らがいる。――それに、この匂い」 「――え?」 電話に集中していた烽火は、沙耶の言葉を聞き逃した。 しかし、烽火が沙耶に聞き返す前に、沙耶は烽火に背を向けると、雲ひとつない満天の夜空へと飛翔した。 ◇ 遊楽街に聳えるビルの屋上にたどり着くと、沙耶はそのまま次のビルへと飛び移る。 間隔、十メートル以上はくだらないビルとビルの間を、沙耶は何でもないかのように渡っていく。 冬の夜空を疾駆する姿に隙はなく、外套をはためかせる姿は、眼下を移動する人々の目には留まらない。 やがて、ネオンの明かりを失った土地にたどり着けば、ビルの姿はなくなり、綺麗に舗装された道が網目のように広がる住宅街へとたどり着く。 沙耶は、その家々の屋根を伝い、風に混じった匂いを追いかける。 そう。先ほど倒した獣じみた異形の匂いに混じって、つい先日記憶したあの太陽の様な匂い。 「―――!」 煉瓦色の屋根を飛び降りた先――先ほどの公園とは規模も金の掛け方も違う、何処にでもある小さな公園。 其処には、二つの人影があった。 一人は、近所の学校のものと思われる制服姿の少女。短く切った髪は、まるで怒りに逆立つように風に遊ばれている。 一見、華奢としか表現できない体躯のその少女は、自分と同じくらいの背格好をした少女を、その細い片腕で首を絞め、相手を持ち上げていた。 その栗色の髪と、苦しげに表情を歪める横顔に、沙耶は確かに記憶した通りの相手を認識した。 「―――!!」 沙耶は、恐ろしいほどの速さで――しかし、正確な動きでケースの留め金を外した。 幾度も繰り返された動作に、沙耶は意識することなく蓋を開ける。 赤い内色の中から顔を覗かせたのは、一本の刃を持った鉄の塊と、整然と並べられた金の薬莢の並び。 自分の腕以上はあるソレを取り出した沙耶は、剣と呼ぶにはあり得ない部分に手を添える。 人の拳ほどの大きさの――輪胴式の弾装。 大口径の銃弾を収めるドラムタイプのリボルバーを、沙耶は黒皮のグローブを嵌めた手で乱暴に開く。 収まっている六本の弾薬を確認した沙耶は、リボルバーを元に戻して刃を下に向けた。 そして、柄となる場所の上部に取り付けられた引鉄を――引いた。 夜気に混じる、凶悪な惨劇を告げる、乾いた三発の音。 激鉄によって撃ち出された弾は、刃の根に全て激突した。 全てが高速で撃ちだされ、そして、三弾異色の弾が、刃に降りかかる火花となって散った。 瞬間――それは起こった。 「え?」 人を持ち上げていた少女が、その異変に驚く。 それが起きた原因である沙耶に気づいた瞬間、それは全て終わっていた。 ◇ まず起きたのは、銃弾の衝突によって振動した刃だ。 黒と青と無色の火花を浴びた刃は、その白銀の鏡面を漆黒へと変えた。 夜気を照らした面は、全ての光を飲み込む闇となり、その刃を構えた沙耶は、首を絞める少女の腕へと切り払った。 間合いの外にあった少女の腕は、確かに間合いの外にあり――そして斬られた。 沙耶が繰り出した斬撃は夜の空間を割って、その腕を絶つ間合いへと飛んだのだ。 次元を超え、斬撃を届かせる。 そんな魔法染みた現象を起こしたのは、たった三発の銃弾。 そんなふざけたトリックによって自分の腕が切り落とされた少女は、その弾の価値を知ることなく、痛みと怒りの恐怖を沙耶へと向ける。 しかし、拘束を逃れて尻餅を着いた少女が、腕を切られた少女を見上げた時には、沙耶の漆黒の刃はその胸へと突き立とうとしていた。 沙耶が勝利を確信した一瞬――それは起きた。 「駄目ぇ―――!!」 突然声を上げた少女の声。 それが、大切な友人を守る一声であった時、沙耶の身にそれは起きた。 必殺の突きを決めるために踏みしめた足が、糸が切れたように力を失う。 突き立てるように込めた腕の力が、まるで見えない壁に阻まれる様に進むことが出来なかった。 驚いた沙耶は、叫びを上げ、自分たちを見上げる少女を見た。そこには、月光を反射する――、 「――涙」 それは、致命的な隙であった。 前髪に隠れた沙耶の視界から、無事な腕が沙耶の顔面へと伸びていた。 白い体毛に覆われた、爪の付いた腕。 そう。相手は異形であるはずなのに、自分はこの少女の叫びと涙に逡巡してしまった。 「――そんなはずはない!」 その様な感情――沙耶は、認めない。 だが、現実はまったくいうことを聞かない己の肉体だった。 そして、沙耶は全ての思考の終着点として、その爪が己の眼に突き立てられることを覚悟した。 -To be continued- - - - よろしければ、コメントをおねがいします。 「まだまだ拙いですが、温かく見守ってください by琥珀」 テスト -- (琥珀) 2009-02-05 02 51 20 テスト完了 -- (琥珀) 2009-02-05 16 36 51 テステス -- (グリム) 2009-02-14 23 37 47 初めまして、読ませて頂きました。 傭兵のように特定機関に属さない退魔士っていいですね。 浪漫です。 全体的な雰囲気がいい感じ。 沙耶の成り立ちも少しばかり気になるとこです。 続編お待ちしております。 -- (グリム) 2009-02-14 23 41 41 グリムさん、コメントありがとうございます。 一度のタイトルに長々と書くので、大変読みづらいなあと思います(苦笑) 一応、私は仕事をしていて、あまり執筆に時間をかけられない生活をしていますが、 月にひとつは出せるようにがんばりたいと思っています。 グリムさんの生み出した世界に、少しでも彩を添えられたら幸いです。 これからもよろしくお願いします。 閑話休題。 次の章。本編の話を今書いています。 2月中には出せるようにしたいと思っているので、 どれどれ、とお待ちください(笑) -- (琥珀) 2009-02-15 03 18 15 名前 コメント すべてのコメントを見る ※あと、普段のネットを携帯でおこなっているので、ircに参加する方法がよくわかっていません。 なので、ここでグリムさんたちからお言葉をいただけたら幸いですm(._.)m
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【作品名】ねこきっさ 【ジャンル】4コマ漫画 【先鋒】ティラノサウルス 【次鋒】ザッハトルテwith佐々木一郎 【中堅】ドラゴンバス 【副将】竜宮城withねこきっさ竜宮城臨時支店 【大将】空中レストランバビロン 【世界観】作中には、主な舞台となる魔界の他に、人間界、地獄道、餓鬼道、天界が存在する 各世界の広さに関しては ・人間界 人間界に行った時のドラゴンバスの目的地表示に「日本」、「中国」が登場し 源十朗が料理人修行で人間界にいる時に作った料理に「地球~我が第二の故郷~」という料理があることから、人間界の広さはどれだけ狭く見積もっても地球規模以上はあると思われる (源十朗の故郷は地獄にある) ・魔界 どれだけ狭く見積もっても ・ミレクリニック(ルーシアの家)~ねこきっさ東魔界支店間の距離が、ルーシアが普通に飛んで10分以内でたどり着ける程度 ・東魔界高校(ルーシアとクリムが通う高校)から「ドラゴンバスで3時間」かかる地点に「無良」がある ・また、無良の近く(修学旅行のコースに一緒に入る程度)に凶都があり、凶都にあるうずまき映画村では魔界で撮影される時代劇のほとんどが撮影される ・ねこきっさ東魔界支店~ねこきっさ南魔界支店間がぱくの足だと30分以内でたどり着くのは無理だが、墨を吐いてロケットのように飛べば30分以内にたどり着いて開店準備まで出来る程度の距離 ・「端から端まで歩くのに半日はかかる」という広さの魔界大学(魔界唯一にして最大の最高学府)がある(建物等の配置は現実の千葉大学西千葉キャンバスを大きさ相当まで広くした程度か) ・クリムの家が「森の結構奥にある」ため、「(ねこきっさ東魔界支店から)徒歩で行くにはなかなか遠い」程度の距離がある 以上の条件を全て満たす程度 ・地獄道 どれだけ狭く見積もっても温泉街程度 ・餓鬼道 詳細一切不明 ・天界 「あらゆる食材が無限に実る肥沃の地」であり、空中レストランバビロンで使用される食材は全てここから仕入れている、という設定があるため、それが実際に実行可能な程度はあるか ということが判明しているので、次鋒の全能の範囲は少なくとも上記全ての世界の合計程度はあると思われる 【共通設定】・オリハルコンの密度 クゥがマヤに指摘されるまでオリハルコンだと気付かなかった以上、喫茶店で使用される皿相当と思われる ・オリハルコンの攻撃力 ルーシアの肩の高さからオリハルコン製の皿を落とし、革靴を履いた鍛えた成人男性相当の足に突き刺さる ぱくがブレード部分がオリハルコン製(と思われる)スケート靴を履いて、スケートリンクとして使われている湖の氷上を歩き、氷を切断した クリムがオリハルコン製の斧で森の木を斬ったところ、あっさりと切断するだけでなく、手からすっぽ抜けた斧がそのまま周囲の木を切断し続け そのまま切断した木の生き埋めになり、丸二日木に埋もれた状態で過ごすことになった ・オリハルコンの皿の防御力 マヤによって壁に投げられても、割れないどころかひびも入らなかった 超満潮:100年に一度発生するすごい満ち潮のこと 沿岸部からある程度離れた場所にあるねこきっさ東魔界支店の1階部分が完全に水没し、ねこきっさ東魔界支店から結構離れた森の奥にあるクリムの家(一階建てのログハウス)が ねこきっさ東魔界支店の近くまで流れてきた なお、テンプレ内に登場する建造物は、全てこの水圧に耐えられるものと思われる(魔界建築基準はこの水圧を想定しているため) ちなみに、ねこきっさ東魔界支店の一階部分は、源十朗より大きめの鬼が前傾姿勢にならずに行動可能な程度の高さがある 【先鋒】 【名前】ティラノサウルス 【属性】ティラノサウルスの霊が宿った、ティラノサウルスの化石(全身像) 【大きさ】ティラノサウルスの全身の骨格相当 【攻撃力】ティラノサウルスの噛む力は8tに及び、鉄格子も噛み切れる 【防御力】ティラノサウルスの骸骨相当 【素早さ】ティラノサウルス相当 【特殊能力】長い時を経て、知性を得ている(少なくとも人間相当はある) 【長所】噛む力 【短所】成仏した 【備考】骨動物園の特別従業員 【戦法】噛みちぎる 【次鋒】 【名前】ザッハトルテwith佐々木一郎 【属性】猫人(勇者)とランプの魔人 【大きさ】成人男性相当 【攻撃力】猫魂:日本刀(妖刀) 勇者以外の者が身につけると、徐々に生気が吸われ死に至る 刀としての攻撃力は、刃の部分が半分ほど欠けた名刀相当か 素の攻撃力は成人男性相当 【防御力】猫なので、体温調節が苦手(呼吸でまかなっている) カラスの飛んでいる高さから落下しても無傷 超満潮に耐えられる強度の塀を貫通する勢いで放たれたスイカの種が頭に直撃して気絶(17日後には頭からスイカが生えた) 2~3mほどある大きさの炊飯器に閉じ込められ、その状態で坂を転がり落ちても、死にはしなかった 日本刀が頭に突き刺さっても行動可能 中堅に丸呑みされても、消化されずに下から脱出できる(内臓構造等は大きさ相当のワニと同じか) エレベーターに押しつぶされても死にはしなかった 爪に火を灯しても普通に行動可能(文字通りの意味で、左手の全ての爪が点火している) スケートリンクとして利用されている湖で、ウェットスーツとシュノーケルという装備で素潜り可能 【素早さ】5mほどの距離からマヤが放った臼と杵で搗いた餅を、手に持った鎌で切り餅サイズに切り分けることが出来る(切り分けられた後に餅は落下していた) サンタクロースの衣装を着たまま、屋根の上を跳び回れる 勇者加速(ユーシャアクセル):ただ速く走るだけ 「速さで誰にも負けたことがない」という自称があり 「漆黒の弾丸」というあだ名が付けられた(ただしこちらも自称)ということから考慮すると、大きさ相当の猫より速い程度か (長距離移動の際にこの技を使おうとしたため、ここでは移動速度とした) 【特殊能力】猫族のため、頭が通る隙間さえあれば体も通る 魔法のランプ所持 魔法のランプからは、佐々木一郎(3メートルほどの、7・3分けでスーツ姿の魔人)が出て来る 佐々木一郎は ・法的、人道的に禁じられていること ・三大原則 以外なら願いを3つまで叶えることができる 【長所】ランプの力で砂漠に囲まれた最果ての洞窟から生還した 常人より速い反応の任意全能 弱いキャラとして描かれているため、描写が拾いやすい 【短所】ランプの力で砂漠に囲まれた最果ての洞窟に戻された 妹(青葉クゥ)に避けられている 実際に願いを叶えるのは佐々木一郎の方なので、結局常人反応相当になる 佐々木一郎はカレーで死にかけた 【備考】三大原則:魔人が決して叶えられない三つの項目のことで ・生き物を殺すこと ・恋愛感情を操ること ・死んだものを生き返らせること を指す 佐々木一郎は常人反応で、指を振ることにより願いを叶える 【戦法】ランプの力で勝利を願う 【中堅】 【名前】ドラゴンバス 【属性】ドラゴンバス 【大きさ】路線バスの3倍くらいの大きさのあるドラゴン 【攻撃力】炎を吐くことが出来る 射程は自身の全長ほどで、威力は遠く(少なくとも自身の全長程度は離れている)から見て仕掛け花火に見える程度 寝返りで、周辺のビルを破壊できる 羽ばたきによる風圧で、木の枝にすずなりになって乗っている猫を片っ端から落とせる 体当たりで、ねこきっさ東魔界支店の壁に大きな穴を開けたことがある 綱引きの際、尻尾を動かすだけで源十郎を含む相手チーム全員を跳ね飛ばした(綱は尻尾に結びつけられており、相手チームは源十郎含めて少なくとも7名いる) 【防御力】大きさ相当か 【素早さ】現実世界のバスと同じくらいの速度で空を飛べる(高度は飛行機よりは低いくらいか) 木の上から落下した猫を着水前にキャッチできる反応速度(超満潮時のねこきっさ周辺での出来事) 【長所】デカイ 【短所】メインキャラを副将に乗せる関係で、単独で参戦するはめに 【副将】 【名前】竜宮城withねこきっさ竜宮城臨時支店 【属性】旅館(元お城)とそこの家族と従業員とそこで臨時営業した喫茶店とその従業員 【大きさ】和風の城を頭に乗せたタコ相当 【攻撃力】足を水面に叩きつけることにより、海を幅は自身の全幅の7割強程度、長さは幅の5倍以上の範囲にわたって割ることが可能 【防御力】基本は大きさ相当のタコ並 それ以外(頭の上の竜宮城含)は少なくとも水深200m程度の水圧には耐えられる 【素早さ】大きさ相当のタコ並 【特殊能力】全体に魔法がかかっており、旅館内に海水が入ってくることはない (少なくとも水深200m程度の水圧には耐えられる) AEDとして電気クラゲを大量完備している 【長所】デカイ メインキャラ勢ぞろい 【短所】こうまでしてメインキャラ出したかったのか? 電気クラゲは毒クラゲの別名で別に電気は出さないんだけどな… 【備考】100年に一度起こるという「超満潮」の際のねこきっさ竜宮城臨時支店が開店している状態で参戦 中にいるキャラは参考テンプレ1~9参照 【大将】 【名前】空中レストランバビロン 【属性】天界からやってきたレストラン 【大きさ】少なくとも各種類の料理の専門店+休憩所+エステ店+マッサージ店+露天風呂+宿泊施設+それらを繋ぐ廊下相当はある (出現してから一週間で街全体の人がバビロンに行く関係で消えたため、どれだけ小さくてもそれだけの人数を収容できると思われる) 【攻撃力】【防御力】大きさ相当の建造物程度はあると思われる 【素早さ】雑巾が40cm程度落下する程度の時間で、バケツの直径程度の距離は飛行可能と思われる 反応速度は常人相当か 【特殊能力】高度100m以上の地点を飛行している 飛行できない種族でも、底部から射出される光線に乗ることにより、中に入ることが可能(出る時も同様) 【長所】「あらゆる食材が無限に実る肥沃の地」である天界から食材を仕入れているため、全サービスを無料で受けられる 【短所】金の力に負けた 【備考】オーナーおよび従業員は天使族(羽根と頭の輪以外はテンプレ上人間と大差ない) 【戦法】基本体当たり、何があっても光線は出さない 【参考テンプレ1】 【名前】大津ぱく 【属性】タコ魔族 【大きさ】小学校中学年程度の女児(実際には20歳)相当 【攻撃力】5メートル近く離れたねこきっさ東魔界支店の壁を貫くほどの勢いでタコ墨を吐く 軽くタコ足を払うことにより、ミルクを弾き飛ばせる タコの吸盤の力により、天井に張り付いたまま歩くことが可能 全身を縄でがんじがらめに縛られても、無理矢理引きちぎることが可能(タコの柔軟な肉体のほとんどは筋肉で出来ているため) 出刃包丁で自分の腕を切り落とせる 【防御力】基本は体積相当のタコ並 錐揉み回転による摩擦で自身に着火した際、黒焦げになるものの、行動可能 クリムの持つ鉄製の斧が頭上に落下した際は、頭で一回バウンドした(ダメージ自体はなし) タコの吸盤により、ルーシアとクリムが鯉のぼりの鯉のようになるほどの風の中を普通に歩行可能 スケート靴のブレードで脚を切断しても、そのまま行動可能 腕が熱々のステーキの鉄板に長時間(動かしづらくなる程度)触れていても、本人は鉄板に触れていることすら気付かなかった 【素早さ】運動の苦手な大学生相当か 【特殊能力】タコなので、骨、痛覚がない タコなので、心臓が3つある タコなので、猫が食べるとお腹を壊す タコなので、一度に3万~6万個のタマゴを産む 擬態能力:自らの姿をその場に合った姿に自由自在に変えることが出来る 大学の授業の代返が複数人分出来る程度の時間で姿を変えることが出来る (ただし、体積相当までの大きさでしか擬態できない上に、ディテールが細かいものに擬態するのは大変らしい) なお、気を抜くとすぐに保護色で見えなくなる 再生能力:腕などを切り落とされても、再生する 基本は短時間で再生するが、顔相当にまで小さくなった時は、倍近くの体積まで回復するのに数日掛かった 一族の共通設定として、年をとるごとに大きくなる(現在20歳で、100年後には1.5倍の大きさになる) 船底に張り付いて「ヒッチハイク」をした事がある以上、水中でも行動可能と思われる(というより実家である竜宮城が海の中にある) 【長所】再生能力 最終的には妊娠してる 【短所】テンパると墨を吐く癖がある 【参考テンプレ2】 【名前】ぱくの父 【属性】タコ魔族 【大きさ】足の先端部のみで成人男性相当の体積があるタコ 【攻撃力】【防御力】【素早さ】体積相当のタコ並み 【特殊能力】怒り狂うことにより、海は荒れ、海底火山は噴火する 一族の共通設定として、年をとるごとに大きくなる(詳細は大津ぱくのテンプレ参照) 擬態能力:自らの姿をその場に合った姿に自由自在に変えることが出来る(保護色で見えなくなることも可能) 身体の一部のみを擬態することも可能 【長所】デカイ 擬態能力 【短所】親バカ 【参考テンプレ3】 【名前】ナツメ 【属性】元・吸魂人形 【大きさ】日本人形相当 【攻撃力】障子に指で穴を開け、障子を破壊した(本人曰く、「ちょっとしたコツ」らしい) 【防御力】中に96203円(全て小銭)入った状態でベビー用椅子から落下しても、無傷のまま人形のふりを続けることが出来る ぱくの墨(描写上垂れ流し状態になっている)を目の辺りに受けても、視界を奪われるだけですむ 【素早さ】中に96203円(全て小銭)入った状態で、自身の全長の2~3倍程度の距離を跳べる 中に8290円(こちらも全て小銭)入った状態でもクゥとルーシアが息を切らすほどの速度および距離を飛行可能 参戦時は小銭が入っておらず、その代わりに体積相当の海水が入っている 【特殊能力】後頭部にある穴から魂を吸うらしいが、描写が一切無いので考慮不可か 【長所】魂を吸える 【短所】魂を吸った描写なし 物理的に満たされている 【備考】参戦時の状態では本編では一切登場していないが、作者がHP上で「あの大人数を収容している中あくせく働いてた」とのコメントを残したため 「実際に中にいる設定がある」とみなし、参戦している 【参考テンプレ4】 【名前】鬼瓦マヤ 【属性】ねこきっさ東魔界店副店長兼経理(ドラゴン) 【大きさ】ドラゴンの尻尾と角の生えた成人女性相当 【攻撃力】30センチはあるゴキブリを踏み潰せる 非常食用の缶詰程度なら、缶切りを使わずに開けることが可能 イノシシやクマなら、特に苦戦することなく退治することも可能 ホオジロザメとの水中戦も、「さすがに危なかった」くらいで、退治自体は可能 自身の誕生日ケーキに刺してあるロウソクの炎を、数回(少なくとも5回以上)に分けて吹き消せる (ケーキは少なくとも5段重ねで、ロウソクはケーキの側面にも刺さっており、端から見るとケーキの直径の8~9倍ほどの高さの火柱にしか見えない) バナナの皮で転び、ねこきっさ東魔界支店の壁を突き破ったことがある 口からスイカの種を吐き出し、超満潮に耐えられる強度の塀を貫通した 【防御力】クゥが何度もビンタしても、一切反応なし 業務用冷凍庫の中で冬眠しかける ベニテングダケ(毒キノコ)を普通に食べることが可能 尻尾を切られても、「ちょっと痛い」と感じるくらい(3ヶ月ほどで元に戻る) 源十郎より一回りほど大きい魔獣に何度も囓られて無傷(囓る際に「ゴリゴリ」という効果音がしていた) 包丁で指を切断し、絶叫するだけ 【素早さ】リレーのバトンパスの際、隣のレーンの相手と 隣「どうやら…勝ちはいただいたようじゃのう…」 マヤ「あんまり油断してますと、後でほえ顔をかくことになりますよ」 隣「フッ…ホネ顔は生まれつきじゃあ」 という会話を0.5秒で行い、しかもこの間に隣のレーンの相手のバトンを掏りかえることが可能 移動速度は運動神経の良い成人女性相当か 【特殊能力】クシャミをすると炎を吐く(そのような癖がある) 範囲は5メートル前後で、自身の入った棺おけを中から燃やすことが可能なほど 殺気のみで死の映像を与えるらしい クゥがマヤの誕生日会の様子をクリムとルーシアに伝えた時は、マヤが「3本ローソクが多い」と言った後からは幻が見えていたらしく、それ以降の様子は語れなかった 度を超して怒ると高熱を発する 温度としては、5m程度の距離にいるルーシアが「空調が壊れている」と感じるほどで、2m以内に近づくとルーシアは思わず逃げ出した また、この際手に持っていたコップ1杯の水が沸騰していた 自身の使用していた(と思われる)子供服が風化した以上、実年齢はそれ相応はあると思われる(ただし、作中では彼女の年齢に関する話はタブーとなっている) 【長所】その尻尾と角は伊達じゃない! 【短所】業務用冷凍庫で冬眠しかける 空は飛べない 自分の母子手帳を発見するまで、自分の年齢を間違えていた(しかもその母子手帳が古代文字の書かれた石碑のようなモノ) 画力が小学校一・二年くらい(by.ルーシア) 【参考テンプレ5】 【名前】鬼瓦源十郎 【属性】ねこきっさ東魔界店店長兼料理長(鬼) 【大きさ】3メートル程度 【攻撃力】台座に突き刺さった包丁(「今まで誰も抜いたことのない」と書かれている以上、常人の力では抜けない程度か)の柄を 片手で持ち、台座ごと持ち上げることが可能 (ちなみに、包丁も台座もオリハルコンで出来ている) 非常食用の缶詰程度なら、缶切りを使わずに開けることが可能 鉛製の防護服や防護メット等(自身の体重も含めて総重量1tにおよぶ)を身につけて行動可能 【防御力】銃弾程度なら軽く弾く 豆腐が後頭部に直撃し、気絶した(鬼のため豆に弱い、という設定らしい。なお、味噌汁を作っている描写があるため、直撃しなければ問題ないか) 自身より一回りほど大きい魔獣に何度も囓られて無傷(囓る際に「ガキーンガキーン」という謎の金属音がしていた) 落花生を食べて気絶(東北など一部地域では節分に大豆ではなくピーナッツをまくため、という設定らしい) たった一人で客のこない喫茶店に丸一日取り残されて、落ち込んでいた(ただし空気は重くなっていなかった) 【素早さ】マヤの5メートルほど前方にいる状態で、マヤが「お友達からでよければ…」と言っている時間でマヤの背後に回りこみ、尻尾を切断可能な反応速度 海底を魚と同じくらいの速度で走ることが可能な水中移動速度 陸上での移動速度は、「見かけによらず速い」とのことなので、大きさ相当の一般人より速いくらいか 【特殊能力】閻魔大王の賽の河原時代の先輩(どうやら作中で鬼は昇進制らしい) スランプなどにより度を超して落ち込むと、周囲の空気が「文字通りの意味で」重くなる 範囲は広く見積もって喫茶店の厨房相当で、描写上落ち込んだ度合いによって重さは異なり、光が逃げ出せないほど重くなったこともある 地獄時代は鬼たちの炊事当番で、作った料理の匂いが地獄道を包み、餓鬼道まで届いていた 【長所】台座ごと持ち上げる攻撃力 【短所】豆腐の角に頭ぶつけて気絶 ハゲを気にしている(「激しく」や「アメリカン」に反応し、「現実逃避はもうだめ」を「現実頭皮はもうだめ」と聞き間違えるほど) 空気が一番重くなった原因が「妻の年齢を間違える」というもの 【備考】このテンプレの攻撃力欄にある包丁および台座が、後に共通テンプレの「オリハルコンで出来た皿」になる 短所欄の「アメリカン」とは、「アメリカンコーヒー(薄いコーヒー)」のこと マヤと源十郎のテンプレに登場する「魔獣」は、最終的には仕留めているのだが、マヤと源十郎のどちらが仕留めたかは不明 【参考テンプレ6】 【名前】ルーシア・ミレクリス 【属性】ヴァンパイア系3世 【大きさ】小学校低学年相当(実際には高校生) 【攻撃力】ヘッドスライディングの要領でミルクを突き飛ばしてねこきっさ東魔界支店のガラス(描写上表に面している)に直撃、大破させ、ミルクに生死の間を彷徨わせた ミルクが押しつぶされるくらいの重さのアルバムを持って、ねこきっさ東魔界支店~自宅間を超音速で移動できる 静電気で自宅玄関の扉を破壊した事がある 全治1ヶ月の怪我をした状態のクゥを背負って空を飛ぶ事が出来るが、重さの関係で地上25cmの高度しか出せなかった(最終的には地面に擦るような高度になっていた) 【防御力】走行中のドラゴンバス(背中に学校で借りるような大きさのバスを乗せた、バスの3倍くらいの大きさのあるドラゴン)の屋根の上で3時間風を受け続け、ダウンしかけていた 3mほどの大きさの炊飯器に閉じ込められ、炊き出されてもホカホカするだけですむ 頭の上のアホ毛(描写上一本の髪の毛)に鍛えた成人男性の力で投げられた野球ボールが直撃すると、行動不能になる 熱帯夜の日に、棺桶の中で安眠できる(この棺桶は、超満潮の際に海に投げ出されても浸水せず、そのまま漂流できる程度の気密性がある) 3mほど離れた位置にある、虫を気絶させる超音波を発生させる装置のスイッチが入って、気絶した(耳からは大量出血した) 源十郎の周囲の空気が光が逃げ出せないほど重くなった時に、喫茶店で使用するお盆半分程度の距離にいて無事に逃げ出せた(持っているお盆は半分ほど巻き込まれたが、手に違和感を感じる程度で無傷) 花見の夜に、洗面器一杯分の石鹸水を頭から浴び、風邪を引いた 喫茶店で使用される照明(大分熱を帯びている)にしがみつき、多少は耐えられる(最終的にはかなり熱がる) 1mも無い程度の距離から放たれたぱくの墨を顔面に喰らい、墨まみれになるだけ 超満潮に耐えられる程度の強度がある水道管やガス管に穴を開けられる八太郎(カラス)の羽根を6枚ほど喰らって、墜落した エレベーターで1階から837階まで一気に上っても酸欠状態にならない(837階にはドラゴンバスが直立でいられる程度の高さがある格納庫があり、そこで勤務する新人が高山病になる程度の高度がある) 【素早さ】通常時は歩くよりは多少速い程度の速度で飛行可能 しかし、その気になれば音速の壁を越えることも可能 (走る速度は走るのは好きだがマラソンは苦手な女子高生相当か) 自身とほぼ同じくらいの大きさのクラゲの触手を、1mも無い程度の距離でギリギリ回避可能 【特殊能力】針金一つあればピッキングをすることが可能 学校の正面玄関くらいなら52秒で開錠可能 超音波(コウモリ)能力:超音波を放ち、周囲の様子を探ることが可能 範囲は数メートル程度で、物陰に隠れた人間の内臓の異常をも探知することが可能 吸血鬼の血が薄いため、吸血鬼らしい弱点(日光、ニンニク、十字架等)はない 【長所】超音波 吸血鬼らしい弱点が無い 【短所】いろいろと小さいのを気にしてる 履歴書を捏造している(身長とか胸とか) アホ毛という弱点丸出し 蛭相手に吸血対決で負けた 【参考テンプレ7】 【名前】クリム・フォウル 【属性】ワーウルフ 【大きさ】狼の耳と尻尾が生えた女子高生相当 【攻撃力】イノシシやウサギ、魚を「お弁当」として「生きたまま」食べているため、少なくともこれらを同時に持ち運べるだけの力はある 川魚(種類は不明だが、30センチ以上はある)を、それを銜えた狼ごと釣り上げることが可能 試食用の爪楊枝を口にくわえた状態でくしゃみをし、車の上にいる演説中の代表(成人男性相当か)に爪楊枝が突き刺さり、一撃で気絶させた 【防御力】3メートルほどの大きさの炊飯器に閉じ込められ、炊き出されてもホカホカするだけですむ ベニテングタケ(毒キノコ)を普通に食べることが出来る 森の中で野生の熊に襲われて、全身擦り傷だらけになる(中には逃げる最中についた傷もある) クゥが二日酔いになる程度の量のウーロンハイを飲んでも、翌日普通にバイトが出来る 【素早さ】落ち葉で地面が覆いつくされた森を全力で走ると、通った場所の落ち葉が舞い上がり道ができるほど 時速30キロで一晩中走れるスタミナを持つ 毛糸の一方が体に結びつけられた状態で、もう一方に結びつけられたルーシアが宙を舞うくらいの速度で移動可能 反応速度はオオカミ並 【特殊能力】裸眼の視力がかなり悪いが、おおよその輪郭と匂いで判別可能(それによると、ルーシアは「おいしそう」らしい) また、矯正後の視力は抜群に良く、小学生時代に、ペース配分を一切考えずに一時間ほど走り続けて「あと半分くらい」の距離にいる、倒れた人間を見つけることが出来た(この時点でかなりバテていた) 骨だけで生前何の生き物だったかが分かる 【長所】凄い嗅覚 凄すぎる矯正後の視力 【短所】ひどい花粉症(ガスマスクのようなものを装着するほど) 種族が絶滅の危機に瀕している バイトのきっかけが「店頭の食品サンプルを弁償するため」 【参考テンプレ8】 【名前】青葉クゥ 【属性】猫人 【大きさ】ネコの耳と尻尾の生えた女子中学生並み 【攻撃力】ドラゴンバス(路線バスを背負ったということ以外は中堅と同じか)の座席を何度も叩いて、ドラゴンを脳震盪にさせた オリハルコンで出来た皿を投げ、次鋒の持つ日本刀を真っ二つに折った ルーシア、クリム、ミルクと彼女達の荷物が入った炊飯器(の着ぐるみ)を着たまま普通に行動可能 ねこきっさ東魔界支店の壁を引っ掻き、爪痕を残せる(当人は無意識で引っ掻いている) 500円玉(銅5.0g、亜鉛1.4g、ニッケル0.6gの金属片)を踏みつけて、床にめり込ませた 【防御力】猫なので、体温調節が苦手(呼吸でまかなっている) 攻撃力欄のドラゴンが飛んでいる高度から源十郎に肩車されているミルクの頭の上に真っ逆さまに落下しても、軽症で済んだ ミルクに擬態しているぱくを頭の上に乗せたところ、重さの関係で首をやられ、数分気絶した 多少ならばチョコレートを食べても平気(チョコレートは猫にとって有毒であるテオブロミンを含んでいるが、このサイズなら多少は平気) 万華鏡に見せかけた望遠鏡で太陽を直視し、激しく暴れ回る 超満潮に耐えられる程度の強度がある水道管やガス管に穴を開けられる八太郎(カラス)の羽根を喰らって、痛がるだけ 【素早さ】2mほど離れた地点から放たれたぱくの吐くタコ墨を、間一髪で回避することが出来る反応速度 移動速度は女子中学生相当か 【特殊能力】猫人なので、猫と会話が出来る(但し、彼女の猫語は訛りがひどいらしい) 猫なので、霊が見える 猫族のため、頭が通る隙間さえあれば体も通る 猫なので、ごく僅かな光でも感知できるくらい夜目が利く(この状態で懐中電灯を向けられると、目が眩む) 【長所】主人公 最終的にはねこきっさのオーナーになった 【短所】度を越した守銭奴 【参考テンプレ9】 【名前】ミルク・シルフィード 【属性】猫 【大きさ】30センチ程度の猫 【攻撃力】アルマイトのお盆に入ったアイスコーヒーを配膳可能(ただし、作業効率は凄く悪い) 【防御力】全身ワックスまみれにされ、モップ代わりにされた挙句、そのまま長時間(ワックスが固まるくらい)放置され、その状態で洗濯機に放り込まれ、洗濯されて重傷を負う 業務用冷凍庫の中でカチコチに凍り、その状態で釘を打たれ(「バナナで釘を打つ」のバナナのような感じ)無傷(ただし解凍するまでは行動不可) 3メートルほどの大きさの炊飯器に閉じ込められ、炊き出されてもホカホカするだけですむ シガレットチョコで一服(多少銜えた程度か)して気絶(チョコレートに含まれるテオブロミンが猫にとっては有毒) 寝ぼけた状態でトイレに流されても、マンホールから脱出可能 幼児用椅子の上からナツメ(この状態では小銭のみで96203円入っている)が頭の上に落下しても、痛がるだけ オオクワガタに前足を挟まれ、そのまま振り回されても絶叫するだけ クゥが開けたシャンメリーの栓が顔面に直撃し、大量の鼻血を流す ドクターフィッシュが放たれている足湯で溺れ、全身をドクターフィッシュに食べられて、騒ぐだけ クリムによって釣り針に刺され、そのまま川に放り投げられても、凍えるだけ(少なくとも放り投げられるまで釣り針に刺さっていることに気付かなかった) 人混みの中で、「文字通りの意味で」踏んだり蹴ったりな目に遭い、重傷を負っても、翌日には普通に仕事が出来る 掃除機のホースに閉じこめられても、かなり苦しみながらなんとか脱出できた ボウリング場のボールに顔全体を銜えられ、その状態でクリムにボールを振り回され、絶叫する ベンチ型ハエトリソウ(大きさはベンチそのもの)に閉じこめられ、軽傷を負う 掘り炬燵の中に一晩放置されて、干涸らびた 【素早さ】草野球の際、ピッチャー(鍛えた成人男性相当か)が投げたデッドボール狙いの球を9イニング終了まで全打席で避けきれる反応速度 移動速度はクリムとほぼ同じ程度か 【特殊能力】100年後には猫又になる(が、テンプレ的にあまり意味は無い) 人間の言葉を話すことが可能 「A5ランク和牛を遙かに超えた伝説のアヴァロン・ミート」と言われている(ミルクの入った風呂の残り湯をクゥとルーシアが飲んで「おいしい」とコメントした) 猫なので、霊が見える 猫なので、ごく僅かな光でも感知できるくらい夜目が利く(この状態で懐中電灯を向けられると、目が眩む) 【長所】24歳独身 猫のわりにハイスペック 色々と悲惨な目に遭っている分、防御力が上がる 【短所】人間年齢に換算すると約112歳 愛煙家 バイトの同期のクゥがオーナーになっても、まだ研修期間のまま 将来的には量産される可能性大(遺伝子工学的な意味で) 参戦 vol.88 22-28,250,578 修正 vol.103 553-564,566-567
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燃ゆる剣―騎士とクウガと ◆2kaleidoSM 川の中はそう深くもなく、ただ若干の濁りが視界に悪い。 もし飛び込んだのがただの人間であれば、まさに一寸先は闇といったところだったかもしれない。 だが、今この水中にいるのはただの人間ではない。 ある程度視界が悪くても、クウガの感覚を持ってすればどうということにはならない。 ペガサスフォームであれば、あるいはさらに視界の確保もできただろうが、ともすれば戦闘になる可能性もあるのだ。小回りの利く形態のほうが望ましい。 そして、小野寺ユウスケは水中においてその存在を認め、確認した。 (あれは…、バーサーカー?!) そこにいたのは、病院でグリードとの戦いの中で共闘した、切嗣と去ったはずのサーヴァントの姿。 黒き鎧には何重にも巻かれたワイヤーが絡まり、身動きを封じている。彼の装備を考えれば、今の状態で自然に浮き上がるのは難しいだろう。 そして、彼のそんな姿を見て一人の存在が気に掛かった。 バーサーカーがここで沈んでいるということは、衛宮切嗣は一体どうしたというのか。 少なくともこの付近にはいなかった。ではバーサーカーと切嗣は離れて行動しているということになる。 もし彼の身に何かあったのなら、と心中に嫌な予感が漂ってきた。 「待ってろ、すぐに助けてやるからな」 水中というのは、空気中よりも音の伝達が早い。 バーサーカーの、言葉にならぬ叫び声は大きな衝撃と共にユウスケの耳に届いている。 接近し、ワイヤーに手をかけるが、その固さは想像以上だった。 ユウスケは知らないことだが、それは対グロンギ用の武装の一つ。生半可な力だけでは引きちぎることは難しいのだ。 「くっ…、こうなれば――超変身!!」 腰に手を翳し、その体の色を変えるクウガ。 目の色が変わり、赤き体は紫の堅牢そうな鋼の鎧となる。 仮面ライダークウガ・タイタンフォーム。 例え、いかに力を加えようと切れないワイヤーであったとしても、刃物をもって斬られた場合、耐え切れるものではない。 川底に落ちていた1本の木を拾い上げると、その木の棒は大きな両刃の剣に形を変える。 そして、ユウスケはそれを振り下ろし、一刀の下にバーサーカーを拘束していたワイヤーを切断した。 「よし、これで大丈夫だ。切嗣さんのところへ―――」 それが、バーサーカーの狂気を縛っていた鎖であったことにも気付かずに。 「■■■■■■■■■■■ーーー!」 咆哮と同時に、全身に巻きついたワイヤーを振りほどいたバーサーカーは。 その背後に現した門、その中の剣を、ユウスケに向けて射出した。 「な…!」 味方だと思っていた存在からの、不意を撃つ形での攻撃。 幸い、門を投影してからの射出までにタイムラグがあったことが彼の命を救った。 飛んできた3本の剣をタイタンソードで弾き飛ばす。 「止めろ!俺だ、小野寺ユウスケだ!お前の敵じゃない!」 「■■■■■■■■■■■ーーー!」 動揺のままに叫ぶユウスケの声は届かず、バーサーカーはその門から取り出した1本の剣を手に、クウガに斬りかかった。 水中という環境では思うように剣を振るうことができない。対してバーサーカーは水の抵抗など何のそのと言わんばかりの連撃を繰り広げる。 元々味方だと思っていた相手からの攻撃、そして水中という環境がクウガの全力を出させないでいた。 タイタンフォームの鎧にバーサーカーの連撃が、剣の射出が突き刺さっていく。 しかし、ユウスケとて多くの世界を巡り戦ってきた戦士。そのままやられっぱなしでいるわけにもいかなかった。 長期的な観察により、バーサーカーの攻撃の癖のようなものを、微かにだが掴む。 連撃の中に大振りの一撃が混じる瞬間。 敢えて、しかしダメージは最小限に抑えられるように攻撃を受ける。 そのまま剣を掴み、残った手でタイタンソードを振りかざした。 巨大な金属音と共に吹き飛ぶバーサーカー。 ある程度距離が取れたこのタイミングがチャンスだ。 「超変身!!!」 傷だらけでヒビも入った紫の鎧は、青くスマートな肉体へと姿を変える。 水を司りし形態、ドラゴンフォーム。 タイタンフォームではまともに動けない水中でも、この姿であれば少しは話が変わってくる。 手の大剣は長い棒状の武器に姿を変える。 剣の射出を持ち前の素早さで避け、眼前に迫った剣戟はドラゴンロッドで受け流す。 しかし、身軽となった反面、決定打には欠けるこの姿。いくら攻めどもバーサーカーを止めるほどのダメージは与えられずにいた。 (一体切嗣さんに何があったん…―――) と、目の前で射出されようとしていた門の射線上、それは水面、陸上に向いたものだった。 この向きで剣が発射されれば、その先にいるのは――― 「まずい!」 ユウスケは川底を蹴り、水面に向けて飛び上がったと同時。 小さな金色の短剣のような武器が、金色の門より飛び出した。 ◇ 人間であれば潜水の名人といえども限界であろう時間が経過してもまだ、小野寺ユウスケは浮上してこなかった。 それどころか、金属音やうなり声が陸上までも聞こえてくる。 あの水中にいたのは敵であったということは疑いようがなかった。 では、自分達はどうするべきなのか。 水中に飛び込んで彼の援護をする?いくら千冬とて水中での白兵戦経験などない。 下手に戦いに飛び込めば足手まといとなる可能性もある。 音と衝撃が聞こえてくるということは、まだユウスケは生きて戦っているという証。 今は彼の無事を信じて待つしかない。 「オルコット、もしもの時は頼めるか?」 「――その、ブルー・ティアーズは今ダメージを受けてまして、今しばらくは調子が……」 「そうか、だがまあ念のためだ。持っておけ」 そう言って、千冬はセシリアに30枚のセルメダルを預けた。 もし戦闘まではできなくとも、逃走くらいは可能なはずだ。 「でも、織斑先生は大丈夫なんですの…?」 「私にこいつがまともに動かせるかは分からんし、最悪この剣だけでも凌いでみせるさ」 本来なら無謀としか思えない、しかしそれができうる人だということはセシリア自身はっきり分かっていた。 だからこそ、タイミングが重要なのだ、と。そう思った瞬間だった。 水面から二つの何かが飛び出すと同時、二人の目の前で大爆発を引き起こしたのは。 水柱と熱が視界を覆う中、それらから身を挺して庇った何者かが、目の前に降り立った。 「小野寺!何があった?!」 「バーサーカーです!体を縛られて沈んでいたところを助けたんですが、こっちに襲い掛かってきて。 俺が引きつけますんで、千冬さんとセシリアちゃんは離れていて下さい!」 と、水面から飛び出した黒き鎧の騎士に対し、爆風を防いだことでボロボロになったドラゴンロッドを投げつけ気を引いたユウスケ。 そのままドラゴンフォームの脚力を生かしてバーサーカーから離れ。 バーサーカーはそんなクウガを追って駆け出した。 「待て、小野寺!!」 「知り合い、ですの…?あの黒い鎧の方と…」 「少し、な。だが何やら様子がおかしい。 小野寺を追うぞオルコット。何か嫌な予感がする」 ◇ 特に逃げる道は決めていない。 唯一指針があるとすれば、あの二人から離れられればと思っただけだ。 そこで彼をどうにか取り押さえる。その後切嗣さんの安否を確かめるのだ。 コアメダルも既に消費済み。持つ限りはどうにか離れなければ。 さっきの二人を救えたという安堵の中、僅かにメダルが増えたのを感じたのは幸いか。 ドラゴンフォームの脚力で走るクウガにも負けない速さで追いすがるバーサーカー。 速く逃げるとはいえ、直進していてはいい的だ。 現在地の森という環境を生かし、木々の隙間を変則的に移動。 そして、そんなユウスケの下には多くの武器の弾幕が降り注いでいた。 広範囲を狙った弾幕を、高高度のジャンプで避け。 バーサーカーは飛び上がった彼に、狙い済ましたかのように巨大な戟を投擲し。 恐ろしい勢いで襲い来るそれを体を反らしてどうにか避けたユウスケ。 地面に降り立ったユウスケは再び走り出し。 それを追ってバーサーカーも駆けた。 ◇ 言峰教会。 未だ目覚めぬ己が主を前に、セイバーはどうするべきか思考中だった。 それは、今後の方針に限った話ではない。 もし目覚めたとき、もし鈴羽の言うことが正しかったとき、私は彼とどう接するべきなのか。 共に戦う、というのであれば異論はない。 殺し合いを打破するのであれば、協力できるはずだ。 彼がかつてのような外道のような戦いをしないのであればなおさらだ。 と、そのように割り切るのが難しいほど、セイバーの中にあるわだかまりは大きかった。 彼がここでどのように戦ってきたのかは分からない。 あるいは、敵が切嗣より上手だっただけかもしれないし、怪我に関しては考えすぎなのかもしれない。 だが、万一変わっていたとしても。そんな彼を受け入れられるのか。 ともあれ、彼が目を覚ますまでは安静にする必要がある。セイバーとて切嗣の死を望んでいるわけではない。 手持ちのコアメダルを一枚、そしてセルメダルも半分ほど切嗣に預けると体は少しずつだが回復を始めた。 あとは自分が傍にいれば、更に回復効率は高まるはず――― だというのに。 彼の傍にいるということに抵抗を覚えている自分がいた。 もし変わっていないのであればまだ問題はないはずだった。 ではもし彼が、鈴羽の言うとおり変わっているのだとしたら。 私は彼とどう接すればいいのか。 憎めるのであれば、引き離せるのであればまだそう難しくはない。 だが、歩み寄るとなるとなかなかどうして難しい。 そんなことを、この教会に他に何かないか、誰かいないかということを見回りに出ながらセイバーは考えていた。 「セイバー、どうだった?何か見つかった?」 「いえ、襲撃者、あの怪人の正体についての痕跡くらいはあるかと思いましたが、建物内からは何も。 ただここよりは安全であろう場所は見つけました。もしもの時の為にキリツグはそちらに移動しておきたいのですが」 この建物に入るのは初めてというわけではない。しかし当然のことだが、その時は教会内を詳しく調べるなどできなかった。 教会の人間、そしてサーヴァント・アーチャーとそのマスターとの会合に使っただけなのだから。 探索の結果、地下室がこの教会にあることが分かった。そこであればしばらくは一目を避けて切嗣が目覚めるのを待てるだろう。無論それが万全といえるわけではないが、ここよりはマシだ。 セイバーは切嗣の体を背負い上げ、移動させようとした。 その時だった。 教会の窓。その中でも一際高いところに付けられたものの外から。 一瞬何かが煌くのが見えたのは。 「鈴羽、伏せて!!」 咄嗟に叫ぶセイバー。 次の瞬間、窓が割れる音、そこから何かが飛び込む衝撃が響き、そこから飛び込んだ何かが地面に突き立った。 教会の床にキラキラと降り注ぐ破片の中。そこにあったのは、1本の巨大な武器。 槍のような刃の両側に三日月状の刃が付いた、所謂戟と呼ばれるもの。 幸いその何かが彼らの元に直撃することはなかったものの、もしもう少し軌道がずれていたなら、セイバーはともかく鈴羽や切嗣は一たまりもなかっただろう。 そして、セイバーはそれに見覚えがあった。 「これは…、アーチャーの武器のようだが…」 港での5人のサーヴァントが集結の際、アーチャーが矢のごとく発射した中にあった宝具に、形状が似ていると思ったセイバー。 この長距離からの狙撃のごとき射出。まさかとは思うが、この教会を狙った一撃か。 と、その時割れた窓からほんの微か、おそらくサーヴァントであるセイバーでなければ捉えることのできないであろう音が耳に届いた。 ――■■■■■■■■■■■ーーー! 「バーサーカー…?!まさかこの付近に…!?」 先に撤退した時とは状況が違う。 もしここまで来られたら鈴羽だけでなく未だ目を覚まさぬ切嗣をも守りながら戦うことになるかもしれない。 ならば、距離がある今ここまで来ることがないよう迎え撃ちに行くのが最善――― と、決断することはセイバーにはできなかった。 あの時も必要だったことだとはいえ、鈴羽、そしてあの時はまだ健在だったそはらの元を離れた時に二人は襲撃を受け、そはらは命を落としてしまったのだから。 もし戻ってくるのに時間がかかってしまい、その際またあの時のように第三者からの襲撃を受ければ。 セイバーにはそれが恐ろしかった。 「……行ってきなよ、セイバー」 そんなセイバーの思いを感じ取ったのか、鈴羽はセイバーに、背中を押すように告げた。 「スズハ…」 「私なら大丈夫、同じ轍は踏まないって。今度は切嗣さんも、私自身の命も、絶対守りきるからさ」 「……」 「どうせここまでそのバーサーカー?ってのに来られたら終わりなんでしょ?だったら可能性が高い方を選ぶべきだって思うんだ私。 もう、そはらの時みたいにはなりたくないしさ」 「―――スズハ、もし襲ってきたものが手に負えないと分かる相手であれば、せめてあなただけでも逃げるようにしてください。 私が戻るまでの間、少しでも生き延びる可能性が高い選択肢を、常に選んでください。それが私からのお願いです」 「了解」 数分後、教会から高速で飛び出すセイバーの姿があった。 その手には先に飛び込んできた1本の戟。 セルメダルは先に切嗣に半分使い、そして今またコアメダルを換金した、合わせて60枚あったうちの20枚をもしもの為に鈴羽に預けておいた。 今はエクスカリバーが手元にない。つまりはあのバーサーカー相手に、使いこなせなくはないとはいえ慣れない武器で、風王結界のみで戦わなければいけない。 宝具無しで戦わなければならないならメダルが多くても手に余るだけだ。 今はむしろ鈴羽、そして切嗣にメダルが必要なのだから。 「風よ!!」 手元に残ったメダル、その一部を使い足元に高圧の風を作り出す。 セイバーの華奢な、それでいて精錬された肉体を、その風圧が一気に宙に押し上げ。 地面を蹴り飛ばした次の瞬間には、セイバーの体は遥か遠くの空を舞っていた。 ◇ 目を覚まさない衛宮切嗣。 今その体は教会に備えられた地下室にあった。 彼の体の治癒を見守る鈴羽。 不安は尽きない。あの時にそはらを失ったときのように。 それでも、今回はセイバーが戻ってくるまで守りきろう、生き残ろうと。 鈴羽はそう心に誓った。 【B-4 言峰教会地下室】 【阿万音鈴羽@Steins;Gate】 【所属】緑 【状態】健康、深い哀しみ、決意 【首輪】40枚:0枚 【装備】タウルスPT24/7M(7/15)@魔法少女まどか☆マギカ 【道具】基本支給品一式、大量のナイフ@魔人探偵脳噛ネウロ、9mmパラベラム弾×400発/8箱、中鉢論文@Steins;Gate 【思考・状況】 基本:真木清人を倒して殺し合いを破綻させる。みんなで脱出する。 0.この人が衛宮切嗣……。 1.セイバーが戻ってくるまで、衛宮切嗣を守る。 2.罪のない人が死ぬのはもう嫌だ。 3.知り合いと合流(岡部倫太郎優先)。 4.桜井智樹、イカロス、ニンフと合流したい。見月そはらの最期を彼らに伝える。 5.セイバーを警戒。敵対して欲しくない。 6.サーヴァントおよび衛宮切嗣に注意する。 7.余裕があれば使い慣れた自分の自転車も回収しておきたいが……。 【備考】 ※ラボメンに見送られ過去に跳んだ直後からの参加です。 【衛宮切嗣@Fate/Zero】 【所属】青 【状態】ダメージ(大)、貧血、全身打撲(軽度)、右腕・左腕複雑骨折(現在治癒中)、肋骨・背骨・顎部・鼻骨の骨折、片目失明(いずれもアヴァロンの効果で回復中)、牧瀬紅莉栖への罪悪感、強い決意 【首輪】60枚(消費中):0枚 【コア】サイ(一定時間使用不可) タコ(一定時間使用不可) 【装備】アヴァロン@Fate/zero、軍用警棒@現実、スタンガン@現実 【道具】なし 【思考・状況】 基本:士郎が誓ってくれた約束に答えるため、今度こそ本当に正義の味方として人々を助ける。 0.――――――――。 1.偽物の冬木市を調査する。 それに併行して“仲間”となる人物を探す。 2.何かあったら、衛宮邸に情報を残す。 3.無意味に戦うつもりはないが、危険人物は容赦しない。 4.『ワイルドタイガー』のような、真木に反抗しようとしている者達の力となる。 5.バーナビー・ブルックスJr.、謎の少年(織斑一夏に変身中のX)、雨生龍之介とキャスター、グリード達を警戒する。 6.セイバーと出会ったら……? 少なくとも今でも会話が出来るとは思っていない。 【備考】 ※本編死亡後からの参戦です。 ※『この世全ての悪』の影響による呪いは完治しており、聖杯戦争当時に纏っていた格好をしています。 ※セイバー用の令呪:残り二画 ※この殺し合いに聖堂教会やシナプスが関わっており、その技術が使用させている可能性を考えました。 ※かろうじて生命の危機からは脱しました。 ※顎部の骨折により話せません。生命維持に必要な部分から回復するため、顎部の回復はとくに最後の方になるかと思われます。 四肢をはじめとした大まかな骨折部分、大まかな出血部の回復・止血→血液の精製→片目の視力回復→顎部 という十番が妥当かと。 また、骨折はその殆どが複雑骨折で、骨折部から血液を浪費し続けているため、回復にはかなりの時間とメダルを消費します。 ◇ 1本の巨大な斧をもって斬りかかるバーサーカー。 受け止めるのは蒼き体を、紫の鎧、タイタンフォームへとその身を変えたクウガ。 斧を受け止める剣は、バーサーカーが撃ち込んだ大量の宝具の中の一つを変化させたもの。 精錬された一撃は、タイタンフォームでなければ武器ごと吹き飛ばされていただろうと言わんばかりの威力。 それを、タイタンフォームの腕力、そしてタイタンソードをもって受け流す。 「■■■■■■■■■■■ーーー!」 「ッ…、切嗣さんはどこに…!」 ユウスケにはバーサーカーを殺すという選択肢はまだ取ることはできない。どうして彼が襲い掛かってきたのか、何者かに操られているのではないか。 その判断がつかない以上、踏ん切りがつかずにいた。 しかし、ユウスケがいかに迷おうと、バーサーカーはお構いなしに攻撃を続けてくる。 そして今、ユウスケはここにきてバーサーカーを取り押さえるのを諦めつつあった。 目の前の黒き騎士は手加減をして取り押さえられる相手ではない。それをこの身をもって実感したのだ。 殺す殺さないは後にしても、全力で戦わねば勝てない。 斧の一撃を、敢えて肩の部分で受け止める。 鎧に亀裂がが入るが、それだけ。しかし逆に言えばタイタンフォームの堅牢な鎧に亀裂が入ったのだ。 おそらくこの攻撃はタイタンフォーム以外で受けられるものではないだろう。 「おおおおおおお!!」 攻撃のために急接近したバーサーカーに対し、攻撃を受けたことで空いたタイタンソードを下から振り上げる。 その一撃はバーサーカーの身を纏った黒い霧に一瞬だけ切れ目を入れ、鎧を切り裂く。 バーサーカーはその反撃に一旦クウガから距離を取る。 空いた距離の元、ユウスケは瞬時にドラゴンフォームに変身。地面に刺さった槍を手に掴む。 そのまま一気に距離を詰め、バーサーカーの体にドラゴンロッドの連撃を叩きつける。 素早く、一撃一撃を確実に。相手に反撃の暇を与えないほどの勢いで。 宝具を射出する暇も、その手の斧を振りかざす隙も与えないように、関節部、そして先の攻撃の成果である、鎧に入った切れ目を攻撃。 パキッ やがてバーサーカーの鎧に、さらなる亀裂が入る。 後ろに一歩下がったバーサーカー、それを見逃さず攻撃を加えようとしたところで――― 彼の手に、1本の剣が顕現する。 黒い西洋剣。 それは彼自身の宝具、無毀なる湖光(アロンダイト)。 解放させた代わりに、バーサーカーの他二つの宝具は封じられ、身を包んでいた黒き霧は消滅、斧も地面に投げ出される。 アロンダイトにより補正がかかったランスロットの一撃は、ドラゴンロッドを粉砕、それだけでは止まらずユウスケの体を袈裟懸けに切り裂く。 「ガ…!」 防御力は低めとはいえ、胸部の装甲をも切り裂いて中の肉体を損傷させたその一撃。 吹き飛んだユウスケは、背中を地面に打ち付ける。 起き上がろうとしたその時、バーサーカーは駆け出し、その手の剣をクウガに向けて振り下ろした。 タイタンフォーム―――ダメだ、武器がなければ受けきれない。 バーサーカーが発射した宝具は―――今となってはほとんどが回収され、僅かに残った武器も手元にはない。 起き上がって回避―――間に合わない。 「…――姐さん、千冬さん―――」 と、諦めかけた、その瞬間だった。 振り下ろしたバーサーカーの剣を、突如目の前に現れた金髪の少女が受け止めたのは。 「………何故だ」 「■■■■!!」 バーサーカーにもその登場は予想外だったようで、意志は見えずともその動揺は見て取れた。 しかし、それ以上に、現れた少女は目の前に立つその存在に大きな動揺を隠しきれていなかった。 「―――バーサーカー。何故、貴様がその鎧を、そしてその剣を持っている?」 「■■■■■■■■■■■ーーー!」 「答えろ!答えてくれ、ランスロット!!!」 そう叫んだと同時、金髪の少女はバーサーカーに蹴り飛ばされ、後ろに大きく後退する。 怯んだ彼女の元へ、叫び声を上げながら斬りかかるバーサーカー。 対してセイバーは、バーサーカーへの動揺からか対応が遅れてしまった。 「A――urrrrrrッ!!」 構えた戟は柄の部分で切断され、そのまま剣はセイバーの胸を切り裂こうと突き出され。 「うおおおおおおお!!」 次の瞬間、向かい来るバーサーカーの頭部の鎧を、紫の拳が対面から殴りつけた。 セイバーに完全に気を取られてしまったバーサーカーは、体勢を立て直したクウガの拳を正面から受けてしまったのだ。 クロスカウンターをまともに受けたことで、脳を揺らしたバーサーカーは一時的に体をふらつかせた。 「はぁ、はぁ…。あんた、セイバー…ちゃんだろ?」 「…あなたは…?」 「俺は小野寺ユウスケ。あんたのことは切嗣さんから聞いてる」 「キリツグから…?」 金髪の少女、セイバーは一瞬意外そうな表情でユウスケを見て、すぐに納得したように頷いた。 「キリツグは……、いえ、今する話ではない。それよりも、あのバーサーカーは――」 「切嗣さんに従っていたはずなんだけど、川に沈んでたのを助けたら襲い掛かられたんだ。何か知らないか?」 「な…、キリツグが彼を?!」 「セイバーさんは、切嗣さんがどこにいるか、知らないか?」 バーサーカーを切嗣が従えていた。 その事実は驚きはあったが、そこまで意外というわけでもなかった。 もし他のマスターから令呪を奪ったことで彼がバーサーカーを御しえたのなら、意志がない分彼の手駒としては最適なのかもしれない。 だが、それを他者が認識しており、なおかつ信頼関係を作っているというのは意外であった。 自分の知っている彼は、他者というものを信用しない。常に効率を選んで行動している。 情報が欲しければ、少なくともその名前や姿まで明かすことはそうそうないはずだろうし、最悪記憶操作や暗示という手段も用いたはず。 彼の言う切嗣が別人である可能性も考えたが、自分のことを知っている者は今となっては切嗣、鈴羽、ラウラという少女、そしてあの”織斑一夏”しかいない。 (キリツグ、やはり、あなたは私の知るキリツグではないのか…) しかし、その事実に思いを巡らせる暇はない。 バーサーカー―――ランスロットは既に脳震盪から立て直し、二足での直立を果たしていたのだから。 「キリツグは――教会で襲撃を受け、重傷を負っている。今も意識がない」 「何だって?!それは本当なのか!?」 「ああ、私の仲間もいる。だから――先に向かってほしい。彼は、………彼は私が――」 短くなった戟の柄を持ち、風を纏わせて透明化させるセイバー。 しかし、そんなやる気を表すような姿勢とは裏腹に、セイバーの声は、手元は震えている。黒い鎧が一歩近付いてくる度に、彼女の足後ろに下がりそうになっている。 そんな体勢でバーサーカーの一撃を受けられるはずもなく、アロンダイトの一振りでセイバーは吹き飛ばされる。 「く…」 セイバーの中には、まだバーサーカーの正体を知ったことへのショックが抜けきってはいない。 そんな精神状態で、セイバーを越える技量を持ちなおアロンダイトの補正がかかったバーサーカーは押さえられない。 だが、今この場にはユウスケがいた。 横からバーサーカーを押さえつけ、下ろされる剣を受け止める。 「な…、これは私の戦い、あなたが戦うことなど…――」 「事情は分からないけど…、そんな辛そうな顔した女の子に、戦わせられるわけがないだろ!」 「A――urrrrrrッ!!」 「こいつは俺がおびき寄せる。だから千冬さんと…セシリアちゃんを連れて、教会まで―――」 体を押さえたユウスケは、その背にバーサーカーの肘撃ちを受け力を緩めてしまう。 そのまま空いた手を打ちつけ、そのまま体から引き剥がして思い切り投げつけた。 投げ出されたユウスケを、セイバーは後ろから受け止めた。 「……確かに迷いはある、何故彼が狂気に落ちたのか、確かめたいという思いも。 しかしそれでも、己の戦いを投げ出すことは、決してしない。それが王たる者の勤めだ」 何故彼がああなってしまったのか。そんなにも私のことを憎んでいるのか。 聞きたいことはたくさんあった。 しかし、今は戦うことに集中しなければ、きっと彼はもっと多くの犠牲者を出すだろう。 それだけは、なんとしても止めなければならない。 「切嗣不在の今、バーサーカーを制御することはおそらくできないだろう。これまでのことは忘れて、バーサーカーを倒すことだけを考えてほしい」 「あんたは、それでいいのか?」 「もし彼が狂気に落ちたのなら、かつての友として私が止めなければならない。 だから、今だけその力を貸して欲しい」 ユウスケに断る理由はない。ただ一つ、どうしても気になってしまったことを言う。 「もちろんだけど、そんな辛そうな顔で戦おうとはしないでくれ。可愛い顔が台無しになるだろ」 「…私を女扱いは止めてもらいたい」 駆け抜けてくるバーサーカー。 クウガは、周囲に僅かに散らばるバーサーカーが回収しそこねた剣の1本をタイタンソードへと変化させ、セイバーの目前でアロンダイトを受け止める。 セイバーは、その隙に横から飛び掛り、短くなった刃をバーサーカーに叩きつける。 しかし、それも見通していたのかバーサーカーは片腕でそれを受け止める。 篭手が割れ、腕は後ろに大きく吹き飛んで体勢を崩した。 そのまま剣を地面に突き立て、クウガは後ろに下がる。 セイバーはそのタイタンソードを引き抜き、バーサーカーに振りかざす。 対するバーサーカーはその一撃を、アロンダイトで受け止めた。 しかし、相手の持っているのは竜殺しの属性を持った魔剣。そしてセイバーは竜の血を持った騎士。セイバーの斬撃は数回で見切られ、タイタンソードは消滅する。 素手になったセイバーに、ここぞとばかりに襲い掛かるバーサーカー。 その時、セイバーの手の中に風が巻き起こる。 それまでに持っていた、戟の刃部を風王結界で隠したもの。それを取り出したのだ。 向けられた刃を防ごうとしたバーサーカーは、勝手知ったるセイバーの聖剣ではない武器の間合いを見誤り、手で受け止めようとするも掴み損ねてしまう。 掴み損ねた刃は体に密着させられ――― 「風王鉄槌(ストライク・エア)!!」 纏わせた風を、暴風として打ち付けた。 ゼロ距離からの風王鉄槌。その衝撃はランスロットを宙へと吹き飛ばす。 そして、 「うおりゃああああああああ!!」 宙に浮いたバーサーカーの体目掛けて、クウガは駆け、飛び上がり。 赤く燃える右足を、マイティキックをバーサーカーの胴体に向けて叩き込んだ。 「■■■■■■■■■■■ーーー!」 クウガが着地すると同時、吹き飛んだバーサーカーは地面に叩きつけられる。 しかし、それでも未だ立ち上がる力を持っているバーサーカーは起き上がり。 次の瞬間、鎧の切れ目の罅が広がり、体を纏っていた黒き鎧は大きく割れ、地面に落ちた。 「……A……he……、■■■■■■■■ーーー!」 上半身の防具を失ったバーサーカー。 肉体に受けたダメージが大きかったためか、セイバーを前にしてバーサーカーは撤退を選んだ。 アロンダイトを収容し、全身に黒い霧を纏わせるとふらつく体を無理やり起こし、二人に背を向け跳び去った。 NEXT 燃ゆる剣―少女と姉と
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0321:少女の選択 「クリリン君、待て! 行くなッ!」 数瞬遅れて呼びかけた声は、『魔』と刻まれた小さな背中へと届くことなく、闇の中で掻き消えていく。 離れていくその姿は、見る見るうちに夜の向こうへと溶けていく―― 「――クソッ!」 厳かに聳え立つ名古屋城の下、津村斗貴子は己の短慮に向けて悪態をついた。 予想外だった。クリリンの背負った悲壮な覚悟は、自分が思っていたよりもずっと、重い。己の怪我すら、意に介さない程。 ――追わなければ。リサリサと呼ばれていたあの女性、疲労が溜まっていたとはいえ、 斗貴子に気付かれることなく罠を張ることが出来るその立ち回りと油断の無さは、相当な実力者である事を意味している。 今のクリリンでは、否、万全であっても苦戦を強いられる相手である事は間違いない。 そして彼女は、一度襲い掛かってきた相手に容赦をする事など、決してしないだろう。 彼女と闘えば、クリリンは、殺される――それを放っておく道理など、何処にもなかった。 ――ケンシロウ、済まない。入れ違いになるかもしれないが、必ず私は、彼を連れてここへと戻ってくる! クリリンの走り去った方角をしっかりと見据えて、斗貴子は粛々と続く石畳の道を駆け出した。 その視線には、志を同じくした仲間の命を、絶対に手放すまいという決意も込もっていたのかもしれない。 遥か頭上で、大天守上の金鯱が、月明かりに照らされて一層強い威光を放っていた。 斗貴子を嘲笑うかのように。 ――殺さなきゃ。ボールはみんなを救うためだけに使うんだ。ボールの存在を知った奴はみんな殺さなきゃ―― それは義務感にも似ていた。思えば最初から、自分はそれに急き立てられてここまで生きてきた気さえしている。 どんな願いも叶えてくれる、魔法の玉、ドラゴンボール。一度失われた命でさえも、現世へと呼び戻すことが出来る奇跡の力。 その存在を思い出す事が出来たのは、自分一人だけだった。 自分の発想で、自分の手で、参加者全員の命を救うことが出来る。その事実に気が付いた時の感動は、今も強く胸に残っている。 そうして自分は、何人もの参加者をこの手に掛けてきた。共に苦難の冒険を切り抜けた仲である、旧知の女性でさえも。 ――もうあんなことやめて違うんだよ脱出する方法を探す違うんだってだからもうやめて黙れ拒否拒否拒否拒否拒否拒否拒否―― ――分かってくれよ、ブルマさん。みんなを殺すことが、みんなを助けることになるんだ――オレは、間違って、ない。 クリリンは駆けた。一心不乱に駆けた。計画の邪魔となる存在を追いかけるために。 ――残された自我を飲み込もうとする、何かから必死で逃げるために。 ゲーム開始から、丸一日が経とうとしている。その期間に、無数の命を奪った心へと圧し掛かる、『罪の意識』という名の重荷。 崩壊寸前のところで噛み合っていた歯車が、本人さえも気付くことなく、クリリンの中で外れかかっていた。 鬱蒼とした木々の群れ、判然としない足元の様子が、順調な移動を妨げている。 「――わっ!」 もう何度目になるだろうか、地面から突き出した根に足を取られ、躓き、前のめりにバランスを崩す身体。 「――大丈夫、つかさ?」 横から差し出される優しい手によって、転ぶ寸前のところで支えられるのも、何度目になるだろうか。 「……ごめんなさい、リサリサさん」 「気にする事はないわ――少し休みましょう、朝を待った方がいいかもしれないわね」 そう言って、彼女は空を見上げた。薄暗がりの中で辛うじて見えるその表情から、何を思うのか窺い知ることは出来ない。 月の光が届かない程、深く生い茂ったこの森は、まるで世界から忘れ去られたようで。 西野つかさは肩に掛けていたデイパックを下ろして、それへともたれかかるように腰を下ろした。当たり前のように溜息が漏れる。 立ち直ると心に決めたのはいいが、その時からずっとリサリサには迷惑を掛けっぱなしだ。 ――『息子には…息子なら、決して甘くはしないけれど。フフ…』―― 穏やかな笑みと共に告げられたその言葉だったが、今ではむしろ、その言葉を盾に自分の方が彼女に甘えているような気さえしている。 単なる女子高生であるつかさと、一流の戦士――というか、そういった類のものに属するリサリサの間には、 相当な身体能力の開きがあることは重々承知しているが――不甲斐ない事には変わりがない。 「はぁ……」 二度目の吐息は少し大きめになってしまって、それに気付いたらしいリサリサの視線がこちらへと向く。 その瞳にはやはり、非難の色など微塵も混じっていない――聖母様みたいだと、思った。 「疲れたのかしら?」 「あはは、少し……本当、ダメですね、あたし。ずっと、リサリサさんやマァムさんの足引っ張っちゃってて」 思っていた事を正直を伝える。彼女を相手に強がってみたところで、全部見抜かれてしまう事が一緒にいるうちに分かってきていた。 娘の事なら、何だってお見通し。そんなところまで、母親のようなのだ、この人は。 「気を落とす事はないわ。並大抵の神経では、とっくに参っているような状況―― ここまで休まずに歩いて来れたことを、誇ってもいいわね」 「そうですか? あたしには、わかんないですけど……」 「そう。つかさ、あなたは強いのよ。私やマァムがいなくても充分に、ね」 「でも――やっぱり、リサリサさんにもマァムさんにも、傍にいてほしいな」 我ながら本当に、言うことがころころ変わっているなと思った。 一人でも大丈夫だと言えるようになりたいのか、頼っていたいのか、どっちだ。 ――ほら、結局私はまだ、一人立ち出来ない『娘』のままなのだ。 リサリサもその言葉には、やれやれと言った調子で笑みを浮かべる他になかったようである。 「フフッ――そうね。そんな事を言っているうちは、危なっかしくて一人にはさせられないわね」 直後、彼女は鋭い目付きになって近くの茂みを睨み付けた。 「やれやれ、来訪者の多い夜だわ――戦うつもりなら容赦はしない。姿を見せることね」 油断無く身構えるリサリサの姿を見て、慌ててつかさも立ち上がりポケットのワルサーを引き抜く。初めてまともに握ったそれは、重い。 言うまでもないが、接近されていたことにはまるで気が付かなかった。こういうのも達人ならではの能力なのだろうか。 草木を掻き分けて現れた長身の影に、ワルサーを持つ手が強張る。お互いがお互いを慎重に意識しあう中、相手が口を開いた。 「――悪いが、取り越し苦労だ。オレに敵意はない」 「あなたは――」 多少の驚きを含んだ声をリサリサが放つのと同時に、つかさも気が付いた。 強靭な筋肉で全身を覆った、精悍な顔立ちの男の胸には、北斗七星を思わせる七つの傷痕。この人は、斗貴子の言っていた―― 「ケンシロウ、ね」 「――何故オレの名を?」 警戒心を高めたように語気を強め、当然の疑問を述べるケンシロウとは対照的に、リサリサは静かに構えを解いて、種を明かした。 「先程、あなたのお仲間と鉢合わせしたのよ。津村斗貴子。知っているでしょう」 「斗貴子と……そうか」 合点がいったと言うように向こうも緊張を緩めて、ぴんと張り詰めた空気が和らいだ。 つかさもほっと息をついて、ワルサーを挿し直す。 「その子は?」 「……オレにも分からん。出会い頭に気を失われてしまったのでな」 よく見ると、彼の大柄な背中には――たまねぎ、とでも言えばいいのだろうか。うん、たまねぎだ。たまねぎ頭の少年が背負われている。 ケンシロウの顔と気絶している少年の顔を見比べて、相当怯えてたんだろうなぁと、現場の様子がありありと浮かんできた。失礼ながら。 「彼女なら、名古屋城であなたを待ってるわ。私達には別の『目的』があるの、もう行きなさい」 既に戦う気はないようだけれど、突き放すような口調でリサリサが言う。斗貴子の仲間ということから、協力を持ち掛ける気はないらしい。 「ああ」 ケンシロウもそれを察したのか、それだけ言うと踵を返して去っていく――かのように思えたが。 「……悪いが、一つだけ聞いておきたい」 一度背を向けたところで足を止めて、再度こちらへと向き直り問いかけてきた。リサリサが怪訝そうな顔をする。 「まだ、何か?」 「斗貴子は冷静だったか?」 どういう意味だろうと、頭の中で無数の疑問符が渦巻いた。斗貴子に冷静さを失うような何らかの要素があるというのだろうか。 「どういう意味かしら」 リサリサが見事に、つかさの疑問とまったく同じ言葉を紡いだ。 ケンシロウはちら、と虚空へと視線を向けてから、その問いに答える。 今彼の瞳に映ったのは、このゲームの中で出会った、戦士と名乗る少女の姿だろうか。 その姿は、彼にどのような印象で残っているのだろう。 「オレはこの殺し合いが始まってすぐに彼女と出会い、そして6時に名古屋城で待ち合わせる約束をして、別れた。 それから今までの間に、彼女の仲間が二人、死んでいる。 彼女は強い女性だが、まだ若い――心に傷を負ってはいないかと、心配になった。 ……妙なことを聞いたな。済まない」 照れたような様子一つなくそう言ってのけるケンシロウに対して――優しい人だ。そう、つかさは感心していた。 この人、顔は怖いけど、こんなゲームの間もちゃんと、仲間の気持ちを考えてあげられるんだ。 ――あれ? でも、斗貴子さんは、その死んだ仲間を―― 「あなた、ドラゴンボールのことは何も聞いていないの」 「ドラゴンボール? 何だそれは――」 訝しむような表情になって問い詰めるケンシロウの背後から―― 眩しい光の凶弾が、リサリサ目掛けて飛んできた。 「……ッ!」 眼前へと迫ってきていた弾丸を、寸での所で上体を逸らし回避する。その反動でバック転をする事によって、体勢を立て直した。 無数の枝がへし折れて、落下する音が背後から聞こえる。 今の攻撃によるものであるのは間違いない、避け損なえば間違いなく死んでいた。 夜であることが幸いした。日中であの奇襲を喰らっていれば、太陽光が保護色となって飛んでくる弾に気付けなかったかもしれない。 だが、今はそんな仮定に思考を費やしている余裕などない。この場で考えなければならないのは、 未知の攻撃方法を持つ襲撃者が目の前に潜んでいるという事実、その一点のみ。 ケンシロウがつかさへと駆け寄り、任せたと言って背負っていた少年を下ろす。 そして茂みへと向き直り、リサリサと並ぶようにして立った。 「つかさ、その子を連れて下がりなさい――ケンシロウ、今の技に覚えは?」 「いや。初めて目にする」 「そう。なら質問を変えるわ。何故――襲撃者は、『背を向けていたあなたを狙わなかった』のかしら?」 「む……」 「――そりゃあ、ケンシロウさんはオレたちの味方だからさ、お姉さん」 返答は、茂みの中から聞こえてきた。 現れたのは、闇に紛れる紫色の胴着に身を包んだ、小柄で禿頭の、額に6つの小さな円を描いた青年。 「探したよ、ケンシロウさん。 斗貴子さんは6時に待ち合わせって言ってたのにさぁ、いくら待っても来ないんだもんなぁ? 参っちゃったよ」 そう言って頭を掻く青年の顔は、本当に"困った"時の表情をしていた。人一人を撃ち殺そうとした直後の顔が、これだ。 この青年は、危険だ。リサリサは直感でそう判断した。 「オレはお前など知らん。何者だ」 「ん? ああそっか、そっちはオレのこと知らないんだっけ。 斗貴子さんの仲間さ、クリリンっていうんだ。よろしくな、ケンシロウさ――」 「何故彼女を攻撃した?」 暢気な調子で自己紹介を始めた青年――クリリンの言葉を、ケンシロウが遮った。 リサリサは思考を巡らせる。やはり――同じ斗貴子の仲間であるにも関わらず、ケンシロウとクリリンはお互いの素性を知らない。 ケンシロウは斗貴子とゲーム序盤で出会ったと言っていたが、その時はまだ、斗貴子はドラゴンボールの存在を知らなかったのだ。 だから斗貴子はケンシロウに対し、仲間の身を案じるような言動を切り出したし、ドラゴンボールの話をする事もなかった。 斗貴子がドラゴンボールの存在を知ったのは、ケンシロウと別れたその後のことなのだろう。 さしずめ、ケンシロウの思案通りに仲間の死によってショックを受けていた斗貴子を、死んだ人間を蘇らせることが出来るという、 ドラゴンボールの話を吹き込んで利用しようとした第三者がいる、というところか。 そしておそらくは、今目の前にいる襲撃者、クリリンこそが―― 「決まってるじゃないか。ドラゴンボールは死んだみんなを生き返らせるために使うんだ。 それ以外の目的で狙う奴がいちゃいけない……」 後に連れて独り言のように小さくなっていく声とともに、彼の翳した右手には眩いばかりの輝きが溢れ、刃のようなものが形作られて―― 「こんなゲーム、全部なかったことにしてやるんだ……! 他の目的に使わせるわけには、いかないんだぁぁぁぁあああああああ――ッ!!」 絶叫とともに、再度――否、光の弾は形を変え、万物を切り刻む斬撃となって、リサリサへと襲い掛かった。 馬鹿の一つ覚え――ではなかった。飛んでくる気の斬撃と並走するようにクリリンが突っ込んできている。 おそらくは時間差攻撃、斬撃が先かクリリンが先か――その形状から察するに斬撃は命中すれば致命傷、 波紋防御で防ぎきれるかどうかは読めない。斬撃を凌いで、カウンターの波紋でクリリンを迎え撃つのがBESTか。 死神の鎌の如く鋭利なその一撃を、リサリサは右側へと僅かに身体を傾けて躱した。 そうして、続けて向かってくるクリリンの攻撃を―― 「――ッ!」 迎撃の態勢を取るよりも早く、クリリンは既にリサリサの懐へと潜り込んできていた。腕への波紋の伝達が間に合っていない。 甘く見ていた。気を飛ばす『能力』だけに意識が向いていたが、この青年、体術だけでもかなりの実力を――! 「死ねぇぇ――ッ!!」 あらん限りの咆哮とともに突き出された抜き手が、無防備なリサリサの心臓を―― 「むん!」 ――貫く寸前、その指先は、堅牢無比の闘気に包まれた男の掌によって防がれた。 鬼気迫る形相で肉薄していたクリリンの表情が、驚愕へと変わる。 その隙を見逃さず、リサリサは攻めへと転じた。力強く、踏み込む。 ――コオオオオオオオオオオオオオ……! 深く吐き出した呼吸の音が、密林を揺らすかのように闇夜の中で響き渡る。己が内に流れる血液は緩やかな波となって、力となる。 それは肉体に宿りし奇跡。血液の流れから生み出される無限のエネルギーを引き出す神秘の呼吸法。月夜に迸る太陽の波紋―― サンライトイエロー・オーバードライブ 「 山 吹 色 の 波 紋 疾 走 ッ !!」 強烈な熱の籠った一撃が、がら空きになっていたクリリンの下顎へと突き刺さった。 骨を砕くには至らなかったが、確かな手応えを感じた。青年の顔が苦痛に歪み、幾つかの歯と血反吐を撒き散らす。 「がああ……っ!」 掠れた呻き声を上げて、小柄な身体はそのまま無抵抗に吹っ飛び、元いた茂みへと半ば突っ込むようにして、止まった。 「う……」 口の中で、折れた歯が一本か二本ほど転がっている。血が止まらない。打たれた顎のダメージはそこまで酷くないらしいが―― 思考回路が上手く働かない。何かを考えようとするだけで、何度も脳味噌を揺さぶられた痛みが頭の中を駆け巡る。 ――ちくしょう。 こいつは、強い。今のオレじゃ、勝てないかもしれない。オレはみんなを、助けなきゃいけないのに。 ドラゴンボール。ピッコロを、優勝させる。そのために、危ないやつは、少しでもオレが―― ――殺さなきゃ、いけないのに。 「――『借り』が一つ出来たわね」 自分のすぐ横に立っているケンシロウの、クリリンの一撃を容易く受け止めてみせた右手へと視線を向けて、言った。 「気にするな、痛みはない――それよりも、まだ終わってはいないようだ」 「そのようね――」 険しい表情を崩さないケンシロウの視線を追いかけた先に、血走った目の青年が地に手をついて立ち上がる姿があった。 大した『執念』だ――そう思った。 人間に対する波紋の効果が、吸血鬼へのそれに比べて遥かに劣ることは当然ながらよく知っている。 それにしても、相当量の波紋を籠めた一撃だった筈だ。脳震盪でも起こしていてもおかしくはないのだが―― 「な……んでだ、よ。ケ、ケンシロウさん、そいつを……」 途切れ途切れの言葉を、搾り出すように吐き出している。 瞳の焦点が合っていない。どうやら、波紋の影響は少なからずある様だった。 ――だが、不死の悪魔達を例外なく天へと還す太陽の輝きも、青年の奥底に蠢いている闇を晴らすまでには、至らなかったらしい。 「そう、か。説明不足、だったんだよな? すげえんだよ、ドラゴンボールは。そいつがあれば、どんな願いも、叶うんだぜ。 ここで死んだ、みんなだって、生き返らせる、ことが、出来るんだよ。 はは、フリーザのやつ、バカだよな。ざまあみ、ろってんだ、はは、は――」 紅に染まった口元を不気味に歪め、クリリンはふらつく足取りでこちらへと近付いてくる。背後で、つかさが息を呑むのが分かった。 ――口の端から滴り落ちる血を拭おうともしないその姿が、自らの倒すべき敵である吸血鬼達と重なって、見えた。 この青年と吸血鬼は、似たようなものなのかもしれない。 己の吸血衝動が赴くままに人の生き血を啜る奴らと、己の目的を達成するために見境なく人の命を奪うこの青年。 しかも彼の質の悪いところは、それを正しいと心の底から思い込んでいること。 強固な『意志』を持っているからこそ、彼は立ち上がることが出来るのだろう。 自らの掲げる主義主張に、欠片の疑いも持っていないから。 ――『哀れ』だわ。 うわー、随分おっかない目するなぁこの人。ケンシロウさんはこっち来ないし、一体何がどうなってんだ? ……ん、ははーん? ああそっか、そういうことかぁ! ケンシロウさんがオレのこと信じてくれない理由、分かっちゃったよ。 そっか、こんな簡単なことだったんだ。なんで気付かなかったんだろうなぁー、オレってホント頭悪ぃなあー、っへへ。 この人が、ドラゴンボールを独り占めしようとしてケンシロウさんにテキトーなことを吹き込んだんだな。そうだよ、そうに決まってる! オレの言ったとおりだろ、斗貴子さん。ボールのことはなるべく秘密にしなきゃいけないんだよ。次からはマジで気をつけてくれよ? え? あぁ、今回のことは別にいいって! バレちゃったもんは仕方ないよ、どうせ―― オレが殺すんだからさぁ。 「……ケンシロウ、斗貴子との合流は諦めなさい」 幽鬼の如くにじり寄ってくるクリリンから、視線を外さないまま、言った。 「――何?」 「あの青年は殺し合いに乗っている。そして彼は斗貴子の『仲間』――どういう意味か理解できるでしょう? 彼女も『警戒』する必要がある」 規則的な呼吸を繰り返し、蓄積されていく波紋エネルギーを両の掌へと集中させる。 打撃では致命傷にならないと、先刻の一撃で悟った。 クリリンの肉体は、見た目からは想像が出来ないほど丹念に鍛え上げられている。 だから、攻撃方法を切り替える事にした――人間に流す波紋というのは、高圧電流と似たようなものである。 両手に溜めた渾身の波紋を胸部へと叩き込めば、彼の身体は心臓麻痺を起こして、物言わぬ亡骸と化す――筈だ。 「斗貴子も殺し合いに乗っているというのか? 待て、奴が斗貴子の仲間だという証拠など――」 ケンシロウの声に、若干の戸惑いが混ざっている。その間にもクリリンはまた一歩、リサリサ達との距離を縮める。 「斗貴子は、私達にドラゴンボールの話をしてくれたわ。 7つの玉を集めればどんな願いも叶えることが出来る、そんな素敵な『御伽噺』を。 そんな馬鹿げた話をする人間が、この会場で他に何人いるというのかしら」 距離が縮まる。波紋を溜める。 「先刻の問いに答えていなかったわね。 斗貴子が『冷静』だったか、答えは『NO』――失くした命が二度と戻らないのは当然の話でしょう? 彼女にはもう、その程度の判断もつかなくなっているのよ。だから『夢物語』にも縋り付く――」 距離が縮まる。波紋を―― ――溜め切った。今現在でリサリサが放てる、最大級の波紋の一撃を。 何か察するものがあったのか、クリリンが足を止めて腰溜めに構える。またしても、例の『気』の攻撃を放つつもりだろうか。 そう何度も、同じ技に翻弄されるつもりはない。クリリンは見る限り既に満身創痍――次の一撃で、全てが決まる。 「――その『夢』を断ち切るということは、『彼女』を断ち切るということと同意義ッ! 私はここでッ! 津村斗貴子の『希望』を断つッ!!」 予想出来る気弾の射線上から身体を外して、リサリサはクリリンへと向かって一直線に駆けた。 彼の鮮血で汚れた口元が吊り上がって―― 「――止めろぉぉぉぉぉぉっ!!」 ――響き渡った怒声によって、クリリンの掌で急激に膨れ上がった光が、ライトが明滅する時のようにすぐさま掻き消えた。 僅か一瞬ではあったが、その場一帯をはっきりと照らし出したその明かりの奥から、彼女は現れた。 ――津村、斗貴子。 荒い呼吸を整える事に意識の半分を回しつつ、状況を確認することに努めた。 戦場と化していた森には、今のところ静寂が訪れている。 虚ろな眼差しを向けているクリリンの顎は、夥しい量の血によって肌色の部分が見当たらない。 既に、一戦を交えてしまっていたか――胸中で失意の念が広がりかけたが、彼は、まだ生きている。後は説得が上手くいくかどうかだ。 その後方、先刻遭遇した時とはまるで印象が違う――凄まじい威圧感を持ってこちらへと対峙しているリサリサには、目立った外傷はない。 ただ、心を射抜かれるような鋭さを持ったその視線と、目を合わせることが出来ない。 ――養豚場の豚でも見るかのように、冷たい目だ。『可哀想だけど明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね』とでも言うような。 苦し紛れに逸らしたその視線の先に、救いがあった。胸に七つの傷を持つ男。この殺人ゲームの中で最初に出会った、頼れる仲間。 「ケンシロウ! 無事だったのか、よかっ――」 「感動の再会が出来る状況ではないことくらい、分かっている筈よ」 踏み出しかけた足が、冷淡な声によって静止する。ケンシロウが何かを言い淀んだのが分かったが、どうする事も出来なかった。 大柄な背中の向こう側には、困惑しきった様子の少女――西野つかさと、その足元で仰向けになっている、たまねぎ頭の少年の姿がある。 暗闇の中ではっきりとした判別は付かないが、こちらも外傷が見受けられないので、単に気を失っているだけのように見えた。 この場にいる人間は、それで全員――死人こそ出てはいなかったけれど、一触即発の状態は、まだ、続いている。 やはり、来るのが遅過ぎたのだろうか。 リサリサから発せられている敵意は、もはや『警戒心』などという言葉で言い表せるそれではない。 何とかして、話し合いの成り立つような態度へと移行させなければ―― 「斗貴子、さん」 その声を意識が捉えたとき、得体の知れない何かが背筋を這い上がってくるような感覚に陥ったのは、多分気のせいではなかった。 各々が、様々な態度で声の主である青年へと向き直る。 リサリサは氷のような視線を絶やさず、ケンシロウの表情は硬い。つかさは、顔を引き攣らせて後ずさっている。 名前を呼ばれた張本人である、斗貴子は――動けなかった。 斗貴子だけを真っ直ぐに見据える、濁り切った双眸から、逃れられなかった。 「言っただ、ろ? ドラゴンボールのことを、知った奴は、殺すしかないって、さ」 青年が右手の指先を血塗れの顎へと押し付けて、離す。指先はあたかも、絵の具を付けた筆のように真紅へと染まった。 「ほら、オレの、手、見てよ。こんなに、赤くなってるじゃんか。ほら」 「――キミは、何を、言ってる」 身体中に戦慄が走るのを、止める事が出来ない。 名古屋城の一件から今まで、然程時間も経っていないというのに、この変わり様は一体何だ。 今のクリリンの言動は、まるで――狂人のそれではないか。 「でも、別に、構わないよ、な? みんな、死ねば、助かるんだから、さ。 いくら、手が汚れたって、みんなのために、やってるんだから、さ」 血潮に濡れる指先は、それぞれが異なる方向を向いて捩れてしまっている。ケンシロウの強健な手掌によって、弾かれた結果。 おかしいな。こんなにあっさり折れちゃうのかよ? あの時は、めちゃくちゃ上手くいったのにさぁ。 ――ブルマさんは、ずっと簡単に、殺せたのに。 「……もう、いい」 そう言った斗貴子は、何かを耐え忍ぶかのように、遣り切れなさそうな表情を浮かべている。 ――何を耐えている? このゲームにおいて、苦しむことなど何もないのに。 どうせ全てがやり直せるのだから、心を痛める必要も、艱苦を味わう必要もないというのに。 自分達は、正しい。命を救うために命を奪うことは、正しいのだ。 正しいことをしているのだから、非難を浴びる謂れなど何処にもない―― ――『足掻いて、足掻いて、最後まで足掻いて。絶対に、脱出する方法を探す。だから、もう――やめて』―― その通りだよ、ブルマさん。オレは今まで、ずっと足掻いてきた。みんなのために、必死で足掻いて、考え抜いた結果がこれだったんだ。 オレは間違ってない。みんな助かるんだから、いくら殺したっていいじゃないか。ピッコロが最後の一人になったら、オレだって潔く死んでやる。 最後の一人になったピッコロが、みんな生き返らせてくれる。そうしたらみんな、オレのやってきたことは正しかったって、気付いてくれるんだ。 「みんな、助けてやったら、さ。みんなも、ブルマさんも、オレのこと、許してくれるよ、な。そうだろ? オレが、助けるんだよ」 「……もう……いいんだ、クリリン君……!」 「オレがやるんだ。オレがやる。オレが、オレが、オレがオレがオレがオレがオレがオレがオレが――オレがぁぁぁぁぁぁあああぁぁああっ!!」 静寂の森に、嵐が吹き荒れる。それは、この殺戮劇の中で、誰よりも救いを与えようとした男の、悲痛な叫び声。 ――誰よりも、救いを求めていた、男の。 そして三度、彼の掌からは、命を刈り取る光の球が放たれた。 たった一つの使命感によって、その身体は突き動かされていた。 ――殺さな、きゃ。 振り向き様に放たれた殺意の閃光は、一発目の攻撃を銃弾とするならこちらはバズーカ砲か、そう思える程に巨大な光の束で、 クリリンがこちらに背を向けていたことと、想像を、文字通り――大きく上回る質量を持った砲撃だったことが、リサリサの回避を遅らせた。 ――それが、『かめはめ波』と呼ばれる亀仙流秘伝の気功術であることなどリサリサには知る由もなかったが、 消耗しきったクリリンに残された、全身全霊の気の一撃は、横っ飛びに逃れようとしたリサリサの両足を飲み込んで―― ――吹き飛ばした。 「……ッ!」 途方もない高熱と激痛が、残された上半身へと広がっていく。 受身も取れずに砂石が転がる地面の上へと打ちつけられて、呼吸が、乱れる。 用意周到に腕へと練り集めた波紋は、たったそれだけの事で、消失した。 「……なんて……こと……」 呟いた声は、自分の耳にすら届かない程か細い。意識とは無関係に、身体が断続的な痙攣を起こす。 焦げ付いた胴体の断面からは、乾き切った大地へと数多の"赤"が注がれている。 考えるまでもなく、完全な、致命傷だった。 「リサリサさん! やだっ、そんな――!」 「……つかさっ……!」 気丈な意思を振り絞って、駆け寄ってくる気配を、制する。 彼女が来たところでどうしようもない、攻撃が続けば彼女も巻き添えを―― 「……武装、錬金」 後編
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錆びついた扉が開けられる。 夜10時。 人気も少なくなってくる時間帯。 出来るだけ店"らしくなく"装われた部屋の一角に、一人の男が佇んでいた。 上には上品なジャケットを羽織って年相応の体裁を整えながらも、下半分は見るからに安物で揃えている。 金が無いから間に合わせで着ているというよりは、明らかに着替えてやって来たという印象であった。 しばらく待った男はもどかしそうに、カウンターらしき台を小突いた。 「何か御用ですか?」 これまた生活感あふれる、お世辞にも綺麗とは言えない格好をした若者が奥のドアを開け、男を出迎える。 それでも言葉使いは丁寧で、また客の男が気を悪くしたような素振りを見せることもない。 「分かっているだろう?ゆっくりだ」 「もちろんでございます。○○様、お待ちしておりました」 ゆっくり。副詞。 奇妙だがそれは隠語でも何でもなく、ただ彼が扱っている商品の名前。 秘密は厳守、絶対に隠匿すべきという物でも無いのだが、最近では「ゆっくり」の保護を叫ぶ人々も多い。 だからこそ、店は敢えて古びたアパートのような内装・外装を残している。 余計ないざこざは誰だって避けたいものだ。 そもそもここに来る人々にはブランド物を買う店のような「洗練された雰囲気」は必要ないのだ。 彼らが買うのは嗜虐心を満たす行為そのもの。 法を犯すものでは無いとは言え、それは決して万民に受け入れられることの無い娯楽。 薄汚れ、コンクリートで固められた無機質な部屋こそ、それをするに相応しい。 「いつもの」 客の男が代金をカウンターに置きながら注文を出す。 彼は常連だった。 幾度となくこの店に通えば、好みは定まってくる。 また店側も、客の趣向を熟知している。 この店のたった一人の店員、経営者である若者は客の男からジャケットを預かり、カウンター裏のハンガーにかけると 「少々お待ちください」と男に告げて階段を降りていった。 このアパートの上層階はほとんど利用されていない。近隣への騒音を考えてのことである。 男はそのボサボサの髪を掻き上げながら階段を下り、単調な廊下を歩み、無造作に一つの扉を押し開いた。 「おうたをうたうよ ゆー……♪ゆゆー……♪」 「ゅー」 そこにはいた。 丸い体をした生き物達がおおよそ5匹ほど。 ご存じ、ゆっくり達である。 黒い髪に赤いリボンを揺らしているものと、金色の髪に帽子をかぶっているもの。 それぞれの大きさはまちまちであるが、おおよその分類はその二種類で出来ている。 そしてどれもが、悲しみに暮れているのか、それともただ何も考えていないのかどっちともつかないような顔でそこに鎮座していた。 「ゆ…」 「……」 無表情のまま、壊れたラジオのように調子外れな歌を歌っていた黒髪のゆっくり、ゆっくりれいむは息を飲んで押し黙った。 部屋の中では一番体の大きいと思われるゆっくりれいむ。二週間前くらいから、何故か歌うようになり始めた。 大きな体に身を預け、その歌に聞き入っていた小さな金髪のゆっくりまりさも、扉の方を確認するとビクッと身を固めた。 部屋が凍りついた。 微かな歌以外には何の会話も交わされていない静かな部屋だったが、店の男が入るなり確実に空気が変わった。 扉の前で立ったままの男を、あるものは見ないように、あるものはチラチラと窺いながらも、皆が皆意識していた。 所々黒ずんだ饅頭色の肌に冷や汗が滲む。 何度にも及ぶ非道な行為によって付けられた傷跡。 いくら小麦粉で表面上は修復されようにも、その餡子・心に刻みつけられた記憶までは拭い去れない。 「…ゆっ」 「ゆっ!」 「ゆっ ゆっ」 その状況を楽しむように観察していた男が歩を進め始めると、ゆっくり達は一層緊張の度合いを強めた。 先ほどの小さなゆっくりまりさは、おもむろにゆっくりれいむの腹にめり込んで震えている。 逃げられないと分かりながらも、他のゆっくり達はジリジリと後退し、壁に寄り添う。 ピタリと壁に背中を当てて、ゆっくり達は銃の的になったかのように恐怖の色を浮かべた。 「……ゆっ!!!」 何かに驚いたような、大きな声が響いた。 同時に、声の主以外のゆっくり達は一気に安堵した。 それがつかの間の平和であって、死ぬまで傷めつけられるだけの生と決まっているとしても、安心してしまう。 安心しても表情は一切変わらず、茫然としたままのゆっくり達。 それはまるで人形のよう。 安堵のため息などといった、自ずと出てくるちょっとした感情表現はとっくの昔にみな失っていた。 他のゆっくりを思いやる心が残っているわけもなく、ただ少しでも苦しみから遠ざかったという喜びだけが生きがいとなっていた。 「ゆっ…ゆっ…!」 当の本人。男が現れるまで歌っていた大きめのゆっくりれいむは、今、男の腕の中で震えていた。 周りのゆっくり達と違い、こちらは泣きだしそうな笑うような、アンバランスかつ繊細な表情で宙を見つめている。 「ゅー! ゅー!」 「ゆ…ゆ…」 男の足元を回る、ここでの生活も二週間間あまりで、まだゆっくりらしい感情を保っている小さなゆっくりまりさ。 彼女がゆーゆー泣きつくのも聞こえず、れいむはただ己の心を平静に保つのに必死だった。 「仕事だ」 「ゆ゛ぅっ!!」 男がれいむの頬を手で打った。 ビシッ!と快音が鳴り、れいむの目には溢れんばかりの涙が滲む…はずだった。 普通のゆっくりなら。 「ゆっ…! ゆっ…! ゆっくりっ!」 泣けば酷く痛いことをされる。 それだけが餡子に刷り込まれていて、れいむの中の恐怖心を抑えさせていた。 実際のところ、これから客に出す商品に酷く手荒な真似をすることは滅多にないのだが、れいむがそれを知る由もない。 無言のまま、男はれいむを抱えて部屋を出る。 部屋には、閉められた頑丈な扉に縋って泣くゆっくりまりさと、人形のように薄ら笑いを浮かべるゆっくり達が残された。 ● ○ □ 「こちらですね」 「ああ」 客の男は、自分の方に視線を合わせて震えるゆっくりれいむを見て、満足げな顔をした。 ゆっくりれいむもまたそれを見て「ゆっくりしていってね!」とぎこちなく笑った。 笑顔とは言っても、れいむ種ゆっくりの笑顔とは眉をキリッとさせた、人を小馬鹿にするような表情のことである。 彼女らには、これが最上の笑顔と認識されている。 人間とゆっくりの諍いの元となる要因の一つである。 「ゆっくりしていってね!!!」 しかし、ここには諍いは生まれない。彼らはこの瞬間から、金銭契約で結ばれたに等しい。 それにこのゆっくりれいむは男の大のお気に入りだった。そしてゆっくれいむは、とりわけこの男が嫌いだった。 「では、ごゆっくりお楽しみください」 店員の手渡す鍵とゆっくりれいむを受け取ると、男は階段を下り始めた。 先ほど登って来たのと同じ階段、しかし行きつく先はさっきまでいた所とは違う場所。 それをれいむはよく知っていた。 先の部屋よりもいっそう重々しい扉が開けられ、れいむは男よりも先に部屋に投げ込まれる。 硬いコンクリートの床に身を打ち付け、少し弾みながら壁の間際まで転がるれいむ。 並みの成体ゆっくりなら泣いて痛みを訴えるような衝撃にも、れいむはうめき声一つ上げなかった。 それどころか、起き上がるなり絵に描いたような笑顔で「ゆっくりしていってね!!!」と叫んで跳ねるゆっくりれいむ。 「ゆー! ゆっくり…していってね!!!」 「いつもながら思うが…よく調教されている」 男は呟き、はやる気持ちを抑えながら後ろ手に扉を閉めた。 このゆっくりれいむを含めた、先ほどの部屋のゆっくり達は皆あることを教え込まれている。 「ゆっくりしていってね!!!」 「いいねぇ」 苦痛・不安・怯え。それらを表に出そうものなら、さらなる苦痛を与えられる。 常日頃からそうして調教され、ゆっくり達は客の前で、とびきりの人懐っこさを強要されている。 一度店の男の手に取られた瞬間から、笑顔を作らなければならない。逆に、普段はどう過ごしていても構わない。 それでもゆっくり達が普段の生活でまともな精神状態を保てるわけもなく、その結果があのボーッとしたゆっくり達である。 彼女らは完璧な「ゆっくりしていってね!!!」と引き換えに、色々なものを失ったに違いない。 いや、そうでもしなければ正気を保てなかったのかもしれない。 このゆっくり達が正気、と呼べるならの話ではあるが。 「ゆっくりしていっでっ!!!!」 「いいなぁ」 言い終わる前に男の蹴りが顔面にめり込み、吹っ飛ぶゆっくりれいむ。 男は"こういったゆっくり"が好きだった。 人間の恐怖を知らない純朴なゆっくり達を虐待するのも好みだったが、 耐えがたい苦痛を与えられながらも壊れたように笑うゆっくりの姿が、自分は特に好きなのだとここに通う内に知った。 そして気がつけば、このゆっくりれいむばかり指名して通い詰めるようになっていた。 精神的にも強く、並大抵の苦しみには笑って耐えるタフなゆっくりれいむが好きだった。 成体ゆっくりにしても一回り大きい巨体もまた、ぞんざいに扱えて都合がよかった。 大きいゆっくりは表面を覆う皮も厚く、ボロボロになり難いのだ。 「ゆっぐ!!!」 「ちゃんと言えよ」 壁に寄せた靴先でれいむの気道を塞ぐ。 突き刺された顎下。その周囲がドーナツ状に盛り上がる。 ゆっくれいむはひーひーと苦しそうな声を洩らしながらも、笑顔を取り繕っていた。 当然ながら常軌を超えた仕打ちに涙は流れる。それでも顔は笑顔のままだった。 「ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!ゆっぐ!!」 「言えよ」 足でずるりとれいむを引き寄せ、踏みつけ始める男。 れいむは男が足を上げる度に、彼の為にしっかり言いなおそうと必死に呻いた。 目を瞬かせて涙を飛ばしながら、痙攣したように定められた台詞を言おうとするゆっくりれいむに、男は笑いを堪えきれなかった。 男の足元が緩み、その隙からするりとゆっくりれいむが体を逃がした。 「ゆっくりしていってね!!!」 「いい子だ」 男から解放されたゆっくりれいむはでんぐり返って台詞を言うと、すぐさま男の足元に纏わりついてきた。 顔を強張らせながらも、れいむは男に笑顔を向ける。 先ほどまで自分を痛めつけていた、その張本人が目の前にいるというのに、れいむは馴れ馴れしく男の周りを跳ねまわった。 「ゆっゆっ」 反応が無いのを見ると、今度は頬を男の脚に擦りつけ始める。 強い親愛の情を示す、ゆっくりの行動の一つだった。 男はまた、れいむの一連の"心にもない"行動を、いやらしい笑みを浮かべながら無言で眺めていた。 「ゆっくりー♪ っ?」 「ゆ゛!」 突然、フッと足の支えを失ってバランスを崩すれいむの体に、またもや硬い靴先がめり込む。 もんどり打って、起き上がったれいむの顔は一部裂け、黒っぽい餡子が滲んでいた。 それでもれいむはニコニコ跳ねて男の元に戻って来た。 「ゆっくりしようよ!」 「こっちにおいで」 男はれいむに答え、にこやかな笑顔で誘った。 客を満足させようとひたすら媚びる娼婦のように、れいむは懐っこく男の足に体を擦りつけた。 その度に男はれいむを思い切り蹴り、部屋の隅まで飛ばした。 多少傷がつこうともお構いなしだった。店によると、餡さえ残っていればほぼ完全に治すことが出来るらしい。 ゆっくりってのは便利なものだ。 「ゆ゛~っぐりじよう~ね゛っ!」 れいむが脳震盪を起こしたようにふらふらになり、呂律が回らなくなってくると、男は蹴るのを止めた。 もちろん可哀想になったから、とか流石にやり過ぎた、などと思ったわけではない。 男は単純に時間を置きたかった。 れいむはしばらく舌を噛みながらも「ゆっくり~」と言っていたが、 意識が戻って来ると体をブルブルッと振って男の方に向き直った。 「いっしょにゆっくりしようよー」 「ああ、ゆっくりしよう。だからおいで」 男はうやうやしく手招きをしてれいむを誘った。 れいむはそれに喜び、否、喜んだふりをしながら跳躍しようとした。 「ゆっくりー」 「おいで」 れいむは少しも進んでいなかった。 怖い。 きっとまた蹴られる。 本格的に震えが止まらなくなり、笑顔とは裏腹にれいむはその場に凍りついた。 「ゆっくりしようね」 「来いよ」 男の口調が強いものに変わる。 れいむは男が自分の非礼に憤怒していると思った。 今すぐ男の元に駆けつけなくては。 そう思うのだが、増長する恐怖が、逆にれいむの足を動けなくさせていた。 怖くて怖くて、れいむはいつの間にか歯を打ち鳴らしてガタガタ震えていた。 笑顔のまま。 「俺の言うことが聞けないのか」 男はいらついたように言い放つと、れいむを頭の上から踏みつぶした。 かかとに力を籠め、先ほどとは違って容赦の無い様子であった。 大きなリボンを付けた後頭部を上に向け、顔面を下にしてペシャンコにされるれいむ。 れいむの体の一部が、力いっぱい握られた風船のように膨らむ。 体が押し潰されながらも、れいむは頭の中に謝罪や友好的な言葉を思い描いた。 口は体躯と一緒に床に押し付けられ、一句としてれいむが言葉を発することは出来なかった。 「いたいからやめて」とも「なかよくしよう」とも言えなかった。 ただ、全身の皮膚を襲う膨圧から来る激しい痛みに、今は耐えるだけ。 「…ぐ………」 プッ! 行き場を失った餡子が口に溢れ、ププッ!と甲高い音と共に床に噴出する。 先ほどの傷口も開き、餡が染み出ていた。 れいむは自分の温かい餡子が体から溢れていくのを、肌で直に感じた。 ゆっくりは自らの餡子が体外に出ていくのを極端に恐れる。 体のほとんどが餡子で構成されているゆっくりにとって、それだけ餡の流出が死活問題だからである。 れいむもまた、そこに死を僅かながら感じていた。 ただ、れいむが一般的なゆっくりと違ったのは、意外と冷静にその状況を見ていたということである。 ―死にそうになるまでやられる。でも死にはしない。毎日この繰り返し。 れいむにとってこれは日常だった。 されど日常茶飯事であっても、その苦しみには死ぬまで慣れそうにもなかった。 「分かったか 逆らえばこうなるんだ」 「ゆ゛ーっ! ゆ゛ーっ!!! ゴホッ!! コホッ!! ゴボッ!!! ゆ゛ーっ!!」 男は戒めには十分だと判断し、れいむを解放した。 歪になっていたれいむの体が少しずつ元の形を取り戻し、球形に戻っていく。 れいむはゴロンと仰向けになり、苦しそうに餡を吐き散らしながら転げ回った。 壁に頭をぶつけ、床をのたうちながら、れいむがまともに呼吸できるようになったのは数分経ってからだった。 「ゆ゛っ ゆ゛っ ゆーっ!!」 「どうした?一緒にゆっくりするんじゃないのか?」 「ゆ゛っくりー!! じでっでね゛!!!」 涙が止まらなかった。 笑顔が曖昧に崩れながらも、れいむは「ゆっくりしていってね」と言おうとした。 泣きじゃくる子供のように嗚咽が言葉を遮ってしまい、上手く言えなかった。 腫れた全身が悲鳴を上げている。 潰され、代わりに引き裂かれるように伸ばされた全身の皮から、激痛がやって来る。 痛みでもって入念に教え込まれてきたはずなのに、実際にはいつまでも痛みを乗り越えることが出来なかった。 それもそのはず、店の男はいい塩梅に躾の手加減をしていたのである。 完璧に正気を失ったゆっくりを作っても面白くない。 耐え忍びながらも、いざという時には痛みに負けてしまうゆっくりが客には好まれる。 はなかられいむに勝ち目は無かった。 「ゆっぐぃ! じよーっ! よ゛っ…!」 「……」 「ゆ゛っ! っぐりじでっ!! いっでで!!!」 れいむは涙をとめどなく流しながら、笑顔を作ろうと必死だった。 口元だけでも、目元だけでも、自然な笑いになるようにれいむは顔に力を入れる。 れいむは気付かなかったが、意識すればするほど、彼女の顔は不自然に歪んだ。 笑顔の努力をすればするほど、その顔は絶望の表情に似てきた。 男はこのれいむの滑稽で健気な様を、黙って見守っていた。 何度見ても飽きない、れいむの心の中での葛藤。 その繊細で、ともすれば容易く壊れてしまいそうな悲痛な面持ちを、男は悠長に眺めていた。 この遊戯に制限時間は無い。 ゆっくりの餡が少なくなって危篤状態になった時、それが終了なのである。 逆に言えば、客は瀕死になるまでゆっくり達をじっくりと痛めつけることが出来る。実際、ほとんどの客がそうする。 そして翌週にでもやって来て、何食わぬ顔で同じゆっくりを虐待する。ゆっくり達はそれを抵抗せずに受け入れる。 彼女らは分かっている。拒めばそれが終わりであることを。 だから、彼女らは拒めない。 「ゆっー? ゆ゛ゆ゛ーっ!! やだー!!!」 「さあ本番だ」 そう、これからだった。 十分に堪能したのか、男はれいむを掴み上げ、部屋に無造作に置かれていた大きな置物にあてがった。 置物。それはただの木製の円錐。 先が少し丸められ、ゆっくりの体が"むやみに"傷つかないように配慮されたそれは、店の男の自作物。 彼は自分の店に来る客が色々な方法で虐待を楽しめるよう、こういった用具を幾つか用意していた。 また、欲求不満な客がゆっくりの体で再生が遅い場所、例えば目や髪を直接傷つける虐待をしように、という役割もある。 どちらにせよ、この器具達は店のゆっくりにとって畏怖の対象だった。 「ゆっ! ゆっ!!」 器具の先端でなぞられ、ゆっくりれいむの底部に陥没が出来てきた。 陥没の先は穴となり、点のように内部の餡子が透けて見えるようになって来る。 ゆっくりは水分過多の場合や、有害物質を取り込んだ時などにここから餡や水分の排出を行う。 本来、そういった生命に関わるような危険状態になった時しか開かないのだが、該当箇所を刺激してやることで僅かに開く。 僅かに開きさえすれば、十分。 裏返して穴を確認すると、男はれいむを円錐の頂点に突き立てた。 「ゆぎぎぎぎぃぃぃぃいいい!!!」 まるでメリメリと音を立てるかのような勢いで、円錐がれいむの底部から侵入していく。 餡の排出にしか使わないはずの小さな穴は、既に直径3cm程にまで広げられていた。 もう一息、男が力を加えると、れいむの体は更にずり下がった。 器具の断面に書かれた線と数字でおおよその直径を確認する男。 れいむの底に開けられた穴は、既に直径5cmほどに達していた。 底穴の縁が、内にめり込むような形で押し広げられているのが見てとれる。 「ゆ゛ぅぅぅっー!!!! ゆ゛うううううー!!!! いだいいだいじんじゃう」 れいむが訴えるのも聞かず、男はれいむの観察を続けた。 「いやだ」と言いながらも、口角だけは上げて涙を流す。 もう笑顔が体に染みついてしまったのだろう。幾度となく虐待されたゆっくりはこうなる。 そして、この手の客は心までズタボロになったゆっくりこそが最高の顔を見せてくれるという。 「だずげでよおおおおおおおおおおお!!!! やだ!! れいむの あんよやぶれちゃうよ!!!」 男はれいむと器具を放置したまま、至福の一時を味わっていた。 こうしてれいむが暴れれば暴れるほど、重い体が円錐にのしかかっていく。 もともとは小さな排出穴を利用しているため、れいむの体に大きな傷がつくこともない。 穴がどんどん開かれる。そして苦痛が増す。それだけの話なのである。 「ゆぐううううううううう!!! れいむのなかに何かはいってくるよぉ! だずげでぇ…たすげで」 実にゆっくりを虐待するのに適した用具だ、と男は思う。 なに、柔らかいゆっくりの体だ。全体がひしゃげようが、潰れようが、こいつらは生きる。 置物の先が頭を突き破る直前まで続ければいい。 前などは径25cmまで行った。そこで口から餡を盛大に吹き始めたので、慌てて中止した。 25cm。直径40cmほどの成体ゆっくりの、実に半分以上もの大きさの穴が開いたのである。 そこまで行くと"穴"と言うよりは、底部が真っ二つに裂けていると言った方が正確だ。 今度は何センチまで行くだろうか?どんな顔をするだろうか? 男は興奮を隠しきれずに更にれいむの体を押し込んだ。また数センチ、穴は広がり、れいむは苦しげに呻いた。 穴はようやく10cmに達しようとしていた。 10cmの穴。 れいむにとってそこは、飲み過ぎたお水、排泄餡を出すだけの穴。 今は逆に異物が侵入してきて、穴を遡っていく。れいむの底部は熱を持って、ジンジンと疼いていた。 穴を抉りながら、体の中に異物が侵入してくるのを感じる。 その存在を確かに感じる度、れいむは自分の底部の穴の状況を想像して、震える。 「れいむの れいむの…」 ゆっくりの"穴"は本来1cmにも満たない。 それが10倍にも広げられていれば、いくら柔らかいゆっくりの体でも軋んで痛烈な痛みを覚える。 もがけば余計にめり込んで来ることは薄々分かっていながらも、 身勝手にやって来る痛みは、二通りの方法でれいむに動くことを強要させる。 反射的な体のビクつき。 体は異物を拒否している。 れいむが意図する・しないに関わらず、体の振動は大きくなっていき、異物が体を侵すのを早める。 逃れようという試み。 仮に一回この器具から逃れたとして、れいむに何が出来るだろうか? 目の前には男がいる。すぐに捕まえられて再び円錐の上だ。 それ以前に試みは十中八九失敗し、余計に苦しむ羽目になるだろう。 それでもれいむは冷静でいられない。 今すぐに、一刻でもこの苦悶から抜けだしたいと切に願っている。 飛び跳ねて、ここから少しでも離れて体を癒したい。 そう刹那的に思い、足である底部を使って跳躍の動作を試みる。べらぼうに体を波打たせる。 まるで底なし沼。 れいむが暴れるほどに、れいむの体は器具を飲み込んでいく。 いや違う。それはまるで木の円錐が、れいむの体を飲み込もうとしているようであった。 「どぼじでえっ! どぼじでっ! くるしい! ぐるじいよお!」 「そんなに暴れるからだ」 男は器具に突き刺さったれいむの周りを、腕組みしながら愉快そうに回っていた。 れいむが跳ねる度に、確かにその鈍重な体は少し浮く。 だが、その反動でメリメリとずり下がっていく。 ラインチャートのように上昇と下降を繰り返しながら、ジリジリと体が崩壊へと向かっていく。 「ゆぎいぃぃあああああああああああ!!!!」 唸るような悲鳴をあげるれいむ。 20cm。 ついに体の半分もの大穴が開くと、今度は体内を占める器具の影響が出てくる。 既にれいむの顔はパンパンに膨張している。 時折苦しげに唸ってはいるが、もはや声をあげることすら辛いに違いない。 「ゆ゛!!! ゆ!!!!゛ ゆ゛ぅ゛!!!!」 底部は過大に変形させられ、その他の部分は破裂しそうなぐらいにまで膨張。 顔の輪郭がみるみる押し広げられ、眉・目・口、各パーツの距離が広がっていく。 蹴られた時の傷口が再び開き、餡子が飛沫のように飛び出す。 れいむの体は内側から壊されようとしていた。 突然、弾かれるように餡を吐く。 気持ちが悪いからではなく、行き場を失った餡子が、潰された時にように体から逃げていくのだった。 これを見た男は、すかさずガムテープを使って口を塞ぐ。 22cm。前とほとんど同じ進行状況だが、二の舞は踏むまい。 ここからはれいむはもちろん、両者とも無言であった。 23cm れいむは苦しそうに蠢いている。 息を吸えなくとも即死するゆっくりではないが、激しい状況下で呼吸を整えられないのは体にこたえるのだろう。 25cm 男は数字を見て、静かに喜んだ。 いける。まだいける。 27cm カッと見開かれたれいむの目から、大量の黒いものが流れ始める。 餡子だ。本来なら口から出るはずの餡が目から飛び出そうとしている。 液状化した餡は絶えず流れ、れいむの頬を伝って滴り落ちる。 れいむは今までになく激しく暴れる。 暴れると、体の一部が異常なまでに盛り上がって決壊する。 体に入った小さな亀裂が線を結び、大きな傷口となって餡が噴き出す。 餡を振りまきながら、れいむの体は少しずつ崩れおちていく。 29cm ようやく円錐の頂点がれいむの頭部に到達し、わずかに隆起させていた。 もうここまで来ると突き刺さったゆっくり、と言うよりもまるで元からそういうオブジェのようである。 餡、即ち血の涙を垂れ流して、れいむは死線を彷徨っていた。 ほとんど意識は無かった。 自分の体が大量の熱を持っていることをれいむは感じていた。 そして熱や痛覚と共にやって来る、おかしな感情が身を侵そうとしているように、れいむには感じられた。 れいむはそれに身を任せないように、ただ生きるために、静かに心を閉ざした。 男が動かなくなったれいむに手を当てる。 まだ生きている。気絶もしていない。 もうここまで来るとただの余興だ。 最後の一息。 男が全体重をかけてれいむを押し込む。 れいむはガムテープの裏から「クホッ!」と大きく息を吸い込むと、ピクリとも動かなくなった。 男は焦ったが、れいむの体がまだ温かさを保っているのが分かると一安心してれいむを器具から外しにかかった。 円錐を飲み込んでいた穴からボトボトと餡が落ちた。 形がすぐには戻らない。 ボロボロの楕円形になったれいむを抱えて、男は店員になじられる覚悟を決めた。 部屋を出る際に、男はまだ口のガムテープを剥がしていなかったことに気がついた。 端をつまんでビッと剥がす。 口元は、最高の笑顔のままだった。 ● ○ □ 「くそっ こっちの手間も考えろってんだ」 文句を言いながら、店の男はひとまずれいむの修復を終えた。 役目を終えた時のれいむはすでに息も絶え絶えで、体も悲惨な状態だった。 オレンジジュースに漬け込み、小麦粉を何回にも分けて塗すことでれいむはほぼ元の形を取り戻した。 「こりゃ、しばらくは出せないな」 完全に治癒し、酷使に耐えうるようになるまでに数日はかかるだろう。 多少の追加料金を男からせしめたものの、それだけでは補えない損失だった。 扉を開け、れいむを離してやる。 れいむはバインバインと跳ねて部屋の真ん中に陣取った。 小さなまりさが、それに寄り添った。 それから四日後の昼。 重傷を負ったれいむの様子を見に部屋に入った男は、ちょっとした異変を感じた。 変化を探すために注意深く見てみると、れいむの居る場所の近くに、積もった砂のような黒っぽい物体がある。 近づいて見て、男にはその物体が何なのか分かった。 黒い帽子を頭に載せたそれを、男は汚そうに摘みあげた。 虐待を繰り返された末にこうして弱っていくのは、案外よくあることである。 まりさのようにまだ精神が未成熟な子ゆっくりの場合、ストレスのあまり突然死んでしまうことすらある。 実に脆いゆっくりだった。心身ともに衰弱しているのだろう。もう使い物にならない。 まりさ種は比較的少ないので、代わりを用意する必要がありそうだ。本当に手間をかけさせてくれる。 成体にもなれば、多少のことには動揺しない人形になれるのだが。 男は、単調に歌っているゆっくりれいむを見やった。 こちらの具合はもう大丈夫そうだ。さっそく今日から働いてもらうとしよう。 「ゆー…♪ ゆゆー…♪」 ゆっくりれいむはいつものように、いつもと変わらず、呑気な歌を歌っていた。 ただ変わったのは、傍で聞いてくれる者が居なくなったということだけだった。 続く 【あとがき】 久々すぎてちょっと感覚がズレてます。 なんか愛が足りないです。ゆっくりは好きだけど、虐待への愛が足りない。 いつになるか分かりませんが、次ではもう少し好きなことやってみたいと思います。 あと大分遅くなってしまいましたが、前作、前々作で挿絵を書いてくださった方本当にありがとうございます 自分の想像した話が画像化されるなんて、作者冥利に尽きます。 【過去作品】 ふたば系ゆっくりいじめ 482 死体 ふたば系ゆっくりいじめ 214 ルームランナー 挿絵:めーりんあき
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Elebits part28-156~170 156 :Elebits:2007/02/05(月) 19 53 31 ID BUpESzXh0 ・エレビッツ世界の特徴 遥か昔、巨大な雷と共に現れた不思議な生き物、 エレビッツが全てのエネルギーを賄っている為、 化石燃料や核に依存しない文明社会となっている。 ・エレビッツとは 形状や色、特性などによって数種に分類されるが、 共通の性質として実体化したマテリアル体、 形状に囚われず機器に同化して動かす事の出来る エネルギー体、そしてその中間である発電体に変化し、 生活の様々に利用されつつ人類と共存している生命体。 ちなみに単体を指す場合は「エレビット」と呼称する。 ・キャプチャーガン キャプチャーレーザーという光線を発する銃器の形をした道具。 主な用途はエレビッツの捕獲だが、 レーザーを当て続けた物体を「つかむ」事が可能。 またエレビッツを捕獲しエネルギーを蓄えると 動かせる重量が大きくなったり、機器に電力を与え稼動させたり もできる。精密機器らしく、壊れ易いのが欠点。 ・登場人物 【カイ】 主人公。エレビッツ研究者を両親に持つ10歳の少年。 研究に明け暮れる両親に余り構ってもらえず、 寂しさを募らせる内、いつしか両親を自分から 引き離す元凶としてエレビッツを嫌うようになった。 【エド】 カイの父親。世界的なエレビッツ研究者として有名。 キャプチャーガンを発明したのも彼である。 かなりのエレビッツ愛好家でもある。 【アナ】 カイの母親。エドと共にキャプチャーガンを製品化させ、 やはり世界的に高い評価を受けるエレビッツ研究者。 絵本を書く事が趣味。カイの相手をしてやれない事を 気に病んではいるらしい。 ある嵐の夜、空を引き裂くような落雷が起きた。 それと同時に停電で部屋が真っ暗になり、 街中に何か異変が起きているようだ。 エドとアナは異変の原因を探る為に出かけてしまい、 取り残されたカイは不機嫌になる。 気晴らしに好きなテレビ番組を見ようとするが、テレビもつかない。 カイはそこで、テレビを見られるのもエレビッツのおかげだという エドの言葉を思い出し、今テレビが見られないのは 落雷後様子のおかしいエレビッツのせいだと決め付けてしまう。 そしてカイはエドに内緒でキャプチャーガンを持ち出し、 今までの恨みを晴らすべく、家にいるエレビッツを一匹残らず 捕まえてやろうと行動を開始するのだった。 157 :Elebits:2007/02/05(月) 19 54 09 ID BUpESzXh0 まず手始めに、自らの城である子供部屋を一掃しようとするカイ。 机や棚の上で大人しく眠っているエレビッツ達を容赦なく 光線で捕らえていくカイ。次第にキャプチャーガンのパワーも増し、 テレビやパソコン、玩具などを起動させ、中に潜むエレビッツ(※)を 追い出しまた捕らえる。 この繰り返しにより、ただでさえ余りきちんと片付いているとは 言えない子供部屋に、混沌の嵐が吹き荒れる事になったのであった。 子供部屋のある二階の廊下や物入れ、トイレの便器から吹き出した エレビッツも律儀にキャプチャーしつつ、カイが狙いを付けたのは、 両親の部屋であった。エレビッツ研究者にエレビッツが沢山いると 思ったのか、何か大人の世界を垣間見られるのを期待したのかは 知る所ではないが、ずかずかと寝室に踏み込むカイ。 ベッドをひっくり返しても、一般的な家具調度品しか見当たらないのだが、 確かにエレビッツは沢山いた。主にエドの趣味であろうプレイヤーや ラジオなどの電化製品が多い為だ。更に寝室からドア一つ開ければ そこは書斎。エドとアナの研究資料が色々とある、 まあ言わば聖域とも言える部屋なのだが、今のカイにそのような事を 慮る余裕などあるはずも無い。今、この時から惨劇は起こる…。 ※電化製品を稼動させると、エレビッツが大量に出てくるという ゲームシステムになっているのです。 158 :Elebits:2007/02/05(月) 19 55 04 ID BUpESzXh0 眼前には夢のような光景が繰り広げられていた。但し悪夢だが。 ガラスの像が砕け散り、トロフィーが舞い上がる。 棚にある全ての資料や本ばかりか、壁に掛けられた絵や 怪しげな仮面までもが床に散乱し、机でパイ生地のように潰された エレビッツに放たれるキャプチャーガンの閃光が空を裂く。 最早カイはエレビッツを狩り出す為に手段を選ばなくなっていた。 普段は怒られるので触らない仕事用PCを勝手に起動させ、 何のデータが入っているのかも分からないディスクを 躊躇いも無くシュレッダーに投入する。 それらも用済み次第投げ捨てられ、部屋の隅で無残な姿を晒している。 部屋の中で竜巻が舞い踊ったが如き惨状の中、エレビッツの姿も 殆ど無くなった事で、ふと我に返ったカイ。 「ずいぶん散らかしちゃった」などとのん気に考えていると、 エドから電話がかかってきた。 話の内容は、世界で何かが起こっていて、そのせいでエレビッツに 異変が起きているらしいという、意味があるのか無いのか分からない ものだったが、それよりもカイを落胆させたのは、念の為キャプチャーガンを 携帯するようにと告げた直後、エドが一方的に電話を切ってしまった事だった。 自分が心配ではないのか、やはりエレビッツの方が大事なのか。 嬉しいはずの父親からの電話で、逆に憂鬱な気分になったカイの耳に 階下からの物音が響いてきた。 「一階にもエレビッツがいるんだな?」 エレビッツへの恨みを増したカイは家中のエレビッツを根絶やしにすべく、 階段を下るのだった。 159 :Elebits:2007/02/05(月) 19 55 36 ID BUpESzXh0 一息ついて気が静まったのか(※)、キッチンとリビングでは なるべく物を壊さず静かにエレビッツを捕まえるカイ。 さすがに一階には家電製品が多く、その分エレビッツも沢山いるが、 慣れてきたのかキッチンでは捕獲の片手間にトーストを焼きコーヒーを入れ、 チキンをオーブンで程よく調理した上、おやつのポップコーンまで作って、 今後の夜間活動に対する準備もばっちりである。 ただ気になるのは、リビングに変な気配が漂っている事だ。 エレビッツの様子も今までとは違う感じだ。 カイが自分の事を棚に上げ、何かに怯えているみたいだ、 などと考えていると、突然これまでに見た事も無いエレビットが現れた。 ガラス質の蒼い体色と、目にも止まらぬ素早い動き。 敏捷さで知られるブルーエレビッツを髣髴とさせるが、 体も大きく能力は桁違いだ。その上分身までして、 カイを挑発するように、それぞれが疾風の如く飛び回る。 ブルーとは違うのだよ、ブルーとは! こんな代物を放ってはおけない。 カイはこれまでに蓄えたキャプチャーガンのエネルギーを開放し、 未知のエレビットに立ち向かう!後の事など考えない!それが男の子だ! ※本当は「物を壊すな」「大きな音を立てるな」などの ゲーム的な制限がかかっているだけだったりする。 160 :Elebits:2007/02/05(月) 19 56 07 ID BUpESzXh0 蒼いエレビットとカイの闘いは熾烈を極めた。 何しろ相手は俊敏だ。瞬きする間に位置を変え、物陰に潜む。 対抗するカイはキャプチャーガンのパワーを全開、 ピアノすら紙屑の如く宙に舞わせる威力をもって、 障害物(一般的に言う所の家具)を蹴散らし、蒼いエレビットを追う。 さっきまでの静けさはどこへやら。端から見れば凄まじい破壊行為 としか思えない光景がリビングに展開されていた。 蒼いエレビットの分身体は、キャプチャーレーザーを浴びると 外装がパリンと割れて半透明の中身(?)が露出する。 非常に視認し難いそれに再度レーザーを当ててやっと消滅されられるのだが、 最後の一体になると繰り返し分身し、しかも分身体の数がその度に増す。 但し分身する毎に体が小さくなる為、内包するエネルギーの減少は明らかだ。 つまり、いつかは分身する事ができなくなる。 死闘を繰り広げる事数分、最後の一体をレーザーが捉えた時、 もう分身は起こらなかった。カイの勝利である。 光の泡が散るように姿を消していくエレビット… そして蒼い光がキャプチャーガンに吸い込まれた後に残ったのは、 ごく普通の、一体のブルーエレビットだった。 脚が速く、人間が自分を探すのを楽しむという、ちょっと趣味の悪い エレビッツではあるものの、こんな風になってしまうなんて… 世界を包む異変を、漠然とではあるが感じ始めたカイであった。 161 :Elebits:2007/02/05(月) 19 56 38 ID BUpESzXh0 ブルーエレビット変異体の出現後、微妙に攻撃的になったエレビッツ達。 オモチャとは言え、大砲や戦車の中に入り込み、カイに対して反撃に 出るようになった。異変のせいなのか、カイの所業が腹に据えかねたのか…。 それはともかく、大事なキャプチャーガンを壊されてはたまらないので、 カイも負けじと次々にエレビッツを捕まえまくる。 そしていつしか、戦場(?)は戸外へ。更に街中へ…。 街へ出てみると、そこは人影も無く全ての建物が停電している為 暗く静まり返っている。自動車や信号、建設現場の重機なども エレビッツを動力源としているので、やはり状況は同じだ。 人目が無いのをいい事に、信号を勝手に点灯させたり ショップの看板を点けてみたり、消火栓を引っこ抜いてみたりするカイ。 そうして集めたエレビッツのパワーを使い、しまいには 組み上げたばかりの鉄骨を崩し、重機をひっくり返し、パトカーを放り投げる。 気が付けば、広場の時計台もどこかへ消えてしまっている。 見られていなければ、何をしてもいいという法は無い。 これはやはり、両親の放任教育がいけないのであろう。 カイはある意味被害者なのだ。 「その他の被害者」の事はこの際忘れるとして、 カイ自身はなんだか怖くなり、家に帰る事にした。 と言っても自らの行いに恐怖した訳ではなく、 単に嫌な予感がするというだけの話ではあるが。 だがその時、これまでに無かった大きな異変を、カイは目にする事になる。 162 :Elebits:2007/02/05(月) 19 57 28 ID BUpESzXh0 様々な物が浮いていた。地面に固定されている物以外は全て。 別にカイが先程放り投げた分がまだ落ちて来ていないとか、 そういう話ではなく、文字通り地球の重力から解き放たれているのだ。 チョコマカと走り回っていたエレビッツ達も、所在なさげにふわふわとしている。 これまでエレビッツへの恨みから周囲が見えなくなっていた(という問題だろうか…) カイだが、この異常現象を見てしまった今、自らが思っていたよりも 遥かに事態は大きなものだと感じていた。全部エレビッツのせいだという 見解自体は変わらないのだが、どうしたら良いものか… 「そうだ!パパの秘密のお部屋に行けば何かわかるかも!」 カイは書斎にエドの隠し部屋があるのを知っていた。 そこに行けば、エレビッツに関する秘密の情報が手に入ると考えたのだ。 意外と、子供に隠し事をするのは難しいものである。 …ところでカイ君、この無重力状態の中、平然と歩き回っているキミは一体… 書斎の隠し部屋は至極簡単に見付かった。何せ本棚のその部分だけに 「ここは開きますよ」と言わんばかりに段差が付いているからだ。 隠しているつもりなのか、そもそも隠す気があったのか、 単に扉に本を収納してデッドスペースを活用しているだけなのではないか。 などと色々考えてしまうが、ともかく隠し部屋の中に入ってみる。 そこでカイが目にしたのは、何に使うのか分からない怪しげな機械と 壁に貼られたエレビッツに関する資料だった。 機械の事は全く分からないので、せいぜい通電してエレビッツを 吐き出させるぐらいだが、資料の方はどうにか読める。 それによると、エドは最近発見された特殊なエレビットを研究していたようだ。 空を飛ぶエレビッツとして一般に知られるオレンジエレビッツ。 実はオレンジエレビッツは空気力学とは無関係に重力を 操って飛んでいるらしい、というのは研究によって分かっているが、 稀に力が暴走して変異し、周辺の重力にも影響を及ぼす程の能力を得る事があるという。 エドとアナは、この特殊なエレビットにスカイエレビットと言う呼び名を付けた。 ならば、この異常現象はそのスカイエレビットとやらの仕業だろう。 そう断定したカイは、さっさと捕まえて事態の収集を図ろうとするが、 肝心の相手がどこにいるかがさっぱり分からない。 結局もう一度、物が浮いている自宅から、物が浮いている街中へ スカイエレビットを探しに出て行かざるを得ないカイなのだった。 163 :Elebits:2007/02/05(月) 19 58 08 ID BUpESzXh0 スカイエレビットを求めて、「エレビッツ御殿」と呼ばれる 自宅を出て住宅地を進むカイ。相変わらず無重力状態が続いている。 浮いている物については、繁華街と比較して大物が少なく、 目立つのは乗用車ぐらいだが、その分エレビッツは捕まえ易い。 それよりもカイに取って幸運だったのは、この無重力状態が、 カイが暴れ回った痕跡を全て消してくれる事だった。 家中の物が散乱していても、トレーラーがひっくり返っていても、 建設中の鉄骨が倒壊していても、みんなエレビッツのせいなんだ! …という訳で、これまで同様に消火栓を抜きまくり、電話ボックスを 放り投げながら掃討を進めていくと、遠くに何やら羽ばたく物が見える。 前回行った、時計台のある公園の辺りだ。これはもしや…? 公園へ駆けつけると、そこには大きな耳を羽ばたかせ、 四つに分かれた尻尾をプロペラのようにクルクル回して飛ぶ オレンジ色のエレビットがいた。これがスカイエレビットに違いない。 さあ、物体を操るエキスパートはどちらなのか、対決だ! ふわふわ漂うスカイエレビットは、光るバリアでキャプチャーレーザーを 跳ね返し、周辺からオレンジエレビッツを吸い寄せ、そのエネルギーを黒い球体に 変えて飛ばし、攻撃してくる。先に闘った蒼いエレビットのような敏捷性は無いが、 このままでは手出しが出来ない。 と、良く見るとスカイエレビットには小型の分身体(?)が二体付いていて、 どうやらそれがバリアを形成しているようだ。ならば、とレーザーを分身体に 当てて掴み、地面にぶつけてみる。…効いている。これでバリアを消せれば! カイの思惑通り、二体の分身体を消滅させられたスカイエレビットは バリアを形成できなくなり、直接レーザーを当てる事が可能になった。 だが、これでカイが一方的に有利になった訳ではない。 追い詰められたスカイエレビットは頻繁に瞬間移動を行うようになり、 更に重力を操る力を利用して小型の竜巻を発生させ、 より激しい攻撃を仕掛けてくる。 こうなったらカイも必死だ。二連発、三連発と放たれる竜巻を かいくぐりながら、レーザーで掴んだスカイエレビットを振り回し、 公園の石畳へ力任せに叩き付ける。絵的には結構酷いが気にしてはいられない。 何度かばちんばちんやっている内に、さしものスカイエレビットも 限界に達したのだろう。蒼いエレビットと同様に幾筋かの光に分解され、 キャプチャーガンに吸収されていった。 …そしてまた、ありふれた一匹のオレンジエレビットが残った。 164 :Elebits:2007/02/05(月) 19 58 53 ID BUpESzXh0 家で遭遇した蒼いエレビットも、今回のスカイエレビットも、 正体は普通に人間と暮らしていたエレビッツだった。 それがどうして、姿形が変わるまでに暴走してしまったのか。 しかも、元に戻ったエレビットのキョトンとした様子から見て、 暴走中の記憶は無いのだろう。一体何が起こっているのか。 考え込んでいるカイの耳に、奇妙な声が響いてきた。 まるで誰かが泣いているような、そんな声。 と同時に、カイが散々苦労して灯して来た街の灯りが次々に消える。 更に、眼前に大量の、これまで見た事もない数のエレビッツが現れ、 一つの場所に向けて移動を始めた。もう大行進と言っていい程だ。 異変は、まだ終わっていなかったのだ。 カイは、エレビッツ達が向かっている方向に覚えがあった。 いつも窓から見ていた。家族三人で行きたかった。 でも、行けなかった場所…。 大きな観覧車が目印の、遊園地。 無数のエレビッツは、そこを目指して大行進をしていのだった。 集結するエレビッツを追って、とうとう遊園地に来てしまったカイ。 昼間は賑わい、人々の笑顔が絶えないであろうその場所も、 今は人の気配も無く、灯りも落ちて何やら不気味さを醸し出している。 カイに取っては、空からほの蒼く照らす月の光だけが頼りだ。 何気なくキャプチャーガンを月(※)に向けて撃ってみると… …掴めた。取りあえず忘れる事にしよう。 さて、遊園地には続々とエレビッツが集まっているようで、 自宅の周辺では見かけなかったイエローエレビッツも混じっている。 こいつらは普段大人しいものの、時折周囲のエレビッツを 取り込んでクマのような姿に巨大化する。そうなると性格が豹変し、 辺りの物を手当たり次第に投げ付けてくる。 その中にはベンチやコーヒーカップ(遊園地サイズ)も含まれており、 危険極まりない。 そんな巨大で重たい代物をバラ撒くばかりか、あまつさえ命ある者を狙って 投げ付けるとは、何と言う凶悪な所業!親の顔が見たい! まあ、彼らに取っては遊びの一環なのかも知れないが、 猛獣にじゃれ付かれる様なもので、迷惑な話である。 …そんなこんなで、深夜の遊園地を混沌に巻き込みつつ 物語は佳境に入ろうとしていたのであった。 ※作り物だと思いたいが…750tという数字が微妙。 ちなみにビューワで見ると球体なので、書き割りでない事は確か。 165 :Elebits:2007/02/05(月) 19 59 35 ID BUpESzXh0 望まぬ形で来てしまったとは言うものの、来る事は望んでいた遊園地である。 園内には夢の国に相応しい、数々のアトラクションが用意されている。 異変によって動力は落ちているものの、キャプチャーガンを使えば それらを稼動させる事も充分に可能である。 幸いエレビッツが大集結している為に、エネルギーには事欠かない。 やはりこうなるとカイも10歳の子供である。 エレビッツ捕獲よりも様々に用意された仕掛けで遊ぶ方に 気が行ってしまうのは仕方が無い。 スーパーライドやメリーゴーランドなどの乗り物系を 動かしてみたり、輪投げ、ボウリング、巨大スロット諸々を 堪能してしまった。 しかし、これはカイが子供だから許される(倫理的に、ではない)行為だろう。 夜中、誰も居ない遊園地で、一人アトラクションで遊ぶ姿… 10歳の少年ならばイタズラと冒険心で片付けられるが、 もしもカイが10年早く生まれていたら、それはそれは痛々しい… いや、そんな事はこの際どうでもよろしい。 問題は、巨大ツリーの辺りに漂う、圧倒的に妙な気配だ。 そろそろ現れるタイミングだとは思っていたが、三体目の変異体に違いない。 カイ君、遊んでいる場合ではないですぞ。 どこから湧いたか黄色い悪魔。 上から地響きを立てて落ちてきたそれは、色といい姿といい、 明らかにイエローエレビッツ…略してエロビッツが暴走したものだろう。 それと同時に巨大ツリー(勿論作り物)に実った卵だか果実だかが落ちて、 中から殻を被ったエロビッツが現れた。変異体はそれを吸収して 更に身体を巨大化させている。 …樹に生る?気にはなるが、もうエレビッツの理不尽な生態に 構っている暇は無い。今まさに変異体がクマまっしぐらに突進して来るからだ。 愛い奴だ。しっかと受け止めてしんぜよう…という訳にもいかない。 なんせカイは10歳の華奢な少年であり、何よりキャプチャーガンを 壊されてはたまったものではない。 ひらりと身をかわすと、変異体は勢い余って壁に激突して自爆。 脳震盪でも起こしたのかフラフラとしている。 こうなると、反射的にトリガーを引いてしまうのは戦場に生きてきた者の定めか。 キャプチャーレーザーで抱え上げた巨体を、どべしゃと地面に叩き付けると、 衝撃で、吸収されたエロビッツが数体バラバラと変異体から分離される。 …べ、別にアンタに敵意があった訳じゃないんだからね! ただ単に条件反射でやっちゃっただけなんだから! と言っても相手は敵意剥き出しで頭上にエネルギー弾とか溜めているし、 もう後の祭りである。所詮は修羅の道行きか……。 166 :Elebits:2007/02/05(月) 20 00 06 ID BUpESzXh0 例によってショワショワと縮んだ変異体は、これまで通り普通の イエローエレビッツに戻り、チョコチョコと四方に散っていった。 見事な大勝利であるが、カイの心は晴れやかにはならなかった。 これまでを見た限り、少なくともエレビッツ達に悪意は無い。 暴走してしまったエレビッツも、何か理由があって暴走したのかも知れない。 そう考えると、あれほど憎んでいたはずのエレビッツも何だか可哀想だ。 そんな感傷に浸っていると、突如カイの携帯電話が鳴り出した。 電話は両親からだった。家に戻ってみるとカイがいなくなっていたので、 慌てて電話をかけてきたらしい。まあ、家の中がアレだし心配しなかったら 本当の人非人なのだが、それは置いといて今のカイに取っては喜ばしい。 アナによると、先程の巨大な落雷から何者かが生まれ、 それがエレビッツの異変の原因になっている可能性があるという。 そう、まさに今カイがいるこの遊園地が落雷の場所にして、 異常の発生地点という事になるのだ。 何故家で待っていなかったのか、カイが今夜の出来事を頑張って (都合の悪い所はかいつまんで)説明すると、エドは叱りもせずに、 キャプチャーガンの横に付いているボタンを押してみろと言う。 言われるままにボタンを押すと、キャプチャーガンが眩い光を放つ。 なんと キャプチャーガンが パワーアップした! これで身を守れという事なのだろう。アナも二人ですぐに迎えに行くから 無理せずそこで待っていなさいと言う。その声は、とても優しく、とても嬉しかった。 涙が出そうになったが、カイは舌の先を噛んでそれを我慢した。 今泣いてはいられない。もう決めたのだ。待っていたら遅すぎる。 キャプチャーガンに宿った新たな力。 両親からの贈り物を手に、そして決意を胸に、カイは遊園地の奥へと走り出す。 エレビッツを捕まえる為ではなく、助け出す為に。 ※これ以降、ステージクリア条件の表記が、「つかまえろ!」から 「助けろ!」に変わります。芸コマですね。 167 :Elebits:2007/02/05(月) 20 00 54 ID BUpESzXh0 決意を新たにしたカイは、エレビッツを助けるべく、 物をひっくり返し投げ飛ばし、アトラクションや自販機を勝手に作動させ… …あれ? なんか今までとやっている事が変わらないような。 いや、そうではないのだ。今はもう、エレビッツを捕まえている訳ではない。 彼らをおかしくしている悪い奴の影響を受けないように、 「強制的に保護」しているのだ。そこら辺、お間違いの無い様に。 ところが、そんな親切も中々伝わらないようで、 エレビッツの抵抗も激しくなるばかりだ。 バリアを張って高速移動し、自ら光弾を撃って攻撃してくる グレイエレビッツの姿もグンと増え、それどころか生意気にも 狭い場所に砲台陣地を構築して、うっかり踏み込んだカイに 集中砲火を浴びせてくるなど、小癪な真似が目立つ。 しかし、それも既にカイに取っては僅かな足止めに過ぎない。 エドの助言によりこれまでに比べて強化されたキャプチャーガンを もってすれば、砲台を引っこ抜いて無力化するなど容易い事だ。 目指すは遊園地の中でも一際目立つ観覧車。 さっきから聞こえる鳴き声からして、そこに全ての元凶が 存在するのは間違いないだろう。もう一息だ。 それにしても、背後に広がる惨状はどうしたものか。 F5クラスの竜巻が直撃しても、これほどの被害をもたらすかどうか。 キャプチャーガンは研究機材としては、余りにも過剰な能力を持つ。 エドアナ夫妻は裏で軍需産【検閲により削除】 168 :Elebits:2007/02/05(月) 20 01 25 ID BUpESzXh0 遂にたどり着いた観覧車の下で、それは待っていた。 まぶしく光るオバケ(カイ曰く)が集まってきたエレビッツを 次々に吸い込んで巨大化していく。このまま放ってはおけない。 ただでさえ街中の機能が停止している今、何とかしなくては。 恐ろしげな声を上げるオバケ。カイにはそれがどこか悲しげにも聞こえる。 しかし躊躇っている暇は無い。これが最後の決戦だ! オバケ(仮)はどうやら吸い込んだエレビッツの能力を使えるようで、 ブルーのスピード、オレンジの飛行能力、グレイの攻撃能力… …レッドの気弱さは無いようだが、ともかく様々な戦法でカイを翻弄する。 当然レーザーを直接当てても効果が無いので、どうにかして隙を作らねば。 ところが待っていても一向に隙を見せてくれない。さあどうしよう。 と、周囲に何個か置かれている青銅製の花籠が目に留まった。 子供一人ではとても持ち上がりそうもない重量感ある一品だ。 しかし、カイの手にはパワーアップしたキャプチャーガンがある。 物は試しだ。花籠を掴んで、勢い良くオバケ(仮)をしばき倒す。 衝撃で吸収されたエレビッツがバラバラと飛び散った。 こうなれば、もうこちらのものだ。いくら相手が複数の力を使えるとは言え、 所詮は一度撃破してきた能力だ。…ふっ、所詮人真似では私は倒せんよ! という事でガンガンとオバケ(仮)を追い詰めていくカイだが、 最後の最後で思いもよらぬ事態が待ち構えていたのだった。 169 :Elebits:2007/02/05(月) 20 02 06 ID BUpESzXh0 カイの猛攻で後が無くなったオバケ(仮)は空中に浮かぶと、輝く光球と化した。 こうしたエネルギー体になる事で、エレビッツは機械と同化して操れるのだが… まさか観覧車を回してどうにかなるものでもあるまい、と思っていたら、 なんと柵で囲われた地面が二つに割れて、下から巨大な人型ロボットが せりあがって来た。これは遊園地のアトラクションなのだが、 強大なエネルギーを持つオバケ(仮)が同化したら… と思っている間に光球はロボットの胸部に吸い込まれてしまった。 そして…巨大ロボがずんずんとこちらに迫り始めた。 まさか、巨大ロボ戦う事になるとは。このシチュエーションにも驚きだが、 一体どうやってこんな代物を退治したものだろうか。 あれではレーザーは勿論、たかだか花籠をぶつけた程度では無力だろう。 何らかの手段を使い、オバケ(仮)とロボを切り離せば…。 考えろ。これまでの経験から、必ず答えは導き出せるはずだ。 その前にロボにやられなければ。 レーザーを直接当てても駄目。物をぶつけても駄目。 巨大ロボという強固な鎧の防御は、完璧に思えるが… …ん?確かに相手は巨大で頑丈かも知れないが、 所詮は遊園地のアトラクションでしかない。 よく見ると胸部のカバーは何本かのネジで固定されているに過ぎない。 もしかして…! ロボの右フックをかいくぐって、ネジの一本に狙いを定めトリガーを引く。 放たれたレーザーはカイの狙い通り、ネジの先端を掴む事ができた。 そこですかさず手首をぐりぐりっと捻ると、狙い通りネジの頭が飛び出してきた。 やった!キャプチャーガンの特性を見事に活用した超戦術だ! 最終決戦がネジ回しという、冗談のような絵面はともかく、 カバー周縁部の四本を引っこ抜いて、とうとう最後に残った真ん中の大きなネジを ……ぐるぐるぐるぐるぐる…… ばかんとカバーが外れると同時に、ロボが力無く膝を付き、 胸部から光球が吐き出された。遂に勝った。カイはエレビッツ達を助けたのだ。 170 :Elebits:2007/02/05(月) 20 02 38 ID BUpESzXh0 光球が弾け、無数の光の粒が舞い散る。その一つ一つが吸収されていたエレビッツ達だ。 そして…最後に残ったのは、たった一匹のエレビットだった。 これが、雷から生まれ、街全体を巻き込んだ大きな異変の原因だと言うのだろうか。 震えている、ただの小さなエレビット。 カイには理解できた。こいつは自分と同じなのだと。 生まれたばかりで仲間もおらず、たった一人で寂しくて怖くて… カイはもう、エレビッツを嫌いではなかった。 必要なくなったキャプチャーガンを置くと、カイは震えるエレビットを そっと手の平に乗せた。エレビットは何だか嬉しそうな様子を見せた。 そこへ大慌てで両親が駆けつけた。心配そうに声をかけるエドと、 一人にした事を謝りつつカイを抱きしめるアナ。 ちょっと痛かったが、それも今のカイにとっては優しく暖かいものだった。 元オバケのエレビットを見せると、二人は突如として研究者の顔に戻り、 あーだこーだと驚くやら専門用語を連発するやら、すっかり新種の エレビットに夢中になってしまった。 しかし、そんな両親を見てもカイは以前のような寂しさを全く感じなかった。 だって、もう一人ではないのだから。 気が付けば、もう夜が明けていた。 一夜の冒険ももう終わりだ。さあ家に帰ろう。家族“四人”で。 ---後日--- エドとアナによって「ゼロ・エレビット」と名付けられたエレビットは、 ゼロと呼ばれ、カイと仲良く暮らしている。 しかし、研究を申し出てもカイに断られてしまう為、 詳しい事はまだまだ不明だそうな…。 お し ま い
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mizu0201_1|レポート事件 @bg file="rouka1.jpg" time=700 [cm] @bgm file="gakkou1.ogg" @texton 廊下に出ると、目の前をうさぎ頭が走り抜けていった。[lr] 「どぅわっ!?」[lr] とっさに飛びのく俺。重心を大きく傾ける人影。うさぎの耳のようなツインテールが慣性に引かれて舞い上がる。彼女が廊下に身を投げ出すことで、辛うじて衝突を免れた。[lr] @ld pos=c name="mizu" wear=u pose=2 b=3 e=2a m=5 「イタタタタ……」[lr] 「すみません、だいじょうぶですか? ……ってみずき!?」[lr] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=1] 「おっけー、おっけー、あたしはだいじょうぶ……ってみのる!?」[lr] [mizu f="驚き" pose=1 pos=c] 互いに素っ頓狂な声を出してしまった。[pcm] 「っていうか、お前、どうしてここに?」[lr] ;原文 よって当然ながら階は違うはずなのだが。 みずきとは学年が異なるので階は違うはずなのだが。[lr] ;[ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=3 e=1a m=5] [ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=7 e=2a m=8] 「ごめん、説明してる暇ない!」[lr] @cl だが、答える暇も惜しいとばかりに、みずきは再び駆け出していった。ツインテールの尾を引きながらそのまま走っていく。[lr] 『うさぎ耳』とか似合うんじゃないか、と小学生のときから思っていた。[lr] あっという間に小さくなってゆく後ろ姿。俺の心に不安の雲が広がった。[lr] 「アイツ、まさかまた――」[lr] 「お、いたいた、みのりん発見」[lr] と、背後からお呼びがかかった。[pcm] [imar f="真顔" pose=1 pos=c c=1] 「……なんだ、伊万里かよ」[lr] [imar f="怒り" pose=1 pos=c] 「なんだとはなんだ。前から思ってたんだけどね、キミはボクをいったいなんだと」[lr] 「貧乳だと思ってるが」[lr] @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=7 「なんだとコラー!」[lr] ぼすん、と俺の胸を一撃してから、伊万里は急に表情を変えた。[lr] @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=1 c=1 s=1 「みずきこっちに来なかった……かな?」[lr] 「みずきなら向こうに――」[lr] と指を差したくなるのをこらえ、俺は逆に尋ね返した。[pcm] 「どうしたんだ?」[lr] 「――え?」[lr] 「だから、みずきはどうしたんだ? お前、知ってるんだろ?」[lr] 「…………」[lr] まっすぐ瞳を覗きこむ。幼馴染の愛想笑いを見た途端、俺は違和感を覚えた。何かを隠して媚びるような、そんな笑みは本来のコイツとは最も縁遠いはずだ。[lr] 数秒の沈黙の後、[lr] @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1 「……その、みずきがまた」[lr] 観念したように伊万里は説明を始めた。[pcm] @cl @bg2 file="rouka1.jpg" time=1500 @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=5 s=1 ;;画面フェードアウトで暗転の後フェードイン? 背景は廊下 改ページ? 良くわからん(魚 ;;追記してよく分からない。お任せしてもいいでしょうか? by宇宙人 ;;フェードアウト時についでに改ページすれば良い予感。 「あー、ちょっと整理させてくれ」[lr] 頭痛を揉みほぐすように、俺はこめかみに手を当てた。[lr] 「五限目にググレに提出する課題のプリントを忘れて取りに帰ったって? 昼飯も食べずに」[lr] 俺の問いに深々とうなずく伊万里。さらにこっそりと口元に手を添え、耳打ちしてくる。[lr] @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=4a m=4 s=1 「しかも忘れたのはみずきじゃなくてその友達!?」[lr] 俺はぐったりとしてしまった。[pcm] @fadeoutbgm time=1000 @cl @bg file="black.jpg" @bgm file="ahumati.ogg" [mizu f="微笑み" pose=1 pos=c] ;;改ページ。背景『真っ黒』。伊万里消し、みずき(デフォルト)。BGM『雨の降る街』 如月みずきは――アイツは昔から面倒見が良すぎた。困っている人がいれば放っておけない性質なのだ。[lr] たとえば、電車の中では、相手が老人でなくても、自分より年上であれば席を譲ってしまう。[r] ……まあ、以前やったときは席を譲られた小太りの女性が『あたしゃ妊婦じゃないよ!』と怒ってしまい、みずきの親切心はお節介になってしまったのだけれど。[lr] そんなみずきにクラスメイトのピンチという状況を用意してやればどうなるか。仮にも友達を主張するならばソイツにも分かるだろうに。[lr] まして『あの事故』のせいで今のみずきは――あの『同い年の後輩』は……。[pcm] @fadeoutbgm time=1000 @cl @bg file="rouka1.jpg" @bgm file="gakkou1.ogg" [imar f="悲しみ" pose=1 pos=c t=1] ;;改ページ。背景『廊下』。BGM『学校的風景其の一 ver.2』に戻す。みずき消し、伊万里(焦りとか泣きとか。シリアスモード)。 「ねえ、どうしようどうしようどうしようどうしよう、ねえ、みのりん!」[lr] 一度タガが外れると、もとから浮き沈みの激しい伊万里らしく、もう止まらなかった。俺のネクタイを締め上げつつ、がくがくと前後に揺さぶって脳震盪攻撃を仕掛けてくる。[lr] 「お、い、とに、かく落ち着、け」[lr] 「無理無理無理無理無理無理――!」[lr] 熱に浮かされたように伊万里は繰り返した。[lr] 「だってだって、みずきち、物凄く急いでたもん。もし去年みたいなことになったら……!」[lr] ソプラノに焦燥をにじませた伊万里の手から力が抜けていった。[pcm] 「それはだいじょうぶだろ。もしそんなことになっても、ググレあたりに責任をとらせてやる」[lr] また去年の『あの事故』のようなことになれば……コイツが責任を感じてしまうのも無理はない。俺は伊万里をなだめ続けた。[lr] とはいえ、とりあえず今回はあの時のようにはなるまい。みずきは無事に戻ってきた。これ以上、気を揉んでも仕方ない。[lr] 「そういうことなら……っと」[lr] ようやく伊万里が落ち着いたところで、俺は伊万里の両肩を掴んだ。[pcm] 「伊万里」[lr] [imar f="悲しみ" pose=1 pos=c m=9 t=1] 「ふぇ!? な、なんだよぅ」[lr] 俺の邪悪な笑みに危機を察知したのか、ファイティングポーズをとる伊万里。[lr] む、これは危険だ。[lr] 「おまえを調教したいんだが」[lr] 俺はまっすぐ伊万里の瞳を見つめて告げた。[lr] そして――[pcm] ;;SE『衝撃音』 @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=7 c=1 s=1 [playse storage="tm2_hit002.ogg"] @ws 「きゃああああああ!?」[lr] 「うぐうううううう!?」[lr] 顔を真っ赤にした伊万里と顔を真っ青にした俺の悲鳴が重なった。[lr] あらかじめ構えていた俺のガードを無効化する一撃だった。ファイティングポーズを取りながら、しかし伊万里は俺の足を踏みつけたのだ。しかも小指をピンポイントで。[lr] 「へ、へ、へ、へ……」[lr] 脚を抱えて声もなく悶える俺を見下ろしながら、伊万里が絶叫した。[lr] 「ヘ、ヘンタイーーー!」[lr] それっきり、伊万里は身をひるがえして走り去った。[pcm] @cl 「もう少し下ネタにも対応できなきゃいけないなぁ、伊万里くん。いじられキャラの道は遠く険しいのだよ」[lr] 俺がやったのは『しゃっくりを驚かせて止める』みたいなものだ。そっち系に免疫のない伊万里に下ネタを振れば、過剰な反応が返ってくる。[r] そうすれば親友への振り切れそうなほどの心配を一時的には忘れさせられるかもしれないと考えたのだ。[lr] とはいえ――[lr] 「――痛ぇ」[lr] 痛ぇったら、痛ぇ。とにかく痛ぇ。どうしようもなく痛ぇ。[lr] 俺は『[ruby text="いじ"]伊[ruby text="られ"]万[ruby text="キャラ"]里調教計画』の修正を考えながら(もちろんハードな方向に)、足を引きずってある場所へと向かった。[pcm] @fadebgm time=500 volume=50 @bg2 file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" @fadebgm time=500 volume=100 ;;一度、画面をブラックアウトさせた後、改ページ。背景『廊下』、BGM『学校的風景其の一 ver.2』(フェードアウトしかけるんだけど切らない。デクレシェンドとクレシェンドをやるみたいな感じかな)。 「みずきはそろそろ教室に戻ってるころだろうな」[lr] @ld pos=c name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=9a m=11 t=2 「ふぇぇぇ……」[lr] ある場所へ行った後、みずきの教室へ向かおうとした途中で見つけた伊万里を捕まえ、その腕を引きながら俺は歩いていた。[lr] 「誰か助けてぇ、調教されるぅ」[lr] 「お前のために調教するんだ、伊万里。お前もちょっとは下ネタに耐性つけておかないと社会に出たとき大変だぞ?」[lr] 「それは分かるけど」[lr] 「ならまずはエロトークをマスターしなければならないと思うんだ」[lr] 「これって絶対セクハラだよぅ……」[pcm] @cl などという実に微笑ましい会話をしているうちに、みずきの教室へと到着していた。廊下から教室に顔を突っ込むと、[pcm] @bg file="kyousitu.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" [mizu f="笑顔" pose=1 pos=c c=1] 「ありがとう。助かったよ、キサちゃん」[lr] 「えへへ、そうでもないよ~」[lr] 同級生に感謝の言葉を述べられているみずきの姿があった。[pcm] コイツがみずきを――。[lr] 今まで伊万里をからかって遊んでいた口元が硬くなるのを感じた。[lr] コイツはみずきの置かれている立場を理解しているのだろうか?[lr] 俺の中で黒いものが膨れ上がった。小学校からの友人として、先輩として見過ごせなかった。[lr] @ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=1 e=1a m=6 c=1 「そんなたいしたことじゃないってば~」[lr] 頬を薄紅に染めたみずきのはにかんだ表情を見ると、それは萎んでいった。[lr] コイツにとって、誰かの世話を焼くというのは生き甲斐みたいなものなのだろう。[lr] 「おーい、みずき」[lr] 「おっけーおっけー、あたしに任せておきなさいっ! ……あれ、みのる?」[pcm] @cl @bg file="rouka1.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" [mizu f="驚き" pose=1 pos=c m=12] 俺が手招きをすると、不思議そうな表情でみずきは教室のドアまでやってきた。[lr] 「伊万里まで、二人してどうしたの? ――アウトっ!」[lr] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c m=11] びしぃっ! と伸ばされたみずきの人差し指をたどっていくと、いつものように俺の髪に向けられていた。[lr] 「もう、寝癖くらいちゃんと直すっ!」[lr] みずきが慣れた動きで俺の髪を梳き始める。いつものことだ。[lr] 「それより自分の髪型を心配しろよな」[lr] 溜め息を吐くと、俺はいつものお返しとばかりにみずきのツインテールに手を伸ばした。[pcm] [mizu f="驚き" pose=1 pos=c m=10 c=1] 「きゅ……」[lr] 指先が疾走で乱れた髪を捉えると、みずきは小動物の鳴き声のような声をかすかに漏らした。そんな反応にどきっとしながらも、サラサラの感触を梳いた。[lr] [mizu f="真顔" pose=1 pos=c] 『ボクを除け者にするなぁ! ……ボクだってちょっと寝癖ついてるのに』という後半はよく聞こえない伊万里の抗議が聞こえるが、俺とみずきは示し合わせたかのように無視した。[r] 『ええええっ!? なんでみずきちまでー!?』などと言っても無駄。俺とみずきはアイコンタクトを交わし、ふふん、と共犯の微笑みを交換する。[lr] 時間にして一分と経たなかったのだろうが、俺にはその何倍もの時間が過ぎたように感じられた。[pcm] @cl [mizu f="驚き" pose=1 pos=rc m=12] 「……あれ、伊万里。どうしてこんなところにいるの?」[lr] @ld pos=lc name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=6a m=9 t=2 「しくしくしくしく」[lr] 俺とみずきが互いの毛づくろいを終えると、いつの間にか伊万里はしきりに泣き真似をしていた。[lr] [mizu f="真顔" pose=1 pos=rc] 「放っとけ放っとけ。それより」[lr] @ld pos=lc name="imar" wear=u pose=1 b=5 e=2a m=7 c=1 s=1 「ええええっ、無視するの!?」[lr] [imar f="不満" pose=1 pos=lc] ぎゃーすか喚く伊万里はさておき、俺は床に置いていた袋を持ち上げた。売り切れるのが早すぎると悪名高い学食で買ったパンを差し出す。[lr] 「お前、飯くらいちゃんと食えよな」[pcm] @ld pos=rc name="mizu" wear=u pose=4 b=1 e=7a m=3 c=1 てっきり『サンキュー、みのるってば気が利く~』などと言い出すかと思いきや、みずきは何も言わずに頬を赤らめたかと思うと、すっと瞳を伏せた。[lr] 「もしかして、みのるの奢りだったりする?」[lr] 「当たり前のことを訊くな」[lr] @ld pos=rc name="mizu" wear=u pose=4 b=1 e=6a m=1 c=1 [imar f="真顔" pose=1 pos=lc] 「それってみのるからあたしへプレゼントってことだよね?」[lr] 「だから、当たり前のことを訊くな」[lr] @ld pos=rc name="mizu" wear=u pose=4 b=1 e=2a m=8 c=1 「そうなんだ……えへへ♪」[lr] @ld pos=lc name="imar" wear=u pose=1 b=3 e=9a m=11 t=2 隣では『ボクにはくれないんだ……』と伊万里が恨めしげに指をくわえていた。[lr] みずきが顔を上げた。[lr] [mizu f="笑顔" pose=3 pos=rc c=1] 「嬉しいっ!」[lr] 「――!?」[pcm] @cl [mizu f="笑顔" pose=3 pos=c c=1 size=L] 甘い香りが鼻をかすめた、と思ったそのときには、懐にみずきが飛び込んでいた。[r] 触れ合った部分からは熱く柔らかな感触が伝わってくる。小さくとも充分すぎるスリーサイズを備えた肢体。[lr] [imar f="驚き" pose=1 pos=l c=1] ;;伊万里(驚き) みずきにかぶって見えなければ消すか移動 「ああああーっ!」[lr] と、廊下になぜか伊万里の悲鳴が響き渡った。[pcm] @fadeoutbgm time=1000 @cl @bg file="black.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" [jump target=*mizu0201_2] [s] mizu0201_2|買い食い禁止 @bg file="syoutenngai.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" [cm] @bgm file="n01.ogg" うちの学食は戦場として有名である。ラッシュ時の通勤電車にも劣らない人口密度に、少なめに設定された品数。群がる人垣の分厚いこと、野次馬の如し。[lr] そんな中を後ろから乗りこんでいけるほど俺は体格に恵まれていない。いつも昼休みと同時にダッシュして前のほうに並んでは辛うじて確保していた。[lr] だが、伊万里と会話している間のタイムロスが、そんな普段のサイクルを狂わせた。[r] たどり着いたときに残されていたのは、パンがわずかに数個。そして、それらは今頃みずきの活動エネルギーへと変換されている。[pcm] というわけで、空腹に耐えかねた俺は帰る前に腹ごしらえでもするか、とこの商店街に立ち寄った。最近の悪習だが、背に腹は代えられない。[lr] ;; 昼のエピソードを通過していると、上の四段落を採用。通過していなければ、『今日も今日とて、俺、藤宮稔は不良少年である。なにせ、家にまっすぐ帰らずに買い食いするためにこの商店街へやってきたのだから。最近の悪習だが、背に腹は代えられない。食欲というのは三大欲求のひとつなのだ。』を挿入してほしい。 ;仕様変更につき↑は気にせず。行動選択が1回になったため。 ;;SE『お腹の鳴る音』。これは要らないのではなかろうか。 「今日はどこの店に行くかな」[pcm] @bg2 file="syoutenngai.jpg" rule="縦ブラインド(左から右へ)" ;;ファーストフード店などの背景(カラオケとかも使うこともあると思うので、そういうのを流用して)をパラパラ変えて、最後に屋台を表示。 「たこ焼きとか悪くないな」[lr] 屋台から漂ういかにも食欲をそそる匂いに、俺は小躍りしながら一箱注文した。[lr] 「美味そうだな~」[lr] ほっかほかの焼きたてである。タレの香ばしい香りに、青海苔の海の匂いが合わさって唾液がどっと溢れる。鰹節が陽炎のように揺らめく光景は幻想的とさえ言えた。[lr] 唾をごくりと飲みこむと、一つに爪楊枝を刺して大きく口を開けた。[lr] 「アウトっ!」[lr] 後ろからびしぃ! と指を刺す擬音が聞こえた。[lr] 「なんだよ、みず……ってああっ!?」[pcm] [mizu f="笑顔" pose=1 pos=c c=1] 「ん、美味し♪」[lr] せっかくの御馳走を横取りされた俺の悲鳴などどこ吹く風とばかりに無視し、もぐもぐと口を動かすみずき。[lr] 「い、いつの間に――!?」[lr] 油断も隙もあったもんじゃない。いつの間にかみずきの手の上で湯気を上げていたタコ焼きを取り返す。[lr] @ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=4 e=4a m=4 先輩として俺は説教モードに入った。[pcm] 「いいか、みずき、今のお前の行動は――」[lr] 「むー!」[lr] 「明らかに泥棒なわけで――」[lr] @ld pos=c name="mizu" wear=u pose=1 b=4 e=3a m=4 「むー!!」[lr] 「だいたい世の中には窃盗罪というものが――」[lr] [mizu f="不満" pose=2 pos=c] 「むー!!!」[lr] 「伊万里寿司って美味いかな――」[lr] [mizu f="不満" pose=2 pos=c size=L] 「むー!!!!」[lr] 「……分かった、食え」[lr] 俺は諦めて箱を差し出した。[pcm] [mizu f="笑顔" pose=1 pos=c c=1] 「……こ、これはあたしが食べたいんじゃないからね! みのるの買い食いをやめさせるためなんだからね!」[lr] すしゃっと残像さえ見える速度で箱に飛びつくみずき。[lr] 「…………」[lr] 先輩だから、そう、先輩だから譲ってやっただけだ。決しておねだりするみずきの表情にくらくらっとしてしまったからじゃない。[lr] 「っていうか、お前、なんでここにいるんだ?」[lr] まさかまた何か雑用を引き受けてるんじゃないだろうな。そう思っての心配だったのだが――。[pcm] [mizu f="笑顔" pose=1 pos=c m=8 c=1] 「♪」[lr] 「……無視ですか」[lr] しかし実に美味そうに食べるものだ。屋台のおっちゃんが見たらさぞかし喜ぶだろう。[lr] 何個か掠めるだけかと思いきや、みずきはしっかり全部平らげた。[lr] [mizu f="笑顔" pose=1 pos=c m=1 c=1] 「ふぅ、満足満足」[lr] ――俺、一つも食べてないんだけど……。[pcm] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c m=11] ;;みずき(怒り)。差分で歯に青海苔がついてると嬉しい。いや、労力がかかるなら贅沢は言いませんけれど。 「アウトっ!」[lr] びしぃ! と人差し指を俺に向けるみずき。[r] ちっちゃな身体で威厳を出そうと頑張っているのは認めるが、歯にくっついた青海苔がすべてをぶち壊している。俺は笑いをこらえるので精一杯だった。[lr] 「買い食いばかりして! 太るし身体に良くないの分かるでしょ!?」[lr] むしろ今は痩せそうだ。空腹だって身体に良くないだろうに。[lr] だが、俺はとても賢明である。ここでは何も言わずに聞き流すのが吉だと、長年の経験が告げていた。[lr] ――ああ、道行く人々から怪訝そうな視線を感じる。歯に青海苔をつけた女子生徒に説教されている哀れな男子学生。[r] しかもソイツが飢えで生気のない顔をしているとなれば、もう理解に苦しむしかあるまい。[pcm] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c size=L] 「ちゃんと聞いてるっ!?」[lr] 「うわぁっ!?」[lr] 聞いてる聞いてる、聞いてますから爪楊枝を眼球の前に突きつけるのはやめてください。[lr] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c m=10] 「だいたい昼に何食べたわけ?」[lr] 「……あー、えーっと」[lr] とっさに俺は頭をフル回転させた。[lr] 「く、空気だ。俺は仙人になったからな、霞を食べて生きていけるのさ」[lr] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c m=11] 「嘘、そう言って昼を軽く済ませては買い食いするくせに! さっきからも言ってるけど――」[lr] みずきの説教が再度ループする。[pcm] ;;昼のエピソードを通過していると、下四段落を表示。 ;↑これも同じく気にせず。 俺がみずきのために自分の昼食を犠牲にしたことは、決して悟られてはならないことだった。俺が考える本当の親切とは、親切にしたことを相手に悟られないことだからだ。[lr] ――だからな、気づくんだ、みずき。[lr] お前が俺に親切を受けていたと知ったとき、どんな気持ちになるのか。それをよく考えてから人助けはするものだ。[lr] こういう余計な気回しをしてしまうのが、先輩かつ友人という立場なのだろう。[r] 小型発電機でも内蔵したようなコイツの活動力は半端ではないが、それだけに危うさをも抱えている。[r] そのサポート役に回ってやれたら、俺はいつもそんな風に感じてしまっている。[pcm] [mizu f="不満" pose=2 pos=c] 「もう、みのるの食生活見てらんないっ! あたしが全部管理するっ!」[lr] ポケットからペンとメモ帳を取り出すみずき。慌てて止めようとする俺の眼球の前にペン先がびしぃ![lr] [mizu f="怒り" pose=2 pos=c m=11] 「まずは昨日の夕食!」[lr] 「ええっと、昨日は……」[lr] 「炒飯でしょ! それくらい憶えときなさい!」[lr] 「はいぃ!」[lr] なんで知ってるんだよ、との疑問が脳裏を掠める間もなく次の質問が飛んだ。[pcm] 「昨日の夕方!」[lr] 「えっと、あ、そうだ、アレ、あそこの――」[lr] 「星野屋の牛丼! つゆだくの卵つき!」[lr] だからなんで知ってるんだよ。[lr] どうやら『つゆだくの卵つき』をメモするのに時間がかかったらしく、そこで俺の疑問が割りこめた。[lr] 「お前、なんで俺の食ったもの知ってるんだ?」[lr] 「なんでって……」[lr] [mizu f="驚き" pose=3 pos=c] @ld pos=c name="mizu" wear=u pose=3 b=4 e=7a m=9 瞬間、ハッとしたような表情がみずきの顔をよぎった。[pcm] [mizu f="不満" pose=2 pos=c s=1] 「そ、そんなことはどうでもいいじゃん! とにかく、食生活はきちんとすること!」[lr] @cl 慌てたように背を向け、みずきが慌しく去っていく。[lr] 奢ってもらっておいて、その態度はないよね、如月君。[lr] 俺の中にちょっとした悪戯心が生まれた。みずきの背中に向かって、周りの人にも聞こえるように大声で教えてやった。[lr] 「おーい、みずきー、歯に海苔がついてるぞー」[lr] [mizu f="驚き" pose=3 pos=c c=1] @cl 慌てて確かめたらしいみずきが振り返り『バカっ!』と顔を真っ赤にしながら怒鳴ろうとして、しかし周囲の人々の視線に圧されてすごすごと退散していった。[lr] ふふ、同い年でもからかいの年季が違うのだよ。[lr] 俺の完全勝利だった。[lr] [nowait][r][endnowait] @fadeoutbgm time=1000 @wait time=500 @playse storage="a09.ogg" ;;SE『空腹音』 @ws ;;鳴り終わるまで待つ。 ……俺の完敗だった。[pcm] @bg file="black.jpg" time=1000 [jump storage="main.ks" target="*night" cond="sf.releaseMode==1"] ;[jump storage="cmmn.ks" target="*0201n"] [jump storage="scenemenu.ks"] [s]