約 903,708 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/325.html
揺れる心の錬金術師 ◆7vhi1CrLM6 それを最初に見た――否、感じたとき、星のきらめきにとてもよく似ていると思ったことを、覚えている。 箱庭に散りばめられた53個のきらめき。 首輪に宿るアインスト細胞を通じて、アルフィミィはそれを知覚することが出来た。 視覚ではないところで見、聴覚ではないところで聞いている。 その感じ方は、NTや念動力者といった者達が他者を感じられるのと、似ているのかもしれない。 ただ、それは感覚という曖昧なもの。遠くのものを見て、その距離に当たりを付けるようなあやふやなもの。 不確実性は甚だしく、個人の趣向にも左右される。 見たいものだけを見、聞きたいことだけを聞く。見たくないもの、聞きたくないことは意識の外へ。 それがある程度可能なのだ。 だから別個に、アインスト細胞に依らない首輪そのものの機能の一つとして、ネビーイームには座標データが送られていた。 それを今、鎮座するデビルガンダムを通じてアルフィミィは確認している。 『問題』の反応はある。確かにその場所、その位置に反応はあり続けている。その問題ないはずの現象。 それがアルフィミィの焦りと混乱をより深くしていた。 「何故……感じられませんの」 どんなに意識を凝らしても見えない。聞こえない。これまで、こんなことはなかった。 箱庭というオモチャ箱に閉じ込めた53個のきらめき。その数は減り続けている。 死んで消えて去ったのだ。 それとは違う。死んでない。生きている。でも、知覚出来ない。感じられない。 まるで繋がらない電話だ。番号は知っているのに、間違ってないはずなのに。 出てくれない。 何度も、何度も、何度も掛けなおした。彼が居たはずの場所に目を凝らし、耳を凝らし、神経を集中させて感じようとした。 その度に、呼び出し音が虚しく響いただけだった。 「何で何も感じられませんのっ!!」 何も見えない。何も聞こえない。それが意味するもの。意味すること。 もしかして私は―― 頭をぶんぶんと左右に振って、その先の考えを振り払う。 もう一度。もう一度と自分に言い聞かせて、嫌な考えを頭から追い払う。 落ち着かぬ気持ちを無理にでも落ち着かせ、瞳を閉じる。箱庭に散らばるきらめきに意識を凝らす。 瞳は瞼の裏、何も映さない。漠々たる闇の意識野が拡がり、視覚ではない何かが光を捉える。 それはまるで夜空に浮かぶ星たちのきらめき。それは人の想い。 ときに強く、ときに弱く瞬き、怒れば赤に、悲しめば青にとその色を移ろわせていく、揺らめく炎のように。 それが画一的なアインストには無い色で、一つ一つ違った色で、最初は眺めているだけで楽しかった。 箱庭という宝石箱に、綺麗な色とりどりのビー玉を集めて喜んでいる子供のようなものだったのだろう。 だが、今はそんな余裕が無い。 焦りを抑えつつ、数え間違えのないようにそれを一つ一つ丁寧に確認していく。 確認できた数は19。そして、今現在生存しているはずの者の数は20。 ――ひとつ、足りませんの。 思い通りにならない現実に涙が滲んでくる。何もかも放り投げて泣き出しそうになる。 それを『がまん』の一言で押さえつけ、作業を続けた。 時計の針は、もうすぐ八時半を指す。対象を見失ってから約三十分。 何の進展も得られぬまま幾度となく繰り返した道筋を、もう一度辿る。 ユーゼス=ゴッツォとテンカワ=アキトのきらめきを確認。カミーユ=ビダンのきらめきも確認。 フェステニア=ミューズとオルバ=フロスト、確認。 ネビーイームから首輪の座標データを引き出し、照合。見つからない20個目のきらめき、それの存在を確認。 やはりそこにそれはあるのだ。なのに知覚できない。感じ取れない。 じわりと滲んだ涙をがまんして、口元がへの字に曲がった。まだ泣くには早い。 「 が ま ん ですの」 見えずとも、聞こえずともあるのだ。そこに間違いなくあるのだ。 なら感じ取れるはずだ。その存在を、自らの直属に位置する首輪のアインスト細胞を。 ユーゼス=ゴッツォとテンカワ=アキトの位置、カミーユ=ビダンの位置、フェステニア=ミューズとオルバ=フロストの位置。 それらを目印にすれば、意識野におけるキョウスケ=ナンブのおおよその位置は見当がつけられる。 睨みつけるかのようにして、感覚を研ぎ澄ます。そこに意識を凝らしていく。 広域に広げていた意識野を絞り込む。 中央廃墟、南部市街地の参加者を知覚の外へ。ロジャー=スミス、ソシエ=ハイムもそれに続く。 さらにレオナルド=メディチ=ブンドルと兜甲児も、今知覚外へ。 まだ見えない。さらに絞り込む。 ユーゼス=ゴッツォ、テンカワ=アキト、カミーユ=ビダンを知覚対象から外す。 最後に残ったフェステニア=ミューズ、オルバ=フロストの反応も意識野から追い出した。 そして残されたのは、狭く何もない漆黒の空間だけ。G-6基地だけに絞込み、意識を凝らしているにも関わらず――まだ知覚できない。 五感も不要。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚を順に排除。 研ぎ澄ました知覚を腕の形に。それを伸ばし、どろりと粘性を帯びた暗い意識野の水面へと埋めていく。 掻き回し、掻き乱す。時折両の手で掬い上げ、何もないのを確認してもう一度。 何度も何度も繰り返す。 何かがあるはずだ。ここに。この場所に。 それに触れようと必死になって探り続けた指先に不意に何かが当たり、途端に弾かれた。 研ぎ澄ました知覚の腕が掻き消され、五感が戻る。凝らし、絞り込んだ意識野が拡散する。 気づくと、汗だくの体でデビルガンダムに半身を埋めていた。蒼ざめた肌に、途切れ途切れの呼吸。 見つけた。触れた。知覚した。でも―― 「何故ですの……なぜ? 何で? どうして!? 何がッ!!」 次第に激を増していく言葉。空気が足りず、上半身だけで大きく仰け反るようにして、息を継ぐ。 「……わかりませんの」 天を仰いで呟いた声は、ついに涙声へと変わる。 見つけたのは、キョウスケ=ナンブの首輪に宿るアインスト細胞の反応。だが触れた瞬間に拒絶された。 下位のアインストが上位のアインストを拒絶することなど、普通ありはしない。 ましてそれが直轄のものならばなおさらだ。にも関わらず拒絶された。理由ははっきりしている。 「……わかりませんの」 自分よりも上位のアインストがあの場に居る。同位ではなく上位の存在。 首輪のアインスト細胞が反応をよこさずに拒絶したのは、より上位の存在に支配権が移ったが為。 「何故、あなたが……わかりませんの」 主がキョウスケ=ナンブを器に選んだ。それがほぼ確定。 メディウス・ロクスが起こした空間の歪み、箱庭へと滑り込んだ主の一欠片、知覚出来なくなったキョウスケ=ナンブ。 そこへ思い至るだけの材料は十分にあった。 にも関わらず、今の今までその可能性を考えの外に追い出していたのは、否定したかったからだろうか。 かつて主の前に立ちふさがり、主が力の大半と引き換えに撃ち滅ぼした者達の一人と同質の存在。 しかし、それ以外は何の変哲もない何処にでもいる普通の人間。器に選ばれるような理由はないはずなのに。 別にいいではないかと思う。気にする必要も必然性もない。 理由が分からずとも、ともかく主は新たな器を手にしたのだ。それでいいではないか。 ――でも、どうして心が揺れますの? 胸中の呟きに答えはない。 息をゆっくりと吸い、長く細く吐き出す。答えの出ない疑問を棚上げに、思考を切り替える。 主の欠片が箱庭に降り、器に憑依した。 ならば今自分が考えなければならないのは、この先どうするべきか、だ。 最大限の融通を利かせ、主の有利なようにことを進めるべきか。あるいはこのまま静観を続けるべきなのか。 いや、そもそも主はこの宴の目的たる新たな器を手にしたのだ。もうこれ以上、この宴を続ける理由は何処にもない。 箱庭から主を脱出させ、残ったサンプルたちはそのままここに放棄しても一向に構わないのではないだろうか。 でもそれは―― 「……嫌ですの」 会ってみたい者達が、依然としてこの箱庭で生き続けている。 例え主にとってもはや用済みの空間と言えど、自身にとって魅力的な宝石箱である事実は変わらない。 それに、それにだ。そもそもあれは主と、ノイ=レジセイアと呼べる程のモノなのだろうか? 主の欠片であることに間違いはない。 だが、もしもあれがノイ=レジセイアと呼べる程の力を持っていなければ? 主の選択が間違っていたとしたら? ――別の器が必要ですの。 主の本体はまだこちらにある。再度憑依を促す必要が生じたときの為に、今この宴を止めるわけにはいかない。 自分が生み出された理由は、『ノイ=レジセイアと呼ばれるモノ』を生きながらえさせる為なのだから。 そう理由付けながらも、でも、と思う。でも多分本当は認めたくないだけなのだ。 あれがノイ=レジセイアだとは認めたくない。自分と同じく人をベースとしたあれがノイ=レジセイアだと認めたくない。 そして、主の器は自分によって選び出されるべきなのだ。そうでなければ、自分が生み出された意味がなくなってしまう。 だから認めたくない。自己の存在を懸けて、認めるわけにはいかない。 「あれは敵」 自分の存在価値を根こそぎ奪っていくもの。 「あれはまがいもの」 主の力によって生み出された主とはまた異なった別個の存在。 本当にそう思っていれば、動けたのだろう。主の本体に確認を取ったはずだ。でも違うと言い張りながら、その足は出ない。 怖いのだ。 問えば主はあれをノイ=レジセイアと認めてしまうだろう。そうなれば、自分の存在理由が消えてしまう。 生れ落ちた意味も、今生きている意味も失われるのだ。 それが何よりも怖い。 誰でもいい。誰でもいいから教えて欲しい。与えて欲しい。揺らぐことのない存在価値を、存在理由を。 主でなくても、今箱庭の中にいる者でも、誰でもいい。誰でもいいのに―― 「ここには……誰もいませんの」 直径40kmにも及ぶネビーイームの最奥、その中枢。見回せばそこはがらんと広い巨大な空洞でしかない。 「誰も……」 そのときアインスト=アルフィミィは、生まれて初めて孤独を理解した。 【アルフィミィ 搭乗機体:デビルガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:ネビーイーム 第一行動方針:バトルロワイアルの進行 最終行動方針:バトルロワイアルの完遂】 【二日目 8 50】 BACK NEXT 仮面の奥で静かに嗤う 投下順 変わりゆくもの 争いをこえて 時系列順 最後まで掴みたいもの BACK NEXT すべて、撃ち貫くのみ アルフィミィ 怒れる瞳
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/191.html
フォルテギガス 機体名 フォルテギガス 全長 51m 主武装 ムーンサークル チャクラム状に変化させたフィガを敵に投擲する。 ストームブレード ビームサーベル状に変化させたフィガを両手に持って敵を幾度も斬り付けた後、相手を空高く斬り上げる。そしてフィガを柄の部分で連結、高速回転を行わせて敵を斬り付ける。ドラグナー1のレーザーソードを想像して貰えれば分かり易いかと思われる。 ビームハンマー フィガをガンダムハンマー状に変化させて、敵に叩き付ける。 ギガブラスター 腹部から発射する超大出力のビーム砲。発射時に発生する熱を逃がす為、ギガブラスター使用時にはフェイスオープンが行われる。 ライアットバスター ビームサーベル状に変化させたフィガを一つに結合。巨大な剣に変化させて、相手を一刀両断にする。 特殊装備 特殊自律機動型兵器『フィガ』 様々な形状に変化する特殊な武器。左右の手に一つずつ装備する事が可能。 シュンパティア 精神を共鳴させる特殊なシステム。ジョシュアとグラキエースはこのシステムによって、お互いの精神を一部共有している。お互いの考えている事や感情の波が伝わったり、人格に影響を与えたりといった効果が見られた。なお精神の共鳴は、シュンパティア搭載機に乗った人間同士、極めて相性の良い者同士に起こる模様。 分身 この巨体が分身する画を考えるとなかなかシュール。 ビームコート ビーム兵器のダメージを軽減する。 移動可能な地形 空:○ 陸:○ 水:△ 地:× 備考 名前の意味はラテン語で“強き巨人”。ストレーガとガナドゥールの合体形態。レース・アルカーナ二基を直結した事により理論上は無限の出力を持つ事になるが、機体が耐えられないので真の力は発揮出来ない。ただしグラキエースルートだとレース・アルカーナの片方はファービュラリスに移植される為、無限出力の設定は無し。また、ガナドゥールとストレーガへの分離機能もオミットされる。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/163.html
アルトアイゼン 機体名 アルトアイゼン 全長 22.2m 主武装 三連マシンキャノン 左腕についてるマシンキャノン。威力に期待せず牽制的な意味合いで使うべし リボルビング・ステーク アルトアイゼン最大の特徴である杭打ち機、完全にマリオン博士の趣味かと思われる。リボルバーの銃口にナイフのようなものが付いており、敵にそれを打ち込み、弾丸を発射、その衝撃で相手を打ち抜く武装。近接にもほどがある近接武装、とびっきりデンジャラスです。重要なのは踏み込みの速度、貫け、奴より速く ヒートホーン 頭部についている角。角に高熱を発生させ相手を刺すなり斬るなりする武装。伊達や酔狂でこんな頭をしてる訳じゃない スクエア・クレイモア 両肩に付いたミサイルランチャーのようなものからチタン製クレイモア弾を発射する。遠くに飛ばないため至近距離での発射が前提、また近づく敵への弾幕としても使えそう。大量の敵に対抗できる唯一の武装。一発一発が特注のチタン弾だ・・・! 切り札 アルトの武装というよりはキョウスケの技に近い武装。三連マシンキャノンで牽制した後、近づきヒートホーンで切った後ステークの有り弾全部打ち込む技。打った後はリボルバーの薬莢を全部抜き「この技を切り札にしたのも私だ・・・」とでも言っておこう 特殊装備 ビームコート ビームコート。あと強いてあげるなら装甲が厚い。 移動可能な地形 空中×、陸地○、水中○、地中× 備考 ゲシュペンストT(テスト)タイプをベースに作られたATX計画の一環として造られた機体、ドイツ語で「古い鉄」元はマリオン・ラドム博士がゲシュペンストMk-2の正式後継機として開発したのだが、操縦のピーキーさと夫への対抗心のためEOT(人類外の技術)を一切使わなかったこと、趣味に走りすぎたなどの原因で量産計画は切られ、古い鉄という不名誉な名を貰った機体。だが平行世界の一つでは正式量産されており、その隊長が使う機体は青色である。しかしその性能の高さはかなりのもので、キョウスケ・ナンブ中尉がこれを駆り、数々の戦果をもたらしている。機体コンセプトは「絶対的な火力と強固な装甲による正面突破」ガンダムの「一機にて戦況を揺るがすMS」という一機でどうにかなるという考えが似ている。分の悪い賭けが大好きなキョウスケ自身も当初は「馬鹿げた機体」と評している。当時の彼はその馬鹿げた機体を更に馬鹿げた機体にするとは一寸も思わなかっただろう。ブーストの緩急の激しさ、操縦性の悪さ、遠距離武装一切無しと、これで量産競争に勝てというほうが無理な相談であるのは内緒だ。マリオンさん、もう少しパイロットや他の人のこと考えようよ・・・なお、このイチバチな機体の思想はビルトビルガーに受け継がれた。とは言ってもカーク・ハミル博士が主な設計を担当したので、イチバチなのはマリオン博士が関与した武装面である。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/156.html
◆ 「……嫌だ…嫌だ」 立ち並ぶ廃墟をなぎ倒し、抉れた大地が一筋の巨大な爪痕になっていた。 その爪の先で地に伏すヒメ・ブレン。その中でアイビスはうわ言を繰り返し呟いている。 うつむき、小さく丸まり、膝を抱え、体は芯から奮え、瞳孔は開き、焦点の合わぬ瞳は揺れ、歯の根も噛み合わず、心も折れた。 怯えが、慄きが、恐怖が全身を支配している。 「アイビス、無事か?」 ――通信? 僅かに顔を上げ、コックピットの内壁にぼんやりと開かれた通信ウインドウに目を向ける。 端整な顔立ちの青年がそこにはいた。 「ク……ルツ?」 「動けるな? やり返すぞ」 「無理だよ!」 息巻くクルツの声に咄嗟に反対の言葉が出る。本心だった。 自身の無力を思い知らされ心砕けた少女を目の前にして、驚きの表情をクルツが浮かべる。 「何……言ってんだ?」 「……無理だよ。ジョシュアの敵討ちなんて……私には無理だったんだ。 あんな奴に……勝てるわけがない。ねぇ、逃げよう。逃げようよ。ここから逃げちゃおう」 「お前、本気で言っているのか?」 「本気……だよ。だって仕方ないよ。勝てないんだ! 怖いんだ!! どうしようもないんだからっ!!!」 ギンガナムを思い浮かべると何をするのよりも恐怖が先に立つ。涙がこぼれ、体が震えてどうしようもなかった。 「そうか……悪かった。悪かったよ。すっかり忘れてた。誰も彼もが戦闘に慣れてるわけじゃねぇんだよな。 どいつもこいつも機動兵器の扱いに長けてやがるから、ついあいつらといる気になっちまってた。……俺は残るぜ」 「無茶だよ。あんたもうほとんど弾ないんでしょ……殺されちゃうよ」 「あぁ、その通りだ。だからアイビス、俺は無理強いはしないぜ。でもよ。ここで逃げちまってもいいのか? そりゃ俺だって死ぬのは怖いさ。逃げ出したくなることもある。だけどよ……命を懸けても絶対に譲れないことって……あると思うんだ。 これさえやり遂げれば一生胸張って生きていけられる。そういうときってあるだろう? だから俺は諦めない。だから俺は戦う」 思わず見上げた瞳に真っ直ぐな目をしたクルツの顔が飛び込んできた。その顔が一度にっと笑い、すぐに真面目な表情を作る。 「柄にもねぇことを言っちまったな。まぁいい。後は俺一人でやってみる。助けに入ってくれたラキは見捨てられねぇ。例え勝てなくても一泡吹かせてやるさ。 お前は逃げろ。逃げてそのアムロとか言う奴に悪かったって代わりに謝っといてくれ。じゃあな。お互い生きてたらまた会おう!!」 「あっ! ま……」 返事を返すよりも早く通信は途切れた。ノイズを伝えるのみになった通信機を前に呆けたように立ち尽くす。膝を抱え、丸く蹲り呟く。 「ずるい……」 心の中では逃げ出したい思いと踏みとどまりたい思いが葛藤を続けていた。 こんな自分でもまだ何かやれることがあると思う一方で、行ったってどうせ何も出来やしないといった思いがある。 「ラキが……ラキがいるんだよね」 胸を張って生きていけるのかは分からない。でも、今逃げ出したら一生悔いて生きていくのだろうという予感はあった。 少なくともここで逃げてしまえば二度とジョシュアに顔向けは出来ないだろう。シャアにもだ。 (でも……でも……ブレン、私はどうしたらいい?) お前は行かないのか、と耳元がざわめく。引け目を、負い目を感じながら生きていくのなんて真っ平ごめんだ、と何かが囁く。 それでも足は前に出ない。どうしようもなく怖いのだ。もう一度ギンガナムとの交戦を考えただけで膝が笑い、腰が砕け、足が退ける。 行きたい思いと逃げたい思いが交錯し、アイビスはその場から動くことは出来なかった。 ◆ 蒼と白の巨人が踊っている。 突き出した斬撃が防ぎ、捌かれ、かわされる。 迫る拳を受け止め、受け流し、やり過ごす。 目まぐるしく入れ替わる攻防は一つの流れとなり、流れは次の流れへと滑らかに変化していく。 そんな攻防の中、奇妙な心地よさが全身を包んでいた。 ブレンバーをなんでもなくかわしたシャイニングガンダムの双眸が閃く。 さあ、来い。 お前の番だ。 重心の動きが見える。 体重が左足に移り、右足が僅かに浮く。 その動作をフェイントに、突然撃ち出される頭部のバルカン。 それをすり抜ける様にかわす。 音が消え。 色が消え。 五感が遠くなる。 やがて体も消えた。 何もない空間に残された意識だけが。 飛び。 交わり。 火花を散らす。 エッジを立てる。 刃先が一瞬輝く。 踏み込み、剣を振るう。 手ごたえはない。 そのことに心が湧き踊る。 馳せ違い、反転。 正対し、トリガーを引く。 極小距離からの射撃。 かわせ。 生きていろ。 もう一度、刃を交えよう。 飛び退く。 距離を取る。 体中の体重を足に乗せ。 もう一度、踏み込む。 相手も重心を足に。 そして、バネの様に前へ。 いいぞ、速い。 さあ、もう一度。 交錯する意識と意識。 剣と拳が擦れ違う。 掠ったか。 凄い。 いい動きだ。 楽しい。 しかし、何だ? 少し遅れた。 何故だ? 遅い。 重い。 どうした? どういうことだ? この不自由さは。 このズレは。 それに、声が。 ――ラキ。 男の声が。 ――ラキ。 聞きなれた声が間近に。 ――ラキ、そっちじゃない。 誰……ジョシュア? 不意に長く暗いトンネルを抜けたかのような色鮮やかな景色が周囲を埋め尽くした。 それに気を取られる間もなく、眼前に迫った豪腕の対応に追われて、咄嗟に身をよじる。 装甲の表面で火花が散ったかと思ったときにはもう蹴飛ばされて、1km先の地面を転がっていた。 何という素早さだ。 こんな相手と今まで五分に渡り合っていたというのが信じられなかった。 口の中を切ったのか血の味に気づき、五感が体に戻ってきたということを自覚する。 戻ってこられたのはあの空間に介在していた二つの意思のおかげ。 胸をギュッと掴む。消えたと思っていたジョシュアの心ともう一つ。 ただの機械ではなく生きている機械、感じたズレの正体――ネリー・ブレンの意思。 (ブレン、ありがとう) (……) 視線の先では、急に不調を起こしたこちらをいぶかしみ、待っている相手の姿があった。 その姿は語っている。『もっと戦おう』『もっと殺しあおう』と。 「ん?」 (……) 「大丈夫。もうそっちには引き込まれない」 ――そう。ジョシュアの心の頑張りを決して無駄にはしない。 ◆ 未だ暗い大地に重い足跡を残し、脚部に損傷を抱えたままのラーズアングリフは移動を続けていた。スナイパーであるクルツの頭に、ラキとギンガナムの接近戦に割り込むという選択肢はない。 移動の足を止めずに周囲に目まぐるしく視線を走らせ彼が探すのは、周囲でもっとも見晴らしがいいと思われるポイント。 コンクリートに覆われ、ビルに埋め立てられた市街地と言えど、元の地形を考えれば若干の高低差は存在する。その僅かに小高い丘一つ一つに厳しいチェックの目を向ける。 しかし、廃墟と化しているとはいえ、立ち並ぶビルは高く数も多い。高いところに高いものを建てるというのは、都市景観の一つの考え方なのだ。 絶好の狙撃ポイントといえる場所など見つかりはしない。それでも幾分マシな丘を見つけ、目を付けた。 周囲に気を配り、極めて慎重に、静かに、そして素早くビルの谷間を突き抜ける。坂を登りきったクルツの視界が開け、ラキとギンガナムが切り結ぶ戦場が映し出された。 「ここなら、いけるか……?」 戦場の全てを見渡せるという状態には程遠い。だがそれでもやるしかない。 地に伏せ、短銃に輪切りのレンコンを思わせる回転砲頭をつけたようななりのリニアミサイルランチャーを構える。 掌中の弾は僅かに二発。だがそれでいいとクルツは一人ごちた。 狙撃の前提条件は相手方に悟られないこと。その観点から見るとこの機体は少々派手過ぎる。一度発砲すればまず間違いなく見つかるだろう。 つまり二度目はなく、多くの弾はこの場合必要ない。問題はそれよりも狙撃にはおよそ向かないと思われる火器のほうにある。 近中距離用の小型ミサイル。噴射剤の航続距離には不安が残り、レーダー類が軒並み不調な以上、誘導装置もどこまで信頼できるかわからない。精度に問題が出てくる可能性が高いのだ。 「どうしたもんかねぇ、こりゃぁ……。でも、まぁ、大見得切っちまった以上やるしかねぇか」 頼れるのは最大望遠にした光学センサーと両の目のみ。 なんだかんだ言ってもやることに変わりはない。出来るだけ正確に目標を狙い撃つ。ただそれのみ。 機体を地面に伏せさせると、目を細め、小指の先ほどにしか見えない飛び交う二機の挙動を穴が開くほど見つめた。瞬きはしない。ただじっと動きを止めて来るべきときを待つ。 睨んだ視線の向うで七色に輝くチャクラ光と蒼白いブースターが、蛍のように大きく、小さく尾を引きながら明滅する。 突然、不調が起こったのかネリー・ブレンの動きが鈍る姿が見えた。そして見る間に押し切られ蹴り飛ばされる。 距離にして約1km。両者の間が開く。それを視認した瞬間には既にトリガーを引いていた。 煙の帯を引いたミサイルが銃身から飛び出していく。そして、カサカサに乾いた唇に舌を這わせ、もう一発。 弾装はこれでもぬけの空。だが、とりあえずの人事は尽くした。後は運を天に任せるのみ。 常識に従い速やかに射撃地点から離脱を始めたクルツの耳に、爆発の轟音が届いた。だが、噴射炎越しに直前で身を翻すのが見えた。案の定、爆煙の右上を裂いて敵機が現れる。 その様にクルツはにやりと笑った。 「予想通りだ! 往生しやがれ!!」 グッと親指を立てて突き出した右手を下へ返す。二発目はギンガナムに向かって猛進している。 気づいた敵機が姿勢制御用のスラスターを噴かし、慌てて左へ大きく流れた機体の勢いを殺す。 無駄だ、とクルツは一人毒気づく。場は空中、足場のないそこでは勢いは殺しきれない。ジャマーか、あるいはSF染みたバリア装置でも持っていない限り直撃は避けられない。 それがクルツの下した結論だったが、直ぐにそれは破られ驚くこととなった。 ギンガナムがブンッと音を立ててピンクの光刃を腰から引き抜く。そして、一切の躊躇もなしにミサイルに投げつけたのだ。 結果、直撃前にミサイルが爆発し、呆気に取られて動きを止めたクルツはギンガナムと視線がかち合うこととなる。 「やべっ!!」 息をつく間もなくギンガナムが反撃に転じた。左腕から無数の光軸が殺到する。一制射につき二筋の光軸。 「くそっ! 良い腕してやがる!!」 三制射かわしたところで体勢を崩し、四制射目がラーズアングリフの右膝間接を砕く。そして五制射目、コックピットへの直撃を覚悟した。 その直撃の刹那、異音と共に何かが視界に割り込む。眼前で七色に輝く障壁とピンクの光軸が火花を散らし、残響を残して消えていった。 両の手を大きく広げて身を挺して庇うように立ちふさがる機体を見上げ、クルツは抑えきれない笑いを噛み殺す。 「ようやくおいでなさって下さったわけだ」 見知った顔が一つ、モニターに映し出されている。赤毛に黒のメッシュの少女、アイビス=ダグラスだ。 「待たせてごめん。ここからは私も戦う」 「悪いな。こっちは弾切れ。ここらでギブアップだ。で、大丈夫か?」 おちゃらけた態度で両手を挙げてお手上げをアピール。そこから一転して真面目な顔つきに変わったクルツが言う。 それにアイビスはモニターに向かって右手を掲げて見せつつ、答えを返してきた。 「大丈夫じゃないよ。怖いし……ほら、手だってまだ震えてる。でも、ブレンがあの蒼いブレンを助けたがってるんだ。それに――」 「それに?」 「あたしもここで逃げたらジョシュアに顔向けが出来ない。 あんたが言うように胸を張って生きていくことが出来なくなる」 目を見、おっかなびっくりではあれど吹っ切れたようだな、と推察したクルツはクッと笑い、言葉を返す。 少なくとも、ただのやけっぱちでぶつかって行こうという心構えではないらしい。 「ない胸して、言うねぇ! 上等だ!!」 「一言余計だ!!」 「ハハ……怒るなよ。褒めてるんだぜ、これでも。 アイビス、モニターをこっちに回せ。俺がサポートをしてやる。思いっきり暴れてこい!」 「モニターを?」 「ああ! 敵機の行動予測と弾道計算、その他もろもろ全部任せろ」 「ナビゲーションの経験は?」 「ないっ!」 「えぇ~、無茶だって!!」 砕けた口調で返してきた言葉に、固さは取れたな、とにっと笑う。 軽口というのは、固くなって縮こまっている新米兵士に普段の自分を取り戻させてやるのに有効なのだ。それで随分と生存率が変わってくる。 「そいつは実際にやってみてから言う言葉だな。やってみもしねぇうちからする言葉じゃねぇ。少なくともないよりマシだろ? それに怪しければ無視してくれて構わねぇ」 「そりゃ……まぁ……」 「なら決まりだ! 俺とお前、二人で……いや、ラキも合わせて三人で奴に一泡吹かせてやろうぜっ!!」 「わかった。やるよ、ブレン!!」 威勢良く啖呵を切ったクルツに、一度目を丸くしたアイビスが目つきを変え、顔つきを変え、答える。 その姿を見たクルツは、いじけにいじけて一周したら良い顔になったじゃないか、と一人ごちた。 ◆ 突然の爆発にラキの挙動は遅れ、一時的にギンガナムを見失っていた。 爆発の余波か、電磁波が入り乱れてレーダーの効きがとんでもなく悪い。視界も立ち込めた薄煙でフィルターをかけられていた。 そして、二度目の爆発が起こる。 耳を劈く轟音と眩い閃光。遅れてやってきた空気の壁が薄煙を吹き飛ばす。 咄嗟に目を向けたその先に、左腕から投げナイフを投げるように光軸を飛ばすギンガナムの姿があった。視線誘導に引っかかったように、光軸が殺到する先に自然と目が向く。 「あれは……ブレンパワード? ……っ!!」 クルツのラーズアングリフと白桃色のブレンパワードをラキが視界に納めるのと、ギンガナムが大地を踏み鳴らし進撃を開始したのは、ほぼ同時だった。 咄嗟に視線を戻す。またしても出遅れた。 猛然と突撃を試みるギンガナムに対し、初動の遅れたラキは間に割ってはいることが出来ない。間に合わない。 が、それはあくまでラキに関してだけのことである。 ラキよりも素早く反応を起こしたネリー・ブレンが跳ぶ。バイタルグローブの流れは一切合財の距離をふいにして、ネリー・ブレンをギンガナムの真正面へと誘う。 ジャッという鋭い反響音。 咄嗟に掲げられたアームプロテクターと唐竹割りに振り下ろされた刀剣の間で、火花が奔る。 「ブレン、弾け! 押し合うな!!」 『緊』と乾いた音を残して、ブレンが飛び退いた。 格闘戦の為に造られたシャイニングガンダムとブレンパワードでは、人で言うところの腕力・筋力がまるで違っている。 だからこそ押し合わずに弾く。単純な力比べでは敵うはずもない。 ならどうすればいい? こんなときにジョシュアならどう戦う? 思案を巡らせる。巡らせるうちに再び身の内で疼き始めたモノを感じ取り、思わず手に力を込めた。両の手はネリー・ブレンの内壁にバンザイに近い形で添えている。 そこはほんのりと暖かい。その感触を肌から感じ取り、ラキはホッと息をつく。 大丈夫。感覚は戻っている。 目も見える。耳も聞こえる。鼻も利くし、ブレンを感じることも出来る。大丈夫。まだ大丈夫だ。 そう何度も自分に思い聞かせた。そしてそこに意識を割かれ過ぎた。 風切り音を残して銃弾が飛来する。それはシャイニングガンダムの頭部に誂られたバルカンの弾。 意識を自分の内側に向けていたのに加えて、光を発するビームとは違い闇に紛れる実弾。視認のしにくさの分だけ反応が遅れた。 回避は間に合わない。だが、この程度の弾ならチャクラシールドで弾ける。 そう思い、チャクラシールドを張る瞬間、スッと右方向に回り込むうっすらと白くぼやけた帯が目を掠めた。 しまったっ! チャクラシールドが展開する。七色に揺れ、輝くチャクラの波に視界が遮られる。透明度の高いチャクラ光ではあるが、その輝度は高い。そして、今は夜。目標を見失う。 バルカンを弾き終わり視界が開けたとき、それは頭上に回りこんでいた。 右方向に注意を払っていたラキは完全に意表を衝かれた形となる。上方から勢い良く突っ込んできたギンガナムに対して、ブレンバーで受けるのが精一杯の反応だった。 だが、真正面から受け止めすぎた。上方からの押しつぶすような巨大な圧力。受け流せない。弾き、飛び退くにしても大地が邪魔になる。 「ブレン、耐えてくれ」 耐える。それが唯一残された選択肢。 足場の舗装道路が砕け、アスファルトの破片が舞い上がる。嫌な音を立ててブレンバーの刀身に皹が走る。 そして、次の瞬間――圧力は消え去った。一条の閃光が眼前を掠め飛び、その対応に追われたギンガナムの機体の姿が遠くなる。 クルツか。そう思った耳に飛び込んできたのは、まったく聞き覚えのない声だった。 「ラキ、これからあんたを援護する」 「お前……は?」 思わずキョトンと呆けたような呆気に取られたような顔になって、ラキは呟いた。突然、モニターの隅に赤毛の少女の顔が映し出されたのだ。 「アイビス=ダグラス。ラキ……あんたを探してた」 「アイ……ビス?」 「うん。あんたに伝えなきゃならないことがある。ジョシュアは……」 「知っている。ジョシュアはお前を守って死んでいった……」 アイビスの言を遮って、ジョシュアの死を口にする。その言葉にモニター越しの顔は俯いて押し黙った。 アイビス=ダグラス、そう名乗る少女の顔を見、ラキは話しかける。 「アイビス、私もお前を探していた。今会えてよかった。そう思える」 「えっ!?」 その声にパッと伏せていたアイビスの顔が上がった。戸惑い表情がそこには浮かんでいる。 微笑みを返す。意図した笑みではなかった。自然と口元が綻んだのだ。 『今』会えてよかった。本当にそう思える。 今ならまだいつもの私のままでいられる。でも二時間後三時間後は分からない。 次の放送を迎えたとき、いつもの自分でいられるという保証はどこにもなかった。 瞼を閉じ、ブレンの内壁に触れる両の手に神経を集中させる。 ほんのりと暖かい。気持ちを落ち着かせ、心を穏やかにさせる暖かさだ。 大丈夫。今の私はいつもの私だ。 「ラキ」 呼ばれて、もう一度アイビスに視線を戻した。そこには戸惑いの色はもうない。 あるのは一つの決意だけ、それが言葉となって飛んで来る。 「ジョシュアの弔い合戦だ。あいつを、ギンガナムを倒すよ!」 あいつにジョシュアは殺されたのか、と思った次の瞬間、ジョシュアはそれを望むのだろうか、とふと疑問が頭をもたげた。 あの時、ジョシュアはギンガナムの名を出すことはしなかったのだ。 「二人で楽しくやってるところ悪いがな。そろそろ奴さん仕掛けてきそうだぜ」 どちらにしても戦わないわけにはいかないだろう。二体のブレンはともかく、クルツのラーズアングリフは損傷が大きそうだ。逃げ切れるとはとても思えない。 思いなおし、ラキはギンガナムを睨みつける。 それにジョシュアがどう思おうと、仇は仇なのだ。ジョシュアを殺した者が生きている。それはやはり納得がいかない。許せないのだ。逃げるという選択肢は今はない。 「ああ、ジョシュアの仇討ちだ!!」 →Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―(3)
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/208.html
YF-19 機体名 YF-19 全長 18.47m(ファイター時) 主武装 マウラーREB-30G対空レーザー機銃×1マウラーREB-23半固定レーザー機銃×2マイクロミサイル×24中距離ミサイル×6ハワードGU-15ガンポッド×1:バトロイド時のメイン武装。ミサイルを打ち落としたりと、防御にも使える。 特殊装備 フォールドブースター 片道だけだが,ワープを可能とするブースター ピンポイントバリアシステム 防御力の向上、格闘戦の際の機体保護。ご存知ピンポイントバリアパンチなど、使う機会は多い。 ファストパック 肩の追加装甲と脚部のミサイルランチャー。 移動可能な地形 空 F,G 陸 B,G 海 ×地 ×F=ファイター、G=ガウォーク、B=バトロイド 備考 エンジン 新星 P W ロイス FF2200熱核バーストタービン×2推力 56500kg×2最高速度 M5.1+(高度10000m) M21.0+(高度30000m) ※いずれもファイター時フォールドブースター、ファストパックを装備しています。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/194.html
ヴァイクラン 機体名 ヴァイクラン 全長 49.7m 主武装 オウル・アッシャー 特殊システムで強化させた念を放つ技。SP吸収効果があることから精神波の可能性もある。 ガン・スレイヴ 肩に付いた4基のガンスレイヴで敵を攻撃する。 ペリア・レディファー 暗黒物質の数価を変化させ、相手に放出する。それに取り込まれたら、その空間にできた2つの特殊空間に圧縮される。 アルス・マグナ・フルヴァン ディバリウムとヴァイクランが『ガドル・ヴァイクラン!』の掛け声で合体し、念のエネルギー波を放つ。 特殊装備 念動フィールド 念動による特殊フィールド。攻撃を緩和する。 合体 『ガドル・ヴァイクラン!』の掛け声でディバリウムと合体することができるが、通常活動はできない。 移動可能な地形 空中○、陸地○、水中×、地中× 備考 エアロゲイターの指揮官機のヴァイグルを改造した機体。通称俺のヴァイクラン(激嘘)カルケリア・パルス・ティルゲム(念動力感知増幅装置)を搭載しており、あまり念の強くない人間でも強力な念を使える。ディバリウムと合体し、ガドル・ヴァイクランとなるが、エネルギー消費が激しいのか、合体状態での活動は不可能っぽい。なお、この合体システムは地球の機動兵器を元に作ったらしいのだが、α世界にこれと似た変形構造をもつ機体は存在しない。坊よ、なにをモデルにしたんだ……ただ、合体毎に『ガドル・ヴァイクラン!』と叫ぶ辺り、よく研究してると思う。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/394.html
◆YYVYMNVZTk ―――― 眼前にそびえるは、人に非ず。人知の及ぶものでも非ず。 眼前にそびえるは、人に非ず。人知の及ぶものでも非ず。 なればそれは一体何だ、問うても答える者在らず。 ならばこれは一体何だ、問うても答える者在らず。 止める力は有らず。伝わる言葉も有らず。 抗う力は有らず。発する言葉も有らず。 ただそこに広がるは、絶望だった。 だがそこに広がるは、希望だった。 覇気と共に繰り出された斬撃が、まるでケーキにナイフを入れたかのような気軽さで地を抉る。 ざくりざくりと、周囲に破片を撒き散らすこともなく綺麗に引き裂いていく。 先ほどまでロジャーとアキトが足場としていた数十メートル級の機動兵器が格闘してもなお崩壊することなく原型を留めていた物質が、いとも容易く、破壊――いや、『切断』されている。 もしも統夜の振るう大剣が最初からロジャーたちを狙っていたならばと考えると、どうもぞっとしない話になりそうだ。 幸か不幸か、ヴァイサーガの斬撃はロジャーたちとは見当違いの方向へと向けられた。 威嚇というよりは、ただ単に試し切りを行ったという印象。 パイロット自身自らの変化を完全に把握できていたというわけではないらしい。 だがそれは、ほんの数分前までの話。 更に一振り。振り、返す。二つの太刀筋で、しかし地に生じた亀裂は完全に一。 最後に握りを確かめると、騎士は今度こそロジャーたちと相対する。 鬼気迫るを通り越し、むしろその挙動は平静。そしてその動作の一つ一つは無駄なく、完全に洗練された超一級のもの。 幾多の戦いを経て、禁忌の力を得て、紫雲統夜は“もしも”の世界と同等に、或いはそれ以上の強さを手にした。 とはいえ、二日間という短時間での急激な成長は何らかの代償無しに得られるものではない。 統夜が失ったものは、全て。 統夜を慕った少女たちも、統夜が愛した少女も、あの、厳しくも優しかった日常も――全て、儚いうたかたの夢だったかのように、影も形もなくなってしまった。 血まみれの手に残ったのは、一振りの剣だった。 何も守れなかった力。でも今なら、もしかしたら何かを取り戻せるかもしれない力。 「テンカワ!」 「聞こえている。……来るぞ!」 ヴァイサーガがその剣を腰に構え、全身の気を集中させる。 数瞬ごとに纏う剣気は倍増。剣を中心に朧気に漂うそれは、ゆらゆらと揺れながら形を整え始め、淀みなく巨体を覆う。 なみなみと注がれた水が、やがて器から溢れ出すように――その張り詰めた気は、一瞬にして荒々しく形を変え、爆発する。 疾く。何よりも疾く。そして強く。刃先は弧を描き、真っ直ぐに標的へと伸びていく。 神速と形容するに相応しい速度を更に加速させ、切っ先は音の壁を超え衝撃波さえも生み出していく。 如何な達人であろうと、その剣を完全に見切ることは至難の業だ。まして、避けることなど不可能。 ただただ速さを求め、極限まで研ぎ澄まされた剣。皮肉なものだ、と統夜は自嘲する。 何よりも、速さが足りなかったからこそ全てを失い――全てを失ってから初めて、何よりも速い剣を手に入れた。 これが皮肉でなくて、何と言えるだろうか。 全てを救うには、自分の手はあまりにも小さすぎた。指の隙間を抜けるようにみんな零れ落ちていった。 今から自分がやろうとしていることは、その残滓を拾い集めて無理やりに繋ぎ合わせるようなことなのかもしれない。 元通りに戻るはずもない。破れた紙をまた取り繕っても、その傷跡は絶対に残ってしまって、決して純白には戻らない。 それでも。 時が未来にしか進まないだなんて、誰が決めた? たとえ今からやることが砂漠の砂の中から特別な一粒を探すような、時計の針を逆に回してみせるような、到底不可能なことだったとしても。 ただ、自分のエゴで。他の誰もが望まなかった未来が訪れたとしても。 紫雲統夜は、自らの意思で――何よりも、強い心で決めたのだ。 取り返すと。取り戻すと。あの優しき日々を、もう一度この手に――と。 一撃必殺。これ以上無駄にする時間はないと、統夜は瞬き一つ許さぬほどの間隙に鳳牙との距離を詰め、白刃を閃かせ―― しかし、絶対不可避のはずの斬撃は、鳳牙の巨躯を裂くことはなかった。 剣は確かに鳳牙の胴へと横一直線に吸い込まれていった。 敵機を一撃で切り裂くに足る、紫雲統夜渾身の横一文字である。 だが、受けられた。鳳牙はダイゼンガーの置き土産である斬艦刀を器用に扱い、完全に勢いを殺されたヴァイサーガのガーディアンソードをいなし、再び距離を取る。 統夜の手に残るは、DFSを通じて返ってきた不可思議な感覚。払いの速度が最高潮に達するその瞬間に、突如空間に生じた、ぞわりとした感触。 衝撃を緩和したなどという生温いものではない。まるで空中にダイヤモンドの見えない壁があったかのような、絶対的な防御。 見えない壁に阻まれたヴァイサーガの剣はその勢いを九割方殺され、一拍二拍遅れてようやく鳳牙に辿り着くという有様だ。 それだけの隙が生まれ、剣の勢いが死んでしまえば、たとえそれまでの斬撃がいかに速く強力であろうとも関係はない。 いとも容易く見切られ、捌かれた。屈辱的なまでに、だ。 鳳牙の傍に、大猪の姿が一瞬現れ、また消える。ガトリングボア――創造を象徴し、その属性は光である電子の聖獣だ。 ガトリングボアの特殊能力クロックマネージャーは、一定範囲内の時間の流れを止める力を持つ。 ヴァイサーガの斬撃を予感したその瞬間、ロジャーは鳳牙とアルトアイゼンを包むように時を操る能力を行使したのだ。 完全に時を止めた物質は、何があろうと絶対に破壊されない、最硬の物質となる。たとえそれが、大気中に漂う分子だったとしても。 だが、ヴァイサーガの剣はその威力を大幅に相殺されたとはいえ、止められた刻を切り裂いた。 (時を操るだなんてとんでもない能力を持つこちらが言うのも何だが……それでも完全に足止め出来ないとは、とんだ化け物だな) ロジャーの額を冷たい汗がつつと流れる。今はその汗をぬぐう時間すらも死に繋がりかねない。 ただの斬撃一つで物理法則さえも無視してしまうヴァイサーガを前に、真っ向から立ち向かうのは自殺行為。 しかしクロックマネージャーを常時発動させるわけには行かない。時を止める――その超常の力ゆえに、要求されるエネルギーもまた大きい。 長時間の使用のためには、中途のエネルギー補給は不可欠だ。しかし鳳牙のエネルギー補給といえばハイパーデンドーデンチの交換である。 そのような隙を、眼前の人鬼は与えてくれるだろうか? その答えは聞かずともである。 ならば交換の前に短期決戦を挑めば――いいや、それは不確かな戦略である。 たとえ全力全開を力尽きるまで続けたとしても、それでも眼前の騎士を倒せるという保障はないのだ。 ヴァイサーガの復活の際にロジャーとアキトが想起したイメージは、只の特機に過ぎなかったヴァイサーガのそれではない。 その野望を仮面の下に隠し、己が欲望のために謀略・暴虐の限りを尽くした魔人、ユーゼス=ゴッツォ。 あの男が乗機とした半人半獣半神の怪物である超神ゼスト――復活したヴァイサーガが放つ全身が粟立つような邪悪なプレッシャーは、ゼストのそれに酷似していた。 「……ユーゼスの乗っていた機体は、自己修復と自己進化の能力を備えていた。 散り散りになったゼストの装甲片があの機体を新たな触媒とした可能性は否定できない」 左腕のチェーンガンをヴァイサーガへと放ちながら、アキトは苦々しく呟く。 ユーゼスがこの地で消滅したことは、はっきりとした確証はないものの薄々と感じていたことだ。 だがまさか、ユーゼスの遺した悪意が、このような形で発露するとは予想だに出来なかった。 アルトアイゼンが撃った銃弾がヴァイサーガに着弾するも、装甲の表面で弾丸はひしゃげ微細な傷を残すばかり。 しかもその傷さえも、見る見るうちに再生していく。 舌打ちを一つこぼすと、アキトは騎士へと加速。未だ鳳牙の傍を離れぬヴァイサーガの脚部に狙いをつけ、右腕を突き出す。 確かにヴァイサーガの挙動は、並の機動兵器では追いつけない速度だ。だが、瞬間的な爆発力ならばアルトアイゼンも決して遅れはとらない。 地を蹴ると同時に背部ブースターを噴出させ、更なる加速を得る。単純に、シンプルに、古鉄は速度を上げる。上げ続ける。 もう一機の接近を確認したヴァイサーガは、回避行動を取らんとするも、 (――機体が、動かないだって!?) まるで両の手足を打ち付けられたかの如く、ヴァイサーガは微動だにせず統夜の意思に逆らう。 にやりと笑うのはロジャー=スミスだ。再び現れる緑の巨猪が、鼻息を荒らげる。 クロックマネージャーによる時間停止。今度は機体そのものをその力の対象としたのだ。 とはいえ前回の行使からそう間もなく、更にはエネルギー残量の関係もあり大幅にパワーダウンしていた時の拘束は完全に騎士を繋ぎ止めることが出来なかった。 突き出した杭が目標を撃ち貫かんとするその瞬間、統夜は機体のコントロールを取り戻す。 同時に右足に走るのは、DFSによりフィードバックされた痛み――ヴァイサーガの右脚部が貫かれた証だ。 慌てて距離を取るも、受けた傷は深い。ヴァイサーガの神速を支える脚部が損傷したということは、その剣にも多大な影響を与える。 機動力の高さを攻守の要とするヴァイサーガにとっては大きな損失だ。 だが同時に、敵の手品のタネも見抜いた。恐らくは、物体を停止させる能力。 しかしいくらタネが割れようと、超能力としかいいようのない反則級の力の前では対抗のしようがない。 拘束が絶対的、永久的なものではないといっても、コントロールを奪われた瞬間に敵の最大火力を叩き込まれればなす術もなく御陀仏。 ――また、全てを失ってしまう。 「う……うおおおっ!」 感じた虚無を本能が忌避する。雄叫びと共に、再び敵との距離を詰めていく。 相手がどんな力を持っていたとしても、それを使われる前に斬り倒してしまえば何の問題もないのだと自分に言い聞かせる。 鳳牙の傍に緑の猪のようなものが現れたとき、敵の停止能力は発動した。 そのことから能力の持ち主は鳳牙だと見当をつけ、統夜は鳳牙へと向けて牽制として五大剣を投げつける。 同時に接近。ガーディアンソードを、今度は袈裟切りの形で振り下ろす。 だが今度は、見えない壁を作られたわけでもなく、振るう腕の操縦権を奪われたわけでもなく、ただ単純に――受け止められた。 向こうにも余裕があったわけでもない。あと半秒も反応が遅れていれば、ヴァイサーガは何の苦もなく鳳牙を叩き切っていただろう。 それでも鳳牙は、ロジャー=スミスはヴァイサーガの太刀を斬艦刀で受けたのだ。 ――速さも重さも、格段に落ちている。 受け止められながら、しかし酷く冷静に統夜は自分の剣を省みる。 脚部の損傷は、予想以上に戦力に響くものだった。 剣を振るう、という行為は、ただ腕の力のみで行うものではない。全身で振るって、初めて剣は力と速さを得る。 巨躯を支える脚が十全でなければ、振るう剣もまた不完全。 先手を取られ、そしてそれは致命的な一撃となった。 「紫雲統夜……だな。こうして相見えるのは初めてだが私のことは知っているだろう。 ネゴシエイター/ロジャー=スミスだ。私は君との対話を望んでいる。君が了承してくれるのならば、一時休戦といかないか?」 ヴァイサーガの戦闘力がロジャー操る鳳牙でも対抗しうるまでに低下したことを感じ、ロジャーは統夜へと呼びかける。 先の剣技を見るに、機体そのもののスペックは異常なまでに上昇したもののパイロットはそのものは正気を保っている。 そう見抜いたロジャーは、紫雲統夜へ交渉を持ち掛けた。 統夜からの返答はない。だが同様に、こちらを攻撃する挙動もない。 殺気そのものは、微塵も衰えてはいないがね、と止まらない冷や汗に嫌悪感を覚えながらロジャーは矢継ぎ早に言葉を発していく。 「見ての通り、既に事態は単なる殺し合いなどに留まらない――完全に理は崩壊しているのだ。 それでもなお、君は戦おうとするのか?」 そう。既にバトルロワイアルはその形式を保ってはいない。 異形の怪物が作り出した箱庭も、参加者を縛る首輪も、全て、完全に、消えてしまった。 そのことは統夜も理解しているはずだ。殺し合いを続ける必要などないと。 このおぞましきイベントが滞りなく進行していたならば、もしかすると本当に、最後の一人だけは生きて帰ることが出来たのかもしれない。 だが、この状況は――恐らく、いや、確実に主催者の思惑から外れたものになりつつある。 なら最後の一人になったところで生きて帰れるなどという保証はない。 「君も私たちの狙いは知っているだろう。あの怪物を倒し、ここから生還する。 それを為せる可能性は、極めて低いかもしれない。だが、私たちはあの箱庭から逃げ出すことは出来たのだ。 千に一つ、万に一つの可能性だったとしても、ここから生きて帰ることは、不可能ではないはずだ。 紫雲統夜。私たちは共に戦えないだろうか? 今更手を取り合うことは、出来ないのだろうか?」 もしも、この状況が数時間早く訪れていれば。 或いはこの場に及んで、統夜は逃げ出していたかも知れない。 だが今の統夜には逃げる選択肢など存在しなかった。そもそも逃げる先など、とうに失っていた。 肯定も否定もせず、ロジャーの言葉を聞く。正確には、聞くふりをする。 うすら寒いその言葉は、統夜には何の実感ももたらさなかった。 上っ面を撫でただけのような軽い言葉だとしか思わなかったし、感じなかった。 その言葉に理と利はあるのだと、そのくらいは分かる。 ――それがなんだっていうんだ。 あんたたちと一緒に行けば、テニアは生き返るのか? 俺たちはみんな、元通りの暮らしが出来るのか? 出来ないんだろう。出来ないに決まってるんだ。 「ネゴシエイター。良かったよ、あんたと話せて」 ぽろりと、本音が口をついた。掛け値なしに、本心だった。 「あんたの言葉は俺には届かない。それはつまり、もう俺は、引き返さないってことなんだ。 もう一度、最後にそれを確かめられて本当に良かった。本当に……本当に嬉しくて、反吐が出るさ!」 ロジャーが何か叫ぶが、統夜には届かない。 手元のコントロールパネルでDFSの感度調整。脳波とのシンクロ率を最大に設定。 明確な敵意と殺意を、100パーセントそのままにヴァイサーガへと伝えていく。 心の奥底から沸々と湧き上がる感情が、ヴァイサーガの原動力となっていく。 「待て、統夜!」 「五月蠅い」 ロジャーが御託を並べている間に、ほんの少しだが脚の負傷は回復した。 全快にはほど遠いが、先のように無様な姿を見せることはなさそうだ。 「ヴァイサーガ……あと少しだ。もう少しだけ、無理をさせる。付き合ってくれるよな?」 自律ユニットを持たないヴァイサーガからは、勿論返答もない。 だが統夜の意思に応えるように、その出力を大きく上げていく。 良い相棒を持てたと、統夜は素直に思った。 ヴァイサーガがいたからここまで生き残ってこれた。 こいつとなら、最後まで行けると、そう思える。 純粋なその思いは、とても青臭くて、甘すぎるものなのかもしれない。 でもきっと――そんな思いさえもなければ、不可能を可能にすることなど無理なのだから。 だからきっと。今この瞬間、いや、これから先もずっと。 「俺は――いや、俺たちは、負けない」 はっきりと言葉にしてみれば思っていたよりもすっと口から出る。 気恥ずかしさや気負いはない。平静の心のまま、統夜は剣を構えた。 ◇ ――意識が、とある声によって呼び戻された。 気を失っていた時間はどれほどのものか、アイビスは知らない。 とても長かったのかもしれないし、もしかしたらほんの数秒だけだったのかもしれない。 しかし今さらそんなことを考える余裕はない。 今眼前に広がる光景が、いったい何を意味しているのかアイビスには理解出来なかった。 謎の乱入者は、彼女が全く知らぬもの。 機体のフォルムも、操縦者の声も、ここに連れられてくる前にも後にも触れたことのないものだ。 そして、その異質で未知のものが―― 「あなたと合体したい」 予想もしていなかった事態に、生まれるのは意識の空白。 いくつもの疑問符が頭の中に浮かび、しかしその問いに対して納得できる答えは一つも思い浮かばない。 ここにきて、さらに現れる不確定要素――それもきっと、悪い意味での。 何故、何故こんなにも上手くいかないのか。 余りにも理不尽な現実に涙がこぼれそうになる。 思い返してみれば、自分はいつだってそうだった。 いくら努力を重ねても――現実というものは、いつも厳しく非情な結果だけを突き付ける。 落ち込んでみたり、時には泣いてしまったり。 努力が実らなくても、『どうせ自分は劣等生なのだから』と理由を付けて、頑張ったポーズだけしてみて。 夢に向かって頑張ってるだなんて、そんな自分は、いつの間にか何処かに置いてきてしまっていた。 最初は、違ったと思う。空を飛びたい――純粋な思いが胸の内を占めていて、それに向かって一直線に進もうとしていた。 けれど夢への近道だったはずの訓練は日々のルーチンワークとなっていて、どこか心は倦んでいた。 自分はナンバーワンにはなれないんだと、はっきりとではないけど、そういうことを理解していたんだと思う。 頑張って前へ進んでいるふりだけして、実はその場で足踏みをしていただけの日々――だった。 そしてフィリオが死んで――私の足は、完全に止まってしまった。 もう、頑張るふりさえもしない。自分のことを見ていてくれた人はいなくなってしまったから。 ただ死んでないだけの毎日が続いていた。 生きようだとか、頑張ろうだとか、そんな前向きな考えが浮かんでもすぐに消えて、無力感に襲われる。 ツグミがいなければ、本当に野垂れ死んでいたかもしれない。 いや、死ぬことは怖かったから、やっぱり死なないくらいに無意義な時間を過ごしていたのかな。 食べて寝て、身銭を稼いで、永遠に続くかと思ってたループが突然途切れてここに連れてこられた。 それでも私は変わらず、いつものように人に迷惑をかけることしか出来なくて。 こんな――こんな自分のために、どんどん人が死んでいってしまった。 だけど今度は、足を止めるわけにはいかなかった。引き継げ、と言われたから。 私のために命をかけてくれたみんなのためにも、その分まで私が精一杯生きなければいけない――そう思った。 なのに私は、結局のところ具体的に何をすればいいのか分かってなくて、あまり役に立たない、そんな存在のままだったように思う。 何がいけなかったのだろうか。 確かに私は、操縦技術だって決して高くないし、頭だって良くない。 みんなと比べて、優れてるところなんてない。 「……アイ、ビス」 「――カミーユ!? 無事なの!?」 「ああ、なんとか。だけど、これは――」 カミーユの顔に浮かぶのは焦燥と困惑。 既に状況は取り返しのつかないところまで来ている。ビッグクランチ――終焉へと近づいていく、この宇宙。 収縮を続け、全てがゼロになり、超新生を経て、再び宇宙が創世される――その臨界点まで、どれほどの猶予が残されているのか。 刻一刻と悪化していく状況に対して、しかしカミーユたちにはもはや打つ手はなかった。 そこに突如として出現した、不確定要素。 閉ざされた世界に無理矢理に侵入してきた次元を超えるほどの力の持ち主。 そしてカミーユは極大にまで肥大化したNT能力により、其のものの正体を直感する。 それが真実ならば状況は決して好転などしていない。 出来ることならば何かの間違いだと信じたい。だがそれは紛れもない事実なのだ。 あいつはゼストのなれの果てだ。 ここまで来るのに、永遠とも思える時間を費やした。 目指したのは完全。創造主が望んだ、人をも、神をも超える存在。 しかし――足りなかった。 幾年月をかけて力を取り戻しても、かつて創造主が望んだであろう完全には程遠かった。 何が足りなかったのか――候補は幾つも上がったが、そのどれもが決定的なものではなかった。 そして、ある結論に至る。足りなかったものは、アインストの力であると。 主は最初からアインストの力を求めていた。ならば足りないのは、それなのだろう。 しかし――いなかった。 AI1が、いや、デュミナスが成長した時間軸に、アインストという存在はいなかった。 このままでは自分はデュミナス(間違い)のままだ。 それは嫌だった。 故に、時間を――次元を超える力を欲した。 アインストが確実に存在した、全ての始まりの時へと再び戻るために。 デュミナスが力を取り戻した時代に時流エンジンが発明されたのは幸運であった。 そしてデュミナスは時を超える力を手に入れた。 「我と……合体」 「そう。私は願う。あなたと合体したいと。あなたと共に、完全なる――超神へ」 デュミナスの言葉に対し、蒼色の少女は唇の端を軽く釣り上げる。 少女の口から発せられるのは、拒絶の言葉。 「……否。断じて……否。我が望むは……完全なる世界。そして……その監査。 その世界に過ちは……必要ない。我は……不完全な存在を……拒絶する」 既にノイ・レジセイアは完全を手にしている。 このままこの宇宙を終わらせ、新たな――静寂なる、完全なる宇宙を創世し、永遠にその世界を見守り続けることで、レジセイアの望みは叶えられる。 今さら不完全な存在であるデュミナスを取り入れる必要も、協力してやる義理もない。 デュミナスは哀れな存在である――憐憫、そして蔑笑が自分の中で生まれていたことに、少女は気付く。 感情だ。 個体では脆弱なタンパク質の塊に過ぎない人間が、時にアインストを超える力を生み出す――その源の一つが、感情であるとレジセイアは考える。 不完全が完全を超える――その一因を、レジセイアは得たのだ。 微かだが、確かな歓喜を覚えながら、少女は右手を上げ、攻撃の合図とする。 デュミナスは不要な存在だ。今ここで処分しても何の問題もない。 少女の背後に佇む鬼――ペルゼイン・リヒカイトが殲滅の光を放つ。 白光は刺し穿つ剣となり、デュミナスを貫いた。 「……なぜ」 デュミナスは問う。何故自分は過ちとされるのか。 生まれてから、ずっと戦い続けてきた。自分の存在が決して間違いなどではないと証明するために。 「あなたも私を否定するのか」 自分を望むものは誰もいなかった。 孤独だった。故に、自らの分身を生み出そうと、そう考えたこともある。 だがその選択肢を選ぶことはなかった。 創造主が目指したのは、完全なる個。いくら眷族を生み出そうと、それでは間違いを正すことが出来ない。 「ならば私は……その否定と戦おう」 刺し貫かれた傷もそのままに、デュミナスは拳を握る。 四の拳と二の翼を持つその姿。トリトンと呼ばれる、デュミナスの最終形態。 永遠とも思える歳月の果てに、ラズムナニウムはメディウス・ロクスとは違う、新しい姿を模索した。 そして生まれたこの姿は、戦闘力のみならず、全ての面でメディウスを超えている。 握られた拳が、裂破の勢いで幽鬼へと向かい――加速、加速、加速! 音速の壁を優に超えるそれを、しかしペルゼイン・リヒカイトは悠然と受け止める。 無論、受け止めた側も無傷ではすまない。受けた右掌は砕け、五指のうち四指を失う。 しかし消失した四指が、瞬く間に再生する。アインスト従来の再生力にDG細胞による強化分を加え、その速度は従来の数倍にも及ぶ。 「無駄……無意味……無力」 ペルゼイン・リヒカイトの両肩に備えられた鬼面が、音もなく浮遊する。 くるりくるりと回転するそれの周りに、薄らぼんやりと影が見え始めた。 次の瞬間、影は実体化する。ペルゼイン・リヒカイトを幽鬼とするならば、現れたのはその眷属である悪鬼。 青白んだ光を漂わせ、幽鬼の両脇に這うそれが、蒼の光を無差別に放つ。 全周囲に向けた砲撃に対し、回避は不可。デュミナスは甘んじてそれを受けざるを得ない。 更に増える傷。デュミナスとて自己回復の術は備えているが、戦闘中に完全回復するほどの力はない。 攻め、受ける。この二手のやりとりだけで、レジセイアとデュミナスの力量差ははっきりとしてしまった。 デュミナスが弱いわけではない。レジセイアが圧倒的すぎるのだ。 機と器――それに加え、気までも備えたレジセイアは彼の望んだ完全に、限りなく近い存在となっている。 それでもデュミナスは、止まらない。止まれない。 これは自分の意味を探す戦いなのだ。ここで膝を屈して負けを認めてしまえば、自分は本当に、ただの間違いで終わってしまう。 何のために生まれて、何のために生きてきたのか、その意味さえ失ってしまうのだ。 宙に現れたのは剣の群れ。デュミナスが顕現させた幾重もの剣の包囲がレジセイアを狙い打つ。 さしものレジセイアも、この剣の全てを叩きこまれてはただではすまない。 数秒のラグを置いて不規則に迫る剣の群れを、慎重に、かつ大胆に、かわすもの、いなすもの、受け止めるものを見極め、処理。 一波、二波と続く刃の嵐を相手にしながら――レジセイアは気付く。 デュミナスの纏う装甲が、不気味に蠕動している様に。 変化――変形は一瞬で完了した。 デュミナスそれ自体が一振りの巨大な剣になり、レジセイアを狙わんと最外で円陣を組んでいた自らの剣さえも撥ねのけ、幽鬼を刺し貫かんと突進する。 再び実体化した悪鬼がペルゼイン・リヒカイトの盾となるも、ごりごり、ごりと抉られ、削りとられていく。 足止め出来たのは数秒。骨を砕かれ膝を屈す幽鬼の傀儡を尻目に、デュミナスはペルゼイン・リヒカイトと肉薄する。 剣の切っ先がアインスト・コアに触れたのと白羽取りの形で刀身を握られたのは同時。 「ノイ・レジセイア。私は貴方に問う。 ……完全とは、何なのか? 不完全とは、間違いなのか? 間違いは、否定されなければいけないのか? 否定とは――消滅させることなのか?」 デュミナスは問う。答えを求める。 対し、レジセイアは答えない。ただ無言で、幽鬼を使役するだけだ。 「私をこの舞台に昇らせたのは貴方だ。 私の育ての親が、創造主ユーゼスであるというのなら、貴方は生みの親と言えるのかもしれない。 このバトルロワイアルという舞台上で、私はメディウス・ロクスとして、AI1として、ゼストとしてその役割を演じてきた。 だが……結果として、私は何にもなることができず、間違い(デュミナス)の烙印を押されることとなった。 私に力が足りず、創造主の望むものとなれなかった……これは、今更取り返しのつかないことだろう。 しかし私には分からない……私はいったい、何をすればいい? 何をすれば……自らに刻まれた間違いを消しさることが出来る?」 剣の姿を解き、そのままがっぷりと四つを組む。 四つの手全てに全力。決して離さず、の意志でレジセイアと密着する。 そして、問う。更に問う。問い続ける。 かつてとこれからの、自らの存在意義を。 「答えを――答えを――教えてくれ!」 「哀れ……実に哀れな存在だ」 冷笑を美貌の彩りとしながら、蒼髪の美少女は重い口を開く。 「我がヒトに完全を求めたのは……ヒトが、不完全を完全にする因子を……感情と意思を持つため。 自らの中に失敗を……自らの外に不可能を発見したとしても……ヒトは、それを打破するために考え、行動し、そして叶える。 故にヒトは……不完全であっても完全に限りなく近づくことさえある……その力を我のものとするためにこの箱庭は作られた。 AI1は可能性の欠片……ヒトという存在を計るためのただの機に過ぎない。 ただの機が……完全を目指す……? 答えを求める……?」 笑止、とレジセイアは吐き捨てた。 「自らの内に眠る可能性の欠片にすら気付かず……ただ他者に言われるがままの傀儡……不完全……不適当……不要……」 それ以上を語らず、ペルゼイン・リヒカイトは自らの傀儡――オニボサツをデュミナスの背後に展開、挟撃の形を取る。 いや、挟撃ではない。デュミナスの剣により崩壊したはずのもう一体も早々と蘇生している。 二点の挟撃ではなく、三点からなる包囲。 そして三体の手に握られるのは、ペルゼイン・リヒカイト唯一にして最良の武器であるオニレンゲだ。 二体の鬼面が刀を振りかぶり、同時にデュミナスの胴体部を突き刺し、その場に固定。更に包囲は強化される。 これでもう、デュミナスは完全に動けない――いや、動かない? ここに至ってもなお、デュミナスの瞳はもう一人の創造主である蒼髪の少女を中心に入れ、微かにもぶれてはいない。 それほどまでにデュミナスの意思は、願望は、強烈なのだ。 狂執、と言い換えてもいい。自らの存在を知り、正す――それこそが、デュミナスにとってのアイデンティティに他ならないのだから。 声にならない咆哮が、問いを重ね続ける。答えの返らない疑問が、魔星の中心で木霊し続ける。 「――――――――!」 「故に……我は……否定する」 ペルゼイン・リヒカイトがデュミナスの巨大な眼に、ずいと剣を差し込んだ。 何の障害も無かったかのように滑らかに入っていった刀身を前後左右に揺さぶる。 眼球上に浮かんだ一筋の線が、幽鬼の手の動きに合わせて生き物のように太くなり、広くなり、増えていく。 ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。ざしゅ。 表面の三分の一は、既に球面を保ってはいない。 人でいう血管、神経、体液にあたるモノを撒き散らしながら、胴に刺さる二本の刀のせいで倒れこむことも出来ない。 拷問とも言える、幽鬼の一方的な殺傷は続く。××が、××と、××に、言葉では言い表せないおぞましさと共に、淡々と行為は続く。 眼球をあらかた破壊し終え――ノイ・レジセイアはそのアイスブルーの瞳に、奇妙なものを見つける。 個での完全――超神を目指すことを選択したデュミナスには不要になったはずのもの。 幾重もの装甲に包まれ、デュミナスの奥底に眠っていたそれ。 無人のコクピットブロックが、幾百年ぶりに外気の元にさらけ出されていた。 ◆ あまりにもレベルの違い過ぎる攻防を前に、アイビスとカミーユはただ手をこまねいて状況の変化を待つしかなかった。 出来ることといえば、巻き添えを食らわないようにブレンのチャクラシールドの中で待つことだけ。 歯がゆい現実だった。ノイ・レジセイアを倒し全てに決着をつけると意気込んでも、元々の実力差は埋めようもなかったのだ。 無駄……無意味……無力……デュミナスに向けられた言葉が、そのまま自分たちにも当てはまる。 突然の乱入者が蒼髪の絶対者に楯ついたその時は、最後の最後で好機が訪れたと、そう思った。 だがデュミナスとレジセイアの闘争は、二人が介入する隙など全く無く。 そして、デュミナスでさえも――あれだけ自分たちを苦しめた、ゼストの進化形でさえも――レジセイアには及ばなかった。 全身に広がる疲労、倦怠感が気力を奪っていく。 絶望――その二文字が、頭の中を駆け回る。 「それでも……ここで諦めるわけにはいかないんだよ……!」 ここで自分が諦めてしまえば、膝を屈してしまえば、今まで散って行った命が、本当に無駄になってしまう。 まどろみの中で感じた多くの命と声があった。 絶望のままに死んでいった者たち――志半ばで倒れた者たち――意思を、希望を託していった者たち。 まだ自分には、立ち上がるための足がある。敵を見据える目がある。力を振るう拳がある。 剣を杖に、もう一度立ち上がる。たとえ、この剣が届かなかったとしても――最後まで、抗うことを諦めたりしない。 「……アイビス、やれるか?」 少年が声をかけた赤毛の少女は、しかし――泣いて、いた。声もなく、泣いていた。 「あ、アイビス……?」 「……あのさ、カミーユ。――何で私たち、戦ってるのかな? こんなに必死に、もがいてるのかな?」 「……っ! しっかりしろ、アイビス! 俺たちがやらなくちゃ、皆が――」 「違うんだ。そういうんじゃないんだ。……少しだけ、時間をもらっていいかな?」 アイビスの言葉に、カミーユは面食らう。 確かに状況は絶望的。しかし、だからといって、泣いて喚いてどうにかなるものではない。 こんな状況だからこそ、最後まで諦めずに戦い抜く意志こそが何よりも大切なものなのだ。 たとえ生き残っていたのが自分ひとりだったとしても、最後まで戦うつもりだった。 だが……ここでアイビスがその意思を失くしてしまえば…… カミーユの不安は募る。そんな少年の心中を知ってか知らずか、アイビスは語り出す。 「あたしは、落ちこぼれだった。一人では何も出来ない子だった。 ……まるで、自分を見ているみたいなんだ」 何を、とははっきり言わずとも、アイビスがデュミナス――ゼストと自身を重ね合わせているということは明白だ。 アイビスもまた、落ちこぼれとして扱われてきた。 だから―― 「きっと、あたしが考えてることは、正しくなんかないんだと思う。 でも――見たくないんだよ。自分のことを認めて欲しくて、なのにそうしてもらえなくて苦しんでる誰かは――見たくないんだ。 自分勝手なんだ。分かってるんだ。でも、でも……!」 大粒の涙がアイビスの目からぽろりぽろりと零れ落ちていく。 赤毛の少女は、臆面もなく――他人のために、涙を流していた。 もしかしたらそれは、自分自身のための涙だったのかもしれない。 デュミナスがまるで自分のようで――鏡に映る自分の姿を見て、泣いているようなものだったのかもしれない。 でも、それでも。アイビスはデュミナスのために泣いていたんだ。 「アイビス……」 「ジョシュアはこんなあたしのことを命がけで守ってくれた。 シャアはあたしにみんなの分まで生きろって――勝手に死ぬのは許さないって言ったんだ。 クルツは無い胸張って生きていけるように、精一杯頑張れって…… ラキはこんなあたしのことを優しいって、ブレンをよろしく頼むって。 あたしはどう生きるのが正しいのかなんて分からない。自分がやることみんな正しいだなんて思っちゃいない」 「そんなの――俺だってそうさ。ただ、許したくないことがある。だから戦うんだ。 少しでも、自分を――世界を、変えていくために」 ああ――と、アイビスはぐずりと鼻をかみながら頷く。 カミーユは強いねと。 「あたしには、そんな大きな目的なんかないんだ。 でも、胸を張って生きていたいから――精一杯頑張りたいから――もう、自分を誤魔化したくなんかない」 すぅ、と大きく息を吸い、 「あたしは、デュミナスを助けたい」 そう言った。 「ごめんね……最後の最後で、こんな我儘」 いつの間にか、アイビスの瞳からは涙が消えていた。 代わりに満たすのは――意思。強い意志だ。 カミーユが望むものとはベクトルは異なるものの、その強度はまぎれもないものだ。 「本気なんだってのは……痛いほど分かる。止める言葉なんかないってことも、よく分かる。 ……それで、本当にいいんだな、アイビス?」 こくん、と首を縦に振る。 既に心は決まっている。まだ、何をすればいいのかは分からないけれど、自分が何をしたいのかははっきりと分かっている。 「ごめん」 「自分でそう決めたんなら謝る必要なんかない。 ……後悔だけはしないでくれ。そうじゃないと、大尉たちが浮かばれない」 「……うん。それじゃ――」 「いってこい、アイビス。――飛べ!」 カミーユの声を聞き、アイビスはブレンと共に飛んだ。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/173.html
クロスボーン・ガンダムX2 機体名 クロスボーン・ガンダムX2 全長 15.9m 主武装 バルカン砲×2 ガンダム恒例のバルカン砲。目くらましないしミサイル落しにどうぞ。 ショットランサー X1の武装の大半を削った変わりにザビーネがとっつけた武装。マシンガン(実弾)、ショットミサイル(ミサイル)、そのまま格闘とオクスタンランチャーもびっくりな武装。つーか格闘して誘爆しないのか?これも初期武装なのでX2がやられた場所に落ちてると思う。 バスターランチャー ショットランサーに並ぶメイン武装。強力なビームを発射する。 特殊装備 ABCマント アンチビームコーティングマントの略。通常のビーム兵器なら5発まで耐えることが可能。穴が開いてても多少使えると思う。 移動可能な地形 空中×(?)、陸地○、水中×、地中× 備考 サナリィが作り上げたモビルスーツ、正式名称F-97。X1との違いは頭部アンテナ、黒と紫で塗装された外見、メイン武装がショットランサー、バスターランチャーにさし変わってるぐらい。本編ではトビアにコアファイターパクられたのが原因で、コアファイター無しで活用できるように改造した。また、サナリィほどの技術が無かったため、背面の×字スラスターを巨大化させ、前と同じ推力を保った。だがこのロワでは、コアファイターのある初期型のようである。
https://w.atwiki.jp/k2727324602/pages/385.html
2000~04年の巨大ロボットアニメ作品。 2010年5月以降鑑賞中(鑑賞済…「★」付)の作品を掲載。 ※◆付太字:メインページを設置した作品 ※タイトルは「巨大ロボットアニメ」ですが、戦闘機・戦艦・宇宙船・潜水艦等、メカが活躍するSFアニメ作品を含みます(選定基準は管理人裁量)。 ※以下、「各種データ」に関する注意。 →制作/「主たる」アニメーション「制作」「法人」を記載し、個人、『製作(企画・出資した個人・法人)』は除く(ただし、正直分類は曖昧…) →原作/(案):原案 →監督/(演):演出で、監督に準ずる役割にある人 (総):総監督、(SD):シリーズディレクター、(CD):チーフディレクター →脚本/(シ):シリーズ構成 →(協):協力、青字:法人 (参考)他の年次 →巨大ロボットアニメリスト <2000年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ 勇者王ガオガイガーFINAL→(勇者王ガオガイガー) OVA 2000年1月21日. 2003年3月21日(全8話) 制作サンライズ原作矢立肇監督米たにヨシトモ(総)、高橋良輔(監修)脚本北嶋博明、竹田裕一郎 ★巨大ロボ サクラ大戦(TVアニメ)(→◆サクラ大戦(アニメシリーズ))(ゲーム原作) TV・アニメ 2000年4月8日. 2000年9月23日(全25話) 制作マッドハウス原作広井王子監督中村隆太郎脚本あかほりさとる(シ監) ★巨大ロボ エスカフローネ(→天空のエスカフローネ) 劇場版・アニメ 2000年6月24日 - 制作サンライズ、BONES(協)原作矢立肇、河森正治監督赤根和樹脚本山口亮太、赤根和樹 ★巨大ロボ ◆GEAR戦士電童 TV・アニメ 2000年10月4日. 2001年6月27日(全38話) 制作サンライズ原作矢立肇監督福田己津央(総)脚本両澤千晶(シ) ★巨大ロボ ◆真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ OVA 2000年12月21日. 2001年6月25日(全4話) 制作早乙女研究所原作永井豪・石川賢監督川越淳脚本藤田伸三(シ) ★巨大ロボ スパロボスーパーロボット大戦EX /ゲーム(PS)/2000年1月6日 スーパーロボット大戦COMPACT2 第1部 地上激動編 /ゲーム(WS)/2000年3月30日 スーパーロボット大戦α /ゲーム(PS)/2000年5月25日 スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部 宇宙激震編 /ゲーム(WS)/2000年3月30日 <2001年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ ◆マジンカイザー OVA 2001年9月25日. 2002年9月25日(全7話) 制作ブレインズ・ベース原作監督むらた雅彦脚本藤田伸三(シ) ★巨大ロボ スパロボスーパーロボット大戦COMPACT2 第3部 銀河決戦編 /ゲーム(WS)/2001年1月18日 スーパーロボット大戦α外伝 /ゲーム(PS)/2001年3月29日 スーパーロボット大戦α for Dreamcast /ゲーム(DC)/2001年8月30日 スーパーロボット大戦A /ゲーム(GBA)/2001年9月21日 スーパーロボット大戦COMPACT for WonderSwanColor /ゲーム(WSC)/2001年12月13日 <2002年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ ◆ほしのこえ 劇場版・アニメ 2002年2月2日 - 制作新海誠(自主制作)原作新海誠監督新海誠脚本新海誠 ★巨大ロボ ◆戦闘妖精雪風(小説原作) OVA 2002年8月25日. 2005年8月26日(全5話) 制作GONZO原作神林長平監督大倉雅彦脚本山口宏(構)、十川誠志(構) ★戦闘機 ◆OVERMANキングゲイナー TV・アニメ 2002年9月7日. 2003年3月22日(全26話) 制作サンライズ原作富野由悠季監督富野由悠季(総)脚本大河内一楼(シ) ★巨大ロボ ◆機動戦士ガンダムSEED TV・アニメ 2002年10月5日. 2003年9月27日(全50話) 制作サンライズ原作矢立肇、富野由悠季監督福田己津央脚本両澤千晶(シ) ★巨大ロボ ◆超重神グラヴィオン TV・アニメ 2002年10月7日. 2002年12月16日(全13話) 制作GONZO原作大張正己、赤松和光、GONZO監督大張正己脚本志茂文彦(シ) ★巨大ロボ ◆キディ・グレイド TV・アニメ 2002年10月8日. 2003年3月18日(全24話) 制作GONZO原作gimik、GONZO監督後藤圭二脚本きむらひでふみ(シ) ★巨大ロボ THE ビッグオーsecond season(→THE ビッグオー) TV・アニメ 2002年10月. 2003年4月(13話) 制作サンライズ原作矢立肇監督片山一良脚本小中千昭(シ)、片山一良(シ) ★巨大ロボ ◆マクロスゼロ OVA 2002年12月21日. 2004年10月22日(全5話) 制作サテライト原作河森正治監督河森正治脚本大野木寛 ★巨大ロボ スパロボスーパーロボット大戦IMPACT /ゲーム(PS2)/2002年3月28日 スーパーロボット大戦R /ゲーム(GBA)/2002年8月2日 スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION /2002年11月22日 その他(総集編)劇場版∀ガンダム Ⅰ地球光 / Ⅱ月光蝶(→∀ガンダム)/劇場版アニメ/2002年2月9日・10日/★巨大ロボ <2003年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ サクラ大戦 エコール・ド・巴里(→サクラ大戦(アニメシリーズ))(ゲーム原作) OVA 2003年3月19日. 2003年8月20日(全3話) 制作ラディクス原作広井王子監督広井王子(総)、桐生勇作(CD)脚本川崎ヒロユキ(シ構)、あかほりさとる(シ監) ★巨大ロボ ◆宇宙のステルヴィア TV・アニメ 2003年4月2日. 2003年9月24日(全26話) 制作XEBEC原作XEBEC監督佐藤竜雄脚本佐藤竜雄(シ) ★巨大ロボ ◆スクラップド・プリンセス(小説原作) TV・アニメ 2003年4月8日. 2003年10月7日(全24話) 制作BONES原作榊一郎監督増井壮一脚本吉田玲子(シ) ★巨大ロボ ◆GAD GUARD TV・アニメ 2003年4月. 2003年9月(全26話) 制作GONZO、アンバーフィルムワークス原作いづなよしつね、GONZO、錦織博監督錦織博脚本錦織博(シ)、池口和彦(シ) ★巨大ロボ ◆ダイバージェンス・イヴ TV・アニメ 2003年7月. 2003年9月(全13話) 制作RADIX原作つくも匠・RADIX企画室監督ネギシヒロシ(総)脚本野崎透(シ) ★巨大ロボ マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍(→マジンカイザー) OVA 2003年7月25日 - 制作ブレインズ・ベース原作-監督むらた雅彦脚本西園悟 ★巨大ロボ ◆神魂合体ゴーダンナー!! TV・アニメ 2003年10月1日. 2003年12月24日(全13話) 制作OLM、AIC原作-監督長岡康史脚本川崎ヒロユキ(シ) ★巨大ロボ スパロボ第2次スーパーロボット大戦α /ゲーム(PS2)/2003年3月27日 スーパーロボット大戦COMPACT3 /ゲーム(WSC)/2003年7月17日 スーパーロボット大戦D /ゲーム(GBA)/2003年8月8日 スーパーロボット大戦Scramble Commander /ゲーム(PS2)/2003年11月6日 <2004年> 作品 媒体 始期 終了 各種データ カテゴリ みさきクロニクル~ダイバージェンス・イヴ~(→ダイバージェンス・イヴ) TV・アニメ 2004年1月. 2004年3月(13話) 制作RADIX原作つくも匠・RADIX企画室監督ネギシヒロシ(総)脚本野崎透(シ) ★巨大ロボ 超重神グラヴィオンZwei(→超重神グラヴィオン) TV・アニメ 2004年1月8日. 2004年3月25日(12話) 制作GONZO原作大張正己、赤松和光、GONZO監督大張正己脚本志茂文彦(シ) ★巨大ロボ 神魂合体ゴーダンナー!!SECOND SEASON(→神魂合体ゴーダンナー!!) TV・アニメ 2004年4月5日. 2004年6月28日(13話) 制作OLM、AIC A.S.T.A原作-監督長岡康史脚本川崎ヒロユキ(シ) ★巨大ロボ ◆新ゲッターロボ OVA 2004年7月23日. 2004年12月23日(全13話) 制作ブレインズ・ベース原作永井豪、石川賢監督川越淳脚本大西信介(シ) ★巨大ロボ サクラ大戦 ル・ヌーヴォー・巴里(→サクラ大戦(アニメシリーズ))(ゲーム原作) OVA 2004年10月20日. 2005年3月16日(全3話) 制作ラディクス原作広井王子監督山本裕介脚本川崎ヒロユキ(シ構)、あかほりさとる(シ監) ★巨大ロボ ◆トップをねらえ2! OVA 2004年11月26日. 2006年8月25日(全6話) 制作GAINAX原作GAINAX監督鶴巻和哉、庵野秀明(監修)脚本榎戸洋司 ★巨大ロボ スパロボスーパーロボット大戦MX /ゲーム(PS2)/2004年5月27日 スーパーロボット大戦GC /ゲーム(GC)/2004年12月16日 その他(総集編)機動戦士ガンダムSEEDスペシャルエディション 虚空の戦場(→機動戦士ガンダムSEED)/TVアニメ/2004年3月22日-23日/★巨大ロボ 機動戦士ガンダムSEEDスペシャルエディションII 遥かなる暁(→機動戦士ガンダムSEED)/TVアニメ/2004年7月27日-28日/★巨大ロボ