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ゆ 7KB 愛護 観察 妊娠 ツガイ 飼いゆ 赤子・子供 ペットショップ 都会 愛護人間 独自設定 『ゆ』前篇 虐待皆無 【注意】 ※前半です、後半はまだできていません ※自分が思いつく限りでゆっくりを幸せにしてみました ※前半には虐めはありません 【ゆ】前篇 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 二匹のお見合いはつつがなく進み 正午ごろに出会ったれいむとまりさは 日の落ちる頃には将来を誓い合った 世界に無二の恋ゆっくり同士の関係にまで発展していた 「まりさはれいむと結婚したいか?」 「ゆん!おにいさん!まりさはもう れいむいがいがおあいてなんて、かんがえられないよ!」 「はは、そうかそうか…」 いつも以上にしまりのない表情で 熱っぽくまくしたてるまりさを撫でてやる やれやれ…最初は何処でそんな事を覚えたのか 『おみあいなんてモテないゆっくりがすることなのぜ…』 とか言って全然ノリ気では無かったというのに 「まりさ?ゆっくりしていってね」 「ゆー…ゆ゛ゆ!?ゆっくりしていってね!」 れいむが挨拶をした瞬間 今みたいな“恋してる“顔になりやがったのだ 撫でる手にもちもちの頬を擦り寄せて親愛を示してくるまりさに『現金なヤツ』だなあと苦笑しながら それでもやはり嬉しそうな顔を見ると悪い気はしない。 4世代目以降の餡統書付きゆっくりは親からのすりこみで人間との生活の仕方を知っている 子ゆっくりの時に買ってきたまりさも、先祖から引き継いだ躾がしっかりしていたのか なんの問題も無く健やかに成長し、今では立派な成体ゆっくりだ 飼育書は一通り読んでいたので生活自体は不自由させていなかったはずだが あまりゆっくりの生態に明るくない俺は まりさが家に来てから1年以上経つのにわがままひとつ言わないので まりさのあるひそかな悩みに全く気がつかなかったのだ。 ある日の公園での事である。 公園に散歩に行くたび、まりさが熱心に余所の恋ゆっくり同士に 出会いや馴れ初めを聞いて回っているのを ご近所の飼いありすに聞いて初めて知ったのだ 『まりさだっておとしごろなんだから!』と言われた時には 余りに予想外すぎてゆっくり相手に素で謝ってしまった。 考えてみると仕事の都合上仕方ないとはいえ、家を留守にする事が多かったし 忙しい時には家に居てももまりさを邪険に扱う事が多かったかもしれない 一人暮らしの話し相手がほしくて言葉の話せるペットとして ゆっくりを買い求めたのに、まりさが何も言わないのをいい事に まりさが一匹で居る時間の事を何も考えていなかったのだ。 数日後に意を決して 「まりさ、お嫁さん欲しいか?」と尋ねると 最初まりさは「まりさはひとりでもゆっくりできてるよ!」と強がっていたが その日のうちに 「ほんとうはゆっくりしたおよめさんと、ゆっくりしたいよ…」 「おあいてはまりさがじぶんでゆっくりみつけるから おにいさんはなショップのゆっくりをかわなくてもいいよ!」と いつも元気なまりさにしては聞き取りにくい声で言うものだから 何とかしてやろうと公園でご近所のゆっくりを飼っている人たちに相談して 『お見合いセンター』の話を聞いたのだ 『お見合いセンター』というのはペットショップで成長したゆっくりを販売する施設だ。 といっても不良品や売れ残りを販売しているわけではなく 銀以上のバッジを取得した、高価なゆっくりの販売拡充の為の新しい市場で 子ゆっくり以上の大きさになった時に 『成長したゆっくりの意志を確認して』結婚を望んだゆっくりだけを ペットショップからの貸与という形でセンターに登録するのだ バッジ付きゆっくりと言えばショップでは 餡統書の付いた赤ゆっくり~子ゆっくりを売っている事が多いが 既にゆっくりを飼っている人が、家の場合のようにお相手を探す場合 赤~子ゆっくりでは幼すぎてお相手にふさわしくない。 近所の飼いゆっくり同士でつがいになっても まさかゆっくりに合わせて人間まで同居するわけにはいかず 『子供まで居るのにつがい同士で別居』などというしょっぱい結果になりかねない だからと言って野良のゆっくりは人間の生活に順応できない事が多いらしく 元飼いの棄てゆっくりを探しても、殆ど上手く行く事はないそうだ。 日に日に『お嫁さん』への期待を募らせ 外へ出かける事を望むまりさに、野良をあてがうくらいならと 結構強引にお見合いを勧めてしまったので こちらとしては気が咎めていたのだが まりさの様子を見るにあのれいむで確定だろう まりさに内緒でセンターの窓口に2日後に引き取りに来る事を伝えて 奮発してオプションの『けっこんしき』を申し込んでやる。 総額五万六千円非常に良心的な価格で俺安堵。 果たして二日後、お嫁さんを迎えに行くと伝えると 二日間の間ごはんを食べるにもどこかボーっとして何も考えられない様子だったまりさが 突然の事にびっくりして意識を失ったりしたが かまわずケージに放り込んで、センターの担当の人に押し付けた ご近所の仲良しゆっくりたちも、飼い主に暇がある人は センターが発行した招待状を持って参加してくれた ポン菓子のライスシャワーが降る中 ミニチュアサイズのチャペルで右往左往していたまりさは センターの人たちによって全身を整えられて 丁寧にシャンプーされて、金髪にもストレートパーマがかかっている 正直、ここまで本格的なオプションだとは思って無かったのだが 流石にプラス一万円の価値はあると納得する。 神父役のゆっくりえーきの前で永遠の愛を誓って 参加してくれた人、ゆっくりの歓声の中で 二匹はめでたく夫婦になり、れいむは我が家に迎えられ まりさもれいむも、もちろん俺も とても幸せだった。 * * * 一月後、れいむが胎生で赤ちゃんを身籠り 「れいむ!がんばってね!!あかちゃんはしっかりうけとめるよぉ!」 「ゆ、ふぅ…まりさ…いだい…けど…れいむがんばるよぉっ!」 突然産気づいたれいむに寄り添うように、おぼうしを脱いだまりさがスタンバイする 俺はと言うと、まりさのようにおちついて対処する事も出来ずにワタワタしていた。 とりあえず仰向けになって苦しむれいむを、壁際にもたれさせてクッションで支えてやる 「おにいざん、ありがと…ゆぶっ、う、うばれるよぉ!!」 「いつでもいいよぉ!!」 ボヒュンっ! ちょっとびっくりするような音を立てて、まりさのお帽子の中に 小ぶりの蜜柑くらいの大きさの何かが撃ち込まれる 少しよろめきながらも、しっかりと受け止めたまりさは 手際よくそれを毛布の上に降ろし、れいむの様子を見てもう一度同じように構えを取る 「もう゛、ひとり…」 「れいむがんばって!」 「もう一息だぞ!」 ボヒュッ! さっきよりも幾分弱い勢いで、今度は少し大きなシルエットがまりさのぼうしに飛びこんだ まりさに代わって二匹目をぼうしから毛布に下ろし、まりさの頭に乗せてやる 「「ゆ、ひゅう…」」 まりさもれいむも、精魂付き果てた風に一瞬脱力し 力無くずりずりと毛布に包まれた二匹に近づいていく。 『ゅぅ…ゅぅ…』 寝息を立てているのが二匹の子供 先に生まれたのが赤れいむ、後に生まれたのが赤まりさ 植物型ゆっくりは最後に茎から離れた者が 耐性出産は後に生まれた方が姉になるらしいので 姉まりさ、妹れいむの二人姉妹となるそうだ。 「ゆぅん、あかちゃん…とってもゆっくりしてるね…」 「れいむ、よくがんばったね…う、うぅ…」 感極まって涙ぐむまりさに、なんだか俺まで目頭が熱くなる 泣いているのは俺とまりさだが流石に母は強いらしい 頬笑みを浮かべながら、まりさの目じりの涙をなめとる 「ぺーろぺーろ、ふたりとも、なくのはやめようね…ちびちゃんがびっくりしちゃうよ…」 「ゆゆ!ほんとだね!まりさはもうおとうさんだもんね!」 「あぁ、そうだな…起こしてやろうか」 「ゆ!そうだね…れいむ!」 「ゆゆん…」 「「おちびちゃん!ゆっくりしていってねっ!!」」 「ゅ…ぁ?」 「ぉか、ちゃ?」 まりさがうまく受け止めたので、眠ったままだった赤ゆっくりたちが両親の声で目を覚ます ゆん生初の「ゆっくりしていってね!」を口にしようと何度も 『ゅ、くち…』『くち…ちぇ』 と小さく繰り返すのを、ビデオカメラで撮影している まりさもれいむも何も言わず、じっとその姿を見守っている 「ゆっくち、しちぇ」 「くちちちぇね!」 「「ゆっくちちちぇいっちぇね!!」」 「ゆっくりいえたね!おちびちゃんたち!!」 「まりさとれいむのおちびちゃん、ゆっくりしてるよぉぉぉぉぉ!!」 とても可愛らしい二匹の赤ちゃんを囲んで 俺たち一家はとても幸せだった しあわせだったんだ 【つづく】 怒らないでください、自分もハードルを上げて苦しいです 「普段書かないようなものを」というリクエストはこれで達成できたかな… あり得ない事(※ゆっくりが幸せなだけの状態を指す)を書くのは結構しんどいです なんかゆっくりがしゃべると、凄く違和感があるなぁと思ったら 自分の描いてきたSSではゆっくりがほとんどしゃべっていませんでした 改善していきたいです…改悪になるのか? by古本屋 古本屋の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る
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あらすじ 彼女の名は、芦原瑠奈《あしはら るな》。 白いワイシャツに深紅のネクタイ。黒のブレザーとミニスカートに、白黒ストライプのハイソックス。 ただでさえ目立つ金髪碧眼の顔立ちに加え、肩から下げた紫色のバッグが強烈な自己主張をする17歳である。 そんな彼女はある日の放課後、人気のいない学園の図書倉庫にて、見慣れぬ文字が書かれた本をこっそり拝借する。 よもやその本が、大延国に端を発する躍書であるとも知らず。 【芦原瑠奈と始末書】 卓上に置かれた一冊の本を挟み、向かい合って椅子に座っている瑠奈と竜人。 異質な光景が広がる生徒指導室にて、瑠奈が事の推移を話し終える。 「というわけなんですけどー」 「つまり『過去問探しに図書倉庫に潜り込んだら、間違って躍書を開いて躍字が逃げました』……と。 さらに『逃げた躍字を集めようとした躍書に、体の一部を乗っ取られました』……か。 馬鹿かお前は! または阿呆か!」 「だぁってー、火乃《ひの》センセーのテストむつかしいんだもーん」 普段は猫人の姿を取る火乃教師は、珍しく竜人の姿をして火を噴きそうな口調で瑠奈を叱責した。 職員室から図書倉庫の鍵を持ち出した挙句、躍書を開いて躍字が逃げるなどという事をしたのでは無理もない。 そればかりか、躍書に体の一部を奪われたとあっては一大事である。 「乗っ取られたと言っても、アタシは至ってフツーな感じですケド」 「どこまでがお前自身で、どこからがお前でないのかなど、傍目には判断できんわ」 睨みをきかせつつ、火乃教師の鋭い顔先が瑠奈の顔にずいと近寄った。 碧眼であるはずの瑠奈の左目が赤々と輝き、その中で文字とも模様とも取れぬ何かがうごめいているのが確認できる。 火乃教師が頭を抱え、尻尾をべしべしと床に打ち付けると、ビシッと無数の亀裂が走った。 「ドラゴンティーチャー、床に穴空くわよー」 「やかましい! 床の穴はわしが塞ぐとして、お前は自分の減らず口を塞げ!」 「無理。塞いだら息できなくて死んじゃうし」 頭を抱え、尻尾の先で小さく円を描きながら火乃教師はどうしたものかと呟く。 一方まったく反省の色を見せない瑠奈は、窓の外を見てぼけっとしていた。 そんな様子を見て、思わず炎混じりのため息をつく火乃教師。 ふとある事が頭をよぎる。 「……ところでお前は何故、乗っ取られたと自覚している? 普通は乗っ取られた時点で自我そのものを喪失すると思うのだが」 「あー……とっさに本を遠ざけたからじゃないですかねー」 そんな馬鹿なという顔をしつつ、火乃教師は卓上に置かれた問題の本を手に取る。 表題は【大延国における仙人の処遇について】と達筆な字で書かれ、鎖が千切られたような装飾が施されている。 躍字に飲まれぬよう精神を集中しつつ表紙をめくり、何も書かれていない紙面に語りかける。 「書よ。芦原の身体を奪しようとし、半端に終わったのは事実か?」 真白な紙面の右上から下へ向かい、スラスラと黒色の線が描かれていく。 それら全てが、傍目には意味不明な記号の羅列、あるいは何がしかの複雑な模様にしか見えない。 途中折り返し、紙面を2行ほど進んで歩みを止めた線が、火乃教師の意識に語りかけてくる。 『割と本気で体を奪うつもりだったが、想像以上に精神が頑強でな。 左の視覚と聴覚を共有するのが精々であった』 全力で本を地面に投げつける火乃教師。 叩きつけられた躍書は宙を舞い、床の亀裂がさらに深刻化する。 口元から燃え盛る吐息を散らし、地に落ち天を仰ぐ躍書に向かい唸るように放つ。 「消し炭にしてやろうか、この悪書が」 『竜人にかかれば造作も無いことであろうが、その場合、我の一部は彼女に残り続けるぞ? それにこちらとて道理あってこういった手段を取っているのだ』 火乃教師は本を拾い上げ、おもむろに紙面をめくり始めた。 相対する瑠奈の視線ではその内容を読むことはできないが、段々と険しくなる火乃教師の顔が目に映る。 やがて本をたたみ、瑠奈に向けて差し出した。 「わしの口からあれこれ説明するより、この書から直接伺ったほうが早いだろう。 何せこれは躍書。自ら語りたがる異国のお喋りどもよ」 そういって本を瑠奈に渡し、熱を帯びた鼻息を鳴らしながら火乃教師は生徒指導室を後にした。 手にした本を開くか否か、瑠奈は少しばかり思考を巡らせるが、開かないという選択肢は取れそうもなかった。 【大延国における仙人の処遇について】をめくると、紙面には幽玄の如く文字が浮かび上がる。 『まずは自己紹介といこう。我は表題の通り【大延国における仙人の処遇について】の書物だ』 「十津那学園高等1部2年3組芦原瑠奈、永遠の17歳にしてうら若き乙女よ」 『……何とも言いあぐねるな』 「金髪碧眼の美少女を捕まえてそりゃ無いでしょ。もっとも左目はアンタの所為で充血状態だけど」 赤々と輝く左目をぐいと指で吊り上げて見せる。 本に書かれた文字はするすると形を変えて瑠奈に語りかける。 『その目を通じて、我は今世界を垣間見ることが出来る。 同様に主《ぬし》の耳を通じて、世界の有様を聞くことが出来る』 「感謝しなさいよねー」 『さて本題に移行する』 浮かんだ文字が一斉に消え入り、紙面が真白に戻る。そして再び右端からスラスラと文字が書かれる。 瑠奈は書かれていく内容を意識で読みつつ、重要そうな点だけ声に出して確認した。 「えー、本書は……延の躍書で……仙人境で作られて……不老不死の仙人を……封印する物で――」 要領を得ないと判断したであろう本自身が、要点だけをまとめて書き直す。 『要約するとこうだ。本書は悪事を働いた仙人共を封じるための書物だ。 すでに役目を終え、我自身に封縛が施されていた筈であるが、何ゆえか枷が外れてしまっていた。 そして主が我を開いた際、封じた悪仙共が逃亡を図ったのだ』 小首をかしげるも、概ねの事態を瑠奈は把握した。決してよろしい事態ではない。 『だが寸での所で封の字を書き連ね、出来うる限りの逃走は阻止した。 しかし少なからず逃げおおせた者もいる故、事が官に知れれば我が名も本書に書き連ねんと察する』 「それとアタシの魅惑的ボディを乗っ取ることに、どういった関係性があるわけ」 『書たる我に自在は無し。封じ伝えることのみが責務ゆえ、以外の全ては剥奪されて久しい。 故に封を切りたる主の身体を用い、再び彼奴等を我が内に封じ込めんと画策した次第だ』 「要は失態犯したのが上に知れるとマズイから、秘密裏に処理しちゃえと。 んで自分は身動き出来ないから、アタシの体を使って何とかしようと。 ……ただの揉み消しじゃん、それ」 『……と言うやもしれぬし、言わんやもしれぬ』 「としか言わねっつの。言わねっつの。大事なことなので2回言いましたっつの」 ふらりふらりと軽い口調で物事を受け流す瑠奈。あるいは事の重大さを誤魔化すためか。 それからしばらくの間、両者に沈黙が走った。 半ば諦めたように、瑠奈がどっと息を吐き出す。 「で、結局アタシはどうすりゃいいわけ?」 本はようやくと言わんばかりに線を引いた。 『我と共に逃亡者の再封に務めてもらう。先に言ったように事を広げたくは無いのでな。 本書を随伴させ、彼奴等を探し出し、説得あるいは実力行使で封印するのだ』 「人間にそんな重労働が勤まるモンですかねー。ま、頑張りますケド」 『ついでにもう一つ』 ただでさえ面倒な悪仙の封印などという仕事の上に、まだ何かあるのか。 そう思うと今回の倉庫巡りは失敗したなと、瑠奈は気持ち身体が重くなった。 『暇だ』 「は?」 想定外の返答にうっすらと笑いながら驚きを口にする。 これだけの事態に進展しておいて何が暇なものか。もっとも引き金を引いたのは瑠奈自身ではあるが。 『幾千年の月日の中、暗所で過ごす生は飽きた。 偶然であるとは言え異界で目覚めるという類稀な体験でもある。 どうせならば封を終えるまでの間、この現界の様々を知り体験したいものだ』 「……はー。失態にプラスして職務の合間に悠々自適の異邦生活っすか。とんでもない悪書ねコイツ」 『千載一遇の何とやらだ。見逃せ』 へらへらと笑いを浮かべながら、どことなく瑠奈は共感を覚える。 似ている、というより本質が大体同じである。 「いいわ。アンタの日常とアタシの日常を半分こで共有しましょ。でも主導権はアタシよ」 『心得た。我の非日常と主の非日常を半分にて共有せしめん』 頃合を見計らってか、生徒指導室を出て行った火乃教師が一枚の紙を携えて戻ってきた。 「芦原。大体の説明は受けたのか?」 「まー概ねは」 「ではこれを書け」 手渡された紙にデカデカと書かれた始末書の文字。 「……まじっすか火乃ティーチャー」 「何か文句があるのか? 仙人の始末書に一筆入れる前に、まずは自分の始末書に一筆入れろ」 『封印されなければ良いな、主よ』 「人事だと思ってんじゃないわよアンタ」 かくして芦原瑠奈と躍書による、お気楽悪仙封縛生活が始まった。 「早速だけど、アンタに要求があるわ」 『何だ』 「その訳の分からん口調、もとい書体を何とかしなさいよね。もうちょっと現代的にさ~」 『主が閲覧および聞いた言葉を使用しろということか。ならば参考文献を所望する』 「……あー、マンガでいい?」 『何だか良く分からんが、とにかく良し』 【但し書き】 本作品における設定は多分に独自解釈を用いております。 また作品内に登場するキャラのシェアに関しては、ご自由にお使い下さい設定となっております。 ※ご指摘等あれば、下記コメント欄よりどうぞ。 17歳ってことは高2?それとも高1? -- (名無しのとしあき) 2012-06-26 15 18 56 高等1部2年と言っているように高2となります。ちなみに高等1部=高校、2部=大学という独自設定 -- (としあき) 2012-06-28 01 47 13 今更ながら読んで見たけど(作者さんすいません)会話部分が軽快で読み進めやすかったです。躍字や仙人について参考にさせて頂きたいので今後が気になるシリーズです -- (名無しさん) 2012-12-19 12 05 04 火乃先生の生徒を思う姿がいいですね。扱い方によっては危険な物が置いてあるのは管理能力が認められているからなのでしょうか。妙に人臭い書との事態もみ消しが楽しみですね -- (名無しさん) 2014-08-31 18 49 20 名前 コメント すべてのコメントを見る
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独自データ 各社 12.7mm重機関銃 着脱式三脚と3点のガスベント・システムを備えています。三脚を除いた本体重量のみでも40kg程度と非常に重く、反動も強力なため、屈強なトロールといえどもジャイロ・スタビライザ無しに立射することは不可能です(トロールであっても筋力10は要します)。 ヘビーマシンガン(HMG) Damage AP モード RC 弾薬 入手値 価格 各社 12.7mm重機関銃 9P -4 FA 3(10) 100(belt) 18F 14,000 ゴム散弾 ショットガン用のゴム散弾です。DV+2(精神)、AP修正+6、対衝撃装甲値を適用します。入手値は4R、価格は10新円です。
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独自兵器開発 独自兵器開発(イベント) 一般性能要求(要点) 独自兵器とはI=Dでない兵器の総称である。 これらは各藩国が独自に開発し、運用した低性能代替兵器だったが、量産性に優れるために大量配備されたケースも多かった。 周辺環境:なし 評価:なし 特殊: *独自兵器開発のイベントカテゴリは藩国イベントとして扱う。 *独自兵器開発の位置づけは生産イベントとして扱う。 *その国用の独自兵器を作成することができる。 →次のアイドレス:なし 未婚号(海法よけ藩国) →次のアイドレス:・結城小夜(ACE)・古関里美(ACE)・暁ゆかり(ACE)・雷鳥号(I=D) エアバイク ビケ(ビギナーズ王国) →次のアイドレス:・変形型エアバイクI=D(乗り物)・サイドカー(乗り物)・対戦車ライフル付きエアバイク(乗り物) 白夜号(悪童同盟) →次のアイドレス:航空機・戦闘機型白夜号の開発(イベント) 長距離ミサイルの開発(イベント) コメット(世界忍者国) →次のアイドレス:・荻ふみこ(ACE)・ハンターキラウイッチ(職業)・魔法猫(猫士職業) レオドール(ゴロネコ藩国) t:→次のアイドレス = 戦闘ゴーレムの開発(イベント),汎用ゴーレムの開発(イベント),守護神の開発(イベント),ゴーレムマスター(職業) コメント 独自兵器なだけに各国独自な兵器が登場する可能性多いにあるんだよねぇ おまけ 派生元リスト テストパイロット→その前整備士 無人戦隊→蒼龍2→蒼龍(プロモ前)→蒼龍号(プロモ前)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4113.html
『でぱーちゃーだどぉ』 8KB 観察 自業自得 日常模様 捕食種 自然界 現代 独自設定 3作目 れみりゃ、ゆっくりの中でも翼をもち、大空を翔ることのできるゆっくりである。 空から捕食対象を襲い捕食するそれは、抵抗する手段を持たない通常種からは、 自然の驚異や、虐待鬼威惨たちと並び、生命を脅かす物として君臨していた。 ゆっくりが出現してからというもの、その存在はあるところでは 人間の驚異になるものと認識されていた。 ここは森の中、近くには人間のテリトリーがあるが、そこは柵で覆われていて ゆっくりは侵入することができず、たまに山狩りがあるが、ある程度生かされていた。 そういうところには、捕食種であるれみりゃが蔓延るのも当然であった。 それに、れみりゃは木の上や洞窟といった人の見えないところに巣を作るため、 駆除しても仕切れないでいた。 そこに住む、胴付きのれみりゃ親子が今回の主人公・・・ 時間は夜、れみりゃたちの活動時間である。 「う~、きょうもいちだんとかりすまにみがきがかかったんだどぉー!!!」 「まんまぁ~、れみぃもおどるんだどぉー」 れみりゃ親子2匹が夜の醜いダンスをドテドテと踊っていた。 「いっぱいおどったら、おなかがへったんだどぉー、ぷっでぃ~ん☆がたべたいんだどぉ」 「れみぃも、ぷっでぃ~ん☆ほしいんだどぉ」 「でも、どこにあるのかわからないんだぉー、ぷっでぃ~んはどこにあるんだど?」 「まんまぁー、まえにれみりゃおばさんがいっていたところにあるんじゃないのかどぉ~?」 れみりゃおばさんとは、親れみりゃの姉で、ぷっでぃ~んがあるといって人間のテリトリーへ入っていき、 かえってこないれみりゃである。 「おちびちゃんはてんさいなんだどぉ~、やっぱりれみぃのこなんだどぉー!!! おねぇは、いまごろぷっでぃ~んをまんきつしているんだぉー」 帰ってきていない=ぷっでぃ~んを食べてゆっくりしていると妄想するれみりゃ親子。 どこまで餡子脳なのだろうか・・・ 「でも、あそこはなんだかうるさいんだどぉー?」 「あちびちゃん、『ふらんのすにいらずんば、あまあまをえず☆』なんだどぉ~ ぷっでぃ~んはくろうっしないととれないんだどぉ!!!」 「そうなのかどぉ? れみぃはやるときはやるんだどぉー」 れみりゃ親子は勘違いしている、なぜ他のれみりゃが帰ってこないのかを・・・ 「なら、ぜんはいそげなんだどぉーおちびちゃん!!!」 「うー☆ぷっでぃ~んまっているんだどぉー」 そして、れみりゃたちは入っていく、人間のテリトリーへと・・・ 「うー☆うー☆ぴかぴかがきれいなんだどぉぉぉー!!! ここはひろいから、れみぃたちの☆だ・ん・す☆ぱれすにするんだぉ」 「ここにはきっと、ぷっでぃ~んがいっぱいあるんだどぉー」 夜の人間のテリトリーは、自然にはない人工燈で煌びやかな様相を呈していた。 それに惹かれるれみりゃ親子。 「れみりゃたちはここでゆっくりしていればいいんだどぉー そしたら、めしつかいがぷっでぃ~んをけんじょうっしてくれるんだぉぉ~」 「まんまぁ~、ぴあぴかがれみぃたちをてらしてくれているんだどぉー ここなら、れみぃのおどりももっとかがやくんだどぉ☆」ドテドテ 居もしない召使いに、要求をだす親れみりゃ 人工燈を自分たちを照らすスポットライトだと思いこみ、またもや醜いダンスを踊り出す子れみりゃ 「でも、なんだかここはすこしうるさいんだどぉー」 「おちびちゃん! しんのかりすま☆はもんくばっかりいっちゃいけないんだどぉー!!! ここは、がまんっするのが、しんのかりすま☆ってもんなんだどぉ☆」 「それもそうなんだどぉ~、れみぃはかりすま☆だからがまんしてあげるんだどぉー」 まわりのリスクなど考えずにしんのかりすま(笑)などとほざくれみりゃ親子。 ゴォーーーっと騒音がなるにもおかまいなしである。 「まんまぁ~、あのぴかぴかたちがこっちにくるんだどぉ?」 「あれがめしつかいなんだどぉー、ぷっでぃ~んをはこんでくるんだどぉー☆」 「ぷっでぃ~ん、ぷっでぃ~んっだどぉ~、れみりゃ☆う~☆」 ゴォォォォーっと轟音をたてながら近づく召使い(笑) 「あの、めしつかいうるさすぎるんだどぉー!!! れみぃがちょうきょうっしてやるんだどぉ!!!」 「おちびちゃんは、やっぱりかりすま☆なんだどぉー!!!」 「かりすま~☆かりすま~☆かりすま~☆」パタパタ 有りもしない召使いを調教してやると張り切るれみりゃ親子。 そして、調教しようと召使い?に近づこうと飛んでいく子れみりゃ。 だが、轟音を轟かすそれも近づいてくる。 「れみぃのおしおきをうけるんだどぉー そしてぷっでぃ~んをけんっーーーーーーう゛あああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー」 「おぢびぢゃああああああああああんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!! どうぢぢゃっだんだどおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ????」 いきなり、おちびちゃんが悲鳴をあげてきえてしまった? なにがおきた? と足りない頭で思考する親れみりゃ その間、1秒ほど こんどは召使いはこちらへ向かってくる・・・ しかし、逃げられない、否、逆にそれに引き付けられている・・・ 「こっぢにぐるんぢゃないんだどおおおおおぉぉぉぉーーーーーーー あっぢいげえええええぇぇぇぇぇーーーーーーー」 しかし、そんな願いなど叶わない、近づいてくるぐるぐる・・・ そしてその時はやってきた・・・・・・ 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーー ざ ぐ や゛や゛や゛や゛ぁぁぁぁぁー ー ー ー ー ー ー」ゴシュッボウッ 居もしないさくやに助けを求めるも虚しく、ぐるぐるの中へと消えていくれみりゃだった・・・・・・ ビーッビーッビーッビーッ 『キャプテン、ゆードストライクです!!! 左エンジン停止!!!』 『RTO(離陸停止)!! RTOだ!! まったく、まったく馬鹿だなゆっくりってやつは!!!』 『おおかた、胴付きのれみりゃでも吸い込んだんでしょうね あいつら馬鹿だから、滑走路の光につられてやってくるんですよ』 『管制にクリアランスとっといてくれ』 『ラジャ! ANKO Air 036 Yukkuri was strike now・・・』 『まったくお客様に迷惑がかかちまうな』 『山でもストライクが増えましたねー、昔は海鳥が多かったものですが』 『はぁ~ついてないんだどぉ~』 『キャプテン! れみりゃの物真似なんかやめてくださいよ~、冗談じゃないですって』 『すまんすまん、まぁ大事にならなくてよかったじゃないか あ、キャプテンに反抗したからお前お客様への説明よろしくな!!!』 『どぼぢでぞうなるのおおおおぉぉぉぉぉ?????』 そう、ゆっくりが出現して以来、人間への驚異となる問題がゆードストライクである。 バードストライクのゆっくり版であるが、その大きさや重さ、鳥の被害に比べ 重大なインシデントを引き起こす可能性があるのだ。 エンジンに胴付きが吸い込まれでもしたら、ファンブレードの何枚かが逝ってしまうことがあるのだ。 それにれみりゃの肉餡がこびりつき掃除も大変だ。 金はかかるわ、掃除は大変だわで近年航空業界を悩ませている。 ファンブレードは1枚50~80万程度、かなりの損失である。 付近の森を伐採したり森ののゆっくりを根絶しようにも、環境団体やゆーしぇぱーどなどが邪魔をしている。 ゆードストライクを減らすにはまだ時間がかかりそうだ・・・・・・ 『フライトデッキからお客様へお知らせです 当機はゆードストライクにより、エンジンに不調が生じたため離陸を取りやめ ブリッヂに引き返すことになりました ご迷惑をおかけしてもうしわけございません 代替機にて再出発いたします 準備をいたしますのでしばらくお待ち下さい ゆっくりラウンジにて、ゆっくりを準備しておりますので、ストレスの発散にご活用ください 本日もANKO Airをご利用ありがとうございます。ヒャッハァ-』 副操縦士がアナウンスをする。 お客たちは仕方ないとあきらめ、準備されたゆっくりを虐待することで、遅れのストレスを発散するのだった。 これは餡子航空が考え出した特典である。 しかも、企業ということで虐待道具も高級品がそろえられるため餡子航空は虐待鬼威惨たちには人気なのである。 『ジェットエンジンで焼いてやる!!!ヒャッハァァ』フォォォォォンン 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 ジェットエンジンで焼かれる物 『チタァァァンンンブレイドォォォォ』パカッ ダメになったファンブレードから作られた、鋭い刃物で強制おたべなさいされる物 『タッチィィィーーーアーーーンドゴオオオォォォォ』オソラッ…ユベッ…オソッ… 旅客機のタッチアンドゴーのように地面にぶつけられ、持ち上げられを繰り返される物 『お前らのっ! ユベッ せいでっ! ユゲッ 商談に! ドボヂデ… 遅れただろうがぁぁぁ! ビリッ』 商談に遅れるとか愚痴をこぼすもスーツを餡で染めるサラリーマン このように空港のゆっくりラウンジには悲鳴が轟くのであった。ヒャッハー おわり 読んでくださりありがとうございます。 誕生日おめでとうございます餡庫さん!!! 『だどぉ』が自分の中でゲシュタルト崩壊した! 前作の『人間が消えた世界のゆっくり』で原発がでなかったのは 制御不能になる前にゆっくりは全滅することを表したかったからです。 人が消えても、福島みたいになるんでしょうかね? 放射能を浴びたゆっくりはどうなるんでしょう?うつほに進化するのかなー anko4055 森の恵みは・・・ anko4056 人間が消えた世界のゆっくり
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こちらはつくしあきひと氏作「メイドインアビス」の世界夢の為、姉崎もねとそのフォロワーが考察・ねつ造した設定をまとめる為のwikiです。 あくまでも推測とねつ造であるという点さえご留意いただければ設定の便乗はいくらでもしていただいて構いませんし、参照urlとしてリンクを貼っていただくのもOKです。 報告も任意です。 ただし、していただければ見に行かせていただきます。 ※※当wikiの記事は全て予告なく変更される場合があります※※ アカシヤの手帳(オリジナル遺物) 孤児院(※独自解釈) 狩猟家(ハンター)
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設定メモ ~か行~ 2010/7/15 設置 地のエレメント 分類 エレメント関係 説明 十種類存在するエレメントの一種。鉱物・肉体と いった事象を支えているとされる。 備考 -
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NPC情報を明記予定 これ以外にも、独自NPCは数多く設置されています。息抜きに各街探してみてはいかがでしょうか Image Name Map Role 錬金術師 ブラジリス(brasilis)[202,226](町) レアメタルを使用して武器の力を解放錬金武器参照 技工士 ブラジリス(brasilis)[189,226](町) ヒドゥンスロットエンチャントEX 細工職人 雪の街ルティエ[137,137](町) ヒドゥンスロットエンチャント 検索ちゃん 魔法の都市ゲフェン[115,65](町) モンスターの情報をIDや名前から検索 彷徨う魂 神仙の島コンロン[159,129](町) ソウルリンク クローンNPC 前衛基地スプレンディッド[197,181](町) クローンスキル
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独自I=D候補 これらは「独自I=Dの開発」取得のために、随分前から用意していてもらったもの。 しかし、直前になって藩王がいきなり「試作機登場を取る」と言い出し、使用されないまま終わる。 その後も「取得しよう」と言いつつも取得されず、お蔵入りになっていたもの。 闇星号弐型(作:那限逢真・三影) 友星号(瀧川用闇星号弐型)(作:那限逢真・三影) 時詠号弐型(作:那限逢真・三影) RXSM-04(仮名)(作:那限逢真・三影) イワトビ(作:松林ぼたん) アデリー改(仮名)(作:松林ぼたん) ブラッディ・メアリ(作:松林ぼたん) ブラッディ・メアリ改(作:松林ぼたん) 黄泉津平坂(作:吉備津五十一) 志那都比古(作:吉備津五十一) 碧龍(作:磐上) 剛心(作:磐上) 吏族ダンスパーティ派生 危険な冒険 ゴールデン・プリンセスガード仕様がどういうものか不明だった頃に作成したもの。 プリンセスガードというくらいなので、装飾性があると考え彫金のようなものを加えてみた。 結局、質疑から全身金色である以外はゴールデンと同じということがわかりお蔵入りに。 ゴールデン・プリンセスガード仕様(作:那限逢真・三影) 試作機登場 試作機登場の要項が発表される前に用意していたもの。 結局、試作機が航空機であった事からお蔵入りに。 名称未定(作:那限逢真・三影)
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第7回SRC学園シナリオコンペ 作者:SRC学園のなかまたち 配布URL:http //mayr.hp.infoseek.co.jp/Conpe7.html サイト名: 屋根裏の裏 文責者:マイヤー 掲載日:2010/03/27 記事URL:http //d.hatena.ne.jp/Mayr/20100327 感想本文: 【聖乙女に行こう!】 製作:回天さん というわけで今回のコンペの一番槍、回天さんのシナリオ。 聖乙女学園に入学したいとある生徒が、そのための試練に合格すべく奮闘する……と、内容は非常に直球。 作品の長さも短めで構成も非常にオーソドックスではあるのですが、 全体的につくり込み要素が高かった今回のコンペの中で、 シンプルな、お題に即したシナリオで勝負というスタイルは前回と同様評価されるべきだと思います。 欠点としてはこれ非常に指摘が多くなるかと思うんですが、 多少学園に触れているプレイヤーにとってはオチが読めてしまう事。 主役のみこと自体が学園内外でかなりメジャーな存在なので、 そうした予想を裏切るもう一手がほしかった気はします。 とはいえキャラクターの描写や全体のテンポに関しては良好。 シーンの盛り上げ方、自分なりの描き方を心がけると更に質のよいシナリオが作れるんじゃないでしょうか? シナリオ:☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆☆ 【双姫剣舞】 製作:Philoさん 判定を下す側から『合格』を描いたシナリオ。 治安組織『姫士組』の長、伊佐美千佳が本当にその職に相応しいかどうか判断すべく、 監査役の神楽千歳がひそかに彼女を審査する、という内容。なるほどこれは巧いやり方。 主役を見る立場の人間=プレイヤーとする事で、非常に感情移入しやすくなってます。 登場キャラクターが非常に多い中で、焦点をしっかりこの2人に絞れるのもグッド。 また氏の作品の特徴として芝居がかった台詞回しがあげられると思うのですが、 学生ながらに武闘派路線の彼女らにはこれがよくマッチしてると思います。 全体の作りに関しては文句ないのですが、気になったのがラストでぽっと登場した市山さんの存在。 重要な総括シーンを突然プレイヤーの視界の外から入ってきたキャラでやるのは、 話の説得力からしても少々疑問があります。キャラクターの描写から『この人がこう言うならそうなんだな』と 出来るところを、何故そうなのかを説明するために文章量が多くなってしまう欠点もありますし。 ……と言いつつもおまけにはこの人をチョイス。いや、性格的に使いやすいんで。 シナリオ:☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆☆ 【刹木さんがんばる】 製作:千早神牙さん 合格と見せかけてバレンタインという、斜め上の時節ネタ。 このバカップルが!! と叫ばずにはいられない、そんなシナリオでした。 起点から終点まで終始ニヤニヤしかねないラブコメをストーリーベースに、全力でギミック勝負に出てます。 料理オンチの少女刹木が2月14日までにチョコを作れるくらいに成長すべく行動を起こすんですが、 そこからは全て作成パート、研究して収集して実際に作ってみて、と全てがプレイヤーの選択にゆだねられます。 故に、ラストは当然マルチエンド。でも全部が全部ニヤニヤ物なのはなんでなんだぜ。 欠点らしい欠点は殆どないんですが、収集品ややれる事の総量に比べて エンディング数が松竹梅の3コースなのは少々残念といえば残念な様な、 けれどコンペ提出物としては丁度いい様な……とまぁ複雑なところ。 裏を返せば非常に面白かったという事なんですがね。 後はお題がおまけ程度なので、そこが惜しかったですね。よい意味でも悪い意味でも一点特化シナリオだといえるかも。 とはいえシナリオの方も起承転結しっかりしてて会話も楽しく読めたりと、作者氏の地力の高さが伺えます。 あとおまけといえば、あの規模の戦闘であのレベルのアニメ演出はあれです、やりすぎです。 だがそれがいい。 シナリオ:☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆☆☆ お題反映:☆☆ サイト名: 屋根裏の裏 文責者:マイヤー 掲載日:2010/03/30 記事URL:http //d.hatena.ne.jp/Mayr/20100330 感想本文: 【エンジ色のエポック】 製作:和光佳清 教師を続けるべく、13年前の自分を矯正するという試験を受ける事になった主人公、裕美。 しかし彼女が出会った過去の自分は、まるで記憶とはかけ離れた学生生活を送っていて……と、 主役キャラの固有設定を生かしたタイムトラベルモノのノベルゲー。ついでにマルチエンディング。 1stプレイではなんとかトゥルーエンディングにたどり着きました。 シナリオ自体はお題をしっかり意識したテーマで、タイムトラベルという設定を生かした話の運び方も面白いです。 Talkでなく画像による手紙の描写がそこに華を添えます。 『裕美』という存在の保全=合格、そんな声が各種バッドエンドや描写の端々に見え隠れしてたり。 少々惜しいのは現在の裕美の教師という職業に対しての想いをもう少し掘り下げていってほしかったところでしょうか。 それやるとどう考えても時間が足りないので仕方のないことでしょうか。 他には途中若干状況が分かりづらい場面があった事。手紙であれだけ手が込んでたので、 ここは表を描画して何かしら分かりやすくしてほしかったかも。 さて、特筆すべきはやはりインターフェース。シンプルながら1ヶ月で作ったとは思えない出来です。 右クリ早送り時、若干フェードアウトが遅くなるのが気にはなりますが、 それでもシナリオの雰囲気によくマッチしてます。 ともあれ、全体として見ればとてもよく出来たノベルゲーでした。 SRCのギミックと作者さんの独自性、そして実力が良く出ていたかなと。 シナリオ:☆☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆☆ 【桜散る季節に人を妬むということ】 製作:俳諧さん 毎回独自の路線をひた走る俳諧さん作。 今回も合格という明るい話題を敢えて逆の方向に捉えた面白い作品でした。 主役の賽が学園に合格した経緯を彼女の回想という形で綴っているわけですが、 そこに期待や希望なんてものが一寸も存在しません。 作中、終始彼女は善悪両方の『能力者』の掌の上で転がされる憂き目に会います。 そんな境遇こそがこの作品での能力者と一般人の関係そのものといったところでしょうか。 また賽や他の一般人にしても、明らかな偏見や過剰な恐怖心がちらほら見られるというか、 いや、このシナリオ独自設定かもしれませんが、 公式に当てはめると明らかにあり得なそうな状況をさも奴らはそうするみたいな形で描いてる点が。 狙って書かれているならこりゃ大した物です。 ギミックに関しては今回周囲の作品と比べると地味目で、相対的に評価は落ちてしまうかもしれませんが、 皆さんこれが基本的なSRCシナリオだってのを忘れないでください……と言いたくなったり。 まぁそれを差し引いても、作中描写で光る細かな技の数々、 『望まぬ合格』という今回誰も目を付けなかった点に着目した氏の独自性は尊敬に値します。 今後もこういう路線の作品を期待してます。 シナリオ:☆☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆☆ サイト名: 屋根裏の裏 文責者:マイヤー 掲載日:2010/04/03 記事URL:http //d.hatena.ne.jp/Mayr/20100403 感想本文: 【最果ての楽園にて】 製作:パンさん 既にすっかり常連さんなパンさんのシナリオ。 毎回高レベルの刺客を送り込んでくる氏ですが、今回も良い意味でやられました。 後述する演出技術の高さもそうなのですが、特に眼からうろこだったのが舞台設定。 乱暴な言い方をすれば、雑多な学園の設定を一度全部取っ払っての作品作り。 結果として初見さんが設定に煩わされる事もなく、純粋にドラマに入り込んでいける方法をとってます。 このタイプの欠点として本来の舞台が持つ『らしさ』が失われてしまうという点が挙げられるのですが、 だからこそでしょうか、今回は驚くほどまっすぐな王道ストーリー。 また前々回の『7thDay』や前回の『テメェら全員死刑!』などの伏線や設定をふんだんに使ったシナリオと比較すると面白いです。 主人公サクヤの成長をしっかりと描写し、チテイ人達との交流も頬が緩むくらい和やかに、時に切なく。 そうしてプレイヤーを引きずりこんだ末に、その全てを収束させた上で提示される結末は素でほろりといきそうになったとか。 さて、上記のようにシナリオ面は非常に優れているのですが、 それを2倍にも3倍にも面白くする氏のお家芸、ギミックに関して。 今回の印象を一言で言うと『豪華』。 短~中編くらいのシナリオで使う量の画像演出を一話そのためだけに突っ込んだ、そんな感じです。 その上でシーンを分かりやすくする細かな演出も利いてたりと、描く事と組む事両方の技術を持ちえた人が、 本気を出すとこうなるよ、という見本じゃないでしょうか? とどめにエンディングのBGM。恐らくはこれを持ってくるために色々と奔走されたと思うのですが、 それだけの価値はあると思います。作品の質に負けず劣らずです。 お題に関しては他より更に『成長』が前面に押し出されているような感覚はあったのですが、 『合格』の象徴たる『桜』をうまく使ってるなぁと、細かな点で感心してしまいました。 総括するなら、あえて様々な部分をおまけ程度にとどめ、見せるべき物を絞って叩きつけた作品。 その威力はプレイして肌で感じるべし、といったところでしょうか。 シナリオ:☆☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆ 【総合格闘武術能力大会】 製作:狼二世さん 総『合格』闘、つまりはそういう事だ。 比較的キャラ数を詰めた印象のある今回のコンペ作品の中で、唯一といっていいお祭りゲーを持ってきてくれました。 大会を勝ち上がり、味方を増やしつつ名を挙げろ! 分岐もあるよ! ……と、 ある意味コンペの締めくくりとしては上記の【最果て~】と別方向で双璧をなす作品だったと思います。 ワイワイガヤガヤ多種多様なユニットを扱う、単純な楽しさがありましたね。 その分某スパロボの様に主役周りの動きは控えめなのですが、それでも見せ場で活躍したり、最初と終わりをきちんと展開したり、 結構お題に即したドラマが展開されていたと思います。コンペ作品のモブ顔は本当にダークホースです。 欲を言えば戦闘メインのシナリオだったので、名前だけでなく能力に関しても数種選択できる方式が欲しかったかも。 それと若干の難易度調整が欲しかったでしょうか。治安組織の騎士団より情報屋の広耳堂がユニット的に厄介なのはなんなんだろう。まぁ、これを作者さんに言うのは酷ですが。 ともあれ、どうしてもシナリオ面の構築が難しくなりがちなこのテのお祭り作品で、 ドラマもやりつつ騒ぎつつ、と結構良いトコ取りの作品でした。 特化された部分はないものの良いレベルでまとまっていたと思います。 あと製作事情の話になりますが、最終日の修羅場は本当にお疲れ様でした。 シナリオ:☆☆☆☆ ギミック:☆☆☆☆ お題反映:☆☆☆☆ 【???】 製作:??? 作品名は敢えて隠します。締め切り当日に製作を始めたという某氏が滑り込ませてきたブツ。 蓋を開けた瞬間、いい意味でこの人馬鹿だと思いました。 多くを語る事はしませんというか、出来ません。そういう作品故におまけという位置づけにしたのですが、 恐らくプレイした方ほぼ全員が驚愕したんじゃないでしょうか。 未プレイの人は他作品をクリアした後、インデックスを探してみてください。 多分想像通りだったという人はいないはず。 いや本当に予想だにしない作品でした。ちなみに僕は216秒で。 シナリオ:☆ ギミック:☆☆☆☆☆(☆) お題反映:☆☆ 総括: さて、以上でコンペ作品全ての感想を書き終わりました。 今回は非常にかぶりが危ぶまれる内容ゆえに、直接的なお題の使い方は少なかったように感じます。 ある種『成長』というのが一番テーマとして相応しかったかもしれません。 とはいえ多種多様なアプローチ、総じて質の高いシナリオの数々。 プレイヤーを楽しませる、驚かせるというゲームの本質を考えれば大成功と言える回だったと思います。 また、個人的に嬉しかったのは学園在住者の、特に最近シナリオをリリースされ始めたお2人が参加してくださったこと。 現在学園ライターとしては一段落といったところの僕ですが、 後続の人々の活躍というか、こういうものを開催し続ける意味というものを再認識できました。 なんだかえらそうな話になりますがね。