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autolink ZM/W03-T01 ZM/W03-012 カード名:“ゼロの使い魔”サイト カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:2500 ソウル:1 特徴:《使い魔》?・《武器》? 【自】あなたが「集中」を使った時、その効果でクライマックスが控え室に置かれたなら、そのターン中、このカードのパワーを+3000。 TD:こちとら、ゼロのルイズの使い魔だっての! C:くそっ、無駄にヒラヒラしてて洗いにくいったら… レアリティ:TD C illust.ヤマグチノボル・メディアファクトリー/ゼロの使い魔製作委員会 一度の集中で5500+集中補正までパワーが上昇するので、レベル1以上と相打ちが狙えるようなら使うのも手。 ティファニア・ウエストウッドやゼロのルイズなどのパワーを上げるものと組めば、レベル3を打ち取ることも不可能ではない。 とはいえ、無理に集中を使用して終盤にストックが足りなくなる事態は避けたいところ。 D.Cのカードに多いデッキトップ確認・デッキトップコントロールと併せて集中を使用するデッキや、 ディスガイア以降増えてきたレスト不要の集中持ちと併せて使用すれば、バニラよりも活躍できる機会は多くなるだろう。 ・関連ページ 「サイト」?
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前ページ次ページ鮮血の使い魔 「では式を始める」 教会にて、ウェールズは始祖ブリミル像の前で宣言した。 彼の前に立つワルドはあごを引いて口を真一文字に結ぶ。 その隣でルイズはうつむいていた。 「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。 汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し、そして妻とする事を誓いますか」 「誓います」 「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン……」 どこか遠い所で声がしていると、ルイズは思った。 ワルドとの結婚。夢見た光景ではある、しかし、心だけ置いてきぼりされているような気分。 後ろの席に座っている言葉は、どんな表情をしているだろうか。 隣に立つワルドは、どんな表情をしているだろうか。 ワルドは本当に自分を愛しているのだろうか? いや、そうではなく、自分は本当にワルドを愛しているのだろうか? 憧れていて、頼もしく思い、信頼もしているけれど、これは、恋や愛と呼べるものだろうか? (コトノハ。私の使い魔。恋人の、マコトの死を受け入れられず、首を抱きしめる女の子) もし、ここでワルドが殺されたとしたら、自分はどうするだろうか? 言葉のように、ワルドの遺体を抱いて嘆き、死という現実を否定し、逃避するのだろうか。 しないだろう。常識的な問題で、しないだろう。 しないだろう。そうするには足りないから、しないだろう。 足りない? 何が足りない? 「新婦?」 ウェールズのいぶかしげな声に、ハッと顔を上げるルイズ。式は、まだ途中だ。 「緊張しているのかい?」 ワルドが気遣うように微笑み、優しい声で言う。 「君はまだ若いし、初めての事だ、仕方ないさ。でも安心して。 僕がついている。今日この日からは、ずっと、永遠に」 首を振るルイズ。なぜ、首を振ったのかルイズ自身にも解らなかった。 だからもちろん、首を振るという拒絶の意を示した理由を、ワルドやウェールズが解るはずもない。 「ルイズ、どうしたんだい?」 再び首を振るルイズ。 昨晩、一人で考え事をしたいと部屋にこもっていたのを思い出したワルドは、心配げな表情になる。 「もしまだ具合が悪いのなら、殿下には申し訳ないが、日を改めて……」 「違うんですワルド様。そうじゃなくて、ごめんなさい、私、解らなくて……」 「何が解らないんだい? ルイズ」 「だから」 顔を上げた。瞳は濡れている。 「ワルド様とは、結婚できません」 予想外の事態にワルドとウェールズは困惑した。 どう対処すればいいのか、ワルドが考えつくより先にウェールズの口が開いた。 「新婦は、この結婚を望まぬのか?」 「いいえ、そうではありません。ですが、いえ、そうです。私は、この結婚を望んでいません。 ウェールズ殿下には、なんとお詫びしていいか……大変な失礼を致してしまい……」 やはり、ルイズにとってこの結婚は性急すぎた。 気持ちが現在に追いつかず、幼き日の憧れのまま、ワルドとの結婚式を迎えてしまった。 だからこんな半端な気持ちのままでは、結婚などできようはずがない。 しかしそんなルイズの気持ちに気づかないらしいワルドは、 恥をかかされたと頬を赤くし唇を歪めた。 よくない雰囲気だと、ウェールズは穏便に事を収めようとする。 「花嫁が望まぬ式を、これ以上続ける訳んもいかぬ。子爵、この場は……」 ウェールズの気遣いを無視して、ワルドはルイズの両手を引っ掴んだ。 「緊張しているんだ、そうだろう? 僕との、結婚を拒むなど、ありえないはずだ」 「ごめんなさい、ワルド様。憧れていました、幼いながら恋をしていました。でも」 でも、言葉を見ていて思うから。 真なる愛情は、心を壊すほどに深い。 しかし狂気に呑み込まれても尚、決して消えぬもの。 (私は、それほどまでにワルド様を想ってはいない。少なくとも、今は、まだ) だからいつか、もっと時が経って、自分を、ワルドを見つめ直して、納得できた日には。 憧れではなく、本当に心から愛せた時には。 結婚したい。そう思った、しかし。 「世界だ……世界だぞ、ルイズ!」 ワルドの声が熱を帯びた。怒りや苛立ちの類の、熱を。 「世界だ……世界だぞ、ルイズ!」 言葉の淀んだ瞳が揺らいだ。 ワルドが何事かを叫んでいる。 セ……何? セカ……セ……。 「そのために君が必要なんだ! 世界を手に入れるために!」 「な、何を仰っているのか、解りません。世界……だなんて、いきなり、ワルド様?」 「君には力が! 才能があるんだ! 始祖ブリミルに劣らぬ才能! 僕達の輝かしい未来は、ここから始まるはずだ! ルイズ!!」 何を言っているのだろうと、言葉は思いながら鞄を、開けた。 力と才能。そんなもの持ってはいないけれど、ワルドはそれを欲している。 じゃあ……私は? ルイズは理解した。ワルドは自分を愛していない。 じゃあ……結婚は? 拒絶したのは自分からだ。でもそれは『今』の事であって『未来』まで拒絶してはいない。 しかしこのワルド、求めているのは『今』だった。 『今』が無ければ『未来』も無い。その『未来』とは、ルイズではなく、世界だ。 「ミス・コトノハ! 君も! 君からも何か言ってやってくれ!」 言われて、言葉は鞄の中の獲物を掴んだ。 「……ワルドさんは、ルイズさんを愛していらっしゃる……そうでしたよね?」 「そうだ! ルイズを手に入れるためにここまできたのだ、今更引き下がれるものか! ルイズと! ガンダールヴがいれば! 私は……私達は世界を手に入れられる!」 「セ、カ、イ……?」 瞬間、弾ける記憶――思い出――絶望――。 優しくしてくれた。 相談に乗ってくれた。 アドバイスをしてくれた。 嬉しかった、幸せだったのに。 全部、全部、嘘だった。 裏切った。 裏切られた。 信じてたのに。 いい人だって、友達だって思っていたのに! 世界……世界……西園寺世界!! 「ワルドさん」 久し振りの感覚だった。あの日、あの時を思い出す。 クリスマスの夜の出来事を。 言葉は鞄を椅子に置いて、中からチェーンソーを引っ張り出す。 「こ、コトノハ?」 それが強力な武器であると知っているルイズが困惑の声を上げる。 言葉はそれを起動させ、静かに歩み寄る。 「ミス・コトノハ? 何をするつもりだ、それは何だ」 結託しているはずの言葉が、奇怪な剣を取り出したのを見てワルドは顔をしかめる。 「答えてくださいワルドさん。貴方はルイズさんを利用するつもりだったんですか?」 「何を言っている、ミス・コトノハ。君は私の味方だろう」 「ルイズさんを裏切っていた……そうなんですね」 殺気。 刃のような鋭さは無い、しかし全身を毛虫が這うようなおぞましさがあった。 夜の海のように深く、暗く、冷たい。しかし同時にマグマのように熱い。 憎悪と憤怒が激流となってほとばしる。 この女は私を殺す気だと、ワルドは直感的に悟った。 「いいのか? 私を裏切れば、君の願いもかなわぬのだぞ!」 「死んでください」 轟音。言葉は左手のルーンを輝かせ、チェーンソーを起動させた。 疾駆。一瞬にして隼の如き速度で肉薄する言葉。 閃光。二つ名にたがわぬ速度を持って反応するワルド。 一瞬の出来事だった。 困惑するルイズはシャツを切り裂かれ、懐にしまっていたアンリエッタの手紙を落とす。 咄嗟に杖を抜いたウェールズは、跳ね上がった足を腹部にめり込まされ苦悶によろめく。 回転する凶刃を振り下ろした言葉は、ワルドの速度に届かず唇を噛んだ。 ルイズから手紙を回収し、ウェールズを蹴り飛ばして距離を取り、言葉の斬撃を回避し、 ワルドはマントをひるがえして跳躍し体勢を立て直した。 「予定変更、この場にいる全員を始末するとしよう」 「ワルド様!? それは、いったいどういう意味ですか!」 「ルイズさん、彼はレコン・キスタ……貴族派のスパイ、裏切り者です」 言葉の発言に、ルイズとウェールズは驚愕に震える。 しかし。 「それはお互い様だろう、ミス・コトノハ。 君は主人であるルイズに隠れて盗賊土くれのフーケを脱獄させ結託し、 さらに我がレコン・キスタに入るべく君達を売ろうとしていたのだから」 「コトノハが!?」 続け様に明かされる事実に、ルイズの頭は真っ白になってしまった。 「僕を裏切り者と呼んだな、ミス・コトノハ。だが君も裏切り者だ。 ルイズを裏切り、僕を裏切り、今度は誰を裏切る!?」 言葉は冷笑した。 それは、彼女の狂気を一番長く見てきたルイズでさえ、恐怖に凍りつくほどの。 裏切り者の笑み。 優しくしてくれた、正直でいてくれた、本当の気持ちを話してくれた、ルイズを裏切った。 この世界でただ一人、心を許せた人を裏切ってしまった。 ならばもう、他のすべてもろともに、等しく価値は無いだろう。 故に、裏切るというのなら、この世界の者でない誠を除くすべて。 すなわち。 「世界を」 このハルケギニアという世界すべてを裏切ってでも、彼女は征く。 すべては、最愛の恋人のために。 誠のために。 チェーンソーを軽々と持ち上げて、言葉は再びワルドに迫る。 が、ワルドは素早く詠唱をすると、その姿を五つに増やした。 幻? 否、これは。 「風の遍在!? 逃げてコトノハ!」 ルイズの悲鳴にも似た叫びに、言葉は危機を感じ立ち止まった。 風の遍在。 この魔法によって、ワルドはルイズと共にいながら、言葉とフーケの密会を目撃したのだ。 だがこの魔法の恐ろしさは、術者と力を等しくする遍在が複数現れる事にある。 スクウェアクラスが五人、同一であるがゆえの完全な連携で襲ってくる。 まともに戦っても勝機は無い。 「エア・カッター!」 不可視の刃が、言葉の後方から飛び、その横を通り抜けワルドに迫った。 ウェールズが唱えた魔法だったが、ワルド達は四方に散って回避し詠唱を始める。 「エア・ハンマー!」 「ウインド・ブレイク!」 言葉は風の塊に殴り飛ばされ、教会の長椅子に突っ込んだ。 ウェールズはルイズを抱き支えながら、ウインド・ブレイクに飛ばされぬよう耐える。 「くっ、このままでは……」 ウェールズは、自分達の敗北を悟った。 平民であるはずの言葉が驚異的な戦闘能力を持っている事は解ったが、 武器が剣である以上、接近戦しかできない。 同じ風のメイジの自分はトライアングル。希望があるとすればルイズだが――。 「ミス・ヴァリエール。君の系統とクラスは?」 「わ、私は……使い魔召喚と契約以外、一度も魔法が成功した事がなくて……。 初歩のコモン・マジックすら使えません」 これで、敗北は確たるものになった。 だがそれでウェールズはあきらめるつもりはない、かなわぬまでも一矢報いるのみだ。 それに、全力で盾となれば、アンリエッタの友人を、ルイズを逃がすくらいはできるかもしれない。 だがワルドとてそれは承知している。計算外の事が起きても、すべて対処する自信があった。 計算外の存在。 それは言葉。 彼女がガンダールヴという、伝説の使い魔である事を、調査の結果ワルドは知っていた。 だが所詮、武器を振るうだけの存在のようだ。ならば問題は無い。 しかし知らない、ガンダールヴの強さは心の震えに呼応して高まる。 心の震えならば何でもいい。 喜び、怒り、悲しみ……憎しみ。 心を壊すほどの悲しみと、怒りと、憎しみが、今、燃え立っている。 言葉の眉は釣り上がり、瞳はさらにさらに暗く深く暗く深く暗く深く沈み沈み沈み……。 「貴方は、私達は、ルイズさんを裏切った……だから!」 赦せない。赦さない。憎い、憎くて、たまらない。 裏切ったワルドが、裏切った自分自身が、殺したいほどに憎い。 いや殺す。少なくともワルドは殺す。今殺す。 左手のルーンが輝きを増した。 疾風怒濤となって、遍在の一人に迫る言葉の瞬斬。 それは近くにあった木製の椅子ごと、遍在を木っ端微塵に粉砕する。 接近戦は分が悪いと、ワルド達は詠唱する。 「エア・カッター!」 「エア・カッター!」 「ウインド・ブレイク!」 三人が風の魔法で攻撃する間に、残る一人がやや長い詠唱を終えようとする。 「ライトニング・クラ――」 「エア・カッター!」 あまりにも驚異的な瞬発力と破壊力を目の当たりにしたワルドの注意は言葉に向き、 隙が生まれたと判断したウェールズは詠唱しながら、 己の魔法では一人しか狙えないため、どの遍在を撃つか見定めていた。 決めたのは、一番危険な魔法を使おうとしたワルドだ。 ライトニング・クラウドを放とうとしていた遍在は杖を持つ腕を切断され、後ずさりする。 「くっ、だがその程度の魔法で――」 次の瞬間、その遍在が爆発し、煙と共に消えた。 ルイズの魔法だ。本当は風のドット・スペルを唱えたのだが、 やはり失敗し爆発が起きたのだ。しかしそれで遍在を一人倒せたのだから僥倖だろう。 言葉の予想外の活躍で一人倒し、そこで生まれた隙を突いてさらにもう一人。 絶望の中、勝機の光わずかながら見えてきた。 だがさすがはワルド、すかさずエア・カッターでウェールズ達をけん制する。 慌ててウェールズはルイズの肩を掴み、力いっぱい引っ張って魔法を回避する。 その間に、二人のワルドが狡猾に言葉を仕留めに向かっていた。 「エア・ニードル!」 杖の先端に風の槍を作り、あえて接近戦を挑んでくる遍在。 返り討ちにするつもりでチェーンソーで切り込む。が。 「いかに速かろうと、動きが直線的ではな!」 かろやかに舞い、攻撃を回避する遍在。 構わず言葉はチェーンソーを振るった、回転する刃が遍在の杖を切り落とす。 エア・ニードルごと消えてなくなる杖。しかし遍在はまだ消えていない。 冷笑を浮かべて、言葉は遍在の肩から胴体へと切り刻み、バラバラにする。 遍在が消えた直後。 「ライトニング」 言葉はもう一人の遍在に身体を向け、ライトニングという単語から電気を連想した。 電気の速度を回避するなどいかにガンダールヴといえど不可能。 そして、先ほどウェールズが唯一妨害したこの魔法、恐ろしい威力だろうと推察される。 それらの事をはっきりと思考した訳ではないが、狂気ゆえに研ぎ澄まされた感覚により、 言葉は咄嗟にチェーンソーを前に出して指を開いた。 「クラウド」 青白い閃光が一瞬ほとばしる。 バチンと大きな音を立てて、言葉のチェーンソーから煙が上がる。 同時に言葉の両手が弾けるようにチェーンソーから離れた。 本来ならチェーンソーを通って言葉の身体も電気に焼かれていたはずだが、 言葉の一瞬の判断により武器を壊されるだけにすんだ。 しかし武器を失ったガンダールヴなど、ただの平民にすぎない。 これでもう計算外の事態は起きない、ワルドは会心の笑みを浮かべる。 遍在はもうひとつしかないが、本人を含めて二人なら、 ここにいる三人を十分始末できる。 トライアングルのウェールズなど敵ではない。 武器を失ったガンダールヴなど話にもならない。 後はルイズの、秘められた才能、あの爆発にさえ注意すればいい。 「ふふふっ。ウェールズ、貴様の命もらい受けるぞ。 ルイズ、私の崇高な想いを理解できぬならここで死ぬがいい。 我が覇道はレコン・キスタと共に!」 これからルイズ達は成すすべなく殺されていくだろう。 その様子を、わずかに開いた教会の戸から覗き込んでいる者がいた。 誠以外のすべてを裏切ると決めた言葉だが、しかし、まだ――。 第14話 世界を裏切って 前ページ次ページ鮮血の使い魔
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前ページ次ページサイヤの使い魔 「タ、タバサ! 落ちついて! この人は怖くない!」 「オバケなんて無いさオバケなんて嘘さ寝惚けた人が見間違えたのさ」 「どきなさいルイズ! どうせあんたの話なんか聞いちゃいないわよ! ここはあたしが――」 「パーソナルネーム『キュルケ・ツェルプストー』を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除する」 「あーんやっぱり駄目だー! お願いだから正気に戻って! 戻りなさい! 戻れー!」 格闘すること、約10分。 悟空と一緒に瞬間移動で図書館にやって来たルイズとキュルケの必死の説得により、ようやくタバサは(悟空に対し警戒しているものの)話を聞く気になった。 それにしても司書の視線が痛い。 「…説明して欲しい。主に、貴方の素性を」 「あたしもタバサに賛成。さっきの魔法も興味あるし」 キュルケの言葉でルイズは自分の中にあった違和感に気付いた。 この男、当たり前のように物理的弊害を無視して何処にでも現れるが、そんな事ができる魔法は自分の知る限り、無い。 先住魔法だろうか。とするとこの男、生前は何だったのだろうか。 …もしや、自分はとんでもない人物を喚び出してしまったのではないか? 「あれはよ、魔法じゃなくって瞬間移動ってんだ」 「瞬間…移動?」 悟空が説明する。 「ああ、昔ヤードラットって星の連中に教えてもらった技でよ、相手を思い浮かべてそいつの気を感じ取るんだ。 そうやって、そいつがいる場所に移動する。だから知ってる奴がいねえ場所とかは行けねえんだ」 「に…にわかには信じられない話ね……」 「えーと、全然言ってる意味がわかんない。キって何? 何系統?」 改めて聞く使い魔の能力。 キュルケは半信半疑ではあるものの一応額面どおりに解釈したが、ルイズは理解できていない。 実際、彼と一緒にその能力を体験しているものの、あまりにも自分の常識とかけ離れた現実にまだ頭がついてこない。 「説明はつく。二度も私の目の前に現れたのだから、私は彼を信用する」 口ではそういうものの、タバサは未だに悟空と目を合わせられないでいる。 こうして見ると生きている人間と同じ、いや、普通の人間以上に生き生きとしているが、やはり瞳孔が開ききった目を見るのは怖い。 いや、よく見ると虹彩が暗くて瞳孔の色と区別がつかないだけか。 それに気付き、タバサは若干警戒の色を弱めた。 タバサの言葉に、ルイズもようやく悟空の説明を(納得はできないものの)聞き入れることにしたが、すぐさま別の疑問が沸き起こった。 「あんた、今「星」って言ったけど、そういえば何処から来たの?」 メイジでも無いのにメイジ以上の能力をぽんぽん使いこなすこの男は今、「星」と言った。 ルイズは「宇宙の何処かにいる私の使い魔よ!」とサモン・サーヴァントの時に言ったが、まさか本当に宇宙の何処かに自分に似た生命体がいるなどとは、本気で考えていなかった。 「オラ地球って星から来たんだ」 「じゃあ「チキュウ人」って事? そこがあんたの生まれた星なのね」 「いや、生まれは惑星ベジータってとこなんだけどよ」 「どういう事?」 悟空は説明した。 自分が惑星ベジータで生まれたサイヤ人である事。 産まれてすぐ、侵略のため地球に送り込まれたが、幼少時の事故により穏やかな性格になったらしい事。 ドラゴンボールとそれにまつわる様々な冒険。(これにはタバサが多大なる関心を示した) 自分の出生の秘密を、敵である実の兄から聞かされた事。 一度目の死。 サイヤ人の地球侵略。 ナメック星での激闘。 人造人間との戦い。 そして、二度目の死。 満月と大猿の関係については、既に尻尾の無い悟空には関係ない話だったので省略した。 悟空が全てを語り終えると、場に重い沈黙が立ち込めた。ルイズに至っては、頭から煙が出ている。 途中から頭を抱えてうなだれていたキュルケがのろのろと口を開いた。 「…なんか、にわかには信じられない話ね。頭痛くなってきたわ」 顔を上げ、悟空を見る。 「それで、貴方はこれからどうするの?」 「どうするも何も、オラはルイズの使い魔になっちまったんだろ? だったらそれでいいさ」 「…ずいぶん楽天的なのね」 昼休みを告げるチャイムが鳴った。 「続きは食後」 タバサの一言で、ルイズを除く全員が席を立った。 未だヒューズが飛んだままのルイズに、キュルケが声をかける。 「ルイズ~、私たちお昼食べてくるから、復活したら食堂に来なさいね~。さ、ゴクウさん行きましょ」 「はれってほれってひれんら~……って、え!? ちょ、ちょっと待ちなさい!」 悟空に椅子を引いてもらって席に着いたルイズは、爪先に何か硬いものが当たったのを感じてテーブルの下を覗き見た。 今朝、使い魔に朝食を与えるつもりで用意した皿がまだ置かれている。 (そういえばこれでご飯食べさせようと思ったんだっけ) ルイズは今朝の怒りを思い出したが、さっきの説明を聞いて幾分混乱している今となっては、それも些細な事のように感じられた。 (あの話が本当だったとしたら、わたしはこれからこいつをどう扱えばいいんだろう…?) 正直、さっきの説明はルイズの頭では理解が追いつかなかった。 宇宙人だの人造人間だの何でも願いを叶える球だの、この使い魔の頭は一体どこに繋がってるんだ。 支離滅裂な事を言ったならまだしも、話の内容に筋が通っているから厄介この上ない。 こうなったらこいつの素性を信用するしかなさそうだ。 となると、こいつはメイジでもなければ天使でもない、自分からすれば単なる平民(宇宙人だが)の幽霊だ。 その代わり、こうして自分の隣に立っている今もなお、周囲の生徒から注目を浴びているこの異世界から来たらしい使い魔が、 果たしてこの世界の食べ物を口にしても大丈夫だろうか、と心配になった。 考えてみれば、朝食の時は居なかった。食事が終わってから、何処で道草食ってたのか、手ぶらで戻って来たのだ。 「そういえば、あんた朝食の時居なかったけど、ちゃんとご飯食べたの?」 「ああ、シエスタがメシ分けてくれたんだ」 確か、ゴクウが洗濯を頼んだ平民の名だ。 ルイズは再び足元の皿を見た。 厨房に昼の分の指示は出してなかったので、皿は空っぽのまま置かれている。 「じゃあ、お昼もその平民に貰ってきなさい」 「わかった。んじゃ行ってくる」 厨房へと消えていく使い魔を見送りながら、ルイズは、だから朝食の後すぐ見つけられたのか、と合点し、 自分の使い魔が惨めったらしく地べたに座り込んで粗食を食べる様子を他の生徒に見られずに済んでよかった、と密かに思った。 高貴な存在だと思われているのだ、下手にイメージを崩す事も無いだろう。 「確か本当の天使って霞食ってるんだっけ?」 つい疑問が口をついて出る。 隣席のマリコルヌがそれを耳ざとく聞きつけた。 「なんだって?」 「何でもないわよ、ただの独り言」 「ゴクウさん、お待ちしてました!」 シエスタが笑顔で悟空を出迎える。 厨房に足を踏み入れた悟空は、朝食の時とは比べ物にならないくらい大量の料理を目にした。 「すっげー! 美味そうなもんが一杯あっぞー!!」 「おうよ! お前さんが来てくれたおかげで食材が無駄にならずに済みそうだからな! これはその前祝いだ!!」 悟空の見事過ぎる食いっぷりに触発されたマルトーは、本当に余りものの食材を余すところ無く使い、 尋常ではない量と種類の料理を用意していた。 ざっと見ただけでも10~15人分、テーブルに乗りきらなかった分や鍋に残っている分を加味しても60~70人分はある。 とても賄いと呼べる分量と種類ではない。 中にはこのまま貴族に出してもいいんじゃないかと思えるくらい豪勢な盛り付けのものもある。 マルトーの密かな宣戦布告であった。 「これ全部オラが食っていいのか?」 「おう、食えるだけ食え! 無理なら残してもいいぜ。どうせ元は捨てなきゃならんものばかりだからな、がっはっはっは!!」 10数分後、全ての料理が悟空の胃袋に収まった。 コルベールは、トリステイン魔法学院の長を務めているオールド・オスマンに、自分の教え子の一人がガンダールヴの幽霊を使い魔にしたのではないか、という自説を披露していた。 ミス・ロングビルにぱふぱふをせがんで左の頬に真っ赤な紅葉をこさえたこの学院の長は、彼の説明を聞き終わると、それまで閉じていた口を開いた。 「ルーンが一致したというだけで、そいつがあの使い魔の幽霊であるというのは、いささか結論を急ぎ過ぎじゃないかのう」 「で、ですが…」 「第一、その者がそう言ったというだけで、そ奴が幽霊だという明白な証拠はあるのか?」 コルベールは返答に窮した。 確かにオールド・オスマンの言うとおりである。 ミス・ヴァリエールが幽霊だと紹介したからといって、本当に彼がそうなのか確認をしていなかった。 そもそも、幽霊とはあのように頭の上に輪がついているものなのだろうか。 自分が死んでしまったら余計に頭頂部の眩さがアップしてしまいそうで、できることなら御免こうむりたい。 「まあ、暫くは様子見じゃの。その使い魔から色々聞いてみるとよい」 「わかりました。では失礼します」 一礼して退室したコルベールは、ふと空腹を思い出し、食堂へと向かった。 今なら生徒たちが昼食を採っている。ひょっとしたら、使い魔に会えるかもしれない。 ルイズが満腹感に浸っていると、食堂がどよめきに包まれた。 何事だろうと周囲を仰ぎ見たルイズは、騒ぎの原因を発見して胃が痛くなった。 自分の使い魔が、メイドに付き従ってデザートの配膳を手伝っている。 「本当にありがとうございます、ゴクウさん。わざわざ手伝って頂いちゃって」 「構わねえって。オラのせいで忙しくなっちまったみたいなもんだしよ」 マルトーが腕によりをかけて悟空に大量の料理を振舞った結果、その料理を載せるために、食堂に残っていた食器の殆ど全てを使ってしまい、 大量に発生した洗い物のために貴族へデザートを運ぶ人手が足りなくなってしまった。 そこで食器洗いを手伝うかデザート運びを手伝うかの二者択一の結果、悟空が選んだのがデザート運びであった。 悟空もチチを手伝って食器を洗った経験はあるが、陶器製の食器しか取り扱った事がない悟空には、繊細なガラス細工が施されたものもある学院の食器は、何となく触らない方がいいような気がしたのも一因だ。 「あ、あんた、何やってんのよ」 配膳がルイズの席まで到達した時に、小声でルイズが訊いた。 「メシ食わせてもらった礼に仕事手伝ってんだ」 「あ、ああそう…。あまり目立つような真似はしないでよね」 「何で?」 「あんた、一応他の生徒には天使って事で通ってるんだから」 「ケーキ運ぶくらいどってことねえだろ」 ルイズは改めて周囲を見回した。 居心地の悪そうな顔で配られたデザートを見つめている者もいるが、恐る恐るケーキに口をつけて、普段通りの味だと判った者は、安心したのかいつも通りの調子を取り戻し、級友と歓談したり、既に食べ終えた者は席を立ったりしている。 「…それもそうね。いいわ。終わったら私のところに戻ってきなさい」 「ああ」 やがて、全てのケーキを配り終えた悟空がルイズの元に戻ってくる頃、ケーキを食べ終えたらしき生徒が立ち上がった拍子に、懐から小瓶を落とした。 コロコロと悟空の方へ転がってくる。 悟空はそれを拾い上げ、落とし主である金髪の生徒に声をかけた。 「おーい、おめぇ、これ落っことしたぞ」 「なあギーシュ、お前今誰とつき合ってるんだ?」 「つき合う? 僕にはそのような特定の女性はいない。 薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 聞こえていないのか、あるいは聞こえていて無視しているのか、青年は応えず、他の生徒と話しながら食堂を出ようとしている。 悟空は後ろで紅茶のカップを手に取ったルイズに訊いた。 「なあ、あいつの名前、何つうんだっけ」 「ギーシュ・ド・グラモン」 「サンキュー。おーい、ティッシュのバケモン」 すました顔で食後の一杯を飲んでいたルイズが、鼻から紅茶を吹いた。 『ギーシュ・ド・グラモン(だ/よ)!!』 前門のギーシュと後門のルイズから、同時にユニゾンで悟空にツッコミが入る。 決して悟空に悪気があったわけでは無いのだが、言う相手が悪かった。 貴族の名を家名つき、その上名前を間違えて呼んだ。 意図的であれ偶然であれ、それは、その貴族だけでなく、家柄に対する重大な侮辱行為である。 血相を変えてルイズが駆けつけた。 「あんた謝りなさい。今すぐ」 「わ、わりぃ。オラ長ったらしい名前覚えんの苦手なんだ」 「君は確か「ゼロのルイズ」の…。駄目だな、許すわけにはいかない」 手袋を取り出し、悟空に投げつける。 「決闘だ!」 「ギーシュ!」 「これは僕だけの問題じゃない。そいつは我がグラモン家を、グラモンの家名を汚した。この罪は償ってもらわなければならない」 ギーシュの目が敵意をはらんだものに変わっていく。 「貴族同士の決闘はご法度よ!」 「オラ貴族じゃねえぞ」 「その通りだ。だから問題は無い。ではヴェストリの広場で待つ。10分後に開始だ。遅れるなよ」 そう言い放ち、ギーシュは身を翻して食堂を後にした。 成り行きを見守っていたシエスタが悟空に駆け寄る。 「あ…あなた殺されちゃう。貴族を本気で怒らせたら…」 「ああ、こいつなら大丈夫よ、たぶん」 青ざめた顔でブルブルと震えるシエスタに、ルイズがフォローを入れる。 一応使い魔が世話になっているのだ、多少は仲良くしてもいいだろう。 幽霊だから死なない、と付け加えようと思ったが、話がややこしくなりそうなので伏せた。 「なあルイズ」 「何?」 「あいつ、強えのか?」 「そうね…どっちかといえば強いほうかしらね。仮にもグラモン家の貴族だし」 「そりゃあ楽しみだ」 「嬉しそうね…まったく。いい? あんたはあいつの名前を間違えた事によって、あいつの家名も同時に汚したの。それはとっても不名誉な事。 だから…まあ仮にあんたが勝ったとしても、その点はきっちり謝っときなさいよ」 「ああ、わかった」 「よろしい」 平民がメイジに勝つことなどありえないが、ルイズは不思議と、この使い魔ならもしかしたらギーシュに勝つかもしれない、と思い始めていた。 「フン、まあ逃げずに来たことは褒めてやろう」 「オラ逃げたりなんてしねえぞ」 普段人気のあまり無いヴェストリの広場は、ギャラリーで埋め尽くされていた。 ゼロのルイズの使い魔 対 青銅のギーシュ。 オッズ比は16。 意外にも、悟空の勝ちを予想する生徒は皆無ではなかった。 その中には、タバサとキュルケも混じっている。 「本当にあの使い魔が勝つと思うの?」 「負けはしないと思う。彼の話が本当なら」 街一つ吹っ飛ばすだのこの星ごと消えて無くなれだの、よくもまあそんなホラが吹けるもんだとキュルケが内心呆れていた話を、タバサは話半分だが信じているようだ。 「僕はメイジだ。だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 「へへっ、ワクワクすっぞ」 超能力を使う敵と戦った事はあったが、魔法を主体に戦う相手は悟空にとって初めての経験であった。 「僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手をするよ」 ギーシュが手に持った薔薇の造花を振るうと、零れ落ちた花弁から甲冑を纏った優美な女性型のゴーレムが生成された。 「へぇー、面白ぇなあ」 「お褒めに預かり光栄、とでも言っておこう。では、始めるか!」 「ああ、どっからでも来い!」 ワルキューレが悟空に向かって突進する。 が、それよりも遥かに速く、悟空はワルキューレとの間合いを詰めた。 「ずえぁりゃあっ!」 正拳一発。 凄まじい衝突音の後、腹から背中まで達する凹みを作ったワルキューレがギーシュの傍を猛スピードで掠め、背後の壁に激突して砕け散った。 場が、静まり返った。 振り返り、かつてワルキューレだった残骸を確認した後、目をまん丸に見開き、口を顎が胸に付きそうなくらい開け、鼻水まで垂らしたギーシュは、恐る恐る悟空に向き直った。 壁が「固定化」で補強されていなかったら、飛距離は更に伸びていただろう。 ワルキューレ殴り飛ばし世界新記録を作った男は、全く本気を出した様子が無い。 それどころか「とりあえず挨拶代わりに一発ぶん殴ってみました」といった感じだ。 「あれ? 何だ、てんで弱っちいぞ」 「な、何だと!?」 焦ったギーシュは一気に6体のゴーレムを生成した。 それぞれが手に武器を備えている。 「取り囲んで叩きのめせ!」 ギーシュの命令に従い、わらわらと悟空の周囲に散開したワルキューレは、一斉に悟空めがけて手にした武器を振り下ろした。 衝撃で悟空が地面に膝を付く。 静止命令を受けていないワルキューレは、這いつくばる悟空めがけて何度も何度も、武器がひしゃげて変形するまで攻撃を繰り返した。 「も、もういい! 下がれ!!」 数分後、ギーシュがワルキューレを下がらせると、地面に倒れ付した悟空が姿を見せた。 ピクリとも動かない。死んでしまったのか。いや、既に死んでいる。 そろりそろりと、ギーシュが悟空に近づく。 先ほどからギャラリーは静まり返っている。ギーシュが地面を踏みしめる音だけが聞こえる。 「よっこいしょっと」 「はうあ――――!?」 何の前触れも無く悟空が起き上がり、ギーシュは腰を抜かしてへたり込んだ。 ギャラリーのそこかしこから悲鳴が上がる。 固唾を飲んで見入っていたタバサも、あまりに予想外な出来事に少々チビッた。 怪我一つ負っていない悟空の問いかけに、ギーシュの顔が真っ青になった。 「なあ、もうちっと本気でやってくんねえか? これじゃちっとも面白くねえぞ」 前ページ次ページサイヤの使い魔
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結論から言うと私は外で食事をさせられた。周りには他の生徒の使い魔がいる。 外に出された理由は私が食事中に吐いたからだ。初めての食事を胃が受け付けなかったらしい。 ルイズはすぐさま私を外に追い出した。その後。何とか我慢して食事を食べる。パンも流動食だと言えるほど噛んで食べれば吐くほどではない。が、やはり体の中に違和感があるのは禁じえない。これからは人間が何をしなければいけないか考えなくてはいけないな。 いつまでも幽霊の常識じゃいけないってことだ。 食事が終わる頃生徒たちが食堂から出てくる。私の方をみて笑う生徒もいる。さっきのことだろう。 そう思っているとルイズが出てきた。 「あんた何してんのよ!恥かいちゃったじゃない!」 会った瞬間怒鳴ってくる。 「調子が悪かったんだ」 当たり障りのないことを言う。食事をしたことがないと言ったら二度と食事させてもらえなくなるだろうな。 「あんたの体調なんて聞いてないわ!罰として昼食抜きね!」 まぁ昼食だけならさして問題はないだろう。 そして教室へ向かう。ルイズと私が教室へ入ると既にいた生徒が一斉にこちらを見る。 そしてクスクス笑い始めるた。特に気にするようなことではない。 教室を見回す。石で出来た大学の講義室みたいだな。 生徒を見るとやはり使い魔を連れている。 フクロウ、ヘビ、カラス、猫、目玉、六本足のトカゲ、蛸人魚etc、、、 ルイズが席に座る。私も席に座り帽子を取る。ルイズが睨んでくるが無視する。どうせ私は床に座れとか言うのだろう。 ルイズが何か言おうとする前に扉が開き中年の女性が入ってきた。ローブは紫色で帽子を被っている。きっと彼女が先生なのだろう。 彼女が春の使い魔召還の祝辞を述べる。先生はシュヴルーズというらしい。 「おやおや。変わった使い魔を召還したものですね。ミス・ヴァリエール」 シュヴルーズは私を見てとぼけた声で言う。教室が笑いに包まれる。 ルイズは俯いている。シュヴルーズは笑いを取るために言った冗談なのだろうがルイズが傷つくのは考慮に入れてないようだ。 「ゼロのルイズ!召還できないからって、その辺歩いてた平民を連れてくるなよ!」 誰かがそう言う。するとルイズが立ち上がり怒鳴り返す。 そこから言い争いが始まる。また『ゼロのルイズ』だ。どうやら誹謗中傷の類らしいな。 シュヴルーズが杖を振ると、言い争っていた二人は席に座り静かになった。魔法は便利だな。 シュヴルーズが二人を叱る。 「ミセス・シュヴルーズ。僕のかぜっぴきはただの中傷ですが、ルイズのゼロは事実です」 マリコルヌと呼ばれていた彼ががそう言うと笑いが漏れる。 シュヴルーズがまた杖を振ると笑っていた生徒の口に赤土の粘土が張り付いた。 「あなたたちは、その格好で授業を受けなさい」 シュヴルーズは厳しい顔でそういった。 しかし発端を作ったのはお前だろう。 「では授業を始めます」 話しを聴く限りだとこの世界では魔法が科学技術らしい。ゆえにそれを使える貴族が権力を持つということか。 いや、魔法が使えるから貴族か…… こいつらが魔法が使えなくなったらどうするんだろうかね? シュヴルーズが杖を振ると石が光る。光が治まると石は金属に変わっていた。 つくづく魔法は何でもありらしい。 6へ
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使い魔について 「空白の次元」で誕生した6体の使い魔。 彼らの目的は、主人公を名乗る三沢を打ち負かし諭すこと。 しかしながら主人公にはかなわなかったようだ。 空白の次元の消滅と同時に意識を失い石化した。 その後、治安維持局によって回収されたという。 依り代となった決闘者たちも元通りになったようだ。 気になるのは、回収された数が5体であるということ。 赤の使い魔だけは今もなお行方不明である。 左上から、青の使い魔、赤の使い魔、黄の使い魔、 左下から、緑の使い魔、白の使い魔、黒の使い魔、である。 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (blue.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (red.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (yellow.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (green.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (white.jpg) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (black.jpg) 依り代について 使い魔たちが依り代としている決闘者は次のとおりである。 まだ判明していない決闘者もいることに注意されたし。 青の使い魔 依り代:ラメイル 赤の使い魔 依り代:ボルケーノ 黄の使い魔 依り代:アッパヤード 緑の使い魔 依り代:ブランソーズ 白の使い魔 依り代:ライトニング 黒の使い魔 依り代:ダスカロス
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編集 ゼロの使い魔 on the radio ~トリステイン魔法学院へようこそ~ ゼロの使い魔のインターネットラジオ 釘宮理恵(ルイズ)×日野聡(サイト)が贈る、もう一つの『ゼロの使い魔』。 二人の "ボケ・ツッコミ"、"S M"トークが炸裂しまくる(?!)あっという間の30分間プログラム! パーソナリティ:釘宮理恵(ルイズ役)×日野聡(サイト役) メディファクラジオにて配信 ゼロラジへの投稿フォームはこちら 各コーナーについて ゼロラジ内容 インターネットラジオ更新間隔 各話タイトル ゲスト出演回 その他のゼロの使い魔 on the radioキャララジオ出張版 雑誌付録 DVD特典 ゼロの使い魔 on the radio CD モバイル [部分編集] 更新間隔 期間 回 更新間隔 2006年06月09日 - 2006年09月29日 第1回 - 第17回 毎週金曜日配信 第一期放送 2006年12月27日 第18回 第2シーズン記念版・2006年冬スペシャル 2007年01月27日 - 2007年06月27日 第19回 - 第24回 毎月27日配信(月1回) 2007年07月06日 - 2007年9月28日 第25回 - 第37回 毎週金曜日配信 第二期放送 2007年10月25日 - 2008年06月27日 第38回 - 第47回 毎月1回配信 2008年07月04日 - 2008年09月26日 第48回 - 第60回 毎週金曜日配信 第三期放送 2008年10月31日 - 2009年03月27日 第61回 - 第66回 毎月1回配信 2009年10月30日 第67回 2009年 秋の特番 復活スペシャル 2010年1月29日 第68回 2010年 冬のスペシャル 各話タイトル 回 更新日時 タイトル ゲスト 第1回 2006年6月9日 いよいよ番組スタート! 第2回 2006年6月16日 新コーナー「ルイズのお部屋」大奮発! 第3回 2006年6月23日 「日野ちゃまについて知ろ~う」のコーナー特別開催 第4回 2006年6月30日 「ルイズ」が「エンディングテーマ曲」について解説 第5回 2006年7月7日 「ヴェストリの広場」(お便りコーナー)新スタート 第6回 2006年7月14日 2人とも「言ったこと忘れてた」? 第7回 2006年7月21日 日野ちゃま、とうとう部屋にエアコンを「つける」?? 第8回 2006年7月28日 続「エアコンつける発言」で追い詰められる日野ちゃま 第9回 2006年8月4日 日野ちゃまの誕生日! ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第10回 2006年8月11日 「番組挨拶」はどうなるのか? 第11回 2006年8月18日 ゲスト「キュルケ役」井上奈々子さん登場! 井上奈々子(キュルケ役) 第12回 2006年8月25日 日野ちゃまを”かませたい”対決メール 第13回 2006年9月1日 またまた日野ちゃまを「かませる」メールでいっぱい! 第14回 2006年9月8日 かみかみ現象「小芝居コーナー」にも波及・・・ 第15回 2006年9月15日 もうこれしか書かないヨ「がんばれ!日野ちゃま!」 第16回 2006年9月22日 消え物コーナー日野ちゃま「バ○ナ+マ○ネーズ」 第17回 2006年9月29日 とうとう最終回!「オープニング小芝居」は凄いぞ 第18回 2006年12月27日 ゼロラジオが”冬”スペシャルで帰ってきた!! 第19回 2007年1月27日 復活2回目!息のあった(?)トークをお聴き逃し無く! 第20回 2007年2月27日 早口言葉。今回の日野ちゃまは冴えているゾ! 第21回 2007年3月27日 ゲストは原作者ヤマグチ先生。オープニングは必聴! ヤマグチノボル(原作者) 第22回 2007年4月27日 ゼロラジオにとって「スペシャル」な発表があります 第23回 2007年5月27日 理恵ちゃんへの「サプライズ」。さてさて、その訳は? 第24回 2007年6月20日 人気コーナー復活!魔法学院宝物庫 ”リターンズ” 第25回 2007年7月6日 魔法学院広報室で7/25発「ラジオCD」の詳細を紹介! 第26回 2007年7月13日 7/7(土)に行われた”初”公開録音の模様を放送! 第27回 2007年7月20日 今回からオープニングを衣替え。心機一転だ~!! 第28回 2007年7月27日 ゲストはICHIKOさん。公開録音を振り返ります! ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第29回 2007年8月3日 日野ちゃま誕生日リターンズ!山Pからの贈り物は? 第30回 2007年8月10日 ルイズと理恵ちゃんで、スキ?キライ?スキ!!!のCD解説! 第31回 2007年8月17日 ネタバレ注意!!ゼロラジオCDを聞いた方のメールを紹介 第32回 2007年8月24日 ゲストが来たよ!ヤマグチ先生 お忙しい中、再登場! ヤマグチノボル(原作者) 第33回 2007年8月31日 釘「ティーパック」→日野「Tバック」=暑さのせい? 第34回 2007年9月7日 いつも以上に笑う2人。番組はマターリとマターリと・・・ 第35回 2007年9月14日 うう~っ、番組から重大発表...ホタ~ルの...ン? 第36回 2007年9月21日 今回は発売予定のゲームの情報を詳しくお伝えします 第37回 2007年9月28日 次回より月一更新。でも10月はキャララジマンスリーだ! 第38回 2007年10月25日 お久しぶり!明日のキャララジもあるから連日更新だ~! 第39回 2007年11月22日 「ゼロ使」ゲームのテスト版を体験プレイしちゃいました! 第40回 2007年12月21日 年末を締めくくる「懺悔室」にて、ルイズ様にバッサリと。 第41回 2008年1月25日 新年を迎えた最初の更新。さて、2人の今年の目標は? 第42回 2008年2月22日 あれ?サイトから消えた??発表、盛りだくさん!来た~! 第43回 2008年3月27日 新コーナー発表!え、でも一度だけの募集って?何故? 第44回 2008年4月11日 3/30(日)TAFで行われた公開録音(2回目)の模様を放送! 川澄綾子(アンリエッタ役)能登麻美子(ティファニア役) 第45回 2008年4月26日 今回は「魔法学院校舎裏スペシャル!」ニヤニヤ度MAX! 第46回 2008年5月27日 webラジオCD第2弾のタイトルが決定!!詳細はいかに! 第47回 2008年6月27日 お・ま・た・せしました!来週から待望の「毎週更新」だ~! 第48回 2008年7月4日 第3期もよろしく!!今週は色々な情報をお届けします。 第49回 2008年7月11日 ゲスト登場!OP曲を歌っているichikoさん! ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第50回 2008年7月18日 お陰様で、放送50回!感謝を込めて、プレゼント大放出! 第51回 2008年7月25日 メール沢山送ってくれてありがとう!ほんとスッゴイ数です 第52回 2008年8月1日 日野ちゃま、30歳の誕生日おめでとう!やっぱ贈り物は? 第53回 2008年8月8日 鯖缶30個のおかげ?で今日の日野ちゃまは、お・と・な? 第54回 2008年8月15日 髭○爵ギャグで動揺した理恵ちゃん。その理由は? 第55回 2008年8月22日 ゼロラジCD第2弾がまもなく発売!今日は内容詳細紹介! 第56回 2008年8月29日 今日の声って調子いい?何故?耳がいいから。耳って何? 第57回 2008年9月5日 夏と言えばゼロ!9月に入りましたが、夏はどうでしたか? 第58回 2008年9月12日 「楽しそうね!」「楽しくないの?」の後を聞き逃すな! 第59回 2008年9月19日 「魔法学院実験室」は聞き逃すな!理恵ちゃん約束果たす!? 第60回 2008年9月26日 とうとう60回を迎えました!でも、今後の更新間隔が... 第61回 2008年10月31日 重大?発表あり! 惜しまれつつ今回で全コーナー打止め 第62回 2008年11月28日 新コーナー開始!驚くほど沢山のメールありがとう! 第63回 2008年12月26日 ヤマグチ先生 久々の登場 一日遅れのメリークリスマス! ヤマグチノボル(原作者) 第64回 2009年1月30日 Hop→Step1→Step2→Jump!やる時はやるゼ!by 山森P 第65回 2009年2月27日 Hop→Step1→Step2→Jump!次のMissionは・・・by 山森P 第66回 2009年3月27日 次のMission。それはラジオよりの卒業。3年間ありがとう! ヤマグチノボル(原作者) 第67回 2009年10月30日 2009年 秋の特番 復活スペシャル!!! 第68回 2010年1月29日 簡単にゼロラジは終わらない!またまた復活スペシャル! ゲスト出演回 登場回(更新日時) ゲスト 第9回(2006年8月4日) ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第11回(2006年8月18日) 井上奈々子(キュルケ役) 第21回(2007年3月27日) ヤマグチノボル(原作者) 第28回(2007年7月27日) ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第32回(2007年8月24日) ヤマグチノボル(原作者) 第44回(2008年4月11日) 川澄綾子(アンリエッタ役)、能登麻美子(ティファニア役) 第49回(2008年7月11日) ICHIKO(オープニングテーマの歌手) 第63回(2008年12月26日) ヤマグチノボル(原作者) 第66回(2009年3月27日) ヤマグチノボル(原作者) キャララジオ出張版 キャララジオ出張版についてはこちらへ 雑誌付録 「ゼロの使い魔 on the radio」スペシャルCDメガミマガジン特別版『メガミにルイズが降臨しちゃったぞCD』 メガミマガジン2007年8月号(Vol.87)読者プレゼント 抽選で1000名にプレゼントされた。 +詳細内容 詳細内容 1.オープニングアクト 2 15 2.オープニング 2 57 3.魔法学院・懺悔室 8 49 4.メガミマガジンセレクション 名ゼリフベストセレクション 10 00 5.告知 0 51 6.エンディング 2 05 ゼロの使い魔 on the radio ~アニメージュ特別版~ 2008年6月10日 アニメージュ2008年7月号の付録(アニメージュ30周年特別付録 スペシャルラジオCD) +詳細内容 詳細内容 1.オープニング 2.オープニングアクト 3.オープニングトーク 4.魔法学院相談室 5.言葉の魔法 6.ホントノキモチ 7.エンディング DVD特典 ゼロの使い魔 on the radio~ア、アンタのためだけにラジオをやる訳じゃないんだから!~ 2009年3月6日 録り下ろしラジオCD(約30分) ゼロの使い魔 第1シリーズ DVD-BOXの特典 ゼロの使い魔~双月の騎士~DVD-BOX 2009年12月4日 第2シリーズのDVDBOXの特典に「ゼロの使い魔 on the radio」録り下ろしラジオCD (約30分) ゼロの使い魔~三美姫の輪舞~DVD-BOX 2010年3月5日 第3シリーズのDVDBOXの特典に「ゼロの使い魔 on the radio」録り下ろしラジオCD (約30分) ゼロの使い魔 on the radio CD ゼロラジCDはエンハンスドCDです。 新録音分のオーディオパートとバックナンバーがmp3形式で収録されています。 ゼロの使い魔 on the radio スペシャルCD~聞かないと、許さないんだから!~ 2007年7月25日 ゼロラジCD第1弾 【オーディオCDパート】ゼロの使い魔 on the radio スペシャルCD~聴かないと、許さないんだから! 【データCDパート】第1~17回までの17回分をmp3化させたデータを放送時よりさらにハイクオリティな状態にして約510分収録! クイズ!正解は釘宮理恵!超高級料理対決(赤坂璃宮) ゼロの使い魔 on the radio ~南国に行けないって どっ、どういうことなのよーっ!~ 2007年8月27日 ゼロラジCD第2弾 【オーディオCDパート】 ゼロの使い魔 on the radio スペシャルCD ~南国に行けないって どっ、どういうことなのよーっ!~ 【データCDパート】 第18~29回までの12回分を配信版より高品質にしてmp3で収録(約360分) クックベリーパイを二人で作る ゼロの使い魔 on the radio ~南国は一切無視!?アンタ達全員、バカ犬よぉー!~ 2008年12月25日 ゼロラジCD第3弾 【オーディオCDパート】ゼロの使い魔 on the radio ~南国は一切無視!?アンタ達全員、バカ犬よぉー!~(新録音30分) 【データCDパート】第30回~41回までの12回分(約360分)を配信より高品質にして収録 ゼロの使い魔on the radio デラックス~ラジオなのに沖縄ロケ?南国に行ってきました!~ 2009年3月25日 ゼロラジCD第4弾 【オーディオCDパート】ゼロの使い魔 on the radio ~ラジオなのに沖縄ロケ?南国に行ってきました!~(新録音30分) 【データCDパート】第42回~53回までの12回分のmp3化させたデータを配信より高品質にして約360分収録! ラジオCD初!沖縄ロケ敢行!!沖縄での2人の2ショットを多数収録した、36Pに及ぶ豪華ブックレット付き!! ゼロの使い魔 on the radio スペシャルCD 今までありがとう!そして、また逢う日まで! 2010年3月25日 ゼロラジCD第5弾 【オーディオCDパート】ゼロの使い魔 on the radio ~今までありがとう!そして、また逢う日まで!~(新録音30分) 【データCDパート】第54回~66回(最終回)+秋と冬のスペシャルの15回分のmp3化させたデータを配信より高品質にして約560分収録! ゼロの使い魔 on the radio モバイル限定版 2010年2月12日 2010年2月12日 ~ 2010年3月12日までの期間限定配信 ゼロの使い魔 on the radio モバイルでもやっちゃうんだからスペシャル
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シエスタ@ゼロの使い魔 トリステイン魔法学院で働く平民の17歳のメイド。 ゼロの使い魔に出てくるメインキャラの女子では珍しく貴族以外のキャラである。 曽祖父が日本人であるため、1/8だけ日本の血が流れている。
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しかし意外だな。ルイズの家は王女と交流があったのか。 ということは王族と交流があるってことだな。貴族の中でも地位は高いんじゃないか? そんな家柄で魔法が使えないのは結構やばくないか?家族でも厄介者扱いされてたりしてな。貴族ってプライドは無駄に高いからありえるな。 だから貴族に拘ってるのかもしれないな。私には関係ないがな。 「結婚するのよ。わたくし」 色々考えているとそんな言葉が聞こえ現実に戻ってくる。へぇ、王女は結婚するのか。 「……おめでとうございます」 先程までの楽しそうな雰囲気は霧散しルイズは沈んだ口調で言った。何故だ?王女が結婚するんだったら普通喜ぶものだろう? つまり何か事情があるってことか。なるほどね。 突然王女が今気づいたという風にこちらを見る。気づいてなかったのか? 「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」 「お邪魔?どうして?」 「だって、そこの彼、あなたの恋人なのでしょう?いやだわ。わたくしったら、つい懐かしさにかまけて、とんだ粗相をいたしてしまったみたいね」 「はい?恋人?あの生き物が?」 酷い言い草だな。しかし王女がそう思うのも無理はないかもしれない。普通人間を使い魔にするなんて思うわけないだろうしな。 「姫さま!あれはただの使い魔です!恋人だなんて冗談じゃないわ!」 ルイズが首を激しく振りながら否定する。 「使い魔?」 王女が疑問に満ちた面持ちで私を見つめてくる。 「人にしか見えませんが……」 人は人でもガンダールヴとかいう伝説の使い魔だけどな。 「そうよね。はぁ、ルイズ・フランソワーズ、あなたって昔からどこか変わっていたけれど、相変わらずね」 「好きであれを使い魔にしたわけじゃありません」 ルイズは憮然として言い返す。私も好きでされたわけじゃないぞ。 王女が突然ため息ををついた。何だか胡散臭いため息だな。 「姫さま、どうなさったんですか?」 「いえ、なんでもないわ。ごめんなさいね……」 嘘だな。これ見よがしに私困ってますって感じを見せ付けてるじゃないか。 「いやだわ、自分が恥ずかしいわ。あなたに話せるようなことじゃないのに……、わたくしってば……」 「おしゃってください。あんなに明るかった姫様が、そんな風にため息をつくってことは、なにかとんでもないお悩みがおありなのでしょう?」 「……いえ、話せません。悩みがあると言ったことは忘れてちょうだい。ルイズ」 じゃあお前何しに来たんだよ。 「いけません!昔はなんでも話し合ったじゃございませんか!わたしをおともだちと呼んでくださったのは姫さまです。そのおともだちに、悩みを話せないのですか?」 ルイズの言葉を聞き王女はなんとも嬉しそうに微笑む。 「わたくしをおともだちと呼んでくれるのね、ルイズ・フランソワーズ。とても嬉しいわ」 王女が頷く。 「今から話すことは、誰にも話してはいけません」 付き合いきれないな。部屋から出るとしよう。これ以上は私を巻き込まずにやってくれ。 そう思いドアに向かって歩き出す。 「何処行くのよ、ヨシカゲ」 ルイズが私を呼び止める。 「なにやら重大な話のようだから席でも外そうと思ってな」 「いや、メイジにとって使い魔は一心同体。席を外す理由がありません」 王女が首を振りながら言う。じゃあ今の私の心はルイズが思っているのと同じなんだな。 今私はこう思っている。巻き込むな!
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春の麗らかな風景に爆発音が響いていた。 爆発音の発信源はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 彼女は他のクラスメート達や教師が見守る中、サモン・サーヴァントの儀式を行っていたが、爆発ばかり繰り返していた。 その数も既に20を裕に越えており、始めは冷やかしていたクラスメート達も、流石に飽き飽きしていた。 いつまでたっても成功しないのを見て、U字禿の教師コルベールは「次で成功しなかったら良くて留年、最悪の場合退学になりますぞ」とルイズに脅すように言った。 「五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし使い魔を召喚せよ。」 ルイズはありったけの魔力をこめ、いつになく真剣な面持ちで唱えた。 しかし、ルイズの思いも虚しくまた杖を向けた先で爆発が起こった。 それを見た全員がまた失敗かと思った。が、もくもくと土煙が立ち込める中に爆発する前には無かったはずの『何か』があった。 ルイズはそれに気が付くとゆっくりと警戒しながらその何かに近づいていき、それを手にとってみた。 「これは…『矢』?」 爆発の跡にあったのは一本の古びた矢だった。鏃は金属でなく石で作られ刃の部分は鋭く出来ていたが、その装飾からして実戦で使うものではないようだ。 だが、彼女にとって生物でない物に用はない。サモン・サーヴァントは使い魔となる生物を呼び出す儀式。明らかに無機質な矢などお呼びでないのだ。 ルイズは溜め息をついた。爆発ばかり繰り返し、簡単なコモンマジックどころかまともに使い魔すら召喚出来ない『ゼロ』…自分の将来を憂え今すぐ泣き出したくなったその時、 サクサクと草原を誰かが歩く音がした。 クラスメートの誰かが自分を慰めに来たのか、それともコルベールが退学を宣告しに来たのか。ルイズはいずれにせよ振り向く気になれなかった。 だが、その音の正体がどちらとも違う事がクラスメートが次々にしゃべった事で明らかになった。 「おい、何か黒いのがいるぞ!」 「遂に成功したの!?やったじゃないルイズ!」 えっ!?と驚きルイズが振り向くと黒い人らしき「物」がこちらに背を向け歩いていた。 カウボーイハットの様な帽子を被り、肩にはドーナッツ形の飾りを幾つも付けている。 腰にはゆるゆるとしたベルト、更に乗馬用のブーツみたいな靴を履いている。 だがその姿はどこまでも漆黒であり、生物と非生物の間のような存在感を出していた。 ルイズは成功してこれを呼び出したのにこれに対し何とも言えない不気味さを感じた。 こいつは何かヤバイ気がする…契約をすべきなんだろうか… そう思った時、既に異変は始まっていた。 いきなり周りにいたクラスメート達が何の前触れも無くその場で倒れると眠りだしたのだ。彼らの使い魔達も、である。 その異常な光景にルイズは呆然としたが、ふと気付いた。自分の手からいつの間にか矢が地面に落ちていたのだ。 そして矢は斜面でもないのにその漆黒の『何か』の元まで転がって行った。漆黒の『何か』は立ち止まり矢を拾いあげると再び歩き出した。 「ちょ、ちょっと!これはあんたの…」 そこまで言うといきなり足に力が入らなくなり、ストンと地面に腰を落としてしまった。 「な…た…立てな……」 そして意識が朦朧とし、他のクラスメートやコルベール同様地面に横たわり、眠ってしまった。 それでも漆黒の『何か』…前の世界で『鎮魂歌』と呼ばれたそれは城の方へとゆっくり歩いて行った… シトシト… 気付いたら夕方になり小雨が降り出していた。 ルイズはいつの間にか自分が寝てしまった事を思い出し、起き上がろうとした。 しかし、地面に手を付けた瞬間グラリとした。なにかおかしい…身体が『重い』…いやサイズに『合わない』感じがする。 「何が起きたの」 自分の周りを取り囲んでいた中にいたはずのキュルケがいつの間にか近くにいた。 「分からない…いつの間にか寝ちゃって…」 ルイズが答える。視覚がまだぼんやりしていた。 「ルイズの使い魔のせい?」 キュルケが淡々とした感情の起伏の無いしゃべり方をしているのにルイズは違和感を覚えた。キュルケの普段のしゃべり方はこんなのじゃない… 「し、しし知らないわよ!私だって何がなんだか…」 「私?」 キュルケが首を傾げた。ルイズはますます違和感を覚え、尋ねてみた。 「あんた…本当にキュルケ?」 その問いにキュルケは首を横に振ることで答えた。 「冗談はよしてよ!あなた、どう見たって…」 そこではっとした。自分の背が明らかに延びていたのだ。手もよく見てみたら成人男性のような… もしかして!と思い、頭に手をやるとそこには無かった。自分のトレードマークとも言えるものが! 「無い!あたしの髪が無い!」 「元々」 キュルケが突っ込んだ時、「うぅ…」 また近くでうめき声が上がった。キュルケの隣で寝ていたタバサだった。 「何なのよ…いきなり眠くなって…」 タバサが起き上がってキュルケを見た。キュルケも起きたタバサを見た。 「「………」」 二人は五秒ほど沈黙した後、 「きゃああああああああ!」 タバサ、いやタバサの中のキュルケが絶叫した。キュルケの中のタバサも驚いて目を丸くしている。 だが、彼女達よりショックを受けた人達がいた。 ルイズは頭に髪が無いので気付いた。辺りを見渡すとすぐに見つけた。今にも起き上がろうとしている自分の身体を! その自分の身体も自分を見た。 「いやぁぁぁぁぁぁ!」 「うぉぉぉぉ何事ぉぉぉ!?」 両者共にキュルケより遥かに大きな声で絶叫した。 しばらくして心と状況の整理が出来た。 まず、どういう訳か分からないが、魂が入れ代わったということ。 しかもほとんどが使い魔と入れ代わったらしく、話しかけても全然通じなかった。例外は四人の他、ギーシュとマリコルヌだけであった。 次に、これは仮説だが、この現象はルイズが呼び出した使い魔が引き起こした物だということ。 そして最後に、得意魔法等は魂と一緒についてきた。 ということである。 「困りましたぞぉぉ」 ルイズの中のコルベールが頭を抱える。頭の上が豊かなことや若返ったのは嬉しいらしいが、そんなことを言っている場合では無い。 これがもしハルキゲニア中に広まったら大変な事になる。 しかしその元凶がどこに行ったのかも、どうやれば元に戻るかも分からなかった。 焦ってばかりで役に立たない教師を尻目にキュルケとタバサはいち早く動き出した。 「黒い人のようなのよ。捜して来て!」 キュルケはシルフィードと入れ代わったフレイムに命令した。 「きゅるきゅる」 フレイムは慣れない様子で飛び上がり、辺りを旋回しだした。 「森の中。」 タバサもシルフィードに探索するよう命じた。 「きゅい!」 シルフィードは森の中に入って行った。 10分ぐらいしてフレイムが本塔の近くでレクイエムを発見した。 キュルケはフレイムに足止めを頼みつつ、六人はレクイエムの元へと急いだ。(当然だが、マリコルヌと入れ代わったギーシュはおいてけぼりだった。) To Be Continued...
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夜になるのは早かった。 お互いの話がすれ違ったままの会話って、こんなに無意味に時間が過ぎる物なんだ・・・ 結局、僕にわかったのはこれが夢じゃなくて、その上で月が二つもある異世界にこのルイズって女の子に呼び出された事。 元の世界に帰る手段を僕を呼び出したルイズ自身も知らない事。 そして、この頭の固い女の子が僕のご主人様になった事、かな。 平民とか貴族とか魔法使いとかの話は、まぁどうでもいいし気にしない。 ましてや貴族様の家の確執とか何処かの家が痴女の一族とかも、ほんとどうでもよかった。 魔法の世界の人だから科学とかの話が全く通じないのもある意味予想通りだったし。 「いい?アンタは平民で何の力も無いんだから、せめて召使みたいに働きなさい!」 その『ご主人様』は、最後に僕に下着の洗濯を押し付けるとさっさとベッドに入ってしまった。 ・・・いいのかな?これ、僕が洗濯して・・・ 別に変な趣味は無いから、『これ』をどうこうする気はないけど。 僕、全自動洗濯機以外の洗濯の方法知らないんだよね。 そもそも、僕は何が出来るんだろう? 使い魔の能力として教えられた事は殆ど出来ない。 感覚の共有はできないし、魔法の材料の調達もこの世界の事がまだ良くわかってないのに出来るわけが無い。 ましてや主人を守る事なんて、魔法が支配するこの世界ではたぶん無理だ。 剣道や陸上、泳ぎにはそれなりに自信はあるけど、それが通用するとは思えないし。 使い魔としては、失格だよね。 元の世界に帰るって気は余りなかった。 あの日、ムーンライトブリッジで家族を全員失ってから、僕には帰る家って物が無くなったから。 親戚筋をたらい回しにされるのにはもう飽きたし、引越しが続いた所為で親しい友達も殆ど出来なかったし。 月光館学園にいこうと思ったのも、学費の援助と寮生活が出来るからだったから。 なら、この世界で使い魔として生きるのも別にいいんじゃないか・・・そうも思える。 (何より、決定的な破滅を迎えずに済むしね) ・・・何だろう?空耳かな?誰かの声が聞こえた気がしたけど・・・ まぁ、どうでもいい。今は寝よう。 召使のように働かないといけないなら、明日は早くに起きないといけないだろうから。 『主人の情け』とやらで下着と一緒に押し付けられた毛布に包まって、僕は目を閉じた。 「ちょっと聞いていいかな?洗濯の道具ってどこにあるのか教えて欲しいんだけど」 次の日、まだ日も昇っていない時間に、僕は洗濯場を探して歩いていた。 多分あのルイズの事だから、目が覚める目に洗濯を終えてないと何をされるか。 一応魔法使いらしいし、お仕置きとかされたくないな。 あと、誰かにこっちの世界の洗濯方法を教えてもらわないといけない。 そう思ってふらふら歩いていて・・・見つけたのが、今声をかけたメイドさんだった。 「洗濯道具ですか? 構いませんが、貴方はどなたですか?」 僕と同じくらいの年頃だろうか?黒髪のショートが可愛い。 流石に急に声をかけられて訝しげで、僕の顔をじっと見つめてくる。 「僕はキタロー。今度、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールって女の子の使い魔ってのになったみたいなんだ」 「ああ、貴方が噂の平民の使い魔さんですか?ミス・ヴァリエールの?」 「うん。でも、使い魔ってよりも召使のほうが近いかも・・・」 だって、他の使い魔はファンタジー物でよく出てくるモンスター達が勢ぞろい。 ただの学生だった僕じゃ、そんなすごいモノと同じとは到底言えないよね。 「じゃぁ、私と同じですね。私はシエスタ。この学園でメイドをしているのよ」 「シエスタさん・・・うん、よろしく」 僕の正体がわかったのか、このメイドさん・・・シエスタさんの態度が柔らかくなる。 召使に近い、というのが親近感に繋がったのかな?妙にうちとけた、というか先輩っぽく振舞ってる。 「よろしくね、キタロー君。それで、どうして洗濯道具を探してるの?」 「えっと、僕のご主人が・・・これを洗っておけって・・・」 そういって見せたのは、ルイズが昨日着ていた服。当然下着も入ってる。 「あら、まぁ・・・」 「正直、僕が洗っていいのかも判らなくて・・・それで、洗濯とかに詳しい人に色々聞きたかったんです」 「分かったわ。それじゃ、案内してあげる。他にも何か困った事があったら私に何でも聞いてね?」 僕の困っている理由を理解したのか、シエスタさんは服の塊を手にすると歩き出す。 その後洗濯が終わるまでの間、僕はシエスタさんに色々な話を聞けたのだった。