約 592,712 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1393.html
美鈴のゆっくりお昼ご飯 「みーんみーん」 蝉の声が響き渡る。夏、真っ盛り。 ここ、幻想郷にも夏が来た。氷精がどっかで溶けてたりしそうなくらい熱い夏。 タライに水張って足を突っ込みながら将棋、としゃれ込みたいほどうだる暑さの中、門番は立っていた。 「暑い…」 流れる汗を手で拭う、人民服に紅い髪のスリットグラマー、その名はちゅうg「紅 美鈴!!!」 もとい。華人小娘、紅 美鈴である。紅魔館の門番にして武術の達人。 その名は、強さと親しみやすさから幻想郷の人間と妖怪に知れ渡っていた。中国として。 「なんだか失礼なことを言われたような気が…」 呟きながら、もう一度汗を拭う。ただいま時刻は午後二時。最も暑い時間帯である。 そんな時間に日影はないわ湖の照り返しがきっついわ館の紅が目に悪いわするところにいたら汗もかく。 「暑い暑い暑い暑い……」 武術の達人は汗を流れる量をコントロールできると言う。暑さ寒さもへっちゃらだともいう。 しかし、美鈴は武術の達人ではあっても、今はむっちゃだれていた。 ぶっちゃけていうとやる気があんまりなかった。 理由は二つ。暑くてシエスタもできないから。お腹すいたから。 普段住み暮らしているめーりんハウス(真紅のテント)は、この時間だと中は地獄のような暑さになっているだろう。 昼寝なんてしたらメイド長に刺し殺されるか、妖怪に寝首を掻かれる前に干からびる。 そこいらで寝るのもダメだった。一度夏に横になって寝たら、身体の右側だけに日焼けの後がばっちりついて恥ずかしい思いをしたからだ。 日焼け跡は、秋になるまで消えなかった。 そして、もう二時を回ろうか、と言うのに、お昼ごはんを食べていない。 普段はメイド長がじきじきに持ってきてくださる。シエスタしていないかの監視の意味も含めて。 しかし、今日はメイド長はいない。ここ紅魔館の主、レミリアのお供をして博麗神社に行っているのだ。 そういうことはよくある。そして、メイド長がいない時は妖精メイドが美鈴の食事の用意をしてくれるはずなのだが…。 気まぐれで、美鈴以上にやる気のない妖精メイドにそんなもの期待しても無駄、というものだ。 咲夜がいないときは、美鈴は常にすきっ腹を抱えることになる。 「おなかすいたー…」 何度目かの虚しい呟きを繰り返す。気を紛らわそうにも、一人○×も一人しりとりも、もう飽き飽きしていた。 暇つぶしに大図書館の本を借り出そうとしたこともあったが 「夏は本が日焼けするからダメ」 という、図書館の主の一言によってあっさり拒絶された。 太極拳もお腹がすいた時にはやりたくない。 そう、美鈴は暇だった。 「だれか襲撃でもこないかなー…黒いのでもいいから…」 しかし、美鈴の物騒な希望はかなえられない。黒いのこと普通の魔法使いは客として既に図書館にいりびたっているからだ。 風もまったく吹かない、じめっとした幻想郷の夏の午後。 暇なときは、門番はひたすら暇だった。 見飽きた光景をなんか面白いものないかな、と半ば諦めの境地で見やったとき、珍しいものを見かけた。 「ゆっ!ゆっ!」 ゆっくり霊夢の家族だ。 ここ紅魔館の周りにはゆっくりれみりゃやゆっくりフランなど、ゆっくりの捕食者たちが数多く生息している。 普通の、よわっちいゆっくりはとっくに食い尽くされたものだと思っていたのだが… 「珍しいこともあったもんだ」 と、ぼそりと呟くと、先頭のゆっくり霊夢がその声を聞きつけたらしい。 「ゆっくりしていってね!!」 お決まりの台詞を叫ぶ。 「はいはい、ゆっくりしてますよー」 よい暇つぶしが出来た、と笑顔で近づく美鈴。その答えを聞いて、ゆっくり霊夢たちが嬉しそうに叫び返す。 「「「おねえさん、ゆっくりしてるひと?!」」」 「そうだよ、ゆっくりしてるよ。」 こいつら、もっと静かにしゃべれないのかなー、とか考えながら答えてやる。 「じゃあ、いっしょにゆっくりしよう!」「あのおうちはれいむたちのおうちなの!」「ゆっくりできるよ!!」 超☆喜んでいる。単純なもんだ。ぴょんぴょん飛び跳ねている…ん?おのおうち? 「ねえ、あなたたち。お家ってどこにあるの?」 「そこだよ!」 と一番ちいさなゆっくりが紅魔館を見ながら飛び跳ねる。 ああ、やっぱり。 こんなのが襲撃者か…と内心ため息を吐きながら説得を試みる。 「あのね、あなたたち…」 「おねえさんはゆっくりできるひと!!」「いっしょにゆっくりさせてあげるよ!!」「れいむたちのおうちでゆっくりしよう!!」 「だから、あそこはレミリアさm」 「きっとたくさんおいしいものがあるよ!!」「ゆっくりできるよ!!」「ゆっくりさてやるからありがたくおもってね!!」 「あそこはあなたたちのいえじゃないと…」 「「「ゆっくりできるよーーーー!!!」」」 美鈴の言葉はゆっくりたちの叫びの前に完全にかき消された。 「ゆっくり!!」「ゆっくりぽいんとだー!!」「れいむがいちばんゆっくりできんだーーー!!」 などと口々に勝手なことをほざきながら紅魔館に向かって行進し始める。 その瞬間、美鈴の怒りは簡単に有頂天に達した。暑くて空腹で堪忍袋の緒はゆるゆるだったのだ。 丹田に気を込め、一気に発声!! 「やかましいっっっっっっ!!!!!」 この一声でゆくっりたちはすべて目を回した。夜雀を声だけで叩き落した美鈴の複式発声法、伊達ではない。 「はあ、結局暇つぶしにもならなかった…」 スカートの前側を持ち上げて、そこにゆっくりを乗せていく。素晴らしき哉、脚線美。 「大声だしたから余計お腹が…」 そこではたと気付く。こいつら食えるじゃん、と。美鈴は、さっきと打って変わった軽い足取りでめーりんハウスへと向かった。 「フンフン♪」 地獄のように熱く真紅に染まっためーりんハウスの中で、なにやらごそごそ探している。 「どこかの巫女じゃないけど、やっぱり饅頭にはお茶がないと…」 どうやらここでお茶を入れたりもしているようだ。不憫。 外に出て、お茶が沸くまで正座で待つことしばし。 ちょっと補強したみかん箱の上にゆっくりをならべ、いただきます。 ゆっくりどもはまだ気絶している。気絶したまま食われたほうが幸せなのかも知れないが。 美鈴は行儀悪く、どれから食べようか迷ったあと、一番小さなゆっくりを掴んで、一口で食べた。 口の中でかすかな悲鳴が聞こえたような気もする。 「うーん、甘くておいしい…」 あまり甘いものが好きではないが、空腹は最高のスパイスだ。そして久々の甘味。おいしくないほうがどうかしている。 次のちびドマンジュウも一口。口の中に広がる甘さ、出涸らしの番茶とあいまって、美鈴を至福の時への誘った。 そしてもう一つ。一口で食べるには大きかったので、かじる。 「ゆ゛っ?!」 あ、起きた。寝てたほうが幸せなのに、と思ったが、構わず食べ続ける。 「いだいいいいいい?!!」 「あ、こら、手の中であばれるんじゃない…あ。」 ぽとり。あんまり暴れるので手からこぼれて地面に落ちる食いかけのゆっくり。 露出していた餡子が衝撃ですべて飛び出る。それがトドメになったらしく「ぎっ?!」と叫んで動きが止まる。 「あーあ、もったいない…」 さすがに落ちたものを食べる気にはなれない。蟻に寄付しようと思い直して次に取り掛かる。 どいつもこいつも、一口食われた瞬間に目覚めていきなり叫びだす。 「妹様なら断末魔もお喜びになるんだろけど、私にはそんな趣味はなー…」 ぼやきながらも次々に平らげていく。同族が食われて悲鳴を上げているというのに、他のゆっくりどもは目を回したままだ。 薄情なのか美鈴の声がそれほどすごかったのか、どちらなのか。 そしてちびゆっくりをすべて食べ終えたとき、美鈴はぽつりと呟いた。 「…飽きた…」 いくら久しぶりの甘味とはいえ、饅頭を腹いっぱい食べれるものではない。基本的に美鈴は辛党なのだ。 しかし空腹はまだ収まらない。さりとてこれ以上ドマンジュウを食べる気にはならない。 のこったれいむをどうしたものか、と思案していると、 「うー!うー!」 よたよたとこちらに寄ってくる影が一つ。 紅魔館の主、レミリア…にそっくりなゆっくりだ。 顔だけのときは日光で死んでしまうが、胴体が生えると日光の中でも活動できるようになる。 というより胴体の生える種類はゆっくりれみりゃとゆっくりフランしかいない。生命の神秘である。 だが美鈴の頭の中にあったのは、生命の神秘への遥かなる探究心ではなかった。 「こいち、確か中身肉まんだったよね?」 という食欲100パーセントな考えだった。 甘ったるいドマンジュウの口直しにはちょうど良い。確か家の中に醤があったはずだ。それで味付けして食べてしまおう。 そう考えるとよだれが出そうだった。 「うー!うー!」 どうやら美鈴が捕まえたゆっくりれいむ目当てに出てきたらしい。 調理道具を持ち出す時間稼ぎのため、母ゆっくりれいむを投げつけてやる。 「ゆ?」 その衝撃で意識を取り戻すれいむ。目の前にはれみりゃがいた。 「ゆぎゃあああああああ?!」 目を血走らせ歯茎をむき出しにした顔で叫ぶれいむ。必死で命乞いをする。 「れいむをたべてもおいしくないよ!!ゆっくりできなくなるよ!!」 捕食主のれみりゃがそんなもの聞くわけがない。 「うー!うー!」 右手で髪を掴み持ち上げ、空いた左手で頬を思いっきり引っ張る。 「ゆーーー?!い゛や゛だぁぁぁぁぁぁ!?いだいいいいいい?!」 痛みに泣き叫ぶれいむと、その反応を楽しむように徐々に力を込めるれみりゃ。 ぶち。 「ゆ゛ーーーー?!」 引きちぎった皮を食べ、露出した餡子に喰らいつき、餡子をゆっくりと吸い出していく。 「うま^^!うま^^!」 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!?」 餡子を吸い出され、痙攣する。生きながら脳を吸い取られるようなものだ。 れいむの目がぐりんと白目を向く。 餡子を2割程―れいむが死なないギリギリのラインだ―吸い取ったところで、今度は一気にかぶりつく。 「ゆぐぎゃああああっ?!」 痛みに意識を無理やり引き戻される。 「うー!うー!」 れみりゃはれいむの反応を楽しんでいるようだ。なるべく残酷に、なるべく苦しむように捕食している。 「うはー、レミリアさまと同じでどSなんだな、ゆっくりも…」 中華鍋を火にかけ、準備完了した美鈴があきれたように呟く。ちなみに火は気を掌に集中、発熱させて木を燃やして起こした。 「ゆ゛………っぐ…り゛……」 れいむはからだの半分ほどを食べられたところで息絶えた。 「うーーー!!」 死んだことに気がついたれみりゃは、子供が飽きたおもちゃを捨てるように投げ捨て、 「ぎゃおーーーー!たべちゃうぞーーー!!」 残ったゆっくりれいむのほうによたよた歩み寄ってきた。 「食べ残すなんてゆっくりの分際でぜいたくな…」 自分がれいむを食べ残したことを棚に上げて憤る、が気を取り直して、 「れみりゃー?れいむりおいしくてゆっくり出来る食べ物があるんだけど?」 慣れない猫なで声で呼び寄せる。 「うーー?おかし?くっきーー?!」 妖精メイドたちが甘やかしてお菓子で餌付けしたりするもんだから、口が肥えている。生意気、と美鈴はさらに苛立つ。 「もっとおいしいものよ?」 私にとってはね、と口の中で付け足す。美鈴が手に持っているものは醤。豆板醤の瓶だ。 「おかしーーーーー!うー!うー!」 みょうちきりんな踊りを踊りながらもたもた近づいてくる。 残っていた何匹かのゆっくりれいむは既に逃げ出していたが、美鈴もれみりゃも気にしていなかった。もっとおいしそうなものが目の前にあるのだから。 「おかしーーーー…?」 美鈴の持った瓶を見たれみりゃの顔が曇る。当然ながらクッキーやケーキには見えない。 「うーーー!!」 美鈴の手から瓶を叩き落とす。 「やだやだやだやだ!!!くっきーじゃなきゃだめーーー!!くっきーたべうーー!うー!」 地面に寝そべって駄々をこね始める。この甘えた根性は妖精メイドたちが甘やかしたせいらしい。 美鈴は慌てず騒がず瓶を拾い上げ、れみりゃの顎を掴み、瓶の中身を口の中に流し込んだ。 「う゛ゆ゛ーーーーー?!」 れみりゃは顔を真っ赤にして暴れる…暴れようとするが美鈴ががっちり顎と間接をホールドしているので、身動きすらも出来ない。 「うー?!う゛ーーーー?!」 「はいはい、おとなしくしてねー」 抑えるのも面倒になったので、浸透剄を叩き込んで無理やり黙らせる。 もう一発。さらにもう一発。とどめにもう一発。これで醤と肉まんがうまく混ざり合ったはず。 「さ、本日のメインディッシュと参りましょうか!!」 中華鍋が充分熱されているのを確認する。それから、逃げられないように羽、手足を引きちぎる。 気絶したれみりゃの身体が痛みに反応して痙攣するが目は覚まさない。 ちぎった羽と手足はもちろん捨てたりはしない。これは後から素材そのままの味でいただくのだ。 「えいっ!」 手足と羽をもがれて達磨みたくなったれみりゃを鍋に放り込む。油がはねる。熱さに起きた達磨がのた打ち回る。 「うーーー!!ううーーーー!!あづーーーい!!」 「まずは表皮をこんがりと…!!」 悲鳴を無視して料理に集中する。半年振りの肉なのだ。気合が入るのも当然と言えよう。 れみりゃは必死で身体を動かして鍋から逃げ出そうとする。しかし油ですべってうまく動けないうえに、端に来たと思ったら鍋を振られて中央に戻されてしまう。 さっきまでおいしいれいむを食べていたのに、何故こんな目に遭うのか分からなかった。 身体の外が熱い。身体の中が熱い。身体の中をかき回されたように痛い、生えてくるはずの手足が生えてこない。 「うーーー!!うーーーー!!ゆ゛っぐり゛じだいいいいいいい!!」 もう、ゆっくりできないのだろう。何が起こったかはわからなかったが、それだけは分かった。 れみりゃは、絶望のなかで焼け死んだ。 そんなれみりゃの絶望なんか知ったこっちゃない美鈴は、久々の中華の火力にハイになっていた。 「料理は愛情、中華は火力!!まだまだ火力がたりなぁい!!」 手に気を集中、鍋にダイレクトに熱を伝える。一気に火力が上がる。肉がはぜる音が激しくなっていく。 「燃えてる燃えてるハラショーー!!アイヤーー!!」 テンションが上がりすぎてお国言葉が出だした。 吹き出る汗、張り付くチャイナ。大変艶かしい。 最後の仕上げとばかりにもう一振り醤を加え、馴染ませるために鍋を思いっきり振る。 「あれ?」 突然手が軽くなる。赤熱して引きちぎれた鍋の取っ手しか手元にはない。 何が起こったか瞬時に理解する。が、どうしようもない。 「あ、ああああ?!」 美鈴のくびきから逃れた鍋は慣性の法則に則り、放物線を描いて…紅魔館の少ない窓の一つにジャストミートした。 その日の夜。もちろん美鈴は晩ご飯抜きだった。れみりゃの残りすらも取り上げられ、すきっ腹で門番を続けている。 ゆっくりを食べようとした結果がこれだよ!!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/207.html
数十キロはあった糞便を片付けるのに、丸一日かかった。 たった一日というと思ったより短いようだが、 まりさ共が口内の糞便を飲み込むたびに、 俺や使用人がひっきりなしに詰め替え、それがおよそ二十時間以上だ。 「かひゅうーーーーーーー………あひゅううーーーーーー……」 輪を取り外され、まりさ共は憔悴しきって、 吊り下げられた全身を波打たせている。 「うまかったか?」 俺が聞くと、しばらく開ききった口をもごもごさせてから、 上顎支点で吊り下げられたままで返答が帰ってきた。 「ゆっぐ……ゆっぐり……でぎだいぃぃぃ……」 「……ゆっぐじ……じだい……じだいぃぃぃ」 「おろじで……おろじでぇぇ……」 「口に合わなかったか?それは悪かった。 もっとゆっくりできるごはんを持ってきたよ」 そう言うと、俺はカートを新しく運んできた。 カートの上には、再び青いビニールで覆われた皿。 大きな皿をいくつか台の上に、まりさ共によく見える位置に置いてやる。 まりさ共の目は怯えていたが、いくぶんかの期待の色が見え隠れしていた。 もしかしたらこの人間は勘違いをしてあんなものを持ってきただけで、 今度はちゃんとゆっくりできるごはんを持ってきたのかもしれない。 そんなところだろうか。 「ゆっくり……ゆっくり……」 震える声で呟くまりさ共の前で、次の食事を公開してやる。 「ゆあああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」 悲鳴が上がった。 ひどい腐臭の中で、俺は解説してやった。 「かき集めるのが大変だったよ。いまは夏場だからごらんのとおりだが、 まあお前たちゆっくりなら大丈夫だろう」 犬や猫、鳥や狼、町や森の中で拾ってきたあらゆる獣の死体が皿の上に乗っている。 どれもこれもひどい腐臭を放ち、体中に蛆が蠢いていた。 猫の眼窩や犬の裂けた腹部、穴という穴は蛆だらけだ。 蛆のほかにムカデやミミズ、なんだかよくわからない虫たかっており、 その上では大量の蠅がぶんぶんと飛び回っている。。 手近な猫の死体を長い菜箸でつまみ上げてやると、 腐りきって緑色に変色した肉はぐずぐずになってたやすく崩れ、黄色い膿が長い糸を引いた。 緑に紫に黄色に赤、一度死んだ肉は本当にカラフルになるものだ。 「ぐざい!!ぐじゃいいいいいい!!!やべでえええええ!!」 「おでがいいいいいいいぢがづげだいでえええええええええ!!!」 「急いで噛みつぶさないと、ウジやムカデがお前らを食うかもな」 「いいいいいいいやああああだああああああああああーーーーーっ!!!」 脅してやったおかげで、白目を向いて痙攣しながらも、 口腔内に放り込まれたまりさ共は今度は必至に咀嚼していた。 柄杓の表面にこびりついた蛆がまりさ共の表皮を這いまわり、目の中に一匹二匹侵入する。 嫌悪に身をよじらせながら、それでもまりさ共は泣きながら食事を続けた。 虫に関しては、もともと毛虫やら蝶々を食うゆっくりだから問題ないだろう。 顎の動きから嚥下を確認する度に、輪の蓋を開けて次の腐肉を注ぎ込む。 そのたびごとに、まりさ共は泣きながらあらん限りの声をあげて慈悲を求めた。 「ゆおおおおおおごおおおおごごごごごおおおおおああああああーーーーーーーーー」 まりさ共の努力で、腐肉は一日かからずに片付いた。 次はまともな食品を食べさせてやることにする。 その日俺が運んできたカートの上には、大きなボールがいくつも載せられていた。 そのいずれも、粉やらどろりとした液体やら練りものでなみなみと満たされ、 緑や黄色もあったが、それら内容物はおおむね赤かった。 まりさ共はきょとんとそれを見ている。 どうも味が想像できないようだ。 俺は親まりさの口に再び輪をはめた。 「ゆごっ!!おごっ、わっかさんはゆっぐじでぎだいぃいいごっ!!」 ばたばたと抵抗しながら、なすすべなく輪をはめられて大口をあける親まりさ。 「味見してみるか?」 俺は手近なボールから赤い粉を指ですくうと、 親まりさの口内に刷り込んでやった。 「!!??」 びぐん、と親まりさが空中で跳ねた。 「ゆぼびょがぎょぼばごぎゃがばああぁぁあーーーーーーーー!!!」 すさまじい絶叫をあげ、すぐにも吐き戻そうとするが、 俺がすぐに蓋を閉めたので、あわやというところで餡子は口内で止まった。 それでも親まりさの痙攣は止まらない。 いつまでたっても止まない親の悶絶を見て、子まりさ共が恐怖に震えている。 「トウガラシだよ」 俺は教えてやった。 甘味そのものたる饅頭でできているゆっくりにとって、辛味は毒である。 正確には辛味そのものが毒性を持つわけではなく、 あまりの苦痛に餡子を吐き出してしまい、 それが致死量を超えることが少なくない、ということだ。 50cm級のボリュームを持つ親まりさが、 ただひとすくいのトウガラシでなお暴れ続けている。 白目を向いた眼窩から涙が吹き出し続け、 すでに枯れ果てていると思われたしーしーとうんうんが、 すごい勢いであにゃるとまむまむから放出されていた。 本来ならとっくに絶命しているだろう。 しかし、死なせることは俺がしない。 食わせたはしからすぐに蓋をしてやるので、 たっぷりと味わってもらうことができる。 念のため、あにゃるとまむまむもガムテープで塞いでやることにしよう。 こうして、ゆっくりがいまだかつて味わったことのない世界に、 このまりさ共が、ゆっくり史上初の一歩を踏み出すことになるわけだ。 さぞ誇らしいことだろう。 親まりさがトウガラシを消化して動きが収まるまでに、 たっぷり十分はかかった。 「かひゅうーーー……ほひゅうーーーー……」 白目を向いたまま、親まりさは放心した体で呻いている。 「ちょっと味見しただけでこんなにゆっくりしてくれるんだな。 たっぷりあるから、ゆっくり味わっていってくれ」 そう言ってやり、トウガラシの粉を柄杓でたっぷり掬った。 親まりさの口に近づけるが、親まりさはまだ白目を向いたまま揺れている。 俺の声も耳に入っていないようだ。 構わず、口いっぱいにトウガラシを頬張らせて蓋をした。 親まりさが爆発した。 もちろん比喩的表現だが、まさにそれは爆発だった。 吊り下げられた状態で、よくもこれほど動けるものだ。 そう感心してしまうほど、電流に打たれたように跳ね回っていた。 ビビビビビビビビビビビビビビビビビ。 下膨れの顎が、上下左右にぶんぶんとシェイクしている。 まるで釣りあげられた直後の魚、いやそれ以上だ。 「ゆぁああああああ……ゆわぁああああああ………」 子まりさ共が絶望のシンフォニーを奏でている。 次は自分たちだ、それは痛いほど理解できているようだ。 命乞いをする気力もなく、ただ泣くことしかできない。 それでも、輪をはめられる段になると本能的に騒ぎはじめた。 「やべで!!ゆっぐりやべで!!やべでぇええええ!!まりざだげはぁああ!!」 「ゆっぐりじだいいいいいいい!!ゆっぐりざぜでぇええええええええ!!!」 「いやぁあああああいやぁあああああごろじでええええーーーーーっ」 三匹の子まりさ共には、また違うものを味わってもらった。 カラシを詰め込まれた子まりさは、やはりおこりのように痙攣している。 トウガラシとあまり変わらない。 わさびを詰め込まれた子まりさは、これも痙攣しているのだが、 カラシとはやや違うようだ。 半分白目を剥いて、下顎というか腹を前方に限界まで折り曲げて、 ぐにゅりと折りたたまれた状態で硬直しながら痙攣している。 わさびの辛さは鼻にくる。 想像するに、この量では「ツーン」というような生易しいものではなく、 脳天を錐で突きとおされているような感覚ではなかろうか。 最後の子まりさは、コショウを詰め込んだ。 すさまじい勢いでせき込んでいるが、 鼻がないので、口をふさげば何も出てこない。 膨れてはしぼむのをすごい速さで繰り返し、まるで早鐘を打つ心臓のようだ。 四匹ならんだゆっくりが痙攣しつづける様は壮観だった。 どれもが人間でもできないようなすさまじい速さで痙攣し、 微塵もゆっくりしていない。 見やると、隣のゆっくり共が反対側の壁にぴったり身を寄せて震えていた。 ゆっくりできないものを極端に恐れるゆっくりにとって、 高速で動くものは恐怖の対象である。 まして、同族であるまりさがすさまじい速さで痙攣するこの光景は、 こいつらにとってあまりに恐ろしいのだろう。 こちらに背を向けて壁にしがみつき、恐怖に泣き叫んでいる。 俺はスイッチを操作し、向こう側のマジックミラーを鏡に戻して、 向こうからは見えないようにした。 さて、この辛味を片付けるにはどれだけかかるか。 結論から言うと、まりさ共の反応は、やること自体はそう変わらなかった。 どれもすさまじい勢いで痙攣してばたばた暴れるというものだが、 その痙攣の度合が、きれいに辛味に比例するようだ。 より辛いものを食わせるたびに、痙攣の間隔が速くなり、ぶれる大きさは増大していった。 辛味は、スコヴィル値と呼ばれる数値で計測することが可能である。 トウガラシの辛味は、およそ三万~四万といったところだ。 スコヴィル値三十五万のハバネロを食わせたときは、 バイブレーターのように震えていた。 ビビビビビビから、ビィィィィィィーーーーーー………という感じだ。 下腹部はもはやぶれてよく見えない。 最終的には、世界一辛いトウガラシと言われる、 スコヴィル値百万のジョロキアを食わせた。 この時は驚いた、その痙攣はもはや擬音に変換できるレベルを超えている。 体のぶれは早すぎて、ぱっと見ではまったく動いていないように見えるほどになり、 ぶれる下腹部の軌道がそのまま輪郭となって、 頭部分だけがにょきりと突きでた扁平な饅頭のように見えた。 はたから見ていても異常な光景だが、 こいつら自身の感じている苦痛たるやどれほどのものだろうか。 つくづく、ゆっくりの不可解さと頑丈さを思い知った。 他の生き物の筋肉では、どれだけの刺激を与えてもここまで動けるものではないだろう。 ゆっくりという名前に反して、この生き物はすさまじい潜在能力を秘めているようだ。 辛味を食わせはじめてから最後のジョロキアを片付けるまでにかかった時間は、二週間だった。 そもそも、この激痛では「食う」という思考さえ発する余裕がないだろう。 意思とは無関係に喉から勝手に吸収されるのを待つ、という緩慢な食事だった。 ともあれ少々不安はあったが、餡子さえ吐かなければ、 どれだけ辛いものを食べても死なないことは証明された。 人間だって死にそうなものだが、これも意外なゆっくりの耐久性といったところか。 辛味を食わせるのにだいぶ時間がかかったが、次はすぐに終わるだろう。 発狂のできない悲しさでいまだ意識を保っているまりさ共に、俺は聞いてやった。 「かき氷って好きだったよな、お前ら」 コンビニで買ってくるかき氷が、このまりさ共は好物だった。 夏場などは他のれいむやありすから奪い取って貪っていたものだ。 かき氷と聞いて、まりさ共の目が輝いた。 「すきぃ!!かきごおりだいすきなんだぜぇええ!!ゆっくりできるうううううううう!!!」 「さんざん辛いものを食わせたからな、次は冷たいものをと思って今日はそれを持ってきた。たっぷりな」 「やったのぜええええええええ!!!やっとゆっくりできるんだぜええええええええ!!!」 「おにいさんはやっとわかったのぜええええええ!!?えらいんだぜえええええええ!!!」 「ゆっくり!!ゆっくりできるううううううう!!!ゆっくりいいいいいーーーーー!!!」 言葉遣いが少しばかり戻ってきたようだ。元気でいいことだ。 狂喜する親まりさの口に、再び輪を嵌める。 「ゆっ!!?やめるんだぜ!!わっかさんなくてもまりさはたべるんだぜぇおごっ!!」 あれだけ辛味を食べていても、中の様子は一見変わっている様子はなかった。 あれでもすべて餡子に変換しているらしい。ゆっくりコンポストが人気なのもうなずける。 四匹並んで大口をあけるまりさ共の前で、俺は道具を取り出した。 まず、ペンチを持ち出して親まりさの歯を挟む。 強度はともかくとして、 直径50cmにもなるまりさの歯は相当でかく、直径2~3cmはあるようだった。 「ゆゆぅぅううぐぅぅぅう!!?」 自分がされることを察知したらしい親まりさがじたばたともがき始めた。 俺はペンチをゆっくりと傾け、歯をねじっていった。 「ゆごっ、ぼっごっごごごごごっごおおおおおおおおお!!!」 一回転したところで、歯はたやすく根本から抜けた。 親まりさは大粒の涙をぼろぼろ流して呻いている。 「ゆあああああいいいいいいいいいい………えううううううううぐううううううう」 手早く次の歯にペンチを伸ばした。 ここでの初日にさんざん蹴りつけたせいで、すでに多くの歯が折れていたが、 半分折れているようなのも含めるとまだ十本はあった。 それらを綺麗に、全部こじり取る。 健康な歯を、引っこ抜かれるならまだしもねじられて抜かれる痛みは相当なようだ。 ねじられていく歯が歯茎を押し潰し、破壊していく。 「ごごぉおおおおお!!どおおおおおおお!!!あうぐううううううううーーーーーーっ!!!」 すべてを抜いた後は、まりさの大口の中に白いものはなくなった。 餡子とはいっても、歯茎を構成する部分は比較的固く、骨格に近い働きをしているようだ。 歯があった跡は、すべてぐずぐずの穴の列になり、 ピンク色の歯茎に、露出した黒い餡子がU字型に並んでいる。 子まりさ共を見やると、全員がすでに大粒の涙を流していた。 「やべでえええええええゆるじでええええええーーーーーーーーーっ」 「いりまぜん!!がぎごおりいりばぜええええええん!!!ぢょうじのっでばじだああああああああ!!!」 「ばざんぬがないでええええええええごばんだべられだいいいいいいいいい」 「歯がなければまともに喋ることもできないからな。必要になったらまた挿してやるよ」 子まりさ共にも輪っかをはめて口を開けさせ、歯をすべてこじり抜く。 ひとまずこれで目的は達成できるが、さらに念を入れる。 工業用の電気ドリルを持ち出すと、再び親まりさから処置を施す。 直径1センチ程度の細いドリルを、歯の抜けたぐずぐずの跡に突き入れた。 「がびゃあっ!!!?」 びぐんと跳ねるまりさを押さえつけながらスイッチを入れ、 回転するドリルをゆっくりと歯茎の奥まで突き込む。 「ががががががががががががががががががががあああぁ!!!!!!」 どれぐらい入れるか少し悩んだが、5センチぐらい突っ込み、 突っ込んでは内部でねじり回して神経を引っ掻いた。 本気で引っ掻くとたやすく歯茎ごと崩れてしまうので慎重に行う。 「ばいいいいいいいぐうううううういいいいいいいおおおおおごごごごごばばばばばだあああだああああああああががががががあああああああーーーーーーーーーっ」 すさまじい声量の悲鳴が部屋に充満する。 「ゆううううううううう!!!あゆううううううううううう!!うううううううううーーーーーーーっ!!!!」 子まりさ共も自分がされる前からひっきりなしに悲鳴をあげている。 研究者によれば、外見と同じくゆっくりの体のはたらきは人間と酷似しており、 歯茎の中にも、神経と同じ作用をする餡子が詰まっているらしい。 一見崩れた餡子の塊にしか見えないが、 ぐしゃぐしゃの歯茎の中で、神経となる餡子がむき出しになって外気に晒されるわけだ。 俺も昔歯医者の世話になったことがあるが、その苦痛は俺の体験の万倍にもなるだろう。 「あがああああああああごおおおおおおおおおおーーーーーーー」 すべての歯の神経をかき回されむき出しにされたまりさ共は、 俺がドリルを抜いたあとも叫び続けていた。 神経が外気に触れるだけでもすさまじい苦痛を呼び込むようだ。 「じゃあ、食事にしようか」 俺の言葉にもまりさ共は反応せず、忙しく叫び続けている。 仕方がないので勝手にやらせてもらうことにした。 連絡して、スチロールの箱を大量に運び込んでもらう。 スチロールの箱の中に、ドライアイスで冷凍保存された袋詰めのかき氷が大量に詰められていた。 それらをかたっぱしから大きなボールに開けると、 ボールをそのまま親まりさの前に持っていく。 親まりさは歯茎の痛みに暴れまわっていたが、 視界の端で俺のやっていることを捉え、さらに涙の量を増やした。 もはやスプリンクラーのように涙が飛び散っている。 溢れるほど口いっぱいに氷をつめこみ、急いで蓋をする。 白目を向いていた親まりさの目がいっぱいに見開かれた。 氷の冷気が、歯茎の神経を通って餡子の髄まで貫いたようだ。 ぐるぐると瞳を回転させ、親まりさはすさまじい勢いで暴れまわった。 振り子のように前後に顎をぶんぶん振っている。 全員にかき氷を食わせて観察する。 しばらくの間まりさ共は暴れていたが、やがて意外な反応を見せはじめた。 目をぎゅっと閉じて体を縦にめいっぱい伸ばしている。 どうやら、せめて上顎の歯茎に氷を当てないようにしたいらしい。 限界まで大口を開けさせたうえで満杯に氷を詰め込んだのだから、 そんな事をしても顎はそれ以上開きも閉じもしないのだが、 縦長に体を伸ばしているまりさはそれなりに珍しい見ものだった。 もっとも、今後はもっともっと珍しい状態を見せてもらうのだが。 氷は数時間で片付いた。 食べるというより飲み込むだけなのでさすがに早い。 その日のうちに、俺は次の食事を出した。 「それじゃ、後は野菜をやろう」 まりさ共の目が開き、恐怖8、媚びが2程度の感情を湛えた。 「安心しろ。腐ってない、新鮮な野菜だ」 ここまでされても期待を捨てられないのが餡子脳たるゆえんだ。 それゆえにタフなゆっくりを、完全な絶望と後悔に染めるには骨が折れそうだ。 もっとも、絶望を味わわせる試みはまだ始まってもいない。 じっくり腰を据えてかかろう。 最後に俺が持ってきたのはサボテンだった。 口いっぱいにサボテンを詰め込まれ、 ぐじゅぐじゅに潰された歯茎を含めた口中を針で刺し貫かれながらまりさ共は苦痛に身をよじる。 これを食わせるにあたって、まりさ共をフックから取り外し床に置いてやった。 苦痛にのたうちまわるほどに、まりさ共の口内のサボテンは床に押されてますます針を深く突き立てる。 一応は有機物なのだからいつかは消化されるだろうが、 サボテンの固い表皮が餡子に変換されるにはまた相当かかるだろう。 しばらくは、これらのものをローテーションさせながら不眠不休で食べてもらうことになる。 回復力の強いゆっくりだから、歯茎はすぐに回復する。 そのたびに電気ドリルで神経をむき出しにすることで、 食事による苦痛は数倍になるだろう。 歯がなく咀嚼できないため、頼りは体液による消化のみだ。時間もかかる。 まりさ共については、ひとまず今のところはこんなものか。 まりさ共と並行して、れいむ共とありす共にも処置を行っていた。 初日、れいむ種の四匹は、 目覚める前にそれぞれ個室に入れた。 およそ1~2m程度の、ピンク色の不透明な箱だ。 親れいむが目覚めると、周囲は狭いピンク色の空間だった。 「ゆゆっ!?」 状況がつかめず、うろたえて周囲を見渡す親れいむ。 見慣れない場所。家族の姿も見えない。 「ゆっ!くそどれいはかわいいれいむをさっさとここからだしてね!!」 れいむは叫んだが、それに対する返答はなく、 代わりに挨拶が返ってきた。 「ゆっくりしていってね!!」 背中から聞こえてきた声に振り向くと、そこには知らないまりさがいた。 自分とほぼ同サイズのそのまりさの姿に、れいむは息をのんだ。 絹のようにさらさらで輝くばかりの光沢をもつ金髪、 ビロードのようなてかりを放つ黒い帽子、 ふっくらもちもちの、極上の血色もとい餡色を帯びた肌。 今まで見てきたゆっくりなど問題にならないほどの極上の美まりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってねぇぇ!!」 息も荒く、れいむは言い放った。 「まりさのいえにいらっしゃい!ゆっくりおともだちになろうね!!」 美まりさが返してくる。 そのころころした美しい声に、親れいむはまためろめろになるのだった。 家族たちが不安ではあったが、 甘やかされきった彼女には、心配ごとはすべて奴隷が片付けるものであったから、 外に向かって命令すればすぐに会えると思い、 今は目の前のまりさとゆっくりすることに集中することにした。 やや緊張しながらも、他愛のない話を交わす。 美まりさは性格もよく、いろんなことを知っていて、話していて楽しかった。 すっきりしたい、という欲望が頭をもたげるのにそう時間はかからなかった。 夫のまりさに対する操が一瞬頭をよぎったが、 妾を堂々と連れてくるあのまりさに対し、あてつけでこちらも存分にすっきりしてやろうと思った。 どういうきっかけを作ってすっきりしようか逡巡しているうちに、 ピンク色の室内に、なにやら香が漂ってきた。 無味無臭のその香りに気づかぬまま、れいむとまりさはそれを嗅ぎ、 嗅いでいるうちに表皮がほんのりと湿り気を帯びてきた。 「ゆふぅ……ゆふぅ……まっ、まりさぁぁ……」 催淫剤の香だった。 発情に頬を紅潮させ、れいむは辛抱たまらずまりさにすり寄った。 まりさも抵抗せず、れいむのすりすりにリズムを合わせてうごめきだした。 しばらく摩擦で気分を盛り上げたあと、 美まりさはれいむに向かって、いきり立ったぺにぺにを見せつけた。 「ゆふぅぅ~……すっきりしたいよ……!」 「ま、まりさにならいいよ……!」 れいむはまむまむを突き出し、迎え入れる姿勢を取った。 美まりさ共には躾を施してあった。 すっきりは、ぺにぺにを相手のまむまむに刺すやり方でなければいけない。 全身を擦り合わせる方法ではすっきりできない。 そのように刷り込んであった。 擦り合わせる交尾では、植物型にんっしんっとなり、 ぺにまむ型では、胎生型にんっしんっとなる。 胎生型の出産をしたゆっくりは、 植物型による出産よりも、子供への愛情が強い傾向にある。 個体数が少ないことと、出産時の苦労からくるものとされている。 この特性を、今回は活用することにする。 たちまちのうちにすっきりを終え、れいむは胎生型にんっしんっを果たした。 早くもぷっくり膨らんだ顎を見下ろし、ゆふゆふ満足げな声を漏らしている。 そうしていると、今度は白いガスが吹き込まれてきた。 これには強力な睡眠剤、そして成長促進剤が含まれている。 親れいむの意識はすぐに落ちていった。 以上の手順は、三匹の子れいむ共にもそれぞれ全く同じように施されていた。 翌日、四匹のれいむ共はひとつの部屋に集められていた。 四匹とも、部屋の中心に供えられたおよそ2m四方の大きなガラス箱の中だ。 子を体内に宿したゆっくりれいむ共は 親子四匹とも、もとから下膨れの輪郭が下方向にたっぷりと膨らみ、 目と口が上方にめいっぱい偏った洋梨のような無様な姿になっている。 成長促進剤によって出産を早められたれいむ共は、 四匹とも今日が出産予定日だ。 ゆっくり達が出産に集中できるよう、この部屋に人間はいないが、 備え付けのカメラで出産の様子は別室から逐一確認できるようになっている。 俺は今、監視室でそれを見届けていた。 「ゆっ!!」 「ゆゆ!れいむどうしたの?」 「う……う……うばれるうう!!」 一匹が産気づいたようだ。 一匹の子れいむの顎の下に小さな穴が空き、外側に盛り上がりながらひくついている。 顔を真っ赤にしていきむ子れいむを、他のれいむ共が応援する。 「ゆううぅぅ!!ゆううぅぅ!!」 「ゆっくりうまれていってね!!ゆっくりがんばってね!!」 ゆっくりの出産は激痛を伴う。 生涯最大級の痛みは、痛みに弱いゆっくりにとってこの上ない苦しみだが、 ひとえに赤ゆっくりへの愛情のため、この時ばかりは文句ひとつ言わずに堪える。 「うばれるうう!!ゆっぐり!ゆっぐうううううう!!」 「がんばってね!!がんばってね!!おおきくいきをすってはいてね!!」 「おねえちゃんがんばって!!ゆっくりしたあかちゃんをみせてね!!」 「がんばづうう!!でいぶがんばづううう!!ゆっぐりいいいい!!」 「ゆっゆっゆー!!ゆっゆっゆー!!」 歯茎をむき出して全力でいきむれいむ。 腹の火山のような盛り上がりはますます大きくなり、 中心部の穴、産道が少しずつ広がっていった。 「ゆゆっ!!あかちゃんのおかおがみえてきたよ!!」 「いだいいいい!!あがぢゃん!あがぢゃあああああん!!」 「おちついていきんでね!!だいじょうぶだからね!!」 産み方を指示しているのは親れいむだ。 「かわいいあかちゃんだよ!!がんばってね!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐぐうううう」 涙を流し、歯を食いしばりながらいきんだ末に、 れいむはついに赤ゆっくりを生みだした。 ぽん、と勢いよく飛び出して床に着地したれいむ種の赤ゆっくりは、 ぎこちない動きで母親に向きなおると、笑顔で叫んだ。 「ゆっきゅちちていっちぇね!!」 それを見届け、れいむ達の視線が産んだれいむに向けられる。 赤ゆっくりの生まれてはじめての挨拶。 出産の苦痛があとを引く中で、産んだれいむはそれでも満面の笑みを浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってねええ!!」 「おきゃあしゃん!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 飛び跳ねながら母親のもとに駆け寄る赤ゆっくり。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「とってもゆっくりしたあかちゃんだよお!!」 「れいむがんばったね!!えらかったねええ!!」 周りのれいむ達も口々に祝福の言葉を贈る。 幸福感に満ちた表情ですりすりをするできたての親子を眺めながら、 一様にたるんだ笑みを浮かべていた。 「ゆぐっ!!」 程なくして、別の子れいむがうめき声をあげた。 こちらも産気づいたようだ。 「ゆゆっ!!こっちのれいむもうまれるよ!!」 「がんばってね!!がんばってね!!」 数時間後、四匹の子れいむは全員が出産を終え、 箱の中では合計九匹の赤ゆっくりが動きまわっていた。 一度に数匹生んだれいむもいたため、この数になった。 赤ゆっくりの内訳は、れいむ種が六匹、まりさ種が三匹だ。 胎生型にんっしんっのため、どれも赤ゆっくりとしては大きめのみかんサイズだ。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね!!」 「れいむのあかちゃんたちとってもかわいいよおお!!」 れいむ共は飽きることなく「ゆっくりしていってね!!」を繰り返し、 それぞれ自分の産んだ赤ゆっくりを側に置いて頬ずりをしている。 「さあ、おちびちゃんたち!おかあさんとすーりすーりしようね!」 「ゆっ!おきゃあしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「しゅーり♪しゅーり♪」 「すーり♪すーり♪」 「あかちゃんたちかわいいねええ!」 「ゆっくりしてるよおお、ほっぺたもちもちねええ!」 「ゆっくりできるおうたをうたおうね! ゆ~、ゆ~ゆ~、ゆゆゆ~~♪」 幸福に満ちたゆっくりの群れ。 俺は立ち上がり、部屋に向かった。 「おにーしゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 部屋の中に入ってきた俺に向かって、赤れいむの一匹が話しかけてきた。 俺は答えない。 「ゆゆっ!!ごみくずがやってきたよ!!」 「なにかってにみてるのおお!?」 「ごみくずにはれいむたちのゆっくりしたあかちゃんをみるけんりなんてないんだよお!! なにかんちがいしてるの?ばかなの!?あまあまをおいてさっさとでていってね!!」 不思議がる赤ゆっくり達に向かって、親れいむ共は教えた。 「あれはごみくずだよ!おにいさんなんてよばなくていいからね!!」 「やくにたたないくせにからだだけおおきいばかなんだよ!」 「みんな、あんなふうになっちゃだめだよ!!」 「わきゃっちゃよ、りぇいみゅはあんにゃふうににゃらにゃいよ!」 「ごみくじゅ!ごみくじゅ!」 「きゃわいいりぇいむをみにゃいでね!ごみくじゅ!!」 親に気に入られたいがために、赤ゆっくり共は俺に罵声を浴びせてきた。 「ゆゆっ、おちびちゃんたちはとってもものわかりがいいね!!」 「もっといってあげてね!!」 「くそどれいはなにしてるの?ばかなの? こんなかわいいあかちゃん、ごみくずにはもったいないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「こえだけならきかせてあげてもいいよ!うしろをむいててね!!」 しばらくの間好きに言わせたあと、俺は始めることにした。 箱の中に手を突っ込み、赤ゆっくりを一匹手に取る。 「ゆゆっ?おしょりゃをちょんでりゅみちゃい~♪」 赤ゆっくりを箱の外に運び出し、床に置いたところで、 呆然として見ていた親れいむ共が弾かれたように喚き始めた。 「なにやってるのおおおおおお!?」 「ごみくずうううう!!おちびちゃんにさわるなああああああ!!」 「かえせえええええええ!!れいむのおちびちゃんかえせえええええ!!」 構わず、二匹目を運び出しにかかる。 箱の中に突っ込まれた俺の手に向かって、 殺意に満ちたれいむ共の体当たりや噛みつきが襲ってきた。 まるで痛くもない。 俺はわざとゆっくり、一匹ずつ大仰に運び出していった。 「ゆがああああああ!!かえせええええええ!!」 「きたないてでおちびちゃんにさわるなあああ!!」 「ばか!?ばか!?ばかなのおおおお!?ほんもののばかなのねええ!? ばかはばかなりにみのほどをわきまえてねええええ!!」 何匹か運び出したところで、箱の隅に固まっている二匹のれいむが見えた。 角のほうにぴったりと身を寄せ、顔をぱんぱんに膨らませて俺を睨んでいる。 ほとんど運び出し、赤ゆっくりが目につかなくなったところで、 俺はわざととぼけてみせた。 「赤ゆっくりはこれで全部かな?」 「かえせえええええ!!!」 「まだ残っていたような気がするがな?」 箱の中を見回してみせると、隅のれいむ共がますます膨らんだ。 そちらに視線を止める。 他のれいむ共が口々に叫んだ。 「あかちゃんたちはごみくずがぜんぶはこびだしたよ!!」 「そんなところみてももういないよ!!ごみくずはばかだね!!」 「ゆっくりあきらめておちびちゃんをかえしてね!!」 「いないのか?」 「いないよ!!ゆっくりあきらめてしんでね!!」 「ここをまだ見てないぞ?」 「そんなところみなくていいよおおお!!いないよおお!!」 「そうか、いないのか。残念だな」 「ゆ!わかったらさっさとかえしてね!!ばーか!!」 「でも念のためだしな。一応見てみようか」 隅のほうに手を伸ばす。 ゆっくり共が絶叫しはじめた。 「いないよ!いないよおおお!!みなくていいいい!!」 「ばかなのおおお?しぬのおおお!?」 「ぷっくうううううううう!!!!」 膨らむれいむを転がすと、ぶるぶる震えている赤ゆっくりが三匹見えた。 面倒なので全部一度に持ち出す。 「ゆああああああああ!!やめろごみくずううう!!!」 九匹の赤ゆっくりは、 今や全てが箱の外で、透明な壁ごしに親ゆっくり共を見つめている。 「おきゃあしゃん、きょきょあけちぇね?」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ?」 「かべさんゆっくりどいてね!」 親の元に駆け寄ろうとするが、ガラスの壁に遮られて進めない。 体当たりをしても跳ね返され、ついには泣きだした。 「ゆわああぁぁん!!かべさんどうしていじわるするのおぉぉ!!」 「しゅーりしゅーりしちゃいいいぃぃぃ!!」 「おきゃあしゃあああん!!あけちぇよおぉぉ!!」 親れいむ達も同じように泣き喚いている。 「おちびちゃんん!おちびちゃあああんんん!!」 「かえせごみくずうううう!!なにしてるうううう!!」 「なにだまってるのおおおお!?ふざけるなああ!!」 しばらく観察したあとで、俺は爪楊枝を取りだした。 赤ゆっくり相手に、たいした道具もいらない。 壁にへばりついている赤ゆっくり達に、爪楊枝の先端をつきつける。 「ゆぎゃっ!?」 「いぢゃいぃ!?」 ちくちくと肌を突かれ、生まれて初めての痛みに声をあげる赤ゆっくり。 「やめちぇ!やめちぇぇ!!」 「いぢゃいい!!おきゃあしゃああんん!!」 「なにしてるのおおおおお!!?やめろおおおお!!」 親れいむ共が喚き、箱の外壁に体当たりをするが、 部屋の床にしっかりと固定された箱は揺らぎもしない。 「おきゃあしゃああああん!!」 「ゆえええぇぇん!!」 爪楊枝から逃れようとちりぢりに逃げようとする赤ゆっくり共。 しかし、その鼻先に爪楊枝を突きつけ、追い返す。 元から移動速度の遅いゆっくりの幼児のこと、悲しいほどに遅く、 九匹もいるとはいえ、座ったままで充分に全員を操作できた。 今や赤ゆっくりは互いに身をよせあって一か所に固まり、 四方から迫りくる爪楊枝に、ただ泣き喚き、母に助けを求めている。 「たしゅけちぇええ!!たしゅけちぇえええ!!!」 「ゆびゃっ!!」「いぢゃあっ!!」 「もういやぁぁぁぁ!!」 「おきゃあしゃああああんなんでえええええ!?」 「おちびちゃん!!おちびちゃああああん!!!」 固まってぶるぶる震える赤ゆっくり共。 俺はそこで道具を持ち変え、バーナーを手にした。 一匹の赤まりさを手にとり、底面を上に持つ。 「ゆっ?はなちてにぇ!はなちてにぇ!!」 もぞもぞと抗う赤まりさの底面を炎が焼き焦がす。 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい!!!??」 笛吹きヤカンのような悲鳴が響き渡る。 「おちびちゃんんん!!」 「やめなさいいいい!!いたがってるでしょおおおおおお!?」 「くそじじいいいいいいますぐはなせええええええええ!!!」 低出力のバーナーで、ゆっくりと丹念に赤まりさの足は焼かれてゆく。 「びびびびびいいいいああああああぢゅいいいいいいいいいいぎぎぎぎぎぎぃいあぢゅああああおぢゃあしゃあああああああーーーーっああーーーーーーーっづづづづづづづうううううぐうううういやぢゃああああああぐぎいいいいいいいーーーーーー」 泡を吹き、悶え、痙攣する赤ゆっくりの底面は、 やがて真っ黒に焼け焦げた。 恐らくは中の餡子まで焦げ付いているだろうが、ともかく生きている。 それを床に置くと、泣く元気もなくぐったりとうなだれた。 「ゆわああぁぁ……あんよがあぁぁ……」 「おぢびぢゃんのがわいいあんよがあああ……」 俺に悪態をつくことさえ忘れ、 赤ゆっくり以上に涙を流し、壁面にへばりついて親れいむ共は嘆いている。 赤まりさの足がもはや用をなさないことは誰の目にも明らかだった。 固まっている残りの赤ゆっくり共は、あまりのことに硬直して、 ただ事のなりゆきを凝視していた。 次は赤れいむを手にとる。 「いやぢゃあああああああ!!!」 何をされるかを理解した赤れいむは、ここを先途と絶叫する。 「だじゅげぢぇええええおぎゃあじゃああああん!! でいぶあんよやぎゃれぢゃぎゅにゃいいいいいいいいいいい!!!」 「ごみぐずううううううううううう!!!」 「いばずぐばなぜええええええぐぞじじいいい!!」 「頭に来るな」 俺は答えてやった。 「ゴミクズだの糞奴隷だの、さんざんに言ってくれるな。 俺はすごく気分が悪い。頭に来てる」 「じるがああああ!!ごみぐずごみぐずごみぐずううう!!」 「だまれだまれだまれえええ!!じじいはざっざどがえじでじねえええ!!」 「頭に来るから、こいつも焼く」 そこで親れいむ共の様子が変わった。 罵倒を中止して黙り込み、赤れいむに近づけられるバーナーを見つめている 懇切丁寧に解説してやった甲斐があり、今の状況がようやく把握できたようだ。 「おにいさん!!やめてね!ゆっくりやめてね!!」 「ごめんなさい!!ごみくずっていってごめんなさい!!ね!!」 「もうやめてあげるからね!!おにいさんもやめてね!!」 「ゆばがぎゃああああああああああああ!!!」 「なんでえええええええええええ!!?」 赤れいむの底面が丹念に焼かれる間、親れいむ共は懇願し続けた。 「やめてくだざい!!やめでえええええええ」 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!」 「おにいざあああああんもうばがにじまぜえええええええん!!」 「ゆっくりざぜであげてええええええええええ!!!」 「でいぶをやいでぐだざいいい!!おぢびぢゃんはだずげでえええ!!」 一人が身代わりを申し出たのを皮切りに、 親れいむ共全員が競うようにして自らを差し出した。 「でいぶをやいでえええ!!おでがいでずううううう!!」 「でいぶはどうなっでもいいでずううううううう!! おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんだげはああああああああ」 「どっでもゆっぐりじだあがぢゃんなんでずうううううう!! でいぶになら!!でいぶにならなにをじでもいいでずがら!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 ゆっくりの中でも、れいむ種は特別母性が強い。 自分の子供を溺愛することにかけては他の種とは比べものにならず、 今やっているように、拷問の身代りになることさえ厭わない。 やはり思ったとおりだ。 れいむ種にとって最大の苦痛は、子供を傷めつけられることなのだ。 方針は決まった。 続く 選択肢 投票 しあわせー! (2) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2177.html
2008年、秋、東京。 俺はカメラ片手に駅の改札を通った。 ターゲットはゆっくり霊夢。 俺は都会に住むゆっくり達のみすぼらしい姿を、ドキュメンタリー風に編集してyoutubeにアップロードしている。 それに関連したブログは日本語、英語の二ヶ国語で配信。 全ては、アフィうめぇと言える日のために。 先日アップロードしたドキュメンタリーは、ゆっくり魔理沙が主役だった。 繁華街に生きる、食事時には見たくない動画だ。 感想は世界中から届いたが、次の企画のタネになりそうな気になるメールがいくつかあった。 それは「れいまー」と呼ばれる、ゆっくり霊夢愛好家からの要望だ。 "私の愛するゆっくり霊夢が、日本でどのように生活しているのかとても気になります" といった内容のメールが、少なくとも300通ほど届いた。 なぜ断定できないのかというと、俺は日本語と英語しか読めないからだ。 感想メールは、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中文、ハングルなど、それこそ世界中から届いた。 だから読めなかったメールの中にも、「れいまー」のご意見があったかもしれない。 一度、ネット上の自動翻訳にかけた時に「ゆっくり霊夢」という単語が何回か出てきたこともあった。 ゆっくりアリス愛好家「ありさー」や、ゆっくりパチュリー愛好家「ぱちゅりあ」などのメールもあったが、れいまーが一番多かった。 なので、今回のターゲットはゆっくり霊夢なのだ。 秋と言っても、まだ9月始め。 夏は最後の抵抗とばかりに、気温を上げてくるだろう。 早朝に出てきたのは、早めに取材を始めて終わりにしたかったのもある。 貴重な土曜日なのだ。 「さて・・・っと」 ゆっくり霊夢を探すといっても、単体ではつまらないと思う。 個人的に、ゆっくり霊夢の魅力はそのアホさと、母性にあると思っているからだ。 前にテレビCMで流れていた、とある政党の広告が記憶に新しい。 「家族とゆっくりできる日本を作る!」 というフレーズだった。 とりあえず流行りモノを利用しとけという、いかにも政治家らしいCMである。 そのCMの主人公は、ゆっくり霊夢であった。 周囲は薄暗く、広い部屋から物語は始まる。 プチトマトほどのゆっくり霊夢は、親もなく、孤独におびえていた。 ぷるぷると小刻みに震え、悲しげに泣く赤れいむ。 すると、そこにその党の党首が現れる。 大きな掌に赤れいむが乗り、満面の笑みを浮かべるのだ。 それから成体になるまでの時間は、アルバムをめくるかのようなエフェクトで進む。 お風呂で笑う赤れいむ、野菜に目を輝かせる赤れいむ、ケガをして大泣きする子れいむ、ベッドで党首に寄り添って寝る子れいむ。 1匹のゆっくり魔理沙と出会い、恋をして、プロポーズをされる。 そうすると、アルバムが閉じるエフェクトが入るのだ。 最初、赤れいむが孤独におびえていた部屋。 そこには成長し、親れいむとなったれいむと、伴侶の親まりさ、そして小さな赤ちゃんゆっくりが8匹もいる。 「おじさんのおかげでゆっくりできたよ!これからもゆっくりしていってね!」 それに笑顔で党首は応え、視聴者に向かってキャッチフレーズを言うのだ。 そのCMはそれなりにインパクトがあったようで、ペットショップでれいむ種が飛ぶように売れたらしい。 一時の流行でペットを買うあたり、実に情けない国民性である。 そもそも、れいむ種に限らず大抵のゆっくりは母性が強い。 なんとなくイメージがついているだけで、母性の強さは個性によるものが大きく、種の平均を見てもたいして変わらないと専門家がよく言っている。 しかし、ゆっくり大国の日本がそんなイメージに染まっているせいか、諸外国でも「れいむ種=母」といったイメージが強い。 ブログを見てくれている外国人も、きっとそういうものを期待しているのだろう。 あえて、母性のカケラも持たずシビアに都会を生きるれいむを撮影してもよいのだが、今回は家族を持つれいむ種を追うことにする。 「ん、いきなりか」 駅を出て少し歩くと、乱雑に投げ出された自転車の山の中に、1匹のゆっくり霊夢がたたずんでいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 俺が注目していることに気がついたのか、そのれいむは俺に向かってお得意の挨拶をしてくれた。 都会に住むゆっくりは、大抵愛想がいい。 「ああ、ゆっくりしていってね」 自転車をかき分け、俺はれいむに近づいた。 大きさはバスケットボールよりも少し大きい。 かなりの大型だ。 「ん?」 そして、綺麗だった。 髪の毛は油汚れやホコリがついていることもなく、サラサラとしている。 リボンの赤がまぶしい。 「お前、ペットか?」 「ゆゆ!そうだよ!おにいさんをゆっくりまってるの!」 ペットだというのに、リボンにペット証が付いていなかった。 人目につくとは言え、ペット証も付けずに放置するなど考えられないことだ。 つまり考えられることは一つ。 「いつから待っているんだ?」 「ゆー!きのうからだよ!おにいさんがいってたよ!ここでゆっくりしてねって!」 要するに、捨てられたのだ。 捨て犬、捨て猫のように、捨てゆっくりは今や大きな社会問題の一つになっている。 残念ながら、飼い主の住所氏名を言えるようなゆっくりはまずいない。 なのでペット証を外せば、簡単に捨てられてしまうものなのだ。 「おにいさんが、れいむにおともだちをつれてきてくれたんだよ!はやくかえっていっしょにゆっくりしたいね!」 ゆんゆんと歌い始めるれいむ。 まだ捨てられたことに気が付いていないのだ。 「お友達か。なんて友達?」 「ゆゆっ!まりさだよ!すごくゆっくりしたあかちゃんだよ!れいむのあかちゃんじゃないけど、いっしょにゆっくりしたいよ!」 俺はカメラを構えていた。 これは使えるかもしれないからだ。 「そーか。可愛いまりさなのか。よかったなー」 「ゆゆん!とってもうれしいよー!」 満面の笑み。 れいむは知らない。 最近、まりさ種が注目を浴びていることに。 最近始まった、大手飲料メーカーがやっているCMは、ゆっくり魔理沙が主人公だ。 そのCMがウケた結果、まりさ種がブームになっている。 元飼い主はきっと、あの政党のCMを見てこのれいむを飼い始めたのではないだろうか。 れいむの大きさとCMの時期から考えて、そんな感じがする。 そして次のブームが来たので、古いれいむは捨てて新しいゆっくりに手を出したと。 「まあ、お前はでっかいからなー」 「ゆ?」 ぽむぽむとれいむの頭をなでる。 そう、無駄に大きい。 はっきり言って部屋の邪魔になるレベルだ。 求めるエサの量も多いだろう。 しかも大きいからといって、メリットもない。ごく潰しの粗大ゴミだ。 まりさ種ブームがこなくても、いずれ捨てられたのではないだろうか。 「ま、頑張って待ってな。俺はもう行くよ」 「ゆっくりがんばってね!」 何をするのかも分からない癖に、応援をしてくれる。 こんなに良いゆっくりを捨てるなんて。 世界のれいまーの方々はさぞ嘆き悲しむだろう。 せっかくなので、しばらくしたらまたここに来よう。 その時はきっと、いつまでも帰ってこない飼い主をボロカスになりながら待つれいむがいるはずだ。 コラムの題材に丁度いい。 そんなことを考えながら、俺は家族持ちのゆっくりを探しに行った。 翌日。 俺はまた昨日と同じ駅で降りた。 昨日は一日探したというのに、家族持ちのゆっくりは1匹も見つからなかった。 独り身の成体ゆっくりは腐るほどいたというのに。 やはり、エサの少ないこの地区では家庭を持つのは厳しいのかもしれない。 俺は前に撮影をした繁華街に行こうと考えていた。 わざわざこの駅で降りたのは、昨日見つけた、捨てゆっくり霊夢の様子を見るためだ。 「ゆぅ・・・・おに・・・ざ・・・」 昨日と同じ場所。 そこにいたれいむに、昨日の面影はなかった。 「随分とまあ・・・」 カメラを構える。 「昨日のれいむかな?」 小型マイクを手に乗せ、れいむの方に向ける。 それをエサだと勘違いしたのか、れいむが一瞬だけ目を光らせた。 「これは食べられないよ」 しゅん、と小さくなる。 そして泣き始めた。 「ゆぉっ・・・ゆゆゆうううう・・・!おにいざんもどっでぎでよぉおお!!!」 電車の音と、鳥の声だけが響く早朝の空に、れいむの嘆きが混ざる。 そして、その嘆きに応えたのは俺ではなかった。 「おきゃーしゃん!なかないで!」 「ゆっくちしようね!」 「ゆー!」 そう、れいむは一晩で親となっていた。 何度頬を重ねたのかは分からない。 だが、俺の目の前には50匹をゆうに超える赤ちゃんゆっくりが所狭しと犇めいていた。 「こりゃ凄い」 ぞわぞわと動く様は、ヘタな害虫よりも気持ち悪い。 親れいむに「すーりすり♪」と言いながらまとわりつくプチトマトの集団。 ヒルか何かに浸食されているようだ。 「れいむ、これどうしたんだ?」 頭は撫でない。 昨日に比べると、だいぶ薄汚くなっている上に、赤ゆっくりを実らせていた茎が生えっぱなしだったからだ。 茎は6本。 交尾が成功した回数だけは分かった。 「ゆっ!ゆっ・・・!」 ぽろぽろと涙をこぼしながら、親れいむはゆっくりと話し始めた。 昨日、俺が立ち去った後もれいむはここで元飼い主を待っていたらしい。 だが、いつまでたっても飼い主はやってこない。 諦めず、それでも待っていると1匹のゆっくり魔理沙がやってきた。 動く汚物のようなまりさだったという。 飼いゆっくりとして生きてきたれいむには、直視できるものではなかった。 「ゆ!すごくきれいなれいむだね!」 そう言いながら、まりさはれいむに寄って来た。 れいむは逃げ出したかったが、逃げた間に元飼い主が来るかもと思い、逃げられなかった。 「すごくおっきくてゆっくりしてるね!きれいなりぼんだね!まりさとゆっくりしていってね!」 そのまま頬を押し付けられ、初めての交尾を経験したのだという。 一度の交尾でまりさは満足してどこかへ行ってしまった。 残ったのは頬に残る不快感と、頭に生えた茎。 飼いゆっくりは、野良ゆっくりから見れば絶世の美ゆっくりだ。 栄養状態もよく、大型であったれいむは魅力的な存在だった。 その後も、近くを通ったゆっくりに次々と頬を押し付けられ、交尾に疲れて眠ってしまったのだ。 「なるほど。お前は可愛かったからな」 過去形。 なぜなら今はあまり可愛くない。 「おちびちゃんたちもかわいいよ・・・」 ぴょんぴょん跳ねる赤ゆっくり、まりさ種を親れいむは舌でぺろりと舐める。 嬉しそうに赤まりさは跳ねる速度を上げた。 「どぼじで・・・れいむはなにもわるいごどじでないのにぃい・・・む゙りや゙りずっぎりずるなんでひどいよぉお・・・」 赤ちゃんの誕生は嫌ではないようだが、無理やりのすっきりがお気に召さないようだ。 「しかし、どんだけ種類いるんだコレ」 見れば、れいむ種とまりさ種がほとんどであったが、ありす種やぱちゅりー種までいる。 栄養たっぷりの親れいむだからこそできた出産だろう。 「家庭を持つゆっくり霊夢」という条件は満たせないが、「子を持つゆっくり霊夢」というシチュエーション。 良い題材かもしれない。 「捨てられた飼いゆっくりの末路」というテーマでうまいこと編集しよう。 俺は素早く、親れいむのリボンに小型マイクを仕込んだ。 「ゆ?」 違和感を覚えたのか、親れいむが声を出す。 何か言われる前に、俺が先制する。 「ま、そのうちお前の飼い主も帰ってくるだろうよ。ガンバレ」 「ゆっ・・・ゆっくりりかいしてるよ・・・ゆぅ・・・」 小さく丸くなった親れいむをおいて、俺はその場を離れた。 幸い、近くには隠れて撮影するのに好都合なモノがいくつかある。 俺はとりあえず高架橋の柱に身を潜めた。 『・・・ゆゅ・・・おにいさぁん・・・・れいむ、ゆっくりできてないよぉ・・・・』 耳につけたイヤホンから、親れいむの独り言が聞こえてくる。 『ゆゅー!』 『おきゃーしゃん、おなかちゅいたー!』 同時に、赤ゆっくりの甲高い声もマイクに届く。 『ゆ・・・!ごめんね!おにいさんがかえってきたら、すぐゆっくりできるからね!』 どうやらあの親れいむは、茎を落として食べさせることを知らないようだ。 粗悪品を売る、激安ペットショップ出身かもしれない。 困惑する親れいむの顔にズームイン。 頭にエサがあるというのに、無知とは罪なものだ。 メガネを額に上げたことを忘れて、メガネメガネと彷徨う人のよう。 『ゆー!もうがまんできにゃいよ!』 『ごはん!ごはーん!』 『れーみゅ、あまあまたべちゃい!』 『まりしゃも!』 『ありちゅもあまあま~!』 『むきゅ・・・・・ぱ・・・も・・・』 少し離れているが、赤ゆっくり達の声はマイク越しでなくとも聞こえる。 「住宅街だったら即死だな」 もっとも、あんな危機意識のないゆっくり達は即死でなくともいずれ死ぬ。 死までの時間が少し長引くだけだ。 『あかちゃんたち、おねがいだからがまんしてね!おにいさんがきっとゆっくりさせてくれるよ!』 『はやくゆっくちちたい!』 『おかーしゃんはゆっくちさせてくれないの!?』 『もうがみゃんできないいい!!』 『ゆっ!?おにいしゃん!ありちゅにごはんちょうだいね!』 1匹の赤ありすが、道行く男性に声をかけた。 スーツ姿の男性だ。時間的に、休日出勤をするサラリーマンだと思う。お仕事お疲れです。 『きいてりゅのぉ!?』 男性は赤ありすとゆっくり約50匹をちらりと見ると、すぐに視線を正面に戻して歩いて行った。 一言も、赤ありすに言葉をかけることなく。 『ゆぎゅ!いなかもにょ!ありちゅにごはん!』 野良ゆっくりの相手などする人間は、ほとんどいない。 マナー違反であるし、下手に甘やかせば余計に酷い思いをすることが多いことを知っているのだ。 「ああ、出勤時間か」 時計を見れば、今は出勤するサラリーマンが増えてくる時間帯だ。 柱に隠れてカメラを構える俺は、さぞかし怪しい姿に映るだろう。 最悪、盗撮魔と通報されてしょっぴかれてしまうかもしれない。 「んー」 数秒考え、俺はカバンを近くのフェンスに引っかけた。 続いて、カバンにカメラを入れる。 「角度は・・・っと」 カバンには穴が空いているので、そこにレンズを突き通す感じでセッティング。 ちゃんと録画されていることを確認し、俺はフェンスに寄りかかるように座った。 パッとみた感じ「フェンスに寄りかかって音楽を聴いている男性」に見えないこともない。 ただ、カバンとカメラを調べられたら一発で盗撮の烙印を押されてしまうので注意だ。 『ゆゆ!おねえさん!れいむのおにいさんをしってたらゆっくりおしえてね!』 そうこうしている内に、駅に向かうサラリーマンやらOLが増えてきたようだ。 親れいむは道行く人に、必死で元飼い主のことを尋ねている。 健気だ。 『ゆっくりしてね!おねがいだかられいむにおしえてね!』 1人のOLに目をつけた親れいむが、ぴょんぴょんと跳ね寄って行く。 『ちょっ・・・ちょ、こっち来ないでよっ!』 カメラの角度が気になったが、多分撮れているだろう。 親れいむは必死でOLを追いかけていた。 まるで、そのOLが飼い主であるかのように。 そしてそれに赤ゆっくり達も続く。 多分何も分からず、とりあえず親に置いて行かれないようにしているだけだろう。 50匹近い赤ゆっくりの集まりは、丸い影のようにも見える。 それがぞわぞわと動いているのだ。 『うっわ、きっもぉ!何でこんなに湧いてんの!?』 片足を上げ、露骨に嫌な顔をするOLと、それを哀れそうに見つめるサラリーマン達。 『ゆ!れいむのかわいいあかちゃんだよ!ゆっくりあやまってね!』 『ゆー!ゆっくち!』 『おねーしゃんはゆっくちできりゅひとぉ?』 『いっちょにゆっくちちようね!』 『ありちゅがしゅりしゅりしてあげるね!』 親れいむに追いついたため、マイクに赤ゆっくりの声が届いた。 『・・・うっざ。も、いいわ』 言うが早いか、OLは全力疾走で駅の方へと駆け抜けていった。 『邪魔だ、どけ』 次に飛び込んできたのは、低い声。 近くにいた、頭をハゲ散らかした男性が言ったようだ。 『むー!じゃまじゃないよ!ゆっくりおこるよ!ぷんぷん!!』 『ぴゅんぴゅん!』 『ぷんっ!』 親れいむはその事実を否定するが、はたから見ても邪魔そうだった。 本格的に人が多くなってきたこともあるし、親れいむはじめ赤ゆっくりは道のド真ん中でぷんぷんしているのだ。 ここは駅に行くのにちょうど良い道であるし、さぞかし邪魔だろう。 そんな、混雑した道。 1匹の赤まりさが、親れいむを中心とした塊からはぐれていた。 無数に動く足のなか、その姿を発見できたのは奇跡といっていいだろう。 『おちびちゃん!こっちにおいで!そっちはゆっくりできな』 言い終える前に、赤まりさは潰れされた。 悲鳴も聞こえない。 潰れた音も聞こえない。 聞こえるのは、人の込み合う時に出るごみごみとしたノイズだけ。 しかし親れいむの眼には、赤まりさが潰された様子が鮮明に写っていたようだ。 『れ゙い゙ぶのあがぢゃ゙ん゙ががあぁあ゙ああ゙っ!!!!』 イヤホンから飛んできた爆音に、俺は一瞬目を瞑った。 一気にどよめく人の波。 親れいむの叫びは、ものすごい音量であった。 『あがぢゃんだちぃぃぃ゙い゙!はや゙ぐにげでぇええっ!!ごごはゆ゙っぐりできな゙いよぉぉ!!』 『ゆっ!?』 『ゆっきゅりできにゃい!?』 『こわいいぃい!!』 ゆっくりできないという事実に、赤ゆっくり達は恐怖した。 道の中央で一か所に集まっていた赤ゆっくりは、四方八方へと蜘蛛の子を散らすように逃げていく。 「うえっ!!ふんじまった!」 「げえ!きったねえ!」 「こっちくんなっ!」 残念ながら、親れいむの叫びで波は止まらなかった。 どよめきながらも、駅へと進む人々。 プチトマトほどの赤ゆっくりは次々と潰されていく。 『や゙べでえぇえっ!!れいむ゙のあがぢゃんふまないでぇええええっ!!!』 そんな切なる願いに返ってきたのは、踏んだことに対する嫌悪感に満ちた声。 『ゆぼおぉおっ!?』 すると、誰かに蹴られたのか、親れいむが人の中から飛び出してきた。 一瞬、俺と目が合うが、すぐに視線をさっきまでいた場所に戻す。 『あがぢゃんっ!あ゙がぢゃん゙ん゙゙ん゙んん゙っ!れいむの゙ぉおっ!!れいぶのあがぢゃんっ!がえじでぇ!!ゆっぐりがえじでねっ!!』 親れいむは戦場へと戻って行った。 2時間後。 親れいむは道の隅で目が覚めた。 メタボリックな人に踏みつけられ、ずっと気を失っていたのだ。 「ゆ゙・・・!?あ、あがっ、あがぢゃんっ!?」 もう歩く人はまばらだった。 だからよく見える。道にこびりついたいくつもの円が。 「ゆがっ・・・ゆぎ・・・あがっ、れいぶのっ・・・!?」 一番近くにあった黒い円に、親れいむはソロソロと近づいた。 俺は背後からカメラを構えている。 「おちびぢゃん・・・まりざのおちびちゃん・・・」 黒い円の中心に、ぐちゃぐちゃになった帽子らしきものがある。 赤まりさの変わり果てた姿だ。 実に汚い。 「ごっぢは・・・れ、れいぶど、れいぶどおなじおぢびぢゃん・・・ゆぅっ!」 次に近寄った円の中心には、黒と赤で見事なコントラストを奏でるリボンが置かれていた。 「あ、ありずのっ・・!おちびぢゃん・・・ゆぐうぅう!!」 薄い黄色の円は、赤ありすの潰れた跡だ。 皮とカチューシャが比較的分かりやすく残っていた。 朝からこんな不快な光景を目の当たりにしたサラリーマンが哀れでならない。 「どぼじでぇっ!?どぼじでごんなごどずるのぉおおっ!!?おにいざんどこにいるのぉお!?れいぶゆっぐりできないよぉぉお!!」 顔面をコンクリートに近づけながら、親れいむは嘆き悲しむ。 すると、フェンスの隙間から1匹の赤ゆっくりが近寄って来たではないか。 「おかーしゃ!れいみゅだよ!ごわがっだよぉおお!!」 ゆゆーと泣きながら、赤れいむは親れいむの頬へと飛び込んだ。 この赤れいむが唯一の生き残りのようだ。 「ゆっ!おちびちゃん!よがっだよおぉお!!いっじょにゆっぐりじようねっ!!みんなのぶんもゆっぐりじようねぇえええ!!」 「ゆっきゅりちたいよおぉお!!おかーしゃんとゆっきゅりちちゃいよぉお!!」 すぐに激しいすりすりが始まった。 大量に子を失った悲しさを埋めるように、2匹は体をこすり合わせる。 交尾とは違う、親れいむが赤れいむを包み込むように動くすりすり。 赤れいむの表情は涙であふれていたが、明るい顔をしていた。 「お、こりゃまずい」 ふと顔を上げると、数人の男性の姿が目についた。 全員が作業服を着てこちらに向かってきている。 俺は、親れいむに近づいた。 その顔は赤れいむと同じく涙でいっぱいであったが、優しい笑顔をしていた。 「マイク、返してもらうよ」 一言つぶやき、リボンからマイクを回収する。 「失礼します、こちらのゆっくりは」 立ち去ろうとする俺に、作業服を着た男性が声をかけてきた。 彼らは保健所の人間だ。 朝のラッシュの騒動で、誰かが連絡したに違いない。 こんなに仕事が早いなんて、公務員もバカにしたものではないと思う。 いつか、保健所の取材でもしてみたい。 「ああ、野良のゆっくりでしょうね。俺のじゃないですよ」 さよなら、ゆっくり霊夢。 最期に親子の絆を確認できてよかったね。 俺は餡子を踏まないように気をつけながら、駅へと向かった。 ふと壁を見ると、餡子がこびり付いている。 赤ゆっくりを踏んだ誰かが、靴をすりつけて汚れを落としたのかもしれない。 「やべでぇええええっ!!!れいぶのあがぢゃんがえじでぇええっ!!!」 背後から変な声が聞こえたが、俺は振り返らなかった。 おわり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1381.html
森に入りすこし大きな木を探して歩いていると木の根元の穴からゆっくりれいむの親子が出てくるのを見つけた。 いつものようにゆっくりに向かって叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」 外に出ていた4匹のゆっくりが反応してこちらを向く。大きさから親二匹と子供二匹というところか。 最近のゆっくりは人間を警戒するので近かった子供二匹をすばやく掴み、背負った籠に投げ込む。 すぐに何が起こったか理解できずにいる親ゆっくりを捕まえ先ほどのように籠に投げ込む。 「なにするの!ここじゃゆっくりできないよ!」 「おとーさんおかーさんおもいよ!」 「ゆっくりどいてね!」 「せまいよー」 背中でうるさいれいむどもは放っておき穴の中を探ることにする。 籠を地面に置くと、中のれいむたちは外に出ようと飛び跳ねる。 しかし籠の中は狭く、れいむたちは顔を離せずにいた。そんな状態では満足に飛ぶことも出来ないので外に出ることは不可能だった。 籠から出れないのを確認した俺は穴の中を見る。中は暗くよくは見えなかったが何かが動いたような気がした。 もう一度ゆっくりを捕まえるための言葉を叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」 「「「・・・ゆっくぃちていってね!」」」 「お菓子があるんだけど出てきてくれないかい?」 「ゆっ!おかち!おかちほちぃ!」 「ゆっくぃいくよ!」 「ゆーゆー!」 れいむ種は馬鹿なのですぐに顔を出す。まりさ種やぱちゅりー種はすぐに出てこないから難しい。アリス種はまりさがいるといえばすぐに出てくる。 そんなことを思いながら、出てきた三匹の赤ちゃんれいむを掴み籠に投げ込む。 「おかちどこー?」 「ゆっ!みんなだいじょうぶだったんだね!」 「おかしはないけどゆっくりしようね!」 「ゆっくぃするよ!」 家族の対面を眺めた後籠を担いで家に戻る。 玄関を開けて扉を閉めて外に逃げれなくすると、籠のれいむたちを外に放り出す。 「ゆぐぅ!」 「もっとゆっくりだしてね!」 「だいじょうぶ?れいむのかわいいこどもたちがけがするでしょ!」 「おなかすいたよ!おじさんなにかたべさせてね!」 「きたないおうちだね!れいむたちのおうちのほうがきれいだよ!」 「おかち!おかち!」 外に出たとたんに騒ぎ出すれいむたち。このままでは埒が明かないので一番近くにいたれいむを蹴り飛ばす。 「い゙だあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」 「な゙に゙ずる゙の゙お゙お゙お゙お゙お゙!!」 「「おとーさんをいじめるなー!」」 どうやら父役のれいむだったようだ。母役のれいむと成長している子れいむが文句を言う。赤ちゃんゆっくりは母ゆっくりのそばで震えていた。 俺は気にせず父ゆっくりを踏みつける。餡子をすこし出す父れいむ。 「ゆ゙ゆ゙ぅ・・・」 「静かにしろ」 「そのあs・・・いだぁあああ!」 「静かにしろ!」 喚く親子を黙らせる。子ゆっくりも何か言おうとしていたが、蹴られた母れいむを見て静かになった。 「よし、今から俺の言うことを聞けば生かしてやる。聞かないのならここで餡子をぶちまけろ。」 「言うことを聞けばお前達には何もしない。しかし、言ったことを守らなければすぐに潰す。」 俺の言ったことに対しれいむたちは考えるような仕草をみせた。 親れいむは目線で相談している。子供達は親れいむの決定をただ待っていた。 やがて決まったのか、親れいむがこちらを向く。 「おじさんのいうことをきくよ!」 「だからゆっくりさせてね!」 「こどもたちをころさないでね!」 「いうこときくからやくそくはまもってね!」 「あぁ、もちろんだ。約束を破らない限り約束を守ろう。」 子供達が大事だったのか俺に従うゆっくりれいむ。 俺は家の屋根を支える柱の一つにれいむたちを連れて行く。 「ここにお前達が上れる梯子がある。ここを上って小屋組に乗れ。その小屋がお前達のこれからの住処だ。」 「ゆゆっ?」 「上に大きい木が横になっているだろう。その上で住めと言ったんだ。屋根からは出れないように板を張っているから安心しろ。」 そう言ってゆっくりを一匹ずつ登らせていく。最後に俺も梯子のぼりゆっくりたちが全員木に乗れたことを確認する。 小屋組用の木はゆっくりが何とか一匹通れる大きさしかない。れいむたちは一列に並んだ状態になっていた。 それを確認した俺は梯子を降りて梯子を外す。これでれいむたちは無事に下に降りれない。 「その上でいる限り俺はお前達に何もしない。ただし、木を齧ったりしたら問答無用で潰すからな。 後、木から落ちて地面に着いたら俺は落ちた奴を潰す。数は覚えたから俺がいない間に落ちても探し出して潰す。餡子一粒でも落としたら潰す。 餌は3回俺が下から投げてやるから上手くとれ。それで落ちても容赦なく潰すからな。出来るだけ落ちないように投げてやるからそこは安心してろ。」 寝床は屋根に使ってる藁をとって勝手に作れ。ただし、お前達が動かした物を落としたら飯抜きだ。わかったな!」 言い終わるとゆっくりたちが理解できたかを確認する。れいむ種は馬鹿なので何回か言うつもりだったがどうやら理解したらしい。 用は地面に落ちなければいいというだけなのだかられいむでも何とか覚えれたか。そんな風に思いながら、今日は寝ることにした。 翌朝、目が覚めると天井のゆっくりたちを確認する。どうやらまだ一匹も落ちていないようだった。 しかし、赤ちゃん以外のれいむたちは疲れているように見える。 「どうした?ゆっくり寝れなかったのか?」 「こんなところじゃねれないよ!もっとひろいところがいいよ!」 「赤ちゃんは寝れたみたいだな。」 「おかーちゃんがくちのなかでねしゃせてくれたの!」 「まぁそのうちなれるさ。」 赤ちゃんが元気な理由を確認してから朝食を作る。 天井のゆっくりたちはそれを隣の部屋の天井から覗き込んできた。よだれが落ちないように口を閉じてるが体ごと落ちてきそうだった。 そんな様子を笑いながら見ていると、押入れの中から音がしだした。どうやら一緒に暮らしている一匹が起きたのだろう。 ふすまが開くと紫の髪と黒い帽子を被ったそいつらは俺に向かって一言。 「「ゆっくりしていってね!」」 「おう、おはよう」」 「「おにーさんおは『ゆっくりしていってね!』ゆっ!?」」 どこからか聞こえてきた声に驚く二匹。きょろきょろするが該当するものが見つからなかったのか、二匹で仲良くこっちに跳ねてきた。 天井の上にいるれいむたちは木が邪魔で見えなかったようだ。 上にれいむの家族がいることに気づかなかった二匹は俺の作った朝食をれいむたちがいない部屋の机に並べてくれた。 この二匹はゆっくりまりさとゆっくりぱちゅりーで、去年森で傷つき倒れていたのを拾ってからの付き合いだ。 元気になってからは積極的に俺の手伝いをしてくれるので家においている。どうやら恩返しのつもりらしい。 今ではまりさとぱちゅりーに押入れの一つを巣として提供し、一緒に暮らしていた。 俺としても話し相手とゆっくりの行動を観察という暇つぶしが二つも出来て結構満足していた。 そんな二匹と朝食を食べる。ゆっくりの下には新聞を敷いているがほとんど汚さないままゆっくりと食べている。 二匹が仲良く食べてるのを見た俺は隣部屋の天井を見る。そこではゆっくりれいむたちが俺達の朝食を眺めていた。すこし騒がしかったがこちらの部屋までは聞こえてこない。 親子が横一列に並んで俺達を見ている姿は面白く、俺は笑いをこらえるのが大変だった。 「ゆっくりたべたよ!ごちそうさま!」 「よし、それじゃあ今日は俺が一人で片づけするからお前達は外で遊んできていいぞ。」 「むきゅ!でもおにーさんにわるいよ!」 「まぁたまにはいいじゃないか。二人で遊んでおいで。あ、それと向こうの部屋には入らないでね。入ると俺がゆっくりできなくなるんだ。」 「わかったよ!べつのへやでゆっくりするね!いこう、ぱちゅりー!」 「むきゅう!」 俺の申し出に最初は戸惑っていた二匹だったが、向こうの部屋に入るなという言葉で、俺が何か大事な仕事があると勘違いしたのだろう。 二匹は縁側の方に飛び跳ねていって、そこでゆっくりしだした。 俺は残ったご飯でおにぎりを7個作り、れいむたちのいる部屋に入る。 「おい、ご飯を持ってきたぞ。」 「おそいよ!はやくもってきてね!」 「まりさとぱちゅりーだけずるいよ!」 「ごはんーごはんー」 口々に文句と朝食を催促するれいむたちに先ほどのおにぎりを投げてやる。 「ちゃんととれよ。」 そういってゆっくりと放り投げてやる。まず最初に親と子ゆっくりがそれぞれきゃっちし食べ始める。 それをうらやましげに見つめる赤ちゃんゆっくり。 「おかーさん、れいみゅのもとってー」 「おとーさん、わたしもー」 「はやくたべたい!」 「わかったよ!おじさんあかちゃんたちのはれいむがとるからこっちになげてね!」 赤ちゃんゆっくりに急かされて、おにぎりを食べた母れいむがおにぎりを捕まえようと口をあける。 母れいむに一番近い赤ちゃんは母にべったりとくっついて一番に貰う気のようだった。 俺はまとめて3つ投げてやった。 「ゆっ!?」 驚く母ゆっくり。しかし、3つともまとまっていたので少し動くだけで3つとも取れた。 「ごはんとれたよ!ゆっくりまってね!」 べちゃ。 「あれ!?れいむのあかちゃんがひとりいないよ!」 見回してもあかちゃんが一匹いないことを不思議がる母れいむ。周りのゆっくりたちを見ると全員青い顔で下を見ていた。 まさか・・・ 「い゙や゜あ゙あ゙あ゙あ゙れ゙い゙む゙の゙あ゙がぢゃん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!!」 母親もやっと気づいた。おにぎりを三つ取ったときに動いたせいで赤ちゃんを突き落としてしまったのだ。 赤れいむは何が起こったのか分からない顔で畳に激突した。餡子が飛び散る。 これは手を出すまでも無かったので畳の餡子とれいむだった皮を回収。 いまだ声が出せないれいむ達を置いてまりさとぱちゅりーのところに向かった。 「おやつのじかんだぞー。」 「ゆっ!おやつおやつ!」 「むきゅきゅーん!」 三人で仲良く死んだれいむを食べる。地面に着いた方をゆっくりに食べさせ上のまだ綺麗な方を俺が食べた。 しばらくそこでゆっくりと戯れてかられいむ達を見に行った。 先ほどのことは都合よく忘れたのだろう。れいむたちは落ちないように木にくっついていた。 「どうした?そこは飛び跳ねたりしても安全だぞ。何もしないからゆっくりしていいぞ。」 「ここじゃこわくてとびはねられないよ!」 「もっとゆっくりできるばしょがいいよ!」 「や゙め゙でえええ!みをのりださないでえええ!」 ゆっくり一匹が乗れるぐらいの木の上では満足に飛び跳ねれないのだろう。そろそろと這うように木の上を動いている。 位置を変えるときはどちらかがその上を通らないとダメで、できるだけ潰れるれいむをそろそろとれいむが這って動くのは面白い動きだった。 親ゆっくりは先ほどのことをまだ覚えていたのか、子供達が落ちないように動作一つ一つに気をつけていた。 特に赤れいむには顕著で、自分から離れようとする赤ちゃんをすぐしかりつけて近くに置く始末だった。 これじゃゆっくり出来ないのも無理は無い。そう思いながら畑仕事に向かった。 畑仕事もまりさとぱちゅりーは手伝ってくれる。まりさは畑に生えた雑草を抜き、ぱちゅりーは生えている野菜に何か異常が無いか調べる。 俺は野菜に水をやり、ぱちゅりーの調べた野菜に薬を撒く。雑草はまりさとぱちゅりーが食べてくれるので、捨てる必要はなかった まりさとぱちゅりーが雑草や野菜につく虫を食べている間に俺も昼食を取る。 昼飯ようにおにぎりをれいむたちの分と一緒に作ってやる。俺の分にはおかずを入れ、れいむたちには何も入れない。 おにぎりをもって畑に向かう前に朝のように投げてやる。今度は赤ちゃんは母れいむに近づかなかった。 餓死されては掃除が面倒なので、それなりの量のおにぎりなので重く、親ゆっくりは平気だったが子ゆっくりは受け取ると同時に落ちそうになった。 周りの子ゆっくりと親ゆっくりが齧りついて何とか落ちなかったが、大きいおにぎりを口に含んで喋れない子れいむの顔は喉を詰まらせたみたいで、目が吹っ飛ぶんじゃないかと言うような顔だった。 声が出せなかったが齧られて相当痛かったのだろう。 そんな様子を見て満足した俺はまた畑仕事に戻った。 畑仕事が終わり戻ってくると、なにやら騒がしい。俺はまりさとぱちゅりーに先に庭で遊んでおいでと言って中に入る。 案の定、子れいむが一匹落ちたらしく必死に柱を登ろうと柱に向かってジャンプしていた。 子れいむは赤れいむよりは頑丈だったようで大きなあざはあったが餡子は出ていなかった。 それを上かられいむたちが応援している。扉が開いて俺が入ってきたことに気づいた天井のれいむたちは落ちたれいむを助けようと叫ぶ。 「おじさんがきたよ!ゆっくりにげてね!」 「ゆっくりかくれてね!」 「ゆーゆー!」 「ゆっくりかくれるよ!」 そんなことを言いながら、子れいむはなべの中に飛び込んだ。 俺は先ほどから見ていたのですぐになべに入ったれいむに近づく。 「ゆゆっ!そこにれいむはいないよ!おじさんばかだね!」 「そうだよ!れいむはかしこいからもうにげちゃったよ!」 「おじさんばかだね!」 「ゆっゆっ!」 どうやら必死に俺の注意を逸らそうとしているようだったが、逆効果だ。 俺はなべのなかで震えているれいむをとりだす。 「ゆっくりやめt「おらぁ!」ゆべっ・・・」 何か言おうとするれいむを無視して両手で押さえつける。れいむは喋れなくなったがまだあんこは出ない。 台所に行きれいむをまな板に載せ包丁を入れる。 「あがっがgっがgggg」 「なかなかかたいな。」 皮を何とか切り開くとおいしそうな餡子が見えた。切り口を引いて餡子を取りやすくする。 まだ意識はあるようで「ゆ゙っゆ゙っ・・・」と震えるれいむを皿に押し付け喋れなくし庭に持っていく。 働いた後の甘味はとてもおいしいのだ。 途中れいむたちのいる部屋を通ると俺が何を持っているのか気づいた親れいむは泣きながら良く分からない言葉を叫ぶ。 子供達は発狂したような親れいむからできるだけ離れようと必死だった。落とされないためだ。 庭に着いた俺はまりさとぱちゅりーを呼び、一緒にれいむ餡子を食べることにした。 天井で満足に跳ねたり寝ることも出来なかったれいむはずっとストレスを溜めていたためとてもおいしかった。 加工場ほどの味ではなかったが、手軽に出来るため、我が家のおやつとして定着していた。 ちなみにまりさとぱちゅりーは同属の餡子を食べてることには気づいていない。 いや、気づいているのかもしれないがあまり気にしていないようだった。 森で住んでいたときに何かあったのだろうが今はどうでもいい、俺はおいしそうに餡子をたべるまりさたちを見ながられいむの頭の中に手を突っ込んだ。 存分にゆっくりし、夜食をまりさとぱちゅりーとともに取る。れいむたちにはおにぎりをいつものように投げてやる。 残飯でも良かったが、そんなものを食べた餡子を食べたくなかったのでおにぎりをやることにしている。 今回も落ちずにご飯を食べれたれいむ達を見てまりさやぱちゅりーの部屋に戻る。 まりさとぱちゅりーが押入れに入ったのを確認した俺はれいむ達をまた見に行く。 子れいむと親れいむたちは眠そうにしているが、寝ると落ちるので必死に寝るのをこらえていた。 母れいむは赤ちゃん達が落ちないように口の中に入れて起きている。中で赤ちゃんがすやすや寝ているのをどう思っているのだろう。今までの経験から一週間ほどでフラフラと全部落ちてくるだろう。それまでにまた補充しないとな。 「おやすみ。ゆっくりしていってね!」 次の日に森でまたれいむ一家を捕まえた。れいむ種が一番数が多いので良く見つかる。 籠に入れて戻ってきた俺は籠から出したれいむに天井での生活を教えこませて天井に梯子をかけた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3696.html
注意 死なないゆっくりがいます。 ぬるめです。 死後のゆっくり 「ゆ、じじぃ!!ここはまりささまのゆっくりぷれいすなんだぜ!!にんげんさんはつうこうりょうをはらっていくんだぜ!!」 俺が道を歩いていると饅頭が話しかけてきたので蹴っ飛ばしておいた。 「ゆぎゃべ!!」 コロコロと道端に転がっていく。すると物陰から伺っていた番らしきれいむが出てきた。 「ばりざぁぁぁぁぁ!!だいじょうぶ!!ゆっぐりじでねぇぇぇ!!」 あたまの茎をゆっさゆっさ揺らしながらまりさに近づいてくる。よく落ちないな。 「ゆぐぐ、だいじょうぶだよれいむ・・・。って、でてきちゃだめでしょぉぉぉぉ!!なんででてくるのぉぉぉぉ!!」 「まりざがじんぱいだからでしょぉぉぉぉぉぉ!!どぼじでぞんなごというのぉぉぉぉぉ!!」 なんかうるさいので黙らすことにした。 「ゆげっ!!やべっ!!ばりざざま・・・ゆべっ!!・・・づよいんだ・・・ゆぼべぇ!!」 「や、やめてね!!れいむにはあかちゃんがいるんだよ!!ゆへへ・・・れいむにはかわいいあかちゃんがいるんだがらてはだせないよね・・・ ゆっぎゃああああああああああ!!やべでえええええええええ!!でいぶにはあがぢゃんいるのにぃぃぃぃぃぃぃ!!」 さて、体は黒ずんでボロボロ、歯はガタガタ。帽子もリボンも見る影もなくなったこの二匹。 無事なのはあえて残したれいむの茎についた赤ゆっくりのみだ。 「ゆぁぁ・・・ごれじゃあもうゆっぐりでぎないぃぃぃ・・・」 「せっがぐあがぢゃんがうばれるのにぃぃぃ・・・」 まあこれだけ痛めつけられていれば自然治癒も難しいだろうからな。 「ゆぅぅぅゆっぐりじだいぃぃぃ・・・いだいのなんどがじでぇぇ・・・」 暇だし少しからかってやるか。 「なんとかしてやろうか?」 「「ゆ"ゆ"っ!」」 一斉にこっちを見るゆっくり。 「くそじじぃ・・・はやぐばりざざまをだずげるんだぜ・・・でないどいだいめみるんだぜ・・・」 「はやぐじでね・・・でいぶのがわいいあがぢゃんがみれなぐっでもいいの?」 こいつら・・・誰がこんなめにあわせたかもう忘れたのか? まあいいやこいつらの餡子脳に付き合っていたら時間がいくらあっても足りやしない。 「ああ、いい方法がある。・・・幽霊になればいいんだよ。」 「ゆうれい・・・?なにぞれ?」 「あ~なんていうか・・・すごくゆっくりしたゆっくりだけがなれる究極にゆっくりした状態・・・かな?」 「ゆ"、きゅうきょくにゆっぐり・・・?」 「ああ、そうすれば俺にも手出しはできないし、永遠にゆっくりできるんじゃないのかな?」 「ゆ"、どうずれば“ゆ~れい”になれるの・・・?」 「簡単さ、幽霊になりたいって強く念じながら眼をつぶるだけでいい。後の手順は俺がやってやるよ。」 「ゆっぐりりがいじだよ・・・ゆっへっへ、にんげんざんはばかだね!! まりざだぢはゆっくりをこえたきゅうきょくのゆっくりをてにいれるよ・・・」 「れいむたちはゆっくりをちょうえつするよ・・・。」 なんだか聞いたことがあるようなないようなセリフを吐いて眼を閉じる二匹。 なにやら必死に念じているようだ。・・・さて、動きも止まったのでさっさと踏み潰させてもらおう。 グシャ!! 「ゆべえっ!!」 グシャ!! 「ゆぼろっ!!」 見事にぺっちゃんこに潰れる二匹。間違いなく死んでいるだろうな。 さて、適当に思いつきで幽霊になればいいなんていったけどほんとうになったりするのかな? っていうかこいつらに魂ってあるのか? などと考えていたら、潰れた饅頭から何か白いものが出てきた。 「ゆ~どろどろどろ~・・・」 「ばけてでるよ~、おどろくの?しぬの?」 「うわっ、マジで出てきた!」 そこには憎たらしい顔と各々の飾り、あとよく幽霊がつける三角のやつ(天冠というらしい)のついた白い丸いものがゆらゆら浮かんでいた。。 「ゆっふっふ、まりさはゆ~れいさんなんだよ!どどろいたでしょ!!これでにんげんさんにもてはだせないよ!!」 「わかったらはやくおかしをちょうだいね!!れいむはおなかがすいたんだよ!!」 「ああ、わかった。・・・ホレ。」 俺は持っていた小さいキャラメルを地面に置いてやった。 「ゆっへっへ、ゆ~れいになったまりささまはむてきなんだぜ。あまあまさんいただくんだぜ・・・むぐむぐ・・・?」 「ゆゆ~ん♪さすがはれいむのまりさだよぉ~。じゃああまあまさんいただくよ・・・むぐむぐ。・・・ゆ?なにこれ?あじがしないよ?」 「ゆゆゆ!まりさもだよ!!やいくそじじぃ!!これはあまあまさんじゃないよ!!はやくちゃんとしたあまあまさんをちょうだいね!!」 「いや、違うよ。それはちゃんとしたキャラメルで甘いものだし。それに味がしないんじゃなくてお前らが食べることができてないだけだよ。 そら、ちゃんとそこにキャラメルあるだろ?」 男が指し示した場所には男の言ったとおりちゃんとキャラメルが原型のままあった。 「ゆ!ほんとだ!ゆっくりいただくよ!・・・むぐむぐ・・・どぼじでたべられないのぉぉぉぉ!!」 「そりゃ幽霊だからなぁ。この世の食い物は食えないんじゃないかな。」 「じゃあどうずればいのぉぉぉぉ!!」 「さあ?どうもしようがないんじゃないかな?」 「そんなのやだぁぁぁぁぁぁ!!」 じたばたと暴れる二匹だが実際俺にはどうしようもないことだしなぁ・・・。 ていうか幽霊だから物食わなくてもいいんじゃないのかね?教えないけど。 「ゆぎぃぃぃぃ!!まりざざまをごんなめにあわぜるばがなじじぃはじね!!ざっざどじね!!」 まりさがこっちにのろのろと突っ込んでくる。 「ゆ!いいよまりさ!!まりさのちょっといいところをれいむにみせてね!!」 「まかせてねれいむ!!」 しかしおそいなこいつら待ってるほうが疲れる。 ようやく俺にたどりついたまりさ。追突する直前に眼を閉じ防御体制をとる。 しかし、まりさのからだは俺のからだをスゥ・・・と通り抜けまりさはそれに気づかぬまま進んでいく。 「まりさーー!!うしろ、うしろ!!」 「ゆ?・・・ゆゆ!!きたないじじぃなんだぜ!!まりささまのこうげきをよけるんじゃないんだぜ!ぷんぷん!!」 そういって再び体当たりを試みるまりさ。だが何度やってもぶつかることはない。 「どぼじでぶつからないのぉぉぉぉぉ!?」 「まあ幽霊だからな。この世のものには干渉できないんじゃないか?」 「じゃあどうずればにんげんざんをだおぜるの!?」 「さあ?無理なんじゃないかな?俺もお前らを倒せないけど。」 「なにぞれぇぇぇぇ!!だまじだね!!ぐぞじじぃ!!」 「騙してないだろ俺には手出しできないんだから。」 「うるざいよ!!ごんなのぜんぜんゆっぐりでぎないよ!!」 ギャーギャー五月蝿いな。害はないとはいえあまりにやかましい。 そういえば前に読んだ漫画にお経で悪霊退散させるのがあったな。やってみるか。 「え~っとどんなんだったかな?確か・・・南無大慈悲救苦救難広大霊感うんたらかんたら・・・」 「「ゆぎゃあああああああああああ!!やべでえええええええええ!!」」 お、効いてる、効いてる。なんか上のほうが薄くなってきてる。 「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカうんたらかんたら・・・」 「「ゆぎゃあああああああああ!!いだいいいいいいいい!!エレエレエレエレ!!」」 なんか吐いてる。・・・これ病気とかを治すときに言う真言だったと思うんだが・・・ 適当でもいいのかな? 「チャー○ーヘッチャラーうんたらかんたら・・・」 「「ゆげげげげげげげげg!!ゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っゆ"っ・・・」」 痙攣しだした、何でもいいみたいだな。本当に適当な連中だ。 しばらくして回復すると 「もうゆ~れいさんはぜんぜんゆっくりできないよ!!まりさとれいむをさっさともとにもどしてね!!」 「そうだよ!!もどさないとひどいよ!!ぷんぷん!!」 「そういわれてもなぁ。お前等のからだはもうあんなんだし。」 そういってつぶれた饅頭を指差す俺。 「ゆ!なにいっでるの!!まりざざまのうつくしいからだはあんなにつぶれてないよ!!」 「じゃああの帽子にも見覚えないのか?れいむ、おまえは?あのリボンに心当たりは?額に生えた赤ゆっくりに心当たりはないのか?」 「ゆっ!!た、たしかにれいむのりぼんさんだよ・・・じゃあれいむはいまのれいむはなんなの!?」 「だから幽霊だよ。お前等は死んだの。」 「ゆ、じゃ、じゃああれはまりさっでごど?」 「そうだよ。」 「・・・ゆ、ゆぎゃあああああああああああ!!エレエレエレエレエレ!!」 「ば、ばりざあああああああああ!!エレエレエレエレエレ!!」 あらあら、まりさのもらい吐きでれいむまで・・・ていうか零体になってんのに何はいてるんだろう? そんなことを思っているとなんとれいむの死骸に生えていた赤ゆっくりがぷるぷると動き出した。 もしかして踏み潰したときの圧力で餡子が蔦まで行って成長促進されたのだろうか? ぷるぷるぷる・・・ぷちっ!! 「ゆっくちちていっちぇにぇ!!」 一匹目が生まれた、まりさ種だ。まだはいていた二匹もその声に反応してそちらを向く。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!おちびちゃん!!ゆっくりしていってね!!」 「さすがれいむのおちびちゃんだよ!!とってもゆっくりしているね!!」 二匹は赤まりさにすりすりをするが赤まりさのほうはきょとんとしている。 そうしているうちに次々と赤ゆっくりは生まれた。その数7匹。赤まりさが三匹、赤れいむが四匹だ。 う~ん、こいつらの意見に同意するのは不快だが生まれたてのゆっくりはなかなか可愛い。おもわず目をくりぬいてやりたくなる。 「「「「「「「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!」」」」」」」 「おちびちゃんたち!!ゆっくりしていってね!!」 「おちびちゃんたち、れいむがおかーさんだよ!!ゆっくりしていってね!!」 俺から見ると始めての親子の会話なのだが赤ゆっくりたちからするとそうではないようだ。 「ゆぅ?おきゃーしゃん?どきょにいりゅにょ?」 「かきゅれてないぢぇにぇ!!きゃわいいまりちゃがうまれちゃよ!!」 「れいみゅおにゃかへっちゃよ!!ごはんちょーだいにぇ!!」 どうやら赤ゆっくりには親子が見えていないらしい。 「ゆゆゆ!!おちびちゃんたち、おかーさんはここにるよ!!」 「そうだよ!!ちゃんとこっちをみてね!!」 しかしやはり赤ゆっくりには伝わらないらしい。しだいに赤ゆっくりたちも苛立ってきた様だ。 「にゃんじぇおきゃーしゃんたちいにゃいにょぉぉぉぉ!?」 「こんにゃにきゃわいいれいみゅたちをおいてどこいっちゃのぉぉぉ!!」 「やくたたじゅなおやはちね!!ちね!!」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉ!!」」 やはりゲスの子はゲスか。 生まれたばかりだというのにもう口汚くなってるし。 「ゆゆ!!しょこにょおにーしゃん、れいみゅのおきゃーしゃんたちしらにゃい?」 ようやく俺の存在に気づいたらしく話しかけてくる赤ゆっくり。 「さぁ?俺は知らないなぁ?」 白々しくとぼけて見せる俺。と、親の二匹が抗議して来る。 「なにいっでるのぉぉぉ!?おちびちゃんのおかーさんはまりさたちでしょぉぉぉぉぉ!?」 「そんなこともわからないの!!ばかなの!?しぬの!?」 五月蝿い。 「南無大慈悲・・・以下略」 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」 「ゆべべべべべべべべべべべべべべ!!」 便利だなこれ。 そこに赤ゆっくりがまたしゃべり掛けてくる。 「じゃあおにーしゃん、かわいいまりちゃたちのためにごはんをもってきちぇにぇ!!はやくちてにぇ、ぐじゅはきりゃいだよ!!」 「いやだよ、・・・ていうかご飯ならお前等の後ろにたくさんあるじゃないか。」 「ゆ?ほんちょだ!あみゃあみゃなにおいがしゅるよ!!」 「なにいっでるのぉぉぉぉ!!ぞれはおかーざんだぢでしょぉぉぉぉぉ!!」 「たべちゃだめぇぇぇぇ!!ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉぉ!!」 後ろの餡子の塊に向かっていく赤ゆっくりとそれを必死に止めようとする親二匹だが、二匹には止める術がないので結局・・・ 「「「「「「「む~ちゃ、む~ちゃ・・・ちちち、ちあわちぇ~♪」」」」」」」 「「ゆぎゃあああああああああ!!どぼじでだべじゃうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」 赤ゆっくりたちはあっというまに二匹に群がりかなりの量を食べてしまった。 もうほとんど原型は残っていない。 「ゆぁぁぁぁ・・・ばりざのたくましいからださんが・・・」 「でいぶのぷりちーなおかおがぁぁぁ・・・」 赤ゆっくりたちは食べ過ぎたのかすでにおねむの時間のようだ。ゆ~ゆ~寝息を立てて寝ている。 するとそこに何かやってきた。 「う~う~!あまあまさんのにおいがするど~☆う~☆」 「「れれれ、れみりゃだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」 親の二匹は大声をあげて空中をのろのろと逃げる。だから必要ないというのに・・・。 「う~☆あまあまいっぱいだっど~☆」 その声に気づき二匹も引き返してくる。 「おちびちゃんたち!!れみみゃだよ!!はやくにげてね!!」 「れみりゃはゆっくりできないんだよ!!ゆっくりしてないでいそいでね!!」 当然、聞こえていないので赤ゆ達はゆ~ゆ~寝たままだ。 「おにぃぃぃざぁぁぁぁん!!おちびちゃんたちをだずげでぇぇぇ!!」 「なんでもじまずがらぁぁぁぁ!!おねがいじまずぅぅぅぅ!!」 こいつ等にこんなに子を思う気持ちがあるとは思わんかった。 とりあえずれみりゃに話しかけてみる。 「おい、れみりゃ!」 「う~?おにいさんなんだど~?」 二匹はなにかこちらに感謝のまなざしを向けている。赤ゆを救ってくれるとでも思っているのだろう。 「おのこしはするなよ。」 固まる二匹。 「う~☆わかってるんだど~☆えれがんとなおじょうさまはおのこししないんだど~☆う~☆」 「ゆああああああああああ!!ちがうでしょおおおおおお!!」 「はやぐおちびちゃんたちをたすけでえええええええええ!!」 無視。 そしてれみりゃの食事が始まった。 まず、赤ゆを一匹づつつかみ底部を傷つけ逃げられないようにしていく。 「ゆ~・・・ゆ~・・・ゆ?ゆぎゃ!!まりちゃのあちがあああああああ!!」 全部が済むと一匹づつ中身を吸い出していく。 「う~☆あまあまおいしいどぉ~☆」 「ゆぎゃああああああああああ!!まりちゃ・・すわれっ・・・もっ・・・きゅち・・・」 「「おちびちゃああああああああああああん!!」」 しかし三匹ほど吸い出すと残った四匹を一箇所に集め丸めて固めだした。 赤ゆっくりは死んではいないようだが痙攣している。 「おい、れみりゃ。そいつらどうするんだい」 「う~?れみりゃのおちびちゃんのごはんにするんだどぉ~☆」 なるほど、子持ちだったか。まあれみりゃは捕食種だし見逃してもいいか。 「そうか、じゃあ子育てがんばれよ~」 「う~☆わかったんだどぉ~☆」 そういって飛び立っていったれみりゃ。 「ゆああああああああああああああ!まっでええええええええ!!」 「あがぢゃんおいでげええええええええええ!!」 今は同じく飛べる二匹だが速度がまるで違うし追いつけたところでできることもないだろう。 すぐにあきらめたようだ。 「あああ、れいむのおちびちゃんが・・・」 「まりさとれいむのあいのけっしょうが・・・」 さて、そろそろ飽きてきたし俺も帰るか。そう思って立ち上がると 「ゆ!じじぃ!どこいくんだぜ!!」 「れいむたちをこんなふうにしたせきにんをとっでね!!」 「そんなの知らないよ。お前たちがなりたいって行ったんだから自業自得だろ。」 「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ!?」」 そしてそのまま帰る俺。とはいっても村はすぐそこだが。 「まっでぇぇぇ・・・おいでぐなぁぁぁ・・・」 「までぇぇぇぇ・・・まだないにんげんはじねぇぇぇぇ・・・」 面白いのでそのまま村の前まで追いかけさせてやった。 「ま、まっでぇぇぇ・・・・ぜぇぜぇ・・・」 「おいでぇぇぇ・・・いぐなぁ・・・・ぜぇぜぇ・・・」 霊体の癖になんで疲れるんだよ。なんとか村の前に来たゆっくり。、 しかしそこで 「ゆべっ!!」 「ゆぎゃ!!」 まるでそこに壁があるかのように吹っ飛ぶゆっくり。 「ゆぅぅぅ・・・なんでかべさんあるのぉぉぉ・・・」 「いだいよぉぉまりざぁぁぁぁ・・・」 「それは壁じゃないよ。結界だ。」 「「ゆ?」」 「さすがに強いのには効かないが知能の低い低級な霊や妖怪が入れないように結界がしいてあるんだよ。」 「まりざはでいぎゅうじゃないぃぃぃぃぃ!!」 「そっぢにいれろぉぉぉぉぉ!!」 「うるせぇ糞饅頭。ずっとその辺で彷徨ってろ。」 俺はさっさとそこを後にした。 「「ああああああああああ!!まっでえええええええええええ!!」」 残された二匹の幽霊饅頭は絶望したこれからどうすればいいのだろう。 なにをすればいいのかまったくわからない。 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ!!でいぶぅぅぅぅぅぅぅ!!ごれがらどうじよぉぉぉぉぉ!!」 「わがらないよぉぉぉぉぉ!!なんどがじでよぉぉぉぉぉ!!ばりざぁぁぁぁぁ!!」 ゆーゆー泣いているとなにか近くの空間が歪んで来た。 「ゆ・・・?なに?」 するとそこから何かが出てきた。 「ふっふっふ、地獄のそこからやってきた。不撓不屈の虐め魂を持つ男・・・虐待おにーサッ!!」 なにやら白装束を着た頭に三角をつけた男が腰を低くし両手を広げて出てきた。 「な、なんなのぉぉぉぉおにいざん!!」 「ふははは!!ゆっくりどもよ!!ようこそこちらの世界へ!!地獄でもさんざん虐めぬいてやるからな!!覚悟しろッ!!」 「「やだぁあぁぁああああああああああああ!!」」 男は再び高笑いを始め二匹の幽霊ゆっくりを捕まえ空間に消えていった。 そして二匹のゆっくりは虐待おにーさんによって死んでもゆっくりできないのでした。 あとがき 最近書いても書いても書きたいことの軸がぶれてしまい消しては書き直しの連続です。 一応これはなんとかなったと思うので楽しんでいただけたなら嬉しいです。 作者 甘党 今まで書いたもの ゆっくりコールドスリープ ゆっくりを効率的に全滅させるには。 ユマンジュゥ きれいなゆっくりの作り方 ゆっくり達のバザール ゆっクエ あるゆっくり達の冬篭りと甘い罠 ラジコンうーぱっく 笛吹き男とゆっくり
https://w.atwiki.jp/tamutaitinoseki/
ほとんどコピペです すいません 魔理沙、友達思いで行動力のあるリーダー、仲間のために自分が犠牲になることも。 魔理沙、ずる賢く自分が助かるためならどんな事でもする汚い性格。 霊夢、純真無垢で人を疑うことを知らない優しい子。 霊夢、群れて調子に乗る上に我が儘ですぐぐずるウザいまんじゅう。 お母さん霊夢、子供達を心の底から愛し、最後まで子供を守る優しいお母さん。 お母さん霊夢、自分が飢えると子供を食ってしまう般若に変身するお母さん。 アリス、とかいはを自称しプライドが高いが、ツンデレで面倒見もいい。 アリス、一考えてることの逆を言う習性があるようだ。 アリス、とかいはとかいはと無駄にプライドが高く、自分を他より特別な存在と思い込んでいる。 アリス、発情すると子供はおろか死体にまで性交を試みる色欲の塊。 パチュリー、病弱だが知識は他のゆっくりより高く、群れのブレーンを勤める。 パチュリー、病弱な振りをし同情を誘おうとする汚い性格。 パチュリー、チラシの類でも本と認識するらしい パチュリー、識字能力は他のゆっくりと大差は無い パチュリー、部屋に文字のある物があると、その部屋を自分のとしょかんと言い張って読みたがる。(体つきに主にみられる特徴) みょん、ちーんぽっ! ちぇん、わかるわかるよー ちぇん、虐待厨は死ね!に始まる罵詈雑言を浴びせかけてくる。 レミリア、うーうーとしか言えないおしゃまなお嬢様。希少種だが紅魔館付近には多く生息する。 レミリア、ぷでぃんぷでぃん煩く、困ると咲夜に助けを求める。自身を紅魔館の主と思い込んでいる。 フラン、残虐非道なハンター、獲物をなぶり殺す事を最大の快楽とする。 レティ、巨大で鈍重なハンター、素早く動く舌で器用に獲物を捕る。頬に獲物を溜める性質も。 幽々子、巨大だが俊敏なハンター、恐るべき速度で移動しながらゆっくりをむさぼり食う。 幽々子、俺の胃袋は、宇宙なんだよ… 幽々子、こぼねー ゆうか、綺麗な花が咲く所によく見られる。 のうかりん、田舎に住んでいる幽香の母親。時々収穫物を幽香に送る。 のうかりん、スレ住民にらっきょうを育てる方法を教えてくれる。 天子、ブロント様。 天子、ドM。 きめぇ丸、強いものには逆らわない、ゆっくり種が大嫌い。 きめぇ丸、突如首を高速で振動させるという奇癖を持っている。 美鈴、何かを守る習性を持つ他のゆっくりを思いやる優しいゆっくり。「じゃおおおん!」と鳴く。 美鈴、ずっと寝てばかりいる癖に報酬は要求する怠け者。 チルノ、お馬鹿だけど優しく花も育てたりするゆっくり。息は冷たく、ゆっくり程度なら凍らせられる。 チルノ、後先考えずに行動するから他の生き物に迷惑をかけるゆっくり。 神奈子、背中にオンバシラという飴を背負い、それを飛ばして攻撃する。 神奈子、しめ縄っぽいのはドーナッツ。うめぇ、めっちゃうめぇ! 諏訪湖、ゆっくりを食う帽子を被り、ゆっくりを食べさせたり自分が食べられたりしている。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4549.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』19 「みんな、これまでほんとうによくがんばってきたね!!」 その日、Y飾りのまりさが、 群れに向かって高らかに宣言した。 今では群れのゆっくり達は、Y飾り達を指導者として尊敬し、 その言葉に虚心に耳を傾けている。 「そろそろゆっくりぷれいすにむかえいれてあげるよ!!」 群れのゆっくり達から、割れるような歓声が起こった。 Yまりさが遮るように言葉をかぶせた。 「ぜんいんじゃないよ!! このなかでとくべつゆっくりできているゆっくりからだよ!!」 群れの中に緊張が走る。 「どのゆっくりがゆっくりできているかは、 にんげんさんがさいていしてくれるよ!! おねえさん、さいていをおねがいします!!」 「はいはい」 その場にいたお姉さんが、群れをじっくりと見渡す。 しばらくの間悩んでいる様子だったが、やがて十匹近いゆっくりを選び出した。 「この子たちは入ってきてね~」 「ゆゆゆぅぅぅぅ!!!やったよ!!やったよおおぉぉぉ!!!」 「ゆっくりできる!!ゆっくりできるよおおぉぉぉ!!!」 「すーりすーり!!おねえさん!!すーりすーりしてえええぇぇ!!!」 「はいはい、これから毎日してあげるわね」 「やったああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!」 選び出されたゆっくり達が、うれちーちーを漏らしながら飛び跳ねる。 選ばれなかったゆっくり達のほうも声をはりあげていた。 「おねえさん!!おねがい!!れいむもつれてってえぇぇ!!」 「がんばります!!にんげんさんのいうことをききます!!ごみくずにおめぐみくださいいぃ!!」 「ゆっくりだまってね!!」 Yまりさが厳しい声で制止する。 「きょうはだめだったけど、まだちゃんすはあるよ!! これからがんばれば、あとでまたえらんでもらえるよ!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!!がんばりますうぅ!!」 希望に目を輝かせ、群れはおとなしくなった。 群れが見守る中、選びだされたゆっくり達は、 お姉さんに手ずからY飾りをつけてもらった。 Y飾りをつけて並ぶゆっくり達に、Yまりさは厳しく言い放った。 「これでおまえたちはゆっくりきょうのいちいんだよ!! だけど、まだまだしたっぱだからね!!しゅぎょうはつづくよ!! ゆっくりきょうととしてゆっくりできないことをしたら、いつでもまたおいだすからね!!」 「ゆっくりりかいしましたあぁ!!」 緊張を顔に浮かべながら、それでも嬉しそうに体を震わせ、 お姉さんの後についてゆっくり達は扉を通っていった。 ゆっくりプレイスの中に入ると、中のY飾り達が、 うってかわって優しげに、新たな仲間を迎え入れた。 お姉さんを囲んで存分にゆっくりしはじめた仲間たち。 羨ましそうに眺める群れに向かって、Yまりさは叫んだ。 「ああなりたかったらもっとがんばってね!! きょうのおしえをはじめるよ!!」 「ゆっくりおねがいします!!」 その日から、数日おきにゆっくりが選び出された。 数匹のゆっくりがお姉さんの選別によってゆっくり教に迎えられ、 Y飾りを受け取ってゆっくりプレイス内でお姉さんにすーりすーりをする。 残された群れは、ガラス壁の向こうから歯噛みをして羨むしかない。 選別は順調に進み、 三週間ほどで、ほとんどのゆっくりはゆっくりプレイスに入った。 正確には、群れのゆっくり達全員である。 いまや残されているのは、 長浜圭一に飼われていた、プラチナバッジの十三匹のゆっくり達、 そして、金バッジをつけたれいむだけであった。 「選別の基準は?」 「デタラメ。茶番。あの子達を最後に残せればなんでもいいよー」 それまでは順調に選び出されていたのだが、 この十四匹が残ったところで、お姉さんが難色を示すようになった。 「おでがいじばず!!ながばにいれでぐだざい!!ずーりずーりざぜでぐだざいぃ!!」 「おぎでおぼえばじだ!!だぐざんおぼえばじだ!!おでがいじばずううぅ!!」 「うーん、駄目だなー」 「ゆうぐうううぅぅぅ!!!」 その日も、泣き喚いてすがりつこうとする一同をお姉さんは拒絶した。 それまでのペースから考えて、次は自分たちの番だ。 そう確信していた親れいむ達にとって、突然の拒絶は思いもかけないものだった。 この十四匹だけになり、すでに一週間。 毎日テストは行われるが、お姉さんが迎え入れてくれる気配はない。 「ゆっくりのあかちゃんはゆっくりできる?」 「ゆっくりできません!!」 「ゆっくりのおうたをきいたにんげんさんはゆっくりできる?」 「ゆっくりできません!!」 「ゆっくりぷれいすをてにいれるほうほうは?」 「にんげんさんにごほうしして、にんげんさんにおめぐみしてもらいます!!」 「ゆっくりにとって、いちばんゆっくりできるしにかたは?」 「にんげんさんにしょぶんしてもらうことです!!」 今日のテストも、すべての設問に正解することができた。 教わっている掟は、何度も何度も反芻し、十四匹の脳裏に刻まれている。 「だめー」 「ゆぅううううう!!?」 お姉さんがまたも拒絶し、ゆっくり達は呻く。 これまで、全問正解できたゆっくりはむしろ少ないほうだったが、 それでも多くのゆっくり達が選ばれ、ゆっくりプレイスに迎えられてきた。 しかし、この十四匹は、どれだけ正答を答えても許可が下りなかった。 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!?」 「あー、ほらほら。ゆっくりできないなー」 「ゆぐぅっ」 焦りと苛立ちに叫ぶ十四匹に、お姉さんが指を振ってみせる。 「また人間に逆らったー。 君たち、心の底から教えを信じてないでしょ。目を見ればわかるもん」 「しんじてます!!ぼんどにじんじでばずうぅ!!」 「ゆっくりきょうのおしえはとってもゆっくりできます!!」 「信用できないなー。口先だけっぽいんだよね。 心の中では人間を見下してるでしょ?」 「ぐぢざぎだげじゃありばぜええぇぇん!!」 「ゆっくりの役目は何かな?」 「にんげんさんのおやくにたつことです!!」 「んー、本心からそう思ってなさそう。はい今日もダメー」 「ゆびゃあああああああーーーーーーっ!!!」 お姉さんはすげなく扉の中に引っ込んでしまった。 泣きわめきガラス壁に体当たりする十四匹を、 Yまりさが後ろから掴み、ひき剥がして転がしていく。 「これだけおしえてるのにまだしんっこうっできないんだね!! すじがねいりのごみくずだよ!!」 「しんっこうっしてますううぅぅ!!ぼんどうでずうううぅぅ!!」 「うそをついてもおねえさんにはわかるんだよ!! にんげんさんをだまそうとするなんてゆっくりできないごみくずだね!!」 「ゆぎゃあああぁ!!」 その日もしこたま体当たりを受けた。 何度も岩場に転がされる十四匹に、 かつての仲間たち、今はY飾りをつけた群れのゆっくり達がガラスの向こうから罵声を浴びせる。 「れいむたちはゆっくりできてないね!!」 「しんっこうっしないゆっくりはこなくていいよ!!ゆっくりのたれじんでいってね!!」 「にんげんさん!!あのこたちはぜったいいれないでね!!げらげらげら!!」 かつて群れに尊敬された親れいむ、憧れの目で見られた金バッジれいむが、 いまでは底辺の存在として侮蔑と嘲笑の対象となっていた。 「おねえさん!!あのれいむはゆっくりできないよ!! あのれいむはこんなことをいってたよ!!」 親れいむがかつて行った演説を又聞きした群れ出身のゆっくり達が、 お姉さんに向かって告げ口をしていた。 ゆっくりが一番ゆっくりできる、人間はゆっくりに奉仕するべきだ。 そうした自らのかつての主張を目の前で告げ口される。 親れいむはガラス壁に張り付いて泣き喚きながら弁解したが、 ゆっくりプレイス内のお姉さんは聞く耳を持たず、ふんふんと得心して頷いていた。 泣きじゃくり、痛む体を引きずりながら十四匹は岩場に身を横たえる。 渡された何冊かの本は、ほとんど暗記してしまった。 テストで何を聞かれてもすらすらと答えられる。 今や親れいむ達は、それらの教えを心から信じていた。 自分たちをゴミクズと認識し、人間に奉仕することを望んでいた。 一刻も早くゆっくりプレイスに入り、お姉さんにすーりすーりして、人間さんのお役に立ちたい。 それが親れいむたちのただひとつの望みだったが、 当の人間は、自分たちを信用してくれなかった。 特に親れいむは、 かつて激情のままに、人間に向かって叫んだ説教を心底後悔していた。 あんなことを言わなければ。 あんなことを言わなければ、今頃はきっと。 夜毎親れいむ達が流す涙は、何日経っても涸れる気配がなかった。 「どうやっだらじんじでぐれるどおおおぉぉ!!?」 十四匹だけになった日から三週間が経ったころ、一匹の子まりさが叫んだ。 泣きわめく子まりさにお姉さんが答える。 「どうやってっていっても、本気で信じればいいだけだよ。わかるから」 「じんじでるんですうううううう!!ぼんどうに!! ぼんどうにごごろのぞごがらじんじでばず!!! ばりざだぢはみにぐいごみぐずでず!!にんげんざんにみぢびいでぼじいんでずうううぅぅ!!!」 腕を組み、お姉さんは考えていたが、 やがて腕を解き、決心して言った。 「よし、じゃあ仮入信を認めます!」 「ゆ、か、かりにゅうしん……?」 「とりあえず入れてあげるってこと」 「ゆっ…………やっだああああぁぁぁぁああああああ!!!」 「すーりすーり!!すーりすーりしてええぇぇぇ!!ゆっくりいいぃぃ!!」 絶叫し飛び跳ねる十四匹に向かって、お姉さんが釘を刺した。 「待ちなさい。まだすーりすーりはしてあげません」 「どぼぢでええぇぇぇ!!?」 「言葉遣い!」 「ゆ、ど、どうしてですか……?」 「最後のテストをします。 これに合格できたら正式に仲間に入れてあげますよー」 「ゆぅううううう!!!がんばるよおおぉぉ!!!」 そして扉は開かれた。 お姉さんに促されるままに、十四匹は夢にまで見たゆっくりプレイスに招き入れられる。 「ゆううぅぅぅ………!!ゆううぅぅぅぅ~~~~~~!!!」 内部に流れるゆっくりできる音楽、色とりどりの調度品、遊具。 それらは十二分に親れいむ達の心を浮き立たせたが、 何より親れいむ達を喜ばせているのは、 お姉さんにすーりすーりするチャンスが与えられた事実であった。 いまだY飾りを与えられていない十四匹を、 Y飾りのゆっくり達がじろじろと見つめる。 「君たちはこの中に入ってね」 そう言うと、お姉さんが親れいむの頬を掴んで持ち上げた。 「ゆ!!ゆううううううぅぅぅぅぅ~~~~~~!!!」 頬に触れられただけで、電流に打たれたようなゆっくりが全身を貫く。 快感に頬を紅潮させて震えていると、あっという間に床に下ろされた。 同じく快感のうめき声をあげながら、十四匹のゆっくりが次々とそこに下ろされる。 そこはゆっくりプレイスの壁際、高めの柵で区切られた隅の一角だった。 柵の格子の間隔はだいぶ広く、遮られているとはいってもゆっくりプレイス内は充分見渡せた。 「それじゃ、最終テストを始めまーす。ちょっと待っててね」 「ゆゆっ!」 お姉さんが姿を消し、しばらくしてから大きな籠を手に持って戻ってきた。 「君たちにはコレの世話をしてもらいます」 お姉さんが、籠を柵の内側に下ろす。 十四匹がその籠に群がり、中を覗きこむと、籠の中から声が響いてきた。 「だあぁぁ……」 それを目の当たりにした十四匹は、目をうるませ、あひる口を突き出して唸った。 「ゆっ………ゆっ………ゆっくりできるよおおおおぉぉぉぉぉ!!!!」 猛烈なゆっくりが十四匹を支配していた。 生まれてこのかた体験したこともないほどの、中枢餡の芯を貫くゆっくり。 その生き物はこのうえなく可愛く、魅力的で、ゆっくりしていた。 あのお姉さんよりもゆっくりしている。まして、ゆっくりなどとは比較にならない。 一同は矢も楯もたまらず群がり寄り、その生き物にすーりすーりをしはじめた。 「だあああぁぁ……びえええぇぇ!!」 ゆっくり達の涙と涎にまみれ、生き物は泣き始めた。 お姉さんから鋭い叱責が飛ぶ。 「泣かさない!!嫌がってるじゃないの」 「ゆっ……ごべんなざい!!」 狂おしいゆっくり欲に苦労して抗い、その生き物から身を引きはがす十四匹。 そんな十四匹に、お姉さんが説明を与えた。 「それは人間の赤ちゃんよ」 「ゆっ!?」 「あなたたちが本当に人間に奉仕できるか、最後のテストをします。 その赤ちゃんを世話して、ゆっくりさせてみなさい。 赤ちゃんがゆっくりできると言ったら合格。君たちをゆっくり教に迎え入れてあげるわ」 「ゆっ………ゆっくりがんばるよおおおぉぉぉ!!!」 「必要なものがあったら言いなさい。調達してあげるから。 じゃ、頑張ってちょうだい」 「ゆっくりいいいぃぃぃぃ!!!」 最終テストを行うと聞かされ、一同は緊張していたが、 与えられたのは夢のような環境だった。 これほどゆっくりできる人間の赤ちゃんと一緒に、水入らずで柵の中。 一同は無意識のうちにうれちーちーを漏らしていた。 一方、Y飾りのゆっくり達は外側から柵にしがみつき、 このうえなくゆっくりできる赤ちゃんを羨みの目で凝視していた。 何匹もが、自分にもこのテストを受けさせてくれとお姉さんに願ったが却下される。 いまや、十四匹は再び一同の羨望を一身に受けていた。 これから彼らに待っているのは、優越感とゆっくりに満ちた甘い生活だった。 「ゆっゆっおー!!ゆっゆっおー!!」 十四匹は満面の笑みで、気合いを入れるのだった。 「あんなものでも本物に見えるんだな。 実物を一度見たことがあるくせに」 「ま、所詮ゆっくりだしね。 あんな人形でも、そのへんのオモチャよりずっと手間かかってるよ。 食べ物を口に入れたりできるし、 スピーカーのセリフに合わせた口パクもできるんだ。 擬似的なうんちを出す機能まであるよ」 「操作は?」 「係が遠隔操作で動かしてるよ。ラジコンみたいなもん。 言葉も、係がリアルタイムで吹き込んでるよ」 「手間をかけるもんだ」 「そりゃ、本物使ったほうが早いよ。 ゆっくりに赤ちゃんを預けようなんて人間がいたらの話だけどね」 「まさかな」 「さて、あの人形には言うまでもなく、例のゆー水を特別たっぷり振りかけてます。 っていうか、内部にゆー水の香りを振りまく装置を内蔵させてるの。 効果はごらんのとおりってわけだね」 それは、十四匹のゆん生の中で一番楽しい日々だった。 家族や友人、恋人と一緒にいるときのゆっくりも、 あまあまを食べているときのゆっくりも、 人間の赤ちゃんを世話している時に感じる、今のこのゆっくりとはまるで比べものにならない。 これほどのゆっくりが世界にあったことに、彼らは心底感動していた。 赤ちゃんは手間がかかったが、それは楽しいやりとりだった。 最初の頃は、全員が脇目もふらずにすーりすーりをしていたが、 あまり大勢で強くやりすぎると赤ちゃんがむずがることを知り、 二匹ずつ交替で、優しくやるようにした。 最初の日、赤ちゃんがあまりに泣くので親まりさが問いただした。 「なにがゆっくりできないのぜ?まりさにいってみるんだぜ」 「おなかすいたぁ!」 「ゆゆっ!!そうだね!!きがつかなくてごめんなさいなのぜ!! おねえさんにおねがいしてみるのぜ!!」 親まりさがすぐに、柵の外でY飾りとじゃれているお姉さんに要請する。 「おねえさん!!あかちゃんのごはんさんをおねがいします!!」 「あら、そうね。待ってなさい」 すぐに、お姉さんはミルクと哺乳瓶を持ってきてくれた。 お姉さんに使い方を教わり、苦労しながら哺乳瓶のフタを開け、ミルクを注ぐ。 家事といえる家事をほとんどやったことのない十四匹だったが、 赤ちゃんのためとあって、文句も言わずに従事した。 散々こぼしながらも、苦心してミルクを詰めた哺乳瓶を、 赤ちゃんの口元に優しく当てて傾ける。 「ゆっ!ゆっ!ゆっくりごーくごーくしてね!!」 「ごーく、ごーく、おいしい~♪」 両手をぱたぱたさせて、赤ちゃんは喜んでくれた。 その笑顔を見て、十四匹はこのうえなくゆっくりするのだった。 教わりながら、十四匹はひとつずつ覚えていった。 赤ちゃんを着替えさせる方法。おしめを替える方法。 もみあげを駆使してのいないいないばあ。「ねんねんころりよ」の子守歌。 赤ちゃんに必要な世話を考えつくその都度、お姉さんが教授してくれた。 赤ちゃんのためと言えば、お姉さんはいろんなものを持ってきてくれた。 ガラガラや人形といったおもちゃは自分たちで遊びたいほどだったが、 赤ちゃんの笑顔を見たいその一心で、すべてを赤ちゃんのために使った。 時にはむずがり、時には暴れる赤ちゃんを、 苦労しながら十四匹のゆっくりは献身的に世話をした。 大変だったが、その世話を皆が心から楽しみ、充実していた。 今では、お互いに口を開けば赤ちゃんの話しかしない。 赤ちゃんはかわいくてゆっくりできるね。 こうしたら赤ちゃんは喜ぶかな。 昨日はこんなことして遊んでたよ。 人間さんのお世話はこのうえなくゆっくりできる。 実体験を通して、十四匹はそう確信していた。 そのゆっくりは、かつて自分の子供を世話していた時とは段違いだ。 いまでは、あんなけたたましいだけのチビ饅頭にあんなに執心していたのが不思議に思えるほどだった。 この赤ちゃんのためなら、喜んでどんな艱難辛苦にも耐え、必要とあれば死をも厭うまい。 ゆっくり達はそれほどの心境に達していた。 一方で、十四匹はY飾り達の生活も柵越しに覗き見ていた。 いまでは一日中、Y飾り達の私生活を観察できる環境にいた。 Y飾り達は、お姉さんがいる時はお姉さんにじゃれつき、 いない時は自分たちで遊んでいたが、その他、勉強のために多くの時間を割いていた。 大きなテレビジョンの前で、Y飾りたちは上映されるビデオを見る。 以前に見せられた、レイプや野菜泥棒などの悪事を行うゆっくりの姿も頻繁に繰り返し上映されたが、 他にも勉強用のビデオはたくさんあった。 自然界におけるゆっくりの立ち位置が、詳細に解説されていた。 多くの捕食種に捕食されるゆっくり達。 外敵に怯え巣にこもりながら、それでも生存率は極端に低く、冬籠りを完遂できる割合は10%に満たない。 他種の動物の冬眠のしくみ、野生での生活がわかりやすく解説され、 ゆっくりの暮らしぶりがいかに非効率で愚かなやり方であるかが対比されて語られる。 直接的な力関係も学ぶ。 犬、猫、そして人間、馬や猪やライオンに至るまで、 さまざまな動物の身体的能力や殺傷力が事細かに解説される。 ほとんどの動物がたやすく破壊できた硬質の発泡スチロールに悪戦苦闘するゆっくりが映された。 見ているゆっくり達の前に実際にスチロールの箱が運ばれ、 実地に試すことで、ゆっくり達は自分の非力さを理解する。 飾りが取られただけで、自分の子供さえ個体認識できずにいじめ殺すゆっくりの無能さと残虐性。 あらゆる動物が悠々と泳ぐなかで、唯一水にたやすく解けて沈むゆっくり。 仔犬にさえまるで追いつけない移動の遅さ。 これらのビデオにより、ゆっくりの非力さと無能さをこれでもかと見せつけられ、 同時にナレーションから、それゆえに身の程をわきまえなければならないのだと訓戒を受ける。 Y飾り達はその度に唇を引き締めて頷いた。 そして、「よいゆっくり」の理想像も教えられた。 手始めに、正しい挨拶を躾けられる。 「ゆっくりできるね!!」 それが、ゆっくり同士で交わされることになる新しい挨拶だった。 それまで使っていた「ゆっくりしていってね!」は、 存在自体が不快と迷惑をふりまくゆっくりが言うべき言葉ではない、と教えられた。 視界に入るだけでゆっくりできないゴミクズ、それがゆっくりなのだから。 ゆっくり同士では、「ゆっくりできるね!!」という挨拶を交わす。 それは、人間のおかげでゆっくりできている、という意味だった。 本来ゆっくりする権利も能力もないゆっくりがゆっくりできているとき、 それはすなわち、慈悲深い人間がゆっくりさせてくれているということに他ならない。 それ以外の動物、特に人間に対する挨拶も教えられる。 おはようございます、こんにちは、こんばんは。 ゆっくりおめぐみありがとうございます。 ゆっくりごしどうおねがいします。 新しい挨拶を、親れいむ達は抵抗なく受け入れ、喜んで家族と交わした。 人間に飼われ、行儀よく人間の言うことを聞くゆっくりの姿が上映される。 鍛えられた身体能力を生かし、掃除機や雑巾を巧みに使って部屋を掃除するゆっくり。 飼い主の留守中、ペットや赤ちゃんの世話をするゆっくり。 台所の上で、簡単な調理で飼い主の食事を作るゆっくり。 風呂を沸かし、戸締りの確認をし、ベッドメイクをし、朝には決められた時間に飼い主を起こす。 ゆっくりの能力の範囲内でできるさまざまの奉仕がビデオで上映され、 そのための訓練が、先輩やお姉さんの指導のもと実地に行われた。 そうしたゆっくりが飼い主に褒美を与えられる様子も映される。 ゆっくりに笑いかけ、頭を撫でさすり、すーりすーりをしてやる。 あまあまやおもちゃを与えられることもあったが、 そんなものよりも、視聴しているゆっくり達は飼い主とのスキンシップを羨み、憧れた。 ゴミクズとして世に生まれた自分たち。 そんな自分が「あなたのおかげで本当に助かっているわ」と人間に褒められている姿を、 ゆん生における最終目標として、それぞれが心の中で定めた。 それらのビデオや、ゆっくり教の教えの朗読を、 柵を隔てているとはいえ同じ部屋にいる十四匹のゆっくり達も見聞きすることができ、 一同もまた、ただただ蒙を啓かれる思いだった。 ゆっくりたる自らを恥じ、人間に奉仕したいという思いを日毎につのらせていった。 ときには「休み時間」と称して、野生のゆっくりプレイスが上映されることがしばしばあった。 巣の中にこもり、沢山の子供たちに囲まれてゆっくりしているゆっくりの番いが映される。 外から運び込んだ蓄えをむーしゃむーしゃする子供たちを見守り、微笑んでゆっくりしている番い。 ここに来る前であれば、ゆっくりの最終目標であったその光景が、 いまではみっともない、わずらわしいものだった。 薄汚い小さな饅頭共がもぞもぞと蠢き、雑草を食べちらかし、 傲慢に顎を反らす光景に怖気を奮い、 多くのゆっくり達が「にんげんさんをうつしてね!」と抗議の声をあげた。 そんな時は、柵の中の十四匹も賛同して声をはりあげた。 「ここまで旨くいくと馬鹿らしくなってくるな、最初から馬鹿らしい計画だが。 人間にとっちゃ実に都合のいい宗教だが、 しかし、人間の目から見ても目茶苦茶のこんな教えをここまで信じるものか……」 「あのさ、理屈に筋が通ってるかどうかは全然無関係なの。 一日中朝から晩まで教えを聞かせ続けられ、周囲もみんながその教えを信仰してる。 そんな状況でずっと暮らしてると、生き物っていうのは、信じるの。演技じゃなくね。 その効果は人間でも実証されてるんだな。 例外な意志の強い人がたまーにいないでもないけど、 今回、相手はゆっくりでしょ。そりゃもう、簡単簡単」 「なんて安っぽい生き物なんだ」 「そりゃ、饅頭ですからー」 群れのゆっくり達が、ガラス壁ごしにあれほど憧れていたゆっくりプレイス。 しかし今ここにいて、群れはさらなる上のプレイスに憧れていた。 それは、人間に飼われるという境遇。 人間に奉仕し、人間をゆっくりさせ、人間にゆっくりさせてもらう。 それが、ゆっくりにとってこのうえなく重要な二つのもの、 すなわち自尊心とゆっくりの二つを満たす理想の環境だった。 人間に愛されるという条件なしに、もはや安心してゆっくりすることは不可能だった。 希望はあった。 人間の手になる「しんっぱんっ」制度である。 このゆっくりプレイスの中でも、ゆっくり教のゆっくり達は勉強と鍛練を積み、 教団の中でもランクを上げていった。 そして、教団の中でも生え抜きの成績を残したゆっくりは、 「しんっぱんっ」の儀式を経ることで、人間の家に引き取られていくシステムになっていた。 「しんっぱんっ」とは、罪を清め洗い流す儀式だった。 すべてを見通す人間にとって、ゆっくりの悪事はすべてお見通しである。 その過去の悪事が、教団一同の前で白日の元に明かされ、 それに見合った罰を受けることで罪を償い、仕上げの再教育を受けて、 ゆっくりはようやく人間に引き取られる。 何日かに一度ほどの割合で、ゆっくりが一匹ずつ選び出された。 「しんっぱんっ」を受けるゆっくりの前で、テレビがビデオを放映する。 そこで上映されるのは、そのゆっくりの過去の悪事だった。 隣のゆっくりの食事を盗み食いしたこと。 人間さんに向かって不平を鳴らしたこと。 人間さんへの疑いをこっそり口にしたこと。 勉強中に居眠りをしていたこと。 所定のトイレ以外でしーしーをしたこと。 上映されるのは、ゆっくりプレイス内で隠れて行われたそうした行いだった。 これらを目の当たりにして、ゆっくり達は人間の全能を新たに認識する。 絶対に見つからないはずだと確信していた悪事が、すべて人間にはわかっていた。 その裁きにおののき、裁かれたゆっくりは泣いて詫び、粛々と罰を受け、 残されるゆっくりは人間を畏れ、さらに私生活を引き締めた。 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!でいぶがわるがっだでず!!ばんぜいじばず!!」 裁かれたゆっくりは泣き叫びながら、しかし抵抗はせず、人間に別室に連れていかれる。 別室で行われる罰の様子は、リアルタイムでゆっくりプレイスで上映された。 罰の重さに応じて、ゆっくり用の鞭で尻を叩かれたり、 眼前でぶんぶん首を振るきめぇ丸を見せられたり、 さまざまな罰を受けるゆっくり達。 しかし、罰を与えられて罪を清算したゆっくり達は、 改めて、最後の訓練を施された。 最後の仕上げとして、人間と同じ部屋に住む。 人家の家具の性質や使い方、触ってはいけないものなど、 さまざまな知識を同居する人間に教わり、 人間への奉仕のしかたと礼儀作法を正式に覚えこむ。 そうして、人との暮らし方をマスターしたゆっくりは、 ついに他人の手に渡り、飼いゆっくりとして残りのゆん生を過ごすことが決まる。 そこに至るまでの様子はすべて中継され、 ゆっくりプレイスのゆっくり達は身悶えするほどに羨み、訓練に精を上げた。 ゆっくりプレイスに来てから、すでに数か月が経過していた。 その間、十四匹はずっと柵の中にいたが、 たっぷり勉強をしつつ、赤ちゃんを囲んで存分にゆっくりしていた。 いまだに柵から出してもらえる気配はなく、ゆっくり教に入れるめども立っていなかったが、 そんなこと自体、十四匹はもう忘れていた。 しかしある日、変化の時が訪れた。 「ゆっくりできるよー」 赤ちゃんが、ゆっくり達の前でそう言っていた。 「ゆゆゆぅっ!!?」 「ゆっくりー、ゆっくりー」 連呼する赤ちゃんの前で、十四匹は感動に身を打ち震わせた。 口に咥えていたガラガラを取り落とし、 目に涙を浮かべてゆっくり達は叫んだ。 「ゆ!!ゆっぐり!!ゆっぐりじでねええぇぇ!!!」 「ありがとううぅぅ!!ゆっぐりじでぐれでありがとううううううぅぅぅ!!!」 「ゆっぐりだよおおおぉぉ!!ぞれがゆっぐりなんだよおおおおぉぉぉ!!!」 「ゆっぐじじでいっでね!!ゆっぐじじでいっでねええええぇぇ!!!」 「ゆっくりしていってねー、ゆっくりしていってねー」 手を叩きながら、赤ちゃんは繰り返し挨拶を返してくれた。 ついにゆっくりしてくれた。 自分たちのお世話で、ついに、赤ちゃんがゆっくりしてくれた。 餡子の奥からあふれ出す感動と達成感が十四匹を満たす。 自分たちはゆっくりさせたのだ。 こんなゴミクズのような自分たちでも、人間さんをゆっくりさせられるのだ。 その事実が、春の雪解けのように救いとなってゆっくり達の体中に沁みとおっていった。 嬉し泣きに泣きむせびながら、十四匹は叫び続けた。 「ゆっぐじじでいっでね!!ゆっぐじじでいっでね!!ゆっぐじじでいっでねええええぇぇ!!!!」 「はーい、合格ー」 振り返ると、お姉さんが立っていた。 柵の外から屈みこみ、赤ちゃんの入っている籠を掴み上げる。 「よくできましたー。 テストに合格したので、君たち十四匹をゆっくり教に迎え入れてあげます。 おめでと!」 「ゆうううぅぅぅ!!?」 突然奪い取られた、かけがえのない生き甲斐である赤ちゃん。 それにすがりつこうとして、十四匹は舌を伸ばして飛び跳ねた。 「ゆっくりかえしてください!!あかちゃんかえしてくださいいい!!」 「ゆっぐじじでぐれだんでず!!やっどゆっぐじじでぐれだんでず!!だいじなあがぢゃんなんでずうう!!」 「あがぢゃあああん!!ゆっぐじじでえええぇぇ!!」 「静かにしなさい!!」 お姉さんに一喝され、泣きじゃくりながらも一同は黙りこむ。 「最初に言ったでしょう?これはテストでしかないの。 この赤ちゃんは本当は人間の子供、あなたたちのものじゃないわ。 人間と一緒になりたいなら、もっと訓練をがんばればいいのよ」 「ゆぐううぅぅぅ………ゆっぐうううううぅぅぅ…………!!」 お姉さんの言っていることは理解できたが、 返事をする気力もなく、ゆっくり達は泣きじゃくった。 あれほど大切にしていた、あれほど愛しい存在を奪われた喪失感は堪え難いものだった。 そんなゆっくり達に、お姉さんがさらに念を押した。 「頑張ってゆっくりできるゆっくりになりなさい。 そうすれば、赤ちゃんだってまた育てられるわよ」 「ばいいいぃぃ………!!がんばりばづううぅぅ……」 「じゃ、いらっしゃい。迎え入れてあげるわ」 お姉さんが柵の鍵を開ける。 ついに十四匹は柵から解放され、Y飾りをつけられ、 正式にゆっくり教の一員となって、人間に奉仕する訓練を始めることになった。 ずっと勉強の様子を覗き見ていた十四匹にとって、 訓練はたやすいものだった。 必死に覚え、実行し、真心を込めて教義を唱える。 数週間たった頃には、十四匹はY飾り達の中でも生え抜きのゆっくりになっていた。 再び、十四匹は仲間から憧憬の眼差しを向けられている。 人間さんとゆっくりしたい。 一度その生活を体験した十四匹にとって、その渇望は決定的なものになっていた。 ただそのために、十四匹は遊びもせず、脇目も振らずに勉強と訓練に勤しんだ。 (後編 へ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2936.html
ゆっくりを低温度であぶりつづけると、臨界を迎えて爆発 することは有名である。 とはいえ、外皮が薄いため、うまく破裂することは少ない。 だが技術の進歩はすさまじく、ゆっくりの加工、あるいは改 良ゆっくりを生み出すことにより、技術的問題を克服し、ゆ っくりを軍事転用することが可能となった。 所謂、悠(ゆっくり)式計画の成果である。 悠式計画の最終目標は、巨大高機動ゆっくり母艦の開発で ある。機動式ゆっくりは、複数のゆっくり皮を連結し、内部 に餡を詰め込むことで生産される。従前では、機動的だとは とても言えない出来であった。薄皮のため連続運用に堪えら れず、常に分解整備を必要とするため、コストが尋常でなく 跳ね上がるのだ。連結部分も脆弱なため、防禦力が薄く、そ のため攻撃や運動性が著しく低い。これならば、軽歩兵ゆっ くりを直接投げつけたほうが、現場の効果は期待できる。 だが悠式機動ゆっくりは、ただ餡を皮で包んだ、でかマン ジュウとはコンセプトがまったく異なる。機敏に、かつ重厚 な攻撃力を目的に開発されるのだ。ブロックごとに皮で包ん だ餡と、その中で個別に連動させる乖離型ゆれまり機関はか つてない繊細さと力強さを発揮出来る。電子連動された餡核 同士が密接に疑似ニューロネットワークを作り上げることに より、簡易的ではあるが量子演算と疑似人格を持たせること が出来る。統一的かつ機能的に、すなわちまさしく機動的な 運用が行われることになる。 国がいくつか傾くほどの予算と時間を費やして――実際に 傾きすぎていることは置いておく――、ついに開発が終了したのだ。 ・ ・ ・ 「ってことに、なっているわけだが!」 俺は嘆息して、実験場に詰まれたくず山を見上げた。 「もしかしてこの腐った餡の山がその高機動なんちゃら じゃあありませんよね?」 俺の嫌味な視線を軽くいなして、尊敬すべき偉大なる上 官は受け答えた。 「いいかね、我らの敵はあまりにも強大だ。だからこそ、 この計画に期待が集められ、そしてついでに金を集められ たのだ。悪鬼殲滅こそが至上目的であって、つまり敵国を 滅ぼすのが我らの使命なのだが」 ゆっくりの加工工程について書かれた原稿用紙を何枚か 摘み上げながら、続ける上官。 「……なんとか来週までに殲滅してくれんかね」 ・ ・ ・ 「ゆっくり! ゆっくりだよ!」 「わー! ゆっくり出来るよぉー!」 次々と空を舞うゆっくり達。 基地からは盛大な拍手と、壮行の万歳が行われていた。 「ゆっくりー! ゆっくりしてくるからねー!」 「ゆー、ゆー♪ 空、ゆっくりだー♪」 数千、数万にも及ぶゆっくりの飛行編隊は、風の向く まま流されていった。 ・ ・ ・ 「少し、寒いね! でも空高いんだね!」 基地から飛び立ち、数十分程。 ゆっくりよりもよりゆっくりした気球に括り付けら れたゆっくり達は、快適な空の旅を楽しんでいた。振 り落ちないよう、台座ではなく、銅板にすっぽりと包 まれたゆっくり達は、ちとせゆっくりのように滑稽で はあったが、気にする者はいなかった。 また銅版は微弱だが電波を送受信出来るため、互い のゆっくりがおしゃべりするのに何も問題はなかった。 「でも少し怖いね! ゆっくりできるかな!」 「大丈夫だよ、だってこんなに気持ちいいもん! れいむなんだかゆっくり眠いかも……」 ゆわーっ、と大きくあくびをして、ゆっくりと寝入 り始めるゆっくり達。 気球は空を飛びつづける。 ・ ・ ・ 「さむ……ゆっく、さむぃ……」 「寒いねえ……でも、オヒサマきれー」 現在の高度は約2000メートル。 夏場とは言え、流石に寒さが身にしみ始める高度だ。 「白い海だよ! 寒いけどゆっくりできるよ!」 雲海の狭間に沈む夕日は、どこまでも幻想的で、 そしてゆっくりであった。 「ゆっくりしていくね! でも寒いね!」 ・ ・ ・ がちがちと震えが止まらない。 真っ暗な世界で、ゆっくりの身をまとう銅板が、 容赦なく体温を奪ってゆく。叩き付ける強すぎる 風に煽られ、翻弄されながら飛んでゆくゆっくり達。 高度8000メートル。極寒の世界だ。 「ゆっぅっ! さっ!! む゛ううう!」 「うぎゃああああ! だずげでえええ! だず げえええ!」 「どうじでごんなー! あ゛あ゛あ゛!!」 穏やかな気候の下で育てられた彼女達は、10 度を下回る世界ですら極寒となる。ましてや、零 下20度だなんて、「これぞまさしく冷夏だね! 」と言うギャグを放つ気力すら奪う程に寒い。 ばりばりとした冷気は、ゆっくり達を蝕んでゆく。 ゆっくり、ゆっくり。 ・ ・ ・ 「いだいいいいいいいいいいいいいい!」 ゆっくりのだれかが叫ぶ。 乾ききったこの世界で、あまりにも寒い空の上 で、さらに冷たく光る銅版は、ゆっくりの後頭部 を裂き始めた。冷たくなった銅版は、ゆっくりと 中身を締め上げ、また冷気は皮膚を冷たく焼き切 る。びり、びりいと音が聞こえて来るような程、 今までにない悲痛な表情を浮かべるゆっくり。 「も゛れっ! やあああああ!」 側頭部から後頭部にかけて、ぴっちりと銅版に 覆われているため、中身が漏れることはないのだ が、ゆっくり達にわかるはずもない。 後頭部の避けるゆっくりの数は次第に増えてゆ き、ある者は白目を向き、ある者は虚ろに笑いな がら、空の旅は続く。 暗い海の空高くに輝く三日月は、そこに住まう 者のように笑っているようだった。 ・ ・ ・ 「……ゆ?」 暖かい。 先ほどから、寒いのは変らないが、少し暖かく なってきていた。雲の切れ目から見える青い海は、 夜とは一転して輝いて見えた。時刻は昼より少し 前だろうか。 「あれ、ゆっくりできる!」 「ゆー! ゆーっく!」 「きっと、基地のおにいさん達が助けてくれた んだよ!」 誰かが気が付いたように叫ぶ。 「おにーさん、ありがとー! ゆっくりできる よー!」 「ゆっくりー♪」 ゆっくりし始めたゆっくり達は、ゆっくり出来 たため裂けた後頭部も癒えてきたようだ。 ・ ・ ・ 「あ゛づいいいい! あづ、ゆ、寒あづいいい!」 遮るもののない中空で、太陽光を存分に吸収した 銅版は、くるまっているゆっくり達を熱で苛んでいた。 また、ゆっくりの上に設置された発熱装置自体が、 更なる熱を生み出していた。 「ゆ゛ふううううう! ぶぐううう!」 「ゆっぐりじだ、ぐうううう」 全員が顔を真っ赤にさせ、くちをぱくぱくとさせている。 泡を吹いて気絶できた者は幸せだろう。 ふと、陸地が見えた。 「ゆっくり! ゆっぐりでぎるがなあああ!」 ゆっくり飛行船団は、ゆっくりと陸地を横断し始めた。 ・ ・ ・ 「ちゃくちー! もうすぐちゃくちだよー!」 熱は大分収まったようだ。 ほとんどのゆっくりは起き出して、始めてみる異国 の町並みを見下ろした。 「綺麗だねー!」 「ゆっくりできるね!」 「ゆっくりしていってね!」 こちらを見上げる人々に向かって、みんなで挨拶を交わす。 「ぱれーどだー♪」 先頭のゆっくりが、こちらに向かってくる軍隊に気が付いた。 「どこどこ?」 「ゆっくりできる?」 突然、銅版が灼熱の輝きを発した。 「う? う゛、……うぎゃああああああああづびい いいいいいいいいいっくりいいいいいいいいいいいい いいいいいいいいいぎゃぶっ」 高度計と時限装置の組み合わせられた発熱装置が、 最後の燃焼を開始し、ゆっくりの最終臨海を導いた。 大きな爆風は、まだ遠かったため町並みを少し揺らし ただけに過ぎなかったが、ゆっくり達の心は千路にかき乱された。 どおうん! 断末魔と共に、爆発音がそこかしこで湧き上がる。 逃げ惑う人々。 だがゆっくりが逃げることは出来ない。 ゆっくりが逃げることは、出来ないのだ。 「やだああ! ゆっぐりでぎな゛っ!!」 防衛部隊に狙撃され、一瞬で絶命したゆっくりは、 爆散することなく地上に降り立った。恐慌は、数キ ロに渡って続くゆっくり飛行船団の末尾にまで広がった。 あと十数分で、運命を委ねなくてはならないこと を理解しているゆっくりはいなかった。理解しても 無意味ではあったろう。 二昼夜に及ぶ地獄の航行の末路が、灼熱の爆死か、 必殺の狙撃か。ただその二択しか待ち受けていないことなど。 ・ ・ ・ 大本営発表 本日、悠式計画の最終段階である飛行船団ゆっく り爆弾は、敵本土を焼き尽くし、悪鬼の心に拭えな い恐怖を植え付けたことを報告する。 これにより悠式計画は一応の成功を迎え、次の段階に進…… ・ ・ ・ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5214.html
初投稿です。 ジャンルは 虐待 制裁 料理 だと思います。 ネタ被りがあったらすいません。あと長いかも。 ゲスではない、一般的なゆっくりです。あと希少種が名前だけでます。たくさんでます。 あとこのおにいさんは一部のゆっくりを愛でます。 「「む~しゃ!む~しゃ!しあわせ~!」」 「「「ちあわちぇ~!!」」」 「「「ちょのおひゃなしゃんはしゅっごくゆっきゅりできりゅね!!」」」 「…うぇ」 今月に入って六回目だ。戸締りが悪いのだろうか? 家に帰って愛しのあの子と……ンフフ。なんて頭の中お花畑で家に帰宅したらこのざまだ。 庭に植えてあった花達はゆっくり達に食い荒らされている。 荒らしているのはれいむとまりさ。赤れいむが二匹。赤まりさが一匹。 すごく幸せそうでふてぶてしくてムカつく表情をしている。 「ゆっくりしていってね!!!」 俺が後ろから声をかけると、まりさ一家は俺の方を向かずに 「「「「「ゆっくりしていってね!!!/ゆっきゅりしていってね!!!」」」」」 と返してきた。 「なぁ」 「ゆゆ!!うるさいよ!れいむたちはごはんたべてるんだからじゃましないでね!!」 「「「でね!!!」」」 「おい」 「うるさいっていってるでしょ!!!ゆっくりしてないゆっくりだね!!!ばかなの?しぬの?」 「「「ちぬの?」」」 赤ゆがウゼぇ。 俺の方を見ずにひたすら花を食い散らかしている。 ああ…俺の大事な花が……。 このままでは俺のストレスがさらにマッハで溜まっていくのでれいむとまりさを上からわしづかんでこちらを向かせた。 「ゆゆっ!!!なんでにんげんさんがここにいるのぉぉぉおおお!!!」 「なんでって、ここが俺の家だから。」 「ちがうよ!!!ここはまりさたちがさきにみつけたんだよ!!! だからここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!! そんなこともりかいできないばかなにんげんはゆっくりせずにでっていってね!!!」 「「「てね!!!」」」 俺はまりさを地面に叩きつけた。そしたら「ゆべぇ!!!」とか言って口から餡子を吐いた。 吐き出した餡子を必死に口の中に戻すまりさ。 「ばりざにいぎなりなにずるのぉぉおおおおおおお!!!」 「「「おちょーしゃんにひどいことするくじゅはちねぇ!!!」」」 俺に向かって体当たりをしはじめる赤ゆとれいむ。 全然痛くもなんともない。 毎度思うがなんでゆっくりどもは…いや、ほとんどのゆっくりは人間に勝負を仕掛けるんだ? 勝目なんて無いだろうに。ドスでもないんだから。まぁどうでもいいか。 体当たりしてくるれいむも掴んでまりさと同じように地面に叩きつけた。 「うぶっ」 「うぶじゃねーし」 「「「ゆんやぁぁぁ!おきーしゃんがぁ!!!」」」 もう一度まりさを掴んで持ち上げる。 「ばりざにびどいごどずるじじぃばゆっぐりじねぇ…」 「んー、聞こえないなぁ。もっかい言ってよ」 まりさの口に手を突っ込んで歯を折って舌を抜く。 れいむもうるさいので潰れない程度に踏みつけておく。これでまりさが何をされているか見えていないだろう。 「ほら、もっかい言ってよ。」 「う゛あ゛あ゛…」 まりさの髪をどんどんちぎっていく。その度にまりさは呻くが気にしなーい。 帽子は外さずに周りだけちぎったから帽子を取ればスイッチみたいになってるだろう。 自分のプリティ(笑)な髪を毟られて痛みと悲しみで放心状態のまりさと泥まみれのれいむを掴んで俺は家に入った。 まずはれいむとまりさを虐待鬼意山御用達の透明な箱に入れる。次に赤ゆを回収する。これで完璧。 これが終わったら俺、赤ゆをフランちゃんにあげるんだ………。 「ぐずなにんげんははやくここかられいむをだしてね!」 などと喚いているれいむの入った箱をハエたたきで叩いた。 ピシン、といった音が響いてれいむが怯える。いい表情だね。 「よし、こいつは赤ゆ生産ゆっくりにしよう。それがいいね!」 「なにいってるのぉおおお!?れいむはまりさがいるんだよぉおおお!?」 「そっちこそなにいってるのぉぉおおおおお!?まりさはもういないんだよぉおおおお!!!(嘘)」 「うそつかないでねぇえええ!!」 やっぱり先ほどの光景は見えていなかったらしい。よかったよかった。 「れいむのまりさをかえしてね!!!」 赤ゆはまりさがどうなっているか知っているので防音の箱に入れている。 「なら取引しようか!」 「ゆ?どういうこと?」 箱をどかしてれいむを取り出す。 「こういうこと!」 れいむの右目をえぐりだす。白玉だからおいしいんだよね。 「うぎゃあああああああああああああ!!!!でいぶのがわいいおめめがあぁああああああああ!!!」 あとで洗って食べよう。これにシロップをつけて食べると最高なんだよね!おすすめだよ! 「ぐぞじじぃいいいい!!よぐもでいぶのがわい゛い゛おめ゛め゛にい゛い゛いい!!」 「まだ24だよ!そんなひどいこというれいむはゆっくりくるしんでね!」 れいむの左目もえぐりだす。コポォってあっさり取れた。24はじじいじゃないはずだ。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ!!!おめ゛めがぁあああ!!!」 赤ゆの方を見たらしーしーとうんうんを漏らして泣き叫んでいる。声は聞こえないけど。 うんうんとしーしーはあいつらで片付けさせよう。 それでこのれいむは後でありすの所に持っていこう。やったね、赤ゆが増えるよ! まりさはれいむの目玉と一緒にして食べよう。綺麗に洗わないとね! 「でいぶのおめ゛め゛…」 なんて言ってるれいむを赤ゆ達と同じ箱に入れる。料理の邪魔になるもんね! 「さっとりんりん、さとりんりん。さっとりんりん、さとりんりん」 今作った歌(嘘)を歌いながら手際よくまりさを洗っていく。 舌も抜いてあるし、歯も折れてるから手際よく洗えるね!これっていいことだよ! まりさを綺麗に洗ったら目を取り除く。これもきれいに洗う。 そして次に胡麻を磨り潰すあの長い棒でまりさを潰していく。飾りはあの赤ゆにあげよう。 最期の言葉もまともに喋れないなんてかわいそうだね!きっとすごいストレスだよ!甘くなるね!しあわせ~だね! 餡子になったら保存してあるゆっくりの目玉をトッピングする。あとれいむの目玉もね。 潰したまりさは結構大きかったためゆっくり10匹分ぐらいのものになった。 ボウルに盛って、俺の愛しのゆっくりたちとこれを食べる。至福の時だ。 さとりにこいし。ふらんにさくや、そしてゆうか。それにえーりん、もこう、けいねにてゐ。みんな胴付きだ。 ふらんはしつけに時間がかかったし、見つけるのも難しかった。だが価値があるし可愛い。何よりも胴付きだ。 このゆっくり達を見つけるのは本当に大変だった。 ゲスは可愛くないし、虐めることにしか価値はないけど、本当にゆっくりしているゆっくりはかわいいね! ゆっくりしているゆっくりを見るのは楽しいし、可愛いからついいじめちゃうよ! 皆も人それぞれのゆっくり虐待ライフを満喫してね!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/349.html
ある昼下がり。 川沿いを歩きながら妹紅は暇を潰していた。 いつもならば、こういう時はバ輝夜との殺し合いか慧音と会うか家事に勤しんで過ごしている。 しかし今日に限って輝夜はなんの動きもなく、慧音も忙しくて会えない。家事も終わってすることもなく、じっとしているのも退屈だった妹紅は外へ散歩に出ていた。 竹林から少し離れた所に川がある。自然のあふれるこの光景も、長い年月の果てに緑が育ち、枯れ果て、川が荒れ、水が引いて、様々な形で変化している。 妹紅は昔の風景を一つ一つ噛みしめるように思い出しながら歩いていた。 「ゆっ!」 「ゆゆっ!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり! ゆっくり!」 「ゆっくりしてだって」 「おお、めでたいめでたい」 「……」 台無しだった。 川辺で水でも飲んでいるのか、妹紅の目の前ではゆっくりれいむの家族達がしきりに騒いでいる。情緒もへったくれもないその光景に思わず妹紅はため息をついた。 「お姉さんどうしたの?」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっ! ゆっ!」 妹紅に気づいたゆっくりが妹紅の側へ寄ってくる。 頭を抱える妹紅。しかし嫌がってるわけではない。別に暇とはいえゆっくりと過ごす気なんてなかった妹紅としては微妙な状況だが、他にやることもなく、ちょっとはゆっくりしていくのも有りかと思っていた。 「ゆっ!」 「ゆゆっ! ゆっくりっ!」 「ゆっくりちていってね!」 「……」 なんだか、やたらと声が多いな……。 疑問に思った妹紅は、あらためて妹紅はゆっくり達の数を数え始める。 普通のゆっくりれいむが1匹、お母さんゆっくりが1匹、なんかうざいのが2匹。 そして今、草をかけ分けながら妹紅の側へ来ようとしているちびゆっくり達が。 「……うおっ」 草が邪魔で数え間違えているかもしれないが、適当に数えても20匹以上いた。産んだばかりなのだろうか、もしそこにいるお母さんれいむだけで産んだなら随分珍しい出産数だろう。 そのちびゆっくりの多さに驚きながら、妹紅の頭の中にふとある考えが浮かんだ。 ……これだけ数がいるなら楽しめそうだ。 「あんたら、まだここにいるの?」 「ここはれいむ達のあそびばだよ!」 「あそびばだよ! あそびば!」 妹紅の言葉にぴょんぴょん飛び跳ねるれいむ達。この川辺は自分たちのものだと主張しているらしい。 「別にここを奪ったりはしないよ。私はこれから行くところがあるけど、その後で一緒にゆっくりしてもいいか?」 「いいよ! れいむ達しばらくいるよ!」 「お姉さん一緒にゆっくりしようね!」 「ああ」と返事をして立ち去っていく妹紅。 まずは準備のために、自分の家へと戻っていった。 妹紅が用意したのは、まずその辺でゆっくりしすぎた結果がこれだよ!と倒れているゆっくりちるの。ゆっくりちるのは、たとえ倒れていても体温は冷たいので上手く炎を調節し、ちるのが溶けないように、手が凍結しないようにして運んでいく。 次に用意したのが細身の竹。太い竹ならいくらでも生えているが、脆すぎず、固すぎない竹を探すのは意外に手間がかかった。 最後に家から小刀などを持ち出すと、妹紅は元の場所まで戻ってきた。 「あ! お姉さん!」 「ゆっくりしていってくれるの!」 「たくさんゆっくりしていってね!」 約束通り現れた妹紅に飛び跳ねながら喜びをあらわにするゆっくり達。まだ飛び跳ねられないちびゆっくりは、体をぷるぷる震わせながら喜んでいた。 妹紅は持ってきたゆっくりちるのを地面に置く。 「お姉さん! この子とはゆっくりできないよ!」 「冷たいよ! 凍えるよ!」 さらに持ってきた風呂敷を広げ、ちびゆっくりたちを集めていく。 「ゆっ! ゆゆっ!」 「お、お姉さん!」 「早く離してね! すぐに離してね!」 しかし妹紅は手を止めず、そのまま20匹いたゆっくり達は風呂敷に包まれてしまった。 「ゆゆっ!」 「くるぢひよ! ゆっくりできないよ!」 「早く離してね! すぐに離してね!」 残された普通のれいむが足下にまとわりついて離れないが、妹紅は気にした様子もなく、そのままうざいゆっくり達の側へいく。 「ゆっくり離してだって」 「おお、こわいこわい」 何か言っていたが気にすることもなく、うざいそれを蹴り飛ばした。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆっ!」 「おおおぉおぉおおおぉおぉっ!」 地面に当たって二度三度跳ねながら、川へと落ちていった。 何か叫んでいるようだが、川の底で叫んでも聞こえない。水を含んで体が膨張していく。 「酷いよ! お姉さんとはゆっくりできないよ! 早くどこかへ行ってね!」 妹紅の足に体当たりをするれいむ。さすがに歩いている最中に体当たりされて転けかけるも、踏ん張る妹紅。 このまま体当たりを続けられたら敵わないと、妹紅はゆっくりを踏みつけておいた。 「ゆ゛っ!」 体が少し潰れ、痙攣するゆっくり。すぐに動く事はできないだろう。 妹紅はそのままお母さんゆっくりへと近づいていく。一瞬の出来事でどんどんいなくなる子供達にお母さんゆっくりは状況が理解できず、川辺で固まったままだった。 「よっと」 お母さんゆっくりを持ち上げて、そのまま運んでいく。途中で「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁあ゛っ!」「がえ゛じでぇえ゛え゛ぇえ゛え゛ぇえ゛ぇっ!」と暴れ始めるが、妹紅の手が緩む事はなかった。 ゆっくりちるのの側まで戻ると、妹紅はお母さんゆっくりをその上に乗せる。 「ひ゛ぃぃい゛い゛ぃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛ぁっ!」 徐々に冷たくなっていくお母さんゆっくり。ほどよい冷たさになったところで持ってきていた小刀を取り出すと、妹紅はお母さんゆっくりの頭の上の部分を横に切り取り、あんこを露出させた。 「あ゛あ゛ぁあ゛ぁあ゛っ! あ゛だま゛! あ゛だま゛がぁあ゛あ゛がぁあ゛あ゛っ!」 「よし、準備できたっと」 満足げに呟く。先ほど踏みつぶしておいたゆっくりが、また妹紅の足下にやってきた。 「お、お゛があ゛ざんっ、お゛があ゛ざん、がえじでぇええぇぇえっ!」 「ああ、ちょうど良いところに来た」 そう言うと、先ほどよりも強めに力を込めて踏みつける! 「ゆ゛っ!」 地面にゆっくりが軽くめり込んだのを確認すると、妹紅はその上に腰を下ろした。 「ゆゆうい゛い゛い゛ぢあ゛ぁあ゛ぁおあ゛あ゛あ゛ぁっ!」 椅子にされたゆっくりの絶叫が響く中、持ってきた竹の先に糸を括り始める。 括り終わると、結んだ風呂敷に手をいれ、ちびゆっくりを取り出した。 窮屈さから解放され、顔に花を咲かせるちびゆっくり。 「おねえさんありが──」 ぶすりと、釣り針を刺した。 「いだい゛ぃい゛い゛ぃい゛い゛っ!!」 「さて、なにが釣れるかな」 竹をしならせ、餌のちびゆっくりを川へ投げ込む。 穏やかな気候の中、妹紅の釣りが始まった。 「ゆっぐり゛り゛ぃい゛い゛いぃいい゛ぃいっ!」 竿を通じて当たりが来る。なかなか強い引きが大物を予感させる。 「よっし来たっ!」 竿を引っ張り上げる。釣り糸の先には、ちびゆっくりとその餌に噛みついて離れない魚の姿があった。 「う゛う゛う゛う゛ぅう゛う゛う゛っ!」 水を含んで脆くなった体に、食いついた魚の重さで引き千切られそうになるちびゆっくり。 妹紅としてみればちびゆっくりを丸呑みできるような大物に期待しているのだが、さすがになかなか食べてはくれず、釣れては半端に欠けるちびゆっくり達をさらに川へ戻して釣りを続けている。 しかし今のちびゆっくりほど脆くなったらもう無理だろうと思ったのか、魚を外すと、そのままちびゆっくりを針から外して川へ放り投げた。 「あ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁっ!」 川に落ち、分解していくちびゆっくり。巻き餌代わりにはなるだろう。 最初に落としたうざい奴らは、もう全部食べられてしまったのか、川を見てもそれらしい跡は見あたらなかった。 釣った魚を手に持ち、お母さんゆっくりの元へ行く。 「ゆ゛っぐり゛……ゆ゛っぐり゛ぃいいぃい……」 何匹か投げ飛ばされていったちびゆっくり達の末路に悲しむお母さんゆっくり。そのゆっくりの頭に魚をのせ、あんこを穿っていく。 「ゆ゛っ! ゆ゛っぐり゛っ!」 冷たくなったあんこが妹紅の手を急激に冷やすが気にせず、開いた穴に魚を入れ、そのまま埋めていった。 「あ゛あ゛あ゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛ぁぁ……っ」 瞳孔が開き、僅かに痙攣するお母さんゆっくり。 そんなお母さんゆっくりの横に、もはや絶命して動かなくなったちびゆっくりの姿がある。風呂敷から取り出し、先ほどちるのの上に置いておいたちびゆっくりだ。 妹紅はしっかり冷やされたちびゆっくりを手にすると、また釣りを再開するために戻っていく。 れいむに腰を下ろすと、そのままちるのの冷気で冷やされたちびゆっくりを口にいれる。 しゃりっとした感触とちびゆっくりのあんこの甘みが、妹紅を笑顔にした。 「そろそろ、もうちょっと大きめの大物が釣りたいな~」 風呂敷から新たなちびゆっくりを取り出す。外に出されたらどうなるか既に理解しているちびゆっくりは、既に震えながら泣き叫んでいた。 変わらずちびゆっくりに釣り針を刺し、そのまま川へと放り投げる。 しかし今回はいつもと違っていた。 「えっ?」 水音がしない。妹紅の竿にも、ちびゆっくりが落ちた感触がなかった。 「うー♪ うー♪」 「ゆ゛っく゛り゛ぃい゛いい゛ぃいいぃっ!」 「……」 どこからともかくやって来たゆっくりれみりゃに、空中で受け止められ、そのまま齧られていた。 思いもしなかった獲物に言葉を失う妹紅。 「……まぁ、大物かな?」 「うまうま♪」 すぐにちびゆっくりを平らげるゆっくりゃ。その口には釣り針が引っかかっているが、場所が良かったのか痛みに耐える様子はない。 妹紅は側に寄せようと、釣り竿を大きく引っ張る。 ゆっくりゃの体が大きく横に伸びた。 「うっ! う゛ぁあ゛あ゛あっ!」 激しい痛みと力に、羽ばたいて抵抗するが、ゆっくりゃの力は人に逆らえるほどはない。 ほどなくゆっくりゃは釣り上げられ、妹紅の手の中に収まった。 「うー……!」 引っかかった針が痛むのだろう、涙を浮かべたまま妹紅に怒りを向けるゆっくりゃ。肉まんなその頬が膨れている。 しかし妹紅は気にすることなく羽をもぎ取る。 「い゛ぎぃあ゛あ゛ぁぁあぁぁっ!!」 邪魔なものがなくなったとばかりに、そのままゆっくりゃに齧りついた。 「ごめ゛んな゛ざいいいいいいい!!」 謝られても、美味しいし。妹紅に止める気はまるでない。 ものの5分もしない内に、ゆっくりゃは妹紅のお腹の中に収まった。 残った羽は、一端燃やし、ほどよく火が通ったところで齧る。 噛めば噛むほど味が出てくる、魚の干物のようなそれは酒のつまみに持ってこいで、妹紅もお気に入りの一品だ。 羽を咥えたまま、新たに餌をつけ、釣りを再開する妹紅。思わぬところでつまみも手に入り、魚も入れ食いで気分は上々だ。ゆっくりに散歩を邪魔された時はどうなるかと思っていたが、これはこれでいい暇つぶしになっていた。 竿にまた当たりが出る。先ほどよりも強い引きに、妹紅の期待は高まった。 「よぃ……しょっと!」 両手に力を込めて引き上げる。 「ケロケロ! ケロケロ!」 「カッパ! キュウリ!」 「……」 釣れたのは、外道だった。 「……」 「ケロケロ!」 「にとりー!」 ちびゆっくりに食いついて離れないゆっくりケロちゃんとにとり。 もうお腹いっぱいになっていた妹紅に食欲はなく、ちびゆっくりから針を外すと、そのまま3匹とも地面へ落とし、燃やしていった。 「ゲロゲロゲロ!」 「み゛、み゛どり゛ぃぃい゛いっ!」 「……ゆっ、ゆ゛っく゛り゛……」 ゆっくりの臭いに、焼ける蛙の臭いを思い出す妹紅だった。 妹紅が腰を上げる。気づけば日は夕暮れ。そろそろ用事も終わり、慧音が訪ねてくるかもしれない。バ輝夜は居留守で充分だけど、慧音に無駄足を踏ませるのは可愛そうだ。せっかく大漁だったのだから、慧音にも分けてあげよう。 釣り自体気まぐれであり、普段もしているわけではない妹紅に取って釣り竿はただ荷物になるだけだ。竿を真ん中でおり、糸を外して置いていく。 座られ続けたれいむは数時間前からピクリとも動かない。体は完全に硬直し、今やただのオブジェと化していた。 ゆっくりちるのの上に乗せていたお母さんれいむを、炎で解凍していく妹紅。氷が溶けきり、どうにかちるのから外れそうだ。 両手で抱え、そのまま膝を使って持ち上げた。 「……うっ……ゆっ……」 かすかに聞こえてきた声に、思わず妹紅は抱えているものの顔を見た。 「……ゆっ……」 「まだ生きていたんだ」 子供の多さからタフそうだと思っていたが、それにしてもその生命力の高さは妹紅を随分驚かせた。 元来た道を戻っていく妹紅。その間にも、お母さんれいむは希に声を上げる。生きてはいるものの、あんこを魚に陵辱され、ちるのの冷気で冷凍されている、このまま放っておけば死んでしまうだろう。 妹紅はずっと考えていた。 こんな生命力のあるゆっくりでデザートを作れば、バ輝夜はとても喜んでくれるだろう。 いつか輝夜に食べさせるため、魚臭いあんこでなんのデザート作るか考える妹紅だった。 End 妹紅 → もこたん釣りしたお! お母さんゆっくり → クーラーボックス ふつうのゆっくり → 椅子 うざいの → 撒き餌 ちびゆっくり → デザート 兼 餌 ゆっくりゃ → 昼ご飯とつまみ チルノフ → ゆっくりした結果がこれだよ! ■話を書く前の気持ち 実際ゆっくり餌にしたら何が釣れるだろうな ↓ ゆっくりゃが釣れるんじゃね? ↓ それじゃゆっくり餌にゆっくりゃ釣って虐待しようぜ! ■書き終わった後 もうれいむでいいや……。 by 762 このSSに感想を付ける