約 594,159 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2830.html
ゆっくりを提供するもの PMUS描写無し ドスまりさが出てきます いじめ描写ほぼなし 「ドスの事はどう思っているんだい?」 男はゆっくりに尋ねた。 「どすはゆっくりできないどすだね!!」 「かってにすっきりー!!してあかちゃんうんじゃいけないっていうんだよ!!」 「ごはんもたべすぎちゃだめだっていうんだよ!!」 「ほかにも・・・(ry」 ゆっくりはドスに対する不満を男にぶちまけた。男はそれを熱心にメモしていた。 「・・・というわけなんだよ!!」 「そ〜かそ〜か」 ひとしきり愚痴を言い切ったのかゆっくりは満足したようだ。 「ぐちをきいてくれてありがとうおにいさん!!おかげでゆっくりできたよ!!」 「そうか。それは良かった」 この男は山にいるゆっくり達にアンケートを取っていた。内容は 『ドスについてどう思っているか?』 という事である。 大半がドスに対する不満ばかりであるが、中には 「すっきりがじゆうにできないのはすこしつらいけど、 すきかってにすっきりしまくるのはいなかもののすることよ!! とかいははあかちゃんのことまできちんとかんがえなくちゃいけないのよ!!」 「むきゅ!!みんないまはごはんがあるからってかんがえずにたべすぎなのよ!! もしあめがつづいたりしたらどうするつもりなのかしら? そういうことをかんがえられないゆっくりがどすをこまらせているのよ!!」 「みんなどすにもんくをいうくせにこまったときだけどすをたよりにしてるね!! おなじゆっくりとしてなさけないよ!!まったく、さいきんのわかいゆっくりは(ブツブツ」 一部の賢いゆっくりには好評な様である。 結果、ゆっくりの95%がドスに対して不満を持っている事が分かった。 すっきり制限や食事量制限などが主な要因である。 また、不満をもっているゆっくりにもう1つ質問をした。その内容は 『ドスの元から出ていかないのか?』 というものである。 すると実に9割のゆっくりが「出て行かない」と答えたのだ。 理由は簡単。安全だからである。 通常のゆっくりは非常に弱く常に食われる側であるが、ドスはそうではない。 体も大きく力も強く、そして何よりドススパークやゆっくりオーラなどの強力な技を持っている。 そのドスの元にいれば捕食者から狙われる事もなく、安全に過ごせるからである。 ドスの元で安全に過ごすゆっくり達は、最初の内はドスの加護に感謝していたが それが日常となり、平和に「慣れて」しまったせいで増長するゆっくりも少なくなかった。 その増長したゆっくり達が人間の生活圏に入り悪さをする事も増えた。 ドスは気が気ではなかった。このままゆっくり達が悪さを繰り返せば、人間達は必ずゆっくりを討伐しにくる。 単純な力ならば並の人間よりドスのほうが遥かに強い。その為、素手の人間ならばさほど問題にならない。 しかしドスを相手に素手で挑む人間はいない。それなりの装備をしてくるものだ。 仮にそれなりの装備でなくとも、人間はそれこそ適当な木の棒や石で武装するだけでもドスにとって脅威である。 討伐ともなればそれなりの装備をした人間が大量に押し寄せてくる。 そうなってはドスも並のゆっくりと変わらず、あっさりと群れごと滅ぼされるだけである。 そうならない為にゆっくり達に口煩く人間の里に行くなとは言ってはいるが、 人間の作った野菜や菓子などの食糧は、ゆっくりにとっては極上の美味であり、 その味を覚えたゆっくり達がドスの言う事など聞く耳を持たなかった。 その結果として生活圏を荒らされた人間は、ゆっくりを見つけたら即殺すという行動を取るまでに至った。 人間にとっては善良であろうと悪質であろうと、ゆっくりであれば関係無いのである。 このままではいずれ必ず人間が討伐に来る。どうすれば討伐されずに済むかドスは悩んでいた。 協定を結ぶ事も考えたが、ゆっくり達が協定を守れるかも怪しく尚且つ協定を結んでも人間にあまりメリットが無い。 それならばドスと側近のゆっくりだけで群れを出るのはどうかとも考えた。 そうすればドス達だけは一応無事に過せるかもしれない。しかし、他のゆっくり達はどうなるだろうか? ドスが居なくなった事で、今まで我慢していたゆっくり達が一気に人間の生活圏に侵入するだろう。 そうして人間の怒りを買い、ゆっくり達は1匹残らず皆殺しにされるであろう。 愚かなゆっくりが皆殺しにされるのは構わなかったが、人間に迷惑が掛かるというのは避けたかった。 どうすれば良いのかと悩んでいたドスの元に 「ゆゆぅぅ〜〜〜〜!!どすぅぅ〜〜〜!!どすぅぅぅ〜〜〜!!!!」 「ゆっ!?どうしたの?れいむ!!」 「ゆっくりぷれいすににんげんさんがきたよぉぉぉお!!!」 「えっ!?!人間が来たの!?」 ドスは焦った。遂に人間が討伐に来たのかと思った。しかし 「にんげんさんはどすにあいたいっていってたよ!!」 「えっ!?」 ドスは取り合えず安心した。どうやら討伐に来たのではないらしい。 では何の為に?とも思ったが考えてもしょうがないので人間に会って見る事にした。 人間は小さな岩に腰掛けてドスを待っていた。ゆっくり達はその人間の様子を不安げに見つめていた。 と、そこへドスが現れた。 「人間さん。まりさのゆっくりプレイスにようこそ!!ゆっくりしていってね!!」 「あぁこちらこそ。ゆっくりしていくよ!」 ドスの挨拶に対して人間は悪くない反応を示した。どうやら争う気は無いらしい。 「人間さん。今日はまりさに何の用なの?」 ドスは尋ねた。 「まりさと今後の事について2人きりで話がしたい。いかがかな?」 ドスは何となく理解した。ここで人間の要求を蹴ったり問題を起こしたりすればロクな結果にならない。 そこでドスは要求通り人間と2人きりの話に応じる事にした。 ドスはゆっくり達に近づかない様念を押した。多分ゆっくりの今後に関わる話なのだろうとドスは考えた。 ドスと人間は回りに何もない草原に出た。ここならば誰にも邪魔をされる事はない。 「それで人間さん。まりさに何の用なの?」 ドスは尋ねた。 「ドスをやっているまりさに聞きたい事があってね。それで来たんだよ」 「ゆ?聞きたいこと・・・?」 「何、簡単な事さ。まりさ!!君はゆっくりできているかい?」 人間はドスに質問を投げかけた。大した質問ではなかった。が 「まりさは・・・まりさは・・・・・・・・」 ドスは言葉に詰まってしまった。「ゆっくりしているよ!!」と返すつもりだったのだが、言葉が出なかった。 ドスは自分がゆっくりしているとは正直思っていなかったからである。 「周りには誰もいないんだ。正直に言ってくれて構わない。」 「まりさは・・・ゆっくりできてないよ・・・」 ドスは俯きながら答えた。 「本当はまりさだってゆっくりしたいよ。まりさはみんなとゆっくりできるだけでいいんだよ・・・ でもみんながゆっくりするとまりさがゆっくり出来ないんだよ・・・ まりさだけなら我慢するけど、なんでみんなは自分だけゆっくりしようとするのかな・・・? そのせいでみんなゆっくりできなくなるのにね。何でみんな分かってくれないんだろう・・・ まりさも、みんなも、人間さんも、みんなでゆっくりしようと考えてくれればね・・・」 ドスは少し悲しそうな表情で男を見つめた。 「それが聞きたかった・・・ありがとう。」 「ゆっ?」 ドスは人間の意図が分からなかった。 「最近山のゆっくり達にまりさの事を聞いて回ったんだが、まりさの言ってる事が分かるよ。 君が苦労して群れの事を考えていても、あいつらはそれを当然と考えているからな。 むしろ自分達が問題を起こしても、まりさに押し付ければそれでいいって感覚だからなぁ・・・」 「ゆぅ・・・」 まさに人間の言った通りだった。ゆっくり達はドスに厄介ごとを持ってきては、自分達だけゆっくりしていたのだ。 「ただ、私達人間ならまりさをゆっくりさせてやる事はできるぞ。」 「ゆゆっ?!?!」 ドスは驚きの表情を浮かべた。 「人間さん!!何を言ってるの!?」 「言葉の通りだよ。それともまりさはゆっくりしたくないのか?」 「まりさは・・・まりさは・・・ゆっくりしたいよ!!もういい加減疲れたよ!!」 「そうなのか。」 「それで人間さん、どうすればまりさはゆっくり出来る様になるの? まりさは何をすればいいの?」 「あぁ、それはだな・・・・」 30分程して人間とドスが戻ってきた。 「ゆっ!!どすとにんげんさんがもどってきたよ!!」 「どす!!おかえりなさい!!」 「ただいま、みんな!!」 ゆっくり達は戻ってきたドスに声を掛ける。 暢気なゆっくり達といえど、ドスが人間と2人きりになるのは少々不安だったらしい。 「やぁみんな!!悪かったね!!もうまりさとの大事なお話は終わったから帰るよ。 じゃあまりさ、明日のこの時間にまた来るからその時に返事を聞くよ。 それじゃあ、良い返事を期待しているよ!!」 人間はそう言ってゆっくりプレイスから去っていった。 一方ドスも、ゆっくり達を適当にあしらって巣に戻っていった。 ドスは巣の奥に篭り、ゆっくりと考えた・・・。 次の日、ドスはゆっくりプレイスの入り口で人間を待った。 前日とほぼ同じ時間に人間が現れた。 ドスは手短に伝えた。 「人間さん、まりさは乗る事にしたよ。」 「そうか!!良い返事をありがとう!!それじゃいつ頃にするつもりだい?」 「一週間後位はどう?都合は人間さんに合わせるよ。」 「OKそれでいこう。んじゃ、また一週間後に!!」 「またね!!人間さん!!」 前回とは打って変わってあっさりとした内容で、すぐに話も終わった為他のゆっくり達は大して気にもしなかった。 一週間後、ドスはゆっくり達を集めてこう言った。 「これから人間の里をまりさ達のゆっくりプレイスにしに行くよ!!」 ゆっくり達は驚いた。今まではドスが人間と関わるなと五月蝿く言っていたからである。 ドスがやっと重い腰を上げたと、ゆっくり達は喜んだ。 「どすがいればにんげんのさとものっとれるね!!」 「にんげんなんてどすにかかればいちころなんだぜ!!」 「さすがどす!!たよりになるよ!!」 「それじゃあみんなで行くよ!!」 「「「「「えいえいゆー!!!」」」」」 ドスとゆっくり達は人間の里を目指して山を下った。 人間の里はゆっくりの足で30分程掛かるが、人間の里が手に入ると思っているので全く問題ではなかった。 暫くすると白く大きな建物が見えてきた。間違いなく人間の建てたものであった。 ドスとゆっくり達はその建物へと向かった。 程なくその建物に到着したゆっくり達は、その建物の大きさや頑丈そうな見た目からすぐにその建物を気に入った。 その為手始めにその建物をゆっくりプレイスにすることにした。 幸い扉等は見当たらず、すんなり入る事ができるので、ゆっくり達は次々とその建物に入っていった。 「ここはすごくゆっくりできるおうちだね!!にんげんにはもったいないね!!」 こんな事をゆっくり達は言っていた。 一方ドスは、いつまで経ってもその建物に入ろうとはしなかった。 「ゆゆっ!?どす!!どうしたの?ここはとてもゆっくりできるよ!!」 「まりさはみんなが入るまで入り口を見張ってるよ!!まりさが見張ってれば人間が来ても大丈夫だよ!!」 「ゆっ!!それもそうだね!!」 ドスは入り口を見張る事にした。それに安心したゆっくり達は尚も建物に入っていく。 暫くすると全てのゆっくりが建物に入った。 それを見計らってドスは叫んだ。 「人間さん!!もういいよーーー!!!」 ドスが大声を上げた瞬間、建物の天井から金網タイプのシャッターが下りた。 「ゆゆゆっ!?!?」 ガシャン!!という音にゆっくり達が驚いた。 ゆっくり達は金網のシャッターで閉じ込められてしまったのだ。 思わずドスに助けを求めたゆっくり達だったが、ドスは笑みを浮かべていた。 「ゆゆっ!?どすどうしたの!?はやくたすけてよ!!」 ドスは助けを求めるゆっくり達の声を聞いている内に、俯いて震えだした。 「・・・・・・・・・・・・・・」 「どすなにしてるの!?ゆっくりできないがしゃーんをはやくこわしてね!!」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「どすどうしたの!?ねちゃったの!?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷっ!!」 「あははははははははははは!!!!はーーーーーーはっはっはっはっは!!!!」 ドスは突然大声で笑い出した。 その声に反応したかの様に、何処からともなく人間が集まってきた。 「ゆっ!!どす!!にんげんがきたんだぜ!!」 「はやくやっつけてよ!!」 一方ドスは 「ははははははは!!・・・・はひぃ・・・はひぃ・・・ぜぇー・・・ぜぇー・・・」 漸く笑いが止まった様だ。 笑いすぎて半泣きになりながらドスは言った。 「まだ分からないの?お前達はまりさに騙されたんだよ!!」 「ゆっ!?なにをいってるの!?!?」 ゆっくり達は混乱した。あまりの展開に頭が付いていけなかった。 「お前達をゆっくりさせるのがもう嫌になったんだよ!!もうお前達のお守りなんてたくさんだよ!! だからお前達は加工所でゆっくりしていってね!!」 「むきゅっ!!どす!!あなたはにんげんにだまされているのよ!!」 「おねがいだからかんがえなおしてね!!」 「かこうじょじゃゆっくりできなぃぃぃぃい!!!!」 ゆっくり達はドスが人間に騙されてこんな事をしたのだと思った。 ゆっくりの中には説得を試みたものも居たが無駄であった。 「人間さんに協力すればまりさをゆっくりさせてくれるって約束してくれたよ。 もしかしたらゆっくりできないかもしれない・・・でも・・・」 まりさは一呼吸置き、そして 「お前達クズと一緒に居ると、まりさは絶対にゆっくりできないんだよ!!」 「「「「ゆがーん!!!」」」」 「どすがゆっくりをゆっくりさせるのはあたりまえでしょお!!」 「うらぎりもののどすはしねぇええええ!!!」 「れいむのかわいいあかちゃんみせてあげたでしょぉぉお!!」 「じょうずなおうたきかせてあげたでしょおおおお!!」 「ゆっくりしないばかなどすはしねえええ!!」 ゆっくり達は騒ぎ出した。 ゆっくり達の騒ぐ声にドスは段々とイラついてきたらしい。 側に居る人間に一言二言話しかけ、その人間の方に口から何かを吐き出した。 「人間さん、まりさのスパークキノコ預かっていてね。このままだと我慢できないから・・・。」 「あ、あぁ・・・分かった。」 ドスはゆっくり達の方に向き直り、怒鳴り散らした。 「ドスがゆっくりさせるのはあたりまえって、それはそうかもしれない・・・。 まりさはお前達をゆっくりさせる為に頑張ってきた。でもお前達は何をしてくれた!? お前達は好き勝手にゆっくりするせいで、まりさは凄く迷惑だったんだよ!! まりさだけならまだいいけど、里の人間さんにまで迷惑を掛けるって何のつもり!? お野菜は勝手に生えないって何度も言ったでしょ!?それを理解できないから人間さんに殺されるんだよ!! お前達が迷惑を掛けすぎたせいで、山のゆっくりみんなが殺されるかもしれなくなってたんだよ!! 人間さんはまりさよりずっと強くて賢いんだよ!!それなのに何で勝てるって思っちゃうの!? そんな事だからまりさにも見放されてこうなるんだよ!!」 ドスはゆっくりとは思えない口調でまくし立てた。 「あかちゃん見たらゆっくりできるでしょって、ただお前達が勝手にすっきりしただけでしょ!? それで勝手にできた子供なんて可愛くも何ともないよ!!お前達クソ饅頭のクソガキなんてムカツクだけなんだよ!! じょうずな歌を聞かせたって、ただゆ〜ゆ〜騒いでるだけでしょ!!あんなのただの雑音だよ!! 人が眠い時までさわきがやって!!おかげでこっちはゆっくり寝ることもできなかったよ!! 黙らせたら黙らせたで泣き叫んで五月蝿くなるしほんとにお前達はうざいよ!!! お前達は人間さんにさっさと殺されてね!!お前達みたいなゴミクズでも人間さんの役に立てるんだから 光栄に思ってね!!」 ゆっくり達はショックで固まっていた。自分達にとってのゆっくりを、よりによってドスに全否定された為である。 「それじゃあ最後にみんなに言いたい事があるよ!!」 ドスは先ほどと打って変わって落ち着いた口調で話した。 「それじゃあみんな!!ゆっくり・・・・・しね!!」 満面の笑みを浮かべたドスによる死刑宣告である。 「ゆぎゃぁあああああ!!!ぢにだぐないぃぃぃぃぃいい!!!」 「ぶざげるな゙どずぅぅぅうぅぅぅぅううう!!」 「ごのうらぎりものぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!」 「どずぅぅぅうう!!ゆっぐりじないでだずげでーーー!!!」 ゆっくり達は大騒ぎしているがドスは何処吹く風といったところである。 そうしている内に加工所入り口のゲートが閉まり、ゆっくり達も見えなくなった。 「今更聞くまでもないが、良かったのか?」 「これでやっとゆっくりできるよ。何だか今はすごくすっきりー!!な気分だね。」 長い間のストレスから開放されたドスは、非常にゆっくりとしていた。 「まりさ、これから先もゆっくり達が集まってくるだろうがそれがクズ共だったら遠慮せず連れて来てくれ!! それなりのお礼はするぞ!!」 「うん分かったよ!!まぁクズだったらだけどね。」 ゆっくり達はドスに守ってもらおうとする習性がある。クズゆっくりであればなお更で、ドスの名の下に悪さを働く。 そこで人間はクズゆっくりを駆除するのではなく、ドスを懐柔してしまえば良いのでは?と考えた。 懐柔できるようなドスを調べるのはさほど難しいものではなかった。 ゆっくりの事はゆっくりに聞けば良いのだ。 ゆっくりしていないドスならば更に詳しく調べたうえで、懐柔できそうなドスは直接人間が説得に行く。 説得できてしまえばこっちのものである。 最小限の人数でクズゆっくりを駆除できる。その上危険なドスも敵になる事はない。 ドスは邪魔なクズゆっくりを処分でき、人間は殆ど手間なく大量のゆっくりを確保できる。 人間にとってもドスにとってもお互いが「ゆっくり」の提供者となるのだ。 「どす!!どすのむれにいれてほしいんだぜ!!」 暫くするとまたゆっくり達が集まってきた。またクズかと思いつつも、ドスはゆっくり達を歓迎した。 「まりさのゆっくりプレイスにようこそ!!歓迎するよ!!」 「(もうそろそろ良い頃だね・・・)」 「これから人間の里をゆっくりプレイスにするよ!!!!!・・・・・ 終 悩むドスの絵を見て考えてみました。 ゆっくりを売り渡す様ドスを説得するのはどうなんだろうと思い書いてみました。 内容はほぼ丸パクリっぽいなぁこれ・・・ 精進します(;´Д`)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1579.html
人間じゃない生き物が主人公です。 そいつの独白とかはありませんが、それでも難点があるでしょう。 「ハチにそんな知能あるのかよwwww」とか「成長はええwwwwww」とか「毒は?wwww」とかですね……。 気になる方は多いと思われます。若干胸を悪くするような描写もあります。 また昆虫嫌いの方にはお勧めいたしません。それでもよろしければ、 色々と見逃しつつお楽しみください。 そのハチは困惑していた。そろそろ産卵しようと決めていたが、 未来の子供達のための、あたたかな寝床を見つけあぐねていたのだ。 ようやくしつこい雨があがって、涼やかな秋の風が吹き始めたため、 『彼女』はようやく、ねぐらを抜け出したのだった。 幻想郷の森にも、多様なハチが生息している。 大きなクマンバチから、猛毒を持つスズメバチまで。 一般にハチの巣というと、見慣れたあの形を思い起こすだろう。 人家や、樹木にぶら下がるようにしてある、球形のアレである。 しかし、このハチの場合は少し違っていた。 壮大な巣を地道につくりあげていくのではなく、 自らより弱い生き物をとらえ、毒を注射し、そこに産卵するのだ。 犠牲者はすなわち、幼虫達の寝床であり、食料でもあるのだった。 神経毒によって麻痺した獲物は、ハチの住処に引き摺りこまれ、 じわじわと、生殺しにされるというわけである。 体長2cmほどの小さなハチではあったが、捕食者としての能力には、 並外れたものがあると言ってよいだろう。 そして、そのハチ――ジガバチは、どこからともなく漏れ聞こえてくる、 ハチにとっても「間抜け」に思われる、珍妙なリズムを感じ取った。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆゆ ゆっゆ ゆっゆ~♪」 「「「わぁおかあさん、おうたがじょうず!!!」」」 それはどうやら、巷で噂の「ゆっくり」の家族であるらしい。 『彼女』はたぐるようにして、いびつな調べの発生源へと向ってゆく。 あくまで静かなその様子は、まるでステルス戦闘機のようである。 「ゆっ!そろそろおゆうはんのじかんだね! ゆっくりごはんにしようね!!」 「「「ゆっ! おゆうはん!おゆうはん!」」」 『彼女』がたどりついたのは、大樹の根元にかまえられた、ゆっくり一家のねぐらである。 遠巻きに、一家団欒の様子をながめ、家族構成を調べる。 親れいむとまりさが一匹ずつ、子れいむとまりさがそれぞれ三匹ずつ。 計八匹の、中規模のゆっくり家族であることがわかる。 「きょうのごはんは そとにころがってた むしさんだよ! まるまるふとっておいしそうだね! ゆっくりあじわってね!!」 「「「ゆ~っ!おいしそう!!!」」」 「うっめ!これメッチャうっめ!」 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~~~!!」 ゆっくりたちの晩餐がはじまる。あたりかまわず、食いかすをまき散らし、げっぷを連発。 小さな子供たちはまだしも、親である二匹まで、この有様である。しかし。 何より『彼女』の神経を逆撫でしたのは、昆虫にとってもクズに等しい「ゆっくり」どもに、 『彼女』の眷属たる、ハチや、たっぷりミツを湛えたミツアリたちが、既に絶命しているとは言え、 むさぼり食われ、はずかしめられているという事実であった。 にわかに『彼女』の心の中に、「こいつらに産み付ければ一石二鳥」という名案が浮かぶ。 普段狙いをつける動物よりも、その図体は何倍も大きいというリスクこそあったが、 連中は何より、理想的な栄養源たる、餡子のかたまりなのである。 動きは極めて鈍く、昆虫に対する警戒心も果てしなく薄い。思考力も乏しい。 むしろ、いつもより「ゆっくりとした」狩りになるのではないか。 『彼女』は、見苦しい食事を続ける一家の巣穴へ、ふわりと舞い込んでいった。 「ゆっ!? おかあさん、はちさんがはいってきたよ!!」 「ゆゆゆっ、ほんとう!こんなおそくに、まよっちゃったのかな?」 「はちさん、ゆっくりしていってね!!」 『彼女』の侵入に気付いた子まりさが、驚きの叫び声をあげる。 しかしながら、そこはゆっくりブレインである。まずはお決まりの文句をぶつけた。 「ゆぅ~っ、おうちをまちがえてるね!!」 暢気なゆっくりたちは、どうやら揃って満腹したようで、『彼女』を捕らえるつもりはないらしい。 むしろ、一人合点して、心配する素振りをさえ見せ始める。 「はちさん、こんやはまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいんだぜ!」 「ゆっ、そうだね!ここはれいむたちのじまんのおうちだからね!!」 「「ゆっ!おきゃくさん!まりさたちのおうちにゆっくりとまっていってね!!」」 一日精一杯ゆっくりして、あたたかい巣に帰り、腹もふくれ、すっかり安心しきっているのだろう。 連中の言葉でいえば、まさしく「ゆっくりしている」状態だった。この状況を『彼女』は冷静に分析する。 「油断しきっているな」と。 「ゆっ、そろそろねるじかんだね!こどもたちはゆっくりおへやにもどってね!」 「ゆ~~っ、もっとはちさんとあそびたいよ!!」 だだをこねる子ゆっくりたち。しかし、遊び疲れた様子で、渋々自室へかえってゆく。 部屋といっても、扉などない、わずかなくぼみに過ぎないものではあった。 「ゆぅぅ~っ、すりすり♪れいむのほっぺはあったかいね!!とてもゆっくりできるよ!!」 「まりさだってとってもゆっくりしてるよ!!いっしょにゆっくりできるね!!」 そんな、あたたかいお部屋のなかで、ほっぺたをすり合わせ、今日一日の楽しかったできごとを反芻する。 こうしたスキンシップや回想も、ゆっくりたちにとって重要な作業なのである。 次第に夜はふけてゆき、まどろみ始めるゆっくり一家。 空高くにきらめく星たちが、一層輝きを増す頃、一家は完全なるノンレム睡眠のさなかにあった。 そして、狩人の時間が代わりに訪れる。積まれた枯れ枝の陰に息を潜めていた『彼女』が、静かに舞い上がる。 翌朝。小鳥たちの騒ぐ声で、いつものように、一番最初に目覚めたのは、母れいむだった。 数日前の悪天候もどこへやら、外はすっかり、爽やかな秋のムードに包まれているようだ。 ――だが。同時に母れいむは、自らの後頭部(?)に、言いようのない異物感をも感じていた。 「ゆっ!みんな、ゆっくりおきてね!きょうもはれたから、ぴくにっくにいくよ!!」 「…ゆぅ~っ」 「…ゆっ!ぴくにっく!」 「ゆゆっ、まだゆっくりねてたいよ…」 奇妙な感覚を忘れ去ろうとするかのように、母れいむは夫と子供たちを起こしにかかる。 その反応は様々だったが、「ぴくにっく」という、とてもゆっくりした単語を耳にし、むくり、むくりと起きはじめる。 母れいむが、夢心地の子供たちを引率し、おうちの外に連れ出していく。 しかし、「おへや」の隅にむこうを向いて寝転がったまま、ぴくりとも動かない、末っ子れいむに気付く。 「ゆっ?れいむ、どうしたの?ゆっくりおきてね!おいていっちゃうよ!!」 親まりさの呼び掛けにも、微動だにせず、眠りこける子れいむ。その後も、親の呼び掛けは続いたが、 一向に目覚める気配がない。痺れを切らせた親まりさが、子れいむに近付き、リボンをぐいぐいとひっぱり始めた。 「ふぇいふ!ふゃっふゃひょほひはいほほいへふほ!(れいむ!さっさとおきないとおいてくよ!) 親まりさが子れいむのリボンを引っ張った為、自然、ぐるりと体の向きが入れ替わる。 しあわせな夢を見て、実にゆっくりとした表情で眠っているのであろう。 いくばくかの微笑みを湛えて、わが子の安らかな寝顔を想像していた親まりさ。――しかし。 「れいむ、はやくおきな―――ゆ゛っっ゛!?れいむ゛?れ゛いぶっっ!??」 ごろん、と、力なく転がり、こちらを向いた子れいむの表情は、「安らかさ」とはかけ離れたものだった。 白目をむき、その目を見開き、歯茎をむきだしにしつつ、歯を食いしばっている。 よく見れば、その歯と歯のすきまからは、餡子色をした泡をさえ吹き出し、にじませているではないか。 いくら知能が低く、状況を認識・把握する能力を欠いたゆっくりでさえ、この、常識外れの苦しみを味わい尽くし、 地獄の大鍋の鍋底をさえ舐め尽したとでもいうような、苦悶の表情をうかべるわが子の様子からは、 異変を感じ取らざるを得なかった。 「でい゛ぶ!!!でい゛ぶぅぅぅぅっ゛!!!どぼぢだの゛おぉぉぉおっっっ゛!!!べんじじでよ゛ぼぉぉぉ゛っっ゛!!」 巣穴の奥からの、けたたましい悲鳴に驚いたのは、ピクニックの準備をすませ、 おうちの前で、ゆっくりと母と姉妹を待っていた、残りのゆっくり家族たちだった。 「ゆっ!?おかあさんのこえだよ!!」 「ゆぅっ、ふつうのこえじゃないよ!!なにかあったの!?」 にわかに、騒ぎ始める子ゆっくりたち。それを制する母れいむ。 「ゆっ、みんな、おかあさんはなかのようすをみてくるよ!おうちのいりぐちで、ゆっくりじっとしててね!!」 「「「ゆっくりみてきてね!!!」」」 いったい、何があったというのだろう。まりさは普段、とても温厚で、声を荒げたことなど一度もなかった。 「これからもずっと、ゆっくりとして生きていきたい」という思いに、影を落とすような不安を振り払うかのように、 母れいむは懸命に跳ね飛び、大きな、立派なおうちの奥、こどもべやを目指して駆けた。 そこで繰り広げられていたのは、想像を絶する惨状だった。 大切な、大切な子供たちの、ちょっと手狭で、寄り集まってゆっくりするには最高のおへやのなかでは、 同じくらい大切な、配偶者のまりさが、見たこともない泣き顔で、喉も裂けよと言わんばかりの声を張り上げ、 わんわん泣いていた。そのかたわらに転がっていたのは、すっかり冷たくなった、わが子の亡き骸であった。 見れば、尋常ではない表情を浮かべているではないか。急速に、母れいむのゆっくりブレインに、 「泣きわめきたい」という衝動がわきあがってくるが、家族のためを思い、必死にそれを制する。 「ばり゛ざ!!どう゛じだの゛!どう゛じでれい゛むのこどもがじんじゃったの!!!ゆ゛っぐり゛せつめ゛いじでね!!!」 「ゆっ…ゆ゛っ…ば…ばがら゛な゛びよおお゛ぉほぉぉっ!!!!い゛づまでもねてるから゛、ゆっぐりおごじだだげなぼびぃぃいっ!!!」 駄目だ、とても会話ができる状況ではない。母れいむは、こみ上げる涙に潤んだ瞳で、わが子を見つめる。 つい昨日までは、みんなで仲良く飛び跳ねて、とてもゆっくりと暮らしていたはずだったのに。どうして。どうして。 母れいむの頭のなかにぎっしり詰まった餡子の分だけ、この末っ子との思い出も詰まっている。 ゆっくりという種族は、記憶力が乏しいとは言え、家族間の絆は、極めて強固なのである。 母れいむの餡子脳が、楽しかった思い出を求めて、ぐるぐると回り始める。どうして。どうして…! 「ゆ゛うぅ゛っ……!!…………ゆ゛っ??」 泣きわめいていた母まりさが、しゃくり上げると同時に、ぴたりと泣き止んだ。死んでしまったとばかり思っていた、 子れいむの体が、ぴくりぴくり、とうごめきだしたからである。母れいむのほうも、空想に耽るのをやめて、 わが子に駆け寄った。 「れいむ!れいむ!!まだいきてたのね゛!!!よがっだ!!!」 「よ゛がっだあああぁぁあぁ!!でい゛ぶううっっ゛っ!!!」 助かった。子れいむは助かったんだ。二匹の心やさしい親ゆっくりは、ない胸を撫で下ろしたい気持だった。ところが、である。 ぴくぴくと、子れいむは、確かに動いているようである。しかし、おかしいのは、浮かべた苦しみの表情にまるで変化がなく、 自発的に「動いている」というよりは、むしろ誰かに「動かされている」という感じなのだ。訝しげな両親。 「ゆぅぅっ…れいむ、どうしちゃったの……」 もっと近くで、と母まりさが子れいむに近づいた、その時。母まりさは、わが子の皮膚の下でうごめく「何か」を見て取った。 「ゆ゛っ゛っっ!!?」 「ど、どうしたの、まりさ!!!ゆっくりれいむにもみせてね!!」 母れいむが飛び跳ねて、近寄り、うごめく「何か」凝視する。それは―― まさしく、子れいむの中に詰まった、餡子をむさぼるっていた。しきりに、もぞもぞと動いていた。 「ゆっぎゃぎゃああああああ゛あ゛あ゛ああああああああああああ゛ああああ゛!!?」 奇声ともいえる、珍奇な悲鳴を、大音声をあげる両親の目の前で、子れいむは何かに「食われて」いた。 それがいる部分の皮膚が大きく盛り上がって、そこから、音がしそうなほどの勢いで、ベコン、ベコンと、 愛しい娘の餡子が吸い取られ、むさぼられていた。丸々と肥えて、元気なゆっくりに育ちつつあった愛娘は、 見る見るうちに、皮とリボンと、つやのない髪を残して、その存在を消し去られてしまった。 「でい゛ぶの゛ごどぼ!!!!だびじな゛ごども゛があ゛あ゛ああああ゛あ!!がら゛っぼに゛な゛っじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「でい゛ぶ!でびぶぶぶっっぽおおおお゛おお゛がががあががががが!!!」 堰を切ったように、両親の目から涙があふれ出した。さながら滝のようである。こどもべやをマイナスイオンが満たしてゆく。 「ゆ゛っぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でびぶぼごどぼ!!!でびぶのあ゛がじゃ゛ん゛!!!」 「ばびざぼごどぼ!!!!ゆ゛がががああがががが!!!!どぼじでええええぇぇえ!!!」 泣き叫ぶゆっくりたちを尻目に、成果を見届けた『彼女』は子供部屋を後にする。 そう、『彼女』は、油断しきったゆっくりたちが爆睡していた真夜中に、一匹一匹、ゆっくりと、麻酔を注射し、産卵していったのだ。 そうした卵は、遅かれ早かれ、数日と経たぬうち、孵化して、中から獲物を食い破ってゆくのである。 今回は、一晩で、一匹だけが犠牲となった。若干のタイムラグは、致し方ない。――そうこうしているうちに。 「おかあさんたちおそいね!ゆっくりしすぎだよ!!」 「ほんとだね!!まりさたちまちくたびれちゃったよ!!」 「…ゆぅっ…ゆぅっ……」 「おうちのいりぐち」で、待ちぼうけを食らっていた子供たち。中には、退屈してしまい、先刻の夢の中へ舞い戻っているものもある。 そんな子ゆっくりたちにも、むろん、分け隔てなく、卵は産み付けられているわけである。現在進行形で、卵は孵化しつつあるのだ。 「おうたでもうたおうね!!!」 「ゆっくりうたおう!!」 「「「ゆ~ゆ~ゆ~♪ゆっゆ~ゆっゆゆっゆ♪」」」 「ゆ~ゆ~……ゆごぺっ!!?」 突如、一匹の子まりさが、ゆっくりの生命にも等しい餡子を、もりもりと吐き戻しはじめた。顔面蒼白、餡子色の涙を流して。 「ゆっ!?お゛ねえぢゃん、あ゛んごはいじぢゃだめ゛えええ゛ぇぇ゛っ゛!!!!」 「ゆぅぅっ!?どうぢだの゛!!!!!????」 「ゆ゛ぎっ!!ごわい゛よ゛おぉぉおおっ゛!!!!」 泣き叫ぶ姉妹をよそに、子まりさは痙攣しながら餡子を吐き出し続ける。僅かだった体内の異物感が、ある瞬間を境目に、 爆発的に膨れ上がる、おぞましい感覚。猛スピードで、体内の餡子を食い荒らされて、ものの数分で、子まりさは息絶えた。 「ゆ゛あ゛っ゛!!ぼね゛い゛ぢゃん゛がじんじゃっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 「ゆぐぐっ゛!!!ごわ゛いごわ゛いごわ゛いごわ゛いいいい゛いいい゛!!!」 当然のように姉妹たちは泣き叫ぶが、既に、それぞれの体にも、致命的な変化が起こり始めていた。 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ぼね゛え゛ぢゃ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!…ゆ゛!!ぶっ゛!???」 「ゆぎゃぴゆぴぃ゛ぃゅ゛ぃぃ゛!!!!!ぎゃ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!…ゆっく ぶびびるっ!!!!??」 「ゆ゛ぴっ!?ぶべるびばぼごぺっっっっっ!!!!!!ぶり゛ゅりゃ゛っ゛!!!!」 「おうちのいりぐち」は、もはや阿鼻地獄、叫喚地獄の様相を呈していた。子ゆっくりたちは皆、餡子を噴き出して、 滝のような涙を流し、思い思いに泣き叫び、両親の名前を呼び続けた。無慈悲に、ジガバチの幼虫たちが、 子ゆっくりたちを食べ尽くし、いりぐちは静まり返っていた。 「ゆ゛っ゛…ゆ゛っ゛…ゆ゛…お゛があ゛ざん、でい゛ぶを゛ゆ゛っぐり゛だずげで…!!!」 虫の息の子れいむが、両親のいるはずの、こどもべやへと這いずっていた。 どうやら、体内の幼虫の数が少なく、致命傷には至っていない様子である。その懸命さは、ゆっくりにあるまじきものだった。 こどもべやについたら、おかあさんたちに、きもちわるい虫を取って貰おう。 そして、おいしいごはんを沢山もらって、いっぱいほおずりをしてもらって、傷がなおるまで、 ずっとずっと、ずっとゆっくりしていよう。 子れいむの餡子脳の奥に、母と言う名の希望の光が燃えていた。 その輝きを原動力に、満身創痍で、ボロ雑巾のような体で這いずってゆく。 おへやの直前の角を曲がった、子れいむの目に飛び込んできた光景は―― 餡子脳が凍りつく、恐ろしいものを見たかのような、驚愕の表情を浮かべた、姉れいむの残骸と、 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!……」と、餡子のつまった頭部をむき出しにし、 うわごとのように、意味をなさない言葉を繰り返し続ける、母まりさの姿。 床には、餡子の海が広がっており、その中央には、既に絶命し、苦痛に歪んだ顔をした、母れいむの死骸が転がっていた。 あまりの惨状に、言葉を失った子れいむ。 小刻みに震え、白目を剥いてうわ言を繰り返す、母まりさの頭頂部から、すぽん、と音を立てて、丸々と肥えた、 『彼女』のいとし子が、勢いよく顔をだした。 ある意味滑稽なその音は、絶望の淵にいた子れいむを一押しして、地獄の底へと転げ落ちさせるのには、十分すぎるものだった。 母まりさのうわ言が断絶し、完全な沈黙が、幸福だったゆっくり一家の「おうち」の支配者になり代わる。 『彼女』は満足げな羽音を立てて、最良の繁殖法を見出したことを、喜ばしく思った。 若干、ゆっくりどものせりふが少なかったと後悔しています。 至らないことばかりで、申し訳ありません。 お読みいただいて、ありがとうございました。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2575.html
最近巷で流行りのゆっくりカフェというものに行ってみた。 もちもちのゆっくりのほっぺをツンツンしたりすりすりしたりしてみたいなあ。 「いらっしゃいませ~ゆっくりしていってんか」 受付のきもんげに案内されて店内に入る。そこには様々なゆっくりがゆっくりしていた。しかし・・・ ゆっくりめーりん「zzz...ZUN」 ゆっくりこまち「zzz...ZUN」 テルヨフ「zzz...ZUN」 チルノフ「zzz...ZUN」 「寝てるだけじゃねーか!」 「お客さんお客さん」 お、ゆっくりれいむだ。さすがにれいむはちゃんと起きてるようだ。 「ゆっくりはゆっくりしてるのがあたりまえなんだよ。だいたい本家のネコカフェの猫だって本来は昼間ゴロゴロしてるものなんだよ。 それを無理にいじるのはゆっくりしてないんじゃないかな?だからお客さんもいっしょにゆっくりしていってね!」 たしかに正論だ。きっと猫もゆっくりしたいんだろう。 ゆっくりカフェだけあってドリンクは基本ジュースとお茶だけだがお菓子は饅頭、羊羹、お汁粉といった和菓子からケーキやビスケット マカロンやアイスといった洋菓子。杏仁豆腐のような中華菓子まである。おお、これは幻想入りしたティラミスじゃないか。 とりあえずゆっくりからみても一口サイズのお団子をあげてみよう。ゆっくり食べていってね! 「・・・」 あれ?れいむが無言で食べている。 「ンマァーイ!」 え?「むーしゃむーしゃ!しあわせー!」じゃないの?味がイマイチだったのかなと思って食べてみると ヴチュウゥゥゥーッ! 団子から飛び出した謎の白い液体・・・ならぬ黒い液体がれいむにぶっかかった。 「お客さん・・・」真っ黒な顔でれいむが言った。 「このごま蜜団子は前歯で噛むと中の蜜が飛びてちゃうからあえてむーしゃむーしゃとは言わなかったんだよ」 「す、すまない」ナフキンでれいむの顔を拭き拭きする。 「あと食べたあとはしあわせー!じゃなくてンマァーイ!というのもマナーなんだよ、ゆっくり理解していってね!」 そうだったのか。ふと見るとれいむがほっぺをこっちに向けている。 これは「プニプニしてもいいのよ?」というサインなのだろうか?私はそっと人差し指をれいむのほっぺにつけてみた。 プニプニ・・・ つきたてのお餅のようなモチモチした感覚が心地よい。 プニプニプニプニ・・・ ゆっくりのほっぺツンツンが気持ち良くて思わず寝てしまったようだ。 ゆっくりにつられてこちらも寝てしまったようだが心地よい眠りだった。 「お客さんお客さん」 「ん?」 きもんげが呼び止める。 「延長料金」 ゆっくり寝すぎた結果がこれだよ! なんだこのほのぼのw もっと出してもいいのよ? -- 名無しさん (2013-09-24 23 23 32) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3854.html
ゆっくり虐めSS ~YDF~ ゆっくり地球防衛軍2017 前編 その1 【前書き】 これが初SSとなります。 所々改行とかが変な所があったりするでしょうがどうぞよろしくお願いします。 元ネタはPS2、XBOX360の地球防衛軍シリーズです。 ゆっくりがでかいです、ハイスペックです。 ゆっくりが人間を捕食します(設定だけです、描写はないです)。 各シリーズのネタが入り乱れてますがそこんとこには目をつぶって下さい。 あるキャラが喋りません、喋るけど喋りません。原作でも喋らないので、台詞を入れるのは無粋だと思い喋らせませんでした。 楽しんで頂ければ幸いです。 《2013年》 異星生命体のものと思われる飛行物体が確認される。 「ゆっくりしていってね!」と奇声を発する異星生命体を「ゆっくり」と呼称 《同年》 ゆっくりへの接触を試みるも彼らは呼びかけに応じず 《2014年》 様々な努力にも関わらずゆっくりについてはすべてが不明もまま 《2015年》 最新鋭の装備を持つ連合地球軍「YDF(Yukkuri Defense Force)」が設立される 《2017年》 ゆっくりの大群が飛来、はたして彼らの目的は・・・ この国の首都、東京に巨大なゆっくりが近づいていた。 私はまだそれの名前を知らないが、後に『まりさ』と呼ばれる種であった。 そのゆっくりは外見こそ通常種のそれであれ普通とは明らかに違っていた。 まず、まりさ種であるのに飛行していた。れみりゃ種やふらん種のように羽もないのに、である。 そして最も異質なのが、遠目からでも分かるその大きさである。何m、とかそういう問題ではない。 一体、何kmはあろうか、大きい、大きすぎるのだ。 私はその馬鹿でかい顔面を眺めながら、昔に観た巨大隕石が地球に落下してくる映画のことを思い出した。 その生首は大きく口を開けてそのサイズに似合った大声でこう言った。 「ドスの名前はドスまりさだよ!ゆっくりしていってね!!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」 ドスまりさの後に続いていくつもの重なり合った声で彼らの『挨拶』が聞こえてくる。 そしてドスの帽子から何十匹もの生首が飛び出してくる。 こいつらの大きさはせいぜい5~6メートルだろう、でかいことに変わりはないが。 なんだか明らかに帽子の体積より多い量が出てきているのだが・・・。 ドスはまた大きく口を開け、 「この星さんは強いどすのおうちだよ!!弱くてゆっくりしてない人間さんたちは早くここから出て行ってね!」 「「「そーだよ!!このゆっくりしたほしさんはれいむたちのものだよ!おいしいはっぱさんもみずさんもぜーんぶれいむたちのものだよ!」」」 「「「ゆへへ!そうなんだぜ!よわっちいにんげんはゆっくりしないではやくしぬべきなんだぜ!」」」 「「「むきゅきゅ!よねんかんもようすをみてわかったわ!こいつらはぞくにいう『ざこきゃら』よ!かんたんにたおせるわ!」」」 「「「うふふ!ゆっくりとしたとかいはなありすにふさわしいうつくしいまちね!いなかもののにんげんはわたしたちの『えさ』になってね!」」」 「うー、うーあそことあそこにきれいなごーまかんがあるんだどぉー!おぜうさまのものなんだどぉー!」 「「「うー、うー」」」 「ゆっくりしね!」 「「「しね、しね!」」」 「おぉ・・・」ヒュンヒュン ほとんど同時に喋るから何を言っているのかよく分からないが要するに「死ね、出て行け、地球をよこせ」ということらしい。 「ゆっくりしていってね」と言っているのに早く出て行けとは・・・わけが分からない。 しかしこのままでは地球の危機なのだ、子供の時に毎週観ていた3分間しか変身できないヒーローの番組。 私はヒーローに変身できる主人公ではなく、あれの司令官に憧れていた。まさか現実になるとは思いもせずに。 手元のマイクを握り、『緊急放送』と書かれた赤いボタンに拳を叩き付けた。 「YDF!空軍・ストームチーム・レンジャーチーム攻撃開始せよ!他は第一級警戒態勢をとれ!!」 世界各地にとつぜん現れ、地球を侵略し始めたゆっくりたち、全世界のYDFは総攻撃を開始した。 だがしかし間の抜けた外見とは裏腹に、彼らは極めて恐ろしい戦闘能力を持っていたのだ。 「こちら結城!現在ゆっくりと交戦中!うわっ、何だこれは・・・ゆっくりの体液か?。違う、これは・・・あ、餡だーーーっ!」 「ゆっふっふっふ、よわいにんげんさんはれいむのあんこさんでゆっくりしんでね!」 「ゆぺぇっ、ゆぺぇっ!げらげらげら!またしんだね!」 「隊長がやられた!司令官!応援をください!このままでは・・・うわ、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!・・・・・」 「ゆへへ、このゆっくりしたてがらはまりささまのものなんだぜ!ありさんをつぶすのとおんなじなんだぜ」 「なにいってるんだぜ!まりさのほうがおおくころしてるんだぜ!」 「総員、注意しろ!ゆっくりが吐き出すのは強力な酸(を含んだ餡子)だ!」 「早く!早くしろ!囲まれるぞ!」 「隊長!もうだめです!もう囲まれてます!・・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「新入りがやられた!もうもたない!カバーしてくれ!」 「むきゅきゅきゅ、ちてきなぱちゅりーのさくせんのおかげでゆっくりしょうりはまちがいなしね!」 「さすがはどすの『さんぼう』なだけはあるわね、おなじゆっくりぱちゅりーとしてはながたかいわ!」 ある時は単純なはさみうちにかかり、部隊を1つ丸ごと死なせてしまった。 「うわああぁぁぁ う ご け な い!」 「アッハッハッハッ、アーッハッハッハッ 死ぬ、カスタードにまみれて死ぬんだよ!アッハッハッハ!」 「アーマーが溶けるぅ!」 「あらあら、くるっちゃうなんていなかものにもほどがあるわね、ゆっくりしてないからこうなのね」 「ほんとね、ありすほどのとかいはにはうんどうにもならないわ!んんん・・・なんだかからだがあついわね・・・」 「「んんんんん・・・んほぉぉぉぉぉぉ! すっきりーーーーーっ!」」 「敵は油断しているぞ!戦闘開始だ!撃て!撃てっーー!」 「ゆぐっ!なに!?」 「こっちに気づいたぞ!」 「「「「とかいはなすっきりをじゃまするいなかものはしねーーーっ」」」」 「ひるむな!撃ち続けろ!」 「だめだ!敵の数が多すぎる!」 そして何よりも一番恐ろしいのがその数によるごり押しだ。 どれだけ作戦本部が頭を捻った作戦でも圧倒的な数の差をひっくり返すには至らない そして同じころ、空軍も苦戦を強いられていた 「「「「うー、うー」」」」 「左主翼破損!墜落する!」 「ううー!ううー!にぱー!」 「くそっ、動きが読めない!」 「俺がやる!ミサイル発射!」 「うー?う、うがぁぁぁぁぁ」 「やった!撃墜したぞ!これで7匹目だ!」 「流石だな!ん、おい、また来てるぞ!」 「しね、しね!」 「なんだこいつ!、さっきの奴らとはケタちがいに速いぞ!」 質より量でせめてくるれみりゃ(胴なし)、量より質の精鋭ふらん(胴なし) そして・・・ 「こちらバゼラートチーム(戦闘機隊)!ドスまりさを一気に叩く!全機俺に続け!」 「「「「「了解!!」」」」」 「ゆっ?なんだか周りがうるさいよ?」 「むきゅ、あれは『ひこうき』よ。ゆっくりしてないのりものよ。ほっとくとこうげきされていたいいたいされるわよ!」 「ゆ、そうなの?じゃあうるさいはえさんたちはゆっくりつぶすよ!」 「ドスまりさの口内に高エネルギー反応!こっちを向いています!」 「あれはまさか・・・、まずい!離れろ!ドスの側面に回れ!」 「だめです!間に合いません!」 「ドススパーーーク!!」 訂正・・・空軍は壊滅状態に追い込まれた。 「ゆゆっ!全部おちたね!まりさに逆らうからこうなるんだよ、ゆっくり身の程を知ってね」 「むきゅきゅ、このちょうしでいけばこのほしがぱちゅりーたちのおうちになるのもゆっくりじかんのもんだいね!!」 「そうだねみんな!このままばかなにんげんさんをたおしてこのほしをゆっくりまりさたちのおうちにするよ!えいっえいっゆーーーっ!!」 「「「「「えいっえいっゆーーーっ!!」」」」」 「ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!!」 「「「「「ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはぱちゅりーのゆっくりぷれいすよ、ゆっくりできない人間さんは出て行ってね!!」」」」」 「「「「「ここはありすのゆっくりぷれいすよ、ゆっくりできないいなかものは出て行ってね!!」」」」」 「「「うー!!うー!!」」」 「「「しね!しね!」」」 「・・・」 「「「「「「「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!!!!」」」」」」」 空軍がなくなってしまった今、YDFに残っているのは陸軍のみだ。 陸軍は主に、いくつかのチームに分けられている。 【スカウトチーム】 正式名称「偵察隊スカウトチーム」 主な任務はに偵察、情報収集を目的とした斥候部隊である。彼らは必要最低限の装備しか持たず、戦闘には向かない。 人数は2番目に多い。 【レンジャーチーム】 正式名称「強襲歩兵隊レンジャーチーム」 YDFの中で最も人数が多い。 部隊ごとにアサルトライフル・ショットガン・ロケットランチャー・スナイパーライフル・ミサイル・グレネードランチャーなど 1つの装備で固定されていたり、1つの部隊にさまざまな装備を持った隊員がいたりと最も前線で活躍するチームである。 隊長は赤いヘルメットを、隊員はグレーのヘルメットを着用している 【ストームチーム】 正式名称「特殊遊撃隊ストームチーム」 最も数が少ない、その代わりに精鋭揃いのエリートチームである。 1部隊の人数こそ少ない(たった1人の時もあるのだ!)が、それを補うだけの実力を持っている。 技術部の開発した新兵器の実戦でのテスト使用なども彼らが行っている。 すなわちこの3つのチームこそ、YDFに残された最後の希望である! [スカウトチームによるゆっくりのレポート] ゆっくりは雑食で、動物、植物、人間など有機物は大体捕食できるようだ。 人間にとっての毒や劇物などは彼らにとっても有害らしく、食べない(食べた場合餡子を嘔吐し、あまりその量が多いと死に至る)。 攻撃方法は巨体を生かした体当たりと強酸餡子のようである。 ゆっくりの体が何で出来ているかは未だ不明である。 しかし地球上の物質でいうと最も近いのは饅頭の皮と、強酸が含まれていることを除けば餡子とカスタードクリームらしい。 れみりゃ、ふらん種は口から餡子ではなく特殊な光線を発射するようだ。 ロンドンで確認されたティガれみりゃという巨大な個体により、光線が「フヤジョウレッド」という名前だということが分かった。 ふらん種については「死ね!」としか言わないので不明である。 そして、ドスによるおうち宣言の時にのみ確認された、高速で頭(体?)を振り回す個体についてはまだ何も分かっていない。 尚、技術部は戦闘後に彼らの死骸を回収し、新しい武器や防具を開発中とのことである。 [YDFレポート 終] その2に続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1481.html
2008年9月27日 作者により一部修正 前 一方、村役場の会議室。 「何てことをしてくれたんだ!!条約違反が知れたら、ゆっくりごときに食料を奪われるんだぞ!?」 「す、すまない…俺は条約なんて知らなかったんだよ!!」 何気なく子ゆっくりを食した事が、こんな一大事に発展するなんて。 男は周りの村人から責め立てられて、自分が仕出かした事を初めて理解した。 「今、この村の食料事情は決して余裕があるわけじゃない。もしあいつらに群れを補う分の食料を与えるとなったら…!!」 「はっきり言う。村が滅びるぞ!!」 この男を除いて、村人は皆条約の内容を十分理解していた。その条約を結びにきたドスまりさの恐ろしさも知っていた。 そして、条約違反があった場合に違反金―――食料をゆっくりの群れに支払う必要があることも。 「うっぐ……畜生!!どうしてこんなことに!!」 「お待たせした。状況を詳しく教えてくれ」 ちょうどその時、会議室に村長が入ってきた。4人の側近も引き連れている。 「村長!聞いてください!!こいつが群れの子ゆっくりを食っちまったんですよ!!」 「もう条約違反は向こうにも知れているはずだ!!きっと今日中に食料を取りに来る!!」 「どれもこれも、こいつが掲示板を確認しないで適当なことをやったからだ!!」 我慢の限界を超えたのか、男に殴りかかろうとする村人。 しかし、それを遮ったのは……他でもない村長だった。 「なっ…どうして止めるんですか!?こいつは取り返しのつかないことを!!」 「まず、皆に知らせておきたい事がある。実は……昨日掲示された条文は、まったくもって不完全だった。 この場を借りて、皆にお詫び申し上げたい」 深々と頭を下げる村長。その突然の行動に、まわりの村人は何も言えなかった。 「そ、それはともかく…食料はどうするんですか!?あいつらに持っていかれたら俺達は…!!」 「いいのだ」 頭を上げた村長は、コホンと咳払いすると話を続けた。 「何を…何を言ってるんですか?」 「だから、それでいいのだ、と言っている」 揺ぎ無い自信が、村長の目にこもっていた。一方、男を責め立てていた村人達は訳が分からぬという表情だ。 「それとも何か?君たちはゆっくりごとき下等生物との条約を律儀に守って、ご丁寧に食料をくれてやろうとでもいうのかね?」 「そ、それは…俺達だって嫌ですよ!!でも条約が――― 「そんなにドスまりさが怖いかね?君には……人間としてのプライドはないのかね?」 村人全員に言い聞かせるように、そして…まるでこの村以外の全ての人里に向けて問うように…村長は言い放った。 「だが、どうか安心して欲しい。“条約”は我々に味方する」 「どういうことですか?条約は……俺達が認識しているのとは、内容が違うんですか?」 「まさにその通り。『ゆっくりを殺してはならない』なんて条文は……どこにも一切記載されていないのだ!! 偽りの条文が掲示されてしまった不手際については、先ほども言ったとおり。重ねて謝罪する」 その言葉が、村人を安心させた。ゆっくりを殺しても問題なかったのだ。 しかし、それだけでは説明がつかないことがある。ゆっくりはその偽りの条文を条約だと認識している、という点だ。 それについても、村長は最適な解決策を提示する。“人間”にとって、最適な解決策だ。 「だが…残念なことにゆっくりどもは勘違いしている。人間が条約違反を犯したと思い込み、食料を奪いにくるだろう。 さあ皆の者!!大切なお客様が、大挙して押し寄せてくるぞ!!準備をしろ!!槍を持て!!さぁ早く!!早く!! ただし手は出すな!!大切なお客様だ!!大切なお客様には、自らの過ちを存分に理解していただき、その上でお引取りいただく!!」 「「「お……おおおおおおっぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」 村人は歓喜した。条約なんてくそ食らえ!!ゆっくりは搾取されるだけの存在!!そんなゆっくりが人間と平等な条約を結ぶなど、笑止千万!! 我先にと会議室を飛び出し、武器を手にとって村と森の境界線へと向かう村人達。 それを、村長率いる5人の男はゆっくりと追う。 「やはり、ドスまりさにも“条約違反”は伝わっているのでしょうか?」 「そうだろうな。子ゆっくり一匹を食ったのなら、残りの家族はそれをドスまりさに伝えに戻るはずだ。 まったく……あまりに予定通り事が進むと、逆に恐ろしくなるぞ」 村長は苦笑しながらも、自信は失っていなかった。 そして30分後、人間とゆっくりは村と森の境界で再び対峙する事になる。 『ぷくぅ~!!』 村と森の境界。 槍をもって横一列に並ぶ人間を前に、ドスまりさは大きく膨らんで威嚇のポーズをとる。 後方に控えている数千のゆっくりも同様のポーズをとった。 村人の中には怯むものもいたが、今のところ最高にテンションがあがっている彼らにとって、そのポーズは笑いを誘うものでしかなかった。 『ゆっ!!まりさはとてもおこってるよ!!はやく村長さんをよんできてね!!』 「私をお呼びかな?」 『ゆゆっ!?』 あまりにも早い村長の登場に、ドスまりさは戸惑いを隠せなかった。 だが、やることは変わらない。人間達の非をネタにして食料を掻っ攫おうという作戦は、変更する必要はないのだ。 村長は煙草を口に咥えたまま、村人達より一歩前に出る。 そのままどんどん歩んでいって、一匹の赤ちゃんゆっくりの前で立ち止まった。 「ゆっ!!おじさんはゆっくりあっちにいってね!!どすまりさのはなしのとちゅうだよ!!」 「ゆっくちぃ~?おじしゃんもゆっきゅりしゅる!?」 親ゆっくりは危機感を露わにしたが、当の赤ちゃんゆっくりはまったくの無防備である。 「ほぅ……人間でもゆっくりでも、赤ん坊はやはり愛らしいものだな」 「ゆっ!!そうだよ!!れいむのあかちゃんはとてもゆっくりしたかわいいこだよ!!」 「ゆっくちぃ~?れいみゅはかわいいよぉ!!」 「……はぁ。やはりゆっくりは理解しがたい生き物だな」 あっさり警戒を解くゆっくりに対して、村長はすっかり呆れてしまった。 ぴょんぴょん跳ねて足元にすり寄ってくる赤ちゃんゆっくり。村長は、そんな赤ん坊に煙草の火を押し付けた。 ジュウ!! 「ゆっ?ゆっぎゃいあおああおあいおりあおえろいあおえりおあおいろ!!???」 「あがぢゃあああああああん!!!どぼぢでぞんなごどずるのおおおおおおぉ!!!?」 「じょうやくいはんだよ!!ゆっくりたべものをだしてね!!さもないとゆっくりできなくするよ!!」 「にんげんのぶんざいでそんなことするなんて!!どすのこわさをおもいしってね!!」 騒ぎ立てるゆっくりには目もくれず、ドスまりさの目の前に仁王立ちする村長。 ドスまりさは、怒りのこもった目つきで村長を見下ろした。 『残念だよ!!でも条約できめたことだよ!!だから村長さんは早く――― 「実に残念だ。まさか条約締結から1日も経たずに、そちらが違反をしてしまうとは……」 『ゆ!?何を言ってるの!?条約違反をしたのはそっちでしょ!?ゆっくり食べ物をもってきてね!!』 ドスまりさは、村長が何を言っているのか理解できなかった。 こちらが違反した?何を言ってるんだ!人間が子ゆっくりを食べたのに、どうしてこっちが違反したことになるんだ!! 憤りを隠せないドスまりさは、怒りに顔を歪めた。仲間を殺した人間が許せないのだ。 「では、その条約とやらを確認しようか。君、あれを出してくれ」 指示を受けた男が、大きな紙を取り出した。それは昨日締結された条約の条文である。 左側にはゆっくりが理解できるようひらがなで。右側には人間が理解できるよう漢字も交えて、条文が記述されている。 そして、村長はその右側に……内容をひらがなで書き直した条文を、ぺたりと貼り付けた。 「これが、君の読めない漢字をすべてひらがなにしたものだ。さぁ、これで理解できるだろう? 君たちの過ち。君の過ち。自分が何をしでかし、何を敵に回したのか。存分に理解できるだろう? 理解できないか?それでは読んでやろう。一字一句漏らさず、君が締結した“条約”とやらをここに公開しようではないか!!」 以下が、右側に書かれていた条文の一部である。 左側に記述されている条文は、なんら効力を持たない。 人間はゆっくりの群れに自由に立ち入る事が出来る。 ゆっくりは人間の許可なく村に立ち入ってはいけない。 人間の生活・生命を脅かしたゆっくりは、人間が裁く。 ゆっくりの生活・生命を脅かした人間は、なんら罪に問われない。 ゆっくりの生命・生活を脅かしたゆっくりは、人間が裁く。 ゆっくりは、労働力として100匹のゆっくりを村に送らなければならない。 ゆっくりの群れは、各々の家族が毎日子作りをして子供を産まなければならない。 群れ全体で1日に1000匹以上の子供を産まなければならない。 生まれた子供は、その9割を人間に提供しなければならない。 群れのゆっくりの数の増減を把握するため、随時必要な人数の人間がゆっくりの群れに滞在する。 その人間に何らかの危害を加えた場合、群れ全員は人間に殺される。 これ以外にも、数多の条文が記載されていた。全てひらがなと漢字を交えて。 そして、その内容を……ドスまりさは今、把握した。 「どれもこれも、殆ど守られていないではないか!!貴様ッ、条約を舐めているのか!!」 村長は激怒していた。条約は、守るべきものである。 条約とは、国家と国家、集団と集団の約束事。それを破られては困るのだ。 『ゆっ!!でもそんなのまりさは知らないよ!!まりさはその条文をよまなかったよ!!』 「そうだろうな。だが書いてあったんだ。すべて!!余すことなく!!一字一句漏らさず!! 君は条文全てに目を通す権利があり、義務があった。内容を理解する義務があった。理解できなければ申し出る義務があった! そしてそれに署名をしたということは、その権利と義務を果たしたという宣言なのだ。故に条約は成立する。 なのに貴様は、今更条約を反故にしろと言う……君は、約束を破ろうとしているのだよ?」 『ゆっ、ゆぐぐぐぐ!!!どぼぢでえ゛ええ゛え゛えええ゛え゛え゛ぇぇえ゛ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ゛ぇえ゛!!??』 条文全ての内容を理解したドスまりさは、その苛烈な内容に絶望した。その叫びが地を震わし、他のゆっくりにも伝わる。 一字一句漏らさず読み聞かされた他のゆっくりも、その中身がどんなに酷いものかを知って恐怖した。 「ひどいよ!!そんなゆっくりできないようにするなんて!!」 「にんげんだけゆっくりするなんてずるい!!まりさたちもゆっくりさせてね!!」 「あかちゃんをあげるなんてできないよおおおおおおおぉぉおぉぉ!!!」 「どうじでぞんなごどずるのお゛おおお゛お゛おお゛お゛!!??」 だが、ドスまりさは思い出したように反論した。村長は意外そうな顔をしてそれに応じる。 『ゆぐぐぐ!!でもまりさは言ったよ!!“右側の文章がわからない”っていったよ!!』 「あぁ、よぉく覚えているよ。で、私は言ったな。“人間にわかるように書いてある”と」 『そうだよ!!だから村長さんがだましたんだよ!!条約はむこうだよ!!』 「騙した?誤解しないでくれたまえ。あの時私が言った言葉を繰り返そう」 ―――人間はひらがなだけだと逆に文章を理解できないんだ。だから右側には人間が理解できる文章で書いてある。 条約締結のためには不可欠な措置だ。ゆっくり理解してくれたまえ。 「なぁ、私はいつ……右と左の文章の内容が同じだと言ったのだ?」 『ゆっ!?そ、それは!!』 「君は“右側の文章が分からない”と言った。それでは我々も“はい、そうですか”としか答えようがない。 もし“右側の内容を読み上げろ”と君が要求すれば、我々はそれに応えたというのに…… 君は本当に条約を理解しようとしたのか?君にとって、この条約はお遊びだったのかね?」 『ゆっ!!ゆうぐぐぐぐぐぐぐぐ!!!そんなああぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!』 条約を無効に持ち込むための一撃も、あっさりと村長にかわされた。 もはや、ドスまりさに打つ手はなかった。 「なぁ、ドスまりさ?君は……我々と対等なつもりでいたのかな?」 『ゆっぐ…ゆっぐぐ!!』 「ところが違うんだ。我々は強者。君たちは弱者。強者が弱者と条約を結んだところで、何のメリットもない。 そんな利点ゼロの条約を、我々が結ぶと思っていたかね?思ってたんだろうな、きっと。君はバカだから」 『ッがああぁぁぁあっぁあぁあぁぁぁぁ!!!』 言葉のナイフで、ドスまりさの心を抉る村長。 ドスまりさは悲鳴を上げるが、暴れまわることはしない。 心の隅で認めているのだ。自分達の過ちを……自分達の落ち度を。 「いいか?後学のためによく聞きたまえ。条約というのは、強者と強者、弱者と弱者の間にのみ成立する。 ということは、我々と君たちとの間にあったのは条約ではない別のもの、ということになる。それが何かわかるか?」 『ゆっぎぎぎぎぎ!!!わがらないっ!!わがらないよっ!!』 「……搾取だよ。強者による、弱者からの一方的な搾取だ。我々は最初からそのつもりだった。 弱者から“条約を結ぼう”という提案があったので、我々は嬉々として受け入れたよ。鴨が葱を背負ってやってきたようなものだからな。 繰り返す。我々と君たちとの間に結ばれたのは、“条約ではない”。文書によって、我々による君らからの搾取が正当化されたに過ぎないのだよ」 「ひどい!!どうしてれいむたちをゆっくりさせてくれないの!!」 「そうだよ!!まりさたちもゆっくりしたいよ!!」 「そんなじょうやくだめだよ!!どすまりさ!!じょうやくなんていらないよ!!にんげんたちをこらしめようよ!!」 「そうだそうだ!!じょうやくなんてむこうだよ!!どすまりさがいれば、にんげんなんてかんたんにころせるよ!!」 『そんなごどいっだらだめえ゛え゛え゛え゛ええ゛ぇぇぇ゛ぇ゛ぇえ゛え゛!!!』 ドスまりさは恐れていた。ここはひとまず条約を受け入れて、引き下がらなければ! さもないと、周りのゆっくりが余計なことを言って付け入る隙を与えることになる。 その考えに至ったまではよかった。だが、残念なことに手遅れだった。 「ほぅ、君たちは我々に攻撃する意思があるのか。後方の5千を越えるゆっくりは、皆我々の生命を脅かすための兵士ということか」 『ちがいまずううううぅぅううぅぅぅ!!!までぃざだじはだべぼのをもらいに――― 「いや、それはない。何故なら条約違反をしたのは君たちなのだ。そんな君たちが食料を受け取りにくるとは考え難い。だろう?」 暴論だった。姑息な手段で集団をおびき寄せておいて、それを“生命を脅かす兵士”だと言い出すなんて! だが、反論する力も権利もドスまりさにはなかった。こんな滅茶苦茶な条約を結んだのは、他でもない自分なのだから。 「我々は、君の後方に控える5千のゆっくりを、“人間の生命を脅かしうる存在”と認識する。これは重大な条約違反だ。 よって条約に基づき、違反金の支払い、そしてこの場にいる全てのゆっくりを我々人間が裁くものとする!!」 『どうじで……まりざだぢはゆっぐりじだいだけなのに……!!』 「反抗したければすればいい。結果は変わらぬ。この場にいるゆっくりが全滅するだけだ。 ……そうだ、君は条約締結時に我々をドススパークで脅したな。あれも条約違反ということにしよう……やれ!」 極悪非道。人間対人間であれば、そんな言葉が当てはまるだろう。 しかし、相手はゆっくり。そんな非道がまかり通るのが、この世界だ。 村長の指示に従い、槍を持った人間がゆっくりたちの周囲を取り囲んでいく。 「ゆっくりしね!!ゆっくりできないにんげんはしね!!」 「にんげんのくせに!!ゆっくりのじゃましないでね!!」 果敢にも人間に飛び掛っていくゆっくりだが、あっさりと槍につき抜かれて息絶えていく。 その惨状はいつまで続くのか。ドスまりさは分かっていた。自分が、条約違反を認めればいい。 自分が謝れば、この場のゆっくりが全滅することは避けられるのだ。 『もうやべで!!わがりまぢだ!!まりざだちがわるがっだでず!!ごべんなざいいいいぃぃ!!!』 ドスまりさは、正式に謝罪した。その瞬間、人間によるゆっくりへの攻撃が止む。 自分一匹ならドススパークで逃れられたかもしれない。しかし、後方には5千のゆっくりがいるのだ。 ドススパークで2,3人の人間を殺したところで、残った人間は他のゆっくりを綺麗に殺しつくしてしまうだろう。 「どうじで!!どうじであやまるの!!まりさたちはわるくないよ!!」 「れいむもわるくないよ!!ゆっくりぢでだだげなのにいいいぃぃいぃぃ!!」 「どずのばがああぁあぁぁぁぁぁ!!どうじでにんげんをごろざないのおおおおおおおぉぉぉおぉぉ!!??」 後ろのゆっくりたちは、ドスまりさがどうして人間に対抗しないのか、ドススパークを打たないのか、などと文句を言ってくる。 ドスまりさは苦しかった。人間には不当な条約を押し付けられ、仲間からは罵られる。 全ては仲間のために。仲間がゆっくりするために頑張ってきたことなのに。その仲間は無能で、理解力不足。 ドスまりさは、全てを諦めた。全てを後悔した。人間を欺いたりせず、自分達だけでゆっくりすればよかった、と。 報われないリーダーは……敵を欺こうとして逆に欺かれた無能なリーダーは、すべてを新たな支配者に委ねた。 半年後。 「ゆぅ……」 「ゆっくりしたいよぅ…」 森を往来するゆっくりたちの表情に、かつての元気はない。 一方的な搾取。一方的な蹂躙。果てに待つのは破滅。その行く末が、見えているからだ。 「ん……んほおおぉぉ……!!」 「ずっぎりー!!ゆぅ………れいむのあかちゃん、みじかいあいだだけどいっしょにゆっくりしようね」 頭に生えた蔓。子供の形を成している実に向かって、れいむは子供が連れ去られるまで共にゆっくりしようと決めた。 毎日子作りを強制され、10匹以上の子供を作る事が条約で取り決められている。 生まれた子供を逃がそうとしても、駐在する人間に発見されて一家根絶やしになる可能性もある。 だから、ゆっくりの家族は今日も子作りに励むのだ。 「おらおらァ!!きりきり働けぇ!!」 「いぎゃああぁぁぁぁあゆっぐりいいぃぃいいぃぃ!!!」 「いだいのいやあぁぁあぁぁ!!ゆっぐじじだいいいぃぃぃいっぃ!!」 工事現場で悲鳴を上げるのは、強制労働を課せられているゆっくりだ。鞭に打たれて、大粒の涙を流している。 この強制労働も条約に記載されている。人間に対して労働力を提供する事が、取り決められている。 だから、ゆっくりは今日もせっせと働くのだ。 「よし!!誰がたくさん殺せるか勝負だ!!」 「負けないぞ!!」「俺だって!!」 ゆっくりの群れが住む森で、ゆっくりを殺した数を競うという残酷な遊びを始める子供達。 そんな彼らを止める権利を、ゆっくりたちは有していない。 ただ殺されるままに、殺されなければならない。それが条約の取り決めである。 運がよければ、森に駐在する大人によって止められることはあるかもしれない。 だが、人間による群れのゆっくりの増減予想を逸脱しないかぎり、大人の人間による助けなど期待できなかった。 「どぼぢでごろずのお゛お゛おおお゛ぉぉぉぉぉ!!??」 「れいぶだぢはゆっぐじじでだだげなのにいい゛い゛い゛いいい゛い゛!!」 「どずまりざだじゅげでえ゛え゛ええぇぇ゛え゛え゛ぇえぇえぇぇ!!!」 「どぼぢえむじじゅるのおお゛おお゛お゛お゛お゛おぉぉぉぉ!!??」 「どずのばがあ゛あ゛ああ゛あ゛ぁぁぁ゛ぁ゛あ゛ああ゛ぁぁぁあ!!!」 子供を産まなかった親ゆっくりは殺された。 働かなかったゆっくりは殺された。 人間の子供の遊び相手になったゆっくりは、笑いながら殺された。 群れのゆっくりが増えすぎたときは、たくさん殺された。 人間が必要だと判断したときは、とにかく殺された。 すべては条約があるから。条約の取り決めに従って、人とゆっくりは“共存”している。 だが、群れのゆっくりには希望があった。 最後の条文には、こう記されている。 この条約の有効期間は、一年間である。 ゆっくりたちは、その一年後が訪れるその日まで、人間の酷い仕打ちに耐え続ける。 一年経てば自分達は解放される!!自由になれる!!―――そう信じて。 『ゆっぐぐぐぐ………みんな……あと半年……がんばっでね………』 大木に縛り付けられているのは、ドスまりさである。 条約の取り決めに従い、人間の生命を脅かしたドスまりさは人間に“裁かれている”のだ。 身動きの取れないドスまりさは、一日一食、駐在している人間から食料を与えられている。 目の前を往来するゆっくりが、ドスまりさの顔を見上げる。 皆口には出さないが、心の中はドスまりさを罵りたい気持ちでいっぱいだった。 だが、そんなことをする体力的余裕がないのだ。そんな力が余っていれば、一匹でも多く子を産んで人間に献上しなければならない。 『がんばっで……ゆっぐ……うっぐ…ううぅぅぅぅ……がんばっでねぇ……』 ドスまりさの記憶が正しければ、約束の期日まであと半年。 その日が来れば、自分達は解放される。そしたら復讐なんて考えず、この森から逃げよう。ここは全然ゆっくりできない。 今まではゆっくりさせてあげられなかったけど、解放されたらここから遠い別の場所でゆっくりしよう!! みんなでゆっくりすれば、自分も幸せになれる。自分を罵ったゆっくりも、きっと許してくれるはずだ。 群れのゆっくりにとって、その“半年後”こそが生きる希望だった。 半年後の自分がゆっくりする姿を思い浮かべて… 今日も子を作り、働き、搾取される。 だが、とても残念なことに。 人間側としては、半年後までゆっくりを生かしておく予定はまったくなかった。 (終) あとがき ゆっくりレイパー氏の『ある愚者の孤独な復讐』を読んで、結構溜まったんですよ。すっきりできなかった。 この糞ったれ村長はカリスマ村長の外交手腕を見習ってね!!という具合に書きなぐりました。5時間で。 次はちゃんとした虐待を書くから許してね!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1891.html
「踏みにじられた花」fuku1450.txt であまりすっきりできなかったので続きを書いてみました。 ちなみにfuku1450.txtの作者ではありません。また東方キャラが出演します。 幽香はいつものごとく太陽の畑を手入れして向日葵を育てていた。 そして手入れが終わると水浴びをし、体にを綺麗にしてから 咲いた花たちを眺めながら妖精たちとティータイムを楽しんでいた。 最近の妖精たちの会話の中心はゆっくりだ。 幻想卿に突如出現したゆっくりは、知性は低く、本能に忠実で 他人に対しては小馬鹿な態度を取るわりにものすごく弱いと言う いったい誰が何のために生み出したのか疑問に思うほど謎な生物である。 妖精たちは、ゆっくりにこんな悪戯をしたなどの虐め方談義で盛り上がっていたが、 幽香自身は弱い生物に興味がなく、太陽の畑を荒らす愚かなゆっくりには制裁を与えるが わざわざ出向いてまで虐めるなど無意味と思い、ゆっくりには興味を持てずにいた。 しかし、つい最近興味を惹かれるゆっくりがいたのだ。 それは数ヶ月前。 空の散歩を楽しんでるときに、偶然花畑を見付けたことから始まる。 人里離れた僻地に手入れされた花畑があったので興味を惹かれて降りてみると 「はなばたけをあらすひとはでていってね!」 「あら、こんにちは。私は花畑を荒らすようなことはしないわ。 にしても、なかなか見事な花畑ね」 自分に良く似た顔をしたゆっくりゆうかが出てくると開口一番に文句を言ってきた。 花畑を荒らすことなどまずありえなく、率直の感想を言うと 「はなばたけをあらさないんだったら、ゆっくりみていってね!」 「ありがとう。ここの花畑はあなたが育てたの?」 「うん、がんばってそだてたの!」 ゆっくりゆうかは警戒心が強く、また花を荒らすゆっくりや人間を嫌ってはいたが 花を愛でて自分と気持ちを共有してくれる人は好きだった。 幽香自身も花を荒らすどころか逆に花を育てるというところに好感を持てたので 少し喜ばせてあげようと思い、珍しい花を咲かせてあげると 「ゆっ!おねーさん、すごい!」 「こんな花もあるわよ」 「きれー!!」 喜んでくれるようで、次々と珍しい花を咲かせてみせる。 しかし、ふと我に返り自分を戒める。 同好の士を見つけたせいか、つい調子に乗ってしまった。 こんなところを鴉天狗にでも見られてしまっては大妖怪としての沽券に関わる。 「いま咲かせた花々の種をあげるから、あとは自分で育てなさい」 「おねーさん、ありがとう!がんばってさかせてみせるね!!」 「花が咲く頃にまた見に来てあげるから、頑張りなさい」 幽香は沢山の花の種をゆっくりゆうかに渡してその場を去った。 あれから数ヶ月。渡した種もそろそろ花が咲く頃だし、様子を見に行くか。 妖精たちに出掛けることを告げてから、幽香は日傘を手にして花畑に向かった。 種を渡したゆっくりゆうかは頑張っているだろうかと期待を膨らませて。 「なにこれ」 しかし、花畑に着いた幽香が見たのは 食い尽くされ見るも無残な状態の花畑とゆっくりの集団であった。 つい先日まではゆっくりゆうかによって手入れされ、綺麗に咲き乱れていた花畑であったが ゆっくりの集団に見付かったことにより、餌場となっていたのだ。 「むーしゃ!むーしゃー!しあわせー!!」 「うっめ!めっちゃうっめ!!!」 空にいる幽香には気付かず、花を食べたり、踏み荒らしたりしているゆっくり達。 幽香はすぐ様、蛮行をとめるためにその場にいるゆっくり達に薔薇を投げて動きを封じる。 すぐに殺しても良かったが、殺すことなど後でも出来る。 まずはゆっくりゆうかを探すことが先決と判断した。 「いだいいいいいいい!」 「ゆっぐりでぎないいいいい!!」 「おかあああざん!だずげでえええええ!!」 いきなり薔薇を体に刺されたゆっくり達はあまりの痛みに叫びをあげた。 体には細い薔薇の茎が刺さってるだけなので致命傷には至らない。 だが、妖力が込められた薔薇の茎は、ゆっくりの力では引き抜くことも出来ず 無理に動こうとすると、茎によって体が引き裂かれるので ゆっくり達は、ただ苦痛の声をあげることしか出来なかった。 幽香はそれを無視し、空からゆっくりゆうかを探しまわった。 ゆっくり達を脅してでも居場所を聞いたほうが早いだろうが 花を荒らすようなゆっくりと会話することもイヤだったのである。 しかし、数刻探してもゆっくりゆうかを見つけることが出来ず 仕方なく群れから少し離れた場所にいたゆっくりまりさに聞くことにした。 「ちょっといいかしら?」 「ゆっ!おねーさん、だずげでえええええ!!」 声をかけるなり、いきなり助けを求めてくるゆっくりに辟易し 幽香は持っていた日傘をゆっくりの右頬に突き刺した。 「いだいいいい!やめでええええ!!」 「質問に答えないようなら殺すわよ」 突き刺した日傘をぐりぐりと動かし脅すと ゆっくりの餡子脳でも理解できたのか泣き叫ぶことをやめ、涙を流しながら何回も頷いた。 ようやく話を聞ける状態になったので 「ここにゆっくりゆうかがいたと思うけど、どこにいるのかしら?」 「ゆ゛っ!ごごにいだゆっぐりならあぞごでず!!」 ゆっくりまりさが舌で指し示した方向を見ると、そこにはよく分からないものがあった。 近づいてみてもよく分からなかったので摘み上げてみると どうやら皮を引き伸ばされてから石で戻らないように固定されたゆっくりめーりんのようだった。 そして、その下にはゆっくりゆうかが般若の相をしたまま死んでいた。 「ゆ゛!」 いきなり摘み上げられたことに驚いたのか、皮を伸ばされていたゆっくりめーりんは呻いた。 ゆっくりゆうかのほうは死んでいたが、ゆっくりめーりんはこんな状態になってもまだ生きているようだ。 幽香は花の蜜を与えてからゆっくりめーりんを地面に静かに置き、ゆっくり達に向き直り再び問い掛ける。 「この場所を見つけたゆっくりはどれかしら?」 「あぞごにいるれいむどまりざどありすとぱぢゅりーがおじえでぐれだの」 殺気と共に声をかけてくる幽香に怯え、すぐに仲間を売るゆっくりまりさ。 所詮ゆっくりまりさ。仲間のことより自分の命のほうが大切なのだろう。 「そう。ありがとう。お礼に食事をあげるわ」 「おねーざん!ありがどぉぉぉぉおおがぁぁ!!」 ゆっくりまりさの口の中に花の種を何粒か入れてすぐ様成長させる。 ゆっくりを苗床とし、何種もの芽が発芽していく。 「まりざのがらだになにをじだのおおおお!!」 「あら、花の種を食べさせてあげたのよ」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛!いだいいいい!!ながのあんごをずわないでええええ!!!」 餡子を栄養として花が咲き、饅頭の皮を引き裂いていく。 「おねえええざん!ゆるじでえええ!!」 「あら、何を許して欲しいのかしら」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 もはや言葉を発することは出来ず、ついには餡子を飛び散らせながら いくつもの花を咲かせてゆっくりまりさは絶命した。 「ゆっくりが苗床でもやっぱり花は綺麗ね」 妖艶な笑みでそう言い残し、首謀者と考えられる4匹以外のゆっくりはすべて花の栄養にすることに決めた。 何十匹もいるのに、1匹づつ苦痛を与えながら殺していくのは些か面倒だし。 やることが決まれば、あとは単純。薔薇の茎が刺され動けなくなっているゆっくり達に花の種をばらまいた。 そして始まる、阿鼻叫喚の地獄絵図。 そこかしこで聞こえてくるゆっくり達の絶叫を聞きながら 幽香は首謀者と思われる4匹のゆっくり達に近づいた。 「れいむがらこのばらをぬいでええええ!」 「おねーざん!まりざをだずげでほしいんだぜ!!!」 「もうやだあぁ!!どがいはのぎれいなはだがきずづいだああああ!!」 4匹のゆっくりは未だに薔薇の茎が刺さったことによる痛みと 周りから聞こえてくるゆっくり達の絶叫に怯えて、声をあげて泣いていたが こちらに気付くとすぐに自分が誰かに攻撃されたことも忘れて助けを求めてきた。 幽香は軽く既視感を覚えたが、本能に忠実なゆっくりの行動など大抵同じなのだ。 助けを求める声を無視して、幽香は一番近くにいたゆっくりれいむを踏みつける。 踏みつけられたことにより、薔薇の茎で引き裂かれた皮が更に傷つくがそれすらも無視して脅す。 ゆっくりをこちらに従わせるには痛みと恐怖を与えるのが一番手っ取り早いからだ。 「おねえざん!やめでええええ!!」 「静かにしなさい!うるさくしたり、質問に答えなかっりしたら、もっと傷を広げるわよ」 軽く脅して、ゆっくりれいむを黙らせてから問い掛ける。 「あなた達がこの花畑を見つけたの? 」 「ぞうですぅ!れいむだぢがみづげましだああぁぁ!!」 質問に答えたので幽香はゆっくりれいむを踏むのをやめ ゆっくりれいむのすぐ側にいたゆっくりまりさを今度は踏みつける。 先ほどゆっくりれいむに言った言葉が聞こえたのか ゆっくりまりさは叫び声をあげることもなく、ただ滂沱の涙を流しながらこちらを見ていた。 「ここにいたゆっくりをなんで殺したの?」 「ゆっぐりだぢのじょぐじをじゃまじだがらだぜぇ!!」 イラ 「ゆ゛ー!」 そんな理由で、花を荒らしただけでなく、気に入っていたゆっくりゆうかまで殺したのか。 あまりにもふざけた理由だったため、つい足に力が入ってしまった。 おかげでゆっくりまりさの傷が大きく開いたが餡子はそれほど出ていないのですぐに死ぬことはなさそうだ。 1メートルほど離れた場所にゆっくりアリスがいるので、今度はそちらに近づいていく。 今までのやり取りを見たゆっくりアリスは、怯えて逃げようとしたが 茎が刺さったままだったことを忘れたらしく、何もしないうちから更に傷を広げていた。 だが、幽香はそれをみて手加減することなく傷口に日傘を刺し込み傷を広げながら、問い掛ける。 「ゆっくりめーりんの皮が酷いことになってたけど、それもあなた達がやったの?」 「ぞうです!わだじだぢがやりまじだあぁ!!」 涙を流しながら素直に質問に答えたので、日傘を抜いてやり 最後に残ったゆっくりパチュリーに近づく。 先ほどから声をあげてなかったので、恐怖で震えているのかと思ったらすでに失神していた。 体が弱いと聞いていたが、まさか薔薇の茎を1本刺されたくらいで失神するとは・・・ これでは質問できないので軽く蹴って叩き起こすと、餡子を吐きながらも眼を覚ましようだ。 「ここと森の間には荒地があるのに、どうやってここまできたの?」 「むぎゅー!ゆーパックだぢにだのんでづれでぎでもらいまじだぁ!!」 へー、そんなゆっくり種もいるのね。あとで殲滅しておくかな。 最もいまはそんなことより目の前にいる4匹のゆっくりにお仕置きをしないとね。 そして、ゆっくりめーりんにやったことと同じことをしてやろうと思い 4匹のゆっくりに聞こえるように大きな声で宣言した。 「一番最後まで生き残ったゆっくりには、特別に見逃してあげるわ」 「ゆ゛っ!みんなはれいむをだずげでね!!」 「まりざのだめにみんなばおどなじぐじんでね!!」 「ありずはどがいはでゆうじゅうなんだがらいぎのごるべきよ!」 「むきゅー!」 苦痛で涙声になりながらも、お互いを罵り始めた。 もっともゆっくりパチュリーだけは、すでに諦めたようだが。 さて、まずはゆっくりまりさからやろうかな。 幽香は分身すると、ゆっくりまりさから薔薇の茎を抜いて 4ヵ所をつまみながら持ち上げた。 「まりさをたすけてくれるなんて、おねーさんはみるめがあるぜ!!」 「あら、ありがとう」 と言って、徐々に力を入れながらゆっくりまりさを殺さぬよう皮を伸ばしていく。 「いだい!いだい!おねーさん、でをはなずんだぜ!!」 「ゆっくりめーりんにもこうやって遊んであげたんでしょう」 「あ゛あ゛あ゛あ゛!あんごがでてる!でてる!やめるんだぜ!!!」 先ほどの薔薇の茎で傷ついた場所から餡子が漏れ出していたので 仕方なく幽香は妖弾を使い、傷の部分を焼いて止血をする。 「うるさいわね。こうすれば平気でしょう」 「あsdfghjkl」 声にならぬ声をあげて、ゆっくりまりさは白目を剥いて気絶した。 気絶したところで手を止めると、ゆっくりまりさは40cmほどの大きさだったものが 皮を伸ばしたことにより1m位にまで伸びていた。 だが気絶されたままではつまらないので、花の蜜をかけて刺激を与え 無理やりゆっくりまりさを目覚めさせたが、苦痛に身悶えするばかり。 あまりに反応がないので、後回しにすることにして次に移る。 「さーて、次は誰がいいかなー?」 「ゆるじでえええええええ!!」 「おうじがえるうううぅぅ!!」 「最後まで生き残れば死なずに済むわよ」 ふと、ゆっくりパチュリーを見るとまた失神していた。 罰を与える前から失神されると、こっちとしてもやりがいがないので 無理やり目覚めさせてから、ゆっくりパチュリーを引っ張ることにした。 「ゆっくりパチュリーはどこまで伸びるかなー?」 「やめでええええ!やめでええええ!!」 「ちゃんと止血もしてあげるわよ」 「むきゅー!」 4ヶ所をつまみながら皮を伸ばしていき、餡子が出そうになったら傷を焼いて止血したが 体が平べったくなりながら倍ほどに大きさになったところで、ゆっくりパチュリーは餡子を吐き出して絶命してしまった。 「あらあら、ゆっくりパチュリーは死んでしまったわ。 あなた達、良かったわね。さぁ、頑張って生き残ってね」 「「「ゆ゛ぅぅ!」」」 ゆっくりパチュリーの死に様を見てしまったせいか 数刻後には自分もああなるのだと悟り、絶望するゆっくり達。 だが、幽香はそんなことを歯牙にもかけず、続けた。 「おねええざん!!なんでもずるがらだずげでえええええ!!!」 「ありずはこんなどごろでじにだぐないいいい!!」 餡子が出そうになるたび、妖弾で傷を焼かれて止血しては皮を伸ばされ 口から餡子が出そうになると、口を石で塞がれた。 そうしてなかなか死ねない状態のまま、ゆっくり達は皮を伸ばされ続けた。 結局、最後まで生き残ったのは、ゆっくりまりさだった。 「あなたは頑張ったから見逃してあげるわ」 「ふふ、うふふ、うふふ」 皮を伸ばしに伸ばされ、もはや自力で動くことも困難な状態で 壊れた笑いをし続けるゆっくりまりさに声をかける。 「どうせだから、仲間もつれていってあげてね」 そう呟くと 皮を伸ばされたゆっくりパチュリーをゆっくりアリスで包み さらにそれをゆっくりれいむで包んだ後に 最後にゆっくりまりさで包んであげた。 そして、結び目を焼いて癒着させてから森のほうへ転がした。 花を荒らしたゆっくり達に対してはお仕置きも済んだので、まだ生きているゆっくりめーりんに近づく。 花の蜜が効いたのか意識を取り戻して、皮が元の形に戻り始めていた。どうやらこのまま死ぬことはなさそうだ。 幽香はふと気になったことをゆっくりめーりんに尋ねた。 「花畑は好き?」 ゆっくりめーりんは弱弱しくも確かに頷いた。 期待通りの返事に幽香はにっこりと笑い 「そう、なら花畑を作り方を特別に教えてあげるわ」 幽香はこの花畑をこのまま放置して荒れたままにしておくのは勿体無いと考え このゆっくりめーりんに花畑の作り方を教えて、管理させようと思った。 まずは傷を癒してもらい、その後びっちり花畑の作り方を教え込もう。 幽香は今後の予定を頭で思い浮かべながら、ゆっくりめーりんを連れて帰途に着いた。 太陽の畑に帰る途中 「おっと、まだやることが残ってたな」 幽香は森を飛び回りながら、ゆーパックを見つけ次第殺しつつ 二度とこんなことが起きないように 食虫植物を改良した食ゆっくり植物を作り出し、森中に植えた。 数ヵ月後。 この森にいるゆっくりは、ゆっくりめーりんのみになったが ゆっくりめーりんはその事に気付かず花畑を育てながら幸せに暮らしたそうな。 fin 個人的に幽香もゆっくりゆうかも、花を愛でる人には優しいんじゃないかという妄想が入ってます。 1450.txtでも、ゆっくりゆうかは死ぬ間際にはゆっくりめーりんに対して仲良くしようとしていたみたいですし。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2044.html
※お下品なネタ注意。 ある晴れた秋の日。 柔らかく気持ちの良い日差しに目を細めていると、草むらから妙な声が聞こえてきた。 何だろうと思いながら邪魔な草を避けた俺は、すぐに身を伏せた。 二匹のゆっくりが、何かをしている所を見たからだ。 「……ぃ!」 「……ょ!」 何か話し合っているらしいが、ここからでは聞こえない。 仕方がないので近づいてみる事にした。 もちろん、隠れるために可能な限り身を低くする事は忘れない。 「……ん! ゆ……!」 「ゆっ……! ……ね!」 ガサガサと草が鳴っているにも関わらず、奴らは気付く気配もない。 隠れる必要性に少しだけ疑問を覚えつつ、ゆっくりどもにバレない様に慎重に近づくと、奴らの会話が聞こえるほどの場所まで来られた。 念のため(あくまで念のためだ。ゆっくりどもは俺の存在に全く気付いてはいない)うつ伏せになって様子を伺う事にする。 ここまで来て気付かれたら元も子もない。呼吸音さえも気にしつつ、俺は奴らの会話に耳を立てた。 「……ゆーん! ゆーん! ごめんなぢゃいぃぃぃ!!!」 「……ゆっくりあやまってね! ゆっくりはんせいしてね!」 大きなゆっくりがゆーゆーと泣き叫ぶ小さなゆっくりを叱り付けている。 揃って間抜けな声を辺りに響かせるゆっくりの姿は、俺の虐待魂を激しく揺さぶるものだ。 こいつらをどう虐待してやろうかと考えつつ、ゆっくりどもの会話を聞き続ける。 「おがーぢゃんごめんなぢゃいぃぃぃ!!!」 「だめなこはゆっくりはんせいしてね!」 大小のゆっくりだから親子かもと推測していたが、親子だと自分で宣言した。 こいつらは何故いつも説明口調なのだろうかなどと考える俺をよそに、ゆっくりどもの会話は続く。 「おねむのまえはきをつけてっていってるでしょ!」 「だっでふぢあわぢぇーだっだんだもんんん!!!」 「ふしあわせーでもがまんしなきゃだめなときもあるっておかーさんはいったよ! ゆっくりはんせいしてね!」 親ゆっくりの怒りはかなり激しいらしく、何度もぷんぷんと言いつつその場でぽよんぽよんと飛び跳ねている。 今すぐ飛び出して二匹ともすり潰してやりたいが、そこをぐっと堪える。 話の流れによっては、この会話も虐待の一つとして使えるからだ。 一言も聞き逃さない様に注意深く聞いていると、意外な言葉が耳に飛び込んできた。 「おねむのときにしーしーするこは、ゆっくりさせないからね!」 「ごめんなぢゃいぃぃぃ!!! ごんどがらおぢょとでぢーぢーぢゅるがらゆっぐりぢゃぢぇでぇぇぇ!!!」 「こんどやったらにどとゆっくりさせないからね! ぜったいだよ!」 親ゆっくりはぷんぷんと効果音を自分で言いながらも、内心は許している様だ。 子ゆっくりも、それほどの時を置かずに許された事に気付くだろう。 微笑ましい親子の図。 いつもならもう飛び出してもおかしくない頃だが、今のこいつらは俺の虐待魂には響かない。 ――ゆっくりも寝小便をする。 その事実から、新たな虐待方法を思いついたのである。 俺は、秋の清々しい空気を楽しむ事も目の前のゆっくりをずたずたにしてやる事も忘れて家へと急いだ。 後ろから「ひゃっはぁ!」「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!」「おがあぢゃぁぁぁぁん!!!」などと聞こえたのは、気のせいだろう。 『おねしょゆっくり』 準備そのものは簡単なものだったが、この虐待をするためには夜を待たなくてはならない。 丑三つ時近くまで待ってから向かうのは、近くの洞穴。 そこにゆっくりの家族がいる事は既に確認している。 鈴虫の鳴く中をゆっくりと歩いていくと、すぐに巣を見つける事が出来た。 「……ゆっくりしていってね」 念のために巣の入り口で声をかけてみるが、数呼吸待っても返事はない。深い眠りに入っているのだろう。 巣に入ると、案の定ゆっくり達は熟睡していた。 「ゆぅ……ゆっくりぃ……ゆふふ♪ れいむのあかちゃんかわいいよぉ~……」 「ゆっくりぃ……ゆっくりちていってねぇ……ゆふん♪」 「ゆっくりおいちちょうだよ……むーちゃ、むーちゃ……ちあわちぇ~……ゆふふぅ♪」 のんきに寝ているゆっくりどもを見ると、悲鳴を上げる暇もなく皆殺しにしたい。 だが、今回は潰すのが目的ではないからぐっと堪えて、音を立てない様に巣の奥まで入り込んだ。 狙いは間抜け面をして眠っている親ゆっくりだ。 「ゆぅ~……ゆっ、あま~いおみずさんがたくさんあるよ~……みんなでいっしょにごーくごーくしようねぇ……」 「おみぢゅさん、れいむものみたい~、ゆぅ……ゆぅ……」 「れいむはおかちちゃんをたべてりゅからいらないよ~……むーちゃ、むーちゃ……ゆふふん♪」 間抜け面で眠っている親ゆっくりのそばまで来て、細工を済ませる。 ……しかし、顔がはっきりと分かるほどに近づいたのによだれを垂らしているというのは、野生生物としてどうなのだろうか。 そのおかげでこういう虐待も出来るのだから、文句を言う筋合いはないのだが。 準備が終わったら、後は待つばかりだ。 用意しておいた寝袋に包まって、朝を待つ。 鈴虫の鳴き声が、心地良い眠りへと誘ってくれた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!」 朝、甲高い悲鳴で目を覚ました俺は、痛む耳を押さえつつ巣を覗き込んだ。 中には、酷く動揺した様子の親ゆっくりと、それをじっと見つめている子ゆっくりがいた。 「ちがうの、これはちがうの! れいむはしてないよ! してないもん!!!」 首の付け根辺りを濡らした親ゆっくりが、顔中から脂汗をかいて必死にしてないしてないと叫んでいる。 身体を左右に振っているのは、人間が首を振るのと同じ意味があるのだろうか。 だが、そんな親を見る子供達の目は酷く冷ややかなものだ。 「……ぢゃあだりぇがちたの? れいむもおねーちゃんもちてないよ」 「……おねちょちゅるなんて、おかーちゃんはゆっくりちてないこなんだね」 「だがらぢがうのぉぉぉ!!! れいむおねじょなんがじでないよぉぉぉ!!!」 子供達の冷たい言葉を否定しようと、絶叫する親ゆっくり。 あまりに大声を出しているからか、首元からしぶきが飛び散った。 子ゆっくり達はそれを汚らしそうに避けつつ、より冷ややかな視線を親に浴びせる。 「きちゃないものとばちゃないでね!」 「おねむのまえにちーちーちなかったけっかがこりぇだよ!」 「ぢがうよぉぉぉ! れいむおねじょぢでないよぉぉぉ!!!」 どうやら成功したらしい。ほくそ笑みながら、目を凝らして様子を伺う。 そう、れいむがしたおねしょは、俺が仕込んだものだ。 夜の間に巣に忍び込んで、汁粉をれいむの首の辺りに撒き散らせておく。 それだけで、れいむがおねしょをした様に見えるという寸法だ。 「……おかーちゃん」 「ゆっ、なに?」 冷たいまなざしの子供と、ビクビクしている親。 昨日見たゆっくりとは正反対だな、などと考えつつ眺め続けていると、子ゆっくり達は親ゆっくりと距離をとりだした。 「「おかーちゃんみたいなきちゃないこは、おうちにはいらないでね!」」 「ゆうぅぅぅぅぅ!!! おがーざんになんでごどいうのぉぉぉ!!!」 その場を動かずに叫ぶ親ゆっくりの顔色は真っ青で、白目をむいていた。 愛する娘から家に入るなとまで言われたのだし、素直に言う事を聞けば家から出なくてはならないのだから当然の反応だ。 かなりのショックを受けたらしく、そのままぶるぶると震えている親に向かって、子ゆっくり達は更なる追い討ちをかける。 「きちゃないこはどっかいっちぇね! れいむたちもきちゃなくなっちゃうよ!」 「おかーちゃんはくちゃいよ! れいむとおねーちゃんにはもうちかぢゅかないでね!」 「ゆぎゅあぁぁぁぁぁ!!! どうじでぞんなごどいうのぉぉぉ!!!」 おねしょ一つでここまで言うのかとは思うが、きれい好きなゆっくりからしたら決して許せない事なのだろう。 俺は、慌てて口を押さえた。 そうしなければ、あまりの面白さに噴き出して気付かれてしまう。 「ゆ……ゆ……ゆえええええん! れいむほんどにじでないもんんん!!!」 「おかーちゃんおちょなのくちぇにゆっくりないてりゅよ」 「おお、なちゃけないなちゃけない」 とうとう泣き出してしまった親ゆっくりだが、対する子供達の対応はどこまでも冷たい。 それどころか、ウザい顔になって更に追い詰める様な事を言い出した。 ここまで言われたら攻撃しそうなものだが、この親ゆっくりは随分と大人しいらしい。 ……まぁ、それすら考え付かないほどに打ちのめされているだけなのかもしれないが。 「「おねちょちたゆっくりは、ゆっくりちないでちね!!!」」 「れいむおねじょなんがじでないのにぃぃぃ!!!」 止めの一言に耐え切れなくなったらしく、親ゆっくりは涙とおねしょの跡を残して巣から飛び出していってしまった。 ゆええええんと騒がしく跳ねているゆっくりから、涙とおねしょのしぶきが飛び散っている。きたねぇ。 どうでも良い事だが、あのまま外に出たら周りにバレるんじゃなかろうか。 「おねちょちたおかーちゃんがどっかいっちゃね。これでゆっくりできりゅよ!」 「だめなこだよね、ゆっくりちてないよ。あんなおかーちゃんより、ごはんたべちぇゆっくりちようよ!」 一方の子ゆっくり達は、おねしょをした親を追い出せて満足しているらしい。 ゆっくりと食事をとって、そのままゆっくりしている。 こいつらはこいつらで、備蓄食料がなくなったらどうやって生きていくんだろうか。 おねしょ一つで家族を完全にぶち壊す事が出来るという事を知った今、これを利用しない手はないだろう。 次はどの家族の絆を壊すかな……思わず笑いがこみ上げてくる中、次の虐待先を考える。 遠くから「れいむおねしょしてるー!」「ゆわぁぁぁぁん! れいむおねじょなんがじでないよぉぉぉぉ!」というやりとりが聞こえてきた様な気がした。 ゲロの次はおねしょ……まぁ、こういうのは人間性を表してるんでしょうね。 お下品ですいません。 by cyc=めて男 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/492.html
どこまでも晴れ渡った青空のもと、広い草原の上。8匹のゆっくり達がゆっくりとした時間を過ごしている。 まだ小さい赤ちゃんゆっくりが6匹、成体の、おそらく赤ちゃんゆっくりの親であろうゆっくりが2匹いる。 赤ん坊は全て霊夢種のゆっくりで、両親の愛情をうけていままでゆっくりと暮らしてきたのだろう。 野生種にしては肌に張りがあり、髪も艶がある。要するにとても健康なのだ。 満面の笑みを浮かべながら、「ゆっ♪ゆっ♪ゆっくり~♪」と跳ねながら歌っている。 子供たちよりも二回り大きい霊夢種と、その霊夢種より少し大きい魔理沙種の両親がそれを見守っている。 見守る親ゆっくりの表情もとてもゆっくりとした良い表情だ。 両親の髪には、昨日我が子が自分達のためにと採ってきてくれたタンポポが刺さっている。 自分の子供たちがゆっくりとしたやさしい子供に育ってくれたことが、彼らにはうれしかった。 「れいむたちのこどもいいこだね!」 目を細めてゆっくり親霊夢が言う。 「まりさたちのこどもゆっくりだね!」 親魔理沙もうれしそうに言う。 両親ともにやはりとても健康だ。 そう、私の娯楽に付き合うのに彼らは完璧だ。 長い間ゆっくりの家族たちを見てきたが、彼らほどお互いのこと思いあっているゆっくりの家族はそういるものではない。 彼らを私の素敵なパーティーに招くためには第一印象が大事だ。 できるだけやさしい声で、彼らに話しかける。 「やあ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 種としての本能か、彼らはやはりゆっくりしていってね!!!と返してくる。 この反応で10日前にやった遊びを思い出す。 ふと、どんな状況でも「ゆっくりしていってね! 」と言えば「ゆっくりしていってね! 」と言い返してくれるのか実験してみた。 ゆっくりの足?かどうかはわからないが、底の部分をのこぎりでゆっくり切る。もちろんゆっくりは泣き叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」と言えば、 「つっづゆっづっりじていっべぇねぇ!!!」と、激痛の余りゆがめた口から、泣きながら「ゆっくりしていってね!」らしき言葉を話していた。 そのゆっくり霊夢は元の場所に帰してやったが、おそらくもう死んでいるだろう。 おっと、いかんな。今大事なのは目の前の彼らを私のパーティーに招くことだった。 「おじちゃんゆっくりできるひと?」 「おじさんゆっくりできるひとなの?」 おじさんかぁ…まあいい。私から溢れるダンディーな雰囲気から、お兄さんではいけないと考えたんだろう。 彼らが聞いてくる。驚いたことに、ゆっくりとだが私から距離をとり、まだ小さい子ども達の前に霊夢種と、なんとあの魔理沙種が立っている。 おそらく私が襲いかかってきたときに、子供たちを守り、子供たちを逃がすためだろう。 特に魔理沙種が子供たちを守ろうとする姿勢は私を感動させた。あの親兄弟子供さえ自分のためなら切り捨てる魔理沙種が! 彼らに会えたことを心の底から感謝しなければ!! 「うん、ゆっくりできる人だよ。ところでそこの君達、とてもきれいな髪飾りだね」 「「うんわたしたちのあかちゃんがくれたんだよ!!」」 「「「おかあさんたちにあげたんだよ」」」 親ゆっくりはうれしそうに、子供ゆっくりは誇らしげに私に向かってしゃべる。 髪飾りを褒めただけで警戒を解くところは、やはりゆっくりといったところか…。 「ところで君たち、ご飯を食べないかい? たくさん持っているんだけど一人で食べるには多いからね。一緒に食べよう」 「ゆっ!!ゆっくりちょうだい!」 「ゆっくりまってね!」 子供たちはうれしそうに駆け寄ろうとするが、親ゆっくり達に止められている。 彼らは少し疑わしそうにこちらを見ている。なるほど、毒を警戒しているのか? ゆっくりにしては賢い。相当修羅場をくぐりぬけてきたのだろうか? 「ははは、毒なんかはいってないから、心配せずに食べてごらん」 ニッコリ笑って風呂敷袋からおにぎりを取り出し咀嚼する、うんおいしい。やはりおにぎりの具は梅干しだ。 「うたがってごめんね!ゆっくりちょうだい!」 信用してくれたようだ、別の風呂敷袋からまた別のおにぎりを取り出す。具は特にない。 そしてなかには無味無臭の睡眠薬が入っている。 それを4個彼らに与える。 「うめぇ!めっちゃうめぇ!」 君達ね、君達の食べているおにぎりを私が食べたわけではないのになぜ毒がないと思うかな? まぁゆっくりだからしかたないか。 彼らが気に入ってくれたようでよかった。 人生最後の食事、いや饅生最後の食事なのだから、ゆっくり味わってほしいのだが、尋常ではないスピード食べている。 君達全然ゆっくりしてない、ちゃんと味わっているのか? すぐに彼らは食事を終えた。 親ゆっくりたちが子供の口に付いたご飯粒を取ってあげている、心温まる光景だ。 「おじちゃん!とってもおいちいよ!ありがとね!」 「おじさん!とってもおいしかったよ!ゆっくりしていってね!」 この家族に私は気に入ってもらったようだ、しばらく彼らと遊んだ。 遊ぶといっても、小さいゆっくりを持ち上げて立ってやるだけなのだが、いつもと違った景色にご満悦のようで、 「ゆっ!とってもたかいよ!」と喜んでくれる。 特におそらく末っ子の一番小さいゆっくりはこの遊びを気に入ったらしく、私の掌でとび跳ねながら 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 と喜んでくれている。 一番ちいさいのでちびゆっくりと呼んでもいいかと聞くと、 「ゆっ♪おじちゃん大好きだからいいよ」 といってくれた。かわいいゆっくりだ。 そうこうしているうちに薬が効いてきたのか、子供ゆっくりが眠そうだ。 「なんだかねむいね…」 それに気づいた親ゆっくり達は、家に帰ることにしたようだ。 「「おじさん!きょうはありがとね!ねむたいしきょうはおうちにかえるね!」」 親ゆっくりも少しは眠そうだ。体が大きい分薬の回りが遅いようだ。 このまま家に返してしまっては彼らをパーティーに呼ぶことができない。 「子供ゆっくりちゃん達も眠そうだし、そのまま帰るのは危ないよ。だからさ、今日は僕の家に来ないかい? 食事もあったかい寝床もあるし、気に入ってもらえるならそのまま君たちの家にしてもらってもいいよ」 「ゆっ!ほんと!」 「おじさんのうちにいくよ!ゆっくりつれてってね!」 すっかり私のことを信用してくれたようだ。 「うん、それじゃあちょっと狭いけどこの籠の中に入ってくれるかな? 家に着いたらたっぷりゆっくりさせてあげるよ」 ゆっくり達は何の疑いも持たずに籠の中に入っていく。 少しの間はゆっくりたちも私に話しかけてきた。 「ゆっくりできるおうちだったら!れいむたちのおうちだね!」 「とくべつにおじちゃんもすんでいいよ!」 しかし数分もすれば全て寝息になっていた。 私は鼻歌を歌いながら自分の家に向かう。 自宅につくと、地下室に用意したパーティー会場。 鉄製の箱で、蓋はしていない。ゆっくりたちが十分ゆっくりできるほどのスペースは無い。 そこに彼らを一匹一匹かごから出して置いていく。 あと数分もすれば目覚めるだろう。 それにしても良い寝顔だ。なんの心配もなくゆっくりとした表情で寝息を立てている。 親ゆっくり達を中心に、子供ゆっくり達が寄り添うようにして眠っている。 彼らは目を覚ませば、またゆっくりできると思っているのだろう。 「ゆっ~ん」 一匹起きたようだ。それにつられてかほかのゆっくりたちも起きてくる。 「ゆっくりねたね!」 「おはようおじちゃん!ゆっくりちていってね!」 「おうちについたね!ゆっくりするね!」 それぞれ思い思いのことを言いながら飛び跳ねている。 その彼らに、一匹一匹ポリタンクの中からうつしたバケツに入った、とある液体を刷毛でゆっくりの髪にぬりつける。 「ゆっゆ!きもちわるいよ!」 「なにこれ!つめたいよ!」 「こんなことしてゆっくりあやまってね!!」 「「はながよごれたよ!ゆっくりあやまってね!!」」 ゆっくりの両親が揃って抗議する。 鼻?普通髪を謎の液体まみれにされたことを怒らないのか?なぜに鼻? 鼻…はな…花…あっ!このゆっくり子供たちにもらった髪飾りが汚されたことを怒っているのか、 ふーん感動的だね。これからどうなるかも知らないで。 「ああ、ごめんね。君達に灯油を塗ったのはゆっくりするには大事なものだからなんだ」 「ゆっくりできるんだね!」 「はやくゆっくりしたいよ!」 「とうゆでゆっくりできるの?!」 「はやくとうゆでゆっくりしたいよ!」 ゆっくり達にとってゆっくりできると言えば、大抵のことを信じてくれる。便利な言葉だ。 まぁちゃんとした器具を使ってしかるべき使い方をすれば、冬場は家の中でゆっくりできるものだ。私の言ったことはあながち嘘ではない。 さて、準備は整った。それじゃあパーティーの始まりだ。 とりあえずマッチを擦ってみる。シュッ 一度で火がつかない…。 シュッシュッシュボ やっとついた。ニッコリ笑顔で、自分に一番なついてくれたちびゆっくりを呼ぶ。 「いちばんちっちゃいゆっくりからゆっくりさせてあげるよ」 他のゆっくり達からは抗議の声があがったが、順番にゆっくりさせてあげるというと納得した。 飛ぶようにこっちに向かってちびゆっくりが跳ねてくる。 ご飯をくれた、自分と遊んでくれた優しいおじちゃんが、自分を一番にゆっくりさせてくれる。 そう考えたんだろう、満面の笑みで素早く足もとまで来た。 「それじゃあゆっくりさせてね!」 私もニコニコ顔で答える。 「その前に少しの間目を閉じていてね。ほかのゆっくりたちもだよ」 すべてのゆっくりが目を閉じている。どの顔もとてもゆっくりとしていて、これから起こるゆっくりに期待している。 それを確認した私は、ちびゆっくりにマッチの火を素早く近づけようとする。 「ゆっくりはなれろ!!!」 薄目を開けていたらしいゆっくり親魔理沙が、マッチに向ってタックルを仕掛けてくる。 少し驚いたが遅すぎる、止まって見える。マッチの火が素早くちびゆっくりを炙る。 それまで幸せだった人生が変わる瞬間、私はそれがたまらなく好きだ。 火がついた瞬間。 「ゆぎゅぎぃぃいぃ!!」 大声を出して地面を跳ねまわるちびゆっくり。 その絶叫と甘い物が焼ける匂いに、素早くほかのゆっくりたちも目を開け、惨劇に驚愕する。 ちびゆっくりは大声で泣き叫んでいる。無理もない、頭を火ダルマにされているのだ...もっとも顔だけしかないが。 ともかく体に火が付いているのだ、苦しくて当然だ。 ほかのゆっくりたちは、 「れ゛ぇぇむ゛れ゛ぇぇむ」 姉妹の名を叫ぶゆっくり、 「はやくけして!」 私に助けを求めるゆっくり、 「ひぃっ」 あまりの出来事に一瞬息をのみ、 「じぃじぃのぜいでゆっづぐりできないよ!じねぇぇ!」 その後怒りの声をあげるゆっくり。 じじいとは失礼な!!老け顔だが20代だぞ!!! おっと、怒りで我を失ってはいけない。 そうこうしている間に、子供をゆっくりの両親が助けに行ったぞ。 ふふ、あとは椅子に座って見てるだけだ。 「あづぃぃよ゛!!おがぁざぁん!!!!」 熱さにのたうちまわる火ダルマの子ゆっくりを見ても、ゆっくり親霊夢もゆっくり親魔理沙は、まだ助けることができると信じた。 「「すぐたすけるよ!!」」 何とか体当たりでも何でもして火を消すのだ。 二人を突き動かすのは、わが子を助けたいという気持ちだった。 ほかの姉妹たちと違って、生まれてすぐにゆっくりしていってね!を言わなかった我が子。 しばらくして 「ゆっくりしていってね!」 と言ってくれた時はどれだけ安心しただろう。 この娘たちの中で一番小さいゆっくり霊夢は、とても優しくて、ゆっくりとした良い子に育ってくれた。 この二匹の親ゆっくりがつけている髪飾りを取ってこようと最初に提案してくれたのは、今火ダルマで苦しんでいるこの子なのだ。 二人のゆっくりは灯油が塗られた体で火をけすため、飛びつこうとした。その時。 火の粉が舞ったそれは、ちびゆっくりのより近くにいたゆっくり魔理沙の、ちょうどあのタンポポでできた簡素な髪飾りに降り立つ瞬間、燃え始めた。 「ゆ゛っまりさ!かみとぼうしが!!」 ゆっくり魔理沙は驚愕した、なぜ自分はいきなり燃えたんだ、 しかし理由など考えている場合ではない、頭が燃え始めているのだ。 しかも燃えているのは自分の帽子なのだ。 「ゆ゛ッ!!!!」 ゆっくり達にとって、帽子やリボンは仲間の識別に使われる、ある意味命よりも大切なもの。 なければ自分のことを仲間だと認識してもらえず、食われたり、いじめ殺される。 ゆえにその大事なものをとることなどできるはずがない。ちびゆっくりのことも忘れて必死になって火を消そうと地面を転がる。 ゆっくりとは思えないかなりのスピードだ。 しかしその分火の粉が飛んでしまう。 近くにいた二匹の子供にも火の粉があたり、一瞬で火ダルマだ。 「あっづいぃ!!あっっづぃぃぃ!!!」 「ア゛ッつ゛ィぃぃィ゛」 いつもそそっかしいゆっくりが、 世話好きのゆっくりが火ダルマになって飛び跳ねている。 ゆっくり母霊夢の頭にはだんだん事態が飲み込めてきた。 自分たちはこの”とうゆ”という危険な液体をかけられていて、火がついたものの近くにいると発火してしまう。 そしてじぶんの嫁であるゆっくり魔理沙や子供たちは、火の粉をまき散らしながら飛び跳ねている最悪の状態だ。 涙を流しながら叫ぶ。 「ゆっくりはなれて!」 もう火がついた子供を助けることなどできない。 現に最初に燃やされたちびゆっくりはもう動いていない。 火が付いてしまった以上、彼女たちは自分のかわいい子どもから、恐ろしい殺戮者に変貌してしまったのだ。 本格的におもしろいことになってきた。どうやらあの親霊夢は、自分たちが非常に危険な状態にあるということを理解できたようだ。 ゆっくりとは思えないほど賢いな、やはりこの家族を選んで正解だった。 焼酎とつまみを楽しみながらゆっくりをいじめる。 最高の娯楽だ。みんなが火ダルマになってダンスパーティーを楽しんでいる。 数時間前までは、ゆっくりした時間を家族と一緒に過ごしていたのに。 ものの三分で、大事な家族は自分を殺す凶悪な兵器になってしまったんだ。 いま彼らはゆっくりの反対、ものすごくいそいでいるんだろう。 「いそいでにげてね!」 彼らに私なりの声援を送る。 子供の中では一番大きなゆっくり霊夢は、一番臆病なゆっくり霊夢を引きずるようにして、元姉妹から必死に逃げている。 「ゆっくり!いそいでね!」 「ゆゅくり!いぃいそぐよ!」 あまりの恐怖に、顔面蒼白で体中を震わせながら、姉に言葉を返すゆっくり霊夢。 後ろからは姉妹がすさまじい絶叫を上げながら飛び跳ねてくる。 「ア゛ッつ゛ィいダぁイ!!」 声からして、おそらくいつも自分を助けてくれた姉の声だろう。 一度湖に行った時、大きな蛙に食べられそうになったときなど、 カエルに豪快なタックルを決めて追い払ってくれた。 その大好きな姉が、今や火だるまになって追いかけてくる。 少し離れたところでは、完全に体に火が燃え移ったゆっくり魔理沙が絶叫しながら飛び跳ねている。 後ろにはもう姉が来ている。 追いつかれるそう思った瞬間、とっさに体が動いた。 自分をひっぱて逃がそうとしてくれた長女をつかんで、後ろから来る火の玉にぶつけていた。 「ア゛ッつ゛!!」 「ぎゃァぁあいぁ!!」 火の玉は粉々に崩れたが、新しい火の玉が飛び跳ねている。 必死になってにげながら、「ゆっぐりじだぁい!!」 と泣き叫ぶ。しかしできるはずもない、すぐについさっき自分が裏切った姉の火で、自分も火の玉になる。 「ははははは、傑作だねこれは。」 まさに因果応報だ。 悪いことは出来ないものだ、やはり清く正しく生きなければ。 それにしても、思ったよりゆっくりは力があるな。 自分よりだいぶ大きいゆっくりに噛み付いて投げ飛ばすとは。 単に火事場の馬鹿力だったのだろうか。 しかしこれで残りは親霊夢と子霊夢だけだ。 部屋の中心でぶるぶる震える子霊夢を、母霊夢が必死に守っている。 実に感動的だ、髪飾りが落ちているのも満身創痍といった感じで面白い。 まわりでは元家族たちが大きな声で歌いながら、火の衣装を身にまとって踊り狂っている。 この素晴らしいダンスパーティーも終盤だ。 一つ今回の主役達に最後に言ってやろう。 「さいごまでゆっくりこわがってね!!」 元家族たちが、自分達の周りを絶叫しながら飛び回っている。 最後に残った自分の子供が 「みんなでゆっくりしたっかたよ!」 と泣きながら目をつぶって呟いている。 少し前までは、みんなで一緒にゆっくりしていたのに。過去の楽しかった思い出が胸を締め付ける。 涙を流しながら親霊夢も 「みんなとゆっくりできないよ!」 と叫ぶ。めのまえに大きな火の玉が来る。 四方から聞こえる、声にならない声。 火の粉がついに、自分の体につく。すさまじい熱が一瞬で体を包む。すべての思考が切り裂かれ、痛みが体を支配する。 「ゆぎゅぅぅ!!!」 何も考えず飛び跳ねる。否、考えられない。 体を動かさずにはいられない。 あの草原で、子供たちとゆっくりと楽しむため飛び跳ねていたころとは違う、 痛みで飛び跳ねている。何かが体にぶつかって、そこにさらに痛みが走る。また一つ火の玉が増えた。 その五分後、残ったのは八つの炭化した饅頭と、 一輪のたんぽぽだけだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/162.html
ゆっくりまりさが目を覚ますと、そこは木屑が敷かれた透明な箱の中であった。 箱の外は今までいた部屋が見える。自分たちが暴れ散らかっていたはずなのに、きれいに片付いていた。 体が何かに固定させられているのだろうか、バレーボール程の大きさであるまりさはその場から動けないでいた。 「まりさをゆっくりさせてね!!」 返事は返ってこなかった。仲間たちはどうしたのだろうか。 まりさは眠る前のことを思い出そうとしていた。 幻想郷は少しずつ寒さを感じさせる季節となっていた。 木々の葉が地に積もり、冷たい北風が幻想郷に吹き始めた。 ゆっくりまりさは、群れのリーダーとして引越しを決意した。 現在住んでいる洞窟は当初、以前の住人たちが貯えた食料があり、広さも申し分がなかった。 しかし順調にその数を増やし、成長し続けたゆっくりたちにはその蓄えは少なく、住居は狭く感じられた。 その数およそ40匹。 ゆっくりまりさとゆっくりれいむで構成された群れである。 「みんなでお引越しするよ!!」 「おひっこち! おひっこち!」 「ゆっくりれいむは、まいるーむがほしいよ!!」 「ゆゆゆ! ごはんをたくさん食べたいよ!!」 恋人や仲間、子供たちを率いてまりさは、新しい住居を探す旅に出ることを決意した。 今までの引越しはどれも成功しており、まりさには自信があった。 「きょうからここがまりさたちのおうちだよ!!」 道中、木々の根元や他のゆっくりの家を一時的なおうちにしながら、遂に雨風をものともしない新しい住まいに辿り着いた。 僅かに開いた隙間から中に入り込み、そこでまりさ達は歓声をあげた。 そこには今までに食べたことのないお菓子や食事が豊富にあり、見たこともない様々なものがあった。 何より、とても広く清潔な場所であった。 まりさはこの場所を今までで最高のゆっくりホームに感じられた。 そこは人間にとっても広く感じられる、板張りの居間であった。 まりさたちは洋風の家屋に忍び込んだのであった。 「ゆー! ここならゆっくりできるね!!」 「きょうからここは、まりさたちのおうちだね!!」 「あたたかいね! ぜんぜん寒くないよ!!」 「むこうからいいにおいもするよ!!」 ゆっくりたちは思い思いにゆっくりし始めた。 「うっめ! はっふはっふ! これめっさうめっ!」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 食事にありつくもの。 「おねえちゃんの絵をかいてあげるよ!」 「この中にお水が入ってるみたいだよ! 倒してみよう!」 筆や花瓶で遊びだすもの。 「んほおおおおおお! ゆ゙ゔゔゔゔんふぅぅぅぅ!」 「れ゙、れ゙いむ゙ぅぅぅぅんふぅう!」 発情しだすもの。 しかしある時全てのゆっくりが動きを止めた。 怒声が響いたためだ。 「ここはおにーさんとありすたちのおうちだよ!! ゆっくり出てってね!!」 まりさたちは声のした方向を振り向いた。 そこにはリーダーであるゆっくりまりさより少し小さなゆっくりありすがいた。 その影にはありすの子供だろうか、小さなありす5匹が隠れていた。 「ちがうよ! きょうからここはまりさたちのおうちになったんだよ!!」 「そうだよ! ぶがいしゃのありすたちはこのぷれいすから出ていってね!!」 「ゆっ、ばかなの!? あんこくさってるの!?」 一斉にまりさたちが喚きだす。 しかしありすは引き下がらない。 「もう一度だけ言ってあげるね! ここはおにーさんとありすたちのおうちだよ! ゆっくり出ていってね!」 そう叫ぶありすに、リーダーであるまりさは群れにも聞こえるよう言い放った。 「……おばかなありすは、ゆっくりしんでね!」 その途端、四方八方からまりさやれいむがありすに飛び掛っていった。 今までまりさたちは、住居と決めた場所にゆっくりがいた場合はこれを排除して群れを拡大してきた。 ここに辿り着くまでも、多くの住居とその蓄え、そして生活していたゆっくりの中身を喰らってきたのだ。 この集団は他のゆっくりにとっては強盗や猛獣の集まりと言えた。 「おかぁしゃん、こぁいよぉ……!」 「ゆゆっ! こ、こどもたちは逃げてね!!」 ありすは子供たちを逃がし、庇いながら自身の体に力を込め、弾丸のようにゆっくりたちに体当たりをしていった。 持ち前の気性か飼い主が鍛えていたためか、複数を相手にしてもまったく怯まない戦いをしていた。 しかし、子供に気遣いながらの一対多数の戦いの結果は日の目を見るより明らかであった。 「ゆ゙ゆ゙ゆ゙ぐ゙ゆ゙ぅ……、ありすとこどもたちをゆっくり放してね!!」 決着は早々についた。まりさは満足そうにありす達を見下ろした。 何匹かに押さえられ身動きが出来なくなったありすと、同じくありすの目の前で押さえ込まれている子供たち。 「お゙があ゙あ゙しゃぁぁん!! い゙だい゙よ! こわ゙いよぉ!!」 子供たちが口々に叫びだす。 「ありすはどうなってもいいから、こどもたちは助けてね!!」 ありすは子供たちのために嘆願をし始めた。 「ねーねー、まりさ! ゆるしてあげるのだめかな♪」 一匹のゆっくりれいむが、ありすを見下しながらリーダーであるまりさに尋ねる。まりさの恋人なのだろう。 ありすの子供たちを眺めながら、まりさは答えた。 「だめだよ♪」 そしてありすの子供である一匹に近づき、おもむろにその体に噛り付いた。 「や゙め゙でえ゛ぇ! い゙だい゙よ゙お゙おぉ!!」 「どうじでありずのごども゙にぞん゙な゙ごどずる゙の゙お゙お゙むぎゅ……!!」 悲鳴をあげる仔ゆっくりと絶叫しだすありす。後者は口を塞がれた。 まりさは齧った箇所からクリームを汚い音を立てながら吸いだしていく。 「ぢゅるぅ…ぢゅぢゅっぷ…うっめ! このありすのクリームめっちゃうめ!!」 「ずわ゙な゙い゙でぇぇぇ!! あ゙り゙ずのながみずわ゙な゙い゙でぅぅ……」 「んー……! んむむむむー!!」 「おねえぢゃああん!! おね゙え゙ぢゃんを吸わないでえぇ!」 中身を吸われ、声を出すことがままならなくなる仔ありす。 ソフトボール程の大きさであった体がみるみる萎んでいく。 目の前の光景にありすは塞がれた口からうめき声をあげる。 吸われる姉を見て恐慌に陥るありす姉妹。 「ゆゆっ! れいむもありすを食べたいよ!!」「ゆっくり食べさせてね!!」「はっふはっふしたいよー!!」 「まりさも食べたいよ!!」「さいきんありす食べてないよー!!」「ぱちゅりーよりおいしいよね!」 「おかあさんだけずるいよ!!」「ゆっくり食べたいよ!!」「ゆっくり食べたいよ!!」 他のまりさやれいむ達が口々にありすを要求しだす。 これを見てリーダーまりさは皮だけとなった仔ありすを齧りながら言った。 「みんなで仲良く食べようね!!」 まりさ達の群れが他のゆっくりの巣を襲った時には毎回行われるイベントであった。 食べ物を要求する仲間と、それに応えるまりさ。 このゆっくりたちは恐怖でゆっくりの中身が旨くなることを知っていた。 それからはありすにとって地獄であった。 彼女の目の前で子供たちが少しずつ少しずつ喰われ、吸われ、削られていった。 「おがああじゃあああ!! いだい゙い゙い゙い゙いイィィィ!!」 「だじゅっ、げでっ、おがあしゃん! おがあ゙しゃん゙ぅぅ!!」 「だべないでぇぇ!! あ゙り゙ずをだべな゙い゙でぇぇぇ!!」 「どぼじでええ! おがあ゙しゃんたすけでぐれないのおぉぼ!!」 ありすはジタバタと自分を押さえ込んでいるゆっくりを振りほどこうとするが、背中を大きく齧られて動けなくなった。 調子に乗った他のゆっくりも、ありすの右側の眼球をえぐり、髪を引っこ抜いた。 「ん゙ー! む゙む゙ぐ! む゙ぐぅぅうう……!!」 絶命していく子供たちに何もできないことに、ありすは自身の無力さを呪った。 片目に涙を貯めながら自分を睨み付けるありすを眺めながら、まりさは順番に仔ありすたちにありつく仲間たちの嬌声を聞いていた。 何度も体を動かそうとしながら、まりさは思い出していた。 そうだ、ありすたちをいじめていたのだ。 それから一体何があったのだろう。どうしても思い出せない。 若干箱の壁に反射する自分の姿を見て、まりさは帽子ごと頭頂部からベルトで床に固定されていることを理解した。 しばらくして、背中側から足音が聞こえた。まりさのいる箱の方に向かってきた。 恐らく人間なのだろう。まりさの背中に何か呟くと、ようやく目の前に姿を現した。 「やあ、まりさ! ゆっくりしてるかい!」 若い男が手をあげて挨拶してきた。 ここはまりさたちのおうちなのに、どうしてこんな人間がいるのだろうか。 「ゆっ! おにいさんは誰なの!? ここはまりさたちのおうちだからゆっくり出ていってね!!」 「つれないことを言うなよ、まりさ! 動けないお前のために仲間たちを連れてきてやったのに」 そういって男は「よっこいしょ!」と大きな透明な箱を5つ、まりさの前に置いた。 どれもその中には仲間たちが入っていた。分けられて入れられているようだ。 箱の中のゆっくりたちは、このまりさに気付かない。何か特別な細工がされている箱なのだろう。 「ゆっ! どうしてまりさたちを箱の中に入れてるの! ゆっくり出してあげてね!!」 声は聞こえるのだろうか。他のゆっくりたちが「おかあしゃんのこえだ!」や「まりさが生きてた!」と喜びの声をあげる。 「いいかい、まりさ。これは都会派なら誰もが知るゆっくりVIPルームなんだよ! 特別にカワイイ君達を招待してあげたんだよ!」 言いながら男は何かを仲間たちのいる箱の中にバラバラと撒き始めた。どうやら食事らしい。 「ハフハッフ…うっめ! これめっちゃうめ!」「しあわせー♪」とそれを食べたゆっくりたちが騒ぎ出す。 男の言うことは本当かもしれない。これに気を許したまりさは自分にも食事を要求した。 「おにいさん! まりさにもおいしいものをちょうだいね!!」 男は5つの箱に餌を撒き終えてから、まりさのいる箱の前にやってきた。 動けないまりさの口元にお菓子を与えてやりながら、男はまりさに尋ねた。 ねぇ、まりさ? ここにいたありす達はどうしたのかな? と。 「ハフ…クッチャ…ここにいたありすたちは、生意気だからゆっくりころしてあげたよ!!」 男はまりさの言葉に頷きながら、質問を返した。 「子供たちがいたでしょ? あの子たちはどうやって殺したの?」 まりさは口いっぱいにお菓子を頬張りながら答える。 「ハッフクチャァ…あのね゙、まりさたちで少しずつ…ッング…齧ったり吸ったりしながらころしてあげたよ!!」 素直にまりさは答える。少し誇らしげな様子だ。 そしてまりさも質問を返した。 「ゆ! おにいさん、どうしてまりさは動けないの? ありすたちをいじめてたはずなのに?」 男は笑顔でこの質問に答えた。 「君達がそのありすをいじめてた時に、どうやら複数のれみりゃがやってきたらしくてね。 不意打ちをかけてみんなを気絶させてしまったようなんだよ。もちろん僕が追っ払ってあげたけどね」 ニコニコとまりさの背中をさすりながら続ける男。 「特に君はケガをしてしまったようだから、特別個室を用意して看病してあげているんだよ」 まりさは納得したのか、嬉しそうに男に言った。 「ありがとう、おにいさん! おにいさんは特別にまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!!」 無意識に跳ねようとしたためか、まりさはケガをしたという背中に一瞬痛みを感じた。 その背中をさすりながら、にこやかに男は言う。 「そうだね、まりさ。君達とゆっくりさせてもらうよ!」 それからまりさたちは男と暮らし始め、数日経った。 男は仲間たちに食事を与え、順番に箱から部屋に出しては遊ばせたり風呂に入れたりと世話をしてくれた。 まりさには怪我をしているからと、初めて会話をした日以外は砂糖水しか飲ませず、箱から出すこともなかったが不満を漏らさなかった。 男は存分に自分たちをゆっくりさせてくれているからだ。 「春までには箱から出れるよ」と、男は背中をさすりながら語りかけた。 実際、まりさは時間が経つにつれて、背中に違和感を感じることが多くなってきた。 自身の体に何が起こったのだろうかと一瞬不安になるが、ここでゆっくりすれば治るだろうとまりさは考えた。 「……ゆっくりうごけなく…なっていってね」 その日の夜、まりさは背後から何か聞こえたような気がしたが、そのまま眠りについた。 ある日、まりさは男を呼び止めて言った。 「おにいさん! まりさもみんなとお話したいよ!」 まりさは個室に入れられているため、自分の仲間や娘たちと会話をすることができないでいた。 「よし、あのれいむを箱の中に入れてあげるね!」 男が指さしたゆっくりは、自分の娘の一人であるゆっくりれいむだった。 「うん、おにいさん! ゆっくり急いでまりさのところに運んでね!!」 男はまりさの目の前にれいむを置いてやった。ソフトボール程の大きさのゆっくりだった。 「ゆゆ、れいむ、おかあさんの部屋でゆっくりしていってね!!」 「ゆー♪ おかあさんだ! ゆっくりできるよ!!」 久しぶりの親子の会話を弾ませる二匹。男はまりさの背中をさすりながらそれを眺めていた。 それから数分経って、男は仔れいむを持ち上げながらまりさに言った。 「どうだい? 満足したかい、まりさ! 明日から仲間たちを連れてきてあげるね!!」 それはまりさにとって嬉しい提案であった。 「うん、おにいさん! 明日もお願いね!」 仔れいむは「うわあ、おそらをとんでるみたい!」と、男と親であるまりさの会話を聞いていなかった。 男はまりさのいる箱から少し離れると、そのゆっくりの口にホチキスで小さな針を打ちつけた。 「んむむ! んむー!」と唸るゆっくりの頬の部分に今度は穴を開けた。 まりさに見られないよう、その背中に仔ゆっくりの穴が開いた部分を押し付けた。 「ゆゆ? おにいさん背中がけいれんするよ!」とまりさは自身の背後で行われていることに気付かずに声をあげる。 「痙攣しているのが見えたからまりさのために戻ってきて、背中をゆっくりマッサージしてあげているんだよ!」 まりさはそれに納得した。男が背中に何かを当ててから震えが止まったからだ。 男はまりさに「ゆっくりしていってね!!」と言い残すと、空いた両手で腕を組み、ゆっくり達のいる居間から出て行くと、自分とゆっくりたちの食事を鼻歌交じりに作り始めた。 その日の夜もまりさは、眠りにつきながら自分の背後で何かが囁く声を聞いたような気がした。 それから毎日、まりさの元に男は子供を運んできた。 砂糖水しか口に含めないことや、動けないことに不満はあったが、まりさは子供の会話や、背中のマッサージを喜んだ。 「おにいさんなら、ずっとまりさたちのいえに住んでいていいよ!!」 子供たちと話をするようになってから10日ほど経ったある日、まりさはふと気付いた。 目の前にあるゆっくりの仲間たちがいる5つの箱、その中にいるゆっくりの数が減っていることに。 それだけではない。うっすらと反射する自分を写す透明の箱の壁が、自身の背中が肥大していることをまりさに見せ付けた。 砂糖水しか飲んでいないのに、何故ここまで大きくなったのだろうか。 背中の痙攣も最近は頻繁に、そして強くなっていくことにまりさは恐怖を覚えた。 「ゆゆっ、おにいさん! まりさの子供たちが少なくなってるよ! それに背中も膨らんじゃってるよ!!」 まりさは子供との会話を終え、背中のマッサージを受けているときに切り出した。 「おにいさん! 今お話ししたれいむを連れてきてね!!」 まりさはうっすらと気付いていた。自分と話をしたゆっくりたちが消えているのではないかと。 男は顎に手をやりながらふむ、と唸ると「そろそろいいか」と呟き、まりさに答えた。 「それじゃあベルトを外してやるから、後ろを振り向いてごらん」 まりさを床に固定していたベルトが外される。 「君の後ろにみんないるから」 久しぶりに動くためか、背中が膨れてしまったためか、中々重たく感じる体をひねり、それを見た。 皮だけとなりペラペラとなったゆっくりたちが積み重なっていた。 どれも口は閉じられており、虚ろな目をしてこちらを覗き込むような顔をしていた。 一番上には、今さっきまで会話を交わした子供がペッタリとこの山にへばりついていた。 「ゆぅうぅううう!? どお゙じでみんな動かないのおおお!!」 まりさは目の前の状況が理解出来ず叫ぶ。 その声に他のゆっくりたちが反応するが、箱の中からではまりさの様子が伺えないため、不安そうな表情を見せた。 「それはね、まりさ! みんな君のマッサージのために中の餡子を提供してくれたから薄っぺらになっちゃったんだよ!」 男は手を大きく広げながらまりさに答える。 「ま゙り゙ざにもわがるようにおじえでね!!」 まりさは全く理解出来ずにいた。どうして、マッサージで子供のゆっくりたちがこのような姿にならなければいけないのか。 「それはね! 君の背中がこのゆっくりの中身を吸ってしまったんだよ! 10日ほど前からやってたじゃないか」 「言ってることがわからないよ! ゆっくりこの子たちをいきかえらせぶぎゅるぅ!!」 男はいきなりまりさを掴みあげると、その口をホチキスで塞いだ。 「ありす、痛かったかい?」と男は手の上に乗せたまりさに囁いた。 「まりさはありすじゃないよ!」と口にしたかったが、声に出せないまりさ。 しかし、信じられないことに自分の背中から声が聞こえてきた。 「大丈夫だよ、おにいさん! 我慢できるよ!!」 それにほっとしたような表情を見せ、男はしゃべりかけた。 「どうだい、ありす。体は動かせるか?」 それに背中の何かが返した。 「もう少しれいむやまりさを食べたら動かせそうだよ!」 まりさは愕然とした。自分の背中にいる何かが、子供達の中身を吸い出してしまったのだ。 男はそれを聞くと、箱の中にまりさを戻し、ベルトを締めなおした。 「そうだ、ありす! まりさに自分がどういった状況になっているかを見せてあげよう!」 「そうだね! ゆっくり見せてあげようね!!」 男は小型の背面鏡をまりさに見せた。 肥大化している背中に何が起きているのか。帽子を外され、その鏡を覗き込む。 まりさの後ろ髪が短く切りそろえられたそこには、ゆっくりありすの顔が貼りついていた。 まりさは声にならない悲鳴をあげた。 まりさ達がありす達をリンチし始めてから数十分後に男は家に帰ってきた。 それからすぐに、ゆっくり達が部屋を荒らしているのを察知し、ゆっくり用の薬品を撒いた。ゆっくりを睡眠に誘うガスである。 男は農学を研究する学者だ。、ゆっくりを研究する人間との付き合いもあり、こういったものを豊富に持っていた。 男は瀕死のありすを急いで回収したが、後背部の皮が大部分が失われており、瀕死の状態であった。 中のクレームが残された部分から乖離してしまったら、このありすは死んでしまう。 そこで男は大きなまりさに目をつけ、その背中の皮を切除し、餡子を多めに削り取ってからありすの前半分をつなげた。 見事につながった後、男はまりさには最低限の食事しか与えず、ありすには栄養のある食事や仔ゆっくりを食べさせていた。 するとありすの部分は大きくなり、体の支配権を握るようになっていった。 このままいけば、まりさという瘤のついたゆっくりありすになるのだろう。 その日の夜、背中にいるありすはまりさに語りかけ続けた。 「今までまりさにわからないように、夜中はおにいさんとお話ししてたの」 「お昼のまりさ、おいしかったな。でもありすはれいむの方があじがさっぱりしていて好きだわ」 「まりさったらすぐ近くで子供が食べられているのに気がつかないんだもの。ゆっくりしてるわね」 「ペラペラの子供たちを見ながら次のゆっくりが来るのを、まりさが楽しそうにお話してるのを聞きながら待ってたりするのは最高だったよ!」 「まりさ、起きてる? ……わかるわよ、つながってるんだから。寝たふりはやめてね!」 「右目はまりさの元気なあかちゃんからもらったら治ったよ! ありがとう!!」 「まりさの赤ちゃん美味しかったよ! また食べさせてね!」 「……明日もまりさの子供食べるけど、ゆっくりしていってね!!」 次の日、まりさはベルトを外され、違う部屋に連れて行かれた。 男の腕の中から、その部屋にはまだプチトマト程の子供たちが5匹ほど遊んでいることをまりさは理解した。 子供たちを男は呼び止めると、まりさを床の上に置いた。 「今からみんなには、おかあさんと鬼ごっこをして遊んでもらうよ!」 すると嬉しそうに子供たちは跳ね回った。 「おかあさんに会いたかったよ!」「ゆっくりあそびたいよ!」と、無邪気に喜んでいる。 「おかあさん、お口がふさがれてるよ?」「背中が腫れてるよ、だいじょうぶ?」と声をかけるものもいたが、「大丈夫だよ!」というまりさの方から聞こえる声を聞いて安心したようであった。 まりさは泣きそうな顔をしていたが、どのゆっくりも「大丈夫! ゆっくりあそぼうね!」の声を聞いて気にしないようになった。 「それじゃあ鬼ごっこを始めるよ!」と男は言う。 無邪気に部屋を跳ね回り始める仔ゆっくりたち。 男はそっとまりさに囁く。 「リハビリを兼ねた昼食だよ、ありす。頑張ってね!」 いや、もう男にとってはありすなのだ。 ありすはクルリと振り向くと、仔ゆっくりたちに対峙した。 「ゆっくり食べさせてもらうね!!」 母親の背中にあるもう一つの顔を見て、怯え始める仔ゆっくりたち。 「ゆゆ!? おかあさんのせなかにかおがあるよ!!」 「こわいよ! ゆっくりできないよ!」 「やめてね! ゆっくりちかよらないでね!」 それから一斉に、部屋の隅へと逃げ出す。ただ1匹だけ立ち竦んで動けないようだ。 「ゆ゙ゆ゙…ゆ゙っぐぐゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙!(ゆっくり止めてね)」というまりさの声を聞かず、ありすはその仔ゆっくりに齧りついた。 「い゙だい゙よ゙おがああざああん!! ゆっぐりでぎないよおお!!」 まりさは子供たちの絶叫、そしてそれを咀嚼する音を聞きながら涙を流すしかなかった。 まりさの恋人であり、妻であるれいむは、最近少しずつ減っていく子供たちが心配でしょうがなかった。 男が言うには、大きくなったから別の部屋に移したそうだ。 れいむは男が優しく頼りになる人間と信じていたため、それを疑うことは少なかった。 それでも、恋人のまりさの声もだいぶ前に箱の外から聞いたきりで、れいむには不安が募っていった。 春の訪れが部屋の窓から見えるようになる頃、 遂に子供たちは一人もいなくなった。 れいむは男に尋ねた。 「おにいさん! こどもたちかまりさに会わせてね!!」 男はれいむを抱きかかえ、小さく揺さぶりながら言った。 「実はまりさと子供たちはれいむに内緒でこの家から出て行ってしまったんだ。 窓の外にいたゆっくりぱちゅりーを好きになったみたいだね。 この帽子を別れの手向けれいむに渡してね、ってまりさが言ってたよ」 男はれいむに、まりさの帽子を渡して見せた。 それはまぎれもなくまりさの匂いがついた帽子であった。死臭はしないので、男が死体から剥ぎ取ったということはないのだろう。 「……ゆ゙ゆ゙ぐぐぅ、ま゙り゙ざのばがぁ!!」 悔し涙を流しながら、れいむは帽子を咥えて震えだす。 「よしよし、れいむ。泣かないでこの部屋でゆっくりしていってね!」 男は腕の中で振動を強めていく。少しずつ表情が緩んでいくれいむ。 まりさのいた箱の中に近づく男とれいむ。 そこには1匹のゆっくりありすがいた。 れいむをその箱の中に入れると、電動のマッサージ機でさらにれいむに振動を与える。 「ゆ゙ゆ゙っんほほほ! れれれれれいむだよ! よよよよろしくねありすすすすんほおおお!!」 れいむはこの振動で発情してしまったようだ。 そのれいむにありすが近づき、頬ずりをしながら答える。 「よろしくね、れいむ! きょうからゆっくりしようね!!」 2匹は交尾を始めた。 それからしばらく2匹はその箱の中で過ごし、れいむの体から茎が伸びてきた。 ありすとの子供である。5つほど実がなっていた。 れいむはこのありすのことを気に入っていた。まりさと比べ優しく、思いやりがあり幾分か知的であったからだ。 これからはありすとその子供たちと暮らすのも悪くはない。 ありすに頬ずりをしようとすると、ありすの背中に顔のような腫れ物ができているのが見えた。 「ゆっ! ありすの背中のはれもの、齧ってとってあげようか?」 ありすはれいむに向きなおってから、れいむに言った。 「ゆっ、大丈夫だよ! それより前の恋人とありす、どちらが素敵?」 「も、もちろんありすだよ! ありすの方がゆっくりできるよ!」 「ゆゆ! うれしいよ、れいむ! ずっとゆっくりしようね!!」 男はその会話を眺めながら考えていた。 ありすの背中のまりさは、全ての子供たちが自分の体に喰われてからは発狂したような素振りを続けていた。 しかし恋人が間近で寝取られてから反応を示さなくなっていった。 その心は果たしてまだ生きているのだろうか。 子供を産み終えたれいむを、ありすが食い殺した後にまりさがどんな表情を見せるか。 男とありすの復讐は、桜の花が散る頃には終わるだろう。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1638.html
農業を営む自分にとって、収穫を終えると暇になる。 中には来春まで内職をしているところもあるようだが、生憎とそんな事をしなくても十分暮らせるだけの蓄えは出来た。 年配者が寄り付かなかった、河童の新型農作具の使用。 それに、永遠亭の農薬。 それらは自然の摂理のように若い自分達が使用することになり、結果は大成功。 知り合いの若い奴らも温泉や文々。新聞の定期購読に充てている。 しかし、自分は生憎そういう趣味は無く、お金の一部を使って寺子屋に若干の備品を寄付しただけである。 それだけで十分。 その後、春まで悠々自適に過ごそうとしていた矢先、件の河童が家を訪ねてきた。 「厄神様と温泉に言ってくるから、この実験を行って欲しい。もちろん報酬は出す」 との事で、実験の目的は分からなかったが、頭のいい河童のする事と割り切り、特にする当ても無かった自分は 快くその提案を受け入れた。 内容は、あの河童から受けたこともあり、予想通りゆっくり関係だった。 大きなダンボールに入った数個の道具。 その操作を一週間ほどかけて理解していたら、早々に実験を開始する事になってしまった。 何せ、時間が無いから。 最初にすることは、人里近くの平地の真ん中に、特製のゆっくりハウスを設置した。 このハウス、表面は岩の素材で偽装してあり、ゆっくりなら絶対に見分けることは出来ないだろう。 いや、人間の家も見抜けないのだから、考えるだけ無駄かもしれないが……。 物陰から観察することしばし。 「ゆゆ!! こんなところにおあつらえむきのどーくつがあるよ!!」 「ほんとだ!! ここのどーくつさんは、ゆっくりできるかな!!?」 「こんにちは!! ゆっくりしていってね!!!」 予想通り、こんなところに洞穴が存在することを不思議に思わないゆっくり一家が掛かった。 ……なんというか、やはり霊夢一家だった。 「ゆっゆ♪ ここはだれもいないみたいだから、れいむたちのおーちにしようね!!」 遠慮もなしに中へ入り、ひとしきり物色したのに、自分達の家にすることに決めたようだ。 なんだか、入るときから自分の家と決め付けていたようなきもしたが。 「いまのおーちよりひろいから、ゆっくりできそうだね!!」 最近生んだのだろう沢山の赤ちゃんゆっくりと一緒に、サイズだけ大きくなった母ゆっくりのようだ。 越冬生活が迫ったこの時期に、ただ単に散歩そしていただけのことはある。 「たべものと、ゆっくりぐっつをもってこようね!!」 そんな事を話しながら、いったん帰っていった能天気一家。 暫くして、わいわい騒ぎながら戻ってきた戻ってきた。 「ゆ~~♪ ゆゆゆゆゆ~~~~~♪」 「ゆっくり~~~♪ してぇ~~~~~♪ っ!! いってねぇ~~~~~~~~♪」 「いってね~~~~~~~~♪」 「ちぇね~~~♪」 随分ご機嫌な様子で、一家でコーラスのような会話をしながら戻ってきた。 楽しんで話しているのだろうが、こうしてみると物凄く頭が弱そうに見える。 「ゆしょ!! それじゃあ、ゆっくりひっこしするよ!!」 運んできたのは食べ物、それと宝物であろうモノ、そして大きな葉っぱと蔓で縛られた枝。 おそらく、それらがゆっくりセットなのだろう。 「ゆ!! てーぶるはここにおいてね!! いすはこっちだよ!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 母親の号令で、ゆっくりにしてはテキパキと巣の中を整理していく。 奥に食べ物を置き、一番広い空間にテーブルと呼んでいた葉っぱと枝のオブジェ。 その一角に、イスと呼ばれた枝と蔓のオブジェを置いて完成らしい。 全てが終わるのに、時計の短針は必要はなかった。 「ゆ♪ それじゃあきょうはここまでにして、あしたからはいりぐちをうめよ~~ね♪」 「ゆっくりりかいしたよ♪」 今日は出てくる雰囲気がなかったので、俺はこの場を後にした。 「~~~~♪ っ!! ゆっくりぃ~~~♪」 「~~~♪」 「~~♪」 巣の中からは、楽しそうな会話が響いていた。 数日後の事である。 「ゆっくり~~♪ ゆっゆゆゆ!!! していってね~~~♪」 「ゆ~~~♪ ゆっきゅりきゅり~~~~♪」 工事現場よろしく、騒音が入り混じる中着々と入り口を塞ぐ作業を終え、いよいよ越冬の準備に入った一家。 流石に一介の人間に透視能力はないので、中に設置した監視カメラと言うものの映像に切り替える。 「ゆ~~♪ ひろいね!!」 「たのしくえっとーできそうだね!!」 中では、越冬するだけとなった一家が楽しそうにくつろいでいた。 母親の周りに集まった子供達が、わいわいと話している。 「ゆっゆ♪ えっとうさんが~~~♪ たのしくなったらど~~しよ♪」 「ど~しよ♪」 …… 「ゆぴ~~~♪ ゆぴ~~♪ し☆あ☆わ☆せ☆~♪」 「ゆ~~♪ ゆ~~♪」 「ゆっきゅ~~~♪」 暫く監視していたところ、一家仲良く寝入ってしまったので、後は録画に任せ、自分も家に戻ることにした。 「ゆ~~~♪ おはぎおいち~~~~~♪ むにゃ……」 雪が降り始め、既に一面の銀世界となった頃。 「ゆっくりしようね!!」 「きょうはゆりすますのひだよ!!」 巣の中では、なにやら賑やかだった。 「ゆ!! しってるりょ!! いいゆっくりのこどものとこりゃに、うーぱっくがゆっきゅりできりゅもにょを、おい ていっちぇくれりゅんだよ!!」 「ゆ!! さすがれいむのこだけあってよくしってるね!! それじゃあ、きょうははやくゆっくりねないとね!!」 「ゆ~~♪ ゆっきゅりねるねりゅ!!!」 会話を聞くと、どうやら今日はゆっくりにとって何かのお祭りごとらしい。 二日間で食いきれなかった鳥のモモ肉をかじりながら、一家をさらに観察する。 その後に始まった食事は、あの葉っぱの上に食べ物をのせがっつく一家と、赤ちゃん以外が乗ったら壊れるであろう イスのオブジェに座った赤ちゃんの音頭で歌を歌ったところで、終了した。 今日はこれで帰ろうかと思ってきたが、先ほどの会話が気になったので暫く残ってみることにした。 「う~~~♪ うっう~~♪ うあうあ~~♪」 夜遅くまで張り込みをしてみたところ、本当にうーぱっくが何かを運んできた。 「うっぎゃーーー!! うあーーーー!!!!」 れみりゃ種特有のカワイガリたくなる様な笑顔を浮かべまっすぐこちらに飛んでくる。 余りにもまっすぐ飛んでくるので、捕まえて中身を確認してみた。 「うあーー!! それはちがうーー!! ちがうーーーー!!!!」 何てことはない、ただの綺麗な石ころだった。 おそらくはこれが子供達へのお届けモノのようだが、ただの石なので雪原の中に捨てる。 「うあーー!! おとどけものがーーーー!!!」 泣き顔になったうーぱっくが雪の中に顔を突っ込み、必死で石ころを探そうとしている。 しかし、新雪に沈んだ石ころが見つかるはずも無く、雪が張り付いた顔が涙でグシャグシャになっただけだ。 「うあーーー!! ないーー!! おとどけものがないーーー!!!!」 その光景を見ていたら、十分厚着をしている自分も、心なしか寒くなったのでこのダンボールで暖をとる事にした。 「う!! はなぜ!! おとどけものーー!! さがすのーー!!!」 一端を破いて火をつける。 「うーーー!!! うぎゃーーーー!!!!」 ある程度水気を弾くのか、すんなりと火が移り、次第に全体へ燃え広がっていく。 大抵のダンボールよりもはるかに長い時間燃焼し、燃え尽きる頃には体の心まで温まることが出来た。 ほんのりと、汗が出てきた。 「……う、ぁー……。おとどけもの……がー……。かぞくの、ごはんがー……」 体が温まったところで、冷えないうちに家に戻ることにした。 ※REC 「ゆ~~……。う~~ぱっくおそいね」 「しっ♪ し~~ね♪ しずかにね、いもうとたちがおきちゃうよ!!」 「ゆゆ!! ごめんね!!! ……でも、ことしはこないのかな?」 「きっとあたらしくひっこしてきたから、きづかなかったんだね!!」 「なら、じゅんびしてたたべものも、れいむたちのしょくりょうにまわそうね!!!」 「そうだね!! そのまえに、もっとしっかりいりぐちをとじるよ!!!」 今日は大寒、外は大雪。 いよいよ、撮影も大詰めになった。 「ゆ~~♪ ことしはたべものがいっぱいあるね!!」 「しかも、あったかいよ!!」 「これなら、らくにふゆをこせるね」 「し☆あ☆わ☆せ☆~♪」 断熱材入りのこの巣の中の一家は随分と幸せそうだ。 一家全体での、しあわせコールを聞き、ここらが頃合だと判断して最後の準備に取り掛かる。 「ゆきがとけたら、れいみゅはいっぴゃいはちるよ!!」 「れいむは、まりさともっといっしょにいるよ!!」 「ゆゆ♪ ふぁーすとちゅっちゅもちかそうだね!!」 「んっもう♪ おか~さんはうるさいよ♪」 良いなぁ、いかにも一家団欒と言う風景だ。 それじゃあ、スイッチ入れますか。 Pi ♪ あらかじめ準備しておいたスイッチを押すと、この巣は様変わりする。 どのように変わるかと言うと、四方の壁が外側に倒れる。 大まかに三角錐の形状をしているので、天井まですっきりなくなるのだ。 うまくいくか不安だったが、結果はご覧の通り。 「……ゆ?」 「ゆっきゅり?」 まさに目が点になるとはこのことであろう。 先ほどまで暖かい巣の中に居た一家は、猛烈な吹雪が吹き付ける極寒の雪原に放り出されたのだから。 未だ健在の監視カメラが、テントの中のこちらまでしっかりと鮮明な映像を送ってくれる。 「ゆゆゆ!! ざむいよ!! なにがあったの!!」 「ゆっくりりかいできないよ!!」 「ゆーー!! しゃむいよ!! しゃむいよーー!!」 突然のこの事態に、まるでただの饅頭のように固まるゆっくり達。 そんな中で、一番初めに行動を起こしたのは、母親ゆっくりだった。 「ゆ!! おちびちゃんたちは、おかーさんのおくちのなかに、はいってね!!」 赤ちゃん達を口に中へ入れ、改めて姉達と一緒に状況を確認する。 確認することも無いだろう、四つの壁が綺麗に外側に倒れ、どんどん雪に埋まっているだけだ。 「ゆ!! おうちがこわれたんだよ!!」 それに気付くまでに、かなりの時間を要したが、どうやらキチンと理解できたようだ。 「そんな!! と゛う゛し゛て゛ーーー!!!」 猛烈な風で体を震わせながらの母親の絶叫。 口の中に子供達を入れているためか、いまいち迫力がない。 「ゆーー!! どうするの!! どうするの!!!」 「ゆ~~……。もとのおうちにもどるか、にんげんのおーちにこっそりはいるかだよ!!」 「ゆっくりきめてね!! はやくきめてね!!!」 ゆっくり経験の少ない姉妹達は大慌てで母親を急かす。 しかし、餡子脳のゆっくりに同等のものを選ぶことは難しいらしく、なかなか決まらない。 「ゆー……。れいみゅいいこになりゅから、ゆっくりちちゃいよ……」 待つこと十数分。 ついに赤ちゃんたちは弱ってきたらしい。 口の中といっても、冷気を完全に遮断できるわけでは無い。 まして、相談の為に、何度も口を開いていたらさらに効果は薄いだろう。 ここまでくれば後は良い。 下の巣がある方向は風上、しかも食べ物やご自慢のゆっくりセットは既に雪の中。 それに、この辺りの民家は、外界の技術が取り入れられ、二重戸の一軒屋で蔵などはもうない。 どちらにせよ同じ結末になるものを見るほど俺は暇ではない。 それに、実験の概要もここで終了となっている。 機材をまとめ、自分はこの場を後にした。 すでに一家はどこかに移動したらしく歩いた跡と思われるコブが数箇所に出来ているだけであった。 その春、約束どおり河童は新しい農作用具を貸してくれた。 トラクタというこの機械、今まで時間の掛かっていた畑の掘り起しが、のさばっているゆっくりごと出来るすばらしい機械だった。 このSSに感想を付ける