約 1,001,286 件
https://w.atwiki.jp/sentakushi/pages/597.html
128 名前: くとぅるふクロス ◆69.0kY8lhQ [sage] 投稿日: 2007/04/01(日) 00 03 03 「人目のある場所で魔術を行使するのは厳禁じゃ無かったのか?」 「大丈夫だよ、人払いの魔術を掛けてたし」 何時の間に発動したのやら、と謎が浮かぶが士郎は気にしないことにした。 慌てふためいて逃げる必要は無かったらしく速度を落としイリヤに話しかける。 「どうする? 服」 「どうしよう…… 城に帰れば替えの洋服はあるんだけど」 憂鬱を帯びた瞳がスカートを眺めている。 純白の衣装に緑がこびりついておりただでさえ 人目を惹く容姿を持つ少女は白いため息をついた。 「家に来るか? ジーンズの裾を折ってベルトを、いやベルトじゃ無理だな。 紐で括れば大丈夫だと思う」 イリヤは歩幅を併せて速度を落とした士郎に笑みを浮かべて声を返す。 「淑女の扱い方は心得てるようね。 招待に与り光栄です」 レディというには小さな背丈のイリヤが 尊大に腕組みして頷く姿はコミカルで士郎はこらえ切れず笑ってしまう。 おそらくは魔術師であるという推測とベンチに八つ当たりした際の膨大な魔力に 怖れはあったが不満気にわき腹を叩いてくる少女は親近感を与えていた。 ──この子は何なのだろう? 魔道書は歓迎の意を示した。 初めての光景であり過去の持ち主達と所縁があるのかも知れないと想像する。 巻末の方には手にした人物について記述があり本格的に自分が用いるなら四人目となる。 一番初めのページには契約を求める術が記述されてあるがその気はない。 義父は幸せになって欲しいと言ってくれた。 結末における代償は忘れる事無く覚えており二の足を踏んでしまう。 二代目の持ち主は運命に抗い魔王との約定を破棄しようとしたが叶わなかったらしい。 そもそも約束とは守られるべきモノであり契約を交わしたのならば 履行しなければならないと士郎は思っていた。 軽快に歩む赤毛と銀髪はこの一時を貴重なモノに感じて家路につく。 柔らかそうなイリヤの髪が揺れて微香を周囲に振り撒く。 繋いだ手だけでは無く身体が稀に触れ合う距離は二人にとって心地よさを保っていた。 終わりは唐突にやってくる。 イリヤは眉を顰めて立ち止まり右手を握り締める。 士郎も同じく息を潜め歩みを止める。 フェンス越しに赤い衣服が映える少女と黒より暗い黒人が向かい合っている。 奇妙なのは何処からとも無く短剣が疾り神父の服装をした偉丈夫に突き刺さってゆく。 苦痛を感じるであろう彼は宇宙を内包した様な暗黒の口内を開き哂い声を発する。 名状し難い音色が響き、微量の狂気を伴った風が少年少女を縛りつけ嬲る様に身を包む。 世界を汚染して駆け抜けるそれは絶望の開幕。 129 名前: くとぅるふクロス ◆69.0kY8lhQ [sage] 投稿日: 2007/04/01(日) 00 06 19 古来より人は素晴らしき明日を望み欲望という原動力を身に宿して歩んできた。 大空を制覇し、成層圏を越えて伸ばした手は何処までも高みへ。 たとえ障害物が在ろうとも年代をかけて克服し偉大なる先人達の理想を抱えて 足掻き、苦しみ、最後には討ち克つのだ。 その姿を見て皆が我も続け、追い抜けと心を奮い立たせて邁進してきた。 姿勢に問題など無かったはずである。だというのに母なる大海を侵略し、 深遠の彼方で禁忌との邂逅を果たした日に勘違いに気がついた。 その偉容を垣間見た矮小な生物の行く末は三種類に分類される。 遠いある者は忘却の彼方へ存在を送り込み無かった事にする。 近いある者は邪悪で強壮な姿に心を打ち砕かれ精神を破綻させる。 またある者は大いなる形を直視し、矮躯を実感しながらも人の持つ強さを信頼して行動に移す。 ヒトが文明を築く以前の時代を生き続けて幾星霜。 現在は別の銀河へと飛び立った旧き神々(Elder God)の封印に屈服し眠りにつく。 ルルイエの館にて死せるクトゥルー夢見るままに待ちいたり。 旧支配者(Great Old One)の存在を人は知ってしまった。 人類賛歌を謳う惑星は人類惨禍へと方向を転進し加速し続ける。 舞台は冬木市。役者は彼の地に根ざした人々と聖杯の寄る辺に従い具現化した英雄、 そして理解し難き生命達である。 今此処に、第五次聖杯戦争の狼煙が上がった。 299 名前: くとぅるふクロス ◆69.0kY8lhQ [sage] 投稿日: 2007/04/09(月) 23 45 02 宵の口という時間帯ではあるが静寂に包まれた 学園のグラウンドで平穏な日常とは程遠い光景が展開されている。 「お嬢さん、人の話は聞きたまえよ。パパに教わらなかったのか?」 幼児の悪戯を咎めるといった面持ちをした長身痩躯の男が 絶対感さえ漂わせた荘厳な声で赤を基準とした服装の少女に語りかけ足を踏み出す。 その一歩に地表は主が帰ってきた事に悦びを表すかの如く極彩色の波紋を広げだした。 彼女は朗々しい声を無視をして指と指の間に挟んだ綺羅星達を人物へ向けて再び投合する。 猛る炎が黒地に金をあしらった豪奢な衣服を包み追撃の黒色短剣が角度を問わず神父を襲う。 常人ならば皮膚は爛れ、白刃に晒された身から流血するはずの鉄槌をものともせず、 軽々と受け入れて歩む姿は男が畏怖を抱かせるにたる存在である事を示していた。 ──遠坂? 士郎は戦場を前に自身の切り替えが出来てない事を悟り心の中で呪文を唱え精神を統一する。 仮にも魔術師の端くれであり非常識な怪異との出遭いから 学んだ経験は裏切らずに身体を動かせる。 客観的な視点では無く自己の視た風景をあるがまま受け入れて最良の選択を決めて実行に移す。 はずだったのだが── 背に庇おうとしたイリヤはいつの間にか手を離し士郎を見つめていた。 何処か切なげな顔で口から声を出す前に圧迫感を与える音がグラウンドに響き渡る。 「なあ少年少女、そう思わないか?」 「っ!」 神父の話しかけた先を見た少女は対峙する以外の存在に誰何の視線を投げかける。 短い観察を終えた彼女は狼狽した動作を見せる。 それも一瞬、後方へ跳躍し士郎達を視界に入れるためか神父との距離を取る。 「人払いの結界を忘れるなんて……」 「主、チガう。ますたーと……キリツグ?」 赤い衣装の少女と人間性を欠落したつたない声が響く。 気配の欠片も無く少女の前に立つ背を丸めた人物に士郎は音声で気がついた。 ──爺さんを知ってるのか? 「シロウ、私から離れないで。 マスターじゃないのに巻き込んでごめん」 「イリヤ?」 300 名前: くとぅるふクロス ◆69.0kY8lhQ [sage] 投稿日: 2007/04/09(月) 23 47 05 士郎の隣に立つイリヤは告げて庇う様に前へ出て無邪気な声で挨拶をする。 少し前に士郎が受けたそれと同様のはずなのだが決定的に友好性が欠落した印象を受ける。 「初めまして。遠坂とそのサーヴァント、それとマスターの見当たらない従者さん。 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと申します。短い間になりますがよろしくね」 空間が揺らめき巨人がイリヤの隣に具現化する。 瞳は紅く燃え上がり勇壮な肉体からは熱量を感じさせる程の躍動を士郎に与える。 黒よりの灰色の髪が風に揺れ口から暴力的な咆哮が迸った。 士郎は動揺を隠し切れない。 混乱気味の思考で再び現状を把握する様に周囲を見渡した。 学園のアイドルであるツインテールの少女は巨人を警戒感あらわに注視している。 彼女の隣に立つ人型は主とは別の者に興味を示す。 豪奢な衣装を纏った神父は無感動に巨人を眺め、茶番はどうでもいいという風に口を開く。 「夜は始まったばかりだよ少女。まだ慌てる時間じゃあるまい。 とはいえ気懸かりな事は早めに処理しておかなければ我慢ならん性分でね、 しばし待っていてくれたまえよ」 「私のサーヴァントを遠坂の貧弱なのと一緒にしないで。 殺しなさい、バーサーカー!」 子供特有の残酷な感性がイリヤの声に乗って放たれる。 命を受けた巨人が身にふさわしい石剣を手に駆け抜ける。 赤い瞳が軌跡を残しながら疾走する姿は もはや人という印象は無く絶対的な現象の一つを思わせる。 巨人は石剣を横薙ぎに振るい神父を襲う。 当れば致命傷、または即死という無慈悲な一撃は神父に直撃する。 されどかの聖職者らしき黒人は圧倒的な斬撃を受けても 微動だにせず腕組みしたまま平然と語りだした。 「イルカ臭いお嬢さん、如何にも不愉快な懸念が消えんのだよ。 君がこの世界におけるタイタス・クロウでは無いかと。 私の遊技場で掟破りの行為がまかり通るのは拙かろう?」 「知らないわよそんなの、それより何で……」 死に至る襲撃を受けてなお悠然と立つ男に 気圧されたツインテールの少女は驚きを隠せず胸に手を当てよろめく様に後退する。 巨人は神父の動作を問わず手に携えた獲物をぶつけている。 その全てに効果は無く胴に当っても、 頭を砕かんと振り下ろしても刀身がかの身に触れれば止まってしまう。 「なんで死なないの……バーサーカー、狂いなさい!」 イリヤの声に従い巨人は更なる暴力を偉丈夫に振るう。 石剣が神父の頬に当たり口から血液ではなく黒い液体が流れ落ち大地を穢した。 ここに至って士郎はようやく見知った異端の影を察知し心臓が更なる早鐘を打つ。 背に担いだケースから今まで経験したことの無い 情熱的な意思が圧し掛かり胎動するかの如く蠢いている。 「いい加減にしたまえ、木偶。 教育者に人の嫌がる事は進んでやりましょうという意味を曲解した訳ではあるまいに。 そんなに加虐心を満足させたけれりゃ其処のロリータにSMしてればいいだろうが! ええ!!」 301 名前: くとぅるふクロス ◆69.0kY8lhQ [sage] 投稿日: 2007/04/09(月) 23 50 46 神父の荘厳な声のトーンが揺れて罵声を飛ばして 怒りも顕わに巨人の石剣を黒い手で掴み跳躍した。 巨人の首辺りまで浮いた彼が真横に脚を振るうと 衝撃音を従えてバーサーカーと呼ばれた超人の首が主の方へ放物線を描いて吹き飛んだ。 イリヤは呆然と転がってきた巨人の首を視線で追いかけている。 地に流れた黒がまるで版図を拡大せんと侵略を開始する。 逃れる間も無く闇は大地に広がり士郎は 神父の足元からのたうち伸びて来た血管の様な朱に脚を捕らわれ動かせなくなる。 赤い衣服の少女とイリヤも同じ様に脚は捕らえられ 精神は不安定な所へ置き去りにされた様な脅威に曝されてゆく。 ──拙い、桁違いだ。まるであの時の……! 士郎はまだ近くに居たイリヤを背後から抱きしめる様に 二の腕で耳を塞ぎ両手で彼女の目蓋を下ろす。 「シロ、」 「視るんじゃないッ!」 ケースが爆ぜ言語が我が子を守る様に二人を包む。 黄金色ではなく深紅と暗黒の彩りを帯びたアラビア語が 空へ向かい指向性を持って二重螺旋を描き出す。 竜巻の如き色彩に身体を拘束していた朱は引き裂かれ平常な夜空を舞う。 もう一組の主従へ向けて士郎はあらん限りの声を張り上げて叫ぶ。 「逃げろ!」 「逃がす訳ねぇだろうがッ! 泣いて喚いて許しを乞うても挿入してくれる。 目には目を、歯には歯をの教えは君の分野じゃないか、回教徒よ。 さあ強姦される準備はととのえたかよ大人の玩具ら!」 神父が清廉な印象をかなぐり捨ててもなお神聖な声で哂い出す。 幼児を折檻で殴り殺してしまおうとでもいわんばかりに腐敗した黒の大地が 心神喪失状態に近い少女と矮躯で盾にならんとする忠臣を── A 黒は神父の口に戻り夜空全てに銀色の時計が浮かび上がり左向きへ針を疾らせていた。 (Pocket watch of De Marini──凛の持っていた懐中時計発動) B 黄色の食屍鬼は凛に渡していなかった。(死亡エンド) C 螺旋が矮躯の英霊を掴んだ。(凛死亡のまま物語続行。末はバッドエンド) 投票結果 A 5 決定 B 0 C 0
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1068.html
【はじめに】 このSSは、フィクションです。 違法行為を奨励するものではありません。 単純明快な虐待や愛でを求める方は、読まないことをお勧めします。 【本編】 『蟷螂の斧』 以前と比べて、大きく変わったことが、2つある。 1つは、道行く人間の表情だ。 長引く不況、という理由だけでは片付けられないほど、暗く、淀んでいる。 何が原因だろう。 TVや居酒屋やインターネットでは、盛んに議論だけが交わされた。 政治が悪いとか、娯楽のせいだとか、他国の仕業だとか。 そして議論することにも疲れ果てると、誰も何も言わなくなった。 私も、そんな人間の1人だ。 仕事をクビになりたくない、という理由だけで、毎日仕事らしいことをやっている。 それでも、人生に疲れた人間を、優しく包む場所は確かにある。 例えば、公園のベンチだ。 仕事帰りに、ふと腰掛け、夜空を見上げる。 それくらいの権利は、誰にだってある。 目の前を、丸い影が、のそのそと横切る。 大きめのれいむと、小さなまりさの親子。子供は、2匹だ。 私は、れいむ達と目があった。 すると、3匹のゆっくりは、こちらへ向かって歩み寄ってくる。 私の前まで来ると、親子は顔を地に付けたまま、動かなくなった。 これが、2つ目の変化だ。 物乞いしているのではない。その方が、何倍もマシだろう。 ゆっくりは、ただただ、潰されるのを待っているのだ。 非暴力主義者を気取っているのか。 違う。 生きる苦しみから逃れるための、自殺だろうか。 それさえ、違う。 私は、小さな饅頭を、ゆっくりと踏む。 潰す意思が出る前に、ひしゃげて、まりさはいなくなった。 もう1匹も同じように、やる。 子供のはずなのに、うめき声1つ立てない。 その時、嫌でも気付く。 ゆっくりは、一切を諦めてしまったのだ。 「おい」 私はれいむに話しかけたが、返事はない。 「お前の子供が、死んだぞ」 「・・・・・・」 「何か言ったら、どうなんだ」 「・・・ゆっくりは、つぶされるためにあるんだよ」 「それで、いいのか?」 昔は、ゆっくりはもっと、生きようとしていた。 無知でも、無力でも、精一杯抵抗した。 その様を誰もが、面白がったものだ。 そして、気付いてしまったのだろう。 「ゆっくりは、さいていの、いきものだよ。 だから、つぶされて、とうぜんなんだよ」 れいむは、語ってしまった。 自虐とか、卑下とか、最早、そんなものじゃない。 「それで、いいのかよ・・・」 「おにいさん、れいむをつぶして、ゆっくりしてください」 「れいむ、それがお前のゆん生か」 「ゆ?」 初めて、れいむが顔を上げた。 「誰かに殺されるために、お前は生きてきたのか」 「だめだよ、おにいさん。ゆっくりは、はなしあいてじゃ、ないよ。 れいむなんかと、はなしていると、あんこのうって、いわれちゃうよ」 「私はな、れいむ。お前と大して変わらないんだよ」 「ゆゆ?」 「お前達は、ゆん生を一瞬で踏み潰される。 私達は、人生をじわじわと踏み潰される。 抵抗し難い、大きなものに、な」 私は、何をしゃべっているのだろう。 幸いと言っていいのか、周りに咎めるものは、いない。 そんな慈悲深い人間が、1人でも残っているのか? 「れいむ、ゆっくりはな、人間と違う生き物なんだ」 「そうだよ。れいむと、おにーさんは、ぜんぜんちがうよ」 「ゆっくりというものはな、感情豊かでなきゃいけないんだ。 泣いて、喚いて、怒って、喜んで。 ほんの些細なことで、馬鹿みたいに、反応して、な。 それを愛でたり、虐めたりするから、面白いんじゃないか」 「ごめんなさい、おにーさん。 れいむは、つぶされるしか、のうがないんだよ」 「やめてくれ!」 自分でも驚くほど、大きな声が出てしまう。 「何だよ、お前は、今の、お前達は」 「おにーさん・・・」 「まるで、今の人間と、同じじゃないか どうしてゆっくりなんかを、鏡みたいに見なきゃいけないんだよ」 「れいむには、むずかしいことは、ゆっくりりかいできないよ。 おにーさん、つかれてるんだよ」 「ああ、そうだ、疲れてるんだ。 無駄に歴史を重ねた結果が、これだよ!」 「おにーさん、ゆっくりしてね! はやくれいむを、つぶして、ゆっくりしてよ」 「れいむ、お前は、自分が死ぬことが分かってるのか? 喚けよ! 叫べよ! 怒れよ!」 私はれいむをつかむと、何度も何度も、自分の足にぶつけた。 「こうやって、こうやって、こうやって、飛び掛れよ! おちびちゃんを返せ! このゲス人間って!」 「ゆぐっ! おちびちゃんは、ゆっくりつぶされたよ。それだけだよ」 「悔しがれよ!」 頬を握って、思い切り、引っ張る。 「ぷくーだ、れいむ! こうやって、膨らんで、怒るんだよ! ぷくーってやれよ! ぷくぅぅぅぅぅ!」 「・・・・・・」 「この歯で、噛み付いてこい!」 「・・・・・・」 「せめて、目で、睨め!」 まるで、説得だ。 自分でも、馬鹿馬鹿しいとは、思っている。 それ以上に、衝動を、押さえられない。 何だろう。 「考えろ!」 いったい、私は、どうしてしまったんだろう。 目の前のれいむは、明らかに困惑していた。 ゆっくりれいむの口を、手で大きくこじ開ける。 饅頭の奥に向かって、私は怒鳴りつける。 意味のある言葉じゃない。 叫んだのは、単なる感情の羅列だ。 私は、帰宅途中であることを思い出した。 れいむを抱えたまま、歩き出す。 ともあれ、自宅のドアを開かなくてはいけない。 そこまでは、これまでの自分だ。 部屋に入り、ドアを閉めた時。 それからは、これからの自分だと、途切れそうな意識が告げていた。 2日後。 国会議事堂の鉄門に、白い乗用車が突っ込んだ。 激突防止用の鉄柱に阻まれ、国の被害としては、鉄の柱と枠が、僅かに凹んだだけだった。 車の中には、男が1人と、何故かゆっくりれいむが1匹。 どちらも頭の中身を盛大にぶちまけて死んでいた。 ただ、血と餡子に塗れたその表情は、意外にも穏かであったという。 (終) 【過去作】 ※YHKアーカイブス ふたば系ゆっくりいじめ 840 プラネット・ゆース ~ドスまりさ~ ふたば系ゆっくりいじめ 675 プラネット・ゆース ~きめぇ丸~ ふたば系ゆっくりいじめ 658 緊急特別SS ゆっくり割れる窓ガラスさんの謎 ふたば系ゆっくりいじめ 594 プラネット・ゆース(うーぱっく&すぃー) ※単発物近作 ふたば系ゆっくりいじめ 833 俺持ってんの1円じゃなくて・・・ ふたば系ゆっくりいじめ 666 チューチューラブリームニムニムラムラプリンプリンボロンあにゃるぺーろぺーろ ふたば系ゆっくりいじめ 629 極上のすっきりプレイス ※続編準備中 ふたば系ゆっくりいじめ 428 はげの行進 ふたば系ゆっくりいじめ 560 なずーりんに祝福を ふたば系ゆっくりいじめ 796 Detroit Yugyaku City 2 ※ぬえ nue059 「スキャット・ゆん・ジョン」 nue022 「ゆナッフTV」 nue009 「ブラックペーパー・チャイルド」 その他の作品に関しては、ふたばSS@WIKIの『二行の作品集』をご覧下さい。 何かとお世話かけているWIKIあきに、感謝。
https://w.atwiki.jp/83452/pages/10484.html
私は異常なんだと思う。 だってほら、校医さんも私を奇異の目で見ている。 「今日も体調が悪い、と」 澪「……はい」 これで4日続けて保健室に通っている。 授業にも若干の支障が出ているし、 本当に体調が悪いなら、病院に行くことを考える状況だ。 でも私の悪いところは体の調子ではない。 誘惑に負けて、本当に体が悪くなったような気にさせる、私の嘘つきな心だ。 「秋山さん……」 校医の先生は、既に覚えてしまっている私の名前を溜め息まじりに吐いた。 「ハマッちゃうのは分かるけど、程々にしたほうが良いわよ? 大事な場所なんだから」 澪「は……は!?」 一瞬にして顔に血がのぼって、かあっと熱くなる。 「思春期にはよくあることだけどねぇ。私もそんな時期が」 がしゃりとシャッターをおろして、先生の言葉を防ぐ。 相談した訳じゃないのに、軽々しく踏み込んでくるのは止してほしかった。 私のサボタージュを咎めているのかもしれない。 だけど、ここだけは触れないでほしい。 「無理に我慢しろー、とは言えないけど、今晩は少し頑張ってみない?」 澪「はあ」 話の終わる気配に私は耳を開き、そして曖昧に頷いた。 「うん、うん」 校医さんは満足そうにこくこく首を振る。 「それじゃ秋山さん、私4時間目くらいまで用事あって居れないから」 「ここ、お願いね」 ウインク。ターン。オープンザドア。退出。クローズワン。 澪「……」 このままでは私も、あんな風になるのではと危惧した。 私も存分におかしいが、先生も相当のものだ。 未来――いや、今はそんな暗いことを思うのはやめよう。 本当に、確かに少しだけ、眠気はあるのだから。 私は上靴を脱いで、一番奥のベッドに座った。 スカートを何度も直しつつ、布団に潜る。 澪「……あと20分か」 携帯をそっと出し、時刻を確認する。 あの心配性のお嬢様が、あと20分したらやって来る。 とくとくと胸が高鳴るのを感じる。 やっぱり私はおかしい。 嘘で固めて築いた、私たちが見詰め合うステージは まさしく軋むベッドのように不安定だ。 でも、そんなステージでさえ、私は立ちたいと思う。 ……ムギの出てくるストーリーなら。 しばらく目を閉じていたら、チャイムが響いた。 2限の終わりだ。 澪「……」 脈動の速さは、最高潮に達していた。 保健室に足音が近づくたび、呼吸が止まる。 がちゃりとドアが開くと、太腿の筋肉がぴんと張った。 紬「澪ちゃーん?」 澪「ムギ……」 わざと小さな声でムギを呼ぶ。 ライアー・インザライは嘘に余念がない。 しゃっとカーテンを開けて、ムギが現れる。 そして一歩進んで、私たちだけの狭い空間をつくった。 紬「……体の調子はどう?」 ムギは、優しい。 私の嘘に気付く様子もなく、ただ私の体調を案じてくれる。 それが仕事である保健室の先生にすら、疑いのまじる視線を向けられる私なのに。 澪「ん……少し、胸が苦しいかもしれない」 嘘ばかりつくのが申し訳なくて、一匙だけ真実を加えてみる。 紬「苦しいって……大丈夫なの?」 嘘をつかなかったご褒美かは分からないけれど、瞳に焦燥をにじませ、ムギが私の顔を覗きこむ。 澪「い、いや、言う程でもないよ。そんな感じがするくらいだ」 慌てて体を起こす。耳から煙が出そうだった。 そのとき。 紬「こら澪ちゃん、寝てないとだめ!」 ムギが私の両肩に手を置いた。 ふわりと柔らかな力がかかって、私はベッドに沈められていく。 その一瞬が、耐えようもなく甘かった。 きしん、きしん。 私の頭の裏で、何かが数度軋みを上げた後、無音にて断たれた。 澪「ムギ……」 天井の前で、ムギは慌てふためいた顔をしていた。 紬「ねぇ、本当に大丈夫? 顔が真っ赤よ?」 何を言っているかは分からなかった。耳がきいんとして、聞こえない。 でも、私に語りかけていることは間違いない。 そして、それだけでムギのことを愛しく想うには十分だった。 紬「?」 手をのばして、ムギの後ろ頭に左手を置く。 指にふわふわの癖っ毛が絡んだ。 少し力を入れる。抵抗感はなく、ムギの顔が私の口元におりてくる。 紬「……」 ムギは目を開いたまま。 私も、どうしてかタイミングを失ったか、目を開けたまま。 わたし達の唇は、奇跡的にぴったり重なっていた。 「ちゅ」と間抜けな音は、カーテンの中いっぱいに響いた気がした。 ムギが唇を離したのだった。 紬「み、澪ちゃん?」 その声は、ただ純粋な疑問のみを含んでいた。 驚きも、興奮はおろか、嫌悪すらない。 私は、こんなにもぐちゃぐちゃと感情がないまぜになっているのに。 澪「ムギ。……な?」 明確なのは、私がムギを愛しているという事だけ。 ムギの脇の下に腕を差し、ぎゅっと抱き上げる。 紬「ひゃあ!」 やっぱり抵抗しない。ムギには抵抗できないのかもしれない。 されるがままに、ムギが私の上にのしかかる。 澪「うむ……」 紬「あの、澪ちゃん……?」 足の爪先を動かし、少しずつ私たちを阻む布団をどかしていく。 返事をせずに、私はムギをぎゅっと抱きしめる。 紬「……」 ムギの身体はこんなにも温かいのに、彼女はぶるっと小さく震えた。 澪「なぁ、ムギ。ムギは私のことどう思う?」 紬「澪ちゃん……いったい何の話?」 澪「おかしいと思うだろ。こんな私……」 私はなにが言いたいんだろう。 こんな話をムギにして、どうしようっていうんだろうか。 紬「私は……澪ちゃんがおかしいとは思わないけれど」 ムギは私の顔から視線をそらすように俯いた。 紬「嘘をつくのは、いけないと思うわ」 私は息をのんだ。 澪「知ってたのか!?」 紬「だって、澪ちゃん……元気いっぱいじゃない」 目の前のムギの顔が、にわかに歪んだように思えた。 その笑みはどこか淫靡な、私の見たことのないムギだった。 そういえば、私はムギのことをほとんど知らない。 澪「……元気いっぱいということもないと思うけど」 私はぼそりと言う。 体がほてり過ぎて、小さな声しか出せなかった。 紬「そうね。澪ちゃんはきちんと悪いことをしてるって自覚があるからね」 ムギの指先が私の顎に触れる。 背筋に、ぞくりと言い知れぬ感覚が走った。 澪「む、むぎぃ……」 愛されているというより、母親にあやされているような感じだ。 ……悪くない。 紬「澪ちゃん、可愛いわ……」 不意に、ムギが目を閉じる。 つられるように、私も瞼をおろし、ムギに身を任せた。 唇が触れ合う。 澪「ん……」 紬「ふふ。……ちゅ」 私のくちびるが、ほのかに潤んだムギの唇に食まれる。 頭がぼうっとして、何も考えられなくなる。 私の背中に、ムギの腕が回される。 わたし達はさらに密着する。 制服越しに、ムギの胸の柔らかさが感じられる。 澪「っ……」 状況の整理もままならない。 けれど、とにかく我慢できない。 私はそっと、左手を浮かす。 ムギの腰より、すこし下。 そこへ手をおろし…… 紬「こらっ」 澪「たっ」 目にも止まらぬ速さで、ムギの右手が私の手をはたいた。 紬「みーおーちゃん?」 澪「……」 そうだ。 そのまえに、本当のことを言わないといけない。 けれど。 澪「……」 もう、手も口も動かなかった。 その理由ははっきりしない。 うそばかり言っているから、真実を口にできなくなったのかもしれない。 紬「……そう」 ムギが残念そうに言って、身体を起こした。 ベッドをおりて、ムギは私に背を向ける。 紬「それじゃあ私、そろそろ教室に戻らないと」 澪「あ、ああ……」 顔は見えないけれど、ムギの笑った気配があった。 紬「澪ちゃん。しっかり休んで、元気になってね?」 それだけ言って、すたすたとムギは去っていく。 なにを咎めることもなく、ほんとうに見舞いに来ただけのようだった。 澪「……」 先生、ごめんなさい。 私は今も、今晩も、頑張れそうにありません。 そして、明日もまた、嘘を吐きに参ります。 終 2 あとがき (;^ω^)……!? おわりです 澪「ライムギ畑で嘘ついて」というフレーズが頭の中にがっちり固定されてしまって もうこれしか書けそうにありませんでした 話の落とし所もわかりませんでした
https://w.atwiki.jp/jzrowa/pages/61.html
最後に愛と勇気が勝つストーリー。 そんなもの、ありはしなかった。 ◇ 森の中を一人の青年が駆けていく。 その手に持っている銃は、誰かと戦うならば大きな力となりえるだろう。 だというのに、青年の顔には迫り来る死への恐怖が張り付いている。 青年―――浜面仕上は、自らの考えの甘さをただひたすらに悔いていた。 「くそっ!」 視界の端に薄紫の光を捉え、自分が『追手』に追いつかれたことを悟る。 足を止めぬまま周囲へと視線を向ければ、こぶし大の光が五つ、彼を追いかけるように飛行していた。 その光の中心には虫のようなフォルムの機械が存在し、その無機質な姿が浜面の恐怖を容赦なく煽る。 (無能力者一人殺すのに、随分と手間かけやがる……っ!) 学園都市による粛清。 この殺し合いの場を浜面仕上はそう判断していた。 第三次世界大戦の最中に学園都市との交渉材料を手にし、大戦を生き延びたまでは良かった。 恋人である滝壺理后と共に学園都市へ戻り、麦野や絹旗と共に新生アイテムとして本格的に動き出そう――というところでこのザマだ。 考えが甘かったのだ。 交渉材料となりえるものをたった一つ手に入れたところで、学園都市が本気になればこんなにもあっさりと捕らえられてしまう。 『聖杯』とやらが何なのか浜面には見当もつかないが、こんな殺し合いに自分が参加させられているのは学園都市に反抗した報復に違いない。 (だからって、黙って死ぬわけにはいかねぇ!) ここには自分だけではなく、滝壺も連れてこられている。 その事実が浜面に殺し合いへの反抗心を生み、必死に生きようと足掻く力を作り出していた。 「っ!?」 だが、そんな思いも空しく飛び回る『虫』の一匹が右足に激突してきてバランスを崩す。 深夜の森の中を全力疾走していたのだ、 僅かにバランスを崩しただけで足を取られ、為す術もなくその場へ転倒してしまう。 慌てて起き上がろうとするが、『虫』は既に浜面を取り囲み逃げることが不可能であると気付かされる。 「ちくしょうが……っ」 せめてもの抵抗として銃を構えはするが、不規則に飛ぶ『虫』に当てる自信はない。 先程攻撃を受けた右足に異常は見当たらない、直接的な攻撃力は低いのだろう。 だが、恐らくは学園都市の兵器であろうそれはどのような機能を持っているか予想できない。 仮に何らかの薬剤を注入されてしまえばそれで終わりだ、下手をすればさっきの足への一撃で全て終わっていた可能性すらある。 『虫』への対抗策を考えようとしているが浮かぶのは最悪な考えばかり。 浜面の目に段々と絶望の色が湧き上がる。 「まったく、見てらんないよねぇ」 声と同時に飛来した何かが『虫』の一匹を打ち砕く。 「な……!?」 「ほんと、こんなのはらしくないってのにさ」 続けざまに二匹。 『虫』は回避することも出来ないまま砕かれる。 唖然とする浜面の隣へと、年端もいかぬ少女が降り立った。 「ボサっとしてないで、さっさと立つか逃げるかして欲しいんだけどねぇ」 「あ、わ、悪い」 咎めるような言葉に思わず謝り、その場に起き上がる。 たったそれだけの間に残っていた『虫』も仕留めたようで、少女は槍を片手に浜面へと向き直った。 「で、怪我とかあるか?」 「いや……大したことない。すまない、助かった」 浜面の答えに「そっか」とだけ反応を返し、すぐに背を向けてしまう。 「お、おい! どこに行く気だ!?」 「言う必要があるかい? わざわざ助けてやったんだから、簡単に死ぬんじゃねぇぞ」 それ以上浜面が言葉を発するより早く、 少女は地を蹴りあっという間に浜面の視界から消えてしまった。 「な、なんなんだアイツは……?」 【一日目/深夜/A-3 森】 【浜面仕上@とある魔術の禁書目録】 [状態]健康、疲労(中) [装備]モーゼルC96(レッド9)(10/10)@現実 [所持品]基本支給品一式、9mmパラベラム弾(40発)、ランダム支給品×2 [思考・行動] 1:滝壺と共に生きのびる 緑々しい野原の中、一人の少女が佇んでいた。 薄い紫の髪をなびかせ、少女――ルーテシア・アルピーノは小さくその口を開く。 「……来た」 数瞬の間を置き、その眼前に先程浜面を助けた少女――佐倉杏子が現れた。 「アンタ、魔法少女だよな」 「………」 「ダンマリかい、別にいいけど」 一つ息を吐きながら、杏子は手にした槍を突きつける。 切っ先を目の前にしながら、ルーテシアは瞬き一つせずじっと杏子を見つめていた。 「……アンタも、魔法少女の真実に絶望したクチかい?」 「―――インゼクト」 「っ!」 周囲の草むらから飛び出してきた『虫』を飛び退ることで回避し、杏子は思いを馳せる。 (らしくない―――ほんと、何してるんだろうねぇ、あたしはさ) 襲われてる人間を助け、悪人を退治する。 そんな正義の味方のような生き方、自分はしていないはずだった。 (ったく……これも全部、さやかのせいだ) この殺し合いに参加させられる前、彼女は死んでいる。 絶望に染まり魔女と化した少女を、その身を呈して止めたのだ。 (アタシはさやかを救えなかった。私達に希望なんて、キュウべえが用意しているはずがなかったんだ) 彼女の願う物語は存在しなかった。 それでも、彼女は思い出すことが出来たのだ。 自分が憧れた、みんなを救う魔法少女という存在を。 どうして死んだはずの自分が、美樹さやかが、巴マミが生きてこの場にいるのかは考えてもわからない。 だが、どうせわからないのならば、考える必要なんてない。 「今度こそ、見せてやろうじゃん」 「………?」 迫る『虫』を打ち払いながら、杏子は笑う。 その目に希望の光を灯し、前だけを見つめて。 「愛と勇気が勝つストーリーってやつの始まりだ! 話の最初は、アンタを止めるところから!」 【一日目/深夜/B-3 野原】 【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]健康 [装備]杏子のソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品×2 [思考・行動] 1:目の前の少女を止める 2:愛と勇気が勝つストーリーを目指す! ルーテシア・アルピーノの心は閉ざされている。 眠り続けている母のメガーヌが目覚めない限り、この心が開くことはないとジェイル・スカリエッティに信じこまされて。 だからこそ、この殺し合いに関しても「聖杯があれば母が目覚める」程度にしか捉えていなかった。 (……アギトがいたら、止めるのかな) 閉ざされているはずの心を、自分でも気づかない程度に揺らしながら――少女は目の前の敵へ殺意を向ける。 【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 [状態]健康 [装備]ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品×2 [思考・行動] 1:目の前の少女を倒す 2:最後の一人となり、聖杯で母を目覚めさせる。 ※ハクテンオウ、ガリューの召喚は制限されています。 時系列順で読む Back 虚刀鑢・完了計画 Next 狂気と否定と目隠しと 投下順で読む Back 虚刀鑢・完了計画 Next 狂気と否定と目隠しと キャラを追って読む 実験開始 ルーテシア・アルピーノ [[]] 実験開始 佐倉杏子 [[]] 実験開始 浜面仕上 [[]]
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2555.html
光太郎がスカリエッティの研究所に移送されてから暫くの時が過ぎた。 研究所にやってきた光太郎に、スカリエッティの秘書のウーノはスカリエッティの都合に合わせて日に2,3種類の検査を行い、数日をおいてまた検査をする、というスケジュールを組んだ。 基本的に人が良いせいで思わず承諾してしまった光太郎は、今の所その通りに協力していた。 お陰で宛がわれた部屋で暇を持て余していることも少なくない。 広い場所を借り、空手の稽古をしたり、(許可をもらう相手は変わってしまったが)アースラにいた頃と変わらずドクターの許可を得て本を読み、世話係の少女に頼んで外に出て気分転換をするという毎日を過ごすのは、そう悪くない。 クライシス帝国との戦いで傷ついた光太郎は、休息を欲していた。 未だ光太郎は、何か出来るような精神状態ではなかった。 光太郎に戦いの結果残ったのは、どれだけの犠牲を支払ったかと言うことだけだった。 守ろうとした地球を、本当に守ることが出来たのか確認する事も出来ない。 地球に戻る為にもどのような形にせよ…再び立ち上がる為に、光太郎には気持ちを整理する時間が必要だった。 そうしてゆっくりと毎日を過ごすある日のこと、何度目かの検査日の翌朝、宛がわれていたベッドで光太郎はドクターに借りた本を読んでいた時だった。 何冊も本を読むうちに読むスピードが上がり、光太郎は数秒に一度位の速さで本を読み進めていく。 それで頭に入るのかとこちらでの生活に不慣れな光太郎の世話役を命じられた少女に尋ねられたこともあったが、大丈夫だと光太郎は返事を返している。 不意にページを捲っていた指が止まった。誰かが読んでいる途中だったのか、途中に栞が挟まっていることに光太郎は気づいた。 それを確認した光太郎は、栞が挟まっていたページから目を反らした。 そして、視線は在らぬ場所へと落とされる…何か重要なものでも発見したかのように、光太郎の表情は険しさを増していた。 「…嫌な予感がする」 光太郎はそう言うと体を起こしてスカリエッティの所へ向かい走り出した。 …そこまで見て、スカリエッティは監視映像を止めた。 困っているような、面白がっているようななんとも言えぬ微妙な表情でスカリエッティは秘書のウーノや、自己判断による行動を許可する程信頼しているトーレ。 スカリエッティの作り出し、ナンバーズと呼んでいる戦闘機人達の内から呼んでおいた2人に顔を向ける。 そのまま目配せをして意見を求めてみたが2人とも不可解そうな表情をみせるだけで返事は無かった。 ナンバーズの三番目、紫の髪をショートカットにしたトーレが確認するように尋ねた。 「この後光太郎はまっすぐドクターの所へ乗り込んできて、驚いたドクターはうっかりケースから出していたジュエルシードを落としかけたと?」 「…これで三度目だ。偶然とも思えないが、彼が私を監視しているような素振りは無い」 スカリエッティよりも10cm以上も背が高い為、自然と見上げながらスカリエッティは返事を返す。 トーレは聊か咎めているような口調でたずねたが、白衣のポケットに手を突っ込んだままのスカリエッティにそれを気にした様子は無い。 それどころか返事を返した声は、そうしたことが起こったのを面白がっているような雰囲気を持っていた。 答えたスカリエッティは、ウーノに椅子を持ってくるように頼むと再び光太郎の監視映像や検査で取ったデータを並べ、眺め始めた。 そんな創造主の態度に、管理局が大した警備もつけずに外部に移送していた所を強奪してきたトーレは苦い顔を見せる。 ジュエルシードとはロストロギアに指定されている次元干渉型エネルギー結晶体…言わば使い勝手の恐ろしく悪いちょっとしたキングストーンで、取り扱いには十分に注意しなければならない。 スポンサーに頼んで送ってもらった異邦人一人の『嫌な予感がする』で、創造主が落っことしたなんてトーレには目も当てられない話だった… 同じくウーノも、スカリエッティを心配し苦い表情でどこかから椅子を持ってくる。 「何らかのレアスキルを所持しているとも考えられますが…」 「ありがとう。今のを見て本当にそう思うかね?」 口を濁すウーノに一瞥を与えて、再び表示させたデータをスカリエッティは眺める。 礼を言って受け取った椅子に腰掛ける彼の目は生き生きとしていた。 データはまだ殆どが不明とされていて、それ以外の洗脳結果などについては効果なしと記載されている。 スカリエッティの元にはスポンサーからの惜しみない援助で購入された最新の機器が揃っているのだが、それらをもってしても光太郎の体内を調べることはできないでいた。 それに加えてこのような原因不明の奇行に振り回され、スカリエッティの本来の仕事は妨げられていることをウーノは不愉快に感じていた。 「ドクター、やはり光太郎は早急に処分してサンプルの一つとしてしまった方がよろしいかと思われますわ。彼が来てから、予定していた作業に大きな遅れが生じ始めています」 「予定? そんなもの構わんさ。生きた興味深いサンプルを研究するには多少の遅れは仕方がない…スポンサーもそれは承知している」 秘書の進言を、スカリエッティはばっさりと切って捨てた。 異世界の質量文明が生み出した生物に興味津々らしく、鼻歌混じりにそれに付き合うつもりのようだった。 ニヤつきながらスカリエッティは「嫌な予感がする」パターンを割り出そうとでもしているのか、早送りで映像データを流していく。 流れていく映像に自身の作品の一つが移り、彼は呟いた。 「ほー…チンクはうまくやっているようだね」 「はい。騎士ゼストの世話をしていたせいか、思いのほかうまくやっているようです」 諦めたようにため息をついたウーノは、スカリエッティの隣に立ち、それをサポートしながら返事をする。 名前が挙がったチンクは、スカリエッティが作り出した戦闘機人達、ナンバーズの一人だ。 五人目のナンバーズであるチンクは他のナンバーズとは違う狙いで作った個体でナンバーズの中ではもっとも小柄だ。 発育不良な体をチンク本人が気にしているのは知っていたが、当時のスカリエッティがどこかの軍隊が少年兵に頭を悩ませていると聞き、お遊びであえてそうなるようにしたのでそれは諦めてもらうしかない。 チンクは狙い通りの結果に加え、能力も高く誰に似たのか生真面目で面倒見のいい性格に育ったので重宝している。 例えば今回のように光太郎に見せてはならないものを見せない為に、光太郎の世話役を命じたりするには打ってつけだった。 小さい体で男性としても大柄な光太郎の世話をあれこれとしている姿が映っている所を見ると、人選は間違っていなかったようだ。 そこにトーレが口をはさむ。 トーレは、画面に映る妹を咎めるような視線を向けていた。 チンクは、腰まで伸びる癖の無い銀髪を揺らし、急ぎ足になって光太郎を先導していた。 「何故チンクに? 私なら三度もドクターのお邪魔をさせるような真似はさせませんでした」 光太郎が普通に歩くだけでドンドン引き放されていく妹は、どう見ても役者不足だとトーレは感じていた。 普段は妹を虚仮にするような言い方は決してしないトーレに、スカリエッティは喉を鳴らして笑った。 意気込むトーレに、スカリエッティは映像へと目を向けたまま返事を返す。 「初めてチンクと会わせた時、光太郎が驚いていたからさ」 返事をしながらスカリエッティは、光太郎の世話役兼監視役として誰を選ぶか考えていた時のことを思い出す。 チンクを小さな女の子呼ばわりして初印象を悪くする光太郎のある種の不器用さは、チンクの世話を焼きたがる気性と馴染むだろう。 そして彼の信用をあげる一助となるとスカリエッティは考えていた。 「そういえば…あの時彼が面白いことを言っていたな」 「と言いますと?」 「チンクの服装について尋ねてきてね。クライシス帝国ではあの程度のボディスーツ程度の機能性では話にならないようだ」 「…それは、どちらかというと見た目の問題では?」 ウーノはチンクが身に着けているのと基本的には同じものを着ているトーレを見て言う。 彼女らのボディスーツは機能性は案外高いのだが、基本は体のラインが色々と出すぎる…健全な男性らしい光太郎が顔を顰めるのも仕方が無い話だ。 そうウーノは思っていた。 だが、もっと凄いのを作らなくてはねと零すスカリエッティにはその辺りの改善は永遠に無いと十分すぎるほど理解してもいるウーノは、それ以上言わなかった。 「まあ、それはいずれ彼が驚くような防護服も作ってみせるとして、あの人の良さそうな光太郎に子供が殺せるとは思えないだろう?」 尋ねられたトーレは嘲りに近い笑みを浮かべて、「そうですね」と答えた。 スカリエッティよりも背の高いトーレから見ればスカリエッティの胸程しかないチンクの体躯は、見ていて少し…有体に言うとかわいそうなものだった。 その時部屋の扉が開いて、当のチンクが研究室に入ってくる。 三人は普段の彼らからすると優しすぎる表情を見せ、黙りこくったままチンクが自分達の所へやってくるのを待った。 チンクは向けられる視線に訝しげな表情を返す。 「ドクター、私をお呼びだと聞きましたが…………なんです?」 スカリエッティ達は何も言わずに、生暖かい目で首を振った。 数年前の戦いで片目を負傷して以来、眼帯をつけているチンクは、片方だけの目を何度か瞬きさせて首を捻った。 「チンクから直接話を聞きたくてね」 「光太郎のことでしょうか?」 「ああ。彼がいた世界には彼と同等以上の改造人間が後10人いるらしいが…」 チンクの報告をまとめたものを広げ、スカリエッティは尋ねた。 詳しい話は聞けていないようだが好奇心を刺激されているらしく、椅子から身を乗り出しさえしていた。 「はい、先輩と光太郎は呼んでいるようです。私達と同じような間柄なのかもしれません」 「ふむ…」 スカリエッティは何か思うところがあるらしくそう返すだけに止まる。 「そう考えると不憫なものだな。彼は今異世界に迷い込んで一人ぼっちというわけか」 『ならば研究して彼の兄弟を作ってやるのが研究者としての責務だろうか』と、スカリエッティは笑った。 スカリエッティがそう零すのを聞いて、チンクはショックを受けたのか映像データの中の光太郎に向ける視線に同情の色が透けて見えた。 それから2つ3つ質問を重ね、メモを取ったスカリエッティは、 「…なるほど。よくわかったよ。ではチンク。もう一つ頼んでもいいかな」 そう良いながらウーノが用意した椅子の上で座りなおす。 椅子の脚が長いせいでそれでも立ったままのチンクをスカリエッティが見下ろしているのを見て、ウーノは手を止めて苦笑した。 「なんでしょうか?」 「彼と一緒にミッドに行って彼の着替えを2,3着買いに行ってきてくれないか?」 「服…ですか?」 首を傾げる三人に、スカリエッティはため息をついて頷いた。 すると新しいモニターが空中に浮かび上がり、昨晩の映像だと日付でわかるそれにはスカリエッティと光太郎が映っていた。 バスローブを身につけ、風呂上りの牛乳を飲むスカリエッティと、その隣、洗濯機の前でタオルを腰に巻き鍛え上げられた裸身を晒して仁王立ちする光太郎…スカリエッティはげんなりした顔で言う。 「私は自分の服を貸すつもりはないし、毎晩タオル一枚で洗濯機の前に立たれるのも迷惑なんだ」 横目で光太郎を見たスカリエッティは、無言で洗濯機を見続ける光太郎に居心地が悪そうにして少しずつ距離を置いていった。 「ああ。なんなら、君達の服も買いたまえ」 その時の自分の様子を見苦笑がもれた。 殆どセクハラに近い映像を見せられている三人のリアクションなど構いもせずに、スカリエッティは言う。 「ウーノ、後で私のスーツを仕立てた店などをチンクに教えておいてくれ」 因みにウーノに任せるうちにいつの間にかスカリエッティの服の値段と着心地が跳ね上がっているのだが、スカリエッティはそんなことには全く気づいていなかった。 毎日来ている服がきっちりと手入れされ、気に入って何年も着ているものもほつれ一つないのだがそれが当然だと信じていた。 「な…なんでしたら、私が参りましょうか?」 少し青ざめた顔で映像を視界に入れないようにするウーノにスカリエッティは間髪いれずに首を振った。 「駄目だ。そんなことになったら私が困るじゃないか。君がいない間、一体誰が私の世話をしてくれるというんだね?」 「はい」 「よよ予算は幾ら程ですか!?」 二人をジッと見つめるトーレを小突きながら、顔を赤くしたチンクが尋ねた。 ウーノも咎めるような目を向けると、詰まらなさそうにトーレは部屋を出て行く。部屋を出て行く時、トーレは肩越しに振り向いてスカリエッティと肩を竦めあった。 「幾らでも構わないから、見栄えよくしてやってくれたまえ…特に湯上りに見苦しくないように頼む」 そう言って、今日もまた管理局の用途不明金の額を増やすスカリエッティの金銭感覚にウーノは困ったような顔をする。 それくらいの浪費をしてもいい位には働いているが、スポンサーの一人である首都防衛隊代表の前ではこんなことはないようにしなければならない。 「わかりましたドクターとは別の店を教えることにしましょう」 「? 何故だね?」 「ドクター…」 呆れたような顔でウーノは不思議そうにするスカリエッティに近寄ると、体に手を這わせて服の掴み縫い目などを見せる。 「ドクターの服は全てオーダーメイドですから。魔法を使う職人でもその日に一着と言うのは無理です。今ドクターが着ている服を作った職人は人気もあって数年待ちなんですよ?」 「金を積んで急かせばいいだろう?」 「ドクターと同じような手合いが多いんです」 「なるほど。やる気を無くしてしまうのか」 説明を受け、やっと納得したように言うと、スカリエッティは興味をなくしたように作業に戻る。 ウーノはそんな様子に慣れているので気にせずチンクに既製服の店などの位置を教え、準備をするように言い渡した。 一番上の姉に教えられたことを何度か頭の中で整理しながら部屋を後にするチンクの背中を不安げに見送ってからウーノは通信画面を開き、今度は光太郎に連絡を取る。 部屋で読書中だった光太郎は、空中に浮かぶ通信画面に未だに不思議そうに見上げた。その田舎者っぽさにウーノは顔をしかめる。 だがそれを我慢して説明をしたにもかかわらず、光太郎は首を横にふった。 「厚意は感謝するが、受け取るわけには「こちらの買い物もありますから、荷物持ちの報酬とでも思ってください。5分後にチンクが迎えに行きますから準備をよろしくお願いします」 恐縮する光太郎にそっけなく言い捨てて、ウーノは通信画面を切る。 疲れた様子で彼女はため息をついた。 そして、外出の準備をしに行ったチンクへと通信回線を開く。 準備万端と言った顔でウーノが時々使っている車を用意しているチンクが映し出される。 手入れは怠っていないためすぐに動かせるが、シートの調整などに手間取っているらしい妹を見て、ウーノは頭を抱えたくなった。 少し考え…すぐに頼りになりそうなのは、長期の潜入任務に従事しているナンバーズの二番目、ドゥーエだけかもしれないと思い至ってから、彼女はチンクに話しかける。 「…チンク。ドゥーエに連絡をしておくから彼女と合流しなさい」 「ウーノ姉、どうしてですか?」 腑に落ちない顔で尋ねてくるチンクは、彼女ら戦闘機人達用のボディスーツ…体にぴったりとフィットするそれの上からチンクの固有武装である防御外套『シェルコート』を被っていた。 殆ど外へ出さずその手の感覚にズレがあるのだろうが、ボディスーツの上から灰色のコートだけ。 買い物に行くのにこれはないと唖然としながらウーノは答えた。 「そんな格好でそんな質問をするからよ」 「どういう」 何かチンクが言っていたような気がするが、視界の端でスカリエッティが飲み物を欲しがっていそうな雰囲気を見せたのでウーノは通信を切った。 ウーノは部屋を出て用意していた飲み物をグラスに注ぎ、スカリエッティの元に戻る。 作業をしていたスカリエッティは、戻ってきたウーノが盆の上に飲み物を載せているのを見て、手を止めた。 差し出されるグラスを取り、「ありがとうウーノ」 そう言っておいしそうに飲むスカリエッティに「いいえ」とウーノは答え、グラスを一度スカリエッティから受け取る。 グラスの表面に浮かぶ水滴をふき取り、ウーノが減った分を継ぎ足す様をスカリエッティは少しそわそわとしながら待つ。 クスリと笑い、返されたグラスから仄かに漂う甘い香りを楽しむスカリエッティのところに、光太郎とチンクがどちらが車を運転するかで揉めていると報告が来るのはもう少し先だった。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/merligold/pages/14.html
めるりPとは 2008年2月に、どこで間違ったのかニコマスPデビュー。 デビュー以来、極めて一貫性のない美意識に裏打ちされた独特の表現と、 「あるものでどうにかする」という貧相なアイデアにより、 知る人「は」知る存在となる。 今や押しも押されぬニコマスPである(※1)。 代表作は特に無く、ヒット作品も殆ど無い(※2)。 ニコマスの歴史の中でも何か大きな影響を与えたとは言い難いが、 一応数合わせとしてあちこちの祭りやイベントに たまに顔を出す程度の活動はしている模様。 ニコニコ大百科やニコマスwikiにもかろうじてその名前を見ることができる。 ネットラジオやustも行う(※3)が、いまいち内容にパンチが欠けたり、 進行に若干不備があったりと手際の悪さを露呈している。 また音楽の知識は深いと自負しているが、 動画へそれらが全くといっていいほどフィードバックされていない辺り、 どこまで本当なのか疑わしい面もある。 都内で開催されたクラブイベント「トカチゴールド」に、 出演できなかった(※4)ことを根に持ち(※5)、 「めるりゴールド」を開催することを冗談で言ったところ、 周囲の人間が親切心で企画してくれたことに若干の罪悪感を覚えつつも、 当日の成功へ向け奔走(右往左往)している。 ディスコグラフィー 「毎度おなじみ流浪のP、めるりPでございます。」 ※1…しかし、誰が押そうというのだろうか ※2…「週刊アイドルマスター」のベスト10に入りかけたことはある ※3…注釈を入れるまでもなく、知らない人の方が多い ※4…入口までは行った ※5…開場時にスタッフと揉めているところを目撃されている
https://w.atwiki.jp/macross-lily/pages/68.html
ふと目を開けたなら、そこは茜色のプールだった。 「――――ん?」 状況を把握できず頭を振る。 上半身を起こしてようやく自分が眠っていたことに気付く。 「……2時間くらいかしら?」 眠る前には無色透明だった日光が、すっかり赤色へとベクトルをずらしてしまっている。 枕元の時計を確認したら、夕食に少し早いくらいの時刻。 「ランカちゃーん、起きましょー」 私の傍らで丸くなって寝息を立てている小柄な少女を揺する。 ベッドに転がってお喋りするうち、2人して寝入ってしまったようだ。 せっかくのオフで、しかもお泊りだというのに、なんとも贅沢な午後を過ごしてしまった。 なにせ過保護な兄を2人も持つ恋人。外泊許可を取るのは簡単ではなく、月に数回機会を設けられれば御の字だ。 だから貴重な時間は有効に使いたい。 自分も寝ておいて自分勝手だけれど、早く起きてほしい。 「ラーンカちゃん」 「……すー……」 全然起きない。 呼吸の深さが熟睡度を示している。 「疲れてるの……?」 ランカちゃんが横向きに転がっているから、顔をよく眺めるためには私も再び横たわらなければいけなかった。 部屋と同じく茜色に染まる肌。 フリルで飾られたタンクトップから伸びる細い腕。 どういう構造なのか、寝息に合わせてボリュームがアップダウンする緑色の髪。 そして、無防備そのものといった寝顔。 かわいい。いっそ食べてしまいたい。 しかし甘いデザートは食後のお楽しみだ。 昼寝したぶん、夜更かしできるしね。 脱線した思考を区切って、あどけない彼女を観察したけれど、特に過労の兆候は見当たらない。 小さな唇はぷるぷる生気に漲っているし、頬は夕日の力を借りずともバラ色だ。 かわいい。いっそ食べてしまいたい。 「……ループじゃないの」 本気で起こさないと悶々とした気分から抜け出せない。 私は不思議な髪に手を潜らせ、優しく起こすことにした。 肘を立てて頭を支えるのとは反対の手を伸ばす。 さくり、緑色のメレンゲに指が包まれる。 あたたかな体温がこもった気持ちいい触り心地、ほっこりした彼女自身の人柄そのものな感触だ。 「ラ~ンカちゃん」 他の誰にも聞かせない極上の声音で呼びかける。 ファンクラブ特典用に収録するスペシャルサンクス・ボイスメッセージでだって、こんなに甘く囁くことはない。 ランカちゃん限定なんだからね? わかったら早く起きてよ。 「…………んー……ん」 ……起きないし。 「ランカちゃーん、お腹空かない?」 「…………」 「ねーぇ、ランカちゃんランカちゃーん、ランカー」 「…………」 「……起きないと、イタズラしちゃうわよ」 「…………」 ……うん、了解とみたわ。 髪に潜らせた手を耳元へ滑らせる。 普段は露出しない小作りな耳を摘まんで遊ぶ。 もちろん乱暴に扱うなんて言語道断。 マショマロすら潰せない力加減で、耳の裏を丹念に撫で回した。 こころなしか、ランカちゃんの頬が色付く。 それでも瞼は閉ざされたままだから、私のイタズラはさらなる発展を求め、耳から首筋へ場を移す。 人差し指と中指で即席の指を作り、彼女の肌を歩かせる。 トコトコ、首にかかる髪を蹴散らしながらムーンウォーク。 時折膝立ちスライディングを織りまぜて、陽気に奔放に、でも繊細に。 「…………は」 半開きの唇から、これまでとは違う毛色の吐息が漏れた。 連動していた髪の毛は小刻みに震えている。 一部始終を目の当たりにした私としては、笑いをかみ殺すしかない。 あなたがそのつもりなら、イタズラは続行。 指人形を空中分解させて、投げ出された両腕の間を下からかいくぐる。 さっきよりずっと浅く上下している薄い胸。 そこに手の甲を当てた。 あくまで優しくゆっくり、控えめな膨らみを崩さないくらいに。 さわさわ円を描いて、ちょっと中心からずらして動いてみたりなんかして。 「……ぅ」 髪の毛先、ひくひくしてる。 我慢できない? 円の軌道を変えてあげた。 指の股にかすかな凹凸が入り込んだ。 衝突したそこで停止し、すこぉし押し付けて指を閉じる。でっぱりを甘く擦るように。 「…………っ」 髪の反応を見るまでもない。 ランカちゃんの寝顔は照明の色なんて関係無しに色付いて、あどけない表情は消え失せ、 代わりに私しか知らない艶めいた雰囲気が居座っている。 眉根がわずかに歪んでいる。 睫毛の先が震えている。 「……ね、ランカちゃん」 肘で支えた上半身を起こし、小さな体に覆いかぶさるように身を乗り出した。 ふわふわの髪とその下の耳に、唇を付けた。 「――――起きてるでしょ」 ぴくっと跳ねた髪が私の頬をくすぐった。 なのに、他は無反応。 ……ふぅん、あくまでそういう態度を取るわけね。 それならこちらにも考えがある。悪いけれど本当にお腹が空いてきたし。 ランカちゃんに作ってもらうにしろ、外食へ出るにしろ、あなたが起きてくれないと食事にあり付けないのよ。 「あーあ。仕方ないわね、ねぼすけランカちゃんは」 猫なで声をシーツと一緒にかけてやって、私はベッドから立ち上がった。 わざとらしく、さて何か食べようかしら、と独り言を付けておく。 ランカちゃんが何の反応も示さないのを横目で確認した後、ドアへ歩み寄った。 リビングへつながるドアを開けて、閉める。 開閉しただけで、私は寝室に残ったままだ。 音を立てないよう注意を払いつつ完全に閉まったドアに背中を付け、無意味にポーズなんかを取ってみる。 腕組をして、小悪魔な笑みをオプションに。 さて、CM明けのポーズが完成するのを見計らったタイミング。 ランカちゃんが跳ね起きた。 ベッドのスプリングを派手に鳴らして、ドアの方を向いて座り込む。 その視線の先には、去ったと思われた人物がにこやかに立っていた。 「ハァイ、起きた?」 余裕の素振りで手を振ってやると、元から赤かった顔がさらに染まった。 「……シェ、シェリルさん! あれ、あれ? な、なんで?」 「ランカちゃん、首までまっかっかー」 私が自分の首を指して意味ありげになぞってみせると、ランカちゃんは口をぱくぱく開閉させて茹で上がる。 ピンク色の肌から立ち上る湯気が、髪をこんもり膨らませているみたい。 やっぱり。首の時点で起きてたわね。 「狸寝入りなんて悪い子ね、おかげでお腹が鳴るかと思ったわよ」 「ごっ、ごめんなさい!」 スターはお腹なんか鳴らしちゃいけないんだから。 銀河が誇るシェリル・ノームをここまで追い込んだ罪は重いわよ。 「それで? 何か申し開きはある?」 怒ってるのよ、という表情を作ってベッドのそばに大股で近付いた。 みえみえの演技なのに、素直なランカちゃんはしゅんとうなだれて縮こまる。 まったく、なんてかわいいのかしらね。 「――――だって、シェリルさんに……イタズラしてほしかったんだもん……」 ――――――何? このかわいい生き物。 真っ赤な顔に、力無く切ない表情を浮かべて。 大きな瞳をこぼれそうに潤ませて、ちらりと見上げてきたりして。 これ、ペットとして売ってたら絶対買うわ! ええ、全資産を賭けてでも! まあ、とっくに私の物なんだけれどね! 全銀河に向けて高笑いしたい衝動を全力で抑え、叱る姿勢をキープした。 我ながら、さすが銀河の妖精シェリル・ノームだと思う。 「ふぅん……でもね、悪い子にはイタズラしてあげないわよ」 「……うぅ……ごめんなさい」 そういえば、私がイタズラ発言した時すでに起きていたわけ? 気付いたら私の頬も隠しきれない紅に染まる。 ランカちゃんからは逆光だから、見咎められないとは思うけど。 ああもう、なんて悪い子。 「悪い子には、オシオキ」 両手をつないでベッドに押し付けた。 小柄な全身が、いかほどの抵抗もなく倒れて私の影に覆われる。 その口元には、これからおしおきされる状況には不似合いな、嬉しそうな笑み。 「なーに笑ってるの? ランカちゃん」 「えへへ……シェリルさんだって」 咎める表情を作ったはずだったのに、確かに彼女の言う通り。 口の周囲に変な力がかかっている。 我慢したらおかしな顔になりそうだから、諦めて綻ぶに任せた。 「夕食はピザと中華どっちがいい?」 「うーん、中華かなあ。今日は出前にするんですか?」 だって、ねえ? 腰が砕けるまでオシオキする予定だもの。 キスの直前でそう囁いたら、睫毛を伏せながら開いた唇を差し出されて。 私の理性が頑張れたのは、そこまでだった。 ――――……ランカちゃん、私のお腹が鳴ったら聞こえないフリをしてくれるかしらね。 おしまい。
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/9548.html
「人も鬼もみんな仲良くすればいいのに」 漫画『鬼滅の刃』の登場人物。 アニメの担当声優は 早見沙織 女史。 鬼殺隊の隊士の最高戦力である「柱」の一角である「蟲柱」であり、 主人公である竈門炭治郎が冨岡義勇の次に出会った二人目の柱である。 原作では「那田蜘蛛山(なたぐもやま)編」で初登場し、アニメ版ではオープニングで他の柱と共に描写されていた。 柱の中では数少ない女性であり、「蝶屋敷」という鬼殺隊専用の治療院の責任者でもある。 常に笑みを絶やさず丁寧な口調で話し、冒頭の台詞をたまいつつ、 償いとして殺した人数分鬼に「目玉をほじくりだす」「内臓を引き摺り出す」などの拷問を受けるよう笑顔で要求するその言動に、 当初は読者からヤベー奴と認識されたが、ストーリーが進むにつれて、これらの言動の根幹が明かされ、 彼女もまた他の柱同様に人格者であることが明かされている。 『ヒノカミ血風譚』ボイス集 炭治郎達の同期の一人、栗花落カナヲの育手(師)。 他にも継子(弟子)はいたようだが、本編時点ではカナヲ以外は鬼との戦いで殉職している。 上記の蝶屋敷では看護師や機能回復訓練(所謂リハビリ)の教官等、戦闘員以外の役割を持った隊士も居る。 言動や立ち振舞から誤解を受けやすい冨岡義勇と打ち解けられている数少ない柱である。通称「冨岡さん係」 義勇の天然な言動にツッコミや苦言を呈することもよくあるが、彼女もまた天然な部分があり、 ペットとして飼っている金魚に「元気で丸々と大きく育ってほしい」という理由で「フグ」と名付ける等、 無自覚に酷いネーミングセンスを備えている。 彼女の隊服は他の隊士や柱同様に黒い制服に蝶を思わせる羽織だが、実は当初ミニスカ 胸元をはだけたデザインの隊服を支給されたため、 それにブチギレたしのぶは用意した人物の前で火を付け、以降は蝶屋敷の女性隊士に油とマッチを持たせるようにしている。 ただ、しのぶ自身も中々の戦闘力なので着せたら似合っていたかもしれないが…。セクハラ紛いの行為なので燃やされるのも当然だが ちなみに、もう片方の女性柱である甘露寺蜜璃はそれを「こういうものだ」と真に受けてしまい(一応恥ずかしがってはいたが)、 しのぶの服が違うデザインだった事でようやくセクハラ行為であることに気付いていた。 時代考証的には当時最先端、女性の社会進出に伴って生まれた活動的デザイン……という考察もあるにはあるが、製作者の意図はセクハラ一色なので台無し + 来歴 かつて両親を鬼に殺され、自身も姉のカナエと共に間一髪の所を岩柱の悲鳴嶼行冥に救われており、 両親の仇を討ち、自分達のような境遇の人間を少しでも減らすべく鬼殺隊に入隊するために、 姉と共に悲鳴嶼の元へ赴き押し掛け弟子となった経緯を持つ。 普通の娘らしい暮らしを送る事こそが幸せだと考えていた悲鳴嶼は止めるように説得したものの姉妹は折れず、 根を上げさせて諦めさせるべく敢えて厳しい試練を課されるが、 姉妹は強い意志の元で試験をクリアし、逆に悲鳴嶼が根負けする形で鬼殺隊に入隊した。 ただ、カナエは鬼を鬼舞辻無惨の被害者と考えており「人と鬼が仲良くできればいいのに」と口にしていた一方で、 しのぶは鬼のことを害悪としか認識できなかった。 しかし、しのぶが14歳の時に、カナエは最高幹部「上弦」の鬼の1人の手で致命傷を受け、 しのぶの目の前で事切れるという最期を迎えた。 これ以降、しのぶは亡き姉が好きだと言っていた笑顔を絶やさないようになり、 同時に「鬼は哀れな存在」「鬼とも仲良くする」という理想を引き継ぐ言動を取るようになったのである。 しかし、内心では両親・姉・そして鬼殺隊の仲間達を殺した鬼達への激しい憎悪が渦巻いており、 さりとて「鬼と仲良くするなんて絶対に無理だ」と断じてしまえば姉が妄想に命を散らした女だと全否定することになるため、 上述のような言葉と行動がかみ合っていないちぐはぐな所業になったのである。 時系列的にカナヲの過去に当たる番外編を見る限り、本来のしのぶの性格は割と激情家でもあったことが窺え、 嗅覚である程度は人の抱いている感情を察せる炭治郎もそれを見抜いている。 しかし、竈門禰󠄀豆子が鬼だと発覚した際に、当初こそ禰豆子が義勇を襲うと勘違いして討伐しようとしたが、 その後の柱合会議では、しのぶと同じく鬼に親しい人間を殺されて入隊した多くの他の柱が問答無用で処刑を提言し、 入隊前は鬼と因縁の無かった宇髄天元ですら、 「人を食わない事を口先だけでなく証明してみせろ」と指摘しつつ明らかに無理だという偏見を持っていたのに対して、 しのぶは、鬼を見逃したことを咎められた(あと口下手な)義勇に代わり、炭治郎を拘束する蛇柱・伊黒小芭内にやり過ぎだと咎める等兄妹をフォローし、 風柱・不死川実弥が禰豆子の入った箱に刀を突き刺した際には怒りの表情を浮かべる等、非情な人物ではない。 柱就任後は上記の「蝶屋敷」と呼ばれる邸宅で暮らしており、負傷した隊士達の治療所や機能回復訓練用の訓練施設の他、 自分達姉妹と同じように、家族を鬼に奪われて身寄りのない少女達を保護するための孤児院としても機能している。 当初(本編開始以前)はカナエが家主だったが、彼女の死後はしのぶが跡を継いだ。 少女達の事は家族同然に大切にしており、『遊郭編』で音柱・宇髄天元が任務のために一人を連れ去ろうとした際は、 隊の規則的には問題ない行為であったが、後でちょっと揉めたらしい。 + 戦闘能力 「全集中 蟲の呼吸」の使い手。 身長151cm、体重37kgという華奢な体格故に膂力に恵まれておらず、 全集中の呼吸を用いてなお「柱の中で唯一鬼の頚が落とせない剣士」と自らを語っているが、 代わりに藤の花から抽出・調合した特別製の猛毒を内包した仕込み刀で鬼を毒殺する戦法を取る。 鬼達は大抵の劇物を無効化するが、藤の花の毒だけは有効であり、 優れた薬学の才能を持つしのぶは研究の末に鬼に有効な薬物の調合・開発に成功したのである。 刀の鞘にも仕掛けがあり、抜刀の仕方などで毒の配合が変化するようになっているため、 毒に適合しようとする鬼に対しても別配合の毒を重ね掛けするという方法で対処ができる。 腕力は弱いが優れた脚力を持ち、柱の中でも上位に入る俊敏性で攻撃を躱しながら、時にフェンシングのように刺突で刀をぶっ刺して毒を注入する、 「蝶のように舞い、蜂のように刺す」戦闘スタイルである。 薬学にも長けており、血鬼術を受けて蜘蛛になりかけた我妻善逸の身体を元に戻したり、 最終決戦においても、無惨を弱体化させる薬を開発する等、勝利に貢献している。 小説版によれば、鬼殺隊に入る前から独学で薬を調合できるなど、生来並外れた薬学の才能があった模様。 + 切り札(ネタバレ注意) しのぶは1年かけて藤の花の毒を服用し続けて慣らし、自らの体を毒の塊としている。 その量は通常の致死量の700倍とされており(藤の花の毒は人体にも有害)、 このため、仮に鬼に敗北したとしても自分を食った鬼に致命的な害を与える罠を張っていた。 MUGENにおける胡蝶しのぶ 『JUS』風ドットを用いたちびキャラが2体存在する他、 原作に存在しないアレンジキャラも製作されている。 + SoulFire氏製作 SoulFire氏製作 MUGEN1.0以降専用。 機動力やジャンプ力が非常に高く、火力はやや低めだがコンボ性能が優秀で、手数で攻めるキャラとなっている。 必殺技では体力を減らすスリップダメージ系の技と、被弾と同時に徐々にゲージを減らす毒がある。 超必殺技では力の入った演出が使用されている。 AIもデフォルトで搭載されている。 DLは下記の動画から + InSeph氏製作 InSeph氏製作 スプライトは『JUS』風だが一部『ヒノカミ血風譚』風の技やモーションが再現されている。 やはり機動力に秀でている他、超必殺技では相手にスリップダメージを与える。 AIもデフォルトで搭載されている。 DLは下記の動画から + Dark Night氏製作 鬼化しのぶ Dark Night氏製作 鬼化しのぶ 上記のSoulFire氏の改編キャラで「しのぶが鬼化されたIF」という設定で作られている。 やはり毒攻撃を使用できる他、改変元よりコンボ性能が高まっている。 AIもデフォルトで搭載されている。 DLは下記の動画から 「とっととくたばれ 糞野郎」 出場大会 「[大会] [胡蝶しのぶ]」をタグに含むページは1つもありません。
https://w.atwiki.jp/tamakagura_battle/pages/253.html
D一輪 タイプ:闘/鋼 スキル1.入道を使う程度の能力:スペルの命中率が上昇します。 スキル2.守り守られし大輪:戦闘中の相手のスペルの追加効果の発動率を10%下げます。 重複弱点(3倍): 弱点(2倍):炎、闘、地 抵抗(1/2倍):無、樹、氷、霊、神、鋼 重複抵抗(1/3倍):虫、岩、闇 無効:毒 種族値・同タイプ比較 闘/鋼 HP 攻撃 防御 特攻 特防 速度 合計 D一輪 105 40 110 105 120 50 530 N勇儀 110 150 110 50 100 40 560 T咲夜 105 110 85 60 95 90 545 A椛 110 125 90 30 85 75 515 N正邪 120 40 80 115 100 90 545 スペル スペル名 属性 分類 威力 命中 消費 詳細 備考 問答無用の妖怪拳 闘 特殊 60 100 5 30%の確率で、相手の速度を1段階下げます。 あまり出番はない。相手が闘弱点でVP節約したい時ぐらい。 入道にょき 鋼 特殊 80 100 0 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 地味に優秀な小技。VP節約時の削りや止めに。 時代親父大目玉 炎 変化 - 200 0 相手のスペルを2個封じます。 相手次第で使う。ミスルトやダスト、弱点を突くサブ持ち相手に上手く当てることで一輪も味方も戦いやすくなる。 天空鉄槌落とし 鋼 特殊 100 100 20 30%の確率で、相手の特防を1段階下げます。 相手のDが高くなく鋼に耐性がなければ有用。追加効果発動で火力UPにも繋がる。 帯電入道 雷 特殊 90 100 25 20%の確率で、相手を麻痺させます。 対水・風用。燃費がやや気になるが麻痺追加はおいしい。 天網サンドバッグ 闘 特殊 90 100 25 30%の確率で、自分の命中が1段階上がります。 闘弱点の相手に。妖怪拳よりは使うが威力・燃費的には微妙。 キングクラーケン殴り 水 特殊 - 100 15 自分のレベル×1.2の固定ダメージを与えます。属性、スキル、アイテムなどでダメージが変動しません。 メインウェポン。無効属性なしで消費15という高性能ナイヘ。最重要スペルと言ってもいい。 華麗なる親父時代 闘 特殊 120 200 50 相手が空中・地中・亜空間のいずれかにいる場合を除き、使用ターンのみ相手の回避値が0になります。 消費が兎に角重いが一致120且つ回避無視は魅力。思い切ってこれを撃つ勇気も時には必要。 考察 基本評価 高耐久良耐性が持ち味のコダマ。 性能を説明すると「地味」、と言うより至る所で「地味」という言葉が付く。 まずパッと見で受けまわしてナイヘで殴るコダマというのは分かるだろうが、それなら超火力とD一輪以上の物理耐久を持つN勇儀や150ナイヘと高い特殊耐久を持つる~こと、D一輪と同様に良耐性で弱点が少なくナイヘを撃てるT紫の方がいいと思う人は多いだろう。その為D一輪地味じゃね?と思われがちだがD一輪ならではの強さも当然存在する。 まずスキルと能力値、耐性の噛み合いが地味に良いことが挙がる。素の耐久自体が高い為VPが黄色になっても並耐久に落ちる程度で済み、火力低下もナイヘがあるので困らず、地味に命中上昇スキルを持つため命中が一段落ちた程度では攻撃を外さない。発動率低下スキルも受け役としては地味にありがたいスキルで、攻撃を受けた際に追加効果で状態異常になってしまうといったことが減るので受けの安定感が増す。特に催眠と凍結、天上の七曜などの複数異常スペルは発動率が10%に設定されている為発動率上昇装備やスキルがない限り確実に発動しなくなる。 そして最大の武器がナイヘ。前述の通りT紫やる~ことも持っているが一輪のナイヘは消費が15と普通のナイヘより低い。通常でも4回撃ってもばてず、VP回復装備と併用すると5回撃ってもばてなくなる。通常低燃費ナイヘは無効属性有りなのだが一輪のナイヘは無効属性が無く非常に使い勝手が良い(後述するが一部の相手には振りにくくなるケースがある)。 ぶっちゃけ前述のる~こととはと比較しても霞む性能ではないのだがこの度の調整で同タイプ且つ鈍足仲間のN勇儀に水をあけられた感は否めない。T紫と比較しても少し霞んでしまうか。スペル消しと純粋な耐久、低燃費ナイヘに一致120回避無視というD一輪ならではの武器はあるのでこの点を差別点として活かしたい。 運用方法 受け出してナイヘが基本。C無振りなら大体これだけで良い。Cに振ってあり鋼が通る相手なら天空鉄槌落としもあり。後は相手のスペルの下二つが厄介ならスペル消しを狙う。特に交代読みで消せると大きいだろう。 親父時代は火力と消費の関係上相手の回避を咎める目的では使いにくい(T・Dナズーリン等なら話は別だが)。ナイヘや鉄槌落としでは足りないがこの技なら倒せそうだったり、避けさせずに確実に止めを刺したいなら使ってもいいが、基本的にこのスペルは弱点を突いて大ダメージ狙い一択で使うことになる。 弱点 スペル消し持ちが非常に辛い。主力のナイヘに最大火力の親父時代が消されると相手次第では完全に置物になる。 闘スペルの性能も威力が低かったり消費が大きすぎたり威力も消費も中途半端だったりと軒並み一長一短で闘コダマなのに闘スペルが扱いづらいのもネック。 また前述のとおりナイヘが高性能だが実は水属性の為にとりやスターに受けられると火力を上げてしまう。D一輪で弱点を突ける系統も少なくないが、全てのにとり・スター系列から弱点を突かれる為火力が上がった状態だとまず殴り負けるので要注意。 後は鈍足特有の搦め手への弱さも挙がるか。 BP振り H:ナイヘに耐えられる様に21以上は振りたい。 A:不要。 B:る~こととの差別化を意識して手厚く振るのも良い。ちなみに筆者のD一輪はB特化型。 C:鉄槌落としや帯電入道、親父時代の使用を視野に入れるならある程度振ってもいい。 D:無振りでも非常に高いので他に回しても良い。無論更に高くするのも有り。 S:受け回しが基本なのでここよりは他に回したい。振るとしても調整程度。 装備候補 ユウカ:ナイヘ持ちの定番。20回復が保障される。 (HP&)VP回復:ナイヘが更に使いやすくなる。3%なら諏訪子装備時と同等の消費になる。 諏訪子:親父時代の消費がかなり抑えられる。ただそれでも2回撃ったらばてるが。 猛毒:打点が低めなので火力UPに繋がり、シンクロ持ちにもノーリスクで使える。 ダメージ軽減:安定して使える。片面特化で急所事故も無くなる。 永琳・サリエル:状態異常対策用。 執筆者 sheep(11794) コメント欄 名前
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/21575.html
登録日:2010/07/26(月) 16 30 26 更新日:2022/09/20 Tue 20 17 48 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 MUTEKI カスが効かねえんだよ キャンディ スター ハイパームテキエグゼイド ハイパームテキガシャット ムテキゲーマー 仮面ライダーエグゼイド 俺は無敵の主人公! 俺今無敵だから効かないし 強靭!無敵!最強! 敵がなったら負けイベント 敵はいないが味方はいる 最強≠無敵 最強じゃない 無双 無敵 無敵の人 直江兼続 絶対無敵 逆転 無敵(むてき)とは , ´ ̄`Y´  ̄`ヽ / \ / ヽ ,' / , / , i | i ヽ | i ! / / イ ! | / / | |/ i | //∠/| / //_|∠| /i/ ∧∧∧∧∧∧∧ 〉-、 |`‐゙='-`| //-゙='‐1‐v' < 強靭! > !f`i i| ィ '〈!' ,|f リ < 無敵!←これのことである。 .ヽニ/ .! iニニニ'7 /ァ' < 最強!! > レ | v-y //-‐ 1 ∨∨∨∨∨∨∨ / o |\ ` ̄ .イ/ | d ,. -‐┴i ヽ- ' ! _, ―┴ァ ‐┴' o | ̄ ̄ ̄「 / 1.同じ分野において敵と成りうる者がいないこと。 無双の豪傑がこう称されることが多い。 2.日本の苗字の一つ。 「無敵さ~ん」「はーい」 3.コンピューターゲームにおける状態の1つ。無敵状態。 一般的に「ダメージ(毒等含め)」が効かない状態の事を指す。 避けるのでは無く、当たっても効果が全く無い状態である。俺TUEEE状態になる。トラップだってなんのその。 無敵は無敵なので弱点は無い。弱点があったら無敵では無くなる。 しかし奈落の穴に落ちればティウンティウンしたりテテッテテテテテンしたりするし、スクロールに挟まればザシュッと逝ったりする。 無敵≠不死である。敵以外にはめっぽう弱い。 味方が無敵状態になれば嬉しいが、当然敵が無敵状態で襲ってくることもある。 よく使われる対抗策は封印か逃走。封印とは上記のような奈落の穴等に半永久に閉じ込めたり異次元に送り飛ばすことである。 逃走とは、まぁ勝てないので逃げるしかないかと。 アクション系 ♪ダンダンナンカカンタンニナッタン ダンダンナンカカンタンニナッタン♪ マリオのスーパースターのような無敵アイテムによって無敵化する。無敵中は専用BGMが用意されているものが多い。 敵に当たれば敵の方が死ぬ。 無敵アイテムが置かれて居る状況は針地獄やモンスター密集地など、「さっさと駆け抜けろ」な場所が多い。 だが敢えて無敵にならず注意深く進むとアイテムが隠れていたり、他の方法で敵を倒した方がスコアが伸ばせたりといったこともしばしば。 レース系 無敵効果に加え、速度上昇、マシンに攻撃判定が現れたりする。順位が低いほど出やすい。 格闘系 一時的に自分の当たり判定を失うことを無敵と呼ぶ。作品によってダウン中、作品専用技、昇龍技など、いろいろな状態に付加されるが、どれもリスキー。 攻撃判定を伴うとは限らず、敵の攻撃をすり抜けるだけのこともある。 日本一ソフトウェア系 本当に無敵。 毒ダメージも効かない。 レベル上げ楽しいです(^p^) そういえば「無敵勇者隊」みたいな感じのがいたが、アレはどうなったのだろうか… RPG系 基本的に味方が無敵になることはほとんどなく、負けイベント等で無敵の敵と戦わせられる事がほとんど。 有名ドコロとしては、『DQ4』のキングレオ、『DQ5』のジャミ、『初代ポケモン』のゆうれいなどが挙げられる。 味方が無敵になる場合、効果中は味方が完全行動不能(『DQ』のアストロンなど)、発動できる条件が厳しい(『DQ9』のパラディンガードなど)、入手できる個数の限られる消費アイテム(『スーパーマリオRPG』のレッドヨッシーエキスなど)といった制約がかかる。ホイホイ使えたらつまらないし シミュレーションRPGだと無敵相手から逃げろというものがあったりする。 犯罪者系 詳細は無敵の人を参照。 戦国BASARA (ムテ皿キ)<呼んだか? よく間違われる似た言葉 最強 海馬社長は一緒くたにしているようだが、無敵はただ負けないだけなので勝てる訳ではない。 トライダーとダイオージャぐらい違う。 戦国最強と絶対無敵を比べてみれば分かる。 不死 死なないと言っても、ヴァンパイア等のようにダメージが通る訳ではない。 ムテキング バグです。 基本的に無敵を自称する人は無敵ではない。 「最高に勃起モンだぜ!! こっちだけズルして無敵モードだもんな!!」 「『無敵』など言葉遊びに過ぎん。」 しかし、そのまんまな名前のムテキゲーマーは本当に無敵、具体的には3の無敵に近い能力を時間無制限で使える仮面ライダーである。あらゆるダメージ、時間停止などの特殊能力が本当に効かない。 破られたことは無いわけでもないが、人質を取って変身をさせない、変身アイテム作成以前まで時間を巻き戻す、アイテムを奪う、変身前に銃撃する、(理論上は)変身者の寿命を待つ、といった真っ向勝負を避けるコンセプトのものばかり。ムテキゲーマー自体が負けたことは無い。 無敵に理解ある人は追記・修正しましょう。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- 4.AVメーカーの1つ、MUTEKI。 出演女優が「芸能人」である事をウリにしているようだが…誰だよ見たことねーよ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 障子は汚れやすく子供でも破けるが、それを咎める人間がいることで、危険な行動を未然に防ぐある意味無敵の結界に成りえる。←こういう無敵もあるな。 -- 名無しさん (2013-12-08 12 09 54) 最強は強さカテゴリの中のトップだけど、無敵は勝負の意味がないイメージ -- 名無しさん (2013-12-31 19 27 36) 無敵(穴やマグマには勝てない) -- 名無しさん (2014-07-20 12 22 33) じゃあ ブラックホールと深海どっちがエグいか -- 名無しさん (2014-07-20 12 28 17) でんぢゃらすじーさんに登場した、オナライダーみたいな無敵もあるで。 -- 名無しさん (2017-12-21 21 28 04) ゲームの無敵にもダメージの無効化、回避率100%やハメ戦法などの実質ダメージを受けることがない状態、格ゲーやアクションゲーで当たり判定がなくなる時間を指す用語といろいろあるよね -- 名無しさん (2021-08-14 15 46 17) 奈落の穴や強制スクロールという強敵に勝てない時点でアクションゲームの無敵は「無敵とは言えない」気がする -- 名無しさん (2021-12-05 22 10 43) 名前 コメント