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【私は、ひとかどのもので有ると自負している】 【人より力が強いし、身体が大きい。知識を多く持ち、交友関係は広い】 【そして私はそれを自覚し誇らんとする己を認識し、抑えようと努めている】 【私は、悪が嫌いだ。世間一般に言われる、悪と呼ばれる行為が嫌いだ】 【己を誇る事は悪であり、私は己を抑えなければならない。他者を踏みつけにしてはならない】 【そして悪とは天下に晒されて裁かれるべきであり、悪を見つけだす行為とは正義である】 【そう信じた私がジャーナリストとなったのは、他者から見れば理解出来なくとも、私の内では矛盾無き事だった】 【とある会社の社長室に、私は案内されていた。ソファに身体が沈む感触が、緊張を幾らか和らげる】 【メモ帳とペン、懐に隠したテープレコーダー。これらを総動員して取材すべき相手は】 【新進気鋭の製薬会社〝カーペット・バイパー〟女社長、ゼノア・ハスクバーナ】 【いや、違う。それは飽く迄、世間に公表されている名でしか無い】 【彼女の本当の名前。決して顔写真を公開しないその訳は―――】 ああ、いらっしゃいいらっしゃい。良くもまあ、こんな所まではるばると来ましたねえ。 しかも、来た目的も目的、普通の人間なら考えもしませんってえのこんなアホな事。でしょ? いや、いや、いや。感心してるんですってえ私。今まで貴方みたいに度胸の有る人間、見た事無い。 その度胸に免じて。免じて、で良いんですかねえこの場合? ………ま、お話しましょうか。 んで、どっから話します?血液型?スリーサイズ?今朝のご飯? はあ………貴方、どうにもこうにもせっかちな人らしいですねえ………いきなり本題ってそりゃ…… あーはいはい分かってます分かってますはぐらかしません話しますー、だからちょいとお静かに。 私の出発点、ねえ………ちょいとばかし長くなりますよ? コーヒーでも飲んで目ぇ覚まして、のーんびり構えなさい。砂糖は幾つ? ありゃあ、ねえ――― 私の世界は、私が十六歳の頃に、完全な『停滞』をした。 同じ事を繰り返す日々だとか、人間関係が行き詰ったとか、そんな事じゃない。 比喩的な意味で言った訳じゃあないし、遠まわしな言葉を使っている訳でもない。 例えば、此処にコップが有るとする。 ガラスで出来たこのコップを落とせば、割れる。中に入れた水が床に飛び散り、掃除の手間が増える。 同居人にはあれこれと文句を言われるだろうし、代わりのコップを買いに行く必要も出る。 それが起こったのが夜だったら、次の日は少しだけ、マイナスのイベントが追加される訳だ。 『停滞』した世界に、その様な事は、ない。 燦々照り付ける日光は、周りより高い位置に頭を置く自分には、一段と酷薄。 こんな日は男子の影にでも潜り込んで、頭蓋の熱を冷ましながら歩きたい。 蝉が五月蠅いのも何時もの事とは言え、良い加減聞き飽きた。 頼むから貴方達、さっさと次の世代に引き継いで地面に転がって下さいな、と。 そんなこんな何時もの様に纏まらぬ思考を延々繰り広げながら、私は通学路を歩いていた。 回りを見れば、運動着姿の同級生やら先輩方やらが、同じコースをぐるぐるぐるぐる御苦労さま。 文化部の自分には縁の無い事と視線を落とせば、ようやく馴染んできた制服、気付けば少し袖が短くなっている。 背が伸びる分には別に構わないのだが、着る物が減るのはあまり嬉しくもない。 友人達と買い物に出た時のあの疎外感と言ったら、中々他に例えようも無く。 モデルみたいで良いじゃないとは言われるが、あそこまで凹凸極端な体をしていないのは自分が最も承知。 結局何が望みかと言えば、人間何事も丁度良く、が一番なのだろうとそれだけ。 友人達、と思考に乗せた所で思い起こされるのは、昨日の部活動での些細な喧嘩。 事の始まりが何だったかすらあやふやな、きっと傍から見ればどうでもいい事だったのだろうが、然し。 然し、どちらも謝らずにそのまま帰ってしまった為、どうにも顔を会わせ辛いというのは有る。 第一声、どうしようか。普通に挨拶?それともいきなり御免なさい?どうでも良い雑談を振ってみる? 半日の間だんまりを決め込むのは、どうにも自分の性には合わないだろうし。 「あー………暑い」 分かり切った事を思わず口から零し。 流れる汗を袖で拭いながら、コンクリートの上を歩いて行く。 昇降口から下駄箱へ。数百も靴が並ぶと流石に壮観壮観、とまた思考の脱線事故。 学年とクラスごとに綺麗に区分けされた下駄箱を、自分の出席番号求めて歩いて行く。 足の大きさは其処まで極端に変わる訳でも無し、それでもそろそろ靴を買おうか、そんな事を思っていた矢先。 「………痛っ……石?」 中靴を履こうとした右足の裏に、地味なダメージが襲いかかった。 小さな石。尖っている訳でも無く、刺さる事などは決して無い様な。 それでも、体重を掛けて踏みつけたら当然痛い。自分は武道家では無く、足の裏の皮膚は薄いのだから。 悪戯にしては中途半端な配慮、だったらやるなよとも言いたくなる。 あーいやだいやだ、子供っぽい事をする人間はこれだから。 まあ誰だか知らないけどと脳内で最後に付け加え、理科室へ向かう。 校舎の作りの為、日陰の広い理科室。燃えにくい材質の机は、顔を張りつけるとひんやり気持ち良い。 どういう材質なのかは知らないけれど、これを貰って帰ったらきっと快適に過ごせるのだろう。 色が黒だから日に当てておけば温まり易い筈。これで冬も大丈夫だ。 脱線を繰り返す思考を引きずり戻して、首を起こして周囲にぐるり。 すると、丁度と言おうかタイミング悪くとでも言おうか、見事に友人と目が合った。 然しそれも一瞬の事。此方が口を開こうとした瞬間に首をひょいと逸らされる。 ありゃあ、どうにも向こうから折れるつもりが無いどころか、此方の言う事を聞くつもりも無さそうだ。 仕方が無い、部活の終わりにでも。もうちょっと時間経ってからでも良いだろう。 それより今は実験を。結晶が大きくなる様子を記録して、それを報告してで終わる。 至って単純な実験だが、見た目が面白い。中々テンションも上がるというものだ。 スケッチを終えて、数字を書き。さあ、後は先輩方の何方でも。 小柄なあの先輩は、右に左に忙しそう。あちらのパーマ男さんは顕微鏡に集中している。 後輩女子に人気なボーイッシュなあの人は、どうやら今から帰る御様子。 さて、残った人と言えば、何やら今日はふくれっ面してらっしゃる部長さん。 「あのー、こんな感じでどうでしょう?」 割と軽い感じで、持ちかけた。 結論から言う。私が帰宅出来たのは、それから数時間後の事だった。 理由は簡単で複雑怪奇。提出したデータの一つ一つ、部長さんが目を通したのが原因だ。 いや、その言い方もおかしい?それは仕事といえば仕事だから仕方がない。 それにしてもやたらと厳しかった。やれ、此処は何ケタまでだー、こっちの数字がぶれ過ぎだー。 挙句の果てには、此処の数字は明らかにおかしいから、下準備からやり直せと来たもんだ。 貴方そりゃあ無理ですって言いたいけれども、学生の部活動は上下関係が厳しいもの。 デスクワークと言ってもこれだけ続けば疲労する、くたくたになった帰り際。 あの友人の方に何気なく目を向けて、声をかけようとした。 彼女は、周囲と楽しげに笑い、私の方には目も向けなかった。 下駄箱に戻った時、外靴にまた小石が入っていた事を、此処に書き足しておく。 帰り路、一人で歩く私。道端にたむろする不良が『一緒に遊ぼうぜ』などと声を掛けて来る。 はいはいと手を振って流し、自宅への坂を上った。 翌日、朝。 何はともあれ日付は変わる、世の中は刻一刻と動いている。 昨日がどうあれ今日は今日、それが世界の真実よ、と。 頭の中で節を付けて歩く私の耳には、蝉の合唱が飛び込んで来ていた。 ああ、五月蠅い五月蠅い。全く五月蠅いにも程が有る。 五月でも無し蠅でも無し、貴方達本当に場を弁えなさいよ、と。 回りを見れば、運動着姿の同級生やら先輩方やらが、同じコースをぐるぐるぐるぐる御苦労さま。 文化部の自分には縁の無い事と視線を落とせば、ようやく馴染んできた制服、気付けば少し袖が短くなっている。 背が伸びる分には別に構わないのだが、着る物が減るのは――――――待った、少し待った。 手首の骨の形状を観察していた私の思考は、其処で急激にブレーキを掛けて地面にタイヤ痕を残した。 「………………ありゃ?」 昇降口から下駄箱へ。数百も靴が並ぶと、流石に鬱陶しい事この上ないとも思ったり思わなかったり。 学年とクラスごとに綺麗に区分けされた下駄箱を、自分の出席番号求めてうだうだ歩いて行く。 別に今から靴を買わなくても、最悪サンダルでどうにか成るだろう、そんな事を思っていた矢先。 「………痛っ……石?」 この地味で些細な痛みを、態々描写する必要は有るまい。 何せ、既に十分に語ったのだから。この痛みと、それに伴う感情を。 からーん、からん。小石を落として一回、蹴っ飛ばして一回。 二回程鳴った軽い音は、どうにも耳にしっくりとは来てくれなかった。 校舎の作りの為、日陰の広い理科室。燃えにくい材質の机は、額を冷やすのには最適だ。 確か特別な板を貼って有るんだったか。じゃあその板が有れば家庭でもこれを楽しめます、と? こんなものを家に置いて有っても仕方がないじゃないかと、自分の案を自分で却下した。 数時間後、帰路。 何も、昨日と変わりはしない。何も、違う所がない。 先輩方の表情も、視線を外す友人も。そして、提出を求められるデータも。 提出した後に何を言われるかも予想が付いていたし、此方が言葉を返したらどうなるかも分かっていた。 首を傾げて歩く私に、声を掛けて来る不良。『一緒に遊ぼうぜ』とは、どうにも魅力に掛けるナンパの文句。 はいはいと手を振って流し、自宅への坂を上った。 居間でソファに腰掛けると、弟がこれまた珍妙な表情をして座っていた。 父親似(らしいけど見た事無いから知らない)の弟は、私とは余り顔が似ていない。 それでも浮かべる表情はそっくりらしく、ならば私もきっとこんな顔をしているのだろう。 口を開いたのは同時。互いに先を譲り合って、結局先に文章を口に出せたのは私。 「今日って、今日でしょ?」 『ええ、まあ、今日ですよねえ………』 会話になっていない、自分達でもそう思う。だが、これだけで通じた。 今日は、昨日ではない筈だ。それを確認したかったのだ、自分以外の脳髄と。 『……姉さん、街一つ使ったドッキリなんて事は有りませんよねえ………?』 「そりゃ幾らなんでも無理ってえもんでしょ?何処の馬鹿金持ちが実行出来るってんですか」 「『ですよねー』」 綺麗にオクターブずれてハモる嘆息。何が起こったかって? 今日が昨日だった、それだけの事だ。一日振り返れば分かる事だろう。 つまり、〝何も昨日と変わらない一日が過ぎていった〟のだ。 嗚呼、なんと魅力的な響きか。変わらない毎日に万歳。 次の日も、その次の日も。カレンダーの数字は動いているのに、何も変わらない。 変わる事と言えば、少しずつ日の出日の入りがずれて来た事か? いや、もう一つ有る。蝉の声が消えて来た事だ。 どうにも、人間様以外は短命で仕方がない運命を持っている様で。 貴方の代わりに其処をグルグル走ってる脳みそ筋肉連中が死んじゃえば良いのにねえ本当に。 学校でやる事は決まっている。靴の中の石を捨てて、実験結果を纏めて、やり直しをさせられる。 計算式全て覚えてしまっているから、訂正自体は楽。ペンを持つ指がだるいばかり。 友人と口を聞こうと思ってタイミングを掴めず、帰路では不良に声を掛けられる。 大体、今回で5回目か?そろそろ、一日に聞く全ての台詞を暗記出来た気がする。 少しばかりマシなのは、自宅にいるその時。 今日なのか昨日なのか分からない一日で知った事を、弟と検証する時間だ。 何せこの時間ばかりは、何時も違う言葉を聞く事が出来る。 ゲームにランダム性を持たせる事がどれだけ重要か、良く分かった気がした。 そうそう、ゲームと言えば、 『姉さん、大事件です。今更気付いたんですが』 「ん、何ですか?」 『ゲームのセーブまで巻き戻ります』 「………うわーお」 流石に、三日目で気付いた。色々なものが〝巻き戻っている〟のだと。 日付だったり行動だったり、或いは物品だったり。巻き戻るものは様々だ。 これが、全て巻き戻るのだとしたら、把握するのは楽だっただろう。 だが、巻き戻る事を自覚している私達の存在が有る時点で、それは無い。 「しっかし困りましたねえ……これからは格ゲーだのアクションだのばかりですか」 『隠しキャラ出せても巻き戻し、って問題も有りますよ?』 自分自身の知識や記憶は巻き戻らない。手の動きの滑らかさはどうなのだろう? 電子部品に記録される信号は巻き戻る、紙に書いたパスワードもおそらくアウト。 こうなると、本当に選択肢が無い。ちょっとした息抜きの手段まで削られると知って、何だかやたらとがっくり来た。 別に自分の好むゲームはもっと単純なものばかり、其処まで影響も無いのだが。 それでも、まずクリアが出来ないと分かったゲームが増える。それは悲しいものだ。 何せ、何時までも何時までも、その世界はゴールを迎えられないのだから。 『ところで姉さん、こっちは会話もまるっきり同じでした』 『其方の会話、ここ五日で変わりました?』 「会話?えーと―――」 「――――――会話?」 最近数日、なんとなーく振りかえって。 部長のくどい話と帰路の不良、そして弟と。それ以外と会話していないと、今更気付いた。 他の先輩方とも、友人とも。流石に、我ながら呆れてしまった。 なんでまた、こんな事になってるのやらと。 いや、原因という程でも無いが原因は分かる。自分から口を開かないのと、タイミングだ。 たまたまそういう日だった、それだけの事。 明日の今日は、もう少しばかり口を動かそうか。 部屋の灯りを消す時は、僅かに楽しかったかも知れない。 とまあ、此処までが前フリ。割とふつーの学生生活でしょ?イレギュラー有りますけど。 そんな訳で私、結構良い子だったんですよあの時代は。成績優秀でしたし。 このままだったら私、ただの登場人物オア何処かの主人公の協力者になったと思うんですよ。 ほら、世界がおかしくなると、何処からかそれを打ち破る主人公出るでしょ?小説のお約束で。 此処までの私は、何を出来る訳でもない。ちょいと雑学が多く、ちょいと記憶力が良く、背の高い女子。 物語の中心に躍り出る事なんざ出来やしない、可能性が有るとしたら何処かの誰かの隣に立っての登場? あの時の私を見て、何処の誰が今此処に居る大悪党になるなんて予測できたでしょうねえ……… あら、コーヒーが空ですか。おかわりどうぞどうぞ、結構美味しいでしょ? そうだ、会話が出来なかった理由の一つ目が、一人で通学していたからだ。 ぐるぐる回る犬にも似た運動部の方々を観察するのは良いが、それも飽きて来た所。 此処は心機一転、何か話題を持って居そうな人間を探そう!と意気込んでスタート。 拭わねばならない汗も少しずつ減ってきた。過ごし易い季節が近いのだろうか。 快適な登校時間には快適な音楽も欲しい。適当に何か持って来ようか。 さて、此処で私の一つ目の目的は、百メートル10秒台の速度で壁に正面衝突してくれた。 そもそも通学途中に誰かに遭遇する事が有ればその時点で挨拶なりなんなりしていた訳で。 そしてそうなればそのまま学校まで会話が続いていたという事は非常に簡単に推測出来る。 今日まで通学時に誰にも遭遇しなかった以上、今日になって偶然という事は有り得ない。 どーでも良いけど私の思考って、サ行からスタートする事がやたらと多いですね。 家を出る時間をずらすべきだった、と。予期せぬ事態が起こり得る日々に培われた、几帳面さに後悔数秒。 その数秒程度の誤差しかなく、毎日到着する時間に正確に、校門をくぐる事になった。 中靴の石を放り出して、理由のその二。部活に直行という行動を見直してみる。 と言っても、此処を如何にかする方法が有るのは、授業が有る日に限定するお話。 教室に居るのは吹奏楽部の金管楽器部隊だろう。会話の前に耳が壊れる。 大体私の繊細な耳はあんな爆音の傍に居て耐えられるようには出来ていないのだ。 その前に吹奏楽部に友人は余り居ない。知人なら居るけれども。 友人と知人は別。これ、女子の関係に於いて結構重要な事である、メモをどうぞ。 となれば此処は素直に部活に行くべきか?それ以外に手段も無いですか。 然しながらあの空間はあの空間で私語が割と少なく会話目的では居心地が悪く。 そもそもループする基準になる日にこんな行動を取っていた自分自身が恨めしいったらありゃしないのだけれども。 さりとて他に手も無し、部室へゴー。サボるパターンは明日試せば良いや。 この辺り、私の思考回路が少しずつ、今の私に近づいてるの分かりますね。 後から思い返して初めて気付く事。回想に耽るのも悪い事ばかりじゃあない。 部室に入って最初のアクション、友人と目を合わせて逸らされる。 その後は静かに実験を進めて、部活動の全てが終わるのを待つばかり。 本来なら私は途中でデータを提出し、部長さんに何時までも何時までも訂正をさせられるのだが…… 此処で、介入案として、〝データを提出せずにこっそり帰る〟を入れてみようと思う。 尤もこの理科室、そんな事が出来る程に広くも無い。抜けだそうとすれば見つかりそうなもの。 だが、私はこれまでの五回の今日で、部長の行動パターンをなんとなく把握していた。 友人が帰宅準備を整えて、理科室から出る。それから数分後、トイレなのか慌ただしく出ていく。 確かその後、暫くは戻って来ない。一時間くらいは空白が有った? 其処で抜けだして走れば、多分友人には追いつける。彼女は随分とゆっくり歩く人間だから。 さあ、耐えに耐えて愈々その瞬間、理科室の黒板側の戸がガラリ。 足音が聞こえてから1・2・3、速効で荷物をまとめます。 後片付け?しない。だってどうせ明日には元通りだから。 部長さんがどれだけ腹を立てようと、明日になれば忘れてくれる。 こうして考えると悪い事ばかりでもないじゃないか。 ぱたぱたと廊下を走り、かくんと直角に角を曲がり。おや?と首をひねらされる事に。 其処に居たのはとっくの昔に帰路についてておかしくない友人。 普段ならいざ知らず、この時期?このタイミングで学校に残っててどうするのやら。 他の友人、この時間にはもうとっくに帰ってしまっているだろうし。 其処まで考えた所で、少々いやな予感。物影に隠れると遅れて数瞬、彼女がぐりんと振り向いた。 気付かれた?いや、そういう訳ではなさそう。きょろきょろ周囲を見回して、向かう先は体育館。 私の通っていた高校、当然ながら屋内の運動部も有る。だけど丁度〝今日〟は、揃って何処かに遠征。 屋外の部活が無理に体育館を使う理由も無く、整った設備も今日ばかりは完全に沈黙していた筈だ。 そんな所にわざわざ向かって、彼女は何用だろう? 距離を保って見ていると、大扉の正面で彼女は立ち往生。 この距離じゃはっきりと分からないが、多分鍵が掛かっているのだろう。防犯上当然だ。 それに思い当たる事が無かったのか、今度は彼女は職員室の方へと向かって行った。 そういえばあの子、ちょっと抜けてる所も有ったっけ。 その間に、こっそりと侵入してしまおう。ごそごそと体育館の床下に潜り込む私。 正確に言うと、体育館に通じる通路から床下に潜り、其処から体育館へと移動する私。 何の為に作られた床下通路かは知らないけど、きっと水道管なんかを扱うのだろう。 照明も落ちて、外の日光だけが眩しい空間。傾き具合は日に日に大きくなって、暗くなるのも早く。 それでもまだこの時間帯は、子供が外で遊んでいても安心な程度の明るさ。 ステージ脇のピアノの影に隠れて、私は彼女がやってくるのを待つ。 視力に完全に合わせて作られた眼鏡、視界はクリアー。 待ったのは数十秒だろうか?隠れるタイミングが遅ければアウトだった。 鍵の掛かった体育館に一人、変なシチュエーションで顔を合わせる事になっていた。 尤も、そうなったらなったで会話の糸口にはなるのか? 明日の今日になったら試してみよう、そんな分かりにくい思考。 彼女は、ボールやら跳び箱やら置いて有る倉庫の方へと入って行った。 此処でこの体育館について、後だしの様に構造を説明すると。 通路から潜って体育館の内部に出られるのは書いた。だが、倉庫の中にも出られるのだ。 途中が入り組んでいて暗いから動き辛いが、そこは手の感覚に頼るしかない。 そして倉庫の中に出れば、丁度跳び箱が大量に置いて有る場所。 侵入目的でそこに出ても、其処から身動きが取れない。だが、観察目的なら? どうせ動く必要はないのだ、檻に閉じ込められた形になっても構うものか。 煤だらけ埃だらけ、ついでに暗くてちょっと怖い。床下は本当に地獄だぜ、と。 それでも割と早めに辿りつけたのは、反響する彼女と誰かの声のお陰。 床にはめ込まれた蓋を下から押し上げ、身体を持ちあげなければならない、が。 これがまた、音を立てない様にするには難しい。 慎重に慎重に、数分掛けて。それでも最後の最後、キィと音がしてしまった。 気付かれた?そう思って身を硬直させるも、然し何も反応は無い。 彼女の声も、それに答える声も、一定間隔で聞こえるばかり。 やれ、一安心。身体全体引きずり出して、跳び箱の影に変なマネキンの様なポーズで待機。 跳び箱は、段を重ねたり減らしたりする為もしくは運ぶため、手の指を引っ掛ける所が有る。 そこから声の方を覗いてみた。 その時の私は、まだ知識は有っても経験は無く、雑学は有っても必要な事を知らず。 だから此処までお膳立てされた状況で次にどういう事が有るかも予想出来ず、と散々な状態。 跳び箱の隙間の向こうに見えた光景は、予想出来る事だろうに予想出来なかった。 そう、実に単純。うちの部長さんと彼女の密会の光景、である。 丸めたマットを椅子にして二人ならび、なんともなんとも楽しそうなお顔。 聞こえてくる話題は、平和そうな内容。やれあの子がウザい、あの店が不味い。 新しい携帯買ったんだー、俺の家のテレビ古くてさー、昨日メール送ったのに気付かなかった? やれやれ、で済ませられれば良かった。徒労の割に、大した事の無いオチだと落胆出来れば良かった。 そうすれば普通に帰宅して、何か食事でもしながら弟と雑談して。 その雑談の内容は、あの二人がしているよりは幾らか前向きなものだと断言できる あの子がウザい、この子が嫌い。こんな話題で盛り上がるのは、思春期には有りがちだ。 主に、自分は優れていて周りが自分に従わないのが悪い、内心でそう思っていると楽しい。これは私の経験談。 部長さんは人が良いのかそれとも思いきりが足りないのか、此処で話題を楽しんでいたのは彼女の方。 同じクラスのあれがウザい、あれは素直で可愛い。可愛いってアンタ、あのおまんじゅうに手足の子が? 隣のクラスのあれが煩い、あの教師は良い教師だ。あの先生、授業が進まないって評判なんですけど。 知りたくなかった彼女の本性、とでも言おうか。 その言葉の中に私の名前が飛びだしたのは、客観的には意外でも何でもない事だったろう。 昨日あんな事あってさー、超生意気ー、信じらんなーい。 友達面してウザいんだよねー、背ばかっり高いひょろひょろの癖に。 むかついたからさー、靴に石入れてみたりとかしちゃったー。 あ、そうだ。私、暫くあいつ無視する事にしたからさ、あんたも手伝ってよ。 え?うん、暫く。だってあいつ、宿題とか写させてくれるしー。 場所、男女二人。この後の事は、語るまでも無いでしょう? 友人と知人は別。これ、女子の関係に於いて結構重要な事。 メモが本当に必要だったのは、あの時の私だったのだろうけれど。 あっはっはと笑い飛ばすにも、そういう事に対する耐性が低すぎた。 今なら眼前の光景を録画でもしようと考えただろうに、あの頃は声を殺すのが精一杯だった。 きっと、友人づきあいというものを殆ど経験してこなかった、それまでの生き方も原因だったのだと思う。 何せ、私は〝変な奴〟で今まで通して来たから。彼女の前には、友人と呼べる者も居なかったから。 いや、彼女は〝知人〟だった。多分、周りの他の人間も。 気付かざるを得なかった帰路は暗く、制服は埃や煤で汚れていて、視界ははっきりしなくて。 自宅への坂にさしかかる手前、何時も不良が声をかけて来る場所。 この時間ならもう居ないかな、結局部活より遅くなってしまったし。 彼女達が去って数時間、底冷えした身体を抱きしめながら通りかかる。 一緒に遊ぼうぜ、第一声は全く同じだった。 この手の人種は決まった場所から動かないのだろうか?根でも生えてるのだろうか? 何時もの通り、五人。煙草をふかしていたり、酒を飲んで居たり。 それでも、他人にあまり迷惑を掛けていないだけ、良質の不良なのだろうかとも、普段は思う。 今回の今日は、そう思う余裕もない。声を振り切って行こうとした。 おーい、何泣いてんだよ。普段は掛けられない、二つ目の声。 囚人の足に付ける鎖の様に―――とすれば少々大仰か。空腹の鼻に届くバターの臭いの様に、私の足を止めた。 別に、彼等は私を心配している訳でないのは、その瞬間に理解出来ている。 どちらかと言えば、からかいの意図が強そうだ。表情から予想はつく。 もしくは、ただ声をかけるネタが無かったから、目に付いた事実を述べただけか。それも有るだろう。 彼等が興味を持ったのは私という人格では無く、そこを通った女学生に過ぎない。 そして、それは彼女と良く似ているのではないか、とも思った。 同じクラスに居て成績優秀、仲良くしているグループは無い。 自分で言うのも何だが見栄えはそれほど悪く無く、だが着飾らないから自分が霞む事も無い 少々甘くしてやれば、宿題が簡単に終わったり、授業中が楽な時間になったり。 そういう条件に合致したのが私で、〝そこを通った女学生〟に近い、〝そこに居た優等生〟。 成程、初対面で声を掛けて来る人間と、数カ月の付き合いでそれなりに近くに居たと思った人間。 その二つは面白い事に、私に同程度の評価を下しているという訳なのか。 そして、私はもう、彼女に対して好意的な評価を下す事は無い。 なら、私に直接の被害を及ぼさずたむろしている彼等は、彼女より高い評価を与えるべきでは無いのか? 追い詰められた人間の思考回路は、何処までも暴走する。 遊んでけよ、三つ目の声。招く手に、軽く鞄を放ってやる。 見事にキャッチした男の方が、むしろ意表を突かれたような顔をする。 「此処じゃ寒いでしょ?初めての子には優しくするもんです」 今回―――六回目の〝今日〟が終わるまで、私は家に帰らなかった。 あまり痛いとは感じなかったし、思っていたより疲れたが楽しかった。 目を覚ましたのは、何時もの様に自室。昨日意識が消えた、何処とも知らぬ廃屋では無い。 何時も通りにパジャマを纏って、皺一つ無いシーツの上。 頭の下に有る筈の枕が何故か胸の中に引っ越しているのは、自分の寝相がミステリーだとしか言えない。 右手の甲を見る。横になった時に、小石でちょっと引っ掻いてしまった部分。 傷の痕どころか、皮膚の変色すら見られない。完全に無傷だ。 戯れに穢された筈の制服は、ハンガーに新品の様な美しさで引っ掛かったまま。 自分自身も、身に着けていたものも、リセットの対象となるとこの時に知った。 変わらぬは己の記憶ばかりなり、と。 着替えを済ませて台所に向かうと、弟の力の抜ける様な声。 『おや姉さん、昨日は何処に?いやはや、一応あちこち探したんですよ?』 『外で食べるだけのお金は有る筈だし、其処まで心配はしませんでしたけど』 「そーいう時は、心配したと嘘でも言いなさいな。まあ心配の必要も有りませんでしたけど」 流し台に映った自分の顔は、なんとも言えず気分の良さそうな顔。 これなら確かに、心配する必要はないなと自分でも思えた。 今日が繰り返して一週間、私は部活動をサボる事にした。 それだけなら、制服を着る必要はない。これにはこれで理由が有る。 職員室の先生方に挨拶するには、こうでなくてはならない。 普段より数十分も早く学校に到着し、階段を上って職員室へ。 家庭科の先生は、生徒の大半に、好き嫌いで評価されないおばあちゃん先生。 やや悪い表現を使えば人畜無害、おちついて会話をするのには適した相手だろう。 だが、私が今欲しいのは、そんな時間の潰し方では無い。 「すいません、休みに入る前に家庭科室に忘れ物してたの思い出しまして」 「直ぐに取って来ますから、鍵だけ貸していただけませんか?」 学生鞄は意外と大きく頑丈、何かを隠そうと思えば簡単な事。 確か、家庭科室の辺りだけ、防犯装置が無いのだった。 次に向かうのは、図書室に隣接した司書室。あそこのパソコンは動作が軽く、プリンターも近くに有る。 そして私の記憶が正しければ、この学校の近くに出来たファーストフードは、ネットで割引券を配布していた筈。 携帯の画面を見せるか、印刷したものを持っていくか。それで割引という良く有るサービス。 ここで紙媒体の利用を選択したのは、それがなんなのか一目で分かりやすいからだ。 インパクトは大事、これも昨日なのか今日なのか良く分からない一日で覚えた事。 準備は整った。腕時計の針は順調に進む。 彼女の行動パターンからすると、そろそろ昇降口に現れる事だろう。 私の姿を見れば、きっと無視して行こうとする筈だ。だからこそ、その姿にインパクトが欲しかった。 全くもって呆れる程簡単に、計画は成功する。 一度目を逸らした彼女だが、視界に映った何かに反応して此方を向く。 私が並べた店の名前が、新メニューが、彼女の首の向きを固定する。 後はたった一言、「昨日はごめんなさい」。これだけで良いのだ。 どうせ彼女の約束は今から5か6時間後。これから街に繰り出すだけの時間は十分に有る、と考えるだろう。 「あ、そうだ。ちょっと手伝ってくれます?」 ちょちょいと手招き、家庭科室の方へ。 防犯装置が無い、先程表記した通りの場所だ。 手伝ってと言われれば、素直について来る。この辺りはまだ、捩じれ切っていない? でも、それは表だけかも知れない。財布を逃がさない為の演技かも知れない。 おごるとは一言も言っていないが、きっと彼女はそのつもりで居る筈だ。 家庭科室に入り、エプロンを適当に取ってきて、制服の上に。 それから更に、別なエプロンをマフラーの様に、首の辺りに巻き付けた。 この珍妙な服装に、指をさし腹を抱えて笑う彼女。 髪を掴まれた瞬間の表情の変化は、録画して見返したい程だった。 蛇口に鼻を打ちつけられて泣きわめく様は、何とも言えず滑稽だった。 噴水の様に鼻血を出し、痛い痛いと大騒ぎする彼女。 でも、耳元で一言「黙れ」と言えば、引き攣りながらも口を両手で覆う。 「そうですよね、包丁で脅されれば怖いですよね」 「貴女の目の前で持ちだす訳にもいかないし、面倒な事をしましたよ」 「ですが、手間をかけた以上のリターンが有った様でなによりなにより」 「ねえ、助けは呼ばないんですか?叫ばないんですか?誰かが聞きつけるかも知れませんよ?」 「勿論、そんな事をしたら誰かが来る前に貴女死にますけど」 身長差20cm近く。両者とも文科系の部活動。体力で比べるなら、私の劣る部分は無い。 背後から首に包丁を突き付けられ、しゃがみ込まされ。彼女はなんとも弱っちい存在に見えた。 「何でだろうって顔してますよね、貴女。分からないのも仕方が無いでしょうけど」 「でも貴女、これまでに何度も何度も、あんな事言ってたんですから仕方が無い」 「それと同じだけの回数……結構地味な嫌がらせしてくれましたよね」 「それに、これからも何度も何度も。貴女は死ぬまで、あんな事を繰り返すんですよ」 「訳分からない?狂ってる?いやまあ、私もそう思いますよ?うん」 「でもね、仕方が無いんです。貴女が分からない事も、分かってましたし」 「じゃ、また明日会いましょう」 骨が固い事は知っていたが、思った以上に苦労する。結局切断は諦めた。 喉に突き刺し、上に跳ね上げ、下に振り降ろし。魚を捌くのと似た感覚かも知れない。 切り開いた腹の中身は赤黒く、図鑑に載っているのは見やすい工夫が有るのだなと理解させてくれる。 二重に巻きつけたエプロンは、帰り血を防ぐのに良く役に立ってくれた。 床に広がる致死量の血液に、白い靴が台無しになったが、もうそんな事はどうでも良く。 裸足に制服という奇妙な姿で昇降口に向かう私を、誰かが見とがめる事も無かった。 それからは、毎日楽しかったですよ? 色んな殺し方を考えて、毎日実行して。その足でまあ、彼等と色々して遊んで、と。 次の日には彼女、無傷で生き帰ってましたし、私は私で普通に自宅にワープです。 それでまあ馬鹿馬鹿しい事に、何回同じ手段やっても同じ様に引っ掛かるんですよ。 彼等の方は彼等の方で、交友関係が広いのか結構色んな友人呼んできましたね。 こっちの行くタイミングで呼ばれる友人が変わりますから、結構色々試してみました。 その友人がまた別の友人呼んだりで、そうですねえ………えーと、あの彼があれ読んであっちの子呼んで…… 最終的には男女合わせて3桁以上と遊んだんじゃないですかねえいやはや若気の至りでアッハッハッハ。 人間の腹の中身引っ掻き廻して、その構造もよーく分かった。どう言葉を掛ければどう答えるかも色々試した。 次の日に全てリセットされると分かってれば、何をしても怖くない。 知識だけは引き継げる。だから、私は全てを知識にしました。 何か研究が完了しても、紙やデータに残せない。全て、記憶に放り込む。 私の専攻―――魔法生物と人体の融合―――の基礎は、この頃に完成させてます。 で、色々有って今の主君に拾われるまで……4年くらいでしたっけ? ………その世界が、なんなのか?それに関しちゃ永久に、正確な答えは出ないでしょうが……… ゲームの乱数、分かります?あれってフレーム単位で同じ行動取ると、同じ数字返すんですって。 まるでそれと同じ様に、こっちの台詞が同じなら向こうの台詞も同じ。 こっちが何処でどういう行動を取ると、どう変化するかも同じ。 なんだか、似てませんか? あれはきっと、何処かの誰かがやってたゲームなんです。 とあるステージのハイスコアを更新する為に、色んな数値を弄って。 クリア、つまり日付の変わる瞬間にリセットボタンを押し、開始時刻に巻き戻す。 その過程の中で〝スコア更新に必要と確定した〟行動はループから外れる………蝉の声や、近所の老衰で死ぬ人間なんかがね。 弄る側としちゃ、不確定要素は少ない方が良いんだから。 そして私と弟は……それからご主君や、他の面々もですが。 それが、スコア更新の為に操作すべきと判断されたキャラクターでありフラグだったのだ、と。 あれ以来ゲームが嫌いになった私は、そう判断してます。 科学者が神の存在を信じるなんて?おーやおや、私は神なんて一言も言ってませんって。 ――――――ところで 【ぐらり】 【私の世界が、大きく揺れた】 【床が顔に叩きつけられる錯覚、頬に冷たい建材の感触】 【瞬きは出来る、呼吸は出来る。思考すらこうして回転しているというのに】 【何故だろう。私の手足は、私を完全に裏切っていた】 この物語の主人公の少女………いやまあ私ですけど、どう思います? 友人に裏切られておかしくなった不幸な少女だと、貴方は思いますか? 私が第三者としてこの話を聞けば、Noと答えますよ。 だってそうでしょ?たった一週間ですよ一週間。状況がおかしくなってから。 それに、実害がそこまで大きかった訳でもない。友人と思い込んでた子、そこまで酷い事しました? 陰口なんざ日常茶飯事なのが学生、それで人殺しなんてあんた有り得ないでしょう。 しかも。これ以降この少女は、元友人を様々な方法で殺し続けました。 刺殺絞殺薬殺毒殺、何処で手に入れたか爆殺銃殺。車に轢かせたのも何度か。 止血を完全に正しく行って、麻酔無しで手足を切り取った事も有りますねえ。 上手く騙して不良の所に連れて行って、輪姦させた挙句自分で殴り殺した事も有りました。 眼窩から指で直接脳を掻き回して、ギリギリ生きているレベルで留めた時はなーかなか愉快でした。 さて、同じ状況に置かれて貴方、此処まで出来ます? 【軽率だった、と言わざるを得ない】 人間にはねえ、生まれつき善人と悪人と居るんだと思いますよ。 んで、何らかの条件が満たされた時、悪人はようやく自分自身になれるんです。 それまで、きっとその悪人は、あまり恵まれた状況に居ない。自分で居られなかったんですから。 だから世間は、「人が悪人になるのには理由が有る」なんて言うんです。 いやはや全く愚かな事、そう思いません?だって――― 【私の正義の心は、私の人生を終わらせる事になった】 【彼の女悪党に取り入って、やがて正体を暴き、公正なる捌きを与える】 【理想に燃える熱き心は、右肩上がりに増して行く心音に掻き消される】 ―――だって、私は生まれつきの悪人なんですから。 【私程度の正義の味方が、如何にか出来る相手では無かった】 【私程度が欺いて、日の下に引きずり出せる相手では無かった】 【最後の希望は、私の死体が何処かで発見され、テープレコーダーが見つかって………】 心配しないでも大丈夫ですよ?貴方を殺したりしません。 貴方に飲ませたのは毒薬じゃあなく麻酔薬ですもん。ね?もう痛くないでしょ? 【彼女が振り下ろした金槌が、私の手の指を砕いて行く】 【言葉の通り、痛みは感じない。もう、手がそこに有る事さえ分からない】 【テープレコーダーが最後に拾ったのは、其れ自体がぐしゃと踏みつぶされた音】 【そして、私の耳にも同様に届いた、粘りつく様な甘ったるい彼女の声】 じゃあ、また明日遊びましょう? 【Interview with the Mad scientist.】 【Route:interviewer / Normal End.】
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187. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 15 09.26 ID jjA13T110 →A:「あのね純ちゃん、実は……」 家での憂の様子について伝える。ちょっと気になるし……。 少し強張る唯の声に、純は不思議そうに首をかしげる。 純のポンポンが揺れるのを見ながら、唯は少しずつ話し始めた。 唯「修学旅行から帰ってきたらね、憂、割と普通な感じだったんだ……」 純「あっ、そうですか、なら……」 唯「でもね、時々……ほんのちょっぴり……憂、暗くなることがあって……」 純「えっ……唯先輩がいても、ですか?」 唯「うん……私の気のせいだといいんだけどさ……」 純「……まさか本当に恋愛小説の件を信じているわけじゃ……」 唯「えっ? えっ、な、なに?」 純「あっ! ああっ、いや、別に、何でもないですよ!」 唯「ええ〜っ、気になるよお、教えてよ純ちゃーん!」 純「べ、別に大したことじゃないんで! 本当に!」 唯「えーやだやだ! 気になるよ〜」 純にしがみつき、ぶんぶんと腕を振り回す唯に、純も困惑する。 純は少しの間思案すると、ふと思いついたように口を開いた。 純「じゃ、じゃあ唯先輩! 一個訊きますけど……」 唯「うんうん!」 純「唯先輩って、その……」 唯「うんうん!」 純「そ、そのう……」 唯「なあに!?」 純「……こ、恋人いるんですか?」 唯「ほえ?」 188. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 15 56.98 ID jjA13T110 唯が気の抜けた返事を返すと、二人はそのままの体勢で沈黙した。 唯はぽっかりと口を開け、純は冷や汗をたらしながら引きつった笑みを浮かべている。 少しして、痺れを切らしたように唯の表情が動いた。 唯「こ、恋人……って私に?」 純「……あっ、は、はい、そうです……」 唯「なんでそんなこと訊くの?」 純「え、えーっと……(もし、本当にいたら憂……どうなっちゃうんだろう)」 唯「まあ、そんな人、いないけどねっ!」 純「ほっ……あ、そう、ですか……」 純が胸をなでおろして安堵の息をつくと、唯が途端に閃き、何やらにやにやとしだした。 純「ど、どうしたんですか?」 唯「う、ふ、ふ。そっかあ、そういうことだね」 純「えっ、なにがですか?(……まさかあの小説についての話を知っているとは思えないけど……)」 唯「純ちゃん……うふふ、私に惚れると火傷しちゃうぜ!」 純「なああああっ!?」 得意げに歯を見せる唯に、純は驚愕の声を上げた。 何か言葉を継ごうとするが、上手い言い回しが見つからない。 唯「そっかぁ〜そうなんだぁ〜えへへ、私もモテるんだねえ」 純「ち、違いますからっ! 全然違うし勘違いしないで下さいよおお! 第一私の憧れの先輩は澪先輩ですしっ」 唯「恋と憧れは違うよ? うふふ……」 純「な、なななな……っ」 189. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 16 30.43 ID jjA13T110 ぽんぽんを手で弄びながら、不敵な笑みを浮かべる唯に、慌てふためく純。 言葉にならない呻きを上げながら口をパクパクとさせる純を一通り観察した後、唯はふとポンポンから手を離した。 純「(……あっ)」 そして唯は、ふふふ、と年上に似つかわしい優しい笑みを浮かべ、純と向かい合う。 純「(……唯先輩、こんな風な笑顔もあるんだ)」 ぼんやりと見つめていると、唯がふと口を開いた。 唯「なんてねー。冗談だよ〜。びっくりした? えへへ、おはようのときの仕返し」 純「…………」 唯「純ちゃん?」 純「……な、なんだぁ〜。い、いや分かってましたよ冗談だって!」 唯「えへへ……だよねえ〜」 純「そ、そうですよ……だ、だから別に仕返しは成立していないですからねー」 唯「むー。純ちゃんは手ごわいなあ……」 純「……あはははっ」 それから二人は元の通りに、肩を並べて歩き始めた。 ゆったりとした足取りで校門をくぐりながら、純は先ほどのことについて悶々と考えを巡らせていた。 純「(な、なんだろう……)」 純「(冗談で言っていた時よりも……その後の唯先輩に、ちょっとどきってしちゃった……)」 純「(……き、気のせいだよ気のせい! でも……)」 純「(恋人がいるかもって不安になる憂の気持ち……なんか、分かる気がする……)」 純の【気になる】ステータスが 2/3 → 3/3 にアップしました! これにより、純の【好き】ステータスが 0/5 → 1/5 にアップしました! 【気になる】ステータスは繰り越され、 0/3 となります。 190. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 17 09.88 ID jjA13T110 憂「……純、ちゃんが……そう、だったんだ……」 梓「何だ純か……ってちょっと憂!?」 前を行く二人の30メートルほど後方で、電信柱に二人の乙女が隠れていた。 憂の体がふらりと傾くと、梓は慌てて憂の肩を支えた。 梓「だ、大丈夫? 憂……別に、そんなショッキングな映像でもなかったけど……」 憂「……わ、たしは……少なくとも頭がふらふらする……」 梓「え? ど、どこが?」 憂「お、お姉ちゃんと純ちゃんが……恋人だったなんて……」 梓「えっ……いや、あれは、たまたま会って、一緒に登校しただけの話じゃ……」 憂「……でも、お姉ちゃん、純ちゃんにしがみついていたし……純ちゃんも何か照れていたし……」 梓「そ、そんなことないって……ほら、また明日、突き止めようよ、ね?」 憂「もし、純ちゃんがお姉ちゃんの恋人だったら……恋愛小説の話をしても、まるで動じなかった純ちゃんの様子にも納得がいくし……」 梓「…………」 憂「……そっか、だから純ちゃん……落ち着いていたんだ……」 梓「…………」 憂「どうしよう……全然知らない人よりはいいけど……でも、私と同い年の子と、なんて……」 梓「…………」 憂「わ、わたし、どうすればいいのかな……二人にこれからどう接すればいいんだろう……?」 梓「……憂」 憂「ど、どうしようっ……」 梓「(……妹だけじゃなく、部活の後輩まで放っといて……)」 梓「(……それで、私達と同じ二年生の純にうつつを抜かしてっ……)」 梓「ゆ、」 梓「唯先輩のばかぁーーーっ!!」 梓の【尊敬】ステータスが 2/5 → 1/5 にダウンしてしまいました。 憂の【尊敬】ステータスが 1/5 → 0/5 にダウンしてしまいました。 191. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 17 36.41 ID jjA13T110 下駄箱まで来ると、唯と純はいったん別れ、それぞれ上履きをはいた。 校舎に上がり、再び純の姿を認めると、唯はにっこりと手を振った。 唯「じゃあね、純ちゃん。楽しかったよー」 純「あ、あははは……はい」 純の無垢な笑顔を見ながら、唯は歩いて行った。 *選択肢* A:もう少し純ちゃんと話したいな……。 純のところに近づいて行く。 B:まだ時間あるし、ちょっとぶらぶらしようっと。 適当に校舎内を散歩。 C:皆とは修学旅行ぶりだね!! 自分の教室へ向かう。 D:もう少しゆっくりしていてもいいかな? 下駄箱でぼんやりとする。 192. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/13(土) 18 19 06.83 ID Szz+JZLSO C 196. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/13(土) 18 52 36.84 ID jjA13T110 →C:皆とは修学旅行ぶりだね!! 自分の教室へ向かう。 唯は踵を返し、歩を進めて行った。 教室の前まで来ると、いつもよりいっそうにぎやかな声が廊下に響いている。 修学旅行のときのテンションが、今もなお続いているのかもしれない。 唯も皆の声を聞くうちに気分が盛り上がり、力強い足取りでドアを開けた。 「あ、唯だ! おはよう!」 「おはよー、久しぶりー? かなー?」 唯「えへへ〜。おはようっ!」 クラスメイトに元気よく声をかけると、唯は自分の席の椅子を引き、腰を落ち着けた。 ふと、四つの視線が集まったような気がして、不意に顔を上げた。 教室の時計が目に入る。あと十分ほどでさわ子が教室に入ってくることを示していた。 唯は机に頬杖をつき、じっと考えた。 唯「うーん、どうしよっか?」 *選択肢* A:律の席に行く。 B:澪の席に行く。 C:紬の席に行く。 D:和の席に行く。 E:このまま座っている。 202. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/08/13(土) 19 24 15.42 ID hMqJyn7Zo C 246. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/16(火) 01 06 20.31 ID w6MFD1o20 →C:紬の席に行く。 唯「ムギちゃんとは、あの日の夜にちょっとお話ししたきりだしね!」 唯はそう意気込むと、机に手をついて立ちあがり、勢いよく紬の席へと向かった。 紬はいつも通り、姿勢よく前を向いて座っていた。 お嬢様にふさわしく、教室の中という庶民的なシチュエーションであっても、どこか品が漂っている。 唯は、そうっと近寄り、紬の肩に突然手をおいてみせた。 すると紬は、びくりとなって振り返る。 紬「きゃっ! ……あっ、唯ちゃん」 唯「えへへ。おはよう! 久しぶり」 紬「ふふ、おはよう。久しぶりね」 唯「ほんの少しの間なのに、しばらくムギちゃんの声を聞いてなかった気がするよ〜」 紬「もう……ふふ、唯ちゃんってば大げさよ」 和やかに挨拶を済ませた後、軽く雑談を交わした。 紬がふと教室の時計を一瞥し、唯に向き直る。 紬「唯ちゃん、大丈夫? あと少しで先生が来ちゃうと思うわ」 唯「うーん、あと少しなら大丈夫だよお」 紬「そ、そう……うん、そうね」 唯「あっ、ごめんね……長居しちゃうの嫌だったかな?」 紬「そっ、そそそそんなことあるわけない! 大丈夫よ!」 唯「……えへへ、そっかー。ならよかったよー。一瞬心配になっちゃった」 紬「ごめんね、唯ちゃん。変に気を遣わせて……なんでもないの、ちょっと気になっただけなの」 唯「うん? なあに?」 紬「えっと……その、どうして私のところにお話しに来てくれたのかな、って……」 そこで紬は、少し俯き、指をもじもじとさせた。 唯はその言葉を不思議に思いながら言う。 247. 1です ◆duJq3nZ.QQ 2011/08/16(火) 01 06 46.83 ID w6MFD1o20 唯「どうしてって……ムギちゃんとお話ししたいからに決まってるよー」 紬「そ、そう……うん、唯ちゃんならそうよね」 唯「? ……ムギちゃん、他に何か気になることでもあるの?」 唯が訊くと、紬は少しの間逡巡していたが、やがて意を決めたように話し出した。 紬「唯ちゃん、その……私だけじゃなくて、他の皆とも会うの久しぶりよね?」 唯「うん、そうだね」 紬「でも、どうしてその……わざわざ私のところに来てくれたのかな、って……」 唯「……ふえっ?」 紬「……あっ、ご、ごめんなさい! な、何か変なこと言っちゃって……えっと……」 少し頬を染めながら顔の前で手を振る紬に、唯は不思議そうな顔をした。 *選択肢* A:「理由なんてないよー。ただムギちゃんとお話ししたいなって思ったから……だけじゃだめ?」 ムギちゃん、なんでそんなこと聞くのかな? うーん、分からないや……。 B:「そうだそうだ、ムギちゃんに渡したいものがあったんだよ!」 もってきといてよかった〜。京都土産を渡す。 C:「実は、お礼言いたくて……色々相談にのってくれて、ありがとう!」 ムギちゃんには本当にお世話になったね……。りっちゃんと仲直りできたし、感謝感謝。 D:「ムギちゃん、修学旅行の夜にお話ししたとき、ちょっと様子が変だったから……気になって」 何もなければいいんだけど……気になるかも。 E:「ムギちゃんがお話ししたそうだったから……なーんてねっ!」 教室に入ったとき、色んな視線を感じたんだよね。ちょっとおどけて訊いてみよう! 248. VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) 2011/08/16(火) 01 07 26.58 ID Py7h3hBTo C 5
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●246 2006/03/25(土) 22 28 ID pLipM3Xk 予備校講師に好意を持っててプライベートで関わるとかなりの精神力が いることに気づきました。もう精神的に尽き果てそうです。 ●247 2006/03/25(土) 23 16 ID ??-qQ/a4NPA 246 たぶんあなたまじめなんだよ。 道を外れる恋なら、それなりに図太くならなきゃ。道を外れる覚悟で。 真面目でいようとすると周りを騙すことはできないよ。 ●253 名前:246 2006/03/26(日) 08 18 ID N5HsmoSk 247 真面目なんですかね?別に相手が既婚とか彼女がいるとかではない んですが、仕事の忙しさがどれ程のものか頭ではなんとなく分かっても 実感はできなくて不安になるばかりなんです ●254 2006/03/26(日) 08 29 ID ??-5XhdFz1Q 253 相手は既婚じゃないんですか!じゃあ全然道外してないですね(^_^;) たしかに講師は忙しいですね。 ●255 名前:246 2006/03/26(日) 08 34 ID N5HsmoSk 254 本当に忙しいですよね。なかなか会えないと気持ちが離れて いってしまってるんじゃとか色々考えちゃいます。 あんまり仕事の内容とか具体的に話してくれる先生でもないので 余計です。 ●256 2006/03/26(日) 09 06 ID ??-5XhdFz1Q 255 私の場合は付き合う前に 想像してたよりは忙しくはなかったから結構会えてます。 やっぱ返信遅いときは切ないですね。 学期が始まるともっと忙しいのか…orz ●259 2006/03/26(日) 17 31 ID ??-X8jYMr9I 自分も忙しくなればいいんじゃないかな?仕事の話をあまりしないのは仕事とプライベートの切替えがうまくできる人ってこと。ヒマ人カップルより多忙カップルの方が、会う時間や数は少なくても恋の密度は濃いと思うよ。 ●260 名前:149 2006/03/26(日) 17 47 ID BYSUTJzw 毎日会ってたらどんどん恋愛感情って冷めていくもんねー。 だからみんな、人の目を忍んでしか会えない禁断の恋に燃えちゃうのかも☆ ●270 2006/03/27(月) 13 54 ID OqttTjaw ヒロシってどうやったら落とせる? ●271 2006/03/27(月) 14 13 ID JKt4nACE 本人に聞くべし ●272 名前:149 2006/03/27(月) 14 36 ID 73.A8Gqg 私は正直に書くと・・・ 西谷先生が大好きです★ あの細い腰・・・抱きつきたくなる。(^^;)キモ どうしたら振り向いてくれるのかなぁ・・・ ●273 2006/03/27(月) 14 50 ID 5Dv9qUok 酒井先生とどうやったら不倫出来る? ●274 2006/03/27(月) 15 02 ID EUSYXL96 西谷は、代ゼミ講師何十人に名誉毀損内容の手紙を 送り付けて、その結果週刊誌にも載った犯罪講師。 ↓ そんな西谷が大好きな 272=149は確実に 高校時代にある特定の女子の靴箱に「死ね!ブス!」など書いた手紙を入れたり その子の教科書に落書きしたり、体育の時間が終わると すぐ教室に戻ってその子の制服隠したりしていたはず。 まあ所詮似た者同士がひかれあうってことだ ●275 名前:149 2006/03/27(月) 15 07 ID 73.A8Gqg いやーうちの高校ロッカーや下駄箱は全部鍵ついてたしなぁ(笑) 似たもの同士かぁ~、私は人の教科書に落書きしたことないけど。 西谷先生がそんなことしたのって本当なの? でも別に構わない。それぐらいで気持ち薄れないから。 ●276 2006/03/27(月) 15 36 ID S5qdVADY 149さんはせいぜい坂本英知と戯れてろ ●277 名前:149 2006/03/27(月) 15 37 ID 73.A8Gqg 西谷先生がいいんです・・・ ●278 2006/03/27(月) 15 52 ID RmpDQOnw 私は正直に書くと・・・西谷先生が大好きです★あの細い腰・・・介護したくなります(´Д`) ●279 名前:149 2006/03/27(月) 16 02 ID 73.A8Gqg 介護って(笑) 確かにあと2・30年したら介護必要かもだけど^^; ●280 2006/03/27(月) 16 17 ID ??-NS1apJTk 西谷かぁ。。。。。。。↑↑の嫌がらせの話は本当だよ。新聞にも載ったし。注意した酒井さんやつっちーにまで逆ギレでカミソリ刃入りの封筒送りつけた。しかしよりによって西谷かぁ。。。。。。。 ●282 名前:149 2006/03/27(月) 16 36 ID 73.A8Gqg 先生・・・なんでそんなことするんだろ(;A;) ●284 名前:149 2006/03/27(月) 17 48 ID 73.A8Gqg でも何で西谷先生が手紙送ったってわかるの? まぁ、だいたい予想はつくのかもだけど・・・ 証拠あるの?それとも誰か目撃者がいるの? ●285 2006/03/27(月) 17 57 ID mhrOeENw 149 被害者の手紙には共通して、「ある先生」の事が良く書かれていた。 だからすぐ西谷が犯人と分かったんだよ。ほんで西谷は講師の前で土下座w ●286 2006/03/27(月) 18 02 ID xM375zHE で、ハブられてんの? ●287 2006/03/27(月) 18 05 ID ??-zKDMrkZ6 それ西谷じゃなくて西谷の奥さんじゃないの? ●288 名前:149 2006/03/27(月) 18 44 ID 73.A8Gqg 犯人が奥さんであることを祈る・・・。 変な祈りだけど。 西谷先生はそんなことしないって信じたい。 ●291 2006/03/27(月) 20 34 ID ez-ae4RARn6 冬季、講師室に6人くらい居て珍しく講師たちがみんなで話してたのに西谷先生一人でぼーっとしてたなぁ… ●292 2006/03/27(月) 20 42 ID 62vCAQtA 西谷は嫌われ者 ●293 名前:149 2006/03/27(月) 20 45 ID 73.A8Gqg ただ単に一人でいたかっただけかもよ? 私もぼーっとしてるのスキだし。 もしハブられてるんだったら・・・他の講師を許さない! と言うか、私がお話の相手になる(笑) ●294 2006/03/27(月) 20 58 ID b7Y697O. 講師室でハブられてる先生って生徒が休み時間ごとに来てくれるのってやっぱ嬉しいのかしら?そしたら‥ポッ ●295 2006/03/27(月) 21 04 ID 73.A8Gqg あ~っ!ダメだよ、私が行くんだから!!(笑) ●296 2006/03/27(月) 21 07 ID S5qdVADY ↑バカ発見
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「物質、エネルギー、そして情報。これが、宇宙を構成する三つの要素」 「情報統合思念体って、どういうものだと思ってる?遠い宇宙の果てのはてにある、銀河みたいな星の固まり?それとも、宇宙に漂う、 何か大きなクラゲみたいなもの?」 「どっちも外れね。情報統合思念体は、この宇宙を構成する情報全て。全宇宙の情報が、時に秩序を形成し、 時に無秩序に増殖する。そして、それらを認識する情報。これが情報統合思念体。率直にいえば、この宇宙全体が統合思念体なのよ。 もちろん、あなたも私も思念体の一部。でも安心して、あなたが自分の体の細胞の1つを認識できないように、 思念体もあなたのことなんか全然気にしていないから。」 俺と朝倉は、今カラオケボックスのベンチシート席に居る。最近のカラオケボックスでは、少人数の客はこうしたベンチシートルーム、 3人掛けくらいのベンチ1台に向かい合うようにマシンが設置された小部屋に案内されるようになっている。今日は団のメンバー抜きでの 朝倉との二人連れであり、世間一般的に見ればまあ非常に羨まれるべきシチュエーションなんであるが、やはり一度なりとも刃物で殺され かかった相手というものはなかなかその恐怖を体が忘れづらい。あと、朝倉、普通に会話するだけなら別にマイク使う必要ないだろ。 事の発端はこうである。 朝倉とSOS団の『懇談会』以来、一段とその頻度、クオリティともに激しさを増した長門のレッスンのせいか、俺は最近思い出し笑い、 思い付き笑いを所わきまえず非常に頻繁に繰り返すような状態になってしまい、だんだんクラスでも浮いた存在になってしまってきている。 最近では谷口も挨拶を一拍置いてから返すようになってきているし、国木田は弁当を別のクラスで喰うようになった。笑いさざめくクラスの ドアを開けて教室に入ると、今まで談笑していた生徒全員が一斉に俺の事を注視する、と言ったことも1度や2度ではない。 ハルヒは一人 「なんか、最近のキョンちょっとオモシロイわ!何ていうかほら、バガボンドの最初の頃に出てきた『不動さま』みたい!」 と盛り上がっているが、うん、まあ、ホントはあんまりおもしろい状態でもないんだろ。俺も自分でわかるからさ… そんな孤独と焦燥のさ中にあって、再びクラスの中心人物に返り咲いた朝倉が 「キョン君、今日放課後空いてる?空いてるなら、ちょっと付き合って欲しいんだけどな♪」 と聞えよがしに話しかけてきてくれた時、俺は1も2もなく飛びついてしまった。誰だってそうだよな? そして、放課後俺は口早にハルヒに団活を休む旨を告げると、下駄箱で待ち合わせした朝倉に手を引かれる様にこのカラオケボックスまで来たという訳だ。 「でもね、涼宮さんは別。あなただって、突然自分の体の一部がチクッと痛んだりしたら、何かな、って思うでしょう? 思念体もそう思ったの。いつもどおりに生活していたら、体の一部が変におかしい。何だろう?と思って立ち止まり、調子がおかしい 箇所をしげしげと見ている。調子がおかしい箇所が涼宮さん。それを見つめている目や、触って調べたりしている指が私たち。」 「そういう訳で派遣されてる私たちなんだけど、まあ、私たちだって完璧ではないわけなのよ。同じ宇宙の構成物なんだしね。 目だって指だって病気になるしケガもする。変なものを見ちゃったり、触っちゃったりしたら。」 そう言って、にじり寄ってくる朝倉。 「涼宮さんみたいな強い存在のそばにいたら、私達端末も影響を受けちゃうのよ。本来の機能からエラーを起こして、 自分で勝手に情報を紡いでいくようになるの…あなた達の体でいったら、ガン細胞ね。心でいったら、何かしら…」 朝倉の顔が近い。つぶらな瞳が、俺を真正面から捕えて離さない。 「いっそ、本人に聞くのが一番早いかも♪」 個室のドアが勢いよく開く。廊下の蛍光灯のまばゆい光を逆光に、小柄なシルエットが目に飛び込む。 『…二人とも、表に出ろ』 長門がいた。いつも通りの、高熱に燃える炎のような青白い表情で。 ------------------------------------------------------------------ 俺達がカラオケボックスにいる間に表は小雨になっており、長門は自分で持ってきたであろうビニール傘を差し、 俺は頑強に拒みはしたものの朝倉の持っていた折り畳み傘に結局引っ張り込まれてしまい、先を行く長門の2メートル ほど後ろを2人でついて行っている。 駅前から離れ、踏切を渡りやや閑静なあたりに差し掛かる。 「この前のカラオケでのキョン君の歌。あれ、歌じゃないわ。心の悲鳴よ。キョン君の。」 朝倉が足を止め、長門に声をかける。 「わかってると思うんだけど、最近のキョン君、ちょっともう限界よ。ここまで彼を追い詰めて、何をしたいの?」 長門も足を止め、傘を片手に雨の中、背中で朝倉の言葉を聞いている。 『…獣は、追い詰められた時に一番良い声で鳴く。赤子の声が一番心を打つのは、その母親を呼んで泣き叫ぶとき。』 『歌は、惚気話でもなければ、自慢話でもない。人間の、泣き声。叶わぬ望みが心に叫ばせるもの』 振り向きもせず答える長門。 『だから、人は歌に心をふるわせる。人が、人の泣き声を聞き過ごせぬよう、人の心は、歌にとらえられる』 「なかなか言うじゃない… …まるで、人間にでもなったみたいに。」 口角を上げて、朝倉が答える。 「でも、長門さん、わかってるかしら?私達、端末よ。そんな感傷、本来の機能にはないの。エラーが溜まりすぎちゃったのね。 システムの処理の、暴走。人によっては、こういう風にも、言うかしら」 「『精神病みたいな、もの』、って」 ビニール傘が転がる。 振り向いた長門の顔。いつも通りの、軽く結んだ唇、澄み切った黒い瞳。その瞳の縁から、小雨に打たれた顔の頬を二筋の流れが伝っている。 「観測用端末の更新が発令されたわ。長門さん、あなたはもうとっくに暴走状態。思念体への報告すら満足に行っていない。 私が来たのは、バックアップのためじゃない。あなたと交代して、私が涼宮ハルヒを観測するの。」 「あなたはもう、観測を行える状態じゃない。復旧すらおぼつかないエラーの蓄積状態で、観測対象の周囲にすら影響を働きかけて きている。これはもう、思念体による観測活動継続の為の、除去の対象。つまり---」 朝倉が傘を手放した。 「パーソナルネーム長門有希を敵性と判定。当該対象の有機情報連結を解除します。」
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サイズアウト奥 458 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 00 21 27 ID ZMjaTP+9 文章苦手なんで読みにくかったらごめんなさい。 娘の服を衣替えしたらサイズアウトしたものがたくさんでた。 両家にとって初孫な上に、恥ずかしながら私も旦那も第一子フィーバーで 必要以上に買い揃えた結果、タグがついているまま状態のものや着せようと 洗ったまま着せる機会がなかったものも多数。 自己嫌悪に陥りながらも整理した結果、頂き物は次の子や親戚用に取っておく事にし 他にちょっとした染みがあるもの、綺麗だけど数回は着用したと思われるもの、 タグ着きや未使用と思われるものの3つに分けて大き目の紙袋に入れておいた。 捨てるにはもったいないので、お下がりをもらってもらえそうな人を知り合いで 探したけどうちの子より大きかったり性別が違ったりでいなかったので、 市の育児センターに譲る旨の張り紙をした。 すぐに連絡があったので、引き渡しの日に出かける前にタグ付きと数回着用分を 玄関の下駄箱の上に出しておいた。 出かける直前に回覧板が来たり、電話が来たりでバタバタしていて約束の時間に 遅れそうになったので慌てて向かい、確認の為に袋を開けてみてびっくり。 両方の袋共に1/3くらいなくなってる。玄関の上に出したときは確かにあったのに。 その時は相手に言ってもなんだし、喜んでくれたのに微妙にしょんぼりしつつ終了した。 一応家に戻ってから探してみたけど、なくなった服は見つからなかった。 袋を玄関に置いてから出かけるまで、回覧板が来るまでは施錠がしてあったので 回覧板を持ってきた奥さんが怪しいと思ってしまいモヤモヤしていたんだけど 今日旦那が帰ってくるなり「隣の奥さんとは距離を置いたほうがいい」と言い出した。 旦那は小児科医なんだけど、今日患者さんで隣の子(男の子)が来たらしい。 それで、服をめくった時に洗濯タグに娘の名前のはんこが押してあったと。 娘の服には目立つ色で名前と模様のはんこが押してあります。 最初は隣の子ってわからなかったけど、後で住所確認してわかったみたい。 職業がばれるとややこしい事になるので、旦那の職業はひた隠しにしているし 勤務医だからわからなかったんだと思う。帰宅遅いしあまり顔合わさないし。 問い詰めると色々こちらにも不利益が出るのでしないけど、子供が可哀想だ 469 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 07 13 47 ID KfvHY+Nh 458 隣人が泥棒って怖い。 玄関に置いてある小物(特にスワロフスキーなどw)も、気をつけたほうがいいよ。 おそらく日ごろから、 458さんのお子さんの服を良い物を着せている、 と思っていたんだと思う。 隣りだと難しいだろうけれど、極力接触しないようにね。 471 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 07 49 12 ID LDZ9oPjH 458乙 旦那さんの職業バレが怖いのは解るけど、窃盗犯を放置するのもどうなんだろう 他にも被害者がいるんじゃない? あるいは、これから被害者が出る可能性もあるし 届けを出す出さないは別にして、警察に、こういう場合なんとか 職業バレせずに、取り締まる方法がないか相談だけでも してみたらどうだろう? 相談だけなら旦那さんの職業を言う必要はないでしょ? 483 :458:2008/05/28(水) 08 58 11 ID ZMjaTP+9 458です。昨晩はあの後ウッカリ寝てしまって書き逃げになりすみません。 出かけようと玄関に出たら隣の奥さんが回覧板を持ってくる→受け取る瞬間電話 →隣の奥さん「電話出ちゃってー。じゃあうちはこれで。」と言う→お言葉に甘えて、と 一旦電話に出る為奥に戻る。→電話は1,2分で終わって玄関戻ったらいなかった。 そのまますぐ出かけたので、目を離した時間は殆どなかったと思います。 その時間で大体二袋分併せて20着程の服を袋なしで持ち帰ったと思われるので すごいなぁと変に関心してしまいました。 今後の対応ですが、473さんの内容に近い状態にして行こうと思っています。 それと、両家実家から送られてくる無農薬野菜や季節の果物はお隣にはおすそ分け しない事にします。 ヘタレですが、旦那を巻き込んで万が一職業がばれるとまた引越しになるのは嫌なので。 (以前職業がばれて24時間関係なしの凸があり、夫婦共にとても消耗しました) 492 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 09 35 25 ID EojiCObz 医療関係者は職業バレするとほんとに休めないからな… 小児科医なんて近所の非常識ママどころか、その友人まで凸して来るだろう。 モンペが「友人(事実無根)なんだから治療費まけて」とかもあるし。 COで済むならそれがいいよね。 458乙… 497 :458:2008/05/28(水) 10 43 26 ID ZMjaTP+9 回覧板が来たときの電話はお隣とは関係ないものでした。 お隣には、最初からお下がりの事は聞いていません。 中古品に抵抗が有る方もいらっしゃいますし、性別も違うのでいらない場合 余計に気を遣わせてしまうかも?と思ったので。 支援センターでの募集も、相手から問い合わせがありこちらがokするまでは 個人情報は漏れないはずなので、玄関に置いてあるのを見て衝動的にやったんじゃ ないかと思います。 最後に言い訳になりますが、前回職業がばれた時持ち家でした。 一生の買い物だからと計画から建築まで3年かけて建てて2年も住まずに 引っ越す事になりました。 大型犬がいる関係上、賃貸は無理だったので今回も持ち家です。 地方なのでまだなんとかなっているものの、さすがにまた引越しは金銭的にも 精神的にも無理です。 499 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 10 51 30 ID IRe0hHgh 458 なんというか…お疲れさま。 子持ちとしては凸したい気持ちもわからなくはないけど、 普通は自制して病院行くよな。 黙っているのは正解だよ。 自分を守るのが第一。 458とその家族が穏やかに暮らせますように。 503 :名無しの心子知らず:2008/05/28(水) 11 02 45 ID qjLM2EUX 497 うわー・・たまたま隣奥が泥だったというより、 職業がばれただけでせっかくの家を手放して引っ越しというほうがズンと重かった。 非常識な人間が増殖する一方だと思うと、本当に胸が苦しくなるよ。 次のお話→467
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事情を話してしまおうか。 シンは朝の食卓でぼんやりとそんなことを考える。 今日はもう金曜日、バレンタイン前の最後の週末である。週が明けたら13日。 でも切り出しようがないよなあ。 はあ~。 「シン。銜え箸やめなさい」 行儀悪く朝食を取るのを、母親に見咎められてしまった。 妹のマユが『今日は忘れないでお弁当持って行ってよ?』と念押しする。その甲斐あって、その日はちゃんと忘れずに弁当を鞄に詰め込むことができた。駅でヨウランと一緒になっていつものようにファミザに寄る。 「調子はどうよ?」 「何の?」 「そんなの決まっているじゃないか」 分かっているが、シンはジロリとヨウランを一瞥して店内のドアを開ける。お客に声を掛けるアルバイト店員。 「はいはい」 昨日より空いている店内でシンの声は意外とよく通った。レジの中の金髪のアルバイトがチラリとシンを見る。シンもそれを確認して、平然と正面のおにぎりが並んだ棚へと大股で近づいた。 あのバイトとアスランさんは仲が良さそうだよな。 補充を待つ棚にはいくつもおにぎりはなく、選ぶ必要はないのに、シンは手に取っては置き、手に取っては置きを繰り返していた。おかかと昆布の間を行ったり来たりする。 あの人に頼んでみるとか。 隣の寿司巻きに手が伸びて、急に止まる。 付き合ってるとか言わないよな。 二人が一緒のシフトの時の様子はどうだったかと思い出す。確かに仲が良さそうに見える。唯のバイトであそこまで親密になるだろうか。 しかし、彼は誰にでもあんな感じだ。 物腰柔らかって奴だ。 だから、それはない。多分。 結局シンは、梅おにぎりとペットを掴んでお金を払う。ヴィーノを待ちながら、ファミザの前で早速、封を切る。とても天気はいいのに、雲一つない空のせいでいつもより冷え込んだ朝は、ペットのお茶もすぐに冷たくなってしまっていた。 まあ、でも、貰えなかったからと言って別に何があるわけじゃないし。 こいつらの思う壺だと、シンはやって来るヨウランを見て思った。 シン達の高校では屋上やベランダは立ち入り禁止である。それ故、昼食は各自教室で取ることになっていた。屋上で語らうなどの青春の1ページが見られないと言えども決まりは決まりなので、ほとんどの生徒はそのルールを守っていた。 進学クラスでも上位の成績をキープするシンもその1人で、今は、ヨウランとヴィーノと一緒に机にお弁当を広げている。ヨウランは弁当、ヴィーノはコンビニで買ったパンとおにぎりをパクついている。その隣の島には机を引っ付けて女子共が小さな弁当をつついていた。 あらかた皆が食べ終わろうしている頃、ルナがやって来る。 「アンタ、面白いこと始めたらしいじゃない?」 「は?」 ちょうど机の位置ぎりぎりのところにスカートの裾があるくらい、超ミニを着ている。視界に素足が飛び込んできて、椅子に座ったまま彼女を見上げる。 ルナは女子にしては背が高い方で、理系クラスの数少ない女子である。短く切った臙脂の髪が一房跳ねているのがトレードマークだ。 「×ゲームなんだって?」 「ああ・・・」 その事か。 面白くなさそうに相槌を打つ。反対にヨウランやヴィーノは面白そうだった。 午後の授業は単調で、眠魔との盛大な戦いに勝利した後はただ暇なだけだった。勿論、授業に集中できるならそれがいいのだが、シンは昼休み時間中にルナからもたらされた情報を反芻していた。 どうやら状況は芳しくないようね。 腐れ縁のアンタのために一ついいこと教えてあげましょうか? ルナはこの高校にできたファン倶楽部の一員である。抱きつき事件の後の反応と比較すると反対のような気がしたのだが、彼女はシンのその疑問にあっさりと答える。 首尾良く運んだら、アタシの口にも入るじゃない? だそうだ。 そんな彼女が言うには、彼は今週末にどこかに遊びに行く予定があるらしい。 お近づきになるチャンスだとルナは手をひらひらとさせて、人事のように言った。 ヴィーノの奴がしゃべったんだな? もうクラス中が知ってんだろうな。止めてくれってーの。 このまま知らん振りでも決め込もうと思っていたのに、これでは、当日何を言われるかたまったものではない。自分一人だけ少しも面白くないゲームに、溜息を付いた。 窓からは冬空の下にファミザの看板が見える。 大学生ってどこに遊びに行くんだろうか。 「アスカ。窓の外がそんなに気になるか?」 ハッとした時には、既にクラス中の注目を集めていて、指摘に教科書、ノート、黒板を見るが、返事をすることはできなかった。 「お前、5限の時って・・・もしかしてファミザ見てた?」 「は? ファミザ?」 下駄箱から靴を取り出して地面に投げる。いつもより遠くまで飛んでしまったが、この際気にしない。知らず、シンは口を尖らせて鞄を背負いなおす。 「お前ってさあ・・・純情だよな」 ギギギと音を立ててシンの首が回る。 引きつった口元は笑みを浮かべているが、目は笑っていなかった。しかし、シンの友人達は気にせずに会話を続ける。 「見てると面白いんだよね。朝ファミザ入って行く時とかさ、さりげなーく、中確認しているだろ」 「そうそう、態度が違うもんな」 真冬の時期に比べれば日が落ちるのも少し遅くなって、辺りはまだ明るい。油断しているとすぐに暗くなってしまうけれど。 「あ~あ、後は月曜日と当日だけか」 「ったく、お前ら」 「まっ、シンもあまり思いつめるなよな?」 「別に俺はっ!」 弁当を忘れた事とか、今日、先生に注意されたこととか、関係ないから! 喉まで出掛かって口を噤む。口に出したら最後、意識しまくりだと宣言するようなものだからだ。シンは必死に何でもない風を装ったのだが。 「そうそう、別にお前が本当にチョコ貰えるとは思ってないし」 「なんつーか、シン・アスカ君のいつもと違う貴重な一面って奴?」 シンは足を止めた。 その台詞に安堵すればいいのに、しかめっ面のまま二人に置いていかれる。 それはそれでどうなんだ、と。 こう見えても自分の方が人気がある。と、思う。 マユの友達にも、カッコいいと言われたのだ。 ヨウランもヴィーノも、順位だって自分より下だ。 どうして俺がこんな目にあわなければならないんだ。 純情なのかも知れない。 先生に注意される姿が珍しいのかも知れない。 けれどそれ以上に、シンは負けず嫌いだった。 お前らがそういうつもりなら、マジでチョコを貰ってやる。 ヨウランとヴィーノ、二人の後ろでシンの瞳が光る。 些か、純情と言うよりは直情であった。 戻る 次へ すみません。すみません。カウントダウンって難しいんですね・・・。
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前へ 行ってらっしゃい、と生徒会長さんに見送られながら、私たちは生徒会室を後にする。 「じゃあ、ここからは別行動だね。いろいろとありがとう、遥ちゃん」 「あ・・・うん、別に」 「花音ちゃん」 律儀に私に頭を下げた後、ユウカさんはカノンさんのほうを振り返った。 「花音ちゃん、ありがとうね。これで、またお嬢様とお話するチャンスが出来たかもしれない」 「・・・ね、無理することないんだよ?マロも一緒に」 「ううん、ここからは私が一人で頑張らなきゃ。ふふ、花音ちゃん、生徒会の皆さんのライブが気になってるんでしょう?そっち、行ってきちゃっていいよ。」 なんだかわからんけど、やはり、ユウカさんは相当な理由あり参加者さんのようだ。 ちさとちゃんのことだから、それはすごく気になるんだけれど・・・それは聞いていいことなのか、どうにも判断かできない。 好きならば、何でもしていい。そんな風には私は考えられないし、第一、それは私が一番恐れている事・・・つまり、ちさとちゃんに嫌われてしまうってことに繋がってしまうだろう。 「うおおおおまーちゃんやったるちゃん!さらば愛しき友たちよ!!!」 マサキは威勢よく叫び、またとっととどこかへ去っていってしまった。 「えーと・・・憂佳がそう言ってくれるなら、私、ライブ行ってきていいかな」 「うん、あとで感想教えてね」 「まかせて!一人で行く学園クリスマス会に音源をうんたらかんたら」 そうこうしているうちに花音さんも体育館へ戻っていき、私と憂佳さんは二人きりになってしまった。 「あー・・・当てとか、あるんすか」 「うん?」 「何か、この条件だと、ハルのほうが結構有利になっちゃうと思って、ユウカさん的にはどうかなって」 「あはは、優しいなあ」 目を細める横顔には愁いがあって、視線を外せなくなってしまう。 「じつはね、今日は用事があって来れなかったんだけど、私の学校の友達が、千聖お嬢様と親しいから」 憂佳さんは、その人からの情報を元に、1つ決めた場所があるらしい。 「みんな、私とお嬢様の間に起こったことを、真剣に聞いてくれて、絶対に解決しようって言ってくれたんだ。 嬉しかったなあ」 「あのさ、ユウカさん・・・」 もし、どうしてもっていう事情があるなら、ハル、辞退してもいいよ、と言いかけて、私はハッと口をつぐんだ。 ・・・違う、そうじゃない。ユウカさんが望んでいるのは、そういうんじゃないんだ。 この人は・・・戦っている。それは過去の自分とであり、うちの学校のクリスマス会に参加したことでもあり、ちさとちゃんと向き合おうとしてることでもあり、そして、今、“誰かと競う”ことで、その権利を手にすることでもある。 だから、私がライバルになっているのは、むしろ望ましい状況なんだろう。 「ハル、本気で探すから。恨みっこなしだぜ」 そう宣言すると、ユウカさんはにっこり笑ってうなずいた。 ***** 「しかし・・・探せるのは1回、となるとなぁ」 数分後。 ひとまず高等部の昇降口まで下りてきた私は、ちさとちゃんの下駄箱を見つめながら、ため息をついた。 大好きな人のことだ。心当たりがないわけじゃない。だけど、逆に絞るのが難しい。 大好きなラーメンの出る学食?合唱が楽しかったと言ってたから、音楽室?力いっぱい走れるグラウンド? どれも合ってるようで、正解じゃないような・・・。 「きえええ!すどぅー!」 「うわっ!」 突然、足元から人間の顔がニョキッと出現した。 「マサキ!ま、まさかお前・・・」 「まーちゃん終了のお知らせ!佐藤優樹かわいそすぎワロタ!まさ哀れざまあああ!」 「落ち着け!見つからなかったんだな?カード!」 ほんのちょっとだけ、「よかった」なんて思ってしまったことに自己嫌悪。 案の定マサキはこくこくとうなずいて、またスンスンと鼻をすすりあげた。 「泣くなってば・・・」 「ちさとーなら、あそこだと思ったのに。・・・3階東階段の手前のトイレ、奥から2番目」 「なんでだよ!」 「ちさとーはだいたいそこを使います」 「へ、へー・・・3階東・・・って、なんでそんなこと知ってんだよ!」 「えっへん」 有益な情ほu、じゃなくて、ウソかホントか知らんけどほんと恐ろしいわ、こいつってば。 だけど、玉砕を隠さずにすぐ私を探しに来て報告してくれたってのは嬉しい。素直なとこもあるじゃんか。今度お小遣い入ったら、駄菓子でも奢ってやろうかな。 「すどぅは?」 「まだ探してないよ。迷ってんだ、今」 「ふーん・・・」 マサキは私の視線に合わせるように、しばらく黙って、昇降口の低い天井を見つめていた。 「はー、これでハルもユウカさんも見つけらんなかったらどうすんだろ。やりなおしかー?」 「すどぅ、すどぅ」 私の言葉を遮るように、マサキがスカートのすそを引っ張ってくる。 「どうした?」 「えーっと、まーちゃん、ちさとーのプレゼントを探してる間、ずっと、ママ生徒会長の言葉のことを考えてました」 「言葉?」 「ママ生徒会長は言いました。“ちさとーのことをしっかり考えてくれる人に、プレゼントを渡したい”」 「そうだな」 ふと、マサキが真顔に戻る。散々ふざけた後の、コイツのいつもの癖。何を言い出すのかと、思わず身構える。 「まーちゃんは、ちさとーの眠たそうな顔が好き。ぼーっとしてる顔も好き。ちさとーが落ち着いて安らげていたら嬉しいなって思います。そういう場所を選んで探しました」 「・・・・・それでトイレを選ぶっていうセンスはどうかと思うぞ、マサキ」 だが、場所はともかく、マサキのその考えは、1つのヒントとなって胸にスッと入ってきた。 「安らげる場所、か」 これで、私の探索候補はかなり絞られることになった。 その中でも、選ぶとしたら、・・・そう、多分、あそこだ。だが、出来れば避けたい場所でもある。だってさ、あそこは・・・ 「すどぅ。もう行く」 いきなり、マサキが私の腕を掴んでぐいぐい引っ張ってきた。 「どこに行くんだよ」 「すどぅが今考えてる場所。まーちゃんも一緒にいく」 「ハルが何考えてるか、わかんのかよ」 「わかる!友達!」 ヒートアップしてるのか、マサキの手の力と、声のトーンがどんどん強くなっていく。 相変わらず、宇宙人な奴だけど・・・とりあえず、今この瞬間、コイツが私を鼓舞しようと必死になってるのはわかる。 そして、自分が“友達”として、それに答えるのは当然だってことも。 「そうだよな・・・ここまできて、見つけなけりゃしょーがないしな」 「イエス!誰のためでもない、すどぅのしたいようにいきていくだーけねー!」 無駄に質のいい、マサキの歌声に後押しされるように、私はついに“あの場所”へ足を向けることにしたのだった。 次へ TOP
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投稿日:2010/03/23(火) 17 41 50 夕暮れが影を落とす、校舎裏。風に揺れて木々がざわめく。 下駄箱に入っていた手紙に応えて、わたしはここへ来た。 朝手紙を読んでから、ずっと頭がいっぱいだった。 でも誰にも言えなかった。 だってきっとすごく勇気がいっただろうから。 それがわたしには、とてもよく分かるから。 授業もろくに耳に入ってこなかった。いや、それはいつものことなんだけどさ。 唯やムギの話も上の空だったし。 ここに来る前、部活に少し遅れると澪に告げたとき。 澪の顔、まともに見れなかったな…。 なぜだか後ろめたかった。 色んな気持ちがないまぜになって、どんどんわたしの鼓動を早めていく。 「あの…田井中先輩」 あぁ、くるぞ。 「す、好きですっ!先輩、今付き合ってる人とかいますか…?」 ドキっとして、すぐさま頭の中をよぎる、端整な顔と澄んだ声。 「付き合ってる人は…いない、けど…」 けど、思い浮かぶのは、 「じゃあわたしと付き合ってください…」 いつも、この心を離さないのは、 「いや、でも…」 好きな人がいる、そう言おうとしたとき。 胸に受けた衝撃に、言葉が詰まる。 「好きなんです…ほんとに…っ……」 肩に埋められた顔。くぐもった嗚咽が聞こえてきた。 どうしたらいい。突き放すことも出来ない。 傷つけるのは可哀想だ…でも、気持ちには、応えられない。 だってわたしは、澪のことが、 「律…」 すっと頭に入ってくる声。わたしの大好きな声。 わたしの名前を呼ぶ、澪の声だ。 一瞬、世界が止まったように思えた。 そしてその途端に跳ね上がる心臓。わたしは弾かれるように澪を見る。 「澪…!」 澪は大きな目をさらに見開いて、わたしたちを見つめていた。 「澪っ、これは…!」 言いかけたわたしに背を向け、澪は走り出す。 「待っ…」 追いかけようと動き出したわたしの体を引き止める、か細い腕。 「先輩…」 すがるような目でわたしを見つめてくる。 でもごめん、もう、構っていられない。 零れる涙を拭うこともしない彼女を、ぐっと引き離す。 「わたし、澪が好きなんだ。ごめん」 さっき言えなかった言葉を今度ははっきりと口にする。 自分でも確認するかのように頷いて、わたしは澪の後を追った。 背後から聞こえてくる悲嘆に胸を刺されながらも、足を止めることはできない。 飛び出したときにはもう澪の姿はなかったから、少々手間取るかと思った。 でも澪は案外すぐに見つかった。 さっきとは打って変わってゆっくりとした足取りで、澪は講堂の影に消えていった。 わたしはそのあとを力の限り追いかける。 気持ちを伝えることは出来なくても、澪に誤解されたままでいたくない。 「澪っ…!」 追いついたわたしが見たものは、小さくしゃがみこんでいる澪。 顔を腕に埋め、表情は伺えない。 訳が分からないけど声をかけないと、と思い近づこうとした。 「くるなっ!」 突然の叫びに驚き足が止まる。 「み、お…?」 息切れのせいか、うまく声が出ない。 「なんで来たんだよ…なんで…くっ……」 澪の声に嗚咽が混じることで、どんな顔をしているのか想像がついた。 どうして泣いているんだ? わからない。わからないよ、澪。 「澪、泣いてるのか…?」 じり、と足を動き出させる。 「泣いて、なんか……っ…」 精一杯の強がりさえ、うまく口に出せていない。 「澪…」 わたしは澪との距離を縮め、その横にそっと跪く。 「う…っ…ぐす……」 わたしのことで澪が泣いている。 それが嬉しく思える、澪が愛しくて愛しくてたまらない自分がいた。 「澪、黙っててごめん。あの子は…」 「っ…ほんと、だよ…わたしに黙って恋人なんてっ!」 「なっ…わぁっ!」 澪が急にわたしに掴みかかって、わたしはバランスを崩し、結果地面に押し倒される形になる。 「ってぇ……澪…」 馬乗りになった澪を見上げると、そこには涙をぽろぽろ零しながらまっすぐわたしを見つめる瞳があった。 「わたしは、ずっと律の一番でいれると思ってた!」 澪が涙を流しながら、顔を真っ赤にして叫ぶ。 「ずっとずっと一緒にいるって思ってたのに!それは…そう思ってたのはわたしだけだったのか!?」 「澪、ちが…」 「ばかりつ!ばかりつばかりつ!……ずっと、ずっと好きだったのにっ…うぅ…うわぁあん!」 「ちょ、ちょっと澪っお、落ち着けって!」 衝撃の一言と、大声をあげて泣き出す澪に、慌てるしかなかった。 でもこのまま泣いていては、きっと話も聞いてくれないだろう。 わたしは意を決する。 「ていっ!」 「ぅひゃぁっ」 ばっと起き上がり、形勢逆転、今度は私が澪を押し倒す。 「り、りつ…?」 びっくりして涙が引っ込んだのか、澪は泣き止んでわたしを見上げた。 「あのなぁ、あの子はなんでもないの!」 「へ…?」 「告白はされたけど、断るところだったんだよ。それを澪が勘違いしてだな」 わたしがひとつひとつ説明し始めた途端、澪の顔がさっきよりも赤くなっていく。 「じゃじゃじゃあ、わ、わたしは、さっき、ななななんてことっ」 顔から火が出んばかりに赤面する。 「ぷっ…くくっ…あはははは」 その様子に思わず噴き出してしまった。 「うぅ、り、りつのばかぁ!紛らわしいことしてるからだろ!」 「澪ちゅわんってば早とちり~」 「知らない知らない!」 「えー…さっきの、なかったことにしちゃうのか?」 意地の悪い質問に、澪はまた赤面する。 このくらいにしておいてあげようかな。 恥ずかしがり屋の澪の、一大告白を受けたわたしはとても気分がいいし。 「律は…どうなんだよっ」 さっきまでの恥ずかしさを振り切ったのか、澪が問いを返す。 「んー?そうだなぁ」 今まで焦らしていた分、なんだかすっと言葉に出すのがもったいなく思えた。 「りーつー?」 澪が口を尖らせて急かす。 可愛いやつ。 「だーい好きだよ、みーお」 自分で聞いておきながらまた真っ赤になる澪が愛しくて、わたしはすっと澪に口付けた。 ちゅっと触れるだけの短いキス。 「り、りりりりつ!」 もはや爆発してしまうんじゃないかと言うほど真っ赤になって慌てふためく澪。 キスするたびにこうなるのかなと想像すると笑えてくる。 「澪しゃん真っ赤~うぶですな~」 なんて茶化しているわたしも、実は耳が熱い。 好きな人とキスするってこんなにドキドキするもんなんだと実感する。 「~~~!もぉっ!ばかりつー!!」 「へへっ」 夕焼け空に、わたしの大好きな澪の声が大きく響いた。 いつまでも一緒に…! -- 名無しさん (2014-01-21 07 56 27) 名前 コメント
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【チョコっとイタズラ☆】阿佐田 あおい (二) 最終更新日時 2020/02/28 23 46 40 このページを編集 ★ スカウト紹介時画像▼ ★ 覚醒前画像▼ imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (★覚醒前URL★) 属性 レア 守備適性 - - - △ ◎ △ 〇 - - - - キャラ総評 期間限定スカウト「伝えたい気持ち スイートバレンタイン」で登場 このゲームの一番初めのバレンタインスカウトで出ていた【戸惑いのプレゼント】九十九 伽奈 (右)にある大量のプレゼントの中に、実は阿佐田からのプレゼントも紛れていたという事実が2年越しに判明。差出人不明で出したプレゼントが自分からのものだと気付き、無事ホワイトデーにお返しをしてくるのか九十九を試そうとしている …が、手に持っている袋の中には初期SRや九十九とのチームスキルアイコンのボールにも描かれているおなじみの猫マーク型のチョコという、ヒントを軽く通り越して答えそのものが入っているので隠す気は微塵もないようだ。普通に贈り物をするのが恥ずかしかっただけかな? 結局のところ、いつものちょっかいである カットイン時に流れる甘々囁きあおいボイスは必聴 試合評価 * ミート パワー 走 力 守 備 備考 素パラメータ 3080 2687 3374 3964 - 恒常スキル後パラメータ 3980 2987 3874 4964 - 打席時/走者1人以上 +400 - +300 - - 走者1人以上 - +400 - - 度胸大幅上昇 打席時/前打者H +400 - - - 学力大幅上昇 最大バフスキル後パラメータ 4780 3287 4174 4964 学力大幅上昇/度胸大幅上昇 デバフ 球速 コントロール スタミナ 変化球 備考 打席時/セカンドのとき -3km/h -300 - - - 打席時 - -300 消費量上昇 - - +チームスキル発動条件 チームスキル発動条件 * チームスキル 発動ライン 限界突破数 信頼ランク ミ パ 走 守 大旋風 ミ3400 - - - - - 熟練打線・先鋒 走3500 - - - - - 超熟練打線・先鋒 走4200 - - - - - 熟練打線・中堅 パ3500 - - - - - 超熟練打線・中堅 パ4200 - - - - - 熟練打線・殿 ミ3500 - - - - - 超熟練打線・殿 ミ4200 - - - - - 鉄壁のセンターライン 守3800 - - - - - 鉄壁の外野陣 守3500走3200 - - - - - 鉄壁の二遊間 守3800 - - - - - 鉄壁の内野陣 走3500守3800 - - - - - - - - - 行を追加するときはこの行をコピペ (チームスキル名)はLv100なら凸と信頼度無しで発動する。(チームスキル名)は凸とすこ8では発動しない。 ※SSR覚醒時、LvMAX、無凸時の能力値を書くこと ※新キャラの場合、引かなくてもピックアップ画面から最大値が確認可能 ※備考欄にはパラメーター以外の変化(ポテンシャル等について記入) ※イベント報酬キャラなど、手持ちから確認する場合は信頼度によって各項目の数値が上がってる点に注意 ※信頼度によるステータス上昇値は信頼度のページで確認可能 ※チームスキル発動条件は上記4属性より該当するものを1つ使用、残りは消す。信頼度によって凸数に変化が生じる場合は適宜行を追加 デレスト評価 メニュー ランク カード名 属性 力 速 技 効果 練習メニュー ★★ 遠投 風 0 9 20 - 追加メニュー ★★ メロンチョコ 風 - - - T型の練習相手のやる気を2倍にして追加で1回行動 実行したあと消滅する 追加メニュー ★★★ ベースランニング 風 25 40 0 - バレンタインシーンなのでチョコ入り スキル解説 ランク スキル名 条件 効果 入手可能デレスト1 入手可能デレスト2 ★★ 粘り打ちの秘奥義 打席時 敵投手のスタミナ消費量を上昇させ、コントロールを減少させる 秤を揺らす若葉 0-0-20 - ★★ エンドランの奥義 打席時/走者が1人以上いるとき 自身のミートが大きく上昇し、味方全体の走力が上昇する 秤を揺らす若葉 0-30-0 - ★ 特別なチョコレート? 走者が1人以上いるとき 自身のパワー・コントロールが大きく上昇し、度胸が大幅に上昇する 小麦色の世界 15-0-0 綾織の水平線 13-0-0 ★ 活力の極意 なし 自身のパワーが上昇し、守備が少し上昇する キャプテン代理 秤を揺らす若葉 ★ 繋ぐ野球の極意 打席時/チームの前打席の結果がヒットのとき 自身の学力が大幅に上昇し、ミートが大きく上昇する 清城高校 - ★ 鉄壁の極意 守備時/走者が1人以上いるとき 自身の守備が大幅に上昇し、エラー回避率が大幅に減少する 楽しさに潜むもの 練習なくして/秤を揺らす若葉 ★ 守備範囲拡大の極意 なし 自身の走力・守備が少し上昇する 楽/清/踏/代/練/い/一/シェ/小/秤 - ★ 勝負師の心得 打席時/負けているとき/走者が得点圏にいるとき 自身のミートが少し上昇し、パワーがわずかに上昇する ★ 柔軟の心得 なし 自身の守備が少し上昇し、ミートがごくわずかに上昇する ★ ミートの基礎 なし 自身のミートがわずかに上昇する 才能 才能名 Lv 条件 効果 甘い挑戦状? 7 打席時/セカンドのとき 敵投手の球速を大幅に減少させ、コントロールを減少させる 臨機応変 5 打席時 自身のミートが超大幅に上昇する 内野安打◎ 5 なし 自身のミート・走力が上昇する セカンド◎ 5 守備時/セカンドのとき 自身の守備が超大幅に上昇する セリフ集 +押すと開きます 状況 セリフ ホーム むふふ、あおいのチョコは差出人不明… 九十九がお返し出来るのか見ものなのだ♪ 2月14日。ついに…この日がやってきたのだ…。ふん…ふんふん…今なら目撃者はいない…さあ、いくのだ〜 ぬき足…さし足…にゃんこ足…。九十九の下駄箱は…わっ、予想通りチョコでいっぱいなのだ ぬふっ…そんなモテモテな九十九にー、あおいから挑戦状を送らせてもらうのだー! あおいは知っているのだ。九十九はホワイトデーに必ず!チョコをくれた全員にお返しをする…! 試合 試合前 ぬっふっふ…実力を試してやるのだ 開始 結果は蓋を開けてのお楽しみなのだ〜 カットイン通常 あまあまなのだ〜 カットインターニングポイント(打席) むふふ、甘いのだ〜 カットインターニングポイント(投球) 当てられるもんなら当てて見るのだー 勝利 むっふふ〜、密かに作戦を練っていた甲斐があったのだ〜 つ、疲れて溶けそうなのだ〜…でも、勝ちは勝ちなのだ 敗北 ぐぬぬー…なんで負けたか謎なのだ〜! デレスト 特訓 なかなかのメニュー…ふむ、挑戦状と受け取るのだ まーだやるのだー?疲れて溶けそうなのだ… コメントフォーム ログを開く 名前
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ラブネマ 【らぶねま】 ジャンル オンラインコミュニケーションゲーム 対応機種 Windows 2000/XP 運営元 レッド・エンタテインメントテクモリーボ サービス期間 2007年3月30日~2008年3月31日 課金形態 アイテム課金 判定 なし ポイント いち早くハウジング要素を導入粗も多い無軌道な運営 概要 評価点 問題点 運営の問題 総評 余談 概要 本来は公称80万人が登録しているという台湾のオンラインゲーム『LOVE BOX ONLINE』のローカライズ作品。 すごろくゲームなどで素材を集め、家具や服や飲食物を作るのが目的だが、どちらかというとそういったゲーム性よりは、チャットなどのコミュニケーションやハウジングに主体が置かれている。 通常の友達のほかに、アミーゴ(*1)とよばれる特に仲のよい人間を指名することができる。 アミーゴは三人まで登録できるという三つ股推奨仕様。数々の修羅場が生まれたとか生まれないとか…。 非接続状態でもゲーム内時間はリアルタイムで流れている。 LC(他のネトゲでいうGM。厳密には異なる)による不定期イベントが催される事もある。 国内版は2008年3月31日にサービス終了。本国の台湾では基本無料ゲームとして今も運営が続いている。 評価点 狩りやギルドイベントを除く対人要素が存在しないため、当時はこれといった該当作品も少なく、こういった要素を苦手とするプレーヤーに評価された。 特にハウジングという要素は現在の流行をかなり先駆けていたといえる。 温かみのある世界観・マップグラフィック・音楽は評価されている。 本作では実際に家具のいすに座ったり、ステータスを回復したりなどできる。こうして実際に家具が使用できるハウジングゲームは意外と少ない(とくに後者)。 問題点 アバターの立ち絵グラフィックのレベルはお世辞にも高いとはいいがたく、ふた昔前の少女漫画のようなデザインである。顔パーツの選択肢も少ない。 家具の向きが二方向しかなく、テーブルをいすで囲むことができない。 ただし、これは今なおほかの2Dハウジングゲームが抱える問題でもある。 本作の家具と服には耐久力があり、これがなくなると文字通り「ゴミ」と化す。 アイテム課金なので仕方ないという考え方もあるが、非課金アイテムだろうがなんだろうがお構いなしに崩壊していき、久しぶりに接続したら素っ裸 ゴミ屋敷などはよくある事態。 ちなみに、日本以外は月額課金であり、なおかつこのように崩壊していくという無体な仕様である。 満腹・情緒・飲水・美顔というキャラクターステータスがあり、時間や行動とともに減少する。これらのいずれかがなくなると、「モザイク」というみすぼらしい姿になってしまう。本来の名称はよりによって「乞食」である。 本作ではペットを飼うことができるが、数日で強制的に別れとなる。このため、ペットへの感情移入が非常に困難となっている。 しかも、別れの時には育成度に応じて結構なLM(ゲーム内通貨)がもらえるため、金儲けの道具になってしまっている。 プレイ冒頭にもらえる家具に「ラブボックス」というものがあり、これでアミーゴにピッタリの他プレイヤーが探せる。 …という触れ込みなのだが、ゲーム開始時に行われる簡単な質問などをもとに適当にピックアップされるだけである。 しかし、ゲーム中では「この人と相性ぴったりです。すぐにアミーゴになりましょう!」などと表示されるため、低年齢層を中心に勘違いが続発した。 すごろくは実質作業ゲーム。そのため週に一度手に入れる機会のある「すごろく用BOTアイテム」を使って放置プレイするプレーヤーが多く、コミュニケーションゲームなのに話しかけたらBOTだった=無視 無言ということが頻発。初心者離れを招いた。 定期イベントのクイズやキャラクター名などに文章ミスが散見された(人物名ではユシャンなのに、会話中にはシャンシャンになっているなど)。 公式スタッフ「REDくわっち」とタレント「葉里真央」の司会でプレーヤーと対話形式で話を進めていく「ラブネマTV」というインターネット生放送企画が好評だったが、本作運営開始と入れ替わるようにして終了した『ゴゴ市』というゲームの人気企画「ゴゴシャンTV」とそっくりな内容であった。 ラブネマTVが1月に打ち切られた際、司会のくわっちや葉里は引き続きゲーム内にこまめに現れるとアナウンスされたが、くわっちは最終日のイベントまで、葉里は一切姿を現すことはなかった。 LCのイベントは総じて微妙で、特にやたら早押しならぬ早答えクイズが多かった。 末期では公式イベントの微妙さを補うかのように有志プレーヤーがイベントを企画・実行していたが、人気を回復させることはできなかった。 本作にもいわゆるガチャに準ずるスロットというものがあるが、全体で1日に出る各景品の数が決まっているという、むしろ本物のガチャガチャっぽい仕様。上限まであるアイテムが出ていたら、その日はもうそれは絶対に出ない。仕様に関する告知もなかった。 運営の問題 全盛期にはBOTすごろくなどの放置が多く、サーバ負荷が高かった。これを嫌ってか、メンテナンス(と称する強制切断)を 毎日10~12時に行う という暴挙に出た。しかし、これが裏目に出て、過疎化を招いてしまった。 本作は途中でサーバが追加されたが、互いのデータ共有がなかったため、結局追加サーバが過疎ってしまうという誰得増設となった。ふたつの過疎サーバは、本作運営を傾かせた大きな要因のひとつといわれている。 本作はよりよい形での再開を目指すというアナウンスのもと、3月31日に一時終了となったが、7月29日に正式に完全終了が告知され、根強く再開を待っていたファンを奈落に叩き落した。 こういったネットゲームでは終了の三か月前には終了告知を出さなければいけないとされているが、正式終了までのこのラグは時間稼ぎと見れる。 本作に限らず、一度サービス停止となったネットゲームが再開することはまずないのだが、『ヤンキー魂。』という前例などもあり、望みを捨てきれないプレーヤーが少なからずいたという。 総評 ソーシャルゲームの走りとも言える作品だが、それゆえに至らない部分も多く、日本での展開は失敗に終わってしまった一作といえる。 余談 なぜか下駄箱に座れるので、いす代わりにしていたプレーヤーもいる。 「服飾アイデア館」など、マップで存在が確認できるものの未実装だった要素も多く、もし実現していれば…と思わせる。 ラブネマTVでくわっちが女装した回は(ネタ的に)神回とされている。 公式の4コマ漫画で、問題点に記したBOTすごろくやペット財テクが自虐ネタにされたことがある。