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前ページ次ページ虚无(ヤク)い使い魔 「だから帰る方法が見つかれば帰りたいなーと…」 学園に戻るとルイズはまず八雲の服を替えさせた。 奉公に来ている平民の服を借り、体を洗わせ、ようやく少しは見られる格好になると自分の部屋へ入れてやったのだが.. あろうことかその世話のかかった使い魔が開口一番に言った一言が「方法が見つかれば故郷へ帰る」だったのだ。 「ちょっとアンタかってすぎるわよ! ただでさえハズレをひいたのに『帰り方が分かれば帰る』とか! 使い魔はそんなひょいひょい換えられるものじゃないのよ」 「それは分かってるつもりだけど…ホラ!あの頭のハゲた先生も俺を故郷へ帰すことに協力してくれるって言ってくれてたしサ。」 「私だって使い魔を換えられるのなら、今すぐにでもアンタをクビにしたいわよ! だけど使い魔は一生モノなの! アンタが帰ったら私は一生使い魔も持たない惨めなメイジだわ」 「それが問題でさ…実は俺、既に別のご主人さまがいるんだ」 「えっ? ちょっとそれってどういうことよ?」 予想外の言葉にルイズは耳を傾ける。 「つまり、元いた場所でも別の人の使い魔みたいなことやっててね、だからどうしても彼女のもとに帰りたいんだよ。」 別の人間の使い魔を呼び出す…ルイズはそんな話を聞いたことはなかったけれど彼の額には何か『印』が刻まれているのだ.. あれが別の主人が刻んだルーンなのだろうか? ルイズは目の前の男の話を全面的に否定することができなかった。 「何それ?そんな事がありえるなんて …それって私がアナタを主人のもとから無理やり連れてきちゃったってこと?」 そう言ってルイズは急に不安に駆られた。 メイジにとって使い魔がどれだけ大切かをルイズは分かっていたからだ。 「いや、そういう訳じゃない。」 八雲はルイズの表情が曇ったのに気付き、余計な罪悪感を抱かせまいとルイズの疑問を否定する。 「話せば長くなっちゃうけど、ご主人さまやダチんこを守るためにサンハーラの光ってのに(粉々になって)飛びこんでさ…光の中を彷徨い続けていたのを君に助けられたんだよ」 「よ、よく分かんないけど、アナタのご主人に迷惑がかかっていないなら良かったわ。(ところでダチんこって何?どこの方言よ?)」 「迷惑どころか助かったよ!だから君には恩がある。 帰るまでの間だけど俺にできることなら何でも協力するよ」 「そう…でも私使い魔を解約する方法なんてわからないわ。 使い魔を変えるにはその使い魔が死ぬしかないって聞いてるし」 「なーんだ、そういうことなら帰る時に死ねば(ry」 「な...ななな..何言ってるのよ!!? いくら私だからってそんなに鬼じゃないわ! ちゃんと契約を破棄する方法を探すから!大体あんたせっかく帰ったのに死ぬとかバカじゃないの?!」 「いやぁ..アハハ… まぁ今んトコ帰る手掛かりさえ無い状態だからね、どっちにしろ当分先の事だ。」 更にルイズの安心させる為に八雲は続ける。 「俺が帰る時はご主人さまに君に仕える俺の替わりの使い魔を頼んでみるよ。 凄腕の術師でオッソロシイ魔獣をわんさか呼び出して飼いならす奴だからさ」 「(術師?メイジのことかしら?) 使い魔は渡されたものを選ぶわけにはいかないのよ。 召喚者の呼び声に応えたものを使い魔とするの。」 「そうか..でも凄んゴイ使い魔を呼び出す方法とか聞いてみるよ」 「ありがと..期待しないで待ってるわ。 けどそんな凄いメイジがアンタみたいなのを使い魔にするの…?」 ルイズが疑うような眼差しでじー…っと見つめている… 「ま、まぁ何かの間違いでそういうこともあるさ!」 話が一段落してルイズも少し持ち直したようだった。 平民を使い魔にしてしまったことなど前代未聞ではあったが、彼の話によると自分だけというわけではないし、もしかしたらただの平民じゃないのかも..とも淡い期待を抱けた。 期待はできないけれど彼を全面的に信じるならば、彼の替わりに大物の使い魔を手に入れられるかも知れないわけだし… 「ところで君の使い魔として俺は何をすればいいのかな? 多少の予想はつくけれど」 重要な話を切り出した八雲の質問にルイズが答える。 「まず使い魔は主人の目となり耳となること。 本当なら感覚の共有ができてるはずなんだけど…」 「できてない…よな」 「残念ながらそうみたいね..次に秘薬の原料となる薬草なんかを集めてくるんだけど…」 「俺ここの草木とか分かんないしナァ」 「ぐっ..じゃあ最後に一番重要なこと! 使い魔はご主人さまの剣となり盾となって敵から守るの…けどアンタ見るからに弱そうだしねぇ」 「何を失礼なっ! そういうのなら俺の得意分野だぜ、戦いになればドラゴンの王様(龍皇)だって…運が良ければ…いや多分勝てないけど…」 「当たり前じゃない! まったくアンタ全然使えないじゃないの!」 どなった後ルイズはまた不安になり呟いた 「…一番いらない使い魔としてアンタを置いてかれそうで不安だわ…」 「そ、そんなことは無い!断じて無い! …..と思ぅョ...」 はぁ…..そんなにうまい話あるわけ無かったわよね… ルイズは再び落胆した。 前ページ次ページ虚无(ヤク)い使い魔
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前ページゼロの使い魔ももえサイズ はじめましての方、はじめまして。そうでない方、お久しぶりです。 僕の名前は節木です。なんか某スレで最初から斬られていたのではないかと邪推されていましたがそんな事は全然ありません。 突然ですが、この世界に召喚される前からももえさんの事を愛しています。 ももえさんがこの世界に召喚されてから、もっと恋しくなってこの世界へと追いかけてきました。…どうやって来たのかは聞かないでください。 この世界に来ても、愛用の双眼鏡を使ってももえさんの監視を行っております。 これは前にいた世界である方からの命令で、ももえさんの監視の任務を任されているからです。 ももえさんの環境の変化はすぐに現れました。なんと、ももえさんはルイズと呼ばれている少女の使い魔になり、彼女と一緒に行動しているのです。 あの押しが強いももえさんが簡単に使い魔という縛りに甘んじるとは思えません。これは何か弱みでも握られている。僕はそう確信しました。 「絶対、ももえさんをあのロリピンクの手から解放してみせる………!!!!」 今日も、僕は前の世界と同じように黒色の学ランに身を包み、愛用の双眼鏡で木の上から死神家の蔵にいるももえさんをしか…もとい監視していました。 「おっ………」 遠く離れていても、双眼鏡越しにももえさんの姿を確認することが出来ます。 倉庫の中にある窓からももえさんたちの姿を確認することが出来ました。 ももえさんは倉庫の中にある銃兵器に興味津々のご様子です。 さすがに細かな口の動きまではわかりませんが、隣にいるロリピンクが、ももえさんの言動に対していちいち大きなリアクションをとっているので何をしようとしているのかがなんとなくわかりました。 ももえさんはおもむろに銃を構えて窓の外に向けます。 そしてそれをこっちの方に向けて…………ってええええええ!? ひょっとして僕のことがばれているんですか? でも100メートル以上も離れたところから当たるわけないのはわかるけどでもそれでもちょっと恐 「そこで何をしている?」 うわあああああああ!!! いきなり誰かの声が下から聞こえてきたぁ!!!! それに驚いた僕はバランスを崩して頭から地面に落下していきました。 そして僕が、地面に落下した瞬間に頭上の木が爆音とともにおおきく破砕していくのが見えたのです。 「あわわわわわわわ…………」 頭を打って仰向けになった状態のままで破砕していくのを見ていた僕はただただ声にならない声を発しているだけでした。 「……大丈夫か?」 するとさっき僕を驚かせた人が僕を抱えて何も無い草原まで運んでくれました。木の欠片まみれになるよりずっとよかったし、何より僕の事を何も聞かずに運んでくれたのが幸いでした。 「さっきはすまなかったね。僕が声をかけたばっかりに君が木から落ちてしまって。」 「いえ………その、ありがとうございます。」 その状況になすがままだった僕も、ようやく口を開くことが出来ました。 「あなたは一体………?」 僕がそういうと彼は自らの名を名乗りました。 「私の名はワルド。」 彼は同性の僕から見てもいわゆるモテオーラを発散しているような色男でした。そして、その色男は自らの目的を口にしました。 「私は、婚約者を監視している。」 「かん………し?」 そろそろ月刊化?「ゼロの使い魔死神ガーゴイル友情タバサの裏設定タバサの母フレイムデルフリンガーシルフィードネギ香水草鞋下級生ももえサイズ」 「いやー、試し撃ちって中々楽しいもんだねぇ。」 拳銃の先から吹き上がった煙を、ももえニヤついた表情を浮かべ、軽く息を吹きかけて消した。 「えええええっ!? っていうか今の何よ! すごい音がしたし、ガラスも粉々に割れちゃったじゃないのよ!」 いちはやくルイズはももえに対してツッコミを入れたが、居合わせていたキュルケは目が点になったままで粉々に割れたガラスをじっと見つめていた。 「私が…昔…使って…いたもの…です…。」 メイドのメイは小声でそう答えた。 「昔って………。」 「昔…は…昔………です…。」 ルイズは思わず周囲を見回してため息をついた。 ももえにスレイヴの自分にしか出来ないことだと言われて、キュルケとタバサを連れてノリノリでついていったのが馬鹿だった。 ももえとメイに連れてこられたは家の離れにある倉庫だった。 「蔵…等…と言い…ます……。ここ…に…は…この…世界…で…は見る…こと…が出来な…いものが…数…多く…存…在しま…す……。」 「クラナド………?」 そこでルイズたちが見たものは確かにこの世界では見ることが出来ないものばかりであった。 悪魔の干し肉・悪魔の干しパン・悪魔の干しぶどう……… 「なんで、食べ物ばっかり…しかも干してあるものばっかりじゃないのよ。」 ももえはその中の干し肉を取り出すとカマを使ってサクッと二等分にした。 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 「はっふぇ(だって)ふぉふぃてふぉふぁふぁいふぉ(干しておかないと)ふぅふぁふぅふぁん(腐るじゃん。)」 ルイズのぼやきにももえが干し肉を噛みながら返す。ルイズはため息をついて後ろを振り返ってみた。 すると、キュルケもタバサもまわりを見回して色々と探していた。 「悪魔の設定資料集・悪魔のアニメパーフェクトブック・悪魔の麻雀牌………。」 そのうちの麻雀牌に強い興味を示したタバサは、麻雀牌が入っている木箱を開けて手にとって転がし始めた。 「こっちは、悪魔のレーザー銃・悪魔のロケットランチャー・悪魔の黄金銃………って書かれてあるわね。」 ???もの知り館??? 黄金銃【おうごんじゅう】 元々は「007 黄金銃を持つ男」に登場する銃器のこと。 ゲームでは相手を一撃で倒すことが出来たため、対人戦ではよく取り合いになった。 キュルケはそれぞれに貼り付けられていた紙を読み上げていった。よくわからないがなんだか物騒なものだという事はなんとなくわかっていた。 「あっ、じゃあこれ貸して。」 そういってももえは黄金銃を箱の中から取り出した。そしてその感触を確かめながらゆっくりと銃を窓に向けた。 それを見たキュルケは思わず口をあんぐりとあけて目が点になる。ルイズは「あわわわわ」と訳のわからない言語を口走りながらももえを止めようとしたが、 「やややややめなさい! まさかあんたそれを 「はああああああああ!!!!!!」 「きゃあああああああ!!!!!!」 ももえの黄金銃から弾が発射された。音は小さく乾いた音しかしなかったのに、弾はガラスを粉々に砕き、遠くにあった大きな木の枝が破砕していくのがわかった。 「あわわわわわ………。」 ルイズは身体をがたがたと震わせた。銃を見たことは無くはないのだがあそこまで精度が高くて凶暴な武器を今まで見たことが無い。とてつもない恐怖を感じていたのだ。 「いやー、試し撃ちって中々楽しいもんだねぇ。」 拳銃の先から吹き上がった煙を、ももえニヤついた表情を浮かべながらは軽く息を吹きかけて消した。 そのころ、タバサはすぐそばにあった点棒に興味を示し始めていた。 「監視………ですか。」 「そうだ。私は愛する婚約者を監視している。」 僕はワルドさんと名乗ったその男の人とがっちり握手を交わしました。彼の手は男の人とは思えないほどとても綺麗だったと記憶しています。 「そうか………君の名前はフシキ。で、君も我の婚約者を監視しているのかね?」 ワルドさんに婚約者と言われて僕の顔はたちまち赤くなります。そして僕の妄想の中でももえさんが笑顔で僕を出迎えてくれる姿を想像します。そしてその薬指には婚約指輪が……… 「キャーッ!」 「!」 少し空気が気まずくなりました。よく覚えていないのですが、僕はワルドさんを驚かせるような気持ち悪い表情を浮かべていたようです。いや、どんな妄想なのかは一字一句 「…………。」 「………えー、こほん。いえ、婚約者というか。僕にとって彼女は大切な人です。僕は彼女無しでは生きていけません。」 途端に険しい表情になったワルドさんは重々しく頷きました。それに気づかない僕は更に続けます。 「だから僕は婚約者を越えた大切な人になりたいんです。彼女の大切な人になりたいんです!」 自分でも何を言っているのかはわかりません。何故このようになったのかもわかりません。ただ一ついえることは彼は婚約者で僕はただのストーカーだという事です。 「………そうか。」 僕の告白を聞いたワルドさんはにっこりと微笑んで僕の肩に手を置きました。 「ならば、俺はお前の敵だ。」 「えっ…ひいいいいいいいっ!!!!!」 僕の右肩がワルドさんの手の重みでどんどん下がっていくのがわかります。 そしていつのまにか左手に杖のようなものを手にしたワルドさんは口で小さく呪文を詠唱しました。 「遍在」 するとワルドさんの分身がびゅうびゅうと僕の周りをぐるぐると回り始めたのです。 「ところで、ルイズちゃんには男っているの?」 「えっ? なっ、何よ。藪からぼうに………。」 ももえがそんな質問を投げかけたのは倉庫の整理を終えてからのことだった。 キュルケは過呼吸気味にスーハースーハーと繰り返し、タバサは倉庫から持ち出した麻雀牌を手で転がしていた。 「ちょ…っと……貸し…て…下さ…い……。」 メイはタバサから麻雀牌を貸してもらうとそれをお手玉のように器用に飛ばしてみせる。それを見たキュルケとタバサから思わず歓声の声が上がった。 「何やってるのよあんたたち………。」 それを見たルイズが今日何度目かのため息をつく。ももえはルイズの肩をつかみしつこく質問をしてきた。 「で、男はいるの?」 「おっ、男っていうか……その………こっ、婚約者っていうか………小さいときに一緒に結婚しようと親が決めた人が………。」 「へぇ………。婚約者ねえ。」 ルイズは顔を真っ赤にしながらそう言った。一方、興味が薄れてきたももえは干し肉を口にしながら外の景色を見ていた。 「そんな奴に限って今頃ストーカーとかしてたりするんだよねぇ。」 「ストーカー?」 ルイズは首をかしげて見知らぬ単語を聞き返す。ももえは説明した。 「ストーカーっていうのはいろんな理由をつけて自分の後ろをついてまわる人のことを言うんだよ。」 「………犬のようなものかしら?」 「まぁ………そんな感じ。生意気な犬は猟銃で打ちのめさないと………。あっ、そういえば猟銃もあの蔵等の中にあるんだよね。」 そう言って、ももえはさっきまでいた倉庫を指差した。ちなみに倉庫の鍵は南京錠で軽く留められているだけである。 「じゃあその猟銃を私に貸しなさい。」 「いいよー」 ももえはそう言って倉庫の中へと戻っていった。使い魔の仕事を全うしているももえを見て思わずルイズは高笑いをする。 「ふふふ……ふふふふふ………あはははははははっははははは!!!! はぁ………。私も犬が欲しいなぁ………。」 ルイズは猫よりも犬が好きな少女だった。幼いころからふと思っていた小さな感情。 犬と戯れたい。犬にご奉仕させたい。かわいがりたい。痛めつけたい。ころs 「あーーーーーーーーっ!!!!!」 ???もの知り館??? かわいがり 相撲から派生した隠語で立場の上の者が新弟子等を「厳しい稽古」で痛めつけたりすること。 「愛の鞭」の名の下に暴力が行われて死亡事故にまで発展したものもある。 このかわいがりに耐えるためには丈夫さとそれに耐えうる強い信念。もしくは痛みを快楽に変える強い精神力が必要不可欠である。 「キャーーーーーーーッ!!!!!」 ももえが指差した先にはルイズが見たことも無いような服に身を包んだ男がいた。 周りにはルイズ達が可視できるほどの大きな風が渦巻いて男をぐるりと囲んでいた。それが男の恐怖感をあおるのか、男はただただ泣き叫んだ。 「行こう!」 「えっ、ちょっ、まっ、待ちなさいよぉ!」 ルイズは慌てて走り出したももえの後を追いかけていく。 すると数十メートル先で足を止めたももえはカマを取り出してそれを泣き叫ぶ男のほうへと投げつける。 「サイズラッガー!!」 ギュルギュルギュルと音を立てながらカマは男の方へと向かっていった。 「キャーーーーーーーッ!!!!!」 情けないことですが、完全にパニック状態に陥った僕は、ただ泣き叫ぶことしか出来ませんでした。 「む、あれは愛しのルイズではないか。あの馬鹿女と一緒にいる………。全く………。」 ワルドは遍在の中でそのような事をぶつぶつとつぶやきました。 しかし、その言葉を聞いて僕は叫ぶのをやめ、瞬時に冷静さを取り戻しました。 この男はとんでもない勘違いをしている。そして、こいつは僕の敵だと認識しました。 「……………な。」 「ん? 俺の威嚇にもう泣き喚かないのか………。では仕方が無い。お前に止めを… 「ももえさんの事を悪く言うなぁーーーーーっ!!!!!」 僕はさっき拾った細長い棒を構えて遍在の中に向かって突進していきました。 「たああああああああああっ!!!!!」 しかし、僕は気づきませんでした。 いつの間にか風が止まっていて、その代わりにカマの音が僕のほうへと近づいていることに ギュルギュルギュル………ずがばっ 「ティアーーーーーーーーーーッ!!!!!!」 ???もの知り館??? ティアナ=ランスター アニメ「リリカルなのはStrikerS」の登場人物。 模擬戦で楯突いたためになのはさんにかわいがりを受けた人。同僚の女の子といい雰囲気になったりする。 ちなみに筆者はリリカルなのはの本編は1期すら見た事がないので細かいところを突っ込みたい方は要注意 僕の細長い棒が真っ二つに斬れてしまったのです。しかもさっきまでいたあの男はいつの間にか消えていたのです。 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 「大丈夫!?」 そう言いながら駆け寄ってきたのはロリピンクの方でした。 ももえさんも遅れて駆け寄ってきてくれます。でも僕はももえさんのストーカー………ももえさんに顔を見られるわけにはいかないのです! 「さよならっ!!!!」 僕はそう言い捨てて、森のほうへと逃げ込んでいきます。しかしロリピンクは僕を逃がしてくれませんでした。 ずがぁぁぁん 「キャーーーーーッ!!!!!!」 ロリピンクは猟銃で僕めがけて撃ってきたのでした。幸いにも弾は外れて僕には当たらなかったのですが 「待ちなさい。」 僕は恐る恐る振り返ってみると、猟銃を僕の頭に突きつけたロリピンクが居ました。 「人の敷地に入って謝罪の一言もなしに逃げるとはどういうつもりなのかしら?」 「えっ、えっと………ここってももえさんの家の敷地じゃあ……」 「うるさいうるさいうるさい! 使い魔のものは私のもの! 使い魔の敷地は私の敷地よ!」 ロリピンクの持つ猟銃にも力がこもります。恐怖に打ちのめされた僕は彼女の機嫌を損なわないよう恐る恐る聞いてみました。 「僕は何をすれば……… 「そうね………私のストーカーになりなさい! 私に徹底的にぶちのめされなさい!」 「え」 騒ぎを聞いていろんな人が駆けつけてきましたが皆呆然としている様子です。 ももえさんもこの様子には呆れてものも言えない模様で………ってこんなみっともない僕の姿はももえさんに見られたら幻滅されてしまう!! 僕は思わず目をつぶりました。 「……ねえキュルケちゃん。こいつはあんたの知り合い?」 「いいえ、ぜんぜん知らない男だわ。」 覚えられてねぇーーーーーっ!!! 前の世界では僕と同じクラスメイトだったのに!!!!! そして今度は不意に空に向けられた猟銃がまた火を噴きました。 「うわあああああああああん!!!!!」 「あっ、暴発しちゃった。」 ロリピンクの関心はストーカーではなくて目の前にある猟銃に向けられたようです。 僕は必死になって息を切らしながら、森の中へと逃げ込みました。途中、目から汗がぽろぽろと流れ落ちるのがわかりました。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 僕が森の中で休もうとしたその瞬間。ワームのようなものが僕めがけて襲ってきたのです! 「キャーーーーーーーッ!!!!!!!」 「キャーーーーーーーッ!!!!!!! 何これ何これ何これぇええええええ!!!!」 「ルイズ! 何あんた危ないことしてるのよ! 当たったら死ぬじゃない!」 ルイズは空に向かって暴発し続ける猟銃を持ってあたふたしていた。 キュルケはルイズにあたふたとしながら逃げようとしている。タバサは既にレビテーションを使って避難している。 「もーっ。しょうがないなぁ」 ももえはカマを一振りすると猟銃は真っ二つに斬られ、暴発は治まったのであった。 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 「あっ、ありがと………。」 「まー、これも使い魔の役目のうちのひとつだからねー」 ももえにそう言われると少し顔を赤くしたルイズはおもわず早口でまくし立てる。 「あああ、当たり前じゃない! 主人が使い魔の労をねぎらうなんて、きっ、基本中の基本なんだから!」 「はいはい。ま、たまにはこういうのも悪くないけどね。」 そう言ってももえは歩いて家に戻っていく。それを見た三人も家の中に戻ることにした。 「あのさ、キュルケ」 「なに? ルイズ。」 「私達何か色々なことを忘れてない?」 「さぁ………。」 こうして時間は刻一刻と過ぎていったのである。その時間の中である人物が動き出していることにまだ二人は気づいていなかった。 ※おわり これまでのご愛読 ご支援ありがとうございました ※次回からはじまる「ゼロの使い魔死神ガーゴイル友情タバサの裏設定タバサの母フレイムデルフリンガーシルフィードネギ香水草鞋干し肉細長い棒悪魔の猟銃下級生ももえサイズ」に乞うご期待! 前ページゼロの使い魔ももえサイズ
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前ページ次ページルイズと無重力巫女さん トリステイン魔法学院の警備を務めている学院衛士隊には幾つかのグループが存在する。 夜間や授業中の時間帯に学院内の警備をするグループと宝物庫などを見張る精鋭グループ。 そして外部からの侵入者を見つけるために学院の出入り口や城壁の上で一日を過ごすグループ。 これらを全て合わせれば約七十人程の規模を持つ学院衛士隊の者達ではあるが、これらを大きく二つに分ける事が出来る。 それは、「朝から夜まで働く者達」と「夜から朝まで働く者達」だ。 魔法学院の一角には、小さな宿と同じ大きさ程度の二階建ての宿舎が二つ存在する。 一つはコックや給士たちが寝泊まりするための場所で、食堂の近くに建てられている。 そして二つめは学院の警備をする衛士の宿泊施設であり、夜中になっても未だに一階の明かりがついていた。 一階には待合室や食堂、不審者を入れる為の牢屋などがあり、そこにいは何十人もの衛士達がいる。 仲間同士酒を呑んだり自分たちの持ち金を賭けて博打をしたりと、夜の時間を満喫している。 彼らは皆夜間の仕事につく者達であり、既に昼夜逆転生活が身体に染みこんでいた。 一方、明かりのついていない二階には衛士達が寝る為の部屋がある。 そこでは明日の朝早くからの仕事に備えて何人かの衛士達が寝息をたてていた。 ◆ 「おーい、お楽しみ中悪いがそろそろ交代の時間だぞー!」 ポーカーや酒を飲んでいた数人の衛士達の耳に、そんな言葉が入ってきた。 何人かがそちらの方へ目をやり、声の主が自分たちと同じ場所で寝泊まりしている同僚のものだと知って微笑む。 「もうそんな時間か…おいお前ら!交代の時間だ!さっさと準備しろよ」 隊長と思われる身体の大きい衛士は手に持っていた酒瓶をテーブルに置くと壁に立てかけていた槍を手に取りつつ大声で叫んだ。 それを聞いて他の隊員達も手に持っていた酒瓶やトランプカードを手近な場所へ置き、それぞれの獲物を持ち始める。 何人かは怠いだの面倒くさいだの、と愚痴を漏らすがそれでもテキパキと動いて外へ出る支度を済ませた。 「じゃ、まだ向こうにいる連中に返ってくるよう伝えといてくれよ!」 「わかってるって!」 そんな会話一言二言交えた後、宿舎にいた衛士達は皆武器を持ってそれぞれの仕事場へと行った。 後に残ったのは交代を伝えに来た衛士一人と、それ以外では二階で寝ている仲間達だけである。 二階で寝ている同僚達は朝の仕事があるから起きないので、実質この宿舎には警備の衛士が一人しかいない。 男は一人取り残されたような気分を味わいつつも、何か酒と美味しいつまみは無いかと辺りを見回した。 周りにあるテーブルの上には、同僚達が食い散らかしたチーズや白パン、ワインの空き瓶などが散乱している。 ここが給士やコック達の宿舎ならば散らかした者は大目玉を食らっているが、ここは衛士達の宿舎。 家事を知らぬ男達で溢れたこの建物では、何年も前から見慣れた光景と化していた。 衛士は空き瓶はあれど、手を付けていないワインが無いことに苛立って舌打ちをしてしまう。 そんな時、数日前ぐらいに給士達が差し入れにと持ってきてくれたワインの入った樽を思い出した。 「くっそ…あるとしたら裏口だな…」 男は一人呟きつつもテーブルに置かれていたコップを手に取り、裏口の方へと向かった。 裏口には衛士の言ったとおり、大の大人一人分ほどの大きさの樽が置かれていた。 樽のラベルには【タルブで作られた最高の赤ワイン】という文字が書かれている。 そのラベルの真下には小さなマジックアイテムが貼り付けられており、冷たくて白い霧が放出している。 これは戦争の際、将校や兵士達の食料や飲料水、ワインを保管する容器や袋の温度を保つ為に製作されたものだ。 簡単な魔法が扱えるメイジだけでもこのマジックアイテムを起動させる事ができ、大変便利な物である。 これと似たような物で少し広い空間を冷やすというマジックアイテムがあるが、性能を比べるとユニコーンとボルボックス程の違いがある。 それ程の高級品がこのような場所で見れるという事は即ち、この魔法学院がどれほど名高い所なのかを証明している。 「おっほ!あったあった!!」 衛士は飛び上がらんばかりに喜ぶとそさくさとワインの入った樽へと近寄る。 そしてコップを足下に置くと樽の上についた取っ手を手に持ち、勢いよく上へと引っ張った。 普段から鍛えられてい衛士の腕力によって子供一人を隠せる程の大きさを持つ樽の蓋が取れた。 衛士は手に持った蓋を裏向けにして地面においた後、再度コップを手に取り樽の中に入っている液体をくみ取る。 樽の中に入っていた赤ワインは宵闇の所為か、どす黒い色に見えたが衛士は気にもしない。 コップに入った赤ワインを見てゴクリと喉を鳴らし、衛士はそれを一気に口の中に入れ、飲み込んでいった。 「―――プッ…ハァ!!!…やっぱり仕事が終わった後の一杯ってのは、最高だなぁ!」 アルコールが一気に体内にまわったのか、衛士は頬を赤く染めながら嬉しそうに叫んだ。 やはり人間、苦労の末に飲めるお酒を相手には太刀打ちできないものだ。 だが彼は知らない。 仕事の後の一杯を、宿舎の屋根から見つめている黒い異形の姿に… 同時刻、トリスタニアの郊外の一地区――――― ゴーストタウンと化したこの地区には深い深い闇が辺りを包んでいる。 唯一の明かりといえば浮浪者達が作った焚き火だけであり、貧弱なものであった。 この地区に住んでいる者達は社会から見放された者達である。 彼らはここに長く住みすぎたせいか夜行性の動物と思えてしまうほど夜目が利くようになってしまった。 そうなってしまえばかえって明かりなどは視界を遮る障害物となり、暗いところを好んで歩くようになってしまう。 そしてそんな連中ほど、常人では聞くことの出来ない恐ろしい情報を知っているものだ…。 ◆ 「お恵みを…どうか。この目の見えぬ老いぼれに金貨の一枚でも…」 人が通りそうにないゴミが散乱した古びた路地裏の端で、一人の老人がボロボロのスープ皿を掲げてひとり呟いてる。 顔を隠すほどに生えた白い髯はボロ雑巾のように薄汚れており、漂ってくる臭いも普通ではない。 両目の色は言葉通り、病気か何かで失明してしまっているのか鈍い真鍮色となっている。 そんな生きているのか死んでいるのかもわからない老人が人気のない裏路地で一人寂しくスープ皿を掲げる。 普通の人間ならば近づくことはおろか、視線をそちらへ向けることすら躊躇うに違いない。 綺麗なところで育った人間は綺麗なところにしか行けず、仮初めの真実しか見る事が出来ないのだ。 「お恵みを…お恵みを…」 今夜もまた、誰も来ぬというのに老人は一人空しく皿を掲げるのであろうか? 否…今日に限ってその老人の前で、二人の美女と一人の男が立ち止まった。 3人とも同じフードを被っており、その顔を隠している。 最も、闇が深い今夜では被っていてもいなくても同じなのだがもしもの時に備えてのことだ。 3人の一番後ろにいた女性がツカツカと前に出てくると、懐から金貨を5、6枚取り出した。 「恵まれぬ老人よ、始祖に代わり申してこの私が祝福を授けましょう」 女性はそう言った後、老人が掲げるスープ皿の中に金貨を落とした。 チャリンチャリン、と景気の良い音を響きながら皿の中に入った金貨の音を聞き、老人の体は歓喜に震える。 「お、お、おぉ…何処の何方か存知はせぬが…あなた様は始祖よりも慈悲深い御方じゃ…」 ロマリアの神官や聖堂騎士が聞けば異教徒とわめき立てるであろう老人の言葉に、三人もある程度同意した。 清く正しく生きる者達が床をはいずり回って暮らし、逆に畜生の道を歩む者達が贅の限りを尽くして暮らしている。 前者の世界で暮らす者達はともかく、それよりも下の者達にとっては、神を崇めることに何の価値も見いだしてはいない。 唯一崇拝するものは、温かい服と食事とベッド――ただそれだけである。 「ならば老人よ、出来るのであらば私たちをある場所をへとご案内していただけないだろうか?」 フードを被った男性は、スープ皿から取り出した金貨を懐に入れている老人へ話し掛ける。 男の体はいかにも戦士という体格の持ち主で、コボルドを素手で殴り殺せそうな感じであった。 老人は男の言葉を聞いて体を一瞬だけ強ばらせたものの、落ち着いた口調でこう答えた。 「わたしは浮浪の身です…。今日の寝床さえまだ確保できておりませぬのに…」 その言葉に、今まで黙っていた二人目の女性が口を開いた。 「いいえ、貴方は知っている筈です。この世に忘れられた学者の居場所を…」 そこまで言った直後…ビュウッ!と強い風が吹き、三人の被っていたフードをはぎ取った。 フードの下に顔を隠していた三人の正体は…アニエスとミシェルであり、そして二人の上司である隊長であった。 ◆ トリステイン魔法学院の男子寮塔と女子寮塔には一つずつ事務室がある。 塔の一階に設けられたその部屋には学院で勤務する教師達が交代で部屋の中で寝泊まりをする。 二人の教師が部屋に入り、もしもの時に備えてここで待機しているのだ。 しかし部屋が一階に設けられている所為か、上階の部屋にいる生徒達が何をしているのかという事は全くわからない。 それでも、万が一の自体を想定しているためかこの部屋にはいつも教師が二人以上いた。 その日もまた、いつも通り二人の女性教師が部屋の中にいた。 最も、一人はベッドで横になって寝ておりもう一人は部屋の中で本を読んでいた。 部屋の明かりは仕事机の上に置かれたカンテラ一つだけであり、なんとも頼りない灯りであった。 「やれやれ…こうも暗い夜だと何かが出そうでイヤになるわね…」 読んでいた本を机の上に置き、ひとり呟きながら教師は窓から外の景色を見つめた。 彼女の言うとおり、月明かりがない所為か外はとても暗く、一メイル先の景色すら見えない。 その後、彼女は何日か前に読んだホラー小説の内容を思い出して身震いした。 「うぅ…こういう時に限って変な事が起こるのよね…」 冗談を交ぜつつそう呟いた瞬間、ふと手元から奇妙な音が聞こえてきた。 チリン…チリン… 鈴の音に聞こえるその音をに彼女は一瞬だけ体をビクリと震わせたが、 すぐにその音の正体が何なのかを思い出し、安堵の溜め息をついた。 それは仕事机の上に置かれた手のひら程のサイズしかない小さな小箱で、特に変わったところはない。 しかしこれでも立派なマジックアイテムの一つであり、センサーのようなものである。 使い方は簡単で、この小箱の中に入っているいる小さな緑色の玉を置いておきたい場所に置く。 それだけしていれば、玉を中心にかなりの広範囲で特殊な音波が出る。 その音波に何か人間ほどの物体が引っかかれば即座に小箱が反応して音を出す――といったものだ。 (もしかすると警備の人かしら?でも早すぎるような…) これまでもずっと人間にだけ反応していたマジックアイテムに、教師はふと疑問を抱いた。 一応生徒達の寮塔にも警備の衛士達が巡回するようになっている。 その時は事務室にいる担当の教師に一声掛けた後、教師を一人連れて塔の各階の廊下やトイレを見て回る。 しかし、警備に来る時間はいつも深夜の1時頃だというのに、時計を見てみるとまだ夜の10時もまわっていない。 おかしいなと思ったとき、ふと彼女は上の階で寝ている゛筈゛の生徒達を思い浮かべた。 (まさか、生徒が夜中に抜け出そうとしてるのかしら…) この魔法学院では基本、消灯時間後に部屋から出る事は禁止とされている。 しかしここの生徒達の中にはそんな規則知るもんかと言う風にこっそりと部屋を抜け出す者が多い。 大抵の生徒達はフライの魔法を駆使して部屋から出るのだが何割かの者達は律儀に塔の出入り口を使う者もいる。 当然事務室には教師達がいるのだが大抵は居眠りしているため生徒達に気づかないのだ。 そして今夜も又、教師達はとっくに寝てると思って誰かが堂々と一階へ下りてきたのであろう。 「もしそうだとするならば…ちょっとした大目玉を喰らわしてやらないとね…」 本来なら尊ぶべきである教師をバカにするような生徒達の行動に、彼女は怒りを露わにした。 席を立ち、テーブルに置いていたカンテラの持ち手を握り、ドアの方へと向かう。 まだ音が出始めて数十秒も経ってはいないので、最悪塔の出入り口で犯人の顔を拝むことは出来るはずだ。 規則に反する行為を行おうとした生徒の顔は一体どんなものかと想像しながら、彼女はドアを開けた。 驚いたことに、゛生徒と思われる゛黒い人間サイズの゛何かが゛ドアを背にして突っ立っている。 一瞬だけ目を丸くしたものの、すぐに目を細めてその陰に向かって大声をあげた。 「コラァ!!一体こんな真夜中に何処へ出歩こうと…」 そう叫びつつも彼女はカンテラを体の前に突きだした。瞬間――――― ギィエェエエエッエェェェェッェェェエエエエッエェェェッ ! ! ! ゛人間だと思っていた゛影は奇声を上げ、振り向き様に教師が突きだしていたカンテラを思いっきり叩き飛ばした。 ◆ 一方、ルイズの部屋―――――― ―――…エェェエエェェェ…! 「!?」 突如下の階から聞こえてきた人とは思えぬ奇声に、霊夢は勢いよく立ち上がった。 顔は真剣そのものであり、どう見ても寝ぼけているとは思えないような表情を浮かべている 先程まで睡魔に勝てずコクリコクリと頭が上下に動いていたのが嘘のようだ。 「予想はしてたけど、やっぱり人が一番迷惑するような時間帯に来るわよね。ホント」 自分の勘が的中したことと、これで明日は寝不足になること間違い無しという事に苛立ちを覚えつつ呟いた。 そして、先程の奇声が聞こえてから数秒後…小さいながらも今度は女性の悲鳴が聞こえてくる。 先程の奇声よりかは大分小さいものの、今の霊夢の耳にはその悲鳴がちゃんと聞こえていた。 霊夢は舌打ちをするとすぐさま壁に立てかけていた御幣を手に取り、次にテーブルに置いたお札を掴んだ。 次いで常に隠し持っている針もちゃんと数に余裕があるのかを確認した後、窓を開けて飛び立とうとした。 しかし、床を蹴っていざ窓の外へ飛び出そうとしたとき、霊夢の体がピクリと止まった。 誰かに見られている感じがする…――――。 ふと背後から誰かの視線を感じ、霊夢は咄嗟に後ろを振り返った。 霊夢の後ろにあるのは大きなベッド未だにグッスリと眠りこけているルイズと魔理沙がいる。 他には誰もおらず、部屋の中を暗闇が支配しているだけだ。 「気を張りすぎて勘違いでもしたのかしら…?」 霊夢は首を傾げつつそう呟いた後、今度こそ窓から身を乗り出してそのまま飛び上がった。 深い闇が鎮座する空中で霊夢は一体姿勢を整えた後、悲鳴が聞こえた場所へと一気に急降下していった。 霊夢がいなくなった後、部屋のドアから解錠するような音が聞こえてきた。 アンロックの魔法を掛けられたドアは音を立てつつもすんなり開き、そこにいた人物の姿が露わになる。 廊下に取り付けられた照明を背後から照らされたそのシルエットは、身長の低い少女であった。 右手には自分の身長よりも古めかしくて大きい杖を持っており、存在感をアピールしている。 しかしそれを見る者は誰もおらず、ルイズと魔理沙は部屋のドアを開けた無礼者の事など知らずに熟睡していた。 部屋のドアを開けた者は、霊夢が下へ降りていった事を確認した後、音を立てずにドアを閉めた。 ガチャリ、とドアの閉まる音が静かな部屋に響き、次いでひとりでに鍵が閉まった。 ドアを閉め、一人廊下に佇む少女はゆっくりと寮塔の出入り口へと歩き出した。 この階にいる生徒達は皆寝静まってしまったのか、それとも聞こえていなかったのか。 どちらかは知らないがその少女以外に、先程の奇声を聞いて廊下へと出ている者は一人としていない。 しかしそれは、今廊下をゆっくりとした歩調で歩く少女にとって好都合ともいえる。 何せこれから少女の行おうとしていることが他人に見られれば… ここに居ることはおろか、自身や親、身の回りの人の命すべてが危険に晒される可能性があるのだから 少女―――タバサは空いた手の人差し指でクイッと眼鏡を持ち上げる。 眼鏡越しに見えるその瞳の色はいつもの彼女が浮かべているような色をしてはいなかった。 前ページ次ページルイズと無重力巫女さん
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前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~ ある日 これは、ある日の物語である。 恐怖とは耐えるものではなく、克服するモノである。とは誰の言葉だったか。 誰だかわからないが、たぶん本当の勇気を知る人だったのだろう。 そんなわけで私は恐怖を克服するために留守中の記録ディスク、例の3本を調べて見ることにしたのである。 べ、別にイケない好奇心が沸いて沸いて仕方がないんじゃないんだからねっ!! そんなこんなで窓閉めてドア閉めてカーテン閉めて、×BOXにDISCを放り込んでスイッチオン。 モニターに映像が映し出される。 四角の中にあの字の入ったロゴが出る。凝ってるな。 尋問中のロングビルが映し出される。尋問しているのはワルド様だ。 ハズレだ。ちっ カツ丼を奨められてる。アレっておごりじゃないのよね。 フーケがふくれっつらでカツ丼を突っ返すと、 ワルド様は懐からマヨネーズを取り出してぶっかけて自分で食べてしまった。 ワルドさま・・・・・。ナニやってんのかしら。私恥ずかしい。 その後、レコンキスタの使いを名乗る傘をかぶった鎧の男WDによって牢獄から解放されるフーケ。 隠密用『うぉーどれす』:『静寂』とテロップが入った。 そしてそのままラ・ロシェーヌで待ち伏せを命じられる。 命令はやってくるピンク髪、つまり私たちを襲えというものだ。 命を救われ、復讐でき、大金を弾まれ、よいパトロンもつくと言われ、了解するフーケ。 ラ・ロシェーヌの宿屋の一室を借り切り、街道を見張っているフーケ。 5分後 フーケに動きなし。 10分後 動きなし。アホらしくなったので早送りすることにする。 1時間後 動きなし 半日後 ダレてきている。 1日後 傘の男が現れて、いらただしげに命令の変更が命じられた。『大木』を盗めというのだ。 さすがに躊躇するフーケ。 貴族を襲うならともかく、歴史的な港を破壊するのは貴族だけではなく平民にも影響が出る。 盗賊としてのお尋ね者から、国の威信をかけたテロ犯にランクアップしてしまう。軍や憲兵に追われることになる。 男が実名で呼びかけるマチルダ・オブ・サウスゴータ。フーケはアルビオン人だったのか。 そして彼女の家族はティファニアというそうだ。 家族がどこにいるのかはまだ知らない、だが私はBALLSの網の一部を握っているので、見つけるのは時間の問題だ、と脅されてる。 ボイスチェンジャーで声を変えているが、私にはわかる。こいつは悪党だ。メイジの風上にも置けない。 フーケがあきらめて折れた。 ゴーレム出して、ラ・ロシェーヌの木の枝をもぐの手伝わされてた。 なんてことだ。 2日後 フーケが悪態つきながらいなくなった。 なるほど………これはたしかに放置プレイだ。 始めだけは。私はネタ動画見るテンションで見てましたよ。 後半は裏事情の暴露だ。 ミス・ロングビル、もといフーケが脱獄したのか、これは注意しないといけないかもしれない。 あと、家族のために脅されていた。傘の男のBALLSの情報網を握っているという言葉も気になる。 あの傘の男には貴族としての誇りはないのだろうか。 あと、姫様の手紙の件がいつのまにか情報漏れしていたことも気になる。 フーケは尻尾をつかまれることになったことが原因でBALLSが嫌いになり、BALLS排斥論者になってるらしいが、余計に嫌いになってるだろうな。 次だ、気を取り直して次いってみよう!確立2分の1! さあ、百合が出るか、蛇が出るか…………。 画面一面に映る肌色のもの。ちょっとかぶりつき。 カメラがゆっくりと引きになっていく。だんだんと見えてくる。前ふり長い、はよしろ。 だんだんと見えてくる、汗ばんだ肌。躍動的に動いている。 だんだんと見えてくる上半身裸の背中。 なんだかいけないもの見てる気がしてきた。そわそわ。 肌がキレイでつるっとしてる。 だんだんと見えてくる上半身裸のつるっとしたハゲアタマ。 ………………………………………。 ………………………………………。 蛇がでた。コッパゲだ。しかも何故か髪の毛を植える前のコッパゲだ。何故脱いでる。 「おはよう!ミス・ヴァリエール!!」 おいおい、いきなり名指しで呼ばれましたよ。一体どういうことですかコレは。 「今回の任務を伝えよう。」 何の任務ですか。それはいいから画面に顔近づけすぎです。マイク吹いてますよ。 「魔法学園中の靴下を集めろ!」 いやです。いやすぎます。もう勘弁してください。 そもそも学園中の靴下はアンタが狩り集めて品薄状態です。 「なお、このDISCは自動的に消滅する」 な 爆発 …………………………。 わ、わたしの×BOXが・・・これでは最後の一枚が見れない。 そんな光景を見ていたグランパ曰く、これは仕様です。なめんな。 …………………………。 ってアンタ見てたの!?ドアが開いていた!?しまった鍵かけ忘れてた!! ナニ見てんのよ! 出て行きなさい!!出て行かないなら私が出て行くわぁ!! 衝動的に杖と本を引っつかんでダッシュ。 寮から出て、最近なんか近代的になっている研究室に飛び込む。 エオルー・スーヌ…… くねくね踊ってるもじゃ毛コッパゲ上半身裸(ら)に爆発! 轟音 発明は爆発だ アフロになって散るヅラ頭。 ああ、夢にまで見た初めて系統に目覚める瞬間を、まさかこんな形で迎えることになろうとは…………。 …………。…………。…………。…………。 系統に目覚めたけど別にどうってことはないわね。私が悪いのか、場所と時が悪いのか…………。 ともかく、これで明日から安心して靴下が履ける。 アレ?そもそも私は何してたんだっけ? 次の日 コルベール先生はアタマも性格も元のコッパゲに戻りましたが、くつした狩人なのは変わりませんでした。 最後の一枚のDISCもいつの間にかどこかに消えていた。 私が18歳未満だったかららしい。なら最初から出すな。 ある日 モンモランシーが水兵ふくにスカートとマントという格好で授業に来ていた。 ギーシュはメロメロだ。マリコヌルは息が荒い。コルベール先生はカモメのアップリケ靴下に釘付けだ。自重自重。 私が授業でコモンマジックを成功させたらみんなビビッていた。失礼な。 すると、まっさきにキュルケが拍手し始めた。 続いてグランパ、ギーシュ、タバサ、先生、モグラ、竜と拍手し始めた。 みんなも拍手し始めた。集団心理というヤツだ。大勢がやってるのなら、自分もやらないと居心地が悪くなるというアレだ。 最後にシブイ顔でモンモランシーも拍手し始めた。だからギーシュとはなんでもないんだって。 「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとうきゅいきゅい(CV若本)」 「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「きゅいきゅい」 「べ、別にうれしくなんかないんだからね………」 拍手が続く。 「……………ありがとう」 私は補完された。 さて、めでたく補完はなされたものの、私が系統魔法を使えないという事実は残るわけで、どうにかならないものだろうか? 虚無の魔法を使いこなせるようになったら、他の属性の魔法も使えるようにならないだろうか? フライとか、フライとか、フライとか 錬金とか、錬金とか、錬金とか せめて見かけだけでも普通のメイジらしく見せたいものだ。 そんなことを考えながら私は机にペンを置いた。 お、脳年齢がエレオノール姉さまと同い年になった。 翌日 BALLSたちが何故かHAYAKAZEと金延べ棒を持ってきた。 コレで私に何をしろと言うのだろう? モンモランシーの服装は水兵ふくのままだったが、ギーシュが失言して怒らせると、元の学園制服に戻っていた。 どうもギーシュとの仲の進展に関係があるらしい。 ちなみに、ドキドキしてじらされて外されたからこそ虚無が発動したのでした グランパの性格が悪ければ計画通り!といっていただろう 前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~
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うまく寝付けない夜には、ルイズは使い魔のところにいく。 魔法学院の中庭には、ミスタ・コルベールが建ててくれた工房があり、ルイズの召喚した使い魔は毎日そこで作業をしているのだ。 寝巻きにマントを引っ掛けた格好で、ルイズはそっと階段を降り、中庭に出た。案の定、工房にはこうこうと明かりがついていた。 しゅ……しゅ……と、木に鉋をかける心地の良い音が聞こえてくる。ルイズはその音を聞きたくて、足しげく工房に通うのかもしれない。 ランプにぼんやりと照らし出されながら、ルイズの使い魔は作業をしていた。 入ってきたルイズに気がついて、使い魔が顔を上げた。 「……どうした。眠れねえのか」 「うん……ちょっとね」 「今夜は少し冷えるから、毛布でもかぶってな」 「……うん」 使い魔の差し出す毛布にルイズは包まった。使い魔の邪魔にならないように隅に腰を下ろし、ぼんやりとルイズは工房を見渡した。 大き目の掘っ立て小屋のような工房には、様々な木でできた部品が並べられている。ミスタ・コルベールが手伝って『錬金』で造った部品もたくさんあった。 溶接の作業には、最近すっかりルイズの使い魔と仲良くなったギーシュが担当しているようだった。 (……はじめは、決闘でワルキューレにぼこぼこに殴られていたのにね) くす、とルイズは微笑む。小型のオークのような外見に反して、使い魔はからっきし弱くて、ギーシュのゴーレムにまったく勝てなかった。 顔を二倍ぐらいに腫らした使い魔のために秘薬を探したのも、今となってはいい思い出である。 黒いメガネをかけたキザな使い魔。なるほど、どこかギーシュに似てるかもしれなかった。 (それにしても……) ルイズはあらためて使い魔の造っている『船』を見た。すらりとした船体はハルケギニアのそれとはずいぶん違っている。 火竜のブレスのように真っ赤に塗られているそれは、見れば見るほど奇妙だった。 何より、帆がない船なんてあるだろうか? 使い魔は、宝物庫で見つけた『えんじん』というのを使えば、必ず飛ぶと言うけれど。 ルイズは一息ついてタバコ(巻きタバコというらしい)を鼻からくゆらす使い魔に声をかける。 「ねえ、本当にこんな船が飛ぶの……? 風石も魔法もなしに浮かぶなんて、なんだか信じられないわ……」 「……俺の世界じゃ魔法がねえからな。みんなこうして造るのさ。前に……俺の戦闘艇を造ったのは、おまえさんと同い年の娘だったぜ、ルイズ」 「ふぅん……」 どんな子だろう、とルイズは毛布にあごを埋めた。自分と同い年でこんな船を造った娘がいる。 まだ自分は魔法一つ使えないのに。でも、使い魔の世界では魔法を使える人間はいないらしい。 「その娘もオークなの?」 何気なく聞いてみたのだが、使い魔は大きな口をあけて笑い出してしまった。なにやら見当違いのことを言ったらしい。ルイズの顔が赤くなる。 「はあっはっはっは……! フィ、フィオがオークだと……? はっはっはあ……! こりゃいい、フィオに聞かせてやりたいぜ……!」 「いいわよ……。何も笑わなくてもいいじゃない……」 すねるルイズに、使い魔はにやりと笑ってみせた。 「いいや……俺の世界でも人間は人間さ……魔法が使えない以外は全部こっちと同じだ。俺だけさ、魔法がかかってるのはな。 フィオは美人だ。おまえさんみたいにな、ルイズ」 「嘘ばっかり……」 使い魔が自分はオークではなく人間だというので、タバサに頼んで解除魔法をかけてもらったこともある。結果は変化なしだったが。 「人間の世界に飽きただけさ」と笑う使い魔は、どこまで本気かわからなかった。 今夜の仕事は終わりなのか、使い魔は道具をしまい、工房の窓を閉める。ルイズも毛布をかぶったまま立ち上がった。 使い魔は工房にベッドを作り、普段はそこで寝ているのだ。 工房を出るとき、ルイズは使い魔を振り返った。 「ねえ……その『飛行機』が完成したら、それで、本当に飛んだら……」 「飛ぶさ。飛ばねぇ豚はただの豚だ」 「……私も乗せてくれる? その『飛行機』に」 「もちろんだ」 使い魔はランプに手を伸ばした。火を吹き消そうとして、思いついたようにルイズを見つめた。 「だが……飛行機に乗せる前に、一つだけ約束だ、お嬢さん」 「なに……?」 「夜更かしはするな。睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに美容にも悪いしな……。さ、もう寝てくれ」 「もう、また子供扱いして……」 「いいや、大人だからさ」 ルイズはぷっと頬を膨らませた。こういう仕草が子供っぽいのだと自分でも気がついているのだが。 使い魔は黒メガネを外し、ふっとランプを吹き消した。明かりが消える一瞬――使い魔の顔が、人間の顔に見えて、ルイズはごしごしと目をこする。 しかし、もう一度見てみると、そこにいるのは相変わらずの豚の顔なのであった。 「おやすみルイズ。いい夢をみな」 「……おやすみ、ポルコ」 ルイズはばたんと扉を閉めた。 おわり -「紅の豚」のポルコ・ロッソを召喚
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トリステイン魔法学院の食堂は、学院の一番高い、真ん中の本塔にある。 食堂には生徒、先生問わず学院のメイジ達が集まっており、百人は優に座れるであろう、 テーブルが三つ並んでいる。 内装は豪華絢爛であり、テーブルにはロウソクや花が飾られている。 だが銀時は特に興味はなさそうだ。 「メイジはほぼ全員が貴族だから。だからトリステイン魔法学院では貴族たるべき教育を存分に受けるのよ。 だから食堂も貴族の食卓にふさわしいものでなければならないのよ」 「へ~」 隣でルイズが得意げに何か言っているが銀時はそれを冷めた目で見ている。 「わかった、ホントならあんたみたいな平民『アルヴィーズの食堂』には一生入れないのよ。感謝してよね」 「ああ、わかった。庶民の血税がこんなところに消えているのが良くわかった」 銀時は鼻をほじりながら皮肉をかました。 「ぐっ!ちょっとあんた鼻なんかほじらないでよ、恥ずかしいわね、ホントに下品なんだから」 「うるせえな、お前は俺の母ちゃんですか」 ―とにかくこいつに自分が使い魔って事を自覚させてやるんだから。 ルイズはこの生意気でとらえどころの無い使い魔に質素で貧しい食事を床で食べさせることによって 自分がいかに上の立場にいて、銀時がいかに下の立場か自覚させようとしていた。 「いいから、椅子引いてちょうだい、気がきかない使い魔ね」 「へいへい」 そう言って銀時は椅子を引く。 「あんたのはそれだから」 ルイズは床にある皿を指差した。 「なあ、ルイズ」 「何よ」 ―文句言ってきたらひどいんだから。 「これってどういう差恥プレイ?」 銀時の言葉に回りはざわつく。 「聞いたかよ、差恥プレイだって」 「使い魔相手に・・」 「さすが(?)ゼロのルイズだな」 「不潔・・」 周りから聞こえてくる声にルイズは耳まで真っ赤になる。 「ん、どうした、ゆでたこみたいになってぞ」 ワナワナ震えるルイズに銀時は話しかける。 「で・・」 「で?」 「出てけー!!!」 銀時は食堂から追い出され結局廊下で食べることになった。 「なあ、さっき悪かったから機嫌直してくんない」 「うるさい、話しかけないで、全く信じられない」 食事の時間が終わった後、教室に向うルイズと銀時。 ルイズはまだ怒っている。 教室に入るとすでに来ていた生徒達はルイズと銀時に注目する。 そしてなにやらコソコソ何か言っていたり、クスクス笑っている者もいる。 周りには銀時以外の使い魔がいたが銀時は特に気にしなかった。 とりあえずルイズの隣の空いてる席に座る。 ルイズがこちらを睨んだが話すのも嫌なのか何も言わなかった。 「・・・・・成功ですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、 様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」 授業が始まり、中年の女性の魔法使いが講義を始めた。 ルイズは気まずそうにうつむく。 「おやおや、変わった使い魔を召喚したものですね。ミス・ヴェリエール」 シュヴルーズが銀時を見てとぼけた声でいうと、教室に笑い声がおきる。 「ゼロのルイズ!召喚できないからってその辺に歩いていた平民連れてくるなよ」 「違うわよ、きちんと召喚したもの!こいつが来ちゃっただけよ」 「嘘つくな、『サモン・サーヴァント』ができなかっただけだろう」 その言い争いを見て銀時は思った。 ―おいおい、こいつら小学生か? 良い争いの内容は小学校低学年のやるものとなんら変わらんかった。 これならいつも神楽と遊んでいるガキどものほうが大人だ。 第一ルイスがムキになって言い返すからますますエスカレートする 女教師のとりなしでどうにか場が納まり、授業が再開された。 ―そういやあ、授業なんて松陽先生の寺小屋以来だな。 授業を聞きながら、ぼんやりとそんなことを思う。 なにやら四大系統やら『火』『水』『土』『風』という単語が飛び交うが 魔法に興味が無く、勉強が嫌いな銀時にとって退屈そのものでしかない。 「ふわぁぁぁ」 眠くなり銀時は大きなあくびをした。 「ちょっと、みっともないわね、やめなさいよ」 あくびをした銀時をルイズは注意する。 「ミス・ヴェリエール」 「は、はい!」 「授業中の私語は禁止ですよ」 「すいません・・・」 「おしゃべりする暇があったら何かやってもらいましょう、ここにある石ころを 何か望む金属に変えてごらんなさい」 「え?わたし?」 ルイズは困ったようにもじもじする。 周りの生徒は急にざわつき始めた。 「やめといたほうが良いと思いますけど・・・」 「どうしてですか」 「危険です」 キュルケはきっぱりといった。 しかしその言葉にルイズは逆に意地になった。 「やります」 「ルイズ、やめて」 他の生徒達も何だか怯えているようである。 銀時は何故周りがおびえ始めたのか分からない。 一体これから何が起こるというのだ。 ルイズが教壇に立ち呪文を唱える。 その間に生徒達は机の下に避難し始めた。 ルイズの呪文名を唱え終わると爆発が起こった。 「いいぃぃ!!」 爆発に巻き込まれた銀時はコントみたいなアフロになっていた。 「ちょっと失敗したみたい」 「ちょっとじゃないだろう!ゼロのルイズ」 「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ」 この時銀時はルイズが何故ゼロと呼ばれるか理解した。 その頃ミスタ・コルベールは図書館であることを調べていた。 ミス・ヴェリエールの使い魔の青年に刻まれたルーンがどうしても気になり 書物を読み漁っている。 「これは・・」 ある書物に目を通すとコルベールの顔色が変わった。 彼はそのまま本を抱えたまま図書館から出ていった。 本塔の最上階にある学院長室で学院長オールド・オスマンは秘書のミス・ロングビルに セクハラをかましたおかげで折檻を受けていた。 「オールド・オスマン」 突然入ってきたのは先ほどのコルベールである。 いつの間にか2人とも何事も無いように振舞っているのはさすがだ。 「たた、大変です」 「大変なことなどあるものか、すべては小事だ」 「これを見てください」 コルベールはオスマンに『始祖ブリミルの使い魔たち』と書かれた 書物を先に見せる。 次にコルベールの描いた銀時の手に現われたルーンのスケッチを見せた。 それを見たオスマンの眼光は鋭くなり、秘書のロングビルに席をはずすように言った。 「詳しく説明するんじゃあ、ミスタ・コルベール」 「ったく、何で俺がこんなことを、アフロになるのはド○フのコントだけで十分だっつーの あれ俺高○ブー・・」 銀時はぶつぶつ言いながら壊れた教室の掃除をしていた。 あの後当然のように授業は中止となり、罰としてルイズと銀時は教室の片づけを命じられた。 万事屋の経験のおかげで銀時はなれた手つきで机や椅子を直した。 ルイズは自分の机を拭いている。 ふとルイズと銀時の視線が合った。 「な・・何よ・・どうせあんたも心の中じゃあ私のこと笑ってるんでしょう」 銀時は泣きそうな声で言うルイズに銀時は言った。 「笑わねえし、笑えねえよ」 「え?・・・そんな事言って本当はどうだか・・」 一瞬意外そうな顔をしたルイズだったがいまだ疑いの目を銀時に向ける。 「言っとくけど俺はなあ、一生懸命生きてる奴を笑うぐらい人間腐っちゃいねえんだよ」 自分も天然パーマというコンプレックス抱えているためルイズの気持ちがなんとなく分かった。 ただそのことをルイズが知ったら一緒にするなと確実に怒るだろう。 今までそんなふうに言ってくれた人がいなかったルイズは戸惑い呆然とした。 銀時の言葉が決して嘘やその場を取り繕うためにいった事ではないというのはルイズでも分かる。 ルイズは胸から何か暖かい感情が沸き起こるのを感じていた。 「そ、そうよね、使い魔が自分の主を笑うなんてありえないし・・」 しかしルイズはそれを素直に表現できるほど大人じゃなかった。 まあツンデレだから仕方あるまい。 「そうだルイズ牛乳を飲め」 「は?」 ルイズは突然の銀時の言葉に呆然とする 「カルシウムだ、カルシウムさえ取っときゃあすべてうまくいくんだよ。 魔法だって使えるようになるしそのまな板みたいな胸も膨らむ。 とりあえずカルシウムさえとっときゃあすべてうまく・・」 「いく分けないでしょぉぉ!!まな板みたいな胸で悪かったわね、あんた飯抜き」 銀時はルイズを慰めたつもりだったが逆効果だった。 「くそー、腹減った」 重労働の上に飯抜きにされた銀時はフラフラ廊下を歩いている。 空腹もそうだが、糖分が足りてないことが一番の原因だった。 銀時はここに来てから一切甘いものを口にしていない事に気づいた。 飯すら碌によこさないルイズに頼んでも無駄だという事は分かっている。 ついに銀時は廊下の壁にもたれうずくまった。 「はあ、誰か恵まれない俺に甘い物を恵んでやろうというカインドネスなマインドに 満ちあふれた奴はいねえのか」 廊下を歩く生徒達は銀時を珍獣を見るかのような目で遠巻きに見ているだけだった。 「ギンさん、大丈夫ですか」 そんな銀時に声をかけたのはシエスタだった。 「ああ、銀さんもうだめだ、シエスタ、俺が死んだら墓に『坂田銀時糖分切れでここに死す』 ってきざんどいてくれねーか、お供え物は甘い物で頼むわ」 「そんな、ギンさんしっかりしてください」 「ああもう俺千の風にとかに乗っちゃいそう、何だか眠くなってきたよ、パ○ラッシュ。 とっつあん、真っ白だぜ、真っ白に燃え尽きた」 瀕死の割には余裕のボケをかます銀時だった。 「ギンさん、貴族に出すデザートが少しあまっていますからそれ食べます?」 「マジでか、いいのか」 「ええ」 「あんたどこの女神ですか」 「女神ってそんな・」 シエスタはポッと頬を染める。 シエスタに案内され銀時は厨房でデザートの残りのケーキやフルーツを平らげた。 ついでにまかないのシチューまでご馳走になった。 うめえ、うめえと食べる銀時をシエスタは微笑みながら見つめる。 「あーうまかった、こんなヒューマンに満ち溢れた人がまだこの世にいるとは思わなかったぜ」 「ヒューマン?それよりご飯いただけなかったんですか」 「ああ、あのまな板女、人がせっかく慰めてやったのに・・」 「まな板って、貴族にそんなこと言ったら大変ですわ」 「別にいいだろう、事実なんだから、第一魔法が使えんのがそんなにえれーか」 「ギンさんって勇気がありますわね・・」 シエスタは唖然とした顔で銀時を見つめている。 「そうか?それよりうまかったぜ、ありがとう」 「いえ、またいつでも食べにきてください」 「ううう、ここに来てこんなに優しくされたの初めてだ」 銀時は感動のあまり涙ぐんだ 「義理は果たすぜ、何か手伝えることはねーか」 「ならデザートはこぶの手伝ってもらえます」 こうして銀時はデザートを運ぶのを手伝うこととなったが これがこの後銀時がこの世界で初めての『喧嘩』に発展することに なるとはこの時誰も思わなかった。
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autolink ZM/WE13-03 カード名:ルイズの守り手 サイト カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:5000 ソウル:1 特徴:《使い魔》?・《武器》? 【起】集中 [①]あなたは自分の山札の上から4枚をめくり、控え室に置く。それらのカードのクライマックス1枚につき、そのターン中、このカードのパワーを+3000。 ノーマル:お前ら! ルイズに何かしやがったんじゃ―― パラレル:……そこを、どけっ! レアリティ:R illust. 12/04/26 メールマガジン 有間家の長女 都古の互換カード。 ゼロの使い魔では貴重なレスト不要の集中持ちであるため、複数回集中を行うことで集中を成功させやすく、 “風使い”タバサなどの、集中によってクライマックスが控え室に置かれた時に効果を発揮するカードとの相性がいい。 さらに、カード名に「ルイズ」を含むため、次女 カトレアや長女 エレオノール等のサポートを受けられ、 「サイト」中心のデッキでも“ガンダールヴ”サイトのパンプ効果を発動させやすくなる。 もちろん「サイト」も含んでいるので、セーラー服のシエスタでパンプ可能。 このように、「ルイズ」と「サイト」どちらを軸にしたデッキでも活躍できるカード。 パラレル版はイラスト・フレーバー共に別。 ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 備考 入浴中のルイズ 0/0 1000/1/0 黄 絆 コルベール先生 1/1 1000/1/1 赤
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【作品名】おまえのものは俺のもの2 OP 【曲名】吸い取っちゃう!究極エナジー⇒未確認飛行UFO 【歌手】MOSAIC.WAV 【ジャンル】J-Pop 【価格】¥150 □■iTMS■□
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俺の嫁 ~あなただけの花嫁~ 項目数:25 総ポイント:1000 難易度:★☆☆☆☆ スキップせずともゲーム開始から2時間足らずで500前後まで解除できる。 オートスキップを駆使して手順通りにやれば5時間足らずで、強制スキップだと1時間ほどでコンプ可。 (オプションで「解除」→「選択」に変更しておくこと) 嫁編がやや長い。 嫁編が始まった際定休日の設定をデフォルトだと土日だが無しにすると デートイベントが起こらなくなり進行が速くなる 恋人ができた 恋人編を開始しましょう 50 初めてのデート デートに誘ってみませんか? 50 初めてのキス 雰囲気作りが大切です 50 恋人と1週間過ごした まずは、1週間 20 恋人と1ヶ月過ごした まだまだ、1ヶ月 30 恋人と年を越した ようやく、年越し 50 プロポーズ成功 プロポーズのセリフは決まりましたか? 50 誕生日を祝ってあげた 彼女の誕生日はいつですか? 50 誕生日を祝ってもらった あなたの誕生日はいつですか? 50 結婚しました 嫁編を開始しましょう 50 新婚生活1週間目 新婚、1週間目 50 新婚生活1ヶ月目 新婚、1ヶ月目 50 嫁と年を越した 無事に年が越せましたね 50 結婚記念日 大切な記念日です 150 愛情に包まれて 目指せ、100LP 50 ベストパートナー 食後にクイズ番組でも…… 20 トランプで勝負 トランプで遊んでみませんか? 20 ジュースを仲良く 1つのジュースを2人で…… 20 洗濯のお手伝い 洗濯のお手伝いをしましょう 20 夫婦の食卓 システムコマンドから食事モードへ…… 20 夫婦の寝室 システムコマンドから添い寝モードへ…… 20 夫婦の絆 システムコマンドから応援モードへ…… 20 夫婦喧嘩 システムコマンドから痴話喧嘩モードへ…… 20 メイドさんと遊ぼう システムコマンドからメイドさんモードへ…… 20 お色直し システムコマンドから秘密のモードへ…… 20 嫁編は、200日以上経過させてから結婚記念日を迎えることで「1周クリア」となる。 現実の時間とリンクしているわけではないので、誕生日はいつに設定してもOK。 愛情に包まれて 狙ってLPを貯めたい場合、嫁編のカレンダーで12月31日に飛び、初詣で「嫁と仲良く」の選択肢を選ぶ→またカレンダーで12月31日に飛ぶを繰り返せば簡単に貯まる。 ゲーム中の解説によれば、LPはこの実績解除のためだけに存在するパラメータであるとのこと。 夫婦の食卓、夫婦の寝室、夫婦の絆、夫婦喧嘩、お色直し 嫁編を1度クリアすると、Yボタンメニューの各項目が解放されるので、それらを選択すれば解除。 なぜか「夫婦の絆」のみ、特定時期に発生する応援モードでも解除される模様。 メイドさんと遊ぼう 新婚生活2周目をクリアするとメイドさんモードがアンロックされる。 なお、1周クリア後容姿等まったく違う設定で恋人編からもう1周クリアしても、2周とカウントされる模様。 同じ嫁で2周しなくても構わない。 1週目の結婚記念日にセーブしておき、2週目開始後に先程のデータをロードしてスタッフロール後の 画面に行ってもメイドさんモードがアンロックされる。(コスチュームは貰えない) ベストパートナー、トランプで勝負、ジュースを仲良く、洗濯のお手伝い ランダムで発生するミニゲームで解除。(発生した時点で解除される) ジュースは商店街デートで発生。 洗濯はカレンダー機能で6月と7月を繰り返すと発生しやすい模様。休日に発生するため、全ての曜日を定休日に設定しておくと良い。
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ガラの悪い男とルイズはテーブルを挟んだ椅子に腰掛け何やら話しこんでいる。 「で、俺がお前の使い魔ってのはさ、分かったんだけどさ、具体的に使い魔っつーのは何すりゃいいのよ?」 ルイズの部屋で目を覚ました後に、ルイズと一通りの問答(もちろんゲロを吐いたことについても何度も謝った)を終え、ガラの悪い男はけだるそうに言った。 「あら?意外と素直なのね。」 ルイズは意外そうな顔をした。このガラが悪く軽い感じのする平民に自分を主人と認めさせるには、もう一悶着か二悶着はあるかと思っていたが、アッサリと男はルイズの使い魔であるということに納得したように見えたからだ。 どこから来た、という質問に対して、『たぶんここじゃない星か世界かなぁ』とか、『俺のいた場所には月は一つしかなかった』等とおかしなことを言っていたため(この平民の頭は大丈夫なのだろうか?)と多少心配になった。 だが『帰れるの?俺』という質問に、『無理』と答えたら、『・・ふぅん、そうなんだ』と言った。 どこか遠い目をしていたがその言葉で少し安心した。 てっきり『俺を帰せ!帰してくれ!』等と喚きながら暴れると思っていたので内心少しだけドキドキしたが、そんな素振りをこの男は全く見せなかったからである。 (見た目に反して意外と素直でいい奴なのかしら?『コントラクト・サーヴァント』の直後にいきなり吐いたり、頭のほうはちょっとアレだけど・・) 「じゃあひねくれてた方がいいの?」 ルイズがそんなことを考えていると、男が真顔でそう言った。 「そんなわけないじゃない!ちょっと意外だったから言ってみただけよ!」 ルイズが両手をビタンとテーブルに叩きつけ、その振動が頬杖をついた男に伝わる。 (ま、コイツがいい奴でも所詮は平民なのよね・・ハァ) 「オイオイ意外とは心外じゃない・・素直でいい奴だよ?俺。それに・・」 「何よ?」 男は今まで見せたことのない微笑みをルイズに向けた。 「お前に・・・感謝してるから・・だからさ、ちょっとだけ付き合ってやるよ」 ルイズは、『ちょっとだけ』という言葉が少し引っ掛かったが、男の初めて見せた今までと違う表情に戸惑いすぐに忘れてしまった。 (そうだわ!わたしと交わした契約のキスのことに違いないわ!平民が貴族の・・それもこんなにかわいい女の子からキスされたのだから、感謝しないわけがないものね) ルイズはうんうんと頷いている。 実際には、男はキスのことなど特に何とも思っていなかっのだが・・ ルイズはふとこの使い魔の男の名前を未だに聞いていないことに気付いた。 「そういえばまだあんたの名前を聞いていなかったわね。」 「そういやまだ言ってなかったっけ?」 男は椅子を引き立ち上がった。 「俺の名前はウルムナフ・ボルテ・ヒュウガ。ウルって呼んでくれていいよ。まぁ、これからよろしくね」 そう言って男は右手をルイズへと差し延べる。 (握手を求めてるのかしら?)とルイズは思ったが、まるで友人の様に接してくるウルと名乗るこの平民に、主人と使い魔の主従関係を徹底的に叩き込まねばと考えていたため、その手を握らなかった。 「ふーん・・変わった名前ね。ところでこの手は何かしら?」 ウルの右手を指さす。 「え?握手だよ握手」 「駄目」 「え?」 「握手とか駄・目。いい?アンタは平民でわたしは貴族、アンタは使い魔で主人はわたし」 「え?え?」 いきなり高圧的な態度になったルイズを見て、困惑したウルの顔にはクエスチョンマークが張り付いている。 「いいこと?よく聞きなさい!」 ルイズも椅子を引き立ち上がると、ウルに近付き言った。 「わたしが『上』であんたが『下』よッ!あんたもそれらしく振る舞いなさい!理解した!?」 ウルは露骨に嫌そうな表情をしていた。 「理解したのかと聞いているのよ!」 身長の関係で、下からウルを見上げながらそんなことを言うルイズに対して内心では笑っていた。 というか顔に出して笑っていた。 「ははっ、分かった!分かったからさ、ね?そんな怖い顔しないでくんない?」 この男、分かったと口では言っているが何も分かってないのは言うまでもない。 「はおっ!」 突然ルイズに股間を蹴り上げられたウルは声にならない叫びをあげた。 あまりにも突然だったため全く反応できなかったウルは、苦悶の表情を浮かべながらその場にうずくまり股間を押さえて何やら呟いている。 「は・・ハッツ・・ハッツ・・!」 そんなウルを見下し、冷たい口調でルイズは言った。 「口の利き方がなってないわ。いい?あんたが今みたいな口を利く限り、わたしはこの丸太のような足であんたのソレを蹴り続けるわ」 最後の方で妙なことを口走っているが、そんなことを指摘する余裕などウルには無かった。 「わ・・分かった!いや分かりました!」 「分かればいいのよ・・分かれば、ね?」 ジンジンと痛む股間を摩りながらゆっくりと立ちあがったウルは泣きそうな顔で言った。 「うぅっ・・!死ぬかと思ったぜ・・そういや話しがそれちゃったんだけどさ、使い魔ってのは結局なにをはおっ!?」 再び股間を蹴られた。 既にグロッキー状態のウルには防ぐことはできずまたもやクリーンヒットしてしまった。 それにしてもこのルイズ、なかなかバイオレンスである。 「・・・」 ルイズが無言の圧力を放っているのがまた怖い。 「あ・・あ~す・・あ~す」 悶絶するウルはなにやら訳の分からないことを呻いている。 それからどれだけ経ったのだろうか? 何度股間を蹴っても決してその馴れ馴れしい口の利き方を直さず何度でも、何度でも、 な ん ど で も 立ち上がるウルの姿に、遂にルイズが折れた。 「もういいわよ」 「へ?」 「そのままの言葉使いでいいわよ。もう疲れたわ・・」 「あ・・・あぁそう?ありがとね。・・俺のパンツの中が大変なことになっちまったなぁ・・で、使い魔ってのは何すりゃいーの?」 もこりとふくれあがった股間を摩りながら、ずいぶん前にした質問を再び口にした。 ややへっぴり腰になってしまっているウルのその姿はなんとも痛々しい。 「まず使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」 「・・どゆこと?」 「使い魔が見たものは、主人も見ることができるのよ」 「それは・・ちょっと困るな・・」 その能力で何だかパンツの中まで見られるような気がしてドキッとしたが、次の言葉を聞いて安心した。 「でも、あんたじゃ無理みたいね。わたし、何にも見えないもん!」 「そりゃよかった」 そんな能力を付けられたら迂闊に便所にも行けたものではない。 そう思ってホッ息を漏らしていたらなんだか睨まれたような気がした。 「それから使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。例えば秘薬とかね」 「秘薬?」 そう言うとウルは腰のポーチを、ごそごそと漁り始めた。 「こういうののこと?」 ポーチから取り出し、テーブルの上に置かれた重厚な装飾が施された小さな香炉のように見えるそれは、窓から差し込む月の光を受けると、赤い光を放った。 「綺麗・・って何よこれ?」 一見香炉のように見えるそれが放つ光に心を奪われたルイズであったが、すぐに我に返りウルに聞く。 「だから秘薬だって」 「え?」 秘薬?嘘でしょ?なんでこんな平民がこんなの持ってるの?当然期待などしていなかったルイズにとっては想定外のことであった。 しかし目の前にあるウルが秘薬と呼ぶ赤い光を放つそれは、今まで目にしたこともない・・・言うなればそう、珍品だ。 もしかしたら本当に秘薬なのかもしれない。 微かだが期待に胸が膨らんだルイズはその秘薬の詳細について尋ねた。 「どんな秘薬なの?」 「聖者の秘薬って呼ばれてるもんでさ、何でも聖者『いぐなしお』って人が調合した体力と霊力を同時に回復させるっつーすごい秘薬らしいよ。」 「聖者イグナシオ?聞いたことのない名前ね。・・・ところで霊力って何?」 「お前等で言う魔力みたいなもんじゃない?たぶん。」 微妙に曖昧な答え、そして全く知らぬ聖者の名前を聞かされても正直半信半疑ではあるが、やはりこの『聖者の秘薬』と呼ばれる物の放つ光に心惹かれたルイズは、自分の使い魔の言うことを信じてみることにした。 「まぁ秘薬の話はこんなとこにしといて、他には何かある?」 ポーチに秘薬をしまいながら、ウルが言う。 「そうね・・これが一番重要なんだけど・・・使い魔は、主人を守る存在でもあるのよ!その能力で、主人を敵から守るのが一番の役目!でも、あんたじゃ無理ね・・・」 「弱くはなさそうだけど・・・所詮人間だもん・・」 (あれも無理、これも無理・・、ね。言いたい放題言ってくれるぜ・・そんなに俺って役立たずそうに見えるか?秘薬に関しては、ちゃんとお望みの物を出してやったじゃねぇか・・) ルイズの言葉に不満を募らせながら、ウルはつまらなさそうに言った。 「ふぅん。人間・・人間ねぇ・・・そういやさ、ずっと気になってたんだけど人間が使い魔になることって普通はないの?いや、なんかみんな俺のことを珍妙な眼差しで見てたからさ。」 「当たり前でしょ!『サモン・サーヴァント』であんたみたいな人間が召喚されるなんて、前代未聞よ!」 「ふーん」 怒鳴り散らすルイズをよそ目に、ウルは目を細め、顎を摩りながらなにやら考え込んでいる。 「あのさ」 「何よ?」 「俺みたいなの召喚してさ、恥ずかしい?」 「当然よ!このヴァリエール家の三女が・・・。由緒正しい旧い家柄を誇る家柄を誇る貴族のわたしが、あんたみたいな人間・・、それも何の取り柄もなさそうな、ガラの悪い平民を召喚したのよ?これじゃあいい笑い者だわ!」 「・・おまけに契約のキスの直後に・・、その・・・、ゲロを・・、コホン。ぶちまけてくれたしね!」 肩を小刻みに震わせながらそんなことを言うルイズを見て、適当に下手に出ておくことにした。 また話が逸れてしまっては、たまったものではない。 「おいおいそのことはもう散々謝ったじゃない?ごめんって!ほんとに!ね?」 手を合わせながらへこへこと頭を下げ、チラリとルイズを横目で見たら、不機嫌そうに顔をぷくりと膨らませていた。 フグが膨らんだみたいな顔が可笑しく、ウルは思わず笑みをこぼす。 「何笑ってんのよ?」 「何でもないって。話の続きだけどさ、俺みたいなの召喚しちゃって恥ずかしいっつったよね?発想を逆転させてみたらどうよ?」 ルイズが「はぁ?」、とでも言いたげな顔をしているが、気にせず話を続ける。 「前代未聞とも言ったよね?それって凄いことなんじゃないの?だってこの世界の歴史上で、こんなことやらかしたのは誰もいなかったわけでしょ?あ、やらかしたっていい意味でね。」 「そうよね、歴史上初ね・・」 クルリと後ろを向いてしまったルイズのその言葉には、なんの感情も込もっていないように感じられ嫌な予感がしたが、ウルの口上は止まらない。 「世界初!『さもん・さーう゛ぁんと』で平民を呼び出した少女!ハッハッハ!どうこの『世界初』って響き?かっこよくね?それにさ・・・」 「それに?」 背を向けたルイズの体がカタカタとバイブしているが、ウルはまだまだ止まらない。 「俺、凄いよ?いろいろとね。」 その言葉を聞いた途端に、スイッチが切れたようにルイズのバイブが止まった。 「呆れた・・。あんたみたいな自意識過剰な平民初めて見たわよ!そりゃあ、さっきの『聖者の秘薬』?・・確かにあれは凄いと思うけど・・・、ハァ・・」 大きなため息が出た。 ウルの口上で苛々が頂点に達していたルイズであったが、最後の言葉でいちいち怒るのも馬鹿馬鹿しくなったようである。 「あんたと喋ってたら、疲れちゃったわ。今日はもう寝るわよ。」 ルイズはあくびをした。 「まぁ、結構長いこと話してたからね。俺ってここで寝ればいいの?」 ルイズは、床を指差した。 「床?俺床なの?酷くない?ねぇ?」 「しかたないでしょ。ベッドは一つしかないんだから。」 ルイズは毛布を一枚投げてよこした。 それから、ブラウスのボタンに手をかけ、一個ずつ、ボタンを外していく。 「・・お前、何やってんの?」 ルイズが投げた毛布を枕代わりにして、床に寝転るウルが怪訝そうに言った。 「寝るから、着替えるのよ」 きょとんとした声で、ルイズが言った言葉を聞き、ウルもきょとんとした。 「もしかしてさ、見せたいの?俺に?・・・痴女?」 「だ、だだ誰が痴女よ!」 「だって、普通男に見られてたら、アレじゃない?」 「男? 誰が? 使い魔に見られたって、なんとも思わないわ」 「あ、そ。ふーん・・・・、じゃあやらしい目でじろじろ見てるわ。」 刺すような・・それでいて湿った鋭い視線をルイズは背中で感じ、流石にこのまま着替えるのを少し戸惑ったが、(あれは使い魔、あれは使い魔、あれは使い魔!)と考えることで何とか乗り切った。 ランプの光に照らされたスラリとしたルイズの肢体は美しく、思わずウルも息を呑んだ。が、この男、特にロリ好きでもないために性的な反応はしなかった。 突然ぱさっ、と飛んできたものにより、視界が塞がれた。 何だ一体、と思いそれをつまみ上げてみた。 白いパンティだ。 更に、頭の上にはキャミソールが落ちている。 「何これ?くれるの?全然有り難くないよ?」 「あげるわけないでしょ!そういえば、まだ言ってなかったかしら?」 「何を?」 「あんたの仕事。」 そういえば、実際やるべき仕事をまだ何も聞いていなかったな、と今になって気付く。 「あんたにできそうなことをやらせてあげる。洗濯。掃除。その他雑用」 「えぇ~めんどくせぇなぁ。・・いや、やるけどさ」 ウルは露骨に嫌な顔をしたが、素直に従うことにしておいた。 「とりあえず、それ、明日になったら洗濯しといて。」 ネグリジェに着替えたルイズは、先程投げてよこした下着を指差すと、ベッドに潜りこんでしまった。 寝転んだまま、つまんだパンティを振り回していると、パチンと指を弾いたような音が聞こえると同時に、ランプの明かりが消える。 「へっ、魔法がこうも浸透している世界ね・・。」 振り回していたパンティを、どこかに放り投げる。 「ま、悪くはねぇかな・・」 窓から見える二つの巨大な月に目を移し、ポツリと呟く。 そして、ウルは目を閉じた。 ――どこだっけ・・?ここ。 俺は――暗い・・そう、暗く長い道を一人歩いていた。 俺はここを知っている。 俺の心の中に眠る怪物達の墓場・・『グレイヴヤード』だ。 今まで何匹の怪物や人間達を殺してきただろう? 何百?何千?いや・・何万か? ハハッ、もう覚えてねぇや。 俺は自嘲気味な笑みを口元に浮かべ歩いた。歩きまくった。 それからどれだけ経ったのだろう? 突然前方に光が見えた。 扉だ。扉の隙間から光が漏れている。 俺は吸い込まれるようにその扉へと歩を進め、その扉を開いた。そして光に飲まれた先には―― 「あ・・!」 一本の巨木が根を張る広大な草原には、幼き頃に見た夕日がかかっている。 夕日を見つめるウルの目から、一筋の光が流れた。 「俺の・・記憶?」 ウルの記憶の映像が、周囲に大小の写真のように具現化され浮かび上がる。 その写真の量に翻弄されるも、やがて一枚の写真に目がとまった。 そこにはブロンドがかったピンクの髪の小生意気そうな娘―ルイズが写っている。 「そうだ・・、このクソ生意気な女・・、ルイズのおかげで俺は、心を失わずに済んだんだ・・」 ルイズの写真から、顎の突き出た厳つい男の写真へと視点をずらす。 「加藤との決戦の後、みんなは自分の望む場所へと旅立った。そして・・俺は・・」 そう、俺は忌ま忌ましい呪いによりこの心を破壊されるはずだった。 それでも・・心を破壊されても・・・穏やかに過ごしてゆけるのならば・・・それは、幸せなことなのかもしれない。 確かにそう思った。 そして、俺が帰るべき場所を・・・強く願ったんだ! 再び視線をルイズの写真へ戻す。 「だけど、俺を迎え入れた世界は俺のまったく知らない・・異世界だった。」 最初は戸惑った。自分に何が起こったのか理解できなかった。 だけど最初から、一つだけ分かることがあったんだ。 それは、俺の心を蝕む呪いが消えたこと・・・ 俺は頭が悪い。だから呪いが消えた理由についてなんて分かるはずもない。 だけど、目の前の写真に写る俺を『召喚』した女・・・ルイズが関わっているのは間違いない。 こいつにとってはきっと、俺を召喚したのは偶然みたいなもんなんだろう。 俺はこの女に感謝している。 きっと俺がこれから暮らしていくことになろうこの未知の世界に不安がないわけじゃない。 だけど・・この心に宿る記憶・・・これがあるだけで俺は、幸せを感じることができる。 大丈夫、俺ならやれるさ。 ルイズの写真から別の写真へ視点を移す。 「とりあえず暫くは、俺を決して逃れられないはずだった呪いから救ってくれた、この女に付き合ってみることにするよ。・・・前途多難っぽいけどさ・・・いいよな?」 ウルが見つめる先には、陽光に照らされ眠る、銀髪の女性の写真があった。 「アリス・・・」 そして、彼の使い魔としての生活が始まった。