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前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~ ああ!モグラさま!! ギーシュのモグラにつけた翻訳機が必要なくなった。 つまりはギーシュのモグラがしゃべれるようになったのだ。 これでもうネタに走った若本声を聞く必要はない。残念だ。 ソレはいいのだが・・・ 「私の名前はヴェルダンデ17歳です。よろしくお願いしますね」 またネタに走った。まるで永遠の17歳のような美しい声だ。でもモグラ。声優ネタ自重。 グランパが言うには、他の使い魔たちもしゃべれるようにする予定であるそうだ。 しゃべれるようになるではなく、するの辺り確信的である。 知類権は保障されなければならない、とかブツブツ言っていた。 知類権ってなに? ある日のニューカッスル城 メイドのシエスタから久々に通信が入った。 画面の向こうのメイドはカチューシャにハチマキ巻いてたりする。 以前よりはマシなものの、まだまだ頻繁にレバーを倒したりスイッチを押している。一人しか操舵がいないと大変だ。 操縦席は何故か玉座の間にあるため、メイドの後ろには玉座とかアルビオンの国旗が見える。 なんでそんな恐れ多い所に操縦席作るのよ!? グランパはお約束の問題と技術の問題、どっちの理由がいい?と聞きかえされた。最近はっちゃけすぎだと思う。 戦争の基本はとりあえず補給を断つことからで、ニューカッスル城は頻繁にレコン・キスタの輸送船を襲撃しているらしい。 つまりは城で逃げ出す前と同じ海賊行為の繰り返しということだ。 シエスタの話では空賊行為の成功時の報奨金がかなりオイシイそうだ。 常に操縦席に張り付いているため、威信点もバカにならないぐらい稼げているらしい。メイドなのに個室持ちになれたそうだ。ほとんど部屋に帰れない日々らしいが。 ついでにげったみたく、君いいカラダしてるねアルビオン人にならないか?とか勧誘されているらしい。 いつの間にかただのメイドから皇太子付のメイドにランクアップされてしまい、身に余る思いだそうだ。 常に玉座の間にいるメイドには、やはりそれなりの立場を与えなければならなかったのだろう。 おそらくは今後強力な乗り物が出てきた時のために、優秀なパイロットと教師、BALLSとのコネ、名パイロットの血筋を確保しておきたいんでしょうね、とのこと。黒いよシエスタ。 ウェールズ皇太子は度々アンリエッタ女王陛下と通信を交わしているらしく、愛の会話を交わしたり、内密に同盟できないかと持ちかけたりしているらしい。 トリステインに繋がる長距離通信機は玉座の間にしかないので丸聞こえらしい。 なんでまたそんなところにあるかというと、通信機はエライところにあるのが普通だから、らしい。 耳と口と脳と足が同じ部屋にあるというのが戦艦として機能的だからだそうだ。 最近はニューカッスル城の操縦用のOSや人員が出来上がってきたので、楽になってきたそうだ。 近々、アルビオン攻めに辺り会議があるらしいので、トリステインに来るそうだ。 輸送船臨検のし過ぎで、ミサイルを使いすぎてるので、弾薬を送ってください、と陳情された。 それでは、95式の操縦講習があるので失礼します、と言って通信が切れた。 以上だ。 市井の調査 女王陛下から命令書を持ってアニエスという騎士がまーちんに乗ってやってきた。 平民出のシュバリエで、女王陛下の近衛をやっているらしい。 そんなわざわざ直筆の命令書持ってこなくても電話があるのに、格式というのも大変ですね。 そうは言わないで頂戴、ルイズ。私はその格式の頂点にいる立場なんですから、そうでした。 ああ、実をいうとさっきから姫様と電話中だったのだ。そうしたら姫様がそろそろアニエスが訪ねてくる頃だわとかおっしゃられたのだ。 遠く離れた友達と世間話に話を咲かせられる。便利な世の中になったものだ。 命令書をはるばる持ってきたアニエスという騎士がガックリコケそうなのを耐えていた。宮仕えは大変だ。うかつにツッコミも入れられない。 で、姫様、今日はどのようなご用件なのですか? 姫様が命令書をちらちら見る。アニエスもちらちら命令書を見る。 しまった、ここで直に姫さまに聞いたらアニエス無駄足じゃないか。私は空気の読めないヤツだ。 姫様に聞かずに、命令書を開けてみれば良いじゃないか、というグランパのフォローが入った。空気の読めるヤツだ。 気を取り直して命令書を開ける。 色々と格式ぶってはいたが、ぶっちゃけると民意の調査、王室に対する平民の本音を探れというものだった。人の上にたつのも大変だ。 そんなわけで、今日のBALLSさんがもって来たのはこちら! 『ぜろちゃんねる』 よりにもよって私にケンカを売ってる名前だ。 まず人々がBALLSのいるところで話したり、独り言を言ったり、愚痴ったりする。 その時の言葉や会話の集大成をデータ化してまとめたものであるそうだ。 つまりは平民の本音が聞けるという画期的なものなのだ。声の網、神の耳、エシュロンとも言われる強力な情報収集法だ。 ボールズ100人に聞きました! アンリエッタ女王陛下のことをどう思いますか? BALLSが検索しています。しばらくお待ちください。 BALLSのアイコンがちっかちっかと転がってる。凝ったつくりだ。 結果が出ました。 8割ビッチ、 1割帝王学教えとけよ、 残りはアンアンとアンアンしてえ。 ……。 本音が過ぎるわ。 コレをそのまま伝えるのは憚られる。 ちょっと固まったまま悩む。 悩んでいたら、通信機のモニターの向こうで姫様も引きつった顔で悩んでいた。 しまった通信中だった。 ビッチもアンアンもそのまま伝えられてしまった。アニエスさンも真っ赤になって大激怒。 とりあえず、場をとりなすしかあるまい。 「で、でも姫サマ!見てください!この本音はログにIDがついちゃうんでダレの本音かわかっちゃうんですよ。 このアンアンしてえと言ってる本音の中には皇太子殿下も混ざってるんですよ」 とりなせませんでした。気まずい雰囲気発動中。 ど、どうも機械の調子が悪いようですね。と苦しい言い訳をしてると、 グランパがちょっと昔を懐かしむように長く語った。 普通に世間話をしてるなら権力者はこき下ろした方が会話が弾むだろう。 権力者はどんな善政をしいてもどれほど大勝しようとも、不満をもたれるものだ。 私の戦友のタフトも軍人の時は人気があったが、大統領になってからはずいぶんと嫌われたものだ、とフォローを入れて、その場はお開きになった。 最後に陛下が、近いうちに軍事会議があるので私にも来てほしい、とのこと。 戦争、始まるのかな? 最後に、色んな人の本音を除いてみた。 キュルケの本音:私のほうが絶対にいいオンナよ。あんたソレ誰が相手でも言ってるでしょ。 タバサの本音:……………………………………………………。なんかしゃべれ。 アニエスの本音:私は陛下の剣、陛下の盾、陛下の鎧………。アンアンに分類しとくわね。 シエスタの本音:私女王陛下に即位されてからトリステインに戻ってないんですよね~~。 惚気話はしょっちゅう聞かされてますが、とのこと。 アルビオンニュース 風のうわさに聞いた。 アルビオンの食糧事情が悪化しているらしい。 うわさの出所はぜろちゃんねるだ。正誤は五分五分といったところだろう。 神出鬼没の空飛ぶ城の空賊が原因で、商人たちがアルビオンに船を出すのをためらっているらしい。 ヤバイな~。空賊がんばってますとか先日聞いたばっかりだ。 ラ・ロシェヌの港が一枝分もげた被害を受けているのも地味に影響しているらしい。単純に港の何割かは使えなくなっているから。 後、レコンキスタ内でBALLSの作ったものを戦争に使おうとしているらしい。 ミサイルだけではなく、鎧のようなものも試してみているらしい。とても人間の着られるようなものではないらしいが。 一方、こないだの耳かきしてくれるBALLSやウォークマンや電子楽器などレコン・キスタ内ではやっているらしい。 最近私はBALLSが持ってくる役に立たないもの、害になるもの、変なものを送りつけたりしているのだ。 最近のヒットはプリプリクッション。あまりにもアホ臭すぎる。 士気が下がりまくりで訓練も気合が入っていないという、深刻な悩みとなって軍事会議でも取り上げられていたらしい。意外とうまくいったものだ。 餓死者を出すのは後味が悪いので、例の調理機械を送っておく。 マトモな食料は貴族派の軍に独り占めされてるだろうが、最低でも平民の餓死者数は抑えられるだろう。 今日のぜろちゃんねる アルビオンの民意におけるヴァリエール家に対する評判が下がっているそうだ。 ヴァリエール家の家紋と死神定食が一緒に火にくべられたらしい。 うまくいかないものだ OVERS-SYSTEMがこのスレをチェックしています・・・ このスレが何者かに監視されているのをみつけました・・・ 前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~
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ルイズが機嫌悪そうな顔をしながら本を読んでいる それはエドが本を渡したときからだった。 「エド、あんた何読んでいるの?」 「ん、あぁこの本か?」 エドはルイズに本を見せた、表紙には魔方陣みたいな絵と「錬金術入門」と言う文字が書いてあった 「何でそれを読んでいるの?」 「錬金術は科学技術だからな、結構これは難しいけど、俺はあきらめなかったぜ」 それを聞いたルイズがカチンと来た 「エド・・・その本私に貸しなさいよ」 「えっ?」 「いいから貸しなさい!!、使い魔が難しいもので錬金術を学ぶなんて。貴族の名が傷つくわ!!っ」 エドは訳が分からないままルイズに本を貸した、しかし錬金術はいくら学んでも大抵の人間は途中で止めてしまうと言うものだ しかしエドは両手を叩いて錬金術を発生させるのはこの本のおかげだとルイズは勘違いしていた 「(これで私もゼロじゃないって事を証明してやるわ!)」 そう思ったルイズは本を開いた、開いたら中身は凄く難しい説明分や図などがいろいろと書いてあった 「なっ・・・何よこれッ!?、あんたこんなに難しい本を読んでいたの!!?(汗)」 「えっ?まぁな、言っただろ?。結構難しいって、俺が教えてやろうか?」 「なっなななっ!、何バカ言ってんのよ!?。こんな簡単な本・・わわわ私でちょちょいのちょーいってできるわよ!」 ルイズが顔を真っ赤にして得意げに言うが、エドはポカンとなっていた やがて、ルイズがエドを睨んだ 「何ボケッとしてるのよ、さっさと洗濯に行きなさいよ!!」 「なっ!」 「洗濯が終わったら掃除しなさい、やらなかったらご飯抜きよ!!」 エドは分からないままで服とか下着とか入ってるカゴを持って洗濯に行った ルイズはペラペラと本を見ている、すると1つのページにルイズは止まった 「何よ・・・これ・・・」 ルイズが読んでいるのは、人体の構想が書いてあるページだった 「これならできるかも・・・うん!」 ルイズがそう言うと、外に出かけた そのページは・・・錬金術で禁じられている最大の禁忌「人体練成」のページだった その頃のエドは洗濯を終えて、戻ろうとした時。自分の右腕を見た それは・・・エドと弟のアルフォンスは幼い頃、母親を亡くした 『アル!、アル!、アルフォンス!』 『どうしたのさ?、兄さん』 『これだ!、この理論なら完璧だよ!』 『これって・・・まさか』 二人は・・・母を蘇らせようと錬金術を学んだ そしてその夜、彼らはやってしまった。最大の禁忌・・・人体錬成を エドとアルは、錬成陣に手を置いた、すると光が出た。その時にいきなり真っ暗になった 『兄さん・・・何か変だよ!』 アルがエドに話しかけた直後、アルの悲鳴が聞こえた エドはアルのところを見た。アルの手から黒い手がアルの手を千切っていた 『アル!!』 エドがアルのところに向かったが、エドの左足に何かが引っかかった なんと、エドの左足にも黒い手が無数にエドの左足を千切っていた 『兄さん!、兄さん!。兄さん!、兄さーーーーーーーーーん!!!』 『アルーーーーーーーーーー!!!!』 錬成は失敗した、つまり・・・リバウンドだ。エドは左足を持っていかれ アルは身体を持っていかれた、するとエドは鎧を倒した 『返せよ・・・弟なんだよ・・・足だろうが・・・両腕だろが・・・心臓だろうが・・・くれてやる・・・だから返せよ・・・たった一人の・・』 弟なんだよぉぉぉおぉぉぉぉぉ!!!! 彼は自分の右腕を犠牲にしてまで、アルの魂を鎧に定着させた そして現在、エドは訳が分からないまま、ルイズに召還されてしまった 彼はあきらめなかった・・・自分の世界に戻って賢者の石を探す決心をした 「エドさん?」 「うおわっ!?」 エドはその声に驚いたようだ、振り向くとシエスタが立っていた 「シ・・・シエスタ」 「どうしたのですか?、暗い顔して」 「い・・いや別に暗い顔してねーって!、ほらこの通り元気だぜ!(苦笑)」 「でも顔から汗が出てますよ」 「うっ・・・」 気まずい風景になってしまった、エドはごまかせ切れなかった すると、シエスタが口を開いた 「エドさん」 「ん?」 「もし何か悩みがありましたら、いつでも私に相談してください」 「えっ?」 「何か悩みがあれば、私いつでも相談になります」 「ありがとな・・・シエスタ」 エドはシエスタに笑顔見せると、カゴを持ってるルイズの部屋に向かった エドが部屋に戻ってくると、ルイズが本を開いたまま居眠りしていた 「ルイズの奴・・・難しくて寝ちまったのか・・・・」 エドが自分の赤いコートをルイズに被せた そして本を持とうとしたときにエドは異変に気が付いた 「(えっ!、何故だ!?)」 エドが見たのは人体錬成のページだった、実はこのページはエドが破いたページだった それが元に戻っていた 「(バカな、このページは無くなったはずが!?)」 「どうしたんだ相棒?、怖い顔して」 エドの背中からデルフが話しかけた 「見れば分かるだろ!?・・・これは・・・人体錬成のページだ!!」 エドが怒鳴った勢いでルイズが目を覚ましてしまった 一瞬ギクッとなってしまったエド 「んぅ~・・・夢中になって寝ちゃった・・ふあ~」 「ル・・・ルイズ」 「はっ!?、ええええ・・・・エド!?。あんた何でここにいるのよ!?」 「洗濯し終わって戻ってきたんだよ!!」 またルイズがボケたので突っ込むエド やっとルイズが思い出してきた 「じゃあ次は掃除ね」 「早速それかよ!、それとルイズ・・・掃除が終わったら話がある・・・」 「なっ!?」 それ聞くとルイズがびくった、いきなり話があると聞いたら誰だって驚くよ・・・ 「わ・・分かったわよ・・・エドがどうしても話したいなら・・・かっ勘違いしないでね!、べべべべっ別に好きだからって聞きたいわけじゃないんだから!!」 「それは好きって言うんだぜ?貴族っ娘」 「う・・・うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!(真っ赤)」 ルイズが真っ赤にして怒鳴る それでもまだからかうデルフ、でもエドの表情は悲しくそんな表情だった 夜 掃除を終えたエドが椅子に座る、ルイズはベッドに腰掛けた エドの表情は笑っていなかった 「ルイズ、お前あのページを見たのか?・・・」 「えっ?・・・えぇ人の図面が書いてあったのよ・・・・それがどうしたの?」 エドの顔が暗くなる、そしてエドは言ってしまった 誰にも話したくなかったことを 「話しただろ?、禁忌を犯したって・・・・」 「じゃああのページは!?」 「あれは・・・人を錬成する禁断の錬金術・・・「人体錬成」だ」 ルイズは驚いた表情をした、あのページはエドのつらい過去だった エドがまだ話をする。それも涙を流しながら 「俺はアルの魂を鎧に定着したんだ・・・けど俺はあいつに・・・怖くていえなかった事があるんだ・・・・」 「怖くて・・・・」 「あいつは・・・アルは俺のことを恨んでるじゃないかって・・・」 ルイズは・・・黙って聞いていた、エドがまだ話す 「アルが鎧の身体になっちまったのも・・・俺のせいだ、だからあいつは俺の事をずっと恨んでるじゃないかってよ・・・」 エドの目から涙がポタポタと落ちてきた、肉体を失い、寝る事も疲れることもできなくなってしまった弟 その弟がエドを恨んでいるんではないかとエドはずっと思ってきた 「違うと思うわよ」 「えっ?」 ルイズがエドに優しく話した、ルイズの表情は優しい顔だった エドの顔は涙でくしゃくしゃだった、ルイズはエドに話しかけた 「本当に恨んでいるなら、エドとその賢者の石を探す事ないわよ・・・恨んでるはずないわ」 「なんで・・・・」 「言ったでしょ?、エドの事を信じてるって」 ルイズの優しい言葉にエドはまた涙をこぼした、その時にルイズはエドを抱きついていた 「エドだって・・・泣きたい時があるでしょ?・・・思い切り泣いていいわよ」 「っ・・・!!」 エドは声を出さないまま、ルイズに抱きついたまま泣き続けた ルイズの目にも涙がぽろぽろとこぼれた 「(おーおーおー、憎いねぇ相棒!)」 エドはデルフがいることを忘れていた そしてその翌日 「エド!!」 またもやルイズの大声がエドに響いた 「またあんた洗濯をサボってあのメイドと話してたわね!!!」 「うっせぇ!!誰だって話たっていいじゃねぇか!!!」 「良くないわよこのマイクロどチビ!!!」 「だぁれが超ミニマムミジンコドチビかぁぁぁああ!!!!!!」 相変わらずの風景だった・・・ 人体錬成のページはエドが完全に破いてしまったという 終わり
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488 :1/3:2010/09/19(日) 22 05 09 ID ??? 【俺の嫁がかなみ】 「若い身空で結婚、それも学生婚とな。ほほう」 朝食後、コーヒーをごくごく飲みながらぽけーっと呟いてみる。 「ねー、アンタよく何もないところに向かってぶつぶつ呟いてるけど、病気? 脳の」 人が折角色んな人に分かりやすく俺達の状況を説明しているというのに、俺の嫁であるところのかなみが酷いことを言う。そして色んな人とは誰だ。アレか、俺の脳内劇場に出てくる観客か。じゃあ俺は頭の病気だ。 「そうです」 「あー、やっぱり」 「やっぱりとか言うな」 「あははっ。……あ、あの、違うよね? 本当は病気とかじゃなくて」 「当たり前だろうが。何を心配そうな顔をしてる」 「しっ、心配なんてしてないわよ! た、ただ、本当だったらヤだなーとか、介護大変だなーとか、一緒に出かけらんなくなっちゃうなーとか……」 言ってる内に想像してしまったのか、かなみの顔がどんどんと暗くなっていく。 「ぐええ」 そこで、急に泡吹いて倒れてみる。 「!!!!?」 すると、目に見えてかなみがパニックを起こしたので必死でなだめる。 「嘘です、嘘ですから!」 「う、うそ……?」 涙目で力なくぺたんと座ってるかなみに、何度もうなずく。 「そ、そーゆー嘘は禁止! ……な、泣いちゃうじゃない、ばか」 「いやはや。ごめんな」 「……おいしいご飯食べさせてくれるなら、ゆるす」 「分かったよ。今度一緒に牛丼食べに行こうな?」 「牛丼!? 女の子連れで!?」 「おいしいよ?」 489 :2/3:2010/09/19(日) 22 05 40 ID ??? 「お、おいしいけど……デートなんだからもうちょっと気合入れた場所に連れて行きなさいよ!」 「や、そういった場所には疎くて」 「はぁ……今度そういう雑誌買ってくるから、ちゃんと調べること! いいわね!?」 「超めんどくせえ」 「何か言った!?」 「何も言ってないです」(半泣きになりつつ) 「そっ。ならいいのよ」 「でも、かなみの作る飯は美味いので、そこらの店では太刀打ちできないかと」 これは世辞でもなんでもなく、俺の嫁が作る飯は信じられないくらい美味い。いや最初は正直勘弁してくださいと逃げては殴られるレベルだったが、それを堪えて毎日食ってたら次第に俺好みの味になり、今ではそこらの弁当では吐いちゃうほど。なに、信じられない? じゃあ今すぐ吐いてやる!(今日も電波と会話中) 「こう、うお……ぐええ」 「なにをいきなり吐こうとしてるか!」 吐瀉物を探そうと口に指を突っ込んでたら、かなみに止められた。 「もー、アンタってばいついかなる時でも訳が分からないわね」 「かなみの飯の美味さを証明しようとしたら、なぜか吐かざるを得ない状況に自ら追い込まれたんだ」 「説明されても分かんないわよ……」 言われてみると本当だ。俺の思考は謎に包まれていると言えよう。 「そ、それより。……そんなあたしの作るご飯が好きなの?」 「好き。愛してる。結婚してください」 「……も、もうしてる」 かなみの手を取ったら、そんな恥ずかしい台詞で切り伏せられた。かなみはかなみで顔を赤くして視線をさ迷わせてるし。ええい。 「……う、ううーっ! もうっ! 恥ずかしいじゃないの! 変なこと言わせないでよ、ばかっ!」 「思わぬ展開に俺も驚いてるところだ」 「も、もー。……ばか」 かなみは俺の手を取り、ちらちらとこちらを見た。そして視線が合うと、ぼしょぼしょと何やら呟き始めた。 「あ、あのさ。……あたしと結婚して、嬉しい?」 「当然」 490 :3/3:2010/09/19(日) 22 06 26 ID ??? 「……あ、あたしも。……ってぇーっ! 何よ、このむず痒空間! ああもうっ、痒い痒い痒いっ!」 「おまーから始めたんだろーが」 「ううう……あ、ああーっ!?」 「今度は何だ。破水でもしたか?」 「まだ妊娠すらしてないッ! ……た、種はいっぱい仕込まれたケド」 だから、そういうことを赤い顔でごにょごにょ言うな。 「じゃ、じゃなくて! 時間っ! 遅刻!」 「はっはっは。余裕を持って起床→朝食のコンボを決めたのに遅刻なわけぶくぶくぶく」 「時計見ただけで泡吹くなっ、ばかっ!」 「ぶくぶく……いや、あまりの時間の過ぎっぷりにびっくりして。これは好きな人と一緒にいると時間が早く過ぎてしまうというウラシマ効果に相違ありませんね?」 「ウラシマ効果じゃないけど……そ、そう。す、好きな……ああもうっ! アンタ恥ずかしい台詞言いすぎっ!」 「ゲペルニッチ将軍」 「だからといって全く意味のない台詞を言えってコトじゃないっ!」 「よく俺の言わんとしたことがすぐに分かったな。流石は俺の嫁」 「う……うっさい! そ、そんなこと言われても、別に嬉しくなんてないんだからねっ!」 「今日も俺の嫁は可愛いなあ」 「う……うぅーっ! 可愛いとか言うなッ!」 「分かった、分かりましたから殴らないで。顔の形が変わります」 この嫁は照れ隠しに人をたくさん殴るので、俺の命が日々危機に晒されるスリル満点の新婚生活と言えよう。普通の新婚生活がいいよ。 「ともかく、遅刻するので行きましょう」 「わ、分かったわよ。それより血拭きなさいよ。血まみれよ」 ハンケチで顔をぐいぐい拭われると、それだけで血が止まった。この特異な能力があるおかげで今日も僕は生きていられます。ていうか毎日殴られた結果備わってしまったのだけど。 「ん! 今日もいいおと……ぶ、ぶさいくね!」 「旦那に向かって今日も失敬だな、おまいは……」 「う、うっさい! ほら、行くわよ馬鹿!」 かなみに手を引っ張られ、今日も登校する俺たち夫婦なのだった。
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登録日:2012/06/29(金) 21 30 30 更新日:2023/10/10 Tue 21 24 28NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 便利な言葉 天城カイト 無責任 知ら管 縦割り行政 迷言 遊戯王 遊戯王ZEXAL 遊戯王迷言集 遊戯王ZEXAL第14話にて、自称ナンバーズ・ハンターこと天城カイトが遊馬とのデュエル中に遊馬に対して無慈悲にも言い放った台詞。 カイトがデュエル相手からナンバーズ・カードを奪う際にはアストラルの実行するそれとは違って、 「所有者の魂を共に奪い取る」という恐ろしい事を実行する(違和感を覚えた人。遊戯王ではよくあることだから仕方がない)。 この事実をカイトの付き添いロボット・オービタル7がデュエル中うっかり口を滑らせてしまう。 カイトは相手に変な恐怖心を与えないために言わなかったのが。 それに対して遊馬は「その奪われた魂はどこへ行くんだよ……!?」と、至極もっともな質問をするのだが、それに対するカイトの返答がコレ。 知らん、そんな事は俺の管轄外だ 事実が言葉の通りであるにせよ、いくらなんでも酷い言い方である。 しかし、神代凌牙の魂を奪った時はしっかり管理していた為、「どこが管轄外だよ!」と突っ込まれたりもした。 当時は管轄外だったが、現在では管理下にあるのかもしれない。 この時の凌牙はナンバーズを持っていなかったため、単にナンバーズ所有者の魂に関してだけは、 本当に管轄外であるという可能性もあるが……いずれにせよえげつない言葉である。 ちなみに漫画版では「知らん……それはオレの管轄外だ」と微妙に言い回しが異なっている。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- * * * + 管轄外です n ∧_∧ n+ (ヨ(*´∀`)E) Y Y * そう。この言葉の最大の特徴は、遊戯王の迷題詞の中でも非常に汎用性が高いこと。 そのため、様々なネタと混合されてで使われている。 ネット掲示板などで質問に対して答えようのないときや、不毛な愚痴に対して華麗にスルーしたい時に使われる事が多い。 そこ、何故か本人が使うものより至極まっとうな使われ方をしているとか言っちゃいけないぞ。 以下、使用法 ほう、クリボーをデッキマスターに選んだのか。 →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 オレの勝ちだぞ! 約束だ! 言え! 相棒はどこだ!! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 真のデュエリストって、一体何なんだろうな… →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 伝説って? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 俺はどうすればいい!? どうやってあいつらに償えばいいんだ! 答えろ! どうすればいい! 答えてみろルドガー! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 →それはオレが答えるぜ、遊星!! おい!そんなありふれたカード出すんじゃねぇよ! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 もっと見応えのある派手なデュエルしろ! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 どうしてD・ホイールと合体しないんだ…… →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 どういう…ことだ…? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 お前のナンバーズは何処だ! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 そんな装備で大丈夫か? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 なんで蛍はすぐ死んでしまうん? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 キラー・トマトでD-HERO ダブルガイを特殊召喚できないのですが? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 テメェは…何てことを…。ふざけんじゃねぇ!! それじゃアタシたち、ゾンビにされたようなもんじゃないか!! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 訳が分からないよ。どうして人間はそんなに、魂の在処にこだわるんだい? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 これが人間のやることかよぉぉぉぉぉ →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 おのれディケイド! お前は一体なんなんだ!! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 2位じゃダメなんでしょうか? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 だから人間って特別な生き物なのかな…? だから使徒は攻めてくるのかな? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 …でも、それは原因の解決にはなりませんよね? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 俺の名を言ってみろ! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 何がメガレンジャーだよ!! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 一生懸命やってきたのに、今まで皆を守るために一生懸命頑張ってきたのに…なのに、どうして誰もわかってくれないの!? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 管理人も黙ってないで何か言ってくださいよ。 →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 五飛、教えてくれ……俺たちはあと何人殺せばいい? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 何なのだ、これは!? どうすればいいのだ!? →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 問おう。貴方が、私のマスターか →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 他にもあるので探してみよう! →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 追記・修正、お願いします。 →知らん、そんな事は俺の管轄外だ。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] コメント欄が長くなってきたのでリセットしました -- 名無しさん (2015-01-07 22 59 26) ↑リセットしただと…だったら消されちまったコメは何処に行くんだよ……!? -- 名無しさん (2015-01-18 17 37 17) ↑古代エジプト展に -- 名無しさん (2015-01-18 17 44 47) ↑知らん、そんな事は俺のかんきつ外だ -- 名無しさん (2015-01-18 18 14 52) ↑柑橘外・・・? -- 名無しさん (2015-01-18 18 21 27) ↑柑橘外って? -- 名無しさん (2015-01-19 17 36 15) 僕だ! -- 名無しさん (2015-01-19 17 38 14) ↑2我が魂!レモン!!(250円) -- 名無しさん (2015-01-23 20 45 56) ↑流れワロタwwww -- 名無しさん (2015-01-30 20 08 07) なんだこのgdgdな流れはwwwまるで意味がわからんぞ! -- 名無しさん (2015-01-30 20 11 24) ↑3柑橘「外」って言ってるだろ! -- 名無しさん (2015-02-01 22 03 58) ↑それってオレンジガイ? -- 名無しさん (2015-02-02 17 59 22) 疑問系の質問全てに答えられる汎用性は凄いんじゃないか?? -- 名無しさん (2015-02-15 10 30 47) ↑でもそれは質問の回答にはなりませんよね? -- 名無しさん (2015-02-15 11 08 09) ↑知ら管 -- 名無しさん (2015-02-15 11 15 12) ↑潜水艦だ! -- 名無しさん (2015-03-05 17 56 11) ↑潜水艦の中に隠れるのよ -- 名無しさん (2015-03-11 16 05 24) ↑閉じ込められた! -- 名無しさん (2015-03-11 16 19 19) ↑どうすればいい……どうすればここから脱出できるんだ! 答えろ、答えてみろルドガー!! -- 名無しさん (2015-03-11 21 10 41) ↑知らん。そんなことは私の管轄外だ -- 名無しさん (2015-03-11 21 12 13) ↑2発動するぞ!強制脱出装置で私に付いて来い! -- 名無しさん (2015-04-25 12 35 30) ↑知らん。そんなことは私の管轄外だ -- 名無しさん (2015-05-14 12 29 43) ↑いつまで続くんだよ。この下り…。 -- 名無しさん (2015-05-15 22 59 23) ↑知らん。そんなことは私の管轄外だ -- 名無しさん (2015-05-16 13 55 34) 俺の管轄外は知らん。教えてくれ -- 名無しさん (2015-05-16 14 56 13) 何!?貴様の管轄外ならば、俺の管轄になるのではないのか!? -- 名無しさん (2015-05-16 15 49 30) ↑知らん。そんなことは私の管轄外だ -- 名無しさん (2015-05-17 01 55 50) ↑全 管轄内なのに管轄外と嘘をつく兄さん達は嫌いだ… -- 名無しさん (2015-05-17 02 22 26) ライディングデュエルに勝てば見逃してくれるのではないのか!? -- 名無しさん (2015-05-17 02 46 18) ↑リアリストだ -- 名無しさん (2015-05-17 03 32 14) ↑まるで意味がわからんぞ! -- 名無しさん (2015-07-22 16 40 04) ↑知ら管 -- 名無しさん (2015-07-26 22 47 10) 何なのだこれは(コメント欄)!どうすれば良いのだ!? -- 名無しさん (2015-11-22 04 00 18) ↑知ら管 -- 名無しさん (2015-11-28 17 15 17) ↑知らん。そんなことは私の管轄外だ -- 名無しさん (2016-06-07 23 16 02) どんだけ汎用性高いんだよw -- 名無しさん (2016-06-07 23 21 59) ↑知ら管 -- 名無しさん (2016-06-08 09 58 44) どうすれば、アーバレストセカンドのアルを起動させられるのですか? -- 名無しさん (2016-06-08 10 28 40) 逃げ口実 -- 名無しさん (2016-06-08 11 04 57) ↑ネタって事は分かってるかい? -- 名無しさん (2016-07-06 19 25 05) カードが違いますってどういうことですか? -- 名無しさん (2016-07-06 21 24 46) カードが違うということです -- 名無しさん (2016-07-06 21 42 44) 何!?カードが違うのならば書き換えればいいのではないのか?? -- 名無しさん (2016-07-06 21 51 13) エラッタっていうのはコンマイがやらかしたことを暴露するようなもの(旧テキストを今仕様に書き換えるのは除く)だからあんましたくない え?いつもやらかしてるだろって?知らん、そんなことは俺の管轄外だ -- 名無しさん (2016-07-06 21 58 54) ネタでもたまーに不快に感じる時もあるので使い所を選ばないとね -- 名無しさん (2016-07-20 23 27 13) ↑確かにたとえネタ台詞だろうと場所選ばないとウザがられるよな…どんな場所で使っていいか?知らん、そんなことは俺の管轄外だ -- 名無しさん (2016-09-13 14 39 52) これ管轄についてよく突っ込まれるけど、他のハンターがカイトに回収した魂を献上しようとした事があったし、収集した魂をフェイカーに渡すまでがカイトの管轄でおかしいところがないような手作業で行われて、その後魂が何に使われるのかに対して管轄外だから知らんって言ってるのであって別に会話自体には何もおかしいところがないような -- 名無しさん (2020-06-28 19 45 56) 知ら管の元ネタってこれだったのか…。ZEXALを全話観た俺なのに、今やいろんな界隈で使われまくってるから気づかなかった。 -- 名無しさん (2020-07-08 16 08 22) 私も知りたい♪ -- 名無しさん (2022-09-12 09 32 12) ↑ふざけんな!! -- 名無しさん (2022-10-04 00 13 00) 名前 コメント
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「わあ…綺麗ですね、キラキラしてる」 シエスタがラグドリアン湖を見下ろして呟いた。 丘の上から見たラグドリアン湖は、陽光を反射し、ガラス粉をまいたようにきらりきらりと輝いている。 以前シルフィードの背から見た時よりも、ずっと綺麗な気がした。 シエスタ達は竜車を使ってラグドリアン湖にまでやってきた。 竜の力は凄まじい物で、今までシエスタが操った馬とは比べものにならないパワーとスピードを出して、籠を引いていた。 それなのに、道中は音も振動もあまり気にならない、よほど質の高い籠なのだろう。 モンモランシーとシエスタは、つくづくラ・ヴァリエール家の力を思い知らされた気分だった。 水辺に近づくと、竜車はゆっくりと動きを止めた。 少し間をおいて御者が扉をノックし、静かに車の扉を開かれた。 カリーヌが「行きましょう」と呟いて馬車を降り、モンモランシーが降り、シエスタが最後に降りた。 ちらりと御者の顔を覗くと、なるほどゴーレムというのも納得がいく、近くでみるとその顔は「肌色」ではなく「陶器に塗りつけたような肌色」をしているのだ。 ゴーレムはシエスタが降りたのを確認すると、扉を閉めて御者の席に戻る。 シエスタは「へー」と呟いて一人感心していた。 「間近で見ると、本当に綺麗な湖ですね……青く、深く澄んでいる湖なんて、見るのは初めてです」 シエスタが湖面に手を当てて、水を手ですくい取る。 手に絡みつく水の感触は、何か神秘的な力が籠もっているように思えた。 「この湖に来るのは何年ぶりかしら、園遊会以来だから…三年前…ですわね」 カリーヌは湖面を見つめ、懐かしそうに目を細める。 三年前、ラグドリアン湖で園遊会が開かれた、それは太后マリアンヌの誕生日を祝うためのもので、各国の重鎮、高名な貴族達が招かれた盛大なものだった。 噂では、女王アンリエッタとウェールズ皇太子が出会ったのも、その園遊会だったと囁かれている。 あの時、ルイズが何をしていたのか、カリーヌはよく覚えていた。 園遊会の夜アンリエッタに呼ばれ、遊び相手を務めていたルイズ。 実際にはアンリエッタが羽を伸ばすため、影武者として呼ばれていたのだと何となく気づいていた。 魔法が使えないと言われていたルイズが、唯一心を開いていた遊び相手、それが当時のアンリエッタだった。 以前、太后マリアンヌはカリーヌ・デジレに、個人的に礼を言われたことがある。 ルイズは、王女として生まれ、「お飾り」と「カリスマ」の板挟みにあっていたアンリエッタの心の支えになってくれたと。 あの園遊会の日、何年ぶりかで再開したルイズとアンリエッタの、子供の頃と変わらぬ微笑みが思い浮かぶ。 カリーヌは過去に思いを馳せ、静かに湖面を見つめていた。 無言で湖面を見つめているカリーヌの隣で、モンモランシーもまた、じっと湖面を見つめていた。 だが、なにか気になることがあるのか、首をひねって「うーん…」と小さく唸る。 「どうしたんですか?」 シエスタが訪ねると、モンモランシーは湖面を見つめたまま答える。 「ヘンね…。 ラグドリアン湖の水位があがってるわ。岸辺はもっと、ずっと向こうだったはずよ」 「ほんとですか?」 「ええ。ほら見て。あそこに屋根が出てる。村が飲まれてしまったみたいね」 モンモランシーが指差す先には、藁葺きの屋根が見えた。 シエスタが湖の中をまじまじと見つめる、すると澄んだ水面の下に家らしき建物が沈んでいることに気づいた。 モンモランシーは波打ち際に近づき、指先で水面に触れた。 目を閉じてしばらくしすると、不意に立ち上がり、困ったように首をかしげた。 「あの噂通りよ、水の精霊はずいぶん怒っているみたい」 「今のは?」 シエスタが問うと、モンモランシーは右手の人差し指をピンと立ててシエスタに見せつけた。 「わたしは『水』の使い手。香水のモンモランシーよ。前にも言ったとおり、古い盟約で結ばれているトリステイン王家と水の精霊……その交渉役をモンモランシ家が代々努めてたの。水に触れれば感情が流れ込んでくるわ」 「へえー…」 シエスタが身をかがめて、水面に手を触れる。 「あ、波紋は止めておいた方がいいわ、水の精霊にどんな影響があるかわからないもの」 「あっ。そうですね。すみません…」 シエスタが慌てて手を引っ込めて謝る、モンモランシーはシエスタの仕草にくすりと笑って、再度湖面を見つめた。 不意に、湖面を見つめていたカリーヌが後ろを振り向く。 木の陰から三人を見つめている者が、カリーヌの視線に射竦められびくりと体を震わせた。 だが、カリーヌも殺気を感じたわけではないので、興味なさそうに湖面へと視線を戻した。 それに安堵したのか、木の陰にいた初老の農夫は、意を決して三人に声をかけた。 「もし、貴族のご婦人様方でございますか」 シエスタとモンモランシーが振り向くと、初老の農夫は、困ったような顔で一行を見つめていた。 「そうだけど…何かしら?」 モンモランシーが尋ねると、農夫は地面に膝を突いて、手に持った帽子を足下に置いた。 「水の精霊との交渉に参られたかたがたで? でしたら、はやいとこ、この水をなんとかして欲しいもんで…」 一行が顔を見合わせる。 困ったような口ぶりからすると、この農夫は湖に沈んでしまった村の住人だと想像できる。 「わたしたちは、その……」 この大変な時期に、秘薬の元となる、水の精霊の涙を取りに来たとは言いづらい。 モンモランシーが口ごもりそうになったところで、カリーヌがすっと前に出た。 「残念ながら王宮からの命を受けた者ではありません。水の精霊を怒らせた者がいると聞きましたが、知っていることを離して頂けますか」 カリーヌの言葉は丁寧さの中にも、威圧感を感じる。 農夫はカクカクと首を縦に振り、ラグドリアン湖で起こったことを話した。 農夫の話では、ラグドリアン湖の増水が始まったのは二年前だという。 船着き場が沈んでから、湖面に近かった寺院、畑、住居が沈むのはすぐだったと言う。 「領主はこのことを知ってるの?」 モンモランシーが聞くと、涙ながらに農夫が答える。 「領主さまも女王さまも、今はアルビオンとの戦争にかかりっきりでごぜえます。こんな辺境の村など相手にもしてくれませんわい。畑を取られたわしらが、どんなに苦しいのか想像もつかんのでしょうな……」 よよよと農夫が泣き崩れたが、涙を流しているようには見えない。 どちらかというと愚痴をこぼすようなしゃべり方で、今度は水の精霊への恨み言を言い始めた。 「水の精霊が人間に悪さをしてるんですわ。湖の底に沈んでおればいいものを……。どうして今になって陸に興味を示すのか聞いてみたいもんでさ!水辺からこっちは人間さまの土地だって…の…に………」 農夫の声が切れ切れになる。 シエスタとモンモランシーは、頭に?を浮かべた。 農夫の顔から血の気が引いていき、手がプルプルと震え出す。 「言いたいことはそれだけですか」 カリーヌが静かに呟いた。 カリーヌの刺すような視線に射竦められた農夫は、「へへぇ」と平伏すると、まるで逃げるように立ち去っていった。 モンモランシーは、改めてカリーヌの恐ろしさを知った気がした。 懇願ならともかく、愚痴を聞かされて気分の良い物ではないが、愚痴を言っただけでカリーヌの鋭い視線に晒されると思うと、冷や汗が吹き出そうになる。 シエスタはカリーヌを怖いと思わなかったが、とっつきにくそうな人だなと、改めて感じた。 モンモランシーが気を取り直し、腰にさげた袋からなにかを取り出した。 「…カエル、ですか?」 手のひらをのぞき込んだシエスタが呟く。 シエスタの見たとおり、モンモランシーの左手に乗っているのは一匹の小さなカエル。 鮮やかな黄色に、黒い斑点がいくつも散っている。 「ロビンって言うの、私の大事な使い魔よ」 ロビンと呼ばれたカエルは、モンモランシーの手のひらの上で、まっすぐにモンモランシーを見つめていた。 モンモランシーは右手の人差し指を立てて、ロビンに命令する。 「いいこと? ロビン。あなたたちの古いおともだちと、連絡が取りたいの」 モンモランシーはポケットから針を取り出し、片手で器用に指の先を突く。 指先に赤い血の玉が膨れ上がると、その血を一滴ロビンに垂らした。 小声でルーンを唱え指先の傷を治すと、残った血をぺろっと舐めて、再びカエルに顔を近づけた。 「私の臭いを覚えていれば、これで解ると思うわ。ロビン、偉い精霊、旧き水の精霊を見つけて、盟約の持ち主の一人が話をしたいと告げてちょうだいね。わかった?」 ロビンはぴょこんと頷くような仕草をすると、ぴょんと大きく飛び跳ねて、水の中へと消えていった。 モンモランシーがシエスタとカリーヌの方に向き直り、口を開く。 「今、ロビンが水の精霊を呼びに行ったわ。見つかったら、連れてきてくれるでしょう」 シエスタがモンモランシーの隣に立ち、湖面を見つめる。 「この中に水の精霊がいるんですよね…どんな姿をしてるのか、ちょっとドキドキしますね」 「水の精霊は人間よりもずっと、ずーっと長く生きている存在よ。六千年前に始祖ブリミルがハルケギニアに光臨した際には、すでに存在していたというわ。その体は、まるで水のように自在にかたちを変えて、陽光を受けるとキラキラと七色に輝き…」 と、そこまで口にした瞬間、30メイルほど離れた水面がぼんやりと光り輝き始めた。 岸辺からそれを見つめていると、輝きはどんどんと増していき、まばゆい光が水面から放たれる。 水面はまるで意志を持ったかのように蠢き、巨大な水滴が空に向かって落ちるような、幻想的な光景となっていった。 シエスタはあっけにとられ、口を半開きにしたままその様子を見つめていた。 盛り上がった水は、うねうねと様々な形に変わっていく、巨大な粘菌とでも呼ぶべきだろうか、陽光を取り込み七色に光るその姿は確かに綺麗だが、形そのものは怖い気もした。 湖面から顔を出したロビンが、ぴょんぴょんと跳ねてモンモランシーの元に戻る。 しゃがんで手をかざしロビンを迎え、指で頭を撫でてやると、ロビンは嬉しそうにゲコッと鳴いた。 「ありがとう。きちんと連れてきてくれたのね」 モンモランシーは立ち上がり、水の精霊に向けて両手を広げ、声をかけた。 「わたしはモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。水の使い手で、旧き盟約の一員の家系。 カエルにつけた血に覚えはおありかしら。覚えていたら、わたしたちにわかるやりかたと言葉で返事をしてちょうだい」 水の固まりのような、水の精霊がぐねぐねと蠢き、人間のような形を取り始める。 その動きをじっと見ていたシエスタは、驚きのあまり目を丸くした。 水の塊は、モンモランシーにそっくりな姿を取ったのだ。 モンモランシーそっくりな水の固まりは、表情をころころと変えていく。 笑顔、怒り、泣き顔……それはまるで表情を試すような動きだった。 表情が一巡すると、水の固まりは無表情になって、体全体を奮わせて声を出した。 「覚えている。単なる者よ。覚えている。太陽よ。貴様の体を流れる液体を、貴様の体を流れる太陽の波を、我は覚えている……」 「太陽? と、とにかく、私のことは覚えていてくれたのよね?」 モンモランシーが内心の焦りを隠しきれず、ついつい強い調子で質問してしまう。 だが水の精霊は無表情のまま「覚えている。単なる者よ」と繰り返しただけだった。 「……コホン。…水の精霊よ、お願いがあるの。あつかましいとは思うけど、あなたの一部をわけて欲しいの」 水の精霊は、表情を変えずに声を出した。 「断る、単なる者よ」 「そんな!」 モンモランシーが思わず声を上げた、心なしかカリーヌの眉がぴくりと動いた気もする。 シエスタはモンモランシーの隣に並んで、胸の前で両手を合わせて握りしめ、水の精霊に向かって叫んだ。 「お願いです… ある人を助けるために必要なんです!」 「ちょっ…!やめなさいよ! 怒らせたらまずいわよ!」 モンモランシーはシエスタを後ろに下がらせようとしたが、シエスタはひるまず真っ直ぐに水の精霊を見つめている。 「お願いします!何でも言うことを聞きます。だから『水の精霊の涙』をわけて頂けませんか? どうか、どうかお願いします……」 モンモランシーの姿をした水の精霊は、なにも返事をしなかった。 シエスタは膝をつくと、地面に頭をこすりつけるほど下げて、まるで土下座のような格好で水の精霊に言った。 「お願いです…! 私は恩人に報いたいんです! ルイズ様にとって大切な人は、私にとっても大事な人なんです…、『水の精霊の涙』がどうしても必要なんです! だから…」 シエスタの必死の懇願を見て、モンモランシーはシエスタを制止しようとしていた手を止めた。 シエスタにとって、ルイズはそんなに大事な人だったのか? モンモランシーにも、ルイズをバカにしている気持ちはあった、だがフーケを追って死んだ級友は、ある意味で誇り高いとも言える。 だが、ルイズを茶化す気持ちは、ゼロのルイズをバカにする気持ちは、心の何処かに残っていた。 シエスタは、ルイズを恩人だと言っていたが、これ程までにルイズに心酔しているとは思わなかった。 カトレアを治すために土下座までするとは思っても居なかった。 もしかしたら、ラ・ヴァリエールからの援助を受けるため、オールド・オスマンが指示した行動かも知れない。 シエスタの行動は芝居かも知れない…… けれども、今この場で、水の精霊を恐れず懇願するシエスタの姿に、少なからず衝撃を受けた。 モンモランシーは水の精霊に向き直り、自分からももう一度頼んでみようと意を決した。 だが水の精霊は、突然ふるふると震えだし、姿かたちを何度も変えた。 うねうねと形を変え、モンモランシーの姿から、見たこともない女性の姿に変わった。 それはとても美しく、凛々しい女性の姿であったが、シエスタにとっては何処か懐かしい女性のような気がしてならなかった。 「よかろう……しかし、条件がある。世の理を知らぬ単なる者よ。何でもすると申したな?」 「はい、いいました」 いつの間にか顔を上げていたシエスタが、水の精霊を見上げて返事をする。 「ならば条件を出そう。我に仇なす貴様らの同胞を退治してみせよ。」 シエスタとモンモランシーは顔を見合わせ、呟いた。 「「退治?」」 「さよう。我は今、水を増やすことで精一杯で、襲撃者の対処にまで手が回らぬ…。そのもの共を退治すれば、望みどおり我の一部を渡そう」 要は、水の精霊を相手にするようなメイジと戦って、勝てと言っているのだ。 モンモランシーの額に冷や汗が浮かんだ。 「…………やるしかない、わよね」 「そうです、ね」 二人は顔を見合わせて、苦笑した。 水の精霊が住む場所は、はるか湖底の奥深くだと言われている。 襲撃者は夜になるとやって来て、魔法を使い水の中に侵入、水の精霊を襲撃する。 水の精霊によれば、襲撃者が来るのはガリア側の岸辺だという。 シエスタとモンモランシーの二人はガリア側の岸辺に隠れて、襲撃者を待つはずだった。 だが二人は、トリステイン側の岸辺に停められた竜車の中で、寂しく夕食を取っていた。 カリーヌは客人を危険な目に遭わせられないと言って、単独でガリア側の岸辺に向かったのだ。 どこからか調達したバスケット一杯のサンドイッチを渡されたが、食欲が湧かないのか中身はほとんど減っていない。 この竜車は、緊急時の外泊を考えられており、椅子を引き出すとシエスタとモンモランシーが寝るには十分な広さのベッドになる。 貴族の馬車という寄り、軍人の馬車と言うべき設備だった。 「…大丈夫なんでしょうか」 「あんなに強く『一人で行きます』なんて言われたら断れないわよ」 シエスタは、一人でガリア側の岸部に向かったカリーヌを案じて、車の窓から外を見渡した。 ルイズが魔法で爆発を起こし、土くれのフーケごと木っ端微塵に吹き飛んだと言われているあの日も、こんな夜だったかもしれない… シエスタの胸に、ルイズへの憧れと、石仮面への恐れが去来した。 カリーヌ・デジレは、持参した軍服に着替え、木の上に座り瞑想していた。 マンティコア隊の服ではなく、それよりもっと昔、まだ魔法衛士隊に入隊する前の服だった。 ルイズと同じぐらいの年代、16の頃だっただろうか、その頃から魔法衛士への憧れがあった。 カリーヌは静かに過去を思い出し、静かに微笑んだ。 それから一時間ほど経った頃だろうか、岸辺に近づく人の気配に気づき、薄目を空けてそれを視認した。 人数は二人、漆黒のローブを身にまとい深くフードをかぶっている。 男か女かもわからないが、その二人は水辺に立つと杖を抜きルーンを唱えていたので、襲撃者には間違いなさそうだった。 カリーヌは小声でレビテーションを唱え、ゆっくり着地する。 ローブを身に纏った二人組は、硬直したように動きを止めた。 「!」 襲撃者の一人が杖を掲げる、と同時に空中に作られた炎がカリーヌを襲う。 同時に、もう一人の襲撃者が距離を取りつつルーンを詠唱し、地面に『エア・ハンマー』が打ち込まれた。 土が跳ね上がり、カリーヌの視界が塞がれる。 無数の炎の玉が作り出され、雨のようにカリーヌの頭上を覆う。 氷の刃が竜巻のようにカリーヌを包み、その肉を引きちぎり骨を砕く。 ……はずだった。 ギュン!と音がして周囲の空気が圧縮され、土煙と氷と炎は一つの固まりとなった。 無数の魔法に晒されたはずのカリーヌはまったくの無傷であり、土埃の汚れ一つとして無い。 カリーヌは直立不動のまま、右手に持った杖に力を込め、ルーンを詠唱する。 ただ「風を起こせ」という意味のルーンであり、風系統ではもっとも初歩のもの。 それはまるで、鉄砲水のような粘りを持った風となり、遠く上空で待機していた風竜を巻き込んで、襲撃者二人の体を巻き上げた。 空中で竜巻に飲まれた二人の手から、杖が離れる。 150サントはありそうな大きな杖と、20サント程度の小さな杖が風に乗ってカリーヌの手元に届けられた。 カリーヌは、腰から下げたロープを空中に放り投げると、風に乗せて宙に舞わせた。 ロープは風に乗って襲撃者の両手両足に絡みつき、その動きを封じる。 そして襲撃者の二人はゆっくりと地面に降ろされ、風竜は目を回して地面に倒れ込んだ。 『烈風』の異名を持つ彼女は、感情の読めぬ冷たい瞳で、襲撃者を見下ろしていた… To Be Continued→ 戻る 目次へ
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前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~ ある日 グランパに剣を買ってあげるために町へ出た。 正直、頼めば1時間で作ってくれそうな気もしたが、ご主人様としてのプライドがある。 町へ行くのに『さいどかー』というものを使った。いわゆる鉄の馬だ。 さいどかーを動かしたのはあの桃髪のメイドだった。なんでも恩返しらしい。 あと、さいどかーにも乗ってみたかったらしい。 「私がコイツに命を吹き込んであげます!」 乗り込むとメイドは顔つきが変わった。さいどかーはすごく速かった。 町へ行くとそこかしこにBALLSを見かけた。 町の人たちはすでに違和感を持っていないとのこと。 平民に字を教えたり、食料の配給を行ったり、仕事の斡旋をしているらしい。 なんだかわからないが、役に立つならそれでもいいか、といったスタンスらしい。 金のBALLSを見かけると今日は1日ラッキーであるという迷信まで生まれる始末。 さて、武器屋。 行ってみたがどの剣も高い。平民の年給があっさり飛ぶほどだ。 これなら1時間で作ってもらったほうがいいだろうか? 一番安く、おでれーたを連発するインテリジェンスソードを買った。グランパが気に入ったみたいだし。 グランパ曰く、知類皆兄弟らしい。 剣知類デルフリンガーってなによ? 「相棒の国じゃ俺みたいなのでも人権があるのかい。おでれーた」 私もおでれーた。 次の日 今日は授業。教室はこないだリフォームされたところだ。 コルベール先生の授業で『えんじん』なるものが出てきた。 機械で物を動かすというもので、魔法はいらないものらしい。 でも、私たちは普段からもっとすごい機械を見ているような気がするんですけど……………。 具体的に言えば今ここにいる教室とか。 みんなそう思ったのか、えんじんのすごさが浸透しないので、コルベール先生は必死にかまって状態だった。ハズした芸人みたいだ。 と、思ってたらBALLSが今朝部屋に増えてたアレを持ってきて、えんじんと繋いでた。 「はい、これで魔法を使わなくても涼しいですね~~」 たしか『せんぷうき』といったか。 たしかに風は来るが、燃焼するえんじんの熱のおかげで熱風だ。意味ネエ 大いに改良の余地ありだ。蛇がぴょこぴょこよりは良いだろうが。 こるべーる先生はグランパとしばらく話し込んでいて、自習と言ってでていった。 あんまり暇だったんで教室の机のゲームを使ったゲーム大会が開かれた。 するとBALLSがえんじんより面白いPCえんじんを持ってきた。 キュルケ曰く、私は遊びで負けると怒るタイプで、賭けで負けるとムキになる遊びに向かないタイプだそうだ。 よって私の成績はブービー、最下位はチョンボしてハコのギーシュ。 机のゲーム側を見るとタバサがまいんすいーぱで9秒台出してた。スゲエ。 マリコヌルが負けじと6秒台出した。なにその無駄な才能。 ポ~~~ン コルベールが研究室で倒れました。 またやったか。最近2日に1回は倒れてる。教師ってのはなんて激務なんだ。 コルベール先生との密談は、 グランパがメイドと相談した所、えんじんで車や飛行機は作れるが、環境汚染のことを考えると必要でない限りあまり多く作るものではないとしたらしい。 少なくとも今は馬車や船があって流通そのものはうまくいっているかららしい。 変に発展させると馬や船を潰さないといけなくなるかららしい。 なんでメイドと相談するのよ!? ある日 授業でギトー先生が風強ス風強スと威張っていた。 それでわざわざキュルケを挑発してコテンパンに伸したりしていた。 なんかムカついたのでBALLSに命じて教室内の金属防壁をON。 下から競りあがった金属板は見事にキトーをヒットし、悶絶させた。 そこに変なヅラをかぶって駆け込んでくるコルベール先生。 なんでも使い魔品評会をご覧になりにアンリエッタ姫様が学園にいらっしゃるらしい。 そして走ったためかヅレるヅラ。 「滑りや…………何ニィィィ!!!」 一発ギャグを狙っていたタバサ驚愕。少なくとも王族がやるリアクションではない。 つまりはそれほど驚愕だったわけで。 コルベール先生の頭には2323した 毛 が 生 え て い た 。 どうやらBALLSにぷちぷちと植えさせたらしい。多芸よね。 とりあえずBALLSには身体を磨いておくように命令した。 使い魔品評会 姫様が学園にいらした。あ、私の婚約者のワルド様もいる。 使い魔品評会の会場の設営はBALLSまかせだ。発表の台上で起きたことは背後の大型テレビジョンに映されるらしい。 とりあえず使い魔発表会はグランパの持ってた秘蔵の『でーぶいでー』というのをモニターに流した。 内容は雪山に閉じ込められた士官学校生徒が少ない食料をめぐってバトルロイヤルする話だった。最後にはゴーレムまで持ち出してた。 技術的にはすごいんだろうが、すこぶる不評だった。俳優や展開が悪く癇に障るとのこと。 姫様のコメント:ペンギンはシブカワイかったですね。無難なコメントです。 子爵のコメント:すごいよアニメ!君はいつかやってくれる子だと思っていたよ!無理に褒めてくれなくて良いです。 その夜 姫様が私の部屋をこっそりと尋ねてこられた。 「ようこそこんなむさくるしいところにいらっしゃいました」 所狭しと電子レンジ、サンドバッグ、ツインファミコン、ガンパレ攻略本、アタッシュケースなどなど並んでてほんとにむさ苦しかった。 とりあえず冷蔵庫からこーらをお出しする。 ひたすらに珍しがられていた。私も毎日珍しいです。 どうやら姫様は愚痴を言いに来たのと、密かにアルビオンの王子が持つ手紙を取り返してほしいらしい。 クイクイ ん?なによ? クイクイ BALLSが何かガラス盤と文字盤が合体した箱を持ってきた。 ポ~~ン アルビオンにいるウェールズ皇太子と通信がつながりました。 箱のガラス版に映し出されたのはウェールズ王子そのひとだった。 うはっwwwアンタラそんなこともできちゃうの!? そこからはもう愁嘆場でした。 亡命するしないで引き合ったり、愛している愛していないでもめたり、姫様号泣したり。 どっちにしても飛車角金銀歩をとられて王手されてるようなものなので、脱出もままならずどうしようもないそうだ。 却って残酷なことしちゃったかな? 王子様なんとかならない?とグランパに聞いたら無理ではないとのこと。 なんとかなるんですかそうですか。 グランパ曰く、なんとかなるではなくなんとかするのだとのこと。 つまりなんとかするなら私もアルビオンへ行く必要があるのだと。 見も知らぬ誰かのために血を流す覚悟はあるのかということだ。 わかりました、女ルイズ、一肌脱ぎましょう。 (少なくとも手紙は直に回収する必要があるみたいだし。) 姫様には思いっきり抱きつかれて頼まれた。 国とか王女とか関係なしにやらねばならないだろう。友達だから。 でも、立ち聞きしてたギーシュは正直足手まといだと思った。この時は、だが。 この時点でまさかギーシュが勝利の鍵になろうと予想していたのは、OVERSぐらいしかいなかっただろう。 え?グランパもわかってたの? 次の日 いざ、アルビオンへ! 空中大陸へ行くため、BALLSたちが船を調達してきました。 ………………………………おでれーた。 どうも昨晩姫さまが来た後、一晩の突貫作業で作り上げたらしい。 一晩しかなかったので小型ですまないとのこと。充分でかいよ。 ちゃんと最低限の武装もしているらしい。 操舵士を紹介された。こないだのメイドだ。 家訓とやらで髪をピンクに染めたメイドはシエスタ・カトー・タキガワ5世と名乗った。 なんでも彼女のひいおじいさんがグランパの戦友なんだそうだ。相当に有能な竜騎士だったらしい。 彼女の家系はえんじんがついてるものならなんだって動かせるお家芸を持ってるそうだ。 グランパってかなり年上だったのね 250歳近いんだそうだ。すごっ デルフリンガーは6000歳だけどあんまりすごさを感じないのはどうしてだろ? 私は艦長席に座ることになった。 この座ると90度回転する椅子はデフォルトらしい。 目の前にある机やガラス板のおかげで前が良く見えないのが玉に瑕だ。BALLSなだけに。 艦長席は私の身体に合わせた設計ではないらしい。 グランパはBALLSと連絡取ってるので航海長席。 シエスタはもちろん操舵士席。 ヴェルダンデは耳が良いので水測長席。 ギーシュはやることないんで飛行長席。 他の席にはBALLSがかじりついている。 でもモグラに負けてるギーシュってどうよ? ぷろぺらを回して発進するヴァリエール1号。 ふと窓の外を見るとグリフォンに乗ったワルド子爵が追いかけてきていた。 婚約者をわざわざ見送りに来てくれたのね。 ワルド様がどんどんと小さくなっていった。この船早いのね。 ワルド様が手を振っている。私も手を振り返した。 アルビオンへ向けて出航しました!!! 前ページ次ページ超1級歴史資料~ルイズの日記~
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コピペ一覧>デュエリストパック-俺の嫁編- デュエリストパック-本スレ編-と同時発売。イラストが人気の女性モンスターカードを多数収録。全70種。 これまでのイラストに新規イラストを加えた5種類の《ブラック・マジシャン・ガール》を収録。 また他のカードにも全て表情が変化したイラスト違いバージョンが存在する。 パックパッケージを飾る4枚は 《ブラック・マジシャン・ガール》、《ガガガガール》、《カードエクスクルーダー》、《エフェクト・ヴェーラー》。 このパックの収録カードは字の部分が白抜き加工されているが深い意味はない。 限定販売の2パックセット付属カードはイラスト違いの《パペット・プラント》のノーマルパラレル仕様。 同時に販売されたスリーブは5種類あり、それぞれの霊使いモンスターが描かれている。 しかし地霊使いアウスが収録されていなかったため、ファンがメーカーに問い合わせる事態が多発。 後にジャンプフェスタにてゴールドレアのアウスと彼女の描かれたスリーブが配布されることになった。 キャッチコピーは「ふぉおおおおお!」「俺の嫁!誰が何と言おうと俺の嫁!」の2種類。 YOME-JP001 ブラック・マジシャン・ガール ultra,ultimate,holographic YOME-JP002 マジシャンズ・ヴァルキリア YOME-JP003 エフェクト・ヴェーラー ultra YOME-JP004 カードエクスクルーダー ultra YOME-JP005 ガガガガール ultra YOME-JP006 荒野の女戦士 YOME-JP007 お注射天使リリー YOME-JP008 サイ・ガール YOME-JP009 静寂のサイコウィッチ YOME-JP010 ドラゴン・ウィッチ-ドラゴンの守護者- YOME-JP011 勝利の導き手フレイヤ YOME-JP012 リチュア・エミリア YOME-JP013 リチュア・ノエリア bba YOME-JP014 リチュア・エリアル YOME-JP015 リチュア・ナタリア YOME-JP016 儀水鏡の幻影術 YOME-JP017 ガスタの巫女ウィンダ YOME-JP018 ガスタの静寂カーム YOME-JP019 ガスタの疾風リーズ YOME-JP020 ダイガスタ・ガルドス YOME-JP021 ダイガスタ・スフィアード YOME-JP022 ガスタの交信 YOME-JP023 ガスタのつむじ風 super YOME-JP024 猛毒の風 YOME-JP025 ガスタへの祈り YOME-JP026 ラヴァル炎樹海の妖女 YOME-JP027 ラヴァル炎火山の侍女 YOME-JP028 ラヴァル炎湖畔の淑女 YOME-JP029 カオス・ゴッデス-混沌の女神- bba YOME-JP030 ドリアード super YOME-JP031 精霊術師ドリアード YOME-JP032 ドリアードの祈り YOME-JP033 ハイ・プリーステス YOME-JP034 水の踊り子 super YOME-JP035 ハーピィ・ガール YOME-JP036 破滅の女神ルイン bba YOME-JP037 久遠の魔術師ミラ super YOME-JP038 召喚師セームベル super YOME-JP039 ブリザードプリンセス YOME-JP040 氷結界の舞姫 super YOME-JP041 氷結界の封魔団 YOME-JP042 氷結界の風水師 YOME-JP044 魔界発現世行きデスガイド YOME-JP045 魔界発現世行バス YOME-JP046 救世の美神ノースウェムコ bba YOME-JP047 ネクロの魔導書 YOME-JP048 白魔導士ピケル YOME-JP049 黒魔導師クラン YOME-JP050 王女の試練 YOME-JP051 魔法の国の王女-ピケル ultimate YOME-JP052 魔法の国の王女-クラン ultimate YOME-JP053 ライバル登場! YOME-JP054 ピケルの読心術 YOME-JP055 ピケルの魔法陣 YOME-JP056 TG-ワンダーマジシャン YOME-JP057 憑依装着-ヒータ YOME-JP058 憑依装着-エリア YOME-JP059 憑依装着-ウィン YOME-JP060 風霊使いウィン YOME-JP061 火霊使いヒータ YOME-JP062 水霊使いエリア YOME-JP063 光霊使いライナ YOME-JP064 光霊術「聖」 super YOME-JP065 火霊術「紅」 YOME-JP066 水霊術「葵」 YOME-JP067 風霊術「雅」 YOME-JP068 パペット・プラント N-Rare YOME-JP069 デーモン・テイマー bba YOME-JP070 治療の神ディアン・ケト bba 関連項目 CARD KINGDOM EDITION 今作ったらどうなるんだろうか -- 名無しさん (2016-08-04 22 18 21) ファイヤー・ソーサラーとウォーター・ガールが好きだ -- 名無しさん (2017-01-17 12 46 24) うさぎと憑依装着ライナ等おにゃのこの充実は日進月歩だなー -- 名無しさん (2017-01-17 19 56 25) うさぎって男説あったなあ -- 名無しさん (2021-08-03 17 19 35) サイレントパラディンはこのパックが合う -- 名無しさん (2022-08-19 20 09 48) ラドリーもこのパックか エルドの嫁だけど -- 名無しさん (2023-05-21 09 50 55) 名前 コメント
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「よーし今日の分完了っと」 「お疲れ様ですアキラさん」 暁は毎日のお勤めである洗濯を終えた。 「ありがとねシエスタちゃん。手伝ってもらって」 「いえいえ、困ったときはお互い様ですから」 手洗いなどやったことも無かったが、シエスタの手を借りながらも最近ようやく慣れてきた。 暁は干された洗濯物を眺めつつシエスタに話しかける。 「最初の頃に比べて俺もうまくなったな。やっぱシエスタちゃんのおかげだね」 「そんなことありませんよ。アキラさんの飲み込みが早いんです」 謙遜しながらもシエスタは嬉しそうだ。 「シエスタちゃんの教え方がうまいんだよ。 ねえ、お礼したいから今度デートにでも行かない?」 ちょっといい雰囲気になったので暁は口説きモードに入る。 ルイズに説教されたばかりだというのにちっとも懲りていない。 「デ、デートなんて私したことありませんし。それにお仕事もありますから」 赤くなって慌てるシエスタ。 脈アリだ 「大丈夫だって。俺がちゃんとエスコートするから」 「でも…」 「それにマルトーさんにも頼めばいいじゃん。 シエスタちゃんいっつも頑張ってるんだからたまには羽根伸ばさなきゃ。ね?」 暁はこのチャンスを逃さず攻勢に出た。 「そうですね、ちょっとくらいはいいですよね」 暁の言葉に納得したのかシエスタは自分に言い聞かせるように呟く。 「わかりました。マルトーさんに頼んでみます」 その返事を聞いて暁は満面の笑みを浮かべる。 「オッケー、それじゃお休みが取れたらまた教えてね」 「はい、よろしくお願いします」 帰っていくシエスタを見つめながら暁はほくそえんでいる。 「シエスタちゃんとデートか。楽しみだなー」 独り言をいいながらにやけている。 はっきり言って不気味だ。 しかし暁の楽しい気分は、すぐに終わってしまった。 いきなり暁の目の前に大きな氷柱が打ち込まれた。 「なんだ!?」 とっさに身構え、辺りを見回す。 すると木の陰から一人の男子生徒が姿を現した。 「ゼロのルイズの使い魔だな」 男子生徒は暁に問い掛け徐々に近寄ってくる。 その問いに対し暁は 「いや違う違う。人違いじゃないかな」 思い切りすっ呆けた。 「とぼけるな。スズムラアキラ、お前に決闘を申し込む」 暁のウソは一瞬でバレてしまった。 こちらの名前まで知っているのだから当然か。 「ちくしょー、またかよ!」 暁は一目散に逃げ出した。 「逃げるな卑怯者!」 次々に氷柱を打ち込みながら生徒は追いかけてきた。 どっちが卑怯なんだ そんなことを考えつつ暁は駆け続けた。 「それで急いで逃げてきたのね」 ルイズはボロボロになった暁に呆れている。 ギーシュと決闘の後、やたらと決闘を挑んでくるものが現れるようになった。 平民が貴族に勝ったことが気に食わないものや腕試しが主な理由のようだった。 それに対して暁はこれまで人違いと言って誤魔化してきた。 しかし決闘を挑んできたものの多くは暁がナンパした女生徒からウワサを聞いていたため あっさり身元は特定されてしまったのだった。 「自業自得じゃないの。それ」 ルイズはツッコむ。 全くその通り。ごもっともな意見だ。 「でもあんなヤツらとやり続けてたらコッチの身が持たないでしょ」 暁は弁解するがルイズは納得しないようだ。 「逃げ続けても何にも好転しないと思うけど」 「心配すんな。ちゃんと手は打ってある」 「ホントにー?」 何故か自信満々の暁にルイズは怪訝な顔をする。 すると部屋のドアがノックされた。 「はーい、開いてるわよ」 ルイズはそのノックに答える。 ドアが開くと二人の女の子が入ってきた。 「お待たせー、ダーリン」 一人はキュルケだ。 その手には何枚もの手紙が握られている。 「お、キュルケちゃん待ってたよ」 暁はすぐさまキュルケの元へ駆け寄った。 そして二人は楽しそうに話し始める。 キュルケの姿と暁の様子を見てルイズは露骨に嫌な顔をする。 「ちょっとアキラ!アンタまだキュルケと関わってんの!?」 あれだけ説教したのにコイツは ルイズは暁を怒鳴る。 すると暁とキュルケは会話をやめ、 一瞬ルイズを白い目で見た後何事も無かった様にお喋りを再開した。 「人のハナシを聞きなさい!大体何よ、その一瞬の間は!」 二人の不可解な行動に苛立つルイズ。 しかし二人は構わず続ける。 「はいコレ、頼まれてたものよ」 キュルケは暁に手紙の束を手渡す。 「ありがとー、キュルケちゃん」 受け取った手紙を眺めながら暁は感謝の言葉を口にする。 「それにしてもこんだけの量大変だったんじゃないの?」 「大丈夫よ。このコにも手伝ってもらったから」 そう言ってキュルケは彼女についてきたもう一人の少女に向き直る。 ショートカットに眼鏡をかけた小柄のコだ。 「彼女は?」 そのコを見ながら暁はキュルケに尋ねる。 「このコはタバサ。あたしの親友よ」 「そうなんだ。ヨロシクね、タバサちゃん。俺涼村暁って言うの」 早速暁はタバサに自己紹介をする。 「よろしく」 素っ気無いタバサの返事に暁は少々面食らったが、いつもの調子で続けている。 「キミもカワイイね。その眼鏡も似合ってるよ」 「ありがとう」 褒められたことにお礼は言っているものの、どーにもこーにも反応が薄い。 「キュルケちゃん、もしかしてタバサちゃんの機嫌って悪かったりする?」 不安な暁はキュルケに聞いてみる。 「心配しないで。このコはこーいうコだから」 キュルケは何でもないといった感じで暁に答える。 「そうなんだ。ならいいけど」 その言葉にちょっとだけ暁は安心した。 当のタバサは二人が話している間、ずーっと暁を凝視していた。 タバサが手紙作りの手伝いを頼まれたのは昨日のことだった。 「ねえ、タバサ。ちょっとだけお願いがあるんだけど」 キュルケにお願いをされることは結構多かったりする。 今回はどんな頼み事なのやら。 「ちょっと手紙を作るの頼まれちゃったのよ。アナタも手伝ってくれない」 量が多いようだし、正直大変そうだ。 「誰に頼まれたの?」 ちょっと気になったタバサは尋ねてみた。 「スズムラアキラ。ヒーローのカレよ」 キュルケの答えにタバサは反応する。 あのギーシュとの決闘のときに変身したヴァリエールの使い魔だ。 初めて見たとき、タバサは彼をエルフだと思った。 杖も持たず姿を変える変身魔法を使うからだ。 しかし今のキュルケの答えはなんだ。 エルフを呼び出すだけでもすごいと思っていたのに違うのか。 「ヒーロー?」 耳を疑ったタバサは思わず聞き返す。 「そう、ヒーローよ。何でも魔法じゃない別の力で変身するんですって。クールよね」 魔法じゃない? そんなバカな。 あれが先住魔法以外の何だと言うのか。 しかもヒーロー? そんなものはおとぎ話や絵本の中だけだ。 「本当に?」 念のためタバサはもう一度聞く。 「カレはそう言ってるわね。あたしも最初は信じられなかったけど、 あの戦う姿を見たらどーでも良くなっちゃうわ。ほんとにステキだった」 シャンゼリオンとなった暁の事を思い出し、うっとりとするキュルケ。 そんなキュルケをよそにタバサはまた別のことを考える。 そういえば彼は変身しただけじゃない。 銃や剣を召喚し、分身も作っていたはずだ。 明らかに魔法の範疇を超えている。 とすると彼は本当にヒーローなのか。 少し興味がわいてきた。 「あ、手紙のことだけどどうする?無理にとは言わないけど」 「うん、手伝う」 「ホント?ありがと、タバサ!」 これで彼に近づくことが出来る。 後はじっくり観察すればいい。 …もちろんキュルケのお手伝いをしてあげたいのもあるんだけど。 「何か俺、すげーガン見されてんだけど」 タバサの視線に気づいた暁はキュルケに問いかける。 「あらタバサ、アナタも惚れちゃったの?」 「え、マジで?いやー、いい男ってのも罪だね」 「でも相手がアナタでもダーリンは渡さないわよ」 会話が弾む二人。 しかし部屋の主は黙っているはずも無い。 「ちょっとキュルケ!そのダーリンって何よ」 無視されていたルイズは少し、いやかなり怒っている。 「あら、ルイズ居たの」 ルイズの存在を完全に忘れていたキュルケはきょとんとした顔をする。 「ここは私の部屋よ!」 ルイズは暁から手紙を奪い取った。 「何なのよ、この手紙。どーせまた女の子への手紙じゃ…」 ラブレターと思っていたルイズだったが題字を見てビックリした。 「果たし状?」 「そ。これを決闘申し込んできたヤツらに渡そうと思ってさ。 でも俺コッチの文字分かんないからキュルケちゃんに頼んでたの」 その暁の答えにいつものルイズなら文字くらい覚えろだの何だの浴びせるだろう。 しかし様子がちょっと違う。 今まで決闘を挑んできた相手に正々堂々勝負を? いつもはフザケた態度だがやはりコイツは逃げも隠れもしないヒーローなのね。 「ね、ダーリン。あのこと覚えてる?」 「当たり前じゃないの。キュルケちゃんとデートでしょ」 ルイズの思いとは裏腹に暁はキュルケと遊ぶ約束をしていた。 全くこの男は。 「それじゃ、そろそろ行くわね」 「さようなら」 キュルケとタバサは別れの言葉を告げてルイズの部屋から出て行った。 その時もずーっとタバサは暁を見つめていたのだが。 「あんなに俺のことを見つめて、タバサちゃんも気があるのかな」 暁は相変わらずのしまりの無い顔をしている。 「アキラ」 そんな暁にルイズは声をかけた。 「ん、なぁに?」 「私、アンタのこと誤解してたかもしれない」 「何のこと?」 ルイズが何を言っているのかわからない。 暁は聞き返す。 「果たし状を出して、改めて真っ向勝負を挑むなんて。普段のおちゃらはただの演技だったのね」 ヒーローたるもの逃げも隠れもせずに正攻法。 そんな考えを持っていたルイズはちょっと感動していた。 しかしその感動は、すぐに裏切られることになる。 「え?違うよ」 ルイズの言うことが理解できないといった様子ですぐさま暁は否定する。 「違うってどういうことよ」 ルイズも暁の言っていることがわからない。 やれやれといった感じのオーバーなリアクションをとって暁はルイズに説明する。 「この果たし状は俺の名前で出すんじゃあない。 差出人は今までケンカ売ってきた奴らの名前で出すんだ」 話を整理しようとルイズは考える。 手紙は決闘を挑んできた相手たちに出す。 しかし差出人はアキラではない。 奴らの名前で出す… まさか 「アンタ、もしかして自分の手を汚さず相手をぶつけ合うつもり?」 「いかにも!毒をもって毒を制す。これっきゃない!」 なんとセコイ作戦か。 ちょっとでもコイツを見直した自分がバカだった。 ルイズは後悔の念にかられていた。 「コスいわよ!だいたい上手くいくワケないでしょ」 しょーもない暁の作戦をやめさせようとルイズは何とか説得を試みる。 「ヤンキーとヤンキーは目が合っただけでケンカが始まるだろ?アレと同じだ。 あーいう奴等は出くわしただけでドツき合うモンなんだ」 だから何故いつもそんなに自信があるのか。 暁の言うことには根拠が無い。 「なによヤンキーって!だいたいアンタはヒーローなんだから真正面からぶつかればいいじゃない」 ルイズは説得を続けるが 「知るか!どーせ俺は正統派ヒーローじゃないんだ!」 遂に暁は開き直ってしまった。 ルイズの言葉は全く受け付けないようだ。 「ああ、そう…」 疲れるやら情けないやらでルイズは黙ってしまった。 ほんとーに良かったの? チキューの人たちは こんなヤツがヒーローで ルイズが呆れてしまい、現実逃避をしかけたそのときだった。 突然轟音が響いた。 「何?」 我に返ったルイズは暁と一緒に窓から外を見る。 二人はほぼ同時に、あっという声を上げた。 外には一体の巨人がいたのだった。
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前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ 拝啓、私の王子様 すごいです。私、王子様の顔を見ただけですごくどきどきしてしまうんです。 この思いを王子様に伝えたい………でも私は臆病だからそれをいまだに伝えられずにいたんです。 だから私、この思いをチョコレートにこめました。私の愛の手作りをどうか召し上がってください。 しらとりく……死神ももえ 「で、それが愛の手作りチョコなわけ? 明らかにシエスタに作ってもらってたけど。」 「そーだよ。これが愛の手作りチョコレート 私料理下手だから。」 リボンで梱包されたチョコレートをさも自分のものかのように扱うももえであった。 「いいんですよ。私はモモエさんのお世話をすることが数少ない生きがいなのですから。」 「………! ねぇちょっと、あんたシエスタに何したのよ! 何したのよーーー!!!!」 にっこりと曇りない表情で微笑むシエスタをよそに、ルイズはももえの襟首をつかんでがくがくと上下させ続けた。 これが投稿されたらうどん食べて寝る「ゼロの使い魔死神フレイムデルフリンガーシルフィード二年生ももえサイズ」 馬に乗って帰ってきたルイズは、先に帰ってきてたももえ達から自分達が学院内でしばらくの謹慎を命じられたことを知った。 仕方ないとはいえルイズは思わず肩を落とした。しかしももえは相変わらずの様子だ。悪魔はこの学院内にまだ潜んでいるらしいが……… 「洗濯をしてきなさい。」 翌日、ももえの前に大量の下着やら何やらが渡された。御主人様と使い魔の主従関係を示すのが先決だとルイズは考えたのだ。 「これは?」 「見れば分かるでしょ。私の下着よ」 「………」 「こらぁ! いきなり臭いを嗅ごうとするなぁ!」 思わずルイズは下着をひったくった。 「………ったく、いい加減にしなさい! その洗濯が終わるまでこの部屋に戻ってきちゃだめだから。いいわね?」 「とはいっても………」 大量の洗濯物を持ってももえは頭を抱えた。ももえは洗濯などしたこと無いのだ。メイドのメイちゃんが全部してくれたから。 「メイド、メイド、メイド…………メイド!」 するとたまたまメイドがちょうど通りかかってきたのでその娘にお願いすることにした。 「そこのおっぱい星人!」 「誰がおっぱい星人ですか! しかもなんで初対面の人にいきなりそんな事を言われなきゃいけないんですか!」 メイドは胸をぷるんぷるんとゆらしながらももえに近づいた。 「どうでもいいけどとりあえず名前を聞いておくわ。そうしないと話進まないし」 「私の名前はシエスタで、このトリステイン魔法学院で給仕を中心にメイドの仕事をしています。で、あなたはミス・ヴァリエールの………」「生き別れになった双子」 「いやいやいやいや、確かあなたはミス・ヴァリエールの使い魔のモモエさんだったはずでは……」 「だから早くこの下着を洗ってね☆」 「だから って何ですか! この下着を私に洗えと!?」 「だってあんたさー、本編のみならず幾多数多のSSで召喚されてた奴と友情やらなんやら育んでたし」 ???ものしり館??? ※幾多数多のSS【いくたあまたのえすえす】 「幾多」とは数多くの、「数多」とは数の雅語的な表現。つまり数多くのという意味で今回は使われている。 ゼロ魔本編でのヒロインぶりは勿論のこと、「召喚されました」SSでもシエスタが召喚された者の味方になるケースが多い。 そして今回の場合幾多(ryでのルイズとシエスタとの友情も含まれていたため、イメージ図での大きさは5mぐらいの大きさと思われる。 「いきなり何わけのわかんないこと言ってるんですか! いくら私が人のいいメイドとはいえ、こんな勝手な人の頼みなんて知りません!」 シエスタは怒ってしまってこの場を去ろうとしている。 その時ももえには『幾多数多のSSで培ってきた友情』のイメージ図がシエスタの体からふわふわと離れていくのが見えた。 「あ、そうだ!!」 ももえはカマを取り出すとそれをばっさりと真っ二つに斬った。すると、 「モモエさん だーい好き!」 くるりと振り返ったシエスタはももえに抱きついたのであった。 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 「じゃあ、洗濯してくれる?」 「はい! 下着からミス・ヴァリエールとの鬱陶しい関係までなんでも洗い流して差し上げますよ!」 「あははははは」 「あははははは」 シエスタを抱きかかえたももえはしばらくその場を回り続けた。 翌朝、ルイズの部屋の元にシエスタがチョコを持って訪れた。それを受け取ったももえはたいそう喜んだのだけど、 「それで、このチョコレートは誰にあげるつもりなのかしら?」 ルイズは作られたチョコを見てそう尋ねた。形も整っていて真心が感じられる物だと思う。その相手に向けられてないのは確かだが 「憧れのギーシュさまに………」 「ぶっ! あっ、あんたみたいなのがあんなのに興味を持つなんて、い、意外ね。」 ルイズの声は上ずっていた。正直驚きを隠せなかったのだ。趣味を疑う的な意味で 「実は昨日、女の子を一人斬っちゃってさー」 「え」 「いやー、でもあれは仕方なかったよ。ねー、シエスタちゃんもそう思わない?」 「思います、思います。 本当あれは相手が圧倒的に悪かったですから。」 ルイズはこの二人が真実を語っているとは到底思えなかった。そして腕組みをして考え込んでいたら、ある答えがひらめいた。 「その娘って、もしかしてケティの事じゃないかしら?」 ケティはルイズたちの1年後輩で最近ギーシュと付き合っている女子のことである。 「あー確かそんな名前だったような」 「すごい洞察力ですね、ミス・ヴァリエール。」 シエスタはルイズのことをほめたのだが、明らかに棒読みだったのでルイズを苛立たせただけだった。 「それが臭くってさ~」 「あははー臭いですよねー」 二人が別次元の会話をしているのをよそにルイズはまた腕組みをして考え込んでいた。 「たしかにギーシュはもてるわよねぇ………」 ギーシュは女の子に甘ったるい言葉をかけたりするなど、女子には優しかったから人気はある。 しかしギーシュには前から恋仲であるモンモランシーという女子がいたはずだ。恐らくあいつの事だから二股でもかけてたんだろうかと思いをめぐらせてるとまたある答えがひらめいた。 「もし、あんたが後輩を斬ったって事は………下級生?」 「「あ」」 「わあ、超人的洞察力ですね、ミス・ヴァリエール」 『ももえのカマで斬られたものの存在はももえが肩代わり 後輩のケティが斬られたのでももえの学年が1年下がります』 ???ものしり館??? ※肩代わり【かたがわり】 本来他人が背負わなければならないものを自分が代わりに背負うこと。 このSSでの「肩代わり」の解釈は能力的なものから肩書き的なもの、物理的なもの等、時と場合と都合に応じて変化する。 つまり前々回は上級生の「称号」だけ肩代わりされたにもかかわらず今回性格的なものも肩代わりされているというのは作者のご都合主義に他ならない。 しかしクロス先の「ももえサイズ」はそのような枝葉末節など吹き飛ばしてしまうような漫画なのでそれに倣ったまでである。ご容赦いただきたい。 とうとうその時がやってきた。ももえはいてもたってもいられなくなって空を飛んでギーシュの元へと向かった。 「きゅいきゅい」 『シルフィードの能力』 そして上にはシエスタとルイズが乗っていた。 ルイズも結局この騒動に巻き込まれたからには必ず元を取ってやろうと思うようになったのでももえについてきたのだ。 「わぁ、私達って今、空をとんでいるんですね。」 「言いたいことはそれだけなの!?」 シルフィードの能力を無駄遣いしつつも素早くギーシュを発見し急降下した。 「いやああああああぁぁぁあぁぁ!!!!」 「あはははははは。あっははははははははは」 「むしろそれは中原よね………」 ギーシュは友人達に恋人とはなんであるかを偉そうに解釈していた。 「…………であるからして僕は薔薇一族を作るのが夢なんだよ。」 ???ものしり館??? ※薔薇一族 【ばらいちぞく】 ローザネイから派生する競走馬一族である。ローズやローザなど薔薇に関する名前が付けられることからきている。 GⅡ、GⅢは勝てるのにGⅠになるといまいち勝てなくなることで有名。 そんな成績のためか、この牝系にはファンが多い事で知られている。 友人達が上空の異変に気づき逃げようとするものの時すでに遅し。ももえ達は思いっきり突っ込んだ。 「うわあああああああ!!!!!」 「きゃあああああああ!!!!!」 そしてそんないざこざの間にギーシュの胸ポケットから香水の瓶が飛び出した。 「落ちる!」 ももえはおもわず手にしたカマでそれをキャッチしようとしたが、 ざしゅっ 小さな瓶はきれいにまっぷたつに割れた。 「つまり、これは………」 いち早く立ち上がったルイズが横になったまま動かないももえを見てまたしてもあることに気づく。 「ギーシュさまぁ」 「ごほっ………ごほっ、なっなんだい君は。」 「私、ギーシュさまの落とした香水ですよー。だから拾ってくださーい」←使い魔死神友情フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生 「なっ、何を言っておるのだ。僕はこんな大きな香水は落としてないぞ。じゃ、じゃあ僕は用事があるからこれで」 そんな事を言うとギーシュは逃げるように去ってしまった。 「じゃ俺も用事があるし。」 「あっ、俺も。」 「俺も俺も」 ギーシュの友人達もそれに続いた。後に残されたのは寝転がったままのももえとそれをじっと見つめるルイズとシエスタだけだった。 ももえは懐から取り出したプラカードとマジックで「拾ってください」と書いて自分の首に巻きつけたのだが一向に効果は見られなかった。 そしてルイズがあきらめかけたその瞬間! 「あら、こんなところに私の香水が落ちてるわ」 たまたま通りかかったのはギーシュの香水を作った女子、モンモランシーであった。 「でも、こんなに大きい香水ははじめてみたわ。どうやって持って帰ろうかしら。」 モンモランシーはももえの前でうんうんと唸り始めた。見かねたシエスタが声をかける。 「あの、これって実は 「私が手伝うわ。」 「あら、いいの? ミス・ヴァリエールが人の手伝いを進んでしてくれるなんて珍しいわね。」 「私の気が変わらないうちにとっとと済ませるわよ。」 モンモランシーの憎まれ口にも反応する暇など無い、ルイズは渡りに船とばかりに実行に移すことにした。 とりあえずモンモランシーは足を持ってルイズは首を持った。試しに持ち上げてみると意外と軽かった。これならいけそうだ。 「いっち、に、さん、し」 「えっほ、えっほ」 「いっち、に、さん、し」 「えっほ、えっほ」 遠くに連れて行かれるももえを見てシエスタはとりあえず大声で聞いてみることにした。 「その香水今度使わせてもらってもいいですかーー?」 「ええ、いいわよーー!」 すぐさまルイズの返事が返ってきたのであった。 「ただいまー!」翌朝、何事も無かったかのようにももえがルイズの部屋に戻ってきた。 「モンモランシーとの生活はどうしたのよ」 「いや、私より彼女のほうが香水"向け"だったから。」 「?」 「ところでさー、知ってる? エッチな気分になる香水って女の子の脇の臭いとおっさんの脇の臭いを混合させて作ってるんだよ。」 「知らないわよ、そんなこと。」 するとももえが急にルイズの脇元に鼻を近づけた。 「なっ、なな何するのよ!」 「いやー………やっぱりあんたのほうが香水向けね。マニアックな臭いがする。」 「マニアックな臭いってどんなのよ! って私の脇を指差すなぁ!! わ、私の脇はそんなに臭ってないわよ。臭ってないんだからね!」 ※おわり これまでのご愛読、ご支援ありがとうございました。 ※次回からはじまる「ゼロの使い魔死神友情フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」に乞うご期待!!! 前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ
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前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔 ウルトラマンゼロの使い魔 第九十六話「激ファイト!ゼロvsウルトラセブン」 妄想ウルトラセブン カプセル怪獣アギラ 登場 「な、何で声を掛けないのよッ! 一時間も!」 「ご、ごめん……」 ……週末の休日、俺はルイズとともに繁華街に来ていた。この前の帰り道での約束通り、 買い物の荷物持ちとしてルイズについて回るのだ。 しかし、リシュが「ルイルイとのデート!」なんてはやし立てるので、恥ずかしくなった俺は 約束の時間より一時間も早く待ち合わせ場所に到着。そしたら何とルイズも待ち合わせ場所にいたのだ。 これって、あいつも早く来てしまったということ? いやいや、都合よく考えたらまた 手痛いしっぺ返しを食らうパターンじゃ……と声を掛けるのを躊躇っていたら一時間が経過。 そしたらルイズがこのようにカンカンになってしまったのであった。こうなると分かって いたのなら、とっとと声掛けてりゃよかった……。 「でもお前、何で俺が一時間も声を掛けなかったって知ってんだ?」 「!?」 ふと尋ね返すと、ルイズは顔を赤くしてわたわたし出した。 「そ、そそ、それは! そんな気がしただけよ!」 えぇ? 「気がした」だけで、ピタリと言い当てられるものなのか? 実は最初から俺が いるのに気がついていたんじゃ……。でもそれだったら、向こうから呼びかけるはずだよな。 うーん、ルイズのやることはいまいち分からん。 「はぁ……。とりあえず、ごめん」 「もういいわ! 早くお店に入りましょ!」 俺が頭を下げたところで、ルイズはこの話を打ち切って買い物の開始を促した。 「いいけど。まず、何買うんだ? なるべく軽いものからがいいんだけど」 持って歩かないといけないし、と聞くと、ルイズは何故かまたも頬を赤らめる。 「……ミ、ミスコンに必要なものよ」 「ミスコンに必要なもの? 何だ? もったいぶってないで教えろよ」 催促したら、ルイズは俺にだけ聞こえるような非常に小さな声で言った。 「み、水着よ」 「水着!?」 「大きな声出さないでよ! 水着審査があるって、あんたも知ってるでしょ!?」 「あー、そうだった。……って、今から水着選びに行くの? お前、持ってないの?」 「も、持ってるけど! その、ちょっと前に買ったものだから、もう流行過ぎてるし! せっかくだから 新しいものを買いたいの! 文句ある!?」 「あ、ありましぇん……」 何も怒鳴らなくなって……。と言うか、ちょっと前だけでも流行遅れになるものなんだな。 ファッションの世界って厳しいんだな。 「そ、それで、ちょっと調査がしたいんだけど……あ、あんたは、ど、どど、どんな水着が、 す、好きなの?」 え? 「俺? 何でそんなこと聞くんだ? ファッションのことなら、ファッションとかに聞けばいいのに」 一応説明しておくと、前者の「ファッション」は言葉通りの意味で、後者は仇名が「ファッション」の クラスメイトを指している。何かややこしいな。 そう思っていると、ルイズはこんなことを返した。 「ここ、これはあくまで、一般的な男性はどんな水着が好きなのかっていうリサーチなんだから! べ、べ、別に、あ、あんたのこ、ここ、好みとか確認してるんじゃないんだからッ!!」 「……とにかく、ルイズはどんな水着を着るべきか、俺の意見を言えばいいわけ?」 要するに、そういうことだよな。俺の答えた水着を、ルイズが他人に着させるなんて すっとんきょうなことはないだろうし。 「そ、そうよ!」 うーん……。俺個人としては派手めな奴が好きだけど、ルイズには似合わないだろうし、 何よりそれじゃ多分キュルケと被るだろうしなぁ。ルイズに似合うものなら……。 「ちょうどあそこに飾ってるような、フリルのセパレートかな」 側の店のショーウィンドウに飾ってある白のセパレート水着を指して、答えた。 「ふぅん、確かに可愛いわね。フリルがいっぱいで……」 存外、ルイズの反応も悪くなかった。 「けど、ミスコン向きじゃないかもだけどな。他のも選んでみるのはどうだ? 他に良さそう なのがあるかもしれないし」 「と、とにかく、お店に入りましょ。来なさい」 ルイズはそう命じてきた。……えぇ? 「……ええと、俺も行かないと、ダメ?」 「当たり前でしょ!? 何しに来たのよ!」 「わ、分かりましたぁ……」 男が女の子の水着売り場に行くのって、結構勇気がいるんだけどなぁ……。まぁ、下着売り場 よりはマシだと思っておこう……。 新しい水着を購入して店を出たルイズに、俺は尋ねかける。 「なぁ、ルイズ。どんなの買ったのか知る権利くらい、俺にもあるだろ?」 「ダメッ! 絶対に見せないんだからッ!」 ルイズはその一点張りだった。一緒に店に入ったのに、結局水着を一人で決めて会計を 済ませてしまった。それで荷物も自分で持ってるし……。これじゃあ、俺が何のために ついているのか分からないじゃないか。 と、ルイズが急にため息を吐く。 「はぁ……。とりあえず買ってみたけど、これで本当にキュルケに勝てるのかしら?」 「な、何だよ、いきなり弱気だな」 「だって……」 不安げなルイズ。まぁ、気持ちは分からなくもない。少なくとも水着審査は、俺が女だったら まず勝てる自信ないぞ。 「やっぱり自己アピールの時、何かもっと目立つことをやった方がいいのかしら?」 そんなことをぼやくルイズに、俺は、 「そんなことないって! 前にも言っただろ? ありのままのお前でいいって」 「……そうかしら?」 「そうだって! 第一、慣れないことやって自分をアピールできると思うか?」 「……」 俺の意見に、ルイズは沈黙で返答した。 「まぁ、俺から言えるのは、身の丈に合った勝負をしろってことくらいだな。それ以外は何とも言えん!」 「もう、いまいち頼りないわね。でも、まぁ、せっかくサイトがそこまで言ってくれたんだから…… わたしは、ありのままの自分で戦ってみるわ」 ルイズは分かってくれたみたいだ。 「ああ、そうだろ? 自然体が一番だよ!」 「でも、ちゃんと努力もしてるんだからね? 筋トレとか勉強とか、毎日欠かさずやってるし!」 「へー、すごいな! 俺は勉強なんて、テスト前くらいしか真面目に取りかからないよ」 「こら、だから成績が悪いんでしょ。リシュも不出来な兄だって嘆くわよ?」 「うッ、痛いところを……」 なんて言いながら苦笑し合う俺たち。この前は少し不安もあったけれど、何だかんだで いい雰囲気になっているじゃないか。 ……と和んでいたら、唐突に背後の方から頭にガンガン来るようなけたたましいバイクの 爆音が鳴り響いてきた。何事かと振り返ったら、 「オラオラー! イチャついてんじゃねーよ!」 「目障りなんだよぉー!」 五人組の男たちがバイクで歩道に上がり込んできて、俺たちを脅してきた! 暴走族って奴か! 「きゃッ!?」 突然のことに驚いたルイズはバランスを崩し、転倒する! 「いたッ……!」 「ルイズ! テメェら、いきなり何しやがる!」 激怒した俺が車道に逃げる暴走族に怒鳴りつけたが、暴走族には全く悪びれた様子がない。 「俺たちは怪獣だー! 人間の身体を持った怪獣なんだー! だから容赦しねぇぜー!」 更にはふてぶてしい台詞を吐き捨てる始末。くっそ、面白半分で人を危ない目に遭わせやがって…… ああいう奴らには怒りが収まらねぇや! けれど――直後にその怒りが吹っ飛んでしまうくらいのとんでもない出来事が発生した。 走り去ろうとする暴走族の進行先から、怪しい光が立ち上ったかと思うと……地球人なら 誰でも知っている紅い巨人が出現したのだ! 「ウアアアアアア――――!」 あれは……ウルトラセブン!? ど、どうしてこんなところに、いきなり!? 『お、親父!?』 ゼロも驚いて叫んだ。……って、 「えッ!? セブンって、ゼロのお父さんなのか?」 こっそりと尋ねた俺に、ゼロが肯定した。 『ああそうだ。お前に教えてなかったか?』 「あッ、そう言われてみたら、教えてもらったような……」 おぼろげながら、そんな気がする。でも、いつ話してもらったんだったっけ……。 「ウアアアアアア――――!」 などと気にしている暇はなかった。ウルトラセブンは恐ろしげなうなり声を発しながら、 街を踏み壊しながらこっちに迫り出したのだ! 「うあああああッ!?」 悲鳴を上げて反転し、逃亡し出す暴走族。こ、これはどういうことだ!? 「どうなってんだ!? 何でセブンが街を壊すんだ!」 セブンは幾度も地球を守った、正義の戦士だろう! 混乱していると、ゼロが言い放つ。 『……いや、あれは親父じゃねぇ! 強烈なマイナスエネルギーの塊みたいだ! それが親父の 姿を取ってるだけだ!』 何だって!? じゃああれはセブンに化けた、怪獣の一種なのか……! そうなると放ってはおけないが、このままここにいるのはさすがにやばい! 俺はルイズの方に振り返る。 「ルイズ! 逃げるぞ! このままじゃ踏み潰されちまう!」 しかし、ルイズはしりもちを突いたまま動かない。 「さっきので、足をひねっちゃったの……! 立ち上がれないわ……!」 「何だってぇ!?」 このままじゃ非常にまずい! 偽者のセブンはまっすぐこっちに向かってくる! けど、ルイズの前じゃ 変身できないし……。 こうなったら! 俺はルイズに見えないように背中で隠しながら、赤いカプセルを放った。 「キギョ――――――ウ!」 出てきたカプセル怪獣はアギラ! ルイズを避難させるだけの時間を稼いでくれ! 「ルイズ、ちょっと失礼するぞ!」 「えッ? きゃあッ!?」 俺はルイズを、いわゆるお姫さま抱っこの形で抱え上げる。ルイズは何故か急に顔を真っ赤に したが、構っている余裕はない! そのまま横にそれ、セブンの進行方向から逃れていく。 「ウアアアアアア――――!」 「キギョ――――――ウ!」 アギラは偽者のセブンにまっすぐ突進していったが、強烈なキックをもらって仰向けに転倒。 そこを馬乗りされ、ボコボコに殴りつけられる。 つ、強い! すさまじいパワーを感じる……。外見だけじゃなく、力まで本物に近いのか!? アギラはどうにかセブンを押しのけるが、起き上がったところに顔面にハイキックを浴びて またも倒れ込んだ。 「キギョ――――――ウ!」 たまらず逃げるアギラは、ビル群の陰に縮こまって身を隠す。それを見たセブンは、ビル群の 反対側に遠回りに回り込んでいく。 セブンの姿が見えなくなると、アギラは頬杖を突いて座り込んだ! おいおい! 見た目が 主人そっくりだから、戦意が沸かないのか!? しかし、偽者のセブンは既にアギラの背後に回り込んでいた! 「ウアアアアアア――――!」 セブンに背中を足でつつかれたことで、弾けるように振り返るアギラ。 「キギョ――――――ウ!」 その瞬間にまたも蹴り飛ばされた! くそぉ、アギラじゃまるで歯が立たない! でも、この間にルイズを安全なところまで運ぶことが出来たぞ! 「ルイズ、ここにいてくれ!」 「サイトは!?」 「俺は……この状況をどうにかしないと!」 離れるのに上手い言い訳が思いつかず、漠然とそう言った。でも、ルイズは詮索せずにひと言、 「……頑張って!」 「! ……ああ!」 応援の言葉を受け、ルイズの元から駆け出す。 ……もしかしてルイズは、俺がゼロだということに勘づいているんじゃないだろうか。 だからこの前の戦いでも、あんなことを……。でも、いつ気がついたというのだろうか? それらしい心当たりはないんだが……。 いや、今はそれよりもあのセブンを止めないと! あの姿で、これ以上街を破壊させる訳にはいかないぜ! 「デュワッ!」 ゼロアイを装着して、ゼロに変身! ゼロはアギラを下し、また一直線に進み始めたセブンの 前に立ちはだかる。 『やめろ! 俺の親父の姿で、こんな乱暴を働くんじゃねぇぜ!』 「ウアアアアアア――――!」 ゼロが呼びかけても、セブンは何の反応も見せずにゼロにまで襲い来る! 言葉がまるで 通じてないみたいだ! 『聞く耳持たねぇってか……! しょうがねぇ!』 やむなくセブンと戦い始めるゼロ。相手の上段蹴りを避けて肩を捉え、ひねり投げるが セブンは着地。反対にゼロを投げ飛ばす。 『うッ!』 「ウアアアアアア――――!」 更にセブンはパンチのラッシュとキック攻撃を放ってくる。ガードを固めたゼロだが、 その上からの衝撃によろめく。 『このッ!』 「ウアアアアアア――――!」 相手の腹部に横拳を入れて突き飛ばしたが、セブンはその先の建物を引っこ抜いて、ゼロの顔に 叩きつけてきた! 『ぐあッ! くそ、何つぅパワーなんだ……!』 ゼロは相手の身体を透視で分析した。 『こいつは怒りのオーラの結晶だ……! だからこその度を越えた勢いか……!』 「ウアアアアアア――――!」 セブンの攻勢は留まることを知らず、ゼロに肉薄して両肩を掴んできた。そのまますさまじい 握力で締め上げる! 『ぐぅぅッ! ま、まだまだぁッ!』 苦しむゼロだが膝蹴りを入れて振り払った。だがセブンは次に額のビームランプに指を添えると、 青白いレーザー光線を発射してきた! 『うおぅッ!』 ギリギリ側転で逃れるゼロ。エメリウム光線もどきも使えるのかよ! 『こんにゃろぉッ!』 ゼロスラッガーを飛ばして反撃するが、セブンはひねりをつけたジャンプでスラッガーを かわし切った。パワーだけじゃなく、スピードと身のこなしまで相当なものだ……! こいつは かなりの強敵だぞ! 「ウアアアアアア――――!」 と、ここでセブンが奇妙な攻撃をしてきた。足元のミキサー車を、綺麗なフォームで 蹴り飛ばしてきたのだ。 ミキサー車をはたき落としたゼロも、これに気を掛けた。 『今のは親父の技じゃねぇぜ……』 『じゃあ、誰の技なんだ? サッカー選手さながらの完成された動きだったけど……』 それに冷静になって観察してみると、あのセブンの怒りの矛先は、さっきの暴走族にのみ 向けられているみたいだ。まっすぐ進んでいたのは、暴走族を追いかけていたからなのか。 「シャッ!」 ゼロはもう一度透視を使い、セブンの身体をもっと精密に分析した。その結果、 『こいつは親父の人形を核にして、誰かの怒りの感情エネルギーで構成されてる。つまり生霊が 取り憑いてるようなもんだ。暴走族を執拗に狙ってるのを見ると、あいつらに傷つけられた奴が 親父の姿を借りて復讐をしようとしてるってところか……』 『そういうことだったのか……』 セブンの横暴の理由を悟ったゼロは、青く輝くルナミラクルゼロに変身した。そして超能力で テレパシーを増幅し、セブンに向けて呼びかける。 『ウルトラセブンの人形の持ち主の魂よ! 俺の言葉を聞いてくれ! あんたは、他のセブンを 慕う人たちの気持ちを、傷つけるつもりなのか!?』 そう問いかけると、セブンがハッと気がついた風に足を止めた。 『あんたにも事情があるんだろう。あの暴走族にひどいことをされたのかもしれない。けど、だからって 街を壊していいことにはならないだろう! セブンが暴れて街を破壊したら、セブンを信じてる多くの 人が嘆き悲しむ! 人形を持ってるほどセブンを愛してくれてるのなら、それがどんなにひどいこと なのかは分かってくれるだろう!?』 セブンは我に返ったかのように、自分がボロボロにした街を見渡し、唖然として立ち尽くした。 もうセブンに暴れる意思はなくなっていた。後は、元の人形に戻してやるだけだ。 『フルムーンウェーブ……!』 ゼロがフルムーンウェーブを浴びせると、セブンは力を失ってその場に横たわった。ゼロはその 身体を抱え上げる。 「……ジュワッ」 そのまま大空に飛び上がり、セブンを遠くへ運び去っていった。 夕方。俺はルイズと帰りの駅にいた。 「ルイズ、足はもう大丈夫か?」 「ええ、腫れは引いたわ……。あ、あの……た、助けてくれて……ありがとう……」 「気にするなよ。あれくらい当然みたいなもんだ」 ニカッと笑いかける俺。ルイズはさすがに恩を感じて萎縮しているのか、変にもじもじしている。 だから気にすることなんてないのにな。 「でも、買い物は台無しになっちゃったな。買えたのは水着だけか」 「大丈夫よ。水着だけでもあれば、後は何とかなるから」 そうなのか。それならいいんだけど……結局、荷物持ちの仕事をすることはなかったな。 俺、何のために来たんだろう。 そう思っていたら、ルイズがほんのり赤らんだ顔で俺に告げた。 「今日は、大変な目に遭っちゃったけど……た、楽しかったわ。それなりにね」 「そりゃよかった。俺も結構楽しかったよ」 ルイズが足を痛めたのでその後の買い物は出来なかったけど、休んでいる間に二人で 色々と話をしたのだった。女の子と二人きりで長い時間会話するというのも、なかなか 新鮮で楽しい経験だった。 「ふぅん、そう。あんたも楽しかったのね。一日、つ、つき合ってくれて……ありがと」 「……ルイズ? お前、どうした? いくら何でもしおらしすぎるぞ?」 あまりにもルイズが大人しく素直に物を言うので、俺はまだ何か悪いところがあるんじゃないかと 勘繰りしてしまった。 「どういう意味よ! もう、わたし帰るからね! それじゃあ!」 あちゃあ、怒らせてしまった……。どうして俺ってば、余計なことを言ってしまうんだろうか。 まぁ、ルイズには明日謝るとして、俺ももう帰ろう。リシュが心配するといけないしな。 そう思って踵を返すと……。 「サイトさん……」 「ひッ!?」 シエスタの顔がそこにあって、思わず引きつった声を上げてしまった! って、何でシエスタが こんなところにいるの!? 「シシシシ、シエスタ! いつの間にいたの!?」 「……さっきから見てました。あの人と一緒に駅前に来た時から」 ええええー! 気がつかなかった! というか、それって大分前のことだろ!? それまでずぅっと 俺たちの後についていたってのかよ! ゼロも教えてくれたらよかったのに! 「サ、サイトさん。これって、どういうことですか?」 シエスタは妙に怖い顔で問い詰めてくる。 「どういうことって……何が?」 「リシュさんに聞いたんです。今日は、サイトさんがデートに行ったって!!」 「ま、待て。誤解。誤解なんだッ! それはリシュが勝手に言ったことであって……」 必死に弁解するが、シエスタに俺の言葉が届いている様子がない。 「うううう……。やっとのことで、見つけたと思ったら、あの人と、仲良く、話なんかしてッ! ひどいですサイトさん! わ、わたしに黙ってデートなんてッ!」 「わーわー! 何叫んでるんだシエスター! 誤解だってば!」 叫ぶシエスタを、俺はその後必死でなだめた。そして何故か罪滅ぼしだとか言って、シエスタの 好きな店で夕飯をおごることになってしまった。おまけに「リシュさんも被害者です!」とか言って リシュまで呼んで……。どうして妹のリシュが被害者になるんだよ……。 とほほ……いつも怪獣と戦って平和を守っているのに、どうして俺ってこんな羽目になるんだろうか……。 前ページ次ページウルトラマンゼロの使い魔