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前ページ次ページゼロの答え 「うぅ、腰が痛い……」 そう呟きながらルイズは街を歩いていた。 なにせ馬に乗ったことはあるものの、あんな速度で走り続けた経験はない。 なのに初めて馬に乗った上にルイズ以上の速度で駆っていたデュフォーは平然としていた。 恨めしげに横目で睨むものの、文句は言えない、馬で行こうと言ったのは自分である。 まさか初めて乗る馬ですら、あんな完璧に扱うとは思っていなかった。 そのデュフォーはというと、初めて街にきたはずなのにルイズの先を歩いていた。しかも迷いなく。 「ちょっと待ちなさいよ。あんた武器屋の場所わかってるの?」 「お前、頭が悪いな。武器屋はどこだ?の答えも出せるからアンサー・トーカーだろ」 ルイズはその場で深呼吸をして怒りを静めた。街中でキレるわけにはいかない。 「ふぅ……ま、まあそれはいいとしてスリには気をつけ」 ギロリ。そう言いかけた所でデュフォーが横を睨んだ。 「きゃっ!な、なによ急に?」 デュフォーが睨んだ方を見ると一人の男が恐れをなした表情でこそこそと退散するところだった。 「……もしかして今の」 「スリだ」 「……あっそ」 その後、数回同じことがあり、デュフォーに対してスられる心配は杞憂だったとよくわかった。 そうこうしている内に武器屋にたどり着いた。本当に場所がわかっていたことに今更ながらルイズは驚いた。心底得体の知れない使い魔だと思う。 武器屋に入るとルイズはまず店の主人のところに向かった。一方デュフォーはちらりともそちらを見ず、乱雑に積み上げられた剣のところに行った。 そして主人とルイズが話している間にその中から一本の大剣を掴み出した。 「おでれーた!いの一番に俺を選ぶなんていい目をしてるじゃねーか坊主」 デュフォーが掴み出すと同時に剣が叫んだ。が、デュフォーはまったく動じず、まだ話をしている最中のルイズと主人のところへ持ち込んだ。 「おいおい無視すんなよ。てかその体で俺を扱えんのか?悪いことは言わねぇからもっと体に合った武器にしろよ。いくら俺が名剣でもよー」 「ルイズ。この剣でいい」 「へ?ってあんた何勝手に決めてるのよ!それになによその剣は!錆が浮いてボロボロじゃない!みっともない!」 「若奥さまの言うとおりですぜ。そんな剣よりもっと良い剣がうちには」 「この剣以上の物はないだろう?」 「へへっ、その通りだぜ。だけど坊主、お前の体じゃ俺を扱うのはちーとばかし……」 そう剣が喋ったところでデュフォーが左手を見せた。 「これなら問題はないだろ」 「おでれーた!おま『使い手』か!流石俺を一目で選ぶだけのことはあるぜ!俺の名前はデルフリンガーだ。これからよろしくな、相棒!」 何かに引っかかったのかぴくりとデュフォーの眉が動いた。だがデュフォーが口を開くより早くルイズが怒鳴った。 「だーかーらー、勝手に話を決めるなって言ってるでしょうが!何よ、その変なインテリジェンスソードは!」 しかしデュフォーと変な喋る剣は一向に話を聞こうとしない。疲れた溜息を吐くとルイズは主人に告げた。 「……あの剣はいくら?」 「へぇ、あれなら百で十分でさ」 デュフォーはルイズの財布を懐から出すと、その中からきっちり百枚をカウンターに置いた。 「毎度」 鞘に入れられたデルフリンガーをデュフォーは受け取った。肩から提げるようにして身に着ける。 そんなデュフォーを横目に主人とルイズが話をしていた。 「若奥さま。俺がこういうのもなんですが下僕の躾はちゃんとしたほうがいいですぜ」 「……できるならとっくにやってるわよ」 こうして無事(?)目的の剣を購入し、店から出て、学院へと戻るデュフォーとルイズ。 その様子をキュルケたちが見ていた。 「ふふっ、これはチャンスね。あんな剣よりもっと良い剣を買ってあげれば一気に好感度アップよ」 「それはないと思う」 「む、何でよタバサ」 「彼、まったく迷いもせずにあの剣を選んでた。きっとよっぽど気に入ったんだと思う。他の剣をプレゼントしてもあれ以上に気に入られる可能性は低い」 「う、そう言われると。……うーん、確かにあなたが言うとおりね、他の剣を贈っても気に入られなきゃ意味がないわ」 そう言うとキュルケは大きく溜息をついた。せっかく親友に無理やり付き合ってもらってまで街にきたのに収穫は何もないのだ。 タバサごめん、と謝るとキュルケは学院に帰ることにした。勝負は夜だと考えて。 寮に帰るとすぐにルイズはベッドの上でうつ伏せになって枕に突っ伏した。帰りも行きと同様に馬に乗ってきたため、更に腰を痛めたらしい。 患部に水でぬらしたタオルを置いて冷やしてながら恨みがましい目でデュフォーを睨みつけていた。 だがデュフォーはそんなルイズを無視して、さっそく鞘からデルフリンガーを抜いて話しかけた。 「おい」 「なんだ相棒?」 「いつまでその姿でいる気だ」 「は?何言ってんだあいぼぐっ!」 デュフォーは問答無用でデルフリンガーを石造りの壁に叩き付けた。 「思い出したか?」 「いきなり何しや―――」 再び壁に叩きつける。 「思い出したな?」 「は……はい。思い出しました……」 「そうか、なら次だ。ガンダールヴという名前に聞き覚えは?」 「ん、あー……なーんか頭の隅に引っかかる名前だな」 それを聞くとデュフォーは呆れた表情になった。 「……忘れていることが多すぎるな。仕方がない、思い出させてやる」 「お、おい、ちょっと待てよ、相棒。ら、乱暴はよ……」 「この角度で強い衝撃を与えると思い出しやすい」 しばらくの間、金属を石に叩きつける音とデルフリンガーの悲鳴が響いた。 ―――そして小一時間後。 「思い出したな?」 「あ、ああ。ばっちりだぜ相棒……だからもう石に叩きつけるのはよして……お願い……」 ボロボロになったデルフリンガーがそう懇願するのを聞いてデュフォーはこう告げた。 「なら早く元の姿に戻ったらどうだ?」 「わ、わかった。今すぐ戻るぜ!だ、だから岩に叩きつけるのはもう勘弁して……」 デルフリンガーがそう叫ぶと、突然その刀身が光り出した。 そして光が収まるとそこには錆の浮いた大剣ではなく、まるでたった今、研がれたばかりのように光り輝く大剣があった。 「これがほんとの俺の姿さ。ど、どうだい相棒、おでれーたか?」 多少びくびくしながらデュフォーの反応を見るデルフリンガー。だがデュフォーは無反応。 「くぅ~。相棒、そんなんじゃガンダールヴとしちゃ役立たずだぜ!良く聞け!ガンダールヴの力はな」 「心の震えで決まるんだろう」 「なっ!?知ってるのか、相棒。だったら俺の言いたいことも」 「問題はない。心の力を込めることなら慣れている」 「へ?慣れてるってどういうこった」 「他に言いたいことはあるか?」 「いやだからちっとは俺の話を……」 「ねえ、デュフォー。さっきからあんたがこの剣と喋ってるガンダールヴって何?」 デルフリンガーの言葉をさえぎるようにしてベッドの上からルイズがデュフォーに話しかけた。 「名前なら聞いたことがあるはずだが?頭が悪いから忘れてたのか?」 「っの!始祖ブリミルが使役していた伝説の使い魔の一人でしょ!それくらい知ってるわよ!わたしが聞きたいのは何であんたが『ガンダールヴ』とか言ってるのかってこと!」 「お前、頭が悪いな。俺が『ガンダールヴ』だからに決まっているだろ。この使い魔のルーン。これが『ガンダールヴ』の証だ」 そういうとデュフォーはルイズに左手のルーンを見せる。 そしてルイズに対してガンダールヴについての説明を始めた。 デュフォーの説明に対し、最初はうさんくさげな顔をしていたルイズだったが、話が進むにつれ、徐々に顔色が変わってきた。 「理解できたか?」 一通り説明を終えると、デュフォーがそう訊ねる。 「……証拠」 「お前、頭が悪いな。証拠なら」 「違う。ルーンじゃなくて、実際にそんな力を持ってるって証拠を見せて!でないと信じられないわ!」 強張った表情でそう叫ぶルイズ。 仕方ないなと言ってデュフォーはデルフリンガーを持って立ち上がった。 「ついてきて、中庭に行くわよ」 そういうとルイズはドアを開け、部屋の外に出た。 「きゃっ!?」 ちょうどデュフォーに会うためにルイズの部屋の前に来ていたキュルケが、目の前でいきなりドアが開いたことに驚いて悲鳴を上げた。 「ちょっとルイズ!急にドアを開けないでよ、びっくりするじゃない!」 キュルケがルイズに対して文句を言うが、ルイズはそちらを向こうともせず表情を強張らせていた。 それに訝しげな表情を浮かべるキュルケ。だがルイズに続いてデュフォーが出てきたのを見ると相好を崩し、ルイズのことは頭から消え去った。 「あら、ダーリンじゃない。こんな時間に部屋から出るなんて……ひょっとして私の部屋に来る気だったとか?」 デュフォーは違うと一言でキュルケを切って捨てるとルイズの後を追った。 前ページ次ページゼロの答え
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前ページ次ページ秘密結社ゼロシャイム総統ルイズ 今日も酷い目に遭った。 秘密結社フロシャイム川崎支部将軍ヴァンプは、夕飯である鮭のムニエルをつつきながら溜息を吐いた。 「結構いいところまで行ったと思ったんだけどねぇ、今回」 「なんで正義のヒーローってあんなに都合よく現れるんでしょうね」 話の都合だろ、とは誰もが思いつつも誰もが言わない事であったが、 ともかく毎度の事ながら呼び出した怪人がこうも簡単に屠られてしまうと はたして本部から左遷降格を言い渡されはしないか、と一抹の不安がよぎるのだ。 「お…明日タマゴが特売か」 しかし悲しいかな、何しろ経済的にそう余裕の無い川崎支部では先ず優先すべきは支部の存在そのものの確保なのである。 どんなブラック企業でも赤字では立ち行かない。常識もいいところだ。 だからヴァンプ率いる川崎支部の戦闘員および怪人は日々の倹約の知恵を振り絞り、 それが正義のチンピr…ヒーローたるサンレッドに対する危機感を薄れさせ、 結果毎度の惨敗に繋がる所となっているのだ。 「「今度こそはすっごい奴を呼び出して…」」 それは誰の発した言葉かは分からない、が、その言葉を発した誰もが心の底からそう願っていた。 「魔界の果て、地獄の底に屯す悪魔よ!」「天と地とその狭間の何処かに居る私のしもべよ!」 誰かが魔方陣の前でその口上を結び始める。 「残忍で、凶暴で、冷血な、血を渇望する猛獣よ!」「清く、賢く、美しく、何者をも超越する私の使い魔よ!」 魔方陣は静かに、仄かに、輝き始める。 「「我は心より求める!この地へお前が降り立つ事を!!」」 魔方陣が放つ光に、それを見ていた誰もが目を眩ませ、 …やがて、光の中にその影を認めた。 「…は?」 「しょ、将軍…!?何処へ…ってあんた誰!!??」 「…え?は?…どこだここはぁぁぁ!!?!」 禁呪により神奈川県川崎市へ呼び出された東京都在住の平凡極まる高校生・平賀才人は、 戦闘員ならびに怪人たちによる深い謝罪と交通費を受け取った後、帰路に着いたのである。 「いやぁ~あの鮭のムニエル旨かったなぁ」 「……えっ?」 「…………」 「……………」 「………………誰よ、アンタ」 そして、フロシャイム川崎支部将軍ヴァンプは、 職と、 家を、 失った。 前ページ次ページ秘密結社ゼロシャイム総統ルイズ
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あらすじ 「彼女が欲しい」と願う平凡極まる高校2年生・青島は、ある日突然未来へタイムスリップする能力に目覚める。10年後の未来、なんと彼は学校一の美少女・我妻さんと結婚していた! 今は単なるクラスメイトなのに、いったい何がどうして高嶺の花の我妻さんと、俺が‥‥!? 新鋭タッグによるタイムスリップ・ラブコメディ! +... 「彼女が欲しい」と願う平凡極まる高校2年生・青島は、ある日突然未来へタイムスリップする能力に目覚める。10年後の未来、なんと彼は学校一の美少女・我妻さんと結婚していた! 今は単なるクラスメイトなのに、いったい何がどうして高嶺の花の我妻さんと、俺が‥‥!? 新鋭タッグによるタイムスリップ・ラブコメディ! ある日突然タイムスリップ能力に目覚めた平凡な高校2年生・青島は、未来では学校一の美少女・我妻さんと結婚していた。しかし屈指のさわやかモテ男・土橋が我妻さんにアプローチを開始! 気が気でない青島の前に、学校で暗躍する秘密結社・DX団が現れる! 果たして彼らの目的とは? そして迎えた夏休み、未来で我妻さんに代わって一時嫁になっていたシルヴィアと青島が大接近!? ある日突然タイムスリップ能力に目覚めた平凡な高校2年生・青島は、未来では学校一の美少女・我妻さんと結婚していた。だが、そんな未来が現実に訪れるのか不安になった青島は、ラブレターで彼女に想いを伝えることに。その手紙が学校に大騒動を巻き起こす! そして、伊東が作製した我妻さんの精巧なアイコラを入手した青島は、思いがけない行動をとって‥‥!? 水泳部のホープとして、新人戦へ向け練習に励む我妻さん。ところが未来へタイムスリップした青島は、彼女が決勝で肩を痛め惨敗してしまうことを知る! 我妻さんを守るため、青島が考えた意外な作戦とは!? そして、ある日タイムスリップした青島を待っていたのは‥‥クラスメイトの下妻シルヴィア(Jカップ)と結婚している未来だった!! 未来へタイムスリップした青島を待っていたのは、無言の我妻さん。やっと発したのは「来ないで」のひと言! いったい何が!? そして、青島と我妻さんが結婚するきっかけが、「高2の文化祭で、青島たちDX団がバンドをやった」ことだと判明! ド素人集団には無謀すぎる条件と思われたが、意外な救世主が現れて!? ついに、運命の文化祭が幕を開ける!! 我妻さんと未来で結婚するためには「修学旅行中に告白」しなければならないらしい! 自分史上最高難度のミッションに燃える青島。だが修学旅行の自由研究の行き先で問題発生! ドラマのロケ地めぐりをしたい我妻さん、京都アニメーションを見学したいシルヴィア‥‥はたして青島が選ぶのは? そして旅の終わりに待ち受ける意外な結末とは!? 我妻さんは俺のヨメに関する口コミ #bf 我妻さんは俺のヨメ レビューポイント(5が最高) 選択肢 投票 1 (0) 2 (0) 3 (0) 4 (0) 5 (1) コメント コメント 6巻読了後の感想。 小気味よく、若干マニアックなネタを放り込んでくる恋愛コメディ。 ネタ自体は完全に読者を選ぶと思いますが、絵が整っているので、アンチはあまりいないように思います。 クラスのアイドルと付き合い、さらには結婚するという、少年恋愛漫画の王道的な目標を扱っている作品ですが、現在の些細な行動が未来に影響するというカオス理論的な要素を含んでおり、面白さに貢献しています。 それにしても我妻さんええ子や。 みんなの感想 }(document,"script","twitter-wjs"); /script } ,rules [ { "name" "AnyOther", "message" "気に入ったらシェアしてね!", "action" { "type" "button", "text" "Share this page", "verb" "share", "service" "preferred" } }, { "name" "Twitter", "match" { "referringService" "twitter" }, "message" "If you find this page helpful ", "action" { "type" "button", "text" "Tweet it!", "verb" "share", "service" "twitter" } }, { "name" "Facebook", "match" { "referringService" "facebook" }, "message" "Tell your friends about us ", "action" { "type" "button", "text" "Share on Facebook", "verb" "share", "service" "facebook" } }, { "name" "Google", "match" { "referrer" "google.com" }, "message" "If you like this page, let Google know ", "action" { "type" "button", "text" "+1", "verb" "share", "service" "google_plusone_share" } } ]}); /script !-- AddThis Welcome END -- }
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ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ルイズルイズルイズぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!ルイズ・フランソワーズたんの桃色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 小説12巻のルイズたんかわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! アニメ2期放送されて良かったねルイズたん!あぁあああああ!かわいい!ルイズたん!かわいい!あっああぁああ! コミック2巻も発売されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!! ぐあああああああああああ!!!コミックなんて現実じゃない!!!!あ…小説もアニメもよく考えたら… ル イ ズ ち ゃ ん は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ハルケギニアぁああああ!! この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?表紙絵のルイズちゃんが僕を見てる? 表紙絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!ルイズちゃんが僕を見てるぞ!挿絵のルイズちゃんが僕を見てるぞ!! アニメのルイズちゃんが僕に話しかけてるぞ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!僕にはルイズちゃんがいる!!やったよケティ!!ひとりでできるもん!!! あ、コミックのルイズちゃああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあアン様ぁあ!!シ、シエスター!!アンリエッタぁああああああ!!!タバサァぁあああ!! ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け
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前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ ももえが言っていた悪魔は数ヶ月前からトリステイン中に繁殖していた。 トリステイン中の貴族を恐怖に陥れた盗賊である『土くれ』のフーケもその悪魔にとり憑かれた一人である。 当初は貴族の宝物を奪うだけのただのコソ泥だった彼女が、たまたま日蝕がおこったその日に突然覚醒した。 「ああぁああああああああああああ!!!!!!!」 くぎみーがセッ○スと言うその日まで 「ゼロの使い魔死神友情フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」 数日後、謹慎が解けて授業に出ることを許されたルイズは2年生になって初めて授業を受けた。 一言で言えば『悲惨』だった。どこがどう悲惨だったのかはルイズ自身思い出したくなかった。 「ねえねえさっきの爆発ってどうやってやったの?」 「うっさいわね! だから知らないって言ってるでしょうが!」 ももえは下級生であったケティの制服を着ていた。そして香水の効果からか誰もルイズの元によって来る人が居なかった。 「臭いからだ。」 「だから臭くないってば!」 そんなやりとりをしているとキュルケがルイズに声をかけてきた。 「ねえ、突然だけど私と勝負してみない?」 「あ、ごめん 私、パス」 ルイズは鞄を持ってさっさと教室から出ようとした。 「ちょ、ちょっと待ちなさいよ! あんた、このライバルである私に喧嘩を売られてなんとも思わないの?」 「えー………どうせももえを賭けて戦ったりするのよね? それなら私の負けでいいわよ。いつ寝首をかかれるか分からないこの不安で仕方ない状況から解放されるなら」 頑なに勝負を受けようとしないルイズ。それを見かねたタバサがルイズに再度お願いをした。 「お願い。もしキュルケがルイズに負けたらあの使い魔を上手いこと使って追い出してあげる」 「本当っ!?」 ルイズの目の色が変わった。 「決闘のやり方は審判員である私がコイントスをしてコインが地面に落ちたときに始めるの。 そしてそのコインが落ちるまでは振り返ることなくただ後ろを向いて歩き続ける。 コインが落ちる前に振り向いたりしたらその時点で相手の勝ちが決定になる。―――これでいいの?」 発案者であるタバサはももえの上から左親指を立てていた。シルフィードの能力を使ったももえは空を飛びながらコインを落とした。 「今よっ!!!!」 渾身の一撃をかまそうと杖を向けたルイズであったが………そこにキュルケはいなかった。 そして、横を向いてみると居た。 そこにはキュルケが大きなゴーレムに捕まっている姿が映っていた。 「お取り込み中のところ悪かったねぇ………」 30メイルぐらいはあると思われるゴーレムの肩に乗っている女は悪びれる様子も無くそう言い放った。 「早くキュルケを返しなさい! まだ用事は済んでないのよ!」 「そうはいかないねえ。この娘は大事な人質なんだから、手放すわけには行かないよ。」 そしてキュルケは女と一緒にゴーレムの中に取り込まれ、ゴーレムから大きな咆哮があがった。 「うおおおおおおおおお!!!!!」 「あ、ロボットだ。」 上空で、そのゴーレムと似たようなものを見たことがあるももえがのん気にそう呟いた。 ???ものしり館??? ロボットアニメ ロボットが活躍するアニメーションを指す 代表作は「To Heart」「魔法少女リリカルなのはStrikers」など 女と同化したゴーレムは勢いのまま宝物庫の壁を殴った。しかし、壁にひびがわずかに入っただけでどうにもなりそうにない。 「うおおおおおおおおお」 それでもゴーレムは諦めることなく壁を殴り続ける。 その様子にルイズはしばし呆然としていたが、気を取り戻して本来キュルケにぶつけるはずだったファイアーボールで攻撃をする。 「きゃあっ!」 ルイズは思わずガッツポーズをした。自分の攻撃が確実にゴーレムにダメージを与えている。嬉しさの余韻に浸るまもなく次の攻撃を加えようとした時 「危ないぞ ミス・ヴァリエール!」 ルイズは思わず声のした方向に顔を向けた。それを見た瞬間あまりの驚きに顎が外れるのではないかと思った。 「きょ、虚無の塔に………手足がついてる。しかも飛んでる………」 虚無の塔はゴーレムに真空飛び膝蹴りを食らわせた。ゴーレムは後ろに吹き飛ばされた。 「タケノヤスクナズチじゃ!」 「何それっ!?」 中から学院長であるオールド・オスマンの声がした。 「タケノヤスクナズチ」と言っているものはこの、虚無の塔に気持ち悪い手足が生えて半ズボンをしている代物の事なのだろうか? ルイズは眩暈がしてきた。 「望むところっ!」 ゴーレムはすぐに立ち上がり、助走をつけて右手を上げる。 「はあああああああっ!タケノヤミカヅチから繰り出されるパンチを食らええええええええっ!!!!!」 「小癪なっ!」 対するタケノヤスクナズチも左手を上げ拳と拳がぶつかりあう。 両者は片方の手でも拳を作って殴りかかるが双方の拳によって防がれた。そして取っ組み合ったまま時間はいたずらに過ぎていき、 「………もう少し広い場所で戦わんか?」 「同感だ……。」 そんなやり取りを残して、二機は上空めがけて飛び立っていった。 「………」 「………」 「………ねえ、タバサ。この使い魔なんとかしなさいよ。」 「任せて」 タバサはそう言うと自分の頭の上にある空間を指差した。 「ここを斬って」 ざしゅっ 「ねえ、タバサ。今のはどういうことなの?」 説明を求めたルイズにタバサはこう答えた。 「今のはただの幻像。つまり裏設定」 「裏設定?」 『ももえのカマで斬られた物の存在はももえが肩代わり』 すると黙り込んでいたももえが急に口を開いた。 「あっ、ルイズ達を連れて田舎に帰らなきゃ。」 そう言ってももえはカマを持って歩き出した。 「ちょ、ちょっとどこ行くのよ!」 「いや、田舎に帰って病気になってるママの見舞いに行かないと。」 「………今から?」 「うん、今から」 こうしてタバサの裏設定を肩代わりしたももえとただの青髪少女になったタバサとルイズとで里帰りに向かうことになったのである。 ※ おわり これまでのご愛読 ご支援 ありがとうございました ※ 次回より始まる「ゼロの使い魔死神友情タバサの裏設定フレイムデルフリンガーシルフィード香水下級生ももえサイズ」に乞うご期待!!! 前ページ次ページゼロの使い魔ももえサイズ
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前ページモニカがルイズに召喚されました 注意事項 極左と極右で言い争っているので下手を打つと世界観バッシングに見えます。 気に入らない人はスルー推奨。 原作の世界観は尊重しますが順守しません。 好き勝手に書きたい事を書いているので作品として軸がぶれています。 ネタばれですが当面ガンダールブ出て来ません。いらない子です。 さて、この世界のお風呂事情と言うものを書いておこう。 貴族と違って平民のお風呂は湯船なんてものは無い。 お湯を張って肩まで浸かると言う贅沢は貴族だけのものである。 では平民はどうするのか? お湯で体を拭くか、熱した石に水を掛けてサウナを作るのである。 いつもはルイズが風呂に入っている間に部屋で体を拭いているモニカであるが、そのタイミングを逃してしまったのでサウナに来ていた。 と、言う訳で今回はのっけから入浴シーンである。 残念な事に時間をずらして入りに来ているのでモニカ以外は言っていないのであるが。 ルイズがモニカを召喚しました。 第4話。 フェザリアンの悪癖に一つの事に集中すると周りが見えなくなるというものがある。 成功率の低い事柄をすっぱり切り捨て、必要と思われる事を研究する際は種族全体が一丸となって取り組むのである。 彼らは各自役割分担して自分の適性に適った仕事しかしないから高い科学力を持つに至った。 よく言えば諦めがよく、集中力があるとも言える。 逆に言うと一度取り掛かった事以外どうでもよくなる。 モニカはハーフとはいえ母親の特性を色濃く受け継いでいた。 そしてその特性ゆえにしくじったのである。 つまるところハルケギニアの言い回しを調べるのに夢中になった挙句、食事の時間を逃しておまけにお風呂の時間も逃した訳だ。 気が付けば空には天高く月がそびえ立っていて寮の窓からもれる明かりも消えつつあった。 唯一明かりが消えないだろうと思われるのは彼女の主人の部屋の隣である。 あっ、窓から炎が噴き出してる。 モニカは思った。 『ま、仕方ないわね』 諦めと割り切りの良さは流石はフェザリアンである。 そんな訳でモニカはこの世界はじめてのサウナを堪能していた。 こんな時間にサウナを使っている人間なんて居ないから、ベンチにタオルを広げてごろりと寝転がっても大丈夫。 ちなみに世の中には塩サウナなどと言うものがあるが彼女に塩を掛けて「よし、焼き鳥だ」とか言ってはいけない。 サウナと言う物には大きく分けて2種類あって乾式と湿式に分類される。 モニカが利用しているのは湿式である。 正確には乾式の施設を湿式として利用している。 桶に水を汲んできたハーブを溶かし、もともと設えてある石に定期的にかけてやれば湿式サウナのできあがり。 やっている事は石にたまった熱量で部屋を暖めるのではなく水を蒸気に変える事に使っているだけである。 温度調節や湿度調節をしながら入らなければならないのが一手間だろうか? 乾式サウナは喉や肌、もっと言えば髪の毛や羽を痛めやすいことからモニカはこれの使用を避けているのである。 なにより乾式だと室温が100度くらいになるのでリングウエポンが酷い事になる。 リングマスターの最大の敵は乾式サウナだったんだよ! ΩΩΩ<な、なんだってー! 暖かい湯気を満喫していると誰かが入ってくる気配を感じた。 迂闊だった、こんな時間まで起きている人間がいるとは想定外だった。(徹夜組は除く) 仕方ないとすっぱり諦めてドアを開けて入ってきた人間に声を掛ける。 「こんな時間にお風呂に入りに来る人が居るとは思わなかったわ」 「いつもはもっと早いのですけど、あの学院長に図書館の本の整理を頼まれてしまいまして どうも、図書館で派手に魔法を使った生徒が居たようで…」 「それは不幸な事故ね」 「立派な人災だと主張したい所です」 二人そろって苦笑を浮かべた。 こんな時間に入ってきたのはミス・ロングビルだった。 迂闊な生徒の所為で今日は残業のようだ。 「とんでもない秘密を見られたって言うのにずいぶん落ち着いてますね」 「今更バタバタしても事態は好転しないもの」 「あなた…翼人だったんですね」 「………信じてもらえないとは思うけど別種族よ。 半分は人間の血が流れているわ」 「翼が小さいのは種族的な特徴かしら? それとも混血だから?」 「後者よ。 こっちではファザリアンの地位がよく分からなかったからしばらく黙っておこうと思ったのだけど 調べてみたら亜人種はあんまり人間扱いされそうに無い身分だったんで言い出せなくって…」 「私が言うのもなんですけど、ここを離れるという選択肢は? 多芸なあなたなら1人でも生活できるでしょう?」 「そうするのが私にとって一番よさそうな選択肢なのは分かっていたのだけども ルイズを放ってここを出て行く事も出来なかったの」 ロングビルは考えた。 ここは学院長に報告するべきではだろう。 迂闊な同情で自分の身分を危うくする必要はない。 この娘が人間で無いと言う事がわかれば学院長の悩みの種もなくなる事だろう。 あのセクハラが復活してくる事は間違いないだろうがそれを差し引いても最近気の毒になってきたのだ。 フーケは思った。 この娘は何かに利用できるかもしれない。 学園の宝物庫を狙って早2月、滅茶苦茶な強度の固定化とロックに手を出しあぐねていたのだ。 なんでもスクエア数人がかりで儀式魔法をやったらしい。 セクハラにはうんざりでお宝を諦める事も考えたのだが、それでも何でも願いをかなえてくれるという『奇跡の石』は諦めるには惜しい。 マチルダは妹を思った。 外の世界を見てみたいと言うティファ。 きっと彼女も街に出るのなら出自がわからないように偽装するのだろう。 その耳を見せてしまうとみんなが驚いてしまうから。 いきなり召喚された彼女。 そこに味方も居なかった。 気丈に話しているけれどその内心、どんなに心細かったのだろう? そこまで考えた時、天使の声を聞いた気がした。 「姉さん、困ってる人がいたら………助けなきゃ、ね?」 満場一致。 ティファがそう言うのなら仕方ない。 それに子供とはいえ馬鹿な貴族を叩きのめしてくれるモニカが居なくなるのは勿体無い気がする。 この件は自分の胸に閉まって鍵をかけておこう。 あのセクハラ爺にはもうちょっと困っていてもらう。 「…いいわ。 ま、黙っていてあげる。 …信用して無い顔ね? 私も似たような子を知っていてね。 その子も街に出る時は隠して出てくるだろうから」 「私はその子の代わり?」 ロングビルは静かに首を振って答えた。 だってその子が言ったのだ。 「世の中、持ちつ持たれつだって言うでしょう?」 あんまりにも愛らしい声だったからどこの天使の声だと思ったけど、よく聞いてみたらただの妹の声だったよ。 by マチルダ あいも変わらず遅筆で申し訳ない。 2000文字くらい書いてるのに3レス要らなかったのは多分投稿する時の行数を変えたからかな? ボリュームはちょっとパワーダウンしてるだけだと思います。 最近気が付いたんだけど2話位まで私、リングウエポンをリングウエッポンって書いてました。 作品キーアイテムの固有名詞を間違えるなんて恥ずかしい事をやらかしたものです。 穴があったら2000年くらい埋まっていたい… 以下、書いてるときに浮かんだ一発ネタ妄想とも言う。 ごきげんよう ごきげんよう さわやかな朝の挨拶が澄みきった青空にこだまする 汚れを知らない心身を包むのは貴族の名誉とメイジの誇り スカートのプリーツは乱さぬように メイジのマントは翻らせないように ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ ここは王立トリステイン魔法学園 ブリミル様のお庭に集う貴族の園―――――― 名付けて「ブリミル様がみてる」 多分まだ誰もやって無いと思うけどそのうちにやられそうなのでおまけにした。 反省はしていないが後悔はこれからやる予定。 ケティを妹にしてモンモンの嫉妬を受けるギュー子お姉さまとかはやらない。 前ページモニカがルイズに召喚されました
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さわやかな朝の風が、髪の毛を揺らす。同時に、眩い朝の光が顔に当たり、ルイズは目を覚ました。 久しぶりの、気持ちのいい目覚めだった。寝ぼけた頭のまま、目をこする。 「おはよう、ル・イーズ!」 訂正、最悪の目覚めだ。寝ぼけた頭はこの声に、一瞬で覚醒する。 昨日、召喚したばかりの使い魔はやけに眩しい笑顔を向け、対照的にルイスの表情は渋いものとなった。 「あ、あんた……。やっぱり昨日のは夢じゃなかったのね」 落胆し、ため息をつく。そんなルイズの目の前に、新しい制服が差し出される。 「ル・イーズ、着替えだ!」 「洗濯は?」 「先ほど終わらせた。メイドの娘に教わった。ショ・ミーンの仕事を学ぶ、いい機会だったぞ」 服も、下着も力を入れすぎたのか、ぼろぼろになっている。汚れが落ちていないどころか、どういうわけか泥汚れがついている。 あまりの惨状に、口が引きつる。怒りのボルテージがいきなりクライマックスに達した。拳を振り上げ、怒鳴りつけようとした瞬間、 「こ、の……」 「どうした、ル・イーズ。あまりの素晴らしさに声も出ないか!」 本気か、こいつは。 怒鳴りつけるタイミングを失ったルイズは拳を震わせ、口をパクパクさせた。こんなタイミングで今さら怒鳴りつけたところで、 間抜けなだけだ。 「洗濯は今度から……メイドにやらせるわ」 そう呟くのが、精一杯だった。 寝巻きを脱ぎ捨て、クローゼットから持ってこさせた新しい下着を身に着けたルイズはさも当然、とばかりにツルギに命令した。 「着せて」 「着せて、とは俺がル・イーズに服を着せる、ということか?」 ここぞとばかりに、ルイズはえらそうな口調で宣言する。 「そうよ。下僕がいる場合、貴族は自分で服なんか着ないのよ」 特に『下僕』という単語を強調して言った。さらに、拒絶したら食事抜きと言う罰も用意してある。 これで、今度こそ自分の立場というものが…… 「女性を大事にするのも高貴なる者として当然のことだからな。任せろ! 俺は女性の扱いでも頂点に立つ男だからな」 ルイズはがっくりとうなだれた。だめだ。全然分かっていない。 この調子では、示しをつける前にこっちがどうにかなってしまいそうだ。 そうなる前にこいつを殺して、新しい使い魔を召喚しようかしら。 ルイズはツルギに背を向けるようにして、半分本気の目を光らせ、隠れるように杖を構えた。 憔悴したまま、食堂に行こうと部屋を出る。後ろの剣はやけに明るい笑顔をしており、ルイズはジト目で彼を睨みつける。 だが、ツルギには全く応えなかった。 そこへ、バカにするような声が投げかけられて彼女はさらに不機嫌になる。 「おはよう、ルイズ。それが噂の使い魔ね?」 「そ、そうよ」 「あっはっは!ほんとに人間なのね!すごいじゃない! 『サモン・サーヴァント』で平民を呼んじゃうなんて、 あなたらしいわ。さすがゼロのルイズ」 「う、うるさいわね!」 そしてキュルケは、ツルギの頭の上から足の先までを値踏みするように見回した。 「あら、こうしてみると意外といい男ね。あなたにはもったいないぐらいじゃない。けど、使い魔じゃねぇ」 「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一発で成功。どうせ使い魔にするならこういうのがいいわよねぇ~、フレイムー」 キュルケが呼ぶのに答えて、彼女の部屋から巨大で真っ赤なトカゲ、サラマンダーがのっそりと現れる。 「火竜山脈のサラマンダーよ~、好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」 すると、先ほどまで黙っていたツルギが一歩前に出た。 「何者だ、貴様! 怪しい奴、ワームか!?」 どこから取り出したのか、紫色の剣を構え、目の前のサラマンダーに突きつける。 「ちょ、ちょっと! 何のつもりよ!」 「全てのワームは俺が倒す!」 「ああ、あたしのフレイムに何するつもりよ! 」 「やめなさい、ツルギ! 何のことかは知らないけど、こんなところで騒ぎを起こさないで!」 殺気を感じ取ったサラマンダーも臨戦態勢に入っているが、キュルケが止めている。 ルイズも小さな身体で必死にツルギを押さえようとするが、いかんせん体力が違う。剣はじりじりとフレイムに迫り、突然剣を納めた。 「いや、よく見るとワームではないようだな。俺の勘違いだったようだ。すまなかった」 頭を下げ、そのまま先に進んでいく。やけにえらそうな足取りだ。 あまりのマイペースっぷりに、ルイズもキュルケ呆気に取られている。 一足先に立ち直ったキュルケは脂汗を流し、こんな危ない奴にかかわっていられるかとばかりに、フレイムを連れてそそくさと後退する。 「ゼ、ゼゼ、ゼロの、ルイズにはお似合い、かもね!」 反論できずに立ち尽くすルイズに、ツルギが声をかけた。 「おい、食堂へ行くのではないのか?」 「い、いい今行くわよ! 主人より先に行ってじゃないわよ!」 食堂では、テーブル一杯に豪勢な食事が並んでいた。 今度こそ、今度こそは! ルイズは決心も新たに、拳を握り締める。粗末な食事を与えるということで、主従関係を思い知らせるのだ。 まずはイスを引かせようとするが、 「さあ、ル・イーズ。座るがいい。俺はレディファーストでも頂点に立つ男だ」 先手を打たれた。早くも崩れかけた決心を気力で持ち直させ、当然のように隣の席に座ろうとした剣を手で制止する。 「あ、あんたはこっちよ!」 床を指差す。ほとんど具もないスープの入った、皿が一枚。その端っこに、申し訳程度のパンが二切れ。 「これが、俺の食事か?」 「そうよ! 本当なら使い魔は外なんだけど、あなたは私の計らいでっ、特別にっ、入れてあげたんだからねっ!」 ところどころを、目一杯強調。ハアハアと息をつきながら、ルイズは今度こそ勝利を確信する。 だが、剣はそんなことはお構いなし、といった様子で床に座り、スープ皿を手に取る。 「ふむ。ショ・ミーンはこうやって食事をするのだな」 そして一口。剣はスープ皿をおき、手を震わせ、目を見開く。 「こ……、これは!」 「どう? 食べさせてもらえるだけ……」 文句が出るであろうところを、機先を制した、つもりだった。 「これは、なんと言う料理だ? 初めての味だぁ~」 しかも、食堂に響くような大声で。 「どんな田舎者だよ~」「やっぱ、ゼロのルイズの使い魔だな~」周りの貴族たちからの忍び笑い。 ルイズは恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にさせた。
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ラ・ロシェールの上空。 そこにはトリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号が停泊していた。 艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵は、ちらりと時計をみやる。 神聖アルビオン政府の艦隊を、国賓として迎えるためにトリステイン艦隊が出迎えているのだが、約束の時間を過ぎてもアルビオンの艦隊は姿を顕わさなかった。 ラ・ラメー伯爵は、国賓を迎えるため正装して居住まいを正しているが、その表情はどこか厳しいように見えた。 その隣に立っていた艦長のフェヴィスが、口ひげをいじりつつ、時計を見た。 「やつらは遅いではないか」 艦隊司令官のラ・ラメーは、不機嫌そうに呟きつつ、艦長の方を振り向いた。。 フェヴィスは鼻で笑うようにフンッと息を息をして、襟を正す。 「アルビオンの犬どもは、増長しているのでしょうな。おおかたにわか貴族達が着たこともない軍服に戸惑っておるのでしょう」 艦長は空軍戦力で勝るアルビオンが嫌いだったので、言葉にも刺が含まれていた。 しばらくすると、檣楼(しょうろう)に登った見張りの水兵が、大声で艦隊の接近を告げた。 「左上方より、艦隊!」 艦長と、艦隊司令は、ようやく姿を現したアルビオンの艦隊を一目見て、その規模に驚いた。 アルビオンの旗艦、『レキシントン』はまさに雲のような巨艦と言えた。 その後ろを追従する戦列艦も決して小さくはない、だが『レキシントン』と比べると、どうしても見劣りしてしまう。 「あれが『ロイヤル・ソヴリン』か……」 艦隊司令官は、あの巨大戦艦が『レキシントン』と名を変えていることを知っている。 しかし、それを建造したかつてのアルビオン王国に敬意を払い、古き名を呼んだ。 アルビオンからの話では、あの艦隊にアンリエッタ姫の結婚式へ出席する大使を乗せているはずだ。 「いや、この距離で見るのは初めてですが、あの先頭の艦は巨大ですな」 艦長の『戦場』という単語に眉をひそめつつ、艦隊司令官が呟く。 「戦場では会いたくないものだな」 艦隊司令官ラ・ラメーの背筋に、冷たいものが走る。 身体が震えるのを『武者震いだ』として思考の外に追いやりつつ、アルビオンの艦隊に接近し併走するように指示した。 かくして、彼の不安は現実のものとなる。 トリステインの王宮に、トリステイン艦隊が全滅したのを知らせる伝令が来たのはそれから間もない頃であった。 ほぼ同時にアルビオン政府からの急使が、トリステインへの宣戦布告文を届け、王宮は騒然となった。 アルビオン側の言い分では、トリステイン側が親善艦隊へ理由無き攻撃を行ったので、自衛のために宣戦を布告するとあった。 王宮には大臣や将軍たちが集められ、緊急の会議が開かれたが、会議は紛糾するばかりだった。 宣戦布告が事実であるか、アルビオンへ使者を送り確かめるべきであるといった意見や、ゲルマニアへに急使を派遣し軍事同盟に基づく共同戦線を張るべきだと主張する物もいた。 他にも様々な意見が飛び交うが、それは互いのプライドが会議を混乱させているに過ぎなかった。 バン、と扉が開かれ、マザリーニ枢機卿が会議室に入る。 「この大事なときに遅れてこられるとは何事か!」 誰が叫んだのか解らないが、遅れて会議室に現れたマザリーニ枢機卿を誰かが批難すると、他の者達もそれにつられてマザリーニを非難し始めた。 だが、マザリーニも慣れたもので、表情一つ変えることなく自席に座ると、重々しく口を開いた。 「アルビオンは我等が艦隊が先に攻撃したと告げた。しかしながら我が方は礼砲を発射したに過ぎない。偶然の事故が誤解を生んだのでしょう」 それならば、と、一人の大臣が起立した。 「アルビオンに会議の開催を打診しましょう、今ならまだ、誤解は解けるかもしれん!」それを聞いたマザリーニは頷いて言った。 「アルビオンに特使を派遣する。この交戦は双方の誤解が生んだ遺憾なるものであるとして、全面戦争に発達する前に……」 その時、突然会議室の扉が開かれた。 書簡を手にした伝令が、息を切らせながら会議室に飛び込んできたのだ。 「急報です!アルビオン艦隊は降下して占領行動に移りました!」 すかさずマザリーニが聞く。 「場所は!」 「ラ・ロシェール近郊!タルブの森です!」 マザリーニは心の中で「やはりか」と呟いた。 その頃、シエスタの生家では、幼い兄弟たちが不安げな表情で空を見つめていた。 ラ・ロシェールの方から聞こえてきた爆発音は、タルブ村を騒然とさせ、恐怖させた。 驚いて庭に出た者達は、空を見上げ、絶句した。 何隻もの船が燃え上がり、山肌や森の中へと落下していくのだ。 更にしばらくして、空から現れた雲のような巨大船が、森の中に向かって鎖の付いた錨を降ろすのが見えた。 森林の上空に停泊した船から、何匹ものドラゴンが飛び上がる。 「おとうさん!あれ、なに?」 シエスタの弟や妹たちが、父親にしがみつきながら、訪ねた。 「ありゃあ、アルビオンの艦隊じゃないか」 「いやだ……戦争かい?」 シエスタの母もまた、不安げな表情で空を見上げる。 「アルビオンとは不可侵条約を結んでいるはずだ。この前領主様からおふれがあったろう」 「その不可侵条約をアルビオンが破ったのよ!」 シエスタの両親が驚き、声の聞こえてきた方を振り向くと、そこには大剣を背負い、フードを深く被った女戦士らしき人物が立っていた。 「な、なんだって?」 慌ててシエスタの父が聞き返す。 「アルビオンのだまし討ちよ!すぐにタルブ領主の派遣した騎士に従って退避しなさい!」 言うが早いか、タルブ村と街道を繋ぐ小さい道から、タルブ村の領主を戦闘に少数の騎士団が姿を見せた。 「『ロイズ』殿!ルートは確保しましたぞ!」 タルブの領主が、フードを被った女性に馬上から声をかける。 「村人の避難が最優先よ、頼むわね」 「はっ!」 領主が馬上から敬礼したのを見届けると、ロイズと呼ばれた女性は、一目散に北の森の中へと駆けていった。 領主は村人へ向き直り、大声を張り上げた。 「村民は家族の数を確認せよ!急いで南の森に逃げるのだ!」 それを聞いて村人達は慌てて家族の居場所や数を確認しはじめた。 瞬く間に村人達は広場に集まる。 数人の騎士が村人を先導し、南の森へと避難していくのを確認すると、騎士の一人が領主に言った。 「アストン様、さきほどの女、”ロイズ”と言いましたか……彼女は何者なのでしょう」 「わからん……だが、女王陛下より賜ったと言われる書簡は確かに本物だった」 それを聞いた騎士は、ロイズと呼ばれた女性の姿を思い出し、眉をひそめた。 「しかし、あのようなみすぼらしい姿では」 だが、領主であるアストン伯は騎士の言葉を遮るように、こう言い放った。 「それに彼女の言うとおり、アルビオンが攻めてきたのだ。少しでも早く対処できたことを感謝するしかあるまい」 領主は一呼吸置いてから、腰に下げていたレイピア状の杖を手に持ち、高く掲げた。 「相手は竜騎士だ! 皆、心せよ!」 三十人に満たない平民混じりの騎士団が、蟷螂の斧と知りつつも、杖と剣を掲げた。 一足先に森の中に駆けていった”ロイズ”は、剣を右手に持ち、空を見上げて竜騎兵を見据えた。 『それよりよー、”ロイズ”って偽名じゃバレバレでねーの?”ルイズ”と一文字しか違わねー』 カチャカチャと鍔を鳴らしつつ、どこか楽しそうに剣が喋る。 「咄嗟に思いついちゃったのよ、仕方ないじゃない」 デルフリンガーの楽しそうな声とは裏腹に、ルイズは不機嫌だった。 空に浮かぶ船…『レキシントン』から飛び立ち、タルブ村へと向かったはずの竜騎士隊はあり得ない光景に困惑していた。 本隊上陸前のつゆ払いとして、タルブ村に竜で火を放つはずであったが、村があったはずの場所には、森が広がるばかり。 「どういうことだ、これは!」 竜騎士の一人が困惑し、声を上げる。 それを合図にしたかのように、森の中から一匹の竜が飛び出した。 「な……!」 竜騎士は、飛び出してきた竜の翼に殴られ、まるで血袋が破裂するかのように乗っていた竜ごと粉々に吹き飛んだ。 「なんだ!なんだあれは!」 「翼が、四枚、新種か!ガーゴイルか!」 他の竜騎士達も驚き、竜を操って距離を取ろうとする。 だが、四枚の翼を持った竜は成体の風竜を思わせる速度で接近し、まるでヘビのように騎士ごと竜に食らいついた。 「ひいいいいいい!」 異様な光景に悲鳴を上げた騎士が、竜を上昇させながら呪文を唱え、火球を作り出した。 直径2メイルほどの火球が、異形の竜に向けて放たれたが、異形の竜は口から炎のブレスを吐き出しそれを相殺した。 「ば、化け物!」 一方、森の中では、ルイズが予想外の苦戦を強いられていた。 脇腹には、エア・ニードルで突き刺さった杖がそのままぶら下がっている。 「はあっ、はぁ……」。 呼吸を整えようとしたとき、右手に持ったデルフリンガーが叫んだ。 『右から来る!』 「くっ」 慌ててバックステップで後ろに下がると、今まで立っていた場所を炎が襲い、地面を溶かした。 「WRYYYYYYYYYYY!!!」 ルイズは、奇声を発しながら手近な木を引き抜き、竜騎兵に投げつけた。 大きく羽ばたいて上空に避けようとした竜騎兵が、遮蔽物をなくし顕わになったルイズめがけてブレスを放とうとしたその時、異形の竜が竜騎兵ごと竜を噛み砕いた。 『間一髪だな』 「ええ…」 ルイズは力なく答えると、その場に膝を付いてしまった。 それを見た異形の竜は、自身の腹を割き、袋を作った。 まるでカンガルーの親が子供を袋に入れるのように、ルイズを腹の裂け目にしまいこむ。 地面に降り立つと、『イリュージョン』で作られたタルブ村の幻影から離れるため、アルビオン艦隊の居ない方向へと走り出す。 『嬢ちゃん、大丈夫か』 デルフリンガーがルイズを気遣って声をかける。 「つ か れた……」 『イリュージョンで、村の位置を1リーグ近くも誤魔化したんだぜ、疲れて当然だ』 「タルブ村…の人は……」 『ほとんど避難できてるはずだぜ、とにかく、時間稼ぎはできたはずだ』 「………すこし……ねむ…る…」 周囲の草を取り込み、背中を緑色の保護色で包んだ吸血竜が、ルイズを抱いたまま静かに走り去っていった。 時刻は昼に差し掛かる。 王宮の会議室には、さまざまな報告が矢次に飛び込んできていた。 「タルブ領主、アストン伯は交戦中!」 「偵察に向かった竜騎士隊、帰還せず!」 「未だアルビオンより、問い合わせの返答ありません!」 自国の土地が蹂躙されているというのに、不毛な議論を繰り返す名ばかりの会議を一瞥して、マザリーニは不快感に眉をひそめた。 「ゲルマニアに軍の派遣を要請しましょう!」 「しかし、今事を荒立てては……」 「竜騎士隊を送り、上空から攻撃させるべきです」 「残りの艦をかき集めろ!小さかろうが何だろうが、特攻には仕えるだろう!」 「アルビオンに攻撃したら、それこそ全面戦争となりまず!」 マザリーニは大臣達を黙らせたいと思っていたが、それができぬ訳があった。 マザリーニが鶴の一声を出せば、大臣や将軍達を黙らせることはできるが、今はまだその時ではないと我慢していた。 本心では、マザリーニも外交での解決を望んでいる、しかし、伝書フクロウによってもたらされた一枚の手紙を読んでから、開戦もやむを得ないだろうと考えはじめていた。 怒号飛び交う中、会議室の扉がバタンと開かれた。 また何の報告だろうかと、開け放たれた扉を見た大臣達は、扉の前に立っているのがアンリエッタだと気づき、絶句した。 そこには、白を基調とするドレスではなく、その身にフィットした鎧に身を包んだアンリエッタが立っていたのだ。 視線がアンリエッタへと集中する中、アンリエッタは、その小さい身体を震わせて言い放った。 「あなたがたは、恥ずかしくないのですか! 臣民が敵に侵されているというのに、騒ぐことしかできないのですか!」 怒号の飛び交っていた会議室が、嘘のように静まりかえる。 「よいですか! 礼砲で艦が撃沈されたなど、言いがかりも甚だしいではありませんか、もとより不可侵条約を破るつもりだったのでしょう」 「し、しかし我らは、不可侵条約を結んでおるのです、攻撃などしては……」 「その条約は紙より容易く破られました、いえ、もとより守るつもりなどなかったのでしょう。それらは虚をつくための口実に過ぎません」 「しかし……」 アンリエッタはテーブルを叩き、大声で叫ぶ。 「今、民の血が流されているのですよ! 民の血が流されるのを黙って見ているのが貴族ですか!王族ですか! 民の血税を吸うだけの吸血鬼に成り下がりましたか!」 暴言ともとれるその言葉に、不満を覚える者もあったが、誰もそれに対して異を唱えることはできなかった。 「あなたたちは敗戦を望んでいるのでしょう?敗戦後に責任を取らされぬ方法を既に模索している、命を長らえようと答えの出ぬ議論を繰り返しているという訳ですね?」 「姫殿下」 マザリーニがたしなめるフリをすると、アンリエッタは構わず言葉を続けた。 「ならばわたくしが率いましょう。あなたがたは、ここで会議を続けなさい」 アンリエッタが会議室を飛び出だそうとすると、何人もの貴族がギョッとしてアンリエッタを止めようとした。 「姫殿下! お輿入れ前の大事なお体ですぞ!」 そう言って一人の貴族がアンリエッタの前に立とうとしたが、横から差し出された剣状の杖に遮られてしまう。 見ると、廊下には既に魔放衛士隊が列を作っており、鎧を着込んだアンリエッタを護衛するかのように囲んだ。 アンリエッタは、グリフォン、マンティコア、ドラゴン等の魔法衛士隊を引き連れ、威風堂々と出陣した。 王宮の中庭に出たアンリエッタは、手はず通りに大声で叫んだ。 「わたしの馬を!」 王女の馬車に繋がれた聖獣ユニコーンが、馬車から外されて、アンリエッタの前に引かれてきた。 魔法衛士隊がアンリエッタの声に応じ、各自が自分の乗る幻獣を呼び寄せ、その上に跨った。 アンリエッタがひらりとユニコーンの上に跨ると、一人の魔法衛士がアンリエッタの脇に付き、それ以外の者達は後ろに並んだ。 「これより全軍の指揮をわたくしが執ります!!」 アンリエッタが声高らかに宣言すると、水晶のついた杖を高く掲げた。 魔法衛士隊の面々がアンリエッタに合わせ一斉に敬礼すると、アンリエッタはユニコーンの腹を叩いた。 ユニコーンが高々と前足を上げて走り出すと、グリフォンに乗った魔法衛士の一人がアンリエッタの隣に並ぶ。 その手には、アルビオンの象徴たる青い水晶の嵌められた杖を携えていた。 二人が先陣を切って走り出すと、幻獣に騎乗した魔法衛士隊が、「後れを取るな」などと口々に叫びながら続いていった。 城下に散らばったていたはずの各連隊は、まるでアンリエッタが出陣するのを知っていたかのように整列し、そして雄々しく出撃していった。 窓から中庭を見下ろし、その様子を見ていたマザリーニは、懐にしまったメモを握りしめて天を仰いだ。 メモは、トリステイン艦隊全滅の知らせよりもほんの一瞬早く、フクロウでマザリーニの元に届けられた伝書だった。 アルビオン艦隊よりも一足早く、ラ・ロシェールに到着したルイズからもたらされたそのメモには、人間を操り人形に変えてしまう『アンドバリの指輪』のことや、アルビオンが自作自演をしてでも戦争の口実を作るために策を巡らしていることが書かれていた。 もはや一刻の猶予もない、そう思ったアンリエッタとウェールズはすぐに戦いに赴く準備を始めた。 マザリーニは将軍や大臣達を集めて会議を開く前に、一足早くアニエスをタルブへと遣わせた。 アンリエッタが赴く前の下調べを頼んだのだ。 そしてマザリーニは会議に遅れて参加した。 トリステイン国内はいまだに戦争の準備を整えていない、その上ゲルマニアがこの戦争で我が身かわいさに兵力を出し惜しみすることは十二分に予測できていた。 マザリーニが外交によって戦争を回避しようとしたのは、決して命を惜しんだわけではない。 小を切って、大を生かす。 彼なりに国を憂いてのことだったが、その努力も泡沫のように消えてしまった。 ならばせめて、大臣、将軍、高級貴族達の目を覚まさせようと、わざと甲冑姿のアンリエッタが姿を現すまで時間稼ぎをしたのだ。 その甲斐あってか、会議室に残っていた貴族達も、一人、また一人と会議室を出て、従者に戦争の準備をするよう指示を下す姿が見えた。 マザリーニは一人ほくそ笑む。 お飾りとして育てられたはずのアンリエッタが、いつの間にか王族としての威厳を供えていたのだ。 ならば、これから自分が何をすべきかは決まっている。 マザリーニは会議室に入ってきた兵士に視線を向けた。 視線に気づいた兵士は、脇に抱えていたマザリーニ用の装束を見せた。 その場ですぐに戦の支度を整えると、急いで中庭へと移動し、今だまごついている大臣達に向けて叫んだ。 「おのおのがた! 馬へ! 姫殿下一人を行かせたとあっては、我ら末代までの恥ですぞ!」 その頃、秘薬を買いに城下町へと行っていた教師が戦争の話を聞きつけ、慌ててトリステイン魔法学院に報告した。 王宮からではなく、私事で城下町に出ていた教師から、戦争の開始を告げられ、オールド・オスマンはため息をついた。 「この様子では王宮は混乱の極みじゃろうなあ……」 現在、他の教師を王宮へと使わせ、戦争の開始が事実であるか確かめさせている。 オールド・オスマンは、アンリエッタの結婚式に出席するため、たまりに溜まった書類を片づけようとしている所だった。 書類が一段落したら、荷物を纏めようと思っていたのだが、アルビオンからの宣戦布告とあってはそれどころではないだろう。 魔法学院の宝物庫から、戦争に使えそうなマジックアイテムが持ち出されるのかと考えつつ、オスマンは水パイプを吹かした。 と、突然ノックもなしに学院長室の扉が開かれた。 「オールド・オスマン!大変です!」 珍しく血相を変えたロングビルを見て、オスマンはいつもの調子で答えた。 「戦争の知らせかの?それならもう届いておるよ」 「そうではありません!シエスタがタルブ村に向かいました!」 「何じゃと!?」 ロングビルの話では、魔法学院に出入りしている商人が、戦争の話を衛兵に伝えたらしい。 それを聞きつけた生徒から、シエスタの耳に届くまで時間はかからなかった。 「シエスタは馬で行ったのか!」 「はい、衛兵の使う馬を一頭奪って、一目散に」 「ミス・ロングビル、すぐにシエスタを追ってくれんか、他の生徒の使い魔の力を借りてもかまわん。他にも何人か教師を派遣する、戦場に着く前に取り押さえるんじゃ!」 「は、はい!」 オスマンの激しい剣幕に驚きつつ、ロングビルはシエスタの後を追うため、踵を返した。 「参ったことになったの…!」 オスマンは、モートソグニルを経由で、シエスタの後を追えそうな教師に連絡しつつ、遠見の鏡に向けて杖を振った。 アンリエッタ達がラ・ロシェールに到着した頃、アルビオンの船『レキシントン』はタルブ村にほど近い草原へと移動していた。 当初の予定では、タルブ村ごと森を焼き払い、前線基地をここに構築するはずだったのだ。 しかし、幾人もの竜騎兵が、奇妙な証言をしはじめたのだ。 『村があると思ったらそこは森だった』 『羽が六つ、首が二つある竜に仲間が食われた』 アルビオン艦隊総司令官のジョンストンは、それらの報告を一笑に伏していた。 しかし、降下したはずの竜騎兵が、異形の竜によって何人も落とされたと聞いて、ジョンストンの顔色は悪くなっていった。 慎重だと言えば聞こえは良いが、平たく言ってジョンストンは、臆病風に吹かれてしまったのだ。 結局、『レキシントン』に搭載された大砲が、かろうじてラ・ロシェールに届く距離に停泊することとなった。 ラ・ロシェールの街では、トリステイン軍がアルビオンの迎え撃つために陣形を整えていた。 タルブの草原に見える敵の軍勢は、『レコン・キスタ』の旗を掲げている。 それを見て、ユニコーンに跨ったアンリエッタは震えた。 戦場に立つのは生まれて初めてなのだ、仕方がないと言えば仕方がない。 だが、王族として威風堂々としていなければならぬと自分に言い聞かせ、眼を閉じて軽く祈りを捧げた。 アンリエッタが目を開くと、敵軍の上空に停泊する大艦隊が視界に入る。 アルビオン艦隊、その舷側に光る大砲、アンリエッタの恐怖はピークに達していた。 だが、アンリエッタの手に、一人の魔法衛士の手が重ねられた。 衛士は自分の杖をアンリエッタに見せる。 アンリエッタは、静かに頷いた。 「失礼致します。お二人の友人から、手紙が届いております」 そんな二人に声をかける男がいた。 振り向くと、枢機卿のマザリーニが立っており、ボロボロの羊皮紙を二人に差し出していた。 アンリエッタがその羊皮紙を手に取ると、ごくりと喉を鳴らした。 一瞬、ほんの一瞬だけ、アンリエッタの表情は泣き出しそうになった。 だが、アンリエッタは魔法衛士隊の姿をして自分と行動を共にしてくれるウェールズと、影ながらこの戦争を手伝ってくれるルイズの姿を思い出したのだ。 アンリエッタは、戦争の恐怖を見せぬ凛々しい表情で、マザリーニに言った。 「枢機卿、ルイズが活路を開いてくれます。私たちは『ヘクサゴン・スペル』の機会を待ちつつ前進します。指揮は貴方にお任せします」 マザリーニは、杖を掲げた。 「不肖、マザリーニ……承りましてございます」 「早く!もっと早く!」 トリステイン魔法学院から、ラ・ロシェールへ続く街道を、一頭の馬が疾走していた。 馬に乗っている少女の身体は、ぼんやりと輝いている。 シエスタは全身から波紋を流し、馬へと供給していた。 「もっと早く!」 馬は、限界を超えた力で走る。 波紋により限界を超えて走らされた馬は、汗と涙と涎と鼻水と糞便を垂れ流しながら、走る。 吸血鬼が、食屍鬼を使役するかのように、彼女は馬を走らせていた。 To Be Continued→ 戻る 目次へ
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クラス全員オレの嫁 396 :名無したちの午後:2008/07/27(日) 10 59 37 ID 66IfgHSp0 転載 「クラス全員オレの嫁」は引き続き使いにくい。 ヒロインと一緒にイクシーンがやたらに多いし、主人公が手コキやフェラで責められることは多いけどヒロインも他のヒロインに責められたりで喘いでいるから責められている感じが薄れる。 俺は未央(声優)買いだったからそこそこ満足しているけど、シチュ狙いだとCG見てテキストを脳内変換するしかないんじゃないかと。 関連レス
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ルイズ・プロア 種族:歪魔族 登場作品:封緘のグラセスタ 解説 術位の思念体の配下である歪魔の魔術師。 主と同じく敵対勢力に属する人間相手にもまずは交渉を持ちかけるが、決裂した場合は実力行使も厭わない。 明るい口調の中に狂気が垣間見え、敵対する者は容赦なく惨殺する悪魔らしさを秘めている。 成果をあげる実力こそ主に認められているが、そのふざけた性格や喧しさで辟易させてもいる。 主が求めている魔王石を手に入れる為にジェダル達の前に現れて交渉を持ちかけたが、二度目の交渉時には主に魔王石の対価として売り飛ばされてしまい、 その後は新たなご主人様であるジェダルによってルチッラの娼館に喚石を預けられ、娼婦として生活する事となった。 娼婦の仕事自体は気持ち良いのでそんなに悪くは無かったようだが、変化の無い生活には飽きてしまい、 どうにかして逃げ出そうと計画を練っていたところ、気がついたら食欲、性欲、睡眠欲、戦闘欲に特化した四人に分裂していた。 これ幸いと娼館には性欲ルイズを残して外で好き勝手過ごしていたが、ジェダルに見つかってしまい、最終的には食欲ルイズをベースに睡眠欲と戦闘欲が統合された。 当初ジェダルは性欲も統合させて元の状態に戻そうとしていたが、退屈な生活に戻りたくない食欲ルイズの提案を受け入れ、自分の監視下ならある程度自由にする事を認めた。 なお原理は不明だが、睡眠欲や戦闘欲を再度分離させたり、統合したりを自由にできるようになってもいる。 雑感・考察 クリアする上では遭遇する必要が無い敵であり、また上記解説では平和的(?)に交渉で喚石を手に入れているが、交渉を拒絶して術位の思念体共々倒した上で手に入れる展開もある。 また娼館に預けるまでがゲーム本編で元々発生するイベントであり、四人に分裂するのはアペンドでの追加イベントとなる。 今までシリーズに登場した歪魔は分裂したり合体したりする様な事は無かった為、世界観設定に基づいたイベントなのかどうかは謎。 その困難さ故にバティンが嘆いていた神聖領域門突破を成し遂げたのに闘技場で遊んでいて超ウケル。 可愛い - 名無しさん (2019-08-06 08 42 23) ミレーヌ強かったし倒したら加入するんだろうなって思ってたら娼館に預けてそれっきりだったキャラ。と思ってたらアペンドで加入した。 - 名無しさん (2021-01-18 09 22 01) 名前