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南の島にブタがいた ルーカスの大冒険 【みなみのしまにぶたがいた るーかすのだいぼうけん】 ジャンル パズルアクション 対応機種 セガサターン 発売元 スコラ(販売元)ヴァージン インタラクティブエンターテインメント 開発元 エス・キュー・フォア 発売日 1996年10月10日 定価 6,380円 プレイ人数 1人 レーティング セガ審査 全年齢 判定 クソゲー ポイント デス様に匹敵する低評価を叩き出した問題作あらゆる要素がサターンの水準に達していないアクション部分は80年代でも許されない出来しかしパズル要素の殆どはまともに遊べる完成度それを踏まえてベストエンド条件を知ると難点が緩和される 概要 あらすじ 特徴 問題点 アクション面 パズル関連 その他 評価点 総評 余談 概要 エス・キュー・フォアより企画・開発されたゲーム。販売元はあの『美食戦隊 薔薇野郎』を生み出したヴァージンインタラクティブエンターテインメントである。 基本は横スクロールアクションだが、『ワギャンランド』よろしくボス戦の代わりにパズルを攻略していくのが大きな特徴である。 本作はサターンソフトの中でもかなりの酷評を受けており、かの『セガサターン・マガジン』ではあの『デスクリムゾン』と同オッズを叩き出した事で知られている。最終的にはワースト10位まで持ち直したものの、今なお「サタマガで最下位争いを繰り広げたゲーム」として名高い。誌面での通称は「ブー太郎」。 ちなみにタイトルの元ネタは、NHK『みんなのうた』で1990年代に流れていた爆風スランプの楽曲『東の島にコブタがいた』より。 あらすじ はるか南の島に、ブタたちの住む6つの島がありました。ある日、その島に住んでいるルーカスは、伝説の卵があることを知り、島の奥へと入って行きました。そして、ついにルーカスは伝説の卵を見つけ出しました。ところが、伝説の卵を守っていた親鳥のオルティスは怒り、不思議な力で島のブタたちをさまざまなものに閉じ込めてしまいました。ルーカスは自分のあやまちに気づき、島の仲間を元に戻すために、冒険の旅に出て、オルティスがしかけたパズルゲームに挑戦するのです。 (取扱説明書より引用) 特徴 本作は「『頭の体操』風パズル集+横スクロールアクション」といった感じのゲームである。 収録パズルは全32問。アナログでも成立する問題もあれば、ゲームという媒体を活かしてCPU対戦を行うものもあり、種類は豊富である。 ゲームの流れ パズルが隠された6つの島を攻略し、最後はオルティスの待つステージ「AND END」に突入。そこでのパズル対決に勝てばゲームクリアとなる。 6つの島は、横スクロールアクションで進む「アクション面」と、そのクリア後に待ち構えているミニゲーム「パズル」で構成されている。 パズルはそれぞれの島に5つ存在する。 基本的にはアクション面とパズルを交互に遊ぶ事になるが、一部のパズルはアクション面を挟む事なく開始する。 島によってアクション面の数は異なる。パズルと同じく5つ用意されている島もあれば、アクション面1つクリアするとひたすらパズルを解き続ける島も存在する。 6つの島は任意の順番で攻略できる。進行を中断して別の島を遊び、後から続きを進めることも可能である。 一度クリアしたアクション面には再挑戦できない。 パズルはギブアップが可能で、解かずに次のアクション面もしくはパズルに進む事もできる。 飛ばしたパズルで得られるはずだった仔ブタ(後述)は、そのセーブデータで二度と入手出来なくなる。そのため完全クリアを目指す場合、パズルは必ず解く必要がある。 ギブアップの自由度は高く、ラスボス戦を含めた全部のパズルをギブアップしても構わない(この場合は流石にバッドエンディングが流れるが)。 島をクリアすると、その島で遊べるパズルにはいつでも再挑戦できる。 アクション ルーカスはAボタンでジャンプし、Bボタンでムチを撃って攻撃できる。 方向ボタンを進行方向に二回押す事で、ダッシュが可能。 仔ブタ 今作の収集要素。島中には500匹の仔ブタが様々な形で封印されている。できるだけ多くのブタを助けるのが、このゲームの目的の一つである。 ブタは、アクション面に隠されているものと、パズルを解く事で助けられるものがいる。 アクション面の仔ブタはシャボンとともに宙に浮いている事があり、これを攻撃することで仔ブタを解放できる。 トーテムポールや氷塊などの破壊可能オブジェクトに隠されている仔ブタもおり、これらは対象を攻撃することで救出が可能。 ルーカスが敵に当たると、その度に仔ブタを1匹失ってしまう。 AND END以外の島にいる仔ブタは各75匹。AND ENDでは50匹の仔ブタを救出できる。 最終的に助けたブタの数によって、エンディングが分岐する。 問題点 アクション面 おそらく本作が酷評された最大の所以。操作性が非常に悪く、例えるなら「かなり出来の悪いPCフリーゲーム」とも言うべき代物。 グラフィックは初期のPCエンジンゲーレベルであり、サタマガで下位争いをしていた『デスクリムゾン』『FIST』と別ベクトルで肩を並べられるほど酷い。 操作性 ダッシュ中にジャンプできない上に、ブレーキ時は必ず自機5マス分ほど滑る。 高速でステージを乗り越えようとダッシュしようものなら、すぐ敵にぶつかる。後述するように本作はノーダメージクリアをほぼ強制されるので、使える場面がほとんど無い地雷操作である。 にもかかわらず、敵との距離を調節しようと方向ボタンを連打すれば、ダッシュが暴発してしまう。 空中移動が出来ない。高台に登るときはあらかじめ方向ボタンを入力しないと垂直に飛んでしまうし、ジャンプしながら歩こうものなら制御が効かず敵に衝突してしまう。 そんな劣悪なジャンプ・ダッシュ動作でありながら、攻撃手段が『悪魔城』準拠のムチ攻撃(使用時に長い前隙が発生)である。もはやスタッフの嫌がらせのよう。 しかも空中では一回しか撃てないため、宙に浮いている仔ブタを助けるにも一苦労である。 ダメージシステム 上記の操作性と合わさって一番問題となるのがこれ。 本作では体力の概念が無く、どれだけ敵にぶつかってもゲームオーバーにはならない。代わりに、集めた仔ブタが1匹失われてしまう。 つまり完全クリアを目指すには全ステージを劣悪な操作性でノーダメージクリアしなければならない。 この場合、アクションステージを中断する方法は無いため、もし敵にぶつかったらリセットするしか無い。敵に当たるたびにセガサターンの起動画面を拝む羽目になり、リカバリーにいちいち数分かかってしまう。 だからと言って救出を放棄して遊ぶと、今度はいくら敵に当たっても死なない虚無ゲーと化してしまう。 そもそもステージ構成が単調 ブタ救出放棄=虚無ゲーとなる最大の要因。本作のアクション面は、殆ど起伏のない平地にほぼ等間隔で敵が配置されているだけで、PCエンジンどころかファミコン以下のゲーム性になっている。 ジャンプで狭い台を乗り継ぐなどのアクション性は一切無い(この操作性で存在したらそれはそれで困るが)。 いちおう高台がある面や、イカダに乗って進む強制スクロールなどはあるものの、大抵は1~2体の敵を相手に立ち振る舞うだけでワンパターンな攻略を強いられる。 なおイカダの周りには見えない壁があるため、落ちる事は一切ない。 劣悪な操作性 ノーダメージ推奨でありながら、敵の攻撃は中々にいやらしい。 強い敵の多くは初見で突破するのが困難で、完全クリアを頻繁に阻止される。 飛び道具持ちの敵はやっかいで、2体並んで来られると避けるのが困難。完全クリアを目指すには、スポーン位置を調節したり、着地間際のシビアなタイミングで攻撃を打ち込むなど、込み入ったテクニックが必要になる。 画面の大きさに対してキャラが小さく、画面はかなり殺風景。 ドット絵の質も低く、輪郭があるキャラと無いキャラがいたり、画風やサイズが一致していない敵が同時に出てきたりする。 ペンギンと人間が同じ身長で出てくると言えば、グラの酷さが伝わるはず。 SEまわりも貧弱で、造りの拙さを余計に際立たせている。 パズル関連 UIがかなり雑。 パズルは毎回、チュートリアル一切無しでいきなり始まってしまう。 Rボタンを押す事で説明が見られるが、説明書にはさらっと書いてあるだけなので見落としやすい。その解説も雑なので、結局説明書の解説を読む羽目になることも多い。 肝心の説明書も文章に難があり(*1)、読んでもルールが見えてこないパズルがちらほらある。 制限時間付きのパズルも存在し、説明書を読んでいるうちに時間切れになることも。 パズルはいつでもギブアップ可能だが、諦めずに最初からやり直す操作が存在せず、わざわざ自爆する必要がある。 パズルクリア後は、ゲームを続行するか、ゲームを中断してセーブするか選択肢が表示される。しかし後者を選ぶといちいちステージ選択に戻されてしまう。 アクションで一発アウトになる仕様上、各ステージごとのセーブが推奨されるので、無駄にテンポを削がれてしまう。 島のラストでセーブすると、クリア時に流れるムービーが表示されない不備が存在する。 パズルのグラフィックも総じて出来が良くない。 特にクォータービューで擬似3Dアクションを行うパズル「ジャンピック」「ギアーズ」ではルーカスの下に影が表示されず、位置関係がわかり辛い。 難易度曲線はめちゃくちゃ。 今作のパズルは、未就学児でも解けそうな物から大人でも舌を巻くような問題まで幅広く取り揃えている。しかしその配置はかなり雑で、簡単なものも難しいものも順不同に出てくるため、ゲームバランスが煩雑に感じられてしまう。 プレイヤーによっては、最初の2問で見切りをつけるきっかけになる。 カーソルデフォルト位置の島を選ぶと、まず「ABCビンゴ」という幼稚園児でも解けそうな問題をやらされる事になる。かと思うと次の「アイスキューブ」は大人でも頭を捻らないと解けない難問で、難易度の振れ幅が極端。 そして、あまりにも難しすぎるパズルが通常の問題に平然と混ざっている。 理不尽難易度のパズルについて 具体的に言うと、ひとまずコントローラーを置いてゲームから離れ、紙と鉛筆・ハサミを使い、(下手したら)何日も考えることになるレベルの問題が2つも紛れている。 端的に言うと「算数オリンピック(*2)」難問クラスで、ゲームで例えるなら『レイトン教授シリーズ』の本編クリア後に出てくる最終問題に匹敵する(もしくはそれ以上の)難しさである。 以下の解説では設問の内容も具体的に記すので、もし興味が湧いた人は難しさを味わってみてほしい。 + パズル内容 フォール26 いわゆる魔方陣。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 上記の○に1から12の数字を当てはめ、一直線に並んだ○4つ(計6本)全てで数字の合計を26にすればクリアとなる。 実際に解いてみると、適当に数字を当てはめても成立してくれず、当てずっぽうでのゴリ押しすら困難である。 かと言って真面目に解こうとしても、数学の証明問題のような発想が必要になってしまう。理系教科が苦手なプレイヤーは門前払い確定である。 パズル自体は古典的な内容で、解法はネット上に多数存在する。しかし証明手順はいずれも複雑で、テレビゲームで許されるレベルを逸脱しているのは間違いない。 ただパズルとしては良問なので、数学に自信のあるプレイヤー(例えば「大学への数学」を購読しているような人など)は自力で解いてみることを推奨する。受験生であれば、箸休めついでに良い勉強になるかも? ボードターン 格子状のマスにピースを埋めるタングラム。 以下のマス目に、下記のピース14個を全てはめればクリアという、至極単純なルールである。 ■ ■■ ■■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■ ■■ ■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■■ 本作で最も擁護不可能なパズル。ルールこそ単純だが、もしこの手のパズルをやった事があるなら、一目でヤバいと感じる悪問である。 まずこの手のパズルは、限られたピースしかハメられない位置(または限られた位置にしか配置できないピース)に目星を付け、そこから糸口を探すのが常套手段である。 しかしこの問題は綺麗に整った長方形にピースをハメるため、「限られたピースしか配置できない位置」がほぼ存在しない。 そして各ピースは全て5マスで出来ており、使いやすさに殆ど差が無い。よって「限られた位置にしか配置できないピース」も絞り込めない。 つまりこの問題は解決の糸口が無きに等しく、膨大な可能性の中から大量の試行回数を重ねないと突破不可能である。 もちろん、当てずっぽうにハメて解ける問題では無い。 ピース12個は流石に多く、たまたま答えが見つかる事はまず無い。 これだけでも理不尽だが、このパズルをもっと酷くしているのが劣悪すぎるUI。 ピースを選ぶには、方向ボタンの左右を押し、次々と切り替わるカーソルを目当てのピースに合わせる。平面上を自由に動かせるカーソル(*3)は存在しない。 カーソル移動はピースの位置にかかわらず、ピースごとに設定された順番で動く(ピースに番号が書かれていたりはしない)。無造作に置かれたピースに対しカーソルがあっちこっち移動するので、動かしたいピースを選び辛く、ストレスが溜まる。 ピースを配置する際、ハメられる位置から数ドットでもズレていたら、元の位置に戻されてしまい、何度も配置しなおす羽目になる。 こんな始末なので、このパズルを解こうと思ったらハサミで紙を切って同じピースを再現し、卓上で解いた方が早い。マッピングのために紙と鉛筆が必要になるゲームは数多くあれど、ハサミが駆り出されるゲームはそうそう無いような。 これらの障壁を乗り越えてやっと解いたと思うと、とどめと言わんばかりに完成してもクリア扱いにならないバグが稀に発生する。 参考動画(リンク先はこのバグに遭遇した実況プレイの様子。問題のシーンは2 06 47。再生時間が長いため、スマートフォンから見る場合は注意) このバグに陥ったが最後、どうすればクリア扱いになるのかわからず、参考動画のようによくわからないまま完成したピースを崩す羽目にもなってしまう。バグの発生タイミングとしてはあまりにも厄介である。 発生条件は不明だが、同じハメ方をしてもバグが発生する場合とそうでない場合があるので、リセットしてからもう一度同じハメ方を試せば問題無い。うっかり崩したりせず、完成パターンをきちんとメモする事が推奨される。 上で挙げた2つ以外にも、バランス調整に難のあるパズルが存在する。 制限時間内にスライドパズルのピースを特定位置に動かす「フルーツダウン」は、初期配置によって難易度の振れ幅が大きく、運要素が強い。 画面内を通ったラクダの数を正確に答える「キャメラーズ」(別作品で例えると『ポケモンスタジアム金銀』の「ピィとププリンのカウントゲーム」のような内容)は相当な動体視力を要求される。設定された体力で3問正解しなければならないが、難しすぎて運ゲーに近い。 その他 まずオープニングからしてグラフィックが汚い。 その内容は3DCGとセルアニメを合成させたものだが、やたらコマ落ちしていて出来が悪い。 デッサンは整っているのに、動きがカクカクしている。 エンディングがしょぼく、達成感が薄い 数秒のムービーが流れるだけでセリフも解説も無く、助けたブタがどうなったのかなどの具体的な様子は殆ど明かされない。訳も分からぬまま「THANK YOU FOR PLAYING」と出て、そのままタイトルに戻されてしまう。 内容が薄いせいで、ベストエンドを引き当てても達成した事に気付きづらい。 あろうことか、FC時代のゲームでもないのにスタッフロールが流れずあっさり終わるので、これも達成感を弱くしている。 ちなみにスタッフロールはタイトル画面を放置すると流れる。ゲーム開始時からクレジットを見られるゲームは珍しくない(主に洋ゲーなど)が、閲覧方法がわかりづらく、クリア時にスタッフロールが流れると誤解しやすくなっている。 評価点 このように本作は多くの問題を抱えているのだが、実は殆どのパズルの出来は決して悪くなく、「クソゲー」とは程遠い作り込みとなっている。 確かに本作はフルプライスソフトとして色々アウトだが、「サターン最悪のゲーム」と呼べるかどうかはまた別の話で、評判が先行している部分は否めない。 パズル全体の特徴 殆どのパズルは後の『レイトン教授シリーズ』とあまり変わらない完成度で、この手のパズルが好きな人ならそれなりに楽しめる。言い換えると、本作のパズル部分は後年のゲーム業界でまともに受け入れられている部類の内容である。 また『Action52』(*4)のような水増しがほぼ存在しないのも評価できる。問題点では難のあるパズルに触れたが、『四八(仮)』のように「ほぼ全てのパズルがクソ」といった惨状とは程遠く、むしろまともに作られたパズルの方が圧倒的に多い。 後述するように、いくつかのパズルは他のコンテンツでもまともな形で採用されていて、クオリティが保証できるものである。 本記事では割愛するが、『マインスイーパー』や虫食い算など、説明不要の有名パズルを基にしたパズルも多い。 収録パズル数32個というのは少ないようにも思えるが、一部パズルの難易度やアクション部分も合わせて考えると、ゲーム全体のボリュームとしては決して悪くない。「パズルの種類が大幅に増えた『ワギャンランド』」と考えると、それなりの分量である。 以下、本作の中でも特に良くできたパズルを紹介する。 + ... アイスキューブ ■■■ ■■■ ■■・ サイコロを使った8パズル。ゲーム開始時は上図のように、3×3のマス上にサイコロ(図の黒い四角)が8つ配置されている。 各サイコロのうち3面はオルティス、残り3面はルーカスが描かれている。ゲーム開始時は、オルティスの面が上になっている。 プレイヤーは空いているマスにサイコロを転がす事ができ、全立方体の上面をルーカスにすればクリアとなる。 ルールは単純だが、実際に遊ぶと中々難しい。かといって太刀打ちができないわけではなく、地道に揃え続けていれば完成する程度には作られている。程よく頭を使うゲームである。 参考に、本作以前にも類似のパズルゲームとして『オール1』というものが存在している。 先述の通り、難易度の高さに反して2番目に遊ぶ事が多いゲームのため、本作が低く評価される一因になっている。 またサイコロの横面が見えないという、UIの不備も惜しいところ。 フローズンサイド CPUとの対戦パズル。上図のように3×3で並べられた正方形のマス目に対し、各プレイヤーは24個の辺に1つずつ交互に印を付けていく。 印を付けた際、いずれかの正方形の四辺に印が付いた場合、その正方形は最後に印を付けたプレイヤーの陣地となる。これを繰り返し、多くの陣地を取った方が勝利となる。 難易度は低いが、油断すると負ける事もある。ちょっとした頭のトレーニングになるパズルである。 易しいとは言え、多くの人が最初に戦う事になるボスなので、難易度としては程よい塩梅に仕上がっている。 ジェッター 以下のマス目に、5種類のコマ(○,△,□,▽,■)全てを並べるゲーム。同じ色のコマはタテヨコ斜めに並べてはいけない。 ○○○ △△△ □□□ ▽▽▽ ●●●● 本記事で直接挑戦できるパズルその1。「クイーンの問題」の亜種のようなパズルで、一番多い●のコマをどう並べるかがポイントとなる。 リプレート ■ ○ □○○ 単純なスライドパズル。上記のパネルを動かし、■と□の位置を交換すればクリア。 本記事で直接挑戦できるパズルその2。簡単そうに見えるが、盤面が狭いせいで意外と揃えるのが難しい。『レイトン』なら序盤を過ぎたあたりに出てくるタイプの問題である。 ゴンドランド ゴンドラを使って、小人3人と兵士3人を向こう岸に運ぶパズル(*5)。 ゴンドラは一度に2人まで対岸に移動させる事ができる。ただし、移動の際は最低1人誰かが乗っている必要がある。 どちらかの岸において、兵士の数が小人を上回るとミスになる。 小人0人の場合は特に問題無い。 本記事で直接挑戦できるパズルその3。説明書には大ヒントが書かれているが、本記事では割愛する。 この問題は古典的かつ有名なパズルで、かの『レイトン教授と不思議な町』にも全く同じ問題が収録されている。 キーキー246 ●●● ● ● ●● ● ● ●●● ●● ● ● ● ●●● ●● 図のように、3×3の方陣に球が配置されている。それぞれのマスは90度回転させたり、配置を交換したりすることが可能。タテヨコ各6列と斜めの2列全てで球の配置を偶数にすればクリアとなる。 どこかを動かして偶数個の列を作れても、別の列が奇数個になってしまう事が多々ある。これまた一筋縄では行かないよう調整されていて、正解するには頭を使う。 キッキング e e e e e e e e p p p p p p p p 変則的なチェス。各陣営が図のように配置された状態で始まる(プレイヤーのコマはp、敵のコマはeとする)。プレイヤーと敵は交互にコマを動かして互いの兵を倒し、相手を手詰まりにするか残り1コマまで減らした方が勝利となる。 コマの動きは「上下左右の空いている方向に1マス動く」「自軍のコマを飛び越えてその先にいる相手のコマを倒す」の2つのみ。 敵のAIは強すぎず弱すぎない程度に作られており、ルールを把握すればきちんと勝てるバランスに収まっている。 パンプキン4 ○●○ ○●●○ ●○○○ ↓■■■■↓ 色の異なるカボチャ(○と●)が図のように並んでいる。これを動かし、●を全て左に落とせばクリア。 カボチャは左右にのみ動かすことができ、下にカボチャが無い場合は自由落下する。○を右に落として画面から消すことも可能。○を左に落とすか、●を右に落とすかしたらアウト。 本記事で直接挑戦できるパズルその4。適当に動かしても失敗するが、発想を上手く転換させると突破口が見えてくる。 オアシス アクション要素の強いスライドパズル。 各パネルには様々な形の溝が刻まれており、スタート地点から水が溝をゆっくり流れ始める。うまくパネルを動かして溝の上に水を流し、ステージ左上にいるブタに水を運べればクリアとなる。 もしも水が溝のない位置に溢れてしまったらやり直し。 どうやったらゴールまで運べるか、アクションの腕前とプレイヤーの知恵が両方試される。 操作性はあまり良くないが、絶対にクリアできない事は無く、発想次第で必ず突破できるようになっている。 ピースリーピー ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● 上記のように並んだ2色のブタ(○と●)を空きマスに動かし、各色交互に並べるパズル。 プレイヤーは横に並んだブタ2匹(色の組み合わせは問わない)を選び、セットで空いているマスに動かす事ができる。4手以内に並べることができればクリアである。 本記事で直接挑戦できるパズルその5。じっくり考えないと解けない良問なので、腰を据えて挑みたいところ。 ラスワン ○ ○○○○ ○○○○○ 対戦パズル。図のように並んだ岩(○)に対し、敵と自分が交互に印を付けていく(すでに印のついた岩には印をつけられない)。最後に残った岩に印を付けた方が負けとなる。 先攻後攻はランダム。 岩は同じ行で連続しているものに限り、1手で好きなだけ印をつける事が可能。 ビデオゲームでも『マリオパーティ2』の「はちのすブンブンブン」などで見られる、古典的な「最後の一つを取ったら負け」ゲームの亜種である。 しかし「同じ列なら幾つでも取れる」という部分は中々にイレギュラーで、この手のゲームを遊んだ事がある人でも思わぬ思考力を求められる。 特に、一番上の1マスをどう扱うかが悩みどころ。 敵AIが本格的に作り込まれており、生半可な考えでは勝てないようになっている。とどめを刺したと思ったら、思わぬ戦法からどんでん返しを食らうことも。 スチーマー 2 8 4 1 6 1 1 8 1 2 7 4 6 4 3 2 図のように並んだ数字の集まりを並び替え、タテヨコの数字の和が全て15になればクリアとなる。 本記事で直接挑戦できるパズルその6。普通の魔方陣パズルと違い、使える数字が変則的なので少し捻った発想が求められる。紙と鉛筆で解くのもよし、適当に並び変えて答えを見つけてしまうのも良し。 ノイーズ 6×6のマスをめくって戦う神経衰弱。ただし、このパズルでは絵や数字ではなく、めくった時に出る音を一致させないといけない。 音は言語化出来ないため記憶するのが難しく、対戦パズルとしてはシンプルに完成度が高い。本作に対戦機能が実装されていないのが悔やまれる。 ちなみに同じ音を当てるゲームというのは別作品でも『星のカービィ3』に存在し、こちらでもプレイヤーに強い印象を残している(主に難易度面で)。 カブガタ > > > < < < 図のように並んでいるカブトムシ(>)とクワガタ(<)を動かし、それぞれの位置を交換すればクリア。 それぞれの虫は進行方向の1マス先か2マス先に動かす事ができる。後退はできない。 手順を間違えると手詰まりになる。 本記事で直接挑戦できるパズルその7。これがあのボードターンの後に出てくるが、パズルとしては至って真面目な内容なので、ある種の癒し要員である。 ゲットネット ダーツの的のように分けられたマス目を使って戦うオセロ。対戦相手と交互に好きなマスを一つずつ選んでいき、陣地を奪い合う。 選んだマスで陣地を取る必要は無く、全てのマスが選択可能である。 普通のオセロと違い、挟んだだけでは陣地を取る事が出来ない。1回挟まれた陣地は灰色になり、もう一度それを挟む事で自分の陣地に変える事ができる。 ノイーズ同様、これも対戦できないのが悔やまれる完成度。最初のうちはオセロで重要となる"角"の概念が存在せず、壁も殆ど存在しないため、通常のオセロと違った戦法が求められる。しかしルールは単純明快でとっつきやすく、敵AIも程よい強さに仕上がっている。 ハッチ ↓ ↓ ↓ → ← ← → ↓ → ↓ ↑ → → ↓ ← → ← ← → ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ★ → → → ↓ ↓ ↓ → ↓ → ↓ ↑ ↓ → → ↑ ↑ ← ↓ ↓ → ← ↑ ↑ ← ラスボス戦。上図のように、たくさん並んだ矢印のマス目の上で卵を運んでいくゲーム(図の矢印配置はあくまでも一例で、プレイの度に中身が変わる)。先攻と後攻に分かれて対戦する。 ゲーム開始時は盤外の左右にそれぞれ7つの卵が縦一列に並べられている(左に置かれる青い卵がプレイヤー・ルーカスの持ち駒、右に置かれる赤い卵がラスボス・オルティスの持ち駒となる)。 各プレイヤーは自分の手番で、卵一つを矢印の方に動かす(盤外にある卵の場合は、すぐ隣のマスに動かす)か、盤上の全ての矢印を時計回りに90度回転させる事ができる。これを交互に繰り返し、全ての卵を先に★へと運んだ方が勝利である。 たまに千日手(*6)が発生するが、そうなるとプレイヤーが手を変えるまでオルティスが同じ事を繰り返すので、こっちが手を変えなければいけなくなる。 ちょっと不公平だが、このパズルは一応ラスボス戦なので、敵側に特権があるのはご愛嬌かもしれない。 運要素も大きいものの、シンプルでありながら豊富な選択肢が考えられ、これもまた対戦が無いのが勿体ないゲーム。 パイルシェル ラスボス攻略後に遊べるよう隠し要素。1対1の対戦パズル。 他の開放条件は特になく、仔ブタの救出数は問われない。 このパズルは、横に並んだ4つの穴を使って行われる変則的な4目並べである。各プレイヤーは自分の手番において、4つの穴の一つに自分のコマを上から落とす事ができる(コマは最大4つまで積み上げる事が可能)。これを繰り返し、先にタテヨコ斜めのいずれかで自分のコマを揃えれば勝利となる。 コマの代わりに一度だけ爆弾を落とすことも可能で、すでに置かれているコマを破壊する事が可能。 ただし同じ箇所にコマを置き直されてしまう事が多く、あまり意味はない。 隠しボスとしては小規模だが、パズルとしては堅実に作られている。例によって敵AIはきちんとした立ち回りで攻めてくるため、決して気は抜けない。 古典的なゲームである「立体4目並べ」を下敷きにしているため、破綻無く楽しめるよう仕上がっている。 立体4目並べはおもちゃ屋やネットショップ等で気軽に買い求められるので、興味のある方は是非。 また、問題点で紹介したパズル2つも難易度調整に問題があるだけで、パズルとしては極めてまともな内容である。 実はベストエンド条件が緩く、それを知るといくつかの難点が解消される。 本作は500匹中401匹の仔ブタを助けるだけでベストエンディングが表示される。それ以上の仔ブタを助けるメリットはほぼ無い。 一応パーフェクト特典として10秒程度のお祝いムービーが流れるものの、それ以外の見返りは全くなく、隠し要素の開放とも全く関係が無い。 要するに、実は本作の仔ブタは『レイトン教授』の「ひらめき指数(ピカラット)」よろしく「たくさん集めた方が良いけれど、決して全部集める必要は無い収集要素」とも解釈できる。 これを知った上で遊ぶと、本作の主なクソゲー要因である「アクションの酷さ」「ボードターンを初めとする高難度パズル」が大きく緩和される事になる。 まず問題点でアクションの酷さに触れたが、これは「ノーミスを狙えばリセットゲー、ミスを許容すれば虚無」という物であった。しかし「ブタを全て集める必要は無い」という条件なら話が変わってくる。 ある程度は敵にぶつかる事が許されるうえ、ミスしすぎるとエンディングが変わってしまうので適度に頑張る必要がある。つまり実際はノーミスを狙う必要は無く、ミスが好きなだけ許容されるわけでもない。 アクションで失う可能性のあるブタは意外と少なく、多くても1ステージで2~3匹落とすのがやっと。かなり簡単なステージも存在するので、全20個のアクション面で失うブタは多く見積もっても最大で40匹程度である。99匹までブタを落とす事が許されるので、アクション面のせいでベストエンド達成が不可能になることは無い。 かと言って適当に進めばいいわけではなく、ミスを減らしてブタを温存するほど、パズルで許されるギブアップ回数が増えてくる。なのでやはり虚無ゲーにはなり得ない。 各パズルで助けられるブタは10~14匹。先ほどの40匹を基に計算すると、アクション面でどれだけ手を抜いても5問程度のパズルがギブアップ可能である。 つまり大人でもクリア困難な「フォール26」「ボードターン」は無視しても問題無く、その上で苦手なパズルをさらに3問飛ばしてもベストエンド達成が可能である。 飛ばしたパズルは後から再挑戦できるため、これらはエンドコンテンツとして好きに扱って問題ない。 以上のように、本作は401/500を救出するのであれば、適切なゲームバランスに収まっている事がうかがえる。 実際、説明書には「ブタの救出数でエンディングが変わる」「少しでも多く助けよう」とは示されているが、全て助ける事は全く要求されていない。 とはいえ、完全クリア不要である事もまた示されておらず、条件を認知しようがないプレイヤー視点からクソゲーとみなされてしまうのは仕方がないとも言える。 仮に初見でベストエンドを引いてもそれが最良とは気付きづらく、何より元凶たる主人公の手で責任を持って全員を助けたくなるのは当然の摂理である。 総評 「最低評価を受けたクソゲー」と聞くと全く遊びどころの無いゲームを想像してしまうが、本作は決して悪いところづくめのゲームではない。 ゲーム内にちりばめられたパズルはきちんとした作りとなっており、算数が好きな人であればこの点を楽しむ事も可能である。 最終的に「サタマガ」のワーストを脱却できたのも、こうしたフォロー点があったからと思われる。 逆に言うと、本作はそういった長所を潰してしまうくらい大きなマイナス要素を抱えているとも言い換えられる。 アクション部分はグラフィック・操作性共にサターンとは思えないクオリティで、購入者から顰蹙を買っても仕方がないほど粗い。せっかくの長所であるパズルに関してもクリア困難な二つのせいで台無しにされている。 『スーパーマリオ64』『バイオハザード』といった革新的な作品が出た年のゲームにもかかわらず、その中身は前世代機でもアウトな代物である。 言うなれば、今作は減点法でクソゲーの烙印を押されてしまった作品と言えるかもしれない。 余談 今ならネットで答えが調べられるため、評価点に記したクリア条件を受け入れれば比較的まともにプレイが可能である。 とはいえ、そこまでするくらいならスマホアプリでも遊べる『レイトン教授』シリーズを購入した方が早いかもしれない。 本作では島をクリアするたびにちょっとしたおまけムービーが流れるのだが、その一部においては何故か松田聖子のヒット曲『Sweet Memories』が使われている。 しかもこれだけのためにわざわざJASRACに版権料を払っている(パッケージ裏に認可を示すシールが貼ってある)。 版権に回した予算を開発に使わなかった理由は不明である。雑なゲーム内容といい、色々と謎が多い。 開発会社のホームページでは制作物として本作が一切触れられていない。 ちなみにホームページをよく見ると、地味ながら『グランディア』のシナリオ原案を作っていた事が明かされている(*7)。人知れず汚名返上を成し遂げていたようだ。 NHKの子供番組『天才てれびくん』では、本作に収録された「ノイーズ」と全く同じルールのゲームが1年にわたり放送されている。HPに はエス・キュー・フォアが同番組のCGに携わっていたと書かれている(*8)が、もしかすると関連があるのかもしれない。
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2013年総評案1 大賞 明日もこの部室(へや)で会いましょう スポーツの祭典、オリンピックが実に56年振りに日本で開催される事が決定し世間が賑わった2013年であったが、一方では好事家達によるクソゲーの祭典もひっそりと開催されていた。クソゲーオブザイヤー in エロゲー板である。 2012年度はスワンアイ代表の『SEX戦争 ~愛あるエッチは禁止ですっ!~』とsofthouse-seal代表の『華麗に悩殺♪ くのいちがイク! ~桃色ハレンチ忍法帳~』の決戦となり、結果としてSEX戦争が見事金メダルを勝ち取りクソゲー界の底辺に輝いた事は記憶に新しい。そして2013年度を迎えたスレ住人達は今年はどんな怪物が現れ、不名誉の金メダルを獲得するのか期待・・・もとい不安に満ちていた。ここに2013年度クソゲーオブザイヤー in エロゲー板のあらましを記すことで、本年の総評としたい。スタートダッシュを決め、我先にと名乗りを上げたのは前年覇者スワンアイが放つ『リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~』(通称『リア充』)である。碌なインターバルも挟まずして襲撃してきた前年覇者の姿にスレ住人は一様に恐れをなしたが、その内容もまた怪物と呼ぶに相応しい物であった。本作の大まかな流れとしては「リア充達にバカにされていたコミュ障の主人公が、ふとしたことで手に入れた変身能力を使って復讐する」というものである。設定のぶっ飛び様はバカ抜きゲーであるため大した問題では無いものの、『SEX戦争』と同じく説明不足が尋常では無い。『変身エステ』なる所で主人公は変身能力を入手するのだが、この変身エステの単語が初出した僅か4行後には「そして・・・僕は変身能力を手に入れたのだった。」との説明だけで変身能力入手の経緯の説明は終わりである。能力の具体的な説明も以後行われる事もないのだ。前振りだけで投げっぱなし状態なのだから本編も当然まともなはずは無く、今まで主人公を毛嫌いしていたヒロインを彼氏に変身して寝とったのがバレたら唐突にデレだすのは序の口で、失禁したヒロインを見て男子生徒達がオナり始めたのを教師に見つかり、罰として廊下でオナニーなど最早なんでもありである。個別ルートも選んだ直後からHシーンに突入し、終わったらまた別のHシーンと物語としてはスッカラカンな出来である。更に抜きゲーである本作に置いて要とも言えるHシーンそのものも酷い有様で、20クリック程度の文量しか無いのに大半がコピペと呆れて物も言えない。特によく使われる「ずっぷ!ずっぷ!」「ああ・・・もう出そう」のワードはAAになるほどの笑いをスレ住人に与え、『ずっぷ』の愛称で呼ばれる事となった。。ちなみにヒロインは全員彼氏持ちにも関わらず全員処女であるというSEX戦争の新古品の設定を彷彿とさせる点もあり、スワンアイの商業戦略には首を傾げるばかりである。エントリー時からぶっちぎりのポテンシャルを発揮した本作は年間を通じて引き合いに出され、初っ端から強力な門番としてスレに立ち塞がったのであった。続けてエントリーしたのは2月発売のプラリネが放つ『モテすぎて修羅場なオレ』(通称『修羅場』)である。既に4人のヒロインと肉体関係を持っている四股状態で始まる本作はタイトルと公式の説明だけを見ると面白そうな題材に見えるものの、実態はその全てを裏切る内容であった。修羅場を回避する楽しみも何も無く、プロローグが終わった後の選択肢1つでルートが固定されエンディングまっしぐらとなってしまうのである。そもそも四股状態なのもモテすぎてというよりは成り行きの関係といったもので、また四股がバレても仕方ないねと言った雰囲気で終わりと完全なタイトル詐欺となってしまった。選評主の「ある意味プレイヤーが翻弄された5人目なのかもしれない。」という一文は本作を端的に表していると言えよう。4月に入り桜が舞う季節となりスレにも暖かみが広がっていたがそんなスレ住人を狩ろうとする亞人が現れた。Softhouse-sealの『エルフと淫辱の森』(通称『エルフ』)である。前年はスワンアイに遅れをとったもののクソゲーマイスターとして名を馳せたsealの登場にスレには恐怖が広がったのだ。さて、肝心な『エルフ』の内容であるが一言で言うなら「簡素化したくのいち」である。防御等も無くなり、やたらと長い無敵時間のお陰でボスも連打で圧勝と相変わらずゲーム性は皆無に近い。エロ関係はHCG0枚では無くなり、ミニアニメも多少の改善が見られるものの褒められる出来ではない。前作よりはマシなものの堅実なクソゲーっぷりを発揮している本作の出来にスレ住人はクソゲーマイスターの手腕に唸りをあげるのだった。堅実で地味ながらもクソゲー繋がりでは同じく4月に発売されたLassの『少女神域∽少女天獄』(以下『少女神域』)も見逃せない。異能力系ファンタジーの作風を匂わせ、鬱グロ展開をも期待させる宣伝とは裏腹にユーザーが見たものは延々と続く観光案内や無駄に多い強調記号のせいで読みづらく冗長な日常生活の描写・・・後半に鬱グロ展開に入ったら入ったで登場人物の無駄な多さ、難読漢字の濫用、やたらと要求される世界史の知識等完全にライターのオナニーと言える内容であった。5月には2本のゲームが舞台へ上がって来た。一つ目は今年のスレの盛り上げに一役買う事となったEx-iTの『逃避行GAME』(通称『逃避行』)である。『ひよこストライク!』等で一定のファン層を獲得していたEx-iTからのエントリーとなり意外な登場にスレは盛り上がった。まず本作はマスターアップ宣言の後に延期というチョンボをのっけからやらかし掴みはバッチリである。延期を待って遂に購入したユーザーが見るものはこのご時世に「START」「LOAD」「END」の3つしか項目が無いタイトル画面である。前作のひよこストライク!から大幅劣化しているばかりかオプションすらない。いきなりこんな有り様ではユーザーは早速逃避行したい気分になる。シナリオもクソとまでは言えないものの避けては通れぬ重要な部分がスッポリ抜けている為、実は話を削ったのでは?と邪推してしまう。しかし本作のポテンシャルの源はなんと言ってもバグである。一部ボイスが流れない、背景の暗転と言った軽微な物から、特定ルートへの進行不可能と言った致命的な物までボロボロ出てくる始末であった。だが最大の話題となったのは名前が「???」のキャラのボイスが全て「イラッシャイマセー」という謎の女性の声に置き換わってしまうイラッシャイマセーバグである。このバグはインパクトが非常に強く、身の丈2m超の殺し屋がイラッシャイマセーを連呼する様にスレは空前の盛り上がりを見せ、ようかんマンを改変したAAが生まれ、『イラッシャイマセー』が本作の呼び名となった。また、本作には延期の原因とされている予約特典がある。前作で好評だったHシーンをヒロイン視点で見れるという物だが、前述の通り本作には回想モードが無いため決して見ることが出来ない無用の長物と化している。延期理由の「予約特典ディスクの不具合」とやらは一体何だったのであろうか。現在ではパッチが配布されており上記のバグも治り、予約特典も発売から2ヶ月後にリリースされたパッチにより使用できるようにはなった為クソゲーとしては一歩後退する事となったが、イラッシャイマセーを始めスレを大いに盛り上げる事に成功した。二つ目はShelfが放った『Qualiaffordance-クオリアフォーダンス-』(通称『クオリア』)である。Shelfは本業がアダルトアニメ制作であり、それを活かした全編アニメーションというのが本作の売りである。全編アニメーション作品は現在でも珍しく、それを売りにするのは良い事であるが本作はその事を傘に圧倒的な手抜き仕様になっていた。異常な古臭さのタイトル画面、機能しない音量調整、場面毎に異なる音量を始め、アニメーションも一時停止や巻き戻しも出来ない体たらくである。シナリオも超展開とご都合主義のオンパレードであり、主人公が持っている超能力の秘密や手に入れた経緯なども一切触れられる事は無い。アニメーションさえ用意してればユーザーを釣れるだろうというメーカーの悪意がありありと透けて見える出来に修羅の国の闇の深さが感じられる一作となった。6月にも二つの作品が現れたがまるで梅雨空の湿り気を帯びた如く不気味な一本と逆にカラッとした一本という相反する特徴を持っていた。前者はニトロプラスの『君と彼女と彼女の恋。』(通称『ととの。』)である。意欲的かつ(とっても)個性的な作風を持つニトロプラスが「純愛」をテーマに送り出した作品であり注目を集めたが、その全容は凡百のエロゲーとは一線を画する物であった。攻略対象のヒロインは2人だけで1週目は幼馴染で固定、次週ではもう一方で固定なのだがこの次週で幼馴染が発狂し皆殺しした上でなんとプレイヤーに向かって毒づくのだ。つまりこのゲームはメタゲーだったのである。その後主人公が幼馴染に投薬監禁されクイズに答えながらもう一方のヒロインの復活を目指す監禁パートに移る。ちなみに監禁パートはセーブ・ロード不可能である。仮面ライダー倶楽部のような事をエロゲーでする必要があるとは世の中何が起こるか分からないものである。最終的にはどちらかのヒロインを選んで終わりとなるが、この際選ばなかった方のヒロインは以降ゲームに登場しなくなる。回想モードやCGモードからでさえ消滅してしまうのだ。本作はクソゲーと言うより意欲作という意見もあるが、およそ一般的に考えられる「純愛」とは異にする内容、冗長な監禁パート、そして何より非常に不便な仕様が問題としてあるのは事実である。また初期バージョンでは監禁パートで発生するフリーズの為にやり直しを要するバグもあったことは本作の不便さをより際立たせた。一応制作側にも思惑や主張がありこのような仕様にしているようだが、それを押し通してユーザビリティを台無しにしては元も子もないのではないだろうか。本作に興味を持たれたならば体験版にコードを打ち込むことで製品版に含まれるCG・BGMを解禁できるため、一見してみては如何だろうか。一方後者のカラッとした一本は同日に発売されたMBS Truth -Cherish Pink-の『クラス全員マヂでゆり?!~私達のレズおっぱいは貴女のモノ・女子全員潮吹き計画~』(通称『マヂゆり』)である。本作はタイトルから分かる通りレズゲーであり、主人公も女性となっている。本作の問題点は「ボイスの異様なケチりよう」に尽きるということである。主人公以外フルボイスを名乗る本作であるが、20~30クリックに1回ヒロインのボイスが流れるか流れないかという有り様である。この空白を埋めるべく主人公の独白が非常に多いことが特徴的で、Hシーンでも殆ど応答しないヒロインに対しマシンガントークを炸裂させる。この独白と並んで特徴的なのが、主人公の「(一人称)の中の雌ライオンが」という口調である。主人公の溢れる性欲や情熱を「雌ライオン」に置き換える事でより濃密な官能的描写を目指したのかもしれないが、実際はただ滑りまくってる痛い文字数稼ぎにしか見えない。また主人公には「ディープな妄想」をする癖があるという設定があり、日常シーンでも度々挿入される為非常に話のテンポが悪くなってしまっている。以上の問題点は全て異常なボイス数削減に端を発する物であり、本作の問題点が如何にそこに集約されているかが分かる。しかし作風は明るいことやRPGのBGMの様なHシーンのBGM、そして通称にもなった『雌ライオン』と言った要素からととの。とは真逆のカラッと笑えるクソゲーであった。梅雨も明け、今年も暑い夏がやってくる事を感じさせる7月には夏の怪談もかくやと思わせるオドロオドロしい一作がスレに這いよって来た。スワンアイの別ブランド黒鳥の『雨音スイッチ~やまない雨と病んだ彼女そして俺~』(通称『雨音』)である。まず本作の特異な点としてメインヒロインが病んでいるという点が挙げられる。病んでいると言ってもヤンデレの様な軽々しい物では無く、本物の狂人・・・要はメンヘラである。某ダウンロード販売サイトではヤンデレとの記載があるがそれは大間違いである。全編通じてヒロインは病みっぱなしであり、一般的に考えられる様なハッピーエンドの類は存在しない。特に「主人公の母親の葬儀でヒロインがウェディングドレス姿でブーケトス」のシーンは本作が抱える狂気をよく表しており、その狂気にスレ住民は一様に肝を冷やす事となった。狂っているのはヒロインだけで無く、グラフィックや演出にも及んでいる。パッケージ絵の様な気合が入った絵は極一部で全体として見ると明らかにデッサンの狂った立ち絵や異様に画力が低いCGが並び典型的なパッケージ詐欺をやらかしている。パートアニメーションの演出も首絞めだのリストカットだの誰が見たいのか分からない部分に使ってしまっている。本作はオンリーワンの存在感を持っているものの、とてもフルプライス作品とは思えないチープさやパッケージ詐欺にはクソゲーの烙印を押されるのも致し方無い所である。さて、9月も終わりに近づき暑さも引け秋の様相を木々が見せ始めた頃激しくスレの門を叩く二つのゲームが現れた。先に選評を携えて意気揚々とスレに入場しエントリーの儀式を始めたのはSAGA PLANETSの『カルマルカ*サークル』(通称『カルマルカ』)である。本作は「魔可」と呼ばれる七つの大罪になぞらえた超能力を持つ主人公とヒロインの物語であり、彼らが儀式を行い「カルマルカ」と接触する事で過去~未来まで操作が出来ると言う設定である。シリアスあな展開を予想させる体験版の煽り等とは裏腹に、その実態は設定丸投げの電波シナリオであった。まず前述した魔可の設定からして場面毎、ルート毎にマチマチであり説明も不十分である。例えば主人公の持つ魔可は憤怒であり、怒った時のみに超人的な身体能力を発揮するのであるが個別ルートでは特に怒っている様子も無いのに石をやすやすと砕く・・・と言った具合である。またキャラクター性もこれまたルート毎に異なっており、成績不振なヒロインが他ルートでは成績優秀なのは瑣末な事に過ぎずそのヒロインのルートではカルマルカに並々ならぬ興味を示しているのに他のヒロインのルートでは「ぶっちゃけカルマルカなんかどうでもいい(要約)」と本作の根幹なハズの設定ですらどうでもいいと片付けてしまう。全体として「過度の説明不足」「余りにも多い矛盾」「投げ過ぎな設定」「ご都合主義と超展開」が非常に目立つ出来となっている。選評者からは「笑い所のないチャージマン研!」と言われたり、某レビューサイトでは「個別ルートの話はTRUEルートと違いすぎるのでスキップで無視した方が良い」とまで言われるなどもう散々も散々である。グラフィックは優秀な為エロゲーとしての実用性はあるかもしれないが、シリアスシーンの直後に行為に及んだりコンシューマ移植を見越してか内容が薄かったりとこちらもイマイチとなっている。余談となるが本作はスレに良くも悪くもホットな話題を提供した。ユーザーが憤怒の魔可にとらわれそうなのをよそに公式のジャンル名が「ハッピー&スマイルADV」であった事がウケ、ハッピー&スマイルマンなるAAが誕生し、いきり立つスレ住民に癒やしを与えた。一方で選評者か分からない人物が選評の取り下げというご法度を宣言したり、wikiの本作の項目が一時削除されてしまう等実に様々な出来事を引き起こした事をここに記しておく。そして同日発売であった戯画の『バルドスカイゼロ』(通称『バルスカゼロ』)も格闘攻撃のゴリ押しでスレの門をこじ開けクソゲーオブザイヤーという戦場に出撃した。バルドシリーズといえば戯画の看板シリーズであり、良く練られたシナリオと爽快感あるアクションが人気を博している。本作は好評であった『バルドスカイ』の前日譚という事で大いに期待を集めた。オープンした公式サイトには・アクションパートのリアルタイム3D描写・射撃攻撃強化・主観視点でのエイム・機体や武装の強化と言った新要素が踊り期待は更に高まる事となった。製作陣も日記や雑誌インタビューで「凄いボリューム」だの「『分割するほどでは無いが』大作」と語り、ハードルを上げまくっていた。当初本作は3月発売であったもののエロゲーには付き物の延期が入り9月末の発売となったが、この時点で察しの良いファンは原画、シナリオライターが変わっていることから戯画マインなのでは・・・と感じていた。そしてようやく発売した本作を購入したユーザーは軒並み戯画マインの餌食になるのであった・・・では本作は何が問題なのであろうか。膨大な数の問題点がある為かいつまんで説明する。まず散々公式サイトでも煽っていた新要素満載のアクションパートであるが蓋を開ければ・強化したハズの射撃攻撃がむしろ弱くなりラスボスにさえ格闘攻撃のゴリ押しで圧勝・主観視点でのエイム、機体や武装の強化は未実装・カメラワークが適当・バルドシリーズの売りのコンボの概念が無い・装備できる武装減...etcと劣化した部分しか無くどうしてこうなったと言わずにはいられない有り様となっていた。では、シナリオはどうであろうか。実はコレこそが本作が忌避される事となった大きな要因である。出来の悪いラノベの様な冗長で意味もない会話が多い上、伏線を投げっぱなしで意味の分からない話が続き果てには前日譚なのにバルドスカイにどう考えても話が繋がらない等致命的な欠陥を抱えていたのだ。加えて主人公がかの『スーパーロボット大戦K』をも思わせる非常に不快な人物であった事もユーザーの大きな反感を買った。常に高圧的でトゲトゲしい物言いであるばかりか常識とか良心と言った物がスッポリ抜けているのではと思わせる言動をするにも関わらず、何故そういう態度なのかと言った理由付けなどは一切明かされることは無い。極めつけはバルドスカイの主人公・甲の扱いの酷さが本作の悪印象を決定付ける事となった。「強いが馬鹿」と言った扱いだけで無くモヤシ扱いされたり大量殺戮犯という設定を押し付けられたりと、ことごとくディスられるのである。終いには本作主人公が甲の恋人が死んだ事を皮肉たっぷり聞くと言った前作をプレイしているかいないかに関わらず胸糞悪い描写の大盤振る舞いとなっていた。一体メーカーとシナリオライターは何を思ってこの様な構成にしたのか正気を疑う所である。この段階で既にバルドシリーズが積み上げてきた信頼がゼロにまで堕ち、客を舐めきった態度にユーザー達が息巻いていたのだが戯画はさらなる地雷を仕掛けていた。それが『バルドスカイゼロ2』の発表である。発売前に「分割は無い」と散々言っておきながら発売直後に続編を発表するという特大の地雷を仕掛けていたのであった。この仕打ちにスレ住人も怒りを通り越してほとほと呆れ返るばかりであった事は言うまでも無い。本作は単品として見ても大物のクソゲーであるだけではなく、シリーズ果てはブランドそのものの信頼を一挙に無と化したという点で今年のエントリー作品の中でも際立った1本となったのであった。時は流れてクリスマス・イブ、ある程度の落ち着きを見せていたスレに心優しいサンタクロースが選評を届けにやってきた。その作品は11月末に発売されたALcot ハニカムの『赤さんと吸血鬼。』(通称『赤さん』)であった。本作はある日玄関先に捨てられていた主人公の未来の子どもを自称する赤ん坊の世話をする過程でヒロインとの仲を深めていくという物語である。この作品が抱える重大な問題は全てが余りにも唐突すぎるという事である。突然Hシーンが始まったかと思いきや次の瞬間には日常シーンに戻っている等スタンド攻撃を受けているかの様な飛び飛びの描写で、メインの話も「実は〇〇はXXだったんだ!」→「な!なんだってー!」の様なノリが続きユーザーは完全に置いてけぼりを食らう事となるのだ。またタイトルにもなっている赤さんであるが、重要なキャラなのだろうと勘ぐってしまうが実際はチョイ役程度で終わってしまう等何がしたかったのかまるで分からない。グラフィックやシステム周りは時代相応以上の出来であり、シナリオただひとつのせいで全てが台無しになってしまった。設定もキチンと練ればそこそこ良いシナリオになる余地があったためこのような出来になってしまった事がひたすら悔やまれる一作であった。サンタクロースからのプレゼントに沸き立つスレ住民であったが彼らは肝心な事を忘れていた。年末には魔物が潜む・・・という事である。そしてその法則に従いクソゲー界を破壊しかねない程の邪悪なオーラを纏った卵から魔物が孵化しようとしていたのだ。12月27日にその魔物は孵化しスレに降り立った。今年『逃避行』でスレを沸かせたEx-iTが放ったその魔鳥の名は『雛といっしょ』(通称『雛遺書』)である。まず本作はこの発売日に漕ぎ着けるまでの経緯からして尋常ではない邪悪さを放っている。制作が発表されたのは実に2012年初頭であり、そこから延びに延びてようやく12月13日にマスターアップ、20日に発売と発表された。しかしなんとEx-iTはまたしてもマスターアップ後の延期をやらかし27日に変更となった。如何に適当がまかり通っている修羅の国といえども3作連続マスターアップ後延期という前人未到の離れ業には驚きを隠せない。しかしマスターアップ等そもそも信用していなかった購入者達は騒ぐこともなく27日を待ち、遂にユーザーの手に本作が渡る事となった。まずユーザーが真っ先に見るものはクタクタの梱包である。これは公式サイトでも触れられており、後述するバグのせいでパッチを当てるまでゲームが進行出来ないというお詫び状を入れる為、一旦開封して手作業で再梱包したためとの事である。詫び状を入れる事そのものは良い事だとしても、そのサポート体制をもっと他に回せなかったのかとユーザーは早速理解に苦しむ事となる。さて、ゲームの内容であるが本作はひよこストライク!のヒロインである雛に着眼したファンディスクである。デスクトップアクセサリーやミニゲームといったものは無く、純然たるADV形式だけである本作は進めて10分も立たないうちにプロローグが終わり、選択肢が現れる。ここでの選択肢によりシナリオが分岐するが、その内どれを選んでも直後に強制終了し、ゲームは続行不可能となる。この余りにも常軌を逸した有り様にスレは今年最大級の盛り上がりを見せた。製品版が体験版未満であるという事に加えその内容が殆ど不明で終わる様は「シュレディンガーのエロゲー」「パンドラの箱」な様々な異名が付けられた。そもそもこの状態ではゲームとも呼べず「ゲー無」をも超える「 ー 」だと恐れられた。これに対するメーカーの対応もまたスレの勢いを加速させる事となった。宣言した期限を何度も破り小学生の様な言い訳を重ねながらようやく全ルートへ進行可能になるVer1.20が配布されたのは、年明けの1月3日の事であった。これによりゲームとしての体裁は一応整う事となった雛遺書であるがパンドラの箱の肝心な中身は一体如何ほどの物であろうか?単刀直入に言うと「ミドルプライスのファンディスクとしては非常に薄い」の一言である。酷いメーカー対応を乗り越え、待ちに待った肝心なゲーム内容がこれではユーザーも浮かばれないと言うものである。しかしながらシナリオの内容自体は破綻をきたしたりしていない事やファンディスクという物は元々薄さは許容される傾向もある為、ゲームの純粋なクソさとしては逃避行と同じくパッチで弱化したのであった。ゲーム内容とは直接には影響しない余談になるが本作にはそもそもバグ等無く最初から完成していなかったのでは無いかという疑惑がある事も無視できない。というのもVer1.20のパッチのデータを展開するとイベントCGや果てにはスタッフロールの画像まで出てくるのである。公式の見解はあくまで判定が正しく行われていないから進行不可と言うことなので、その修正に画像データ等は果たして必要あるのだろうか・・・?こうして最後まで黒い話題が絶えなかった本作は正に年末の魔物と呼ぶに相応しい一作であり、その破壊力は歴代の魔物の中でも特筆に値する物であった。なお、今回の不手際に対するお詫びとして2月14日に配信を予定していた追加パッチもやはり延期した事も付記しておく。さて、以上が「2013年中の」主なエントリー作品である。例年であれば年明けの1月は総評までマッタリとしている時であり、2013KOTYeとしては以上の作品で覇を競うもの だと思われていた。『雛遺書』の禍々しさに触発されたのか、なんと8つもの作品が年明けにエントリーし時間の壁を超えてスレに最終戦争を仕掛けて来たのだ。先陣を切った1作目は雛遺書騒動も落ち着きを見せた1月6日に現れた。昨年8月30日に発売されていたTech Arts傘下のブランド、One-upより発売された『聖ブリュンヒルデ学園少女騎士団と純白のパンティ ~甲冑お嬢様の絶頂おもらし~』(通称『ブリュパン』)である。本作の問題点は『マヂゆり』と非常に近い・・・というかほぼ同じでボイス数が異常に少なく、それに端を発っした問題が多いということである。しかし本作はマヂゆりと違い、ボイス量以外も手抜きであり、フルプライスの癖に主題歌の類が無かったり立ち絵も基本1種類しか無い。タイトルの「おもらし」「純白パンティ」と言った要素も適当な扱いで、可能な限り手を抜いている点が際立つのであった。続いて1月11日にエントリーしたのは『赤さん』を排出したALcotハニカムから独立したGLaceのTimepiece Ensemble(通称『TE』)である。本作の問題点もやはりシナリオ面である。殆ど一つの教室内で進行する長い共通ルートを終えると赤さんばりの唐突さ、カルマルカばりの矛盾を備える個別ルートが待ち受けている。特に致命的なのが重要キャラの意図がALcotハニカムの「1/2 summer」を未プレイだと皆目掴めないという事である。他メーカーの作品をプレイしていないと意味が分からないというのは余りにも酷いのではないだろうか。文章とCGが一致していない事も多く、如何に製作陣の足並みが揃っていないかを見せつける一作であった。『TE』のエントリーから2日後、スレの度肝を抜く細菌兵器が3作目としてエントリーした。なんと半年近く前の7月26日に発売されていたその兵器の名は、ミルクプリンが培養した『明日もこの部室(へや)で会いましょう』(通称『部室』)である。一体半年も潜伏するとはどれだけマイナーなのだろうか。早速公式HPから見てよう。まず既に発売済みであるのに「2013年夏発売予定」となっているトップからしてメーカーの並々ならぬ情熱が伺える。サンプル画像も極わずかで、サンプルボイスも各キャラ有っても1つである。ネット上を検索しても感想が1件も見つからない等これなら半年も放置されるのも納得のマイナーぶりである。では本作の問題点を見てみよう。まずはシステム面である。エンジンに吉里吉里/KAGを採用してるが、バックログが不便であったり音声周りのバグらしきものがあるだけではなくキャプションも間違えている。グラフィックも不安を感じる様な立ち絵や明らかにおかしいカメラ屋の背景等様々な問題点が見受けられる。しかしここ迄挙げた問題点などはどうでもいいことである。本作の真の問題はシナリオ面に集約されているのだから。本作の超大雑把なあらすじは「主人公が所属する写真部が実績不足の為廃部の危機に陥ったので評価されるよう頑張ろう。人物写真の才能が有る主人公は誰かと仲良くなり写真を撮らせて貰える様にしなくてはならない。」という物である。(これが本当なら)学園物としては他にも例があるので特段おかしいという訳ではない。進め方も共通ルートで毎日誰と行動するかの選択を積み重ね、最終日に個別ルートに分岐するというオーソドックスな物である。では何が問題なのか?順を追って問題点を確認しよう。まず本作は9割方共通ルートであるが、内容は単なる雑談の様な意味のない物ばかりである。しかしこの共通ルートで最も厄介なのは、いつ起きるか分からない「見てはいけないイベント」を見てしまうとバッドエンド確定であるということである。この仕様を知らなければ延々と共通ルートを繰り返す羽目になる。ちなみにバッドエンドの内容は、主人公は碌な写真を撮れず最終的に卒業式の日に自殺すると言うこれまた意味不明なものだ。この段階で体調を崩す程クソであるが、共通ルートの問題など牽制球に過ぎないというのを個別ルートで思い知らされる。個別ルートでも意味のない話が続き、公式の説明文にあるような伏線っぽい物は一切掘り下げられない。そもそも基本的に公式の説明文は殆ど嘘であり、主人公のデフォルト名すら間違っており、女性が苦手と言う設定もなんら意味を成していない。公式の説明文は主人公以外のキャラに対しても全く合っておらず、スレ住人が説明文の嘘を黒塗りした結果KGBに検閲された様な真っ黒な文になってしまった位である。個別ルートの問題点に話を戻そう。先に9割は共通ルートと言ったように個別ルートは非常に短い。Hシーンが続いた後は唐突に時間が飛び、エンディングを迎えてしまう。その殆どのルートでは写真部がどうなった等には一切触れないまま終わってしまい、当初の設定等どこ吹く風である。中でも異常さを極めているのは転校生ヒロインと2年も引き篭もりながらセクロスし続ける日々を送っていたら、世間は細菌テロで壊滅しているというエンディングである。ユーザーは目を白黒させる事必須だが、「果たして、無事に明日、部室で会えるかどうかは、誰にもわからない」との一文を残してスタッフロールを迎えてしまう。意味不明さを極めている本作に辟易するユーザーに追い打ちかけるのが、文章の端々に出てくるパロネタとメタ発言である。自身の名前の元ネタに言及したり寒いパロネタのオンパレードには参ってしまうだろう。問題点しか無い本作だがスレ住人の手によってある遊び方が発見される。本作は主人公名を自由に決められるのであるが、特定の操作を行うことで名無しを作れたり本来は4文字までという規制を超えて255バイト分まで入力できる事が出来るのだ。特に主人公名を長くして名前の表示だけでメッセージウィンドウが埋まると以降の文は次のウィンドウに表示されるという特徴は格好のオモチャとなり、『ずっぷ』と『イラッシャイマセー』のAAをメッセージウィンドウに再現する事すら可能にした。致命的なバグは無く、シナリオの意味不明さをメインウェポンとして従来の価値観を覆した本作はかつての『りんかねーしょん新撰組っ!』を軽々を超える天文学的な戦闘能力を有していたのであった。少し間を空けて古豪のアーベルの系列のRed Labelの『JK辱処女~純粋な心の持ち主ほど処女を好むという法則~』もエントリーした。説明文もサンプルCGも無しに「ダウンロードランキング第一位獲得!」と騙る本作の出来は如何程なのだろうか。本作はボイスをケチった『マヂゆり』『ブリュパン』とは違い、CG枚数をケチっている。文章で行っている事と表示されている画像が異なる事が多いため、単にHシーン鑑賞が捗らないばかりでなく話の場面転換の把握が困難になってしまっている。またタイトルの「純粋な心の持ち主」であるが主人公はコレを否定する様な思考を持っており、タイトル詐欺の様相も呈している。しかし本作最大の話題は通称にもなる事になった『枝豆』である。画面中央にデカデカと映しだされる枝豆のCGは、最初はクリ○リスの揶揄かと思わせておいて時には腕やペ○スの揶揄になったりする等枝豆とは何なのかと頭を悩ませる事となる。ただ枝豆がもたらしたインパクトは大きかったものの、抜きゲーとして求められる要素は一定水準であり、クソさは年明けエントリー組でも一歩劣る事になった。翌日にはfleur-softの『妹*シスター -My sister-』(通称『妹*sister』)もエントリーを果たす。本作は発売前にはスレでも注目を集めていた。公式サイトの文章がおかしいからである。「主人公の部室」「いい肉な妹日」等精神病患者が書いてるようなよく分からない日本語が並んでいるのだ。製品版の内容を見てみると相変わらず日本語が不自由なのは変わらないようで「目撃されしてしまい」等が目につく。シナリオも妹押しなタイトルであるにも関わらず公式の説明文に反して妹要素が全く無いヒロインも居る。ただHシーンはなかなかの出来であったり、シナリオが異常に破綻している訳でも無いので(スレ的な意味でも)ガッカリゲーに近いと言える。さてエントリー締め切りの1月末日には何を思ったか三つの3Dエロゲーがエントリーした。ゲーム性がボロボロでプレミアムな出来とは程遠いILLUSIONの『プレミアムプレイ ~ダークネス~』(通称『PPD』)。MODが頼みだった作品の続編なのにMODが流用不可で存在価値無しなBulletの『3D少女カスタムエボリューション』(通称『エボ子』)。痴漢ゲーらしい要素が全く無いREALの『いたずら学園』と、3Dエロゲーは鬼門である事をまざまざと見せつけた。ここまでが2013年に発売された主要エントリー作品である。途中までは不作だの門番の先行逃げ切りだの言われていたが、終わってみれば歴代でも屈指のエントリー数となり、質もハイレベルな作品揃いとなった。さて、激戦の年となった2013年度KOTYeであるが次点、大賞の発表に移りたい。次点は・リア充爆発しろ! ~変身能力手に入れたんだけど質問ある?~・カルマルカ*サークル・バルドスカイゼロ・雛といっしょ大賞は・明日もこの部室(へや)で会いましょうとする。2013年のクソゲーの特徴は「手抜き」「破綻したシナリオ」「ユーザーを舐めたメーカーの態度」であったと言える。まず「手抜き」であるが本年は多様な手の抜き方が見受けられた。次点ではリア充のずっぷのコピペが、次点以下ではクオリア、ブリュパンが代表される。大手で無い限り潤沢な資金がある事は珍しいエロゲー業界ではコスト削減を図るのは致し方無いのもあるだろう。しかし仮にもものづくりをする企業としてその反動として品質に重大な影響を及ぼすのでは元も子もない。そういったのは手抜きと言われてしまう。続いて「破綻したシナリオ」である。エロゲーは紙芝居ゲーと呼ばれるように一部例外を除き基本的には読む物であり、当然ながらそのシナリオの重要度は大きなウェイトを占めていると言える。シナリオの良し悪しと言う物は個人の感性により受け取り方が異なる為、絶対的な評価は出来ないものの矛盾や設定無視、超展開が多いというのは感性とはまた別な問題である。そういう前提で本年を見返すと・シリアス路線を煽りながら矛盾と設定無視だらけのカルマルカ・ただのライターのオナニーな少女神域・常にキングクリムゾン状態の赤さん・作品単体では理解が出来ないTEが挙げられる。オナニーするのはシナリオライターではなくユーザーなのだ。「ユーザーを舐めたメーカーの態度」も今年は非常に多かった。エロゲー業界といえども立派な客商売である。当然ながらそこには信頼関係がなくてはいけない。この点においてはバルスカゼロと雛遺書が特に際立っていたといえよう。前者は宣伝していた要素を未実装にしただけでなく、付いて来てくれたファンやユーザーの信頼を木っ端微塵にする描写をし、出さないと言っていた続編をすぐさま出すことで喧嘩まで吹っ掛けた。後者は言わずもがなであるが商品未満のゴミを売りつけておきながらイベントへの出展を優先し、自ら宣言した納期すら平気で破ると言う一企業としても有り得ない言動を見せつけた。目先の利益を追い、客を蔑ろにする企業に未来はない。かつて海の向こうで起こったゲーム界の悲劇、アタリショックも客を舐めた結果起きたものであるということを肝に命じて欲しいものである。これらを総合した上で考慮すると次点作品はそれぞれの特徴を代表するクソさを魅せつけ2013年を代表するのに相応しい作品が選出される事となった。一方大賞に輝いた部室を見てみよう。部室は以上の特徴を全てハイレベルで満たしている。手抜きなグラフィック・不便なUI,不可解極まるシナリオ、殆ど嘘ばかりの公式の説明文といった具合である。そして何よりも大事な事であるのはこれらが全て笑いに繋がっており、KOTYeの趣旨とガッチリ噛み合っているという点である。笑いに繋がるという点においてはずっぷも共通しており、実際この総評を作成する上でも選定を迷った。しかしこの両者、違っている点がある。ずっぷが笑えるというのはずっぷ!のコピペを始めとする「中身スッカラカンな事で起きる笑い」であるのに対し、部室は「悪い意味で濃厚な中身からくる笑い」であるということだ。前年、くのいちとSEX戦争の勝敗を分けたのが中身があるかどうかであった様に、今度はスワンアイが同じ論点で敗北を喫すのが妥当ではないだろうか。また部室はスレ住人を始めとするクソゲーハンターの目に留まっていないような超マイナーゲームの脅威を知らしめ、実は歴代でも大賞クラスのマイナーゲームが埋まっていたのでは?というKOTYeの選考の在り方にも一石を投じた。以上を鑑み、2013年KOTYeの大賞は明日もこの部室(へや)で会いましょう としたい。2013年は最後までスレをリードする事になった門番の登場、歴代最強クラスの年末の魔物、そして年を越えて襲撃してきた選評ラッシュと終わってみれば大豊作の年であった。また全体的なポテンシャルも非常に高く、今回次点、次点以下となった作品でも生まれる年が違えば大賞や次点に輝いた可能性は十分ある。一方でメーカーの冒険によって生まれたクソゲーではなく、手抜きによって生まれたクソゲーが目立つ年となりエロゲー業界のモラルの低下も危惧される事となった。2014年はクソゲーなど生まれないで欲しい・・・そう切望してやまないが、既に今年の主役であった戯画、Ex-iT、スワンアイらの新作が控えていたりと早くも騒乱を予感させている。しかし今は次なる戦いに備え2013年の総評を締めることで激闘の年を戦い抜いた住人達共々一時の安らぎの時としたい。最後に2013年大賞の『明日もこの部室(へや)で会いましょう』に倣い、次の言葉を送ることで結びとする。「明日もこの板(スレ)で会いましょう」
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総評案8 大賞 熟処女~私、はじめてなんです~(wiki選評案旧5氏 本スレ10本目735再掲) 735 名前:総評案1[sage] 投稿日:2011/02/08(火) 21 31 30 ID 99l4H/+e0 初年度にして怪物を生み出した08年、電波一本勝負の潔さである種の感動すら覚えさせた09年が終わり、 住民たちは今年はいかなる化物がこの世に生まれ出でるのかと戦慄を覚えつつ新年を迎えていた。 新年初っ端を飾ったのは130cmの「鬼まり」である。「鬼うた」のファンディスクである本作、メインルートは縮小再生産、 サブヒロインルートは相手を振ってエンド、そしてルートはこの2つだけ。エロシーンは実質4つの上に本番は妄想上の 1回のみという薄さ。さらにメーカー側の「本番がないとあかんのですか?」という斜め上の対応。シナリオ、エロ、 対応と全方位に渡って褒めどころ皆無という堅実なクソゲーぶりを発揮した。後に400Mもの巨大パッチでエロシーンを 追加して改善が見られたものの、新年一発目としてまずまずの盛り上がりを見せた。 超空間の核実験場ことZEROも「オレの妹のエロさが有頂天でとどまる事を知らない」で実力を見せ付ける。この作品は 宣伝では純愛路線を全面に押し出しながらも、メインルートではNTRやレイプを不可避のイベントとして盛り込んで 来るという展開を筆頭に、このタイトルにも係わらずそれっぽいネタは皆無など期待を裏切る要素がてんこ盛り。 シナリオは超展開だらけ、エロシーンも数あれどそれぞれが短すぎるなど単純にクオリティも低い。あらゆる意味で ZEROらしさを残すその作風は住人たちからも高く評価された。 だが、その「俺の妹(ry」を霞ませるほどの破壊力を発揮したのが、前年の次点作品を擁するアーベルソフトウェアが 今年最初の刺客として送り出した「恋刀乱麻」である。今回は前回に懲りたのかボイスもあるしバッドも含めてエンドも 数種類揃っている。では何が問題なのかというと、搭載された戦闘システム、「五行戦闘システム」が救いようがないの である。名前こそ大仰だが内容は5種類に増えただけのジャンケン、この運ゲー10本勝負が各ルートで10回程度行われる。 ただでさえ引き分けが多い上にもっさりした戦闘エフェクトもカットできないため、味わわされる作業感と疲労感は筆舌に 尽くしがたい。システムとして純粋にクソ、という点では他の追随を許さないところがあり、その個性は住民たちに絶賛された。 3月にはOverflowの「Cross Days」が案の定の参戦。大方の予測を裏切ってパッチこそわずかな程度で済んだが、 それが消し飛ぶような問題を巻き起こしたのは流石と言う外ない。最大の問題は「宣伝詐欺」──即ち、一部ヒロインの 雑誌告知シーンを削除した上に、好みの大きく別れる「男の娘」と「ガッツ」を一切事前告知せずに、しかもルート数では ほぼ半数に達するほどの大きな扱いで盛り込んだことである。さらにそれに対する抗議や反発を「2chで宣伝ありがとう ございます(笑)」などと煽りで返した挙句、プロデューサーの出演するニコ生では都合の悪い言葉をNG指定する見事な対応。 ネット認証ソフトであることにより中古売り逃げという退路が絶たれた上に、追撃の罵詈雑言が雨あられと降ってくるという 孔明も裸足で逃げ出す悪辣な罠に引っかかった犠牲者は数多く、発売直後の作品別スレッドは怨嗟の声渦巻く呪詛の儀式場と 化してしまった。定価13440円(買取不可)の末路がこの体たらくでは泣くに泣けない話だと言えるだろう。 一方、ZERO、アーベル、Overflowと同じく定評あるSSαは戦極姫2を大きなバグもなく出荷。前評判の高い大物同士の 間で大きく明暗が別れることになった。もっともSSαは携帯版でバグ乱舞ゲーを2本も出しているため、企業体質が改善 したというより足掛け数年でやっと一つの作品が完成したと考えるのが妥当かもしれない。 だがクソゲーと呼ばれるものは決して「定評ある」メーカーのみから生まれるものでもない。そのことを我々に思い出させて くれたのがういんどみるが送り込んだまさかの刺客、「色に出にけり我が恋は」であった。王道のストーリーとキャラ萌えに 定評のある同社だが、ユーザーが見たものは風呂場でスッポンポンになって奇声を発しながら腰をクネクネさせるヒロイン という大変シュールな絵だった。主人公はセクハラ魔人、ヒロインは奇行や迷言だらけ、エロシーンですら笑わせにかかる テキストなど同社の作風から想像できない作品に仕上がっており、クラスター爆弾クラスの広域破壊能力を如何なく発揮した。 犠牲者という意味では10年度でも屈指のレベルだろう。 しかしなんと言っても上半期で一番の話題作といえばbiscottiの「Floating Material -The hill where the star born-」に尽きる。 公式HPですら間違えてしまうほどタイトルの長ったらしいこの作品、HPキャラ紹介の文章がwikipediaや他メーカーから 盗作という、発売前から伝説を成し遂げたことで聞いている人も多いだろう。その後の追跡調査でサンプルのゲームCGも大部分が トレスであることが判明。copy rightの部分まで他からのコピペというのは笑うところなのだろうか。さすがにメーカーも反省 したのか、発売延期して疑惑部分については削除と謝罪で対応することとなった。 とはいえゲーム部分だけでも十分にひどい。会っただけでヒロインが主人公に一目ぼれするプロローグ、やたら「、」が多く 読みにくい文章、まさかのSEなしと目に付くところだけでこの有様。これに耐えてシナリオを続けても、山場に来るとヒロインの 問題が学外で勝手に解決してしまう感動ゼロのシナリオと、書き直したパーツの変なやっつけCGがプレイヤーを奈落に突き落とす 仕様である。 早くからコピー疑惑で騒がれた作品であったが、クソゲとしてはまさに「本物の作品」だったと言えよう。 夏に入り、話題をさらったのはまたもアーベルソフトウェアだった。彼らの放った第二の刺客、デュアル・エムが前評判を上回る 出来栄えでスレに降り立ったのだ。本格探偵モノを銘打っているが、序盤情報による消去法でアッサリ犯人にたどり着くうえ、 選択肢を間違ってもパートナーが全自動でやってくれるためバッドエンドも存在しないという親切なセミオート設計。アドオンで 修正されたものの左利きの犯人が堂々と右手で銃を撃つ、暗号にまさかの誤植など、ジャンルは本格クソゲーの間違いではないかと 思えるような素晴らしい内容に満ちているのは流石である。もちろんボイスもOP・ED曲もない。相変わらずのアーベルらしさに あふれるその素晴らしいクオリティは、住民たちから手放しの賛辞を受けた。 LOST SCRIPTの「ふぇいばりっとSweet」も忘れられない。 この作品の問題は、フルプライスにも係わらず総容量468Mというところから始まる。さらに数だけあっても実用性皆無のエロシーン、 ただでさえ少ない内容の9割が共通というシナリオの薄さ。それでもシナリオ自体は面白いかと思いきや、シナリオの中核を担う 主人公とメインヒロインの設定とエピソードは「西洋骨董洋菓子店」のパクリもといリスペクトだったという体たらくである。 その何ともいえない出来栄えはクソゲに飢えていた住民たちにそれなりに歓迎され、秋に向けて住民たちの期待は膨らんでいった。 そして9月、満を持して登場したのがPurple Softwareの新ブランド、delightが世に放った「Orange Memories」である。 内容は「エロゲではよくあること」で片付くものでエロシーンも質はともかく数を揃えており、ここまでならただの凡作で 終わるはずであった。ところがデータ解析を行った人間が内部に大量の未使用ボイスを発見したのである。この結果、少なくとも 6つのエロシーンが削除されたことが判明。つじつま合わせのために関係ないシーンのCGを流用したらしく、「ラブホエッチの CGで星空が見える」などといった不自然なシーンが存在。さらにヒロインの名前を「奏」から「心」に変更した際に一括置換を 行ったため、「奏者」「伴奏」が「心者」「伴心」などと誤植される有様。もちろん一部のフラグ処理がおかしいといった基本も しっかり抑えている。この脇の甘さを隠すどころかあえて見せびらかすという捨て身の姿勢は住民たちに大いに歓迎されるとともに、 久々の本格派にスレは沸きかえった。「delight」とは「大喜び」という意味とのことだが、この出来栄えで大喜びなのはメーカーと KOTY住人くらいであろう。 ところがこの盛り上がりも束の間、その後スレは再び年末まで停滞を迎えることになる。この間、アーベルの三作目である 「萌恋維新!」や原作ファンを失望どころか絶望させた「JINKI EXTEND Re VISION」、体験版で終わればみんな幸せだった 「なないろ航路」などが名前として挙がったものの、どれも普通につまらない上に不愉快というインパクトに欠ける出来栄えに 終わってしまった。 このまま何事もなく年の暮れを迎えるかと思われた12月──やはり年末の魔物はやって来た。 その魔物の名はHammer Headsの「熟処女」。本作品はいわゆる低価格作品ながら、オチンチンペに始まるタイプミス、 ミス音声の収録、台詞と音声のズレなど抜きゲーのはずなのに「真っ最中」で致命的に萎えさせる仕様を誇る。極めつけは一部の エロシーンのテキストを他作品からまるまるコピペしてるせいで作中に登場しない人物の名前が出てくるという点で、スタッフの 能力とモラルの低さを象徴するエピソードと言えるだろう。誤字脱字もひどいを通り越して凄いのレベルに突入しており、 「女性を放っておくなって許せない」「寛げた俺の下半身」「ゆっくりを受け入れてください」などなど、それだけでも十分すぎる 破壊力を誇っている。ただ萎えさせるのみならず笑わせるにまで押し切るその圧倒的な迫力はスレ住民から熱狂的に支持された。 これに追い討ちをかけるのが信頼と実績のアーベルソフトウェアが本年四作目にして最後の刺客として送り込んだ「まるめる」である。 「あなただけの物語を作れ!」という煽り文句から想像できるとおり、本作はマルチエンドで実に18のエンドがある。 ところが実際にはエンドの攻略順がほぼ固定されており、独自どころか一本道というひどいオチ。発売当日のアドオンを発表しながら、 内容はヒロインの表情差分という必要最低限の機能を補う程度の代物。キャラ10人中4人はセリフなし、背景の昼夜が無茶苦茶など、 量産型の駄作では済ませないあたりは流石熟練のクソゲメーカーといったところか。唯一の救いは既に名声を確立したメーカーであった だけに、犠牲者が少なくてすんだということだろう。 それでは、本年度の入選作と大賞を発表しよう。 入選作は「恋刀乱麻」、「Orange Memories」、「Floating Material」の3作。大賞は「熟処女」とする。 業界でのアフターサービスの金字塔を打ち立てたCross Daysは間違いなく今後も語り継がれる作品となるだろうが、最大の問題点は ゲーム内容と無関係であるためクソ「ゲー」としてはもう一つと判断した。そうした中で入選作はいずれもゲームをやるだけで やるせなさがこみ上げてくる破壊力を有するメンバーが選ばれ、その中でも一番大きな「本編の文章盗作」を実行した熟処女が大賞に 輝くこととなった。 魔王が君臨した08年、王者を生んだ09年と比べて、10年度は群雄割拠の戦国時代という形容が相応しいだろう。突き抜けてひどいもの こそなかったが、クソゲと呼ぶに十分値するゲームが数多く排出されたユーザーにとって過酷な一年であった。 そうした一年を代表する言葉は「コピー」だろう。トレスやリスペクトはもちろん、文章のコピペにまで至った事例まであり、 一部メーカーのモラルの低下は目を覆いたくなるレベルだった。また、KOTYに限らず期待を裏切ったと言われる作品も例年より多く 排出され、メーカーが安定したクオリティを残すことがいかに困難かを感じさせる一年でもあった。 そうした中で一年に四作も発表しながらも、どれ一つとして前評判を裏切ることなくクソゲーを出し続け、二年連続の入選作を 排出するに至ったアーベルの安定性は流石というほかない。その作品群は住民に「アーベル四天王」と称され、最後の作品は発売後 しばらく工作板にスレッドが出来ないという偉業すら達成した。ある意味で業界の頂点を極めたと言えるだろう。 よって、一年の最後の言葉はこの偉大なるアーベルの言葉をお借りし、biscottiとHammer Headsに贈ろうと思う。 「盗作なんかしないであなただけの作品を作れ!」
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もぐらでポン! 【もぐらでぽん】 ジャンル もぐら叩き 対応機種 ゲームボーイ 発売元 アテナ 発売日 1994年4月15日 定価 3,900円(税別) 周辺機器 GB専用通信ケーブル対応 判定 クソゲー ポイント ミニゲームレベルの内容遊べなくはないがすぐ飽きる 概要 システム 問題点 評価点 総評 概要 アテナが開発したもぐら叩きゲーム。通信ケーブルを使用した2人プレーも可能。 システム プレイヤーは十字ボタンとBボタンを使用して画面にある9つの穴から出現する的を叩くのが目的となる。 対応した穴の方向に十字ボタンを「押しながら」ボタンを押す事で的を叩く事が出来る。ニュートラルの状態だと真ん中が叩ける。 なお、何もない穴を叩くとお手付きとして一定時間硬直する。硬直時間は難易度によって異なる。 ゲームには「クエスト」「ノーマル」「VS」の3つのモードがある。 「クエスト」はステージクリア制で時間内にノルマ数の的を叩く事でクリアとなる。 モグラ→ペンギン→熊→タコの4ステージ×2周+最終面。最終面は高速で穴を移動する1匹のモグラを叩けばクリア。 ノルマを達成出来なかった場合はコンティニューするか諦めるか選べる。コンティニュー制限は無し。 「ノーマル」は所謂腕前判定モード。モグラ、ペンギン、熊、タコから相手を1匹選んで制限時間内に何匹叩けるかを競う。 出来栄えに応じて本作のキャラクター「じいや」からのコメントが変化する。 「VS」モードは通信ケーブルを利用した2人対戦。標的を叩いた数を競う。 相手の動物毎にギミックが異なる。 モグラはこれと言った特徴は無い。 ペンギンは2匹同時に出現し、うち1匹はすぐに引っ込んでこちらのお手付きを誘う。 熊は時折岩が出現し、数回叩かないと引っ込める事が出来ない。 この岩を放置すると岩がどんどん増えていき、熊の画面同時出現数が少なくなるという弊害がある。 タコは放置しているとノルマ数を増やされる(タコ墨を吐くグラフィックになる)。 ゲームの難易度は「おさる」「ふつう」「いじめ」から選択できる。 「おさる」は難易度が一番低く、ノルマ数も低め。またこの難易度のみ斜め4隅に標的が出ない。 「ふつう」は中間の難易度。 「いじめ」は最も難易度が高く、ノルマ数が多い事に加え何もない場所を叩いた時の停止時間が2秒と長い。 問題点 圧倒的なボリューム不足。この内容で3,900円は高い。 通信ケーブルがあってもモードが3つしかなく、何れもやり込む程の内容でもない上に尺が短いのですぐに飽きる。 ステージのギミックも従来のモグラ叩きでも実現し得るものばかりで、本作ならではの独自性が殆どないのもマイナス点。 クエストモードの最終面は1匹叩けば終了だが、出現してから引っ込むまでの時間が異様なまでに短く無駄に難易度が高い。たとえ難易度が「おさる」だったとしても。 このモグラは画面上に1匹までしか出現せず、超人的な瞬発力がない限り見てから間に合うような速さではないのでヤマ感で押しまくる事になる。もはやモグラ叩きじゃない。 結果、運が悪いといつまで経ってもクリア出来ないステージとなってしまいただの作業でしかない。 クエストモードのエンディングが味気ない。スタッフロールも無し。 一応難易度で内容が変化するが、最終面のせいで何度も繰り返しプレーするのを苦痛に感じるプレイヤーも少なくはないだろう。 評価点 ゲームそのものに特別これが優れているといった部分はないが、登場するキャラクターは割と個性的。 敵であるペンギンやタコ、黒幕である「じいや」にもどこか憎めないところがあり、それなりに可愛げがある。 対戦前の台詞もキャラクター別に1周目と2周目で違ったりと地味に芸が細かい。 総評 定価に対して特に際立つような事をしているわけでもない中身が薄っぺらい作品。 ファミコンが発売されたばかりの頃ならともかく(*1)、それから10年は経った時代にこのボリュームでは、別のゲームにおまけとして入っているミニゲームレベルと言われても仕方がない。 ゲームセンターでは新作モグラ叩きが登場する事もあるが、それは実際にハンマー(と言っても中身は綿だが)を振り回して楽しむエレメカ…格好良く言えば「体感ゲーム」だからであって、TVゲームで再現したところでミニゲームの域は超えられないのである。
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総評案 総評案1 総評案2 総評案3 総評案4 総評案5 総評案6 総評案7 総評案8 総評案9 総評案10 要望による改訂 総評案9(改訂) 総評案5(改訂) 総評案10(改訂) 最終候補 総評案(最終候補) 結構『手堅くまとめた風』な作品が多くエントリーされてるな。もっと普通につくればいいのに。 -- 名無しさん (2011-02-18 08 45 44) ↑まだ受付中だから「もっと普通な」作品を君が書けばいいのに -- 名無しさん (2011-02-18 12 11 00) 恋と選挙とチョコレートが入って無いのは、発売前後の作品が酷過ぎるからなのか? -- 名無しさん (2011-02-18 15 07 37) 今からでも遅くないので皆を熱くさせるような選評を出してください。いい加減テンプレぐらい読みなさい -- 名無しさん (2011-02-19 13 42 40) ↑↑ただの駄作とクソゲーの間には超えられない壁があることを知ったらまた来い -- 名無しさん (2012-01-18 04 02 18)
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仮面ライダークウガ 【かめんらいだーくうが】 ジャンル 対戦格闘 対応機種 プレイステーション 発売元 バンダイ 開発元 KAZe 発売日 2000年12月21日 定価 4,800円(税別) 廉価版 BANDAI THE BEST 2002年3月7日/2,800円(税別) プレイ人数 1~2人 判定 なし ポイント 原作はハードコアだったがゲームとしては普通 仮面ライダー対戦格闘シリーズリンク 概要 登場キャラ 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 A New Hero. A New Legend. 概要 同名の特撮番組を原作としたゲームソフト。仕様はPS用ソフト『仮面ライダー』『同・V3』に準じているが、操作方法は簡略化されている。 登場キャラ クウガのフォーム(全て別キャラ扱い) マイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタン(*1)、グローイング、アルティメット グロンギ怪人・ズ集団 グムン、ゴオマ、メビオ、バヅー、ザイン 同・メ集団 バヂス、ギイガ、ビラン、ガルメ、ガリマ 評価点 劇中で怪人が発したグロンギ語の台詞が、そのまま怪人の技名になっている。 ストーリーモードは、勝利条件が「一定時間生き残れ」「特定の技で倒せ」と、原作に合わせたものになっており、再現度は高い。 同モードのエンディングでは、原作のEDテーマ『青空になる』が流れる。 OPデモのクオリティはPS1であることを考えると結構高い。ただし、クウガのダッシュのモーションが不自然である。 賛否両論点 クウガの各フォームが、勝利時にいかにもなヒーローっぽい「勝ちポーズ」を取る。 「番組の制作意図を無視している」という批判もあれば、「これはこれでアリ」「サムズアップのみでは締まらない」等の好意的意見もある。 番組では、リアリティ重視などの理由から「クウガにはいかにもヒーロー的な決めポーズ等は取らせない」という制作上の掟があった。 一応、戦闘時の構えのようなものはある。 問題点 ゴ集団以上の怪人が、バトルキャラとしては一切登場しない。 慢性的に制作スケジュールが遅れていた上に一種の秘密主義で作られていた番組なので、無理もないが。 デジタルカードには登場している。 デジタルカードは、『仮面ライダー』のゲーム同様既に入手済みのカードを何度も入手してしまう。『V3』では救済措置があったのだが。 更に、入手に条件が設定されているカードもあるのだが、それ以外のカードを全て揃えてもカードを引き続ける事ができるため、カードポイントを無駄に消費してしまう事も有り得る。 「2P対戦で何十回勝て」など、気付きにくい条件のものが何枚もある。 フォームチェンジ機能が無い 本編では魅力的なアクションであるフォームチェンジ機能がゲームには搭載されていない。このため、劇中の様に超変身を再現することが不可能である。 総評 原作番組は、子供向けとは思えないほどハードな内容で話題となり、高年齢層の視聴者を得る事ができたのだが、本ソフトは明らかに子供向けの単純な内容であり、当時のファンの間でも特に話題にはならなかった。 ネタ面も特筆すべき程ではなく、かといって『555』『剣』の様にクソゲーと叩かれるわけでもない、歴代ライダー格ゲーの中でも無難と言える出来となっている。 そもそも本作は原作の内容的に格闘ゲームに向いていなかったのではないかという根本的な問題もあるのだが…。 余談 クウガが登場しているゲーム作品の中で唯一、主人公の五代のキャストが原作通りのオダギリジョー氏となっている。 他のクウガが登場しているゲーム作品(バトライド・ウォー、クライマックスヒーローズなど)では、別のキャストが担当していた。 平成ライダー格ゲーの中では、唯一同キャラ対戦が行える。 とは言っても『仮面ライダー』『V3』や、当時の格闘ゲームでは当たり前の事なのに、同キャラ対戦が不可能になった『アギト』以降がおかしいと言えるが…。 ゲーム本編では出てこないデータ内では、五代雄介のテクスチャーとズ・ガルメ・レが存在する。 なお、本ソフトのスタッフロールには原作番組の東映側プロデューサーが「監修」としてクレジットされているのだが、ゲーム内容にどこまで口を出していたのかは定かではない。 付記しておくと、彼は番組の制作を実質1人で完全に仕切り、児童誌や絵本の記述などにも細かく指示を出していた事で知られている。
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Hentai vs. Evil 【へんたい ばーさす いーびる】 ジャンル TPS 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4プレイステーション5 メディア ダウンロード専売 発売元 eastasiasoft 開発元 Axyos Games 発売日 2021年11月11日 定価 1,000円(税込) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 なし 備考 パッケージ版は欧州のみ販売海外switch版のみ成年向け要素有 ポイント 投げやり過ぎるタイトル若干ヘンテコなカスタム要素お色気要素がやや弱い 概要 特徴 ツッコミどころ 評価点 問題点 総評 概要 eastasiasoftから発売されたお色気ゲーム。 Axyos GamesからSteamでリリースされた『Hentai vs Evil Back 4 Waifus』が原作と思われる。 なお、本記事では暫定的にeastasiasoftから発売されたCS版のみ取り扱う。 特徴 本作にストーリー的なものはない。ただ単にセクシーな女の子を操作してゾンビやリーパー(死神)を倒していくだけのゲームとなっている。 操作方法 右のトリガーボタン(ZR/R2)で銃で射撃。 左スティックの押し込みでダッシュ可能。 ゲームモードは大きく分けてレスキューとサバイバーの二つが存在する。 レスキューは一定数以上のリーパーを倒して、ケージに捕らえられた女の子を救出していく。救出した女の子はプレイアブルキャラクターとして使用できる。 サバイバーはその名の通り、ライフが0になるまで、ひたすら敵を倒していくだけのモードである。 銃などの武器はマップ上に落ちており、拾うことで使用できる。 ハートマークのついた箱を取得するとライフが回復する。 ツッコミどころ あまりにも投げやり過ぎるタイトル。 恐らく、タイトルを見た誰もが気にするであろう『Hentai vs. Evil』という適当に命名したとしか思えないタイトル。 ちなみに「Hentai」とは、海外では日本製(もしくは日本風)のエロコンテンツを指す俗語であり、日本語の「変態」とは意味は全く違う。 前述した通り本作は「セクシーな女の子を操作して敵を倒していく」ゲームなので、あながち間違っている訳では無いが、もう少し捻ったタイトルにはできなかったのか…? 操作キャラクターのカスタムができるが、それが少しおかしい。 胸や太ももの大きさを変えることができたりと、お色気ゲームとしては妥当なものもあるが、以下のような変な部分もある。 肌の色を変えることができるが、褐色など現実的なものはともかく影や墨のように真っ黒な色や敵のゾンビと同じ緑色等、肌の色としては変な色が混ざっている。 髪型もいくつか変更することができるが、その中につるっぱげの髪型が混ざっている。 尤も、カスタムができるとは言ってもそこまで自由度は高くないので、過度な期待はしないほうがいい。あくまで「着せ替えの一部に変なものが混ざっている」程度。 評価点 TPSとしてはそこそこ遊べる。 右スティックで狙いを定めて撃っていくTPSの基本は押さえている。 「クリアタイムやハイスコアを記録等してくれる」といった、最低限ゲームに求められるものは備えてある。 問題点 実はお色気要素はあまりない。 「Hentai」というタイトルから、お色気要素を期待してしまうが、実のところ本作はそこまでエロに特化した内容ではない。 お色気ゲームにありがちな「女の子の服が破ける」とか、そういう要素も無し。 強いて挙げるなら、「水着姿の際に乳首の形が浮き出ている」というくらい。尤も、グラフィックがチープなのでそこまで嬉しくはないが。 なお、switchの海外版は普通に脱げる。勿論、 おっぱい丸出し 当たり前! ボリュームが少ない。 1,000円という低価格を考慮しても、ボリュームは少ない。 レスキューモードで女の子を助け出した後はサバイバーモードでスコアを稼ぐことぐらいしかできない。 総評 目を引くタイトルではあるが、悪い意味でタイトル通りのゲーム内容である。 肌の色を真っ黒や緑に変えることができる等、若干変な要素があるのでそれをネタにして楽しむこともできるものの、バカゲーと評する程のインパクトはない。 お色気要素も、セクシーな女の子を着せ替えたり操作できるだけと若干弱めなので、お色気目的で本作を購入することはおすすめできない。 定価も1,000円と低価格でTPSとしては最低限遊べる内容ではあるので、遊んでいて苦痛になるような「クソゲー」程ではない出来なのが、せめてもの救いだろうか。
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元ページ 概要部分を付け足して載せてみた - 名無しさん 2011-03-20 17 02 57 褒めながら貶す、のお手本みたいな選評だな - 名無しさん 2011-03-20 18 26 50 センスのある選評ですな - 名無しさん 2011-03-22 01 35 36 なんかムカつく書き方の選評だな - 名無しさん 2011-03-25 00 07 29 笑ってしまったw 確かに声優の質はちょっとな・・・・CGもゲフンゲフン。まあ内容は意外と悪くないとは思う。ワゴンになれば楽しめるんじゃない? - 名無しさん 2011-03-25 11 16 47 雀バラやを思い出させる見事な褒めちぎりだ・・・ - 名無しさん 2011-03-29 23 26 38 クソゲーをあえて褒めちぎるスレ住人としか思えねぇw - 名無しさん 2011-05-31 22 16 36 公式ページ消滅確認 - 名無しさん 2011-08-23 08 45 14 ホントに公式HP消えてた、修羅の国にとって珍しくないことだもんな!クソゲ作って夜逃げ - 名無しさん 2011-08-23 10 05 29 今調べたら、公式HPがなぜか再生してた - 名無しさん 2011-09-20 01 22 36 鯖落ちじゃね? - 名無しさん 2012-02-15 20 02 09 これは本当に凄い。よくもまあここまで全分野でクオリティが低い素材を集めたもんだ。シナリオは初っ端からプレイヤーをムカつかせることを目的として書かれたとしか思えない展開だしそれ以前にライターのレベルが素人以下。常に不自然な説明口調。これを形にしようと思った時点で凄いよ! - 名無しさん 2012-04-03 15 36 41 シルエットは転校しちゃったんだよwww - 名無しさん 2012-05-30 21 52 29
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アンリミテッド サガ 【あんりみてっど さが】 ジャンル RPG ゲーム本体リミテッドエディション 攻略本(実質説明書) 対応機種 プレイステーション2 発売元 スクウェア 発売日 2002年12月19日 定価(税抜) 通常版 6,800円 限定版 リミテッドエディション8,800円 判定 スルメゲー ポイント 意欲的だが急進的過ぎたあまりにも難解なゲームシステムそれでいてチュートリアルも皆無TRPGベースのゲーム内容 攻略本が事実上の別売り説明書 発売からまもなく新品価格980円以下世界観などのビジュアル面は好評 攻略が進むにつれて再評価も進んだ サガシリーズ 概要 ストーリー システム(というか賛否両論点) 評価点 問題点 「説明書」について その他 総評 余談 説明書 中古相場に関して その後の展開 概要 スクウェア(現スクウェア・エニックス)の看板RPGのひとつ、『サガ』シリーズ9作目の作品。プレイステーション2初のサガシリーズということで、プレイステーション時代の『サガ フロンティア』シリーズから一新された部分も多い。 今までのサガシリーズと同じく、人を選ぶ内容ではあるが、TRPG(テーブルトークRPG)をベースにしたゲームシステム・独自の世界観など、やはりサガシリーズらしい意欲的な内容にはコアなファンが多い。 前年にワンダースワンカラーで河津秋敏氏など同主要スタッフが製作した『ワイルドカード』というやや無名ながら評価の高い作品があり、システムにいくらか類似性が見られることからこのゲームは同作の発展形だと見る考え方もある。 内容がこれまでのシリーズ以上に意欲的である一方で、説明書の不備とゲーム内でのチュートリアル不足などの要因が重なって複雑かつ特殊なシステムに対する理解が難しい作りになってしまっていたため、当時のユーザーからの評判は芳しいものではなかった。 ストーリー 伝説の『“七大驚異” The Seven Wonders』(*1)。その力をすべて解放したとき、神は現れ、再び黄金時代が訪れるという。伝説を信じる冒険者達はその謎を解き明かす為に旅立つ!(公式より) システム(というか賛否両論点) システム的にかなり特殊 このせいでこれまでのシリーズと違いすぎて投げた人・クソゲーと決めつけた人も多かった。 特にフィールド上の動きは過去作にないもので、ボードゲームやTRPGのようだ、と評される。 フィールド上に「ターン」の概念があり、マス移動や周囲を調べる・仕掛けの操作などを行う度に1ターン経過し、それとともに敵も動く。 ダンジョンRPGのような動きと考えれば少しわかりやすいか(ダンジョンRPGのように広いフィールドではないが)。 『ロマサガ』以後のサガシリーズでは自由に歩き回って敵シンボルを回避したりできたので、それを想像していたプレイヤーは呆気にとられただろう。 動いた結果、敵と同じマスになると一定確率で戦闘になるが、そもそも敵の場所は特殊な術を使うか、隣接するまでわからない。 道は分岐もあるもののそれぞれは一本道であるため、歩いて敵を回避することは期待できない。 マップの全体図を確認することが特定の条件を満たさないとできない。 戦闘・フィールドともに「リール」というシステムを採用。要は、ルーレットを目押しで止めて成功判定をするもの。 フィールドでは、トラップ回避や宝箱を開けたりするのに多用される。失敗すると、トラップでダメージを受けたり宝箱の中身を失ったりする。 しかし、ランダムでずれるため100%成功させるのは不可能(*2)。貴重なアイテムや魔道板入りの宝箱が吹っ飛ぶなんていう場合も割とある。 宝箱を発見した場合、まずは(スキルを使用した場合)罠や鍵の存在を見破るためのリール(成功すると後のリールの難易度が下がる)があり、次に罠を解除するためのリールがあり、最後に鍵を開ける、または宝箱を破壊するためのリールがある……といった具合に終始リール尽くしである。箱をいじる合間に敵の襲撃が挟まることも珍しくはなく、その展開の遅いゲーム性に音を上げたプレイヤーは多かった。 つまるところ、TRPGでいうサイコロに当たるシステムと言える。 HPの概念が他のゲームとは異なる。画期的なのはHPがゼロになっても戦闘不能にならないという驚きの仕様。 重要なのはLPであり、LPが0になると戦闘不能となる。LPはHPが減っている時にダメージを受けると減りやすく、いわばHPはLPを削られないための「壁」的な存在である。 フィールド上のトラップや戦闘でHPとLPはガンガン削られていくので、能力は低くともLPの高いキャラクターの存在価値は高い。 HPは従来の技ポイント/術ポイントの役割も備えており、技や術を使用するだけでHPを消費する。 もっともその消費量は敵から受けるダメージに比べると遥かに些細であり、実害はほぼ無い。 戦闘では、ターン毎に5回分の行動を選択する。配分は自由で、同じキャラに5回行動させてもかまわない。 行動それぞれについてリールを回す。止めた場所に応じて技なら止めた位置のレベルの技が発動、術なら止めた位置の属性が術と一致すれば若干強力になる。 サガシリーズ恒例の「閃き」システムが存在し、技を使った際に稀に技を閃き、より高いレベルの技を使えるようになる。 同じ技ならレベルが違っても消費HPは一緒なので、閃きで高レベルの技を習得したなら下位の技はまず使わない。 しかし、リールをうまく止められないと、狙った技を出せないという問題もある。慣れが必要。 戦闘時の連携システムは健在。なんと敵味方全ての行動を連携可能。つまりむやみに連携を狙うと、敵に割り込まれて逆に大打撃を受けることになる。 うまく行動順を制御したり、敵の攻撃はもうこないと予測するなどの慣れが必要。 また、連携時もリールは全攻撃に対して個別に回り続けているため、全ての攻撃を上位技で止めるのは難しい。 そのリール配列は、実はGBソフトの『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』の乱数配列からほぼ流用したもの(*3)。 味方のステータスは、本人の固定された「資質」(基本ステータス)と、シナリオクリア時に一つ選んで入手できる「スキルパネル」によって決まる。 戦闘内の行動内容によって戦闘終了後に主な成長が行われた以前のシリーズと異なり、シナリオ内の行動内容によってシナリオ終了後に成長が行われる。 このため、戦闘以外にもトラップを回避したり宝箱を開けたりといった要素がそのシナリオ終了時の成長に関わるので、戦略が必要になる。 スキルパネルは余っている枠がない場合でも強制付け替えなので、完璧な配置にしていて入れ替えを望まなくても、次のシナリオクリア時には付け替えねばならない。 よって、極めようと思ったら、どこか必ずどうでもいいスキルパネルを置く場所(もしくは別の同系統のパネルに置き換えても主要ステータスに影響のない場所)を用意しておくことになる。といっても「完璧な配置」になるころにはゲームクリアにずいぶん余裕をもった能力になっているが。また、成長に制限があるため「極める」ようなデータを作るのは困難。 一部のパネルは入手が非常に困難であり、狙ったキャラに狙ったパネルを引かせるためには中断セーブ後(*4)のリセット→ロード作業(プレイヤーの間では主に「邪道ロード」と称される)がほぼ必須。 魔道板パネルをつけて戦闘中に何でもいいから術を使うと魔道板の術を少しずつ習得するのだが、戦闘回数が少し必要になる。 五行属性(木・火・土・金・水)を踏まえて、習得に適した属性の高い場所で戦うと多少楽にはなる。 街の改造屋では「アイテム改造」が可能。 アイテムを2つ組み合わせる。完成品の種類(剣や槍を指定)を同じものにすれば耐久度の回復ができる。種類を変えることもできる。 どんなアビリティがつくかは主に素材の重量に依存し、その上でわずかなランダム性があることを理解すると面白い要素である。 改造屋はなぜか無料で改造してくれる(*5)が、ときどき引きだされているアビリティの数が増減してしまうことがある。 ゲームの難易度的にはかなり高いと思われている。 厳密に言うと、初心者向けの主人公以外が厳しい。 進行順次第ではハマりに近い状態になりやすいルビィ編(*6)、味方がひ弱(*7)なのに最終戦が全主人公中最高難易度のマイス編(*8)、プレイ時間15分ごとに強制戦闘になるキャッシュ編、イベント進行が特殊で理解しにくいアーミック編・キャッシュ編など、これらの主人公は初プレイでは厳しい(主人公選択時にそういった旨の紹介文がある)。また、キャッシュ編は実質序盤に挑むことになる「剣難峡」が多少慣れたプレイヤーでもいやになるほど極めて難易度が高い(*9)。 そのほか3人の主人公は比較的進めやすいのだが、そのうち最も早く記事などで公開されメインの主人公であろうと目されていたローラ編(*10)では、ストーリーの2分岐のうち一方がかなり難度が高い(これは意図的に設定されたこと)。しかも、簡単な方の分岐に進むにはある敵に負けることが条件なのだが、この敵に負ける方が難しいほど弱い存在(*11)。さらに、ローラ編ではサブシナリオの数が少なく、ラストダンジョンに行けるようになるとレベルアップ用サブイベント「謎の場所」にも行けなくなるためハマる可能性もある。 また、このゲームでは敵はだいたい戦闘回数に応じて強くなっていくのだが、味方の成長(HP上昇とスキルパネル付け替え)はシナリオクリア時のみである。サブシナリオをわざとクリアしないで宝箱や魔道板入手に力を入れるのは本作の常套手段だが、あまりやりすぎると敵だけが一方的に強くなっていく。そして、シナリオをクリアしないと成長しないということは、全てのシナリオをクリアしてしまうとそれ以上の成長ができなくなってしまうということである。一応救済措置として「謎の場所」と「テトラフォース」があるのだが、一部の主人公では使えない。 幸いどの主人公でもシナリオの数は十分にあるので全シナリオをクリアしたのに能力値が低くてラスボスに勝てない、といったことはまず無い。(もちろん装備や技の関係で勝てないということはあり得るが) 確かに強いラスボスはこのシリーズ伝統ではあるものの、今作では特にラスボス戦の高難度さとそれ以前の戦闘難度とのギャップが激しい。 評価点 キャラクター作りの質は安定している。 河津作品らしくセリフはやや少なめに抑えられているが、個性が強く遊んだ人間の記憶に残りやすいキャラは多い。 それもいわゆる狙ったネタキャラではなく、妙にセリフ回しが面白いなどの理由で気に入られるキャラが多いのもそれらしいところである。 サガシリーズでは初めてボイスが付いたが、知名度の点で幅広い声優を揃えつつも特に違和感のない形に収まっている。 参考までに主人公たちを演じている声優陣は井上喜久子氏、川田紳司氏、猪口有佳氏、佐々木健氏、比嘉久美子氏、伊藤健太郎氏、子安武人氏の7人であり何れもどこかで耳にした名前が揃う。 全ての行動が後に繋がるシステムであることもあって、常に戦略的な思考を求められる。 戦闘中であれば使う技や連携の流れ、フィールド上であればギミックへの対処やスキル使用、マップ画面であれば武器改造や品揃え確認など。 楽にクリアできるシナリオでもれっきとした成長の機会なので、ある程度惰性にはなりにくい。 7人の主人公それぞれで、基本のところは変わらないにもかかわらずシステムやパーティの違いにより結構な遊び方の差が生まれてくる。 それだけに、その辺りのニュアンスが最初の主人公選択画面ではあまり伝わってこないのは残念だが…。 上述した通り難易度こそ高いものの、7人全員クリアすれば専用のエンディングを見ることができ、達成感もひとしおである。 ゴリ押しの通じないバランスであり、特に難易度の高い主人公で遊ぶ場合はきっちりゲーム全体の戦略を立てる必要がある。 その分、ギリギリでクリアできた時の喜びは非常に大きいものになるだろう。この辺りは過去のサガシリーズにも通じる部分である。 ラスボスはそれを象徴する部分であり、「理不尽すぎない程度にかなり強い」というところが評価を得ている。 グラフィックは2Dであり非常に奇麗。 『サガ フロンティア2』からの水彩画調のグラフィックも健在。 BGMは『サガフロ2』と同じく浜渦正志氏が担当。氏の能力に違わぬ名曲揃いであり、クソゲーとの評価を多く受けた発売初期でも、唯一音楽のみは一貫して評価を受けている。 中でも通常戦闘曲は大変美しく、満場一致で名曲扱いされるほどの出来で今までに浜渦氏が作曲した曲の中でも一二を争うほどの人気を誇る。 OPムービーの出来が凄い。 ゲームに合わない人から見たら間違いなくOP詐欺。 問題点 「説明書」について そんなこのゲームがクソゲー呼ばわりされる理由は、主に「説明書」が別売りと呼ばれることにあった。 もちろんこれは誇張表現で、ちゃんとゲームには本来の説明書が付属しているが……役に立たない。「パンフレット」「チラシ」などと通称されるぐらいである。詳細は後述。 要するに「システムが非常にわかりにくいにもかかわらず、それに関する説明が全く足りていない」ということで、それが本作の発売時に低評価を受けた主な要因であった。 ゲームに付属した「本来の」説明書(通称 チラシ)は全32ページで、うちゲーム内容の説明に割かれているのは20ページちょっと。 一般的なRPGであればこれで不足することはないだろうが、何度も述べているようにこのゲームは操作も進行もやや特殊である。 ボタンの振り分けやシステムの根幹など、基本の「き」となる部分についてはおおむね書いてあるのだが、どれもこれも本当に上っ面だけの説明で、初めてプレイする人にとっては非常に分かりづらい。 「改造」「能力資質」といった基本から一歩進んだシステムについては全く書かれていないものも多い。 特にプレイヤー達を戸惑わせたのがクエスト中のフィールド画面で、独特の操作そのものに戸惑うプレイヤーが続出。 「待機による回復方法」はR3・L3ボタン(スティックの押し込み)。このボタンを使用するRPGは珍しい。 「オブジェクトの調べ方」は全て「スキル(→アクション)」を選んでからオブジェクトを選ぶ。レバーや宝箱などがあったとしても自動で操作するコマンドは現れない。 「キャラクターの移動方法」も、説明書にはスティックでキャラ移動と書かれているが、行きたい方向にスティックを倒し続けないと反応しない。軽く倒すと行き先の簡単な現況が確認できるのだが、それについては説明されていない。 …等と、あまりに独特すぎる事から基本操作もおぼつかないプレイヤーも現れる始末で、わざわざ公式サイトに基本的な操作方法のQ Aが載ったほどである(現在は消滅)。 実は回復やオブジェクトの調べ方に関しては説明書の「フリーシナリオとは?」の項に載っている(具体的に言うと13ページの右上)。…がしかしそれらは小さな文字でおまけ程度に載っているので、ほとんどのプレイヤーが見逃したと思われる。 その為、当時のユーザーは阿鼻叫喚。「敵強すぎ」「全身鎧バグ(*12)を使わないとクリアできない」等、このゲームの評判を大いに落とすことになった。 説明書の不備の方が目立つためにあまり言及され難いが、ゲーム内におけるチュートリアル(説明)が皆無というのも看過できない。 当たり前のことだが、たとえ説明書が薄くてもゲーム内でちゃんとした説明があればこんなことは起きなかっただろう。説明書をきちんと読まずに始めるプレイヤーもいるし、ちゃんと読んだからといって全ての人がすぐに完全に内容を把握できるとも限らない。本作のように至極複雑なシステムを要しているゲームなら尚のことである。 確かにサガシリーズはある程度ユーザーを突き放す(プレイヤー自身に遊び方を見つけさせる)のがウリというところもあるが、このような複雑なシステムに対して説明が皆無というのでは突き放すを通り越してあまりにも不親切すぎるとの声が上がる事になった。 いわゆるチュートリアルがない以外にも、装備品や技・ステータスなどの説明が乏しく確認できる場面も少ない。 「改造」など文章の説明やとりあえずの試行だけでは理解困難なシステムもあるので、そういった部分の補完は必須だったはず。 その後、詳細なゲームの進め方や戦法なども書かれた攻略本『アンリミテッド サガ 解体真書』(という名の事実上の「別売り説明書」)が発売。 これにより批判は徐々に沈静化され、それ以降ユーザーのやり込みも進み、実際は奥深い内容で、敵の強さはきちんと装備を整えて進行していないプレイヤーの責任、全身鎧はバグではなく仕様説(*13)、だがこのゲームの面白さをスポイルする、飽くまで救済措置だとの見解が生まれた。 その他 進行不能バグがある。条件を満たしてしまう人は少ないと思われるが…。 アーミック編でメインシナリオ出現中にイスカンダール広場へ行き、祭りを見るとメインシナリオが消滅して進行不能。メインシナリオのない時に祭りを見ておこう。 キャッシュ編では、シナリオの進め方により「体術」以外が使えないイベント戦があるが、「体術封印」パネルをつけていると進行不能になる。 もっとも、「体術封印」パネルは使いづらいデメリットパネルなのであまり起きないだろう。また、シナリオを別のルートに移行する方法でも一応対策可能である(*14)。 装備品や技など、一部バランス調整がうまくいっていない点も目につく。 攻撃手段には技と術があるが、術は「術合成」のスキルパネルなど多くの準備や育成を行わないとあまり実用レベルにならない。さらに技のほうが手軽で強力。 武器は斧と弓が強く、長剣や杖は弱い。弱い武器を選んでしまうと戦闘力でかなりハンデを背負う上に、初期の手持ち武器が長剣であるキャラは相当数いる。 長剣は軽い素材なら ディフレクト というアビリティが付くことがあり、第二武器の欄に装備すればランダムで自動発動。これによりそこそこの確率で攻撃を回避してくれるのだが、軽い剣にしかつかないことなどはゲーム中の情報ではわからない。 同様に杖は ブロック 、短剣は ナイフガード というアビリティがついているものを第二武器にすれば回避をしてくれる。 斧攻撃技「高速ナブラ」は威力が突出しており、これを覚えたキャラは他の単体攻撃技はほとんど必要なくなる。 一部に運ゲー的な要素を強く持っている。 スキルパネルはクエスト中の行動が大きく依存するとは言え最後は運であるほか、「改造」は完全に確率で発生する「失敗」が存在する。 そのあたりを操作しようとすると、リセット・ロードの繰り返しをする羽目になる。 サブシナリオの動機がときどきぶっ飛んでいる。「古来の族長の試練を受けよう(別に主人公に関係ない)」「理由はないが砂漠を縦断しよう(新しく行き先が増えるわけではない)」「旅するのに風の強い時期をわざわざ選び勇気を試そう(途中で風よけの器具を貰うこともできる。本末転倒な気もするが、自由度の高さとも取れるか)」等々…。冒険好きの主人公にとっては良いが、急ぐ理由のある主人公には相応しくないかもしれない。 サブシナリオはパネル獲得+HP成長という報酬があるが、クリアしてもアイテムやお金などの報酬がない。これは前述の勇気試しのようなものだけでなく、「極地に質の高い氷を取りにいこう」というサブシナリオでも報酬はない。ボランティア扱いなのだろうか? サブシナリオをクリアしてしまうともうそのマップには入れない。複数のシナリオで同じマップを使用している場合も全てクリアしてしまうともう入ることができない。そのため探索が不十分だったり敵を倒して稼ぎたい場合あえてクリアしないのがネット上の攻略サイトでも推奨戦術になっている。同様の仕様は旧来のサガシリーズでは一部のマップだけに限られていたが、本作では認識を改めて取り組む必要がある。 なお、ゲームをやっただけではラスボスが何者なのかはあまり分からない。前座の台詞はあるが全主人公共通であるラスボスの台詞は全くない。攻略本を見て世界観や設定がやっと分かる(まあ、それ自体はこのゲームに限ったことではないが…)。 店の品物が有限で、メインシナリオかサブシナリオか運び(ヴェント編のみ)をクリアしないと品物が入ってこない。 主人公によってはショップの品物の入れ替え機会が有限。 総評 本作はゲーム内容自体は充実しており、ストーリーも批判が出るようなものではなく、そこまで重大なバグもない。 ややテンポの悪い面やゲームの進行手順などかなり人を選ぶ部分も見られはするものの、ハマる人はハマるゲームであり、少なくとも「クソゲー」ではない。 惜しむらくはとにもかくにも「説明不足」というその1点でゲームシステムの理解を著しく妨げてしまったために、非常にハードルの高い 独特なシステムを理解しきれなかった多くのユーザーからクソゲー扱いを受けてしまったことだろう。 開発スケジュールの余裕のなさに起因しているとはいえ、この点さえきちんとしていれば当時からの評価はまた違ったものになっていただろうだけに、なんとも悔やまれる点であった。 今ではインターネットで攻略情報を得ることが容易であり、その安価さもあって再評価の動きが進んでいるが、同時に、投げ売られているからといって安易に買うなとも言われることが、本作の難易度の高さと複雑さを物語っているとも言える。 こうした風評の有無を抜きにしてもゲームそのものが人を選ぶことに変わりはなく、総じて「作風が肌に合う人であれば楽しめるゲーム」である。 余談 製作総指揮の河津氏は、後に本作についてこう述べている。(2014年1月29日の本人のツイートより)。 アンリミテッド・サガはもともと某社が開発していた携帯ゲーム機に向けて企画していたゲームでした。 そのハードが中止になってしまったので、衣替えしてPS2向けのゲームになった次第。 それで、まるでスマホのゲームのようなダンジョン操作 表示になったわけです。 さすがに開発者のコメントだけあって「スマホのゲーム」という表現は言い得て妙である。また、「某社用の携帯ゲーム機」は原型である『ワイルドカード』を出したワンダースワンカラーを指しているものと思われる。 ちなみに河津氏曰く、テスターたちは簡単に連携を決めてしまっていたとのことで、スタッフの腕前を前提に調整した結果が製品版のゲームバランスとなってしまったのかもしれない。 攻略本にも記載されている、「レベル4の禁呪魔道板」のスキルパネル(通称:外道板)が極々低確率でしか手に入らない(*15)など、バグに近い挙動もある事はある。 しかし肝心の攻略本自体にも間違った情報が載せられている事もある。 出ない事がユーザーの間でネタになっている「外道板」に関しては、「普通に出る筈だが、2つの乱数を組み合わせたので、かなり出にくくなっている」とスタッフの弁。 余談中の余談であるが、本作発売の少し前、『ファイナルファンタジー』シリーズ初の地上波アニメ作品『FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~』が放映されており、そこへこの作品のタイトルを見たファンが「続編か外伝作品か?」と勘違いし購入してしまったという報告もある。 『FF U』も本作と同様に河津氏が関わっており、裏設定では繋がっている(いくつもの異世界がある世界観で、アンサガ世界がFF Uに登場しているわけではない)。FF Uの「風」や「雲」などが該当する存在「アンリミテッド」もアンサガの登場人物に居るが、アンリミテッドが超人的な能力を発揮できるのは出身世界の外での事なのでアンサガ世界の中で力を使うことはできないという設定。(インタビュー) 説明書 説明書の後半6ページは本作の攻略本・グッズや、本作と無関係のスクウェアのゲームの宣伝に割かれている。 チラシ呼ばわりされているのは、「ゲーム説明が不十分なのにもかかわらず、宣伝だけはきっちりしている」というニュアンスも大きい。 宣伝自体はスクウェアの説明書にはよくあることだが、他作品は多くても見開き2ページ分くらいか、もしくは同封であり、それも当該作品の関連物に限った話である(*16)。 『サガフロ2』の10周年の際、あるスタッフが個人サイトのインタビューにて以下のようにコメントしている。 取り扱い説明書は宣伝部が作っているのですが、本当は開発側で内容確認したり、必要な資料を出したりしなきゃいけないんです。 でも開発にも余裕が無くて、丸投げになってしまったためにあんな出来になってしまいました。 中古相場に関して 攻略本発売後に再評価されたが時既に遅し。各小売では本作は絶賛投げ売り中であった。新品980円は当たり前、嘘か誠か新品100円で買ったという話もある。 「福袋にこれが何本も入っていた」という画像も流行った。これはコラ画像だったが、投げ売りの凄まじさのために信じられてしまった。 中古ゲームショップでは今や高く買う方が難しい。980円なら高価な方で、大抵500~200円ほど。酷いと缶ジュース以下、100円切りなんてこともあったようで、買い取り価格は発売から1ヶ月で50円もザラ。また、買い取りが多すぎて買い取り拒否となった店も少なくない。 上記の通り攻略本は税込1,890円である為、現在の市場価格は攻略本の方が高い。さらに今でも中々入手しにくい(再販自体は度々行われている)。 本作の収集を趣味とする人も存在する。 中にはパッケージケースをトランプタワーのように組み上げて、アンサガタワーと呼ばれるオブジェを作る猛者も…。 その後の展開 投売りになってから数年、デジキューブ倒産の煽りを受け、サントラまでも投売り(*17)になるという不遇な状況を辿った(おそらくは倒産品が大量に市場に流れたため)。現在はスクウェア・エニックスから再販版が発売。 本作の説明が不親切だったのは開発者側も認識したらしく、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では、ゲーム内でシステムの説明を随所に載せている(ギユウ軍や戦闘中に入るナレーション等)(*18)。 本作の評判を受けてか、サガシリーズは『サガ スカーレット グレイス』の発売まで実に14年もの長きに渡って新作が発売されなかった。 『ミンストレルソング』や『サガ2GOD』『サガ3SOL』といったリメイクが出ているため、シリーズ自体は無事存続してはいるが。 河津氏がイヴァリースシリーズを引き継いだり『ラスト レムナント』の制作などサガ以外のゲームに関わっていたという事情もある。 また、本作はPS系統のサガシリーズにおいては唯一、廉価版の発売やアーカイブス化が一切されていない。
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トイレキッズ 【といれきっず】 ジャンル シューティング 対応機種 PCエンジン メディア 4MbitHuカード 発売元 メディアリング 開発元 ビッツラボラトリー 発売日 1992年3月6日 定価 6,900円 判定 バカゲー ポイント 外見的にはまさに「糞」ゲー下ネタのオンパレードメディアリングのご乱心ゲームそのものは至って普通の作り ストーリー 概要 ゲームシステム 評価点 バカゲー要素 問題点 総評 余談 ストーリー 主人公の大介君は今、生意気盛りの3歳。 でも、彼にはひとつだけ弱点があります。それは、いまだにオムツが取れないこと。これじゃカッコつかないぜ、と大介君は果敢にも初めてトイレに挑みました。すると突然、トイレの中に引き込まれてしまったのです。そして、そこには子供達のオムツばなれを阻むフトドキ者”ウンピ大王”が待ちうけていたのです。 さあ、大介君はウンピ大王を倒さなければ、一生オムツ人生で終わってしまいます。かわいい助っ人花子ちゃんと力を合わせ勝利をつかめ! 概要 上記のストーリーからお判り頂ける通り、あまりにもアホ臭い設定でお下品なゲーム。 そのお下品さは設定面のみならずグラフィックや演出面にまで徹底されている始末で、ある意味これ以上に『糞』ゲーとしての冠に相応しいゲームは滅多に存在しないだろうと思われる代物である。 ゲームシステム いわゆる対空ショットと対地ショットを使い分ける形式の縦シューティングで、『ツインビー』や『ゼビウス』などのそれに近いものとなっている。 対空ショットのみ、ボタン押しっぱなしにして離すと、溜め撃ちが放てる。 評価点 グラフィックの描き込み自体は割と良質な方で、結構カラフルで華やかである。 むしろそのせいで、下品度に磨きがかかっているともいえるが。 BGMも爽やかで心地よい良曲揃い。裏技でサウンドテストも可能。 それ故に、外見のお下品さとのギャップが激しい。 ゲームバランスは悪くなく、シューティングとしての土台もしっかりしている。 見た目が狂ってるのにシューティングとしては普通という意味では、同じPCエンジンの『超兄貴』と非常に似通った存在といえる。 二人同時プレイが可能なのだが、2P側の女の子「花子ちゃん」はエンディングの表示を見る限りでは普通に可愛い容姿である。 総じてゲームの出来自体は良好で、少なくとも遊べる出来にはなっている。見た目で多数のプレイヤーからは引かれてしまったが… バカゲー要素 自機はオマル。敵キャラも排泄物と動物を合わせたものや、性器や便器などばかりとド直球な下ネタ。敵キャラの名前も「ポコチー」「ヘをコクター」「クソナゲゴリラ」「フンギョ」「ベンキウナギ」といったものばかりで、ネタのセンスが低年齢層並である。 道中において便器やウ◯コなどがいたるところに配置されており、中身を知らない常人がプレイしようものなら狂乱必至な世界観である。 雑魚敵もボス敵も、鼻糞を投げてきたり、屁をこいたり、小便はもちろんのこと糞まで飛ばしたりと、変態的な攻撃ばかり。ご丁寧にも弾の色はほぼ茶色、一目でわかるお下劣ぶり。 ゲームオーバーになると「ヘタクソ!!」と画面にでかでかと表示される(*1)。「クソ」と「ヘタクソ」をかけたダジャレだと思われるが、ある意味プレイヤーを傷つけていないだろうか? ちなみにゲームオーバー時にヘタクソ呼ばわりされるのは、このゲームと「はにぃいんざすかい」等あまり多くはない。そりゃそうだ アイテムの名前が「ブルーレット」「セボン」「サンポール」とかどこかで聞いた事があるような代物。(詳しくは余談参照) ご丁寧なことに、取得時にボイスつきでアイテム名がコールされる。 ラスボスの「ウンピ大王」はソフトパッケージやタイトル画面でも登場するあのキャラなのだが、どう見ても変態なおっさんです、ありがとうござ(ry 問題点 全4ステージしかなく、各ステージもそんなに長くない(全ステージをクリアするのに20分程度のプレイ時間)ので、短時間で攻略できてしまう。明らかにボリューム不足であり、同期のPCエンジンシューティングの中でも小粒である。さすがにこれで定価6,900円は高い。 各ステージ途中には中ボスが登場し、最終ステージはボスが2回登場するが、それでもボリュームを補うには程遠い。 対空、対地ショットに連射機能がないので、手動でボタン連打しなければならない。また、連射パッドを使用すると対空の溜め撃ちが放てなくなる。 オプション項目にて難易度を三段階まで選べるのだが、あまり大きな差はなく、全体的な難易度は控えめである。 総評 とにかく、外見上としてみれば間違いなく「糞」ゲーなのは事実であり、当初からそういう意味での批判もあったようだ。 しかしゲームとして見れば、特にシューティングとして破綻している訳でもゲームバランスが崩壊している訳でもなく、ストレスの渦に巻き込むような不備もなく至って普通のゲームであり、クソゲーと呼べるものでは断じてない。 汚物系のネタを受け付けない人にとっては到底オススメできないが、お下劣な下ネタが好きなゲーマーにはオススメの一品といえよう。 余談 製作元のメディアリングは化学工業メーカーの三菱樹脂(*2)の子会社だった(*3)。 そしてクリア後のスタッフロールで拝める驚愕の事実とは、小林製薬や大日本除虫菊など、実際にトイレ洗剤を製造販売するメーカーとのタイアップを図っていたことである。『悪趣味ゲーム紀行』にて「こんな会社とタイアップかけるゲームは後にも先にもこれっきり」「何でゲームの中身にその企業努力が向かなかったのでしょうか」と揶揄されている。 CSで放送されているゲーム番組「東京エンカウント」にて、同番組でMCを務める杉田智和氏が「番組で使いたいけど(どこが権利を持っているのかわからなくて)許可が取れない」タイトルの1つに本作を挙げていた。 プレミアがついており、入手困難である。