約 1,423,344 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8019.html
湾岸ミッドナイトシリーズ 機種 タイトル 概要 判定 元気系列 AC 湾岸ミッドナイト 記念すべき『湾岸ミッドナイト』初のゲーム化。『首都高バトル0』がベースの作品。アーケードゲームでは唯一無二のSPバトルよろしくライフゲージバトルシステムを採用。 スルメ 湾岸ミッドナイトR 前作をベースにライバルカーのプレイアブル化などの追加要素を盛り込んだVer.UP版。 PS2 湾岸ミッドナイト 基本的にアーケード版の移植だが、ストーリーモードなどの追加要素がある。 PS3 湾岸ミッドナイト 元気から発売された唯一のPS3作品。ボリュームの薄さと蛇足な仕様などから評判は芳しくない。 PSP 湾岸ミッドナイト ポータブル 系譜的にPS3の移植扱いだが、実際はPSP版『首都高バトル』をベースとしたPS2版の劣化移植。 クソゲー 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE AC 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE ゲームエンジン「ENMA」から生み出された挙動は数多くのユーザーの関心を引かせた。ストーリーモードとタイムアタックと乱入対戦だけの、シリーズ随一のシンプルなシステム。ちなみに、ロケテスト段階でのサブタイトルは『MAXI BOOST』となっていた。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 2 ランク制と4人対戦と10人抜きモードを新たに追加し、シリーズの基礎と競争要素を強化。無敗特典の初出でストーリーモードの構成が変更された。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3 分身対戦が新たに追加。ドレスアップの幅が大幅に広がり、シリーズ人気に火をつけた。ストーリーモードが原作に沿った内容へと変更。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX 名古屋高速環状を追加。新たにストーリーモードの連勝数を追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 3DX PLUS 福岡都市高速と往年のGT-R2車種を追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 4 現行の新筐体に一新。ターミナルでゲーム外でもドレスアップ等がいつでも可能に。ゲンバラがRUFに変更。 賛否両論 AC 湾岸ターミナル 新たに登場したターミナル。『5』以降も引き続きコンバージョンされ続投中。 賛否両論 AC 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5 湾岸マキシ.NET初登場。副都心エリアと多数の外車が収録された。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5DX 神戸エリア追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 5DX PLUS 広島高速が追加。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6 分身対戦の対戦人数が4人まで選択可能となり「多人数分身対戦」に名称変更された。アプリ「湾岸ナビゲーター」初登場。そして悲願のポルシェ初収録。 賛否両論 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6R 全国街道チャレンジモード採用。だが、初の新曲が登場しないタイトルとなり、メニュー画面BGMも前作から一切変更なし。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6RR ドレスアップ可能なGT-R「GT-R50 Italdesign」とビンゴチャレンジ・湾岸甲子園が追加された。再び新曲が追加され、メニュー画面のBGMも新曲となった。 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE 6RR PLUS ※2024年7月17日より執筆可能 関連作 AC リッジレーサーV アーケードバトル 『無印R』と筐体を共有している。 マリオカート アーケードグランプリ こちらもナムコが制作。筐体やシステムが一部流用されている。 良 マリオカート アーケードグランプリDX マキシマムヒート 『湾岸マキシシリーズ』開発スタッフによる3Dメガネ対応レースゲーム。ゲームエンジン「ENMA」を流用したうえで更にカジュアルにチューニング。 Dead Heat Riders 『マキシマムヒート』のエンジン・コースをそのままに、搭乗車両をオートバイに変更。海外向け製品で、日本ではごく一部のナムコ直営店でのみ稼働。 iOS/Android ドリフトスピリッツ 基本プレイ無料。『湾岸マキシ』シリーズや『リッジレーサー』シリーズの流れを汲んだ作品。同作のキャラ・車が登場するコラボイベントが実施されたことがある。 執筆禁止 関連シリーズ 首都高バトルシリーズ 元気開発のレースゲームシリーズ。開発協力に加えて一部データはここから流用されている。 頭文字Dシリーズ 同じ講談社のカーバトル漫画原作のレースゲームシリーズ。激走祭を始め公式コラボが不定期に開催。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2574.html
この記事は改善判定に当たらないと管理人判断され、プレイヤーによる判定判断待ち状態になっています。 判定変更議論手続所で提案されているのは「シリーズファンから不評」もしくは「クソゲー」判定です。 判定判断の出来るプレイヤーがいましたら該当スレで意見をお願いします。 カルドセプト サーガ 【かるどせぷと さーが】 ジャンル トレーディングカードゲーム+ボードゲーム 通常版 タイトルアップデート版 対応機種 Xbox 360 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 大宮ソフトロケットスタジオ 発売日 通常版 2006年11月22日 タイトルアップデート版 2007年4月5日 定価 6,980円(税抜) 判定 改善 ポイント 2006年クソゲーオブザイヤー次点(通常版)ダイスにバグありAIもまともでないパッチでバグは軽減したが、なおクソゲーか否かの境界線上 クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 カルドセプトシリーズ初代 / セカンド / サーガ / リボルト 概要 今作の特徴 問題点 ランダム性の低いダイス フリーズの頻発 バグに近い問題点 バグ以外の問題点 評価点 総評 公式対応について 余談 その後の展開 概要 大宮ソフト開発の人気ボードゲーム『カルドセプト』シリーズの一作。 Xboxでの開発経験のあるロケットスタジオに製作を委託し、DCの『カルドセプトセカンド』から4年ぶりに発売された。 オンライン対戦対応、イトケンサウンド、シナリオは『マルドゥック・スクランブル』『蒼穹のファフナー』の冲方丁による新規書き下ろし。 2003年に『セカンド』のオンラインサービスも終了し、上記の心躍る売り文句を胸にXbox360の本体ごと購入して待ち望んでいた同シリーズのファンが見たものは如何に! 今作の特徴 今までの作品と比べカードのバランスが大幅に変化、また今まで強力だったカードが削除・弱体化されており、従来どおりの戦略が通用しにくくなっている。 新たな特殊能力の追加「呪身」:配置時に呪い効果が付与される。風、水、無属性クリーチャーが所持「即時」:配置時に領地コマンド(クリーチャー交換以外)が使用可能。地、火、無属性クリーチャーが所持「加護」:対象のセプターの全てのクリーチャーが影響を受ける「呪い(セプター)」「呪身」はクリーチャーの強化・弱化面での特徴がより顕著となり(*1)、「即時」は領地能力(スペルと同等の効果を発揮する)の使用、レベル上げ、移動侵略等がスムーズに行える汎用性の高い能力。「加護」はアイテムやスペルに制約があるクリーチャーの強化・弱体化、アイテムの節約等、より攻撃的にクリーチャーを使える能力。 ゲーム展開の高速化「イントルード」:任意の領地に侵略が行えるスペル。「エレベート」:1レベルの領地を2レベルに上昇させる。「リフュージ」:(使用時手札一枚をディスカード)80の魔力を得る、手札にこのカードを加える。「フェーム」:使用者の一番高い領地レベル×100の魔力を得る。「復唱」:特定のスペルに付随する能力で、もう一度スペルを使用できる。これらのスペル、能力はゲームスピードを向上させ、コンボや領地拡大が素早く行えるようになる。 領地を直接奪えるカードの登場「ポゼッション」:自身の破壊を代償に、1レベルの領地を、配置されたクリーチャーごと奪い取る領地能力を持つクリーチャー。「トレード」:1レベルの領地を交換するスペル。これらのカードで厄介なクリーチャーを自分の物にする、連鎖の確保や切り崩し等が容易に行えるようになった。勿論、魔力の消費や交換用の領地の工面などは必要。また、この2枚の追加によって「領地をレベル1のままにしておき、状況に応じて一気にレベルを上げて拠点を築く」という方法が取りづらくなり、これらのスペルへの対策のためにあえて2~3レベル程度までレベルアップさせる必要もある。 複属性クリーチャーの登場 対応する属性の領地を所持していないと配置できないが、かなり強力な能力を持つ。 統合、調整されたカード達 特定属性にのみ攻撃するカード(相手の属性のヤマかけを外すと、使い道の無い死にカードになる。色ごとに1枚ずつの4種類)は「火と地属性に○○」「水と風属性に○○」といった具合に有効範囲を広げて種類も絞った。 初代やセカンド両作に登場していた強力なカードが削除、弱体化などが行われている。ただし単なるマイルド調整ではなく、一部のカードは差し替えなどによってブックの構築にも影響を与えている。ここでは代表的なものを述べる。 + カード調整一例 「スチームギア」:HPST共に50でデメリットが緩い。 クリーチャー(無属性)今作では削除、ただし各属性に「デメリットがありコストも高いが、配置条件がない高能力クリーチャー」が追加され、各属性に応じてクリーチャーが選択できるようになった。ここではその一枚を記述する。「ワータイガー」:HP50ST60 ラウンドが25を超えるとHPST共に-20 クリーチャー(地属性) 「グレムリンアムル」:対戦相手のアイテムを破壊する。 アイテム(道具)この二枚に差し替え。「グレムリンクロー」:対戦相手の武器、巻物、道具を破壊する。 アイテム(道具)「グレムリントゥース」:対戦相手の防具、道具、援護クリーチャーを破壊する。 アイテム(道具)今まで汎用性が高く強力なカードを2枚に分散することで睨み合いが続くだけの展開を打破しやすくなった。ただしどちらも新カードで名前もややこしいので2枚共ブックに入れると効果を間違えやすい欠点も… 「デコイ」:クリーチャーの直接攻撃を反射。 クリーチャー(無属性)同効果を付与するスペルと擬似クリーチャーに差し替え「リフレクション」:対象のクリーチャーに直接攻撃反射の「呪い」を付与する。 スペル「フロストビースト」:無属性クリーチャー以外の直接攻撃を反射。 クリーチャー(複属性 水、風)どちらもデコイやカウンターアムル(STが0になるが直接攻撃反射 アイテム)と比較すると使いづらいがメリット(アイテムの制限がない、STが高い状態で戦える)もあり、うまく使えば効果的なカードである。 「ランドトランス」:領地を手放し魔力に変換する。 スペル同能力を持つクリーチャーに差し替え。「トケビ」:領地能力がランドトランスと同じ効果、即時持ち。 クリーチャー(火属性) この変更で、よりラントラ戦法がやりやすくなっているが、土地を手放して発生した魔力を手にしたそのターンで魔力を還元できない(ドレインマジックなどで奪われる可能性がある)というランドトランスにはない弱点がある。 全体的にゲームスピードの向上と、今までタブー視されていた低レベル領地に関する調整、カードの統合や分散が行われている。 賛否両論な部分もあるものの、新たなシステムを組み入れてゲーム展開を変えていこうとする姿勢は評価できるのだが… 問題点 オフライン・オンライン問わず再現性100%のバグ、フリーズ、理解不能な仕様の数々が全てを台無しにしてしまった。 ランダム性の低いダイス 特に特徴的なのがダイス(サイコロ)のランダム性。 通常、ダイスを振ったら全ての目が均等な確率で出るはずだが、本作のダイスは「偶数」と「奇数」を規則正しく交互に出すという、あまりに偏った出来。 このせいで、「サイコロすらまともに作れていないゲーム」という不名誉極まりない称号を賜っている。後年二五賽クソゲーが販売されるまでは、この称号は本作を指して用いられることが多かった。 ダイスの目をある程度予測できる時点でどれほどの問題かは言うまでもない。 もう少し具体的に言うならば、例えば2人対戦のときに1~6の目が出る(はずの)サイコロを交互に振った場合、本ゲームでは片方は奇数の「1・3・5」ばかり、もう片方は偶数の「2・4・6」ばかり出ることになる。当然、偶数に偏るサイコロでは奇数マスに止まれない。 ただし、プログラミングに興味があるのなら、安易に「サイコロすらまともに作れていないゲーム」と断じる前にこちらのエントリやカルドセプト サーガの乱数問題も併せて目を通しておくと良いだろう。 内部視点としては、コンピュータはサイコロの目のばらつきを計算で(それらしくなるように擬似的に)求めるが、その際に用いる手法を「擬似乱数の生成アルゴリズム」と呼ぶ。本作の場合、最下位ビットが0と1で交互に出続けるという特徴から、アルゴリズムは古典的な「線形合同法」を用いていると推測される。ばらつき加減が単調で規則性の見えるものになってしまいがちなので、運を擬似再現するゲームに使用するにはあまり適さないのである(もちろん用途にもよるのだが)。 なお、線形合同法は極めて処理負担が小さく実装面で有利な事から、当時のC言語でも標準ライブラリとして健在である(そもそも標準には汎用性から考えて高度な擬似乱数自体が求められていない)。これを知らなければ本作のプログラマと同じミスを犯す、というワケである。対策の一例 フリーズの頻発 全般的に、あまり頻繁には起こらない、しかしルール的には起こりうるという状況が発生した際にフリーズしやすい。 カード枚数0で引くor復帰を使用するとフリーズ チャリオットでの移動途中に特殊地形があると決定後にフリーズ 報酬画面で報酬のカードにダブリがあるとフリーズ 10分ほど放置するとフリーズ ゲーム中は問題なくともそのゲームをセーブしたリプレイを見るとフリーズ etcetc… バグに近い問題点 異様に処理が重い。 プログラム構造の問題で頻繁にディスクアクセスが発生しており、本体に高い負荷をかけてしまっている。 カルドセプトの新作という事で本体とセットで購入したプレイヤーからも本体故障の報告が上がっている程。 オンラインはぶつぶつ回線が切れてまともに対戦できない。 ディスクのラベルの表記が「大宮sfot」。 バグ以外の問題点 ストーリーモードの冗長さ。 電波で唐突なストーリー。 姫のことしか頭にない主人公、言動が意味不明な姫。なんでこんな姫にぞっこんなのか、訳がわからず不快。 3人以上でバトルロイヤルできるのが売りではあるが、それを無理矢理やらせるために、敵同士がやたら仲が悪く、行く先々で仲間割れしている。 前作『カルドセプトII』では、三つ巴・共同戦線・仲間割れの構図が比較的違和感なく展開していたのに。 なぜか何度も時間を逆行させられ、選択肢の全てのルートを通らされる。本来はマルチエンディングを予定していたのではないか? とも推測されている。 後半になると、各ステージの目標魔力が高すぎて時間がかかってイライラする。後述のバカすぎるCPUのせいで単なる作業と化す。 冲方氏の他の作品の出来とは雲泥の差なので、アシスタントが書いていたとまで言われている(当時冲方氏はアシスタントを雇っていた)。後に刊行されたファンブックでも『サーガ』のことは少ししか触れなかった。 クリア後は、主人公の外見を少女や異種族に変更した上で再度ストーリーモードをやり直す事も出来るようになるが、外見に関わらず主人公の声は男のままである。 あんなバグだらけで当然まともに作れなかったCPU思考。 分岐の合流地点で回れ右してしまい、周回すらしてくれない。 クリーチャーの選考基準が滅茶苦茶で「地形効果を得られて特殊能力が強力なクリーチャー」ではなく「HPが多いだけの別属性のクリーチャー」を配置し、更に交換なんてこともザラ。 少なくとも前作までのCPUは交換はともかく状況が許せば「土地とクリーチャーの属性を合わせる」事はどのセプターでも行っていた。サルやブック名が平仮名の山賊でもできたことがなぜ… 前々から指摘されていた「勝てないどころかダメージすら与えられない無駄な戦闘を仕掛ける」健在。 この行動は前作でも「あまり賢くなさそうなセプター」の性格付け的に存在していたが、今作では殆どのセプターが取ってくる。シナリオ中では知略に富んでいる設定であっても。 前々から指摘されていた「魔力がなくなって土地を手放すときは高い土地1個を売るのがセオリーなのに安い土地を次々と売る」健在。初心者にありがちなミスプレイだが、その誤解を助長する。 相変わらず適当にぶっ放す妨害スペル。対象の土地のレベルを2下げる「コメット」はレベルの高い土地に使ったほうが相手の損失が大きいのに、1位のセプターのレベル5の土地に使わず、3位のセプターのレベル3の土地に使ったりする。 一部のセプターは復唱コンボが狙えそうなブックなのだが、いきあたりばったりなスペル使用のせいでそれが台無し。 相変わらず敵セプターのブック構成はカード補充系スペル軽視。過去作の大会等で4枚入れ当然な鉄板戦術で、上述の通りカードをムダ使いするAIなのに。 そのほか前作のCPUではできたこともできなくなっている。 AIキャラ作成機能があるが、上記の理由でとても活用する気は起きない。 調整不足なカードバランス 安易にSTやHPが上昇するクリーチャーが多く、大味感は否めない。 前作、前前作で低能力クリーチャーが使いやすかった反動だと思われる。実際、今作以降でも高能力クリーチャーの配置制限の緩和が更に進み、低能力のクリーチャーのみを対象にしたスペル等調整が進んでいく。 地属性が強い。即時能力と強力な領地能力をセットで保有しているクリーチャーが多いため。 一応、地属性キラーであるダンピール(*2)等の対策カードがあるため完全にバランスが崩壊しているわけではないが…。 ブックに入れるのが当たり前の強スペル、強アイテムが多い。 この問題は前作等でも存在したが、今作は上記の様なカードや能力が多数追加されたためにより顕著に。こんなやりすぎなカードも…「トレスパス」:2ラウンドの間にほかのセプターが周回ボーナスを得た場合、そのボーナスの額と同じ額を得られる。 スペルここまで強力だともはや対人戦では持ってることが前提でいかにこのカードを引き、タイミング良く使えるかが勝敗を決めると言っても良いだろう。 ちなみにCPUは従来までの戦法やブックの焼き直しが殆どで今作の新カードや能力を活用すればただの長い消化試合レベルに… 存在意義の分からない複属性クリーチャー。 入手できるマップが中盤以降にならなければ登場せず、配置制限が厳しい。クリーチャーの能力も、強力ではあるが見合った強さとはいえない(従来のカードやスペルの併用でカバーできてしまう)。 プレイヤーシンボルを変えることができず、オンラインでは全員同じ主人公キャラである。アバターパーツを切り替えて個性を出すしかない。 エフェクトやスペルの演出が安っぽい、それでいて冗長なのでストレスが溜まる。 評価点 糞ゲーの最後の砦、BGMだけは良い。 グラフィックは十分出来が良い ただし、前作の使い回しもかなり多い。 総評 初代作に対する『セカンド』の調整を「堅実」とするのであれば、本作『サーガ』は「大胆」と呼べるだろう。カードパワーのインフレといった問題点はあるにせよ、同じ土台のゲームで異なる方向性を模索した事自体は、本来相応の評価を受けていたはずである。 しかし、残念ながら本作の評判は、「評価する以前の問題」の域を完全に脱する事ができなかった。本作のバランスを崩壊させた主因はバグであり、ダイスの出目が大きく展開を左右するボードゲームでダイスの作りが不完全というのは特に致命傷。また、初代にも劣るCPUの行動など、以前までのやる気や長所が全く見られず、新作を期待したセプターたちの心を裏切る出来であった。 更に、今までバランス調整、カード追加などで好評だった「エキスパンション版」を出さずに初代リメイクの『カルドセプトDS』の発売が発表されて本作が放置されたことで、Xbox 360セプターの怒りは頂点に達したという。 パッチの配信後は、バグがいくつか残っている他に全体的なもっさり感はあるものの、ギリギリ遊べるレベルまで改善した。 ただしそれはオンラインプレイ限定。ストーリーモードは根本的にストーリー自体がつまらない上にCPUの歯応えのなさはそのままなので、対人戦環境が整わない限りすぐに飽きが来る。 AIの問題まで改善されていれば、まともなゲームの仲間入りができたかもしれない。 公式対応について 発売一週間でバグの嵐ゆえ質問が多数あったが、バンダイナムコゲームスは沈黙。 一方、真っ先に謝罪したのはハード会社のマイクロソフトという有様。 12月18日になってようやくバンダイナムコゲームスの公式見解が発表。不具合の存在を公式に認める。なお公式発表が遅れた理由として「検証に時間がかかったため」だと説明している。 不具合にはオンラインアップデートで対応する オンライン環境を持たないユーザに対しての対応策は検討中である パッチリリースは12月中旬とアナウンスしていたが作業内容が増えたため若干遅れる 対応箇所等については確定できしだい公式ページで公表する パッチは2種類。充てることでバグの大部分を修正・改善することができる。 バグの量が多すぎたのか、パッチの第一弾は12月26日、第二弾は翌年の2月27日。 ただし、それでも修正されなかったバグが多数あるのも事実である。 この一連の騒動の影響により予定されていたオンラインでの公式大会が中止となり、当初は上位入賞者への賞品として提供するはずだったアバターがDLCで無料配布された。 余談 本作の問題から派生した企業問題 猿楽庁の「猿マーク」問題 パッケージに貼り付けられた「猿マーク」と呼ばれるシールはゲームバランスの調整やデバッグを業務とする会社「猿楽庁」(*3)が実際にプレイしてチェック・認定した、「ユーザーにとって満足できるソフト」の証なのだが、本作にも何故か付いていた。 元々「猿マーク」が付いていても動作不能になったり進行が困難になったりするバグが存在したゲームも少なからずあった(*4)のだが、シリーズ人気とバグの深刻さという注目度の高さゆえに「猿マーク」の信頼を一気に揺るがすほどの問題となり、猿楽庁のホームページにある社長の日記には、第一弾のパッチ公開日である12月26日付で謝罪文が載せられた。 このような経緯があったからか、その後の2007年から2009年まで猿楽庁がデバッグを行ったゲームはわずか1本のみとなっていた。 しかし、2010年に発売の『RPGツクールDS』が猿マークこそついていないものの猿楽庁がデバッグしていたという事実が発覚し、猿がデバッグしているとまで言われてしまった。 その後、2010年3月に同じゲームデバッグ専門の企業として知られるポールトゥウィンの完全子会社になったことを機にデバッグ業務からは撤退。2019年5月1日をもって同社に吸収合併され会社組織も消滅した。 ファミ通クロスレビューでは9・9・8・8で計34点の ゴールド殿堂 。 他のゲームでも散々やらかしていたので猿楽庁程の問題にはならなかったが、バグの重大さが重大さだけに、「やっぱりファミ通クロスレビューは当てにならない」と、信頼性の低さを後押しする形となった。 ちなみにエンターブレインから攻略本が発売されたのだが、この攻略本までもが初版が誤植だらけで回収騒ぎにまでなってしまっている。現在市場に出回っている2版以降は修正されている。 公式が不具合を認めるより前で未だプレイヤーの猛抗議が飛び交う中、開発者と思しき人物がmixi内の自分の日記で、開発側の窮状と蔓延する無責任ぶりを非難しつつ「これがサービスの最底辺」との発言。 SNSや2ちゃんねるでの反応は「言ってることは理解できるし、問題提起としての意義もあるが、お前が言うな」といったものが主流であった。なお、この発言は後にユーザーや開発スタッフへの謝罪とともに削除されている。 その他 本シリーズのイラストレーターとして参加していた斉藤智晴氏が本作発売前の2006年7月29日、滑膜肉腫により逝去。氏の遺作となった。 その後の展開 DLCも多数配信されたのだが、現在は配信終了している。 カルドセプトシリーズはその後DSや3DSで続編が展開されている。 3DSで発売された『カルドセプト』(*5)に『サーガ』のカードが追加される等、カードやバランス面でのノウハウは引き継がれているようだ。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2565.html
アンリミテッド サガ 【あんりみてっど さが】 ジャンル RPG ゲーム本体リミテッドエディション 攻略本(実質説明書) 対応機種 プレイステーション2 発売元 スクウェア 発売日 2002年12月19日 定価(税抜) 通常版 6,800円 限定版 リミテッドエディション8,800円 判定 スルメゲー ポイント 意欲的だが急進的過ぎたあまりにも難解なゲームシステムそれでいてチュートリアルも皆無TRPGベースのゲーム内容 攻略本が事実上の別売り説明書 発売からまもなく新品価格980円以下世界観などのビジュアル面は好評 攻略が進むにつれて再評価も進んだ サガシリーズ 概要 ストーリー システム(というか賛否両論点) 評価点 問題点 「説明書」について その他 総評 余談 説明書 中古相場に関して その後の展開 概要 スクウェア(現スクウェア・エニックス)の看板RPGのひとつ、『サガ』シリーズ9作目の作品。プレイステーション2初のサガシリーズということで、プレイステーション時代の『サガ フロンティア』シリーズから一新された部分も多い。 今までのサガシリーズと同じく、人を選ぶ内容ではあるが、TRPG(テーブルトークRPG)をベースにしたゲームシステム・独自の世界観など、やはりサガシリーズらしい意欲的な内容にはコアなファンが多い。 前年にワンダースワンカラーで河津秋敏氏など同主要スタッフが製作した『ワイルドカード』というやや無名ながら評価の高い作品があり、システムにいくらか類似性が見られることからこのゲームは同作の発展形だと見る考え方もある。 内容がこれまでのシリーズ以上に意欲的である一方で、説明書の不備とゲーム内でのチュートリアル不足などの要因が重なって複雑かつ特殊なシステムに対する理解が難しい作りになってしまっていたため、当時のユーザーからの評判は芳しいものではなかった。 ストーリー 伝説の『“七大驚異” The Seven Wonders』(*1)。その力をすべて解放したとき、神は現れ、再び黄金時代が訪れるという。伝説を信じる冒険者達はその謎を解き明かす為に旅立つ!(公式より) システム(というか賛否両論点) システム的にかなり特殊 このせいでこれまでのシリーズと違いすぎて投げた人・クソゲーと決めつけた人も多かった。 特にフィールド上の動きは過去作にないもので、ボードゲームやTRPGのようだ、と評される。 フィールド上に「ターン」の概念があり、マス移動や周囲を調べる・仕掛けの操作などを行う度に1ターン経過し、それとともに敵も動く。 ダンジョンRPGのような動きと考えれば少しわかりやすいか(ダンジョンRPGのように広いフィールドではないが)。 『ロマサガ』以後のサガシリーズでは自由に歩き回って敵シンボルを回避したりできたので、それを想像していたプレイヤーは呆気にとられただろう。 動いた結果、敵と同じマスになると一定確率で戦闘になるが、そもそも敵の場所は特殊な術を使うか、隣接するまでわからない。 道は分岐もあるもののそれぞれは一本道であるため、歩いて敵を回避することは期待できない。 マップの全体図を確認することが特定の条件を満たさないとできない。 戦闘・フィールドともに「リール」というシステムを採用。要は、ルーレットを目押しで止めて成功判定をするもの。 フィールドでは、トラップ回避や宝箱を開けたりするのに多用される。失敗すると、トラップでダメージを受けたり宝箱の中身を失ったりする。 しかし、ランダムでずれるため100%成功させるのは不可能(*2)。貴重なアイテムや魔道板入りの宝箱が吹っ飛ぶなんていう場合も割とある。 宝箱を発見した場合、まずは(スキルを使用した場合)罠や鍵の存在を見破るためのリール(成功すると後のリールの難易度が下がる)があり、次に罠を解除するためのリールがあり、最後に鍵を開ける、または宝箱を破壊するためのリールがある……といった具合に終始リール尽くしである。箱をいじる合間に敵の襲撃が挟まることも珍しくはなく、その展開の遅いゲーム性に音を上げたプレイヤーは多かった。 つまるところ、TRPGでいうサイコロに当たるシステムと言える。 HPの概念が他のゲームとは異なる。画期的なのはHPがゼロになっても戦闘不能にならないという驚きの仕様。 重要なのはLPであり、LPが0になると戦闘不能となる。LPはHPが減っている時にダメージを受けると減りやすく、いわばHPはLPを削られないための「壁」的な存在である。 フィールド上のトラップや戦闘でHPとLPはガンガン削られていくので、能力は低くともLPの高いキャラクターの存在価値は高い。 HPは従来の技ポイント/術ポイントの役割も備えており、技や術を使用するだけでHPを消費する。 もっともその消費量は敵から受けるダメージに比べると遥かに些細であり、実害はほぼ無い。 戦闘では、ターン毎に5回分の行動を選択する。配分は自由で、同じキャラに5回行動させてもかまわない。 行動それぞれについてリールを回す。止めた場所に応じて技なら止めた位置のレベルの技が発動、術なら止めた位置の属性が術と一致すれば若干強力になる。 サガシリーズ恒例の「閃き」システムが存在し、技を使った際に稀に技を閃き、より高いレベルの技を使えるようになる。 同じ技ならレベルが違っても消費HPは一緒なので、閃きで高レベルの技を習得したなら下位の技はまず使わない。 しかし、リールをうまく止められないと、狙った技を出せないという問題もある。慣れが必要。 戦闘時の連携システムは健在。なんと敵味方全ての行動を連携可能。つまりむやみに連携を狙うと、敵に割り込まれて逆に大打撃を受けることになる。 うまく行動順を制御したり、敵の攻撃はもうこないと予測するなどの慣れが必要。 また、連携時もリールは全攻撃に対して個別に回り続けているため、全ての攻撃を上位技で止めるのは難しい。 そのリール配列は、実はGBソフトの『時空の覇者 Sa・Ga3 完結編』の乱数配列からほぼ流用したもの(*3)。 味方のステータスは、本人の固定された「資質」(基本ステータス)と、シナリオクリア時に一つ選んで入手できる「スキルパネル」によって決まる。 戦闘内の行動内容によって戦闘終了後に主な成長が行われた以前のシリーズと異なり、シナリオ内の行動内容によってシナリオ終了後に成長が行われる。 このため、戦闘以外にもトラップを回避したり宝箱を開けたりといった要素がそのシナリオ終了時の成長に関わるので、戦略が必要になる。 スキルパネルは余っている枠がない場合でも強制付け替えなので、完璧な配置にしていて入れ替えを望まなくても、次のシナリオクリア時には付け替えねばならない。 よって、極めようと思ったら、どこか必ずどうでもいいスキルパネルを置く場所(もしくは別の同系統のパネルに置き換えても主要ステータスに影響のない場所)を用意しておくことになる。といっても「完璧な配置」になるころにはゲームクリアにずいぶん余裕をもった能力になっているが。また、成長に制限があるため「極める」ようなデータを作るのは困難。 一部のパネルは入手が非常に困難であり、狙ったキャラに狙ったパネルを引かせるためには中断セーブ後(*4)のリセット→ロード作業(プレイヤーの間では主に「邪道ロード」と称される)がほぼ必須。 魔道板パネルをつけて戦闘中に何でもいいから術を使うと魔道板の術を少しずつ習得するのだが、戦闘回数が少し必要になる。 五行属性(木・火・土・金・水)を踏まえて、習得に適した属性の高い場所で戦うと多少楽にはなる。 街の改造屋では「アイテム改造」が可能。 アイテムを2つ組み合わせる。完成品の種類(剣や槍を指定)を同じものにすれば耐久度の回復ができる。種類を変えることもできる。 どんなアビリティがつくかは主に素材の重量に依存し、その上でわずかなランダム性があることを理解すると面白い要素である。 改造屋はなぜか無料で改造してくれる(*5)が、ときどき引きだされているアビリティの数が増減してしまうことがある。 ゲームの難易度的にはかなり高いと思われている。 厳密に言うと、初心者向けの主人公以外が厳しい。 進行順次第ではハマりに近い状態になりやすいルビィ編(*6)、味方がひ弱(*7)なのに最終戦が全主人公中最高難易度のマイス編(*8)、プレイ時間15分ごとに強制戦闘になるキャッシュ編、イベント進行が特殊で理解しにくいアーミック編・キャッシュ編など、これらの主人公は初プレイでは厳しい(主人公選択時にそういった旨の紹介文がある)。また、キャッシュ編は実質序盤に挑むことになる「剣難峡」が多少慣れたプレイヤーでもいやになるほど極めて難易度が高い(*9)。 そのほか3人の主人公は比較的進めやすいのだが、そのうち最も早く記事などで公開されメインの主人公であろうと目されていたローラ編(*10)では、ストーリーの2分岐のうち一方がかなり難度が高い(これは意図的に設定されたこと)。しかも、簡単な方の分岐に進むにはある敵に負けることが条件なのだが、この敵に負ける方が難しいほど弱い存在(*11)。さらに、ローラ編ではサブシナリオの数が少なく、ラストダンジョンに行けるようになるとレベルアップ用サブイベント「謎の場所」にも行けなくなるためハマる可能性もある。 また、このゲームでは敵はだいたい戦闘回数に応じて強くなっていくのだが、味方の成長(HP上昇とスキルパネル付け替え)はシナリオクリア時のみである。サブシナリオをわざとクリアしないで宝箱や魔道板入手に力を入れるのは本作の常套手段だが、あまりやりすぎると敵だけが一方的に強くなっていく。そして、シナリオをクリアしないと成長しないということは、全てのシナリオをクリアしてしまうとそれ以上の成長ができなくなってしまうということである。一応救済措置として「謎の場所」と「テトラフォース」があるのだが、一部の主人公では使えない。 幸いどの主人公でもシナリオの数は十分にあるので全シナリオをクリアしたのに能力値が低くてラスボスに勝てない、といったことはまず無い。(もちろん装備や技の関係で勝てないということはあり得るが) 確かに強いラスボスはこのシリーズ伝統ではあるものの、今作では特にラスボス戦の高難度さとそれ以前の戦闘難度とのギャップが激しい。 評価点 キャラクター作りの質は安定している。 河津作品らしくセリフはやや少なめに抑えられているが、個性が強く遊んだ人間の記憶に残りやすいキャラは多い。 それもいわゆる狙ったネタキャラではなく、妙にセリフ回しが面白いなどの理由で気に入られるキャラが多いのもそれらしいところである。 サガシリーズでは初めてボイスが付いたが、知名度の点で幅広い声優を揃えつつも特に違和感のない形に収まっている。 参考までに主人公たちを演じている声優陣は井上喜久子氏、川田紳司氏、猪口有佳氏、佐々木健氏、比嘉久美子氏、伊藤健太郎氏、子安武人氏の7人であり何れもどこかで耳にした名前が揃う。 全ての行動が後に繋がるシステムであることもあって、常に戦略的な思考を求められる。 戦闘中であれば使う技や連携の流れ、フィールド上であればギミックへの対処やスキル使用、マップ画面であれば武器改造や品揃え確認など。 楽にクリアできるシナリオでもれっきとした成長の機会なので、ある程度惰性にはなりにくい。 7人の主人公それぞれで、基本のところは変わらないにもかかわらずシステムやパーティの違いにより結構な遊び方の差が生まれてくる。 それだけに、その辺りのニュアンスが最初の主人公選択画面ではあまり伝わってこないのは残念だが…。 上述した通り難易度こそ高いものの、7人全員クリアすれば専用のエンディングを見ることができ、達成感もひとしおである。 ゴリ押しの通じないバランスであり、特に難易度の高い主人公で遊ぶ場合はきっちりゲーム全体の戦略を立てる必要がある。 その分、ギリギリでクリアできた時の喜びは非常に大きいものになるだろう。この辺りは過去のサガシリーズにも通じる部分である。 ラスボスはそれを象徴する部分であり、「理不尽すぎない程度にかなり強い」というところが評価を得ている。 グラフィックは2Dであり非常に奇麗。 『サガ フロンティア2』からの水彩画調のグラフィックも健在。 BGMは『サガフロ2』と同じく浜渦正志氏が担当。氏の能力に違わぬ名曲揃いであり、クソゲーとの評価を多く受けた発売初期でも、唯一音楽のみは一貫して評価を受けている。 中でも通常戦闘曲は大変美しく、満場一致で名曲扱いされるほどの出来で今までに浜渦氏が作曲した曲の中でも一二を争うほどの人気を誇る。 OPムービーの出来が凄い。 ゲームに合わない人から見たら間違いなくOP詐欺。 問題点 「説明書」について そんなこのゲームがクソゲー呼ばわりされる理由は、主に「説明書」が別売りと呼ばれることにあった。 もちろんこれは誇張表現で、ちゃんとゲームには本来の説明書が付属しているが……役に立たない。「パンフレット」「チラシ」などと通称されるぐらいである。詳細は後述。 要するに「システムが非常にわかりにくいにもかかわらず、それに関する説明が全く足りていない」ということで、それが本作の発売時に低評価を受けた主な要因であった。 ゲームに付属した「本来の」説明書(通称 チラシ)は全32ページで、うちゲーム内容の説明に割かれているのは20ページちょっと。 一般的なRPGであればこれで不足することはないだろうが、何度も述べているようにこのゲームは操作も進行もやや特殊である。 ボタンの振り分けやシステムの根幹など、基本の「き」となる部分についてはおおむね書いてあるのだが、どれもこれも本当に上っ面だけの説明で、初めてプレイする人にとっては非常に分かりづらい。 「改造」「能力資質」といった基本から一歩進んだシステムについては全く書かれていないものも多い。 特にプレイヤー達を戸惑わせたのがクエスト中のフィールド画面で、独特の操作そのものに戸惑うプレイヤーが続出。 「待機による回復方法」はR3・L3ボタン(スティックの押し込み)。このボタンを使用するRPGは珍しい。 「オブジェクトの調べ方」は全て「スキル(→アクション)」を選んでからオブジェクトを選ぶ。レバーや宝箱などがあったとしても自動で操作するコマンドは現れない。 「キャラクターの移動方法」も、説明書にはスティックでキャラ移動と書かれているが、行きたい方向にスティックを倒し続けないと反応しない。軽く倒すと行き先の簡単な現況が確認できるのだが、それについては説明されていない。 …等と、あまりに独特すぎる事から基本操作もおぼつかないプレイヤーも現れる始末で、わざわざ公式サイトに基本的な操作方法のQ Aが載ったほどである(現在は消滅)。 実は回復やオブジェクトの調べ方に関しては説明書の「フリーシナリオとは?」の項に載っている(具体的に言うと13ページの右上)。…がしかしそれらは小さな文字でおまけ程度に載っているので、ほとんどのプレイヤーが見逃したと思われる。 その為、当時のユーザーは阿鼻叫喚。「敵強すぎ」「全身鎧バグ(*12)を使わないとクリアできない」等、このゲームの評判を大いに落とすことになった。 説明書の不備の方が目立つためにあまり言及され難いが、ゲーム内におけるチュートリアル(説明)が皆無というのも看過できない。 当たり前のことだが、たとえ説明書が薄くてもゲーム内でちゃんとした説明があればこんなことは起きなかっただろう。説明書をきちんと読まずに始めるプレイヤーもいるし、ちゃんと読んだからといって全ての人がすぐに完全に内容を把握できるとも限らない。本作のように至極複雑なシステムを要しているゲームなら尚のことである。 確かにサガシリーズはある程度ユーザーを突き放す(プレイヤー自身に遊び方を見つけさせる)のがウリというところもあるが、このような複雑なシステムに対して説明が皆無というのでは突き放すを通り越してあまりにも不親切すぎるとの声が上がる事になった。 いわゆるチュートリアルがない以外にも、装備品や技・ステータスなどの説明が乏しく確認できる場面も少ない。 「改造」など文章の説明やとりあえずの試行だけでは理解困難なシステムもあるので、そういった部分の補完は必須だったはず。 その後、詳細なゲームの進め方や戦法なども書かれた攻略本『アンリミテッド サガ 解体真書』(という名の事実上の「別売り説明書」)が発売。 これにより批判は徐々に沈静化され、それ以降ユーザーのやり込みも進み、実際は奥深い内容で、敵の強さはきちんと装備を整えて進行していないプレイヤーの責任、全身鎧はバグではなく仕様説(*13)、だがこのゲームの面白さをスポイルする、飽くまで救済措置だとの見解が生まれた。 その他 進行不能バグがある。条件を満たしてしまう人は少ないと思われるが…。 アーミック編でメインシナリオ出現中にイスカンダール広場へ行き、祭りを見るとメインシナリオが消滅して進行不能。メインシナリオのない時に祭りを見ておこう。 キャッシュ編では、シナリオの進め方により「体術」以外が使えないイベント戦があるが、「体術封印」パネルをつけていると進行不能になる。 もっとも、「体術封印」パネルは使いづらいデメリットパネルなのであまり起きないだろう。また、シナリオを別のルートに移行する方法でも一応対策可能である(*14)。 装備品や技など、一部バランス調整がうまくいっていない点も目につく。 攻撃手段には技と術があるが、術は「術合成」のスキルパネルなど多くの準備や育成を行わないとあまり実用レベルにならない。さらに技のほうが手軽で強力。 武器は斧と弓が強く、長剣や杖は弱い。弱い武器を選んでしまうと戦闘力でかなりハンデを背負う上に、初期の手持ち武器が長剣であるキャラは相当数いる。 長剣は軽い素材なら ディフレクト というアビリティが付くことがあり、第二武器の欄に装備すればランダムで自動発動。これによりそこそこの確率で攻撃を回避してくれるのだが、軽い剣にしかつかないことなどはゲーム中の情報ではわからない。 同様に杖は ブロック 、短剣は ナイフガード というアビリティがついているものを第二武器にすれば回避をしてくれる。 斧攻撃技「高速ナブラ」は威力が突出しており、これを覚えたキャラは他の単体攻撃技はほとんど必要なくなる。 一部に運ゲー的な要素を強く持っている。 スキルパネルはクエスト中の行動が大きく依存するとは言え最後は運であるほか、「改造」は完全に確率で発生する「失敗」が存在する。 そのあたりを操作しようとすると、リセット・ロードの繰り返しをする羽目になる。 サブシナリオの動機がときどきぶっ飛んでいる。「古来の族長の試練を受けよう(別に主人公に関係ない)」「理由はないが砂漠を縦断しよう(新しく行き先が増えるわけではない)」「旅するのに風の強い時期をわざわざ選び勇気を試そう(途中で風よけの器具を貰うこともできる。本末転倒な気もするが、自由度の高さとも取れるか)」等々…。冒険好きの主人公にとっては良いが、急ぐ理由のある主人公には相応しくないかもしれない。 サブシナリオはパネル獲得+HP成長という報酬があるが、クリアしてもアイテムやお金などの報酬がない。これは前述の勇気試しのようなものだけでなく、「極地に質の高い氷を取りにいこう」というサブシナリオでも報酬はない。ボランティア扱いなのだろうか? サブシナリオをクリアしてしまうともうそのマップには入れない。複数のシナリオで同じマップを使用している場合も全てクリアしてしまうともう入ることができない。そのため探索が不十分だったり敵を倒して稼ぎたい場合あえてクリアしないのがネット上の攻略サイトでも推奨戦術になっている。同様の仕様は旧来のサガシリーズでは一部のマップだけに限られていたが、本作では認識を改めて取り組む必要がある。 なお、ゲームをやっただけではラスボスが何者なのかはあまり分からない。前座の台詞はあるが全主人公共通であるラスボスの台詞は全くない。攻略本を見て世界観や設定がやっと分かる(まあ、それ自体はこのゲームに限ったことではないが…)。 店の品物が有限で、メインシナリオかサブシナリオか運び(ヴェント編のみ)をクリアしないと品物が入ってこない。 主人公によってはショップの品物の入れ替え機会が有限。 総評 本作はゲーム内容自体は充実しており、ストーリーも批判が出るようなものではなく、そこまで重大なバグもない。 ややテンポの悪い面やゲームの進行手順などかなり人を選ぶ部分も見られはするものの、ハマる人はハマるゲームであり、少なくとも「クソゲー」ではない。 惜しむらくはとにもかくにも「説明不足」というその1点でゲームシステムの理解を著しく妨げてしまったために、非常にハードルの高い 独特なシステムを理解しきれなかった多くのユーザーからクソゲー扱いを受けてしまったことだろう。 開発スケジュールの余裕のなさに起因しているとはいえ、この点さえきちんとしていれば当時からの評価はまた違ったものになっていただろうだけに、なんとも悔やまれる点であった。 今ではインターネットで攻略情報を得ることが容易であり、その安価さもあって再評価の動きが進んでいるが、同時に、投げ売られているからといって安易に買うなとも言われることが、本作の難易度の高さと複雑さを物語っているとも言える。 こうした風評の有無を抜きにしてもゲームそのものが人を選ぶことに変わりはなく、総じて「作風が肌に合う人であれば楽しめるゲーム」である。 余談 製作総指揮の河津氏は、後に本作についてこう述べている。(2014年1月29日の本人のツイートより)。 アンリミテッド・サガはもともと某社が開発していた携帯ゲーム機に向けて企画していたゲームでした。 そのハードが中止になってしまったので、衣替えしてPS2向けのゲームになった次第。 それで、まるでスマホのゲームのようなダンジョン操作 表示になったわけです。 さすがに開発者のコメントだけあって「スマホのゲーム」という表現は言い得て妙である。また、「某社用の携帯ゲーム機」は原型である『ワイルドカード』を出したワンダースワンカラーを指しているものと思われる。 ちなみに河津氏曰く、テスターたちは簡単に連携を決めてしまっていたとのことで、スタッフの腕前を前提に調整した結果が製品版のゲームバランスとなってしまったのかもしれない。 攻略本にも記載されている、「レベル4の禁呪魔道板」のスキルパネル(通称:外道板)が極々低確率でしか手に入らない(*15)など、バグに近い挙動もある事はある。 しかし肝心の攻略本自体にも間違った情報が載せられている事もある。 出ない事がユーザーの間でネタになっている「外道板」に関しては、「普通に出る筈だが、2つの乱数を組み合わせたので、かなり出にくくなっている」とスタッフの弁。 余談中の余談であるが、本作発売の少し前、『ファイナルファンタジー』シリーズ初の地上波アニメ作品『FF U~ファイナルファンタジー アンリミテッド~』が放映されており、そこへこの作品のタイトルを見たファンが「続編か外伝作品か?」と勘違いし購入してしまったという報告もある。 『FF U』も本作と同様に河津氏が関わっており、裏設定では繋がっている(いくつもの異世界がある世界観で、アンサガ世界がFF Uに登場しているわけではない)。FF Uの「風」や「雲」などが該当する存在「アンリミテッド」もアンサガの登場人物に居るが、アンリミテッドが超人的な能力を発揮できるのは出身世界の外での事なのでアンサガ世界の中で力を使うことはできないという設定。(インタビュー) 説明書 説明書の後半6ページは本作の攻略本・グッズや、本作と無関係のスクウェアのゲームの宣伝に割かれている。 チラシ呼ばわりされているのは、「ゲーム説明が不十分なのにもかかわらず、宣伝だけはきっちりしている」というニュアンスも大きい。 宣伝自体はスクウェアの説明書にはよくあることだが、他作品は多くても見開き2ページ分くらいか、もしくは同封であり、それも当該作品の関連物に限った話である(*16)。 『サガフロ2』の10周年の際、あるスタッフが個人サイトのインタビューにて以下のようにコメントしている。 取り扱い説明書は宣伝部が作っているのですが、本当は開発側で内容確認したり、必要な資料を出したりしなきゃいけないんです。 でも開発にも余裕が無くて、丸投げになってしまったためにあんな出来になってしまいました。 中古相場に関して 攻略本発売後に再評価されたが時既に遅し。各小売では本作は絶賛投げ売り中であった。新品980円は当たり前、嘘か誠か新品100円で買ったという話もある。 「福袋にこれが何本も入っていた」という画像も流行った。これはコラ画像だったが、投げ売りの凄まじさのために信じられてしまった。 中古ゲームショップでは今や高く買う方が難しい。980円なら高価な方で、大抵500~200円ほど。酷いと缶ジュース以下、100円切りなんてこともあったようで、買い取り価格は発売から1ヶ月で50円もザラ。また、買い取りが多すぎて買い取り拒否となった店も少なくない。 上記の通り攻略本は税込1,890円である為、現在の市場価格は攻略本の方が高い。さらに今でも中々入手しにくい(再販自体は度々行われている)。 本作の収集を趣味とする人も存在する。 中にはパッケージケースをトランプタワーのように組み上げて、アンサガタワーと呼ばれるオブジェを作る猛者も…。 その後の展開 投売りになってから数年、デジキューブ倒産の煽りを受け、サントラまでも投売り(*17)になるという不遇な状況を辿った(おそらくは倒産品が大量に市場に流れたため)。現在はスクウェア・エニックスから再販版が発売。 本作の説明が不親切だったのは開発者側も認識したらしく、『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』では、ゲーム内でシステムの説明を随所に載せている(ギユウ軍や戦闘中に入るナレーション等)(*18)。 本作の評判を受けてか、サガシリーズは『サガ スカーレット グレイス』の発売まで実に14年もの長きに渡って新作が発売されなかった。 『ミンストレルソング』や『サガ2GOD』『サガ3SOL』といったリメイクが出ているため、シリーズ自体は無事存続してはいるが。 河津氏がイヴァリースシリーズを引き継いだり『ラスト レムナント』の制作などサガ以外のゲームに関わっていたという事情もある。 また、本作はPS系統のサガシリーズにおいては唯一、廉価版の発売やアーカイブス化が一切されていない。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8718.html
南の島にブタがいた ルーカスの大冒険 【みなみのしまにぶたがいた るーかすのだいぼうけん】 ジャンル パズルアクション 対応機種 セガサターン 発売元 スコラ(販売元)ヴァージン インタラクティブエンターテインメント 開発元 エス・キュー・フォア 発売日 1996年10月10日 定価 6,380円 プレイ人数 1人 レーティング セガ審査 全年齢 判定 クソゲー ポイント デス様に匹敵する低評価を叩き出した問題作あらゆる要素がサターンの水準に達していないアクション部分は80年代でも許されない出来しかしパズル要素の殆どはまともに遊べる完成度それを踏まえてベストエンド条件を知ると難点が緩和される 概要 あらすじ 特徴 問題点 アクション面 パズル関連 その他 評価点 総評 余談 概要 エス・キュー・フォアより企画・開発されたゲーム。販売元はあの『美食戦隊 薔薇野郎』を生み出したヴァージンインタラクティブエンターテインメントである。 基本は横スクロールアクションだが、『ワギャンランド』よろしくボス戦の代わりにパズルを攻略していくのが大きな特徴である。 本作はサターンソフトの中でもかなりの酷評を受けており、かの『セガサターン・マガジン』ではあの『デスクリムゾン』と同オッズを叩き出した事で知られている。最終的にはワースト10位まで持ち直したものの、今なお「サタマガで最下位争いを繰り広げたゲーム」として名高い。誌面での通称は「ブー太郎」。 ちなみにタイトルの元ネタは、NHK『みんなのうた』で1990年代に流れていた爆風スランプの楽曲『東の島にコブタがいた』より。 あらすじ はるか南の島に、ブタたちの住む6つの島がありました。ある日、その島に住んでいるルーカスは、伝説の卵があることを知り、島の奥へと入って行きました。そして、ついにルーカスは伝説の卵を見つけ出しました。ところが、伝説の卵を守っていた親鳥のオルティスは怒り、不思議な力で島のブタたちをさまざまなものに閉じ込めてしまいました。ルーカスは自分のあやまちに気づき、島の仲間を元に戻すために、冒険の旅に出て、オルティスがしかけたパズルゲームに挑戦するのです。 (取扱説明書より引用) 特徴 本作は「『頭の体操』風パズル集+横スクロールアクション」といった感じのゲームである。 収録パズルは全32問。アナログでも成立する問題もあれば、ゲームという媒体を活かしてCPU対戦を行うものもあり、種類は豊富である。 ゲームの流れ パズルが隠された6つの島を攻略し、最後はオルティスの待つステージ「AND END」に突入。そこでのパズル対決に勝てばゲームクリアとなる。 6つの島は、横スクロールアクションで進む「アクション面」と、そのクリア後に待ち構えているミニゲーム「パズル」で構成されている。 パズルはそれぞれの島に5つ存在する。 基本的にはアクション面とパズルを交互に遊ぶ事になるが、一部のパズルはアクション面を挟む事なく開始する。 島によってアクション面の数は異なる。パズルと同じく5つ用意されている島もあれば、アクション面1つクリアするとひたすらパズルを解き続ける島も存在する。 6つの島は任意の順番で攻略できる。進行を中断して別の島を遊び、後から続きを進めることも可能である。 一度クリアしたアクション面には再挑戦できない。 パズルはギブアップが可能で、解かずに次のアクション面もしくはパズルに進む事もできる。 飛ばしたパズルで得られるはずだった仔ブタ(後述)は、そのセーブデータで二度と入手出来なくなる。そのため完全クリアを目指す場合、パズルは必ず解く必要がある。 ギブアップの自由度は高く、ラスボス戦を含めた全部のパズルをギブアップしても構わない(この場合は流石にバッドエンディングが流れるが)。 島をクリアすると、その島で遊べるパズルにはいつでも再挑戦できる。 アクション ルーカスはAボタンでジャンプし、Bボタンでムチを撃って攻撃できる。 方向ボタンを進行方向に二回押す事で、ダッシュが可能。 仔ブタ 今作の収集要素。島中には500匹の仔ブタが様々な形で封印されている。できるだけ多くのブタを助けるのが、このゲームの目的の一つである。 ブタは、アクション面に隠されているものと、パズルを解く事で助けられるものがいる。 アクション面の仔ブタはシャボンとともに宙に浮いている事があり、これを攻撃することで仔ブタを解放できる。 トーテムポールや氷塊などの破壊可能オブジェクトに隠されている仔ブタもおり、これらは対象を攻撃することで救出が可能。 ルーカスが敵に当たると、その度に仔ブタを1匹失ってしまう。 AND END以外の島にいる仔ブタは各75匹。AND ENDでは50匹の仔ブタを救出できる。 最終的に助けたブタの数によって、エンディングが分岐する。 問題点 アクション面 おそらく本作が酷評された最大の所以。操作性が非常に悪く、例えるなら「かなり出来の悪いPCフリーゲーム」とも言うべき代物。 グラフィックは初期のPCエンジンゲーレベルであり、サタマガで下位争いをしていた『デスクリムゾン』『FIST』と別ベクトルで肩を並べられるほど酷い。 操作性 ダッシュ中にジャンプできない上に、ブレーキ時は必ず自機5マス分ほど滑る。 高速でステージを乗り越えようとダッシュしようものなら、すぐ敵にぶつかる。後述するように本作はノーダメージクリアをほぼ強制されるので、使える場面がほとんど無い地雷操作である。 にもかかわらず、敵との距離を調節しようと方向ボタンを連打すれば、ダッシュが暴発してしまう。 空中移動が出来ない。高台に登るときはあらかじめ方向ボタンを入力しないと垂直に飛んでしまうし、ジャンプしながら歩こうものなら制御が効かず敵に衝突してしまう。 そんな劣悪なジャンプ・ダッシュ動作でありながら、攻撃手段が『悪魔城』準拠のムチ攻撃(使用時に長い前隙が発生)である。もはやスタッフの嫌がらせのよう。 しかも空中では一回しか撃てないため、宙に浮いている仔ブタを助けるにも一苦労である。 ダメージシステム 上記の操作性と合わさって一番問題となるのがこれ。 本作では体力の概念が無く、どれだけ敵にぶつかってもゲームオーバーにはならない。代わりに、集めた仔ブタが1匹失われてしまう。 つまり完全クリアを目指すには全ステージを劣悪な操作性でノーダメージクリアしなければならない。 この場合、アクションステージを中断する方法は無いため、もし敵にぶつかったらリセットするしか無い。敵に当たるたびにセガサターンの起動画面を拝む羽目になり、リカバリーにいちいち数分かかってしまう。 だからと言って救出を放棄して遊ぶと、今度はいくら敵に当たっても死なない虚無ゲーと化してしまう。 そもそもステージ構成が単調 ブタ救出放棄=虚無ゲーとなる最大の要因。本作のアクション面は、殆ど起伏のない平地にほぼ等間隔で敵が配置されているだけで、PCエンジンどころかファミコン以下のゲーム性になっている。 ジャンプで狭い台を乗り継ぐなどのアクション性は一切無い(この操作性で存在したらそれはそれで困るが)。 いちおう高台がある面や、イカダに乗って進む強制スクロールなどはあるものの、大抵は1~2体の敵を相手に立ち振る舞うだけでワンパターンな攻略を強いられる。 なおイカダの周りには見えない壁があるため、落ちる事は一切ない。 劣悪な操作性 ノーダメージ推奨でありながら、敵の攻撃は中々にいやらしい。 強い敵の多くは初見で突破するのが困難で、完全クリアを頻繁に阻止される。 飛び道具持ちの敵はやっかいで、2体並んで来られると避けるのが困難。完全クリアを目指すには、スポーン位置を調節したり、着地間際のシビアなタイミングで攻撃を打ち込むなど、込み入ったテクニックが必要になる。 画面の大きさに対してキャラが小さく、画面はかなり殺風景。 ドット絵の質も低く、輪郭があるキャラと無いキャラがいたり、画風やサイズが一致していない敵が同時に出てきたりする。 ペンギンと人間が同じ身長で出てくると言えば、グラの酷さが伝わるはず。 SEまわりも貧弱で、造りの拙さを余計に際立たせている。 パズル関連 UIがかなり雑。 パズルは毎回、チュートリアル一切無しでいきなり始まってしまう。 Rボタンを押す事で説明が見られるが、説明書にはさらっと書いてあるだけなので見落としやすい。その解説も雑なので、結局説明書の解説を読む羽目になることも多い。 肝心の説明書も文章に難があり(*1)、読んでもルールが見えてこないパズルがちらほらある。 制限時間付きのパズルも存在し、説明書を読んでいるうちに時間切れになることも。 パズルはいつでもギブアップ可能だが、諦めずに最初からやり直す操作が存在せず、わざわざ自爆する必要がある。 パズルクリア後は、ゲームを続行するか、ゲームを中断してセーブするか選択肢が表示される。しかし後者を選ぶといちいちステージ選択に戻されてしまう。 アクションで一発アウトになる仕様上、各ステージごとのセーブが推奨されるので、無駄にテンポを削がれてしまう。 島のラストでセーブすると、クリア時に流れるムービーが表示されない不備が存在する。 パズルのグラフィックも総じて出来が良くない。 特にクォータービューで擬似3Dアクションを行うパズル「ジャンピック」「ギアーズ」ではルーカスの下に影が表示されず、位置関係がわかり辛い。 難易度曲線はめちゃくちゃ。 今作のパズルは、未就学児でも解けそうな物から大人でも舌を巻くような問題まで幅広く取り揃えている。しかしその配置はかなり雑で、簡単なものも難しいものも順不同に出てくるため、ゲームバランスが煩雑に感じられてしまう。 プレイヤーによっては、最初の2問で見切りをつけるきっかけになる。 カーソルデフォルト位置の島を選ぶと、まず「ABCビンゴ」という幼稚園児でも解けそうな問題をやらされる事になる。かと思うと次の「アイスキューブ」は大人でも頭を捻らないと解けない難問で、難易度の振れ幅が極端。 そして、あまりにも難しすぎるパズルが通常の問題に平然と混ざっている。 理不尽難易度のパズルについて 具体的に言うと、ひとまずコントローラーを置いてゲームから離れ、紙と鉛筆・ハサミを使い、(下手したら)何日も考えることになるレベルの問題が2つも紛れている。 端的に言うと「算数オリンピック(*2)」難問クラスで、ゲームで例えるなら『レイトン教授シリーズ』の本編クリア後に出てくる最終問題に匹敵する(もしくはそれ以上の)難しさである。 以下の解説では設問の内容も具体的に記すので、もし興味が湧いた人は難しさを味わってみてほしい。 + パズル内容 フォール26 いわゆる魔方陣。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 上記の○に1から12の数字を当てはめ、一直線に並んだ○4つ(計6本)全てで数字の合計を26にすればクリアとなる。 実際に解いてみると、適当に数字を当てはめても成立してくれず、当てずっぽうでのゴリ押しすら困難である。 かと言って真面目に解こうとしても、数学の証明問題のような発想が必要になってしまう。理系教科が苦手なプレイヤーは門前払い確定である。 パズル自体は古典的な内容で、解法はネット上に多数存在する。しかし証明手順はいずれも複雑で、テレビゲームで許されるレベルを逸脱しているのは間違いない。 ただパズルとしては良問なので、数学に自信のあるプレイヤー(例えば「大学への数学」を購読しているような人など)は自力で解いてみることを推奨する。受験生であれば、箸休めついでに良い勉強になるかも? ボードターン 格子状のマスにピースを埋めるタングラム。 以下のマス目に、下記のピース14個を全てはめればクリアという、至極単純なルールである。 ■ ■■ ■■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■ ■■ ■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■ ■ ■ ■■ 本作で最も擁護不可能なパズル。ルールこそ単純だが、もしこの手のパズルをやった事があるなら、一目でヤバいと感じる悪問である。 まずこの手のパズルは、限られたピースしかハメられない位置(または限られた位置にしか配置できないピース)に目星を付け、そこから糸口を探すのが常套手段である。 しかしこの問題は綺麗に整った長方形にピースをハメるため、「限られたピースしか配置できない位置」がほぼ存在しない。 そして各ピースは全て5マスで出来ており、使いやすさに殆ど差が無い。よって「限られた位置にしか配置できないピース」も絞り込めない。 つまりこの問題は解決の糸口が無きに等しく、膨大な可能性の中から大量の試行回数を重ねないと突破不可能である。 もちろん、当てずっぽうにハメて解ける問題では無い。 ピース12個は流石に多く、たまたま答えが見つかる事はまず無い。 これだけでも理不尽だが、このパズルをもっと酷くしているのが劣悪すぎるUI。 ピースを選ぶには、方向ボタンの左右を押し、次々と切り替わるカーソルを目当てのピースに合わせる。平面上を自由に動かせるカーソル(*3)は存在しない。 カーソル移動はピースの位置にかかわらず、ピースごとに設定された順番で動く(ピースに番号が書かれていたりはしない)。無造作に置かれたピースに対しカーソルがあっちこっち移動するので、動かしたいピースを選び辛く、ストレスが溜まる。 ピースを配置する際、ハメられる位置から数ドットでもズレていたら、元の位置に戻されてしまい、何度も配置しなおす羽目になる。 こんな始末なので、このパズルを解こうと思ったらハサミで紙を切って同じピースを再現し、卓上で解いた方が早い。マッピングのために紙と鉛筆が必要になるゲームは数多くあれど、ハサミが駆り出されるゲームはそうそう無いような。 これらの障壁を乗り越えてやっと解いたと思うと、とどめと言わんばかりに完成してもクリア扱いにならないバグが稀に発生する。 参考動画(リンク先はこのバグに遭遇した実況プレイの様子。問題のシーンは2 06 47。再生時間が長いため、スマートフォンから見る場合は注意) このバグに陥ったが最後、どうすればクリア扱いになるのかわからず、参考動画のようによくわからないまま完成したピースを崩す羽目にもなってしまう。バグの発生タイミングとしてはあまりにも厄介である。 発生条件は不明だが、同じハメ方をしてもバグが発生する場合とそうでない場合があるので、リセットしてからもう一度同じハメ方を試せば問題無い。うっかり崩したりせず、完成パターンをきちんとメモする事が推奨される。 上で挙げた2つ以外にも、バランス調整に難のあるパズルが存在する。 制限時間内にスライドパズルのピースを特定位置に動かす「フルーツダウン」は、初期配置によって難易度の振れ幅が大きく、運要素が強い。 画面内を通ったラクダの数を正確に答える「キャメラーズ」(別作品で例えると『ポケモンスタジアム金銀』の「ピィとププリンのカウントゲーム」のような内容)は相当な動体視力を要求される。設定された体力で3問正解しなければならないが、難しすぎて運ゲーに近い。 その他 まずオープニングからしてグラフィックが汚い。 その内容は3DCGとセルアニメを合成させたものだが、やたらコマ落ちしていて出来が悪い。 デッサンは整っているのに、動きがカクカクしている。 エンディングがしょぼく、達成感が薄い 数秒のムービーが流れるだけでセリフも解説も無く、助けたブタがどうなったのかなどの具体的な様子は殆ど明かされない。訳も分からぬまま「THANK YOU FOR PLAYING」と出て、そのままタイトルに戻されてしまう。 内容が薄いせいで、ベストエンドを引き当てても達成した事に気付きづらい。 あろうことか、FC時代のゲームでもないのにスタッフロールが流れずあっさり終わるので、これも達成感を弱くしている。 ちなみにスタッフロールはタイトル画面を放置すると流れる。ゲーム開始時からクレジットを見られるゲームは珍しくない(主に洋ゲーなど)が、閲覧方法がわかりづらく、クリア時にスタッフロールが流れると誤解しやすくなっている。 評価点 このように本作は多くの問題を抱えているのだが、実は殆どのパズルの出来は決して悪くなく、「クソゲー」とは程遠い作り込みとなっている。 確かに本作はフルプライスソフトとして色々アウトだが、「サターン最悪のゲーム」と呼べるかどうかはまた別の話で、評判が先行している部分は否めない。 パズル全体の特徴 殆どのパズルは後の『レイトン教授シリーズ』とあまり変わらない完成度で、この手のパズルが好きな人ならそれなりに楽しめる。言い換えると、本作のパズル部分は後年のゲーム業界でまともに受け入れられている部類の内容である。 また『Action52』(*4)のような水増しがほぼ存在しないのも評価できる。問題点では難のあるパズルに触れたが、『四八(仮)』のように「ほぼ全てのパズルがクソ」といった惨状とは程遠く、むしろまともに作られたパズルの方が圧倒的に多い。 後述するように、いくつかのパズルは他のコンテンツでもまともな形で採用されていて、クオリティが保証できるものである。 本記事では割愛するが、『マインスイーパー』や虫食い算など、説明不要の有名パズルを基にしたパズルも多い。 収録パズル数32個というのは少ないようにも思えるが、一部パズルの難易度やアクション部分も合わせて考えると、ゲーム全体のボリュームとしては決して悪くない。「パズルの種類が大幅に増えた『ワギャンランド』」と考えると、それなりの分量である。 以下、本作の中でも特に良くできたパズルを紹介する。 + ... アイスキューブ ■■■ ■■■ ■■・ サイコロを使った8パズル。ゲーム開始時は上図のように、3×3のマス上にサイコロ(図の黒い四角)が8つ配置されている。 各サイコロのうち3面はオルティス、残り3面はルーカスが描かれている。ゲーム開始時は、オルティスの面が上になっている。 プレイヤーは空いているマスにサイコロを転がす事ができ、全立方体の上面をルーカスにすればクリアとなる。 ルールは単純だが、実際に遊ぶと中々難しい。かといって太刀打ちができないわけではなく、地道に揃え続けていれば完成する程度には作られている。程よく頭を使うゲームである。 参考に、本作以前にも類似のパズルゲームとして『オール1』というものが存在している。 先述の通り、難易度の高さに反して2番目に遊ぶ事が多いゲームのため、本作が低く評価される一因になっている。 またサイコロの横面が見えないという、UIの不備も惜しいところ。 フローズンサイド CPUとの対戦パズル。上図のように3×3で並べられた正方形のマス目に対し、各プレイヤーは24個の辺に1つずつ交互に印を付けていく。 印を付けた際、いずれかの正方形の四辺に印が付いた場合、その正方形は最後に印を付けたプレイヤーの陣地となる。これを繰り返し、多くの陣地を取った方が勝利となる。 難易度は低いが、油断すると負ける事もある。ちょっとした頭のトレーニングになるパズルである。 易しいとは言え、多くの人が最初に戦う事になるボスなので、難易度としては程よい塩梅に仕上がっている。 ジェッター 以下のマス目に、5種類のコマ(○,△,□,▽,■)全てを並べるゲーム。同じ色のコマはタテヨコ斜めに並べてはいけない。 ○○○ △△△ □□□ ▽▽▽ ●●●● 本記事で直接挑戦できるパズルその1。「クイーンの問題」の亜種のようなパズルで、一番多い●のコマをどう並べるかがポイントとなる。 リプレート ■ ○ □○○ 単純なスライドパズル。上記のパネルを動かし、■と□の位置を交換すればクリア。 本記事で直接挑戦できるパズルその2。簡単そうに見えるが、盤面が狭いせいで意外と揃えるのが難しい。『レイトン』なら序盤を過ぎたあたりに出てくるタイプの問題である。 ゴンドランド ゴンドラを使って、小人3人と兵士3人を向こう岸に運ぶパズル(*5)。 ゴンドラは一度に2人まで対岸に移動させる事ができる。ただし、移動の際は最低1人誰かが乗っている必要がある。 どちらかの岸において、兵士の数が小人を上回るとミスになる。 小人0人の場合は特に問題無い。 本記事で直接挑戦できるパズルその3。説明書には大ヒントが書かれているが、本記事では割愛する。 この問題は古典的かつ有名なパズルで、かの『レイトン教授と不思議な町』にも全く同じ問題が収録されている。 キーキー246 ●●● ● ● ●● ● ● ●●● ●● ● ● ● ●●● ●● 図のように、3×3の方陣に球が配置されている。それぞれのマスは90度回転させたり、配置を交換したりすることが可能。タテヨコ各6列と斜めの2列全てで球の配置を偶数にすればクリアとなる。 どこかを動かして偶数個の列を作れても、別の列が奇数個になってしまう事が多々ある。これまた一筋縄では行かないよう調整されていて、正解するには頭を使う。 キッキング e e e e e e e e p p p p p p p p 変則的なチェス。各陣営が図のように配置された状態で始まる(プレイヤーのコマはp、敵のコマはeとする)。プレイヤーと敵は交互にコマを動かして互いの兵を倒し、相手を手詰まりにするか残り1コマまで減らした方が勝利となる。 コマの動きは「上下左右の空いている方向に1マス動く」「自軍のコマを飛び越えてその先にいる相手のコマを倒す」の2つのみ。 敵のAIは強すぎず弱すぎない程度に作られており、ルールを把握すればきちんと勝てるバランスに収まっている。 パンプキン4 ○●○ ○●●○ ●○○○ ↓■■■■↓ 色の異なるカボチャ(○と●)が図のように並んでいる。これを動かし、●を全て左に落とせばクリア。 カボチャは左右にのみ動かすことができ、下にカボチャが無い場合は自由落下する。○を右に落として画面から消すことも可能。○を左に落とすか、●を右に落とすかしたらアウト。 本記事で直接挑戦できるパズルその4。適当に動かしても失敗するが、発想を上手く転換させると突破口が見えてくる。 オアシス アクション要素の強いスライドパズル。 各パネルには様々な形の溝が刻まれており、スタート地点から水が溝をゆっくり流れ始める。うまくパネルを動かして溝の上に水を流し、ステージ左上にいるブタに水を運べればクリアとなる。 もしも水が溝のない位置に溢れてしまったらやり直し。 どうやったらゴールまで運べるか、アクションの腕前とプレイヤーの知恵が両方試される。 操作性はあまり良くないが、絶対にクリアできない事は無く、発想次第で必ず突破できるようになっている。 ピースリーピー ○ ○ ○ ○ ● ● ● ● 上記のように並んだ2色のブタ(○と●)を空きマスに動かし、各色交互に並べるパズル。 プレイヤーは横に並んだブタ2匹(色の組み合わせは問わない)を選び、セットで空いているマスに動かす事ができる。4手以内に並べることができればクリアである。 本記事で直接挑戦できるパズルその5。じっくり考えないと解けない良問なので、腰を据えて挑みたいところ。 ラスワン ○ ○○○○ ○○○○○ 対戦パズル。図のように並んだ岩(○)に対し、敵と自分が交互に印を付けていく(すでに印のついた岩には印をつけられない)。最後に残った岩に印を付けた方が負けとなる。 先攻後攻はランダム。 岩は同じ行で連続しているものに限り、1手で好きなだけ印をつける事が可能。 ビデオゲームでも『マリオパーティ2』の「はちのすブンブンブン」などで見られる、古典的な「最後の一つを取ったら負け」ゲームの亜種である。 しかし「同じ列なら幾つでも取れる」という部分は中々にイレギュラーで、この手のゲームを遊んだ事がある人でも思わぬ思考力を求められる。 特に、一番上の1マスをどう扱うかが悩みどころ。 敵AIが本格的に作り込まれており、生半可な考えでは勝てないようになっている。とどめを刺したと思ったら、思わぬ戦法からどんでん返しを食らうことも。 スチーマー 2 8 4 1 6 1 1 8 1 2 7 4 6 4 3 2 図のように並んだ数字の集まりを並び替え、タテヨコの数字の和が全て15になればクリアとなる。 本記事で直接挑戦できるパズルその6。普通の魔方陣パズルと違い、使える数字が変則的なので少し捻った発想が求められる。紙と鉛筆で解くのもよし、適当に並び変えて答えを見つけてしまうのも良し。 ノイーズ 6×6のマスをめくって戦う神経衰弱。ただし、このパズルでは絵や数字ではなく、めくった時に出る音を一致させないといけない。 音は言語化出来ないため記憶するのが難しく、対戦パズルとしてはシンプルに完成度が高い。本作に対戦機能が実装されていないのが悔やまれる。 ちなみに同じ音を当てるゲームというのは別作品でも『星のカービィ3』に存在し、こちらでもプレイヤーに強い印象を残している(主に難易度面で)。 カブガタ > > > < < < 図のように並んでいるカブトムシ(>)とクワガタ(<)を動かし、それぞれの位置を交換すればクリア。 それぞれの虫は進行方向の1マス先か2マス先に動かす事ができる。後退はできない。 手順を間違えると手詰まりになる。 本記事で直接挑戦できるパズルその7。これがあのボードターンの後に出てくるが、パズルとしては至って真面目な内容なので、ある種の癒し要員である。 ゲットネット ダーツの的のように分けられたマス目を使って戦うオセロ。対戦相手と交互に好きなマスを一つずつ選んでいき、陣地を奪い合う。 選んだマスで陣地を取る必要は無く、全てのマスが選択可能である。 普通のオセロと違い、挟んだだけでは陣地を取る事が出来ない。1回挟まれた陣地は灰色になり、もう一度それを挟む事で自分の陣地に変える事ができる。 ノイーズ同様、これも対戦できないのが悔やまれる完成度。最初のうちはオセロで重要となる"角"の概念が存在せず、壁も殆ど存在しないため、通常のオセロと違った戦法が求められる。しかしルールは単純明快でとっつきやすく、敵AIも程よい強さに仕上がっている。 ハッチ ↓ ↓ ↓ → ← ← → ↓ → ↓ ↑ → → ↓ ← → ← ← → ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ★ → → → ↓ ↓ ↓ → ↓ → ↓ ↑ ↓ → → ↑ ↑ ← ↓ ↓ → ← ↑ ↑ ← ラスボス戦。上図のように、たくさん並んだ矢印のマス目の上で卵を運んでいくゲーム(図の矢印配置はあくまでも一例で、プレイの度に中身が変わる)。先攻と後攻に分かれて対戦する。 ゲーム開始時は盤外の左右にそれぞれ7つの卵が縦一列に並べられている(左に置かれる青い卵がプレイヤー・ルーカスの持ち駒、右に置かれる赤い卵がラスボス・オルティスの持ち駒となる)。 各プレイヤーは自分の手番で、卵一つを矢印の方に動かす(盤外にある卵の場合は、すぐ隣のマスに動かす)か、盤上の全ての矢印を時計回りに90度回転させる事ができる。これを交互に繰り返し、全ての卵を先に★へと運んだ方が勝利である。 たまに千日手(*6)が発生するが、そうなるとプレイヤーが手を変えるまでオルティスが同じ事を繰り返すので、こっちが手を変えなければいけなくなる。 ちょっと不公平だが、このパズルは一応ラスボス戦なので、敵側に特権があるのはご愛嬌かもしれない。 運要素も大きいものの、シンプルでありながら豊富な選択肢が考えられ、これもまた対戦が無いのが勿体ないゲーム。 パイルシェル ラスボス攻略後に遊べるよう隠し要素。1対1の対戦パズル。 他の開放条件は特になく、仔ブタの救出数は問われない。 このパズルは、横に並んだ4つの穴を使って行われる変則的な4目並べである。各プレイヤーは自分の手番において、4つの穴の一つに自分のコマを上から落とす事ができる(コマは最大4つまで積み上げる事が可能)。これを繰り返し、先にタテヨコ斜めのいずれかで自分のコマを揃えれば勝利となる。 コマの代わりに一度だけ爆弾を落とすことも可能で、すでに置かれているコマを破壊する事が可能。 ただし同じ箇所にコマを置き直されてしまう事が多く、あまり意味はない。 隠しボスとしては小規模だが、パズルとしては堅実に作られている。例によって敵AIはきちんとした立ち回りで攻めてくるため、決して気は抜けない。 古典的なゲームである「立体4目並べ」を下敷きにしているため、破綻無く楽しめるよう仕上がっている。 立体4目並べはおもちゃ屋やネットショップ等で気軽に買い求められるので、興味のある方は是非。 また、問題点で紹介したパズル2つも難易度調整に問題があるだけで、パズルとしては極めてまともな内容である。 実はベストエンド条件が緩く、それを知るといくつかの難点が解消される。 本作は500匹中401匹の仔ブタを助けるだけでベストエンディングが表示される。それ以上の仔ブタを助けるメリットはほぼ無い。 一応パーフェクト特典として10秒程度のお祝いムービーが流れるものの、それ以外の見返りは全くなく、隠し要素の開放とも全く関係が無い。 要するに、実は本作の仔ブタは『レイトン教授』の「ひらめき指数(ピカラット)」よろしく「たくさん集めた方が良いけれど、決して全部集める必要は無い収集要素」とも解釈できる。 これを知った上で遊ぶと、本作の主なクソゲー要因である「アクションの酷さ」「ボードターンを初めとする高難度パズル」が大きく緩和される事になる。 まず問題点でアクションの酷さに触れたが、これは「ノーミスを狙えばリセットゲー、ミスを許容すれば虚無」という物であった。しかし「ブタを全て集める必要は無い」という条件なら話が変わってくる。 ある程度は敵にぶつかる事が許されるうえ、ミスしすぎるとエンディングが変わってしまうので適度に頑張る必要がある。つまり実際はノーミスを狙う必要は無く、ミスが好きなだけ許容されるわけでもない。 アクションで失う可能性のあるブタは意外と少なく、多くても1ステージで2~3匹落とすのがやっと。かなり簡単なステージも存在するので、全20個のアクション面で失うブタは多く見積もっても最大で40匹程度である。99匹までブタを落とす事が許されるので、アクション面のせいでベストエンド達成が不可能になることは無い。 かと言って適当に進めばいいわけではなく、ミスを減らしてブタを温存するほど、パズルで許されるギブアップ回数が増えてくる。なのでやはり虚無ゲーにはなり得ない。 各パズルで助けられるブタは10~14匹。先ほどの40匹を基に計算すると、アクション面でどれだけ手を抜いても5問程度のパズルがギブアップ可能である。 つまり大人でもクリア困難な「フォール26」「ボードターン」は無視しても問題無く、その上で苦手なパズルをさらに3問飛ばしてもベストエンド達成が可能である。 飛ばしたパズルは後から再挑戦できるため、これらはエンドコンテンツとして好きに扱って問題ない。 以上のように、本作は401/500を救出するのであれば、適切なゲームバランスに収まっている事がうかがえる。 実際、説明書には「ブタの救出数でエンディングが変わる」「少しでも多く助けよう」とは示されているが、全て助ける事は全く要求されていない。 とはいえ、完全クリア不要である事もまた示されておらず、条件を認知しようがないプレイヤー視点からクソゲーとみなされてしまうのは仕方がないとも言える。 仮に初見でベストエンドを引いてもそれが最良とは気付きづらく、何より元凶たる主人公の手で責任を持って全員を助けたくなるのは当然の摂理である。 総評 「最低評価を受けたクソゲー」と聞くと全く遊びどころの無いゲームを想像してしまうが、本作は決して悪いところづくめのゲームではない。 ゲーム内にちりばめられたパズルはきちんとした作りとなっており、算数が好きな人であればこの点を楽しむ事も可能である。 最終的に「サタマガ」のワーストを脱却できたのも、こうしたフォロー点があったからと思われる。 逆に言うと、本作はそういった長所を潰してしまうくらい大きなマイナス要素を抱えているとも言い換えられる。 アクション部分はグラフィック・操作性共にサターンとは思えないクオリティで、購入者から顰蹙を買っても仕方がないほど粗い。せっかくの長所であるパズルに関してもクリア困難な二つのせいで台無しにされている。 『スーパーマリオ64』『バイオハザード』といった革新的な作品が出た年のゲームにもかかわらず、その中身は前世代機でもアウトな代物である。 言うなれば、今作は減点法でクソゲーの烙印を押されてしまった作品と言えるかもしれない。 余談 今ならネットで答えが調べられるため、評価点に記したクリア条件を受け入れれば比較的まともにプレイが可能である。 とはいえ、そこまでするくらいならスマホアプリでも遊べる『レイトン教授』シリーズを購入した方が早いかもしれない。 本作では島をクリアするたびにちょっとしたおまけムービーが流れるのだが、その一部においては何故か松田聖子のヒット曲『Sweet Memories』が使われている。 しかもこれだけのためにわざわざJASRACに版権料を払っている(パッケージ裏に認可を示すシールが貼ってある)。 版権に回した予算を開発に使わなかった理由は不明である。雑なゲーム内容といい、色々と謎が多い。 開発会社のホームページでは制作物として本作が一切触れられていない。 ちなみにホームページをよく見ると、地味ながら『グランディア』のシナリオ原案を作っていた事が明かされている(*7)。人知れず汚名返上を成し遂げていたようだ。 NHKの子供番組『天才てれびくん』では、本作に収録された「ノイーズ」と全く同じルールのゲームが1年にわたり放送されている。HPに はエス・キュー・フォアが同番組のCGに携わっていたと書かれている(*8)が、もしかすると関連があるのかもしれない。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/693.html
アンティフォナの聖歌姫 ~天使の楽譜 Op.A~ 【あんてぃふぉなのせいかひめ てんしのすこあ おーぱすえー】 ジャンル ミュージカルRPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 日本一ソフトウェア 開発元 オーツー 発売日 2009年10月22日 価格 通常版 6,090円 / 限定版 8,190円(各税込) 判定 なし ポイント RPGとしてはクソゲーレベルシリーズ続編としてはガッカリゲーレベルシナリオゲームとしては基本的には良作ミュージカルゲームとしては一部批判はあるが名作 概要 問題点 評価点 賛否両論点 総評 追記:戦闘について 概要 PSで発売された日本一ソフトウェア屈指の名作「マール王国の人形姫」シリーズの正式な続編。『マール王国2』以降、日本一ソフトウェアは「魔界戦記ディスガイア」シリーズや『ラ・ピュセル』などのSLGを中心に製作してきたが、今作は実に9年ぶりのRPG作品となった。 人気シリーズというものの、かなりの期間が開いてしまったため、前年には、まるで「マール王国」を思い出させるような形で、第一作目のDSリメイク『マール王国の人形姫 天使が奏でる愛のうた』が発売された。これは、好評だったキャラクターデザインの変更・戦闘システムが『マール王国2』と同じ・ボイスがミュージカル部分のみになったなど、劣化移植の要素を多分に含んではいるが、物語の核心に迫る外伝シナリオの追加や、おまけからミュージカルイベントが見れるようになったこと、そもそもDSでミュージカルが全て聴けるとあり、概ね良い評価を得た。 こうしたことで、「マール王国」ファンの期待が高まる中、本作は発売された訳だが……。 問題点 戦闘システムが謎 戦闘が始まると、四つのコマンドが表示される。 「こらしめる」、「とつげき」、「アイテム」、「あやまる」。 ……「あやまる」? 要するに「逃げる」コマンドである。「こらしめる」? 要するに「たたかう」コマンドで、攻撃か魔法を決める。「とつげき」? ……知らん。 これらの分かり辛いコマンドを決めるとようやく戦闘が始まるが、味方と敵のパーティメンバー全員が一斉に乱れ込んでの自動戦闘になる。 ターゲットを決めることはできないし、誰が誰にダメージを与えたかも分からない。 敵が複数の場合、たとえ三分の一弱っていても一人が元気ならば、倒せるかどうか完全に運である。さらに、RPGであるにもかかわらず、HPには数値制ではなくゲージ制(「ゼルダの伝説」と言えば分かりやすいだろう)なので、与えたダメージがかなり大雑把である。たとえMAX値であっても一回の戦闘で戦闘不能になることもザラにあり、さらに、自分のレベルに応じて敵も強くなっていくので、最終的には、モンスターたちに「あやま」った方が早い。逆に、必殺技などは自分たちの強さに関係なく与えるダメージ(ゲージの減少値)は一定なので、安定した強さを発揮する。 戦闘終了後に得られるのはアイテムだけ。金は貰えず、戦闘で得たアイテムを売って得るしかない。そうした事情から、回復アイテムが手に入り辛い。 だというのに、本作では、教会の神父に話しかけなければ体力が回復できない。そのため、回復アイテムが貧弱な本作では、ダンジョンで瀕死になると詰みゲー化する可能性がある。しかも、どこの町にも教会があるという訳でもないし、どこの教会でも良いという訳でもないので、回復するのも一苦労である。「マール王国」シリーズでは、どこにでもある像に触れることで、いつでも全回復することができたのに……。 問題なのは、上記の回復方法が説明書に書かれていないということ。また、仮に神父に話しかけたとしても、二回話さなければ回復してくれない。分かりにくすぎる。 極めつけはキャラクターパラメータ。 能力項目が「つよさ」のみ で、一体何が「つよ」くなったのか、さっぱり分からない。 また、シナリオも伏線回収が不完全なままEDを迎えてしまう。 評価点 目玉であるミュージカルシーンは、圧巻の一言に尽きる。佐藤天平氏の音楽センスがいよいよ円熟味を増してきたと言っても過言ではなく、本作で一つの結果と見てもよいだろう。ドット絵で表現されたキャラクターたちのダンスも健在で、このミュージカルシーンを見て、初めて「マール王国の人形姫」シリーズだと認識した人も多い。 ただし、歌っているのはキャラクターの声優ではなく、似た声質の歌手である。そのため、歌唱がよりミュージカルらしくなった反面、キャラクターへの感情移入がし辛いという弊害を起こしている。そもそもミュージカルは演者が歌う物であり、このシリーズも「キャラクターに歌わせる」ことにこだわって劇中で歌うことを前提にキャスティングされているため元々歌唱力が比較的高い声優が選ばれている。そのため今回の措置は、歌わせることが出来ないキャスティングにしたからでは、と批判されている。また、シリーズの顔とも言うべき悪役マージョリーの歌唱までも彼女を演じる富沢美智恵氏のものではないことにファンはがっかりした。 深く凝ったゲーム作り 音声量がとてつもなく、登場人物がフルボイスどころか、 全ての町の人にまで声が当てられている。 また、批判の槍玉に挙げられた戦闘ではうるさいほどよく喋り、その内容もどこかとぼけた「マール王国」らしさに溢れている。 絵本のような柔らかなタッチは変わらず。「マール王国」のDSリメイクでは批判された丸山薫氏のキャラクターデザインも、本作ではその雰囲気を盛り上げることに一役買っているといえる。 もっとも全体的な内容を見ると、いささか無駄な作りこみであったと言わざるを得まい。 賛否両論点 主人公・ミアベルが空気。というか、序盤で加入するフェリシアというキャラが、事実上のヒロインとしてストーリー・戦闘ともに大活躍する。 姉御肌のツンデレなのでキャラ人気も高い。人によっては全く問題とは思わないだろう。 普通に進めてきた場合、加入時のレベルが他メンバーの倍、一人だけ全体攻撃スキルを初期で所持している、素の「つよさ」もぶっちぎりというチートまがいな強さ。 攻撃スキルの種類が増えないため、後半になると火力としての役割は男キャラ二人に譲るが、火力キャラの中で唯一の人形持ち(*1)&人形に装備できる専用アイテムがことごとく本人のステータス底上げ系のため、人間装備しかできない男二人に比べてステータスが異様に高く、素のHPの高さもあり最強の壁としてパーティの最前列に立つ守護神となる。 ちなみにミアベルは大抵ベンチ要員。 欠点と言えば、後述のメロディカードを作成したりチャージするのもフェリシアが行なっていると言う設定のため、スキル枠をメロディカード関係のものと戦闘用のもので奪い合うことが多いということくらいか。 ストーリー上でも、パーティを引っ張りつつヒーローキャラとツンデレ気味に良い雰囲気を醸している。 ちなみにミアベルは自分の人形と良い雰囲気。イケメンだけど生身じゃないんですがそれでいいのか、ミアちゃん。 クララさん曰く「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。」 総評 「RPG」というにはあまりにお粗末、そして「『マール王国』の続編」としてはあんまりな出来。 ただし先に挙げた通り、佐藤氏の手がけた音楽はファンからの評価も高い。「『BGMが良い』と最初に書かれたらクソゲー」と言われるが、本作は「ミュージカルがよい」と書かれた唯一無二のクソゲーであろう(*2)。 また、続編は必ず前作と比較される宿命にあり、前作と同クオリティではまず評価は低い、という点にも留意すべきである。 実際、戦闘にだけ目を瞑れば、本作には、柔らかな色合いの背景や可愛らしいキャラクター、PSPならではの美しいグラフィックに溢れ、前作シリーズから引き続き「女の子向けRPG」というコンセプトに則って製作されているのが良く分かる。決して全てが駄目ではないし、「マール王国」の基本を失っている訳でもないのだ。 追記:戦闘について 実はこのゲーム、戦闘のストラテジが少々特殊で、一般的なゲームの戦うにあたる「こらしめる」はメインのダメージソースではなく後衛を敵から守る壁を作るコマンドで、主力ダメージは必殺技にあたる「とくしゅ」と回数チャージ式の攻撃アイテム「メロディーカード」である。 戦闘時の行動としては、つよさパラメータの高い前衛が最低1人「こらしめる」を選択し、残り3人のうち2人は「とくしゅ」もしくは「メロディーカード」の範囲攻撃で敵戦力を削り、残り1名は敵パーティの残数に応じて壁になるかダメージを与えるか回復を行うかを選択するのが基本となる。 味方全員がこらしめるを選択する、もしくは味方全員がこらしめる以外の行動をとってしまうと、敵側の「こらしめる」による攻撃が味方全員に通ってしまい、後衛が巻き込まれるとあっという間にHPが溶けるため、戦闘リソースの残量を管理しながらダメージを引き受けるキャラと火力になるキャラを振り分ける戦術が要求される。 ちなみに、「防御」にあたるコマンドは存在しない。 このゲームの戦闘における真の問題は、プレイヤーがこの基本ストラテジに気がつくための誘導が一切なく、かつ中盤まではメロディーカードが産廃状態なため、序盤のうちにいらない子扱いされ存在を忘れられる不親切さにある。 「とくしゅ」は、初期パーティでは1人が1種類ずつ持ち、ステータス画面に表示される使用回数は、あるキャラの全体攻撃が「3回」、別のキャラは敵前衛1列への攻撃が破格の「2回」である。 これだけを見ると、ダンジョンに入ってから戻るか回復するまで3回しか使えないので乱発は禁物……に見えるが、実はとくしゅの使用回数は戦闘終了時に0.5回復するため、2回の戦闘をこなすごとに1回分が使えるようになるのである。 最終的にメイン火力となる男キャラ2人は、列攻撃と全体攻撃を3種類ずつ覚えるため、戦闘終了時に使用回数が併せて3回分回復する事になる。同じ技を連発しない限り実質的に使い放題である。 同じくメロディカードは、序盤は3回しか使えない微妙な性能のカードしか持っておらず、使用回数を回復する手段はしばらくストーリーを進めるまで出てこないため、1周目でその有用性に気がつくのは終盤、もしくはクリアするまで気がつかないプレイヤーが多数派である。 壁キャラが2枚になる序盤の後半ごろから、1回の戦闘における戦術はもちろん、ダンジョン攻略の中でとくしゅとメロディーカードの使用回数をマネージメントする戦略を立てられるようになるため、(ヌルいながらも)攻略の楽しさが出てくるのだが…… ちなみに、とくしゅの使用回数の回復については、マニュアル冊子に1行記載があるだけでゲーム本編での説明は一切ない。 メロディーカードを作成したり回数を回復するためのアイテムに関しても、全部で20種類以上あるアイテム「かけら」から2~5種類が必要であり、かつ、あるカードを新しく作成できるようになった段階で必要なかけら3種類のうち2種類は今までに入手したことがないものを要求されたりと、調整不足が目立つ仕様である。 ちなみにこの「かけら」、店売りは一切存在せず、敵からドレインするかマップに落ちているものを同じくドレインすることで手に入れることになる。 マップに落ちているかけらは出入りや時間経過で無限に復活するが、同じ場所には同じかけらしか湧かない。 また、敵からドレインできるのも1種類の敵から2種類(終盤に入ると3種類になるが)。そして、敵の種類が豊富なゲームではない。 アイテムの所持限界が1種類につき9個と少ないこともあり、道中で頑張ってドレインを繰り返したとしても、いざカードを作ろうとすると「2種類は9個持っているんだけど残り1種類が0個」という状況になりがちでモチベーションが上がらないことこのうえない。 必要なかけらを自由に揃えられるようになるのは、マップにダンジョンが出そろいモンスター図鑑も8割方埋まった様な時期。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7938.html
Duke Nukem Forever 【でゅーく にゅーけむ ふぉーえばー】 ジャンル FPS 対応機種 プレイステーション3Xbox 360Windows 発売元 2K Games 開発元 Gearbox SoftwareTriptych GamesPiranha Games(マルチプレイ及びPS3/360移植) 発売日 (海外版)2011年6月10日(日本語版)2012年3月29日 定価 1,980 円(Steam) レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 配信 Steamにてオンライン販売中 判定 クソゲー ポイント 2012年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点 延期年数14年の「Do Not Finish」相次ぐ延期の末開発が停止Gearboxが引き継ぐも、出た頃には色々時代遅れ クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 Duke Nukemシリーズ ストーリー 概要 基本システム 評価点 問題点 総評 日本語移植版 余談 ストーリー 『Duke Nukem 3D』での死闘から12年後。 Duke(デューク)は世界的な英雄として名声を獲得し、自分が主人公のビデオゲームが開発されるまでの英雄となっていた。 自分のゲームをプレイしていたDukeだったが、テレビを切り替えるとニュース速報が放映される。その内容は、彼がかつて倒したはずのエイリアンが再び侵攻を開始したというものであった。 地球を守るため、再び英雄「Duke Nukem」が立ち上がる。 概要 強烈なゲーム内容から北米を中心にカルト的評価を得た3D realmsのFPS『Duke Nukem 3D』の続編として、1997年4月のE3で発表されたタイトル。当時の最新鋭タイトルである『QUAKE II』などをライバルに想定し、巨大列車の運行や家屋の倒壊などダイナミックな地形オブジェクト挙動を特長とする3DFPSとして開発が進められていた(*1)。 最終的に発表から14年と44日が経過した2011年6月10日に販売が開始された(*2)のだが、その実態は…。 基本システム スポーツ系FPSのような見た目だが、同時所持可能な武器は2つまで(*3)。パイプ爆弾とレーザー爆弾のみ個別にカウントされ、一定数持ち運べる。 HPはヘルスパックやメディキットを取得することでも回復が可能。「エゴ(=自動シールド)」というパラメータが存在し、攻撃を受けるとまずエゴから減っていく。エゴが無くなるとHPが減少していくが、一定時間攻撃を食らわない状態で待機することでエゴの回復が可能。 特定の手段でボスを倒すことで、エゴの最大値を増加させることができる。増加することでよりDukeが敵の集中砲火にも耐えられるようになり、難易度が低下する仕組み。 アイテムは強化のステロイド、ダメージ軽減のビール、ステルスのホロデュークが登場。これらを任意のタイミングで使用し、ゲームを進めていく。 ゲーム展開は一本道だが、マップはかなり広い部類。自動車を用いたドライブなどもあり、移動距離はかなり長い。セーブはチェックポイントでのみ行われ、旧作のような任意セーブ・ロードは不可能。 評価点 やたら充実した本編以外のお楽しみ要素 序盤はお楽しみ要素がかなり作りこまれており、「小便を済ませる」「冷水機で水を飲む」「目玉でサッカー」「自販機で買ったジュースを飲んでポイ捨て」「ピンボールやビリヤードに興じる」「ホワイトボードに絵を描く」「自社ビルに来たファンの子供のためにマウスでサインを描いて渡す」「ボスの金○潰し」などのプレイヤーが行動可能な小ネタが多い。「素手でネズミを掴み、電子レンジに放り込んでチン」などのなんで実装したのかよくわからない要素もあり、『3D』に存在した「干渉可能なオブジェクト増加によるマップ密度の濃さ」という良さは一部受け継がれている。 前述の「エゴ」もこうした一部手段で上昇するシステムとなっており、小ネタにニヤリとしつつ主人公の強化という恩恵も得られるようになっている。 しかしエイリアンとの戦闘が激化する中後半戦ではあまりそういった要素は見られなくなってくる。これは前作においても共通している。 よく喋る主人公Duke 『3D』同様にJon st. John氏を起用しており、非常に良く喋る。声のトーンもキャラクター像と合致しており、雰囲気を盛り上げる名役者としてファンからは評価されている。 問題点 「ジョーク」を逸脱したジョーク 『Duke Nukem 3D』の時点でストリップバーやポルノ映画館など卑猥な要素は多かった。1996年という時代もあり当時はそれは許されていたが、本作では時代が変わったにもかかわらずそれらのノリが更にエスカレート。2011年ともなるとこうしたゲームは問題視されるようになっており、下品な要素や女性蔑視な内容が批判・規制の対象となった。 特に問題視されたのが「ベイブ(美女)」関連の要素。ベイブ自体は『Duke Nukem 3D』の頃から存在していた要素で、救うべきヒロインとして登場する反面エイリアンに寄生され殺してくれと懇願する隠し要素があるなど当時から扱いは酷かった。 本作は1996年当時は許容されていたそのノリを悪い意味で継承、結果「女性たちの泣く声が木霊する洞窟に入り、エイリアンに強制的に妊娠させられた女性たちを皆殺しにする(*4)」「シリコン状の乳房のような塊がブドウのように通路に垂れ下がり、叩くと白い液体を出す(*5)」といった何かを履き違えた演出を通常マップに堂々と盛り込んだ。当然のごとくこれらは問題視され、嫌悪感を抱くとして人権団体のみならず多くのゲーマーやレビュアーから批判された。 これ以外にもモラルの欠如したブラックジョークが多く見られる。そうでないジョークであっても延期続きの結果2000年代初頭のアメリカでしか通じないネタが多分に含まれることとなり、本作の古臭さを加速させてしまうこととなった。 時代遅れのグラフィック 初期に製作された部分と後期に製作された部分が混在しているためグラフィックにはかなりの上下差があり、2011年の水準に達しているものもあれば後期PS2レベルの部分もあるなどやや安定していない。 作中平均で見ても古臭いレベルであり、フルプライスの商業FPSとして同時期の『Call of Duty Modern Warfare 3』などと比較され酷評された。 ちなみに、ゲームエンジンも最初はQuakeIIエンジンだったのだが、「アウトドアの描写に強い」との理由からUnreal Engineに変更されている(*6)。 単調・劣悪なレベルデザイン 狭い一本道通路に爆発武器を抱えた敵を配置した結果ダメージを食らう前提となったり、ワープする敵を序盤から登場させた結果初見殺しの箇所が増えたり、そもそも登場する敵が少なすぎて爽快感が得られない箇所が多かったりとFPSとしての出来に粗が見られる。 パズル要素などで補ってはいるものの、前作の評価点であった大雑把かつ爽快感のある撃ち合いの要素は本作では削られてしまっている。また、プレイヤーの誘導に関しても不親切さが目立ち、正しい道がわからず迷子になることもしばしば。 蛇足感のある乗り物要素 道中でモンスタートラックなどの乗り物が登場しこれに乗って進むことができるのだが、このせいで一部マップが無駄に広いと不評。Build engine作品にも乗り物は登場していたが、扱いは部分的なギミックとしてのものが多く移動手段としては用いられていなかった。 乗り物に乗れるからといって『FARCRY』のようにルート選択の自由度や銃撃の際の戦略性が向上するわけでもなく、結局のところやることは変わらない。 ロードが長い 無駄に広大なマップやパフォーマンス調整不足などが祟り、当時としては異例のロード時間となっていた。一部レビュアーもこれに不快感を示し、本作の問題点の一つとなってしまった。 CS機版の方は「最低30秒、長いと50秒」と非常にストレスがたまるレベル。ただし、PC版はそこそこ速く、パッチでも一応改善はされている。 また、ローディング画面には「困ったらWEBのFAQを見ろ」とメッセージが出てくるが、公式サイトを見てもそんなものは存在しない。 攻略サイトを調べてみろというジョークかもしれないが、あまりに投げやりなアドバイスである。 敵の種類やバランス エイリアン軍団との戦闘がゲームのメインなのだが、雑魚敵は数も種類も少ない上AIも練られておらず単調な行動しか取れない。『3D』の時点でそういう仕様ではあったのだが、2011年の平均的な敵AI水準を考えると粗末なレベル。 ボス戦も上述のシステムのせいでわざわざフィニッシュムーブを決めなければいけなくなり、ただHPを削れば爆発四散してクリアだった爽快感のある『3D』と比較するとテンポが悪い。 総評 『1997年のPV内容のまま2000年初頭までに発売できれば高評価を得られた』というほかない作品。同時期の作品となったはずの『QUAKE II(1997)』『Half-Life(1998)』などと1997年のPVを比較しても遜色なく、延期せずに発売できていればここまでこき下ろされるどころか高い評価を得られていたであろう内容である。 後述のベーパーウェア賞皆勤などでゲーマーがネタにした結果「長期間延期が続いた作品」という情報だけが独り歩きし、Gearbox softwareによるライセンス獲得・開発・販売時は『あの話題作がついに販売されるのか』と北米のDuke Nukemシリーズ愛好家のみならず一般FPSプレイヤー間でも非常に注目度が高かった。 しかし蓋を開けてみれば、出てきたのはややチープさの否めないグラフィック、時代遅れで通じなさ過ぎるパロディ、下品かつ不快なジョーク、単調でつまらないストーリー、出来の悪い武器システムやレベルデザイン、安定しないパフォーマンスやプレイヤーを突き飛ばすような広大かつ不親切なマップなどシリーズ最新作としても、当時の一般的フルプライスFPSとしても「出来が悪い」と評価せざるを得ない内容であった。 現在では開発の長期化、及び復活後の急ピッチ過ぎる製作が作品を完全に出来損ないかつ時代遅れにした、他に類を見ない期間の開発失敗例としてFPSゲーマーの間に記憶されている。 日本語移植版 Duke役に立木文彦氏(*7)を起用した家庭用バージョンが2011年8月に発売される予定だったのだが、PC版の発売後に突如2012年3月に延期。そして販売価格も7,140円から5,980円に変更されたものの、後述するがこの時既にPC版の価格は300円ほどになる大暴落を起こしていた(*8)。 誤訳、頻発する処理落ち、長いロード時間、でかすぎる必要HDD容量、理不尽なオートセーブなどが批判の対象となった。 極めつけは公式のサポート放棄。当時既にPC版に当てられていたパッチすら当てずに発売し、その後もDLCはおろか修正パッチすらも配信されなかった。このためPC版で修正されたロード時間短縮や武器所持数の増加といった改善は一切なし。 ただでさえ過疎だったオンラインサーバーも海外サーバーとの隔離を発売日に発表、日本人同士でしか対戦できず、発売一ヶ月のスコアランキング上位者のうち1時間以上オンライン対戦をプレイしたのはたったの20人。30分オンライン対戦できればランキング上位に登れるほどの過疎地帯と化していた。 これらの要素がクソゲー認定に足ると判断され、2011年度KOTY決定直後のKOTYに投下。見事(?)KOTY2012の次点を勝ち取った。KOTYの記事はこちら。 余談 発売の経緯について 前述の1997年の発表以降、ニンテンドウ64などではスピンオフ作品は発売されたものの肝心の『DNF』については1999年 → 2001年 → 2003 → 2009年と延期と開発中止・再開を繰り返し、次第にゲーマーの間で「永遠に発売されないゲーム」として扱われだす。 ファンの間でも、略称の「DNF」を捩った「Do Not Finish」や「Duke Nukem Never」の愛称(?)で呼ばれ、発売されないゲームを表彰するベーパーウェア賞を皆勤受賞するといった扱いを受けてしまう。 2009年5月6日には「Duke Nukem」シリーズの3D Realms社が業績悪化により大半の従業員を解雇。社内の全てのゲーム開発が停止してしまい、一旦「DNF」の開発は暗礁に乗り上げる(*9)。 しかし、翌年の2010年9月には元3D Realmsで『Duke Nukem 3D』の開発メンバーでもあったランディ・ピッチフォード氏がCEOを務めるGearbox Softwareが過去作を含む全ての版権を獲得したことを発表。 開発を密かに続けていた元3D Realmsの開発メンバーもTriptych Gamesを設立して、Gearboxに再度雇われる形で急ピッチで開発が進められ2011年にようやく発売にこぎつけたが、上記の内容もありファンやゲーマーからの批判が相次ぎ駄作扱いとなる。 当時はフルプライスだったものの売り上げは予想の半分と伸びず、発売半年以内に9割引き、ゲームレビュー集積のmetascoreで100点中54点、1UPに至っては史上初となる100点満点中0点を叩き出し、GameTrailersからは「恥知らずの忌々しい後継者」と酷評され、米amazonでは低価格で叩き売られるなどの扱いを受け、シリーズの展開に終止符を打つ形となってしまった。 本作に否定的なレビューを寄せた多くのレビュアーに対し、ゲームの宣伝を担当するPR会社The Redner GroupはTwitterで声明を発表、「ゲームを批判したレビュアーは将来の新作レビューへのアクセスを取り消す」という脅迫じみた内容が物儀を醸し、当該ツイートは削除された後に謝罪が行われた。 あまりの出来の酷さに怒ったファンが発表当初の本作をDuke Nukem 3Dで再現するMODを手掛けるに至った。 2001年にE3トレイラーで公開されたバージョンのビルド版が2022年5月9日に何者かの手によりリークされ、当時の開発元のスタッフ同士で責任のなすりつけ合いに発展した。 3D Realmsは本作の開発停止直後に最小の人員だけ残し、会社組織を再編成している(*10)(*11)。 再編成後は小規模な開発プロジェクトへの協力とパブリッシングのみに業務転換した。同時に3D Realmsが保有していた旧作の権利もいくつか売却している。 その後、2014年にデンマークの持株会社であるSDN Investに買収され、同時に拠点をデンマークに移している。 2021年にはスウェーデンのゲーム持株会社であるEmbracer Groupの買収を受け、グループ企業であるSaber Interactiveの傘下に加わっている。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8869.html
Hentai vs. Evil 【へんたい ばーさす いーびる】 ジャンル TPS 対応機種 Nintendo Switchプレイステーション4プレイステーション5 メディア ダウンロード専売 発売元 eastasiasoft 開発元 Axyos Games 発売日 2021年11月11日 定価 1,000円(税込) レーティング CERO D(17歳以上対象) 判定 なし 備考 パッケージ版は欧州のみ販売海外switch版のみ成年向け要素有 ポイント 投げやり過ぎるタイトル若干ヘンテコなカスタム要素お色気要素がやや弱い 概要 特徴 ツッコミどころ 評価点 問題点 総評 概要 eastasiasoftから発売されたお色気ゲーム。 Axyos GamesからSteamでリリースされた『Hentai vs Evil Back 4 Waifus』が原作と思われる。 なお、本記事では暫定的にeastasiasoftから発売されたCS版のみ取り扱う。 特徴 本作にストーリー的なものはない。ただ単にセクシーな女の子を操作してゾンビやリーパー(死神)を倒していくだけのゲームとなっている。 操作方法 右のトリガーボタン(ZR/R2)で銃で射撃。 左スティックの押し込みでダッシュ可能。 ゲームモードは大きく分けてレスキューとサバイバーの二つが存在する。 レスキューは一定数以上のリーパーを倒して、ケージに捕らえられた女の子を救出していく。救出した女の子はプレイアブルキャラクターとして使用できる。 サバイバーはその名の通り、ライフが0になるまで、ひたすら敵を倒していくだけのモードである。 銃などの武器はマップ上に落ちており、拾うことで使用できる。 ハートマークのついた箱を取得するとライフが回復する。 ツッコミどころ あまりにも投げやり過ぎるタイトル。 恐らく、タイトルを見た誰もが気にするであろう『Hentai vs. Evil』という適当に命名したとしか思えないタイトル。 ちなみに「Hentai」とは、海外では日本製(もしくは日本風)のエロコンテンツを指す俗語であり、日本語の「変態」とは意味は全く違う。 前述した通り本作は「セクシーな女の子を操作して敵を倒していく」ゲームなので、あながち間違っている訳では無いが、もう少し捻ったタイトルにはできなかったのか…? 操作キャラクターのカスタムができるが、それが少しおかしい。 胸や太ももの大きさを変えることができたりと、お色気ゲームとしては妥当なものもあるが、以下のような変な部分もある。 肌の色を変えることができるが、褐色など現実的なものはともかく影や墨のように真っ黒な色や敵のゾンビと同じ緑色等、肌の色としては変な色が混ざっている。 髪型もいくつか変更することができるが、その中につるっぱげの髪型が混ざっている。 尤も、カスタムができるとは言ってもそこまで自由度は高くないので、過度な期待はしないほうがいい。あくまで「着せ替えの一部に変なものが混ざっている」程度。 評価点 TPSとしてはそこそこ遊べる。 右スティックで狙いを定めて撃っていくTPSの基本は押さえている。 「クリアタイムやハイスコアを記録等してくれる」といった、最低限ゲームに求められるものは備えてある。 問題点 実はお色気要素はあまりない。 「Hentai」というタイトルから、お色気要素を期待してしまうが、実のところ本作はそこまでエロに特化した内容ではない。 お色気ゲームにありがちな「女の子の服が破ける」とか、そういう要素も無し。 強いて挙げるなら、「水着姿の際に乳首の形が浮き出ている」というくらい。尤も、グラフィックがチープなのでそこまで嬉しくはないが。 なお、switchの海外版は普通に脱げる。勿論、 おっぱい丸出し 当たり前! ボリュームが少ない。 1,000円という低価格を考慮しても、ボリュームは少ない。 レスキューモードで女の子を助け出した後はサバイバーモードでスコアを稼ぐことぐらいしかできない。 総評 目を引くタイトルではあるが、悪い意味でタイトル通りのゲーム内容である。 肌の色を真っ黒や緑に変えることができる等、若干変な要素があるのでそれをネタにして楽しむこともできるものの、バカゲーと評する程のインパクトはない。 お色気要素も、セクシーな女の子を着せ替えたり操作できるだけと若干弱めなので、お色気目的で本作を購入することはおすすめできない。 定価も1,000円と低価格でTPSとしては最低限遊べる内容ではあるので、遊んでいて苦痛になるような「クソゲー」程ではない出来なのが、せめてもの救いだろうか。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/826.html
2021年総評案1(修正稿) 大賞 Cuteness is justice 【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1643644901/ 45: 総評1 ◆kpIy6y/jcA :2022/02/17(木) 00 31 22 HOST 12.242.12.221.megaegg.ne.jp 修羅の国で開催されし闇の祭典KOTYeも13周年を迎えた2020年は、場外ホームランこそ出なかったものの毎月葬者を出し22本ものヒットが飛び出す乱打戦となった。 見付からなければセーフと言わんばかりにルール無用の手抜きが横行し、挙句の果てには一般観客まで巻き込んだ歴史に残る場外乱闘まで飛び出した2020年度KOTYeは、胸糞主人公と地雷ヒロインによる最凶バッテリーが投じた魔球を渾身の自己満ルビを乗せたフルスイングで打ち返してバットごとボールをバックスクリーンに叩を込んだ『LOVE・デスティネーション』が満場一致でMVPに選出されて幕を閉じた。 また、場外乱闘についてもルールに基づいて判定するとした厳格な矜持を示し、『クソゲーとは何か』について改めて考えさせられた一年であったとも言えるだろう。 2021年度は昨年に引き続き、開幕から話題はあれどもめぼしい獲物は現れず、ハンター達は束の間の休息を堪能していた。 だが歴戦のハンター達が油断して武器の手入れを怠る事は無い。 雪解けの季節である3月、初の獲物は冥界から届けられた。 使者の名はウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』(冥契) 「可愛いヒロインたちとの幸せを追い求める、青春譚」 「恋焦がれるほど求めてしまう、恋愛譚」 「虚構が織りなす、切なくて恋しい、幻想奇譚」 と謳った本作であるが、その内正しいのは一番下のものだけである。舞台は現実世界で起こった悲劇から逃避する為に作られた幻想世界であり、主要な登場人物の多くは故人であって只の舞台装置の役割である。 安易な救済等は無く、キャラクターを攻略する都度不幸な真実が少しずつ判明してプレイヤーに鬱を刻み込んでいく仕様は青春や恋愛を求めた人には苦痛となった。 とは言え、このメーカーはこういう作風と理解する者も多く、鬱要素を除けば全体的に高品質とも言え評価は決して低いものでは無かった。 『クソゲーとは何か』 今年もこの命題との闘いの幕開けでもあった。 続いて4月には魔王スワンの落胤Calciteの『女勇者と幻想カジノ』(幻想カジノ)が巡回中のハンターにイカサマを見抜かれて御用となった。 転生ファンタジーとギャンブルゲームとエロを融合させようとした本作であるが、その全てが中途半端だった為、悲惨な合体事故が発生。 まず宝くじに当たった事でショック死して転生という流れが意味不明でストーリーにあまり生かされていない。ギャンブル依存症だった前世の記憶が蘇ったはずなのにギャンブルの知識が初歩レベルだったり、イカサマもカードにキズを付ける程度で底が浅い。 ギャンブルゲームとしてミニゲームも用意されているが、これもショボくてつまらない上に勝利数で変わるCG回収の為の手間を掛けさせる。 さらにエロは本番が少ない上にCGの使いまわしまで指摘される始末で手に負えない。意欲は伝わってくるが中途半端であった事から結果としてまるで良い所が無く、これでフルプライスでは価格がインチキであると言わざるを得まい。 GWにはevollが『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』(どすけべ生活)で昨年に引き続いて参戦を果たす。 昨年は絶品バーガーでクソのポテンシャルを見せつけたevollであるが、その腕は錆びるどころか研ぎ澄まされていた。 この作品最大の問題点はシナリオ。借金苦でバスジャックした主人公。 ところが強姦した筈のお嬢様たちは全員ビッチで、少女の口車に乗せられて、最終的には変態お嬢様3人から凌辱してくれないと警察に通報すると脅されて子行為に及び、挙句の果てにはエッチの採点をされるといった電波なシナリオが展開される。 「とっても明るい」「夢の」どころか非現実過ぎてどう見ても狂気の沙汰。 どうしてこうなったとあるが、それはこちらのセリフで、どうやったらこんなシナリオが作れるのか問い正したいレベルである。 勿論寒いギャクも健在で絵・塗り・BGM・システムと、前作の悪かった部分はきちんと踏襲しつつクソゲーとして更なる進化を遂げていた。ミドルプライス故に内容が薄かったのがせめてもの救いか。発売から4日間でKOTYeにダンクシュートを叩き込まれたのも納得である。 続けて6月にもSUKARADOGが『家出ギャルを拾ったので育ててみた』(家出ギャル)でまたもや参戦。 前作はエロは安定ながら最初からビッチだったというコンセプト詐欺であった。 本作は昔弱みに握られて馬鹿にされていた家出中の元教え子の女生徒を暴漢から助け、家に泊めて性交渉を強要し、何だかんだで同棲するから始まる。では育てるのだろうか? 答えは育てない。主人公は根暗のオタでヒロインはビッチ。気付けば仲良くなってて和姦と不快寄りではあるが絵は比較的安定で凡な抜きゲーだった、これで終われば・・・ だが本作最大の問題点はシステム部分にあった。音声やインストールの不具合もさながら、『マウスの左クリック以外の操作が出来ない』という新型兵器を投入して来た。マウスホイールどころかキーボードのエンターキーすら使わせない鬼畜仕様。低価格帯の抜きゲーで抜きたくても物理的に抜かせないこの仕様はあまりにも斬新で、右手を負傷した選評者により発売から約一週間で被害届が提出されてしまった。 順調に獲物を狩るハンター達であったが、大型魔獣達との約束の刻が遂にやって来る。お待ちかねの収穫祭の始まりである。 まずは壮大な延期でフラグを立てていたPanacheの『ぱられるAKIBA学園』(ぱら学)との対決である。 これも典型的な転生モノで、異世界に飛ばされた際にチート能力を与えられた主人公が、魔王と戦っていた4人の勇者パーティ(ヒロイン)の所に現れ、一撃で魔王を倒す所から始まる。ここまでの演出はムービー等中々の力作であったが、褒められる点はここまでである。 その後は転送されてきた主人公の部屋にあったオタクグッズを使い、褒美として擦り付けられた荒廃した土地の発展の為にオタク文化を広めようという話になるのだが、ここからいろんなものがグダグダになる。 まずストーリー。国創りとか経済とか設定が粗削りというよりいい加減で主人公の適当な案で難の問題も無く問題が解決して強引に話が進んでいく。チート能力とか勇者とか関係無し。 キャラクターもヒロインも設定や個性がブレまくり、性格が変わったり膜復活とか支離滅裂。世界最強の戦力というよりは只のヲタで、話が進めば進むほどに重症化していき魅力が削がれていく。 元メーカーが3Pを売りだったでエロに救いを求めても巨乳なのにパイズリが無いとかエロ方面ですら悲鳴を挙げる者まで現れた。 一応ヒロイン選択型なのだが、事実上最後の一回以外共通部分と呼んで差し支えなく、個別ルートは最終話のみ。他の内容はエロ以外は消化試合でヲタの女子会程度のもの。なろう系のなりそこないの見本のような仕上がりで、残念を箱一杯になるまで詰めてみたような一品であった。 次いで今度は別の勇者一行がハンター達の前に立ちはだかった。だがその正体は変幻魔法で勇者一行に化けた魔物だった。 魔物の名はキャラメルBOX いちご味の『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』(下戸勇者)。 酒が飲めない下戸だった主人公勇者がボッチでチートになるまで旅を続けていたら他の勇者に魔王が倒されていたので、やる事が無くなった主人公は女だけのパーティ-を作って好きな事やろうというのが本作のストーリー。 この勇者は様々なチートスキルを以てハンター達に猛攻を仕掛けてきた。 まずはアリエヘン等ドラクエを捩ったと思われるパロネタのオンパレードでハンター達に吹雪を浴びせて来る。数打てばどれかは当たるだろうと思ったのかも知れないが、その全てがくど過ぎて台無しになっている。余りに多過ぎると意味の理解に時間を割かれる上、知らないものだと意味不明になる。ちび魔女の呪文に至ってはゆっくり聞き取りしないと元ネタすら分からずテンポが割かれる上、結局つまらぬ代物。こうしたネタが余りにも多すぎて寒いというより凍えるレベルでもはや極大冷凍呪文である。 これに不自由なシステムが無慈悲な追い打ちをかける。古臭くて使いにくい上に未読判定機能の無いスキップ、終了確認無しでいきなり終わる×ボタンに加え音声バグやフリーズまで完備し、老舗たるキャラメルBOX製だという事すら疑われる始末。 エロはそれなりにあるとは言え、アヘ系のエロである上に特殊プレイが多く、エロシーンまでギャグ方面に走ってしまった事もあり実用性が低く、カカシまで混じる始末。 どこかの大魔王さながら勇者による天地魔闘の構えから繰り出される、テキスト・システム・エロの攻防一体の超技。討伐に当たったハンターからは犠牲者の墓標に二本の選評が捧げられた。 続いてこちらも魔王スワンの落胤にて2019年、2020年と連続して次点作を排出したKOTYe界のプリンス、ももいろPocketから『新作ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』(陰陽師)が今度こそ王座を奪取すべく約束の地に降り立った。 もとより大将首との期待値も高く、一番槍の手柄を目指してハンター達は我こそはと突撃。発売から二週間足らずで陥落させ、選評者による首見分が行われた。 本作の大まかなあらすじは妖怪によるエッチで変な呪いが陰陽師である主人公の精液で解ける事が分かり、問題解決に当たりながらヒロインと仲良くなるというもの。やや強引さはあるが、そもそもココにシナリオを期待する方が間違いである。 最大の問題点となったのは『手抜き』。普通のCGの一部を使いまわすだけでも酷いが、立ち絵を切り抜いて使うという荒業まで駆使してコストの削減に努めている。見た目のCG数は60あるが、実質的には約半分が使いまわしのハリボテで伝説の銃騎士級と称された。 他に選択肢がノーヒントでCG回収に余計な手間を掛けさせる、服装が何故か現代風、背景が荒いといった地味な嫌がらせ要素に加えてフルプライスであった事もあり、一線級の大将首と認定された。 なお本作は8月末発売の新作でありながら、年末には諭吉10本セットに出され,実質1,000円という怪挙も成し遂げたが、それでも損した気分との声まで挙がった。 大物を狩り安堵していたハンター達であったが、今度は本陣に奇襲の報が入り、慌てて駆け付ける事になった。 奇襲をかけてきたのは歴史原作物で定評のあるインレの『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』(GIKEI)である。 本作は源平合戦を題材とした作品で主人公とヒロイン二人が現代からタイムスリップし、それぞれ源義経、静御前、朧の方としてその時代で役割を演じていく。 過去作同様複数章から成り、タイムリープを繰り返して進行していく。本作は三部構成。第一章は概ね史実通り、第二章は義経生存説の伝承を元に進む。ここまでは蘊蓄の多さとエロの薄さに不満の声はあっても概ね良作とも言えた。 問題点は最終章。ここから呪いや妖怪等が登場し、全く別の作品に変貌を遂げる。最終的には超サイヤ人みたいなチートキャラまで登場し、大ボス倒して現代に帰りハッピーエンドである。 元から最後の超展開がお家芸のメーカーではあったが、受け入れられるかは別の問題。これも全体的には高評価の声も多い作品ではあったが、クソ認定されても仕方無いものでもあった その後、あまりの見た目の酷さから「見えてる地雷」と注目されていた作品がSAN値直葬でKOTYeに届けられた。 新ブランドVanille Macaronの『Cuteness is justice』(cuteness)である。 エルフの王国を題材としたファンタジー世界で、一時期流行したプリンセスメーカーの様な育成(調教)PRGであるが、本作はその売りとなるべきゲーム性を取り巻くありとあらゆる要素に問題を抱えてしまっていた。 まずは真っ先にCGのレベルの低さが目を引く。事前公開されていたCGからしてどう見ても商業作品とは思えないレベルで、エロCGから敵モンスターに至るまで同人作品級、下手したら同人の方が上とまで称された。 更にこのゲームには公式HPどころかパッケ、取説のどこにも攻略情報が存在しない。プレイヤーは手探りでゲームを進める他は無く、育成した数値が足りないと簡単にゲームオーバーになる。唯一の情報はBugBugの商品紹介記事で必読とまで言われた。数値及び実績によってエンドが分岐するが、当然その情報もない。 加えて使いにくいシステムが追い打ちをかける。先述の要素もあってこのゲームにはトライアル&エラーが必要であり、エンド数に相応する程度はセーブスロットがあってしかるべきだが、その数は10と圧倒的に足りない上、特定の場所でのみしかセーブ出来ない。ゲームの挙動も遅く、これが本作の苦痛度を劇的に跳ね上げる事に成功している。 テキストも舞台説明が乏しかったり語彙も無い上、句点の位置とか日本語としておかしかったりして読む行為にすらストレスを与えて来る。 そして最大の問題は、この品質にしてフルプライスであった事である。熱意は伝わって来た、つまらなかった訳じゃない、同人なら許せると擁護する声も散見された本作であるが、これについては最後まで擁護の声が出る事は無かった。 なお、恐ろしい事に本作は三部構成であり、これが第一作目である。パッケージ版には二作目で使えるシリアルキーが封入されている。これを踏んた人の為にも続編はライターと原画家とグラフィッカーとスクリプト技術者と価格を見直して頂きたいものである。 大物討伐の報に湧いて宴を開いていたハンター達であったが、同日に発売されていた別のエルフも獲物として狩られて来た。 獲物はNorth Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』(エルフ嫁) 1人でキャンプしていたら何故かエルフの国に迷い込み、エルフの女から魔力(精力)をくれと言われてハーレム状態になるという話である。 異世界ものなのだが、主人公は若返って青年になったおっさんで兎に角ウザく、基本話は食べ物とエロで進む。 異世界に学園とか要らないし、お嫁さんとあるが結婚もドレスも孕みも無い。 エロは巨乳一点突破型でCGも良質でそれなりに数も豊富、一部はアニメーションまで使っているので刺さる人には刺さりそうなのだが、大変残念な事にプレイ内容が似偏っており、誰を選んでもシナリオに変化が無くて個性を消し飛ばし、長所である筈の部分を台無しにしている。さらに主人公の精液が目的なので話の整合性に問題は無いが、舐めるだけで射精とか男の下半身を理解しているのか疑う描写もある。 この残念さで選評者をして「あらゆる層からのヒットを避ける魔球」と絶惨された。 選評ラッシュはまだ続く。 QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』(誤報死)が有毒植物である事が報じられた。 1月に発売され、つまらないシナリオと使いにくいシステム、挙動の重さ等で話題になっていた作品であったが決め手を欠き、ギリギリセーフとして見逃されていた作品であったが、挙動の重さの原因を突き止めたハンターによって有毒成分が判明。誤食されないようにと駆除される事となった。 本作は寂れていく温泉街に住む主人公の元に神様が現れ、悪魔を更生させて欲しいと依頼されて一緒に生活していくというお話。 CGやエロは良いが、まずはシナリオが凡過ぎて酷くつまらない。 更生といっても悪魔二人は全然悪魔らしくなく寧ろいい子で、ただいちゃついているだけ。天使も只のポンコツ。地元商店街の連中は主体性の無いクズで、主人公の適当な案で簡単に客が増えていく。要はヒロインの色気でお客さん集めて活性化しようっていう凡なお話。 前作までとライターが変更になっており、その内の一人がママⅡのライターだった点も影響しているのかも知れない。 システムもセーブ・ロードの際にいちいちポインターで動かなければならず、地味なストレスを与えて来る。 最後の挙動の重さについてが最大の問題で、フレームレートが無制限となっており、PCに強烈な負荷をかけるものだと判明したのである。現状では不具合の報告は上がっていないものの、PCクラッシャーとなる可能性を否定出来ない以上、危険物として駆除されても仕方あるまい。 祭の締めはCalciteの『ニート娘を更生させよ!~性技があれば生きていける~』(ニート娘)が本年度二発目の不義理を以て勤める事となった。 ニートを更生させるニート更生員となった主人公が、ニートの娘三人をエッチなご褒美で更生させようというのが大まかなストーリーである。 本作はミドルプライスなのだが、その総容量は脅威の302MB、プレイ時間にして5時間前後である。この時点で伝説の魔物共を彷彿させるが、その中身も期待を裏切らないものであった。 シナリオは選択肢は最低限で、分岐の基本は恋人エンド1~2と風俗堕ちエンドである。だが、容量削減の為にヒロインとの交流等日常シーンの省略が目立ち、感情移入を困難にしている。 エロシーンはCG40と見た目はギリギリセーフに見えるが、テキストとボイスが極端に少ない。抜きゲーにとって重要なポイントで、抜く暇もなくシーンが終わってしまっては元も子も無い。我々は聖上では無いのだ。 この酷さでクイックロードとシーン回想に不具合まで搭載し、説明書記載の操作方法にすら誤記がある始末。過去の手抜きの抜きゲーと比較しても屈指の一作で、魔王の落胤の実力をまざまざと見せつけた。 長き祭も漸く終わり、ハンター達は鋭気を養うべく後夜祭の準備に入る。 年末間近にまずはシルキーズの『ふゆから、くるる。』(ふゆくる)が口火を切った。 本作は四季シリーズとして別メーカーから発売されていた作品であったが、諸事情により最終作はシルキーズからの発売となった。 ライターである渡辺僚一氏は過去作でもそうであったが基本何かを仕込む作風であり、緻密なシナリオと予想を裏切る展開は賛否両論はあれど高評価を受けており、本作も同様で はあるるのだが、今回は仕込んだモノが悪かった。 学園SFミステリーADVとの看板には偽りは無い。ミステリーと称する以上事前に公開出来る情報は限られている事も理解は出来る。百合については事前情報から推測可能ではあった。 だが、「ふたなり」は流石にどうかと思われる。事前情報との乖離は立派なクソ要素。百合を求めた人、普通のエロを求めた人の双方にとっては地雷認定されても文句は言えまい。 年が明けて残敵掃討期間である1月の中旬にはCIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』(DC4PH)が打線を繋ぐ。 本作は一般作品として発売されていたダ・カーポ4にエロを追加した作品である。原作は割と高評価であったが、今作はそのエロの追加の仕方に問題を抱えていた。 一般部分をそのままにして最後にオマケ程度のエロを追加しただけなのに加え、そのエロもCGの使いまわしだったのである。売りであった筈の肝心のエロで手抜きを行っては移植の意味が無い。原作プレイ済みの人からしたら許されない仕打ちであっただろう。 最終日前日、ハンター達は狩り残しが無いか再確認を行う。その結果、最終日にはもはや恒例となりつつある駆け込み選評が二本、追加選評一本が届けられた。 駆け込み選評の一本目はPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』(プリシス)。 エロについては高品質な本作であったが、そのエロを繋ぐシナリオ部分が凡過ぎる上に無駄に長く、空気を超えてゴミと苦痛のレベルに達している事が問題とされた。これを万超えのオーバープライスで掴まされたら腹が立つ者がいても不思議は無い。 続いて下戸勇者の追加選評が投下され、駆け込み選評二本目にして2021年度の締めくくりを勤めたのはDESSRT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』(トメフレ2)であった。 シリーズ物である以上、前作との比較は当然される訳であるが、本作は前作の問題点であった冗長な展開を短くして改善したのは良かったが、同時に長所であったヒロイン描写までもが削減されてしまった。その分ハーレム描写が強化されているのなら辻褄が合うがそうではなく、結果的に前作から見て劣化ゲーの印象となってしまった。 以上、2021年度のエントリー作16本の紹介を終えた所で、次点及び大賞の結果発表を行いたい。 次点は 『ぱられるAKIBA学園』 (ぱら学) 『下戸勇者 ~酒は飲まねど酒池肉林!』 (下戸勇者) 『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』 (陰陽師) そして栄光の大賞は 『Cuteness is justice』 (cuteness) に捧げたい。 「クソゲーとは何か」 2021年度は選評者からも「クソ」かどうかについて悩む声が多い年度であった。この命題については未だ明確な解答は得られていないが、納得出来ない「何か」があるからこそ人は不満の感情を抱く。 人それぞれに好みがあり、料理に例えるなら同じ料理でも「美味しい」と思う人がいれば、「不味い」と思う人もいる。美味しいと評判の店に行ってみて「こんなもんか」と思った経験は誰しもがあるだろうし、逆に誰もが不味いと言うものを旨い旨いと言う人もいただろう。結局はそう思う人が多いか少ないかの相対的評価の問題なのだ。 ではこれをクソゲーに置き換えた時、「クソ」と思う判断基準は何なのであろうか。 当然解答は一つでは無いが、ゲームはユーザーが楽しみたいという動機を以て金銭と時間という対価を支払って購入するものである以上、ゲームの製作者がユーザーに対して行った「約束」、与えた「期待」、そして求めた「対価」を裏切ったモノに「クソ」の烙印を押されるのは当然の摂理であろう。 それを踏まえてエントリー作を検証した際、次点以上の作品はその裏切りのレベルが一段上のものであった。 約束の期日を守らなかった挙句、掲げたコンセプトを放り投げて適当なシナリオとエロを購入者にぶつけた「ぱら学」 ユーザーの事を一切考えず、不自由なシステムと終始一人よがりの寒いギャグを購入者に浴びせ続けた「下戸勇者」 過去作からの反省など一切せず、CGの使いまわしによる手抜きに全力を傾けて購入者に一切の満足を与えなかった「陰陽師」 は一歩抜き出た作品として次点とした。 そして、訴えるコンセプトを表現する為の力量も無いまま、ユーザーに必要な情報と環境すらも与えず、手抜きと呼ぶレベルにも至らぬ品質の作品をフルプライスでぶつけてきた「cuteness」に栄えある大賞を進呈したい。 さて結果発表後ではあるが、今年の傾向として触れておきたいテーマがあり、追記させて頂きたい。 まずは「価格」とクソの相関関係の考え方についての疑問である。 大賞の選定理由の1つになった要素でもあるが、発売される新作はロープラが多くを占める今、この判断基準が分かりにくくなっている。実際つまらないと思われた作品でもこの値段だからと多くがスルーされたりしているだろうが、その中にいたクソを見落としていたりはしないだろうか。 また、近年ロープラでも純粋なクソさでエントリーされたり次点になった作品は存在するが、例えばcutenessが2,000円であったら評価はどうなっていたのかと考えると悩んでしまう。価格に関わらず「作品そのものから受ける苦痛は同じ」なのである。販売価格も普通は時間の経過と共に下がる訳で、安くなってから買った人はクソと感じなくなるのもいささか不自然でもある。『クソ』なものは『クソ』、これが真理ではなかろうか。 KOTYe界にはJksの様な分かり易い単位も存在はするが、これはCG数しか比較できない。 諭吉10本セットとかも多くなった昨今、購入価格に左右されずにクソゲーを見極める視点というものの必要性を感じる次第である。 そして選外にこそなったが「冥契」、「GIKEI」、「ふゆくる」、「DP4PH」のように市場の評価が高い作品のエントリ―についても触れさせて頂きたい。 昨年の話題作「まいてつLR」もそうであったが、正直「全体としては面白かったが、ここはクソ」という作品について、クソゲー扱いして良いのかについては疑問の余地がある。相対的評価を是として見るならこれらは良作でクソゲーではないからだ。 初めて触れた場合と過去作と比較した場合で作品の評価が変わる事は仕方が無い部分である。しかし、期待や約束に対する「裏切り」は立派なクソ要素である。ならばそれを見極めなければならい。 作品はシナリオ、CG、音楽、エロ、システム等様々な要素の集合体であるが、何らかの訴えているコンセプトというものが必ず存在する。鍵はそれを裏切ったかどうかである。 冥契は青春と友情、GIKEIは史実伝承、ふゆくるは百合、DC4PHはエロと確かに掲げたものの一部に対する裏切りが存在していた。ならばそれはクソ要素であり「クソゲー」と呼ばれる資格は有している。 とは言え、少し前まではこうした作品がエントリーされる事は無かった。これは当時は酷い作品が多かったからだが、KOTYeの選定基準は年ごとに異なる訳であり、こうした作品がエントリーされるようになったという事は作品全体のレベルが上がった証左なのかも知れない。だとするならばこれは喜ばしい事だとも思う。 最後にデビュー作で至高の冠を戴いた「cuteness」のセリフを借りてハンターの決意を示し、2021年度KOTYeの締めくくりとしたい。 KOTYe、待っててね このクソゲーを終わらせないと わたし、選評のためなら何でもするわ
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/498.html
2014年総評案4 大賞 新世黙示録 ―Death March― カスタムメイドオンライン 131 :総評案4 ◆e117Y.a2a2:2015/02/11(水) 05 13 07 HOST i114-187-38-51.s42.a016.ap.plala.or.jp 『明日もこの部室で会いましょう』の戴冠…2013年のKOTYeは衝撃と共に幕を下ろした。 絶対的門番による一党独裁時代…それに対抗すべく立ち上がった年末の魔物…年明け後に発生した前代未聞の最終戦争…『部室』の発掘とともに発生したパンデミック… そして最終的には、開幕から終始他者を寄せ付けず最底辺を独走していた前年王者が、勝利を目前にしながらぽっと出の名も無き修羅にまくられる… そんな誰もが予想し得なかった結末にスレは驚きに包まれた。 それ以外の作品を見渡してみても、鉄板だったはずのシリーズ作品や、良作を輩出してきた大手メーカーが大型爆弾を排出したり、 かといって無名のメーカーの作品が大量破壊兵器を有しているなど、クソゲー界のパワーバランスが完全に崩壊した一年でもあった。 最早我々プレイヤーは何を信じていいのかわからない…安牌などどこにもなく、どこに核地雷が埋まっているかわからない混沌… アーベル、softhouse-seal、スワンアイといったかつての王達の支配構造が崩れた後に幕を開けたのは、大手も無名も各々が我こそが王たらんと立ち上がり、血で血を洗う群雄割拠の戦乱の時代だったのだ。 2014年もきっと荒れる一年になる…そんな覚悟を胸に、スレ住民達は新たな戦場へと足を踏み出したのであった。 そんな中、我こそが一番槍だと高らかに名乗りを上げた騎士は、『きみと僕との騎士の日々 -楽園のシュバリエ』(きみ騎士)であった。 本作はCG、BGM、ボイスなどは高品質であるにもかかわらず、その全てをぶち壊しにしているのが『設定』の存在である。 本作の登場人物は『騎士』であり、それぞれ幼馴染や双子の姉、母などを救うために『決闘』に参加しており、その過程で主人公と結ばれていくというのがストーリーの基本骨格である。 ところがトゥルールートに入ると、『そもそも、幼馴染じゃなかった』『そもそも、双子の姉なんていなかった』『そもそも、母(ry』と、各キャラの根幹の設定が全て偽りのものであることが明らかになるのである。 本作の主人公は『相手に幻影を見せる』という能力の持ち主なのだが、どうやらこの能力はプレイヤーに対して常時発動されていたようだ。 このまさかのパジャマさんなオールフィクション展開と、イチャラブを謳いながらヒロインによってはトゥルールートでどうやっても救われないなどといった唐突な鬱展開も加わり、本作はめでたく一番手として認められるに至ったのであった。 なお、本作と時期を同じくして、騎士ものが次々と転び続けているという報告もあり、その中のとある発言が大変興味深い。 曰く、「騎士ものは地雷。神様ゲーも微妙」と。 スレに大規模なフラグがセットされたことを、その当時の住人達はまだ知らない。 その他、1,2月の作品としては、厨二病を窮めた主人公がニ○生主であるヒロイン達を『じゃんけんで勝ったからレイプ』などと適当な理由で蹂躙していく投げやりなシナリオと、 「じゅぶっ、ニチニチニチニチーー!」「ドクーーーーーン!! 大量の精液が散っていく」など個性的すぎる表現でAAまで産み出した『巨乳JK生主生ハメ生中出し』、 ヒロインをレイプした際に中に出すと社長にチクられ左遷されてBADENDだが、外に出すと感謝されてデレるという両極端すぎる謎二択な展開と、 『全自動腰振りマシーン』が『グチョップ、パコップ』とピストンし『ウドピュ~ウドピュ~』と射精する印象的なテキストで笑いを誘った『艶乳 ~ツリ目で淫らでヤバい秘書~』などがあった。 だが、これらのエントリーを経てもなお、スレには低調な空気が漂っていた。 それは絶対的存在感をもった『門番』の不在が原因である。 前年、前々年とスレに君臨した絶対的門番と比べれば上記の作品達ははるかに小粒であり、来たるべき怪物に備えて身構えていたスレ住民は安堵と共に拍子抜けすることとなった。 もしかしたら今年は平和に暮らせるかも…そんな淡い期待すら抱きつつ穏やかな春に想いを馳せる住民達であったが…もちろんこの修羅の国はそんなに甘くはなかった。 住民達はまだ気づいていなかった。増税と年度末という二つの蝕が重なる逢魔が時に合わせるが如く、二体の魔将軍を擁したKOTYe史上最大規模の軍勢が、今まさに侵攻を開始せんと怪気炎を上げていることに。 そして時は3月28日、ついに戦端は開かれた。 平和ボケし、油断しきっていたスレ住人を突如襲撃したのは、今までこのスレに存在していなかった形態の冥土服をまとった未知なる存在だった。 その名は『カスタムメイドオンライン』(カスオ)、スレの歴史を塗り替えるべく未来からやってきた恐るべきターミネーターである。 本作品は容姿や性格を好きなようにカスタムしたメイドさんとHなことをするという、非常に息の長いシリーズの最新作であるのだが、その最大の特徴はKOTYe史上初の基本プレイ料金無料+課金制のオンラインゲームであるということである。 エロを取り入れたソーシャルゲームというのはこの作品以前にもDMMなどで存在していたが、カスオがそれらのゲームと異なる点は、 『カスタムメイドオンライン ブルジョアパック 9800円』『カスタムメイドオンライン スターターパック 2980円』というパッケージソフトとしても販売されたという点である。 そもそもここに至る以前のクローズドβテストの時点からしてトラブル続きであり、まともにサービス開始できるのかという不安の中、パッケージソフトの販売に合わせてめでたくサービス開始へとこぎつけたわけだが… いざ蓋を開けてみれば、その実態はそもそもログインすらできないという商品として成立していないナニカであった。 開始してまもなくサーバーがダウン、その後もプレイはおろかログインすらできない状況が続き、挙句の果てには「ログインできた人はどうやったらできたかサポートに連絡してほしい」と公式が言い出す体たらくである。 この前代未聞の事態にスレは沸騰、今までの休眠状態から一気に活動期へと転換することになったが、そもそもプレイ自体が出来ないので検証も出来ず、 その実態の全てがシュレーディンガーという本作の前にはいかに歴戦のスレ住人をもってしても打つ手がなく、続いて襲い掛かった騎士の巻き起こす旋風に紛れるように姿を消すこととなった。 この後、5月の再検証を経て、最終的そのブラックボックスの全てが解明されるまでには永い永い時間を要することになる。 未知なる脅威の出現からわずか数時間後、困惑する住民達のど真ん中で次なる騎士の放った恐るべき魔弾が炸裂した。 「はなげかーにばる」という異国の言語による挨拶の声と共にスレを爆撃したその狙撃手の名は、エフォルダムソフトが送り出した『銃騎士 Cutie☆Bullet』(銃騎士,JKS35)である。 本作は中世っぽい世界にテクノロジーは現代相当かそれ以上、物語の舞台は学園で登場キャラは騎士というぶれっぶれの設定を携えた『騎士+学園モノ』であり、 同メーカーの『恋騎士 Purely☆Kiss』のシリーズ続編にあたる(話に直接の繋がりはない)。 しかし、前作が絵が良いと言われる以外は壊滅的な評価だったことや、体験版の時点でシナリオが絶望的なクオリティだったこともあり、丸出しの地雷として当初から警戒されていた。 こうした経緯から、プレイヤー達は『絵だけはいいんだし画集だと思えばいい』などと極めて低い期待値を抱いて突撃していったのであるが… まさかこの『騎士』が、跳び箱1段すら飛び越せないような虚弱体質だとはさすがに予想もしていなかった。 まず本作のシナリオについてだが、端から期待されていなかったとはいえ予想通りの悲惨な出来であった。 ストーリーの骨子は、ブルボン王国の銃士隊『白薔薇学園』に所属する主人公とヒロイン達が、黒幕の陰謀により銃器密造の嫌疑をかけられて解散の危機に追い込まれ、 世間を騒がす怪事件に立ち向かっていくというよく言えば王道な展開なのだが、ほぼ全ての事件で黒幕がライバル部隊『赤薔薇学園』の隊長であるなど、見え見えすぎる展開は王道を通り越して陳腐に成り下がっている。 まあこれだけならただの駄シナリオですんだのだろうが、本作はそれに加えてギャグとシリアスの高次元な完全融合を達成することで新たな境地に達することに成功した。 まず主人公達が立ち向かうべき怪事件の内容からして、『女性の乳頭が黒く塗りつぶされる事件』『ハンバーガーに毒物が混入され食べるとホモになって社会が混乱』などといった意味不明さであり、 これらの事件の裏で糸を引く黒幕の動機が、『仕事をサボってジムに行こうとしたのを主人公の父親に止められて恨んでいたから』というどうしようもなさである。 さらに『白薔薇学園』の元隊長である主人公の父親が病に倒れ、妻と息子に学園を託すという本来感動的な場面であっても、その死因が『本当は病気は治っていたがピーナッツクリームのサンドイッチを食べてアナフィラキシーショックを起こした』 であるなど、本来シリアスであるべき場面にすらあらゆる局面で滑ったギャグがもれなくセットになっているのである。 そしてこの新技法の極致ともいうべき存在が、作中のヒロインの一人サラの話す、『キサルビナ語』である。 このヒロインは異国キサルビナからの留学生であり、作中の舞台ブルボン王国の公用語に堪能ではないため、端々で『キサルビナ語』が出てしまうという設定がある。 ところがこのキサルビナ語では、日本語で「こんにちは」の意味を示す単語が「はなげかーにばる」、「あなたを愛しています」が「はらましてあげる」などわけの分からない発音となっており、これが随所に登場してはプレイヤーを混乱させる。 もちろんこれもシリアスな場面にもしっかり登場し、サラシナリオの一番の見せ場である『過去に誤射で傷つけてしまった女性との和解シーン』においても、 「もってけどろぼー(触ってもいいですか?)」「このつめのあか、せんじてのむわ(いいですよ)」「どんなあじ(痛くない?)」「にがい(平気ですよ)」という頭の痛くなる会話が繰り広げられる。 その他滑っているのはギャグだけに止まらず、作中の短距離走の選手が『ウサイン・ナット』、頭突きをする際の掛け声が「ジダン!」であるなど寒いパロディも随所に散りばめられ、プレイヤーにシリアスな失笑をもたらすことに成功している。 だが多くのプレイヤーにとって上記の惨状は織り込み済みであり、画集を買ったと半ば悟りを開くことで惨劇を乗り越えた彼らを次に待ち受けていたのは、 『立ち絵が基本2種、CGが差分とSDを除いて35枚しかない』というセカンドインパクトであった。 そしてその先に広がっていたのは、立ち絵は全く変わらずイベントCGもロクになく、クソシナリオだけは無駄にフルプライス相当の罰ゲーム紙芝居と、 エンディングすら白/黒一色の背景をスタッフロールが流れるだけという焦土の荒野であった。 さらに検証によりゲーム内のCGを抽出した結果、本来連番になっているはずのCGナンバーが1の次が12に飛ぶなど、大幅に歯抜けになっていることが判明する。 つまり本来この作品には70枚以上のCGが用意されるはずだったのが、35枚という半分にも満たない完成度で販売が強行されたであろうことが明らかになったのだ。 さすがにこの裏切りには画集目的だったプレイヤー達も大激怒し、新たなマスコットキャラ三銃士が産まれるなどスレは一気に炎上、エフォルダムソフトは『絵フォルダ無』と呼ばれるようになった。 このアナフィラキシーならぬ銃キシーショックの前に、メーカーもあわてて追加パッチなどを発表するも時すでに遅く、そのやっつけ感の漂う中途半端なクオリティや親会社社長のニコ生での発言もあいまって、火に油を注ぐだけに終わった。 結局この騒動の責任を取る形でエフォルダムソフトは解散、その後は対応を親会社のあかべぇそふとが引継ぎ、2015年初旬に『新作騎士もの(仮)』を購入者に配布するということでようやく騒動は一時鎮静化した。 しかしこの作品の話題でスレを5つ以上も消費するなどこの作品がスレに与えた衝撃は大きく、騎士の王の真の実力をまざまざと魅せ付けた本作はようやく現れた今年の門番としてスレに君臨することになったのだった。 こうしてスレには新たな統治者が誕生したが、魔軍の怒涛の進撃はまだ止まらない。 この二体の魔将軍によって完全に破壊された防衛線の間隙を縫って、個性ある異形の魔物達がスレに侵入を果たしていたのだ。 前年準優勝のスワンアイが送り込んだ『私たち・花のオシオキ部! ~やられたらヤり返す…エロ返しだ!』は、「倍返し…?いや、三倍返しだ!!…やっぱり半返しくらいで…」と相変わらず世間の流行を浅ましくなぞるも、 そこそこ力の入ったOPが終わった時点でライターが飽きたのかその後は急降下一直線と結局いつものスワンアイに落ち着き、メーカースレ住人にすらお粗末と斬って捨てられた。 『くのいちが如く -脱がせ!爆乳ニンジャーズ!-』は、閃○カ○ラをパクったかのような3Dアクションであるが、パクリ元のようなゲーム性は一切なく、マイ○ラで作られたかの如くチープな舞台に操作性は最悪で、 少ないバリエーションの雑魚を延々狩り続けてHシーンを購入するための金稼ぎを強いられるどこぞの潮干狩りを髣髴とさせる作業ゲーであった。 本来忍者とは創作物によくあるような華々しい仕事ではなく、目立たない地道な作業の繰り返しであるというリアリティを追及した結果なのだろうか? こういった魔物たちの中でもとりわけ個性的な漆黒の輝きを放っていたのが、黒鳥が解き放った『心壊少女 僕は彼女が ××× されるのを目撃した』である。 本作は前年にスレ住人を恐怖に叩き落とした『雨音スイッチ』を放った黒鳥による新作であり、本作の方向性もそれと同じ、狂気に満ちたニッチゲーである。 よって本作にはデレはなく徹頭徹尾病みオンリーでハッピーエンドなどといった甘えの象徴は存在せず、コンクリ片を顔面に打ち付けるという極めてニッチなアニメーションを搭載している。 しかしこの作品はそもそも万人向けではなく限られたニッチ層をターゲットにしているので、上記の点自体はマイナス要素ではない。 ではなにが問題なのか? それはニッチ物として考えてもフルプライスに釣り合わないほどクオリティが低い、という点であった。 グラフィックを見ると胴体がなかったり顔面が崩壊したりと一目瞭然な低画質なCGが並んでいる。 シナリオも全編ダイジェスト気味であり、キャラクターが刃物を手に主人公をまさに追い詰めた次の瞬間、『彼女は窓から落ちて死んだ』と何の脈絡もなく突然死する謎展開はプレイヤーの脳天にコンクリ片を叩きつけ、 本作を代表するネタとして親しまれた。 ゲーム全体のボリュームもフルプライスに釣り合うものではなく、ニッチ層にとっても不満の残る残念な結果になってしまったが、一方でシナリオは描写不足だけどそれ自体がつまらないわけではない、といった評価する声もあった。 黒鳥には次こそは是非、ニッチ層から大歓迎されるようなクオリティの作品を開発して頂きたいと願うばかりである。 こうして、3月はカスオから銃騎士への最凶コンボに始まり、最終的にはかつての"五惨家"を超えるKOTYe史上初の6作品がエントリーを果たし、 それまで半ば眠っていたスレを強引にたたき起こす灼熱の春一番が吹き荒れることになったのだった。 そして、時は流れて初夏。 激動の3月とは対照的に4月の作品に取り立ててインパクトがなかったころから、住民達は未だに3月作品を反芻しつつつかの間の平和を楽しんでいた。 『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』に登場する「ヒアヒウアする」「メテォオ~!」などの妙に印象的な誤字が一時スレの流行語になったのもこの時期である。 このヒアヒウアは様々な派生AAを産み、繰り返しネタにされスレは大いに盛り上がっていたが、そんな平和な時間も永くは続かなかった。 三月帝国の一国独裁を許すまじと、5月生まれの3人の勇敢なレジスタンスたちが今まさに立ち上がらんとしていたのだ。 まず先陣を切ったのは、未だに銃騎士の呪縛に囚われた住人たちを再教育すべく、天空よりマッハ20でメテォオ~してきた一人(?)の教師であった。 5月作品の選評一番手として現れたそのタコの名は、古豪softhouse-sealの産み出した完璧生物『繁殖きょうしつ女子校ハーレムなら何をヤっても許される!? 』。 本作は最低限のシナリオに価格以上の良質なクオリティの原画を合わせた低価格抜きゲーであり、かつてsofthouse-sealが一定の評価を得ていた得意分野のはずであった。 しかし本作の問題点は、公式HPを開いた時点で明白である。 主人公がマッハ20でお手入れするタコで教師…完璧生物を作ろうとして失敗…あだ名がヤラせんせー…そう、何から何まで『暗○教室』である。 これを始めとした世間で流行っているものを見境なくパクり続けるという最底辺に相応しい物乞い精神は全編に渡って発揮され、寒いパロディやネットスラングが梅雨の長雨のごとく降り注ぐ。 選評者によれば15分間で10以上のパロネタが飛び出し、最後までそのペースは落ちなかったとのことで、このロープライスなら何をヤッても許されるという開き直りはスレに冷笑をもって迎えられることとなった。 さらに困ったことに、このパロディはエロシーンにすら侵食し、「あば、あばばばば……ッ!」と喘ぐヒロインや、「そ、そこに痺れる憧れるぅ!」と叫びつつズキュウウウウウウンの効果音付きで射精するなど、 脱ぎゲーの命である実用性すら阻害している有様である。 sealは余計な芸無性を加えず低価格抜きゲーだけ作っていればいいと言われる中、まさかの安牌であるはずのADVにおいてもその価値を自ら投げ捨て更なる下を目指す飽くなき挑戦精神には、流石はかつての王だと感嘆せざるを得ない。 触手狂師が粘液でスリップして教室から去っていった2週間後、またしても騎士が誘拐された姫を救うべくスレに殴り込みをかけてきた。 彼女の名は『Knight&Princess』、『ゲームブック風ADV』という極めてレアなジャンルに『2人主人公視点』、また基本的にヒロインは快楽堕ちせず「ちくしょう」と叫んであくまで抵抗するという特徴的なウリを持つことで、 小粒ながら一定のファンを獲得しているシリーズの新作である。 しかし本作はまず特定環境では起動すらできないという先制パンチでプレイヤーを間引き、その関門を潜り抜けても自慢の剣はボロボロに錆びていた。 『2人主人公視点』を謳いながらその配分は極端であり、姫編は実質的にプロローグでしかなく、最短の選択肢を選べば2分で終了、全ての選択肢を網羅しても25分しかないという貧相さである。 『ゲームブック風ADV』として見ても、ステータス+ダイスで成功判定を行うシステムなのはいいが、そのステータスが変動することはなく、そもそも成功=進む、失敗=死亡という安直さではただのプレイ阻害でしかない。 プレイヤーも気づかないうちにいつのまにか入手している『判定に必ず成功&失敗』というアイテムの存在もあって、本作のゲームブックとしてのゲーム性は皆無といっても良い。 フラグ管理も破綻しており、とあるキャラを見捨ててそのキャラの失踪フラグが立ったと明記されるにもかかわらず、後のイベントでは普通にそのキャラに助けを求めることが出来るという有様である。 だが何よりこの作品の名声を確かなものにしたのは、『ピアスバグ』の存在である。 このゲームではピアスや陰毛のON/OFFをフラグで管理しているのだが、どういうわけかピアスフラグがONになると、『該当のCGでピアスしか表示されなくなる』のである。 この真っ白のなかにピアスだけが浮かんでいるCGのインパクトは抜群で、スレを笑いに包むと同時にプレイヤーの「ちっくしょおおおおお」の号泣が響き渡ったのであった。 レジスタンス三人衆の最後の一人は、少々遅れてやってきた。 『はるかかなた』は、処女作『AQUA』でシリアスなSFラブコメとして高評価を博したSORAHANEの三作目であり、前作のシナリオが酷評されたこともあって名誉挽回なるかと期待されていた。 しかし前作までのウリだった自社製エンジンを脱ぎ捨て、外注のエンジンに換装したことで重篤な問題が発生、バグまみれで内容以前にまともにプレイできないという想定外の方向へロケットスタートを切ることになってしまった。 初期状態では音声ズレやフリーズ、強制終了が頻発、細かくセーブして進めようとしても特定状況でセーブができないという嫌がらせが追い討ちし、 「修正されるまでプレイは控えたほうが良い」とまで言われる始末だ。 その後4度のパッチを経て発売後2ヵ月後にしてようやく何とかプレイできるようになったものの、スキップ時の未読判定機能が削除され、それでもフリーズは完全にはなくならないという体たらくであった。 またパッチごとに以前のバージョンのセーブデータが使用不可になり、前述の細かくセーブして苦痛に耐えながら何とか読み進めようとしたプレイヤーがそのたびに振り出しに戻されることになったことも追記せねばなるまい。 こうして販売と同時に遥か彼方へとコースアウトしていった本作であるが、やっと明らかになったその内容もリアリティを遥か彼方へすっ飛ばした全編ご都合主義スイーツ()シナリオであった。 義妹ルートでは主人公を庇って路面電車に轢かれ血まみれで斃れたはずの義妹が、その直後のEDでは何事もなかったように五体満足でピンピンしているという特売の奇跡でプレイヤーを困惑させ、 メインヒロインである実妹ルートでは唐突に妹の余命が1年という設定が飛び出し、過剰にヒューマニズムを強調したうんざりするシナリオが続いたと思ったら、 最後は主人公が腎移植をして時間を稼ぎ、二人の子供の臍帯血を使って治療をするという常人のヒューマニズムを遥か彼方へ消し飛ばすトンデモ結末でスレの度肝を抜いた。 まさに人の生死をお手軽な感動ジェネレーターとして扱い、半端な医学知識を便利設定として安易に解決させようとするとこうなるというのの典型例であり、"加○+ヨ○ガノ○ラ+恋○"などと揶揄されることになってしまった。 その他、年末に2作品がエントリーするなど5月作品も最終的に6作品がエントリー、3月帝国による独裁体制は崩れ、再び戦乱の時代が幕を開けることとなったが、この混乱に乗じて更なる第三勢力が姿を現した。 時は7月、前作のタコ教師がイマイチムーブメントを起こせなかったことに危機感を抱いたsofthouse-sealが、ならば今度は色仕掛けで洗脳だとばかり『ビッチ生徒会長のいけないお仕事(パッケージ版)』(ビッチ)を派遣してきた。 本作は、エロゲ脳の外国の姫様がエロゲと同じようなことをしてみたいと思い立ち、日本に留学して男子生徒を食い荒らすという学校をなんだと思っているんだというストーリーであり、極めて珍しい女性視点のビッチものである。 しかしインストーラーに環境依存のバグがあるのか、特定環境ではゲームを開始して2行目で「音声が見つかりません」と出て強制終了するなど、校門で締め出され中に入れてもらえない。 本来ならこの時点ですでに商品失格だが、歴戦の生徒たちはこの程度のことでは動揺することはなく、いつものsealでさらっと流して校内へと忍び込んでいったのだが、 そんな彼らを待っていたのはあしゅら男爵のごときツギハギシナリオであった。 シナリオは最序盤こそ期待通りのビッチシナリオだが、3つ目のHシーンが終わったあたりから話の前後や舞台が繋がらない全編キングクリムゾンモードへと移行し、プレイヤーの思考を置き去りにする。 一例をあげれば、体育館で乱交を済ませた姫が自室に戻って「人のいないところで着替えよう」とつぶやき、何故か「体育館なら人がいないだろう」と体育館へ向かい、全裸になってそこにいる生徒と乱交を始めるというものである。 選評者をして「バグでシーンがループしたのかと思った」と言わしめるこの意味不明展開にプレイヤーが混乱することは必至だが、さらに追い討ちをかけるように 『実は姫とメイドは少子化の未来を救うため現代にエッチをしにやってきたアンドロイドだったんだよ!』という設定が唐突に追加されプレイヤーをポルナレフへと変貌させる。 挙句の果てには姫とメイドが互いのボディを交換するという史上初の人格交換Hイベントが唐突に発生し、その直後日常シーンの真っ最中に突然画面が暗転したかと思えばエンディングもなくタイトル画面に戻るのである。 この超展開からの全てが置き去りな打ち切りエンド、さらにフルコンプ(?)しても回想が13/20しか埋まらないという事実にプレイヤは完全に取り残され、呆然と立ち尽くすしかなかった。 この衝撃の情報にスレは当初混乱したが、やがて検証が進むにつれて驚愕の事実が明らかになった。 前述のこの作品のタイトルにわざわざ(パッケージ版)と書いてあるのには理由があり、実はこのゲームは信じがたいことにパッケージ版とDL版ではゲーム内容が全く異なるのである。 DL版では前述のような時系列の崩壊や場面の混乱などはなく、『未来から来たロボット』云々といった唐突な設定も存在せず、シーン回想もしっかり20枠埋まるというまともな抜きゲーとなっているというのだ。 そしてパッケージ版から未使用CGが発見され、さらにこの『世界を救うため未来から来たロボット』という設定が自社の別ゲーの丸パクりであるということが判明したとき、ようやく住人達は事この次第に至ったカラクリに気づいたのだった。 つまりこういうことである。 元々この作品は未来云々とは関係ない学園抜きゲーとして開発されていたが、納期までに完成はおろか形にすることすらできなかった。 そのため、急遽過去作の設定とテキストを丸パクりしてツギハギにし路線変更を図ったが、結局取り繕うこともできずに打ち切りENDにした。 一方DL版はパッケージ版よりも納期が遅かったため、ちゃんと完成しまともな内容になった、ということなのだった。 この未完成品を何一つ恥じることなく堂々と売り出し、なおかつ修正パッチの修正項目を『フリーズ』とのみ記すなど、相も変わらずロープライスなら何をヤッてもな厚顔無恥っぷりには住人達もただただ呆れ返るよりほかなく、 バグで強制終了するのも未完成を隠してパッチまでの時間を稼ぐために意図的に混入したのではという疑惑が飛び交うなど、選評当初は笑っていた住人達が次第に真顔に戻っていくほどであった。 最終的にパッチでDL版とシステムが統一されてバグは解決しHシーンも同等になったものの、シナリオはさらに意味不明になるなど、 進化したのか退化したのかわからない威容を見せつけ、改めてsealの底(辺)力を思い知らされることとなったのであった。 プレイヤーに対する背信はその後も続く。 『ギャングスタ・アルカディア ~ヒッパルコスの天使~』(ギャルカディア)は独特な世界観や哲学的なシナリオ、綺麗なグラフィックでファンを獲得した『ギャングスタ・リパブリカ』のファンディスクである。 本作はライターの『書きたいところは力が入っているが、そうじゃないところは適当』という傾向が強く、日常イベントなどが数クリックで終了したり、 総プレイ時間が6時間というフルプライスとしては薄すぎるといった問題はあったものの、シナリオ自体のクオリティは決して悪くはなく、前作のファンにとっては十分満足できるものであった。 しかし本作はCGに重大な問題を抱えており、その罪業によって理想郷より追放されることになってしまった。 具体的にはエロ増量を謳いながら前作より数が減少、CGも前作の使いまわしや背景や立ち絵を加工したもので大幅水増しをしており、純粋な新規CGではかの銃騎士をも下回るという不名誉な記録を更新した。 さらに何より問題だったのが、原画:ミヤスリサを標榜しながら、本人以外によるCGが混入されていることであり、ミヤス絵を期待して購入した絵買いファンを激怒させた事である。 これについて後に公式が原画家名を無断使用したことを認めて謝罪したものの、実質的な補償や修正などは一切行わないことも同時に宣言しており、謝罪文へのリンクが更新履歴の中にこっそり紛れていることも不誠実さを際立たせた。 こうして度重なる悪逆によってスレに負の瘴気が満ち満ちたところで、それに誘われるように深い霧の中から無数のゾンビの集団が現れ、住民を見境なく襲い始めた。 堕ちた大司教に率いられたこの恐るべき冥府の軍勢の名は、Xuse【本醸造】が満を持して送り出した『新世黙示録 ―Death March―』(チーズ)である。 シナリオにメガテンシリーズで名声を得た鈴木一也氏を迎え、久々の本醸造名義で発表という往年のファンの高い期待値をもって迎えられた本作であったが、その一方で氏の最近の言動に対する評判や、 公式HPの作品タイトルが『新世黙示録 ―Deatch March―』と盛大に誤字をかましている、体験版の出来が絶望的だったという報告などもあって、スレでは早い段階から厳重に監視されていた。 しかし散々注目されており売り上げ自体も悪くなかったにもかかわらず、いざ発売されてみても、ヤバい、苦痛だ、チーズといった断片的な情報は漏れ聞こえてくるものの、肝心の選評は待てど暮らせど一向に届かなかった。 それもそのはず、本作は某批評サイトでギブアップ率が脅威の48%に達しており、住民達の中にも敵の正体を突き止めるべく冥府の霧のなかに突撃しそのまま帰らぬ人となった者が数知れず。 こうして本作は"選評を書くための仕事と割り切らなければ耐えられないゲー務"などと、どこぞの嵐のごとく住人達から恐れられ、ついぞ一人の勇者がその深奥から生還するまでには発売後1ヶ月以上を要した。 では、その衝撃の内容を紹介しよう。 まずはRPGとして。 本作は一言で言えば『強い剣を持ってスキップで殴ればよい』である。 武器と防具を兼ねる剣は100種類以上と十分に数があるが、そのうち9割は能力が高いか低いかの違いしかない攻撃剣であり、回復、支援用の剣は僅かしかなく、そもそも自動回復によって回復自体がほぼ必要ない。 属性による3すくみもあるが、火力が高ければ不利属性でもごり押し可という脳筋仕様のため戦略性は存在しない。 戦闘のUIも非常に煩雑で、攻撃するには一回一回ドラッグする必要がある上、この判定が何故か妙に厳しく不発が頻発するという嫌がらせ仕様である。 こうした戦略性もなくテンポも悪い戦闘はただの苦行でしかなく、中盤で戦闘を自動スキップする機能を手に入れるとそれ以後は(ボスを含め)手動で戦闘をすることは一切なくなるだろう。 またこの苦行に追い討ちをかけるのが、異常に高いエンカウント率である。 数歩ごとにエンカウントが発生し、戦闘はスキップしても5秒程度かかるため、5秒走って5秒休憩、と新世界の牛歩戦術をマスターしている。 3Dマップが見づらく頻繁に迷子になることも相まって、ダンジョン探索自体が耐えがたき苦痛になってしまっている。 ウリであったはずの剣の強化・合成システムも完全に形骸化している。 ほぼ全ての剣が単純に能力値の違いでしかない上に話が進めばどんどん強い剣がドロップし続けるため、より強い剣を敵から奪って持ち替えるだけのバーサーカー思考で事足り、剣を強化する必要は全くない。 剣の合成も基本的に必要ないが、合刃事故を起こすと最序盤から最強クラスの剣を作ることも可能という極端さで、ただでさえ少ないゲーム性を完全に崩壊させている。 極めつけがラスボス戦で、なんと直前に手に入るイベント専用剣以外の攻撃は一切通じない。 この例え愛着を持って剣を育ててきたとしても最後の最後で全てが無意味であることを知るという、本作の最大のウリであるシステムを自らちゃぶ台返しする豪気さには驚嘆せざるを得ない。 以上のようにRPGとして楽しめる部分は一切ない苦行であることが明らかとなったが、ADVとしての要素も火に油を注ぐ…どころか、ニトログリセリンを投げ込むがごとき酷さであった。 本作のキャラクターは主人公・鳥海知空(とりみ ちから)を始めとした登場人物ほぼ全員の脳がクリームチーズと入れ替わっており、『登場人物が全員ミ○トさんなア○リーム製クソゲー』などと評されるほどである。 特に主人公の言動が見るに耐えず、その時々に自分の気分で動いていては誰一人救えはしないといいつつも毎回その場の感情に任せて行動して失敗し、反省して次からは絶対護ると決意した端から同じ失敗を繰り返すの無限ループである。 行動原理も非常に不愉快で、常に自分は正しいというスタンスで他者を見下し、何か問題が起きれば自分を正当化して他人を非難、さらにその非難がブーメランとなって自分に突き刺さるという不快の三段論法だ。 選評者をして「この先10年はこれを超える主人公は現れない」と評された知力が空なルーピーっぷりは作中の登場人物にすら"知能指数の不自由"と馬鹿にされ、Int=0という不名誉なあだ名で嘲笑されることとなった。 その他のキャラクターも、自転車の二人乗りを咎められるとDQN丸出しで逆切れする妹、妹が過呼吸を起こすと即座に喘息の薬をぶち込む幼馴染、 突如変貌し妹を刺し殺し、主人公を親友と思ったことはないと言い放つ"親友"に、お前と付き合ってたのは優越感を味わえるからと言い返して首を絞める主人公…と誰一人萌えることも感情移入もできないというラインナップだ。 シナリオのクオリティも惨憺たるもので、基本的に行き当たりばったりでその場の都合の合わせて行動するため随所で破綻しており、 冒頭の『街がバイオハザード状態の中、警官の制止を振り切って夕食のチーズを買いに行く』という意味不明イベントにはプレイヤーの眼がテンになり、本作を代表するエピソードとして定着した。 また本シナリオの骨子は主人公たちが破滅的結末を迎えるたびに時間が過去に巻き戻り、再びやり直すといういわゆるループものにあたるのだが、これも首を傾げざるを得ないものとなっている。 というのも、本来ループものの醍醐味は以前の失敗した経験を活かすことで破滅を乗り越える、というところにあるはずなのだが、本作では巻き戻った世界ではその時点で破滅に至る原因がすでに解決されてしまっているのだ。 そして主人公だけが都合よく前の世界の記憶を引き継ぎ、前の世界の黒幕(新しい世界では無関係)を私怨で襲撃するというトンデモ行為に及ぶというのもプレイヤーの頭に疑問符を突き立てる。 ギャグとシリアスが合刃事故を起こしているのも問題で、その際たるものが合刃担当の自称ドワーフなネコ型ロボット、アンドヴァリである。 序盤には主人公がゾンビに追い詰められた窮地に突然ギャグ調全開で登場してプレイヤーを唖然とさせ、 最終盤の『ラスボスの攻撃で瀕死を負いながらも最後の力で最強剣を合成して主人公に託して息絶える』という本来感動的なイベントでも、 その直後に内臓が飛び出した程度では死にませんと即座にギャグ調で復活し、それまでの展開を全て茶番へと変える。 システムもシナリオもダメでもせめてグラフィックくらいは…と最後に残されたかすかな希望に縋ろうとしても、それすら無慈悲に捻りつぶされる。 CGは構図のおかしい低品質なものが並び、降って湧いた真ヒロイン、アマテラスと日輪の力を借りたアマテラセックスを繰り広げるシーンが笑いを誘った程度で、到底満足できるクオリティではない。 こうした全方面に渡って苦痛と意味不明さを振りまく本作にスレは戦慄、苦痛の霧はその後もスレに永く滞留し、上半期とは一転して下半期の話題を独占することとなったが、 選評期間終了間近にして、ついぞ一人の賢者がこの正体を解き明かした。 本作のキャラの酷い言動や、シナリオの流れが意味不明なのも、それ自体に意味はなく、ただその場その場で都合のいいように動かされ、しゃべらされているから。 ループの設定が本来の用途から外れ、伏線が回収されない矛盾の温床となっているのも、そもそも伏線を回収する気は始めからなく、その全てをなかった事にして一からシナリオをやり直す(製作者にとって)便利機能だから。 ラスボスを始めとした、ウリであるはずの剣を成長させるシステムが無意味なのも、シナリオの都合上そうする必要があったから。 つまり本作にはキャラクターの一貫した行動原理や、一本筋の通ったシナリオなどというのは始めからなく、作中のあらゆる要素は大司教がその場その場でやりたいことをやるための駒であり、そこに意味などなかったのだ。 この結論にたどり着いたとき、スレを覆っていた深い霧がスッと晴れていき、住民達はようやく販売後半年間に渡って続いた呪いから開放されることとなったのだった。 このチーズの参戦により、それまで銃騎士が牽引していた戦況は一気に混沌、7月作品も最終的に5作品がエントリーするなど、3月、5月、7月の三陣営が激突する三国時代となった。 しかしその一方で、あまりにも激しすぎる騒乱にスレには疲弊した空気が漂っていた。 もう、これ以上のクソゲーが現れることはあり得ない…。燃え尽き症候群に陥ったスレのテンションと比例するが如く、この後は今までの勢いが嘘のように静かな年末へと向かっていくことになる。 9月には今度こそ芸無性で勝負だとばかりにsealが『セックス あ~ん♪ パンツァー』で地上部隊を投入してきたが、 攻略法が『とにかくオ○ニーする』という点こそ笑えたものの、所詮は苦ノ一の三番煎じであり、いまさら大して話題にもならなかった。 11月にはブラックジャックと大貧民のルールを混同した主人公による学園経営物語、『Bunny Paradise ばにぱら ~恋人全員バニー化計画~』が不思議の国の穴からひょっこり顔を出したが、 その実力は"小粒で可愛らしくウサギのクソのようなゲーム"であり、パワーインフレを起こした今年の最前線には到底ついていけるレベルではなかった。 そんな中で唯一気を吐いたのが、毎度お騒がせオーバーフローの放つ『ストリップバトルデイズ』である。 本作はもともと過去作『SHINY DAYS』のおまけミニゲームにキャラを追加し、単体販売したという野球拳ゲーなのだが、グーを出し続けるだけで勝てると、そもそもじゃんけん自体が成立していなかった。 ウリであったはずのキャラ追加も、追加キャラはまさかのボイスなしと、相も変わらず客をなめ切ったブレない姿勢は流石というほかはない。 そもそもこのゲームのHシーンは自慢のアニメーションではなくCG1枚絵のみなので、要はおまけゲー無+新キャラのCG2枚=2500円というお値打ち価格であり、考え方によっては銃騎士よりも割高といえるだろう。 だがこの程度の駄ゲーで満足することなく、かならず一捻りを加えてくるのが天下のオーバーフローである。 本作はアンインストール時に一つ上の階層のフォルダの中身もまとめて一捻りにしてしまうのである。 この過去の某名作を彷彿とさせるような重大なバグは修正アンインストーラーが公開されても結局直らないまま放置され、"ゲー謀"と呼ばれてスレ住民を嘆息させた。 そして迎えた年末、上記のような小粒なクソゲーがいくつか名乗りをあげたものの、毎年恒例の年末の魔物が現れる気配は一切なく、スレの話題は相変わらずチーズが牽引していた。 刻一刻と3月帝国の戦況が不利へと傾いていく中、ついにブラックボックスを解析し、決戦兵器の再起動を成功させた一人の技術者がいた。 その決戦兵器は『カスタムメイドオンライン』、3月に衝撃的な登場をしながらその正体は謎に包まれ、その後5月に再検証が行われたものの、結局商品として未完成ということがわかったのみであった。 その後は度々スレで名前が出るも、『クソすぎて誰もプレイしないので内容が分からない』などという話が出てくるばかりで、肝心の中身に関する検証は一向に進まないままであった。 だが年末に再検証が行われた結果、その戦闘力は我々の想像を遥かに超えるものであることが明らかになったのだ。 ではその驚異的スペックを紹介しよう。 まず本作をプレイするには当然の如くインストールする必要があるが、ここに第一の関門があり、ゲームのクライアントがまず7Gb、さらにアップデートが10Gbと、ゲームを始めるだけで6時間待たされる。 そして長時間待たされようやくプレイを終えたプレイヤーを次に待ち受けるのは、未実装の雨嵐である。 メインメニューに並んでいるステータスやコマンドの大半が未実装か事実上無意味、夜伽プレイ時のスキルや性具なども未実装、果てはバックログの音声再生ボタンすら未実装とは誰が予想しただろうか。 果ては公開後9ヶ月以上を経てなお、前述のフルプライスパッケージに付属のチケットすら未実装というあたり、本作の罪深さがうかがい知れよう。 ではゲーム内容はどうか? 本作の内容はタイトルにあるとおり、『自分好みにカスタムしたメイドさんと』『イチャついたりHなことをする』『オンラインゲーム』である。 しかしその実態は、この三要素全てが総崩れともいえる内容になっている。 まず先に言っておくと、本作のカスタム機能に関してはとても優れており、2Dと3Dをうまく融合させたアニメ調の3Dモデルの出来は大変秀逸である。 では何が問題なのかというと、せっかくのカスタム機能をその他のゲームシステムが台無しにしているということにある。 本作ではゲーム内通貨を稼ぐためにメイドに仕事をさせる必要があるが、メイドの服装ごとに設定されている衣装値がこの成功率に影響するため、事実上好みの衣装を着させることができない。 さらにこの衣装値は同じ服装でいると時間経過と共に低下していくため、同じ衣装で固定することもできないという面倒さである。 水増しされたガチャによる衣装獲得も非常に面倒で、本作はせっかくの優れたカスタム機能を搭載しておきながら、ゲームシステムの都合により実際は思うようにカスタムできないというもどかしい仕様となっている。 このゲームのメインであるはずのメイドとの交流や夜伽プレイにおいても、何故かゲームシステムが足を引っ張っている。 まずメイドといちゃつくことが出来る『サロンでの交流』だが、会話パターンが両手の指で収まる程度しかなく1時間もやれば完全網羅、ととてもオンラインゲーとは思えない貧弱なボリュームに止まっている。 また前述の通りゲーム内通貨を稼ぐためにはメイドに仕事をさせる必要があるが、これをするためには何故かゲーム内で高額の酒を購入する必要があり、これを怠るとメイドがストレスで倒れて愛情値が下がる。 つまり『金を稼ぐために金を使って酒を買わねばならない』という矛盾があるわけだが、これを解決するにはどうすればいいのか? その答えは二つ、『課金してメイドを複数用意し、本命以外を奴隷のように働かせてその金で本命のメイドに貢ぐ』or『愛情値は事実上未実装なので、メイドが倒れようが無視して働かせる』であり、本作のコンセプトを真っ向から否定している。 でも夜伽プレイさえ良ければ…そう思うプレイヤーも多いだろうが、ここにもしっかり芸無性の侵食を許している。 本作の夜伽では、精神値と興奮値という二つのパラメーターがあり、愛撫やピストンといった一つ一つの動作ごとに興奮値が増加し、精神値は減少していく。 興奮が70を超えると射精や絶頂が可能となり、逆に精神が0になるとメイドが気絶してその時点でプレイは即座に終了となる。 つまりは精神が尽きる前にいかに興奮を上げて射精するまで持って行くか、というゲームなわけだが、このシステムのせいでプレイヤーは自分のやりたいようにプレイすることができない。 さらにどのプレイをするとどれだけ興奮が増え、精神が減るかという数値はゲーム内では一切確認できないため、事前情報なしでプレイすれば確実にメイドが気絶することになる。 このため夜伽をするためには攻略サイトと計算機が必須で、一回一回の動作ごとに興奮と精神の値を計算しながら慎重にやる必要があり、発電とマウスと計算機を順番に行き来するという珍奇なプレイスタイルを要求される。 これではとても夜伽に集中することなどできるはずもなく、しかしそれでも射精直前で『精神値が1足りない』といった状況が発生し、メイドを気絶させるかこのまま終了するかという残酷な二択を迫られることとなる。 さらに新しいプレイを習得するためのシステムも非常に煩わしいものとなっている。 初期状態で習得しているプレイが非常に少なく、1カテゴリーを除いて愛撫は出来ても本番ができないといった貧弱な状態となっている。 新しいプレイを習得するには夜伽をすることで手に入る紳士ptと調教ptを溜める必要があるが、普通にプレイすれば一つ習得するだけで最低でも1週間から最大1ヶ月近くも同じプレイをひたすら繰り返し続ける必要がある。 また乱交カテゴリーだけが何故か効率がいいなど、獲得できるポイントもプレイごとにかなりの偏りがあり、効率を重視するなら『挿入して即放尿』×3回1セット×1日5回と言った身も蓋もないプレイを強制される。 オンゲの都合上1日にできる夜伽の回数が制限されていることもなおさら効率重視のプレイを強いられる原因であり、自分のやりたいように夜伽ができないことに拍車をかけている。 オンゲとして見ても、見るべき点はない。 オンゲの最大の魅力はアップデートによる進化と、他プレイヤーとの交流にあるはずだが、サービス開始後9ヶ月を経ても当初からの問題点や未実装は一切改善されず、むしろバグを増やして進化どころか退化している。 衣装や期間限定お仕事など表面的な要素は追加されているものの、それだけならDLCやアペンドディスクなどで事足りる話であり、この点においてオンゲの特徴を活かしているとは到底言えない。 またゲーム内で他プレイヤーとリアルタイムで交流する機能も一切なく、交流は時代遅れの公式掲示板のみ、ウリにしていたはずの他プレイヤーとのメイドの品評会や貸し借り、乱交プレイなども全て未実装のまま、と オンゲならではの楽しみというのは一切ないといって過言ではない。 しかしその一方で、仕事や夜伽などにリアル時間の制限がかかるシステムや、廃課金仕様など、オンゲならではのデメリットだけは完全網羅している。 つまりこのゲームは、オンゲである必要性が一切なく、むしろオンライン要素は害でしかないのである。 でも今までの話は無課金だからであって、課金すればちゃんと楽しめるんでしょ? そう思う人もいるだろうが、そこにも救いはない。 このゲームで課金することで有利になる点は、課金衣装と課金プレイが購入できる、ほぼそれだけである。 しかし衣装を購入しても好きに着させることができず、新しいプレイを習得しても夜伽に集中はできない…と、プレイヤーの楽しみには何重にも枷がかけられており、 そもそも上記の問題はゲームデザイン自体が歪んでいることに端を発しているため、課金したからといってそれが改善されることはないのだ。 さらにこの課金制度についての問題点も述べなくてはなるまい。 本作の課金に使用する公式のプリペイドカードがあるのだが、このカードは1500円の価格に対してチャージされるptは税分さっ引いた1429ptという前代未聞の仕様になっている。 それどころかこのカードは4月以降増税に伴い、同じカードでも1389ptになると明記されている(注:販売は3/28日)という信じがたいケチくささである。 しかもアイテムの価格は100pt単位であるため端数は全く無駄になるというふざけた仕様の前には、課金しようという気がみるみるうちに失われていくことだろう。 以上のように本作はそもそも未実装で製品として成立しておらず、ウリの要素は自ら芸無性で潰し、課金を始めとした運営の態度は最悪で、それでも課金しても何も救われない… と、あらゆる面において楽しめる点をチリ一つ残さない、正真正銘のターミネーターであったのだった。 こうしてカスオによる大規模な反転攻勢によって幕を閉じた2014年だったが、それでも住民達はまだ満足していなかった。 年末の魔物の不在…そして前年度の恐怖の記憶…そんな懲りない住人達は、まだきっと何かあるはずだと、不発弾を発掘してはハンマーで叩いて遊んでいた。 そんな中年明け早々発掘された第一の不発弾は、前年度大賞『部室』のライターによる『ヤリ友ペット欲情生活』である。 本作のジャンルは『手近な女の子を全員喰いモノにするADV』であるはずが、その内容は大半が和姦からのハッピーエンドという純然たるジャンル詐欺であった。 テキストも全編に渡ってイカれたテンションと寒いパロディ、ネットスラングに満ちた粗製乱造品であったが、その中に「前後ォ前後ぉぉ」という明らかに当スレを意識したネタが仕込まれていることは看過できない。 これは前作の部室がそれまで全く無名だったのが、大賞に輝いたことで逆に注目されたということに味をしめた一種の炎上商法ではと疑われ、"人為的クソゲー"と呼ばれ唾棄された。 その後も捜索は続いたが、1月13日、海底遺跡を探索していた潜水艇のソナーが「♪カチッカチッチャラララン」という奇怪な反響音を捉えた。 海底よりサルベージされたその不発弾の名は『俺がヤマタノオロチなら』(オロチ)。6月に発売される前後、奇天烈なタイトルとあらすじで一瞬話題になったものの、すぐにチーズの洪水に押し流され海底にて半年間眠っていた代物である。 しかし某批評サイトで驚異的な低得点を叩き出していたことや、奇しくも前年の部室と同日のエントリーであったことなどから、これこそが部室の真の生まれ変わりなのではとスレ住民が身構える中、 緊急出動した対策班によって解明されたその実態は、生物兵器を内包した大量破壊兵器…ではなく、どこか懐かしいエロゲ少年時代のガラクタの詰まったタイムカプセルであった。 まず本作のジャンルは『俺がヤマタノオロチになっちゃったら困っちゃうラブラブADV』であるが、このタイトルとジャンル名から想像されるようなギャグゲーやバカゲーでは全くなく、 主人公の周りで発生する怪異や、神代の時代からの因縁を持ったキャラ達によって主人公の正体が少しずつ明かされていくというサスペンス伝記物である。 しかしそもそもタイトルとジャンルの時点で物語上最も重要な謎であるはずの主人公の正体が真っ先にネタバレされており、 "犯人と手口が表紙に書かれた推理小説""名作『痕』のタイトルを『俺が鬼なら』にし、ジャンル名を『俺が鬼になっちゃったら(ry』と改変するようなもの"と評されるほどのミスマッチっぷりである。 この時点でシナリオの面白さの9割以上が損なわれているが、残り1割のクオリティも極めて低い。 共通ルートは主人公の正体が分かっているのにひたすら思わせぶりな発言が続くうんざりした展開に加え、80年代レベルのお色気イベントなど、呆れるほどセンスの古臭い日常描写が続く。 かといって個別ルートに入れば、今までと打って変わって裏設定が矢継ぎ早に公開され、問題は全てスサノオが解決してくれるため主人公とヒロインの見せ場はなく、カップ麺を作るより短い最終決戦と、見所はどこにもない。 またとあるヒロインルートでは、全てが終わった後に唐突にアマテラスがヒロインの体を乗っ取って乱入し、それまでの展開をコケにした挙句主人公を誘惑してアマテラセックスにもつれ込むという誰得超展開であり、 アマテラスが極めて不快な人物になっていることも相まってプレイヤーを愕然とさせた。 グラフィックも作画、塗りともに同人レベルで、立ち絵をそのまま挿入して差分にするという驚愕のイベントCGがあるなど、極めて低品質である。 背景グラフィックも実写のトレースであり、看板が実在する店舗そのままであるのはまだともかく、作中の『須賀駅』に思いっきり『鎌倉駅』と書いてあるという事実はスレを笑いの渦に包んだ。 クソゲーは音はいい、という法則があるが、クソゲーという概念が誕生する前に産まれた本作はそのような常識には囚われない。 BGMのクオリティ自体は悪くはないが数が少なく、メインヒロインの最大の見せ場をOPテーマが塗りつぶしたり、HシーンのBGMが悪役のテーマにしか聞こえないなど、その使い方が明らかにおかしい。 SEもファミコンの時代に巻き戻ったかと思わせるほどチープだが、何よりも話題となったのはシステムサウンドが何故か人の声であるということだろう。 ボタンにカーソルを合わせると「♪カチッ」、決定すると「♪チャララン」、右クリックすると「♪ピコッ」と鳴るボイスパーカッション仕様は住人一同の腹筋を崩壊させることに成功した。 以上のように本作はあらゆる要素がとても現代の作品と思えないほど低品質かつ古臭く、公式の要求スペックが『PentiumⅢ500Mhz相当』という骨董品レベルになっていることもあって、 "十年以上前に開発されたゲームがそのまま封印され現代になってから発売された"とまで評された。 しかしその一方で、本作からは近年多発しているような、明らかに手を抜いて作った結果産まれた粗製乱造クソゲーというマイナスイメージはあまり受けず、 逆にかつての今から見れば低品質なゲームでも一つ一つに感動することが出来ていたときの熱い気持ちや、エロゲーがこの20年間でこんなに進歩したという感慨を与えてくれる存在であり、 ノスタルジーを感じさせる味わい深いクソゲーとして古参ゲーマー達をしみじみと和ませてくれたのだった。 以上、主要なエントリー作品を全て紹介し終えたところで、結果発表に移る。 2014年のKOTYeの次点は、 『銃騎士 Cutie☆Bullet』『ビッチ生徒会長のいけないお仕事(パッケージ版)』『俺がヤマタノオロチなら』 大賞は、 『新世黙示録 ―Death March―』『カスタムメイドオンライン』 のダブル受賞とする。 2014年は異例ずくめの一年であり、年始の門番、年末の魔物が不在な一方、3,5,7月に主要作品が集中するという前例のない構図となった。 今までのように分かりやすいクソ要素を抱えた作品だけでなく、検証や考察に膨大な時間と労力を要する大作が現れた、選評者泣かせの年であったことも今年度の特徴である。 その一方で、前年度に危惧されていた業界の地盤沈下はより顕著となり、超えてはならないデッドラインをスキップで飛び越えるような負のクソゲーが跳梁跋扈したことも忘れてはならない。 そんな中で、『ビッチ』は、パッケージ版とDL版で内容が異なるという前代未聞の珍事をやらかし、さらにその原因が未完成を隠すために過去作品をそのまま流用するというあり得ない禁じ手の結果産まれたものであり、 まさに企業のモラルハザードの極地である『負のクソゲー』の象徴として選出した。 一方の『オロチ』は、絶対的に低品質にもかかわらず何故かあまりマイナスイメージがなく、むしろノスタルジーさえ感じさせるという今年度の中でも稀有な笑えるクソゲーであり、『正のクソゲー』の象徴として選出した。 そして残るは3つ、『銃騎士』『チーズ』『カスオ』の3作品だが、これらはクソ度、苦痛度、話題性において他の作品を圧倒し終始スレの話題を席巻した実力者達であり、その序列付けには非常に難航した。 しかしその中で『銃騎士』のクソさを構成する要素に着目したとき、例えばCGの枚数が少なくプレイヤーの期待を裏切ったという点においては『ギャルカディア』に及ばず、 滑ったシナリオの苦痛度においては『チーズ』に及ばず、製品として未完成という点においては『カスオ』や『ビッチ』に及ばないのではないかという結論に達した。 つまり『銃騎士』は、様々な面においてSランクの能力をバランスよく兼ね備えているオールラウンダーではあるものの、他者を圧倒するオンリーワンさに欠けていたことから、他二つには僅かに一歩及ばず、次点とした。 そして最後は『チーズ』と『カスオ』の頂上決戦となったわけだが、この2作品の間に差を見出すことは非常に困難だった。 まず『カスオ』が基本無料のオンゲーであることをどう評価するかだが、本作品はオンゲーではあるものの、有料パッケージを流通を通して販売していることからエントリーの資格は満たしているということでスレでは決着。 次に基本無料については、本作品のクソさはゲームデザインの歪みに起因するもので、無料でプレイするのですら苦痛であり、さらに課金したからといってそれが一切改善されないということから、 基本無料であることは免罪符にならず、減点対象には当たらないと判断した。 では作品としての完成度に着目すると、『カスオ』は未実装だらけの製品未満な状態でサービス開始した上、オンゲというアップデートのしやすい環境にもかかわらず開始後9ヶ月経ってなお改善されるどころか悪化している有様であり、 内容がどれほどクソとはいえ、大きなバグもなく、製品として一応完成をみている『チーズ』と比較すると悪質度が高く、この点においては『カスオ』に分があると言えるだろう。 しかしその一方で、僅かでもほめるべき部分があるかという点に着目すれば、全ての要素が不快と苦痛で、ほめるべき点が何一つ見出せない『チーズ』と比較すると、 たとえゲームシステムによって潰されて結果的に楽しめないとはいえ、カスタム要素の出来だけは秀逸だった『カスオ』のほうがマシとも言え、この点においては『チーズ』に分があると言えるだろう。 このように様々な側面から検討してみたものの、結果的にこの2作品の間の明確な差を導き出せる合理的な論理を構築することが出来ず、途方に暮れていた。 そんな中、原点に返って双方のクソゲーとして最もクソな要因は何かという点をを改めて検討していた時、ふとあることに気づいた。 『チーズ』はキャラ、シナリオ、グラフィック、システムとありとあらゆるクソさが複雑に絡み合った、いわば『クソの総合的な重量』が苦痛の中心である、『重いクソゲー』であった。 一方の『カスオ』は、当初から未実装の嵐で落胆させ、エロですら長時間同じ作業を強いられる苦行と化し、アップデートで改善されると期待しては裏切られるという『クソの時間的継続性』が苦痛の中心である、『長いクソゲー』であった。 つまりこの2作品は始めからクソの向いているベクトルが全く異なっており、同じ土俵の上で戦っていなかったのだ。 『重さ』と『長さ』を比較することはできない。 従って、本年は異例のことながら、2011年以来である『チーズ』と『カスオ』のダブル受賞とすることを決定した。 KOTYeが始まってから今年ではや7年目、スレも次スレでとうとう100の大台に達するところまで歩んで来た。 思い起こせばこのスレが出来て以来、数多くの個性的なクソゲーたちが流星の如く現れ、あるものは怒りと哀しみを振りまき、あるものは笑いの輝きを放ちながら燃え尽きていった。 しかし近年、エロゲ業界を取り巻く環境は厳しさを増すばかり…2014年も粗製乱造品や負のクソゲーが量産され、当スレの理念である「クソゲーを掴んだ哀しみをエンターテインメントへと昇華し笑い飛ばす」を貫くことも難しくなりつつある。 この収束しつつある未来に対し我々はどう向き合っていけばいいのか、そんなことを考えずにはいられない一年間でもあった。 そんな中、20年前と変わらぬ姿をした1つのクソゲーが、我々に思い出させてくれた。 かつてエロゲーにはOPムービーはおろかOPテーマソングすらなく、グラフィックは稚拙で音楽は電子音丸出し、システムも洗練されずバックログすら存在しない時代さえあった。 しかしそういった稚拙な時代であっても、我々は萌えの魂をもって補完し、精一杯楽しんでいた。 その後エロゲーの進化と共に、エロゲには歌がつき、ボイスがつき、ムービーがつき、その度に我々は感動し、興奮することができていた。 そして現代、エロゲーの進化する余地が少なくなって感動することが減り、業界の先細りがささやかれてなお、我々は毎月諭吉を握り締めてゲームショップへと向かう。 何故か? そういった全ての時代に共通する精神、それは「エロゲーが好きだ」「エロゲーを精一杯楽しみたい」ではなかったか? そして当スレの理念も、そこに端を発しているのではなかったか? 良ゲーとクソゲーは表裏一体、良ゲーが産まれる一方で、残念ながら一定のクソゲーが産まれることも避けられない。 ではそういったクソゲーは無価値なのだろうか? 否、そうではないと思う。 かつてとある騎士は言った。 「"犠牲"を支払わない限り、人は前へ進まない。歴史を作ることはできない」と。 そう、クソゲーもエロゲー界を構成する大切な要因であり、エロゲーの歴史の一部なのだ。 そうであれば、我々の使命とは、不幸にして産まれてしまったクソゲーをエンターテインメントへと昇華し、未来の良ゲーの礎として宙へと還すことではないか? この先どれほど厳しい未来が待ち受けていようとも、我々がエロゲーを愛する心を、エロゲーを楽しまんとする精神を忘れない限り、エロゲーがなくなることはあり得ない。 そして、たとえどんな敵が現れようとも、エロゲーがなくならない限り、クソゲーと向きあい続けるこのスレが終わることも決してないのだ。 その決意を新たにし、エロゲーを愛する全てのプレイヤーと、エロゲーを産み出し続ける全てのメーカーへ、未来からやって来た僕達の永遠のともだちの言葉を借りて激励を送り、2014年のKOTYeを結ぼうと思う。 「未来は、これからかえることができるんだ。あんなにならないようにがんばれ!」
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/403.html
【2013】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 65本目 http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1396286877/ 451 名前:Dies選評 ◆Zncr3rD4Vk [sage] 投稿日:2014/04/08(火) 23 06 12.35 ID LjzN5Njc0 [2/10] 今からさかのぼり2007年12月21日、今のクソゲーの先駆けともなり大騒動を起こした作品がある。それがlightから発売された「Dies irae-Also sprach Zarathustra -」である。この選評では本作が巻き起こした騒動の顛末も含めて記そうと思う。 本作は町に突如現れた聖槍十三騎士団というナチの軍人達から日常を取り戻すために異能を身につけバトルを行う学園バトルオペラADVである。ライター正田崇(以下、正田)の前作である「Paradise Lost」がバトル物として隠れた良作と評価され、シナリオ、美麗なグラフィックなどで期待されていた作品で、体験版も高評価だったために大きな期待を寄せられていた。しかし一年以上延期を行っており、ファンは不安を覚えつつ発売を待っていた。しかし発売後蓋を開けてみれば5章以降、説明不足ゆえの置いてきぼりなシナリオとつまらないバトルで頭を悩ませることとなる。箇条書きになってしまうがルート別に筆者が特に気になる点をあげていく。◎マリィルート・主人公との戦闘中に自問自答しだし、六十年願い続けた願いをあっさり諦め改心するシスター・シスターを粛正しかっこよく登場した元ドイツ軍人で幹部の赤騎士。 しかし直後に急に目覚めた主人公の能力により出オチになりそうになる(幹部の一人黒騎士に助けてもらうも悪態をつく) その後最終決戦で同盟国日本の十八番であったカミカゼを予想できず死亡・初登場時、頭のネジが飛んでるやばいヤツと思われていたが、戦闘中バイクに乗り「ぶーん」とかいいだすような精神しか持っていなかった幹部の白騎士。 最終的に赤騎士の攻撃に巻き込まれることを悟り、もがこうともせず「あ~こりゃ死んだね」といってあっさり死亡。・ラスボスとの戦闘開始直前に「いくぞ!」と声を上げ、突然最終段階に覚醒。(本作では能力が4段階に分けられるが、直前の戦闘で3段階目をマスターしたばかり。)・ラスボスを倒したら突然主人公は元の世界へ押し返され、別世界に残るマリィと離ればなれになるが、どうして別れなければならないのか説明は無い。◎香純ルート・平団員のチンピラに無能力の味方が立ち向かい、銀による攻撃が通ることが判明するも、 どうして通るか説明されず。(敵は基本的に能力の攻撃でしかダメージを受けない。)・60年かけられて作られた生贄である先輩の代わりとして香純が生け贄の代役に選ばれたが、なぜ香純が代役たり得たかは不明。・終盤チンピラが攻撃をよけない舐めプ。その後なぜかドイツのヴィルヘルム教会から輸入されていた巨大な十字架に心臓つぶされチンピラ死亡。 (これもなぜ攻撃が通ったか不明のまま、ちなみに輸入していたのは騎士団)・ルートボスと戦闘後で主人公が昏睡状態になる。その後最後の敵が死んだことで突如目覚め花園をバックに香純がおかえりと言ってエンディング。といった具合である。特に香純ルートではシナリオの説明不足が多く、どうしてそうなったのかサッパリわからないことばかりでエンディングも感動どころではない。また、期待されていたバトルも上述の他、液体窒素を空中でぶちまけなぜか敵が凍るなどの酷い有様であった。ただひとつの救いはマリィルートの親友vs平のチンピラだけは正田が書いたようで、最終的にチンピラが敵の中で一番強かったんじゃね?と言われる程度には評価が高かった。さらに発売前は、ヒロインは4人と思われていたが実際に攻略できるのは香純とマリィの2人だけで、さらにHPで公開されていたCGの一部が未使用であることが判明。残りのふたりのルートを期待した人はだまされたと嘆く羽目になった。ソフト単体で見れば駄目な要素は以上で、CG・BGMの評価は高かったため、ただのクソゲーの部類であったのだが、真に問題となったのがメーカーであるlightの対応である。前述の通り中盤以降急激にテキストが劣化するため本当に正田が書いたのかと疑問に思われていたが、EDになると告知されていたライターは正田1人だったはずが実際には7人いたことが判明(パッケージには正田1人のみ、彼らは七英雄と蔑まれることになった)。発売日当日になり、HPの商品概要欄を変更、さらに公開されていた未使用CGをHPから抹消し、違うCGに黙って差し替え、未完成を隠蔽しようとする暴挙にでたためネットで大炎上。この騒動はタイトルにちなんで「ユーザー怒りの日」と呼ばれた。さらに代表が「元々ルートはマリィ1つだったが要望によりルートを増やそうとした、しかしまとめられず初心に返りまとめられるように作り直した。要望が多いようなので追加パッケージを出す。」という言い訳がましいメッセージをだし、元々入っていたはずのシナリオを分割して販売する分割商法のようなやり方を行うことで精神を逆撫でするも、追加パッケージを出すと公言したためとりあえず炎上は鎮火された。しかしその後追加パッケージの続報はないまま、約半年後書き下ろしドラマCD入りのサウンドトラックが発売。さらにそれとは別に正田書き下ろしの前日譚ドラマCDが8月に発売され、追加パッケージ書けよ、と早くと本編を期待していたファンの気持ちを逆撫でし続けた。最終的には正田がリライトした新装版・完全版(新装版は2ルートのみ、完全版は4ルート)の発売(それぞれ2009年7月と12月に発売)。幸いにも、2007年版を持っていて、同封のIDを登録すればタダで新装版・完全版をプレイできたが、アクティベーションのネット認証がややこしい、店舗別特典のドラマCDの数が多い、そもそも新装版ださずに最初から完全版出すべき、等最後までファンを舐めくさった対応をとり続けた。余談ではあるが、lightの作品を手がけていたライター早狩武志が本件に触れ、問題の本質とは全く別方向のユーザー批判を繰り出し炎上したという珍事も発生したことを記述しておく。(まとめ)BGM、CGはすばらしかったのにシナリオ、あんまりにあんまりなメーカー対応により作品の価値を大型クソゲーへと落とした作品。本作最大の罪は本作が発売された次の月にCUFFSの「Garden」と合わせて後の未完成商法と呼ばれるやり方を示してしまったことである。以前から「それは舞い散る桜のように」のように2部作にして結果的に未完成になってしまうこと、「おたく☆まっしぐら」のようなシナリオは入っているのにバグでプレイできずパッチも不完全、打ち切りエンドはあっても、ルート削除・シナリオライター変更等大きな変更を隠蔽して発売する詐欺のようなことを行う事態はなかったため後の業界に大きな爪痕を残すことになってしまった。なお現在の本作の価値は、本作と傑作と言われる程度に評価の高い完全版を読み比べ笑い飛ばすものであり、それと同時にADVにおけるライターの重要性を学ばせる教本であるのでエロゲ初心者には是非両方買うことを薦めよう。