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白い肌が、華奢な身体が、女の子らしいところが、羨ましかった。 「…おじさん、完璧に負けてるねぇ…」 私、―――園崎魅音は、そう呟いた。 視線の先にいるのはクラスメートの竜宮レナ。 かぁいいものが大好きで、料理が上手で、優しくて、しっかりしてて…… そして何より、圭ちゃんの心を射止める事が出来た女の子。 圭ちゃんとレナが付き合い始めてもうしばらく経つけど、未だに心の傷は癒えない。 2人が笑い合ってるのを見るたび心がチクチクと痛む。 性格が悪い、なんて自分でも思うけど、心の中の黒い感情は一度芽生えたらなかなか収まらないものだ。 ふとレナと交わした約束を思い出す。 “どっちが選ばれても恨みっこ無し!正々堂々と勝負しようね!” その約束通り、私は正々堂々戦った。そして、敗れた。 圭ちゃんはレナを選んだのだ。 …私は恋愛対象どころか、女の子としてさえも見てもらえなかった。 「…うん、大丈夫。気にしない、平気!」 そう自分に言い聞かせるように呟く。 辛くない、といえば嘘になる。 けど、圭ちゃんを好きなのと同じくらいレナも好きなのだから。 ―――大丈夫。応援出来る。 うまく笑える。 今までのように、そしてこれからも普通に接する事が出来る。 …そう、思っていた。 あんな現場を見るまでは。 その日は珍しく部活が無かった。 梨花ちゃんと沙都子が、夕飯の買い物をすると言ったからだ。 ちょうど私もバイトがあったから、ダッシュで帰った。 …レナと圭ちゃんを、置いて。 猛スピードで廊下を走り抜けて、階段を飛び降りて、下駄箱に上靴を押し込んで。 校門を出ようとしたちょうどその時、ふと鞄がいつもより軽い事に気付く。 ……まさか。 ごそごそとカバンを探る。やっぱり無い。 「お弁当袋、置いてきちゃった…」 ポツリと言葉を漏らす。 言ったところでどうにかなるわけでもなく、魅音は大きく溜め息を吐いた。 ああ、もう、せっかくここまで来たのに! ぶつくさと文句を垂れながら魅音は回れ右をした。 このままでは完璧に遅刻だ。 詩音、怒るかな…そう思いながら教室のドアに手をかける。 と、そこでドアが少し開いてることに気づいた。 「もー、最後の人はドアくらいちゃんと………、…」 そこで見た光景。 最初はよく見えなかった。 それがだんだんと輪郭を帯びてくるにつれ、私の心臓の鼓動は速くなっていく。 「あ、ま、待って圭一く…ッ! は、ふ…っ…あうっ、あぁぁあぁあッ!!!」 「レナ、レナ、レナッ…!俺、も…出る……ッ!!」 一瞬にして頭が真っ白になった。 チカチカと、頭の中に閃光が走っている。 そこにいたのは顔を真っ赤にして小刻みに震えるレナと、無心に腰を降り続ける圭ちゃんだった。 「あ、…… 圭ちゃ… れ、な…?」 驚いた私の声も聞こえないほど2人は行為に没頭していた。 だらしなく口を開け涎を垂らすレナ。普段の清楚なあの子からは想像もつかないほどいやらしい顔。 それは圭ちゃんも同じで、2人して獣のように深く、深く、交わりあっている。 いけない事だとは分かっているが、目が反らせない。 「あ、ふ…」 くちゅり。 おもむろに自分の下着の中に手を入れた。 そこはほんのりと湿っていて、ずくずくと疼いている。 指を縦に擦るように数回往復しただけで、そこからは液が溢れてきた。 「っふ、…… んっ… ぁ」 あまり大きな声を出すと聞こえてしまう。 そう思い片手で口を塞いだ。くぐもった声がかすかに聞こえるが、あの2人にはきっと聞こえないだろう。 「ん、あふっ… は、ふぁ… っ」 そのうち秘部だけでは満足出来なくなり、同時に胸も弄った。 その大きい豊かな乳房に手を沿え、やわやわと揉みしだく。 時折固くいきり立った頂点をピンと指で弾くと、電撃でも走ったかのように身体を反らした。 「あぁう… んぅ、 っ…!」 股間と胸をまさぐりながら、圭ちゃんとレナの嬌声をBGMに1人よがっている自分。 …無様だ。カッコ悪くて恥ずかしくて変態だ。…そして、何よりみじめ。 そんな状況にも関わらずこんなにも興奮してしまうなんて。 「あ、あぅ、…ん、ふぅ…っ!や、ダメ、止まんな…!」 だんだんと指が加速していく。止まらない止められない。 口を塞ぐのも忘れ、両手で乳首を強くつまむ。ねじる。ひっぱる。 ドア越しからレナの喘ぎ声が聞こえてきた。 「け、圭一くん、レナ、もうイくっ、イっちゃうッ、ッあぁ―――っ!!」 「ふぁぁああぁああっ!!!」 イく、と言ったのはレナだったのだろうか、それとも私だったのだろうか。 どちらかは定かではないが、恐らく同時にイったのだろう。 壁にもたれてハァハァと息を荒げる。ひんやりしていて気持ちいい。 頭がボーっとする。廊下には小さな水溜りが出来ていた。 …やった。やってしまった。 圭ちゃんとレナ。2人がしているのに興奮したとはいえ、まさかこんなところで――― 「レナ、立てるか?」 「…うん、だいじょぶ… ありがと、圭一君」 「!」 やばい――― 圭一とレナが魅音のいるドアの方に向かってきた。 咄嗟に隠れ場所を探すが隠れようにも場所が無い。 魅音は隣の教室に飛び込んだ。ドアを閉める余裕なんてない。 かと言って今更閉めにもいけないので、必死に身を丸めて隠れた。見つかったらどうしよう…! 「あったぜレナ。ホラよ」 「ありがと、圭一君」 …どうやら圭一たちは散らばった衣服を集めていただけらしい。 安堵の溜息が漏れた。 …何も隠れる事、なかったかな。 そろそろとドアから顔を出す。 …このまま流れで中へ入ってって、弁当袋を取れないだろうか。 おじさんモードで、ごめーん見ちゃったデヘヘ☆なノリでいけば、なんとか… そう思い、魅音は教室をチラリとのぞく。 そこで見た光景に凍りついた。 お互い無言で、だけど微笑みを浮かべて心地良さそうに。 唇を重ね合わせ、ぴったりと抱きしめ合っている圭一とレナ。 2人は本当に幸せそうに寄り添いながら、笑っている。 言葉なんていらない。 気持ちが通じ合ってるもの。 ……2人の顔が、そう言っている気がした。 なんだ、最初から私の入る隙間なんてありゃしなかったんだ。 先程のシーンを見るのもなかなかキツいものではあったが、なんとか我慢する事が出来た。 …我慢するどころか2人をオカズに自慰までしてしまったぐらいだ。 だけど、今この目の前にある光景は……もう耐えられない。 嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!! ぷつんと、何かが切れたような音がした。 なんで圭ちゃんとレナのこんなシーンを見なくちゃいけないの。なんで2人が愛し合っているところなんて見なくちゃいけないの!? だいたい学校なんかでするのは間違ってる。私じゃなくて先生や他の生徒が通りかかったらどうするつもり?! ……ああそうか。レナの作戦なんだね。こうやって2人がバカみたいに夢中でセックスしてるところを見せつけて、公認のカップルになろうって魂胆?! すごいねーレナは。策士だよホント、かなわないわ! すごくて策士でずる賢くて、汚くて卑怯で浅ましい! くっくっく…。 気づけば自然に笑みがこみ上げてきた。 握りしめた拳に爪が食い込み、血が流れる。 そうだよ。 入り込む隙間が無いのなら。 ………壊せばいい。 ただ、それだけのこと。 魅音は薄く微笑みを浮かべ、歩き出した。 ………2人のいる教室へと。
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2006/06/30(金)投稿 「おいで、強姦魔……。 遊んであげるわ」 いつもの梨花ちゃんとは思えない大人びた口調。その目には、艶やかな光があやしく灯っていた。 こんなにも幼いのに、その瞳にはまるで熟女のようないやらしさが感じられる。 「り、梨花ちゃん……」 ゴクっと生つばを飲みこむと、俺は我慢できずにズボンを降ろしていった。 めったに人の来ない校舎裏とはいえ、ここは学校の敷地内。 おまけに遠くからはまだ鬼ごっこを続けている生徒……レナや魅音の声もしているというのに。 迷うことなく、その色っぽい少女の前に勃起したペニスを露出させる。 「ハァ、ハァ……梨花ちゃん、お、俺……」 息を荒げながら、すでに大きくなっているものをググっと梨花ちゃんの顔に近づける。 彼女の吐息がかすかに亀頭にかかり、くすぐったいような刺激が走る。 「ふふ……まさかほんとに出すとはね?」 信じられない男……とでも言うように、梨花ちゃんはフンッと鼻を鳴らした。 そして俺を見下すような目つきで、目の前に迫ったペニスをジロジロと見つめてくる。 「もうビンビンじゃない……見られただけで、こんなにおっきくさせちゃって……」 「……う……」 まるで女王様のような目で、言葉で……俺の勃起したペニスを罵倒する梨花ちゃん。 その熱っぽい瞳で視姦され、いやらしい言葉で罵られるだけで……それがピクピクとうごいてしまう。 「ふぅん……圭一は罵られて感じるの? こんなにヒクヒクさせて……」 「う……うぅぅ……」 「こんな小さな女の子に罵倒されてるのに、それでも興奮してるのね……このマゾのドスケベ」 「あぁ……り、梨花ちゃん……もっと……」 更に汚く罵られて、ペニスがビクビクと喜びに打ち震える。 もっと見て欲しい、もっとイジメて欲しいと思いはじめたとき……ペニスにシュルリと細いものが巻きついてきた。 柔らかくしなやかな、指の感触。 梨花ちゃんのもみじのようにかわいい手が、俺の大きくなったペニスを握り締めていた。 「あぁ……り、梨花ちゃんの手が……ちっちゃな手が……」 「こうして欲しかったんでしょ? スケベな圭一……」 大人っぽい声でささやくと、彼女は手にしたペニスの感触をニギニギと確かめる。 ガチガチに硬くなったそれは指を飲み込まず、ただ血管をドクドクと浮き立たせて張り詰めているだけだった。 「すごくカッチカチ……もう出ちゃいそうに見えるわよ? もう出るの? 射精しちゃいそう?」 「あぁ……そ、そんなふうに言われたら……」 「だってもうこんなにパンパンなんだもの……ほんとはピュッピュッってしちゃいそうなんじゃないの?」 何度も聞き返してくる梨花ちゃんに、おもわずほんとに出しそうになるのをこらえる。 歯を食いしばってグっと絶える俺を、主導権をもっている彼女がクスっと笑いながら見ている。 「ふふ……ところで圭一は、『どっち』の方がいい?」 「…………?」 『どっち』というのはつまり、普段の梨花ちゃんと今の大人びた梨花ちゃん。 そのどっちでされるのがいいか、ということなのだろうか。 気持ちよくしてくれればどっちでも……と思った俺はこう答えた。 「……両方」 「ふふふ♪……欲張り」 まるで姉がわがままな弟にするように言うと、梨花ちゃんはだんだんと表情をやわらげていった。 いつものような子供の顔つきになって……俺のペニスを弱々しく見つめてくる。 「とってもおっきいのです……。 圭一はボクみたいな子にハァハァする、悪い子さんだったのですか……?」 何事もなかったように、梨花ちゃんはそのままペニスに添えた手を小さく動かし始めた。 つかんでいる指をやんわりと上下に動かし、ペニスの竿をシュッシュッシュッと擦る。 「う、うあ……き、きもちい……」 「こう……? こうすればいいのですか? こうして……おちんちんをクニュクニュすればいいのですか?」 何も知らない少女のふりをしても、手つきはちょうどペニスがきもち良くなる速さでシゴかれている。 おまけにプニプニした未成熟な手の感触も、たまらない快感をもたらしている。 「く……そ、そう、梨花ちゃん……そうしてもっと早く、こ、こするんだ!」 「み、みぃ……圭一、少し怖いのです……」 興奮してつい大きくなった声に、梨花ちゃんは怖そうにフルフルと震えはじめる。 自分の腕ほどもある醜悪なペニスを、怯えるように手でシゴいていく……。 「ボ、ボク、ちゃんと言うとおりにシコシコするのです……だから怒らないで……」 少し涙目になりながら、がんばってシュッシュッとペニスをしごく梨花ちゃん……。 わざとやっているのかもしれないとは思ったが、それでもそのか弱い仕草はどことなく背徳感をそそられる。 そのまま彼女の体の目線を下げていくと……凹凸のまったくない、ぺったんこな体操着が目に入った。 「梨花ちゃん……こ、ここも見せて……」 変質者のような気分になり、俺は彼女の体操着に手をかけていた。 「み、みぃぃ……圭一、そ、そんなとこ見てはダメなのです……」 嫌がる梨花ちゃんの手を払いのけ、ピラッと体操着をめくる。 ブラなんてまだしてるはずもなく、ツルツルの素肌とその上の突起がすぐに現れた。 まったく膨らんでいない胸に、もうしわけない程度にちょこんと乗った……ピンク色のかわいい乳首が。 「あぁ……とってもかわいいよ、梨花ちゃんのおっぱい……」 その誰も触れたことのないような美しさに、我慢できずに手を伸ばしていく。 「みぃ! さ、さわっちゃダメなのですよぉ……あ、あぁん……」 両手の人差し指で、コリコリっと両方の乳首を転がしていく。 かすかに硬くなっているそこは、指の先にしっかりと反応するように刺激を返してきた。 「ひゃん! ……ダ、ダメです、そんなに弄ったらイケナイのですよぉ……」 「でも梨花ちゃんのおっぱい、すごくピンピンになっちゃってるよ?」 「み、みぃみぃみぃ! そ、そんなことはないのです……圭一のイジワル……あ、あん、あん!」 俺の恥ずかしい言葉に、イヤイヤと首を振る梨花ちゃん。 そのかわいらしい仕草に、俺は更にたまらない興奮をおぼえていく。 それに合わせてドクドクとペニスも動き増していく。 「あ……け、圭一のおちんちん、またおっきくなったのです……」 いまにもおヘソに付きそうなほど反り返るそれを、梨花ちゃんは両手でいっしょうけんめい握りなおす。 右手で亀頭のすぐ下を、左手を根元のほうに添えてグッグッグッと上下に動かす。 「うく! り、梨花ちゃん……い、いいよ……もっともっと強くして!」 「みぃ……でもこれより強くしたら……ズキズキで痛い痛いなのですよ?」 「い、いいから……痛いくらいにしていいから、も、もっと……」 俺のお願いに、梨花ちゃんは更に手の動きを速めていく。 ペニスを包んでいる包皮を亀頭の上にまで伸ばし、それを今度は一気に根元まで降ろす。 それを短い間隔で何度も何度も……シュコシュコシュコと卑猥な音をさせながらペニスをシゴいていく。 「ん、はぁ、はぁ……け、圭一……おちんちんがピクピクでドキドキなのです……」 「う、うん……梨花ちゃんの手がきもちいいから……お、おちんちんからミルクが、で、出ちゃいそうだよ」 徐々にペニスの根元に集まってくる疼きに、亀頭の先がビクビクと震えていく。 梨花ちゃんは激しくなる手の動きに息をはずませて、そのハァハァとペニスにかかる吐息も射精を近づけていく。 「はぁ、はぁ……こ、ここから……このさきっぽの割れたところから出るのですか? 圭一のミルク……」 「そ、そう……だからこのまま、このまま梨花ちゃんの手で……手の中で!」 下半身を震わせながら、射精まぢかの快感におもわず腰を前に突き出していく。 目の前の梨花ちゃんも興奮したように顔を赤らめ、ペニスの射精をいまかいまかと待ちわびているように見えた。 「はやく、はやく見せてほしいのです……。 圭一のおちんちんがピュッピュッってするとこ……ボクに見せて……」 「で、でるから……もうすぐ俺のミルクで、でるから!り、梨花ちゃん、み、見てて!」 根元に集まっていたものが尿道をかけあがり、亀頭の中をドクンッと突き抜ける。 そして、いますぐ射精するといった瞬間……梨花ちゃんは俺の目を見ながらそっとささやいた。 ゾクッとするような……きつい目つきで。 「…………ほら……とっととイっちゃいなさい。 このロリコンのド変態……」 「!?……あ、あうぅぅぅ!で、でるぅぅぅ!」 最後の最後でまた罵られ、俺は最高の興奮の中で達していった。 ペニスが上下にビクンビクンと動き回り、亀頭の割れ目から溜まっていたものを射精していく。 ピュ!ピュピュゥ!ピュウゥゥッッ! 最初にピュッピュッと透明な液が排出され、その後にドパドパとゼリーのような濃い精液がせめぎ合うように飛び出してきた。 ドビュゥ!ドビュゥッ!ドビュウゥゥッ! 「あ、あぁ! 梨花ちゃん!梨花ちゃん!梨花ぁ!りかぁぁ!」 射精の快感から、俺は狂ったように彼女を恋人のように叫ぶ。 その梨花ちゃんは、目の前で行われているペニスの射精をとても落ち着いた目つきで見つめていた。 「ふふ……圭一の、たくさんザーメン出してる……」 自らの体にドロドロとした臭い液体がかかっていくのもかまわず、青い髪の毛、愛くるしい顔、桃色の唇、ぺったんこな胸。 体操着やブルマにまで飛び散る精液を、避けることなくビチャビチャと全身に浴びていた。 「すごい……圭一の匂いが……たくさんついちゃう」 「う、うぅ……あぁ……梨花、梨花……ちゃ……ん……」 「……終わった?」 しばらくして射精がおさまると、梨花ちゃんは体に付いた精液に目を移していく。 胸に付いたひときわ大きな塊をすくうと、そのヌルヌル感を味わうように指と指で擦り合わせる。 「こんなにいっぱい濃いの出しちゃって……圭一、よっぽど興奮したのね?」 「…………うん」 射精後の気だるさと恥ずかしさから、俺はただそれしか口にできなかった。 こんな小さな女の子に、イタズラして手コキをしてもらった……。 その背徳感と快感が入り混じった感覚に、俺はめまいのような余韻に浸っていた。 「ねぇ……今度は、口でしてあげようか?」 そう言って妖しく微笑むと、梨花ちゃんはペロリっと唇についていた精液を舐め上げた。 そのしぐさ……そのいやらしいしぐさだけで、俺の余韻はふたたび熱いものに包まれていくのを感じた。 「ぜ、ぜひおねがいしまっ……!」 「ああごめん、やっぱりもう無理みたい」 「え、ええ!?……そ、そんな……」 「だってほら……聞こえるでしょ?」 梨花ちゃんがチラっと遠くを見るような合図をする。 するとどこからか、聞いたことのあるような声が聞こえてきた。 「圭一くぅ~ん! 梨花ちゃ~ん、どこ~? もう鬼ごっこ終わりだよぉ~~!」 遠くから、レナの俺達を呼ぶ声が聞こえる。 時間になっても帰ってこないので、心配して探しにきたらしい。 いまほどレナが恨めしく思えたことはない……。 「……もし……」 がっかりしている俺に、梨花ちゃんが何かを思いついたように口を開く。 「もし私が……これから泣きながらレナのところに走っていったら、どうなると思う?」 イタズラっぽく微笑みながら、梨花ちゃんは俺をじっと見据えて言った。 もし……もしいま梨花ちゃんが泣きながら……レナのところに行ったら? 彼女の言った言葉を、そのまま頭の中で想像してみる。 怯えるようにみぃみぃと泣きながら、レナの胸に抱きついていく梨花ちゃん。 何事かとレナがその体を見ると、体じゅう汚されるように付着した液体……。 半脱ぎにされた体操着に、泣きじゃくる顔にまで真っ白な精液が張り付いている。 そのツンとくる独特の匂いに、何かを思い出すレナ……。 「梨花ちゃん……そ、それって……」 「そう、圭一は晴れて性犯罪者ね……クスクスクス♪」 「じょ、冗談……だよ、ね……?」 冷や汗をかく俺に、梨花ちゃん……梨花?はクスクスとただ笑うだけだった。 二重人格なのか、それともどちらかが演技なのかはわからない。 でも俺は、いつのまにかこの二つの梨花ちゃんに翻弄されるのを望んでいるようになっていた。 特に梨花の罵倒してくる言葉は……思い出すだけでゾクゾクとしたものが背中を駆けめぐる。 「あ、あのさ……梨花ちゃんって……」 「ほら、圭一♪ はやく行かないと、レナがみぃみぃ泣いてしまうのですよ?」 うってかわり、にぱにぱ笑顔を見せる梨花ちゃんが俺の言葉をさえぎる。 そしてそのまま校庭の方へと、グイグイと俺の手を引っ張っていった。 この日以来……俺の梨花ちゃんを見る目が変わったのはいうまでもない。 Fin
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圭一家畜(マゾ)ものです。 「それじゃあレナちゃん。 今日も圭一のこと、よろしくおねがいね?」 「はいおば様♪ 圭一くんのことは全てレナにまかせてください。 はぅ~♪」 「うふふふ、ほんとレナちゃんは良い子ね~?だらしない圭一のお嫁さんにピッタリだわ♪」 「は、はぅ。 そんなおば様ったらぁ……」 圭一くんのお家の玄関。 そこでレナはおば様にいつもどおりそうお願いされました。 毎朝言われていることだけど、レナはいまだにこのやりとりがちょっと恥ずかしいです……。おば様によろしくおねがいって言われる。 そしてお嫁さんになんて言われちゃうと、なんだかお腹の下あたりがすごくムズムズしてきちゃうの。 そうだよね……。 もしレナと圭一くんが「そう」なったら、おば様はレナの本当のお母様になるんだよね。 は、はぅ~♪ 「あ、あのあの。 こんな不束者ですが、どうぞよろしくお願いします……」 「ぷっ! あははは、レナちゃんほんとに可愛いわ。 うちの息子と取り替えたいくらい♪」 「は、はぅ~。 そんなこと言っちゃダメですよぉ……圭一くん拗ねちゃう……♪」 圭一くんのお母様。 とっても気さくで素敵な人です。 おまけにすっごく美人さんなの。 圭一くんをお迎えしに来るのが目的だけど、おば様に会えるのもすっごく楽しいです。 彼がこの雛見沢に来てからもうずっと、それはレナの日課みたいなものになってました。 「にしても遅いわねあの子……ほ~ら圭一!レナちゃんもう来てるわよ~早くしなさ~いっ!!」 おば様が階段の上に声をかけます。 するとめんどくさそうな顔をしながら圭一くんが降りてきました。 なんだか……まだちょっぴり眠そうなのかな? 圭一くんは目蓋がうつらうつらしてて、まだ半分夢の中にいるみたいです。 ヨロヨロと階段を降りてきながら、レナ達のいる玄関にまで靴を履きに来ました。 「まったく……ほら、もっとシャンとしなさいってば! あんたね、毎朝わざわざレナちゃんが迎えに来てくれてるから遅刻しないですんでるのよ? わかってるの?」 「はぅ……そ、そんなおばさま、レナはべつにいいですから……」 「いいのよレナちゃん。 この子は甘やかすとすぐつけあがるんだから、これくらい厳しく言うくらいがちょうどいい……のっ!!!」 そう言っておば様は、まだ眠そうにしながら靴を履いている圭一くんのお尻を叩きました。 うわ、痛そう。 途端にパっと目を開き、痛えなぁと呻く圭一くん。 くすっ、かぁいい…♪ あ、でもレナもおば様の言うことには賛成かな。 かな? 圭一くんはたしかに甘やかすと調子に乗っちゃうところ、あると思うな。 子供みたいに。 それはレナもよく知ってることだしね……♪ 「ほら、さっさと靴履きなさい! まったくあんたは……じゃあレナちゃん、よろしくね?」 「は~いおば様。 グ~タラな圭一くんはちゃ~んとレナがお世話しますから安心してください。 はぅ~♪」 おば様に合わせてレナがイジワルを言うと、圭一くんは何かブツブツ言いながら玄関を出て行っちゃいました。 はぅ、置いていくなんてヒドイよぅ……。 「ま、待ってよ~圭一くん……。 あ、それじゃあおば様、いってきま~す♪」 「いってらっしゃいレナちゃん♪ あ、圭一!レナちゃんに迷惑かけるんじゃないわよ!」 まるでテレビドラマみたいなやりとりです。 優しいおば様の声に見送られながら、レナは玄関から飛び出していきました。 置いてかれちゃうと思って慌てて走ったけど、圭一くんは歩くのを緩めてくれたみたい。 すぐにその背中に追いつけました。 いつもみたいに並んで登校していきます。 レナと圭一くんはすっかり仲良しさんなの♪ あ、でもあんまりのんびりもできないみたい。 結構早めにお家を出てきたのに、大分時間が経っちゃってました。 もう、これも圭一くんがお寝坊さんのせいだよ……。 「……これはお仕置きが必要だね。 きっついお仕置き。 圭一くん、覚悟はいいかな?」 レナが静かにそう呟くと、隣にいた圭一くんはビクンとしました。 あ、ちょっと怖かった? なぁんてね、嘘。 圭一くんをちょっと驚かせようとしたレナのイジワルでした。 玄関であんなに待たされたんだもん、レナだってちょっとはお返ししてもいいはずです。 でもそれだけだとアレなので、念のため釘を刺しておくことにしました。 隣で歩いている圭一くんの耳元に、スっと口を近づけます。 そして言ってあげるの。 「でもちゃんとしてないと、ほんとに「やっちゃう」からね? それだけはちゃ~んと覚えておいて。 ……わかった? ねぇお返事はお返事。 レナ圭一くんのお返事聞きたいなぁ……」 ……圭一くんはコクンと頷いてくれました。 うん、良い子さん♪ それじゃあ行こうか? レナは圭一くんと手を繋ぎます。 そして学校までの通学路を一緒に歩いていきました。 最近はもうこうして手を繋ぐのが当たり前になってます。 仲良しの証拠なんだ。 朝の陽射しがとってもきもちいい雛見沢。 村のあぜ道をこうして並んで歩いてると、レナはまるで圭一くんとデートしてるみたいな気分になれるんです。 はぅ~♪ これでしばらく二人は恋人気分。 魅ぃちゃんとの待ち合わせ場所に着くまでの数分、圭一くんはレナだけのものなんだよ。 やった~やった~よ~♪ ……ああ、でもそうはいかないみたい。 レナは気が付いちゃいました。 両脇が田んぼに挟まれた坂道。 魅ぃちゃんの待ち合わせ場所までの中間くらいのところに差し掛かると、なんだか圭一くんの様子がおかしくなってたの。 息がハァハァ荒くなっていて、お顔もちょっぴり熱っぽいみたいに赤くなってたの。 「どうしたの圭一くん。 お顔が真っ赤っかだね?」 レナはそう聞いてあげました。 大好きな圭一くんがお風邪でも引いてたら大変だもん。 当然、心配になります。 …………なぁんてね。 ほんとは全部わかってる。 これは風邪なんかじゃない。 お病気でもないの。 まあ強いて言うなら、男の子の発作かな? オスに特に起こりやすいものだね。 「はぁ……またなの圭一くん。 ほんと毎朝毎朝、なんだね……」 あまりにわかりやすい彼の仕草に、レナはおもわずため息をついちゃいます。 隣で歩いている圭一くんはそれにビクっとしました。 圭一くんの考えてることなんて、全てお見通し。 おまえはほんとにわかりやすいね? どうせまたいつもの「アレ」なんでしょう。 レナにはすぐにわかっちゃった。 嫌でもね。 毎朝毎朝のことだもん、そりゃあわかるよ。 レナのこと馬鹿にしてるのかな。 さっきまで恋人気分がもう台無し。 台無しだった。 どうしてくれるんだろう。 ……でもそんなの圭一くんは関係ないみたい。 なんだか身体をソワソワさせて、レナのお顔を期待を込めて見つめてくるの……。 「……なぁに圭一くん。 レナのお顔に何か付いてるかな。 かな。 はぅ~、虫でも付いてたら嫌だよぉ。 取って取って~?」 ほんとはわかってるんだけど、レナはわざとイジワルをして焦らしてあげます。 だってこれは圭一くんのお願いだから。 「ペット」のおねだりなんだから、ご主人様がイジワルするのは当たり前だよね。 すると圭一くんはモジモジし出しました。 恥ずかしいのかな、なんか子供みたいに身体を揺らし始めます。 おまけになんか口元でゴニョゴニョ言ってる……。 「シテ」だとか、「欲しい」だとか。 あーそういうの嫌いだなぁ、レナ。 男の子のくせにウジウジウジウジ。 言いたいことがあるならはっきり言って欲しいの。 そういうの、ペットとしてはよくないよ? そんな男らしくないから、レナや魅ぃちゃんはおろか…梨花ちゃんや沙都子ちゃんにまで……。 まあ、とにかくレナは怒ります。 はっきりしないペットは大嫌いだもん。 ちゃんとしつけてあげないとね。 嘘だッ!!の時じゃないけど、圭一くんのお顔をキツク睨みながらこう叱ってあげるの。 「だから、なに? そんなオドオドしてないではっきり言いなよ、このブ●野郎……」 ビクンっと身じろぎする圭一くん。 レナがそんなに怖かったのかな、そのままブルブル怯えていくの……。 ちょっと言いすぎたかな。 そこまで言うつもりなかったんだけどなぁ。 でも圭一くんは家畜だし、これくらい平気だよね? うんうん平気平気♪ レナがイラついてるってわかってくれたみたいだし。 すぐに彼は「ごめんなさい」してくれました。 あ、でもちょっと朝からキツすぎたかな。 ごめんなさい連呼モードになっちゃったよぉ~これはダメ。 「しつけ」ってやっぱり難しいです。 レナはすぐこうやって圭一くんを壊しちゃうの……。 だからレナはすぐに慰めてあげる。 ちゃんと直してあげないとね♪ 「はぅ~ごめん。 ごめんね圭一くん。 今のは嘘だよぉ~泣かないで? ね、ね?」 そうして今にも泣きそうなお顔を撫でてあげます。 さっきとはちがって、今度は圭一くんの身体を優しく抱きしめながら言ってあげました。 もちろんその時に胸を押し付けるのも忘れません。 圭一くんの胸板に、ポヨン…とセーラー服の胸元を押し当ててあげるの。 単純だもん。 こうしてあげれば、すぐ元通りになるんだよね? ほんとにスケベな男なの。 「ほら、機嫌なおして? レナが悪い子さんだったから……ね、ね、ねぇ?(むにゅむにゅむにゅ♪)」 そうやって何度も胸を押し付けていきます。 これはレナの得意技なの。 すると思ったとおり、圭一くんはすぐに立ち直ってくれました。 ほんとにバカな男……。 さっきまであんなに怯えていたのに、もうすっかりレナのセーラー服の胸元に目がいってます。 男の子ってほんとに簡単です。 簡単に手玉に取れるの。 致命的な弱点だね。 さっき圭一くんがお願いしようとしてたことも、つまりはそういうことだしね。 彼はレナに朝のご褒美が欲しいって、おねだりしてたんです。 もう毎朝毎朝の日課になっちゃってます……。 「もう、圭一くんったらしかたないなぁ……♪ でもここじゃダメだよ? え~っと……」 レナはキョロキョロと辺りを見回しました。 さすがにこんな往来のど真ん中でしてあげるわけにはいかないもんね。 人口が少ない雛見沢とはいえ、そのへんの田んぼには朝から野良仕事をしている人達もいます。 誰か人目につかないところ……と探していると、ちょうど良さそうな茂みがありました。 そこは深く木々が生い茂っていて、あそこなら誰にも見られる心配はなさそうです。 レナは圭一くんの手を引いてそこに入って行きました。 ……連れこんだって言ったほうが正しいかな。 まあとにかく、ペットを連れて入りました。 「……うん、ここなら誰にも見つからないね。 いっぱいエッチなことできるよ? くすくす♪」 思ったとおり、うまいこと木々が死角になって外からわかりにくい場所でした。 レナがそれを確認し終わると、圭一くんはもう待ちきれないとばかりに息を荒くしてました。 直立不動でジっと立ち尽くしたまま、ご主人様がこれからシテくれることを期待待ちにしているの。 「ふふふ……そんなに嬉しいの? ほんと圭一くんはスケベなんだから……♪」 レナがそう妖しく微笑んであげると、圭一くんはゴクンとつばを飲み込みました。 よく見るともうズボンの前がパンパン。 さっきおば様といる時はこんなになってなかったのに、いつのまにこんなに大きくさせたんだろうってくらいビンビンになってました。 ひょっとして……レナと仲良く手を繋いでる時にこうなっちゃったのかな? その時のレナは圭一くんを恋人みたいに感じてた。 手のぬくもりがすごくあったかくて、ほんとに純粋に君を身近に感じていた……。 なのに、圭一くんはそのぬくもりで別のことを考えてたってこと? レナと手を繋ぎながら、頭の中ではエッチなことばかり考えてたってことなのかな。 かな。 ……やっぱりただのブタだね。 少しでも期待したレナが馬鹿だった。 家畜と恋愛なんて。 なんだかすごく嫌な気分になりました。 おもわず殴りつけたくなっちゃうくらいに。 でもそれはグっと我慢しました。 お仕置きはいつでもできるんだから、今はご奉仕してあげないとね……。 「ほ~ら圭一くん、いつもみたいにレナが脱がせてあげる♪ ジっとしててね~?」 赤ちゃんをあやすみたいにしながら、レナは圭一くんのワイシャツに手を伸ばしていきます。 両手をボタンにかけて、それを一つ一つ外していってあげる。 お母さんみたいだね。 ペットなんだから、自分で脱げばいいのにって思う? うん、レナもそう思うよ。 でも圭一くんはこういうのがいいの。 こういうのが大好きみたいなの。 女の子に服を脱がされる……。 それにたまらなく興奮する変態さんみたいだから。 「ヌギヌギしようね~? レナがぜ~んぶ脱がせてあげる。 くすくすくす……♪」 一個一個ボタンを外していく。 プチ、プチ、プチってやっていくと、圭一くんはとってもきもちよさそうな顔をしました。 レナに赤ちゃんみたいなお顔を見せてくれます。 ……その顔がもうほんときもちわるい。 すっごくきもちわるくて、レナおもわず吐きそうになっちゃった。 でも家畜としては大合格かな。 男の子としては最低だけどね。 ああ、言わないけどね? そうしてやっと下までボタンを外し終わると、レナは圭一くんの上半身を晒していきました。 女の子のと比べるとあんまりかぁいくない、男の子の汚らしいお肌が見えてきます。 沙都子ちゃんや梨花ちゃん。 魅ぃちゃんのとは比べ物にならないほど醜い身体。 いかにも家畜らしいお肌だけど、レナはそこにヒタリと手を当ててあげました。 手のひらをピタっと押し付けて、家畜の汚らしい上半身を撫で回すようにサワサワしてあげます。 「ふふふ……♪ 圭一くん、レナにこうやってサワサワされるの……好きだよね?」 色っぽく聞いてあげながら、レナは圭一くんの身体を撫で回していきます。 上の方で首筋を撫でると、そこからスっと下に向かって、お腹の下あたりまで撫でてあげるの。 下半身はまだオアズケ……。 でも圭一くんはそれだけで、ああ…と声をあげるんです。 もうたまらないみたいに喘いじゃうの。 その声を聞いてレナはあることを思い出しました。 今までにも結構、こういうふうに身体をサワサワしてあげたことがあるんだけどね。 前に一度だけ、圭一くんに言われちゃった言葉があるの。 なんだかレナって、痴女みたいだよな……。 そう言われたの。 言われちゃったんだよ、たかが家畜風情にね。 失礼な言葉。 すっごく失礼だよね。 女の子に向かってチカンみたいだなんて。 まさか圭一くんにそんなふうな目でみられてたなんて、その時のレナは大ショックだったのを覚えてる。 たしかに今もこうして茂みに連れ込んでる。 そして服まで脱がせちゃった。 おまけに彼の裸を撫で回しちゃってるけど、そんなこと女の子に言っちゃダメだよね? その時のことを思い出して、レナはまたちょっとイラっとしちゃいました。 魅ぃちゃんが待ち合わせ場所で待ってる。 あまり時間もかけてられないし、レナは圭一くんの敏感なところを責めてあげることにしました。 「……ココ、もうちょっと硬くなってる。 期待してたんだね、このド変態……」 ちょっとキツメの声で言ってあげました。 圭一くんはビクっとしたけどそんなの関係ありません。 男の子にも女の子にも付いている乳首。 圭一くんのおっぱいを指で愛撫してあげたの。 そこはもううっすらと突起していて、指の感触を柔軟に返してくるほどしこっていました。 レナはそこをキュっと摘んじゃいます。 ううん、もうギュウギュウ摘んでいっちゃう。 ちょっとコリコリしてました。 そのまま指先でコロコロ転がしていく。 おもちゃみたいにね。 「ほーらほら……。 圭一くんはドMだから、おっぱい弄られるのが好きなんだよね~?」 またそうやって聞いてあげます。 質問と言葉責めは調教の基本だもんね。 でも圭一くんは答えてくれません。 でもいい。 答えるまでもなく喘いじゃってるからね。 レナが乳首をコリコリするたびに、圭一くんは、あっあっあっ…と女の子みたいな声をあげていくの。 男の子のくせに恥ずかしい。 普通男の子って声出さないよね? 喘がないよね? でも圭一くんは我慢できない男の子なの。 喘いじゃうオス豚なの。 これはレナ達だけが知ってる秘密です。 こんなかぁいい圭一くん、あのおば様だって知らないんだよ。 だよ? くすくすくす……♪ でもいくら喘ごうとも、レナは指だけじゃ済ましません。 もっともっといやらしいことをしてあげるの。 左手でおっぱいを弄りながら、もう片方の乳首に……口を近づけていきます。 「ん……圭一くんのかぁいいおっぱい、いただきま~す。 あ~ん……♪」 途端に圭一くんは嬉しそうな顔をします。 というより、だらしないお顔かな? レナはそのお顔を眺めながら、チュパリ…っと乳首を口に含んであげました。 上でまた変なお声がしたけど、そんなの無視して硬いしこりをチュパチュパしゃぶっていきます。 最初は優しく、なんて考えない。 時間がないからもう乱暴に。 音を立てて乳首をしゃぶっていきます……。 「ん……どぉ圭一くん。 おっぱいきもちいい? 乳首チュパチュパされてきもちいいの?」 一旦口を離してそう聞いてあげると、圭一くんはうんうんって何度も頷きました。 その頷き方がちょっとおもしろかった。 きもちいいからもっとしてしてご主人様!っていうのが簡単に見て取れる感じだったの……♪ だからレナはご褒美にもっと圭一くんをしゃぶってあげる。 スケベなペットの乳首を舌で可愛がってあげるの。 「んふふ、すっごく硬くなってる。 もうピンピンだよ圭一くん……いやらしいんだ……♪」 チュパチュパチュパ……。 赤ちゃんがするみたいに吸ってあげると、圭一くんのおっぱいはますます大きくなっていきました。 まるでおちんちんみたいなの……。 もちろん、吸ってあげるだけじゃないよ? 時折口をチュポンと離して、レロレロレロと舌でねぶってあげるの。 こうしてあげると圭一くんは喜ぶ。 もうすっごく喜ぶの。 ほんとにドMさんだから、大興奮だよ。 「……きもちいい? たまらないんでしょ、レナにおっぱい舐められるの……くすくすくす♪」 ピチャピチャピチャ。 ハァハァハァ……。 本来なら誰もいないはずの茂みに、レナのしゃぶる音と圭一くんの喘ぎ声だけが響いていきます。 ふと上目遣いにしてみると、圭一くんがレナのお顔をジっと見つめているのに気がつきました。 なんだろう、そのお顔。 彼はなんだかレナに熱っぽい視線を送ってきてます。 レナのことを卑猥な生き物だとでも言うような感じ。 あ、これ前にも見たことある顔だ。 まさかまたレナのこと、痴女だとでも思ってるのかな。 おっぱいしゃぶられてるから? もう、すぐそれなんだから。 百年生きてる梨花ちゃんみたいな熟女ならともかく、レナは圭一くんと同い年くらいの女の子だよ? チカンさんなんかになれるわけないのに……。 ほんとにスケベな女の子、って感じに決め付けてる。 そんな目だよ、圭一くんのそれは…。 「……そんないやらしい目で見ないでよ。 たかが家畜のくせに、レナに刃向かってるの?」 ……またイラついちゃいました。 だって家畜のくせにレナを見下してくるんだもん。 だからガリっとやっちゃった。 圭一くんの乳首に歯を立てちゃいました♪ わざとじゃない、おもわずだよ。 しかもほんとにちょびっと、優しくやったつもりなんだよ? あははははでもおもったより強くしちゃってたみたいだぁ。 圭一くん、あうっ!?って悲鳴あげちゃったぁ♪ うわ~痛そう痛そう。 乳首が痕になっちゃった。 もうレナの歯形がくっきりだね? あはははかぁいいかぁいいかぁいい乳首さん♪ まあいいよね。 だって圭一くんが悪いんだもんね。 ご主人様に逆らうとこういうことになるんだよ、よく覚えておいてね? ほらお返事はお返事。 返事しなって言ってるんだよねぇ聞いてるの圭一お返事はっ!? 「……うん。 今度から絶対そんな目でみないでね? 次はレナ噛み切っちゃうから……」 ……圭一くんはごめんなさいしてくれました。 うん、わかってくれたならいいんです。 でも大変です。 手元の腕時計を確認すると、もう大分時間が経っちゃってました。 このままじゃきっと魅ぃちゃんに叱られちゃいます。 「はぅ~大変大変。 もう魅ぃちゃん待ってるから、さっさとピュッピュッしちゃおうね~?」 レナはすぐに圭一くんのズボンに手をかけていきました。 ほんとはこれが目的だったのに、ついいつものM男乳首責めに熱中しちゃった。 そのままチャックをジーっと降ろすと、すぐに中からオットセイを取り出そうとしていきます。 でも、なかなか取り出せないの。 なんだか硬くって、中で引っかかってうまく出てこないの。 まったくもう……こんなビンビンにしちゃってるからだよ? 圭一くんはほんとド変態です。 仕方ないのでもうレナは乱暴に、グチャグチャにしながらむりやり引っ張り出しちゃいました。 途中おちんちんがものすごくしなってたようだけどそんなの関係ありません。 圭一くんの痛いっ!?て悲鳴も無視して、ようやくそのオットセイを取り出せました……。 「こんなに大きくしちゃって……。 圭一くんのオットセイ、あいかわらずすごいね……♪」 すごかった。 もうほんとにすごかったの。 圭一くんの勃起おちんちんです……。 もうビキビキに張り詰めちゃってて、見慣れているレナでもビックリしちゃうくらい大きく反り返ってました。 そう、もとはといえばこれが元凶。 圭一くんがこんなにスケベで悪い子さんなのも、レナ達とこんな関係になっちゃってるのもこのオットセイさんがイケナイんだよね? 「すぐに楽にしてあげる。 圭一くんのイケナイことしたくなっちゃう素、カラッカラになるまで絞り出してあげるからね……♪」 レナは憎たらしい目でそれを見つめながら、おちんちんの竿のところをギュっとしてあげました。 ちょっと強めに握るけど、いいよね? 時間がないし余裕もないんです。 魅ぃちゃんを待たせるどころか遅刻までしちゃうかもしれないけど、この圭一くんのおちんちんを静めるまでは学校になんて行けないもんね。 レナは竿を握り締めるとそのまま前後に…シコシコと手を動かしていきました。 いつもなら焦らして焦らして焦らし倒すんだけど、今日は別です。 すぐに射精させてあげるために、もうどんどん手のスピードを速めていきました。 「圭一くん、我慢しないでいいからね? すぐ出しちゃっていいの。 いつもみたいに出したらお仕置きなんて言わないから、このままピュッピュッってしていいよ、ていうかさっさと出して?」 レナはそう命令しながら、圭一くんのおちんちんをどんどんシゴいていきます。 シュッシュって激しくシゴきながら、もちろん乳首もペロペロしてあげます。 こうして両方シテあげると、この男はすぐに射精する。 それをレナはご主人様としての経験で知ってます。 ただでさえ朝。 夜中にこの袋にタプタプに溜まっただろうから、おちんちんの先っぽからはもうトロトロのお汁が噴き出ていました。 それがレナのお手々にいっぱいかかる。 もうピュッピュッて射精しちゃってるみたいにかかっていくの。 本当ならこれだけでもお仕置きものだけど、今日は特別です。 レナは手のひらを亀頭の先にかぶせて、そのお汁をたっぷりと受け止めてあげながら更にシゴいてあげます。 「ほら、きもちいいでしょ圭一くん。 こうやって手のひらでモミモミされると、すっごくたまらないんだよね? そう言ってたもんね~?」 亀頭をモミモミマッサージ。 これも圭一くんは大好きなんです。 でもなぜか彼は頷いてくれませんでした。 ただうーうー唸ってるだけで、歯をグっと食いしばって苦しそうなお顔をしています。 たぶん我慢してるんだね。 レナにここまでシテもらえるのはそうそう無いことだから、きっと射精するのがもったいないって思ってるんだと思う。 ……馬鹿な男。 我慢なんて無駄なのに。 たかが家畜が自制なんてできるわけがない。 レナが本気でやればこんな男なんてすぐに射精させられる。 ドピュドピュって簡単に屈服させられるんだよ? 口とかならともかく手でするの……えっと、手コキだっけ。 これなら簡単に射精させられる。 ほんと、ものの数分だよ。 五分と経たずに終わらせられるのに……。 「……圭一くん、なにガマンしてるのかな。 さっさとイっちゃってよ手が疲れるから。 おちんちんだけのオスブタのくせに、人間のフリなんてしないでね……?」 罵倒してあげると、ますますおちんちんがビクビクしてきました。 たぶん興奮したんだね。 うっうっうっーて唸りながら、圭一くんはもう射精目前です。 トドメを差せそうでした。 レナはおっぱいをもっと激しくしゃぶってあげます。 舌でペロペロペロ。 もう彼の乳首をベチャベチャにしながら吸ってあげるの。 上目遣いで圭一くんの顔を見る。 目が合っちゃった。 エッチな女の子だと思うなら思ってもいいよ? 今は実際そうだしね。 おちんちんもシゴいてあげる。 もっともっといやらしくシテあげるよほらほらほら。 こうやって根元からギュウギュウって、絞る取るみたいにしてあげる。 乱暴な方が好きなんだよね圭一くんは……。 「くすくす……♪ ほらイっちゃいな。 レナのお手々で射精しちゃいなよ。 たくさんたくさんドピュドピューって、みっともなく白いおしっこ出しちゃうんでしょ? レナが見ててあげる。 スケベな家畜、オス豚が性欲を満たすところをしっかり見ててあげるよ……♪」 あ、あっ、あーっと声が漏れました。 圭一くんのあえぎ声。 射精しちゃう時のやつです。 おちんちんが震えていく。 レナの手の中でビクンビクンと跳ねていきました。 先っぽの穴からまず透明な液がドピュッて出てきます。 そしてその後はもう真っ白なやつが、どぴゅどぴゅどぴゅ~っていっぱいいっぱい噴き出しきます。 レナはその瞬間を見ててあげます。 圭一くんは見られるのが好きだから、射精しているとこを視られるのがすきなド変態さんだから見ててあげます。 「わーすごいすごい、圭一くんいっぱい出してるねー? たくさんレナのお手々の中でどぴゅどぴゅしちゃって、きもちいい? ねぇ射精するのきもちいいのどうなのかなー♪」 一応また聞いてみるけど、圭一くんはやっぱり答えてくれません。 うーうー唸るだけ。 だってドピュドピュ射精してる真っ最中だもん、そんな余裕あるわけないんです。 だからこれはレナのイジワルでした。 はぅ~♪ でも興奮してくれてるのはわかるんです。 圭一くんは腰を必死に突き出しながら、レナのお手々にたくさんおちんちんを擦り付けてた。 それでもっともっとドピュドピュしてた。 それできもちいいよぉって言ってることにしてあげたの。 優しいご主人様で感謝して欲しいなぁ……♪ ……というか、長いねずいぶん。 射精がおさまらないよ。 そんなにきもちいいのかな? いつもならすぐピュピュ~ってして終わるのに、今日の圭一くんの射精はちょっと長めでした。 もう何回も何回もレナの手の中で暴れてます。 まるでマグマみたいにドビュドビュ精液を噴き出しちゃってるの……。 「……たくさん出るね圭一くん。 もっともっと出していいよ? ほーら根元からシゴき出してあげるほーらほーらほーら……♪」 レナは圭一くんの射精を手伝ってあげました。 おちんちんの根元のところをギュっとしてあげて、搾るようにシゴき上げてあげます。 尿道の中に残っているものがドビュウって噴き出してくる。 圭一くんのああっ!?て悲鳴が聞こえたけど、ちょっとやりすぎかな? ……あ、でもさすがに量が少なくなってきました。 ドロっとしたものが最後に噴き出ると、ようやく圭一くんのおちんちんはレナのお手々の中で鳴き止んでくれました……。 「……終わったね。 どう、きもちよかったでしょう? レナのお手々……♪」 ……圭一くんは涙目になってました。 よっぽどきもちよかったみたいです。 射精した後のおちんちんも少し赤くなってました。 まさに絞り出されたって感じです。 袋のとこも小さくしぼんじゃってたの……。 「よかった。 圭一くんがきもちよくなってくれると、レナもとっても嬉しいよ……?」 ちなみにここが調教の最大のポイントです。 この射精し終わった直後が、です。 エッチの最中どんなに汚く罵ったとしても、射精させた後はおもいきり優しくしてあげる。 それがレナの圭一くん調教法です。 射精後の気だるい感覚の中で、「女の子のやさしさ」をじっくり刷り込ませていくのがより良いペットに躾けていくコツなんだよ? はぅ~♪ 「くすくす……♪ おちんちん、白いのでいっぱい汚れちゃったね? 待ってて、今レナがキレイキレイにしてあげるからね?」 お母さんみたいに優しく微笑みかけてあげながら、レナは制服のポケットからハンカチを取り出しました。 ティッシュと一緒に取り出すのがコツかな。 ティッシュはポケットに戻して、あえてこっちのハンカチを選ぶの。 それを手の中でパッと広げて、何の惜しげもなく圭一くんのおちんちんにかぶせてあげます。 「白いの、全部キレイに拭きとってあげる。 ジっとしててね……?」 射精した直後のおちんちん。 ほとんどが地面に落ちていったとはいえ、白くドロドロした残りが先っぽや竿のところにたくさん付いちゃってます。 それをレナは拭いてあげるんです。 ハンカチで綺麗にぬぐってあげるの。 これは普段からレナが使ってるお気に入りのハンカチ、それは圭一くんも知ってることです。 それで汚い精液を拭き取ってあげます。 ぜ~んぶフキフキしてあげちゃうんだよ? 「すっごいいっぱい付いてる。 レナのハンカチで全部拭き取れるかな……?」 先っぽの穴にグリグリと布を擦り付けていきます。 圭一くんはまた、あうっ!?とかなんとか言ってたけど無視してグリグリしちゃいます。 そして竿の方にも布を広げて、レナのお気に入りのハンカチにどんどん精液が染み込んでいきます。 ちょっと甲斐甲斐しい奥さんみたいに綺麗にしてあげるんです。 こうしてハンカチで精液をぬぐってあげると、圭一くんはすっごく嬉しそうな顔をする。 なんていうのかな……。 お、俺のために、そんなお気に入りのまで使ってくれるのか!?って感じにわかりやすく反応してくれるんだ。 きっと圭一くんの頭の中では、今こういう妄想が浮かんでいるはずです。 レナは今日学校でトイレに行くたび、俺の精液が染み込んだこのハンカチを使うんだ。 その頃にはもうガビガビに乾いてしまってる精液が、このかぁいらしい手に何度も何度も触れていく。 トイレに行くたび、俺のザーメンをその手に染み込ませていくんだ……。 たぶんそんなふうなことを考えてるんだろうなぁっていうのが、鼻の下の伸びきったスケベ顔でわかります。 もう、バレバレだよ? 圭一くんのエッチ……♪ あ、ちなみにレナもう一枚ハンカチ持ってるから。 これはもちろん家畜精液専用。 こんなのもう汚らしくて二度と使えないもん。 学校でも圭一くんのぬくもりを感じたいの……とかはありえないしね。 こんなのただのタンパク質の固まり。 オス豚の汚い排泄液だよ。 圭一くんの幸せそうな顔を見るとついそうバラしたくなっちゃうんだけど、そこはグっとガマンしていくレナです。 ダメだよね、夢を壊しちゃ♪ あくまで圭一くんには、レナはなんだかんだ俺のことが好きなんだ! イジワルも愛情の裏返しなんだ!って勘違いさせとかないとだし……♪ 完全に隷属する奴隷に仕立て上げるには、ある程度恋人みたいな接し方も必要なんだ……めんどくさいけどね♪ 「……はい、綺麗になったよ? 圭一くんのオットセイさん今日もかぁいかった~はぅ~♪」 レナは圭一くんの汚かったおちんちんをキレイにしてあげました。 まあ、それでも汚いんだけどね。 今はとにかく急がなくちゃダメなんです。 腕時計を見ると、もうほんとギリギリの時間になってました。 「ほらほら圭一くん、もう魅ぃちゃん待ってるよ~行こう行こう学校は~ぅ~遅刻だよ~♪」 レナは圭一くんの手を取りました。 そしてそれをぐいぐい引っ張って茂みの外へと出て行きます。 そしてまた恋人同士みたいに手を繋いで、通学路をトコトコと歩き始めました。 ……でも圭一くんなんかフラフラしてる。 射精した後だから身体が重いのかな? あ、じゃあ手よりもこっちのほうがいいかな。 たぶんその方が堕ちやすいと思うしね……。 「……ねぇ圭一くん。 う、腕組んでもいいかな? えへへへへ♪」 レナはできるだけ恥ずかしそうにしながら、圭一くんの腕にシュルリと腕を絡ませていきました。 もちろんおっぱいを当てるようにしながら、ね。 急なレナの変化に圭一くんも驚いたみたい。 あんたどうしたのってお顔で見てきます。 「えへへへ♪ ほんとはずっとずっとこうやって登校したかったんだ? ほら、レナツンデレだから……今までイジメたりしちゃってごめんね?」 そんな甘えた声も出しちゃいます。 もう今日のレナはほんと特別大サービスなの。 圭一くんはわかりやすくヘラヘラしていきました。 まあ、スケベなこと考えてる時のお顔だね……。 たぶん、レナがようやくデレってくれたと思い込んでるにちがいないです。 おば様の言ってたとおりです。 甘やかすとすぐ調子に乗る、とっても単細胞な圭一くん。 レナはその家畜と腕組みをしながら、魅ぃちゃんの待つ待ち合わせ場所へと向かっていくのでした……。 私の家畜 ~チジョレナミィ~に続く -
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SIDE 圭一 明朝4:00に48時間作戦が開始される。 梨花ちゃんの命を狙う……いや、そうじゃない、雛見沢の命を狙っている鷹野さん達との戦いが始まる。 俺達は戦いに備えて、魅音の家に寝泊まりすることにした。 朝は早い。それまでに少しでも睡眠を取っておくというのが魅音の指示だった。 それは分かっている。……しかし、俺はなかなか寝付けないでいた。 時計の針は夜の11:00をまわったところ。 いつもならまだ起きている時間なのだから当然だといえば当然なのだろうが……。 畜生。最高のコンディションを整えなくちゃいけないってのに、こんなんじゃ明日になってみんなの足を引っ張りかねない。 寝返りを打って、目を開ける。 あれ? 障子の向こうに誰かいないか? 月明かりに照らされて、人影が映っている。 誰だろう……こんな時間にやってくるっていったら、それは―― 1,レナかもしれない 2,魅音かもしれない 3,沙都子かもしれない 4,梨花ちゃんかもしれない 5,羽入かもしれない ========================================== rァ レナかもしれない 俺以外にまだ眠れない奴がいるのかと思い。そっと布団から抜け出し、障子へと移動する。 「レナ? ……どうしたんだよ? こんな時間に」 戸を開けると、そこにはレナが立っていた。 「あ…………その。ゴメンね圭一君。起こしちゃった?」 「いや……別に構わないぜ? 俺は寝付けなかったから、まだ起きてた」 「そうだったの? 圭一君も眠れなかったんだ……」 そう言うとレナは照れくさそうに笑った。 「っていうことはレナもか? じゃあ、ひょっとしてみんなも……?」 「ううん。みんなはもう寝ちゃったよ。布団に入ってすぐだった。魅ぃちゃんと沙都子ちゃんなんて凄いいびきなんだよ?」 俺は苦笑した。なんとなく容易にその様子が想像できたからだ。 同時に、彼女らの強さを少し羨ましくも思った。 「……そりゃ確かに眠れないよな。それでレナは部屋を抜け出してきたっていう訳か」 レナは頷いた。 「出来たら圭一君とお話し出来ないかなってここまできたけど、よく考えたら圭一君だって休んでるんだから邪魔しちゃ悪いよねって……」 「仕方ないから部屋の外に突っ立ってたっていうわけか? なら、取り敢えず部屋に入れよ? いくら夏だからって、いつまでも夜風に当たっていると風邪引いちまうぞ? 魅音の言葉を忘れたのかよ?」 そう言うと、レナはくすくすと笑った。 「そうだね。……それじゃ、お言葉に甘えてそうさせてもらうね」 レナが部屋に入って、俺は障子を閉めた。 二人して布団の上に座る。 でも話す切っ掛けが見付け出せなくて、俺達は互いに無言だった。 庭園に流れる水の音しか聞こえない静寂。 月明かりしかない暗がりで、レナがどんな顔をしているのかよく見えない。 でも、俺の隣にレナがいる。それだけで、なんだか少しほっとする。 「レナ。……話ってなんだよ?」 「ん? ……何だっけ。もう忘れちゃった」 「おいおい。なんだよそれは。……別にいいけどさ」 わしわしとレナの頭を撫でてやる。 「でも俺は、レナが来てくれてよかったと思う」 「え……?」 「……あっ」 慌てて口を押さえたがもう遅い。頭の中だけで言うつもりだった……かなり恥ずかしい台詞を、俺は既に口にしてしまっていた。畜生、俺の馬鹿、俺の馬鹿……。 きっと、この暗闇の中でも俺が顔を真っ赤にしているのはレナに丸見えだったと思う。 でも……そうだよな。ここまで言ってしまったんだから、もう隠す必要も無い。 「ホント言うとさ……俺、ずっと考え事してしまってて……それで眠れなかったんだ」 「…………うん」 「みんなと一緒なら絶対に勝てるって分かっているし信じてる。さっきみんなの前で言ったように燃えていて、興奮しているから寝付けないっていうのもある。 ……けど、みんなと別れて一人っきりになると……不安も湧いてきてしまって……。男のくせに情けないって思うけどさ」 「……圭一君…………」 「怖いんだよ。レナも魅音も沙都子も梨花ちゃんも羽入も、みんな俺の大切な、かけがえのない仲間なんだ。誰一人だって欠けるのはイヤだ。……俺達部活メンバーがそんなことになるはずがないことは分かってる。……けれど…………」 そんな考えたくもないイメージが次から次へと湧いてきてしまう。 レナがいない世界。魅音がいない世界。沙都子が、梨花ちゃんがいない世界。羽入がいない世界。そんな世界は……駄目だ、想像しただけで涙が出てくる。何故だか分からないけど……どうしようもなくリアルにイメージ出来てしまう。 「…………レナ?」 いつの間にか、俺は俯いていて……レナが俺の両肩に手を置いていた。 「大丈夫だよ。……レナは死なない」 俺は顔を上げて、右手をレナの頬に添えた。 「ああ、分かってる。……レナは死なない」 何故なら、俺が絶対に守ってみせるからだ……。 「私もね。……圭一君と同じこと考えてた」 「レナ……?」 「私の大切な仲間達が……私の大好きな圭一君がもしもいなくなっちゃったらって……そしたら、胸が痛くて……」 そっ とレナは俺の右手を掴み……自分の胸に押し当てた。 「レナっ?」 「ほら……分かるでしょ? 私の胸もドキドキしてる。……そして私も、そんな風に悩んでいたのが私だけじゃないって知って、少しほっとしたの」 俺は静かに目をつむって、レナの鼓動に集中した。 レナの温かみ。レナが生きているという確かな証拠。 「どうしても眠れなくって……そうしたらどうしても圭一君と会いたくなって……」 俺は閉じていた目を開けた。 そして……何も考えないうちに、いつの間にかレナの顔へと自分の顔を寄せていた。 レナも……目を閉じていた。 俺は再び目を閉じて……レナと唇を重ねた。 互いに互いの唇を押し付け合い、存在を確認する。 どれくらい……ひょっとして一分ぐらいか? 長いキスをして、唇を離す。 右手の中のレナの鼓動は、より強く激しいものとなっていた。 俺の息も激しいものとなっていた。 プツリと上着のボタンを外す。ゆっくりと右手をずらし、レナのパジャマの中へと差し込んでいく。 レナは……抵抗しなかった。 レナの胸に直接触れる。そこは柔らかく、そして温かかった。優しく揉みしだくと、その分優しく手を押し返してきた。……そして、その乳首は固く尖っていた。 「んんっ はぁっ」 レナの甘い吐息。 レナは目を閉じたまま、俺の愛撫を黙って受けていて……ときおりそのまぶたがぴくぴくと震えていた。 ごくりっ 生唾を飲む。 俺の頭の中は、既に沸騰していた。 右手をレナの胸から離し、余った左手をレナへと伸ばすと、気配を感じたのかレナが目を開けた。 「……圭一君? …………きゃっ」 俺はレナの両肩を掴んで、力いっぱい引き寄せ……そして、布団へと押し倒した。 俺はレナの上で四つんばいになっていた。 はあ~っ はあ~っ はあ~っ はあ~っ 俺の息が荒い。レナの息も荒い。 二人の呼吸が、月明かりに照らされた部屋に響く。 そして、ただそうして見つめ合っていて……。 「…………いいよ。圭一君となら……」 その言葉を聞いた瞬間、俺はレナに覆い被さっていた。 夢中でレナの唇を貪る。レナもまた俺の首に腕をまわして、舌を絡めてくる。 左手をレナの胸の上に置いて、中指と人差し指の間で乳首を軽く押さえる。 右手をレナの下着の中に突っ込んで、柔らかい恥毛とその中にある秘部を撫で回す。そこは既に熱を帯びていて、仄かに潤っていた。 レナは軽く喘いで、俺の首から右腕を離し……俺のズボンの中へと手を入れた。俺の胸を撫でて……、その手は徐々に下半身へと移動していく。そして、するすると俺の下着の中にその手を入れて……俺のものに添えた。 互いに互いの性器を刺激し合う。 それは決して激しいものじゃないけれど、それでも俺のものはこれ以上ないほどに固くなっていった。 レナもまた同じらしい。レナの秘部の潤いもまた、俺の手の動きに応じて増していった。 俺はレナから唇を離し、上半身を起こした。 「…………圭一君?」 とろんとしたレナの瞳。 「レナ……脱がすぞ?」 そう言いつつも、レナの返事を聞く前に脱がしていく。 レナの秘部を覆うものが無くなると、そこから濃密に淫蕩な……俺の雄としての本能を刺激する匂いが立ちこめてくる。どこかすえたような、それでいて甘いようなレナの匂い。 俺は無言のまま、下着から自分のものを取り出した。 「レナ……もう、いいか?」 レナが俺を見つめ返す。その時間が、途方もなく長く感じる。 「うん。……来て、圭一君」 俺は頷くと、レナの秘部に俺のものをあてがった。亀頭にレナの愛液をまとわりつかせながら、膣道を探す。 「……はうっ」 レナが軽く身悶えする。この刺激で感じたらしい。俺も、正直言ってこれだけでイってしまいそうだった。 やがて亀頭の先が手で触っていたときと同じようにくぼんだ位置にくる。ほっそりとしたレナの入り口。 「レナ…………いくぞ?」 レナは何も言わず、ただ頷いた。 俺はレナの腰を掴んで、一気に自分のものをレナの中へと挿入した。 「んっ …………んんん~っ」 レナの処女膜を破り、その奥まで突き入れる。 結合部に愛液とは違う温かいものが流れた。 俺のものを押し出すように、レナの中は固くきつく締め上げてくる。 と、俺の下でレナが目を閉じて小刻みに震えている。 「レナ。大丈夫か?」 しかしレナは答えない。パジャマの袖を噛んで、黙って痛みに耐えている。 「レナ。……ごめん。無理ならすぐに抜くから」 畜生。何やっているんだ俺は……いくら頭に血が上っていたからって、これはないだろ。 「…………えっ?」 レナは俺の腰に両脚をまわして、首を横に振った。 「私は……大丈夫だから。痛いけど……もっと、圭一君を感じていたいの」 その上……ゆっくりと、レナは腰を上下した。 「レナ……」 「お願い。……圭一君が気持ちよくなってくれないと、私はヤダよ?」 レナは泣いていた。痛みよりも、俺との繋がりが無くなることを恐れて泣いていた。 俺の目からも、一筋の涙が流れた。レナのその想いが胸にいたいほど伝わったから。 「じゃあレナ。……俺、ゆっくり動くからな」 「うん」 俺がそう言うと、レナは嬉しそうに微笑んだ。 くちゅ くちゅ くちゅ 宣言通りに、ゆっくりとピストン運動を開始する。レナもまた、俺の腰に脚をまわしたまま、俺の腰の動きに応じて腰を振る。 くちゅ くちゅ くちゅ その動きはとても遅いけれど、それでも互いの想いが伝わる、優しい営みだった。 互いが互いの温もりを伝え合い、互いを包み込みそして包まれる幸福感を味わう。 俺は文字通り身も心もレナと一つになっているということを実感していた。 「…………圭一君」 「なんだよ? レナ」 「あのね。……レナ、ちょっとだけ気持ちよくなってきた☆」 レナは幸せそうに呟いた。 「レナ……」 「何? 圭一君」 「俺も……レナの中、温かくて気持ちいいぜ」 そう言うとレナは、満面の笑顔を浮かべた。 「じゃあ、……もっと気持ちよくなろ?」 「ああ、そうだなっ」 もう少しだけ腰の動きを速くする。 レナの中を入り口からその奥まで満遍なく出し入れして、その奥を小突く。 俺が出し入れするたびに、レナは軽く呻いた。 「レナ?」 レナは再び袖を噛んでいた。 「……ゴメン。こうしてないと声が……出ちゃうの。……はうっ」 それは俺も同じだった。 レナの中にあるひだが締め付けて、俺の男性器にある性感帯のすべてをあますところなく、しかも休み無く刺激し続けているのだ。 何度となく俺も呻き声を漏らしていた。 でも、お互いに腰の動きを止めることが出来ない。快楽を貪ることを止められない。 あともう少し……あともう少しと、限界まで登り詰めていく。 「ごめん。レナ、俺……もうイク」 だめだ……もう腰が言うことを聞いてくれない。 レナもいつまでもしがみついて離れてくれない。 「私も……私ももうイっちゃうからっ……」 がくがくと腰が震える。ダメだ……もう、限界だ……。 「あっ ああああああぁぁぁぁぁっ!!!!」 「うああああああああああああっ!!!!」 レナがイクのとほとんど同時に、俺はレナの中に精液を流し込んでいた。 どろどろの精液がレナの中を満たしていく。 レナは力無く大の字になったまま、それを受け止めていた。 俺はその様子を見ながら……いつのまにか自分から不安が消えていることを自覚した。 翌日。 「おっ持ち帰り~っ☆」 ドッゴオオオオオオオオオオオオオンンッ!! レナの萌える拳によって山狗が吹き飛ばされてくる。 そして、その落下地点には俺が一本足打法で待ち構えていた。 「うおおおおおっ! バスターホームランッ!!!」 カキイイイイイイイイイィィィィィィィンンッ!!! 寸分のタイミングのズレもなくジャストミートした山狗は再びレナの方向へと飛んでいき、挙げ句レナの頭上を飛び越えて落下していった。 「よっしゃあっ! 次行くぞレナあっ!」 「うん。ガンガン行くよ圭一君っ!」 威勢よくハイタッチを交わす俺とレナ。 結局あの後、後先考えずに汚してしまったシーツやパジャマやらを誤魔化すために色々と大変ではあったけれど……別れ際にレナともう一度キスをして、それぞれの部屋に戻ってからは、短い時間だったけれどよく眠れた。コンディションは最高だ。 「なんだか、今日の圭一さんとレナさんは見ていて震えが来ますわね。コンビネーションがもう芸術的でしてよ?」 「……まったくだね。おじさんちょっと嫉妬しちゃうよ」 指揮官としてコンビネーションには参加していない魅音が口を尖らせる。 「まったく、あの二人に何があったのやら…………。知ってる? 羽入?」 「さあ? 僕は何も知らないのですよ? きっと愛の力なのです。あぅあぅあぅあぅ☆」 そう、互いの絆をより深いものにした俺とレナのコンビはもはや無敵だった。レナと一緒なら怖いものなんかありはしない。俺達のいる部活メンバーに敗北なんてありはしない。 魅音から次の指令が下る。 どうやらまた俺達のコンビネーションに出番が来たらしい。 俺はレナと目を合わせて、一緒に次の標的へと駆け出した。 ―レナEND―
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前のお話 綿流し後日2 圭ちゃんが乱暴に私の身体に触れる。 「魅音」 私の名前を呼びながら、私の首や鎖骨の辺りに噛み付く。赤い痕を点々と残す。 ああ、体育の着替えの時に困るな。沙都子や梨花ちゃんには分からないだろうけど、レナなら気付くかもしれない。 そう心の隅っこで思ったけれど、口には出さなかった。 圭ちゃんの唇が徐々に位置をずらす。そしてそれは胸に辿り着く。 不意に、圭ちゃんが私の乳首に、がりっ、と歯を立てた。 「ひっ!…ぐぅ…」 思わず悲鳴を上げて身体を強張らせる。圭ちゃんは面白がるように言う。 「痛かったか?ごめんな魅音。俺慣れてないからさ」 そして指で、ぴん、と私の乳首を弾く。痛みに似た痺れが走って、私は羞恥に唇を噛んだ。 「うっわ、びしょびしょ。こりゃあもう履けねえな」 圭ちゃんが手をスカートの中に突っ込む。そしてパンツ越しに私の股間を触る。 「うあっ…」 「こんなの履いてたら気持ち悪いだろ」 圭ちゃんの指パンツの端を掴んでずり下ろした。スカートの中がすうすうする。 つぷ、と圭ちゃんの指が股間に入り込んだ。 「ああ?何だこれ。小便じゃねえよな」 笑みを含んだ声でぐちゅぐちゅと指をかき回す。私のそこは濡れていた。 「あっ…ひゃ、あぁあ…」 「気持ち良さそうだな、魅音」 圭ちゃんが指を増やして、私の中に突き入れる。その感覚にびくんびくんと腰が跳ねる。 「ん、や、あうっ…」 「すっげえ。とろとろしてる」 指でぬるぬるとその感触を確かめると、圭ちゃんはずるりと指を抜いた。 やがて、ジーッというチャックを下ろす音が耳に届く。 ああ、いれるんだ。 ぼんやりと思う。視界に入ってくる、赤黒くて大きなそれ。 圭ちゃんの手が私の太ももを押さえる。不意に、ずん、と身体の中心に衝撃が走った。 「うああぁああっ…!!」 「んっ…」 私の中心目指して、圭ちゃんの重量のあるそれが容赦無く抉り込む。 ぐちゅぐちゅという水音が、私と圭ちゃんが繋がるその時だと知らせる。 痛いのか苦しいのか熱いのか気持ちいいのか、もうよく分からない。脳みそが溶けてしまう。 やがて私の中に全てを納めてしまうと、圭ちゃんがはを伏せて、気持ち良さそうにはあ……と息を吐いた。 その吐息さえもが、繋がった部分から振動になって伝わってきそうに思える。 圭ちゃんはしばらくじっとしていたが、やがて動き出した。 ぐちゃぐちゃと音を立てて、出し入れが繰り返される。 「はあ…はあ、はあ」 「んあっ、やっ、ふわああっ」 息が荒い。熱い。苦痛と快感がごちゃまぜになって、ぞくぞくする。 下半身が揺さぶられる。結合部分がたまらなく熱い。お腹の底から圧迫される感覚が頭の後ろを痺れさせる。 ぐずぐずと、熱でその部分からとろけてしまいそうだ。 私と圭ちゃんの身体がひとつになり、別の物体になってしまうのではないかと、ありえない想像が浮かぶ。 別の物体?何それ。知らない。ありえない。 じゃあこれは何?これは汗。汗が飛び散る。ぐしょぐしょできもちいい。 どこまでが汗?知らない。知るわけがない。どれが汗でどれが唾液でどれが精液かなんて、知るものか。 「んっ……魅音、魅音っ…」 「圭ちゃん…けいちゃ、ん……」 圭ちゃんが私の名前を呼ぶ。私はそれに言葉を返す。私たちはちゃんと求め合えているのだろうか。 じくじくと痛む。性器じゃない。胸の奥が軋んで、痛みを伝える。 ……悲しい。どうしてこんなに悲しいんだろう。 理由は分かってる。 腕を拘束されて、身動きが取れない。私はその手を圭ちゃんの背中に回すことも、頭を寄せてキスすることも出来ない。 そして何より、圭ちゃんは私を憎んでいる。 ひとつになれそうで、ひとつになれない。憎悪の対象と溶け合えるはずはない。私はひとつになりたいのに。圭ちゃんと溶け合いたいのに。 圭ちゃんはきっと、いつまでも私を許してくれない。 「けいちゃん、けい…ちゃ……」 「魅音」 もうとっくに視界はぼやけていた。 圭ちゃんの髪が揺れる。床に広がる私の髪も揺れているんだろう。 ぽた、ぽた、と私の頬に何かが落ちる。圭ちゃんの頬が濡れているのが、うっすらと分かった。 さまざまな体液を流し合いながら、圭ちゃんと私の身体は繋がり、絡み合い、揺れている。 脳みそはとっくに使えなくなった。考えを巡らせることなんて出来やしない。 けれどこれだけは分かる。 私の眼と、圭ちゃんの眼から零れ落ちるのは、涙。 圭ちゃんが私の奥底に精液を注ぎ込んだその後も、私はさまざまな仕打ちを受けた。 圭ちゃんのものをしゃぶらされ、飲まされた。 圭ちゃんのものを触らされ、かけられた。 カーテンの隙間から差し込む光が完全に消え失せ、闇が部屋を満たす頃には、顔にも胸にもお腹にも太ももにも、圭ちゃんの精液がべっとりと付いていた。 圭ちゃんは私の身体をずっと嬲り続けながら、私の名前を呼び、私を嘘つきと罵り、私を許さないと怒鳴った。手に入らないのなら、殺してやるとも、言っていた。 いくつもの喘ぎが嘆きに変わり、嘆きが喘ぎに変わり、混沌とした感情が渦を巻き、圭ちゃんの唇から切羽詰った叫びを迸らせていた。 唯一私を犯すことで圭ちゃんの精神の均衡は保たれているかのようだった。 「魅音、誓え。自分は一生俺に背かないと。一生俺の奴隷として、俺の傍に居続けると、誓え」 それはもう何度目の挿入か分からなくなった時だ。圭ちゃんが腰を揺さぶりながら、私の髪をわし掴んで迫った。 私は言われるがままに、圭ちゃんの言葉を復唱した。呂律が回らない口調で、ただ繰り返した。私、園崎魅音は一生、前原圭一様の奴隷です、と。 そして圭ちゃんは私の奥底に、もう何度目か分からない射精をし、その行為に終止符を打った。 陵辱、と言えばいいのだろうか。 それが終わり、ずっと両手首を拘束していた手錠が外された後も、私は精液にまみれた身体をぼんやりと起こしたまま、放心していた。 変わってしまった。全てが変わってしまった。圭ちゃんは変わり、圭ちゃんと私の関係も変わり、そしてきっと私自身も変わったのだろう。 私たちは、あまりにも歪んでしまった。そして歪みの原因、諸悪の根源は、私の愚かな嘘だ。 もう涙も出て来ない。涙腺が麻痺して、悲しむという機能さえも壊れた。もう私は人間じゃない。 「……風呂、入って来いよ」 圭ちゃんはいつの間に取ってきたのか、バスタオルを私に差し出していた。 「立てるか?」 その表情は能面のようだった。 まるで感情をどこかに捨て去ったかのような、ああそうか、圭ちゃんも壊れてしまったんだ、私のせいで。 私は頷いて、のろのろとバスタオルを受け取った。 バスタオルを受け取る時に、拘束で擦れて出来た手首の傷痕が視界に入った。 圭ちゃんはそれを一瞥すると、ふいと視線を逸らした。 何とかひとりで風呂場に到着し、熱いシャワーを浴びているうちに、身体の麻痺した感覚が戻ってくるのが分かった。 石鹸で身体の隅々まで洗い、髪をシャンプーで念入りに洗う。中に出された以外の精液を全て流し落とす。 そうしているうちに、身体が恐怖を自覚し、私は今更震えが来るのを感じた。 腰が痛い。股間が痛い。乱暴に扱われたその部分が、終わった今も悲鳴を上げている。それだけじゃない。 思わず手首の傷を指でなぞる。赤くくっきりと残るその痕の痛々しさに、先ほどの行為をまざまざと思い出す。 持ち上げられた足。引きずられた髪。押し込まれた口。歯を立てられた喉。押し付けられた熱。精液の匂い。 私の身体を蹂躙した暴力が脳裏に鮮明に蘇る。恐い。恐い恐い。 裸の背中に覆いかぶさる恐怖と喪失感に、泣きそうになる。 圭ちゃん、助けてよ。 思わずそう呟きそうになった。 私はやっぱり馬鹿だ。私を陵辱した本人に、助けを求めるなんて。 けれどどうしようもない。どうしようもないほど、私の頭の中は圭ちゃんに占められていた。今までも、おそらくこれからも。 シャワーのざーっという音が風呂場に響く。この音が、この水圧が、今までのことを全て流してくれればいいのに。 もちろんそんなのは無理だ。けれど少なくとも、私の泣き声はシャワーの音にかき消される。だから私は心おきなく泣いた。 両手で自分の膝を抱え込んで、顔を歪ませて、かつての圭ちゃんの優しい笑顔を思って、ただひたすらに泣いた。 シャワーを終えて、とりあえず寝巻き代わりの浴衣を着て廊下に出た。 圭ちゃんは風呂場から出てきた私を見ると、何も言わずに風呂場に入っていった。この沈黙が心を更に抉る。 居間に戻ると、私は畳にぺたんと座り込んだ。やがて風呂場からはシャワーの音が聞こえてくる。 もう何も考えたくなかった。このまま泥のように眠ってしまいたい。 圭ちゃんは風呂場から出たら、とりあえず帰宅しようとするだろう。 その時にまだ起きている私と会うよりも、眠ってしまっている私を見る方が気が楽だろう。 そうだ、そうに決まってる。私は畳に身体を横たえて、目を閉じた。 慈悲深いまどろみが、私を包むべく近寄ってくるのを感じる………… 不意に、電話が鳴って私は飛び起きた。 婆っちゃかもしれない。もしくは青年会の用事とか。電話には必ず出なくては。 私は重い身体を何とか持ち上げ、電話を取るべく廊下に出た。 『お姉ですか?詩音です』 電話越しにその声を聞いた途端、背中が粟立つのを感じた。 圭ちゃんが知るはずのない事実を知っていたという事実に、詩音が関係していると、今更確信する。 「詩音…なの?」 思わず唇から零れた、その短い問いかけの意図をすぐに汲み取り、詩音はあっさりと肯定した。 『はい、そうです。私が圭ちゃんに教えました。お姉が悟史くんに抱かれたって。多少脚色もしましたけど』 身体中が強張る。 「……知ってたの?」 『知ったのはごく最近です。悟史くんに接触する機会がありまして。悟史くんは自分が抱いたのは私だと誤解してくれてるみたいですが』 「そっか……」 悟史は無事だったのかとか、悟史とどうやって接触したのかとか、いつから知っていたのかとか、聞きたいことは山ほどあった。 けれどそれじゃない。私が今言うべきことは、他にある。 「……ごめんね…詩音……私、詩音を裏切った…」 声に嗚咽が混じって掠れた。詩音は受話器の向こうで黙って聞いているようだった。 「本当に、ごめんなさい…ごめん……」 『もういいです。腹は立ちましたけど、許します。無事に悟史くんは帰ってきそうなことだし、それに私も圭ちゃんにバラしたし』 圭ちゃん、という言葉に身体がびくっと反応した。 『圭ちゃん、どうでしたか?怒ってました?』 詩音は興味津々といった感じで聞いてくる。けれど圭ちゃんにされたことだけは言いたくなかった。 「…ごめん、そろそろ婆っちゃが帰って来るだろうから切るね。また今度会おう」 『えっ…お姉?待っ…』 詩音の言葉を待たずに受話器を置く。 部屋に戻ろう。寝なくては。そう思い、身を翻そうとした矢先、また電話が鳴り始めた。 詩音だろうか。私はのろのろと受話器を取る。 『もしもし?魅ぃですか!?』 電話の相手は、梨花ちゃんだった。 「う、うん、私だけど…」 『よかった…殺されてはいないようですね』 「え…」 梨花ちゃんはひどく焦った口調だった。 『圭一はあの後大人しく帰りましたか?何かひどいことはされませんでしたか?』 核心を突かれて、思わず口ごもる。何で知ってるんだろう。 私は不可解に思いながらも、正直に言ってしまっていた。 「う…ううん、実はまだ家にいるんだ…」 梨花ちゃんが受話器の向こうで息を呑んだのが分かった。 『……魅ぃ、今すぐ逃げるのです。圭一は危険です。圭一は今、多分相当精神的に参っています。最悪、魅ぃを殺そうとするかもしれません』 梨花ちゃんは、知ってるんだ。 はっきりと悟る。梨花ちゃんは最初から気付いていたんだ。 放課後に告げられた、梨花ちゃんの警告が脳裏に浮かぶ。 ……もし危険を感じたら、すぐに逃げるのですよ… そうだ、梨花ちゃんはあんなにもはっきりと警告してくれたじゃないか。私を危険な目に遭わせまいとして、教えてくれた。 それを今更思い出すなんて、私は本当に馬鹿だ。 『魅ぃ、聞いてますか?一刻も早く、僕の家でもレナの家でも何でもいいから、避難するのです。圭一の傍は危険です、だから…!』 「もう、遅いよ」 自分でも驚くほど乾いた声だった。 梨花ちゃんの声が止まる。私は小さく笑って言葉を続けた。 「もう、駄目だよ。ごめんね梨花ちゃん。梨花ちゃんの警告、ちゃんと聞かなくて」 『……だ、駄目なんてことはないのです。今からでも十分間に合います』 必死に説得するように、梨花ちゃんは声の調子を強くする。けれど私は頑なに言う。 「ううん、無理なの。私、圭ちゃんを置いて逃げるなんて出来ない。だって圭ちゃんがああなったのは、全部私のせいなんだもの」 『そんな、そんなこと…』 「その様子だと、梨花ちゃんも知ってるんだ。私の罪、私の嘘」 梨花ちゃんが唾をごくりと飲み下す音が聞こえた。 『……知っています。けれどそのことに、こんなにも責任を感じる必要はありません! 魅ぃが辛かったのは分かります。ちょっと考えれば分かることです、魅ぃの気持ち、魅ぃの苦しみ!』 梨花ちゃんのその優しい言葉に、胸が少し軽くなるのを感じた。目頭が熱くなる。 「…ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。でもね、私はたとえ今日の放課後に戻れても、圭ちゃんからは逃げないよ」 『……どうしてですか』 「だって」 私は息を吸い込んだ。身体の緊張が、緩やかにほどけてゆく。 「私は圭ちゃんを、好きなんだもの」 我ながら凛とした言葉だったと思う。これだけは、私が心から自信を持って言えるセリフだから。 梨花ちゃんは少し黙って、そして続けた。 『魅ぃの気持ちは分かりました。でも、僕は魅ぃにひどい目に遭ってほしくない。お願いしますから、どうか…』 「あのね、梨花ちゃん。私約束したんだ」 ぐちゃぐちゃになりながら、どろどろになりながら、最後に交わしたあの約束。 私はそれを決して忘れない。誓ったのだ。 「一生圭ちゃんの傍にいるって、誓ったんだ。圭ちゃんがそれを望む限り、私はずっと約束を守るよ」 声が震えた。悲しみでも恐怖でもない。圭ちゃんを好きだと思う気持ちに、身体が震えた。 「だから、だから私は…私はっ、」 不意に、後ろから強い力で肩を掴まれた。そして受話器が奪われ、がちゃん、と切られる。 振り向かなくても分かる。 圭ちゃんだ。 私は処刑台に立ち、死刑執行を待つ囚人のように、目を閉じた。 羽入から無理やり、四年目に悟史と魅音の間に起こったこと、そして最近詩音が圭一に教えたことを聞き出し、急いで魅音に電話した数分後。 唐突に電話が切れた。 きっと圭一が現れたのだろう。こうしてはいられない。魅音が危ない。すぐに助けに行かなくては。 あの調子では、きっと魅音は死の危険に晒されても抵抗しないだろう。もしかしたら魅音も発症しているのかもしれない。 ところが、走り出そうとした私の目前に、羽入が立ちはだかった。真剣な眼差しを私に向けている。私は羽入を睨み付けた。 「…何のつもり?羽入」 「行ってはいけません。こればかりは圭一と魅音の問題です。僕らが干渉してはいけません…!」 「何言ってるの!ふたりを見殺しにする気!?」 「そうではありません!これはふたりの問題なのです。助けるとか救い出すとか、そういうレベルじゃないのです!」 「っ…何言ってっ…!」 私は頭に血が上るのを感じた。 大体、こんなに事態が悪化してしまったのは、羽入にも責任がある。ちゃんと私に教えてくれれば、もっと早い段階で手が打てたかもしれないのに。 「恋愛は、どうしようもないのです!」 「はぁ?」 私は思わず素っ頓狂な声を上げた。 けれど羽入は真剣な表情で言葉を続ける。 「好きになってしまったらもうどうしようもないのです。そういうものなのです。 きっと今圭一と魅音を引き離すことに成功しても、魅音はきっと悲しみます。 圭一を自らの手で受け止めようとしている、魅音の気持ちを、梨花はただ応援してあげるべきなのです!」 「黙ってろって言うの…あのままふたりを放っておけと……」 羽入は頷いた。 私は唇を噛んで、羽入から視線を逸らし、電話を見つめた。 魅音が助けを求める電話をしてくれることが、唯一の望みだった。 けれど電話はじっと黙り込んだままで、結局私の望みが叶うことは無かった。 手錠によって赤く傷付いた魅音の手首を見た瞬間、ずっと沸騰しっぱなしだった俺の脳みそに、一滴の冷たい水が落ちた。 当然の報いだと、罰せられて当然だと、俺は魅音を犯しながら思っていた。 精液にまみれたうつろな魅音の姿は、思ったとおりとても扇情的で、きれいで、もっと魅音をぐちゃぐちゃに壊してやりたいという欲望を起こさせた。 罪悪感なんてこれっぽっちも湧かない。これからも時間をかけて魅音を蹂躙し続けてやろうと、そう思っていた。 にも関わらず、その手首の様子は、否応無く俺の心を揺さぶるものだった。 どうしてか分からない。シャワーを浴びている間も、ずっと魅音の手首が頭にチラついて離れなかった。 風呂場から出て、そろそろ帰らないとまずいかもしれないと思っていたら、魅音が電話しているのが見えた。 最初はどこかに助けを求めているのかと思った。やはり俺から逃げる気なのかと。 そう思ったと同時に魅音への憎悪がぶり返し、そしてその憎悪を安堵が追いかけるのを感じた。 やっぱりこいつは最低の女なのだと、憎まれて傷つけられて当然の女なのだという、自分が行ったことへの安心感。 けれど違った。魅音は逃げるつもりはないと、電話の相手に高らかに宣言していた。 「…ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。でもね、私はたとえ今日の放課後に戻れても、圭ちゃんからは逃げないよ」 「だって」 「私は圭ちゃんを、好きなんだもの」 「あのね、梨花ちゃん。私約束したんだ」 「一生圭ちゃんの傍にいるって、誓ったんだ。圭ちゃんがそれを望む限り、私はずっと約束を守るよ」 約束。それは俺が魅音を犯しながら、言わせた言葉に違いなかった。 「魅音、誓え。自分は一生俺に背かないと。一生俺の奴隷として、俺の傍に居続けると、誓え」 もう何度目の挿入か分からなくなった時だ。俺は魅音を容赦無く揺さぶりながら、魅音の髪をわし掴んで強要した。 魅音は言われるがままに、俺の言葉を復唱した。呂律が回らない口調で、うつろな目をして、ただ繰り返した。私、園崎魅音は一生、前原圭一様の奴隷です、と。 ただ単に、魅音を辱めたい、その一心で言わせた言葉だ。約束だとか、そんなきれいなものじゃない。 馬鹿じゃないのか。 そう思った。魅音、お前は馬鹿だよ。 あんなのは、言わば強姦のうちのひとつだ。そんなくだらなくて薄っぺらい言葉を真に受けて、そんな義理立てする必要がどこにある?何のメリットも無い、ただお前が苦しいだけじゃないか。 こういう真面目なところが、かつて、俺が魅音を好きな理由のひとつでもあった。 けれど俺は、その真面目さは嘘だと思っていた。魅音はそういった純粋な真面目さを演じていたに過ぎない。俺に嘘をついていたのだから。 ……いや、それとも。 ひとつの疑問が胸に浮かんだ。 こいつはずっと真面目だったのか?俺が好きだった、その真面目さを持ち続けていたのか? その真面目さを持ち続けて、もしかしてあの嘘さえも、その真面目さから来たもので、その真面目さゆえの苦しみも、きっと抱え続けていて…… ……もしかして俺は、ものすごい勘違いをしていたのではないか? 魅音の赤く傷ついた手首が、再び脳裏に浮かぶ。 …冗談じゃない。 俺はそれを力いっぱい打ち消すために、魅音に近付いていった。 魅音の肩を掴み、受話器を奪って電話を切る。 一瞬身体を震わせたものの、魅音は抵抗しなかった。 「おい魅音、こっち向けよ」 魅音は一呼吸置いて、俺を振り返った。その顔には、緊張した笑みが浮かんでいる。 少しでも、ご機嫌取ろうってのか。そうだよな、俺の機嫌損ねたら、また何されるか分からないもんな。 お前はそういう、自分の保身が第一の奴なんだろ?そうだよな、魅音。 「よくもまあ、キレイごとばっかりペラペラと言えるもんだよな」 俺は微笑んでそう言った。魅音が困惑したような表情を浮かべる。 「きれい…ごと?」 「分かってねえフリしてんじゃねえよ。俺の傍に居続ける?ふざけんな。そんなこと、出来るわけ無いだろうが!」 口調を荒げると、魅音は怯えたように「ひっ」と声を漏らして身を竦めた。 「嘘はやめろよ。本当は逃げたいんだろ?あんなことされて、まだ俺のことを好きとでも言うつもりか?お前バッカじゃねえの」 魅音は身を竦めていたが、やがて俺を真っ直ぐ見つめて、口を開いた。 「好きだよ。圭ちゃんのこと。嘘じゃないよ」 「このっ…!!」 頭に血が上る。苛立つ。胸の奥がざわざわと波立つ。不安。焦燥。俺は何でこんなに動揺してるんだ? 思わず両手を魅音の首にやった。もちろん本気じゃない。首を絞める真似だ。 魅音は微かに目を見開いたが、すぐに諦めたように目を伏せた。抵抗する様子は無かった。 「…逃げねえの?俺、本当に魅音のこと殺すかもしれねえぞ」 魅音は目を細めた。そして、口角を無理やり上げる。笑顔だった。 そしてその笑みを追いかけるように、涙がひとすじ、魅音の頬をすうっ、と伝った。 「……いいよ。圭ちゃんが殺したいのなら、殺して。私は大丈夫だから」 そして魅音は、吸い込まれるように目を閉じる。 ……何だよ、それ。 どうして、殺してもいいとか言うんだよ。大丈夫って何だよ。大丈夫なわけ無いだろ。 あんなにぼろぼろに痛めつけられて、どうしてまだそんな風に振舞えるんだよ。 おかしいだろ、こんなの。俺は心の中で叫ぶ。そして気が付いた。 俺が魅音を悪役に仕立て上げたい理由。 魅音が真面目な奴じゃ、困るんだ。魅音は俺を騙した嘘つき野郎じゃないと、駄目なんだ。 だってそうじゃないと、俺がしたことの理由がつかない。 俺が魅音にしたこと。罰だと思っていた。報いだと思っていた。 けれどそれがもし、間違っていたとしたら。 ……間違った俺は、どこに行けばいい?どう魅音に償えばいい? 「っ……!!」 背筋が粟立つ。俺が犯した罪。俺はどうやって罰を受けるんだ。 「嫌だっ…」 叫んで、魅音から手を放す。魅音は突然解放されて、不思議そうに目を開いて俺を見た。 こんなの、こんなの駄目だ。もう無理だ。手遅れだ。 「けい、ちゃ…」 「寄るな!俺は…俺はっ…」 罪、罪、罪、俺の罪、俺の罪、俺の罪、 「けい、ちゃん」 俺の俺の俺の罪罪罪罪罪罪罪罪、罪、罪、罪罪罪罪罪、罪!罪!罪! 「けいちゃん」 俺、俺俺俺俺おれ俺俺の俺の俺のおれの罪罪罪つみ罪罪罪罪罪罪、おれのつみおれのつみおれのつみおれのつみおれのつみ!!!!!! 「圭ちゃん!」 魅音の声が俺の声を遮った。 魅音の白い手が俺の頬を包んだ。 そして、魅音の唇が俺の唇に触れた。 それは温もりを落としたかのような、優しいキスだった。 魅音は唇を離すと、柔らかく笑った。花開くような笑顔だった。 「やっとキスできた。ずっと圭ちゃんにキスしたかったんだ」 それは魅音だった。 ありのままの、そのままの、魅音だった。 次の日、圭一と魅音は揃って学校を休んだ。 魅音の家と圭一の家に電話してみると、どちらの家にも帰ってきていないという答えが返ってきた。 突如姿を消したふたりに、村人は遅れて来たオヤシロさまの祟りとか噂していたが、何てことはない、一週間後にはふたりはけろりとした顔で戻ってきた。 聞くと、一緒に遠方までホビーショップめぐりをしに行き、ついでに温泉にも行ってきたという。 若い男女がふたりで一週間も姿を消すなんて、と先生も前原家も園崎家もふたりを問い詰めたが、圭一はあっさりと「別にいいじゃないですか。どうせ俺と魅音は結婚するんだし」と爆弾発言をしてみせ、さらに周囲を驚かせた。 もちろんその後ふたりともこってり絞られていたが、私は正直ほっとしていた。ふたりが無事戻ってきたことが嬉しかった。 羽入は「僕の言った通りなのです。オヤシロさまは縁結びの神様なのですよ」とか言っていたけれど、無視することにした。 そしてふたりが雛見沢に帰ってきた日の翌日。 体育の時間に、魅音が私に話しかけてきた。 「ごめんね梨花ちゃん。明日は皆で部活をするっていう約束、守れなかった」 「…どうでもいいのです、そんな約束」 私はため息を吐いた。空はどこまでも青い。太陽は果てしなく明るい。この下にまた皆で集まれたんだから、結果オーライというものだ。 見れば、校庭のど真ん中で圭一とレナと沙都子が遊んでいた。 一週間分のトラップご堪能あそばせ、と沙都子は嬉しそうにはしゃいでいる。圭一は既に水やらチョークの粉やらバナナの皮やらでけちょんけちょんにされていた。レナはもちろんお持ち帰りモード。 そこには拍子抜けするぐらいの、当たり前の日常が戻ってきていた。 「本当は一週間、何をやっていたのですか?」 「ん?言った通りだよ。ホビーショップめぐって新しいゲームを漁って、温泉行って浴衣着て卓球して」 魅音は楽しそうに言う。視線はもちろん、校庭の真ん中に向けられていた。 「あと、いろいろ話したりしたよ。今までのことや、これからのこと。いろんなことをね」 いろんなこと。きっとこの一週間はそれがメインだったのだろう。 どうやら私の警告は不必要だったらしい。それでいい。それがいい。 魅音が「おっ」と小さく声を上げた。どうやら校庭ど真ん中のバトルロワイヤルが面白い展開を見せているらしい。 「梨花ちゃん。そろそろ私たちも参戦した方がいいかもしれないよ。久々の部活、わくわくするねえ!」 「みー、負けないのですよ」 悪戯っぽく笑い合い、揃って駆け出した。 今日は快晴。多分明日も、あさっても。 終
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男とは一体、どういう風にあるべきだろうか。 男に生まれたからには一度はやってみたい夢がある。 人によって些細な部分は違うかもしれないが、男なら誰もが皆同じくやってみたい夢がある。 例えばだ、正義のヒーローになりたいとか熱い夢もあるだろう。 ロボットを操縦してみたいとかいう、熱い夢もあるだろう。 宇宙最強の強さを手にして、空を飛んだりとかいう熱い夢もあるだろう。 だが、それ以上に熱い夢を、男なら誰しも持っているはずだ。 それは女の子を自分専属のメイドに仕立ててご奉仕三昧とか! とてつもなく恥ずかしい格好をさせて、ご飯を食べさせてもらうとか! ……とにかく! まあ色々あるだろう。 しかし、しかしだ。もしそんな夢を本当に叶えることが出来るとき、男はどうするべきだろう? 俺の手の中には、二枚の可愛らしい手書きのチケット。 使用する、しないは俺の自由。 隣を見る。魅音がにやにやしながらこっちを見ている。 反対側を向く。レナが顔を真っ赤にしながら、心配そうな目つきでこっちを見ている。 ――正面を向く。 そこには沙都子と梨花ちゃんが、心持ち青ざめた表情で俺のことをじっと見つめていた。 事の顛末は、数十分前に遡る。 俺たち五人は、いつものように部活をしていた。 ちなみに今回はダウトだった。あのトランプゲームのアレだ。 やったことがある人ならわかるかもしれないが、このゲームは残りが二人になると決着がつかない。 自分が持ってないカードが、相手のカードとなるからだ。 つまり、今回は敗者が二人という過酷なものだった。 罰ゲームはスタンダードに、勝者が敗者に一個命令。 一見、いつもの部活だ。 それがあんな展開になるなんて、誰が予想できただろうか? 最初の内は、まだ普通だった。 沙都子のトラップにハメられて、俺が断トツのビリだった辺りも認めたくはないが普通だろう。 さらに梨花ちゃんから追撃されたのはちょっと予想外だったが、これもまあ普通だ。 その時点では珍しく沙都子と梨花ちゃんが手札が残り4、5枚とトップを争っていた。 続く魅音、レナが10枚程度。俺がさっきのトラップとかのせいで20枚程。 圧倒的不利に追いやった沙都子に対して俺が噛み付くのも、まあいつものことだった。 「沙都子! てんめぇぇぇっっ! やりやがったなぁっ!!」 「をーっほっほっほ! これくらいで引っかかる圭一さんが悪いのでございますわー!」 「圭一、手札が一杯でかわいそかわいそなのですよ☆」 「くぅぅぅぅっっっ! 見てろよ! ここからひっくり返してやらぁぁっっっ!!」 「ここからひっくり返すなんて無理にも程がありますわ! 諦めた方がよろしいんじゃなくて?」 「ボクたちがこのまま勝つのですよ。圭一はきっと罰ゲームなのです。にぱー☆」 「そんなのやってみなきゃわからねぇぜ!?」 そう強がってはみたものの、ここからの逆転はかなり厳しそうだった。 それは沙都子や梨花ちゃんも同じだったようで、だからこそあんな事を言ったのだろう。 「をーっほっほっほ! もしひっくり返せたら、恥ずかしい格好でも何でもやってもいい気分ですわね」 「もし圭一が1位を取れて、ボクがビリになったなら猫装備でハイハイでお散歩券をあげてもいいぐらいなのです」 「あら、それなら私は犬装備で同じ事やってもいいですわよ」 絶対勝つと確信があるからこそ、言える言葉だった。 つまりはその場のノリで言った冗談のようなもので、俺もそれがわかってたからこそ反撃した。 「言ったな! 絶対俺が勝って恥ずかしい思いさせてやろうじゃねぇかっ!」 「圭ちゃん言ったね?」 そこに噛み付いてきたのは魅音だった。 魅音も俺が勝てないと見たんだろう。煽るつもりだったのかもしれない。 「じゃあ圭ちゃんが1位になって沙都子と梨花ちゃんがビリになったら罰ゲームはそれで良いのかな?」 「当たり前だっ! なんなら逆に俺が負けたら、スク水で村一周にしていいぜ!」 「をーほっほっほ! 上等ですわー!」 さて、ここで冒頭に戻る。 俺の手には二枚の手書きチケット。 一枚は沙都子の手書き。もう一枚は梨花ちゃんの手書き。 そしてこれが書かれたのはほんの一分前のこと。 もう流石にわかるだろう。何が起こってしまったか! 「圭ちゃ~ん? それ、使わないの~?」 魅音がにやにやと嫌らしい笑みを浮かべて詰め寄ってくる。 そう、まさかのまさかだった。 あの後俺は奇跡的な大逆転をし、そしてあろう事にビリになったのは沙都子と梨花ちゃんだったのだ! 神様は何をとち狂ってしまったのか、やや心配になってしまう。 しかし男の夢を叶えるチャンスをくれたことに対しては、ありがとう! 神様最高だぜ! 今日から俺、ちゃんと貴方を崇めることにします。本当にありがとう! ……と逃避する余裕など、あまり無いようだ。 「……なあ、魅音。やっぱりこれは流石にマズいんじゃ……」 確かに女の子を獣装備でお散歩させるなんて、男にとっては大きな夢だ! だが夢は夢であって、実際するとなれば周りの目とか、倫理とか大きな問題がある。 もし、これをやってしまったならば、俺は人間として大切な何かを失う。しかも必ずだ。 それどころか、村中から変態呼ばわりされてもおかしくない。 「変態ぃ~? 圭ちゃん何度も罰ゲームでとんでもない格好して帰ってるけど、あれはなんて言うのかねぇ?」 「ぐあぁぁぁぁっっっ!! 言うなぁぁぁぁっっ!!」 「み、魅ぃちゃん……レナもこの罰ゲームはちょっとダメだと思うかな? かな?」 「ちっちっち! どんな罰ゲームであっても問答無用! それが部活のルールだからね」 「でも……」 「それに、これはもともと沙都子や梨花ちゃんが勝手に自分から言い出したことだしね」 それを言われると、レナも何も言い返せないらしい。 どうしよう? とでも言いたげな視線をこっちに送ってくる。 むしろ俺がどうしよう? とでも言いたい気分だってーの! 沙都子と梨花ちゃんも、期待を込めたような視線を送ってくる。 ……うぅ。俺、どうする!? たしかにこれは夢のチケットだ、だけどやっぱり…… 「やっぱ俺、これは使えな……」 「ねえ圭ちゃ~ん、……もしかしてビビってんの?」 「なっ!? んなわけねぇだろっ!」 「なら出来るよね? それとも圭ちゃん、自分が恥ずかしい格好するほうが好き……」 「だーっっ!! それは絶対無い! くそっ、こんなおいしい券使うに決まってるだろっ!」 ――言った、俺。言っちまった。 魅音は面白そうだとばかりににやにやしてるし、レナは溜息をついてる。 そして沙都子と梨花ちゃんはがっくしと肩を落としながら、諦めた表情。 ……はぁ。どうして俺って、こんなに挑発に乗りやすいんだ。 せめてもの情け、ということでお散歩は暗くなってからすることになった。 どうせ今日は親父もお袋も出張でいない。 あわよくば沙都子か梨花ちゃんの手料理でもわけてもらえたらなーという下心もあった。 大体六時半辺りだろうか、俺は二人の家をノックした。 「おーい、沙都子ー! 梨花ちゃーん! 来たぞー」 たんたん、と階段を下りる音が聞こえ、そして…… 「……っ!!」 ――なんというか、神様。素晴らしすぎます。 俺、今日死んでも良いかもしれない。と本気で思えるほどの何かがそこにはあった。 「みぃ……」 「圭一さんっ! ……は、早く行くなら行きますわよっ!」 騒ぐ沙都子に合わせてぴこぴこと動く犬耳と尻尾。 赤い首輪に繋がれた赤いリードを振り回している様子は、さながら散歩に早く行きたがっている子犬のようだ。 その破壊力はいわずもがな! ああ、想像してみろ! マジですげぇから! 黄色い髪と相まって、ふわふわとした子犬のような可愛さがある。 梨花ちゃんは猫耳、尻尾、そして沙都子と色違いの青い首輪とリード。 もちろん想像違わず、とても似合っている。 沙都子とは反対に落ち着いている梨花ちゃんは、それこそマイペースな猫のようで。 でも頬を赤らめて「みぃ」とでも鳴けば、一転甘えん坊の子猫と化すのだ! ああ! こんな素晴らしい格好の彼女たちを四つん這いで散歩させることが出来るとは! やべ、考えただけでも鼻血が出そう…… レナじゃなくても、この二人をお持ち帰りしたくなる。 「……よ、よし。じゃあ行くか!」 赤のリードを右手に、青のリードを左手にしっかり握る。 二人はと言うと、恥ずかしさにふるふると震えながら地面に四つん這いとなった。 く、くぅぅぅぅ!! ヤバい、これは病み付きになりそうだ。 ルートは彼女たちに任せるとする。これも、せめてもの情けだ。 だがハイハイのためか、なかなか前に進まない。 二人は必死で少しでも早く前に進もうとしているが、俺にとってはゆっくり歩く程度だ。 「うぅぅぅぅ……こんな恥ずかしいことをさせられるなんて、屈辱ですわ……」 「みぃ……圭一は酷いのです。ボクたちはきっとこのまま圭一ににゃーにゃーされてしまうのです」 「さ、さすがにそこまでは……しない、かな? かな?」 とっさにレナのまねで誤魔化すが、正直理性が保つかわからない。 二人が進む度にふりふりと尻尾とお尻が揺れるし、スカートがはためいて見えそうで見えないチラリズムとか。 何よりも、その恥ずかしそうな表情! 屈服させることにより沸き上がる嗜虐心と達成感! それらが俺をもっと、もっとと先へ駆り立てるのだ! だけどここでそれを許してしまったら、それこそ人間を捨てることになる。 なんだけど、なんだけど! その……はぅ…… 「きゃー! 圭一さんのケダモノー!!」 「圭一のオットセイが、とても元気なのです」 「こ、こらー! 見るなーッ!!」 怒鳴りながら慌てて両手で隠すも、前屈みの体勢じゃイマイチ迫力がない。 それを形勢逆転と取ったのか、はたまた興味があっただけなのか、二人がじわじわと近づいてくる。 四つん這いで詰め寄ってくる二人の姿はこんな状況のせいか、幼いながらもちょっとした色気があって…… 動揺したまま後ろに足を踏み出したら、何かに躓いて尻餅をついてしまった。 マズい。これは非常にマズい。 「ちょ、待て。マジで待て。冗談でもやめろ! 近づくなっ!」 「あらあら圭一さぁん? さっきまでの威勢はどこへ行きまして?」 「みぃ、圭一は大変なのです。もう歩けないかもなのですよ?」 座り込んだことによって、視線がさっきよりも下へと移る。 四つん這いのせいで胸元が緩んでいて、そこからちらちらと下着が見えそうで見えない…… もう、限界だった。 「……マ、ジで……ヤバいから、もう、近づか……」 「何を言ってますの? 圭一さぁん? 降参ですの~?」 ふわふわとした耳が揺れる。俺を誘う。 「……みぃ!? 沙都子っ! それ以上圭一に近づいちゃダメっ!」 俺の異変にいち早く気付いたか、梨花ちゃんが沙都子を制止する。 「何言ってるんですの、梨花ぁ! これは大チャンスですのよ!」 だが、『そういうこと』に疎い沙都子は気がつかない。 無謀なことにも、狼と変わりつつある俺に無邪気に近寄ってくる。 「ダ……メ、だ……沙都、離れ……ッ!!」 「沙都子ッ! ダメ、圭一っ! ダメぇっ!!」 ぷつん。 ――俺の中で、何かが切れる音がした。 「……圭一、さん?」 俺の変化にようやく気がついたのか、そいつは不安げな声を出す。 その姿は、まさに震える子犬にそっくりだった。 俺という狼に、今まさに食われようとしている子犬。 ガシッと両肩をしっかり捕まえる。逃れられないように。 「……え? ちょっと、圭一さ――」 有無を言わさず、仰向けに押し倒す。 そのまま服を脱がせにかかる。 「ちょ、嫌、やめっ……やめてっ!!」 「圭一ッ! 止めるのです! 沙都子を離すのです!」 もう一匹の獲物が俺に向かって飛びかかってくる。 子猫は片手で捕まえ、同じように地面に押し倒しておく。 「や、嫌っ!! 梨花ぁっ! 嫌ぁぁぁっっ!!」 「沙都子ッ! ……離して、離してよッ! このぉっ!!」 二匹ともじたばたと暴れるが、体格差もあって俺には全く敵わない。 どれだけ叫ぼうとも、ここは人気のない山道。 見られるのを恥ずかしがって、人が通らない場所を選んだのが裏目に出たようだ。 仮に俺の腕から離れられたところで、リードで繋がれている以上助けを呼びにもいけない。 考えれば簡単なことだった。ここで食い散らかしたところで誰にもバレやしないのだ。 左手で押さえた子猫は後にして、先に捕まえた子犬から剥くことにする。 両足で押さえているため、全くもって抜けようがない。 右手で器用に服をずらし、暴れる子犬から服を剥ぎ取る。 この頃には恐怖の方が勝っていたのか、泣きながら弱々しい抵抗を続けるだけだった。 一方の子猫は、諦めが悪いのか未だじたばたと藻掻いている。 「……っく、嫌、……ひっく……止めて……」 「ホントに離しなさいよぉッ!! 離せって言ってんでしょっ!!」 ……みゃーみゃーと、うるせぇな。 ちょっとばかり子猫が耳障りだったので、子犬の下着をずらしたところで子猫も剥いておくことにする。 半脱げで、胸あたりまで露出させた子犬の首輪をしっかり掴み、地面に押さえておく。 中腰になって移動し、今度は子猫を両足で押さえつける。 空いた左手で、同じように子猫の服を剥ぎ取る。 「離してッ! 圭一! 目を覚ましなさいよ、このっ……! 止めてっ!」 子猫の方が、ボタンタイプで脱がしやすかった。 前を開き、下着をたくし上げると、子犬より小さな膨らみが露出する。 「止めっ……見ないでっ! ねぇ、圭一っ!!」 小さいとはいえ、実に美味しそうな色合いの蕾がそこにはあった。 邪魔な腕を二つまとめて拘束して、思いっきり貪りついた。 「……っ! や……けい…いち……」 「嫌ぁ……止めて、っく……くださいまし……圭一、さ……ひっく……」 じゅるじゅると音を立てて、吸い付く。 「ふぁっ! 圭一……止めて……っ」 「うわぁぁぁぁぁん!! 止めてぇ……っ!! 梨花を、離してぇぇっっ!!」 子猫の方が静かになったと思ったら、今度は子犬の方がきゃんきゃん鳴き出しやがった。 せっかく俺が、美味しく戴いているというのに。 この獣たちは躾がなってないらしい。食事中に騒ぐなどもってのほか。 だから、ちょっとした躾の意味も込めて子犬の方も構ってやろうと思った。 しかし二匹も押さえておかなきゃならないなんて、少し面倒だな。 その時、未だ手首に巻かれてる二本の「それ」に気がついた。 そうか、そういう手があったか。俺、頭良いな。 左手にある青いリードを取り外す。 子猫を器用にひっくり返し、後ろ手でリードを使って縛り上げた。 当然、子犬は一旦放してしまうことになるのだが、俺には確信があった。 子猫と違いややパニックに陥った子犬が、俺から逃げられるはずがない、と。 縛り上げるまでに30秒。 その間、子犬は必死に自身の首輪からリードを外そうとしていたが、手元が狂って上手く外せない。 そして俺は赤いリードを強く引っ張る。 かくんっと一瞬の抵抗の後、子犬が俺の眼前に引き倒された。 「や、嫌……わ、私に何を……?」 怯えたその瞳が堪らない。 首輪をぐっと掴み、子猫と背中合わせになるように引き寄せる。 さらに、青いリードの余った部分で子犬の両手も後ろで拘束した。 これで赤いリード一本で二匹を繋いでおけるし、邪魔な腕も動かせない。 片方を貪っている間に、もう片方に邪魔されることもない。 たった一つのことで、ここまで俺にとって食べやすくなるのだ。 やはり料理の技術は大切だなぁ、と微かに思った。 さて、思いっきり堪能するとしようか。 舐めるような視線で品定めをすると、二匹の瞳が恐怖に歪む。 さっきまで貪っていた、線の細い子猫も美味そうだが…… ここはやはり、柔らかそうな子犬から戴くべきか? うーん、でも生意気に抵抗する子猫を屈服されるのも良いかもしれない。 いやいや、怯えた子犬をきゃんきゃん喚かせるのも良いよなぁ。 ――よし、まずは子犬から戴こうか。 ぺたんと背中合わせに座り込ませた、子犬の正面側に回る。 「圭一っ! 沙都子は、沙都子はダメっ! 止めてっ!」 「あ……ぁ……」 子猫はみゃーみゃー喚き、子犬は恐怖のあまり言葉が出ない。 安心しろ、お前も後でじっくり味わってやる。 子犬のずらされた服の隙間から、柔らかそうな双球が顔を覗かせている。 小さな体つきの割には、意外と良い物を持っているじゃねぇか。 手を差し入れ、力を込める。 思っていたとおりの柔らかさと弾力が、俺の指を楽しませた。 「や……嫌、触らないでくださいましっ! 嫌ぁぁぁっっっ!!」 「圭一、沙都子に何をしてるのっ!? 今すぐ止めなさい!」 じたばたと藻掻き喚いているが、放っておくことにしよう。 いつまでも食べずにいるのも、もったいない気もするし。 ふにふにと揉み、麓から頂上まで絞り上げる。 薄桃色の先端に到達する度に、抵抗が一瞬弱まる。 小さいのに一丁前に感じてやがるらしい。いや、小さいからこそ感度が良いのか? 「や、止めてくださ……ふっ! ……ぁ、ダメ、ふぁ……」 ならば、こうしたらどうなるかな? きゅっと蕾を摘み、指の腹でころころと転がす。 段々と硬く、大きくなっていく。比例するように、吐息が漏れる。 「やっ…ふぁっ……ぁ、止め……んぅっ!」 「沙都子、屈してはダメなのです! ……ねぇ、沙都子! しっかりしてッ!」 子猫の声はもう届かない。 弱まっていく抵抗は、もはや意味を成さない程まで無くなっていく。 とろんと惚けていく瞳、桃色に上気した頬、時折ぴくんと跳ねる身体。 口先の抵抗は、今では小さな喘ぎを恥ずかしそうに漏らすだけ。 「……ぁっ、ん、やぁ……っ……ふあぁぁっ!」 もう辛抱堪らんとばかりに、一気に貪りついた。 夢中で舐め、吸い、甘噛みする。 「やっ……やあぁぁぁぁぁっっっ!!!」 「止めて圭一ッ!! お願いだから止めてぇぇぇっっっ!!!」 舌先で唾液を馴染ませるようにして、吸い上げる。 奥歯で軽く噛むと、コリコリとした触感が堪らない。 そしてそれよりも、耳に伝わる嬌声と悲鳴が心地よかった。 「――っあ! や、あぁ……んんっ!! きゃうっ!!」 「……止めて、お願い…っく……沙都子、沙都子だけは見逃して……うぅっ」 もちろん、お願いを聞いてやるつもりはない。 口を下にずらしていく。やや湿った布にぶつかった。 この下にこそ、最高の食材が待っている! 邪魔な布を取り去ろうと、ゴムに手を掛けた。 さっきまでボーッとしていた子犬が、危険を察知したのか、ハッとなり叫ぶ。 「や、止めてくださいましッ! 圭一さんッ!!」 悲痛な声もなんのその。破り捨てるような勢いで、それは取り除かれた。 毛も全く生えてない、幼い秘所が露わになる。 「嫌あぁぁっ! 見ないでっ!!」 「圭一ッ!!」 足を閉じて必死に見せまいとしているが、俺に力で敵うわけもなく。 ぴったり閉じた両足をこじ開け、濡れたそこにしゃぶりついた。 「ひゃうぅっ! や、そこ、きたな……ぁっ! ひぅっ!」 ぴちゃぴちゃと、下劣な音を立てながら。 ひたすら啜り、舌で狭い肉壁を掻き分け奥まで伸ばす。 後から後から溢れ出す蜜を、ズズズと飲み干していく。 真っ赤な顔をいやいやと振り、瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちる。 ビクビクと跳ねる身体の感覚は、後ろに繋がれた子猫にも充分伝わっているだろう。 それを狙っていた。 「……止めて…うぅっ……わ、私、なんでもするから……お願い、沙都子を…っく……」 涙混じりの小さな呟きを、俺が聞き逃すはずもなかった。 「……ふぅん? 何でもするんだな? 今、そう言ったよな?」 見せつけるように、子犬の愛液で濡れた口元をぺろっと舌で拭う。 子犬はと言うと、荒い息をついて放心している。 さあ、これで決意は固まったよなぁ? こいつのこと大切なんだもんなぁ? 「……ひっく……します。しますのです……ボクが言うこと聞きますから、沙都子を……」 「よし、それじゃあまず、コイツをどうにかしてもらおうか?」 ズボンのチャックを開けると、既にカチカチになった肉棒が飛び出す。 ビクッビクッと、脈打ってるのがよくわかるぐらいだ。 「な……!? ど、どうすればいいのですか……?」 不安そうな顔で、俺を見上げる。 「とぼけんのは無しだぜ? ホントはわかってるんじゃねぇのか?」 蔑むような視線で見下ろしてやる。 「――ッ!? ……みぃ。わ、わかったのです……」 諦めたような表情で、小さな口を命一杯開く。 「小さいクセに、よく知ってるよなぁ? こんな卑猥なコトをさ」 罵ったときの、羞恥に歪む表情が堪らなく快感だ。 「……うぅ、この鬼畜……変態……恥知らずッ……」 悔しげに小さく呟かれる呪詛も、敗者の戯れ言と思えば実に愉快だ。 さて、満足させてもらいますか。 「――むふっ!? ふっ、ぐぅ!」 小さな口に無遠慮に肉棒を突っ込む。 苦しそうに咽せるが、気にしない。 「おいおい、満足させてくれよ? 歯を立てたりしたらこいつがどうなるかわかってるよな?」 「……むぅ、ごほっ! ……っく、む、ちゅ……」 後ろの子犬のことを口にすると、咽せつつも必死に舌を絡めたりしてくる。たいしたものだ。 技巧も何もないが、小さな舌にぺろぺろと舐められるだけで充分だ。 頭をグッと押さえ、遠慮のカケラもなく腰を前後に動かす。 生暖かく、湿った口腔の感触が心地よい。 「んーっ! ふ、ふっ……ちゅ、むふっ! ぐ……んぅっ!」 続けていくうちに苦しそうだった鼻息が、段々熱を帯び始めているのは気のせいだろうか? だとしたら、こいつ相当のマゾだぜ。 「ホントはこいつを助けたかったんじゃなくて、自分がシてもらいたかっただけじゃねぇのかぁ?」 「ち、ちが……げほっ! っふ、う、んぅーっ!!」 「ほら、欲しいんだったらやるぜ! 思いっきり出してやらぁっ!!」 「――――っ!?」 喉の最奥まで突き立て、豪快にぶちまける。 さっきまで随分溜まっていたせいか、結構な量が出た気がした。 「げほっ! ごほっ……! ぐぇぇ……っ」 口からぼたぼたと、白い液体がこぼれ落ちる。 「んだよ、飲んじゃあくれねぇのかよ」 まあいいや。これで随分大人しくなるだろう。 早くも硬さを取り戻したそれを、眼前に突きつける。 「……ひうっ!」 恐怖に彩られた声が漏れた。 「なあ? 次はどうするかわかるか?」 「……け……いち?」 俺が今いった言葉。 どうすればいい? ではなく、どうするか? と俺は聞いた。 その違いに、子猫はまだ気付いていない。 いや、頭がボーッとしていて気付けない、と言った方が正しいか? 青いリードを外す。後ろ手に繋がれた二匹が解放される。 それを子猫の首に繋ぎなおし、しっかりと手首に巻き付けておく。 さらに子犬の首に繋がれた赤いリードを手首から外し、近くの木に括り付けた。 余った部分で両手を拘束することも忘れない。外されて逃げられたら困る。 そして子猫のリードをぐいっと引っ張り、子犬を指差して宣言する。 「お前の願い通り、こいつにはまだ手を出さないでおいてやる」 「……まだ?」 「そうだ、状況によっちゃあ保証は出来ねぇからな」 「っ卑怯者!」 「じゃ、もう一度聞くぜ? 『次はどうするかわかるか?』」 「……まさか!?」 さっと、子猫の顔に絶望の影が差す。 正しい想像に行き着いたことを確認して、俺は子猫をうつぶせに転がした。 暴れているのを上手く取り押さえ、下着を取り去り、スカートを捲りあげた。 「や……それだけは止めッ…!?……ふみゃあぁっ!」 両足を鷲づかみにし、舌で蜜壷を掻き回す。 よし、充分濡れている。それじゃ行くぜ……ッ! 「――っあ! ぐぅ……痛い、止めて圭一! ホントに痛……ああぁぁぁっっ!!」 ギチギチと狭い中が、必死に俺を侵入させまいと抵抗する。 それを無視し、一気に奥まで貫いた。 「――――――っぅぅぅぅぅ!!!!」 ブチリ、と途中で何かが裂ける音と、俺のを伝わって滴り落ちる赤。 痛さのあまりか、声にならない悲鳴が空気を震わせるのみ。 だが、俺にとっては血でさえもただの潤滑油でしかない。 腰を持ち上げ、後ろから俺は躊躇せず犯し始めた。 「っあ! や、っつぅ……あ、あ、ぁっ……はぁっ……んんぅっ!」 リズミカルな肉と肉のぶつかる音の合間に、吐息が漏れる。 もう壊れてしまったのか、よだれの垂れた小さな口は甘い喘ぎしか紡がない。 狭い中が俺のモノに絡みついて、きゅうと締め上げる。 「んっ……やぁ、う……あっ、あっ、あぅっ!」 その時だった。大きな悲鳴が上がったのは。 そちらを見る。子犬が目を見開いて、口をパクパクさせていた。 「ちっ、思ったより早く目が覚めたな」 「嫌ああああぁぁぁぁっっ!! 圭一さん、梨花に、梨花に何てことを――ッ!!」 「あ、あ……沙都子、やだ……見ないで……ふああああぁぁぁぁっっっ!!!!」 自分の恥ずかしい姿を見られた羞恥心からか、子猫の中がより一層締まる。 どうやら達したらしかった。 俺はまだイってないのでそのまま続けようとしたが…… 「止めて! 梨花に手を出さないでくださいましッ! このケダモノぉっ!!」 「ほぉう。あれだけさっきまで泣き叫んでたクセに、まだ生意気なこと言えるんだな」 動けなくなった子猫を地面に横たえ、子犬の眼前に詰め寄る。 「私に近寄るなぁッ、このケダモノ! 梨花と私のそれを外せッ!」 俺の手に未だ握られた青いリードを、キッと睨み付ける。 「俺がケダモノなら、さしずめお前は雌犬ってところだろうが。それと――」 木に括り付けたリードを上にずらしつつ、子犬を抱え上げていく。 「お願いするときは、それ相応の頼み方があるってモンだぜ?」 「触るなぁッ! わ、私に何をするつもりなんですの……!?」 「躾だよ。駄目な犬は、ちゃあんと躾けてやらねぇとなぁ……?」 俺の剛直をあてがった先目がけて、一気に下ろす! 「ひぎぃっ!? ――――やあああああああっっっっっ!!!」 俺のモノが深々と突き刺さっても、俺と子犬とじゃあ身長差がありすぎる。 もちろん、その分子犬の足が地面を踏みしめることは出来ない。 結果、最奥まで突き刺さっていても、重力によってさらに無理矢理俺が押し込まれていく。 「痛……嫌ぁ、うぅっ……助けて、にーにー……痛いの、嫌……」 限界以上に圧迫され、よく見れば下腹部がほんの少し盛り上がっている。 それでも俺は遠慮しない。 軽く腰を引き、抉るように一気に貫く。 「ひぐぁあっ! ぐ……ああぁっ! うああっ!」 苦しげな悲鳴と、接合部からぼたぼたと地面に落ちるピンク色の液体。 それは地面が吸収しきれず、小さな水たまりを作るほどだ。 「ああっ! やっ! ひぅっ! ……ふああっ!!」 ある地点を越えたときから、声に甘さが含まれていく。 よく見れば俺の動きに合わせて、かくんと腰が動いている。 笑うように、微睡むように、その表情は悦びで満たされていた。 ……とんだマゾだな、こいつも。 ぎゅうぎゅうと締め付けてくる中も、複雑な動きで俺を射精へと導いていく。 「あはっ……やぁっ! 圭一、さ……んぅっ! やあぁぁっっ!!」 「……っ!」 搾り取られるかのように、俺は二度目の欲望をぶちまけた。 中に思いっきりドクドクと注ぎ込む。溢れた分が地面へとどろどろ落ちていく。 抱えているのに疲れてきた俺は、それにも構わず地面に子犬を下ろした。 ハァハァと、三者三様の荒い息だけが静かな森にこだまする。 しかし俺の剛直は、まだ疲れを知らないようだ。 二匹のマゾ雌に充てられてか、むしろ元気を増したようにも思える。 さぁて、次はどちらを戴こうか。 二匹とも、もはや衣服とは呼べない布をギリギリのところでまとわりつかせている程度。 そのくせ耳と尻尾はきちんとついたままなのだから、流石と言うべきか。 おかげで全裸より妖しい色っぽさがある。 しかもぐちゃぐちゃの服から覗く肢体は、そんな姿に似合わない幼いものなのだ。 舌なめずりをしつつ、二匹の顔を交互に見やる。どちらからも熱っぽい視線。 「……みぃ、圭一。……沙都子はダメなのです。代わりにボクを……」 「圭一さん……梨花は止めてくださいませ。私には何をしてもいいですから……」 完全にどっちもイカレちまったようだな。 口先じゃもう一方のことを庇うようなこと言って、本当は期待に目が輝いてやがる。 それならまとめて喰らい尽くしてやろう! 木に括り付けた赤いリードを外して手首に巻き、子犬を仰向けに地面に転がす。 続いて腕が疲れてはいたが、それを無視して子猫を抱え上げる。 そして子犬の上にうつぶせに乗せた。 「きゃ!」 「あうっ! さ、沙都子……」 顔をつきあわせる形で、二匹が重なる。 それを上からぎゅっと押さえつけた。 何度も何度もぎゅ、ぎゅ、ぎゅっと。 ここで上がるのは苦悶の声じゃない。同時に奏でられたのは喘ぎ声。 手を離すが、二匹はもぞもぞと動き続けていた。 それもそのはず、さっきから何をしていたかというと…… 「ふあっ! や、ダメですわ、梨花……きゃうっ! 胸は……ッ!!」 「あ、あっ! 沙都……ッ、だ、めぇ……んっ!」 互いの胸を擦り合わせて、感じてるんだぜ? まさに絶景と呼ぶにふさわしい。 二匹の幼い雌獣がまぐわっているところなんて、そうそうお目にはかかれない。 よく見れば、子犬の方なんか腰がカクカク動いてるぜ? 「んっ、やあっ! あ、ダメ、梨花ぁ……も、我慢出来な……ッ!」 「沙都子っ! やっ、それはダメっ! ひゃうぅぅっ!!」 宴はさらにヒートアップしていく。 胸だけでなく、互いの太ももに秘裂を擦りつけ合う。 ぐしゅぐしゅという水音と、荒くなっていく息。 声色はより一層高く響き、互いが互いの痴態に興奮しているようだ。 動きは徐々に激しく、艶めかしいものへと変わっていく。 「あっ、んんぅっ……沙都子、ゴメンっ!」 「はぁッ……え? 梨花? ――ふむっ!? ん…ちゅ……」 子猫が子犬の唇を奪い、熱いキスを俺に見せつけてくる。 舌と舌が入り乱れ、子犬の頬を伝ってよだれがつーっと滴り落ちた。 ……そろそろ、俺も限界かな。 雌獣の宴に俺も混ざるべく、上に乗っている子猫の位置を少し補正する。 肉棒を二匹の間に差し入れると、ビクンッと二匹同時に跳ねる。 そのまま二匹の陰核を擦るようにして、腰を動かす。 「ひゃうっ! ん、やぁっ! 圭一さんっ! んっ! ああぅっ!」 「圭一のがッ! 当たっ……あうっ! くぅんっ!」 上から、下から、小さな突起が擦れる。 同時にぬるぬるとした愛液にまみれ、滑りが良くなっていく。 当然、スピードは増すばかり。 一番敏感なところを責め立てられ、後半は二匹とも声なき声を上げるのみ。 喉を震わせ、肺の空気全てを絞り出すように。 そして、俺は火山が噴火したような勢いで、三度目を思いっきりぶちまけた。 「「ふああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」」 二匹とも同時に声を上げ、俺の白濁とした液をお腹に浴びながら果てた―― ――目を開けたら、朝だった。 いや、朝なのもかなり疑問だが、それ以上に疑問がある。 何故俺は、外で寝ているんだ!? いきさつを思い出そうとしても、俺の脳が拒否反応を起こして思い出せない。 というか、昨日の記憶がごっそり抜けてるのが、すっげぇ不安なんですが。 しかも体がやけに重い。疲れているというレベルじゃないぞ、これは。 特に腰の辺りがとても痛いんですが……? 昨日、俺の身に何があったんだ!? とりあえず思い出せるところから、徐々に思い出そう。 昨日部活をやったところまでは覚えている。 そう、確か俺が優勝で、誰かがとんでもない罰ゲームだったんだ。 なんだっけかな……? うーん、凄いものを渡された気がする。 とてもペラペラで、軽い。だけどとても重い価値のあるもので…… そうだ、それよりもどうして俺が優勝したんだ? 確か沙都子と梨花ちゃんが、断トツだったはずじゃあ……? ……沙都子と梨花ちゃん? そこまで思い出したら、後は簡単に解けるパズルのようだった。 そうそう。沙都子と梨花ちゃんと、とんでもない賭けをしたんだ! 俺が1位になったら、獣装備でお散歩券。 だから俺は二人をお散歩させてたわけで…… その途中からだ。何かを隠すように思い出すことを拒否しているのは。 ――ちょっと待て。二人をお散歩させてたなら、二人はどこ行ったんだ? その時になってようやく、下半身が何か温かいものに触れられている事に気がついた。 とても怠い体に鞭打って、上半身を起こす。 俺の目が捕らえた光景は…… 「……うわぁぁあぁぁあぁぁああぁぁっっ!!!!」 叫んだ。よくわからないから叫んだ。 俺の脳が目の前の光景を理解することを拒否している。だから叫んだ。 だってさ、信じられないだろ? こんなの。 ほとんど全裸と言っても差し支えがないほど、ぐちゃぐちゃになった服を纏って。 髪や顔、身体にところどころ白い何かがこびり付いていて。 上気した頬は艶めかしくて、とろんとした瞳には既に光は無く。 それぞれの耳を嬉しそうにぴこぴこ動かしながら。 小さな舌をちょこんと出して、チロチロと。 子犬がミルクを舐めるように。子猫がミルクを舐めるように。 ――俺の勃起している『それ』を、沙都子と梨花ちゃんが二人で舐めていた。 脳に記憶が呼び起こされる。 誰だよ!? 誰だよ、二人をこんなにした奴は!? 思い出せ、誰だ? 誰だ? 誰だッ!? ああ、頭が痛い。くそ、くそっ…… わかってるだろ!? 前原圭一ッ!? こんなの、誰だか明白じゃねぇかッ! 俺の両手首に巻かれた『それ』。そう、それだよ! こいつが……リードが俺の手に巻かれている時点で、俺と二人は昨日からずっと一緒にいたんだよ! そうだ……俺が、やったんだ。 何度も何度も陵辱して、食い散らかした。 この白いものだって俺が出したものじゃねぇか! お前、何回出したんだよ? 二、三回ってレベルじゃねぇぞ!? 少なくとも五回以上はぶちまけたはずだ。 そうだよ……泣き叫ぶ彼女たちを押さえて無理矢理『犯した』んだ。 他の誰でもない、この俺が。 「ああぁぁぁああぁぁ!! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」 怖くなって謝る。誰に? 目の前の二人は俺の言葉なんて、既に届かなくなっているのに? それでもただひたすら謝り続ける。 赦しが欲しいんじゃない。むしろ赦さないでいて欲しい。 だからこそ謝る。この口が、喉が、裂けるまで。 「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」 ――本当に獣となってしまった二人には、永久に届かないかもしれないとわかっていても。
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目を開ける園崎魅音。 あたりは真っ暗である、ここはどこなのだろうか? なぜ自分は此処にいるのだろうか? 魅音は記憶を手繰り寄せながら自分が今、どのような状況にあるのか、身体を起こそうとする。 だが、身体は持ち上がらない。 よく見ていると自分の手や足には、ベットの柱に鎖が取り付けられている。 そして限られた視線を動かしていくと、そこはどこか見覚えのある場所だと気がつく。 「…ここは、うちの、園崎の拷問部屋?」 「お、お姉?」 「その声は、詩音?どこ、詩音!」 「ここです、お姉!私…お姉の足元に」 魅音が首を動かし、なんとか自分の足元を見ると、そこには詩音がいる。 詩音は、自分の双子の姉妹である。見た目ではほとんど区別はつかないほどにそっくりであった。 「詩音、これは一体…」 「私にも分からないんです、なんでこんなことになっているのか…気がついたら、こんなことになっていて」 「ちょっと!誰よ、こんなことをするのは!?さっさと姿を現しなさい!」 魅音は鎖をがちゃがちゃと音を立てながら、その閉じ込められた暗闇の中で怒鳴る。 だが、暗闇の中、声はむなしく響くだけ……。 そこに誰がいるのか、いないのかさえ理解できない。 「お、お姉……ここに連れてこられた記憶あります?」 足元から聞こえてくる詩音の声だけが、唯一、魅音を安心させた。 それは詩音も同じだろう。声を二人で掛け合いながら、この恐怖と戦っている。 「わ、私は……家の前だったかな?急に意識がなくなっちゃって」 「私もです!エンジェルモートからの帰りで、お姉に用事があって…」 「私に?なにかあったの?」 「最近…なんだかつけられている感じがして」 詩音の言葉に魅音は、不思議に感じる。 園崎家を狙うなんて、そんなことができるのは、よほどの奴だろう。 しかも詩音が気づいているということは、他の村のみんなも気がついているはずだ。 怪しければ、すぐに情報が入ってくるはず。 「……気のせいじゃないの?」 「そんなことないですよ!足音がして立ち止まったら、足音が1つ多く聞こえてきたりして……私、なんだか怖くて。お姉に相談しようとしてたんです」 「そうだったの……ごめん、私時間がなかなかとれなくて」 魅音は、詩音と早く連絡が取れていればこんなことになることはなかったかもしれないと後悔した。 詩音は、自分の大切な半身だ。 そこには姉妹以上の絆がある。 「「!?」」 急に魅音と詩音の寝かせられているベットが動いた。 二人は暗闇の中、身を捩ることしかできない。 「誰!?何をするつもりよ!」 「そうです!悪戯ならはやく、やめてください!」 二人が叫んでいる間も、二人の寝かせられているベットは動き、詩音の足と重なる。 どうやら、自分たちは対称に位置しており、足を互いに向ける形となっているようだ。 「きゃあ!」「いやあぁ!」 突如二人のスカートと下着が剥ぎ取られる。 二人は自分たちがいままさに絶体絶命である状況に恐怖を感じていた。 露になった女性器につめたい風を感じる。 「こ、こんなことをして、園崎の私達を敵に回したらどうなるかわかっているんでしょうね!?」 魅音はあくまでも強気にでる。 ここで敵に弱さを見せることが出来ない。 だからこその行動だ。 詩音も魅音に元気付けられながら、抵抗をする意志を見せる。 二人は、揺るぎない決意の元で、この絶対的な不利な状況を乗り越えようとしていた。 「ふああぁ!」 「お姉!?どうしたんですか?お姉!」 「む、胸…胸が舐められ……ぇ」 魅音は服も剥ぎ取られ、大きな胸を誰かに舐められている。 片方の乳首を引っ張ったり潰されたり弄られながら、弄ばれている。 魅音は思わず声を上げてしまいながら、首を振り、なんとか抵抗をしようとしているが、それも今の魅音の状態ではどうすることも出来ない。 詩音は、そんな魅音の状況下に、嫌な予感を感じる。 それはものの見事に的中した。 魅音と同じように、詩音も責めたてられる。 「「いやああぁん!」」 同じ声と喘ぎ声を吐きながら、二人はその責めを長時間にわたって受け続ける。 ようやく解放されたときには、二人の露になった秘所は濡れ始めていた。 二人は、肩で息をつきながら、なぜ自分たちがこんな目に合わなければいけないのか皆目見当がつかない。 「少しは、自分たちの罪を味わっているかしら?」 その声はどこかで聞いたことがある…梨花ちゃん?! 「り、梨花ちゃん?梨花ちゃんなの?なんで、どうしてこんなことをするの?」 「そうなんですか?お姉!?ひ、酷いです。私達をこんな目に合わせて、一体なんで」 二人は暗闇から聞こえてくる梨花の声に怒声をあげながら、告げる。 「…呆れた。まだわからないのね。それとも、貴方達の中では、自分たちの行なった行動が正しいものであると信じているのかしら?」 ため息混じりの梨花の声は響く。 「どういうこと!?」 「はっきりいってください!」 すると、拷問部屋の電気がつけられる。 そこには、古手梨花の姿があった。 ようやっと認識できた梨花の表情を見て魅音と詩音は、闇という恐怖から解放され、 今度はこんなことをした梨花に対する怒りがこみ上げてくる。 だが、梨花はそんな二人の目を哀しそうに見返しながら、周りを見渡す。 「…これを見てなんとも思わない?」 魅音と詩音が、なんとか自由に動く範囲で首を動かす。 そこには、様々な拷問器具で、無残で凄惨な姿を示す、 部活メンバー、そして学校に通う子供達、さらには園崎家のものたちまで…。 皆、並大抵の拷問ではなかったのだろう。 血が流れ落ち、その表情は絶望と苦痛に満ちている。 竜宮レナ、前原圭一、北条沙都子…涙と、目を見開いたままで朽ち果てている。 それはあまりにも無残としか言いようがない。 「「……しょうがないじゃない」」 魅音と詩音が同時に声をだす。その声には何の温度も感じられない。 「私が、詩音と一緒にいるためには、邪魔だったんだから」 「そうですよ。私はお姉と二人で一緒にいたかったんです。 身も心も昔は一緒だったんですから、元に戻ろうとする行為はあたりまえでしょう?」 「おかしいな、梨花ちゃんもしっかりと殺したと思ったのに……」 「ダメじゃないですか?お姉、全部しっかりとやらなきゃ……」 二人はそういって笑い合う。 梨花はうつむいたまま、その二人の濡れた秘所に太いバイブを無理矢理、挿入する。 「ひぎっ!?」 「あぁっ!!」 そして、梨花は、再びベットを捜査して、二人の秘所に挿入されたバイブが互いの中にしっかりと入り込むまで近づける。 「あぐっ、ふああぁ…あぁっ!?」 「はあぁっ…あ、ふ、太いっ!んあぁ!」 梨花は、二人の秘所で濡れながらも少しだけ見せるそのコンセントの穴に、コンセントを突き刺す。 すると、二人の間に挿入されたバイブがギュルルルと音を鳴らして動き始める。 「きゃあぁ!?な、なんですかこれぇ!?あ、あぁ…かきまぜぇ、ふあぁ!?」 「とめぇ、とめてぇ!あひぃ、あぁ…んはあぁ!!ああぁ、んぐぅ…へやぁ…」 激しい喘ぎ声が聞こえてくる中、梨花は二人を見下す。 「この世界は、貴方達の狂った姉妹愛に全員が巻き込まれるという世界だった。 なかなか見たことのない世界だったから、それなりに楽しめたけど、この世界のあなた達はやり過ぎたわ。 だから、私が罰を与えてあげる。オヤシロサマの祟りってところかしら?」 「な、なにいっへぇ…ひぎぃぃ、あふぅ、あああぁっ!?」 「とめ、とめてぇ、ひゃあぁ!あぁ、広がるぅ、広がっちゃウゥ!!」 二人は身を捩りながら、バイブの快楽から逃れようとするが鎖でつながれている以上は、 そのバイブの刺激を受け続けるしかない。 「罰は、貴方達にとっても嬉しいことでしょう?これを永遠に、死ぬまで行なうことよ」 「「!?」」 梨花は微笑みながら二人を見下し続ける。 「このバイブは、電動式なの。見ての通り…コンセントを通して電気が通り続ける限り、貴方達の中を刺激し続けるわ。 ここは、もう少しで綿流しの祭りにあわせてダイナマイトで爆発させて、閉じ込めてしまうわ。 そうなったら最後、貴方たちは助けられることもなく、永遠に二人で楽しめるわ。 よかったじゃない?」 「ひ、酷いっ!そんなのぉぉぉぉ!!あぁっ!」 「いや、いやだぁあああああああ!!あはぁ…はぁああ」 二人は涙を浮かべながら顔を横に振りながら達した。 愛液が互いの身体にと振りかかる中、古手梨花は、電気を消して、その場からたちさる。 発電機の音だけが拷問部屋には聞こえてくる。 何時間あれが回り続けるのか? あれが一個だけとは限らない……だとしたら、それは。 魅音と詩音は絶望を感じる。 だが、もはやどうすることも出来ない。 警察に…警察が早く見つけてくれることだけを願って。 ――――どれほどの時間がたったかもわからない。 「ひゃあぁあああ!!もういやぁ、い、イキたくない、いきたくぅぅぅうぅ!!!」 「あっ、ふああぁあぁああ!!いやぁ、いやぁあああああ!!」 二人は、腰を浮かすほどの勢いで何度も達してしまう。 バイブを止めるためになんとかしなくてはいけないと考えるのだが、 その次には意識を飛ばすほどの激しい衝撃に身を震わせ、頭が白くなるのだ。 もう疲労は限界にきている。 眠い…寝させて欲しい。 だけど、バイブの動きは寝ることさえ許してはくれない。 達する間隔は徐々に狭まっていく。 そして、それが0になったとき、二人にとって本当の地獄が始まることとなる。 それは、どんな拷問よりも恐ろしい。 古手梨花は、様々な世界にわたり、失望をしてきた。 その中で、この世界はそんな失望を発散するための一部となったのかもしれない。 「さようなら、もうこの世界に未練はないわ」 拷問部屋は、土の中に埋まり、その後の雛見沢大災害により発見させることはなかったという。
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「勘だ――――」 たった三文字の言葉なのに、私の心は大きく揺れ動いていた。 少し前まで組んでいたはずの腕も、いつの間にか離れていて、前原圭一は私の目をえぐるような視線で対峙している。 親族でさえ私と姉こと魅音の区別を明確にすることはできない。 幼い頃から『入れ替わることを茶飯事に行っていた私たち』なのだから、癖だとか仕草さえ同一なはずなのだ。 確かに私は二年弱の牢獄ばり学園生活――実体験からの比喩だから笑えてくる――を送ったし、魅音と言えば鬼婆のもとで、次期頭首としての教育を受けたのだろうから、空白の時間が生まれているのも事実だ。 だからと言って、雛見沢に戻ってきてからの一年間で、入れ替わりがバレたことは一度もないのに加え、この圭一と言う男はまだココにきて一ヶ月と言っていなかったか。 ある意味強固な自信とさえなっていた姉との入れ替わりが、『勘』なんて言う不明確な理由で看破されたことに、私はただうろたえるしかない。 ぎりっ、と歯ぎしりの音が頭に響く。 扉一枚の向こうには、この男に病みつきとなっている姉が居るのだ。今の前原圭一が存在する以上、姉は前原圭一のことだけを考えるようになるだろう。 口先八丁で、妙に仲間を強調し、部活の罰ゲーム常連のこの男に、姉は一層のめり込むだろう。 それを私は許してはいけない。 魅音と詩音が限りなく近い存在だからこそ、ミオンとシオンに狂いがあってはいけないのだ。 今回の場合正しいのは明らかに私。悟史くんはずっと雛見沢に住んでいるのに対し、都会から来た余所者に魅音が恋心を抱くのは困る。 周囲の人……、それは園崎家を含めてだが、私まで彼に恋愛の感情を抱いていると勘違いされかねない。 絶対に崩れていけない牙城を守るためなら、私は前原圭一を排除することさえ躊躇わない。絶対に。何が起きようとも。 圭一は不思議そうな表情を浮かべて、黙りこくった私を見つめていた。 くそ、これもだ。 この悟史くんと共通するような仕草の一つ一つが、私の感情を逆撫でにする。 何も知らないくせにすべてを知っているような行動。 知ったかぶりなら否定できるからまだしも、本当に知らないのだからタチが悪い。やり場のない怒りとはこのことだ。 とりあえず私は、姉に前原圭一が魅音と詩音の区別をつけることが出来る、なんて最高級の好材料を提供するわけにはいかない。 元々このぬいぐるみを買ってほしい、なんてのは話の流れで生まれたものだ。 スルーしたって圭一に問題が生じるわけではないだろう。 「へぇ……、圭ちゃんがそんなシックスセンスを持ってるなんて知りませんでした。私もおちおち圭ちゃんの前で、悪いことは出来ませんねぇ」 ぬいぐるみが並ぶショーウィンドウから離れつつ歩き出す。 圭一にとって『魅音と詩音の区別』は、それほど大きな事項であることに気づいていない。 会話に引き入れつつ無かったことにするのが得策だと判断した。 「おい、詩音。お前まさか魅音になりすまして、とんでもないことしてないだろうなぁ」 圭一は苦笑するような口調で私に返答する。きっとダム戦争時代の凶行がバレているのだ。 あの時は確かに姉を頻繁に使わせてもらった。 今でもそんなことをされては、圭一もおちおちと…………。 あれ……、私は今どう言う思考をしようとしたのだろう。 落ち着いて……冷静に……クールになって、いつもの詩音になって考える。 圭ちゃんは、詩音と魅音が違っては何か困ることがあるのか? 圭ちゃんが、詩音と魅音で対応の仕方が違うのか? こんなにも似ていて、同じと言ってもおかしくないほどの双子なのに、前原圭一はシオンとミオンを別個にする必要がある? 疑心暗鬼の渦がうごめいているのがわかる。 頭の中で前原圭一と園崎魅音が浮かび、消え、浮かび、消える。 腹立たしかったのは浮かぶのも消えるのも、常に二人は一緒だったことだった。 六月二十二日。教室には空いた席が四つ存在していた。 都会に居た頃とは比べものにならない濃密な時間。 俺にとって都会で過ごした十数年よりも、はるかにこの一ヶ月が重要な役割を占めるに違いない。 そしてその時間を作ってくれた大切な部活仲間(メンバー)。 その一人たりともこの教室には居なかった。 クラスの中心となっていたあいつらが居なくて、綿流しから数日経っていない、と言う事情。 この二つで充分、もう彼女らに会えないことが分かってしまう。 クラス中の子供たちが時々すすり泣くのも、当然これが原因であろう。 だが――――、俺にはまだかすかな希望を信じて、決して泣くことはしない。 まだ俗に言う『鬼隠し』など認めてたまるものか。 鬼に隠されたのなら、その鬼から何が何でも連れ戻してきてやる。 またあの『日常』を取り返すのだ。 スリルなどいらない。 変調も厭だ。 事件にも拒否権を行使する。 この『オヤシロ様』と言う盾を使った、すべてにケリをつけてやる。 終業のベルが鳴った。いつもなら隣にレナと魅音が居て、校門の所で沙都子と梨花ちゃんに別れを告げる。 他愛もないことで会話が盛り上がり、水車小屋で魅音と別れる。 週一ぐらいでレナの宝探しに付き合い、どちらにしろ夜となる前に帰宅する。 もう教室を離れたときから『日常』と乖離している。剥がれたモノはまたくっつけるんだ。 隣に誰も居ないまま俺は園崎家の正門に来た。 『日常』に帰られる方法があると言うなら、唯一ここに居る筈の鬼が知っているだろう。 しかし鬼に隠された……か。 魅音の字を指で手の平に書いてみる。 確か魅音のばあさんは『お魎』と言うらしいから、園崎には鬼がつきやすいのだろうか。 だけど詩音には鬼の字が入っていないし……。 帰ってきたら魅音に聞いてみよう。帰ってきた後のことを考えるのは希望になるってもんだ。 覚悟を決めた俺は呼び鈴を押す。俺の耳にも響くような大きな音が、門の奥から聞こえてくる。 砂利を踏みしめる静かな音が大きくなってきた。 一歩一歩踏みしめるかのように、ゆっくりと音が近づく。 そして音が止み、代わりに蝶番を外す音。 息を大きく吸って、門が開く様子を俺は直視した。 「前原圭一さんですね……」 想像していたのとは違う、落ち着いた声が耳に届いた。 門から現れたのも、俺の記憶にはない園崎家の人。 でも母親と言う割には、魅音や詩音との類似が見当たらないし、お魎とか言うばあさんにしては、若すぎる。 加え、俺みたいな若造に敬語を使うあたりも、失礼になるが園崎家にあり得ないように思えた。 「こちらへどうぞ」 俺の返答も聞かず、その女性は俺に付いてくるよう促す。 広い敷地内を歩く間、魅音はばあさんと二人暮らしをしていることを思い出し、使用人がいるとも言っていた。 思い出して改めて見ると、確かにあの落ち着いた様や、丁重な振る舞いにも納得がいく。 「そうなると、魅音は俺が来ることを……」 その思考に到達した所で、使用人の女性はある部屋の前で止まり、正座で正対しながら静かにふすまを開けた。 開けて本人は入らず、俺に一礼をし、俺の横を通り過ぎ戻っていく。 ここに魅音が居ることは、いかに鈍感と呼ばれる俺でも理解できる。 もう深呼吸する必要はない。覚悟は既に決め、腹もくくっている。 開かれているふすまを更に開けて、俺は部屋へと入った。 想像通り、緑色の髪を後ろでくくった魅音がそこに居た。 部屋にあるのは布団だけ。その布団の中で魅音は静かに眠っていた。 眠っている魅音に近づき、膝をついて魅音を眺める。 本当に静かだ。正直いびきのひとつでもするもんだと思っていたが、明らかにこの魅音は園崎家次期頭首の顔。 その顔に俺は指をそえる。こめかみからゆっくりと頬へ移動させ、細い顎のカーブを描き、唇で指を止める。 瞬間――――、ぴしっと俺の頭を電流が駆け巡った。 根拠がない。理由がない。原因も見当たらない。 それでも――――、俺は確信した。 静かに瞼を開ける…………『園崎詩音』を俺は見つめる。 「悟史くん…………?」 悲しい韻と共に、静かな崩壊が始まったのを俺は直感したのだった。 「あぁ、そうだよ、詩音」 魅音であるように振る舞う詩音。悟史のように振る舞う俺。 お互いに擬態している二人の目線が一致する。 俺はレナや梨花ちゃんから聞いた悟史の記憶を掘り起こし、詩音の頭をそっとなでてやる。 詩音の口から息が漏れて、耳たぶまで顔が紅潮した。恥ずかしいからなのか開いたはずの目も閉じられている。 構うこともなく、だがあくまでも優しく詩音の頭をなで回す。 さすがに恥ずかしさの限界に達したらしく、俺の腕を掴んで引きはがそうとする。 引き……はがそう……と…………? 万力にかけられたように腕に痛みが走った。両の腕でがっちりと掴まれた俺の腕を、詩音は離そうとしない。 圧迫して押しつぶすかの如く、詩音の手から痛みがダイレクトに伝わる。 必死に俺の方から脱出を試みる。それでも同年代の女の子に、俺は完全に力で主導権を握られていた。 予感がした時には、もう遅かった。 詩音の目は 完全に イカれていた。 「オマエ ハ サトシクン ジャ ナイ」 断定をこめた――――違う、断罪をこめた音声が脳を揺るがした。 揺れ動いた脳がピンボールにでもなったのか、急に視界が暗闇に染まる。 だが、その暗闇も一瞬のこと。すぐに意識が、痛みによって引き戻された。 バキッと派手な音を立てて、手首の方向が明らかに異常な方向を向いている。 「あああああああっっ!」 躊躇もなく俺の手首は破壊され、万力から解放されたのを感じ、俺は畳を転げ回った。 右の手が全く動かない。 いつもなら動くはずの『自分自身』が動かないと言うのは、なんとももどかしい感覚だ。 どうあがいても収まらない痛み。転げ回っていた目線の先に、白い靴下が映る。 鬼……。名前など所詮は人の決めること。園崎に流れる血には、やはり鬼が存在するのだろう。 瞳は絶対零度まで下がってるかのように、俺と言う存在を視線で否定する。 その目が――――、俺のすべてを否定する。 「圭ちゃんかぁ――――、うくくくくく、どうしたんですか、こんな要塞みたいな所に来て」 詩音が俺の横っ腹に蹴りを入れる。ためらいもない攻撃は体に大きく響く。 「寝て、いる、わた、しに、なに、しようと、したん、だ」 同じ場所を何度も何度も蹴り上げる。逃げようにも後ろは壁だ。 右手が使えないため、片手でカバーするにはあまりにも蹴られる場所が多すぎる。 ただただ攻撃を喰らい続けるだけの、あまりに試合にならない格闘技戦だ。 「やめ……ろ……詩音……、お……おねっ……お願いだ」 蹴られるたびに俺の懇願も遮られる。何度も何度も同じ言葉を俺は繰り返す。 何度も何度も何度も何度も何度も何度も俺は謝罪し、許しを乞う。 「寝取る……って言うんでしたっけ。 無理矢理寝ている子をレイプするのって。 不法侵入に、嘘ついて、強姦ですか。――――最低だよ、圭ちゃん」 違う、俺は違う。 ここに本当は魅音が居るはずで、その魅音を問いただして、レナの居場所を吐かせるつもりだったんだ。 なのに――――、なんでこんなことに…………。 詩音が俺に攻撃するのをやめて、俺と顔を近づけるようにしゃがみこむ。 強引に胸ぐらを掴まれて、鼻先が触れ合う距離まで顔を近づけられる。 度重なる蹴りの応酬で、俺の息が途切れ途切れになるまで疲弊していた。 「ほら、お望みのものですよ」 混乱の渦を巻く頭に、また新しい渦が追加された。 何が何だか分からないうちに、俺の顎を指でつねるように詩音は固定した。 そして隙間が数センチしかなかった俺の唇と詩音の唇を乱暴にくっつける。 「――――――――っ!」 唐突すぎる詩音の行動に、俺の思考は一気にフリーズした。 歯と歯がぶつかり合い、詩音の舌が俺の口腔を咀嚼しようと侵入してくる。 この状況の打破が最重要とした俺は、どうにか動く右腕の肘で、詩音を突き飛ばした。 俺の右腕は動かないもの、と詩音は思っていたのか、肘撃ちが綺麗にヒットする。 それによって俺と詩音には、一メートル弱のスペースがまた生まれた。 逃げることも考えたはずだが、俺の冷静じゃない頭は詩音との会話を優先させた。 「詩音――――、お前」 「気安く呼ぶな、畜生は黙ってろ」 刹那の間しか、詩音は俺に許さなかった。 たった一メートル弱。その隙間とすら言い換えても良い、距離を詩音は全力で突進してきた。 壁に俺の首を狙って打ち付け、そして肘鉄を加えた俺の右手首を、今度は横方向に捻りあげた。 「うぐああああぁぁぁっ!」 首を抑えられているのだから、酸素は少しでも大事に使うべきなのだろう。 だからと言ってこれ以上ない痛みだと思っていた痛みに、更に以上があったのだから叫ぶしかない。 「ねぇ、もしさぁ、もしもだよ? ある子にはだーい好きな男の子が居て、 だーい好きな男の子が、ある子にとってだーい嫌いな女の子に犯されていたら、 しかもその最中を録音でもされて聞かされたら、その子はどう思うのかなぁ」 何が何だか…………分からない…………。 「蹂躙されて咀嚼されて破壊されて、その子は…………み、お、ん、は、どう思うのかなぁ」 詩音の声はひどく嬉しそうだ。とても快楽に満ちている恍惚とした表情。 それでいて、まだこれから楽しみがあるかのような口元で、俺の首を締め上げる。 締め上げる首から上に酸素が届かない俺は、再び視界がフェードバックする。 詩音は俺をこのまま絞め殺す気はなかったらしい。 反応のない俺を見るや、俺を解放した。 手首の痛みもさることながら、息を長時間吸えなかったことから頭痛も激しい。 当然気管をふさがれるほどの圧迫を受けた首も、鈍痛が激しかった。 「ねぇ……、ど、う、思うんだろうね」 どう思う、って何をだ……? 録音……、犯されて……、魅音……。 魅音は……、俺のことが好きだった…………? 「あくまでも、も、し、も、の、話だよ、圭ちゃん。くけけけけけけけけ」 哄笑の表現がぴったりな詩音の笑い声。もう鬼としての詩音の姿すらそこになかった。 今度は後頭部を掴まれて、唇を触れさせられる。 触れ合った瞬間から、詩音の舌が俺の口内へ入ってきた。 淫靡な音が部屋中に響くのが分かる。 がっちりとホールドされている俺の顔は、ただ目をつぶり、目の前の光景が過ぎるのを待つしかなかった。 どれほどの時間が経ったか分からない。 俺の舌をぐるりとなめ回してから、詩音は俺から顔を離した。 荒い息づかいの俺とは違い、詩音の顔はひどく冷静だ。 口からこぼれた糸を指でぬぐい、俺のワイシャツへと手をかける。 一気に引きちぎられると思ったが、開いていた第一と第二ボタンの下、第三ボタンからゆっくり外していく。 その目の前で行われていることに、「犯す」と言われていながら、俺は鼓動が高鳴ってしまった。 まるで恋人との行為でするような作業に、俺は黙りこくって見つめてしまう。 「私、分かったんです」 第四ボタンに手をかけた所で、詩音は口を開いた。 この数分の間聞くことのできなかった、ひどく落ち着いた声。 「飴と鞭ってありますけど、鞭よりも飴の方が残酷なんじゃないかって」 言い終わって俺のワイシャツが脱がされる。 脇腹には蹴りのダメージを物語る、青みがかった赤色へと染色されていた。 「古手の巫女様はどう拷問しても命乞いしなかった。 ゴミ山に通い詰める変態は爪を剥がしても歯をもいでも、笑っていた。 どちらも最後まで見せたはずなのに、悟史くんの疫病神でさえ私に啖呵を切りやがった」 詩音の言ったことが何も分からない。 詩音のやったことが何も分からない。 「あの気弱な沙都子でもそうなんだ。 仮にも鬼婆のもとで鍛錬された魅音に、鞭だけじゃ絶望を与えられない」 悟史くんを失った私の痛みは教えられない。人間は飴を奪われた方が絶望する。 そう続けた所で、詩音はしゃべるのをやめた。 舌を出しながらゆっくりと俺の腹へと接近して、腫れ上がった部位を舐め回す。 傷口である場所を触られたことによる痛みと、女性に地肌を舐められると言う情報の交錯。 頭の中でそれは快感に置き換えられて、俺の拳……、左の拳にだけ力が入る。 舐めるだけでなく、口づけするように横腹へ吸い付く詩音の唇。 吸い付く度に響く音が、一層俺の思考を遮断する。 『録音』と、確かに詩音は言った。そして魅音に聞かせる……? 詩音の企んでいることを俺はようやく理解した。 そしてその謀略を俺は阻止するチャンスがある。 詩音の話ではレナと沙都子、そして梨花ちゃんは殺されてしまったのだろう。 その事実をさらりと宣言されたことで、俺は完璧に打ちひしがれた。 絶望の底に突き落とされたとさえ思えた。 だが――――、まだ救える仲間が居る。魅音はまだ詩音に殺されちゃいないんだ。 ならば俺はまだ落ちるわけにはいかない。 わらにすがってでも、魅音を救い出してみせる。 詩音からの仕打ちに覚悟を決めた俺は、口を一文字に結んで全身に力を入れた。 目をつぶって、少しでも眼前で行われている快楽に屈しないように集中する。 「うああぁっ?」 そう思ったのも束の間。舐められる部分が胸へと移ったことにより、無様に声を出してしまった。 反応しないことが俺に出来る抵抗――――――――――――っ! 左手で自分の口をふさぎ、少しでもあるかもしれない録音機に音を拾われないよう努力する。 その様を見たからか、詩音は執拗に俺の胸、そして敏感に反応せざるを得ない場所に接吻した。 固くなった乳首を舌で転がされ、もう片方の乳首も指で弄ばれる。 俺は経験がない以上、次に何をされるかもよく分からない。 快感がこれほど、覚悟を挫けさせようとするものだとは思わなかった。 だが声を漏らそうものなら、魅音を救うことなどできない。 少なくともこの手段での魅音による拷問は避けられるはずだ。 絶対に詩音の思惑通りに運ばせてたまるものか……。 「体が敏感な割には我慢しますねぇ、圭ちゃん」 冷酷な断罪の声とは違う、甘ったるい誘惑する声で詩音は耳元で囁いた。 その声にも俺は何も反応しない。意識しないことだけを考えて詩音の言葉攻めに耐える。 ふふ、と笑った声が聞こえてすぐ、一際大きい音がした。まるで脳に直接響いたような音。 耳の中に舌が侵入したのに気づくのは、少しだけ時間がかかった。 口と手で塞いでるのにも関わらず、息が漏れてしまう。 体勢がいつの間にか、後ろから抱きしめられている形に変わっていた。 逃げることを考えたが、詩音の足が俺の腹の前で交差されて、ロックしている感覚がある。 執拗に左耳を舐め、噛み、囁き、俺は溶けるような感覚さえ覚えた。 恐らくそこに油断があったんだと思う。 誘発された油断につけ込むように詩音は、俺の股間を布越しから掴んだ。 既にキスをされた時から反り立っていた俺の一物は、ずっと求めていた刺激に大きな快感を脳に伝える。 「っつぁ!」 遂に大きく声を漏らした俺を、詩音は休むことなく攻め続ける。 股間を手で刺激し続けるのに加えての、舌や指による愛撫。 たった数分で俺の覚悟は屈してしまい、詩音の手の上で文字通り遊ばれる格好になった。 いけないとは思いつつも、今まで実感したことがない快感に、声が漏れる。 ズボンのジッパーを下ろされても、何も抗わなかった。 快感が欲しい。これ以上の気持ちよさを味わいたい。 欲求に支配された雄に、成り下がった瞬間であったと思う。 それを理性が理解しつつも、脳が下す命令は性への欲求だった。 外気に触れて、俺の剛直はびくびくと痙攣する。 最初は自慰のように手でしごかれていたのが、また舌による攻撃へと移っていき、指も亀頭を中心に弄び始めた。 俺の体で一番敏感な部分を、ダイレクトに詩音は攻め続けた。 絶頂に達するかと思い始めると、詩音は俺から離れてじっと視姦だけを行う。 幸運か不運か、落ち着き始めた頃にまた詩音は、俺のモノへと手をかけて、快感を供給する。 その延々と続く刺激の繰り返しに、俺の頭は欲求のみで満たされて、耐えることを完全に忘れてしまった。 だらしなく漏れる声と唾液。少しでも欲求を満たそうと自ら腰を振り、詩音の愛撫や口淫に身を委ねた。 「フィナーレですよ、圭、ちゃん」 俺が目を開けると、詩音の下半身には既に衣服はなかった。 都会に居た頃見たビデオでは、モザイクがかかっていた部分。 そこはきらきら光っていて、陰毛の奥には桃色の陰部が俺の視線を釘付けにする。 ただでさえ敏感になっているのに、あのナカへ入れたら、どうなるんだろう。 雄としての思考が広がり、いっぱいになっていた唾液を俺は飲み込む。 詩音は俺のモノを抑えて、ゆっくりと自らの腰を下ろしていく。 先端が毛先に当たったもどかしさを感じた瞬間、一気に俺は詩音のナカへと入っていった。 「――――――――あああああぁぁぁっ」 フェラチオとは違う種類の快感。何よりも熱が俺の頭を更にかき乱す。 熱い熱い熱い――――――――! 陰茎に沿って広がるような詩音の膣。 腰を振る度に起こる、自慰の数倍の快感。 確か騎乗位とか言った名前の体位で、俺は詩音の快感に酔う。 少しでもこの時間を味わいたい――――――――! さっきとは違う、理性からかけ離れた理由で俺は必死に快感から耐えた。 次第と快感に慣れて、俺は詩音を瞳に映す。 どれほど淫らな姿に詩音はなっているのだろう。 そんな下劣な好奇心で、俺は目を開ける。 そこに居たのは、俺が求めた雌としての園崎詩音ではなく、鬼の姿になっていたソノザキシオンだった。 「さっさと、イっちゃいましょう? 圭ちゃん」 詩音の右手に握られていた包丁が、俺の首の付け根に突き刺さる。 骨のすぐ側を通った包丁は、きっと畳まで達して貫通したんだと思う。 致命傷となったその包丁で、俺はすべてのものから解放された。 耐えていたことからも解放されて、防波堤を失った精液は、詩音の膣の中で爆ぜた。 痛さも熱さも引いていった俺の頭。 死が目前に迫っていることを感じながら、詩音の最後の哄笑を俺は聞いていた。 「最っ高だよ、圭ちゃん! コレ見せたら魅音はどうなるかなぁ! 楽しみだなぁ! これで魅音も狂って崩れて壊れちゃうよねぇ! くきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ――――――――…………」
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「あっはは、今度は梨花が鬼の番でしてよ! 」 「みー。本当に角の生えた鬼さんに捕まってしまったのです」 「あうあう……ボクは鬼なんかでは無いのです!! 」 かわいい……どうしてなのだろうか。あのような小さな女の子は純真で無垢なんだろうか。汚れなんて何も無い天使のような存在。いや、天使よりも至上の何か。神様が与えてくれた奇跡とでも言えばいいのだろうか。 無邪気に走り回る小さな女の子たちを見るとぽうと体の下半身の芯が熱くなって…… 『元気だねえ沙都子たちは』 また空気が読めない胸のでかい女が私の心に土足で入り込んできた。いつもいつもいつも邪魔ばかりする、汚い大人への発育の始まっている女。私もその過程にいることはもちろん自覚している。心も体も汚れを浴びる大人への階段。避けることのできない悲しい道。そんな中に自分もいるのが侘しい。 せめてあの子達はそんな汚れを浴びて欲しくは無い。見たくない。汚されたくは無い。 ……違う。心の表はあの子達を心配している。底は違う。汚れを知らないあの子達の純真を骨まで食べたい。知ってしまう前に食い尽くしてあげたい。 沙都子ちゃんのあのタイツに包まれた足と気丈を振るいながらも本当は弱々しい心のうちを締め上げたい。 羽入ちゃんの二本のそそり立った角を舐りまわしたい。 梨花ちゃんのあの黒髪の中の顔をうずめて毛髪を吸い取ってあげたい。 気にも掛けずに話し込んでくる魅ぃちゃんの戯言を流しながら私は再びあの無垢な三人を視姦し始めた。 私がこんな性癖を持ったのはなぜだろうか。気が付いたら小さな、しかも自分と同じ女の子に興味を持ち始めていた。子供のときに見た大人、母親と父親の汚い大人の内を知ってしまったからだろうか。 それとも、雛見沢には魅力的な同い年の男子がほとんどいないことが起因したのか。 わからない。もしかしたら誰も、獣すら持っていない狂った異常な性癖を授かって私は生まれ出でたのかもしれない。 「んはぁ……すごい……かぁいいよう……んくぅ」 家のベッドに潜るといつも始まる私の慰み。俗に言うおかずはあの小さな三人の写真。 毎日、ローテーションを組んであの子達を犯し、犯されるのだ。羽入ちゃんの角が私の秘裂に食い込んでくる。私の垂れ流した淫液で濡れた角が怪しく光る。 「羽入ちゃん駄目……んああ! 大きいのが……いっぱいだから……ね」 自分の指を引き抜いていく。自分の出したよだれにまみれた指先を舐め回す。 さらなる刺激を求めて、私はおかずを変えた。それは一昔前の写真だ。昔と言っても片手で数えられるぐらい年数。写っていたのはショートカットの似合う笑顔の眩しいかぁいい子…… 「もっとレナを見て、ん! もっと頂戴……ねっ……」 よつんばいになった私は写真の少女を凝視し両手の指で秘裂をかき回す。 「あっ……」 真っ赤に腫らした突起に触れた瞬間に私は絶頂を迎えた。 「ハア……はあぁ……良かったよ……礼奈ちゃん……」 私が最後におかずにしたのは紛れも無い、幼い頃の私の写真だった。汚れをまだ知らない綺麗なころの私自身を私は犯したのだ。 今日の部活は鬼ごっこだ。鬼は圭一君。いっせいに皆散っていく。 ───わざと捕まってやろう……まずは 圭一君に気付かれないように速度を落として私は捕まった。 「はぅぅ、レナが鬼になっちゃった……」 「レナさーん! こちらでしてよ! 」 少しだけ掠れて艶めかしい声が私を呼ぶ。沙都子ちゃんだ。 ───ふふ。すぐに捕まえて、お持ち帰ってあげるね。 狙いを定めて一気に距離を詰めた。やはり小さな女の子の足じゃあ到底私には及ばない。弱々しさの見える沙都子ちゃんのその非力さに私は劣情を感じた。 「捕まえたよ。沙都子ちゃん!」 激しい息切れを起こす沙都子ちゃんを抱き留めるように捕獲した。 「はあ、はあ……レナさんには適いませんわね……」 生温かい息と肌からにじみ出る沙都子ちゃんの汗を目一杯堪能する。その汗と息を舌の上に乗せたいという衝動が巻き起こるがここは自重しておく。その代わりに黄金の輝きを引き放つ髪の毛に自分の頬を擦り付けてあげる。 「はっ、はうぅぅ。気持ちいいよう……」 「もう、レナさん。くすぐったいですわ」 でも今日の沙都子ちゃん……何か変だった。いつもの調子を出せてない…… そんな感覚。いつもでも見ているから私には分かる。特に運動した後には必ずと言っていいほどに顔を紅潮させて…… 「あの、レナさん……」 体育の授業のあったその日の放課後に小声で沙都子ちゃんに相談を持ちかけられた。 帰宅しようとした矢先の思いがけない出来事に気持ちが上昇していくのが分かる。 「どうしたの……沙都子ちゃん? 」 ゆっくりと諭すように天使に話しかける。しかしながら俯いたままで顔を朱に染めているだけだった。とてもいい顔。 「大丈夫だよ、沙都子ちゃん。誰にも話したりはしないから」 「…………」 上目遣いでこちらを見てくる沙都子ちゃんに気が遠くなるのを覚えてしまう。これだ。沙都子ちゃんの時折見せるこの弱々しさ。気丈さとのギャップに私は魅入られて深みに落ちていってしまう。いつものこと。 意を決したように沙都子ちゃんは口を開いた。 「私、最近胸の辺りが……こう、なんていうか熱くなってしまう……と言いますの?特に運動した後は衣擦れみたいになって、じんじんと……疼いてしまうんですの」 疼くという卑猥な言葉が出てくるなんて……沙都子ちゃん…… 「そ、そうなんだ。沙都子ちゃんもそういう時期になっちゃったんだね……」 冷静を努めて説明を行う。 「経験がお有りなんですの? 」 「大人になるときはどうしても敏感になる時期か来てしまうものなの。レナや魅ぃちゃんはもう済んだかな……」 沙都子ちゃんが苦しんでいるのは一種の成長痛だろう。疼いてしまうという表現も決して彼女は卑猥を以って話したのではない。でもこれは無二の好機だ。私の頭の中であらゆる算段が繰り返される。冴えた頭が照らし出したのは…… ───本当に持ち帰ってしまおう 「……ねえ、沙都子ちゃん。レナの家に来ない? その痛みについて色々と対処の仕方を教えてあげるから……」 「本当……ですの? 」 「大事な仲間のためだからね……おいでよ」 圭一君が普段連呼している仲間という言葉を餌にして返事を待つ。 「ありがとうございますわ、レナさん。話をしてよかった……」 「ふふふ、じゃあ行こう。すぐに楽になるから……ね」 疼痛に悩む純真な沙都子ちゃんが釣れた。欲望が現実になるのはもう、時間の問題だけ。これで九分九里、未発達の青い女の子をこねくり回すことができるはず。だってもう釣れてしまったんだから。陸に揚がってしまうのだから。 私の頭の中には二重、三重に性欲プランが構築されている。トラップの達人でさえ回避はできない。欲情にまみれた笑顔を貼り付けて私は沙都子ちゃんの手を取った。 自宅に招きいれた私は自室に招き、性の講義を始めた。 沙都子ちゃんは疼痛を防ぐために。私は沙都子ちゃんを料理するために。 「良い、沙都子ちゃん? 今あなたを悩ませている疼痛……胸の疼きはね、成長痛って呼ばれているものなの」 「成長痛……」 まっすぐに私を見据えている沙都子ちゃんの視線をジンジンと感じながら、私は言葉を続けた。 「そう。人が大人の階段を登り始める時期に必ず訪れてくるものなの」 「大人の……では私は大人になり始めているんですの? 」 沙都子ちゃんの表情が少しだけきらめきを放ったような気がした。 「……沙都子ちゃんは大人になりたい……? 」 答えを聞きたくない質問を私は投げかけた。 「……ええ。早く大人になりたいですわ」 心の底がゾッと急激に冷え込んでしまうのを覚えた。 「早く大人になって、にーにーやレナさんのような立派な強い人間になって生きていきたいんですの……」 「でも、大人になることは辛いことだと思うよ。いろんな汚いものを体と心に刻み込まれる……それはとても……」 「いいんですの」 私の言葉は中途で遮られた。 「そのようなものを全て受け入れて、立派な人になれるのだと私は思っていますわ」 「沙都子ちゃん……」 そんな……嘘だ嘘だ。あんな汚らわしい存在に夢を見ているなんて……腐りきった大人に早くなりたいなんて……じゃあその無垢な笑顔は何? 澄み切った瞳とあなたの弱々しい心は何だったの? 買うことのできないその純真さをあなたは捨てようとしているの? 私が毎日どんなに沙都子ちゃんを想ってきたか……駄目だ、沙都子ちゃん。腐り切って、賞味期限が過ぎる前に何とかして…… 食べなきゃあなたを。 いいよ、沙都子ちゃん。あなたがその気なら。あなたの思いを尊重してあげる。 でもそれは体裁だけ、外側だけ。食べるための口実のために利用する。 「話が逸れましたわね。本題をお願いしますわ」 「まず、沙都子ちゃん。運動をした後に特に痛くなっちゃうこと多くない? 」 「ええ、おっしゃるとおり……今日の体育の後なんかすごくて……」 今も疼きがあるのだろうか。胸の辺りを押さえながら沙都子ちゃんはつぶやいた。 「衣服との擦れ合いによってそれは起こってしまうことが多いの。それを防ぐにはね胸の突起……つまり、うん、沙都子ちゃんの乳首を保護してあげれば軽減するの」 乳首という言葉にぴくりと体を震わせたのは気のせいじゃあない。 「じゃ、じゃあどうやって保護すれば……」 「適当なシールみたいなのを貼ってあげるの……」 「シールを貼ればいいんですの……」 ふふふ、本当なら適当なブラを当ててあげれば擦れあいは防げる。でも、この子は無知。だから少しばかり恥ずかしいことを吹き込んであげる。小さな子供にいたずらを掛けるロリコン魔の気持ちが少しだけ理解できた。 「シールって言われましても具体的にどのような……」 小首をかしげた沙都子ちゃんにさらなる嘘を吹き込んであげた。 「一般には絆創膏がいいんだよ、沙都子ちゃん……」 「そう、絆創膏を貼るんですの……」 「貼り方も教えてあげなくちゃね……沙都子ちゃん、お洋服脱いでくれるかな」 沙都子ちゃんの目がくっと見開いた。わずかな赤みを帯びている瞳が揺れ動く。 「ぬ、脱ぐんですの? 」 少し軽率だったかな。でも…… 「沙都子ちゃん、よく聞いて。これはあなたのために、あなたが大人になるためにやっていることなの。恥ずかしいことかもしれないけれど、沙都子ちゃんの成長のためにレナはね、言うの。あなたが立派な大人の人になって欲しいから。ね、だから……」 自分に妹がいたらこうやって諭していくのだろうか。考えを張り巡らせて、私は言葉を選んでいった。そうしていけば目の前にいる幼女は…… 「ごめんなさい、レナさん……レナさんがこんなに親身になってくれるなんて……ありがとう」 ほら、大人という言葉を出せば沙都子ちゃんは簡単に折れてくれる…… 一見はわがままそうな感じだが押しにはとことん弱い女の子…… 「レナさんが……私のねーねーみたいに……」 そして筋金入りの甘えん坊さん…… 「ふふ、じゃあねーねーの言うこと聞いてくれる? 」 「はい、分かりましたわ……」 そうして沙都子ちゃんは自分の上着を脱ぎ始めた。 「これでよろしいんですの? ……やっぱり……恥ずかしいですわね」 上半身をさらけ出した沙都子ちゃんが目の前にいる。紅潮した顔を携えて、胸の辺りを両腕で隠している。その困惑した顔とみずみずしい素肌が私の唾液の分泌を促す。溢れる生唾を飲みながらじっくりと舐めるように見た。 「じゃあ、腕をどかしてみようか、沙都子ちゃん……」 「……わかりましたわ」 ゆっくりと両腕を下に降ろしていく。 「んっ……」 突起が空気にさらされて、くぐもった厭らしい声を沙都子ちゃんは吐いた。 毎晩オナニーで夢想していた幼女の乳首が今、目の前にある。夢みたいな光景に私の胸の突起も勃起してきた。 「はうぅ、沙都子ちゃん、少し赤くなっちゃてるね……」 沙都子ちゃんは二つの突起は真っ赤に腫らしていた。歳にしては大きめの膨らみに付いた沙都ちゃんを疼かせる神経の集まり。 「はい、これが……たまらなく……疼いて仕方がないんですの……」 少し涙を浮かべている沙都子ちゃんにくらくらになりながらも、私は冷静を呼び戻す。 「うん、じゃあ、絆創膏の貼り方を教えるね。とりあえず、今はレナの指が絆創膏だと思ってね」 沙都子ちゃんの後ろに回りこみ、抱き込むようにして両手を沙都子ちゃんの体の前面に回した。 「……ひぅ! 」 両の人差し指の腹でそっと突起を抑えてあげる。待ちに待った幼女の突起に触れた。 ───幼女の……甘えんぼ幼女の乳首が私の指に…… コリコリしてあげたいけれどここはまだ我慢。 「こうやってね、突起を包み込むようにしてあげるの……こうして動かしても、あまり痛みを感じてしまうことはないはずだよ……」 指の腹を押し付けたまま左右に揺すってやると…… 「んん、レナさん……そ、そんなに、動かしちゃあ……」 こうやって艶めかしく鳴いてくれる。そんな鳴き声されると……もう…… 「あ、あっあっ! レナさん……指が……」 「ほら……こんなに動かしても大丈夫……鬼ごっこしても缶蹴りしても大丈夫だね……」 ごめんね、沙都子ちゃん、でも大人になるためには必要なんだよ?私の愛撫に耐えられなくなったのか、私にのしかかるようにして体重を預けてきた。心地よい重みが私を支配する。 「レナさん……何か、痒くて……んぁぅ、あ、熱いのが……」 ふふ、きちゃってる、きちゃってる…… 「これで絆創膏の貼り方分かったよね……」 目をつむって大きく息を吸っている沙都子ちゃんを見下ろす。ゆっくりと頷いた沙都子ちゃんに対して私は再び言葉を紡いだ。 「じゃあ次は、今まで溜まってた凝りと張りを解消させるマッサージ教えるね」 「はい……それを行えば、さっきの……痒いのと熱いのが……取れるんですの……? 」 私の膝の上に乗っている沙都子ちゃんは大きな瞳を潤ませながら問いかけてきた。 「お願いしますの、レナさん。私……もう何か、おかしく……なって」 さっきのがよほど効いたのだろう。私の手を握り締めて必死に哀願してきている。 「でも、ここじゃ駄目。沙都子ちゃん、ここじゃ風邪引いちゃうから。ね?お風呂場に行こう? 」 「お風呂……はい、行きますわ……お風呂……」 「まず背中と髪を洗ってあげるね沙都子ちゃん」 こくりとうなずく沙都子ちゃんの背後に回ると、泡を立てたスポンジを体に当ててあげた。でも…… 「……んん、やぁ、レナさん、スポンジが……」 スポンジの刺激に敏感な肌が耐えられないのだろうか。あてがうごとに吐息を漏らしていく。このままごしごしと直接乳首を擦ってあげたい衝動に駆られるのだがここも抑える。内心はバクバクなのだけど。 そこで私はスポンジから泡だけを取り、素手で体の隅々まで洗ってあげることにする。洗い終えた私は、沙都子ちゃんのふんわりとした髪の毛を洗いにかける。 「痛くない? 沙都子ちゃん? 」 「はい……とても優しくて気持ちいいですわ……」 まだ青々しいにおいを放つ沙都子ちゃんの髪を指先に憶えつけるように触姦する。 「んん、気持ち……いい……なんだか本当のねーねーに洗われているみたい……」 ……そう。私は今この子、姉になってあげているのだ。いきなり獣になってこの子を襲ったらねーねー失格になっちゃうから……まだまだ泳がせないと。 「それじゃあ、次はマッサージですわねレナさん」 体を清めた私たちはついにマッサージの準備に取り掛かる。沙都子ちゃんはこの胸の疼きを止め様として躍起になってる。もうすぐだよ沙都子ちゃん。いっぱいほぐしてあげるからね。 「そのマッサージは……あの……痛いのですの? 」 「ううん。全然そんなことない。むしろ、疲れや凝りが取れて気持ちいいの」 だって……性感……マッサージだもの…… 純情さをひしひしと見せ付けてくる沙都子ちゃんに少しの罪悪感を感じる。駄目なねーねーでごめんね。 お風呂場の床にバスタオルを敷き詰めて直に座っても痛くないようにする。沙都子ちゃんに座るように指示し私はローションを手に取った。 「これ? これは肌の滑りをよくするためのものだよ。これを塗っておけば痛みを抑えてマッサージできるの」 「この……ローション? をレナさんはどうして今も持っていますの? レナさんも時折マッサージをしていますの? 」 微妙なところを突いてきた沙都子ちゃんに対して注意して答えた。 「う、うん。レナも時折やるの。……気持ちいいし美貌にも良いんだよ? だよ? 」 まぁ、マッサージといってももっぱら下半身のマッサージだが……もちろんこのローションも自分のオナニーのために使ってたものを転用したものだ。これを使って何度も沙都子ちゃんを夢想したことか…… 「それでは、お願い致しますわ」 妄想中にいきなり振られた私は急な鼓動の高鳴りを抑えながら、その幼幼しい肌に、まずは肩口から液を流し込んでいく。重力に従って下半身に垂れていくその感触を沙都子ちゃんはどう感じているのか…… 「な……にか……ぬるんぬるんしたのが、いっぱい……来ていますわ」 両の肩口からたくさんのローションを垂らしてやる。かぁいい、かぁいい幼女のために奮発して使用する。 「じゃあいくよ……」 私の指が沙都子ちゃんの肩口に触れるとびくりと体を震わせた。最初は方から首にかけて本当のマッサージのように解きほぐしてやる。 「あっ……いい」 柔らかな肌に触れることがついにできた。内心の緊張が私の指を震わせる。 「すごい、良いですわレナさん……でも、あの……お胸のほうにも……していただかないと……駄目なのでは……」 ───ふふ、お部屋でやった前戯が効いちゃったのかな…… 胸のほうへと両手を滑り込ませて沙都子ちゃんの膨らみに引っかかるようにしていたローションの塊を円心状に押し広げてやった。 「くぅうん!! ぬるぬるが……何か……私、獣に体を舐められてるみたいですわ」 鋭いんだね沙都子ちゃん。獣はあなたのすぐ近くにいるよ。近くにいて息荒げてごちそうの下ごしらえをしてるんだよ。 液によって艶めかしく光っている沙都子ちゃんは本当に全身を舐め尽されたみたいになっていた。 そのまま自分の両の手で膨らみを押しあげて本格的に揉みしだいていく。 「んん……はぁ……レナさん……」 吐息がさらに大きくなっていくのを実感した私は核心の迫る。 「突起のところもやっちゃわないとね……」 満足ができなくなった私、沙都子ちゃんもかな……ついに乳首に刺激を与える。 「はぁぁぁ! そこですの! そこがたまらなく……あ」 人差し指と中指でこりこりと朱に腫らした突起をこねてやる。 「あ、あっあ! じんじんして……おかしくなって……」 目を瞑って見知らぬ快感に酔い痴れている沙都子ちゃん。その頬は桃色に紅潮していた。ときおりびくんと体を震わせていくのがとめどない情欲を誘う。 「こうやって解していくの。どんどんどんどん楽になっていくからね……」 手に力を込めて摘み取るようにして刺激を与える。ぬるりとしたローションにまみれているから痛みではなく快感に転じているはずだ。 「やぁ……なんか……ん、熱いのが……お胸だけだったのに、足の間にもきゅっと何かが来てて……」 いけない子……ただのマッサージなのにイきそうになってるなんて…… 「もうすぐだよ……もう少ししたら楽になるから」 かなり脱力を見せている沙都子ちゃんを抱き留めてやる、そして意を決してもらう。 「!? レ、レナさん! そこは……」 脚の間にあるもう一つの突起に指を差し入れた。ここを弄べばすぐにころっと達してしまうだろう。 「ここを刺激をしてやれば、もっともっとすぐに楽になるからね……」 「……恐い……恐いですわレナさん。私……何か……恐いのが来てしまいそうで……」 思ったとおりの反応。ここまで予測どおりだと何か微笑みが漏れてしまう。 「じゃあ、やめる? 恐いなら……ねーねーの言うこと聞けないなら……やめてもいいんだよ」 ねーねーの言う事を聞けない悪い妹には鞭が必要だ。ぱっと指の動きを止めた。 「どうするの……一生、疼いたまま暮らしていく? 」 くっと目を見開いた沙都子ちゃんは首を懸命に振りながら哀願してきた。 「い、嫌ですわ、ねーねー、私疼いて疼いて仕方がありませんの……」 「……だから? 」 「お願い……続けてくださいませ! 私を早く早く……楽に」 哀願幼女に心と下半身を打たれた私は思わず性欲に素直な妹を抱きしめてやる。 「ごめんね沙都子ちゃん……レナ少し言い過ぎちゃったね……でも大事な妹を思って 言ってしまったの……許してね……」 「はい、ねーねー。私もごめんなさいですわ。ねーねーの気持ちを蔑ろにしてしまって……だから、ねーねーの思うように……続けてぇ……」 スイッチが入っちゃった沙都子ちゃん。イかせてあげるからね……たっぷり。 再び私は上半身の突起と下半身の突起に手を添わした。もう両方とも真っ赤に充血していた。 「ほら、こっちのほうも撫でてあげるといいんだよ? 」 「あぅ……ああ! やぁ、壊れて……しまいそう! 」 結構強めにクリトリスを刺激してあげるのだが、なかなか粘っている。触った瞬間イってしまうと思ったのだが…… 「はうぅ……レナ少し疲れちゃった……」 少し指を休ませようと動きを留めた瞬間だった。ぐっと私の手が掴まれた。 「いや! やめないで下さいませ! ねーねー、もっとコリコリしてぇ!! 」 もはや私の指の動きではなくて、沙都子ちゃんの力だけで愛撫が持続された。 「あ、ああっ! ねーねー! レナねーねーぇ!!!! 」 一段と体を振るわせた私の淫乱妹は自分の意思と力で絶頂に達した。 私の指に絡みついた愛液を、渇望していたそれを一滴も残さずに私は口に入れた。 「ふふ……いけない子……」 「年上の方とお風呂に入るのはにーにー以来ですわね……」 情事を終えた私たちは一緒に湯船に浸かっていた。ちょうど私が沙都子ちゃんを後ろから抱くような形をして湯を浴びている。 「悟史くんとはよくこうやって一緒に入ってたんだ……」 「ええ、懐かしいですわ……でも」 沙都子ちゃんが振り返り私のことを見つめた。 「今は……優しくて綺麗なねーねーがいますから……寂しくなんかありませんわ」 「沙都子ちゃん……」 私は目の前にいる妹をぎゅっと抱きしめてあげた。 お風呂からあがった私は沙都子ちゃんの体を丁寧にふき取り、例の絆創膏を手に取った。 二つの絆創膏を二つの突起に貼り付けていく。 「これで、疼痛を防げるはずだよ……沙都子ちゃん」 「ありがとうございます。これで鬼ごっこもへっちゃらですわね」 何も知らない沙都子ちゃん。これで私だけの絆創膏幼女の完成だ。これからは毎日下着の下に絆創膏を貼って登校し、授業を受け、ご飯を食べ、部活に勤しみ、罰ゲームを 受けちゃうのだ。その姿を想像したら、沸々と性欲が溢れてきた。 「ねーねー、今日は本当に感謝していますわ」 家の玄関で帰り支度をしている沙都子ちゃんを見送る。家に来たときとは違い嬉々とした表情の笑顔を見せてくれる。 「沙都子ちゃん、私の家に泊まっていっても良かったのに……」 「お気持ちはうれしいですわ……でも梨花と羽入さんを待たせてしまっていますから……」 玄関を開けると夕暮れのオレンジが差し込んでくる。 「……ねーねー……あの」 表情が弱々しくなった。愛撫しているときに見たあの哀願するような瞳。 「また……体が疼き始めたら……あのマッサージ……もう一度お願いしても……」 もちろん私はそれを快諾する。かぁいいかぁいい、妹のためだから…… 「もちろん……またおいで……」 沙都子ちゃんがいなくなった後、私は一人ベッドに潜り込む。刻み付けた沙都子ちゃんの味や感触を自分のものにするためだ。沙都子ちゃんは私のことをねーねーと呼んでいたが…… ふふふふふ、それはあの子の賞味期限が過ぎる前までの話。ただの形骸。これからあの子は私の愛撫を求めてくるだろう、優しい優しいねーねーの気持ちいいマッサージを。 その日が来るまであの子を骨の髄まで味わってやろう。少しでも拒絶を見せたらまた鞭を振るえばいい。あの子はとても従順そうな幼女だから。 三人の幼女のうち一人は陥落した。残りは古手羽入ちゃんと古手梨花ちゃん。 次はどちらを噛んでやろうか。気の弱そうな羽入ちゃんのあの角を味わってみたい。 少し斜に構えたところのある梨花ちゃんのぺたぺたの胸をさらけ出してあげたい。 ……決めた。羽入ちゃんにモーションをかけよう。梨花ちゃんの胸も魅力的だが、あの角の方が引かれる。というかあれはいったい何なのだろうか。硬さは? においは?味は? そして、あの子は意外と……エロい。圭一君が話していた猥談に目を輝かせて参加していたのを知っている。陥れるのには絶好の獲物だ。あの角で貫いてもらうのも良いし、角を舐めながら羽入ちゃんの秘所を責め立てるのもまた一興。エロ幼女の本性を暴いてやろう…… 次なる獲物の夢を見ながら、私は沙都子ちゃんのにおいの付いた指先を自分の秘所に突き入れた。 <続く>l 変態レナ 羽入編 -
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私、前原圭一は、操を狙われていました。 なぜ、どうして、操を狙われたのかはわかりません。 ただひとつ判る事は、 オヤシロさまの祟りと関係があったと言う事です。 どうしてこんなことになったのか、私にはわかりません。 これをあなたが読んだなら、その時、私は廃人になっているでしょう。 意識があるか、ないかの違いはあるでしょうが。 おかしい、何かがおかしい。 俺の名は前原圭一。東京からこの雛見沢へ引っ越してきたばかりの、村のニューフェイスだ。村のみんなは優しくて、初めての田舎暮らしに慣れない俺をあれこれと面倒を見てくれた。 よく耳にする、田舎は余所者を受け付けないなどという事もなく、俺はこの数ヶ月間を都会に居た頃とくらべて雲泥の差といってもいいほどにリラックスして送ってこられた……。 だけど、あの晩……綿流しのお祭りを境にして、世界は豹変してしまった。別に、レナや魅音といった俺の親友がおかしくなったとか、そんな話じゃない。もっと直接的で、体感的な事だ。 それは…… 「探しましたよ、お兄ちゃん!」 ジャーン! ジャーン! 「げぇっ富竹さん!!」 俺の背後に、やたらとダンディな声と鍛え抜かれた逞しいボディをビキニパンツ一丁でグググ! と誇示する、フリーカメラマンの富竹さんが現れた。いや、現れてしまったというべきか。 というか追いつかれたのだ。なぜなら俺は、今この男から全速力で逃げてきたのだから。俺は息がすでにあがっているが、富竹さんは余裕でとびっきりの笑顔を貼り付けたままだ。半裸で。 レナの宝探しに付き合っていた時に始めて会った富竹さんは、フリーのカメラマンを名乗る気弱そうな、どこにでもいそうなおっさんだった。ただひとつ、鍛え抜かれたボディを除いて。 富竹はいつも鷹野さんという綺麗なおば……女性と一緒にいて、綿流しのお祭りの時もそうだった。だけど、一夜明けてみれば鷹野さんは失踪し、そして富竹さんはビキニパンツ一丁の半裸という格好で俺の前に現れる様になってしまった。 それも、彼はどこをどうトチ狂ってしまったのか、この雛見沢をトミタケアイランド呼ばわりし始めた上に、俺の妹を名乗って大好きですとかいって追いかけまわしてくる。彼がこんな変態だったとは……。 いや……だけど、富竹さんはそういえば、初めて会った時にも君のような美少年がどうのこうのと言っていた。もしかしたら、いや、もしかしないでもそうだ、そうに決まっている。 富竹さんはガチホモの上にショタコンなんだ。救われないぜ……。俺が。 そうさ、これが富竹さんの本性だったんだ。だから鷹野さんはきっと、それに気づいて*されてしまったんだ。くそ、これ以上この場にとどまったら俺もどうなってしまうか解らない……!! 「あんなに約束したのに、ひどいじゃない!」 「うるせぇ来るな、来るんじゃねぇぇぇぇっ!!」 俺は言う事を聞きたがらない脚に鞭を打って再び駆け出す。今、富竹さんに捕まってしまったら、きっと俺は二度と戻る事のできない深みに落ちていってしまう気がする。 だから、逃げる! 全速力で! きっと今なら、カール・ルイスにだって競争して勝てるだろうと思えるほどの速度で、あぜ道を走る。走って走って、走り抜ける。目的地は魅音の家だ。俺の家は恐らく、すでに特定されてしまっているから危険だ。 魅音なら訳を話せばきっと俺を匿ってくれるはずだと親友を信じて走る。 これだけの速度だから、さすがの富竹さんも俺に追いついてはこられなかった。というかあの人、はだし、だから……。そしてようやく魅音の家にたどり着いた。 相変わらず大きな家だ……珍しいインターホンを押して、魅音に取り次いでもらおうとする。 しかし、俺がインターホンに手をかけるまえに、重そうな門戸がぎぃーっと開かれる。そして中から現れたのは…… 「待ってたよ、兄ィ!」 張り裂けんばかりの笑顔の富竹さんだった! いやもうさん付けなんていらない、こんな変態、トミタケで十分だっ。しかも兄ィなんて、異様に気持ち悪い呼び方をされた。やめてくれ。 「ぎゃあああっ! なんであんたがここにいるんだ!!」 「それは運命さ! 兄ィと私は運命の赤い糸で……」 「うっせぇええええ! 俺の魅音を返せよぉぉぉ!! うわああああっ!!」 もうだめだ、ここにトミタケがいるって事は、きっと魅音は*されてしまったに違いない。俺は号泣しながら身を翻すと、他に俺を匿ってくれそうな家を考える。 どこだどこだ、どこに逃げればいい……! ……そうだ、沙都子と梨花ちゃんの家なら! ちょっと遠いが、あの二人なら奇想天外な方法で俺を助けてくれるはずだ。小さな女の子に助けを求めるなんて男として情けない話だが、今はそんな事を気に掛けている場合じゃない! 「あ、兄ィ、待ってよぉ!!」 やっぱり後ろから追いかけてくるトミタケを尻目に、俺は二人の家へまっしくらだ。梨花ちゃんの策略と沙都子のトラップがあれば、あんな筋肉ダルマなんて一網打尽にできるはず。とにかく急げ。 しかし俺が疲れてきたせいか、さっきよりも脚の速度が上がっている気がするトミタケをなかなか振り切れなかった。それでも、林を通ったり田んぼを突っ切たりしてなんとか撒いて走ると、二人の家が見えてくる。 「お、おぉぉい! 沙都子ー! 梨花ちゃーん! 頼む、開けてくれ!! 今は何も聞かずに俺を匿ってくれ!!」 そんなに大きい家じゃないから、叫べば聞こえるはずだ。すると俺の願いは叶ったようで、すぐに上の階からどんどんと二人分の足音が降りてくるのが聞こえる。俺の悲壮な声に緊急性を感じてくれたのだろう。 しかし。 「兄君様、どうなさいました!?」 「どうしたのですか、兄上様……」 俺の目の前に現れたのは、可憐な二人の少女ではなく……鍛え抜かれたボディが逞しいトミタケだった! それも二体……二体だと!? 俺の眼が点になる。いやまて、トミタケはトミタケであって、唯一無二の存在のはずだよな。生き別れの双子がいたなんて話、聞いた事もないぞ……いやもうそんな事はどうでもいい。大事なことは、悪魔が二匹になったって事だ! そして梨花ちゃんと沙都子まで*されてしまったということだ! なぁんてことだ……ええい、こうなればここもデンジャーゾーンでしかねえ! 涙も枯れ果たて俺は、生きるために踵を返して最後の希望であるレナの家へ向かって飛び出した。 レナは自分の家に俺をあげるのをを嫌うが、だけど、これだけの事態だ……話せば解ってくれるはずだ! ……でも、魅音が*されて、沙都子と梨花ちゃんも*されたとなると……いや、まさか、そんな。レナに限って、そんなはずが……! 俺はレナの無事を願って彼女の家へと走ったが、しかしそんな願いは無惨にも打ち砕かれる事となった……俺の悪い予感が的中する。 そう、息も絶え絶えにたどり着いた竜宮家の玄関から出てきたのは、あのかいがいしく可愛いレナではなくて―― 「はぅ~~~兄チャマ見つけた! お持ち帰りィィィィィイ!!」 トミタケだった。 俺は絶望と怒りの余りに絶叫する。天をも突かんばかりに怒りの声を空へ放つ! 「くそぉぉおおおお! 俺の大事な人をみんな*しやがってぇええ! しかも気持ちの悪い真似まで……もう許さねぇぞ!! 大石さんに援軍を頼んで、てめぇを一五〇〇秒で雛見沢から消し去ってやる!!」 だけど結局、どこまでも他力本願な俺は玄関に置いてあったレナの形見の自転車を奪って輿宮の町を目指す。亀有のお巡りさん並の勢いでペダルをこぎまくる! たぶん、時速一〇〇キロは出ているはずだ、もの凄い勢いで景色が流れていく。この調子ならすぐに輿宮の町につくぞ! そして、あっという間に輿宮の町へ着いた。なんだか人気が感じられないが、構わず真っ先に警察署を探して駆け込んでいく! 俺の名を出せばすぐに捜査一課に通されるはずだ。 大石さんは俺を貴重な情報源と思っているらしいからな……! ちょっとしたVIP待遇みたいなもんだぜ。うぇっww だが、署に入ってみて違和感を感じた。おかしい――静かすぎる。まさか、いやそんな馬鹿な。 それに大石さんは別に大切な人じゃないぞ……んっふっふ、なんて笑いが気に障る程度のおっさんに過ぎないんだ。 というか俺の頭を踏んづけてくれた恨みは忘れねぇぞ。 だ、第一、トミタケといえど警察署の人間をまるごと**してしまうなんて、できるはずがない……。 なんて思っていると、俺の背後から聞きなれた笑いが飛んでくる。それにほっと安心した俺がいけなかった……。 「んっふっふ。来てしまいましたか、お兄ちゃん……」 お兄ちゃん、だと。まさ、か…… 俺は、錆び付いた歯車みたいにギギギと音がなりそうな程にぎこちなく首を後ろに回す……見たくない見たくない、見たくない……そう願ったが、やはり俺の眼に入ってきたのはトミタケだった。 悲鳴を上げて逃げ出そうとするが、しかしこのトミタケは俺を追いかけようとはせず、むしろ諭すような口調で俺を呼び止める。それは大石さんの喋り、そのものだった。 それに違和感を感じた俺は、勇気を振り絞って立ち止まる。 ……よし、トミタケは動かないみたいだ。他のトミタケとは違う……? そんな問いを俺は謎のトミタケに投げかける。すると、謎のトミタケは静かに語りはじめた。 「こんな姿をしてはいますが……私は大石です。あなたの敵じゃあありません」 「だ、だけど! どう見ても大石さんじゃなくてトミタケじゃないか!」 「いいから話を聞いてください、いいですか。今、この辺り一体には恐ろしいウィルスが蔓延しているんです」 「な、なんだって? ウィルス!? もしかして、トミタケの豹変と関係があるのか!?」 「そうです。そのウィルスの名前は「T-ウィルス」……ちなみにTは、トミタケのTです」 「んな事どうでもいいよ! そのウィルスがどうしたっていうんだよ!」 「このウィルスは、鷹野三四によって人為的に散布されたものです。いわば、生物兵器……!」 「な、なんだって? 鷹野さんが? なにがどうなってるんだ……」 訳のわからない俺に、謎のトミタケが勝手に核心に迫っていく。俺はもはや、呆然と立ち尽くしてその話に耳を傾けているしかなかった。 「そしてこのウィルスがヒトに空気感染すると、皆このようなトミタケになってしまうのです……身も心も!」 「なんてことだ……あのトミタケは、レナや魅音の成れの果てだったっていうのかよ……そんなのって……! ……・じゃ、じゃあなんで俺は大丈夫なんだよ……あんたも、心はトミタケじゃないみたいじゃないか」 「……私は、今しがたこの町に帰ってきたばかりです。まだ症状の進行が浅い……鷹野三四の陰謀をつきとめ、危機を知らせようとしたが遅かった……! だけど、お兄ちゃん! う、ぐぐぐ……! 違う、前原さん! あなたは違う、あなたは奇跡的にT-ウィルスへの耐性が備わっていた! だから前原さん、あなたは今すぐ町を脱出して遠くへ逃げ延びるんです。 そしてこの危機を、雛見沢大災害の事をどうか全世界に伝えて欲しい! このウィルスが世界中にばら撒かれたら、この世の終わりが来る……! だからだかだかだか……うぅ、お兄ちゃーん!」 く、くそ! とうとう大石さんまで感染しちまった……なんだかよく解らない。 なんでトミタケ化すると俺をお兄ちゃんと呼ぶのかも解らないが、とにかく俺は世界の命運を握っているらしい。 だけど鷹野さんが全ての黒幕だっていうなら、皆のカタキを取ってやる。泣いたり笑ったりできなくしてやる!! よし、逃げるぞ! そうだ、東京へ戻ろう! 金がないなら歩いてでも行ってやる! そうして復讐に燃える俺は警察署を飛び出した。 だが、警察署から出た瞬間に俺の進路を一二人ものトミタケが塞ぐ! くそ、こいつら待ち伏せてやがったな!! 「お兄ちゃん!」 「お兄ちゃま!」 「兄ィ!」 「お兄様~!」 「おにいたま~」 「兄上様!」 「にいさま!」 「アニキぃ!」 「兄くん……」 「兄君様ぁ!」 「兄チャマー!」 「兄やぁ~」 野太い声でおぞましいセリフを吐くトミタケ軍団が俺を襲う……! 「ぐわあああっ!! てめえら、俺をどうするつもりだぁああっ!!」 俺は必死にトミタケたちを払おうと抵抗するが、鍛えられたトミタケのボディから繰り出される肉体的接触は、俺などではとても抗えないレベルで……! く、くそ、こんな所で、こんなところでぇぇぇぇ……!! 俺はトミタケまみれになり、意識がブラックアウトしてい、く…… ごつん、と頭になにかが当たる音がした。頭をふっと上げると、青い髪の女の人が怒ったような顔で俺を見ていた……。 「あ……知恵、先生……」 「前原くん。授業中ですよ!」 「ゆ、夢だったのか……良かった、良かったぁああああ!!」 悪夢から救われた事に身が打ち震えて、俺はついがばぁっと知恵先生に抱きついてしまう。 知恵先生、おしりがイイよなうぇへへへへなんて邪な感情は一切抱いてなどいない。 ただ、まともな人間を久しぶりに見た様な感覚に安穏を得ようとする体が言う事を聞かないだけで。あぁ、良いニオイ~。 「ま、前原くん! やめなさい、そんな、まだ心の準備が……いやそうじゃなくて」 「先生ぇ~~俺怖かった、怖かったよぉぉぉ」 どさくさに紛れて先生の胸の谷間に顔をうずめてぐりぐりする俺を遠目に、他の生徒たちがひそひそ話をする。 「みー。なんだか今日の圭一は様子がおかしいのです。まるでセクハラオヤジなのです」 「圭一さんって年上好きでしたのね……それにしても大胆ですこと」 「そんなぁ……け、圭ちゃ~ん……」 「先生~~!」 「前原くん、放しなさいっ、あ、いやっ、そんな所さわっちゃダメぇ!」 何か興奮してしまって止めるに止められない状態になってしまった俺は、だから背後に近づく巨大な殺気に気づく事ができなかった。 その手が肩に触れてはじめて気づき、自身の愚かな行為を悔いるまでは――。 「あはははははははは。圭一くん……見損なったよ。そんなハレンチな人じゃないと思ってたなぁ……卑劣漢。恥知らず! これが前原流のやり方なの?! 私ばっか喋り尽くめ? 黙ってんじゃないわよッ!! 聞いてんの前原圭一ッ!!」 レナが、どこから取りだしたかの大きなトマホークを構えて鬼の様な形相で俺を睨んでいた。 あの、レナさん? それってもしかしてゲッタートマ…… 「うっさいなああぁぁぁッ! 黙ってろって言ってんでしょおおおぉぉッ!!」 「ちょ、待て、何も言ってねぇえええ!」 「あはははは! お前は汗の代わりに血を流せばいいやぁぁっ!」 あ、だめだ聞いてない。 そうして俺は暴走したレナのゲッ○ーストラングルを喰らいながら、意識を飛ばしていく。くそー……なんであんな夢を見ちまったんだよぉ。 そして、まさかレナに引導を渡されて人生を終わるとは思ってもいなかったぜ……。 あぁ、もうすぐ七夕だな……それまで生きていたかったなぁ。 ……でも、もし生きながらえたら、短冊の願い事は絶対にこう書いてやる! 「トミタケが喉を掻き毟りますように」 これを読んだあなた。 どうか真相を暴かないでください。 どうかそっとしておいてください、思い出したくありません。 それだけが私の望みです。 前原圭一 プリンセス・オブ・トミタケ ~究極 男の妹~ 完