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9:恐怖! 百合ショッカー四天王編 各々のバイクへ乗ったまま百合ショッカー本部内へ突入したディケイド達。そして内部の通路を通り奥へ奥へと爆走する。 「外から見るより随分と広いんだなここ。」 クウガはトライチェイサー2000を運転しながらも周囲を見渡しそう呟いていた。百合ショッカー本部の内部通路は 外から見える建物の大きさ以上に長かった。恐らく外から見える建物はただ魅せる為の演出で内部は地下に広大な基地が 建造されていると推測された。 そして長い通路を通り、通路の先にあった大きな部屋に出た。その向かい側には次へ進む通路の入り口らしき物が 見えたのだったが、それを遮る様に何者かが立ち塞がっていた。 「僕はシャドームーン様直々のご指名によりゴルゴム本隊からやって来たフェレット怪人だキュー。」 「フェレット怪人!?」 ゴルゴム怪人の名称は、一般的にベースとなった生物の名称の後に怪人と付く形を取る。(例:クモ怪人・ヒョウ怪人) そして彼はフェレットをベースとしたフェレット怪人だったのである。その姿は元になったフェレット同様に 可愛らしい様にも思えたが、シャドームーン直々に指名されて来たと言うだけにかなりの戦闘力を持つ事が予想された。 「お前達の中にもフェレットがいるらしいじゃないかキュー! そいつを今すぐに出せキュー! 僕が相手になってやるキュー!」 フェレット怪人が言うフェレットとはすなわちユーノの事。それもディケイドの力によって巨大フェレットに ファイナルフォームライドした状態を指しているのだろう。しかし、今のユーノはクロノと共に仮面ライダーWになっていたのだった。 「こっちも色々あって君の要求には応えられないけど…。」 「代わりに僕達が相手に立ってやろう。」 「ユーノ君! クロノ君!」 ここでユノクロWがハードボイルダーから降りて前に出た。これにはなのはも驚いていたのだが それを追う様に同じく前に出ようとしていたなのはをユノクロWは止めていた。 「僕達が奴を食い止めている間に先に進むんだ。」 「で…でも…。」 「でもじゃない! こんな所でグズグズはしていられないのは分かってるでしょ!?」 「!」 ユノクロWを心配して躊躇するなのはに対し、ユノクロWの内のユーノの部分が思わず怒鳴っていた。 彼の言う通り今はフェレット怪人だけに構っている暇は無い。故にユノクロWは自分がフェレット怪人を 食い止めている間になのは達に百合ショッカーの本隊を倒して欲しかったのである。 「行くんだ! 僕達がコイツを食い止めている間に行くんだー!!」 「う…うん…。」 「行くぞなのは! 今度はこっちに乗れ!」 単身フェレット怪人に突撃し、正面から組み合っていたユノクロW。その隙になのははディケイドに手を引っ張られる形で マシンディケイダーの後部座席に乗り込み、ディケイド達はさらに先へ進んで行った。 「お前なんかがこの僕に勝てるのかキュー!?」 「勝てると思うから挑むんじゃない! お前の相手には僕達じゃないとダメだからやるんだ! 行くぞぉ!」 ユノクロWとフェレット怪人の戦いが今始まった。 マシンディケイダーに乗ったディケイドとなのは、トライチェイサー2000に乗るクウガ、バトルホッパーに乗る BLACKと朱里ちゃんはさらに通路を突き進んでいたが、ここで再び広い部屋に出た。そして、やはりそこにも何者かの姿があった。 「な…何だコイツ…。」 その部屋にいた何者か…それは巨大なウサギだった。しかし、ウサギを元にした怪人…と言うわけでも無く、 むしろウサギのぬいぐるみを巨大化させた様な代物だったのである。 「まさか…クリス!」 なのはは思わず叫んでいた。クリス…正式名称・セイクリッドハート。なのはが義娘であるヴィヴィオの為に用意した ウサギのぬいぐるみ型デバイスである。しかし、本来のクリスは子供の掌の上に乗る程度の大きさしかない。 だが今目の前にいたクリスはのべ三メートルの巨体であったのだ。 「でもどうしてこんな大きさに…。」 「恐らく百合ショッカーによって強化改造でもされたんだろうな。」 まあ現状ではそう考える他は無いだろう。百合ショッカーの科学力ならばクリスを巨大化させつつ自らの尖兵として 扱う等造作な事では無い。 ここは通さんと言わんばかりに一歩一歩歩み寄って来る巨大クリス。その可愛らしい外見からは想像も出来ないシュールさと迫力。 だが、ここでクウガが前に出ていたのだった。 「ユウスケ?」 「ここは俺の出番だ。後は俺に任せて士達は先へ進め。」 クウガは単身巨大クリスに挑むつもりらしかった。流石のクウガも分が悪い戦いになると思われるが、だからと言って 巨大クリスだけに構っている事は出来なかった。 「分かった…後は頼んだぞ。」 「ああ! 俺も一刻も早くアイツを倒して後を追う。」 巨大クリスに挑むクウガを残し、ディケイド達はさらに進んだ。しかし、巨大クリスの存在がなのはに新たな心配事を作っていた。 「まさかクリスまで…と言う事はヴィヴィオも何処かに…。」 クリスが百合ショッカーによって改造され敵に回った。それはクリスの持ち主であるヴィヴィオも何処かに囚われている事を連想させた。 ヴィヴィオの事を思うとなのはは気が気では無かった。 ディケイド達が先へ進んだ後、クウガは巨大クリスに対し構えていた。 「さあ行くぞ!!」 クウガは巨大クリスへ挑みかかり、ここでも戦闘が始まった。 マシンディケイダーに乗ったディケイドとなのは、バトルホッパーに乗ったBLACKと朱里ちゃんはさらに通路を進む。 そして例によってまた広い部屋に出たのだった。 「また誰かいるよ。」 「今度は誰だ?」 「あれは…。」 「はわわわわ…。」 部屋の中にはまたも行く手を遮る刺客と思しき者の姿があった。しかし、それはいわゆる『怪人』の類では無かった。 闇の様に漆黒のドレスを見に纏い、左側の背中に悪魔のごとき翼を生やした黒髪の美女。その瞳は刃の様に鋭く、 そのまま突き刺してしまわんばかりの勢いでディケイドを睨んでいた。 「久しぶりだな…破壊者…。」 「お前は…ダークプリキュアか…。」 ダークプリキュア。かつてディケイドが旅したプリキュア世界の一つ、『ハートキャッチの世界』において、 世界を砂漠化させようとしていた砂漠の使徒によって作られた人造プリキュアとでも言うべき存在。 先にいたスナッキーもそうだが、何故彼女が百合ショッカーに所属していると言うのか… 「まさかお前まで百合ショッカーにいたとはな。」 「こっちもまたお前と出会う事になるとは思わなかった。」 「知り合いなの?」 ディケイドとダークプリキュアの会話から察するに、双方は既に互いを知り合っている様だった。 「ああ…。俺がハートキャッチの世界に行った時、成り行き上とは言えそこでプリキュアと砂漠の使徒の戦いに介入しちまったからな。」 「そうだ! 貴様の邪魔が無ければ私はキュアムーンライトを倒す事が出来たと言うのに…。そして砂漠の使徒も崩壊し… 私は死にそびれた敗残兵として虚空を彷徨っていた所をシャドームーンに拾われ、後はこの百合ショッカーなる得体の知れない連中の 一員として戦わざる得なくなった。この屈辱……貴様に分かるかぁ!?」 「色々説明ありがとうな。」 「くっ…貴様…。」 詳しい事は不明だが、彼女の言葉からするととにかくディケイドとダークプリキュアの間にはただならぬ因縁があった様だ。 「もうこうなってしまった以上私は今更キュアムーンライトに再び挑もうとは思わない。だが…貴様は許さん!! はぁ!!」 ダークプリキュアは猛烈な勢いでディケイド目掛け跳びかかって来た。が、そのディケイドを狙っていた拳を掌で 受け止めていたのは何とBLACKだった。 「光太郎!?」 「ここは俺に任せて先に進むんだ!」 BLACKはダークプリキュアの相手を引き受け、その内にディケイドとなのはを先に進ませるつもりだった。 「邪魔をするなぁ! 貴様には用は無い! 私の狙いはあの破壊者だけだぁ!」 「そうはいかん!」 最初からディケイドしか眼中に無いと言わんばかりのダークプリキュアはBLACKを突破してディケイドへ 向かおうとしていたが、BLACKは身体を張って遮っていた。 「何をしている!? 今の内に進むんだ!」 「ああ!」 「光太郎さん頑張ってください。」 ディケイドとなのはは再びマシンディケイダーに乗り込み、先へ進んだ。BLACKはそれを見送った後、 さらにバトルホッパーに目を向けていた。 「バトルホッパー、その子を守ってやるんだ。」 「はわわわわわ…。」 バトルホッパーには未だ朱里ちゃんが乗っている。ディエンドの三国ライドによって呼び出された存在とは言え 少女が戦いに巻き込まれて大怪我をしてしまう様を見るのは辛い。それ故にBLACKは自分がダークプリキュアの相手を している間、バトルホッパーに朱里ちゃんの護衛を任せるのだった。 「こうなったら仕方が無い…。まず貴様を倒してから破壊者の後を追わせてもらう!!」 「来い!!」 こうしてBLACKとダークプリキュアの戦いが始まった。 沢山いた仲間もついにディケイドとなのはの二人きりになってしまった。こうなってしまうと流石に心細い物があった。 「これ以上何か出て来たらたまらんな。」 「あ、次が見えて来たよ。」 なのはの言う通りだった。長い通路も終え、再び広い部屋に出た。 「ここが終点の様だな。」 ディケイドの言う通りだった。その部屋で行き止まり。それを証明する様に、部屋の奥には首領の椅子に座る フェイト=T=ハラオウンと、その側近として君臨していたシャドームーンの姿があったからだ。 「フェイトちゃん!」 「ついにここまで来たな…。」 思わずフェイトの所へ駆け寄ろうとしたなのはだったが、シャドームーンに立ち塞がれ思わず止まっていた。 そしてなのはを下げつつディケイドが前に出る。 「月影ぇ~! お前も百合厨だったとは堕ちる所まで堕ちたな~!」 「如何にも。創世王として世界を…全てを支配する為ならば私は百合厨にでも何にでもなってやる……と言いたい所だがな…。」 「?」 「正直の所、私は百合厨どもの言うなのフェイに関してはどうでも良いのだ。しかし、なのフェイの百合に多くの人々が 支持している事実は見逃す事は出来ん。考えても見ろ。愚民どもが好むと言う民主主義とやらで考えても、数多くの賛成者、 支持者のいる百合こそが正義となり、逆にそれに反対しようとする者は悪とされる。現に筆者の奴はその為に一方的に悪とされ 正義の徒を気取った百合厨どもの総攻撃を受けてまさに満身創痍の状態にあるでは無いか。これが意味する事… それは我々百合ショッカーこそが世界を支配するに相応しい正義であり、それを破壊しようとするディケイド…貴様が悪なのだ。 故にそこにいる高町なのはと私の後にいるフェイト=T=ハラオウンには精々私の世界支配の為の人形として利用させてもらおうか。」 シャドームーンは百合ショッカーに与してはいても、百合そのものを好んでいるわけでは無かった。 あくまでも己が世界を、全てを支配する為に利用価値があるからそれを利用していると言う、手段でしか無かったのである。 力と恐怖で支配するのでは無く、人々から支持を得ている物を利用する事で人々からの支持と賞賛を得て 逆に反対意見を一方的に悪にして反対し難くする。なんと言う恐ろしい計画であろうか。 そして、シャドームーンは己の世界支配の為に高町なのはへと手を伸ばそうとしていた。 「そうはさせん! コイツはレズビアンの真似事なんて嫌だってよ。」 「そうか…ならば世の中には嫌でもしなくてはならない事があると言う事を教えねばならんな。」 シャドームーンは己の持つ世紀王専用剣・サタンサーベルを抜いた。 「ついに最後の戦い…と言う所だな。気を抜くなよ!」 「うん!」 ディケイドはライドブッカー・ソードモードを、なのははレイジングハートを握り構えた。 「行くぞ!」 「来い!」 こうしてディケイド&なのはVSシャドームーンの戦いが幕を開けた。 時同じく、仮面ライダー1号・2号・V3は激闘の末に百合ショッカーライダー部隊を全滅させていた。 「ハァ…ハァ…後はお前だ…地獄大使…。」 「いや…今はガチ百合大使と名乗っているんだったかな…?」 地獄大使改めガチ百合大使の変身体・ユリユリンダに向けて構えるが、ユリユリンダは余裕の笑みを浮かべていた。 「ハッハッハッ! 良くぞやったと褒めてやろう。だが、随分と息が上がっているな。」 その通りだった。確かに百合ショッカーライダー部隊を全滅させた三人だったが、それ相応に疲弊し 体力も大きく消耗していたのだった。 「今の疲れきった貴様達等、倒すのは容易いわ!」 「そうは行くか!」 「この程度でヘバる程甘い鍛え方はしていない!」 疲れきった身体にムチを打ち、三人はユリユリンダに跳びかかる。しかし… 「本当にムチ打ってやるわぁ!」 「ぬあ!」 ユリユリンダはムチ状の腕を振り回し、トリプルライダーをまとめて弾き飛ばしてしまった。 三人も疲弊・消耗があるとは言え、物凄いパワーとスピードである。 「くそ…こうなったらこっちにも考えがある。」 「どうせ三人まとめてライダーキックと言うのだろう? そんな物弾き飛ばしてやる。」 ユリユリンダは正面から迎え撃ってやらんばかりに大きく胸を張る…が、次の瞬間1号・2号・V3は三方向に散開した。 「何!?」 「ライダァァァァ! トリプル!! キィィィィィック!!」 「ぬあ!?」 トリプルライダーの正面・左・右からの三方向同時ライダーキック。これではユリユリンダも どう迎撃して良いか分からず、真っ向からそのライダートリプルキックを受けてしまうのだった。 「うああぁぁぁぁ!!」 手足をバタ付かせながら大きく吹っ飛んで行くユリユリンダ。そして大地を砕かんばかりの勢いで地面に叩き付けられるのだった。 「偉大なる百合ショッカーに…百合バンザァァァァァァイ!!」 ユリユリンダは最後の力を振り絞った百合万歳と共に…大爆発を起こした。 「やったな。」 「おお。」 「後はディケイド達の頑張りを祈るのみだ。」 仮面ライダー1号・2号・V3は百合ショッカーアジトのある方向をじっと見つめていた。
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時間は遡り、なのはとレザードの戦いは端から見れば拮抗していると思われる程の戦いぶりを見せていた。 だがレザードの表情には未だ余裕があり、全力を出してはいないであろうと感じるなのは。 一方でなのはは既にブラスター3を発動している状態、このまま拮抗が続けばいずれなのはが敗北するのは必死である。 しかしなのはの顔には焦りを感じている表情は無く、寧ろそれに不気味さを感じるレザードであった。 リリカルプロファイル 第三十八話 覚悟 そんな戦況の中でなのははレザードにレイジングハートを向けてディバインバスターを発射、 しかしレザードは旋回しながらこれを回避し、左人差し指を向けてライトニングボルトを放つ。 するとなのははラウンドシールドを張りこれを防ぎ、続いてアクセルシューターを撃ち放つが、 レザードはアイシクルエッジにて相殺、拮抗が徐々に破られつつあった。 すると其処に一つの影が姿を現す、その正体はフェイトであった。 フェイトはなのはが戦っているこの広場へと足早に向かっていたのだ。 「なのは!助けに来たよ!!」 「フェイトちゃん!スカリエッティは逮捕出来たの?」 なのはの質問にフェイトは口を噤み下を向いて影を潜む表情を醸し出し、その表情に困惑するなのは。 すると対峙していたレザードがその理由を語り出す、スカリエッティはもし自分が管理局に捕らわれる事になったら、 自らの意志で自らの命を絶つ覚悟を持っていたという、つまりはスカリエッティは自害したのだろうとフェイトに代わって答えた。 「そんな………何故!?」 「…それ程までに管理局が気に入らなかったのでしょう……」 肩を竦め小馬鹿にした表情を浮かべながら語るレザード、だが理由はそれだけではなかった。 逮捕されれば懲役を受ける事は明白である、だが管理局には協力を約束する変わりに懲役を減らす制度がある。 管理局は十中八九その制度を用いて交渉をしてくるだろう、スカリエッティは管理局からの脱却が目的である、 それ故に管理局に尻尾を振るぐらいならいっそ自分の手で幕を閉じると言う覚悟があったのだ。 しかしこの事を二人に話したところで理解は出来ないだろう、 レザードはスカリエッティの覚悟を胸の内にしまうと、改めて二人と対峙する。 「まぁ、いいでしょうそんな事は…今重要なのは私の邪魔をする者が増えた…という事実ですから」 「……ずいぶんと余裕ですね」 「それはそうでしょう」 女小娘が二人になったからと言って自分の方が優勢である事は変わりはしない、左手を眼鏡に当て不敵な笑みを浮かべるレザード。 その表情に不快感を現す二人であったが、寧ろ余裕のあるレザードの度肝を抜こうと考え、 フェイトはライオットザンバー・スティンガーを水平に構え、なのはもまたレイジングハートを向けて対峙する。 先ずはフェイトが先行しレザードの懐に入ると左の刀身を振り下ろすのだが、 レザードは右手に持つグングニルで受け止め、フェイトは続けて右の刀身を水平に構え突く。 だがレザードは滑るようにして後方へと回避、更に左手を向けてクロスエアレイドを放つ、 しかしクロスエアレイドはなのはのアクセルシューターによって撃ち落とされ更にレザードに向けてショートバスターを放つ。 するとレザードは急降下してショートバスターを回避し床すれすれを滑走、なのはに向けて衝撃波を放つ。 だがフェイトが間に割り込みスティンガーにて衝撃波を切り裂き、後方ではなのはがアクセルシューターを撃ち放った。 しかしレザードはリフレクトソーサリーを張りアクセルシューターを跳ね返したのだが、間髪入れずにフェイトが接近 左の刀身を左へ薙払うようにして振り抜くがレザードはグングニルにて左の刀身を受け止める。 するとフェイトは右の刀身を左の刀身に合わせ一つにし、ライオットザンバー・カラミティに変えて一気に振り切り レザードはその衝撃に耐えきれず吹き飛ばされるがすぐさま着地、するといつの間にか上空に移動していたなのはが、 レイジングハートをレザードに向けており、ディバインバスターを撃ち鳴らした。 一方レザードは依然として冷静で左手に青白い魔力をたぎらせると、直射砲のようなライトニングボルトを撃ち放ちディバインバスターと激突、 そして見る見るうちに押していく中、なのははカートリッジを一発使用、出力を上げ ライトニングボルトを押し返し始め、最終的に相殺という形で終えた。 一方でフェイトはレザードからかなり離れた後方に移動しカラミティをスティンガーに変えソニックムーブを発動、 金色の一筋と化してレザードに迫るがレザードは全方向型のバリアを張り攻撃を防ぐ。 ところがフェイトはお構いなく何度も切りかかり、まるで無限の剣閃ともいえる程の動きをしていた。 そんなフェイトの攻撃によりバリアに亀裂が走りそれを見たフェイトは更に速度を上げて攻撃、右の振り下ろしが決め手となりバリアを破壊、 するとフェイトはスティンガーをカラミティに変えてとどめとばかりに下から上へすくい上げるかのように振り上げた。 だがレザードはフェイトの攻撃のタイミングに合わせてシールドを張り攻撃を受け止め更に前宙のような動きでフェイトの頭上を舞い床に着地、 攻撃から難を逃れたかに見えたが、レザードの左上空にはなのはが陣取っており、 レイジングハートのカートリッジを三発使用、先端から環状の魔法陣が張られていた。 「ディバイン…バスタァァァ!!」 撃ち放たれたディバインバスターがレザードに迫る中、左手で大型のシールドを張り攻撃を受け止めると、 なのははカートリッジを一発使用、ディバインバスターを強化させ、更に威力が増すとシールドに亀裂が生じ始める。 その後暫くしてシールドが砕け散りレザードはディバインバスターに飲まれていった。 ところがレザードは上空へと移動しており、足下には五亡星の魔法陣が張られていた。 レザードは常に準備してある移送方陣を発動させてディバインバスターの驚異から逃れたのである。 なのはは悔しそうにレザードを睨みつけている中、レザードは驚いた様子で左手の感触を確かめていた。 先程張ったバリアに加えシールドすら破壊された…三賢人の時のように相手を油断させる為にわざと強度の低いシールドやバリアを張った訳ではない。 十分な強度で張っていたのだが彼女達は実力でバリアやシールドを破壊した、それ程までに彼女達の攻撃には威力がある… つまり彼女達は既に三賢人以上の能力を持っている事を指し示しているのであった。 「ふむ…その杖の影響とはいえ、これ程の力をつけていたとは……」 レザードは素直に二人の実力を賞賛する中、なのはの下にシャマルからの連絡が届く。 それは今し方はやてがベリオン及び動力炉を破壊したというものであった。 しかし動力炉を破壊したというのにゆりかごは依然として動いたままである、 それはゆりかごに存在する自己防衛モードによるもので、本体自体に残されている魔力によって飛行を維持されているのであった。 しかしベリオンの破壊…その内容にフェイトはスカリエッティと対峙した時の事を思い出す。 彼はベリオンとゆりかごを使ってミッドチルダを破壊するという計画があった、 だがベリオンは破壊されゆりかごも既に機能としては不完全と化している、 つまりこれはスカリエッティの計画は失敗に終わったという事を指し示しているのであった。 一方でなのは達の報告を小耳に挟んだレザードは眼鏡に手を当てていると、 不敵な笑みを浮かべたなのはがレザードを指差し声を上げた。 「ゆりかごもベリオンも無くなった!これで貴方達の計画は失敗に終わったの!!」 「失敗?まさか…確かにゆりかごは使い物にならなくなりましたが、計画そのものは支障ありませんよ……」 「どうゆう事?!」 レザードは肩を竦め小馬鹿にした表情でなのはの問いに答え始めた。 世界を崩壊などレザードが本気を出せば簡単に導く事も可能である、だがレザードはそれをしなかった。 理由はスカリエッティにあった、スカリエッティは自分の手で枷を外そうとしていた、 その気持ちをくんで敢えてレザードは前に躍り出て行動をせず、知識を与え準備を手伝うまでで止まったと、 結果スカリエッティはゆりかごを復活させ更にレザードから得た魔法技術によってユグドラシルと呼ばれる魔法陣まで造り上げたという。 「何故そこまでスカリエッティの計画に荷担するの!!」 「そうですね……興味があったから…ですかね」 そう言ってレザードは眼鏡に手を当て不敵な笑みを浮かべる、もとより深い理由など無かった、 最初に出会ったのがスカリエッティであっただけ、そして彼の計画に興味がわいた…それだけであると、 尤も今はレザード自身にも目的が生まれ、それを実行に移すには管理局という存在は邪魔であると語った。 「貴方の目的って何ですか!!」 「シンプルなものですよ…誰しもが望む事……」 しかし自分の目的は他の者達と違って管理局を敵に回す為に対峙する事となった…それだけであるという、 そしてレザードはゆっくり深呼吸をして一度上を向くと瞳を閉じて黙り、なのは達は固唾をのんでいると暫くして瞳を開き なのは達に目を向け目的を口にする。 「“愛しき者”と一緒になる…それだけですよ」 「…………………えっ?!」 レザードの目的を聞いた二人は暫く固まっていると、レザードが意気揚々に語り出す。 スカリエッティの技術とレザードが御守りとして大事にしていた神の毛によって生まれた存在チンク。 彼女は戦闘機人にしてレザードが愛する神のクローン、彼女と添い遂げる事が目的であり、 それを実行するには規制を促している管理局が邪魔な存在となる、結果スカリエッティと利害が一致した為に協力したのだと語る。 …そんなレザードの身勝手過ぎる理由に二人は睨みを利かせ激怒した。 「狂ってる……そんな理由で世界を破壊しようとしているんですか!!!」 「そうですか?私にとっては意味のある理由なのですがね……」 “愛しき者”と一緒になりたいと言う気持ちは誰しもが持っている感情、だがそれを許さずまた反対する者を裁けるだけの力があれば 誰もがそれを行うであろう…そうレザードは言葉を口にするが、なのははレザードの意見に真っ向から反対する。 なのはにも“愛しき者”がいる、だがもし彼の生まれが特殊であったとして、 自分に反対する者を裁けるだけの力を持っていたとしても行使する事は無いと語る。 「偽善…ですね……」 「そう捉えられるかもしれないけど、少なくとも貴方の意見には賛同出来無い!!」 「それは残念だ……ならば此処等で御退席して貰いましょうか」 するとレザードの足下から青白く光る五亡陣が現れ、青白く光るレザードの魔力が白く輝く魔力に変わり、 レザードの全身は光の粒子に包み込まれ、次に右手に持っていたグングニルがネクロノミコンに戻りレザードの目の前で浮かび光を放つと、 一枚一枚ページが外れ白く輝く魔力に覆われレザードの周りを交差しながら飛び回り、 そしてレザードのマントは浮遊感があるようにふわふわと漂い、レザードの体も同様に漂うと足下の魔法陣が消え去った。 モードIIIカタストロフィ、大きな破滅または悲劇的な結末と言う意味を持つこのモードは レザードが自ら掛けたリミッター全てを外し愚神の力を解放した状態である。 「まさか…ここまで魔力を強化出来るなんて……」 「……何か勘違いしているようですが…これが本来の私の力です」 レザードの放った言葉は二人を動揺させるには充分過ぎる言葉であった、今目の前で放たれている魔力は二人のようにデバイスをリミットブレイクさせた もしくは自己ブーストしたものであると思っていた、だが実際は何て事無い能力リミッターを解放させただけに過ぎないと言うのだ。 しかもレザードの話ではこの力は神から手に入れたのだという。 「そんな……貴方も神の力を手にしているなんて…」 「貴方達のような微力な力と一緒にして欲しくはありませんが……」 「なっ何ですって!!」 「何なら試してみてはどうです?」 そう言ってレザードは二人を挑発すると、二人はその挑発に乗りデバイスをレザードに向けて構え始め、 先ずはなのはがアクセルシューターを八発撃ち出し攻撃を仕掛ける、しかしレザードは舞うようにしてこれを回避、 一方でフェイトはソニックムーブを用いてレザードに接近、依然として回避しているレザードの背後を取り 手に握られたスティンガーをカラミティに変えて絶好のタイミングで振り下ろす、 だが魔力刃はレザードの体をすり抜け、すり抜けた所は光の粒子を化しており暫くして肉体に戻っていった。 「どっどうなっているの?」 「ふっ…貴方達ではこのアストラライズされた肉体を傷付ける事など出来はしないという事ですよ」 そしてレザードは右人差し指をフェイトに向けるとレザードを覆う光の粒子の一部がグングニルに変わり発射、 フェイトはカラミティの魔力刃を盾にしてグングニルを防ごうとしたが、呆気なく刃は砕け散り腹部を貫き通した。 一方でなのははレザードに向けてエクセリオンバスターを発射、放物線を描くようにしてレザードに迫っていくが、 レザードは肉体を光の粒子に変えてこれを回避、更になのはの足下を光の粒子による爆発を起こし、しかも離れた距離に移動していた。 一方で床に伏せ腹部を貫かれたフェイトは痛みに耐えていると、光の粒子の爆発に巻き込まれ高々と舞い上がるなのはを目撃、 すぐさま近づき安否を心配するとなのははゆっくりと立ち上がり、遠くでほくそ笑んでいるレザードを睨みつけた、どうやら命に別状はないようである。 「くぅ………此処まで…差があるなんて…」 「ふっ…やっと理解出来ましたか」 ほんの少し戦闘を行っただけではあるのに、レザードとの圧倒的な差を痛感する二人。 此方の攻撃は一切通用しない、魔力も身体能力も遥かに向こうが上回っている、どうあがいても“二人”では勝ち目がなかった。 ならば最後の手段を執るしかない、なのはとフェイトはお互いに見つめ合うと小さく頷き腰に添えてあった杖に手を伸ばす。 「ほぅ…まだ何かする気なのですか?」 「…私達は…諦めが悪いんだよ!」 なのはは一言口にして右手に持つ杖に魔力を、フェイトは左手に持つ杖に魔力を込める。 するとなのはの足下に赤い三角形が三つ均等に並ぶ魔法陣が、フェイトの足下にも同じ模様の青い魔法陣が張られ、 杖が力強く輝き出すとまるで祈るようにして瞳を閉じ二人同時に杖を魔法陣に突き刺す。 すると魔法陣は更に強く輝き出し光の柱となって辺りを照らし始めると、二人の頭上から 黒いローブを纏い背中にそれぞれ赤と青の計六枚を翼を生やし、頭には天使の輪がついた 流浪の双神を呼び出し光が落ち着いていくと、突き刺した杖がまるで灰のようにして跡形もなく消えていった。 一方でレザードは二人が呼び出した者が分かったらしく流石に驚きの様子を隠せずにいた。 「まさか…神を召喚するとはな……」 「ほぅ…成る程、我々の力を借りたいと言うのがよく分かる」 イセリアクイーンはレザードの肉体に宿る力を感じ、なのは達が協力を仰ぐ理由を理解する、 それほどまでにレザードの能力は常軌を逸していたのだ、そして流浪の双神は右手に杖を携えレザードに向ける。 「貴方には悪いが、これも契約なのでね…」 「神が二体…少々楽しめそうだ……」 流浪の双神を目の前にしても未だ余裕のある様子を浮かべるレザード、その反応になのはとフェイトは不安感を覚える中、 戦闘が開始され先ずはレザードが牽制としてアイシクルエッジを二人目掛けて撃ち出すが、 二人は手に持つ杖でいとも簡単に防ぎ、次にガブリエセレスタが杖を振り下ろす。 ところがレザードはグングニルを形成しガブリエの攻撃を受け止める、するとイセリアが時間差でレザードに攻撃を仕掛け 貫くようにしてレザードの腹部を狙い撃ち直撃、勢いよく吹き飛ばされるレザードであるが、 右手を向けてクールダンセルを放ち氷人形が二人の前で襲いかかる、だが二人は冷静に対処に当たり杖で氷人形を打ち砕いた。 「流石に神の前ではアストラライズは意味をなさないか……」 「当然だ、肉体を幽体にする事など造作もない」 レザードを一目見た瞬間から幽体化している事を見抜いた流浪の双神は、同じく肉体を幽体に変えて対処に当たったようであり、 これはレザードのアストラライズを無効化された事になる、だがレザードの表情には焦りの様子が無く その表情を遠くで見上げているなのは達には不安を募らせていた。 一方場所は変わり此処スバル達とチンクが戦闘を繰り広げている広場では、 スバルのナックルダスターをマテリアライズで形成した左の盾で防ぐチンクの姿があった。 「くぅ!やっぱ堅い!!」 スバルはカートリッジを一発使用してナックルダスターの威力を高めるが、一向に砕け散る様子がない盾。 一方でエリオは距離を離しストラーダを向けてカートリッジを二発使用、先端部分から魔力刃が形成されると一気に突撃、 まるで弾丸を思わせるような速度でチンクに迫っていく、一方でエリオの存在に気が付いたチンクは スバルの攻撃を流すようにして盾を傾け見事に受け流すと、その場で一回転しエリオに目を向け、 右手に携えた刀身を振り上げ魔力刃ごとエリオを高々と吹き飛ばした。 だが上空にはキャロが待機しており、フリードリヒに指示を促しエリオを回収、更にブラストレイをチンクに放つ、 ところがチンクはブラストレイを既に読んでおり既に移動して回避、カートリッジを一発使用すると脇差しのような小型の刀を二本生成、 勢い良くキャロに向かって投げつけるが、脇差しはティアナのクロスファイアによって撃ち落とされた。 するとチンクを囲うようにしてクロスファイアが六発向かってきており、チンクは盾を使って弾こうとしたところ盾は光の粒子となって消滅、 一つ舌打ちを鳴らし悔しそうな表情を浮かべるも、クロスファイアを右往左往しながら回避し更に右手に持つ刀身にて三発打ち落とした。 ところがクロスファイアは更に五発追加されて迫ってきており、チンクはまたもや一つ舌打ちを鳴らすと、 左手で床の一部を掴み取り、原子配列変換能力を用いて長刀の刀を形成し、右の刀身と左の刀によって次々にクロスファイアを撃ち落としていく。 その時である、チンクの後方からスバルが勢い良く右拳を振り上げており、拳には衝撃波が纏っていた。 「リボルバァァ!キャノン!!」 だがスバルの気配に気が付いたチンクは左の刀を盾代わりにして攻撃を受け止めると、 今度はスバルの拳のカートリッジを一発使用してスピナーを高速に回転させて衝撃波を撃ち出すリボルバーシュートを撃ち抜き、 左の刀は二つに折れ衝撃波はチンクの胸元に突き刺さり吹き飛ばされていく。 だがチンクは吹き飛ばされながらも自身のISであるランブルデトネイターを用いて刀を爆破、 スバルは爆発に巻き込まれ周囲は土煙が舞い散り、暫くして落ち着いていくと 其処には全方向型のプロテクションを張り爆発から逃れたスバルの姿があった。 「やはり…間に合っていたか」 チンクは一つ舌打ちを鳴らしスバルと対峙している中、攻撃後オプティックハイドを発動させて 姿を隠しているティアナが今までのチンクの戦闘を基に分析を行っていた。 先ずスバルから予め聞いていたチンクの能力であるが、マテリアライズは魔力を原料として生成、非破壊効果を持つが三分程度で消滅する、 一方で原子配列変換能力は物質などの媒介を魔力によって変換させる為に消滅する事は無いが非破壊効果を持たない、 しかしあの爆発能力であるランブルデトネイターにより爆弾に変える事が出来るようなのだが、 確かな威力を誇るには三分以上時間を要するようで、マテリアライズで生成した武具では時間的にも非破壊効果的にも不可能である可能性が分かった。 そしてチンクは動きを先読みすることが出来るようで、此方の攻撃や行動の先の動きを行っていた。 しかし先読み出来るのはチンクが見た対象のみ目線から離れた若しくはティアナのように隠れた対象の動きは先読み出来無いようである。 つまり背後もしくは目の届かない場所からの攻撃が有効なのであるが、 チンク自身も危機察知能力が高い為か、中々思うようにいかないのが現状である。 「でも今はこれしか打開策が無いか……」 結局のところこれ以上の有効な対策が無い為に引き続き指示を送るティアナであった。 一方でスバルと対峙しているチンクは先手を取りスバルに攻撃を仕掛ける、 だがスバルは依然として全方向型のプロテクションを張り巡らせたままでチンクの攻撃を受け続けていた。 「成る程…考えたな」 どうやらスバルに攻撃の目を向けさせる事により、他のメンバーの行動を先読みさせないよにする作戦のようである。 一方でエリオはフリードリヒの背中にてキャロからフィジカルヒールを貰い体力を回復させると、 フリードリヒから飛び降り床に着地、ストラーダをチンクに向けてカートリッジを三発使用、 メッサーアングリフを放ち見る見るうちにチンクに迫る。 「甘いな、その程度の動き先読みしなくても分かるわぁ!!」 チンクはエリオの攻撃を半歩体をずらして容易くかわし不敵な笑みを浮かべるが、 エリオは急速停止し左足を滑らすようにして反転、左の裏拳による紫電一閃を打ち抜こうとした。 ところがチンクは腰を素早く下ろし裏拳を回避、更にスライディングキックにてエリオを迎撃、 するとエリオの攻撃に続けとばかりにスバルが飛び出し、右手にはスピナーの回転により螺旋状と化した振動エネルギーを纏っていた。 振動拳と呼ばれるスバルのISである振動破砕を用い、持てる技術を尽くし完成させた必殺の一撃である。 一方でスバルの拳を目撃したチンクは危機感を感じマテリアライズにて大型の盾を生成し備えた。 そして激突、辺りには振動拳の衝撃が伝わり床を削るようにして破壊、チンクもまた盾とともに床を削りながら吹き飛んでいく。 だが盾を破壊する事は出来ず盾が消滅すると無傷のチンクが顔を覗かせていた。 「これでも…駄目なのか……」 スバルは絶望の淵に追いやられたかのような表情を浮かべている中でチンクに異変が訪れる。 それはチンクの表情が痛みに耐えているような顔つきで更に左膝をついたのだ。 今までとは異なる反応にティアナは一つ確信する、マテリアライズされた武具は破壊する事は出来ない、 だが武具に受けた衝撃全てを受け止められる訳ではない、本来であれば破壊される程の衝撃を受ければ その衝撃は武具を通し本人に伝わり、そのままダメージを負うという事であると。 つまりは強烈な攻撃であればたとえマテリアライズされた武具でもダメージを与える事が出来る訳である。 そしてチンクを撃破するに当たって一番要なのが一撃の威力に定評があるスバルであった。 一方でチンクは自分が受けたダメージが思っていた以上である事に驚きを感じ、またスバルに警戒を浮かべていた。 これ以上攻撃を受ければ敗北するのは必死、憂いは経たなければならない…そう考えたチンクは真っ先にスバルを始末する事に決めた。 「貴様から先に叩いてくれる!!」 「そうはさせない!!!」 するとエクストラモードを起動させたエリオが割って入り、左拳に雷を纏わせ自身最速のソニックムーブにてチンクの懐に入る。 一方でチンクはエリオの行動を先読みし、攻撃を避けられないと悟るや否やマテリアライズにて大型の盾を形成した。 しかしエリオはお構いなく盾の上から何度も紫電一閃を連打しチンクを釘付けにする、 そして更にカートリッジを全て使用して右手に持つ小型化したストラーダに魔力を込め何度も盾を突き刺した。 「奥義エターナル!!レイド!!!」 最後に魔力と雷を込めた突きが盾に響き、その衝撃により盾ごと吹き飛ばされるチンク しかしエリオの攻撃を防ぎきったチンクは反撃を行おうと睨みつけるとエリオが声を荒らげた。 「今です!ティアナさん!キャロ!!」 チンクは辺りを見渡すと右上空にはエクストラモードを起動させ、フリードリヒの胸元に存在する竜紅玉に魔力を溜め込みいつでも撃てる用意があるキャロと、 少し離れた左側にエクストラモードを起動させクロスミラージュを水平に構え、その中心を軸に巨大なエーテルの球を作り出し、いつでも放てる用意があるティアナがそこにいた。 どうやら二人はエリオの攻撃の最中に準備を始め、エリオの攻撃が終わる頃を見計らって攻撃出来るように準備を整えたようである。 『奥義!!』 「ドラゴンドレッド!!」 「エーテルストラァァァイク!!」 エリオの合図の下、間髪入れず撃ち放たれた二つの強力な一撃がチンクに迫る中で、 もう一度マテリアライズを行い、同じ大きさの盾を用意して防御に当たるチンク。 そして激突と同時に大爆発を起こし、辺りには衝撃波が走り巨大な土煙がチンクを覆い隠す中 土煙が落ち着き始めると其処には巨大な盾に身を守られていたチンクの姿があった。 「そんな…効いてないの?」 「………いや!効いてる!!」 盾が光の粒子となって消滅した瞬間、チンクは左膝をつき表情に曇りの色を見せ、ティアナは最後であるスバルに目を向け指示を送る。 だがその一方でチンクの足下には多角形の魔法陣を幾重にも張り巡らせており、何処からともなく声が聞こえ始めた。 「汝…其の諷意なる封印の中で安息を得るだろう…永遠に儚く……」 「いけない!広域攻撃――」 「セレスティアル!スタァァァ!!」 チンクを中心に輝く羽が舞う複数の光の柱が立ち上り、更に広がっていくとティアナ・エリオ・キャロそしてスバルを飲み込んでいく。 そして辺りは光に包まれ暫くして光が落ち着いていくと其処には床に這い蹲ったエリオ・キャロ・ティアナの姿があった。 だがその中で全方向型のプロテクションを張っていたスバルだけがチンクの攻撃耐え抜いた姿があり、 スバルの姿を見たチンクはカートリッジを全て使用、足下に白い五亡星の魔法陣を張り 全身を白く輝くまるで白金を思わせる魔力で包み込むと、半身を開き構え素早くスバルの懐に入る。 そして矢のようなスライディングで足下を攻撃し後ろを取った瞬間に振り下ろし、間髪入れず振り上げスバルの体を浮かせる。 更に右からの袈裟切り、左からの払い、そして下から切り上げ更にスバルの体を宙に浮かせると、 巨大な槍が三本スバルの左右の脇腹から肩にかけて、脊髄から腹部にかけて突き刺す。 そして剣を納めスバルの頭上まで飛び上がると背中から光の翼を生やし、翼が光の粒子となって右手に集うと巨大な槍に変化した。 「これで終わりだ!奥義!!ニーベルンヴァレスティ!!!」 そう叫ぶと槍は白く輝く鳥に変わりスバルを貫く、そして白色の閃光は大きな粒上に変化 スバルを中心に集い圧縮され暫くして大爆発、辺りには爆音と共に衝撃波が響き渡り土煙が覆われていた。 「す………スバルゥゥゥゥゥゥ!!!」 ティアナの悲痛な叫びが辺りに響き渡る中でチンクは静かに着地、だが連続のマテリアライズに広域攻撃魔法、 更にはカートリッジ全てを使用したニーベルンヴァレスティと魔力を大量に消費した為、 かなりの負荷が体にのしかかったらしく左膝をついて肩で息をしていた、だが憂いでもあったスバルは倒れ他の仲間も床に伏している、 チンクは勝利を確信した表情で顔を上げると、土煙の中から腕をクロスに構え、チンクの攻撃に耐え抜いたスバルの姿があった。 「ばっバカな!!私の最大の奥義を耐え抜いたというのか!?」 「次は……コッチの番だぁぁぁ!!!」 スバルは両拳を握り締め足を肩幅まで開き構えると両腕のカートリッジを全て使用、大量の赤い魔力が炎のように溢れ出し 両拳には螺旋状と化した振動エネルギーを纏い、両足には赤い翼のA.C.Sドライバーが起動していた。 そして一気に加速し一瞬にしてチンクの懐に入るや否や、右のナックルダスターがチンクの胸元に突き刺さり、 続いて両拳からの上下のコンビネーションであるストームトゥースにマッハキャリバーとの息のあった拳と蹴りのコンビネーション、キャリバーショット そして左のナックルバンカーがチンクの顎を捉え跳ね上げると、右のリボルバーキャノンが腹部に突き刺さってめり込み 更にスピナーの衝撃を放つリボルバーシュートにてチンクを高々と舞い上がらせる。 すると今度はウィングロードを伸ばして滑走、チンクに追い付くと環状の魔法陣が二つ張られ 加速された赤い魔力球が握られた右拳をチンク目掛けて振り下ろした。 「奥義!ブラッディィ!カリスッ!!!」 振り下ろされた右拳はチンクの腹部に突き刺さり九の字に曲げると、そのまま垂直落下とも言える角度のウィングロードを滑走、 床に大激突し辺りに激しい衝撃が走る中でその中央ではスバルの拳をきっかけに、赤い魔力と混ざった振動エネルギーが波のように溢れ出しチンクの身を何度も叩きつけ 甲冑や兜は砕け散りスカートはボロボロ、そして左耳に取り付けてあったデバイスは砕け散ったのであった。 母のシューティングアーツに機動六課での特訓、リボルバーナックルの性能にエクストラモードの能力、 更にはスバルの今までの戦闘経験やセンス最後にISによって完成されたブラッディカリスはまさに一撃必倒と呼べる威力を誇っていた。 そして放たれた赤い魔力が落ち着くと其処には眼帯を失い、至る所が切れてボロボロの戦闘スーツ姿に戻ったチンクが仰向けの状態で倒れており、 チンクの姿を見たスバルは勝利を確信したと同時に両膝を付き肩で息をしていた。 するとスバルの勝利を祝ってかティアナ達が集まり激励を送るのであった。 時はチンクが撃破される前まで遡り、イセリアは女王乱舞にてレザードを攻撃、 だがレザードはシールドを張って攻撃を全て防ぎその中で詠唱を始め、ファイナルチェリオをイセリアに向けて反撃した。 だが一方でガブリエが接近し右手に持つ杖を振り下ろすがレザードはグングニルで防ぎ難を逃れる、 その間に攻撃に耐えたイセリアが背後を取り杖を振り抜きレザードを吹き飛ばすが、 レザードは右手を向けて直射型のライトニングボルトを放ち、イセリアはシールドを張ってこれに対抗した。 一方なのは達はレザードと流浪の双神の熾烈な戦いに唖然とした表情を浮かべていた。 するとなのはの下へティアナからの連絡が届く、それは今し方スバルがチンクを倒したという内容であった。 一方なのはの報告に小耳に挟んだレザードは動きを止め驚愕な表情を浮かべすぐさまモニターを開くと、 其処には仰向けで倒れているチンクの姿が映し出されていた。 「バカな…私の“レナス”が………」 レザードは頭を押さえ、まるでこのような結末を望んでいなかったと思わす表情を浮かべ、うなだれていた、 一方でなのは達は勝利を確信した表情を浮かべていた、戦況はこちらが優勢 しかもフェイトから聞いていた計画の要でもあったチンクは此方の手中にある、そして他のメンバーも此方に集うであろう。 そして流浪の双神も存在する、もはやレザードは袋の鼠状態、これ以上の抵抗は無意味であるとなのはが伝える中、 微動だにせず依然として俯き頭を手で押さえ、うなだれてるレザードの姿にフェイトが声を荒らげる。 「何か言ったらどうです!!」 「…………………」 しかしレザードは答えず長い沈黙が続き動きが一切無い中、レザードの体から金色の砂のような物が次々に垂れ出し、 それは床に落ちて徐々に広がり部屋全体を覆い輝かせる。 「なにこれ?!」 「術式………かな?」 それはよく見ると文字のようで部屋全体に書かれたのだろうと言うのがフェイトの見解である、 すると今まで沈黙していたレザードが静かに言葉を口にし始める。 「…たかが一介の魔導師が私の計画を潰し、あまつさえ我が“愛しき者”を傷付けるとは……」 次の瞬間なのは達の体に異変が起きる、それは今までとは異なり体に負荷がのしかかり、 それはまるで能力リミッターを掛けられた時と同じような感覚を覚えていた。 なのは達は自分の体の異変に戸惑っていると、レザードが振り返り押さえていた手を降ろしその表情は怒りに満ち鬼の形相と化していた。 「――許せん!!!」 自らのお気に入りであり“愛しき者”であるチンクを傷付けた罪は重い、そう口にすると左手を掲げるレザード そして――― 「跪け!!」 左手を振り下ろした瞬間、何かがのし掛かったかのように全身が重くなりなのは達は床に伏し、その光景はまさに跪いているかのようであった。 その中でイセリアがゆっくりと立ち上がりレザードに向けて杖を振り払い衝撃波を生み出す。 だがレザードは迫ってくる衝撃波をまるで埃でも払うかのようにして右手を払いかき消した。 「どっどうなってるの?!」 「なる程な……」 なのはは戸惑う中イセリアが説明を始める、レザードの体から放たれたこの術式により 肉体・魔力更には攻撃の威力まで十分の一以下にまで押さえつけられているのであろうと語る。 一方でレザードは再び左手を掲げなのは達を浮かばせると左右の壁、上下の床や天井に次々にぶつけ更に叩き落ととすようにして床に激突させた。 「殺しはしない!死んで楽になどさせるものか!!」 すると今度は大量のイグニートジャベリンを用意して一斉に発射、なのは達の身を次々と貫いていく、 だがレザードの攻撃は終わらず続いてダークセイヴァー、アイシクルエッジ、プリズミックミサイルなどを次々撃ち抜き 必死の形相で回避またはバリアやシールドなどで防ごうとした、しかしレザードの放った魔法の威力はそれらを簡単に打ち砕きその身に浴び次々に倒れていくなのは達。 そして最後にレザードは詠唱を破棄してファイナルチェリオを撃ち放ち、その衝撃により床壁などを吹き飛ばした。 「どうしましたぁ!?この程度で終わりですかぁ!?」 レザードは尚も挑発を促しなのは達を立たせていく中、なのは達の表情は絶望に支配されていた。 此方に攻撃を仕掛ける暇も与えず、もし攻撃出来たとしても大したダメージを与える事が出来無い、 更には流浪の双神すら手玉に取られている状況、正に今のレザードは“破壊を求める者”といっても過言ではなかった。 そんな状況になのはとフェイトは塞ぎ込んでいると二人の下へ流浪の双神が駆け寄り二人に話しかけた。 「一つだけ…奴に対抗出来る手段がある……」 「えっ?それは一体?!」 「私達との融合…ユニゾンと置き換えてもいい」 二人のどちらが流浪の双神と融合する事により一時的にレザードと対等の力を得ることが出来るという、 だが神とのユニゾンは大きなリスクを伴い、下手をすれば器となった存在の魂が消滅する可能性を秘めていた。 つまりレザードとの実力差を埋めるにはそれ程までのリスクを背負わなければならないと言う事である。 すると神の話を聞いたなのはが覚悟を秘めた表情を浮かべ言葉を口にし始める。 「だったら私が―――」 「私を器にして下さい!!」 「―――フェイトちゃん?!」 なのはの決意を遮るかのようにフェイトは言葉を口にし困惑するなのは。 するとフェイトが説明を始める、なのはにはユーノやヴィヴィオなど大切な人がいる、その人達を泣かせる訳にはいかない、 だからなのはの代わりに自分が器になると告げるとなのはは反発した。 「何言ってるの!フェイトちゃんにもエリオやキャロが―――」 「二人なら私がいなくても大丈夫だから」 先だってのスカリエッティとの戦いで見せた二人の決意、それを耳にしたフェイトは二人が自分の下を巣立ったのだと確信した それになのはは自分の命を救ってくれた、その恩を返す為にも今ここで自分が器になる、そう覚悟を決めたのだという。 「なのは……みんなの事をお願―――」 次の瞬間なのははフェイトに当て身し気絶させると、悲しい表情でフェイトを見つめるなのは。 いくらフェイトの願いであってもそれを受け取ることは出来なかった、何故ならレザードとは自分の手で決着をつけたかったからだ。 ホテル・アグスタを始め地上本部での二度の敗北、そしてヴィヴィオを誘拐され絶望の淵に追いやられた。 それらを払拭する為にも自分の手で行わなければならないと覚悟を決めていたのだ。 「……良いのだな?」 「覚悟はもう…決まってるの!」 なのはの決意ある瞳を見た流浪の双神は小さく頷き、気絶するフェイトから離れ三人はレザードに近づくと、今度は流浪の双神がなのはとある程度距離を置く、 そして足下に巨大な三角形が三つ均等に並ぶ魔法陣を張り巡らせると、今まで沈黙を守っていたレザードが見下ろす形で言葉を口にする。 「まだ悪足掻きをするつもりですか?」 「言ったの…私は諦めが悪いって!!」 するとなのは足下に流浪の双神と同じ桜色の魔法陣が張られ輝き始めると、それに呼応するように流浪の双神の魔法陣も力強く輝き出す、 そしてその輝きは一種の壁となり三人は声を合わせて言葉を口にした。 『ユニゾンイン!!』 「何ぃ?!」 流石のレザードも驚きの表情を浮かべていると、流浪の双神はそれぞれ赤と青のエネルギー体になり更に球体に変化、 魔法陣ごとなのはに近付き胸元に吸い込まれていくようにして収まると、次の瞬間大量の桜色の魔力が天井を突き破るかのようにして溢れ出し魔力がゆっくり収まっていく。 其処には背中に桜色の六枚の翼を生やし胸元の黒い部分は透けて谷間が強調されたロングスカート型のバリアジャケット 足下は金で装飾された金属製のハイヒール型の具足に変わり外側の両足首部分からは桜色の翼が生え、 結っていたリボンが無くなり髪型はストレートヘアー、更に桜色の天使の輪が浮かんでいた。 そしてレイジングハートは力強くまるで冷え切っていない溶岩のように赤いクリスタルが輝き、 ストライクフレームから現れる魔力刃は鋭く分厚く左右からは四枚の小さな翼が生えていた。 なのはの変貌にレザードは依然として唖然した表情を隠せないでいると、 今まで瞳を閉じていたなのはの瞳が開き、金色に輝くその瞳でレザードを突き刺すように睨みつけた。 「覚悟っ!!」 「一介の小娘が神とユニゾンだと……いいだろう相手をしてやろう!!」 するとレザードは、まるで北極星を思わせるようにして力強く輝き白金のような色と化した魔力を高めていき、 一方でなのはは自分の体を確かめるかのようにして体を動かし、レイジングハートの先端をレザードに向けて対峙する。 いよいよ戦況は最終局面を迎えるのであった……… 前へ 目次へ 次へ
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第二回戦:試合場【城】結果 このページではダンゲロスSS3第二回戦、城の試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 第二回戦【城】SSその1 遠藤終赤 12票 第二回戦【城】SSその2 紅蓮寺工藤 6票 第二回戦【城】SSその3 黄樺地 セニオ 13票 コメント 「それでは城の異世界戦・投票状況について、大会実況の私、佐倉光素と」 「解説の埴井きららが紹介するよ!」 「三者三様、独自の世界観を持った選手による世界観のぶつかり合いとなった城の試合」 「決着のつけ方も異次元にぽーんと投げちゃう戦いだったね!みんなすごい!」 「ですが試合内容に比べて票の動きは終始、綺麗に推移していました」 「遠藤ちゃんと黄樺地さんに2票入ると紅蓮寺さんに1票入るの繰り返し!」 「徹頭徹尾、終始徹底してそのバランスで票が入り続けました」 「コメントを見ると、みんなどこに投票するか迷っていたみたいだけど……」 「最終的には黄樺地選手に連続で票が入って決着となりました」 「紙一重の攻防!」 「ということで第二回戦、城の試合を制したのはー」 「「貴方もチャラ男の元に!黄樺地セニオ選手です!!!」」 「「おめでとうございまーす!!!」」 遠藤終赤 「勝者だれ」「ヒヒヒ、拙ですウェーイwwww」「マジで誰だよ・・・」ちょっとどのSSの勝者が誰だか全然わかんないんですけど、セニオが地の文まで支配した空間が超たのしかったのでコレで。三本ともものすごかったです。 あえて勝つ場面を描かず、最後の大仕掛けで驚きを与えてくれたこの作品に。 あとチャラい地の文wwwウケルwww 一読しただけでは意味がわからないが、読めば読むほどメタSSとしての技術力が凄まじい。どれに入れるかは相当迷ったが、直感を信じて投票したい。 ダイナミックなメタ描写の殴り合いがどれも素晴らしく、悩みましたが、「赤」と「黄」を入れ替えるという予想だにしなかったアイデアとそこに至るまでの巧妙な複線の数々、それだけでなくチャラップなどの『笑い』もブロック随一であり、シリアスとギャグの両面で非凡な発想を魅せたこちらに投票します。 全SSともややこし気味。メタ能力を活かそうとするのではなく自作品の作風や特色をどうメタるか考えるべきだろう。たぶんそのほうが読者もスッキリしたと思う。判り易さはその2だが色を保持したという意味でその1に投票 わけがわからないが面白かった 紅蓮寺工藤 どれも凄かったけど最後が一番スッと入ってきたので ヒ……ヒヒ…… 黄樺地 セニオ 最大風速は関西KAIMETSU!ww関東SENMETSUww! パンデミックで超SHIMETSUwww!ファントムルージュで眼がTENMETSUwww だったが 3のオチに全て持ってかれた おい!14歳の探偵はどこにいる?どこにいるんだよー! チャラ男に引きずり込まれました 3本とも、メタネタに真摯に向き合い、非常に高度な内容に仕上がっており、甲乙つけがたい。しかしその1はやや中盤の描写が分かり辛く(ことわりは一応しているものの)、ややバタバタしてしまった感が否めない。その2は冒頭のサマーソルトキックがその後特に活かされておらず、また探偵の修行を積んでいるならば終赤は性的な知識も十分に持っているはずであり(探偵小説にはその手の描写も結構ある)全体的にネタに対して詰めの甘さが見られた気がする。というわけで(個人的には)総合的に最もバランスが取れていると感じ、またラストのインパクトも大きかったその3が僅差で上回るか。 どのSSも驚きという要素があって非常に良かった。が、丁寧に伏線を張っておいて、後の展開で読者を置き去りにしない、という観点で優れていたのはこれ。上手い。 いずれ劣らぬ傑作ぞろいでした。メタフィクションのスケールの大きさ、キャラクタの特性活用、チャラ度を考慮してセニオに投票。 失策も恣意設定もなかったのがこれかなあ。面白さでは甲乙つけがたいわい
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リリカル×ライダー クロス元:仮面ライダー剣 最終更新:2010/10/10 2009/06/17 第1話、第5話を改稿しました。 2009/06/26 第12話を改稿しました。 第1話『覚醒』 第2話『カズマ』 第3話『機動六課』 第4話『模擬戦』 第5話『鉄槌』 第6話『覚醒』 第7話『逃走』 第8話『追跡』 第9話『仮面』 第10話『ライダー』 第11話『火焔』 第12話『来訪者』 第13話『決闘』 第14話『スカリエッティ』 第15話『ガジェット』 第16話『刺客』 第17話『決意』 第18話『なのは』 第19話『天馬』 第19話『反撃』 応援・感想のコメントなどはこちらへどうぞ コメントページ よろしければこちらもお願いします! バトルシーンアンケート 応援・感想のコメントログです。ありがとうございました。 コメントログ TOPページへ このページの先頭へ
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コメントページその2です 感想や応援メッセージなどをお気軽にどうぞ(名無しコメントも可能です) コメントでの"過度な"雑談や討論、展開予想などは控えるようにして頂けると幸いです。ほどほどであれば自分は構いません。 最終更新:2011/02/28 ↓コメントフォーム↓ 名前 コメント 返事が遅れて申し訳ありません。コメントありがとうございます。 >最早なんでもアリだな。 そう言われると返す言葉もありません。ですが、なるべく最強設定にはならないようにしているつもりです。 -- 無名(返信コメント) (2011-02-28 20 58 16) 最早なんでもアリだな。 -- 名無しさん (2011-01-26 13 56 06) もっすさん、コメントありがとうございます。 確かにブルースペイダーのモビルラウザーでは不可能でしょうね。ただ今回はそもそもカードの機能ではなく、魔力による一種のブルースペイダー用バリアジャケットのようなものなので、バイクは関係ないですね。 >ブルースペイダーのジャック、キング仕様とかあったら面白そう。 コメントありがとうございます。 ですね。でもキングはバイクちょっと合わないかも(^^; -- 無名(返信コメント) (2011-01-26 09 42 40) ブレイドって結構バイクに乗っているシーンが多かったと思う。ブルースペイダーのジャック、キング仕様とかあったら面白そう。 -- 名無しさん (2011-01-22 17 01 48) ブルースペイダーとかの簡易ラウザーで其処までできるかぁ? -- もっす (2011-01-20 14 04 35) 新年明けましておめでとうございます。と言っても大幅に遅れてしまいましたが・・・・・・。 年内に完結したかったのですが、今のペースでは年度内も難しそうです。応援コメントの減少も仕方のないことだと思います。 昨年はこのクロス倉庫でも様々な事態に見舞われましたが、こうして今も元気に運営されているのは管理人様、職人様、そして読者様のお陰だと思います。 今年もどうか、この無名をよろしくお願いします。 -- 無名(作者) (2011-01-12 18 22 51) 感想ありがとうございます。 確かにバイク変身はカッコイイですよね。自分も好きです^^ -- 無名(返信コメント) (2010-11-28 23 51 26) 剣本編ではブルースペイダーに乗ってのヘシンが印象に残ってます。なんか、壁に激突する感じで。やっぱりバイクヘシンはかっこいいですよね。 -- 名無しさん (2010-11-24 11 03 56) ダディアナサンさん 感想ありがとうございます。最後の「さん」はいらなかったかなwww 実はこの『抱きしめる』という行いは自分の好きな男女のアクションであったりします。 『抱きしめる』には母性や性欲など様々な意味合いがありますが、そのため取り方次第では色んな解釈が出来るので大好きなのですwww しかし、結構シビアな文字数制限で複数コメントになってしまった。 何か方法はないだろうか……。 -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 54 24) 下駄さん いつもホントありがとうございます。 レース小説www ホントなっちゃったよどうしようと思いながら反省はしてません(爆) >そしてなのはも、その真っ直ぐさに影響されたというところでしょうか。 なのはがStrikerSラストで傷もヴィヴィオも全く気にしてなかった理由に上手く帰結させたつもりです。 ちゃんとそうなっていれば良いのですが……。 >そしてジャック本体の仕事がまた……。 一応ジャックフォーム専用の能力なんだッ! という設定にすることでジャックフォームの重要度を増しています。これでも。 まぁ、戦闘でもまだ活躍しますよ。ご心配なくww -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 52 56) 下駄さん >個人的に戦闘のぶったぎりぷりに、平成ライダーさを感じましたww レースはバトルだ!!(爆) >そしてカギとなるのはやはりキングですね。 実はキングについてはあまり重要視してなかったんですよねぇ(核爆)。なんでここまで重要なキャラになっちゃったんだろう……。 >高所からの落下の場合、地面とキスという描写はあまりシリアスさというか、緊迫感を感じられなかったので、あそこは激突とか痛そうな言葉のがそれらしさが出たかなと。 了解です、後で見直しておきます。 こういうツッコミは大奨励しております。いやホント助かりますよ(^^; -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 52 37) しばらく時間が開いてしまって申し訳ありません。携帯からしかアクセスしてませんでした(コメントはいつも閲覧しております)。 まだ本編更新まで時間が開きそうでしたので、今のうちにとコメント返信させていただきます。 イーストさん いつもコメントありがとうございます。数少ない励みのひとつとなっています。 キングについては当初より重要度が増してしまい、実は本人が一番驚いています(爆)。ここまで良いキャラクターに育ったのはひとえに皆様方読者のおかげです。 キングフォームはジャックフォームの不遇ぶり回復のためにまだ出番なしですが、お楽しみに。 バイクさん キングはですね、そこまで凄いことやりませんから期待せずに待っててくださいね?(汗) 名無しさん (2010-10-13 00 16 59)へ >執務官どのが公道でレースとかパネェな。 その発想はなかった!(爆) よくよく考えてみるとヤバイですよね……。まぁ、そこは大目にww -- 無名(返信コメント) (2010-11-22 18 47 16) 剣崎・・・フェイトに抱きしめられるとは羨ましいぞ!!(殴 -- ダディアナサン (2010-11-10 23 14 42) 魔法バトル小説が、気が付くとまさかのレース小説になっていた件w はい、ども、下駄です。 あくまでもキングを信じようとする馬鹿正直さは、カズマらしいなあと思いますw そしてなのはも、その真っ直ぐさに影響されたというところでしょうか。 ジャックバイク飛んだよジャックバイク。微妙に関係ないけどゴウラム思い出しましたw バイクにチートギミックはライダーらしくていいですね。そしてジャック本体の仕事がまた……。 個人的に戦闘のぶったぎりぷりに、平成ライダーさを感じましたww そしてカギとなるのはやはりキングですね。 彼は自分という存在に対し、何処に落としどころを付けるのかが、重要になりそうですね。 ついでに文章的なツッコミを。 高所からの落下の場合、地面とキスという描写はあまりシリアスさというか、緊迫感を感じられなかったので、あそこは激突とか痛そうな言葉のがそれらしさが出たかなと。 まあちゃちいツッコミですがw 物語もいよいよクライマックスに突入な雰囲気で、楽しみに続きを待っております。 -- 下駄 (2010-10-20 00 14 54) 執務官どのが公道でレースとかパネェな。 -- 名無しさん (2010-10-13 00 16 59) キングの行動がどのような結果になるのか楽しみ。 -- バイク (2010-10-11 07 29 52) いよいよキングが動くのか。素直に利用される性格ではないし、何か考えがあるのかな? でも封印されないとキングフォームになれないしかなり悩みなす。 -- イースト (2010-10-10 12 04 18) 今日よく考えて見たら10×3並んでるww オーズ!? >魔改造がやりたいなら自サイトで遣れば良いんジャン? そうですね。その通りだと思います。 なのはクロス小説ならばここで見せたいと思い、投下させていただいております。もし運営から退去勧告が出れば撤退する所存ですが、それまでは頑張らせて頂きます。 -- 無名(返信コメント) (2010-10-10 11 14 38) 第20話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-10-10 11 10 31) 魔改造がやりたいなら自サイトで遣れば良いんジャン? -- 名無しさん (2010-10-03 22 17 39) つ、遂に今月の更新は出来なかった・・・・・・。 申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください。もう少しで更新出来ますので。 -- 無名(報告) (2010-09-30 22 45 45) コルタタさん、感想ありがとうございます。 >随分オリジナル要素が増えたな。 これは確かに否定出来ませんね。 しかしチェンジデバイスの段階から既に覚悟していましたし、他にもオリジナルキャラは約一名ほど出てきますので、もはや引き下がれない状態でもあります。 取り敢えずは運営で不適切な作品と判断されない限りは連載を続けていくつもりです。 -- 無名(返信コメント) (2010-08-03 17 28 20) 随分オリジナル要素が増えたな。 -- コルタタ (2010-08-03 00 33 47) 感想ありがとうございます。 >悪党にはライダーは名乗れても、「仮面ライダー」は名乗れないと思っています。 そうですね、ショッカーライダーもライダーではありますが「仮面ライダー」ではないですものね。 そういう意味では平成には「仮面ライダー」ではないにも関わらず仮面ライダーを自称するライダーもいるのかもしれませんね。 >ライダーSSで完結してる物は少ないので。 >φ,s nightに並ぶ名作だと思ってます。 はい、完結まで後少しなので頑張っていこうと思います。 φ s nightという作品は存じませんが、応援してくださる読者がいる限り諦めないよう頑張っていきたいと思っています。 -- 無名(返信コメント) (2010-08-01 22 23 12) 更新ありがとうございます。是非とも空中戦を繰り広げてほしい所。 思ったんですが。悪党にはライダーは名乗れても、「仮面ライダー」は名乗れないと思っています。剣までの平成仮面ライダー好きなのでゆっくりでもいいから最後まで続けてほしいです。 ライダーSSで完結してる物は少ないので。 φ,s nightに並ぶ名作だと思ってます。 これからも頑張ってください。 -- 名無しさん (2010-08-01 17 55 31) 第19話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-07-31 19 16 06) 大変遅れましたが、これにて最新話を更新します。お楽しみに。 -- 無名(返信コメント) (2010-07-31 16 40 00) ↓の間違えた!!本当は19話です。 -- 名無しさん (2010-07-22 19 42 21) 18話なにぞとうp -- 名無しさん (2010-07-22 19 37 37) なのは、突貫してます!(笑) キングが良いキャラになりすぎたかも・・・・・・。当初はそういうつもりはなかったんですけどね。 まぁ、いつかは封印します?(笑) はやての策は下策です(爆)。まぁ、大した策ではないので期待しないでください(苦笑)。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-20 22 08 16) 果てしなく久しぶりに双刃が通りますよ〜ノシ 感想いきませう なのはがあんな状態なのに嫌な相手が………ってあれ相手に突っ込んでいくな〜! そして王様どんだけ強いんだよ。軽口たたける程余裕さとカズマの生真面目さが何かあってるwww キングフォームの為に封印しなきゃと思うが、人として生きてほしい気持ちの方が強いです。 アンデットを信じる。 ハジメや嶋さんの事思い出してないハズなのに。 少し泣けてました… さて次回はやてはなにを考えてたのかわかるのかな〜。 楽しみにしてますよ〜ノシ -- 双刃 (2010-05-20 21 10 53) 男キャラと共闘……確かに初めてだ(汗)。 すでに後半になってようやくですが、これが最初で最後になりそうな予感……orz -- 無名(返信コメント) (2010-05-20 10 38 52) 祝!!男キャラと初共闘(だよね?)!このままキングには善人になってほしい気が… -- 名無しさん (2010-05-20 01 00 17) 名無しさん、感想ありがとうございます。 ホント、キングが善人になった感じですよね(苦笑)。 これについては改めて描写を加えたいですが、どうなるか分かりません(汗)。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-18 19 32 05) キングがいい奴になってる…!? -- 名無しさん (2010-05-18 15 52 21) イーストさん、感想ありがとうございます。 キングは今回かなり強く描きました。最後に残ったアンデッドですからね。 性格が丸くなった件については、また何か話を挟めればいいなと考えています。 -- 無名(返信コメント) (2010-05-18 07 33 24) キングがとても強い。人間の状態でも余裕で勝つとは。 それに少し性格が丸くなった気がします。 -- イースト (2010-05-17 22 02 44) 第18話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-05-16 21 00 02) マシュマロ大使さん、感想ありがとうございます。 心の葛藤を評価してくださって嬉しいです。もっと自分なりに上手く表現出来るよう、頑張りたいと思っています。 これからもリリライをよろしくお願いしますm(_ _)m -- 無名(返信コメント) (2010-04-26 10 45 09) 先日から小説を読ませて頂いてます!! 展開などが解りやすく、それぞれの心の葛藤があって読んでて楽しいです♪ 是非とも続きが気になるのでヨロシクお願いしますm(__)m -- マシュマロ大使 (2010-04-26 09 48 42) 下駄さん、感想ありがとうございます! >流石はザ・ワールげふんげふん。 ヤバイ、ネタが分かりませんwww >キングはキングのせいで、動くイコール死亡フラグにつながりかねないのがかわいそうな子ですなぁww まぁ、キングが封印されるのか、どうなるか楽しみにしていてください! そこそこ予想を裏切ると信じたいですww >キング封印イコールジャックお払い箱www ならキングを封印しなければ(オイwww >なのはとカズマサイドの内情も核心に触れてきたし、またそう遠くないうちに大きな波がきそうですね。 ですね、次話で決着が着きます。なのはが六課解散までに吹っ切る様子を上手く描写できればと思いますww 続き、急いで書かねば(汗)。 -- 無名(返信コメント) (2010-04-03 21 12 02) ども毎回遅れてくる男こと下駄っスー。 二号店作るつもりだったのかよキングwww そして見事なまでに別の次元の強さですねぇ。流石はザ・ワールげふんげふん。 しかしキングはキングのせいで、動くイコール死亡フラグにつながりかねないのがかわいそうな子ですなぁww そしてキング封印イコールジャックお払い箱www なのはとカズマサイドの内情も核心に触れてきたし、またそう遠くないうちに大きな波がきそうですね。 続き楽しみにしております。 -- 下駄 (2010-03-28 17 54 55) 双刃さん、いつも感想ありがとうございます。 >チェンジデバイスとオルタドライブについての考察に感心しつつ王様の行動理由に納得してたり。 チェンジデバイスについてはかなりのレベルで掘り下げているので、オリジナルSSでも作ろうかと思ってたりww キングは楽しいことを中心に動きますから、それを妨害する=敵と解釈しそうでしたので(笑)。 >人のままで既にトーレ圧倒してるしwww やはりコガネムシの能力が反則過ぎますからね~。 キング本人の能力は今回全く使ってませんから、手を抜いてると解釈していただいてもwww >なのはの事が心配です!次回を期待して待っておりますノシ ありがとうございます。なのはのことも早く決着を着けてやりたいので、執筆頑張りたいと思います! -- 無名(返信コメント) (2010-03-25 20 01 19) 更新された事に気がついた双刃です。 感想いきませう チェンジデバイスとオルタドライブについての考察に感心しつつ王様の行動理由に納得してたり。 そりゃ店舗候補潰されたら御礼しにいくよな〜。 人のままで既にトーレ圧倒してるしwww お供の能力はやはり反則気味ですね〜。 高速で動けても、ぶっちゃけ停めたら関係ないですもんwww なのはの事が心配です!次回を期待して待っておりますノシ -- 双刃 (2010-03-25 01 57 19) イーストさん、早速感想ありがとうございます。 流石はキングといったところですねww ちなみにこの瞬間機動は原作視聴者ならご存じのアレです。 ただキングの立ち位置がどうなるか、期待していてください。 -- 無名(返信コメント) (2010-03-24 23 02 15) 早速キングが大暴れ、トーレ相手にしてもすごい余裕ですね。 これからどう動くのかとても気になります。 -- イースト (2010-03-24 20 45 22) 第17話、更新。 ようやく編集が可能になりました。 -- 無名(足跡) (2010-03-24 15 43 52) 少々忙しくて返信が遅れてしまいました(汗)。 Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!?さん 感想ありがとうございます。大分前に読ませていただいたのですが、時間がなくて返信ができませんでした。申し訳ありません。 >敵になるのか味方になるのかその辺が一番楽しみですね〜 ですね。今後のキングの動向は注目してください。最も、そんなアクロバティックな活躍はしないかもしれませんが(汗)。 >だって、あのスカさんいい悪役過ぎてムカつくんですもんwwwww それは褒め言葉ですよね?www スカは自分の中での一番悪役らしい悪役の姿を投影しています。なので原作とはちょっと違いますね(苦笑)。 気に入っていただけたなら幸いです。 >キングフォーム…期待してますよ?( ̄ー ̄)ニヤ あくまでこちらはノーコメントを貫きますwww 下駄さん 感想ありがとうございます。ブログへの返信も遅れがちですので、早めに返信したいと思います。 >このままだとエクシードギルス級の残念フォームの仲間入りをしてしまう! 話数が残り少ないのでその節はあるwww ただジャックフォームにはまだギミックがあるのですが……敵の供給が追いつかない(汗)。 >しかしレンゲルのジャックフォームがでるとはw 実はコレがやりたかったんですwww レンゲルは登場当初こそ最強ライダーでしたが、後の落ち目が酷かったですし……。スカさんにはまだまだ頑張ってもらいますww >そして次回は現在一番好きに動けるキングの出番ですね。やはりこの立ち位置は展開を想像するのが楽しいなぁ。 めっちゃ扱いにくいキャストですけどねwww しかしスペードスートを全て解放するとキングは必須になりますし、これは作者最大の難関です(苦笑)。 お二方、いつも感想ありがとうございます。励みにしております。 リリライも残り話数が徐々に減ってきましたが、これからどんどん盛り上げたいとおもっていますので、応援よろしくお願いします! -- 無名(返信コメント) (2010-02-26 16 53 07) どもども。毎回遅くてすみませんorz ジャックフォームが早くも負けたww このままだとエクシードギルス級の残念フォームの仲間入りをしてしまう! しかしレンゲルのジャックフォームがでるとはw スカリエッティおおはしゃぎですねww そして次回は現在一番好きに動けるキングの出番ですね。やはりこの立ち位置は展開を想像するのが楽しいなぁ。 -- 下駄 (2010-02-23 00 24 08) お久しぶしぶりです。 気づいたら二話も更新されてて、15話の感想書けなかったorz さて、次からキングが動き出しますか… 敵になるのか味方になるのかその辺が一番楽しみですね〜 味方だったら、是非ともスカさんをフルボッコにしていただきたい!!(笑) だって、あのスカさんいい悪役過ぎてムカつくんですもんwwwww そして、最後二なりますが一言…… キングフォーム…期待してますよ?( ̄ー ̄)ニヤ -- Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!? (2010-02-11 19 47 01) 次はキングが動くのか。原作でもかなり強かったから スカさんと戦っても負ける所が想像できない。 -- イースト (2010-02-03 20 46 58) 皆さん感想ありがとうございます。返事が遅れてしまったのは申し訳ありません。 ではではさっそく個別に返信させていただきます。 >スカリエッティ強っ!! 今回は原作であんまり強い印象のなかったスカリエッティとレンゲルを徹底的に強くしました。 ちなみにスカリエッティが強いのは運動神経が良いからではなく、バリアジャケット(レンゲルのアーマー)の各運動部位を数値演算制御し、最適のパワーと駆動方向を算出しているからです。 正に天才ならではの戦闘スタイルですが、作中で表現しきれないのは申し訳ありません。 双刃さん いつも感想ありがとうございます。おまけにお祝いの言葉まで頂けるとは……感動しております。 >本当に無名様の小説はある意味人間性を学べますよね。 一応、そういった深みのある小説をいつも目指して書いているので、そう思われるのは大変ありがたく思います。 今後、なのはがどんな結論を出すのか、楽しみにしていてください。 >ガジェットが魔法使えるのは考えてみたら結構凄いのでは………。 少なくとも自分の解釈では相当凄いことになってます。詳しい原理についてはいずれ出すと思いますので、ここでは深く語りません。 >Jack formになって既にオリジナル超えてますがな。 原作だとキングフォームに成り損ない、おまけにアブゾーバーない状態でしたからね。 今回はネットで見たSIC改造画像を元にイメージしたジャックフォームでしたが、好評で何よりです。 >何時も楽しみにしてますよノシ。 本当に今回はお待たせしてしまって申し訳ありません。今後はもっと早く書けるよう精進いたします。 >スカリエッティのラウズアブゾーバーに現れた猪のレリーフって象の間違いじゃありません? はい、間違いです。後ほど修正しておきます。指摘してくださり、ありがとうございます。 >レンゲルのJフォームは、HERO SAGAで出たやつと同じですか?あとレンゲルのKフォームは出ますか? 前者ですが、すでに書いたようにネットのSICフィギュア改造画像を元にしているので恐らく違うと思います。 後者についてはノーコメントとしておきます。 皆様たくさんのコメントありがとうございました。大変励みになります。 今後も気を引き締めて執筆しますので、よろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2010-02-03 18 07 50) 無名さんはじめまして、質問ですが16話のレンゲルのJフォームは、HERO SAGAで出たやつと同じですか?あとレンゲルのKフォームは出ますか? -- 175ライダー (2010-02-02 00 08 46) 16話でスカリエッティのラウズアブゾーバーに現れた猪のレリーフって象の間違いじゃありません? 猪だとタックルボアになると思うんですが…… -- 名無しさん (2010-02-01 23 05 35) さて御祝いコメントとは別に感想いきませう(いやまとめとけよwww) 危うくカズマの血の色ばれかけたよ…なのはナイス。 本当に護りたいと思う存在が出来ると人は違う意味で恐怖に襲われる。 恐怖感情は他の感情と違い心じゃなく本能にもくるものだから乗り越えるのは容易な事じゃない。 本当に無名様の小説はある意味人間性を学べますよね。 ………何この真面目感想wwwいつもの双刃はどこに? んでやっぱりガジェットに大したことしてるやん! ガジェットが魔法使えるのは考えてみたら結構凄いのでは………。 ラウズアブソーバー複製って、しかもオリジナルのなること叶わなかったJack formになって既にオリジナル超えてますがな。 やっぱりレンゲルはブレイドやギャレン、カリスと違い力強くどっしりしたイメージがあるから無名様のJack formは凄く似合ってる感じがします。 しかもカズマを不完全Jack同士とはいえ事も無げに圧倒してるし。 スカリエッティ凄すぎだよ。 お次はとうとう王様が動く! 何時も楽しみにしてますよノシ。 -- 双刃 (2010-02-01 19 04 14) happy birthday to you無名様 プレゼントやケーキはないが御祝いの言葉を贈ります。 -- 双刃 (2010-02-01 18 33 22) スカリエッティ強っ!! -- 名無しさん (2010-02-01 18 10 51) 大変お待たせしました。二か月ぶりですが更新完了です。 実は今日が誕生日だったりします。無事今日までに更新できて良かった……。 では感想よろしくお願いします。 -- 無名 (2010-02-01 15 02 40) 第一六話、更新。 -- 無名(足跡) (2010-02-01 15 00 40) 最近更新がないから早く続きが読みたい -- 名無しさん (2010-01-31 22 10 28) 双刃さん、感想ありがとうございます。 ゲテモノスポーツカーってそんなに悪くないと思うこちらのセンスはフェイト並みと………? 多分最高速度と色で選んだんだよ。 実はあんまり覚えてなかったり(笑)。 そういうネタを何度か聞いたことがあったので、そのネタを使っただけです。実際はどうなんでしょうね? てかガジェットに何した? 言っておきますが、そんな御大層なことはしてません(爆)。 ただⅣ型がなぜ登場するか、そこが今回の焦点だったりします。 ゲーム屋とはなんかあってるしwww お供は見えないところでせっせか働いてるのか〜。切ねえ ゲーム屋のセレクトはぶっちゃけ趣味でしたが(ww)、好評のようで安心しました。 御供が何か、さすがに察しはついているようですが、どのように絡むか楽しみにしていただけると幸いです。 ではでは、この辺で。 -- 無名(返信コメント) (2009-12-17 08 45 50) 久しぶり+感想忘れてたorz な双刃来ましたよ〜。 感想いきませう。 ゲテモノスポーツカーってそんなに悪くないと思うこちらのセンスはフェイト並みと………? 多分最高速度と色で選んだんだよ。 スカさん今度はなにやらかすの? てかガジェットに何した? 王様普通に生活してる!? ゲーム屋とはなんかあってるしwww お供は見えないところでせっせか働いてるのか〜。切ねえ 着ぐるみとして客寄せしたら………って客が逃げる上にカズマに封印されるかwww ガジェットがどんなになったか次回を楽しみにしとりますm(_ _)m。 小説は下駄様のところで投稿させてもらいますよ〜(極力速くに)ノシ -- 双刃 (2009-12-16 19 52 23) 下駄さん、感想ありがとうございます。 今回はある意味これ以上ないくらいベストな人間に渡った気がしますw そう言っていただけると光栄です。やはりレンゲルは強いイメージがありますので。 ブレイド映画よりむしろディケイドの方がまっとうに活躍していた気がする新世代ライダー これは自分も思いましたwww 正直新世代ライダーは映画版での扱いクソでしたからねぇ……。 鬼のような少数精鋭部隊だなぁw 正直六課が勝てる気がしなくなってたりwww とはいえカズマも今後化け物に成長していくので、これでバランスは取れるかと。何より隊長陣は精鋭ですからww 強力な第三勢力としてどう動くかが楽しみです。 第三勢力っぽい傍観者ですけどねwww もちろん彼の活躍にもご期待ください。 ではこの辺で。 -- 無名(返信コメント) (2009-12-15 15 12 00) 本家では睦月が完全に乗りこなすまで恐ろしく時間がかかり、悪意の塊みたいなレンゲル。今回はある意味これ以上ないくらいベストな人間に渡った気がしますw sts本編では微妙武装でフェイトにホームランされただけで終わった博士でしたが、今回は自身も重要な戦力になりましたね。 そして部下達に、ブレイド映画よりむしろディケイドの方がまっとうに活躍していた気がする新世代ライダーを与えるとは……。 そもそも眼鏡以外はライダーの力を頼らなくてもSランク以上の実力者だっただけに、鬼のような少数精鋭部隊だなぁw それに、気まぐれで子供っぽい部分のあるキングを、良い位置に置いたなと思います。 今は人間としての生活を楽しんでますが、何となくだけでまたブレイド側屈指の化け物として猛威ふるうかもしれない。 しかも管理局側にもスカリエッティ側にも敵対しえる……そもそも掻き回すの大好きな奴ですしねw 強力な第三勢力としてどう動くかが楽しみです。 -- 下駄 (2009-12-14 16 32 15) 皆さん感想ありがとうございます! ちょっと見ないうちにこれだけのコメントが寄せられてるなんて……感動です! サッズさん 仰る通り、今しばらくはキングフォーム出てきません。楽しみにしておいてください! イーストさん そうですね、キングの実力は相当なものですから、なのは相手でも厳しいでしょうね。封印能力もないわけですし。 こるタタさん それは後で思いました(汗)。これに変身能力もあるわけですからもはや最強クラスの化け物でしょうね。 しかしその分多くの枷があります。理想と自らの体によって人と相容れない、闘争本能にいつも苛まれる、大切な人を奪われる……。 例え力があろうと、決して幸せという訳ではない。それを感じていただけると幸いです。 白熊の手さん キングは本編を見る限り人間社会そのものを嫌ってはいませんでしたしね。 ゲーム屋を選択したのはただの趣味ですが、彼の行動自体は本編を意識したものです。 今の剣崎は嶋さんのことも始のことも覚えていないですからね。記憶がまだ混濁している状態です。だから何故ジョーカーになったかも分からないんですよね。 皆さんのコメントで俄然やる気が出てきました。近いうちにまた更新できるよう頑張りたいと思います! これからも応援、よろしくお願いします!m(_ _)m -- 無名(返信コメント) (2009-12-14 12 22 36) なるほど…キングはゲーム屋ですか。本編でもバトルファイトに興味はないって言ってましたからね。…そのあとみんなめちゃくちゃにしたいだけっていう愉快犯的返答が返ってきましたし、奴にとって楽しいならなんでもいいんでしょうね 人間になろうとした二人のアンデット…クローバーのキングともう一人のジョーカーですか 今の剣崎はもう一人のジョーカーのことを覚えてないんでしょうね、それが悲しいことでもあります -- 白熊の手 (2009-12-14 00 05 04) しっかし、魔力とアンデットの力の兼用って随分都合の良い話だな。 -- こるタタ (2009-12-13 23 36 48) とりあえずキングが好戦的ではなくてよかった なのは達ではまず勝てないでしょうから。 -- イースト (2009-12-12 20 13 48) キングも登場してますます盛り上がって きましたね。しばらくキングフォームは みられませんね。 -- サッズ (2009-12-11 19 58 05) 通りすがりの名無しだ!さん、感想ありがとうございます。久しぶりの感想に、なんだか涙が出てきました。 本編での悪逆非道はどこへやら、普通にゲーム屋やっていらっしゃるw 今作でもっともお気楽なアンデッドですww 元々キングは自分が面白いと思ったことを好き勝手やってるという印象があったので、今回はそれを利用しました。ゲーム屋とは彼らしいと思ったので(笑)。 執筆は大変でしょうが、あまり無理しない様に頑張ってください 毎回楽しみにしてます。 この二言に本気で救われます。愚痴なんて言ってないで頑張ろうと思いました。これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! -- 無名(返信コメント) (2009-12-11 00 00 59) 更新お疲れ様です ついにキング登場!・・・ってアルェー? 本編での悪逆非道はどこへやら、普通にゲーム屋やっていらっしゃるw 妙に馴染んでるなぁw はたしてここから物語にどう絡んでくるのか。 執筆は大変でしょうが、あまり無理しない様に頑張ってください 毎回楽しみにしてます。 -- 通りすがりの名無しだ! (2009-12-10 13 29 58) 第十五話、更新。 -- 無名(足跡) (2009-12-10 08 48 50) ありがとうございます。 最近更新が途絶気味となっておりますが、頑張って執筆を急ぎたいと思っていますので応援よろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-28 17 02 13) 早く続きを読みたい。 -- 名無しさん (2009-11-28 07 51 43) こんにちは、Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!?さん。感想ありがとうございます。 今日、一気に読ませていただきました。僕は剣が一番好きなのでこのクロスはかなりうれしかったです! ありがとうございます。剣は龍騎に比べるとどうしても人気が薄いみたいなので、そう言っていただけると嬉しい限りです。 そして驚いことが一つあります。それは………………タックルが成功してる!? 剣崎だって成長するんですwww 実際マジな話、彼はかなり苦労した設定もありますし、本来は頭が良い設定のキャラなので少しだけ強くしてみたんですけどね。 近いうちにその話も出したいですね。 これからも頑張って下さい。 はい、これからもよろしくお願いします。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-16 12 45 23) 今日、一気に読ませていただきました。僕は剣が一番好きなのでこのクロスはかなりうれしかったです!そして驚いことが一つあります。それは………………タックルが成功してる!?これはネタじゃないのにかなり笑いました(爆)これからも頑張って下さい。 -- Σ(0w0)!?ウェ!?カードガハイラナイ!? (2009-11-15 19 08 04) お久しぶりです、双刃さん。と言っても、自分の更新が遅れたからでしょうけどねwww 偽物のハズなのにレンゲル強!! 実際は魔法で再現しただけの廉価品ですが、使いようによってはやはり強力な代物なのです。 しかもコピってレンゲル小隊(厳密は違うけど)が……これだと橘さん生きてても良かったのでは? レンゲル小隊ww 実際は新世代ライダー部隊ですがね。 六課は元々充実した戦力を保有していましたから、橘さんがいると苦戦しなくなると考えて退場してもらいましたwww とはいえ彼らは隊長陣に匹敵するほどに強力ですから、相当に苦戦すると思います。 さすがタヌキっ子だ(笑)。 久しぶりのタヌキ行動ですねww はやては貴重な軍師キャラですので、これからも活用したいところですね。 王さまと一緒にあのお供もでますか〜? あのお供が自分の想像の奴でしたら、まだ封印していませんからいますよ。 ただ王さまは本作ではかなり特殊な登場をしますから、当分は封印されませんのでww 更新の遅さなぞ気にしません!むしろ自分のが……orz そういえば双刃さんも小説を書かれているんですね。教えていただければ今度読ませていただきます。 とにかく楽しみにしてますよ〜。ノシ ありがとうございます。 最近またも某サイト投稿用小説で多忙なため執筆が困難な状態ですが、頑張りたいと思います。 これからも応援よろしくお願いします。ではでは。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-11 21 17 48) 暫くぶりに双刃が通り過ぎますよ〜。(実際は結構忙しく廻れてなかっただけorz) 偽物のハズなのにレンゲル強!! しかもコピってレンゲル小隊(厳密は違うけど)が……これだと橘さん生きてても良かったのでは? んでとうとうカズマがフォワードに、ここで恩を出すかはやてよ。さすがタヌキっ子だ(笑)。 王さまと一緒にあのお供もでますか〜? 更新の遅さなぞ気にしません!むしろ自分のが……orz とにかく楽しみにしてますよ〜。ノシ -- 双刃 (2009-11-10 20 04 04) みなさん、感想ありがとうございます。 >スカさんのレンゲルが強い…本編では途中から一気に弱体化したからなぁ…ラウズアブゾーバーがある分若干有利と思いきや数で不利、キャラの心境も想像しやすくこの先の展開に期待です!! はい、本作では原作登場時のレンゲル以上に強くなってます。 ラウズアブゾーバーはありますが……さて、カズマは勝利することができるのか。ご期待ください。 >他の王達も気になる所、まさか鎌田は出ませんよね? おそらく最初から読んでいる方なら薄々感づいているかもしれませんが、現在登場しているアンデッドは全てスペードスートです。 なので少なくとも鎌田の登場はないですね。 そして皆さんさっそく気になっておられる王の少年ですが、おそらく多くの方が誰かは気付いていると思います。 本作ではかなり独特な立場として出すつもりですので、楽しみにしておいてください。 -- 無名(返信コメント) (2009-11-05 08 43 54) 王の少年が六課の面々とどう絡むのか楽しみです -- 名無しさん (2009-11-05 01 17 39) 写メ大好きな彼の出番か… 他の王達も気になる所、まさか鎌田は出ませんよね? しかし彼との戦いを通じ、きっと一真はかつて戦いの中で得た物を取り戻すと私は信じています 次回も楽しみです。乙でした -- ( 0M0) (2009-11-05 00 17 18) 王の少年…性格が災いして負けたが始と剣崎を圧倒したアイツ…? スカさんのレンゲルが強い…本編では途中から一気に弱体化したからなぁ…ラウズアブゾーバーがある分若干有利と思いきや数で不利、キャラの心境も想像しやすくこの先の展開に期待です!! -- 白熊の手 (2009-11-04 22 57 34) 第十四話、更新。 -- 無名(足跡) (2009-11-04 22 11 44) テスト -- 無名(テスト) (2009-10-31 00 56 23) ページに戻る TOPページへ
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Pyrophobia スバルを取り巻く山林、木漏れ日の様に注ぐ月光がその少年を照らしていた。剣を持ち、衣服を血に濡らした少年を。 ……何だろ、見覚えがある様な……? その顔立ちにスバルは誰かの面影を見る。だが気のせいだったのか、はたまた付き合いが薄い相手だったのか、誰を重ね見たのかは解らなかった。 「あの」 と、少年が声と共に踏み込んできた。それに対してスバルは、 「……!」 後ずさる、という行動で応える。そうする理由は、一重に少年への不審と疑心だ。 「待って下さい! 僕は……」 そんなスバルを少年は追いかけた。手を伸ばしてこちらを掴もうとし、直後、 「皆殺しだああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーッ!!!」 憎悪の咆哮が山間に響いた。 「―――っ!?」 込められた狂気に鳥肌がたつ。それは少年も同様だった。2人は足を止めて声のした方向、隣接する山の頂上部を見た。 満月を傍らに掲げる山頂、そこに声の主はいる。 ……一体、誰が……? スバルは固唾を飲み、硬直した。大音の後の静寂、緊迫が山腹に張り詰め、そして爆発した。 「!!」 山頂よりも僅かに下方、その位置で天上方向への破壊が放たれたのだ。遠目にも木々と土砂が、半端ではない質量が舞い上がったのが見て取れる。 「まずい!」 少年が焦りを含んで叫ぶ。声にこそ出さなかったが、スバルもそれは同様だ。 ……あれだけの質量が、あの高さから落下したら……! そうでなくとも、それだけの質量を浮かせる破壊が生じたのだ。その三つが重なって起きる事態は、 「――崩落!!」 上り詰めた所で質量は落下し、再度の轟音を立てて山頂付近に激突した。破壊によって緩んだ地質は再度の打撃によって瓦解し、落下した質量と共に流れ落ちる。 その方向は、自分達のいるこの山だ。 「く……っ!」 迫る怒濤を回避すべくスバルは動いた。足場に魔法陣を出現させ、右の拳を地面に叩き付ける。 「ウイングロード!!」 宣言はスバルが遺伝した先天系魔法の名、空中に架け橋を作る能力だ。蒼の帯が空中へと伸びたのを確認し、スバルはその上を駆ける。 ……急げ! マッハキャリバーがいない為、スバルの移動速度は格段に下がっている。息を切らして走る間も崩落は迫り、やがてスバルがいた場所へと到達した。 「うあっ!」 自然災害の圧倒的な威力に、ウイングロードの基点が呑み込まれた。振動、倒壊、そして消滅、基点部からウィングロードが分解していく。 分解を視界の端に捉えたスバルは離脱を決行、幸いにして高低差も少なく、草の上を数転しただけで着地する事は出来た。 ……助かった…… 振り返った先で、ウイングロードが完全に消滅する。加えて見れば、今まで自分が立っていた場所は土砂によって完全に埋まっていた。 と、被害を見やった所でスバルは一つの事実を思い出す。 ……あの子は、どうなっちゃったんだろ…… 自分と対峙していた、剣を片手にした血塗れの少年。彼は崩落から逃れられたのだろうか。 「あ」 思いと共に見回した所で、さした時間もかからずに少年は見つかる。少年は、空中に立っていた。 「…飛行魔法」 それは魔導師にとって、優秀と凡庸を分ける目安。それ単体ならば簡単でも、他の挙動や魔法との同時並行は困難な、ある意味では“基礎にして奥義”とも呼べる技能だ。 ……それを、あんな小さな子が…… その事実に、嫉妬を通り越して驚きに至ってしまう。自分や今はいない相棒が、憧れて止まないその技能を、年端もいかない少年が使う事に。 何時しか少年は降下を始め、積もった土砂の上に足をつける。その表情は、緊迫の一色。 「――何者だ」 少年は手に持つ剣を構え、一方へと声を放つ。誰かいるのか? その疑問にスバルは視線を向け、 「……え?」 人影を見た、と言って良いのだろうか。月光に浮き出るその輪郭は、巨大な両腕の人型だった。 「―――ッ―――ッ―――ッ」 巨大な両碗を土砂に突き立て、その人型は唸りを漏らす。 「一体、どうやって……」 そこまで言って、スバルは一つの推測を閃いた。荒唐無稽で、しかし恐らく正しいだろう推測を。 ……まさか、土砂に乗ってきたの!? 恐らく咆哮の主もこの人型だろう。そして殺意を持った人型は攻撃手段として、移動手段として崩落を起こした。 「何て無茶苦茶な……」 思わず想到しそうしそうになる無茶だった。とスバルが驚愕する内に、人型は暗がりから土砂によって開けた場所へ進み出た。その姿にスバルは、え? と驚きを零す。 その人型に、見覚えがあったからだ。 「……ナンバーズ12、ディード」 ジェイル・スカリエッティによって制作された戦闘機人、その12号機だ。しかし今の様子を見て、スバルは自分の知るディードと重ねる事が出来なかった。 ……そりゃ、あの子とはそんなに交流は無かったけど…… だが、希薄な感情と冷静沈着な性格をした女性だった筈だ。だが今の彼女はまるで獰猛な獣に見える。そもそも自分が知るディードは、あんな腕をしていない。 「……一体、何が…」 ディードの異様にスバルは息を飲む。 「――見つけたぁ」 あたかも頬まで裂けている様な、そんな笑み。狂気と獰猛を混濁させた感情が放たれた。 「奴をぉ……出せぇ……っ」 「だ、誰の事……? 奴って……」 後ずさるスバルにディードはにじり寄り、決まってる、と続ける。 「糞野郎を………セフィロスを、出ああああぁぁぁぁぁぁぁせえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっッ!!!」 巨大な両腕を振るい、ディードが疾走した。 ● 崩落した土砂の上を駆け、ディードは狙うべき獲物を見定めた。 ……タイプゼロ・セカンド……ッ!! 見た事も無い子供がいるが、そちらは後回しだ。勿論逃がすつもりは無いが、かといってタイプゼロ・セカンドより優先する程ではない。 ……セフィロスを引っ張り出す、餌ぁ……っ!! 幸先が良い、とディードは思う。このゲームが始まって早々、セフィロスに繋がる参加者と出会えた事は。 「らあああああああああああッ!!」 振り抜くのは左碗、三つ指が環状に並んだ義手だ。三本の尖鋭を窄めれば、それは一本の巨大な槍となる。 「………っ!!」 焦燥と共に避けたタイプゼロ・セカンド。その座標を左腕が抜き、先にあった樹木の腹を貫く。尖鋭と大出力の貫徹により、左腕は肘辺りまで埋まる。 一般的に見れば失策、だが、 「それで避けたつもりかぁっ!!」 作業用アームから転用された義碗は更なる出力を発揮、樹木から引き抜くのではなく、横に抜いて樹木を破った。それによって樹木の上半分が倒れ、木片が散弾の如く飛び散り、 「うあ……ッ!」 中空のタイプゼロ・セカンドを撃った。 細々とした木片群がタイプゼロ・セカンドの柔肌に刺さり、彼女の着地体勢を崩す。山林部から土砂の上へと落ち行く彼女に、ディードは更なる追い打ちをかけた。 右腕で左肩を触れる様な準備態勢、腰を存分に捻り、そして、 「うぅぅぅぅぅぅらああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっッ!!」 さながらホームラン狙いでバットを振るように、高速を持って右腕が振り抜かれた。その射線上にあるのは、体勢を崩したタイプゼロ・セカンドの体躯。 「……が…ッ」 強固にして鈍重、それを慣性のままに振り抜く一撃は強力無比。右腕がタイプゼロ・セカンドを跳ね飛ばし、土砂に叩き付けた。 土砂の上を転がり続けるタイプゼロ・セカンド、それを追ってディードは跳ねる。 「――はッ!!」 両腕を上から振り抜いて地に叩き付け、その反動によってディードは高速を得た。そして横転が止まり、体を軋ませるタイプゼロ・セカンドに向けて、再び腕を叩き付ける。 かに見えた。 「――――――――ぶっ!!?」 だが叩き付けられたのは、ディードの方だった。 中空で構えた直後に感じたのは、顔面に感じた強固で平たい打撃。慣性としては自らその打撃に突っ込んでいるのだ、その威力は一入に加わり、 「がぁああああアァァぁっ!?」 体躯を若干捻りつつ、ディードは打ち返された。 ……な、にが……? 鼻腔に流血と粉砕を感じつつ、ディードは着地する。そして視線をタイプゼロ・セカンド、たった今自分が打撃を喰らった地点に向ければ、 「餓鬼ぃ……ッ!!」 優先順位を下と定めた、血塗れの少年が剣を構えていた。察するに、自分の顔面を打ったのはあの剣の腹か。 「そこまでだ!」 少年の凛とした声が山間に響く。 「時空管理局執務官、クロノ=ハラオウンだ! これ以上の戦闘行為を行うつもりなら……僕が相手をする!!」 ……クロノ=ハラオウン……? 少年の宣言、その内容にディードは疑問を持つ。直接の面識こそ無いが、クロノ=ハラオウンという人物についてはDr.からある程度知らされていた。 若年にして執務官を勤めた優秀な魔導師、後にフェイト=テスタロッサの義兄となり、大型次元航行艦の提督となった傑物だ。ちなみに二児の父親らしい。 ……だが…… 今目の前にいるのがそのクロノ=ハラオウンというのか。どう見ても10歳かそこらの子供にしか見えない。それこそ回想した情報の一つ、“若年にして執務官を勤めた優秀な魔導師”の様だ。 ……しかも、名乗りも執務官…… どういう事だ、と思う。 まさか、今目の前でクロノ=ハラオウンを名乗った少年は、過去から来たとでも言うのか。 ● どういう事か、とスバルは思う。自分とディードの間に立ち、宣言した少年について。 ……クロノ…ハラオウン……? 名前ぐらいなら聞いた事がある。機動六課の後見人の一人で、フェイト隊長の義兄。そして本局でも有数の能力を誇る優秀な人材。 ……でも…… そのクロノ=ハラオウンは自分よりも歳上だ。目の前の少年がそのクロノ=ハラオウンと同一人物とは思えない。 「君は……」 「――どぉでもいぃ」 滲み出る怨嗟の呟き、それがスバルの注意をクロノからディードへと移させた。口角と鼻から僅かに血を滴らせる彼女は、巨大な両碗を揺らして立ち上がる。 「お前達が何なのか、は、どぅでもいぃ……」 こちらに向けた双眸は怨嗟一色。そして、 「殺されてくれれば……あいつを見つけ出せれば……どぅでもいぃッ!!」 疾走。 「まだやるつもりか!?」 向かってくるディードに対し、クロノは再度剣を構える。 ……駄目…ッ! それでは抑えられない、とスバルは判断する。先ほどは顔面、不意打ち故にどうにかなったが、敵対者として認知された今、華奢な少年の身体能力で対応出来るとは思えない。 「私がッ!」 ディードを迎え撃つべく、スバルはクロノの脇を抜けて走る。 「いけない……戻って下さいッ!」 走り抜けるスバルの背に少年の声がかけられる。それを無視してスバルは自身の能力を起動させた。 「――IS、発動ッ!!」 叫びと共に起こるのは変色、スバルの双眸が金色へと変ずる。戦闘機人としての覚醒だ。 ……振動拳で、ぶちぬくッ! 狙うは自身のインヒューレントスキルによる両碗の粉砕。機械、特に戦闘機人に対して絶大な攻撃力を持つこの能力なら有効だ、とスバルは判断する。 「おぉ………ッ!!」 「らあああああああぁぁァぁぁぁぁッ!!」 叫びの交差は体躯の交差。ディードは左腕を、スバルは右腕を振りかざし、互いを打ち抜こうを疾駆する。 「「―――――――――――――――――――――――っッっ!!!!」」 迫り、到達し、動きは起こり、そして、 「――まぁまぁ」 と、 「ワシの為に争っちゃイヤん」 隻眼の老人に、ディードとスバルの乳が鷲掴みされた。 ……あれ? 何だろう、何か変だな、そんな風にスバルは思う。確か自分はディードと決死の一撃を交わそうとして、緊迫の中で疾走した筈なのに。 「ふむふむ」 その筈なのに、 「ほうほう」 一体どうして、 「どちらも中々どうして……」 突然現れた老人に、 「絶品じゃのう!」 乳の品定めをされているだろう。 「い、いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!?」 気がついた時には絶叫、止まっていた右拳を老人の顔面に叩き付けた。この反応はディードも同様だったらしい。叫びこそあげなかったが、止まっていた左腕が老人の後頭部を打つ。 結果は大打撃の挟み撃ち。 「ぶほおおおおおおおおおおおおおッッ!!?」 珍妙な叫びと共に老人が吹っ飛んだ。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 思わず肺腑の息を使い切り、全力全開で一撃を振り抜いてしまった。両腕で胸部をがっちりと隠し、へたり込んでスバルは息継ぎする。 ふと見やれば、後方ではクロノが頬を赤くして明後日の方向を見ていた。 ……な、何だったんだろう……? 否、誰だったのだろう、と言うべきか。突如現れた老人にスバルは疑問を馳せる。そうしてその姿を見ようと吹っ飛んだ方向を見やり、 「…あれ?」 いなかった。影も形も無く、老人の姿はなかった。 「ど、どこに……」 辺りを見回して、 「ふぅむ、随分派手な挨拶じゃのう、お嬢さん」 「――っ!?」 すぐ隣にいた。前触れも無く、気配もなく、余韻も無く、スバルの隣に隻眼の老人はいた。 「あ、あなたは?」 先とは別の意味で、スバルは老人を警戒する。気配も無しに吹っ飛ばされた位置から自分の隣に移る。それを出来る人物が、ただ者である筈は無い。 「ありゃ、忘れちまったかの?」 警戒心を剥き出しにするスバルを、老人は意外そうな表情で見返す。 「わしわし、八竜の虚空。崩や塁とかと一緒に顔見せしたじゃろ?」 ● 聞き慣れない単語に、思わずスバルは問い返していた。 「はち、りゅう……? 崩に塁って……人の名前ですか?」 「異な事を言うの、お嬢ちゃん。……確か、スバルちゃんじゃったか?」 ほとほと不思議に思ったのか、虚空なる老人は腕を組んで首をひねった。 「お前さん、烈火やら紅麗やらと一緒におったじゃろうが」 「烈火? 紅麗……? 誰の事ですか?」 「……本気で覚えとらんのか?」 眼帯に覆われていない片目を細め、虚空は思案するようにスバルを見る。 「覚えてないとか、そういうんじゃなくて……本当に、知らないんですけど」 勿論お爺さんの事も、とスバルは付け加え、対する虚空は、ふぅむ、と唸って天を見やった。 「一体全体どうなっておるのか……忘れさせられた? 確かに記憶を操る魔導具もあったが……」 「何をぉ……ごちゃごちゃとぉ……ッ!!」 悪寒。次いで脊髄反射。 「うわ……ッ!」 飛び退いたスバルと虚空、つい先ほどまでいた地点がディードの義碗によって叩き潰された。 「和むなぁ……人のぉ……触ってぇ……糞爺ぃ………ッ!!」 気のせいか殺意が強まってる様な、とスバルは思う。 「死ぃねぇッ!!」 と、ディードは再び迫る。身構えるスバルだったが、 「ふむ、やれやれ」 虚空がそれに先んじた。 「随分と曇った戦い方をするの、お前さん」 「……ッ!!」 突かれた左腕、しかし虚空は跳ねてそれを躱す。 「そんな戦い方じゃ、ワシみたいのは捕まえられんがなぁ」 「黙れ!!」 振られた右腕、それも虚空は空中で身を回して逸らした。 「ほれほれ、ワシはここじゃよ?」 「がああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっッ!!」 乱雑に両の義碗を振るディード。五月雨と言っても良い連撃を、しかし虚空は適切に躱す。 「……すごい」 いつの間にか隣に並んだクロノが呆然と呟く。声にこそ出さなかったが、スバルもまた同様だ。 ……やっぱりあの人、ただ者じゃない…… まるで川を流れる木の葉みたいだ、と虚空の体術を表現してスバルは息を飲む。あれ程の体術、格闘派のシグナム副隊長やシスター・シャッハでも出来ないだろう。 「あああああああああああああああああああッっ!!」 そんな中、ディードが痺れを切らしたように吠えた。 「これでッ! 死ねッ!!」 渾身の一撃、そう表現出来る振り抜きが果たされた。果たしてそれは、虚空の胴を捉えた。 「お爺さんッ!!」 身を乗り出したスバル、その先で老人は義碗を受け、 「え」 消えた。 否、消失した訳ではない。花びらにも似た欠片の群へと変じたのだ。赤い様でいて時に金色を放つそれは、 「……火の粉?」 呟いたのはクロノだった。それを切っ掛けにして、変化は起こる。 「――――!!!」 大気に揺らいでいた火の粉が突如として旋回、次第に火力を強め、さながら竜巻となって夜天に渦巻いた。 竜巻はやがてうねり、一つの形を作る。顎を持ち、目を持ち、しかし手足は無い。その姿は、 「蛇…ううん、これは――竜!」 『――左様。これぞ八竜が一角、虚空の姿ぞ』 竜と化した炎、それが放つのは先ほどまで老人だった、虚空の声だった。圧倒的な威圧を宿し、竜の言葉は三人に降り注ぐ。 『さあ、まだ戦うか娘よ。この儂の姿を見て、未だ戦意をまき散らすか……!?』 圧力を向けられたのはディードだった。彼女はへたり込み、呆然と虚空を見上げる。 ……戦う、なんて言える筈無いよね…… 協力してくれているとはいえ、虚空の威圧はスバルにも及んでいた。息も詰まる緊張を強いられる感覚、それを向けられて、尚も戦闘継続と言える筈は無い。 そう、スバルは思っていた。 「……ぃ」 だが紡がれた言葉は、スバルの予想に反していた。 「………ひ、ぃ」 「――え?」 スバルの見やる先で、ディードが崩れ始めていた。 全身を震わせ、双眸は焦点を結ばず、嗚咽するように喉を痙攣させ、そして、 「火いいいいいいいぃぃぃぃいぃぃぃ嫌ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっッっ!!!?」 「「『――――――!?』」」 それは狂乱だった。火の竜と化した虚空を見て、ディードは狂ったように鳴き叫ぶ。 「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌あっ!! こないで寄らないで焼かないで御免なさいやめて下さいいぃぃぃぃぃぃッッ!! 腕、うでっ! 燃えるっ! 焼かれる! 灼かれる!! 爛れちゃうよ溶けちゃうよ痛くなっちゃうよぉっ!! やめてお願いだからもう焼かないでええええええぇぇぇぇぇぇッッ!!!」 ……ど、どうしちゃったの!? その異様にスバルは驚愕する。先ほどまで暴力の限りを尽くしたディードが、これでは一辺して愚図る赤子ではないか。こんな様子を、そうなる理由を、スバルは全く知らない。 「やだやだやだやだやだやだもうやめてぇ!! もうやめてよおぉっッっ!!!」 泥に、涙に、鼻水に、唾液に、そして恐怖に塗れてディードは腕を振り回す。 まるでこの場にいない誰かを振り払うように。 そして、 「……いけない!!」 クロノの叫びは、両腕を上げたまま身を逸らしたディードに向けたもの。 「きえてえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇっ!!」 そのまま地に叩き付けた。 「しまった!!」 危機感がスバルの脳裏を走った。見やるに今の一撃はディードの全力全開、そして彼女の一撃は崩落を引き起こすだけの威力を出せる。 ……つまり……!! スバルが足場の揺らぎを感じた、直後、 「「―――――――――――――――――――――――――――――っッっ!!!」」 スバルとクロノが立つ土砂塗れの大地が、再び崩落した。 【一日目 AM0 40】 【現在地 G-7 山麓】 【ディード@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使】 [参戦時間軸]11話中。自室で寝ていた頃 [状態]健康・憎悪・錯乱・鼻骨骨折 [装備]両腕の義手 [道具]支給品一式、救急箱 [思考・状況] 基本 セフィロスを殺す 1.火嫌っ! 火怖い!! 火消えてよぉ……ッ!!! [備考] ※主催者から直接送り込まれた、いわばジョーカーです。食糧は他の参加者よりも充実しています ※左の義手からはAMFバリアが外されています ※腕の構造上、手持ち武器を握って使うことができません ※炎熱に対して極度の恐怖心を持っています ● 人為の災害に呑まれつつも、スバルは生存を断念しない。 「ウイングロード!!」 再度発現される、青い架け橋。地を基点にするとまた土砂に砕かれてしまう為、空中にそれを生じさせてスバルは飛び移る。が、 「う、うわ……!」 崩落を足場とした跳躍は不完全だった。ウイングロードの端に手はかかるが慣性を殺し切れず、 ……振り落ちる……!? 危機感、瀕死の予感が走る。だがそこに救いの手はあった。 「手はいるかな? お嬢ちゃん」 「お爺さん!」 虚空と名乗り、そして炎の竜に変じた老人が自分を見ている。いつの間にか、ウイングロードに移動したようだ。 彼の助力でスバルはどうにか路上に這い上がる。その際、尻を掴まれた気もするがとりあえず置いておく。スバルの望みは、自身の生存だけではないからだ。 「あの子を……!!」 クロノ=ハラオウンを名乗ったあの子は、どうなってしまったのか。ウイングロードの上からスバルは崩落を見回し、やがて見つけた。 土砂に呑まれつつある、少年を。 「……助けなきゃ!」 望みと共にウイングロードは伸張、流されるクロノに並ぶ。スバルは路上を駆け、クロノへと手を伸ばす。 「掴まって!!」 「……………ッ!!」 伸ばされたスバルの手に、少年もまた手を伸ばす。だが、それは救済を求めた手ではなかった。 「――え」 スバルが握ったのは、少年の手ではなかった。固いその感触は人のそれではなく、器物のそれ。 掴まされたのは、少年の握っていた剣だった。 「ま、待ってよ!」 ……私が掴みたいのは、こんなんじゃない!! しかしクロノは、最早スバルの届かない程に埋もれ、流されている。 ……私が掴んでも一緒に引きずり込まれちゃうから? だから君は私の手を掴まないの!? 「これを使ってくれって、君はそう言うの!?」 持たされた剣の意味をスバルは問う。そして見やる先で、少年は答えた。 「――生きて下さい!!!」 土砂に呑まれながらも、死に呑まれながらも、その少年は、確かに笑んでいた。 【クロノ=ハラオウン@マスカレード 死亡】 【一日目 AM0 45】 【現在地 G-7 山麓上空】 【スバル=ナカジマ@反目のスバル】 [参戦時期]STAGE9 C.C.に気絶させられた後 [状態]膝に擦り傷・体のあちこちに木片が刺さっている・ウィングロード発動中 [装備]エスパーダ・ロペラ@リリカルなのはMS [道具]虚空@FLAME OF SHADOW STS・支給品一式・ランダム支給品0~2個 [思考・状況] 基本:ルルーシュを探す 1:あの子を…助けられなかった………っ! 2:ルルーシュに会わないと…… [備考] ※名簿はルルーシュの名を見つけた時点で見るのを中断しています。よってフェイト・エリオ以外の六課メンバーの存在を知りません ※「参加者はそれぞれ別の時間から来ているのでは?」という疑念を持ちました [虚空 思考・状況] 基本:この殺し合いを止めたい 1.極力、自分の攻撃力を使わずに戦闘を止める 2.スバルを支えたい ※まだスバルの体内に宿っていません。宿るまでスバルは虚空の能力を使えません ※参加者の体に宿っていない間、虚空の取れる行動は以下の通り。 ①人間形態での独立行動(異常にすばしっこい事を除けば常人並み) ②火竜形態への変身(姿が変わるだけ。特殊能力は使用不可) ③神出鬼没 ※G-8山頂付近が削れ、G-7山麓に土砂が積もっています ※崩落による土砂がH-7の川に流れ込みました。この区域のみ川が浅瀬になり、横断出来ます。尚、土砂の中にクロノ=ハラオウン@マスカレードの死体が埋まっています 【火竜】 ・扱い/支給品指定。デイバックの中に“力の塊”として収納されている。火竜は、その状態では一切の行動を取る事が出来ない(虚空は例外) ・使用方法/“力の塊”状態の火竜に触れる事。それによって火竜が体内に入り、使用可能となる。その場合、腕に火竜の頭文字が刻まれる ・備考/体内に宿る参加者が死亡した場合、再び“力の塊”状態となって体外に出る。その状態なら別人が宿す事も可能。ただし火竜の記憶は維持 ・制限/①能力発動の際に、火竜の頭文字を描く事 ②ある程度の体力・精神力を残している事 ③使用する度に体力・精神力を消耗する事。度合いは発動する能力の規模に比例 052 本編投下順 054
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待ち焦がれた期待は裏切られて、ひよっこどもにも失望する。 最高の玩具を手に入れて、荒れ狂った心のままに88mm砲をぶち込んだ。 俺としてはほんの軽い憂さ晴らし。 けれども、それ以来ひよっこどもは腫れ物にでも触るかのような態度。 日常を侵す警報は鳴りもしない。 心の獣は精神力という名の鎖で形だけは雁字搦め。 切欠さえあれば獣は鎖をたやすく引き千切れるし、むしろ俺から外してやる。 暴れだすまでどれだけ猶予があることか。 さて、今日は個別スキルとかいうお遊戯を眺めさせてもらうとしよう。 魔法少女リリカルなのはStrikerS―砂塵の鎖―始めるか。 第6話 ひよっこの心、はんたの心 「おらぁ!!いっくぞー!!」 「くっ!!」 目の前の女性はヴォルケンリッター『鉄槌の騎士』。 前線フォワード部隊スターズ分隊ヴィータ副隊長。 彼女の気合いの乗った声にあたしの身体は自然と身構える。 グラーフアイゼンを構え、掛け声と共に駆けてくるヴィータ副隊長から視線を外さず、 私は自分のデバイスに声をかけていた。 「マッハキャリバー!!!」 「Protection.」 突き出したアームドデバイスのリボルバーナックルの上にシールドが張られ、 ヴィータ副隊長の振り下ろしたグラーフアイゼンと火花を散らせてぶつかり合う。 歯を食いしばり、砕かれそうなシールドを必死に維持しているのに、 グリップコントロールをしてくれているはずのマッハキャリバーごと 土をえぐりながら身体はじりじりと後ろに下がっていく。 「てぇぇぇぇぇぇぇりゃぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!」 瞬時にグラーフアイゼンを振りかぶりなおしたヴィータ副隊長の 気合いと共に繰り出された攻撃が私のシールドに叩きつけられると、 シールドは維持されているにも関わらず、私の身体は吹き飛ばされて、 傍らの木にその身を打ち付けられた。 「うー、痛ッたったー・・・・・・。」 「なるほど。やっぱバリアの強度自体はそんなに悪くねぇな。」 「ありがとうございまーす。」 褒められてしまった。 身体に響く痛みよりも嬉しさが勝ってしまう。 「私やお前のポジション『フロントアタッカー』はな。敵陣に単身で斬りこんだり、最前線で防衛ラインを守ったりが基本なんだ。防御スキルと生存能力が高いほど、攻撃時間が長く取れるし、サポート陣にも頼らねぇで済むってこれはなのはに教わったな?」 「はいっ!!ヴィータ副隊長」 「受け止めるバリア系、弾いて逸らすシールド系、身にまとって自分を守るフィールド系。この3種を使いこなしつつ、ぽんぽん吹き飛ばされねぇように、下半身の踏ん張りとマッハキャリバーの使いこなしを身につけろ。」 「はいっ!!がんばります!!」 「I learn.」 「防御ごと潰す打撃はあたしの専門分野だからな。グラーフアイゼンにぶっ叩かれたくなかったらしっかり守れよ。」 隊長達の訓練を続ければ強くなれる。 ヴィータ副隊長の言葉にそんな考えを持ちながらマッハキャリバーと共に返事を返した。 「エリオとキャロは、スバルやヴィータみたいに頑丈じゃないから反応と回避が まず最重要。例えばこうやって、こんなふうに・・・・・・。」 そう言って説明しながら、オートスフィアからゆっくり飛んできた魔力弾をステップを 踏むようにして避けてみせてくれるフェイトさん。 「まずは動き回って狙わせない。」 オートスフィアが対象を見失ったみたいにぐるぐる回る。 「攻撃が当たる位置に・・・・・・。」 説明を続けながら足を止めたフェイトさんに再びオートスフィアから魔力弾が撃たれる。 「長居しない。ね?」 「「はい!!」」 攻撃をかわしたフェイトさんが笑って僕達にそう声をかけてくれる。 フェイトさんの説明は続く。 「これを低速で確実にできるようになったらスピードを上げていく。」 走る速度をあげたフェイトさんにオートスフィアから次々と立て続けに魔力弾が 撃ち込まれるけど1つも当たらない。 ステップを踏むたびに、フェイトさんを狙った魔力弾はかわされて地面に突き刺さり 炸裂していく。 「「あっ・・・・・・・。」」 足を止めたフェイトさんにオートスフィア全部からの高速で飛ぶ魔力弾が炸裂した。 土煙がもうもうと立ち上る。 大丈夫なのだろうか、フェイトさん・・・・・・。 「こんな感じにね?」 後ろから聞こえたフェイトさんの声に驚いて振り向くと、フェイトさんがいる。 どうしてとばかりに土煙のほうを見れば、ちょうど土煙がはれたところ。 地面にはえぐりとられたような跡が、フェイトさんがさっきいた場所から 今いる場所までつけられている。 「す、すごっ・・・・・・。」 僕はそれだけしか口にできなかった。 「今のも、誰もがやればできる基礎アクションを早回しにしてるだけなんだよ。」 「「はい。」」 「スピードがあがればあがるほど勘やセンスに頼って動くのは危ないの。」 そう言って屈んで視線を僕達にあわせてくれるフェイトさん。 「『ガードウイング』のエリオはどの位置からでも攻撃やサポートができるように。 『フルバック』のキャロは素早く動いて仲間の支援をしてあげられるように 確実で有効な回避アクションの基礎、しっかり覚えていこう。」 「「はい!!」」 がんばろう。 ただ、まっすぐにそれだけを僕は考えていた。 「うん。いいよ、ティアナ。その調子・・・・・・。」 「はい!!」 なのはさんの言葉に返事を返しながら、周囲から縦横無尽に襲い掛かってくる アクセルシューターを休まずシュートバレットで迎撃し続ける。 どれだけの時間この作業を続けただろうか。 既に足元には魔力カートリッジのマガジンが大量にばら撒かれている。 「ティアナみたいな精密射撃型はいちいち避けたり受けたりしていたんじゃ 仕事ができないからね。」 「Ballet, Left V, Right RF」 「Alert.」 なのはさんの言葉を聞き流すような感じでクロスミラージュに次の弾を指示。 指示内容『次弾装填、左ヴァリアブルシュート(誘導弾)、右ラピットファイア(連射)』。 告げるのとほぼ同時にクロスミラージュからの警告が響く。 背後から飛んでくるアクセルシューターに気がついた。 反射的に右に跳んで転がるが、転がった先へ先へと次々に魔力弾が着弾しては炸裂する。 「ほら、そうやって動いちゃうと後が続かない!!」 なのはさんの厳しい言葉がとんでくる。 叱責と同時に放たれるのは誘導弾と高速弾が1発ずつ正面から。 「Ballet V and RF.」 回避前に告げた指示がクロスミラージュに受諾される。 私は左のクロスミラージュからヴァリアブルシュートを放つ。 なのはさんの赤い誘導弾をあたしの撃った魔力弾が追いかけていく。 そのまま間を置かないで右のクロスミラージュからのシュートバレットで高速弾を迎撃。 「そう、それ!!足は止めて視野は広く。射撃型の真髄は?」 「あらゆる相手に正確な弾丸をセレクトして命中させる。判断速度と命中精度!!」 なのはさんの問いに一息で答えながら、右のクロスミラージュを3連射して迎撃。 続けて先ほど撃ったヴァリアブルシュートが迎撃を終えていない赤の魔力弾に 狙いを定めて撃つ。 その間も警戒は怠らず視界は動かさず手も止めず、左のクロスミラージュに 新たな魔力カートリッジを装填。 「Reload.」 「チームの中央に立って、誰よりも早く中・長距離を制す。 それがわたしやティアナのポジション、『センターガード』の役目だよ。」 「はい。」 クロスミラージュに魔力カートリッジの装填受諾を確認。 なのはさんの言葉に耳を傾け、反射のように返事をしながら 右のクロスミラージュを連射し続ける。 短い返事を返すのがやっとでまともな会話している余裕なんてない。 きつい。 これが個人スキルの訓練……。 「揃いも揃って・・・・・・。戦いをお遊戯と勘違いしているのか?」 「判断材料が少ないため回答不能。」 「アルファは今の状態をどう思う?」 「ファジーな質問にはお答えしかねます。」 「言い換えよう。多少ひよっこどもと隊長どのに横から手を出すのはどうか?」 「マスターに『面倒』が増えてもよろしいのならば、私はマスターに従います。」 「ノーペナルティで手を出せないものかな。」 「可能性は極小ですが、向こう側より攻撃をうけた場合および敵対した場合があります。 ただし、前者の場合は殺傷できず、殺傷に及んだ場合『面倒』がさらに増えます。」 「『面倒』なことだ。」 ドラム缶のアルファを押しながら、視界に奔る情報を眺め俺はそう呟いていた。 「いやぁ、やってますなぁ。」 ひよっこ達の様子をウィンドウ越しにリアルタイムで観察しながら 俺は隣に立つシグナム姐さんに同意を求めるようにそう呟く。 「初出動がいい刺激になったようだな。」 「いいっすねぇ。若い連中は……。」 「若いだけ会って成長も早い。まだしばらくの間は危なっかしいだろうがな。」 「そうっすねぇ。シグナム姐さんは参加しないんで?」 「私は古い騎士だからな。スバルやエリオのようにミッド式と混ざった近代ベルカ式の 使い手とは勝手も違うし、剣を振るうしかない私がバックス型のティアナやキャロに 教えることもないしな。ま、それ以前に私は人にモノを教えるという柄ではない。」 そう言ってシグナム姐さんが苦笑する。 傍目には単なる美人とはいえ姐さんは古代ベルカの騎士、ヴォルケンリッター。 どれほどの戦闘経験があるのか計り知れない。 「戦法など届く距離まで近づいて斬れぐらいしか言えん。」 「へっへへへへ……。すげえ奥義ではあるんすけど……。 たしかに連中にはちいっと早いっすね。」 斬れぐらい『しか』とさらりといえる辺り、年季が入っている。 さすがはヴォルケンリッターといわざるをえない。 ひよっこどもがそんな言葉を言えるようになるのはいったいどれほど後だろうか。 もっとも、よほどの才能に恵まれたとしてもほとんどのやつは口にできないだろう。 ふと、思い出したかのように、シグナム姐さんが傍らのウィンドウを指差して口を開く。 「そういえばあの男、訓練にも参加せずさっきからあそこでなにをやっている?」 「ああ、凄腕さんっすね。わからないっすよ。 訓練のたびにああやって1人、時間いっぱいドラム缶押ししてるんすから。」 「なにか意味があるのか?」 「わかんないっす。今度聞くついでにやらせてもらったらどうっすか?」 「ふむ・・・・・・良い精神修練になりそうだし面白そうだからな。そうさせてもらおう。」 「いいっ!?まじっすか!?」 冗談で言ったつもりだったのに……。 極めた人っていうのはやっぱなにかが突き抜けてるもんなのかねぇ。 笛の音が訓練場に鳴り響く。 「はい。それじゃ午前の訓練終了!!」 なのはさんがそう言ってくれたけど、土塗れのあたし達4人は返事もろくに返せず 息も絶え絶えに座り込む。 「はい、おつかれ。個別スキルに入るとちょっときついでしょう。」 「ちょっと……と、いうか……。」 「その……かなり……。」 なのはさんが微笑みながら声をかけてくれたけど、ティアとエリオが 必死で呼吸を整えながら、途切れ途切れに返事を返す。 ちょっとどころじゃないくらいきついです、なのはさん。 「フェイト隊長は忙しいからそうしょっちゅう付き合えねぇけど、 あたしは当分お前らに付き合ってやるからな。」 「あー、ありがとう……ございます。」 グラーフアイゼンを構えながらそう告げるヴィータ副隊長の言葉に あたしは笑って返事ができただろうか。 たぶん引き攣っていたと思う。 「それから、ライトニングの2人は特にだけど、スターズの2人もまだまだ体が成長している最中なんだから、くれぐれも無茶はしないように。」 「「「「はい!!」」」」 「うん、それじゃお昼にしようか。」 「お遊戯お疲れ様、隊長様方。」 フェイト隊長の言葉にあたし達が返事を返し、なのはさんがご飯にしようと言った直後、 そんな声が響いた。 左に視線を向けるといつの間にか現れたはんたさんの姿。 いつのまに……。 「お前か、なのはを半殺しにしたとかいうやつは。今までどこに・・・・・・いや、 それ以前に訓練サボっておいていきなりお遊戯とはどういうつもりだ、お前!!」 なのはさんとフェイト隊長ははんたさんになにを言われたか分かっていないのだろうか?逆にヴィータ副隊長は挑みかかるように言い返す。 「たかが陸曹兼空曹にすぎない俺の口からはとても・・・。」 「いいから言えっつってんだよ!!」 そう叫びながらヴィータ副隊長がグラーフアイゼンを地面にたたきつけると、 叩きつけられた地面が砕け弾ける。 ヴィータ副隊長怖い。 けれど、はんたさんのほうも怖い。 リニアのときのはんたさん、後から戦闘記録を見せてもらって確認までしたけれど、 『危ない』でも『巻き込む』でもなく『殺す』と明確に口にしてあたし達を前の車両へ 追い立てていた。 訓練生や街中でふざけ半分に殺すとか口にする人がいるけど、そんな優しいものじゃない。 何度も見直すたびに異常さが際立つ。 まるでガジェットドローンを倒すついでにあたし達も殺そうと思っているかのような。 まさかそんなことないよね。 同じ六課のメンバーなんだし。 その考えがどうしても離れなかったのだけど・・・・・・。 そして今、目の前の光景を見るとやっぱり間違いって考えるほうが間違いに思えてくる。 張り詰め始めた空気を敏感に察した身体が無意識に強張り始める。 隣のティアは蒼白だし、エリオとキャロも震えている。 あ、そういえばエリオとキャロの2人、初任務のとき凄い言葉言われてたもんね。 こんな状態でそんなことを考えていられるあたしは余裕があるのかな。 「それでは遠慮なく分かりやすく一言で言わせていただこうか。 ようするに・・・・・・揃いも揃って馬鹿揃いか、この馬鹿ども。」 「な、な、な・・・・・・。」 さらっと物凄いこと言われた。 馬鹿?ねぇ、馬鹿って言われた?ねぇ、馬鹿って言われたの? みんなの様子を見ていられた余裕(?)の状態から一転して頭がパニックを起こし始める。 あたし達の前にいたヴィータ副隊長は、怒りのあまり口が動かないみたいで 『な』を言い続けて震えているし、なのはさんとフェイト隊長は顔色も変えずに 警戒(でいいのかな?)しているようだ。 はんたさんの言葉が続く。 「フロントアタッカー、フルバック、ガードウイング、センターガードとか言ったか。 突っ込むだけでろくに遠距離攻撃も前線構築もできないひよっこフロントアタッカー!! 単身でまともに戦えないひよっこフルバック!! 身体に見合わない装備抱えた速さしか取り柄が無いひよっこガードウイング!! 無能にもほどがあるひよっこセンターガード!! それを指摘しないで小手先に走る隊長格3人!!馬鹿と言ってなにが悪い。」 「上等じゃねぇか。アイゼン!!シュワルベ・・・・・・。」 ヴィータ副隊長がグラーフアイゼンに指示を言い終えるより早く、響く銃声が7発。 あたしは突然襲った額の激痛になにが起こったかさえわからない。 「3人死亡確定。エリオ、疲れているところ油断しないでストラーダを構えて 後ろに飛びのいた判断力と行動力は素晴らしい、◎をあげよう。 キャロとペット君も疲れているだろうに横っ飛びしたのは悪くない、○をあげよう。 ただ体勢が崩れて後が続かなくなることを忘れないように。 なのはとレイジングハート、シールドを展開した判断力と速度と行動予測◎。 フェイトとバルディッシュ、回避運動に移りながらバリアジャケットに着替えた判断力◎。 さて、ろくに経験値が蓄積されていないガラクタデバイス所持者で簡単に熱くなる馬鹿とぼけっとしている馬鹿と呆然としている馬鹿の死亡確定馬鹿面3人組み、御反論は?」 額の痛みとはんたさんの言葉になにが起こったのか今更気がついた。 はんたさんの両手に構えられた2挺のハンドガンにも。 そしてさっきまであたし達の左にいたはずのはんたさんが、 右にいてあたし達に背中を向けていることにも・・・・・・。 ティアはなにが起こったかさえ理解できていないみたいに呆然としちゃっている。 逆に、なのはさんとフェイト隊長は油断せずにバリアジャケットを展開していて、 まさに一触即発というやつだ。 ああ、またあのときの再来と思い身体が震え始めた・・・・・・のだけど、 その空気は背中を向けたままのはんたさんがハンドガンを下げたまま 口を開いたことで終わりを告げる。 「高町なのは一等空尉どの、俺が言いたいのはそんなところだ。 もちろんあなたにはあなたの育成計画があるのだろうが、 あんまりにもあんまりだったのでヴィータ副隊長どのが『言ってもいい』と ほざいたから遠慮なく言わせてもらった。 ああ、そうか。子供脅してガム巻き上げるようなガキ対策の訓練プログラムなのか。 それなら悪いことをしました。すいません。」 「てっめぇーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」 機械的に言葉を話しているような背中を向けたままのはんたさんに 起き上がったヴィータ副隊長がグラーフアイゼンを振りかぶって殴りかかる。 はんたさんは・・・・・・シールドさえ張らないなんて!! いくら非殺傷設定があるからってこのままじゃ・・・・・・・。 大変なことになるって思ったあたしは目の前の光景に目を奪われた。 振り下ろされたグラーフアイゼン。 はんたさんは振り返ろうともせず、自然に滑らかに身体を軽く横にずらす。 そのままグラーフアイゼンを右手の銃杷でいなす。 そして身体を回転させて左手の銃把で ヴィータ副隊長の左頬(正しくは左顎だったらしい)を殴り飛ばした。 この間、いったい何秒だったんだろう? って、ええ!? ヴィータ副隊長のシールド壊れてるよ!? 魔力の補助や力の差とかあるにしても人がこんなに空を跳ぶってどれだけ力強いのさ!? 宙を舞ったヴィータ副隊長が大地に叩きつけられ地を滑る。 「アルファ、絶妙なサディスト設定をありがとう。」 「問題ありません。マスター。敗北の可能性は0。想定されるイレギュラー全てに対し 事前に対応済みです。左手による攻撃の際、射程の関係から95%以上の確率で 肘を使うことによる殺傷およびUSP連射による追撃における蓄積ダメージが 唯一の不安要素でした。」 なんかすごくヤバい発言しなかった?はんださんのデバイス。 でも、強くなりたいって格闘訓練を続けたから感じる。 はんたさんのあれは、何回も何回も繰り返し続けた動きのそれだ。 かけらほどの淀みさえ感じられない洗練された動き。 それに、あんなにあっさりヴィータ副隊長がやられるなんて・・・・・・。 目の前の光景が信じられなくて無意識のうちに右の頬を抓っていた。 「それで殺り合うのかどうか、さっさと決めてくれないか?」 はんたさんの言葉になのはさん達がバリアジャケットを解除していく。 はんたさんが舌打ちしたような気がしたけど気のせい? 転がったままピクリとも動かないヴィータ副隊長。 呆然として座り込んだまま動けないティア。 地面に横になったままのキャロ。 ストラーダを構えたままのエリオ。 視界にそんな皆の姿を捉えながら頭の片隅では別のことを考えていた。 六課の強さの序列、いったいどうなっているんだろう? 「電撃でたたき起こすか?」 昏倒したヴィータ副隊長をどうやって運ぶか話しているとき、 当たり前のようにそう尋ねたはんたが怖くてしかたがない。 何ボルトあるか知らないスタンガンにデバイスを変形させて物凄い放電させてるし。 結局、ヴィータ副隊長は昏倒したままスバルの背中に背負われている。 何よりも強烈に印象に残ってしまったのは初対面のときだった。 あたしの魔力弾が戦いの引き金となってしまったとき。 今でもあのミスが塞がらない傷口のように疼くような痛みを心に与える。 なのはさんが次の日あたし達の前に現れたときはそれこそスバルと一緒に幽霊だと 大騒ぎしたくらい、徹底的に冷酷に機械的になのはさんを攻撃 (処理って言うほうが正しいかも)してなのはさんがやられてしまったのを失う前の 意識がかろうじて覚えている。 そのせいか六課のメンバーと紹介された今でもこの男『はんた』に近寄られると 無意識に体が強張ってしまう。 そういえばスバルが初任務の映像を飽きもせずに見直していたけど、 なにか面白いことあったっけ? 相手に先制されちゃったのと、スバルがリニアの天井壊しちゃったのとエリオとキャロが 少し危なかった部分とはんたがリニアを片っ端から穴だらけにしたぐらいしか あたしとしては注意点がなかったように思うのだけど。 それよりもはんた、あれだけの射撃魔法(砲撃魔法か?)を使えるのだったら 最初から援護してくれればいいのにとか思ったし・・・・・・。 「なるほど、スバルさんのお父さんとお姉さんも陸士部隊の方なんですね。」 「うん。八神部隊長も、一時期、父さんの部隊で研究していたんだって。」 キャロの言葉に返事を返しながら、あたしは黙々と目の前の山盛りパスタと格闘する。 訓練の後はお腹がすいてしかたがない。 それにしても訓練の後のご飯ってどうしてこんなにおいしいんだろうね。 「へぇー。」 「しかし、うちの部隊って関係者繋がり多いですよね。隊長たちも幼馴染同士なんでしたっけ?」 「そうだよ。なのはさんとはやて部隊長は同じ世界出身で、フェイトさんも子供のころはその世界で暮らしていたとか……。」 驚きの声を上げるキャロ。 思い出したように疑問を投げかけるティアにシャーリーさんがパンを頬張りつつ 答えてくれる。 「ええっと、たしか管理外世界の97番。」 「そうだよ。」 「97番ってうちのお父さんのご先祖様がいた世界なんだよね。」 エリオの言葉に、山盛りのパスタを手皿に取りながら答える。 あ、エリオのお皿も空っぽだ。 とってあげるとしよう。 子供はたくさん食べて大きくならないとね。 あたしもまだなのはさん達に比べれば子供だけど……。 「そうなんですか?」 「うん。」 「そういえば、名前の響きなんかなんとなく似ていますよね。なのはさん達と……。」 「そっちの世界にはあたしもお父さんも行ったことないし、よくわかんないんだけどね。 あれ?そういえばエリオってどこ出身だっけ?」 「あ、僕は本局育ちなんで……。」 エリオの言葉にティアのパスタを食べる手が止まる。 なんでだろう? 「管理局本局?住宅エリアってこと?」 「本局の特別保護施設育ちなんです。8歳までそこにいました。」 そこまで言われてまずいことを聞いてしまったことに気がついた。 思念通信でティアが怒っている。 あたしはどうしようといわんばかりの表情だっただろう。 「あ、あの、気にしないでください。やさしくしてもらってましたし、 ぜんぜん普通に幸せに暮らしてましたので。」 「あ、そうそう。そのころからフェイトさんがずっとエリオの保護責任者なんだよね。」 「はい!!もう物心ついたときからいろいろよくしてもらって、魔法も僕が勉強し始めてからは時々教えてもらっていて、本当にいつもやさしくしてくれて、僕は今もフェイトさんに育ててもらっているって思ってます。」 年下の子に気を使わせてしまった。 シャーリーさんが話の向きを変えてくれて助かったけど。 今後気をつけよう。 エリオがフェイト隊長との出会い話を続けながら、 どこか思い出すかのような遠い目をし始めた。 「フェイトさん、子供のころに家庭の事情でちょっとだけ寂しい思いをしたことが あるって……。だから寂しい子供や悲しい子供がほっとけないんだそうです。 自分もやさしくしてくれる暖かい手に救ってもらったから……って。」 「羨ましい考え方だな。」 「「「「「えっ!?」」」」」 あたし達みんなが驚く。 空耳じゃない? 今の言葉っていったい誰の……。 周囲を見回したけど、結局誰の言葉かわからずじまいだった。 他の席の誰かの声がたまたまタイミングよくはまっただけだろうって……。 どうして気がつけなかったのだろう。 あたしの後ろの席ではんたさんがパスタに種入りマスタードを丸々1瓶かけていた。 夜の訓練所に笛の音が響き渡る。 「はーい。夜の訓練おしまい。」 「「「「ありがとうございましたー。」」」」 フォワード4人にそう言ってあげたけど、みんなは掠れるように答えるのが精一杯な様子で傍目にも疲れきっているのがわかった。 ティアナとキャロは座り込んじゃってるし、エリオもストラーダを杖にしてるし、 スバルは他の3人よりは大丈夫そうとはいえ、それでも膝に手をついている。 昔のあたしもこんなだったのかな。 「「「「おつかれさまでしたー。」」」」 「はーい。」 「ちゃんと寝ろよー。」 「「「「はい。」」」」 重い体を引きずるように隊舎へと帰っていくフォワード4人に、 ヴィータちゃんが声をかけている。 わたしは端末を操作しながらヴィータちゃんの様子を伺うが、 その表情はどこか不満がありそうな感じだ。 「しかし、お前、本当に朝から晩まで連中に付きっ切りだよな。疲れるだろ。」 「わたしは機動六課の戦技教官だもん。当然だよ。」 「あと、あれだ。なんつうか、もっと厳しくしねぇでいいのか?あたしらが昔受けた新任教育なんて歩き方から挨拶までもうなんでもかんでも厳しく言われてたじゃねぇか。 物凄ぇ癪だけど、あのはんたとかいうやつの言葉も一理あるかもって思っちまった。」 「戦技教導隊のコーチングってどこもだいたいこんな感じだよ。細かいことで叱ったり 怒鳴りつけたりしている暇があったら、模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめしてあげる ほうが教えられる側は学ぶことが多いって。教導隊ではよく言われてるしね。」 「おっかねぇな。おい。」 ヴィータちゃんがどこか引き攣ったような声でそう言ってきた。 当たり前のことを言っているだけだと思うけど。 端末の操作が終わり、訓練場の建物が消えていく。 「わたし達がするのはまっさらな新人を育てる教育をするのじゃなくて、 強くなりたいって意思と熱意を持った魔導師達に今よりハイレベルの戦闘技術を 教えて導いていく。戦技教導だから。」 「まぁ、なんにせよ大変だよな。教官ってのも。」 「でもヴィータちゃんはちゃんとできてるよ。立派立派。」 「撫でるなー!!なんだよー!!」 そう言いながらヴィータちゃんの頭を撫でてあげると 子供扱いするなって言わんばかりに叫ぶヴィータちゃん。 でも、ヴィータちゃん、顔が笑っていたら嫌がってることにならないよ。 「今日の戦闘データ、また分類してデータルームに送っておいてくれるかな。」 「All right.」 「うん、ありがとうね。レイジングハート。」 六課の隊舎への帰り道。 なのはのやつがレイジングハートにそんな声をかけている。 連中は自分達がどんだけ幸せなか気づくまで結構時間が掛かるだろうな。 自分勝手に戦っているときも、いつだってなのはに守られている幸せに・・・・・・。 あたしはスターズの副隊長だからな。お前のことはあたしが守ってやる。 「うん?なに?」 「なんでもねぇよ!!行くぞ!!なのは。」 「うん。ヴィータちゃん。」 あたしの心を読んだみたいなタイミングでなのはが振り返るからまじで焦った。 ごまかすみたいにあたしはそう言ったけど・・・・・・。 どんどん歩みを進めていくあたしの横を笑いながらなのはがついてくる。 「そういえばヴィータちゃんもわたしと同じではんた君に負けちゃった組だね。」 「うるせー!!あれは不意打ちだったからだ。油断してなきゃ負けるはずがねー!! いつかそのうち絶対にぶちのめしてやるんだからなー!!」 「それは楽しみなことだな。しかし、『油断』なんて言うとは冗談のセンスもあったんだな。」 俺は独りでそう呟く。 誰もいなくなった夜の訓練場。 シミュレータに登録された環境、この日は廃墟すらない舗装路、を呼び出し歩みを進めた。 レーダーレンジの内側で面白い会話をしていたからアルファに拾わせてみたが。 是非ともそう願いたいものだ。 そうでないとあまりにも退屈すぎる。 今から始めるのはアルファが視界にデータを送ることができるという時点で 思いついた訓練方法。 毎日のように繰り返し続けているあまりに虚しい戦いだが、 ないよりはマシだと言い聞かせて繰り返し続けている。 「マスター。今日の相手はいかがしましょうか?」 「ニュービートラ200機、殲滅した端からエンドレスで増援。 戦闘論理はサーチアンドデストロイ、イレギュラーあり、ミサイル弾数無制限で。 こちらの装備は・・・・・・パイルバンカー限定としよう。アルファ、セットアップ。」 「了解しました。バリアジャケット展開。それでは戦闘シミュレータ開始します。 シミュレータは2時間継続されますが、中断する際にはお申し付けください。」 周囲に現れたよう視界奔るデータで作られた黄色い丸っこい車の群れ。 そういえば、このミッドチルダでもありそうなデザインだな。 ただ、致命的なまでに違うのは、ルーフ部分にごっそりとミサイルがついていること。 ハンターとして駆け出しのときに戦った1500Gの賞金首。 あのころは戦車があったから、タイヤの機動力を殺せる砂漠で戦ったから、 そしてなにより相手がたったの1匹しかいなかったから倒せたと思っている。 もしも舗装路で無限の増援があれば楽しい戦いができるだろうと思った殺し相手。 周囲からマッハ1で一斉にミサイルが飛び交うのが開始の合図だった。 しかし、なのは達もこのぐらいの訓練をやらせればいいだろうに。 疲れたなんて座り込んだり歩いたりできるなら経験としてたいしたものではないのだから。 ヴィータはシールド系、バリア系、フィールド系とか言っていたか。 全てが潰されるこんな飽和攻撃を前にどうするというのだろう。 フェイトも基本ステップとか言っていたが、飛びのくくらいでこれが避けられるなら ぜひともやってみせてほしいものだ。 動きを止めないで狙わせないという部分には同意だが。 そしてなのは、これを全部撃ち落せるものなら落としてみせろ。 敵を蹴散らしたほうが早いなんていって相手を仕留めに掛かるかもしれないが、 敵の増援が無限だったらどうする。 殲滅戦と消耗戦の区別どころか意味さえ知らないのではないかと思えてならない。 そんな思考を傍らに、蹴り飛ばしたニュービートラが視界を奔るデータ上で宙を舞い、 背中から轢き殺しにかかったニュービートラを宙を舞ってかわしながら パイルバンカーを突き立てる。 ご丁寧にボロキレ、じゃなくてバリアジャケット、にアルファが干渉することで、 本来感じるはずの負荷まで再現してくれる徹底振り。 さて、地面から足を離してしまうのは自殺行為。 それでも本当にどうしようもないときはやらざるをえない回避行動。 もっとも、着地が狙われるのは目に見えている。 いくら経験を積もうとも、決して0にできない着地硬直時間があるのだから。 当然のように着地に合わせてとんできたミサイルの群れ。 しかし、今はこのボロキレ、じゃなくってバリアジャケット、のおかげで 空中で回避動作が行える。 着弾前に文字通り空を走り抜け、別のニュービートラにパイルバンカーをつきたてた。 ああ、しまった。 立て続けに襲ってくるミサイルの雨を回避しながら次から次へとニュービートラを 殴り、蹴り飛ばし、投げ飛ばし、パイルバンカーでぶち抜きつつ思った。 大口径の機銃をぶちまけてアクセルターンを連発してくる、 あの気高き野バス達と踊ったほうが面白かったかもしれない。 戻る 目次へ 次へ
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数ヶ月ぶりのゼラバイア襲撃から4日後、スバルがかつて所属し、妹のノーヴェや友人のチンク、セイン、ウェンディが所属している陸上警備隊第386部隊の隊舎にノーヴェ達当ての手紙が届いていた。 「これは……」 「手紙見たいっスね」 「とりあえずあけてみようよ」 「そんじゃ、あけるぜ」 ノーヴェが4人を代表して手紙を開けるそこには二つの紙が入っていて、その事を知らなかったために二つの紙は床に落ちる。 「うん? 二つあるぞ」 「どれどれ」 チンクが落ちた二つの紙を拾い上げて見てみる。 「ふむふむ…」 「チンク姉、何が書いてあるんだ?」 「一つは私達に書いた手紙ともう一つは何かよくわからん」 「だったらそのあたし達当ての手紙を読んでみようーー」 セインが元気よくそう答えて、4人は固まってスバルが書いた手紙を見る。 『ノーヴェ、チンクさん、セイン、ウェンディへ 元気ですか? あたしは元気です。でもまたゼラバイアが現れてからは、訓練が前以上にハードになってヘトヘトです。 でもそんなヘトヘトでもあたしは頑張っています。それはなのはさんやティア達があたしを支えているからです。 それにそう簡単に倒れたらノーヴェ達にも笑われるからね。だから気にしないで下さい。それじゃあ……。 スバル・ナカジマより。 P.S. もう一つの手紙はあたしがいるところを簡単にした地図です。よかったら来てね』 4人はスバルの書いた手紙を読み終えるとそれぞれ自分の思ったことを口にする。 「スバルの奴……」 「元気にやっているようだな」 「でもこれ地図だったんだ」 セインがもう一つの紙に書かれていた地図を手にして言う。 「ちょっとわかりにくいっスね……」 第10話 懐かしき再会 スバルの手紙をもらってから3日後、ノーヴェ達は上司に無理を言って何とか休暇をもらい、スバルの書いた地図どおりの道をたどっていた。 もっともスバルの絵があまりに下手だったので、絵のうまいウェンディが可能な限り書き直したものを参考にしているのだ。 そして4人とも休暇であり、遊びに行く感覚で私服を着て行っていた。 ノーヴェは少々分厚い紺色のジャケット(実はスバルのとほとんどおそろい)で長ズボン。チンクは見た目に合わせたのか、10歳くらいの女の子が着そうなフリフリでピンクと白交じりの服とコートでミニスカート。 セインはいたってシンプルな服で少し長めのスカート。ウェンディは少し寒い時期なのにも関わらず胸元が開いた服で胸を少しだけ見せ、上着を着てセインと同じようなスカートを履いていた。 「しかし、本当にここでいいのかよ?」 ノーヴェが愚痴をこぼす。歩いても歩いても森が続いているだけなのから無理はない。 「でもスバルのあの地図を解釈するとこの道であってる筈なんっスけどね……」 「まだ道がある。もう少し歩いてから考えるぞ」 チンクが3人の先頭に立って三人を引率する。 4人は気付いていない。自分達の周りに監視用の透明の犬の群れがいて、カメラを隠し持っている事に……。 犬の群れにつけられているカメラは、教会の監視用モニターと繋がっており、監視の為に何人かのシスターがノーヴェ達の姿を見ていた。 「うーん」 「どうした?」 きちんと仕事をしているか見に来たシグナムとお茶を入れてきたアイナが監視部屋を訪れてきて、考えているシスター達に尋ねた。 「ああ、シグナムさんにアイナさん」 「実はですね、今教会の裏の方から侵入者の女の子が4人ほどこちらに来てるんですよ」 「女の子が4人?」 「ええ、この子達です」 シスターの一人がノーヴェ達の映るモニターをズームアップさせる。シグナムとアイナはそれが誰なのかすぐにわかった。 「どうします? 身元照会しますか?」 「する必要は無い」 「え?」 シグナムとアイナは二人して笑顔で答える。 「「あの子達は、知ってる子達だ(ですから)」」 ノーヴェ達が来たことはシグナムとアイナの通信ですぐにヴェロッサとクロノに伝えられた。 「ヴェロッサ、客が来たぞ」 「客だと? ロッサ、今日は客人と会う約束はなかったはずだが……」 「まあ、客人と言ってもヴェロッサさんの客人と言うには違いますけど、客人が来ました」 「…わかった。出迎えようか」 ヴェロッサは飲んでいた紅茶のカップをテーブルに置き、出迎えの準備をしに部屋を出た。 一方ノーヴェ達は目的地が見えないことに苛立ちを隠しきれないでいた。 「くそ! 全然見えないぞ! ウェンディ! 本当にあってんのか?」 「文句はスバルに言って欲しいっスよ。あたしも少し疲れてきたっス」 「なら、こういう時はファイトーーーーーー!」 「いっぱーーーーーーーーつ!」 「まだ余裕あるじゃねえか!」 セインとウェンディのボケにノーヴェがツッコム。 「お前達、そうカリカリ…、うん?」 チンクが何かを見つけ、足を止める。ノーヴェ達もすぐに足を止めた。 「チンク姉、どうした?」 「いや、前に人がいるのでな…」 チンクがその方向に指を刺す。チンクの指の先には馬に乗っているシグナムとアイナ、そしてバイクに乗っているヴェロッサの姿があった。 「やあ、始めましてだね」 ノーヴェ達はヴェロッサ達のバイクや馬に乗って休みながら教会の方へと進む。 「なあ、あんたがヴェロッサって奴なのか?」 「ああ、そうだけど……」 「スバルの奴は…」 「てことは君がスバルの妹のノーヴェだね。スバルは元気にしてるよ」 「そうか……」 ノーヴェはその事を聞いて少し安心した顔をする。 聖王教会のトレーニングルームではスバル達グランナイツがトレーニングをしており、今ちょうどトレーニングを終え、休憩の為に広間に行こうとしていた。 「最近トレーニングがきつくなったような気がしない?」 「ゼラバイアがまた現れたからね。今まではまだ優しかったくらいだと思うよ」 「まだまだきつくなるみたいだから覚悟しておいた方がいいわよ」 「そんな~~~~」 なのはとドゥーエの言葉にスバルは疲れきったようにへこたれながら歩く。 スバル達が広間に入るとスバル達の目の前にはノーヴェ達がソファで座っていた。 「スバル、久しぶりだな」 「チンクさん! それにノーヴェにセインにウェンディも!」 「スバル、久しぶりっス!」 「久しぶり!」 ノーヴェ達はすぐにスバルや顔を知っている他のメンバーと話し合う。 「いやー、ティアもこっちにいたとは驚きっスよ」 「こっちだってあんたが来るなんて思わなかったわ」 ティアナはノーヴェ達とは顔見知りであった。特にウェンディとは訓練校からのライバルであり、いつもウェンディはティアナにライバル意識を燃やしつつも仲のいい友達でいたのだ。 「リインは元気だった?」 「はい元気ですぅ!」 「ユーノも?」 「まあ僕も元気かな……」 セインはリインとユーノと仲良く話している。 そして意外なもう一組。 「チンク、久しぶりね」 「ドゥーエ、随分久しぶりだな」 ウェンディやセインが懐かしい友人と明るく話す中、少し離れた場所でチンクとドゥーエが紅茶を飲みながら話している。 「ドクターの下を離れているのはわかっていたがまさかここに居たとはな…」 「あら、悪かったかしら?」 ドゥーエは少し憎たらしそうな笑いをしながらチンクに言う。 「いや、ただスバルから聞いていなかっただけだ。それにしてもお前も変わらないようだな」 「あなたたちもね……」 そんな再会をしている中で部屋の片隅でスバルはクロノに説教をくらっていた。 「お前はここを観光施設にでもするつもりか? ここは教会だから拝みに来る人はいるが……」 「そういうつもりじゃないです。それに命がけでグラヴィオンに乗って戦っているのはあたし達が戦ってるのに地上本部の手柄ってのも………」 「僕達の使命はゼラバイアからこの世界の生命を守ること。僕達がどう思われようが関係ない。それだけはわかってくれ」 仮面の下のクロノの目には何かを秘めた目をしているのを誰も気付かなかった。 クロノとスバルのやり取りを見てノーヴェはぼやく。 「あいつ、あたし達が来たから怒られてるのか? それだったら悪い事したな……」 「うんうん、全然悪くないよ」 ノーヴェのぼやきに気付いたなのはとフェイトがノーヴェに近づいて、なのはがノーヴェに言った。 「それに普段は私達あてのにお客さんがいないからむしろ大歓迎だよ」 「それならいいけど……」 スバルがクロノの説教から解放されてすぐに聖王教会に仕えて長く、ヴェロッサと親交の深いシャッハ・ヌエラとヴィヴィオとキャロとルーテシアが広間にやって来た。 「皆さん、これから皆さんを機動六課の本部のこの聖王教会の見学をしますね。私はこの聖王教会のシスター、シャッハ・ヌエラと言います。よろしくお願いします」 ノーヴェ達がシャッハ達に連れられて、色々なところを見て回る。 最初は表向きで普通の教会の聖杯堂など退屈になりそうなところばかりだったが、表向きの案内を終えると次は真の行動をしている部分の案内に入った。 「そしてここが私達機動六課の秘密兵器、いえ、ミッドチルダの楯、グランディーヴァやグランカイザーのある格納庫です」 「うわ~すごく広いっスね~~」 格納庫のあまりの広さに一同は驚きを隠せないでいた。 「この戦闘機って……、この前スバルが乗ってた奴っスよね?」 ウェンディがGアタッカーを指差してシャッハに尋ねた。 「はい。こちらはGアタッカーとGストライカーと言って、合神後はグラヴィオンの足になるんです」 「足か……。スバルの奴ちょっと不憫だな」 「そうだね。足って……」 スバルが足担当だと聞いて、ノーヴェとセインは少しスバルを哀れんだ。 「いや、確かにスバルはGアタッカーに乗る時はありますけど、スバルは基本的にグランカイザーに乗ってるんですよ」 『グランカイザー?』 「はい。後でお見せしますが、グランカイザーには今まではなのはさんが乗ってたのですが、スバルが来てからはたまになのはさんが乗るくらいで今は主になのはさんがGアタッカーに乗ってるのですよ」 「ふーん、そうなんだ」 「ちなみにGストライカーはドゥーエさんが乗ってるのですよ」 「ドゥーエか……」 チンクはその言葉を聞いて、少し息を洩らした。 「チンク姉?」 「いや、なんでもない」 チンクは何も無かったかのように冷静を振舞う。 「で、この下にあるドリルマシーンはなんっスか?」 ウェンディが下の方にあるGドリラーの事を尋ねようとすると、近くにいたマリーが答えた。 「あれはGドリラーと言ってフェイトちゃんとティアナが乗ってるんだよ」 「ああ、ティアはあれに乗ってるんだ」 「しかしなかなかいいッスね。ドリルが螺旋じゃないところがまたすごいっス! こだわりを感じるっス!」 「お、なかなかいいところに目をつけるね」 マリーは嬉しさを感じた。 「そしてこのドリルは天をも貫くドリルで、世界を守るんっスね!」 「世界を守るところは否定しないけど、天を貫いたら……」 Gドリラー、グランカイザーの説明を終えた後はグラヴィオンの戦いの記録と技集を映像で見ることになり、セインとウェンディは大興奮だった。 「おお、これは『オープンゲット』!」 「これは『エルゴブレイク』って言う分離なんだけどね…」 「『エルゴブレイク』って言うよりも『オープンゲット』の方がいいっスよ!」 「よし、後でスバル達に言って改名してもらおう!」 (まあ、スバル達も少しは勝手に改名してたりするけど…、まいっか) マリーは二人のロボットの熱に関心すらしたそうだ。 「次は司令室を案内します」 「司令室って何をするところなんだ?」 「そうですね。グランナイツの人達に指示を……」 シャッハ達が司令室に入ると、そこには何故か袴姿のヴェロッサが立っていた。 「ロッサ、何を?」 「皆、ピクニックに行くよ」 『ピクニック~~~~?』 その言葉にスバル達やノーヴェ一行は声を合わせる。 「そうだよ。客人を楽しませるにはもってこいだと思ってね。それに今日は天気がいい。 と言うことで、グランナイツの諸君、ピクニックに発進だ!」 皆私服に着替えて、近くの山までピクニックに出かけたのだが何故かグランカイザーやグランディーヴァまで持ち出してのピクニックだった。 ドゥーエ以外のメンバーは以前に買出しをした時とそんなに変わらない服装であった。 ドゥーエは今回はシスター服ではなく、大人の女性をかもし出すような少々セクシーな服でズボンは長いのを着ていった。 「あの、何で?」 「ああ、これ一応出撃だからね」 ティアナの疑問にヴェロッサは笑いながら答えた。 「ははは……」 ティアナは思わず苦笑いをしたそうだ。 そしてピクニックシートが広げられ、急いで重箱に入れられていた料理が次々に並べられた。 「皆、自分の席に飲み物はあるかい?」 『ありまーーーーーーーーーす(っス)』 「今日は無礼講だよ。皆、それじゃあ、乾杯」 『かんぱーーーーーーーーーーい(っス)!』 皆でわいわい騒ぐ。その途中、マリーが面白い映像を見せると言って、皆の前である映像を出した。 それはスバルが始めて聖王教会に侵入してきた時の大人の女性の変装姿であった。 「え、これスバルっスか?」 「そうだよ~~~~~」 「スバル、あんまり色気ないっスね」 「まだあたしの方が色気あるでしょ」 「………」 セインが魅力的なポーズを取り出したが、チンクとノーヴェは何も喋らず黙っていた。 「そんな事ないよーーーー。この後すぐに男の人に声をかけられたんだから……」 「早送り~~~」 マリーが映像を早送りすると、次は変装していたスバルにヴァイスが声をかけてスバルが思いっきりグーで断った場面だった。 「ほらね」 「あ、でもこの人って……」 「ヴァイスって人っスよね」 「え? 誰?」 スバルが知らないようなのでチンクが説明をした。 「ヴァイス・グランセニック。階級は陸曹。地上部隊でレジアス中将の直轄の部下。腕はAAランク魔導師にも劣らないが少々女性に声をかける癖がある曲者だそうだ」 「へえ~~~~~」 「お前がいなくなる前から有名だぞ。知らなかったのか」 「全然」 「はあ、本当に駄目な姉だな…」 スバルの無知にノーヴェがため息を洩らす。 「ク~~~ロ~~~~ノ」 「うん?」 クロノは呼び声が聞こえたのその方を見ると、目の前にはビール缶を持って少し酔っ払い気味のドゥーエとシャマルが立っていた。 「あんたも飲みなさい。あんたも飲めるんでしょ」 「いや、僕は…」 「あら、こんないい女二人が誘ってるのよ。いやだっていうの?」 「………」 (うん? 何か知ってるような匂い……。まあいいわ) ドゥーエはクロノにここまで近づくのは初めてだったが、自分が知っているかすかな匂いがクロノからした気がするがドゥーエはあまり気にせずシャマルと共にクロノに酒を勧めた。 皆でまたしても騒ぐ。スバルの近くにノーヴェが真剣な顔をして、スバルに話しかける。 「スバル」 「うん?」 「ギン姉には会えた?」 スバルはギンガの事を聞かれてさっきまでとは違い、悲しそうな顔をした。 「うんうん、まだ」 「だよな」 「どこ行ったんだろ? ギン姉」 「そうなのよ~~~~~。どこ行ったのよ!? ギンガ!」 スバルとノーヴェが真剣に話をしている中にさっきよりも酔っ払い度が増したドゥーエが入ってきた。 「え? ドゥーエさん、ギン姉、知ってるの?」 「知ってるというか、同僚だ」 スバルの質問にチンクが答えた。 「チンクさん」 「チンク姉」 「ギンガはドゥーエと同じ所属だ。その時ドゥーエとギンガは知り合った。私もその時ドゥーエと付き添って、ギンガと知り合ったんだ」 「そうだったんだ」 「ところでチンクさんとドゥーエさんってどういう関係ですか?」 「姉妹だが? 何か?」 「え?」 その言葉にスバルが唖然とする。スバルは次に冷静にドゥーエとチンクを見比べる。 (確かに姉妹みたいだといえばみたいだけど……) 『チンクさん』 『うん、念話か』 スバルは皆に聞かれるとまずいと判断し、念話に切り替えてチンクに尋ねた。 『つまりドゥーエさんはチンクさんやセインにウェンディ、それにギン姉やあたしにノーヴェと同じ……』 『ああ、ドクターが作った「戦闘機人」だ』 その事を聞いてスバルの表情は重く沈む。 『戦闘機人』とはスカリエッティが考案したとされる、人間と機械を融合させた兵器。簡単に言えばサイボーグである。 その骨格は機械のもので、通常の人間の何倍も体は丈夫であり、戦闘能力も一人ひとり違うが高い。 ノーヴェが前にスバル達を庇った際に腕から機械の部分があったのはそのためだ。 ドゥーエ、チンク、セイン、ウェンディ、(ウーノ)はスカリエッティ自身が作り出した戦闘機人で、ギンガ、スバル、ノーヴェは別の人間が作り出した戦闘機人である。 戦闘機人は血の繋がりなどは本当はないのだが、皆姉妹のように接している。(ギンガ、スバル、ノーヴェは母のクイント・ナカジマの遺伝子から作り出されているため実姉妹で間違いではない) ノーヴェは一度事故でスカリエッティにより改造されていて、その際にスバル達はチンク達と会い、仲良くなったのだ。 スバルは自分達が「戦闘機人」であることは最初は気にしていたが、今ではさほど気にしていない。それでもまさか「戦闘機人」がまだいたのかと思うと何となく。 チンクはそれを見てフォローするように付け加える。 『だが、「戦闘機人」でも関係ない。ドゥーエもこうしてお前達の仲間になってるじゃないか。これからもやっていける。私が保証する』 『チンクさん……。そうですね。もう少ししたらなのはさん達にも言います。あたし達のこと…。ティアもちゃんとわかってくれたし』 ティアナはスバル達が戦闘機人である事を知っている。それは訓練校時代の時にスバルが突然カミングアウトをしたのだ。 最初聞いた時は戸惑いを隠せなかったが、すぐにいつもどおりに戻った。その時ティアナはこう言ったのだ。 (あんた達が戦闘機人でも別に何も問題ないわ。それにあんた達はあんた達。それ以外の何者でもないでしょ。だから戦闘機人だなんて関係ないわよ) その言葉にスバルは心を打たれ、泣いた。ティアナが真剣に受け入れたのだ。きっとなのは達も受け入れてくれる。 (だってなのはさん達やさしいもん) 『ただ……』 『?』 『ドゥーエの事だ。恐らく……』 チンクはドゥーエの目的(あくまでチンクの予想)をスバルにだけ念話でこっそり教えた。 『だが、仮にそのような事があってもドゥーエを見る目を変えないでくれ。ドゥーエは仲間を見捨てるようなものではない』 『わかりました。もしそうなってもあたし、ドゥーエさんを信じてみます』 『頼む』 チンクは心の中でスバルに頭を下げるようにスバルに感謝した。 「捜しても、捜しても、見つからないのよ~~~~~!」 しかし、今目の前にいるドゥーエはビール缶を勢いよく飲む酔っ払いにしか見えなかった。 「…まあ、ドゥーエの事、頼むぞ」 「はい……」 ドゥーエはその酔っ払った勢いで、リインとヴィヴィオとユーノ(人間)のいるところにフラフラ歩いていき、何ととんでもない事をした。 「ユーノ~~~~」 「な、何ですか?」 「あなたの力でギンガを探し出して~」 そう言うとドゥーエは持っていたビールをユーノめがげてぶっ掛けた。 「やめて、僕はまだ未成年……」 「フェレットになれば問題なし」 ドゥーエはビールをユーノに何度もぶっ掛けた結果、ユーノは酔っ払ってしまいフェレット形態になってなのはの頭の上に乗ってしまった。 「あらあら」 「何か久しぶりかな。ユーノ君が私の頭の上に乗ったりするの…」 なのははユーノとまだ会ったばかりの頃を思い出したそうだ。 「皆、楽しんでいるようだね。ピクニックに来て正解だったかな」 ヴェロッサが皆の様子を見て和んでいると、その意見と反対のものが二人。 「皆、楽しんでるのね」 「そう、楽しんでるだな」 それはドゥーエに酒を飲まされたシャマルとクロノだった。 「君たちはそうでもないようで………」 「いえいえ、楽しんでますよ!」 シャマルが酔っ払ってヴェロッサに顔を近づいて意見する。 「そうか…。ならいいです…」 ヴェロッサもそれ以上は言えなかった。 その一方で、酔っ払いドゥーエの頼みでGドリラーの中にあるおつまみを取りにノーヴェとウェンディが行ったのだが、中に入ったウェンディがとんでもない事をした。 「あ」 「お前…」 「何か押しちゃったみたいっス」 するとGドリラーが動き始めて前へ爆走し始めたのだ。 「「うわああああああああああ」」 「あ、ありゃーーーーー」 「追うぞ!」 シグナムが先陣を切って飛んで行き、なのは達もグランディーヴァに乗る。 「あの何でこっちに乗ってるんですか!?」 スバルは自分の近くにあったGアタッカーに乗ったのだが、フェイトとティアナも乗っていたのだ。 「仕方ないでしょ、急いでたんだから!」 「それにあっちはドゥーエがいるし…」 フェイトが言うドゥーエは今は酔っ払ってGストライカーの運転がまともではなく、少々ふらついていた。 「確かに…」 「リイン、Gドリラーは?」 「ダメです。見つかりません」 「こっちにいたよ」 なのはのグランカイザーがGドリラーを捕捉した。 「外部に異常なし。生体反応も大丈夫。二人とも無事だよ」 「なのはさん、何とか止めれませんか?」 「ダメ、グランカイザーのコマンドを受け付けない。このままフォローするわ」 「了解。皆なのはの所に集合~~~」 何故か酔っ払いのドゥーエが先頭になってグランカイザーとGドリラーのところに向かう。 「そう言えば、ユーノさん…。なのはさんの頭の上にいますけど…。気に入ったのですか?」 リインが密かにモニターから見てそう思った。 「マリーさん、何で止められないの?」 モニターで見ているアイナが近くにいるマリーに尋ねる。 「多分、パーソナルロックがかかってんです。これじゃあ、全てのコマンドは受け付けません。止めるにはマスターキーで再起動して合神しかありません」 「マスターキーは?」 「ピクニックに持って行きませんよ。普通…」 「ですよね……」 「再起動すればいいんだね?」 突然の声にマリーやアイナが驚く。 実はヴェロッサは既に自身のバイクでGドリラーのところに向かっていたのだ。 「あ、ヴェロッサさん。そうです! ですが、直接Gドリラーにアクセスする必要があります」 「僕が乗り込んで再起動させる。各グランディーヴァ、合神準備。Gドリラー再起動と同時に合神」 『了解!』 「さあいくよ、雷鋼馬(らいこうば)」 自身のバイクの名前を呼んで谷を飛び、大地を駆ける! そしてついにGドリラーのコックピットにたどり着く。 「君達、怪我はないかい?」 「大丈夫っス!」 「そうか」 ヴェロッサはすぐにコントロールパネルの前に行き、クリスタルをコントロールパネルに押し付け再起動させた。 「グランナイツの諸君、合神せよ」 合神が承認される。 「「エルゴ、フォーーーーーーーーーム!」」 なのはと頭の上にいるユーノが同時に叫び、グランカイザーを包み込むフィールドが現れる。 「「超重合神!!」」 なのはとユーノが叫び、なのはが目の前のパネルを拳で押す。 そして重力フィールドにグランディーヴァが飛んで行き、グランカイザーの手足となり合神し、ゴッドグラヴィオンと化した。 「ふう」 「とりあえず、皆大丈夫?」 なのはがGドリラーの方にいるノーヴェとウェンディの所に通信を入れる。 「何とかな…」 「大丈夫っス」 「皆、よかった~」 セインが通信を聞いてほっとする。 「もう、ドゥーエ。今度からグランディーヴァにおつまみを入れないで下さい」 「……、まあね」 フェイトに叱られ、今回の事でさすがのドゥーエも反省した。 「あ、そう言えばユーノ君。私の頭の上に乗ってたんだった」 「ユーノさん、気に入ったのですか?」 フェレットのユーノが腕を組んでなのはの頭の上にいるのをリインは少し羨ましそうに思いながら言った。 『はははははははは』 皆笑いながら今回のピクニックを終えた。約二名を除いて………。 「もう、何でこうなるのーーーーーー!?」 今回の騒動により、マリーはグランディーヴァのプロテクション修正を一晩中やるはめになったそうだ。 そしてもう一人はと言うと………。 「ああ、飲みすぎたわ」 クロノの部屋ではクロノが仮面を外して、一人ベッドで横たわっていた。 しかしそれにしては妙である。何故か言葉が女口調なのだ。 「もう私は本当はまだ20歳じゃないのに無理して飲みすぎた~~~。もう3年までは絶対お酒は飲まないわ」 そう心に決めたクロノ(?)であった。 前へ 目次へ 次へ
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ホラーゲーム、超常現象 a.『バイオハザード』『死国』 by ひゅうがさま、ヒナヒナさま b.SIREN 憂鬱Translation by ヒナヒナさま 1.半分ネタSS――「海から来た怪物」その1 2.半分ネタSS――「海から来た怪物」その2 3.エピローグ――同 帝都某所 MMJ秘密集会場 by ひゅうがさま HELLSING 1.憂鬱版HELLSING by 雑談スレ その2 846名無しさま 2.偉大なるヒラコー将軍様は永久に不滅です by ひゅうがさま ジパング 1.「ジパング(笑)にお客さんが来ました」 2.「ジパング(笑)にお客さんがきました」その後 by ひゅうがさま 1b.「ジパング(笑)にお客さんが来ました」勝手に3次 by ヒナヒナさま 猫神やおよろず 1.猫神やおよろず 2.猫神とのクロスSS by earthさま 同 帝都東京 明治神宮 by ひゅうがさま TypeMoonとのクロス作品 第四時聖杯戦争1 第四時聖杯戦争2 外部URLです。第四時聖杯戦争 上記はAAなので外部URLに接続しています。(wikiでも見やすい環境を作る努力中です) 和服セイバー黒髪化=日本撫子 某スレ支援 外部URLです。和服セイバー黒髪化=日本撫子 某スレ支援 上記はAAなので外部URLに接続しています。(wikiでも見やすい環境を作る努力中です) by ◆4b64ie/xbQさま 1.あの人が聖杯戦争に放り込まれたようです 2.第3次聖杯戦争にあの人+αが乱入するようです by ひゅうがさま 第三魔法に到着 by earthさま ネタ短編『夢幻会的ア―ネンエルベの一日』 トウキョウフーチ by 第三帝国さま 型月的夢幻会 by New ◆QTlJyklQpIさま 憂鬱アイマス 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その2】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その3】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その4】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その5】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その6】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その7】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その8】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その9】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【その10】 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです 補足説明 憂鬱しぶりん設定集 by 四〇艦隊の人さま 番外編 【ネタ】渋谷凜は平行世界で二週目に挑むようです【番外編】 【ネタ】渋谷凛は平行世界で二週目に挑むようです【番外編その2】 【ネタ】渋谷凛は平行世界で二週目に挑むようです【番外編その3】 by 四〇艦隊の人さま アイマス×ストパン クロス アイドルルーデルネタ 24時間ライブ by 248-249名無しさま 四〇艦隊の人様 支援SS 憂鬱×アイドルマスター×ストパン? {by 影響を受ける人さま)
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クロノは任務中に保護した管理外世界の男性に頭を悩ませていた。 保護したのは年は二十歳前後、体格の良く顔も整っている人間だったと思われる男性。 だったと思われる、というのは今は見た目にはわからないが、拾った時は昆虫っぽい亜人だったからだ。 第一、人間は…人間以外でもほとんどの生き物は、例えSランクオーバーの魔導士だろうが、生身で宇宙空間に漂っていて無事だったり、この船の検査を無意識に無効化したりはできない。 …船に回収してからすぐにクロノ達は彼の検査を行った。 だがその男を詳しく調べようとしたその時…不思議なことが起こった。 補佐であるエイミィと担当者しかまだ知らない事実だがいくら調べようとしても何も見えてこなくなったのだ。 クロノは記録されていたその映像を見て色々な手を試した無駄な時間を思い知りため息をつき、クロノの意識は男性を保護することになった経緯を思い返す…それはある管理外世界が滅んだことが観測されたのが始まりだった。 まず管理外世界は基本的に不可侵である為、詳しい事情はクロノ達にもわからないということを先に述べておく。 その世界の統一国家であるクライシス帝国は、管理局が禁忌とする質量兵器と強力な兵を多数保有しており、独特の文明を発達させていた。 宇宙空間にも進出していることなどが確認されており、本来は管理世界の一つに数えられるはずだった。 だがどういう経緯か、未だ管理外世界とされており、交渉も殆ど行われていなかった。 そんなクライシス帝国だったが、先日突然その世界も巻き添えにして滅びたらしい… それだけなら管理局の上層部は、質量兵器等は危険であると言う認識を深めるだけで終わっていただろう。 他にも何らかの理由で滅びの危機を迎える管理世界が100以上もあるのだから。 だがそれが止んで暫くたったある日のこと。 ほんの一瞬だけ、クロノが乗るこのアースラの総エネルギー量がカスに思えるほどの超超高エネルギーを秘めた何かが、その付近で観測された。 (観測されたエネルギー量からいって、無関係だとしても遠からず原因究明に派遣されていただろうが)恐らく、それがクライシス帝国を滅ぼした原因ではないかと管理局は予想し… その捜索のためクロノらに消失した地点に向かい痕跡を探るよう命令が下った。 そこで見つけたのが、この男性、『南光太郎』だった。 名前は寄り添うように漂っていたバイクと車もクロノ達はアースラに収容しており、その二機から聞いた。 回収した時の光太郎の姿と同系統のフォルムを持つ二機が(魔力などは全く持っていないようだが)意思を持ち、話を聞くことができたのは行幸だった。 昆虫っぽい亜人の姿から人間の姿になったのはつい先程、検査を止めて暫くしてからのことだった。 …戻ったら戻ったで全裸で、一目でわかる程鍛えられた体と『凄く…世紀王です』ということはわかったが、どうでもいいことだ。 この男性の名前は南光太郎。21歳…クロノの、妹みたいな友人と同じ地球の日本出身らしい。 バイクも車も、詳しくは教えてはくれなかった。 乗り物とはいえ、強引な手段を使うことを好まないクロノは無理に口を割らせたりはしなかった。 クライシス人が地球に潜入していたと言うのだろうか? それとも地球人が何らかのアクシデントに巻き込まれクライシス帝国にいたのか。 管理世界のどこかから違法に地球とクライシスを行き来していたのか。 疑問は尽きなかったが、光太郎が目覚めれば解決するだろうし、クロノの頭を悩ませている問題ではなかった。 ただ、二台がクロノが地球のことをそれなりに知っているのに『南光太郎』の亜人形態を知らないことに戸惑いを見せていたのが気になった。 体の検査を諦めたものの、もしもの時は軟禁できるよう用意された別室にクロノは入る。 光太郎が寝かせられた備え付けのベッド以外に殆ど何もない部屋は、清潔感のある白系統の色で統一されている。 部屋の中へとクロノは足を進め、絵や写真の一枚もなく、殺風景な部屋で寝息をたてている光太郎の様子を伺う。 存外整った顔に浮かぶ表情は険しく、何か悪い夢でも見ているようだった。 時折、「教えてくれ…キングストーン」とか寝言を言っているが、何のことかまではクロノにもわからなかった。 まさか人名などではないだろうが。 クロノが悩んでいるのは、光太郎をどうするかだった。 法的には何も問題はない。クライシスも地球も管理外世界だし、犯罪らしい犯罪を起こして捕まえたわけでもない。余罪も、多分無い。 何故あんな場所にいたのか追究は必要だろうが、重要参考人程度で済むだろう。 どちらの世界で何をしていようが、それは管理局が裁くものでもない。 自分が調査している原因に深く関わっているだとか、普段からクロノ達が回収・管理して回っている『ロストロギア』に即認定されるであろう 『キングストーン』を二個持っているなどとは思いもしなかったクロノは光太郎の罪状などについては、そう考えていた。 いや、もし持っていると考えても『八神家』という前例をよく知っているクロノの考えは変わらなかっただろう。 ちなみにロストロギアとは…過去に滅んだ超高度文明から流出する特に発達した技術や魔法の総称で危険なものも多く、主に時空管理局が管理していた。 今クロノが気にしているのは、罪科ではなくクロノ達では検査できなかった肉体をそのまま報告すれば本局がどう判断するかだった。 宇宙空間で生存可能な人間…強引に管理下に置かれ実験に協力させられることになるのだろうか? 「…ここは?」 考えに耽っていたクロノは男が発した声に目を見開き、光太郎を見た。 光太郎の目が薄く開いていた。男が目覚めるのを見ながらクロノは顔を顰め、光太郎をモニタしているはずの担当者へと通信を繋ぐ。 担当者から帰ってきた答えはデータには全く変わりない、ということだった。 クロノの表情は報告を聞いてより険しくなる。 覚醒することも察知できない隠蔽能力ってなんだ? もし逃げられて一旦見失ったら発見は困難かもしれない。 実験体になることを強制されるのでとか気にするクロノの嫌な予感を更に加速させながら光太郎は体を起こした。 「目が覚めたか」 「君は…」 意識が完全に戻っていないらしく、目を瞬かせた光太郎は次の瞬間クロノの肩を掴んでいた。 クロノは肩の痛みで呻き声をあげるのをどうにか堪える。 思っていたよりも、遙かに素早い。 出世をして前線を退いたとはいえ、未だ一線級の魔導師であると自負していたクロノは反応が遅れたことに自尊心を傷つけられた。 光太郎の方は、そんなことを気にする余裕など持ち合わせていない。 クロノの肩を握り潰しかねない強さで掴みながら、光太郎は詰問する。 「クライシスはッ! 地球はどうなったんだ!?」 「落ち着け…ッ、」 そう言ってクロノは手を退けようとしたが、光太郎の腕はビクともしない。 肩を掴む光太郎の、改造強化された手の力は次第に強くなっていく。 「これが落ち着いていられるかよッ、頼むから教えてくれ!」 「痛いんだ!! 僕の肩の骨が砕ける!! 教えてやるから落ち着けと言ってるんだ…!」 「す、すまない…」 苦しげなクロノの言葉を耳にし少し冷静さを取り戻したのか、光太郎は掴んでいた肩を離してクロノに詫びる。 自由を取り戻したクロノは、肩の痛みを我慢しながらクライシス帝国のある次元世界が滅んだ事、地球は無事である事を説明しはじめた。 クライシスが滅んだ事、地球は無事だと言う事を聞いた光太郎は一瞬笑い、今は深い悲しみを表に出す。 「今度は僕から質問させてくれ。クライシスが何故滅んだかや君が何故あの場所にいたのか。君の出身なども含めて知っていることを」 「世界が滅んだのは、多分…俺が、クライシス皇帝を殺したからだ」 クロノは(他人からみれば少しの間だったが、)暫く二の句が告げられなかった。 ……何を言ってるんだコイツは?というのが素直な気持ちだった。 クライシス皇帝を殺す事と世界が滅ぶ事は関連性などないようにクロノには思える。 死ぬ前に皇帝がロストロギアを暴走させ、世界を道連れにしたということだろうか? 皇帝を殺したことについては、それこそクロノの権限ではどうにもできない事柄だ。 管理外世界で人殺しが行われたら、それはその世界の法で裁かれる。 だがその世界も滅んでいたら…? 管理局はその場合代わりにやるような機能は無い。 突拍子も無い話に困惑するクロノに、光太郎は憂い顔のまま説明を続ける。 「クライシス皇帝の力は怪魔界全体に広がっていたらしい。奴を殺せば怪魔界全てが滅ぶ。そう奴は言っていた」 「…信じがたい話だな。それで君は、どうしてそんなことを?」 少し身を引き、何かをしようとしたなら今度は返り討ちにする用意をしながらクロノは質問を重ねた。 だがその質問には光太郎は意外そうな顔をした。 「? 知らないのか? クライシス帝国は地球を侵略してたからじゃないか」 「なんだって?」 「本当に知らないのか!? 帝国50億の人間を移住させる為に、クライシス帝国は色んな怪人を送り込んでいただろう!?」 興奮状態の光太郎を宥めながらクロノは記憶を探ったが、やはりクライシス帝国が地球に攻め込んでいたと言う話は記憶に無い。 そんな話があれば義妹達から真っ先に聞かされているはずだ。 「そんな話は、聞いたことが無いな…」 疑わしげに返すクロノに、光太郎は怒りを隠さなかった。 「冗談きついぜ。ゴルゴムから半年、やっと平和になった日本に奴らが侵攻していたことは、全世界で知られているはずだ」 「ゴルゴム?」 これもまた前回地球を、海鳴を訪れた時には全く聞かなかった話にクロノの困惑は深くなっていく。 ゴルゴムという単語にも困惑した表情を深くするだけなのを見て、光太郎は怒りを通り越し、呆れたようだった。 「ゴルゴムも知らないのか? 話にならないな…他に誰かいないのか? ニュースとかに目を通してる人とかさ」 少しクロノを笑う光太郎に、クロノは不愉快さと持つと共に何か…決定的に見落としていることがあることを確信していた。 「僕だって大きなニュース位は聞いている。君こそ、どうも僕の知る地球とは違うように感じるんだが」 「はぁ? 地球が二つあるって言うのか? 悪いが、冗談なら俺は」 「冗談じゃない! いいか? 少し話を整理するから僕の質問に答えてくれ」 そう言ってクロノは、ゴルゴム等を知らない事に呆れ、怒ったままの光太郎に幾つか質問をしていく。 質問の内容に光太郎は素直に答えてくれているようにクロノには感じられた。 余り嘘などが得意なようには見えないし、頭がイカレているようにも見えない。 幾つかの質問を終えたクロノは不承不承ながら、一つの事を認めた。 「…僕が知る地球と君の言う地球は別のもののようだな」 光太郎も、クロノの質問から予想していたのか驚きはしなかった。 むしろ驚きはクロノの方が大きかった。 次元世界に地球は一つだけだ。 クロノの義妹や友人のなのはが住む世界の地球だけだ。 だが光太郎の地球はそこではない。 クロノの知る地球はゴルゴムが日本を占領したことなど無いし、クライシス帝国の侵略など受けていない…それに改造人間。 仮面ライダーなんて存在しない。 信じられない話だが…だが、こう考えればしっくり来るという考えがないわけではない。 次元世界では未だ確認されていない、次元世界の外が更に存在しそこの地球にクライシス帝国は侵略を行っていた… 次元を渡る能力を持たなかったにも関わらず、そんなことがあるというのだろうか? 専門家ではないクロノには判断が付かなかった。 ただ分かるのは、思っていたよりも遙かに光太郎は厄介な問題児だということだ。 「今度は俺の質問に答えてくれ。地球でもクライシスでもない、ここはどこだ? 船の中みたいだが」 「…アースラだ。君には悪いが暫く航海を続けるよう命令がきている。後で世話を」 クロノが説明しようとした途中で、光太郎は突然壁の方へと目を向けた。 「どうかしたのかい?」 尋ねながら、さりげなく光太郎の見ている方を見たが殺風景な壁があるだけで特に目に付くものはない。 だというのにクロノの脳裏にも何か引っかかるものがあった。 それが何かクロノが答えを出す前に光太郎が尋ねる。 「アクロバッターやライドロンも、俺のバイクと車もここにいるのか?」 「…どうしてわかったんだ?」 光太郎にはまだ収容したことは伝えていない。 だがしかし、光太郎が視線を向けた方向には、確かに二機を収容した場所があることとクロノは知っていた。 名前を知っていたことからブラフで言っているのかと考えるクロノに光太郎は爽やかな笑顔を見せて答えた。 「俺とアクロバッターは仲間だからだ」 何かそういう機能があるのだろうが、勘弁してくれとクロノは思った… * 光太郎が目覚めて半月近くが過ぎた。 状況に余り変化はない。 クロノ達は怪魔界を滅ぼしたロストロギアの実態調査及び探索の任務中で、相変わらず航行中だった。 光太郎はその途中で救助されたクライシス帝国の被害者と言う扱いを受けている。 改造人間だと言う話は信じてもらえたが、皇帝からクライシス帝国の幹部、怪人達をほぼ一人で倒し、クライシス帝国を壊滅させたと言う話までは話半分に聞かれているのだ。 勿論光太郎もただ彼らの保護にあるのがよいとは思っていないのだが、彼らとは技術体系が違うのでどうしようもなかった。 ライドロンやアクロバッターが何故か一緒に回収されていたが、ライドロンの力でも地球への帰還は出来ないという回答が来ている。 怪魔界と地球を行き来するのと管理局が行っている管理世界間の移動は異なる技術であるらしい。怪魔界からであれば地球へ行けたが、怪魔界はもうないのだ。 だが、地球への帰還を諦めてはいない。クロノは協力を約束していたし、光太郎自身も研究者達を訪ねるなり、探していく決意を固めていた。 その体には少なくとも五万年もの時間があるのだから。 そんなわけで機密に関わる場所に入るわけにも行かない光太郎は、一先ずクロノの保護下で管理世界の知識を吸収することに努めていた。 それに関して、この管理世界の地球で使われている言語と光太郎の地球の言語は同じだったのは幸いだった。 光太郎自身も驚くほどの吸収力を見せ、光太郎はミッド語を学び、知識を得ようとしていた。 クルーの娯楽や学習のため用意された蔵書に目を通しながら光太郎は驚いていた…理解力などが向上しているようだ。 だが、驚きはすぐに消え光太郎は恐怖を感じた。 本を読む手が止まり、虚空を見つめる光太郎の脳裏には、こちらに来てから一度だけ夢の中で語り掛けてきたキングストーンの声が響いていた。 夢の中で、光太郎の故郷の地球に似た風景の中でキングストーンは光となって現れた。 光太郎を照らし、穏やかで力強い声で光太郎に語りかけた。 『光太郎よ、お前の肉体は遂に創世王の肉体となった』 (ど、どういうことだ? 信彦のキングストーンは確かに破壊したはずだ) 『宇宙に投げ出され漂流するお前は、クライシス帝国の民を切り捨てる決断をしたことで弱り、孤独を恐れた。 無意識にそれを埋める存在を求めたのだ…アクロバッター、ライドロン、そして、それらよりも先に、お前が破壊したと思っていた『月の石』がそれに答えた』 (答えてくれ! キングストーン。『月の石』がまだあったと言うなら、信彦は生きているのか!?) 50億の民を切り捨てたと言う声に怯みながら、肝心な所を答えないキングストーンに苛立った光太郎は叫んだ。 だが、キングストーンはあくまで静かに光太郎に答えを返す。 感情を乱す光太郎を打ち据えるように、厳かに声を響かせる。 『信彦は死んだ。クライシス帝国とお前が殺したのだ』 (……そうか) 『だが、我らはお前が何度でも蘇るように、また何度でも蘇る。光太郎、お前が望みさえすれば…何度でも。光太郎よ。成長するのだ…さすればアクロバッターを呼んだように故郷の地球を感じられるであろう。そして戻る事も』 自分が兄弟のような、あるいはそれ以上に想っている親友と戦い、殺した記憶が光太郎を苛む。 改造手術から、ゴルゴム神殿の崩壊から信彦を残して一人で脱出したことも。 実際は死んでいなかったとしても…ブラックとして、RXとして合計二度も殺したことも光太郎の魂に深い傷として残っていた。 (もう一つ教えてくれ…怪魔界は、滅んだのか?) 『渦中にいたお前は、理解しているはずだ。今は思い出すまいとしているに過ぎない…』 そして怪魔界の人間。 否…怪魔界に生きる全ての生命を自分の手で滅ぼしてしまったという事実が、光太郎の心に新たな、とても深い傷となって刻み込まれた。 クライシス帝国との戦いで大切な人を失い、既に傷ついていた光太郎の心には、それは重すぎた。 そうして弱った光太郎の心が『月の石』を呼びよせ、二つのキングストーンを揃える事になったのだと言われた光太郎は、 光太郎は表情を歪めながら、それでもキングストーンに尋ねた。 地球に戻る事ができると言う言葉は、微かな希望だった。 クライシス帝国の侵略から守った地球を見たい。 それに共に戦った仲間や、先輩、叔父夫妻の子供達も地球にいるのだ。 (…戻れるっていうのは本当なのか? どうして、そんなことがわかる!?) 『かつて同じような事があったからだ。光太郎…前創世王も、五万年前に同じ道を辿った』 (…ど、どういうことだ!) 『創世王は、肉体を失うまで今のお前と同じくクライシス帝国のような侵略者と戦い続けた。そして人々を守り、傷つき倒れお前も知るあの姿となった』 光太郎が見た創世王の姿は、巨大な心臓のような姿だった。 それが、遠い昔は違う姿を取り光太郎と同じように戦っていたと、キングストーンは言った…にわかには信じがたいことだった。 『そして、侵略者と対抗する内に創世王を神と崇めるようになった支援者達が、ゴルゴムを作った。肉体を失った創世王は、それを受け入れる他戦う術がなかった』 (…! 馬鹿な…馬鹿なことを言うな!! あの創世王が、俺と同じようにクライシスと戦っていたというのか!?) 自分達を浚い、改造したゴルゴムと創世王が。 数多くの悲劇を生んだあいつらと同じだと認めることはできず、光太郎はいつの間にか叫んでいた。 だがそんな光太郎の激情も物ともせずに、キングストーンの言葉は光太郎の中に強く響いてきた。 『その通りだ。光太郎、お前はまだ、創世王が歩んだ道を一歩進んだに過ぎない。だが、彼よりも更に成長せねばならない…新たな創世王が生まれるその日まで。戦い続ける為に。半ばで倒れ、ゴルゴムなど作らぬ為に』 (何を…言ってるんだ。キングストーン) 『だがそれは、心までも新たな創世王となるということ。お前を苛む孤独は完全に消え、お前は人を必要としなくなる…多くの人々がお前を恐れ、数少ない者達がお前を崇めても』 (……俺は、俺は人間だ!) 『いずれ、遠くない未来…たった千年程の時間が過ぎれば、お前は人々に心動かされる事はなくなるだろう…賢き道を行け、光太郎』 キングストーンはそう言っていた。 光太郎はその言葉を思い出し、より孤独と郷愁、そして未来への不安を感じていた。 「…そうなるとは思えないぜ。キングストーン、この孤独がいつか消えるって言うのか? 俺は、あの創世王と同じ道をなぞっているだけなのか?」 嘆く光太郎にキングストーンは答えなかった。 代わりに教えられたことは、かつての創世王が同じような事故にあった時は地球に戻るまで千年以上の歳月を必要としたということだった。 光太郎の心は深く沈みこんでいった。 そこへクロノがやってくる。 クロノは管理局本局にもうすぐ到着すると告げた。 「それから君は一度管理局の保護下に置かれることになる。管理世界にない感染症がないか、その逆も含めて君の体を検査したり前科が無いか調べる少しの間だけだ。 直に、多分君は地球へ送られることになるだろう」 クロノはそういうと、海鳴市にある家やこちらにあるオフィスの場所や連絡先を光太郎に教える。 今の光太郎の記憶力なら、それを覚える事はそう難しい事じゃなかった。 「開放されて、もし困ったことがあったら連絡をしてくれ」 「それなら、俺のアクロバッターとライドロンを頼んでいいか?」 光太郎の申し出に、クロノは陰りのある笑顔を見せて頷いた。 軽く音速を超える速さで怪人を轢き殺してきた車を、質量兵器を禁忌とする管理局に引き渡して弁護するのは流石のクロノにもできることではない。 「元からそのつもりだ、あんなもの…本局には渡せないからな。君のバイクと車は責任を持って預かっておく」 「頼む、世話をかけるな」 「気にするな。お陰でクライシス帝国のことも少しはわかったから、その礼代わりさ」 素直に礼を言って光太郎はクロノと別れ、アースラを下りる。 アクロバッター達と分かれたのは、クロノによればアクロバッターと、特にライドロンが管理局が禁止している質量兵器に認定される可能性がある。 航行中、クロノと話した際に二機の性能を知ったクロノに渋い顔で言われた光太郎はクロノの伝手を頼むしかなかった。 余りよくないことだが、抜け道が結構あるらしい。 そして…本局を訪れた翌朝には、光太郎は身柄を移送されていた。 移送先は周囲を荒野に包まれたこれもまた殺風景な場所だったが、地上である分アースラよりはマシだとさえ光太郎は感じた。 施設内では、白衣を着た男が秘書らしき女性を伴って光太郎を待ち受けていた。 男は二十歳を少し過ぎただけのようにも、四十を超えているようにも光太郎の目には映った。 性差はあるが、隣に立つ紫のロングヘアーの女性とその男はどこか似ていた。 「君が光太郎だね?私が君の担当になったジェイル・スカリエッティだ。ドクターと呼んでくれると嬉しいな」 「よろしくお願いします。ドクター」 がっしりと握手をする光太郎を見るドクターの秘書らしき女性の笑顔が微かに深くなった。 光太郎はそれ気づき、女性にも挨拶をする。 「君のようなケースはとても希少だからね。協力に感謝するよ」 「お手柔らかに頼みますよ」 「私に任せておきたまえ…全てね」 そう言ったドクターの目に狂ったような光が宿ったが…ゴルゴムの科学者に比べれば幾分マシ、としか光太郎の目には映らなかった。 目次へ 次へ