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時空管理局本部 「アラヤ、蒼崎、27祖、ロードヴァンパイア、バチカン埋葬機関、王立国教騎士団、魔術協会・・・そして真祖。」 モニターを眺める二人の提督レティ・ホワイトR・・・じゃなくてロウランとリンディ・ハラオウン、第97管理外世界に存在する。 魔法的存在などの映像だ。 「あの世界に魔法技術が?」 「ええ、そうよリンディあの世界の魔法は裏に潜ったけど細々と続いているわ・・・そのおかげであの世界に派遣した 管理局の武装隊や魔道士が次々と討ち取られていったわ。」 「そんなにすごいのですか?」 驚いたリンディはレティに問う。 「ええ、其の通りよ・・・特に酷い例はこれ。」 レティがモニターを操作すると初老と思しき男が移っていた、その周りには彼によって倒されたと思われる多数の職員がいた。 リンディはその顔に見覚えがあった。 「死徒27祖第4位キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ、通称「魔道元帥」。」 それにはっとするリンディ、以前あるロストロギア回収に向かった際にリンディは彼と遭遇したことがあったのだ、しかし其の時は何もなく、 危機に陥った自分を助けたのだ。 「独自で世界移動する魔法道具を所持、数多くの世界で管理局と衝突したわ、その理由はなんだと思うリンディ?」 レティの問いにリンディはその問いを思い浮かぶ事はできない、それにレティは皮肉めいた口調でその答えを言った。 「『気に入らない』のだと。」 「は?」 文字通り口をアングリとするリンディ、そらそうだ管理局を襲うのは明確的な敵対意識をもって襲い掛かる(例えば自分達の利益保護、もしくはテリトリーに踏み入った侵入者に対する防衛)のが恒例だが「気に入らない」という 理由で管理局を襲い掛かる人なんて初めて聞いたのだ。 「しかし、これは初めて聞きました・・・これだけのする人物が何故手配されないか・・・。」 「本来なら彼は間違いなくブラックリストに載る存在だけどねぇ、いるのよ・・・彼をリストに載せない為に働きをかけている連中が。」 レティは困った顔で言ってそれらの連中と呼ばれる人達を挙げる。其の答えにリンディは呆然とする。確かに彼を擁護する人は極めて少ない、 しかしそれらの人々は・・・ 「ぜ、全員エースクラスや教導団や果ては将官クラスまで・・・どうなっているの!」 「彼は世界を渡るたびに弟子を取っているわ、大体は過酷な試練で廃人になるけどそれらの試練を乗り越えた人達が管理局に入局する事があるわ、 そして入局した人達は多方面で多大な戦果をあげているから、そういった連中の意向を無視するわけにはいかないし。」 両手を広げ処置無しのジェスチャーをするレティ、そしてモニターを操作し一人の女性を移す、その女性はリンディですら感嘆するほどの美人なのだ。 「アルクェイド・ブリュンスタッド、さっきの述べた死徒と正反対の存在真祖とよばれる吸血鬼・・・保持スキルは「空想具現化」上層部が目を付けている、 上手くいけばその能力をこちらの利に回す事が出来るとね。」 「そうですか・・・しかし・・・。」 リンディにしても嫌な任務だった、別段敵対もなにもしていない女性に対して勝手な理由を付けて拘束しなければならないのか、それを察知したのかレティは言う。 「貴方の気持ちはよくわかるわ・・・だけどこれも仕事・・・例え納得がいかなくても私たちは管理局の職員。」 「ええ・・・。」 「場合によってはなのはさんも出動待機させといて。」 「了解しました。」 レティとリンディは知る由もなかった、管理局が極秘裏に着目していた地球において科学が発展する事によって その存在を失った者達や魔法などが最後の楽園を築きあげ生活をしている場所に対する制圧作戦を・・・ そして二人とも知る由もなかったアルクェイド・ブリュンスタッドがどんな存在なのか。 真祖海鳴に行くの巻(多分中かな?) ―――海鳴 「ここの名所どこにあるのか教えてくれない?」 すごく美人だ、金髪のショートにルビーを髣髴とさせる紅い目、そしてモデルと思えるほどのスタイルそれを引き立たせるシンプルな服装 ・・・溜息がでそうだ。高町なのはは声を掛けた主に対してそう思った・・・がその問いを答えようとした。 「う~~~んと、あ、翠屋っていうとっても美味しい喫茶店があるのですがどうでしょうか?」 そうすると女性は少し考え込むと 「あ、そうね・・・朝ごはんそんなに食べなかったし、丁度お腹が空いたわ。うん、どこにあるのか教えて。」 大人なのに子供と髣髴させる笑顔で答えた。それに一瞬見とれるなのはだが 「あの、駅前にあるので一緒に行きませんか?」 すぐに答えた。 「それじゃ行こうか。」 二人は感じていた相手がただの人ではないということが (でもこの人から強い力を感じる・・・魔法?いや違うけど何か純粋な力・・・昨日感じたあの力?) (この子・・・全身から強い魔力を感じるわ・・・魔法使い?いや違う此の世界の魔法使いが増えたとは聞いたことはないわ。) (ま、いいか。) いいのか? 「あ、あの私は高町なのは・・・なのはって呼んでください、お姉さんの名前も知りたいな。」 「私の名前はアルクェイド・ブリュンスタッド、アルクって呼んでも良いわよ、なのはちゃん。」 そして二人は翠屋に到着する間にも色々と話をした、どこから来たのか?とか日ごろはどんな暮らしをしているのか 極めて他愛ない会話だった、そして翠屋に到着する二人 「ただいま~お父さん、ちゃんと買い物行ってきたよ。」 「あ、なのはお帰りなさい。」 だが声を掛けたなのはの父、士郎はなのはと一緒に入ってきた女性に平静を装っているものの内心仰天した。 (し、真祖の姫君!まさかねぇ) そう思ったのが束の間。 「あ、この人アルクェイドさんって言ってさっき知りあったのだけど・・・。」 (嘘~~ん) その道の仕事をしていた高町士郎・・・かつて護衛対象を巡ってあの七夜黄理やナルバレックとガチで殺りあった事もあり一応は埋葬機関、 死徒や真祖の事は知っているのだ。まぁそれをおくびに出さずに「いらっしゃいませ~」といいメニュー表をアルクェイドに渡しなのはに 接客するように言った。 「へぇ~結構いい店じゃない、それに感心するわ、小さな子供でもしっかりと自分の店を紹介して仕事するなんて。」 アルクェイドの店の印象とそして自分が褒められたことにより機嫌がよくなるなのは。そしてなのははこの店自慢のメニューを言う。 「アルクさん、カレーはどうですか?ただのカレーじゃなくて一から仕込んだ自慢のメニューなんですけど・・・。」 それに対してアルクェイドは一瞬にして断った。 「そのカレーは尻が大きいシスターに薦めたほうがいいわよ。」 「え?誰ですかそれ、アルクさんのお友達ですか?」 「まぁそういう(殺しあう)仲ね・・・う~んじゃAランチにアイスティーにデザートはショートケーキあ、大蒜は省いといて。」 「ありがとうございます。」 ―――デリー 「ブエックション!!」 「どうしたのシエル、風邪でもひいた?」 「いいえ、メレム私は健康そのものです、というわけでカレー特盛を10人分。」 「・・・アンタどこまで喰うの。」 「経費は全部ナルバレックに押し付けているので大丈夫です。」 「おいおい。」 ランチタイムを過ぎた辺りなのか翠屋はあまり人がいないのかアルクェイドはなのはと一緒に話していた、そして・・・ 「アルクさん・・・。」 「ん?どうしたのなのはちゃん急に真顔になって?」 「友達になれますか?」 アルクェイドは二つ返事で答えた。 「うんいいわよ。」 「本当?ありがとうございます。」 ―――八神の家 「あれ?ここは二階の部屋?おかしいなぁ私はさっきリビングにいたはずやけど・・・。」 はやては自分が置かれている状況は分からなかった、がどうやら下がなにやら騒がしいそしてはやては耳を疑った、 其の声は事故で死んだはずの父や母そして・・・ はやては衝動的に車椅子から飛び出した、こけると思ったが足はしっかりと地に着いていた。 「え?何で・・・まぁええや。」 はやては階段を降りリビングに降りるそこには・・・ 「はやて(ちゃん)」 と7人と1匹の自分の呼ぶ声があった・・・死んだはずの父はシグナムと将棋を打っている、リィンⅡはそれを見ている、 死んだはずの母はシャマルに料理を教えながら食事前にアイスを食べようとするヴィータを注意する、ザフィーラは居間に寝そべっている、そして・・・ 「はやて。」 「リィン?」 目の前には病魔に身を蝕まれる自分の身を案じ消える事を決意し消えてった闇の書の意思リーンフォースがいた。 「な、なんで?リィン?」 はやての問いにリィンは不思議そうに答える。 「なんでといいましても私たちは家族じゃありませんか。」 リィンは微笑みながらはやての頭を撫でる。 「あ、ずりぃぞリィン、私だってはやての頭なでるぞ。」 「私も撫でるですぅ~。」 それを見たヴィータとリィンⅡもはやてに駆け寄るとはやての頭を撫でる。 「こらこらヴィータちゃん、リィンⅡちゃんはやてが迷惑しているでしょ。もうすぐ御飯だからお皿を並べて。」 母の声に従いヴィータもリィン達も夕食の準備をする、そして夕食机をぐるりと取り囲むように8人は座り (ザフィーラは床・・・哀れ)談笑をしながら夕食を取る、現実には起こることは在り得ない事、父も母もリィンも皆笑いあい御飯を食べる、 そしてリィンと一緒にお風呂に入り自分の部屋に戻った。そこには一人の少女がベッドに座っていた。青い髪を結ぶ大きな黒いリボン、 黒いゴスロリ衣装に身を包む不思議な少女だった。だがはやては直感した此の子は・・・ 「レン、貴方が見せてくれたの?」 レンは素直に頷いた、シフォンケーキのお礼という事だろうか。 「ありがとう、確かにこれが私の望み・・・やった・・・でもなぁ~何時までも過去に囚われてはあかんねん、今の私は十分幸せや確かにリィンも父さんも母さんもおらんやけど家族もいるし親友もいる、せやから私は未来を見つめたい。」 「いいの?それで本当に?」 滅多に喋らないレンは不思議そうに話した。 「うん、でもありがとなレン、いい夢みさせてくれて。」 はやてはレンの頭を撫でた、そして眩い光がはやてを包みそして――― 「ん?目ぇ覚めたか。」 はやては目を覚ます、同じく膝上で眠っていたレンも目を覚ました。 「今何時・・・って5時!!!うわぁ・・・今から夕飯の支度しても遅ぅなるなぁ、まぁありあわせの物でなんとかするか。」 そしてはやては夕食を作ると共に、レンに猫まんまを与える。 「これしかないけど我慢しぃや~。」 とレンに言ったが、レンは美味しそうに猫まんまを平らげた。 「レン、お風呂一緒に入るで~。」 はやては意地悪そうな顔をしながらレンを抱き上げた、それにレンは首をフルフルフルと横に降りもがこうとするが。 「ちゃんと体は清潔にせなあかんでぇ。」 といわれ強引に湯船にドボン!・・・ああ、レン哀れ・・・ ―――ホテル 「う~~ん、今日は楽しかったな。」 アルクェイドは今日を振り返りながら呟いた、あれからあの「翠屋」という喫茶店でアルクェイドとなのはは話こんでおり、 さらにその友達であるアリサとすずかと言う少女がやって来た事により話は盛り上がり気付くと夕方になっていた。 そしてアルクェイドは明日なのは達が海鳴の名所に連れて行く約束をしたのだ。 「レンは見当たらないけどまぁいいか。」 いいのかおい? 「それにしても・・・。」 不思議よね・・・ほんの数年前はアルクェイドが今のアルクェイドを見たらどう思うのだろう?朱の月がみたらどう思うのだろう ・・・志貴との出会いが自分をここまで変えるなんて・・・だが悪くはなかったむしろぽっかりとあいた何かの穴を埋めることがとても心地よかった。 「でもなのはちゃん・・・あの子は一体なんだろう?協会の子とは到底思えないし、敵意もこれといって感じられなかったし。」 そう思った時である、 (この感覚・・・結界?) 一瞬夜景を彩っていたビルが歪み、星空が雲に覆われたように暗くなった。 (人の気配が消えた・・・それにこれだけの広域結界張ることが出来るなんて一体・・・) 今日出合った少女の顔が一瞬思い浮かぶが否定する。 (これだけの結界張れるとしたら・・・爺や・・・いやあんな回りくどいことはやらない・・・聖杯戦争・・・はこの前終わった ・・・祖は此の地にはいないはず・・・。) そしてもう一人のニート月姫と魔眼殺しですら封じることができなくなった魔眼を抑制する為の薬を作ってもらった その従者である薬師そしてあの胡散臭いスキマ妖怪・・・ (ありえない・・・あんな事をする理由はまずない・・・) 思考するが彼女の答えは簡単だった。 「まぁいいや、地上に降りて調査するか。」 そして彼女はめんどくさいのか最上階のスイートルームから地上に降り立った。そして彼女は何かを感じた。 「魔力反応?」 彼女は反応する場所に向かった、場所は公園の広場そして彼女が見たもの・・・それは恐竜を髣髴する巨大なトカゲだった。 「竜種?じゃないみたいね・・・かといって誰かの使い魔ではない・・・。」 その大きなトカゲはアルクェイドを確認すると大きな口と開け牙を見せ飛び掛ったがアルクェイドから見れば欠伸が出るほど遅かった、 攻撃をかわすまでも無く爪の一振りで巨大トカゲを切り裂いた。 「呆気ないね。」 そう呟くアルクェイドは真っ二つにしたトカゲに寄った。 「え?宝石になった?」 そのトカゲは青い宝石になった、それを拾い上げるアルクェイド 「何だろこれ?強い魔力を感じるけど・・・。」 そう思いつつ彼女は言った、彼女は感づいていた何者かが自分達を取り囲んでいたことを。 「誰かいるんでしょ、出てきなさい。」 そしてアルクェイドを多数の男が囲んだ、男達の手にはそれぞれ杖が握られていてそれをアルクェイドに向けられていた、 そして隊長格と思える黒尽くめの少年が現れこういった。 「アルクェイド・ブリュンスタッド・・・手に持っているものを大人しく渡せば危害を加えない。」 「お断りね、それを渡しただけで大人しく引き上げるとは思えないし・・・それに貴方達は誰? 魔術協会や埋葬機関の人間ではないようね・・・。」 図星をあてられたのか一瞬詰まる隊長格の少年クロノ・ハラオウン、だが素直に答える。 「僕は時空管理局時空航行艦アースラ所属クロノ・ハラオウン。君の持っているものは捜索指定ロストロギア『ジュエルシード』 それは他人が無闇に保持してはいけないんだ、そしてアルクェイド・ブリュンスタッド・・・少し我々と同行してもらいたい。」 「時空管理局・・・爺やと紫と永琳から聞いたことがあるわ、何でも時空間に色々とちょっかい出す組織と。」 「ちょっかいじゃない!世界のバランスを守る為だ。」 管理局の仕事を誇りにしているクロノにとっては看破できない発言だった。 「まぁいいわ、大方私の能力にでも目を付けているでしょ?」 「分かっているのなら話は早い、我々と来ていただけませんか真祖の姫君?」 「お断りよ・・・そこまでというなら、力ずくでやってみなさい!」 (紫や爺やのいった通りね管理局が祖の能力を着目している事は本当だったのね) 挑発めいた発言をクロノは受け止めそして従来受けていた指令をだす。 (本当は穏健的に済ませたかったのだが。女性一人にここまでとは・・・) だが任務は任務素直に割り切る。 「目標を確保、多少傷を付けてもかまわない!」 隊員達はデバイスをアルクェイドに向け一斉に攻撃を仕掛ける。 ―――アースラ 艦内は緊迫感に包まれていた、第1目標であるジュエルシードはすでの第2目標に確保されていること、そして局員が結界を維持し続け、 武装局員が目標を取り囲んだ。そしてモニターに写る目標を見てエイミィは見とれてしまった。 「うわ、めがっさ綺麗・・。」 「エイミィ、別のキャラが混じっているわよ・・・。」 「にょろ~ん・・・って本当に目標はあれなんですか?」 「ええ、そうよ・・・。」 エイミィは真顔になって目標の解析を行うが、答えは「アウノウン」そうデータが無いのだ・・・。 「大丈夫ですかね?」 「大丈夫よ、少しはクロノを信じ・・・。」 だが解析を続けていたエイミィは仰天する、彼女の魔力反応がいきなり上昇したのだ。 「え?嘘なんなのこれ!」 そしてモニターに移る光景それは・・・ ―――公園 (数はざっと20・・・隊長格を除けば大したことはないが残しておくと後々厄介・・・それじゃまずは外堀から潰す!) 戦闘モードに切り替え瞬時に状況分析する。 (敵の魔術は大したことはない、だが何発も喰らう気はない。) 瞬時に武装局員の前に出ると鳩尾に一発撃ち込み昏倒させる、確かに殺そうと思えばこの公園一体を瞬時に血の海に出来るが、 下手に殺してしまって志貴まで迷惑をかけるのは正直御免である。 (最低、骨の一本や二本は覚悟してもらう、状況判断が出来ていないうちにせめて8,9人は眠ってもらう。) そして判断が出来ない隊員を一人撃ち上げる、クロノはアルクェイドが動き出した事を瞬時に悟り局員に散開するように指示をしたが、 動きは遅かった。そしてアルクェイドは局員をつかみあげるとまだ散開していなく固まっている局員にむけて投げ飛ばした、受身を取れずに局員は5人まとめて吹っ飛ばされた ・・・そしてアルクェイドは状況判断する。 (指揮官は優秀、だが部下は完全にそれについていけない・・・だが局地的に反撃を開始・・・予定が狂った。) クロノにしても正直誤算だった、一つはアルクェイドの速さ、一つはアルクェイドの攻撃力・・・いわゆるデバイスなし大きな魔法は撃てまい、 よしんば撃てたとしても詠唱に時間がかかり其の間に攻撃を加える・・・単純な誤算であった。アルクェイドは死徒を狩るとき何を使ったのかそれを調べられなかった 自分に腹が立った(最も、アルクェイドが活動している時間は3年ぐらいしかなく、詳細なデータを保持しているバチカンや祖は管理局を嫌っていた。) そう魔法を基準にして考えていたのだ、反撃を加えるが呆気なくかわされ彼女の魔力を少しこめた肉弾攻撃で局員は次々と倒れていく、本来なら多少の攻撃を防ぐ事が出来る バリアジャケットもアルクェイドにとっては紙切れに等しかった、そして半数以上が戦闘不能に陥った事を確認するとクロノは指示を出した、局員では相手にならない・・・自分が相手になると。 「ふ~ん、隊長が出ると言うことね。」 「正直君の事を誤解していた・・・本気で行かせてもらう!」 クロノは「スティンガースナイプ」を発動させる・・・誘導性を持った魔法弾がアルクェイドに襲い掛かる。アルクェイドは直撃寸前に空へ飛んだ、これもクロノの考えていたことだ、 「スティンガースナイプ」はあくまで囮にすぎない、狙いは・・・ 「ブレイズキャノン!」 アルクェイドが飛べない以上、空中では機動を変えることは不可能・・・瞬時に計算し必殺の一撃を放つ、その光はアルクェイドを直撃した。 「やったか!」 クロノは思ったが・・・、突然首根っこを掴まれると地面に叩きつけられた。 「やるものね・・・ちょっと本気になっちゃった・・・頑張りなさい、次があるなら期待するわ。」 アルクェイドの服はただの服ではなく魔力を帯びた服でもある、ブレイズキャノンはたしの防御力こそ上回ったものの服の防御力により弱まりアルクェイド本体自体も魔力防御は極めて高く、 表面を焼いただけなのだ。アルクェイドの服は所々焦げており、肌も若干火傷を負っていたが彼女の回復力からしてみれば大したことはなかった、だがクロノはもうひとつ保険をかけていた、 もしブレイズキャノンがスカった時を想定した束縛式魔法「ディレイドバインド」、アルクェイドに多数の鎖が絡みつく・・・ 「子供だと思っていたけど、やるものね、2段重ねのトラップを瞬時に張るなんてだけど・・・。」 アルクェイドが力を加えるとバインドは呆気なく千切れた。 「何!」 「悪いけど、鎖といった類はこっちも慣れているわ!」 結界外から近づく影をまだアルクェイドは知らなかった。 ―――結界 「武装隊が苦戦しているわ、休暇中だけどスクランブルお願いします?」 リンディ提督の要請に従い、高町なのはは結果内にむけて出撃した。そして結界内に入ると目標を確認しレイジングハートを向けた。 アースラから回されたデータを見ると目標はかなり強い事が分かった。 (目標はかなりの魔力反応・・・反応性もかなり高い・・・なら!) 大体の目標を一撃で昏倒させるだけの威力をもたすことが出来る「ディバインバスター」の狙撃モード・・・ロック (まだ目標は気付いていない・・・よし!) 「ディバインバスタァーー!!!」 ピンク色の魔法がアルクェイドに向けて放たれた。 ―――公園 「大人しく引いてくれないかしら?命まで取らないわ。」 アルクェイドの問いにクロノはきっぱりと拒絶する。 「冗談じゃない。」 アルクェイドはクロノの誠実な目を見て感嘆するも、冷めた口調で言った。 「時々貴方達が解らなくなるわ、勝てないって分かっているのに、どうして自分から命を差し出すのかって。」 「まだ負けると決まったわけじゃない!」 クロノはデバイスをアルクェイドに向けるが通信が入る。 「クロノ!」 「エイミィ!」 「なのはちゃんがそっちに向かっている・・・早速ぶっ放すらしいよ!」 「分かった!」 クロノはもう一度「ディレイドバインド」でアルクェイドを拘束し、離脱する、アルクェイドにとって バインドはほんのわずかな時間拘束出来るだけにすぎない。 「何度やったって無駄と言っているのに・・・どうしてこう・・・この反応!」 クロノにとっては時間稼ぎだった・・・そう・・・、それに気付いたアルクェイドは拘束を瞬時に 解くと突然の攻撃を回避する・・・だが離脱するさい左足だけ掠った。 (ダメージ・・・左足・・・修復可・・・完全修復まで121秒・・・動き若干低下・・・) 瞬時にダメージを計測する。 「あれはマスタースパーク?幽香?魔理沙?いや違う!」 そして二人はお互いを視認して驚いた・・・ 「な、なのはちゃん!」 「アルクさん!」 そして海底では何かがうごめいていた 戻る 目次へ 次へ
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少女、その想い アパートのに寄りかかるように金髪の少女が佇んでいた。 その少女、フェイト=T=ハラオウンを今構成しているのは、戸惑いと混乱、この言葉だけだ。 虚数空間に落ち、死亡したと思っていた母が生きていた、それは嬉しい。どうやって生き延びたのかは分からないが、素直に喜べた。 だが、何故殺し合いなど、あの母が冗談など言わないことは誰よりもよく知っている。 それに、母に歯向かい首輪を爆破……殺された人についても考えるべき点は多い。 アリサという自分の親友と同じ名前の少女、それに応えていたなのはと――自分と同じ名前、同じ声の女性。 名簿を見てみれば確かに自分の名前が二つある。 気になるのはなのはとはやての名前も二つあるということだが、こちらは今一わからない。 「この人も、母さんって言っていた……」 どういう事なのか、一つだけ思い当たることがあった。 「母さん、また、同じ事を……?」 アリシアのクローンとして生み出された自分、 ならば、他にも自分と似た人間がいてもおかしくはない。 そしてそれは、自分はもう母にとっていらない存在であるということ。 「っ……」 一度はなのは達の支えもあって立ち直った、いや、母が死んだ以上立ち直るしかなかった。 新しい家族を得た自分を、母はどう思っているのだろうか? 「……違う、そうじゃない」 答えなどわかっている「何とも思っていない」のだ。 そんなことはずっと前から、それこそジュエルシードを集めている頃から知っていたことのはずだ。 だが、それでもこの事実は心を傷つけていく。 「なのは……クロノ、お兄ちゃん……」 違う、ダメだ、震えて助けを待っているだけでは何にもならない。 頭では理解している、もう一度話さなくてはならないと、今度こそ母の過ちを止めなければならないと。 だが、足が震える、心が恐怖する、また拒絶されるのではないかと脳が逃げようとする。 「……あっ」 気づけばその場に座り込んでしまっていた。 ダメだ、立ち上がれ――立ったところで何もできやしない。 こんな殺し合い、止めないと――無理だよ、私に母さんに逆らう勇気なんてない。 違う、今度こそ止めないといけないんだ――私一人でそんなことできる訳がない。 でも、このままじゃ、なのは達も――デバイスもない自分がいたって、足手まといになるだけじゃない。 別の自分が、弱い自分が動こうとする体を止める――本当に動こうと思ってるの? 「違う! 動かないと、動かなきゃダメなんだ!」 「あの……大丈夫?」 「え?」 アパートの一室でデイバックを調べながら少女、早乙女レイは考える。 自分はマルタンを正気に戻そうと、十代やなのは達と共に対峙していたはずだった。 背後からはデュエルゾンビと化したフェイトたちが迫り、絶体絶命の状態……のはずが次の瞬間にはあの殺戮劇だ。 「っ……」 人の首が吹き飛ぶ凄惨な光景を思い出し、思わず口元を押さえる 誰かが死ぬ瞬間を見ることなど初めてだ、デュエルゾンビ達と化した者の何人かは死んでゾンビとなったらしいが、その瞬間を見ていないのなら同じこと。 吐き気を必死で堪える、こんなことで無駄に体力を使うわけにはいかない。 なにしろ――これから人を殺すのだから。 「十代様、待ってて……!」 レイとてまだ幼い少女だ、こんな殺し合いを本気で乗る人がいるとは思えない。 だが――自分は知っている、殺し合いをする、しないといった思考など超えてしまっている者がいることを。 フェイト、エリオ、万丈目。 この三人はデュエルゾンビと化し、ただ戦いを求めるだけの存在となっている。 そして三人に襲われた者も、やらなければやられると思い殺し合いに乗ってしまいかねない。 なのは達は心配するまでもないし、明日香はあれで割り切れる部分がある、命の危険に見舞われたら身を守ることを優先するだろう。 だが十代は違う、彼はきっと限界ギリギリまで相手を正気に戻すことを優先する。 けれど、その限界は自分達が思っているより遥かに早いのだ、それはあの少女が殺されたことで理解した。 このまま彼が誰か殺し合いに乗った者と出会ったら、間違いなく殺されてしまうだろう。 「そうなる前に……」 殺し合いに乗った人間を自分が殺す、そうするしかない。 人を殺すなど、やりたくもないし考えたくも無い、 だが、それ以上に十代が殺されるという事を恐れていた。 そうだ、何も罪の無い人まで殺すわけではない、殺人鬼を、犯罪者を殺すんだ、罪を感じる必要はない。 何度も言い聞かせるように呟き、銃を持って部屋を出る。 「あ、そういえば……」 名簿になのはやフェイトの名前が二つあることを思い出す。 それに最初の部屋、あの時殺された彼女と話していた「フェイト」は正気だったように思える。 「同姓同名の人? でも、声まで似てるなんて……」 考えてはみるが、いくら頭を悩ませても答えが出てこない。 「……会ってみれば、わかるよね」 危険だが、それしか方法はないだろう。 再び歩き始めるが、すぐに誰かがいることに気づき慌てて物陰に隠れる。 そっと様子を窺うが、何やら悩んでいる……というより怯えているようでこちらに気づく気配はない。 見れば自分より年下のようだ、どこかで見たような雰囲気を感じるが、あの様子では人殺しなどまずしないだろう。 とりあえず接触してみようと近づこうとした瞬間、その少女は叫びだした。 「違う! 動かないと、動かなきゃダメなんだ!」 「あの……大丈夫?」 「え?」 話しかけるとようやくこちらに気づいたようで顔を上げる、 と先ほどの独り言と言うには大きすぎる叫びを聞かれたことに気づいたのだろう、頬が朱く染まる。 「あ、その、えと、私……」 「――っ!? 私は早乙女レイ、貴方は……もしかして、フェイト、さん……?」 「え!? どうして、私の事を……」 声を聞いてもしやと思ったが、まさか本当に予想通りだっただったとは。 しかしそうなるとどう言う事なのか、目の前の少女は子供の頃のフェイトとでも言うのか? 確かにそれなら正気なのは当然だが……異世界というのは知っているが、魔法は時間まで遡ることが可能なのだろうか。 「あの……?」 「あ……ご、ごめん、ちょっと考え事を」 さて、どうするべきか。 魔法についてはよく知らない、本当に時間に関する魔法があるかもしれない。 ならばこの少女は過去のフェイトということになりえる、 そうすると自分の知っているフェイトについてどう説明するべきか、未来のあなたは殺人鬼になってるから殺します。とでも言えと? 「フェイトさ……ちゃん、殺し合いには乗ってないんだよね、どうするか、決めてる?」 ――言える訳がないだろう。 こんな子供に、そんな残酷なことを伝えられるほどレイは強くない。 出来る限り知られないようにしたかった。 「……いえ、なのは達……友達と合流したいですけど」 「そっか……」 友達の名前がなのは、ますます過去のフェイトである可能性が高まってきた。 しかしどうする、自分と一緒にいてはいずれデュエルゾンビと化したフェイトと出会うことになりかねない。 だからといって、自分よりも幼い子を一人置いておくのも気が引ける。 ……まあ、魔法が使えるのだったら自分よりずっと強いのだろうけど。 「……さて、どうしようかな」 【一日目 深夜】 【現在地 G‐4/アパート前】 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA s】 【状態】健康、不安、戸惑い、混乱 【装備】無し 【道具】支給品一式、 不明支給品1~3(デバイスは無い) 【思考】 基本:なのは達との合流 1、レイと会話 2、殺し合いを止める 3、プレシアともう一度話したい……けど 【備考】 ※魔法少女リリカルなのはA sサウンドステージ3以降の参戦です。 ※もう一人のフェイトを、自分と同じアリシアのクローン体だと思っています。 ※なのはとはやても一人はクローンなのではと思っています。 【早乙女レイ@リリカル遊戯王GX】 【状態】健康 【装備】SIG P220(9/9)@リリカル・パニック 【道具】支給品一式、不明支給品1~2 【思考】 基本:十代を守る 1、連れて行くべき、かなぁ 2、殺し合いに乗っている者を殺害する 3、フェイト(StS)、エリオ、万丈目を強く警戒 【備考】 ※リリカル遊戯王GX10話から参戦です。 ※フェイト(A s)が過去から来たフェイトだと思っています。 ※フェイト(StS)、エリオ、万丈目がデュエルゾンビになっていると思っています。 【デュエルゾンビについて】 ユベルの力によってただひたすら戦いを求めるのみの存在 会話、だまし討ちなど多少の思考能力はある模様 このロワ内ではまず出ません。 Railway Track 本編時間順 CROSS CHANNEL Railway Track 本編投下順 CROSS CHANNEL それは最悪の始まりなの フェイト・T・ハラオウン(A s) - GAME START! 早乙女レイ -
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裏第一回戦:試合場【遊園地】結果 このページではダンゲロスSS3裏トーナメント第一回戦、遊園地の試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 第一回戦【遊園地】SSその1 高島平 四葉 4票 第一回戦【遊園地】SSその2 雨竜院雨弓 4票 第一回戦【遊園地】SSその3 偽名探偵こまね 21票 コメント 高島平四葉 その3と悩んだけど、後先を考えないインフレ描写のインパクトでわずかにこっちが上回りました。その3のルールをついた決着描写や前半のほのぼのもよかったです。その2も途中まで良かったけど、四葉の強化方法にやや唐突感があったかなあ。 最初の狂気に満ちた展開。そして自分自身にモアを行使する四葉ちゃんが良かったです。勝ち進んだらどういう展開にするのか気になるところ。 偽原は死んだwww 雨竜院雨弓 最後までファントムルージュに抗う3人が描かれていて面白かった。 比較的ハッピーな結末も嬉しかった どこを見てもファントム!一般人と達人と世界の敵が同じリングでまともに闘う無茶を通したこのssは素晴らしい。 やはり一番熱い。青キジの歌が流れて来た時に感動してしまった。 偽名探偵こまね 一番本筋にあのクドいのが絡んでなかったからなあ。反則負けは使って欲しかったものではあるし。 その2の壮絶なバトル描写も好きだったけれど、絶望的な戦力差とファントムルージュに負けず、意外な応用で勝ちを拾ったこちらに入れたい。 汚いなさすが探偵きたない アナウンスを消してしまうのは面白いです ファントムルージュの闇に呑まれた遊園地ブロックで、おそらく唯一ファントムを表面的なものでなく真摯に扱っていたところが好印象でした。SSそのものも、遊園地同盟の発足で物語に厚みを生み、それに終わることなく四葉攻略にも利用し、またルールを利用したスマートな雨弓攻略など、非常に美しかったです。 サービス精神に負けた 綺麗な決着というか、見事なルールを突いた探偵らしい勝ち方。 でも雨竜院のおもらしはどの層に訴えているんだろう。 なんて汚く面白い手で勝つんだ! 伏線の仕込み方が超丁寧で、意外性抜群。読者と対戦相手の思考を読み取り、いち早くファントム成分を叩き切ったその判断は見事の一言である。 尿の有無を選択できるユーザーフレンドリーな仕様が助かりました!僕はそっちの趣味はないけど、敬意を表してお化け屋敷だけ漏らしたことにしました。遊園地で楽しく遊ぶ描写を勝利への下準備として活用するプロット構築力は凄いと思います。その1の狂気の沙汰と、その2の熱いバトルも良かったよ! 糞尿汚えな!ファントム四葉とかもう何言ってんのか全くわかんねえな!こまねちゃんマジ汚えな! カワイイヤッター!その1は「黒の黙示録」とかそんなタイトルの文書の一節ですよね…? 完成度はその2のほうが上だが「同盟を結ぶ(仲間を増やしていく)」という選択を彼女がとったことが決め手となった。唯の人である彼女が「世界の敵と対する」ためのそれは必須の条件である―と思っていたし、それも本選中に伏線として提示してあるのでよい感じ。本道と言うスト―リ性を踏まえるとその3が勝っていた。後、遊園地と言う舞台を魅力的に表現していたことにも好感。 ようやくファントムルージュから逃れることが… 事象に派手さはないものの、ファントムルージュの呪縛をほぼ逃れていることが素晴らしい。あの能力の悪魔的な魅惑に抗うとは。 良いゆるふわでした。戦闘パートの探偵らしいギミックもお見事!
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「グラディーヴァ、グランカイザーとコネクト、いや合神する。これらのビークルに使用されている駆動系や制御系に用いられているテクノロジーの解析は現在レベル4まで進んでいる」 地上本部のグラヴィオン研究所ではスカリエッティがグランカイザーとグランディーヴァを小さくした立体映像を使いながら、 グラヴィオンについてわかった事をレジアスに見せて説明していた。 「ご覧のように、グランディーヴァにはデバイスの素材やフレームとはまったく違った構造の複数のジェネレーターと駆動系が使用されている。 だがこれは普通の航空機や車などには必要ない。合神の為の補助動力と駆動系しかない。そこにグラヴィオンの高出力を生み出すテクノロジーは存在しない。 装甲の材質は別として、構造上はグランディーヴァはグラヴィオンの手足に過ぎないのだよ。ふふふ、ただのユニットとはね……」 スカリエッティは不気味な笑いをしながら説明を続ける。 「つまり、我々がグランディーヴァと完全に同じマシンを製造したところでゼラバイアにまったく勝てない。どうだい、よく出来ているだろう? 手に入れたデータを元に原寸の38分の1で作ったこの立体映像は……。やはり全ての鍵はこのグランカイザーにあるのだろうね」 「で、その機体については何かわかったのか?」 レジアスがいらつくように質問をするとスカリエッティはまた笑いながら答える。 「ふふふ、この私をもってしてもまだ何もわからないのだよ。ただ、面白い計測データがこの前届いてね、グラヴィオンが戦闘を行った地域全てに通常じゃありえない重力異常値が観測されたようなのだよ」 「重力だと?」 「その通り。くっくっくっくっ……」 スカリエッティの笑いに思わずレジアスは身振るいをする。本当は何かわかっていて隠しているのではないのかと考える。 しかしスカリエッティは本当にまだ何もわかってないのだ。だったら何故笑うのか? それはスカリエッティが生粋の科学者であるからだ。と言ってもスカリエッティはまともな科学者ではない。 スカリエッティの笑いには色々含まれているがそれは置いておこう。 あたしは夢を見ました。それは変わった夢です。いなくなったギン姉があたしを膝枕で寝かせている夢。 しかもそれは昔のあたしじゃなくて、今のあたしです。ギン姉は眠くなりそうなあたしの顔に自分の顔を近づけてこう言いました。 「スバル、グラヴィオンに乗っていれば。必ず会えるわ。だから頑張ってね……。それとノーヴェとは仲良くね……」 ギン姉が言い終わると、あたしは目を覚ましました。 「夢か………」 あたしにはあれが夢だとは思えません。だってギン姉のぬくもりが自分の体に残っている気がするのだから…。 あたしはベッドから起き上がって、カーテンを開けて強い日差しを浴びました。 (ギン姉、会えるよ。ううん、絶対に会う!) 第5話 ひび割れるもの 「グランファントムシステムは順調ですか?」 ヴェロッサとクロノが格納庫でグランカイザーやグランディーヴァの整備士代表のマリエル・アテンザ(通称マリー)に聞く。 「グランファントムシステム(略称ファントムシステム)」とはグランナイツのメンバーを乗せなくてもグランディーヴァを動かせるようにしてグランカイザーと合神できるようにするシステムである。 簡単に説明するとアームドデバイスに使われているAIコンピューターをコックピットに接続して、グランナイツ不在時でも合神することである。 ちなみにファントムシステムはグランカイザーには適用できない。それはグランカイザーは完全に操縦者の意志が必要な機体だからである。 何故ヴェロッサがファントムシステムを今まで採用していなかったのかと言うといくつか訳がある。 一つはグランカイザーに適応できないため。また一つはヴェロッサが無人機を好まない人間だったため。そしてもう一つは……。 「はい、順調に出来てます。ただ…」 「ただ?」 マリーは思わず顔を伏せてしまう。 「ファントムシステムグラヴィオンのパワーが10%ダウンしてしまいます」 「10%…。上出来じゃないか」 ヴェロッサがマリーの仕事のよさを褒める。 ヴェロッサがファントムシステムを今まで採用していなかった最大の理由、それはグラヴィオンのパワーが下がることだったのだ。 しかしこの前のティアナの故郷近くが襲われたときはたまたまグランナイツ全員が近くにいたからよかったが、もしティアナが近くにいなかったら合神できないままゼラバイアと戦っていた。 その事を懸念したヴェロッサはファントムシステム採用に踏み切ったのだ。そしてマリーのおかげで悩んでいたグラヴィオンのパワーダウンは自分の予想よりもいいほうに持っていった。 「そう言ってもらえると嬉しいですけど私は科学者です。可能な限りグラヴィオンのパワーを下げないようにしたいと思ってます」 マリーの誠意にヴェロッサは感服の念を見せる。 「そうか、でも無理はしないようにね」 「はい」 「ところで、なのは達は?」 クロノがなのは達がいないことにヴェロッサに尋ねる。 「ああ、彼女達なら買出し班と一緒に外に出てるよ」 「どうりで静かなわけだ……」 聖王教会から少し離れた街では教会のシスター達が食料などの買出しをしていて、なのは達もお手伝いと言うかついでと言う形で外に出ていた。 この前のバカンスは別として、なのはは10年ぶりに外に出て街には色々あるのに感心して遊び回っていた。なのはと共に行動していたティアナはなのはの無邪気っぷりに疲れそうになっていた。 一方スバルはフェイト、リイン、ヴィヴィオと共に食料の買出しをしていたが、じゃんけんで負けてしまったために荷物のほとんどがスバルの手にあった。 「はあはあ、もう疲れたよ」 「私も持ってあげるよ」 フェイトがスバルの手にある買い物袋を一つ持ってあげようとする。 「いいですよ。これ結構重いんですから……」 「いいって、いいって…。あ…」 フェイトがスバルの手の荷物を取ろうとすると思わず手を滑らせてしまい、荷物の中身のじゃがいもが外に出てしまう。 「ああ、拾わなきゃ」 「ごめんね、ごめんね」 フェイトはスバルに謝りながら一生懸命、スバル、リイン、ヴィヴィオと共に中身を集めてようやく回収し終える。疲れたので皆でベンチに座る。 「ふう、疲れた~」 スバルが根を上げたように声を洩らして、ベンチでくつろぐ。 「あ」 ヴィヴィオが何かあるのに気付いて、それを取りに行く。それは先ほど落ちたじゃがいもの一つだった。 ヴィヴィオはそれをフェイトに手渡す。 「はい、フェイトママ」 「ありがとう、ヴィヴィオ」 フェイトがヴィヴィオの頭を撫でて、ヴィヴィオは照れる。 そんなフェイトの様子を見て、スバルが質問をしてみる。 「そう言えば、なのはさんとフェイトさんって、10年前からの付き合いですよね」 「そうだよ」 「フェイトさんはなのはさんの事をどう思ってるんですか?」 フェイトは少し考えるがすぐに答えが出る。 「大切な友達かな。私となのはは固い友情で結ばれた大切な友達」 「なのはママもフェイトママもヴィヴィオの大切なママだよ」 フェイトが笑顔で答え、ヴィヴィオも笑顔で言う。 それにつられるようにスバルも笑顔になる。 「そうだね」 皆でのんびりしていると突然空の色が変わる。 そのよどんだ空の渦からはゼラバイアが現れ、地面に着地する。 『ゼラバイア!』 ゼラバイアの出現で市民は皆急いで避難し始める。ゼラバイアは触手で自分の周辺にある建物を片っ端から自分の周りに引き寄せる。 ゼラバイアから比較的近い位置にいたスバル達は急いでその場を離れる。その途中ヴィヴィオは一匹の子猫がいることに気付いてそっちの方に行き、子猫を助けようと抱きかかえる。 するとヴィヴィオの立っている地面が割れて、ヴィヴィオは下に落ちてしまう。 「ヴィヴィオ!」 「フェイトさん、危険です!」 スバルがヴィヴィオを助けに行こうと飛び込もうとするフェイトを懸命に止める。 ヴィヴィオは自分の腕に抱えている子猫をフェイト達に向かって投げて、子猫はリインが受け取る。 ヴィヴィオはそのまま穴へと落ちていく。 「ヴィヴィオーーーーーーー!!」 フェイトはヴィヴィオを助けれなかった事を泣く。 「あたしが行きます! あたし災害救助部隊にいたのでこういったのは得意です」 スバルはバリアジャケットを展開させて、ヴィヴィオの落ちていった地面にと飛び降りる。 スバルが行ってすぐになのはとティアナが駆けつける。 「フェイトちゃん、どうしたの?」 「ヴィヴィオが……」 フェイトが泣きながら説明しようとすると、グランフォートレスに乗ってきたドゥーエがやって来る。 「皆、早く乗って!」 聖王教会の司令室ではシャーリー達がゼラバイアの行動を捕捉していた。 「ゼラバイア、周りの建物で自分の身を覆っていきます」 「守りを固める作戦か……」 クロノが推測をしている、マリーが司令室に入ってくる。 「大丈夫。私が整備したグラヴィオンならあれくらいの装甲…」 「ゼラバイア内部より、シータ線を感知」 シャーリーがゼラバイアが内部で溜めているものを調べる。 「体内に素粒子崩壊システムを持ってるようです」 「シータ線が照射されれば、半径100キロ以内の生き物は全て死滅します!」 シャーリーとルキノの報告で司令室に緊張が走る。 「時間は?」 「およそ、1800秒」 アルトが指を使いながら計算する。 「え~と、残り時間30分しかない」 それからしばらくしてスバルから報告が入る。 「すみません! ヴィヴィオがゼラバイアに捕まってるんです」 『え!?』 スバルがは急いでヴィヴィオを探し出し、ヴィヴィオが居る方を見るとヴィヴィオは瓦礫にゼラバイアの触手で縛られた状態でゼラバイアの近くにいた。 『ヴィヴィオ!』 司令室はさらに険しくなる。ヴェロッサはシャーリーに残り時間を聞く。 「シータ線照射までの残り時間は?」 「後、987秒です」 「ゼラバイアが完全に真っ白になったら照射されるみたいです」 ヴェロッサが次にマリーに聞く。 「マリーさん、ファントムシステムは既に搭載されていますか?」 「はい、バッチリです。完璧に動きますよ」 その報告を聞いて、ヴェロッサは決める。 「なのは、今回は君がグランカイザーに乗って、エルゴフォーム。そして合神をしてくれ。スバルは後で合流させる」 なのは達は急いでグランカイザーや他のグランディーヴァに乗り込む。 「スバル抜きで合神……」 「例のファントムシステムね」 ティアナは少し驚き、ドゥーエは前から聞いていたので事情がすぐに飲み込めた。 「グランナイツの諸君、合神せよ!」 「エルゴフォーーーーーーム!!」 ヴェロッサの承認、なのはの叫びによりグランカイザーに重力子フィールドが発生。 「超重合神!!」 なのははパネルを強く押し、グランディーヴァがグランカイザーの新たな手足となり、ゴッドグラヴィオンは完成した。 その様子を外で見ていたスバルは驚く。 「合神した…。あたし抜きで……」 司令室ではマリーがファントムシステムでの合神の成功に喜んでいた。 「やった、やった。ちゃんと動いてるよ~~」 外にいるスバルにクロノが通信を入れる。 「スバル、急いで安全圏に離脱しろ」 「でもヴィヴィオが……」 スバルはクロノの命令に戸惑う。その間になのはがゼラバイアに向かって近づく。 グラヴィオンがゼラバイアによって張り巡らされている触手に触れたために、ゼラバイアの内部から無数の触手がグラヴィオンに襲い掛かろうとする。 「グラヴィティライフル」 ドゥーエが武器の名前を言うと、Gストライカーのところから細長い拳銃のようなものが展開され、グラヴィオンはその銃のグリップを握り引き金を引く。 ライフルから発射される魔力弾で現れた触手を撃ち落すが、ゼラバイアは新しい触手を無数出して、グラヴィオンを攻撃。グラヴィオンは両手をクロスさせて前に出して防ぐ。 「これじゃあ近づけない。だったら…、ウイングローーーーード!!」 スバルは自分の拳を地面に叩きつけ、ヴィヴィオのところまでウイングロードを作り、ウイングロードに乗ってその道をローラーで走る。 「ちょっと、スバル。どうする気?」 「ヴィヴィオを助けます。それまでお願いします」 スバルはそのまま走ってヴィヴィオの下に向かう。 「グラヴィオン、重力子臨界まであと4799ポイント」 「シータ線照射まで597秒」 シャーリー達は冷静に残り時間などを計算する。 残り時間を聞いたクロノがヴェロッサをせかす。 「ロッサ、あまり時間が……」 「………」 ヴェロッサは黙りながらモニターに映るヴィヴィオを見る。 グラヴィオンはライフルで触手を落とすも、あまりの数と繁殖力にきりがない。なのはは決断を下す。 「レフトドリラーコックピット、グラヴィトントルネードパンチスタンバイ」 「え?」 その言葉にティアナは驚く。 通信で聞いていたスバルも驚いてなのはに聞く。 「なのはさん! 何を考えてるんですか!? ヴィヴィオごと撃つつもりですか!? あたしが助けるまで待ってください!」 なのははそんなスバルの叫びを無視するかのように続ける。 「スタンバイ完了次第発射。続いてグラヴィティクレッセントを使用します」 「そんな……」 リインも唖然とする。 「確かに被害は最小限に食い止めるべきね…」 ドゥーエが冷静になのはの判断を考える。 「でもそんな…」 「なのは……」 ティアナもフェイトも戸惑う。 「撃たないで下さい! なのはさん! 聞いてますか!? 返事してください!」 なのははスバルに返事を返さない。 「早くしないと!」 スバルはウイングロードをさらに急いで進む。 「なのはさん、本当にヴィヴィオを撃つ気なの…」 「シータ線照射まで398秒」 「臨界まで2895ポイント」 指令室に更なる緊張が走り、ヴェロッサは真剣な顔をしながら状況を見る。 「ティアナ、リイン。何してるの? 早くして」 「で、でもなのはさん…」 「なのはさん待って! スバルさんもいるんですよ」 ティアナとリインが懸命になのはに制止を呼びかけるも、なのはは聞かない。 「命令です」 ティアナはその言葉を聞いて覚悟を決めたかのように発射準備に入る。 「シータ線照射まで290秒」 「5分切りました」 司令室にキャロとルーテシアが入ってくる。 「なのはさん、撃たないで」 「ヴィヴィオを助けて! ヴィヴィオはなのはさんを本当のお母さんだと思ってるんですよ!」 しかしなのはは完全にグラヴィトントルネードパンチの照準を合わせて、完全に発射体勢に入る。 「やめてください! なのはさん! 撃たないで下さい!」 スバルは何とかヴィヴィオのところにたどり着き、ヴィヴィオを縛る触手を自身のアームドデバイスのリボルバーナックルの力でおもっいきりぶっちぎる。 「ヴィヴィオ……」 「う、うう」 ヴィヴィオはわずかだが意識があった。スバルはヴィヴィオを抱えながら、ウイングロードを走る。 そしてリボルバーナックルをグラヴィオンに向ける。 「なのはさーーーーーん!!」 そうこうしている間にグラヴィオンの前に触手の一つが地面から姿を現してグラヴィオンに襲いかかる。 「グラヴィトン、アーーーーーーーーーク!!」 グラヴィオンの額からエネルギーが発射され、触手を消し去り、ゼラバイアの本体に命中する。 スバルはまだ避難が完了しきれてない自分達がいるのにも関わらず攻撃したなのはに怒りを覚える。 「なのはさーーーーーーーーーーん!!」 スバルは思わずリボルバーナックルから自身の技「リボルバーシュート」をグラヴィオンに向かって放つ。 リボルバーナックルは飛距離があまりないために、グラヴィオンに当たってもダメージはない。 スバルはなのはが自分やヴィヴィオに対しても冷酷な顔をしているような気がして、憎しみのような顔をする。 そしてようやくスバルとヴィヴィオが安全圏に離脱する。 『ああああ』 キャロとルーテシアは喜ぶ。 「シータ線照射まで59秒」 もう時間はない。グラヴィオンは発射準備が完了したグラヴィトントルネードパンチを放つ。 「グラヴィトン、トルネーーーード」 「パーーーーーーーーンチ!!」 発射されたトルネードパンチはゼラバイアが覆っていた建物とゼラバイアの硬い装甲ごと打ち破り、急いでグラヴィティクレッセントを投げる。 「グラヴィティクレッセント」 「シュート」 グラヴィティクレッセントがゼラバイアの本体に命中。ゼラバイアは爆発するもシータ線は照射されず、少しの爆発だけで被害が済んだ。 教会に戻った後、ヴィヴィオはすぐに医療室に運ばれる。 ヴィヴィオが運ばれるのを見届けてすぐに、スバルは怒りながらなのはの服の胸元を掴んで、なのはを責めかかる。 「どういうつもりですか!?」 「ど、どうって…。仕方がなかったの。ゼラバイアを倒すのが私の役目だから…」 その言葉はスバルの怒りの炎に油を注ぐ行為であった。 「だからって何をやってもいいんですか!? ヴィヴィオを殺してもですか…。ヴィヴィオはなのはさんをお母さんだと思ってるんですよ。そんな子を犠牲にしようだなんて、あなたそれでも人間ですか!?」 「!」 なのはは心の中でショックを受ける。 「ゼラバイアより、なのはさんの方がよっぽど悪魔です!!」 スバルはなのはの顔をグーで殴る。 リインが殴られたなのはの元に駆け寄ってなのはの顔をさする。 「落ち着けスバル。なのははなのはなりに最善の行動を取っただけだ」 クロノがスバルを落ち着かせようとするが、スバルは止まらない。 「ふざけないで下さい! 仲間を死なせるのが最善ですか!」 「スバル、落ち着いて…」 ティアナもスバルをなだめるがスバルは無視する。 「あたし、降ります。こんな人とやっていけません!」 スバルはそのまま教会を飛び出してしまう。 『スバル!』 ティアナが追いかけるも、スバルの姿はもうなかった。 「スバル……」 なのはとスバルの間に亀裂ができてしまったのだった。 前へ 目次へ 次へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF―― クロス元:地球防衛軍3 最終更新:08/11/5 プロローグ mission1『遭遇』 mission2『戦士達の邂逅』 mission3『傷だらけの英雄』 Aパート mission3『傷だらけの英雄』 Bパート mission4『ファースト・コンタクト』 Aパート mission4『ファースト・コンタクト』 Bパート mission5『無限の欲望』 Aパート mission5『無限の欲望』 Bパート mission6『魔法の世界』 Aパート mission6『魔法の世界』 Bパート mission7『悪夢の胎動』 mission8『誕生 新生ストームチーム』 Aパート mission8『誕生 新生ストームチーム』 Bパート mission9『英霊の帰還』 mission10『セカンドアラート』 Aパート mission10『セカンドアラート』 Bパート mission11『光と嵐と異邦人(前編)』 mission11『光と嵐と異邦人(中編)A』 mission11『光と嵐と異邦人(中編)B』 ――NVP―― ナンバーズVSプレデター クロス元:エイリアンVSプレデター 最終更新:07/12/23 プロローグ 拍手感想レス :ストーム1…カッコイイっす!応援してます。 :帰ってきてくれたやっぱりedfは敵に後ろを見せなかったんだ。 :とても面白いので絶対に完結させて下さい!お願いします! コメントはこちらへ TOPページへ このページの先頭へ
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魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission10『セカンドアラート』" ――新暦七十五年 五月十三日 十二時三分 聖王教会本部―― 三百年以上の歴史を誇る次元世界最大の宗教『聖王教』 古代ベルカ時代に聖王によって作られたこの宗教は、ベルカ人だけではなくミッド人の信者も数多い。 風光明媚な各地の教会は観光名所としても名高く、その中でも一番有名なのは、やはりミッドチルダ北部にある総本山だろう。 ビルのような無機質な建物とは違い、教会本部の大聖堂はその建物自体が芸術といえるほどの豪華さを誇っている。 様々な装飾を施された柱や壁。天井にはめ込まれたステンドグラスは、陽光を浴びて光り輝き聖堂内に神秘的な雰囲気を作り出している。 所々に飾られた彫刻や絵画は単なる芸術品ではなく、名高い偉人達が聖王の偉業や伝説をモチーフにして作った宗教的価値の高い作品達だった。 聖王教会教会騎士兼時空管理局理事官カリム・グラシア少将は、聖堂の一画にある事務室で書類の作成に勤しんでいた。 書類の内容は『アンノウン』対策本部へ送るための報告書だった。 『アンノウン』の出現から二ヶ月以上。被害の拡大に伴い管理局の危機感も本局、地上本部ともに高まり続け、 最初は本局のみの小規模組織だった対策本部も今や本局と地上本部の合同組織となり、三千人以上のメンバーを有するほどになっている。 リンディを始めとする『クラウディア事件』の面々も加わり、ラルゴ元帥の計らいで旧式だが数隻の戦闘艦を所持できるようになった。 カリムも聖王教会代表として協力しており、被害の集計や報告書の作成など裏方の仕事を淡々とこなしている。 だが、彼女がどれだけ貢献しようとも、事は一向に良くならないのが現状だった。 この事件に対して今後どうすべきかについて、本局と地上本部の意見がまったく一致しないのだ。 地上本部が意見を述べれば本局が横槍を入れ、本局が意見を述べれば地上本部が反論を。 メンバーの多くが己の面子や利益を最優先とし、いつのまにか、考えていることは相手の足を引っ張ることばかりになっている。 対策組織がこんなていたらくでは、被害者達も草葉の陰で号泣していることだろう。 それでも『アンノウン』の跳梁だけは何としても阻止しなければならない。 それが今の彼女の勤めであると同じに、亡くなった弟や被害者への最大の供養であるとも思っていたからだ。 「騎士カリム、騎士はやてがいらっしゃいました」 傍らに映し出されたホロスクリーン。来客を告げたのは、教会騎士シャッハ・ヌエラ。 紫の髪を短く切り揃えた彼女は、カリムの友人であり、教会騎士団内でも上位に位置する実力者でもある。 「早かったわね。私の部屋に来てもらってちょうだい」 そう答えると、シャッハに茶菓子の用意をお願いすると、カリムは書類の出来を確認してペンを置いた。 ほどなくして、修道士に案内されて客人が部屋にやってきた。 やってきたのは砂漠民のようなローブを着た人物だった。フードを被っているので顔はわからない。 客人がフードをはねあげた。 その下から現われたのは、見るからに純朴な女性の姿。 薄茶色のショートカットが唯一の特徴である女性らしい柔和な容貌。 着ているものがブレザーなどの制服だったらそのまま女子校生として通用しそうな雰囲気だ。 「カリム、久しぶりや」 彼女の名は八神はやて二等陸佐。古代遺失物管理部機動六課の部隊長である。 ―― 「ごめんなぁ、すっかりご無沙汰してもうて」 カリムの事務室には客人をもてなすためのスペースも用意されている。 ローブを脱いだはやてはそこに案内され、シャッハが用意してくれた紅茶を飲みながらカリムに笑いかけた。 はやては二等陸佐でカリムは少将。 本当はタメ口をきくことなど許されない関係だが、カリムははやての古い友人であり気心が知れている。 なので、他人の目が無いところでは、互いにただの友人として接することが出来ていた。 「気にしないで、部隊の方は順調みたいね」 「うん、カリムのおかげや」 はやては頷いた。 機動六課を設立する際、カリムは後見人の一人として部隊運営に少なからず協力していた。 残りの後見人は本局総務統括官のリンディ・ハラオウンと人事部のレティ・ロウラン。 それに加えて本局の重鎮『三提督』も非公式であるが設立を認めていた。 彼等の助けもあって、はやては部隊を構成するための人材集めに集中することができたのだ。 と、言っても新人以外で集まったのは、はやての身内や友人ばかりだが、それでも高い能力を持った実力者であることには変わりない。 部隊設立の理由はロストロギア災害への対策と迅速な行動が可能な少数精鋭部隊の実験例。『表向き』ではそうなっていた。 「私のおかげか。そういうことにしとくと、何かとお願いしやすいかな?」 カリムは中身の無くなったカップを静かに置いた。 「なんや、今日会って話すんはお願い方面か?」 今までの柔和な雰囲気から一転、真顔に戻ったカリムはホロスクリーンを呼び出しコンソールを操作した。 カリムがはやてを呼んだのは、彼女と茶会がしたかったためではない。相談したいことがあったからだ。 ヘタをすれば、次元世界全体に関わるほどの問題についての相談が。 照明が落とされ、二人の周囲に大小様々なホロスクリーンが浮かび上がる。 そこに写っていたのは、黒い巨大蟻の姿だった。 「なんやこれ? 蟻さん? にしてはちょっと大きすぎるような……」 「新種の生物よ。『アンノウン』の出現とほぼ同時期に次元世界各地で発見されたの。 詳しい生態はまだ不明だけど、調査に行った局員が何度が被害を受けているわ。 ロッサの調査団を皆殺しにしたのも、こいつらよ」 「ロッサを! せやけど、おかしいやん。そんな生き物のことわたし今まで聞いたこともなかった」 「巣に近付かなければ襲ってこないからそれほど重要視されてなかったの。 手を出さなきゃ害のない生き物よりも船を襲う『アンノウン』の方が危険だって考える人の方が多かったしね。 次元世界によっては別種の巨大生物も目撃されてるわ。赤い蟻だったり蜘蛛だったり。 ミッドチルダでは、南の火山地帯で四十メートルクラスの生物の影が数匹観測されたり、 中央の海溝ではもっと大きな四足の人工物の存在が確認されてる。 二つとも場所が場所だからまだ回収作業もちゃんとした調査もされてないけど……それと、これを見て」 ホロスクリーンの映像が切り替わる。 今度の映像は銀色の巨大ロボットだった。 頭部のない丸っこい上半身と背骨を剥き出しにしたような形の下半身。 そこから伸びる手足は異常に細長く、少し歩いただけで倒れてしまいそうだ。 右手首は指のない突起状。左手首はアサルトライフルのような形になっており、それらの存在がこのロボットが兵器であることを示している。 それにしても、見るからにがりがりで頼りないロボットだ。 無駄な贅肉はおろか、必要な筋肉すら削ぎ落としてしまったようにも思える。 並の陸士の砲撃を食らっただけで簡単に壊れてしまいそうだ。 ロボットの映像をじっと見つめながらはやてはそう思っていた。 「これは……?」 「昨日ミッドチルダの西部で発見されたロボット。詳しい性能はまだ不明だけど、大きさはちょっとしたビルくらいはあるそうよ」 「それで、今このロボットはどうなってん?」 「今日明日中に地上本部の研究施設へ列車で輸送されることになってるわ。転送魔法を使えば危険はないんだけど……」 「陸で転送使える人はあんまりおらへんからなぁ」 はやての呟きにカリムは頷いて答えた。 事実、少ない予算と戦力をやりくりしている陸上本部には転送魔法を使える魔導師はほとんどいない。 その一握りですら本局がスカウトしていくため、陸は本局以上の人手不足に陥っているのが現状だ。 なので、陸上本部は本局なら転送魔法ですませるような輸送でも、列車や陸路などといった旧来の方法を使うしかないのだ。 「近頃は船舶の被害は出なくなったし、『アンノウン』の目撃情報も段々減っていってるわ。 巨大生物だって、このごろは巣からまったく出ようとしなくなってるし、巣によっては一匹残らず消え去ったところもある。 対策本部では状況を楽観視する人もいるけど……私は不安なの。もう船を集める必要もなくなって、偵察もしなくなったってことは……」 はやては顎に手を当て、数秒間だけ考え込んだ。 そして、とある結論に辿りついた途端、はやては顔をさっと青ざめ慄然とした。 「まさか……攻撃開始が近いってことか?」 「今はまだ断言出来ないわ。そうなるっていう決定的な証拠はまだなにもない。けど……だからこそ会って話しておきたかったの。 これから何が起ころうとしているのか、どう動くべきか。まだ対応が間に合いそうな今のうちに。 対処を失敗するわけにはいかない。もう、ロッサやクロノ提督みたいなことは、ごめんだもの」 それっきりカリムは押し黙ってしまった 何かに耐えるように俯いて、瞼を閉じて唇を噛み締めている。 おそらく、死んだ弟のことを思い出しているのだろう。 ロッサの遺体は欠片も戻ってはこなかった。 彼の体はバラバラに引き裂かれ、ただの肉片となって洞窟中に散らばっていた。 その肉片を全部かき集めても一つの体にはならなかったらしい。半分以上がロッサを食らった蟻の腹に納まってしまったのだ。 僅かに残ったロッサの遺体も、その後の襲撃で次元の海に消えてしまった。 クロノも同じようなものだ。 次元艦艇の爆発は何千度という熱と猛烈な爆風を生む。 クロノの体は骨の髄までドロドロに溶かされ、欠片も残らなかったに違いない。 葬式のときは、遺体の代わりに予備の制服が棺の中に入れられた。 葬式にはクロノを慕う部下や友人達が集まり、はやても家族と一緒に式に参列した。 エイミィは泣きじゃくる子供達を励まし、リンディは一切の感情を殺したように機械的に喪主を務めていた。 そうしていなければ、リンディは子供を失った悲しみと怒りに耐えられなかったのだろう。 クロノの義妹でありはやての親友でもあるフェイト・T・ハラオウンはなんでもない様子だったが、翌日会ったときには両目を真っ赤に腫らしていた はやては彼女等の気持ちがほんの少しだけわかるような気がした。 なぜならはやても家族を失った経験があるからだ。しかも、自身の目の前で。 『彼女』と過ごした時間は確かに短かったし血の繋がりもない。 だけどはやてにとって『彼女』は大事な家族だった。 はやてや皆のために自身の消滅を決めた『彼女』 助けられなかった、止められなかった、幸せすると決意したのに出来なかった弱い自分。 まさに、世界はこんなはずじゃなかったことばかりだ。 (せやけど……) はやては表情を引き締めて、コンソールを操作してホロスクリーンを消した。 「はやて……?」 怪訝な顔をするカリムにはやては「まあ、なにがあってもきっと大丈夫」と言いきった。 「カリムが力を貸してくれたおかげで、部隊はもう何時でも動かせる。 即戦力の隊長達はもちろん、新人フォワード達も実戦可能。予想外の緊急事態にもちゃんと対応できる下地ができてる。 そやから、大丈夫! ロッサの仇もクロノ君の仇も、みんなわたしが取ったるよ」 はやての脳裏に浮かんでいるのは機動六課の堂々たる面々のことだった。 エースオブエースと呼ばれる『スターズ分隊』隊長高町なのはと『ライトニング分隊』のフェイトはまさに六課の主砲。 副隊長である『ヴォルケンリッター』は、はやての家族であると同時に凄腕の騎士達でもある。 指揮官を身内で固めることに批判があるのも事実だが、それでも彼女等が優秀な戦士であることに変わりない。 フォワードの新人四人はまだ頼りないものの、鍛えていけば隊長陣に匹敵するほどの猛者になるはずだ。 前線部隊を補佐する役目が後方支援専門の部隊『ロングアーチ』 これらにSSランクの自分が加われば、どんな敵が相手でも負けることなどあるものか! (そうや、何があっても大丈夫。わたし自身もつよなったし、力を貸してくれる皆もおる。 『闇の書』の時とは違う。あんな悲しみとか後悔なんてもううんざりや。 今度こそ、わたしは助けられる側から助ける側になるんや) 身につけた強さは自信の源となり、自信が産み出す勇気は勝利と栄光への道しるべとなる。 しかし、時として強すぎる自信は過信へと姿を変え、勇気は蛮勇へと変化する。 それらが導く先は、輝かしき勝利ではなく、泥にまみれた無残な敗北である。 八神はやてと機動六課。彼女達が進む道は栄光へのロードか、それとも…… 一方その頃―― 「冗談ではない! そんなことできるわけないだろう!」 スカリエッティのアジトでも似たようなやり取りが行われていた。 戻る 目次へ 次へ
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第二回戦:試合場【城】結果 このページではダンゲロスSS3第二回戦、城の試合結果を公開します。 投票結果 試合SS キャラクター名 得票数 第二回戦【城】SSその1 遠藤終赤 12票 第二回戦【城】SSその2 紅蓮寺工藤 6票 第二回戦【城】SSその3 黄樺地 セニオ 13票 コメント 「それでは城の異世界戦・投票状況について、大会実況の私、佐倉光素と」 「解説の埴井きららが紹介するよ!」 「三者三様、独自の世界観を持った選手による世界観のぶつかり合いとなった城の試合」 「決着のつけ方も異次元にぽーんと投げちゃう戦いだったね!みんなすごい!」 「ですが試合内容に比べて票の動きは終始、綺麗に推移していました」 「遠藤ちゃんと黄樺地さんに2票入ると紅蓮寺さんに1票入るの繰り返し!」 「徹頭徹尾、終始徹底してそのバランスで票が入り続けました」 「コメントを見ると、みんなどこに投票するか迷っていたみたいだけど……」 「最終的には黄樺地選手に連続で票が入って決着となりました」 「紙一重の攻防!」 「ということで第二回戦、城の試合を制したのはー」 「「貴方もチャラ男の元に!黄樺地セニオ選手です!!!」」 「「おめでとうございまーす!!!」」 遠藤終赤 「勝者だれ」「ヒヒヒ、拙ですウェーイwwww」「マジで誰だよ・・・」ちょっとどのSSの勝者が誰だか全然わかんないんですけど、セニオが地の文まで支配した空間が超たのしかったのでコレで。三本ともものすごかったです。 あえて勝つ場面を描かず、最後の大仕掛けで驚きを与えてくれたこの作品に。 あとチャラい地の文wwwウケルwww 一読しただけでは意味がわからないが、読めば読むほどメタSSとしての技術力が凄まじい。どれに入れるかは相当迷ったが、直感を信じて投票したい。 ダイナミックなメタ描写の殴り合いがどれも素晴らしく、悩みましたが、「赤」と「黄」を入れ替えるという予想だにしなかったアイデアとそこに至るまでの巧妙な複線の数々、それだけでなくチャラップなどの『笑い』もブロック随一であり、シリアスとギャグの両面で非凡な発想を魅せたこちらに投票します。 全SSともややこし気味。メタ能力を活かそうとするのではなく自作品の作風や特色をどうメタるか考えるべきだろう。たぶんそのほうが読者もスッキリしたと思う。判り易さはその2だが色を保持したという意味でその1に投票 わけがわからないが面白かった 紅蓮寺工藤 どれも凄かったけど最後が一番スッと入ってきたので ヒ……ヒヒ…… 黄樺地 セニオ 最大風速は関西KAIMETSU!ww関東SENMETSUww! パンデミックで超SHIMETSUwww!ファントムルージュで眼がTENMETSUwww だったが 3のオチに全て持ってかれた おい!14歳の探偵はどこにいる?どこにいるんだよー! チャラ男に引きずり込まれました 3本とも、メタネタに真摯に向き合い、非常に高度な内容に仕上がっており、甲乙つけがたい。しかしその1はやや中盤の描写が分かり辛く(ことわりは一応しているものの)、ややバタバタしてしまった感が否めない。その2は冒頭のサマーソルトキックがその後特に活かされておらず、また探偵の修行を積んでいるならば終赤は性的な知識も十分に持っているはずであり(探偵小説にはその手の描写も結構ある)全体的にネタに対して詰めの甘さが見られた気がする。というわけで(個人的には)総合的に最もバランスが取れていると感じ、またラストのインパクトも大きかったその3が僅差で上回るか。 どのSSも驚きという要素があって非常に良かった。が、丁寧に伏線を張っておいて、後の展開で読者を置き去りにしない、という観点で優れていたのはこれ。上手い。 いずれ劣らぬ傑作ぞろいでした。メタフィクションのスケールの大きさ、キャラクタの特性活用、チャラ度を考慮してセニオに投票。 失策も恣意設定もなかったのがこれかなあ。面白さでは甲乙つけがたいわい
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―――アースラ 「ん?」 リンディは結界の外で奇妙な光景を見ていた、丸で結界内部を見ているように二人の女性が居ることを・・・ だがそれはすぐに消えた、そしてエイミィの絶叫が響く 「や、闇の書の防衛プログラム!」 モニターに移った光景・・・かつて闇の書事件において倒したはずのプログラム・・・だがそれは復活しただが、 前よりかは縮んでおり体は欠損していた。 「ど、どうして?コアはアルカンシェルで消滅したはずなのに・・・エイミィすぐに解析して!」 リンディの指示にエイミィはすぐに解析をする。 「コアに高魔力反応これは・・・ジュエルシードです!」 「ジュエルシードですって!」 まだジュエルシードが海鳴に存在していたとは・・・恐らく回収し損ねたプログラムの肉片が偶然取り込んだ上に再生、 そして魔力反応に呼応して現れた・・・悩む暇もなくリンディは回線を使って本部に連絡する。 「防衛プログラムの残骸がジュエルシードを取り込んだことによって復活、 至急フェイト・ハラオウンならびにヴォルケンリッターを現地に派遣してもらいたい。」 答えは一時間かかるというのだ・・・リンディは決断した。 「至急デュランダルをクロノの下へ、私も出ます。」 その答えにギョっとする一同、しかし時間を稼ぐに為にはある意味理に叶った選択だ。 「万が一の場合はエイミィ、指揮をお願い。」 指示を出しながらリンディは転倒ポートへ走る。 ―――結界外 「あらあら、とんだイレギュラーのご登場ね、ま、アルクェイドが何とかするわ。」 扇子で口元を隠しながら女性は言う。 「いいのですか本当に?」 「あら、大丈夫よ・・・折角の見世物だもの、これぐらいのアクシデントは付き物よ。」 ―――結界内 「なのはちゃん、大丈夫。」 「え、え・・・。」 光線の直撃を喰らったがバリアジャケットとかいう防護服のお陰か、たいした傷は負っていないようだ、 それに一安心するアルクェイド、そして突然の乱入者を見据える、至る所が掛けているものの禍々しい形をした 何かは虫類と蜘蛛を合わせたような怪物が咆哮をあげながらこちらを見据える。 「あれはなんなの?まさか管理局のとか?」 「いや、違うあれは・・・。」 クロノはあれがなんなのか簡単に説明する、闇の書事件の経緯を・・・ 「ああ、そう・・・いいわ私が何とかするから。」 アルクェイドはクロノに負傷したなのはを託すと防衛プログラムに向かって歩いていった、 それに呼応するが如く怪物によって生み出された異形の傀儡がアルクェイドに飛び掛る。 だがそれはアルクェイドの爪によっていとも簡単に切り裂かれ消えていく。 「アルクさん?」 「なのはちゃん、さっき言わなかったけど私はある理由で管理局に連れていかれそうになった・・・その理由見せてあげる。」 なのはとクロノは感じた、彼女に物凄い魔力が集まっていた。 さっきまでルビーのような瞳は傷一つない黄金の瞳となっていた。そしてアルクェイドが手をかざす。 「星の息吹よ・・・。」 突如無数の巨大な鎖が防衛プログラムに絡みつき其の身を押し上げていく。 「肉片も・・・。」 右手に魔力を集中させる。 「残さないから!!!!!」 『マーブルファンタズム・メルティブラッド』真祖の慈悲なき一撃が防衛プログラムという存在をかき消してゆく・・・。 ―――結界外 「ほら、私の言った通りでしょ、あの程度なら彼女を倒すことすら出来やしないわ。」 自分のように言う紫の女 「あれが・・・例の・・・。」 「そう、私に怪我を負わせた技。」 ―――結界内 「お仕舞いねこれで・・・。」 アルクェイドの手にはプログラムの中枢を担っていたジュエルシードが握られていたが、 「アルクェイド・ブリュンスタッド!やはり我々の下へ着てもらう。」 クロノはデュランダルをアルクェイドに向ける、彼は彼なりの意識でアルクェイドの能力の危険性を察知したのだろう、だが・・・ 「クロノ、デュランダルを下げなさい。」 女の声が響きクロノはデュランダルを下げる、その声の主にアルクェイドは顔を向ける。 「時空管理局提督『アースラ』艦長のリンディ・ハラオウンと申します。」 緑髪の女性はアルクェイドに軽く会釈する。 「アルクェイドさん、貴女の行動は先ほどからモニターさせてもらっています・・・ 貴女も知っていると思いますがそのジュエルシードは大変危険なものですこちらに渡していただけないでしょうか?」 柔らかに言うリンディに警戒心を緩めないながらもアルクェイドは答えた。 「分かったわ、こんなもの持っていても私にはいらないし・・・そうだ取引といかない?ジュエルシードとか言うのは渡すわ、 その代わり私を時空管理局へと連れて行くことをやめてもらいたいんだけど。」 「そんなこと出来ない!」 クロノは叫ぶ・・・アルクェイドの能力はあまりにも危険すぎると判断した、それはそうだ規模は小さいとはいえ防衛プログラムを一瞬にして葬り去るほどの能力者、 挙句にAAAランク魔道士と互角以上に渡り合う存在を野放しに出来るなんて到底出来ない。だがそれをリンディは遮る。 「クロノ、その判断は私がします・・・受け入れましょうアルクェイドさん。」 「かあさ・・・いや提督!」 抗議の声を上げるクロノだが、リンディは首を横に振る。 「クロノ、確かに真祖の捕獲という任務があるけど・・・あれはかなり上層部の一派の私人的な命令でもある、 それにジュエルシード2個を手に入れられるだけ十分でしょ。」 「はい・・・。」 不承不承だがクロノは応じ、負傷者を抱えてアースラに転送される。 「御免なさいねアルクェイドさん、あの子はちょっと融通が利かないのよ。」 申し訳なさそうにリンディは言う。 「ううん、気にすることはないよ・・・ああいう手合いは沢山見てきたから。」 「まぁ本音を言うと貴女が管理局に入局してくれればうれしいんだけどどう?」 「遠慮しておくわ、私はここにある世界が好きだから。」 「そう、あまりムリは言わないわ、高望みすると墓穴掘るといいますからね。」 「まぁね、ところでなのはちゃんは大丈夫?」 「大丈夫、バリアジャケットのお陰で多少の打ち身ですんだようね。」 「分かった、ありがとう・・・もう会うことはないかもしれないけど。」 「ええ、こちらからも礼を言わせてもらいますわ真祖・・・。」 ―――道中 「怪我は大丈夫なのはちゃん?」 アルクェイドはなのはをおんぶしながらビルとビルを渡りながら翠屋へと向かった。 「うん、大丈夫です。」 「そう、ならいい。」 そしてなのはは問う。 「アルクェイドさん、貴女は一体何ですか?会った時から何か不思議な力を感じていましたが。」 そしてアルクェイドは自分が真祖と呼ばれる吸血鬼ということなのは達とは全く異質な存在であることを・・・ そこでなのはは驚いた。 「え!アルクさんって吸血鬼なの!」 「そうよ(具体的に言うと精霊に近い存在だけど。)」 「ええ、だって吸血鬼って日光浴びると灰になるし、十字架や大蒜が大嫌いって。」 ・・・まぁ一般的な価値観とすれば吸血鬼とはそういった者だろう、その答えにアルクェイドは少し失望感があった。 「あのさぁ・・・貴女も魔法使いなら、祖ぐらい知っていると思ったけどそれに日光を浴びると灰になるって・・・。」 そこで彼女は言うのをやめた、そういえば日光浴びても平気な吸血鬼・・・そういえば以前幻想郷に行ったときに博霊の巫女ですら 「日光浴びても平気な吸血鬼って一体なんなのよ!あんた滅茶苦茶すぎ。」 と言われた、それに自分が知っている限り知り合いであるリァノーンもスカーレット姉妹なども日光はダメだったし、 精々爺や、そしてあの忌々しき姉とその従者ぐらいしか思いつかなかった。 「・・・ま、まぁ私は普通の吸血鬼とは違う・・・貴女はいいのなのはちゃん?」 そう真顔に問うアルクェイドに対しても 「ううん、アルクさんが何であっても友達なの。」 とあっさり受け入れ、そんなこんなで翠屋に到着した。 「じゃあおやすみ、アルクさん・・・明日また。」 「うん分かった、じゃあまた明日なのはちゃん。」 ―――ホテル 「よっと!到着。」 アルクェイドはなのはを家まで届け、結界が解けたのか、人が存在するホテルのロビーに向かった、そして見知った顔を見つける、 外に出る分特徴的なナーススタイルではないものの、長い銀髪の女性の事をアルクェイドは知っている。 「永琳?」 「あら、真祖?」 ―――スイートルーム 「久方ぶりね永琳、外の世界に来るとは思わなかったけど。」 「外の世界にちょっとした知り合いが出来たの、ジャム店の女主人なんだけどそこに用事があって新しい謎ジャ・・・じゃなくてちょっとした知識交換を・・・。」 「・・・一応聞かなかったことにしとく、大丈夫なの?イナバはともかく輝夜(あのニート)は?」 「姫様の世話はイナバ達がやっているわ、それに貴女のお陰で使者がやって来る事はほぼないし当分は大丈夫よ。」 アルクェイドは八意永琳の事を知っていた、かつて自分を生み出した朱い月が月に存在していた頃に、永琳は朱い月と互角以上に渡り合い (最終的にはゼルレッチがぶちのめしたが)その記憶が彼女に残っている、そして志貴の直死の魔眼が酷くなり、魔眼殺しでさえ押さえきれなかった時、 ゼルレッチのつてで幻想郷に渡り、魔眼を抑制する薬を作ってもらったのだ、 その対価として真祖の血としょうも懲りなくやってきた月からの使者皆殺しだった、まぁそんなこんなで志貴の魔眼は抑えられることとなったのだが・・・。 「ところで真祖、また幻想郷に来て頂けないかしら?」 永琳の顔が真剣になる。 「突然ね・・・輝夜がまた相手して欲しいとでも言い出したの?」 「それもあるけど・・・。」 次を言おうとした永琳を遮るように空間が裂け二人の女性が現れた。 「久しぶりね真祖。」 「昨日あったばっかじゃない、スキマ妖怪、挙句にさっきタダ見していたくせに。」 「あらそうでしたっけ?」 「はぁーで用件は、紫?」 紫という女性は薄笑いを浮かべた顔のまま話す。 「時空管理局がどうやら幻想郷を嗅ぎつけたらしいわ、恐らく目的は私の能力。」 「そして私が過去に作り上げた『蓬莱の薬』と私自身の確保。」 それにアルクェイドは他人事のように答える。 「それで?私にどうしろと?」 今度は藍という九尾の女性が答える。 「まぁつまりは本部に殴り込みだ、出来ればアルクェイドも参加してもらいたい。」 それをアルクェイドはすっぱりと断った。 「遠慮しておくわ・・・大体紫と藍それに永琳もいれば十分じゃないの?」 扇子で口元を隠したまま紫は答えた。 「少人数では駄目なのね・・・大人数でやった方が面白いでしょ?」 ああ、やっぱりこいつはいつもこうだ・・・アルクェイドは思った。 「で、どれぐらい参加するの、本部への殴りこみ。」 「とりあえず、霊夢はあくまで里に置いとくけど・・・私を含めて、萃香、幽々子と妖夢に魅魔に幽香に妹紅、レミリアと咲夜にパチュリー、 それに永琳・・・後ゼルレッチと貴女の姉も参加するわ・・・」 「それだけいれば十分じゃないの! 「あら、残念ね・・・どうしてかしら真祖?」 「あのねぇ・・・紫のせいで危うく冥界の住人になりかけるわ、閻魔に裁かれかけるわ、魔界(弱かったけど)と神社の神と ガチバトルする羽目になるわ、向日葵畑で酷い目にあいかけるわ、大学教授に拉致られかけたり・・・それに私不在をいいことに 志貴と・・・(ピー)で(ピー)な事して・・・貴女に関わるとろくな目に合わないし。」 「あら残念だわ、折角幻想郷に居る分色々お膳立てして楽しませたけど・・・。」 あくまで不気味な微笑を浮かべたまま紫は残念そうに言う。 「まぁ今となってはいい思い出だったけど・・・あまり体を動かしたくないね、六権王復活の儀式が近いからあんまり力を使いたくないんだけど。」 「まぁ、また機会があれば来なさい、幻想郷はすべてを受け入れる・・・それはとても残酷な話ですわ。」 「はいはい、では幸運を、紫、藍、永琳」 「ええ、貴女もね真祖。」 「そちらも。」 「また暇があれば幻想郷にきなさい、リターンマッチを挑みたい連中も多いし、リァノーンも貴女に会いたがっているわ。」 「ん、またの機会ね。」 こうして3人は部屋から消え去った。 「ふぅ、疲れた・・・今日は色々あったなぁ、明日の約束の為お休み!」 アルクェイドはベッドにもぐりこむと目を閉じた。 ―――はやては何していたって? 「うへへへへへ、リンディ提督もレティ提督もええ胸しとるな~。」 「・・・・。」 レンのお陰で夢の中色々と悶絶していた。 翌日―――翠屋 「アルクェイドさん、此の子は私の友達フェイトちゃん。」 「フェイト・ハラオウンです、よろしくお願いします。」 「うん、よろしく。」 アルクェイドはもう一人友達が出来ることになる・・・ ―――そして 「あ、はやてちゃん。」 親友を見つけたのか、なのはが車椅子の少女に駆け寄る、そしてアルクェイドはその少女の膝上に乗っかっている猫を見つける。 「あ、レン!!」 初日から行方不明だった使い魔を発見した、はやてが言うにはケーキを焼いていたらやってきてケーキをあげたらなついたと言う事だ、アルクェイドは驚いた。 「珍しいじゃん、レンが人に懐くなんて・・・こうみても結構誇り高いからね、あ、そうだ。」 アルクェイドははやてにある頼み事をする、あともう少しだけレンを預かって欲しいと無論お礼はすると言った、だがはやてはそれを断り素直に「ええよ」と言った ・・・その時だ妙な寒気がして後ろに下がった、そしてそこにはさっきアルクェイドが存在してちょうど胸がある所にはやてという少女の両手があった、 そしてはやてはいたずらそうな笑みを浮かべ 「ええ胸しとるな~ちぃ~と揉ませてくれへんかなぁ?」 と言ってくる、当然断るがはやてはじりじりとこっちによってくる・・・ まぁ、そんなこんなで真祖が海鳴に滞在する時間はあっという間に過ぎた。 「アルクさん、やっぱり行くのですか?」 「うん、私にも家があるから・・・。」 「もう会えないのですか?」 「分からない、でも難しいと思う。」 アルクェイドは分かっていた、いずれまた自分は千年城で長きに渡る眠りに付かなければいけないことを・・・。 「私達友達だよアルクさん。」 微笑むなのはにアルクェイドは微笑み返す。 「うん、友達だよなのはちゃん・・・。」 「「またね。」」 ―――数日後の本部 「酷いね・・・。」 リンディは目の前に起きた惨状にただ呟く・・・ 「突如10数名の武装勢力が現れ本部で暴れまわり、任務に付くはずの次元航行艦6隻と任務に付く武装局員の大多数が死亡もしくは負傷、 其の中にはレアスキル持ちのSSランク魔導士が含まれていると。」 レティは淡々と状況を分析する。 「犯人たちは何が目的なの?」 「それがね・・・。」 レティはあの時の光景を思い浮かべる、攻撃を受け爆発する施設、魔法に撃たれ絶叫し倒れる局員達、其の中で一人の日傘をさして 不気味な笑みを浮かべる女性がレティに手紙を渡した・・・それにはこう書いてあった。 「過去の幻想に手を出すな。」 「恐らく、上層部は何か触れてはいけないなにかを知ってしまい、それを無理やり取り込もうとした結果こうなったと。」 「はぁ・・・。」 「管理局も触れてはいけないパンドラの箱に触れたというべきか・・・まずは本部の修復ね、当分忙しくはなるわ、リンディ。」 ―――三咲 「ま、色々あったけど、志貴今からデートに行こう。」 「行こうっていうけどなぁ・・・学校が・・・。」 「学校と私、どっちが大事なの?それに私に黙っていて修学旅行に行っていたじゃないの!」 「う・・・分かったよ、こうときのお前に何言っても無駄だからな、分かった今日一日中どこでも行こう。」 「うん!」 アルクェイドは笑みを浮かべながら志貴に抱きつく、いずれ別れなければならない・・・だけど今は今で楽しもう、そう思った彼女だった。 真祖海鳴りに行くの巻 (一応完) 戻る 目次へ 次へ
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魔法死神リリカルBLEACH クロス元:BLEACH 最終更新:09/05/29 Episode 1 『Death&Magical girl』 Episode 2 『The indication』 Episode 3 『Crossing World』 Episode 4 『Actors gather』 Episode 5 『The Advancement』 Episode 6 『Certain holiday of six mobile divisions』 Episode 7 『The world that intersects again』 コメント欄です 感想やメッセージ等何でも良いので気軽にどうぞ 原作のブリ―チ破面編も佳境になりました。小説のほうも早く続きをみたいです。改めて思います。今ミッドチルダにいるブリ―チ勢とリリカル勢の力の差があります。スカ派にはウルキオラがいます。ウルキオラいるだけで圧倒的てかんじがします。他の破面もでるのか気になります。早く続きがみたいです。 -- 名無し (2009-12-11 19 30 20) 早く続きを? -- 黒 (2009-12-18 21 42 24) 早く続きが読みたいです -- telephone (2010-01-07 11 30 42) いつになったら続きが読めるんだろう -- 司 (2010-01-17 01 13 33) 09/05/29から途切れていますね、作者に何かあったのか?その前に作者って何者実際何しているんだろう -- カイト (2010-01-21 22 29 26) この流れは…放置か…orz -- タク (2010-01-23 12 21 02) 続きが気になるなぁ -- 名無しさん (2010-02-17 23 53 02) なのはとBLEACHのクロス、結構人気ある?まぁ、自分もなのはとBLEACHは大好きだから早く読みたいけど。 -- 名無しさん (2010-02-19 11 04 51) 日番谷とヴィータの勝負の続きがきになる・・・更新がんばってほしいなぁ -- 名無しさん (2010-03-14 23 20 33) あ -- あ (2010-04-01 18 20 12) 続きを期待しています。 -- 名無しさん (2010-04-02 00 14 04) この先の続きが気になる。個人的にはエクシードモードのなのはと刀剣開放第二階層のウルキオラとの戦闘が見てみたいかも -- 名無しさん (2010-06-05 00 12 58) これはいいですね。続きが気になる所です(^^) -- nanasisann (2010-07-16 12 19 19) 更新はまだなのでしょうか・・・ -- teleohone (2010-10-10 19 36 32) 見たい見たい、ジュード -- 名無しさん (2011-10-03 03 16 14) 一体どうなるのか気になります。早く続きが読みたい? -- オメガ (2011-11-28 10 47 52) 更新期待して2年・・・ -- telephone (2012-01-25 16 23 21) 続きが気になる。だけど、ブリーチの圧倒的勝利しか想像できない -- おれ (2012-12-18 16 00 02) 続きの更新お願いします -- 櫂 (2013-01-29 10 51 19) なにかコメントしてください。 もしくは更新をお願いします。 -- 櫂 (2013-01-29 22 16 57) 更新切なく頼みます(´;ω;`) -- 名無しさん (2013-02-19 23 23 01) つづきお願いします゚(゚´Д`゚)゚ -- 名無しさん (2013-02-21 19 56 21) BLEACHもなのはもすきだっ -- ほのボン (2013-02-21 19 57 07) なんか二次創作ってどれも未完結な作品が多く中途半端ですね。途中で放置するぐらいならさっさと削除するか、最初から投稿しないでほしいものです! -- 名無し (2013-03-16 17 12 10) とにかくつづきが見たいです゚(゚´Д`゚)゚ -- tasha (2013-03-17 00 04 32) mitaiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii -- oiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii (2013-05-07 22 38 42) 今更読んで思ったんだけど2話だけ海鳴が鳴海ってなってるのには何か意味が? -- 名無しさん (2013-07-27 23 00 49) 続き -- 名無し (2013-10-31 21 33 10) 更新する気が無いなら削除して下さい!ウザイです。 -- 名無しさん (2013-12-11 23 00 25) 続き書いてくださいお願いします -- 名無しさん (2020-09-03 19 46 25) 名前 コメント TOPページへ このページの先頭へ
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クロス式・意外と壮絶な機動6課隊長陣の休日 小ネタとして描かれた、とある休日の風景 型月・リリカル両キャラの同クロススレで展開されてきた物語の要素を盛り込んだ 双方キャラの競演 休日―プロローグ 休日―道中編 休日―昼休み編 休日―釣りバトル前編A-休日―釣りバトル前編B 休日―釣りバトル中編A-休日―釣りバトル中編B-休日―釣りバトル中編C 休日―釣りバトル後編A-休日―釣りバトル後編B-休日―釣りバトル後編C-休日―釣りバトル後編D 休日-完結編A-休日-完結編B-休日-完結編C-休日-完結編D 休日-オマケA-休日-オマケB-休日-オマケC