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まりさのいる生活 18KB 愛で いじめ 日常模様 追放 番い 飼いゆ 野良ゆ 赤ゆ 子ゆ 捕食種 都会 現代 最後有りきで書いたので、久しぶりに最後まで勢いが続いた 「まりさのいる生活」 その日、私はいつも通り仕事を終え、家路を歩いていた。 空はすでに薄暗く、西空は綺麗な茜色に染まっていた。 角を曲がる。 周りに人影がなくなり、歩いているのは私だけになる。 どこかの家の夕食だろうか? 風に乗ってカレーの匂いが私の鼻をくすぐっていった。 ああ、とてもゆっくりした時間が流れている。 と、そんな私に話しかけるものがいた。 「おねがいします!!たすけてくださいぃぃ!!」 見れば、小汚いボロボロのれいむが電柱の影にいた。 「にんげんさん!おねがいします!!れいむはどうなってもいいから!! おちびちゃんだけでもたすけてください!」 そう言うとれいむはこちらに向かって土下座をするように倒れ、 2本のもみあげを器用に差し出すように持ち上げた。 差し出されたのは1匹の子まりさ。 衰弱しているのか、虚ろな目をしており、呼吸も荒い。 適切な治療を受けなければ今夜にでも永遠にゆっくりしてしまう、そんな状態だった。 「れいむはかいゆっくりでした!!このこにはしっかりとしつけをしました! まりさによくにたとってもゆっくりしたいいこなんです!!だから・・・!」 黙っている私を、話を聞いてくれる人間さんだと勝手に判断したのだろう。 矢継ぎ早に説明を始めるれいむ。 その姿は全くゆっくりしていない。 だが、おおよその事態は把握できた。 れいむは自分を飼いゆっくりと言ったが、「元」飼いゆっくりだろう。 でなければこんなにボロボロな訳がない。 おそらく野良まりさと勝手に赤ゆを作り、飼い主に捨てられた類のゆっくり。 『れいむ、番はどうした?子供は一匹だけか?』 どれだけこの子まりさがゆっくりできる存在か無駄にしゃべり続けるれいむを遮り、私は短く質問をした。 「ゆ・・・まりさはかりにいったままかえってこなかったんです・・・。 おちびちゃんはたくさんいたけど・・・」 そこまで聞けばもう十分だ。 野良生活に慣れていないれいむは番のまりさを何らかの理由で失なった。 元飼いゆっくりで狩りも、身を守る術も十分に行えないれいむは 次々に我が子を失っていったのだろう。 そして最後の1匹も衰弱し、最終手段として人間を頼った・・・。 『・・・ありきたりだな』 「ゆ゛!?」 そう、ありきたりだ。こんなゆっくりなどそこら中にたくさんいる。 (・・・まぁ、ゲスやでいぶでないだけマシな部類だが、な) 『で、この子まりさを私にどうして欲しいんだ?永遠にゆっくりさせればいいのか?』 「ゆ゛!!?ち、ちがうよ!!たすけてほしいんです!!」 ふむ、違うのか。 そうした方がこちらとしても楽だし、長く苦しむよりはいいと思うのだが。 「おねがいします!!れいむはどうなってもいいから!! おちびちゃんだけでもたすけてください!」 このとおりですから!と、再び土下座らしきポーズをとる。 (ふむ・・・) 『・・・れいむはどうなってもいいんだな?』 「ゆ、ぐ・・・はい!れいむ゛ばどうなっでもがまいばぜん!!」 まだどこか覚悟できていないのだろう。半泣きになりながらそう宣言するれいむ。 だが、まあいい。半泣きとはいえ断言できる程度の覚悟があるのなら十分だろう。 『いいだろう、助けてやろう』 「ゆ!ほんとうですか!!」 『・・・線引きはしておこう。助けるだけでいいんだな?』 「ゆぅ・・・で、できればかいゆにしてあげてください! のらはゆっくりできないんです! このままだといつかまたおちびちゃんはまたゆっくりできなくなります!!」 こいつ・・・要求を上げやがった。 『・・・飼いゆねぇ・・・まぁいいだろう』 「ゆ!?ほ、ほんとうですか!?」 『ああ、本当だ。・・・ただし、本ゆんが飼いゆになることを拒否したらその時は飼わんぞ』 「ゆ、それでかまいません!!」 ふむ、まぁこんなところか。 『では最終確認だ』 1つ、れいむはどうなってもいいから子まりさを助ける。 2つ、子まりさが希望すれば、飼いゆにする。 3つ、拒否した場合は飼わない。 「ゆ・・・ゆっくりりかいしました・・・」 『よろしい。ではまずは治療だが、ここでは無理だ。家まで案内しよう』 そうして私は子まりさを飼うことになった。 「おにいさん!ゆっくりおはよう!」 『ああ、おはよう、まりさ』 いつも通り、2階で目を覚ました私は、1階のリビングでまりさと挨拶をし、 まりさのおうちとして与えたケージの扉を開けてやる。 あの日、一晩オレンジジュースの点滴を受けたまりさは朝には元気になっていた。 そして、『飼いゆになるか?』という質問に「なる」と答えた。 『ゆっくり眠れたかい?』 「ゆ!ゆっくりできたよ!べっどさん、ふかふかさんでありがとうね!」 元気よくケージを飛び出たまりさは自分のおうちにそう、声を掛ける。 飼いゆっくりとなった最初の頃は、親が恋しかったのだろう。 巣として与えたケージの中、毎晩ひとりの寝床を涙でぬらしていたが、今ではそんなこともない。 『ほら、朝ご飯だ』 「ゆっくりただきます!」 また、れいむの言うとおり、一通りの躾はされていたらしく、行儀良く餌を食べ、決まったところをトイレにするなど、私を困らせることも少なかった。 『では、行ってくる』 「ゆっくりいってらっしゃい!」 そうして私はいつも通り、再び2階に上がり、用事を済ませてから仕事に出かける。 これがまりさを飼い始めてからの、いつもどおりの朝。 いつもどおりのまりさのいる生活。 そして、これが最後の朝だった。 いつも通り仕事を終え、帰宅した私を迎えたのは、まりさともう1匹、薄汚いれいむだった。 「「ゆっくりしていってね!」」 『・・・・・・』 「ゆ?おにいさん、どうしたの?」 「ゆふふふふ、きっとあまりのゆっくりさにことぼをうしなっているんだよ!」 「ゆ!きっとそうだね!れいむはとってもゆっくりしてるからね!」 そう言うと2匹はゆんゆんとお互いをすりすりし始めた。 薄汚いれいむの頭には赤ゆが5匹実り、ゆらゆらと揺れてる。 『・・・ああ、そういうこと』 それを見た私は、すぐさま状況を理解した、 これまたありきたりの展開なのだろう。 「おにいさん!れいむはまりさのはにーだよ!れいむもかいゆっくりにしてね!」 ほらきた。 『まりさ、野良はゆっくりしてないから、一緒にゆっくりしてはいけないと言っていただろう?』 「ゆぅ・・・で、でもれいむはとってもゆっくりしたれいむで・・・!」 『しかも勝手に赤ゆっくりまで作って。約束を破ったね?』 「で、でもあかちゃんはとってもゆっくりできるんだよ!!」 「ゆぷぷ、そんなこともわからないなんて。ばかなの?しぬの?」 ・・・しかもゲス気質のあるれいむか。 やはり約束させたとはいえ、まりさの望むままに、自由に外に出られるようにしていたのがまずかったのだろう。 優秀なゆっくりとはいえ、所詮は欲望に正直なゆっくり。 まりさは約束を破り、 禁じられた野良ゆっくりに恋をして、 ゆっくりできるからと禁じられた赤ゆを作り、 それを理由にれいむも飼いゆにしてみんなでゆっくりしようとしたのだろう。 ・・・ありきたりだ。実にありきたりだ。 「・・・ゆ?おにいさん?」 『・・・まりさ。れいむを飼いゆっくりにすることはできない』 「「ゆ゛!?」」 『だから、まりさ、選べ。 れいむと赤ゆのことを捨てて忘れて、飼いゆっくりで居続けるか れいむと赤ゆとゆっくりするために、飼いゆっくりをやめるか』 「ゆ゛っ!!?どぼじでぞんなごというの゛!?」 「ま、まりさ!れいむかいゆっくりになれるんじゃないの!?」 『選ぶんだ、まりさ。本当なら約束を破ったお前を問答無用で捨てても良いし、殺してもいい。だが、お前の母れいむとの約束があるから選択はさせてやる』 あの時、私は母れいむに約束した。まりさを助けると。まりさが望むのならば飼いゆにすると。 約束を破ったまりさを罰するのに、私が約束を破るわけにはいかない。 だから、選ばせる。 まりさが希望すれば飼いゆにする。 まりさが拒否すれば飼わない。 母れいむとの約束だ。 「ゆ・・・ゆぐ・・・ま、まりさは・・・」 「まりさぁ・・・」 『選ぶんだ、まりさ』 結局、まりさはれいむと赤ゆを選んだ。 野良はゆっくりできないと飼いゆになるよう望まれたまりさは、 まりさが拒否したことで野良となった。 母れいむと約束した日からずいぶんと日は経っていたが、約束は約束だ。 その日のうちにわずかばかりの選別とともに、まりさは私の家から去っていった。 意気消沈したまりさと、まりさを「うそつき」とわめき散らすれいむはあの日と同じ、茜色の空の下に消えていった。 私といえば、まぁ、それなりに可愛がっていたまりさに裏切られ、数日は落ち込みもしたが、今ではすっかりと前の、まりさののいなかった頃の生活に戻っている。 今日も私はいつも通り仕事を終え、家路を歩いていた。 最近は日が落ちるのも早くなり、空は綺麗な茜色から藍色に変わりつつあった。 色々あったが、季節はゆっくりと巡っていっている。 角を曲がる。 相変わらずここからは周りに人影がなくなり、歩いているのは私だけになる。 どこかの家の夕食だろうか? 風に乗って焼き魚の匂いが私の鼻をくすぐっていった。 ああ、とてもゆっくりした時間が流れている。 と、そんな私に話しかけるものがいた。 「おねがいします!!たすけてくださいぃぃ!!」 見れば、小汚いボロボロのあのまりさが電柱の影にいた。 「おにいさん!おねがいします!!まりさはどうなってもいいから!! おちびちゃんだけでもたすけてください!」 そう言うとまりさはこちらに向かって土下座をするように倒れ、 脱いだ帽子をおさげで器用に差し出すように持ち上げた。 差し出されたのは1匹の子まりさ。 衰弱しているのか、虚ろな目をしており、呼吸も荒い。 適切な治療を受けなければ今夜にでも永遠にゆっくりしてしまう、そんな状態だった。 「まりさがばかでした!!のらはぜんっぜんゆっくりできません!! このこにはしっかりとしつけをしました! とってもゆっくりしたいいこなんです!!だから・・・!」 黙っている私を、話を聞いてくれていると勝手に判断したのだろう。 矢継ぎ早に説明を始めるまりさ。 その姿は全くゆっくりしていない。 『まりさ、愛しのれいむはどうした?子供は一匹だけか?』 どれだけこの子まりさがゆっくりできる存在か無駄にしゃべり続けるまりさを遮り、私は短く質問をした。 「ゆ・・・れいむはでいぶになっちゃって、もうぜんぜんゆっくりできないんだよ・・・。 おちびちゃんはれいむによくにたこはたくさんいたけど・・・」 そこまで聞けばもう十分だ。 元々ゲス気質のあったれいむは、子を産み、でいぶと化した。 れいむは自分と同じれいむ種だけを優遇し、1匹だけ生まれた子まりさを冷遇したのだろう。 そして、野良生活に慣れていないまりさは満足に狩りもできず、得られる餌は少ない。 愚図、全然ゆっくりできないと罵倒され、自分によく似た子はどんどん衰弱していく。 全くゆっくりできなくなったまりさは子まりさを連れて巣を飛び出し、最終手段として人間を、元飼い主の私を頼った・・・こんなところだろう。 『・・・ありきたりだな』 「ゆ゛!?」 そう、ありきたりだ。しかもほぼ母れいむと同じ会話展開だ。 いやはや、親子というのはこんなところまで似るのかと感心する。 『で、この子まりさを私にどうして欲しいんだ?永遠にゆっくりさせればいいのか?』 「ゆ゛!!?ち、ちがうよ!!たすけてほしいんです!!」 ふむ、違うのか。 そうした方がこちらとしても楽だし、長く苦しむよりはいいと思うのだが。 それに、もうまりさは自分の意志で野良になっているのだ。母れいむとの約束は果たされていて、もう守る必要もない。 「おねがいします!!まりさはどうなってもいいから!! おちびちゃんだけでもたすけてください!」 このとおりですから!と、再び土下座らしきポーズをとる。 (ふむ・・・) 『・・・まりさはどうなってもいいんだな?』 「ゆ、ぐ・・・はい!までぃざばどうなっでもがまいばぜん!!」 まだどこか覚悟できていないのだろう。半泣きになりながらそう宣言するまりさ。 さすが親子。ここまで似るか。 ゆん生の大半を私と過ごしたはずなのだが「3つ子の魂、百まで」ということか・・・。 いいだろう。ここまで同じ展開なのだ。興が乗った。 私も同じことをしてやろう。 『いいだろう、助けてやる』 「ゆ!ほんとうですか!!」 『・・・線引きはしておこう。助けるだけでいいんだな?』 「ゆぅ・・・で、できればかいゆにしてあげてください! のらはゆっくりできないんです! このままだといつかまたおちびちゃんはまたゆっくりできなくなります!!」 ははははは!また一緒だ! こみ上げる笑いを必死に押さえつける。 『・・・飼いゆねぇ・・・まぁいいだろう』 「ゆ!?ほ、ほんとうですか!?」 『ああ、本当だ。・・・ただし、本ゆんが飼いゆになることを拒否したらその時は飼わんぞ』 「ゆ、それでかまいません!!」 『では最終確認だ』 1つ、まりさはどうなってもいいから子まりさを助ける。 2つ、子まりさが希望すれば、飼いゆにする。 3つ、拒否した場合は飼わない。 「ゆ・・・ゆっくりりかいしました・・・」 『よろしい。ではまずは治療だが、ここでは無理だ。家まで案内しよう』 ・・・すばらしい。たまらない! ここまで、ここまで一緒か!まりさ! いいだろう!あの時と同じように約束は守ろう! そしてお前は知ることになる! お前が飼いゆになるのと引き替えに母れいむがどうなったのかを! 家に着き、まずあの時と同じように、オレンジジュースの点滴を用意し、子まりさの治療を始める。 『・・・これで明日の朝には元気になっているはずだ』 「ゆ・・・よかったよ。ありがとう!おにいさん!」 目に見えて顔色の良くなった子まりさを見て、ほっとしたのだろう。 まりさの顔にも笑顔が戻った。 『さて、まりさ。お前はどうなっても構わないんだったな?』 「ゆぐっ!?・・・ゆ、か、かまわないよ・・・」 ははは、本当に素晴らしい。 まりさ、お前は知らないだろうけど、母れいむもそんな顔をしていたよ。 『ではこっちだ、まりさ』 「おそらをとんでるみたい!?」 まりさを持ち上げ、リビングを出る。 目指すは、2階。まりさが入ったことのない場所だ。 『お前は2階に上ったことがなかったよな?』 「ゆ?そうだよ。のぼっちゃだめっていわれたし、かいだんさんはゆっくりできないよ・・・」 そうだ、その通り。 2階に上がってはいけない。それもまりさとした約束の一つだった。 まぁ、まりさの場合、1度だけ約束を破って上ったことがあったが、派手に転がり落ちて餡子を吐くほど床に叩きつけられ、それ以来近づこうともしなかったが。 『懐かしいな。お前の母親もこうやって2階に連れていったよ』 「ゆ!? おかあさん!?」 『ああ、そうさ』 2階の1室。寝室の隣のドアを開ける。 『ただいま、いい子にしていたかい?』 「「うー☆」」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・どぼじでれみりゃがいるの゛ーーーーーー!!!」 そこにいたのは、れみりゃ。金バッチをつけた成体が1匹と銀バッチの子が2匹。 3匹ともうれしそうに部屋を飛び回っている。 『何でって・・・飼ってるからだよ』 私の言葉に呆然とするまりさ。 「まさかまりさのかわりに!?」 『馬鹿言うな。あの成体が子ゆっくりの時からずっと飼い続けているんだ。お前は関係ない』 そう、私はれみりゃを飼っている。子ゆっくりからここまで育て上げた。 「で、でも、あかちゃんはだめって・・・!」 『お前も我慢していればそのうち許してやったさ。同じ飼いゆの番を探してね』 「ゆぅーーーーーーーーーーーー!!?」 「うー☆」 と、子れみりゃが1匹、近づいてきた。 「ゆわわわわ! こないでね!? こないでね!?」 『よしよし、待て!』 「「うー☆」」 私の「待て」を聞き、3匹とも床に着陸し、こちらにキラキラと催促するような目を向けてくる。 「ゆわ、ゆわ・・・!」 未だ逃げ出そうとするまりさを左手でしっかりと押さえつけ、私は部屋にある防音ケースからあるものを取り出し、床に放り投げる。 「ゆべっ!!いちゃいよ!ゆっきゅりしちぇにゃいにぇ!」 それはれいむ種の赤ゆ。 「ゆ!?」 まりさが混乱しているようだが、放っておく。 『よし!』 「「うー☆」」 「ゆ?ゆぴぃーーーーーー!!れみりゃだーーーー!!こっちこにゃいでにぇ!」 「うー☆」 「ゆぴぃ!!?」 「うー☆」 「ゆべぇ!?」 「うー☆」 「ちゃべ・・・ゆべぇ!・・・にゃいでにぇ!・・・れい・・おいじぎゅ・・にゃ・・!!」 私の号令を聞き、赤れいむに群がるれみりゃ達。 「・・ゆ゛・・・・・もっちょ、ゆっきゅ・・・」 「「うー☆」」 あっというまに赤れいむはれみりゃ達の餌となって皮だけを残し、消えた。 「ゆ・・・ゆぅ!?おにいざん!!なんなのごれ!!?」 『れみりゃにご飯をあげたのさ』 「ゆぅ!?」 れみりゃは捕食種だ。最初はゆっくりフードで育てていたのだが、ある時から生き餌に替えた。 生き餌の方が食事毎の狩りが運動になるのか、元気で調子も良くなるのだ。 「うー」 『足りないのか?まぁ待て。今日は特別なごちそうがあるからな』 「「うー☆」」 「お、おにいざん!?まざがばでぃざがぞのごぢぞうじゃないよね!!?」 ほう、勘が良いな。だが、残念。 『はずれだ、まりさ』 「ゆ?」 『ほら、これがごちそうだぞ』 「「うー☆」」 「ー・・・ー・・・」 ケースから取り出したそれは成体のれいむ。 身体にはいくつものチューブが繋がっている。 「ゆ?なんなの、このれいむ・・・」 チューブはオレンジジュースや精子餡の詰まった容器に繋がっている。 これはれみりゃ達のための、生き餌を作る赤ゆ製造器。 「ぜんぜんゆっくりしてないよ・・・」 足は動かぬように焼かれ、口も縫いつけられ、目だけが虚ろに光っている。 と、その虚ろな目が驚きに見開かれ、光を取り戻す。 「ゆ?なんなの?」 「ーーーー!!?ーーーーー!!?」 光を取り戻した目は、まりさを見ている。 必死に何かを伝えようとしているようだ。 『・・・それ、お前の母親な』 「ゆ゛!?」 そう、このれいむはあの母れいむだ。 あの日、自分はどうなってもいいと言ったれいむは赤ゆ製造器となった。 1匹の自分の子を救うために、それよりも多く、自分の子を生き餌として産んだれいむ。 「ーーーーーーーー!!ーーーー!!」 その身体はもうボロボロで、皮はひび割れている。 『・・・対面はこれぐらいで良いか。れみりゃ』 「ゆ゛!?まってね!?おにいさんまってね!?」 「ーーーーーー!!ーーーーーーーー!!」 『よし!』 「「うー☆」」 れみりゃ達がれいむに飛びかかる。 「ーーーーーー!!??」 「やめてね!?おにいさん!?やめてね!?」 ゆっくりと中身を吸われていくれいむ。 長い間、全くゆっくりできていなかったその中身はさぞかし甘くなっていることだろう。 『・・・れいむ、私は約束を守ったよ。まりさは飼いゆっくりになって、ここまで大きくなった。残念ながら勝手に野良と番になって飼いゆでいることを拒否して野良に戻ってしまったけどね』 「ーーーーー!!??」 れいむが暴れ出す。 それは痛みのせいか、それとも我が子の現状を聞いたからか。 『そしたら今日、まりさが私に助けを求めてきたんだよ。あの日の君のように』 「ーーー!?」 繋がっていたチューブが外れていく。 オレンジジュースが、精子餡が飛び散るが、気にせず独白を続ける。 『そう、あの日の君のように、だ。さすが親子だね。細部は違うものの、まったく同じ展開だったよ』 「ーーーーーーーゆがべへぇ!?」 暴れたからだろうか?縫いつけていた口が開いた。 これにも構わず続ける。 『台詞も同じだったよ。自分はどうなってもいいから、子供を助けてくださいってね。大丈夫、君の孫にあたる子まりさは助けたよ』 「ゆがっ!?ぐべっ!?」 ふと見れば、まりさはおそろしーしーを漏らしていた。 『あまりにも一緒すぎてね。感動すら覚えたよ。だから』 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 痙攣が始まる。もう長くはない。 『だから同じ約束をした。この「野良まりさ」は君と同じになる』 「「ーーーーーーーーーーー!!」」 最後の叫びはれいむとまりさ、親子のものだ。 れいむは中身が無くなった断末魔の叫び。その中に我が子の末路を知った絶望も混じっていただろうか? そしてまりさは自分のこれからを知った叫び。 「「うー☆」」 れみりゃ達が満足そうに飛び回っている。 さぞかし、甘いごちそうだったのだろう。 『よかったな、れみりゃ・・・さぁ、「野良まりさ」君』 「ゆ゛!?やめでね!?ゆっぐりざぜでね!!? ゆ、ゆ、ゆわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」 「・・・ゆ?きょきょは?」 『ゆっくりおはよう、まりさ』 「ゆ?にんんげんしゃん?」 『昨日のことを覚えているかな?君のお父さんに頼まれて君を助けたんだけど』 「ゆっ!おぼえちぇるよ!ゆっくちありがちょう!」 『なに、感謝するならお父さんにしなさい。自分はどうなってもいいから、子供を助けてくださいって言って、君を助けるために頑張った・・・いや、「頑張っている」んだから、ね』 「ゆ!?そうぢゃよ!おちょうしゃんは!?」 『別の場所で「頑張って」いるよ。・・・ところでまりさ』 「ゆ?」 『私の飼いゆっくりになるかい?』 そうして私は「まりさ」を飼うことになった。 さて、2階に上がってれみりゃ達に生き餌をあげよう。 それからまたいつも通り、仕事に出かけよう。 そう、前と同じ、「まりさ」のいる生活だ。 〈了〉 今までに書いたもの 『おねぇさんのゆっくりプレイス』 『詰める』 『れっつびぎん』 『ぱぺっとショウ』 『おねぇさんのゆっくりプレイス・2』 再開後の作品 『「まりさ」が好きな人』 『ドスまりさになれる授業』 『饅頭(マントウ)』
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『優しいおにいさん』 3KB いじめ 観察 思いやり 愛情 いたづら 飾り 家族崩壊 野良ゆ 子ゆ 都会 現代 すごく久しぶりに書きました 優しいおにいさん 「おぢびぢゃぁぁぁんどごにいるのぉぉぉぉ!!」 とある路地裏で薄汚いれいむが叫んでいる。 そこに一人の男が通りかかる。 「やぁ、れいむ。ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっぐりじでいっでね!!!・・・っゆ!それどころじゃないんだよ!!れいむのかわいいおちびじゃんがぁぁぁ!!」 「もしかして居なくなっちゃたのかい?」 「ぞうなんでずぅぅぅ!!しんじゃったまりさににたとってもゆっくりしたおちびちゃんがぁぁぁ!!」 「それは大変だ。僕も探すのを手伝ってあげよう。」 「ゆっくりしたおにいざん!!ありがどうございまずっ!」 ~数分後~ 「駄目だ・・・この辺を見て回ったけど何処にも居なかったよ。」 「ゆぅぅぅぅ!?ぞんなぁぁぁぁ!!」 「れいむ、言いにくいけどたぶん君のおちびちゃんはもう・・・」 「ゆ・・・。おにいざん、わかっでるよ・・・にんげんさんにもみつけられないんだからおちびちゃんはもうえいえんのゆっくりぷれいすにいっちゃったんだね・・・」 「・・・すまないれいむ。僕がもう少し早くここに来ていればおちびちゃんが見つけられたかもしれないのに!」 「ゆ、おにいさんは・・・わるくないよ。」 「れいむ・・・」 「れいむが・・・れいむがおちびちゃんからめをはなしていなければごんな・・・ごんなごどには・・・ゆぅぅぅ!!」 「れいむ涙を拭くんだ。過ぎたことをいつまでも悔やんでも仕方ない。おちびちゃんもきとそんなお母さんは見たくないって言うぞ。」 「そうだね・・・。れいむはおちびちゃんのぶんまでゆっくりいきていくよ!!(キリッ)」 「君は野良におくには惜しいほど素直だね。・・・そうだ!そんな君にいいものをプレゼントしよう。」 「ゆ?いいもの?」 「ほらさっき見つけた飾りのない変なゆっくりさ。こいつを君に進呈しよう。」 「ゆんやぁぁぁぁ!!おきゃぁぁぁしゃぁぁぁんきょわっかっちゃよぉぉぉ!!」 「ゆゆゆ!ほんとだね!うすぎたなくてきもちわるいゆっくりがいるよ!!」 「おきゃーしゃん!?どぼぢでじょんなぎょぢょいうのぉぉぉ!?まるでちじょうにまいおりたてんちしゃんのようなまりちゃがかえっちぇきたのにぃぃぃぃ!!」 「ばかいわないでね!!おまえみたいなごみくずがれいむのおちびちゃんなわけないでしょぉぉぉ!!」 「あらら、こいつはひどいゲスだな。れいむ、おちびちゃんの代わりといっちゃ何だがこいつをいじめて傷ついた心を存分に癒してくれ。」 「ゆっくりりかいしたよ!!こんなへんなゆっくりをいじめるくらいじゃれいむのかわいたこころはいやされないけどぞんっぶんにいためつけてやるよぉぉぉ!!」 「やじゃぁぁぁ!!おきゃーしゃん!どぼじでぞんなごぢょいうのぉぉぉ!?」 「うるさいよ!れいむのすとれすのはけぐちになれることをこうえいにおもってね!!」 「ゆぴぃぃぃぃ!!やじゃ、やじゃぁぁぁ!!」 「それじゃ僕はこの辺で、れいむ強く生きるんだぞ。ゆんごくに逝ったおちびちゃんのぶんまでな。」 「おちびちゃん・・・ゆんごくでみててね。おかーさんはつよくいきていくよ。」 「まりちゃここにいるよぉぉぉ!!ゆんやぁぁぁぁぁぁ!!」 「うるさいよ!!さっさとおうちにいくんだよ!!いますぐでいいよ!!」 「ゆんやぁぁぁ!!まりちゃのしゃらしゃらへあーしゃんをひっぱらないぢぇぇぇぇぇぇ!!」 「うるさいよ!おまえみたいなゲスはおうちについたらさっそくおしおきだね!!」 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ~数日後~ あのれいむがどうなったか見に来た僕だったが見つけられたのは大小の黒い染みだけだった。 あの二匹がどうなったか興味があったので実に残念だ。 仕方ないので帰ろうと思ったがふと思いついてポケットから入れっぱなしでくしゃくしゃになった黒い帽子を取り出して小さい染みのほうに乗せてやった。 「よかったなれいむ、おちびちゃんが見つかったぞ。」 おわり
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※俺設定 ※いろいろと被るかもしれません ※3回に分けると思ったけど4回にします ※ユ○ルイネタじゃないです ※今後、ユ○ルイにも絡ませません ※ただの単体SSです 時をかけるまりさ 中 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 まりさの顔面に大きな穴が開いていた。 『あ~あ、手が汚れちまったよ。え~タオルタオルと・・・。』 じねぇっぇぇえ!!!! じねっぇぇぇえええ!!!! ばでぃざのがわいいでぃぶどぉぉおお!!!!! おぢびじゃんんをごろじだぁぁっぁぁあぁ!!!! にんげんばぁっぁぁぁぁ!!!!!!! じねぇっぇぇえええええ!!!!! まりさは心の中でさえ、平穏な心を保てなくなっていた。 心の中の声でさえ、痛々しく苦しい濁音交じりの怒声になっていた。 それほどまでに、まりさの怒りは衰えることがなかった。 『もう何回目かわかんなくなっちゃったよ!!! 1万回だったかな?2万回だったかな? それとももっとたくさんだったかな???』 頭の中の声が言うように、もう数え切れないくらい、 まりさは、何度も何度も人間に立ち向かっていった。 なんがいばまげようがじっだごどじゃないんだぜっぇぇええええ!!!!! ゆっぐりごろじばいげないごどなんだぁぁぁぁ!!!! ごんなごどばぁっでばぁっぁぁああ!!!! いげないんだぜっぇぇぇえええ!!!! じねぇっぇえええ!!!! ばでぃざのぉおおおぉ!!! でぃぶどぉおぉおお!!!!! おぢびじゃんをおぉおぉおおお!!!! がぇずんだ 「ぜっぇヶrkjrcんfrsmvhんtyしd!!!!!!!」 10秒後。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 まりさの顔面に大きな穴が開いていた。 『あ~あ、手が汚れちまったよ。え~タオルタオルと・・・。』 どぼぢでっぇぇぇぇえ!!!! どぼぢでっぇぇぇえええ!!!! どぼぢでっぇえええ!!!! ばでぃざばぁぁっぁあ!!!! にんげんざんにんがでないのぉぉおぉお!!!!!! 『いい加減、諦めたら??? 実は、自分でもとっくの昔に気づいてるんでしょ??? どうあがいても人間さんに勝てないって・・・』 だがらぁっぁぁあ!!! ぞれがどうじだんだぜっぇぇえええ!!!! ばでぃざのぉおぉおおおお!!! だいぜづなぁっぁあぁ!!!!! だいぜずなぁぁぁああ!!!! でいぶがぁっぁああああ!!!! おぢびじゃんがっぁぁあああ!!!!! にんげんざんにがでないがらどがぁっぁああ!!! がんげいないんだぜっぇえええ!!! でいぶのがだぎぃいいいい!!!! おちびじゃんのがだぎぃいいいぃ!!!! じねぇっぇぇえええ!!!! ぜっだいにじねぇぇえええええ!!!! ぜっだいに 「じねぇmkfjぇくcんfybsんddshvhぶskかdrgせyfhfんcbsでryついえ!!!!!」 10秒後。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 まりさの顔面に大きな穴が開いていた。 『あ~あ、手が汚れちまったよ。え~タオルタオルと・・・。』 ど・・・ぼ・・・・ぢ・・・で・・・ 薄れ行く意識の中、まりさは最後の最後まで、 人間に対する憎しみを燃やし続けるまりさ。 『ふぅ~ん。 ただのバカかと思ってたけど、 ものすごく家族思いっていうことだけは、 認めてあげるよ!!!!』 ぞ・・・れが・・・ど・・・ぼぢ・・・だ・・・ 『正直に言いなよ!!! 何をしたってまりさは人間さんに勝てないって!!! ここまで頑張ったんだから、バカにしたりしないよ!!!』 ばでぃ・・・ざ・・・ば・・・ じら・・・ながっだ・・・ にんげんざん・・・ごんなに・・・づよい・・・なんで・・・ もう・・・なにをじで・・・・も・・・ がで・・・る・・・ぎが・・・ 『正確には、人間さんが強すぎるんじゃなくて、 まりさが弱すぎるんだけどね!!!』 ぞれば・・・ない・・・ばでぃざば・・・ もりの・・・おうじゃ・・・ にんげんざんいがいなら・・・ 『そうなんだ!!! まりさは森の王者だから、人間さん以外なら 勝てるんだね!!!!』 ぞうだ・・・ にんげ・・・ん・・・ざん・・・いがい・・・ な・・ら・・・ 『じゃあ、もう一回、時間を戻してあげる!!!』 でも・・・ばでぃざば・・・ にんげんざ・・・んにば・・・かでないんだ・・・ 「ぜ・・・・ゆっ!?」 「ゆっくりしていってね!!!まりさ!!!」 「「「「「おとうしゃん!!!!ゆっくちちていってにぇ!!!」」」」」 まりさの目の前には、れいむと、5匹の子供たちがいた。 まりさが狩りに行くため、巣から出て行く前までに時間を戻されていたのであった。 まりさは信じられなかった。 幾千幾万と見続けたれいむと子供たちの残骸。 その残骸だったはずの家族が今、目の前で、ニコニコと笑っているのだ・・・。 まりさは嬉しさのあまり、瞼に涙を溜めた。 れいむ・・・ おちびちゃん・・・ まりさは・・・みんなのためなら・・・ どんなことでもするよ・・・ みんなが生き残るなら・・・どんなことでも・・・ まりさは人間さんには適わないけど・・・ それでも・・・それでも・・・ まりさは・・・ まりさは今、久々に見る家族の元気な姿に、号泣寸前であった・・・ 「み・・・みん・・・みん」 『ゆっくりしてる場合じゃないよ!!! あと少しで人間さんが来るよ!!! ゆっくりしていないで早く逃げてね!!!』 まりさの頭の中で声がした。 そうだ・・・ 今なら・・・ 今ならっ!!!! 間に会うっ!!!! 「みんなぁぁぁっぁああ!!!! ゆっぐりじないでっぇぇえええ!!! ばやぐにげるよぉおぉおおお!!! ごわいにんげんざんがあぁぁああ!!! ちがづいでるよぉおおおぉ!!!!」 まりさは泣き喚いた。 その声にれいむや子供たちは、一瞬、固まり、 しばらくした後に・・・ 「きょわいよぉおぉおおぉお!!にんげんしゃんはぁぁぁあ!!!きょわいよぉお!!」 「ゆんやぁぁああ!!!!ゆっくちできにゃいぃいいい!!!」 「もうやじゃぁぁぁぁあああ!!!!おうちきゃえるぅうぅううl!!!」 「どぼぢでしょんにゃこちょいうにょぉぉおおぉおおぉ!!!!」 「おとうしゃんん!!!おきゃあしゃんんんん!!!たしゅけちぇぇぇえ!!!」 下腹部をプルンプルンと震わせて、転げまわるように泣き出す子供たち。 「まりさ・・・おちびちゃんたちがこわがってるよ・・・」 れいむもまた、体を小刻みに震わせる。 みな一様に、ゆっくり出来ない声をあげたまりさを、 畏怖の視線で見つめだす。 自身の逸る気持ちを思わず、声にしてしまい、 家族に必要以上に不安にさせてしまったと、気づき、 失敗したと思うまりさ。 「ゆ゛っ!!! ご・・・ごべんねぇええ・・・ でも・・・にんげんざんが・・・ちがづいでるのば・・・ ぽんどの・・・ごどだぜ・・・」 まりさのもまた、体を震わせていた。 早くこの場から家族を連れて立ち去りたい。 それだけしか頭になかった。 「どぼぢでぞんなごどをいうの・・・」 れいむは、怖がりながら問いかける。 さっきまでゆっくりしていたまりさが、 なんでこんなにゆっくり出来ないことを言うのか、 不思議でたまらなかった。 「おちびじゃんだぢ・・・ ごわがらぜで・・・ごべんねぇ・・・ ぼ、ぼら・・・おどうざんの・・・ おぼうじのながに・・・ ゆっぐりじないでばいっでねぇえ・・・」 まりさは、自身の帽子を脱ぎ、 その中に、子供たちを詰め込んでいく。 「おとうしゃんんん!!!きょわいよぉお!!!」 「しょうだよぉおお!!!もっちょゆっくちちようよぉおぉ!!!」 「きょきょはみんにゃのゆっくちぷれいしゅにゃんだよぉお!!!」 「ゆっくちちちゃいよぉおぉおお!!!」 「ゆんやぁぁあ!!!!どぼぢでしょんなこちょいうのぉぉぉぉ!!!」 相変わらず、泣き続ける子供たち。 それをお構いなしに、無理矢理、帽子に詰め込んでいく。 「いちゃいぃぃい!!!」 「ゆっくちぃいぃいい!!」 「つぶりぇりゅぅうぅう!!!」 「やめちぇぇええええ!!!」 「だちてえぇぇぇええ!!!!」 無造作に帽子に詰められて、それぞれ、悲鳴を上げる子供たち。 そんなことは一切無視するまりさ。 まりさは、もうすぐ襲い掛かってくるだろうと思われる人間への恐怖で、 いっぱいであった。 今、ゆっくりしてたら、殺されてしまう。 まりさは、それ以外のことは考えられなくなっていた。 何万回と挑んで負けた記憶が、ここに来て、やっと餡子に定着したのか、 自分より圧倒的に強い人間たちが、自分たちを潰しにやってくるという恐怖のあまり、 体はプルプルと震え、子供たちを入れるおさげも痙攣を起こし、 入れる最中に急に止まってしまったり、 さらには、れいむの前だというのに、チョロチョロとしーしーを 漏らす醜態を晒してしまった。 ブリュ ブリリィイィイ!!! まりさは、強く目を閉じた。 なんと、抑えきれない恐怖が、うんうんまで漏らしてしまったのだ。 まりさの自尊心は、この時、ポキッと折れてしまった。 いくらなんでも、人間に対して、恐怖心を持っているとはいえ、 最愛の妻の前で、しーしーどころか、うんうんを漏らすとは・・・ 自称、森の王者と名乗っていたことに対して、 まりさは、物凄く恥ずかしくなった。 こんなに人間さんを恐れるなんて・・・ こんなに人間さんが怖いなんて・・・ まりさはかっこ悪い・・・ 大好きなれいむの前で・・・ しーしーさんだけじゃなくて・・・ うんうんさんを漏らすなんて・・・ なんてかっこ悪いんだ・・・ 「ゆ゛ぐっ・・・ゆ゛・・・」 目を閉じたまま、まりさは泣き声を押し殺した。 恐らく、れいむはこんなかっこ悪い自分を見て、ドン引きしているだろう。 なんて情けないんだと言わんばかりに、ただひたすら泣き続けるまりさ。 まりさは、自身のゆん生の中で、心の底から後悔をした。 自分が人間に適うなど思っていた驕りに。 まりさは弱かった。 人間と幾度戦った結果、やっとそのことに気づいた。 そして、餡子には人間への恐怖が今、まりさを完全に支配している。 体のコントロールはまりさの意思に反して、体中の餡子が悲鳴を上げている。 その事実に気づいた時、まりさは人間には絶対適わないということを、 ここで再度理解したのである。 「まりさ・・・」 無様に体を震わせて、時々、ピクピクと痙攣を起こして、動かなくなると思ったら、 しーしーやうんうんを漏らすまりさを見て、案の上、ドン引きしているれいむ。 「ゆ゛っ!!!こんなしてるばあいじゃないんだぜっぇええl!!!!!」 まりさは、れいむの声を聞いて、やっとのことで我に戻った。 「ここはにんげんさんがくるから!!! ゆっくりしないではやくにげるんだぜっぇぇえ!!!」 まりさは、そういうや否や、即、その体をピョンピョンと弾ませて、 森の奥深く目指して、全力疾走していった。 「まって・・・まりさ・・・れいむには・・・あかちゃんが・・・」 まりさに着いて行こうと、身重の体に鞭打って、 まりさのスピードに付いて行こうとするれいむ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 まりさはゆっくりしないで、とにかく森の中へ目指していく。 森の中なら安全だ・・・ 人間もそこまでやってこない・・・ 森の中へ行くんだ・・・ 急いで森の中へ・・・ 「ばで・・・ざ・・・ま・・・で・・・」 れいむが苦しそうに息を切らしているのにも関わらず、 れいむのことを無視し続けるまりさ。 「ゆげっぇえええ!!!」 「ゆっくちできにゃいぃいいぃ!!!!」 「つぶれりゅうぅうう!!!!」 「れいみゅぅうう!!!あんこしゃんはいちゃだめぇっぇえ!!!」 「おとうしゃんんん!!!ゆっくちちてぇぇぇええ!!!!」 まりさが、飛び跳ねる度、帽子の中の子供たちが、苦しそうな声を上げる。 恐らく、乗り物酔いにでもあったように、 急激な揺れに耐え切れず、餡子を吐いている子供もいるようだ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 だが、そんなことは一切、気にせずに、ただ走り続ける。 その足取りはドンドン速くなっていく。 人間さんから逃げる・・・ 人間さんから逃げる・・・ 人間さんから逃げる・・・ まりさの頭の中には、もう家族のことは頭になかった。 人間から逃げる。 これ以外のことは何も見えないし、聞こえない。 もうひたすら逃げることに固執していた。 「ばで・・・も・・・だ・・・め・・・・」 れいむが苦しそうな声を上げた瞬間、 ブジュ!!! ブリリリリィイィイ!!!! 何か、まりさは、ふとれいむがいる後ろを振り向いた。 すると、まむまむから、ドロドロになった餡子が流れ出て、 苦しそうに横たわっている顔色の悪いれいむがいた。 あんよとまむまむが薄皮一枚で分かれているゆっくりにとって、 急激な運動は流産の原因にもなるため、胎生にんっしんの場合、 絶対安静が必要である。そのため、にんっしんしているゆっくりは、 その間は巣に徹底して閉じ篭るのが常識なのだが・・・。 まりさはそのことをすっかり忘れていた。 餡子の中には、小さなリボンと帽子が2~3個混じっていた。 おそらく、この餡子は、胎ゆっくりであろう。 「ゆあぁっぁぁぁぁぁ!!!どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!」 まりさは思わず声を上げた。 バカな! まりさはれいむとおちびちゃんたちを守るために!! あそこにいたらみんな殺されていた!!! だから逃げたのに!!! どうして!!!! まりさの頭の中は混乱していた。 『それはそうだよ!!! れいむはにんっしんしてたんだよ!!! あんなに激しく運動したら流産してしまうよ!!!』 まりさの頭の中で、再び声がした。 嘘だっ!!! まりさはれいむとおちびちゃんたちを守るために・・・ 『にんっしんしているれいむもいるんだからもっと考えてよ!!!』 ゆっくりしてたら人間さんがやってきて・・・ れいむとおちびちゃんたちが・・・・ それにゆっくりしないで急げって言ったのは・・・ お前じゃないか・・・ 『だからといっても、これはゆっくりしてなさすぎ!!! その結果、れいむのお腹のおちびちゃんたちがみんな死んじゃったよ!!! そんなこともわからないなんてバカなの?死ぬの?』 そんなこと・・・ そんなこと・・・ そんなこと・・・ まりさは、何もかもがおかしくなっていた。 森の王者だった自負は、砕け散り、 守るはずの家族を自分のせいで殺してしまい、 まりさの中で何かがおかしくなっていた。 『しかし、お笑いだね。 人間さんに勝てるとか言ってた割には、 人間さんに勝てないってわかると、 ビクビク震えて怖気づくなんて・・・』 やめろ・・・ 『その上、しーしーやうんうんまで出して・・・ かっこ悪いよ!!! しーしーやうんうんに塗れて、 おー臭い臭い!!!』 やめろ・・・ やめろ・・・ 『さらに、れいむにドン引きされて、 情けなく涙なんか流しちゃって!!! ホント無様だね!!!!』 やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ 『しまいには、れいむのお腹のおちびちゃんたちを 殺しておいて、 どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) とか・・・・ ホント、まりさはバカなんだね!!! どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) だって!!! ホント、かっこ悪いね!!! どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑)」 やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ 『ねえ、どぼぢで辞めないといけないの? ねぇ、どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑)」 やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ やめろ・・・ 『どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢで辞めないといけないのぉぉお!!!!(笑)』 やめ 「ろっでいっでるのがぎごえないのがぁぁぁっぁぁぁぁdfkljcvmfrヴんlthmszんdfyglvrtm!!!!!」 まりさは、修羅の形相で、まむまむから餡子を流して、 苦しそうにしているれいむに向かって睨みつけていた。 「ゆっ・・・れい・・・む・・・これ・・・はま・・・ちがい・・・なんだ・・・」 ふと、我に戻り、気が抜けた表情で、 れいむに誤解を解こうとする。 「れい・・・む・・・だいじょ・・ぶか・・・なんだ・・・ぜ・・・」 餡子を垂れ流して、苦しそうにするれいむに近づいていく。 「まりさ・・・がわるかったんだ・・・ぜ・・・・ おちび・・・ちゃんは・・・また・・・つくれ・・・ばいい・・・だぜ・・・」 額から汗を流し、れいむから視線を逸らすまりさ。 「・・・じ・・・ね・・・」 れいむは、まりさを睨みつけて、呪詛の言葉を投げかけていた。 「ゆっ!?」 れいむの思わぬ言葉に仰け反るまりさ。 「ゆっぐり・・・でぎないばでぃざば・・・ゆっぐりじ・・・ね・・・」 そんな・・・ まりさは・・・ れいむの・・・ まりさはショックを隠せなかった。 最愛のれいむから、ゆっくり出来ない言葉を言われて・・・。 「ゆっぐりでぎないばでぃざばぁぁぁあ!!! ゆっぐりじねぇぇぇええええええええ!!!!!」 れいむの怒りの叫びが、森に響き渡る。 『ホント無様だねぇ~!!! ねぇ、最愛のれいむに死ねって言われるのって、 どんな気持ち!? ねぇ、どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑)』 再び、まりさの頭の中に声が聞こえ始めた。 うるさいっ!!! 『どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでうるさいのぉぉお!!! ぱぴぷぺぽぉぉおぉお!!!!ぱぴぷぺぽぉぉぉお!!!』 うるさいっ!!! 『どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑) どぼぢでぇっぇっぇええ!!!!(笑)』 うるさいっ!!! 「ゆっぐりでぎないばでぃざばぁぁぁぁっぁぁあぁあ!!!!ゆっぐりじ!!!!」 その時であった。 まりさは空高く舞い上がり、れいむに圧し掛かった。 「ゆぶっ!!!!」 れいむの体から体内の餡子が溢れ出た。 「じねぇぇぇぇええ!!!! じねぇぇぇぇぇぇえええ!!! じねlfkljdmヴォフgンmvtヌモgdvnygvmtノイsンrtm!!!」 まりさは、れいむの体の上を何度も飛び跳ねた。 何度も何度も飛び跳ね、辺りには餡子が撒き散った。 目の色を真っ赤にして、とにかく一心不乱に飛び続けるまりさ。 いつしか、帽子も勢いに負けて、まりさの頭から転げ落ちた。 そして・・・。 「ゆげっぇええ!!!」 「「「「れいみゅぅうぅうう!!!!」」」」 まりさの帽子の中に入っていた子供たちが次女のれいむを押しつぶしてしまった。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 次女のれいむは体から、餡子を漏らして、断末魔の声を上げていた。 「れいみゅぅうぅう!!!ゆっくちぃぃいい!!!」 「ぺ~りょぺ~りょ!!!どぼぢであんごしゃんででぐりゅのぉぉお!!!」 「ゆんやぁぁぁああああ!!!どぼぢでまりしゃのおねぇしゃんがぁぁあああ!!!!」 長女のれいむ、三女のまりさ、四女のれいむは、次女のれいむの体を舐めて、 ひたすら傷を治そうとする。 「おとうしゃんんんん!!!おねえしゃんがいちゃがってるよぉおぉ!!!」 末っ子のまりさはひたすらまりさに呼びかける。 「じねぇjねjしんvもいうvmrのあいsmvんとあ!!!!!」 だが、そんな子供たちのことなど、気にせずに、 ひたすら、れいむの体の上で飛び跳ねるまりさ。 「も・・・ちょ・・・ゆっく・・・ち・・・しちゃか・・・ちゃ・・・」 「「「「れいみゅぅうううぅうううぅうぅうううううう!!!!!!」」」」 次女が死に、大きな声でなく子供たち。 「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・」 まりさが落ち着いた時には、れいむは皮だけになっており、 辺りは餡子塗れになっていた。 息を切らしながら、まりさは、泣きじゃくる子供たちを見た。 「ゆんやぁぁぁああぁぁああ!!!!」 「れいみゅぅううぅうう!!!!!」 「もうやじゃっぁぁぁああ!!!おうちかえるぅうぅうう!!!!」 ふと、我に返り、 子供たちの泣く姿を見て、ここまではいけないと思うまりさ。 あのれいむは、ゲスだった。 まりさがせっかく、人間さんから逃げる手引きをしてあげたのに、 一生懸命に、怖い怖い人間さんから逃げるのに頑張ってる 森の王者のまりさに向かって、死ねだって? そりゃ・・・お腹のおちびちゃんたちにはひどいことをしたと思ってるよ・・・ でも・・・あれは必要な犠牲だったんだ・・・ そうだ・・・まりさは悪くない・・・悪いのはすべて人間さんなんだ・・・ そうだ・・・まりさは悪くない・・・怖いのはすべて人間さんなんだ・・・ 森の王者のまりさでも、怖い人間さんに勝てなくても仕方がないんだ・・・ そんなこともわからないんなんて・・・あの声もゲスなんだ・・・ バカなんだ・・・だって・・・人間さんは怖いんだよ・・・ 人間さんのことを考えると体の震えは止まらないし、 しーしーさんやうんうんさんを漏らすのも仕方がないんだよ・・・ 森の王者のまりさだって・・・人間さんが怖いんだ・・・ そうだ・・・このおちびちゃんたちも・・・ 人間さんが怖いんだ・・・だから泣いてるんだ・・・ まりさのかわいいおちびちゃん・・・ 泣かないでね・・・・ 人間以外なら・・・一番強い森の王者のまりさの子供なんだから・・・ 泣かないでね・・・ まりさは、にこやかな笑顔で、子供たちに話しかけようとした。 「おちびちゃ」 「ゆっくちできにゃいくしょおやはゆっくちちね!!!」 まりさが心配の声を上げようとした矢先、 末っ子のまりさが、涙を流しながら、まりさを睨みつけた。 次の瞬間、 「ゆべぇ!!!」 末っ子のまりさはまりさのによって、潰された。 「おやにしねっていうげすはせーさいするよ!!! まりさはもりのおうじゃなんだよ!!! にんげんさんいがいなら!!!つよいんだよぉおお!!!!」 目が虚ろになり、焦点がどこかに向いているまりさ。 「さぁ、おちびちゃんたち!!! はやくにんげんさんからにげようねぇっぇええ!!!」 再び、にこやかな笑顔で子供たちに話しかけた。 「ゆびぃいいぃいい!!!ころしゃにゃいでぇえええ!!!」 「ゆんあぁぁああぁぁぁああ!!!!しにちゃくないよぉおぉお!!!」 「おきゃあしゃんんん!!!たすけちぇぇええええ!!!!」 残った子供たちは、みな、まりさをもう、父親とは思っていなかった。 ゆっくり出来ない何かだとしか見えていなかった。 「おちびちゃんたち・・・ いいかげんにしてよね・・・ そんなおとうさんがいやなら・・・」 まりさは、笑顔を保ったまま、三度飛び掛ろうとあんよに力を入れた。 「う~う~あまあま~」 その時であった。 れいむと、末っ子のまりさの餡子の匂いに釣られて、 れみりゃがやってきたのだ。 「「「れ、れ、れ、れみりゃだぁぁぁぁあ!!!」」」 子供たちは、一斉に泣き叫んだ。 「ゆぁぁぁっぁあぁっぁああああ!!!!」 まりさもまた、しーしーとうんうんを漏らしながら、 叫び声を上げた。 「おまえだぢばぁぁぁああ!!! ばでぃざのみがわりになるんだぜっぇぇえええ!!!!」 と、言い残し、全力疾走するまりさ。 「どぼぢでじょんなごじょいうのぉぉお!!!」 「じねぇぇええ!!!おまえなんがぁぁ!!!おやじゃにゃいぃい!!!」 「ゆっぐりじねぇぇぇええ!!!」 子供たちは、それぞれ、まりさに向かって、罵声を浴びせた。 「う~あまあまだど~」 れみりゃは子供たちを手に取り、食べ始めた。 「「「ゆんあぁぁぁぁっぁあぁっぁfkjkhdvんfmんあぅm!!!!!」」」 子供たちの悲鳴を聞き、さらに加速するまりさ。 まりさは森の王者なんだ!!! 人間以外だった勝てるんだ!!! でも!!! れみりゃは別なんだ!!! れみりゃだけは!!!! まりさは森の王者!!! でも人間さんとれみりゃだけは!!!! ブリュ!!ブシィー!!! ブリュ!!ブシィー!!! ブリュ!!ブシィー!!! 飛び跳ねるた度に、うんうんとしーしーを撒き散らすまりさ。 その姿は、誰が見てももう・・・。 森の王者とはかけ離れた姿。 「う~めいんでっしゅだど~」 10秒後。 「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・」 顔中が穴だらけになり、息絶える寸前のまりさ。 「う~おなかいっぱいだど~」 どうして・・・ どうして・・・ どうして・・・ こうなった・・・ どこでまりさのゆん生はおかしくなったんだ・・・ 『教えて上げようか!!! どぼぢでこうなったか!!!(笑)』 うるさい・・・ おまえなんか・・・ おまえなんか・・・ 『しかし、ホント、笑いが止まらないね!!! 人間さん以外にもれみりゃにも勝てないんだね!! それで森の王者って!!! ホント、おかしいね!!!!』 もういい・・・ 殺して・・・ まりさは・・・ 疲れた・・・ もういい・・・ 『いやいや、どうしてこうなったか知りたいっていったのは・・・ まりさだよ!!! だから、教えて上げるよ!!!』 もう・・・戻りたい時間なんか・・・ない・・・ 『そりゃそうだね!!! あんなゲス(笑)な家族なんて見たくないんでしょ!!!』 そうだ・・・ あんなゲスども・・・ 見たくもない・・・ あんな奴らのために・・・ 人間に戦いを挑んだなんて・・・ なんて・・・バカだったんだ・・・ 『違うよ!!! あの時は、そうだったかもしれないけど・・・ 最初はまりさ自身のために人間に戦いを挑んだんだよ!!!』 嘘だっ!!! そんなこと・・・ 『まあ、いいよ・・・。 教えて上げるね!!!ゆっくりと・・・』 もういいって言ってるじゃないか・・・ もうまりさは・・・ 『いやいや、ここまでいろいろと時間を戻して上げたんだ・・・ せめて・・・ちょっとだけ私に付き合ってよ・・・』 もう嫌だ・・・ 何も見たくない・・・ 『大丈夫だよ。もう痛い目に会うこともないから!!! 安心してね!!!』 もう・・・何も・・・ 『じゃあ、まりさのゆん生がどこでおかしくなった教えて上げるね!!!』 ボロボロになったまりさの体が、光に包まれて消えていった・・・。 つづく あとがき 次回、完結編。 これで終わりです。 自作からは読み切りにします。 連載モノだと、区切るのが難しい。 他の作品 ふたば系ゆっくりいじめ 149 鞭打 ふたば系ゆっくりいじめ 155 糞饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 159 ユグルイ その1 ふたば系ゆっくりいじめ 162 ユグルイ その2 ふたば系ゆっくりいじめ 168 ユグルイ その3 ふたば系ゆっくりいじめ 169 ゲス愛で派 ふたば系ゆっくりいじめ 173 ユグルイ その4 ふたば系ゆっくりいじめ 187 頭でなく心に訴える ふたば系ゆっくりいじめ 188 ユグルイ その5 ふたば系ゆっくりいじめ 192 長寿と繁栄を・・・前編 ふたば系ゆっくりいじめ 200 長寿と繁栄を・・・後編 ふたば系ゆっくりいじめ 221 FFR ふたば系ゆっくりいじめ 230 本気で勝てると思ってたのか? ふたば系ゆっくりいじめ 231 長寿と繁栄・・・完結編 ふたば系ゆっくりいじめ 236 ユグルイ その6 ふたば系ゆっくりいじめ 243 死すべき生物 ふたば系ゆっくりいじめ 250 ゆっくりSSをれいむに読ませてみた ふたば系ゆっくりいじめ 263 飾りの価値は 起 ふたば系ゆっくりいじめ 265 飾りの価値は 承 絵 ふたば系ゆっくりいじめ 283 飾りの価値は 転 ふたば系ゆっくりいじめ 286 飾りの価値は 始 ふたば系ゆっくりいじめ 292 時をかけるまりさ 前編 ふたば系ゆっくりいじめ 299 時をかけるまりさ 中編
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ゆきのなか 35KB 虐待-普通 越冬 「餡子ンペ09」 ・餡子ンペ投稿作品:『親子/期待はずれ』 ・掲載ペースが落ちてると言われる昨今・・・忙しくて書けない時期もあるんですよ。 仕事って時期が重なるんですよね。 『ゆきのなか』 D.O 季節は冬。 ここは、人間の里から少し山の中に入った森の中。 しんしんと降り積もる雪の中、木の根元あたりに、 木の枝や小石が積み重ねられた奇妙な膨らみが見える。 「・・・っくちちちぇにぇ・・・」「すーり・・・むーしゃ・・・」「・・・ちあわちぇー・・・」 もしもここに人間がいて、周囲の音に注意深く耳を傾けたならば、 その膨らみの奥から、人間のしゃべるような声を、かすかに聞き取ることができたであろう。 そして、さらに注意深く周囲を観察すれば、同じような奇妙な膨らみは、 そこらじゅうの木の根元に見つけることができたはずだ。 そんな奇妙な膨らみの一つ、雪と、木の枝や小石に隠された奥には、木の洞がある。 そこには、つがいである2匹のゆっくり、群れの長まりさとれいむが住んでいた。 冬という、ゆっくりにとって死の季節の中にいながら、2匹の表情はとても明るい。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「・・・(プルプル)」 「ゆぅ~ん。おちびちゃんがおへんじしてるよ~。」 なぜなら、おうちの入り口を完全に閉ざして越冬を開始してから数日、 このつがいの間には、間もなく新しい命が誕生しようとしていたからだ。 ここはゆっくりの群れの生息地。 木の枝や小石で作られた膨らみは、木の洞や洞穴など、巣穴の入り口を塞ぐためのバリケード、『けっかい』であった。 野生のゆっくり達は、雪の降るような冬の季節には、巣穴にこもってゆっくりと過ごし、 寒気を防ぐために入り口を堅く閉ざして、秋に蓄えた食糧で命をつないで春を待つ。 「どぼぢでごはんさんなくなっちゃうのぉぉぉおおお!!」 「ゆぁーん。おきゃーしゃん、おなかしゅいたー。」 「しょうがないよ・・・おぢびぢゃんは、でいぶにゆっぐりだべられでねぇぇぇええ!!」 「ゆびぃぃぃぃぃ!!どぼぢでしょんなことしゅるのー!?」 「もっちょ・・・ゆっぐぢ・・・」 と、たいていの場合、野生のゆっくりにとって、越冬は過酷であり、命がけのものだ。 十分な量の食料確保に失敗すれば、飢餓が親子にすら共食いを引き起こし、 それでも食料が不足すれば、体温を保てず凍死するか餓死する。 巣穴である『おうち』の作りがあまければ、積雪の重みで崩壊、雪と土の中で圧死。 巣穴が頑丈でも、入り口の塞ぎ方がダメだと隙間風でやはり凍死。 こうした悲劇を起こさないため、特に優秀なリーダーがいる群れならば、いくつもの対策を立てて 必死に被害を減らそうと努力している。 ドスまりさの力で頑丈な崖などに洞窟を掘り、共同住宅として群れ全員で冬を越す、 熟練のゆっくり達が協力して、群れのみんなの『おうち』補強工事を監督する。 食料が足りなかったら、人間さんの独り占めしているお野菜を強奪してくる、など。 そんな中で、何より注意されるのが、『越冬前にすっきりーして子供を作らない』ということだ。 「「すっきりー!!」」 「ゆぅん。れいむのかわいいおちびちゃんが、たくさんできたよ~。 まりさ、おちびちゃんのために、はやくれいむにあまあまをとってきてね!」 「なにいってるのぉぉぉおお!?おそとはゆきさんがふってるんだよぉぉぉおおお!!」 「だからなんだっていうの!?つべこべいわないで、はやくごはんをとってきてね!!」 びゅぅぅぅぅううううう 「しゃぶぃぃぃぃいいいいい!!!ゆっぐぢぃぃいいい!ゆっぐぢぃぃぃいいいいいい!!」 「れいむはむーしゃむーしゃするよ!むーしゃむーしゃむーしゃ・・・はぐっ!ばくばくっ!めっちゃうめっ!ぱねぇ!」 ・・・3日後 「どうしてごはんさん、なくなっちゃったの・・・・・・おちびちゃんをむーしゃむーしゃするよ・・・」 こんなことも当たり前のように起こる。 秋の半ば以降にすっきりーしようものなら、にんっしん中だけでなく、生まれてからも子育てのために、 つがいの一方は狩りに参加できなくなる。 越冬中にすっきりーしたりしたら、さらに最悪だ。 食い扶持の増加で貯蔵食料の計算は完全に崩れ、食糧不足で結局一家全滅となる。 つまり、厳しい環境下に生活する野生のゆっくりにとって、 冬+赤ゆっくり=死、というのは、ごくごく一般的な考え方なのだ。 だが、実は先ほどの長まりさとれいむのつがいだけでなく、この群れの中では、現在にんっしん中、 あるいは生後数日以内の赤ゆっくりを抱えた家族が大半を占めていた。 いかに若いゆっくり達とは言え、本能にまで刻み込まれた冬の恐怖を知らないはずはない。 では、なぜあえて越冬が始まった今、ゆっくり達は子供を作ることを選んだのか。 その理由を見ていくため、先ほどのつがいの一方、長まりさの生まれた春の中頃まで時間をさかのぼることにする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は春。 多くの野生ゆっくりにとっては、長い死の季節を乗り越えたあとの、喜びの季節である。 暖かな陽気。 新鮮で大量にある、ゆっくりした野草や虫。 食料の心配がなくなったことで、成体ゆっくり達はさっそくすっきりーに励み、 新たな命を迎えることでさらに喜びが積み重なる。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 ・・・・・・。 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 まりさも、そんなベビーラッシュの中で誕生し、祝福を受けた赤ゆっくりであった。 だが、生まれて数日経ち、おうちから外を眺めて過ごすようになった赤まりさは、 春の陽気も楽しめず、あまりゆっくり出来ていなかった。 なぜなら・・・ここが岩肌も荒々しい、草木もろくに育たない高山の荒地だからだ。 「ただいま、れいむ・・・。」 「おかえり・・・まりさ。」 「ふぅ・・・ごはんだよ・・・なかよくむーしゃむーしゃしようね・・・。」 「ゆわーい!!むーちゃむーちゃしゅるよ!!」×10 だが、食卓代わりに置かれた平たい石の上には、固い雑草が少々と干からびた虫の死骸だけ。 「むーちゃむーちゃ・・・それなりー。」 「おとーしゃん・・・もっとむーちゃむーちゃしちゃいよ・・・。」 「ごめんね・・・はぁ・・・おうちのまわりに、ごはんがないんだよ・・・」 「どぼぢでしょんなこというにょぉぉぉぉおおお!?」×10 とは言ってみたものの、赤ゆっくり達はそれほど駄々をこねることなく、残念そうに食事を終えた。 父まりさの話が嘘ではないことは、生後3日を迎えてようやく跳ねることが出来るようになったばかりの、 幼いまりさ達にもわかってはいたのだ。 何せ、おうちを一歩踏み出してみたら、眼前に広がるのは砂利や砂ばかりという、 およそ命の喜びとは無縁の世界が広がっていたのだから。 「おちびちゃんたち・・・きょうはもう、ゆっくりすーやすーやしようね。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×6 「じゃあ・・・まりさが、ふぅ・・・おふとんをよういするね・・・」 だが、森に住む野生のゆっくり達のような、落ち葉や草を敷いたお布団や、 ましてや丁寧に編みこまれたベッドなどというものが出てくるはずもない。 そんなものがあったら、今日の夕御飯になっているのだから。 「おちびちゃん・・・はぁ・・・ゆっくりすーやすーやしてね・・・」 「ごりょごりょちて、ゆっくちできにゃいよぉ。」×6 「ふぅ・・・ごめんね・・・ゆっくりがまんしてね・・・はぁ・・・」 お布団として用意されていたのは、比較的粒の細かい砂(といってもサラサラというには程遠い)を、 平たい石の上に厚めに敷いただけのものである。 まりさ達赤ゆっくりは、この砂にあんよを口のすぐ下あたりまで埋め、身を寄せ合って眠る。 石の上に直に眠る両親よりはマシかもしれないが、少なくともしあわせーからは程遠かった。 まりさ達のおうちは、大きめの石が偶然積み重なってできた隙間に穴を掘って作ったものだ。 風雨や外敵から身を守るという意味で言えば、まあ、そうそう悪くもないものではあったが、 とにかくゆっくり出来ない場所に住んでいる、という感覚のまりさから見たら、 なんだか無機質でゆっくり出来ないおうちに思えてならなかった。 『ここはゆっくりできないよ。まりさはおおきくなったら、ゆっくりぷれいすにいくよ。』 それは、まりさが生まれてからずっと抱き続けていた想いである。 そして、食糧不足で次々と姉妹達が餓死していく中、なんとか生き延びてテニスボール程度に成長したある日、 父まりさが大事なお話がある、と言って姉妹をおうちの近くの崖へと連れて行った。 「ゆわーい!もりしゃんがみえりゅよ!」 「とっちぇもゆっくちちちぇりゅにぇ!」 「おしょらとんでるみちゃーい!!」 「ふぅ・・・。おちびちゃんたち。あの、もりのむこうをみてね。」 「ゆぅ?・・・ゆゆっ!!」 崖からは、山のふもとに広がる広大な森が一望できる。 この眺めのいい崖へのピクニックは、まりさ姉妹にとってはほとんど唯一と言っていい娯楽であった。 大きくなったらあんなところに住むんだ、というのは、姉妹共通の夢であったのだ。 そして、その広大な森のさらに向こうに、木々がほとんどない、平らな土地が広がっているのが見えた。 「あそこはね。・・・にんげんさんがすんでるところだよ。」 「ゆわぁぁぁ。しゅごくゆっくちしちぇるにぇぇ・・・」×3 ゆっくりは、ゆっくりしているものに関しては敏感なものだったりする。 人間から見てもかすんで見えるほど遠くの人里に、まりさ達はとてもゆっくりしたものを感じ取っていた。 里の中を流れる小川、緑に輝く田畑。 人間さんが出入りしている所は、人間さんのおうちだろうか。 だが、まりさ姉妹がゆっくりしている中・・・父まりさだけはまったく別の表情を浮かべていた。 人里を眺めているだけにもかかわらず、歯は限界まで食いしばられ、全身汗まみれ、 口の端からは餡子混じりの泡がゴボゴボとたれている。 「ゆ゛・・・ゆぎぃ・・っ!ゆぅぅぅうう・・・!!」 「おとーしゃん?」 「ゆぎぃぃぃひぃ!にんげんさんはゆっぐりでぎなぃぃぃいいいい!!」 「!?」×3 しばらく脂汗をかき、顔色を赤、青、土色にあわただしく変化させていた父まりさが、突然暴れ始めた。 「ゆびぃっ!!おねぇじゃんっ!だべぇっ!!おぎゃあじゃぁぁん!!」 「ゆぅぅぅ!!おとーしゃん、ゆっくちちちぇにぇっ!ゆっくちちちぇー!」 ・・・・・・。 「ゆぅ・・・ゆぅぅぅ・・・おちびちゃん、ぜったいにんげんさんにちかづいちゃだめだよ。ぜったいだよ。」 「ゆ、ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×3 結局、何があったのかは聞けなかった。 まりさ姉妹達だって、餡子による記憶継承の効果で、人間さんがゆっくりできない、 という感覚は両親から受け継いでいるのだが、所詮は両親一代限りのトラウマであり、 れみりゃ等のような、明確な意味でのゆっくり出来なさは記憶を受け継いでいない。 そのため、まりさにとって父まりさからの忠告は、 『人間さんに出会うと確実に死ぬ』と言う様なものではなく、 『ゆっくり出来ない存在で、どんな強いゆっくりでも不用意に近づくと酷い目にあう。』 という程度のものと認識されることになった。 それからさらに月日は流れ、季節が夏の終わりに差し掛かった頃、 他の姉妹全てが命を失う中、最後まで生き延びたまりさが、 独り立ちして親元を離れる日がやってきた。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「もうおちびちゃんじゃないよ!ゆっくりがんばるね!ゆっくりしていってね!!」 こうして結局まりさは、親の忠告を無視して森の方へと旅立っていったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 独り立ちに際して、まりさには一つの計画があった。 その計画は大体以下のようなものである。 1.人間さんの里に行き、そこで一番強い人間さんと勝負して勝つ 2.力を示すことで人間さんからゆっくりプレイスと食料、おうちを手に入れる 3.森や山からゆっくりを呼び集め、人間さんの里をゆっくりのためのゆっくりプレイスにする 4.群れの長になる 5.ゆっくりした美ゆっくりと、ゆっくりした家庭を築く 6.ゆっくりし続けたまりさはいつしかドスになる 意気揚々と山を下り、森に入り、人間でも丸一日ではきかない距離を走破するまりさ。 まりさ自身は気づいていなかったが、山育ちであったため、 足腰の強さとスタミナについては、確かに群れの長にふさわしい逞しさを手に入れていたのである。 そして、ゆっくりの足で言えば、あと一日で人間の里に着こうという森の中で、 まりさの旅は、予想外の形で終わりを迎えることになった。 「ゆぁぁぁぁああああ!!なにこれぇぇぇええええええ!!!」 目の前には、人間の里が霞んでしまうほどの、ゆっくりプレイスが広がっていた。 木々は適度に生えて木漏れ日が優しく降り注ぐ。 地面には若く柔らかな雑草から人間も食用とするような野草まで青々と茂っている。 草ばかりではない。 周囲にはキノコやゆっくりでも届く高さに実った木の実も豊富にある。 その豊かな食料に誘われてか、昆虫からイモ虫まで、取り尽せないほどにいる。 食料ばかりではない。 大きく育った木々の根元を見れば、その多くにはゆっくりが家族で暮らすのにちょうどいい洞がある。 中は小石などもほとんど落ちておらず、すべすべに整えられており、隙間も丁寧に埋められている。 明らかに以前別の群れが使っていたと見られるおうちばかりであった。 今、どうしてゆっくりが住んでいないのか不思議であったが、 一時的な食糧不足で群れごと引っ越すことも珍しくはないので、 ここはかつて別の群れが使い、放棄したゆっくりプレイスだったのであろうと、まりさは理解した。 まりさが放心状態でゆっくりプレイスの中を歩き回っていると、 まりさとは別の場所から独り立ちしてきたのであろう、若いゆっくりの集団が多数、 吸い寄せられるようにこのゆっくりプレイスにやってきた。 「ちぇん、ゆっくりしていってね!!」 「まりさだねー!ゆっくりしていってねー!!ゆわぁぁー、すっごいゆっくりぷれいすだねー!わかるよー!」 「ゆぅん!ちぇんもそうおもう!?ここにはいま、ほかのゆっくりたちはぜんぜんすんでないんだよ!」 「わからないよー!!こんなゆっくりぷれいす、ほっとくにはもったいないねー!」 「ゆっふん!!そうだよ!ここは、まりさたちのおうちにしようね!!」 「わかるよー!!」 こうして、まりさの無謀なゆん生計画は、あっさりと方向転換を向かえ、 人里から近くも遠くも無い、実り豊かなゆっくりプレイスで、一から群れを作る作業が始まったのであった。 そもそも、まりさにしても、ゆっくりしていない人間さんと争うのは、あまり気が進まないことではあったのだ。 まりさほどのゆっくりであれば、相手が人間さんであっても負けることは無いであろう。 しかし、ケンカは痛いしゆっくり出来ない。 それに、万が一相手に遅れをとれば、永遠にゆっくりしてしまうこともあり得る。 また、実のところ人間さんの里を見たこともないので、どの程度ゆっくりしたゆっくりプレイスなのかわかったものでもない。 遠くの、あるかも怪しいゆっくりプレイスより、目の前の極上のゆっくりプレイス。 まりさの、新生活はここから始まった。 ゆっくりしたおうちとご飯は、余りにもあっさりと手に入ってしまった。 さらに、まりさ達のゆっくりとした姿を見つけて、独立したての若いゆっくり達が続々とやって来ては定住を決める。 わずか数週間で、まりさ達のゆっくりプレイスには、大規模、と言って差し支えない規模の群れが形成されていった。 「わからないよー。そろそろおさをきめないと、ゆっくりできなくなっちゃうよー。」 「そうね。せっかく、とかいはなゆっくりぷれいすなんだから、みんななかよくしたいわ。」 「むきゅん!それじゃあ、ぱちぇはまりさがおさになるといいとおもうの!!」 「ゆぅぅー!まりさでいいのぉぉぉおお!?」 「まりさなら、きっととかいはなむれにできるわ!」 「ゆぅ。でもまりさ、もりでのせいかつになれてないよ。わからないこともおおいよぉ。」 「わかるよー。でも、まりさのできないことは、みんなできょうりょくしてあげるからだいじょうぶだよー。」 ・・・・・・。 「ゆぅ。わかったよ!まりさ、このむれのおさになるよ!!」 「むきゅーん!ぱちぇたちにもおてつだいさせてね!むきゅっ!」 流れは自然と生まれ、拡大していく。 まりさは群れの初期メンバーとしてリーダーシップを発揮していた点を考慮され、立候補するまでもなく長に選出された。 なお、幹部メンバーは、このゆっくりプレイスでまりさに初めてであったちぇんとありすのつがい、知恵者ぱちゅりーの3匹。 群れの体制はこの4匹を中心として、急速に固まっていった。 そして・・・ 「このむれのおさはまりさみょん!?みょんたちをむれにいれてほしいみょん!!」 「ゆっくりしていってね!!おうちはたくさんあるよ!・・・ゆゆっ!?」 「どうしたみょん?れいむのおかおになにかついてるみょん?」 「・・・ゆぅ?ゆっくりしていってね。」 「(ゆわぁ。ゆっくりしたれいむだよぉ。)ま、ま、まりさとずっと、ゆっくりしていってね!!」 「・・・・・・?・・・ゆぅぅぅうううう!!?」 ある日群れに加わってきた若ゆっくりの集団に、一匹のれいむがいた。 清楚な物腰、紅く輝く大きなおリボン、そしてゆっくりとした下膨れ。 初めてれいむとあいさつした時に、まりさのぺにぺにに電流が走った。 一目ぼれというものであろう。 結局いきなりすぎて、れいむから正式にOKの返事が来るまでに5分以上かかったが、 まりさは、ゆっくりプレイス、長という立場にくわえて生涯の伴侶まで、あっさりと手に入れてしまったのであった。 季節は夏の終わりという時期。 群れのゆっくり達も、そろそろ新生活に慣れてきた時期である。 早期にこのゆっくりプレイスにやってきたメンバーはつがいを見つけ、にんっしんしている者も多かった。 長まりさとれいむの間にも、何一つ障害はない。 後は、一刻も早くおちびちゃんを手に入れて、ゆっくりとした家庭を築きあげれば、 まりさのゆん生計画は、ほぼ完璧に果されることになるはずであった。 ・・・だが、ある出来事が、まりさとれいむの子作りに待ったをかける。 「むきゅぅぅぅううううん!!まりさがぁぁぁぁああ、おちびちゃんがぁぁぁぁああああ!!」 その不幸は、長まりさの側近筆頭、ぱちゅりーの元に訪れた。 無論、この叫びの対象になるまりさとは、長まりさではなくぱちゅりーのつがいであった、だぜまりさである。 「むきゅ・・・おちびちゃん・・おそとはあぶないって・・・むきゅぅ。」 ぱちゅりーは胎生出産で、子供はまりさ1匹だった。 赤まりさは好奇心旺盛で、将来有望なゆっくりだったが、その好奇心が強すぎた。 「まりしゃ、おとーしゃんとかりにいっちぇくるよ!しょろーり、しょろーり!」 父であるだぜまりさが狩りに行き、母である側近ぱちゅりーがお昼寝している間に、 おうちを抜け出して、群れの喉を潤す泉へと遊びに行ってしまった。 さらに好奇心があだとなって、水草を採集している父、だぜまりさのマネをしてしまう。 水への恐怖よりも、お帽子で泉の上を自在に漂ってみたいという衝動が勝ってしまったのだ。 「まりしゃ、ゆっくちおぼうちにのりゅよ!ゆ!ぷーきゃ、ぷーきゃ・・・ぼちゃん。」 結果はご想像の通り。転覆、水没。 さらに不幸に輪をかけたのは、赤まりさが自分のおちびちゃんであると気付いただぜまりさが、 赤まりさを引き上げるため現場に急行、 「ゆぁぁぁぁああ!!おちびちゃん、まっててね!いまたすけ・・ゆぅっ!?・・・ぼちゃん。」 あわてすぎて転覆、水没。 結局側近ぱちぇは、一気に家族全員を失ってしまったのであった。 特に大きな危険もなく、ここに至るまで群れのゆっくりは増える一方だったため、 失うということに慣れていなかった幹部メンバーは、過剰に反応することになる。 特に側近ぱちぇは、自分自身を襲った不幸ということもあり、 これ以上同じ思いをするゆっくりを増やさないための対策を必死になって考えた。 そして、一つの結論に至る。 「ゆ!みんな、まりさのいうことをよっくきいてね!!」 「ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!」×300 「このむれでは、これからすっきりをきんしするよ!!」 「・・・ゆっぐりでぎなぃぃぃいいいいい!!!」×300 「でもあんっしんしてね!ずっとしちゃいけないわけじゃないんだよ!」 「?」×300 まりさ達幹部メンバーは、期限付きのすっきり禁止令を決定した。 内容は簡単。 要は、冬ごもりに入るまで一切すっきりーしてはダメ。 子作りは、冬ごもり中に行うべし!とのことである。 先にも書いたとおり、通常の群れであればこれは自殺に等しい案だ。 秋の間に集められるのは、成体のつがいであっても自分達の分だけで精いっぱい。 そこに子供が入れば飢え死に確定となる。 しかし、そこにこの群れの強みが加わると、状況が変わる。 何せ、ここは類を見ないほどのゆっくりプレイスで、食糧はおうちの外にあふれるほどある。 秋の間につがいで必死に集めれば、それこそ成体ゆっくり10匹以上は養える蓄えが出来るほどなのだ。 ならば・・・蓄えてしまえばいい。 後は、冬ごもりの季節になったらおうちの入り口をしっかりと閉じて、存分にすっきりーする。 赤ゆっくりはおうちの中で誕生し、お外にこっそり出て行ったりする心配はない。 しかも、両親ともやはりおうちから出ることはないので、にんっしん、子育て中にしんぐるまざーになる心配もない。 ゆっくりとしたおちびちゃん達とたっぷりゆっくりして冬の数か月を過ごし、その間におうちで出来る教育は済ませておく。 おちびちゃん達が子ゆっくり程度、十分に大きく成長した頃に、冬ごもりは終わりを迎えるはずだ。 後は春の恵みの中で、おちびちゃん達は大きく育ち、世界に羽ばたいていくのだ。 「すごーい!!おさはやっぱりてんっさいだよー!」 「わかるよー!」 「むほぉぉぉおおお!!すっきりー!」 群れのゆっくり達は、説明を聞き終わるとともに、目をキラキラと輝かせて幹部達をほめたたえた。 それもそのはずで、餡子で継承されている記憶では、冬ごもりと言うととても楽しいものではない。 餓死、凍死の危険を感じつつ、つがいがいればまだしも、下手すれば一匹で暗く狭い穴の中に閉じこもって過ごすのだから。 それが、死の危険もなく、最上級のゆっくりである『おちびちゃん』とともに過ごせるとなれば、 ゆっくりでなくとも、その喜びはなんとなく理解できるであろう。 そして群れのゆっくり達は以降数カ月間必死で狩りに奔走し、 (中には不幸な事故ですっきりを味わうことも出来ずに命を落とした者もいるが) ほとんどのつがいが無事に冬を迎え、すっきりー出来るだけの蓄えを確保しておうちの入り口を塞いだのであった。 みんな、より大きなゆっくりをちらつかせられた分、意外と我慢強かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・・・そして現在の状況に至る。 おうちの奥には貯蔵食糧の山、れいむの頭上にはツタが一本とそこに揺れる6匹の赤ゆっくり。 おうちの中央には、まりさがこの日のために、特に柔らかい枯れ草を編み上げて作った、 おちびちゃん達用の鳥の巣型ベッド。 ふかふか、ふわふわになるように、一生懸命頑張ったよ。 きっと、おちびちゃん達も気に入ってくれるね。 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ・・・・・・ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆぅぅん!おとーしゃん、おきゃーしゃん、ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆぅ!まりさそっくりの、げんきなおちびちゃんだね。」 「ゆふぅん!でも、れいむにおめめはそっくりだよぉぉ。」 「ぴゃぴゃー!みゃみゃー!れいみゅおなきゃしゅいちゃよ!」 「むーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」 「ゆっ!まっててね。おちびちゃんに、つたさんをたべさせてあげようね!」 「ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよ!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 「おちびちゃん、さむくない?」 「ゆっくち!べっどしゃんがふーわふーわであっちゃかいよ!」 「ゆぅ。でも、まりしゃちょっとしゃむいから、しゅーりしゅーりしちぇにぇ!」 「おとーさんがすーりすーりするね!すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 「ゆぅん、じゅるいよ!れいみゅもみゃみゃとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり!ちあわちぇー!」 まりさがおちびちゃんだった頃、しあわせーと言えばせいぜい、 栄養不足でガサガサな両親の頬とのすーりすーりくらいしかなかった。 さもなければ、手の届かないところにある、木々の緑を眺めている間の、白昼夢の中にだけ。 まりさは思うのであった。 この、ゆっくりとしたおちびちゃんには、まりさの全てを注いで、精一杯しあわせーを与えていこうと。 そうすることが、自分の報われなかった過去を取り返すことにもなるかのように。 「おとーしゃん、ゆっくちないちぇるにょ?」 「ぴゃぴゃ、ゆっくちちちぇにぇ!」 「ゆぅ?ゆふふ・・・おとーさんはね、しあわせーすぎてないちゃったんだよ。とってもゆっくりしてるよ。」 「ゆぅん、へんにゃにょー。」 「ゆふふふ、おちびちゃんたちも、おおきくなったらわかるよ。ゆっくりおやすみなさい。」 「ゆっくちしゅーやしゅーやしゅるよ!・・・しゅーや、しゅーや。」 「・・・・・・ゆっくりしていってね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次の日の朝、異変は突然やってきた。 ざくっ! まりさ一家が眠っているおうちの中に、何かが突き刺さるような異音が響いた。 「ゆぅ、ゆ?なんなの?」 「まりさ、おうちのいりぐちで、へんなおとがしたよ。」 「ゆぁーん、ゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆゆぅ。まりさがみてくるから、おちびちゃんたちは、べっどさんのうえでゆっくりまっててね。」 「ゆぴゅぅ・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「ゆぅぅ、なんなのぉ?・・・ゆぁぁぁぁあああ!なにこれぇぇぇぇぇええ!!?」 まりさが入り口に向かうと、おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』を、何か見たことない物が貫いていた。 「ゆぅぅぅううううう!!ゆっくりでていってね!ゆっくりはやくいなくなってねぇぇぇええ!!」 それは人間が見たとしたら、子供の手のひらサイズの、先割れスプーンに似ていると思うであろう、 銀色に輝く金属製の道具であった。 金属製のそれは、まりさの言葉を聞くまでもなく、ゆっくりと左右に動かされ、『けっかい』の石や木の枝を崩しながら引き抜かれた。 まりさが、寒気でおちびちゃん達がつらい思いをしないようにと一生懸命塞いだ入り口は、 いともたやすく寒気の中に口を開けてしまったのであった。 「まりさ、どうしたの・・・どうしてけっかいさんがなくなってるのぉぉぉおおお!!?」 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさんが、けっかいさんをこわしちゃったんだよぉぉ!」 訳が分からない相手に、秋の間ずっと待ち望んでいたゆっくりした時間を奪われた衝撃で、 れいむだけでなく、群れの長になったほどのまりさまでもが逃げるという選択肢を忘れ、お外にいるであろう敵に向かって飛び出していった。 そこでまりさ夫婦が見たものは、 先ほどの特Lサイズの先割れスプーンを、長さ1mほどの棒の先端に取り付けた、 槍のような奇妙な道具を手に持つ、一人の人間さんであった。 ちなみにその道具は、人間さんを避けていた、ゆっくり達は知らない道具。 里の人間さんの間では、『あの棒』と呼ばれている道具である。 「ゆ・・・にん、げんさん・・・。」 「ゆぅ?・・・どぼちて・・・?」 これまで、ゆっくりしていないからと、近づかないようにしていた人間さん。 遠くもない所に住んでいるのに、ゆっくりプレイスに一度もやってこなかった人間さん。 それが、雪の降り積もった、ゆっくりがおうちに閉じこもってしまった今、なぜかここにいた。 茫然とした一瞬、その間に、まりさとれいむは、人間さんのあんよでころりと上下さかさまに転がされた。 「「ゆ?」」 そして次の瞬間、 ざくっ!ざくっ! 「ゆ・・・ゆぎひぃぃぃいいいい!!!」 上を向いた2匹のあんよに、『あの棒』が突き刺された。 「どぼぢでっ!あんよさんが、まりさのゆっくりしたあんよさんがぁぁぁぁ!!」 まりさの叫びともとれる問いは、人間さんには聞こえた雰囲気すらみえず無視しされた。 そして人間さんは、崩されたままだった『けっかい』の材料であった、 木の枝や大きめの石を『あの棒』を使って雪に埋めていく。 「どぼ、ぢで・・・。やべでね!げっがいでおうぢをふさがないど、ざむぐでゆっくりでぎないよ!!!」 だが、やはりまりさの声は届かず、人間さんは手際よく木の枝や石を雪に埋めてしまった。 「なんでぞんなごどずるのぉぉおおお!!まりさだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 さらに人間さんは、もはや邪魔するもののなくなったおうちの入り口から、『あの棒』をおうちに滑り込ませると、 先端のフォーク状になった部分でおちびちゃん達のベッドの端を引っ掛け、崩れないようにそろりそろりと引きずりだす。 そのベッドの上には、まりさとれいむの、5匹の可愛いおちびちゃん達が恐怖と寒さで震え、涙を流していた。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・ゆっくちちちぇ・・ゆぅぅぅ、ころがりゅぅぅうう、ゆぴぃっ!!」 そして、ベッドに引っ掛けたままの先端を少し持ち上げ、ベッド全体を傾けて、 ゆんゆん泣くおちびちゃん達をころりと転がし落とす。 おちびちゃん達もまりさも状況についていけず、泣くことも出来ずに目を丸くしている中、 主のいなくなったゆっくりしたベッドは、雪をひとすくいかぶせられ、人間さんのあんよでパンパンと踏み固められてしまった。 「ゆ・・・くち、べっどしゃん・・ゆっくちちちぇ。」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・ちゅめちゃぃ・・・。」 何が起きているのか未だに理解できていないおちびちゃん達は、 すっかり踏み固められた雪の下にうっすらと見えるベッドの上にもしょもしょと集まって、 ぺーろぺーろしようとして舌を雪に突っ込んだり、あんよをもぞもぞさせて、 ついさっきまで確かに感じていた、ゆっくりとした柔らかさを得ようとしていた。 しかし、当然埋め固められたベッドは二度と柔らかさを取り戻すことはなかった。 「ちゃむいよぉ・・・ゆっくちちゃちぇちぇ・・・」 「ゆっく・・・しゅーり、しゅーり・・・」 そうでなくても生まれたてのおちびちゃん達は、跳ねることが出来ず、這いまわることしか出来ない。 その上、すっかり冷え切ったおちびちゃん達のあんよは、もはやわずかに震える程度にしか動かせなくなっていた。 雪に埋められた、かつてベッドだったモノの上で、5匹のおちびちゃん達は、おうちに戻ることもできず、 身を寄せ合ってなんとか温まろうとすーりすーりしている。 「ゆぅぅううう!!にんげんざん!もうやべでね!まりざはどうなっでもいいがら、おぢびぢゃんをおうぢにいれであげでぇ!!」 そんなことを言っている間に、人間さんは再度『あの棒』をおうちの中に突っ込み、 まりさとれいむが秋の間、必死になって集めた、ゆっくりとしたご飯さんを、山盛りすくい出し、 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 勢いよく周囲の雪の上にばら撒いてしまった。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、だいじなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 それも、2回、3回と繰り返される。 まりさには、おうちの中は見えていなかったが、秋の間集めた食料の、実に9割近くは辺り一面にばら撒かれていた。 無論、逆さまにされている上、あんよに大きな穴があいているまりさには、集めなおすことなど出来ない。 結局まりさの声は人間さんに一向に届くことなく、視線すら一度も合うことがなかった。 人間さんはふぅっと一息吐くと、まりさのおうちの木の、人間さんの目のあたりの高さに描いてあった、 すっかり色が薄くなっていた×印を赤の塗料で塗りなおす。 そして、全ての作業が終わったとでも言うように、人間さんは向きを変えると、 こきっ、こきっと首をならし、深呼吸をして、どこかに移動しようと、歩き始めたのであった。 「ゆ・・・まっちぇ・・・」 人間さんが再びまりさ一家の前に通りがかった時、ベッドの残骸の上でぷるぷると震えていた赤まりさが最後の力を振り絞って呼びかけた。 「どうちちぇ・・・?にんげんしゃ・・・ん。」 人間さんは、赤まりさの前を素通りすると、まりさの横を通って、 群れ幹部のちぇんとありすのおうちの方へと、まっすぐ向かっていった。 ざくっ! まりさの後方で、聞き覚えのある音が響いた。 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさん、けっかいさんをこわさないで・・にん、げんさん・・・?」 「わ、わからないよ・・・?」 「ちぇぇぇん!ありずぅぅぅうう!にげでぇぇぇええええ!!」 まりさは叫ぶ。だが、全ては遅すぎた。 「「ゆ?」」 ころりっ・・・ざくっ!ざくっ! 「わ・・・わぎゃらにゃぁぁぁあああ!!!」 「どぼぢでっ!あんよさんが、ありずのどがいはなあんよさんがぁぁぁぁ!!」 「なんでぞんなごどずるのよぉぉぉ!!ありずだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 まりさの背後で、ありすとちぇん達の叫び、そして、 まだ生まれたばかりであろう赤ありすと赤ちぇんの泣き声が聞こえる。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・わきゃらにゃぁ、ころがりゅぅぅうう、わきゃら!!」 ばさっ!ばさっ!ぱんっ、ぱんっ! 「しょんにゃ・・・くち、べっどしゃん・・しゃむいわ・・・」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・わきゃらにゃ・・・。」 「ゆっくちちちぇ・・・しゅーり、しゅーり・・・」 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、とかいはなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 ・・・・・・。 その後も、まりさの後方では、いくつかの家族の叫び声が聞こえ続けていたが、 それがいくつか続いた頃には、まりさも大声で人間さんに呼びかけたり、ゆっくりに逃げるように叫んだりはしなくなっていた。 ただ、逆さまのまま身動き一つ取らず、涙を流していた。 そしてよく見れば、まりさの遠く前方にも、まりさ同様に上下ひっくりかえされ、 あんよに穴を開けられたまま、声一つ上げずに泣く成体ゆっくりの、つがいの姿がいくつも見える。 そして、バスケットボール大の饅頭達の目の前では決まって、数個の小さな饅頭が身を寄せ合いながら、静かに息を引き取っていた。 まりさの横に、逆さまになっているれいむは、あんよに穴を開けられてから、一度も声を発することなく息絶えていた。 おそらくあんよへの一刺しが中枢餡にまで届いてしまったのであろう、即死であった。 だが、まりさから見れば、それはうらやむべき幸運であっただろう。 「ゆ・・・もっちょ・・・く・・・・・・」 「ゆっぐぢぢでぇ、おぢびぢゃん、ゆっぐぢぢでぇぇぇ。」 ベッドの埋まる雪の上で、身動き一つ取れず凍えていたおちびちゃん達は、結局誰にも助けられることのないまま、 まりさの目の前で苦しみぬいて死んでいった。 これから毎日、あったかいおうちの中で存分にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、 春になったらきれいな草花さんや、あったかい太陽さんの光に包まれて、ゆっくりとしたゆん生を歩むはずだったおちびちゃん達。 だが、今まりさの目の前には、涙まで白く凍りついた、悲しい表情のまま息絶えた5個の饅頭が並んでいる。 「・・・くちちちぇにぇ。・・とーしゃ・・・。」 「・・・・・・ゆ!」 5?・・・おちびちゃんがひとり足りない!! 「・・ゆっくちちちぇにぇ。・・おとーしゃん・・・」 「ゆ・・!ゆっくりしてね!おちびちゃん!おちびちゃぁぁあああん!!」 まりさが、動けないながらも必死で視線をおうちの中に向けると、そこには末っ子まりさの元気な姿があった。 「おにぇーちゃん・・・みんにゃぁ・・ゆっくちちちぇにぇ。」 「おちびちゃん!こっちにきちゃだめぇ!!」 「ゆぴぃっ!」 まりさは、姉達のもとに駆け寄ろうとする末っ子まりさを制止する。 「おちびちゃん!よくきいてね!おうちにごはんさんはある!?」 「ゆ・・・ゆぅ。おとーしゃんのぶんしかにゃいよぉ。」 「・・・ゆぅぅ、おちびちゃん。それはおちびちゃんのぶんだよ。」 「ゆぅ?しょしたらおとーしゃんのごはんしゃんがにゃくなっちゃうよ!ゆっくちできにゃいよぉ!」 まりさは、もう決断していた。 「おちびちゃん。まりさは・・・おとーさんは、もうゆっくりできないよ・・・。」 「どぼぢでしょんなこちょいうにょぉぉぉおおお!?」 「おとーさんは、もうあるけないんだよ。だから、おちびちゃん。はるさんがくるまで・・・ひとりでゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅううう!?しょんなのゆっくちできにゃいよぉぉおおおお!!!」 「だいじょうぶだよ。おちびちゃんは、まりさとれいむのおちびちゃんなんだよ。」 「・・・ゆ・・・ゆぅ。」 「だから、はるさんがくるまで、おうちのごはんをたべて、べっどさんのかわりに、ごはんさんのなかですーやすーやするんだよ。」 それは、まりさの夢。 まりさの最後の希望。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆぁぁぁあああん!!ゆっくちりきゃいしちゃよぉ!!ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 まりさの両親は、人間さんの手によって、山のゆっくり出来ない土地に追いやられた。 まりさは、人間さんの手によって、ゆっくり出来ない最期を迎えようとしている。 しかし、それでも希望は、まりさのゆっくりとした夢は、未来へと輝き続けるのだ。 そして、まりさは余りにも理不尽に幸福な未来を奪われながら、群れのゆっくりの中でただ一匹、 満ち足りた表情で3日間生き延び、その後永遠のゆっくりへと旅立っていったのであった。 そしてただ一匹人間さんの手を逃れた赤まりさは、わずかに残されたご飯さんを食べ、 ご飯さんの山をお布団代わりにして、中に身を埋めて必死に寒さと戦った。 だが、寒さで体温を奪われ続けるため、体温維持のためにむーしゃむーしゃを絶えず続けなければならない。 しかしむーしゃむーしゃを続けると、お布団の代わりになるご飯さんがどんどんと減っていき、体温を維持できなくなる。 そこでさらにむーしゃむーしゃを繰り返す。 しかも、どれだけ体温を維持しても、おうちの入り口を塞ぐ材料も技術もないので、 室温は全く上がらず、状況が改善されることは無い。 結局、赤まりさは、まりさが息を引き取る2日ばかり前に、おうちの食料を全て平らげて、あっさりと息を引き取ったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 森は春を迎えた。 前年の秋には300匹を数え、冬ごもりの中で生まれた赤ゆを合わせれば1500匹を超えた巨大な群れは、 人間さんの手によっておうちから引きずり出され、一匹残らず死に絶えた。 そして、その亡骸は雪解けとともに溶け、大地に栄養を与えて森の恵みを育む。 それは、雪に埋められた赤ゆっくり達のためのベッドも、冬ごもりのために貯められた食糧も同様である。 沢山の栄養で育った草花や木々は、今年も多くのゆっくりに、ゆっくりとした恵みを与えてくれるであろう。 また、ゆっくり達によって長年整備されてきた木の洞は、 いずれも新たなゆっくり達にとって絶好のおうちになることであろう。 おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』の材料にも困ることはない。 なにせ、前の年の冬にも使われた、小石や太い木の枝もそのまま残っているのだから。 ゆっくり達が変わることが無い以上、昨年最高のゆっくりプレイスであったココは、 今年も多くのゆっくりにとって、最高のゆっくりプレイスとなることであろう。 ・・・・・・そう、人間さんの里に、近づこうなどとは考えないほどに。 春を迎え、山にもベビーラッシュがやってくる。 まりさの両親は新しい命を迎え、過酷な生活の中でも少しだけゆっくりしていた。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「このおちびちゃんたちも、おねえちゃんたちみたいに、げんきにそだってほしいね。」 「そうだね。・・・みんな、げんきにしてるかな?」 「きっとげんきいっぱいだよ。まえのおちびちゃんだって、あんなにゆっくりしたまりさだったもん。」 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 なーんかイマイチ。 挿絵 byキリライターあき 挿絵 by儚いあき 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てかこんな大規模な群なのにドススパーク打てる奴が居ないってどゆこと? -- 2018-08-25 19 01 46 フォオオオオオオオオオオオオおっぱいもみたい -- 2017-06-04 07 22 37 しかしこんだけ数がありゃ何組か残ってもいいはずだが わざわざ全滅させる必要も無さそう -- 2014-08-27 04 17 19 ガキはすぐ死んでいくのに外で足破かれて3日生きる糞饅頭の生命力ときたら・・・人間よりはるかに丈夫だなおい -- 2013-08-07 01 05 42 ↓森から群れが消えた日(後編)を読めば分かる -- 2012-08-03 01 38 02 なんか納得できない。 -- 2012-07-29 22 25 49 こういう感情もなく容赦無いSSにはキリライターの絵がすごくマッチするなあ -- 2011-09-27 01 52 37 ↓畑や人里に行く気も失せるようなゆっくりプレイスを作ってゆ害の防止、冬になったら一斉駆除って事じゃないか? -- 2011-08-30 06 56 43 結局人間がここまできた理由がまだわからないんだが・・・ -- 2011-08-27 00 47 47 かつて先祖が散々好き勝手やってきたツケを未だに支払わされてる訳だ、コイツらは。 「森から群れが消えた日」見る限り、山の人達にとっておよそ最悪の部類に属する害獣だし こんなのがのさばってたら当然駆除だわな。恨むんだったら愚かなご先祖達を恨んでね! -- 2011-05-01 14 25 18 う~ん… 人間って怖いね。 -- 2011-04-14 05 57 47 ゆっくりは、弱肉強食のなかでは一番弱い生物だ!! -- 2011-03-18 22 34 32 めっちゃ面白かった!ぱねぇQNQNできた!! ゆっくり出来る森は人間の罠だったのかw 人間が毎年群れを潰すからゆっくり出来る森でいられるんだな -- 2011-03-08 12 57 34 長の考えた策は良かったんだけどな、ゆっくりにしては上出来といえる -- 2011-01-30 13 20 39 やべえ濡れた やっぱ越冬を無理やり失敗させるのはたまらなくQNQNするね! -- 2010-12-02 23 20 17 まあ、かつて散々山荒らしまわったクズ共の子孫で 実際あの場所見つけるまでは人里乗っ取ろうと企んでたアホだし、駆除は当然だな。 -- 2010-11-16 15 45 12 なんかもう虐待いらないわ逆に -- 2010-11-03 23 55 50 淡々とする作業、まさに駆除って感じがして良いですねぇ。 街に来るゆっくりを防止するための防波堤でもあり、ゆっくりホイホイでもある森か -- 2010-10-20 14 49 36 語彙的に無理なんじゃね?ゆっくりの知能で何か説明するのって難しいんだろうと解釈した それに言葉を重ねるより、アレにとって「ゆっくりできない」は存在に関わる最強の脅し文句なんだし十分と思ったとか あとトラウマすぎてその話をする事すらとか無理ゲーとかなんじゃね?w -- 2010-10-07 06 31 53 ↓ それを話そうとすると、顔色変えて発狂して暴れだす始末なんだから無理だろ。 ここらへんがゆっくりの限界なんだよ。 -- 2010-09-28 00 47 17
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『Discrimination 1 ~帽子のない まりさ~』 33KB いじめ 差別・格差 自然界 おひさしぶりです。 かすがあきです。 注意 連続物です。 ぬるいです。 人間がでてきません。 死なない ゆっくりがいます。 チート気味なゆっくりがいます。 独自設定があります。 善良なゆっくりが酷い目にあいます。 Discrimination 1 ~帽子のない まりさ~ 1匹の亜成体の まりさが山奥で狩りをしている。 「っゆ!ちょうちょさん!ゆっくりつかまってね!」 蝶に狙いを定めた まりさは、蝶の動きを予測し大きく飛び跳ねる。 - パ クッ! そして、見事に蝶を仕留めた。 飛んでいる蝶を捕まえることは、虫網を持った人間でも難しい。 それを難なくこなすことから、まりさの狩り腕がよいことがわかる。 まりさの口内に、蝶の甘い体液が流れる。 蝶が絶命したことを確認した まりさは、そばにおいてある籠に蝶をいれる。 籠の中は、草花や、昆虫が大量に入っている。 「ゆ!こんなに たくっさん あれば だいじょうぶだよね?そろそろ かえるよ!」 そう言って まりさは籠を口で咥え、歩き出す。 通常、まりさ種は狩りの成果を帽子にいれて運ぶ。 だが、この まりさはそれをしない。いや、正確にはできない。 なぜならば、この まりさには自分の帽子がないからだ。 -------------- 「れっいむは れっいむ♪れっいむは れっいむ♪うまれた~とき から れいむは れいむだよ~♪」 群れに戻る まりさの耳(?)に れいむの歌声がはいってきた。 「ゆぅ。ゆっくりした おうただよ。れいむの おうただね。ひろばで うたっているんだね。」 歩くのを止めて、まりさは目を閉じ、れいむの歌に聞く。 「ゆ!?いけない、いけない。ゆっくりしてたら おさに しかられちゃうよ。」 しばらく歌に聞き惚れていた まりさは自分のしなければいけないことを思いだし、歩きだす。 まりさが所属している群れでは、狩りの成果の一部を群れに献上することが決められている。 献上された食料は長の家にある貯蔵庫で保管され、不猟の際や狩りにいけない家族(シングルマザー等)への食料援助となる。 まりさが今いる場所から、長の家までは、広場を横切ればすぐである。 が、まりさは遠回りをして長の家にいく。 広場では、れいむの歌を聞くために若い ゆっくりが集まっているからだ。 まりさも、同年の若い ゆっくりのように れいむの側で歌を聞きたいが、それはできない。 もし広場にいけば、苛められるからだ。 ゆっくりは、身体やお飾りに欠損のある個体を ゆっくりできない存在として認識する。 ゲスの多い群れでは、そういう個体は制裁の名の元に殺されることも多々ある。 幸い、まりさの所属している群れは、人間が滅多に訪れない深い山奥で食料事情が安定している為、ゲスの少ない群れである。 そのお陰で、帽子のない まりさでも一応群れの一員として生きていることが認められている。 が、所詮は一応である。他の ゆっくりからはバカにされ、苛められているのだ。 まりさの口調が 亜成体にも関わらずに だぜ言葉でないのも、苛めの悪化を防ぐためである。 「そして れいむの~♪ねがいは ひとつ~♪ずっと みんなと ゆっくり できますように~♪」 「ゆぅ。いい おうただよ。まりさも そばでききたいよ………れいむと なかよくしたいよ………」 れいむの歌を聞きながら、まりさは広場に近づきたいという欲求を我慢しながら、長の家を目指して歩く。 「おさ~~。まりさだよ。かりの せいかを もってきたよ。」 長の家(巣穴)にはいり、まりさが笑顔で叫ぶ。 「あら、まりさ。あいかわらず いなかものね。かりの せいかを みせてね。」 この群れの長は ありすである。 まりさ種以外のゆっくりに籠を配り、狩りの成果を一度にたくさん運べるようにしたり、 食料の再分配を行ったり、すっきり制限を儲けるなど、ゆっくにしては中々優秀な長である。 しかし、お飾りのない存在を見下すという本能に逆らうことはできず、まりさを常に見下している。 「ゆっくりごめんだよ。はい、これが かりの せいかだよ。」 まりさは笑顔を崩すことなく謝り、狩りの成果をみせる。 「まぁ、たいっりょう だったのね。とかいはな ちょうちょさんも あるわ。 まったく、いなかものの くせに かりの うでだけは それなりね。 まぁ、それもこれも おさで とっても とかいはな ありすが その かごさんを つくって あげたおかげね。 かんしゃないさい。 えぇっと、ほぞんしょくに むいているのは……」 「ゆぅ……あんなに いっぱい あったのに、ほとんど なくなっちゃよ………」 まりさが狩った大量の昆虫類のほとんどが群れに献上させれ、蝶と芋虫が1匹ずつしか残らなかった。 代わりに、苦い草がたくさん支給された。 他の個体は狩りの成果から一部を収めるだけだが、 帽子のない まりさだけは狩りの成果の ほぼ全てを献上しなければならない。 さすがに何もなしでは死んでしまうので、温情として、少しだけのご馳走と大量の苦い草が支給されている。 まりさは、悲しい気持ちを顔に出さず、笑顔で自宅に向けて歩く。 「ゆ!おぼうしのない まりさが いるのぜ!!」 帰り道、まりさは帽子を被った まりさ(以後、だぜまりさと表記)と、ちぇんに出会った。 ちなみに、3匹は昨年の秋に生まれているため、大きさに然程の差はない。 「まりさ、ちぇん。ゆっくりしていってね!!!」 まりさが笑顔で挨拶をする。 「ゆっくりしていってね!!!まりさは ゆっくりしているのぜ! でも、おまえ みたいな ゆっくりしていない ゆっくりを みたせいで ゆっくり できなく なりそうなのぜ!」 「ほんっとうなんだねー!おまえのせいで ゆっくり できないんだねー!わかれよー!!」 だぜまりさが まりさに因縁をつけ、ちぇんも それにのる。 「ゆぅ……それは ゆっくり ごめんだよ。」 まりさは笑顔を絶やすことなく、謝る。 抵抗をし、喧嘩になれば1対2で まりさが負けるのは決まっている。 まわりに他の ゆっくりもいるが、喧嘩になった時、 自分の味方をしてくれる ゆっくりがいない事を まりさは理解している。 素直に謝り、笑顔で難を逃れようとしているのだ。 「あやまっても ゆるさないんねー!ばいっしょうを ようっきゅう するんだよー!!」 「そうなのぜ。さいっきょうの だぜまりささまを ふゆかいさんに させた つみは まりあなかいこうさんよりも ふかいのぜ。」 マリアナ海溝はおろか、海の存在を知らないくせに、何故かゆっくりは知らないものでの比喩表現を好む。 「ゆっくり ごめんだよ。ばいっしょうなら するよ。だから ゆるしてほしいよ。」 まりさが そういうと、2匹はニヤニヤしながら、まりさの籠を物色する。 「ちぇんは この いもむしさんで ゆるしてやるんだねー!かんしゃするんだよー!」 「っゆ!ちょうちょさんが あるのぜ!まったく、おぼうしが ないくせに なまいきなのぜ。 この ちょうちょさんは だぜまりささまが もらってやるのぜ!かんしゃするのぜ!!」 だぜまりさは蝶を自力で捕まえることができない。 まりさに狩りの腕で勝てるものはこの群れには存在しないのだ。 だが、帽子がないため、その腕は評価されることはない。 まりさの籠から芋虫と蝶がとられる。籠に残ったのは、苦い草だけとなった。 「だぜまりさ、ちぇん。なに してるの?」 2匹が まりさの籠から昆虫を取り上げたところで、れいむが声をかけてきた。 この れいむ、先程広場で歌っていた れいむで、群れの歌姫である。 さらに言えば、まりさたちと同年の若い ゆっくりで、群れでお嫁さんにしたい ゆっくりランキング1位でもある。 当然、3匹とも れいむに惚れている。 「なんでも ないんだねー。それより れいむ、きょうも おうたが じょうずだったんだねー。」 「ゆぷぷ。ありがとうだよ。」 「ほんっとうに れいむの おうたは さいっこうなのぜ。 ゆ!そうなのぜ!さいっこうに ゆっくり できる おうたを うたう れいむに ぷれぜんとさんなのぜ!」 「ゆわぁ~!!ありがとうだよ、だぜまりさ。とっても おいしそうな ちょうちょさんだよ! ちょうちょさんを くれる なんて さっすが だぜまりさだね!」 だぜまりさから蝶を受け取り、笑顔になった れいむが言う。 「ちぇんも ぷれぜんとさん なんだよー!いもむしさんだよー!うけとってほしいんだねー!」 「ありがとうだよ、ちぇん。いもむしさんも とっても おいしそうだよ。」 まりさが狩りったものだが、れいむはその事実を知らなければ、まりさが狩りの腕がいいとも思っていない。 れいむの中で、まりさは帽子のないゆっくりできない ダメな ゆっくりという認識である。 ゆっくりできない ゆっくりである まりさ ごときが蝶や芋虫を狩れるはずがないと考えているのだ。 「あ、あの………」 まりさも れいむに何をプレゼントしたかったが、あいにく籠の中は苦い草しかない。 「……………ねぇ、ふたりとも、あっちで いっしょに ごはんさんに しようよ。 それじゃぁね、ゆっくりしてない まりさ。いっておくけど、ついて こないでね。 ゆっくり してない まりさと いっしょに ごはんさんを たべたら、れいむたちまで ゆっくり できなくなっちゃうよ。 ゆっくりりかいしてね。」 れいむは まりさを一瞥した後、冷たく言う。 そして、3匹は 楽しくお喋りをしながら まりさから離れていく。 まりさは、離れていく れいむを、その場で見つめ続ける。 - ポ ン 「っゆ?」 れいむを見つめているまりさの足元に、何かが当たった。 なんだろうと思いながら足元を見ると、子まりさがいた。 大きさから見て、今春に生まれた子供であることが分かる。 「ゆ?おちびちゃん、どうしたの?もしかして まいごなの?」 散歩中に親とはぐれたのでは、と子まりさの心配をする まりさ。 「げりゃげりゃげりゃ。 おぼうちの にゃい ゆっきゅり できにゃい まりちゃを、 ちゃいっきょうの まりちゃが ちぇいっちゃいちゅりゅのじぇ!! きゃくぎょ ちゅりゅのじぇ!!!」 子まりさは まりさに向かって体当たりを繰り返す。どうやら、制裁のつもりらしい。 「ゆぷぷ。さっすが れいむの かわいい かわいい おちびちゃんだよ。 ゆっくり できないまりさを せいっさいする なんて、たくましすぎるね。 これも ぜんぶ れいむの こそだてが じょうず だからだね。れいむったら すごすぎるよ! すごすぎて、ごーめんねー!!」 子まりさの母親である れいむが、子供の悪戯を止めるでもなく、むしろ誇らしげな態度をとる。 「ぎゃんばっちぇにぇ!!おねーしゃん!!」 母れいむの隣では、子まりさの妹である子れいむが声援を送っている。 帽子のない まりさの扱いは常にこうだ。 成体は当然、子供からも、まりさはバカにされ、見下されている。 まりさは怒りたい感情を我慢する。もし怒れば、周りにいる成体ゆっくりから制裁されることを理解しているからだ。 「っゆっわぁぁあああああああ!!い、いたいよ、やめてよ。まりさは ゆっくり にげるよ!!!!」 まりさはそう叫び、自分の家に向かって跳ねる。 痛いというは当然ウソだ。子ゆっくりの体当たりなど痛いハズがない。 「っやっちゃのっじぇーー!!!ちょうりちちゃのじぇ!!やっぱり まりちゃは さいっきょうにゃのじぇーー!!!!」 「ゆぷぷ、さっすが れいむの おちびちゃんだよ。とっても ゆっくりしているね!」 「しゃっしゅぎゃ きゃわいい きゃわいい れいみゅの おねーしゃんだにぇ!!」 逃げていくまりさを見て、子まりさとその母親と妹が笑顔で叫ぶ。 まりさは毎日群れのゆっくりに苛められ、相手にされない。 まりさは帽子をもっていないからだ。 飾りのない ゆっくりは同属内で見下されるが、まりさ種は特に顕著だ。 まりさ種の帽子は食料を一度にたくさん運搬できる優れた物である。 故にまりさ種は狩りを担当することが多く、他のゆっくりから求婚されやすい。 つまり、大きくて立派な帽子をもっている = 生存上有利 = 魅力的 ということになる。 故に帽子の無いまりさ = 生存上不利 = ダメな存在 という認識ができあがる。 籠という、道具を使うことで、帽子と同じだけの食料運搬能力を持ち、ハンディを克服したとしても、本能に刻まれたことを覆すのは難しい。 事実、まりさは群れで一番の狩りの腕をもっているが、誰からも評価されることもなく、見下されている。 自分の家に戻った まりさは、何も言わずに独りの食事を始める。 「むーしゃむーしゃ……ふしあわせー。」 草を一口食べては、不満を言う。 この草、味は悪い。はっきりって、不味いのだ。 苦い草は本来、昆虫や花など美味しい物を食べた後、バカになった味覚を直すために食べるものである。 また、長期保存が可能なため、冬の間の主食になることが多いが、暖かい春に食べるものではない。 「むーしゃむーしゃ………むーしゃむーしゃ………」 まりさは食事をしながら、目に涙をためる。 食事が不味いからではない。苦い草の味など、とっくに慣れている。 「むーしゃむー………っぐすん………ゆ……っゆ………っゆっべぇぇぇぇぇぇぇん!!」 そして、泣き出した。口の中に残っていたものを吐き出しながら、まりさは泣く。 「どぼじでぇええええええ!!どぼじで ばりざには おぼうじが ないのぉおおおおおお!!!?? ばりざが どっだ ぢょうぢょざんなのにぃいいいいいい!!!!いぼぶじざんなのに゛ぃいいいいいい!!! おぼうじざえ あれば!!おぼうじざえ あれば、あんな やづらにぃいいいいいいいいいい!!! れいぶに だっでぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 まりさは悔しさと情けなさから泣いている。 帽子さえあれば、食料を奪われることも、子供にバカにされることもない。 れいむと楽しくお喋りをすることも、一緒に食事をすることもできる。 「ばりざが!!ばりざが いちばん がりが うばいのにぃいいいいいいいいい!!! どぼじでぇぇえええ!!?どぼじで だれも゛ ばりざを ぼめでぐれないのぉおおおおおおおおおおおお!!!??」 まりさは泣き叫ぶ。群れの ゆっくりには決して見せることのない顔だ。 やがて、泣きつかれた まりさは眠りについた。 ------------ 夢。まりさは夢を見ている。 「あれは まだ おちびのころの まりさだよ。 だって、まだ ちいさいし、それに あの おぼうしは まりさのだよ。 みまちがえるはずないよ。あれは まりさの おぼうだよ……………………」 夢の中でまりさは まだ子供のころの自分を見ている。 幼い自分の頭には、綺麗な帽子がある。 帽子だけではない。まりさの側には、大好きな父まりさと、母ぱちゅりーがいる。 「まりちゃ、おちょうしゃんちょ おきゃぁしゃんぎゃ だいっしゅきだよ!ちゅーりちゅーり。」 「おとーさんも おちびが だいっすき なのぜ!すーりすーり。」 「むきゅきゅ。おかーさんも まりさが だいすきよ。すーりすーり。」 3匹は仲良く頬をすり合わせる。その顔はとても幸せそうだ。 一人っ子だった まりさは、毎日両親の愛情を独り占めでき、とても ゆっくりできた。 「おどうざん……おがぁざん……どぼじで、どぼじで ばりざだげを のごじで じんだの?」 まりさは、過去の幸せそうな自分達を見て、涙を流す。 「まりちゃは みんやちょ ゆっきゅち あしょぶよ!」 「まりちゃ、いっちょに あちょびょうよ!れいみゅ、まりちゃと あしょびちゃいよ。」 「あしょぶんにぇねー!わきゃりゅよー!」 「いっしょに あちょんでやりゅのじぇ!かんしゃ しゅりゅのじぇ!」 幼い自分が、広場でれいむ・ちぇん・だぜまりさ、それに他の子ゆっくりたちと遊んでいる。 帽子を被っていたころは、友達もたくさんいた。毎日、たくさんの友達と一緒に遊んだ。 いっぱい笑った。時には喧嘩をしたこともあるが、すぐに仲直りができた。 「みんな…………やさしかったよ。どぼじで、どぼじで びんな、ばりざを いじべるようになっだの?」 今と違い、みんなと遊べんでいる自分を見て、まりさは涙を流す。 「おちび、おとーさんが こうりつてきな かりの しかたを おしえるのぜ。 この かりの しかたを おぼえれば、かりの たつゆんに なれるのぜ。 ゆっくり きいて、よく りかいするのぜ!でも、みんなには ないしょなのぜ?」 「ゆっくりりかいしゅるよ!」 「むきゅ。おちびちゃん。 おかーさんが いきていくうえで たいっせつな ちしきを おしえてあげるわ。 たべられるもの、たべられないもの。 けがを したときの ちりょうほうほう。きけんな もの。 あと、にんげんさに ついてね。ゆっくり きいて、ちゃんと りかいしてね。」 「ゆっくりりかいしゅるよ!」 小さな自分が両親に生きるための知識を教わっている。 「ゆ!すっごいのぜ!おちび!さっすが まりさの じまんの おちびなのぜ!! ぺーろぺーろ。」 「むきゅ!すごいわ、おちびちゃん。さすが ぱちぇじまんの おちびちゃんね。 ぺーろぺーろ。」 狩りの腕をめきめきとあげ、また知識を吸収していく まりさを両親は褒め、ぺーろぺーろをする。 「ゆわぁぁぁあああ!!!ばりざが!!ばりざが ぼめられでるよ!!ぺーろぺーろ じでぼらっでるよ!!」 どんなに狩りで成果をだしても、褒められることも、 ぺーろぺーろを されることもない まりさは、過去の自分を見て涙を流す。 誰にも認められない毎日が辛い まりさにとって、 過去とはいえ、自分が誉められる光景が羨ましくてしかたがないのだ。 「ぼう やべでぇえええええええええええ!!! ばりざは ぼう おぎだいぃいいいいいいいいいい!!!みだぐないぃいいいいいい!!! ゆっぐりでぎだ ごろなんで おぼいだじだぐないぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 夢の中で まりさは泣き叫ぶ。幸せだった頃の映像を見たところで、今の自分がより惨めになるだけなのだから。 まりさの願いが通じたのか、幼い笑顔の まりさが消えた。 代わりに、家の中で幼い まりさが まりさの視界にはいる。 幼い まりさは 不満そうな顔をしている。 「ゆ?っゆ!!??ま、ままままざが、まざがぁぁああああああああ!!!やべでぇぇえええええええええ!!!! お、おおぉおでがいじばずぅうううううううううううう!!!!ごの ゆべは みだぐないぃいいいいいいいいいいいい!!! ごべんなざいぃいいいいいいいいい!!あやばりばずがらぁああああああああああ!!!!」 まりさは必死で夢から覚めようとするが、どうしても覚めることができない。 「おちょうしゃん!いっちゃい いちゅに なっちゅら はりゅしゃんが きゅりゅにょ!?」 「ゆぅ、おちび。はるさんは まだまだ さきなのぜ。 はるさんがくるまで おうちのなかで ゆっくりするのぜ。」 「そうよ、おちびちゃん。おそとは ゆきさんで とっても さむいから、 あたたかい おうちのなかで ゆっくりしましょうね。」 冬ごもりの頃の記憶である。 「やじゃよ!まりちゃは おしょちょで あしょびちゃいんだよ! おしょちょで、れいみゅと あちょびゅんだよ! ゆきしゃん にゃんで きりゃいだよ!ちぇいっしゃい しゅりゅよ!!」 秋に産まれた まりさは、初めての冬ごもりの退屈で毎日イライラしていた。 通常、子ゆっくりは冬ごもり中は姉妹と遊び、毎日を過ごす。 だが、まりさは一人っ子の為、一緒に遊ぶ姉妹がいない。 「おちび、ゆきさんは せいっさいできないのぜ。はるさんに なるまでの がまんさんなのぜ。」 「むきゅ、おちびちゃん。おかーさんが おはなしを してあげるわ。」 「やじゃぁぁあああああああああああ!!!もう おはなちは あきちゃよぉおおおおおおお!!! おちょとで あしょびちゃいいぃぃいいいいいい!!! おちょうしゃんは さいっきょう にゃんでしょ?にゃんちょか ちちぇよぉおおおおおおお!!」 「おちび、まえも いったけど、おとーさんは さいっきょうじゃ ないのぜ。 ゆっくりの なかでは まりさは つよいほう だけど、 ゆっくりの ちからなんて たいしたこと ないのぜ。 じぶんと あいての ちからを ちゃんと りかいして かてない あいてには みつからないように にげるしかないのぜ。 だから ゆきさんに みつからないように、ここで かくれているのぜ。」 「っゆっぎゃぁぁああああああああ!!だっちゃらおきゃぁしゃん!! おきゃーしゃんは もりの けんじゃにゃんでしょ!? おさぎゃ いっちぇいちゃよ!!にゃんちょか ちちぇよ!!」 「むきゅ、おちびちゃん。ごめんなさい。 おかーさんは もりの けんじゃ なんかじゃないわ。 むれの なかでは ものしりな ほうだけど、おかーさんにも しらないことが いっぱいなのよ。 じかんさん いがいで はるさんを よぶ ほうほう だってしらないんだし。」 「じょんにゃなぁぁああああああああああああああああああ!!! にゃんでびょ いいぎゃら じゃっじゃど にゃんどがぢじぇぇぇええええええええええええええええええええええ!!!」 幼い自分が我侭を叫ぶ。 「やべでぇえええええええええええええええええええええええええええええええええ!!! おでがいじばず!!!ぞんなに おおぎなごえを だざないでぇええええええええええええええええええ!!! ぞんな おおぎなごえを だじだら!だじだらぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!」 まりさが、自分の過去に向かって叫ぶ。まりさは憶えている。自分が叫んだ結果、どうなったのかを。 「むきゅ、おちびちゃん。おねがいだからしずかーにして。あんまりさわぐと、あぶないわ。」 「そうなのぜ。れてぃや、ふゆごもりに しっぱいしている ふらんや れみりゃが おうちに はいってくるのぜ。」 「じらないぃいいいいいいいいいいいいいい!!! ぞんなごどじらないいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 - ッ ト゛ ー ン !! 幼いまりさが泣き叫んでいると、巣の結界が破壊され、手が入ってきた。 「っゆっべぇ!!!??」 「おちびぃいいいいいいいいいいいいい!!!」 「おちびちゃぁぁぁああああああああああん!!!」 手に捕まり、まりさが外に出される。 「うー やっと あまあまを みつけたどーー。おおきなこえを だしてくれて たすかったどーー。 おかげで、ふゆさんを こせるどーー。」 「れ!!れれれれれれみりゃぢゃぁぁああああああああああああああああああ!!!」 生まれて初めて見る胴付き れみりゃに、まりさが悲鳴をあげる。 そして、自分が大きな声をあげたために捕まっていることを知った。 「うー。ちっこいのかー。もっと おっきいのが ほしーどー。」 「ちゅぶれ!ちゅぶれりゅぅううううううううううううううううう!!! げっぼ!っがっびゃ!!え゛れ゛れ゛れ゛ぇ゛ぇ゛!!げぇ゛!べっ!えげぇぇぇ゛ぇ゛!!! やべ!ちゅぶれ!!っげっぼぉおおおお!!!」 まりさは強く握られ、吐餡をする。 れいみりゃは まりさの吐餡に気が付くこともなく、もう片方の腕を巣にいれる。 「ごろじでぇえええええええええええええええええええええ!!! おでがいじばずぅうううううううう!!ごごで ばりざをごろじでぐだざいぃいいいいい!!!」 過去のできごとに向かって まりさが叫ぶ。 ここで自分が死んでいれば、惨めな今の自分はいないのだ。 ここで自分が死んでいれば、大好きな両親は死ぬことはなかったのだ。 「うーー、おっきいのー。おっきーのーーっいっで!!??」 巣穴にいれた手をいれていた れみりゃが叫び、手を巣穴から引き抜く。 引き抜かれた手に、父まりさが噛み付いていた。 「おちびを はなずのっぜぇえええええええええええ!!!!」 「おぢょうじゃぁぁあああああ!!!だっじゅっげっでぇえええええ!!!」 「いだいどーー!!ばなぜぇええええええ!!!ざぐやぁあああああああああああ!!!」 まりさに噛みつかれ、れみりゃは泣きながら手を大きく振る。 「っゆ!おちび!!!まってるのぜ!!」 父まりさは れみりゃから口を離し、まりさを捕まえている手にむけて大きく跳ね、そして思い切り齧り付く。 「うっばぁあああああああああ!!!ざぐやぁああああああああああああああああああ!!!」 激痛で、れみりゃが まりさを離し、まりさが地面に落ちる。 「おちび!!おうちの なかに はるのぜ!!!いちばん おくなら あんっぜんなのぜ!! おかーさんを まもるのぜ!!!」 「っゆっばぁぁああああああああああああ!!!」 まりさは父まりさにいわれたとおりに巣穴に向かって全力で跳ねた。 あまりに早く跳ねたため、帽子が飛ばされたが、それに気がつくことなく跳ねた。 「にげるなぁぁああああああああああああああああ!!! おどうざんど いっじょにだだがえ゛ぇえええええええええ!!!!! おでがいじばずぅぅううううううううう!!!!!!だだがっでぐだざいぃいいいいいいいいいい!!!! でないど、でないど、おどうざんがあぁぁあああああああああああああああぁぁあぁああああああああああ!!!」 まりさは自分の過去に向かって叫ぶ。が、まりさの希望は何一つ叶えられず、過去の自分は巣穴へと潜ってしまった。 「むきゅ!!おちびちゃん!!こっちよ!!こっちに きて!!!」 「おきゃぁじゃん!!!ごわっがっじゃよぉおおおおおおおおおおおお!!!」 まりさは母ぱちゅりーにつれられ、巣の最深部の狭い場所に入る。 そこで、2匹は頬を合わせ、時間が過ぎるのをただただ待つ。 「おきゃぁしゃん……きょきょわいよ………おきゃぁしゃん………」 ガタガタ震えながら、まりさが口を開く。 「むきゅ!おちびちゃん。だいじょうぶよ。ここに いれば ぜったいに あんっぜんだから。 おかーさんが すーりすーり してあげるわ。 すこし せまいけど、ゆっくり がまんしてね。 おちびちゃんは ゆっくりした よいこ だから だいっじょうぶよね。」 「おきゃぁしゃん………」 母ぱちゅりーの言葉と すーりすーりによって少しだけ落ち着きを取り戻した まりさが、 帽子をかぶっていないことに気が付いた。 「おぼうじが にゃいぃいいいいいいいい!!!! おぼうじざんが ないど、ゆっぎゅりでぎにゃいぃいいいいいいいい!!!」 「むきゅ!!だいっじょうぶよ、おぼうしが なくても おちびちゃん はゆっくりしているわ。 だから おちついて、おねがいよ。すーりすーり。ぺーろぺーろ。」 お飾りがない同属に敵意を持つのが ゆっくりである。 例え我が子・親・番・姉妹だとしても、平然と敵意を持つのだが、母ぱちゅりーは母性溢れる優しい ゆっくりであった。 帽子をなくした まりさの頬を舐め、慰める。 やがて まりさは泣き疲れ、眠ってしまった。 翌日、まりさは寒さと身体の痛みで目を覚ました。 「ゆぅ………しゃむいよ……いちゃいよ………っゆ?おちょうしゃん?おきゃぁしゃん?」 そして、両親がいないことに気が付いた。 「っゆ!!しょうだ!きにょう れみりゃに!!おちょうしゃん!!おきゃぁしゃん!!」 まりさは急いで巣穴の出口に向かって走る。 帽子がないことが少し気になったが、それよりも両親の安全を確認したかったのだ。 巣穴から出てすぐに まりさは母ぱちゅりーを見つけた。 「むきゅ。おはよう、おちびちゃん。おそとは さむいから、おうちの なかに いなさい。」 母ぱちゅりーが優しい顔で言う。 「おきゃあしゃん!!だいじょぶにゃの??おちょうしゃんは!?」 母ぱちゅりーの顔が曇る。 「むきゅ。おちびちゃん。よく きいてね。」 「やべでぇええええええええええええええええええええ!!! ぎぎだぐないぃいいいいいいいいいいい!!おがあざん!!いわないでぇええええええええ!!!」 まりさが過去の母ぱちゅりーに向かって叫ぶ。だが、その声は届かない。 「おとうさんは……おとうさんは……きのうの よるに、れみりゃに つかまったわ。 おそらくは、もぅ…………むきゅぅ…………」 母ぱちゅりーの推理は当たっている。 昨晩、父まりさは れみりゃに つかまり、巣に連れて行かれ、すで食べられている。 「うちょじゃ……うちょじゃぁぁああああああああああ!!! おちょうしゃんは さいっきょう にゃんだよ! ぢゃいっぎょうの おぢょうじゃんぎゃ ぢにゅばずに゛ゃいよぉおおおお!!」 「おちびちゃん!!いつも いっているでしょ!おとうさんも おちびちゃんも さいっきょうじゃないって! ちゃんと げんじつさんを みなさい!!げんじつさんを みで、どうずるがをがんがえなざぃ!! むきゅ!おちびちゃんは、おとーさんと おかーさんの こ でしょ?ゆっくりできる よいこよ。 だからゆっくり かんがえなざい!」 母ぱちゅりーは泣きながら まりさを叱る。 「おがあしゃん………でみょ、でみょ……やじゃょ……… おちょうしゃんぎゃ、お、おちょうしゃんぎゃ…… ゆべ……おちょしゃ……っゆべ……っゆっべっぇえぇええええええええええええええ!!」」 泣き出すまりさに、母ぱちゅりーは涙を流しながら すーりすーりをし、ぺーろぺーろをし、慰める。 しばらくして、落ち着きを取り戻した まりさに、母ぱちゅりーが言う。 「むきゅ。おちびちゃん、よくきいてね。おかーさんは こわれた けっかいを なおさないと いけないの。 けっかいを なおさないと、また れみりゃが くるかもしれないし、 さむい かぜさんや ゆきさんを ふせげなくなるの。 だから、おちびちゃんは おうちの なかで ゆっくり まっていてね。」 「まりさも てつだうよ!」 「むきゅ。ありがとう。でも ゆきさんの うえでの おしごとは とっても きけんなの。 だから おちびちゃんは おうちで ゆっくりしてね。おねがいよ。」 手伝うと言う申し出を断られた まりさは仕方なく家へと入る。 「むきゅ、それと おちびちゃん。てーぶるさんの うえに ごはんさんが あるから ぜんぶ たべてね。 ちょっと りょうが おおいかもしれない けど、きのう あんこさんを はいたから しっかり たべておいてね。」 巣穴に潜る際に、まりさは母ぱちゅりーに そう言われた。 家から出るときは気が付かなかったが、テーブルの上には いつも以上のご馳走がたくさん並んでいた。 「ゆわぁぁあああ!!しゅ、しゅごいよ。きょ、きょれ じぇんぶ たべちゃちぇいいにょ? ゆっきゅり いちゃぢゃきましゅ!!むーしゃむーしゃ……ちあっわっちぇーーーー!!!」 それから しばらく、まりさと ぱちゅりーは いつもより大目のご飯を食べるようになった。 寒い中、虚弱体質の ぱちゅりーが すぐに結界を直せるハズもない。 2匹は寒さで失った体力を食事量を増やすことで補っているのだ。 そして、数日後、なんとか結界の修復が終わった。 「むーしゃむーしゃ……おきゃーしゃん、ごはんしゃん しょんにゃに ちゅきょちで いいにょ??」 「ええ、おかーさんは ぽんぽんが いっぱいなの。 それより ごめんなさいね、まりさの ごはんさんの りょうが すくなくって。」 「ゆぅ……ちかたがないよ。ごはんしゃんの のきょりが すくないから…… ねぇ、おきゃーしゃん。まりちゃたち、ふゆしゃんを のりこえれりゅよね?」 まりさが不安そうに尋ね、母ぱちゅりーは笑顔で答える。 「むきゅ!もちっろんよ。おかーさんに まかせておきなさい!。」 「ゆん!ゆっきゅりりきゃいちちゃよ!!おきゃーしゃんぎゃ いうにゃら だいっじょうびゅ だよね!」 しばらくして、食料が尽きた。それでもまだ春はこない。 「おきゃぁしゃん。ごひゃんしゃんが もうにゃいよ。」 「むきゅ。そうね。おちびちゃん。でも だいじょうぶよ。まだ とくっべつな ごはんさんが あるから。 でもね、とくっべつな ごはんさんを たべたら、もう たべるものは ほんっとうに なくなるの。 だから、だいじ だいじに すこしずつ たべてね。 それとね、かわいい おちびちゃん。これから だいっじな おはなしを するから よくききなさい。」 「ゆ?」 いつも穏やかな母ぱちゅりーの顔が真剣なものに変わる。その顔はやつれており、少し怖く感じる。 「おちびちゃん。まず、はるさんが きたら、おさの ところに いきなさい。 そのさい おかーさんの おぼうしを かならず もって いきなさい。 そして、ふゆごもりちゅうに あったことを せつめいして、かごさんを おさから もらいなさい。」 「おきゃーしゃん?にゃにを いってりゅにょ?」 「むきゅ。いいから おききなさい、おちびちゃん。 ………おちびちゃんは これから ひとりで いきていくの。 おぼうしの ない おちびちゃんは すごく ゆうっしゅう だけど、 だれからも ひょうか されないかも しれない。 いっぱい ひどいことを いわれて、いじめられる かもしれない。 そのときに、ささえてくれる ゆっくりは だれも いない かもしれない。 でもね。どんなに りふじんでも、ぜったいに おこっちゃだめ。ていこうしたら だめ。 いつも えがおで、したてに でなさい。 そうすれば ひどいことも さいしょうげんで おさえられるから。 これは とても つらい ことよ。ゆっくりなんて できないわ。 でもね、ぜったいに しなないで。いきてさえいれば、かならず いいことが あるから。 えがおで がんばれば、いつのひか、ぜったいに ゆっくりできるから。 だから おねがい。いまいったことを ゆっくりりかいしてね。」 「おきゃぁしゃん??」 「やべでぇええええええええええええええええええええええええええええええ!!!! おでがい!!!びだぐないぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!! おがぁざぁああああああああああああああああああん!!ぞれいじょういっだらだべぇえええええええ!!!」 涙を流しながら、まりさは母ぱちゅりーに訴える。が、その声は届かない。 「おちびちゃん。ぱちぇの だいっじな だいっじな、かわいい かわいいおちびちゃん。 ぜったいに しなないでね。いきて いきて いきぬいて、いつか しあわせーに なってね。 おかーさんは、おちびちゃんが しあわせーに なれると しんじているよ。」 「おきゃぁしゃん!?いったいどうちちゃにょ!?」 母ぱちゅりーは まりさの質問に答えることもなく、そっとまりさの頬に唇をつけた。 「むきゅ。だいっすきよ、おちびちゃん。…………さぁ、おたべなさい。」 【おたべなさい】をした母ぱちゅりーの身体が二つに割れる。 他者に食料として身体を差し出すこの行為、 ぱちゅりー種が行うと、中身が生クリームで液体に近いため、 すぐに地面に溢れ殆どが無駄になってしまう。 その為、母ぱちゅりーは食事量を意識的に減らし、 体内の水分を減らし、中身がこぼれないようにした。 本能に忠実なゆっくりが食事制限をするのは辛く、厳しい。 だが、母ぱちゅりーは愛する我が子のために、これを行った。 まりさの母親が賢く母性あふれる ぱちゅりーでなければ、恐らく まりさは母親に喰われていただろう。 帽子がない まりさのことを愛してくれる ゆっくりなど極々少数なのだから。 しかし、喰われなかったことが幸運かは分からない。 これから まりさは、孤独な越冬をしなければならない。 越冬後、誰からも相手にされない人生(ゆん生?)を歩まなければならない。 それは、孤独を嫌う ゆっくり、それも子ゆっくりである まりさにとっては地獄と同じである。 「おぎゃぁじゃぁああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」 まりさは泣叫ぶ。愛する母親が、二度と見たくない光景を、夢とはいえ見てしまったのだ。 あの日、母が死んだ日、まりさは独りになった。 そして、母ぱちゅりーの遺体を少しずつ食べ、越冬に成功した。 越冬後、まりさは母ぱちゅりーの言葉に従った。 長に事情を話し、一応の理解は得られた。 そして、籠を与えられ、狩りをするようになった。 同年のゆっくりは、まだ親元で暮らしており、狩りも遊び半分程度でいい。 だが、まりさは違う。大人と同じだけ働くように言われている。 そして、せっかく集めた食料も味のよいものは殆ど献上させられた。 なぜなら、まりさには帽子がないからだ。 まりさは、周りからバカにされながらも、必死で狩りをする。 狩りが上達すれば、周りに認められると信じて。 そして、狩りの腕は群れ一番になった。 だが、決して評価されることはない。 なぜなら、まりさには帽子がないからだ。 まりさは母ぱちゅりーの教えを守って、毎日笑顔で過ごした。 どんなにバカにされようとも、どんなに理不尽なことを言われようとも、 無視されようとも、ただ笑って誤魔化した。 そして、毎日家で泣きながら、眠りにつく。 悔しい思いを叫びながら、まりさは眠る。 毎晩、幸せだったころの夢を、家族を失った夢を見ている。 夢の中で泣叫び、涙まみれで朝を迎える。これが帽子のない まりさの日常である。 自殺という概念を殆ど持たない ゆっくりだが、まりさは自殺を考えたことがある。 だが、母ぱちゅりーの言葉がそれを思い留まらせた。 「ぜったいに しなないでね。いきてさえ いれば、かならず いいことが あるから。」 母ぱちゅりーのこの言葉が まりさにとって生きる唯一の糧であり、呪縛である。 -------------- 「……………ゆっくりおきるよ………………ゆぅ……また あの ゆめさんを みたよ………」 涙まみれの まりさが、ゆっくりと瞼を開け、身体を伸ばす。 そして舌で涙を舐めとり、籠を咥えて外にでる。 狩場に向かう途中、まりさは れいむを見かけた。 「れいむ、ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 れいむが挨拶をかえすが、顔は笑っていない。 ゆっくりは、【ゆっくりしていってね!!!】と言われると反射で返事をする。 れいむの返事は反射でしただけで、親しみの感情はない。 「ねぇ、まりさ。」 「ゆ?な、なに!?」 れいむに話しかけられ、まりさは喜ぶ。 「れいむに あいさつ なんて しないで。それと、あんまり れいむには ちかづかないで。 れいむが おぼうしのない ゆっくりしていない まりさと なかがいいって みんなに かんちがいされたら めいわくだよ。 ゆっくりりかいしてね。それじゃぁね。」 「ゆぅ………ゆっくりごめんだよ…………」 れいむは まりさを冷たい目で睨んだ後、ゆっくりと歩きだした。おそらく広場に向かっているのだろう。 そんな れいむを まりさは笑顔で見送る。 「よかったよ。れいむと ほんの すこしだけど おはなしが できたよ。 まだまだ きらわれているけど、いつかきっと、なかなおりができて おはなしが できるようになるよね?おかーさん。」 まりさは自分で自分を言い聞かせ、狩場に向かって歩き出す。 笑顔で頑張れば、いつの日にか ゆっくりできる。 母の言葉を信じて、今日も まりさは作り笑顔で頑張る。 努力だけでは、決して叶うはずのない願いだが、そのことに気が付くことはない。 帽子のないまりさはいつの日にか ゆっくりできると信じて、ゆっくりできない毎日を過ごしている。 つづく。 あとがき まりさの両親がチートすぎました。特に母ぱちゅりー。 賢いというのもあるが、子供のために食事制限をするなんて、ゆっくりとは思えない。 「むきゅ。おなかがすいたわ。……おちびちゃん………おいしそぅ……… っむっきゅ!?い、いけないわ。そんなことを かんがえたら。 はやく ぱちぇの すいぶんさんを へらさないと。 むきゅぅ…………おなかがすいたわ………ねむれないわ………むきゅぅ……おいしそうな おちびちゃん……」 毎晩空腹で眠れないぱちゅりーは、幸せそうに眠るまりさを凝視しながら、こんなことを言っていたかもしれません。 籠の設定と、ぱちゅりー種が【おたべなさい】をすると、 中身が液体に近いためあふれ出て無駄になるという設定はたぶん独自設定です。 独自設定のクセに、作中あまり いかせれませんでした。 気分を害された方、申し訳ありません。 虐待をしていませんが、続きでは虐待シーンがある予定です。 もしよろしければ、続きも読んでください。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1040 しあわせ補足/コメントログ」 分かんないけど、親まりさが子まりさを孕ませていたということ? -- 2010-06-28 07 45 18 叙述トリックさんだったのぜ? 餡子脳にはわからないのぜ -- 2010-07-04 15 37 51 餡庫でフルボッコにされてたな -- 2010-09-09 00 26 17 00 →わからん 01 →子ゆっくりがあまあまだと知っている=子ゆっくりを食べたことがある 02 →三つ目の叫びが喉がかれる=死ねが口から出やすい=ゲス資質? 03 →おそろいの“ぼうし”=おちびちゃんはみんな“まりさ”=まりさ同士のすっきり⇒相手は?⇒おちびちゃん ちょっと判断材料が少ないかな? -- 2010-11-18 22 10 43 00から判断して、飼いゆっくりになろうとしたゲスの話だろ ぺろぺろなめるシーンで子ゆっくりの目を食べていて、だからその後人間が爆笑している -- 2011-06-06 00 07 38 ごちゃごちゃ親まりさの心情っぽいものが書いてあって惑わされるけど、 それを省いてしまえばただのいつものテンプレ飼いゆっくり要求話ってことじゃないの? 1.あまあま&飼い要求 2.赤まりさを自分の身代わりに差し出す 3.あまあまを独り占め 4.親虐待死、子まりさだけ残して虐待 かと -- 2011-07-06 22 48 26 親まりさがでいぶみたいな奴だったって事か、奴隷扱いの番いが死んで子供食って…な感じの -- 2013-12-25 02 59 47
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『ゆっくり性教育』 3KB 育児 飼いゆ スレ即興を編集したヤツ スレで完全即興で書いたものなので 誤植とかネタがアレとか、そんな文句言われてもしらねっす 『ゆっくり性教育』 D.O お姉さんは、とってもゆっくりした飼い主さん。 飼いゆっくりであるれいむとまりさが、おちびちゃんを作る事も許してくれたほどです。 れいむ達もつい先日、とうとう可愛い赤れいむと赤まりさの親になりました。やったね! ・・・ですが、れいむ達は、今とてもゆっくりできていませんでした。 「どうしておちびちゃんのまえで、すっきりーさせてくれないのぉぉおお!?」 『おちびちゃん達の教育に悪いでしょ!』 「すっきりーは、とってもゆっくりできるのぜぇええ!」 『子供の前でそんな事!トラウマになっちゃったらどうするの!?』 「「おちびちゃんたちが、ゆっくりできるすっきりーを、できなくなっちゃうぅぅうう!!」」 れいむ達とお姉さんで、おちびちゃん達の教育方針が食い違ってしまったためです。 その翌朝、お姉さんが目を覚ます前。 「ゆぅん、ゆっぴゃ~ん。れいみゅ、ぺにぺにしゃんがきもちぃぃよ~」 「たっちゃよ!まりしゃのぺにぺにしゃんがたっちゃよ~!」 れいむとまりさは、おちびちゃん達(生後3日)に、とても大事な性教育の真っ最中です。 お姉さんにはああ言われたものの、親はれいむ達なのですから。 「ゆふふ。すっきりーは、とってもたいせつなのぜ」 「おちびちゃん、つぎはただしいひとりすっきりーを・・・」 『きゃぁぁあああ!?おちびちゃん達に何教えてるのよぉぉおお!!』 それを見つけたお姉さん、大激怒。 「れいむもまりさも、すっきりーは、のーびのーびよりさきにおしえてもらったんだよ!」 「これでもおそすぎるくらいなのぜ!」 『信じられない!!変態!このエロゆっくり夫婦!』 「「どうぢでそんなこというのぉぉおお!?」」 当然、れいむ達の意見はお姉さんに理解してもらえませんでした・・・ 『まったく。ホントにしょうがないエロ親なんだから!』 「「ゆあぁぁぁああん!どぼぢでぇぇ・・・」」 お姉さんは幼い赤れいむと赤まりさを両親から奪い取ると、人差し指ですーりすーりしてあげます。 『あんな親の言う事聞いちゃだめよ。すーりすーり』 「「ちゅーりちゅーり、ちあわちぇ~・・・ちゅっきり!」」 『・・・へ?』 「「おぢびぢゃぁぁぁあああん!!」」 「「じゅっぎぢ…もっぢょ、ゆっぐぢ…しちゃ、かっちゃ・・・ぎゃぼ・・・」」 可愛い赤ゆ姉妹はお姉さんの指先すーりすーりで気持ち良くなってしまい、 そのまますっきりーして、お互いの精子餡を浴びてにんっしん。 細い茎を何本か額に生やしたかと思うと、そのまま黒く朽ちてしまいました。 「「おちびちゃんがずっぎりーじじゃっだぁぁあああ!!」」 『あれ?嘘?』 「おぢびぢゃんだぢ、ただしいすっぎりーが、わがらないのにぃぃいいい!!」 「だがら、ぢゃんどおじえないど、だめだっだのにぃいい!」 それは、悲しい悲しい事故でした。 ・・・あの悲劇から一週間後。 「おちびちゃん、これがひとりすっきりーだよ!」 ぴこすこぴこすこ・・・ゆっ!どぴゅっ! まりさは自分のお下げでぺにぺにを擦り上げると、満足げな表情で自分の精子餡を解放しました。 「「しゅごーい!ひとりしゅっきりーはゆっくちできりゅにぇ!」」 その目の前には、可愛い赤れいむと赤まりさが一匹づつ。 前のおちびちゃん達を悲しい事故で失った後に、 れいむとまりさが2回目のすっきりーで産んだ、可愛い可愛いおちびちゃん達です。 れいむ達も、今度こそはゆっくりと育て上げようと、やる気まんまんです。 もちろん、先ほどまりさがやっていた一人すっきり―も、 新たに産んだおちびちゃん達に、大事な技術を伝授するために行っているのです。 ゆっくりにとって、すっきりーとは単なる性行為にあらず。 命がけの行為であり、知識の結晶であり、技術である。 お姉さんはそれを、先日の赤ゆ達を襲った悲劇から学ばされたのでした。 もう、れいむ達を変態エロゆっくり扱いしようとは思っていません。 『私も・・・もっとゆっくりの事を勉強しないとね・・・』 お姉さんも、教えている内容が内容なので、複雑な心境ではありましたが、 愛する我が子たちに目一杯の愛情と教育を注ぐ両親の姿に、 温かい想いを感じずにはいられないのでした。 「じゃあおちびちゃん!こんどはさかだちして、べろさんをつかう『じぶんにがんしゃすっきりー』だよ!」 『・・・ねえ。そこまで必要なの・・・?』 「・・・・・・ひつようなのぜ」 『・・・・・・へぇ』 まだまだ、お互いを理解しあえるまでには時間がかかりそうです。
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『ぼーきゃくろくっおん』 21KB 虐待 制裁 家族崩壊 同族殺し 飼いゆ 現代 虐待人間 某アニメ映画のパロディではありません 注意: 某映画とは一切関係はありません(録音というか録画だし) ゆっくりが変なところで高スペックです(ネタってことで勘弁して下さい) 『ぼーきゃくろくっおん』 「ゆわああああぁぁぁぁぁぁ!?」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!?」 とある住宅の一室にて突如響き渡るゆっくりの悲鳴。 その悲鳴を聞きつけた飼い主の青年が何事かと現場に駆け付けた。 「なんだなんだ?どうしたってんだ?まりさ、れいむ」 そこには二匹のゆっくりが大粒の涙を流しながら絶叫していた。 そして二匹の目の前には大量の餡子がぶちまけられている。 「お、おにーさぁぁぁん!れいむの・・・・・・れいむのおちびちゃんがぁぁぁ!」 「ん?ひょっとしてその餡子、お前らのチビか?」 よく見ると飛び散った餡子の中心には黒いとんがり帽子がちょこんと置いてあるのが確認できた。 この帽子が無ければ、飛び散った餡子が潰れた赤まりさのものであるとはわからなかっただろう。 「こいつは酷いな・・・・・・一体何があったんだ?事故ってレベルじゃねぇだろコレ」 この餡子のぶちまけられっぷりからして、躓いて転んだとか、どっかから落ちた程度では説明はつかない。 それほど酷い状態だった。 「わがらないんだぜぇぇ!まりざだちのしらないあいだに、おちびちゃんがいなくなって・・・・・・!」 「それで・・・・・・ゆぐっ・・・・・・どこにいったのか、さがしにいってもみつからないから、もどっでぎだら・・・・・・おちびちゃんが、おちびちゃんが・・・・・・えいっえんにゆっくりしてたんだよぉぉ!!」 ただ事ではないと判断した青年はただちに室内に異常が無いかを確認しはじめた。 そしてすぐに異常らしきものを発見する。窓の一つが開いているのだ。 「こりゃあ、別のゆっくりの仕業かもしれんなぁ・・・・・・」 家に侵入したゲスゆっくりか、捕食種ゆっくりなどの仕業ではないかと青年は判断した。 「ゆ、ゆるさないんだぜぇ・・・・・・!おちびちゃんをころしたゲスはただじゃおかないんだぜぇ!!」 まりさは歯をギリギリとさせ、怒りの表情を浮かべていた。 「ただじゃおかないって・・・・・・犯人を見つけたらどうするつもりなんだ?」 「きまってるのぜ!ふくっしゅうなのぜ!おちびちゃんがうけたいたみをはんっにんにもあじあわせてやるんだぜ!!」 まりさの穏やかではない発言に青年は思わず眉をしかめる。 「・・・・・・まりさよ、復讐なんて虚しいだけだぞ? チビが死んじまったのは悲しいことだが、いつまでも過去にこだわってたら明るい未来なんてやってこない。 これは悲しい事故だと諦めて、また新しい子供でも作ってゆっくりした方がお前らの為ってもんだろ?」 青年は死んだ子供のことは忘れろという。 一見、冷酷なことを言っているようにも聞こえるかもしれない。 だが相手はゆっくりである。ゆっくりは本人にとって都合の悪い記憶は忘却する性質を持つという。 子供を殺された怒りの感情も時が経ち、新しい子供でも作ればすぐに忘れてしまえるだろう。 だから、一時の感情に身を任せて復讐などというゆっくりできないことに時間を費やしたところでただの徒労にしかならない。 そう青年は思ったのだが・・・・・・ 「はぁぁぁぁぁぁぁ!!?なにいってるんだぜぇぇぇ!?」 「そんなことできるわけがないでしょぉぉぉ!?」 冷却期間が足りないのだろう。そんなことを容認できるゆっくり達ではなかった。 ゆっくりと言えども子供を失った悲しみはそう簡単には忘れられないのだろう。 「はんっにんをみつけて!かおのかたちがわからなくなるまでボッコボコにしてやるんだぜ!」 「それだけじゃすまさないよ!おめめだってくりぬいて、めのまえでむーしゃむーしゃしてあげるんだよ!」 「あんよさんだってズタズタにしてやるんだぜぇ!うごけなくしてゆっくりといたぶってやるんだぜ!」 「いくらごめんなさいしたって、ぜっったいゆるしてなんかあげないんだよ!ゆっくりしていってね!えいっえんでいいよ!ゆぎぎ!」 「えいっえんにゆっくりさせるなんてなまぬるいんだぜ! はんっごろしにしたあとオレンジジュースさんをかけてまたはんっごろしにしてやるのぜ! えいっえんのくるしみをあじあわせてやるんだぜー!ゆがー!」 怒りで頭(といっても頭しかないのだが)に血が上っているのだろう。 ゆっくりらしからぬ物騒な発言を繰り広げている。 そんな飼いゆ達の姿に青年は溜息をついた。今は何を言っても無駄だろう。 「はぁ・・・・・・わかった。そんなに言うなら犯人探しを手伝ってやろう」 「ゆゆ!?そんなことできるの!?」 「まあな。・・・・・・実はこの部屋にビデオカメラを設置しておいたんだ。 これを再生してやれば事の顛末がわかるはずだ」 元々はゆっくりの生態を観察するために青年が設置しておいたものだ。 まさかこんなことになるとは夢にも思わなかったに違いない。 「ゆ?びでおかめらさんって?」 「ああ、ビデオカメラってのはだな・・・・・・」 ゆっくり達にもわかるようビデオカメラが何なのかを説明した後、録画した内容を観るためにビデオをモニターにセットする。 「さて、これで準備はOKな訳だが・・・・・・最後にもう一度だけ確認する。 本当にいいんだな?やめるなら今しかないぞ」 これを見れば犯人はわかるだろう。 だが、それと同時に自分たちが可愛がっていたおちびちゃんの死に様を見せられるということでもあるのだ。 それは両親にとっては辛いことである。 「ゆぅ・・・・・・おにーさん。まりさたちは、もう、きめたんだぜ。 そうしなきゃ、みらいにむけてゆっくりなんてできないんだぜ」 「れいむたちはみらいをゆっくりするためにも、かこのせいっさんをしなくちゃならないんだよ!」 二匹のゆっくりはキリッとした表情で青年を見つめていた。 どうやら二匹の決意は固いようだ。 「そうか・・・・・・お前らがそう決めたんなら、もう止めはしないさ」 青年はビデオを再生させる。 「それじゃあ始めようか・・・・・・その嘆きを再生する」 『ゆぅ~ぴぃ・・・・・・ゆぅ~ぴぃ・・・・・・』 モニターにはついさっきまで寝床でゆっくりと眠っていた赤まりさの姿が映っていた。 「ゆぅぅ・・・・・・ほんとうに、おちびちゃんがうつてるよ!おちびちゃん!ゆっくりしていってね!」 「れいむ、さっきも説明したがこれは過去の映像だ。チビが生き返ったわけじゃない」 「ゆ、ゆぅ、わかってるよ・・・・・・」 それでも叫ばずにはいられなかった。それほどまでに我が子は大切な宝物だったのだ。 『ゆぅ~ぴぃ・・・・・・ゆぅ~ぴぃ・・・・・・』 『ゆゆ~ん、まりさはもうたべられないんだぜぇ。むにゃむにゃ・・・・・・』 『ゆう、ゆう、れいむ、かわいくってごめんね~・・・・・・ゆぅ、ゆぅ・・・・・・』 ぐっすりと眠っている赤まりさの後ろにはまりさとれいむも眠っていた。 幸せそうに眠る3匹の寝顔をみているとこれから恐ろしい惨劇が待ち構えているなど想像もつかないだろう。 だが、それは唐突にやってきた。 画面外から大きな「手」がぬっと現れたのだ。 そしてその「手」は赤まりさの帽子を摘みあげた。 「ゆゆっ!?なにするんだぜ!おちびちゃんのおぼうしをかえすんだぜ!」 映像を見ていたまりさが叫ぶがこれは過去の映像である。 何を言ったところで起こってしまった出来事は変えられない。 「こいつがおちびちゃんをころしたはんっにんなの?」 しかし、予想に反して「手」はこれ以上赤まりさには手を出さなかった。 「手」は赤まりさから取り上げた帽子を寝床の近くにあるピンポン玉の上に乗せたのだ。 このピンポン玉は赤まりさの玩具として青年が用意したもので、赤まりさにとっては大切な宝物になっていた。 その後「手」は眠っているれいむの頬を人差し指でツンツンと突き始めた。 『・・・・・・ゆぅ?なんなの?れいむまだねむいよ・・・・・・』 れいむが覚醒し始めると「手」はまりさを同様に起こし始めた。 『・・・・・・なんなのぜ?まりさはすーぱーすーやすーやたいむなのぜ・・・・・・』 まりさも覚醒したようだ。 二匹はまだ寝ぼけているようで自分たちを起こした「手」には気がついていないようだ。 そして「手」は何をするわけでもなく画面外へと引っこんでしまった。 おかしい。 この映像を見ていたまりさとれいむは自分の体から嫌な汗が流れていることに気がついた。 なぜだろう?わからない。 ただ、ここから先の映像は見てはいけない。 そんな漠然とした思いが二匹の頭の中で警鐘としてガンガンと鳴り響いていた。 それがなぜなのかは全くわからない二匹はこの状況に困惑していた。 と、その時である。 『ゆゆっ!?なんだかゆっくりしてないゆっくりがいるよ!!』 突如、映像内のれいむが叫び声を上げた。 『ゆっ!ほんとうなのぜ!しかもなまいきにもおちびちゃんのベッドさんをどくっせんしてるのぜ!』 ゆっくりしていないゆっくり。 ゆっくりの世界では見た目が汚いゆっくりなどはこのように呼ばれることがある。 特に飾りのないゆっくりがよく言われることが多い。 そう、この映像の両親が言っている「ゆっくりしていないゆっくり」とは、先ほど「手」によって帽子を取られた赤まりさのことだ。 ゆっくりは飾りによって個体の認識をしているという。 だから帽子が取られた赤まりさは両親に自分の子供であると認識されなかったのだ。 「ゆっ!?ゆっ!?な、なにいってるんだぜ!?そのゆっくりはおちびちゃんなのぜ!」 「そ、そうだよ、とってもゆっくりとしたれいむのおちびちゃんだよ!?」 だが、映像を見ている両親は帽子の無い赤まりさをちゃんと自分の子供であると認識していた。 映像内の両親はそれができていないのに、同一のゆっくりでこの認識の違いは何故なのか? それは帽子を取られるところを実際に目撃しているかいないかの違いが、認識の違いにつながったのである。 いくらゆっくりといえど、目の前で飾りをとる場面を見ていれば個体認識はできるのだ。 『おちびちゃんのベッドさんをうばうなんてとんでもないゲスだね!』 『おい!おきるのぜ!このゲス!』 まりさが赤まりさに体当たりを喰らわせる。 『ゆぴ!?・・・・・・ゆ、ゆぅ?』 気持ちよく眠っていたところを突然、突き飛ばされた赤まりさは一体何が起こったのか理解できていなかった。 『ここはれいむのかわいいおちびちゃんのベッドさんだよ! ゆっくりしてないゆっくりはゆっくりしないでゆっくりきえてね!』 『ゆぅ~?なにいっちぇるの?まりちゃはまりちゃだよ?』 『はぁぁぁぁぁぁ!!?なにいってるのぜ!?おちびちゃんはあそこにいるでしょぉぉ!?』 『そうだよ!おちびちゃんはベッドさんをとられてかなしんでるんだよ!ゆっくりしないであやまってね!』 どうやら二匹は帽子を乗せたピンポン玉を自分の子供として認識しているらしい。 これも飾りで個体認識をするゆっくりの特性だった。 『なにいっちぇるのぉぉぉ!?まりちゃがまりちゃだよ!おきゃーしゃん!』 『だれがおまえみたいなきたないゲスのおかあさんだぁぁ!』 『しかもおちびちゃんのなまえまでかたってるのぜ!』 『ゆぅぅぅ!?おちょーしゃんもなにいっちぇるのぉぉぉ!?』 あんなに優しかった両親から罵声を浴びせられ困惑し涙目の赤まりさ。 その時、赤まりさは自分の帽子が乗せられたピンポン玉を発見する。 『ゆゆ?どうちてまりちゃのおぼうちがこんなとこりょにあるにょ?ゆっくちかえしちぇね!』 赤まりさはピンポン玉に近づき帽子を取ろうとした、その瞬間。 ドン! まりさの体当たりを受け、赤まりさは思いっきり吹っ飛ばされた。 そして赤まりさは顔面を床に激しく打ちつけられた。 『ゆ、ゆぴぃ?・・・・・・きゃわいい、まりちゃのきゃおが・・・・・・い、いちゃい?』 赤まりさは突如受けた攻撃に何が起こったのか理解できていなかった。 だが、その攻撃を繰り出したまりさは怒り心頭で顔を醜く歪ませていた。 『こいつ・・・・・・おちびちゃんのおぼうしをうばおうとしたのぜ・・・・・・』 『ベッドさんだけでもずうずうしいのに・・・・・・おぼうしにまでてをだすなんて・・・・・・』 飾りはゆっくりにとって命の次に大事なものだ。 もし他ゆんがそれに手をだそうものならどうなるのか。 ピキピキピキィィィィィィィィィィィィ!!! 『とんっでもないゲスなのぜぇぇ!!!ぷくぅぅ!!』 『もうおんこうなれいむもかんにんぶくろのおがきれたよっ!!!ぷくぅぅ!!』 『ゆぴぃぃぃ!?お、おちょーしゃん!おきゃーしゃん!どうちておこっちぇるのぉぉぉ!?』 体をぷくーっと膨らませ、ゆっくり最大の威嚇行為を赤まりさに向けている。 もはや両親の怒りは有頂天に達していた。 『『ゆっくりできないゲスはせいっさいするよ!!!』』 『ゆ、ゆ、ゆ・・・・・っ!ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』 こうして、両親による恐ろしい制裁がはじまった。 「や、やめろぉぉぉぉぉぉ!!!」 「やめてねぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 映像をみていた両親が叫び出す。 もはや変えられぬ過去の映像であるとしても叫ばずにはいられなかったのだ。 それほどまでに凄惨な制裁だったのである。 『ゆんやぁぁぁぁ!ゆんやぁぁぁぁああああ!!』 二匹掛りで執拗に体当たりを喰らわせている。 『やべちぇぇぇぇ!!まりちゃのかぎゃやくおうぎょんのかみのきぇぎゃぁぁぁ!!』 れいむが髪をブチブチと引き抜いている。 『いじゃいぃぃぃぃ!!おべべ!まりちゃのおべべぇぇぇ!!』 まりさが右目をくり抜き、空いた右目の空洞を舌でグリグリと穿っている。 『ぼう、やべちぇ、いちゃい、いちゃいよぉぉ、ゆんやぁ・・・・・・』 これだけ痛めつけられていながら、赤まりさは死ななかった。 二匹が殺さないよう適度に手を抜いているのだ。 『ゆげら!ゆげら!どう?いたいのぜ?いたいのぜぇぇ?』 『ゆげげ!でもゆっくりなんてさせてあげないよ?もっともっとくるしんでね!』 ゆっくりはゆっくりしていないものを見下す事が多い。 それは他者を見下すことで自分がよりゆっくりした存在であると認識する為である。 そしてその嘲りの感情は、時として暴力となって対象に襲いかかる。 それが今の状況だ。これは、もはや制裁などではなかった。 「うわぁ、流石の俺でもこれは引くわぁ・・・・・・ん?どうしたおまえら?」 二匹のゆっくりはもう映像を見ていられなかった。 目をつぶり、プルプルと震えながらこの真実から目を避けていた。 「おいおい、お前ら。過去の清算するんだろ?あんなにキリッとした顔でいってたじゃないか。 だからちゃんと見てないとダメだろ。おっ!なんかまた出てきたぞ。みてみろ」 「ゆ、ゆぅ?」 恐ろしい虐待が行われている最中。 画面外から再びあの「手」が現れたのだ。 その「手」はピンポン玉の上の帽子を摘みあげると画面外へと消えていった。 しかし、映像内の両親はそれに気付いていない。 赤まりさをいたぶることに夢中になっていたからだ。 『れいむ、そろそろふぃにっしゅにするのぜ。アレをひさしぶりにやってみたいのぜ!』 『ゆぅ?アレなの?ゆふふ、そうだね、ひさしぶりにやってみようね!』 そう言うと、れいむは頭が低くなるよう体をへにゃりと縮ませた。 まりさは息絶え絶えの赤まりさを口に咥えるとれいむの頭に乗り上がった。 『いくよ?まりさ』 『じゅんびおーけーだぜ!れいむ』 『ゆ、ゆぴぃ・・・・・・な、なに、ちゅるにょ?やめちぇね、やめちぇね・・・・・・』 れいむはまりさを頭の上に乗せたまま勢いよく伸びあがった。 『のーびのーび!』 そしてその伸びが最大になった瞬間、まりさはれいむの頭を踏み台に、遥か上空へと飛びあがる。 「ゆ、ゆげぇぇぇぇ!あ、あのわざはー!?」 「知っているのかー?まりさー!ってお前の映像なんだから当たり前か」 まりさを打ち上げた後、れいむはその場で仰向けに倒れこみ、あんよをプリン!と持ち上げる。 一方、上空へ打ち上げられたまりさは口に咥えていた赤まりさを腹の上に乗せ、そのままクルリと回転し、赤まりさが下になる体制のまま一気に下降しはじめる。 まりさの真下にはあんよを持ち上げたれいむがニヤニヤとした笑みを浮かべて待ち構えている。 『ゆっくりしてないゲスは・・・・・・っ!ぷくぅぅぅ!』 『ゆっくりしねぇぇぇぇぇ!』 『ゆぴぃぃぃぃ!た、たしゅけちぇ・・・・・・っ!』 『『ゆっくりほうかいのふぃなーれ!!』』 グシャアアアアアア!!! ぷくぅっと膨れた状態で下降してきたまりさの腹とれいむの持ち上げていたあんよが勢いよく衝突する。 そしてその間に挟まれていた赤まりさは衝突のショックでグチャグチャに潰されてしまった。 『ぷしゅるるるぅぅ~、ゆへへ!きまったのぜ!』 口の中から息を吐きながられいむのあんよから飛び退くまりさ。 『やったね!まりさ!』 れいむもむくりと起き上がる。 その際、あんよの上に残っていた潰された赤まりさがべちゃりと地面に落ちた。 「ゆ、あ、あ、あ・・・・・・」 「ど、どぼじで・・・・・・こんな、ことに・・・・・・」 「すっげぇなぁ、お前ら。無駄にスペック高すぎ」 赤まりさが自分たちによって殺される映像を見せられ、二匹はただ涙を流して呆然とするしかなかった。 『ゆ!そうだぜ!おちびちゃん!ベッドさんをどくっせんしてたゲスはやっつけたんだぜ!』 ゲスの制裁に夢中になり忘れていた自分の子供のことを思い出したようだ。 『ゆゆ?おちびちゃん?』 だが、どこを見渡しても赤まりさの姿は見えなかった。 目の前で潰れているのだが、いまの二匹にはそれがわからない。 『ゆぅ・・・・・・どこいっちゃったのぜ、おちびちゃん』 『ひょっとして、ゲスがせいっさいされるところをみるのがこわくなっちゃったのかも。 それでどこかにかくれちゃったんだよ』 『ゆゆ!おちびちゃんにはすこししげきがつよすぎたのかもしれないのぜ』 『ゆもう!ゆっくりやりすぎだよ!まりさ!』 自分もノリノリで制裁していたのを棚に上げてぷんぷんと頬を膨らませてまりさに注意をするれいむ。 『ごめんごめんなのぜ。きっととなりのおへやにでもいるのぜ。いっしょにむかえにいってあげるのぜ!』 『そうだね、こわがってるおちびちゃんにすーりすーりしてあんしんさせてあげようね!』 そう言いながら二匹は部屋から出ていった。 その直後、画面外から三度「手」が現れ、先ほど奪っていった赤まりさの帽子を潰された餡子の上に乗せ、画面外に消えていった。 しばらくした後、 『ゆぅ、おちびちゃんいないね』 『まったく、どこへいったのぜ』 二匹が部屋に戻ってきた。 こうして話は冒頭へと繋がるのだった。 「さて。これで犯人はわかった訳だが・・・・・・。 お前ら、犯人が見つかったらどうしてやるんだっけ?なんか言ってたよなぁ」 「ゆ!ゆ!し、しらないのぜ。まりさ、なんにもいってないのぜ!」 「れいむもしらないよ!それにおちびちゃんがしんだのは!かなしいじこだったんだよ! だかられいむ、なんにもわるいことしてないよ!」 あそこまで悪意に満ちた言動で子供を殺しておいて、この言い分である。 青年は肩をすくめ、軽く溜息をついた。 「お前らが、数分前に言った自分の発言もすぐ忘れるような餡子脳だってのはわかった。 ・・・・・・だが、そんなこともあろうかとお前らの発言もきっちり収録しておいたのさ」 ビデオはその後のことも録画し続けていた。 つまり、二匹が犯人を見つけて復讐を誓う場面もしっかりと録画されていたのである。 「えぇ~と確かここらへんだったな。ピッピッピッと・・・・・・」 リモコンを操作し、映像を問題のシーンまで進める。 『はんっにんをみつけて!かおのかたちがわからなくなるまでボッコボコにしてやるんだぜ!』 「・・・・・・だ、そうだが」 「「ゆ!?ゆ!?」」 「しかし、言った本人達が犯人だったということは、制裁の執行人がいなくなってしまうなぁ」 「そ、そうだよ!だから・・・・・・!」 「わかった。そういうことなら、僭越ながらこの俺が代わりに制裁を実行してやろうじゃないか!」 「「ゆゆっ!?」」 青年はそう言うとまりさの顔面を思いっきり殴りつけた。 「ふん!」 ドゴっ! 「ゆべぇぇぇ!?い、いだいぃぃぃぃぃ!!!」 「な、なにするのぉぉぉ!?おにーさぁぁぁん!!」 「お前もだよ。そら!」 れいむも同様に顔面を殴りつける。 「いだぁぁぁぁぁぁあああ!!」 ドゴ!バゴ!ベシ!ガスガス! 「ゆ、ゆべ!や、やべっ!やべ・・・・・・でっ!」 「いだ、いだい!いだいよぉぉぉ!ゆんやぁぁ!!」 その後、青年はまりさが言ったように顔の形が変わるまで殴り続けた。 「さてさて、お次は何をするんだっけかな?」 『それだけじゃすまさないよ!おめめだってくりぬいて、めのまえでむーしゃむーしゃしてあげるんだよ!』 「りょーかい♪とりあえず片目をくり抜いてやんよ」 ドスっ! 「ゆぎゃあああああああ!ば、ばりざのほうせきのようなおめめがぁぁ!!」 スボっ! 「ゆんぎゃああああああ!でいぶのよぞらにかがやくこうせいのようなおめめがぁあああ!!」 二匹は赤まりさと同じように右目を抉りとられ、あまりの痛みに辺りをのたうち回った。 「もっちもっち!お前らの目玉、白玉団子みたいでうめぇな。 もう片方は後で食ってやるから、とりあえず次いってみよう」 『あんよさんだってズタズタにしてやるんだぜぇ!うごけなくしてゆっくりといたぶってやるんだぜ!』 「次は足か。よっしゃ、このよく切れるカッタ―でズッタズタにしてやろうじゃないか」 ザク! 「ゆぎぃぃぃぃ!ばりざのがもじかのようなあんよさんがぁぁぁあ!!」 「ザックザクに耕してやるよ!」 ザク!ザク!ザク! 「や、やべでっ!ご、ごべんだざい!ごべんだざいぃぃぃ!あやばりばずがらっ!ゆるじでぐだざぁぁぁ」 『いくらごめんなさいしたって、ぜっったいゆるしてなんかあげないんだよ!』 「だってさ。あきらメロン♪」 「ぁぁぁぁぁいぃ!?や、やべでねぇぇぇ!あんよさんっ!いだいいだいじないでぇぇぇぇ!!」 足をズタズタに切り裂かれた。これでもう逃げることもままならないだろう。 「ゆ゙、ゆ゙、ゆ゙」 「も、もう、ごろじ、で・・・・・・」 「ふぅ。流石にもう限界か。充分いためつけたことだし。そろそろ楽にしてやろうか。ん?」 『えいっえんにゆっくりさせるなんてなまぬるいんだぜ! はんっごろしにしたあとオレンジジュースさんをかけてまたはんっごろしにしてやるのぜ! えいっえんのくるしみをあじあわせてやるんだぜー!』 「ああ、残念。まだまだ許されないようだ。ちょっとまってろ。オレンジジュース持ってくるから」 そう言いながら、青年は部屋から出ていった。 「ゆ、ゆぅぅ・・・・・・ど、どぼじで、ごんなごどにぃ・・・・・・」 「あんなに、ゆっくりしてたのに・・・・・・どぼじで・・・・・・」 この二匹は元々野良ゆっくりだった。 それを今の青年に拾われて飼いゆっくりになった。 それから二匹はとてもゆっくりとした日々を過ごしてきたのだ。 「ひょ、ひょっとして・・・・・・おにーさんは、ぎゃくったいおにーさんだったの、ぜ?」 「ゆゆ!?あんなにやさしかった、おにーさんが・・・・・・」 青年は毎日おいしいものを食べさせてくれた。 いっしょに遊んでくれた。 子供を作ることも笑顔で許してくれた。 それなのに、自分たちは騙されていたというのか。 「き、きっと・・・・・・おにーさんはまりさたちを、だましてたのぜっ!」 「ぞ、ぞんな・・・・・・!し、しどい!」 世の中にはゆっくりを虐めて楽しむ虐待鬼威惨と呼ばれる人間がいる。 まりさは野良時代、そうした人間に殺された仲間をみたことがある。 「ゆ、ゆぐぅぅ!ぐ、ぐやじいのぜ・・・・・・! このまりざのめをもっでじでも、あのくぞにんげんのほんっしつがみぬけなかったなんで・・・・・・」 まりさは涙した。 自分がもっと用心していれば、こんなことにはならなかったのだと。 「そんなことはないぞ、まりさ。俺は別にこんなことしたくてやってる訳じゃない」 青年がオレンジジュースを持って帰ってきた。 「な、なにいってるのぜ!よくもそんなことをぬけっぬけとぉ!」 「冷静になって考えてみろよ。今こうしてお前らを制裁してるのは元々お前らが言い出したことじゃないか」 「ゆゆ!?」 「俺は復讐なんてやめようって最初に言ったぞ? そもそも、お前らがチビを殺したりしなければこんなことにならなかったんだ」 「ゆ、あ、あああ・・・・・・!」 青年はバシャバシャとオレンジジュースを二匹にかけてやる。 二匹のゆっくりの体がある程度再生されていく。 「俺は有言実行をモットーとしていてね。だからこれはお前らが言ったことは忠実に実行しているだけに過ぎない。 つまり、今のこの状況はお前らの自業自得ってことだな。ゆっくり理解できたかな?」 「ゆぐぅぅぅぅ!!」 勿論、青年の言っていることは詭弁だった。 そもそも赤まりさが眠っている間に帽子を奪い、ゆっくり達が家庭崩壊するよう仕向けたのはこの青年である。 まりさの言うとおり青年が二匹のゆっくりを拾ったのは虐めることが目的だった。 可愛がる反面、日常のあちこちに死亡フラグをばらまき、何時自滅するのか観察するのがこの青年のやり方だったのだ。 例え、今日の事件がなかったとしてもいずれは自滅に至っていただろう。 だが、ゆっくり相手にはこの程度の詭弁でも充分論破できてしまう。 「ゆぐっゆぐっ!ま、まりざがばがだったのぜぇぇ!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅ!ご、ごべんねぇぇ、おちびちゃん!おかぁさんがもっどじっがりじでいればぁぁ」 単純なやつらだと青年は苦笑した。 こんな馬鹿なやつらはゆっくりの中でも珍しいんじゃないのかとも思った。 「さ、そういうわけだ。続きを始めよう。なに、心配するな。殺しはしないさ。 お前らは犯人を殺すとは言わなかったからな。 ・・・・・・ただし、死んだ方がマシだとは思うかもしれんがな。ジョワ、ジョワジョワジョワ!」 「ゆわぁぁぁぁぁ!がんべんぢでぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「も、もうやだぁぁぁ!おうちかえるぅぅぅぅぅ!!」 こうして、まりさとれいむへの制裁はいつまでも続くのであった。 <了> 前作: anko2106_プラント
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* そろそろ定着したかと思われますが、『町れいむ一家の四季』 秋編に突入です。まさかこんなに長く続くとは・・・。 * エロ書け、おまけ書けと色々あるとは思いますが、 そろそろ本筋を書いてしまわないと、完結するのか不安です。あくまでおまけはおまけなんで。 * 「台風ゆえに人は悲しまねばならぬ。台風ゆえに人は苦しまねばならぬ。ならば、台風などいらぬ!!!」 いえ、必要です。ということで台風編。 このテーマもリクエスト対応なんですが、台風の中でゆっくりが動き回るとか無理でしょ。一体どうしろと。 『台風さんでゆっくりしたいよ』 D.O 季節は秋。 といっても、まだまだ夏の暑さは尾を引いているので、秋らしさは見られない。 ムシムシとした湿気と、曇った空は、ゆっくりならずとも不快な天気であろう。 町のゆっくり達はおちつきなく、とてもゆっくりしていない。 ある者は路地裏にゴミ袋を運び込み、ある者は小石や板きれを植栽の中に押し込んでいる。 広場の公衆便所裏に住むれいむ一家も、今日はせっせとおうちの補強に精を出していた。 元々おうちと使っている木箱は、随分前からここに放置されている空箱の一つだが、 いかに状態がいいとはいえ、雨が降ったら中までびしょ濡れ。 今日は、劣化した買い物袋を屋根からはずし、公園で拾ってきたブルーシートをかぶせる作業にいそしんでいた。 「ゆーし。あおいぬのさんはきれいにかぶせたよ!つぎはいしさんをのせるよ!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 元気な返事は長女れいむ。 「とっちぇもときゃいはなおうちになっちゃわ!」 キレイに整備されたおうちに感動の声をあげるのは次女ありす。 「でみょ、どうしていししゃんをいつもよりたくしゃんのせちゃの? おうちしゃんつぶれにゃい?」 疑問を母れいむにぶつけるのは、一番賢い末っ子れいむ。 「ゆぅ。それはね。もうすぐとってもこわいかぜさんがくるからなんだよ。」 「ゆゆっ!?かぜしゃん?ゆっくちしちぇないにょ?」 「そうだよ。ゆっくりしてないあめさんとかぜさんがくるんだよ。 いしさんがないと、おうちもとんでいっちゃうんだよ。」 「ゆーん。かぜしゃんはいなかものなのにぇ。」 「でも、どうしてもうすぐくるっちぇわかるにょ?」 「ゆゆーん。きょうは、おちびちゃんたちは、すーりすーりがゆっくりできないよね?」 「ゆぅ。おはだしゃんべたべたしちぇ、しゅーりしゅーりできにゃいよぉ。」 「すーりすーりがゆっくりしてないと、ゆっくりしてないあめさんとかぜさんがくるんだよ。」 「ゆゆーん!しゅぎょーい。おきゃーしゃんはなんでもしっちぇちぇ、とってもときゃいはにぇ!」 ちなみにゆっくりのお肌がベタベタになるのは、主に水浴びをしすぎた後か湿気が強い時である。 ゆっくりの肌が限界以上に水分を吸収している証拠で、 この状態で水滴などを浴びると、簡単にお肌がとけて穴があく。 水に脆い上、乾いている時の撥水性もなくなるわけだ。 水浴び後ならば日光浴でしっかり乾かすのでゆっくりできるのだが、 大雨の前の湿気は、太陽さんが出ていないのでいかんともしがたく、要は大変危険な状態だったりする。 「ゆゆーん。とってもとかいはなおうちになったわね!」 「とっちぇもゆっくちできるのじぇ!おうちしゃん、ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「ゆーん、げんきなごあいさつだわ!さすがありすのおちびちゃんねぇ!ぺーろぺーろ」 「わかるよー!あめさんがきてもへいきなんだねー。」 最近れいむ一家にはお隣さんが2家族できた。 まあ、元々いくつも木箱が捨ててあったので、これまで町のゆっくりが集まらなかった方が不思議だが。 右隣は溺愛ありすと赤まりさ。 最近『みぼうじん』になったため、一粒種への溺愛っぷりは拍車がかかっている。 左隣は下膨れについた獣の爪痕が生々しい、戦士ちぇん。 本人いわく、かつて4匹の巨大な猫を相手に死闘を繰り広げたとのこと。 眉つば物であるが、知識も体力も結構あるので、割とゆっくりの間では信じてもらえている。 3つの木箱が便所裏の壁に並び、上にブルーシートがかけられていると、 ゆっくりとしては割といい感じのマンションといった風情であろう。 これだけのおうちならば、この晩にやってくる台風であろうと耐え抜くに違いない。 中のゆっくり達はともかく。 夕焼けは不気味に赤く染まり、町は不吉な空気に包まれ始めた・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ゴロゴロゴロ・・・・パァァァアアアアアンン!!! 「ゆぴぃぃいいいいい!!きゃみなりしゃんきょわいのじぇぇぇえええ!!」 「だっ、だだだ、だいじょうぶよ、おちびちゃ『パァアアン』ゆひぃぃいい!」 「ゆーん。おきゃあしゃん、かぜじゃんゆっくちしちぇにゃいよぉ。おうちはこわれにゃい?」 「ゆん!だいじょうぶだよ、おちびち『ビュオオオオオ!バタバタバタッ』ゆぁぁあああ!あおいぬのさんもゆっくりしてね!」 「ゆぅぅぅ。いなかもにょなかぜしゃんにぇ・・・。」 「だいじょうぶだよー。いざとなったらちぇんがたすけるんだよー。」 「ちぇんおにぇーしゃんは、ゆっくちかっきょいーにぇ!」 パラッ・・・パラパラパラ、ザァァァァァァァァァァ・・・ 「ゆあーん。あめしゃんふっちぇきちゃよー。」 「だいじょうぶだよ。おちびちゃん。おうちはちゃんとつくったから、あめさんはいってこないよ。」 「ゆーん!やっちゃあ!おきゃーしゃんすぎょーい!」 とはいえ、やはり成体の3匹も不安なのであろう。 3つ並ぶ木箱の真ん中、れいむ一家のおうちのスペースに、3家族全員集まって身を寄せ合っている。 今夜は一睡もできなそうだ。 と、そのとき突然扉代わりに入口に垂れたブルーシートが勢いよく跳ねあげられ、一匹のまりさが駆け込んできた。 「ゆっひぃぃいいいいい!きゅうにあめさんがふって、しんじゃうかとおもったんだぜ!」 「ゆっ、ゆう?だいじょうぶ? きょうはあめさんもかぜさんもゆっくりしてないのに、おそとにいるなんて、どうしたの?」 「ゆーん。まりさはきょうもりさんからきたのぜ。まだおうちがないのぜ!とめてほしいのぜ!」 「「「ゆぅ・・・。」」」 まさか追い出すわけにもいかないが、れいむ達、成体3匹は露骨に嫌な顔をする。 町のゆっくりたちは、森に住むゆっくりには憧れているが、森から来たゆっくりにはいい印象がないのだ。 「な、なんなのぜ!まりさはげすのむれからおいだされて、おうちもないかわいそうなゆっくりなのぜ! あめさんがやむまでくらいいてもいいのぜ!」 「「「ゆぅ・・・。」」」 「ゆふーん。なかなかいいおうちなのぜ。ゆっ!こんなところにごはんさんがおちてるのぜ!むーしゃむーしゃ!」 「ゆあーん。まりしゃのゆっくちしちゃごはんしゃんがー。」 「なにするのぉぉおおお!ありすのかわいいおちびちゃんのごはんさんよ!このいなかものぉおお!」 「ゆへん!まりさはもりからきたばっかりなんだぜ!おなかがすいててかわいそうなんだぜ!ゆーん。こっちにもあるのぜ!」 「やめるんだよー。それはちぇんとれいむたちのあつめたごはんさんだよー。」 「またあつめればいいのぜ!けちけちすんなだぜ!むーしゃむーしゃ、しあわせー。」 れいむ達がつらい夜を乗り切るために集めた生ゴ・・・ゆっくりしたご飯さんがあっという間に無くなった。 「やめるんだよー。これいじょうはゆるさないよー。」 「ゆっへん!まりさはおなかいっぱいになったからすっきりーしたくなったんだぜ!れいむとすっきりーしてあげるのぜ!」 「ゆぇっ!?いいかげんにしてね!まりさみたいなゆっくりしてないゆっくりはいやだよ!」 「ゆえーん。まりしゃゆっくちしちぇにゃいにょー?」 「おちびちゃんのことじゃないのよぉぉおお!あっちのいなかもののまりさよ!」 「はやくまむまむをむけるんだぜ!すっきりーしたられいむたちはでていくのぜ! このおうちもかわいそうなまりさがつかってあげるのぜ!」 ひょっとすると、このまりさはゲスなのかもしれない。 さすがのれいむ達もここまで来ると我慢の限界であった。 「もうがまんしないよー。」 「いなかものはでていってね。」 「げすまりさはゆるさないよ!」 「かわいそうなまりさのことをげすなんてひどいのぜ!れいむたちこそげすなのぜ!まりさがせいさいしてやるのぜ!」 「3にんあいてにひとりでかてるとおもうのー?ばかなのー?」 「ゆふん!まりさはもりいちばんのゆっくりしたゆっくりなのぜ!まけるわけないのぜ!」 「ちぇんー。あのまりさ、そんなにつよいのかしら。」 「だいじょうぶだよー。けんかなら、ちぇんにおまかせだよー。」 「おうちのなかじゃせまいのぜ!おもてにでるのぜ!」 「「「・・・ゆぅ?」」」 ブルーシートの玄関から、お外に出ようとするまりさ。 「ゆふーん!おじけづいたのぜ?さっさとついて『ビュォオオオオオオオオ!!!』ゆあーん、まりさのおぼうしがー。」 当然お外の暴風と豪雨はまりさのお帽子に襲いかかり、一瞬で広場の彼方へと吹き飛ばしていった。 「おぼうしさんまってー。」 まりさは、豪雨の中を舞うお帽子を追いかけて行き、そして二度と戻っては来なかった。 「・・・わからないよー。」 「・・・あんないなかもの、はじめてよ。おちびちゃんはあんなのになっちゃだめよ。」 「ゆっくちわかっちゃのじぇ!まりしゃはときゃいはになるのじぇ!」 「むほぉぉおおおおお!おちびちゃんいいこねぇぇぇえええ!すっき「やめるんだよー。」ふぅ・・・。」 「ゆぅ。そんなことより、ごはんさんなくなっちゃったね。」 「「「「ゆあーん。ゆっくちしちゃごはんしゃんがー。」」」」 まあ相手は台風なので、今晩我慢すればご飯さん探しはまたできる。 「でも、ごはんさんだけですんでよかったよ。」 「だれもけがしなくてよかったよー。おちびちゃんたちもちょっとがまんしてねー。」 「「「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」」」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 同時刻の町・コンビニ前。 台風の中でも普段と変わらず明るい店の明かりは、人間ならずとも安心させられる。 コンビニ前に設置された自販機の取り出し口からは、そんな明かりに引き寄せられた、ゆっくりれいむ親子の声が聞こえる。 「ゆーん。このはこさんは、あめさんがはいってこないからゆっくりできるよ!」 「「ゆっくちー。」」 「まえのおうちはこわれちゃったから、ここはれいむたちのあたらしいおうちだよ!ゆっくりしていってね!」 「「ここはれいみゅたちのおうちだよ!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」」 「ふあー。何とか雨が降る前に帰りたかったのにー。びしょびしょだわ。寒ぅ・・・。」 「ゆゆっ?」 「あ。もう自販機に、ぱちゅりー印のコーンスープ、入ってんのね。ちょっとはあったまるかしら。」 ちゃりん。ぴっ! ゴトンッ!ぐしゃっ! 「ゆぴぃぃいいいいぃぃぃぃ!ゆびぇ・・・。」 「おちびちゃぁぁぁぁああああん!」 「もっじょゆっぐじ・・・・。」 「おにぇえじゃぁぁあああん!ゆっぐぢしちぇぇぇぇえええ!」 「スープスー・・・うわっ!なんで餡子付いてんの!?」 「ゆああああああ!よくもおちびちゃんをぉぉおおお!ゆゆっ!どうしてでられないのぉぉおお!?」 「ゆっくりが入ってんの?内開きなんだから、入ったら出られるわけないじゃん。まったく、きちゃないなー。」 「おちびちゃんはきちゃなくないでしょぉぉおおおお!!」 「あ、店員さーん。これ交換してよ。まったく、今時ゆっくり防止もついてない自販機置いとかないでよねぇ。」 「どうも申し訳ございません。至急業者に清掃させますので。」 「そんな問題じゃないでしょ。口つけるのよ、こっちは・・・。」 「あー!濡れちまったよぉ!コーヒーコーヒー!『ピッ、ゴトンッ、ぐしゃり』うわっ!餡子付いてんじゃねーか!おい、店員!」 「おちびちゃんがぁぁぁあああああ!」 「申し訳ございませーん!」 「だから言ってんじゃん。あの自販機やばいって。」 ちなみに自販機の最近の主流は、腰の高さに取り出し口を設けるタイプか、取っ手を手元に引いて開けるタイプである。 ゆっくりは、基本的に押して開けることしかできないため、効果は高い。 一方隣の自販機の下。 別のれいむ一家が先ほどの光景を眺めていた。 「ゆーん。はこさんのなかにはいったりするから、ああなっちゃうんだよ。」 「「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」」 「ゆふーん。おちびちゃんたちはとってもゆっくりしてるよー。」 ちなみに、普段はあり得ない豪雨の中、水たまりは自販機の下まで届いてきており、もうそろそろこのれいむ一家を囲い込む。 明日には店員が、自販機周辺の掃除に頭を抱えそうだ。 どちらにしても、このコンビニ周辺のゆっくり達の未来は暗そうである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 場面は再び公衆便所裏に戻る。 森まりさから解放されて、おうちの中は静寂を取り戻したかに見えたが・・・ びゅぉぉおおおお! ガガッ!ガァァァァッン! 「ゆぁぁ!?」 「ゆゆっ!?おきゃーしゃん!あめしゃんがおうちにはいっちぇきちぇるよ!」 「わかるよー!なにかがとんできて、おうちにあたったんだよー!」 「あおいぬのさんがはずれちゃったのね!このままだとおうちがとかいてきじゃなくなっちゃうわ!」 「なおすしかないんだねー。わかるよー。」 運悪く、風で飛んできたゴミが、おうちを直撃してしまったらしい。 無論その程度で木箱は破損しないが、おうち3棟に屋根としてかぶせてあったブルーシートが派手にずれ落ちてしまった。 雨もりはゆっくりできない。 「れいむとちぇんがぬのさんをはこんでもちあげるから、ありすはおうちのうえにのせてね!」 「おきゃーしゃん、がんばりゅんだじぇ!!」 「むほぉぉ(以下略)」 豪雨の中を飛び出す3匹。その体を雨は容赦なく蝕んでいく。 だが、なんとかれいむとちぇんはブルーシートを引きずって運び、おうちの上のありすに渡すことができた。 「ゆっくりしないでいそいでね!」 「まかせなさい!ありすがとかいはなやねさんをこーでぃねーとするわ!」 だが、ありすがシートを持ち上げようとしたその時・・・ ビュォォォオオオオオオオオオオ!!! ひと際強烈な風がシートと、その上にたっぷり溜まっていた雨水を持ち上げ、端っこを噛んでいたありすを包み込んだ。 びちゃり・・・ 「ゆひぃぃぃいいいいい!!!ぬのさんどいてぇぇぇぇえええ!」 「ありすー!わからないよぉぉおおお!」 「ありす、ゆっくりしてぇぇえええ!」 風がわずかにおさまり、シートがずるりとおうちにかぶさると同時に、ありすは力無くべちゃりと下に転がり落ちた。 「ゆあーん。おきゃあしゃんのおかおがぁぁ。」 「ありすのおかおがとけちゃったよー。わからないよー。」 「ありすのおかお、どうしちゃったの。いだいっ、いだいぃぃぃ・・・」 身じろぎすると、ありすの左目がぼろりと落ちる。 「ありすっ、おちついてね!」 「うあぁぁあ・・・。まりさがゆっくりしてるねっていってくれたおめめがぁ・・・ほっぺがぁ・・・。 ありすもうゆっくりできないよぉ。みないでぇ、みないでよぉ・・・。」 「しょんにゃことにゃいのじぇ!」 「おちびちゃん。」 「おきゃーしゃんはやさしくちぇとっちぇもゆっくちしちぇるのじぇ! きっとおかおもぺーろぺーろしゅればにゃおるのじぇ!」 「おちびちゃん・・・ゆぅ・・・すっきり・・・。」 「おちびちゃんのいうとおりだよー!ありすはゆっくりできるよー! おうちにはいってぺーろぺーろしようねー!」 * o + そのとき、再び強い風が吹いた。舞い上がる小さな黒いお帽子。 「ゆあーん、まりしゃのおぼうしがー。」 「ゆゆっ!おちびちゃんまって・・・」 「おぼうししゃん、まっちぇー。『びゅぉぉおおおお』ゆーん、おしょらとんでるみちゃいー。」 ころころころ、ぽちゃん。 まりさの姿は広場を囲むように作られた雨水溝に消え、二度と浮かんでくることはなかった。 「お・・おちびちゃ・・・」 雨水溝に向かって這っていくありす。その体はグズグズと崩れていき、飾りも落ちる。 しかし、それすら気にも留めず、ありすは赤まりさへと向かっていった。 「おち・・・ゆびぇ。」 ありすが修理してくれた屋根のおかげで、おうちは多少雨が振り込みつつも、ゆっくり出来るようになった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 同時刻の駅前商店街。 無論、深夜の現在、営業中の店など無く、アーケードに人影は見当たらない。人影以外は見当たるが。 アーケードには屋根があるため、通路全体が雨風から守られている。 そのため、おうちが雨で壊れたり、風で吹き飛ばされたりした近所のゆっくり達が、 避難所代わりに歩道に集まって身を寄せ合っている。 商店街の歩道いっぱいにゆっくりが敷き詰められた様は、まるで黒に赤や金で刺繍されたじゅうたんのようで、 夜に何も知らない通行者が見たら、地面がもぞもぞとうねっているかのようですらあり、はっきり言って怖い。 「おきゃーしゃん、あまあまたべちゃいよぉ。」 「がまんしてね。おちびちゃん。」 「すっきりー。」 「みゃみゃー。うんうんしゅるよ。」 「すっきりー。」 「すっきりー。」 「しょうがないからここでしてね。」 「しゅっきりー。」 「すっきりー。」 台風ではなくとも雨は恐怖の対象である。 とはいえ、たくさん集まればやはり心強い。 それに、ここにたどり着くまでにびしょ濡れにはなってしまっていても、 互いにぺーろぺーろして、みんなで身を寄せ合ってあたためあえば、ゆっくりできる。 実際、ここに集まってすーやすーやと寝息を立てているゆっくりたちは、とても安心してゆっくりしていた。 だが、台風のたびに行われるゆっくりの一斉避難は、当然人間さんもよく知るところである。 加えて言えば、通路にみっちり詰まって、ろくに身動きの取れないゆっくりたちが、 商店街の通路中にうんうんやしーしーをまき散らしていくことも、人間さんのよく知るところであった。 よって、台風の日には臨時でゆっくり清掃班が組織される。 「よーし、寝静まったな。儚井、ちゃっちゃと済ませるぞ。」 「はい。」 ニコニコゆっくりマークと『ゆっくり清掃』の文字が書かれた、青いタンクローリー。 春以外は基本的に使用されていないそれは、稀に別の季節にも活躍の場を与えられることがある。 たとえば台風の日の夜など・・・ 青い作業服を着た市の職員が、タンクからのびる吸引ホースを持ち、最初の一匹に吸引口を向けながら独りごちる。 「目を覚まさないでくれよ。それがお互い一番幸せなんだから。」 みゃみゃ・・・ゆっくちあったきゃいにぇ。 でも、おなきゃしゅいたから、あしたはいっぱいむーちゃむーち しゅぽん。 「班長、清掃完了しました。」 「よーし。かえってコーヒー飲もうや。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− れいむたちは、目の前で友ゆっくりを失い、さすがに落ち込んでいた。 普段は陽気なちぇんも少々大人しくなっている。 「さびしくなったよー。」 「ありしゅおにぇーしゃん・・・。」 「ゆぅ。みんなしっかりしてね。れいむたちはありすたちのぶんまでゆっくりしないとだめだよ。」 「しょーね。いつまでもおちこんでりゅのはときゃいはじゃないわ。」 ごそっ・・・ そのとき、玄関から物音がした。 「ゆゆっ!?ありす?」 玄関から入ってきたのは、無論ありすではなく、一匹の、ずぶ濡れの老猫であった。 「ゆ、ゆ、ゆ、ねこさんだぁぁぁああああ!!!」 「おきゃあしゃんきょわいぃぃいいいい!!!」 のっそりのっそりと、めんどくさそうに入ってくる老猫。 れいむ達の反応も無理はない。 猫達はゆっくりを好きこのんで食べるわけではないが、 気分しだいでじゃれついたり、おもちゃにすることは多い。 しかも被害にあうのは、虫に近いサイズの子ゆっくり以下。 ゆっくり側の心証は最悪である。 ぶるぶるぶるっ・・・ぶるぶるぶるぶるっ! おうちの中で遠慮なく毛についた水滴をはらう老猫。 「ゆぴぃぃぃいいいい!・・・・ゆっぐぢしじゃい・・・」 老猫が体を振って水気を飛ばすと、おちびちゃん達はびしょぬれになり虫の息となった。 「おちびちゃぁぁああああん!ぺーろぺーろするからゆっくりしてぇぇ!」 「ゆ・・・ゆっぐぢ・・・」 「そ、そうだよ。ちぇん!たすけてね!」 なにせちぇんは、猫4匹相手に戦って撃退したことがあるのだ。一匹くらいどうにか・・・ 「わ゛・・・わぎゃ・・・」 ちょろちょろちょろ・・・ぶりぶりっ・・・ ちぇんは、れいむ達に輪をかけてひどい怯え様であった。 顔面蒼白、口から泡を吐き、白目をむきながらうんうんとしーしーを垂れ流す姿は、常のちぇんではあり得ない。 まあ、ちぇんの下膨れに残る傷跡が、猫との死闘によるものなどではなく、 赤ゆの頃に8匹いた姉妹が次々と子猫にじゃれ殺されたあげく、 飽きられて放置され、生き延びた際の古傷だということを知っている者であれば納得の姿ではあったが。 そんなちぇんを、毛づくろいしながらチラリと見る老猫。 ちぇんはこの老猫が、またあの時のように散々ちぇん達をじゃれ遊び、いたぶり殺すつもりなのではないかと想像した。 老猫の方は、これまたゆっくりと似たり寄ったりで、 ダンボールのおうちが飛ばされてしまい、緊急避難として目についた木箱に入ってきただけである。 目の前のゆっくり達は先客程度にしか思っていない。 「クフゥ・・・・クファ・・・・ム。」 おうちの隅っこに体を寄せてガタガタと震えるちぇんをしばらく眺めていた老猫は、 のそのそとちぇんに近づき、クンクンと匂いを嗅ぎ、興味なさげに大きく欠伸をした。 「わ、わぎゃらないよぉぉぉおおおおおおお!!!」 「ちぇん!まっでぇぇええええ!!!」 その瞬間、恐慌に陥ったちぇんは、ますます強まる暴風雨の中を飛び出していき、そして二度と戻ってこなかった。 「ちぇん・・・、ごわいよぉぉ。」 「「「おきゃあしゃぁん。きょわいよぉ・・・。」」」 「だれが、だずげでぇ・・・。」 老猫は、おうちの真ん中でのっそりと丸まって寝息を立て始めたが、 れいむ達はおうちの隅っこから動くこともできず、涙を流し、ガタガタと震えながら一夜を過ごしたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌朝。 玄関から差し込む朝日によって目を覚まさせられたれいむは、 おうちの中に老猫も、3匹のおちびちゃんも誰もいないことに気がついた。 「ゆ、ゆゆっ!おちびちゃん!どこなのおちびちゃん・・・!」 大慌てでお外に飛び出すと、そこには3匹のおちびちゃんが、 ゆっくりとした表情で朝日を浴びている姿があった。 「おきゃーしゃん!おきちゃにょ!?」 「ゆっくちしちぇっちぇにぇ!」 「あめしゃんもやんで、とっちぇもときゃいはなあさよ!」 「ゆ・・・ゆぅ、ゆっくぢぢでいっでねぇ。」 「どうちちゃにょ?おきゃーしゃん。」 「ゆぅん。ねこさんもおちびちゃんもおうちにいなかったから・・・」 「ゆーん。れいみゅがおきたときにはもういにゃかったよ。よかっちゃにぇ!」 「ゆぁーん!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってねぇ!」 「「「しゅーり、しゅーり、ちあわちぇー!」」」 「それじゃ、ゆっくりしたら、あさごはんさんをさがしにいこうね!」 「あのまりしゃがいなきゃものだったから、もうおなきゃぺーこぺーこだわ!」 「ゆーん!れいみゅもうしゅこし、たいようさんでぽーかぽーかしゅるよ!」 「ゆーん、すこしだけだよ。」 お腹がすいたと駄々をこねる次女ありすと末っ子れいむ。 日向ぼっこを楽しむ長女れいむ。 れいむは、様々な不幸を味わいながらも、なんとか台風を一家無傷で乗り切れたことでしあわせーだった。 ちなみに、台風の過ぎ去った早朝に目を覚ました老猫もまた、日向ぼっこを済ませて朝食を探しに出かけようとしていた。 日当たりの良い、れいむ一家のおうちの上から。 めちゃっ。 めんどくさそうにれいむ一家のおうちの屋根から下りた老猫は、気持ち悪いものを踏んだといわんばかりに前足を振りながら、 のそのそと歩いて行った。 後には、つぶれた長女れいむと、その姿を見て、笑顔のまま固まったれいむ親子が残された・・・。 このシリーズ、全体的に内容が(特にゆっくり殺害描写が)あっさり風味で、 サクサクと死んでいく感じなのは、意識してのものです。 町なんて加工所と大して変わんないんだよ、って感じが出したくて。 物足りなかったら申し訳ないです。 * o + # * o そもそも文章力自体が無いのは実力なので、そっちはご容赦ください。 それから、多くの絵師さんにD.Oをどろわで描いていただきまして、感謝感激です。 元はと言えば誰かの悪ノリで出されたムチャ設定から、 よくもまああんなエロい女性キャラを描いていただけたもんです。 これで、夜中にSSを書いている時の孤独感で涙を流さずに済みそうです。 ほんとうにありがとうございます。 おまけ 同日の深夜 ここは、虹浦町の隣、餡娘町の学校に校長として勤務する、倉塚邸。 「ふーむ。相当荒れとるな。」 校長宅は代々受け継がれた古風な和風邸宅だ。庭も広く、多くの木が植えられている。 暴風と豪雨にさらされる庭を眺めていた校長は、そのうち一本に視線を向ける。 「そろそろ、かな。」 塀づたいに雨風を避けつつその木までたどり着くと、 そこには一人のゆっくりが一糸まとわぬ姿で、犬用の首輪で木に固定され、立たされていた。 「・・・はぁ・・・んぅぅ・・・さむくて・・・こわいよぉ・・・」 「でも、気持ちいいんだろう?てんこ。」 「・・・だくさんぬれちゃった・・・とけちゃう・・・」 「ふむ。すこし肌が溶けてヌルヌルしとるな。」 「・・・あめさんじゃいや・・・せんせぇ・・・」 「んむ?」 「・・・せんせぇが・・・てんこをとかして・・・」 てんこは木の陰でわずかに雨にさらされながら、 その絹のように滑らかな臀部を突き上げるようにして、校長を誘う。 その肌は上気しはじめ、ぬらぬらと輝く肌とわずかに漂う白い湯気は、たとえようもなく艶めかしい。 「・・・せんせぇ・・・」 「何だ。」 「・・・てんこのこと・・・いやじゃない・・・?」 「どうして?」 「・・・えっちで・・・へんなことばかりするてんこ・・・わるいこだもん・・・」 「・・・私はそんなてんこが好きだから、妻に迎えたんだよ・・・。」 「ぁぁ・・・うれしぃ・・・」 校長とてんこはこの日、風雨の吹き荒れる中で一晩中互いを暖めあった・・・ 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 秋-1. 本作品 挿絵:嘆きあき
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みなさんはゆっくりがおそれるゆっくりをどこまで知っているだろうか ゆっくりれみりゃ?メジャーですね ゆっくりふらん?それもメジャーですね れてぃ?ゆゆこ?それも比較的有名ですね ですが、ゆっくりがれみりゃ以上におそれるゆっくりがいます。 そいつの名は・・・・ 恐るべきゆっくり 「ゆ~~、ゆ~、ゆ~~~~~~!!!」 「「「ゆ~~、ゆ~、ゆ~~~~~!!!」」」 れいむ親子の音痴な歌がれいむ親子のお家に響き渡る。 ここはドスが治めるゆっくりの群れである。れいむ親子はドスの群れに所属するどこにでもいる ゆっくり家族であった。 夫のまりさは今は狩りにいっており、妻のれいむは子供たちとゆっくりできるお歌 の練習をしている。 「ゆっゆっゆ~~~~~~」 「「「ゆっゆっゆ~~~~~~」」」 雑音がようやくフィナーレを終え、れいむは子供たちを褒め称えた 「ゆ~~ん、さすがれいむとまりさのおちびちゃんだよ!! とてもゆっくりできるおうたさんだったよ!!」 「ゆん!!とうぜんだよ!!れいむはぷろのあーてぃすとなんだよ!!」 「れいみゅおねえちゃん、とてもおうちゃがうまっきゃったよ!! れいむのあきょがれだよ!!」 「さすがまりさのいもうとだよ!!」 家族はにぎやかにとてもゆっくりできたよと誉めたたえあった。 特に長女れいむはゆっくりからしたらとても歌がうまく、皆の歌姫であった。 群れのゆっくりからは将来の歌姫だよ!!と期待を寄せられていた。 「ゆっくりただいまだよ!!」 家族がわいわくと談話していると一家の大黒柱である親まりさが帰ってきた。 口は大きく膨らんでいる。どうやら今日は大漁だったようだ。 「「「ゆわ~い、おとうさんおかえりなさい!!!」」」 子ゆっくり達は父親の姿を見るや否や親まりさへと駆けて行った。 親れいむも夫であるまりさに微笑みで返した。 「おかえりなさいまりさ!!かりはじょうじょう?」 「もちろんだよ!!まりさはもりいちばんのかりうどさんなんだよ!!」 そうまりさが返答すると、口を大きく開け今日の狩りの成果を広げた。 出てきたのは食べられる山菜やキノコなどなどゆっくりから見れば御馳走の山だった。 「「「ゆわ~~い、ごちそうがいっぱいだよ!!」」」 大はしゃぎする子ゆっくり達。三匹とも美味しそうな御馳走に我先と駆けだしたが 親れいむが子供達を止めた。 「だめだよおちびちゃんたち!!ちゃんとわけてからね!!」 そういうと親れいむは均等になるように御馳走の山を分けて行った。子ゆっくり達も納得し、 率先して母の手伝いを始めた。実に微笑ましい光景であった。 そうこうしているうちに配分が終わり、一家はきれいに整列した。 「それじゃあおちびちゃんたち!!きょうもがんばってかりをしてきてくれたおとうさんに ゆっくりおれいをしてからいただきますをしようね!!」 「「「ゆ!!ゆっくりわかったよ!!」」」 子ゆっくり達は親まりさの方を向いた。 「「「おとうさん!!きょうもおいしいごはんをありがとう!! ゆっくりいただきます!!!」」」 「「ゆっくりいただきます。」」 親ゆっくりのいただきますを皮切りに御馳走の時間が始まった。 美味しそうな木の実にキノコ、山菜、どれもゆっくりにとっては御馳走であった。 ただ一つ、長女れいむのごはんに白い木の実があった。 「ゆ?」 長女れいむは今まで見た事もない白くて大きな木の実に気が付き父に聞いた 「おとうさん!!このしろいしろいさんはなぁ~に?」 「ゆ?それはね、おとうさんがにんげんさんからもらったごはんだよ!! むかしにね、それとおなじようなごはんがあったんだけどねもうどくがあったんだよ!! でもね、このしろいしろいさんはおとうさんがどくみをしたからだいじょうぶだよ!!」 長女れいむはそれを聞いて安心し、おそるおそる口に含んだ 「む~しゃ、む~しゃ・・・・・し、しあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! ヘブンじょうたいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 長女れいむはあまりのおいしさに飛び跳ねながら叫んでいた。 「おちびちゃん!!おしょくじちゅうにおぎょうぎわるいことしちゃだめでしょ!!」 親れいむは長女をたしなめようとしたが、聞く耳持たずだった。 あまりに革命的なまでにおいしかったのだろう。 「ゆぅ~~、おねえちゃんだけじゅるい!!れいみゅもたべちゃいぃぃぃ!!」 妹れいむが駄々をこね始めた。だが、あの白い木の実はすでに長女が平らげてしまっていた。 親れいむはどうにかしてなだめようとしたが、耳に入る様子もなかった。 「しょうがないね!!あしたおとうさんがにんげんさんからまたもらってくるから がまんしてね!!」 親まりさがそういうと妹れいむはピタっと泣きやみ大喜びで跳ね始めた。 「ゆぅ~~、まりさも!!まりさも!!」 長女まりさも欲しがっていたようだ 「しょうがないね!!みんなの分をもらってくるよ!!」 「「「ゆわ~~い!!おとうさんだいすき!!」」」 子ゆっくり達は皆大喜びであった。 かくして一波乱食事は終わり、辺りを片づけた後皆床に着くことにした。 「それじゃあ、ゆっくりおやすみ!!」 「「「「ゆっくりおやすみなさい!!!」」」」 家族はそれぞれのベッドに健やかな眠りにつき始めた。 ベッドといっても枯れ葉や落ち葉を敷き詰めたものなのだが。 「ゆぴー、すぴー」 「しろいしろいさん・・・・れいむにたべられ・・・・」 「まってねぇ~~・・・・」 子ゆっくり達は皆幸せそうに寝ていた。 一方そのころ、とある暗い所で新しい命が誕生した。 「・・・・・・・」 ソレは辺りを見回し始めた。黒くて生暖かいものが辺りに敷き詰められていた。 否、自分が埋まっていたのだ。 ソレは本能的に分かっていた。ご飯だ。 ソレは生まれたばかりの小さな口を小さくあけ、少しずつ食べ始めた。 本当にほんの少しの量を何度も回数を分けながら食べて行く。 少しずつ食べて行くと腹はさすがに満たされ、ソレは生まれた所から少しずつ移動を始めた。 「・・・・・・・」 目の前にあるご飯をかき分けながら進むと自分と同じ生き物がいた。 ソレは本能的に分かった。あれは自分の姉妹だ。 ソレは少しづつ姉妹に近づいて行った。姉妹の方も気づいたらしく、自分の方へと寄ってきた。 少しずつ、少しずつ。 そしてお互いが頬ずりが出来る位近くにたどり着いた。 ソレと姉妹はさっそく信頼の頬ずりを始めた。 あまり空間がないのにも関わらず、姉妹は器用に頬ずりをしていく。 そして本能が呼びかける。子孫を残せと 姉妹の方も本能の呼びかけに答えたらしく、ゆっくりと後ろを向いた。 どうやら「受け」をやってくれるようだ ソレは姉妹と交尾を始めた… 1時間後、姉妹の腹は非常に大きく膨らんでいた。 ソレは交尾の成功に満足したのか少し眠りについた。 さらに数時間後、ソレは目が覚めると姉妹のお腹はさらに膨れ上がっていた もうそろそろ頃間であると本能が語り始めた。 ソレは姉妹にそろそろだという事を伝えると姉妹は適当な空間に生殖器を向けた。 姉妹は体に力を入れ始めた。必死に力を入れているのが見て分かるぐらいに顔を歪めていた。 そして ぼん!!ぼん!!ぼん!! 姉妹は空間目掛けて何かを自分の生殖器から射出した。 それは非常に早く何か良く分からなかったが白い物体にであるように見えた。 ぼん!!ぼん!!ぼん!! 姉妹はまだ射出を止めない。腹の中にそれだけ大量の物が詰まっていたのだろう、今だに止む気配がない 結局、射出が止まったのは100個ほど飛ばしてからだった。 朝、ゆっくり一家はゆっくりと目を覚ました。 とある一匹は除いて 「ゆ~ん・・おかあさん・・ぽんぽんさんがいたいよぉ・・・」 昨日しろい木の実のような物を食べてヘブン状態になったあの長女れいむだった。 翌朝起きるとお腹が痛く、食事もほとんど取れない状態になった。 「おねえちゃん、いたいいたいさんはやくなおってね・・・」 「れいむぅ・・・」「おちびちゃん・・・」 親まりさは狩りをお休みして長女れいむの看病したり、腹痛に効くお薬を飲ませても一向に 良くならなかった。 それどころか、痛みが少しずつ増してきているようだった。 「おかあさぁぁぁぁぁん、ぽんぽんがゆっくりいたくなってきたよぉぉぉぉぉぉ!!!」 娘の状態が一向に良くならないどころかますます悪化してきたことに親達は、このままではまずい と考えぱちゅりーの診療所に長女を連れていくことにした。 長女れいむは大きな葉っぱの上に横になり、両親はその両端を咥えゆっくりと運び始めた。 姉妹の子ゆっくり達は横について長女れいむを励まし続けていた。 「おねえちゃん!!もうすぐびょういんだからね!!」 「ゆっくりだいじょうだからね!!」 だがそんな励ましの声も今の長女には届かなかったようだ。 長女の顔色はますます青白くなっていき、呼吸は少しづつ小さくなっていった。 「ゆぅ・・・・ゆぅ・・・・」 必死に痛みに耐える長女。だが、その緊張した空気は突然の悲鳴に打ち砕かれた 「ゆぴぃ!!ゆぷぅ!!」 長女の苦しみ方が変わった。今までは痛みに耐えるような様子が尋常ではない痛みに苦しむものに かわったのだ。 「ゆぷぅ!!うbひfふsぅvfvふぃおwぇjjjねいぁj」 突如として発せられる解読不能な言語。これには両親はただ事ではないと悟り 歩みが自然と速くなっていた。 「jkhbtkぶjひlすぇrbふlうぇr・・・fykhうぇjkbち・・・・ふ」 病院に近づくにつれ、長女の叫びは少しづつ小さくなっていった。 駆けること30分、一家はどうにか群れ唯一の診療所にたどり着いた。 長女はぐったりとしており、両親は心配そうに戸を叩いた 「ぱちゅりー!!おちびちゃんがたいへんなの!!たすけてあげてね!!」 2,3度叩いた辺りでぱちゅりーが出てきた 「むきゅ!!こんなあさはやくからどうしたの?」 「おちびちゃんがたいへんなの!!はやくたすけてね!!」 ぱちゅりーは群れの中でも歌姫として有名な子れいむの身になにかあった事を理解し すぐに家の中に家族を招きいれ、容態を見た 長女の体は青白くなり、呼吸は停止しており、瞳孔も開ききっていた… 「むきゅ……、もうえいえんにゆっくりしちゃっているわ…」 ぱちゅりーは少し悩んだが、素直にそう告げた。 家族はそんな馬鹿なという顔でポカンとしていた。 「ぱちゅりー…なにいってるの…ぽんぽんがいたいだけでしんじゃうなんてそんなこと ないでしょ…」 親まりさはそうか細い声で喋った。 だが、ぱちゅりーは辛い現実を続けた 「残念だけど…もうえいえんにゆっくりしちゃってるわ…さわってみなさい…もうこんなにつめたいわ…」 信じられないような顔をしながら両親は頬ずりをした。とても冷たかった。 昨日あんなにゆっくりしていたのに…たった一日で…たった一日で皆に愛されていたおちびちゃんが …おちびちゃんが!! 「おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「どぼじでごんなごどにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 両親の叫びが残りの姉妹に全てを語っていた。 「しょんな…うしょだよね!!おねえちゃんがえいえんにゆっくちちちゃうわけないよね…」 「うそだぁぁぁぁ!!ばりざのいぼうどがじぬわげないんだぜ!!」 言葉ではそうはいっているものの、目には涙が溜まっていた。 姉妹はその場で耐えきれなくなり、両親と一緒に泣きだしてしまった。 「おねえぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「でいぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 家族はわんわんと泣きだしてしまった。 両親は頬ずりしながら泣き、姉妹はその場で両親以上に泣きだしてしまった。 あんになゆっくりしていたのに…死んだなんてうそだ… あんなに群れのみんなに愛されていたのに… あんなに(ゆっくり基準で)きれいなお歌を歌っていたのに… そんな思いが錯綜する中、あり得ないことが起こった。 むくっ… 死んだはずのれいむが体を起こしたのだ。 体を器用に動かし、何事もないように起き上がったのだ。 この光景にぱちゅりーは驚き、家族は喜んだ。 「ゆ?おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!いぎがえっだんだねぇぇぇぇぇ!!」 「よがっだよぉぉぉぉ!!よがっだよぉぉぉぉ!!」 「おねえぢゃんがいぎがえっだぁぁぁぁ!!」 「ゆぅゆぅ…ゆわ~~~ん!!」 家族は大喜びでれいむにすり寄り、さっそく頬ずりしはじめた。 だが、ぱちゅりーは見逃さなかった。 そう、れいむは間違いなく死んでいた。 瞳孔は完全に開いており、すでに死臭が漂い始めていた。 つまり、れいむは死んでいるはずなのになぜか起き上がったのだ。 家族はれいむが起き上がった=生き返ったとみなして大喜びのあまりその事実を完全に 見落としていた。 ぱちゅりーはあり得ない光景に目を丸くしてその様子を見守るしかなかった。 ぱちゅりーが見守っていると、一瞬ではあるがれいむの腹がふくらんだ。 「むきゅ!?な、なに!!」 れいむの腹から何かが出ようとしているように見えた。 れいむの腹は一瞬膨らんだらすぐしぼむを繰り返し、さすがの一家もただ事でないことに 気づいた。 「ゆうぅぅぅぅ!!どうしたのおちびちゃん!!」 「またぽんぽんいたいの?いたいの!?」 「おねえちゃん、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「こわいことしないでねぇぇぇぇぇ!!」 家族は皆恐慌状態に陥った。 そして一拍おいてれいむの腹が裂け、中から何かが出てきた。 それは…… とりあえず前半はここまで あとがき ここ最近書いていなかったせいか腕が落ちた気がします。 ですので一旦ここでとめて数日後に後半を挙げます。 作者 アイアンゆっくり 過去作 まりさの馬鹿 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 ゆっくりおしえてね!! 1~2 世界で一番短い虐待 ゆっくり地縛霊 まりさ達の場合 鬼斬 1~ 怪奇現象 ゆっくり自縛霊 ありすの場合 このSSに感想を付ける