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〜ゆっくり達の生涯『冬篭り編』(前編)〜 第1話 〜ゆっくり眠れないまりさ〜 「ゆゆ〜♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ〜、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 2匹のゆっくりが入り口を塞いだ木の洞の中で仲良くゆっくりしている。 2匹は成長途中であり、将来は夫婦となるであろうが現在のところ非常に仲の良い友達同士と言ったところである。 巣の奥にはキノコや木の実などの食糧が大量に蓄えられており、万全の状態で冬篭りを始めた事がうかがえる。 「ゆぅ〜おうちのなかはせまくておもしろくないよ・・・。」 「しょうがないよれいむ、ゆっくりはるさんをまとうね! す〜り♪ すーり♪ 」 まだ子供心が残るれいむをまりさが頬ずりをしながらなだめている。 ちなみにこのやり取りは本日5回目、所詮は餡子脳なので何気ない会話などすぐに忘れてしまうのだ。 そんなやり取りが繰り返されるうちに1日が終わろうとしていた。 「ゆぅ〜なんだかねむくなってきたよ、まりさおやすみぃ〜・・・z z z z z 。」 「ねてればはるさんはすぐにくるよ、おやすみれいむぅ〜・・・z z z z z 。」 次の日、先に目を覚ましたのはれいむであった。 意識がはっきりするとれいむはすぐに異変に気が付く。 「ゆゆ!まりさどこ!?」 隣で眠っていたはずのまりさの姿は無く、れいむは慌ててまりさの姿を探す。 しかし所詮は小さな洞の中、れいむはまりさの姿をすぐに見つける事ができた。 「ゆゆ? まりさなにやってるの?」 まりさは顔を大量に溜め込んだ食糧に突っ込みスヤスヤと眠っている。 れいむの声を聞きまりさの意識はようやく覚醒する。 「ゆぅ〜おはよぉ〜れいむ。きょうもゆっくりしようねぇ〜。」 このまりさ、まりさ種に多く見られる高慢な態度、いわゆるゲスの素質は微塵も持ち合わせておらず相方思いの良い ゆっくりであるのだが、一つ厄介な癖を持っていた。 それは・・・。 「ゆぅ〜まりさ、ゆっくりねむっててよね!もぅ、ぷんぷん!」 「ゆゆ!ごめんねれいむ、ゆっくりしてるとなんでかいつもこうなっちゃうの。」 そう、このまりさは寝相がとてつもなく悪いのである。 現在は冬篭りのため入り口はがっちり塞いでいるから大丈夫であるが、過去に何度も眠ったまま転がり巣の外で朝を 迎えたことがあった。 運が良かった事もあり捕食種に食べられずに無事ここまで成長する事ができていた。 「ゆ、そういえばあさごはんがまだだよ! はやくたべようね!」 「ゆゆ! そうだったね、はやくごはんをたべたいよ!」 れいむに責められ分の悪いまりさは朝食の話題を出し話題の転換を図った。 結果は予想通り、腹ペコのれいむはコロっとまりさの寝相についての不満を忘れ思考はご飯に乗っ取られてしまった。 「「む〜しゃ♪ む〜しゃ♪ ・・・・・しあわせ〜♪ 」」 2匹は食後のゆっくりタイムを満喫している。 そして、れいむはどこか聞き覚えのある言葉を発するのであった。 「ゆゆ〜♪ まりさ、はるさんはまだかな?」 「ゆ〜、きがはやいよれいむ。ふゆさんはゆっくりしてるからはるさんはまだこないよ。」 こうして昨日と同じ様なやり取りをして何気ない一日が過ぎていくのである。 しかし、そんな平和な巣穴に不幸な出来事が襲い掛かる。 「ゆぅ〜・・・ゆぅ〜・・・はるさん・・・はやくき・・・ゆぅ〜・・・。」 時刻は深夜、れいむは気持ち良さそうに眠っている。 まりさはと言うと毎度の如く巣穴の中をコロコロ転がりながら眠っている。・・・よく目が覚めないものだ。 「ゆぅ〜・・・まりさもっとゆっぐ!」 れいむは突然体に加わった圧力により目を覚ます。 そしてれいむは自らの目を疑う光景を目撃する。 「ゆぅ〜・・・だいすきだよぉれいむぅ・・・むにゃ〜・・・。」 まりさは寝ぼけたまま自らの体をれいむに押し付けており、しかもどこか気持ち良さそうな顔をしている。 「ゆゆ!まりさおきて!ゆっくりねむれないよ!」 れいむが必死に声を上げてまりさを起こそうとするが目を覚ます気配はなかった。 このまりさ、寝相が悪い事に加えて一度眠ったらなかなか起きないのである。 「ゆふふふ・・・なんだかきもちよくなって・・・。」 まりさの顔は次第に紅潮し、体を小刻みに振動させ始める。 まりさの行為の意味を知っていたれいむは血相を変えて騒ぎ出す。 「や、やめてまりさ! れいむまだこどもつくりたくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 れいむは必死にまりさから離れようとするが、きっちり押さえつけられているのに加え自らも少しずつ快楽に支配さ れ力が入らず逃れられない。 そして体をくねくねさせて抵抗するうちにれいむのリボンがほどけてしまう。 「ゆゆー! れいむのりぼん! 」 リボンがほどけ気がそれたのがいけなかった。 まりさは好機とばかりに更なる快楽を求めどんどん振動を強くしていく。・・・夢と現実の両方で。 「ゆふ・・・ゆふふふふ・・・んほぉぉおおおぉおぉおぉおお! ! ! 」 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!じにだぐない! じにだぐない! もっどゆっぐりじだいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !まだずっぎりじだぐないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 「「すっきりー! 」」 まりさは満面の笑みで、れいむはこの世の終わりに遭遇したような表情で“すっきり”を迎えた。 れいむの頭から蔓が芽を出し、涙を浮かべ絶望の表情のまま黒ずんでいく。 まりさは“すっきり”して満足したのか何事もなかったかのようにスヤスヤと眠っている。 翌日、まりさは久しぶりにれいむに起こされずに目覚めた。 「ゆっふ〜〜〜! なんだかとってもすっきりしてるよ!」 軽く伸びをしてれいむの方へ目を向けるとまりさは愕然とする。 まりさの目には黒ずみ朽ちた物体が映っていた。 その物体の頭頂部からは緑の蔓が伸び先端に3つの小さな実が実っていた。 理解を超えている光景にまりさはフリーズしてしまった。 (ゆゆ? れいむはどこにいったの? なんでいないの? おうちのいりぐちはふさいでるよ? なんで? どうして?) フリーズしているまりさの目にある物が映りそれに釘付けとなる。 黒く朽ち果てた物体の横にいつも見ているれいむのかわいらしいリボンが落ちていた。 (なんでれいむのりぼんがおちてるの? ) リボンを見詰めているうちにまりさはある結論にたどり着く。 (ゆゆ!? ひょっとして・・・これって・・・) まりさの思考が間停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ ! ! ! ! ! れいむ! れいむ! でいぶう ぅ ぅ ぅ ぅ ぅ ! なんで!? どうして!? でいぶ! ゆっくりしすぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! おぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! いやだあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! 」 黒く朽ち果てている物体がれいむであると理解したまりさは大声で泣き喚きだした。 もちろん自分が寝惚けてれいむとすっきりした事に気が付いてなどいない。 その時、泣き声が木霊する巣穴の中に一つの変化が訪れる。 プチッ! プチッ! ・・・・・プチッ! 朽ちたれいむに実った3匹のプチゆっくりが蔓から切り離され落下する。 地面に着地すると3匹は満面の笑みで産声を上げる。 「「「ゆっくりちていってね!」」」 プチゆっくりの産声を聞きまりさは我に返る。 まりさの目線の先ではれいむの忘れ形見である3匹のプチれいむが笑顔で飛び跳ねていた。 「れいむの・・・あかちゃん・・・? 」 声に反応したプチれいむ達とまりさの目が合う。 「「「おか〜しゃ〜ん、おなかちゅいたよ。」」」 この瞬間、まりさの餡子脳の大部分を占めていた悲しみが一気に喜びと母性に入れ替わった。 「ゆゆ! すぐごはんをあげるよ! まっててね! 」 まりさは急いでプチれいむ達が実っていた蔓の元へ駆け寄り食べやすいサイズに食い千切る。 「おちびちゃん! これがごはんだよ! ゆっくりたべてね! 」 「「「おか〜しゃん、ありがちょ〜♪ 」」」 プチれいむ達は目の色を輝かせてパクッと蔓に食い付く。 「「「む〜ちゃ♪ む〜ちゃ♪ ・・・ちあわせ〜♪ 」」」 (ゆゆ〜♪ とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね! れいむのぶんもおちびちゃんたちとゆっくりするからね!) まりさは3匹のプチれいむを見ながらこれから始まる幸福な時間に思いをはせるのであった。 その日の夜、巣穴の中は幸福で包まれていた。 「す〜り♪ す〜り♪ さすがまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてかわいいよ! 」 自分がれいむを無理やりすっきりさせたなどと夢にも思っていないまりさは、既にれいむの事など忘れてプチれいむ 達とスキンシップをはかり幸福の絶頂にいる。 「おか〜しゃんくしゅぐっちゃいよ♪ 」 「いいにゃ〜いいにゃ〜♪ ちゅぎはれいみゅのじゅんばんだよ! 」 「ゆゆ! じゅりゅいよ! れいみゅもしゅ〜り♪ しゅ〜り♪ しちゃいよ! 」 4匹はとてもゆっくりとした時間を過ごしている。 しかし、幸せな時間というものは早く過ぎてしまうものである。 「ゆゆ! おちびちゃん、そろそろおねむのじかんだよ! 」 「「「まだねみゅくにゃいよ! もっちょゆっくりしちゃいよ! 」」」 プチれいむ達は大丈夫だと言い張るが既に目が何度も閉じかかっており、眠くて仕方がない事がうかがえる。 「ゆっくりねむらないとゆっくりしたゆっくりになれないよ。 おちびちゃんたちはゆっくりしたゆっくりになりたいでしょ?」 「「「ゆゆ! ゆっくりしちゃいよ! れいみゅはゆっくりねむりゅよ! 」」」 ゆっくりは“ゆっくり”と言う単語に非常に敏感であり、ゆっくりしたゆっくりを理想像とする。 故に賢い親はその理想像を利用して子供の躾に“ゆっくり”と言う単語をよく使用する。 「ゆ〜、やっぱりまりさのこどもはいいこだね! おちびちゃんたちのべっどはここだよ! 」 まりさの横には落ち葉のベッドが出来上がっていた。 昼間プチれいむ達のために一生懸命作った努力の賜物である。 ベッドを見るや否やプチレイム達は目をキラキラさせる。 「「「ゆゆ〜♪ とっちぇもゆっくりできしょうだよ! おか〜しゃんありがちょ〜♪ 」」」 プチれいむ達の賞賛を聞き、まりさは満更でもなさそうに照れている。 プチれいむ達は各々お気に入りポイントを決めると落ち葉を身にまとい眠る体勢に入る。 「おか〜しゃん、おうたうちゃって〜。」 「ゆゆ! れいみゅもおうたききちゃいよ〜。」 「うちゃって♪ うちゃって♪ 」 プチれいむたちの期待に応えてまりさは目を瞑るとゆっくりと子守唄を歌い始める。 「ゆ〜っく〜り〜〜ゆゆ〜ゆ〜ん〜ゆゆ〜ゆ〜ゆ〜ゆ〜♪ 」 人間が聞いていたら思わず拳が飛んできそうな歌声であるが、プチれいむ達は気持ちよさそうに夢の中へ旅立ってい った。 そしてまりさも幸福で満たされた笑顔のままゆっくりと眠りについた。 深夜・・・。 コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロ「ぴぎゃ・・・。」・・・コロコロコロン・・・ コロコロコロ・・・コロコロ「ゆぎゃ・・・。」・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 翌日、巣穴の中は絶望で埋め尽くされていた。 「なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! どうじでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛! ! ! おちびちゃんがぶだりもづぶれてるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !?おねがいおぎでよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 まりさが気持ちよく目覚めると2匹のプチれいむが無残にぺちゃんこに潰されていた。 ご想像通り、深夜まりさの寝相の悪さによって運悪く踏み潰されてしまった2匹である。 残念なことに貧弱な餡子脳では自らが踏み潰したなどと考えは及ばず、まりさは物言わぬ潰れた饅頭となった2匹を 眺めひたすら泣き喚く事しか出来ない。 また、運良く生き残った1匹のプチれいむも熟睡していたせいでまりさが姉妹を踏み潰したなどと思い浮かぶ事無く、 居もしない犯人に怯えながら潰れた2匹に対して涙を流すのであった。 「ゆあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん! ! ! おちびちゃんゆっぐりじずぎだよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ! ! 」 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ゆっぐりできにゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! 」 その日、2匹は片時もゆっくりする事ができないのであった。 夜、まりさは追い詰められていた。 この状況に至ってもまりさは自身の寝相で2匹を踏み潰したなどど微塵も思っておらず、どうやって生き残ったプチ れいむを護ろうか悩んでいた。 「ゆぅ・・・このおちびちゃんだけはぜったいまもらないと・・・。」 まりさは貧弱な餡子脳をフル回転させて打開策を考えている。 「ゆゆ! いいことおもいついたよ! 」 そしてある名案を思いつくのである。その名案とは・・・。 ※エンディング分岐です。 プチれいむを口の中に隠す → A プチれいむを帽子の中に隠す → B A:プチれいむを口の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのおくちのなかにはいってね! 」 「ゆゆ〜? おくちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのおくちのなかでねむればきっとあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか〜しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 大きく開けられたまりさの口の中にプチれいむは勢いよく飛び込む。 「ゆゆぅ、ちょっとくりゃくてこわいよぉ、おか〜しゃん。」 「ごめんねおちびちゃん、おかあさんがまもってあげるからがまんしててね。」 少し怖がっていたプチれいむであったが母親の口の中に居る安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは眠気と必死に戦いながらまだ起きていた。 2匹のプチれいむを潰した犯人を見つけるために徹夜する覚悟でいた。 「ゆぅ、ぜったいねむらないよ、おちびちゃんはまりさがまも・・・・・z z z z z 。」 しかし、遂に睡眠欲に負け眠ってしまった。 当然といえば当然の事である。 ゆっくりは三大欲求の誘惑に非常に弱いナマモノである。 自然界に生き、人間から特別な訓練を施されていないゆっくりがそれにあがなおうとするのは並大抵の行為ではなく、 まだ成体でもないまりさにとって到底無理な事である。 「ゆぅ〜・・・おか〜しゃんだいしゅ・・・むにゃ〜。」 まりさの口の中でプチれいむは安心しきった寝顔で眠っている。 しかし、一度下り始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に終わらないのであった。 プチれいむは異変に気が付き目を覚ました。 コロコロコロ「ゆゆ! 」・・・コロコロコロ「おか〜じゃ! 」・・・コロコロ「もっぢょ! 」・・・ コロコロコロ「ゆっぐり゛! 」・・・コロコロコロ「ゆぎゅ! 」・・・コロコロ「ぴぎゃ! 」・・・ まりさの口の中でプチれいむは何度も壁にぶつかっていた。 理由は言うまでもなくまりさが転がりながら眠っているからである。 プチれいむは必死に悲鳴を上げてまりさを起こそうとするが、目を覚ます気配は微塵もない。 コロコロコロ・・・・・「ゆゆ?」・・・・・「とまっちゃの?」 突如まりさの動きが止まり、プチれいむも悲鳴を上げるのを止める。 しかし、口の中にいるプチれいむはなぜまりさが動きを止めたかまではわからなかった。 「ゆゆ〜、やっちょゆっくりねむれりゅよ。」 プチれいむが再び眠ろうとした時異変が起こる。 「ゆぅ〜・・・ゆふふ♪ おいしそうなごはんだ・・・むにゃ〜。」 「おか〜しゃん、れいみゅねむれにゃいよぉ。」 夢の中でまりさは大量のご飯を目の前にしている。 「ゆふ・・・ゆふふ♪ いっただっきま〜す・・・むにゃむにゃ〜。」 「ゆえ〜ん! ねむれにゃ・ゆぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 夢の中で食糧にかぶりつく・・・現実でも同じ様に。 プチれいむは間一髪の所でまりさの歯をかわしていた。 しかし、口の中という足場が不安定で視界も暗い中で的確な行動が取れるはずもない。 「む〜しゃ♪ 「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」む〜しゃ♪ 「たべにゃいでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! 」しあわせ〜♪ 」 翌日、まりさは溜め込んだ食糧に顔をうずめた形で目を覚ます。 昨夜まりさが見た夢はおそろくはこれが原因である。 「ゆ〜っふ〜ん! おちびちゃんきょうもゆっくりしようね! おくちからゆっくりでてね! 」 まりさは大きな口を開けてプチれいむに口から出るように催促する。 しかし、プチれいむが飛び出す気配はなかった。 「ゆゆ〜? おちびちゃんどうしたの? 」 しかたなくまりさは口の中に感じるプチれいむであろう異物を慎重に吐き出す。 ペッ! ベチャ! まりさの目の前には唾液でベタベタになった赤いリボンが現れる。 昨日と同様にまりさの思考が停止する。 (・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 〜5分経過〜 (・・・・・あのりぼん・・・・・おちびちゃんのだよね?・・・・・おちびちゃんはどこ?・・・・・) 〜10分経過〜 (・・・・・ひょっとして・・・・・まりさが・・・・・おちびちゃんを・・・・・たべちゃったの?・・・・・) 〜15分経過〜 (・・・・・あれ?・・・・・どこかで・・・・・おなじようなことが・・・・・あったよね?・・・・・) 〜20分経過〜 (・・・・・おきたら・・・・・おちびちゃんがふたり・・・・・いなくなってた・・・・・) 〜25分経過〜 (・・・・・れいむも・・・・・あさ・・・・・いなくなって・・・・・) 〜30分経過〜 貧弱ながらも餡子脳で必死に情報を整理したまりさはある結論にたどりつく。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・ぜんぶばりざのざいなのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ゆぎゃあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! ! ! ごべんなざいごべんなざいごべんなざい! ! ! ぱっ! ぱっ! ・・・ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ っ ! ! ! ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ お お お お お お お お お お ! ! ! 」 普段使わない餡子脳をフル回転させたことに加え自らが犯した過ちに気が付き、それらの重圧に押しつぶされまりさ の心はついに壊れてしまった。 「ゆふふふふふふふふふふ! ゆはははははははははは・・・・・! 」 その日からまりさは溜め込んだ食料に口をつける事無く、眠ることも忘れ笑い続けるのであった。 〜春〜 長い冬を乗り越える事に成功したゆっくり達が巣穴から続々と顔を見せ始める。 まりさのいた巣穴には餓死したまりさの亡骸と大量に残された食糧という矛盾した光景が広がっていた。 こうしてれいむは強制すっきりにより、プチれいむ2匹は踏み潰され、1匹はまりさに食べられ、元凶であるまりさ は何も食べずに餓死し、各々の生涯を閉じたのであった。 B:プチれいむを帽子の中に隠す 「おちびちゃん! おかあさんのぼうしのなかにはいってね! 」 「ゆゆ〜? ぼうちのにゃか? 」 まりさの意図を理解していないプチれいむは頭上に?マークを浮かべている。 「おかあさんのぼうしのなかでねむればぜったいあんぜんだよ! ゆっくりりかいしてね! 」 「ゆゆ! おか〜しゃんはてんしゃいだね! ゆっくりりかいしちゃよ! 」 まりさは舌を出し、プチれいむはそれを踏み台にして帽子まで到達するとゆっくりと中に潜り込む。 「ゆゆ〜♪ ちょっとくりゃいけどゆっくりできしょうだよ♪ 」 「おちびちゃんはおかあさんがまもってあげるからね! またあしたいっしょにゆっくりしようね。」 プチれいむはすぐ傍に母親がいるという安心感もあり、すぐに眠りにつく事ができた。 深夜、まりさは居もしない犯人を見つけるために必死に眠気を我慢して起きていたが、結局睡眠欲に負け眠ってしま う。 「ゆぅ〜ゆぅ〜・・・だいすきだよ・・・・むにゃむにゃ〜。」 「ゆぅ〜・・・おか〜しゃんだいしゅ・・・むにゃ〜。」 プチれいむはまりさの帽子の中で幸せそうな寝顔で眠っている。 しかし、一度転落を始めた幸福から不幸への下り坂はそう簡単に止まる事はなかった。 「ゆぐ!」 プチれいむは突如体に加わった衝撃で目を覚ます。 「ゆぅ〜ゆっくりできにゃいよ〜おか〜・・・?・・・・・ゆゆ!おか〜しゃんがいにゃいよ! 」 現在プチれいむは地面に転がった帽子の中で横向きになっている。 まりさはと言うと帽子が脱げた事になど気づかないままコロコロ転がりながら眠っている。 帽子が傾いているためプチれいむはまりさの姿を確認する事ができず少し不安そうにしている。 「おか〜しゃんをさがしゃないちょ。」 プチれいむは這うようにして傾いた帽子から脱出を図る。 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「おか〜しゃ〜ん! 」・・・コロコロコロ・・・ 「うんしょうんしょ。」・・・コロコロコロ・・・「どこにいりゅにょ〜?」・・・コロコロコロン・・・ プチれいむが帽子の入り口に到達する。 「やっちょおしょとにでられりゅよ。」 ピョンッと外に飛び出した瞬間、プチれいむの目には転がりながら接近するまりさの姿が映っていた。 コロコロコロ「ぴぎゃあぁぁ! とまっちぇぇぇぇぇぇ! 」ブチュ!・・・コロコロコロ・・・ コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロ・・・コロコロコロリン・・・ 迫り来る母親の巨体、それがプチれいむの見た最後の光景であった。 翌日、まりさは帽子が脱げた状態で目を覚ます。 「ゆ〜っふ〜ん! ゆゆゆ! まりさのたいせつなぼうしがないよ! どこいったの!?」 まりさは血相を変えて巣の中を見回す。 すぐに帽子を発見し安堵するが、近くに転がっているある物を見つけ表情を凍らせる。 まりさの目線の先には押しつぶされて物言わぬ饅頭となったプチれいむが転がっていた。 「あ゛っ! あ゛っ! あ゛っ! ・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! おぢびぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! なんでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!?どうじでづぶれでるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !? ぜんぶばりざのぜいだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! ごべんでえぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ばりざがねぢゃっだがらだあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ! 」 ついに独りぼっちになってしまったまりさは潰れたプチれいむの横でひたすら泣き続けた。 〜1時間後〜 「いなくなったおちびちゃんおぶんもまりさはゆっくりするからね! 」 あっさり立ち直っていた。 幸い巣穴には1匹なら余裕で春を迎えられるであろう大量の食糧が蓄えられている。 まりさはゆっくりと春を待つのであった。 〜春〜 ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ガサゴソ・・・ヒョコッ! 巣穴からまりさが顔を出す。 「ゆゆ〜♪ やっとはるになったよ♪ これでゆっくりできるね♪ 」 まりさは尊い犠牲(?)により無事春を迎えることができた。 今となっては相方であったれいむや潰れて死んだプチれいむの事はほとんど記憶に残ってはいない。 「ゆっゆゆ〜ん♪ ゆっゆゆ〜ん♪ 」 まりさは希望に胸膨らませて春の森へ繰り出していった。 結局、最後までまりさは自分が原因でれいむやプチれいむが死んでしまった事に気付かなかった。 そして、当然寝相の悪さは直ってなどいない。 この先、まりさは再び気の合うゆっくりを見つけてつがいになるだろう。 そしてそのつがいとなったゆっくりはゆっくりできない生涯を送る事になるのであった。 第1話 〜ゆっくり眠れないまりさ〜 END 「そこまでよ! このすぺ〜すはぱちぇがいただいたわ! 」 なにやら変なのがわきました。 番外編 〜がんばれゆっくりぱちゅりー2〜 「むきゅ〜♪ おうちがかんせいしたわ! これでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは自分で地面に掘った巣穴の中に居る。 決して広くはないが、体の弱いぱちゅりー種が巣穴を1匹で完成させるのは非常に稀なケースである。 「むきゅ〜♪ ちかくにはたくさんしょくりょうがあるしかんぺきだ・・・。」 パラッ・・・パラッ・・・パラパラパラ・・・ドッシャ〜ン 「むぎゅー! 」 突如巣穴が崩れぱちゅりーは下敷きになってあの世へ旅立った。 少し考えればわかるものだが、体の弱いぱちゅりー種が掘れる場所など柔らかく崩れやすい場所に決まっている。 完成した時はぎりぎり形状を保っていたが、中でぱちゅりーが出した声がトリガーとなり崩壊してしまったのだ。 本来ぱちゅりー種は自らの知識を活かし他のゆっくりと共生することで生き延びる種である。 自らの豊富な知識に自惚れ他のゆっくりに近づこうとしなかったこのぱちゅりーに初めから未来など無かったのだ。 (むっきゅーーー! これじゃまえとおなじじゃない! なんでぱちぇだけこんなにすこしなのーーー! けほっけほっ。) 以前にも似たような事があった気がするけどTAKE2 「むきゅ〜♪ しょくりょうもあつまったしこれでふゆがこせるわ! 」 現在ぱちゅりーは老木の洞の中に居る。 洞の奥には色とりどりの秋の味覚が溜め込まれている。 体の弱いぱちゅりー種がこれだけの量の食糧を1匹で集めるのは非常に稀なケースである。 「しっかりいりぐちをふさいでっと、かんぺきだわ! 」 ぱちゅりーは完璧な計画に胸躍らせながらゆっくりと眠りについた。 ガクガクガクガクガク 大寒波が到来した翌日、ぱちゅりーは寒さに震えていた。 いかに洞の中とはいえ寒さをすべて緩和する事など不可能である。 「ざ、ざむいわ・・・も・もうだめ・・・むぎゅぅ・・・・・。」 寒さに耐えられなくなったぱちゅりーは敢え無くあの世へ旅立った。 ぱちゅりー種はゆっくり一皮が薄く、また中身が生クリームという事もあり寒さにも暑さにも弱い種である。 他のゆっくりと一緒に越冬し、肌を触れ合わせて体温を上昇させ生き延びるのがぱちゅりー種である。 自らの豊富な(ry (むきゅぅ・・・。) 中篇へ続く
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役職 キャラ名: メインの服装: メインの国籍 MorW サブ: 愛称: 主な活動場所: 主な活動時間: 最近のマイブーム: これからの目標: 最近の悩み 好きな物 嫌いな物: 団の皆さんへ : 最後に冗談(オヤジギャグも可)をどうぞ :
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ここは某島国の領土の一つ、その中でも最も南に位置する島。 一年中暖かい気候のため、寒さに弱い生物にとっては正に楽園であった。 それは寒さに弱いゆっくりのとっても同じだった。 「くそ!またやられたか!これじゃ野菜が売り物にならんな…」 「こっちはサトウキビをやられたぞ!糞でいぶめ!」 このようにゆっくりの被害は深刻なものになっていた。 ゆっくりの数が増えるほど、農業や自然界への影響が大きくなっていった。 そのゆっくりの中でも最も蔓延っていた種があった。 「いたぞ!赤いリボンが見えた!」 「逃がすなよ!叩き潰せ!」 「ゆぷぷ!むのうなにんげんがこっちにくるよ!れいむはうんうんしてにげるよ!」 れいむはうんうんをすると、そのまま飛び跳ねながら逃げていく。 男達葉その姿を見て慌てて追いかけて行く。 「おらぁぁ!逃がさねえぞぉぉ! 『ズルッ!』 あっと!」 「おい!だいじょうぶか?!」 「くそ!うんうんで滑ったぜ……くっ!逃げられたか?」 「やられたな…ったく妙な知恵つけやがって…」 そう、生物の底辺であるゆっくりの中でも、更に下を行くれいむ種がこの島では蔓延っていたのだ。 もっとも、この島のれいむ種は「でいぶ」と呼ばれるほど、太っていて厚かましい奴らであったのだが… 元々この島にはゆっくりなどは居なかった。 人間が食用兼愛玩用で島に持ち込んだものが野生化し、島の気候に適応してあっという間に増えていった。 特にその中でもれいむ種は、己の無能さ故に本来ならば淘汰されそうではあるのだが、 醜いまでの自己愛、種を繋ぐ為の闘争本能のお陰で他のゆっくりを踏みにじり、この島の生態系の頂点に立ったのだ。 まあ、あくまでゆっくりの生態系ではあるが。 他の動物に捕食される事もあるのだが、無駄に増えるゆっくりの繁殖力に加え、れいむ種独特の自己愛、 同族愛の性で増加に歯止めが掛からなくなっていった。 「おやさいやおはなは、れいむにたべられるためにはえてくるんだよ!」 農作物や貴重な野草を食い荒らし、 「むしさんは、れいむにたべられることをかんしゃしてね!」 希少な昆虫類を食い荒らし、 「むのうなくずゆっくりは、れいむのためにしんでね!」 他のゆっくりを犯し、殺し、食らい増えていき、 「きにいったよ!ここをれいむのおうちにするよ!」 民家はおろか、歴史的に貴重な建造物等へのおうち宣言、 「このしまはれいむのものだよ!にんげんや、ほかのどうぶつはでていってね!」 今やこの島は我が物とばかりに思っていた。 だが島民もやられてばかりではなかった。 罠や毒入りの餌等ででいぶ駆除を試みたが、他の動物や希少なゆっくりにも影響が出てしまう。 そこで導入されたのが「ゆるさなえ」という種類のゆっくりだった。 「ゆるさなえ」というゆっくりはさなえ種の亜種のゆっくりで、何故かれいむ種を敵視している。 れいむ種にとっての天敵なのだが、捕食種と違って他のゆっくりには無害であるのだが、希少種なので数が少ない。 それでも何とか20匹ほどを導入してでいぶ駆除にあてた。 「ゆん?なんなの?さなえのくせに………ゆっぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃ!どぼじでれいむをいじめるのぉぉぉぉ?!」 「ゆるさなえ!ゆるさなえ!!」 「ゆぎぎ…ぐるじぃぃぃぃぃ!がわいいれいぶがじんじゃうぅぅぅぅぅ!!」 「ゆるさなえ!!」 ゆるさなえはれいむ種を見つけると、でいぶだろうが、れいむだろうがお構い無しに攻撃を加えていった。 これにより、比較的知能の高いれいむは町や畑に近づこうとはしなかったが、 でいぶや、知能の低いれいむは懲りずに人前に姿を晒していた。 ゆるさなえも順調に数を増やしていき、農家等で飼われる様にもなったのだが、 れいむを追いかけてそのまま山や森に消えて行き、そのまま野生化する者が現れた。 そればかりか、そのまま胴付化した者が出たという情報も飛び交い、 胴付きゆるさなえを探しに、山や森に足を踏み入れては遭難する若者が出たりもした。 そんな中で、島民の一人がゆるさなえに目を付けて、でいぶ対ゆるさなえショーを始めるのだった。 最初は面白半分に、近所の人間にそれを見せて居たのだが、思っていた以上に受けが良かったので、 数名で山狩りをして、でいぶを大量に捕獲してはショーで使うようになった。 「ゆふふふ!どれいこうほのくそにんげんが、いっぱいいるよ!どれにしようかまようよ!」 『おらー!さっさとでいぶをころせー!!』 『さっさとゆるさなえをだせー!でいぶをころせー!!』 「ゆん?なんだかゆっくりできないにんげんがおおいね!こんなやつらじゃ、れいむのどれいにはふさわしくないね!!」 「ゆるさなえ!!」 「ゆん?なんなのこのさなえは?」 『キター!!ゆるさなえだー!!』 『でいぶをころせー!でいぶをころせー!!』 「ゆるさなえ!」 「ゆっぎゃぁぁぁ!やめろぉぉぉぉ!!」 『すっきりぃぃぃぃぃ!!』 何時しかショー目当てに島を訪れる観光客も現れて、島は大いに賑わった。 だが、ここで問題が起こった。 でいぶの捕獲が間に合わなくなってきたのだった。 低脳なでいぶをある程度狩り尽くしてしまった結果、知能の高めなでいぶが残ってしまい、非常に捕まえにくくなったのだ。 そこで島民はショー用のでいぶの養殖を始めた。 時には只甘やかされて、増徴しただけのれいむもショーに使われるようになった。 増やししすぎてしまったでいぶは、干しでいぶや、でいぶの寒天漬けなどに加工されて土産にされた。 中には、でいぶをカラッと油で揚げたお菓子、 「ユンギャーアンダギャー(現地の言葉で、でいぶの唐揚げ)」なるお菓子も登場した。 みやげ物は、より苦悶の表情で死んでいるでいぶの方が好まれたため、加工中に無駄に虐待するものも現れた。 「ゆっぎゃぁぁぁぁ!れいむのまぶたさんがぁぁぁぁ!!」 『うるせーな、どうせ干からびたら瞼なんで意味無いんだから良いだろ?それにしても良い声で鳴くなぁ……… ほら、しっかり太陽をみてひからびるんだぞ!』 「やめろぉぉぉぉぉ!たいようさんはゆっくりできないぃぃぃぃぃ!!」 『ほら、れいむの大好きな塩さんだぞぉぉぉ!!可愛いおめめにたっぷりぬってあげるよ!』 「ゆぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃ!やめろくぞにんげんがぁぁぁぁぁぁ!!」 『はっはっは!干しでいぶ作りは楽しいなぁ!』 『ほーら、熱々の寒天だぞー!ゆっくりあじわってね!』 「やべろぉぉぉぉぉ!あついぃぃぃぃぃ!!いきができないぃぃぃぃぃ!!ゆっくりできないぃぃぃぃぃ!!」 『何言ってるんだこいつは?ゆっくりって息なんてしてるのか?』 「ゆぎぃぃぃぃぃ!ぐるじぃぃぃぃぃ!ゆごぼごぼごごご……」 『もっと苦しんでくれよ!そのほうが良い商品になるからな!』 でいぶ加工所の就職率も大分上がり、正に島はでいぶで栄えていった。 しばらくすると、そんな状況を良く思っていない連中も現れ始めた。 そう、ゆっくり愛護団体がでいぶショーや、でいぶの加工品にクレームを付けて来たのだった。 だがその頃には、でいぶで生計を立てている関係者があまりにも多かった事や、 島の経済がでいぶで潤っている事もあり、結果として「でいぶ対ゆるさなえショー」を無くす事くらいしか出来なかった。 しかし、それでも一部農家は番犬代わりにゆるさなえを飼っており、 農村ではいまだ、でいぶとゆるさなえを戦わせていたりもした。 でいぶによって苦しめられたこの島は、今ではでいぶによって発展していったのである。 「やめてね!れいむはでいぶじゃないよ!ゆっくりりかいしてね!」 『お前がでいぶだろうと、れいむだろうと関係ない。この島のために死ね!』 「どぼじでそんなごどいうのぉぉぉぉぉぉ?!れいむだっていきているんだよぉぉぉぉ!」 『この島で湧いて出たのが不味かったな、まあお前の不運を呪って死んでくれ、むしろ島の発展を祝って死ね!!』 「ゆ?!…………………ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 今日も島のあちこちで、でいぶの悲鳴が聞える。 完 コンペ用に書いていましたが、アウトっぽいので普通に上げておきます。 徒然あき
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『駄文』 3KB 小ネタ 自業自得 二次創作 ゲス 都会 現代 愛護人間 初投稿 この群れに住んでいる、れいむはとても厚かましい。 例えば 「れいむはつがいのまりさがおにーさんにえいえんにゆっくりさせられてかわいそうなんだよ!!」 「だからむれのみんなでやさしくしないといけないんだよ!!」 迫力におされた群れの長が一回だけと食事を持っていくと、部屋の片付けまでさせたらしい そして 「れいむにおちびちゃんがうまれたよ!! むれのおさになれるよう、せきにんをもっておしえてねあげてね!!」 断られると逆切れして 「はぁぁぁ!?こんなにかわいいおちびちゃんがむれのおさになるんだよぉぉ!?」 「じだいのおさをそだてるのはおさのしごとでしょぉぉぉ!?」 と、教育まで押し付けようとしたらしい そしてこの間 そのれいみゅ(子)が公園近くの家のガラスを割ってしまった 状況としては、公園で遊んでいるグループに入れて欲しくて、 ボールをぶつけるふりをしてきっかけを作ろうとしたらしい、そのボールがずれてガラスにあたったと云うもの れいみゅは怖くなって逃げ帰ってしまい、残ったグループのリーダーであるまりちゃが知らないふりもできず 自分の家に帰ってパパとママに報告、この両親かられいむ(親)に連絡をして 状況を説明したら 「おちびちゃんはシングルマザーでかわいそうなんだよぉぉ!?」 「そもそもほかのおちびたちが おちびちゃんをグループに入れないのがいけないんでしょぉぉぉ?」 と逆切れ かかわるのも嫌だし、確かに早くグループに入れていればよかったとも思えるし、 半分は一緒に遊んでたようなものだし まりちゃの両親は自分達でなんとかしようと 割れたガラスの家に謝りに行った所、この家のお兄さんがでてきて 『やぁ、ぼくはゆっくりんぴーすお兄さん』 『いやーありがとう おかげですごく助かったよ』と言い始めた よく話を聞くと、家の人がガスの火をつけたままウトウトしてしまい、火事寸前だった事 ガラスの割れた音で目が覚めて急いで消したので一大事にならなかった との説明 『こっちからお礼をするよ、仕事の関係で特別なあまあまが手に入るから貰ってきてあげるよ』 と漫画みたいな展開になったらしい でもまりさの両親はさすがにそんな訳にはいかないからと丁寧に辞退し、 なにもできないからとせめて庭の掃除をさせてくれと頼み込んだらしい そのやりとりをれいみゅ経由で聞いたれいむは 「なんで、かってにことわるのぉぉぉ!? そんなけんりないでしょぉぉぉ!?」 「そっちがもらわなくても、れいむはもらうよ!!」 「わってあげたのはれいむのおちびちゃんだよ!!!」 と激怒 「いまからいくよ・・・!あまあまはれいむだけがもらうからね!ほかにはあげないよ!」 一度断ったものを貰いに行くというのはみっともないし、 お兄さんに申し訳ないからやめて欲しいというまりさの両親や長の静止もきかず家に突撃 ところがお兄さんの説明は全くの嘘だったのです 実はお兄さんは二階で洗濯物を干していて たまたま公園を見てたられいみゅの投げたボールがあたって れいみゅか親が謝りに来るかなと待っていたら、まりさとありすが謝りにきたからなんとなくだけど事情を察した。 そしてれいむの親にガツンと言おうと作戦をねった そこで嘘の話をしてれいむをおびき寄せた 「このあいだのガラスをわったのは、れいむのおちびちゃんだよ!!」 『え、本当? この間来てくれたまりさからは聞かなかったけど』 「うそじゃないよ!!まりさのおちびたちは、かってにあそんでただけだからかんっけいないよっ!!」 沈黙 『本当?」』 「ほんっとうっだよ!!」 『じゃー』 おもむろに飴玉をさしだす れいむは"特別なあまあま"だと思って、お兄さんの手からもぎ取って飴玉を食べた 「むーしゃ、むーしゃ… ゆぶっ!!ゆべべべばばば!!」 何と『七味飴』だったのです しかもハバネロを使ったお兄さんお手製 れいむがびっくりしすぎて口をパクパクさせてる所にお兄さんが 『それじゃあ、約束してたお庭の掃除をお願いしようかな』 『あぁ、君達が公園だと思ってる所、あれウチの庭だから』 『もし、逃げるようなら…殺すからね』 と止めをさしたそうです。 れいむはかなりいろいろ言い返したようですが、全く相手にされず 結局、誰に相談しても掃除するのが当然と言われて、死ぬまで公園の掃除をしたそうです。 京都土産にもらった「ハバネロうま辛飴」うまかったなぁ
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『無知の罪 前編』 18KB 虐待 自業自得 駆除 野良ゆ 独自設定 息抜き 爛々と照り注ぐ太陽。 暑さに汗を拭いながらもいそいそと行きかう人の波。 みな何か不満そうにしながらも、何か大きな事件が起こるわけでもなく淡々と、しかし賑やかな街の風景。 しかしそんな喧騒からはやや離れた薄暗い裏路地にて、ウゾウゾと蠢く二つの影があった。 「ゆっくじ、ゆっくちちたいよぉ!」 「ごめんねおちびちゃん!だめなおかあさんでごめんねええええ!」 野良ゆっくりだった。 どうやら親子のようで、成体サイズのれいむが一匹、同じく子ゆっくりサイズのれいむが一匹の計二匹の組み合わせだった。 その姿は健全なものとは言いがたく、二匹とも酷く薄汚れていて痩せ細っている。 さらに親れいむはどこかで引っかけたのか、お飾りの片方に大きな穴が空いており、 子れいむのほうもまた、目の下にクマが出来て今にも死にそうな状態だ。 周りにつがいや、他の子ゆっくりたちの姿が見当たらないのは全て死んだからだろう。 とは言えこれは特に珍しくもない、野良ゆっくりでは一般によく見られる光景であった。 「ゆびいいいいい!おなかちゅいたよおおおおお!ごはんさんたべちゃいよおおおおお!」 「ゆゆ!ごめんねおちびちゃん!ほら、おかあさんとすーりすーりしようね!」 お腹が空いたとグズる子れいむを、必死でなだめる親れいむ。 この親子は三日前から何も食べていなかった。。 つい先日親まりさという一家の生命線を失ったため、ただでさえ難しい食糧確保が絶望的な状況になったからだ。 もちろん親れいむも何とかして食糧を得るために、早朝のゴミあさりなどに精を出したりしていたのだが、 いかせん狩りの経験などろくにない親れいむは、満足に食糧を取ってくることが出来ずにいた。 「ゆぴい、ゆぴい、どうして!どうしてれいみゅたちゆっくちできにゃいのぉ!おかちぃよぉ!」 「ゆうう、おちびちゃん、がまんしてね!もすこしだからね!もうすこしでゆっくりできるようになるからね!」 一体何がもう少しだというのか? 親れいむには、この状況が改善できる当てでもあるというのか? いや、そんなものは全くない。 恐らく明日も明後日も一週間後も一ヶ月後もずっとこの生活が続くであろうことは薄々わかっていた。 しかしそれでも親れいむはそう言い続けるしかなかった。 何はともあれ、とにかくご飯だ! 少しでもこのゆっくりできない状況から抜け出すには、ご飯さんをなんとしてでも手に入れるしかない。 明日こそは!明日こそは狩りを成功させて見せる! そう親れいむが決意を新たにしているその時、 突然その変化は訪れた。 「ゆがっ、ゆげびっ!ゆっくちでぎ………ゆがらぼがあああああああああ!ゆぴぎゃあああああああああああああああ! ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 突然子れいむが目を見開いて叫び出したかとかと思うと、今度は今までにないようなゆっくり出来ないスピードで、 ビクビクッと激しく痙攣しだした。 「おっ、おちびちゃああああああん!どうしたのおおおおおおおおお!しっかりしてねえええええええ!」 突然の事態に慌てふためく親れいむ。 限界だった。 そう、とうに子れいむは限界だったのだ。 生まれてこの方、全くゆっくり出来ない日々。 次々と死んでいく姉妹たち。 日々の食糧はゲロ腐ったまずいものが少量。 そしてついにはその食糧すら供給されなくなった。 それらのゆっくり出来ないストレスは順調に蓄積されていき、そしてついに子れいむの体内で爆発したのだ。 「あっ、ああああああ!おっ、おちびちゃん………」 目を血走らせて、涎を周囲に撒き散らしながら、奇声を上げ、ブルブルと痙攣する子れいむ。 誰がどう見ても助かるような状態ではない。 しかし、親れいむは諦め切れなかった。 ついに最後の一匹になってしまった、親れいむと親まりさの愛の結晶。 もはやまりさはこの世にいない。 なればこそ、このおちびちゃんはまりさがこの世に生きた唯一つの証! 絶対に守りたい、否守らなければならないのだ。 「まもるよおおおおおお!このおちびちゃんだけはぜったいにまもるよおおおおお! おちびちゃあああああん!ちょっとのしんぼうだからまっててねええええええ!」 親れいむはおうちからガサゴソとある物を取り出すと、意を決したように裏路地から外に飛び出して行ったのであった。 「♪~」 鼻歌を歌いながら少女が道を歩いている。 年齢は5、6歳くらいだろうか? その少女はいつものように近所の友達の家に遊びに行く途中であった。 少女の家では週に何度か母親がパートで家を空けることがあるため、その際の面倒を友達の家で見てもらうことになっていたのだ。 友人の家は目と鼻の先ほどの距離であり、この距離なら何の危険もあるまいと少女の両親も高を括っていた。 だがその矢先の出来事だった。 少女が道の曲がり角に差し掛かった途端、バッ!と薄汚い丸い物体がそこから飛び出してきたのだ。 「おい!おまえええええええええ!」 「ひっ!」 突然の出来事に思わず小さな悲鳴をもらす少女。 その薄汚い物体の正体は親れいむであった。 親れいむはギロリと少女を睨みつけると、攻撃的な口調で話しかける。 対する少女はそんなれいむを怯えた目で見つめていた。 いつもの何気ない日常から一転、醜悪な生き物に絡まれるという非日常に突入し少女は恐怖したのだ。 「れいむのおちびちゃんがびょうきなんだよ!いたいめにあいたくなかったら、さっさとくすりをだしてね! すぐでいいよ!はやくしろおおおおおおお!」 「えっ、あの、わたし……」 親れいむが子れいむを救うために取った選択肢。 それは、人間を脅し薬を持ってこさせることであった。 それなりに野良生活が長い親れいむは、自分たちがいくら助けてくれと訴えても街を行きかうケチな人間たちが、 自分らを救ってくれることはない程度のことは流石に知っていた。 それならばと親れいむが取った行動は強奪であった。 恵んでくれないのならば奪えばいいというわけだ。 しかも巧妙な事に、大人には勝てないと踏んだ親れいむは、そのターゲットに子ども選んだのであった。 道の曲がり角の隅にある小さな穴に隠れて、子どもが通りかかるのを待ち伏せしていたのだ。 そこへ運悪く少女が一人でやってきてしまったというわけだ。 だがしかし突然の親れいむの要求に、少女の方は困惑するばかりである。 当然だ。 いきなり出てきてそんなこと言われても、わけがわからないにきまってる。 ましてや彼女はまだ年端も行かない少女なのだ。 「ゆぎいいいいいい!ごちゃごちゃいってないで、さっさとおちびちゃんをなおす、くすりをだすんだよおおおおおお! さもないとおおおおおお!」 少女のオロオロとした様子に業を煮やしたのか、親れいむは威嚇するようにあるものを口に銜え、少女に突き出す。 それは……。 何処で拾ったのだろうか? 親れいむの口に咥えられているのは彫刻刀だった。 よく小中学生が図工やら美術で版画をやるときに使うアレである。 ナイフやカッターと違い、刃はとても短く殺傷力はそれほどではないが、それでも切れる事には違いない。 むしろ軽いためゆっくりが扱う分には好都合な武器である。 親れいむはもしもの時のためにおうちの中に隠し持っていたそれを、今持ち出してきたのだ。 「さもないとこれで、ぷーす!ぷーす!するよおおおおおおお! わかったらさっさとくすりをだせえええええ!かくしてるとゆるさないよおおおおおおお!」 「かっ、かくしてなんか……ないよ。 おうちになら……その、おくすりあるかも…」 興奮する親れいむに対して少女が消え入りそうな声で答える。 「ゆがあああああああ!だったら、さっさとおうちにもどって、そのおくすりをとってくるんだよおおおおおお! このぐず!おちびちゃんがまにあわなくなったらどうするのおおおおおおおお! さっさといけよおおおおおおおおお!」 「わ、わかった」 少女は頷くと、すぐさま元来た道を走り出した。 ここでもしもう少しこの少女が冷静だったら、あるいは賢かったのならば、 大声で周囲に助けを求める、あるいは友達の家にそのまま行き、そこにいる保護者に事情を話す等の選択肢もあり得ただろう。 しかし、少女にとって恐らく生まれてはじめてであろう、自分に向けられる明確な敵意や罵声対し、 その危機から逃れるために、与えられた命令をただ忠実に実行しようとしてしまった少女を誰も責められない。 焦りや恐怖は思考能力を奪うのだ。 ともかく少女は走り続け、そして家の前に到着した。 慌てて鍵を取り出し、扉を勢いよく開ける。 家には誰もいない。 親は仕事に出てるのだから当然だ。 となれば、自分で薬を探さなければならない。 そういえば前に熱を出して寝込んでしまったときに、親から薬だといわれて白い錠剤を飲まさたっけ。 口に入れた途端に広がったあの酷い苦味をよく覚えている。 薬といったからには、きっとそれのことに違いないだろう。 確か、薬箱は戸棚の下に……。 ガサゴソと少女は薬箱をあさる。 アレも違うこれも違う、確かあの薬はビンに入っていて…。 「……あった、これだ」 やがて少女は薬箱からビンに入った大量の錠剤を見つける。 あのときのものに間違いない。 これを持っていけば。 「急がないと!」 少女はぎゅっとビンを握ると、何かに突き動かされるように親れいむのいた場所へと再び走り出したのであった。 「はぁ、はぁ、はぁ」 少女は屈み膝に手を付いて呼吸を整えていた。 全力疾走で親れいむのもとまで戻ってきたため息が上がっているのだ。 「ゆぐうううう!おそいよ!なにやってたの! ゆっくりしないで、はやくくすりをだしてね!はやくしろおおおおおお!」 そんな少女の苦労にねぎらいの言葉をかけるでもなく、親れいむはクスリを催促をする。 「はぁ、はぁ、あのこれ……」 震える腕で少女が親れいむに差し出したその手には、錠剤が入ったビンが握られていた。 「ゆがあああああ!よごぜええええ!」 親れいむはそのビンが目的のものだとすぐさま察すると、突然に少女に向かって体当たりを仕掛けた。 「きゃっ!」 体当たりをまともに食らってしまう少女。 その親れいむの体当たりは大した威力ではなかったが、驚いた少女はバランスを崩し、尻餅をつくようにして後ろに倒れこんでしまう。 そしてその衝撃で少女は手からはクスリビンが地面に転がり落ちた。 「ゆああああああ!とったよおおおおお!これはもうれいむのものだああああああ!もうだれにもわたさないよおおおおお!」 親れいむは少女の手から離れたクスリのビンをガッチリと銜えると、高らかに宣言した。 おうち宣言の物バーションであろうか?親れいむはこれ以上ないというほどのドヤ顔である。 「ゆふん!れいはいわないよ!これはもうれいむのものなんだからね! それに、かわいいかわいい、おちびちゃんをたすけるのは、とうぜんぎむなんだよ!」 親れいむはしてやったりといった感じでニヤリと笑うと、そのまま一目散にその場から去っていってしまった。 「おちびちゃあああああん!まっててねええええええ!おかあさんがいまいくよおおおおおお!」 「…………あ」 そしてその場には放心状態の少女がポツンと一人残されるのみであった。 「おちびちゃああああああん!おかあさんがかえってきたよおおおおおお!もうだいじょうぶだからねええええええ!」 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 急ぎ、おうちへと戻った親れいむ。 しかし相変らず子れいむはヤバイ表情でピクピクと小刻みに痙攣を繰り返している。 最早一刻の猶予もない状況だ。 「ゆああ!このおくすりさんさえあれば!」 親れいむはクスリのビンのフタの部分を咥えると、思い切り地面に叩き付けた。 バリン!と音を立てビンの底の部分が割れる。 多少中身が飛び散ったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。 「ゆゆ!さあおちびちゃん! これでげんきになってねええええええええ!それでまたいっしょにゆっくりしようねえええええ!」 親れいむはクスリのビンに中に残っていた錠剤全てを一気に子れいむの口の中に押し込んだ。 そして………。 「ゆっ!?がっ!ぶっ……… ゆがぼがあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 子れいむの口から溢れたのはこの世のものとは思えないほどの壮絶な絶叫だった。 いや、絶叫だけではない。 今までの痙攣がまるで可愛く思えるほど激しくビッタンビッタンと苦痛にのた打ち回り、 その体は体内の水分を絞りつくさくさんばかりに汗と涙と涎が垂れ流しになっている。 「ゆごぼげぼがああああああああああ!!!ごろじでええええええええ!」 その表情はもはや苦痛とか苦悶とかいった安易な言葉では表現できないほど歪みきっており、 子れいむの苦しみは、自ら死を望む叫びを絞りだすのにいささかのためらいもないほどであった。 「ゆあああああああ!ど、どうしてえええええええ!おちびちゃあああああんゆっくりしてええええええええ!」 そんな尋常ではない子れいむの様子に、ただ狼狽することしかできない親れいむ。 こんなバカな!どうしておちびちゃんがこんなに苦しんでいるんだ! どうして!なんで! 「ゆっ、おっおおお!おがあ……」 「ゆゆ!どうしたのおちびちゃん!なにかおかあさんにつたえたいことがあるの!」 子れいむは口をパクパクと震わせながら、虚ろな目で親れいむを見つめている。 わが子が最後の力を振り絞って、自分に何か言おうとしているのだ。 慌てて子れいむに近寄る親れいむ。 最愛のわが子が最後に残した言葉は。 「じ…ね…」 自分に対しての呪詛の言葉だった。 「ああっ、そんな!どじでえええええぞんなこというのおおおおおお!おかあさんがんばったんだよおおおおおおお!」 期待してたあたたかい言葉とは全く違う断末魔に言葉を失う親れいむ。 確かに親れいむはそれなりには努力したのかもしれない。 だが子れいむの立場からしてみれば、生まれてこの方全くゆっくりできないゆん生を歩まされた挙げ句、 最後に飛び切りの苦痛まで押し付けられたのであっては、恨み言の一つも言いたくなるというものだ。 「ゆゆううううう!とじで……どじでこんなことに……」 親れいむは体中から水分を絞り出しもはやゆっくりの原型をとどめていない子れいむの亡骸の前で涙する。 何故こんなことになったのか? ちゃんと薬をたくさん与えたはずなのに! ………いやまて!薬?あれは本当に薬だったのか? 親れいむは唐突にある疑問を閃く。 そしてその疑問を検証する方法は至極簡単であった。 親れいむはビンを割った際に周囲に飛び散った錠剤の一つをそっと舌の先で転がしてみた。 その瞬間、ビクン!と体が反応する。 「にがっ!ゆげええええええええ!!これどきゅはいってる!」 突然体中を襲った強烈な不快感に、慌ててクスリを吐き出す親れいむ。 何だこれは! ほんのちょっと舐めただけだというのに、余りの苦さに涙が出てくる。 毒だ!あのちび人間は薬と偽って毒を渡しやがったのだ。 「ゆっがあああああああ!あのくそにんげん、れいむをだましたなあああああああああ!」 怒りの炎が親れいむの体内に点火する。 こんな理不尽が許されていいのだろうか?いいやよいはずがない。 「こんな!こんなあくがゆるされていいのおおおお!」 チビ人間がとった鬼畜極まる行為に対する親れいむの魂の慟哭が辺りに響く。 その叫びに答えるものはいなかったが、親れいむは誰も何も言わなくても、自分がしなければならないことはわかっていた。 「わかってるよおちびちゃん!おちびちゃんは、ちびにんげんにしねっていいたかったんだね! おちびちゃんが、れいむにしねなんていうはずないもんね! まかせてねえええええええ!おちびちゃんのかたきはきっととるよおおおおお! あのちびにんげんを、かならずせいっさいするよおおおおおお!」 やってやる!刺し違えてでもあのチビ人間を制裁する。 許さない絶対に許さない! ゆっくりを怒らすとどういうことになるのか、目にモノを見せてやる! 親れいむは決意を胸におうちを後にしたのであった。 「…………ふぅ」 溜息をつきながらいつもの道をとぼとぼと歩く少女がいた。 あの親れいむに襲撃された少女だった。 例のあの事件から数日後の今日は、友達の家に行く日である。 いつもなら鼻歌でも歌いながら道を歩くのだが、今の少女はうかない表情である。 その理由は言うまでもなく先日の出来事が原因であった。 道を歩いていたら、突然汚い生き物に襲われたあの事件のことである。 はっきり言って怖かったし、もう二度と係わり合いになりたくないと思う。 でも少女は再びこの道を歩いて友人の家へと行かなければならない。 何故なら少女はこの出来事を親にも友人にも相談していなかったからだ。 勝手に薬を持ち出してしまったことが親にばれて怒られると思ったからである。 実に子どもらしい理由だ。 そんなわけで少女はまた一人で例の道を歩いていたわけであった。 しばらく進むと例の曲がり角がやってくる。 前回はここからヤツは飛び出してきた。 ………いや、もうよそう、忘れよう。 全ては終わったことなのだ。 きっと大丈夫だ。 そう思い、歩き出した次の瞬間、少女の淡い期待はもろくも崩れ去ることになる。 「みつけたあああああああ!ようやくみつけたよおおおおおおお!」 「ひっ……」 出た!また出た! 薄汚れた首だけの物体。ゆっくりがまた少女の目の前に立ちふさがったのだ。 なんとあの親れいむは子れいむが死んだ後から、ずっとこの場所で少女がくるのを待ち伏せていたのだ。 なかなかどうして、その執念だけは大したものである。 「あっ、あのごめんなさい。もうお薬はないの、だから………」 「ふざけるなああああああ!」 少女の言葉を親れいむの大声が妨げる。 「あれのどこがおくすりなんだああああああああ! うそつきめええええええ!どくなんかわたしやがってえええええ! おかげでれいむのおちびちゃんは、しんじゃったんだよおおおおおおおおお! ねえ、たのしいの!じゅんっすいなゆっくりをだましてたのしいのおおおおおおお!」 いきなり現れてはヒステリックに叫ぶ親れいむに、少女は困惑するばかりだった。 「えっと、あの、でもあのおくすりは、わたしがねこんだときにつかったやつだから、 どくだなんてことは……」 「はああああああああん!なにいってるのおおおおおおおおお! おくすりっていったら、あまあまのことだろうがああああああああ!」 「あっ、あまあま?」 「そうだよおおおおお!そんなことじょうっしきでしょおおおおおおお!ばかなの?しぬのおおおおおお!」 「あの…ごめんなさい。 その、私よく知らなくて…」 「しらなかったですむかあああああああ! このむちがああああ!じぶんがやったことの、つみのおもさがわかってるのかあああああ! せいっさいだああああ!むちなちびにんげんは、れいむがせいっぎのせいっさいをするよおおおおおおおお!」 そう叫ぶと親れいむは、前回のときのように彫刻刀を咥え少女に構えた。 完全に殺る気だった。 そして少女は足がすくんで動けない状態である。 このまま親れいむが前に向かって飛び出せば、まさかの事態が起こりえてしまう、 そのときである。 「おい!そこで何やってる!」 声が響いた。 慌てて親れいむが声がした方向に目を向けると、遠くから長身の女性がこちらを見ている。 否、すでにこちらに向かって駆け出している。 「ゆぐ!」 まずい!と親れいむは思った。 大きなクソ人間に見つかった、このままではやられてしまう可能性がある。 一人くらいなら何とかなるかもしれないが、自分はおちびちゃんの仇を討つまで、万が一にもやられるわけにはいかないのだ。 「ちきしょおおおおおおお!おぼえてろよおおおおおお!くそにんげんがああああああ! ぜったいふくしゅうしてやるからなああああああ!」 くるりと踵を返し、捨て台詞を吐きながら、一目散にそこから逃げ出す親れいむ。 「ちっ!」 それを見て舌打ちした女は、しかし逃げる親れいむを放置し、一目散に少女の所へと向かった。 正しい判断だった。 ゆっくりなんぞを追いかけることよりも、まずは人間の少女の事を優先するのは当然だ。 「大丈夫か君!どこか怪我は?」 「あっ………」 緊張が解けて力が抜けたのか、ストンと膝を地面に付く少女。 「おっと」 慌てて少女をさせえる女。 「怖かったね、でももう大丈夫だ。 ああ、お嬢ちゃんはこの辺の子なのかな? 家はどこかな?親御さんの連絡先はわかるかい?」 女は、少女が落ち着くのを待ってからもろもろの事情を訊ねたのであった。 「本当にありがとうございました」 「いえ、まあ私は偶然通りかかっただけですから」 ペコペコと頭を下げる少女の両親に対して女は謙遜するように両手を振る。 あの後、女と少女は、少女の友人の家に行き、そこから両親へと連絡を取った。 話しを聞いた少女の両親は、仕事先から飛んで帰ってきたのであった。 その際、これまでの経緯を全て話した少女は、どうして今まで黙っていたんだと両親にしっかり怒られていた。 だが、最後には怪我がなくてよかったということで話しは落ち着いたようだ。 これからしばらくはあの親れいむが出ても大丈夫なように、友人の家に預ける際にも母親が送り向かいをするということになったらしい。 とりあえずは、めでたしめでたしである。 「さてっと」 少女の家を離れた女は鞄から携帯を取り出し、何処かへ電話をかける。 「あー、もしもし、ああ、うん私だ。 実はね、偶然だがこの辺りのゴミ共を一掃するのにちょうどいいネタを仕入れたんだ。 興味あるかい?」 電話先の相手に話しながら女はニヤリと笑った。
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※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』8 泣き喚き懇願する母親たちの目の前で、 子供たちの足はすべて焼かれた。 「ゆびぃぃぃぃ……ゆびぃぃぃぃ……」 「いぢゃいよぉぉ………ありゅきぇにゃいい………」 「おきゃあしゃぁぁん………しゅーりしゅーりしてぇぇ……」 「おちびちゃん……おちびちゃあああん……」 頬を涙でびしょびしょに濡らしながら、 親れいむ共は透明な壁に頬を押し当てている。 すーりすーりをしようにも壁に遮られ、歯噛みするしかない。 「おにいさん……すーりすーりさせて……」 「もういいでしょう……?」 「れいむたちがわるかったです…… あやまります……なんでもします……おちびちゃんを……」 見違えるほどしおらしくなり、懇願してくる親れいむ共。 その様子を見届け、俺は次の道具を手に取った。 ガラス箱のすぐ前に、蝋燭立てを一本ずつ並べていく。 本数は九本。それらは鉄製の太い針状をしており、 火皿から上の針はかなり長く、10cmほど突き出ている。 よくわからない。 よくわからないが、ゆっくりできない気がする。 それだけは見てとった親れいむ達が目を見開き、 震えながらおどおどと俺を見上げる。 「おにいさん……?」 「ゆぎいいいいいいいあああああぁぁぁ!!!」 一匹の赤まりさを持ち上げ、焼かれた底部を針に突き刺した。 中心部の中枢餡を慎重に避け、背中側を刺し貫く。 「いぢゃいぢゃいぢゃいいいいいいいいい!!!!」 「おぢびじゃああああああああ!!!」 「いいいいいいああああああゆっぎゅりでぎだああああああい!!」 餡子が漏れ出してしまわぬよう、ゆっくりゆっくりと深く貫いていく。 体の中を鉄製の針が貫き擦っていく激痛に、赤まりさの体が激しく痙攣する。 親れいむと赤ゆっくり共の絶叫が響く中、 赤まりさは貫通した針の根元、火皿にまで押し当てられた。 次の赤ゆっくりを手に取る。 火皿は九本。 泣き喚き逃げまどい、透明な箱に顔を押しつけて母親に助けを求める赤ゆっくり共を、 次々と蝋燭立てに突き立てる。 我が子を蹂躙される親れいむ共の悲鳴は留まることを知らない。 足りないな、と俺は思った。まだまだだ。 「いぢゃいいいいい!!!いぢゃいいいいい!!!」 「ゆああああぁーっゆわああああああーーーーっ」 蝋燭立てに貫かれて泣き叫ぶ赤ゆっくり共の前に、道具箱を置く。 まずは釘。 手早く、手近な赤れいむの左目に俺は釘を突き刺した。 中枢餡に届かないように力を抑えているので、釘は半分ほどまでしか刺さらない。 「ぱぴゅうううううううううう」 面白い悲鳴を上げて痙攣する赤れいむ。 「おぢびぢゃんのおべべがああああああああ!!?」 もう一本を取り出し、残った右目にも突き立てようと近づける。 すると、赤れいむが親れいむの方を見て呟き始めた。 「おきゃあしゃん……たしゅけちぇ……… りぇいみゅいいきょになりゅかりゃ…………」 親れいむ共が絶叫で答えた。 「おぢびぢゃああああああん!!!」 「りぇいみゅは……わりゅいきょなんだにぇ…… きょんにゃ……きょんにゃこちょ……しゃれるにょは…… わりゅいこちょしちゃんだにぇ…… ごめんなしゃい……ごめんなしゃい……」 「でいぶのあがぢゃああああんんん!!! おにいざあああああんおでがいじばずううううう!!」 「りぇいみゅ……きょわいよ…… おみぇみぇみえなきゅにゃるのいやだよ…… いいきょになりゅかりゃ……しゅききりゃいしにゃいよ…… わがみゃみゃいわにゃいよ……おてちゅだいもしゅりゅよ…… だから……たしゅけちぇ…… おきゃあしゃんたしゅけちぇ………」 泣き咽び、箱の壁にへばりつきながら、 親れいむ共は涙と涎をまき散らし、口々に赤れいむに呼びかける。 「おちびちゃああん!!わるくないのおおおお!! おちびちゃんはわるぐないんだよおおおおお!!! おちびちゃんはどっでもいいごだよおおおおお!! どっでもがわいい、ゆっぐりじだいいご!!! ぜがいでいぢばんゆっぐりじだいいごなのおおおおおおお!!!」 「びゃぎぃいいいいーーーーーーーーーーーっ」 残った右目にも釘を突き立てると、親れいむ達の悲鳴が爆発した。 「おぢびじゃああああああああああああーーーーーーっ!!!!!」 かはっ、かはっ、と荒い息をつく赤れいむ。 必死に呼びかける親の声にやがて答えた。 「おきゃあしゃん……みえにゃい……みえにゃいよ…… りぇいみゅのおみぇみぇ……みえにゃい…… まっきゅら……きょわいよ……きょわいよううう…… おきゃあしゃあああん……どこおおお……」 「ここ!!ここ!!ここにいるよおおおおおお!!! でいぶのがわいいがわいいおぢびじゃああああんん!!」 「びゅうううぐううう!!」 それからは手早く済ませる。 赤れいむの体中に、たちまち二十本の五寸釘が突き立てられた。 あまり刺しすぎると皮が裂けて餡子が漏れ出してしまうからこのあたりが限界だ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「あがっあっ、ゆぐううっおぢびぢゃっゆあああ」 母子ともにひくつき始めた。 次に赤れいむの舌を引っ張り出す。 目一杯引っ張ると、およそ5cmほどに伸びた。 その舌に、また五寸釘を五本ほど突き立てる。 「あぅがああああああ!!!」 赤れいむの何十度目かの絶叫が響く。 五寸釘の重みで、舌はだらりと垂れ下がった。 最後に、蝋燭立てを本来の用途に使う。 赤ゆっくりを貫く鉄の針に、蝋燭を縦に突き立てた。 かなり太い蝋燭で、たっぷり半日は持つだろう。 赤ゆっくりの頭上に立つ蝋燭に火をつける。 蝋が垂れるのを待つ間に、他の八匹の赤ゆっくり共にも同じ処置を行う。 両目を潰し体中を刺し舌を垂れ下がらせる。 親れいむ共のすぐ目の前に、九本のキャンドルが並べられた。 苦痛に染まった赤れいむ共の潰された目が、 恨めしげに親れいむを凝視している。 「ゆわぁぁぁぁ………ゆわぁぁぁぁ……… おぢびぢゃ……おぢびぢゃ………」 「がわいいあがぢゃん………ゆがああぁぁ……」 「いだいいい……いだいよおおおお………」 つい今しがた、腹を痛めて出産した子供たちの有り様を見て、 涙の水たまりに浸かりながら、なおも涙を流し嗚咽する親れいむ共。 感情移入して、刺されてもいないのに痛がる親もいる。 「ゆぎゃあああああ!!」 赤ゆっくりが叫びだした。蝋が垂れはじめたのだ。 釘に刺し貫かれた体中を、熱い蝋が次々に落ちてきては撫でていく。 その度にびくんと身を震わせて絶叫する赤ゆっくり共。 舌を引き出された状態での悲鳴は言語にならない。 「びぃ!!ひぃい!!あいぃいい!!」 「おぢびぢゃあああああああーーーーーっ」 「おにいざああああん!!おにいいざあああああああん!!」 餡子がなくならないかぎり、ゆっくりは死なない。 たとえ赤ゆっくりがここまでされてもだ。 ひとまず蝋がなくなるまで、苦痛に歌い続ける子供を楽しんでもらおう。 俺は部屋を後にした。 「おにいいざあああんまっでえええええええ!!」 「おでがいいいい!!おでがいだがらおぢびぢゃんだぢをおおおおお!!」 「だずげでぐだざあああああい!!だずげでええええええ!!」 「でいぶがみがわりになりばずうううううううう!!!でいぶうううううう」 翌日、俺が部屋に入ると、憎悪と懇願の入り混じった視線が集まってきた。 箱の中のれいむ四匹は一晩中子供たちの前で泣き明かしており、 目は充血ならぬ充餡で黒っぽくなっている。 「おちびちゃん……たすけてください……」 「おねがいします!!おねがいします!!まだいきてるんです!!」 九本のキャンドルを見ていくと、確かにどれも生きていた。 溶けきった蝋にほぼ全身を包まれているが、 慎重に口の部分をこそげ取ってから、 刺さっている釘をこじってやると苦痛に叫びが上がった。 「ぴびぃいい!!」 「おちびちゃああああん!!」 「ここにいるからね!!おかあさんここにいるからねえええ!!」 蝋まみれで火皿に固定されている赤ゆっくり共。 皮が破れて中の餡子が漏れないように助けるには、 全身の蝋をこそぎ取り、慎重に引き抜かなければならない。 面倒なのでもう殺してしまうことにする。 代わりはいくらでもいるのだ。 一匹の赤れいむを掴み、ぶちりと力まかせに引き抜く。 「びぎゃあっ!!」 鋭い悲鳴を上げてびくびくびくと暴れる赤れいむ。 背中側に頭頂から底面にかけて大きな裂け目ができた。 ぼたぼたと餡子を漏らす蝋と釘まみれのそれを、箱の中に投げてよこす。 「ゆあああああああ!!おぢびぢゃああああああ!!」 生みの親らしき子れいむがそれに駆け寄る。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 箱の床に叩きつけられた拍子に、刺さっていた釘が奥深く突き刺さったようだ。 まず中枢餡はぐしゃぐしゃだろう。 「あがぢゃああああん!!ゆっぐりじでいっでね!!ゆっぐりじでいっでね!! おがあざんがべーろべーろじであげるがらねええええ!!」 必死に舌を伸ばして舐めようとするが、 針刺しのように突き刺さった釘と体中を覆う蝋の隙間から覗くわずかな皮膚を、 ぺとぺととつつく程度のことしかできなかった。 「もっちょ……ゆっきゅ…り…しちゃかっ……ちゃ」 ほどなく、赤れいむはこと切れた。 「ゆぎぃいいいいいいいい!!!!」 歯を食いしばり、その子れいむはこちらを睨みつけてきた。 「じね!!じね!!ごみぐずぅうううう!! ごみぐずのぐぜにでいぶのあがぢゃんごろじだなぁあああああ!! あがぢゃんをごろじだぐぞじじいはいまずぐじねええええええ!!」 他の親れいむ共はおろおろしながらその様子を見守っていたが、 やがてキャンドルに突き刺さったわが子を見やりながら懇願してきた。 「ゆゆ、たすけてください!!たすけてください!! さけないようにゆっくりぬいてください!!おねがいします!!」 なるほど、と思い、俺は手早く残りも済ませた。 次々に引きちぎられ叩きつけられ、九匹の赤ゆっくりが息絶える。 赤ゆっくりの断末魔と親れいむの絶叫がセットで響き、 子供をなくした親は、例外なく豹変してこちらに殺意を向けてきた。 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!!」 「ごみぐずぅぅうううう!!ごみぐずぅううううう!!!」 実に明解だ。 母性の強いこのれいむ共は、子供をゆっくり質にとられれば下手に出る。 子供を救うためなら、プライドも捨てるし苦痛も耐えるのだろう。 俺を挑発すれば苦痛を与えられるだろうことは予想できるはずだが、 子供がいなくなった今、自分の危険などなにほどのこともないとばかりに、 ただただ子を殺された怒りをぶつけてきている。 やはり、俺の方針に間違いはないようだ。 改めて確信を得て、小さく満足する。 このれいむ共にはまだまだ苦しんでもらわねば。 俺の子供を殺した代償は、こいつらを何万回殺そうが埋め合わせられるものではない。 だが、精一杯頑張ってはもらおう。 「ざわるな!!ぐぞじじいいい!!」 「よぐもよぐもよぐもあがぢゃんをおおお!!」 暴れまわるれいむ共を掴み出し、再びカートに乗せる。 それからの手順は前回と同じだ。 それぞれ個室の箱に放り込み、美まりさと合わせる。 個室内の様子はカメラで確認できる。 発情させる前に、三十分ほど自由に話させる。 案の定、れいむ共はそれぞれ相手のまりさに、 自分がされた事をあらいざらい話し、慰めを求めた。 同情したまりさは、れいむに寄り添って共に泣いた。 こうした手間をかけるのは、子供への愛情を深めるためだ。 望まぬ交尾によって孕まされた子供に対して、 れいむ種であっても、ゆっくりは愛情を示さないことがままある。 それでは効果がないため、父親とはしっかり情愛を交わしてもらい、 子供への執着を持たせなくてはならない。 頃合いを見て、例によって催淫ガスを流し込み、発情させる。 愛するまりさにすがるように、れいむ共はすぐに交尾を求めた。 情欲に流されるまま、たちまちまりさのぺにぺにが突き立てられる。 終わった頃に、催眠ガス、そして成長促進剤の注入。 すべて前回と同じように行い、れいむ共は再び元の箱に戻された。 観察室かられいむ共の様子を窺う。 やがて起きだしてきたれいむ共は、 自分たちが再びにんっしんっしている事実を思い出し、狼狽した。 「ゆゆっ!?」 「あかちゃんできてるよ!?」 一時は喜びに顔をほころばせるれいむ共だったが、 前回出産した子供にされた仕打ちを思い起こすと、表情が曇った。 「おちびちゃんたちまたころされたくないよ!!」 「ゆっ!!こんどはぜったいにまもろうね!! あのごみくずがおちびちゃんをとろうとしたら、みんなでかみつこうね!!」 「みんなでいちどにきょうりょくすれば、ゆっくりころせるよ!!」 れいむ共は、今度は断固として俺に抗う決意を固めたようだった。 成長促進剤によって早められた結果、 受胎から出産までの時間は、通常の十日から二日にまで短縮されている。 この日はまだ出産予定日ではなく、 れいむ共は膨れた下顎を抱えて、ただじっと過ごしていた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆっゆ~♪ あかちゃんたちゆっくりそだっていってね~♪」 「こんどはしっかりまもって、いいこにそだてようね!」 「いろんなあそびをおしえてあげようね! おにごっこ、かくれんぼ、はやくあかちゃんとあそびたいね!!」 かつてのゆっくりプレイスから、殺風景な部屋に連れ込まれたれいむ共。 なにも楽しみがないこいつらにとって、 ひたすらに子供だけが楽しみらしかった。 その部屋に踏み込む。 とたんにれいむ共が敵意を向けてきた。 「ゆゆっ!!ごみくずはゆっくりしんでいってね!!」 「まだうまれないよ!!うまれてないからとれないよ!! ゆっくりりかいしてね!!ばぁ~か!!」 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 蔑んだ笑みを向けて罵ってくるれいむ共。 俺は箱の壁をまたぎ、箱の中に座り込んだ。 「ゆっくりできないごみくずはゆっくりしないででていってね!!」 「あかちゃんのためにあまあまをもってきてね!!」 「こんどのあかちゃんはわたさないよ!! またどれいにしてあげるから、あかちゃんのうんうんたべていってね!!」 親れいむの頭部を掴んで引き寄せる。 「ゆゆっ!!ゆっくりさわらないでね!!」 顎の表面を撫で、産道を探し当てる。 俺はその産道に指を突き入れた。 「ゆっぎぃいいいいいいい!!!?」 激痛に全身を硬直させる親れいむ。 ひどくきつく締め付けてくるその産道は、 なるほど子ゆっくりサイズのものを通らせるには痛いだろうと想像できた。 お構いなしに二本、三本と指を突き入れていき、 手首全部を突っ込んでこじ開ける。 「ゆぎがあああああ!!ゆぎゃああああがあああああ!!!」 びたんびたんと足を床に打ちつけて悶絶する親れいむ。 「おかああさあああああん!!」 「なにするううううごみくずうううう!!はなせえええええ!!」 「おかあさんをゆっくりさせろおおおおお!!」 周りの子れいむ共が怒りをあらわに叫ぶが、 胎生型にんっしんっをしているゆっくりはほとんど動けない。 何もできずに見ているしかないようだ。 左手首を突っ込んでこじ開けた産道の奥を覗き込む。 奥のほうに、ねばねばした粘液に満たされた一室が見えた。 至極単純な構造だが、これが人間でいう子宮にあたるようだ。 中には未成熟の、しかしおおむね姿は完成された赤ゆっくりが三匹ほど見えた。 赤れいむが二匹、赤まりさが一匹。 「びぎぃいいがああああああがぢゃんみるなあああああがああああ!! ぐぞごみぐずううううううじねええええええゆがあああああああーーーっ」 親れいむが歯茎を剥きだして絶叫する。 俺は腰に下げた道具を右手に持った。 トングだった。 食品を挟み込む道具で、パン屋でパンをはさむ道具としてポピュラーだ。 左手でこじ開けた参道の奥に、トングをねじ込む。 子宮の中に異物を突っ込まれる感触に、親れいむががたがたと震えだす。 「よし」 「ぐがあああああああだにじでるうううううう!!!」 胎児れいむを慎重につまみ、形が崩れないように引きずり出した。 トングの先に挟んだそれを、親れいむの前に突きつけてやる。 「ご出産おめでとう」 「ゆああああああああーーーーーーーーーっ」 ひときわ甲高い絶叫が響いた。 ばたばたと暴れながら喚き散らす親れいむ。 「もどぜもどぜもどぜもどぜいまずぐもどぜええええええーーーーっ!! あがぢゃんがじぬだろおおおおおおお!!!ばがなの!!?じねええええーーーっ」 「どうしようかね」 粘液にまみれた胎児をトングでつまんだままふらふらと揺らしてみせる。 「今すぐ戻せば助かるかもな」 「ごみぐずうううばやぐじろおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!」 喉をびりびりと震わせながら叫んでいる。 ゆっくりにこれほどの声量が出せたとは驚いた。 子れいむ共も喚いているが、やはりやられている当ゆっくりの叫びは段違いだ。 「俺はやっぱりゴミクズなのか。気分悪いな」 「おでがいじばずーーーーーーーーーーっ!! だずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいーっ!!!」 態度豹変も恐ろしく速い。 子供を助けるため、火事場の馬鹿力的に頭の回転が速くなっているようだ。 「れいむ必死すぎwww」とでも言ってやればいいのだろうか。 「ゆがぁあああああああぎがああああああーーーーーーっ」 トングに掴まれて高く差し上げられた胎児を見上げ、暴れ回る親まりさ。 俺はトングの先を開き、胎児れいむを親の元に返してやった。 親れいむの鼻先で、胎児はべちゃりと潰れた。 「ゆっ」 寄り目になり、自分の口の上、 ちょうど鼻にあたる部分であえなく餡子屑になったわが子を見つめ、 親れいむは本日最大の絶叫を轟かせた。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」 すでに文字に変換できるものではない。 涙を滂沱と流して切れ目なく叫び続ける親れいむの産道に、 俺は再び手を突っ込んだ。 「やべでえええええーーーーーーっ!! ぼうでいぶのあがぢゃんどらだいでええええええいいいいーーーっっ」 次は胎児まりさを取り出し、親れいむの目の前で潰す。 全力で床に叩きつけるとほとんど原形を留めずに液状に飛び散った。 「びぃいいいいーーばぁああああーーーーーーーっ」 なんなんだかわからない悲鳴を聞きながら、最後の胎児れいむを取り出す。 再びトングで鼻先に突きつけながら、俺は聞いた。 「戻してやろうか」 「もどじでぐだざいいいいいいい!!」 「戻してやる」 「ああああああじがどうううううううう!! ばやぐ!!ばやぐもどじでえええええええ!!!」 歪んだ笑いを浮かべ、ぐにょぐにょと暴れながら催促する親れいむ。 俺は親れいむの頭部を押さえつけると、 トングを再び親れいむの産道、奥深くまで差し入れた。 「ゆがぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいぐうううううう!!!」 凄まじい痛みのようだ。 人間で例えるには、男の俺にはどう言えばいいのかわからないが、 肛門にビール瓶を根元まで突っ込まれるようなものなのだろうか。 その苦痛を乗り越えてでも戻してほしがるとは、 期待した以上の母性愛だ。 その愛に応え、子宮内部をトングで引っかき回してやる。 「ゆっがばああああああーーーーーーーーだいいいーーーーーーーーっ!!!」 ぐじゅぐじゅとかき回し出し入れし、内部で開閉する。 当然、中の胎児れいむはぐじゃぐじゃに潰れた。 トングを引き抜くと、親れいむは子供のようにひくついて泣きじゃくった。 「あがあああ……あああああああ……ばがああああああ……うっぐ…… あだぢゃん………ゆっぐりじでだどにいいいい…… びぐっ……えぐっ……ひぃいいいいい………あうっううううぐ……ゆっぐ……」 俺を罵る気力も残っていないようだ。 床にうつ伏せに突っ伏して泣く親れいむの下から、涙の川が流れ出す。 「おがああざあああああん……」 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!」 めいめいに呻き、叫ぶ子れいむ。 さて、子れいむ相手にはトングは少々大きすぎる。 こいつらにはスプーンを使う。 「ゆびぃいいいいい……ゆびぃいいいいい……」 「あがぢゃん……あがぢゃん……あがぢゃああああ……」 「でいぶど……でいぶどばでぃざの……あいのげっじょうがああああ……」 「じねえええ……でいぶのあがぢゃんごろじだなああああ……」 れいむ共全員が胎児を掻きだされて殺され、 箱の底にはびちゃびちゃに潰れた餡子が四散している。 今回は多めで、計十一匹だった。 床に伏して泣きじゃくっているれいむ共を、 また一匹ずつ引きずり出してカートに乗せる。 「いやだぁああああ……いやぁああああ……」 「もうにんっしんっしたくないぃぃぃ……」 さすがに自分たちがされている事が掴めてきたようで、力なく抗うれいむ共だったが、 再びまりさに引き合わせられ催淫ガスを嗅がされるとあえなく交尾をはじめた。 後編へ
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ゆっくりしないでね!3 テストようやく終わりました;w; 駄文でよければ見てください。;w; 男は唖然としてた。あのゆっくり一家全員に地獄をみせるつもりだった。しかし地獄を見せる前にれいむと実ゆっくりは逃げてしまった。 自分の家は木々が生い茂る山に接しており、あのゆっくりは恐らくこの山に逃げただろう。 木々の生い茂る場所に逃げたゆっくりを探すことはとても大変だ。 すぐにカツオ(犬)を使い追跡しようと考えた たまらなく悔しかった。ゆっくりごときに踊らされたことが。自分のエゴをゆっくりごときに通せなかったことが。 あの逃げれたゆっくり一家はこれからどこかでゆっくりし、無駄な生を謳歌すると思うとくやしさで気が触れそうだった。 足をみるとまりさが脛のあたりを必死に残った歯で噛みついていた。 かなり痛い。噛まれた部分は見えないが血が滲んでいるだろう 「糞饅頭・・・・・お前には・・・・生きてきたことを後悔させてやるからな・・絶対に」 男は忌々しそうに呟くと噛みつかれながら部屋の隅においてある蠅叩きを手に取る そしてそれを全力で振るう パァン!!! 「ゆびゃあ!!!!」 まりさはゆん生の中で一度も感じたことのない異質な痛みにたまらず悲鳴を上げる その拍子に男の脛から口を放してしまう 「ゆびゃあああああああああ!!!いだいいいいいいいいいいいいいい!!!」 まりさは男の周りでのたうち回っていた。まりさの肌は脂汗を分泌し始め、徐々にとヌメりを帯びてくる。 ゆっくりの肌は人間の肌よりも痛みに対して敏感だという報告もある。 激しく痛がるまりさを見ても一切の慈悲を見せずに、男は何度も蠅叩きでまりさを叩く。 パァン!!「ゆびゃあ!!!」パァン!!「いじゃい!!!」パァン!!「やめじぇ!!!」パァン!!「ぐぎゅ!!?」 まりさの肌に蠅叩きの網目が無数に付き、全身が赤く腫れあがるころにはまりさ餡子をブクブクと吐き出しながら痙攣していた。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ「パァン!!」ゆ゛っ!!?」 痙攣していてもなお叩く男。その手は止まらない。まりさの反応はだんだんと小さくなってゆく。 日が高く昇りかけた頃になり、叩くだけ叩いて疲れたのか男は手を止める。 「ハァ・・ハァ・・・糞・・肩と腕がいてえ・・・わかってると思うんだ・・・」 ちらりとまりさをみると、ヌメりきった全身に網目模様が付き餡子の色が滲んでいる。所々小さくではあるがまりさの肌は破け液状餡子が流れ痛々しい。 痙攣し、気絶してるまりさを見てめんどくさそうな顔をした後 男は小麦粉を水で溶き、それをハケでまりさの全身を塗りたくり、傷の補修をする。 「このまま死んだら楽だからな。お前らはもっと生き地獄を味わうべきだ ・・・・・・・・わかってると思うんだ(ボソッ)」 満身創痍のまりさを先ほどまで入れていた透明のケースに放り投げるように入れ、蓋を閉める。 「くそ・・・あの逃げた赤饅頭を追わないとゆっくりしちまう・・・・」 そう、男はまりさを叩くことに夢中になりすぎてれいむを追うことを忘れてしまった。そのことを後悔する男。 「クソッ!・・・・・・明日は仕事なかったら今からでも探しに行けるんだが・・・・・・・・」 男は明日から10日ほど連続で仕事をする予定になっている。仕事内容は農家の土地に出没するゆっくり駆除などである。 れいむを追って地獄を見せたいところだが明日の仕事を休むわけにはいかない。 それに農家のゆっくり駆除はそれなりに肉体労働であるため明日に疲れを残すわけにはいかないと考えていた。 「くっそ・・・絶対見つけ出して地獄を見せてやるからな・・・」 れいむは運がよかった。逃げている間に捕食者やゆっくりに仇なす動物などに出くわさなかったのである。 さらに幸運なことに倒れるまで逃げ続けた結果、その付近の群れの一員に倒れているところを発見され群れによって保護されていた。 れいむが男のところから逃げ出してから丁度3日。 れいむは保護された先で、夢を見ていた。 れいむの寝ている場所には藁や羽毛が敷き詰められており、とても気持ちよさそうであったがれいむはひどくうなされている。 夢の中、れいむは朽ちた木の洞に作ったおうちの中で、子ゆっくりに成りかけの我が子と最愛の夫であるまりさを探す。 「ゆぅ・・・れいむのかわいいおちびちゃん・・・ゆっくりしていってね・・・どこにいるかおしえてね」 れいむは意識していないが、現実世界で無いそこは雑音が一切入ってこない、まさに無音の世界であった。 「ゆぅ・・どこにいるの!おかーさん怒るよ?ゆっくりしないで出てきてね」 何の返事も返ってこない事にれいむの表情は焦燥の色がでてくる。 「ゆぅ・・・スーー(息を吸う音) ゆっくりしていってね!!!!」 全力でゆっくりしていってねを言う。しかし返事はどこからも聞こえない。 れいむの顔は泣きそうであった。 洞の中を探すのはやめて外へ出ようとした時、洞の中から何やら気配を感じた。振り返ると子れいむ2匹と子まりさ2匹が洞の中で座っていた 「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」」」」 元気よくゆっくりしていってねをする子ゆっくり達 「ゆっ!ゆっくりしていってね!!どこにってたのおちびちゃん?あまり心配させないでね!ぷんぷん!!」 子ゆっくりたちはそう言う母れいむの顔を見ると、笑顔でれいむの側までやってきてす〜りす〜りした。 「おきゃーさんだーいしゅきー」「ゆっゆ〜♪」「おきゃーしゃんのほっぺゆっくちゆっくち」「しゅりしゅり〜」 子ゆっくりたちは一斉に甘えだす。れいむは「ゆっ くすぐったいよおちびちゃん♪すーりすーり」 れいむの顔は先ほどと違ってとても幸せそうな顔をしている。 「とってもゆっくりできるおちびちゃんたちだね!ゆっくりし「「「「ゆぎゃあああああああああああああああ あああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」ゆゆ!!!びっくりしたよ!!」 子ゆっくりたちは一斉に苦しみ始めた。餡子を吐き出し、その丸い身体をグネグネと捩りながら苦しみ出す。 「「いじゃいよ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙ぎゃあ゙あ゙じゃあ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!!!たじゅげじぇええ」」 子ゆっくり達の身体が分泌された脂汗にぬらぬらとてかり、髪の毛が一斉に抜け始め、まむまむに相当する場所が黒く炭化し始めてきた。 「おちびちゃんだぢどぼじだの゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!?まりざあ!!?まりざあ!助けてよ!!おちびちゃんたちが!!」 悲鳴を上げた後れいむは最愛の夫であるまりさに助けを求めるがまりさはどこにも現れない。 子ゆっくりたちは全身が薄く焦げ、変わり果てた姿となり、プルプルと震えているだけの丸い物体となっている。 「まりざああああ!!!おちびちゃんたぢがああああああああああ!!!!ゆっ!!」 れいむは洞に差し込む光が急に少なくなったことに驚き、洞の内側から外をみるとそこには 笑う人間さんと・・・見るからに強そうな犬さんが・・そして生気の抜け、目の焦点が合っていない最愛のまりさが・・・洞の前に差し込む光をさえぎる形で立っていた。 絶望感がれいむを襲う。 「おちびちゃんにげてえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」 れいむは夢から覚めた。全身に寝汗がびっしょりとついていた。未だ気分が悪い。 仰向けのままあたりを見回す。どうやら土に掘ってある洞の中らしい。ゆっくりにしては大きい洞でとても住みやすそうであった。 「気づいたのねれいむ。外傷らしいところは無さそうだし、ただの疲労でしょう。安心していいわよ、むきゅ。」 洞の奥から発せられた声。仰向けに寝かされていた身体をグネグネと捩りながら起こし声の主を探す。 そこにはぱちゅりーが居た。れいむよりも二回りほど大きい。おそらく長生きした個体なのであろう。 そして地面を見てみるとれいむの下にはおふとんさんがひいてあった。 それはれいむの尋常ではない量の寝汗により湿り気を帯び縮みきっている。 「ゆぅ・・ここは・・」 「ここはドスが率いる群れの巣の一つよ。あなたは群れの近くで倒れてたのを発見されてここまでもってきたのよ、むきゅ。」 「ゆぅ・・・介抱してくれてどうもありがとうね・・・」 「どういたしまして。むきゅん。でもお礼ならドスと運んできてくれたゆっくりに言ってね、むきゅん。」 れいむは何かを思い出したようにハッする仕草をしたあと、周りをキョロキョロと見始めた。 「ねえぱちゅりー。おちびちゃんたち見なかった?」 「あの飾りのない子たちの事ね?あの子たちなら今は群れのれいむが世話をしてるわ。安心してね。今連れてくるわね。むきゅん。 待っている間にこれ食べておいてね。子持ちなんだから遠慮しないでね、むきゅん。」 そういうとぱちゅりーはバインバインと跳ねながら洞の外へいってしまった。 ぱちゅりーの子持ちという言葉にはっとするれいむ。上を向いてみると茎があり、それにはたった一つ、実ゆっくり(れいむ種)が付いていた。 れいむは他の実ゆっくりが人間さんにゆっくり出来ないことをされて潰れたのを「ゆ゙ぅ゙」と言って思い出す。 寝ている間あまり食べてなかったせいで実ゆっくりは頬がコケて、かなり痩せ細っていた。 その表情は実ゆっくり特優のうっすら笑顔を浮かべている寝顔ではなく、何かに苦しんでいるようなそんな表情であった。 「ゆゔ?!おちびちゃん!!ゆっくりしていってね!?今ごはんむーしゃむーしゃするからねっ!」 れいむはぱちゅりーが食べてといった食べ物を急いで口にする。 「むーしゃむーしゃ・・・・・し・・し・・しあわせーーーー!!!?」 長い間食べ物を口にしていない、空腹による美味しかったというだけではない。どれもれいむにとってそれ自体がごちそうであった。 干し野イチゴや干しイチジク、木の実さんに芋虫や虫さんや野菜さん。どれもとてもゆっくりできた。 バクバクバクと普段ならばれいむ一匹ではとても食べ切れない量をすぐに完食してしまった。 「ゆふー とってもおいしかったよ!」 実れいむを見上げてみると先ほどまでの苦しそうな寝顔は無くなり、とても安らかな顔つきになっている。 そしてゆっくりではあるが、目に見える速度でゆっくりと膨らんでゆく。栄養(餡子)行き渡っているのだろう。それを見てれいむはゆっくりできた。 「待たせたわねれいむ」 ぱちゅりーがれいむのところに戻ってきた。その後ろにはれいむが二匹おり、 その二匹は大きな葉っぱを口を使って担架のようにし、子ゆっくり(作者には判別不能であるがその内訳はれいむ種1まりさ種1)二匹を運んできた。 二匹の子ゆっくりは、未だ寝たきりであり、黒く炭化したまむまむと髪の毛の状態(ハゲ)はそのままであった。 しかし、全身焼けただれ、黒っぽくなっていた肌は少しだがゆっくり本来の肌色を取り戻していた。 「ゆうっ!おちびちゃんたち!!ゆっくりしていってね!!!」 といい、れいむは二匹の子ゆっくりにすーりすーりをする。 とするとどうだろう。子ゆっくりたちの肌はまだカサついてはいるが、元のフニっとし、すべすべな肌を若干ではあるが取り戻していた。 「おきゃーしゃん!ゆっくちしていっちぇにぇ!!まりしゃはもうだいじょうぶだよ!ここの群れはとってもゆっくちしてりゅよ!」 あれだけの怪我を負い、元気が無くしていたまりさが元気を取り戻したことに驚くれいむ。 「れいみゅのごはんも用意してくれてとってもゆっくちできたよ。しあわせ〜だったよ。ゆんゆん。」 「むきゅん 子ゆっくりたちの状態が酷かったから秘伝のお薬をつかったのよ 大分よくなったみたいね。むきゅん。 まだ完治はしてないけど栄養のあるものを食べさせていればもっとよくなるわ。」 「この辺りはドスの管理もあって、とっても食料が豊富で、えいよーのあるものがたくさんあるからゆっくりできるよ」 と運んできたれいむが言う。 母れいむは子ゆっくりたちを見ると若干前よりも大きくなり、そしてぷっくりとしていると感じた。全身火傷で失った肌の艶も少しではあるが出てきている。 完治も夢じゃないかもしれない。えいよーのあるゆっくりしたものを食べさせてもらったんだなあと思う。 どうやらこの群れは見ず知らずのれいむたちにとてもとても手厚い介抱をしてくれたようだとれいむは理解した。 人間にあれだけ酷いことをされ、傷つき落ち込んでいた心に親切にされたという事実が浸みわたりれいむは涙が自然と出てきた。 「ゆゅゅ・・・ありがとおぉぉ・・ほんとにありがとね・・れいむ うれしいよ とってもゆっくりできるよ・・・」 この暖かい気持ち 「ゆっくり」だ。それを感じながられいむは「ゆんゆん」と泣き始めた。 「むきゅん。別に当たり前の事をしただけよ。困った時はお互いさまでしょう?」 照れながら言うぱちゅりー。 そんなぱちゅりーを見ながられいむは子ゆっくりに聞こえないようにそっとある質問をする。 「ねえぱちゅりー・・・髪と・・・その・・まむまむは治るかな・・」 「むきゅう・・・髪は時間がかかるでしょうが治ると思うわ。むきゅん。 でも・・まむまむはむきゅん、正直に言うわ。 治らないわ・・・肌と違って、秘伝のお薬を使っても、まむまむは手の施しようがなかったのよ。ごめんなさいね・・・むきゅう・・」 ぱちゅりーはそう言って少し残念そうにうつむいた。 「そっか・・・ごべんでぇ・・おちびちゃん・・・・・守ってあげられなくて・・・ゆ・・ゆぅ・・・・ゆえええええええん」 またれいむは泣き始めた。もうおちびちゃんたちは胎生出産をすることができなくなってしまった。まだ蔦を使ってでの出産は可能ではあるが、 我が子の不憫さにどうしても涙が出てきてしまう。 「お取り込み中のところちょっといいかな?」 ゆぅゆぅ泣いているところに、の太い声が聞こえた。 どうやら洞の外から発せられた声のようだ。声の主を確認するためにれいむは洞から顔を出す。 そこには洞には到底入りきらないようなサイズのまりさ・・・ドスがいた。3メートル近くはあるだろうか。羆もびっくりなサイズである。 穏やかな顔とは裏腹に身体中には歴戦のものと思われる傷跡が無数にあった。 「ゆぅ!ドスだね れいむたちを助けてくれてありがとね とても感謝してるよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね、れいむ。ここは人間さんから貸してもらったドスたちのゆっくりぷれいすだよ。群れのみんなから聞いたけど大変な目に遭ったんだってね。 れいむさえよければ子供たちの傷が治るまで居ていいからね。」 れいむの顔がパァっと明るくなる。ここはなんてゆっくりしたところだろうかとれいむは思う。 「ありがとうドス。子どもたちもとってもゆっくりできてるよ。ドスのおかげだよ」 「どういたしましてだよ、れいむ。ところであの子ゆっくりたちの傷って、やったの人間さんでしょ?」 突然今回の悲劇の核心を突く言葉に顔を硬直させるれいむ。 「でい゙ぶだぢばな゙に゙も゙じでな゙い゙の゙に゙・・・・・・い゙ぎな゙り゙人間ざん゙が・・・ゆ゙ぅぅぅ・・・酷い゙ごどを゙・・・ゆぅぅぅぅ・・」 いきなり泣き出し、嗚咽を漏らすれいむ。 「やっぱりそうなんだね。でも安心してね。ここは人間さんとの協定があるからゆっくりできるよ。ゆっくりしていってね!」 この群れは人間と協定を結んでいた。ドスはそれをれいむに説明した。 おおまかな協定内容はこうだ。 1 ゆっくりたちはマツタケやイワタケなど人間にとって高価な山の幸を広範囲にわたって探し、人間がやるように綺麗に収穫し、それを人間に献上する。 または、ゆっくりが狩れない高価な食材の位置を人間に伝えたり、綺麗な石(宝石の類)なども見つけたらそれも献上する。 2 献上する際、ドスは人間たちに群れの繁殖状況等を報告する。 3 人間は献上されている限りゆっくりを殺さない。そして人間は集落で捕まえた虫や出来そこないの野菜や野菜くず、普段食べないような木の実などを適当に渡す。 4 一つの番が子供を産むのは生涯をかけて3匹まで。それを守れないゆっくりは群れによって永遠にゆっくりさせられるか追放である。 ただし何かしらの理由で成ゆっくりになれなかった場合や災害で群れの総数が著しく減った場合にはそれは適用されない。 5 人間側が増えすぎだと判断した場合、群れでそのゆっくりを処理するか、この村の人間の縄張りの外まで連れていくか人間に渡すかのどちらかを選んでもらう。 6 人間と争いは絶対に起こしてはならない。それはこの村の人間に限ったことではない。 7 この辺りの土地は人間さんのものである。よって、ゆっくりは人間さんの慈悲でこの土地に住まわせてもらっているだけであって、 ゆっくりはこの土地がゆっくりのものであるということをいかなる場合においても主張することはできない。 8 条約が守られない場合ゆっくりはこの土地から出ていくか、永遠にゆっくりすることを選んでもらう。 などと、ゆん口調節までさせられているかなり不平等な協定内容ではあったが、守っている限りここのゆっくり達の生活は安寧としたものであった。 そして追加情報は、この付近の人間さんはここ以外の人間さんよりも気性が荒くなく、ゆっくりできるらしい。 そして、冬籠りの際の食糧援助などもしてもらえるらしい。 「ゆう?・・そうなんだ・・じゃあ、ゆっくりドスの気持ちに甘えさせてもらうね」 「ゆ!そうしてね。この群れにはまだまだ余裕があるからゆっくりしていってね。」 そう言い残しドスは自分の巣へ帰って行ってしまった。 「むきゅ れいむは今日から子供達が治るまでここに住めばいいと思うわ。丁度だれも住んでなかったから」 「ゆ!ありがとうぱちゅりー。そうさせてもらうね。」 「それじゃあわたしは自分のおうちにかえるわね。ゆっくりしていってねれいむ。おちびちゃんたち。」 「「「ゆっくりしていってね(ゆっきゅりしていっちぇにぇ)」」」 ぱちゅりーが出て行って、れいむと子ゆっくり二匹になったれいむ一家。 「おきゃーしゃん ゆっくちゆっくち」 子ゆっくりたちが母れいむに甘えてくる。れいむはそれをすりすりで返した。 (れいむたちはこれからゆっくりできる。でも・・でも・・まりさが心配だよ。きっとまだ生きてるよね!れいむ心配だよ。 おちびちゃんたちがもう少し大きくなったら探しに行くよ!だからまりさ・・絶対生きててね!) 頭に生えている実ゆっくりを見つめる。もうすぐ生まれるだろうと本能的にれいむは感じ取った。 「ゆぅ・・れいむのおちびちゃん・・安心してゆっくり生まれてね・・絶対れいむが守ってあげるからね・・・」 れいむはそう心に誓う。 それからのれいむ一家の生活はとてもゆっくりしたものであった。 子ゆっくりたちは成長し、野球ボールサイズからソフトボールサイズとなり、赤ちゃん言葉が抜け、そして肌は昔のように柔らかさとハリを取り戻していた。 子ゆっくりたちは寝た切りの状態から赤ゆっくりと同じくらいの運動量をこなせるくらい回復していた。 頭からはまばらではあるが、うっすらと髪の毛が生え始め、その色の違いによりれいむかまりさかを見分けることができる。 そして新たに生まれた赤ちゃんゆっくり。蔦に成っていた実ゆっくりの最後の生き残りである赤れいむは元気に生まれ、今は帽子のない姉たちと元気に遊んでいる。 その赤れいむはいまや家族のアイドル的存在である。れいむは赤れいむを見るたびにこのおちびちゃんをまりさに見せてあげたいと思うのであった。 「おちびちゃんゆっくりしていってね!」 「おねーちゃんゆっくちゆっくち」 「おちびちゃんたち!ゆっくりしてるね!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくり(ち)していってね(にぇ)!」 子供たちは赤ゆっくりと鬼ごっこをしたり、ゆっくりごっこをしたりでとても生き生きとしていた。 「ふわあああああ〜〜〜むにゃむにゃ・・・れーみゅもうちゅかれちゃよ・・・ゆっきゅりおひるねしちゃいよ」 「ゆっ!そうだねおちびちゃん。おねーちゃんたちと一緒にお昼寝しようね!」 そういって昼寝を始める子供達。母れいむはそれを見ながらゆっくりした気分に包まれていた。 今の家族はすべてこの赤れいむが中心に回っていると言っても過言ではない。赤れいむは一家にとってはとっても愛らしく、可愛く、まるで天使のようであった。 それから子供達を起こさないようにそっと巣(仮)を出て、昼寝から覚めた後のおやつとなるものを探しに回る。 まりさのことは心配だ。しかし、今は子供達を自分の力で生きられるようにすることが先だろう。まずはえいよーのあるものをしっかり食べて成長することが第一。 れいむはそれがまりさの願いでもあると考える。 「ゆふふふふ・・おちびちゃんたち喜んでくれるかな・・」 れいむはやわらかい花を口にくわえ巣へ戻る。 巣では子ゆっくり達と赤れいむが仲良く寄り添い、ゆーゆーと言いながら寝ていた。 「ゆっくりしたおちびちゃんたちだね!れいむうれしいよ。」 れいむは子供達が起きないように静かに巣に入ったが、赤れいむはその気配に気づき目が覚めた。 「ゆぅ〜おきゃーしゃん ゆっくちおはよう!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!おちびちゃんたち!おやつもってきたよ!」 「ゆわーい」 「おやつおやつー」 「ゆっくち、ゆっくち」 子ゆっくりは花にかぶりつく。うっすらと甘い味、フローラルな香りがとてもゆっくりさせてくれる 「「むーしゃむーしゃ ゆゆ〜しあわせ〜」」 赤れいむには母れいむが噛みほぐしたものを口うつしで与えてやる。 「ゆー しあわしぇー!」 親ゆっくりも子ゆっくりも赤れいむもそこでの生活は何もかもがゆっくりできた。ずっとここにいたい。ここには「ゆっくり」がある。 だがそんなゆっくりした生活はもう終わる。 なぜなら人間が連日の仕事を終え、一家を探し始めたからである。 「ちっ、この付近にはあの糞饅頭いないっぽいな」 男は忌々しげに舌うちをし、足元に転がっている成体のゆっくりまりさを蹴り飛ばす。 ズン!!「ゆげぇ!!」 蹴られたまりさは10メートルほど先に落下した。 「まりさああああああああ!!!」 「おとおおおしゃああああああん!!」 それを見ていたれいむと子ゆっくりたちは声を上げる。 男はあのまりさの妻であるれいむとその子供達を探しに森まできていた。 その際ゆっくりを見つけては禿げた子ゆっくり二匹を連れたれいむは知らないかと聞きまわった。 知らないと答えたゆっくりはみな適度に重傷を負わされ、まむまむを割かれ、目を潰され、舌を引き抜かれた。男は子供も大人も区別なく平等にそれを行った。 今この男によって新たに捕えられた一家が男の尋問を受けている。 一家がおさんぽ(笑)中に歌を歌いながら歩いていたのを男に発見されたのだ。 一家の構成は親れいむ、親まりさ、子れいむ×3 子まりさ×2であった。 ゆっくり一家は一切拘束は受けていないが、逃げたら犬に食い殺されることを知っている。 なぜなら、この一家の親達は子供だけでも逃がそうとした。その際一番早く逃げようとした子まりさに向かって、ゆっくりでは一生かかっても出せない 速度でカツオが飛びかかり、食い殺したのであった。次にその妹であるれいむを食い殺した。 まだ子供は3匹残ってはいるが、犬による圧力で、一家全員金縛りにかかりそこから動くことができない。 「なあれいむ・・お前は知らないのか?正直に答えてくれたら助けてやるぞ。その苦しみから解放させてやる」 「ゆ・・・ゆゆゆゆゆ・・・しらないよ・・・・ほんとうに知らないよ・・・おちびちゃんだけでも逃がしてほしいよ・・・・」 泣きながらガタガタと震えれいむは男に懇願する。 「そうか知らないのか。ならこんな舌はいらないよね。こんなまむまむはいらないよね。こんな目はいらないよね」 そう言うと男は子れいむを持ち上げる 「ゆっくりやめてね!おちびちゃんを放してね!」 男はそれを無視し、子れいむに手を伸ばす。 恐怖を感じた子れいむは親に助けを求める。必死に。 「おぎゃーしゃーんたすけてえええええええええ「ブスリ」ぴぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!?」 人差し指を子れいむのまむまむに深く突き立てる。子れいむの全身から謎の液体が大量に分泌されぬるぬるぬめぬめしてくる。 「だいじょうぶだって!こんなのすぐ終わるんだから」 突き立てた指をぐりぐりと回し、その穴を広げ、その広がったスペースに中指も入れる。その際子れいむのまむまむは裂けた。 「いぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 指を引き抜き、手をチョキの形にし、両目に指を突き立てる。 「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 「やめてええええええええええええええええええええええ!!!!?おちびちゃああああああああああああああああん!!!??しっかりしてえええええ!!!?」 「れいむおねえちゃああああああああああああああん!!!?」 指を抜いても未だ悲鳴を上げ、大きな口をあけている子れいむ。男はその大きく開けられた口に、手を無理やりその口に入りきれない手を突っ込む。 その際、口の端がぶちぶちと音を立てて裂ける。 「ゆぐぐぐっぐぐっぐうぐぐ!!!??」 たまらずさらに悲鳴を上げる子れいむ。男はその悲鳴を無視し、ぬるぬるした舌を全力で掴み一気に引き抜いた。 ブツッ!!! 「!!!!!!!????????????!!!!!!!!?????」 悲鳴は消えた。代わりに物凄い形相をしてしーしーとうんうんを撒き散らしながら、ビッタンビッタンと跳ねまわる子れいむが居た。 子れいむの周りには無理やり手を突っ込まれた事により折れたり抜けたりした歯がいくつも転がっていた。 「おちびちゃああああああああああああああああん!!!?」 今度は子まりさに同じことをしようと手を伸ばした瞬間 「やめてね!!!!!」 先ほど蹴り飛ばした親まりさが叫んだ。 「まりさ達は知らないけど、この森をあの山に向かってずっと行ったところにドスのいる群れがあるよ・・・そこなら誰かそのれいむの居場所知ってるかもしれないよ・・・ まりさ達はしらないよ・・・お願いだよ人間さん・・もう酷いことしないで・・・まりさ達を見逃してほしいよ・・・・・」 まるい身体をクニって曲げている。本人は土下座のつもりだ。 (ふむ・・・どうやらこの一家は何も知らないみたいだな・・・このままこいつらを尋問を続けるのは時間の無駄か。 ドスの群れまで行って適当に捕まえた奴を尋問したほうがいいかもしれないな) 「わかった。尋問はもうやめてやる。俺も忙しいしな。情報を提供してくれた礼だ。楽に死なせてやる・・」 「ゆへ?」 男はまりさのところまで全力で助走をつけ、渾身の力を込めて蹴りあげた。 ドグシャッ!!「ゆべっ」 まりさは鈍い音を立てて、餡子を飛び散らせながら勢いよく木に激突し爆ぜた。 「ゆ・・・・?まりさ・・・?」 「おとうさん・・・?」 「ゆっくり・・・ゆっくり返事してね・・・?」 現状を把握しきれていないゆっくり一家。 「カツオ。食ってもいいぞ」 把握する間もなく死なせてあげようとするのは男の情報をくれたゆっくりに対する僅かな慈悲でもあった。 カツオがその言葉が発せられた途端、爆発するような速度で親れいむとの間を縮め、食らいつき、右側頭部を食い千切る。 「ゆぎゅ!!?」 側頭部の皮を飲み込んだ後、餡子をひたすらガフッガフッと音を立てながら貪るカツオ。 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!まりざあああああああああたずげでええええええええ!!!?」 「おきゃあああああああしゃああああああん!!!?」 「ゆっくりしてええええええ!!!」 恐怖と痛みにより甘みを増した餡子を美味しそうに貪るカツオ。れいむの反応が段々と小さくなり 「ゆゆゆゆ・・・ああああああああああああ・・・ああ・・・お・・・・ち・・・・・・・に・・・・・げ・・・」 餡子を食い漁られまともに言葉を発することができないれいむ。 そのれいむが最後に見たものは、 愛する「おちびちゃん」が一匹残らず脳天から男の足に踏み抜かれ、 目やあにゃる、ゆっくりの身体の所々から命の素である餡子を盛大に噴出し、 そのあまりにも短い生涯を終える光景であった。 次 選択肢 投票 しあわせー! 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『Stray 2 ~嫉妬と決意~』 34KB 観察 不運 日常模様 都会 現代 2話 かすがあきです。 注意 anko4465 Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~ の続きです。 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 死なない ゆっくりがいます。 Stray 2 ~嫉妬と決意~ 両親が死んだ翌日、れいむはいつもと同じで掃除をしている。 「ゆぅ…………きょうも ごみさんが いっぱいだよ………」 れいむが暮らす公園は駅と繁華街と住宅街が隣り合っているため、ゴミが多い。 特に夏場は食べ歩きで容器類が不法投棄されたり、花火のなどでゴミが多い。 れいむは暑さを我慢しながら、汚い舌でゴミをゴミ袋へ入れていく。 「ゆ!…………ゆぅ………まただよ……」 掃除をしている れいむの顔が暗くなる。 れいむの視線の先には、所々焦げた小さな饅頭が4つと、黒いとんがり帽子を被った、やはり焦げた大きな饅頭が1つ。 その側で、汚いリボンをつけた大きな饅頭があった。 「この おかざりさんは はじめてみるから むれの ゆっくりじゃないね。」 れいむの言う通り、この饅頭たちは群れに所属していない ゆっくりの遺体である。 「ゆっくりごめんね。」 れいむはそう呟いてから赤ゆの遺体を咥え、ゴミ袋にいれる。 そして、所々黒く焦げている まりさの遺体に歯をあて、小さく千切っていく。 成体ゆっくりの遺体をそのままゴミ袋にいれるの事はゆっくりの力ではできないからだ。 「……ゆっぷ……こげてても……やっぱり くさいよ…… ゆっくりできないけど、がまんだよ………ごめんね、まりさ…… おぼうしも いっしょに すてさせて もらうよ……」 見ず知らずの ゆっくりとはいえ、同族の遺体を噛み千切る事は辛い。 れいむは押し寄せる吐き気と戦いながら、掃除を続ける。 ------ 昨晩、れいむがダンボール箱の中で泣きつかれ眠っている頃、 公園の中心部では若者2人が花火で遊んでいた。 - ッヒューー………ッドーーン!! 「ゆわぁ~~。とっちぇも きりぇーなのじぇ……」×2 「ほんっちょうだね!まるで れいみゅ みちゃいだよ!」×2 「ゆぷぷ。ほんっとうだね、おちびちゃんたち。とっても ゆっくりできるね。」 始めて見る花火に赤ゆっくり4匹(姉れいむ・姉まりさ・妹まりさ・妹れいむ)と れいむが喜ぶ。 笑顔の家族を見て、まりさが ゆっくりとした気持ちになる。 「よかったのぜ。みんなが どれいの もてなしに よろこんでいるのぜ。 これも すべて まりさが さいっきょう だからに ちがいないのぜ! くそにんげんを どれいに できて さいっこうに きぶんが いいのぜ! ゆ!さいっきょうの まりさは ごはんさんを むーしゃむーしゃするのぜ! むーしゃむーしゃ……っしあわっせー!!」 「ゆ!まりさだけ ずるいよ!れいむも もっともっと むーしゃむーしゃするよ!」 「まりちゃ(れいみゅ)もするーー!!」×4 一家は透明な箱の中で駄菓子を食べてより幸せになる。 『ははは、見ろよコイツ等。幸せそうな顔してるぜ?』 缶ビール片手に青年が笑いながら言う。 『いいじゃない。最後の晩餐なんだから。 安くい菓子だけど、生ゴミよりはご馳走でしょうし。』 女性が青年から缶を奪い取りながら言い、ビールを一口飲む。 『まっずーい。やっぱりビールは私の口にあわないわ。』 『リキュールも買ってあるからそっちを飲めばいいのに。 よし、ロケットは終わったから そろそろ手持ち花火にするか。』 「おそらとんでりゅみちゃい!!」 ロケット花火がなくなったのを確認した青年が姉れいむを持ち上げながら言う。 「おねーちゃんずるいのじぇ!!」×2 「れいみゅも!れいみゅも!!」 浮遊感を楽しむ姉れいむを見て、残りの赤ゆっくりたちが自分にもしろと騒ぐ。 「ゆぷぷ。おちびちゃんたち、だいじょうぶだよ。 おとーさんに めいっれいしてもらって たかいたかいを たのしもーね。」 「ゆっくりまかせるのぜ。おい!どれい!! ほかの おちびたちにも たかいたかいを するのぜ!! さっさと しないと この せいっきょうの まりささまが せいっさいするのぜ? ゆあぁ~?きいてるのかぜ?」 まりさが勝ち誇った顔で言う。 この一家、裏路地でゴミ漁りをしながら生活をしていた野良一家である。 ゴミ漁りをして生きている野良ゆっくりは人間との力関係を理解し、卑屈な個体が多い。 しかし、餡子脳のため、 親がどれだけ人間の脅威を教えても理解できずに人間にケンカを売り、殺される子ゆっくりも大量にいる。 が、中には運だけで生き残り、成体まで成長するバカもいる。 まりさと れいむは運だけで生き残り、結婚し、子供までつくった個体である。 子供が生まれ、立派な家が必要→人間の家でお家宣言をしようという発想から、 夕方、虐待派の青年の家(公園の近所にある学生向けアパート)でお家宣言をした愚かな個体である。 人間の家で、それも虐待派の人間の家で お家宣言をしたのだ、もはやこの ゆっくりたちに命はない。 姉れいむは透明な箱(ビックサイズ)に入れられる。 「ゆ!もっちょ れいみゅは おそらを とびたいよ! さっさとしてね!すぐで いいよ!!」 地面に下ろされたことが不満な姉れいむが青年に向かって叫ぶ。 『ねぇ、れいむ。れいむってさ、花火好き?』 リキュールが入った缶を片手に女性が尋ねる。 「ゆ?はなびしゃん?すきだよ!はなびしゃんは とっちぇも きりぇーなんだよ! まるで れいみゅ みたいに きりぇーで れいみゅ、はなびしゃんが だいっすきだよ!」 『そっか。それじゃぁ、れいむに花火を見せてあげるね。』 『ほい、火……』 ビールを飲みながら青年がライターを女性の手元に近づける。 手には、花火が握られている。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 花火から勢いよく火が飛び出る。 「ゆっわぁーー!!ちょっちぇも きりぇーだよ!!」 『でしょ、もっと近くで見せてあげるね。』 「ゆ!なかなか きが きく ばばあだにぇ! ちょくっべつに どりぇーに してあげるきゃら かんしゃちてにぇ!! おれいは あみゃあみゃでいいよ!とくもりで いいよ!!」 額に青筋を立てながら、女性は花火を透明な箱の中にいる姉れいむにゆっくり向ける。 「ゆわぁーー!!れいみゅ みたいに きれ っぎゃぁぁああ!!! ああ!!っあじゅいぃいいいい!!!」 火花が姉れいむの汚い身体にかかり、姉れいむが絶叫をあげる。 『お!喜んでもらえてなによりだ。ほら、もっと花火を見せてやるからな。』 青年が女性の花火の側に別の花火を近づける。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 青年の持つ花火に火が燃え移り、姉れいむ目掛けて勢いよく火が飛び出る。 「っあじゅいぃいい!!だっだじゅげ!! っゆっぎゃぁぁああ!!!!だじゅげでぇええ!!おぎゃぁじゃぁぁあん!!!」 姉れいむは絶叫をあげながら透明な箱の中を必死に跳ねる。 が、ビックサイズとはいえ箱の中だ。逃げれる場所などない。 「おぢびぃいいい!!」 「おぢびじゃぁあん!!」 まりさと れいむが姉れいむを助けようと透明な箱の中で跳ねているが無駄な努力である。 「っゆっぎゃぁああ!!!あ!!!あじゅいぃい!!めぇぇええ!!!めぎゃぁあああ!!! っめっぎゃぁああああ!!!!っだ!!だじゅげじぇぇええええ!!!あっじゃぁあああ!!!」 眼に火花が入ったようで、姉れいむが一際大きな絶叫をあげる。 『ほら、お前も楽しめよ。』 「おそらとんでりゅみちゃい!」 青年が姉まりさをもちあげ、姉れいむの入った透明な箱に近づける。 「やめりゅのじぇぇえ!!あ!あそこは ゆっくりできないのじぇぇえ!!」 姉れいむと同じ所に入れられることを察した姉まりさが叫ぶ。 『そっか、いやなのか。じゃぁ まりさはあの箱の中にいはいれないよ。』 青年は姉まりさの要望を聞き入れた。 『でも、その代わり、帽子をいれておこう。』 「まりちゃの おぼうちぎゃぁあああ!!!」 笑顔の青年は、姉まりさから帽子をとりあげ、帽子を透明な箱にいれる。 「あじゅいぃいい!!あじゅぃぃいい!!だれぎゃぁあ!!れ!れいみゅをたちゅけちぇぇぇ!!! っゆ!!お!!おぼうちじゃぁあ!!」 透明な箱の中で、姉れいむは黒とんがり帽子を見つける。 「こ、この おぼうちを かぶれば げすな はなびしゃんから にげれりゅよ!! ゆぷぷ!!れいみゅったら かちこしゅぎりゅよ!!」 姉れいむは笑いながらそう言い、姉まりさの帽子を被る。 ちょうど花火の勢いが弱まったこともあり、姉れいむは火の脅威から一時的に逃れることができた。 「ゆぷぷ。もう げすな はなびしゃん なんて こわきゅないよ! こうっさん したら さっさと あまあまを もってきてにぇ!ときゅもりでいいよ!!」 勝利を確信した姉れいむが笑顔で宣言をする。 そんな姉れいむに、姉まりさが泣きながら叫ぶ。 「かえちゅのじぇぇえ!!まりちゃの おぼうちをぉお!!」 「ゆぴゅぴゅ。なにいってりゅにょ?ばかなにょ?あほなにょ? おぼうちしゃんで れいみゅは てっぺきの ぼうぎょを てにいれちゃんだよ! だめに きまっちぇるでしょ! そんなことも りかい できないにゃんて、おぼうちの ない げしゅは なんて おりょかなにょ? おお、おりょかおりょか。」 「ゆっがぁああ!!がえじぇぇええ!!」 姉まりさは飛びかかろうとするが青年に握られており、動くことができない。 『お、中々意外な行動をとったな。この れいむ。』 『本当ね。でも、そのおかげで楽しめそうよ。』 女性が新しい花火に火をつけながら笑顔で言う。 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 花火から勢いよく飛び出る火が帽子にあたる。 「ゆぴゅぴゅ。むだだよ! れいみゅには おぼうちが あるから はなびしゃんは こわきゅにゃ…… っゆっぎゃぁああ!!あ!!あぢゅいぃいI!! ど!どぼぢじぇぇえ!!??どぼじで おぼうじを がぶっじぇりゅのにいぃい!!??」 帽子のおかげで火の粉からは身を守れても熱からは身を守ることはできない。 女性は花火を帽子のリボン付近に近づけ、帽子に火をつける。 「っゆっぎゃぁああ!!!ああ!!ああああああぁああ!!!!」 頭部からの熱に姉れいむが絶叫をあげ、帽子を舌で投げ飛ばす。 「っば!!ばりじゃの おぼうじぎゃぁぁああ!!!」 大事な帽子に火がついたとあって、姉まりさが絶叫をあげる。 『ほら、まりさ。帽子をとりかえさないと。』 青年が姉まりさを握る力を緩めた。 姉まりさは急いで青年の手から、透明な箱の中へと飛び移り、顔面を強打した。 「っぐっべぇぇ………い、いじゃいのじぇ…… で、でみょ、いたいことより、おぼうしを………いそぐのじぇ!!」 痛みに堪えながら、姉まりさは燃えている帽子に近づき、帽子を守るために愚かにも燃え盛る炎を舐める。 「ぎえじぇにぇ!!げしゅにゃ ほのおじゃんは ざっざど ぎえじぇねぇ!! ぺーりょぺー…ゆっぎゃぁあああ!!あああ!!あじゅいぃいい!!!あっじゅいぃいいい!!!!」 結果、姉まりさは火傷を負い、痛みで箱の中を暴れる。 『ははは。火を消せるはずないのに、まりさ種って本当にバカだよね。いや、ゆっくり全部か。』 姉まりさの行動を見て青年は笑う。そして、花火に火をつけ、姉れいむと姉まりさとに向ける。 姉れいむと姉まりさは花火と帽子を燃やす炎から逃れようと透明な箱の中を必死に走り回る。 が、どれだけ逃げても箱の中のため、逃げ場所はない。 2匹の身体に無数の火傷ができていく。 『あれ?動きが鈍くなってきた?』 「た……たじゅげ……」 「ば……まりぢゃ……じにじゃくにゃ………」 2匹は体力的に限界がきており、火が近くにきても跳ねることなくズリズリと這いずるだけだ。 『やっぱり赤ゆは体力が少ないな。まぁ、しかたがない。次の赤ゆを入れるか。』 「っゆっびぃいいい!!」 消えた花火を姉れいむに強く押し付けてから水の張ったバケツに捨てた青年が透明な箱に手を伸ばす。 「ぐるにゃぁぁああ!!」×2 「おちびちゃん!ゆっくり おかーさんの おくちに かくれてね! おかーさんの おくちのなかは あんっぜんだよ!」 「おちびは さいっきょうの まりさが まもるのぜ!! くらうのぜ!さいっきょうの まりさの さいっきょの ぷくーを!ぷくーー!!」 透明な箱の中では、れいむが赤ゆを口内に入れようとしている。 その隣で、家族を守るため、自称最強である最弱のまりさが頬を膨らませている。 何をしても無駄なのだが、餡子脳のため、そのことに気がついていない。 「おそらとんでりゅみちゃい!!」×2 今ごろ 口に隠れろと言う れいむに本当に子供を守る気があるのかを疑問に思いながら、 青年は妹まりさ・妹れいむを箱から取り出す。 「おちびぃいい!!!がえぜぇえ!! せいっさい されたくなかったら、さっさと おちびを かえすのっぜぇええ!!」 「おちびちゃぁあああん!! まりざぁああ!!ざっざど おちびちゃんを どりがえじでぇええ!!」 喚く2匹を無視して、青年は透明な箱の中に赤ゆたちを入れる。 「っゆべぇ……れ、れいみゅおねーしゃん、だ、だいじょうかじぇ?」 「っゆべぇ……や、やめてにぇ…… にんげんしゃん!おねがいちましゅ!きゃわいい きゃわいい れいみゅだけは みのがちちぇにぇ!」 火傷を負った姉の心配をする妹まりさと、命乞いをする妹れいむである。 『うわぁ……さっすがれいむ種。平気で姉妹を見捨てるわね。』 『虫唾がはしるから当然制裁だな。』 -ッジュッボ………ッシューーーー!!! 助ける気などまったくない2人が花火に火をつけ、赤ゆたちに向ける。 「っゆっぎゃぁあああああああああああああ!!!」×2 まだ元気がある2匹が絶叫をあげ、箱の中を飛び跳ねる。 「おちびぢゃぁあああん!!まりざぁああ!! さっさと くそにんげんを せいっさいして おちびちゃんを たすげでぇええ!!」 「わかってるのぜ!! おいぃいい!!ごの ぐぞにんげんがぁあああ!! いますぐ おちびを たすけるのぜぇええ!!いまなら ぜんごろしで かんべん してやるのぜぇえ!!」 『いつも思うんだけどさ、全殺しで勘弁してやるってどういう意味なの?』 『さぁ?ゆっくりの言葉なんて一々考えるなよ。お、そうだ!』 「おそらとんでるみたい!」 青年は まりさを持ち上げ、女性のほうに まりさの足を向ける。 『ねぇ、悪いけどライターで足焼きをしてくれない?』 『ん?いいよ。』 「な!なにを いってるのぜ!? どれいの ぶんっざいで さいっきょうの まりささまに きがいを くわえるつもりかぜ? げらげらげらげら。そんなのは ふかのうさんなのぜ。 まったく、これだから くそにんげんは おろかなの っぜぇえええええええ!!?? っゆっぎゃぁぁあ!??ああああぁあ!!あづいぃいいい!!!」 『ほら、まりさ。最強なんでしょ?私の攻撃なんて痛くも痒くもないんでしょ? なんで そんな大きな悲鳴をあげるの?』 女性がニヤニヤしながら言うが、その声は まりさには届いていない。 数分後、青年は脚部が炭化した まりさの足にリキュールをかける。 糖分を含んでいるため、痛み止めになるからだ。 そして、まりさを赤ゆたちのいる箱の中にいれる。 「おとーじゃぁああん!!」×2 「おどうじゃ………」×2 箱に入ってきたまりさを見て、4匹は笑顔になった。これで助かると信じているのだ。 動くだけの元気がある2匹はまりさの側にかけより、頬を擦っている。 「おちび!!もう だいっじょうぶなのぜ! この さいっきょうの おとーさんが おちびたちを ぜったいに まもってみせるのぜ!!」 『粋がるのはいいけどさ、どうやって?』 「げらげらげらげら! そんなことも わからいのかぜ?まったく、これだから くそにんげんは おろかなのぜ。 この さいっきょうの まりささまが すぐに せいっさいしていやるのぜ! ないたって ゆるさいのぜ。かくごするのぜ! っゆ?ゆゆ??」 まりさが上半身(?)をねじる。 「ゆ?っど!どぼじで あんよが うごかないのぜ!? う!うごくのぜ!!さいっきょうの まりさの さいっきょうの あんよさん! うごいて さっさと あの くそにんげんを せいっさいするのぜぇぇええ!!」 『ははは。頑張ってね、まりさ。はやくしないと、子供が大変よ。』 花火に火をつけながら女性が言う。 そして、火のついた花火を、姉まりさ・姉れいむに近づける。 「っあ゛!あづいぃいいい!!!だ!だじゅげじぇぇええ!!!おじょうじゃぁああん!!×2 動くだけの力がない2匹は父であるまりさに助けを求めてただ叫ぶだけだ。 「おちびぃいい!!!まってるのぜぇえぇええ!!すぐに たすけるのぜ!! うごげぇええ!!うごくのぜぇええ!!まりさの さいっきょうの あんよざん!! うごがないど!!うごがないと おちびがぁああああ!!!っゆっがぁああ!!うごげぇええ!! うごげ!うごげ!!うごげ!!うごいて れいむにの かわいい おちびを たすけるのっぜぇええ!!!!」 「がんばりゅのじぇ!!さいっきょうの まりちゃの おとうしゃんなら できるのじぇ!! はやくちて れいみゅおねーしゃんを たすけりゅのじぇ!!」 「おちょうしゃん!はやく くしょにんげんを せいっしゃしちて れいみゅを まもってにぇ!!すぐでいいよ!!」 妹まりさ・妹れいむの応援も虚しく、まりさは動くことができない。ただ、醜く身体をねじるだけだ。 「あ゛あぁああ!!ぼ!!ぼっど……ぼっど ゆっぎゅぢ……ちたが……じゃ……」×2 花火に晒され続けた2匹が息を引き取った。 「おちびぃいいいい!!!!」 まりさが箱の中で絶叫をあげる。 『まったく、子供を助けないだなんて最低な親だな。 そんな最低な まりさにはお仕置きとして帽子を没収だ。』 「ゆっがぁああ!!!がえじでぇええ!! おでがい じばずぅう!!がえじでぐだざいぃいい!!おでがいじばずぅうう!! ぞれが ないどぉお!!ぞれげないど ゆっぐりでぎないんでずぅううう!!!おでがいじばずぅうう!!」 帽子を失った途端、先ほどまでの威勢はなくなり まりさは涙を流しながら帽子を返すように懇願する。 「おぼうちの ない げしゅおやは ちねーー!!ぷきゅーー!!!」×2 「お!おちびぃい!!ど!どぼじで ぞんなごどいうのぉおおお!!?? おどうざんでしょぉおお!!!??」 子ゆっくり2匹は、帽子を失くしたまりさを突然見下す。 『うわぁ~~。 帽子なくしたぐらいで子供から見下されるだなんて…… これだから ゆっくりって嫌い。』 帽子なくした まりさに親としての威厳などありはしない。 飾りがない個体は飾りを持つ個体から見下される存在となるのだ。 先ほど、姉まりさのことを誰も心配しなかったのは、姉まりさに帽子がなかったからである。 これは、ゆっくりの習性であるが、女性は ゆっくりのこういう習性が嫌いである。 愚かな習性を見ると、女性は制裁という名のゆ虐をしたくなる。 『ははは。確かにな。』 女性とは反対に、青年は ゆっくりの こういう愚かな習性が好きであった。 愚かな習性のお陰で罪悪感もなくゆ虐ができるからだ。 青年は、大した理由もなく持ち歩いているナイフを取り出し、まりさの額に刃をあてる。 『花火の土台を作らないとな……よっと……』 青年が まりさの頭をナイフで削ぎ、まりさの頭頂部が平らになる。 「っゆっぎゃあぁああああああ!!!ああぁあ!!あだばがぁあああああ!!!!」 「ゆぴゅぴゅ。げしゅな おとーしゃんが ないてりゅよ。」 「げりゃげりゃげりゃ。さいっきょうの まりちゃと ちがっちぇ、さいっじゃきゅな おとーしゃん らちいのじぇ。 まったく、はずかちいのじぇ!ちょっと あたまを けがしたぐらいで さわぎすぎなのじぇ!」 「ゆぷぷ。おぼうしのない まりさには おにあいの すがただね。 おお、おろかおろか。もっと くるしんでいいよ!」 まりさの絶叫を聞き、家族は笑顔である。飾りを失った個体に対しては愛情も情けもないのだ。 『まったく、こいつらは。まりさの次は自分だということを考えないのかね?』 『あはは。そんな頭あるはずないじゃん。餡子脳なんだから。 こいつらの こういうところって、あたし大嫌い。』 飲み終えたリキュールの缶を手で潰しながた女性が言う。その眼は冷たく、ゆっくりを見下している。 『まぁまぁ。そんな愚かな ゆっくりには制裁がお似合いだろ?』 女性とは反対に笑顔の青年がまりさの頭にドラゴン花火をセットする。 「っゆっぎゃぁああ!!やべ!やべでぇえ!! ああぁぁ!!あだばに べんなの おがないでぐざいぃい!! やべでぇえ!!ぐりぐりじないでぇええ!!おでがいじばずぅううう!!! いじゃぁぁああ!!!やじゃぁあああ!!!なにかが はいっでぐるぅうううう!!!」 ドラゴン花火が餡子に深々と刺し込まれ、まりさは絶叫をあげる。 喚く まりさを無視して、青年がドラゴン花火に火をつけた。 -ッシューーーー!!!ッジュッボォーーーー!!! 『あはは!すっごくキレー!!』 『ほんとうだ。』 「ゆぷぷ。まりさの あたまに きれーな おはなさんがさいたよ。」 「ゆぴゅぴゅ。とっちぇも きりぇーだよ。」 「げしゅ おやも たまには やくに たちゅのじぇ。」 まりさから吹き出る七色の炎に見とれる2人と3匹。 「っゆっぎゃあぁあ!!あぁぁあ!!あづいぃいいい!! だずげだずげ!!だじゅげでぇえええええええええ!!!」 花火の熱と、降りかかる火の粉でまりさは絶叫をあげる。 助けを求めるが、誰も まりさを助けるつもりはない。 -………ッジュ!………ッジュッボォーーー!!! -………ッジュ!………ッジュッボォーーー!!! ドラゴン花火を見ながら、青年はネズミ花火を火をつけ、透明な箱の中にいれていく。 「っゆっぎゃぁああ!!いっじゃあぁあ!!あじゅぃいい!!」×3 箱の中を でたらめに回転する複数のネズミ花火に、まりさ・妹まりさ・妹れいむは悲鳴をあげる。 「おちびちゃぁぁあん!!ゆっくりして!ゆっくりして!!ゆっくりするんだよぉおお!!!」 飾りを失っていない子供の心配をする れいむが、透明な箱から飛び出ようと顔面を壁に押し付けているが、意味はない。 『あはは。ほら、れいむ。頑張って子供を助けてね、手伝ってあげるからさ。』 女性は笑いながら れいむを透明な箱から取り出す。 『お、優しいね。さっすが俺の彼女。ほら、れいむ。優しい彼女にお礼は?』 「おちびちゃぁぁあん!まっででね!すぐに おかーさんが たすけるよぉおおお!!!」 青年の言葉は れいむには届いておらず、れいむは泣きながら まりさたちが入った透明な箱に向かって跳ねる。 「っゆっべぇええ!!!………あ!あづいぃいいいい!!!」 透明な箱に顔面を押し付けた れいむは、箱から跳び退く。箱が熱を持っているのだ。 「ゆがぁぁあ……げすな かべさんは あつくて ちかづけないよ……… ど、どうすれば いいの?どうすれば おちびちゃんを たすけれるのぉおお?」 「ぎゃわいい ぎゃわいい れいみゅを だじゅげじぇぇえ!!おかぁじゃぁああん!」 「おがぁじゃぁああん!!だ!っだじゅげじぇぇええ!!」 「おちびぢゃぁあん!!ゆっぐりずるんだよ!!ぞうずれば ぎっど だずがるよぉおお!!!」 子供は助けたいが、危険は一切犯したくない れいむはアドバイスを叫ぶ。 この状況下でどうしたら ゆっくりできるのか? 仮に ゆっくりできたところで危険は回避されない。 れいむのアドバイスは れいむのように全くもって役に立たない。 「ぜいっさい ちてやりゅのじぇ!!さいっきょうの まりちゃが げすな はなびしゃんを せいっさいすりゅのじぇ!!」 妹まりさは愚かにもネズミ花火に向かって口をあけて突進する。 「こにゃいでぇえ!!れいみゅが きゃわいすぎるからって、すとーかーだなんてゆっきゅりできにゃいよ!! れいみゅ、はなびしゃんなんで だいきりゃいだよ!!」 妹れいむはネズミ花火から逃れようとするが、恐怖で眼を閉じデタラメに跳ねている。 そして、2匹はネズミ花火に激突し、動けなくなり、身体を焼かれ、死んでいった。 「っだずげ!だずげ!!!っあっづぁぁあああ!!っゆっぎゃぁぁああああ!! っぐっぼぉおおおおお!!!ぐぶぶぶっばあぁあああ!!! っゆっばぁあぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!」 まりさの口内にネズミ花火が入り、まりさの体内で暴れる。 頭と口から火をあげながら、まりさは辞世の句を詠むこともできずに息絶えた。 「おちびじゃん……れ、れいむの……かわいい かわいい れいむの おちびちゃんが……」 花火が収まり、焦げ饅頭が入った箱を見ながら れいむが泣きながら呟く。 『やだな、れいむ。死んだのは子供だけじゃないだろ?生きていく上で、もっと大事なものを失っただろ?』 「ゆ?どういうこと?おちびちゃんよりも だいじなものなんて ないよ?」 青年が焦げた饅頭に まりさに帽子をかぶせた。 途端、れいむの顔色が悪くなる。 「っば!ばりっざぁぁああ!!!ど!どぼじで ばりざが じんでるのぉおおおお!!!」 苦しむ まりさを笑って見ていた者の発言とは思えないことを言う れいむである。 「おぎでぇえええ!! ゆっくり! ば!ばりざが いないど、 ゆっくり! だれが ごばんざんを ゆっくり! もってぐるのぉおお!!?? だれが ゆっくり! おちびじゃんの せわを ずるのぉおおお!!?? おでがい!!いぎがえっでぇええええ!! ゆっくり! れ!れいぶを びどりにじないでぇえええ!! れいぶを ゆっぐりざぜるのが ばりざの ぎむでじょうがぁああああああ!!!! ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!」 大事な子供を失い、愛する(?)まりさを失った れいむ。 孤独を嫌い、労働を嫌う れいむにとって、 一緒に過ごす家族・生活を支える番を失ったことは非ゆっくり症を発症させるには十分な悲劇であった。 なお、餡子脳の為、帽子がない まりさが苦しんでいたことを忘れており、 帽子なしの死骸を番とは認識できていなかった。 『あれ?非ゆっくり症?なぁ、コイツに薬を喰わせてなかったの?』 青年が れいむの非ゆっくり症の発症に驚きながら女性に聞く。 『あ、ごめん。薬食べさせるの忘れてた……』 申し訳なさそうに謝る女性。 『そっか。まぁ、いいよ。花火もなくなったことだし。にしても、うるさいな。』 「ゴメンね。あたしが薬を忘れたばっかりに。 おわびに、れいむは あたしが処分するね。』 「ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり! ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっぴ!!!!……………」 女性は待針を取り出し、れいむの額に刺し込む。 中枢餡を突かれた れいむはそのまま絶命した。 『さ、おわったよ。はやく帰って お風呂にはいって いいことしよーよ。』 『お!そうこなくっちゃ。一緒に入ろうな。』 青年は笑顔で透明な箱を逆さまにし、ゴミを地面にばら撒きながら言う。 そして、バケツの水をゴミにかけ、火の始末をした。 『よし、こうしておけば そのうち公園の ゆっくりが勝手に掃除するだろ。』 『あはは。同族の死骸の処分させるだなんて、可愛そうなことさせるね。 きっと、公園の ゆっくりから恨まれるよ。』 『いやいや、俺みたいのがゴミを公園に捨てることで、 公園のゆっくりの生存が認められるわけだ。 反対に感謝されているに違いない。』 2人は手をつなぎ、笑顔で公園から立ち去る。 2人がいた場所には、ゴミが散乱している。 ------ セミが鳴く中、れいむは昨晩殺された ゆっくり一家の遺体の片付けを続ける。 まりさの遺体をゴミ袋におさめた後、れいむの遺体へと近づく。 「ごめんね、れいむ。」 遺体に謝ってから、れいむは口を大きくあけ、遺体の頬に噛みついた。 口内が死臭に犯される。何度味わってもこの臭いに慣れることはない。 れいむは吐き気を我慢しながら、遺体を小さく千切っていく。 「っゆぴ!?」 口内に突然鋭い痛みが発生し、れいむは遺体から口をはなし、飛び退いた。 口内を舌で舐めながら、れいむは遺体を注意深く見る。 「ゆ?ゆゆ??これは………まちばりさん? そっか、このれいむは まちばりさんで あんこさんを つかれて しんじゃったんだね……」 昔、友人のちぇんが針で殺されるところを見ていたことがある。 嫌な事を思いだし、憂鬱な気分になるが、それでも仕事はしなくてはならない。 れいむは針をさけて遺体の片付けをした。 片付けを終えた れいむは まわりを見渡す。 「ゆぅ………もえないごみの ごみぶくろさんを もった ゆっくりが いないよ…」 いつもなら、隣のダンボール箱に住むまりさや、その妹のれいむと一緒に掃除をするのだが、今日は誰とも話をしたくなく、一人で掃除をしている。 そのため、れいむは燃えるゴミ袋しか持っておらず、針を捨てたくても燃えないゴミ用のゴミ袋を持った ゆっくりがいないのだ。 「ゆぅ………まちばりさんを ここに おいて おいたら、ゆっくりが けがしちゃうよ…… どうしよう………っゆ!そうだ!!」 待針の処分に頭を悩ませた れいむだが、名案を思いついた。 れいむは待針を咥え、揉み上げを口に近づける。 そして、右の揉み上げの中に待針をしまう。 「っゆ!すこし うごかしにくいけど、これで まちばりさんを ゆっくり はこべるよ! ゆぷぷ。れいむったら かしこすぎて こわいぐらいだよ! こんな かしこくて かわいい れいむ だから きっと きょうこそは かいゆっくりに なれるよね? ゆーん。なんだか きぶんが よくなってきたよ!ゆっくりー!!」 気分がよくなった れいむは笑顔でゴミ袋を咥え、歩き出す。 ゴミを運ぶ途中で れいむは、噴水に寄ることにした。 暑くて喉が渇いたこともあるが、死臭で臭くなった口内を洗いたかったのだ。 「ごーくごーく……ごーくごーく…… っぷはぁ……おみずさんは ゆっくりできるよ。」 水を飲み終えた後、れいむは汚い舌で噴水の水をすくう。 「ゆ!かいゆっくりに なるためには からだを きれーきれーに しないとね!」 笑顔の れいむは水で身体を洗う。 裏路地等で暮らす野良よりは 綺麗だが、石鹸もシャワーもないので それなりである。 特に髪は洗髪の手段も知識もないため、ベタベタで不潔であるが、れいむはそのことを知らない。 「ゆ!きれーに なったよ!ゆぷぷ。れいむの かわいさに ますます みがきがかかったね。 ゆーん。なんだか きょうは きぶんが いいよ! おさの ところにいくまえだけど、すこしだけ おうたを うたっちゃうよ! まったりのひ~♪ゆっくりのひ~♪すっきりのひ~♪♪」 セミの鳴き声とれいむの歌声が公園に広がる。 「おねーさん。ゆっくりしていってくださいね。 あと、とても すてきな おうたです。とっても ゆっくりしていますね」 「ゆっくりしていってね!!!ゆ?」 声をかけられ、れいむは反射で返事をし、振り返る。 振り返った先には、胴付き金バッチの さなえがいた。 「ゆ………ま、まさか さなえって れいむの いもーとの さなえ?」 「はい。そうです。おねーさんの いもーとの さなえです。 おひさしぶりです。おねーさん。」 さなえは微笑み、れいむと話しやすいように屈む。 れいむが石段の上にいたこともあり、2匹の顔の高さはほぼ同じになった。 「ゆわぁ………いもーと……すっごく きれーだよ…… すっごく ゆっくりしているよ………」 さなえの顔を見て、れいむは思ったことを口にした。 同時に、劣等感に襲われた。 毎日噴水の水で身体を綺麗にしており、自分の美しさには それなりの自信があった。 が、さなえの白くて柔らかそうでキズがまったくない肌。潤いのある唇。 そして、自分とはまったく違う、サラサラで艶のある美しい髪。 一緒に暮らしていた頃は差なんてなかった。 いや、むしろ自分の方が綺麗だったハズだ。 飼いゆっくりになり、自分よりもはるかに美しくなった妹に れいむは嫉妬する。 「ほんとうですか?ありがとうございます。 まいにち おにーさんに ていれして もらってますから。」 さなえが照れながら言う。 「そ、そうなんだ。さすが かいゆっくりだね。うらやましいよ。」 「でも、さなえは まいにち さびしいんです。 だって、おにーさんは やさしいけど、おとーさんや おかーさん。 それに、おねーさんと あえませんから。 でも、おにーさんが どうつきなったら あいにいって いいって いってくれました。 だから、さなえ どうつきに なるように まいにち おねがいしてたんです。 そしたら、きのう おきたら どうつきに なっていました。 おねーさん。おとーさんたちは ゆっくりしていますか? さなえ、おにーさんに たのんで おみやげの あまあまを もらってきました。 おうちで みんなで たべましょうよ。」 さなえが笑顔で近況報告をする。 姉との再会が嬉しいのか、さなえは れいむの顔が暗い事に気がつくことなく、話をする。 「……………いないよ………」 「え?」 「おとーさんも おかーさんも、おそらの ゆっくりぷれいすに いっちゃたよ。 だから、もう ………もう ここには いないよ………」 れいむが涙ぐみながら言い、さなえの笑顔が曇った。 「………な、なんなの!? くるなら もっと はやくきて れいむたちを かいゆっくりに してくれれば よかったのに!! いもーとが ゆっくりしすぎてるから、そんな かみさんを きれーきれーに なんてしてるから!! だから おとーさんも おかーさんも しんじゃったんだよ!!」 れいむは涙を流しながら叫ぶ。 「でもね!もういいよ!とくっべつに ゆるしてあげるから かんしゃしてね! はやく れいむも いもーとの おうちに つれていってね!れいむも かいゆっくりにしてね! そしたら あまあまを ちょうだいね!とくもりで いいよ!!」 「………………おねーさん………ごめんなさい。 それは ……その……できません………」 さなえは申し訳なさそうな顔をしながら言う。 「はぁあああ!!??どぼじで ぞんなごど いうのぉおおお!!?? そんな うそさんは ゆっくりできないでしょうがぁあぁぁあ!!」 「おにーさんが、さなえの かぞくまで かうことは できないって……」 「その じじいを せっとくするのが いぼーどの やぐめでじょぉおおお!!?? いいがら、ざっざっど そいづを せっとくじろぉおおおおお!!!」 「ごめんなさい……がんばったけど、むりでした。 その……おにーさんは、きしょうしゅしか かいたくないそうです。 だから、その………つうじょうしゅの おねーさんたちは かえないって………」 さなえも、家族と一緒に暮らしたいと考えている。 飼い主に何度となく懇願したが、答えはいつも No であった。 さなえにとって優しい飼い主であったが、この願いだけは聞き入れてもらえなかった。 これは、飼い主が多頭飼いをする気がないことと、稀少種にしか興味がないからである。 「ごめんで ずむがぁあああああ!! ぞんなの びぎょうだよ!!きじょうじゅだがら がいゆっぐりに なるだなんで!! れいぶも がいゆっぐりに なりだいんだよぉおおお!!! がいゆっぐりになって、まいにち あまあまを たべて、おびるねをじで、ゆっぐりじだいんだよぉおおお!! ごごは ゆっぐり でぎないんだよぉおお!!れいぶは ゆっぐり゛じだいんだぁああ!! いいがら ゆっぐりざぜろぉおおおおおお!!!!」 「……ほんとうに ごめんなさい。 あまあまは、おうちに おいておきますから たべてくださいね…… また きますから………そのときは いっしょに ゆっくりさせてくださいね……」 そう言って、さなえは走り出す。その目には涙が溜まっている。 両親の死を知り、姉から無理を言われたのだ。 そして、姉と一緒にゆっくりできなかったことが悲しいからだ。 「ゆっぐりなんて でぎるがぁああああ!!! れいぶは ちいきゆっくりなんだよぉおおお!!!のらと おなじで ゆっぐりでぎないんだよぉおおおお!!! きょうにも しんじゃうかも しれないんだよぉおおおおお!!!! がいゆっぐりの いぼーどどは ちがうんだよぉおお!!かわいぞうなんだよぉおおおお!!! だがらぁああ!!!だがら れいぶも がいゆっぐりじろぉおおおお!!! ごの むのーの いぼーどがぁああ!!きじょーじゅだがらっで いいぎになるなぁあああ!! れいぶのぼうが ゆっぐりじでるんだぁああああ!!!もう にどど ぐるなぁああああ!!!」 れいむはさなえの背中に向かって叫ぶ。 さなえは何も言うことなく、ただ涙を流しながら立ち去った。 ------ 夜、元気なく家に戻った れいむは菓子を見つけた。 さなえが置いていった菓子で、とても美味しそうだ。 長ぱちゅりーから支給された ゆっくりフード・狩りでとったセミと菓子を見比べる。 どう贔屓目に見ても、菓子のほうが美味しそうだ。 必死に働く自分よりも、何もしてない さなえのほうが美味しいものを用意できる。 地域ゆっくりと飼いゆっくりとの違いを感じ、れいむは激しい劣等感に襲われ、涙を流す。 「むーじゃむーじゃ……ごっぐん……」 れいむが泣きながら菓子を食べる。 甘い味は れいむに幸せを与えるハズだが、心は満たされない。 妹は毎日こんな美味しいものを食べているのだろうか? 自分の食事との差を実感し、れいむの劣等感が増していく。 「ひどいよ……いもーとばっかり ゆっくりして……」 れいむが呟きながら妹の綺麗な姿、ゆっくりした姿を思い出す。 「ゆぅ………ごべんね……いぼーと…… ひどいこと いっちゃって………」 れいむは ここにはいない妹に向かって謝る。 興奮して酷いことを言ったことを自覚しているのだ。 自分が飼いゆっくりではなく、両親が死んだことは妹のせいではない。 頭では理解できても、心が追いつかなかった。 ゆっくりしている妹を見て、嫉妬し、ゆっくりできないことを全て妹のせいだと決めつけてしまった。 「でも、いもーとは ゆっくりしてたよ…… さすが かいゆっくりだよ………れいむも いつか ぜったいに…… ゆぅ…………わからないよ………どうしたら かいゆっくりに なれるの?」 れいむは餡子脳でどうしたら飼いゆっくになれるかを考える。 毎晩考えていることだが、答えは未だに見つからない。 友人や長ぱちゅりーにも相談しているが、正しい答えはまだ見つかっていない。 ただ、これまでに飼いゆっくりになれた仲間や、逆に捨てられてた ゆっくりを観察して分かったこともある。 ①人間は身なりが綺麗で食事のマナーを守れるゆっくりを飼いゆっくりにする。 ②人間は我侭を言わない ゆっくりを飼いゆっくりにする。 ③人間は稀少種を飼いゆっくりにする。 自分はれいむ種で③の条件は満たせないが、①と②は満たしている。 しかし、未だに飼いゆっくりにはなれない。何が足りないのだろうか? ちなみに、③の条件を満たしていれば、妹のように①の条件を満たしていなくても飼いゆっくりになれることが分かっている。 この事から、れいむは稀少種が羨ましく、妹に嫉妬している。 れいむは餡子脳をフル回転させるが答えはでてこない。 そもそも、明確な答えなどない。強いて言えば、【運】であろうか。 「ゆぅ~~~………かんがえすぎたら あたまが いたくなってきたよ…… っゆっぴ!?」 知恵熱で熱くなった頭を揉み上げでさすると、れいむの頭に痛みが走った。 慌てて揉み上げをはなし、揉み上げを凝視すると、待針が見えた。 「ゆ?そっか、まちばりさんを すてるのを わすれてたよ。 れいむったら うっかりさんだよ。 まちばりさんは あぶないから、あした すぐに すてないと だめだね。」 ゴミ捨てのついでに燃えないゴミ袋に待針を捨てるつもりであったが、 さなえと会ったことで興奮していた れいむは、待針のことを忘れていたのだ。 「ゆぅ………あぶない まちばりさんを ちゃんと すてれるぐらい れいむは かしこくって やさしくって かわいいのに、なんで かいゆっくりになれないの? いもうとより ゆっくりしているのに………きしょうしゅよりも ゆっくりしているのに…… ゆ?………ゆゆ??…‥…ゆ~~………」 待針を床に置き、れうむは再びどうしたら飼いゆっくりになれるかを考える。 「ゆ!そうだ!!そうだよ!!すっごいことを おもいついたよ! そうだよ!そうすれば ぜったいに かいゆっくりになれるよ!」 餡子脳が再び熱を持ち始めた頃、れいむの両方の揉み上げが元気良く跳ねた。 名案を思いついた れいむが笑顔になる。 「ゆぅ………でも……… ゆぅ………………でも、それをすると……ゆっくり できなくなるよ………」 が、すぐにその笑顔が曇った。 浮かない顔のれいむが、ダンボールの片隅を見る。 れいむの視線の先には、両親の形見である赤いリボンと、白いリボンが置いてある。 「おかーさん……おとーさん…………」 れいむは両親の形見に そっと頬をあてる。 れいむの脳裏に両親が死ぬ瞬間の光景が浮かんだ。 「………れいむは かいゆっくりになりたいよ。 かいゆっくりだったら、おかーさんも おとーさんも しななかったよ。」 れいむは飼いゆっくりになることで、襲われる心配のない安らかな生活が得られると考えている。 もし、両親が飼いゆっくりだったら、今頃は家族で楽しくゆっくりしているハズだ。 今、自分が孤独でゆっくりできないのは、自分が飼いゆっくりでないからだと れいむは考えている。 【いづか……ぜっだいに……かいゆっぐりになっで……もっどもっど……ゆっぐりじでね……】 母れいむの最後の言葉を思い出す。 そして、自分が絶対に飼いゆっくりになる決心をしたことを思い出した。 ダンボール箱に置かれた菓子を見る。 妹は毎日こんな美味しいものを食べているのだ。 地域ゆっくりの自分と違い、働かなくてもいい飼いゆっくり。 ゆっくりするだけで身の安全と美味しい食事が約束されている飼いゆっくり。 (飼い主によっては ゆっくりできない生活をする強いられることもあるが、れいむは そのことを知らない。) 飼いゆっくりである妹に、れいむは嫉妬する。 「きめたよ。れいむは…… れいむは かいゆっくりに なるためなら なんでも するよ……… どんなに ゆっくりできなくても、かいゆっくりに なれば、ゆっくりできるから……… いもーとみたいに ゆっくりできるから。 ぜったいに。ぜったいに かいゆっくりに なって、いもーとみたいに ゆっくりするよ……」 れいむは自分の決意を口にし、右の揉み上げに待針を仕舞った。 その顔は ゆっくりしておらず、険しい顔であった。 つづく あとがき ゆっくりを飼うことができるとしたら、個人的にれいむ種がいいです。 でいぶになった瞬間、処分しますが。 過去作品 http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/3986.html
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『逃げこんできたゆっくり親子』 28KB 虐待 制裁 観察 誤解 飾り お家宣言 家族崩壊 同族殺し 番い 赤ゆ 現代 虐待人間 比較的普通な虐待をと思って書きました 初投稿です。 逃げこんできたゆっくり親子 薄くなっていたはずの意識が、引き戻されてくる。 目が冴えてきてしまっている。 今の時間は深夜。 今日はいまいち寝つきが悪く、それでも今やっと眠れそうになったところだった。 だがそこに何やら不審な音が聞こえ、驚きとわずかな恐怖で目が覚めてしまったのだ。 窓を叩くような音。 隣の居間だ。最も、この狭いアパートでは、部屋という部屋はこの寝室とその居間くらいなのだが。 俺の安眠を妨げるのは一体何者だと、わずかに夢心地に入って朦朧とした意識により、怒りだけ駆られて跳ね起きる。 戸を引いて居間に入り掃き出し窓の外を見てみると、外のわずかな光に照らされたそこには、ゆっくりれいむの親子の姿があった。 どちらもれいむ種の、親一匹子一匹。 やたら切羽詰まった表情で思いっきり窓への体当たりを繰り返しているので、とっとと開けることにする。 いくらゆっくりでも、壊されるのではと少し怖くなったのだ。 俺が窓を開けると二匹は素早く部屋に滑り込んで来て、親れいむが叫ぶ。 「ほら、はやくしめてね! れみりゃがきちゃうよ!」 ふむ。なるほど、こいつらは追われて焦っていたということか。 外を見てみると我らアパート住民の庭に、街灯に背を照らされた胴つきれみりゃらしき影が、やたらよたよたしながら入ってくるのが見えた。 ただのゆっくりに逃げられる要領の悪さが、シルエットだけでも窺える。 ちなみにその庭部分は、手を伸ばせば隣の塀に届きそうなほど狭い。 我が家が惨劇の舞台になっても困るので、一応窓を閉めてやることにする。 振り返ると薄汚れたれいむ親子がこちらを見ていた。 「ありがとうございますう! たすかりましたあ!」 「ゆ、ゆ、ゆーぅ」 赤ゆの方は既に疲れきっているのか、ふらふらだ。 こちらは無理に起こされたところだというのにな。 「あのれみりゃから逃げてきたのか?」 「そうですぅぅ、まりさともはぐれちゃって……」 「大変だな。そいつはもう食べられちゃったのかね」 「ゆぐ……と、とにかく、れみりゃがいるおそとにはでられないです! どうかここにとめてください!」 「えー……?」 小汚いこんなやつらを泊めてやるのなんて、正直ごめんだ。 明かりが少ない状況だが、こいつらが例にもれず汚いことはよく分かる。 が、これ以上面倒なことを起こしたくもなかった。 追い出そうとすればうるさいだろうし、れみりゃとて決して静かなやつでもないだろう。 なんといっても今は早く寝たいのだ。 親子にそこまでゲスな雰囲気は見てとれないし、一晩できちんと追い出せばいいだろう。 そう思って俺は親子を泊めることを許した。 「ゆん! よかったあ、ありがとう!」 親れいむの一応の感謝が、右耳から左耳に抜けていく。 飲み物を箱買いしたときの段ボールに新聞を敷いてスペースを作ってやり、そこにのせる。 一応そこから出ないよう言って聞かせ、俺は寝室に戻った。 せめて今からでも安眠を迎えたい。 翌朝、俺はまたも音によって意識を覚醒させられることとなった。 目覚まし時計をセットしていたわけではない。 全く夜も朝も無理に起こされるなんてついてないなー、なんて思っている場合では無かった。 俺の耳に飛び込んできたのは昨日とは比べ物にならないとんでもなく大きな音だったのだから。 昨晩以上に体に力を込めて跳ね起き、居間への戸を叩きつけるように開いた。 そこに広がっていたのは昨日とは違う居間の光景だった。 見事に荒らされ散乱とした部屋。 どシンプルな三段の小さいキャビネットは引き出しを引かれ、中のものを掘り返されている。 なにに使う訳でも無い折り畳みナイフに、昨日駅前でもらったゆっくり保護団体のチラシ等々。確かにきちんとしまっていたはずのものは今は無造作に放り出されている。 そして、あまり物を置いていなかったスチールラックが引き倒されている。先程の音の主はこれらしい。物をのせ無さ過ぎて不安定だったのかもしれない。 そばには、それに乗せていたはずのゆっくりみょんをかたどった、陶器の小物入れが落ちて割れていた。 なかなか気にいっていたのだが、置くところが高すぎたか。 俺にとってこれは惨劇だ。結局この部屋で、起こってしまったわけだ。 基本的に大したものは置いていないので被害はそれなり。だが、これを片づけることを思わされると気が重い。 そして何より、ここまで触れてきていないがこれらを引き起こしたその原因。 いや、それはもはや考えるまでもない。 やはり昨日無理をしてでも追い出してれみりゃに捧げてやればよかったのだ。 まさか、一晩で評価をひっくり返すことになろうとは。 そうその原因は、やはりと言うべきか。……ゆっくり親子だった。 「あ、にんげんさん」 こちらを見つけ浮かべる笑みに嘲りを感じた。 そんなつもりはないだろうなとも思う。 「にんげんしゃん! あみゃあみゃちょーだいにぇ!」 足元から赤ゆの声がする。 こんなことをして、なぜ平気な顔でいられるのだろう。 そこまでこいつらはどうしようもない生物か。 「にんげんさん、ここはれいむのものだよ! さっきにんげんさんがくるまえにせんげんしたからね!」 「しょうなんぢゃよ! ゆっくちりかいしちぇね!」 なんだそりゃ。 ここは俺の家だって、流石のこいつらにも分かっているはずなのに。 「ゆゆ~ん、にんげんさんはじぶんのおうちにもどってね! こっちにくるならあまあまちょうだいね! たくさんでいいよ!」 ちら、と俺が出てきた寝室を見ながら言うれいむ。 どうやらこの部屋をもらったと、そう言いたいらしい。 「これ、お前らがやったのか?」 「ゆ? そうだよ! あまあまさがしだよ! なかったけどね! どこにかくしたのか、おしえてくれてもいいよ!」 眠りに落ちるのを邪魔され、れみりゃから助けてやって、更に一晩泊めてまでやった。 その見返りがこれとは。今まで冷静を保っていたはずの俺の心に、怒りが沸き起こるのをここにきて感じた。 後押ししてくれるこの感情。 これに任せよう。平気で恩を仇で返すこんなやつらに、遠慮してやる道理がどこにある。 気付くと俺は親れいむを蹴りあげていた。 白い壁にぶつかるれいむ。 「ゆ……! び……! ゆうっ、ゆうんやあああぁぁぁ!! いだいいいいぃぃぃ!! いだいよおおおぉぉ!」 「お、お、おかーしゃ……! くしょにんげん! おかーしゃになにしゅる……ゆぴ!」 飛びついてきた赤ゆを、傷つけない程度に軽く蹴り上げる。 脆い方は扱いづらいな。 「おしょらをとん……ゆぺ」 定型句を唱えかけてから地面に落ちる赤れいむ。 「そんなに強く蹴ってないって……お前のかーさん根性ないな」 そう言ってやってから親れいむに近づく。 「ゆぴぃ……! あやばり! あやばりばず! あやばりばずからぼうげらだいで!」 早くも白旗を上げるとは、やりがいのない奴だ。 だがこんな程度で腹の虫がおさまるわけがない。 れいむを両手で挟みこむようにもちあげ、一言投げかける。 「そんなの聞けないなー。なんでこんなことしたのかねぇ……」 「ゆあ……、と、とってもゆっくりしてるばしょだとおもってぇ……。 それにおきたらだれもいなかったから……ゆぎ! ゆぐ!」 挟んだ手で、れいむをねじり上げる。 ルービックキューブを捻るようにだ。 これで理由になると思っているのだろうか。おめでたいな。 これが人間だったら、別に真意でもあったのだろうか。 等と思ってから人間ならこんなことはしないな、と自分で突っ込みを入れる。 結局、昨晩の判断は間違っていたのだ。善良だと思ったのは何かの間違い。 疲れていてゲスな部分を出す余裕がなかったのかもしれない。 もしかすると寝ぼけた俺がそういう部分を見逃しただけなのかもしれない。 結局は見抜けなかった俺も悪いのだろうか。 そう思うとどこか少し冷静になった。 だがそんなことで許せるのか。許せるはずがない。 こいつらは俺に恩義を感じこそすれ、こんな目にあわせる理由はないはずなのだ。 そしてあまつさえこんな風に責任を感じさせてまでいるのだ。 そう思うと、強い苛立ちが沸き起こるのを感じた。 「ゆぎ! ゆぎ! いだいいいぃぃ……!」 「おかーしゃぁ……」 れいむを持つ手に力が入りかける。だがこんなことで潰してしまっては仕方ない。部屋も余計に汚れてしまう。 なんとか、最低限の痛みを感じてくれる程度におさめる。 そしてすぐに軽い捻りの限界に達したらしく、これ以上は動かなくなる。 まあ、いい。とりあえずこれはやめよう。正直ただ蹴る方がすかっとする。 手を離し、れいむが落ちる。成体なら人間の手元から落ちても案外平気だ。 「ゆっ! うぇっ……! ちょっと! きゅうにおとさないでね!」 次は赤ゆだ。 親れいむを足で押しのけて赤ゆに手を伸ばす。 一度逃げられるも、赤ゆの速度では大したことはない。きちんと捕まえ手のひらの上に載せる。 「ゆゆーん、れいみゅはとりしゃんー!」 すると母性に訴えかけられたか、怯えて固まっていた親れいむが声を上げる。 「ゆ! おちびちゃんはやめてあげてね! れいむのおちびちゃんなんだよ!」 だからなんだっていうんだ。 逐一イライラさせられる。こいつらはいらつかせる精神攻撃が得意技なのだろうか。 「それで? だからなんだって?」 「ゆ!? おちびちゃんはとってもゆっくりしてるんだよ! ほらよくみてね! ゆっくりしてるでしょ! ね!」 たしかにとってもゆっくりだ。 今見るとどうしようもなくいらつく、それはそれはとってもゆっくりな顔をしている小さな饅頭。 「ゆ?」と呟く赤ゆの顔に、もはや無意識でデコピンをお見舞いする。 「いぢゃいいいぃぃぃぃ!! なにじゅるのおおぉ! ゆうううぅぅぅ!」 「おちびちゃあぁん! ゆぐぅ! くそじじい! おちびちゃんをかえしてね!」 足元にぶつかってくる親れいむ。 ゆっくりってやつは柔らかい。正直痛くも痒くもなかった。 「れいみゅぷきゅーしゅるよ! ぷっきゅうううぅぅぅ!!」 「せいっさい!するよ! くそじじいはしんでね! すぐでいいよ!」 無駄な反抗を見せる二匹 それではと、親れいむに赤ゆをとり返すチャンスをやることにする。 散らかった部屋に転がっていた折り畳みナイフを拾い、ひろげる。 親れいむに見せて言ってやる。 「おいれいむ……、これみえるか?」 「ゆ! なんだくそじじい! みえるよ! ばかにしないでね! で、なにそれ! あまあま!?」 「これはナイフって言ってな。物に当てるとよく切れるんだ」 「ぷきゅううううぅぅぅ!」 ぎらつくナイフを親れいむによく見せてやる。 「ないふ? きれるのはゆっくりできないよ!」 さっきまで怒っていたのに、なかなか素直だ。 馬鹿なのは、使いやすいという利点をもっているというわけか。 「お前の体で試してやろうか?」 「ゆ!? い、いいよ! ないふさんはすーぱすーぱさんだね! れいむわかったからきるひつようないよ!」 「ぷぅー、きゅううううぅぅ!」 「じゃあおちびで試そう」 話題に出されて、手のひらの上で必死に膨らんでいた赤ゆが反応した。 「ゆぴ!?」 その顔には恐怖が浮かんでいる。 うむ、気分が良いってことはないがこの顔ならイライラはしないで済むな。 「ゆああああぁぁぁ!? どぼじでそんなごというのおおおぉぉぉ!!」 「嫌か?」 「ゆ! いや! いやじゃよ! れいみゅすーぱすーぱさんいやじゃよおおぉ!!」 「おちびちゃんいやがってるでしょおおぉ!! だめだよおおぉぉぉ!!」 否定の色を強く表わし訴える二匹。 そんなことを言える立場じゃないと分からせてやることすら、難しいようだ。 「じゃあお前がかわるか?」 「どぼじでぞうなるのぉ!」 「お前がやったらおちびを切ったりはしないし、ちゃんと降ろしてやろうかなって思ってるんだけどなー」 「ゆ!?」 「ほ、ほんとうに……?」 「うん、約束は破らないさ」 そんなんじゃ、恩も返せないこいつらと一緒になってしまうからな。 「ゆぐぅ……」 「おかーしゃ……」 俯いて考え始めるれいむ。 自分の体が裂かれるのとおちびちゃんのどっちが大事か、もはや逆に及びもつかないほどの単純思考っぷりでじっくりと考えているんだろう。 「ゆ……わかったよ。れいむはどうなってもいいからおちびちゃんをはなしてね!」 手のひらのおちびが安堵の息を洩らすが、すぐに気付いて親に心配そうなまなざしを向ける。自分の安易さに気付き、親の運命を憂いているといったところか。 さて、よく選んだ。 そうでなくちゃ困る。おちびを見捨てられたりしたら、あとはもう単純に痛めつけるしか手段が無くなってしまうのだから。 「よし、じゃあ……持っておいてやるからお前が自分で体当てて切れ」 「ゆ」 「ゆぴ!? お、おかーしゃ……!」 少し屈んで、ナイフを床に立てるようにして抑えてやる。もちろんおちびを持った手は、高く掲げて降りられないようにしておく。 ナイフには角度を付けておいてやろう。自ら飛び込みやすいように。 「さ、どうした?」 れいむはどうやら予想外だったらしく、その場で硬直する。 俺は切れ味を試すと言っただけで、直々に刻んでやるなんて言った覚えはないのだが。 なんといっても両手がふさがっているのだ。是非協力して貰わなくては。 「……りです……。」 親れいむがぼそりと呟く。 「ん? なに?」 聞き返すと、俺の顔を見上げ口を開いた。 「むりです……!」 「なにがー?」 「むりいいぃ! むりですう! じぶんからいたいいたいはむりですうぅぅ!」 「ゆ!?」 「そっか……。じゃあ仕方ない、おちびだな」 「やべでえぇえ!」 おちびが手のひらの上でびくりとする。 そして俺の方へとゆっくり振り返ってきた。 俺はそんな可哀想なおちびに笑顔を向けてやる。 お前の親が不甲斐ないばっかりにな。 「お、おかーしゃ……」 「やべで! やべでえぇぇぇ! おちびちゃんはまだちっちゃいんですうう!」 立ち上がりナイフを持ち直す。おちびのデコに突きつけ、言う。 「まー、いいや」 「ゆ……?」 「ゆ!!」 「やっぱやめとくか。刃物なんて俺もちょっと危ないしな」 「ゆ、ゆあああぁぁぁ! やっちゃ! たしゅかっちゃよぉぉ!」 「にんげんさんありがとおおぉ! ゆ、ゆ! はやくおちびちゃんをおろしてねぇぇ!!」 なんと勝手な。 それにまさか、自分で言った感謝の言葉まで台無しにするようなことまで言うとは。 「解放してやるとまでは言ってないぞ」 「どぼじでぞんなごというのお!」 「ゆん! もうおかーしゃをいじめないでにぇ! れいみゅもおろしちぇにぇ! しゅぐでいいよ!」 本当に、どうしてこいつらはこうも瞬時に調子に乗れるのだろう。 一度ゆっくりの思考を覗いてみたいものだ。 ナイフをたたんで床に置き、おちびを先程の親れいむと同じ刑に処す。 顔を挟んで持っての雑巾絞りだ。 このサイズでは持つよりつまむという感じだが。 「ゆ……ゆぎ! いぢゃいいいぃぃ! やべでねぇぇ!」 声を上げるが、もちろん続ける。 おちびは柔らかいが小さいので加減が難しい。 こいつならもっと面白い状態になってくれるかと思ったのだが、結局親と同じ程度にしか捻れないようだ。残念ながら。 「ゆぎ、ゆぎぎぎぎぎぎ!」 仕方ないのでひとまず終えてやって離すことにする。 もちろん手のひらの上から降ろすわけではない。 「ゆ……ゆふぅー! みょうおわり? おわり? れいみゅたえちゃよ! ゆっへん!」 「すごいよぉ! おちびちゃあぁん!」 「なんだきゃれいみゅ、みゃえよりふにゃふにゃしゃんになったきがしゅりゅよ! れいみゅは、なめくじしゃん!」 「おちびちゃんよくがんばったねえぇ!」 まったく、俺が加減してやったからだというのに。 こんなことでぎゃあぎゃあと、いちいち面倒な奴らだ。 おちびを褒め尽くしたれいむが今度はこちらをキッと睨みつける。 「いいかげんにしてね! そろそろおちびちゃんをはなしてね!」 まだ言うか。 おちびを軽く痛めつける程度では、堂々巡りにしかならないらしい。 同じことばかりうるさく言われ続けるのは、もう勘弁してほしいところだ。 またしてもイラッとしてしまったので親れいむの顔にもう一度蹴りを入れてやる。 ただし今度はさらに弱め、小突く程度だ。 「ゆちー、なんだきゃやわやわしゃんしゅぎちぇ、れいみゅゆるゆるしゃんだよぉ」 おちびがもはや訳のわからないことを言っている。もうこいつは無視だ。 「ゆぎっ! いだい! ゆんやああぁぁあ!!」 「ゆぅー、うんうんでりゅよ!」 本当に軽くなのに大袈裟にわめく親れいむ。 さっきの一撃を思い出したってだけで叫んでいるのではなかろうか。 ……なに、うんうん? 「うんうんしゅっきりー! ぎゅいぃーでゆるゆるしゃんになっちゃからいっぴゃいでちゃよ!」 ……見ると、おちびが手のひらの上でうんうんをかましてくれていた。 それもきれいに手のひらに収まるように。 黒い餡子の塊が何やら仄かにあったかい。 ああ……なんだか、もういいや。 「……ゆっ! なにしゅるの! れいみゅのおかざりしゃんかえしちぇね!」 おちびを指でおさえ、もう片方の手でリボンを抜きとる。 それをポケットにしまってから、もう一度おちびをしっかりおさえる。 そして、手のひらの上の排泄物をおちびの髪に塗りたくった。 「おかざ……ゆぴぃ! うんうんちゅけないでにぇ!」 それはこっちの台詞だ。 うるさく言ってくるが、もちろんやめてなどやらない。 大方塗り終えると、だいぶ手のひらにも広がってしまっていた。 「おちびちゃんになにじでるのおおおぉぉ!」 「ゆんやああぁ! くちゃいいぃ! ゆぴいいいぃぃぃ!! れいみゅのさらさらかがやくごくじょうっ!のかみしゃんがくちゃいぃぃ!」 うるさく泣きわめくおちびを掃き出し窓から狭い庭部分に放り出し、窓を閉める。 「ゆ!? お、おちびちゃん!」 まず手を洗おう。そしたらもう、いいかげん終わらせてしまうとしよう。 俺ももはや限界だ。しかし何とも屈辱的な方法で本気にさせられてしまったものだ。 おちびの贈り物を洗い落した後、未だ散乱した居間に戻ると親れいむが窓に向かって体当たりしていた。 外から中から、窓がそんなに好きか。と言う冗談は置いといて。 さっきから親れいむの声は部屋に響いていた。 もちろんその目的はただ一つ。おちびの元に行こうと奮闘している、というわけだ。 「おちびちゃん! いまあけてあげるからね! まっててねええぇぇ!」 だが窓は大きな音を立てるばかりで、割れてまではくれない。 俺は足に体当たりされた感触を思い出して、あの力じゃ無理だろうな、と思った。 昨夜のれみりゃは既にいなくなっていて、外には脅威が存在するわけでもなんでもない。 それでも親れいむが必死なのは、さっきのことでおちびちゃんが泣きっぱなしだからだろう。くちゃいくちゃいと。 親れいむを後ろから捕まえ、体当たりを止める。 「なにするくそじじい! おちびちゃんをはやくもどせ!」 「戻す?」 「ここはれいむのゆっくりぷれいすだっていってるだろおおぉ! はやくもどせ!」 しつこい奴だ。と思って、そういえばまだきちっと否定してやってなかったことを思い出す。 「戻すね……、まあ賛成してもいいな」 ただし言葉尻をとって、の話だが。 「じゃあはやくもどせ! おちびちゃんをもどせ! それからあまあまもってこおおぉい!」 「お前が戻れよ。元の外にさ」 「ゆが!? そんなのおかしいでしょおお!? ここがれいむのゆっくりぷれいすなんだよお!!」 「ここは俺の家なんだよ。この部屋もあっちの部屋も。お前が来るずっと前に人間流のおうち宣言をしてるんだよ」 「ぞんなのじるがああ! いいがらおぢびぢゃんをもどぜ! ばやぐじろおおぉぉ!」 やはり言っても無駄か。 なにも聞かず傲岸不遜を貫き続けるしかない。ある意味一貫しているわけだ。 そんなお前たちを気にいってくれる人の所に飛び込めば、よかったのにな。いればだが。 親れいむのリボンも抜き取り、窓の外に出してやる。 ただしこいつは、おちびより強くだ。真っ直ぐ投げてやると、目の前のコンクリートブロックの塀に潰れるようにぶつかるれいむ。 それでも平気でぼてっと地面に落ち、泣き声を上げてみせるのは流石の丈夫さだ。柔軟性のなせる技だろうか。 俺は先ほどのナイフを持ち、サンダルをつっかけて庭におりる。 素早くおちびに飛びつこうとする親れいむに先んじて手を伸ばし、おちびを持ち上げた。 「さーて、さっきの約束やっぱ守ってもらおうかな」 そう言ってナイフをおちびにあてる。 怯えるおちび。 親れいむは愕然とした表情で固まっていた。 「こいつで切れ味試すって約束だったよな」 親れいむが表情に絶望を交え、悲痛な声をあげる。 「さっきはやめるっでいったでしょ! やべで! やべで! おぢびちゃんをだずげて! ごんどごぞがんばりばすがら!」 「あのな……二度も同じチャンスは訪れないものだよ」 そう言って、ぷるぷる震えるおちびの口にナイフを突っ込む。 深くまで差し込んだナイフで、頬の皮を切り裂く。後頭部近くまで広がる口。 「いぢゅあい! いぢゅぁいゆお……おかーしゃ……ゆぴいいいいぃぃ!」 泣き叫ぶおちびを押さえ込んで反対側も同じようにする。口裂けゆっくりが完成した。 さらに騒ぎ始めるおちびを強く抑え込む。 自分の体なのに騒ぎ過ぎれば餡子が漏れて危ないと分かっていないのか。 餡子が漏れ出さない内に地面に置き、親れいむと再会させてやる。思えば俺に捕まって以来の再会だ。 だが親れいむはそれどころではないのをきちんと弁えているようだ。流石に慎重な姿勢を見せる。 「おちびちゃん! しずかにしてね、あんこさんがもれちゃうよ」 「ゆ……おかしゃ、ゆうぅ……しゃべりにきゅぅいぃぃー!」 「おちびちゃん! しずかにしないとだめだよ!」 おちびを叱り必死にその動きを止めようとする親れいむ。 だがすでに切り口からは餡子が漏れかけている。このままではもっと漏れていくだろう。 だがそれよりもまず、おちびの体はぱかぱかと開いてみせていた。 おちびが喋るのに乗って上顎が持ち上がるのだ。 バランスを崩せば、あの体はすぐ開いてしまうだろう。 おちびはそんな自分の体の状態に困惑しながらも、叫ぶのをやめられない。 親れいむもそんなおちびを見て焦りを募らせ始めたようだ。 「おい、れいむ。おちびちゃんを後ろから支えてやった方がいいぞ」 親れいむに声をかけてやる。 親れいむははっと気づいたようにして、こちらに一瞥をくれることもなくおちびの背後に回る。 「おちびちゃん、おかあさんがささえてあげるからしずかに……ゆ! く、くさっ」 最後にれいむは反射で呟く。 そう、髪にはさっきうんうんを塗りつけたばかり。 つい出てしまった親れいむの小さな声を、おちびは聞き逃さなかった。 大口を開け、とうとう―― 「なにいっちぇるの……! おかーしゃがいけにゃいんでちょ……! おかーしゃがぜん! びゅっ! ……べ……べ」 叫ぶ勢いで上あごがあがりきり、頭が地面に落ちる。 まさにと言うべきか、首の皮一枚で繋がっておちびはゆっくりの開きになってしまった。 「お、おちびちゃああぁん!」 下あごに多くのあんこが残されているのがわかる。 上あごにもいくらか持っていかれているが、下あご部分では餡子がこんもりと山になっていた。 もしかするとあれが中枢餡というやつなのかもしれない。変わった様子はないのでよく分からないが。 下あごの先でずらりと半円状にならんだ歯の真ん中、舌がぴくぴくと痙攣していた。 先っちょは丸められていて、おちびが痛みに耐えているのがうかがえる。おそらく風前の灯だろうが、おちびはまだ生きているようだ。 そしてその身を二つに裂かれた苦しみを味わっているのだろう。 親れいむがもはやどうしていいか分からずに――いや、あれは既におちびを亡くした悲しみを感じているのかもしれない――顔を絶望に固め立ちすくんでいた。 だが、おちびは確かにまだ生きている。 この声が届くかは分からないが、こんな半端で終わらせても仕方ない。仕上げてやらねば。 「おちび、ジャンプしたら戻れるんじゃないか?」 俺の声にピクリと反応する二匹。 親れいむの顔が、本格的に絶望から悲しみへと変わった。 「おちびちゃん! うごいちゃだめ!」 だがおちびは、その台詞とほぼ同時に飛んでしまっていた。 苦しみに支配されたその思考は、きっと究極的に単純だったのだろう。 ジャンプの頂点からの落ち際に、確かに元の体を取り戻すおちび。 疲弊しきって濁った瞳にわずかの希望が浮き上がった。 だがその体はバランスを崩し、顔を地面へと向けてしまう。後ろを気遣いすぎて前に重心が乗っていなかったのだろう。 そしておちびは落ちた。 地面にあんこをはきだし潰れるおちび。今度こそピクリとも動かなくなる。 親れいむはそれをもはや生気のない目で見つめていた。 「あーあ、潰れちゃったな」 俺が言うと、ゆっくりこちらを見上げる親れいむ。 「さて、次はお前かな」 継いだ言葉に震え上がって、恐怖を浮かべた顔をする。 その表情のまま、ずいと前に出て叫び出す。 「ゆるじで! おぢびぢゃんぼばりざぼなぐじで、れいぶかばいぞうなんでずぅ!」 「ふーん、可哀想とは思わないけど……許されたいのか」 「ゆるじでぐだざい!」 「でもねぇ、俺もこのまま許すわけにはな」 「なんでぼじばず! なんべぼじばずがらゆるじで!」 「ん? そうか、なんでもするか。ならひとつ方法があるよ」 「ゆ! なに! なんでずが! ばやぐいっで!」 わずかに顔に喜びを浮かべ、食いついてくる。 俺の言ったことはろくに実現できていないこいつだが、次こそやってくれるだろうか。 「そのおちび、食べてくれ」 「ゆ……!」 れいむが表情を固め、たじろぐ。やはり無理だろうか。 「嫌か?」 「ゆ! ばっで! ばっで……」 戸惑い、怯えた表情を浮かべるれいむ。 なんだかんだで、色んな表情を見る羽目になったな。 「そうだよな、助かりたいよな」 「ゆ……」 俯く。 「でもおちびは食べたくないか? でもさあ、考えてみろ。」 顔を上げ、こちらを見る。 怯えを残したままの、救いを求める表情だ。そんなものを与えようとは思わないが。 「お前だけが許されたらおちびはここであのままだぞ」 「ゆ……!?」 「親に見捨てられ、野ざらしのまま段々朽ちていく……。可哀想じゃないか?」 「……」 「おちびはもう動けないんだ。れいむが自分の体に取り込んでさあ、ここから連れて行ってやれよ。そしたら、ずっと一緒にいられるじゃないか」 「ゆ……ずっと……ゆっくり……」 「そうそう、ずっと一緒にゆっくりできる。それに、俺もおちびを片づけてやらなくてすむから、助かるんだよ」 「ゆ……」 「俺とおちびを助けると思って、頼むよれいむ」 「ゆ……あ……」 ゆっくりとおちびに近づくれいむ。 うんうんの臭いもまだ残るであろうその体に、れいむは今度こそ躊躇わずに食いついた。 ゆっくりと咀嚼する。 すすり泣く声が聞こえたのは、最初だけ。 食べ終えて動かなくなったれいむの前に回る。 おちびは餡子のひとかたまりも残さずに、消えている。土をなめてでも、れいむが食べ尽くしたからだ。 口がだらしなく開かれ、その目はまたも生気をなくし焦点があっていなかった。 そんなれいむに告げてやることとする。 「よしれいむ、今度こそできたな」 わずかに見上げるれいむ。 だが未だにその目は遠くを見ている。 最後だけだが、やっと俺の指図を行動に移せたか。 「これで許してやれるぞ、れいむ。俺はこれ以上お前に危害をくわえない。後は好きに逃げな」 「ゆ!」 れいむの顔に一気に驚きと喜びが灯った。 「ほんとうにゆるしてくれるの!?」 信じられていなかったのだろうか。 「ああもちろん、約束は守らなくちゃな。あ、その前に」 「ゆ?」 「お飾り返してやるからな」 家から出すときに奪い取ったリボンを取り出し、れいむに見せる。 「つけてやるよ。……もう何もしないから、来な」 そう言ってやると、おずおずと近づいてくるれいむ。 さっきの約束は本当だ。だから俺はもう本当に危害を加える気はない。 後はこの親子を逃がしてやるだけだ。 れいむの後頭部の辺りに元通りにしっかりリボンを結んでやった。 「もうちょっとだからな」 そう言ってれいむを少し引き寄せ軽く押さえる。 そして頭にリボンを結ぶ。 れいむは静かに任せている。顔を見ると喜んでいるようだ。お飾りが戻ってきて嬉しいのだろう。 「さ、出来た。もういっていいぞ」 「ゆん……ありがとう! それじゃあ、さよなら」 ゆっくり去っていくれいむを見送る。 れいむは昨晩れみりゃが現れた辺りから逃げていった。 さて、やっといなくなったな。 下手に潰して掃除の手間を増やすのに比べれば、ましなやり方だったろう。 鬱憤もそれなりに晴らせたのだし。 俺は正直おちびがつぶれた時点で充分だった。既に飽きていたのだ。 だがそのおちびもれいむに片づけさせられたし、結果だけ見ればゆっくりの被害にあった割には上々な対処ができた方なのではないだろうか。 そして残ったれいむも、これから自らゆっくりできない所へ飛び込んでいくことになるのだ。 さ、部屋の掃除に取り掛かろう。 れいむは必死に走っていた。 あの人間が見えなくなった時点で、追ってくるのではと俄かに恐くなったのだ。 持てる力の全てで、全力疾走する。 まあ人間の子供の歩行よりと同じ程度の速度だったが。 気付くとれいむは、やたら草の生い茂った土地の前に立っていた。 周りは人間の家が立ち並んでいるばかりなのに、この場所だけに背の高い草が並んでいる。 何のことはない、ただの空き地だった。 だがそんなことれいむは知らず、とりあえず仲間でもいないかと、近づかないで覗き込むようにして見る。 もちろん逃げてきた方への警戒も怠らない。 と、その時ガサッと草をかき分ける音がした。空き地の方で何かが動き、そして近づいてくる。 れいむは一歩二歩と下がり警戒しながらその何かが現れるのを待った。 そして、あらわれたその姿は……ゆっくり。ゆっくりまりさだった。 れいむはそのまりさに見覚えがあった。昨日はぐれた番のまりさだ。 食われたかと思っていたが、生きていたのだ。 「ゆ! まりさぁ!」 「ゆ! れいむ! いきてたんだ……ぜ……」 言葉を尻すぼみにするまりさ。もしかして傷ついているのだろうかと、れいむは思った。 「まりさ! だいじょうぶだったんだね!」 「……ゆ、れいむこそだぜ」 「しんぱいしたんだよ、まりさ」 「ゆ、そうかぜ」 わずかに俯くまりさ。帽子に隠れて表情が窺いづらい。 「まりさ、どうしたの? ようすがおかしいよ?」 「……れいむ、おちびはどうしたのぜ」 「ゆ……おちびちゃんは……にんげんさんに……。 いっしょにつかまっちゃって、たいへんだったんだよ」 「そうかぜ」 後ろを向くまりさ。 れいむは思った。おちびの死を悲しんでいるのだろうと。 あんなにゆっくりとしていたおちびちゃんだったのだ。仕方ない。 まりさが振り向く。 「なら、その……ちいさいおかざりはなんなのぜ!?」 「ゆ!?」 まりさはれいむの頭を見上げ、怒りの表情を浮かべていた。 れいむは戸惑う。まりさが何を言っているのか、分からない。 「お、おかざりってなんのこと?」 「そのあたまについたちいさなおかざりのことなのぜ! ふたつもつけて、おかしいのぜ! それはおちびのじゃないのかぜ!?」 まりさの言う通り、れいむの頭の上はいつもと様子が違っていた。 自前のお飾りは問題なく付いている。 だが、一まとまりの黒い髪が、真っ直ぐ上にのびアホ毛のように突っ立っていた。 その根元を小さいお飾りに支えられて。 「そんなつけかたして! おちびをばかにしてるのかぜ!!」 「ゆ! ゆぴ!?」 混乱しだすれいむ。 緩む思考から何とか絞り出して、れいむは自分とおちびのお飾りのことを思い返す。 自分のお飾りは一度取られたものの、きちんと人間に返してもらったはず。そして、おちびのお飾りは……。 「ゆ! まりさ! にんげんさんのしわざだよ! きっとあのにんげんがれいむに」 れいむの餡子に皮が裂ける音が響いた。 「ゆゆ、ああ、あぁぁぁ!」 まりさが口に石をくわえ、ぶつかってきたのだ。 わずかな裂け目かられいむに痛みが伝わる。 「おかざりをうばったのぜ……!! おちびちゃんから!」 「ま、まりさ! ちがうよ! これはにんげんが」 「うるさいのぜ! ふざけるなだぜ! そんなのうそなのぜ! うそなんかききたくないのぜ!」 「まりざ!」 「おちび! かたきはとるのぜ!」 「やめで! やべでばりざあ!」 まりさのくわえた石が襲いかかる。れいむの体を裂き、ひっこめられてまた襲い、裂く。 れいむの体はぼろぼろになっていった。 まりさの体当たりの衝撃で、増えゆく穴から餡子がさらに漏れ出す。 まりさは石を捨て、れいむの上に乗っかった。 れいむの上で体重を乗せて何度も跳ね、れいむの体から餡子を追い出しながら潰していく。 やがてれいむがピクリとも動かなくなると、まりさは吠えた。 「ゆっゆおおぉぉー!! おちび! かたきはとったのぜえ!」 ゆおーゆおーと、高らかに叫ぶまりさは気付かない。 草陰から自分を見つめる存在に。 昨夜逃した獲物を、再度見つけた捕食者の視線に。 おわり 挿絵: