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・初投稿です ・いじめ少ないです 『WARNING』 20XX年1月1日深夜2時 ある加工所にて 「WARNING,WARNING第5ブロックにてゆっくりが脱走。 繰り返す、第5ブロックにてゆっくりが脱走。 職員は脱走したゆっくりを捕獲せよ。これは訓練ではない。」 「おい、聞いたか?」 「ああ。新年早々ゆっくりが脱走かよ。」 俺は仲間の鬼意と深夜の中央司令室にいた。 「第5ブロックか・・・よし、行こう。」 「おk」 俺は捕獲用の網と籠とゆっくり用睡眠剤を持って鬼意と第5ブロックに向かった。 ~5分後~ 「うわぁ何じゃこりゃー。」 俺と鬼意はそう言った。 何せ500を超える饅頭がもぞもぞと動いているのだから。 「ゆっくりにげるよ!」 「そろーり、そろーり」 「れいむたちはこれからゆっくりぷれいすめざしてかこうじょからにげるんだね!」 「むきゅ!そうよこのじかんならにんげんさんもすーやすーやしてるからね!」 どうやら脱走の指揮を執っているのは、ぱちゅりーのようだ。 馬鹿な饅頭たちだ。 俺と鬼意は捕獲に取り掛かった。 「「「「「「「「「「なんでにんげんさんがここにいるのー」」」」」」」」」」 ゆっくりが気づいたようだ。 逃げるゆっくりがものすごい振動を起こす。 中には振動でレイパーになったアリスが周りのゆっくりを犯している。 ゲスが他のゆっくりを潰してまで逃げている。 だが前方には他の職員達が待機している。 俺と鬼意はどんどん睡眠剤を撒く。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!にんげんさんにつかまっちゃうよぉぉぉぉ!!!」 「ばかなにんげんさんなんてまりさのぷくーでいちころだよ!」 ゆうかん(笑)なゆっくりもいるもんだ。 前でもゆっくり用睡眠剤を撒いている。 ゆっくりの動きが鈍くなった。 「ゆぅぅなんだかねむくなったよーすーやすーや」 「みんなーねちゃだめー!!!」 ぱちゅりーが必死にみんなを起こす だがこの睡眠剤はとても強力だ寝たら12時間は起きない。 ぱちゅりーを透明な箱に入れ、他のゆっくりを回収していく。 「ふう、何とか回収できたぞ。」 「このゆっくり達はどうするんだ?」 「ぱちゅりーを尋問してから全部加工する。」 「ふーん、何匹かもらえないか?」 「また虐待か?」 「まぁな」 「こんなにいるから何匹か持って行ってもばれないだろう」 鬼意はれいむとまりさをお持ち帰りした。 ~12時間後~ 「むきゅ!ここはどこ?」 「起きたな。よし、はじめろ!」 スーツを着た男が行った。 「むきゅ!ぱちぇはもりのけんじゃなのよ! それがわかったらそこにいるばかなにんげんさんはさっさとここからぱちぇをだしなない!」 「うるさい。」ドン 男は透明な箱を叩いた。 男は続ける。 「なぜ脱走なんてした」 「ぱちぇたちはだっそうなんてしてないわ!ゆっくりぷれいすにいこうとしただけだわ」 「まあいい。お前には罰としてお前の仲間が加工されるのを見届けてもらう」 透明な箱の前にモニターが現れた。 そこには脱走したゆっくりが映っていた。 「ゆんやぁぁ!あんよさんがあちゅいよぉぉぉ!」 「たしゅけてぇぇ!」 「こんなのとかいはじゃないわぁぁ!」 「わからないよー」 「ちーんぽ」 モニターには鉄板上で叫ぶゆっくり達が映っていた。 「やめて!ぱちぇたちのなかまはわるくないわ!おねがいだからやめてあげて!」 「だまれ!」ドン 次に映ったのは潰されるゆっくりだった。 「かべさんこないでね!れいむつぶされちゃうよ!やめてね!やめてn」ブチュ 「どおじでごんなごどじゅるのぉぉぉ!」 ぱちゅりーは叫ぶ。 男は行った。 「お前が脱走を企てて、他のやつらを脱走させたからだよ。 お前がみんなを殺した。お前のせいなんだよ全部。」 「ぱ、ぱちぇがみんなをころしtエレエレエレエレ ぱちゅりーはクリームを吐いた。 だがオレンジジュースがかけられ意識が戻った。 「お前には仲間全員が死ぬまで死なせない。」 ぱちゅりーの口にテープが張られた。 これでクリームを吐いて死ねなくなる。 「むぅー!むぅー!」 何かを訴えている。 また足焼きもしているので動けない。 「まあ全員が死ぬまでゆっくりしていってね」 男はそう告げると部屋を出て行った。 ~1時間後~ 男は部屋に戻って来た。 「どうだ、お前の仲間が次々殺されるのをみるのは?」 ぱちゅりーは何も話さない。 男は赤い液体が入った注射器を取り出すと、ぱちゅりーに刺した。 ぱちゅりーは狂ったかのように身体をグネングネン動かすと、電池が切れたみたいに動かなくなった。 「処理完了」 男はそういうと部屋から出て行った。 by加工所職員
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※ある意味ゲス大勝利 ※おれ、希少種好きなんだな、これからもどんどん優遇するよ! 人里から離れた所にある森のゆっくりの群れ。 開けた場所にある群れの広場では、れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、み ょんと言ったゆっくりたちが思い思いにゆっくりしている。 朝から好きにゆっくりし続けていたが、やがて昼頃になると、子供たちが空腹を訴えて 騒ぎ出した。 「おきゃあしゃん、おにゃかすいちゃよ」 「ゆん! れいみゅも!」 「まりしゃも!」 「ゆん! それじゃ長のおうちに行こうね!」 ぞろぞろとゆっくりたちは長のおうちの洞窟へと向かう。天然の洞窟を利用している長 のおうちは、いざとなった時に避難する場所でもあり、多少窮屈なのに我慢すれば、群れ のもの全員を収容できる広大さであった。 「むきゅ、それじゃ持って行きなさい」 長のぱちゅりーは、洞窟の奥の貯蔵庫にあるごはんを分配した。 「わーい、おいちちょーだにぇ!」 「おうちにかえってむーしゃむーしゃしようね」 「むーちゃむーちゃしたらおひるねすりゅよ!」 「れいみゅたち、とってもゆっくちちてるね! 意気揚々と引き上げようとするゆっくりたちだったが…… 「ゆっ!」 一匹の子まりさが、何かを見つけて声を上げた。 「くじゅのれっとーちゅがいりゅよ!」 そう言った子まりさの視線の先には、一匹の子ゆっくりがいた。 「ゆ?」 なにが起きたのかよくわかっていないらしいその子ゆっくりは、 「ゆっくちちていっちぇね!」 とお決まりの挨拶をした。 「ゆ?」 「ゆゆ!」 子まりさの両側から子れいむと子ありすがやってきて、その子ゆっくりを見やる。 子まりさも含めて三匹とも、今の挨拶を聞いているはずなのに何も言わない。これだけ で異常事態である。普通ならば、この三匹も同じ挨拶を返すはずなのだ。 「ゆぅ? ゆっくちちていっちぇね!」 不思議そうにしたその子ゆっくりは、もう一度元気に挨拶した。 それに返って来たのは、汚いものを見るような子れいむと子ありすの目であり、同じ目 をした子まりさの体当たりであった。 「ゆぴ! い、いぢゃいぃぃぃぃ!」 「くじゅのれっとーちゅがあいしゃつしにゃいでにぇ!」 「むきゅ! やめなさい!」 騒ぎを聞きつけて長ぱちゅりーがやってくる。 「ゆぅ……おさ」 子まりさは、不満そうに後ろに下がった。 「れっとーちゅはきやすくあいさつしにゃいでにぇ!」 「いにゃきゃもののれっとーちゅめ!」 「れいみゅたちみたいなきちゅとはみぶんがちぎゃうんらよ!」 三匹は口々に罵倒しつつ帰っていく。 「ゆ……ゆぴぃ……お、おしゃぁ」 泣いていた子ゆっくりは、三匹が去り、そこにいるのが長ぱちゅりーだけと知るとそれ に縋り付いた。 「まったく、あの子たちは……よしよし、泣くのは止めなさい」 「ゆぅ……しゃなえは……れっとーちゅにゃんだにぇ」 子ゆっくりは、さなえ種であった。 子さなえは、どことなく諦観を面に表していた。 これまで教育されて頭では理解していたことを体に刻み込まれて嫌でも理解させられて いた。 「むきゅぅ……確かにそうよ……でも、だからと言って暴力を振るうことはぱちゅは許し ていないわ。さっきみたいにされたら言いなさい」 「ゆぅぅぅ、おしゃぁぁぁ!」 子さなえが長ぱちゅりーの言葉に感泣する。 「ゆぴゃあああん、おしゃあ!」 「ゆっ、ゆっ、おしゃ、ありがちょう」 「ゆぅぅぅ、ゆうきゃたちはれっとーちゅだけど、やさちいおしゃがいてよかっちゃわね」 そして、一連の出来事を物陰から見ていた子ゆっくりたちも同様であった。 かなこ種、すわこ種、ゆうか種――他にもらん種、すいか種、めーりん種の子供たちが いた。 皆、れっとーちゅ、すなわち劣等種であった。数は大人が十匹、子供が二十匹ほどだ。 この群れは、厳しい身分制があり、劣等種は、先ほどの子れいむが言っていた「きちゅ」 すなわち貴種の下に置かれている。 貴種はれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、ちぇん、みょん種である。こちらは大人 が百匹、子供が二百匹以上といったところか。 あらゆる点で貴種に劣ってゆっくりしていない劣等種は、毎日狩りをしてその成果を貴 種に献上することでなんとか群れにいることを許されていた。貴種の方が数が多いのだか ら、それは大変な労働であった。 今現在、大人の劣等種たちは狩りに出かけているところであり、その間、子供たちを長 が預かっているのである。 先ほど貴種たちが労せず持っていった食べ物も、全て劣等種が集めてきたものだ。 相当ゆっくりできていない劣等種たちだが、生まれた頃から自分たちは貴種よりも遙か に劣っていると叩き込まれているために反乱に踏み切ることなどできなかった。 そして、先のやり取りを見てもわかるように、長のぱちゅりーはかなり穏健な対処をと っており、どのようにゆっくりできなく劣等なものたちでも同じ群れの仲間であり、また 一生懸命劣った体で狩りをして食料を集めているのだからと、馬鹿するのはともかく物理 的な暴力の行使は許さなかった。 そのため、劣等種たちは重労働の狩りに耐え、貴種からの蔑みにさえ耐えれば、子供を 産むことも許されたし、夜の一時――むろん早朝から狩りに行くのだから早く眠るために 僅かな一時ではあったが、家族でゆっくりできぬこともなかった。 反抗できずとも、群れからの逃亡ならば可能であるのに、それをしないのもそのためだ。 ここから逃げ出しても、群れの外もまた劣等種である自分たちへの敵意に満ちているで あろうと、思い込んでいた。 自分たちが逆らっても勝てっこないという諦観――。 そして、我慢していれば殺されたりはしないという希望――。 その二つが天秤の両端に乗って、バランスをとっていた。 「ゆぅぅぅ、おしゃがじゃまちなければ、れっとーちゅをせいっしゃいしてやっちゃのに ぃ!」 「ゆゆん、にゃんでおしゃはあんなやちゅらにやちゃちくすりゅんだろうにぇ?」 先ほど、子さなえをいたぶろうとして長に止められた子まりさたちは不平たらたらであ った。 貴種は貴種で、自分たちがいかに優れていて、いかにゆっくりしているかを教えられて 育っているので劣等種のことは当たり前に見下している。 粗暴なものは、劣等種へ暴力を振るいたがるが、それを許さぬ長に対して不満を持って いた。 「ねえ、どうちちぇ?」 子まりさは、不満と疑問をストレートに親にぶつけた。 「ゆぅ、まりさたちも長はやさしすぎだと思ってるけど……この群れができたのは長のお かげだからね……」 親まりさはそう答えた。 大人のゆっくりたちも、長が劣等種を(貴種に言わせると)優遇しているのは疑問に思 っているのだが、そもそもこの群れを作った創成期のゆっくり唯一匹の生き残りがあの長 ぱちゅりーなのである。いわばその功績に対する尊敬というか気後れというかが大人たち が表立って長に不満を表明することを躊躇わせていた。 「むきゅ、安心しなさい」 そう声をかけてきたのはぱちゅりーだった。 このぱちゅりー、長ぱちゅりーの孫にあたる。 両親は既に死んでいて、長の唯一の身内であった。長と同じぱちゅりー種ということも あって頭がよく、次の長になるだろうと言われていた。 「ぱちゅが長になったら、全部よくなるわ」 と、言ったこの孫ぱちゅりー、もう自分は長になるのは決まっていると言わんばかりで あった。 「おばあちゃんは……あんまり言いたくないけどもう長くないわ。もう少しの辛抱よ。ぱ ちゅが長になったら、貴種は貴種らしく劣等種は劣等種らしくするわ」 と、あんまり言いたくないようには見えない顔で言った孫ぱちゅりーに、その場にいた 貴種ゆっくりたちの期待の眼差しが注がれる。 孫ぱちゅりーは、それを心地よさそうに受けていた。 ここ最近、孫ぱちゅりーはこうやって今の長が劣等種に対して肩入れし過ぎると不満を もらすものがいると、このように自分が長になったらよくなると言って回っていた。 いわば、次の長の座を確実にするための運動である。 これによって、不満を持っている貴種たちも、差し当たっては暴発せずに我慢していた。 ここにもまた微妙なバランスをたもつ天秤があった。 「ゆっゆっゆっ」 「きょうはたくさんとれたねえ」 「そうだねえ、みんなよくがんばったよ」 陽が落ちる前に、狩りに行っていた大人の劣等種が帰って来た。 その成果を長のおうちの貯蔵庫に運び込む。 「むきゅ、今日はまたがんばったわね、ごくろうさま」 長ぱちゅりーが声をかけると、劣等種たちはとてもゆっくりした笑顔になった。 この群れで、このように暖かい言葉をかけてくれるのは長と、もう一匹ぐらいであった。 その、もう一匹というのが、狩りに付き添っていた一匹のれいむである。 「ゆぅ、なんにもいじょーなしだったよ」 「むきゅ」 長にそう言ったれいむの役目は、劣等種たちの監視である。と、言っても、実際はただ 単に付き添っているだけである。 貯蔵庫に食べ物をおさめると、劣等種たちは長に預けていた子供たちを連れておうちに 帰る。 入り口までそれを送りに出たれいむは、それを見ている貴種たちを見た。ひーそひーそ と内緒話をしているが、聞こえずとも何を言っているかはわかる。 劣等種と、それに劣らぬ劣等ぶりなれいむを嘲笑っているのだろう。 れいむは、貴種たちにダメれいむと呼ばれていた。 はっきりいってそう言われるだけのことはあり、れいむは何をやってもダメだった。 かけっこ、おうた、けんか、何をやっても同世代のものたちの中で最低だった。 いつしか、あいつは姿形こそれいむだが中身は劣等種だと言われるようになった。その ことを特に苦々しく思っていたのが同じれいむ種たちで、自分たちの面汚しだとばかりに もうこいつの扱いを劣等種と同じにしろと言い出したものだ。 長が、れいむに身の回りの世話を頼んだのはそんな時だ。 貴種は、労働をしない。 長の世話を労働と呼ぶかどうかについては議論の余地はあろうが、少なくとも劣等種た ちに課された狩りに比べれば軽労働であろう。 それとともに、劣等種の監視という名目で狩りに同行させることにした。 とりあえずそれで、ダメれいむを完全に劣等種扱いせよとの声はおさまった。もちろん 劣等種同然のダメれいむという評価は定着してしまったが。 れいむは、長のその一連の処置を感謝していた。 今ではれいむは狩りに行くのが楽しみになっていた。 狩りに行けば、そこには自分をダメれいむと蔑む貴種はいない。 散々自分が蔑まれたれいむは劣等種たちにも優しく接していたために、彼らとも仲良く なっていた。 「ゆぅ……」 おうちの奥へとぽよんぽよんと跳ねるれいむの顔色は冴えない。 ここ最近、時々れいむは誰もおらぬところでこのような顔をすることがあった。 「どうしたの?」 突然いないと思っていた長に声をかけられて、れいむは驚いて跳ね上がった。 「ゆ! ゆ! ゆゆ! れ、れいむは別になやんでないよ! 長に聞きたいことなんかな いよ!」 「むきゅきゅ」 長はれいむの様子を見て微笑んでいた。 「む……き……」 だが、次の瞬間、その顔は歪んだ。 「げ……ごほ! ごほっ!」 「ゆゆ! 長!」 れいむが慌てて跳ねよって心配そうにする。 「むきゅ……大丈夫よ……でも、もうそろそろぱちゅも永遠にゆっくりするころね」 「ゆゆぅ、長、そんなこと言わないでね」 れいむは、純粋な悲しさもあったが、長という庇護者を失うことへの恐怖も同時に感じ て表情を暗くした。 次の長は、おそらく長の孫のぱちゅりーだろう。 しかし、こちらは劣等種にも自分にも相当辛くあたってくるであろうことは容易に推測 できた。 「れいむ……」 「ゆん?」 「なにか聞きたいことがあったら、ぱちゅが永遠にゆっくりするまえに聞くのよ。……今 までよくやってくれたれいむだからね、どんな質問にも答えるわよ。……孫にも教えてい ないようなことでも、ね」 「ゆ! ……ゆ、ゆぅ……も、もしどうしても聞きたいことができたら、そうするよ」 「むきゅきゅ」 長は笑顔になった。 先ほどの、慌てるれいむを見て浮かべた微笑が混じり物無しの純度の高いそれであった としたら、その笑顔には、多分に斜にかまえたような色があった。 「ゆっ! ゆっ! ゆゆゆゆっ!」 「ゆぐっ!」 かなこがごろりと地面に転がる。 「ゆん!」 転がしたのはすいかだ。 「さすがだねえ、すいか」 「ふふん、これでようやく勝ち越したよ」 何をやっているかと言えば、お互いに体を押し合って倒す遊びである。これをみんなは スモウと呼んでいた。 すいかは劣等種の中では一番の力持ちだ。 「よーし、それじゃ次は」 「かなこ、こないだのりたーんまっちだよ!」 と踊り出してきたのはすわこだ。 「よし、いっちょもんでやるか」 「まけないよー」 かなことすわこは、仲が良い一方でお互いへの対抗意識も強くことあるごとに張り合っ ている。 みんなが囃し立てる中、二匹は真っ向から激突した。 「ゆぅ……」 れいむも、それを見ていた。 今は、狩りの最中である。と言っても、もうだいぶ成果を上げたので、こうして遊んで いるのである。 監視役という本来の役割からすれば、れいむはこのことを咎めるべきであった。遊んで いる暇があったらもっと狩りを続けろと。 しかし、貴種よりも劣等種に親近感を感じているれいむは、そのようなことは言わなか った。 長は、どうも感付いているらしいのだが、 「……まあ、息抜きのゆっくりは必要ね」 と言って黙認している。 「ゆぅ……」 れいむは、複雑な表情であった。 かなことすわこのスモウは白熱している。 それを見て、れいむの中でどんどんある一つの疑問が大きくなっていくのを止められな い。 なんでもどんな質問にも答える、という長の言葉が何度も何度も思い浮かぶ。 明敏な長のことだ。れいむがどんな疑問を抱いているのかすら知っているのかもしれな い。 「……れいむ」 そんなれいむに声をかけてきたのはらんだ。 このらんは、とあることがあってからそれまで快活だった性格が暗く沈んだものになり、 あまり他のものとも話さなくなった。 そのらんが自ら声をかけてくるのは珍しい。 「かなこもすわこも強いな」 「ゆ?」 「わたしも、まけてないぞ。最近はやってないが、前はよくスモウをした。すいかにも勝 ったことがあるんだぞ」 「ゆ……それは……れいむも見てたよ」 まだ、らんの性格がこうではなかった頃、らんもみんなと一緒になって遊んでいたもの だ。何度かすいかのパワーをいなすようにらんが勝ったのをれいむも見たことがある。 「れいむは、どうかな」 「ゆ?」 「れいむは、わたしや、すいかやかなこやすわことスモウしたら、勝てるかな」 「ゆゆゆゆ!?」 れいむは改めてらんをじっと見る。冷徹な無表情であった。 そこからは蔑みとか挑発しようとかそういった感情は読み取れなかった。 「……勝てないよ……れいむは弱いから」 他の貴種ならば、口が裂けても言わぬことだが、ダメれいむと蔑まれ続けてきたれいむ にとっては、あまり抵抗のある言葉ではなかった。 なにより実際、とてもではないが勝てるとは思えなかった。 すいかやかなこだけではなく、ゆうかやさなえ、めーりん、この場にいる劣等種の誰に も勝てる気がしない。 「貴種で、一番強いのって誰だろうな」 「ゆ? ……それは……たぶん、まりさだよ」 まりさは、腕自慢のものを全て叩きのめした群れ一番の喧嘩自慢だった。れいむも長の 庇護を受ける前はよくいじめられたものだ。 「まりさ……ああ、あいつか」 「ゆぅ」 れいむはドキドキしていた。 らんが、ダメなれいむにならともかく、それ以外の貴種にも平気でぞんざいな口をきい ているからだ。 今のも、あいつ呼ばわりされたことを知られただけでまりさにせいっさいっされるだろ う。 「あのまりさとならどうだろう。どっちが強いと思う?」 「ゆ?」 れいむは卑屈な探るような視線でらんを見る。 まさか、まさか、まさか――。 「れ、れいむにはわからないよ。れいむダメだから、ばかだから」 困った時にいつもやっていたことをれいむはした。 れいむはダメだから、ばかだから、だから、わからない、だから、できない。 そう言えば、みんな納得してくれた。 「もちろんまりさのほうが強いよ、とは言わないんだな」 「ゆゆっ!」 れいむは哀れなぐらいに困惑していた。あの疑問がなければ、そう答えていたはずなの だ。れいむとて、貴種が優れており劣等種は劣っていると教え込まれて育ったのだ。 「れいむを困らせようとしたわけじゃないんだ。すまないな」 らんは、涙目になっているれいむにそう言って離れて行った。 らんも、れいむと同じ疑問を持っているに違いない。 そして、その疑問が確信に変わった時どうなるのか――。 長ぱちゅりーは数日後に生クリームを吐いて昏睡状態になった。 そこからなんとか意識を取り戻したが、もはや死を確信した長は皆を集めてその前で次 の長を誰にすべきかを問うた。 一瞬の間があってから、孫ぱちゅりーを長に推す声が上がり、やがてそれは大きな声と なった。 ちなみに、当然のことながら群れの行く末を決めるこの場に劣等種はいない。 「むきゅ……そう、それじゃあそのようにしましょう」 長ぱちゅりーはそう言って皆を解散させ、孫ぱちゅりーを自室に招いて話をした。 待ちに待った時が来たと孫ぱちゅりーは興奮しつつ帰っていった。 「長……」 れいむは長ぱちゅりーの死を間近にして、決意していた。 そして、それを長も察していた。 「れいむ、なにか聞きたいことがあるんでしょう?」 「……ゆん」 「むきゅ! 劣等種の子供なんか預かるのは嫌よ」 長の死後、新たな長になった孫ぱちゅりーは、とりあえず大人が狩りに行っている間に 劣等種の子供を長のおうちに預かるのを止めた。 今や我が城となった長の住居に劣等種など入れたくなかったのだ。 それに合わせて狩りのノルマも増やされた。 当初、子供たちだけを残していくのに不安を覚えた大人たちは何匹か残ろうとしたのだ が、増大したノルマに対応するためにはそれは無理であった。 そして、数日もしないうちに、留守に残っていた劣等種の子ゆっくりが、貴種の子ゆっ くりに暴行される事態が起きた。 もちろん、親たちは長に対して訴え出たが、劣等種といえども暴力を振るってはいけな いというのは前の長の時代の掟であって、自分が長になったからにはそのような馬鹿げた 掟は廃止だと告げられた。 仕方なく、大人が何匹か残ったが、貴種の子ゆっくりたちは制止する大人たちを嘲笑い ながら劣等種の子たちをいたぶった。制止と言っても少しでも触れたら劣等種の大人が貴 種の子供をいじめた、などと言われるのはわかっていたために懇願するしかなかったのだ。 それまでは満腹とは言わぬものの、それなりの量が支給されていた食料についても新長 は大幅に削減したために、空腹で傷付いた子供たちを前に劣等種たちは途方にくれた。 一度、れいむが改善を掛け合ったが当然のことながら無視された。 そればかりか、その話が群れに伝わるや、とうとうれいむはダメれいむから劣等れいむ と呼ばれることになった。 前の長の頃はこんなことはなかったのに、と嘆く劣等種たちにれいむはかける言葉も無 いといった顔をしていた。 「れいむ」 そのれいむへ声をかけたのは、らんであった。 「長に掛け合ったらしいな……馬鹿なことをする」 「……ゆぅ、でも、あまりにもひどいからね……」 「れいむは、ちぇんが死んだ時に、わたしをなぐさめてくれたな」 「ゆ、そんなこともあったね……」 「わたしは……いやわたしたちは、れいむのことを仲間だと思っているよ。……劣等種に そう思われるのは嫌かな?」 「……そんなことはないよ。れいむも、そう思っているよ」 「そうか」 らんは久しぶりに微かに笑って言った。 「ゆああああああ、おねえざん! おねえざぁぁぁん!」 一匹のさなえが泣いていた。 その前には黒ずんでいるさなえ種の死体がある。 頭から何本もの茎が生えていることから、すっきりのしすぎで死んだのは明らかだ。 泣いているさなえの姉のさなえで、今日は狩りの間に留守番をしていた。 お決まりの貴種の子ゆっくりの襲撃があり、それにやめてやめてと懇願し無視され、そ れでその日は終わらなかった。 子ゆっくりたちが引き上げた後、大人のゆっくりが何匹もやってきて代わる代わる、さ なえが死ぬまで犯したのだ。 その光景を見せ付けられた劣等種の子供たちはむろん見たままを証言したのだが、長と 幹部たちにより「劣等種の証言は信用できない」と断定されて無視された。 姉さなえを犯し殺した貴種たちの、 「さなえから誘ってきた。ほんとうなら劣等種なんかとすっきりしたくないんだけどあま りにもひっしに頼むからかわいそうになってすっきりしてやった。なんどやってももっと もっととせがむのでかわいそうに思って相手してやっていたら死んでしまった。まったく とんだいんらんめすぶただった」 という証言が全面的に採用され、姉さなえの死は事故、それも自ら望んだ自業自得のも のとされてしまった。 長も他の貴種たちも、それでその件は解決したとしてすぐに忘れてしまった。 劣等種をとことん見下していた貴種たちは、その細かな感情の動きなどに気を配ったり はしなかったし、そんな必要もないと思っていた。 奴らは劣等であり、自分たちの方が強い上に数も多いのだ。何かの間違いで反抗してき てもすぐに叩き潰せる。 そして、劣等で根性無しの連中は、見せしめに子供たちを痛めつけてやれば言うことを 聞くはずだ。 その程度の認識であった。 だから、劣等種たちの顔色から何から何までが以前のようではないことに気付いたのは れいむぐらいであった。 さなえは、死んだのだ。 前の長の頃には死ゆっくりなど出なかった。 それが超えてはならない一線であるというような認識は、当然ながら貴種たちには無か った。 今まで、前の長に遠慮していただけで、内心では劣等種など貴種に殺されても当然の存 在なのだと思っていた。 それが、一連の事件とそれに対する貴種の態度で、劣等種たちに刻み込まれた。 「れいむ、頼みがあるんだ」 らんがやってきた。 「ゆ? なに?」 「ほら、あのまりさ、群れで一番強いまりさ」 「ゆ……ああ、あのまりさ」 「まりさを呼び出してくれないか」 「ゆ?」 「実は……」 れいむはらんの話を聞いてまりさの所へ行った。 今や劣等種扱いのれいむであるから、ゴミでも見るかのような目をされたがそれでも一 応はれいむ種なのでなんとか話を聞いてもらえた。これが生粋の劣等種ならば話にもなら なかっただろう。らんも、それを見越してれいむに頼んだのだ。 そして、れいむの話を聞くや、まりさは身を乗り出してれいむに促されるまま、らんが 待っているという群れから少し離れたところへと着いてきた。 「ゆっ、ゆっ、ゆ~っ」 れいむの後ろで上機嫌にまりさは口ずさんでいる。 「ゆっへっへ、劣等種のくせになかなかわかってる奴なのぜ、あのらんのことはそれなり ーにあつかってやってもいいんだぜ」 まりさは、群れでけんかが一番強いことで貴種の中でも威張り散らしており、普通なら ば劣等種の呼び出しになど応じるわけがない。 それに応じたのだから、もちろんまりさがそうせざるを得ないほどの旨味があるのだ。 らんからの申し出は、狩りで得た食べ物の一部を他のものには内緒でまりさに渡すので 劣等種への便宜をはかって欲しい、というものであった。 最初それを聞いた時、まりさは疑わしい目つきでなぜ長に言わないのか、と聞いた。 「正直、長はあてにならないって……みんな、まりさの言うことの方を聞きそうだって」 と、れいむは答えた。らんに絶対にそう言っておいてくれと頼まれていた言葉だった。 それを聞くと、まりさはあからさまに喜んでれいむに着いてきた。 まりさは、その強さで新体制において群れの幹部におさまっているが、実のところ不満 であった。 自分こそ、長に相応しいと思っていた。 しかし、今の長は支持されている。前の長と同じぱちゅりー種で、その孫だからみんな 盲目的に支持しているのだ、とまりさは固く信じていた。 幹部であるまりさは、他のものより多くの食料支給を受けていたが、自分以外のものへ 分け与えられるほどではない。劣等種どもから別途食料が得られれば、それを与えて自分 のシンパを作ることができる。 それがある程度増えたところでクーデターを起こして長に取って代われば、みんななん となく支持しているだけなので、すんなりまりさを新しい長と認めるに違いない。 「ゆふふふ」 ほくそ笑むまりさの目の前のれいむが停止した。 「ゆ? ついたのかぜ?」 「ゆん」 れいむは一瞬、まりさを哀れみを込めた視線で見た。 しかし、劣等れいむごときにそんな目で見られるわけはないと思っているまりさは、そ れには気付かなかった。 れいむは、らんの申し出をそのまま受け取ってはいなかった。 これが他のもの、かなこ辺りからの申し出ならば、そうしただろうが、らんはどう見て もれいむと同じ疑問を持っていた節がある。 今回のまりさの呼び出しもおそらくは…… 「ゆん」 現れたらんに、まりさは倣岸にそっくり返る。 「わざわざまりささまが劣等種のために来てやったのぜ。話は本当なのかぜ?」 「ああ、嘘だ」 あっさりと、あまりにもあっさりとらんは言い切った。 「ゆあ? はあ? ゆゆゆゆ? な、なに言ってるのぜえええええ!?」 まりさは何を言っているのかしばらく理解できなかったようだが、ようやく理解すると 当然のことながら激怒した。 「まりささまは貴種でも一番けんかが強いのぜ! そのまりささまを劣等種ごときがから かったらどーなるかわかってるのぜ? 同じ貴種でも、まりささまをからかう奴はせいっ さいっするのぜ? それを、それを、劣等種ごときがあ!」 「せいっさいっ、か……」 らんは、少し考えるような素振りを見せたが…… 「じゃ、せいっさいっしてもらおうか」 「ゆっぎいいいいいいい!」 まりさはもう怒り過ぎて全く感情を制御できていない。 ただでさえ喧嘩っ早いまりさである。 「ゆっくりじねええええ!」 すぐさま跳ねてらんに飛びかかった。 「……!」 らんは、一瞬緊張した表情を見せたが、素早く後ろに飛んでまりさの体当たりを回避し た。 「ゆっ? よ、よくかわしたのぜ」 渾身の体当たりがかわされて、まりさは一瞬戸惑った。劣等種など、自分の体当たりを かわせもしないと思っていたのだ。 「ゆひゃあああ! いつまでかわせるのぜえええ!?」 気を取り直して飛び掛る。 「ゆ、ゆひぃ……ゆひぃ……なんで……どぼじで……」 そして、何十回も攻撃を繰り出し、そのことごとくがかわされ、とうとうまりさは疲労 で動けなくなった。 一方、らんは涼しい顔でそれを侮蔑をあらわに見ている。 「ゆ、ゆぎ、ゆぎぎぎぎ」 劣等種などにそんなふうに見られることは、貴種の中でも特に気位の高いまりさには耐 えられないことであった。 しかし、いかなまりさとて、実際ここまで攻撃がかわされ続ければ、らんの素早さは認 めざるを得ない。 ――ゆぎぃ、あたれば……いっぱつあたればあんな奴ぅぅぅ。 歯軋りするまりさに、らんは言った。 「終わりか、それじゃこっちから攻撃するぞ」 「ゆぅ……ゆへ」 まりさがにやっと笑う。 調子に乗って劣等種ごときが攻撃と来た。 これはチャンスだ。これを逃してはいけない。 「ゆ、ゆへえ、お、面白いのぜ、劣等種のごみのこーげきがまりささまに効くかためして みるのぜ、お、おばえみたいにコソコソ逃げないで、受け止めてやるのぜ」 そう言ってまりさはべたりと地面にあんよを密着させ、歯を食いしばった。 「よし、いくぞ」 らんは、跳躍した。 「ゆっはああああ! かうんたーなのぜ!」 まりさも同時に飛んで、真っ向から迎え撃った。 両者が激突し、らんがよろめきながらも着地する。 「ゆべえええ!」 一方のまりさは、跳ね飛ばされて着地もままならず顔面から地面に落ちた。 「ゆびぃぃぃぃ、い、いだいのぜええええ」 地面でこすった顔に小さな擦過傷が無数についている。 「ゆ、ゆびぃ、お、おがじい、おがじい、のぜ」 「おい」 「ゆ、ゆひぃぃぃ、く、くるなああああ! れ、劣等種は近付くんじゃないのぜえええ!」 「ふんっ!」 らんはまりさの前でくるりと回転した。 「ゆばああああ!」 尻尾に叩かれたまりさがふっ飛んで木の幹に激突する。 「ゆ、ゆびぃ、い、いだいのぜえ」 「おい、みんな、出て来い」 らんが言うと、そこかしこから劣等種たちが出てきた。 「ゆ、ゆひぃ」 プライドの高いまりさにとっては、こんな哀れな姿を劣等種に見られるのは辛いことで あった。 しかし、逃げ出そうにも体が動かない。 「「「ゆぅぅぅ……まさか、そんな……」」」 みな、愕然としている。 らんには、今から自分がやることを隠れて見ていてくれと言われていた。 群れで一番強いまりさがやってきて、らんがそれにあからさまに喧嘩を売るようなこと を言い出した時には皆恐怖に震えた。 らんがせいっさいっされて永遠にゆっくりしてしまう、と。 だが、そうはならなかったのは見ての通りである。 「みんな、わかっただろう。……こいつは……いや、こいつらは、貴種は……弱い!」 「「「ゆぅぅぅぅぅぅぅ……」」」 さすがにショックからすぐには立ち直れずに、劣等種たちは唸るばかりである。 らんの強さは幾度となくスモウで対戦してわかっている。劣等種の中でもそんなに群を 抜いて強いわけではない。 らんが、あそこまで余裕を持って勝てるのなら、他のものも、劣等種の中ではそんなに 強くないさなえでも十分に勝てるだろう。 「れいむ、すまなかったな」 「ゆん」 「……あまり、驚いていないな……やっぱり、お前もわかっていたのか?」 「ゆぅぅぅ、もしかしたら、とは思ってたよ……らんたちが狩りをしているのを見てたら ……どう見ても、れいむはもちろん、他のまりさとかれいむよりも……」 どう見ても、劣等種の方が身体能力が高い。 何度も何度も狩りに同行し、それを見ているとそう思わざるを得なかった。 それをそんなわけはない、そんなわけはない、と押さえ込んでいたのだ。 しかし、そんなれいむの前で劣等種たちは、群れで一番のジャンプ力が自慢のちぇんよ りも高く飛び、群れで一番の「剣」の達人であるみょんよりも巧みに口で棒を使っていた。 木の実を落とそうと幹に何度も体当たりするめーりんはどう見ても貴種の誰よりも頑丈 な体だったし、すいかよりも多くの荷物を持てるものなど貴種にいるとは思えなかった。 それが、れいむの抱いていた疑問であった。 れいむの餡子脳裏に、あの時の情景が蘇る。 あの時――そう、先代の長ぱちゅりーが死ぬ前のあの時だ。 「れいむ、なにか聞きたいことがあるんでしょう?」 「……ゆん」 れいむは疑問をぶつけた。 劣等種は弱く劣っていて、貴種は強く優れている。 そう教えられてきたし、この群れのものはみんなそう思っている。 だが、劣等種たちの狩りを見ていると、どうしてもそうは思えないのだ。みんな、貴種 の中でも優れたものたちよりも上に見える。 「むきゅきゅきゅ」 長は、笑った。 「……れいむ」 「ゆ、ゆぅ」 「その通りよ……劣等種は、貴種なんかよりも遙かに優れているわ」 「ゆ!? ゆゆ!?」 疑問は解決した。 しかし、戸惑う。長年の先入観は強く、れいむは実は、長にその疑問を馬鹿げた疑問と して否定されたがっていたのかもしれない。 「で、でも、どぼじで……」 「少し長くなるけど、話しておきましょう……あの馬鹿孫は話す価値がなかったからね」 長は、吐き捨てるように言った。 この群れが出来てしばらく経った頃、そばに住んでいた現在の劣等種たちの祖父母の代 のゆっくりたちと接触した。 友好的に付き合っていたのだが、こちらの群れから、油断しているうちにやってしまお うという意見が出た。 そんな物騒な意見が出たのは、奴らがその気になって侵略してきたらおしまいだからだ。 群れの創成期のものたちは、劣等種――人間たちは希少種と呼んでいるようだ――は自 分たちなど問題にしないような強さを持っていると認識していたし、それは間違ってはい なかった。 ゆっくりの天敵といえば捕食種のれみりゃ、ふらんだが、通常種(貴種)がこれらには なす術が無いのに対して、希少種はやりようによっては互角に渡り合える強さを持ってい る。 そこで、寝込みを襲って皆殺しにした。 むろん、罪悪感なくやってのけたわけではなくやらねばやられると思い込んでのことだ った。しかも、完全に奇襲したのに反撃にあってこちらも相当殺された。 目を覚まして騒いだ子供たちも殺したが、眠っていた子供たちをどうするかで意見が割 れた。 結局、とりあえず殺さずに、両親は突然襲ってきたふらんたちから自分たちを守るため に死んでしまったと言って、育てることにした。 子供の頃から洗脳して育てていけば、従順になるのではないかという打算があった。 奇襲成功にも関わらず手痛い反撃を受けて希少種の恐ろしさを痛感していたぱちゅりー たちは、こんな恐ろしいものは殺してしまわないと、と思うと同時にこの力を使えるよう になったら……という思いもあったのだ。 そして、希少種は劣等であると教え込まれ、貴種とされた通常種に逆らうような気にな らぬように育てられた。 創成期のゆっくりたちは次々に死んでいき、生き残ったぱちゅりーがそのシステムを完 成させた。 今や、群れでそのことを知るのはぱちゅりーだけだ。 「ゆぅぅぅ……」 話を聞いて、れいむは唸るしかなかった。れいむの中の長ぱちゅりーはひたすら慈悲深 い存在だった。 「むきゃきゃ……つまり、ぱちゅはとんでもないゲスなのよ」 長がそう言ってにたりと笑った時、れいむは中枢餡がゾッとする思いだった。 「で、でも長は優しいよ。劣等種にも優しくしてたよ」 「むきゅ」 長はおかしそうに笑った。 「れいむは優しいわね。だから、そういうあまあまなふうに考えるのよ」 「ゆ、ゆぅ……」 「ぱちゅが優しくしていたのには、全部理由があるのよ」 子供たちを預かるのは、ゆん質である。 暴行を禁止していたのは、何度もやられているうちに劣等種が死を覚悟で反撃して、そ れであっさり貴種が殺されてしまい、劣等種が真相に気付いてしまうのを防ぐため。 その他、あらゆる「優しい」処置は、全て劣等種を追い詰めてダメで元々と覚悟を決め て反乱に立ち上がらせたり、群れから逃亡させないためである。 「ゆ……ゆ……ゆ、で、でも」 れいむは、震えながら言った。 「でも、劣等種のみんな、長のことを好きだよ。長に感謝してたよ」 「むきゃきゃきゃきゃ! それもこれもぱちゅたち貴種が狩りもしないでむーしゃむーし ゃしてゆっくりするためよ」 「ゆぅぅぅ……」 「もう一度言っておくけど……ぱちゅは、ゲスよ、むきゃっ」 「ゆぅ……ゆ? ゆ、ゆ、長、長」 「なにかしら」 「そ、それじゃあ、これから……長が永遠にゆっくりしちゃったら、どうなるの?」 「むきゅきゅ」 「さ、さっき長、言ってたよね、次の長のぱちゅりーにはこのこと話してない、って」 「むきゅ、そうね」 「ど、どぼじて? は、話しておかないと、いけないんじゃ、ないの?」 「むきゃきゃきゃきゃ! だから、ぱちゅはゲスなのよ!」 「ゆゆぅ……」 「ぱちゅはね……あの馬鹿にはもうあいそがつきてるのよ」 「ば、馬鹿って……でも、ぱちゅりーは頭がいいってみんなが」 「あんなのはただの馬鹿よ、口だけ達者なだけ」 長ぱちゅりーは、次の長になる孫ぱちゅりーのことを話す時は声から表情から嫌悪感が ありありと出ていた。 「馬鹿のくせに、こともあろうに、このぱちゅを……」 「ゆゆ!?」 先ほど、孫ぱちゅりーと二人きりで話した時、その時に劣等種のシステムを全て打ち明 けるかどうかは長も迷っていたらしい。 しかし、孫ぱちゅりーは長ぱちゅりーの言うことを一切聞こうとはせず、あからさまに どうせもうすぐ死ぬのだからと軽んじていた。 そのことに、長ぱちゅりーは激怒した。 そうなると、日頃から自分が長になったらこんな間違った状態は正してやると言って回 っていたことも思い出された。 しかし、その場で罵ったりはしなかった。そんなことは馬鹿のやることだと思っていた。 だから、長ぱちゅりーは、何も教えてやらずに孫ぱちゅりーを帰したのだ。 「むきゅきゅ、ゲスなぱちゅは、もうあの馬鹿も群れの連中もどうでもいいのよ。むしろ あの貴種だと威張っている馬鹿どもは、劣等種に皆殺しにされてしまえばいいのよ」 「そ、そんな……」 これまでの経緯から、れいむの気持ちはとうに貴種などよりは劣等種寄りになっている。 しかし、それにしても、慈悲深いと思っていた長ぱちゅりーがこのようなことを考えて いるということがショックであった。 「れいむ……ぱちゅは、劣等種を道具だと思っていたわ」 自分たち、貴種が狩りもせずにゆっくり暮らすための道具。 そのために、長ぱちゅりーは長ぱちゅりーなりにあれこれ考えてやってきたのだ。 「なんとか……ぱちゅの生きてる間は上手くいったけど……これだって綱渡りよ。運がよ かっただけよ」 些細なきっかけで、天秤のバランスは崩れ、真実に気付いた劣等種たちが怒り狂って貴 種を殲滅する可能性はこれまでいくらでもありえた。 「それでも、ぱちゅだからできた、とは思っているわ。ぱちゅが死んだらほんの少しの遅 い早いの違いはあっても……すぐに駄目になると思うわ。それに……」 「ゆ……」 「れいむ、貴種を見てどう思う」 「ゆ、ゆゆ?」 「あいつら、ゆっくりしてるように見えるけど、どうかしら」 「ゆ……ゆっくり、してるよ、でも、なんか劣等種たちを馬鹿にしてる時とかは、ゆっく りしてないよ」 「むきゃきゃ、それはね、あいつらが働かないでもゆっくりできるからよ」 「ゆ!?」 「ぱちゅは、まさにそのために色々苦労してきたんだけど……生まれた時からそういう環 境にいると腐るのよ」 長ぱちゅりーの目から見て、とてもではないが奴らは貴種などという呼び名に値しない 存在だ。それどころか、奴らこそ劣等種と言うに相応しい。 「それに比べて、あの子たちは違うわ」 ずっと何かにがにがなものを噛んでいるようだった長ぱちゅりーの顔が、ふっと綻んだ。 あの子たち、というのはゆん質として預かっている劣等種の子たちのことだ。 子供たちは、先ほどれいむの言った通りに、長に感謝し、これを慕っていた。 知っていることを教えてやると、どんどん吸収する賢さもある。 長のやることは甘いよ、などと文句を言う連中や、自分が長になったら今のやり方は全 部変えてやる、などと言い回っている孫ぱちゅりーに比べれば、こちらの方が幾倍も可愛 い。 いわば、預かっていた子たちに情が移ってしまったのだ。 「ゆ! や、やっぱり、やっぱり長は優しいんだよ!」 れいむは勢い込んで言ったが、それに返って来たのは長ぱちゅりーの嘲りだった。 「優しいものですか! ぱちゅは、自分でそうしたというのに、そのせいで群れの奴らが 駄目になったからと、それに比べて可愛くて賢い劣等種の子たちに情を移してそのために 貴種の奴らなど殺されてしまえと思っているのよ」 「ゆ!?」 「無責任でひどいゲスなのよ、ぱちゅは」 「ゆ、ゆぅ……」 「むきゅぅ……大きな声を出して疲れたわ。そろそろ永遠にゆっくりさせてもらおうかし ら」 「お、長ぁ……」 「こんなゲスの死に泣くあまあまで馬鹿なれいむに言っておくわ」 「ゆ?」 「今でも、あなたは劣等種たちには好かれているわ。次の長が劣等種たちへひどいことを したら、それを止めるように言いなさい」 「ゆ、で、でも、れいむの言うことなんか」 「いいのよ、それで、あなたは劣等種たちの大きな好意を得られるわ……そうすれば、あ なたは生き残れるはず」 「長ぁ、なんで、なんでれいむにそこまで……」 長ぱちゅりーはそれには何も言わなかった。 劣等種の子たちのように賢いとは言えないものの、れいむもまた長を慕っていた。そし て、足りないながらも懸命に長の世話をしていた。 そんなれいむもまた、長にとっては可愛い子だったのだ。 しかし、それは言わぬままに長ぱちゅりーは永遠にゆっくりした。 ゲスが最後に言う言葉ではない、と思っていたのだろう。 「れいむ、れいむ、れいむ!」 「ゆっ! あ、ご、ごめん、ちょっとぼーっとしてたよ」 らんが自分の名前を連呼しているのに気付いて、れいむの意識は過去のあの時から、現 在へと戻ってきた。 れいむが回想をしていた間に、らん以外のものたちも現実を受け止めたらしい。 ていうか、いつのまにかまりさが破裂して死んでいた。 なんでも、すいかがまりさに思い切り押してみろと言い、まりさが必死に押したのだが すいかがその弱々しさに怒り出して、もっと強く押せと激昂し、これでせいいっばいなん でず、もうゆるじでぐだざい、とまりさが言ったらすいかがキレて体当たりしてそのよう なことになったらしい。 すいかがキレたのは、目の前のまりさにだけではなく、今までこんな弱っちい連中の言 うことを聞いていいようにされていたのかということへの怒りであろう。 そのすいかをはじめとして、かなこたちも明らかに先ほどまでと顔つきが違っていた。 その顔に、劣等種をごみと見下す貴種たちに通じるものを感じたれいむは寒気を感じた。 「れいむ、前にも言ったが、れいむは今の長がわたしたちにひどいことをした時に、それ を止めてくれた。ちぇんの時のこともあるし……れいむのことは、仲間だと思っている」 れいむは薄々と劣等種たちの本当の強さをわかっていたようだが、それとても確信があ ったわけではなく、さらにはあの時点でそのような行動に出るには十分に勇気が必要だっ たことをらんは認めていた。 「おう、そうさ! れいむは仲間さ!」 すいかが同調すると、それに賛同する声が上がる。 れいむは、とりあえずはほっとしたが、すぐに恐ろしくなった。 ――長、長! 長の言った通りになったよ! 長! 長はすごいよ、怖いぐらいに、す ごいよ…… 「よーし、それじゃ早速、あいつらぶっ飛ばしてやるか!」 すいかが頭を振って角をぶんぶんさせながら言うと、らんがそれに反対し、かなこも同 意した。 「なんといっても、数があまりにも違う、正面からやるのは少し減らしてからにしよう」 「そうだな」 「うーん、二人がそう言うなら、あたしはそれに従うよ」 「あいつらは、わたしたちを弱いと思っている……それにつけこむんだ」 活き活きとした表情で相談しているらんたちを見て、れいむはぶるりと震えた。自分は 外れているからいいものの、標的になっている群れの貴種たちのことを思うと、やはりそ こはれいむ種である、一抹の哀れさを感じていた。 後編に続く
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死ぬ事は誰しもが恐れる事、死を目の前に狼狽しない者など、よほど達観しているか、 その死が五感で捉えるよりも早く、命の灯を消したかだ。 ゆっくりれいむの子、ゆっくりまりさは今、まさに消える命の灯であった。 野犬に襲われ、酷い傷を負い。既に母れいむの手の施しようのない所まで来ていた。 泣きながら延命を懇願するまりさにれいむはただ申し訳なさそうに見送るしかない。 「おかーしゃん・・・もっとゆっくりしたいよ」 無理だ。目元から足に至るほどの大きな傷ではもう歩けもしない。 それでも、母れいむは何度も頷き、もっとゆっくりしようねと落ち着かせる。 騒げば、それだけ体力を使う。そうなってはこんな小さな灯など死神の吐息で消えてうやもしれない。 「まりさ、かけっこでいちばんなんだよ」 知っている。母れいむはまりさの事を何でも知っている。 好きなご飯も、得意な遊びも、よくやる悪戯も、何も知らない事はない。 それでも母れいむは凄いねと褒めた。今はこうしてこの子と話ができるのが唯一の救いだ。 「むきゅ?れいむ、どうしたの?あ、ケガしてるじゃない」 そこにやってきた群れ一番の物知りぱちゅりーに母れいむは事情を話した。 「れいむ、ちょっとつらいかもしれないけど、ひとつかいけつさくはあるわ!」 それから1年が経ったある日、八意永琳は実験結果の回収にやってきた。 永琳の姿を見ると、物知りぱちゅりーは自慢そうに言った。 「おねーさんのやりかたでむれのみんなはずーっとゆっくりしてるよ!!」 森にはあちらこちらに黒い箱が置かれていた。 「こっちがれいむで、あっちがまりさ。むきゅん、すごいでしょ!」 「ええ、圧巻ね。群れのどれぐらいが永遠にゆっくりできるようになったの?」 「むきゅー・・・ほとんどよ!」 「誰と誰が残ってるの?」 「おねーさんがくれたはこにはいれないおおきなゆっくりがいるの。そのことぱちゅりーだけ」 「じゃあ、大きな箱を用意するわね」 大きな黒い箱の中に飛び込むゆっくりまりさ、まりさは頬にいくつも小さな傷があり、それがズキズキと痛んだが、もう大丈夫だ。 この箱に入れば永遠にゆっくりしていられる。だって、みんなもこの箱の中で永遠にゆっくりしているんだから、自分はそこに加わるだけだ。 仲間が箱に入る事を見送ると、ぱちゅりーは群れの中でたった1匹残ってしまった。 「これでみんなゆっくりできるね」 「あなたは入らないの?」 「むきゅ・・・」 防音、防臭の黒い箱はゆっくりが入ると天井となる板が固く閉まる構造になっていた。 中でどれほど呼びかけようと、外に聞こえる事はない。外でどれほど呼びかけようと、中に聞こえる事はない。 箱の中には可能性が二通りあって、中のゆっくりは死んでいるか、もしくは生きているか、 生きているという観測者がいる限り、中の箱は開かないのだから、生きているという仮定が永遠に続く事になる。 お話はここで終わる。お話と言うのは黒い箱の中のようなものだ。 ぱちゅりーはこの後、箱に入るかもしれないし、箱に入らず生きているという観測を続けるかもしれない。 箱の中のゆっくりはぱちゅりーの観測とは裏腹にどれも餓死か衰弱死しているだろう。 ゆっくりぱちゅりーはより大きな黒い箱に入れられた。永遠の命を持つゆっくりだ。 どこかにこのお話がある限り、ぱちゅりーは永遠のあらゆる可能性の中で生きる。 ~あとがき~ ぱちゅりーはずっと生きているのでしょうか、ずっと死んでいるのでしょうか、 それは分かりませんが、このお話はここでおしまい。 そして、もう一つ終わってしまう事があります。今までゆっくり虐待SSをたくさん書かせていただきましたが、 このSSをもって私のゆっくり虐待での活動を終わらせていただきます。いやー、私生活がちょっと忙しくなって・・・。 別の所で仲間と違う作品を作っていく事になりました。そちらもまたよろしくお願いします。今まで私のSSをご愛読ありがとうございました。 by118
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ゆっくりキャッスル 21KB 虐待 悲劇 理不尽 ツガイ 野良ゆ 赤子・子供 ゲス れいぱー 現代 虐待人間 いちゃラブ有り *続きものの3作目です *『れいむのゆっくりを鬼意山にささぐ』と『残酷な夜にれいむの叫びは鬼意山に届かない』 の続きものです *一応、前作を読まなくても大丈夫ですが、登場人物・登場ゆん物の把握のために読んでくれると助かります *拙い前作さんにコメントたくさんありがとうございます。 *リクエストにあった次女れいむのその後です。金ゲスはお待ちください。 作・もっちもちあき 次女れいむと番のまりさは、山をおりて行ったが、行くあてが無かった。 2匹は温泉街の掃討作戦が始まる前に、移動できたものの、 そもそも、群れでの生活しか知らない番まりさと、赤ゆの頃から、鬼意山の飼いゆっくりだった次女れいむは生活する術を知らなった。 季節は春から夏で、寒さの心配は無いが、梅雨が近いことを考えれば、早く”おうち”を見つける必要があった。 「ゆぅ…、まりさ、これからどうしよう?」 「とにかく、まずはおうちをさがすのぜ。それから、かりばをさがすのぜ」 ただ、2匹は不安はあっても、ゆっくりしていた。 最愛のゆっくりといつも一緒に暮らせていたから。 「ゆゆん、れいむはまりさといっしょなら、どんなくろうもいとわないよ」 「まりさが、れいむをぜったいまもって、ゆっくりしあわせにするのぜ」 「じゃあ、れいむはひるは、かりをてつだって、よるはつかれたまりさにゆっくりしたおうたをうたうね」 「すごくうれしいのぜ」 「ふたりで、ゆっくりしあわせになろうね」 (はやくれいむを、あんしんさせてあげたいのぜ) (ゆっくりぷれいすがみつかったら、ゆっくりしたあかちゃんがほしいよ、ゆふふ) 2匹は、もともと比較的ゆっくりとして恵まれた環境にいたが、 まりさは野生で基本は外暮らしで、次女れいむも飼いゆっくりとはいえ、鬼意山は別に甘やかしたりしていなかったので、基本的に今の現状に適応できていた。 そのうえ、お互いにそれぞれ、群れでの知識と人間と暮らした知識があったので、理想的な番となっていた。 害敵に注意しつつ、お互い助け合って、移動しながら暮らしていたが、なかなか”おうち”は見つからない。 そんな中、2匹はある建物へたどり着く。 人間さんの建てた建築物だとは分かるが、人が住んでいるような感じではない。 この辺りは、田舎だが人がまったくいないというわけでもなく、大きな道路沿いに点々と建物がある感じだ。 「おおきいたてものだね」 鬼意山の住んでいた、お家よりもかなり大きい。 「にんげんさんがいないか、ゆっくりかくにんするのぜ」 2匹は、まりさを先頭に警戒しながら、建物へと入っていく。 中は、割れた窓のガラス片などがあり、雑然としている。 建物の中を移動するが、人間がいる様子は微塵も感じない。 部屋はいくつかあったが、窓の割れていない、特に清潔そうな部屋を選ぶと、 「ここをれいむとまりさのゆっくりぷれいすにするよ!」 「ここが、まりさとれいむのおうちなのぜ!」 2匹はお家宣言をして、この建物の一室を住処にすることにした。 この辺りは木々も多く、虫も多い季節なので食べ物もなんとかなるだろう。 さらに、この部屋には毛布さんまであるではないか。 2匹はようやく、ゆっくりプレイスを見つけて、これからの幸せなゆん生に思いを巡らせた。 「ゆゆ~ん、れいむ…。まりさ、もう…、がまんできないのぜ…」 「もうぅ…、まりさ…。むーどさんがたりないようぅ…。ゆふふ、はずかしいよ…」 愛する2匹は、その夜、情熱的なすっきりーを交わした。 次女れいむの頭には茎が生え、愛し合い情熱的なすっきりーだった為か、赤れいむ4匹と赤まりさ3匹という普通より多い数の赤ゆをにんっしんした。 「ゆうぅ、れいむとまりさのおちびちゃんたち、すごくゆっくりしてるよ」 恍惚の表情を浮かべる次女れいむ。 「けっこうおおいのぜ。ここがひろくてあんぜんなばしょでよかったのぜ」 今の時期なら、食べ物も豊富であるため、なんとか育てられるだろう。 何より、初めての我が子のゆっくりした姿に、2匹はしあわせーだった。 順調に実ゆも育ち、いよいよ生まれる時が来た。 「ゆっきゅりうまれりゅよ!」 まずは、赤れいむが1匹落ちてくる。 毛布さんの上なので、何の心配もいらない。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 「おちびちゃん…、ゆっくりしていってね!」 なんとゆっくりした可愛い子なのだろう。 次女れいむは親になった喜びにうち震える。 「おかーしゃん!しゅーりしゅーりしちぇね!」 もみあげを猛烈にピコピコさせながら、満面の笑みで次女れいむにすーりすーりをする。 そして、何事も無く7匹すべての赤ゆが無事に生まれ落ちる。 「まりさ、おちびちゃんたち、すごくゆっくりしてるよ!」 「ゆゆ~ん、かわいいのぜ」 「ゆっくち!ゆっくち!」と赤ゆたちが嬉しそうにしている。 柔らかくした茎を与えると、 「むーちゃ、むーちゃ、しあわちぇ~!」 と7匹が喜びの声を上げる。 「おかーしゃんだいちゅきだじぇ」 「れいみゅもだいちゅきぢゃよ」 「おとーしゃんもだいちゅきぢゃよ」 口々に愛の言葉を口にする、すごくゆっくりした我が子たち。 (おかーさん、れいむはとてもしあわせだよ) 次女れいむは、母の銅れいむとの日々を懐かしく思い出していた。 赤ゆが生まれてから、数日が経ったある日、まりさはいつも通り狩りに出ていた。 「ゆっくりしていってね!」 不意に後ろから声をかけられる。 「ゆ?ゆっくりしていってね!」 突然の事で驚くも、条件反射で挨拶を返してしまう。 「誰なのぜ?」 振り返ると、ありす種とぱちゅりー種の成体2匹とソフトボール大の子ゆが、それぞれ2匹づつの4匹いた。 ありすとぱちゅりーは番で、子ゆの他に赤ゆもいたが、れいぱーありすの襲撃に遭い、命からがら家を捨てて逃げてきたそうだ。 れいぱーは、ろりこんだった様で赤ゆは犠牲になってしまったそうだ。 「むきゅ…、あのこたちにはわるいことをしたわ…。くじゅうのけつだんだったの…」 「それは、たいへんだったのぜ…」 自分なら耐えられるだろうか?まりさは、次女れいむが心配になってきた。 ありすは子ゆたちの傍を片時も離れずにいた。 よほど、不安なのだろう。 そのまま、ありすたちを連れて、おうちへ帰る。 「まりさ、ゆっくりおかえ…、そのこたちはどうしたの?」 次女れいむが無事で、まりさは心底ほっとする。 「れいむ、じつは…」 事情を次女れいむに説明する。 「それはたいへんだったね…。このおうちはあんぜんだよ。へやさんもいっぱいあるから、ここにゆっくりすむといいよ」 隣の部屋に、この一家は住むことにしたようだ。 その日は、だいぶ無理して逃げて来たらしく、6匹みんなすぐに寝てしまった。 次女れいむ一家とありす一家は協力して生活することにした。 身体の弱いぱちゅりーは狩りには向かないが、知識はあるので子守ができる。 赤ゆ7匹という状況で世話する人数の改善になった。 更に、ありすたちの子ゆは、ある程度の成長をしており、赤ゆたちの遊び相手にもなった。 大変とはいえ、次女れいむとしても、ぱちゅりーとしても助かる部分が多かった。 基本まりさとありす、疲れたら次女れいむと交代で狩りをした。 育児、狩りのどちらかにかかりきりにならずに済むため、ストレスもためずに済むというわけだ。 「おかーしゃん、ゆっくちたのちいよ!」 「ゆふふ」と笑いながら、我が子の世話をする。 尊敬する、母の銅れいむにしっかりと、そして何より優しく躾けられた次女れいむは子育てにやりがいを感じていた。 (れいむは、おかーさんみたいな、ゆっくりりっぱなおかーさんになるよ!) 「れいむ、こうたいのじかんなのぜ」 まりさが、狩りの交代にやってきた。 たくさんの草さんがお帽子の中に入っていた。 「ゆっくりごくろうさま。さすがまりさだね。れいむもがんばるよ」 「きおつけるのぜ」 次女れいむはビニール袋さんを持って、ありすと狩りに向かう。 「ありすは、かいゆっくりだったんだよね?」 「ええ、でもすてられてしまったのよ…」 ありすを飼っていた飼い主の知り合いのゆっくりが、れいぱーに犯られてしまったらしく、ありす種はキモいとかいっていきなり捨てられたそうだ。 「ひどいはなしだね!」 「わたしのおちびちゃんも、れいぱーにつぶされたし、あいつらいなかものどもは、ありすしゅのはじよ…」 2匹の空気が重くなる。 「れいむも、かいゆっくりだったのよね?」 「ゆ、そうだよ。おかあさんはおにいさんがだいすきだったんだよ」 「じぶんから、かいゆっくりをやめるなんて、すごいゆうきね」 「まりさがだいすきだからだよ」 「でも、れいむのそんけいするおかーさんが、あいするくらいだから、おにいさんは、さぞやとかいはなかいぬしさんだったんでしょうね」 「おにいさんは、よくわからないよ…」 再び2匹の間に沈黙が。なにかまずいことを言ったのかとありすはオロオロする。 「そうだ、ぱちゅりーのこともおしえてね」 次女れいむは話題を変えた。 「ぱちゅりーは、のらになったわたしをたすけてくれたの。やまにすんでいたのだけれど、とつぜんむれがかいめつしてしまって…」 「え?まりさもむれにいたんだよ」 「むれのちゅうしんのことはよくしらないの。ふもとのほうにいたから」 そこで顔を曇らせて、 「しゅうかいじょが、かいめつしてたの。あわてて、おうちにもどってぱちゅりーとやまをおりたのよ…」 次女れいむに、あの光景が蘇る。 これから、ゆっくり暮らすはずだった群れが無くなってしまった悲惨な光景。 鬼意山があれをやったのだろうか。そうとしか…。でも、鬼意山はおかあさんの愛する大事なおにいさん。 2匹は、この日の狩りを終えて、おうちに戻った。 「おかーしゃん!ゆっくちおかえり!」 「おかーしゃん!ありしゅとかいはに、まっちぇちゃのよ!」 2匹の子たちが笑顔で出迎える。 それを見て、ゆふふと次女れいむとありすは顔を見合わせる。 なんて幸せなのだろう。 次女れいむは銅れいむから”お城”の話を聞いていた。 そう、ここはお城なのだ。 母の言っていたお城そのものではないか。見た目といい、中といい間違いない。 銅れいむが、鬼意山と出かけたときに見たという”お城に”。 (おかーさんは、おしろにはしあわせがつまっているといっていたよ) ここは、ゆっくりキャッスル。次女れいむたちにとっての…。 今日も今日とて、いつもの毎日になるはずだった。 次女れいむは、おちびちゃんたちにお歌を歌って聴かせている。 「れいむ、そろそろゆっくりこうたいよ」 ありすがやって来た。狩りの交代の時間だ。 「れいむ、かりにいくのぜ」 「ゆん、わかったよまりさ」 「ふたりきりはひさしぶりなのぜ」 「ゆうぅ~、ゆっくりてれるよ~」 キモい感じでお互いデレデレしながら、2匹は狩りへと向かう。 「おちびちゃんたちも、どんどんおおきくなってるね」 次女れいむが話しかけるも、まりさの返事は無い。 「しっ…。なにかいるのぜ…」 それを聞き、次女れいむも警戒する。 「んほおおおおおおおお」 少し離れた所から、だらしない嬌声が聞こえてくる。 間違いない、れいぱーありすだ。 「ゆぅ、どうしようまりさ…」 「こっちへきたら、たおすしかないのぜ」 万が一、おうちをれいぱーに見つかったら大変だ。 ありすの子ゆと自分たちの赤ゆ、合計11匹もの子供たちがいる。 「れいぱーがふくすういたら、たいへんなのぜ…」 「れいむ、いそいでありすもつれてくるよ」 れいぱーが1匹でなかった場合、1対1の勝負は避けたい。 ぱちゅりーは子供の面倒があるので、ありすだけでも連れてきて戦力にしようという訳だ。 次女れいむに連れられて、ありすもやってきた。 れいぱーの位置を確認していたまりさが、 「どうやら、たんどくこうどうみたいなんだぜ」 「なんとか、たおせるかもしれないね」 ありすが、ギュッと口を結んでれいぱーのいる方角を睨みつける。 「あいつらのせいで…。いなかもののれいぱーは、ぜったいせいっさいするわ!」 次女れいむは、ありすを見る。 (ありすは、れいぱーにおちびちゃんをやられているよ…。だから、れいぱーをゆるせないんだよ…) 次女れいむは複雑だった。 詳しくは知らないが、次女れいむの父親はれいぱーありすだと鬼意山が言っていた。 しんぐるまざーの銅れいむは、鬼意山がおとうさんだよ、と言っていたが…。 (そんなこといまは、かんけいないよ) 次女れいむは、あわててかぶりを振る。 「まりさがおとりになるのぜ」 作戦はこうだ。 まりさが囮となり、れいぱーをひきつけ、れいぱーがまりさを襲った瞬間に横から次女れいむがおうちにあった鋭利な刃物で刺し、 ありすが、やや高い塀の上から、れいぱーを潰すというものだ。 作戦は絶対に成功させなければならない。失敗したら、ゆっくりできなくなってしまう。 3匹に緊張が走る。 「んほおおおおおおうううううううう…、んほ、う?」 (れいむ、ありす、たのんだのぜ) まりさが、れいぱーの視界に入る。 「んほおおおおお、まりさあああぁぁぁ!!!とかいはなあいをおげるわぁぁぁ!!!!!」 猛然とれいぱーが、性欲丸出しで体液を滴らせ、ぺにぺにをおっ勃てながら、まりさへと突進してくる。 「んほおおおおお、まりさぁぁ、さそってちゃって、いんらんさんねえええぇぇぇ!!!!!」 れいぱーが、まりさにのしかかろうとした時、 「いまなのぜ!!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ぱちゅりーは不安になりながら、3匹の成功を祈っていた。 「むきゅ、れいぱーがふくすういないといいのだけれど…」 子供たちには何も言っていない。不安にさせても仕方ない。 「おかーしゃん、あしょんじぇにぇ!」 子供たちの面倒を見ながら、帰りを待つ。 そのとき、部屋の外にゆっくりの気配が。 3匹が帰ってきたのかと思いながら入口を見ると、知らないゆっくりの親子がいた。 『ゆっへっへ、あぶないところだったのぜ』 『まぬけそうなれんちゅうが、おとりになったおかげでたすかったね!』 『まりしゃ、あみゃあみゃがほちいんだじぇ』 『かわいいれいみゅに、あみゃあみゃよこちぇ』 仲良しのれいむ一家ではない、別のれいむ一家のようだ。 れいぱーから、逃げてきたのだろうか? れいむとまりさの番に、子れいむと子まりさが1匹づつ。 ぱちゅりーは、この一家からゆっくりできない雰囲気を感じ取っていた。 「あなたたち、ここはわたしたちのおうちよ。でも、このたてものさんはひろくてほかにも、へやさんがあるからべつのへやさんでゆっくりしてね」 ぱちゅりーは、意を決して話しかけてみる。 しかし、野良まりさは、それには答えず、ニヤニヤしながらぱちゅりーたちを見ている。 部屋をきょろきょろ品定めしていた野良れいむが急に、 『ここを、まりさとれいむとおちびちゃんたちのおうちにするよ!』 と勝手におうち宣言。 『あまあまおいて、さっさときえるのぜ。どうしてもいたいなら、どれいとしてならきょかしてやるのぜ』 『さすが、まりさだね。かんだいだよ。あと、さっさとあまあまちょうだいね!』 ダメだ。こいつらは話の通じないゲスゆっくりだ。 しかし、向こうに明らかに非があるにせよ、自分と子供たちでは太刀打ちできないだろう。 「きょきょは、ときゃいはにゃ、ありしゅたちの、おうちにゃのよ。あと、おかーしゃんをゆっくちいじめにゃいでちょうだい!」 他の子たちが怯える中、1匹の子ありすが、ぷくーしながらゲス親子を非難する。 『ちびれいぱーがなにかほざいてるのぜ』 『れいぴゃーは、ゆっくちちにゃいじぇ、しんじぇにぇ!』 親の影響だろうか、れいぱーと言われて子ありすが怒り狂う。 「ありしゅは、れいぴゃーみちゃいにゃ、いにゃきゃもにょちょは、ちぎゃうにょよ!ゆっくちりきゃいしちぇにぇ!」 しかし、ゲスどもは意に介さない。 『れいぱーはれいぱーだね。そんなこともわからないの?ばかなのしぬの?うちのかわいいおちびちゃんとは、おおちがいだよ』 『きゃわいきゅっちぇ、ごみぇんにぇえ~』 まずい状況だ。ぱちゅりーがどうしたものかと思案する。しかしゲスどもは、ますます増長する。 『ゆっくりできないれいぱーは、みせしめにせいっさいしてやるのぜ』 ゲスまりさがとんでもないことを言い出した。 「むきゅ!や、やめてちょうだい!」 なんとかやめさせようと懇願するも、 『まりさのせいっさいをじゃまするやつも、せいっさいだよ!』 ぱちゅりーはゲスれいむに弾き飛ばされてしまう。 「むきゅうぅぅ!!ゆべっ!」 「ゆぎゃあああああああ!!!!!」 吹っ飛ばされるときに、自分に寄り添っていた子ぱちゅりーを1匹潰してしまう。 子ぱちゅりーは絶叫すると、半分以上潰れた身体から、生クリームを大量にこぼしていく。 「もっ…と…ゆっく…ち…」 そのまま息絶えてしまう。 「ゆんやああああああ!!!おにぇーちゃぁーん!!!」 子供たちが大パニックに。 さらに、ゲスまりさがさっき言い返した子ありすをせいっさいと称して、かじりつく。 「ゆんやああああああああああ!!!いちゃい!!!ちゃべにゃいじぇぇぇ!!!」 そして、間髪いれずに踏みつぶす。 『ざまあみろなのぜ』 子供たちは恐怖のあまり、しーしーとうんうんを大量に漏らして硬直している。 『おまえたちのものは、ぜんぶれいむたちのものだよ。ひとりじめした、げすぱちゅりーがわるいんだよ』 ゲス特有の超理論で、お部屋・毛布・貯蓄していた食料を奪い取る。 『おまえらは、みんなどれいなのぜ。さからったやつは、せいっさいなのぜ』 どうやら逃げることも許されないらしい。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 次女れいむの咥えたナイフが、れいぱーの横っ腹に突き刺さる。 「んほ?んほおおおうぺぷぽへけ!!!」 何が起こったのか理解できていないれいぱーは痛みでのたうちまわる。 「ゆっくりせずに、れいぱーはしねえええ!!!」 ありすが、れいぱーの上に落下して押し潰す。 ぐちょっ!という不快な音と共に、カスタードが傷口と口とあにゃるから吹き出す。 普通のゆっくりなら致命傷だが、相手はれいぱー。 「んほおおおおおお!!!ありすのとかいはなあいをためしているのねえええ!!!つんでれさんねえええ!!! 「まだうごけるのかぜ…」 唖然とする一同。 次女れいむは、口でナイフを握りなおすと、れいぱーへ”とどめ”を刺しに行く。 最期の力で暴れるれいぱーに、ナイフは突き立てたものの、次女れいむは下唇からお腹にかけて、切り傷を負ってしまう。 「んほおおおおおおおおお!!!いくいくいっちゃうわあああああ!!!くぱぁぁぁぁぁ!!!!!」 断末魔の叫び声をあげ、れいぱーは息絶えた。 「れいむ!!だいじょうぶなのかぜ!」 まりさが、怪我を負った次女れいむに駆け寄る。 「ゆふふ、やったね。れいむなら、ゆっくりだいじょうぶだよ…」 外皮(饅頭皮)の痛みに弱いと言われる、ゆっくり。 ぺーろぺーろで傷を塞げば大丈夫で致命傷とかでは無いが、中の餡子が見えており痛くないはずがない。 絶叫しても、おかしくはないだろう。 しかし、次女れいむは、まりさやありすに心配をかけたくなかったのだ。 それを、まりさもありすも分かっていた。 「ぺーろぺーろするね、れいむ」 まりさが愛する伴侶にぺーろぺーろする。 それを見ていたありすが、 「ゆっくり、ぺーろぺーろして、きずがふさがってきたら、ゆっくりもどればいいわ。おちびちゃんたちは、まかせて」 お邪魔にならないように気をきかせるありす。 ありすが、去ってふたりきりだ。 「れいむはゆうかんで、まりさにはもったいないくらいだぜ」 「そんなことないよ。いちばんゆうかんなのは、おとりをしたまりさだよ」 2匹は顔を見合わせて、ゆふふと笑う。 「あいしてるのぜ、れいむ」 「れいむも、まりさがだいすきだよ」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ありすは、不穏な気配を感じ取り、そろーりそろーりとおうちの様子を窺っていた。 すると、見知らぬゆっくりが、占領している。とかいはにコーディネートしたおうちは、醜く荒されていた。 そして、ぱちゅりーだけでなく、おちびちゃんたちまで、こき使われているではないか。 (なんなの、あのいなかものども…) 怒りを何とか堪え、状況を把握する。 (こうきをまつのよ) 部屋の外で、隙をうかがう。 れいぱーとの戦いで、ありす自身がまだ戦闘モードなのが幸いし、逆に冷静な判断ができた。 中では、次女れいむ一家の子供の赤ゆたちが、ゲス一家の子ゆたちに”遊ばれて”いる。 「やめちぇにぇ!もみあげしゃんに、ひどいこちょしにゃいじぇね!」 『やめろといわれちぇ、やめりゅばきゃは、いにゃいんだよ!ばーきゃ、ば−きゃ!』 「いちゃいいいいいいい!!!」 赤れいむたちは、もみあげを毟られたりしている。 赤まりさたちは、おぼうしを奪われて、おさげを毟られているようだ。 「まりちゃの、しゅてきにゃおぼうち、ゆっくちかえしちぇにぇ!」 涙目で訴える赤まりさ。 『おぼうちのにゃいゆっくりは、ゆっくちできないんだじぇ。しょんなやちゅのいうこちょは、きくかちないんだじぇ!』 自分でおぼうしを奪っておきながら、帽子が無いから、ゆっくりできないと罵倒する。 一方、自分の子供たちと番のぱちゅりーは、親ゲスの奴隷としてこき使われている。 (あれ?こどものかずがたりないわ…) ありすは、自分の子供が足りないことに気づく。まさか…。 『しかし、ありすしゅは、ほんとうにむかつくね。れいぱーづらしてみにくいよ』 ゲスれいむが、子ありすを腹で小突く。 (ゆぐぐぐぐ…) ありすの怒りが猛烈にたまっていく。 『さっきつぶした、げすれいぱーみたいにそいつもつぶしてやるのぜ』 「むきゅ!や、やめて、おねがい…」 『どれいが、くちごたえすんなだぜ!」 ブチィ!!!!! ありすがブチ切れる。 「このいなかものおおおおおおおおお!!!」 ぼよんと大きく跳ねると、ゲスまりさの上から一撃をかます。 『ゆべえええ!!』 クリーンヒットして、ゲスまりさは身体の一部を潰し、餡子を吐く。 ぱちゅりーも、ゲスれいむのもみあげに食らいつき引き千切る。 『どぼぢで、でいぶのもみあげさんがちぎれてるのぉぉ!!!』 しかし、もともと体力に劣るぱちゅりーがいるため、徐々に互角の戦いになっていった。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ まりさの献身的なぺーろぺーろのおかげで、次女れいむは傷が塞がった。 「ゆうぅ、まりさのおかげで、もうぜんぜんいたくないよ」 「よかったのぜ」 おちびちゃんの待つゆっくりしたおうちへ帰ろう。 そう思った2匹は、また嫌な気配を感じて、お互いに身をひそめる。 (なにか、ゆっくりしないかんじだよ) エンジン音がすると、少し離れた広場にバイクが2台止まる。 「おめー、マジぱねえから」 「先輩、ガッコの便所にゆっくり詰めるとか、ちょーヤベえし。ぎゃははは!」 「ばーか、授業中にゆっくり棒倒ししてたっつうの」 「棒倒しの要領で、身体削って死ぬ前に削ったやつが負けってゲームっすね」 「ちょー、ゆっくりのデスマスクうけるし。マジキモくて笑えるから、おめーもやってみ?」 「でも、ゆっくりのおかげで虐めが激減してるって、人間虐めなくなって、俺たち今はもう超紳士っすよね」 明らかにヤバそうな人間さんが二人。 見つかったらただでは済まないのは、一目で分かる。 その、ゆっくりできない人間さんは、みんなのおうち”ゆっくりキャッスル”へと向かって行った。 人間のさんの姿が見えなくなると、 「どうしよう、まりさ…」 まりさも黙りこくる。人間の恐ろしさ、それはあの群れの集会所の惨状を見たならば一目瞭然だ。勝てるわけがない。 「ありすも、ぱちゅりーも、かしこいゆっくりなのぜ。いまもどるのはきけんすぎるのぜ」 確かに、いつも外には充分に気を配っていた。 あれほど目立つ人間さんが来たなら、気づかないわけがない。 次女れいむたちは、危険が迫った場合におちあう場所へと移動を開始した。 そして、次女れいむとまりさは、建物裏の岩場にやって来た。 ここが、もしもの時の避難所だ。 「みんな、ぶじだといいのぜ…」 「だいじょうぶだよ、れいむたちのおうちは”おしろ”なんだよ。しあわせがつまっているんだよ」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 地獄の様だと、ありすは思った。 いつもなら、警戒を怠るはずはなかった、人間さんの侵入。 ゲスとの戦いで気づいた時にはもう、人間さんがおうちの中にいた。 「ヒャッハー!!!糞袋は消滅せよ!!!」 「マジぱねぇッス!!マジぱねぇッス!!」 あれだけ苦戦したゲスまりさ。 「おめえの餡子は全部うんうんだから!」 あにゃるの辺りに巨大な穴を開けられ、中の餡子を全部出されてゆっくりできなくなった。 いやみで不愉快だったゲスれいむ。 「逆出産つまり、入産だあー」 ゲスれいむの子ゆを捕まえると、ゲスれいむのまむまむに押し込む。 「そして、流産だあー」 蹴っ飛ばし、中で子れいむが潰れる。そして、ゲスれいむも壁に激突し、餡子を大量に流してゆっくりできなくなった。 大好きなぱちゅりー。 もともと弱っていたこともあり、踏みつぶされぐちゃぐちゃになってしまった。 かわいくて優しい、ありすや次女れいむの子ゆや赤ゆたち。 「根性焼きじゃぁー!!」 煙草を押しつけられ、泣き叫ぶ。おかーさん、おかーさんと助けを呼びながら…。 ありす自身は、足を焼かれて動けない。 「汚物は消毒だー!!!」 ガソリンをかけられる。 (ごめんなさい…、れいむ、まりさ。おちびちゃんたちをまもれなくて。ぱちゅりー、ありすのおちびちゃんたち、いまおとうさんもそっちへいくわ…) ありすは、おちびちゃんたちの絶叫を聞いて喜ぶ輩に対して、せめてもの抵抗とばかりに沈黙を守りながら焼かれていった。 惨劇が終わる。 「しっかし、なんでこいつらこんな汚ねえ場所にいたんすかねえ?なにせここは…」 「ゆっくりプレイスってやつじゃね?キモすぎるし、お似合いだし。ぎゃはははは!」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 鬼意山がパソコンを見ていると、銅れいむが 「ゆ!おにいさん。それは、おしろさんだね」 と喜んで話しかけてくる。 「はあ?」 にこにこ笑う銅れいむ。 なんかムカつく。 「まえに、くるまさんのなかからみたよ。おにいさんがおしえてくれたよ」 パソコンの画面にはラブホが映っている。 (そういやあ、そんなこといったっけ) 「そうそう、ここには幸せが詰まってるんだよ(性的な意味でな)」 第3作目終わり これからも続きます よろしくお願いします トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ありすがいいキャラしていたなw 自分達を苦しめた敵キャラ(ゲス一家)が更なる強敵(人間)に瞬殺されるのは、漫画の王道だね。 あと、DQNはタヒんでくれ。ゆっくりがどうのではなく、DQNは存在自体が害だから。 ※「キャッスル=ラブホ」が予想通りだった。(「映画心が叫び(ry」でもそうだったから) -- 2018-02-12 10 31 50 最高だよww -- 2016-01-04 10 44 28 なんかゲスと人間以外は生かそうぜくそ馬鹿くるくるパァー人間は、死刑にするべき。後、ありすが、ゲームとかにありそうなセリフ言ってかっこ良かった。追記のらのまりさに愛を抱いたから、飼いゆっくり辞めるんなんて、勇気どんだけあるんだよ。 -- 2014-05-31 12 10 06 なんかゲスゆよりゲスDQN人間にムカつきすぎてそいつらをゆっくりに変えて踏み潰してぐちゃぐちゃに磨り潰したい(日本語 -- 2013-06-18 23 27 15 なんかここだけ辛口コメントだな あとからきたゲス一家が死んだから満足です -- 2011-05-13 01 15 27 またレギュラーゆっくりだけ助かったのか だらだら続編を作っても面白くないよ -- 2011-03-04 12 46 10 廃屋でガソリン使うようなゲス人間はゆっくりできないな(犯罪者話 性的な意味の幸せかw 沢山子孫が出来そうだ -- 2010-10-19 15 05 04 句点の打ちかたが悪い -- 2010-07-25 00 30 21 森の賢者(笑)にも劣るDQN丸出し餡子脳クズ人間は死ね。 コイツ等はなにかの手違いで、「でいぶ」の魂が人間に転生しちゃったんだね。 -- 2010-06-30 00 20 58 超紳士()笑 -- 2010-06-15 22 02 55 ゲス人間が登場するのはゆっくりできない・・・ -- 2010-03-17 13 07 37
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*どうも、ゆっくり研究員です。 *今回は下品な展開を多めに含めて多様なニーズに答えてみようと模索しました。 *お叱りの言葉が今から聞こえてきそうな気がします・・・ *ちょっとビビりながら始まります。 *では、どうぞ~♪ 十六日目 本日は新しい研究対象が一気に増えて足取りも軽やかに研究室に赴いた。 私は早速クラスBの水槽の前に行き、あいもかわらず例の挨拶を三女のぱちゅりと子ぱちゅりの間で交わした。 子ぱちゅりは喜んで三女のぱちゅりの周りをぴょんぴょんと跳ねて回って喜んでいる。三女のぱちゅりもニコニコと笑って、 あんまりはしゃぐと転ぶわよ!と、子ぱちゅりを優しく諭していた。 三女のぱちゅりに注意された矢先、案の定バランスを崩して転んでコロコロと転がってオレンジジュースの受け皿に突っ込んでしまった。 全身オレンジジュースまみれになって目に涙を浮かべて泣き出しそうであったが頬を伝うオレンジジュースを舐めてニッコリ笑顔だ。 三女のぱちゅりはあらあらと言いながらオレンジジュースまみれの子ぱちゅりの全身を舐めて綺麗にしてたら子ぱちゅりもお返しに 小さな舌で三女のぱちゅりを一生懸命舐めていた。 私はいつも通り水槽の広場にクッキーを一枚、1/4のクッキーを一枚置いた。子ぱちゅりはちゃんと前に与えられた大きさのクッキー の前に並んで、よし!の号令を焦らずゆっくり笑顔で待っている。もし、これがあの親れいむだったら野良犬のように大きなクッキー に飛びついていただろう。まったく親に似なくてよかった。 この二匹には号令のトーンを下げて、どうぞ。と言うことにしよう。後々の教育にメリットがありそうだ。 私は今度から号令は、よし!ではなくて、どうぞ。にすることを伝え、どうぞ。と言った。すると二匹は示し合わせたように 例の挨拶をしてからクッキーを頬張り始めた。この二匹はクラスA行きの可能性は非常に高いが、ぱちゅり種だけがクラスAになるのは いただけない。だが、この二匹で交配を期待するにも無理がありそうだ。現在雄因子が顕現したクラスCの元次女のまりさ、現在父まりさ の成長が望まれる。 次に私はクラスCの水槽の観察を始めた。母親れいむが居ないと寂しがる4匹の子供たちに頬擦りされ、泣いている子供を長い舌で舐めて 慰めてる父のまりさが居た。 四女のちびれいむは水槽の前に現れた私に長女のれいむはどうしたの?聞いてくる。それに合わせて父のまりさも慣れない敬語で 母のれいむの事を聞いてきたが私は知らないと答えた。五女のありすは前に発表されたの論文通り雄型の因子を顕現させてると思いきや、 まだ会話の口調は雌型のような口調だ。 今までの研究結果を踏まえて、この個体らの最初の繁殖期は生後2週間前後と予想される。そして最初の繁殖期に個体の性別が雄型か 雌型かが決まり。そして大まかな性格が固定されるらしい。生後2週間の初期教育が大変重要だと判った。 私は父まりさに、子供たち4匹にキチンと餌の食べ方と排泄の仕方、人間に対する口の聞き方をちゃんと教育しないと容赦なくクラスD行き にすると宣言した。父まりさは何度もわかったと繰り返していた。 私は水槽の広場に丁寧にクッキーを並べた。全員きちんと並んで号令を待っていた。四女のちびれいむに至っては同じれいむ種の姉が 忽然と消えた事になんらかの恐怖を覚えたらしく少し震えていた。 早く餌を食べたいと父まりさに空腹を訴える子供達は、父まりさに号令がでるまで我慢しなさいときつく叱られていた。泣きじゃくり ながら何故と子供達は詰め寄るが毅然とした態度で父まりさはそれを許さなかった。 子供達の中のれいむ種の一匹は父まりさの制止を振り切りクッキーに口をつけた。私はその子供ではなく何度も謝ってくる父まりさを 指で力いっぱい弾いた。 弾かれた父まりさはゴロゴロと転がって水槽の壁にぶつかって止まり、起き上がるや否や何度も謝ってきた。子供たちの中のまりさ種の 子供が何度も、ちゃんと言う事聞くからこれ以上父まりさを虐めないでくれと哀願してきた。先にクッキーに口を付けたれいむ種の子供は 泣きながら謝って父まりさの心配をしていた。 子供達も子供達なりに親がこれ以上居なくなるのはまずいと本能的に悟ったみたいだ。 そのようなやり取りを終えた私はやっと良し!の号令を出した。全員餌のクッキーに噛り付いて瞬く間に餌を平らげた。 父まりさが排泄のルールを子供たちに教育してる間に四女のちびれいむと五女のありすの傷の具合を観察した。 体内の餡は元の量を取り戻し傷跡には薄っすら新しい皮が張っていた。私は念のためにその二匹の傷口に治療用のオレンジジュースを 塗ってやり。これに気を良くした二匹は何度も感謝の言葉と例の挨拶を繰り返してから私に遊んでくれと哀願する。 私は指先でその二匹と戯れて遊んでやった。すると排便を終えた子供達も遊んでくれと手にまとわり付いてきた。頬を摺り寄せる子や 指先を舐めたり甘噛みしてくる子が居る中、強めに噛んで指先で転がされる子も居た。 私は早々に子供達の体内に仕込んだ水飴がどうなったかを切開して確認したくてたまらないが、まだ小さいので体内の水飴がうまく 中枢餡として機能しているかどうか怪しいので、今のところは我慢する事にした。 その後にクラスBの水槽に戻り、今度は三女のぱちゅりと子ぱちゅり相手に遊んでやった。この二匹には道具を使って遊んでやり。 紐の片方を咥えさせ引っ張りあいをしたり、紐を結わえたペットボトルを引かせたり創造的な遊びで知能の成長をうながした。 資料整理と水槽のメンテで気がつくとすっかり日も落ちて暗くなっていて。ふと別室の水槽を思い出し行ってみる。 別室の扉を開いたらすぐに私の存在に気がついたらしく二匹ともギャーギャーとなにやら喚いてる。 水槽の片側には小高い山のように二匹の便が積まれており、臭くてたまらないのでさっさと片付けろと罵詈雑言を浴びせてくる。 母れいむに至っては子供たちはどうした!早くココから出せ!と、それはもう酷い罵倒だ。よく聞いてみると母れいむがなにやら 制裁してやる!と息巻いている 自分の立場も知らずに本当に愉快な生き物だ。拉致してきたれいむ種の子供もソフトボール大からハンドボールくらいの大きさに なっていて面白い。母れいむもソフトボール大に成長している。二匹で水槽の7割の面積を占有し、残り空間は全部二匹の便で占められている。 私はさらにその水槽の中に2箱分のクッキーを全部投入した。生活環境改善のために小動物用の水まで用意してやり。それから私は、 腹が減っているだろう?いっぱい食べなさい、と二匹に笑顔で言った。 さすがに二匹共これ以上食べたら水槽が便で溢れて、常に便が体に付くような状況になるから食べない!と言い張ったが、今度のクッキーは グラニュー糖がまぶしてある甘いクッキーだ。 30秒と持たずに二匹は下品な言葉で美味い美味いと言い合いながらガツガツと食った。さすがに大きくなった二匹だ、あっと言う間に クッキーは無くなった。 私はさらに残りのクッキーを2箱ほど投入してやった。我慢という知性の歯止めが外れてしまった二匹は水を飲んではクッキーを貪る。 その繰り返しを20分ぐらい繰り返し、すぐに完食してしまった。 さぁ次にやってくるのは・・・ 当然二匹は排便や排尿がしたい。だが水槽内が狭いので今ある便をすぐに片付けろと命令してきた。当然そんなものは無視だ。 やがて拉致してきた方のれいむ種の子供が我慢しきれず、かなり巨大な便をひり出した。 その便は今まで積み上げた便の上には積み切れずコロコロと二匹の方に転がる。母れいむは責任はお前にあると罵倒して、拉致されてきた方の れいむ種の子供を便の方向に押し出し自分は反対側の壁に背を付けた。 臭くてゆっくり出来ないと怒り狂ってるがその姿がまた堪らない。そんな光景を眺めて楽しんでいたら壁に背を付けていた母れいむの 口数が少なくなり細かく震えている。 どうしたと?尋ねると排便がしたいと小さな声で言った・・・。 それを聞いた拉致されてきたれいむ種の子供はは冗談じゃない!するなら目の前に便の山にしろ!と怒鳴りだした。 だが時は既に遅くて、母れいむの肛門からは尋常じゃない量の便がどんどん溢れ出てくるではないか。それと同時に排尿もするものだから 二匹の間はぬかるんだ泥道以上に汚いことになった。 拉致されてきたれいむ種の子供が今すぐ排便をやめろと言っても止まる筈も無く、最後に残った安全圏も全部便で埋まった。 臭い臭い!早く何とかしろと騒ぐ二匹が便まみれでグチャグチャと音を立てて蠢きながら罵詈雑言を浴びせてくる。 私は階下の居住区に行って缶ビールと、前に与えて大失敗した鈴カステラの残り500gを持って再度観察を始めた。 まず大量の鈴カステラを投入し、水槽の前にディレクターチェアを置き。そこに深々と座って缶ビールを開けた。 もう絶対食べない!もう騙されない!この便を片付けない限り食べない!と暴言を交えて叫んでいる。私は愉快なBGMをバックに 黙ってニコニコとビールを飲んで観察を続ける。 今回はかなり頑張ったが我慢できた時間は1分にも満たない。あれだけ食べたのによく食べる。下品な顔をしながら下品な表現で 美味い美味いと食い続ける。しまいには二匹で取り合いしながら2分ほどで食い尽くしてしまった。 数分後二匹は完全に口を閉ざして小刻みに震えている。 ほら、我慢してないでさっさとすっきりしなさい。と言ったが黙りこくる二匹。 それはほぼ同時に起きた。 二匹は絶叫と共におびただしい量の便を放出し始めた。 見る見るうちに水槽は便で埋まり二匹の口元まで便は堆積した。 全部出し切った二匹は臭い臭いと涙を流して体を伸ばして上に上にと堆積した便から逃げている。 私はしばらく来ないので腹が減ったらその便でも食べていなさい。と笑いながら部屋を出た。 退室間際に後ろの方では、お願いしますからここから出してくださいと叫ぶ声がした。 十七日目 私はここら辺で大きな行動を起こそうと思い、ある決意携え研究所に朝から赴いた。 研究を進めるにあたって個体の最大数が少なすぎる。 基礎研究はある程度終えたようなので、ここらへんで個体数を一気に増やすべく時間と言う解決法に踏み切ることにした。 本日はその下準備にとりかかる。 まずはクラスBの水槽にクラスCに居る、良い仕上がりを見せた元次女の父まりさと四女のちびれいむを入れた。 父になったまりさは久しぶりに直に再会する三女のぱちゅりに挨拶をし、頬を摺り寄せている。当初複雑な表情であった三女のぱちゅりは 、次第に慣れて仲良く頬を摺り寄せ合っている。四女のちびれいむも暫く見なかった子ぱちゅりと、すぐに仲良くなって水槽内を一緒に 跳ね回っている。 私は父まりさにちゃんと三女のぱちゅりと協力して、子ぱちゅりと四女のちびれいむの面倒を見るように伝えた。父まりさは素直に わかったと返答し、質問があると切り出した。 長女のれいむはどこに行った?子供たちはどうなる?五女のありすは何故こっちに来ない? と、聞いてきたが後でゆっくり教えると言って解答の明言をしなかった。 私はクラスCの水槽に移動し、そこに居る五女のありすに今日からお前がこの子供達面倒を見るのだぞ。しっかりやらないとまた 下のクラスDの水槽に行ってもらうぞ!と軽く脅しをかけた。 五女のありすは何度もわかったと返事をして、子供達の面倒をしっかり見ると宣言した。 父も母も居なくなった子供達は泣きじゃくりながら両親を探している。ふと、見上げた上の水槽に自分達を見下ろしてる父の姿を見つけ、 何度もジャンプしながら父の名前を叫んでいる。そんな子供たちに一生懸命頬を摺り寄せてなだめる五女のありすを見て一安心した。 それから私は各水槽に毎日餌を与え、個体達と遊んだり、知能を発達させるような遊びを教えた。 そう、他の水槽に放逐した母れいむと父まりさの子供たちが繁殖可能になる日まで毎日続けた・・・。 ~そして十日後~ 二十七日目 本日は実験の下準備の終えた日と定めて意気揚々と研究所に赴いた。 まずクラスBの水槽を覗き込んだ。三女のぱちゅりは、すっかり父まりさと仲良くなり。四女のちびれいむと子ぱちゅりをあやして 遊んでいた。近況を聞いてみると、四女のちびれいむはすぐ溜めておいたオレンジジュースをねだるので困ったものだと幸せそうに 愚痴っていた。 私はとりあえず餌のクッキーを広場に並べて、どうぞ。と号令をかけた。全員、例の挨拶をしてから頂きます。と言ってクッキーを 頬張り始めた。 当初、五女のちびれいむも凶暴化してダメかと思ったが、このメンバーに組み入れたことによって凶暴化も抑えられ素直な性格に上手く 固定できたようだ。 次に問題のクラスCの水槽だ。五女のありすはすっかり元気になり、私を見るや否や例の挨拶を満面の笑みで言ってきた。 子供たちも歌っていた歌を止めて挨拶をしてきた。 私は子供達の一匹を手に乗せ大きさと重さをある程度確認した。大きさはピンポン玉と同じか一回り大きい感じで重さも適度にある。 私の手に乗せられた子供の個体は不思議そうにしていたが、すぐに指に頬擦りしてきたり例の挨拶をにこやかに繰り返してきた。 ちょうど良い頃合だ。 私は次に五女のありすを手に取った。大きさはピンポン玉より二回りほど大きく重さもずっしりしている。手に乗せられた五女のありすは また折檻されると思って何故か謝り続けている。私は別に何もしないよと言って安心させ五女のありすを机の上に置いた。 不安そうな五女のありすに炭酸を抜いたコーラをスポイトで一滴づつ与え様子を見た。五女のありすは凄く美味しいと興奮気味に 私に感謝の言葉を投げかける。 思った以上の効果だ。 次に私は五女のありすの排尿口を筆先でパタパタと刺激しながらコーラをスポイトで与えた。五女のありすは最初こそ、こそばしいと 笑顔でやめてと笑っていたが次第に無口になり排尿口が見る見るうちにに盛り上がってきた。 私はその盛り上がった突起を執拗に筆先で刺激を与え続けコーラをスポイトで与えた。 すっかり突起は立派な性器となってそこに鎮座した。 私はどんな感じだい?と五女のありすに問いかけたら、良くわからないと興奮気味にしている。 私は良い頃合だと確信して五女のありすをクラスCの水槽に戻した。 さて、高見の見物だ。 水槽に戻された五女のありすの元には子供たちが心配して駆け寄ってきて頬を摺り寄せながら安否を心配していた。それに答えるように 五女のありすは頬を摺り寄せ返していたが次第に頬だけではなく全身を摺り寄せ始めた。 何か変だなと一匹の子れいむは、どうしたの?なんか変だよ?と五女のありすに言ったが、その行為は止まらなかった。 異変を察知した子れいむは急にやめてと叫び出したが、その時すでに五女のありすは大きく怒張した性器を子れいむの排尿口に突き立てていた。 嫌がる子れいむを体で押さえ込んで、ゆっくりと性器を刺し込んだ。痛いと絶叫する子れいむの叫び声に驚いて他の子供達は、 優しくて大好きだった五女のありすの周りから一斉に逃げ出した。 遠巻きに、もうやめてあげて!と子供達に叫ばれる中、五女のありすは快楽に支配され切った顔で、押さえ込んだ子れいむの排尿口に 激しく性器を出し入れする。 激しさもクライマックスに達した所で絶頂を迎え、なんとも言いようの無い絶叫を上げて五女のありすは果てた。 ふぅ~っと一息ついた五女のありすは、ゆっくりと回りを見回し。次の獲物の子まりさに襲い掛かった。 子まりさは、ピョンピョンと跳ねて逃げ惑うが、とうとう水槽の隅に追い詰められ二回りほど体の大きな五女のありすに完全に押さえ 込まれてしまった。 嫌だ嫌だ!と泣き喚く子まりさに容赦なく性器を突き立てる五女のありすの口からは獣にも似た咆哮しか出てこなかった。 野獣となった五女のありすは次から次へと子供達を犯し続けた。 一通り全員犯し終わったところで五女のありすに大きめのガラスのコップを被せ、落ち着くまで隔離することにした。 ふと、上の段のクラスBの水槽を見ると。 水槽のガラス際で、その光景を静かに涙を流しながら見つめる父まりさと、興奮気味に顔を紅潮させた三女のぱちゅりが居た。 つづく・・・。
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はるきち はるきち【登録タグ AviUtl は 文字PV 映像制作者】 特徴 2022年10月05日に初投稿。 ツールは主にAviutlを使用している。 自由なカメラ移動でのキネポが特徴的。 作品 初投稿 ビビビビ文字PV リンク Twitter Youtube
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「うへへ、今日は奮発してケーキなんて買ってしまった!あいつ、喜ぶだろなぁ」 うちの飼いゆっくり、その喜ぶ姿を想像してたら街から家までの距離もすぐだった。 「ただいまー!」 玄関の扉を開ける。 いつもなら、おかえりなさい!と元気に出迎えてくれるはずだったが、今日はその姿がない。 「あれ?寝てんのかな?」 もしそうならかわいい寝顔を拝むチャンスだぜと思いながら靴を脱いでいたら、 なにやら居間の方から物音がしてくることに気がついた。 やっぱり起きてるのかと思ったが、それ以上は特に考えず居間への扉を開く。 「ただいま!今日はケーk…」 目の前の光景に一瞬言葉を失い、頭の回転が止まってしまった。 しかし、瞬時に活動を再開し、状況を判断する。 割れた窓ガラス、石、ぱちゅりーの死体、れいむの死体、 そして、部屋の中央でにらみ合い、互いに隙を探り合うまりさと、 「ッ!!」 そこまで考えると、あとは体が勝手に動いていた。 にらみ合っていたまりさを蹴り飛ばし、もう一方、つまりうちの飼いゆっくりに駆け寄る。 多勢に無勢で戦っていたせいか、体中ボロボロで餡子の流失が激しい。 「あ、おにー、さん…おか、えり……」 こんな状態になってまで、わざわざあいさつしてくれることに感動したが、今はそれどころではない。 「待ってろ!今オレンジジュースを!」 … なんとか一命を取り留めたゆっくり。 「なんとか助かったな…よかったぁ…」 一時はどうなる事かと思われたが、オレンジジュースで殊の外あっさりと回復した。 これでお土産のケーキでも食べれば、明日にはもう元通りだろう。 「おにぃさん、こわかったよぉ…!」 「よしよし、もう大丈夫だぞ。何があったのか話せるか?」 うんと頷くと、ぽつりぽつりと事の顛末を語り始めた。 おっとその前に、これ以上もったいぶるのはやめて…(いちいち飼いゆっくりだとか表記するのもめんd…) うちのゆっくり、左右非対称の翼、ゆっくりには珍しい装飾のない漆黒の髪、それに映える紅玉のような瞳。 そう、ぬえだ。 多くの希少種に見られるような特殊な能力もなく、これといって身体能力が高いわけではない。 しかし、空からぬえが降ってきたあの日から、俺とぬえは大事なパートナーなのだ。 (余談だが、ぬえは本当は木から落ちたのだが、男は宇宙からやってきた『宇宙ゆっくり』だとおもっている) 閑話休題。 ぬえの回想に話を戻そう。 今日は用事があるので隣町まで出かけることになっていた男。 普段なら、ぬえも連れて行くのだが、隣町までは電車に乗って行かなければならない。 近所の商店街ならいざ知らず、さすがに公共機関にゆっくりを連れ込むわけにはいかない。 「そういうわけで、昼過ぎには帰ってくるから留守番よろしくな。お土産も買ってくるから!」 「いいこでまってるから、おみやげはふんぱつしてね!いってらっしゃい!!」 男を見送ってすぐに眠気がやってきた。 いい天気で、昼寝・二度寝するにはもってこいのうららかさだ。 いいこ、いいこ、とつぶやきながら、ぬえの意識は沈んでいった。 ぬえが眠りについてからしばらくして、家の庭では… 「ねぇまりさ、やっぱりやめたほうがいいとおもうわ」 「そうだよ、もしにんげんさんにみつかったら、れいむたちゆっくりできなくなるかも…」 「でも!でも…もうこうするしか、ないのぜ…」 「まりさ、いまからでもごはんをあつめればあかちゃんがうまれてもきっとゆっくりできるよ。だから…」 「っ! もとはといえば、れいむがかんがえなしにすっきりするからわるいんだぜ! ぱちゅりーがあんなにも、あかちゃんはじゅうぶんにゆっくりできるごはんがあつまってから、っていってくれてたのに!!」 「むきゅ…ここでいいあらそってもなんにもならないわ…やるなら、やりましょ。れいむもそれでいいわよね?」 れいむたちは、確かにこの家から男が外出するのを見た。 (家族やペットがいることはまったく考えておらず、結局それが故で失敗するのだが)少なくとも、今この家に男は居ないのだ。 「ゆぅ、わかったよ…やるからには、ごはんたくさんとってかえろうね!」 ぱちゅりーがれいむとまりさに指示を出す。 直前まで反対はしていたが、やはりどこかでこうするしかないと思っていたのか、 この日の準備はしっかりと整っていた。 大きな石とそれより一回り小さな石、そして木の板。 ぱちゅりーの知恵により、簡易投石機は完成した。 上面が平らな石の上に木の板を乗せ、さらに石を乗せただけの不安定な投石機だった。 シーソーのようなそれで石を飛ばしてガラスを割ろうとしているのだ。 一方眠っているぬえ。 先程から聞こえている衝撃音で眠りから覚めてしまった。 「ゆぅ…うるさいなぁ……ぬえはまだねたりないよ…」 確か前にもこんなにうるさいことがあったな。 あの時おにぃさんに聞いたら、工事って言ってた。 また工事なのかな、でも、それにしてはあの時より音がうるさいような… まどろみの中にあったぬえだったが、先程までとは違う大きな音により完全に目を覚ます。 音のした方を見ると、割れたガラスに、3匹のゆっくり。まりさ、れいむ、ぱちゅりー。 「やっとはいれたね!やっぱりぱちゅりーもまりさもすごいね!」 「そんなこといってないでさっさとごはんをいただいてかえるのぜ!ゆ…?」 おにぃさんとぬえのゆっくりプレイスに、あろうことかガラスを割り土足で侵入してきたゆっくりたち。 「むきゅ?せんきゃくがいるわ… あなた、ここはにんげんさんのおうちよ。どうやってここにはいったの?」 「れいむはわかったよ!あのにんげんさんはそこのゆっくりのどれいなんだよ! だかr」 ぬえの怒りは頂点に達していた。 それ以上しゃべらせまいと、渾身の体当たりをれいむに食らわせる。 いきなりのことに、3匹は何の反応も取れなかった。 れいむは動かない。死んだか、気絶したか。 追撃しようとしたぬえにまりさが反撃をしたことで、 居場所と誇りを、生存と未来を賭けた戦いの火蓋は切って落とされた。 「まりさ!うしろよ!」 ぱちゅりーがまりさに的確な指示を出す。 背後に迫るぬえの攻撃をかわすと、お返しとばかりに体当たりを食らわせる。 弾き飛ばされるぬえ。床を転がり、少量の餡子を吐き出す。 圧倒的な力こそないぬえだが、通常種の野良ゆっくり程度に遅れを取るほどではない。 しかし単純な数の違いによる戦力差、そしてコンビネーション。 このまりさが、野良の中ではそこそこ強い個体であったことも、ぬえを不利とするには十分な材料であった。 「ゆ、ゆへへ。おもったよりもつよくなかったのぜ…! そのはでなはねは、みかけだおしだぜ!!」 先程のダメージが抜けきらないぬえに、追撃を加えるまりさ。 「ゆらぁ!ゆっくりしないでしぬのぜ!!」 まりさの体が、砂糖細工の歯が、ぬえの体力を確実に削っていく。 このままでは殺されてしまう。ゆっくりプレイスは奪われ、おにぃさんにも会えないままに死んでしまう。 しかし、ぬえの瞳はあるものを捉えて離さない。 戦う2匹から1歩引いたところで指示を出すぱちゅりー。 頭を潰せば、いかにまりさが強かろうとも、戦えないレベルではなくなる。 「よそみしてるとあぶないのぜ!!」 もう何度目かも分からない体当たりが、またもぬえを吹き飛ばす。 そしてこの体当たりは、大きなダメージと、最高のチャンスを運んできた。 それは位置。まりさとぱちゅりーの間へと吹き飛ばされたのだ。 ここからなら、まりさに邪魔されることなくぱちゅりーに攻撃ができる。 偶然訪れたおそらく最初で最後であろう攻撃の機会。 もちろん、これを逃すぬえではなかった。 一撃で仕留められるように、まりさが嘲笑った羽を前へと突き出す。 ぬえの羽は鋭く、ゆっくりの体などいともたやすく切り裂くことができるだろう。 傷付いた体にムチを打ち、ぱちゅりーへと最後の攻撃を仕掛ける! 「っ!!ゆぅぅぅうううぅぅうう!!」 目を覚ますと知らない場所にいた。 前後の記憶が曖昧だ。 なんでこんな所にいるんだっけ…? あ、ぱちゅりーだ。 それとあれは、うん? 知らないゆっくりだ。 あっちにはまりさもいる。 とりあえずぱちゅりーにはなしをきいてみよう。 ぱちゅりーはだれよりもかしこいからなんでもしってるんだよ。 ねぇ、ぱちゅりー… 「ぱちゅりー!!よけるのぜ!!!」 まりさは叫んだ。 その叫びを聞いて、ぱちゅりーはぬえの攻撃を避けんと横へ飛ぶ。 「む、きゅんっ!」 羽がぱちゅりーの頬を裂いたが、なんとか突進そのものは躱すことができた。 が。 「ゆ…ぅ……?」 なんだかお腹があつい。 あかちゃん、うまれるのかな? 「ま…りさ、あ…ちゃん、そ、ろ…そ…う……」 あれ?なんだか、うまく、しゃべれない。 めのまえに、あの、しらないゆっくりがいる。 ともだちに、なれるかな? まずは、やっぱり 「ゆっ…、り…して……ぃ…」 ぱちゅりーには何が起こったのか分からなかった。 なんとか理解できたのは、 部屋の隅で動かなくなっていたれいむが、目の前でまた動かなくなっていること。 左の頬が焼けるように熱いこと。 まりさが何か叫んでいたこと。 何かが頭の上に落ちてきたこと。 頬から餡子が、ものすごい勢いで吹き出したこと。 そのまま餡子と一緒に意識も流れ出ていった。 そして、満身創痍のぬえと、茫然自失のまりさの、 片や体力、片や気力的に最後になるであろう一撃を加えるための隙の探りあいが始まる。 ここでようやく冒頭部分へと繋がり、回想パートが終わったのだ。 「…そしたらおにぃさんがかえってきて、まりさのやつをけっとばしてくれて、 ぬえのことをたすけてくれたの!」 「なるほどな、よくがんばったよ、ぬえ」 念のため傷口が開かないように、優しく頭を撫でてやる。 「うし、じゃあガラスとか片付けて、終わったらケーキでも食べますか!」 「ゆふん!ケーキ!ゆーし、ぬえ、はりきっちゃうよ!!」 「ぬえはゆっくりを片付けてて。ガラスは危ないから俺がやるよ」 割れたガラスを見るとため息が漏れた。 「ったく、饅頭共ときたら…誰が修理すると思ってんだよ… まぁ、俺が修理するわけでもないけどな、というかこれって保険効くのかよ…」 そんなことをボヤきつつ、ガラス片を掃除し、割れた部分には応急処置でガムテープを貼り付ける。 ガラスはこんなところとして、ぬえの方はどうなってるのか見ようとしたら、 「おにぃさん!きて!はやく!!まりさが!」 呼ばれた。まりさがどうかしたらしい。 そういえば蹴飛ばしただけで放置してたから、まだ生きてたのかな? ゆっくりの生命力はゴキブリ並みだからな、あ、ぬえのことじゃないよ? とか考えながらぬえが呼ぶまりさの元まで行くと、案の定まりさは生きていた。 生きているといっても、死んでいないと言った方がいいような状況で、息があるというのが適切かもしれない。 意味のないうめき声を漏らしているが、なにもしなくてもそれはやがて止まるだろう。 だが、ぬえはどうやら直接とどめを刺したいらしい。 「どうする、おにぃさん?ころす?ころしてもいい?」 よほどこのゆっくりたちに怒りを感じたのだろう、その気持ちは素直にうれしい。 「そうだな、生かしておく理由も必要もないし…いや、待てよ…」 俺はあることを思い出し、思いついた。 「ぬえ、妹だ!」 「?」 ぬえはなんのことだかさっぱりといった様子だ。 そうなってはこのまりさにも価値が出てくる。 ぬえの気持ちも、俺の企みのためにも。 まりさを回復させるために、ぬえを回復させるときに使ったオレンジジュースをもう一度手に取る。 どんなに重症であろうと、とりあえずオレンジジュース。 ゆっくり相手ならこれで大丈夫なのだ。 ご多分に漏れず、すっかり回復するまりさ。 「…ゆん?いつのまにかねてたのぜ? れいむ?ぱちゅりー?どこにいったのぜ?」 餡子脳ゆえか、蹴飛ばされたショックからなのか、今日あった「いやなこと」は覚えてないみたいだ。 「おはようまりさ。調子はどう?どこか痛むところは?」 「ひっ…にんげんさん…ゆっくりしないでにげるのぜ!」 必死に跳ねて逃げようとするが、見えない壁にぶつかってしまう。 「!? なんでにげられないのぜ?」 言うまでもなく、まりさは透明な箱の中にいるからだ。 なおも逃げようと、なんども壁に体当たりをするまりさに優しく話しかける。 「れいむとぱちゅりーなら先に帰ったみたいだよ。 でも、外はもう暗いし、今から追いかけたんじゃれみりゃに食べられちゃうかも。 今日はここに泊まっていったらどうかな?」 まりさは悩む。にんげんさんも怖いけど、れみりゃも怖い。 ここにいたら危ない気がするけど、外に出ても、この人間が言うように危険だ。 返答を決めあぐねているまりさに、もう一つ提案を。 「ケーキもあるんだ。皆で食べようよ、ね?まりさ」 結局、誘惑に負け(そもそもその選択肢しか選びようが無いのだが)ケーキを食べ、一泊したまりさ。 にんげんさんが言うには、この箱の中はとても安全な場所らしいが、ずっとここにいるわけにはいかない。 そろそろれいむとのあかちゃんも産まれるはずだ。はやく皆のところに帰りたいと思っていた。 「にんげんさん!まりさはみんなのところにかえりたいのぜ!ここからだしてほしいのぜ!」 それを聞いた俺は思わず笑ってしまう。 「はははっ、皆のところってどこだよ。後追い自殺でもするつもりか?ww」 自殺?何を言っているのだこの人間は。 「まりさにはかえりをまってるかわいいれいむと、そのあかちゃんがいるのぜ! だからここからだしてほしいのぜ!」 「もー必死になっちゃって、まりさったらかわいいねー。 そんなまりさに素敵なプレゼントをあげるよ。持ってくるからちょっと待っててね」 「にんげんさん!ぷれぜんとはいいからここから…」 まりさは言葉を失う。その目は「コレ」に釘付けだ。 「おまたせー。中身がほとんど出てるから皮だけでぺらぺらだけど、まりさならこれがなんだか分かるよね?」 限界まで目を見開き、声にならない声を発するまりさ。 「あれ?せっかくあんなに会いたがってた友達に会えたってのに元気ないなぁ。 分かるよね、これぱちゅりーだよ?」 もう死んでるけどね、と付け足す。 荒い呼吸を繰り返し、目をそらそうとしても嫌でも目に映る、ぱちゅりーだったもの。 「ゅはっ…!はっ…はぁ!!はっ、ゅぐぅっ!!はっ…はぁ…っぐぅぅぅうう!!」 「ぱちゅりーとはあんまり仲が良くなかったのかな?まぁいいや。 でも次はきっと喜ぶぞぉ!なんと…」 いくらゆっくりであろうと。餡子脳であろうと。 まりさは分かっていた。 この男が次に何を取り出すのかを。それがどんな意味を持っているのかを。 そして思い出していた。自分が気を失う前のことを。 だから、れいむがどうなって、今どこに居るのかも、分かってしまった。 「ゆがああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 「れいむでーす!まりさの自慢の可愛いれいむ!叫ぶほど嬉しいんだね、喜んでもらえて何よりだよ」 こみ上げる吐き気を、溢れる絶望を、必死に耐える。 「あとさ、あかちゃんまだ生まれてないんでしょ?かわいい赤ちゃん見たいよね?」 答えを聞くつもりなどもちろんない。 ぬえに付けられ、致命傷となった腹部の裂傷、そこを手で拡げる。 中に手を突っ込み、取り出す。 そして、まりさによく見えるように、箱の中に「それ」を置いてやる。 「はいこれ、まりさとれいむの 「おいおい、何回気を失えば気が済むんだよこのまりさは」 「おにぃさんがいじめるからでしょ。このまりさはもういじめなくてもよかったのに」 「でもこいつらガラス割って、ぬえにひどいことしただろ。これくらいぬえの痛みに比べれば!」 あの時まりさに食べさせたケーキ、その中にはあるものが仕込まれていた。 それこそが、まりさを生かしておいた理由である。 あるものとは、種だ。 種とは言うが、凝縮されたゆっくりの元と言った方が分かりやすいかもしれない。 ぬえ種が生涯に一度だけ、体内で生成するそれは、ゆっくりの体内にて育つ。 やがてぬえ種は、母体となったゆっくりの餡を、内部から食べ始める。 十分に成長したら、母体の腹を突き破って、初めてこの世界に産声を上げるのだ。 余談だが、その特徴ゆえにぬえ種は数こそ少なく希少種と呼ばれるが、 捕食種に食べられても、その体内でまた新たなるぬえが、安全に成長することができる。 通常のゆっくりが、数の多さで種の保存を図ったとするなら、ぬえ種は数こそ捨てたものの、 より確実に生き残れる道を選んだのだ。 一説では、平安の頃からその姿は確認されていたとか。 このぬえは、体内で生成した種を排出し、おにぃさんに渡していた。 それがどれほどの意味を持つのか、推して知るべしである。 とにかく、その種をまりさにケーキとともに食べさせたのだ。 何日か後の事… 以前と変わらない透明な箱の中に、以前と変わらないまりさがいた。 ただ一つ違っていたのは、精神が壊れてしまったこと。 今では、自分の体内にいるぬえの子供を、れいむとの子供だと思い込み、 必死に最後の一線を越えまいと耐えている。 「あかちゃん……まりさと、れいむの… れいむ……?ゆ、ぐぐぎぎぎぎぎゅぐぎぐぎぐっぐうぐうううううう!!!」 もう何度目かも分からない、この体の内側をかき乱す痛み。 「なぁぬえ、今回のっていつもより長くない?」 「そうだね、もしかしたら…」 果たしてその予想は当たっていた。 まりさの下腹部がもぞもぞとうごめき、やがて破れる。 そして 「ゆっくりしていってぬえ!!」 あとがき まずは最後まで読んでくれてありがとうございます、です! しかしまぁ、たったの1セリフを言わせたかっただけのはずなのに、どうしてこうなった… 設定としては、ぬえ→エイリアンというなんとも安直な発想です。 そもそもタイトルからしてモロバレな感じです。 あと種ですが、ぬえの能力、その元となる「正体不明のタネ」から。 とにもかくにも楽しんでもらえたならば幸いです。
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(前から) 一方みょんの巣では 「ちるの、だいようせい、何があったのか話してほしいみょん」 まずだいようせいが事情を話した。 いつものように群れの仲間と遊んでいたら、突然へんなにおいがしてきて、意識が飛び 気がついたら目の前に昔仲のよかったちるのがいた。 なぜかは分からないけどとてもムラムラしてしまい襲ってしまった。 何度かすっきりーすると頭が冴えてきて、自分のしでかした事に気付いてしまった。 目の前のちるのの頭には茎が生え、下あごのあたりは少しだけ量が増えてた。 正気には戻ったものの、周りは自分と同じようにおかしくなってしまった群れの仲間ばかり。 幸い、ちるのは仲間の死体に隠れていたから、あとは自分がこのままちるのを隠せば なんとかこの場をやり過ごせる。 意識のないちるのを守ろうと決意した瞬間 「ゆくちっ!」 ちるののくしゃみで顔が凍り、そのまま気絶した。 との事だった。 ちるのは 「あたい! れいぱーたちをやっつけてるとれいぱーのしたいをぶつけられたんだよ!」 「あたい! そらをとんでにげようとおもったら、だれかにきられたんだよ!」 「あたい! そのときにみたんだよ! ドスのこどものまりさを!」 要約すると美まりさにレイパーの死体で動きを封じられ、切られた。 との事だった。 「なるほど…察するにあのまりさがせかせかとみんなを切って れいぱー達の餌食に仕立て上げたという事になるね。」 「あのゲスがみんなにナメタ真似したことでてんこの怒りが有頂天になった この怒りはしばらくおさまる事を知らない!」 まりさの暴挙に怒り心頭のてんこ。 「おじゃまするよ!!!」 深夜なのにみょんの巣に訪問者がやってきた。 みょんは美まりさの刺客かと警戒し、木剣を咥えて入り口に向かう。 そこにいたのは死んだと思っていたちぇんと、見たことのないらんであった。 「ちぇん! いままでどこいってたみょん!? みんな心配してたんだぞ!!!」 みょんは危険はないと判断し、二匹を巣に案内した。 みょんは今までの経緯を簡単に二匹に説明し、 「そっちでは何があったのか教えてほしいみょん」 「わかったよー。あのときねー、ちぇんは誰かに切られて倒れてたんだよー そしたら、ここのらんしゃまがちぇんを連れて逃げてくれたんだよー 命拾いしたんだねー。わかるよねー」 「なるほど、らんがちぇんを助けてくれたのか。 らん感謝」 「いやそれほどでも…」 らんは照れくさそうに身をよじる。 そして、少し間を置いて話し始めた。 「あれは今日の昼間の事だったよ。 らんはいつものように長ゆかりんや幹部ゆっくり達と会議をしていたよ。 そしたらへんな臭いがしてきて、みんなの様子がおかしくなってきたの。 危ない予感がしたから長ゆかりんを避難所に匿ってから外に出たらみんなれいぱーになってて、 この群れに向かっていったんだよ。 らんも体が熱くなって、ここまで付いてきたんだけど、ちぇんがまりさに切られたのを見て 助けなきゃっておもったんだ。 それで、ちぇんを近くの洞窟に匿って、周りの様子が落ち着いた頃にちぇんと一緒に らんの群れにいったんだ。群れに戻ってみたら、群れのみんなが黒くなって死んでて、 ゆ、ゆぐ、ううぅぅぅうぅ!!!」 むせび泣くらん。 ちぇんは寄り添い、頬ずりして慰める。 「ぐすん、ありがとう、ちぇん。 それで、生き残った長ゆかりんとわずかな仲間にごはんを食べさせて、 誰か信頼できるゆっくりを探そうと思って、ここへ来たんだ。」 「わかるよー! みょんは信頼できるんだよー!」 「なるほど……、今回のれいぱー、あ、失礼」 「いいよ…、実際らんも多分誰かをれいぷして殺したかもしれないから…」 「らんしゃま…」 すっかり落ち込むらん。 「うん、とりあえず今回の突然みんなれいぱーになったんだよね?」 「こぉん…」 「…もしかしたら、"あれ"かもしれないね。明日、確かめてみるみょん」 「確かめるって、何を確かめるのさ!」 ちるのが訪ねるが、みょんは明日になったら分かるさとだけ言い、 眠りについた。 そして翌日。 広場に集まるゆっくり達。皆広場の中央に集まっているみょんの一行に釘付けとなっていた。 みょんとてんこ。この二匹だけでなく、死んだと思われてたちるのとちぇんまでいる。 それどころか、群れのゆっくりでない、だいようせいとらんまでいる。 「ゆ、着いたよ!」 ドスまりさ一行のお出ましである。 美まりさがみょん一行の顔を見たとたん 「ゆええええ! なんで生きてるのおおおお!!?」 死んだと思っていたちるのとちぇんを見て驚き、叫んだ。 二匹はキッと美まりさをにらみ続けた。 「ちるのとちぇんが生きてたよ!!! よかったね!!!」 ちるのとちぇんの生還を喜ぶドスまりさ。 その傍らにいるらんとだいようせいには気付いていないようだ。 「むきゅ! それでは今日の裁判を開廷するわ!!!」 参謀ぱちゅりーが高らかに宣言する。 「証言者は前に出てね!!!」 「ゆっ!」 証言するために前に出たのは まりさ、れいむ、ちぇん の三匹。 「むきゅ、まずはまりさよ!」 「ゆ、あのてんこはゆっくり出来ないゆっくりなんだぜ!!! この間、まりさが一緒にゆっくりしてやろうとしたら体当たりしてきたんだぜ!!!」 「次、ちぇん!」 「てんことみょんは仲良しなんだよー! きっとふたりで他の弟子ゆっくりをゆっくりできなくしたんだよ! わかるよねー?」 「次、れいむ!」 「ゆ! わかったよ! てんことみょんは悪いゆっくりだよ!!!」 実はこの三匹、美まりさにみょんを殺すように唆した連中だった。 れいむをみょんに殺されたまりさ。群れ一番の狩りの名手だったれいむ。 群れで一番けんかが強かったちぇん。 美ぱちゅりーの作戦は証人としてこの三匹にてんこが悪者になるような証言をさせ、 その上でみょんもてんこも有罪で死刑にする。というものだった。 あらかじめ「てんこ=悪」と群れのゆっくり達に植え付けておけば、 単純なゆっくりはそれを鵜呑みにするだろう。 たとえ、多少他のゆっくり達から好かれていたとしても。 「おいィ?お前らは今の言葉聞こえたか?」てんこが訪ねる。 「雑音は聞かない主義みょん」とみょん 「何か言ったのか?」とらん 「あたいの頭には何もないよ!」⑨ですからね。 みょん一行は何のことやらとへらへらと三匹をせせら笑った。 「こぉん! 次はらんが証言するよ!」 「昨日、ちぇんがそこにいるまりさに切られて倒れたかららんが ちぇんを安全な場所まで避難させたんだよ!!!」 「あたい! みたよ! まりさがにやにや笑いながらあたいを見てたんだ!!!」 二匹の証言で美まりさにも容疑がかかった。 「むきゅ! まって! らんとだいようせいはどこの群れのゆっくりなの?」 美ぱちゅりーが二匹に訪ねた。 「こぉん! らん達は向こうから来たよ!!!」 「あ、よく見たらそのだようせい、昨日のれいぱーの一匹だよ!!! みょんはれいぱーをかくまってるんだね! 悪いゆっくりだよ!!!」 「「「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅ!!?」」」」」 群れのゆっくり達がざわめく。 レイパー達は昨日ドスが全滅させたはずなのに何故? 「まりさ何言ってるの!? だいちゃんはあたいを守ってくれたんだよ!!! れいぱーなわけないでしょ!!!」 「ちるのちゃん…」 すかさずちるのが叫ぶ。 本当は数回レイプされた後でだいようせいは正気に戻ったのだが、 ちるのは親友を助けるためなのか、単に忘れているだけなのか、だいようせいを庇う。 「ゆゆゆゆ、まりさが犯人なの!? みょんが犯人なの!? どっちなのおおおぉぉぉお!!!」 一匹のありすが混乱し、喚く。 結局、群れの者達ではどちらがクロなのか判断できないのだ。 「むきゅ、このままじゃらちが開かないわ! 仕方ないわ! ここは『決闘』に判決を委ねるわ!!!」 「「「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆぅ!!?」」」 またもざわめくゆっくり達。 決闘で判決を下すなんて、早々あることでは無い。 「ゆ、分かったよ! まりさは無実だから戦うよ!!!」 「委細承知みょん」 しかも、両者とも木剣を持ち、群れの中でもドスまりさに次ぐ実力者。 勝敗はおそらく生死をもって決まるだろう。 そのような恐ろしいことが今まさに行われようとしているのだ。 両者ともに広場中央へ、そして木剣を構える。 「むきゅー! 両者、ゆっくり始めるのよ!!!」 美ぱちゅりーの合図で決闘が始まる。 美まりさは積極的にみょんに斬りかかる。 みょんは木剣を盾代わりにし、攻撃をいなす。 しかし、わずかにみょんの皮に切り傷が入る。 本来であればこの程度、取るに足らない怪我で済むはず…なのだが、 「!!!…ゆぐわあああああぁぁぁぁぁああ!!!」 突然目を見開き、苦しみ悶えるみょん。 「何でみょんが痛がってるの!? わからないよー!!!」 「あたいでも痛くないくらいのかすり傷だよ! みょん弱すぎるよ!!!」 「どう見ても破壊力ばつ牛ンには見えないのだが…」 みょんの弟子達には訳が分からなかった。 確かにかすり傷を負わされたが、それであんなに痛がるわけがない。 美まりさの木剣には粉末状にした唐辛子を水で溶いた物が塗り込まれている。 昨日、美ぱちゅりーがてんこを悪役に仕立て上げる作戦が失敗した際に 決闘で決着をつける事を提案し、さらに、美まりさが負けないように、 少しでも皮に入れば地獄のような激痛をもたらす唐辛子を木剣に塗り込んだのだ。 美まりさはそんな小細工しなくても勝てる自信があったが、 美ぱちゅりーに説得され渋々この作戦を使うことにした。 あまりの効果の高さに、美まりさ自身が驚いた。 多少、苦戦を予想していたが、それどころかこれなら楽勝ではないか。 「ゆ! まりさの強さを思い知ってね!!!」 カツン! 「ゆぃぎいいぃぃい!!!」 カツン 「ゆっぐあああぁぁぁぁあああ!!!」 カツン 「あぐううぅうぅぅう!!!」 美まりさの攻撃をぎりぎりのところでいなすが、いなし切れなかった斬撃がわずかにみょんを切り裂く。 元々傷だらけだった体にさらに赤みを帯びた切り傷が追加されていく。 「ゆひぃ、ゆひぃ…」 ちょろちょろちょろ… ついにみょんは失禁までしてしまった。 「ゆ、ゆはははは! みょんはしーしーもらしちゃったよ! だらしないね! 馬鹿だね! 恥ずかしくないの!?」 ここぞとばかりにみょんを馬鹿にする美まりさ。 憎い相手がここまで無様な姿をさらしてくれるのだ。 美まりさはすっかり有頂天になり、みょんをさらに馬鹿にする。 「ゆぅっ、ぎぎぎぎぎ…!」 歯を食いしばり美まりさの暴挙に激しい怒りを感じているのはみょんの弟子達。 みょんは絶対に手出しをするなと彼女たちに言っていたため耐えているが、 それももはや時間の問題だろう。 三匹の目は完全に見開かれ、美まりさに対する憎悪に満ちあふれている。 美まりさは攻撃をゆるめることなく、少しずつみょんを刻んでいった。 「ゆ、ぜぇ、はぁ、そろそろ止めを刺すよ!!!」 調子に乗りすぎたせいでバテてしまった美まりさは垂直に木剣を咥え、 みょんを串刺しにせんと突撃する。 (もうみょんは虫の息だよ! 最後は串刺しにして殺すよ!!!) みょんは虚ろな目で美まりさを見据え、 すっ、 「ゆっ!?」 素早く美まりさの一撃をかわし、地面に激突したまりさに木剣を突き立てた。 「ゆぎゃあああああぁぁぁああああ!!! いだい! まりざのおめめがあああぁぁぁぁ!!!」 木剣は美まりさの側頭部から目玉まで貫いていた。 みょんは「はぁ、はぁ」と息をつく。 「む、むきゅ! もう勝負ありよ!!! 止めよ! やめ!」 美ぱちゅりーはあわてて決闘の終了を告げた。 ドスまりさも参謀ぱちゅりーも美ぱちゅりーもまさかみょんが勝つなどとは予想だにしていなかった。 「まりざああああ!!! じっがりじでえええぇぇぇえ!!!」 ドスまりさはドスん! ドスん! と音を立て娘の元へ跳ねゆく。 急いで美まりさを手当てしなければ! その思いで美ぱちゅりーは決闘を終了させたのだが ずるっ 「ゆげぇっ!」 みょんは木剣を美まりさから引き抜く。 木剣には潰れた美まりさの目玉がへばりついていた。 「…」 みょんは美まりさに何かを告げ、美まりさに背を向け、てんこ達の下へ戻ろうとする。 「きだないみょんはしねえええぇえぇぇぇえ!!!」 ドスまりさが美まりさに跳ね寄ろうとしたそのとき、 美まりさはみょんに襲いかかった。 「みょん! あぶないよ!!!」 てんこが叫ぶがみょんは薄ら笑いを浮かべ、木剣を垂直に咥えた。 「じねえええぇぇええぇぇぇ!!!」 もうすぐまりさの木剣が届きそうなところでみょんはその場で一回転した。 「ゆぎぃっ!?」 群れのゆっくり達には目視できないほどの速度で繰り出された斬撃は美まりさを上下に両断した。 ずぱっ! べしゃ! 美まりさの口から上が切断され、跳ね寄るドスまりさにぶつかった。 美まりさの下の部分は力なく垂れ、綺麗に切断された髪の毛がみょんの一撃の威力を物語っていた。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆぎゃあああああああああああ!!!」 ドスまりさは愛娘の無惨な死に様についにパニックを起こし、暴れ始めた。 どんっ! ぐちゃ 「ぴぎゅ!」 「ゆげぇ!」 「もっど、ゆっぐrぶびゃ!」 ところ構わず暴れ回るドスまりさ。 不幸にも集まったゆっくり達はドスまりさの下敷きになり、 中身をぶちまけ果てた。 「やめでえええ!!!!」 「れいむのあかちゃんがああああ!!!!」 「どすのばかあああああ!!!」 泣き叫び、逃げまどうゆっくり達。 皆パニックを起こし、広場は完全にパニック状態。 「まずいみょん! ドスが暴れ出した! 一旦逃げるみょん!!!」 みょんはてんこ達の下へ行き、全員に逃げるように指示し、この場を離れることにした。 「一旦みょんのおうちに戻るみょん!!!」 逃げる途中 「ちょっと待つみょん!」 みょんは全員を呼び止める。 「みょんは用事があって行かなきゃいけない所があるみょん! らんとだいようせいは付いてくるみょん!! てんこ達はみょんのおうちで待機してるみょん!!!」 ぶーたれるてんこ達を無視し、らんとだいようせいを伴いてんこ達と別行動を開始する。 一方群れのゆっくり達は 「やべで! まりざをづぶざないでね!!!」 れいむの敵を取らんと暗躍していたまりさである。 美まりさを唆し、みょんを始末させようとしたのに美まりさは返り討ち。 ふがいないゆっくりめと考えるもつかの間、今度はドスまりさが暴れ出した。 もたもたしているうちにドスまりさにのしかかられてしまったのだ。 「ゆべべべ! ぼっど、ゆっぐ、ぶげぁ!」 ドスまりさに潰され、断末魔を最後まで言うことも出来ないままれいむの下へ旅立った。 「むきゅー! ぱちゅりー! 今は一旦逃げるのよ!!!」 参謀ぱちゅりーは錯乱し、群れのゆっくり達を潰して回っているドスまりさや 逃げまどい自滅していく群れのゆっくり達から逃れようと美ぱちゅりーと共に逃走を始めた。 「てんこ! らんしゃま無事かなー? わかるかなー?」 「だいじょうぶだよ! あたいがいれば大丈夫だよ!」 「みょんがついてるから大丈夫だと思った(リアル話)」 てんこ、ちぇん、ちるのはみょんの巣に避難していた。 みょんの巣は入り口があまり大きくない洞窟であるため、 ドスまりさが近くで暴れても被害は無いと考えられる。 そのため、みょんはドスまりさの暴走をここでやり過ごすことを提案したのだ。 「ところで、ちるのはこれからどうするの? わからないよー」 「あたいは…だいちゃんといっしょに暮らすよ!!!」 「ちぇんもらんしゃまのところに行くんだよ! 一緒だね! わかるよー!!!」 ちるのとちぇんは呑気にこれからの事を話し合っていた。 ちるのはこれからはだいようせいと一緒に暮らし、 ちぇんはらんについて行って、らんの群れの復興の手伝いをするのだという。 わいわいきゃっきゃとはしゃぐ二匹。 そわそわしながらみょんの帰りを待つてんこ。 ところ変わって、 「むきゅー! お母さん! どこにいるの!!!」 何だかんだで結局参謀ぱちゅりーとはぐれてしまった美ぱちゅりー。 「まりさ…、む、む、むきゅううぅぅううぅぅぅぅぅん!!! むきゅううぅぅぅうぅぅううん!!」 美ぱちゅりーはみょんに殺されてしまった美まりさの事を思い出し、泣き出した。 「せめてぱちぇだけでもゆっくりするわ…」 美ぱちゅりーは一匹でとぼとぼと川沿いに歩いていった。 後ろからつけられているのに気づけなかったのは、美まりさを失った悲しみからか。 美ぱちゅりーは群れのゆっくり達が決して入らない花畑に来ていた。 この花畑の花のほとんどがゆっくりにとって劇薬になる成分が含まれていて、 うかつに食べる者が出ないようにと参謀ぱちゅりーが出入りを禁止にしていた。 そして、ここはかつて美まりさと美ぱちゅりーがよく逢い引きしていた 公認の仲ではあったが、群れの中では周囲の目が気になったのであろう。 「むきゅぅ…」 美ぱちゅりーはぼろぼろとと涙を流す。 誰よりも愛したまりさがまさか自分がこの群れに入れた 傷だらけの汚いみょんに殺されるなんて思いも寄らなかった。 美まりさがみょんに色目を使われて辟易しているという愚痴を聞かされ、 美ぱちゅりーは責任を感じた。 まさか、あの汚らしいみょんが身の程知らずにも美まりさに色目を使うなんて。 汚らしいまんじゅうは使い捨てにされるべきと考えていたぱちゅりーは このときからみょんを暗殺する手だてを考え始めていた。 しかし、みょんは生意気にも強い。下手に手下を送れば返り討ち。 それどころか手下が自分を裏切って、みょんに自分の事を話すかもしれない。 毒殺も考えたが、みょんは自分で取ってきたえさしか食べない。 毒殺をもくろんだゆっくりもいたがみょんは「ではまずおまえが食べろ」と言い、 そのゆっくりに毒入りの餌を食べさせ殺した。 そんな中、まりさがついにみょんから免許皆伝を言い渡され、ある作戦を思いついた。 それがレイパー襲撃に乗じて他の弟子ゆっくり達を皆殺しにする作戦だ。 これなら合法的にみょんを亡き者に出来る。ドスまりさにみょんの処刑をさせることも出来る。 レイパーは危険だが、とても強くなった美まりさなら多少の危険も問題ないだろうと判断し、 この作戦を美まりさに話した。 さらに美まりさにレイパーがいやがる臭いがする花の花粉を付け、安全対策も施した。 しかし、まりさが死亡確認を怠り、みょんの近くに弟子ゆっくりがいることを 確認しなかったために生存者が現れてしまった。 それどころか、まりさの所業を目撃した者まで現れた。 苦肉の策であった決闘で判決を下す策も念には念を入れ、 絶対に負けないようにと木剣に唐辛子も塗り込んだし、完璧だった。 それをあざ笑うかのようにまりさは串刺しにされ、真っ二つにされてしまった。 そして、娘を失ったドスまりさの暴走。 すべて自分があのみょんを群れに引き入れようと考えたのが間違いだった。 「へぇ、こんなところがあったとは知らなかったみょん」 「むぎゅっ!?」 何故みょんはこの秘密の場所に!? 後を付けられていたとは思いも寄らなかったぱちゅりーは思考が停止した。 「一度、ぱちゅりーとはお話ししてみたいと思っていたみょん」 「むきゅ!!! あんたなんかと話すことはないわ!!!」 「まぁ、そういうなって、こんな話はどう? 昨日、この群れを襲ったれいぱー集団の話なんだけど」 「むぎぃっ!?」 ぱちゅりーはびくりと体を硬直させるがみょんは気にせず話を続ける。 「見たことのないらんとだいようせいが一緒にいたでしょ? あれ、実は昨日のれいぱーなんだよ?」 「むぎゅ!?」 ぱちゅりーはうすうす感づいてはいた。 美まりさはだいようせいがレイパーだと言っていたし、 らんともあろう者がレイパーをかき分けてちぇんを助けた話にしても不自然すぎる。 「そ、それがどうしたのよ…」 「うん、それでね、片方はたまたま襲ったのが昔の親友だから正気に戻れて、 もう一方は群れの幹部になるくらいしっかりしたゆっくりだから正気に戻れたんだよ でも、おかしいよね? れいぱーになったゆっくりが正気に戻るなんて、あり得ないのにね?」 「む、むきゅ…レイパーだって満足すればしばらくの間は正気に戻れるわ…」 「だとしたらさらにおかしいよね? ちるのは死ななかったし、らんに至ってはれいぷもしてないよ?」 優しく、まるで母親が娘に諭すように語りかけるみょん。 「でもね、みょんはこの現象を知ってるんだよ これはインスタントれいぱーだね? ぱちゅりーの後ろのお花…それをお水につけると、花粉さんを出すよね? その花粉さんをかぐと一時的にレイパーになる。 ぱちゅりーはこれを利用して、らんの群れのゆっくり達をれいぱーにしたてあげたんでしょ?」 「むきゅっ、っ! ど、どどこにそんな証拠があ、あるって言うのよ!!!」 明らかに動揺するぱちゅりー。 「そのお花さんの事は旅をしていた時にゆうかに教えてもらったから間違いないよ。 それに、ぱちゅりー昨日こういったよね『れいぱーが攻めてきた』って… そのときはほとんど何も見えなかったんだよ? なんでれいぱーが攻めてきたって分かったの?」 「む、むきゅ、むぎゅぅぅぅ…」 言葉が詰まる。 みょんはふぅと一息つき、 「…まぁ、このことを言っても誰も信用してくれないだろうけどね。」 「む、むきゅ! そうよ! 誰も信用しないわ! それが本当のことだったとしてもね!!! むきゅきゅ! いいわ教えてあげるわ! たしかにこのお花を使ってむこうの群れの連中を インスタントれいぱーにしたわ! でも、あんたが何を言っても誰も信用しないわ! ぱちぇは知らんぷりすればいいだけだもん! あんたはぱちぇをれいぷしようとしたって事にするわ! せいぜいドスに殺されるがいいわ!!!」 みょんの挑発に乗り、暴露するぱちゅりー。 「やっぱりお前が真犯人だったみょん。聞いた? らん! だいようせい!」 「なんであんなことしたんですか!? そのせいでみんな死んじゃったんですよ!?」 「よくも、よくもみんなの群れを壊したな!!! このゆっくり殺し!!!」 「むきゅ!?」 「ぱちゅりー、お前はかわいいけど、ちょっとおつむが足りないみょん この二人がいるって予想できなかったとはね。」 「だましたわね! 卑怯よ!!!」 「何とでも言うがいいみょん。 せっかくだからもうちょっとだけいいこと教えてやるみょん みょんがこの群れにいてやったのはお前を殺すためだみょん!」 「むきゅ!?」 「みょんは気に入ったかわいいゆっくりなぶり殺しにするのが大好きなんだみょん! あのまりさはみょんの"別の趣味"に使わせてもらったよ!!! 無様だったよね! 自分が勝っていると勘違いしてたら串刺しにされて! 『みょんはわざと食らってやったんだよ? それに唐辛子まで塗って、それでも勝てないなんて、 ゲスで愚図でどうしようもないゴミまりさだみょん!』って言ってやったら顔真っ赤にして 襲いかかって、みょんは笑いをこらえるのに精一杯だったみょん! ぷぶ! ゲラゲラゲラ!」 己が惨殺した美まりさをあざけ笑うみょん。 「む…ぎゅ、ぎゅぅ!」 美ぱちゅりーは怒りに打ち震えた。 自分の愛した美まりさがこんなゲスなみょんにコケにされ、惨殺されたことを。 「ま、それはさておき、お前は本当に救えないくらいのゲスだみょん!」 「あんたの方がゲスじゃないいいいぃぃぃ!!!」 怒りにまかせ叫ぶぱちゅりー。 「いやいや、みょんはいろんなゲスを見てきたけど、 嫌いなゆっくりを始末するために他の群れのゆっくりをれいぱーにして、 同じ群れの仲間まで殺すようなゲス、みょんは見たこと無いみょん ……ねぇ、お二人さん?」 歯を食いしばり、目を血走らせていたらんとだいようせいに話しかける。 今にも美ぱちゅりーを八つ裂きにせんと構えている。 「ぱ、ぱちゅは悪くないわ!!! 悪いのはそこにいるみょんよ!!!」 「黙れ!!! この薄汚いゆっくり殺しがあぁぁぁ!!!」 らんの迫力に美ぱちゅりーは縮み上がる。 「よくも! よくも群れのみんなを!!! 殺してやる! 絶対殺してやる!!!」 「まぁ、ちょっと待つみょん!」 ギロリとみょんをにらみつける。 「よく聞くみょん。こいつはただ殺すだけじゃつまらないみょん。 みょんだって、せっかくだからこのぱちゅりーですっきりーしたいし」 「な…何を言ってるんですか!?」 「それに…」 ぺろり 「きゃっ!」 「こぉん!」 まむまむをみょんに舐め上げられ、思わず声が出てしまう二匹。 「二人ともインスタントれいぱーの副作用でしばらくはすっきりーを我慢しちゃいけないみょん 下手に我慢したられいぱーになっちゃうから。ここはこのぱちゅりーに責任を取ってもらって、 ここでたっぷりとすっきりさせて貰おうみょん!!!」 にやにや笑いながらぱちゅりーをレイプしようと提案するみょん。 二匹は理性でインスタントレイパー状態を押さえ込んだため、実はかなり性欲がたまっていた。 そのため、みょんが言うとおり、これ以上性欲をためるとまたレイパー化する可能性がある。 二匹はお互いの顔を見合わせた。 言葉はいらなかった。 これ以上、ちるのに迷惑をかけないため、ちぇんを襲ったりしないようにするため。 そして、美ぱちゅりーの奸計にはめられ、レイパーとして死んでいった仲間の敵を取るため。 二匹は死ぬまでこのぱちゅりーを犯して殺すことを決意した。 「覚悟は決まったみたいみょんね」 みょんは花畑から一輪の花をむしって、それを美ぱちゅりーに無理矢理食べさせた。 「今の花は、一時的ににんっしんっ!できない体にするお花だみょん。 これで黒くなって死ぬことはないみょん。」 「そ、そんなの聞いたこと…」 「当たり前だみょん、これはゆうか位しか知らない情報だみょん。 ちなみに、人間と一緒に暮らすゆっくりはこの花を加工した食べ物を 食べて、ひっにんっ!するらしいみょん」 「さぁ、お二人さん。このぱちゅりーでたくさん楽しむみょん…」 二匹は口をだらしなく開け、焦点の合わない目で美ぱちゅりーを凝視し、 そして 「「んほおおおおおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉおおお!!!」」 数十分後 「ふぅ、さすがに楽しみすぎたかな」 みょんは満足げに美ぱちゅりーを見る。 クリームをはき出し、体中を精蜜で汚され、目は虚ろで何かぶつぶつ言っている。 らんとだいようせいはぐったりし、呼吸を荒げていた。 「ちょ、ちょっとがんばりすぎちゃった…」 「こ、こおぉぉぉん…」 だいようせいはちるのでそれなりに性欲を解消できていたのでそんなに消耗していなかったが、 ちぇんに手を出さなかったらんはすべての欲望を吐き出したためか、かなり消耗していた。 「さて、このぱちゅりーの具合も結構よかったけど、そろそろ潮時だみょん。 いまからみんなを連れてくるから二人はそこでゆっくり休んでるみょん。」 みょんはがぶりとぱちゅりーの底部に噛みつき、そのまま池の畔へ。 「さぁ、これでお別れみょん。最後に何か言いたいことはあるか?」 「いやぁ…じにたぐn」ぼちゃん 「まぁ、最後まで言わせる気は無いけどね」 みょんは池に沈みゆく美ぱちゅりーの姿をうっとりと眺める。 恐怖と絶望。シンプルだが今までのどの表情よりも綺麗だとみょんは思った。 「てんこ! ちるの! ちぇん! 無事か!?」 自分の巣に戻り、三匹の安否を確認する。 「てんこは天人属性のリアル饅頭属性だから一目置かれる存在。 そんなてんこをこんなに待たせた浅はかさは愚かしい」 「あたい! 無事だよ!!! だいちゃんは? どこ?」 「ちょっと遅すぎだよー! わかってねー!」 三匹の安全を確認し、ほっと一息つく。 自分が育てた連中だから大丈夫だと思ってはいても心配していたのだ。 それでも自分の欲望を優先させたあたりやはり餡子脳と言わざるを得ない。 「あっちでらんとだいようせいを待たせてる。付いてくるみょん」 「わかったよー!」 ドスまりさはみょんの巣から離れた場所で暴れているため、 一行は気が触れたドスまりさと鉢合わせにならずに移動できた。 「らんしゃまあああぁぁぁ!!!」 「ちぇええぇぇぇぇん!!!」 「だいちゃん!」 「ちるのちゃん!」 頬ずりし、お互いの無事を喜び合う四匹。 「らん達はこれからどうするんだみょん?」 「らんは群れに帰って群れの復興に尽力するよ」 「ちぇんはらんしゃまと一緒に行くよ!!!」 「あたい! だいちゃんと一緒に行くよ!」 「わたしもみんなと一緒に群れに帰ります! それで、ちるのちゃんと一緒に暮らします!」 四匹はこのまま南に向かい、らんとだいようせいの群れで暮らすと宣言し、 固まって移動を始めた。 その道中でのこと。 「あたい! 何でにんっしんっ!してるの!?」 今更自分が胎生妊娠していることに気付いたらしい。 「私たちの子供だよ! 一緒に育てようね!」 だいようせいは少しだけ困った顔をして諭す。 「うん! わかったよ!!!」 元気に返事をするちるの。 一方、みょんとてんこは 「てんこ、みょんはこれから東に向かうみょん! てんこも付いてくるみょん!」 「てんこは一緒に行くことを誘われたくて誘われるんじゃない誘われてしまう者がてんこ」 いつもの調子で返事をするてんこ。 意味を理解しきれなかったが、とりあえず肯定として受け取ろうとみょんは決め、 てんこに頬ずりする。 「さあ、いくみょん!」 みょんは高らかに宣言した所で、突然何かの衝撃を受け、意識を失った。 「…ょん! りして……みょ…」 意識を失う直前に見た物は遠ざかる地面とてんこ。 てんこは何かを叫んでいたようだが、みょんには聞き取ることが出来なかった。 続くのCar 美まりさの木剣の長さ みょんの木剣の長さ →あまりその辺のこと考えてません。 みょんの"別の趣味"とは? →次回書きます。 カンのいい方は気付いているかもしれませんね。 ○○がおかしいのだが →いつものことです。気にしてはいけません。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 行列の出来るゆっくり スカウトマンゆかりん前・後 ファイティング親子とゆっくり まりさの商売 ぱちゅりーの失敗1~4 盲点 進化 ぶっかけ!ぱちゅりー! 短い話しを一つだけ ありふれた話 対決!ドスまりさ!
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囲いの中、ゆっくりのすすり泣く声が響いている。 木の杭を地面に打ち込み、有刺鉄線で杭に繋いだだけのお粗末な囲い。 でも、中にいるゆっくりは囲いの中から出られない。 ゆっくりの柔らかい体で杭の間を無理に通ろうとすれば、そのまま有刺鉄線の棘にズタズタに傷を付けられるだけだから。 その姿を、地べたに腰を下ろして俺は見張っている。 いつまで見張っていればいいのかは分からない。 村長はすぐに連れてくると言ったけれど、ドス程の巨体ならここへ来るまで暫く掛かるだろう。 逃げ出す恐れの無い物を見張るほど退屈なものはない。 なので俺は隣に座っているゆちゅりーに話しかけた。 「なあ、ドスはどれくらいで来ると思う?」 「分からないわ… ドスは体が大きいもの」 「だよな、大人しく待つしかないか…」 そこで俺は会話を打ち切り、再び囲いの中のゆっくり達を見張る。 このゆちゅりーは、ドスの側近で俺達人間の協力者だ。 俺の住む村とゆっくりの関係は比較的良好だった。 ゆっくり達は山の恵みを村に与え、代わりに俺達はお礼代わりに作物をゆっくりに与えた。 だが、そんなゆっくりの群れにもやはり膿というものは存在したのだ。 それが、この囲いの中のゆっくり達である。 以前からドスの群れに畑を荒らすゆっくりがいた。 その為、村の中ではゆっくりを全て殺すべきだと主張する人間が現れだした。 ドスに何度注意するよう頼んでも問題は解決せず、本当に全てのゆっくりを殺すかどうかの選択を迫られたときだ。 話を聞いていたこいつが、「ドスは皆に甘いから…私が何とかするわ」と言い出した。 ゆちゅりーの言い分は実に単純なもので、このまま人間を怒らせれば群れの皆が死ぬ。だからその原因を何とかしたいというものだった。 正直群れのゆっくり全てを駆除するのは大変だし、ドスの相手もしないとなると怪我人だってでるだろう。 半信半疑ではあったものの、村の人間はこいつを信じることにした。 信じた結果はご覧の通り。ゆちゅりーは見事畑荒しのゆっくり達をおびき寄せ、村の人間でこの囲いへ閉じ込めた。 このまま反省させて返しても良かったのだが、それはゆちゅりーに止められてしまった。 ゆちゅりー曰く、ドスに責任を取らすとの事だ。 どういう意味なのかは分からなかったけれど、村長はゆちゅりーの言うとおり皆を連れてドスを呼びに行った。 見張りの為に俺を残してだ。 ドスの巣へ向かってからもう30分は経った筈なのに、いまだにドスが来る気配は無い。 もう一度言わせてもらうが、逃げ出す恐れの無い物を見張るほど退屈なものはない。 俺は何度目になるか分からない欠伸をすると、村の方から一人の人間が近づいてくるのが見えた。 あれは… ゆっくりを殺すべきと主張してた奴らのリーダーだ。 もう畑を荒らすゆっくりは捕まえたのに、今更なんの用なんだ? 「やあ、見張りご苦労さん」 「…どうも」 胡散臭い笑みを浮かべて話しかけてきたので、俺も立ち上がって一応返事をする。 正直、俺はこの人が苦手だった。 普段は物静かで大人しい人なんだが、ゆっくりが絡むと途端に感情的になる人。 自称虐待お兄さん。家には生け捕りにしたゆっくりを捕まえて名前どおり虐待してるとかで、近所の人の話では彼の家からは常にゆっくりの泣き叫ぶ声が聞えてくるとか。 ゆっくりもこの人には近づこうとしないのは、やっぱり本能的なもので危険だと感じ取っているんだろう。 とりあえずゆちゅりーの姿をこの人の視界に入れないように少しだけ俺は動いた。 「しっかし、畑を荒らすゆっくりってこんなにいたんだ~ 凄い凄い」 「まあ、30匹はいるらしいですからね」 「結構いるねぇ」 囲いの中のゆっくりを見ながら楽しそうに話しかけてくる。 ちなみに、この人の姿を見た囲いの中のゆっくりは全員できる限り囲いの端で固まっている。 この人早くどっかいかねえかな… 「この饅頭共はどうすんの?」 「へ?」 「ゆっくりだよ、ゆっくり。いくらなんでもこのままって訳じゃないでしょ?」 「ああ、今村長がドスを呼びにいってますよ。なんでもドスに責任を取ってもらうとかなんとか」 「ドス? あのでかい奴に責任取ってもらうの?」 ドスという言葉を聞いた瞬間、少し声の調子が上がった気がする。 「そうですよ。それが何か?」 「おいおい、ドスっていう固体は非常に仲間に甘いんだぜ? そんなのがここに来て囲いの中のこいつら見たら、拉致監禁したって襲ってくるに決まってるじゃないか」 「そんなこと俺に言われても知りませんよ。村長は俺に見張ってろって言ったからここにいるだけなんですから」 「ふぅ、村長は本当に救い難い… せっかく僕が村を元の形にしようって言っても山のゆっくり達を大切にするんだもんなあ…」 「いいじゃないですか。ドスみたいなでかいの相手にしたら誰か怪我するかもしれないし、死人だって出るかもしれないんですよ? だったら今のままで」 「分かってないな… 君も僕も生まれるずっと前はこっちが一方的にゆっくりを蹂躙していい時代だったんだよ? それなのに今はおままごとみたいに皆仲良くなんてさ…」 「おままごとでも結構ですよ。ゆっくりがいるお陰で狼とか現れたらその場所を教えてもらえるんですから、村だって少しは安全になったじゃないですか」 「おいおい、ゆっくりは自分が食われないために教えてくるだけなんだぜ? 言っちゃえば饅頭は僕らを利用してるんだな」 …一々腹立つ物言いしてくる人だな。 そんな風に思っていたら、俺の後ろのゆちゅりーに気づきやがった。 「ところでさ、君の後ろにいるぱちゅりーはなんなの?」 「こいつですか? ドスまりさの側近の子ですよ」 「側近ねえ…」 男は一歩だけこちらに近づいてきたので、俺も一歩下がる。 「……何にもしてないのに離れるのは酷くないか?」 「何となくなんですが、貴方にゆっくりを近づけちゃいけない気がするんですよ」 「まあいいや、歓迎されてないようだからそろそろ僕は帰るよ」 「そうですか」 「じゃあね~」 歩きながら右手を振り、去っていった。 そんなに長い間いたとは思えないが、話してるだけで疲れが貯まってきた。 深呼吸をして少し心を落ち着かせ、ゆちゅりーに話しかける。 あいつが言っていた事が、ちょっとだけ引っ掛かったから。 「なあ、嘘だよな?」 「え?」 「あいつが言ってたろ、ドスがここに来たら仲間の為にこっちを襲ってくるって」 「…言ってたわね」 「お前はさ、俺達人間の為にこいつらをおびき寄せてくれたんだよな? それとも、やっぱり油断させてドスに俺らを殺させるのか?」 正直言うと、男の言葉を聞いて俺は不安になった。 こいつが畑荒し共をおびき寄せてくれたのは知ってるし、その理由はゆっくりの群れが人間に駆除されない為というのも分かっている。 でも、ここまで畑荒しが増えたのはドスが何もしなかったからだ。 さっきの男が言ったようにドスがこちらを襲ってくる可能性は十分あった。 「ドスは仲間に甘いのは事実よ。人間よりも、群れのゆっくりを大切にしてるのも認めるわ」 「そっか… じゃあ、本当にドスが襲ってくるかもしれないんだな…」 「でも、そんな事をしたら群れの皆は人間に殺されてしまう。だから、私が何とかしてみせるわ」 「お前が?」 こんな小さい体で、ドスの巨体を止めるっていうのか? 馬鹿げてるとは思ったけれどゆちゅりーの目は本気だ。 「じゃあ、信じるよ。お前がなんとかしてくれるって」 「任せて、絶対ドスに人間は殺させないから」 「頼りにさせてもらうよ」 大きさがバレーボールみたいなゆっくりに頼るのは情けないと思ったけれど、ドスを説得できるのはきっとこいつだけなのだろう。 ドスが来るまでどうなるかは分からない。でも、やっぱりどこかで安心はしていた。 それから、ドスが来るまでゆちゅりーも俺も口を噤んでいた。 「み、みんな… なんでみんなつかまってるの!? にんげんにつかまったの!? そんちょうさんせつめいしてね!! つまらないりゆうだったらドスはゆるさないよ!!」 村長がドスを連れて来るまで、結局二時間掛かった。 そして、上の言葉が囲いの中のゆっくりを見たドスの第一声だ。 捕まってる奴らは捕まってる奴らで、ドスの姿を見た途端「たすけて」だの、「にんげんをやっつけて」だの騒ぎ始めた。 さっきまでの怯えていた姿は嘘みたいだ。 まあ、ドス来たからには助けてもらえると喜ぶのは無理も無い。 けれど、村長を問い詰めるドスの前にゆちゅりーが立ち塞がった。 囲いの中の奴等にとっては自分を騙し人間に味方した裏切り者。 だが、ドスにとっては自分の大事な側近。 ゆちゅりーが立ち塞がった事で、ドスは少し頭が冷えたようだ。 「ドス、本当は分かっているんでしょ? この子達が、人里で何をしたか?」 「ぱちゅりー…」 「貴方は叱った気になっても、『もうやっちゃだめだよ』ってだけじゃまたやるに決まってるじゃない」 「で、でも…」 そ、それだけかよ…ドスの注意って… 「いい? ドスが怒る気ないから、この子達は調子に乗って人間の畑を荒らしたのよ? それなのに人間の人達を悪く言うの?」 「そ、そんなつもりはないよ!! ただ、このこたちがつかまってたからかわいそうで…」 「この子達が可哀想って思うなら、ドスは尚更この子達を言い聞かすべきだったのよ」 「つ、つぎからちゃんとしかるよ!! だから、だからこのこたちをはなして!!」 でかい顔を地面に付けて懇願するドスまりさだが、ゆちゅりーへは届かない。 「本当はドスも分かってるんでしょ? この子達にすべき事を」 「でも、でも…」 「囲いの中の子はね、たくさん迷惑を掛けたわ。だから責任を取らなきゃいけないのよ」 「せ、せきにんてどうするの!? このこたちにひどいことしちゃだめだよ!!」 「この子達じゃなくて、貴方が責任を取るのよ」 「ま、まりさはこのこたちのためならなんでもするよ!! だからなんでもいってね!!」 仲間意識が強いドスだけあって、こいつらが助かるためなら何でもやるという思いは本当だろう。 でも、ゆちゅりーはこいつらじゃなく群れの事だけを常に考えている。甘いドスと違って。 「この子達は膿よ。それを群れの中にずっと留めておくわけにはいかないの。それに、人間の人達にも見せ付けなきゃいけないわ」 「ぱ、ぱちゅりー? な、なにをいってるの? ドスにもわかるようにいってね!!」 「簡単に言うわ。貴方は、この囲いの中の子達を殺さなきゃいけないの。全部ね」 ゆちゅりーの言葉を聞いて、ドスは固まった。 囲いの中の奴らは怯え、泣き叫び、どれもがドスまりさに助けを求めている。 「……じょ、じょうだんにしてはひどすぎるよぱちゅりー!! みんなおびえてるよ!! あやまってね!!」 「冗談じゃない。この子達はね、人間の畑を荒らしすぎたのよ。ドスがずっと何も言わなかったから… その責任を今果たさなきゃ駄目なのよ」 「でも、ころすなんてかわいそうすぎるよ…」 「じゃあ、ドスは群れの皆を見殺しにするの? 勝手に人間の畑を荒らした群れの膿よりも、群れの皆を犠牲にするの?」 「そ、そうじゃないよ!!」 「じゃあ、貴方がすべき事は分かるわよね? 分かっているなら、私は何にも言わないわ」 ドスに説教をし終えたゆちゅりーは俺の側までやってきた。 本当は、殺すほどではないんじゃないかって俺は思ってる。村長も、村の皆も。 でも、ゆちゅりーは俺達に言った。 信用を得るために、群れの中の膿は除かなければいけない。 それはゆっくりでも人間でも変わりないと。 そして、悩んでいたドスまりさだは囲いの中のゆっくりに向き合った。 口の中を輝かせながら。 「ドスまって!!」 「これからはもうおやさいぬすまないよ!!」 「だからおねがいだからころさないで!!」 「もうしません、もうしませんから!!」 「おねがいだがらだずげてぐだざい!!」 ドスが何をしようとしたのか分かって、命乞いを始める囲いの中のゆっくり達。 それでも、ドスは涙を流すだけで止めようとはしなかった。 涙を流しながら、ドスまりさはドススパークを放った。 泣きながら、仲間の命を奪うために。 お粗末な囲いは破壊され、後にも塵すら残らなかった。 「貴方がこれから悪さをした子を叱ればもうこういう事にはならないから。これからはちゃんとできるわね?」 仲間を殺した事で号泣するドスまりさに近づいてゆちゅりーは言った。 でも、ドスはやはりゆちゅりーを許せないようだ。 「これからはちゃんとやるよ… でも、ドスはぱちゅりーをゆるさないから… もうむれにはもどってこないでね…」 「分かってるわ。お別れね、ドス」 それだけのやり取りで、ドスは来た道を戻っていく。 村長達も帰り、後には、俺とゆちゅりーが残った。 「お前これからどうすんだ?」 とりあえず、ゆちゅリーに声を掛ける。 聞いた話ではゆちゅりー種というのは知力が高い代わりに体が弱いらしい。 その為どこかの群れに属して生きていくのだが、こいつはその群れを追い出されてしまった。 このまま間違いなく死んでしまう野生で生きていくのなら、俺はこいつを家へ連れて帰るつもりだった。 でも、ゆちゅりーは俺にこう言った 「まだ、やらなきゃいけないことがあるからお兄さんに見届けてほしいの」 やあ、僕は虐待お兄さん。 今僕は籠を背負って夜の山の中を歩いているんだ。 え?こんな夜遅くにピクニックかって? 違う違う、僕はゆっくりを捕まえ来たんだよ。 僕の家には生け捕りにしたゆっくりが何匹もいるんだけど、今日は嫌な事があったからつい憂さ晴らしに全部殺しちゃったんだ。 だから、その補充に来たんだね。 嫌な事って何かって? それはね、また村の馬鹿な奴らとゆっくりが仲良くするようになっちゃったんだよね。 せっかく僕がゆっくりを畑に案内して荒らさせるようにしたのに、そいつら全部処分されちゃったんだもん。 村の皆で饅頭共を駆除する絶好の機会だったっていうのにさ、皆このままゆっくりと仲良くする事を選ぶなんて馬鹿だと思わないかい? おっと、早速ゆっくりの巣を見つけたぞ。 何? ただの木じゃないかって? 僕は虐待お兄さんだからね、ゆっくりの巣とかだいたい分かるんだよ。 羨ましいかい? 無駄にカモフラージュされてる入口を壊して掴まえようとした僕に、いきなり後ろから小石が飛んできた。 後ろを振り返ると、あのドスの側近とか言ってた生意気な紫饅頭がいるじゃないか。 ちょっとムカついたけど、紫饅頭は簡単に死んじゃうからすぐに手を出すことを僕はしない。 ゆっくりの苦しむ様や絶望する姿を見続けるのが虐待の醍醐味なのに、死なせっちゃったらそれで終わりだろう? だから、僕はこの紫饅頭と言葉遊びを楽しむ事にした。 「いきなり石をぶつけるなんて酷くないかな?僕が何をしたっていうんだい?」 「貴方は… そこのゆっくり達を捕まえようとした。私はそれを助けようとしただけよ」 饅頭の癖に生意気な口の利き方をする奴だ。 こういう奴は懲らしめなきゃね、虐待お兄さんとして。 「そうかい、でも君にこの巣の中のゆっくりを助けることはできないよ」 そう言いながら僕はゆっくりの巣に足を突っ込む。 これで中のゆっくりは生き埋め、物音を聞いて近づいてきた親ゆっくりは潰れただろう。靴の裏に餡子が付いたのが分かるもん。 「何故なら、巣を崩せば終わりだからね」 「本当に貴方はクズ…いえ、膿ね。村の人達の膿」 「膿… ゆっくりの癖に難しい言葉を知っているんだねぇ~」 笑顔は崩さないけれど、僕の腸は煮えくり返りそうだったよ。 だって、害虫でしかないゆっくりに膿扱いされたんだぜ? ムカつかない方が無理だって。 「私は群れの膿を取り除いた。だから、今度は村の人達の膿を取り除くわ!!」 ごめん、もう我慢の限界。 「やってみろよ糞饅頭!! 捕まえて死んだほうがマシって想いを何度でもさせてやるからな!!」 僕は叫んで、こいつを捕まえるために走り出す。 糞饅頭に膿扱いされて、しかもそれを取り除くって言われたんだぜ? それって僕は饅頭にコケにされたってことだろ? 誰だって怒るって、仕方ない仕方ない。 そこそこ距離は離れていたけど、跳ねる事でしかできない糞饅頭と二本の足がある人間。簡単に捕まえられるって思ったさ。 けど、糞饅頭は生意気にも頭を働かせたんだよね。 小さいからって藪の中とか木の間とかを通るんだ。それで追うのに結構時間が掛かってしまったよ。 でも、やっぱり人間と饅頭。 追いつけないわけが無く、藪に突っ込んだのを見た僕はそのまま跳んだ。奴を捕まえる為に。 その先が崖とも知らずにさ。 僕は饅頭の策略に乗せられ、そのまま一緒に落っこちた。 死ぬ間際は時間が遅く感じるとかよく言うけど、そんな事は無かった。 あっという間に地面が近づいてきて叩きつけられた僕は、そのまま意識を閉じた… 次の日、村はある事で話題になった。 自称虐待お兄さんが死んだと。 側には一匹のゆっくりが死んでおり、追いかけてる最中に崖から落ちて死んだのだと判断された。 でも、俺は知っている。 ゆちゅりーが、この村の膿を取り除いてくれたのだと。 以前からゆっくりを虐待してきた男。 そのゆっくりは、無論あの山から捕まえてきたゆっくりだ。 俺達人間は気にしなくても、ゆっくりの群れが気にしないわけが無い。 ゆちゅりーの話では、ゆっくりの中には人間と戦うべきだと訴える奴もいたらしい。 ドスが以前から村長に言っていたみたいだが、村長はあの男に何か注意したわけではないらしい。 村長もドスも、結局身内には甘いのだ。 ゆっくりと人間が戦ったらゆっくりが死ぬだけだと分かっていたゆちゅりーは、今回全ての膿と取り除く事を決意した。 畑荒しのゆっくりと、あの自称虐待お兄さんだ。 全てを知っているのは最後まで見届けた俺だけ。 それを誰かに言うつもりはない。ゆちゅりーもそれを望みはしないだろう。 村はゆっくりに作物を与え、ゆっくりは村に山の恵みを与えてくれる。 その関係をずっと維持すればいい。 ゆちゅりーがいなくなった後の群れが心配だったが、ゆちゅりーは後進の育成にも余念が無かった。 ちゃんと自分が居なくなった後の考えての事なのだから、流石と言わざるを得ない。 ゆちゅりーが守ったこの関係を、ずっと維持していこうと思う。 これからずっと、このままずっと… 終 こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! もし、ゆっくりと人間が共生できている場合 畑を荒らすゆっくりが膿ならば、人間に側の膿は虐待お兄さんだろうなあと思ったのが今回書いた切欠です 実際、膿の駆除の為に人間は動こうとしないと思います。 たかがゆっくりを殺した位で目くじら立てんでも…そう思うでしょう。 だから、群れと村の為に動いたゆちゅりーは立派だと自分は思うんです。 今回はこれで 御目汚し失礼!! 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス このSSに感想を付ける
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囲いの中、ゆっくりのすすり泣く声が響いている。 木の杭を地面に打ち込み、有刺鉄線で杭に繋いだだけのお粗末な囲い。 でも、中にいるゆっくりは囲いの中から出られない。 ゆっくりの柔らかい体で杭の間を無理に通ろうとすれば、そのまま有刺鉄線の棘にズタズタに傷を付けられるだけだから。 その姿を、地べたに腰を下ろして俺は見張っている。 いつまで見張っていればいいのかは分からない。 村長はすぐに連れてくると言ったけれど、ドス程の巨体ならここへ来るまで暫く掛かるだろう。 逃げ出す恐れの無い物を見張るほど退屈なものはない。 なので俺は隣に座っているゆちゅりーに話しかけた。 「なあ、ドスはどれくらいで来ると思う?」 「分からないわ… ドスは体が大きいもの」 「だよな、大人しく待つしかないか…」 そこで俺は会話を打ち切り、再び囲いの中のゆっくり達を見張る。 このゆちゅりーは、ドスの側近で俺達人間の協力者だ。 俺の住む村とゆっくりの関係は比較的良好だった。 ゆっくり達は山の恵みを村に与え、代わりに俺達はお礼代わりに作物をゆっくりに与えた。 だが、そんなゆっくりの群れにもやはり膿というものは存在したのだ。 それが、この囲いの中のゆっくり達である。 以前からドスの群れに畑を荒らすゆっくりがいた。 その為、村の中ではゆっくりを全て殺すべきだと主張する人間が現れだした。 ドスに何度注意するよう頼んでも問題は解決せず、本当に全てのゆっくりを殺すかどうかの選択を迫られたときだ。 話を聞いていたこいつが、「ドスは皆に甘いから…私が何とかするわ」と言い出した。 ゆちゅりーの言い分は実に単純なもので、このまま人間を怒らせれば群れの皆が死ぬ。だからその原因を何とかしたいというものだった。 正直群れのゆっくり全てを駆除するのは大変だし、ドスの相手もしないとなると怪我人だってでるだろう。 半信半疑ではあったものの、村の人間はこいつを信じることにした。 信じた結果はご覧の通り。ゆちゅりーは見事畑荒しのゆっくり達をおびき寄せ、村の人間でこの囲いへ閉じ込めた。 このまま反省させて返しても良かったのだが、それはゆちゅりーに止められてしまった。 ゆちゅりー曰く、ドスに責任を取らすとの事だ。 どういう意味なのかは分からなかったけれど、村長はゆちゅりーの言うとおり皆を連れてドスを呼びに行った。 見張りの為に俺を残してだ。 ドスの巣へ向かってからもう30分は経った筈なのに、いまだにドスが来る気配は無い。 もう一度言わせてもらうが、逃げ出す恐れの無い物を見張るほど退屈なものはない。 俺は何度目になるか分からない欠伸をすると、村の方から一人の人間が近づいてくるのが見えた。 あれは… ゆっくりを殺すべきと主張してた奴らのリーダーだ。 もう畑を荒らすゆっくりは捕まえたのに、今更なんの用なんだ? 「やあ、見張りご苦労さん」 「…どうも」 胡散臭い笑みを浮かべて話しかけてきたので、俺も立ち上がって一応返事をする。 正直、俺はこの人が苦手だった。 普段は物静かで大人しい人なんだが、ゆっくりが絡むと途端に感情的になる人。 自称虐待お兄さん。家には生け捕りにしたゆっくりを捕まえて名前どおり虐待してるとかで、近所の人の話では彼の家からは常にゆっくりの泣き叫ぶ声が聞えてくるとか。 ゆっくりもこの人には近づこうとしないのは、やっぱり本能的なもので危険だと感じ取っているんだろう。 とりあえずゆちゅりーの姿をこの人の視界に入れないように少しだけ俺は動いた。 「しっかし、畑を荒らすゆっくりってこんなにいたんだ~ 凄い凄い」 「まあ、30匹はいるらしいですからね」 「結構いるねぇ」 囲いの中のゆっくりを見ながら楽しそうに話しかけてくる。 ちなみに、この人の姿を見た囲いの中のゆっくりは全員できる限り囲いの端で固まっている。 この人早くどっかいかねえかな… 「この饅頭共はどうすんの?」 「へ?」 「ゆっくりだよ、ゆっくり。いくらなんでもこのままって訳じゃないでしょ?」 「ああ、今村長がドスを呼びにいってますよ。なんでもドスに責任を取ってもらうとかなんとか」 「ドス? あのでかい奴に責任取ってもらうの?」 ドスという言葉を聞いた瞬間、少し声の調子が上がった気がする。 「そうですよ。それが何か?」 「おいおい、ドスっていう固体は非常に仲間に甘いんだぜ? そんなのがここに来て囲いの中のこいつら見たら、拉致監禁したって襲ってくるに決まってるじゃないか」 「そんなこと俺に言われても知りませんよ。村長は俺に見張ってろって言ったからここにいるだけなんですから」 「ふぅ、村長は本当に救い難い… せっかく僕が村を元の形にしようって言っても山のゆっくり達を大切にするんだもんなあ…」 「いいじゃないですか。ドスみたいなでかいの相手にしたら誰か怪我するかもしれないし、死人だって出るかもしれないんですよ? だったら今のままで」 「分かってないな… 君も僕も生まれるずっと前はこっちが一方的にゆっくりを蹂躙していい時代だったんだよ? それなのに今はおままごとみたいに皆仲良くなんてさ…」 「おままごとでも結構ですよ。ゆっくりがいるお陰で狼とか現れたらその場所を教えてもらえるんですから、村だって少しは安全になったじゃないですか」 「おいおい、ゆっくりは自分が食われないために教えてくるだけなんだぜ? 言っちゃえば饅頭は僕らを利用してるんだな」 …一々腹立つ物言いしてくる人だな。 そんな風に思っていたら、俺の後ろのゆちゅりーに気づきやがった。 「ところでさ、君の後ろにいるぱちゅりーはなんなの?」 「こいつですか? ドスまりさの側近の子ですよ」 「側近ねえ…」 男は一歩だけこちらに近づいてきたので、俺も一歩下がる。 「……何にもしてないのに離れるのは酷くないか?」 「何となくなんですが、貴方にゆっくりを近づけちゃいけない気がするんですよ」 「まあいいや、歓迎されてないようだからそろそろ僕は帰るよ」 「そうですか」 「じゃあね~」 歩きながら右手を振り、去っていった。 そんなに長い間いたとは思えないが、話してるだけで疲れが貯まってきた。 深呼吸をして少し心を落ち着かせ、ゆちゅりーに話しかける。 あいつが言っていた事が、ちょっとだけ引っ掛かったから。 「なあ、嘘だよな?」 「え?」 「あいつが言ってたろ、ドスがここに来たら仲間の為にこっちを襲ってくるって」 「…言ってたわね」 「お前はさ、俺達人間の為にこいつらをおびき寄せてくれたんだよな? それとも、やっぱり油断させてドスに俺らを殺させるのか?」 正直言うと、男の言葉を聞いて俺は不安になった。 こいつが畑荒し共をおびき寄せてくれたのは知ってるし、その理由はゆっくりの群れが人間に駆除されない為というのも分かっている。 でも、ここまで畑荒しが増えたのはドスが何もしなかったからだ。 さっきの男が言ったようにドスがこちらを襲ってくる可能性は十分あった。 「ドスは仲間に甘いのは事実よ。人間よりも、群れのゆっくりを大切にしてるのも認めるわ」 「そっか… じゃあ、本当にドスが襲ってくるかもしれないんだな…」 「でも、そんな事をしたら群れの皆は人間に殺されてしまう。だから、私が何とかしてみせるわ」 「お前が?」 こんな小さい体で、ドスの巨体を止めるっていうのか? 馬鹿げてるとは思ったけれどゆちゅりーの目は本気だ。 「じゃあ、信じるよ。お前がなんとかしてくれるって」 「任せて、絶対ドスに人間は殺させないから」 「頼りにさせてもらうよ」 大きさがバレーボールみたいなゆっくりに頼るのは情けないと思ったけれど、ドスを説得できるのはきっとこいつだけなのだろう。 ドスが来るまでどうなるかは分からない。でも、やっぱりどこかで安心はしていた。 それから、ドスが来るまでゆちゅりーも俺も口を噤んでいた。 「み、みんな… なんでみんなつかまってるの!? にんげんにつかまったの!? そんちょうさんせつめいしてね!! つまらないりゆうだったらドスはゆるさないよ!!」 村長がドスを連れて来るまで、結局二時間掛かった。 そして、上の言葉が囲いの中のゆっくりを見たドスの第一声だ。 捕まってる奴らは捕まってる奴らで、ドスの姿を見た途端「たすけて」だの、「にんげんをやっつけて」だの騒ぎ始めた。 さっきまでの怯えていた姿は嘘みたいだ。 まあ、ドス来たからには助けてもらえると喜ぶのは無理も無い。 けれど、村長を問い詰めるドスの前にゆちゅりーが立ち塞がった。 囲いの中の奴等にとっては自分を騙し人間に味方した裏切り者。 だが、ドスにとっては自分の大事な側近。 ゆちゅりーが立ち塞がった事で、ドスは少し頭が冷えたようだ。 「ドス、本当は分かっているんでしょ? この子達が、人里で何をしたか?」 「ぱちゅりー…」 「貴方は叱った気になっても、『もうやっちゃだめだよ』ってだけじゃまたやるに決まってるじゃない」 「で、でも…」 そ、それだけかよ…ドスの注意って… 「いい? ドスが怒る気ないから、この子達は調子に乗って人間の畑を荒らしたのよ? それなのに人間の人達を悪く言うの?」 「そ、そんなつもりはないよ!! ただ、このこたちがつかまってたからかわいそうで…」 「この子達が可哀想って思うなら、ドスは尚更この子達を言い聞かすべきだったのよ」 「つ、つぎからちゃんとしかるよ!! だから、だからこのこたちをはなして!!」 でかい顔を地面に付けて懇願するドスまりさだが、ゆちゅりーへは届かない。 「本当はドスも分かってるんでしょ? この子達にすべき事を」 「でも、でも…」 「囲いの中の子はね、たくさん迷惑を掛けたわ。だから責任を取らなきゃいけないのよ」 「せ、せきにんてどうするの!? このこたちにひどいことしちゃだめだよ!!」 「この子達じゃなくて、貴方が責任を取るのよ」 「ま、まりさはこのこたちのためならなんでもするよ!! だからなんでもいってね!!」 仲間意識が強いドスだけあって、こいつらが助かるためなら何でもやるという思いは本当だろう。 でも、ゆちゅりーはこいつらじゃなく群れの事だけを常に考えている。甘いドスと違って。 「この子達は膿よ。それを群れの中にずっと留めておくわけにはいかないの。それに、人間の人達にも見せ付けなきゃいけないわ」 「ぱ、ぱちゅりー? な、なにをいってるの? ドスにもわかるようにいってね!!」 「簡単に言うわ。貴方は、この囲いの中の子達を殺さなきゃいけないの。全部ね」 ゆちゅりーの言葉を聞いて、ドスは固まった。 囲いの中の奴らは怯え、泣き叫び、どれもがドスまりさに助けを求めている。 「……じょ、じょうだんにしてはひどすぎるよぱちゅりー!! みんなおびえてるよ!! あやまってね!!」 「冗談じゃない。この子達はね、人間の畑を荒らしすぎたのよ。ドスがずっと何も言わなかったから… その責任を今果たさなきゃ駄目なのよ」 「でも、ころすなんてかわいそうすぎるよ…」 「じゃあ、ドスは群れの皆を見殺しにするの? 勝手に人間の畑を荒らした群れの膿よりも、群れの皆を犠牲にするの?」 「そ、そうじゃないよ!!」 「じゃあ、貴方がすべき事は分かるわよね? 分かっているなら、私は何にも言わないわ」 ドスに説教をし終えたゆちゅりーは俺の側までやってきた。 本当は、殺すほどではないんじゃないかって俺は思ってる。村長も、村の皆も。 でも、ゆちゅりーは俺達に言った。 信用を得るために、群れの中の膿は除かなければいけない。 それはゆっくりでも人間でも変わりないと。 そして、悩んでいたドスまりさだは囲いの中のゆっくりに向き合った。 口の中を輝かせながら。 「ドスまって!!」 「これからはもうおやさいぬすまないよ!!」 「だからおねがいだからころさないで!!」 「もうしません、もうしませんから!!」 「おねがいだがらだずげてぐだざい!!」 ドスが何をしようとしたのか分かって、命乞いを始める囲いの中のゆっくり達。 それでも、ドスは涙を流すだけで止めようとはしなかった。 涙を流しながら、ドスまりさはドススパークを放った。 泣きながら、仲間の命を奪うために。 お粗末な囲いは破壊され、後にも塵すら残らなかった。 「貴方がこれから悪さをした子を叱ればもうこういう事にはならないから。これからはちゃんとできるわね?」 仲間を殺した事で号泣するドスまりさに近づいてゆちゅりーは言った。 でも、ドスはやはりゆちゅりーを許せないようだ。 「これからはちゃんとやるよ… でも、ドスはぱちゅりーをゆるさないから… もうむれにはもどってこないでね…」 「分かってるわ。お別れね、ドス」 それだけのやり取りで、ドスは来た道を戻っていく。 村長達も帰り、後には、俺とゆちゅりーが残った。 「お前これからどうすんだ?」 とりあえず、ゆちゅリーに声を掛ける。 聞いた話ではゆちゅりー種というのは知力が高い代わりに体が弱いらしい。 その為どこかの群れに属して生きていくのだが、こいつはその群れを追い出されてしまった。 このまま間違いなく死んでしまう野生で生きていくのなら、俺はこいつを家へ連れて帰るつもりだった。 でも、ゆちゅりーは俺にこう言った 「まだ、やらなきゃいけないことがあるからお兄さんに見届けてほしいの」 やあ、僕は虐待お兄さん。 今僕は籠を背負って夜の山の中を歩いているんだ。 え?こんな夜遅くにピクニックかって? 違う違う、僕はゆっくりを捕まえ来たんだよ。 僕の家には生け捕りにしたゆっくりが何匹もいるんだけど、今日は嫌な事があったからつい憂さ晴らしに全部殺しちゃったんだ。 だから、その補充に来たんだね。 嫌な事って何かって? それはね、また村の馬鹿な奴らとゆっくりが仲良くするようになっちゃったんだよね。 せっかく僕がゆっくりを畑に案内して荒らさせるようにしたのに、そいつら全部処分されちゃったんだもん。 村の皆で饅頭共を駆除する絶好の機会だったっていうのにさ、皆このままゆっくりと仲良くする事を選ぶなんて馬鹿だと思わないかい? おっと、早速ゆっくりの巣を見つけたぞ。 何? ただの木じゃないかって? 僕は虐待お兄さんだからね、ゆっくりの巣とかだいたい分かるんだよ。 羨ましいかい? 無駄にカモフラージュされてる入口を壊して掴まえようとした僕に、いきなり後ろから小石が飛んできた。 後ろを振り返ると、あのドスの側近とか言ってた生意気な紫饅頭がいるじゃないか。 ちょっとムカついたけど、紫饅頭は簡単に死んじゃうからすぐに手を出すことを僕はしない。 ゆっくりの苦しむ様や絶望する姿を見続けるのが虐待の醍醐味なのに、死なせっちゃったらそれで終わりだろう? だから、僕はこの紫饅頭と言葉遊びを楽しむ事にした。 「いきなり石をぶつけるなんて酷くないかな?僕が何をしたっていうんだい?」 「貴方は… そこのゆっくり達を捕まえようとした。私はそれを助けようとしただけよ」 饅頭の癖に生意気な口の利き方をする奴だ。 こういう奴は懲らしめなきゃね、虐待お兄さんとして。 「そうかい、でも君にこの巣の中のゆっくりを助けることはできないよ」 そう言いながら僕はゆっくりの巣に足を突っ込む。 これで中のゆっくりは生き埋め、物音を聞いて近づいてきた親ゆっくりは潰れただろう。靴の裏に餡子が付いたのが分かるもん。 「何故なら、巣を崩せば終わりだからね」 「本当に貴方はクズ…いえ、膿ね。村の人達の膿」 「膿… ゆっくりの癖に難しい言葉を知っているんだねぇ~」 笑顔は崩さないけれど、僕の腸は煮えくり返りそうだったよ。 だって、害虫でしかないゆっくりに膿扱いされたんだぜ? ムカつかない方が無理だって。 「私は群れの膿を取り除いた。だから、今度は村の人達の膿を取り除くわ!!」 ごめん、もう我慢の限界。 「やってみろよ糞饅頭!! 捕まえて死んだほうがマシって想いを何度でもさせてやるからな!!」 僕は叫んで、こいつを捕まえるために走り出す。 糞饅頭に膿扱いされて、しかもそれを取り除くって言われたんだぜ? それって僕は饅頭にコケにされたってことだろ? 誰だって怒るって、仕方ない仕方ない。 そこそこ距離は離れていたけど、跳ねる事でしかできない糞饅頭と二本の足がある人間。簡単に捕まえられるって思ったさ。 けど、糞饅頭は生意気にも頭を働かせたんだよね。 小さいからって藪の中とか木の間とかを通るんだ。それで追うのに結構時間が掛かってしまったよ。 でも、やっぱり人間と饅頭。 追いつけないわけが無く、藪に突っ込んだのを見た僕はそのまま跳んだ。奴を捕まえる為に。 その先が崖とも知らずにさ。 僕は饅頭の策略に乗せられ、そのまま一緒に落っこちた。 死ぬ間際は時間が遅く感じるとかよく言うけど、そんな事は無かった。 あっという間に地面が近づいてきて叩きつけられた僕は、そのまま意識を閉じた… 次の日、村はある事で話題になった。 自称虐待お兄さんが死んだと。 側には一匹のゆっくりが死んでおり、追いかけてる最中に崖から落ちて死んだのだと判断された。 でも、俺は知っている。 ゆちゅりーが、この村の膿を取り除いてくれたのだと。 以前からゆっくりを虐待してきた男。 そのゆっくりは、無論あの山から捕まえてきたゆっくりだ。 俺達人間は気にしなくても、ゆっくりの群れが気にしないわけが無い。 ゆちゅりーの話では、ゆっくりの中には人間と戦うべきだと訴える奴もいたらしい。 ドスが以前から村長に言っていたみたいだが、村長はあの男に何か注意したわけではないらしい。 村長もドスも、結局身内には甘いのだ。 ゆっくりと人間が戦ったらゆっくりが死ぬだけだと分かっていたゆちゅりーは、今回全ての膿と取り除く事を決意した。 畑荒しのゆっくりと、あの自称虐待お兄さんだ。 全てを知っているのは最後まで見届けた俺だけ。 それを誰かに言うつもりはない。ゆちゅりーもそれを望みはしないだろう。 村はゆっくりに作物を与え、ゆっくりは村に山の恵みを与えてくれる。 その関係をずっと維持すればいい。 ゆちゅりーがいなくなった後の群れが心配だったが、ゆちゅりーは後進の育成にも余念が無かった。 ちゃんと自分が居なくなった後の考えての事なのだから、流石と言わざるを得ない。 ゆちゅりーが守ったこの関係を、ずっと維持していこうと思う。 これからずっと、このままずっと… 終 こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! もし、ゆっくりと人間が共生できている場合 畑を荒らすゆっくりが膿ならば、人間に側の膿は虐待お兄さんだろうなあと思ったのが今回書いた切欠です 実際、膿の駆除の為に人間は動こうとしないと思います。 たかがゆっくりを殺した位で目くじら立てんでも…そう思うでしょう。 だから、群れと村の為に動いたゆちゅりーは立派だと自分は思うんです。 今回はこれで 御目汚し失礼!! 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス このSSに感想を付ける