約 310,944 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2368.html
夜桜の下で(中編) 30KB 不運 番い 群れ 捕食種 希少種 自然界 独自設定 以下:余白 『夜桜の下で(中編)』 *希少種注意 *俺設定注意 *チート注意 二、 「まりさは……どうおもうかしら?」 「あのちびちゃんがどうして、えいえんにゆっくりしてしまったか……ということ?」 まりさ、ありす、ぱちゅりーの三匹があんよを並べてずりずりと移動をしている。ゆかりという協力者を得たことで強気になっ ているのかも知れない。三匹は「絶対にこの異変を解決してみせる」と意気込んでいた。ゆかりの調べによって判明した事実は、 二つ。 一つは、病気であることは間違いないが病気になる原因が分からない。 一つは、病気にかかってしまったゆっくりに触れると感染する危険性がある。 これに加えて、ゆかりは三匹に更に付け加えた推測を話していた。潜伏期間の存在、である。何らかの要因で病気にかかって しまってから……あるいは、感染してしまってから苦しみだして死んでしまうまで、若干の時間差があるのではないかと言うこ と。赤ちぇんにしろ、親ちぇんにしろ、赤まりさにしろ……あの“病気”にかかってすぐに死んでしまうわけではないようだ。 それなのに、死は突然やってくる。即効性の毒物ではない。と、言うことはあの病気にかかる原因は自分たちが行う普段通りの 生活の中に潜んでいるのだろう。ゆかりはその後にも何か言いかけたが、少し考え込むような表情をして「やっぱりいいわ」と 言葉を紡ぐのを途中でやめた。 「ゆかりはなにをいいかけたのかしら……?」 「わからないのぜ……でも、ゆかりのいっていることがほんとうなら……まりさたちは、すーりすーりすることもくっついて、 すーやすーやすることもできないのぜ……」 「……あいてがびょうきにかかっているかもわからないから……、いつもどおり、みんなでゆっくりすることができなくなって しまうわね……」 この感染症は確実に群れに不協和音をもたらすだろう。家族を、友を、恋人を。“感染者”であると疑って日々を過ごさなけ ればならないのだ。更に、自分自身さえも。まりさが唇を噛み締めた。番のれいむのことを思い浮かべているのだろう。独身ゆ っくりのありすとぱちゅりーがまりさを心配そうに見つめる。 「……だいじょうぶなのぜっ! ゆかりもいっしょだし……まりさたちがなんとかしてみせるのぜ!!」 「……とかいはだわっ!」 「むきゅきゅ。 じゃあ、れいむのようすをみにいこうかしら? からだもしんぱいだし、ゆかりのおはなしをきかせてあげな いといけないわね」 三匹が夜道をぴょんぴょんと飛び跳ねる。夜露に濡れた草の冷たさが心地よい。今夜はまりさが巣穴を出たのでけっかいっ! も外してある。三匹はれいむとまりさの巣穴の前までやってくると、家主であるまりさが先に帰宅し、遅れてありすとぱちゅり ーが巣穴にあんよを踏み入れた。そのとき。 「う……うわぁぁぁぁぁぁッ??!!!」 巣穴の中に反響するまりさの悲鳴。その場で跳ね上がるほどに驚きすくみあがるありすとぱちゅりー。二匹は互いの目を見合 わせると、巣穴の奥へと飛び込んだ。 「そ、……そんな……っ!!!」 視界に映し出されたのはれいむの死骸。歯を食いしばり、目を限界まで見開いたその死に顔は、死の間際に味わった苦痛の証 と見て取れる。よほど苦しくて暴れ回ったのであろう。草で作られたベッドは巣穴の中に散乱し、吐き出された大量の餡子が地 面や壁にへばりついていた。涙と涎としーしーで、ぐずぐずにふやけてしまった皮が地面にこすれて破れたのだろう。あんよは ぐちゃぐちゃに崩れており、そこにかつての面影は見出せない。 「……おなじ……だわ……」 震える唇を動かしぱちゅりーが呟く。同じだった。目の前のれいむの死に様は、昼間見た赤ちぇんのものと同じである。今の れいむの姿から、れいむがどんな風に巣穴の中で苦しみもがき、死んでいったが予想できてしまう。まりさの後ろ姿が小刻みに 震えていた。 「れ、れいむ……」 ずりずりと、れいむの死骸に向けてあんよを這わせるまりさ。ぱちゅりーが声を上げる。 「ま……まりさっ!!!!」 その声にびくん、と体全体を震わせてあんよを止めた。まりさが滝のように涙を流しながら二匹を振り返る。 「だ……だってぇ……。 れいむが……れいむが……っ!!!」 二匹ともまりさの気持ちは痛々しいほどに理解できるつもりだ。自分たちとて幼馴染の凄惨な死に様を見せつけられて、居て も立ってもいられない。しかし。 「だめよ……まりさ。 まりさも……びょうきにかかってしまうわ……」 触れることは許されなかった。死の悲しみを紛らわせるために、頬を擦り寄せることは叶わない。ただ冷たくなってしまった 恋人の、幼馴染の死に顔を見つめることしか許されていないのだ。それは、残されたものにとってあまりにも辛い現実である。 「……まりさ。 ぜったいに、れいむにさわってはだめよ……? ぱちゅたちは、ゆかりをよんでくるわ……」 「で、でも、ぱちゅ……っ!」 「ぱちゅひとりでも……ありすひとりでも……。 よるにゆかりのところにひとりでいくのはきけんだわ……。 まりさも、わ かるわね?」 ぱちゅりーの言葉は、まりさに対して“絶対にれいむに触れてはいけない”と言う警告である。れいむの死は無駄にできない。 なんとしてでも、ゆかりと共に現場検証を行わなければならないのだ。そして、ここにはまりさもいる。ぱちゅりーとありすが 再び巣穴を飛び出す。夜の原っぱをひたすら跳ね続ける二匹。立ち止まってはいられなかったのかも知れない。汗が大量に流れ 出す。幼馴染の死を目の前にして、あの場に居続けることは到底できなかった。あんよで地面を蹴りながら、唇が小刻みに震え る。恐怖と悲しみとで何度も意識を失いそうになった。 昼間の親まりさ。今ならあの親まりさの気持ちが理解できる。受け入れがたい死を目の前にして、ぱちゅりーとありすは涙を 目に浮かべて必死に跳ね続けた。やがて、ゆかりの巣穴の近くまでやってくる二匹。目視でゆかりの巣穴を捉えることはできな い。 「ゆかりーーーっ!!! いるんでしょうっ!? でてきてちょうだいっ!!!」 「れいむが……れいむが……っ、びょうきにかかって、えいえんにゆっくりしてしまったのっ!!!」 二匹の叫び声が冷たい夜の闇を切り裂く。その切り裂かれた空間から、まるで最初からその場に居合わせたかのようにゆかり が姿を現した。表情は険しい。 「……なんですって……?」 「ゆかりっ!! ゆかりぃぃ!!! れいむが、ゆ……ゆあぁぁぁぁぁん!!!!」 ゆかりの姿に緊張の糸が切れたのかありすがその場で泣き崩れる。ぱちゅりーも、ぜぇぜぇ呼吸をしていた。 「……まりさは、れいむといっしょにいるのね……?」 「むきゅ……!!」 「……いそぎましょう」 ゆかりが先頭を切って駆ける。その後ろをありすと切れ切れに呼吸をするぱちゅりーが続いた。 (……あまり、よろしくはないわね……) ゆかりがしかめっ面に変わる。ゆかりは長く生きているからこそ理解していた。ゆっくりという生き物が……自分たちがどれ ほど情にに流されやすい存在であるかということを。恐らく、まりさはれいむに触れてしまう。寂しさと孤独に打ち勝てるゆっ くりはいないのだ。まして、失った相手が最愛のパートナーであればその気持ちはなおさらだろう。まりさを一匹残してきたの は判断ミスだったのである。しかし、ありすとぱちゅりーの気持ちも分からないでもない。突然の死を目の前にして誰も冷静な 判断などできやしないのだ。 「む……むきゅ、ぱちゅは……も、もう……げんっかいだわ……!! さ、さきにいっていてちょうだい……っ!!!」 「ゆっくりりかいしたわっ! ちゃんとかくれているのよっ?!」 あんよを止めるぱちゅりーにありすが声をかける。ゆかりとありすは更に強くあんよを蹴り、まりさの巣穴へと向かった。ぱ ちゅりーが近くに生えていた木に寄りかかる。颯爽と跳ねていく二匹の後ろ姿を朦朧とした意識の中で見つめていた。 (ゆかりがいれば……だいじょうぶよね……?) 目を閉じかける。そのときだった。 (!?) 暗闇の向こう側から何かが聞こえたような気がした。ぱちゅりーが周囲を見渡す。しかし、自分以外の気配は感じられない。 ぱちゅりーは何故だかわからないけれどもガタガタ震えていた。何かに対して恐怖を抱いているわけではない。それなのに、体 の震えが止まらないのだ。 (むきゅ!?) 一瞬。寄りかかった木の反対側から、小枝が折れるような乾いた音が聞こえた。そして、草の上を這うあんよの音。近くにゆ っくりが……同族がいる。それなのに、声をかけることも振り返ることもできない。ぱちゅりーは未だかつて感じたことのない 原因不明の恐怖に怯えていた。極限状態の疲労の中で幻覚を見たり、幻聴を聞いたりすることはよくある話だ。しかし、ぱちゅ りーは確かに何者かの存在を感じている。時間にして約一分にも満たない。だが、ぱちゅりーにとってはまるで自分がそこに何 時間もいたかのような錯覚を起こしていた。ぱちゅりーが気がついたときには既に気配は消えていたのだ。まるで金縛りにあっ たように動けなかった。ようやく恐怖から解放されたぱちゅりーは、慌てて木の反対側を覗き込む。そこには、辺り一面の闇が 広がっているだけだった。 一方。ゆかりとありすはまりさの巣穴に到着していた。巣穴の入り口付近で、二匹は凍り付いたように動けなくなっている。 「れいむ……ゆっくりしていってね……すーりすーり……」 「まりさ……どう、して……?」 ありすのかけた声にも気づいていないのだろう。まりさは泣きながら一心不乱にれいむの頬へ自分の頬を擦り寄せていた。ま りさが頬を動かすたびに、れいむの死骸が揺れる。ゆかりが叫び声を上げた。 「まりさっ!!!!!!!!!」 突然上げられた絶叫にも近いゆかりの大声にまりさはもちろんの事、ありすも一緒になって飛び上がった。まりさは、しばら くキョロキョロと周囲を見渡しながら「ゆ?ゆ?」と呟いていたが、ゆかりの姿を視界に入れて落ち着きを取り戻す。それから、 自分の犯した過ちに気づいたのかみるみる顔が青ざめていく。声も出さずに涙を流すまりさ。 「……まりさ……。 もう、むれのなかまに……さわってはだめよ……?」 「……ゆっくり……りかいしたのぜ……」 「そ、そんな……そんな……っ」 ゆかりがまりさを見据えてそっと目を閉じる。まりさはゆかりのそんな態度にますます怯えてしまったのか、石化したかのよ うに動かなくなってしまった。 「まりさ……? おちついてきいてちょうだい」 「……ゆ?」 「まりさのこたえによっては……このびょうきのげんいんが、わかるかもしれないわ」 まりさが息を呑む。ゆかりの表情は真剣そのものだ。ゆかりは、赤ちぇんの親であるまりさに対してした質問と同じ質問をし た。今日一日の行動についてである。まりさは涙目のまま、静かに語り出した。 先に目覚めたのはまりさ。この時点でれいむはまだ眠っていた。だから、朝の挨拶をしてれいむを起こした。それから、一緒 に朝ご飯を食べた。れいむは昨日仕留めた蝶々を。まりさは芋虫を。それぞれ食べた。 「まさか……」 ありすが目を見開く。ゆかりも無言で頷いた。 「……ちょうちょさん?」 まりさが小刻みに震え出す。二匹が朝食を食べた後は一緒に行動をしている。ゆかりの巣穴を探しに行って、それからぱちゅ りーが合流した。ゆかりとありすとぱちゅりーは、親まりさの話を聞くためにれいむとまりさと別行動を取っている。 蝶々。なぜ蝶々を食べることで例の病気が発症するのかまでは分からない。意気消沈したまりさを巣穴に残し、ゆかりとあり すの二匹は静かに巣穴を出て行った。 「ゆかり……。 まりさに……なにかやさしいことばをかけてあげたほうがよかったんじゃないかしら……?」 「いいえ」 「ゆゆっ!?」 「ゆかりたちがまりさにしてあげることは、やさしいことばをかけてあげることなんかじゃないわ。 ……すこしでもはやくび ょうきをなおすほうほうをみつけて、まりさをたすけてあげることよ」 遠くを見つめるゆかりの目は真剣だ。本気でまりさを助けることを考えているのだろう。ありすは思わず身震いした。ありす がまりさに対してしようとしたことは、“諦め”の延長上にある行為だ。恥じらいの表情を浮かべてうなだれるありす。 「……でも、いそがないといけないわね。 れいむが、あさごはんにちょうちょさんをむーしゃむーしゃして、あのびょうきに かかってしまったというなら……まりさもすぐにえいえんにゆっくりしてしまうわ……」 「そ、そうね……」 「む、むきゅぅ……」 二匹並んであんよを進めるゆかりとありすの元にぱちゅりーが這い寄ってくる。理由はわからないが顔面蒼白だ。ありすが不 思議そうにぱちゅりーの顔を覗き込む。ぱちゅりーは安心したのか歯をカチカチと鳴らして震え始めた。 「ど、どうしたの、ぱちゅ? とかいはじゃないわ……っ!!」 ありすがよろめくぱちゅりーを受け止める。ゆかりもぱちゅりーの隣で様子を見ていた。 「わからないの……ぱちゅには……」 「……いったいどうしたのかしら? ぱちゅりーらしくないわよ?」 「なんだか……こわいものが……いた、ようなきがするのよ……」 「?」 何を言っているのかわからない、という様子でゆかりとありすが互いの視線を絡ませる。それから詳しくぱちゅりーの話を聞 き始めた。とは言っても、ぱちゅりーの話す内容はまるで雲をつかむような話である。存在しているかどうかも分からない相手 に怯えたことを伝えても、当事者以外に理解できようはずがなかった。しかし、ゆかりには一つだけ引っかかることがある。そ して、その疑問をぱちゅりーへとぶつけた。 「いままで……ぱちゅりーだけじゃなくてもいいわ。 そんなこわいおもいをしたゆっくりが……ぱちゅりーいがいにいるのか しら……?」 「むきゅ……?」 「ありすは……きいたことがないわ……」 ゆかりが目を伏せる。それから、淡々と語り出した。未だかつて見たことがない苦しみ方。未だかつて感じたことがない恐ろ しい“何か”。ゆかりは今回の騒動と、ぱちゅりーの体験についてこの部分に共通点を見出したのだ。ぱちゅりーの証言。まる で、自分たちがあんよで地面を這うような音が聞こえてきた。もし、その“何か”が自分たちと同じゆっくりだったら?ゆかり の推理する共通事項が、一つに繋がってしまえば?一連の騒動はその“何か”が引き起こしているとは言えないだろうか。ぱち ゅりーが震える。不自然な出来事があまりにも重なり過ぎているのだ。 「しらべてみてもいいかも……しれないわ……」 ゆかりは次々と病気の謎を解く考えを出していった。恐るべしはその頭の回転の速さである。ゆっくりにあるまじきその思考 能力は、他の種の追随を許さない。 「でも……どうやってその“なにか”をさがしだすの……? ぱちゅも、その“なにか”をみてはいないのよ……?」 「……もし、ほんとうにその“なにか”がちょうちょさんとかんけいがあるなら……ちょうちょさんをおいかけていけば、その “なにか”までたどりつけないかしら?」 ありすとぱちゅりーの動きが止まる。今、この群れの中で“蝶々が危険な存在である可能性がある”ことを認識しているのは、 巣穴の中のまりさを含め四匹しかいない。その恐怖の象徴たる蝶々を自ら追いかけるなどという愚行を二匹は思いつかなかった。 いかに、蝶々から逃げるかを考えていた二匹に、ゆかりの提案はあまりにも無謀なもののように感じる。しかし、ゆかりの考え に驚嘆の意を示してもいた。なぜなら、“未だかつて蝶々が原因でこんな病気にかかってしまった事はない”なのだ。ゆかりの 言う“何か”が“蝶々”と何らかの形で関わっている可能性は非常に高い。 ゆかりは二匹の反応を最もだと感じながら、善は急げと行動に移し始めようとしていた。戸惑うありすとぱちゅりー。ゆかり はクスリと笑うと一言つぶやいた。 「だいじょうぶよ。 ゆかりがひとりでいくわ」 「そ、そんなの……とかいはじゃないわっ!!」 「むきゅ……っ! ぱちゅだって……こ、こわいけど……まりさをたすけたいっていうきもちは……」 「だって、ふたりにはべつのことをやってもらわないと……」 最初の犠牲者、赤ちぇんの親まりさへの質問。れいむと同じように、あの赤ちぇんも蝶々を食べていたのではないか。そして、 蝶々の危険性を群れに伝え非常警戒態勢を敷く準備。いくら絶対の信頼を置かれつつあるゆかりの言葉とはいえ、「ご馳走であ る蝶々が危険だから狩りをしてはいけない」と言って真に受けるゆっくりはいないだろう。そうなれば、被害はますます拡大し てしまい、程なくしてこの群れは全滅だ。それだけはなんとしてでも避けねばならない。ゆかりはぱちゅりーに得体の知れない “何か”を見かけた場所を聞き、あくまで飄々とした態度であんよを走らせて去ってしまった。取り残された二匹が互いを顔を 見合わせる。自分たちは臆病風に吹かれたのだと暗に物語りながら。 ゆかりはぱちゅりーに言われた場所へとあんよを運んでいた。ぱちゅりーの言うように不気味な気配は既に去ってしまってい るのか、宵闇が辺り一面を覆っている以外は別段普通の森に変わりない。ゆかりがとりあえず茂みの“隙間”に隠れる。捕食種 対策の癖であったが、この付近に捕食種は見かけないことに気づき、ずりずりと茂みから這い出てくる。 「あらあら……さすがのゆかりも、こわいみたいね」 柄にもなく緊張している自分が可笑しかったのか舌を出して笑ってみせる。それから、ゆかりは更にクスクスと笑った。こん なに真っ暗では蝶々など居ても見えやしない。そんなくだらない事にも気づけなかった自分が滑稽で仕方なかったのである。 「すこしは、おちつかないといけないわね……。 これじゃ、ありすとぱちゅりーのことをしんぱいするどころじゃないわ……」 そう言ってその場を離れようとしたとき、雲に隠れていた月が顔を出した。よほど厚い雲に覆われていたのか、月の光はゆか りの想像していた以上に森の中を照らしていく。ゆかりの表情が真剣な眼差しに変わった。その瞳の見据える先。そこには草の 上で羽根を休める一匹の蝶々があった。生唾を飲み込む。ご馳走を前にしたからなどではない。その蝶々が何の前触れもなく羽 根を広げ飛び立った。ゆかりがそれを無言で追いかける。蝶々は後ろからゆかりが尾行していることなど気づく由もなくヒラヒ ラと優雅に夜の闇を舞う。ゆかりはその蝶々の無駄のない動きをぼんやりと眺めたら、ずりずりとあんよを這わせた。 (いったいどこまでいくのかしら……。 すこしくらいおやすみしてくれてもかまわないのに……) 蝶々を追いかけると言ってみてはみたものの、それだけでいるかどうかも分からない黒幕に会うことは難しいと考えていたの だが。 (……まるで、どこかめざすばしょがあるみたいな、とびかたをするのね……) その考えはあながち外れてはいなかったのかも知れないと、ひたすらに蝶々の動きを目で追い、あんよを動かし続けた。それ からしばらくして少し開けた場所に出たかと思ったら、周囲を照らしていた月の光が再び分厚い雲に覆われ、辺りが闇に包まれ る。ゆかりは無理矢理微笑んでみせた。憎い演出をするものだ、と。次、スポットライトが当たったときは、舞台の上に主役が 現れるのだろうかとクスクス笑った。蝶々も見失ってしまっている。闇の中では下手に動くこともできない。 ――――こぼねー…… (なに……かしら……?) 突然聞こえてきた透き通るような声。ゆかりが一瞬だけ身震いした。 (……ゆかりをこわがらせるなんて、ね……) 目が慣れてきたゆかりの視線の先に巨大な木が映し出される。その木の根元に……一瞬、何か小さな影が動いたような気がし た。目を凝らす。その存在を視界に捉えるにはあまりにも光量が少なすぎた。そんなゆかりの気持ちに応えるかのように、月を 隠す分厚いカーテンが再び開かれていく。ゆかりが息を呑んだ。大集団……と言うほどのものではないが、蝶々がやたらと群が っている一画がある。 (……あれは……いったい……) 月明かりがハッキリとその姿を照らした。飛び立つ蝶々の隙間から見たこともない“ゆっくり”の姿が現れていく。 緩くウェーブのかかった桜色の髪。それを覆う薄紫色のナイトキャップ。まるでこの世の更に向こう側を見通しているかのよ うな澄んだ赤い瞳。小さな唇。雪のような白い皮。そう言えば聞こえは良いが、まるで死に化粧でも施しているかのような…… 一種、不気味な美しさを醸し出している。ゆかりは、その姿に自身の瞳が吸い込まれていくのを感じた。 (なんて……きれいな、ゆっくりなのかしら……) 月明かりに照らされるその姿が。夜風を感じ瞳を伏せて、身を任せる仕草が……。ゆかりの心の奥の奥を掴んで離さない。そ の時だった。そのあまりにも澄んだ瞳がゆかりを捉えた。刹那、まるで金縛りにあったかのようにゆかりがその動きを止める。 否。動きばかりではない。思考、感覚、ゆかりの中のあらゆる時間が止められてしまったかのような錯覚を覚えたのだ。 (…………) しかし、そこは長く生きてきた者の意地か。プレッシャーをはねのけ前方へとその双眸を向ける。そこへ再び月夜の悪戯。辺 りを照らしていた光は分厚い雲の影に隠れてしまった。闇に視界を遮られたゆかりが苦々しげな表情を浮かべてみせる。一連の 騒動の黒幕たり得る“何者か”を目の前にして微動だにできない。暗闇の中、無策で飛び出すほどゆかりは無謀でもなかった。 それ故の静寂。ゆかりは覚悟を決めた。次、月の光が顔を出したら飛び込もう、と。動かないままでは何の進展もない。こち らの動きに対して向こうが何らかの反応を示せば、今回空振りをしてしまったとしても次回に活かせる。やがてゆかりの周囲が 少しずつ明るくなっていく。その光の影がゆかりを追い越し、茂みの向こう側へと少しずつ移動する。光が充分に周辺を包み込 んだとき、ゆかりは目を伏せてわざとらしく溜息をついた。 既に光の先には何もいない。月が雲に隠れてしまっていた間にいなくなってしまうのだろう。あれほど群がっていた蝶々も消 え去っていた。しばらくしてから、ゆかりの額から大量の汗が流れ出す。それに気がついたゆかりが笑みを浮かべる。 「つぎは……つかまえてみせるわ……」 誰に宣言するでもなく呟く。ゆかりの呟いた言葉は夜の乾いた空気に乗って、闇の向こう側へと溶けて消えた。 長い長い一日がようやく明けた。群れのゆっくりたちはいずれも凄惨な最期を遂げた赤ちぇんの様子が瞼の裏に焼き付いてい るのか、満足に眠れた者はいないようだ。まりさは巣穴から出てこない。その安否を気遣ってか、何匹かのゆっくりがありすや ぱちゅりーに寄ってきた。昨夜の叫び声は他の巣穴にまで届いていたらしい。恐怖であんよが動かせず、巣穴の中でガタガタ震 えていたようだ。 ありすとぱちゅりーは、並んで最初の犠牲者・赤ちぇんの親子が住んでいる巣穴へとあんよを向かわせていた。ゆかりの推測 が正しいかどうかを確かめるために、親まりさに話を聞いてみなければならない。親まりさは巣穴の外で二匹の赤ゆと寄り添い 眠りについていた。よほど疲れていたのだろう。既に陽が昇っているというのに起きる気配がまるでない。 巣穴の中にはまだ親ちぇんと赤ちぇんと赤まりさが死体のまま、放置されているのだろう。土を掘って埋めてあげることもで きない。触れることが禁忌である以上、愛した番が……我が子がボロボロに腐り朽ち果てていくのを見ていることしかできない のだ。親まりさたちが巣穴の外に出ている理由は一つしかない。巣穴の中に死臭がたちこめ始めているのだろう。 「まりさ……」 目配せをしたのち、ありすが声をかける。親まりさがゆっくりと瞼を開いた。傍らの赤ゆはどちらも目覚める気配がない。ぱ ちゅりーが小さく「むきゅう」と漏らし、心配そうに赤ゆを見た。目覚めた開口一番の挨拶すら忘れているのだろう。親まりさ は、まずは両頬にぴたりとくっついている二匹の赤ゆにチラリと視線を落としたのち、ようやくありすとぱちゅりーに向き直っ た。 「……おはよう、まりさ」 「…………おはよう……」 短いやり取り。当たり前だが親まりさの声に覇気はまったく感じられない。ありすが一呼吸置いてから親まりさに質問を投げ かける。 「あの……まりさ? ありすたち、まりさにおしえてほしいことがあるのだけれど……」 「ゆぅ……またなの?」 「ご、ごめんなさい……っ! でも、だいじなことなの……」 心底、面倒くさそうに親まりさが視線を宙に投げたのち、ありすを見つめた。ありすは親まりさのその行動に了承を得たと判 断し、なるだけ冷静に言葉を紡ぐ。 「あのね……。 きのうのあさごはん……ごちそうだった、っていっていたけれど……。 そのなかにちょうちょさんはあった かしら……?」 「ちょうちょさん……? あったよ」 ありすとぱちゅりーが顔を見合わせる。ゆかりの推測が一歩真実に近づいたのだ。そう思っていた矢先、親まりさは二匹にこ う告げた。 「ごちそうだったからね……“みんなで”なかよくむーしゃむーしゃしたよ」 「「!!???」」 「……どうしたの……?」 「な、なんでもないわ……」 ありすは戸惑いを隠せない。その気持ちはやはり伝わってしまうのか、親まりさは訝しげな表情を浮かべて二匹を交互に見つ めていた。親まりさの言葉はゆかりの理論の崩壊を意味する。蝶々を食べたゆっくりが例の病気にかかり、発症してしまったゆ っくりに触れれば感染してしまう。答えは導き出されたかに見えていた。しかし、それもまやかしに過ぎなかったとでもいうの だろうか。これでは群れのゆっくりたちに「蝶々を取って食べてはいけない」と自信を持って言えなくなってしまう。 「ゆっゆ~んっ! おきゃーしゃんっ! まりしゃは、ひとりでちょーちょしゃんをつきゃまえたのじぇっ!!!」 「ゆゆっ! さすがはれいむのちびちゃんだねっ!! ちびちゃんはきっとむれでいちばんかりがじょうずなゆっくりになれる よっ!!!!」 「ゆ……ゆっくち~~~~っ!!!!」 歓声を上げる親子。それはあまりにもありふれた光景。我が子が狩りの中で難しいとされる蝶々を仕留め、喜ぶ親子になんと 声をかけて蝶々を食べるのをやめさせれば良いのだろうか。そもそも、本当に一連の騒ぎの原因は蝶々にあるのか。ありすもぱ ちゅりーもそれだけでもう混乱し始めていた。自然とゆかりを探してしまう。しかし、ゆかりはぱちゅりーが遭遇したという得 体の知れない何かを追って、未だに帰ってこない。 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛ッ!!???」 「ゆひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」 突如上がる叫び声と悲鳴。瞬間、群れのゆっくりたちの表情が変化する。群れの一画。悲鳴の元はれいむとぱちゅりーの番の 巣穴だ。その中から滝のように涙を流しながら一匹のれいむが飛び出してきた。前のめりにごろごろと転がり、ようやく止まっ たときは痙攣を起こしながら目で助けを訴える。それからしばらくしてれいむの番であるぱちゅりーの絶叫が続いた。 「ゆ゛びゃあ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!」 その反対側から今度は別の悲鳴。まりさとありすの番が血相を変えて巣穴から飛び出してくる。 「た……たすけてっ! たすけてっ!! ありすたちの……とかいはなちびちゃんたちが……っ!!!」 ゆっくりたちが戦慄の渦中に放り込まれた。同時の発症。それはゆっくりたちを恐慌状態に陥れるのに充分な破壊力を持って いた。苦しみに耐えきれず巣穴の外まで飛び出して転げ回る疾病者。藁にもすがる思いで這い出てきたのだろう。誰でもいいか らこの苦しみから自分を救ってほしい。哀願と絶望の色に染まった瞳がギョロギョロと動き続ける。そこへ。疾病者ぱちゅりー の番のれいむや、赤ゆたちの親であるありすやまりさ。それ以外にも疾病者と仲の良いゆっくりが少しでも苦しみを癒そうと、 頬を擦り寄せ舌を這わせた。 「あ……あぁ……っ」 顔面蒼白になりその場を動けないでいるのはありすとぱちゅりー。目視だけで、今、何匹のゆっくりが感染してしまったか。 ゆかりの推論が全て真実であるかはわからないが、その少し先の未来のイメージが脳裏をよぎると目眩がしそうになってしまう。 「そ……そこまでよっ!!!」 ぱちゅりーが叫ぶ。ゆっくりたちの動きが僅かに止まった。それから徐々にぱちゅりーに注目していくゆっくりたち。 「……びょうきにかかったゆっくりにさわっては……だめよ」 「ど……どぼじでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉぉぉぉぉぉッ!??」 ゆっくりは情に熱い。目の前で困っている仲間がいれば救いの手を差し伸べずにはいられないのだ。こんなに痛がって苦しん でいる仲間に対して、すーりすーりもぺーろぺーろもしてあげないほうがどうかしている。それはあくまでゆっくりの主観であ り常識であり、美徳とされていること。ゆっくりたちから冷たい視線を浴びせられるぱちゅりーとその隣にいるありす。二匹と も思わず身震いしてしまった。耐性がないのだ。群れはこれまで大きな喧嘩も諍いもなく上手く回ってきた。それなのにその輪 の回転を止めようとしているぱちゅりーは、なんてゆっくりできないゆっくりなのだろう。群れのゆっくりたちはそう思ってい たのだ。すっかり萎縮してしまったぱちゅりーもなかなか二の句が継げない。そこへありすが助け船を出す。 「みんな、おちついてきいてほしいのっ。 まだはっきりとはわからないけれど、びょうきにかかってしまったゆっくりにさわ ると、そのびょうきがじぶんにもうつってしまうかのうせいがあるわ……っ!」 静まる群れ。そして今度は疾病者とその近親者を遠巻きに囲うゆっくりたちの表情が変わった。その感情は疾病者に触れてし まったゆっくりにも伝わる。今、確かに両者の間に見えない壁が構築されたのだ。感染者たちが互いの顔を見合わせる。 「ゆ゛ぐ……ぎゅ、え゛っ……!!!」 一匹の赤ありすが体の穴という穴から中身を噴出させて息絶えた。それに呼応するかのように、命の灯をを消していく赤ゆた ち。程なくして疾病者のぱちゅりーがビクビクと痙攣を起こし始めた。既に白目を剥いており、その瞳はこの世界のどこも映し てはいない。 「こ……ごわ゛い゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛!!!!」 感染者たちが一斉に震え上がる。当然だ。赤ゆたち。それから今現在、死の瀬戸際を彷徨うぱちゅりー。これが何時間後かの 自分の姿かも知れないのだ。 「ゆぐっ!!」 感染者のうちの一匹に石が投げつけられた。涙目になって歯を食いしばるゆっくり。 「どぉしてこんなことするのぉぉぉ!?」 「ゆぅ……。 びょうきにかかったゆっくりにさわったゆっくりは……ぜったいにそこからうごかないでねっ!!」 「どおしてそんなこというのぉぉぉぉぉぉ」 「あたりまえだよっ! びょうきのゆっくりに“さわられたら”、れいむたちもえいえんにゆっくりしちゃうんでしょっ!? そんなのはぜったいにいやだよっ!!!」 「…………っ!!」 森を包む静寂。そして感染者へ向けての一斉威嚇。そこにかつてのゆっくりプレイスの面影は見えない。ゆっくりの情の熱さ は我が身可愛さで簡単に崩壊してしまったのである。とはいえ、この判断は英断と言えるだろう。これ以上感染者を増やさない ためには感染者を隔離するしかない。それは古今東西、人間たちでさえ行ってきた対処法である。病魔の前には人もゆっくりも、 あまりに無力だったという事が証明された瞬間でもあった。 「たすけちぇ……」 感染者の赤ゆが呟く。消え入るような声。そんなか細い訴えを聞いても、もはや群れのゆっくりたちの心を動かすには足りな い。死の恐怖に怯えて小さな体をぷるぷると震わせる赤ゆ。どうにもできないのである。病気を治す方法が分からない以上、迂 闊に手を出せない。それは感染者たちも理解しているのだろう。哀願しこそすれ、群れのゆっくりたちを罵倒するような者はい なかった。 「ゆんやぁぁぁ……。 れーみゅ、しにちゃくにゃい……しにちゃく、にゃいよ……ゆ~ん……ゆ~ん……」 泣き叫ぶだけの力はない。赤れいむは力なく両の揉み上げを垂らし、静かに泣き続ける。その頬を舌で舐める親れいむ。目を 背ける群れのゆっくりたち。しかし、感染者と接触することは許されない。 つい二、三日前の出来事である。長く苦しい越冬を終えたゆっくりたちが、春の訪れを喜び歓喜の声を上げたのは。確かに喜 びを共に分かち合ったのだ。それなのに。原因不明の病気はあっという間にゆっくりたちを……いや、群れを蝕んでいった。 体も、心も。 ゆかりは一つの仮定から成る結論を出していた。あの見たことのないゆっくり。それに群がる蝶々。あの“何者か”が今回の 騒ぎの黒幕であったと仮定する。あの“ゆっくり”が全ての元凶ならゆかりが最も強く感じていた違和感が氷解するのだ。すな わち、なぜ、例の病気にかかるのがゆっくりだけなのか。蝶々を媒介にして病気を引き起こすなら、他の動植物に影響がないの はなぜだろうか、と。そして、ぱちゅりーから正体不明の“あんよの這う音”の話を聞かされたとき、ゆかりの頭の中で明確に “ゆっくりを狙うゆっくり”のイメージが沸いたのである。ゆかりには確かめる必要があった。あの桜色の髪のゆっくりになん としてでも再会して、問いたださなければならない。しかし、昨夜の一件であのゆっくりが高い警戒心を持っていることは予想 できる。正面から向かって行ってもすぐにどこかへいなくなってしまうだろう。だから、ゆかりは昨夜あのゆっくりがいた巨木 の脇にある茂みの“隙間に隠れた”のだ。隙間に隠れたゆかりを認識できるゆっくりはいない。通常種はもちろん、捕食種も。 あの正体不明のゆっくりも。もちろん、この巨木の下に再び現れるとは限らない。しかし、この場所以外にゆかりとあのゆっく りに接点はないのだ。待つしかなかった。 「こぼねー……」 ゆかりの表情に緊張が走る。ガサガサと向かい側の茂みを揺らしながら、昨夜のあのゆっくりがやってきた。その周囲には昨 夜ほどではないものの、やはり数匹の蝶々が群がっている。やがてその蝶々がヒラヒラと方々へ散った。ゆかりが眉を潜める。 (もしかしたら……あのゆっくりに“ふれた”ちょうちょうさんが……ゆっくりたちをびょうきにしてしまうのかしら……?) 嬉しそうに微笑むそのゆっくりの口元。そこには小さな小さな揉み上げが咥えられていた。れいむ種の物である。大きさから して赤ゆのものであろう。ゆかりは全てを納得した。目の前にいるゆっくりは捕食種。そして、蝶々を使った病気による一連の 騒動は、この捕食種独特の“狩り”なのであろう、と。ゆかりが思わず目を細める。隙間のけっかいっ!も効果を発揮している ようで、捕食種の目にゆかりは映っていないようだ。ゆかりはこの少し後に知ることになる。“姿無き捕食種”の二つ名を持ち、 最も優雅に狩りを行うこのゆっくりの名。 ゆゆこ種。捕食種にて希少種。“ゆっくりの群れを死に誘う程度の能力”を持つ。 狩りの方法はゆっくり界において最も珍しいスタイルを取る。れみりゃや、ふらん等と言った力任せの捕食種とは違う。まず、 ゆゆこ種は自身の放つフェロモンを使って自分に蝶々を集める。すると、ゆゆこ種のフェロモンと蝶々のフェロモンが混ざり合 い、メカニズムは不明だがゆっくりを病気にするフェロモンが生成されるのだ。似たようなものとしては、ゆっくりが死んだ際 に放つ死臭もフェロモンの一種として考えられる。こちらはゆっくりにとっては凄まじい嫌悪感を起こすフェロモンであるが、 ゆゆこ種の放つフェロモンはゆっくり同士でも気づかない。 かくして、ゆっくりにとって爆弾を抱えたに等しい蝶々は自然界を飛び回る。ゆっくりたちはそれを狩りと称して捕食する。 結果、病気にかかるゆっくりが現れ、それは人間で言えば皮膚感染のような形で急速に広がっていく。感染経路が途切れても、 また新たな蝶々を補食したゆっくりが次の宿主(ホスト)となるので、感染拡大の勢いは留まるところを知らない。やがて、ゆ っくりたちが群れ単位で全滅してしまった頃。ゆゆこ種はそっと壊滅した群れに現れるのだ。 当たり前の日常に一つ爆弾を添えただけで、ゆっくりたちはバタバタと死んでいく。何もわからぬまま。いつも通りの時間の 流れの中で。だからこそ、どのゆっくりも事件の黒幕にまでたどり着けない。 本来であれば、あの群れも数日後には消滅してしまっておかしくなかったはずだ。しかし、そこにたまたま、ゆかりがいた。 ゆゆこにとっても恐らくは初めてだろう。自分の元までたどり着いたゆっくりと出会うのは。ゆかりがガサガサと茂みの中から 這い出てくる。案の定、ゆゆこは気づいていなかったのかその動きをピタリと止めた。 二匹の間に沈黙が流れる。風が両者の髪を撫でた。戸惑いを隠せないゆゆこ。ゆゆこにしてみれば、突然ゆかりが目の前に現 れたのだ。戸惑わない訳がない。ゆかりはそのゆゆこの様子を見て少しだけ安心した。付けいる隙が一つもないわけではないよ うだ。ゆかりはゆゆこを見据えて口元を緩めた。それから、強者の威厳と識者の風格を漂わせて、こう言った。 「はじめまして。 ゆかりはゆかりよ。 ゆっくりしていってね」 つづく
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1161.html
「す~りす~り・・・とってもとかいはできもちいいわ!」 朝も早くから元気良くエクスタシー宣言しているのはある男性に飼われているありす。 今日も元気に頬を自分のお気に入りのあるものにこすりつけてそれの独特の弾力を楽しんでいた。 「ほんとうにきもちいいよぉ・・・!」 友達と(居ないから)遊ぶこともせず、今日も日長一日飼い主から与えられたコンニャクと戯れている。 最近の一番のマイブームはお兄さんにコンニャクでお尻をペチングしてもらうことだけど、今は彼がお仕事で出かけているので出来ない。 そんなわけで、ありすは仕方なく、少し前のマイブームの『ひたすら頬ずり遊び』に興じていた。 「す~りす~り・・・きもちい~♪」 ひんやり冷たくて、すごく弾力があって、どれだけ遊んでも文句一つ吐かない最高のお友達。 コンニャク、ああコンニャク、コンニャク・・・どうしてあなたはコンニャクなの? ありす一匹しかいない部屋でそんな風に一人ロミオとジュリエットよろしくな悲劇のヒロイン気分に酔いしれながらひたすら頬ずりを続ける。 「ゆぅ・・・ゆっ・・・ゆふぅ・・・ゆぅぅぅん・・・」 そうこうしているうちに変な気分になってきたありすは、ついにコンニャクに相手に交尾を始める。 激しく前後左右に揺れるありすの赤く上気した身体。それにあわせてぷるぷるんと揺れる大きなコンニャク。 「ぢゅごい!ぢゅごいわ、ごんにゃぐざあああああん!ありずもうがまんでぎない!!?」 そうしてありすはコンニャク相手にイった。それも13回も。 最後の絶頂の直後、ありすは交尾疲れで眠ってしまった。 翌朝。 ありすが目を覚ますと、そこには見たことのないゆっくりが5匹ほどいた。 体高3cmにも満たない小さな身体から察するにまだ赤ちゃんゆっくりだろう。 金色の髪をなびかせ、頂きにカチューシャを乗せているその姿は紛れもなくありす種のそれだ。 しかし、皮は半透明でコンニャクを髣髴とさせる色彩をしたその姿はゆっくりとは程遠い。 「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」 が、生首がこの鳴き声を発する以上間違いなくゆっくりだろう。 その変な赤ちゃんたちは目を覚ましたありすを取り囲むと一斉に頬ずりをし始めた。 「「しゅ~りしゅ~り・・・」」 「ゆゆっ!おきゃーしゃん、やわりゃかきゅてきもちいいよ!」 「しゅごくゆっくちできりゅよ!」 「ゆゆ~ん!」 おかーさん・・・? その言葉を聞いたありすは何か思い当たるところがあったらしく、昨日すっきりしたコンニャクのほうを見る。 すると、予想通りというか何と言うか・・・コンニャクにゆっくりの赤ちゃんの成る蔦が生えていた。 「「「「「しゅ~りしゅ~り・・・」」」」」 ありすは思った。この赤ちゃん達もコンニャクと一緒ですごくいい感触をしている、と。 その瞬間、なんだかムラムラしてきて・・・あっという間に発情した。 「むほおおおおおお!ごんにゃぐあがぢゃんがあわいいっよおおおおおおお!!」 「ゆきゅ!?おきゃーしゃん、にゃにしゅるにょ!やめちぇね、ゆっくちやめちぇね!?」 「づんでれありずがわいいいいよおおおおおお!!?」 「やめちぇええええええええええええええええええ!?」 「ぢんじゃうううううううううう!」 「ゆっくちできにゃいよおおおおお!?」 ありすが我に返ったときにはこんにゃくありすの屍だけが残されていた・・・。 その白い肌・・・柔らかい感触、口の中でとろける優しい味・・・何もかもが大好きだった。 白くて角ばった柔らかいもの・・・いわゆるお豆腐に頬ずりしているのはゆっくりぱちゅりーだった。 「むきゅぅ・・・むきゅん・・・むっきゅ~・・・」 ぱちゅりーはすっきりした。豆腐で。 細かい経緯は面倒だし、ありすと似たようなものなので割愛。 翌朝。 ぱちゅりーが目を覚ますと、餡子を撒き散らした白い何かがお豆腐の傍に散乱していた。 それを眺めながらぱちゅりーが首をかしげているとお豆腐の上のほうから声が聞こえてきた。 「おきゃーしゃん、たちゅけちぇ!おちたらちんぢゃうよ!」 そこに居たのは異様なまでに肌の白い赤ちゃんぱちゅりーだった。 何故かは良くわからないが自分とお豆腐の間に赤ちゃんが出来たらしい。 「むきゅ~!ゆっくりまっててね!おかーさんがいまたすけるわ!」 そう言ったは良いもののぱちゅりーは貧弱なので非常に歩みが遅い。 そんなゆっくりしすぎた母の歩みと、今にも落ちそうな蔦の揺れに赤ちゃんは酷く怯える。 「おきゃーしゃん!おしょい!おしょいよ!ぱちゅりーゆっく・・・?!」 言葉を最後まで紡ぎ出すことなく、おとうふぱちゅりーは床に叩きつけられ、飛び散り、息絶えた。 「むぎゅうううう!?ばぢゅりーのあがぢゃんがあああああああ!?」 まだ頬ずりさえしていない、しかしそれでも可愛い我が子の死に嘆くぱちゅりーのめからはなみだがぽろぽろと零れ落ちる。 そうして、潰れた赤ちゃんを舐めながら悲嘆にくれていると・・・ 「むきゅ~!」 頭の上から、可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。 声のするほうを見てみるとまだ一つだけ赤ちゃんの実が残っていたらしく、今にも生れ落ちそうなそれがゆらゆらと揺れていた。 「むきゅ!こんどこそゆっくりたすけるよ・・・」 そう言って、ぱちゅりーは赤ちゃんの落下地点に這いずって行くと舌を伸ばして絶妙のタイミングで落ちてきた赤ちゃんを受け止めた。 上手く受け止め、何とか赤ちゃんを死なせずに済んだのだが・・・・・・ 「むぎゅ!?いぢゃい!いぢゃいよ!おきゃーしゃん、ぱちゅりーあんよがいだいよおおおお!?」 それでも足が潰れてしまったらしい。残念。 ああ、何でこんなにねばねばなんだぜ・・・おにーさんがくれた特別大きいのが張り付いて取れないぜ・・・。 「ゆふぅぅぅぅううぅぅん・・・」 まりさはすっきりした。ガムと。 細かい経緯は(以下略 「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」 「ゆふぅ~・・・まりさのあかちゃんはかわいいんだぜ!」 「「おきゃーしゃん、いっちょにあちょぼーよ!」」 「ゆゆっ!ゆっくりあそんであげるんだぜ!」 「「やっちゃー!」」 まりさは赤ちゃんまりさと遊ぶべくおうちの中の広い場所に跳ねて行った。 しかし、いつまで経っても赤ちゃんがついてこない。 不審に思ったまりさが赤ちゃんの様子を伺いに行くと・・・ 「あちがくっちゅいてうごけにゃいよおおおお!?」 「ぎゃ、ぎゃんばってはねりゅよ!」 「ゆゆっ!きゃらだがのびりゅよ!?」 「ゆぅ~・・・ゆかさん、ゆっくりはなれちぇね!」 ガムっぽい肌が床にへばりついたらしい。 この後、赤ちゃん達を助けようとしたまりさがどうなったかは想像に難くないことだろう。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/758.html
「す~りす~り・・・とってもとかいはできもちいいわ!」 朝も早くから元気良くエクスタシー宣言しているのはある男性に飼われているありす。 今日も元気に頬を自分のお気に入りのあるものにこすりつけてそれの独特の弾力を楽しんでいた。 「ほんとうにきもちいいよぉ・・・!」 友達と(居ないから)遊ぶこともせず、今日も日長一日飼い主から与えられたコンニャクと戯れている。 最近の一番のマイブームはお兄さんにコンニャクでお尻をペチングしてもらうことだけど、今は彼がお仕事で出かけているので出来ない。 そんなわけで、ありすは仕方なく、少し前のマイブームの『ひたすら頬ずり遊び』に興じていた。 「す~りす~り・・・きもちい~♪」 ひんやり冷たくて、すごく弾力があって、どれだけ遊んでも文句一つ吐かない最高のお友達。 コンニャク、ああコンニャク、コンニャク・・・どうしてあなたはコンニャクなの? ありす一匹しかいない部屋でそんな風に一人ロミオとジュリエットよろしくな悲劇のヒロイン気分に酔いしれながらひたすら頬ずりを続ける。 「ゆぅ・・・ゆっ・・・ゆふぅ・・・ゆぅぅぅん・・・」 そうこうしているうちに変な気分になってきたありすは、ついにコンニャクに相手に交尾を始める。 激しく前後左右に揺れるありすの赤く上気した身体。それにあわせてぷるぷるんと揺れる大きなコンニャク。 「ぢゅごい!ぢゅごいわ、ごんにゃぐざあああああん!ありずもうがまんでぎない!!?」 そうしてありすはコンニャク相手にイった。それも13回も。 最後の絶頂の直後、ありすは交尾疲れで眠ってしまった。 翌朝。 ありすが目を覚ますと、そこには見たことのないゆっくりが5匹ほどいた。 体高3cmにも満たない小さな身体から察するにまだ赤ちゃんゆっくりだろう。 金色の髪をなびかせ、頂きにカチューシャを乗せているその姿は紛れもなくありす種のそれだ。 しかし、皮は半透明でコンニャクを髣髴とさせる色彩をしたその姿はゆっくりとは程遠い。 「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」 が、生首がこの鳴き声を発する以上間違いなくゆっくりだろう。 その変な赤ちゃんたちは目を覚ましたありすを取り囲むと一斉に頬ずりをし始めた。 「「しゅ~りしゅ~り・・・」」 「ゆゆっ!おきゃーしゃん、やわりゃかきゅてきもちいいよ!」 「しゅごくゆっくちできりゅよ!」 「ゆゆ~ん!」 おかーさん・・・? その言葉を聞いたありすは何か思い当たるところがあったらしく、昨日すっきりしたコンニャクのほうを見る。 すると、予想通りというか何と言うか・・・コンニャクにゆっくりの赤ちゃんの成る蔦が生えていた。 「「「「「しゅ~りしゅ~り・・・」」」」」 ありすは思った。この赤ちゃん達もコンニャクと一緒ですごくいい感触をしている、と。 その瞬間、なんだかムラムラしてきて・・・あっという間に発情した。 「むほおおおおおお!ごんにゃぐあがぢゃんがあわいいっよおおおおおおお!!」 「ゆきゅ!?おきゃーしゃん、にゃにしゅるにょ!やめちぇね、ゆっくちやめちぇね!?」 「づんでれありずがわいいいいよおおおおおお!!?」 「やめちぇええええええええええええええええええ!?」 「ぢんじゃうううううううううう!」 「ゆっくちできにゃいよおおおおお!?」 ありすが我に返ったときにはこんにゃくありすの屍だけが残されていた・・・。 その白い肌・・・柔らかい感触、口の中でとろける優しい味・・・何もかもが大好きだった。 白くて角ばった柔らかいもの・・・いわゆるお豆腐に頬ずりしているのはゆっくりぱちゅりーだった。 「むきゅぅ・・・むきゅん・・・むっきゅ~・・・」 ぱちゅりーはすっきりした。豆腐で。 細かい経緯は面倒だし、ありすと似たようなものなので割愛。 翌朝。 ぱちゅりーが目を覚ますと、餡子を撒き散らした白い何かがお豆腐の傍に散乱していた。 それを眺めながらぱちゅりーが首をかしげているとお豆腐の上のほうから声が聞こえてきた。 「おきゃーしゃん、たちゅけちぇ!おちたらちんぢゃうよ!」 そこに居たのは異様なまでに肌の白い赤ちゃんぱちゅりーだった。 何故かは良くわからないが自分とお豆腐の間に赤ちゃんが出来たらしい。 「むきゅ~!ゆっくりまっててね!おかーさんがいまたすけるわ!」 そう言ったは良いもののぱちゅりーは貧弱なので非常に歩みが遅い。 そんなゆっくりしすぎた母の歩みと、今にも落ちそうな蔦の揺れに赤ちゃんは酷く怯える。 「おきゃーしゃん!おしょい!おしょいよ!ぱちゅりーゆっく・・・?!」 言葉を最後まで紡ぎ出すことなく、おとうふぱちゅりーは床に叩きつけられ、飛び散り、息絶えた。 「むぎゅうううう!?ばぢゅりーのあがぢゃんがあああああああ!?」 まだ頬ずりさえしていない、しかしそれでも可愛い我が子の死に嘆くぱちゅりーのめからはなみだがぽろぽろと零れ落ちる。 そうして、潰れた赤ちゃんを舐めながら悲嘆にくれていると・・・ 「むきゅ~!」 頭の上から、可愛らしい鳴き声が聞こえてきた。 声のするほうを見てみるとまだ一つだけ赤ちゃんの実が残っていたらしく、今にも生れ落ちそうなそれがゆらゆらと揺れていた。 「むきゅ!こんどこそゆっくりたすけるよ・・・」 そう言って、ぱちゅりーは赤ちゃんの落下地点に這いずって行くと舌を伸ばして絶妙のタイミングで落ちてきた赤ちゃんを受け止めた。 上手く受け止め、何とか赤ちゃんを死なせずに済んだのだが・・・・・・ 「むぎゅ!?いぢゃい!いぢゃいよ!おきゃーしゃん、ぱちゅりーあんよがいだいよおおおお!?」 それでも足が潰れてしまったらしい。残念。 ああ、何でこんなにねばねばなんだぜ・・・おにーさんがくれた特別大きいのが張り付いて取れないぜ・・・。 「ゆふぅぅぅぅううぅぅん・・・」 まりさはすっきりした。ガムと。 細かい経緯は(以下略 「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」 「ゆふぅ~・・・まりさのあかちゃんはかわいいんだぜ!」 「「おきゃーしゃん、いっちょにあちょぼーよ!」」 「ゆゆっ!ゆっくりあそんであげるんだぜ!」 「「やっちゃー!」」 まりさは赤ちゃんまりさと遊ぶべくおうちの中の広い場所に跳ねて行った。 しかし、いつまで経っても赤ちゃんがついてこない。 不審に思ったまりさが赤ちゃんの様子を伺いに行くと・・・ 「あちがくっちゅいてうごけにゃいよおおおお!?」 「ぎゃ、ぎゃんばってはねりゅよ!」 「ゆゆっ!きゃらだがのびりゅよ!?」 「ゆぅ~・・・ゆかさん、ゆっくりはなれちぇね!」 ガムっぽい肌が床にへばりついたらしい。 この後、赤ちゃん達を助けようとしたまりさがどうなったかは想像に難くないことだろう。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1968.html
続々ゆっくり研究 20KB 虐待-普通 制裁 愛で 観察 考証 差別・格差 妊娠 飼いゆ 野良ゆ 姉妹物 透明な箱 独自設定 続々ゆっくっり~ *いやぁ~ちょっと趣向を変えてみたが不評でした。 *今回は一作目と同じ設定に独自のニュアンスを絡め、話が単調にならないように展開を多めに入れてみました。 *厳しい意見はとってもためになり次回作の意欲に繋がるので大変感謝です。 *でも、あんまり怒られると凹む乱筆乱文の作文野郎ですが生暖かい目で見てやってください。 *そんではどうぞ~♪ 十一目 本日は他のゆっくり研究員達数名と朝からディスカッションをしていた。私の研究成果の中途報告をしたところ様々な意見が出た。 ・研究の手法としては概ね問題は無いが、ゆっくりを追い詰める姿勢に問題がある。ゆっくりへの虐待はゆっくり研究では不可欠だが 少し感情移入が多く無いか?それに伴って研究視野が狭まってきてはいないか。 少々耳が痛い質問であったが反省すべき点に気づかされたので大変感謝した。 ・研究するには個体数が少なすぎではないか?蔓を採取した親ゆっくりごと捕獲したら良かったのではないか? これに対しては私が考える研究計画から大きく外れるのでそれに関してはコメントを控えると伝えた。 ・ゆっくり研究をするのなら是非一度食してみるべき。 可でもなく非でもないが苦笑いで応対した。 最後にこれからの私の研究のマイルストーンに少しだけ触れた。 ・現在の個体の中でブリーディングを成功させ、野良ゆっくりが野性の中でどれだけの種類の個体と交配を重ね、その遺伝子を 継ぐ遺伝子餡を保有してるかを検証する。 ・最終的にはクラスAを常時1~2匹、クラスBを常時3~4匹、クラスCを常時10匹前後、クラスDを10匹以上保有すること。 ・そして最後にクラスSSとなる一般放し飼いの個体に金バッジ認定以上の上位教育を施し知能の限界を試す 私はディスカッションで得た意見等を参考に新たな研究姿勢を模索しつつ夕方近くに研究室に赴いた。 クラスCの水槽を覗きこんでみると長女のれいむと次女のまりさがボーっとクラスCの水槽を見下ろしてた。その一方、三女のぱちゅりは 水槽の角で蹲っていた。 三女のぱちゅりにどうした?と尋ねたら、なんでもないと一言言うだけなので例の監視カメラの録画記録を確認してみた。 餌の事でかなり虐げられたようだ。 もう一度三女のぱちゅりに、他の二匹に餌の事で苛められたのか?と聞いたら、いきなり口からクリームを吐き出した。確かどこかの 論文で「ぱちゅり種は過度のストレスによって体内の内容物を吐き出して弱ってしまう。」と、書いてあったのを思い出した。 ちょうど良い機会なので三女のぱちゅりを隔離するべくクラスBにランクアップさせることにした。 クラスBの水槽に移動した三女のぱちゅりは、激しく動揺してさらにクリームを吐いた。私は焦りながら三女のぱちゅりを説得した。 ・ここにはおしおきのために入れたのではない。・優れた個体だから入れた イマイチ「優れた」という意味が伝わらなかったようだが、まぁ良しとして私は簡単に水槽の説明をした。そして新しい設備の 二倍に薄めたオレンジジュースが滴下される皿の事も。 とりあえず薄めたオレンジジュースを舐めさせてみたところ非常に喜んでいる。しきりに感謝の言葉を投げかけてくるので早速 クッキーを与えた。ちゃんとクッキーの前で制止して私の言葉を待っているので焦らさずあっさりと食べることを許可した。 折角の餌を残すほど嫌がってたクッキーをガツガツと食べながら、美味しいとか感謝の言葉とかを投げかけながら笑顔で食べている。 これは人間である私に媚へつらって言っているのか?もしくは本当にそう思って言っているのかは暫く様子を見て見極めねばならない。 そして最後の一欠けらに差し掛かったところで残りの餌を保存したいと願い出た。クラスCで見たボトルキャップに詰められた餌は 三女のぱちゅりの仕業だったのかとわかった。 私が快諾すると三女のぱちゅりは水槽に転がしておいたアイテムの中からまたボトルキャップを選び出してそこに残りの一欠けらを 入れ巣の中の奥にしまいこんだ。 指先で戯れてやってると食後の便意をもよおしたらしく排泄用の穴から便を下に落とした。落ちた便はまっすぐ下のクラスDの水槽に 落ちた。クラスDの水槽でぐったりしている四女のちびれいむと五女のありすはそれを餌だと思い、力なくその便に近づき食べようと したが、臭い臭いと言ってそれが便である事実に愕然としていた。三女のぱちゅりは排泄用の穴から悲しそうに下を覗き込んでいた。 次にクラスCの水槽に移ると相変わらず節操無く餌の要求を繰り返しているが、さすがにいつもよりは元気が無い。とりあえず クッキーを二枚置いて焦らしてみる。次女のまりさは固く強張りながら良し!の号令を待っている。長女のれいむは唸るような表情で 号令を待っているのでさらに焦らした。 1~2分焦らしたところで良し!と号令をかけた。二匹ともクッキーに飛びついてを必死に喰らっている、既に味の事なんか二の次で、 瞬く間に餌を喰らい尽くした二匹は、しつこく遊んでくれとねだってきたので遊んでやっていると。不意にこう質問してきた。 なぜ三女のぱちゅりは、あんなところに居るのだ?さっきからぱちゅりが舐めているあれは一体なんだ?と聞いてくるので二匹に こう説明した、三女のぱちゅりは言うことをちゃんと聞いて良い子にしているから。すると自分達もちゃんとゆっくりしていると 反論してきた。 個体達がしきりに使う「ゆっくり」の意味が少しだけわかったような気がした。次にあの舐めているものはなんだ?と言う問いに 実際に一滴づつ口の中に垂らしてやって理解させた。 飛び上がるほど喜んでさらに寄越せと騒ぐので菜箸の先で弾き転がしてから、お前達はまだまだダメだ!という旨を伝えた。 二匹は黙ってうらやましそうに自分達が居るクラスCの水槽の上の段にあるクラスBの水槽でで快適に過ごしてる三女のぱちゅりを じっと眺めていた。 最後にクラスDの水槽に移り観察していたら、ぐったりする四女のちびれいむと五女のありすがやってきて餌の催促を力なくする。 餌ならさっき落ちてきたアレがあるだろと言ったら、あれは食べ物じゃない!と猛烈に抗議してきたが、私はその抗議を遮り、 餌はアレだ!と冷静に伝えて続けて放たれる戯言を一切無視した。 二匹の前日の傷口をよく観察すると餡の流出こそは止まっていたが、皮の再生は思いのほか進んでいない。五女のありすに至っては 次女のまりさに噛まれた歯型の通り丸く皮が切り取られ、その切り取られた丸い皮は一部だけ体の皮と繋がって、まさに皮一枚で プラプラとぶら下がってた。 過酷な環境の元では再生能力も格段に下がると思われる。 十二日目 本日は少し遅めの午前10時に研究所に赴いた。 まずは手始めにクラスBの水槽に歩みを進め三女のぱちゅりの様子を観察。起床時間だったのかちょうど巣穴から出てきて 例の挨拶から始まった。挨拶を交わしてやると非常に喜んで跳ねて回った。本日も例のクッキーを与えたが相変わらず何の不満も 言わずニコニコしながら感謝の言葉を絶やさず食べ、昨日と同じく私の許可を貰ってクッキーの一欠けらを咥えて巣穴の奥に 消えていった。 巣穴の奥を覗き込んでみると、寝床にハンドタオル、食料庫にペットボトルの蓋、使い道は謎だが金属製の光った栓抜き、使い切った ボタン電池、どこかのメダルなどが綺麗に並べられていた。 滴下されたオレンジジュースを随時舐めずに溜めて置いたらしく受け皿いっぱいになったオレンジジュースを食後のデザートと 言わんばかりに一気に飲んで満面の笑みだ。 だが、少し気がかりなのは、笑みの向かう先は下のクラスCの水槽に居る二匹の兄弟に向けられていたことだ。 次はクラスCの水槽に近づき観察してみると、長女のれいむと次女のまりさは既に起きておりその視線はクラスBの水槽でであった。 二匹はなぜあっちのクラスBの水槽に行けないのか?みんな一緒に居ないと楽しく出来ないなどと訴えてくるがダメなものはダメと 言い聞かせた。二匹はいつも通りにガツガツとクッキーを噛み砕き水分も取らずに咳き込みながら食事を済ませた。 しばし長女のれいむと次女のまりさと指先で戯れていたが、しきりに次女のまりさがみんなと一緒に居たいと訴えてきた。 クラスDの水槽に居る二匹の傷の治りが遅いのは隔離してることが原因なのかもしれないと思った。 早速クラスDの水槽を覗きこんだ。四女のちびれいむと五女のまりさはお互いもたれ掛かるようにして虚ろな目で空を見ている。 二匹の傷口の具合は相変わらずだ。体内の餡の水分が減ったのか、餡自体が減ったのかは定かではないが少しやつれているようだ。 三女のぱちゅりが落とした便には口を付けていないらしく落ちてきた状態のままだった。 監視カメラの録画記録をチェックしてみるとそこにはなんとも笑ってしまう現実が写っていた。 お互い先に眠った方の傷口から餡を相手に舐め取られていたのだ。舐め取られた方はそれに気付いて相手を叱責している。 そんなことをお互い交互に繰り返しているものだから体内の餡は二匹とも減っていたのだ。 一見仲良さそうに見えた光景だが本当は至近距離で相手が眠るのを待っていただけだったのだ。 なんとも間抜けな事実を知って疲れたので本日は別室にて少し遊ぶことにした 水槽は無防備に蓋もされず置いてあったが中の野良れいむはしっかりと足を焼かれていたので脱走することも出来ずに水槽の中で 長細くなって横たわっていた。肛門付近には多量の便がありそれから身を遠ざけるための措置らしい。 眠ってるのか起きているのか解らないので顔面をライターで軽く炙ってみると絶叫を上げてビタンビタンと身をくねらせた。 なんで酷いことするの?とか便が臭くてゆっくりできないとか母親の所に帰してとか口やかましく言うので焼いた足の部分を カッターナイフで何度も執拗にに切り付けライターで炙った。もはや奇声のような声を上げてキューっと身を縮めて痛みと戦っている。 涙声でなんでこんな酷いことするの?と言うのでニッコリと笑ってから焦げて硬くなった足の部分を握り潰してやった。 余りにも強烈な痛みに絶叫も出ず喉の奥から餡を吐き出して痙攣し始めた。 この程度で死なれてもつまらないので普通濃度のオレンジジュースを注射器で100mlほど注入して水槽に蓋と重石を載せた。 そうだ今度空気や食塩水を注射器で注入してみようとアレコレ考えながら本日の活動を終えた。 十三日目 本日は午後から研究室に赴いた。 早速餌のクッキー片手にクラスBの水槽を覗きこんだ。三女のぱちゅりは寝床の巣穴にはおらずクラスCの水槽が見下ろせる壁に へばりついて下のクラスCの水槽を覗きこんでいた。どうしたのだ?と問いかけると、下の水槽が大変だというのでチラっと 目をやると長女のれいむの額から蔓が伸びてるではないか!私は良しの号令はいいからとクッキーを水槽に放り込んでクラスBの 水槽に移動した。 クラスBの水槽では長女のれいむとそれに寄り添うように次女のまりさが傍に居た。私を見た二匹は、赤ちゃんができたと喜んでおり 次女のまりさは嬉しそうにピョンピョンと跳ねて私に報告してきた。長女のれいむは私のあかちゃん、私の赤ちゃんと終始笑顔である。 さっそく餌のクッキーを広場に置き、良し!と号令をかけたら長女のれいむはクッキーを見るや否やこれじゃ足りないと怒鳴ってきた。 赤ちゃんが出来たのだからもっと美味しい餌を寄越せだの、量が足りないから二倍持って来いだのかなり酷く増長していた。 咄嗟に次女のまりさが自分の分もあげるのでとなだめているが長女のれいむの生意気な発言は次から次と連発して出てくる。 私は長女のれいむを鷲づかみで持ち上げ蔓を観察した。一番先頭の個体は今にも生まれ落ちそうなくらい成長してた。 先頭から種類を確認すると、れいむ種が続けて二つ、続けてまりさ種が二つ、最後にぱちゅり種が一つの合計5個体が生っている。 観察の間、延々と罵倒してきたので私はそのまま長女れいむをクラスDの水槽の真上に持ってきた。あまりわがままを言うとここだぞ! と脅したが長女れいむはさらに罵倒してきた。 私は黙って先頭の個体を毟った。 長女のれいむは悲しみの断末魔の叫びを上げ返してと叫び続けた。私は一旦、長女のれいむをクラスCの水槽に戻し、掌の上で 母を捜して泣いている生まれたばかりの個体を水槽のガラス越しに長女のれいむに見せた。 長女のれいむは泣き叫びながら返せと喚く。私は泣きながらガラス越しの母に助けを叫んでいる個体を手のひらの上で 真っ二つにカッターナイフで切り分けた。 長女のれいむは気が狂ったように叫びを上げた。まだ騒ぐのなら残りの赤ちゃんもやるぞ!と脅したらボロボロと涙を流して 口をつぐんだ。 私は手のひらで二つに切り分けられた個体をクラスDの水槽に放り込み。 それを食ったら戻してやるぞと四女のちびれいむと五女のありすに言った。一部始終見ていた二匹は目の前に置かれた真っ二つの 新しい兄弟を眺めながら硬直していた。 ほら食べたらみんなの所に帰れるぞ!と食うことを薦めた。二匹は空腹で視線が定まらない目で真っ二つになった兄弟を見つめ、 おもむろに食べ始めた。 すると二匹は凄く美味しいと貪るように食べて喜んでいるではないか。私は二匹に装飾品を返してやってクラスCの水槽に戻した。 長女のれいむは赤ちゃんを食べた二匹を叱責すると思いきや、どんよりと疲れた顔で巣穴の中に消えていった。次女のまりさは 長女のれいむの罵倒を詫びて、その事を許してやってくれと哀願してきた。発情を迎え、性別がオスに固定された次女のまりさは もう次女とは呼べなくなったようだ。 元次女のまりさは長女のれいむが食べなかったクッキーを渡してくると言ってクッキーを咥えて長女のれいむの後を追った。 長女のれいむは個室の奥でポケットティッシュで作った寝床を柔らかく盛りまとめて、その上に蔓が来るように座り込み 元次女のまりさにクッキーを食べさせろと口やかましく命令していた。 私は早速別室にて水飴処理の準備と小細工の準備をした。まず人間用の睡眠薬をすり潰して水に溶き、水溶液を作った。 それを角砂糖に染み込ませ、特製の角砂糖を作った。次に水飴を注射器に入れ、痛み止めのオレンジジュースを用意した。 深夜になってから私はそっと研究室に戻り全員眠ってるのを確認してから長女のれいむをそっと巣から掴み出した。 掴み出された長女のれいむは、どうしたの?離して!と騒ぎ出しそうになったので、お前は妊婦なんだから特別な餌を与えようと 誤魔化して机の上のタオルの上に移動した。 そこで先程作った睡眠薬が染み込んだ角砂糖を一つ食べさせた。凄く美味いとガツガツと一気に食ってしまった。もっと寄越せと 言いたそうであったが先刻の事があったので、おいしかったよと言ってきた。 長女のれいむに睡眠薬が効きだすまで、赤ちゃんを眺めてて良いか?と下手に出てお願いしたら、偉そうに少しならいいよと了承 してきた。真っ二つにされた個体の次の個体は既に生れ落ちそうな状態だったのでヤバイヤバイと焦ったが睡眠薬が効いたらしく 長女のれいむはやっと眠った。 角砂糖を与えたせいか成長が目に見えて早くなった。さっそく一匹目が生れ落ちた。予想通り落ちた瞬間から例の挨拶をしてきたの だが、それに答えると後々面倒になりそうなので無視を決め込んでたら泣き出した。 うるさいのでクルリと後ろ向きにして何が起きた?と動揺する個体の背後からブスリと注射器の針を刺した。いきなりの激痛に 白目を剥いて硬直してるので面白い。 水飴の注入を終えて針を抜くと火がついたように泣き出したので傷口にオレンジジュースを塗ってやる。前に読んだ論文の実験風景の ようにすぐに痛みが消えたらしく少しの間混乱してたがすぐに忘れてその辺を飛び回るのでティッシュを敷いたタッパーに入れた。 そのようなことを繰り返して全員水飴処理を終わらせ長女のれいむの方を見ると既に蔓は抜け落ちていた。 私は眠る長女のれいむを巣穴に戻し、あたかも今抜けたように目の前に蔓を置いた。それから生まれた子供達を巣穴に放り込み 眠る長女のれいむを揺り動かして起こそうとしたが一向に起きない。仕方が無いので額に針を突き刺してやったらギャーと叫んで やっと起きた。 ほら、赤ちゃんがもう生まれているぞ!と言ったら、怪訝そうな顔でまだ生まれないはずなのにと不思議そうにしてたが、自分の 子供達を見たらそんな考えも吹き飛んだらしく、大喜びで自分が母だと言って蔓を食べさせていた。 子供達はやっと母親を認識したらしく頬を摺り寄せて甘えている。そうこうしてたら父親のまりさが起きだして感動しながら自分が 父だと説明して子供達と挨拶を何度も繰り返していた。 本日は夜も遅いのでこの辺にして惰眠を貪ることにした。 十四日目 本日は新しい研究対象が出来たことなので朝から研究室に赴く。 まずはクラスBの水槽に向かい三女のぱちゅりの様子を見た。既に起床していたらしく、小皿に溜まったオレンジジュースを舐めていた。 この水槽に移動してからは毎日機嫌もよく、うるさい位に挨拶をして甘えてくる。指先を甘噛みさせたり、頬を撫でて可愛がってると 長女であり今は母親のれいむの子供達の一人が自分と同じだ。一人だけ両親と同じ姿じゃないので苛められてる。と寂しそうに 打ち明けてきた。 私は餌のクッキーを与えてから、下に行って子供達を見たいか?と尋ねると行きたいと猛烈に頼み込むので、餌が食い終わるのを 待って、下のクラスCの水槽に一時的に下ろしてやった。 三女のぱちゅりが巣の前に向かうと巣の前で中に入れてもらえない四女のちびれいむと五女のありすが居た。 なんでも子供達を食べた二匹を意地でも近づけさせないように長女のれいむが巣の奥で威嚇している。 あんまり兄弟に冷たくしてると子供達を全部取り上げるぞ!と脅したら、しびしぶ巣穴から出てきた。 私は母親のれいむに一枚、子供達に一枚、父親のまりさに一枚、四女のちびれいむに一枚、五女のありすに一枚と餌のクッキーを 与えた。父親のまりさは子供達に餌を食べる時のルールを教え子供たちは以外に素直に従った。当の母親である長女のれいむは 相変わらず餌の前で険しい表情で号令を待っている。 私は号令を焦らして子供たちの様子を伺ったがみんな父親のまりさのように黙って餌の前で並んでいた。そしてやっと良し!の号令を 出した。父親のまりさと子供たち以外はガツガツとみっともなく餌に噛り付いた。 食事を終えた全員は早速排便をもよおして排泄用の穴から排泄し始めた。そこでも父親のまりさは排泄のルールをしっかりと 子供たちに教え込んで排便の手助けをしていた。 発情期を終えすっかり真面目になった父親のまりさを見て、ここでやっと性格の固定が済んで自分の役割に目覚めるのだなと確信をした。 食事と排便を済ませた母親のれいむと父親のまりさ達は仲良く子供達と戯れ、子供達も両親に甘えている。発情を終え真の性格が 固定された長女のれいむは餌が足りないから父親のまりさに追加の餌を私から貰って来いと口汚く罵っている。 かなり我がままな性格に固定されたようだ。 父親のまりさは私に非常に気を使いながら餌の追加を頼んできたがダメと一言言って話を終えた。その結果を長女のれいむに報告 するや否や長女のれいむは酷く父親のまりさを罵り追い詰めていた。 落ち込んでいる父親のまりさを元気付けようと泣きながら頬擦りして例の挨拶を繰り返してるのは一番最後に生まれた、ぱちゅり種の 個体のだった。 母親の方で生まれた子供たちみんなで頬を摺り寄せる遊びみたいなのが流行って、ぱちゅり種の個体も乗り遅れてはならないと言わん ばかりに、てんてんっと跳ねて母親のれいむの傍に擦り寄った。 二~三度、頬擦りしたあたりでその子は他の子に弾き出された。母親のれいむはそれを見ても何の関心も示さない。それどころか 泣きじゃくるその子に泣いてばかりでうるさいと怒鳴りつける始末だ。私は一体どういうことなんだ?と責めたら、その子は父親にも 似てない母親である自分にも似てないダメな子。と決め付けそっぽを向いている。 私は、この母親になったれいむは頃合を見計らってさっさと隔離しないと研究の邪魔だと悟った。 そんな、ぱちゅり種の子を優しく呼んで可愛がるのは同種である三女のぱちゅりである。自分が姉だよと優しく頬を摺り寄せ 目に涙を浮かべながら可愛がっている。 その光景を見ていた母親のれいむはあんなの自分の子じゃないと二人に向かって罵声を放ってきた。子供の前だからと自制してたが いい加減その生意気な口調を直せと母親のれいむを掴み上げ子供たちに見えないよう背を向けて力いっぱい指で数十発弾いてやった。 ようやく涙目になりながら、もうしないと言ったので水槽に戻してやった。子供たちは不安そうに母親に擦り寄り、どうしたの? と心配して腫れてる部分を小さな舌で舐めている。 私は三女のぱちゅりをクラスBの水槽に戻す際、のけ者にされていた、ぱちゅり種の個体もクラスBの水槽に移した。父親のまりさが 何故?と聞いてきたが、ここで苛められるよりマシだろと言ったら素直に納得していた。 クラスBの水槽に来たぱちゅり種の個体は最初母親が居ないと激しく動揺して水槽の中を探し回っていたが三女のぱちゅりがちゃんと 下の水槽に居るよと教えて少し落ち着いた。 三女のぱちゅりがクラスBの水槽の設備を優しく説明して最後に滴下されるオレンジジュースを舐めさせた。喜んで舐めるぱちぇり種の 個体、子ぱちゅりを眺めて微笑んでいた。 十五日目 本日は昼過ぎに研究室に赴いた。 私は資料の整理をしてからゆっくりとクラスBの水槽に近づき三女のぱちゅりと母親のれいむのぱちゅり種の個体、子ぱちゅりの様子を 見た。二匹は既に起きてて、水槽に転がしておいたパチンコの玉で遊んでる子ぱちゅりとそれを優しく微笑みながら眺める三女の ぱちゅりが居た。 相変わらずの例の挨拶を投げかけてきたので挨拶を返し、三女のぱちゅりに昨夜はどうだった?と聞いたら少しだけ夜泣きは したものの問題無かったと返答があった。 餌のクッキー一枚と1/5のクッキーを並べて置いて、一枚の方に三女のぱちゅり、子ぱちゅりはこっちと1/5の方に並ばせた。 子ぱちゅりは何の文句も言わずにニコニコと1/5のクッキーの傍でちゃんと号令を待っていた。 相変わらずこの種の行動には感嘆させられる。たいして焦らしもせず良し!と号令をかけてクッキーを食べる子ぱちゅりを確認してから クラスCの水槽に移った。 水槽の前に移ったとたんに昨日あれだけ制裁した母親のれいむが早く餌を寄越せと口汚く罵っている。父親のまりさは一生懸命それを 制止していたがどうにもならない様子だ。しかも子供達まで幼い口調で早く餌を寄越せと言い出している。私は黙って水槽の広場前に 母親のれいむに一枚、父親のまりさに一枚、子供達に一枚、四女のちびれいむに一枚、五女のありすに一枚と並べて号令を焦らした。 すると母親のれいむがもう待ってられないと食べ始めてしまった。父親のまりさはあっと声を上げたが時すでに遅しで子供たちまで 母親の真似をして食べ始めてしまった。父親のまりさはしきりに謝罪をして母親れいむと子供達を許してやってくださいと哀願してきた。 四女のちびれいむも五女のありすまでも、どこで覚えたのか解らないが身を器用に折り曲げ頭を下げて自分達は餌抜きでいいから許して やってくださいと訴えている。 私はここで感情的にならずならず黙って水槽を離れた。 そしてその夜深夜、私は静かに研究室に向かった。 私はクラスCの水槽の巣穴の奥に眠る母親のれいむの口を手で塞ぎ、静かに巣穴から取り出した。 巣穴から取り出した母親のれいむを別室に連れて行き、お前はあの水槽よりこっちの水槽の方がお似合いだ!と例の水槽に放り込んだ。 その中で大量の便と共に倒れている自分の姉にあたる姉のれいむを見て、汚い臭いを連発していた。 姉のれいむは少し考えてから罵倒してくる同じれいむ種が自分の妹だとわかった。自分が実の姉だよと妹であり現在母親のれいむに 訴えたが、そんな臭くて汚いのは姉なんかじゃない!子供達はどうした?ここは何処だ!と罵詈雑言の応酬を浴びせてきた。 そんなに汚くて臭いのが嫌なら今からいっぱい餌をやるのでそれを食って排便をしてさらに汚くなれ!と伝えて、私はその水槽に 大量のクッキーを投入して元通りに蓋と重石を水槽に乗せた。 二匹は不意に与えられた大量の餌を後先考えずに貪り食べ続けてた。 つづく・・・ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 観察系は結構好き。 投稿SSだから誤字脱字は気にしないけど、 三女ぱちゅりーと子ぱちゅりーは、叔母と姪の関係じゃない? 元次女まりさと四女れいむと五女ありすは調教が成功してきたw -- 2018-01-05 15 15 23 こういう研究の経過も面白いなぁ -- 2010-11-21 21 15 07 楽しいなぁ -- 2010-06-18 02 34 01
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2466.html
『プレイス・ブレイク 前編』 19KB いじめ 不運 差別・格差 仲違い 日常模様 自然界 人間なし 創作亜種 独自設定 うんしー ドロドロな群れの争いはゆっくりできます 「プレイス・ブレイク」 前編 羽付きあき ・三本構成です ・幾つかの独自設定を使っていますご注意を ・ドロドロな派閥争いがメインですご注意を X月X日、とある山岳へゆっくりの「観察」に訪れた私は一体のゆっくりまりさを保護した。 私が見つけた頃にはかなり衰弱していたらしく、寒天の右目は喪失し、飾りである帽子も何かに「噛み千切られた」様にボロボロになっている。 砂糖細工の髪も何かに引っ張られて引き抜かれた様に一部が抜け落ちていた。 そして小麦粉の体の背部には多数の切り傷や刺し傷の数々・・・ 当初私はこのまりさがドスの群れの「おきて」を破ったことによる追放を受けたのではないかと推測した。 この山岳には「くいーんありす」が率いるありすを中心とした群れと、「ドスまりさ」が率いるれいむ、まりさを中心としたゆっくりの群れの二つがいたからだ。 大きくすり鉢状になった場所があり、そこに二つの「ドス」は共存していた。(その形状のため、すり鉢状の"ゆっくりプレイス"から出るには、段差が大きすぎる為ドスに運んでもらうしか方法が無い) 通常のゆっくりでは容易に出られない「ゆっくりプレイス」ドスまりさとくいーんありすが選んだ格好の場所なのだろうが、それはドスまりさとくいーんありすがいる事によってのみ成り立つのである。 秋から冬にかけての間か、それ以前かもしれない。(まりさの証言から秋の初め~中頃と推測される) ドスまりさとくいーんありすが越冬用の食料をため込むため、すり鉢状のゆっくりプレイスの外へ出たきり帰ってこなくなった。 すり鉢状のゆっくりプレイス内でも、ありす種とまりさ、れいむ種を合わせて有に400体を超えるゆっくり達の台所事情すらも賄えるほどの草や木の実、水場等がある。 だが、それも限りがあるし、貯蓄に回すには心細い。 その為、毎年ドスまりさとくいーんありすがゆっくりプレイスの外に出て食料を調達するのが通例となっていた。(後の調査によると、ドスまりさとくいーんありすは、ゆっくりにとっては薬にあたるあまあま・・・いわゆる"ハチミツ"をとるために、断崖絶壁に近づいた所、そろって落下したのではないかという結果が出ている。いずれにしろ、発見時には尖った岩に小麦粉の体をぶつけて大量の餡子ないしカスタードクリームを飛び散らせて突っ伏したまま潰れていた。即死と思われる。) 問題が残されたゆっくり達だ。 まりさの証言によると、そのゆっくりプレイスの中で凄惨なまでの争いが起きたと言う。 まりさの追憶と、それに伴う私の推測も合わせて、まりさが私の所に来るまでに何があったのかを紐解いていこうと思う。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・ドスまりさとクイーンありすがいなくなって三日後、留守を預かっている「もりのけんじゃ」であるぱちゅりーがその異変に気付く。 「むきゅ・・・どすとくいーん・・・おそいわ・・・まさか・・・」 ぱちゅりーの胸中には嫌な予感がよぎっていた。通例とはいえ、三日も開ける事はなかった。 ドスとクイーンは、いくつかの食料を洞窟の「ちょぞうこ」に入れてゆっくりプレイスの外を出たり入ったりを繰り返しているのだ。 そのスパンは約半日。つまり半日を超えて戻る事はまずありえないと考えていいだろう。 「ちょぞうこ」に入っている食料は、せいぜい50体分程度のゆっくりが越冬できる量だ。350体近く分も不足している。 「もりのけんじゃ」であるぱちゅりーは、もしドスとクイーンに万が一の事態があった場合、群れの統率役を継承すると言う取り決めがなされていた。 しかしドス種ですら二体で分けてようやく統率できる程の巨大なゆっくりの群れを、ぱちゅりーのみが統率するなど不可能に等しい行為である。 ぱちゅりーは悩みに悩んだ末、ある一つの決断を下した。 それは「群れの細分化」である。 決断と言うよりは確実にそうなると見こしての一種の「予測」であろう。 ドスまりさの率いた群れのゆっくり達はぱちゅりーをリーダーにする事に異議はないのだろうが、クイーンありすの群れが率いたありす達の意見は違う。 当然ありす種からリーダーに立候補するゆっくりがいるだろう。 すり鉢状の「ゆっくりプレイス」の中にある限られた食料をいかに貯蓄に回すか、それを考えなければならない時にリーダー決めで無駄な時間を過ごしている訳にはいかない。 ・・・このぱちゅりーの決断が悲劇の始まりであると言う事を知っているゆっくりはいなかった。 ・・・・・・ ・・・ 「むきゅ!みんな!きいてちょうだい!」 ゆっくりプレイスの中央・・・大きく開けた場所にある岩の台の上に乗ったぱちゅりーが、集まったゆっくり達に声を上げた。 「どすとくいーんがもどってこないわ!きっとなにかあったのよ!」 それを聞いた途端にゆっくり達から声が上がった。 「れいむたちのえっとうようのごはんさんはどうなっちゃうの!」 「どすがしんぱいだよ!さがしにいってね!」 「そうだぜ!どすやくいーんをさがしにいくんだぜ!」 「くいーんやどすをみすてるなんてとかいはじゃないわ!」 ・・・大方予想はついた。しかしぱちゅりーは知っている。このすり鉢状のゆっくりプレイスから出られる術はもうない。と 「むきゅ!おちつくのよ!みんな!そこでぱちぇからていあんがあるわ!むれをいくつかにわけるのよ!」 「「「ゆゆ!?」」」 あれやこれやとぱちゅりーをそっちのけで議論をしていたゆっくり達が一斉にぱちゅりーの方へと向いた。 ぱちゅりーは間髪いれずに捲し立てる。 「いまはかぎられたごはんさんをいかにせつやくしてえっとうをするかということにあるわ!りーだーはくいーんのむれとどすのむれでべつべつにきめて、まずはえっとうにそなえるのよ!まずはぱちぇについてごはんさんをちょぞうこにためてえっとうにそなえたいというゆっくりはぱちぇのところにきて!」 「ゆゆ!れいむはついていくよ!」 「まりさもだぜ!」 「でもどすが・・・」 「なにいってるの!どすがいなくなったときにりーだーになるのはぱちゅりーってどすがきめてたんだよ!」 「ゆ!そうだぜ!いまはとにかくえっとうをどうするかをかんがえるんだぜ!」 ぱちゅりーに答えてついて来たゆっくりは約150体。その殆どがこのすり鉢状の「ゆっくりプレイス」に移る前からドスに従っていた古参のゆっくり達である。 ・・・残りの50体はどうか? 「でもやっぱりれいむはどすがしんぱいだよ!どすをさがしにいくよ!」 「れいむも!」 「まりさもだよ!」 「そうだよ!どすがいなかったらえっとうようのごはんさんのたくわえなんてできるわけがないよ!」 「まだふゆまでじかんがあるんだぜ!まりさたちはどすとくいーんをさがしにいくんだぜ!」 一体のれいむの呼びかけにより、ドスとクイーンを探しに行くと言ってきかないゆっくり達。 「ありすもだわ!」 「くいーんがいないなんてとかいはじゃないわ!」 「ありすたちもれいむについていくわ!」 そしてありす側から100体・・・つまりクイーンの群れの約半分が「れいむ派」に合流した。 ぱちゅりーにはある程度の算段があった。 少々予想より多いが、150体程度に「絞られた」 あと越冬用の食料は百体分だけで良い。 そう、ぱちゅりーは自分の意図に反する「ドスまりさ派」に属していたゆっくり達の一部を切り離したのである。 そしていわずもがな、クイーンありす派のありす達・・・ありす種全てもである ぱちゅりーが従っていたドスまりさは「ゆっくり達をゆっくりさせる」為に動いていた。 それは勿論ゆっくり達も承知だったが、ドスまりさは、自身がいなくなった時の事や、「狩り」で不在の間に群れを統率するためにぱちゅりーを置いた。 逆にクイーンありす達は、元々クイーンありすが「おおきくてとかいは」と言う理由で付き従っているにすぎない。 クイーンありすはクイーンになって日が浅かったためか、自身が全てのありす達を「とかいは」に日々を過ごさせる為にワンマンで頑張り続けていたのだ。 もしクイーンが居なくなった時は、ドスまりさの群れに合流する。そう言う取り決めではあった。 これはクイーンとドス、そしてぱちゅりーだけが知る事である。いわば「密約」だ。 ぱちゅりーはこの密約を反故にした。多少自身で「狩り」をする能力があるとはいえ、所詮はありす種。何の実にもならない「とかいはな何とか」と言ったゴミを量産されてもぱちゅりーとしては困るのだ。 また、ドスにおんぶに抱っこの一部の「ドスまりさ派」も越冬には必要ない。 ぱちゅりー・・・つまりドスまりさの意思に付き従うゆっくりだけで越冬をしようと言うのがぱちゅりーの考えであった。 独裁を考えている訳ではない。多少余裕が出れば切り捨てたゆっくり達の一部も収容しようとは考えている。 ・・・こうして「ぱちゅりー派」はドスまりさのいたゆっくりプレイス北側にある大きな洞窟と、その中にある「ちょぞうこ」と五十体分の食料を増やすために行動を開始した。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ドスまりさとクイーンありす捜索の為に離れた「れいむ派」 ドスまりさの意思を継いで越冬の為の準備を開始した「ぱちゅりー派」 残された百体のありすは一体どうなったのか? 「ありすたちはどうすればいいの・・・?」 「ゆゆ・・・えっとうようのごはんさんもたくわえなきゃいけないわ・・・」 「でもくいーんもしんぱいよ・・・」 ・・・この時点ではまだ何も決まっていない。 問題点を一つに絞らなければならないのにありす達は「くいーんとどすをさがす」「えっとうようのしょくりょうのちょうたつ」「りーだーぎめ」を出来ないでいた。 「みんな!きいてほしいの!」 悩みを抱えるありす達の群れの中で、一体のありすが声を上げた。 「いまはとにかくりーだーをきめるべきだとおもうわ!ありすからていあんがあるの!まずくいーんのおちびちゃんをひとまずりーだーにたてて、だいひょうのありすたちでほうしんをきめましょう!」 「ゆゆ!?くいーんのおちびちゃんを!?」 「で、でもくいーんのおちびちゃんはまだちいさいわ!りーだーになってもなにもきめられないとおもうわ!」 ・・・当然ありす達から疑問点と戸惑いの声が上がる。 声を上げたありすは最初に言った事をありす達に説明するために矢継ぎ早に話を始めた。 「だからありすたちがくいーんのおちびちゃんをささえるのよ!ありすたちできめたことをくいーんのおちびちゃんをとおしてそれをいけんとするのよ!」 「ゆゆ!それはとかいはなあいでぃあだわ!」 「くいーんのおちびちゃんをささえるのはとかいはだわ!」 ・・・こうして建てられた骨組みは、どんどんと肉づけされて行く。 まず百体のありす達から代表で3体のありすが選ばれた。 最初に提案を唱えた「はなかざりありす」とクイーンありすの次に美ゆっくりでとかいはな「とかいはありす」そしてクイーンありすの群れに最初に加わった「おけしょうありす」である。 この三体の話し合いの結果、ひとまずの目標は「越冬用の食料の調達」そして「クイーンとドスの捜索」だ。 後者に関しては、貴重なゆっくりを裂く訳にもいかないため、「はなかざりありす」の提案である「れいむ派」への支援と言う形で取り決まった。 クイーンありすの子ゆっくりは、まだ赤ゆっくりより一回り大きいと言うサイズである。これはクイーンありすがドス化する直前に生まれた子ありすであり、クイーンありすは群れのありす達と平等に「とかいはなあい」を注いでいた。 ひとまず団結と方針の決定に成功した「ありす派」はクイーンありすの元いた「南側の林」周辺を拠点に、「れいむ派」の支援と食料の調達を開始した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆ!ゆ!まりさがんばるよ!」 「ゆ!ゆ!れいむもがんばるよ!」 「ありすもがんばるわ!ゆ!ゆ!」 ほんの少し平たい形の木の枝を口にくわえて、「ゆっくりプレイス外郭部」の絶壁を、スコップの様に木の枝を使って必死に掘るゆっくり達。 「れいむ派」の代表であるれいむは、「おうちづくり」を参考としたゆっくりプレイスの壁を掘り抜いて外に出ると言う方法を考案した。 ・・・普通に考えれば下から上へと掘り進むため非常に困難である。崩れるのを防ぐために、緩やかな角度で徐々に斜め上に行くように掘らなければならない。 現在の角度から行くと、ゆっくりプレイスの外側へ出る為に掘り進まなければならない距離は約1000m れいむ派が総動員して掘ると、時速2cm程・・・(バスケットボールサイズよりやや大きめの穴を掘らなければならないためより遅くなる) 気が遠くなるような数値だ。 木の枝のスコップを一回地面に突き刺して取れる土の量は数十グラム程度。それを紐のついた葉っぱを使った「トロッコ」に載せて土を運ぶ。 「ゆ!ゆ!」 「おも・・・い・・わ・・・!ゆ!ゆ!」 「ゆひ!ゆひ!」 土はトンネルを掘っている少し離れた場所の外郭部の壁に運ばれた。 「ゆゆ!みんな!つちさんはここにあつめてね!とんねるさんをほったつちさんをここにあつめて"かいだん"をつくるよ!」 「れいむ派」のリーダーであるれいむが指示を出す。 並行して掻き出した土を土盛りすることにより「階段」を作ると言う試みもしている。 実はれいむにとってはこちらが本命であった。 「壁」の高さは4m程。2mサイズのドスまりさやクイーンありすが全力でようやく飛び越えられらる高さである。 だが1000mも掘り進むより、僅か4mの壁に階段を作る方が遥かに容易であった。 「れいむ!」 「ゆゆ!?ありす!どうしたの!」 「れいむたちのためによびのすこっぷさんやとろっこさんをもってきたわ!ごはんさんもあるからうけとってほしいの!」 「ゆゆ!ありすゆっくりありがとうね!」 早速「ありす派」からの支援物資が届く。 食料調達は現在は秋の為困らない。しかしれいむ派を悩ませていた問題は「掘削道具」の不足である。 例えば、木の枝は出来るだけ丈夫な物を選ばなければ固い土を掘る時にすぐ折れてしまう。実際、れいむ派の所有している木の枝スコップの半分以上が破損してしまっていた。 「とろっこ」も「すこっぷ」も制作に時間がかかるのだ。出来るだけ人手を裂いて生産はしているが、追いつくはずがなかった。 ありす派はその問題を補うべく、ありす派の半分を道具の製作の為に裂き、量産体制を整えてれいむ派の支援の為に赴いたのである。 「ありすたちはここまでのことしかできないわ・・・でもできるだけれいむたちをたすけるわ!」 「ゆっくりありがとうね!」 掘削は続く。だが、その間を縫って「ぱちゅりー派」が突出し始めていた。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「むきゅ!みんな!いそぐのよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「ゆ!ゆ!」 ぱちゅりー派のリーダーとなったぱちゅりーは群れの子ゆっくり達までもを総動員して食料の調達にあたっていた。 「きのみさんややわらかいはなさんやくささん!きのこさんをゆうせんしてとるのよ!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆゆ!まりしゃがんばりゅよ!」 「れいみゅもがんばりゅよ!」 子ゆっくり達の群れの中に、まりさはいた。 当時はまだハンドボール程のサイズだったまりさは、何故こう言った事態になったのか、なぜぱちゅりーが焦っているのかを理解するには幼すぎた。 ただ周りの子ゆっくりに負けたくない・・・そういった「ゲーム」の様な感覚で狩りにいそしんでいたと後に回想している。 ぱちゅりー派のゆっくり達は、ありす派の拠点である南側の林にまで足を運んで食料の調達に精を出している。 栄養価の高い食料は、たくさんあると言っても限りがある。それらを出し抜いて全て取ってしまおうと言うぱちゅりーの考えであった。 唯一食料調達でライバル関係になると思われた「ありす派」も、その半分をれいむ派の支援に回して、50体ほどでしか「狩り」が出来ていない。 しかも、クイーンありすを中心にして狩りをおこなっていたため、「とかいはなたべもの」しか知らないのだ。 つまりぱちゅりーが狙っている草花や木の実、木の樹液が固まった物やキノコなどを主な食糧としているため、それらを取ってまわられると不都合が生じる。 それらは越冬のための保存がきく食料になりうる(虫等を重要視していないのは冬の直前までいるし、ありす種は食べ物としてそもそも認知していないからである) 南側の林は特に念入りに採取の対象となった。 ぱちゅりーの考えでは、食料調達に困れば、ありす派は確実にぱちゅりー派に支援を求める。その際に僅かな食糧をダシに越冬用のバリケードや「べっどさん」等を作らせようと言う腹だ。 「おうち」の整備に関してはありす種が一番得意としているため、それを利用しようと考えている。 その為に布石として、南側の林にある食料は念入りに調達された。 育ち切ってない小さな物もその対象である。とにかく全ての食料はぱちゅりー派によって採取されてしまった。 「ぱちゅりー・・・」 「むきゅ?どうしたの?」 「ありすたちはれいむたちをてつだってるよ!まりさたちもどすやくいーんをさがすれいむたちをたすけたほうがいいとおもうよ!」 「むきゃきゃ!しんぱいいらないわ!えっとうをじゅうようししていないれいむたちがあんなことをつづけられるのはふゆさんにはいってちょっとたったくらいまでよ!」 「ゆゆ?どういうこと?」 「れいむたちはえっとうにかくじつにしっぱいするわ!そのときははるになるのをまってぱちぇたちがそれをひきつげばいいのよ!それまでほっときましょう!」 「ゆゆぅ・・・わかったよ」 「あとまりさにおねがいがあるわ!」 「ゆ?」 「ありすたちがかわいそうだからそこにあるのとおなじくささんだけはのこしてるの。でもありすたちはそれをごはんさんだとしらないわ!しょくりょうちょうたつをしてる"とかいはありす"におしえてあげるのよ!」 「ゆゆ!ゆっくりわかったよ!」 日が沈む頃には南側の林には殆ど食料らしき食料は無くなっていた。 たった一日でありす派達は、重要な食糧調達地を失った訳である。 ・・・そしてぱちゅりー派が残した「プレゼント」はそれだけではなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「どぼじでどがいばなごばんざんがないのおおおおおおおおお!?」 「ゆ・・・!ゆ・・・!あ、あさまではあったのに・・・どうして・・・?どぼじでええええええ!?」 「はなさんがないわああああ!ありすたちがそだてたはなさんがああああああ!」 「ぎのござんもなぐなっでるわあああああああ!」 「ごんなのどがいばじゃないいいいいいいい!」 南側の林でありす達の叫びが響いた。 朝までは余るほどあった木の実や花等が綺麗さっぱり無くなっていたのだ。 それまで派閥に分かれる前まで共有の狩り場だった場所で狩りをしていたありす達は面喰った。 拠点近くの食糧地は最後に取っておこうと言う考えだったからだ。 「きっとぱちゅりーたちのしわざよ!」 「ゆるせないわ!」 「しかえしにいきましょう!」 いきり立つありす達の一部に対して、食料調達を任されていた「とかいはありす」が必死に宥める。 「ま、まつのよ!いまここでさわぎをおおきくしてもむだなじかんをすごすだけだわ!みんなおちつくのよ!」 「でもごはんさんがないわ!」 「そういえばぱちゅりーたちはごはんさんをいっぱいもってるわ!」 「それをうばいましょう!」 全く言う事を聞かないありす達に「とかいはありす」はある提案を始めた。 「このくささんはちょっとおいしくないけどたべられるのよ!これはいっぱいあるからきょうはひとまずこれをあつめてたべましょう!」 「ゆ!でも!」 「いまおこったところでなんにもならないのよ!まだあきもはじまったばかりだからはなさんやきのこさんはまたなるわ!」 「ゆゆぅ・・・」 「とにかくきょうはこれをたべましょう!」 ・・・何とか収める事に成功した「とかいはありす」。 渋々と「とかいはありす」の下についていたありすが言われた草を集め始め、食べ始めた。 「む~しゃむ~しゃ・・・あんまりとかいはじゃないわ・・・」 「でもないよりましね・・・む~しゃむ~しゃ・・・」 「とかいはありす」も草を食べるが、量は少ない。皆に申し訳ないと言う念からだろうか、今となっては定かではない。 その日は渋々と戻った食料調達隊であるが、悲劇はその夜おとずれた。 ・・・・・・ ・・・ 「ゆぐぅぅううう!」 「うんうんがどばらないわああああああ!」 「ずっぎりぃぃぃ!ゆぎぃぃ!ぐるじいわぁぁ!」 「ゆぐっ!ゆぐっ!ゆげぇぇぇええ!げぇえええええ!」 「みんなどぼじだのおおおおおおおおおおお!?」 「とかいはありす」がフラフラと調子が悪そうに小麦粉の皮を動かしながら叫んだ。 驚くのも無理はない。突然「草」を食べたありす達がカスタードクリームを吐き出し、草混じりのカスタードクリームの液状のゆるいうんうんをまき散らしながらもがき苦しんでいるからだ。 草を食べたのは「とかいはありす」と共に食料を調達していたありす達。その数は約30。(ありす派は百体のありすをそれぞれ三つに分けているため) 少しでも食料を節約するために、共有する狩り場で取った食料は、「とかいはありす派」以外に与え、貯蔵に回したため、他のありす達は何とか無事だ。 だが、草を食べたありす達は全く持って無事ではなかった。 クイーンありすが木の枝や葉っぱを使って組み上げた自身の「べっど」の中は、あっという間に吐瀉物と汚物にまみれ、苦しみのた打ち回りながら汚していく。 「げぇえええええ!ゆげぇぇぇえええ!ぐるじっ!ぐるじぃわおぼっ・・・!げぇええええええ!」 「ゆぎっ!ゆひっ!ゆひっ・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 やがて30体のありすの殆どが寒天の白目をむいて痙攣を始めた。 カスタードクリームを出しつくしたためだ。 致死量を超えた吐餡のさらに限界を超え、痙攣しながらもなお口からカスタードクリームを吐き出し続けてあるありすは動かぬ饅頭となり果てた。 痙攣して突っ伏したあるありすは、蛇口を捻った水道の様にあにゃるからうんうんをだらだらと流しながら動かなくなっていった。 「みんなぁぁああ!どぼじでえええええええ!ごんなのどがいばじゃないいいいいいいいいいい!」 「とかいはありす」の声が辺りに響き渡る。 必死に「ぺーろぺーろ」等で看病していた他のありすや、大きな「べっど」に飛び散ったうんうんやゲロを掻き出していたありす達が茫然としてそれを見つめている。 ・・・こうしてありす派は、その三分の一を失う事となった。 クイーンありすが編んだ「巣」の片隅には、ゆっくりにとっては遅行性の毒草がポツンと積み上げられている。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・「れいむ派」→ゆっくりプレイス脱出を図る一派。ありす種、れいむ種、まりさ種で構成される。ゆっくりプレイスの西側にある森が拠点。数は150体 ・「ぱちゅりー派」→ぱちゅりーを頭目として越冬を目標とする一派、ぱちゅりー種を除いて全てがれいむ種とまりさ種。ゆっくりプレイスの北側にある洞窟が拠点。数は150体 ・「ありす派」→残ったありす達がクイーンありすの子ありすをリーダーに据えて団結した一派。約30体づつを三つの派閥にわかれる。ゆっくりプレイスの南側にある林とその端にあるクイーンありすが編んだ巨大な巣が拠点。数は現在約70体
https://w.atwiki.jp/koukyoulist/pages/94.html
・3800125:まさきち:暁の円卓 ・現在文族登録なので文章メインですが、絵も描けます。 i言語は勉強中ですが、たぶんいけます。 企画を考えたり、イメージを形にする作業がやりたいです。 ・駄目な曜日は基本的にありませんが、夜より日中の方が動けます。 (20時~24時はほぼ動けません)
https://w.atwiki.jp/jukai_bao/pages/20.html
現在はUIが変更されており、スクショと違う部分もあります。 (以下2019/9/9のじゅりさんのツイート)元ツイート 🌱タオバオアプリ使い方虎の巻🌱 くっそ適当にまとめたから気が向いたら見て 試しにアプリ入れたけどわかんねぇ〜〜〜て人向け このページけっこう色々機能詰まってる とりあえず見て おわり
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/814.html
『まりさの思い出』 虐待普通 俺設定満載です 『雪原のまりさ』の続きです 『まりさもおにいさんみたいにおもいでさんをとりたいんだぜ』 撮影旅行を終え帰宅して何を思ったのかまりさが突然こんな事を言い出した。 しかし自称プロのカメラマンの飼いゆであるのだから写真に興味を持ってもらう事は嬉しかった。 ゆっくりの視点での写真にも興味が湧いたので実験的に撮らしてみる事にする。 『ぐぎぃ・・・・ゆゅ・・・おもいん・・・だぜ』 判っていた事ではあるがデジタル一眼レフはゆっくりには重すぎた。 通販で購入したペン型のデジカメを改良する事にする。 まずはレンズの場所だが視点を再現するにはまりさの目の付近につけないとならない、これは帽子の縁に固定する事にした。 レンズが帽子についた時点で本体は帽子の中に入れて固定、リモコンスイッチはおさげに括りつけて咬む事でシャッターを切る。 試作であり耐久性は後日の課題としてまりさにテスト撮影をしてくるように言うと喜んで散歩に出ていった。 「さてはて・・・・どんな物を撮ってくるのやら・・・・楽しみのような不安のような」 まりさはとりあえず何時もの散歩コースを回る事にした。 まずは近くに居ついているありすに出会う。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『ありすをまりさのかめらさんでとらしてほしいんだぜ』 『かめらさん?』 人の道具の知識は無い野良であるありすは首を傾げる。 『おもいでさんをかみさんにのこすどうぐなんだぜ』 『とかいはねおねがいするわ』 『まかせるんだぜ』 大雑把な説明であるが同じゆっくりだからか何故か通じる。 『ちーずなんだぜ』 ブロォォォォォー ぶちゅ ォォォォォォォォ カシャ 『ゆ”ゆゅゅ!ありすぅぅぅぅっぅぅ!!!』 道路で撮影回なぞをしたが為にありすは車に轢かれてしまった。 気を取り直し散歩を再開する。 今度はここれでは見た事のないれいむを見つけた。 今度は離れた場所から撮影する事に・・・・ 『じじぃはきゃわいぃれいむのどれいにしてあげるよかんしゃしてね』 「・・・・・・・・。」 『ぐずはきらいだよ!はやくあまあま「死ね!」ゆ”ゅゅゅゅ!!!』 カシャ れいむは鬼井山に潰されてしまった。 『まただめだったんだぜ・・・・』 どうも上手く撮影に成功しない、落ち着いて撮れるようにこの時期はまだ人のあまり来ない河川敷で頑張る事にしてみる。 まだ冷たい風が吹くためか人はまったくいなかった。 川端まで行くと水面にプカプカと浮かんで野良まりさが水草を取っている。 ここなら鬼井山も居ないし自動車も来ない、これなら!とまりさは野良まりさを被写体にする。 『まりさ~ゆっくりしていってねぇ~』 『ゆゅ?ゆっくり・・・ゆ”ゅゅ!!おーるさんゆっくりもどって・・・』 ドポン カシャ まりさの知り合いのいつも元気一杯のちぇんが撮影しようとしていたまりさを見つけ元気に挨拶する。 これを野良まりさが反応してしまいオールを落としてしまい慌てて川に落ちてしまった。 『ゆゅ・・・またしっぱいなんだぜ・・・』 『まりさはなにやってるの?わからないよ~』 『ゆ?まりさはおもいでさんをあつめているんだぜ』 『おもいでさん?わからないよ~』 やはり野良には道具に対する知識が無いと言うかまりさの説明のしかたが雑だった。 その後、雰囲気で理解したのかちぇんも撮影する事になった。 今度は普通に河川敷に設置してあるベンチの上でちぇんを撮る。 『うごかないでほしんだぜ』 『わかったよ~』 『ちーずなんだぜ』 バサバサバサ カプ バサバサバサバサ~ カシャ 『わがないよぉぉぉ~』 撮影する瞬間にちぇんは烏に攫われていった。 『ゆ”ゆ”!じぇーーーーーーーーーん』 何度やっても撮影に成功しないどころか仲間を何匹も失っていく、まりさは少し落ち込んでいた。 落ち着くためにいつもの公園で休憩する事に・・・・・ 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね・・・』 公園には野良が沢山住み着いてはいたが大半は知り合いである。 まりさを見かけた仲間は皆まりさに声をかけてくれる。 流石に今日は友達2匹を亡くし、見知らぬとは言え他のゆっくりが永遠にゆっくりしてしまう瞬間を目撃してしまったのだから元気がなかった。 『むきゅん?どうしたのまりさ?』 ぱちゅりがまりさに元気がないのを気にかけてくれた。 『まりさにはおもいでさんをのこすしかくがないんだぜ・・・・』 『むきゅうぅぅぅ・・・・』 また経緯をすっ飛ばした返答をするまりさ でもまりさが落ち込んでいるのは分かってはくれたようだ。 『まりさはわるくないとぱちゅはおもうわ』 『でもみんなえいえんにゆっくりしちゃったんだぜ・・・・』 詳しい事情を聞いたぱちゅりーはまりさを慰めてくれた。 『むきゅん!ちぇんたちはうんさんがなかっただけよ。うたがうのならぱちゅをおもいでさんにしてみて』 ぱちゅりーはまりさに自ら被写体になる事を申し入れる。 まりさはぱちゅりーの厚意が嬉しかった。 『わかったんだぜ!おねがいするんだぜ』 ぱちゅりーを撮る事で名誉挽回のチャンスを貰う事にした。 まりさは今度こそカメラにおもいでさんを残すべく安全で確実な場所を探す。 考えに考えぬいた結果、ぱちゅりーをまりさの家に連れて行きおにいさんに手伝って貰う事にした。 『まりさのおうちまできてほしいんだぜ』 『むきゅん。わかったわ』 こうして二匹してポインポインと跳ねて帰宅した。 自宅につくと撮影した写真の整理をしていたお兄さんに説明し手伝って欲しい事をお願いする。 まりさのカメラに写っていたものを確認したお兄さんは思わず呟く 「お前は決定的瞬間を撮る才能が有るなぁ~」 写っていたのは・・・・・ タイヤに身体の半部を踏まれ顔が限界まで中身のカスタードで膨れて弾ける瞬間のありす 鬼井山に真上から踏み抜かれて餡が目口から噴水の如く吹き出ているれいむ 半身を水面に突っ込み沈む瞬間のまりさ 烏の嘴に咥えられる瞬間のちぇん どれも人でもピンポイントでは撮れない写真ばかりだった。 しかしこんな事でまりさの自信を無くしたくはないのでお兄さんはまりさの撮影を手伝う事にする。 まずはお兄さんの静物撮影用の作業代にぱちゅりーを乗せる。 そしてまりさが撮りやすいように丁度良い高さに撮影の台を作ってやった。 「これならどうだ?」 『ゆぅぅ~ありがとうおにいさん。これならおもいでさんをこんどこそのこせるんだぜ』 感謝の言葉を述べるまりさ、今度こそ撮影に成功しそうだ。 「ぱちゅりーは動くなよ、悪いなまりさにつきあわせてしまって」 『むきゅん!いいのよおにいいさん、ぱちゅはまりさのおともだちだもの』 『ゆゆゅ~ありがとうなんだぜ~』 こうして準備が整いカシャカシャと何度もシャッターを押すまりさ。 できた写真をすぐにプリントアウトしてやりまりさのベットの側に張ってやった。 『ゆゅ~ありがとうなんだぜおにいいさん。ゆっくりできるんだぜ~』 『むきゅん!とてもゆっくりしてるわ~』 どうやらぱちゅりーもまりさも満足できたようだ。 撮影も無事終わりお兄さんはまりさに尋ねる。 「でまりさはこのままぱちゅりーに帰ってもらう気か?」 『ゆゆ?』 理解できない様子のまりさ 「なんならぱちゅりーも置いてやってもいいぞ、なかなか賢そうだし撮影旅行に行っても留守番くらいできるだろ」 お兄さんの提案に驚き喜ぶまりさに対しぱちゅりーは困惑した様子で尋ねる。 『ぱちゅはのらなのよ?いいのおにいさん?』 「あぁ面倒みるのが一匹からに二匹になった所で手間は大して変わらないし、これだけまりさを事を思ってくれる友達だ大事にしてやらんとな」 こうしてぱちゅりーも愛でたく飼いゆとなる事となった。 予想どうりこのぱちゅりーは賢く少々の撮影旅行で家を空けてもしっかり留守番をちゃんとこなしてくれた。 そのうちまりさとの間に子供もできるだろう、そうなれば出かけても寂しくもなくなる。 まりさの最初の作品は被写体と共にまりさの宝物となった。 雑誌の裏に載っていた通販のペン型カメラを見て思いつきで書きました。ゆ虐がないとゆっくりできなとあったのでどうにか加えられないかと思案した結果こう言う形になりました。 あいかわらず可笑しな文章ですがご了承ください。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク 挿絵:儚いあき
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/887.html
バケツまりさ 15KB ・ゆ虐度数はC-(ぬるめ)です。 バケツまりさ 「昨日は雨さんが沢山降ってきたけど 今日はご飯さんが沢山降ってこないかな」 雨上がりの朝、町で過ごすゆっくりまりさは餌を探していた。 水溜りを避けるため道路を右往左往しながら。 目的は餌場でありその場所を目指してはいたのだが 場所の当ては何もなくたださまよっているに等しかった。 雑草のひとつでも生えていれば口にでも突っ込むのだが 町で住むゆっくりにとって雑草はお気軽な食料で 見付けられる様な場所にある場合すぐ食べられてしまうし 人間さんが作った道路の近くではそれすらもあまり生えてこない。 はぁ~と、ため息をついてるとまりさの全身に衝撃が走った。 「ゆがっ!!」 まりさはぼいんぼいんと鞠のように弾みながら吹っ飛ばされる。 一旦飛ばされると、途中で踏ん張る等の防御方法はまったく取れない。 まりさは吹っ飛んだ後もそのままごろごろと転がっていき 奥にあったゴミ捨て場に突っ込むことでようやく止まった。 「んあ、ゆっくりか。 蹴っちまったな、わりーわりー」 携帯電話を片手に持った人間がうっかりした表情で まりさの方に話しかける。 「ぐーるぐーる」 「おーい、ゆっくり大丈夫かー?」 目が回っているまりさには、それを聞き理解するのは困難だ。 人間はまりさを見てふき出し、携帯電話のカメラでまりさを撮った。 ぴろりろりん。 「ぷはwwwコリャ傑作だわ」 人間は先ほど撮った携帯電話の画像を見て もう一度まりさを見ると笑いながらその場を去っていった。 「ぐーるりぐーるり」 人間の持つ携帯電話には目を回したまりさの画像が映っていた。 そのまりさの頭の上部にはいつもある黒い帽子ではなく 緑色をしたプラスチックのバケツがズッポリはまっていた。 そして、まりさはしばらく起きることが出来なかった。 我に返ったまりさは自分の住みかに戻ってくることが出来た。 口には戦利品がくわえられている。 そしてバケツはまだ頭に被った状態のままであった。 まりさがたどり着いたそこはまりさのゆっくりプレイスであり 空き地にコンクリート製の土管が3本積み重ねて置いてある。 生まれたすぐ後からこれまでずっとその上で生活を行ってきた。 土管の中は空洞になっていたので、中でよく雨風をしのいだものだ。 「やれやれ、今朝はなんだかひどい目に遭ったよ う~ん。まだ調子悪いのかな。肩さんがとても重いよ でも、そのおかげか、ご飯さんが降ってきたから運がいいね」 まりさはありもしない肩がさもあるかのように首を左右にかしげる。 まりさがご飯さんと呼ぶ戦利品のコンビニ弁当だが 先ほどまりさが突っ込んだゴミ捨て場にて見付けたものだ。 半透明のゴミ袋の中から丸見えだったため簡単に探すことが出来た。 久しぶりにありついた豪勢な食事を一生懸命口にする。 満足な食事をしながら、頭上に広がる澄み切った青空を満喫していた。 「今日はなんだかいつもよりお空さんが沢山見えるよ きっと雨さんが晴れたからお空さんもゆっくりしているんだね まりさもとってもゆっくりしているよ」 まりさは空を見上げたままゆっくりと眠りについた。 「むきゅーーーーーん たじゅけてーーーーーー」 昼寝をしていたまりさはゆっくり出来ない声で目が覚めた。 「おがあじゃん、目をさましてーーーー!!」 まりさは声の方向へ走る。 なにかしらの影が見えたので、まりさは飛び込んでいった。 「まりさのなわばりでゆっくり出来ないことは許さないよ!」 飛び出したまりさはそこでの散々な有り様に目を疑った。 潰れたゆっくりが1体。ぱっと見て助からないことがわかる。 ゆっくりの中身である餡子が止め処なく流れ出していた。 そして追いかけるものから走り逃げるゆっくりが1人。 逃げているゆっくりはピンクの帽子をかぶったぱちゅりーであった。 その逃げるぱちゅりーを追いかけている、片手に棒を持った人間が1人。 人間さんの大きさで比較すると小さい方に見えるが それでもバスケットボールぐらいのゆっくりの5倍はある。 「ひゃはー、ぎゃくたいー!」 「むきゅきゅーーーー 誰かだじゅけてーーーーーーー」 まりさは一度こういう場面を遠くから見たことがあった。 だから潰れたゆっくりは人間がやったことだとすぐわかった。 人間にはゆっくり出来ないそんな悪い人間がいる。 そして、とてもゆっくりしているゆっくりが妬ましいのか襲い掛かる。 まりさは普段から腕っ節が良いほうで 子供ゆっくりにすっきりをしようとしたレイパーや 縄張りを荒らすゆっくりを幾度も追い払ったことがあった。 人間がゆっくりを潰そうとしたときも まりさはその悪い行為を制裁するため駆けつけたのだが 人間は事が終わると煙の様にその場から消え去っていったため 人間にやられ事切れ残されたゆっくりしか見たことは無かった。 だからこそ、まりさはまだ生き残っているゆっくりを見て駆けつけた。 これ以上の被害は出してはいけないと。 人間が手持ちの棒で逃げるゆっくりに殴りかかる。 「あぶない!」 まりさは走るが、まだ遠い。 このままでは棒がぱちゅりーに当たる。 ブン!! 人間が棒を振り下ろしたがそれは当たらず 逃げるぱちゅりーのピンクの帽子を吹き飛ばすだけで済んだ。 ほっとしたのも一瞬、キッと目を細めるまりさ。 「これは勝機だよ!」 まりさは空振りしたことによりたたらを踏んでいる人間に 真横から思いっきり体当たりをした。 バランスを崩していた所を横から押されたため簡単に転ぶ人間。 まりさはあっけなく倒れた人間を見て相手の力量を悟った。 「よし、もう一度体当たりをすればヤレル!」 まりさは力を入れるため思いっきりためを作る。 人間は、転んだままくるっとまりさの方を向いて棒を握りなおした。 「むきゃ! 油断はきんもつよ!」 逃げていたと思ったぱちゅりーがまりさに向かって叫んでいた。 その声を聞いたまりさはフッと笑った。 「ゆっくり見てるんだぜ、ぱちゅりー まりさはこれまで悪いゆっくりを9体もたおしてきたんだぜ 今、目の前にいる悪い人間さんも制裁してやるのぜ ぱちゅりーは悪党10体制裁の祝いをどうするか心配するのぜ」 ためた力を一気に開放し人間へ跳躍するまりさ。 人間は転んだ体制のまま棒を使ってまりさに殴りかかった。 ガイィーーーン!!! 「ゆげ!!」 「うわぁ!」 ゆっくりと人間の声が重なった。 頭から一刀の元にやられた!! まりさは考えていなかったその結果自身に絶望した。 人間の動きは早く、まりさの頭天辺へ棒の一撃が綺麗に決まったのだ。 まりさはそのまま死を覚悟した。 くちおしや、まりさも今まで人間にやられて来た中の1人になるなんて。 ぼいん。 衝撃はあったものの地面にまっすぐ落ち、まりさは驚いた。 さほど痛くない。 殴られたらしき頭は無事のようだ。 やはりこの人間は強くない。勝てる。まりさに負ける要素が無い。 「なんだこいつ!! バケツなんかかぶりやがって!!」 人間もまたまりさのタフさに対して驚いているようだ。 しかも、今のまりさの一撃で人間は持っていた棒を落としたようだ。 「なんだかチャンスなんだよ まりさが人間さんなんかに遅れをとるわけないでしょ?」 「むきゅ!!すごい!人間さんが悲鳴を上げたわ! このまま人間さんなんてやっつけるのよー!!」 人間は起き上がったが、まりさがその足へ体当たりを仕掛けた。 「いったーーー! 脛に当たるなんて卑怯だぞ!!」 「戦いにひきょうもひほうもないんだぜ!」 まりさは人間へそう言い切った。 「そのバケツをとってやる!!」 人間が突然ジャンプし、上から全身でまりさに覆いかぶさった。 まりさはその重みで潰れるかと思った。 「うぶっ、体だけは大きいなんて人間さんは本当に汚いね こらー、まりさを離してね!離してねー!!」 人間はまりさへのしかかっていた体重をあっさり引き離す。 それと一緒に、まりさが被っていた帽子は人間に引き剥がされた。 美まりさの象徴である大切な帽子を。 それをこんなよわっちい人間なんかに! 「やめてーーー まりさの帽子を取らないでねーーー! すぐ返してねーーーー!!!」 まりさは今にも泣きそうな目で人間に訴える。 だが、まりさが人間の手に取ったバケツを見て驚いた。 「バケツさん?」 なんだ、まりさの帽子は取られてないじゃないか。 「ぷふ、人間さん、今頃新しい武器を出しても遅いよ 最強のまりさにびびりまくってるのが一目瞭然だね」 「何言ってんだ、これはお前のものだろ」 人間はまりさにバケツを投げつける。 「あだっ まりさの頭に傷がついたらどうするの!! ・・・って、あれ?? 帽子さんがないよ???」 まりさは気がついた。 素の頭に衝撃があったことで気がついた。 やっぱり、まりさの帽子がない。 「人間さん!!! まりさの帽子さんをどこにやったの!!!」 「ばーか、そこに転がってるだろ」 そう言って、転がったバケツを指差す人間。 「これはバケツさんでしょーー!!」 まりさはきょろきょろして帽子を見つけた。 慌てて駆け寄ったが、色が違う。 先ほど逃げていたぱちゅりーが飛ばされたものだった。 「まりさの帽子さん、こんなところにあったよ! って、違うよ!! こんなド派手なピンクの帽子さんじゃないよ! しかもちょっと小さいし!」 「これはぱちゅりーのお帽子さんよ!! ゆっくりかえしてね!」 まりさを見て近くによってきたぱちゅりーがその帽子を拾い そのまま被ると帽子はぱちゅりーにぴったりとフィットする。 それを見てまりさは自分の帽子がないことを再認識する。 「まりさの帽子さんは?? まりさの帽子さんは??? どこいったの?まりさの」 「うるさいな! 返せばいいんだろ! お前の帽子また被せてやんよ!」 人間はバケツを両手で掴むや、まりさの頭にずぽっと被せた。 「ゆんやぁーーー!! こんなのゆっくりできないーーー!!!」 その時、遠くから別の人間の声がした。 「こらーー! 糞ガキーー!!」 目の前にいる人間の倍の大きさはあるだろうか。 それほど大きさに違いがある人間がもの凄い勢いでやってきた。 「やば、カミナリオヤジ来た!」 まりさにバケツを被せた人間はビクッと立ち上がった。 「むきゅきゅきゅきゅきゅきゅ! 人間さんが仲間を呼んだわ! あ、あれは大人の人間だわ!! もうだめだわーー!! 捕まって殺されるーーー! えれえれ・・・」 周りが騒がしくなってきていたが バケツを被ったまりさは直接は見えない頭上のバケツを見ようと 目玉がひっくり返るぐらい上向きになっていた。 「帽子さん帽子さん まりさの帽子さん? そういえば、つばがないよ?? バケツさんがまりさの帽子さんなの?? まりさの帽子さんがバケツさんなの???」 呪文の様に呟くまりさにしがみ付くため ぱちゅりーは自分で流れ出した中身をじゅじゅじゅと吸う。 「むきゅきゅ・・・じゅる・・・! ぱちゅりーとまりさ、人間さんに挟み撃ちになっちゃったわ? まりさどうじゅるる?? さすがの・・じゅる・・・けんじゃにもわからないわーー!!」 人間がもう1人近づいているにも関わらず まりさ達はそれに対処できず、その場にいることしか出来なかった。 「バケツのお前、覚えたからな!」 そう言うと子供の方の人間はくるっとまりさに背を向けると走っていく。 「こらーーー!! 道路にゆっくりを撒きちらかすんじゃないぞーー!! 掃除していかんかーーー!!!!」 「むきゃーーーー!! 潰されるわーーーーーー!!」 大人の人間はまりさ達は眼中になく子供の方を真っ直ぐ見ていたため まりさ達の存在を意識していなかった。 「そうだ、帽子さんをゆっくり脱いで確認するよ・・・」 まりさは帽子であるバケツをはずしてみる。 そのとき丁度まりさの顔面ぎりぎりを、大人の人間の足がかすめる。 大人の人間はまりさがはずしたバケツに足を突っ込む形になった。 「ゆ゛??ゆ゛??ゆ゛??」 踏み込んだ足はそのままバケツによって後ろの方へ大きく滑り込む。 「ぐもぉぉぉぉぉぉおおおおおお」 大人の人間は思わぬ事態に対応できず派手にその場に倒れこんだ。 大人の人間は咳き込みながら立ち上がる。 子供の人間も咳き込んでいた。笑いすぎたらしい。 「やーい!ばーーかぶぁーーーか! ゆっくりで転んでんなよ!! だっせーんだよ!!超うける!」 「このガキャーーーー!!!」 転んだ理由はまりさだったのだが、大人は怒り沸騰子供しか見ていない。 そのまま子供の人間を追いかける形で大人の人間は走っていった。 二人の人間はあっという間にその場からいなくなった。 「む、むきゅーー!!すごいわ!! まりさはすごすぎるわーーーー!! 人間さんを2人ともやっつけちゃったわ!!」 あまり元気のないまりさの隣では 中身を完全に食べなおしたぱちゅりーがはしゃいでいたが とても一緒に喜ぶ気にはなれなかった。 まりさは人間に踏まれて飛んでいったバケツを拾いなおす。 「ゆう・・・」 まりさはバケツを脱いだり被ったりしながらその感触を確かめていた。 「ぴったりくるし、しっくりくるよ 産まれたころから被っているからこそわかるよ このバケツさんこそまりさの帽子さんなんだよ まりさの帽子さんはバケツさんになっちゃったよ」 落ち着きを取り戻したぱちゅりーがまりさに近づいてくる。 ぱちゅりーはバケツを取ったまりさをゆっくり見たことで まりさがまりさ種であることにやっと気づいた様だ。 もっとゆっくり見たならばまりさの頭上部の形がバケツの形に 変形していたことがわかったのだろうが、そこまでにはいたらなかった。 「まりさはまりさだったのね 帽子さんがそんなんだからわからなかったわ でも、とってもゆっくりしているわね」 「ゆ?」 「まりさは人間さんも倒しちゃうし 何も出来ないぱちゅりーと違って とってもゆっくりしたゆっくりなのだわ」 「ゆ?そうかな?」 「そうだわ! 帽子さんも硬くて強そうだわ! いいえ、それはけんじゃのちしきだと兜だとおもうわ えらばれしゆっくりだけが手に入る兜なのだわ」 「このバケツさんはかぶとなの? まりさはえらばれしまりさなの?」 「そうよ、まりさは伝説のえらばれしゆっくりなのだわ!! 大人の人間さんもなぎ倒すなんて普通は出来ないわ! 伝説のゆっくりがいるなんてけんじゃですらわからなかったわ」 「ゆっへん!! ぱちゅりーは実に幸運だよ! 伝説のまりさがたまたま通ったことにね!」 「ほんとだわ!! ぱちゅりーは町のみんなに 伝説のゆっくりが現れたこの出来事を伝えていくわ」 「てれるぜ・・・ほどほどにしてくれよな」 その後、ぱちゅりーの母親であるゆっくりの亡がらへ黙とうすると まりさとぱちゅりーはそれぞれの住処へと分かれた。 「どこでまりさは選ばれたんだろう・・・」 夕方、まりさは1日の行動を振り返ってみた。 昨日はもう、雨のことしか覚えていなかったけど おとといはまだバケツが帽子だった様な気がしたからだ。 今はすごい強いかぶととして頭の上に乗っかっているとはいえ まりさはまりさを象徴するお飾りである黒い帽子に未練があった。 「まず ご飯さんを食べたいなーと思っていたんだ」 そう考えながらまりさは町の中をぶらつく。 朝は溜まっていた水溜りもすっかり無くなったようだ。 「ひそひそひそ・・・」 「くすくすくす・・・」 「ふふふふふ・・・・」 ふと、すれ違う人間がまりさを見てにこやかな顔になっていた。 まりさはなんだろうと考えた。 今日は悪い人間さんもやっつけてとてもゆっくりしたんだ。 そうだ、ゆっくりしたまりさを見ると人間もゆっくりするんだ。 伝説のまりさを見て、人間がまりさにびびりまくっているのも それはそれで気持ち良いものだとは思ったが まりさはゆっくりした人間を見るのも悪くないと思った。 「途中にまりさの帽子さんは落ちてなかったな・・・」 どこをどう歩いてるか、自分でもわからなくなってきたころ 既にゴミが回収されていたゴミ捨て場にたどり着いた。 「それから・・・ えっと? 気づいたらここでご飯さんが降ってきたんだ」 まりさは頭のバケツを脱いでその場に置くと すぐさま上に乗っかり周りを見渡した。 バケツに乗って上から見下ろせば 普段ゆっくりに見えないものも見つけられるはずだ。 だが、ゴミが捨ててあった場所やその周りには何もない。 まりさはバケツの上でため息をつく。 後は何をしただろうか。 「そして、おうちでご飯さんを食べたら眠くなって・・・」 あれ??? その後は悪い人間からぱちゅりーを助けて そこでバケツを被ってることに気づいたんだよ! 「選ばれるってのは突然なのかな・・・ もしかして・・・帽子さんが突然へんけいしたのかな このバケツさんはまりさが産まれたころから ずーと被っている帽子さんなんだよね」 無理矢理自分を納得させたまりさは さっき助けたぱちゅりーを思い出した。 「ゆ! こんなことで落ち込んでいられないよ まりさは最強のかぶとさんからえらばれたゆっくりだからね! 悪い人間さんがいても追い払えるんだからね」 その時まりさは「お巡りさん」と呼ばれる人間が通っていくのを見て 悪い人間を捕まえる「お巡りさん」がいることは聞いて知ってはいたが ゆっくり殺しをした人間を捕まえなかった話を聞いていたので なんて役に立たない人間なんだろうとまりさは思っていた。 まりさは「そうだ」と言うと、バケツの上からぴょんと飛び降りた。 「まりさはパトロールをするよ! 伝説のまりさが治安管理をすれば この町はゆっくりも人間さんもみんなゆっくり出来るよ! これはえらばれしまりさにしか出来ないことだね!」 そう言うと、まりさはバケツを被り直し夕焼けを背に歩き出した。 ところで、まりさが最後にいたゴミ捨て場だが そのゴミ捨て場の金網で出来たフェンスの上の方に コンビニ袋に入ったある黒いものと紙切れが挟んで置いてあった。 紙切れにはこう書いてある。 「帽子が落ちてました 雨に濡れないように袋に入れてあります」 だが、その中身を取りに来るものは一向に現れなかった。 今日も緑色のバケツを被ったゆっくりが 町中をぽよんぽよんと元気に巡回している。 おわり あとがき 4作目っす。前回は書き足りないSSですいませんでした。(作品は消してます) 今回は反省して書けるだけ書いてみましたが、いたらなかったらすいません。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 翌日のニュース 「○○市にて、バケツを被ったゆっくりまりさを中心におよそ100匹の野良ゆっくりが突如、 下校中の小学生たちを襲うということが発生しました。 ゆっくりは同じく下校中の高校生により10分ほどで全て駆除され、 小学生も含め全員怪我はありませんでした。 ゆっくり専門家の鬼威惨によると 「何かの拍子で人間よりも強いと勘違いしたゆっくりの暴動でしょう。 たまに発生するので我々が定期的に駆除していたのですが、 どこぞの愛護団体の横槍でここ最近駆除活動ができなかった影響が出たのでは?」 とのことです。以上ニュースでした。」 -- 2018-01-24 11 59 07 ぐもおおおぉぉぉぉwwwwww -- 2013-04-05 10 37 54 このガキャーーーふいたwww -- 2013-01-22 18 14 09 まりさにだれか教えてやれ。 -- 2011-01-18 00 44 54 まりさは死んでいればそれでいい -- 2010-12-11 12 40 26 ぬるめじゃなくて愛でレベルだなこりゃ 自分の考えたバケツまりさに甘くなるのはわかるが 作品にもしまりがなくなっちゃってるね -- 2010-10-27 06 51 07 バケツまりさいいなw パチュリー以外のゆっくりに見られたらどうなるんだろうか? -- 2010-10-09 20 31 26
https://w.atwiki.jp/jukai_bao/pages/21.html
現在はUIが変更され、スクショと違う部分もあります。 (以下2019/6/12のじゅりさんのツイート)元ツイート 【タオバオで商品を探す方法】 https //m.intl.taobao.com/ トップページの検索窓「搜索宝贝」にキーワードを入力してください。 基本的に中国語での入力となりますので、翻訳アプリ等を使用してください。 官方=公式という意味です。画像2枚目は第五人格の公式グッズを探す際のキーワードです アプリ版の場合はサクッと画像検索も可能です。 (今回はリッパーぬいのスクショで検索しました) アプリ版はトップページの「分類」からの検索もサクッといけます。ジャンル別検索が可能です。 スマホ操作の場合はアプリ版タオバオが圧倒的に便利です ↓画像検索の様子 ↓ジャンル別検索トップ ↓アプリアイコン 代行業者に依頼する際は、商品ページのURLが必ず必要になります。 ブラウザで閲覧されてる時のURLコピーの方法は割愛しますが、アプリ版でも商品URLの取得が可能です。 「復制链接」をタップすれば商品URLがコピーできます。 まろのすけ註釈 商品名長押し→ 拷贝链接をタップでも商品URLがコピーできます(iPhone)