約 1,516,102 件
https://w.atwiki.jp/dqff1st/pages/580.html
魔物の騎士とネズミの竜騎士は、同じ景色の続く荒野を歩いていた。寂寥感が募る寒々とした大地。 見るものもなく乾いてしまいそうな心に突然やってきた魔の時刻。 放送だ。 ゾーマの放送は呪いの言葉と呼ぶにふさわしかった。 ビビが死んだ。どこで最期を迎えたのかもわからない。 ただ事実だけが告げられて二人は呆然とした。 「また大事な仲間が一人……」 フライヤがつぶやくと、ピエールは堰を切ったかのように泣き崩れた。 騎士の目から溢れる涙が足下まで伝い、スライムの緑の肌を濡らす。 常に緩んだ口元に笑みを絶やさなかったスライムも、まるで怒っているかのように顔を膨れ上がらせていた。 二人を包む空気はずっしりと重い。 フライヤはピエールにかける言葉が見つからず、しばらく何も言えなかった。 (泣きたいのは私も同じだ……) 何しろあのビビだ。可愛らしいほんの子供としか思えなかったビビがだ。死の予兆など まるで感じられなかった。 自分の命に限りあることを知ったあの黒魔道士は、来たるべき時を迎えるまで懸命に生きようとしていたのだ。 それをこんな形で、こうも簡単に。 ビビへの想いが張り裂けそうなほどに募ってくる。 フライヤは懸命に、激しく暴れ回る感情を抑えつけた。 (二人揃って大泣きして何になる) ぐっと歯を食いしばり、流れ出そうになる涙を堪えた。 「ピエール、つらいじゃろうが立ってくれぬか。 ビビに手向けたい」 ピエールはうずくまったまま動かない。 傍らのスライムが震えながら瞳を大きく見開いている。 まってくれ、とでも言いたげな目だ。 フライヤは待ち続けた。 数分、しかしピエールは立ち上がろうとはしなかった。 「わかった……」 フライヤは、動かないピエールを横目にエストックを取り出すと、天に高く掲げた。 (ビビ、何もできなかった。すまぬ……) エストックが太陽を浴びて、荒野に一条の光を導き出す。 それは遠くどこまでも続く。 きっと、ビビは輝いていた。 手に握る剣が指し示した光のように。 フライヤは目を閉じ、嘆息した。 【ピエール 所持品:珊瑚の剣 第一行動方針:ジタンとビビを探す 第二行動方針:とんぬらを探す 最終行動方針:ゾーマ打倒】 【フライヤ 所持品:エストック 第一行動方針:ジタンとビビを探す 最終行動方針:ゾーマ打倒】 【現在位置:ロンダルキア南】 ←PREV INDEX NEXT→ ←PREV フライヤ NEXT→ ←PREV ピエール NEXT→
https://w.atwiki.jp/yukimi0/pages/245.html
気味が悪いと思われているのが半分。馬鹿にされているのが半分。 ユウナ=ロマ=セイランに対する周囲からの評価はそんなものだった。 珍妙な仮面については、先の戦争中に大怪我を負ったためだと知られていた ため、同情も手伝ってあからさまにはやし立てる者はいない。 しかしながら過剰に芝居臭い台詞回し、眠るときにはナイトキャップに抱き枕を 手放さず、カスピ海を行く船に乗せてみれば十分と立たずに船酔いに苦しんでしまう。 こんな彼を見て、誰が彼をオーブ五大氏族の出身だと気付くだろうか。 ユウナ自身が周囲に正体を明かさなかったこともあるが、とりあえずこのレジスタンスに おけるユウナの存在は、路傍の石より少しマシ、程度なのであった。 東ユーラシア政府の圧制に耐えかねて、コーカサス独立軍が蜂起を目指したものの、その組織の脆弱さから治安警察に呆気なく鎮圧されて少し経った頃のことである。 統一連合や現地政府に対する不満は消えておらず、反乱の火種は治安警察介入の以前よりもはるかに高まっている。 レジスタンスを虫けらのように駆逐する治安警察(ひいては統一連合)からも、その介入を跳ね除けられずにレジスタンスばかりに矛先を向ける現地政府からも、人々の心は完全に離れてしまっていた。 だが、もともと民族や宗教が入り混じり、地理的にも連絡連携の取りにくい土地柄である。抵抗運動はどれも小規模な不満の噴出にとどまり、結局そのたびにあっけなく鎮圧されて終わり、ほとぼりの冷めた頃にまた運動が活発化する。そういったむなしい連鎖ばかりが続いていた。 この「コーカサスの夜明け」を名乗る集団も、名前こそ立派だが、実態は単なる弱小レジスタンスの一つに過ぎず、たまに治安警察の詰め所を爆破したり、現地政府の悪徳役人宅に銃弾を撃ち込む程度の行動しかしていない。 唯一の利点はリーダーの交友範囲が広く、過去のコーカサス独立軍主要メンバーのほとんどと連絡をとりあええるということだけだ。 しかしそこで主導権を発揮するようなまでの逸材ではないため、せっかくの利点も埃をかぶっている状態だった。 そんな「コーカサスの夜明け」が三人の客を迎えたのはつい二ヶ月前のこと。 以前からレジスタンスに資金協力をしてくれている某スポンサーから、ぜひメンバーに加えてやってほしいと推薦を受けたのだ。 一人は神経質そうな表情の眼鏡の男性だった。彼はサイと名乗り、メカニック関係に非凡な才能を発揮した。今では組織の機械で彼の手が入っていないものはないほどである。 もう一人は本名が不明の女性。センセイと呼ばれている。 彼女は医師免許を持っているようで、医薬品が常に不足する現状にあって、最大限の治療をしてくれるとレジスタンスのみならず地元住民からも絶大な信頼を集めるにいたっている。 そして、最後がユウナである。 彼だけは、前掲の二人とは違い、レジスタンスでの存在意義を認められるにいたっていない。 事情は、すでに述べたとおり。この状況で、信頼を勝ち取るのは無理と言うものであろう。 果たして、ユウナは何をしていたのか。雑用係に甘んじていたのである。 昨日は皿洗い、今日は洗濯、明日は多分アジトの掃除であろう。とにかく人の嫌がる仕事を進んでやっていた。 それも、嫌がるそぶりはまったくない。積極的に、かつとても楽しそうにやっていたのである。 手際はとても誉められたものではない。はっきり言って、常人の二倍は時間がかかっている。 しかし、まるで初めて手伝いをする子供のように、何もかもが新鮮な体験のごとくしきりに感心をしながら、手を休めることなく熱意を持って雑用をこなしてゆくのだった。 そのため、仮面のせいで気味悪がられたり、行動の奇妙さのせいで馬鹿にされたりしながらも、ユウナは完全に邪魔者扱いされるまでにはならなかった。 それで、路傍の石よりはマシ、程度となったわけである。 「おい、ユウナさん、ちょっといいかい?」 そう声をかけたのは「コーカサスの夜明け」のリーダー氏である。外見は単なる人好きのする中年男性だ。もっともその外見にたがわず、正体も単なる人好きのする中年男性である。 交友範囲の広さと、人当たりの柔らかさのおかげでリーダーに祭り上げられてはいるが、 ほんとうならば町内の自治会長あたりが似つかわしい人物だ。 本人もそれを自覚してはいるのだが、 弱小レジスタンスでは他にリーダーになり手もいないのが現状なのである。 リーダーに声をかけられ、ユウナは雑巾をしぼる手を止めた。今日は廊下の雑巾がけをやっていたらしい。 「まあ、こっちに座れや」 彼は廊下の一隅にあった弾薬の空箱を指差した。ユウナは素直にそこに座る。リーダーもその隣に腰掛けた。 「相変わらず、精が出るな。そんなに掃除が楽しいかい?」 半分皮肉混じりの台詞だったが、ユウナは表情を崩した。 「ええ、ええ、楽しいですとも。不肖このユウナ、今まで掃除がこれほど楽しいものだとは知らずに人生を過ごしてきました。まったくもって不徳の極み」 ほうっておくと、世界における掃除の哲学的意義まで語りかねないユウナを制して、リーダーは言う。 「ま、まあ不徳の極みかどうかはいいけどよ」 ため息をついて、話題を当初の意図したところに戻そうとする。 「普通、レジスタンスに参加する奴は、こんな仕事を嫌がるもんさ。治安警察や政府相手にドンパチやらかしたい血気盛んな奴ばかりだからな。雑用を言いつけると大体、そんなもんは女子供の仕事だと鼻にもかけないのが普通だ。なのに、アンタは嬉々としてその雑用をこなしている。それが不思議でたまらんのだよ」 心底不思議そうに尋ねるリーダー。それに対して、ユウナが答える。 「ほほう、この仕事が女子供の仕事だと言う者がおりますか。それは不届き千万ですな。 私も故郷にいたころは、そんなものは召使がやるものと思っていましたが、これでなかなか、掃除に炊事に洗濯といった作業は奥深いものですよ」 「そんなに奥深いもんかねえ」 少しため息混じりに言うリーダーに、ユウナはさらに言い募る。 「ええ、ええ、非常に奥深いですよ。このレジスタンスの構成人員が123人であることも、武装要員が111人に対して後方要員が12人とバランスがやや悪いことも、食料調達は十分でも弾薬の確保に苦慮していることもすべて分かります」 「そうそう、それに俺も苦労しているんだ、って、おい、ちょっと待て!」 リーダーが血相を変えて立ち上がる。 「ど、どこでそんな情報をつかんだ! それは組織の中でも機密事項にあたる情報だぞ、まさかアンタ!」 ユウナはにらみつけてくるリーダーの視線を、平然と受け止める。普段つけている 仮面がこういうときには、なぜか相手に強い圧迫感を与える。 「なあに、洗濯物の数と種類を注意深く観察していれば、レジスタンスの構成人員などすぐに推測できます。その役割もね。 掃除をしていれば、食料庫に比べて弾薬庫が空の時が多いことも明白です。料理の内容からも、食料には困っていない事実が分かりますし。雑用などと馬鹿にするものではないですよ。 日常生活では、人は嘘をつきませんから。色々と得られる情報も多いというものです。」 理路整然と説明するユウナを、リーダーはただ呆然と眺めるだけであった。 これを契機に、リーダーはユウナと話す機会が多くなり、その見識の広さと判断の正確さに舌を巻くようになる。 重要な判断をするときには必ずユウナの意見を聞いてから判断するようになった。それが周囲にも徐々に知れ、ユウナはリーダーの参謀役としての地位を固めてゆくのであった。 ユウナが、東ユーラシア最大のレジスタンス組織「リヴァイヴ」のリーダーとなるまでには、もう少しの時を待たなければならない。 それは、あらためて語る機会もあるだろう。
https://w.atwiki.jp/gregminster/pages/77.html
∞ それぞれの旅立ち 次の日の朝、客人たちは名残を惜しみながらめいめいの方角へ旅立っていった。 「また来てくださいね――」 と呼びかけたコルセリアに、客人たちはみな「必ず来るよ」と約束して去っていった。 コルセリアは、彼らの姿が地平線に消えるまで見送っていた。キリルは、彼女の後ろで、客人を見送るコルセリアの後ろ姿をずっと見つめていた。 「行っちゃったね」 とキリルは言った。 「ええ。毎年、この瞬間が一番寂しいわ。早く来年が来ないかしら」 「そうだね、早く来年――――」 言葉が途切れた。 「キリル?」 振り返って、不思議そうにキリルの顔をのぞき込むコルセリア。碧い瞳は10年前と変わりなく、澄みわたっていた。10年前に初めて出会った時、彼女は瞳と同じ色の帽子を被っていて、その青い色に強く印象づけられたことを覚えている。彼女は、今また同じ色の、キリルが贈った帽子を被って、同じ色の瞳でこちらをまっすぐ見つめていた。キリルは、帽子ごと彼女の頭を胸に抱き寄せた。 「キリルってば、どうしたの」 「……おまじないだよ。コルセリアが寂しくないように…………」 キリルは、目を閉じて、長い間、心を込めて「おまじない」をしていた。 「ふふ……、もう、寂しくなくなった?」 「もう、寂しくなくなったわ」 「よしっ」 ぽんっ、とコルセリアの背中を一つ叩いて、キリルは手を放した。 「ありがとう、キリル」 「どういたしまして、コルセリア」 キリルは彼女に向かってにっこり笑って見せた。 いつもと何も変わらないように。 キリルが姿を消したのはその1週間後だった。 行き先は、誰にも告げなかった。 ただ、枕元に一通の手紙が残されていた。その手紙にはこう書かれていた。 『僕はこれから旅に出ます。 セネカ、アンダルク、アリア、コルセリア いままで本当にありがとう』 同じ日の昼頃、ローブを羽織った色白の女が一人、キリルのもとを訪ねてきた。あいにくキリルと入れ違いだったことを知ると、女はたいそう残念がった。女はキリルがいつまでも若いままではなかったか、と尋ねた。そうだったかもしれないがよく分からない、と残された者たちは答えた。女は礼を言って北の方へと去っていった。 翌朝―― 朝焼けの照らす丘にコルセリアは立っていた。 まだ冷たい東風が白い両頬を叩き、金髪を巻き上げた。 コルセリアは唇を噛締め、首から提げた小さな木彫りの人形を握りしめた。 セネカが、昔、キリルから貰ったもので、大事に身につけていたものを、自分の代わりに、と言って彼女にくれたのだった。 それから彼女はキリルにもらった帽子をしっかり被り直した。 「キリル………私、寂しくなんてないわ……………」 どれほどの時間そうして立っていただろうか。 やがて白いローブの男が杖をつきながらゆっくり丘を登ってきた。 「捜しに行くのだな」 「はい」とコルセリアは小さく、しかし力強く答えた。 「あの時、私はキリルの帰りを待つことしかできませんでした。 だけど、もう、待ちません。 今度は私が探しに行きます――――」 「アテは、あるのか。」 「確信はありません。少しでも可能性のあるところを回ってみるつもりです。」 「そうか」 ローブの男は、それから目を閉じてしばし思いを巡らしていた様子だったが、やがておもむろに 「わしも行こう」 と言った。 「少しは……そうじゃの……“責任”があるからの」 「シメオン様……!」 胸に詰った思いが、堰を切って碧い瞳から溢れ出た。 「ありがとうございます」 涙を流したまま、コルセリアは深々と頭を下げた。そして、頭を上げたとにはきもういつもの彼女のまっすぐな澄んだ瞳で、しっかりと丘の向こうへと歩みだした。 二人の後ろ姿が丘の向こうに消えるのを見届けたアンダルクは、大きく溜息をついた。 「行ってしまったな……」 その傍ら立っていたセネカは、そんなアンダルクに何も言うことができなかった。ただ、彼の気持ちを受けとめたいと思った。今、彼の気持ちを受けとめることができるのは彼女だけだったし、彼女の気持ちを受け止められるのも彼だけだった。 「一生お守りすると誓ったのに……」 セネカは無言で彼の肩に頬を寄せた。風の冷たさが、肩寄せ合えばぬくもりに変わる。そんなぬくもりを、キリルと3人、荒野を旅しながら、ずっと分かち合ってきた。 本当は彼ら自身が、キリルを探しに行きたかった。けれど、小さな娘を連れて旅をするのは難しかったし、またキリルはそれを望んでいない気がしたのだ。 その時、アンダルクの口から思いもかけない言葉が出た。 「……キリル様をいつまでもお助けすることはできない。私たちは、いつかは年老いて死んで行き、そしてキリル様は長い時を生きていくのだから……」 それは、セネカも、うすうすは気が付いていたけれど、怖くてずっと口にすることができなかった言葉だった。 老い、そして死にゆく定めの人間たち。それに対して、異世界の血を受け継いだキリルの時間は、自分たちの時間とは違っているということ。 そのことが、キリルが旅立った今、重く胸に圧し掛かる。 「……分かっていたんだ……ずっと」 そう呟くと、アンダルクは二人の去っていった方向に背を向けた。 泣いてる――とセネカは思った。 彼女は夫の背中に額を寄せ、目を閉じた。 「……ねぇ、アンダルク。 いつまでもこの家を守っていきましょう。 キリル様がそしていつでも帰ってこられる家を。 それがキリル様をお守りすることと同じなの」 TOP 名前 コメント すべてのコメントを見る -
https://w.atwiki.jp/orirowa2014/pages/252.html
死線を超え、ようやく迎えた朝だ。 東方から白色の光が昇り、暗闇に満ちた世界を溶かしてゆく。 誰もがこの光を臨めた事に僅かながらの安堵を得るだろう。 そんな朝日の照る中で、何故か僕は戦い方の指導を受けていた。 「まあ教えるつっても俺もまだまだ人に偉そうに物の教えられるほどの領域じゃあねぇんだが、そこは勘弁な。 それに技術的なもんは一朝一夕で身に付くもんでもなし、とりあえず基本的な心構えと立ち回り方だけ教えとく」 指導するにあたって、そう前置きをするのは悪名高き桜中の悪魔『新田拳正』だ。 この島に来て早々、僕を吹き飛ばした張本人でもある。 こんな事がなければ、きっと一生関わり合う事のない人種だろう。 「まず戦う上での心構えだが、基本は三つだ」 そう言い三本指を立てる。 「まず『躊躇うな』」 「躊躇うって…………相手を、傷つけることをか?」 殺すことをか? とは聞けなかった。 「それもあるが、自分が傷つくのもだな。とにかく迷うな、雑念が入るってのが一番マズい」 そうだな、とそこで言葉を切り腕組みをして僅かに思案した後、これは師匠の受け売りだけどな、と言葉を切りだす。 「『まず目的を定めろ。そしてそこに到達するまでの余計なものをそぎ落とせ』ってな。 目的ってのは別に『相手に勝つ』とかじゃなくても『逃げる』でも『生き残る』でも何でもいい。 例えば腕一本失えばあのオッサンを倒せるとして。あのオッサンを倒すのが目的ならそれは『あり』だ。 けど、『生き残る』のが目的だってんなら、先々を考えると腕一本失うのは旨くねぇな。 ま、あのオッサンに負けちまったら生き残るもないわけだから、その辺は匙加減が難しいところなんだけどな」 そう言って腕組みのまま能天気に笑う。 目標を定める、か。 その辺は両親から受けてきた勉強法にも通じるものがある。 たしか大きな目標を定めて、小さな目標を積み重ねてゆく、だったか。 そこまで思って、こんな時まで何を考えているのかと自嘲する。 いつまで両親の呪縛に苛まれているのか。 「そして二つ目だが『呑まれるな』。要はビビんなってことだ。 喧嘩なんてのは呑まれたら終わりだ。竦んで動きが鈍っちまえば勝てるもんも勝てなくなる」 「いや、無理だろそれは」 簡単に言ってくれているが、それができるなら苦労はしない。 人間誰しもビビりたくってビビっているわけではない。 「まあそりゃそうなんだが、そう思って腹に力入れるだけでちったあマシになる。 要は覚悟しておけってことだ」 「…………覚悟」 その言葉を口の中で反芻したものの、いまいちピンとこない。 少なくとも普通に学生やってる限りは、本気で向き合うような機会のない言葉だ。 「んで、最後は『考えろ』だな。 自分には何が出来て、相手には何が出来るのか、自分の目的は何か、そのために如何すればいいか、どう戦えばいいのか」 考えて、考え続けて、思考を止めるな。そう言っていた。 正直それは目の前の相手から出るには意外な言葉である。 どちらかと言えば『考えるな感じろ』とでも言いそうなタイプだと思っていた。 「ああ、ブルース・リーな、俺も好きだぜ」 率直にその感想を伝えた所、そんな事を言ってきた。 「けどまあそれも真理さ。考えるのと同じくらい考えないことも大事だ」 「どっちなんだよ」 「まあこの辺はぶっちゃけ人による。本能だけで戦う野生児みたいなのもいれば、とことん理詰めで戦うタイプもいる。 例えばさっきのオッサンとかはタイプで言や後者だな」 「アンタはどうなんだ?」 「俺か? まあ半々だな。理想を言えば、意識と無意識を切り替えるんじゃなく同時に行えるようになるのがベストなんだが。 ま、この辺は反射になるまでひたすら功夫や実戦経験積むしかない領域だからなぁ」 余程の天才でもない限り、と注釈する。 スポーツ選手は反復練習により無意識に最適化された行動をとることができるというが、それと似たようなモノだろうか。 「まあお前の場合、まずは余計なことは考えないことからだな。さっき言った目的とそれに必要な事だけをひたすらに考えるようにしろ」 かなり無茶苦茶を言っている気がするが、思考を最適化しろという事だろうか。 「心構えはとりあえず以上だな。ま、心構えはあくまで心構えだ、この辺は頭の隅にでも置いとけばいい。意識しすぎるようなもんでもないさ」 難しそうな顔をしていたこちらに対してそう締めくくる。 最初に前置きした通り一朝一夕で身に付く物だとは思っていないのだろう。 それでも知らないよりはと、心構えを説いたのだ。 「んじゃ具体的な立ち回り方に話を移すか。 とりあえず、お前の欠点から指摘しとくと、大振りをしすぎだな。あれじゃ相手に楽に躱されちまう。 まずは当てることだけを考えろ、お前のパワーなら細かく当てに行くだけで大抵の相手なら十分倒せる」 そう言って演武のような動きで大振りのモーションを見せた後、鋭いく細かい動作を見せる。 実際見せられた後で、実戦的なのがどちらかと問われればなるほどわかりやすい。 「あと少し爪に頼り過ぎだな。 確かにありゃ立派な武器だし使いたくなるものわかるが、爪ばかり使われるのは相手する側からすれば正直やりやすい。 ナイフとかと一緒で、余程の達人でもない限り、ああ言う見た目からしてイカにもな武器は牽制に使ったほうがいい。 例えば相手が右の爪に注目してる間に死角から左のローとかな。 どうしても爪使いたいんなら、それで体制の崩れた相手に使えばいい。そっちの方が効果的だ」 僕自身、人間相手にオセの爪を振るったのは、ここに来て目の前の相手に振るったあれが初めての事だ。 ナイフに例えられた通り、あの爪は当たれば致命傷を与えられるほどの凶悪な凶器である。 その使用を否定しないどころか、効果的な使い方を指導する辺り、ずいぶんと物騒なことを言ってる。 「で、あんまりむやみに突っ込こむな。 お前のスピードと重量なら、突撃って選択肢は状況によっては有効ちゃあ有効なんだが。 インファイトってのは技量がモノを言うからな。相手の攻撃を捌く技量がないと正直お勧めできねぇな」 自分の技量のなさ目の前の相手や殺し屋のような男を相手にして、身に沁みて分かっている。 悪魔の力を得ても、格闘の心得などない自分ではプロには勝てない。それが事実だ。 「その辺を踏まえた所で考えるとだ、お前の場合リーチとパワーをもっと生かした方がいいな。 それに重量級にしてはフットワークもスピードもあるわけだから……そうだな。 戦い方としてはアウトボクサーみたくヒットアンドウェイで細かく立ち回るのが一番手っ取り早いかな。 それでもお前のパワーなら威力も十分だろうし、これなら爪も生かしやすい」 そう言って見本を見せるように蝶のように軽やかにステップを踏み、刺すようなジャブを放つ。 それは僕と戦った時の山のようにずっしりと腰を下ろした構えとはまったく違う動きである。 「つってもこれも俺が見た感じで、スグできてかつ、お前に合いそうな戦い方ってだけだから。 合わないと思ったり、逆にもっといい戦い方が見つかったってんなら止めればいいさ」 気軽にそう言いながらも、見本を見せるようにステップを繰り返しシャドーを続ける。 「アンタのスタイルとはずいぶんと違うんだな」 「俺じゃなくてお前に合ったスタイルだからな。 お前が八極拳を覚えたいってんならそれはそれで別口で教えてやるしよ。 なんなら昔俺が通ってた道場でも紹介してやってもいいぜ? けどよ、功夫なんて付け焼刃で身に付くもんでもないから、やるにしてもこのゴタゴタが終わってからだな」 己の流儀を押し付けるのではなく、本気でこちらに合った戦い方を提案しているようだ。 「……と言うか僕に戦い方なんて教えて。アンタに何の得があるっていうんだ」 その真剣さに、思わず疑問が口を付いていた。 心得の無い僕とが彼に学ぶのはいい。そう思ったからここまで黙って聞いてきた。 けれど、彼が僕に教えを説く理由がない。 成り行きで何故か一緒にいるが、彼と僕は友達でもなければ仲間でもない。むしろ敵対していたはずだ。 教わった知識を使って自分に襲い掛かってくるとは思わないのか? 「何って、生き残るためにお前の力が必要だからだよ。 さっきも、お前の加勢がなけりゃやられてたしな」 この問いに対して目の前の男は当たり前のことのように言う。 期待の目が向けられる。 やめてくれ。 その眼差しは両親を思い出させる。 過度な期待は嫌いだ。 期待を掛けられても、応えられない自分が嫌になる。 劣等感に苛まれる。 中学受験に失敗したあの時を思い出させる。 最悪だったあの日々を思い返す。 僕はそれが嫌になって、悪魔の力を手にしたというのに。 なのに。悪魔の力があれば何でも思い通りになるという自信は、この場における度重なる敗北により打ち砕かれた。 己を支えていたその自信が打ち砕かれてしまえば、残るのは図体だけがでかい冴えない根暗な中学生だ。 そんな自分に、力などない。 「……そんなのは、たまたまだ。 結局、手も足も出なかったし、お前だってそうじゃないか。 あんな相手とまた戦っても……殺されるだけだ。 大体なんで、僕がお前に協力する前提なんだ。 さっきのは借りを返しただけだ、僕は…………!」 お前に協力する気なんてない。 そう啖呵を切ろうとしたところで。 放送が、流れ始めた。 「――――――――ッ」 自らの胸を掻き毟るように掴む。 鼓動が早い。 背中を冷たい汗が伝い、喉が渇く。 何だろうこの感覚は。 「おい、大丈夫か?」 余程僕の様子がおかしかったのか。 放送が終わったところで、そんな声がかけられた。 「別に…………知り合いの名が何人か呼ばれただけだ。大したことじゃない」 「そうか」 それ以上深く問うでもない、簡素な相槌だった。 そう、それだけの話だ。 死者の中に知った名は確かにいくつかあったが、学校が同じなだけでクラスも違う、碌に話したこともない。 ただ名前と顔を知っているだけの間柄な相手である。 なのに、何故だろう。 この胸には日常の欠片が取り返しのつかない所に転げ落ちてしまったような感覚がある。 これが喪失感というものなのだろうか。 「…………そういうアンタはどうなんだ?」 その痛みを誤魔化すため、おぼろげに問いかける。 「俺か? そうだな、俺もダチの名が何人か呼ばれた」 友達。 その言葉に文芸部の皆の顔が浮かぶ。 僕の数少ない、友人と言えるみんなだ。 悪魔の力を得る前からの、大切な。 知ってるだけの相手が呼ばれただけで、胸の中心を締め付けるような痛みがあるのだ。 友人を失うという感覚は、どれ程のなのか。今の僕には想像もつかない。 かける言葉が見つからず、戸惑いながらもその顔をを見つめる。 そこで思わずギョッとしてしまった。 「お前…………大丈夫か?」 気付けば、そう訊ねていた。 その問いは何に対しての物なのか。 漠然とした不安感が湧き上がり、自分でも何を問うたのかわからなかった。 「ん? ああ心配してくれたのか? ま、大丈夫さ心配すんな」 そう言いながら、名簿を取り出して中身を確認してゆく。 そして何かを見つけたのか、そこで大きく舌を打った。 返ってきた答えは、あくまでも冷静で、本当に心配がいらないと言った風であった。 だが、友人が死んだ直後だというのにこの反応は余りにも冷静すぎる。 僕にはそれが、余りにも不気味に見えた。 先ほど見た彼の顔に浮かんでいた感情。それは、悲しみでも怒りもなかった。 それは、ただこの理不尽をすんなりと受け入れてしまった、享受の顔。 それは強さというよりは、諦めにも似ているように感じられて。 目の前の存在が僕の中に潜む悪魔とは違う意味で危うい存在なのだと気づかされた。 「やっぱり……ついていけない」 「ん?」 「放送で途切れた話の続きだ。 僕は――――お前とは一緒に行けない」 改めて放送で途切れてしまった言葉を、それ以上の意思を込めて告げる。 第一印象の通りだ。 僕と彼では致命的に合わない。 無駄な期待も、根拠のない信頼も、理解不能の強さも。 何もかものが劣等感を煽る。 それが子供の我が侭じみた勘定だというのは分ってる。 一緒にいた方が互いに安全だというのも分ってる。 それでも、一緒にはいけない。 ついていけそうにない。 突然の申し出に、相手は訝しそうにこちらを見つめてくる。 その視線を最低限の意地を込めて、真正面から見据えて目を逸らさなかった。 そうして、こちらの本気を読み取ったのか、仕方ないという風に相手は溜息を付いた。 「まあ、お前がそう決めたなら引き留める理由はねえよ。無理強いできる話でもねえしな。 お前もお前で思うところもあるんだろうし、お前が無差別に誰かを傷つける奴だってんなら力づくでも止めるけど、お前がそういう奴じゃないってのはもう分ったしな」 何を。いったいこの僕の何をわかったというのか。 僕はそんな上等な人間じゃないというのに。 「ここがどの辺のエリアかわかるか?」 そうと決まれば目の前の男の切り替えは早い。 すぐさまこれからについて話を進める。 「F-5あたりだと思うけど」 「となると西南の森にあのオッサンがいるのか……そっちは避けたいな。 それじゃ別れるとして、それぞれ北と東に進むとするか。お前はどっちがいい?」 「どっちでもいい」 どうせ行く当てなどないのだ、どこに行こうと同じだろう。 行く先も、探す相手もいない。 「んじゃこれで決めるか、さっき荷物確認した時ちょうどいいのがあったし」 そう言ってデイパックから取り出したのは巨大なクロスボウだった。 これで決めるという事はクロスボウの矢を回して倒れた方向に進むとかそういう感じだろうか。 「って。ちょっと待て、こんな武器があるなら、なんでこれまで使わなかったんだ?」 これほど巨大な代物であれば威力も相当だ。 きっとオセの装甲すら容易く破るだろうし、これがあればあの殺し屋とももう少し楽に戦えただろうに。 まあ僕に使われていたら危なかったけれど。 「いや。慣れない武器なんて使っても仕方ないだろ、槍ならともかくよ。 まあ確認してなかったってのもあるけどな」 理屈は分るが、この状況でこれほどの武器を腐らせておくのは些かもったいない気もする。 「はっはっは。こりゃあれだな。うん、あれだ、あれだよ…………何だっけ?」 恐らく宝の持ち腐れと言いたいのだろうがいちいち教えたりはしない。 というか戦い方とかそういう話はスラスラ喋れてたというのに、この程度のことわざが一字も出ないっというのはどういう事だ。 まあいいかと言葉が出ない事実を切り替えると、クロスボウ本体を杖のように地面に着いた。 「おいそっちを回すのか?」 「矢がねぇんだよこれ」 そう言ってクロスボウを指先で弾くと、独楽のように勢いよく回転を始めた。 そしてその勢いは自然の摂理として時と共に失われる。 ジャイロ効果が弱まったクロスボウは軸を揺らして、最後に大きく楕円を描くとその場に倒れた。 倒れたクロスボウの取っ手は、北方を指していた。 「北か。じゃあ輝幸は東だな。 とりあえず、この辺の奴らにあったらよろしく言っといてくれ」 そう言って勝手に僕の荷物から名簿を取り出し、幾つかの名前に丸を付けてから付き返してきた。 「そっちも誰かに何かあるか?」 「いや、別に」 もともと大した数のいなかった知り合いは、先ほどの放送で殆ど死んでしまった。 その生き残った相手も、わざわざ何かを伝えるような仲じゃない。 相手はそうか、とだけ答えた。 とりあえず、進む道は決まった。 もう止まっている理由もないだろう。 「じゃあな。お互い無事に地元で会おうぜ」 その言葉に返さず、僕は無言のまま東方へと進んで行く。 そこから少し遅れて別方向へ進む足音が聞こえた。相手も動き始めたのだろう。 だが、少し進んだところで足音が止まり、こちらを振り返る気配を感じた。 「――――輝幸。最後の助言だ。拳士としてじゃなく俺からのな。 殺すなとは言わねぇ。身を守るために必要なら全力を尽くせ。 そしてその結果がどんな結果でも、受け入れる覚悟を決めろ。 それが出来なきゃ――――」 ――――心か、体が、死ぬだけだ。 今までにない真剣な声で、そんなことを言った。 振り返ると、既に相手は背を向け歩き始めていた。 だから、本当にそれで最後。 そこから僕たちは振り返ることもなく、違う道を進み始めた。 僕は朝日に向かって進む。 その眩しさに少しだけ眩暈がした。 【F-5 道上/朝】 【斎藤輝幸】 状態:健康、微傷 装備:なし 道具:基本支給品一式、サバイバルナイフ、ランダムアイテム1~3(確認済み) [思考・状況] [基本]死にたくない 1 東へ向かう ※名簿の生き残っている拳正の知り合いの名に○がついています 【新田拳正】 状態:ダメージ(中) 装備:なし 道具:基本支給品一式、ビッグ・ショット、ランダムアイテム0~2(確認済み) [思考・状況] [基本]帰る 1 北へ向かう 2 知り合いを探す 3 脱出方法を考える ※名簿を確認しました 【ビッグ・ショット】 スイス某所でブレイカーズ支部長を勤める狙撃怪人『ウィリアムモストロ』が愛用する超大型レーザークロスボウ。 その外観及びサイズは最早クロスボウというより対物ライフルに近い(ウィリアムモストロはこれを片手で扱う)。 高出力で貫通力に優れる矢型レーザーを放つスナイプモード、低威力の矢型レーザーを機関銃の如く連射するマシンモードを任意で切り替えられる。 074.ヒーローと案山子 投下順で読む 076.殺し屋の殺し屋による殺し屋のための組織 時系列順で読む Circus Night 新田拳正 氷柱割 斎藤輝幸 それが大事
https://w.atwiki.jp/seizonkakunin/pages/707.html
このページのアクセス数: - 結婚式ってほんとに幸せな気持ちになれるね!! -- ヨシダ (2010-03-22 00 08 23) しかもそれが大切な人であればあるほど!! -- ヨシダ (2010-03-22 00 08 35) なまえ: コメント
https://w.atwiki.jp/ocg-o-card/pages/8009.html
《大事の前の小事》 通常魔法 メインフェイズ1の開始時のみ発動可能。 発動ターンのみ、セットされた全てのカードは効果を発動できない。 このカードを発動したターン、自分は手札から魔法カードを使用できない。 part18-901 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/srns/pages/112.html
発行主体が得る利益は、 第一に、自分の価値観を表明できるということ、 第二に自分の価値観が世の中に受け入れられて、それを動かせる権力を持てば、それを使って自分の思い通りに世の中を動かせることです。 リスクは、いくらがんばって整理したところで、それが大衆に使ってもらえないことである。
https://w.atwiki.jp/divine_revelation/pages/339.html
目次 1.希望 2.努力 3.忍耐 4.実現 5.自信 6.飛躍 6.飛躍 本章において、「向上の原理」について、一 希望、二 努力、三 忍耐、四 実現、五 自信ということで話をしてきた。そして最後に私は、飛躍ということを話して、本章を閉じていきたいと思う。 神の子である自分を信じ、神の子である他人を信じて、そして何らの悪なく、何らの害なく、何らの嵐なく船が進んでゆくということは、これは当然のことであり、当り前のことであって、こんなものが人生の目標でも目的でもないということを知らねばならぬ。これは当り前のことであります。順調に船が進むことは当り前のことであります。 人間が、この地上で理想を持って生きるということは、当り前であってはならんということです。当り前以上のことををせねばならんということです。 当り前以上の勇気を奮(ふる)って、当り前以上の成果を上げるということ、これが大事です。そうすることが、本当の意味で魂の向上につながってゆくのです。 どうか、他人から害されたり、あるいは他人を害したりせず、当り前に生きたらそれでよいのだと思ってはいけない。人生は常にチャンスの連続であり、人生は常に飛躍の連続であるのです。 あの飛び箱を見て、障害物と思う人は災いである。飛び箱は障害物ではない。それを飛び越すことによって、大いなる爽快感(そうかいかん)と、達成感と、征服感を味わうためにあるのだ。 ところが、飛び箱を見て、これを障害物と思う人は、その走ってきて飛び箱に飛びつこうとした瞬間に、それが山のように見えて、どうしても越せないと思う。そうしてぶつかって、ころげてしまう。こうしたことがある。 そうではない。大いなる飛躍のためのチャンスを与えられておるのだ。こう考えてゆかねばならん。 さすれば、人生においていろいろな事件が起きるであろうが、その事件がすべて、飛び箱の踏み台になっているのではないのか。大いなる飛躍への、踏み台になっているのではないのか。こうした観点から考えてゆかねばならん。 すなわち、困難があった時に、困難から逃れようとせず、困難を単に抱きしめるのみでなく、困難を愛して、彼らをさらにすばらしいものへと変えてゆくという努力が、私は、何にもまして大事であろうと思う。 それだけの大いなる心境の飛躍ができないということは、まだまだ自らのなかに、未熟なるものがあるということです。他人を責める前に、自らのなかに未熟なるものがあるということ、この未熟さというもの、これを嘆かねばならぬ。 本来、そんな未熟なものではないのだ。人間というのは限りない発展を内蔵しているものなのだ。飛躍をもって人生の鍵としておるものなのだ。 いろんなものが出てきた時に、事件が出てきた時に、それが踏み台にならないかどうかという観点で考えてみなさい。 すなわち、いろいろな挫折や、あるいはできごと、攻撃のようなものを受けた時に、これが何らかの飛躍台にならないかどうかということを考えてごらんなさい。飛躍台として検討してみなさい。 一体どうした種類の飛躍台になりうるであろうか。この検討が大切なわけです。 物事にはすべて二面性、あるいは多面性があります。ある人にとっては悪いことでも、他の人にとってはいいこともある。また、Aの観点から見たら、それは悪しきことであっても、Bの観点から見れば、善きことであることもあるのです。 夜明け前がいちばん暗いけれども、それを過ぎればいちばん明るい日差しが射してくるのです。 さすれば、あらゆることに機会を見出し、あらゆることに飛躍台を見出してゆくということ、この観点から物事を考えてゆかねばならん。 さすればここに、大いなる心境の進化というものを、あなたがたは感じとることができるであろう。発見することができるであろう。そして、どんな苦難や困難にも負けずに、常に前進、前進、そして前進しながら、チャンスがあればそれを飛躍台にして飛び上がろう。そして前進、またチャンスがあれば飛躍しよう。前進、チャンスがあれば飛躍しよう。 こうして、発展しかない生き方というのができるのである。 単に、この地上だけをユートピアにしようなどと思うな。単にこの地上だけを救おうなどと思うな。汝らが理想は、この三次元世界だけではない。四次元、五次元、六次元、七次元、八次元、すべての世界をユートピアとせんとし、すべての世界をすばらしいものとせんとし、すべての世界を発展させんとしているのが、汝らの偉大なる仕事ではないか。 さすればまだまだ小さい。三次元のなかにおける自分らの存在ばかりを思ってはならぬ。三次元のなかにあって、実相人間としての自分を知れ。四次元、五次元、六次元以降も発展させんとしている自分をも知れ。 この三次元が向上することが、すなわち四次元向上の原理であり、四次元向上の原理が、すなわち五次元向上の原理であり、五次元向上の原理が、すなわち六次元、七次元の向上の原理となることを知れ。 それは、弟子が向上することによって、また師も向上するということを意味しているのだ。これは神理の講演会においてもそうであろう。聴衆のレベルが上がれば上がるほど、講義は熱を帯び、ますますレベルの高いものとなってくるのではないのか。 同じである。三次元のレベルが上がれば上がるほど、三次元がすばらしいものになればなるほど、四次元もまた、すばらしいものとなるのではないのか。四次元がすばらしくなればなるほど、五次元もすばらしくなるのではないのか。こうした観点から、物事を考えてゆきなさい。 そして大切なことは、こうした巨視的な、マクロの見地に立って小さなものは、跳ね返してゆく勇気です。『ガリバー旅行記』の巨人ような気持ちでいなければいけない。巨人に対して石を投げようが、槍(やり)を投げようが、こうしたものは何の意味もない。 あなた方は、人間同士だと思うから、相手が槍を投げれば、これが当たれば死ぬかもしれないと思う。しかし、あなた方が巨人であれば、相手が投げた槍は蚊が刺(さ)したぐらいのかゆみしか感じない。だれも蚊に刺されて死ぬとは思わんであろう。 ところが、蚊と同じ大きさだと自分を思えば、蚊が刺すということは、槍にて自分の身体が突き剌されるというのと同じことだ。さすれば、出血して死ぬかもしれないと思う。しかし、現実はそうではない。 汝らは巨人となれ。偉大なるジャイアントとなれ。さすれば、他人の投げた弓や矢は、これは蚊が剌したほどのかゆみさえない。問題外である。こういうことでもって、偉大なる巨人となれ。偉大なる精神的な巨人となれ。精神界のジャイアントとなれということを最後の言葉として、本章を締めくくりたいと思う。 人間に向上あれ。人類に向上あれ。神にもまた向上あれ。それが永遠の人間と私たちの課題である。
https://w.atwiki.jp/tekiyakusaikyou/pages/2544.html
【作品名】Tasty Blue 【ジャンル】ゲーム 【名前】Dolphin 【属性】巨大化するイルカ 【大きさ】322mの大きさのイルカ 【攻撃力】小さかった頃に、自分と同じ大きさの空き缶や戦闘ヘリを一瞬で食って消化できる 今はそれが大きさ相応になった状態 【防御力】4mサイズの時に6m程の戦闘ヘリを一撃で消滅させるミサイルの直撃に10発ぐらい耐えられる 今はそれが大きさ相応になった状態 【素早さ】4mサイズの時に戦闘ヘリのミサイルを3m先から見てから避けられる 4mサイズの時に戦闘ヘリのミサイルの3倍の速さで移動可能 今はそれが大きさ相応になった状態 海面から飛び跳ねて800mの高さまでジャンプできる 【備考】主人公が明言されておらず操作キャラクター三体(金魚、イルカ、サメ)が主人公であると判断できる 最終ステージでその主人公の一体のサメに襲いかかってくるのでイルカは敵 参戦:vol.106 485 vol.106 548 名前:格無しさん[sage] 投稿日:2020/11/13(金) 18 36 27.65 ID cqGkFbTG Dolphin 考察 反応速度は同作品のNano-Sharkと同じ 戦闘ヘリのミサイルはマッハ2より遅いらしく、戦闘ヘリ(AH-64 アパッチ)に搭載される 対戦車ミサイル(AGM-114 Hellfire)がマッハ1.7(578m/s)なので、1mから193m/s反応 移動速度は578×3×322/4=139,583m/s 秒速139.6km(マッハ410.6) 自分より大きい相手を消化できず、大きい相手を削れないのが弱点 483m戦闘ヘリ破壊耐久に防御無視の消化攻撃持ち、速度も速いので都市破壊の壁前後を見る ○ アスラ 相手は射程不足、消化勝ち × ルシア 闇の真空剣負け ○ 楊貴妃 先手消化勝ち ○ ロジャース 先手消化勝ち × フィーア 光速パンチ負け × 紅蠅 大きい、幻覚負け ○ カンデオン 先手消化勝ち × エネル 物理無効の雷は消化できない、雷迎負け × 神(魔王ダンテ) 大きい上に実体無し、都市破壊テレキネシス負け ○ バーン=バニングス 先手消化勝ち △ Brick 速過ぎ、相手は火力不足 ○ 悪魔将軍 先手消化勝ち (都市破壊の壁) ○ ドラム 先手消化勝ち ○ ローズ・バルバロッサ 先手消化勝ち × 第3水晶島 大きい、プラズマ兵器負け ○ グレートマジンガー 先手消化勝ち ○ 四足 1mから3333m/s反応 200mビル破壊無傷超えのプラズマ砲に耐えて消化勝ち ○ ヴァラク 火炎は範囲不足、耐えて消化勝ち × 帝王ゴール 腹部ビーム砲負け × バースデイ(鉤爪の男搭乗) 大きい、張り手負け ○ クェス・パラヤ 耐えて消化勝ち 作品最強スレを参考にしないと読めないのは問題 × カリスマデビルX完全体 開始距離は電撃の射程外だが、Dolphinの突進に電撃で迎撃されて負け ○ サガ 異次元送りもGEも範囲不足、消化勝ち △ ヴィクティム 139.6km/sで数時間だと301万km(太陽の直径の2倍強)しか進まない、なのでこれよりは速い 速過ぎ、相手は火力不足 ○ バタフライ 幻覚は範囲不足、闇雲に突進して消化勝ち × ラピュタ 大きい、ラピュタの雷負け ○ ロア=ア=ルア 先手消化勝ち ○ ディー 先手消化勝ち × 万魔の魔女 ウイルス負け × 熱怪獣ファイアント 200m常時熱攻撃に突っ込んで溶かされて負け × 新条アカネ 常時都市範囲認識改変に突っ込んで負け × 幽霊戦艦大和 ドームで接近できない、砲撃負け △ 白魔城 大きい、相手は火力不足 × ネロ(デモンベイン漫画版) 大きい、押し潰し負け × リーブラ(小説) 大きい、主砲負け 万魔の魔女>Dolphin>ディー
https://w.atwiki.jp/zelk/pages/28.html
#blognavi 自分にとって株は収益目的、要するにただの小遣い稼ぎなんですが、デイトレードよりスイングトレードをやることにしています。デイトレードは、1日毎に買いと売りをして次の日に持ち越さない超短期売買で、スイングトレードは数日~1ヶ月くらいの間に買いと売りをするものです。 なんで、デイトレしないかって単に毎日ずっとパソコン(多分ディスプレイ2つはいるし)とにらめっこして戦うのが大変そうだからですw とにかく痛感するのは自分でルールを決めて、それに乗っ取ってやることが大事だということ。そのルールで勝率5割を超えなければ修正を加えてまた、そのルールでやる…そして5割を超えるルールが出来れば儲かるって話なんですが、言うは安しとでも言うか、それが出来ないトレーダーが多いだろうことは想像に難くないわけで、俺もそうだということです。 まぁ後はルールをメモするってだけですんで、それだけですw 常に短期的にこれから伸びそうな銘柄を保有する 売り時は今持ってる銘柄より伸びそうな銘柄を買うとき 現物買いのみ 日経平均連動型投信の銘柄も使う なるべく東証1部の銘柄を選ぶ …かな?あとなんかあったっけなwまぁ一番上の伸びそうな銘柄っていうのを選ぶのが一番難しくて、そこんとこ細分化してルールにしろという話だなw カテゴリ [株] - trackback- 2007年02月05日 17 04 51 名前 コメント #blognavi