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「ふー」 家に帰ってきて一息、すこし休んだところで買ってきたものを台所の上に広げる。 今日買ってきたのは冷凍ちびゆっくり12個パック、甘さ控えめなもの。 生まれたてのあかちゃんを瞬間冷凍で凍らせもので加工所で売っている。 用途は主に食用だが、他の目的で買っていく人もいるかもしれない。 食べるにしてもなんにしても、まずは解凍する必要がある。 解凍は、真空パックされた袋を切り口をいれる。 中に空気が入ると中の発熱剤が反応してゆっくりと暖められていくのだ。 「…ゆー!」最初に目覚めたゆっくりが声をあげる。 「ゆー!」次に目覚めたのも同様に声を上げ、全員が目を覚ますと、 「「「「「ゆっくりー!!」」」」」みんなで声を揃えてお目覚めの挨拶をする。 「おかーさん!おなかすいたよ!!」 「ごはんにしてね!!」 「ゆー!ゆー!はやくしてね!!」 目を覚ますことなく袋づめされたゆっくりたちにとって、 今、目の前にいる自分物こそが母親である。 「おはよう、みんな!さっそくだけど、みんなこの穴の中にはいってね! はいったらご飯にしようね!!」 そう言って、ゆっくりたちの前に丁度同じぐらいの大きさの穴が開いた板を置く。 「ゆー♪ごはんだよー♪」 「ごっはん♪ごっはん♪」 「れいむがいちばんだよ!いっぱいちょうだいね!!」 「ずるいよ!!そこはれいむがはいろうとしていたとこだよ!!」 「ゆっくりしたけっかがそれだよ!ゲラゲラ!!」 「ゆー!!!もういいよ!!れいむはこっちのあなにするよ!!!」 こうして12匹のゆっくりは6×2個の穴にすっぽりと収まる。 すっぽりとはまりすぎて、あたまから入ったまま動けなくなるゆっくりもいるので 今のうちに直して全員上を向くようにしておく。 「さあ、ごはんだよ!いっぱいおたべ!!」 そういって小麦粉をミルクで練っただけのものを与える。 かすかにミルクの甘味があるだけの塊だがゆっくりにとってはご馳走だ。 食べやすい大きさでちぎってゆっくり達の口にいれてやる。 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」 「「「「「「しし♪♪あわせ~~~♪♪♪♪」」」」」 順番に口に入れてやることでゆっくりたちの輪唱が聞こえてくる。 「おいしいよ!もっとちょうだいね!!」 「もっと♪もっと♪」 「れいむにも~!!もっとたべたいよ!!!」 「はいはい、お腹一杯食べさせてあげてるからね。」 「やったー!!ゆっくりたべるよ!!!」 「「「「ゆっくりたべさせてね!!!!」」」」 ごはんを心行くまでたべたゆっくりたちはうとうととお昼寝を始める。 そろそろコンロに火をつけよう。 「はい、これデザートね!一人一個だよ」 産地直送のまだピクピクと動いているたこの足を、 ゆっくりたちが食べられるように一口だいに切り分ける。 「zz…ゆゆ!なにそれ!!はやくたべさせてね!!!!」 眠気をどこかに吹き飛ばし、目をきらきらとさせて期待のまなざしでこちらを見つめる12匹のゆっくりたち。 切ったたこの足をさっきと同じように順番に口に入れてやる。 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」 先ほどと同じようにゆっくり味わおうとするゆっくりたちであったが今度はそうはいかない。 新鮮な蛸の足は吸盤がまだ生きていて、口の中に張り付いているのだ。 突然の出来事に驚いたゆっくり達は目を白黒させて、吐き出そうとしたり飲み込もうとしたりする。 だが強力な吸盤の力をゆっくり達どうにかすることは出来なかった。焦って吐いたり飲んだりを繰り返していたせいもあるかもしれない。 ゆっくり達がそうこうしているうちに、ゆっくり達が入っている穴もゆっくりと熱を帯びて行く。 やがてジューという音がするほど熱くなるが、蛸の相手に精一杯なゆっくり達は気づく余裕がなかった。 そんな中、ゆっくり達の一匹が異変に気づく。 それにつられて他のゆっくりも悲鳴をあげ始める。 ゆっくり達が入っている穴はどんどん熱くなるが、そこから逃げることは出来ない。 さっき心行くまでご飯を食べ、少し膨れたゆっくりたちは穴にすっぽりと嵌ってしまったのだ。 鉄で出来た板はどんどん熱をあげ、ゆっくり達の皮に焦げ目をつけていく。 最初は全力で悲鳴をあげていたゆっくり達も随分静かになってしまった。 そろそろいい頃合だ。太い針のような棒を使ってゆっくり達をひっくり返す。 まず、鉄板から剥すために穴に沿って焦げ目を削る。 次に、次に棒を下の方まで差しこんで、クルリとまわすようにひっくり返す。 ひっくり返したらしばらくそのまま。 ピクピクとした震えが止まったら丁度いい頃合。 同じ要領でもう一度ひっくり返す。 白目を向いて焼きあがっているゆっくり達が見えたら、はい!完成!! あとは、ソースやマヨネーズをお好みでどうぞ あとがき 後半はどうみても手抜きです本当にありがとうございました。 ゆっくりの台詞をひらがなで打っているとIMEがどんどんゆっくりになっていきます。 本当にありがとうございました。 このSSに感想を付ける
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※短編3部。つながりはありません。つながりはありません。 ※←これってパチュリーの通常弾幕に見えるよね。 【月とゆっくり】 1 人工衛星。 宇宙ステーションのようなものを想像するが、定義上はそんなに難しいものではない。 「惑星の周りを公転する、人間の手によって打ち上げられた物体」である。 つまりは、やかんであれカメラであれ、惑星の周りを回っていればいいのである。 それが、ゆっくりでも。 「や”め”でぇぇぇぇ!!!ぼどい”でぇぇぇぇ!!!」 とある村の一角に、不相応な『ロケット』が一台。大きさは、大人二人程の小さなものだ。 積載されているものが最低限なので、非常に簡素な見た目と構造になっている。 紅魔館のパチュリー氏の指導のもと、村のみんなで協力して作ったものだ。 材料には村にないものも多くあり、他の村や河童達の協力も得て、ようやく完成した。 「どぉぉじでぇぇ!!!どお”じでごんな”ごどずる”の”ぉぉぉぉ!!!」 今日は待ちに待った打ち上げ当日である。 風も雲もない、素人目でもわかる絶好の打ち上げ日和である。 村の人たちは、奇跡の瞬間を一目見ようと全員が打ち上げ台に集まっていた。 「ま”り”ざばま”だな”ん”も”じでな”い”よ”ぉぉぉぉ!!!」 …さっきからうるさいこいつだが、名をまりさという(らしい)。 (※、ひらがな明記をゆっくり種と定義させてください) 先ほど村のじいさん家に侵入を試みていたところを発見し、縛り付けた。 しかし縛り付けた先が、発射する予定の『ロケット』だった。 これはまずいと思って外そうとしたが、村人はこれを止めた。制裁である。 『ロケット』の打ち上げに支障をきたすのではないかと思い、パチュリー氏に相談したら 「饅頭ひとつぐらいの負荷なら問題ないわ」とのこと。 なかなかにやかましいまりさ。 しかし今、村人の関心のほとんどは魔理沙にはない。『ロケット』が気になってしょうがないのであった。 血の気のある者は黙らせようと手を出そうとするが、『ロケット』になにかあってはいけないと制止する。 日が高く昇り始め、発射予定時間を迎えようとしていた。 村長が、歳に似合わぬ高々とした声で、発射宣言を行う。 村の代表が、たいまつをもって『ロケット』へ近づく。 人々は物陰に隠れて、発射台を見つめる。 「ゆ”っ!お”に”い”ざん”!びを”ごっぢに”も”っでごな”い”でね”!」 再び騒ぎ出すまりさ。緊張感が台無しである。 代表が火を下ろす。予定まであと数十秒。ちょっとした気持ちで、代表はまりさに話しかけた。 「おい饅頭、これからお前は『宇宙』に行くんだ」 「うぢゅう?」涙声だ。 「あぁ、『宇宙』だ」 「どんなどご?」 「さぁな。空より広いらしい」 「ゆっぐりでぎる?」 「さぁな。ゆっくりしてこい。じゃあな」 下ろした火を導火線に近づける。火がついたのを確認すると、代表も物陰に飛び込んだ。 短くなる導火線。息を呑む観衆。視点はやがて導火線と本体のつなぎ目に収束し、 火が、消えた。 「びゅっ!!!」 ばしゅううううぅぅぅぅ!という音と共にロケットが飛び出す。 悲鳴は、一瞬でフェードアウトした。あっという間に最高速度に達したようだ。 村人は煙の中呆然と空を見上げている。 飛行機雲のような、まっすぐ伸びた煙は、『宇宙』へと伸びていった。 パチ、パチパチ、パチパチパチパチパチパチパチパチ!!! 拍手と歓声が村を包む。打ち上げは成功である。 (むきゅう、実際にロケットは宇宙に行ったのかしら) パチュリーは、打ち上げた後にそれを確認する手立てがないことを思い出した。 2 「こちらお兄さんA、着陸軌道に乗る事に成功、オーバー」 「こちらお兄さんB、着陸軌道に乗っていることを確認、あと5分後に着陸、オーバー」 『ゆっくりプレイスを求めてゆっくり達が宇宙に逃げた』との情報を聞きつけたお兄さんズは、 本気で宇宙を目指した。 果たして月でゆっくり達はゆっくりしているのだろうか、どんな風になっているのだろうか、 お兄さんが来たらどんな反応をするだろうか、どう虐待してやろうか… 全お兄さんが宇宙に旅立つわけにも行かないので、代表として俺、お兄さんAが旅立つことになった。 ガガ…「こちらお兄さんB、まもなく着陸、着陸準備せよ、オーバー」 「こちらお兄さんA、着陸準備了解、オーバー」 音もなく着陸。動作の停止が確認され次第、俺は宇宙船を下りる。 妖怪だから生身?いややっぱり宇宙服は必須。 あれが地球か。丸くて、まるでゆっくりのようだ。感慨深い。 しかしそうのんびりもしていられん。逃げたはずの月面ゆっくりを探し出さねば。 いた!ゆっくりだ! こいつら宇宙でもゆっくりしてやがる! まぁ落ち着け俺。まずは月面ゆっくりの観察だ。 こいつらは当たり前だが宇宙服もなんも身につけてない、地上となんら変わりない。 重力の影響も小さくて、地上より高くぽんぽん跳ねてやがる。 …ん?何かしゃべってるようだが…いかんせん聞き取れん。 観察してわかった。こいつらは話すときに互いの体をくっつけて、直接振動を伝えてる。 空気がない月だ、それなりに知恵も身につけたのだろう。 「ようゆっくり共、ゆっくりしてるか?」 ゆっくり達が俺の存在に気づく。宇宙服も着ているし、俺が誰かはわかっていないようだ。 「お前ら月でも生きれるんだな…ってそうか、聞こえてないのか」 さっき体をくっつけて話してたんだった。なら俺もそうでもしなけりゃ声は聞こえないのか。 「…!………!」 「……………!」 何か話しているようだが聞き取れるはずがない。 まずは怖がらせないようにゆっくりと近寄る。 動きと表情から、怯えている様子はない。興味津々、といったところだろうか。 大きめのれいむの頭に手をポンと置き、話しかける。 「ようゆっくり、ゆっくりしてるか?」 「ゆっくりしてるよ!おにいさんもゆっくりしていってね!!!」 お、お兄さんだってわかってる。でもお兄さんがどういう生き物かは知らないようだ。 そのまま手を下に回し、そっと抱き上げる。おぉ軽い軽い。 「おにいさんはゆっくりしにきたの?」 「いや、お前らを虐待しに来た。ところでお前ら仲間はどんだけいるんだ?」 「ぎゃくたい?なに言ってるのかわかんないよ! なかまはもっといっぱいいるよ!ここにいるのはれいむのかぞくだよ!」 「あぁそうかい。それを聞いて安心した」 「ゆ”っ!!!」 渾身の力をこめて握りつぶす。思ったより感覚は軽い。 餡子がスロー映像のように地面に落ちてゆく。おぉスペクタクルスペクタクル。 少し餡子が漏れただけのようだが動く気配はない。重力のせいか、地上のと比べて皮がやや薄かった。 「………!!!」 「…!…!………!」 子れいむ達がなにか叫んでやがる。あーあー聞こえない聞こえない。 端から聞く気もない。また一匹持ち上げる。こいつは試しに地上に持ち帰ってみよう。 さて、残りを徹底的に潰すとしよう。 「…………!……!!」 「……!!!」 「…………!…………!……………………!」 まぁ聞こえないわけで。しかもあいつら逃げるのに必死で仲間の声も聞けないだろうに。 となれば相当なパニック状態、さぞかし餡子はうまいのだろう。気になってしょうがない。 だが宇宙服を脱いでここで食うわけにもいかん。もう1匹連れてくか。 さっと追いつき、もう1匹も捕獲。 あとは迎えの宇宙船が来るまで、残った子供達と(一方的な)鬼ごっこ。 ゆっくり追いかけては踏み潰し、ゆっくり追いかけては握りつぶし。なんだか刺激が足りないが我慢我慢。 空間に漂う餡子がここまで汚いものだとは思わなかったね。視界が餡クズだらけだ。 そう思うと餡子が落ちる地上は素晴らしいと思えてくる。 ザザ、ザ「こちらお兄さんB、まもなく迎えの宇宙船が軌道に乗る、準備するように、オーバー」 「こちらお兄さんA、離陸準備了解、おみやげに1匹連れてくぜ、オーバー」 「こちらお兄さんB、そいつぁいいや、オーバー」 宇宙船に乗り込み、捕まえた子れいむ達をどサディスティックな目で眺めながら、地球へと帰還した。 3 まりさは、やけに冷静だった 見渡せば星空。いや、星空の元である隕石クズ。 他にはない青い大きな星、あそこに仲間達が住んでいるのだろうと、直感で感じた。 今、まりさは急降下している。 小さな星屑を蹴り飛ばし、青い星めがけて進んでいたら、ふと吸い込まれるような感覚に襲われた。 これでみんなのところに帰れる。あとはゆっくりしていればいい。 「……………………!!!」 ゆっくりしていってね!!!と言ったつもりだった。 しかしそれは誰にも、自分にすら聞こえていない。 もちろんまりさはそれを知っていた。だが言わずにはいられなかった。性である。 段々と速度があがっていく。星屑が瞬く間に視界を流れていく。 ふと、体が温かくなるのを感じた。冷たく寒い宇宙で、まりさが初めて感じた熱だった。 その熱は次第に、まりさの体を焼き始める。 「…………!!!……!!!」 もちろん何も聞こえない。ただ体が焼けていくことは感じた。 熱い、痛い、辛い、ゆっくりできない、涙も蒸発していく。 その饅頭は、地上に落ちることなく、燃え尽きた。 【あとがき】 どうもっす、タカアキです。 31スレ 120を見たら書かずにはいられなかった。 どうもうちのゆっくりは台詞が少ない。 このSSに感想を付ける
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前編から ―夜。 作戦はほぼ同時に開始された。 我が家へ帰るのに正門から入らない存在はいないでしょう? 「お姉様、はじめよ?」 「レミィ、こっちは問題ないわ。」 「はい、私も大丈夫です!」 …一呼吸おいて。 「…私たちの家を返してもらうわよ!」 「うん!」「ええ。」「はい!」 魔力を集中させ、具現化する。赤き槍。 ―神槍「スピア・ザ・グングニル」 宣言されたそれを門に向かって力任せにブン投げた。 ―数分前、紅魔館の門にて。 「屋敷はみんなで守りましょうね。」 今日も異常なし。毎日が平和で嬉しい限りだ。 門番の部下も増えて嬉しいし、これからもお嬢様や咲夜さんのために頑張ろう! 「「「「じゃおーん!!」」」」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」」 私の声にこたえてくれる部下達。 人数も沢山になり、門番のローテーションも前よりはきつくなくなった。 「私は一旦中に戻るけれど、何かあったら直ぐに呼んでね。」 実はこの時間が一番楽しみ。咲夜さんと一緒にゆっくりできるから。 美味しいお菓子に、飲み物。報告という名のおしゃべり。これが楽しみだから門番を頑張れる。 「「「「門番長!わかったよ!ゆっくりやすんできてね!!」」」」 部下の声を背中に鼻歌交じりで休憩室に向かった私。 ―現刻、門前。 大げさなほどに砂煙を巻き上げる着弾地点。 ソレが今回の会戦の狼煙となった。 門前に出来た巨大なクレーター。 「ただいま。何、ボッとしてるのかしら?」 館から急いで出てきた馴染みの顔に声をかける私。 緑の帽子に赤い髪。らしくなく目を吊り上げ、怒りをあらわにし 「…侵入者!ここは通さない!!」 おかえりなさいませ。を忘れた門番。 「お姉様、私に任せて?」 答える代わりに頭を撫でた。 「やったぁ!…美鈴、今日はイッパイ遊べるね!」 紅の大剣を具現化させ、美鈴に突っ込むフラン。 怯まずに迎え撃つ美鈴。 「…レミィ、急ぎましょう。」 言葉通り、ここは任せて館に入らせてもらうわよ。 「待て!!館に入ることは私が許さない!!」 フランを退けたら考えてあげる。…本気出さないと死ぬわよ?美鈴。 館に無事侵入出来たが、その惨状は目を覆いたくなるものだった。 饅頭が我が家を我が物顔で闊歩し、文字通り好き勝手にゆっくりしていた。 「おねえさんたち!私たちのお家にようこそ!!」 赤いリボン、霊夢を模したのであろうそれが声を出した。 その声に反応したのか、屋敷のいたるところから姿を見せる饅頭共。 100は居るであろうその蠢く床が一斉に声を上げる。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 煩わしい事この上ない。…駆逐はパチェと小悪魔に任せ、私は私の部屋に向かう事にした。 … ……。 珍しく怖い顔をしている美鈴が、お姉様達を目でおって無念そうに吐き捨てた。 「くっ!中に進入されてしまった!!」 …あんなに必死になっちゃって…。…嬉しいな。いつもここで、こうやって私達の為に働いてくれてるんだ。 「…悪いが、貴女を倒して侵入者を追わせてもらう!」 鋭い眼光が私を射す。こうやって侵入者を牽制、威嚇してるんだ。 …うん、大歓迎だよ。今日は、夜が明けるまでいっぱい遊ぼうね、美鈴! 「門番長!わたしたちもかせいするよ!!」 「お空の上からなにか投げたのはおねえさんだね!!」 「「「仲間のかたきをとらせてね!!!」」」 不意に背後から声がした。お饅頭の癖に喋るへんてこな存在。門のすぐ脇にあった何十もの穴からゾロゾロと転がり出てきた。 「ほかの詰め所のみんなもゆっくり出てきてね!!しんにゅうしゃがきたよ!!」 「ふぁらんくすだよ!みんなゆっくりしないで陣をくんでね!!」 口に木の棒を咥え、数十匹がもたもたと密集陣形を組んでいた。 “それやったのお姉様だよ。”言葉に出すのは止めておいた。無視して空中へ浮かんだ。 「美鈴!お空で戦お?」 二人きりで遊びたいから。 「何で私の名前を…?」 不思議そうにする門番。 「いいから早く~。私が侵入者役で美鈴が門番役で決まりね!」 今日の遊びはこれで決まり。 「役も何も…。まあ、とにかく貴女を倒して残りの侵入者を追わせて貰います!」 “門番長、ゆっくりがんばってね!”“みんなでおうえんするよ!!” …気楽だね饅頭共。美鈴はね、こんなのを守る為に此処にいるんじゃないんだから! … ……。 「…リトル、それじゃあよろしく頼むわね。」 ホールに居たゆっくりの群れを一掃なされたパチュリー様は既にこの場にはおらず、念話でそう仰りました。 「はい!…でも、思ったよりイッパイ居ましたね。」 同意してくださったようで、そうね、とだけ答えてくださった後に念話は切れました。 これを後でお掃除するのはやっぱり私なんですよね。 それはいいとしまして、先ほどの一掃劇は本当にお見事でした。パチュリー様の魔法は本当に凄いです。 … 「パチェ、任せた。」 ホールに居たそれらを見て、怒り気味のレミリア様が仰いました。 「…面倒ね。」 対してパチュリー様は“任せた”と言われる前には既にスペル詠唱を始めていまして…。 本当にお二人は仲がよろしいのですね。二人の関係っていつ頃からなのでしょうか? こういう状況なら、パチュリー様が選択されるのはきっとあのスペルかな。…そうしたら私が出来る事って何だろう? 「はい、皆さん!甘いお菓子をお持ちしましたよ。」 “はい、どうぞ。”掛け声と共に轟く饅頭の群れの真ん中にクッキーを投げる私。 私に出来る事はきっとコレを足止めし、パチュリー様の御負担を少しでも軽減することなのだと思います。 …後でこっそり食べようとポケットに忍ばせておいたものがこんな形で役に立つなんて。 多分、この行動、無駄じゃないですよねパチュリー様?ちらりとそのお顔に目を向ける。 「「「「「ゆ!?」」」」」 「これはまりさのまえにおちてきたからまりさのだよ!!」 「ずるいよ!!みんなでわけようね!!!」 中心に向かって群れが固まる。 「…リトル、いい判断よ。」 間違いじゃなかったらしい。パチュリー様の負担を少しだけ減らせたようです。 パチュリー様の指先より放たれたソレはチラチラと淡く光りながら、ふわふわと中心の泥棒さんを模したお饅頭の前で静止しました。 「ゆ!!これなんだかゆっくりしてるね!!」 ふわふわキラキラのソレは、確かに私の目から見ても綺麗でした。それが内包する物が何であるかを知っている身ですらそう思えるのですから、お饅頭さんの反応は仕方が無いものだったのかもしれません。 レミリア様はその様子を見て、満足されて奥へ向かわれました。 パチュリー様は饅頭の群れに背を向け、レミリア様を目で追われていました。 私は、パチュリー様が放たれたソレに一つだけの弾を放ち、群れを観察しました。 「ゆ~♪ふわふわのキラキラさんと、お菓子さんがまりさによってきてくれてしあわせだよ!!」 パチン!と、私の魔力とパチュリー様の放ったソレがぶつかりました。 「ゆゆゆ!?ふわふわさんが消えちゃったよ!!」 はじけた後に残ったのは、薄っすらと白く見える気体だけでした。 ―金&水符「マーキュリポイズン」 1発だけ放たれたそれは、弾幕と呼べるものではないですが、足を止め言い争いをしている多数を亡き者にするには充分すぎました。 「ゆ!い、ぎ…でぎな!ぐるじぃぃぃ…!!!」 魔力精製された水銀毒が、お饅頭さんを蝕んでいるのが解ります。 気体を吸い込んだ固体は、白目をむき、先程食べたお菓子を自身の内容物と共に吐き出し、誰にでもなく助けを求めています。 「ゆ!なに?まりさ?どうしたの!?」 気体は徐々に徐々に広がりつつありまして、中心から離れないと、きっとこのお饅頭さんみたいになっちゃいます。 「ま、まりざぁぁ!!ゆっぐりしてよぉ!!ゆっぐり…?ゆ゛!ゆ゛……ゆべぇ…」 傍に寄ろうとした白赤饅頭も機能停止したようです。口を模した部分から内容物を吐き散らす様子を見て、この後の掃除の段取りを考える私。 …われに返った時には結界にとらわれてお饅頭さんの殆どが水銀中毒になり、絶命した後でした。 ボーッと考え事をしてしまうのが私の悪い癖だとパチュリー様によく注意されます。 「…リトル、図書室は任せたわ。私は館全体にこのタイプの結界を張ってくるわ。」 はい、咲夜さんと美鈴さんを救出したら、これで一網打尽にするのですね。このお饅頭たちは水銀毒が効果があるかどうかの見極めも完了されましたし。 …密室に気体毒を放って害物を駆除する製品って作ったら売れそうですね。 またも無駄なことを考えていたら、パチュリー様は既におらず、ホールのお饅頭が“可視できる”気体毒から逃れようと結界に顔をへばり付かせて逃れようと努力していました。 「もうやだぁぁ!ゆっくりでぎないよぉぉ!!おうぢがえるぅぅぅ!!!」 ゆっくりを亡き者にするために放たれた毒は、文字通りゆっくりと結界の中の空気に溶けていき、透明の空間をほんの僅かだけ白くさせながら少しずつ少しずつその領域を広めていきました。 「ここがあなた方のお家と御聞きしましたが?」 スマイルで御聞きしてみました。確かにそう仰られましたから。 「本当はれいむ゛のおうぢはもりのながなんでずぅぅ!だからかえらぜでぇぇ!」 涙や涎や汗で顔をグシャグシャにし、ホールを汚しながら私に向かい言葉を放ってきました。 体液を外に分泌させながら懇願してきて、きっと必死なのでしょう。ちょっとだけ可哀想に 「あ!白いふわふわさんがすぐ傍まできていますよ!」 思えません。館に許可無く侵入してきたものはすべて排除します。無断侵入者の排除失敗は過去から今にかけて、人間二人だけです。 「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁああ゛ああぁ゛あ゛!!!ふわふわざん!!もっどゆっぐりしていっでよぉぉぉ!!!」 徐々に迫ってくる気体と私を交互に見て、お饅頭さんは叫びました。 「おねえざん!だすげでぇぇ!!ここからだじでぇぇぇ!!」 私は頷き、結界を手で押すふりをしながら笑顔で答えました。 「私も入れないみたいなので、そこでゆっくりしていってくださいね。」 「やだぁぁぁ!!ここでゆっぐりしだらゆっぐりしじゃうううう!!!」 よく解らない返答に私も困ってしまいます。 「息を止めてみたらどうでしょうか?頑張ればきっとふわふわさんも諦めて下さいますよ!」 笑顔で提案する私、ハッとした表情で私を見るお饅頭さん。 「ありがどうおねえざん!!」 言うや否や、息を止めるために大きく息を吸い込んでいました。長時間の無呼吸に備えるつもりなのでしょう。 やがて結界内に完全に充満したようで、私と話をしていた固体以外は全て動かなくなっていました。 目を閉じ、口も横一文字にする目の前の個体。 本当に私の言葉を信用しているのでしょうか?無生物が諦めるなどと本気で考えているのでしょうか? では、そろそろ図書室に向かいましょう。 「…ゆっくりしていってくださいね。」 明るくはっきりと、優しく囁いてあげました。 「ゆっくりしていって…!?あ゛ァぁぁ゛!おくちひらいじゃっだらゆっぐりでぎな…ゆ゛ゆ゛ゆ゛…ゆげぇ…。」 どうしてかこの言葉を聞くと個体差はあるものの返事を返してくれます。 目をパッチリ開き、高らかに宣言されるはずであったゆっくり発言は、音源の機能停止により最後まで言い切れなかったようです。 最後の一匹が中身を吐き出し絶命しましたので、一礼をした後に図書室に向かいました。 … ……。 「お帰りくださいまし。お嬢様は誰ともお会いしたくないと」 「嫌よ。」 仕える相手をすりかえられた従者の言葉が付き向けられたナイフよりも突き刺さる。 「では、無理にでもお帰りねがいますわ。」 向けられる殺意。空気の中から現れる無数のナイフ。 小さく舌打ちをした後、すべてを回避して見せた。天井に、床に、壁に突き刺さる銀。 回避しながらその様子を見て確信した。正気に戻せると。 (…この期に及んで弾幕で勝負を仕掛けてくるなんて。律儀なのか洗脳が不完全なのか。) 咲夜の能力を用いれば、並みの相手を殺すことなど造作でもない。 時を止め、銀の刃を、敵対者の心の臓に突き立てればいいだけなのだから。 「…咲夜、お前の運命は私の掌のなかだというのに。」 今回は私が目を覚まさせてあげる。まったく…、主人の手を煩わせるなんて、従者失格よ? …。 ……。 「ねえ美鈴。」 背後から、 「もう御仕舞?」 右手側から、 「今回も美鈴の負けだね!」 正面、 「敗者には、」 左方から、 「「「「罰ゲーム♪」」」」 四方からする悪魔の声。 「う…くっ…。」 地面に落下した私は全身を支配する痛みに顔をしかめた。痛みと疲労で声が出ない。 服もボロボロ、五体満足で生きている自分が不思議である。だが、それもここまでであろう。 「ねえ、美鈴?大丈夫?」 とどめを刺されるものと考えていたのにもかかわらず、可愛らしい顔、心配そうな瞳で私に問いかける悪魔。 (…なぜそんな顔で私をみるのですか?情けなど…) 言葉に出ない。出せない。完敗を喫した自分。…過去にもこんな事があった気がする。ダメージを受けずにすんでいたはずの頭部が痛む。 私が無事なのを確認すると、悪魔は胸を撫で下ろし私の部下達の方を向いた。 「じゃあ、美鈴が守っていたものぜーんぶ壊しちゃうからね。そしたら罰ゲームだね!」 ニコニコと私に向かって言い放った。遊びの延長のように。ダメ、守らなくては…。 私は門番、お嬢様とふら…様をお守りする…?ふら…? …頭が痛い。大事な事なのに思い出せない。大事な事のはずなのに…。 「門番長がやられたよ!ゆっくりにげるよ!!」 敵わぬと見るや、逃亡の算段をはじめる饅頭達。 「敵前逃亡は死罪(クビ)だってお姉様が言ってたよ?」 気が付けば目の前には門番長をやっつけた存在。 「それに、美鈴があんなに頑張ったのに逃げちゃうなんて…。ちょっと許せない。」 “だからみんな壊しちゃうよ。” 更に紅くなる目。その手を目の前に突き出し 「“ギュッ”てしてあげる。」 その手を、力強く握り締めた。 並んで逃げる饅頭の群れ後方のゆっくり達は 「ゆ!?よくわからないけど逃げるよ!」 「おいかけてこないんだねー!わからないどにげるよー!」 「はやく、うーぱ…」 弾けとんだ。パチンと乾いた音を立てて砕け散った。 「“ギュッ”てすると、お前達は壊れちゃうんだよ?」 悪魔は笑っていた。笑いながら何度もその可愛らしい手を開いては握った。 戦慄した饅頭の群れ。所々から乾いた音、水風船が割れた時の音。 目の前の仲間が消し飛ぶ。中身すら残らない。そこに何かあったことは弾けとんだ時の音のみが語る。 確かにいた。瞬きすらしていないのに、次の瞬間にはなくなっていた。 あの悪魔の言うとおり、手を閉じられると仲間が消えていく。 「どぼじで!?どぼじでごんなことす“パチン”」 何かを叫ぼうとした個体。爆ぜて消えた。 「ん?それはね、」 何を叫ぼうとしたのか、察した悪魔は手を止めて答えた。 「コインいっこ。…ゲームオーバーだからだよ。」 あくまでも遊びという姿勢の悪魔。侵入者から殲滅者へその役をかえた悪魔。笑い声が月の下に響き渡る。 跳ねながら逃げる。次々に数を減らしていく仲間。次は自分なのかもしれない恐怖は鞭となり、跳ねる力を搾り出してくれた。 「うー!うー!」 輸送隊のうーぱっく(羽つき箱ゆっくり)が見えた。あそこまで跳ねろ!逃げる。逃げてゆっくりする為に今は急げ! 「みんな早くのってね!うーぱっくはりりくじゅんびいそいでね!」 一番乗りでうーぱっくに飛び乗ったまりさ種は叫んだ。 100は居たであろう部隊も既に10となった今の有様。まりさは一跳ね毎に消えていく仲間を見守ることしか出来なかった。その後ろには歪な羽の悪魔。 怖いが仲間を見捨てるわけにはいかない。ギリギリまで離陸はさせない覚悟を決めるまりさ種。 5、4、3…。3匹だけだがうーぱっくに乗り込めた。今が潮時。 「もういいよ!とんでにげようね!」 「うー!!」 号令が出された。うーぱっくはその持てる力を使いこの空域から離脱しようと心に決めた。 「どぼじでぇぇ!!ふくたいぢょう!!まだれいむたちがのってないでしょぉぉぉ!!ゆっくりしていってよぉ“パチン”」 乗り遅れた饅頭たちは等しく砕けちった。 その様子を見届けた悪魔は私の方へ向き直り 「ね、美鈴。“ギュッ”てしてもいい?」 おねだりする様な顔で死刑宣告を言い渡しました。彼女が手を閉じればどうなるのか、見せ付けられた直後に。 未だに痛む頭。なのに、何故、何故私は 「…はい。」 この悪魔の言葉を拒否できないのだろう? …怖い。消えてしまったらどうなるのだろう…。何も残らないのかな…。お嬢様、咲夜さん…、ゴメンナサイ。 目を瞑り、その時が来るのを待つ私。 “ギュッ” 鼻腔をくすぐる甘い香り、小さな何かが私に抱きついて…。 「ねえ…。美鈴、まだ私の事思い出せないの?」 目の前のあく…、目の前の女の子は目に涙を浮かべ私を見つめていた。 …フラン様…。どうしてそんなお顔をされるのですか?私こまってしま…。あ! 「フラン、さま…?」 恐る恐るその名前を口にした。 「・・・!?めーりん!」 ああ・・・フラン様、泣かないでください。私、本当に何を…。 ―Spell Broken― →ゆっくり『ゆっくり思考改竄』 頭の中で“パリィン”と何かが割れるような音がし、痛みが走った。 「フラン様、申し訳ありませんでした…。」 先ほどまでの記憶が後悔を呼ぶ。何たる無礼をしてしまったのかと。 「じゃあ、めーりんには罰ゲーム。お姉様が戻ってくるまで抱っこして?」 ニコリと笑い、私に要求するフラン様。 「じゃあ、これで」 両の手をグリグリと合わせ、何かを潰すような動作をされるフラン様。 「?どうかされたのですか?」 疑問を口に出すと 「仕上げ。これで美鈴の負けだから罰の抱っこを断ることは出来ないよ。」 元から断る気なんかないですよ? 「はい、フラン様。では、今何が起きているのかお話してくださいね?」 うん!、そういって私に再度抱きつくフラン様。 私の幸せは、紅魔館に住まう方々の幸せを守る事。それと真逆の事をした償いは必ずいたします。 「うー!うー!」 「おってがきてないよ!にげきれたよ!」 「やったよ!これでゆっくりできるよ!!」 「おうちにかえってゆっくりし」 饅頭たちの周りの大気だけが突然重く重く収縮し、グシャリと音がして、空から何かの固まりがボチャンと音を立て湖に波紋を作った。爆ぜた中身、魚は喜んでそれらを口にした。大部分は水に溶け、消えうせた。 … ……。 「いい加減になさい、咲夜。」 息を荒げながらもなおも力を行使しナイフを投げるのをやめない咲夜。 それを難なく回避し、余裕そうに言葉を紡ぐ私。 「はぁ…!はぁ…!私が、お嬢様を守る…!この身が動かなくなる時まで!」 …嬉しさとイラつきが同時に去来する。 素直に嬉しい。こんなにも思われている事が。 そして許せない。私とすり替わった何者かが。 「貴女が…!どうやっても…!…回避できない攻撃を、思いついたわ!」 クロックアップする咲夜の世界。強力すぎる能力は生命を蝕む。 …よくない。こんな事で咲夜の生命を燃やさせたくない。ならば 「…やって御覧なさい。」 空気が重くなる。文字通りに。咲夜の時間調律が始まる前触れ。 突如空気の中から現れる銀刃の囲い。私の周囲全てを覆い尽くして此方にへと押し寄せる。 (ルール違反じゃないのかしら?弾幕的な意味で。) 冗談じゃないわ、回避できないわよ。こんなの。 … 押し寄せる刃が侵入者の肩に胸に、腕に太腿に突き刺さった。 「…ぐ、ふっ…!?」 彼女自身の体液で濡れた床に彼女が膝を付き、此方に手を伸ばす。 「…さく、や…いたい…。」 言葉を発して倒れた。腕は天に伸ばしたままで、目は虚空を見つめて、呼吸はしていないようだ。 「…!?勝った、の?」 正直言って、この技が回避されたら討つ術は無かった。 「…あ、れ?」 侵入者の最後が脳裏に焼きついて離れない。 (さく、や…いたい…) 何故、涙が?侵入者など過去に何度も葬って来たはずなのに…! どうして…?胸が苦しい…!頭が…! 気になって、彼女の顔を見る。生気は既に失せており、動き出す気配はない。 何も間違ってはいない、はず。自分はお嬢様をお守りして…。 “ガチャリ” 背後から音がした。 「さくや?しんにゅーしゃはやっつけた?」 私の主、だ。 「…あちらです。」 どうしても其方に目をやれない。どうしてなの? 「うー!こーまかんにしんにゅうしたらこうなるんだよ!!」 嬉しそうな声で侵入者の亡骸を蹴る我が主。 …蹴る? (さく、や…いたい…) 「…蹴 る な !!!」 叫んでいた。 「うー!さくやーごべんなざいぃぃ!!」 返される返答。…何故かしっくりこない。私が叱られるべきなのに。 亡骸から離れてトテトテと私の方に歩み寄る。血の滴った床をパシャパシャと音を立てながら。 頭が痛む…。痛くて仕方が無くて、膝を付く私。ベチョリと膝を覆う感覚。血。 何故か、床を汚したそれを指で救い上げて (『十六夜咲夜』なんてどうかしら?) 赤いそれを見つめる私。 「さくやー!おなかすいたー!!プリンー!!!」 (異端の子。いくらお前が人間に災いをもたらすとされている吸血鬼や悪魔を狩っても、人間は誰もお前を受け入れない。感謝しない。恐怖、畏怖する。) 何かがぼやけてきて…。 「さくやー!!さくやーー!!きいてるの!!れみぃはプリンがほしいのぉ!!」 (だけれど私は違う。…私の物になりなさい。名前の無い銀髪の狩人。) 「はい…お嬢様…。」 白昼夢?でも、この感覚は… 「はやぐじでー!!れみぃおなかペコペコだどー!!」 (…私の血を舐めなさい。) 止まらない…。どうかしている。頭に響く、懐かしい声。絶対に逆らうことの出来ない声。 指先に付いたそれを躊躇無く舐めとった。 「懐かしかった?」 …血溜りから声がした。 「うあー!うあー!!しんにゅうしゃがいきてたどぉぉ!!!!」 はい、生きていましたね。…お嬢様。 「咲夜、代えの服を用意なさい。ボロボロじゃない。」 「さくやー!はやくやっつけるんだどぉ!!」 ―パリィン 私は、答えました。簡潔に一言 「はい。お嬢様。」 と。 「ん。今は白い服って気分だったの。流石ね咲夜。」 お褒めの言葉、至極恐縮です。 「…?なにしてるんだど?」 お嬢様に、代えの服を用意させていただいたのですよ。 「見ての通りです。」 しれっと答えました。お嬢様の着付けの最中に声をかけないでくださいまし。 「なにしてるんだどぉぉ!!れみぃはこーまかんのあるじなんだ!!めいれいはぜったいなんだよ!!」 プンスカと擬音を立てながら抗議するそれ。 紅魔館の主が貴女?何をいっているのかしら? 「咲夜。それ口を塞いで縛って頂戴。一応、ね。…あ、殺しちゃダメよ。」 かしこまりました。…コロシテハダメナノデスネ。 「さくや?な、なにするんだど!?」 時は止めない。歩み寄る一歩毎に後悔を刻み込ませてやりたいから。 「しんにゅうしゃはあっちだど!?はやぐ!!」 はい。侵入者は 「私にお嬢様を傷つけさせてまだ言うか!!」 あなたでしょう。殺してはいけない枷が殺意を濃厚にする。 「こわいどぉ!ざくやー!だずげでぇ!」 煩わしい声。…聞きたくない。 その緩んだ頬に平手打ちをした。していた。手が勝手に。 パン! 「黙りなさい。」 「いあぁぁ!!いだい!!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!やべでぇ」 パン! 「黙りなさい。」 「わかりまじだぁぁ!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!?・・・!?」 黙ったソレの目の前にナイフを突きつけると、ビクリと反応した。 「口を開きなさい。」 頭を掴み、目を逸らさせない。 コクコクと頷き、口を開くソレ。 ナイフを口内に侵入させると流石にそれも 「ひゃべで!!なにずるのぉ!!」 恐ろしいのか声を上げた。 空いている手がないので頭を掴みあげている手の力を強める。 「黙りなさい。」 それは敵わないと悟ったのか震えて泣き出した。 泣き出して泣き出して、頬をぬらすそれを見て私は 「この舌がいけないの。」 ソレの舌を根元から切り捨てた。ボトリと音を立て、床に落ちるそれ。 「いはぃぃぃ!!へみぃのひははー!!」 頭を掴むのを緩めてやると、ソレは必死に落ちた舌を拾い上げようとしていたので 「目障りですので動かないでくださいまし。」 その落ちたものを踏み潰した。 「へみぃのへれがんとなひははー!!」 卒倒、気絶した。手間が省けて助かる。 縛り上げたソレを運んでお嬢様と外に出ると、美鈴とフラン様がなにやらお話をしていた。 「「あ!」」 二人同時に私とお嬢様に気がついて手を振っていた。 「お姉様!美鈴はもう大丈夫だよ!無事だよ!!」 「ええ。咲夜も無事よ。」 どさりと二人の目の前に、自称主を投げ落とした。 「…ふーん、コイツが私達の館で好き勝手してた奴の首謀者なんだ。…どうするの?壊していい?」 フラン様の目が真っ赤になる。美鈴がなだめてお嬢様の采配を待つように言い聞かせている。 どうするの、お姉様? 如何しますか、お嬢様? どうしましょう、レミリア様? 三人、三対の目がお嬢様を向く。 「…あー、紫、聞こえてるわよね?こっちは制圧終えたわよ!」 空に向かい叫ぶお嬢様。…あの妖怪が動く規模なの?今回の事件は? 空中にスキマが割れたのを確認し、お嬢様を見た後、私と美鈴でソレをスキマに投げ入れた。 …。 ……。 「…むきゅ。」 「…むぅ。」 二人は不機嫌だった。それはそうかもしれない。 「だって、咲夜も美鈴も無事に救い出せたから、つい勢いで。」 答えるのは私。Seizaさせられるのは、私を含め四人。 「…リトル。私すごーく頑張って館全体に結界を張ったわよ。」 「ご苦労様です、パチュリー様。私は図書室以外にも、屋敷内の全ての部屋を見て回って掃除していました。」 「ご苦労様、リトル。でも、私達を待たずに制圧報告って酷いわね。」 「はい、酷いです。でも、良しとしましょう、パチュリー様。あの言葉は待っていてくれたですから。」 Seizaを解く様に言われ立ち上がる私達。 パチュリーと小悪魔、私とフランが横一列に並び、二人に言った。 「「「「二人ともおかえりなさい!」」」」 美鈴も咲夜もその場で崩れて答えた。 「ただいまもどりました、お嬢様、妹様、パチュリー様、小悪魔。」 「ただいま帰りました、レミリア様、フラン様、パチュリー様、小悪魔さん。」 「さ、“家族”揃って紫の所に報告に戻るわよ。」 その言葉に呼応するかのように六人が横一列で通れる大きさの隙間が開いた。 “家族”その単語に反応したのはスキマだけじゃなくて 「お嬢様。」 咲夜。忠実な咲夜。感情の起伏があまり無かった筈の咲夜。 「…嬉しい!」 こら、紫の所いくこの時に“ギュッ”って抱きついたら! ―マヨイガ 「…ご苦労様。それと、そういうのは異変が終わってからにしてほしいわ。」 異変が終わったら私も霊夢にしてもらうもん?…ソレは許さないけれど謝るわ。咲夜が急に、ね。 「あー!お姉様ズルイ!私も混ぜて!」 フラン、異変解決まだだって紫が! 「わ、私も嬉しかったです…!レミリアお嬢様!私も!」 美鈴、まともな子だと思っていたのに…。 「そ こ ま で よ !」 パチェの声で全員はなれる。どういうわけか、パチェのこの言葉を聞くと今行っている行為をやめなくてはいけない気分になる。 「…まあ、神社は直ぐに制圧の声が聞こえてくるでしょう。だから…」 続く言葉は理解できる。…もう一仕事してやりましょうか。 「ふん。永遠亭の増援、引き受けてやるわよ。…行くわよ、フラン!」 「うん!お姉様!」 咲夜と美鈴もそれに続こうとするが私の答えは 「…気持ちだけで充分よ。貴女達は休んでいなさい。」 パチェが代弁し 「リトル、貴女もよ。この二人の看病、任せたから。」 更に続ける。 不服ながらもそれを受け入れる三人。 「「「いってきます。」」」 「「「いってらっしゃいませ!」」」 … …… 異変は巫女救出成功により急速に収まった。永遠亭は大分苦戦したようだが、何とか制圧できた。 人間は疲労により衰弱しているものもいたが、死者はでなかった。永遠亭にはしばらく患者で溢れそうだが。 妖怪も未だ衰弱の激しい者もそうでない者も主の計らいにより、マヨイガに搬送され療養している。一つ屋根の下で過ごし、妖怪達も前よりも絆が深まった者や新たに親交が増えた者も居る。 「お姉様、おみそスープって美味しいね!」「フラン、納豆もかなりイケるわよ。試してみなさい。」 咲夜も九尾と親交が生まれたらしく、よくレシピ交換をしているようだ。我が家の料理のレパートリーが増える事はいい事なので特に口出しすることもあるまい。 「リトルちゃんって凄いな。あんなにあるパチュリーさんの御本の管理しているんだね。」「大ちゃんさんみたいに瞬間移動できたら便利だと思います。あ、今度、お屋敷にご招待しますね。」 どういう訳か、この二人は直ぐに仲良くなっていた。遠くでパチュリーがチルノに絵本を読んであげている図を見守る二人は和みながらお茶をすすっていた。 …その後、大妖精が小悪魔の紹介で紅魔館で短期のメイドのバイトを始めた。 ともかく、楽園の転覆は防がれた。奇跡的に物的被害のみで。 … ……。 めがさめた。じぶんはいったいどこにいるのだ? このまえはひまわりばたけでいじめられるゆめをみた。 ひどいゆめだったよ。はやくゆめからさめないとゆっくりできないね。 「ゆっくりしていってね!!」 おきまりのことばでめざめると、くうふくかんもいっしょになってめざめた。 みたこともないばしょ。あまい香りがへやをしはいしているこのばしょはひじょうにゆっくりできそうだ。 キョロキョロとまわりをさがすとこんがりきつね色のぱんみたいなのががおさらのうえにおいてあった。 すぐにそばによりそれを口のなかにしまいこんだ。 「むーしゃ、むーしゃ…。!!し、しあわせー!!!!」 それはいままでに食べたどのたべものよりもゆっくりできた。 たまねぎやにんじんがお肉とともにそとはカリカリなのになかがふわふわのおいしいものに入っていた。 「お目覚めですね。はじめまして。」 背後からの声に反応し、振り返るとそこには赤い髪をした女性がニコニコとした表情で立っていた。 「はじめまして!おねえさんはゆっくりできるひと!?」 表情から察するにゆっくりできることは間違いないその女性はコクンと頷く。 「ふふ…。それにしても、美味しそうに食べてくださいましたね。作った私としてもうれしいです。」 黒を基調とした服に、白のエプロン。その端を持って喜ぶ彼女を見て食べた自分も楽しい気分になってきた。 「お姉さん!おりょうりじょうずなんだね!ゆっくりできるよ!」 この“ゆっくり”をプレゼントしてくれたお姉さんには感謝の気持ちを伝えなければゆっくりの名が廃るというもの。 「本当ですか、嬉しいな♪…あの、よかったらもっと召し上がられますか?」 断る必要は無い。いまはお腹がすいているし、こんなご馳走はめったに食べられないから。 「ゆ!?本当にいいの!?いっぱいたべるよ!!」 答えると、お姉さんから羊皮紙とペンが出された。 「では、こちらにお名前をお願いできますか?…私、ドジだからお名前聞いても忘れちゃいそうで。」 恥ずかしそうに、舌をちょっとだけだして赤くなるお姉さん。 「ゆ?まりさはまりさだよ!」 口にペンをくわえ、器用に書きながら己が名前を紹介するまりさ。 「わたくしは、小悪魔と申します。まりさ様、契約書は預からせていただきますね。」 そこにはこうあった。 “出された料理は残さず食べます。” 簡単さ。こんなに美味しい料理なんだから。 三十分もすると、お腹も膨れてきた。多分、今日だけで1ヶ月分はゆっくりできる物を食べたであろう。 「ゆふぅ、もうお腹いっぱいだよ!こあくまお姉さん、ごちそうさ」 優しい小悪魔お姉さんに伝えると 「…契約は履行されませんでした。」 表情は無くなり、目が真っ赤になる小悪魔。恐るべき殺気を感じたまりさは直ぐに撤回した。 「…ごちそうさんばっかりでまだまだいけそうだよ…!」 ごちそうさまを言えるのは何時なのか、 「あっ!私ったら早とちりしちゃった♪直ぐにお替りお持ちしますね。」 笑顔が戻った小悪魔しか知らない。 黒白は目を白黒させながら小悪魔の運んでくるご馳走を平らげていったが、 「…うぷ…、ところ、で、このおりょうりの、お名前なんていうの?」 ふと、気になった。 「えーと、ですね」 いそいそとポケットからメモ帳をとりだし、笑顔で続ける小悪魔。 「初めに召し上がられたのが“紅魔館の主を偽った物”の姿揚げです。私、頑張りました。」 ゆ? 「その次は“ホールにて水銀中毒死した物”の混ぜ込みパンになります。アンチマジックで毒抜きはしっかりしてありますよ。」 何それ? 「その次は私のお友達作の“餡山”です。文字通り餡子の山、盛り合わせです。」 うん、甘かったよ?でも、それって 「で、これから召し上がって頂くのが“図書室にて本を汚していた物”の姿造りになります。」 もしかして? 「さあ、召し上がれ。」 銀の蓋が皿を覆っていた。“召し上がれ”その言葉と共にそれが消えうせて中身が見えた。 「…ゆ!?…お、おねえさん、これって…」 もしかして、 「はい。お察しの通りです。“ゆっくり”召し上がってくださいね。」 プレゼントされたのは“ゆっくり”だった。文字通り。二つの意味で。多分、いや確実に今まで食べたものも。 「ゆげぇぇぇ!!!みんなごべんねええええぇぇえぇえ!!!」 どんな目にあったか解らないが、このゆっくりは絶望しきった顔で虚空を見つめて鎮座していた。 「私の主を模したのでしょうか、コレは。」 コレと呼んだものを見つめ、小悪魔の表情は笑顔ではなくなっていた。 「ごれ、ばぢゅりぃだよぉぉ!!!なんでこ」 言葉を言い終える前に、いきなりテーブルの上にあったフォークでそれを、ゆぱちゅりーを滅多刺しにし始める小悪魔。 無表情の横顔、機械的に何度も何度も何度も何度も突き刺す動作。 ソレを乗せていた皿が割れても止めない。異常極まりないその行動に、まりさは恐怖した。そして思った。 “夢に出てきた緑髪の妖精さんと同じ目をしている”と。 「これは何ですか?」 いやだ、質問しないでくれ。ゆっくりさせてくれ。 「コレは何ですか?」 その目はやめてくれ。頬が痛んだ気がした。緑髪の女の子。思い切り蹴られた図がフラッシュバックする。 「じらない゛!そんなのじらないよぉぉぉ!」 割れた皿の破片が食い込み、フォークで刺された部分から中身をもらすソレ。あまりにも悲惨なかつての仲間の姿を見て思わず声に出してしまった。 「ぱぢゅりぃぃぃ!!おねえさん!どぼじで!どぼじでごんなごとするのぉぉ!!!!!!」 不意に頬が痛んだ。恐る恐る目をやると、先ほどぱちゅりーを滅多刺しにしたそれが自分の頬から生えていた。 生えたそれをみて夢の一部分を思い出した。無邪気な水色の子を笑顔で誘導する緑髪の妖精。まりさの頬に“盲人の死杖”を突き刺せと。 突き刺された部分が毒され痺れ、“まりさ、首から上だけだから刎ねられないよ”ってよく解らない事を思いながら意識を失ったんだっけ。 「パチュリー様は美しくて知的で、誰よりも本を愛されていて…。そのお名前すら麗しくて…。」 痛いのに叫べない。叫んではいけない。 目の前の存在が急にトリップしだして、ここに自分がいることが見えていないようで。このまま黙っていれば自分に注意が向かないかもしれないから。 様子を伺おうと目を其方に向けた。…目があってしまった。 「いやぁぁぁぁぁ!!!いだいぃぃぃ!!!!!!!」 真っ赤な目で此方を見下ろしたまま言葉を投げかけていた。口元は歪みきっていて優しさなど何処にも感じない。冷たくて火傷しそうなそんな目で。 「その名を呼ぶな。あなた如きが。その名を冠するな。まんじゅう如きが。」 口を開いた。ああ、おねえさんは自分で言ってたっけ。 「あくま!!おねえさんはあぐまだよ!!!」 その通りですけれど?優しい造り笑顔に戻ったそれは、まりさの頬に突き刺したフォークをえぐりこんだあと、力任せに引き抜いた。 そして 「契約の履行は確実にお願いしますね。」 かつての仲間をまりさの口の中に押し込んだ。 吐き出せ、仲間を食べたらゆっくり出来ないから。 「むーしゃ、むーしゃ、ごっくん!しあわどぼじでぇぇぇ!!!」 契約の強制力は饅頭の柔らかな意志を用意に粉砕し、履行させた。 「はい、いい食べっぷりでした。以上で朝御飯はおしまいです。」 ペコリとお辞儀をする小悪魔。 「ゆ゛っ…ごちそうさまぁぁぁ!!」 やっと開放される食卓。お皿を片付け、部屋から去る小悪魔。 「ゆぇぇぇん!!ばじゅりぃぃ!!びんなぁぁ!!ごべんねぇぇぇえ!!!」 残されたのはまりさだけ。磨り減った気力を回復させる為、ゆっくりしよう。 仲間だったとはいえ、それは確かに美味しかった。ゆっくり出来たから。 気力が回復したら、ココから逃げよう。ゆっくりプレイスを探してひっそりとゆっくりしよう。きっとほかのゆっくりにも再会できるよきっと。 コンコン。 「お昼ごはんをお持ちしました。」 笑顔の小悪魔は契約の羊皮紙をまりさの面前に突きつけた。 出された料理は全て食べなくてはいけない。 契約が切れるのはいつなのか。それは小悪魔にしかわからない。 変異種ゆまりさの意識はここで遠のいた。 変異種に与えられた最後の役割は、今回の異変に関わった者全てからの制裁。 ここで受けた傷は治され、明日、変異種まりさは永遠亭に搬送される予定。前よりちょっとだけ仲良くなった不死鳥と不死姫がお礼をしたいのだと言っている。殺されはしない。永遠亭には最高のお医者様がいるから。 そしてその後は別の場所に。 おしまい。 あとがき 前作読んでいませんと意味不すぎますね。 ごべんなざい。 フランちゃんの気がふれていません。どちらかというと私の気がふれています。 ごべんなざい。 ゆっくり以外の部分で甘みを出そうと努力をした結果がこれだよ。 ごべんなざいぃぃ! ゆっくりさせてください。お休みさんください。仕事さんは少し待っててね!! 関係無い事になりますが、幽香はお姉ちゃん属性maxだと思います。 以上、緑の日と昭和の日の区別の付かなかったY・Yでした。 このSSに感想をつける
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伝言版 またまたしばらく留守にします。ごめんね -- ごっちん (2012-10-24 22 39 38) 名前 コメント 大剣用の装備作った(8/25) カフ: 食事カフⅡPA1 ● 武: ○ ○ ○ 頭:超絶のピアスⅥ Lv7 66 剛力珠 剛力珠 胴:ブレオFジャケット Lv7 149 集中珠G 集中珠G 剛力珠 腕:竜巻F篭手・黒 Lv7 123 剛力珠 剛力珠 ○ 腰:ブレオFフォールド Lv7 135 集中珠G 集中珠G 剛力珠 脚:ベルFXグリーヴ Lv6 150 剛力珠 剛力珠 防御力:623 火耐性:3 水耐性:5 雷耐性:8 氷耐性:2 龍耐性:3 発動スキル 攻撃力UP【大】,見切り+3,龍風圧無効,集中+2,絶倫,火事場力+2,高級耳栓,早食い,斬れ味レベル+1,砲術師 ベルFX レベル6まで終了!! 使用素材 所持個数 古龍種の鱗×50 101 古龍種の剛翼×3 5 古龍種の厚鱗×30 41 古龍種の上翼×25 29 古龍種の特上毛×15 15 舞雷竜の帯電鱗×10 10 舞雷竜の紫玉×10 10 古龍種の剛角×5 20 古龍種の尾×35 35 古龍種の上皮×25 25 古龍種の剛爪×15 14 舞雷竜の絶縁脂×10 10 舞雷竜の雷液×25 26 古龍種の堅殻×45 44 古龍種の血×35 15 古龍種の特濃血×5 3 【ブレオ】 生産 伝説の職人,祭典の思い出x10 Lv2 祭典の思い出x1,火竜の骨髄x1,のりこねバッタx3,鉄鉱石x5 Lv3 祭典の思い出x1,縞模様の皮x4,宝石券x2,大地の結晶x6 Lv4 祭典の思い出x1,眠鳥の橙毛x3,溶岩竜の牙x3,ドスヘラクレスx4 Lv5 祭典の思い出x1,宝石券x3,呑竜の牙x2,緋夕石x2 Lv6 祭典の思い出x1,ドスヘラクレスx5,燐蛍石x2,春夜鯉x2 Lv7 祭典の思い出x1,紅溶岩竜のヒレx5,呑竜の牙x5,たまご券x4 【ブレオF】 LV1 祭典の思い出x1,呑竜の酸液x2,棘竜の頭殻x2,猟団チケットx20 Lv2 祭典の思い出x1,氷狐竜の堅殻x2,舞雷竜の雷液x2,雷管石x1 Lv3 祭典の思い出x1,甲殻種の上晶石x5,鳥竜種の上皮x3,鳥竜種の牙x5 Lv4 祭典の思い出x1,マカライト鉱石x10,飛竜種の上翼x3,猟団チケットx20 Lv5 祭典の思い出x1,飛竜種の肝x10,草食種の堅殻x3,追加依頼達成証x5 Lv6 祭典の思い出x1,飛竜種の髄x10,鳥竜種の上皮x5,雷管石x1 Lv7 祭典の思い出x1,氷狐竜の堅殻x2,マカライト鉱石x20,飛竜種の上翼x6 ■匠無し剣士汎用 MHSX2 装備クリップ 剣士(女) 武器スロットなし SP剣士頭(古龍) Lv7 127 ■ 気短珠SP レアルFメイル・※ (パ) Lv7 123 ●●● 仙人珠, 剛力珠 レアルFアーム・※ (パ) Lv7 123 ●●● 剛力珠, 剛力珠, 剛力珠 レアルFコイル・※ (パ) Lv7 123 ●●● 剛力珠, 剛力珠, 剛力珠 レアルFフット・※ (パ) Lv7 123 ●○○ 剛力珠 服Pスロット2 ☆☆ 防御値 619 スロット ■1□0●10○2 火 4 水 4 雷 4 氷 4 龍 4 攻撃力UP【大】,見切り+3,龍風圧無効,高級耳栓,火事場力+2 ランナー,受け身,広域化+1,早食い 匠無しだけどそれなりの必要スキル 1.回避カフPB1、神足珠2入れると回避+1発動 2.捕獲珠G2個入れると捕獲名人発動 などSP珠もお好みでアレンジしてみてください ■剣士汎用レアルメインお勧め装備(最終形態) MHSX2 装備クリップ 剣士(女) 武器スロットなし フェロウバンダーF (他) Lv7 66 ●● 仙人珠 レアルFメイル・※ (パ) Lv7 123 ●●● 剛力珠, 剛力珠, 剛体珠 レアルFアーム・※ (パ) Lv7 123 ●●● 剛力珠, 剛力珠, 剛力珠 レアルFコイル・※ (パ) Lv7 123 ●●● 剛力珠, 剛力珠, 剛力珠 ベルFXグリーヴ (FX) Lv7 180 ●● 匠珠 服Pスロット2 ★★ 匠カフPA1 防御値 615 スロット ■0□0●13○0 火 5 水 7 雷 10 氷 4 龍 5 攻撃力UP【大】,見切り+3,龍風圧無効,高級耳栓,火事場力+2 ランナー,ダメージ回復速度+1,斬れ味レベル+1,回避性能+1,早食い
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『ゆっくりゲスになってね!』 30KB 愛で ギャグ 日常模様 飼いゆ 失礼します ※ 人間さんがちょっと餡子脳です。 ※ バッジ関係で独自設定が多めです。 チートあきです。 しとしとと降る雨。 「ゆぅ……ゆっ……」 一匹の子まりさが涙を流しながら、灰色の空を見上げていた。あちこちが泥で汚れ、何 かにぶつけたのか所々アザになっている。目元からこぼれる涙は雨に混じっていた。全 身も薄く溶けかけている。頭にあるはずの帽子は無い。 アスファルトの上で死にかけている一匹の子まりさ。 ある意味どこにでもあるような光景である。 「お?」 そこに、傘を差した男が通りかかった。 目を開けると白い壁が目に入る。 まりさは霞む意識の中、周囲を眺めた。ゆっくりした場所である。先ほどまで身体を蝕ん でいた苦しさはない。白いふわふわの上に、まりさは置かれていた。 「ここは……どこなのじぇ?」 「おう。起きたかまりさ」 視界に入った大きな影。人間の男だった。普段なら人間は恐怖の対象だが、今のまり さには恐怖を感じる余力も残っていない。ただぼんやりと人間を認識する。 男はスプーンですくった冷めたお粥をまりさの前に差し出した。 「とりあえずこれ食え」 「むーしゃむーしゃ……」 言われるままに、まりさはお粥を口にした。 「ありがとうございますのじぇ」 無事回復し、男にお礼を言った。 「いやいや、いいってことよ」 ぱたぱたと手を振りながら、男が脳天気に笑う。 アパートの一室、まりさは卓袱台に乗せられていた。事故で両親を失い、帽子を失い、 他の野良ゆっくりにお家も奪われ、行くところもなく餌も取れず雨に打たれて死にかけて いたまりさ。それをこの男が助けたのだ。 「ところで、おにーしゃん、だれなのじぇ。なんでまりしゃをたすけれくれのじぇ?」 「俺はいわゆる虐待お兄さんでな」 まりさの問いに男はこれまたあっさりと頷いた。 「ゆっ……!?」 その単語に、まりさが固まる。 虐待お兄さん。ゆっくりを虐めるのが大好きなゆっくりできない人間。餡子に刻まれた知 識からその情報が引き出される。その虐待お兄さんが目の前にいる。 「大事に育てた飼いゆっくりがゲス化して、それを制裁っての一度やってみたいと思って てなー。うん。そしたら丁度いいところによさげなまりしゃが落ちててたから拾ったってわ けだ。ゆっくりは勝手に生えてくるって本当なんだなー」 男は頷きながらにこにこと話している。何を言っているのかはよくわからないが、とんで もない人間に捕まってしまったと、まりさは理解する。 ビシッとまりさを指差し、男が口端を持ち上げた 「とゆーわけで、これからお前は俺の飼いゆっくりだ。ちゃんと世話してやるから、しっかり 育って虐待しがいのある立派なゲスになってくれよ?」 「ゆんやああぁぁ!」 まりさは悲鳴を上げた。 「ここがお前のお家だ」 男の手の上の中でまりさは震えている。 男の部屋の片隅に、その場所は作られていた。畳半畳ほどの緑色のシート。飼いゆっく り用の疑似芝生シートである。室内飼いでも外の気分が味わえるというものだ。 「ベッドはここな。トイレはこっちだ」 折り畳まれたゆっくり用布団Sサイズ。飼いゆっくり用トイレを順番に示す。 男はまりさを芝生シートの上に下ろした。 「帽子はそのうち作ってやるから、しばらく帽子無しで我慢しろ」 「ゆぅぅ」 まりさは一筋の涙を流した。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわしぇー……」 夕方。男に出されたゆっくりフードを口に入れ、まりさは喜びの声を上げていた。無茶苦 茶美味しい。今まで主食にしていた草などとは比べものにならない美味しさである。 そして、まりさはもう草などの野良ゆっくりの食事は取れないと確信していた。 「どうだまりさ、美味いだろ? これはそれなり味より一ランク上の、しあわせ味だからな。 しっかり舌肥やしてくれよ。ゲスになったあかつきには、げろまずフード毎日食わせてやる からな。楽しみに待ってろよ」 ラーメンをすすりながら、男は笑顔で言ってくる。 めちゃうま味、しあわせ味、それなり味、いまいち味、げろまず味。用途から五段階に分 けられる、標準ゆっくりフード。しあわせ味は主に高級飼いゆっくり用である。 「おいしいのじぇ……」 涙を流しながら、まりさはゆっくりフードを噛み締めていた。 「おそらをとんでるみちゃい!」 お下げを動かしながら、まりさは元気に声を上げた。 ゆっくりを手に乗せて頭より高く持ち上げる。おそらをとんでるみたいごっこ。道具も不要 でお手軽にゆっくりした気分になれる遊びだった。 男は持ち上げていた手を下ろす。 「結構面白いだろ?」 「ゆー」 力無くまりさは頷いた。 男が再び手を持ち上げる。 「おそらをとんでるみちゃい!」 「ゆぅ。まりしゃはこれから……どうしたらいいのじぇ……?」 ぼんやりと窓の外を眺めながら、まりさは目蓋を下ろした。これからの事を考えると憂鬱 になる。あの日雨に打たれたまま死んでいた方が楽だったかもしれない。 「このままじゃ、すっごくっゆっくりできないことなっちゃうのじぇ……でも、おそとにでられ ても、まりしゃだけじゃ……いきていけないのじぇ……」 このままではいずれ虐待されて苦しんで死ぬのだろう。かといって逃げ出しても帽子の 無い子まりさが生きていけるとも思えない。いずれ野垂れ死ぬだろう。どちらに転んでも まりさの未来には悲惨な末路が待っている。 何とか無事に生きる方法はないか。そう考えて。 「ゆ?」 ふと気付く。 ゲスにならなければ普通に飼いゆっくりとして過ごせるのではないか。 まりさはそう思いついた。 「おにーしゃん」 のーびのーびしつつ、まりさは男に声をかけた。 「何だ、まりさ?」 「たすけてもらったおれいに、まりしゃはおにーしゃんのおてつだいがしたいのじぇ。おへ やのおそーじのやりかたをおしえてほしいのじぇ」 男が仕事に行っている間、まりさは部屋で待っている。何もする事がない。その間に何 かして男の役に立てばゲスとは判断されない。まりさはそう考えた。そして思いついたの が掃除である。きれいなことはゆっくりできる。 「ふむ、なかなか殊勝なヤツだな。ちょっと待ってろ」 男は頷いた。 目の前に置かれた皿とゆっくりフード。 「いただきますのじぇ」 まりさはそう言ってフードに頭を下げた。 それからゆっくりと食べ始める。 「むーしゃむーしゃ、ごっくん。しあわしぇー」 きちっと噛んで呑み込んでから、しあわせーを口にする。子ゆっくりであるため礼儀作法 の知識は無いに等しい。それでも餡子の記憶から食事のマナーの知識を引っ張り出し、 丁寧に食べていた。 「ごちそうさまでしたのじぇ」 食べ終わったら、きちっとお礼を言う。 このまりさは、かなり優秀な個体だった。 まりさが男の元で暮らすようになってからしばらくして。 「ようし、まりさ。お帽子作るぞ!」 「おぼうし?」 まりさは男を見上げた。 ゆっくりのお飾りは一度無くしたら二度と復活しない。そうなっては他ゆのお飾りを奪うし か方法が無い。奪うにしてもお飾りを失ったゆっくりは弱っていることが多く、成功確率は 非情に低い。まりさも帽子の事は半分以上諦めていた。 「子ゆっくり用の生帽子は高いからな。だからこれで作る」 男が取り出したのは白い布だった。透明な袋に入ったA4サイズのフェルトのような布で ある。それが三枚。そして、絵の具と糊のようなもの。それらにはデフォルメされたゆっくり の顔が印刷してある。 「おにーしゃん、それなんなのじぇ?」 「お飾り生地一枚三百円。そして、お飾り用絵の具&糊。これを使って俺オリジナルの素 敵なお帽子を作ってやるぜ! 期待して待っててくれよ」 男が得意げに答える。 加工所で作られる量産型のお飾り。その材料は綿のようなお飾りの素である。それを 加工所独自の技術で増殖させ、布状に加工し、型を取ったり着色したりして、生お飾りと 呼ばれるものが作られる。 基本種成体用のお飾りはひとつ五千円。子ゆっくり用のお飾りは八千円前後である。 この生地はお飾りの素を布状に加工したものだ。それに着色用の絵の具、接着用の糊。 主に破損したお飾りの補修、追加の装飾などに使われる。しかし、その気になればお飾り の自作もできる。 「ゆわ~」 まりさは目を輝かせて男を見上げた。 男はエンピツと定規、コンパス、ハサミを用意し、座布団に腰を下ろす。生地を袋から取 り出し、工作を始めた。 「ベースはまずこれだよな。三角錐の本体」 生地にコンパスで円弧を書き、中心から線を二本引き、扇形を作る。ハサミでその扇形 を切り出してから、両端に糊を塗り、丸めて三角錐を作った。 「ちょっと捻って四角形のツバにしてみるか」 三角錐の円部分の直径を測ってから、それと同じ大きさの円をもう一枚の生地に書く。 それを囲むように正方形を書いた。ハサミでその形を切り出し、糊で円錐にくっつける。 「んで黒く着色、と」 絵の具の黒を水に混ぜ、それを布に塗っていった。 薄い黒色に染まった帽子が、徐々に色を濃くしていく。水に解いてお飾りに付けると、そ の部分の色を変える絵の具である。元々色のある部分に塗ってもその部分の色が絵の 具意の色になってしまうので注意が必要だ。また髪や肌に付いてもその部分の色が変 わってしまうので、絶対に付けないで下さい。絶対だぞ。 「リボンは端を赤く塗ってちょっとお洒落に」 生地の残った部分を細長く切り、両端を赤く塗った。 作ったリボンを帽子に巻き付け、蝶結びにする。 「星の飾りでも付けてみるか」 同じく生地の余りを星形に切り抜き、薄い灰色の絵の具を塗った。 それを帽子の横に貼り付ける。 「中のふりふりと」 三枚目の生地から円錐を作る。外側の帽子よりも一回り小さく。続いて、やや大きめの 扇形を切り出してから、細かく折り目を付けて両端をつなげる。シャンプーハットのような 形だ。それを白い円錐に貼り付け、さらに黒い帽子の内側に貼り付ける。 「どうだ、まりさ?」 男は出来上がった帽子をまりさの前に置いた。 「我ながら会心の出来だと思うぞ。このままだと三角コーンみたいだけど、そのうち馴染ん で良い具合にへなってくるだろ」 「ゆわー。ありがとうなのじぇー! すごくかっこいいのじぇー!」 ぱたぱたとお下げを動かしながら、まりさは瞳を輝かせた。男が作った帽子は標準形と は異なるが、かなりカッコいい形だった。 男は作った帽子をまりさの頭に乗せ、 「お前がゲスになった暁にはビリビリに破いてやるからなー。楽しみにしてろよー」 「………」 まりさは一筋の汗を流した。 およそ二ヶ月が経ち。 「おにーさん、おかえりなさいなのぜ」 帰ってきた男にまりさが挨拶をする。 まりさは成体ゆっくりとなっていた。帽子はまりさと共に成長し、先端も良い具合にへな っている。今ではまりさ自慢の帽子だった。 「ただいま。良い子にしてたかー?」 「いいこにしてたのぜ」 きりっと眉を傾け、まりさは答える。 留守中にはきっちりと部屋の掃除を行っていた。普段から礼儀正しく何事にも真面目に 取り組む、お手本のような善良なゆっくり。ゲスになったら虐待するという男の言葉に、ま りさはゲスとは真逆の方向に成長していた。 「よしよし。じゃ、この調子で立派なゲスになるんだぞー」 男がまりさに笑いかける。 「わかってるのぜ。まりさはりっぱなゲスになるのぜー」 まりさはのーびのーびしながら答えた。 もっとも、何度も言われたせいで、男と言葉を一種の挨拶としてしか認識しなくなってい る。男がゆっくりを虐める姿を見たことが無いことも、そう考える理由のひとつだ。 「まりさ、バッジ取るぞ!」 男はいきなりそう言った。 「バッジさん?」 瞬きして、まりさは男を見上げる。 バッジ。ゆっくりのレベルを示すものである。地域ゆっくりバッジ、社員ゆっくりバッジなど もあるが、普通は金銀銅の飼いゆっくりバッジを意味する。 もっとも完全室内飼いの場合はバッジを付けないことが多い。飼いゆっくりではバッジを 持たないゆっくりがほぼ半数である。 半野良ゆっくりや、外飼い、時々外に出す場合は銅バッジを付けることが多い。 「まずは銀バッジを取る!」 男が手を持ち上げる。 銀バッジはマナーのしっかり躾けられたゆっくりを意味する。飼い主以外の人間と接す る機会が多いなら、銀バッジは習得しておいた方がいいと言われる。 「次に目指すは金バッジ!」 窓の外の空を勢いよく指差し、男は宣言した。 金バッジ。優秀なゆっくりを意味するバッジである。その習得は非常に難しい。普通の飼 いゆっくりが金バッジを取る利点は薄いが、お店でマスコットとして接客を行ったり、庭や 花壇のしっかりとした管理をするなど、何かしらの仕事をするゆっくりなら取得しておいた方 がよいと言われている。 「そして最終目標はみんなの憧れ、金ゲスっ!」 ぐっと拳を握る。 ゲス化した金バッジゆっくりを金ゲスと呼ぶが、かなり希少価値が高い。ゲス化するよう なゆっくりでは金バッジが取れないからだ。また飼いゆっくりをゲス化させるような飼い主 も金バッジゆっくりは飼えない。 それでも最高級の虐待素材として、虐待お兄さんお姉さんの憧れの的である。 「わかったのぜ、おにーさん。まりさがんばるのぜ」 まりさは大きく頷いた。 市役所の一室。 机の上に乗せられたまりさ。その正面にバインダーを持った女が立っている。長い黒髪 の、どこか人形のような雰囲気を持つ女だった。管理課の職員である。 現在まりさは銀バッジ試験の真っ最中である。銀バッジ試験はゆっくりショップや役所の ゆっくり管理課で受けられる。試験料は一回五千円。 まりさの前には四枚のカードが裏向きに置かれている。 「ひだりから、さんかく、しかく、まる、ほしがたのじゅんばんなのぜ」 女がカードをめくると、まりさの言った図形が書かれていた。 三枚から六枚のカードの絵柄を記憶する記憶試験である。 何事においても記憶力は重要なことだ。大体四枚のカードを間違わずに記憶できること が、銀バッジゆっくりの最低水準である。 「4+2は?」 「6なのぜ」 「7-3は?」 「ゆ……。4なのぜ」 続いて簡単な足し算引き算。数字を理解し、その増減を理解する。一桁のものの数をた くさんで一括りにしてはいけない。 また数字は頭を回転力を見るために最適の問題である。 まりさの様子を、女がバインダーの記録用紙に書き込んでいく。 「おはようございます」 「いってらっしゃい」 「おやすみなさい」 カードに書かれた文字を読み上げるまりさ。 いただきます おかえりなさい こんにちは 鉛筆を咥え、紙に文字を書くまりさ、 平仮名の読み書きができることも、銀バッジゆっくりにとっては必要なことである。何の 訓練も受けていないゆっくりでも平仮名は不思議と読めることがある。だが、訓練無しで 平仮名を書けるゆっくりは少ない。 まりさの前に置かれた時計の模型。 女がその針を動かす。 「この時間は何時でしょうか?」 「6じ50ぷんなのぜ」 まりさは答えた。 時計の時間を読む試験である。 女の問いにしばらく考えてから、まりさは答えた。 「では、この一時間後は何時?」 「ゆー……ぅー……。7じ50ぷんなのぜ!」 時間の計算問題。時計の示す時間から何時間経つと何時になるのか。人間の元で生 活するには、時間を理解することが必要となる。足し算の感覚に時間の感覚も加わるの で、意外と難易度は高い。分まで計算できる能力はこの時点では求められない。 「では、このスペースを掃除してみてください」 部屋の一角に千切った紙が撒かれ、積み木が転がっている。 「わかったのぜ」 まりさは頷いた。 そして。 「きれいになったのぜ!」 紙は一枚残らず一ヶ所に集められ、積み木も一ヶ所に四角く詰まれている。 散らかったものを片付けることも人間の元で暮らすには必要なことだ。ここで視られる のは、千切った紙の集め残しが無いことと、積み木をある程度積めること。また途中で片 付けを止めない真面目さが試される。 「ではこのあまあまを食べてみて下さい」 目の前に置かれた小皿と、三枚のビスケット。甘さ控えめのあまあまである。 「いただきますのぜ」 一礼してから、まりさはビスケットを口に入れた。 女は黒い瞳をまりさに向けていた。記録用紙にシャーペンを走らせている。 「むーしゃ……むーしゃ……。ごくん。しあわせー」 急がずにゆっくりと食べる。 「ごちそうさまでしたのぜ」 食べ終わってから一礼。 食事の礼儀作法。いただきますを言え、散らかさずに食べ、ごちそうさまを言える。この 時、がっついたり散らかしたりすると不合格である。 「やったのぜー! まりさ、ぎんばっじなのぜ!」 まりさの帽子に付けられた銀色のバッジ。 無事銀バッジ試験を合格し、まりさには銀バッジの許可証が発行された。それをゆっくり ショップに持って行くと、IDが記された銀バッジを売って貰える。 ぱちぱちと男が拍手をする。 「おめでとうまりさ、これで金バッジに一歩近付いたな」 「ちかづいたのぜー」 まりさが男の元に来てから、半年が経つ。 『ゆっくり金バッジ試験飼い主用テキスト』 男はそう書かれた本を読んでいた。 部屋の壁には、額縁に入れられた銀バッチ証明書が飾られている。 「何でゆっくりに金バッジ取らせるのに、飼い主の方も試験受けなきゃならんのだ……。 法律とか医術とか難しい事書かれてるし。金ゲスの道は遠いぜ……」 シャーペンの頭を囓りながら呻く。 金バッジ試験は各地の公餡支部で行われる。書類による一次選考が行われ、二次選 考試験ではゆっくりと飼い主の試験と面接が行われる。書類選考は無料だが、試験は有 料であり、試験料金は一万二千円とかなり高い。さらに最終合格率は二割程度と低いた め受ける者は多くない。 まりさはゆっくり用座布団に座ってテレビを見ていた。 テレビに映る飼いゆっくり専用のゆーちゃんねる。 『あなたの街のプラチナさん』 全国のプラチナバッジ持ちのゆっくりを紹介する番組である。放送されるのは不定期だ が、毎回個性豊かなプラチナバッジゆっくりが登場する。 「ぷらちななのぜ。すごいのぜ……」 まりさは食い入るように画面を見つめた。 プラチナバッジ。金バッジのさらに上のランクのバッジである。バッジを持つゆっくりなら 誰でも一度は夢見るものだ。その試験は相当に難しいものであるらしい。 参考書を持ったまま、男もテレビの画面に目を向ける。 「またせたのぜ、やろうども……! オレがまりさサマなのぜ……!」 登場したのは胴付きのオレまりさだった。箒を背負い、首に赤いマフラーを巻いている。 目付きが鋭く表情も獰猛だった。両腕には包帯が巻かれ、帽子の縁や上着の袖口、スカ ートの裾はボロボロになってる。それらは獣のような風貌を作り出していた。 腕を組み、仁王立ちしているまりさ。 おもむろに背中の箒を取り、真上に放り投げる。 「いくのぜ、だちこう!」 そして自分も跳び上がった。 数メートル高々と跳んでから、空中で箒を掴み身を翻して跨る。さらに凄まじい勢いで空 へと飛んでいく。箒型すぃーを駆るまりさだ。 「す、すごいのぜ……。まりさもがんばれば、ぷらちなさんとれるのぜ?」 テレビを見つめながら、まりさは男に尋ねた。 参考書を眺めながら、男はやる気無く答える。 「あー。無理だろ……さすがに。お前は普通の元野良ゆっくりだし。プラチナ取るのは努力 でどうこうできる領域じゃないし」 プラチナバッジの取得方法はいまいちはっきりしない。プラチナバッジはその取得方法を 見つけ出す部分から試験は始まっているとも言われる。ゆっくりの努力と才能は無論、飼 い主の才能と努力も必要となってくる。 「それに、俺プラチナって嫌いなんだよな……。もうあのレベルまで行くとゆっくりじゃねー だろ。妖怪か怪物だろ。まあ前に見た盲動れいむってのは可愛いかったけど」 テレビ画面では、箒型すぃーに乗ったまりさが機関銃型のミニはっけろで、空中に鮮や かな弾幕を描いている。現在プラチナバッジ持ちは三百匹ほどいると言われている。この まりさのような規格外のゆっくりは多いらしい。 男はシャーペンで参考書に線を引きながら、 「あと、プラチナの半分以上胴付だし。胴付ってのもなー……」 「おにいさんは、どうつきがきらいなのぜ?」 胴が生えて人間の少女のような形になったゆっくり。稀に動物のような身体や鳥のよう な身体を持つこともあるらしい。 男は大袈裟にため息を付いてみせた。 「胴付って何と言うか、ゆっくりじゃないもん。それに、胴付きって大抵オツムが高性能化 するから、ゲス化もしないし……虐めてるのバレたら動物愛護法違反でとっ捕まるし。意 外と出費が増えるらしいし、俺にとっちゃ胴付きはゆっくりできないゆっくりだ」 胴が生えると運動能力と知能が一気に上昇する。また、扱いも普通のゆっくりと異なっ てくる。普通のゆっくりを虐待しても犯罪にならないが、胴付きを虐待していると捕まる可 能性がある。胴付きを虐待した場合、次に人間に手を出す危険性が出てくるからだ。 また、飼うための費用も増えるため、胴付きにならない事を望む飼い主も多い。 「だから間違っても胴生やすなよ」 「ゆっくりわかったのぜ」 男との言葉に、まりさは頷いた。 公餡委員会支部。 「きんちょうするのぜ……」 待合い室にて、二十人の人間と二十匹のゆっくりが試験開始を待っていた。今日の受 験者である二十組。まりさは書類選考で受かり、筆記面接を受けるために公餡支部へと やってきていた。 「大丈夫だ、まりさ。お前ならできる。俺は信じてるぞ」 「わかったのぜ……!」 金バッジ試験を受けるゆっくりは、希少種が多い。しかし、れいむやぱちゅりー、みょん などの基本種も普通にいる。そして胴付きのちぇんが一匹、窓辺で深呼吸をしていた。皆 緊張した面持ちを見せている。 「ではゆっくりの筆記試験を始めます。飼い主の片はゆっくりを連れて、こちらの教室に移 動して下さい」 職員がそう言った。 まりさたちは机の上に乗せられていた。三方にはカンニング防止の白いついたてが作ら れている。正面には台と答案用紙、エンピツが用意してある。試験を受けるゆっくりはエン ピツを咥え、文字を書かなければならない。 文字の書けないゆっくりはそこで脱落となる。 まりさは答案用紙に書かれた文字を読んでいく。 「以下の漢字の読みを書きなさい」 「市内」 「客人」 「苦楽」 「以下のひらがなを漢字で書きなさい」 「だいしょう」 「とうざいなんぼく」 「あたらしい」 「以下の数式の答えを書きなさい」 「46+43」 「4×7」 「18÷6」 おおむね小学二、三年生レベルの国語算数の問題だった。人間基準では簡単な問題 だが、ゆっくり基準ではかなりの難題である。それでもこの問題を解くために、まりさは今 まで頑張ってきた。 まりさはエンピツを咥え、その先端を答案用紙に走らせる。 実技試験。 まりさの前には、小さな入り口があった。室内に作られた簡単な迷路である。この迷路 を抜けることが実技試験だ。 「では、ゴールまで行って下さい」 「わかったのぜ!」 まりさは答えて、迷路に入っていった。 それなりに複雑な迷路である。金バッジ試験に来るゆっくりならおよそ十分弱で抜けら れるが、普通のゆっくりなら一時間近くかかるだろう。それくらいの難易度だ。まりさは何 度も行き止まりにぶつかり、方向転換をする。しかし、迷路はどこも同じ壁であり、自分が どこにいるのか分からなくなってくる。 「むずかしいのぜ……。でも、あきらめないのぜ……!」 しかし、まりさは挫けず迷路を走っていた。 ゆっくりが迷路を抜けるためにどう動いたか、どのように感情を変化させるか。それらは カメラできっちりと撮影されていた。迷路を抜ける記憶力や知力だけでなく、迷路の中でど のような表情や動きをしているかも評価の材料となる。 これは苦難に対する姿勢のテストだった。 試験室に戻って、筆記試験。 「以下の言葉から好きな言葉を選び丸を付けなさい」 「ぷりん、ケーキ、おだんご、ようかん、ぱん」 「ねこ、いぬ、きつね、ヤマアラシ、モモンガ」 「?」 疑問符を浮かべながら、まりさは文字に丸を付けていく。これは一種の心理テストで、 潜在的なゲスを調べるものらしい。 一方飼い主たちも教室で机に向かっていた。 「あなたの飼っているゆっくりが他者に損害を与えた場合の処置を書きなさい」 「あなたの飼っているゆっくりが他者から損害を与えられた場合の処置を書きなさい」 「ゆっくりが怪我をした時の処置を書きなさい」 「ゆっくりを飼うにあたって、してはいけない事を五つ書きなさい」 そのような問題が並んでいる。 こちらは金バッジのゆっくりを飼うに相応しい飼い主かどうかの試験だ。いくらゆっくりが 優秀でも飼い主が駄目だと途端にゆっくりは堕落してしまう。いわゆる金ゲス化だ。金ゲ スが頻発すれば、金バッジの価値が大きく下げてしまう。それを避けるために金バッジ試 験では飼い主の適正が強く試されるのだ。 「難しいなぁ……」 男は苦笑いをしながら、シャーペンを解答用紙に走らせた。 「以下の言葉から好きな言葉を選びなさい」 「カラス、スズメ、コンドル、トビ、白鳥」 「ミルク、砂糖、蜂蜜、トースト、卵」 「むぅ」 飼い主も同じように心理テストを受けている。 「よろしくお願いします」 「おねがいしますのぜ」 椅子に座った男とまりさ。正面では試験官が三人机に向かっていた。 試験の最終問題である面接。直接飼い主と飼いゆっくりと話をし、そのゆっくりが金バッ ジに相応しいか、また飼い主が金バッジを飼うに相応しいか、調べるのだ。 左の試験官が用意してあった用紙を眺めた。一次選考用の書類である。 それから、男に訝しげな視線を向ける。 「では早速質問ですが……この金バッジ志望理由の『金ゲスを虐待したいので、金バッジ を取らせます』って……どういうこと?」 ピシリ。 と、まりさはひび割れた。 目を見開き男を見る。 「……お、おにいさん?」 「そのままの意味です。金ゲスを虐待するのは昔からの夢でしたから」 爽やかな笑顔で、男が答える。何もおかしい事は言っていない。そんな自信たっぷりの 態度だった。金ゲスが欲しくても、普通なら別の建前を書くだろう。しかし、男は真正直に 志望理由を書いていた。 「ゆぅ。おわったのぜ……」 まりさは一筋の涙をこぼす。 試験は落ちた。そう確信する。 当たり前だが、金ゲスを虐待したいから金バッジを取らせる。そんな理由が受け入れら れるはずがない。合格することは、万にひとつもないだろう。 そもそも書類選考に受かったのも、男に試験を受けさせ、面接という形で直接その性格 や考え方を見るためだろう。志望理由に金ゲスを虐待するためと書く人間は普通いない。 それでも、まりさは無駄な抵抗を試みる。 「そ、そういうじょうだんはやめるのぜ、おにいさん。ここはまじめなばしょなんだから、い つものノリじゃだめなんだぜ」 冷や汗をだらだら流しながら愛想笑いとともに、男に声を掛ける。 それから試験官たちに向き直り、 「う、うちのおにいさんは、じょ、じょうだんがすきなひとなんですのぜ……」 だが、まりさの努力が身を結ぶ事はなかった。 「そちらのまりさくんとはどこで出会いました」 「一年くらい前に雨の中で死にかけているのを発見して、ああこの子は立派なゲスになる なーと直感的に閃いて拾ったんです」 試験官の問いに、男が楽しそうに話していた。 面接はかなり長く続いている。金ゲスにするために金バッジ試験を受けた男がどのよう な人物なのか、質問や会話から情報を得るためだろう。 「………」 まりさに向けられる試験官三人の視線。 椅子の上で身を捩り、まりさは涙を流していた。 (いたいのぜ……。おじさんたちのしせんが、ものすっごくいたいのぜ。その『あんこのうな かいぬしもってあんたもたいへんね』ってしせんはやめるのぜぇぇ……。こころがえぐられ るよーにいたいのぜええぇ……) 「何故落ちた? 何がマズかったんだ?」 不合格通知を見つめ、男は首を傾げていた。 不合格という文字と次頑張って下さい云々と定型句が書かれた書類。どの部分が問題 で落ちたのかは書かれていない。 「あれのどこに、うかるようそがあるんだぜええ!?」 まりさは全力で叫ぶ。まりさを金ゲスにするために、金バッジを取らせる。それは半分以 上冗談だと思っていた。だが、本気だったしい。 「うーん。ちょっとフランク過ぎたか?」 まりさは目を伏せ、呻く。 「たぶん、おにいさんのなまえは、ブラックリストさんにのっちゃったんだぜ」 「ブラックリスト? なんか聞いたことがあるような……無いような」 首を捻る男。 金バッジの情報を集めていると、時々見たり聞いたりするブラックリストという言葉。 「なにがあってもきんバッジしけんでごうかくさせないひとのリストなのぜ。としでんせつと かいわれてるけど、かなりじつざいするっぽいんだぜ」 まりさはそう説明した。 金バッジゆっくりを飼う資格が全く無いと判断された場合、ブラックリストに名前を加えら れ、今後試験でどれほど優秀な成績を出しても不合格にされるという。 ある意味当然の結果とも言えた。 「……つまりどういう事だってばよ?」 「おにいさんは、いっしょうきんゲスはかえないのぜ」 いまいち状況の呑み込めない男に、まりさは素っ気なく答える。 金バッジは飼い主と飼いゆっくりが揃って意味を持つ。たとえ金バッジゆっくりを手に入 れても、飼い主に金バッジ資格が無ければ、金バッジは没収されてしまう。その場合は改 めて金バッジ資格を取ればいいのだが、ブラックリストに乗ってしまっては金バッジ資格は 絶対に手にはいらない。 つまり、男は今後金バッジゆっくりは飼えず、金ゲスも飼えない。 「なん……だ、と……!?」 状況をようやく理解し、男は愕然と固まった。 それはある休日のことだった。 男がコンビニに出掛けている最中、ふらふらと一匹のれいむが庭にやってきた。ぼろぼ ろに汚れて窶れたれいむである。まだ若く、亞成体くらいの大きさだ。庭を横切ろうとした ところで、ぱたりとうつ伏せに倒れた。 「ゆ……ぅ……」 苦しげな声とともに、れいむが震えた。 「れ、れいむしっかりするのぜ!?」 本来飼いゆっくりは野良ゆっくりに関わってはいけないと教えられている。しかし、まりさ はほとんど迷わず窓を開け、れいむに駆け寄った。行き倒れかけたれいむに、幼い頃の 自分を重ねたのである。 れいむは力無く顔を上げ、光の消えた眼をまりさに向ける。 「たすけて……」 「ちょっとまってるのぜ!?」 まりさは大急ぎで部屋に戻って行った。 まりさが持ってきた体力回復用のパックオレンジジュースを飲み、おやつのお菓子を食 べれいむはとりあえず復活した。 「おとーさんもおかーさんも、おねーちゃんもいもーともみんなしんじゃって……れいむひと りぼっちだよ。れいむあんまりかりうまくないから、ごはんさんもとれないし。ぜんぜんゆっ くりできないよ……」 涙を流しながら、れいむがまりさに身の上話をしている。 「それはつらいのぜ。まりさもむかしそんなんだったのぜ……」 真面目な面持ちでれいむの話を聞いているまりさ。 まりさは西の方向をお下げで示した。 「このさきにあるこうえんにいくのぜ」 「こうえんはあぶないよ……」 顔を伏せ、れいむが不安がる。野良ゆっくりが下手に公園に乗り込むと、そこにいる地 域ゆっくりによって拘束され、そのまま駆除されてしまう。今の野良ゆっくりにとって公園 は危険地帯と認識されている。 まりさは説明を続けた。 「ちいきゆっくりになりたっていえば、はなしはきいてもらえるのぜ。ちいきゆっくりになっ て、まじめにおしごとすれば、おうちもごはんももらえるのぜ」 「ゆ……?」 れいむが顔を上げる。 「じゃ、れいむがんばるよ!」 もみあげを振り、れいむが庭から出て行く。公園に行き地域ゆっくりになりたいと頼むの だろう。地域ゆっくりは基本的に真面目であればどんなゆっくりでもなれる。 「がんばるのぜ!」 お下げを振りながら、まりさはれいむを見送った。 じー。 「……」 視線を感じて振り向くと、窓辺から男がまりさを凝視していた。全身に黒いオーラを纏い つつ。いつからそうしていたのかは分からない。コンビニに行くと言っていたので、帰って きてから様子を見ていたのだろう。 「窓開けたり、知らん野良におやつやったりした事はどうでもいい」 あっさりと言う。 冷や汗を流しつつ、まりさは黙って男を見上げていた。 「これが噂に聞く――野良を部屋に招き入れてつがいになってすっきりーしておちびちゃ ん作って飼い主を奴隷呼ばわりする、黄金パターンだと思ってわくわくしてたのに……」 右手をきつく握り締め、下唇を噛みながら、身体を震わせている。目元からこぼれる一 筋の涙。無念さと悔しさが全身からにじみ出ていた。 きっと鋭い視線をまりさに向け、 「何でれいむ相手にゆん生相談しちゃってるわけええ!? しかも何であのれいむも真面 目に前向きに生きようとしてるわけええ!? あのれいむも、まりさ誘惑するくらいの気概 見せてねええ! 野良でしょ、野良ゆっくりなんでしょおお!?」 「ご、ごめんなさいなのぜ……」 泣きながら叫ぶ男に、まりさはただ謝ることしかできなかった。 れいむは地域ゆっくりとなって真面目に働いているらしい。 「ふふ……へへ……」 布団の中で男が笑っている。 夜、まりさがふと目を覚ましたら、男の寝言が聞こえてきた。 「まり……さ……。あんよ焼き……しようねー」 夢の中でゲスになったまりさを虐待しているらしい。 大事に育てた飼いゆっくりがゲス化して、それを制裁する。その目的はいまだに健在だ った。しかし、男の予想以上にまりさは優秀なゆっくりだった。今のところゲス化の兆しは 無く、今後も無いだろう。 男を眺めながら、まりさは呟いた。 「たのしそうなねごとなのぜ……」 男に拾われておよそ一年が経つ。命を助けてもらい、格好いい帽子も作ってもらい、快 適な生活も保障されている。その恩はきちんと返さないといけないと、まりさは常々考え ていた。 「おいじじい! ここはまりささまのおうちなんだぜ! いますぐごくじょうのあまあまもって くるんだぜ! いますぐでいいのぜ! はやくするんだぜ!」 仕事から帰ってきた男に、卓袱台にふんぞり返ったまりさは大声でそう告げた。 今まで大事にしてもらった恩を返すために、まりさはゲスになることを決めた。これから 虐待されて死ぬだろうが、それは仕方ないと受け入れた。 「この馬鹿がああっ!」 男の平手打ちがまりさを吹っ飛ばす。 一回転して床に落ちるまりさに、男が大声で叫んだ。 「ゲスの振りしたゆっくり虐待するほど俺は落ちぶれちゃいねえええ!」 「あっさりばれたのぜ!」 まりさは身体を跳ねさせる。まりさの計画はあっさりと頓挫した。 男は床に正座をし、正面を指差した。 「まりさ、そこに座れ」 「ゆん?」 言われた通りに、まりさは男の正面に座る。 神妙な面持ちで男は静かに語り始めた。 「まず飼いゲス虐待ってのは、大事に飼っていたゆっくりが飼い主を裏切る。その悲しみ と怒りをぶつけるからこそいいんだ。この裏切りって部分が重要なんだ。たとえばどこの 馬の骨ともつかん野良ゆっくりに一目惚れとか、日々の扱いに不満を持ってとか、そうい う裏切りの理由が大事なんだ」 「ゆぅぅ……」 いきなり始まった話に、まりさは顔を引きつらせた。 あとがき 余談ですが、まりさと飼い主は金バッジの筆記試験は合格しています。 まりさの銀バッジ試験を担当したのは「anko4338 超伝道をもげ!」に登場した針お姉さ んです。 「anko4373 ものもらい」のイラストありがとうございます。 過去SS anko4377 勝手に生えてくる anko4373 ものもらい anko4360 ゆっくりさせてね anko4350 Cancer anko4341 予防接種 anko4338 超伝道をもげ! 以下省略 挿絵:
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前へ | 次へ クリア条件:ストーリーモードクリア 開始時間:2010/03/17(水) 14 24 46.43 終了時間:2010/03/17(水) 15 08 27.43 参加人数:1 ファミコン時代極初期から周辺機器専門に発売していたメーカーだが、 この頃にSFCと共にゲームへ参入したようだ。 落ち物パズル。ぷよぷよのように同じ柄のブロックを4つくっつけたら消える。 一定時間ごとに邪魔ブロックが落ちてくる。 SGB対応。 ラスボス前 幼女 ホリ電機 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (ED.png)
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ブシドー「健康の為に青汁を作ったんだが飲むか?」 刹那「いや、遠慮する。ところで、これ材料は何だ?」 ブシドー「キャベツだ」 刹那「キャベツ?今うちにあったっけ」 ブシドー「野生のキャベツだ」 刹那「そんなものがあるのか」 マリナ「刹那ー」 刹那「どうしたんだ、マリリン」 マリナ「マンションの玄関のとこにある花壇に植えてあった 葉ボタンが荒らされてたんだけど、何か知らない? その辺りで不審者を見たとか… 今、ラッセさんが犯人探しをしてるのよ。 見つけたらボッコボコにお仕置きしてやるって」 刹那「葉ボタン?」 マリナ「キャベツのような花よ」 刹那「キャベツ?まさか…」 ブシドー「おお、以外とイケるぞ!また採ってくるか」 アリー「ハッハッハ!盗まれるたぁ…ラッセコムもたいしたことねぇなぁ!」 ラッセ「てめぇ…アリーソック!何しに来やがった!?」 ヨハン「同じマンションに住んでいながら、みすみす盗まれた阿呆な警備会社を見に来たんだ」 ミハエル「犯人すら分かってねぇんだろぉ?」 ラッセ「くっ!」 アリー「どうだ、嬢ちゃん達。ラッセコムなんて契約を打ち切って俺達アリーソックに変えねぇか?」 ヨハン「今なら二割引だ」 ミハエル「更にガンプラも着くぜぇ!……昔の物だがよ」 ブシドー「その話、乗った!」 マリナ「ブシドー!すみませんが、私達は変えるつもりはありません。お引き取り下さい」 ラッセ「マリナさん……いいか、アリーソックの糞共!絶対に犯人は見つけてやる!そん時ァ覚えてろよ!」 アリー「ハッ!そいつァ楽しみだな!せいぜい頑張れや!」 ヨハン「ふん。捕まえられれば良いがな」 ミハエル「お前らにゃぁ無理だよ!じゃーな!」 ラッセ「ぬぬぬ……ラッセコムの威信に賭けても捕まえてみせる!」 マリナ「ラッセさん、頑張って!私達も手伝いますから!」 ブシドー「うむ!奴らの鼻をあかしてやろうではないか!」 ラッセ「よぉし。じゃ聞き込みに行くぞ!」 ブシドー「心得た!盗人め…必ずや見つけだして成敗してくれる!」 ラッセ「その心意気、頼もしいぜ!」 刹那「………犯人は当のブシドー、なんだよなぁ」 眼鏡「面白そうだから放っておくか」 匙「正義感に燃えてる天然ほどタチが悪いものはないよね」 ラッセ「次はあいつだ!」 ブシドー「承知!」 ラッセ「ふぅ…少し疲れたな」 ブシドー「そんな時にはブシドー印の青汁だ」つ青汁 ラッセ「ほう。お前さんの手作りかい」 ブシドー「うむ。そこの野生のキャベツを使ってな」(花壇を指差す) ラッセ「……犯人が見つかったようだな」 ブシドー「何と!!何処だ、刀の錆にしてくれる!!」 ラッセ「……俺の目の前にいる」 ブシドー「何と!!…しかし、ここには私とラッセの二人きりだが…」 ラッセ「ミスター・ブシドーよ」 ブシドー「何だね」 ラッセ「あれは野生のキャベツではなく葉ボタンという植物だ」 ブシドー「そうだったのか」 ラッセ「俺達は葉ボタンを荒らした犯人を探している」 ブシドー「そうだな」 ラッセ「…ここまで言っても分からないか?よーく考えてみろ」 ブシドー「?………あ」 ラッセ「ようやく理解したな。さて、覚悟はいいかフンッ!!」ゴスッ ラッセの華麗なラリアットがブシドーにヒット! ブシドー「せ…せめて武士…らしく…切腹で散り…た…かった…」ガクッ ティエリア「プトレマイオス事件簿~葉ボタン荒らしは万死に値~完」 ブシドー「あーびっくりした。死ぬかと思った」 と言ってラッセに落とされた首を自分でのっけるんですね、わかります ブシドー「秘技、金太郎飴!」 ラッセ「何!?仮面の下から又仮面が!?」 ブシドー「ハッハッハッハ」 刹那「あの仮面……一体どうなってるんだ」 マリナ「んん…ちょっと欲しいかも………」 ん…………なんだ、俺の涙か 刹那「変態兄弟に加えてトロワまでもやって来た……俺とマリナの生活はどうなるんだ……クソッ!」 眼鏡「落ち着け、刹那」 刹那「なんだ、ティエリア」 眼鏡「その三人が来た、ということはこのスレも名が知られてきた、ということだ」 刹那「それがどうしたんだ?」 眼鏡「つまり、それは住民が増える、その中には職人もいるだろう 」 刹那「……つまりは」 眼鏡「ふっ、お前も気づいたようだな……職人が増えればネタが増える、ネタが増えればお前とマリナのラブラブネタが増える可能性も上がる!」 刹那「……奴等に少しだけ、ほんの少しだけ食い物を渡す。 その代わり他スレにもここの存在を広めるように言ってくる」 眼鏡「あぁ、まぁやり過ぎないようには言っておけよ 故人曰く、迂闊なスレ越えは死に繋がるらしいからな」 刹那「分かっている、とりあえず筑前煮貰うぞ、サジ・クロスロード」 匙「……まぁ良いけど」 眼鏡「……まぁ、ラブネタが増えるとは限らんがな」 ポニテ「いや、それは……」 匙「……君、時々酷いね」 眼鏡「ふっ、これもエロゲシナリオの為だ、ギャグパートも充実させねば!」 今日は眼鏡の誕生日らしいね (お刹那家リビング) 眼鏡「ふぁ・・・マリナ、昼食をお願いできるか?」 (急いでちゃぶ台の上の物を片付けるマリリン達) マリナ「ティ、ティエリア!今日はいつもより起きるの早いじゃない! 昨日もエロゲで徹夜してたからもうちょっと遅いかと・・・ お昼すぐ持ってくるから!『部屋で』待ってて!」 ソーマ「どうした?早く部屋でエロゲの続きをしたらどうだ?」 クリス「あ、ティエリアの嫌いなゴキがあそこに!!」 眼鏡「!!!!」 ミレイナ「ですぅ!早く部屋に戻るですぅ!」 眼鏡「マリナ、では昼食は部屋へ持ってきてくれ!」 フェルト「バレなかったよね・・?」 マリナ「多分大丈夫よ。ティエリアには絶対内緒ね!」 ソーマ「了解!」 ミレイナ「ですぅ!」 クリス「ケーキは紅龍さんに頼んであるのよね?」 マリナ「ええ。私たちも早く仕上げましょう!」 (眼鏡自室) 眼鏡「ふぅ、今日は頑張ったな。幼馴染のツインテ美少女と生徒会長の黒髪清楚美少女を攻略! セーブっと!そろそろ夕飯だな。 (お刹那家リビング) パーン!パーン!パーン!(クラッカーの鳴る音) 一同「ティエリアお誕生日おめでとう!」 眼鏡「・・・」 マリナ、ソーマ、クリス、フェルト、ミレイナ「これ、私たちが作った手編みのピンクカーディガン!」 マリナ「素材はカシミアよ!」 ソーマ「前身ごろはマリナさんが、後身ごろはクリスさんが、右袖はフェルトが、左袖は私が、 ボタンはミレイナが付けた」 フェルト「ポケットに太陽炉のダイヤマークを入れたの」 クリス「どう?気に入った?嬉しいなら素直に言いなさいよ~!」 ミレイナ「ですぅ!」 ポニテ「ソフマップで君が欲しがっていたエロゲ買ってきたよ。帰りにクジョウに会って また変な誤解されちゃったんだけどねぇ・・・ははは・・」 匙「これ、以前君にもらった筑前炊きエロゲの世界を、実際の筑前炊きで表現してみたんだ。 じゃがいもに巻きつく牛肉を見て!『もうあなたを放さない!』っていうヤンデレを表してるんだ!」 ブシドー、刹那「俺たちは帰りに待ち合わせて模型屋に寄ってきた。ヴァーチェとセラヴィな!」 電波「僕からはデュナメスをプレゼントするよ。録音に憑依させるのに使って!」 マリナ「『女狐』からはシャンパンタワーが届いてるわよ!カティさん、スメラギさん、ルイスさんからも 『お誕生日おめでとう!』ですって。あ、ビリー請求書が入ってるわ。」 眼鏡「穏やかじゃないねえ・・・」 マリナ「『ホストクラブえんじぇる』のリボンズさんからもプレゼントが届いてるわよ? メッセージは「君が探していた幻の名作エロゲ(出荷枚数1000枚限定)さ♪ ヴェーダの掌握権を持つ僕には容易いことだよ♪』ですって。」 紅龍「私からはケーキを。」 ライル「俺は兄さんを連れてきた。お前さんが会いたいだろうと思ってな」 録音inデュナメス「さあ、ティエリア、ロウソクの火を吹き消せ!一回で消せるように狙い吹けよ!」 眼鏡「君達は愚かだ!(後ろを向いてうなだれる)」 一同「ハッピーバースデー!ティエリア!」 眼鏡「(涙を拭きながら)冗談だよ(笑)!」 刹那「・・・・んー?何か忘れてるような・・・」 マリナ「あ、そうよ・・・今日はティエリアの誕生日だわ!」 匙「誕生日あったんだ!?」 ポニテ「そりゃあるだろう。人間なんだからな」 リボンズ『いや、それはどうかな』 ポニテ「・・・ん?ま、いいか。しかし・・・今日だったのか」 刹那「プレゼントどうするかな・・・今更買いに行ける店もなし・・・」 ガラッ 眼鏡「余計な心配は無用だ!」 匙「え?プレゼントいらないんだ?」 眼鏡「いや、貰う!当たり前だろう」 匙「・・・・」 刹那「すまない、ティエリア・・・俺、今日がお前の誕生日なんて・・・」 眼鏡「気にする必要は無い。お前達から是非欲しいプレゼントがあるんだ」 マリナ「私達?から?」 ポニテ「(何かヘンな匂いがしてきたねぇ)」 刹那「何でもやるから言ってくれ」 眼鏡「ほう?何でもやる、んだな?ニタリ」 刹那「あ、ああ・・・」 眼鏡「実はエロゲ評に『CGに現実味が無い』という指摘があったんだ」 匙「(エロゲに現実味も糞も無いと思うけどな)」 眼鏡「そこでだ・・・」 刹那「・・・・ゴソゴソ」 眼鏡「是非お前達に実え 刹那「成敗!」 匙「死んじゃえよ、糞眼鏡」 ポニテ「穏やかじゃないねぇ」 マリナ「ティエリア!刹那、なんて事するの!?大丈夫?ティエリア!?」 眼鏡「グデーン」 ガラッ ブシドー「ただいまである・・・む?どうかしたのか?」 眼鏡「い・・いや、なんでもない・・・グフッ」 匙「こんな遅くまでどこに行ってたの?」 ブシドー「ガンダムセラヴィーのMGを探していたのだ。新作だから中々無くてな・・・」 ポニテ「全く・・・君は本当にガンダム馬鹿だな」 ブシドー「ありがとう、褒め言葉だ・・・ティエリア、誕生日おめでとう」 つセラヴィー 眼鏡「・・・え?」 匙「え?」 刹那「・・・へ?」 ポニテ「マジ・・・?」 マリナ「ぶ、ブシドー・・・?」 ブシドー「ん?何だ、お前達は知らなかったのか?今日が誕生日だと言うことを」 眼鏡以外の一同「い、いや!知ってたよ!うん、知ってた!」 眼鏡「ブシドー・・・ありがとう・・・」 ブシドー「礼を言われる事でも無い」 直接シズオカのガンプラ工場に行って試作品をゲットしてきたに違いない ブシドー「失礼する。ここはガンダムプラモ製造工場だな?」 モブオA「あぁ・・・そうだけど・・・」 ブシドー「ガンダムセラヴィーの試作型はどこで作っているか知っているか?本社からの出向なのだが」 モブオA「それならあちらの方に」 ブシドー「感謝する」 カツカツカツカツカツ モブオA「なんだ・・・今の仮面は」 モブオB「さぁ?本社から・・と言ってたけどな・・・って身分証明は?」 モブオA「あっ!」 ドゴーーーーーー・・・・ン モブオC「ガンダムセラヴィー製作ブロックで爆発!至急消火に向かえ!」 モブオA「ま、まさか・・・」 ブシドー「この試作品セラヴィーは友の誕生日プレゼントの為に頂いてゆくっ!さらばだ!」 ピョン ボチャーーー・・・ン モブオB「と、飛び降りたぁ!?こんな極寒の海に!?」 モブオA「そんなことより消火だ!急げ!」 モブオB「あ、ああ・・・」 ブシドー「私を敵に回すには奴らはまだ・・・未熟!」 こんな裏ストーリーが ラッセ「ティエリア、誕生日おめでとう!俺からのプレゼントはこれだ!」 つプロテインとダンベル(5kg) ラッセ「お前はもっと筋肉を付けた方がいい。これでムキムキになれ!」 アリー「ところがぎっちょん!」 ラッセ「出たな、アリーソック!」 アリー「色白の眼鏡君が筋肉ムキムキなのはちょっと気持ち悪いぞ」 ラッセ「確かに…それは一理あるな」 アリー「てなわけで、俺からのプレゼントは日サロのタダ券だ! おっと言い忘れていたぜ、誕生日おめでとさん」 ティエリア「あ、ありがとうございます… (微妙にコケにされた気がするが、今日は気にしないでおこう)」 ダンベルって5kgじゃ意味ないようなものだよな ビリー「ティエリアのようなモヤシ眼鏡なら5kgで充分だろう」 サジ「ティエリアもキモ眼鏡にモヤシ眼鏡なんて言われたくないだろうね」 ビリー「…前から思ってけど、君、僕の事嫌い?」 サジ「別に」 匙「糞眼鏡、モヤシ眼鏡、キザ眼鏡、キモ眼鏡、エロ眼鏡、エロゲ脳眼鏡……これでよし」 壷に毒の限りを吐き出し、蓋をする匙。 匙「ったく…あの糞眼鏡共に礼儀正しく接するのも大変だよ…」 ドアの前には匙の部屋に入ろうとして入れなくなった刹那がいた。 刹那「………ガクガクブルブル…あ、あいつ…そんなに…そーっと、そーっと」 匙「刹那?」 刹那「ビクッ」 匙「誰かに言ったら殺すからね☆」 刹那「コクコクコクコク」 リボンズ『やれやれ。これからの生活に支障が出るかもしれないから、二人の記憶を消しておこうか』 リジェネ『流石だね、リボンズ』 スレに事件が! 眼鏡「僕のせいなのか……僕のせいでスレが…… あぁ、僕は、俺は、私は……」 刹那「落ち着け、俺は気にしていない」 眼鏡「刹那……」 刹那「確かに、お前明らかに邪魔してるだろ、とか、いい加減エロゲやめろ、とか思ったり さっさと出ていけ、と思うこともあるが、俺達は共にガンダムマイスター、つまり仲間だ」 眼鏡「……」 刹那「だから、お前は別にここに居ていい……」 眼鏡「……」 刹那「べつに、居て欲しいわけじゃないからな、勘違いするなよ!」 眼鏡「……」 刹那(ふっ、決まった! ティエリアも感動のあまり声も出な……) 眼鏡「……くっ、選択肢をミスったか」 刹那「……エロゲやってる」 眼鏡「……まぁ、このルートをやり直すのもまた一興か」 刹那「……誰か、俺にマリナとのラブラブな日々をくれ……」 Q.ペットはどうしたんですか? ブシドー「相変わらず羽織の中で育てている」 匙「(あの羽織、洗った所を見た事ないんだよなぁ)」 ブシドー「ガンプラを作る時に、ヤスリがわりにカジって貰っているのだ」 ハムドー「そんなガンプラのトゲ、私の歯でかじり開ける!」 ポニテ「(誤飲しないといいけどねぇ)」 マリナ「セツニャは相変わらず自由よ。こないだは結婚式にも出ていたわね」 刹那「結婚?結婚なんかしたっけ?」 マリナ「あら?あれ?違った?んん?まぁ、いいか」 セツニャ「ツッコミ役がいない時のツッコミもたまに務めるニャ」 刹那「マリリスは元気だ。俺が育てているんだからな」 マリリス「えさ……ほしいな……」 刹那「……カポン」 ポニテ「何故かマリリスの世話をする時は無口になるんだよねぇ」 匙「しかも結構可愛がってるし」 マリナ「……何だか妬けちゃうな…」 ブシドー「ふぅ。やはり12月は仮面とネグリジェだけでは寒いのだろうか…ガタガタ」 真っ赤なネグリジェをまとい、丈をヒラヒラさせるブシドー。 ブシドー「マリナ!何かあたたかいのみものを所望する!緑茶がいいなぁ!」 眼鏡「僕はコーヒーを」 サジ「僕は紅茶で」 ポニテ「あつかんがいいねぇ」 マリナ「わかったわ。少しまってね」 刹那「お前ら!マリナを使うな! 俺も手伝うよ~マリリン!」 マリナ「はい皆さんお待たせ。」 ブシドー・眼鏡・匙・ポニテ「「「「いただきま~す!」」」」 ゴクゴク… ポニテ「あたたまるねぇ~」 刹那「ったく…」 眼鏡「マリナは何を飲んでいるんだ?」 マリナ「ホットカルピスよ。刹那が作ってくれたの。」 ブシドー「刹那がつくった」 サジ「白くて」 眼鏡「暖かい」 ポニテ「液体を…」 4人「「「「ニヤニヤ…」」」」 刹那「駆逐する!駆逐する!駆逐する!!!!!お前ら絶対全員駆逐しきるぅぅぅ!!!!」 マリナ「刹那は何を怒ってるのかしら…?ゴクゴク。刹那のカルピスおいしいv」 刹那「下ネタ禁止令発令ー!!今後、下ネタを言った奴は罰金千円!!」 ティエリア「下ネタのボーダーラインはどこだ? エロネタと下品ネタもまとめていいのか?」 刹那「その辺は各自の判断で」 サジ「そんなアバウトでいいの?」 ブシドー「私が風呂上がりに褌一丁で歩き回るのは下ネタに入るのか?」 刹那「それはセクハラだ!あ、マリリンにセクハラしたら罰金一万円だから」 サジ「ビリーさんがすぐ破産するね」 ビリー「セクハラじゃないよ、ただのスキンシップだよ」 刹那「お前、いつか痴漢で捕まるぞ…」 マリナ「ところで、罰金で徴収したお金はどうするの?」 刹那「生活費にしてくれ」 サジ「そんな生活費は嫌だなぁ…」 ティエリア「生活費の大部分はエロゲ売上金なのに、何を今更」 「刹那のカルピスおいしいv」 眼鏡は当然このセリフを録音してるんだろうな・・・ 眼鏡「当然だ」 カタカタ 眼鏡「カルピス、を削って……」 カタカタ 眼鏡「以前に録音した『ミルク』と入れ替え 刹那「成敗!」 眼鏡「はぷてぃ!」 刹那「ったく…このエロ眼鏡は……ん?」 マリリンのエロゲボイス集 刹那「………ゴクリ…こ、コピーしておこう…」 カタカタ 刹那「け、決してやましい気持ちからじゃないからな… 眼鏡のセクハラの証拠として押さえておくだけだからな……うん」 リボンズ『彼は誰に言い訳しているんだろうねぇ』 刹那「ん?ま、いいか」 刹那「マリリンおはようvホットコーヒーだよ」 マリナ「ありがとう刹那」 4人「「「「あ、僕達もちょ…」」」」 刹那「おめえらは自分で入れろ!!!!」 4人「「「「はぷてぃ!」」」」 玄関 アレルヤ「ただいま~マリーただいまのチュウ~」 ソーマ「(ギロリ)」 アレルヤ「(ビクッ!)あ……ただいま」 ソーマ「静かにしろ、近所迷惑だろう」 アレルヤ「ごめん……」 ソーマ「飯はできているから勝手に食え。私は疲れたからもう寝る」 居間 アレルヤ「何で正座しているの?」 アンドレイ(正座)「いや、何か今日は家の空気が悪い。ソーマに何かしたのかお前?」 アレルヤ「何もしてないよ!でも確かに変だね。いつもなら僕に対してよい子はマネしちゃいけない程度の攻撃があるのに」 寝室 ソーマ「うぅ……大佐に会いたい……ぐすっ……大佐……」 寝室前 アンドレイ(聞き耳)「これは、ベアシックとでも言うべきか」 アレルヤ(聞き耳)「この前も慌ただしくって全然甘えられなかったみたいだからね」 アンドレイ「半分はお前のせいだろうが」 アレルヤ「あぁ、ごめんよマリー」 アンドレイ「しかしお前の問題は『まぁアレルヤだから』で済むがこっちは何とかしないと」 アレルヤ「今失礼なこと言った。でもそうだね何とかしないと」 アンドレイ「お隣に」 アレルヤ「相談する?」 マリナ「今日は天気が良かったわね。」 眼鏡「俺は外に出てないが11月の陽気だ。明日からはまた寒くなるらしい。」 マリナ「あったかくしなきゃね。あったかパジャマに。刹那ゆたんぽ…」 ブシドー「また洗濯が乾きにくくなる!ネグリジェは1枚しかないので今日は仮面と褌だけだな。」 眼鏡「乾燥機が必要だな…褌1丁よりネグリジェ着ててもらった方がいいしな」 ソーマ「はぷてぃ…ハプティー?紅茶の一種か?」 マリナ「ハプティーのハは蜂蜜のハ、プはプリンのプかしら」 ソーマ「作ってみよう」 マリナ「そうしましょう」 蜂蜜が入った紅茶の中にプリンを入れたハプティー完成 マリナ「美味しそうだけど、カロリーが高そうね」 ソーマ「よし、味噌ココアで中和しよう」 マリナ「ナイスアイデアよ、ソーマちゃん」 アレルヤ「あれ?何してるの」 ソーマ「いいところに来た。これを飲め」 アレルヤ「何これ?」 ソーマリナ「「ハプティー」」 アレルヤ「よく分からないけど、マリーがくれた物なら喜んで飲むよ」 ゴクゴク アレルヤ「はぷてぃ!」 ソーマ「やはりこれがハプティーか」 マリナ「刹那達にも作ってあげないとね」 刹那「マリナの作るものならなんだって!」 ゴクゴク 刹那「はぷてぃ!」 マリナ「やっぱりハプティーね。ほんとおいしいわ!」 マリナ「ハプティー大好評ね」 ソーマ「うちのアレルヤなんか気絶するほど美味しかったようだ」 マリナ「うちの刹那も白目をむくくらい気に入ったようよ」 ソーマ「紅龍さんはあまりの美味しさに1週間も夢見心地だったらしいし(口から泡ふきながら)」 ソーマリナ「「私たち天才じゃないかしら」」 物陰から2人を眺める刹那とアレルヤ アレルヤ「あんなこと言ってる~~~」 刹那「本当のことを言いたいが、マリリンを傷つけたくないし・・・」 アレルヤ「でも事実を伝えないと、いつまたアレを飲まさせるとも限らない・・・」 刹アレ「「ガクガクブルブル」」 そこにブシドーが通りかかる ブシドー「西から昇ったガンダムが東にしーずぅむー♪」 マリナ「まあブシドーさん、いいところに」 ブシドー「む?何用だ」 ソーマ「これを飲んでみてくれ」 マリナ「ハプティーっていうの。皆美味しいって飲んでくれるのよ。ブシドーさんもいかが?」 ブシドー「ほほう、では頂こう」 刹那「やった!これでブシドーが不味いって言ってくれれば真実を伝えられる」 アレルヤ「でもその前にまた気絶してしまったら?」 刹那「大丈夫。あいつは人並み、いや人を外れた丈夫な身体の持ち主だから、 きっと気絶する前に不味いと言ってくれるはずだ」 アレルヤ「でもそしたらどっちにしろマリナさん傷つくんじゃ・・・」 刹那「それも大丈夫。ブシドーに傷つけられたら俺がすかさず慰めに行くから」 アレルヤ「そんな器用なマネ出来たためしないくせに(ボソ)」 刹那「何か言ったか?」 アレルヤ「いや」 ブシドー「ごっくん、ごっくん、ごっくん、ごっく・・・う?!」 マリナ「ブシドーさん?」 ソーマ「どうしたブシドー?」 ブシドー「う・・・うう・・・ううううう!!」 アレルヤ「白目むいて泡ふいてるよ。だめだ、ブシドーも気絶だ」 刹那「気絶してもいい、その前に、その前に一言『不味い』と」 ブシドー「旨い!おかわり!!」 刹那アレルヤ「「はぷてぃ!」」 刹那「こうなったら…」 アレルヤ「どうするの?」 刹那「…アレルヤ、お前改名しろ」 アレルヤ「ぱぁ!?い、嫌だよ!折角マリーに貰った大事な名前なのに!」 刹那「『海砂利水魚』か『バカルディ』で行け!」 アレルヤ「戻ってるし、第一両方コンビじゃないか!というか、根本的な解決になってないよそれ!」 刹那「うっ…スマン、少し取り乱した」 アレルヤ「いや、大分錯乱してた気がするけど…そうだ」 刹那「?」 アレルヤ「僕達で新しくお茶を考えればいいんじゃないかな?あの二人がハプティーより美味しいと思う奴を」 刹那「成程…名案だ」 紅龍「そういう事でしたら」 アレルヤ「なっ!?」 刹那「うおっ!?」 紅龍「お互い苦労している者同士、協力させて頂きましょう」 刹那「あ、あぁ…助かる(気配を全く感じなかった…)」 アレルヤ「プロが味方になってくれるなら心強いですよ(これが…真の執事の力…)」 ビリー「マリナ、暖かい飲み物をたのむよ」 ほか「「「ぼくも!」」」 マリナ「ええ。少し待っててね。とびきりおいしいものを入れるわ」 喪男「「「「待ってるよ!」」」」 刹那「ニヤニヤ…」 マリナ「はい、皆どうぞ~」 眼鏡「む、コーヒーか。ありがたい。ちょうど徹夜しようと思ってたんだ」 カタギリ「僕たちは…ミルクか」 匙「あ、これ、刹那の(貰って来た)ミルクだね」 カタギリ「それは重畳……うん、うまい」 刹那「………あれ?ハプティ飽きたのかな?」 マリナ「刹那」 凄く優しく、甘い声で呼ばれ、思わず破顔しながら振り向く刹那。 しかし、表情が強張るのを刹那は抑え切れなかった。 マリナ「はい。特濃ハプティよ」 刹那「………(汗ダラダラ」 マリナ「もう残り一人分しかなくて……だから…エヘヘ、私のいちばん好きな刹那に飲んで欲しいと思ったの」 最高の笑顔を向けてくる。 とても「いらないよ」とは言い出せない。言いたくない。 マリナ「どうしたの?まさか……嫌だった?」 申し訳なさそうに上目遣いに覗きこんでくる。 刹那「い……いや、とても嬉しいよ!あはは!マリリンは優しいなぁ!」 マリナ「うふふ、照れるわね……」 刹那「あはははははははははははははぷてぃ!!!」 マリナ「あら……あまりにも美味しいからって倒れなくてもいいのに……」 刹那「(満面の笑顔で白目剥き)」 マリナ「そこまで…嬉しいなぁ……よし、もっと作ってあげちゃお!」 4時間後、目を覚ました刹那の目の前にはハプティの山が所狭しと積まれていたのであった…… リジェネ「…おや?またいたずらかい、リボンズ」 リボンズ「あまり放っておくと、どこから飛び火してくるかわからないからね」 リジェネ「怖いのかい?」 リボンズ「…まさか」 ライル「ん、回覧板か…おいおい、次は俺じゃなくて刹那のところじゃねえか。誰だよ間違えたやつは…」 紅龍「何としても更に美味いドリンクを考え出さねば……」 刹那「そうだな……バカ殿でも参考にするか?」 アレルヤ「もっと酷い事になると思うよ」 紅龍「ティエリア君に頼んで、ヴェーダに考えだしてもらえないのか?」 刹那「いや……」 眼鏡『なるほど。だが、断る』 刹那『そんな!?エロゲ買ってやるから!な!』 眼鏡『面白そうだから断固辞退する』 刹那「……って言われたんだ」 ハレルヤ「……あの糞眼鏡…」 紅龍「ふぅ…仕方ないですね。一週間以内になんとか考えてみます」 刹那「頼む…マジで死ぬかもしれないからな…」 アレルヤ「刹那は喪男が沢山いるからまだいいよ… 僕なんか小熊と二人だけだから、マリーが張り切っちゃって張り切っちゃって……」 刹那「………生きろ」 リボンズ「リジェネが散る。リヴァイブが散る。ヒリングが散る。生と死が交錯していく…。 次回『リボンズ』破壊から再生へと至る変革期。その痛みに美少年がうめく」 リジェネ「縁起悪い事を言わないでほしいな」 リボンズ「リジェネ、あの男が例のものと接触したよ」 リジェネ(…ティエリア、世界の悪意が見えるよ。待ちわびた?まるで他人事だね) アレハンドロ「リボンズぅぅぅ!イスマイールさんから美味しい飲み物をいただいたぞー! えんじぇるの皆で飲もうではないか!!」 サジ「…えっと…元気だして…ね? 僕のおすすめのマンガ読んで見る?」 つ王家の紋章 サジ「ねえさんからおしつけ…プレゼントされたマンガなんだ 結構巻数あるからいい暇つぶしになると思うよ? もしよかったらあげるよ」(僕は読んだ事ないんだけどね…) 眼鏡「……気持ちはありがたいのだが…もう持ってる」 ビリー「エロゲだけじゃなくて少女マンガにも造詣が深かったのか君は」 眼鏡「エロゲを作るにあたっての参考資料程度だがな ちなみに次回作は“天涯孤独の少女が女優を目指す”というモチーフを使ってエロゲを作るつもりだ」 ハプティー作って飲んでみた なかなかいける。むしろ美味い わた、ソーマの料理センスはかなり良いと思う 紅龍「!?」 刹那「何!?」 アレルヤ「そ……そんな……」 刹那は、これから、はぷてぃの名前は、喪男の生活エリア全域で、 真実、正当な紅茶の王という意味をあらわすハプティー・ナビーユ・エリンという呼称によって、 尽きる事のない紅茶というアボリジニの言葉、マランビジー、そのようになるだろう、と想像した。 刹那「ま、マリリン…は、はぷてぃはもういいから……ね?」 マリナ「あら…遠慮しなくてもいいのよ…作り置きはたぁっぷり、あるんだから……」 ど っ さ り 刹那「……俺は、はぷてぃに出会ったために、自分の体をかえりみることなく、 マリリンに喜んでもらおうとした事の結果なんだな…… 味噌とか、プリンとか、そんなことで、こんなことになったんじゃない」 三杯目のはぷてぃが喉をすぎて、そういった言葉が、刹那の頭にならんだ。 しかし、そこで意識は途切れた。 刹那「アレルヤも、そんなことをいっていたみたいだった……。 夢だったな……夢を見ていたみたいだった……ずっと……」 バタン スミルノフ家の朝食風景 アンドレイ「じゃんけん!」 アレルヤ「ぽん!……あっ!」 アンドレイ「よっしゃぁぁぁぁ!!!!」 マリー「アレルヤ…私、一生懸命作ったの……沢山食べて?ニコ(頬杖をつきながら首を軽くかしげる」 アレルヤ「はー……はー……はー……」 アンドレイ「頑張れ負けるなO157」(自炊中) ブシドー「おおーい、ミカンを箱買いしてきたぞ! さあ、どんどん食べるがよい!!」 マリナ「ありがとう、ブシドーさん。やっぱり冬はミカンよね」 刹那「マリリン、冷凍ミカンを作ろう。今から作れば明日には食べられるな」 サジ「それにしても…早く食べないとカビてきそうだね」 ビリー「腐ったミカンは周りのミカンも腐らせるからねぇ…まるで、喪男のようだよ」 眼鏡「ふむ。一人喪男がいるせいで周囲の男も喪男になるのか」 サジ「…つまり僕らがちょっぴり女運が無いのは、喪代表の刹那と一緒だから?」 ビリー「そゆ事。風が吹けば桶屋が儲かる的に、刹那とマリナが 本格的な恋人同士になれば、僕たちにも春が来る可能性が!」 サジ「おお!」 眼鏡「僕には心に決めた嫁達がいるから関係ないな」 ブシドー「他力本願より自分を磨く努力をすれば良いのでは?」 ビリー・サジ「「!?」」 眼鏡「ブシドーのくせに正論を言うとは…一体何が起こるのやら」 刹那「あえて言わせてもらおう…お前ら喪男共の喪ーラ力が纏めて俺に感染しているのだと!」 ブシドー「ムッ!私の台詞を!」 お刹那さんちのお風呂 ポチャン。 ブシドー「ふーいい湯だ。いい湯である! 今日は記者会見に神輿かつぎにアラスカで食料確保など大変な日であった。しかしとても充実していた! 少し長湯してしまったな。風呂上りに冷やしハプティを入れてもらうことにしよう。」 「キャァァーーー!」 ブシドー「ん!あれは助けを求めるマリナの声!」ザバァッ! ダダダダダ゙ッ フスマをシュターン! ブシドー「どうした!何があったというのだぁぁ!」 マリナ「あ、ブシドーゴキブリが…!ってきゃあああああああ!!」 サジ「いやぁぁぁぁ天狗ぅぅぅーー!!」 ビリー「松茸ぇぇぇぇぇぇ!」 刹那「ぎゃあああぁって、違う!駆逐する!駆逐する!!!ゴキブリより先に駆逐する!!!!」 眼鏡「お万死だがしかし刹那これでセクハラ違反金として10万は徴収して生活費にできるぞ」 眼鏡「しかし刹那。ブシドーはマリナのピンチに全裸でも駆けつけてきたのだ。 そこは見習うべきところがあるかもな。」 刹那「俺は…ガンダムになれないのか…!」 サジ「見習うてゆーか全裸じゃなくてタオルくらい1枚前隠そうよ」
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『ゆっくり種2』 希少種 パロディ 俺設定満載です 『ゆっくり種』の続きです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人の住まなくなって放棄された村、かつてはここで林業などで生活の糧を得て暮らしていた。 だが今は住む者もなくみる影もなくなっている。 『ふん・・・・』 この村でただ一つの神社の奥で胴付きのゆっくりがあぐらをかき座っている。 その雰囲気は他ゆを圧倒し恐れさせていた。 『かなこさま・・・・・・ただいまもどりました。』 奥に鎮座するゆっくりに仮面で顔を隠したまりさが帰還の報告をする。 『・・・・で首尾は?』 言語からも他のゆっくりを遥かに凌駕する胴付きのゆっくり、これが希少種を束ねる「ゆっくりかなこ」であった。 彼女は通常種を忌み嫌い憎んでいた。 通常種による希少種の迫害が続き仲間で殺されていく、現状の不遇さえも希少種のせいだと罵る無能な通常種に怒りさえ覚えていた。 しかし同じゆっくり、以前までは彼女もここまで通常種を憎んではいなかった。 だが事件は起こってしまった。それ以来彼女は通常種を憎み滅ぼす事に生きている。 『にしのもりのむれはほぼせんめついたしました・・・』 『略?逃げられたか』 『はい・・・もうしわけありません。あしつきをおさえるまえにうごかれてしまいました。』 『ふん・・・・逃げた奴に追っ手をかけよ!通常種を結束させてはならん。』 難を逃れる事ができた通常種に更なる追撃の命令を下すかなこ 『しょうちいたしました・・・・・つきましてはおねがいがあります。やつらのなかにてごわいゆっくりがいたためにさくせんはしっぱいいたしました。おってにかのじょらをおかしたただけないかと・・・・』 『・・・・さなえだけでは不足か?』 『てきにきしょうしゅがかたんしており、そいつがなかなかてごわく・・・・・』 『ふん・・・分かったさなえと後三匹連れていけ』 『ありがとうございます・・・・では。』 許可を得ると仮面まりさは社を出て行った。 『ふん・・・無能な通常種に加担するとは・・・・戯れの過ぎる希少種もいたもんだな・・・』 次の作戦に集められたメンバーはどのゆっくりも特殊な能力を与えられている者ばかりであった。 [ゆっくりさなえ] 空気を吐き出す事により風を操る能力を持つ。その威力は近距離からならばゆっくりを吹き飛ばし、石を含めば貫通する威力の礫も打てる。 [ゆっくりきめいまる] スピードに長けゆっくりからは視認しにくくなる能力も持つ。偵察や伝令に最適なゆっくりである。 [ゆっくりドスまりさ] 通常種でありながら能力の希少性でかなこの群れの一員となったゆっくり、ドススパークを連発で打つ事が出来る能力を持つ。 [ゆっくりゆうか] ドスには劣るがスパークを放つ事ができる能力を持つ。プライドが高く無能者には容赦がない。 以上の4匹が仮面まりさの指揮下に加わった。この4匹は研究所の出身でかなこによって研究所を脱出をする事が叶った為、かなこに絶大な信頼を寄せている親衛隊である。 『これよりむのうどもについげきをかける。かくじすぃーにのりわたしにつづけ』 5台のスィーが闇夜の中へと消えていった。 さなえは不安に想う、さとりと再び対峙した時に自分は戦えるかと。 なんとか説得して群れに連れてこれないかとも思う。 そんな不安を余所に追撃隊はあーくえんじぇるさんを追っていった。 『むきゅう・・・・すなさんはゆっくりできないわねぇ・・・』 追っ手が迫っている事も知らないぱちゅりー達はあーくえんぜるさんのタイヤが砂にとられて速く動けない事に悩んでいた。 これでは緊急時に対応できずやられてしまう。 『まりさみたいにいしさんをくわえてね。』 その向こうではスィまりさが生き残りのゆっくりに石礫の打ち方を教授していた。あーくえんぜるさんの上から石礫を放てば威嚇くらいになると判断された為、ぱちゅりーの命令により攻撃訓練を実施していたのだ。 『むずかしいんだぜ・・・ちいさいとごっくんしちゃうんだぜ・・・・』 『まりさはおくちのおくにいれすぎなのよ。れいむみたいにおくちいりぐちでくわえてね。』 礫を上手く打てないまりさにれいむはアドバイスをする。 れいむも辛うじて打てる程度ではあったのだが、石を咥えるとつい飲み込んでしまうまりさよりはマシと言えよう。 この様子をはるか向こうから伺っている物がいたのだがそれに気が付く者はいなかった。 『う~いたんだどぉ~やっつけるんだどぉ~』 上空からゆっくりれみりあの声がする。 事態に気が付いたぱちゅりー達は焦って迎撃体制にはいる。 『くらうんだぜぇ~ぷっ』 ポト 『どうしておそらさんいとばないんだぜぇ~』 やはり訓練時間が足らないために上手く石礫を放てないゆっくり達、上空からは3匹のれみりあが迫ってくる。 『いしさんはこうやってうつんだよ!』 バシュン! バチン 『いたいんだどぉ~おちるんだどぉ~ざぐやぁぁぁぁぁぁ!!!!』 グチャ スィまりさの石礫がれみりあを捉えて打ち落とした。れみりあは潰れ饅頭と化した。 だがいくらスィまりさでも連射はできない、残りのれみりあがあーくえんぜるさんに執りつく! 『まりさはたべてもおいしくないんだぜぇ~』 『とかいはじゃないわぁぁぁぁ!!!!』 『でいぶはじんぐるまざぁなんだよぉぉぉ!』 狂乱と化すゆっくり達 バチン 『う”ぅぅぅぅぅぅいだいんだどぉ~!!!』 グチャ 側面からの石礫によってれみりあが落ちる。後の1匹もたじろぎ動きを止めてしまった。 『こっちよ!』 砂山によって死角となった場所から5台のスィーが飛び出してきた。スィーに乗ったゆっくりは次々と石礫を放つが れみりあに上空高くへと逃げられてしまった。 敵は残り1匹となったが上空では対処のしようがなかった。 『さとりがやります。』 さとりは身体を光らすと金髪へと変化しドスまりさへと変化する。 『くらいなさい!』 ドゥゥゥ ずる ゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーー!!! 砂に足をとられて上手くスパークを命中させる事ができないさとり 『それならばならばこうです!』 再び身体を光らせるさとりは今度は光る羽を生やしZUN帽を被った格好へと変化する。 煌く七色の翼を羽ばたいて高く昇って行くさとり 『うぅぅぅ・・なんだんだどぉ?まるでふらんなんだどぉ・・・・』 さとりの変化に困惑し対応に遅れるれみりあ ドッカ さとりに上空から体当たりされ墜落していく 『ざぐやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』 グチャ こうしてぱちゅりー達は危機を回避する事ができた。 あーくえんぜるさんに先程、援護の石礫を放ってくれたスィーが近寄って来る。 乗っていたのは通常種2匹とみなれないゆっくり2匹だった。 『むきゅう!たすけてくれてありがとう。このむれのおさとしてかんしゃするわ』 『かんちがいするんじゃないんだぜ!あれはまりさたちのえものだっただけなんだぜ』 感謝を述べるぱちゅりーにリーダーと思わしきまりさが答えた。 『むきゅう?れみりあがえものなの?』 捕食種に望んで近寄るゆっくりはありえない、獲物と称して戦いを挑むゆっくりにぱちゅりーは驚いた。 まりさの言う事にはあのれみりあはこの砂浜を占拠して通常種を襲う希少種の群れのゆっくりなのだそうだ。 その希少種の群れの長は通称【砂漠(笑)のぬこたん】と呼ばれるゆっくりおりん! おりんに対抗すべくまりさ達は日々この場所で戦っている。 当然、捕食種と通常種の戦力差は大きく日々仲間を亡くしていた。 『むきゅ~それはすごいわぁ!』 『てれるんだぜ~ほめてもなにもでないんだぜ』 感嘆するぱちゅりーにまりさは照れて答える。 その日はまりさの群れに泊めてもらう事となった。 まりさの群れは海岸沿いを進んだ先の浜辺にあった。古く廃棄された釣り船を住処としていて船底に開いた穴を入り口にしている。 『・・・・・・というわけでぱちゅはどすにあいにいかないといけないのよ・・・』 釣り船の群れの長に事情を説明するぱちゅりー この群れのおさはゆっくりみょんである。 先代の長がおりんにやられてしまったので戦闘力の高さから選ばれたらしい。 『それはたいへんなんだみょん!それにしてもさいきんのきしょうしゅはひどいみょん!』 希少種の蛮行に怒りを覚えるみょん。 『むきゅう・・・・みょんもたいへんなようね・・・』 ぱちゅりーはここの希少種も自分等を襲った希少種と関係あるような気がしていた。 この時さとりはこの群れにいた希少種のゆっくりと話をしていた。 『たすけてくれてありがとう。さとりはさとりよ』 『ゆっくりしていってね。こいしはこいしよ』 『こいしはどうしてこのむれに?』 通常種の群れであるはずの場所の希少種2匹が加担しているのを疑問に思い問う。 しかし何やら話せない事情があるらしく同行しているゆっくりやまめに誤魔化されて理由は聞けなかった。 翌朝、希少種同士で食料の調達にでる2匹、通常種の群れに混ざる希少種という環境が2匹に親近感を感じさせていたのでる。 『むこうのはやしにのいちごさんがはえているばしょがあるわ』 『のいちごさんはみながゆっくりできそうね』 『たくさんもちかえりましょう』 2匹短時間で昔ながらの仲間のように仲良くなった。 『あんたたちはどうしてたたかっているのかい?』 林の影から急に声をかけられ2匹は驚き戦闘体制をとる。 『そんなにけいかいしてくていいよ。おりんはきょうのところはあらそうきはないよ』 林の奥からは猫を思わす姿のゆっくり、ゆっくりおりんが出てきた。 おりんは2匹に距離を取った場所から質問する。 『1ひきはしんがおさんだね?もぅ1ひきははじめまして、おりんはおりんだよ。』 新顔?さとりはこいしが群れに最近入ったのだとこの時悟った。 争う気はないと言っていても油断出来ない、2匹はいつでも動けるように攻撃態勢は崩さなかった。 『どうしてたたかうのかとは!それはあなたたちがおそってくるからではないですか!』 『そうよ!あなたたちなんかゆるさないんだから!』 2匹はおりんの問いにそう答える。 だがおりんは溜息を1つつき再び問う。 『おりんがつうじょうしゅをおそうのはなかまのかたきだからだよ。』 おりんは話す。 かつて通常種と希少種は共に暮らしはしないが戦争に至るほど険悪では無かった。 だがその関係を通常種の方から裏切ってきた。 希少種の群れを人間に売り飛ばして駆除されそうになった自分らの安全を買う事件が起こった。 畑を襲った罪を希少種の住処を人間に教える事で免除してもらったのだ。 全てではないが沢山の仲間が研究所に捕獲されてしまった。 長であるかなこは怒り悲しみ、そして通常種を憎むようになったのだと言う。 『・・・でもさとりはみなをまもるためにたたかいます。』 『それはいつまでかな?』 『おそうのをやめてくれるまでです!』 『それはどちらかがぜんめつするまでだめだよ。』 『そんな・・・』 どちらかが滅亡するまでこの戦いは続くのだと言う。 『うったからうたれて、うたれたからうって・・・それでたたかいはおわるのかな?』 おりんは嘆き気味にさとりに問う。 『・・・・それはさとりにはわかりません。』 『おりんにもわからないよ。きょうはごめんねつぎにあうときはてきとしてたたかうことになるね。じゃあね~』 おりんはその様に言い残すと林の奥へと姿を消していった。 のこされた2匹はおりんの問いに答えを見つけ出せずにいるのであった。 群れに戻ると長であるみょんやぱちゅりーが慌しくしていた。 偵察に出していたまりさが沢山の希少種がこちらに攻めてきているのを目撃したのだと言う。 迎撃体制に全戦力を投入する長2匹 『これよりあーくえんぜるさんもみょんにかせいすることになったわ!みんなきをひきしめてね』 『『『『ゆっくりりかいしたよ!』』』』 士気が上がって行く通常種のゆっくり達 そこに見張りのありすが声を上げる。 『いなかものどもがあらわれたわ!みんなきをつけて~』 群れに緊迫感が走る。 まず住処の釣り船前にあーくえんぜるさんを配置して中へは簡単には入れないように構えた。 その上では石礫に長ける者達が待機し上空からの攻撃に備える。 後の者は周辺の守りを固めながら戦う事になる。 『うぅ~れみりあのかたきなんだどぉ~』 『でいぶぅはまだじにだくないよぉ・・・おそらをとんでるみた・・』 グチャ 空中に浚われ放り出されたれいむは落下して潰れてしまった。 やはり戦力差は大きい 『いしさんをうてー』 『『『『ゆっくりりかいしたよ!』』』』 バシュン 『『『『ざぐやぁぁぁぁぁぁぁ』』』』 グチャ 通常種の石礫部隊も敵の数を確実に減らしはいたが戦渦は一向に好転しない 一方さとりも苦戦していた。 昨日は1対1だったので勝つ事はできたのだったが、流石に複数のれみりあ相手だと分が悪い。 だが能力では負けてはいない。 4匹のれみりあを撃墜し3匹の羽を傷つけ地上戦に持ち込む。 『いきます!』 光に包まれると今度は白髪へと変化するさとり、口には光る刃が現れる。 『かくごしてください!』 ザシュ 『いだいんだどぉ・・・ざ・・・ぐ・・・や・・・』 れみりあを光の刃で切り裂いていくさとり、残った2匹のれみりあ達は恐怖して後ずさりしていく。 だが逃す訳にはいかない!一気に追い詰めていく ザシュ 『う”・・・・・う”・・・・う”・・・』 口元から切られ声も出せずに事切れる。 『う・・・うぅ・・・れみりあはこうまかんにかえるんだどぉ~』 背中を見せ逃げようとする最後のれみりあ、だがその逃亡は味方によって出来なくされてしまう。 ブス 『う?・・・なんでだどぉ?れみりあはこ・・こうまかんへ・・・・』 振り向いた瞬間におりんによって串刺しにされてしまったのだ。 『とうぼうへいはしけいなんだよ。』 部下に対して慈悲も何も無い言葉をかけるおりん。 流石にさとりもれみりあを7匹も相手にした後なので疲労困憊だったが、負ける訳にはいかないと気を引き締める。 『やはりたたかわなければなりませんか?』 『これがおりんとさとりのしゅくめいさんってやつなんだよ』 緊迫して向き合う2匹 先制しておりんが飛び掛る。 『むれをまもりたかったらかつしかないんだよ』 『さとりはおりんとたたかいたくありません!』 寸でで攻撃を避けながらさとりは言う。 『さとりはなかまをまもれないゆっくりなのかな?』 『さとりは・・・さとりは・・・・みんなを守るんだぁ!!!』 ピキーン 何かがさとりの中で弾けた。 身体を光が包むとふらんへと変化した。 上空を高く昇ると旋回して勢いをつけて地面スレスレで飛ぶ、勢いを維持したままで今度はみょんへと変化する。 ザシュ 弾丸のように飛んでくる刃をおりんは避ける事ができなかった。 自分の致命傷でる切り傷を見てさとりを向きおりんは言う 『さとり・・・ゆっくりしていてね』 ドサ おりんはこの言葉を最後に事切れて倒れた。 『おりん・・・どうしてさとりはたたかわなくてはいけなかったのですか・・・・・?』 もぅ答えとはもらえぬと知りつつもさとりは涙を流しながらおりんに聞いた。 おりんの敗北によって希少種群は一気に劣勢となった。 やがて次々と逃亡を始めこの戦いは通常種群の勝利する事ができた。 だがこの戦いはさとりの心に大きな疑問を残す。 どうして自分は戦わなければならないのか?どうやったら戦いは終わるのか? 砂浜の向こうに海を眺めながらさとりは答えを求めるのであった。 つづく 無理にキャラを増やすと動かしにくくてしょうがない・・・・・ しかし書き始めてしまったのだからなんとか頑張ります。 誤字等あれば勘弁して下さい これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種
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「1・2・3・4・5・6・7・8!準備体操おわりっと!」 さんさんと照付ける日差しが強いこの季節、人々は生命の源・青い海に引き寄せられる。 「危ないから深いところへは行くなよ」 「ハーイ!」 ここにも一組、その恩恵に預からんとやって来た一行がいた。 「さ、行こう!」 水着をまとい、砂浜を駆ける少女の名はアリカ。 彼女は小学校の同級生の少年イッキと、彼の父親に連れられ、海水浴へとやってきていた。 「ははははは。わーい!」 「あはっ、冷たいっ。やああん、うふふ♪」 海に入ると、アリカとイッキはその場所がもたらす心地の良さに心弾ませ、 無邪気に戯れるのだった…。 後に二人の運命を大きく揺るがす出来事が、この楽園で起こるとも知らずに…。 水遊びも一段落付いたころ、イッキは浜を散歩していた。 そんな彼を見つけた地元の子供たちが、この海岸には危険が潜んでいるので帰るべきだと助言してきた。 何でもこにには"かいぶつ"が現れるとのことだ。 その後、海の家にてアリカと共に昼食をとっているとき、イッキはそれを話した。 「かいぶつですって?」 「さっき、地元のやつらが言ってた。」 眉をひそめるアリカ。 「…これは放っておけないわねぇ。」 「でも今時かいぶつなんか」 ただの噂だろうと笑うイッキ。しかし、 「火の無いところに煙は立たず。この世には未知の生物がまだまだいるのよ。」 「いい!?」 ここでアリカのいつもの癖が出る。 彼女の溢れんばかりの好奇心が刺激され、かいぶつの正体を暴こうというのだ。 「例えば、あの岩場の辺りなんか絶好の隠れ家よね。」 そうしてアリカは、乗り気でないイッキを半ば強引に引き連れ、 かいぶつ探索に乗り出したのだった。 それから数時間後、暑さに耐えかねたイッキはいったんアリカの手を逃れ 冷たい水に咽喉を鳴らしていた。 「うめぇ~。」 そのとき、不意に悲鳴がイッキの耳を打った。 「キャ~~~!!」 イッキは悲鳴のしたほうへ視線を向ける。 「あっちの岩場だ!」 アリカに何かあったのかも知れない。急いでそちらへ向かった。 蹲り震える少女の姿を見つけ、イッキは駆け寄る。 「どうした!アリカ!」 「かっ、か、かいぶつよ!」 「えっ?」 そのとき、二人の頭上に大きな影が差した。 岩の後ろから姿を現した、"それ"によって。 「ぐおおお…」 2メートルはあろうかという巨体、 鈍い光を放つ金色の瞳、 人も収められる様な大きな口をした、 それはこの世のものとは思えない、まさに"かいぶつ"だった…。 かいぶつの視線がぎょろっと二人に注がれる。 「あっ・・・あた、あた、あたしは、おいしくないわよっ!」 「そうだっ!アリカなんか食っても、お腹こわすだけだぞ~!」 「なによ~っ!」 「…ほう。お前たち、その娘のことを食べたことがあるのか?」 くぐもった声で、かいぶつから二人に質問が投げかけられた。 「はぁ?…な、なに言ってんだよ。」 「そうよ。そんなことあるわけ無いじゃない。」 「なら、なぜそんなことが言える?味も知らないくせに。」 「食わなくたって解るさ!アリカの身体なんか、ひっでえ味してるに決まってる!」 「ちょっと、あんたねえ…」 「きっとどんな食べ物より不味くって、どこを食ったって、泡噴いてひっくり返っちゃうぜ」 「ぐぬぬ…」 「こんなガサツで強情っ張りなヤツの肉なんて、味もガサツで強情で、美味いわけ無いっ!」 ブチン! そのときアリカの中で何かの切れる音がした。 「あんったねえ!!黙って聞いてりゃ調子に乗ってぇずいぶん好き勝手言ってくれるじゃない!」 アリカは鬼のような剣幕でイッキへ講義を切り出した。 「…へ?」 「こんっなに清楚で可憐で可愛いあたしが、不味いはずないじゃない!!」 「誰が清楚で可憐だ…って言うかアリカ、これはかいぶつからお前を守るために…」 「あったまきた。そこまで言われちゃ黙ってらんないわ。 イッキ、あんたあたしのこと食べてみなさいよ!」 「…はああぁ!?」 キレてとんでもないことを言い出す友人に、口が開ききりになるイッキ。 そんなイッキをよそに、アリカは水着を脱ぎだし、生まれたままの姿へとなっていく。 そして顔を赤らめながらイッキに向けて言う。 「ほ、ほらっ。どこでも好きなトコ、食べなさいっ。」 「…△×※◎*~~!!」 状況に困惑し、イッキの意識はバーサークする。 「何よその顔は?……わかった!胸ね、胸が小さいのが、気に入らないんでしょう?! もおお~これだから男ってヤツは…。」 もはや放心状態のイッキヘ彼女の声は届いていない…。 「それなら、コレはどお?!なかなか柔らかくって、もちもちしてて美味しそうなんじゃないっ?!!」 腰に手を当てて、イッキヘお尻を突き出してみせるアリカ。 と、そのとき「ほおお。見事なものだな。」 かいぶつが身を乗り出し、アリカの腰に実る丸く艶やかな桃を、食い入るように見つめてきた。 「…ちょっと、邪魔しないでくれる?今このバカにあたしの美味しさを教えてやるところなんだから。」 「しかし小僧はお前を食べる気なんぞ無さそうだぞ?」 イッキはどこか遠くを見つめ、呆けている。 「ムッカ~あたしがこんっなにはずかしい思いをしてるってのにぃコイツったらああぁ!」 怒りでアリカの頭にはどんどん血が上っていく。 「もおぉ!そういうつもりならっ…ちょっとかいぶつ!あなた…」 ぎょろりとした大きな目玉を、少女の瞳がキリリと睨む。 「なんだ?」 「このバカの代わりにあたしを食べて、その美味しさを証明しなさいっ!」 眉を吊り上げた少女の言葉に目を丸くするかいぶつ、だがその間も刹那…。 「くくく。良いだろう、こちらこそ願ってもない。 ではまずその柔らかくて、もちもちしているというお尻を頂こうか。」 かいぶつはアリカの体をくの字にたたむと、 お尻側を自分の口に向けハンバーガーをつかむように持ち上げた。 「あ、ねえ、食べるからにはちゃんと感想を言うのよ?」 「ああ、思う存分聞かせてやるとも。それでは、いただきまーす。」 おもむろに、その白桃のような少女の臀部を口にほうばる。 はむり。 「ひ!ねえ、やっぱりまだ心の準備が・・・」 そんな声などお構い無しに、鋭い牙はゆっくりと少女の腰へ沈んでいく。 「ヴっ!!ぎいいいいっ!!!」 アリカの肉を奪おうと、容赦なく身を切断しにかかる。 ぐしゃり。 「あ゛っえ゛ぇ…」 激痛のあまりアリカから声にならない声が発せられる。 同時にかいぶつの口から辺りに放たれる鮮血。それは傍らにいた少年の頬にもかかった。 「うーん…」 顔に触れた飛沫によって意識を取り戻すイッキ。顔をぬぐい、手に付いたそれを目視する。 「なんだこれ…なんか鉄くさい…。」 吹き付けて来たであろう元を確認しようと、上を見た…。 「んな・・・!!」 そのときイッキの目に映ったものは、二つ。 一つはとても美味しそうになにかを租借する巨大な生物。 そしてもう一つはその生物の手に収まり、腰を失っている友人の姿だった。 「ア…リカ?……ヴッ!」 直後、強烈な吐き気に襲われる。 「あ、イッキ…ねえ…聞いたでしょ?…今の…かいぶつの言葉…」 嘔吐する少年へ弱々しい声でささやくアリカ。 「あたしのお尻…とっても美味しいって…」 その口回りは、自らの吐血により点された紅が艶やかに滴る。 「ああ♪こんな美味しいものは今だかつて食べたことが無い。」 少女の身体が地獄を味っている一方で、かいぶつの口内には天国が広がってた。 一顆の少女の果実によって、最高の空間が作りだされているのだ。 果実の皮はもちもちとしていて、噛むごとに程良い弾力で心地の良さを与えてくれる。 中に詰まった果肉はとても柔らかくジューシーで、 とろとろな蜜がジュクジュクと惜しげもなく溢れだし、 甘美なハーモニーを口いっぱいに広げる。 さらに中央には、汚れを知らない青い果実ながらの絶妙な酸味が利き、 食した者をその味に魅了していく。 がぶがぶ!!むしゃむしゃ!!くちゃくちゃ!!ごっくん!! 「うまい!美味過ぎるぞ娘ぇ、食欲が抑えられない!!」 かいぶつはアリカの味を求め、ガツガツと彼女の肉を貪っっていく。 「うふふ…そう♪…どおイッキ、これであたしが美味しいってこと…分ったで…しょ?」 「アリカぁ、ぐす。そんな…アリカがぁ…死んじゃ…」 「何泣いてんのよ。…あたしは別に…あんたを…泣かせたかったわけ…じゃ…」 「ぐすん、アリカぁ、アリ…」 (え?…何イッキ、聞こえないよう。あたしはただ、あんたの鼻をあかしたかっただけ。 なのに…あれ?あたし、何してんだろ?なんか、凄く眠…) ぐちゃりっ! 背中にものすごい重圧を感じたのを最後に、アリカの意識は飛んだ。 …そして少女は、その身から美味のみを主張する、一つの食べ物となった…。 ―完―
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でてくるもの にとり ゆっくりれいむ・まりさと群れの仲間達 おはぎ 資材を両手いっぱいに抱えながらにとりは地上にある自分のラボへと向かうと玄関の前に2匹のゆっくりが鎮座?していた 「ゆゆ!ゆっくりできないおねえさんはやくれいむのこどもかえしてね」 「きのうおねえさんがこどもたちつれていったのみたんだぜ」 れいむとまりさがこちらを見かけるやプンプンと自分達で声を出しながら口々に子供を返せと言い出した 昨日?ああたしか実験でロケットに詰め込んで挽肉ならぬ挽き餡子にしてからおはぎマシーンの実験に使ったゆっくりがいたなあとゆっくりと思い出す 「むししないでこどもかえしてね!」 「ゆっくりはやくかえさないとひどいめにあうんだぜ」 そういいながら足にぽむぽむと心地よい刺激を与え出す二匹 返せといわれてもおはぎとなってしまっているしなぁ 潰してやってもいいのだが掃除も面倒だし何より今は昨日の実験で出来たおはぎの形が気に食わなかった為そのマシーンの調整で頭がいっぱいなのだ とっととどこかにいってもらいたいが子供を返さないといつまでもつきまといそうだし 「ああそうだ!」 「ゆ!やっとかえすきになったか!」 「ああそこでちょっと待ってなさい」 「いや、にげないかどうかみはるんだぜ、まりさたちもついていくんだぜ」 「ああいいけど中で物壊したりしたらゆっくりさせないよ」 そそくさとラボに入り荷物を適当なところに置くと冷蔵庫へ向かった 昨日のおはぎの乗った皿を取り出しゆっくりたちの前に置く 「ゆゆ!おかしはもらうけどそれよりこどもたちをかえすんだぜ」 「たべものでつろうとしてもむだだよ!ゆっくりかえしてね」 「それが子供達だよ」 「ゆゆゆ!」 事実を伝えると2匹は 「でぃぶのこどもがーーーーー」 「しね!ゆっくりしないでしね!」 まあ当然の反応だ。虐待おにいさんならここらで透明な箱が登場するのだろうけど私にそんな趣味は無いし早くお引取り願いたい 「おちついて!君達の子供が昨日ドスの卵に進化したんだよ」 「「ゆゆ!ドスの卵!?」」 そんなもの初めて聞いたという顔をする饅頭二つ 無論私もそんなもの初めて聞いた 「そうだよこれは最近の研究でもやっと見つかったというぐらい珍しいドスの卵だよ この論文によるとどすになる力を秘めたゆっくりたちが集まってドスの卵になるって書いてあるよ」 ほらこれとゆっくりたちに積んであった本の一つを適当に見せ付ける。ゆっくりなんかまったく関係ない本だがどうせ読めやしない 「ゆゆ!すごいんだぜ!まりさたちのこどもがドスになるんだぜ!」 「むれのみんなにじまんできるね!」 ドスが自分の子供になる。その大きさ力強さ(ゆっくり比)から群れの長となることは必至 その親となれば生活はもはや左団扇も当然である 「さ、これを巣にもって帰ってゆっくり孵化させてやんなよ」 薔薇色の将来を頭に描き気持ちの悪い笑みを浮かべる二匹とおはぎを放り出しドアを閉める これで邪魔者は消えたと腕をまくりにとりは揚々と研究室へと入っていった 「むきゅ?どすのたまご?」 「わからないよー」 「ぱちゅりーもしらないぐらいめずらしいんだぜ!さいきんみつかったんだぜ!」 「こどもたちがドスになるんだよ!ありすはしってた?」 「とっとうぜんよ!ドスの卵でしょ!とかいはならみんなじょうしきよ!みんなおくれてるわね!」 「むきゅー?」 二人の親は帰る早々群れのみんなを集めてドスの卵の話を聞かせて回った みな半信半疑だがドスが群れにいるとなれば心強いことこの上ない 「ところでたまごってどうやったらかえるんだぜ?」 「むきゅ、とりさんのたまごはおやがからだでたまごをあたためるとうまれてくるのよ」 「ゆーそうなんだ」 「よーしさっそくあたためるんだぜ!」 善は急げとばかりにれいむは巣に戻りおはぎを温め、まりさは夏の暑い日差しを物ともせず元気に野を描け谷を越え藁や草を集めに走り回った ドン!ドン!ドン!ドン! 「朝っぱらからうるさいなぁ誰?開いてるよ」 「ゆっくりここをあけてね!」 新しいマシンの創作に熱中しすぎてラボで夜を明かしてしまったにとりは寝ぼけ眼でドアを開ける 「「ぶべぇ」」 まあお約束はそこそこに2匹のゆっくりが餡子をたらしながらなにやらすごい剣幕で問い詰めてきた 「「おねえさんのうそつき!」」 「朝からご挨拶ねえ永遠亭ならあっちよ?」 「ドスのたまごっていったのにちっともうまれないよ!ゆっくりこどもをかえしてね!」 「おねえさんのせいでむれのみんなからうそつきっておいだされたよ!うそつきはゆっくりしね!」 「あー?」 よく見ると治りかけてるようだがあちらこちらに怪我の後が見える にとりは寝起きの頭を回転させるドスの卵? 「ああこの間のゆっくりか」 「ゆっくりしてないでなんとかしてね!ドスのたまごだからいっしょうけんめいにあたためたのにほら」 「うげ!きたな!そんなものもってくるな!」 まりさが帽子から取り出したのは藁にくるまれたカラフルなカビの生えたおはぎが一つ 「へんなにおいはするしゆっくりできないものははえるしこんなうそをつくおねえさんはしね!」 「とっととこどもをかえすんだぜ!このうそつき!」 「あーうんそうだそうだ。君達この卵に餌はやったかい?」 「「ゆ?」」 鳩が豆鉄砲食らったような顔で硬直する二匹 まあそうだろ卵が餌を食うはずが無い 「ゆゆゆ!えさをおいておいてもたべなかったんだぜ!」 「それにおくちもないからたべられないよ」 「馬鹿だなあ頭に載せておけば食べたんだよ多分」 「「ゆーーーーーーーー!!」」 「あーあ君達がご飯あげなかったから子供たちが死んじゃったんだよきっと」 「ゆゆ!れいむがわるいんだ!れいむがたまごはごはんたべないよとかいうから!」 「なにいってるの!まりさなんかどうせたべないんだからっていつもたまごさんのごはんもたべちゃってたくせに」 「はいはいどうでもいいからそのカビの塊とっとと捨ててきてね」 別に誰に言い訳する必要も無いのにどうでもいい責任の擦り付け合いを始めた饅頭を背にもう一度寝なおす為にとりは寝室へ向かった このSSに感想を付ける