約 1,475,990 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3594.html
『砂場さんはゆっくりできる?』 19KB 虐待 不運 姉妹 子ゆ 現代 ミスったので投稿しなおし・・・申し訳ないです スレの方で、「砂場って少し低くなってて囲まれてるし、子ゆっくりじゃ出れないんじゃね?」って聞いて、てぃんと来て書きました。 虐待が少しの上、ぬるいです。ごめんなさい。 ゆっくりの朝は、意外にもそこそこ早い。 太陽が顔を出し、町を明るく染める頃、だいたい7時くらいには目覚める。 しかし、暑い夏の季節、日が昇って温度が急上昇し、地面は焼けるように熱く、マンホールはこんがりとゆっくりを焼き殺す。 そんな時間に狩りに行くのは自殺行為である。 だから、夏のゆっくり達はいつもより更に早く目覚め、まだ涼しいうちに狩りを行い、日が高くなり暑くなってくれば家に帰りゆっくりするのだ。 公園の草むらの中から、とある平凡なゆっくり一家の朝の挨拶が聞こえる。 生い茂る草むらの中は、近所の子供がかくれんぼでもして遊んだ際に出来たのだろうか? ちょうど子供が1~2人。ゆっくりなら成体が数匹住めるほどの空間が空いている。 まるで草むらだった空間を切り抜いて作られたような空間は、枝や葉っぱが覆い重なり、雨をしのげるようになっている。 編みこまれたような細い幹達は、籠のようにゆっくり達を風や気温から守ってくれている。 誰がこんなとこに捨てたのか、あるいは偶然中に入り込んだのか、食料をためられるようなビニール袋や、ブルーシートの代わりに使える壊れた傘もあり、おまけにタオルなども置いてある。 れいむ、まりさ、れいみゅ、だじぇまりちゃ、まりちゃ、とテンプレな家族構成の一家は、最近見つけたこの素敵なゆっくりぷれいすをおうちとして使っているのだ。 一家の大黒柱、父のまりさは、自慢の黒い帽子を深めにかぶり、明け方の町へと狩りに繰り出そうと草むらを這い出る。 「きょうはごちそーなのぜっ!ゆっくりいってくるんだぜ!!」 まりさは毎日、子供達や妻のれいむに良い物を食べさせようと、張り切って狩りに行く。 公園近くのゴミ捨て場や、少し離れた場所にある自販機の裏から、甘いジュースが少し残っている空き缶を拾ってくる。 極稀にではあるが、硬貨を拾っては、知り合いの飼いゆっくりに頼んでお菓子を買ってもらったりして、一家をとてもゆっくりさせている。 「ゆぅ~ん♪むりしないでね!ゆっくりいってらっしゃい!」 れいむはまりさの自慢の美ゆん妻で、野良だと言うのにお肌はすべすべもちもち、おうちの掃除をそつなくこなし、使えそうなガラクタを拾って来ては、家具として利用している。 まりさが狩りに行っている間、れいむは公園内のゴミバコや、植木や他の草むらへ虫を見つけにいく。 子供達が心配ではあるが、もう子ゆっくり、かわいい子には旅をさせよと、午前中の間だけ子供達を公園内に放し、たまに一緒に遊んだりしてあげている。 「まりちゃ きょうはおしょとしゃんであしょびちゃいのじぇ!」 「まりちゃも!まりちゃもおしょとでゆっくちしゅるよ!」 「れーみゅもいもーちょたちのめんどうをみりゅよ!」 今日は平日で、既に学生や社会人の通学通勤時間を過ぎていた為、子ゆっくり達を外に出して遊ばせてやることにする。 「ゆぅ・・・きょうはおかーさんはついていけないよ!・・・だからおちびちゃん、ゆっくりきをつけてね!」 暑くなってきたらすぐに帰ってこい。 人間や野良猫を見つけたら影に隠れて静かにやりすごして逃げろ。 怪我をしたり、何かあったら大声で叫べ。 変なゆっくりにはついていくな。 遊びに行かせる度に耳(無いけど)にタコが出来る程伝えている注意事項を伝えると、れいむは子供達を公園の遊具の近くに運んでやり、自らも狩りへと出かけた。 平日の夏の午前中に公園に来る人は、中々居ないだろう。公園はゆっくりにとって、見つかりさえしなければとてもゆっくりできるのだ。 「ゆっ!きょーはにゃにしてあしょぶんだじぇ!?まりちゃはしゅべりだいしゃんがいいのじぇ!」 「まりちゃ!ぶらんこしゃんがいいよ!!」 「れーみゅはしーそーさんがいいよっ!」 三匹の子ゆっくりは、どの遊具で遊ぶかを相談する。 だが、だじぇまりちゃとれーみゅ提案のブランコとシーソーは、どちらも母のれいむが居ないと遊べないどころか、乗る事すら出来ない。 滑り台ならまぁ、逆から登っていけば無理ではないが、子ゆっくりの移動速度に加え、あの傾斜では半分も登れないだろう。 「ゆっ!きめちゃのじぇ!きょーはしゅなばしゃんであしょぶのじぇー!」 「ゆ!しゅなばしゃんまでかけっこぢゃよ!」 「ゆゅっ!?いもーちょたち!ゆっくちまっちぇにぇ!?」 だじぇまりちゃが今日の遊び場を決定すると、一目散に砂場に向かってぴょんぴょんしていった。 砂場に着いた子ゆっくり達は、一斉に砂場の中に飛び込む。 前夜、気温が低かったのと、日が差してからあまり経っていないため、砂場の砂はひんやりと冷たい。 「ゆっくち!ちゅめちゃいんだじぇ!」 「ゆわぁっぷ!ぺっぺっ!しゅなしゃんがおきゅちにはいっちゃよぉ~!ぎゃりぎゃりしゅりゅよ~!」 「ゆわぁ~っ!すなしゃんはしゃらしゃらしゅべしゅべでゆっくちできりゅにぇ~!」 子ゆっくり達は思い思いに砂場でゆっくりし始める。 不規則な形の小さな砂丘にそってこーろこーろレース。 どれだけはねてもころんでも、ある程度衝撃を吸収してくれる砂の上で追いかけっこ。 まりちゃ達が常備している、小枝を使って小さな砂山をいくつか作ったり。 れーみゅが砂山の上で歌ったり、頂上から転がり降りたり。 少しの間、そうしてとても楽しんでいた子ゆっくり達。 疲れてしまったのだろうか?皆、少し眠そうな顔をしている。 「ゆぅ~・・・にゃんだきゃねむくなっちぇきちゃのじぇ・・・」 「れーみゅもちゅかれちゃったよ・・・」 「いいこちょおもいついちゃよ!ゆっくちまっちぇちぇにぇ!」 そう言うと、末っ子まりちゃは小枝で砂山に横穴を掘ると、そこにすっぽりと入り込んで、ゆっくりぷれいす宣言をする。 「きょきょをまりちゃのゆっくりぷれーしゅにしゅるよ!」 「ゆぅ~!いもーちょはてんっちゃいだじぇ!」 「れーみゅもまにぇしゅるよ!」 「ひんやりしちぇゆっくちできるのじぇ~・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「ゆぴぃ・・・ゆぴぴぃ・・・」 三匹は砂山に自分の身体ほどの穴を掘ると、そこでゆっくりと眠りについてしまった。 『砂場さんはゆっくりできる?』 「ゆぅ~?にゃんだかぽーきゃぽーきゃしてきちゃよ?」 れーみゅが寝苦しさに目を覚まし、瞼を開くと、凄まじい光がれいむの目に飛び込み、瞳を焼く。 「ゆぎゃぁ!?めっ、おめめしゃんぎゃ~!おめめしゃんぎゃ~!?」 痛みに悶えているうちに少しずつ目が慣れてくると、外の世界が一変していることに気づいた。 外はとてつもなく明るい。れいむの居る砂山も少しずつ温かくなっていた。 「ゆぅ~!すなしゃんきらきらしちぇる!・・・でもきょこはしゅこしゆっきゅりできにゃいね・・・いもーちょたちのとこりょにゆっきゅちにげりゅよ!!」 過しにくくなったゆっくりプレイスを手放し、近くのまりちゃの居る砂山を目指すべく、あんよを前に進める。 穴が遮っていた、太陽の眩い光がれいむの顔を包む。そして、あんよが外の輝く砂に触れる。 「ゆっぴぃ!?すなしゃんがあっちっちだよ!?」 太陽に照らされていた砂は熱を持ち、れーみゅのあんよにその熱を伝える。 「あちゅいよ!はやきゅいもーちょのとこりょにいくよ!」 くっついたり、足焼きされて歩けないほどでは無かったため、妹である次女まりちゃの砂山に向かって素早くぴょんぴょんで移動する。 「ゆぅ?どうちたんだじぇ?」 「おにぇーちゃん、ゆっくりしじゅかにしちぇにぇ?」 その騒がしさに二匹のまりちゃが目覚め、れーみゅの異変を確かめようと外に出ようとして、足が砂に触れる。 「「ゆひぃ!?あっちゅい!?」」 二匹はあんよの熱に驚き、即座に後ろにぴょんと跳ねる。 だじぇまりちゃは、すぐ後ろにあった砂山を潰してしまった。 末っ子まりちゃは、すっぽりと元の位置に戻ったが、衝撃で砂山が崩れ、中に埋もれてしまう。 「ゆひぅっ!?こっちもあちゅいのじぇ!?」 「あちゅいよ!おもいよ!しゅなしゃん!ゆっくちどいてちぇにぇ!?」 砂に埋もれ、ゆっくりと蒸されていきそうなまりちゃをなんとか砂の中から引きずり出す。 三匹は寝ている間に突然変化した環境にゆんやーしているが、母れいむは公園の隅の方にいってしまっているのか、泣けど叫べど助けは来なかった。 ぐずぐずしている間にも、太陽に照らされた砂は更に熱を帯びていく。 三匹は冷静さを少し取り戻したようで、暴れるのをやめて、とにかくここから逃げることに決定した。 「ゆぅ?でも、きょきょどのへんなのじぇ?」 そう、この三匹はとにかく遊びまわっていたため、自分達が居るのが砂場のどの辺りなのか、まったく分からなかったのだ。 人間から見ても、大きめな砂場、成体ゆっくりからすれば、とても広い砂場、子ゆっくりから見れば広大な砂漠となる。 どれだけのーびのーびして辺りを見渡しても、見えるのは晴れ渡る青空、ギンギラギンにさりげなく輝く太陽。 そして遠くに遠くにかすかに見える木の緑だけだった。 悩んだが、とりあえず草があるところに出たいと考えた三匹は、広大な砂漠を進みだす。 ジリジリと肌を焼く太陽。 あんよをじんわりと焼いていく熱い砂。 滝のように流れていく砂糖水が、砂の上に落ち、砂を湿らせて斑点を作る。 照りつける太陽の光を受けた砂の照り返しで、目がチカチカしてくる。 「ゆんやー!まりちゃもうあるきちゃくにゃいいいいい!!」 「だめなのじぇ!ここにいちゃらゆっきゅちできにゃくなるのじぇ!?」 「しょうだよ!おねーちゃんもがんばりゅから、いもーちょもがんばっちぇにぇ!ぺーりょぺーりょ!」 黒い帽子は太陽の光を吸収してしまい、帽子の中が蒸れるが、直射日光よりはマシだ。 れーみゅは黒髪、しかも直射日光。 二匹のまりちゃよりさきに体力をどんどん消耗していくが、長女としてのプライドと責任を持ち、頑張って歩いた。 しかし、楽しんでいた時は気づかなかったが、風で出来た小さな砂の波が今は大きさ砂丘になる。 子ゆっくり達は励ましあいながらそれを一つ越えては、乾燥していく肌をぺーろぺーろで潤し合いながら進んでいく。 どれほど歩いただろうか? 長く辛い、ゆっくりできない旅の終わりが見えてきた。 ついに子ゆっくり達は、砂場の出口にたどり着いた。 が、そこで出れるほど、ゆっくりのゆん生は甘くない。 少し、子供の頃遊んだ砂場を思い出してもらいたい。 砂場と言うのは、早い話、「砂がある場所」。 砂は風に飛ばされたり、水に流されやすいため、多くの場合、コンクリートか何かで囲まれている。 地面から一段低いところに掘られ、コンクリートの囲いがあるのだ。 つまり、今子ゆっくりの目の前にはその囲いがある。 その囲いは、子ゆっくりには絶対に越えられない壁となって、砂漠からの脱出を阻止する。 「ゆぅ!?かべしゃんがあってでらりぇにゃいのじぇ!?」 「かべしゃんはいじわるしにゃいでゆっくちどいちぇにぇ!?」 「ぷきゅーしゅるよ!?ぷっきゅぅー!!」 当然の事ながら、壁は退かない。 以前母ゆっくりと遊んだ時には、母れいむに手伝ってもらったり舌でだっこしてもらっていたので登る事が出来た。 しかし、背丈の低い子ゆっくりだけではこの壁を越えることは不可能だ。 子ゆっくりたちは、壁に体当たりしてみたり、罵倒してみたり、ぷくーしたりしてみるが、一向に効果はでない。 むしろ自分達の体力を消費していくだけだった。 ゆっくりできない壁をやっつける事を諦めた子ゆっくり達は少し壁沿いに歩き、気づく。 どこまでも壁が聳え立っていて、出口が見つからない事を。 「れ、れーみゅたち、とじこめらりぇちゃってりゅぅぅぅ!? 「ゆんやぁあああああああっ!!!」 「だしゅのじぇ!!まりちゃたちをここかりゃだちゅのじぇええええええ!!!」 勿論、泣けど叫べど助けは来ない。 更に強くなっていく日差しと、絶望感に子ゆっくり達は途方にくれて、壁にもたれかかる。 まだ太陽は完全に真上に来てはおらず、壁が影を作って涼しい。 冷たいコンクリートに背中を預け、つかの間のゆっくりを取る。 しかし、刻一刻と登る太陽は、三匹から少しずつ影を奪っていく。 すると、末っ子まりちゃが何かをひらめいた。 まりちゃはすぐに帽子から小枝を取り出すと、一心不乱に砂を掘り始める。 その奇行に残りに二匹は心配したが、まりちゃは構わず掘り進める。 そしてある程度の大きさの穴を作ると、そこに自ら転がり落ちた。 「ゆぅ~!ちゅめちゃいよ!おにぇーちゃんたちもゆっくちしようにぇ!」 「ゆぅ?どういうこちょにゃんだじぇ?ゆわぁ!ひんやりー!」 「ほんちょーぢゃよ!?ひんやりーでゆっきゅちー!」 「ゆふふ!いじわりゅなしゅなしゃんをほっちゃら、ゆっきゅちできりゅしゅなしゃんがでてきちゃよ!!」 「やっぱりいもーちょはてんっちゃいなのじぇぇえええ!!」 「ゆぅ~ん、いもーちょ!しゅぎょいよぉ~!」 まりちゃが穴を掘ったのは、このためだった。 表面の砂は熱せられていて熱いが、掘り起こした砂はまだ冷たい。 さきほど、砂山に入ってゆっくりできたときのことを思い出したのだ。 三匹は、まりちゃを手放しに褒め称えて、またゆっくりしはじめた。 しかし、やはりそれもただの時間稼ぎにすぎない。 真上に上った太陽の日差しを逃れる術は無く、穴の中も少しずつ熱を持ってあつくなる。 「ゆぅ~!?ここにょしゅなしゃんもいじわりゅなのじぇ!?」 「ゆっくちにげりゅよ!!」 そう宣言し、熱い砂の穴を登っていく。 ずーりずーり、ずざざー。ずーりずーり、ずざざー。 砂の流れに乗って、子ゆっくり達は上がっては下がり、登っては滑り、を繰り返す。 「「「どびょじちぇでらりぇにゃいのおおおおお!?」」」 砂に穴を掘った。 登ったら砂が崩れて登れない。 即席のあり地獄の完成である。 余計な事をしたまりちゃに二匹から非難が飛び交う。 「おみゃえがよけいにゃこちょしゅるきゃらだじぇええええ!?」 「ゆぅううう!?れーみゅたちににゃんのうりゃみがありゅのおおおお!?」 「にゃんでぇえええ!?みんにゃゆっくりしちぇちゃでしょおおおおお!?」 「まりちゃをゆっくちさしぇにゃいげしゅはゆっくちふみだいににゃりゅんだじぇ!!」 「ゆっ!れーみゅもゆっくちふみだいにしゅるよ!!」 「ゆぶぅっ!どびょちちぇえええ!?ゆべぇっ!」 二匹から理不尽に罪をかぶせられ、二匹の踏み台になってしまう末っ子まりちゃ。 二匹がまりちゃを蹴り、その勢いを使ってあり地獄を抜けようともがく。 そしてもがけばもがく程、砂埃が舞い、熱せられた流砂があり地獄の中心のまりちゃに降り注ぐ。 「ゆべっ!ぺっぺっ!やめちぇにぇ!?ゆんやあああ!おめめしゃんにしゅなしゃんはいっちゃあああ!! あちゅいいいいいい!おみょにじぇんしんがあちゅいいいいいい!!!」 二匹はもがきながらも何とかあり地獄を抜け、中心で暴れるまりちゃを見下す。 先ほどまで仲睦まじかった姉妹も、命の危機やゆっくりの危機ならば平気で蹴落とすのがゆっくりだ。 「おぉぶじゃまぶじゃま!しょこでいっしょうゆっくちしちぇりゅんだじぇ!!」 「こんにゃげすないもーちょにゃんていらにゃいよ!うんうんでもくらっちぇにぇ!!」 「ゆんやぁあああ!うんうんしゃんくしゃいいいいいいい!!?たしゅけちぇええええええ!!」 熱い砂に飲まれ、うんうんにまみれて、まりちゃは泣き叫んで助けを請う。 「そこですなしゃんでもたべちぇ、ゆっきゅちしちぇにぇ!!」 「すなしゃんでうめちゃうよ!!どしゃどしゃー!!」 「あじゅぃ・・っ!だじゅきぇ・・・!ゆびゅぇっ!がひゅ・・・っ!ゅびゅぶ・・・!!」 二匹がかける砂は容赦なくまりちゃの上に降り注ぎ、少しずつまりちゃは砂に飲まれていく。 やがて砂が口の中を満たし、呼吸もまともに出来なくなったまりちゃは砂に埋もれた。 このままゆっくりと砂の中で蒸し饅頭にされるだろう。 そんなまりちゃを尻目に、二匹はなんとかゆっくりできないかと、辺りを見渡す。 そして何かを見つけたようだ。 「ゆゅ!?このおやましゃんをのぼりぇばおしょとにでりゃれしょーなのじぇ!?」 だじぇまりちゃが見つけたのは、小さな砂山。 末っ子まりちゃが穴を掘った時に出た砂が積み重なって砂山となっていたのだ。 砂山の頂上は、壁の一番上へと伸びている。 確かにあそこから外へ出られそうだ。 そう気づいた瞬間、れーみゅは一目散に駆け出した。 「ほんちょう!?れーみゅがさきにみちぇくりゅよ!!」 「まりちゃがしゃきにみちゅけたんだじぇ!?」 「うりゅしゃいよ!!れーみゅがさきにでちぇゆっくちしゅりゅよっ!!」 またもや醜い罵り合いをしながら、二匹は砂山を登る。 ばたばたとあわただしく登るので、砂山の表面の砂が少し崩れてすべるが、気にせず頂上を目指す。 そしてついにれーみゅが先に砂山にたどり着いた。 「ゆっくちだっしゅつしゅりゅよ!!ってどぼじでとどかにゃいにょおおおお!?」 残念、砂山の頂上からはほんの少しだけ壁の上には届かない。 れーみゅがぴょんぴょんはねても、外の世界がちらりと見えるだけで、上ることはできない。 「いまなのじぇ!!ゆっくちふみだいになっちぇにぇ!!!」 れーみゅがあたふたしている間に、まりちゃが追いつき、後ろかられーみゅを踏んづける。 そしてれーみゅの反発力と、跳躍力を合わせ、一気に大ジャンプ(子ゆっくり基準)。 お空を本当に飛びながら、まりちゃは姉であるれーみゅを見下しあざけ笑う。 「ゆきゃきゃ!!くしょおにぇーちゃんはしょこでいっしょうゆっきゅりしてりゅのじぇ!! まりちゃはこりぇかりゃもゆっきゅちしちぇあげりゅから、ゆっきゅちかんしゃちちぇにぇええええええっ!!」 やった!これで外に出られる! 外に出たら、まずはおうちに帰ってゆっくり休もう。 そしてグズで無能な姉妹の分のおやつを全部独り占めにしてやろう。 それから両親が帰ってきたら、崇高なるこの自分に意地悪をした壁さんと、砂場さんを制裁してもらおう。 その後、この公園をまりちゃのものにしよう、そうしよう。 「ゆっきゅちちゃくちしちゃよ!!」 そんな都合の良い考えを、瞬時に餡子脳で思い描いたまりちゃは、ゆっくりと着地する。 真夏の太陽に、数時間晒されていて、かなり高温となっているコンクリートの上に。 「ゆ・・・?にゃんだきゃあんよしゃんが・・・あっぢゅいいいいいいいいいいいいいいっ!!??」 着地と同時に、高熱がまりちゃのあんよを焦がし、まりちゃが跳ね上がる。 そしてまた勢い良くコンクリートに着地し、今度は完全に密着する。 コンクリート程度とはいえ、皮が脆く、薄く、水分を多く含んでいる子ゆっくり。 あんよから水分の蒸発音が聞こえ、凄まじい激痛と共にあんよの感覚が無くなっていく。 「あぢゅいいいいいいいい!!!!ゆびゃあ゛あああああああぁっ!!!!」 このままではあんよさんがたいへんなことになる。 「あんよしゃんんんんん!!!?ゆっぐちうぎょいぢぇにぇえ゛えええええええっ!!? あぢゅいいいいいいいいい!!!!ゆんやああああああっ!!!」 本能で危険を察知したまりちゃは、すぐにこの上から逃げようと、体を動かす。 「ゆぇっ!?あ、あんよしゃ・・・!」 が、あんよが思うとおりに動かず、顔面から熱いコンクリートと熱いちゅっちゅを交わす。 「ゆべっぢゅ!?ゅぎゅぅぅ・・・っ!?・・・ゅぅ゛っ・・・!?・・・ぅ゛ぅ゛ぅっっ!?!?」 小麦の焼ける良い匂いがあたりに放たれる。 まりさの顔面は高熱でこんがりと焼き上げられ続ける。 コンクリートと接した目玉は熱でしぼんでいき、眼孔の餡子にまで熱を伝える。 くぐもった悲鳴が、聞こえているかどうかは分からない。 しかし、先ほどまでまりちゃが散々大声で叫んでいたのは、すぐ下のれーみゅに届いていたようだ。 れーみゅは下卑た笑いを浮かべ、大声で空を仰いで高笑いをしながらまりちゃを罵倒する。 「ゆひゃひゃひゃひゃっ!!ざみゃあああああっ!!!ざみゃあああああああぁぁぁぁっ!! ねぇねぇいみゃどんにゃきもちぃ!?にぇえどんにゃきもちぃぃぃぃぃっ!!? れーみゅをうらぎりゅきゃらこうにゃるんだよ!!?げすにゃいもーちょはゆっきゅちくりゅしんできゃらしんぢぇにぇぇぇぇぇぇっ!!」 れーみゅは踏みつけられて、皮が破れて餡が流出しているのに気づいていないのか。 それとも砂の熱さと気温の暑さに中枢餡をやられたのか、砂山の上で腹を抱えて、体をよじって大笑いしている。 出餡死も時間の問題だろう。 「ぅ゛ゅ・・・ゅ゛・・・!!ゆ゛!!?ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛ゅ゛っ!!!!!」 顔の皮や体の皮が少しずつ炭化し始め、コンクリートにゆっくりと焼かれていたまりちゃは、ビクンと一際大きく痙攣すると、小刻みに激しく痙攣し始めた。 どうやら、熱が中枢餡にまで届いたようだ。 じっくりゆっくりと中枢餡に熱が伝わり、痙攣は激しさを増す。 そして最後に小さく呻いた後、まりちゃの体はピクリとも動かなくなり、ただただ熱によって萎んでいった。 ゆっくりの声が聞こえなくなった砂場に、一陣の風が吹き込む。 暑い夏にうれしい風は、まりちゃの帽子を吹き飛ばし、れーみゅのお飾りを奪っていった。 「おちびちゃぁーん!どこなのー!?ゆっくりおへんじしてねぇええええ!!?」 「おちびぃいいいいい!?どこなのぜええええええ!?かくれんぼさんはやめて、ゆっくりでてくるんだぜえええええええ!!」 「ゆわああああああん!おちびちゃんいなくなっちゃったあああああああ!!!」 「れいむがちゃんとみていてあげなかったからでしょおおおおおおおお!!?このげすううううううううううううううううううう!!!」 「かわいいおちびちゃんにはたびさんをさせようね!っていったのはまりさでしょおおおおおおおおおおおおおっ!?」 お昼の時間を過ぎても、おやつの時間になってもかえってこないわが子を探しに、二匹は公園内を探し回る。 もう夕暮れ時、いつもならそろそろ眠る時間だ。 空は赤色から、藍色へと変わっていく。 「ゆぅ・・・みつかったのはおかざりさんと、おいしそうなあまあまさんだけだったよ・・・ おちびちゃああああん!あまあまさんをいっしょにてべようねええええええ!?だからでてきてええええええええええ!!」 「おちびいいいいいいいいい!!いっしょにゆっくりしようなのぜえええええええええええ!!」 すっかり暗くなった公園で、二匹のゆっくりが泣き叫ぶ。 声は公園の周りの家々に反響し、そして遠くへと消えていく。 二匹は暗くなった空に浮かぶ、わが子を探す声が引き寄せたいくつもの影には気づいていない。 ただただ、返事の返ってこない虚しい呼び声が公園に響いた。 終わりです。 最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。 anko2360 『馬鹿一家と賢いぱちゅりー』 anko2376 『ゆっくりショップの事情』 anko2654 『ゴキゆ』 anko3317 『さくらさんはゆっくりできる』 anko3348 『もコンロ』 anko3532 『工作ゆ虐』 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/617.html
そのまりさは、幼いころに帽子を痛めた。 具体的には、帽子のつばに切れこみができてしまった。 命のつぎに大切な帽子が傷ものになってしまい、まりさは絶望し、泣きじゃくった。 だが、お家に奥底に縮こまって震えるしかなかったまりさは、やがて自信を快復する。 その契機となったのは、親れいむだった。 「おちびちゃん。ぺーろぺーろしてあげるね!」 そう言って、暗い穴底でせっせと我が子の頬をなめたのだった。 ちびのまりさは、どうしてぺーろぺーろする対象が帽子ではなく自分なのかと、疑問だった。 傷ついているのは、お帽子なのに。 「おちびちゃん。すーりすーりしてあげるんだぜ」 続いてやってきたのは親まりさだった。 自信にあふれた顔つきで、いつまでもいつまでも、頬ずりをしてくれた。 「ゆゆ~。いもーちょに くさしゃんを あげりゅんだじぇっ」 「いもーちょに あまあまとっちぇきったんだじぇ~」 「まりしゃ、ぺーりょぺーりょ しちぇあげりゅねっ」 姉妹たちも群がってくる。 両親も姉妹も、帽子の切れこみについては一言も口にしなかった。 繊細な日常を壊さないように、あるがままにふるまっている。 しだいに、まりさは穴倉に閉じこもっている自分がふしぎに思えてきた。 だから、 「おちびちゃん、おそとに でようっ」 と、家族が言ってきたときも、 「でりゅんだじぇ」 と、素直にうなずくことができた。 ちびまりさは、三日ぶりにお家の洞窟を出た。 陽光のもとに歩みでたとき、まりさは濃厚な春のにおいに包まれた。 やわらかな草が地面を覆っている。木々の黒々とした幹は逞しくかつ美しい。 樹木はことごとく冠を装備する。王冠からしたたる木漏れ日が、草原の上に躍っている。 とりわけ、草むらの中心にたたずんでいる樹木が幼いまりさの目をひいた。 それは、白い樹幹をもっていた。 中空に投げかけられた梢はたっぷりと葉をつけている。 静かな君主が、草むらのただなかにそびえていた。 「……ゆっきゅりぷれいちゅ」 まりさは呆然としながら呟いた。 それらは見慣れたはずの風景、日常の景色にすぎなかった。 だが。 暗い穴の底から這い出てきたまりさの目には、 「きょきょは とっちぇも ゆっきゅり できりゅんだじぇ!」 と、おもわず宣言してしまったほどに、みずみずしいものとして再生されていた。 その快活な声は、一点の濁りもない澄みわたる蒼天に吸いこまれていった。 白濁した空のもとで、ゆっくりたちが草むらにうごめいていた。 その顔には覇気も生気もない。 「むーちゃ、むーちゃ……。ゅげぇ……むーちゃ……。むーちゃ……ゅぐ……」 わきめもふらずに痩せこけた雑草をむさぼっている。 何十頭というゆっくりがいるのに会話もなければ歌声もない。 草と唾液がこねくりまわされる湿った音だけが、無言の生首の這いずりまわる草むらにこだましていた。 草むらの中心には、白い大樹が立ち枯れている。 すでに老樹と化してひさしい。子孫を残す機能などはるかな昔に失われていて、 もはや座して死をまつしかすることがない。しかし樹木であっても死は怖いのか、 まるで救いを求めるように葉のない梢を曇天へと伸ばしている。 その曲がりくねった梢のさき、はるかな高みには、数十もの、はばたかない鴉が悠々と飛んでいた。 それは、戦闘機の編隊だった。 しかしゆっくりたちは空飛ぶ機械などには目もくれない。 空など仰ぐ価値もないと言わんばかりに、ただひたすらに、 あしもとにたむろす痩せこけた雑草を胃の腑にものをつめてゆく。 永遠に続くかとおもわれていた静寂は、しかし突然にひきさかれた。 「ゆぴゃぁぁぁっ!」 悲鳴が草むらにこだまする。 ゆっくりが一斉にふりむく。 広場のすみで、一頭のれいむが野良犬の餌食となっていた。すでに半身を食いちぎられ ていて、中身の餡子はとめどもなく流れだしていた。 「だっ、だずげっ、だずげでねぇっ!」 助けをもとめる濁った悲鳴が空にまう。 混沌が発生した。 ゆっくりできない、こっちこないでね。たすけて。にげるよ。 ゆっくりたちは金切り声をあげながら一目散に逃げだしていゆく。 救援に耳を貸すゆっくりは、ただの一頭もいなかった。 「だずげっ、だずげでっ! ど、どぼじでっ!」 ついにさいごの一頭がれいむの視界から消えた。 すべてのゆっくりが、一度たりとも、ふりむかなかった。 「どぼじでぇ……なんでぇ……ゆぐぅ……ゅぐっ!」 れいむが白目をむいた。 痩せこけた犬がれいむの肌を噛み、そのまま森の暗がりへとひきずりこもうとする。 れいむはあんよを踏ん張ってこれに抵抗した。 ぐるりと眼球が回転し、黒目がもどった。 「やべでぇ……やべ……だずげでっ、だれが、だずげでぇ」 哀訴はとどかない。 ずるずると森のなかへと引きずられてゆき、悲鳴は森の暗やみのなかに吸いこまれた。 こうして、一頭のれいむは仔犬の餌としての運命を歩むことになった。 翌日、草むらのすみには森へと伸びる餡子の道ができていた。 だが、ゆっくりたちはまるで気に留めることなく、草をはみつづけた。 すべては日常の光景だった。 だから驚くにはあたいしない。 猛獣に狩られる同胞も、 曇天に躍る戦闘機の群れも、 ときおり聞こえる爆撃音も、 日常のひとこまにすぎなかった。 星無き夜空の統治がはじまった。 森も山も、まったくの暗がりの満たすところとなる。 白い枯木の広場も例外ではない。 その広場からすこし離れたゆっくりの巣穴では、赤ゆのれいむがさんざんに泣いていた。 「ゆぴぃぃぃーーーー! おにゃきゃ ずいぢゃーーーー! おにゃきゃ ずいぢゃーーー! でいびゅば おにゅぎゃ ずいぢぇりゅにょーーーーーっ! ごばんじゃぁぁーーーんっ!」 この癇癪はいまに始ったことではなかった。それどころか毎晩繰りかえされている。 慟哭がはじまると、家族はいつもおなじ手をつかう。 「おちびちゃん。おかーさんが すーりすーりしてあげるよ。すーりすーり……」 成体のれいむが頬ずりをしてこれをあやす。 「ごはんさんは もうないのぜ。がまんするのぜ。ぺーろぺーろ……」 成体のまりさは舌で頬をなめあげて空腹をまぎらわせようとしていた。 「ゆゅ。れいむがしっかりしないから。すーりすーり……」 成体間近に成長したれいむも、先達にならって頬ずりをする。 しかし赤ゆはいっこうに泣きやむ気配をみせないのだった。 「おなきゃ ずいだのぉぉーーーーっ! でいみゅは おなぎゃ ずいだのぉぉーーーーっ! ゆんやぁぁぁぁーーーーー! ゆんやぁぁぁぁぁーーーーーーっ!」 いくらだだをこねても、食べものは出されない。 あたりまえだ。 巣にはひとかけらの食料も残されていなかったのだから。 だから、赤ゆに供されるものは腹のたしにならない愛情だけであった。 そして、無駄と知りつつ愛情をそそぐ三頭のゆっくりの姿を、 べつの二頭のまりさ種が心配そうな目で見つめている。 このさびれた巣穴には合計六頭のゆっくりが息づいていた。 まず、父まりさと母れいむ。 この二頭には四頭のこどもがいる。 生まれた順かられいむ、まりさ、まりさ、れいむだ。 両親とともに赤ゆをなぐさめているのは、長女たる姉れいむ。 すでにツガイを得ていてもおかしくない年頃だ。 姉まりさはまだ子供といえたが、分別のつかない童でもない。 赤ゆの段階を脱しているもののまだ頼りないのが、妹まりさだ。 そして末っ子れいむ。 けっきょく、赤ゆの嗚咽を止めたのは、 れいむ種の愛情のこもった頬ずりでもまりさ種の温かい舐めあげでもなかった。 泣き疲れと、眠気だった。 子供たちが寝静まると、父まりさはツガイのれいむにつぶやくように告げた。 「……ひっこし、するのぜ」 「ひっこし?」 「もう いやなのぜ」 どれだけ血眼になって探し集めても、土をはんでいるようなまずい草しか食べられない。 森には肉食獣が息づいている。遠雷のような爆音は昼夜をとわず聞こえてくる。 父まりさは限界に達していた。 「ゆぅ……」 母れいむはあいまいな態度をとり、子供たちを横目で見やった。 みんな泣きながら眠っている。涙の理由はよくわかる。子供たちは生まれてこのかた、 一度も満腹をあじわったことがない。寝ても覚めても、空腹がじくじくと痛んでいるにちがいなかった。 「ひっこし するのぜ。あたらしい ゆっくりぷれいすで おちびちゃんたちに おなか いっぱい ごはんさんを たべさせるのぜ」 「……そんなゆっくりぷれいす、あるのかな」 「あるのぜ!」 父まりさが声をあらげた。 母れいむは慌てて子供たちにふりむいたが、起きた子供はいなかった。 「おちびちゃんたちは どーするの?」 桃源郷を探す旅は、長く厳しいものになるだろう。長旅に子供たちが耐えられるかどうか。 姉れいむは問題なくついてこられるはずだ。姉まりさも運動能力にすぐれている、問題はない。 妹まりさにしても、休憩をおおくとるといった工夫しだいでなんとかなる。 問題は、末っ子れいむだ。 「おちびちゃんは まりさが ぼうしのなかに いれて はこぶのぜ」 母れいむは冷たく返答した。 「……まりさのおぼうしには たべものを いれておかなくちゃ」 備蓄はない。 だが、旅に危険はつきものだ。今日食べものが得られてから、 明日も食べられるとは、かぎらない。だからみちみち食べものを集め、余裕をもちながら旅をしなければならない。 このとき運搬具としてまりさの帽子が役に立つ。 逆にいえば、まりさの帽子は食べもの運搬用であり、ここに赤ゆを閉じこめておくわけにはいかなかった。 「ゆぅ……」 父まりさが悲しげにうつむいた。そこにツガイの声がかかる。 「だから。おちびちゃんは れいむがおんぶするよ」 父まりさは顔をあげツガイを見た。母れいむの凛呼とした顔がそこにあった。 「くろうをかけるのぜ……」 翌朝、両親は族長まりさの巣におもむき、旅立ちのむねを伝えた。 族長まりさは特徴的な容姿をもっている。帽子のつばに切れこみがあるのだ。 族長は引っ越しの通告に接して、力なく首を横にふるだけだった。あきらかに反対の意をしめしていた。 だが、明確に反対したわけではなかったので、父まりさは旅立ちを決意した。 こうして、六頭家族は新天地めざして群れを出た。 その日も天空は膿んだ色をたたえていた。 出発してしばらくは、家族は非日常と格闘していた。 引っ越しという初めての経験が、家族にいいしれない不安と緊張と興奮を与えていた。 もっとも末っ子れいむだけは母の頭上で眠りこけていたので、身を切るような緊張とは無関係だった。 しかし、そうした緊張も時間もやがてほぐれていった。 まわりの風景は白の枯木のふるさととあまり変わらず、地獄も天国もそこにはない。 とはいえ、故郷とかわらない景色とは、 痩せさらばえた樹木が呼吸を止めたようにたたずみ、空には濁った雲が渦をつくるばかりの、 生も死も消えてしまったような朽ちかけた光景でせいかなかったのだが。 家族は一列縦隊で行進していた。 先頭をゆくのは父れいむだ。その後ろに補佐役として姉れいむがつづく。 列のまん中をしめるのは妹まりさ。四頭目は姉まりさ。しんがりを担うのは母れいむだ。 いちばん脆弱な赤ゆは、母の頭の乗せられて運ばれていた。 「ゆゆー。しずかなんだじぇー」 妹まりさがぼそりと言った。 その指摘に歯向かうように、末っ子れいむが目をさまし、起きるやいなや泣きだした。 「……ゅ……ゅ……ゆぴゃぁぁぁーーーーーーーーー! おにゃぎゃずいだーーーーーっ! ゆんやぅわぁぁぁーーーーーっ! おにゃが ずいだよぉーーーーーー!」 「ゆぅ……」 行軍がとまり、赤ゆあやしがはじまった。 ただし父まりさは参加しない。 道の行く手に背をむけて、泣きくずれる末っ子れいむとそれをなぐさめる家族たちを見つめるだけだ。 しかし、家族のなかでも一等悲痛な目つきをたたえていたのは、父まりさにほかならなかった。 これからずっと見知らぬ土地を歩くのだ。 どこに危険がひそんでいるか、わかったものではない。 そして、避けられる危険は避けるにこしたことはない。 そのためには息をひそめて、ふかく静かに行軍するのがいちばんだ。 ところが末っ子れいむは親の心配など露知らず、それが赤ゆの本能とはいえ、 ひたすらに自己の欲望を主張するばかりで抑えることをしらない。 こんなことで約束の地に辿りつけるのか。 森に息づき舌なめずりをする危険の網をかいくぐることができるのか。 それを思うと暗澹たる気持ちを抱かざるをえない。 いっそ今からでも戻るべきか……? とさえ、思いはじめていた。 今なら間に合う。今なら……。 「おちびちゃん、しずかにしてね! なけばいーってもんじゃないよ!」 その叱責は、姉れいむのものだった。 家族は水をうったように静まりかえった。 めったに怒りを表明しない姉れいむの怒声は、それだけの効果があった。 「……ゅ……ゅ……!」 末っ子れいむは、母の頭上でふるえた。そして、 「ゆびゃぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ! ぼねーぢゃんぎゃ いじばりゅーーーーっ!」 火がついたように泣きだした。 姉れいむの馴れない叱責は、かんぜんに逆効果だった。家族のほうがうろたえてしまう。 ただ父まりさだけは、姉れいむの慌てる姿をみて微笑みをうかべていた。 そのとき、父まりさの背後でかさりと音がした。 家族が音に反応する。 野道のまん中に、猫がいた。 その黒い体毛はひどく薄い。筋肉のもりあがりはすさまじく、ほとんど異形と化している。 爪は曇天からもれる光をふうじて冷たくきらめいている。 その怪物が、琥珀の両眼でゆっくり六頭をしずかに見つめている。 末っ子れいむは狂乱した。 「ゆぎやぁぁぁぁぁーーーーーーー! ぎょばいよぉぉぉぉぉーーーーっ! ねござんば ゆっぎゅり でぎにゃいよぉーーーーー! でいびゅぎょばいぃぃぃーーーーーーーーっ! あっぢ いっでねぇーーーーっ! あっぢ いっでーーーーーっ!」 六頭は立ちすくんでいた。父まりさにいたってはしきりに歯を噛みならしておびえている。 魔物が足を踏みだした。 すると、父まりさの震えがとまった。一家の庇護者たる役割をおもいだした。 一気に頬をふくらまし、 「ぷくぅぅぅーーーーーっっ!」 と、涙ながらに威嚇を展開した。 姉妹たちもそれにつづく。 「ぷ、ぷ、ぷっ……ぷくうぅぅぅっ!」 「ぷきゅーーーーーっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅーーーーっ!」 母れいむだけは赤ゆをきづかい、戦闘には参加しなかった。 魔獣とゆっくりによる闘争は、ゆっくりたちの勇気に軍配があがった。 黒猫はしばらくゆっくりを睨みつけていたのち、ぷいと顔をそむけ、草むらに消えた。 家族たちは抱き合っておのれの無事をよろこんだ。 「ぎょばぎゃっだぁぁぁーーーーーーーーーっ! ぎょばがっだぁぁぁーーーーーーーっ!」 しかし末っ子れいむは泣きやまない。 「おちびちゃん、ねこさんは もういないのぜ! かったのぜ!」 父まりさが戦勝を誇ってみせた。 だが赤ゆは、 「おなぎゃずいぢゃぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!」 と、叫びかえした。 その嗚咽を聞き、父まりさはゆるゆるとかぶりをふった。 末っ子れいむの嗚咽をすておいて、行軍の再開を宣言した。 子供らは心配そうな目をしていたが、父まりさは厳しい目つきをするばかりでとりあわなかった。 家族は無言で、背の高い草むらを両脇にしたがえているけものみちを進んだ。 赤ゆはいつしか叫ばなくなっていた。泣きやんだわけではない。 号泣がむせび泣きにかわっただけだ。 「おにゃぎゃ……ゆぐっ……おにゃぎゃっ……ひぐっ」 などと、つぶやいている。 父まりさが口をひらく。 「おちびちゃんたち、おうたを うたって ほしいんだぜ」 すこしでも家族の不安を和らげようとする一家の長の知恵だった。 「おうちゃー、ききちゃーい」 確信があったわけではなかったが、効果があった。末っ子れいむはぴたりと泣きやみ、 母れいむの飾りの上できゃっきゃとさわぐ。 姉れいむが音頭をとった。 「ゆ~は~、ゆっくりの~、ゆぅ~」 ほがらかな歌声がひっそりとした森に広がった。 母と姉妹が声をあわせる。 「ゆ~、ゆ~、ゆ~、ゆっくり~、ゆっくり~、ゆっくりのゆ~」 葬列のような雰囲気は消しとんでいた。上々だと父まりさは胸をなでおろしていた。 赤ゆだけは、 「ゆっくちぃー! ゆっくちぃー!」 と、叫び散らしていたが。本人は歌っているつもりなので、父まりさはよしとした。 ところが、歌声は闖入者によってさえぎられることとなった。 突然、左右に横たわる背のたかい草むらのなかから、ゆっくりが飛びだしてきた。 ありす種だった。 ありすは一列縦隊で進む家族のまんなかを横切ると、そのまま道の反対側に消えた。 「……ゆ?」 先頭をゆく父まりさが振りかえったときには、ありすの姿はすでにない。 「なにかとーったのぜ?」 「ありしゅがいたんだじぇー」 姉まりさが元気よくこたえた。 母れいむも無言でうなずき同意し、しかし直後に悲鳴を上げた。 「おちびちゃんがぁっ! おちびちゃんがいないよぉー!」 一隊のまんなかを歩いていた妹まりさの姿がない。 「まさか……そのありすに……れいむ!」 父まりさが鋭い声を放った。 「ゆゆ?」 「おちびちゃんを みていて ほしいのぜ! さっきのありす なのぜ、おちびちゃんを さらったのぜ! とりかえしてくるのぜ!」 一気呵成にそう言うと、母れいむの了解を待たずして、父まりさは草むらに分けいった。 草むらの向こうで、なにかが逃げてゆく音がする。 あたりの草はおしなべて背がたかく、視界が晴れない。 「はなちぇぇぇーーーー! まりしゃをはなちぇぇーーーー! げしゅぅーーーーーっっ! ゆわぁぁぁーーーーーん! ゆわぁぁーーーーーーーんっっ!」 妹まりさの悲鳴が聞こえてきた。だいぶ遠い。父まりさは殺気立った叫びをあげた。 「おちびちゃんをはなすのぜぇぇぇーーーーー!」 「……ゅ……? ぉ、ぉ、お、おどーじゃぁぁーーーーーーん! だずげでーーーーーっ! ばりざを だずげでぇぇーーーーっ! はなぢぇぇぇーーーーーっ!」 「たすけるのぜぇぇーーっっ」 と、叫びながらも父まりさは焦燥にかられていた。 おもいのほか誘拐犯は足が速かった。 敵には地の利があるらしく、父まりさはなんども石や樹木といった障害物にさえぎられた。 子供の助けをもとめる声も、しだいに小さくなってゆく。 やがて、完全に誘拐犯を見失った。 父まりさはがむしゃらにあたりの草をかきわけた。鋭い葉にあんよが切れる。 石をふみつぶして激痛がはしった。それでも探索の手はやすめなかった。 だが、いくら草むらをかき分けても、痕跡ひとつつかめない。動悸がはやまる。 そのとき、左手方向の遠くから死にいろどられた悲鳴がきこえてきた。 「ゆんやああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっっ!」 父まりさは目をみひらく。 方向を転じて、跳ぶように走った。 「おちびぢゃぁぁぁーーんっ!」 返答はなかった。 もどかしい。 父まりさは歯ぎしりした。 悲鳴を耳にして身をこがすような不安にかられていたのに、 いまはその返事の不在が不安でたまらず、悲鳴でもいい、妹まりさの声がききたかった。 「ゆんっ!?」 とつぜん、藪のような草むらが途切れ、背のひくい草が繁茂する広場に転がり出た。 「おちびちゃん!」 がばりと起きあがりあたりを見回す。 灰色の葉をつけた大樹の足もとに、ありすがいた。 父まりさを蒼ざめた瞳で見つめている。 「……」 二者は黙して対峙した。 「……おちびちゃんは、どこなのぜ」 ありすの体が、びくついた。その目に涙がたまってゆく。 が、それも一瞬のことでしかない。 一転して獰猛な目つきをたたえると、猛然と飛びかかってきた。 父まりさは横っとびに飛びのいて、奇襲を回避した。 敵は着地に失敗してバランスを崩す。 父親はすかさず背後をとった。 地面に落ちていた小枝をひろいあげ、あかいカチューシャのちかく、脳天にふかぶかと突き刺した。 絹を裂くようなするどい悲鳴が、しずかな森をさわがした。 父まりさはありすの上に飛びのり、全力でこれを押しつぶす。 白いクリームがぶっと吐き出された。もういちど、全力で踏みしだく。 こんどは口のみならず肛門と性器からも白濁液が流出した。 ありすは痙攣をはじめた。 父まりさは誘拐犯からおりて、詰問をはじめた。 「おちびちゃんはどこなのぜ。いうのぜ! いますぐ!」 「ゆ……ぐ……あなだの……ごども……」 瀕死の重傷だった。 「そーなのぜ! どこなのぜ! いうのぜ!」 尋問官の目は血走っている。ありすはクリームの涙をながしながら答えた。 「……ゆ……ゅ……ごべ……ごべんな……ざい…………あがぢゃん……が……おなが…… ずいでだがら……ゅ……だがら……」 「ど……どーでもいーことなのぜ! げすのこどもが おなかすいてたから なんなのぜ! こたえるのぜ! おちびちゃんは どこにいるのぜ!」 「……ごべんなざいぃ……」 さいごに謝罪をくりかえすと、ありすはひときわ大きく痙攣し、 せいだいに中身を吐きもらして事切れた。 父まりさは舌打ちして、あたりを見回した。焦燥が父まりさの胸を騒がしていた。 謝罪とは、過去の行いに対する反省の弁にほかならない。 すなわち、ありすは既に何かを実行してしまったことになる。 「おちびちゃーん!」 叫び声は森林に吸い込まれてゆく。 「……?」 どこからか声が聞こえてくる。 くぐもった、甲高い響きだ。 音源へと歩く。 樹木の根もとに、まりさ種の帽子が置かれていた。その帽子のつばには石が置かれている。 大きさから察するに、もちぬしは成体まりさ種であろう。 そして、ゆっくりがお飾りや帽子をその身からはずすことはありえない。 もちぬしのいない帽子など、不気味なだけだ。 振りかえり、ありすの死骸を見やった。ぴくりとも動かない。完全に死んでいる。 また黒帽子を見つめた。 父まりさは帽子に顔を近づけて耳をそばだててみた。 甲高い声が、帽子のなかに渦巻いていた。 『……みゅーちゃ……みゅーちゃ……みゅーちゃ……みゅーちゃ……おいちぃぃーーーー!』 『……おいちぃーわ……とっちぇも ときゃいひゃな おあじにぇ!』 『……ちあわちぇー……。まりしゃは とっちぇも ゆっきゅりしちぇいりゅんだじぇ……』 吹き飛ばすように、帽子をのけた。 蓋の下には、窪みがあった。 そこに七頭の赤ゆがいた。 窪みの底には藁がしかれている。巣のつもりか。 赤ゆらはいきなり明るくなった空をあおぎ、じぶんたちを睨みつける巨大な顔を見つけた。 かれらは同時に失禁し、蜂の巣をつついたような大騒ぎを呈した。 「ゆぴぃぃぃぃーーーーー! しりゃにゃい ゆっきゅりが いりゅぅぅーーーーーーーー! ゆっぐぢ でぎにゃのじぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーっっ!」 「ぶぎゃぁぁぁっ! ゆっぎゅり でぎにゃいぃぃーー! みゃみゃぁぁぁぁーーーーーー! みゃみゃぁぁぁーーーーーー! どっどど だじゅげりょぉぉぉーーーーーーーーーーーっ!」 「……ま、ま、まままま、まり、まりっ、ま、まりまりまり、まり、まりしゃっ、まりしゃはっ、 ちゅ、ちゅ、ちゅよっ、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅよい、ちゅちゅちゅちゅ、ちゅよいっ」 「ゆわぁぁーーーん! ゆわぁぁぁーんっっ! ごっぢごなびでぇぇーーーーーーーっっ!」 曇天のもと、父まりさはひどく澄んだ目つきで、騒然と泣きわめく赤ゆたちを観察した。 まりさ種が三頭と、ありす種が四頭だった。 その口もとは、ことごとく、べったりと黒く汚れていた。 窪みのすみには、もちぬしのいない四つ目の小さな帽子が座っている。 赤ゆのまりさのそれにくらべると、少しばかり大きかった。 草むらのなかから父まりさがその姿を見せると、子供たちはよろこびに沸いた。 母れいむも安堵のため息をもらす。ところが、奪い返しにいったはずの妹まりさの姿が みえず、黒い不安が胸のうちで頭をもたげてきた。 「ね、ねえまりさ」 「おちびちゃんたち。ごめんなのぜ」 父まりさはツガイの呼びかけを無視して、群がってくる子供たちのもとにすすんだ。 そして黒帽子からなにか白い塊をとりだして子供たちの前にさしだした。 それは大量のあまあまだった。カスタードクリームと餡子の混合塊だ。濃厚な甘ったる い匂いが、子供たちの鼻孔を直撃する。 「ゆゆぅぅぅぅーーーーーーーーっっ!」 狂ったような歓声をあげた。 それと同時に。 ぷしっ。 と、いっせいに子供の肛門から尿が吐き出された。唾液はまたたくまによだれとなってあごをつたう。 目は食欲にきらめき、凝然と甘味を見つめている。 父まりさは包容力のある笑みをうかべる。 「すーぱー むーしゃむーしゃ たいむなのぜ。……たべるのぜ」 「ゆ゛ん゛や゛あ゛ぁぁぁぁーーーーーーっ!」 自制心など吹きとんでいた。 三頭のゆっくりは我先にと餡子にむらがって、一心不乱にをむさぼりはじめた。 しかし、母れいむは素直にはよろこべなかった。 妹まりさはどうしたのだ? 父まりさの横顔を見てもよろこんでいるようにはみえない。むしろ悲痛でさえあった。 それに、こんなに大量のあまあまをどこから調達してきたのだろうか。 餡子もクリームも自然界には存在していないのに。 いやちがう。 唯一存在する場所があるが、それは……。 「ねえ、まりさ。これって もしかして」 「れいむ。いうんじゃないのぜ」 おおいかぶせるように言って、ツガイの疑問を遮断した。 「さあ、まりさたちもゆっくりたべるのぜ」 「……これを?」 「おちびちゃんだけに たべさせちゃ だめなのぜ」 母れいむは息を呑んだ。 「わかったよ……」 と、答えたときだった。 「ちあわちぇぇぇぇーーーーっっ!」 末っ子れいむの雄叫びが森にこだました。 「えぐっ……ゆぐっ……ぢあばぢぇぇ……ぢあばじぇだよぉ……」 姉女れいむにいたっては、ふってわいたような幸せかみしめ、むせび泣いている。 その喜悦は想像するにあまりある。 ゆっくりは頭上から茎を生やし、その先に実をつけるように子を成らすことで繁殖する。 その茎型の生殖管は子供が生まれたときにへし折られて食事として子に与えられる。 砂糖水をたっぷりと沁しみこませた茎は極上のあまあまだ。 姉れいむはそのとき以来、一度も甘味をたのしんだことがなかった。 そして、一生涯、二度とあまあまは食べられないものだと悟り、あきらめてさえいた。 忘れかけていた砂糖の味は、陶酔するほどおいしかった。 「おどーじゃん……おいぢーよぉ……ありがどぉ……あり……?」 姉れいむは父を見て声を失った。 父まりさは甘みを一心に見つめるばかりでいっこうに食べようとしていない。 空腹にはちがいないのに。あきらかに挙動が不審だった。 それでも意を決したように甘みを口にふくんだ。その瞬間、目をむいた。苦しんでいる。 甘みと格闘し、死にものぐるいでのみくだした。 どうしてこんなにおいしいのに苦しむのだろう。 姉れいむはクリームと餡子のかたまりを見下ろした。 大量の甘みは、家族にたしかな活力をあたえた。 それから数日間は旅程の消化もはかどった。 さしたる危険を感じずに過ごすことができた。 ときおり上空を戦闘機の轟音が駆けぬけていったが、馴れたものだ、気にしなかった。 唯一の気がかりといえば、 「ゆんやぁぁぁーーーーーーーっ! おねぇぇじゃぁぁーーーーーーーんっ!」 と、ときおり末っ子れいむが思い出したように姉の不在を強調することだけだった。 妹まりさについては、 「しっそう」 ということにされた。追跡したが見失ったと父まりさは言った。 それが嘘だと、すくなくとも母れいむと姉れいむは気づいた。 姉まりさの話題は禁忌となった。しかし、赤ゆに泣きわめかれては家族の努力もむなしくなる。 妹まりさが失踪してから七日目のことだった。 道行く家族の目のまえに、一頭の見知らぬゆっくりが踊り出た。 「ゆゆ!?」 家族はひさしぶりに見たゆっくりに安堵をおぼえた。 ちかくに群れがあるならば迎え入れてもらおう。そんなことさえ思いはじめた。 だが驚きと戸惑いはすぐに恐怖へと転じた。 左右と背後からもゆっくりが飛び出してきて、五頭の家族をすきまなく包囲したためだ。 一家を包囲するゆっくりたちは、一様に瞳を欲望にたぎらせている。 だれもが尖った白い棒で武装していた。それは研磨した動物の骨だった。 「な……なんなのぜ」 父まりさは正面のゆっくりまりさに問いかけた。 「へへ。ひさしぶりの えものなんだぜ」 リーダー格と思わしきゆっくりまりさは、家族を品定めするようにねめつける。 母れいむ、姉れいむ、姉まりさは父まりさの背中によりそった。 末っ子れいむは本能的に事態を察して母の髪の毛のなかにもぐりこむ。 「みちをあけるのぜ……」 乾いた声で、父まりさは言った。 「いやなんだぜ」 リーダーはほくそ笑みながら即答する。 「ぜんいん ここで いただくんだぜ」 「いただくって、なんなのぜ」 リーダーだけではない。襲撃者たちは全員、おびえる家族を見すえてあざ笑っている。 「ふん。どれいにしてやるんだぜ」 「どりぇい!」 その単語に鋭く反応した姉まりさが、父まりさのかたわらに進み出た。 「なにいっちぇるのじぇー!」 「おちびちゃん、さがってるのぜ!」 父まりさは襲撃者をにらみながら大声を張った。ところが姉まりさは下がろうとしない。 「まりしゃは げしゅの どりぇいに なんきゃ ならないんだじぇーっ!」 涙をこらえつつ、姉まりさは朗々と宣言した。 「こいつ……なんなんだぜ?」 山賊頭のまりさは、勇敢なるゆっくりを睥睨した。 「ゆぴっ!」 あらごとに馴れた山賊の敵意はほんものだった。壮絶な敵意をあてられて、 姉まりさは失禁した。それでも引き下がりはしなかった。それどころか対抗した。 「まりしゃは ちゅよいんだじぇ!? しゃっしゃと みちをあけにゃいと……」 「あけないと、なんなんだぜ?」 「せ、せ、せ……」 「おちびちゃん、さがるのぜ、ここはおとーさんに まかせるのぜ!」 「せ?」 姉まりさは目をつむって悲鳴をあげるようにさけんだ。 「せ、せ……『せいっさいっ』しゅるんだじぇーーーっっ!」 「へぇ……やってみてほしいんだぜ、なあ?」 リーダーまりさは仲間を見渡した。七匹の仲間は嗤っていた。侮蔑の笑みだった。 「ま、ま……まりしゃを わりゃうにゃーーーーっ! ゆりゅせにゃいんだじぇーーーっ! もう、あやまっちぇも おしょいんだじぇー! まりしゃの『ぷきゅー』をくりゃえーっ!」 「お、おちびちゃん、おとーしゃんも てつだうのぜ!」 父まりさも同調した。二頭のまりさが息をすいこむ。 「せーの……」 父と子は呼吸をあわせて、 「ぷくぅぅぅぅぅーーーーーーっ!」 「ぷきゅぅぅぅぅーーーーーーっ!」 全身全霊の「ぷくぅ」を見舞った。 はたして勇敢な姿をつきつけられた襲撃者たちは爆笑した。 「ひ……ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっ! うぎゃー。こ、こわいんだぜー! ぷくーはー、 こわいんだぜー。……ってかぁ!? ゆひゃひゃはははひゃはっっ!」 「こわいよ~、くくっ……ぷくーはやめてね~、ぷくーはこわいよー、くくっ。あははっ、 くくっ……こわいよ~、げっひゃひゃひゃっひゃっ!」 『ぷ、ぷ、ぷくくぅぅぅぅーーーーーっっ!』 攻撃意志を表明するたびに哄笑は高まっていった。 「あはははは、まだ、まだやってるんだぜー! けっさくなんだぜー!」 姉れいむの目は涙が落涙した。母れいむも唇をかみしめている。 末っ子れいむは母の髪の毛のなかで震えていた。 そして父まりさと姉まりさは、山賊たちの侮辱など聞こえないとでも言いたげに、 効果のない威嚇を壊れたようにくりかえしていた。 「ひひ……わかったんだぜ。そのぷくーにめんじて……」 威嚇行動が止まった。 父まりさの瞳に希望が差す。 だが、直後に発せられた襲撃者の一言により、一縷の望みはあっけなく断ちきられた。 「……ひとりでゆるしてやるんだぜ」 「ゆ?」 リーダーは父まりさに鋭い眼光を投げつつ、ことばを重ねた。 「ひとりさしだすんだぜ。それでゆるしてやるんだぜ」 「お、おちびちゃんはさしだせないのぜ!」 父まりさは金切り声を発した。 リーダーの笑みが止まった。侮蔑がひっこみんだ。 「なにいってるんだぜ。おちびちゃんが だめなら おまえでもいーんだぜ。おちびちゃ んを さしだすひつようは ないんだぜ。どーして おちびちゃんが ぜんてい なんだ ぜ? けっ……。ぽーずだけ なんだぜ……」 父まりさは言葉に詰まった。ちがうと言いたかった。 じっさい、そんなことは露ほども考えていなかった。 ではなぜおちびちゃんが奪われると思ったのかと問われれば、その理由は思いつかなかった。 「さあ。どいつにするんだぜ?」 「だ、だれも だめなのぜ……」 顔をうつむかせてこたえた。そんな返答で許してもらえるとは思えなかった。 「じゃあ、ぜーいん どれいにして やるだけなんだぜ」 「それは だめなのぜ」 「じゃあ、きめるんだぜ。えらぶんだぜ」 「え、えらべないのぜ……」 「……れいむが!」 姉れいむが凛々と叫んだ。 その場にいたすべてのゆっくりにとり予想外の反応だった。 リーダーはどことなく困惑した顔つきを浮かべつつれいむを見やった。 「れ、れいむが……いくよ」 れいむは震えていた。尿も垂れ流している。涙も浮かべている。 だが口調はしっかりしていた。その毅然とした態度をみて、山賊頭まりさは目をほそめた。 部下に命令をくだす。 「みあげたゆっくりなんだぜ。わかったんだぜ。おい、つれていくんだぜ!」 その命令に従い、部下のゆっくりが姉れいむを家族から引き離した。 襲撃者たちが引き上げてゆく。しかしリーダーは最後まで残っていた。 呆然自失している父まりさを心底から蔑んでいた。 「おやだったら、もっと ていこうするべき なんだぜ。こいつ、あんしんして やがるん だぜ。へどが でるんだぜっ! こどもがさらわれるってのに どうして あんしん で きるんだぜっ! しねっ!」 山賊ゆっくりは力いっぱいぶちかました。 父まりさはかるがると吹き飛ばされ、いくばくかの餡子を吐きもらした。 山賊に前後左右をかためられて、姉れいむは道を歩いている。 おそらくは、もう家族と再会することはない。 「へっ。どーしようもないおやだったんだぜ」 前方を行くリーダーまりさは独りごとのように言った。姉れいむは答えない。 「ほんとうに どーしようもない……」 「あなたも」 姉れいむが静かに口をはさんだ。 「あなたも、いえあなたは、おやにすてられたの?」 リーダーまりさの足が止まった。それにあわせて七匹の仲間も停止した。 姉れいむは金色の後ろ髪を一心にみつめて返答を待った。 「……むかしのことなんて わすれたんだぜ」 そう言って、また歩き出す。 一行は無言で歩きつづけた。 やがて。 前方を行くリーダーまりさが、それを踏みつけた。 人間はそれを、地雷とよんでいる。 爆音が森をおどろかし、爆風が草をなぎ倒す。 火焔があたりの腐った植物をなめ、黒煙が曇天を汚した。 ほどなく、濁った空から砕け散ったゆっくりの残骸が降ってきた。餡子が大地に森にばらまかた。 こうして姉れいむをふくむ九頭のゆっくりは、 悲鳴をあげる権利さえあたえられぬまま、 爆炎にのまれて全滅した。 (下に続く)
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/7029.html
京太郎「ケーキバイキングに一人って……まあ、たまには甘いのもいいか」 京太郎「しっかし、やっぱり女の子ばっかりだなぁ……俺場違いじゃないか?」 京太郎「とりあえず食うかー……せっかく来たんだしな」 「ふっふっふっ」 優希「京太郎め、孤独を感じているようだな」 優希「ここで颯爽と私が現れれば……」 京太郎『優希、なんでここに!?』 優希『弟子を見守るのも修行を命じた師匠の役目だじぇ!』 京太郎『お前、そこまで俺の事を……やっぱり俺にはお前しかいない!』 優希『京太郎!』 京太郎『優希!』 優希「そして二人はタコスの国で幸せに暮らしましたとさ……ふっ、完璧だじぇ!我に勝機あり!」 京太郎「何にするかなー……」 優希「いざ!京太……」 咲「あっ、京ちゃん」 京太郎「おっ、咲」 和「あれ?須賀君」 京太郎「和も」 優希「じぇぇぇぇぇぇぇっ!?」ズサァ! 京太郎「うおっ!?なんだ優希までいたのか」 咲「すごい偶然だねー」 和「えぇ、本当に」 優希「なぜだじぇぇぇ……」 京太郎「なあ、ちょっとオススメとか教えてくれよ。やっぱりこういうのは女子の意見も必要みたいだからさ」 咲「いいよ!どうせなら一緒に食べようよ、和ちゃんと優希ちゃんも!」 和「そうですね。今回はカレーに挑戦してみます!」 優希「こうなったらやけ食いだじぇー!タルトとコーヒーとスフレ大量に持ってくるじぇ!」 京太郎「なんだそのチョイス」 優希「タ・コ・ス!」 京太郎「いや、ケーキ選びぐらいはタコス離れろよ!?」 咲「なるほど。これを言われたらこうすればいいんだね!」 和「あの、あまりゆーきの冗談を真に受けない方が……」 この後四人で楽しみました。 カン!
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/1185.html
220 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/11(水) 18 33 04 ID evavB6QQ 【固有結界[無限の文房具(Unlimited Stationery Works)]内】 撫子「うわあああぁぁぁッッッ!!!」 シャーーーーーー ひたぎ「ふん…」 ザクザクザク 撫子「彫刻刀…!?」 ひたぎ「貴女もやったんでしょ?蛇を殺すときに…私は貴女よりはるかに使い慣れてるから一撃よ」 撫子「くそくそくそ!!」 ひたぎ「言葉使いが乱暴ね…それが貴女の素なのかしら?」 撫子「黙れえええぇぇぇッッッ!!!」 シャーーーーーー ひたぎ「同じことの繰り返しね…」 ザクザクザク 撫子「…この役立たず…!!」 ひたぎ「酷い言い様ね…殺した私が言うのも何だけど…」 撫子「うるさいうるさいうるさい!!!」 ひたぎ「その台詞はツンデレでもない貴女が言っても全く萌えないわ」 撫子「知るかあああぁぁぁッッッ!!!」 グアァァァーーーーーー ひたぎ「……随分大きな蛇を出したわね…」 撫子「コイツなら負けない…大人しく喰われちまえ!!!」 グアァァァーーーーーー ひたぎ「『片思いをずっと続けられたら――それは両想いより幸せ』…か…」 撫子「!?」 ひたぎ「知らないとは言わせないわ…貴女の台詞よ」 撫子「……この私には関係ない…」 ひたぎ「ええそうね…私もこの台詞自体はどうでもいい…ただ…」 撫子「?」 ひたぎ「この台詞のせいで『恋物語』のヒロインが貴女みたいになってるのがムカつくのよ」 撫子「……は?」 ひたぎ「だからこそ、私も全力で貴女を潰すわ」 ズズズン 撫子「巨大な…彫刻刀!?」 ひたぎ「行くわよぶりっ子、蛇の貯蔵は充分かしら?」 撫子「思い上がるな!!雑種がぁッ!!」 221 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/11(水) 21 31 26 ID gCDDBqhU 【48マス目】 カイジ「何かゴールのほうが騒がしかったような…」 衣「気のせいだろう。さて振るぞ」 コロコロコロ とーか「3ですわ!」 衣「おお、これでゴールだな!」 【50マス目】 衣「…」 とーか「…」 ふじのん「…」 カイジ「…」 ライダー「…なんですか、この惨状は?」 ムギ「…まあ色々あったみたい」 ライダー「あの結界のようなものは?」 セイバー「触れないほうがいいです。下手に触れると…」 ライダー「…わかりました」 衣「しかしここはなんのマスだったのだ?」 律「ラスボスマスさ。でも当のラスボスは…」 ホンダム「」ピーガガガガガガガ カイジ「ミンチよりひでえ…」 美琴「だから強制ストップの効果も消えてるみたいです」 衣「そうか。で、衣たちはトップなのか!?」 ユフィ「いいえ、唯さんのチームが先にゴールへ行ってしまっています」 衣「そうか…その唯というのはそれほどの運の持ち主なのか?」 律「ああ、あいつの運はすげえぜ」 ムギ「麻雀はたまにしか打たないけど、内容はかなりえげつないわよ」 衣「おお、それはおもしろそうだな!」 律「唯とは軽く話せばすぐに仲良くなれると思うぜ。唯はそういうやつだ」 ムギ「うん。もうゴールの食堂に入ってるから行くといいわ」 衣「わかった!皆、早く行こう!」 とーか「ふふっ、わかりましたわ」 カイジ「ああ、行くか」 ライダー「ようやくこのゲームも終わりですね」 ふじのん「足掛かりくらいはつかめたかな…?」 【衣(A)チーム 二位で上がり】 222 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/12(木) 00 38 30 ID eTeBu6Mg 【50マス目】 黒子「次、わたくしたちの番ですが…」 C.C.「まだひーちゃんが戻ってない」 黒子「まあそうですけど…」 C.C.「そもそも食堂の結界はもうないんだからすごろく続ける意味ないだろ。ご馳走はすごろくをクリアした者しか食べられないだろうが、私はピザが食べられればそれでいい」 黒子「貴女という人は…わたくしは士郎さんのご馳走の為にも続けさせていただきますの…この類人猿と2人でというのは不安過ぎますが…」 上条「」チーン C.C.「好きにしろ」 ヒュン コロコロ 2 黒子「ぐっ…動けず…!!」 セイバー「それで、次は私たちの番ですが…」 ファサリナ「撫子さんがまだ戻ってません…」 ユフィ「というかもう戻って来ない気が…」 セイバー「そうですね…しかし…」 グーギュルルルル セイバー「シロウのご馳走の為にもここで投げ出すわけにはいきません!」 2人「はぁ…どうぞ頑張って下さい…(もう付き合い切れない…)」 セイバー「例え1人になっても戦い続ける!はぁ!!」 コロコロ 2 セイバー「ぐぅ…動けません…!!」 【固有結界[無限の文房具(Unlimited Stationery Works)]内】 ひたぎ「はあああぁぁぁッッッ!!!」 撫子「うりゃあああぁぁぁッッッ!!!」 223 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/12(木) 13 41 27 ID BGxMt4Uo 【50マス目】 律「さて、あたしらもさっさとあがっちまうか」 キャスター「唯ちゃんがゴールしてくれたおかげで結界の効果が消えてるから今なら魔法で塞の目操作もできるけど、どうする?」 律「いいえ、ここは実力で1を出しますよ」 キャスター「うん、わかったわ」 律「そおれ」 コロコロコロ ムギ「1よ!やったわ、りっちゃん!」 美琴「ようやくこのゲームも終わりですね」 小萌「ふあ…皆さんどうしましたかあ…?」 美琴「終わりましたよ、先生」 小萌「ふえ…?」 律「さっ、なんか作ってもらうか」 ムギ「そういえば私たち、グルメマスに当たってないからおなかペコペコ」 美琴「じゃあ、行きましょう」 【律(D)チーム 3位で上がり】 224 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/12(木) 17 26 33 ID eTeBu6Mg 【46マス目】 首輪ちゃん「ぐぅ…」 R妹「私たちが手も足も出ないとは…とミサカは負け犬のお決まりの言葉を口にします」 神原「わっはっは!この暇があればBL本を読むかBL妄想に耽るか戦場の絆で遊んでいた神原駿河を甘く見ていたようだな!!」 真宵「いや結構色んなことに暇を費やしてるじゃないですか…ほとんどBLですが…」 神原「む?言われてみればそうだな…」 真宵「というか貴女そんな暇ないでしょう?ラジオの打ち合わせとかちゃんとやってるんですか?」 神原「ああ、暇つぶしの片手間にやっている」 真宵「片手間にしないで下さい。しかも全然暇じゃないですよそれ。打ち合わせに集中して下さい」 神原「大丈夫だ、ちゃんとやっている。きっとこのすごろくが終わると同時に次のラジオが投下される筈だ」 真宵「何勝手なこと言ってるんですか…ラジオ書き手代理氏の都合も考えて下さい…」 神原「しかしもうすぐすごろくも終了か…既に3チームがゴール、1チームが棄権している」 真宵「急に話戻しましたね。書き手の皆さんもいよいよリアルが忙しくなってきたようですしね…」 神原「ん?何故そんなことがわかるんだ?」 真宵「ここまで書き込み頻度が減ってわからないわけないでしょう…」 神原「む、そうか…」 真宵「という訳で私たちもいい加減ゴールしましょう」 コロコロ 5 真宵「ほらご都合主義の目が出ました」 神原「おお…しかしラスボスのホンダム殿が…」 真宵「ご都合主義で未だに修復中です」 神原「……ご都合主義連発だな」 真宵「仕方ありません、ここらが潮時ですから」 【Fチーム、4位でゴール】 225 :名無しさんなんだじぇ:2012/01/12(木) 18 46 01 ID eTeBu6Mg 【46マス目】 首輪ちゃん「チッ…なんて奴だ…」 R妹「ただの変態ではなかったんですね…とミサカは神原駿河に対する認識を改めようと思いましたが今までの行為を思い出しやめます」 首輪ちゃん「どっちなんだよ…」 部長「じゃ、次は私たちの番ね」 アーニャ「待ちくたびれた」 首輪ちゃん「あん?何でお前らが…」 海原「嫌がらせマスで3番を選んだんですよ」 妹F「あの場合2番がベストだったと思うんですが…とミサカは選択ミスを蒸し返します」 部長「どっちにしろ同じよ。ご都合主義でゴールするんだから」 アーニャ「本当は何かやってないと落ち着かないだけ」 部長「な、何のことかな~?」 インデックス「どうでもいいからさっさと終わらせてご馳走を食べに行くんだよ!!」グーギュルルルル 首輪ちゃん「は!ならここでずっと遊んで行きな!!」 【プレイヤー:竹井久、アーニャ・アールストレイム】 【開始数分後】 アーニャ「もらった」 ズゴーーーー 首輪ちゃん「どわーーー!!?」 R妹「何じゃこりゃー、とミサカは(ry」 【You Win!】 アーニャ「久々のモルドレッド」 部長「ブランクを感じさせないわね…」 アーニャ「タケイの引き付けも上手かった」 首輪ちゃん「あのなぁ…俺だって一応プロなんだぞ…」 R妹「仕方ありません…今の私たちは大いなる支配により噛ませ犬と化しているのです」 インデックス「早くサイコロ振るんだよ~」グーギュルルルル コロコロ 5 海原「ゴールですね」 妹F「やっと終わった…とミサカは感慨に耽ります」 インデックス「ご馳走ーッ!!」ドピュン 部長「……凄いスピード…」 アーニャ「それで、タケイはどうするの?」 部長「あー…みんな先に行ってて、私寄るとこあるから」 アーニャ「わかった、タケイの分のご馳走はとっておく」 【Hチーム、5位でゴール】
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1687.html
97 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/25(月) 03 34 35 ID lAxlvn8U オーナー「みんな集まったわね。それじゃあ、長縄跳びの練習を始めましょう」 ホチキス「知らない者の為に簡単に説明すると、回る縄をタイミングよく連続して跳ぶ競技よ」 ゴースト「跳んだ回数が多いチームが勝利となりますので、何回か挑戦して上手に飛べた人に参加してもらいます」 モンキー「なお、縄を回す人が二人、跳ぶ人が六人だ。では諸君、心してかかってくれたまえ」 ホンダム「(この競技、某の出番はないな)」 ガンダムバカ「ああ、そうだな。だが他の競技で期待している。だから、これは俺達に任せろ」 ホンダム「(ああ、適材適所といこうぞ、相棒)」 唯「あずにゃん、撫子ちゃん、皆の足を引っ張らないようにね!」 撫子「うん、撫子頑張る!」 梓「それよりも唯先輩が縄を踏まないか心配です」 唯「むむ、そんなことないよあずにゃん!これでも小さい頃から(ry」 ゼクス「縄跳びか…トレーニングでならよくやってはいたが、大人数で跳ぶことはなかったな」 レイ「(俺も小さい頃に遊んだことはあるが…)個人戦でないなら興味は無い」 船井「ワイも面倒臭いから早めに退場させてもらうわ」 妹F「ミサカは縄跳び経験がないです、上手く跳べるでしょうか?とミサカは若干の不安を持ちます」 海原「そんなに心配しなくてもいいですよ。なんなら僕が教えてあげますから」 妹F「エツァリさん…ありがとう、とミサカは満面の笑みで感謝します」 海原(ぐはっっ!!!その笑顔は、反則、です!) R妹(ふふふ、あの魔女の助言は正解でしたね、とミサカは心中でほくそ笑みます) 光秀(回す役)「ふふふ…私の扱いがどんどん悪くなっていきますね…」 アチャ(同上)「そこ、文句を零すな。さっさと回すぞ」 99 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/25(月) 10 00 09 ID 3LZkDCHw キャスター「あら、他のチームはもう練習に入ってるわよ」 律「うーん…私は何に出ようかな…。できればムギと同じのが良いんだけど」 池田「アイツと一緒の競技とか、恐ろしくてやってられないし」 律「そんな怖がることないって。特攻野郎のオーナーである前に、ムギはムギだ。確か持久力ないから長時間の運動は苦手だったはずだぜ」 小十郎「ほぉ…意外な弱点だな」 律「まぁだからってなめてちゃ痛い目にあいますよ。何仕掛けてくるかわかんないし」 池田「まぁたぶん向こうも律とあたるの狙ってると思うし」 玄霧「そういやあのレイさんも田井中さんと対決したそうにしていましたね」 律「…ホントですか。へへへ、なーんかいろんな人にマークされてるなぁ。望むところだけど」 池田「結局律は何にでるし?」 律「そうだなぁ、運動得意だし、まずは無難に障害物競争にでもしようかな」 キャスター「あら…じゃあネットに絡まって悶えてる律ちゃんが拝めるのね…」 律「絡まりませんし悶えませんからね」 100 :名無しさんなんだじぇ:2010/10/25(月) 17 14 30 ID lAxlvn8U 男A「さて、借り物競走のお題は何にしましょうかね」 利根川「そうだな、普通なら持ち運び可能なよくある小物をカードに書くが」 兵頭「くくく、ここは死者スレ…俗世のルールにこだわる必要はない…!どうせなら派手な物にして参加者共に大いに頑張ってもらおうではないか…!」 マリアンヌ「そうね、大抵の物もガラクタも揃っている訳だし。むしろ、瓦礫の山で宝探しでもさせようかしら?」 【裏方組、借り物競走の課題を考案中】 思うに、帝愛時代の利根川と会長なら借り物競走に似たギャンブルを企画・実行していたかもな
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/9491.html
『――前半戦終了!!』 京太郎「よし!下ごしらえも済んだし」 京太郎「すいません。俺、優希のこと見てきます」 京太郎「頑張ってたけど、やっぱり南場では結構やられてたし」 京太郎「最強のタコス作ってやる!って元気づけてから控室まで連れてきます」 咲「あっ、待って京ちゃん」 久「咲、ここは須賀君に任せましょう」 久「せっかく優希が頑張ってくれたんだもの。私達は明るく出迎える準備をしましょう」 京太郎「ありがとうございます!すぐ戻りますから!」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 試合場外の廊下にて 優希(さすが咲ちゃんのお姉ちゃんだじぇ) 優希(かっちんこっちんに守ったつもりだったけど、思ったよりずっと取られた) 優希(もう一回東場があるとは言え、このままじゃまた南場で……) 京太郎「優希ー!」 優希「京太郎? なんでここにいるんだじぇ? 」 京太郎「なんだかんだ言って南場はやられてたからな。元気づけてやろうと思って迎えにきてやったぜ」 優希「率先して主人を迎えに来るとは、お前もだいぶ犬としての自覚が出てきたみたいだな」ウンウン 京太郎「……なんだ全然平気そうだな」 京太郎「落ち込んでるだろうと思ったから、せっかく俺史上最強のタコスを作って応援しようと思ったのにな~」 優希「京太郎愛してるじぇ!! さあ、傷ついた優希ちゃんを思う存分慰めるがいい!」 京太郎「全く都合のいいやつだな」 京太郎「さて、みんな待ってるし控室に戻るか」 照「」クイクイ 京太郎「へ?……ってあれ、照さん!?」 照「久しぶりだね。京ちゃん」 照「それより話は聞かせてもらったよ。一人だけ京ちゃんメシで回復するのは不公平」 京太郎「……はぁ(京ちゃんメシって何だ?)」 照「分かってくれた? じゃあ、はいこれ。美味しいプリンの作り方のレシピ」スッ 京太郎「はい?」 照「私も後半戦までまだ時間はある」 照「材料の領収書は白糸台につけてくれればいいから」 京太郎「え…えぇっと……」 京太郎「プリンは固まるまで時間かかりますから多分間に合いませんよ」 照「……」 照「……ならせめて簡単なものでもいいから!」 照「片岡さんや他の人たちもみんな強いけど、私は京ちゃんのお菓子があれば百人力だから!!」 京太郎「いや、あの、俺は清澄ですし、優希の応援をするためにーー」 優希「そうだじぇ! いくら咲ちゃんのお姉ちゃんでもーー」 咲「何やってるの、お姉ちゃん」 一同「咲!?」 咲「二人がなかなか帰ってこないから気になって見に来てみれば」 咲「ねえ。何やってるのかな。お姉ちゃん」ゴッ 照「しまった……ここは戦略的撤退」 照「またね、京ちゃん」 咲「……優希ちゃん」 優希「分かってるじぇ。この勝負、絶対に勝つ!」 優希「そのためにも、早くタコス食べなければ! 何やってるんだ京太郎、早く戻るじぇ!!」 果たして決勝の行方はーー 一方そのころ、白糸台の控室 テレビ『 照「一人だけ京ちゃんメシで回復するのは不公平」 』 テレビ『 照「私は京ちゃんのお菓子があれば百人力だから!!」 』 テレビ『 恒子「おおっと! チャンピオンの宮永照、前半終了後に他校の男子と何やら楽しげに会話している!」』 テレビ『 恒子「家に帰るまでがインターハイだぞ! これはチャンピオンの思わぬスキャンダルかー!?」』 テレビ『 健夜「よくないなぁ…こういうのは」ギリ 』 菫「まったく、何をやってるんだアイツは」ハァ 淡「菫先輩も心労が絶えませんね」アハハハ 菫「笑いごとじゃない!」 なお、全国放送でチャンピオンと東風の神から絶賛された『京ちゃんメシ』なるものを求めて、 インハイ終了後に全国の雀士から清澄への問い合わせが殺到することとなるのであった。 カン!
https://w.atwiki.jp/kyoutarouherlame/pages/244.html
京「今日も広い部屋で一人で寝るのか・・・もう慣れたけどな。合宿の時もそうだったし。」 パチン ゴソゴソ 京「ぐー・・・。」 ~一時間後~ 咲「京ちゃん、もう寝たかな?」そー 京「ZZZ・・・」 咲「うん、大丈夫。」ゴソゴソ 咲「へへ・・・京ちゃんといっしょに寝るのひさしぶりだなぁ。」ぎゅー 京「ZZZ・・・。」 咲「あったかいよー。」もふもふ 京「ZZZ・・・。」 咲「京ちゃん寝顔かわいいなあ。えへへ////」 京「うーん・・・。」 咲「あれ?足音が近づいてくる・・・か、隠れなきゃ!とりあえず布団の中に潜って・・・。」 ・ ・ ・ 優希「ここで京太郎が寝てるんだじょ・・・。」 咲(え、優希ちゃん!?) 優希「おーおー、馬鹿面で寝てやがるじぇ。」 優希「ちょっとだけならいいかな・・・。」ゴソゴソ 咲(あ、入ってきちゃだめーー!) 優希「え!?さ、さきちゃ・・・もご」 咲「優希ちゃん静かにして。京ちゃんが起きちゃう。」ヒソヒソ 優希「わ、わかったじぇ。しかしどうして咲ちゃんがこんなとこにいるんだじぇ?」 咲「えっと、目的はたぶん優希ちゃんといっしょだよ。」 優希「なるほど。じゃあ三人で仲良く寝るとするじぇ!」 咲「む・・・。」 優希「しかし京太郎のやつ、馬鹿面で寝てやがるじょ。」 咲「そう?かわいいでしょ?」 京「んー・・・。」 咲「あ、あれ?また足音が・・・優希ちゃん隠れて!」 ・ ・ ・ 和「須賀君、もう寝てますよね・・・すぐに戻ればきっと大丈夫。」ドキドキ 咲(今度は原村さん!?) 和「須賀君の寝顔・・・思ってたよりずっとかわいいです////」ポー 和「ちょ、ちょっとだけ!」ゴソゴソ 咲(だ、だめー!!) 和「え!?二人ともどうして・・・」 咲「のどちゃん、京太郎が起きちゃうじぇ。」 和「え?あ、はい。すみません。」 優希「それで?のどちゃんは何しにきたんだじょ。」 和「須賀君の部屋を少し覗きに来たんですが・・・その、我慢できなくなってしまって////」 優希「おー、のどちゃんはおっぱいと同じく大胆だじぇ!」 和「む、胸は関係ありません!というより二人だってそうでしょう。」 咲「京ちゃんの寝顔がかわいいのが悪いんだよー。」 和「確かにかわいいです。思わず抱きしめて・・・」 優希「む、また誰か来ただじょ!?」 ・ ・ ・ 久「よーし、ちゃんと寝てるわね・・・。」そー 咲(ええっ、部長まで!?) 久「あら、かわいい寝顔。」じー 咲(な、なんだかあやしい雰囲気だよ・・・。) 久「いつもひどい扱いしちゃってごめんねー。」なでなで 京「んー・・・。」 久「う・・・。」ドキドキ 久「す、少しだけなら起きたりしないわよね・・・。」ゴソゴソ 咲(や、やっぱりこうなるの!?) 久「ええ!?あなた達なにやって・・・むぐ」 咲・和・優希「「「静かに!」」」ヒソヒソ 久「こ、こういう夜這いみたいなことは歓心しないわよ?」 和「部長、全く説得力ないですよ。」 久「う・・・仕方ないじゃない。かわいかったんだもの。」 咲「あ、やっぱりかわいいですよね。」 優希「そうかー?」 和「そうですよ。」 まこ「ずいぶん楽しそうじゃの?」ニヤニヤ 咲・和・久・優希「「「「うわあ!!!??」」」」 まこ「こんな大人数で夜這いとは、なかなかお盛んじゃのう。」 久「ま、まこ!あなたいつから!?」 まこ「さあ?いつからかのう。」ニヤニヤ 咲「ちょ、ちょっと落ち着きましょう。あんまり大きな声だしたら・・・。」 京「うーん、うるいさいなぁ・・・って、なんじゃこりゃあ!?」 優希「あーあ、起きちゃったじぇ。」 和「残念です。もっと寝顔を見ていたかったのに・・・。」 京「な、何やってるんだみんな!」 久「うるさーい!」ボフッ 京「ぐえっ。」 まこ「まあまあ、皆で仲良く寝ればいいじゃろう。」 久「うー、仕方ないわね。」 咲(京ちゃんは誰にもわたさないもん!)ぎゅー 優希「あ、ずるいじぇ。犬ー、私も抱け!」 和「あ、私もお願いします!」 京(の、和の胸が・・・でへへ。) 咲「京ちゃん!!」ぎゅーーーっ 優希「私を無視するんじゃないじぇー!」 久「須賀君、ここは先輩を優先するべきよ!」 まこ「わしも混ぜてもらおうか。」 京「わあ、ちょっと皆落ち着いて!」 ・ ・ ・ ハギヨシ「お楽しみのようですね。明日は私が・・・フフ。」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/8605.html
小見出し あの時瑞原プロに出会った時時正直プロという怪物に私はびびった 足がすくんで体中の毛がが逆立ち全身が凍りついた。瑞原プロを見て動けない自分に気付き 金縛りにあってるんだなと思うとますます毛が逆立つのがわかった 胃が痙攣し胃液が逆流したタコスを吐く一歩手前だじぇ 瑞原プロはそんな私を見ながらこういった。しかも優しく子供に言い聞かせるように はやり「優希ちゃん恐れることは無いんだよ☆友達になろう…そして私に男子部員おに紹介してくれると私はとても嬉しい★」 はやり「タコスを吐くぐらい怖がらなくてもいいじゃあないか☆安心しろ安心しろよ優希ちゃん」 私は自分を呪うそれを聞いて私は、ホっとしたんだじょ 正直言って心のそこから安心したんだ。まだまだタコスが食べれるんだそう思った しかし屈辱だ許せない。これ以上の屈辱は無い自分が許せなかった奴に屈した自分を呪った 二度とあの時の惨めな私には戻らない カン
https://w.atwiki.jp/kyoutarouherlame/pages/71.html
409 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/06/23(火) 00 06 11 ID ImiGB9uP 咲SS初めてですまんのぅ。 麻雀詳しくなくてすまんのぅ。 タコス呼ばわりですまんのぅ。 それは京太郎と咲がまだ麻雀部に入部する前の話 「団体戦に出られないってどういうことだじぇ!」 バンと部室の卓をたたきタコスは立ち上がる。 「あら?言ってなかったかしら? 残念ながらウチの部、団体戦に出場するにはまだ部員が足りないのよね~」 「ふがいのぅてすまんのぅ」 そう言って部長とまこは申し訳なさそうに頭を下げる。 そんな二人を見てぐぐぐと唸り声を上げるタコス。 「なら、簡単なことだじぇ!大会までにもう一人集めてくればOKだじぇ」 「あっ…優希」 原村和が呼び止めるよりも早くタコスはばびゅんと部室を飛び出していく。 タコスの目標はただひとつ。 麻雀部部員五人目を見つけ出し入部させることだった。 「大ミエ切ったものの…どうするじぇ…」 勢いよく部室を飛び出していったタコスは校門で途方に暮れていた。 先ほどから元気良く1時間ほど入部勧誘を行っていたのだがまったくの徒労に終わっている。 清澄は部活動の入部率が高く、この時期にまだ部活の入ってない生徒などごく一部に限られていたのだった。 「うーむ、他に心当たりは…」 「よぉ、優希じゃないか」 呼びかけられタコスは後ろを振り返る。 そこには京太郎が片手を挙げて立っていた。 「どうした。何かしょげこんでる様子だったけど」 「京太郎…」 「ん?」 「女装に興味はないかじぇ!」 「全くないわ!!」 ちっ、女装させて五人目にしたてあげようとしたのに。 爪をかみながらタコスは舌打ちをした。 「そういえば京太郎も帰宅部だったハズだじぇ! 麻雀部に入ってみないかだじぇ!!」 「あー、悪い。俺もう他の部活に入る予定だから」 「え……」 京太郎の言葉に何故か愕然とするタコス。 「いや~囲碁部の部長が滅茶苦茶かわいいいって噂でさ~。 という訳だから麻雀部、だっけ?には入れないんだ。…おい優希どうした?」 「京太郎のバカーーーだぁじぇーーーー!!」 「いっってーーーーー」 京太郎の顔面に拳をつきいれ同時にタコスは校舎のほうに走り去っていく。 「……ったく、なんなんだよ優希のやつ」 京太郎はただただ唖然として殴られた頬をさすりながらタコスの走った方向を見つめていた。 ぐすっ タコスは半べそになりながらとぼとぼと校舎裏を歩いていた。 ばかばか、京太郎なんて大キライだじぇ…。 やがて日もそろそろ落ちかけ、いつの間にか辺りは暗くなりかけていた。 「ポン」 (ん…) 声につられタコスはふと顔を上げる。 そこは第二体育用具室だった。よくみるとその建物の中から光が漏れている。 (こんなところに誰か居るのかじぇ?) タコスがそう思うのもその筈、そこはかなり前から既に使われてないハズの建物だったのだ。 「ロン。トイトイ三色ドラ3、12000 」 ドキリとした。 こんな人気の無いところに麻雀を行う生徒が居たのだ! 自分が麻雀部部員勧誘に尽力していたことを思い出し、タコスの瞳がぱぁあと輝く。 きっとタコス一人で5人目の部員を見つけたら二人の先輩やのどちゃんもきっと大喜びしてくれるだろう。 そしたらきっと5人で全国に行くんだ。 そうすればきっと京太郎だってタコスを見直して……。 「って、何でここで京太郎が出てくるんだじぇ!!」 とタコスは混乱して建物の扉に体をぶつける。 「わっ」 そのままタコスはけつまづき、建物の扉を開けてしまう。 「……アァ、なんだ?テメェは?」 タコスは恐る恐る顔を上げる。 そこには三人で麻雀を打っていた三人組の不良がギロリとタコスを睨み付けていた。 「はぁん?なるほど。そうか、麻雀部員を探していたのか?」 「だじぇ…」 縮こまりながらタコスはそこに来ていたいた理由をつらつらと話す。 三人組のうちリーダー格の不良はニヤニヤと笑いながらタコスを見下ろしていた。 「はっ、いいぜ。別に部員になってやっても」 「えっ、いや、無理にとは言わないじょ」 「ハァン?勘違いするな、お前の方からお願いしたんだろ?」 「あ……う…じぇ…」 「じゃオレ達と勝負しろよ。お前が勝ったらお前の好きに決めさせてやる」 「わ、わかったじぇ…」 俯きながらタコスはそれを飲むしかできなかった。 そうしてタコスたちはなし崩し的に四人で麻雀を始めることとなった。 東一局 タコス親 配牌 八九九②③Ⅸ白白白發發中中 中 (…手牌よすぎるじぇ) 配牌の時点で既に一向聴しかも大三元を狙えるとは。 (これは即効で勝てるじぇ!!) タコスは必勝の笑みを浮かべ、手牌からキュウソーをきる。 だが結局、それがタコスの捨てる最後の牌となった。 「ポン」 次順タコスが牌を引く前に上家の捨て牌を鳴かれる。 (ちっ、飛ばされたじぇ…) 手牌がいいだけに順番を飛ばされることに苛立ちを隠しきれないタコス。 しかし…。 「チー」「ポン」「ポン」「チー」「チー」 その後、最初から数えて6連続鳴かれタコスは悪寒を感じていた。 その間タコスは一度も牌を引けていなかったのだから。 不良どもはそんなタコスを見ながらクククと笑い声を漏らしていた。 「そうだ…。ゲーム開始前にルール説明してなかったよな」 「だじぇ?」 「オレ達の払いは一応、特別ルールでやってる。それで勝敗つけるんでいいよな」 「……。わかったじぇ」 タコスにだって意地があった。 たとえ不利なルールだろうとこの東場で自分は負けない。そうタコスは考えていた。 「クク…そうか。―ツモ!タンヤオのみ」 「!!」 タコスに電流走る。 負けた!自分の得意な東場で…!しかも最初以外一回も牌を引かせてもらえずに! 「…って、何で脱いでるんだじぇ!」 気づくとツモ上がりしたリーダー以外の二人の不良が上着を脱ごうとしているところだった。 「ハァ?何言ってんだ?てめぇも脱ぐんだよ!」 「え……」 「言ったろ。支払いが特別ルールだって。だってこれは脱衣麻雀なんだからな」 三人の不良はタコスのほうを見て再びニヤニヤ笑う。 (…はめられた!!) そう、タコスが気づいたときにはすべてが遅かった。 「う…う……」 「どうした。最初のころの威勢はよ?」 開始から一時間弱。 タコスの得意な東場など既にとっくの昔に終わっていた。 気迫は完全に欠け、満身創痍。ただ負け続けることに身を任せるだけである。 今のタコスは上半身ブラのみ。下半身は何もはいてない状態であった。 雀卓に座っている為、下半身は他の三人の見える範囲にはないが、もはや立ち上がることさえ出来ない。 一方の不良たちといえば上着や靴下を脱いでる程度で、もし彼らが飛ぶにはタコスが一人で連勝を続けなければならなかった。 とはいえ、タコスはまだ一度もあがっておらず、ヤキトリ状態だったが。 「しゃんとしてくれよ。まだ最後まで終わってないんだからさ」 「もう、許して欲しいじぇ…」 「ハァ?オイオイ、オレたちはお願いされて勝負をしてるんだろ」 「…………」 もうタコスには訂正する気力も湧かなかった。 「しかし、よくよく考えれば不公平だよな。 オレらは『青春』の大事な時期を賭けて勝負してるっていうのによ…」 そこで不良のリーダーはタコスの上半身を舐めるように見回しニヤリと笑った。 「…賭けろよ。そうすれば対等だろ」 「え……」 「…お前も賭けろよ。春くらい」 「リーダーってそんな趣味があったんですか?」 「うるせぇ」 「…………」 呆然としながらタンとタコスが牌を切る。 「おっと、悪いな。それ、ロンだ」 「あ……」 思わずタコスは自分の手牌に目を向ける。 手牌はもうぐちゃぐちゃ、捨て牌にだって統一性がない。 こんな打ち方じゃ、たとえ運よくタコスが振り込まなくても早晩相手方に上がられていただろう。 「ああ……」 涙がじわりと溢れて来る。 いつから自分はこんな諦めのよい女になったのだろう。 自分のしてきたことはただ無為に死を待つのと同じではないか。 悔しい、そしてそれと同じくらい自分が情けない。 「ほら、さっさとブラ脱げよ」 言って不良の手がタコスの胸へと伸びる。 「…イヤァッ!!」 「く!…この女!!」 手を弾かれたことで不良のリーダーは憤慨して立ち上がる。 「押さえつけろ!」 「イヤだじぇーっッ!」 助けて部長。助けてのどちゃん。 助けて、助けて…、 助けて……京太郎!! パシャ その時、入り口の扉からカメラのシャッター音がした。 「誰だ!?」 不良のリーダーは驚いて後ろを振り返る。 「おいおい、こりゃ何の冗談だ?」 そこには携帯を片手に持った京太郎が立っていた。 「京太郎!!」 京太郎はタコスを見て何か呟いたがその言葉はタコスには聞こえなかった。 「京太郎!助けてだじぇ!!」 「お前…いつから見てたんだ!」 不良のリーダーはくつくつと不機嫌そうな口調で京太郎を威嚇する。 「そんな、ついさっきです。ほんの偶然ですよ」 フッと京太郎は微笑を浮かべ手に持った携帯を挙げる。 「それにしても…意外な趣味があったんですねえ」 ぐうと不良のリーダーの表情は急に厳しくなる。 「……このオレを脅す気か?」 「脅す?そんなつもりはありませんよ。ええ、まったく、これといってね…」 不良のリーダーはじぃとたっぷり10秒は京太郎を睨み付けていただろうか。 「……チッ。いくぞお前ら」 「り、りーだ~!!」 舌打ちをし不良達は京太郎のそばを通って部屋を出て行く。 バン 扉が閉められて十秒後。 虚勢を張って立っていた京太郎はへろへろと脱力して座り込んだ。 「京太郎!京太郎!!」 思わずタコスは京太郎に抱きつく。 「…ん?うわ!!優希!そんな格好で抱きつくな!」 恥ずかしそうに顔に手を当てる京太郎を見てタコスは愛おしく感じるのだった。 やがてタコスは脱いでいた服をすべて身に纏う。 「ハァ、お前のせいで囲碁部に入れなくなったじゃないか」 「……?なんでだじぇ?」 「いや、まあこっちの話だ」 「そうだ、京太郎!麻雀部に入るといいじぇ!」 京太郎は眩しそうに目を細めるとふっと息を吐く。 「いや、いい…」 「京太郎…」 わしゃわしゃと京太郎はタコスの頭を撫でてやる。 「…ありがとな。だけど、俺は自分の道は自分で決める」 「でも……」 「だから優希…。お前も自分の信じた道を行くんだ」 「……うん、わかったじぇ」 いつまでも京太郎を頼ってばかりは居られない。 自分の事は自分でけじめをつけろ。 そう京太郎は言いたいのだろう。 「京太郎…」 「ん……」 「…大好きだじぇ」 京太郎にも聞こえない小声でポツリとタコスは呟いた。 おまけ:京太郎ルート 「京太郎のバカーーーだぁじぇーーーー!!」 「いっってーーーーー」 放課後、夕方にもう近いころだったろうか。 校門のところで遭遇したタコスは何故か不機嫌で俺にナックルパンチを食らわせると校舎のほうに走り去っていった。 まったく意味が分からん! 一体なんだと言うのか。 もしかしてアノ日か!? せっかく囲碁部に入って学園生活をエンジョイしようと思っていたのに気分が台無しだ。 くぅーと唸りながらも俺は入部届けを持って囲碁部の部室へ向かうこととした。 さて、俺がこの囲碁部に来るのは初めてではなかった。 一度、仮入部として部室に来ていたことはあったのだ。 だが、その時不運にも囲碁部の部長は休んでおり、顔を拝むことが出来なかったのだ。 さて、結論から言おう。 囲碁部の部長はモロ美人だった。 美人度をタコスを5としたら58万くらいあるだろう。 俺は内心でガッツポーズを繰り返しながら、この部に一生骨埋める事を心に誓った。 「須賀君、ちょっとお願い事を頼まれてくれないかしら」 はい、何ですか? その部長が俺に声をかけてきた。きっとこんな所から始まる恋もあるよね。 囲碁部の部長が言うには部室に居ない副部長を呼んできてほしいのだという。 副部長?いや、勿論覚えてるよ。仮入部の時に一回顔を合わせただけだが、 少し目つきの鋭いクールビューティなお姉さんだ。 「あの子、碁の腕は確かなのにまともに部に出てくれなくて…」 ハァと囲碁部の部長は溜息をはく。 ふふふふん。 なるほど、任せてください。 この京太郎、すぐにその副部長とやらを連れ戻してきますよ。 そうして俺は副部長のよく居る場所を聞くとるんるん気分で部室を出て行った。 『…イヤァッ!!』 『く!…この女!!』 は?その副部長が居るといわれた部屋に来てみて俺はあんぐりと口を空けた。 扉の端から中をのぞくと半裸の少女が三人組のお姉さま方に襲われているところではないか。 いやいや、冷静になれ冷静に……。 今、俺がここでしなくちゃならないことを考えるんだ…。 俺は熟考に熟考を重ね…、 己の男の心に従い、黙って携帯のカメラで光景を保存した。 いや、男だったら誰でもやるよね、こんな状況だもの。 「誰だ!?」 うわ、一人がシャッター音に気づいて振り向いた。 俺はあわてて一瞬視線をはずす。 だが、やがてそんな事をしても無駄だということに気づき、改めて現場を見直した。 「……おいおい、こりゃ何の冗談だ?」 そこでは半泣きのタコスと捜していた張本人である副部長がこちらを奇異の表情で見つめていたのだ。 (って半裸の娘、優希かよ!) せっかく入手した貴重なその写真の無用さに俺は心の中で叫んだ。 「……チッ。いくぞお前ら」 囲碁部の副部長のお姉さんが部屋を出ていくのを確認すると俺はその場に崩れ落ちた。 ハァー!!寿命が十年は縮まったわ!! しかし、あの副部長がそっち系の人だったとは…。 人は見た目に拠らないものだなと痛感する。 ハッ!まさか部長とデキてたりとかはしないよな。 しかし、あの人去り際に俺の耳元で『覚えてろよ』っていってたよな。 ううう、もう駄目だ。あんな人に目をつけられてはもう囲碁部にはいられないだろう。 ああ、短いシャングリラだった。 途中、タコスが半裸で抱きついてきた。気楽なもんだ。 こいつには羞恥心ってものがないのか? その後、俺は適当な言葉を吐いてタコスの麻雀部の勧誘を断った。 タコスが後ろで何か言ってるようだったがどうせ恨み言だろう。俺は軽く聞き流した。 悪いな優希。俺はお前みたいな体型は趣味じゃないんだ。 帰宅後、俺はタコスの半裸の写真を一回使用した後、携帯のメモリから削除した。 …それから三日後 原村和、ktkr!! 俺、麻雀部に入部する! おわり
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2044.html
暗く湿った穴の中 9KB 赤子・子供 現代 二作目です どうぞ 『暗く湿った穴の中』 ガチャリとドアが開く音がする。 男が家に帰ってきた。 右手に何かを買ってきたのか、ビニール袋を持っている。 小奇麗に片付いている部屋に入り。 部屋の真ん中に置かれたちゃぶ台の前に腰を据えた。 男はちゃぶ台の上にビニール袋を置き、その中の物を取りだしていく。 ペットボトルのお茶、そして食用ゆっくりと書かれた卵を入れるような容器を出した。 その容器には赤ゆっくりと呼ばれるゆっくりが6匹入っていた。 れいむ種が3匹、まりさ種が3匹。 赤ゆっくり達は、自分達が白い不透明なビニール袋から出てくると。 「「「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」」」 と赤ゆっくり特有の舌足らずな挨拶をした。 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 男は適当に返事を返した。 赤ゆっくり達は適当に返されたことにそのことに気づかず挨拶を返してくれたことに喜んでいる。 男は気にすることなく、ペットボトルのお茶の蓋をあけ一口呷る。 喉を潤すと、赤ゆっくりが入った容器を開けた。 赤ゆっくりはようやくこの狭いところから出られると思い、勢いよく飛び出る。 ぴょんと赤ゆっくりの全力の跳ねで全ての赤ゆっくりが容器から出てきた。 そして、赤ゆっくり達は口々に思い思いのことを口にする。 「にんげんしゃん、れいみゅたちをゆっくりしゃせてにぇ!」 「まりしゃをあんにゃとこりょにとじきょめておくにゃんて、ゆっくちしてにゃいのじぇ!」 「あみゃあみゃしゃんもってきちぇね! たくしゃんでいいよ!!」 「ゆっくちゆっくち」 「ゆ~ん、やっちょあしょきょからでられちゃよ、の~びの~び」 「おいくしょじじぃ、れいみゅをとじこめりゅなんてゆっくちしてないよ! わきゃったら、あみゃあみゃしゃんもってきちぇね! ぷきゅ~~!」 赤ゆっくりは人の神経を逆なでさせるような甲高い声で騒ぎ始める。 何だかんだでさっきの容器に入れられていたことにストレスを感じていたようだ。 男は失敗したなと思った顔になった。 多少煩わしいと思ったのか、一匹一匹にデコピンを喰らわせる。 「ゆびぃ!」 「やめるのだじぇ! いちゃいのじだじぇ!!」 「いちゃいぃ~~、もうれいみゅおうちきゃえるぅ~~!!」 「いちゃいよぉ~~!」 「ゆっくりできにゃい~~!」 「ごめんにゃしゃい~~!!」 赤ゆっくりの痛みの耐性不足のせいか、たった一回のデコピンで全ての赤ゆっくりが動けないほど痛がる。 所詮はゆっくり、大きく痛がっているだけだが。 そして5匹の赤ゆっくりを容器に入れ直し、蓋を閉める。 一匹だけ残った赤れいむを指で摘む。 「おしょらとんでりゅみたい~~」 と、さっきまで痛がっていたのが嘘のように喜んでいるように言う。 そして、男はその赤れいむを口に含んだ。 『ゆ! くりゃいよ! きょきょどきょ!』 男の口の中で赤れいむの声が聞こえる。 ピンポン玉程度の大きさの赤ゆっくりを口いっぱいに放り込むと、男の口は綿でも含んだように膨らんでいる。 男は赤れいむを潰さないようにしているのだ。 そして、男は口の中の赤れいむを舐めた。 『ゆゆ? ぺ~りょぺ~りょされてりゅよ』 赤れいむはそれが何か分からないが、舐められているときと同じものを感じたようだ。 『ゆ! やめちぇね! れいみゅのぴちぴちなおひゃだしゃんをもうにゃめにゃいでね!』 男は赤れいむの皮がふやけ少し破れるのを感じた。 ゆっくりの舌より水分が多く、おまけに乾燥することもない口内では柔い赤ゆっくりの皮にはたまらない様だ。 『れいみゅのぴちぴちなおひゃだしゃんぎゃぁぁ、いちゃいよぉ~』 男の舌が甘みを感じる。 どうやら赤れいむの皮を破り、餡子の達したようだ。 男は気にしない。 少々顎が疲れてきたようだが、今の状況が楽しいようだ。 男は舌を動かし続ける。 そして、舌にヌルリとした、今までの餡子とは違うもっと水分が多く感じられる場所に至った。 目だ。 ゆっくりの目は寒天である。 しかし男は気にせず、舐め進める。 『れいみゅのかがやきゅおめめしゃんぎゃぁ~~』 流石に餡子と違い舐めることで削れず。 どんどんと餡子の内側へ入ってしまう。 男の口内で徐々に餡子が甘くなっていくのがわかる。 もうそろそろかなと男が思うと。 赤れいむが痙攣するのがわかる。 『ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛』 どうやら中枢餡にまで達してしまったようだ。 こうなるともうつまらない。 男は口を動かし、赤れいむを奥歯ですり潰し、飲み干した。 ふう、と男は一息つく。 これをやると赤ゆっくりを殺さないようにするため、顎は疲れるは喉が渇いても飲み物は飲めないはで苦労するが。 赤ゆっくりが、口の中で徐々に甘くなっていくさまが面白くやってしまうのだ。 ペットボトルのお茶を飲む。 口の中の甘みがお茶のほろ苦さで流される。 男が容器に目を向けると、他の赤ゆっくりはようやく痛がりを止めたようだ。 「おいくしょじじい! ここきゃらだすんだじぇ!」 「れいみゅおこりゅよ! ぷきゅ~~!」 「きょきょじゃゆっくちできにゃいよぉ~~~」 「ゆ~! ゆ~!」 「しゃっしゃとだしてにぇ!」 さっきのデコピンももう頭にないのか、現状の不満をとにかく目の前の男にぶつけているようだ。 一匹足りていないのに気付いていないようだ。 教育されていないゆっくりは3以上数えられないので仕方がないのかもしれないが。 さて次行くかと、男は容器に手をかけた。 今度は逃げ出さないように、隙間は少ししか開けない。 赤ゆっくりがようやく通れる程度に隙間を開けると手前に居た赤まりさを取り出す。 「くしょじじい! まりしゃもさっさとだすんだじぇ!」 「ゆゆ、ずるいよまりしゃ!」 「にゃんでまりしゃしかだしゃにゃいの! ぷきゅ~~!!」 「どぼじでれいみゅきゃらじゃにゃいのぉぉぉ!」 いち早く出された赤まりさに相当ご立腹のようだ。 当の赤まりさは 「おしょらとんでりゅみたい~~」 と口にしている。 男はすぐに口に入れず、数秒待つ。 ゆっくりはレスポンスの遅い。 「ゆゆ! みんにゃもだしてね! じゃにゃいとゆっくちできにゃいよ!」 そして、容器の中の赤ゆっくり達に見せつけるように、男は赤まりさを口に入れた。 『ゆ! みんにゃどきょ~~、くりゃいよ~~』 一拍、二拍、三拍遅れて。 「まりしゃよりもでていくきゃらあんにゃことににゃるんだじぇ! いいきみだじぇ!」 「まりしゃぁぁぁぁぁぁ!」 「ゆっくちできにゃいぃぃぃぃぃ!!」 「れいみゅはおいちくないよぉぉぉぉぉ!!」 赤ゆっくり達が騒ぎ始めた。 先に出た赤まりさを罵倒する、食べられた赤まりさを心配する声、驚愕する声、自分は食べられないようにアピールする声。 赤ゆっくりでも、すでに個性豊かだ。 男はその光景を見ながら、口の中で赤まりさをいじり始めた。 『ゆ~、なんだかゆっくちできにゃいばしょだよ』 口内に異物を感じたことで、男の口内から多量の唾液が出始める。 男が舌を動かし、右目がある場所を確認する。 『ゆゆ? にゃに? おめめさんなめないでね、ゆっくちできないよ』 そして、確認し終え目との間に舌を滑り込ませると、餡子の甘さが舌先に広がる。 グリグリと寒天の目を舌先で動かす。 『いちゃいよ! やめちぇね! やめちぇね!!』 今度は甘ったるい味が男の舌に広がる。 砂糖水の涙を流し始めたのだろう。 『やめりぇぇぇぇぇ!』 ポロッと何か球状のモノがとれた感触が男には感じられた。。 目だ。 男は舌で器用に適当な場所にはじいた。 『ゆっくちできにゃいぃぃぃ、にぎぇるよぉぉ、ず~りず~り、できにゃいぃぃぃぃ、あんよしゃんうぎょいてね! ゆっくちしてにゃいでうぎょいてね!!』 男の口内の唾液が溜まり、赤まりさの底部を動けないほどふやかしたようだ。 動かせたと言っても、何処まで行っても男の口内なので意味は無いのだが。 男は次の目に標的を移動させた。 今度は赤まりさの左目の場所を確認する。 『やめてにぇ! やめてにぇ! まりしゃのほうせきのようにゃおめめしゃんをとりゃないでね!』 そして、先ほどと同じように目をくりぬく、先ほどとは違う甘さが男の舌先に広がった。 『おめめしゃんぎゃぁぁぁぁ! まりしゃのほうせきのようなおめめしゃんぎゃぁぁぁ、くりゃいよぉぉぉぉ、ゆっくちできにゃいぃぃぃ』 口の中に入ってからすでに真っ暗だというのにまた暗いという。 さっきまで真っ暗だったという事すら忘れてしまったのだろうか、餡子脳という奴だ。 赤まりさの目にはもう光は射すことはないだろう。 それ以上に、もう赤まりさの未来には暗闇しか残されていない。 男はさらに甚振るべく、赤まりさの頭、帽子に舌先が触れる。 そのまま、帽子を取った。 『ゆゆっ! まりしゃのきらめくおぼうししゃんぎゃぁぁぁぁ、ゆっぐぢでぎにゃいよぉぉぉっぉ!!!』 今度は赤まりさの額より少し上に舌を当てる。 そして、そこから頭の皮を削ぐように髪を取っていく。 『いじゃいぃぃぃやめでぇぇぇえぇぇ』 男の口の中はもう甘さで一杯だ。 削ぐ時に餡子は散り、口から目から言いたくないところから砂糖水は垂れ流れる。 これ以上甘くなっては流石に気持ち悪いと思ったか。 男は、これ以上弄ることなく。 赤まりさを噛み切った。 『ゆべっ』 断末魔にお決まりのセリフも言えず、赤まりさは死んだ。 男はさっきの赤れいむの時と同じく、一息つき、ややぬるくなったお茶で口の中を洗い流した。 次に手をかけようと容器に手を向ける。 「しゃっしゃとまりしゃをだして、ゆっくちしゃしぇるんだじぇ!」 「さわりゃないでね! ぷきゅ~~!」 「ゆんや~~~!」 「れいむはおいちくにゃいよ! ほんとうだよ!」 流石に顎が疲れた様な男は。 適当に赤れいむを掴み、口に含むと一気に咀嚼した。 そしてお茶を一気にあおり飲み干す。 そこでようやく、男は赤ゆっくり達に声をかけた。 「君達は食べないよ」 男の言葉を聞いていたのか聞いていないのか、赤ゆっくり達は騒ぎだす。 「うるしゃいのだじぇ! くそどれいはゆっくちしてにゃいでまりしゃをゆっくちしゃしぇるんだじぇ!!」 「ゆっくちごろちはゆっくりしてにゃいでちにぇ!!」 「じゃあ、しゃっしゃとれいむにあみゃあみゃしゃんもってきてにぇ! たくしゃんでいいよ!!」 「まだね」 そう言うと、男は赤ゆっくりが入った容器をビニール袋に入れ直す。 そして隣に置いてあったノートパソコンを引っ張り出し、何かを始めた。 赤ゆっくり達は騒いでいたせいで、男の声を聞こえなかったのか、根拠なく自分達はこれからも生きるのだと思い勢いづく。 「まりしゃをむししゅるんじゃないのじぇ~~~~!! おまえにゃんかまりしゃのたいあちゃりでいちげきにゃんだじぇ!! いたいみぇみたくなにゃかったら、しゃっしゃとめいれいをきくんだじぇ! くしょじじい!!」 「ゆっくちちないでちねぇぇぇぇ!!」 「ゆぅぅぅ~~~、あみゃあみゃしゃん~~~~~」 男はああいう、いじりがいのありそうなゆっくりは好きだ。 食後が楽しみだと思うと。 ノートパソコンに集中した。 以前書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 964 サンプル 二作目です。 またふと思い立ち書いてみました。 続きはある程度考えていますが、どうなんでしょう。 では、最後まで読んでいただきありがとうございます。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓ピンポン玉って直径4cm程度。意外と大きいよ。それを口に入れて舌を自由に動かせるほど口内って広くないよね~ 。 -- 2018-01-02 14 25 22 ↓そうか?作者にもよるけど赤ゆってだいたいピンポン玉よりちょい小さいくらいじゃなかったっけ? -- 2012-04-18 02 39 32 てゆーかこの人口でかすぎww -- 2011-10-09 10 51 00 ゆっくりって、頭が悪いというか致命的なまでに危機感が無いよね -- 2011-08-01 13 01 55