約 1,476,155 件
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1857.html
686 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/01(木) 19 26 31 ID tftAS2AQ ひたぎ「近頃寒くなって来たわね…」 C.C.「もう12月だしな…いよいよ冬本番か…」 アーチャー「…どうでもいいが、君達はいつまでここにいる気だ?」 ひたぎ「とりあえず次の本編投下までかしら…」 C.C.「それまでは『控え室』には誰も来ないだろうしな…」 アーチャー「だが場所を空けていいのか?」 ひたぎ「別にかまわないわよ」 C.C.「一応張り紙をしてあるしな」 アーチャー「張り紙?」 ―――死者スレ控え室前――― レイ「む?」 勝手に入った人は殺します。 ひたぎウィッチ レイ「………別に戻る気はないが…完全にこの部屋はあいつらの私物化しているな…」 律「ふんふ~ん♪…あっ!」 レイ「むっ!」 687 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/01(木) 19 27 05 ID tftAS2AQ ―――食堂――― ひたぎ「それにここはいるだけで結構楽しいしね」 アーチャー「楽しい?」 C.C.「例えば”あれ”とか…」 黒子「貴方は一体いつまでここにいるんですの!?もうご飯は食べ終わったのでしょう!?」 セイバー「しかし、シロウは私のマスターであり、私はサーヴァントです。マスターの身を守 る為にもそばを離れる訳にはいきません」 黒子「今更!?今更そんな話を持ってくるんですの!?そんな恰好しておいて守るとか言われても説得力がありませんの!」 セイバー「なっ!?べ、別に好きでこんな恰好をしている訳では…それに戦闘の時はちゃんと騎士甲冑に切り替えられます!問題ありません!」 黒子「ここでは戦闘になるようなことなど滅多にありませんの!だから大丈夫ですの!」 セイバー「そういった油断が一番危険なのです!とにかく私はここを動く気はありません!」 士郎「まあまあ二人とも…」 ひたぎ「…本当に見てて飽きないわ」 C.C.「何とか衛宮を連れ出して二人きりになりたい白井と、そうはさせまいと適当な理由を考えるセイバー…実に面白い」 アーチャー「…いい性格をしているな」 ひたぎ「他にも”あれ”とか…」 インデックス「とうま!早くご飯を持ってくるんだよ!」グーギュルルルル 上条「どんだけ腹空かしてんだお前は!?」 美琴「あんたいい加減にしなさいよ!さっさと本編に帰りなさいよ!」 インデックス「ふん!うるさいんだよ短髪!本編まではまだ二日もあるんだよ!それまで食べられるだけ食べてやるんだよ!」 美琴「短髪って呼ぶな!私には御坂美琴っていう名前があるって言ってんでしょーが!」 インデックス「その名前覚えにくいかも!」 上条「お前完全記憶能力はどうした!?」 C.C.「…あれも見てて笑ってしまう」 ひたぎ「どうやったらあんなに食べられるのかしら?本当に謎だわ…」 アーチャー「分からん…」 688 :名無しさんなんだじぇ:2011/12/01(木) 19 28 15 ID tftAS2AQ ひたぎ「それに『控え室』でシーちゃんとずっと二人きりでいると、どこぞの腐女子や童貞君が変な妄想をするかもしれないと思ったのよ」 C.C.「うむ…別に私達はそんな関係ではないんだがな…」 ひたぎ「そうよね…ただ一緒にお風呂に入って体の洗いっこをしたり…」 C.C.「一緒の布団で寝てお互いを抱き枕にしているだけなのにな…」 アーチャー「………それを聞いて私は何と言えばいいんだ?」 ひたぎ「それよりそろそろ鍋の準備をした方がいいんじゃない?」 アーチャー「…無理やり話題を変えたな…そうだな…何鍋をご所望かな?」 ひたぎ「私は当然カニ鍋よ…どこぞのツンデレキャラは食べにくいからダメとか言ってたけど、はっきり言って人生を損してるわね…あんなにおいしい物を食べないなんて…人生を楽しみたいなら宇宙人とかを探す前にカニを食べなさいと言ってやりたいわ…」 アーチャー「何の話をしている?」 C.C.「全く関係のない別作品の話だろ…」 アーチャー「C.C.は何がいいんだ?」 C.C.「ピザ」 アーチャー「予想はしていたが…私は鍋の話をしているんだが?」 C.C.「私はピザさえあればそれでいい」 アーチャー「…聞くだけ無駄だったか」 ―――その頃――― レイ「………」ボロッ 律「………あれー?」 キャスター「どうしたのりっちゃん?」 律「あ、キャスターさん…何かこの男すごく弱くなってるんですよ…」 キャスター「え?…こ、これは…!」 律「え?な、何ですか?」 キャスター「これは魔術『空気キャラ噛ませ犬化』の痕跡!何故こんな魔術が…!?」 律「ってその魔術名が何ですか!?」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2284.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1357998646/ 和「…というと?」 咲「うーん、何て言うかいつもの京ちゃんじゃないみたい」 タコス「京太郎がおかしいのはいつもの事だじぇ」 ワカメ「随分な言い草じゃのお」 久「いつもとはどう違うの?私が見る限りは変わりないと思うけど」 咲「なんかよそよそしいって言うか…私を避けているような…」 タコス「なにぃ!?あいつ咲ちゃんをいじめてるのか!?」 咲「いや、いじめられてる訳じゃないけど」 和「何か隠し事をしてるのではないでしょうか?」 咲「隠し事?」 和「宮永さんに何か隠し事をしているから態度がよそよそしくなったりするのではないかと思います」 久「そうね、それも宮永さんに知られたら困る事」 咲「そんな…京ちゃんが私に隠し事…?それも知られたら困るような…?」 ワカメ「考えすぎじゃないんか?」 久「そうかもね、でも一番長く一緒にいる宮永さんがそう感じるって言ってるんだから何かあると思わない?」 ワカメ「そりゃそうじゃけど…」 タコス「京太郎の癖に隠し事とは生意気だじぇ!」 咲「でも京ちゃんが私に何を隠してるんだろう…?」 久「そうねえ…例えば恋人ができた、とかね」 咲タコス「!?」 咲「きょ、京ちゃんに恋人なんて…出来るわけないです!」 タコス「そうだじぇ!そんなことあるわけないじぇ!」 久「例えばの話よ、でも須加くんだって青春真っ盛りの高校生なんだから恋人がいてもおかしくは無いんじゃない?」 咲「そりゃそうですけど…でも…」 和「直接聞いてみたらどうですか?」 咲「ええ?」 和「直接須加くんに会って聞いてみたらどうでしょう」 咲「でも…私は今避けられてるし…」 タコス「私もいくじぇ!」 咲「優希ちゃん!?」 優希「犬の癖にご主人様に隠し事なんて許せん!会って問いただしてやるじぇ!」 優希「ほら!咲ちゃん早く!」 咲「うわっ!待って優希ちゃん!」 タッタッタ 久「行っちゃったわね…」 ワカメ「何も無ければいいんじゃが…」 教室 京太郎 ポチポチ 優希「京太郎!いるか!?」 京太郎「うわっ!?なんだなんだ!?」サッ 京太郎「ってなんだ優希かよ、それに咲まで…」 咲「…京ちゃん」 京太郎「な、なんだよ…」 咲「私に何を隠してるの?」 京太郎「えっ!?」ギクッ 咲「最近京ちゃんおかしいよ…何かよそよそしいし私を避けるし…一体何を隠してるっていうの…?」 京太郎「別に隠し事なんかしてねえよ…」 咲「じゃあ何であんな態度を取るの?何で私を避けるの?」 京太郎「…」 咲「まさか… 恋人でも出来たの…?」 京太郎「…」 咲「ねえ京ちゃん!何で答えてくれないの!」 京太郎「…うるせーな」 咲「え?」 京太郎「別に俺に恋人ができようがお前には関係無いだろ!何で教えなきゃなんねーんだよ!」 咲「だって…私は…」 タコス「言い過ぎだじぇ!京太郎!」 京太郎「…ちっ!」 タコス「どこにいくんだじぇ!咲ちゃんに謝れ!」 京太郎「てめーに指図される覚えはねーよ」 タコス「京太郎…」 京太郎「じゃあな」 咲「京ちゃん…」グスン タコス「どうしちゃったんだじぇあいつ…」 部室 咲「…」 タコス「…」 久「何があったかは大体予想できるけど…一応聞いてみてもいいかしら…?」 タコス「咲ちゃんが京太郎に怒鳴られたんだじぇ…」 ワカメ「いや、そうじゃのうてそこまでの経緯を聞きたいんじゃが…」 タコス「実は…」 五分後 久「なるほどね、つまり私の言ったこどが大体現実となっていたと…」 咲「…はい」 タコス「あいつちょっとおかしかったじぇ…」 和「それでもわかりませんね…」 久「何が?」 和「何故恋人がいることを秘密にしていたのでしょうか」 久「恥ずかしかったんじゃなくて?」 和「恥ずかしいだけなら宮永さんを避けたりしませんよ」 ワカメ「たしかにそうじゃのお…」 咲「あの…」 久「あら、どうしたの?」 咲「京ちゃんは多分私に知られたら困るような人と付き合ってるんだと思います…」 ワカメ「何故そうおもったんじゃ?」 咲「京ちゃんがあんな風に怒鳴ったのは初めてだからです」 ワカメ「???それだけか?」 咲「はい」 久「なるほどね」 ワカメ「いやさっぱりわからん」 和「強がり…ですか?」 ワカメ「は?」 和「須加くんは宮永さんとの関係が壊れるのを恐れていたんだと思います。」 ワカメ「お前らは何の話をしとるんじゃ…」 久「つまりこういうことね。」 久「須加くんは最近ある人と付き合いはじめて、その人との関係を宮永さんにしられたら 宮永さんとの関係が壊れてしまう。だから最近宮永さんを避けていた。 しかしついに宮永さんに態度がおかしい事に気付かれてしまい、問いただされる。 須加くんはバレまいと必死に強がって宮永さんを怒鳴った」 咲「はい、その通りです」 ワカメ「そんなアホな…」 和「それにしてもそこまでして知られたくない相手とはどんな方なんでしょうか?」 久「宮永さん、検討はついてるの?」 咲「はい、京ちゃんといったらあの人しかいません」 タコス「あいつか…京太郎の趣味悪すぎだじぇ…」 咲「いくよ!優希ちゃん!」 タコス「おう!咲ちゃん!」 咲タコス「くたばれハギヨシィィィィィィ!!!」 透華自宅 透華「あらハギヨシ、何か聞こえません?」 ハギヨシ「はい?」 ハギヨシ「そう言えば先程から徐々に音が大きくなっているような…」 「ハギヨシィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!」 SP「非常事態です!何者かがこの屋敷に潜入しました!ってぐはぁぁっ!!」 ハギヨシ「!?大丈夫ですか!?」 SP「それよりも…侵入者が!」 ハギヨシ「はっ!?」 咲タコス「見つけたぞハギヨシィィィ!!!」 ハギヨシ「あなた方は清澄高校の…私に何のようです?」 タコス「しらばっくれるんじゃないじぇ!さっさと京太郎を返せ!」 咲「お願いです!京ちゃんを…いつもの京ちゃんを返してください!」 ハギヨシ「どう言う事ですか?」 タコス「そのまんまだじぇ!さっさと返せ!」 ハギヨシ「私そのような方存じ上げておりませんが」 咲タコス「!?」 咲「だったら京ちゃんは…」 京太郎「良い加減にしろよ咲」 咲「京ちゃん!」 タコス「おいお前知らないんじゃなかったのか!」 ハギヨシ「いや、今初めてあったんですけど」 京太郎「ここの家の人の麻雀の対戦相手として俺の恋人が呼ばれてな…付き添いで来たんだよ…」 京太郎「さあ来てくれ、照」 照「…」 咲「お姉ちゃん!?」 照「久しぶりだね…咲…」 咲「なんでお姉ちゃんがここに…」 照「…」 咲「待って、それじゃあ京ちゃんの恋人って…お姉ちゃんなの…?」 京太郎「…そう言ってるじゃないか」 咲「なんで…なんで…」 京太郎「お前は俺の恋人が知りたかったんだろ?これで満足じゃないか」 咲「違うよ…こんな…」 照「…」 京太郎「何も違わねえよ」 タコス「良い加減にしろよ馬鹿京太郎!!」 ドンッ 京太郎「!?」 京太郎「優希てめえ!何すんだよ!!」 タコス「お前は本当は咲ちゃんの事が大好きなはずだろ!付き合う奴間違えてるじぇ!」 京太郎「なっ!!」 京太郎「何を言いやがるてめえ!」 タコス「好きじゃないなら何故咲ちゃんにこの事を話さなかった! お前は咲ちゃんとの関係が壊れるのを恐れて隠していたじゃないか!」 京太郎「うるせえ!うるせえ!」 タコス「お前は誰よりも咲ちゃんが好きなはずだろ!!」 京太郎「うるせえんだよおおお!!!」 照「京太郎落ち着いて、私が話す」 京太郎「何だよ照…」 照「咲、聞いて…」 咲「お姉ちゃん…」 照「京太郎は私が不良に絡まれていた所を助けてくれたんだ」 照「別に私は護身術を身につけてるし別に平気だったんだがこいつは聞かずに不良の中に飛び込んでいったんだ」 照「結局ボコボコにされたけど私だけには手を出すなってずっと言ってたのが聞いたみたいで不良はそのまま帰っていった」 照「私は何故体を張ってまでこんな事をするんだって聞いた。そしたらこいつ何ていったと思う?」 咲「…?」 照「こいつはこう言ったよ「アンタ俺の幼馴染に似ててさ。俺が守ってやらなきゃいけない気がしたんだ。」ってな」 咲「京ちゃん…」 京太郎「…」 照「そしたら私はいつの間にか恋に落ちてたんだよ、こいつに」 照「いつの間にかこんな関係にまでなってしまっていた」 照「だけどもうそれも終わりにしようと思う」 京太郎「おい、照…」 照「別れよう京太郎」 照「私はお前が守らなければならない幼馴染ではないんだよ」 京太郎「でも…俺はお前の事…!」 照「私はお前と付き合えて嬉しかった。その思い出だけでもう十分幸せだよ」 京太郎「…!!」 照「それにお前五分に一回は咲からメールきてないか携帯確認してて正直引いた。待ち受けも咲の写真だし」 咲「京ちゃん…」 京太郎「おまっ!余計なことを 」 照「それだけ好きな咲を守ってやってくれよ。そして幸せにしろ。絶対だぞ」 京太郎「…ああ」 照「咲、今の話を聞いて分かったと思うけどこいつはお前の事が一番好きなんだ。それも引くぐらいな」 咲「うん」 照「こいつはお前の事を幸せにできる。元恋人の私が言うんだ。間違いない」 照「幸せになれよお前ら」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「咲、話がある。ちょっといいか」 咲「うん、もちろん」 京太郎「ずっと前から好きだった。付き合ってくれ」 咲「こちらこそよろしくお願いします」 カン
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2302.html
http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367831615/ ――4月某日・清澄高校麻雀部部室…… 優希「もうすぐゴールデンウイークだな、京太郎!」 京太郎「ああ、そういえばもうそんな時期か……前は5月末だけだったけど 今年はゴールデンウイークも合宿するんだったよな?」 優希「うん、一週間使っての大型合宿だって染谷部長はそう言ってたじょ。 なんせ清澄はインハイ優勝校だから、追われる者として気を抜かないように レギュラーと個人戦出場者は全員参加で後は自由参加だって」 京太郎「ふうん、じゃあ俺も参加ってわけか」 優希「うん、京太郎は個人戦に登録してるから強制参加だじぇ」 京太郎「結局男子は俺1人か……本当男子部員来ないよな……今年だって来たの3人くらいで結局全員いなくなったし」 優希「咲ちゃんやのどちゃんにボコボコにされて逃げ出したからなー」 京太郎「情けないよなあ、いつもやられてる身からしたらあれくらいでへこむなと言いたいわ」 優希「あはは、何回も直撃させて新入部員1人追い出しといてよく言うじぇ!」 京太郎「しかたねえだろ、お前らみたいなのを相手してたら和了れる時には和了る癖がついちまったんだよ」 優希「人のせいにするとは情けない奴だじぇ!」 京太郎「事実だろ。 いや、まあ……」 優希「?」 京太郎「俺が追い出した奴はお前にしつこく言い寄ってたからついムキになったってのはあるけど」 優希「……は、恥ずかしい事を///」 京太郎「う、うっせえ!」 優希「あはは……なあ、京太郎」 京太郎「ん?」 優希「今年は行けるといいな。 サポートとしてじゃなくて選手として、一緒に」 京太郎「……そうだな」 咲「京ちゃん、優希ちゃん、盛り上がってるところ悪いんだけどちょっといいかな?」 京太郎「おっ、どうした咲、和」 和「2人に卓に入ってほしいんです。 一年生達がレギュラーだけの闘牌を見たいらしいんですが、 部長は学生議会に予算の交渉に行ってますから手が足りなくて」 京太郎「学生議会って何しに……ああ、そっか。 去年部長が学生議会長だった時と同じってわけにはいかないんだよな」 優希「そもそも優勝校なのに扱いがあんまり変わってない気がするじぇ……」 咲「雀卓もくれなかったから染谷部長の雀荘にあった古いの持ってきて使ってるし、顧問の先生も相変わらず来ないしね」 和「まあ、思うところはありますがないものねだりをしても仕方ありません。 それより一年生が待ってますから早く打ちましょう」 優希「了解だじぇ!」 京太郎「さて、3人が相手じゃトバされないよう気をつけないといけないな、これは」 咲「京ちゃんったら、最近は振り込みなんてほとんどしなくなったのによく言うよ」 京太郎「だって振り込みはしなくてもお前らガンガンツモるじゃんか……当たり牌なんかまず来ないし」 優希「じゃあ京太郎もツモで和了ればいいだけだじぇ」 京太郎「簡単に言うなよ、ったく」 ――4/29・合宿初日…… 優希「着いたじぇ、合宿所ー!」 京太郎「ここは変わらないな。 いや、たった1年で変わってたらむしろ驚くんだけどさ」 咲「今年もいっぱい麻雀打って特訓しないとね」 和「そうですね、あくまで今日来たレギュラー候補の一年生達の特訓がメインですけど、 私達も恥じない姿を見せるようにしなきゃいけませんね」 京太郎「部長、結局新入部員は何人合宿に来たんですか?」 まこ「一年生の女子が6人……全員参加じゃな。 入部時には3倍以上おったのに今じゃこれしか残っとらんとは……」 優希「だからこそ残ってるのは大成する事間違いなしだじぇ!」 まこ「そうじゃな。 今年の新入部員は教えれば伸びそうなんばっかじゃし、そういう意味では期待も出来るか」 和「新入部員で一番レギュラーに近いのはムロですが……それもどうなるかこの合宿次第、と言えるくらいには優秀ですからね」 咲「それと京ちゃんの特訓もしないとね」 京太郎「だな。 今年こそ去年みたいにはいかないぜ!」 まこ「その意気じゃ、京太郎。 というわけで一応お前さんにはこれを渡しとく」 京太郎「これは?」 まこ「わしが見た限りでの京太郎の闘牌の改善点とそん策じゃ。 去年の咲のネト麻や和のエトペンみたいなもんじゃと思えばええ。 久の考えたものほど参考にはならんかもしれんが……」 京太郎「い、いえ、ありがとうございます!」 優希「おお、とうとう京太郎もその段階に来たか! 私も師匠として鼻が高いじぇ!」 京太郎「おう! お前がつきっきりで教えてくれたおかげだ、ありがとうな優希!」ナデナデ 優希「ひゃっ……う、うん///」 まこ「ほらほら、いちゃついとらんで合宿所の部屋に行くぞ。 部屋に荷物を置いたら予定を説明するから集まってくれ」 ――合宿所・京太郎の部屋…… 京太郎「よいしょっと……今年も男子部屋は俺1人、か」 優希「広いから羨ましいじぇ」 京太郎「おわっ、お前なんでこっちにいるんだよ!」 優希「1人じゃ寂しいと思ってな! そういうのを癒すのは彼女である私の役目だじぇ♪」ギュッ 京太郎「おいおい、遊びに来たんじゃないんだぞ。 いくらつき合ってるって言っても少しは自重をだな……」 優希「……京太郎は嫌なの?」 京太郎「うっ」 優希「……」ジー 京太郎「……別に、嫌じゃねえよ」 優希「本当に?」 京太郎「本当に。 俺だって1人でいるのは寂しい時もあるし、お前のこういう行動には素直に感謝してるよ」ギュッ 優希「ふあっ……そうかそうか♪」スリスリ 京太郎「だけどやっぱり自重もしとけよ? 後輩達に示しがつかないからな」 優希「うん、わかったじぇ」 京太郎「じゃあ荷物整理したら俺も集合場所に行くから先に行っててくれよ」 優希「おーう。 あっ、京太郎ちょっと耳を貸すじぇ」 京太郎「んっ、どうした?」シャガミ 優希「んっ」チュッ 京太郎「なっ!?」 優希「へへっ、頑張ろうじぇ京太郎!」パタパタ 京太郎「……」 京太郎「それは反則だろ……」 ――…… まこ「全員集まったな、ほんじゃあ今回の合宿について説明させてもらうけぇの」 まこ「まず今回の合宿では新入部員からのレギュラー選抜をメインとさせてもらう」 まこ「新入部員は6人、わしらレギュラー4人の内2人が3人につき1人の比率で 1日毎に交代しながら新入部員の指導をする。 それぞれが全く違う麻雀のスタイルじゃけぇ、 盗めるところはどんどん盗んでいきんさい」 まこ「最終日には実力を確かめるための卓を設けるつもりじゃけえ、頑張るんじゃぞ」 一年生「はい!」 まこ「いい返事じゃ。 一年は卓の置いてある大部屋に移動、二年は話があるからちょっと残ってくれんか」 まこ「さて、こっからは京太郎の強化メニューについての話し合いじゃ」 和「2人が新入部員の指導にあたるという事は、もう2人が須賀君の特訓につきあうんですね?」 まこ「そういう事じゃな。 ただし優希、あんたぁ、京太郎につきっきりで教えんさい」 優希「えっ、いいのか?」 まこ「いいも何も優希の指導を理解できるんは京太郎くらいじゃからのう…… はっきり言って感覚型の優希は壊滅的に指導に向いとらん」 優希「じょ!?」 咲「えっと、それなら私もあんまり誰かに教えるのは得意じゃ……」 まこ「咲は新入組の壁として立ちはだかってやってくれんか?」 咲「壁、ですか?」 まこ「全国には咲みたいなんが少なからず存在するっちゅう現実を今の内からしっかり見せとかないかんからのう……」 京太郎「あー、確かにいざ本番でいきなり咲みたいな相手に当たったらトラウマになりかねませんね」 まこ「うむ、そういう事じゃ。 だから咲には一年達を壊れん程度に圧倒してもらうけぇの」 咲「と、とりあえず普段通りに打てばいいんですよね?」 まこ「まっ、そういう事じゃな。 フォローはわしと和がやるけん、よろしく頼むぞ」 咲「は、はい!」 まこ「ほんじゃあ今日はわしと和が新入組の指導に回る。 咲は優希と京太郎を鍛えてやりんさい。 和、行くぞ」 和「わかりました」 まこ「そういえば和」 和「なんでしょう?」 まこ「今年はちゃんと浴衣を着とるんじゃな?」 和「なっ!?」 まこ「はっはっは、またひんむく手間が省けて助かったわ!」 和「ぶ、部長!」 ピシャリ 京太郎「さあて咲と優希が先生か……これは大変そうだ」 咲「よ、よろしくね京ちゃん」 優希「よーし、京太郎を全国一位にするためビシビシ鍛えてやるとしよう!」 京太郎「いきなりハードルたけぇな!?」 咲「あはは……とりあえず三麻しようか」 ――…… 京太郎(優希の東場の速攻高火力に咲の場の支配……当然俺にはそんな器用な真似出来やしない。 だったら) 京太郎「……」タンッ 咲「……」タンッ 優希「……」タンッ 京太郎(テンパイ……待ちは広いし相手が一年なら迷わずリーチしていくところだけど) 京太郎「……」タンッ 京太郎(相手は咲と優希、ここでツモ切りしか出来なくなるのは自殺行為でしかない。 それならテンパイを崩してでもこの牌は抱え込む!) 咲「あ……」タンッ 優希「ふむふむ」タンッ 京太郎「テンパイ」 咲「ノーテン」 優希「テンパイだじぇ!」 京太郎「うわ……」 優希「むっ、その反応からして私の当たり牌を持っていたのは京太郎、やっぱりお前だったのか!」 京太郎「まあな。 最初にテンパイした時リーチかけないで助かったわ……」 咲「あっ、やっぱり一回テンパイ崩してたんだね」 京太郎「リーチかけたらツモ切りで直撃、そんな展開は嫌ってほど繰り返したからな。 お前ら相手だとリーチは危険だって学習はしたつもりだよ」 京太郎(最初のテンパイの時ツモった牌は優希の当たり牌で、 たぶんその次に引いたのは河に1つもないのを見る限り咲の槓材だったんだろうな……危ない危ない) 優希「それにしてもそこからよくテンパイにまで持ってきた! よしよし、褒めてやろう!」ナデナデ 京太郎「やめい!」 咲「相変わらず仲いいね、2人共」 優希「もちろん! 私達はいつでもラブラブだじぇ!」 京太郎「恥ずかしいっつうの!」 ――合宿初日・夜…… 京太郎「ふう……やっぱり何回も集中して打ってると疲れるな」 優希「大丈夫か?」 京太郎「ああ、大丈夫。 それにしても雑用で体力には自信があったんだけどな……」 優希「雑用と麻雀じゃやっぱり違う?」 京太郎「そうだな、特に目の酷使加減が……ってちょっと待て」 優希「ん?」 京太郎「お前、こんなとこで何してんだよ」 優希「えっ?」 京太郎「いやいや、そのなに言ってるんだお前はって目をしても誤魔化されねえからな? なんで男子部屋……というか俺の部屋にお前がいるんだって聞いてるんだよ」 優希「寝る前にちょっと会いに来ただけだじぇ」 京太郎「布団に潜り込んでてその言い訳は通用しねえよ!?」 優希「静かにしないとみんな起きるじぇ。 それに細かい事を気にすると禿げるぞ京太郎」 京太郎「いや、これは全然細かくないから。 俺昼間に自重しろって言ったよな?」 優希「だからみんながいる前ではイチャイチャしなかったじゃないかー」 京太郎「そういう問題かよ……ったく、キリのいいところで部屋戻れよ?」 優希「はーい。 ほらほら、早く布団に入るんだじぇ」 京太郎「はいはい……」ゴソゴソ 優希「京太郎、あったかいじぇ」ギュッ 京太郎「そりゃまあ、風呂から出たばっかりだしな」 優希「えへへ……京太郎♪」 京太郎「聞いてんのかこれ……」 ――4/30・合宿2日目…… 優希「今日もタコスが美味しいじぇー♪」 京太郎「結局俺が寝る直前までいたし……優希、お前今日も来る気か?」 優希「もちろんだ!」 京太郎「ダメって言っても……聞かないんだろうな、お前の場合。 こうなったら染谷部長に……」 優希「ちなみに染谷部長も節度を守るなら好きにしていいって言ってくれたじぇ!」 京太郎「マジかよ……完全に退路が絶たれた」 優希「というわけで今日もよろしく、あなた♪」 京太郎「もう好きにしてくれ……」 和「部長、本当にいいんですか? ゆーきと須賀君が一緒に寝るのを許可するなんて」 まこ「優希はその性格故か状況でモチベーションが大きく左右されるタイプじゃからな。 だから優希の力を引き出すにはなるべく京太郎と一緒におった方がええ」ズズッ 咲「あっ、もしかして京ちゃんの指導に優希ちゃんが絶対いる理由も……」 まこ「そういう事じゃ。 それに……」 優希「今日も特訓頑張っていくじぇー!」 京太郎「おーう、やるからには頼りにしてるからなー」 まこ「京太郎の奴もまんざらじゃないみたいじゃからのう」 和「それではよろしくお願いしますね」 京太郎「今日は和か、よろしくな」 優希「京太郎、気をつけろ! のどちゃんはただそこにいるだけで相手を誘惑する力を持つからな……!」 京太郎「ああ、わかってるぜ優希……!」 和「もう、何を言ってるんですか!」 京太郎「あはは、悪い悪い……で、和も咲みたいに実践形式で教えてくれるのか?」 和「いえ、それは咲さんが行う方がいいと思います。 なので私は私の得意分野で須賀君を指導しますから」 京太郎「和の得意分野って事は、ネト麻とか牌効率とか?」 和「そうですね。 まずはペーパーと実際に牌を使った問題で須賀君の理解度を 確かめてから改めてプランを考えましょう……はい、これが問題用紙です」 京太郎「うわ、すっげえ問題の数だな……」 優希「ううっ、見てるだけで頭が痛くなりそうだ……学校のテストだけでも手一杯だろうに同情するじぇ」 京太郎「同情するならとりあえず離れろ、集中できん」 優希「つれないじぇ、京太郎……」 和「ほら、ゆーきは須賀君の邪魔にならないようにこっちで牌効率の勉強です」 優希「じょ!?」 和「常々ゆーきの計算違いには私も頭を悩ませていたんです。 ですからここで須賀君と一緒に指導します!」 優希「そ、そんなあー!」 京太郎「えーっとここは……こう、か?」 和「ほらゆーき、ここ間違ってます」 優希「あ、あれ……おかしいな」 京太郎「ここは……こうだな」 和「ゆーき、点数がずれてますよ」 優希「うええっ!?」 京太郎「……」 優希「じぇぇぇ……勉強いやぁ……」 和「もう後輩達もいるんですから、いつまでも点数移動計算が出来ないなんて泣き言は言ってられないんですよゆーき!」 優希「ううっ……!」 京太郎「……あれ、これ俺の指導じゃなかったっけ?」 ――2日目・夜…… 優希「頭痛いじぇぇぇ……」グッタリ 京太郎「よしよし、よく頑張った頑張った」ナデナデ 優希「ううっ、ああいう時ののどちゃんは容赦なさすぎだじぇ……」ギュッ 京太郎「それだけお前を信じてるんだろうよ。 優希なら教えた事をものにしてくれるって」 優希「むー……それはわかってるけど」 京太郎「だったら頑張ろうぜ。 俺も一緒に頑張るからさ」 優希「……なら、その分今は甘えるじぇ!」 京太郎「それはいいけど……お前本当に甘えたがりになったな」 優希「……こんな私はいやか?」 京太郎「んなわけないだろ。 信頼されてる気がするし甘えられて悪いとは思ったりしないって」 優希「そうか……ねぇ、京太郎」 京太郎「ん?」 優希「今日は一緒に寝ていい?」 京太郎「……朝に好きにしろって言っただろ? もう俺は何も言わねえよ」 優希「えへへ、じゃあ好きにするじぇ」ギュッ 京太郎「一応言っとくけど蹴るなよ?」 優希「はーい」 ――5/1・合宿3日目…… 京太郎「おい優希、口元ソースついてるぞ」フキフキ 優希「あ、ありがとう……///」 咲「な、なにかあったのかな? 昨日より距離が近いけど」 和「ど、どうなんでしょうか?」 まこ「うーむ……」 ――…… まこ「今日はわしじゃな」 京太郎「よろしくお願いします、部長」 優希「よろしくだじぇー」 まこ「咲からは実践形式、和からはデジタル面での指導を受けたんじゃったな?」 京太郎「はい」 まこ「ほんじゃあわしからは駆け引きを教えるとしようかの。 基本ネト麻や決まった打ち方をする咲達との打ちが多い京太郎にはわしが記憶している色々な卓の状況から勉強してもらう」 京太郎「わかりました」 まこ「京太郎、この卓の状況から何を切る?」 京太郎「安牌がありませんね……だったら、これですか?」 まこ「残念、ロンじゃ。 ここだけじゃなくて周りの河も注目してみい」 京太郎「あ、ここでロンしてないって事は単騎待ちの方だったのか……なるほど」 まこ「奇をてらった待ちをしてくる打ち手は意外に多い。 こういう手合いは一度ハマると立て直しも難しいから用心しとくように」 優希「ハマると去年の県予選の元部長を相手した風越みたいになるんだじぇ!」 京太郎「あれみたいにか……それは確かに危険だな」 まこ「久ほどひねくれてるんはまずおらんがのう……よし、次の状況はこれじゃ」 京太郎「えっと、これは……」 ――合宿3日目・夜…… 咲「合宿所のご飯って美味しいけど競争率高いからゆっくりとは食べられないよね」 和「そうですね……あっ、咲さん、これ美味しいですよ」 咲「ありがとう、和ちゃん」 和「どういたしまして。 それにしても……」 優希「その肉いただいたー!」 京太郎「させるかよぉ!」 優希「ぐぎぎ……なかなかやるじゃないか京太郎……!」 京太郎「お前もな優希……!」 優希「だが詰めが甘い!」 京太郎「なにぃ!?」 優希「もらったー!」 まこ「いらんならもらうぞ」パクッ 京太郎・優希「あ」 和「一番騒いでいるのが知り合いなのが情けないです……」 咲「あ、あはは……」 ――京太郎の部屋…… 優希「うー! まさか染谷部長に漁夫の利を取られるとは思わなかったじぇ!」 京太郎「悔しいのはわかるけどあんまり騒ぐなよ」 優希「そうは言うけどなー!」 京太郎「帰ったらタコスいっぱい作ってやるからそう拗ねるなって」 優希「むう……いつもより多めにな」 京太郎「はいはい」 優希「よし、なら許す!」 京太郎「ありがとうございます……って俺別に悪い事してないだろ!」ビシッ! 優希「ちっ、バレたか!」 京太郎「お前なあ……」 優希「まあまあそんな些細な事は気にしないで早く寝よう!」 京太郎「……」 優希「え、えっと……」 京太郎「……ぷっ、なんだよその顔」 優希「うっ、だって怒らせたかって不安になったから……」 京太郎「この程度で怒るわけないだろ。 そんな不安になるなんていつものお前らしくないぞ」 優希「いつもの私って?」 京太郎「そりゃ図々しくてわがままで子供っぽくてアホで……」 優希「なっ……」 京太郎「そのくせ変なところで律儀で、一々やる事が可愛くて、元気いっぱいで 見てて明るくなれる……俺が惚れたのはそんな奴だよ」 優希「あっ、えっ……///」 京太郎「……なに言わせんだよ、恥ずかしいな」 優希「そ、それはこっちの台詞だじぇ……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「あー……」 優希「……!」ビクッ 京太郎「寝るか」ゴソゴソ 優希「そ、そうするじぇ」ゴソゴソ 京太郎「ほ、ほら優希、来いよ」 優希「う、うん」ギュッ 京太郎「……おやすみ」 優希「お、おやすみ」 京太郎・優希(ね、眠れない……) ――5/2・合宿4日目…… 京太郎「……」 優希「……///」 咲「京ちゃん達、今度は少し距離を取ってるね……」 和「何かあったんでしょうか……」 まこ「全く……」 咲「今日は私だね」 京太郎「よぉ、咲。 そういえば一年生の様子はどうなってるんだ? 夕食の時とか見る限り心配はなさそうだけど」 咲「みんな頑張ってるよ! 和ちゃんと染谷部長の教えてる事をすぐ試したくて仕方ないみたい」 優希「ほほう、それで咲ちゃんはどれだけ相手したんだ?」 咲「あっ、一応牌譜は持ってきたけど見る?」 京太郎「おう、ちょっと見せてくれないか」 咲「はい、これだよ」 京太郎「どれどれ……」 優希「ふむふむ……」 京太郎・優希「……」 京太郎(あ、相変わらず次元が違うな……まさか全局咲が大差つけて一位とは) 優希(うわ、一年生の半分以上が焼き鳥だじぇ……) 咲「ど、どうかな? プラマイゼロはしないようにって約束だったから頑張ってみたんだけど」 京太郎「あ、ああ……いいんじゃないか? なあ、優希」 優希「そ、そうだな、うん! 振り込みも少ないし一年もなかなかやるな!」 咲「そっか、染谷部長や和ちゃんも同じ事言ってたし何も問題ないなら良かったよー」 京太郎(もしかして一年生がここに来てからほとんど喋ってないのは……いや、やめとこう。 これ以上考えるのは危ない気がする) 優希「……さ、三麻しようじぇ!」 京太郎「だ、だな!」 咲「うん!」 咲「カン!」 京太郎「んなっ!?」 優希「じょ!?」 咲「ツモ! 嶺上開花!」 優希「ああ! また負けたあー!」 京太郎「ま、また飛んだ……」 咲「だ、大丈夫2人共?」 優希「ふ、ふふ……大丈夫だじぇ。 伊達にインターハイで魔物扱いされてる連中とやり合ってきたわけじゃないからな……!」 京太郎「俺もだ、この程度で折れてられるかっての……優希、まだいけるか?」 優希「もちろんだじぇ! さあ咲ちゃん、もう一回勝負だ! 今度こそ私が勝つ!」 咲「京ちゃん、優希ちゃん……うん、わかったよ!」 ――ここからの対局はあまりにも惨いのでダイジェストでお送りします―― 京太郎(よ、よし張った……) 咲「カン!」 京太郎「ああっ!?」 咲「ツモ! 嶺上開花!」 京太郎「」 ――…… 優希(イーピン……なんだか嫌な予感がするけどこれ持ってたら和了れないし) 優希「……」タンッ 咲「カン!」 優希「ひっ!?」 咲「もいっこカン!」 優希(連続カン……!?) 咲「もいっこカン!」 京太郎「おいおい、これはまさか……」 優希(どこかで全く同じ展開見たんですけどぉー!?) 咲「ツモ。 清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……32000です!」 優希「そんなのありかあ!?」バタッ ――…… 咲「カン!」 京太郎「また来た!?」 優希「もうやだぁ……」 咲「もいっこカン! もいっこカン!」 京太郎「また三槓子かよ……」グッタリ 優希「ま、また数え役満か……?」カタカタ 咲「もいっこカン!」 京太郎・優希「!?」 咲「ツモ。 四槓子!」 京太郎・優希「」チーン ――合宿4日目・夜…… 京太郎「つ、疲れた……今までにないくらい疲れたぞ」 優希「ううっ、もうカンやだぁ……咲ちゃん容赦なさすぎだじぇ……」 京太郎「飯もまともに食えなかったな……優希、風呂どうするよ?」 優希「冷や汗で身体ベトベトだから入るじぇ……」 京太郎「そうか……俺の分までゆっくりしてきてくれ」 優希「……」 京太郎「優希?」 優希「き、京太郎……その、もしよかったら――」 カポーン 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「あー……い、いい湯加減だな?」 優希「う、うん……」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎(か、会話が続かない……かといって黙ったままだと背中合わせの優希を意識しちまって心臓が痛くなってくるし……) 優希(顔熱い……自分で言った事だけど一緒にお風呂入ろうなんて大胆すぎるじぇ……) 優希「あの、京太郎?」 京太郎「お、おう、どうした?」 優希「なんか無理言ってごめんだじょ……」 京太郎「いや、別に無理を言われた覚えはないから問題ない。 緊張は、やっぱりするけどな」 優希「京太郎も緊張してるのか?」 京太郎「そりゃ、なあ……今後ろに恋人が裸でいるとなったら緊張しないわけがないだろ」 優希「っ……このエロ犬め!」 京太郎「犬言うな! だいたい一緒に風呂入ろうなんて提案してきたお前だって人のこと言えないだろ!」 優希「そ、それは!」 京太郎「それは、なんだよ?」 優希「もう京太郎には見られた事あったし……」 京太郎「ぶっ!?」 優希「ま、まさかこんなに恥ずかしいなんて思わなかったんだじぇ……」ギュッ 京太郎「ちょっ!?」 優希「わ、わかるか? 私今すごくドキドキしてるんだじぇ……京太郎」 京太郎(こ、こいつ……自分が何してるかわかってんのか? 裸で抱きつくとか、無防備にも程があるだろ……!) 優希(あ、京太郎もドキドキしてる……ちゃんと意識してくれてるんだな……) 京太郎「お、おい優希……そろそろ離れてくれ」 京太郎(これ以上は我慢の限界だ。 けどさすがに部の合宿でやらかすのはマズすぎる……なんとか鎮めるんだ俺!) 優希「ん、わかった」パッ 優希(初体験に失敗してから手を出してくれなかったから不安だったけど、これなら大丈夫そうだじぇ) 京太郎「ふうっ……よし、そろそろ上がるか」 優希「のぼせると大変だしな!」 京太郎(なんとか鎮めたけど、今日眠れるかな俺……) ――5/3・合宿5日目…… 京太郎「ふあっ……んう」 咲「京ちゃん、眠そうだね」 京太郎「ああ……誰かさんのせいで寝不足もいいところだよ、全く」 優希「それは大変だったな京太郎……私の寝てる隙をつくとはいったい誰の仕業だじぇ!」 京太郎「……」ヒクヒク 咲「きょ、京ちゃん、落ち着いて……」 ムロ「あの、先輩……」 和「あの2人はいつもああいう感じなので気にしなくていいですよ」 ムロ「は、はい」 まこ「やれやれ……」 和「今日は私です」 優希「ひぃっ!」 和「……そんな怯えられると傷つきますゆーき」 優希「じゃあそれを解消するためにも勉強はなしで……」 和「それとこれとは話が別です」 優希「じぇぇ……」 京太郎「いや、優希の勉強もいいけど俺の方も頼むよ、マジで」 和「あっ、そうでした」 京太郎「大丈夫なのか……」 ――…… 和「須賀君、ここは河の状態から考えて……」 京太郎「ああ、なるほどね……じゃあこっちは……」 和「はい、そうです。 それでは次は……」 優希「あーうーあー、計算全然終わらないじぇ……京太郎、のどちゃん助けてー」 和「ゆーき、人に頼ってばかりでは成長しませんよ」 京太郎「悪い、こっちも今自分の分で手一杯なんだ」 優希「ううー……」 京太郎「あっ、和、ここは……」 和「そこはですね……」ムニュッ 京太郎「うおっ!?」 京太郎(の、和の胸が腕に当たって……!) 和「須賀君?」 京太郎「な、なんでもない……」 京太郎(いかん、昨日の優希との風呂で色々溜まってたからつい意識しちまった……集中集中) 京太郎「ここはこうか」 和「正解です、よくできましたね」 京太郎「まあ先生がいいからな」 和「上手い事を言っても手は抜きませんよ?」 京太郎「望むところだ!」 優希「……」ジー 優希「……京太郎のバカ」ボソッ ――合宿5日目・夜…… 優希「……」ムスッ 京太郎「なあ、そろそろ機嫌なおしてくれ……つうか何を怒ってんだよ」 優希「別に私は怒ってないじぇ」プイッ 京太郎「それで怒ってないとかもうちょっとマシな嘘をついてくれ……」 優希「……腕に当たったのどちゃんのおっぱいは気持ちよかったか?」 京太郎「なっ!?」 優希「……この浮気者め、のどちゃんにデレッとしたのを私が見抜けないと思ったのか」 京太郎「そ、そう言われてもだな! 俺だって男だしそれに今日は……」 優希「今日がどうしたっていうんだ!」 京太郎「……誰かさんが昨日変に刺激してきたせいでモヤモヤしてたんだよ!」 優希「……えっ」 京太郎「……いや、やっぱり今のなし。 こんなのいいわけにならないよな……確かに一瞬意識持ってかれたわけだし」 優希「あ、うん……」 京太郎「……なあ、どうすれば許してくれる?」 優希「えっと、それじゃあ……まずは私をギュッとしろ」 京太郎「こうか?」ギュッ 優希「ぁう……そ、それで頭を撫でて」 京太郎「了解」ナデナデ 優希「ひゃんっ……」 京太郎「これでいいのか?」 優希「そ、それでそれで……」 京太郎「それで?」 優希「キ、キス、してほしいじぇ……」 京太郎「……マジ?」 優希「う、うう……」 京太郎「本当、甘えたがりになったな優希は」チュッ 優希「んっ……」 京太郎「……」 優希「あ、は……なんだか頭フワフワするじぇ……」 京太郎「もう、いいのか?」 優希「へっ……」 京太郎「キスは一回でいいのかって、聞いたんだよ」 優希「……」 京太郎「……」 優希「……っと」 京太郎「……!」 優希「もっと、いっぱいしてほしい、じぇ……」 京太郎「優希!」 優希「京太……んんっ!」 ――5/4・合宿6日目…… 優希「~~♪」 和「ゆーき、ずいぶん機嫌がいいですね?」 優希「あっ、のどちゃーん。 昨日はありがとうだじぇ!」 和「えっ、なんの話ですか?」 優希「ふふーん、こっちの話だじぇー♪」 和「……?」 咲「京ちゃん、優希ちゃんと何かあったの?」 京太郎「いや、まあ……あはは」 一年生「染谷部長、部長に用があるってお客さんが……」 京太郎「あっ、誰か来たみたいだぜ!」 咲「話を露骨にそらしたね……」 まこ「わしに客? いったい誰が……」 久「まこ、みんな、元気にやってた?」 まこ「久!?」 優希「おぉ、部長だじぇ!」 和「元部長、ですよゆーき」 京太郎「これはまた予想外の客が来たな」 咲「でも、どうしてここに……」 久「少し様子を見にね。 まこ、あれが今年の新入部員?」 まこ「ああ、そうじゃ」 久「戦力として期待出来そう?」 まこ「なかなか骨はある。 まあ、去年ほどとはいかんけどな」 久「さすがにそれは高望みでしょ」 まこ「ふっ、それもそうじゃな。 こっちにはどれだけおるつもりなんじゃ?」 久「ごめんなさい、予定があって今日と明日しかいられないの。 ここに来たのも様子を見に来たのは確かだけど、まこに家からの伝言を伝えに来たのが主目的だし」 まこ「そ、そうか……久が主導してくれたら指導がもっと上手くいくと思ったんじゃが……」 久「もう、今の部長はまこなんだからそんな弱気な事言ってちゃダメじゃない」 まこ「わかってはおる、つもりなんじゃがな……」 久「……さて、ところでまこ。 今年のルーキーがどれだけ粒揃いか確かめたいし私も打たせてもらっていいかしら?」 まこ「お、おう、もちろんじゃ。 あんたと打てばそれも後輩達にはいい経験になる」 久「ふふっ、期待には答えるわ。じゃあ少しもんであげるとしましょうか」 京太郎「……ってわけで今日は2人きりか」 優希「染谷部長が元部長のフォローに回っちゃったからなー」 京太郎「まあ、たまにはこんな日があってもいいか……」 優希「そういえば京太郎、元部長が来てから染谷部長の様子が変じゃなかったか?」 京太郎「言われてみれば……やっぱり元部長と自分を比較しちまってるとか、なのかね」 優希「比較かー……私にはよくわかんないじょ」 久「やっほー、2人共ここにいたのね」 京太郎「あっ、竹井先輩」 久「ごめんなさいね、2人きりのところを邪魔しちゃって」 京太郎「別にそれは構わないんですけど、何かご用ですか?」 久「ちょっと話があってね」 優希「話?」 久「そう、実は2人に協力してもらいたい事があるの……」 ――…… 京太郎「……なるほど」 優希「私は喜んで手伝うじぇ!」 久「ありがとう優希。 須賀君は?」 京太郎「むしろ断る理由がありませんね。 わかりました、手伝います」 久「須賀君もありがとう。 それじゃあ私は他に準備があるから行くわ、明日はよろしく頼むわね!」 優希「もしかしてこの為に来たのか、元部長?」 京太郎「ああ、そうかもしれないな……」 ――合宿6日目・夜…… まこ「さて、夕飯の前に話がある」 まこ「いよいよ合宿も残り2日。 明後日に一年生は選抜の為の対局を行う事になっちょる」 まこ「というわけで明日1日は練習は休みじゃ。 どこかに行くなり、休むなり、好きなように過ごして英気を養いんさい」 まこ「わしは実家の雀荘に顔を出すけぇ、羽目を外しすぎんようにな」 まこ「連絡は以上じゃ」 京太郎「咲、和……元部長から話は聞いてるか?」 咲「うん、私達もお手伝いするって言ってあるよ」 和「こういう事をするのは初めてですからなんだかドキドキしますね……」 優希「くふふ、明日が楽しみだじぇ」 京太郎「よし、勝負は夕方までだ。 いっちょ頑張るとしようぜ!」 咲「おー!」 和「はい!」 優希「頑張るじぇ!」 ――5/5・合宿7日目…… まこ「じゃあ行ってくるけん、すまんが留守番は任せた」 久「行ってらっしゃーい……よし」 久「みんな、今日の計画はおさらい出来てるわね?」 京太郎「はい、完璧です! 一年生達もみんな手伝うって言ってますし予定より早く終わるかもしれませんね」 優希「任せてほしいじぇ!」 咲「私と和ちゃんは……」 和「こちらの担当ですね、頑張りましょう咲さん」 咲「うん!」 久「みんな頼もしいわね……こんないい後輩を持てて、あの子も幸せ者だわ」 京太郎「竹井先輩……」 久「ふふふ、ごめんなさい。 感傷に浸ってる暇はなかったわね……それじゃ各自分担された役割をよろしく!」 4人「はい!」 ――…… まこ「ただいま」 久「あっ、おかえりなさいまこ」 まこ「おぉ、なんじゃ、わざわざ出迎えに来てくれたんか?」 久「それだけじゃないんだけどね。 ほら、こっちこっち」 まこ「なんじゃなんじゃ、何かあったんか?」 久「何かあったんじゃなくて何かあるのよ。 着いたわ、まこ扉を開けて」 まこ「言っとる意味がよくわからんが……開ければいいんじゃな」 ガラッ 「染谷部長、お誕生日おめでとうございます!」 まこ「……は?」 京太郎「あれ、今日って染谷部長の誕生日でしたよね?」 優希「まさか間違えたのか!? これはどういう事だじぇ京太郎!」 京太郎「俺のせいかよ!?」 まこ「あ、いや、確かにわしの誕生日は今日じゃが……」 咲「よかったあ、もし間違えてたらどうしようかと思いました」 和「誕生日を間違えるのってすごく気まずいですからね」 まこ「そうじゃな……」 久「もう、いつまで呆けてるつもり? ほら、主役はあっちに座った座った」 まこ「久、もしかしてこれはあんたが仕組んだのか?」 久「確かにまこの誕生日をお祝いしたいって話はしたわよ。 でも後はみんなこの子達が自分の意志でやってくれたわ」 まこ「……」 久「まこの事だから私みたいに部長が出来るのかーなんて変な事考えてる気がしてね。 それならいっそあなたがどれだけ慕われてるか見せてあげようと思ったのよ」 優希「ケーキ持ってきたじぇー!」 和「私と咲さんで手作りしたんですけどお口に合うかどうか……」 京太郎「咲の事だから塩と砂糖間違えてたりしてな?」 咲「京ちゃん、私を馬鹿にしすぎだよ! いくら私だってそんな間違い……と、時々しかしないよ!」 京太郎「するんじゃねえか!」 まこ「そう、か……」 久「まあ純粋に私がまこの誕生日を祝いたかったっていうのが本音なんだけどね」 まこ「面倒かけたの、久」 久「あら、面倒なんかじゃないわよ。 だって今のまこ、とってもいい顔してるもの。 その顔が見られただけでもやった甲斐があったわ」 まこ「全く、あんたっちゅう奴は……」 京太郎「あっ、それでですね部長……急な話だったんでプレゼント用意できなかったんです、すいません」 まこ「別にかまわんよ。 こんな風に祝えてもらっただけでわしは……」 優希「だから、私達決めたんだじぇ!」 まこ「何をじゃ?」 咲「私達、染谷部長を絶対に全国に連れて行きます。 そして全国二連覇をプレゼントします!」 まこ「!」 和「もちろん元からそのつもりではありましたけど……これで今まで以上に目標への気持ちが引き締まります」 まこ「あんたら……」 京太郎「それと、男女揃っての全国出場……竹井元部長の代に出来なかった事も達成するつもりです!」 久「……だ、そうよ?」 まこ「本当に……あんたらは、なんて……」 久「ああ、もう泣かないの。 まこに泣かれたら私もみんなも困っちゃうじゃない」 まこ「嬉し泣きくらい、好きにさせんさい。 わしは今、最高の幸せを噛みしめているんじゃ」 久「まこ……」 まこ「……行くぞ、みんなで全国に。 わしら清澄高校の力を今一度全国に知らしめてやるんじゃ!」 麻雀部一同「おー!」 ――合宿7日目・夜…… 京太郎「ふう……今日は走り回ったりドンチャン騒ぎしたりで騒がしい1日だったな」 優希「でも嫌な疲れじゃないじぇ」 京太郎「だな」 優希「……大きな約束をしちゃったな京太郎。 責任重大だじぇ」 京太郎「そうだな。 でも言ったからには叶えてみせるさ……俺達はみんなで全国に行くんだ」 優希「よく言った、それでこそ私の婿だ!」 京太郎「そりゃどうも……これからも面倒かけると思うけどよろしく頼むな?」 優希「うむ、まかせとけ!」 キラッ 優希「あっ、流れ星!」 京太郎「おっ、本当だ。 去年の合宿の時も見たけどやっぱり綺麗なもんだな」 優希「私は去年見られなかったから今日が初めてだけど、空がキラキラしててとっても綺麗だじぇ……」 京太郎「……」 優希「あっ、また流れた!」 京太郎(こういう時って漫画とかならお前の方が綺麗だよって言う場面なんだろうな……だけど柄じゃねえよな) 優希「ん、京太郎?」 京太郎(それに言えるかよ、そんな恥ずかしい事……) チュッ…… ――5/6・合宿最終日…… 京太郎「ん……朝か」 優希「むにゃむにゃ……」 京太郎「すっかり慣れちまったな、優希と一緒に寝るのも」 優希「あ、ん……京太郎……?」 京太郎「悪い、起こしたか?」 優希「んーん、大丈夫……今日が最後だっけ……」 京太郎「正確には今日の夕方までだな。 今日は一年生からレギュラーを 選抜する日だから俺は一応暇もらってるけどどうする?」 優希「んー……それならちょっと行きたいところがあるじぇ」 京太郎「じゃあ一緒に行くか」 優希「うん!」 ――…… 京太郎「へぇ、滝か……こんな場所があったんだな」 優希「去年は咲ちゃん、のどちゃんと一緒に来てまたこの合宿所に来ることを誓ったんだじょ!」 京太郎「なんだ、去年どこか行ってると思ったらそんな事してたのか」 優希「まあな! だから今年はゲン担ぎに京太郎を連れてきたのだ!」 京太郎「また、ここに来れるようにか……咲達が来たなら確かに御利益がありそうだ」 優希「そうだろう、そうだろう!」 京太郎「ここまでしてもらったんだ、もう二度とあの日みたいな無様な姿は見せられないな……」グッ 優希「京太郎?」 京太郎「情けない話なんだけど俺、去年の個人戦の事思い出すと未だに手が震えるんだよ。 あんな何も出来なかった対局、部活以外じゃ初めてだったからな」 優希「……」 京太郎「しかも今年は全国優勝校の看板だのなんだの背負ってるから余計に怖かった…… またあの日みたいな事になったら今度こそ俺は清澄の名に拭いきれない泥を塗っちまうって」 優希「京太郎……」 京太郎「だけど、そんな情けない考えはもうやめだ。 染谷部長と約束した、咲や和に教えてもらった、 お前に……優希に支えてもらったこの分、きっちり結果にして返してみせる」 優希「そっか……それなら待ってるじぇ、京太郎が私達に追いつくの!」 京太郎「ああ、絶対追いついてやるよ!」 優希「頑張ろうな、まずは県大会!」 京太郎「そして全国に、だな!」 優希「やるじぇー!」 京太郎「おー!」 ――1ヶ月後・県予選会場…… 京太郎「……」 京太郎(昨日の団体戦、清澄は去年のメンバーがそのまま残ってた龍門渕を下して 見事に二年連続の全国出場を決めた……これで、余計に負けられなくなったな) 優希「京太郎!」 京太郎「おう、優希」 優希「いよいよだな、個人戦」 京太郎「今日は東風戦だけだからお前は余裕で突破なんだろうな」 優希「もちろんだ! 今年は団体、個人、両方とも清澄で固めてやるじぇ!」 京太郎「そりゃすごい目標だな……」カタカタ 優希「……」 京太郎(くそっ、今になってまた震えてきやがった……! こんなんじゃまともに戦えないっつうのに!) ファサ…… 京太郎「えっ……これ、マント?」 優希「私のと色違いのやつだじぇ! それをあげるから勝ち進んでこい!」 京太郎「優希……」 京太郎(ああ、そうだ……俺は1人じゃないんだよな) 京太郎「ありがとな、優希」ナデナデ 優希「えへへ……あっ、そうだ!」 チュッ 京太郎「!?」 優希「勝利のおまじないだじょ。 頑張れ、京太郎!」 京太郎「……ああ!」 京太郎(ここまでされて負けるなんてありえねえよな!) 優希「ファイトだ、京太郎!」 京太郎「おう、行ってくる!」 清澄高校○×年度麻雀全国大会結果 女子団体戦……優勝、白糸台高校と同じく二連覇達成 女子個人戦……宮永咲1位、原村和4位、片岡優希8位 男子団体戦……人数不足のため出場せず 男子個人戦……須賀京太郎全国大会二回戦敗退 ――ただし敗退時の顔は決して暗いものではなかった事をここに追記しておくものとする カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/4640.html
タコスなんて、初めはそもそも知らなかった。 「京太郎!タコス食べに行くじょー!」 「あ?なんだよそれ」 「なんとタコスを知らんのか…?なんで生きてるの?」 「心底不思議そうに言われることかっ」 嫌いな味じゃなかったけどな。スパイスも効いてるし、合わせてあるレタスやトマトとのハーモニーが肉々しさをまろやかに仕立ててくれる。 そう言うと随分誇らしげに笑ってた気がする。別にお前の功績でも無いだろってのに。 「犬!タコス買ってこい!」 「誰が犬だ。買ってほしけりゃ金払えっての」 「うぐぐ…仕方ないじぇ。ほれ!」 「足りねーじゃん」 「半分食べていいから半額で頼んだっ」 「ったく…わかったよ」 買ってやれば笑顔だし、買えなけりゃそれはそれで「仕方ない」って笑顔だし。結局タコスが絡めば笑ってばっかだったしな。 半分にして渡して、ベンチで食べたこともあったか。 「それだとタコス力が半分にならねーの?」 「阿呆め、タコスは心の力!量じゃなくて質だ!いつどこで誰とどう食べるかが重要なんだじぇ」 「適当だなオイ」 結局作らされる羽目になったけど。 スパイスも買ってきたタコスシーニング。適当にひき肉を炒めてレタスとトマトを切って、市販のトルティーヤで巻いて。 正直肉もギトギトだし、作って時間が経ってレタスも変色するわトルティーヤが水でふやけるわ、ロクなもんじゃなかったけれど。 「ん…」 「…わり。俺だとそんなもんしか出来ないし、学食で買おうぜ。捨てていいからさ」 勝手に全部食べやがって。 「んぐ、んぐ…ごちそうさま」 「おいおい、別に無理しなくていいんだぞ?」 相変わらず、タコスが絡むと笑顔のままでさ。 「京太郎、美味しかった!」 「わたしはこの味が、大好きだじぇ!」 この味が、好きだとお前が言ったから。 去年の今日は、タコス記念日…なんてな。
https://w.atwiki.jp/iuioi/pages/31.html
明後日からハワイへキミエとお泊まりに向かって来ま~す。 四回目だがまだいったコトない所もいっぱいあるので 滅茶苦茶たのしみ(^ω^)わ~い そいや1週間ほど前誕生日だったのでキミエからは マークジェイコブス(Marc Jacobs)のボレロとアンスリウムを貰ったんだが何でだろ? 花言葉とかに意味がありますのかなぁ。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1369.html
『「餡子ンペ09」似非』 「ゆ~ん、ゆっくりしたあかちゃんだよぉ~」 れいむは額から生えている茎に実った赤ゆっくりを眺めつつ嬉しそうに呟いた。 「はやくあかちゃんとゆっくりしたいよ。あかちゃん!ゆっくりしないではやくうまれてね」 そう言ったのは番のまりさだ。 「そんなにあわてないでね。あかちゃんはもうすぐうまれてくるよ」 れいむの言う通り赤ゆっくりはもう生まれてもいい状態だ。今日明日にも生まれてくるだろう。 「あかちゃんがうまれたら……まりさはいっぱいあそびたいよ!あかちゃんとおいかけっこしたり……」 「れいむはね!れいむはね!いっぱいおはなししたいよ。おうたもいっしょにうたいたいよ!」 「あと…」 「あとはね…」 「「いっぱいすりすりしたいよ!!」」 2匹は幸せの絶頂にあった。結局今日は生まれなかった。2匹は少し残念そうな顔をして眠りについた。 「あかちゃん…もうすぐあえるね…」 「おとうさんだよ…まりさが…おとうさん…」 2匹の寝顔は幸せそうだった。 そして次の日、まりさが目覚めると3匹の赤ゆっくりが生まれていた。 「れいむ!れいむぅ!!おきてよ!!うまれたよ!!あかちゃんがうまれたよぉ!!」 まりさの声でれいむが目覚めた。2匹の目の前には赤れいむが2匹、赤まりさが1匹。れいむとまりさは嬉しそうに同時にこの言葉を発した。 「「あかちゃん!!ゆっくりしていってね!!」」 この言葉からゆっくりのゆん生が始まるのだ。赤ちゃんはどんな声をしているんだろう?ちゃんと挨拶言えるかな? れいむとまりさはわくわくしながら返事を待った。 「「「…………」」」 だが3匹の赤ゆっくりは何も喋ってくれなかった。 「ゆ?ゆゆ……?ど…どうしたの?ゆっくりしていってね!!」 「あかちゃん?おおきなこえでいってね!!ゆっくりしていってね!!」 れいむとまりさはもう1度挨拶した。 「「「…………」」」 3匹は何も答えてくれなかった。 「どぼじでぇぇぇ!!!??あかぢゃん!!!ゆっくりじでいっでね!!!」 「れいむとまりざのあかぢゃんなのにぃぃぃぃ!!!!ゆっぐりじでいっでね!!!!ゆっくりしていってね!!!!」 2匹は半狂乱になりながら繰り返し挨拶し続けた。それでも3匹は黙ったままだ。 「ゆがあぁぁぁ!!!!どぼじでなにもしゃべっでぐれないのぉぉぉ!!!??」 「あがぢゃんどうじだのぉぉ!!!??ゆっぐりでぎないの!!?どうじぢゃっだのぉぉぉ!!!!?」 挨拶を返してくれないことをゆっくりはとても嫌う。それが我が子であればなおさらだ。 「ゆぐっ…も…もじがじだらぁ……いやぁぁぁ!!!ぞんなのやだぁぁぁぁ!!!!」 れいむは3匹が永遠にゆっくりしてしまったのではないかと泣き崩れてしまった。 「れ…れいぶぅ!!そんなごど…そんなこどないよ!!!だって!!!だってあかちゃんものすごくゆっくりしたおかおだよぉぉ!!!!」 まりさの言う通り3匹の表情はとてもゆっくりしていた。真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。 これが永遠にゆっくりしてしまったゆっくりの顔のはずが無い。今存分にゆっくりしている顔だ。 「じゃ…じゃあ…どぼじでなにも…しゃべっでぐれないのぉ………」 「そ…それは…あ…あかちゃんだからだよ!!あかちゃんだからまだしゃべってくれないんだよ!!」 まりさは必死にれいむを慰めた。 「そ…そうだよね!!まだあかちゃんだもんね!!れいむ…びっくりしちゃったよ!!」 れいむの表情がコロッと変わった。いつの間にかれいむの額から生えていた茎が折れていた。 「ゆ!!そうだよ!!あかちゃんおなかがすいてたんだね!!いまあげるからね」 植物型妊娠で生まれた赤ゆっくりが食べる最初のご飯はこの茎だ。甘くてまろやかでとても美味しいのだ。ママの味といったところか。 「さぁあかちゃん!!いっぱいたべてね!!」 「とってもおいしいよ!!ゆっくりたべてね!!」 れいむとまりさは茎を食べやすい大きさに切り3匹の赤ゆっくりの前に並べた。 シュッ 「ゆ?なんのおと?…ゆぅ……あれ?」 「なに?どうしたの?……ゆぅぅ…なんだか…ねむくなってきた…よ…」 「ゆぅぅぅ……ゆぅ……」 「ゆぴぃ……ゆぴぃ…」 突然何かスプレーのような音がした。れいむとまりさは眠ってしまった。 「ゆ!!あれ?れいむ…ねちゃったんだ」 「ゆっくりおきるよ……ゆ!れいむ!!あかちゃんがごはんたべたよ!!」 れいむとまりさが目覚めると赤ゆっくりの前にあった茎が無くなっていた。 「ゆ~ん。あかちゃんがとってもゆっくりしたおかおだよぉ」 「すりすりしようね」 真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。赤ゆっくりの表情は実にゆっくりとしていた。 れいむとまりさは3匹のところへ行き親愛の印である頬擦りをした。 「す~りす~り。ゆゆ~ん。あかちゃんとってもやわらかくてゆっくりしてるね」 「あかちゃんとすりすりするととってもゆっくりできるよ」 気付けば辺りは薄暗い。れいむとまりさは赤ゆっくりにすりすりしながら再び眠りについた。 (おちょうしゃんといっぴゃいおいかけっこすりゅんだじぇ!) (おきゃあしゃんといっぴゃいおうちゃうちゃいちゃいよ!) (おきゃあしゃんといっぴゃいおはなちちたいよ!) (いっぴゃいしゅりしゅりしちゃいよ!! ) (ゆ?にゃんだかあっちゃかいよ) (にゃんだきゃおしょらをういちぇるみちゃい) (ゆ?あんよしゃん?) 3匹の赤ゆっくりが眠っていた。1匹の赤まりさがふるふると震えそして目をパッチリと開けた。 「ゆっくちうまれちゃよ!!まりちゃはまりちゃだよ!!」 その声に連鎖するように残りの2匹の赤れいむもふるふると震え目をパッチリと開けた。 「りぇいむはりぇいむだよ!!ゆっくちうみゃれちゃよ!!」 「れいみゅはれいみゅだよ!!ゆっくちちていっちぇね!!」 3匹はキョロキョロと辺りを見回した。まず目に入ったのは自分の姉妹。3匹はすぐ仲良くなった。 「まりちゃがしゃきにうまれちゃんだじぇ!だきゃらまりちゃがおにぇえちゃんだじぇ!」 「りぇいむはりぇいむだよ!ゆっくちよろちくにぇ!」 「おきゃあしゃんは?ゆぅ…おきゃあしゃんにあいちゃいにぇ!」 3匹は部屋中を見回した。すると少し先に大きなゆっくりが2匹。リボンを付けたゆっくりと帽子を被ったゆっくりだ。 「ゆぅ!!あしょこにいりゅよ!!」 「おきゃあしゃぁん!!おちょうしゃぁん!!」 「まりちゃがいちばんのりなんだじぇ!!」 3匹は一目散に駆けた。一番乗りは元々体力がある赤まりさだ。 「ゆ~んおきゃあしゃん!!おちょうしゃん!!ゆっくちちていっちぇね!!」 遅れて2匹の赤れいむもやってきた。 「りぇいむはりぇいむだよ!!おきゃあしゃん!!おちょうしゃん!!ゆっくちちていってにぇ!!」 「れいみゅはれいみゅだよ!!ゆっくりちていっちぇね!!」 ちょっとだけ間があいた後に大きな2匹のゆっくりが声を出した。 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「ゆぅぅ!!ゆっくちちていっちぇにぇ!!」」」 赤ゆっくり達は生まれて初めての挨拶に喜び2匹の大きなゆっくりに飛び付いた。 「ゆ~ん。おきゃあしゃんやわりゃきゃくちぇきもちいいにぇ!」 「しゅ~りしゅ~り」 「ゆ~ん。ゆ、にゃんだきゃおにゃかしゅいてきちゃったよ!」 ポトッ 「ゆ?にゃに?」 何かが落ちる音がした。3匹は後ろを向いた。 「ゆぅぅ!!ごはんしゃん!!」 「おいちしょうだよ!」 「しゃっしょくたべりゅんだじぇ!!」 3本の緑色の茎が並べられていた。3匹は茎に齧り付いた。 「むーちゃむーちゃ。ゆぅ~ちあわちぇぇぇ!!」 「あみゃくちぇおいちいよ!しあわしぇぇ!!」 「むーちゃむーちゃ。へぶんじょうちゃい!!!」 生まれて初めての食事に舌鼓を打った。満腹になると目付きがトロンとなった。 「ゆぅ~。にゃんだきゃねみゅくなっちぇきちゃよ…」 「おにゃかいっぴゃいなんだじぇ……」 「ゆっくちおやちゅみすりゅよ……」 3匹はそのまま眠りに付いた。 *** 「どうだ?」 「完全に騙されちゃってますよ。疑おうともしない」 「やっぱ餡子脳だもんなぁ」 「実験は成功ってとこか」 「もう少し様子見ましょう。明日辺りにはもう何かしら気付きますよ」 「明日は手出しするのはやめとくか」 「それがいいですね」 *** そして次の日になった。 「ゆぅぅぅぅ!!!!どうじであいさつしてぐれないのぉぉ!!!?」 「どぼじでごはんたべないのぉぉぉ!!!!?」 れいむとまりさは泣き出していた。いくら挨拶しても赤ゆっくりが応えてくれない。ご飯を置いても食べようともしないのだ。 「あ…あがぢゃん!!ごはんだよ!!ごはんたべようね!!」 れいむは口移しでご飯を食べさせようとしたが赤ゆっくりは口を開けようとはしなかった。 「たべでよぉぉ!!!おいじいよ!!ごはんたべないどゆっぐりでぎないよぉぉ!!」 ご飯は赤ゆっくりの口の中に入ることなく床に落っこちた。 「どぼじでぇぇ!!!?きのうはたべでぐれだのにぃぃ!!!」 「あがぢゃん!!もじがじでゆっぐりでぎないの!!?ゆっぐりでぎないならそういっでぇぇ!!!」 だが赤ゆっくりの表情はゆっくりとしていた。真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。 どう見たってとってもゆっくりした表情だ。 「ぞ…そうだ!!おうただね!!おかあさんのおうたがききたいんだね!!!うたうよ!!うたうからゆっくりしてね!!」 れいむはお得意のお歌(笑)を歌い始めた。 「ゆ~。ゆっくりのひ~♪まったりのひ~♪」 音程バラバラで何処がどう上手いのか良く分からないがゆっくり視点では上手い部類らしい。 「ど…どう?ゆっくりできたでしょ!!あかちゃん!!ゆっくりしていってね!!!」 「「「…………」」」 反応は無い。 「ゆがああぁぁ!!!どぼじでなにもしゃべっでぐれないのぉぉ!!!?」 半狂乱になるれいむ。今度はまりさが何か閃いた。 「わかったよ!!あかちゃんはからだをうごかしたいんだよね!!……ゆ~ん!!ここまでおいでぇ!!!」 まりさは数歩駆けた。赤ちゃんはきっとおいかけっこがしたいんだよ。赤ちゃん早くここまできてね!! 「「「…………」」」 反応は無い。うんともすんとも言わない。微動だにしない。不気味な静けさが走った。 「ゆがぁぁぁぁ!!!!!どうじではじっでごないのぉぉぉ!!!!?」 まりさも半狂乱となった。そんな2匹にお構いなく赤ゆっくりの表情はゆっくりとしていた。 真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。さっきから何も変わらないとてもゆっくりした表情だ。 「これじゃいっじょにゆっぐりでぎないよぉぉ!!!おはなじじだいぃ!!いっじょにおうだうだいだがっだのにぃぃ!!!」 「わがらないよぉぉ!!!どうなっでるのぉぉぉ!!!?うごいでよぉぉ!!!」 2匹はゆっくりできていなかった。でも3匹の赤ゆっくりはゆっくりしていた。赤ゆっくりの表情はゆっくりとしていた。 真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。6つの瞳は真っ直ぐに2匹の方向を向いていた。 「ゆぎぎぎぃぃ!!!どぼじであがぢゃんはゆっぐりじでるのぉぉ!!!?」 「どぼじでゆっぐりじでるのぉぉ!!?でいぶだちはゆっぐりでぎないのにぃぃ!!!」 自分達がゆっくり出来てないのに赤ちゃん達はゆっくりしている。それがまず2匹にとって不思議だった。 元はといえば赤ちゃん達がご飯を食べない、喋ってくれない、動いてくれないから自分達が困っているというのに。 「ゆがぁぁぁ!!!!ゆっぐりじでるんだっだらしゃべっでね!!!ゆっぐりじでいっでね!!!」 「そうだよ!!!ゆっぐりじでるんだったらちゃんどあいさつじようね!!!」 「「「…………」」」 やっぱり返事は無い。でも表情はそのまま。真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。もう何回目だ? 「ゆがぁぁぁぁぁ!!!どうじでぞんなにゆっぐりじでるのぉぉぉぉ!!!!!!??」 「もうおごったよ!!!!おとうさんがおしおぎずるよ!!!!」 相手が子であっても自分だけがゆっくり出来ないのは我慢できないようだ。まりさは赤ゆっくりに突進した。 「ま…まりざぁ!!だべぇぇ!!!!そんなごどじだらゆっくりでぎなぐなっぢゃうぅぅ!!!!」 れいむはまりさを止めようとしたがまりさは止まらず赤ゆっくりを突き飛ばした。 「ゆふぅ……ゆふぅ…いまならあやま……ゆ!!ゆぅぅぅぅ!!!!!」 まりさは呻いた。弾き飛ばされた3匹は少し先でバラバラに着地したが3匹ともゆっくりとした表情のままなのだ。 「まりざぁぁ!!!あがぢゃんがゆっぐりでぎ…」 「ゆがあぁぁぁぁぁぁぁ!!!どぼじでゆっぐりじでるんだぁぁぁ!!!!?」 まりさは赤れいむの所へ走った。そのまま突き飛ばしたが赤れいむは壁にぶつかりながらも表情はゆっくりとしたままだった。 「ゆぎぃぃぃ!!!!ゆっぐりでぎないげすはせいっさいだよ!!!!」 まりさは一心不乱に赤れいむを踏み潰した。 「いだいでじょ!!!いだいでじょ!!!あやまっでね!!!あやまっだらゆるじであげるよ!!!」 「…………」 「ゆぎゃああぁぁ!!!でいぶのあがぢゃんがぁぁぁ!!まりざぁぁぁ!!!いいかげんにじでね!!!」 「ゆぎぇっ!!!!」 れいむは潰される我が子に悲鳴を上げまりさに突進した。まりさは吹っ飛ばされた。 「まりざぁぁぁ!!!なにやっでるのぉぉぉ!!!!あがぢゃんがじんじゃうでじょぉぉぉ!!!」 「ゆぎっ!!で…でぼ……ゆ!!!ゆがああぁぁぁ!!!まだあんなかおじでるぅぅぅ!!!!」 あんなに痛めつけたはずなのに赤れいむの表情は全く変わらない。少しぺちゃんこになってるが表情はゆっくりしたままだ。 「どうなっでるのぉぉぉ!!!?どぼじでゆっぐりじでるのぉぉぉ!!!!?」 「ま…まりさ?」 まりさの慌て様にれいむが焦った。 「そのごおがじい!!!!どぼじでへいぎなのぉ!!!?ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!!!」 「ゆ…ゆぅ?」 れいむは赤れいむを見た。普通あんなに痛めつけられたなら泣いたり苦痛に顔を歪ませているはずなのにゆっくりとした表情なのだ。 「な…なんで?ど…どうなっでるの?」 れいむも慌てだした。おかしい!!この子達はおかしすぎる!! 「こんなゆっぐりじでないゆっくりはまりざのおちびぢゃんじゃないよ!!!」 まりさはターゲットを赤まりさに変えた。赤まりさを突き飛ばし何度も何度も踏み潰した。 「ゆ………ゆ……」 れいむはその異様な光景に固まっていたが何度も踏み潰されている赤まりさの表情が全く変わらず微笑んだままなのに戦慄を覚えた。 「ゆぅぅぅ!!ごわいよぉぉ!!!!どぼじでわらっだままなのぉぉぉ!!!?」 「でいぶもやるんだよ!!!!あがぢゃんは……ごいづらが!!こいづらがどこかにかくじだんだよぉぉぉ!!!」 れいむも赤ゆっくりを攻撃し始めた。とにかく不気味でしょうがない。もう赤ちゃんがどうのとか関係無くなった。 「このっ!!!ごのっ!!!ごのぉぉぉ!!!」 「ゆっ!!ぐり!!でぎない!!げすは!!せいっさい!!だよ!!!この!!このぉ!!!」 れいむとまりさは何度も何度も3匹の赤ゆっくりを踏み潰した。 「じねぇ!!!ゆっぐりでぎないげすはゆっぐりじないでじねぇぇぇ!!!!」 「あがぢゃんのかだぎだぁぁ!!!じねぇぇぇ!!!」 何度も何度も突き飛ばした。 「ゆふぅ…ゆふぅ……」 「これで………かたぎは…とっだよ……」 自分達が知りうる攻撃は全て喰らわせた。流石にもう死んだだろう。2匹はそう思っていた。 「ゆぅぅぅ!!!!まだゆっぐりじでるぅぅぅ!!!!」 「どぼじでじなないのぉぉ!!?なんでわらっでるのぉぉぉ!!!?」 3匹はまだ表情を変えていなかった。何度も踏み潰されたせいで若干潰れておりボロボロだがそれでもまだゆっくりとした表情だ。 そして3匹の6つの瞳は真っ直ぐに2匹の方向を向いていた。 「ごっぢみるなぁぁぁ!!!ゆっぐりでぎないぃぃぃ!!!!」 「ごわいよぉぉぉぉ!!!!ごっぢみないでぇぇぇぇ!!!!」 れいむとまりさは3匹にじっと見つめられていた。濁りの無い真っ黒でつぶらな瞳が6つこちらをじっと見ているのだ。 「ごっぢみるなぁぁぁぁぁ!!!!!あっぢいげぇぇぇ!!!!」 まりさが1匹づつ遠くに弾き飛ばした。2匹は明後日の方向を向いたが1匹だけまだこちらを微笑みながら見つめていた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!!こ…ごわいよぉぉ!!!!ぼういやだぁぁぁ!!!!」 れいむはあまりの恐ろしさに成体ゆっくりにもかかわらずしーしーを漏らしていた。 「ごっぢみるなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!!」 まりさは怒り狂ってこちらを見つめていた赤ゆっくりをさらに痛めつけた。何度も踏み潰し髪の毛を咥えて遠くに投げ飛ばしたりした。 「ゆっぐりずるなぁぁぁぁ!!!!さっざとじねぇぇぇぇ!!!」 漸くその1匹も違う方向を向いてくれた。これでれいむとまりさを見つめる赤ゆっくりはいなくなった。 「ばりざぁぁぁ!!!ごわいよぉぉぉ!!!!でいぶをひどりにじないでぇぇぇ!!!」 れいむはまりさにしがみ付いた。 「でいぶぅぅぅ……まりざだって…こわがっだよぉ……」 2匹は隅っこで固まって宥め合っていた。結局その場所から一切動かずその日はそこで眠りについた。 多分ほとんどの読者の方はお気づきであろう。勿論3匹の赤ゆっくりはゆっくりではない。その正体は…ぬいぐるみである。 新製品開発計画でゆっくりのぬいぐるみを試作したのだ。様々な用途が期待されている。まずは純粋に人間の玩具として。 飼いゆっくりの玩具として。この他に野良ゆっくり避けに利用できる可能性がある。今回は野良ゆっくり避けに利用できるか調べているのだ。 まずぬいぐるみを本物のゆっくりと勘違いしてくれなければならない。そのためまずぬいぐるみの弾力や肌触りをゆっくりに近づけた。 さらに飾りは本物のゆっくりから採取したものだ。ゆっくりは飾りで個体を認識するという。ゆっくりが飾りを大事にするのはそこにある。 え?飾りを取られたゆっくりはどうなったのかって?さぁね。食料にされたか捨てられたか潰されたかのかもね。どうでもいいことだ。 一方れいむとまりさはペットショップから調達したものだ。少し前の銀バッジ試験に受からなかった落ちこぼれだ。 植物型妊娠させてから加工所内部の1室であるこの部屋に運ばれたのだ。透明な箱の中に入れられ観察されている。 赤ゆっくりは茎から落ちる直前にそっと加工所職員がハサミで切り落とし親ゆっくりとは別の箱の中に入れられている。 れいむとまりさが入っている箱には本物の赤ゆっくりの代わりに赤ゆっくりのぬいぐるみを3つ置いておいた。 ちなみに3匹の赤ゆっくりが入っている箱には成体ゆっくりのぬいぐるみが2つ置いてある。 実験では人間の姿は見せないようにしている。人間を見れば親がどうの子がどうのとゆっくりが五月蝿くなりそうだからだ。 では3匹の赤ゆっくりがいる箱の様子を覗いてみよう。 「おきゃあしゃぁぁん!!へんじちでよぉぉぉ!!!ゆっきゅりちていっちぇね!!ゆっきゅりちちぇいってにぇ!!」 「どびょじでへんじちちぇくれにゃいにょぉぉ!!!?りぇいみゅのこちょがきりゃいなにょぉぉ!!?」 「ゆっくちできにゃいよぉぉぉ!!!まりちゃにあいちゃちゅちてよぉぉぉ!!!」 生まれた次の日、こちらも早速問題が発生していた。親が返事してくれないのだ。 「もちかちてちんじゃっだのぉぉぉ!!!?やぢゃぁぁぁぁ!!!ゆぇぇぇぇん!!!」 「まぢゃおはなちちてにゃいよぉぉ!!おうちゃだっちぇまだなにょにぃぃぃ!!」 「まりちゃをひちょりにしにゃいでよぉぉぉ!!!ゆわぁぁぁぁん!!!!」 この様子を観察していた加工所職員は顔を見合わせた。今日は一切の介入はしないつもりなのだ。実はぬいぐるみには仕掛けがある。 内部にレコーダーが入っておりリモコン操作で音声が出るようになっているのだ。昨日は生まれたばかりだったので何回か返事をさせた。 だがこのままでは親を死んだと思い込んでしまい後の実験に支障をきたしそうだ。 「「ゆっくりしていってね!」」 仕方が無いので今だけリモコンを押した。とりあえずこれで親は死んでいないと分かってくれるだろう。 「ゆぅぅぅぅ!!!おきゃぁしゃぁん!!おちょうしゃぁん!!」 「ゆっくちしちぇいってにぇ!!ゆっくちしちぇいってにぇ!!」 「ゆぎゅっ……よきゃっちゃよぉ…こりぇでゆっくちできりゅよ!!」 赤ゆっくり達がぬいぐるみと頬擦りしている隙に箱の中に餌を入れた。この後は何が起きようとも絶対に介入しない。 「おきゃぁしゃん!!りぇいみゅはおうちゃがうたいちゃいよ!!」 「おちょうしゃん!!まりちゃはおちょうしゃんとおいかきぇっこしちゃいよ!!」 「れいみゅはね!れいみゅはね!おはなちがちたいよ!」 朝食後赤ゆっくり達は親ゆっくりと遊びたいとせがんだ。 「「…………」」 しかし返事は無い。そりゃそうだ。ぬいぐるみだもん。 「ゆ?ゆ?」 「おちょうしゃん!!おちょうしゃぁん!!」 「れいみゅはね……ゆ~おきゃあしゃんがだいちゅきだよ!!おきゃあしゃ……おきゃあしゃん?」 「「…………」」 何度問いかけても返事をしてくれない。 「おうちゃ!!おうちゃぁ!!うちゃってよぉぉ!!!れいみゅとうちゃおうよぉぉぉ!!」 「どびょじでこっちきちぇくりぇないにょぉぉ!!!?おいかきぇっこちようよぉぉぉ!!うぎょいちぇよぉぉ!!」 「にゃにかいっちぇよぉぉぉ!!!おはなちちちぇね!!れいみゅのこちょがきりゃいなのぉぉ!!?」 「「…………」」 返事は無い。微動だにしない。次第に赤ゆっくり達は泣き喚き出した。 「どびょじでうぢゃっでぐりぇないのぉぉぉ!!!!!?うぢゃいぢゃいぃぃ!!!おきゃあじゃんとうぢゃいぢゃいのにぃぃぃ!!」 「おぢょうじゃぁぁん!!!!はちりょうよぉぉ!!!うごいぢぇね!!うごいぢぇぇぇ!!!」 「ゆぇぇぇぇん!!!おはなぢちちゃいぃぃ!!!れいみゅのこちょきりゃいになりゃないでよぉぉぉ!!!!」 「「…………」」 「「「ゆぇぇぇぇぇぇん!!!!むちちないでぇぇぇぇ!!!!」」」 3匹は必死に親を呼びかけた。顔をうずめて押し出そうともした。 「ゆっくちちていっちぇね!!ゆっくちしちぇいってにぇ!!」 「「…………」」 「ゆわぁぁぁぁあん!!!どびょじでむちちゅるのぉぉぉ!!!!ゆっくちでぎにゃいぃぃぃ!!!」 「おちょうしゃん!!まりちゃにいじわりゅちないでにぇ!!ゆぅぅぅぅぅ!!!!ゆぅぅぅぅ!!!うぎょいちぇね!!」 「…………」 「ゆぅぅぅぅぅ!!!!!うぎょいてよぉぉぉ!!!!はちってよぉぉぉ!!!まりぢゃど…あしょんでよぉぉぉ!!!」 「おはなじじでよぉぉぉ!!!なんでみょいいきゃらおはなちじようよぉぉぉ!!!」 「「…………」」 「ゆわぁぁぁぁん!!!ひぢょいよぉぉぉ!!!」 そのうち3匹は親から離れ3匹で遊び始めた。自分達が嫌われていると思ったのだ。 「ゆ……っきゅ……ゆぅぅ……」 「おきゃあしゃぁぁん……ゅぇぇ……ゅ…ゅ…」 「ゅ……ゅ……」 「「「ゆわぁぁぁぁぁぁん!!!!」」」 一番親に甘えたい時期だ。なのに親は全く相手にしてくれない。3匹で遊んでいてもやっぱり頭の中は親との楽しい一時を思い浮かべていた。 「おきゃぁしゃぁぁん!!」 時々赤ゆっくりが大きなぬいぐるみのもとへ走った。もしかしたら今から遊んでくれるかもしれないと淡い期待を抱いて。 「「…………」」 何度も何度も赤ゆっくりはやってきた。まだ微かに期待を抱いているのだ。だがその期待は悉く潰された。 「むぢぢないぢぇぇぇぇ!!!」 「ゆっくちぢようよぉぉぉ!!ゆっぐちぃぃぃぃ!!」 「ぎりゃいになりゃないでぇぇぇ!!いっじょにゆっぐぢぢようよぉぉぉ!!」 *** 「全く疑ってませんよ」 「ほとんど結果は出たな。まだ期間が余ってるけどここで終わりにしちゃうか?」 「もう1日だけ見てみましょうよ。まだ2日じゃないですか。それに少し面白いこと考えちゃいましたよ」 「何だ何だ?」 「実はですね……」 *** 「ゆ……ゆぅ……ゆ!!!いないよ!!!よ…よがっだぁ…」 「ま…まりさ?どうしたの?」 「みてよ!!れいむ!!!あのゆっくりできないこたちがいなくなったよ!!!」 「ほんとだ!!!よがっだよぉ…これで…ゆっくりできるね!!」 次の日れいむとまりさが目を覚ますと昨日散々痛めつけてもゆっくりしていたあの赤ゆっくり達が消えていた。 「れいむぅ……」 「まり……ゆぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 れいむはまりさを見て悲鳴を上げた。 「れ…れいむ?」 「どぼじでそごにいるのぉぉぉぉ!!!!ごわいよぉぉぉぉ!!!!」 「ど…どうしたの?ゆ…?ゆ…?」 「のっでる!!!まりざのおぼうじざんのうえにのっでるよぉぉ!!!!」 「ゆぎぃ!!!!うぞでじょぉぉぉ!!!!」 まりさの帽子の上に赤ゆっくりのぬいぐるみが2つ乗っかっていた。しかも新品のぬいぐるみだ。 「ゆぎぃぃぃぃ!!!!はなれでぇぇぇぇ!!!!はなれでよぉぉぉ!!!」 まりさは一心不乱に帽子を揺らした。だが離れる気配は無い。それもそのはずだ。糊でくっ付けているのだ。 「でいぶぅぅ!!!どっでぇぇぇ!!!ごれどっでよぉぉぉ!!!」 堪らずれいむに助けを乞うた。だがれいむは怖くて中々近づけなかった。 「みずでないでぇぇぇぇ!!!ごわいぃ!!どっでよぉぉぉ!!でいぶぅぅ!!!でいぶぅぅ!!!」 「ゆ…ゆ……ゆ…」 れいむは怖がりながらも1歩ずつ近付いた。 「ゆわぁぁぁぁ!!!はやぐぎでぇぇぇ!!はや……ゆ…ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 突然まりさが悲鳴を上げた。 「でいぶぅ!!!いる!!!いるよぉぉぉ!!!でいぶのおりぼんざんに…いるぅぅぅぅ!!!!」 れいむのリボンに赤ゆっくりのぬいぐるみが1つくっ付いていた。勿論糊付けしてある。 「う…うそでじょおぉぉ!!!!だっで!!だっできのうせいさいじだのにぃぃ!!!!」 れいむとまりさは何やら喚き散らしながら走り出した。そうすればぬいぐるみが離れてくれると思ったからだ。 「どれだぁ!!?とれだよね!!……ゆわぁぁぁ!!!どれでないよぉぉ!!!!」 「どぼじではなれでうれないのぉぉ!!!!あっぢいっでよぉぉ!!」 自分の事に精一杯で最早番のことを心配している余裕は無かった。 「おでがいだがらぼうじざんがらはなれでよぉぉぉ!!!」 「でいぶのおりぼんざん!!おりぼんざん!!ゆっぐりでぎなぐなるぅぅぅ!!!」 そのうち壁に頭をぶつけるようになった。こうすればぬいぐるみが離れてくれると思ったからだ。 「いだいぃぃ!!おでがいだがらあっぢにいっでね!!!ばりざのぼうじからはなれでよぉぉぉ!!!」 「おりぼんさんがらはなれでぇぇぇ!!!ぼういぢゃいのはやぢゃぁぁぁぁ!!!」 だがぬいぐるみは離れない。 「いやぁぁぁぁ!!!はなれでぇぇぇ!!!はなれ……ゆ…ゆあぁぁぁぁぁぁぁ………」 まりさが顔を真っ青にした。 「ゆあぁぁぁぁ!!!ごべんなざい!!ごべんなざい!!!」 まりさは急に謝り始めた。 「ど…どうじだの?…まりざ…まりざぁ…」 「ゆるじでぐだざいぃ!!ぎのうせいざいじですいばぜんでじだぁ!!!すいまぜんでじだぁぁぁぁ!!!!」 昨日まりさはこのぬいぐるみに何をしただろうか。蹴飛ばした。踏み潰した。投げ飛ばした。突き飛ばした。 その仕返しをされていると思ったのだ。だから今帽子の上にいる。まりさを踏み潰しているのだ。 「ごべんなざいぃ!!!ごべんなざいぃ!!ばりざがわるがっだでずぅぅ!!ゆるじでぐだざいぃぃ!!!ゆるじでぐだざいぃ!!!」 そのうちれいむもどういうことか理解したようだ。れいむもまりさと同じ事をこのぬいぐるみにしたのだ。 「ゆるじでぇぇぇ!!!でいぶをゆるじでよぉぉぉ!!!ごべんなざい!!ぎのういじわるじでごべんなざいぃぃぃぃ!!」 れいむとまりさはずっと謝り続けた。だがぬいぐるみはうんともすんとも言わない。微動だにしなかった。 「ゆぁぁぁぁ!!!」 まりさはついに帽子を脱ぎ捨てた。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!そ…ぞんながおじないでぇぇぇぇ!!!」 真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。そしてニッコリと微笑んだ口元。2つのぬいぐるみが帽子にちょこんとくっ付いていた。 2日前と全く同じ表情。何も変わっていない。微笑みながらまりさをじっと見つめていた。 「いやぁぁぁぁ!!!ゆるじでぇぇぇぇぇ!!ぼういやだぁぁぁ!!ごっぢみないでぇぇぇぇ!!!!」 まりさは帽子を遠くに投げ飛ばした。 「いやぁぁぁ!!ばりざぁぁ!!!!どっでぇぇぇ!!でいぶの!!でいぶのおりぼんざんもどっでよぉぉぉ!!!!」 れいむもリボンを外そうとした。が、自分ではリボンを外せない。 「ゆぎゃぁぁぁ!!!はやぐぅぅぅ!!!はやぐどっでぇぇぇぇ!!!」 まりさはれいむのリボンを取り外すと遠くに投げ飛ばした。 「ばりざぁ!!ばりざぁぁぁ…」 「でいぶぅぅ……」 2匹はぴったりとくっ付いてガクガク震えていた。 「ごわいよぉ……ごわいよぉぉ…ゆるじでぇ…」 「ゆぅぅぅ……ゆぅぅ……ぼう…いじわるじないでぇ…」 *** 「最高だったな!!こりゃ面白いわ」 「もう1日だけ延長しちゃいます?」 「これは実験だよ。個人的にやれよ」 「餓鬼の方はどうだった?」 「昨日と変わらずだよ。しくしく泣いて時々ぬいぐるみに近寄って…の繰り返し」 「じゃ、実験はここまでだな」 「予想以上でしたね。まさか本物と間違えてくれるなんてね」 「ここまで勘違いしてくれるなら駆除用じゃないぬいぐるみは少しゆっくりと差を付けた方がいいですね」 「飼いゆっくりが本物と間違えてしまうと色々問題が起きそうですね。で、具体的にどう差をつけるんですか?」 「例えば飾りの色を変えるとか…髪の毛の色を変えるとか…肌触りも変えたほうがいいですね」 「まりさの帽子が紫色だったり髪の毛が赤かったり…」 「そして"うふふ"って鳴くんですね。分かります」 「とりあえず実験は成功だ。報告書提出すれば終了だ」 「あの、奴らどうするんですか?」 「あぁ。ゆっくりか。そうだな…戻しておいてやれ」 「そうですね。実験に付き合ってくれたんですしやっぱり実の親子が一番ですよね」 「明日朝にでも一緒の箱に入れてやろう。それがいい」 ちゃっちゃと報告書を書き終え職員達は退社した。 「いっけね。忘れ物したわ」 1人の職員が忘れ物を取りに部屋に戻ってきた。 「ゆぅぅぅ……」 「あがぢゃぁん……ゆぅぅ……」 ゆっくり達の寝言が聞こえた。時刻はまだ夜8時にもなってないが辺りを暗くしたためかもう眠っているのだ。 彼はふと赤ゆっくり達が入っている箱の中を覗いた。 「ゆぅ………ゆぅ……」 「ゆ……ゆぅん……」 2匹は少し寂しそうな顔をして眠っていた。 「…ゆっく……おきゃ……しゃん…まっちぇぇ……ゆ…ぇぇ……」 1匹の赤れいむだけ涙を流しながら眠っていた。可哀相に、夢の中でも親のことを考えているようだ。 「……。少し可哀想だな」 少し気の毒に思った。彼は部屋の電気を消してからそっと赤れいむを掌に乗せた。非常口の蛍光灯だけが光っていた。 「ゆ?」 赤れいむが目を開けた。だが真っ暗で自分がどこにいるのか目の前に誰がいるのかさっぱり分からなかった。 「明日、お前達の本当のお母さんとお父さんに会わせてあげるよ」 優しい口調でそう囁くと赤れいむを元の場所に戻した。せめて良い夢くらいはみせてやろうと思ったのだ。 「ゆぅ?……おきゃあ…しゃん?………ゆぅ……ゆ……」 赤れいむはまどろんでいた。すぐに夢の世界に戻ってしまった。今のもどうせ夢の中のことなんだろう…。 *** 「ゆぅ……ゆっくち…おきりゅよ…」 次の日赤まりさが目覚めた。目の前には大きなゆっくりが2体。どうせ…今日も相手してくれないんだろうな。赤まりさはそう感じていた。 「ゆぅ……ごべん…な…ざい…」 「ゆるじでぇ……」 「ゆ!!!」 赤まりさは目を疑った。昨日一昨日と全く相手にしてくれなかった親が今日は何かを喋っているのだ。しかも動いている。 「りぇいみゅ!!りぇいみゅ!!おきりゅんだじぇ!!ゆっくちちないでおきりゅんだじぇ!!」 いつの間にか生まれたときのだぜ口調が戻っていた。赤まりさは大いに期待しているのだ。 「ど…どうちたの…」 「おにぇえちゃん…どうちたの?」 「ゆっくちちないでおみぇみぇをあけりゅんだじぇ!!おきゃあしゃんとおちょうしゃんがうぎょいてりゅんだじぇ!!」 「「ゆ!!」」 赤れいむ達はびっくりして目を覚ました。 「ゆぅ……ゆるじでぇ…」 「やべでぇぇ……ごないでぇ…」 れいむとまりさは悪夢にうなされているようだ。 「ゆ!!ほんちょうだよ!!」 「しょういえば!!ゆん!!れいみゅきにょうゆみぇをみちゃよ!!」 「ゆみぇ?」 「あちたになっちゃらほんちょうのおきゃあしゃんとおちょうしゃんにあわしぇてくりぇりゅって!!」 「ゆぉぉ!!じゃあありぇがまりちゃたちの!!」 「ほんちょうのおきゃあしゃんとおちょうしゃんなんだにぇ!!」 3匹は目をキラキラさせた。 「ゆぅ…なんのさわぎなの?」 「ゆわぁぁぁ!!……ゆ…ゆめ?」 3匹の声にれいむとまりさが目を覚ました。 「ゆ!!おみぇみぇがあいちゃよ!!」 「ゆゆゆぅ…」 「「「おきゃあしゃぁん!!!おちょうしゃぁん!!!ゆっくちちちぇいっちぇね!!!」」」 3匹は一斉にれいむとまりさの所へ駆けていった。 「ゆぅぅぅ!!!」 「ど…どぼじでぇぇぇ!!」 「「どぼじでうごいでるのぉぉ!!どぼじでごっぢぐるのぉぉ!!!!!」」 れいむとまりさにとっては悪夢再来といったところであった。しかも2匹は夢の中でもうなされていたのだ。 「ごっぢぐるなぁぁぁぁ!!!」 「でいぶはにげるよぉぉぉ!!!ごないでぇぇぇ!!!」 れいむとまりさは逃げ出した。 「ま…まっでよぉぉぉ!!!」 「ゆあ!!おいかきぇっきょだにぇ!!まりちゃがちゅかまえりゅんだじぇ!!」 「ゆぅ!!れいみゅもぎゃんばりゅよ!!」 3匹は追いかけっこだと勘違いしていた。 「まちゅんだじぇぇ!」 「おきゃあしゃんはりぇいみゅがちゅかまえりゅよ!」 「おちょうしゃんはれいみゅがちゅかみゃえるよ!」 3匹は笑顔だ。だがれいむとまりさにとってはその笑顔が何よりも恐ろしかった。そして赤ゆっくり特有の真っ黒でつぶらでキラキラした瞳。 れいむとまりさの脳裏にはあの微笑を湛えたぬいぐるみが浮かんでいた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!ゆるじで!!!ゆるじでよぉぉお!!!」 「あやばっだのにぃぃ!!!いっばいあやばっだでじょぉぉぉお!!!」 れいむとまりさは3匹を潰そうとはしなかった。潰そうとしても潰れない。そんな事をしたらお仕置きされる。そう考えていたからだ。 「ゆぅ~んちゅかりぇたんだじぇ…」 赤ゆっくりの体力はすぐに無くなる。3匹はもう疲れきっていた。 「おきゃあしゃん!れいみゅちゅかれちゃったよ!こっちきちぇよ!しゅりしゅりしようよ!」 「りぇいみゅもつかりぇちゃった!やっぴゃりおきゃあしゃんとおちょうしゃんはしゅごいにぇ!」 3匹は笑顔でそう言った。 「ゆぁぁぁぁ!!!ぐるなぁぁぁぁ!!!ごっぢぐるなぁぁぁぁ!!」 「いやぁぁぁぁ!!!すりずりなんがじだぐないぃぃぃ!!!」 れいむとまりさの拒否反応に3匹は戸惑った。 「ゆ…にゃ…にゃにいっちぇるんだじぇ?」 赤まりさが少し近付いた。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!ぐるなぁぁぁ!!!」 「でいぶはにげるよぉぉぉ!!ぼうゆるじでぇぇえ!!!!」 れいむとまりさは再びパニックになり逃げ惑った。 「ゆぅぅぅぅぅ!!!しゅりしゅりしちゃいよぉぉぉ!!!」 「どびょじでれいみゅからにぎぇりゅのぉぉぉ!!!?いっちょにゆっくちちようよぉぉぉ!!!」 「もうはちりぇにゃいんだじぇぇ!!とみゃってよぉぉ!!」 *** 「早速あのぬいぐるみ、駆除に使ってみたいだってさ。駆除部門から注文来たよ」 「駆除部門ってそろそろ大規模に駆除するんですよね。実践投入ですか」 「そういえばどうですか?あの家族」 「それがなぁ…聞いてくれよ。親が子供を避けてるんだぜ」 「え?もしかしてぬいぐるみの方に情が移ってるんですか?」 「ひでぇ話だよな。自分の子供を避けるなんて」 「どうするよ?」 「あぁ。俺にいい考えがあるよ」 *** 「ゆぎぃぃぃぃ……い…いぢゃいよぉ……」 「でいぶの…ゆっぐりじだ…あんよじゃんがぁ…」 れいむとまりさは足を焼かれた。逃げ出さないようにじっくりと真っ黒になるまで焼かれたのだ。もうこれで動くことは出来ない。 「ゆ!おきゃあしゃん!!」 その声にれいむとまりさは目を見開いた。 「ゆぅ!あんにゃときょろにいりゅよ!」 「きゅうにいにゃくなっちゃからびっくりしちゃったんだじぇ」 れいむとまりさの目の前には3匹の赤ゆっくりがいた。 「おきゃあしゃん!!いっぴゃいしゅりしゅりしようにぇ!」 「こんどはおちょうしゃんのおぼうちしゃんのにゃかをたんきぇんしゅるんだじぇ!」 「おきゃあしゃん!!いっちょにうちゃおうにぇ!」 3匹はゆっくりと近付いてきた。 「ゆあぁぁぁぁ!!ゆぎぃぃぃぃぃぃ!!!うごいでぇ!!うごいでぇぇぇぇ!!あんよざん!!」 「いやぁぁぁぁ!!どぼじでぇぇぇ!!!でいぶわるいごどじでないのにぃぃ!!!」 れいむとまりさはもう生きた心地がしなかった。 「ゆぅん!ちゅかまえた!しゅ~りしゅ~り」 まずは赤れいむ。れいむに寄り添いすりすりと思う存分頬擦りをした。 「ゆひぃぃぃぃぃぃ……」 れいむは身の毛が弥立つ思いだった。 「おちょうしゃんのおぼうちしゃんはまりちゃよりもおおきいんだじぇ!」 赤まりさはまりさの帽子の中へ入った。 「ゆぎぇぇぇぇ……ゆわぁ……ゆあぁぁぁぁぁ…」 頭の上を何かがもぞもぞと蠢いている感覚がした。 「おきゃあしゃん!!れいみゅといっちょにうちゃおうにぇ!!ゅ~♪ゅゅ~♪」 「ゆひぃ!!ゆひぃっ!!」 「ゆん?おきゃあしゃん!!おうちゃだよ!!おうちゃ!!」 「ゆ……ゆ……」 もうれいむとまりさは限界だった。2匹の中で何かがぶっつりと切れる音がした。 「ゆきぇきぇきぇきぇきぇきぇきぇきぇきぇきぇきぇ!!!!!!!!!」 「ゆきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!!!!!!!!!」 *** 「お?良かったな。喜んでるじゃん」 「本当の子供に会えて良かったですね」 次の瞬間れいむとまりさは大量の餡子を吐き出していた。 終わり あとがき:このテーマは結構難しかったですね。最初に思いついたネタはまんまキリライターさんの絵でしたし。 「どうじでつむりにうんでくれなかったの!」→「おちびちゃんがぐれちゃったぁ!」っていうやつ。 自分はそれプラス「どうじでつむりにうまれてくれなかったの!」→「むちゃいわないでぇ!」 「なんでおねえちゃんはつむりじゃないの!」「なんでいもうとはつむりじゃないの!」etc で群れはつむりを生むために交尾しまくり。つむりじゃない子供は追い出されるか挨拶する前に殺す。 そして群れは滅びましたとさ。こんな感じ。 あの絵がもしコンペに出されてたら間違いなく優勝ですよ。 by エルダーあき 挿絵:儚いあき
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1774.html
358 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 03 42 08 ID bWFjF.Ww 部長「最近退屈なのよね…」 エツァリ「ボクにそう言われましても」 部長「なんとなく新しい刺激がほしい、というか」 エツァリ「…気がきいて料理も麻雀もうまい人がいるじゃないですか」 部長「おいしい料理も食べ続けると飽きる、というか。贅沢な悩みなんだけどね」 エツァリ「じゃあ、どんな珍味がいいんですか」 部長「なんというか鉄板カップルを崩したい気分なのよね」 エツァリ「はぁ…随分と変わった趣味ですね」 部長「NTRって一番興奮しない?」 エツァリ「コメントは控えます。えーと、鉄板というとキャスターさんと田井中さんとかですか?」 部長「あの二人は仲いいし想像妊娠まで発展しているけど、お互い想い人がいるんでしょ?」 エツァリ(キャスターさんはともかく田井中さんにそんな人いたかなぁ…) 部長「ユフィちゃんと枢木くん、両義さんと黒桐くん、咲と和。みんな片方は御存命中なのよねぇ」 エツァリ「寝取った様子を教えるのが趣味なんですか?!」 部長「それも面白そうだけどね」 部長「あ、そうだ!ほらなんだっけ、あの子」 エツァリ「なんです?」 部長「ほら、やたらと電気飛ばす」 エツァリ「 彼 女 だ け は 駄 目 で す ! 」 部長「あら、なんで?条件に見合うようなカップルなんてそれくらいしか…」 エツァリ「上条当麻と彼女はそんな関係じゃありません!第一、彼女はまだ恋愛なんて早いですよ!中学生ですよ?!」 部長(ニヤニヤ) エツァリ「な、なんです?!」 部長「いや、いい暇つぶしになったわ。ありがとう」 エツァリ「い、いえ…」 終わる 359 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 10 10 36 ID eut2wEf2 死者スレ限定でのカップルも多いなw「どうしてこうなった」的な化学変化を起こしてるのもあるが。 360 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/06(火) 21 59 00 ID vQTJ6vr2 359 キャス律の事かーーー!! 361 :名無しさんなんだじぇ:2011/09/10(土) 07 33 57 ID n70WzKLk キャスター「私達の関係が化学変化だなんて言った人、ちょっとついてきなさい。りっちゃんの可愛さをよーくその目に焼き付けてやるわ」 律「ちょっ…えっ?何する気ですかっていうかどこにつれていくんですかああぁぁ」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1699.html
農業学生とゆっくり02 15KB 虐待-普通 制裁 差別・格差 同族殺し 共食い 駆除 飼いゆ 野良ゆ ゲス 希少種 現代 独自設定 ゆうかとめーりんと農業をしています。ゲスゆっくりが来ました。 注意 ・変な解釈や駄文を多く含みます。 ・勝手な設定があります。 ・前回の誤字脱字は申し訳ありませんでした。なんでも見直しているのですが見落としが多いみたいです。 ・人様のネタを使っている可能性があります。 ・賢いゆっくりは、漢字が含まれています。 ・虐待が含まれます。 ・ゆうかは俺の師匠 【農業学生とゆっくり 02】 俺は、大学生である。 現在、留年決定状態で、休学中である。 ゆうかとめーりんが来て1週間がたった。 畑には2回のゆっくりからの襲撃があった。 1回は捕食種類であるレミリアも来ていたが、めーりんのおかげで畑には被害が無い。 ゆっくりは気持ちでどうにでもなると言われたことがあるが、少し戦い方を教えるだけでここまで強くなるとは・・・ ゆっくりの被害がないため、「ゆっくりそう」がグングン育っている。 明日には収穫できそうだ。 「ゆっくりそう」とは、ゆっくりに農業を教えたりする人のために開発された。 基本さえできていれば、1週間以内に収穫できるという代物だ。 これさえあれば、食べ物がなくて苦しむ人がいなくなりそうだが、1つの種に1つしかできず、 土壌が安定した広大な土地がなければできない。そして、少し高価である。 また、のらゆっくりにはおいしく食べることができるが、人間には口にできるようなものではない。 「ゆっくりそう」を育てろと言われた時は、こいつは俺を馬鹿にしているのかと、思い途中で投げ出しそうになった。 しかし、「ゆっくりそう」の育ち方を見ていると頑張ってみようと思った。 別に食べるわけではないが、明日の収穫は楽しみだと思えるようになっていた。 いつものように、畑に来て、水を汲みに行った。 しかし、目を離したのがいけなかった。 ちょっと離れた所から、ゆうかといっしょに水をもって畑に戻る。 『水の場所がちょっと遠すぎですね。どうにかしないとだめですね』 「あんたは、体力なさすぎ」 『高校のときには運動していたんですけど、大学に入ってから、全然ですからね』 「鍛えておくように」 『はい、師匠』 そんなことを話しながら、畑の近くに来て見ると、何か騒々しいことになっていた。 持っている水を落として、走る。 『あれは、ゆっくりの集団。なんで、ほとんどなにもない畑に』 「あんたが育てた「ゆっくりそう」が目当てじゃないかしら」 いつのまにか頭の上にいるゆうかがいた。 農業を教えてくれる時の場所になっている。 少し重すぎるが、的確な指示のため乗ってもらっている。 決して、乗ってるのゆうかがかわいいと思ったからではない。たぶん 『まさかそんなこと! あんな不味いもの誰が』 「それは、人間の常識よ。野良にとったら、あれは命をかける価値がある。」 めーりんが20匹に囲まれていた。周りには5個くらいのりぼんやぼうしが落ちていた。 それだけは倒したけれど、疲れて囲まれてしまったのだろう。 「まりさたちのゆっくりプレイスにしんにゅうしたくずめーりんはえいえんにゆっくりするんだぜ!」 「くずめーりんはでてけ!!でていくまえにあまあまをおいていってね」 「どうぞくごろしのめーりんはゆっくりせいさいをうけてね」 もうすでに「おうちせんげん」が終わっていた様子であった。 「じゃおん・・・」 めーりんは、周囲のゆっくりたちからの攻撃を受けている。 泥で汚れ、怪我をしているところもあった。 完全に満身創痍であったが、めーりんの目は死んでいなかった。 久しぶりにトサカに来た。 ずっとシエスタをしていたが、めーりんに癒されることが多々あった。 時々働いて手伝ってくれた。 俺の育てているものを大切なものと認識してくれた。 そんなめーりんがゲスなゆっくりどもに囲まれて、リンチされていたのだ。 『ゲスども!!そんなに死にてえのか!!!』 いつのまにか叫んでいた。 「ゆゆ、にんげんさんとゆうかがかってにでいぶたちのゆっくりプレイスにはいってきたよ」 「ゆっくりできないにんげんさんはあまあまをおいて、さっさとちね」 どうしようもない殺意が少し緩んだ。 決して許そうと思ったわけではない、憐みの気持ちを感じたからである。 『師匠、なんでゲスはこんなにもどうしようもなくゲスなんでしょうか』 「いまさら何を言っているのよ。ゲスはゲスでしょう。サーチアンドデストロイに決まっているわ」 『はい、師匠』 そういって、ゲスゆっくりたちに突っ込んでいった。 『ひゃっはあああ!!』 「フフフ」 俺はものすごく大声で突っ込んでいった。 そのせいでゆうかの今の表情に気が付くことができなかった。 ゆうかは口では笑っていたが、目が鬼のようであり、異様な殺意を持っていた。 「にんげんさんがつっこんできたよ。」 「ふん、とんでひにはいるなつのゆっくりだぜ。つよいまりささまのちからをみせてやるぜ」 そして、そのまりさがジャンプして攻撃してきた。っといっても跳ねただけに見えたが・・・ それをそのまま手でつかみ、持っていた袋に入れた。 「ゆっくりはなすんだぜ」 『だまれ!!ゲス!!』 「まりさはげすじゃないんだぜ」 「むれのなかでいちばんつよいまりさがやられちゃったよ」 「にんげんさんにはかなわないんだぜ」 「じゃあ、ゆうかをさきにたおしちゃうよ」 ゆうかのほうを見ると、咥えていた傘に何かが刺さっていた。 良く見ると、 「あれは、でいぶだ!ちんでるよ」 「でいぶ!でいぶ!!ちんぢゃやなんだじぇ」 そのれいむの番であったのだろうまりさがれいむに近づいた。 「あら、そんなにこのれいむが大切なら一緒に刺してあげる」 そう言うと、その傘でまりさを刺した。 動いていたせいか、中央に刺さらずに即死はしていなかった。しかし、もって1,2分だろう。 「さいご をれい むといっ しょにゆっ くり できて よかt」 「そんな、涙頂戴は要らないのよ」 傘を引き抜き、まりさにタックルをした。 まりさは吹っ飛ばされてしまった。 「れい むともっと ゆっ くりしたか」 ぐしゃ。最後のセリフを言う前に物を言わない潰れた饅頭だけが2つ残った。 そうこうしている間に、20匹すべてを殺したり、捕えたりした。 めーりんのそばに行った。多少の傷があったが、中身が出たりはしていなかった。 さすが、皮が硬いだけある。 安心したのか、眠っている。ホントに心配したぜ。 捕まえたゆっくりを入れた袋を、畑の外に結んで投げた。 ゆっくりたちは喚いているが、気にせず、死んだゆっくりを回収した。 綺麗にしてからいつもの畑作業に取り掛かった。 作業を終えて、ゆっくりの入った袋を持って帰る。 家になぜかある、防音の部屋の囲いの中にゆっくりを入れた。 囲いは1m×1mくらいだあり、高さは通常種のゆっくりにはぎりぎり越えられないくらいである。 「おい、くそじじい ここからだすんだぜ」 「でいぶたちをそとにだしてくれたら、どれいにしてあげるよ」 「ゆっくりしてないくそじじいはゆっくりせずにちね」 「あまあまちょうだい。たくさんでいいんだぜ」 ゆっくりは、状況がわからないのか自分勝手なことを言っている。 大学生を1年留年したから周りよりもじじいなのはわかるが、断じてじじいではない。 まあ、老け顔ではあるが 『おまえら、ゲスに一言聞く。なぜここにいるかわかるか』 「でいぶたち、げすじゃないよ」 「おい、くそじじい ここからだすんだぜ」 「なにいってるんだぜ、にんげんさんたちがやさいをひとりじめにしているからせいさいなんだぜ」 「でいぶたちをそとにだしてくれたら、どれいにしてあげるよ」 「ゆっくりしてないくそじじいはゆっくりせずにちね」 「あまあまちょうだい。たくさんでいいんだぜ」 なんか答えたのが1匹いた気がするが、聞き取りにくかった。 『おまえら、さっきの質問に答えたら、このあまあまをくれてやる』 そういうと、見えるように黒い餡を出す。 当然ながら、さっき死んだゆっくりの死骸である。 他のあまあまを準備するなんてもったいなすぎる。 『とりあえず、お前が答えろ!』 「そんなことよりそのあまあまよこせ」 ぐしゃ 俺の右手は餡子まみれになっていた。 「ゆぎゃあああああん」 「よくもまでぃさをころしたな」 「ゆゆゆゆゆゆゆゆ」 『お前ら黙れ、答えなかったら即効殺す』 1匹のまりさが 「そんなことでまりささまがまけるはずがないよ」 「そうだよ」 「みんなでたたかえばまけないよ」 さっき、まとめて捕まえられたばかりなのだが、完全に忘れているのだろう。 嫌なことをすぐに忘れられるなんて少し憧れるな。 ぐしゃ! グシュ! がしゃ! 反抗したまりさと賛同した2匹をつぶした。 『反抗しても即効殺す』 ゆっくりたちは縮みこんでしまった。 『この中でリーダーは誰だ!!』 威圧的に叫んだ。 しかし、誰も前に出てこない。 『出てこないと、一人ずつ殺すことになるが、』 「りーだーはおまえなんだぜ」 「なにいってるの、あなたじゃないの?」 「もしかして、でいぶたちをうるきなの?」 「りーだーについてきてひどいめにあったんだぜ」 「むのうなりーだーはちんじゃえ」 あっという間に仲間割れになって、首謀者が分かった。 なんて、脆いグループなんだろうか。まるで政治家だな。 リーダーまりさを持ち上げて、乱暴に聞く。 『なぜ、ここに来ているかわかるか』 「なにいってるんだぜ、やさいさんをひとりじめにしているにんげんをせいさいするにきまってるんだぜ。 ばかなの、しぬの。あと、あまあまをもってきてね。たくさんでいいんだぜ」 『人間とゆっくりが一生懸命育てているのが解らないのか』 「なにいってるんだぜ、やさいさんはかってにはえてくるでしょ。 はえてくるところにかこいをつけてはたけさんにしているだけなんだぜ。じょうしきだぜ。 そんなこともわからないの。にんげんさんはばかなんだぜ」 『誰にそのことを聞いた』 「ぱちゅりーとかがはたけからとっちゃだめだといったけど、ばかなだけか、にんげんさんとてをくんでるだけだよ。 そんなむれはいやだっていってぬけたんだぜ。いったからあまあまちょうだいね」 抜けてきたのは嘘だな。あまりにも頭が悪くって群れから追い出されたな。 ゆっくりにしてはいい判断だ。この群れなら冬も越せそうだな。 『分かった。分かった。それじゃ、あまあまをあげよう』 そういって黒い餡を自分の後ろの水槽に入れて、リーダーまりさを中に入れた。 「むしゃむしゃ、やっとまりささまのいだいさにきがついてかくそじじい。かわりにどれいにしてやるぜ」 「りーだーひきょうだよ」 「でいぶにもちょうだい」 リーダーまりさはしやわせー、ほかのゆっくりは悔しそうな顔をしている。 俺は仲間ゆっくりのほうを向いた。 『それじゃあ、リーダー以外に聞いても分からないし、他の奴には苦しんで死んでもらおう。 よかったね、さっきと子と違って苦しんで死ねるよ、よかったね。ホントヨカッタ』 処刑宣言をしたのにあまあまに気が取られ、誰も気づいていない。 「でいぶにもあまあまちょうだいね」 「はやくよこすんだぜ、じじい」 「どれいはすぐにあまあまをよういしてね」 『それじゃあ、ゆっくり苦しんでもらうために助っ人を呼ぼうか。師匠、来てください』 「はいはい」 ゆうかは細長い棒を持って中に入った。 さっきの傘ではこれからしようとすることには不便であるからだ。 ついでに、さっきの傘について説明すると、もともと家にあるものだったが、花柄で使っていなかった。 しかし、ゆうかが気にいったのであげた。 『それじゃあ師匠、』 「はい、分かったわ」 ゆうかは、細い棒で近くにいたれいむを刺した。 「ゆぐ!! むぐぐぐぐ」 ゆっくりの真横から刺した。 普通なら即死の可能性があるが、生命をつかさどる部位を避けて刺さっているため生きている。 前に一度見たことがあったが、すご技であった。 「なにする ゆぎゃ」 「ゆうかがでてき きゅぎゅ」 「なんなんだ うぎゃ」 片っぱしから刺していき、いつの間にかすべて終わっていた。 刺されたすべてのゆっくりたちは、生きてはいるが、生きているだけにも見えた。 危険な部位を外しただけでなく、しゃべれなくした。 ゲスゆっくりの声を聞いただけでも反吐が出るくらいなので、ありがたい。 『ゆっくりの諸君、今日も虐待の時間だよ』 ゆっくりたちは少し反応したが、喋れないようである。と、いうよりも痛くてそんな余裕がない。 『俺が手を汚すのはめんどくさいので殺しあってもらいます。 でもやっぱり、それもめんどくさいので、もし今ゆっくりしているこのまりさが謝ったら逃がしてあげることにしよう』 今まさに、あまあまを食べてゆっくりしているリーダーまりさの方を向いた。 「むしゃむしゃ うめええ」 今までのことに全く気がつかず、貪っている。 食べ終わったようだ。 『おいまりさ!!お前の仲間が死にそうなんだが、あまあまとこいつらどっちか選んでくれ。 どっちかしかないぞ。こいつらを選んだなら生かして帰してやる。』 「なかま?そんなゆっくりしていないやつらなんかしらないんだぜ。 そんなこといってないでもっとあまあまをもってくるんだぜ」 仲間のゆっくりたちはなにか反論しようとしていたが、声が出なかった。 こんな答えが返ってくるのは、当たり前であり意味などない質問だったのかもしれない。 しかし、視覚的要素も加われば、仲間意識も目覚めるんじゃないか? 自分で思う究極の質問であり、もしかしたらゲス要素が無くなってくれるのではないか? と、少し期待をしていた。仲間を選んだなら全員治療して森に帰してやろうと本気で思っていた。 ゆっくりよりも甘すぎたのかもしれない。 しかし、あまあまを選んだので・・・ 『そうか、あまあまが欲しいか。だが、今あまあまが無いからなあ』 「はやくとりにいくんだぜ。はやくしないとまりさがころすんだぜ」 『なんだ、あまあまなら目の前にあったじゃないか。これはうっかり』 「なにいってるんだぜ。こんなところにあまあまなんてないにきまってるんだぜ」 『どこにもないって?目の前にあるじゃないか。なんか動いているが、かまわないだろう。』 まりさを捕まえようと、手を出した。 まりさは、気がついていなかったがやっと俺の言っている意味が分かったようだ。 「ゆゆ!! どれいがなにするんだぜ。」 『なにって、あまあまがほしいんだろう。はやくあまあまを手に入れないと』 ゆっくりを両手で持ち上げた。 『よし、後はしぼるだけだな。めんどくさいけどあまあまのためだもんな』 「はなせくそじじい。まりささまはえらばれたゆっくりなんだぜ」 『そうだね。あまあまに選ばれたゆっくりだね。 それじゃあ、あまあまを急いで手に入れないといけないから搾るね』 ぎゅううううう 「ゆぎゃああん」 強すぎでもなく、弱すぎでもない、ぎりぎり、あまあまがでないくらいの力で搾った。 『あれえ?おかしいな』 「ゆぎゃあああああん、はやくばでぃざをはなしゅんだじぇ」 『なになに? え? まだ弱すぎてあまあまがでない? すまなかったな、もう少し力を入れてみるよ。兄さん頑張るよ』 「しょうじゃないんだじぇ、ゆぎゃあああああああああ」 少し力を加えた。口から餡子が出てきた 「うげうげ やめるんだじぇえ。ぎゅえぎゅえ。しんじゃうんだじぇえ」 『お!少しずつ出てきた。でも、全然足りないな、もっと強く搾るか』 「もうやめて 、うぎゅう、もうばでぃざをはなしゅて」 『そうかそうか。応援してくれるなんて、もうすこしがんばれるよ』 「ゆぎゅうう。おうえんなんかしてにゃいんじゃじぇ」 強く搾った。ついに皮が破れ、餡子が出てきた。 瀕死の状態になっていた。もう後はないだろう。 「もっとゆっくりした『おおっと待った』 ゆぎゅう」 出てきた餡子を口に押しこんだ。 お花畑か川が見えていたかもしれないが現実に引き戻された。 「どうして、なかみをくわしたんだじぇ?」 『それはねえ。君の望みをかなえるためなんだよ。』 「まりささまのほしいあまあまじゃないんだぜ」 『それと、まりさ。君に対する恨みがまだ静まってなくて、虐待が足りないからだよ』 「ゆぎゅ?」 そういうと、まりさを小さな力で小突いていった。 『これがめーりんのため。これがめーりんの怒り。これがめーりんの昼寝妨害の仕返し。・・・・』 「ゆぎゃ!ゆぎゃ!ゆぎゃ!」 『これがはたけの怒り。これが仲間のまりさのぶん。これが仲間のれいむのぶん。・・・・』 「もうやめて、しんじゃうんだじぇ」 『これはなんとなく。おまけにいっぱつ。お前がいままで食べていた生き物のため。迷惑を受けていた群れのため』 「もっとゆっくり」 『そして最後に俺の怒りだああああああああああああ』 グシュ。最後まで言えなくて潰されてしまった。 リーダーまりさを潰している間に仲間は全快とまではいかないにしてもしゃべって動けるようになっていた。 「あのゆっくりできてないまりさがえいえんにゆっくりしてよかったよ」 「でいぶたちをたすけようともしないまりさなんていなくなってせいせいしたよ」 『ところでお前たち、殺し合いをしてもらうからね』 「「「「「「ゆ?」」」」」」 『リーダーのまりさは謝らなかったし、約束だよ。 最後の1人になったら、ここから生きて出られるよ。約束は絶対守るよ』 すぐにまりさが動いた。となりにいたれいむを永遠にゆっくりにした。 そのあとが泥沼だった。力の差がなく、力が弱いため微妙な攻撃しかできていない。 そんなことをやっている間にゆうかはさっさと塀の外に出てから外に出て行った。 分かり辛いが、俺とは逆の方の塀は開くようになっていて、知っているゆうかは簡単に出入りができる。 そうこうやっているうちに最後の1匹になっていた。 「やったよ。にんげんさん、早くお外に出してよ」 『何言ってんだよ、まだ終わってないよ』 「だって、最後の1匹になったよ」 『ゆうかも外に出て行って、最後の1匹になったな。 でも、俺は最後の1人っていったよな。』 「ゆ?」 『人間の俺1人だけっていうことだよ。 お前は最後のゆっくりであって、人ではないよな。 だから、現在部屋の中には1匹と1人だよな。 これじゃあ約束と違うよな』 「それじゃあ、はじめから、まりさたちをいきのこらすきがなにの?」 『お前は、ゆっくりとしたら賢い方かもな。 初めは、改心させようと思った。でもできなかった。 だから、全員に死んでもらわないといけない』 右手で最後のゆっくりを潰した。 防音室の後片付けをして、外に出た。 居間に行くと、めーりんが眠っていた。もう怪我はオレンジジュースのおかげで回復していた。 いつ見てもめーりんの寝ているとゆっくりできるな。 さっきの怒りが消えていくようだよ。 ゆっくりの中にはゲスが多くいるが、もし、ゲス要素が無くなって会心してくれればと思う。 しかし、それがとても難しいことだと感じた。 続く・・・ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 初めから畑にいためーりんに対して「侵入した」ってww -- 2018-01-18 21 45 37 確かに!「!」は!とても!必要!だね! -- 2016-02-21 23 40 11 ゆっくり相手とはいえ約束を守らないのは都会派じゃないな まあ農民にとっては害饅頭でしかないからだろうけど -- 2011-09-16 18 55 52 勢いが無いというか・・・ !の偉大さに気がついたwww -- 2010-12-28 23 01 00 「!」が語尾についてないなんてとかいはじゃないわ!!!! -- 2010-07-12 22 43 31 !をつけたほうがいい -- 2010-05-21 07 03 38
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/3403.html
咲「うーん…3ピン」タンッ 優希「あ、それロンだじぇ!12000」 咲「あー、やっぱ東場じゃ優希には勝てないなー」 優希「フッフッフ…3マだろうが東場じゃ私の独壇場だじぇ」 京太郎「おい優希、ちったぁ手加減してくれよ…俺も参加くらいさせてくれっての!」 優希「犬は南場から頑張るんだな!」 咲「うーん、3年になってもなかなか東場じゃ優希には勝てないよー、はい」チャリ 優希「これでも結構必死だったりするんだじぇ、東場とはいえさすがに咲ちゃん相手に気を抜いたら勝てないじぇ、ほい3000バック」チャリ 俺達は3年生になった。 1年の時、俺達は全国優勝はできずにその年の冬に和は転校していった。 そして、春には部長が卒業した。 部員が4人になった。 俺達は2年になった。麻雀部には誰も入部しなかった。 次の年、染谷先輩は少し心残りじゃったが、ぬしらと麻雀ができて楽しかったと言って卒業して行った。 部員が3人になった。 今年、俺達が3年になった。今年も麻雀部には誰も入部しなかった。 部員は3人のままだ。 インターハイは個人戦では出るかもしれないが、3人ともそこまで乗り気ではない。 毎日、授業が終わったら部室でダベりながら3マをする毎日だった。 咲「あ、もうこんな時間か」 時計は17時を少し回っていた。 京太郎「じゃ、今日はこのへんでお開きにしますか」 優希「そうだな、あ、帰りにタコスでも食べていくじぇ!」 京太郎「太るぞ、そのぽんぽこのお腹がもっとぽんぽこりんになるぞ」 優希「うっ、そ、そうだな…」タジタジ 咲「ふふっ、さっ、帰ろっか二人共」 二人「おー」 外 京太郎「いやー、最近随分日が長くなったなー」 咲「だね、そろそろ夏が来るしね」 優希「だじぇ、また、あの熱い夏がっ!来るっ!!!」 京太郎「あー、そういえば二人共今年は個人戦どうすんの?」 咲「うーん、優希ちゃんはどうする?」 優希「私はみんなに合わせるつもりだじぇ」 京太郎「なんだよその人任せ」 優希「うーん、まぁ、もうそこまで魅力を感じていないからなインハイには…」 咲「うん…私もぶっちゃけ…」 京太郎「じゃ、今年は清澄高校はインハイ不参加ということでオーケー?」 二人「オーケー」 京太郎「どうしようもない麻雀部員達だなおい」 優希「そうか?まぁ、私は今のままで十分楽しいからそれでいいんだじぇ」 咲「私もそんな感じかな」 京太郎「そうだな、俺もそうだわ」 咲「だめだねー、私達」 京太郎「だな、ハハハッ」 こんなダラっとした日常が俺は結構好きだった。 毎日授業が終わったらグダグダ麻雀して。 笑っていられる。 咲と優希は特別な存在だった。 こうして毎日三人並んで帰る。 何も知らない俺は幸せだった。 数日後 部室 ガチャ 京太郎「おー、まだ優希だけか」 優希「おうっ、咲ちゃん先生に呼ばれて遅くなるだって」 京太郎「へー、そうなのか、よいしょ」カバン置く 優希「なんか飲むか?」パタパタ 京太郎「あー、麦茶ある?」 優希「麦茶?」ガチャ 優希「あー、ちょうど二人分くらいあるな」ヨイショ コポコポ 優希「ほい」差し出す 京太郎「あんがと」受け取る 優希「おう」イスに座る 京太郎「ゴクゴク、ぷはっ、あー、麦茶がうまい季節になってきたな」 優希「だな」ゴクゴク 京太郎「んー?そいやお前、少しふとっ」 優希「それ以上言ったらコロス」 京太郎「その発言だけで十分だ…お前、少しは気を使えよー、一応女の子だろ?」 優希「…。京太郎は…痩せてる子の方が好きか?そんでおっぱいが大きくて…」 京太郎「え?あー、まぁ、胸はある方が好きっちゃ好きだし、あんま太ってるのも痩せてるのも…」 京太郎「まぁ、丁度いいのが好きって、お前何を言わせる?」 優希「ほほう、じゃあ、私はその基準で言ったら恋愛対象外ってことか?」 京太郎「は?お前はー、まぁ、うーん…」 優希「悩みやがるのか」 京太郎「あー、って何でそんなこと聞く?」 優希「ん?あー、今後の参考までにな、他の男の好みもきっとそんなんだろーなーって思って」 京太郎「あー、まぁ、それは人によるからなんとも言えないと思うぞ?」 優希「そうか」 京太郎「そーゆーお前はどーゆー男が好みなんだ?」 優希「私か?そうだなー、優しくて料理が上手くて気が使えて身長が高くて一緒にいて楽しい奴が好きだな」 京太郎「ほー、そんな男なかなかいないと思うぞ。お前も結構理想高いな」 優希「そうか?案外いるもんだぞ?」 京太郎「そうなのか」 優希「そういえば京太郎、咲ちゃんとは幼なじみなんだよな?」 京太郎「ん、まぁ、そうだな、腐れ縁って感じだと思うが」 優希「京太郎は…咲ちゃんの事がその…好きだったりするか?女の子として…」 京太郎「は?突然何言い出すんだよ」 優希「どうなんだ?」ジトッ 京太郎「おいおい、何でそんな睨むようにこっち見るんだよ?」 京太郎「あいつとはただの幼なじみってだけだっつーの、それ以上でもそれ以下でもないよ」 優希「そうか…」 京太郎「そうだよ…」 優希「…」ジッ 京太郎「…。なんだよ…」 優希「なんでもなーい」スクッ 京太郎「変な奴だな…」 優希「はいはい、私は変な女だじぇ」ゴソゴソ 優希「あー、麦茶もうないじぇ、京太郎、後で買っておいてくれ」 京太郎「へいへい、いつまたっても俺が雑用ですかい」 優希「あー、じゃあ私が一緒に買いに行ってやるじぇ、ついでにタコスの材料を買って…」 京太郎「お前…痩せる気無いんだなマジで」 優希「っ…。分かったじぇ…ダイエットしてみるじぇ…」 京太郎「お?ホントにできるのか?」ニヤニヤ 優希「やってやるじぇ!そんで、京太郎を見返してやるじぇ!」 京太郎「ハハッ、頑張れよ!応援してるぞ」 優希「…。おう」 ガチャ 咲「やっほー、どうしたの二人共?随分楽しそうな声が外まで聞こえてきてたけど?」 京太郎「お、実は優希がダイエット始めるらしいぜ」 優希「ちょ!おまえっっ!!!」 咲「え?ホント優希ちゃん!?」 京太郎「これで後戻りできなくなったな?」 優希「うぅっ…今に見てろと…」 咲「あはは、優希ちゃん、無理しちゃだめだからね?」 1学期末 ガチャ 京太郎「あれ?優希一人か?」 優希「おう、咲ちゃん委員会の会議だって」 京太郎「そうか、あー、喉乾いた。」 優希「麦茶しか無いぞ?」 京太郎「むしろ麦茶がいい」 優希「だよな、やっぱ夏は麦茶だじぇ、ホレ」 京太郎「サンキュー」ゴクゴク 京太郎「ぷはっ、あー、生き返る」 優希「それにしても、暑いなー」うちわで京太郎扇いでやる 京太郎「あー、涼しいー」 優希「男って夏は大変だよなー、ズボンだし」 京太郎「やっぱスカートって涼しいのか?」 優希「そうだな、靴下も全部脱げばそれなりにな」スカートパタパタ 優希「うー、私は暑さに弱いんだじぇ…」上着パタパタ 京太郎「…。あれ?お前…痩せた?」 優希「お?そこに気づいたか犬よ」 京太郎「ああ、ぽんぽこのお腹が引っ込んでた」 優希「お?エッチだな京太郎、私の素肌を見て発情したか?」 京太郎「そういうのいいから」 優希「どうだ?私はやればできる女なんだぞ」エッヘン 京太郎「おみそれしました」ヘヘー 優希「どうだ?魅力倍増か?」ホレホレー 京太郎「ちょ、お前、やめろよ!」 優希「胸は…まぁ、あれだがかわいいだろー、どうだー?ほれほれ」 京太郎「おまっ、変なポーズやめろ」 優希「ふっ、犬は今日も私の魅力に釘付けか、私も罪な女だ」 京太郎「おい、いい加減にっ…見えるから…」あっち向き 咲「…。何やってるの?」 京太郎「うおっ!咲っ!?」 咲「何してんの二人共…」ジトー 優希「おっ、咲ちゃん。実はだな、私は見事に痩せたのだ!だから京太郎に見せびらかしてたのだ!」 咲「え?そうなの?」 優希「おう、ほれ」お腹見せる 京太郎「おまっ」横見る 咲「あっ、ホントだ引っ込んでる」 優希「私は血の滲むような努力をしたんだ…」遠い目 咲「すごいなー優希ちゃんはー有言実行しちゃうんだもん」 優希「だろー?」 京太郎「だから今見直してたところだ」 咲「そうなんだー」 京太郎「よし、じゃあ今日は優希のダイエット成功祝いとして東南戦10回な」 優希「おい、それは祝ってるのか?私を疲れさせたいのか?」 咲「身軽になった優希ちゃんに勝つのは難しそうだなー」棒 京太郎「ロン!9600」 優希「うへー」 咲「ロン!7700」 優希「あべしっ!」 京太郎「うーん、やっぱ10回戦くらいになると優希も弱っちくなるな…」 優希「うへー、8回戦くらいから東場も厳しくなってしまうじぇ…咲ちゃんはともかく、京太郎にも勝てないとは…」 咲「てゆうか京ちゃんも強くなったよねー」 京太郎「そうか?」 優希「たしかにそうだな、私だけじゃなく咲ちゃんからも何回か上がってるしな」 京太郎「まぁ、いつもこのメンバーでやってるからな、なんとなくわかるんだ癖とか」 咲「え、私、癖とかあるの?」 京太郎「あー、いや、決定的にあるってわけじゃなくてなんとなくわかるっていうか」 咲「へー」 優希「犬だから鼻が効くのか?」 京太郎「お前の場合は単純に打牌がヌルくなるだけだ」 京太郎「そしてそんな俺たちの熱血麻雀奮闘記は……」 京太郎「これからだ!!」 カン
https://w.atwiki.jp/onirensing/pages/973.html
アーティスト:いきものがかり レベル:4 登場回数:2(レギュラー版第33回、第37回) 挑戦結果 挑戦者なし