約 1,476,218 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2726.html
『遠い海から来たゆっくり 彼方からの海流 修正版』 37KB 越冬 群れ 自然界 幻想郷 独自設定 うんしー ぺにまむ 遠い海から~完結です ※「遠い海から来たゆっくり 異郷にて」 「遠い海から来たゆっくり 冬、来たり」 「遠い海から来たゆっくり 蠢動と停止」 「遠い海から来たゆっくり 猛る母性」の続きになります。 遠い海から来たゆっくりシリーズの完結編です。 『遠い海から来たゆっくり 彼方からの海流』 母れいむが、外でやまめと戦ってから十日近くが過ぎた。だんだんと暖かい日が多くなり、どこからか強烈な土の臭いが漂ってくる日もあった。北国の春というのは、穏やかなものではない。粗暴で荒々しい一面を持っている。土臭い臭いと溶ける雪の臭いは、まるで強烈なリズムと熱狂的な音楽で彩られた春の祭典だ。 南国生まれの母れいむは、細かいことは分からなかったが、春が近づいている、すぐそこまで来ている、そのことは空気の臭いと肌触りからなんとなく感じ取れた。 「おきゃーしゃん! またまりしゃにお話してほしいんだじぇ! あったかい海さんの話がいいんだじぇ!」 お話をせがんできたのは、かつてやまめに噛まれて麻痺していた、あの子まりさだった。子まりさは、母れいむの献身的な看護と栄養たっぷりの食糧をたくさんむ~しゃむ~しゃさせてもらったことで、毒は抜け、すっかり元気になっていた。 「ゆゆ~、おちびちゃんは本当に海さんのお話が好きなんだね! いいよ、何度でも海さんのお話をしてあげるよ!」 「海さんのお話はとってもゆっきゅりできるんだじぇ! いつかまりしゃも、海さんを渡っておきゃーしゃんをうまれこきょーさんに連れてってあげるだじぇ!!」 そんなことを言う子まりさに、ゆふふと、母れいむは慈愛に満ちた笑顔を向ける。 そのおうちの隅には、備蓄庫から持ってきたものの、結局食べられなかったオニグルミが転がっている。オニグルミは濃厚な味わいを持っているがとにかく堅く、人間でも熱を通したり、ハンマーとノミで叩き割ることで、やっと中身を食べることが出来るくらいだ。とてもではないが、ゆっくりに噛み砕けるものではない。ここのゆっくり達も、堅果類が全体的に不作の中、ついオニグルミまで拾ってきたものの、食糧として持て余していたというのが正直なところであった。 「くるみさん、みんなのあいどるれいみゅと遊んでね!!」 「ゆっくり! ゆっくりころがるみょん!!」 オニグルミは今ではすっかり、子ゆっくり達の玩具になっていた。こんな無駄な食糧があっても今のところ生き延びられているのは、第一にもみじ達が食糧事情の悪い中、必死に食糧を集めて回ったこと、第二に、南の島から来たまりさによって、海藻が保存食のレパートリーに加わったことが大きかった。 「ゆふふ……れいむのおちびちゃん達、とってもゆっくりしているよ……」 母れいむはオニグルミをボールのようにして遊ぶ、我が子達に目を細めた。寒いが安全な洞窟の中で、母れいむの子ゆっくり達は皆顔色も良く、とてもゆっくりしたゆっくりに育っていた。彼らが遊んでゆっくりしている姿を見るだけで、母れいむはまるで天使に抱擁されているような、ゆっくりした気分になることが出来た。 思えば苦労の連続だった。人間さんによって見ず知らずの寒い土地に連れて来られ、その後、番のまりさには見捨てられた。母れいむを支えてくれるはずの番のゆっくりは、次々と永遠にゆっくりしてしまい、母れいむは自分で「狩り」もしなければならなかった。さなえややまめのような、ゆっくりしていないゆっくりとも戦った。 今、目の前にいるのは、そんなれいむの汗と涙の結晶だった。母れいむは感慨深そうに笑みを作った。 かつて、まだ南の島でゆっくりしていた頃、母れいむが子ゆっくりだった頃、群れの賢者のぱちゅりーから聞いた話を思い出していた。人間さんは、自分の力でゆっくりできる未来を獲得することを「自己実現」と呼ぶらしい。 きっとれいむは、この異郷の地で「じこじつげん」を成し遂げることが出来たのだ。 母れいむは自分のゆん生を誇らしく思うようになりつつあった。だが、満面の笑みを浮かべていた母れいむが、ふと、何か思い出したかのようにしかめっ面を作る。 「ゆぶぅ……れいむは背中がかゆくてゆっぐりできないよ……」 母れいむはごーしごーしと背中をこすり付ける。やまめに刺された部位が痒みを持っているのだ。しかしこすり付けると今度はひりひりと痛み、どうにもやりきれない傷にい~らい~らだけがつのっていった。 同じくやまめにやられた子まりさの傷はすっかり回復していたのだが、子供と成体の差であろうか? れいむの傷はなかなか治らず、打ち込まれた毒が抜けていないのか、時折なんとも言えぬ痛みや虚脱感に襲われることすらあった。 「……れいむのおちびちゃん達はみんな元気だよ……」 ひょっとしたら、自分の寿命がゆっくりと近づいているのかもしれない。それならそれでいいと思った。誰の助けもない中で、自分の手でここまでおちびちゃん達をゆっくりさせてきたのだから。 でも、できることならば、おちびちゃん達が誰か素敵なゆっくりと、ずっとゆっくりしようと決めて独り立ちするまで、彼らの成長をゆっくり見守ってみたかった。 「ゆぅ……今日はもう眠いよ……」 母れいむはまだ昼間だと言うのに眠くなって来てしまった。最近、疲れが溜まりやすくなった気がする。ただし、食欲だけは旺盛だった。 「おちびちゃん! お母さんはちょっと疲れたからす~やす~やするね! おうちからは出ないでゆっくりしてね!」 「「ゆっくり理解したよっ!!」」 「お母さん、みんなとちゃんとゆっくりするから、ゆっくり休んでね!」 今日はしっかり者の長女れいむが冬眠から目覚めていた。またすぐ眠ってしまうかもしれないが、母れいむがまた起きるまでこの子に任せておけば大丈夫だろう。 「ゆっきゃああああ!! おかーしゃん! あいどるれいみゅはおなきゃすいちゃあああああああっ!! あまあまさんをむ~しゃむ~しゃちたいよぉ!!」 「みょんもおなかすいちゃみょおおおおん!!」 「ごはんしゃん! ごはんしゃん!」 「ゆゆ! まりさがあいどるいもうちょのためにごはんさんもっちぇくるんだじぇ!!」 「まりさもゆっくりしてね! おねえちゃんがやるよ!!」 母れいむの頬が自然と緩む。今、母れいむは最高にゆっくりしていた。ゆっくりできなかった思い出は、みんな忘却の彼方に忘れてしまえそうなくらい。 次にもみじが起きたのは、それから一週間後だった。かつては二週間に一度起きるペースだったが、春が近づいてきているせいだろう。少しずつ、一回辺りの冬眠の間隔が短くなってきていた。 「む~しゃむ~しゃ……しあわせですぅ~っ! わふっ!!」 もみじはどんぐりと干したきのこをむ~しゃむ~しゃした。 栄養を補充したもみじの尻尾がぴーんと立つ。寝ぼけていた意識が目覚め、頭がしゃきっとした証拠だ。 「今度こそ、みんなが永遠にゆっくりしてしまった原因を突き止めます! それがりーだーの役目ですから!」 もみじはまだ眠っている番のちぇんに小さく「行ってきます」とささやくと、早速行動を開始した。まず、群れの食糧備蓄庫へと向かった。前回起きて、みょんやさなえの死体を調べたとき、所々にうんうんが散らばっているのが気になっていた。恐らくは南の島から来たれいむとまりさのうんうんなのだろうが、あれだけうんうんがあるということは、それだけむ~しゃむ~しゃしたということである。 「嫌な予感が……します」 本当は前回起きたときに調べたかったのだが、思いのほか死体の調査に手間取ってしまった。さなえの死体などすりつぶすかのようにバラバラに潰され、お飾りの破片しか見つからなかったくらいだ。臭いに敏感なもみじ種でなければ、ゴミにしか思わなかっただろう。 もみじは食糧備蓄庫まで跳ねてきた。 「なんなの……これは……?」 そして絶句した。 あれだけたくさん蓄えておいたどんぐりが、干した海藻やきのこ類、ヤマブドウが、生きたまま長期間保存できる食糧として重宝なミノムシが、みんなみんななくなっていた。中途半端に食い散らかされたものもあった。きすめは髪の毛が全て毟り取られ、その半分の個体が永遠にゆっくりしていた。まだ息がある個体も「息も絶え絶え」な状態である。 「きすめぇ!! きすめぇ!! どぼじだんですかぁぁぁっ!? なんでみんな、こんな!?」 「……もみじぃ……れいむが、れいむがみんなむ~……しちゃったよ……」 「!?」 きすめによれば、南の島から来たれいむが来て、数日できすめの髪を全てむ~しゃむ~しゃしてしまったとのことだった。 その後、もみじは、ごはんさんもそのれいむが全部む~しゃむ~しゃしてしまったのか、と尋ねたが、きすめは当初備蓄庫隅の日当たりの良い場所に固着していたため、視界の関係上分からないとのことだった。ただ、聞こえてきた声から、れいむがかなりむ~しゃむ~しゃしてしまったのではないか、とのことであった。 「誰も、誰も気付かなかったのですか……」 もみじは一人つぶやいた。 実を言えば、冬眠中、食糧備蓄庫に顔を出すゆっくりは決して多くなかった。なぜならば、皆自前で越冬に十分な食糧は用意するのが基本であり、それができていなかった家庭には、もみじが食糧を配布したからだ。中には自分の大好物を求めて備蓄庫を訪れたゆっくりもいるにはいたが、眠気で頭が回っていなかったり、食糧の減り具合にびっくりしても、どうしていいか分からないうちに寒さで眠くなってしまい、騒ぎにまで発展しなかったのである。 そもそも、この備蓄の半分くらいは越冬のためではない。越冬後、暖かくなって冬眠できなくなったものの、雪解けが遅かったり、植物の生育が悪かったりといった理由で満足に食糧を収集できない時のための予備なのだ。 ふと、もみじは備蓄庫の隅に枯れ木が積み重なっているのを発見した。越冬するゆっくりは、適当な枯れ木を保存し、中にいるカミキリムシの幼虫や集団越冬しているテントウムシを食べるのだ。もっとも、テントウムシの方は苦いので、本当に困窮した時しか食用にしないが。 これが残っているということは、やはり南の島から来たゆっくりが、食糧の大部分をむ~しゃむ~しゃしてしまったのだろう。この地で生まれ育ったゆっくりならば、いつ木片から出て行ってしまうか分からない、このような食糧を最後まで取っておくことはしないからだ。恐らく、この食糧の激減とたくさんのゆっくりが永遠にゆっくりしてしまったことには関連があるのだろう。れいぽぅによって生まれた赤ゆっくりを世話しているのかもしれない、もみじはそう考えた。 だが気になる点もあった。永遠にゆっくりしたゆっくり達の中には、赤ゆっくりを蔓に宿したまま死んでいたり、あるいは母体の近くに赤ゆのお飾りが散らばった状態のものが観察された。 いずれも死体はほとんど残っていなかったが、そのお飾りから、すっきりしたのは永遠にゆっくりしてしまった個体とれいむであることが見て取れた。 なぜ、れいむだけすっきりしていたのだろう? 果たして、自分の番にだけ好きにすっきりさせるゆっくりなどいるのだろうか? それも自分とは違う相手に。 そのような倒錯的な性癖を持つゆっくりも探せばいるのだろうが、それは、もみじの記憶に残っているまりさのイメージとは重ならなかった。 「ゆ~……だとすると、れいむがみんなをれいぽぅして、そのおちびちゃんとご飯さんをたくさんむ~しゃむ~しゃしてしまったのでしょうか……」 まりさとれいむに直接会わなければならなかった。また夕闇が辺りを包み、冬眠モードに体が移行してしまう前に。 「起きてますかー! もみじですよー! 起きてたらゆっくりしないで集まってください!」 もみじは群れの幹部達、警邏隊のゆっくり達のおうちを回り、起きているゆっくり達に協力を呼びかけた。 このもみじ率いる群れは大規模な争いは経験していないため、組織的に動く兵ゆっくり、と呼ぶほどのものは持っていない。そもそも子供も含めて四十~五十匹程度の群れでは、陣形を組んでの戦闘などできたものではない。この群れは少数精鋭をモットーとしているのだ。 その代わり、捕食種との戦いや野良ゆっくりへの牽制のために、ゆっくり警邏隊「しんせんぐみ」を組織していた(内部抗争ででっぷりしたみょん一派を粛清済み)。全部で六匹の元気、つまり新鮮なみょん種によって構成され、水色のリボンが目印となっていた。いずれも剣(と呼んでる棒切れ)の達人であり、「がとゆ」という良く分からない技を習得していた。「がとゆ」には零~二式まであるとか、百八式まであるとか、アバンゆトラッシュもできるとかいろいろ言われていたが、詳しいことはもみじも分からなかった。 もみじはたまたま起きていた幹部の変態てんこ、「しんせんぐみ」に属するみょん姉妹に声をかけると、まりさとれいむのおうちへと向かった。もみじ自身も、おうちから「刀」と思い込んでいる安い土産品のペーパーナイフを持って来ていた。 だが、その途中で異変が起きた。 「ゆぼァァァァァァァァっ!!」 もみじ達が振り返ると、そこには、ぎざぎざに尖った石の上でのたうちまわるてんこの姿があった。どうやって、あの上に乗ったのか分からないが、エライ事態だった。 「てんこ! 大丈夫ですかっ!!」 「すごいわぁぁぁぁぁっ!! あうぅっ! もう信じられないっ!! ナニコレ、ぎもぢいいいいいいいいいっ!!」 お得意のMプレイだった。がっくりと肩を落としたもみじは、押し寄せる言いようのない疲れに苦しみながらも、みょん姉妹に制裁を促した。もうまりさとれいむのおうちは近い。このままここで騒がれて、二匹に逃げ出されては面倒だった。 もみじの視線に応えたのは、姉妹の姉の方のみょんだった。 「ゆっふっふ……がとゆには三つの型があるみょん……」 そう言って、べろで棒切れを構える。てんこは何も気付かずに……ナニかやっていた。 「やヴぁい! やヴぁいわぁぁぁぁっ!! しんじゃうぅぅぅぅっ!! んっほぉぉぉぉぉっ!!」 みょんは棒切れの切っ先をてんこに向ける。 「ぺにぺにを狙う一式……まむまむ粉砕用の二式……そして……」 みょんが狙いを定め、その目をギラリと光らせる。 「あにゃるを貫く! がとゆ零式っ!!」 姉みょんは、ゆっくりにしては目にも留まらぬ速さで突進し、その棒切れをてんこのあにゃるに深々とと突き刺した。容赦も遠慮もなかった。 「ゆ♪ ほっほっほほおおおおおおおおおっ!! あにゃるぜろしき来たぁぁぁぁぁぁっ!!!」 てんこは絶叫と共に絶頂を迎えて倒れた。 「死んではいないみょん……またつまらぬものを貫いてしまったみょん……くさっ!!」 みょんは棒切れの先に付着した何かの臭いに顔をしかめた。 「わふぅ……てんこには困ったものです……」 もみじはため息を一つつくと、ある程度の距離かられいむのおうちを探った。臭いによって中に誰がいるかくらい、分かることもあるのだ。 「すんすん……すんすん……」 もみじは周囲の臭いから空気の流れを敏感に感じ取り、れいむとまりさのおうちの臭いが漂ってくるであろう風下で鼻を澄ませた。まりさとれいむのおうちから、れいむのものらしき奇声が聞こえてきたのはその時だった。 「びっぐ・べん・あたぁぁぁぁぁっくっ!!」 続いて形容するのもはばかられる下痢便の音、そしてその臭いは風下で待ち受けていたもみじの敏感な鼻を直撃した。 「すんすん……!! ふべんヴぁべろべるォォォォォォォっ!?」 なまじ鼻が効く分、もみじは強い臭いには滅法弱かった。もし、この臭いを至近距離で嗅いでいたら失神してしまっていただろう。 「ゆっ!! 誰かいるのっ!!」 もみじの声に気がついて、おうちから出てきたのは、長女れいむだった。 「だれ! ここはれいむ達のゆっくりぷれいすだよっ! ゆっくりできないゆっくりは、ゆっくりしないで出て行ってね!」 母れいむの子供達は、洞窟に他のゆっくりが住んでいることは知っていたが、もみじがそのりーだーであることは知らなかった。いきなり武器を持ってやって来たゆっくり、それはれいむ達のゆっくりぷれいすに侵入を試みるゆっくりできないゆっくりにしか見えなかった。 「ここはまりしゃ達のゆっくりぷれいすなんだじぇ!!」 「入りたかったらあまあまを持ってくるみょん! たっくさんでいいみょん!」 「ちぇんのあにゃるにきすするといいんだねー!!」 好き放題に罵詈雑言を上げる子ゆを無視して、もみじとみょん姉妹はうんうんの臭い溢れる、れいむのおうちへとあんよを踏み入れた。 「ゆゆ? 久しぶりだね、もみじ……ゆっくり……何か用なの?」 「ゆっくりこんにちはれいむ……ゆっくりしていますか?」 そこにいたのはすっかり衰弱しきった母れいむだった。体こそ大きく、でっぷりしていたが、その表情に覇気はなく、起きているのも辛そうだった。周囲には下痢の後が飛び散っており、それを長女れいむをはじめ、年長の子ゆっくり達が必死に掃除している有様だった。 やまめに刺された毒のせいなのか、そこから雑菌やカビの類が入って傷口から感染したのか、連日のように下痢が襲い、母れいむの体力を奪っていっていたのだ。 れいむはもみじ達に自分の症状を伝えると、ゆっくり懇願した。 「もみじ……お願いがあるよ、れいむに人間の町からゆっくりしないでお薬さんを取ってきて欲しいよ! あと、ゆっくりしないでごはんさんを取って来てね! もうごはんさんがほとんどないよ! くるみさんはむ~しゃむ~しゃできないし、ぱさぱさのふーどさんはもう飽きたよ!! おちびちゃん達がおなかを空かせてるんだよ!」 「おかーしゃんゆっくり! ゆっくりしてぇぇぇぇっ!!」 「ゆえええん! おきゃーしゃん早くゆっくり元気になって欲しいみょん!!」 「れいむはお母さんのうんうんを捨ててくるよ!……ゆげぇっ!! お゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛……」 もみじは必死に懇願するれいむと、ぴーぴー騒ぐ子ゆっくり達を交互に眺めた後、有無を言わせぬ口調にれいむに問いかけた。 「……そうですか、れいむ、お大事に。でもその前に聴きたいことがあります! ゆっくり聞いてください! まりさは、まりさはどこにいますか? もみじはまりさとも話さないといけません、ゆっくりしないで教えてください」 母れいむの脳裏で、まりさのゆっくりできない凶行が蘇る。 「知らないよあんなやつ!! まりさはれいむをゆっくりさぜでぐれなかったんだよ!! そのうえ、れいむのとてもゆっぐりじだおさげさんもむしったんだよ!!」 それまで衰弱しきっていたのが嘘のように母れいむの顔が怒りに歪む。 「れいむはむ~しゃむ~しゃして、すっきりして、おちびちゃんとゆっぐりしだがっただけなのに、まりさは嫌だって言ったんだよ!! もうずっと前にごはんさんを取ってくるとか言って出て行ったっきりだよっ!!」 もみじはびっくりした。冬に巣の外に出て行くなんて。 だが、もみじが驚いているのも気にせず、母れいむは堰を切ったかのように番であったまりさへの怒りを噴出し続けた。 「ゆぎぎぎっ!! 思い出しただけでも腹が立って来たよ! まりさは帰ってこなかったからきっと永遠にゆっくりしたよ!! いいザマだよ! れいむはこんなにゆっぐりじでるのに!! たくっさんの美ゆっくりとすっきりして、れいむに似たたくっさんのゆっくりできるおちびちゃんに囲まれてるよ!! れいむはゆっくりしあわせ~! ゆっくりふしあわせ~なまりさザマァッ!!」 もみじは怒り狂う母れいむを冷めた目で見ていた。 「……れいむはたくさんのゆっくりとすっきりして、ゆっくりしたんですね……まりさはすっきりしなかったんですか?」 「だから言ったでしょおおおおっ!! まりさはゆっくりできなかったって! その上、れいむを置いてきっと逃げたんだよ!! りこんっだよ! だかられいむはみんなとすっきりしたんだよっ!!」 もみじはまりさが無罪なのか有罪なのか確認したかった。だが、どうやらみょん達がれいぽぅされて永遠にゆっくりした件には関わっていないようだった。 「ゆゆ~ん、それでこんなに可愛いおちびちゃんをたくさん授かったんだよ!! れいむのおちびちゃんはとってもゆっくりしているよ!!……!! ゆっぎゃああああっ!! いじゃいいいいっ!! れいむのおなかがいじゃいよぉぉぉっ!!」 これもやまめの毒のせいなのだろうか、母れいむは腹痛を訴え苦しみ始めた。だが、そんなれいむには目もくれず、もみじは物思いに耽っていた。 冬に巣の外へ出て、ずっと帰ってきていないということは、生きているにしろ、永遠にゆっくりしたにしろ、あのまりさはもう帰って来ないだろう。 まりさも群れの食料を食い荒らしたのだろうか? なぜ、あんなにたくさんむ~しゃむ~しゃしてしまったのだろうか? 眠れなかったのだろうか? そんなことが有り得るのだろうか? 考えてみても始まらなかった。ごはんさんを取りに外へ出かけた、ということは、む~しゃむ~しゃしてしまったごはんさんを返そうとしたのかもしれない。 義理堅いまりさならありそうな話だが、もう真実を確認する術はなかった。目の前の案件を処理しなければいけなかった。 「単刀直入に聞きます」 もみじは母れいむは落ち着いたのを見計らって声をかけた。 新鮮組のみょん姉妹が「刀」と自称する棒切れを握りしめ、母れいむをにらみつける。 暖かい春風が洞窟の中に吹き込んでくる。しかし、この場所にいるゆっくり達は誰一人、春風の暖かさも、雪が溶ける臭いも感じていないかのようだった。 「みょんが、ちぇんが、てかてかのまりさが何者かにれいぽぅされて永遠にゆっくりしてしまいました。ありすは大きなおなかを抱えたまま永遠にゆっくりしていました……」 それは質問というよりも確認だった。 みょん姉妹が、れいむのおうちを塞ぐようにして陣取る。 「みょんとずっと一緒にゆっくりしていたさなえは、何者かに潰されて永遠にゆっくりしていました」 みょん姉妹ともみじがじりじりとベッドの上の母れいむへと近づいていく。長女れいむをはじめ子ゆっくりの何匹かが母れいむを後ろにして、三匹の前に立ちはだかる。子供なりにゆっくりできない空気を感じ取ったのだろう。 「こないじぇね!! ゆっくりしてないゆっくりはおかーさんに近づかないでね!!」 「まりしゃは! まりしゃはやるときはやるんだじぇっ! 近づかないのがみのためなんだじぇ!」 もみじは子ゆっくり達の臭いから、その子達が母れいむと永遠にゆっくりしたゆっくりのうち三匹との間に生まれた子供であることを感知した。おそらく、この子達は母れいむから生まれたため、今日まで生きて来られたのだろう。疑念は全て確信へと変わり、もみじの眼に迷いはなかった。 「れいぽぅされたゆっくり達はみんなれいむの赤ちゃんを産んでました。れいむと同じ臭いのする赤ゆっくりでしたよ! そして、赤ちゃんもみんな永遠にゆっくりしてました……」 もみじの冷めた視線と母れいむの相手を抉りこむような視線が正面からぶつかり合う。 「れいむが……れいむがみんなをれいぽぅしたんですか? そして永遠にゆっくりさせたんですか?」 「違うよ! 全然違うよ!」 母れいむはもみじの問いかけを否定し、反撃するかのようにまくし立てた。 「だいたい、なんでれいぽぅしたとかされたとかゆっくりできないことを言うの? すっきりはゆっくりできるおちびちゃんを授かるためにするんだよ!! これはれいむとすっきり相手の問題でしょおおおっ!! もみじはほっといて欲しいよっ!!」 「もみじはみんなのことを良く知っていますよ! 冬眠してる最中にすっきりするゆっくりなんて、この群れにはいません! 」 もみじは断固とした態度で母れいむの言を否定した。 「ごーいのうえだったに決まってるでしょおおおおっ!! みんなれいむに夢中だったんだよおおおおっ!! れいむがみんなをゆっぐりざぜであげだんだよぉぉぉっ!! ゆっくり理解……」 「できません!! れいぱーは軽くてもぺにぺに切断の上追放です、ゆっくり殺しは死刑です!」 死刑という言葉を受けて、母れいむはぶち切れた。 「おぢびぢゃんだち!! こんなゆっぐりじでないくそどものいう事を真に受けじゃだめだよ!! このぐぞどもはれいむ達のゆっぐりを奪おうとしてるんだよっ!!」 「おきゃーしゃんをいじめるやつは許さないよ!!」 「まりしゃがおかーさんを守るんだじぇっ!!」 「おかーさんはとってもゆっくりしてるんだよ! 分かってねー!!」 「おきゃーしゃんをゆっきゅりさえないのはせいっさいみょん!!」 母れいむに続いて、母れいむの子ゆっくり達が一斉にもみじ達三匹へ非難の言葉を投げつける。 この母れいむ、母性だけはしっかりしたものであり、子ゆっくりへの愛情と世話は決して偽者ではなかった。そのため、子ゆっくり達は、もみじではなく、母れいむをこそ信じていたのだ。 「……」 もみじとみょん姉妹は武器を握りなおすと、一斉に地面に叩きつけた。 どんっという音が響き渡り、さっきまで威勢よく騒いでいた子ゆっくり達がびくっと跳ね、動きを止める。 「これは大人の問題みょん、しーしーくさいガキは黙ってるみょん!」 どすの利いた口調で姉みょんが一喝した。 母れいむの子供達が沈黙したのを確認すると、もみじは再び視線を母れいむへと向ける。 「れいむは! れいむはざびじがったんだよぉぉぉぉぉっ!! まりさは群れのことばっかりで全然れいむとゆっくりしてくれなかったよ!! れいむはもっとゆっぐりじだがったんだよっ!! 誰もれいむを助けてぐれながったんだよぉぉぉぉぉ!!」 れいむは泣きながら必死に我が身の不運を訴えた。事実、まりさはこの地に来てからと言うもの、群れのゆっくりの顔色ばかりうかがい、れいむのことを放置している、れいむはずっとそう感じていたのだ。 「そうですね、みょんもさなえも……れいむにれいぽぅされたゆっくりは誰も助けてもらえませんでした。今、そのけじめをつけないといけないですね!」 だが、母れいむの身の不運はもみじには関係のないことだった。 「ゆっげぇぇぇぇっ!! うるざいよ! みんなじねぇぇぇぇっ!! れいむをゆっぐりざぜろ! れいむのおちびぢゃんをゆっぐりざせろっ!! 家族がゆっぐりじでるのを邪魔するどが、ひじょーしきにもほどがあるよっ!! ごのぐぞ!!」 「その家族のゆっくりを一体いくつ奪ったと思ってるんです!!」 怒ったと思えば、今度は涙目で訴える。 「誰もいないんだよ……ごはんさんはあったけど、誰もいないんだよ、いなかったんだよ……れいむはゆっくりするためにどうしたらいいのか……」 「事情があったとしても、ここまでです。せいっさいっします!!」 母れいむの必死の抵抗は、何一つもみじ達には届かなかった。 異変が起きたのはその時だった。 「れいぶは! れいぶのおぢびぢゃぢゃぢゃぢゃ……ゆっぎ!? ……どぼじ? ……ゆっぎいいいっ!?」 怒りに震えていたれいむの目玉がぐるんと回転する。右目と左目の焦点は合っておらず、口からは泡を吹き出した。母れいむの様子は明らかに異常だった。 「!!」 もみじ達は、母れいむの異常を見て、一斉に飛び退いた。 母れいむのまむまむが裏返ってぺにぺにになり、大きく膨れ上がってきたからだ。信じられないことに、あにゃるも同様に張り出していた。 「ゆぎょ!? ゆっぎょおおおおおっ! やべで! いじゃいよぉぉぉぉっ!! れいぶのがらだ、れいぶのがらだどうなっぢゃ……ゆぶぶぶぶぶぶぅ……」 母れいむは泡を吹き出しながらのたうちまわる。 「ゆっきゃぁぁぁぁぁっ!! おきゃーしゃんがゆっくりできにゃいぃぃぃぃぃっ!!」 「おかーさん! ゆっくり! ゆっくりぃ!!」 「ふらんくふるとっ!?」 母れいむの子供達も、母を心配するもの、その異常さに恐怖するもの、何がなんだか分からず泣き喚くもの、大騒ぎになっていた。 「ゆっぎょおおおおおおっ!! れいぶのれいぶのまむまむざんがぁぁぁぁっ!! あにゃるざんがぁぁぁぁっ!! うぎゃあああああああああっ!!?」 母れいむの「ぺにぺに」とあにゃるが一斉に破裂した。そして、 「しゅぱいやーま!!」 「や~まみぇぇぇぇっ!!」 「やー! やー!」 中から湧いて出てきたのは、丸々と太った赤やまめ達だった。 「ゆべぇぇぇぇぇぇっ!? れいぶのがらだがっ! れいぶのゆっぐりじだがらだがぁぁぁぁっ!! どぼじで!? どぼじでやまめがぁぁぁぁっ! ゆひっ! ゆひっ! ゆぎゃぁぁぁぁぁっ!! だずげでぇぇぇぇぇっ!!」 母れいむはやまめの毒にやられたのではなかった。やまめはその牙に麻痺毒を持っているが、お尻に毒腺・毒針はなかった。そこにあるのは産ゆ管だったのだ。餌資源の少ない厳しい季節には、時折、やまめは安全で「食糧」も豊富な他のゆっくりの体内に赤ゆを産み付けることが報告されている。母れいむは体内に赤やまめを直に産み付けられ、中枢餡を避けるようにして体内を文字通り「侵食」されていたのだ。 「ゆっぎゃぁぁぁぁっ!! おぎゃーじゃんがばげものおおおおおっ!!」 「たじゅげでぇぇぇぇっ!! きゃわいいれいみゅだけはたちゅけてぇぇぇっ!!」 「やーまみぇーっ!!」」 「ゆっぎゃああああああっ!! ごないでぇぇぇっ!! まりじゃの方にごないでぇぇぇぇぇっ!!」 辺りはパニックになっていた。 「みょん! いきます!」 「「合点承知!」」 一刻も早く、赤やまめを叩き潰す必要性があった。洞窟奥でひっそりと潜伏でもされたら、ここは安全なゆっくりぷれいすではなくなってしまう。 新鮮組のみょん姉妹は手当たり次第に赤やまめ達をぶった切っていく。いくら捕食種やまめとは言え、このサイズであれば武器を手にしたみょん種の敵ではなかった。 「ゆげえええええええ゛っ!! だじゅげろおおおおおっ!! れいぶをだずげぼぉぉぉぉぉっ!!」 痛みと恐怖で泣き喚く母れいむ。 だが、それに構っている余裕はもみじ達にも、子供達にもなかった。 「いそいでにげりゅゆっくり! しゅぱいやーまっ!!」 二匹の赤やまめはもみじに狙いを定めて、れいむのおうちからの突破を試みた。 「来ますか!? 赤ゆっくりと言えどもやまめ、油断も容赦もしません!! ここはやまめ達がゆっくりする場所じゃありません!」 もみじはそのふさふさした尻尾を叩きつけ、巧みに牽制し、赤やまめを近づけさせなかった。その隙にペーパーナイフを構えなおし、反撃のタイミングを見定める。 「今です! 咲く場所を間違えた花は散るのが定め!!」 雪のように白い尻尾を巧みに操って敵の視界を攪乱し、ペーパーナイフで三日月形の軌道に切り裂き、敵の餡子を花のように咲かせる。 「乱れ雪月花っ!!」 もみじ必殺の一撃である。尻尾での攪乱牽制をうまくやれば、一対多もこなせる攻撃法であった。なお、似て非なる技に、涎をばらまく涎雪月花もあるという。 「おいいいいいいいっ!! なんでれいぶをだじゅげないんだぁぁぁぁっ!! なんでもいいがらはやぐだじゅげろっ!! ゆっぐりできなびぃぃぃっ!?」 「すべてを食い破るゆっくち! しゅぱいやーまっ!」 「れいぶのおべべがぁぁぁぁぁっ!!」 今度は母れいむの右の眼球を食い破って赤やまめが出てきたのだ。 「みょん! ……母体を……いやっ!」 もみじは母れいむに向かって跳ねた。母れいむの体内にまだ赤やまめがいるのかいないのか、もみじには分からなかった。そして、群れの安全のためにはやらなければならないことだった。 「だじゅげろぉぉぉぉっ!! れいぶをだじゅげろ! ゆっぐり、ゆっぐぢざぜろぉぉぉっ!!」 「乱れ雪月花っ!!」 尻尾で母れいむの視界を封じた後、ペーパーナイフが容赦なく振り下ろされた。 「ゆごぶばぁっ!?」 「やヴぁっ!?」 もみじは母れいむの顔ごと、赤やまめを切り裂いた。そして、そのまま母れいむの体をペーパーナイフでざくざくと突き刺し、細切れにしていく。体外に出てきた赤やまめを始末し終えたみょん姉妹もそれに加わった。 「ゆべっ!? やべじぇ!! れいぶをっ!! れいぶをごろばばいでぇぇぇっ!! ばぶっ!! ゆっぐりごろじはゆっぐりでぎないっで! ゆべっ!! いま! じぶんでっ!! ゆ゛っ!!」 もみじもみょんも容赦しなかった。本当はもっと静かに永遠にゆっくりさせるつもりではあったが、やまめに赤ゆを産みつけられていた以上、細かく切り刻むか、水に叩き落す以外、方法はなかった。 「ゆびっ!! おぢびっ!! ゆ゛!! ゆ゛!! ゆばぁっ!! ぢゃんっ!! ゆ゛……ゆ゛……ゆ゛……」 母れいむは沈黙し、最早原型が何か分からないほど切断され、潰された。その死体は餡子と生キャラメルが混ざっていた。まだ体内に何匹か赤やまめが残っていたのだろう。 もし、まりさが寂しがっていたれいむをうまくケアしていれば…… もし、れいむがもっと「冬眠」について理解できる機会があれば…… 仮定はいくらでもできるが、今、ここに残ったのはたくさんの子ゆっくりとぐちゃぐちゃの死体、それだけだった。しばらくすると、強い強い春風が、乾ききった母れいむの死体を吹き飛ばしていった。 春一番がこの地に吹いてから、春はあっという間に到来した。山岳部にはまだ雪が残っているところもあったが、少し前まで雪化粧をしていた大地は真っ黒な地肌を曝していた。そして、そこから力強く、新しい緑が芽を出している。川は上流部からの雪解け水を受け、どうどうと流れる清涼な水であふれていた。 南の島からやって来たれいむとまりさは、この春の光を、そして春の臭いを浴びることも出来ず、永遠にゆっくりした。 れいむの遺餡子は少しだけこの北の大地のゆっくりに受け継がれ、まりさの知識と技術は少しだけここの群れに受け継がれた。 だが、残された子供達にゆっくりした日々は来なかった。 もみじは、子供達までせいっさいっするつもりはなかったが、群れで育むつもりもなかった。 もみじをはじめ、林の群れのゆっくり達は越冬自体はできたものの、越冬後、植物が十分に繁茂し、昆虫が眠りから本格的に覚めるまでの食糧を失った。そのため、それを補填しようと毎日のように野を駆け回っていた。それは危険な行為だった。なぜならば、眠りから覚めた動物達が一斉に餌資源を求めて徘徊し、また冬を耐え抜いた捕食者も、やっと動き出した餌生物を前に活発に活動する季節だったからだ。 一匹、また一匹と狩りの最中に永遠にゆっくりするゆっくりは増えていった。この群れでは事例が少なかった餓死者も出た。もみじはゆん口が半分以下に減った群れをなんとかしようと、あちこちを駆け回っていた。 町の野良ゆっくりとの物々交換、海辺の餌資源の積極的な開拓、そして今までむ~しゃむ~しゃしていなかった、まずい食糧の利用……もみじに、林の群れに、残された母れいむの遺児の面倒を見る余裕はなかった。 冬を越した十二匹の子ゆっくりは、洞窟から雀の涙ほどの食糧を「お情け」として持たされて追い出された。十二姉妹は食糧を求めて人間の町に向かった。 冬眠する個体としない個体がいるせいで、その成長段階もバラバラだった。しっかりものとして将来を期待されていた長女れいむは、冬眠を行う遺餡子を持っていたがために、自分よりもたくさんむ~しゃむ~しゃして、冬の間に成長した妹達の面倒をも見なければいけなかった。 「おねーちゃん、おなかすいたみょん!!」 「くそばばぁ!! はやくれいみゅにごはんしゃんもってきょい!! それでもおねーちゃんなの? れいみゅはずかちーよ!!」 「ゆわぁん! ゆわぁん! おきゃーしゃーんっ!!」 だが、みんな、子供故に母れいむがなんでも面倒見てくれる、そんな世界しか知らなかった。 ある子まりさは野良ありすにれいぽぅされて永遠にゆっくりし、ある子れいむは車に引かれて永遠にゆっくりした。 ある子みょんは人間の子供の玩具にされて永遠にゆっくりし、ある子ちぇんは「ゆっくりさせてくれない!」とありったけの罵詈雑言を長女れいむに浴びせた後、二度と帰って来なかった。 最後に残ったのは、しっかりものの長女れいむと、好奇心旺盛な、あのやまめに噛まれたこともある子まりさの二匹だけだった。 「ゆぅ……今日もごはんさんこれだけだよ……」 「まりさはこれだけなのじぇ……ゆっくりできないのじぇ……」 二匹は海岸近くの野原に捨てられて錆びついた廃車の下で生活していた。二匹が今日一日必死に集めた食糧は、小さなバッタが一匹に、道路で車に轢かれて死んでいたシデムシの死骸、そしておなかを膨らませるための苦い雑草、それだけだった。 親から狩りの指導を受ける機会もなかった二匹は、狩りも下手だったのだ。 既にしあわせ~!な味を忘れて久しく、お飾りもくたびれていた。 「む~しゃむ~しゃ……ふしあわせぇ~……」 「む~しゃむ~しゃ……ゆげぇ! 草さん苦くてゆっくりできないのじぇ!!」 子まりさが、長女れいむにある提案をしたのは、その侘しい夕食の後だった。 「おねーちゃん、ゆっくり聞いて欲しいんだじぇ! まりさはおかーさんがゆっくりしていた、海さんの向こうのゆっくりぷれいすにでかけることに決めたんだじぇ! おねーちゃんにもゆっくりついてきて欲しいんだじぇ! 一緒にゆっくりぷれいすでゆっくりしたいんだじぇ!!」 子まりさは、母れいむがしてくれる南の島の話が大好きだった。そして、好奇心旺盛な子まりさは、いつしか海を渡って南の島へ行けばゆっくりできる、と考えるようになっていたのだ。 「分かったよ! おかあさんのゆっくりしたふるさとに、れいむも行って見たいよ!」 洞窟の中でのしあわせ~な生活と比べて、あまりに辛い現状に精神をすり減らしていた長女れいむは、子まりさの提案に簡単に賛成した。 翌日は穏やかな日だった。空にはのんびりとした雲が浮かび、風がないために海は鏡のように凪いでいた。 二匹は廃車の近くにあった廃港に捨ててあったカップ麺の容器を浮かべ、ここから出発することにした。 「海さんとってもゆっくりしているんだじぇ! きっとまりさ達を歓迎してくれてるんだじぇ!」 「ゆゆ~ん! おかあさんのふるさと、ゆっくり楽しみだね!」 子まりさは穏やかな陽光に照らされる海面に目を細めながら、ゆっくり、ゆっくりと櫂を漕いで行った。二匹のゆっくりを乗せたカップ麺の容器は、これまたゆっくり、ゆっくりと海を進んでいく。 子まりさは南の島がどこにあるのか、どれくらいの距離にあるのかなどと、考えたことはなかった。ただ、海を進めばゆっくりできる、そう信じていたのだ。 「きゅーそくふじょーっ!! こんにちは、まりさとれいむ! ゆっくりしていってね!」 その時、一匹のむらさが水中から浮上し、顔を出した。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆゆ!? 見たことないゆっくりだじぇ!」 子まりさも長女れいむも初めて見るゆっくりだった。 「むらさはむらさだよ! よーそろー! まりさとれいむは何してるの?」 「まりさはこれからこの海さんを渡って、とってもゆっくりしたゆっくりぷれいすに行くんだじぇ!!」 子まりさはむらさの問いかけに対して、誇らしげに答えた。そこへ、もう一匹のむらさが浮上してきた。最初の個体よりも大きな個体だった。 「よーそろーっ!! 海を渡って、ゆっくりぷれいす、ね……」 「!!」 子まりさと長女れいむはその大きなゆっくりの姿にびっくりした。その大きなゆっくりは片方の目に黒い眼帯をしており、そのぼろぼろの水兵帽に引っ掛けるようにして所持しているあんかーには、死臭がべっとりと染み付いた大小様々な水兵帽の切れ端が結び付けられていた。とてもゆっくりできないゆっくりだった。 「シブイねぇ……まったくまりさはシブイよ!」 二匹の乗るカップ麺容器の前に、黒い眼帯をしたむらさは移動した。それは、以前、南の島から来たまりさや林の群れの面々が浮き桟橋で戦ったむらさ……あのときのリーダー格、きゃぷてんと呼ばれていたむらさだった。 「「ずちゃ、ずっちゃちゃちゃ♪ ずっちゃっちゃ♪ ずっちゃっちゃっちゃ♪ (某海賊映画のテーマらしきもの)」」 なにやら勇ましいテーマ曲を口ずさみながら、十匹前後のむらさが一斉に浮上してきた。そのほとんどの個体が、頬をちぎられていたり、水兵帽がぼろぼろであったり、片目がなかったりと、とてもゆっくりできないゆっくりで占められていた。 「ゆ!? む、むらさはなんなんだじぇ!? なんだかゆっくりできてないんだじぇ! ゆっくりしないでどっかに行って欲しいんだじぇ!!」 警戒した子まりさが怯えた声を上げる。その後ろで長女れいむは緊張した面持ちで、きゃぷてんむらさをにらみつけていた。 そんな二匹の様子をあざ笑うかのように、きゃぷてんむらさは重々しく口を開いた。 「ここはゆっくりできない海……むらさによって呪われた海だよ、よーそろー! この海にあんよを踏み入れたゆっくりはみんなゆっくり沈んで行くんだよ、よーそろー! ……あきらめてね」 「何言ってるの! なんのけんりがあってそんなこと言ってるの!! れいむもまりさもそんなの知らないよ! 勝手なこと言わないでね!!」 むらさの一方的な悪意に対して、れいむが怒りに満ちた声で抗議する。それに対して、きゃぷてんむらさはからからと笑うような声で答えた。 「そんなの知らないよ!! むらさの友達も、おちびちゃんも、赤ちゃんも、みんなみんな永遠にゆっくりしちゃったよっ!! 許さないよ! 」 「何言ってるんだじぇ? まりさ達はなんのことか分からないんだじぇ!!」 きゃぷてんむらさは、ゆふふと笑った。 「だーくぶるーむーん!」 むらさ達が、子まりさと長女れいむの乗ったカップ麺容器前方に三日月型に展開する。だーくぶるーむーんは、むらさ達が自分より大きな敵に対して、三日月の延びた両翼から牽制と攻撃を同時に行う陣形であり、戦法であった。 「ゆっくり沈め! よーそろー!」 子まりさと長女れいむが、何がなんだか分からず戸惑っていると、一匹のむらさが左からカップ麺容器に攻撃を仕掛けてきた。石灰質のあんかーがざくりと容器の底を削り、小さな切れ目を作り出す。 「やべでねっ!! なにずるのっ!! れいむはむらさに何も悪いことしでないよっ!! ゆっくりしないでやめでねっ!!」 「やめるんだじぇええええっ!! こんなのゆっぐりじでないんだじぇえええっ!!」 「むらさがゆっくりしてないって? 別にいいよ! むらさはゆっくりしたいわけじゃないよ! ただ……」 二匹目、三匹目と、カップ麺容器の左右からむらさが別々に突っ込んできて、同じように穴を開けていく。海水がカップ麺容器に浸入し、子まりさと長女れいむのあんよを濡らし始めた。 「ただ、むらさのおちびちゃんよりも苦しんで沈んでね! むらさの友達よりも惨めに死んでね! むらさの妹よりも汚ない死体になってね! むらさはそれだけが望みだよっ!! よーそろーっ!!」 高らかに笑うきゃぷてんむらさの宣言も、子まりさと長女れいむの耳には届かない。二匹は海水を口に含んで外に捨てようと必死だった。 「ゆわあああああっ!! まりさは水さんを外へぴゅーっするんだじぇ……ゆっげぇぇぇっ!! じょっぱい! ゆっぐりできないんだじぇぇぇっ!!」 「れいむの妹! まりさしっかりしてね! おねーちゃんに任せてね、ゆっくり……ゆげぇぇっ!! じょっぱいっ! ゆ゛……お゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛ろ゛……」 二匹が泣いたり、吐いたりしている間にも海水はみるみる侵入して来る。そして、むらさの攻撃もやむことはなかった。 「やじゃよおおお!! やじゃよおおお!! 海さんをわだれば! れいむはゆっぐり、ゆっぐりできるんだよぉぉぉっ!!」 「ゆっびゃあああっ!! ゆ? こうなったらまりさだけでもお帽子に乗って逃げるんだじぇ!!」 ここに来て自分の帽子があることを思い出した子まりさは、沈み行く容器を見捨てて、帽子で脱出しようとした。 「まりじゃああっ!! おねえじゃんもだじゅげでぇぇぇっ!! ゆびっ!?」 必死に子まりさの帽子に乗り込もうとする長女れいむを、子まりさは櫂で押し返した。 「だめだじぇ!! これはまりさの帽子だじぇ!! お姉ちゃんも助けたら二人とも永遠にゆっくりしちゃんだじぇ!!……ゆ?」 だが、子まりさの帽子の先端も、むらさによってあっという間に齧り取られ、浸水が始まっていた。 「まりじゃあああ!! おねえじゃんを! おねえじゃんをだじゅげでぇぇっ!! ゆぼっ!?」 「どぼじでまりじゃのおぼうじじゃんあながあいでるのおおおおっ!! ゆんやぁぁぁっ!! おねえじゃんだじゅっ!! ゆぴぴっ!?」 帽子から再びカップ麺容器に逃げようとした子まりさと、現状把握できずになんとか子まりさの帽子に乗ろうとした長女れいむは、絡まるようにして、海に落ちた。むらさ達はその様子を見届けた後、静かに海中に去って行った。 沈んでゆくまりさの餡子をついばむ魚がいた。 南方から海流に流れてやって来て、帰ることも、新たなる生を育むこともできず、ただ異郷で最期まで必死に死を待つだけの魚。 死滅回遊魚。 ~ 遠い海から来たゆっくり 完 ~ 作:神奈子さまの一信徒 お帰りなさいと声をかけていただいた方、わざわざ感想を書いてくださった方、ありがとうございました。 久しぶりに書いてみたくなったので、リハビリのつもりで一作書いてみた次第です。 少しでもゆっくりしていただけたのでしたら、幸いです。 最後まで読んでくださった皆様、素敵な作品を投稿してくださっている絵師・作者の皆様、餡庫、wikiなどの管理をしてくださっている皆様にゆっくりした感謝を。
https://w.atwiki.jp/kss_oniren/pages/170.html
アーティスト:彩×モカ×リサ×花音×つぐみ レベル:5 作詞:織田あすか(Elements_Garden) 作曲:都丸椋太(Elements_Garden) 歌唱区間:落ちサビ~ラスサビ(強がらなくていいんだよ~) 地声最高音: 裏声最高音: ゲームアプリ『バンドリ!ガールズバンドパーティー!』の挿入歌。また、TVアニメ『BanG Dream! 2nd Season』の挿入歌。
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/582.html
48 :名無しさんなんだじぇ:2010/05/23(日) 21 33 29 ID lwFbs.Dc レイ「…」ピクピク 船井「なぁ兄ちゃん。腹決めて律はんに会ってきたらどうや?」 レイ「…」 船井「いつまでもここに篭る訳にもいかんやろ?」 レイ「しかし…」 船井「嬢ちゃんがキャスターはんに襲われとる間だけの自由なんて辛いやろ?相手はただの女子高生やん」 レイ「ああ、破滅的な威力を持つ二丁のマシンガンを自在に操るただの女子高生だな」 船井「まあまあそう嫌味に言うなって。兄ちゃんかていままで生き残ってきた実力者やん」 レイ「戦えと言うのか?」 船井「や、そういうわけやないけど…。ようは男ならぼこられるん承知で和解してこいゆうことや」 レイ「それは…」 船井「確かに嬢ちゃんが不幸の道を歩むきっかけになったんは兄ちゃんに違いないからな」 レイ「し、知らん!俺は関係ない!」 船井「往生際が悪い!嬢ちゃんが麻薬に苦しんだんも、キャスターはんに性的な意味で襲われるんも、光秀はんに襲われるんも、俺のちょっとした恋心に気づかんのんも全部あんさんのせいや!」 レイ「おいちょっと待ておかしくないか」 船井「おかしゅうない!ほらとっとと行けや!大丈夫、ここなら死んでも復活できるさかい!」 レイ「そういう問題じゃない!」 49 :名無しさんなんだじぇ:2010/05/23(日) 22 13 42 ID Dqk6XWuQ 唯「あ、レイさんだー」 レイ「……何か用か」 唯「ねぇねぇ、今からν放課後ティータイムのみんなでお菓子食べるんだけど、レイさんも来ない?」 レイ「断る」 唯「えー、なんでー? レイさん暇でしょー?」 レイ「俺は忙しいんだ」 船井「控室の隅っこで突っ立ってるだけやないか」 レイ「……潜入任務中だ。あっちへ行け」 唯「いこーよーレイさーん。ほら、私たち名前似てるし!」 レイ「名前は関係ないだろうが!」 船井「ワイも協力したるで嬢ちゃん」 レイ「ま、待て! あのメンバーには確かっ……」 船井「だからやないか。おら、とっとと覚悟決めて行ってこいや!」 レイ「やめろおおおおおおっ!!!」 プリシラ「おそいなぁ唯。何やってんだろ」 かじゅ「誰か連れてくると言っていたが」 唯「おまたせーみんな。ごめんごめん遅くなっちゃった」 律「何やってたん……!!!」 レイ「……………」 唯「紹介するね。控室の主のレイさん! あたしと名前一文字しか名前違わないんだよ!」 一同「………………」 唯「あ、あれ?」 紬(よりにもよって彼を連れてくるなんて……) 船井(やっぱマズかったんやろか) 美琴(壊滅的にマズいに決まってんでしょうが!あーもうどうしよ……) 律「お前っ……お前のせいであたしがどんな目にあったとっ……!」 レイ「知らん」 律「っっっ!!!」ジャキッ レイ「お前の事など俺の知ったことではない。俺はただ俺の目的を遂行しようとしただけだ」 律「あーそうかい、じゃああたしがここであんたを撃ってもいいってことかい?」 レイ「好きにしろ。俺はもう死んだ。俺はもう、どうでもいい」 律「……………ちっくしょう……こんな抜け殻みたいなやつ撃てるわけないだろっ……」 唯「りっちゃん……ほら、お菓子たべよ?おいしいよ」 律「うぅっ……ぐすっ……」 レイ「…………」 唯「ほら、レイさんも」 レイ「いらん。俺は帰る」 律「………………」 カチャカチャカチャ……(食器の触れる音) かじゅ(き、気まずい……) 梓(この空気はキツイです……) 50 :名無しさんなんだじぇ:2010/05/23(日) 22 33 50 ID lryysBa6 オーナー「ふなちゃん」 船井「ナンデショウカ、オーナー」 オーナー「少しこちらに…」 船井「ワカリマシタ」 ムギ「ごめんなさい、少し席を外すわね」 唯「う、うん」 律「……」 かじゅ「うーむ、どうしたもの…」 タキューン、タキューン 一同「!」 …… ムギ「今戻ったわ」 唯「あれ、船井さんは?」 ムギ「用があるとかでどこかへ行ってしまったわ」 あずにゃん「そ、そうですか…」 ムギ「さあ、続きと行きましょう。まだお茶もお菓子もあるわよ」 律「あ、ああ…なんかごめんな」 ムギ「別にいいわよ、気にしないで」 プリシラ「(ムギちゃんから硝煙の臭いがするのにはつっこまないほうがいいよね?)」 美琴「(やめといたほうがいいと思うわ)」 51 :名無しさんなんだじぇ:2010/05/24(月) 00 01 09 ID n8kMOrTo ~~酒場~~ 船井「ワテかて良かれと思ってやったんやで?ちゅーか連れてったん嬢ちゃんやし…」 小十郎「まぁお前さんの言いたいことも分かるが…」 兵藤「謝れば済むというものではないが、一言あればまた変わるのにのう。」 政宗「HA!まったく強情なヤツだぜ。」 カイジ「そういやあんたはいいのか?」 玄霧「…恨んでいない、と言えば嘘になりますが、此処でそういったものに囚われていてもしかたありませんしね。ただそれを彼女に強要出来ません。」 安藤「でも、何時までもこのままと言うわけにもいきませんよね?」 一同「う~ん…」
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2280.html
http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1363629196/ 咲「だって、100万弱はするカピバラを飼ってたり、優希ちゃんにたかられるままタコスを買い与えてたりするんですよ?」 久「そんな動物飼ってたんだ、須賀君」 まこ「さすが中学からの付き合いだけあるのう」 咲「そんな、付き合うだなんて・・・///」 和「咲さんはお金があればいいんですか?」 咲「ち、違うよ・・・。ただ、京ちゃんについての感想を言っただけで・・・」 和「ですよね」 優希「のどちゃんなんて両親がエリートだからお金持ちだじぇ」 咲「そだね。おうちも立派だったし」 4京太郎「お、何の話題だ?」 久「須賀君について話してたのよ」 京太郎「俺っすか?」 咲「あはは、何でもないよ、京ちゃん」 京太郎「何でもないってことはないだろーが。ほら、素直に吐けー」グリグリ 咲「いたた、やめてやめて///」 久「相変わらず仲がいいわね」 まこ「夫婦じゃの、夫婦」 咲・京太郎「「夫婦違います!」」 優希「息もぴったりだな」 和「・・・・・・・・・」ムスーッ… まこ「機嫌悪そうじゃがどうしたんじゃ?」 和「須賀君に決闘を申し込みます」 京太郎「決闘・・・?」 和「須賀君はカピバラとか飼っているようですが、ポケモンはどうですか?私のポケモンと勝負しませんか?」 京太郎「そりゃいいけど、決闘って・・・」 優希「はわわ・・・、のどちゃんやる気だじぇ・・・」 咲「何でいきなり決闘なんて・・・」 和「私が勝てば須賀君は咲さんと別れて下さい。私たちには麻雀に集中しなければならないんですから」 京太郎「いや、だから付き合ってないんだが」 久「和が負けたらどうするの?」 和「その時は須賀君の言うことを何でも聞きます」 京太郎「えっ?何でも聞いてもらえるのか?」 和「はい」 久「面白そうじゃない。じゃあ、今から30分後にグラウンドに集合よ!」 咲「そんな・・・」 咲「あんなこと言ったけど、京ちゃんどうするの?」 京太郎「ま、決闘ったってポケモンだろ?大丈夫だって」 優希「のどちゃんは強いじぇ~?タウリンとか何か高級そうなのいっぱい与えてるし」 京太郎「マジかよ!?で、でも、俺のポケモンには愛を与えてるし、それに公式バトルも出れるように6匹も飼ってるんだぜ?」 咲「すごい!餌代とかかかりそう」 京太郎「和は何匹飼ってるんだ?」 優希「一匹しか見たことないじょ」 京太郎「なら余裕だな」 久「和、勝算はあるの?」 和「そんなものありませんよ。勝つか負けるかの話じゃないんです、これは」 まこ「ほう・・・」 和「私は勝ちます」 久「咲が須賀君と仲良くしてたのが腹立たしかったから?」 パァン 久「痛い・・・」 和「茶化さないで下さい!」 久「ぶった・・・。お父さんにもお尻をぶたれたことなかったのに、後輩にお尻をぶたれた・・・」 パパァンッ 空気が乾いた音を立てた 和「まだ言いますか!」 久「ふぇぇーん、二度もぶったー」 まこ「よしよし。和もやり過ぎじゃぞ?」 和「これは生死(せいし)をかけた決闘なんです。茶化すことは許されません」 まこ「ならしゃーなしじゃな」 一時間後 清澄高校グラウンド 和「逃げずに来れたことをまずは賞賛しましょう」 京太郎「いや、だって和は一匹しかポケモン飼ってないっていうし、それに勝ったら・・・ぐへへ」ニヤァ… 咲「エロスなこと考えるの禁止!」 和「では決闘です。モンスターボールを出したらどうですか、須賀君」 まこ「なんじゃ和の奴・・・。一匹しかポケモン持ってとらんっちゅーに随分余裕そうじゃな」 優希「そうか、先輩たちは知らないんだな・・・」 咲「何を?」 優希「のどちゃんは、高遠原中学のポケモン番長として有名だったんだじぇ」 久「和が番長?ありえないでしょ」 優希「本当なんだじょ!のどちゃんは奈良から転校してきた日、 そのおっきなおっぱいに目を付けた番長グループに目を付けられたんだじぇ。そしてのどちゃんは・・・」 咲「まさか・・・」 優希「全員を返り討ちにしたんだじぇ・・・。その後、番長グループはポケモンで悪い事をしなく・・・いや、できなくなったんだじょ」 まこ「そりゃすごいのう・・・。一匹で全部倒せるっちゅーことは、まさか伝説ポケモンを持っとったりするんじゃろうか?」 優希「わからないじぇ・・・。誰もその姿を見た者はいないのだからな・・・」 咲「何それ怖い・・・」 京太郎「じゃあ一匹だからって遠慮はしないぜ?行け!ゲノセクト!ピッピ!」 ぽんっ 久「うわぁ、ピッピじゃない!」 咲「かわい~・・・。私、ピッピ生で初めて見た!」 まこ「どっちも一般人が買えるもんじゃないからのう・・・」 京太郎「和、どうした?早くポケモンを出せよ。まあ、負けを認めるんだったらポケモンをボールに戻すけど」 和「須賀君の目は節穴ですか?」 京太郎「えっ?」 和のモンスターボールは既に空を示していた まこ「どういうことじゃ?和のポケモンなんてどこにも・・・」 和「須賀君、そのままポケモンを棒立ちにさせておいていいんですか?」 京太郎「くそっ・・・!和のポケモンがわからねぇ!ピッピ、ゼノセクト、周囲を警戒するんだ!」 刹那、ピッピは爆散した 咲「キャァーーーッ!!!!」 久「おぇぇ・・・気分が悪くなってきたわ・・・」 辺りには土ぼこりと共に霧と化した血が立ちこめ、飛び散った血肉は京太郎の頬を濡らした 京太郎「そんな・・・嘘だろ・・・?」 幼京太郎『おばあちゃーん、ピッピ買ってよー』 祖母『ピッピ?ポケモンかい?』 幼京太郎『うん!お父さんもお母さんも仕事で忙しいから、一緒に遊ぶんだ!』 祖母『はいはい』 京太郎の幼少期からピッピはずっと一緒だった 寝るときも、遊ぶときも、食べるときも・・・ 幼京太郎『ピッピ、寂しくて眠れないんだ・・・。何か歌ってよ・・・』 ピッピ『うっんめいっせーん♪』 幼京太郎『何で大橋歩夕っぽく歌うん・・・だよ・・・Zzz』 京太郎「ピッピーーーーーーーーーー!!!!!!」 京太郎は泣いた 叫びはグラウンドに乾いて響いた 久「どういうことなのよこれは・・・うぅっ・・・」 まこ「わし、見えたかもしれん・・・」 優希「えっ?じゃあ、ピッピはどうしていきなり・・・」 まこ「はるか上空から何かが降ってきたんじゃ・・・。そいつがピッピを・・・」 和「ご明察です。そして、須賀君、もう一匹いきますよ?」 京太郎「やめろぉぉぉおおおおーーーーーーーっ!!!!!」 パァン 何かが破裂する音がした ゼノセクトは京太郎の前から姿を消した 土ぼこりの中から一瞬で京太郎のポケモンを攻撃し、殺害したのだ 不思議な色の体液、筋繊維や何かの破片、割れた甲殻の欠片・・・ 無残な光景が広がっていた 咲「和ちゃん、こんなの酷いよ・・・」 土ぼこりから姿を現し、和の横に立っているのはカイリキーだった まこ「カイリキー・・・。二秒間に千発のパンチを打てるっちゅうあの・・・」 優希「あんな奴の攻撃を喰らったら死ぬしかないじぇ・・・」 久「で、でも、あのカイリキーおかしくない?だって・・・」 優希「のどちゃんは高い薬とかいっぱいあげてるからな。だからかもしれないじぇ」 和「私のカイリキーはレベル100です」 京太郎「和・・・ぜってぇ許さねぇ・・・」グイッ… 袖で涙を拭うと京太郎は残りのモンスターボール全て握った 和「私もです。咲さんが受けた痛みはこんなものじゃない・・・!」 咲「えっ?えっ?何で私が?」 京太郎「ピッピたちの仇・・・。お前のカイリキーも殺してやる・・・」 まこ「それは無理じゃ。市販のモンスターボールで捕まえたポケモンは相手のポケモンを殺したりはできんようになっとるんじゃ」 久「えっ?でも、和のカイリキーは・・・」 優希「のどちゃんのモンスターボールはぼんぐりの実を加工して作ったのどちゃんのハンドメイドだじぇ」 咲「じゃああのカイリキーは公的機関とか、どこにも登録されてないポケモン・・・」 和「カイリキー、マッハパンチ」 カイリキー「・・・・・・」スゥッ… まこ「やばい!みんな伏せるんじゃ!」 その拳は音を置き去りにした ぼぼぼぼんっ 咲「京ちゃんのモンスターボールごと中のモンスターまでっ!?」 京太郎「ああ・・・そんな・・・。ラティオス、ギャラドス、ナットレイにヘラクロスまで・・・」 全て死んだ 和「約束です。咲さんと別れて下さい」 京太郎「・・・・・・るせぇ」 和「はい?今なんと?」 京太郎「うるせぇ!咲、聞いてくれ!」 咲「は、はいっ!」 京太郎「好きだ!結婚しよう!」 和「須賀君、何を・・・!?」 京太郎「俺は何も和へのあてつけでこんなこと言ってるんじゃない。前からずっと咲のことが・・・」 咲「ごめんなさい」 久「えっ?そんなあっさり・・・」 咲「私、霞さんって三年生と文通から始めて、今は遠距離恋愛してるんです。だから・・・」 京太郎・和「「そんな・・・」」 まこ「・・・回る寿司でも食いに行くか」 優希「やったー」 久「そうね」 みんなの胸に心の傷を残し、決闘は終わった 咲「みんなもポケモンをするときはマナーを守ろうね」 完
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/6323.html
585 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 04 29.57 ID ??? 便乗プチ報告で申し訳ないが、俺の周りにもSW2.0でルールの穴を突いてくるGMがいる。 各下の雑魚が18人単位で出てくるんだ。たいていはそれに加えて「助けないといけないNPCが一人で奮戦中」という状況。 で「乱戦エリアには20人しか入れないんで、あと前衛一人しか近接戦闘には参加できない」と言われる。 1回ならともかく何度も何度もその状況を設定してくるのでGMを問い詰めたんだが、 「公式リプレイ(滅びのサーペント)で清松がやってるからいいんだ」と開き直られた。 アレには開いた口が塞がらなかったな。 587 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 05 39.56 ID ??? 清松なら仕方が無い 589 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 07 17.22 ID ??? そういうシチュも一回なら面白いんだけどね 問い詰め方が悪かったんじゃね? 毎回マンネリな展開で面白くないんだよ糞がって優しく諭してあげるべき 590 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 09 33.14 ID ??? 589 そんな理不尽な状況に置かれるなんて一回でも御免蒙りたいわ。 593 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 12 26.30 ID ??? 確か要救助者7名とすさまじい格下10体、入る余地は3名で PCはすごい高レベルで二回行動や範囲攻撃もガンガンできて 実際!R目のPCの手番だけ、しかも「これ以上やったら他の見せ場がなくなるから攻撃やめとく」 とPLに言わせて圧勝させた、いわゆるオープニングで良い気になるシーンでの話じゃないか、それ 596 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 18 17.89 ID ??? 585 解った!答えはこうだ まずPC1が乱戦に入る 次にNPCを殴り倒す すると気絶して乱戦から除外される 空いた枠にPC2が入る アウエイクンでNPCを起こす 乱戦には入れないので離脱判定なしにNPC脱出 597 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 29 20.04 ID ??? 「あぶなーい!」ドスっ 598 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 33 26.86 ID ??? そのGMならNPCの生死判定失敗したよ!って言い張るに10ムギャオー 601 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 01 46 07.99 ID ??? 585は場面が室内とかの閉鎖空間なら処理自体には特に不満は持たないなぁ 毎回同じシチュエーションなのは飽きるから勘弁して欲しいけど 485の前者は、敵だけ気絶回復禁止ってわけにも行かないだろうし、 範囲攻撃に巻き込むとかの効率よく止めを刺す事を心がける位しかないかなぁ 603 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 02 00 07.41 ID ??? マジバトルと演出をごっちゃにすんなよ… 605 名前:NPCさん[sage] 投稿日:2011/10/13(木) 02 09 54.96 ID ??? 596 599 ルール的には妥当な救助方法だから困るw スレ287
https://w.atwiki.jp/ani3sisya/pages/840.html
704 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 18 00 13 ID ZWX6WlPk つ仮投下スレ 士郎「!?」 セイバー「!?」 アーチャー「!?」 美琴「!?」 美穂子「!?」 705 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 02 34 ID piYXyva. カイジ「あのアーチャーがあそこまで驚愕するとはな…」 とーか「仕方ありませんわ。あれは誰でも驚きますわよ…」 部長「でもまだ決まった訳ではないわ。ないけど…これは…」 カイジ「いや、これは予想外過ぎるぞ…」 710 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 28 49 ID gnPAXoTI バサカ「死んでも自動で生き返っちゃってすみません」 御坂「いやあんたの事じゃないから」 バサカ「生前は不老不死だったんですけどね」 御坂「なんかそれおかしくない?」 711 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 56 21 ID Qh1l4BpM 池田「とりあえず今日からお前の名前は士郎子(仮)でし!」 士郎「なんでさ!?」 池田「後、ついでにお前も・・・」 アーチャー「私は関係無い!!」 716 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 01 39 51 ID lY5pmkzs 士郎(女体化せずに済んだ…) 美琴(悩みの種が増えずに済んだ…) アチャ(大事な戦力(調理師)がいなくならなくて済んだ…) セイバー(シロウが連れ出されなくて済んだ…早くシロウのご飯が食べたいなぁ…) 719 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 12 22 39 ID AxxRxVcc 士郎「う…やめろ、リボンズ…ッ!」 セイバー「シロウ!シロウ!しっかりしてください、シロウ!」 士郎「ハッ…!ここは…。セイバー?…そうか、俺は死んだんだったな…」 セイバー「大丈夫ですか、シロウ。うなされてましたよ」 士郎「あぁ…なにやら女になった夢をみた…。夢だったらもうちょっと堪能しておけばよかったかな」 セイバー「なにを分けのわからないことを…ところでシロウ、お腹がすきました」 士郎「あぁ、待ってろ。今作ってきてやるから」 セイバー「頼みます。アーチャーの御飯も美味しいのですが、私はやはり士郎のご飯が好きです」 士郎「…あぁ」 720 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 13 01 37 ID jB2X/t3Y カイジ「とりあえず蘇生騒ぎは収まったが…今度は黒子が士郎を殺した相手とご対面かよ」 とーか「衣がグラハムさんと合流してくれる可能性があるのは嬉しいですけど…」 部長「これは難しい局面ね。もっともここで躓くようなら…」 ビリビリ「黒子……」 士郎「ごめん、みんな…」
https://w.atwiki.jp/animerowa-3rd/pages/1563.html
704 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 18 00 13 ID ZWX6WlPk つ仮投下スレ 士郎「!?」 セイバー「!?」 アーチャー「!?」 美琴「!?」 美穂子「!?」 705 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 02 34 ID piYXyva. カイジ「あのアーチャーがあそこまで驚愕するとはな…」 とーか「仕方ありませんわ。あれは誰でも驚きますわよ…」 部長「でもまだ決まった訳ではないわ。ないけど…これは…」 カイジ「いや、これは予想外過ぎるぞ…」 710 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 28 49 ID gnPAXoTI バサカ「死んでも自動で生き返っちゃってすみません」 御坂「いやあんたの事じゃないから」 バサカ「生前は不老不死だったんですけどね」 御坂「なんかそれおかしくない?」 711 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/08(水) 22 56 21 ID Qh1l4BpM 池田「とりあえず今日からお前の名前は士郎子(仮)でし!」 士郎「なんでさ!?」 池田「後、ついでにお前も・・・」 アーチャー「私は関係無い!!」 716 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 01 39 51 ID lY5pmkzs 士郎(女体化せずに済んだ…) 美琴(悩みの種が増えずに済んだ…) アチャ(大事な戦力(調理師)がいなくならなくて済んだ…) セイバー(シロウが連れ出されなくて済んだ…早くシロウのご飯が食べたいなぁ…) 719 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 12 22 39 ID AxxRxVcc 士郎「う…やめろ、リボンズ…ッ!」 セイバー「シロウ!シロウ!しっかりしてください、シロウ!」 士郎「ハッ…!ここは…。セイバー?…そうか、俺は死んだんだったな…」 セイバー「大丈夫ですか、シロウ。うなされてましたよ」 士郎「あぁ…なにやら女になった夢をみた…。夢だったらもうちょっと堪能しておけばよかったかな」 セイバー「なにを分けのわからないことを…ところでシロウ、お腹がすきました」 士郎「あぁ、待ってろ。今作ってきてやるから」 セイバー「頼みます。アーチャーの御飯も美味しいのですが、私はやはり士郎のご飯が好きです」 士郎「…あぁ」 720 :名無しさんなんだじぇ:2010/09/09(木) 13 01 37 ID jB2X/t3Y カイジ「とりあえず蘇生騒ぎは収まったが…今度は黒子が士郎を殺した相手とご対面かよ」 とーか「衣がグラハムさんと合流してくれる可能性があるのは嬉しいですけど…」 部長「これは難しい局面ね。もっともここで躓くようなら…」 ビリビリ「黒子……」 士郎「ごめん、みんな…」
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1621.html
情けはゆっくりの為ならず 16KB 虐待-普通 理不尽 自業自得 自滅 共食い 野良ゆ 赤子・子供 自然界 現代 うんしー リハビリです。 書いた人 ヤリまむあき 書いたもの ふたば系ゆっくりいじめ 703 ゆー具 ふたば系ゆっくりいじめ 708 売ゆん婦 ふたば系ゆっくりいじめ 717 売ゆん婦2 ふたば系ゆっくりいじめ 723 売ゆん婦3 ふたば系ゆっくりいじめ 730 ゆー具 鬼畜眼鏡編 『情けはゆっくりの為ならず』 一、 れいむは困っていた。 かわいいおちびちゃん達に食べさせてあげるご飯が尽きたからである。 元来れいむ種は狩りが上手くないので、他の種と番になり、その子を生み育てるのが主な役割だった。 そしておうたやのーびのーび、もみあげぴこぴこなどゆっくりできるレクリエーションをするのである。 さて、そんな風に何の苦労もせずゆっくりできる日々を過ごしていたのだが、ある日突然番のまりさがいなくなってしまった。 れいむも慌てて探したのだが、たった四日で諦めた。 (こんなにたくさんさがしたのにどうしてまりさがみつからないのおおおおお!? かわいいれいむとおちびちゃんたちがこまってるんだよおおおおお! ゆっくりできないまりさなんてもうしらないよ!!) こういう性格だからまりさも嫌気がさして逃げたのだろうが、れいむはそれに気付かない。 ただまりさへの文句を口にするだけだった。 「おかーしゃん! れいみゅむーしゃむーしゃしあわしぇーしたいよぉ!!」 「まりしゃもうにがいくささんいやなんだじぇ!!」 「あまあまたべたいよおおおお!!」 まりさがいなくなってから食べるものといえば雑草がほとんどで、まともな食べ物はたまに採れる木の実ぐらい。 雑草の苦味と食べ物の少なさは我が儘で食べ盛りの子ゆっくり達にとって我慢できるものではなかった。 「うるさいよ! そんなにわがままいうんだったらじぶんでなんとかしてね!! おかあさんはたいへんなんだよ!!」 そう言って自らの子供達に向かってぷくぅーっをするれいむ。 「ゆびぃいいいいいっ! おかあしゃんがいじめるよおおおおお!!」 「こわいんだじぇええええ!!」 「ごめんなしゃいいいいい!!」 子供達を威嚇してしまった後、れいむは泣いた。 「ゆぐっ、ゆぐっ……。ごめんねぇえええ! おかあさんがごはんさんとってこれないからあああああ!! これもまりさがいなくなっちゃったせいだよおおおおおお!!」 巣穴には子ゆっくり達の泣き声と、れいむの嗚咽が響いていた。 ニ、 次の日、家族総出で狩りに勤しむれいむ一家の姿があった。 森の中には虫やキノコ、その気になれば食べられるものなどはあるのだ。 それならばと、子ゆっくりまで駆り出してゆん海戦術で少しでも収穫を増やそうという魂胆である。 「おちびちゃんたちがんばろうね!」 「「「ゆー!」」」 だが、結果は無惨なものであった。 「まりしゃ、もううごけないんだじぇ……」 「おなかしゅいたよぉ……」 しばらくまともな食事をしていなかったこともあってすぐに体力の限界が訪れる子ゆっくり達。 赤ゆほどではないが燃費が悪く、それでいて狩りをしたことがない彼女達が採れる食料など微々たるもので、かえって消耗した体力の分余計に食べなければいけないのだから逆効果だった。 「まりさ、まりさはどうしてかえってこないの……。はやくかえってこないとせいっさいっするよ……」 ただまりさが持ってくるご飯を食べてはゆっくりするだけだったれいむには、この状況を打開する力などなかった。 子供達の世話をしていたと言ってもおうたを歌ってむーしゃむーしゃしてごろごろしてるだけ。 それでいて自分がゆっくりしているという自負だけは高いのだから困ったものだ。 ゆっくりにとってはゆっくりしている事こそ至上命題。 このれいむはそういう考えの持ち主だった。 「どうしたんだい?」 そんなどうしようもないれいむに、救いの神が舞い降りた。 三、 男は山歩きを趣味にしていた。 その日いつものように山に入ってしばらくすると、弱ったゆっくりの一家が目に入ったのである。 世間でのゆっくりの認識はひどいものであったがこの地域では畑を襲撃するようなゲスはほとんどおらず、害獣と呼べるようなものではなかった。 山の恵みを食い荒らすものの様々な理由で自滅して植物の養分になったり、野生動物の餌にもなるので結果的には有益であるし、また時折村の子供達が山に入ってゆっくり狩りをして適度に数が調整されていることもあり、地域に密着した存在だったのである。 男はゆっくりが好きでも嫌いでもなかったので、相手がゲスでなければそれなりに寛容だった。 「ゆ……。にんげんさん、れいむとおちびちゃんはおなかがすいてこまってるんだよ」 この時れいむに元気が有り余っていたのなら間違いなく悪態をついてあの世直行便に乗車していただろうが、幸運なことにそうはならなかった。 あまりの空腹に子供たち含めそれをする気力もなかったのである。 「そうか……。ならこれを食べなさい」 少し気の毒に思った男はとびっきり甘いチョコレートやクッキーを多めにばら撒き、ゆっくり達に食べるように促した。 あまあま、それも野生ではまずお目にかかれない人間のお菓子。 ゆっくりにとっては至宝である。 「ゆ……! ゆわぁ~い!! あまあまああああああ!!」 姉子れいむが真っ先に飛びつく。 さっきの弱り具合が嘘のようだ。 「おねえちゃんずるいんだじぇ! まりしゃもいっぱいむーしゃむーしゃするんだじぇ!!」 「そのあまあまはれいみゅのだよ!」 続いて子まりさと妹子れいむ。 「おちびちゃんたち! おかあさんのあまあまをとるようなげすはおしおきするよ!!」 最後に母性の欠片もないような発言をしながら母れいむも続く。 「うめっ! これめっちゃうめっ!!」 「「「むーしゃむーしゃ! しあわしぇええええー!!」」」 非情に汚らしく菓子を食い散らかすゆっくり達。 男はそれ以上見ているのが嫌になったので足早に立ち去った。 (あー、やっぱりゆっくりなんかに情けかけることはなかったかな。まあ、たまには良い事したと思うしかないか) たらふくお菓子を食べてぽんぽんが膨れ、すっかりなすび体型になった一家。 その場でうんうんをし始める。 「すーぱーうんうんたいむはじまるよー!」 「うんうんしててもかわいくってごめんにぇ!」 「うんうんしてすっきりーなんだじぇ!」 あにゃる括約餡が緩み、体内の餡子が音を立てて排出される。 排泄により心地良い開放感に包まれ、舌に残る余韻もまた甘美。 そしてれいむは先程の苦しみを忘れてひたすらゆっくりしていた。 (ゆふふ! やっぱりれいむがゆっくりしてたからにんげんがあまあまをもってきてくれたんだね!) なまじ一度いい思いをしたために全く学習していない。 寧ろれいむの中では、ゆっくりしてればご飯が食べられるという短絡思考に至ってしまった。 「かわいいれいむにあまあまをよこすなんてみどころのあるにんげんだね! れいむのどれいにしてあげても……、ゆ? どれいがいないよ! まったくゆっくりしてないどれいだね! こんどあったらせいっさいっしてやるよ!!!」 この台詞を男が聞いたら、己の行いを後悔しただろう。 善意から出た行動の果てが奴隷呼ばわりだ。 まあ一般的なゆっくりなどこんなもので、増長したらきりが無いのである。 「おちびちゃんたち、ゆっくりかえっておひるねしようね!!」 「「ゆっくりかえりゅよ!!」」 「ゆっくりかえりゅんだじぇ!!」 そして本来の目的を忘れ、巣穴に戻って昼寝をする始末。 自分達が何の為に外に出て狩りをしていたかはすっかり記憶から抜け落ちていた。 四、 翌日、ゆっくりした気分で一家は朝を迎えた。 「おちびちゃんたち、あさだよ!!」 「「ゆっくりおきるよ!!」」 「ゆっくりおはようなのじぇ!!」 今日もかわいいおちびちゃん達に囲まれ、目覚める。 昨日はお昼にあまあまをたくさん食べてお腹がいっぱいになったので晩御飯を食べずに眠ってしまったが、そろそろおちびちゃん達もお腹が空いただろう。 ぐぅー。 「「ゆ、おなかしゅいたよ!!」」 「ごはんしゃんたべたいんだじぇ!」 案の定腹を鳴らして食事の催促をする子ゆっくり達。 食べて、寝て、うんうんして。 まさにうんうん製造機といったところか。 そんな姿も可愛く映るのか、れいむは顔を綻ばせて食事の用意をしようとする。 「まっててね! いまあさごはんさんを、……あああああああああっ!!」 「ゆゆ! おかあしゃんどうしたにょ!?」 ようやくご飯がないことを思い出したのか、急に大声を出すれいむに子ゆっくり達は驚く。 うんうんは古くなった餡子と共にゆっくりできない記憶などを排出する働きもあるらしいが、流石に命に関わることまで忘れることはない筈。 しかし、今の彼女達の目の前にはほとんど食べるものがない。 これだけは確かだった。 「れいむのごはんさんどうしてないのおおおおおおお!?」 あるものは子ゆっくり達が採ってきた僅かばかりの草に、れいむが採った木の実が三つ。 起きるまで感じていた幸せがどこかへ逃げていくのをれいむは感じていた。 「ゆ……。おちびちゃんはこっちのきのみさんをたべてね!」 それでも、子供達には比較的まともな食事をさせようとするあたりはれいむ種だった。 母性がいい方向に働いたらしい。 もしこのれいむがでいぶ化していたら、慈しんでいた我が子さえも躊躇わずに犠牲にしたことだろう。 もっとも、この場合それが果たして幸運だったかどうか。 「ゆわーい! きのみしゃんだよおお!」 「おかあしゃんありがとうなのじぇ!」 「ゆっくりたべりゅよ!」 子供達の笑顔を見て、れいむの我慢も報われる思いがした。 「「「むーしゃむーしゃ……」」」 木の実を口に入れる子ゆっくり達。 草よりは栄養価が高いし、また新しいご飯さんを採ってくるまではこれで持つ筈。 そう考え、れいむは己がまずい草を食らってでも子ゆっくり達を優先したのだ。 しかし、昨日よりもれいむ達を取り巻く状況は悪化していたことには気付けなかった。 「まじゅいいいいいい!!」 「こんなのたべられにゃいよ! きのうたべたあまあまもってきてにぇ!!」 「にがいんだじぇえええ!! ぐるめなまりしゃのしたはこんなのじゃまんぞくできないんだじぇ!!」 口々に文句を言いながら咀嚼した木の実を吐き出す子ゆっくり達。 「どうじでそんなこどいうのおおおおおお!? きのみさんはごちそうさんでしょおおおお!!」 今までだって子供達は木の実を喜んで食べていた筈。 狩りが下手なれいむが手に入れられる食料の中では上等で、たべればむーしゃむーしゃしあわせーできた。 だが、それは過去の話。 一度特上の甘味を知ってしまったからには、自然界に存在する仄かな甘味では満足できなくなってしまったのであろう。 それも一度に大量に摂取してしまったことがまずかった。 ゆっくりの感じる美味の基準は単純で、甘ければ甘いほど好ましい。 そのため、植物型にんっしんっで生まれた赤ゆっくりが最初に食べる茎は程よく甘さと苦さが入り混じったものとなっているのだ。 野生の生活に順応できるよう、そして日常生活で手に入るあまあまの味を楽しめるように。 人の介入がなく、野生に生きるだけなら問題なかったであろう。 「ぺーろぺーろ……、きのみさんこんなにおいしいでしょおおおお!?」 子供達が吐き出した木の実を舐めとり、特に木の実が苦いわけではないことを確認したれいむ。 彼女には何故子供達が木の実を食べないか理解できない。 「でもにがくてたべられないんだじぇ!」 「わがままいわないでね! あとはくささんしかごはんさんがないんだよ!!」 そのために子供達を叱り付けてしまう。 成体のゆっくりの味覚はある程度完成されているが、子ゆっくりや赤ゆっくりの味覚はちょっとしたことでもすぐに変動しやすいのだ。 だから、菓子をくれた青年の行動はゆっくり達の為にならなかったということになる。 五、 そして、子供達が何も口にしなくなってから三日が過ぎた。 その間れいむは下手なりに狩りをして必死に食べ物を集めたが、そのいずれも子供達は受け付けずにどんどん衰弱していった。 「あまあま……、ゆっくり……」 「おなかすいたんだじぇ……、でもにがいのはいやなのじぇ……」 弱っていく子供達とは対照的に、れいむは充分ご飯を食べることができた。 子供達が吐き出したものや食べないものを食べていた結果である。 「おかあしゃんだけごはんしゃんたべててずるいよぉ……。れいみゅ、あまあまたべたいよお……」 「ゆぅ……」 そう言われるとれいむもお手上げだ。 自分にしては頑張ってご飯を採ってきたのに、それを食べてくれない子供達にれいむのストレスが溜まっていく。 そんな時に、姉子れいむの容態が急変した。 断片的な単語しか話せないほどに弱っていたが、遂に限界を超えてしまったらしい。 「もっと、ゆっくり、した……」 「おちびちゃん? おへんじしてねおちびちゃん!!」 餓死である。 つぶらだった目は乾き、舌をだらりと垂らした死に顔はまったくゆっくりできないで死んだことの証拠だった。 断末魔を最後まで言うほどの元気すら、姉子れいむからは失われていたのだ。 「おちびじゃあああああああん!!!」 「「……」」 姉の死を見てもあまり反応をしない子まりさと妹子れいむも、そろそろ限界が近いらしい。 「おちびちゃんたち、よくきいてね! これからおかあさんをたべてね!!」 もう可愛い我が子を死なせるわけにはいかぬと、自らを彼女達の糧とすると決めたれいむ。 仮に今回は生き永らえたとしても、子ゆっくり二匹だけで生きていけるほど自然界は甘くない。 だが、今ご飯を食べなければ子供達は死ぬのだ。 「まりさ、もういちどあってせいっさいっしてやりたかったよ……。さあ、おたべなさい!!」 この世を去る時までまりさを恨み続け、れいむはずっとゆっくりした。 何の苦痛もなく、ゆっくりの死に方としては上等な部類だろう。 「ゆん、まりしゃにあまあまをたべさせてくれにゃいくじゅおやはこうするのがとうぜんなのじぇ……」 「おねえちゃん、はやくたべようにぇ……」 親の心子知らずとはよく言ったもので、そんなれいむの心境など全く推し量らずに身勝手な振る舞いをする子供達。 とんだ親不孝者どもだ。 こんな奴等の為に犠牲になったれいむも浮かばれない。 「「むーしゃむーしゃ、それなりー」」 かつて味わった甘味には及ばないが、これもれいむの中身の餡子は二匹の栄養となり再び元気を与えた。 死までの猶予が伸びたと言っても良いだろう。 あっという間にれいむの体だったものは欲望に任せて食い尽くされた。 少しは保存するとか建設的な考えはできないのだろうか。 「ゆふぅー、まあまあだったのじぇ!」 「おかあしゃんそれなりだったよ!!」 図々しく味の評論までする始末だ。 「ついでにおねえちゃんもたべるんだじぇ!!」 「ゆ! いいかんがえだにぇ!!」 姉子れいむだったものにも二匹の視線が向けられ、それもまた食い散らかされた。 「「むーしゃむーしゃ、ちょっとしあわしぇー」」 どうやられいむよりも美味しかったようだ。 まったくゆっくりせずに死んだから、甘味も増していたのだろう。 そしてそのまま昼寝をし始める。 彼女達にとっては食事は誰かが用意してくれるもので、父親だったまりさがいた頃も、いなくなってからもそれは変わらなかった。 せめて狩りのやり方を教えてもらってさえいれば、もっと違った未来があったかもしれないが既に遅い。 彼女達に待ち受ける未来は容易に想像ができるだろう。 共食い、餓死。 そこには、れいむが願った子供達の幸せなどありはしなかった。 六、 ゆっくり学の教科書が閉じられ、生徒達は口々に感想を言い始めた。 盛り上がったところで壇上の教師が手を叩き、自分を生徒達に注目させる。 「はい、今日の話の教訓は何だと思いますか? えーと、それじゃあ鬼意君」 指名された男子生徒は少し考えてから答えた。 「うーん。多分ですけど、特にゆっくりを嫌ってなくても見つけたら即刻潰すのが本当の意味のあいつらに対する慈悲、ですか? どうせ生きててもゆっくりできなさそうですし」 「はい、正解です。情けはゆっくりの為ならず。男の人の善意も、母れいむの献身もまったくの無駄になりましたね。中途半端な哀れみは誰の為にもなりませんし、それにゆっくりを潰す度に世界がちょっとずつ綺麗になります」 「あいつら動く生ゴミだから性質悪いよねー」 女子生徒の合いの手で教室が笑い声に包まれる。 「ねえ先生。いなくなったまりさはどうなったの?」 「素敵なありすと出会って都会派な恋をして、情熱的なすっきりーをして新しい子供達を作り幸せなゆん生を過ごしました」 「何それー」 「こういう自分勝手な奴ほど結構世の中上手く渡ってるんですよ」 やがて鐘が鳴り、授業の終わりが告げられた。 「それでは今日の授業はここまで。あ、飼いゆっくりは下手に手を出すと面倒ですから、潰すなら野良か野生に限りますからねー。先生はちゃんと忠告しましたよー」 「「「「「はーい」」」」」 元気良く答えた生徒達に満足そうに頷き、教師は扉から出て行った。 七、 学校が終わって鬼意君が帰ろうとしていると、野良であろうか仲の良さそうなゆっくりの親子がいた。 「れいみゅのーびのーびしゅるよ!!」 「おちびちゃんはゆっくりしてるね!」 (あ、ゆっくりだ。バッジはつけてないな……) 一日一善、先生も世界が綺麗になると言ったし、こいつらに対する慈悲にもなる。 一石二鳥じゃないか、それに足元には丁度良く手頃な石が落ちており、これは世界が俺にゆっくりを殺せと囁いているのだという確信になった。 「第一球、振りかぶって!」 右腕に力を込め、第一目標の子れいむに狙いをつける。 「投げました!!」 手から放たれた石が子れいむに迫る、その間僅か数秒。 子れいむは暢気に体を伸ばし続けている。 「のーびのーびぃっ!!」 石は子れいむの頭部を綺麗に吹き飛ばし、道路へ転がって乾いた音を立てた。 目や髪、歯といったパーツが親れいむの顔に降りかかる。 意思を失った子れいむの体は、のーびのーびをした姿勢のまま倒れてびくびく痙攣していたがやがて動かなくなった。 「お、おちびちゃん……?」 「デッドボール!!」 胡乱なれいむの声と、少年の場違いに明るい声がミスマッチだった。 その声から原因は彼だと見抜いたれいむが少年に向かって何事かを言おうとする。 「どぼじでごんなこどぉっ!?」 だが少年はそんな事に興味はない。 ただゆっくりを潰すだけだ。 思いっ切り踏みつけられて中枢餡を破壊され、すぐにれいむはおちびちゃんの後を追うことになった。 「いいことしたなあ」 近くのゆっくり専用ゴミ箱に備え付けられているシャベルを使って親子の成れの果てを片付けてゴミ箱に入れると、少年は意気揚々と帰途に着いた。 彼は悪意からではなく善意で親子を潰したのだ。 こういった授業の効果により子供達は抵抗なくゆっくりを始末できるように成長するのである。 ちょっと間が空きましたがリハビリに投稿です。 この時期は忙しいですね。 これでもかというほどのテンプレにあっさりとした描写です。 情けは人の為ならず、はもっと違った意味ですよ?気になる方はググってくださいませ。 次は売ゆん婦の続きを書きます。 街ゆあきさんのゆ虐教育みたいにゾクゾクする教育ではありませんが、今回のは劇中劇ということで。 ヤリまむあきでした。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る >こういう自分勝手な奴ほど結構世の中上手く渡ってるんですよ 確かにその通りだが もし実際に学校でそう教えたらモンペアが黙っていないだろうなw -- 2011-07-30 21 54 23 飼いゆが認められている世界なのに、授業でゆ虐を教え込むってどうなの? 虐待派はあくまで自然発生するのが好ましくて、こういう思想教育系の話は好きじゃ無いな -- 2011-07-14 20 43 30 これは引っ掛けだ 情けは人のためならず(誤) 情けをかけても誰のためにもならない (子ゆとれいむのやりとり) (正) 相手に情けをかけるとその影響は他人にもある (教師の会話と鬼意山の一日一善) -- 2011-07-12 20 19 16 こういうの大好きだ。最後以外は。 -- 2010-07-31 22 17 21 学習しない子ゆ達が、凄惨に死んでいく所も描いてほしかった。 -- 2010-07-23 02 56 36 ゆっくりには恩を返すという概念がまったくないから情けかけても無駄だしな -- 2010-07-17 23 23 35 だよね。「情けは人のためならず」って「善因善果」みたいな意味だよね。 -- 2010-07-07 06 57 26 なるほどゆっくりなら誤用にならないな -- 2010-06-24 09 03 47 情けはゆっくりの為ならず。自分(人間)の為である。 -- 2010-06-13 01 52 19 情けは人の為ならず の意味理解してんのか? つ 情けは人の為ならず、はもっと違った意味ですよ?気になる方はググってくださいませ。 作者じゃなくて作中の人物に対してなら話は別だろうけど -- 2010-04-18 10 37 51 ってか 情けはゆっくりの為ならず って、もちろん 情けは人の為ならず が元ネタだよな 情けは人の為ならず の意味理解してんのか? -- 2010-04-18 02 22 14 >飼いゆっくりは下手に手を出すと面倒ですから 発想と教え方がもうすでにゲス虐待お兄さんじゃん・・・ -- 2010-03-26 19 02 59
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/2305.html
優希「はい、あなたあーん」 京太郎「……あなたじゃねえ」 優希「もう、照れちゃって。そんなところも可愛いじぇ、あ・な・た♪」 京太郎「……」 優希「ほらほら、早く食べないと私が食べちゃうじぇ」 京太郎「わかったよ……あーん」 優希「あーん……どうだ、美味しいか?」 京太郎「市販のポッキーなんだから、聞く必要ないだろ」 優希「はあ、わかってないじょ京太郎は。私に食べさせてもらったんだから普通より美味しいに決まってるじゃないか!」 京太郎「……」 優希「はあ、京太郎にムードを期待した私が馬鹿だったじょ」 京太郎「ちょっと貸せ」バッ 優希「あっ、何するんだ!全部取るなんて酷いじぇ!」 京太郎「あーんしろ」 優希「えっ?」 京太郎「お前が先にしてきたんだろ。お返しだ」 優希「……んふふ」 京太郎「なんだよ、その気持ち悪い笑いは」 優希「別にー。そんなに私に食べさせたかったんだなーって思っただけだじぇ」 京太郎「食わないなら全部食っちまうぞ」 優希「ああ、待て待て!んんっ、んっ……よし。あーん」 京太郎「ほれ」 優希「あむっ……」パクッ 京太郎「俺も」パクッ 優希「んっ!?」 京太郎「……」パクパクパクパクッ 優希「ひょっ、待っ……」 京太郎「……」パクパク……チュッ 優希「あっ……」 京太郎「ごちそうさん」 優希「お、お前どういうつもりだじょ!?こんな、こんな……」 京太郎「ほれ、あーん」 優希「んにゃっ!?」 京太郎「で、どうする?」 優希「……」 京太郎「……」 優希「あ、あーん……」 ―― 優希「ううっ、京太郎に散々いたぶられた……」 京太郎「人聞きの悪い事を……お前が俺がどれだけ食ってもよけなかっただけじゃねえか」 優希「京太郎相手に逃げるなんて出来るか!」 京太郎「そうかいそうかい……なあ優希」 優希「なんだじぇ」 京太郎「プリッツとトッポあるけどどうする?」 優希「……」ピクッ 京太郎「ん?」 優希「ふんっ、このまま負けたままなんてお断りだから受けてたってやるじぇ!さあ来い京太郎!」 京太郎「はいはい、わかりましたよ」 京太郎(どんな言い方しても笑顔が隠せてないんだよ、全く) 優希(しょうがないって言い方しても口元笑ってるじぇ、全く) 京太郎・優希(素直じゃない奴) カン!
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5426.html
優希「タコスうまー」モグモグ 京太郎「相変わらず食ってんなぁタコス…ん?何の匂いだ?」クンクン 優希「ん~?どうした~?」 京太郎「いや…そのタコスからか?何かタコスらしからぬ匂いがしてるんだが」 優希「お?この匂いに気付くとは、さすが犬だじぇ!」 京太郎「犬じゃねぇ!しかもその言い方だと本当に犬みたいじゃねぇかこのタコス!」 優希「タコスだなんて照れるじぇ~///」テレテレ 京太郎「…とにかく、その匂いの正体を早く教えろよ」 優希「これはな、コギプル?を使った新商品のタコスなんだじぇ!なかなかクセになる美味さだじょ」 京太郎「コギプル…?あぁ、プルコギのことか…って韓国料理じゃねぇか!どうしたんだメキシコ料理」 優希「お?納得してない顔だな京太郎、そんな固定概念じゃタコス道は極められないじょ!ほれ、一口食ってみろ!」ズイッ 京太郎「そんなワケ分からん道極めるつもりはない、ってかプルコギは言えねぇのに固定概念は言えるんだなっとわ!ちょ!タコスを押し付けるな!分かった食うから!」 優希「うだうだ言ってないでさっさと食え!」 京太郎「はいはい、あむっ…おっ?結構イケるな!」モグモグ 優希「そうだろうそうだろう!これで京太郎もタコス道への高みをまた一つ上ったな!」 京太郎「いやだから…」 久「…」ジー 久(プルコギ…コギプル…) 京太郎「…ん?」チラッ 優希「んむ?どうした~京太郎~」 久「…」ジー 京太郎「部長?どうかしましたか?」 優希「部長もこのタコスが気になるのか?」 久「…」スッ←とあるポージング 京優「「?」」 久「プルコギ……プルコギ……」プルプル 優希「……??」 京太郎「…はい?」 久「…あら、知らないの。な~んだ、私が少し恥ずかしい思いしただけになっちゃったじゃないの須賀くん」ヤレヤレ 京太郎「(少し?大分の間違いじゃ…)いや、なんで俺が文句言われるんですか」 優希「部長、今のはなんなんだじょ?」 久「そうね…古本屋に行きなさい。そこで『ボボボーボ・ボーボボ』って漫画を読みなさい。それで分かるから」 優希「ボボ…えっ?」 久「『ボボボーボ・ボーボボ』」 京太郎「えっ?タイトルですかそれ?どんな漫画か想像できないんですけど」 久「いいから、読んでみれば分かるわ。あと須賀くん、さっき失礼なこと考えたでしょ?卓に着きなさい、私自ら指導してあげるわ」 京太郎「はい!?何でバレっ…」 優希「どうせ顔に出てたんだじぇ、これだから犬は」ヤレヤレ ぬ わ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ――――下校 京太郎「役満は…役満だけは…」ジョウズニヤケマシター 優希「っと!BOOK●FFにとうちゃ~く!ほら、着いたじぇ京太郎!」 京太郎「点棒が…点棒がぁ…」プスプス… 優希「いい加減起きろ!」ゲシッ 京太郎「ハッ!!ドリームか!!」 優希「さっさと入るじょ」 京太郎「お、おう…ここは…BO●KOFF?そうか、部長から漫画を勧め(?)られて…部長?うっ…頭が…」 優希「ボボボー…おっ!あったじょ!…なにやってんだ京太郎?ほれ、見つけたから読むじょ」ペラッ 京太郎「あ、あぁ…何だこれ、ヘタな絵だなー。しかも2001年発行…10年以上前の漫画をどうして知ってるんだあの人は…。どれどれ…」ノゾキコミ ―――――― ―――― ―― ――――次の日 久「~♪」テクテク 京優「「部長!!」」ザッ! 久「あら?どうしたの二人とも」 京太郎「昨日読みました!!」 優希「ボボボーボ・ボーボボ!!」 久「早速読んでくれたのね、感想は?」 優希「笑いすぎて腹筋が死んだじぇ!!」フッキンプルプル 京太郎「B●OKOFF出禁くらいました!!」ガッデム! 久「気に入ってくれたようでなによりね」 カンッ!!