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「おうたをうたったけっかがこれだよ!」 晩秋、昼間でも半そでは少し寒くなった時期 大きな街の公園、ビルの隙間にぽっかりと浮かんでいる場所があった その公園の端、トイレの建物の蔭に薄汚いダンボール箱が倒れたまま鎮座している その中にすっぽりと挟まる様に入っている数匹のゆっくりがいた 「ゆゆーん♪おちびちゃんたち!きょうはおうたをうたいにいこうね!」 「ゆっきゅりわかっちゃよ!」 「まりしゃもおうちゃをうちゃうんだじぇ!」 「ゆゆーん!れいみゅがいちばんじょうじゅなんぢゃよ!」 「なにいってりゅんだじぇ!まりちゃがいちばんじょうじゅなんだじぇ!」 そこには親と思わしきゆっくりが一匹、その周りに子ゆっくり程のサイズのゆっくりが4匹体を擦り合わせて箱の中にぴったりと納まっていた 成体はれいむ種、子れいむが二匹と子まりさが二匹ずつと言った構成だ 少々珍しいのは子ゆっくりが四匹も父親役のゆっくりがいない状態で成長しているという事だ 周知の通り街に住んでいるゆっくりは短命(期限?)である 往々にして「おうち宣言」「公園の花壇を荒らす」「人間に対して襲いかかる」「人間に対し高慢な態度で何かを要求する」 こう言ったゆっくりは人目にも憚らず迷惑なため加工所行きになったりそのまま潰されるといった事が多いのは周知の事実だ さてこのれいむはいわゆる「捨てゆっくり」である 銀バッジ認定試験の規格スレスレを取った安いゆっくりであったれいむは運がいい事に飼われる事になった 捨てられた理由は全く普通、飼い主の反対を押し切って野良のゆっくりを飼えとせがんですっきりはしないという取りきめを破ったというのものだ れいむが見つけた野良ゆっくりはまりさ種だったが、すっきりが判明した途端に飼い主に叩き潰された れいむの方はと言うと暫く子ゆっくり達と飼われる事になったのだが、しつけが全くできていなかったため赤ゆっくりサイズから子ゆっくりサイズになるころにこの公園に放り出されたのが一週間前 手心と言うかなんというか、一週間分の食料も置いて言ってくれたのだがそれが尽きて途方に暮れたのが昨日の話 食料を求めてあてどなく街を彷徨うれいむ一家は衝撃的な物を目にする それはとてもゆっくりしたお歌を歌うゆっくり達だった、通行人は殆どが立ち止まり、あまあまさんを置いていくのだ 行儀よく一瞥すると、そのゆっくり達は人間についてどこかへ行ってしまった れいむは革新した、お歌の上手な自分とその子供たちならあまあまさんをたっぷりともらえると そのゆっくり達は歌を歌う専用のトレーニングを受けた飼いゆっくりだったのだがそんな事は餡子脳では考えられず、自分たちの方が上手いと根拠のない自信を持って決行しようとしている と、言うわけで日も昇りきった朝、れいむ一家は自身の巣から勢いよく飛び出し、公園のベンチの上に飛び乗った まだ人は少なかったが昼頃になるともっと人が集まってくることをれいむは知っていたからだ 「ゆ!まだにんげんさんがあつまってないよ!おちびちゃんたち!いまのうちにれんしゅうしようね!」 「「ゆっきゅりわかっちゃよ!」」 「「ゆっきゅりわかっちゃんだじぇ!」」 「まずはおかーさんがおてほんをみせるね!あとについてうたってね!ゆ~♪」 「「ゆ~!ゆっきゅり~!ゆゆ~!」」 れいむは体を上下に伸び縮みさせながら声を出す、子ゆっくり達もそれにならって体をゆすってリズムらしきものを取りながら声を出し始めた その歌声は素晴らしいと言うにはほど遠く、全くお話にならない程の物だった 音程は滅茶苦茶で声は甲高い、声同士の統率がとれている所かてんでバラバラで傍から見れば凄まじくうるさい音を立てて喚いてるようにしか見えなかった 数少ない公園にいた人間たちは一様に眉をしかめて立ち去ってゆく、ついには人が全くいなくなってしまった 当のれいむ一家はそんな事には全く気付かず、歌という名目の騒音を撒き散らしていった 「ゆゆーん!おちびちゃんたち!すごいじょうずだよ!さすがはれいむのこどもだね!」 「ゆ!きゃわいくちぇごめんにぇ!」 「まりしゃはまりしゃなんじゃからとうじぇんだじぇ!」 「まりしゃじょうじゅだっちゃよ!しゅーりしゅーり」 「ゆゆー!れいみゅもじょうじゅだったんだじぇ!しゅーりしゅーり!」 一旦休憩を取ったのだろうか、子ゆっくり達はそれぞれ別の行動をとっている 体をグネグネとくねらせたり、すーりすーりをしたり、親れいむと同じように体を上下に伸び縮みさせのーびのーびをするなど 元は飼いゆっくりだったとはいえ一週間も外でいたゆっくりだ、外見は野良ゆっくりと全く変わらず小麦粉の皮はドロが付いて薄汚れており、底部はススが付いたのかネズミ色所か黒く汚れている そのくせ、飾りのリボンや帽子だけは手入れしたのかピカピカなのが更に違和感となって悪い面で目立たせる要因となっている あのレベルの騒音を出しておいてこの風貌だ、誰だって見れば怒るだろう 凄い形相の青年がズンズンと荒っぽい足つきで近づいて来た、とても歌声に感動したとかそんな理由ではなさそうだ 「おい!さっきからここで喚きやがって!声がでかくてうるさいんだよ!」 「ゆ?なにいってるの?れいむはおうたをうたってただけだよ?」 全く悪びれた素振りも見せずにその男の声に答える 「さっきからおうちゃをきいちぇちゃにょにあまあましゃんももってきょないなんてゆっきゅりできないじじいだね!ばきゃなの?しにゅの?」 「さっさとあまあましゃんをもっちぇきちぇね!れいみゅおこりゅよ!」 「まりしゃのびせいにしっちょしちぇるんだじぇ!おお、きょわいきょわい」 「まりしゃはちゅよいんだじぇ!いたいめをみちゃくなかっちゃらあまあましゃんをもっちぇくるんだじぇ!ぷくーっ!」 れいむの態度はまだましな方だった、捨てられたとは言え腐っても銀バッジだ、普通に会話が出来る程度は出来る 問題なのはその後ろの子ゆっくり達だった、あまあまを持ってこいと口々に罵る子れいむ二匹と好戦的な子まりさ二匹 さらにそんな態度を向けた相手が虐待お兄さんだった事が一番の不運だった 「ああ?さっきのがお歌?喚き散らしてるだけだろ」 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!!!れいむはいちばんおうたがじょうずだったんだよ!?」 「何が一番上手だよ、ギャグで言ってんのか?」 「ゆぐぐ!とにかくおうたさんをきいたならあまあまさんをもってきてね!はやくしてね!れいむはぐずがきらいだよ!れいむおこるよ!」 プクーッと空気を吸い込み大きく膨れて左右のピコピコを上下に揺らしながら威嚇する、都市部で生きるゆっくりが人間に対して最もしてはいけないことの一つだ その時点でこのゆっくりは山野から下ってきたか、捨てゆっくりかと言う事を察知した虐待お兄さんは、れいむではなく後ろで膨れたまま威嚇している子まりさを掴むと、力を込めて握る 「ゆぎゅううううう!!ぐるじいんだじぇええええ!!ばなずんだじぇええええ!!」 「ゆ!ゆ!やめてね!おちびちゃんをゆっくりはなしてね!」 「「おねえじゃああああああああん!?」」 ソフトボールほどの大きさの子まりさはヒョウタンの様な形になりながら底部の方を左右にグネグネと動かしている 口からは餡子が少量出ており、小麦粉の体からは玉の様な砂糖水がヌラヌラと噴き出している 虐待お兄さんは子まりさの言葉通りに手の力をゆるめて離しながら片手で帽子を取った、どうやら気づいていないようだ 「ゆぎゅぎゅ・・・ゆっぐりできないんだじぇえええ!!」 「おねえしゃあああん!ゆっきゅりよくなっちぇね!ぺーりょぺーりょ」 「なにしゅるんだじぇ!ゆっきゅりできないじじいはゆっきゅりちね!」 「やめちぇね!いもうちょにいちゃいこちょしにゃいじぇね!」 体をベタっと潰してのた打ち回っている子まりさをぺーろぺーろする子れいむ、その前には子まりさと子れいむが虐待お兄さんを罵っていた れいむは只ならぬ虐待お兄さんの気配を感じ、子ゆっくり達に向けて叫びながら口を大きく開けた 「おちびちゃんたち!れいむのおくちのなかにはいってね!」 その声に反応してか子ゆっくり達は跳ねながられいむの口の中に入っていく、三匹入ったところで帽子のない子まりさが帽子がない事に気づく 「おぼうししゃんがないんだじぇえええ!ゆっきゅりできないんだじぇえええ!!」 「帽子ってこの小汚いのか?」 虐待お兄さんが手に持っている帽子を見せつける 「ゆ!ゆ!しゃっしゃとかえしゅんだじぇ!」 「おちびぢゃああああん!ゆっぐりもどっできでえええええ!!!」 れいむの制止を振り切り虐待お兄さんの方へと跳ねていき、舌をあらん限りに伸ばして垂直ジャンプを繰り返す 「人の事を悪く言うようなゆっくりには返しません」 そう言うとビリビリと帽子を細切れに破いて地面に落とす ヒラヒラと帽子だった布きれが落ちていき、その瞬間子まりさが凄まじい声を出す 「まりじゃのおぼうじがああああああ!!」 舌をうまく使いながら布きれを拾い集める 「ゆ!おぼうししゃんゆっきゅりもちょにもどるんだじぇ…どうじでもぢょらないんだじぇええええ!!」 虐待お兄さんは子まりさを両手でつかむと、髪の毛をブチブチと抜き始めた 砂糖細工でできているとはいえ結構力がいる、子まりさは縦に引き伸ばされてブチっと音がして抜けるたびにばねのように上下に伸び縮みする 「いじゃいんだじぇえええ!!まりじゃのぎゃみがああああああ!!」 すぐに抜けおち、何種か分からない禿げ饅頭が完成した、すかさず虐待お兄さんはポケットからライターを取りだして底部を綺麗に焼いていく 「あぢゅいいいい!!やべるんだじぇえええ!!」 脂汗の様な粘液を出しながら焼きまんじゅうの香ばしい匂いが漂い、すぐに底部は真っ黒焦げになる 地面に降ろされた頃には衰弱しきって地面に潰れたようになったまま体を伸び縮みするだけになってしまう 止めとばかりに子まりさを踏みつけると徐々に体重をかけて行った 「ゆぎゅうううううう!!ぐるじいんだじぇえええええ!!」 子まりさは平たく引き伸ばされながら、口から餡子を吐き出し、さらに底部の方の皮が裂け餡子が漏れ出し始める 足をどけると細長く平べったくなった子まりさが体をぐねらせながら 「あんこしゃん!ゆっきゅりとまるんだじぇ!」と叫んでいた 元気なようだが既に致命的に皮が裂けてしまっているために助かりはしないだろう 「さて次はそこのデカ饅頭だが…」 虐待お兄さんが振り返ると、れいむはすかさず口を閉じ、大きく膨れながら威嚇している 所々内側から「ゆっきゅりできりゅね!」「これであんしんぢゃね!」等と聞こえる辺りかなり楽観視している様だ 虐待お兄さんはれいむの右側のピコピコを片手で引っ掴むと、もう片手を握ってれいむの体に拳を叩き込む ピコピコを視点に膨れた体がグルングルンと回る、続けて何度も拳をれいむに叩き込んだ 「ゆぐ!ゆぐううううう!!」 中の餡子の形が不規則に変わったのか皮が薄くなって痣の様に餡子が透けて見えたり、凸凹に膨れていたりしている 虐待お兄さんはピコピコを振り上げるとそのまま地面に叩き降ろした 「ゆぐぇえええええ!!」 れいむが口を開き、餡子を吐き散らしながら中から子ゆっくり達が零れ出す、不規則にバウンドをして地面に転がる 虐待お兄さんはまったく手を休めずに何度も地面に叩き降ろす 「ゆべえええええ!!ゆがああああ!!やべでええええええ!!!」 暫くするとピコピコがブチっと抜けてそのまま地面に二度三度バウンドしてれいむの体が落ちる 「ゆひゅー…ゆひゅー…どぼじでごんなごどずるのおおお…!!」 片方のピコピコはきれいに根元から無くなっており砂糖細工の歯は折れて口腔に突き刺さっていた 皮はボロボロで凸凹にへこんでいたり膨れていたりしており、おまけに口の端に餡子が付いている 暫くは跳ねる事も満足にいかないだろう 「ゆっきゅるにげりゅよ!」 「おうちににげりゅんだじぇ!」 「まっぢぇえええ!れいみゅをおいでかないでええええ!!」 子ゆっくり達はと言うと、れいむを見捨てて一目散に同じ方向に跳ねていく、恐らくそこに巣があるのだろうか トイレの裏まで50m程、子ゆっくり達の速度なら急いでも2~3分はかかる距離だ 虐待おにいさんは先回りしてトイレの裏にある汚いダンボール箱を見つけると、ペシャンコになるまで踏みつける、 グシャグシャになったのを確認すると、再び振り返り、子ゆっくりの方へ向けて走り出した そうして向かってくる子ゆっくり達の内、遅れて跳ねていた一匹の子れいむを捕まえる 「ゆっきゅりはなじぢぇえええええ!!」 「は?一向に離しませぬが?」 手の中でモゾモゾと動く子れいむを見ながら、たすき掛けしたバックの中からチューブわさびを取りだした なんでそんなものを常備しているのかは謎だが、線を取り、子れいむのあにゃるにブスっと突き刺して一気にわさびを餡子に注入する そして虐待お兄さんは子れいむを地面に置いて距離を取った、子れいむは暫く無言でブルブルと震えているが、くわっと目を見開いて凄まじい声で叫んだ 「れいみゅのあにゃりゅぎゃあああ!!ゆびゅぼおおおお!!」 その瞬間うんうんが凄まじい勢いで放出された、子れいむは秋の青空向けてまるでロケットの如くうんうんを噴射して飛んでいく 約10秒後、ペシャっと小麦粉でできたペラペラの皮が地面に落ちた、その瞬間に横たわっていたボロボロのれいむが声を上げた 「でいぶのおぢびぢゃんがああああああああああ!!!!」 さらにもう一匹の子まりさを掴むと水道の蛇口に向かう 「やめりゅんだじぇ!やりゅなられいみゅにしゅるんだじぇえええええ!!」 やるなら子れいむにしろと言いながら体をぐねらせて抵抗する、虐待お兄さんは子まりさの口を蛇口に突っ込んで口当たりを絞るように握る そして一気に蛇口をひねって水を出した一気に水が子れいむに流れ込む 「ゆびゅぼぼぼぼぼ!!」 奇声を発しながら子れいむは大量の水を飲み込んでいく、どんどん体は膨張し、ついにはバスケットボールサイズにまで膨れる 皮はパンパンにひきつっており、まるで気球の様になっていたその時、限界が来た 「ゆびゅぼん!」 最後にそう叫ぶと子まりさは、水風船の如く爆散した 辺りには水っぽい餡子が飛び散り、上に向いた蛇口が無常に水を流し続ける 虐待お兄さんは蛇口をひねって水を止めると、今度は木の周りに落ちた枯れ葉を地面の土ごと集める 落ち葉と土が3・7程度の割合になった 虐待お兄さんはそのまま残った子れいむを掴んで口をこじ開けると、落ち葉と土を一気に詰め込んで口を閉じる、餡子を吐き出さないようにするためだ 「ゆぐぐぐ・・・!」 体がふた回りも大きくなる程に詰められて、寒天の目を血走らせ水雨の粘液を体から噴出させて体をグネグネとよじらせる 暫くすると体がプルプルと震えだした、それを合図に虐待お兄さんは子れいむを地面に置いた その瞬間子れいむのあにゃるからうんうんが吹き出した、水の様にしーしーと出るがこれは立派なうんうんだ 「ぐるじいいいいい!!うんうんがとみゃらにゃいいいいいい!!」 餡子が薄められたお陰で死ぬほどではないが勢いよく水の様なうんうんを放出してねずみ花火の様にブレイクダンスをかましている 赤ゆっくりは柔らかい物を食べないと餡子に吸収しきれず消化不良を起こす事がよくある 多少強くなったとはいえ子ゆっくりにも当てはまる事だ、特に土や枯れ葉の様な物を大量に飲み込んだ場合は餡子ごと吐き出す しかし、それを抑えられ無理やり餡子に変えた場合はどうなるか?同じように消化不良を起こすのだ 暫くするとうんうんの勢いは弱まり餡子が抜けたのか皮に皺が出来て一回りも小さくなった子れいむは力なく這いずるだけだ れいむ一家を襲ったすさまじい悲劇の張本人である虐待お兄さんはもう満足したのか暫くするとどこかへ行ってしまった 残ったのは底部が真っ黒焦げに焦げた上に底部が裂けて餡子が漏れ出している禿げ饅頭の子まりさとゲッソリと餡子が無くなってやつれた子れいむとピコピコが片方無くなった上にボロボロになったれいむだけだった れいむは体をずりずりと這わせながら子まりさの方へ向かう、子れいむもれいむを目指して這って行った 「ゆ”!ゆ”!いぢゃいんだじぇえええ…!」 「おちびちゃんゆっくりよくなってね…ぺーろぺーろ…」 「ゆ”ゆ”ゆ”!じみりゅんだじぇええええ!!」 「おなぎゃがいぢゃいいいいい!!」 「ゆ”!とにかくおうちさんでゆっくりしようね…」 れいむは子まりさを口の中に入れると巣の方向へ力なく這っていく 子れいむも後ろについてずるずると這っていく、10分もすると巣があった所に就くことができた 「どぼじでおうぢざんがなぐなっでるのおおおおおお!!」 れいむは驚いた、ダンボール箱がペシャンコに踏みつぶされていたからだ 綺麗にまっ平らになったダンボール箱はゆっくりには修復不可能だ 無論、備蓄なんてある筈がない、しかもご丁重に弾いていた古タオルまでどこかへ行っているのだ この時期は夜はかなり冷え込む、ゆっくりにとって巣なしで夜を明かすのはかなり危険であった 途方に暮れたままれいむ一家はダンボール箱の上で体を休める 夜になる頃には戦場のような逓送を擁していた 「ざむいいいいいいいい!!!」 ガタガタとれいむが震えている、壁側とれいむの体に挟まれて比較的風が当たらない子れいむと子まりさも震えていた 子れいむの方はさらに深刻で、冷やされたのか再びうんうんが止まらなくなっていた 「うんうんがとみゃらにゃいよおおおお!!ゆぎいいいいい!!」 「ゆ”…!ゆ”…!」 噴き出すほどの勢いはないものの、水の様なうんうんが辺りにまき散らされる、動けない子まりさの体にも掛かって凄まじい絵面になっていた さらに子まりさの方は時折くぐもった声を出して体をクネクネと動かすだけで反応がなくなりつつあった 「ゆゆ!うんうんさんゆっくりとまってね!ぺーろぺーろ」 「なべないじぇえええええ!!ゆぎいいいいい!!」 れいむが子れいむのあにゃるをぺーろぺーろする 山野のぱちゅりー種の様に薬草の知識がないゆっくりにとって治療とはこのぺーろぺーろであるが、それが刺激となってさらなるうんうんの輩出を促してしまう結果となっていた 既に子れいむはふた回り近く体がしぼんで居てもっちりとしていた皮はひび割れすら起こってカピカピになっている それでも餡子自体はそれほど減ってはいないのだ、しかし見る見るうちに目減りしていっている、対策を講じなければ明日にでもパサパサとした乾いた饅頭になってしまうだろう 最悪には最悪が重なるもので、今度はポツポツと雨が降り始めている 今のところはそれほど降っていないが結構な霧雨になりそうだ 少し筒雨脚が強くなって生きている、溶けはしないもののさらに冷え込みはじめた 「あめざんゆっぐりどまっでね!ゆうう・・・!おちびちゃんたちはれいむのおくちのなかにはいってね!」 舌で拾い上げると口の中に子ゆっくりを入れてひたすら寒さに耐える、餡子を吐き出し弱った体に冷たい横風と霧の様な雨が更にれいむの体力を奪っていった 寒天の目を血走らせ砂糖細工の歯を食いしばりながらひたすら寒さに耐える、昼に見ても腰を抜かすような怖さだ 結論からいえばれいむ一家は朝日が昇るころには物言わぬ饅頭となり果てていた 秋雨と風によりれみりゃの襲撃は防げたが、餡子が少なくなった体ではその寒さに耐える事が出来なかったのだ しかも霧雨だったので一気に溶けるのではなく少しづつ少しづつ溶けて行っていた デロデロに溶けたわけではないが口らしき穴をぽっかりと開けたまま泥にまみれた丸っこい何かが転がっているだけの様に見える 中にはカピカピにひび割れた小麦粉の皮と餡子が飛び出た饅頭があった 片方の方はリボンなどでれいむ種だとかろうじて分かるがもう片方は何種かすら分からない こうしてれいむ一家は壮絶な幕切れでゆん生を終えたのだった
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まえがき 唯ちゃああああああああああああああああんん誕生日おめでとおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! 唯(ムギちゃんと最初に会った頃のことなんてもうあんまりよく憶えてないよ) 唯(でも特徴的な御嬢様言葉をしゃべってたような気がするね) 唯(歓迎いたしますわ~とか、まるっきり御嬢様口調だよね) 唯(あっ、ムギちゃんは確かに御嬢様なんだけどさ) 唯(今になってみるとムギちゃんらしくないなーと思うんだ) 唯(私だって最初からムギちゃんについてよく知ってたわけじゃないよ) 唯(最初はお菓子をもってきてくれる、心に余裕のある女の子、そんな印象だったかな) 唯(でもね、それが変わったんだ。あの日にね……) 唯(軽音部に入りたての頃。りっちゃんがカラオケに行こうって誘ってくれた時) 唯「琴吹さんも行く?」 紬「今回はご遠慮しておこうと思いますの」 唯「用事でもあるの?」 紬「そういうわけではないのですが……」 唯「じゃあ行こうよ~」 紬「ですがやっぱり今回はご遠慮しておきます」 唯「う~ん。無理強いはよくないかな。次こそは一緒に行こうね」 紬「はい。そうですね」 ―――― 律「やっぱりムギはこなかったか」 唯「やっぱり?」 律「うん。なんだかさ。みんなで集まって遊ぶことに苦手意識を持ってるみたいなんだ」 唯「琴吹さんが……」 澪「そうか? 私は単に肌に合わないだけだと思うけど」 律「いやいや、あれはそういうんじゃないと思う」 唯「う~ん……。でも琴吹さんとも一緒に遊びたいよね」 律「あぁ、なんとかできないかな」 唯「そうだね~」 唯(このときは偉そうに言ってたけど) 唯(実は私もみんなで遊ぶことに慣れてなかったんだ) 唯(和ちゃんや憂とは一緒にいるだけですごくリラックスできたけど) 唯(こうやってみんなで遊んでるときは、場を盛り上げなきゃいけないとか) 唯(そういうことを考えちゃって、そんなに楽しくなかったんだ) 唯(本当はそんなこと考えなくてよかったんだけどね) 唯(りっちゃんたちとはしゃいでるだけでとっても楽しいんだから) 唯(でもね。あの頃はまだ、私もムギちゃんもそんなこと知らなかったんだ) 唯(軽音部のみんなでボーリングに行こうって話をした時) 紬「ボーリング、ですか?」 唯「うん。琴吹さんも行くでしょ」 紬「ボーリングってなんですか?」 唯「えっ、そこから?」 紬「ごめんなさい。私なんにも知らなくて」 唯「ボーリングっていうのはね、ピンにボールを当てて得点を競うゲームなんだよ~」 紬「ピンってなんですか?」 唯「的のことだよ。こうやってえいっ! って投げるんだ~」 紬「とっても楽しそうですね~」キラキラ 唯「うん。だから琴吹さんも行くでしょ?」 紬「それは、えーっと……」 唯「行こうよ!」 紬「でもやっぱり私は……」 唯「琴吹さん、この前も断ったよね。なんで?」 紬「ごめんなさい」 唯「ごめんなさいじゃわかんないよ。理由を教えて」 紬「えっと……」 唯(あのとき、ムギちゃんはとっても困ってた顔をしてたよ) 唯(もうしわけなさそうで、どうしたらいいんだろ、って顔) 唯(結局ムギちゃんはなんにもしゃべってくれなかった) 唯(だから私は、私のことを話したんだ) 唯「ねぇ、琴吹さん」 紬「はい……」 唯「私も、みんなで遊ぶの得意じゃないんだ」 紬「平沢さんが?」 唯「うん」 紬「とてもそのようには見えませんが……」 唯「そうだよね。見えないようにしてるから」 紬「……どうして苦手なんですか?」 唯「みんなを盛り上げるために何が必要かとか、そういうのを考えちゃうんだ」 紬「私も……」 唯「うん。でもさ、それを差し引いてもみんなで何かやるのは楽しいと思うんだ」 紬「……?」 唯「私が入部する時、みんなで演奏してくれたよね。あのとき琴吹さんもとっても楽しそうだったでしょ」 紬「……はい」 唯「きっとね、あれと同じ楽しさが待ってるるんだと思う」 紬「……」 唯「だから琴吹さ」 紬「私……」 唯「うん」 紬「音楽だけはできるんです。だから演奏は楽しくできるんだと思います」 唯「うん」 紬「だけれども、口調は堅苦しいですし、面白い話もできないですし……」 唯「そんなのはどうでもいいんだよ、と言いたいけど……」 紬「……?」 唯「私もちょっとだけ不安なんだ。自分からすすんで何かをやることって苦手だから」 紬「……」 唯「だからね、ムギちゃんも一緒にがんばろうよ。私も頑張るから」 紬「いまムギちゃんって」 唯「うん! りっちゃんはそう呼んでるでしょ」 紬「……」 唯「ね、今度の日曜日、一緒にいこっ、ムギちゃん!」 唯(そのあとムギちゃんは何をしゃべっても黙ったままになっちゃいました) 唯(私はその後も、何度も何度も来てくれるように頼んだんだ) 唯(それでもムギちゃんは「うん」とは言ってくれなかった) 唯(日曜日。待ち合わせ場所に着いた時) 唯「遅れてごめーん」 澪「気にしなくていいよ」 律「あぁ、2分ぐらい遅刻したってなんてことないさ」 唯「えーっと……琴吹さんは?」 律「さっき断りのメールが来てた」 唯「そっかぁ」 澪「まぁ、仕方ないさ。行こうよ」 唯(この頃になると私もりっちゃんとのつきあいかたがわかってきて) 唯(ストライクが出るとハイタッチしてりっちゃんと盛り上がった) 唯(でも、ちょっとだけ思ってたんだよ) 唯(ムギちゃんがいれば2対2でチーム戦ができるのにな、とか) 唯(結局私の言葉は無力だったのか、とか) 唯(だから心のそこから楽しいとは思えてなかったかも……) 唯(あんまり憶えてないけどね) 唯(でね、ボーリングが終わった後、りっちゃん澪ちゃんと別れたんだ) 唯(それから憂にメールしようとして気づいたんだ) 唯(自分がケータイを持ってないことに) 唯(ボーリング場に忘れたんだと気づいて、急いで戻ったんだ) 唯(そうしたらね。なんとボーリング場の前にムギちゃんがいたんだ) 唯「ムギちゃん」 紬「あっ」 唯「来てくれたんだ」 紬「はい……」 唯「うんうん。きてくれて嬉しいよ。でもりっちゃんと澪ちゃんはもう帰っちゃったんだ」 紬「ごめんなさい……」 唯「二人でボーリングやる?」 紬「でも平沢さんは遊び終わってしまったんですよね?」 唯「うん。でももう一回やってもいいよ」 紬「悪いです」 唯「私はムギちゃんと遊びたいの!」 紬「それなら……カラオケに行きませんか」 唯「うん!」 唯(あのときはムギちゃんが来てくれたことに感激したねー) 唯(本当に嬉しかったんだよ) 唯(私の言葉でムギちゃんが来てくれたから) 唯(カラオケ屋さんを探して、二人で歌ったんだ) 唯(ムギちゃんはとっても上手に古い歌を歌ってくれた) 唯(私はただただ聞き惚れてたんだ) 唯(私が歌う番になると、ムギちゃんは手拍子をしてくれたんだよ) 唯(それがなんだかとっても嬉しくて) 唯(ムギちゃんが私のために頑張ってくれてることがとっても嬉しくって) 唯(ちょっとだけ泣きたい気持ちになったんだ) 唯(一緒に歌ったりもしたよ) 唯(二人で一緒にページをめくって『これ知ってる?』『ごめんなさい。その曲は知らないの』『じゃあこれは?』とか) 唯(『じゃあこれ歌おうよ』『でも私、その曲は音程が低すぎて』『そんなのいいからさっ、ほら!』とか) 唯(途中からはムギちゃんも遠慮が少なくなって、『一緒にこの曲歌いませんか?』と言ってくれたんだ) 唯(そして残り時間が5分になったとき) 紬「あのっ……」 唯「どうしたの?」 紬「……」 唯「ん?」 紬「ゆい」 唯「ムギちゃん?」 紬「ご、ごめんなさいっ」 唯(最初何を言われたかわからなかったけど) 唯(焦ってるムギちゃんを見てわかったんだ。私の名前を呼んでくれたんだって) 唯(だから私は自分の持ってたマイクをムギちゃんの口元に差し出したんだ) 唯(ムギちゃんは最初困った顔をしてたけど、諦めたような言ってくれたよ) 唯(『ゆいちゃん』って) 唯(それからムギちゃんは泣きだしたんだ) 唯(どうして泣いたんだろうね? その理由は今でも分からないよ) 唯(でもね。なぜだか私も泣いちゃったんだ) 唯(二人で泣いてたら、途中で店員さんがきちゃって) 唯(『一時間延長です』って私が言って……それから) 唯「……見られちゃったね」 紬「そうですね」 唯「うう~恥ずかしいよ~」 紬「そうですか?」 唯「ムギちゃんは恥ずかしくないの?」 紬「私は恥ずかしいより、嬉しかったです」 唯「そっかぁ」 紬「唯ちゃん、今日はありがとございます」 唯「ねぇムギちゃん」 紬「なんでしょうか?」 唯「口調も変えてみない?」 紬「口調、ですか?」 唯「うん。私達友達なんだからもっとフランクでいいと思うんだ」 紬「そう……ですね。唯ちゃん。これからよろしく」 唯「うん。よろしく」 唯(二年生の夏休み。実は私、ムギちゃんの家に行ったんだよ) 唯(そこで菫ちゃんに会ったんだ) 唯(菫ちゃんはムギちゃんの妹同然に育ってきた子なんだよ) 唯(私たちは三人で一杯おしゃべりしたけど) 唯(そこで色々知ってしまったんだ) 唯(ムギちゃんは昔から菫ちゃんに対してだけは遠慮がなかったんだって) 唯(私達に接するのと同じようにしてたって) 唯(それを知って、なんだか騙された気がしたんだ) 唯(ムギちゃんにとっても大切な子がいて……) 唯(私が変えたと思ったムギちゃんが、実は昔からちゃんといて……) 唯(おかしいよね……別に誰も騙してなんていないのに) 唯(私は悔しいとか、寂しいとか思っちゃったんだ) 唯(私の誕生日の時のこと) 紬「唯ちゃん、これ私から」 唯「ありがと~ムギちゃん。なにかな」 紬「あけてみて」 唯「これ……ストラップ?」 紬「うん。とってもかわいかったから」 唯「……ありがとうムギちゃん」 唯(私の17の誕生日。私の家にみんなを招いてパーティーをやったんだ) 唯(ムギちゃんがくれたのはストラップ。たぶん500円ぐらいの) 唯(昔の私だったら素直に喜んでたかもしれないけど、この時は喜べなかった) 唯(だって、ちょっと前にやったあずにゃんの誕生日のときは、手作りケーキを沢山作ってプレゼントしてたから) 唯(自分がムギちゃんの一番じゃないと思い知らされた気がしたんだ) 唯(そんな私に気づいてくれたのは和ちゃんだった) 和「唯」 唯「和ちゃん」 和「不景気そうな顔しちゃだめよ。みんな唯のために集まってくれたんだから」 唯「そう見えるかな?」 和「ええ、どうしたの?」 唯「……」 和「言いたくないんだ」 唯「うん……」 和「唯も高校に入った頃に比べるとずいぶん変わったわね」 唯「私が?」 和「ええ、とても変わったわ」 唯「うーん。りっちゃんと一緒にいたからかな~」 和「それだけかしら?」 唯(和ちゃんはそれ以上何も言わずに、優しく笑ってくれたんだ) 唯(きっと和ちゃんには私のことなんて全部お見通しなんだろうね) 唯(私は考えたよ) 唯(和ちゃんは何を言いたかったんだろうって) 唯(私は何をやればいいんだろうって) 唯(そして分かったんだ) 唯(私はムギちゃんの一番になりたいんだって) 唯(ムギちゃんの一番傍にいるのは、私でありたいんだって) 唯(だからムギちゃんに抜け出してもらって、二人でお話をしたんだ) 唯「なんだか私、とってもいらいらしてるんだ」 紬「……唯ちゃん?」 唯「最近ムギちゃん私に優しくないよね」 紬「えっと……」 唯(『私のこと好きじゃないの?』なんて、突然わけのわからないことを言っちゃったと思う) 唯(でもムギちゃんはもっとわけのわからないことを言い始めたんだ) 紬「だって、私は手が暖かいし」 紬「梓ちゃんみたいにかわいくないし」 紬「澪ちゃんみたいに美人でもないし」 紬「りっちゃんみたいに面白くもないし」 唯(なんでそんなことを言い出したのか、全然わからなかった) 唯(だって、そんなのは「私のことを好きじゃない理由」には全然ならないでしょ?) 唯(だから私は必死に考えたんだよ) 唯(そんなによくない頭だけど、いっぱいいっぱい考えたんだ。ムギちゃんの言葉の意味) 唯(そしたら一つの答えにたどり着いた) 唯(ちょっと都合の良すぎる答えだけど) 唯(他には考えられなかったから) 唯(ムギちゃんはちょっとだけ遠慮がちな女の子だ) 唯(昔と比べれば変わったけど、それでも全然だめだめだ) 唯(お揃いのストラップなのに、それを教えてくれないなんて本当にだめだめだ) 唯(気持ちがばれるのを隠すために、私を優遇してくれないのもだめだめだ) 唯(そんなだめだめなムギちゃんは、もう一度壊す必要がある) 唯(だから私は言ったよ) 唯(ムギちゃんを壊すために) 唯(今度こそムギちゃんを完膚なきまで壊すために) 唯(ありったけの思いを込めて) 唯(この言葉を伝えたよ) 唯「――――」 唯(私の誕生日。ムギちゃんはもう一度壊された) 唯(生まれ変わったムギちゃんは、私のために笑ってくれた) 唯(私は手を差し伸べた) 唯(遠慮がちに握り返す手は、暖かだった) おしまいっ! 戻る
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共生する群れと草原のまりさ 31KB 自業自得 自滅 駆除 群れ ドスまりさ 現代 初投稿です。 初投稿です。 現代の農村が舞台です。独自設定有り。 無駄に賢いゆっくりがでてきます。虐待とは呼べません。自滅・・・?かな。 『共生する群れと草原のまりさ』 あるところに、ゆっくりしたゆっくりが暮らす理想のゆっくりプレイスがあった。 そこには優秀なドスを長とし、豊富な食べ物、快適な環境、ゲス等一匹もいない 長い時を重ねて繁栄を続ける群れがあるという。 そんな素敵なゆっくりプレイスを求めて、多くのゆっくりが群れに加えてもらおうと数多くやってくるのだ。 「ついに見つけたんだぜ。ここがあの噂のゆっくりプレイスなんだぜ!」 「さすがかわいいれいむのまりさだね!ここなら思いっきりゆっくりさせてもらえるんだね!」 「まりしゃあまあまたくしゃんたべてゆっくちしゅるよ!」 「れいみゅにもはやきゅあまあまもっちぇきちぇね!」 今日も親まりさ、親れいむ。子まりさ、子れいむの お約束とでもいうべきスタンダードな家族がこの群れにやってきた。 その家族に、群れの一員であるありすが気付き、近寄ってくる。 「ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりしていってね」」」」 「ありすたちの群れにようこそ。まりさ達はなんのごようがあってここにきたの?」 「ここならとってもゆっくりできるって噂を聞いてやってきたんだぜ!」 「はやく群れに入れてね!れいむたちは歩きっぱなしで疲れているんだよ!やさしくしないといけないんだよ!」 「ゆっくち!ゆっくち!」 「はやきゅあみゃあみゃをだしぇー!」 ゲス気質が発言の端々から見受けられるが、ありすは落ちついたものだった。 「ちょっとここでまってて。今ドスをよんでくるわ。」 数分後、通常のドスより更に一回り大きいドスまりさが一家の前に現れた。 体長は3mを超え、髪に結び付けられたたくさんのリボン 数々の苦難を潜り抜けてきたのであろう古びた大きな帽子は、風格さえ漂わせていた。 その横には側近のぱちゅりーと先ほどのありすも一緒だ。 ドスの威厳に呆気にとられたまりさ一家をよそに、ドスは語りかけはじめた。 「群れへの参加希望の家族だね。ドスたちの群れは掟をきちんと守ってくれるゆっくりなら、誰でも歓迎するよ。」 「まりさたちなら掟を守ることぐらい簡単なことなんだぜ!」 「かわいいれいむのかわいいおちびちゃんたちも、れいむのきょーいくでしっかりした子に育ってるから安心だよ!」 まりさ一家は掟を守る事なんて簡単だ。はやく群れに入れろとまくしたてる。 ドスは淡々と話を続ける。 「掟も色々とあるんだけどそんなに多くはないし難しくもないよ。掟を破ったらおしおきがあるけどね。」 「まず、群れに入るに当たって最初に約束してもらう掟があるよ。これを守ってもらえないなら 群れへの参加はお断りさせてもらうからね。それだけ大切な約束だよ。」 まりさ一家は、どんな掟でも約束でもちゃんと守るよ!と意気揚々だ。 しかし、ドスの発したその「約束」はまりさ一家にとって驚愕すべきものだった。 全てのゆっくりプレイス、住居、森、山、川、草原、食料、ここにある全てのものは、全てにんげんさんの持ち物である。 全てのゆっくりはにんげんさんと協力して、ゆっくりプレイスの維持に努める。 まりさ一家はドスの言った言葉を理解できず、ぽかんと口を開けたまま固まってしまった。 ゆっくりプレイスがにんげんのもの?? ゆっくりできるおうちがにんげんのもの?? おいしいお花さんや虫さん、食べ物が勝手に生えてくる全ての場所がにんげんのもの?? いつもぜんぜんゆっくりしてなくて、ゆっくりに傍若無人な振舞いをするにんげんと協力?? ただでさえ少ない餡子脳が、ドスの言葉を理解するのには多少の時間が必要だった。 「ど・・・・どうしてそんなこと言うのぉおおおおおおおおおおおおおおお!??!!」 場を包んだ静寂を親まりさと親れいむの絶叫が切り裂く。 「ドスはなにをいってるんだぜ?!ゆっくりプレイスはゆっくりしたゆっくりのものなんだぜ? バカで弱くてまったくゆっくりしてないにんげんのものなんかじゃないんだぜ!!」 「そうだよ!なんでちっともゆっくりしてないじじぃやばばぁと一緒にゆっくりしないといけないの!? にんげんなんてやっつければいいんだよ!!ドスならできるでしょぉおおおおおお!!」 ドスは深い溜息をついて 「これは群れの掟の中でも一番大切な掟だよ。守れないゆっくりは群れには入れてあげられないんだよ。」 ドスのこの言葉に2匹は逆ギレした。 「そんな掟はぜんぜんゆっくりしてないんだぜ!なんで強くてかっこいいこのまりささまが そんな掟をまもらなきゃいけないんだぜ!!」 「そんなバカな掟なんか守ってるドスの群れもぜんぜんゆっくりしてないね!おおぶざまぶざま」 「いくんだぜ!れいむ!こんな群れこっちからおことわりなんだぜ!!」 「そうだね!こんなゆっくりしてない群れなんか、こっちからおことわりだよ!!」 「まりしゃをゆっくちしゃせてくれにゃいどしゅなんかちね!!」 「きゃわいいれいみゅのきゃわいさがわからにゃいどしゅなんてちね!!」 言うが早いか子まりさと子れいむを帽子のなかにいれ、一家はどこかへ行ってしまった。 「ふぅ。やっぱり今回も理解してくれないゆっくりだったね。」 「むきゅう・・・仕方無いわよドス。にんげんさんの本当の凄さがわかってないと この掟を理解するのは難しいわ・・・」 「あの親子、口の悪さからとかいはじゃない雰囲気があったわ。群れに向かえなくて正解よ。」 「せめて、どうしてそんな掟があるのか?って疑問を持って、話を最後まで聞いてくれれば 多少は救いがあるんだけど・・・仕方無いね。」 この群れに参加を希望するゆっくりは後をたたなかった。 しかし、群れへの加入を許されるゆっくりはその1割以下。 ほとんどのゆっくりが、先ほどのまりさ一家のような反応を示すのだ。 ゆっくりはなぜか人間への警戒心が薄い。 全てにおいて人間を、ゆっくりよりも下等な存在と決め付けている。 何の根拠もないこの認識については ゆっくりは人間の顔しか認識できず自分達より小さいと誤認してしまう。 ゆっくりを至上の価値観とするゆっくりにとって、ゆっくりしていない人間は下等な存在である。等など。 学者によっても意見の解れる所であり、結論は導き出されていない。 ゆっくりのなかで、人間とゆっくりとの、覆りようも無い彼我の力の違いを知っているのは 飼いゆっくりとして、厳しい教育を施されたゆっくり 人間の不興を買い、制裁されたゆっくり 虐待鬼意山との、素敵なひと時を過ごしたゆっくり そしてこの群れのように、人間とのコミュニケーションによって 人間とゆっくりの力の違いを認識したもの達くらいなのだ。 まりさは怒り心頭だった。 長い道程を経て辿り着いた「理想のゆっくりプレイス」はまったくゆっくりしていなかった。 にんげんと協力?カマキリさんにだって余裕で勝てる、このまりささまがにんげん如きと! あんな群れに入らなくたって、れいむとおちびちゃんたちと一緒にゆっくりすればいいんだ! れいむも子ゆっくり達も同じ考えだった。 群れもあの群れだけじゃない。他にもあるはずだ。 他の群れに入れてもらえばいいんだ。そう思っていた。 しかし他の群れはどこにも見当たらなかった。 群れがあった形跡すらない。 道中、ゆっくりに会う事はあったが、この近くに群れは、あの奇妙な掟がある群れしかないとの事だった。 まりさ一家は群れを探す事をあきらめ、自分達のゆっくりプレイスを探す事にした。 ちょうど親子4人が住むのに良い具合の、木の洞をみつけるとそこに入り 「ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!ゆっくりしていってね!!」 お家宣言。これでここはまりさたちのゆっくりプレイスに決定。 「むきゅ?!ここはぱちぇたちのゆっくりプレイスよ!」 「突然なんなの!?とんだいなかものね!早くここからでていきなさい!」 数分後、木の洞の外には、カスタードとクリームまみれのゆっくりだったものが複数存在した。 ゲスには迷いがない。なぜなら自分達が絶対正義という事を疑う事がないからだ。 次の朝、まりさは狩場を探しに周辺を見てまわった。 季節は春。穏やかな気候に生命の息吹が溢れる季節。 きのこやどんぐりがいっぱいありそうな山林。 秋になったらいっぱいむーしゃむーしゃできるだろう。 綺麗なお水が流れる小川。 夏の乾きもこの水をごーくごーくすれば癒せるだろう。 そして小高い丘に登ったまりさは眼下に広がる草原に目を奪われた。 「ゆわぁー・・・・!」 青々としたおいしそうな草が風を受けてたなびいている。 それが目の前にどこまでもどこまでも広がっているのだ。 「すごいんだぜ!これならごはんに困る事はないんだぜ。こんなすごいゆっくりプレイスを見つけたまりさは やっぱり選ばれた(笑)ゆっくりなんだぜ!!」 まりさは早速、手近にある草や虫など、ごはんをいっぱい帽子に詰め込んで帰路についた。 まりさが丘から草原を見渡し、その餡子脳にバラ色の未来を描いていた頃 群れのゆっくりたちはその草原の中で、山菜や野草を収穫していた。 手分けをして、大きすぎず小さすぎず、程よい大きさのわらびやぜんまいなどを、手際良く収穫していく ゆっくりたちは、それぞれ人間にもらった袋を持っており 帽子のようなお飾りに収納スペースを持たないゆっくりであっても 袋のおかげで収穫の効率を上げる事に成功していた。 「みんなおつかれさまなんだねー。今日はこのくらいで終わりにしようねー。わかってねー。」 群れの幹部の一人であるちぇんが声をかけると、ゆっくりたちは収穫を止め ちゃんのもとにあつまり、その日の収穫物を集め始めた。 その量は、群れのゆっくりが200前後と大所帯とはいえとても食べきれるものではない量であった。 「じゃあ手分けして、みんなでにんげんさんの村まではこぶよー。もうちょっとがんばろうねー。」 群れのゆっくりたちは手際よく山菜を分担して袋にいれ、村へと降りていった。 「おお。今日もたくさんもってきてくれたな!ありがとうよ。」 村の入り口ではひとりの農家の男がゆっくりたちを待っていた。 ゆっくりがもってきた大量の山菜を軽トラックに積みこみ 「ほい。何時も通りあく抜きをして乾燥させた山菜だ。もっていきな。」 男は笑顔で、ちゃんの頭を頭をわしわしと撫で、ひとつの袋を手渡した。 ちぇんはくすぐったそうにしながら 「いつもありがとうなんだねー。またもってくるからこれからもよろしくねー!」 人間への感謝の言葉を他のゆっくりたちも次々と口にし、山へと帰っていった。 男もゆっくりがみえなくなるまで手を振り続けていた。 まりさは家に帰ると、れいむに今日みてきた素晴らしいゆっくりプレイスの数々の事をを話続けた。 「さすがはかわいいれいむのまりさだよぉ。すてきなだんなさまといっしょでれいむはしあわせーだよぉ。」 「しゃしゅがまりしゃのおとうしゃんはしゅごいね!」 「むーちゃむーちゃちあわせー!」 一家はたくさんのごはんとたくさんのゆっくりプレイスにその餡子脳をバラ色に染め上げていた。 次の日からもまりさは草原や山林で、狩りに勤しんだ。 草原では、あの奇妙な掟の群れのゆっくりにも遭遇したがどういう理由か、にがい草ばかり採っている。 「ふん!やっぱりあの群れに入らなくて正解だったんだぜ!バカなゆっくりしかいないんだぜ!」 まりさは意気揚々と帽子をごはんでいっぱいにして帰路についた。 ある日、まりさが草原にいくと、あの奇妙な群れのゆっくりが草原から消えていた。 いるのはまりさ一家とおなじように、群れに属さないゆっくりばかりのようだ。 奇妙な奴らがいなくなって清々したんだぜ!などと思っていたまりさの目に 大きな音を響かせながら、人間の乗り物が草原にやってきた。 その乗り物は草原に入ると、根こそぎ草を刈り取りはじめた。 「まりささまのゆっくりプレイスにやってきて無断でおいしい草さんを刈るなんて とんでもないにんげんなのぜ!たっぷりせいっさい!してやるのぜ!」 まりさはその乗り物に向かって走り出した。 どうやら周辺のゆっくりもまりさとおなじ考えらしく 乗り物のまわりにはゆっくりが集まり始めていた。 「草さんを刈り取るにんげんは死ねぇ!」 「せいっさいしてやるよ!」 まりさがその乗り物の近くに来た時、すでに他のゆっくりが乗り物に体当たりをしようとしていた。 まりささまがせいっさいする必要はなかったようだぜ。などと、ぼこぼこにされたにんげんと乗り物を 餡子脳に思い描いていたまりさの目に映ったのは、信じられない光景だった。 バツン。ブチィ!ズガガガガガ。ビチャビチャビチャ。 体当たりをしたゆっくりはその乗り物に切り裂かれ押しつぶされていった。 その乗り物はトラクターとそれに連結された草刈機だった。 草原の草は元々人間が家畜の餌用に育てていたもの。 山菜の収穫も粗方終わった今、草の刈り取りが始まったのだ。 その巨大な農業用機械に、人間でさえ不用意に突っ込んだりしようものなら、命を容易く落とすだろう。 いわんやゆっくりもである。 草刈機の刃は一瞬にして、ゆっくりを切断し、粉切れにしていった。 飛び掛る寸前だったゆっくり達には、刈り取られた草の破片がかなりのスピードで、その饅頭肌に突き刺さる。 「いたいぃいいいいいいいいい!!ぎゅべら」 「れいむのきれいなおめめがぁああああああああ!!」 「らんしゃまぁあああああああああああああ!!」 「だれかぁあああああ!ありすのとかいはなペニペニに刺さった草を抜いてぇええええええ!!」 一瞬にしてゆっくり達は地獄へと叩き落とされた。 トラクターはゆっくりなど存在しなかったように速度を落とす事なく、草を狩り続ける。 まりさは惨状を目の当たりにし、全速力で逃げた。 にんげんに負けるとは思っていないが、あの乗り物はやばい。 それが餡子脳が導きだした結論だった。 1週間後草原の草は人間に残らず刈り取られていた。 「ゆぅ・・・雨さんばっかりで狩りにいけないんだぜ・・・」 季節は梅雨へと移ろいでいた。 おいしい草も全て刈り取られ、食料事情が悪化したところにはじまった雨。 いつまでも降り続く雨で、満足に狩りにも行けず まりさ一家は空腹に耐えていた。 「どうしてごはんさんをとってきてくれないの!まりさ!」 「うわぁーんおにゃかちゅいたよぅー!」 「そんな事いっても、この雨のなか狩りになんていったら、体が溶けてゆっくりできなくなっちゃうんだぜ!」 「その前に、おちびちゃんがゆっくりできなくなっちゃうでしょぉおおお!馬鹿なの!?死ぬの!?」 この一家は梅雨への備えを怠っていた。近場の草原の存在を過信していたのも痛手だった。 まりさが雨の合間に狩りにでかけるが、満足の行くほどのごはんはみつけられない。 雨が降り続ければじっと空腹に耐えるしかないのだ。 しかし、親ゆっくりならまだしも子ゆっくりの体力で、この空腹に耐えることは難しかった。 「ゆっゆっゆっ・・・」 最近では空腹ですっかりおとなしくなっていた子れいむの様子が急変した。 「ゆゆっ!?おちびちゃんしっかりしてね!おかあさんがぺーろぺーろしてあげるからね!」 「って・・・・どうしておちびちゃんのきれいなお肌が、青や緑色になっているのぉおおおおおおおお!?」 栄養失調による体力低下で、免疫力のおちた子れいむの肌にはカビが生え始めていた。 「おちびちゃんしっかりするんだぜぇえええええ!まりさのおちびちゃんなら病気なんかに負けちゃダメなんだぜ!」 「うわーーーーん!れいみゅううちっかりちてー!!」 子れいむは2日後「もっとゆっくりしたかった」と呟きこの世を去った。 群れのゆっくり達は、梅雨の間、巣の中でゆっくりとした時間を過ごしていた。 「むーしゃむしゃしあわせー!」 春の間に、備蓄していた食糧に加え、人間から報酬としてうけとっていた乾燥させた山菜は 保存食として最適だった。巣の中にはビニール袋など人間から譲り受けた防水に役立つアイテムさえあった。 ドスは降りしきる雨の中これからの事を考えていた。 それぞれの家族には十分な備蓄食料を持たせてある。梅雨が例年通りなら問題ないだろう。 だけど梅雨が長引けば、食料は群れの備蓄を放出すれば問題ないが 抵抗力のない子ゆっくりが病気になってしまうかもしれない。 「早く、梅雨さんが終わらないかなぁ。そして夏になったら・・・」 降りしきる雨の中、ドスは夏以降の群れの運営方針を、巣のなかでゆっくりと思い巡らせていた。 夏。 まりさ一家は、小川で喉の渇きを潤していた。 梅雨によって大事なおちびちゃんを一人失ったが 生き残った子まりさだけでもゆっくりとした立派な子に育てよう。 両親はそう心に誓っていた。 涼しい小川で、思い思いにゆっくりしていると、どこからか声がする。 「えー。皆さん暑い中お疲れ様です。それでは用水路の整備を始めます。」 かなりの数の人間が、小川の中に入り草を刈り取ったり、石を動かしたりしている。 川から田畑への農業用水を取り入れる用水路は こうやって定期的に草や石を取り除く事で、効率よく水を田畑に引き込むことができるのだ。 まりさ一家は物陰からその様子を見ていた。 にんげんはなにをやっているのだろう?まったくゆっくりしていない。 なにより、まりささまたちのゆっくりプレイスに、無断で入ってくるなんて許せない! 「おい!くそにんげん!まりささまたちのゆっくりプレイスから早く出て行くんだぜ!」 「まりさは強いんだよ!にんげんなんてイチコロなんだからね!」 「ぷきゅぅううううううううううう!!」 親2匹と子1匹。人間に対して精一杯の威嚇行動を行っている。 これでにんげんが恐れをなして逃げ出すと思っているのだから、餡子脳というのは本当に救いようが無い。 まりさ一家の愚かな行動を、人間達は少々驚きを感じながらみつめていた。 「あれ?ゆっくり??」 「え?今あいつらは村の畑で、農作業の手伝いをしてるんじゃなかったか?」 「ああ。野菜についた虫や雑草を取り除く作業を頑張ってやってるよ。」 「ってことはこいつら群れのゆっくりじゃないのか?」 「はぐれゆっくりってとこだろうなぁ。口汚いし。」 人間達が会話を続けている最中も、まりさ一家は、でていけだの死ねだの五月蝿い事このうえない。 「あー。とりあえず作業の邪魔だな。」 「どこか適当に放り投げておけよ。」 「めんどくさいなぁ・・・」 騒ぎたてるまりさ一家の側に一人の男が近づいていくと、なんの躊躇いもなく子まりさを掴み上げた。 「じじぃ!なにをしてるんだぜ!まりささまのかわいいおちびちゃんを早くはなすんだぜ!!」 「おちびちゃんんん!!?じじぃはゆっくりしないでおちびちゃんを離して死ねぇええええええ!!」 「うぇええええん。きょわいよぉおおお。」 男の足元で、ぽいんぽいんと無駄な体当たりを繰り返す親ゆっくり。 男はそれを全く無視して 「ほらよっと!」 子まりさを、少し離れた藪の中に投げ込んだ。 「ゆぅうう?!おしょらをとんでりゅみたぃいいい・・・!ゆべぇ!」 お決まりの「お空を飛んでるみたい」を叫びながら子まりさは藪のなかに投げ込まれてしまった。 「「おちびちゃんがあああああああああああ!?」 大切な子まりさが人間に投げ飛ばされた事に、驚きの声をあげる親ゆっくり。 「はいはい。お前達も作業の邪魔ですからねー。」 男はそういうと、まりさとれいむを、子まりさが飛んでいった藪にめがけて思いっきり蹴り上げた。 「ゆぶぅううううううううっ!?」 「ゆうがぁあああああああああああっ!!?」 親子3人、仲良く藪の中に叩き込まれてしまった。 「ゆ・・・ゆぅうう。!?れいむ?おちびちゃん?!」 まりさが気付いた時、すでに空は夕焼けに染まっていた。 どうやら気絶してしまっていたらしい。 「ゆぐぐ・・・痛いんだぜ・・・れいむはどこなんだぜ?」 れいむは藪の中に頭を突っ込んだ姿勢で気絶していた。 「れいむ?!大丈夫なんだぜ!!?ゆっくり、ゆっくりしていってね!!」 「ゆう・・ううん。まりさ?ゆぅう・・・痛いよぅ」 藪の中に蹴り込まれたまりさとれいむは、体中擦り傷だらけでずーりずーりと這いずるのがやっとの状態だった。 「おちびちゃんの姿が見えないんだぜ・・・・おちびちゃーん!どこにいるんだぜー?」 「かわいいれいむのおちびちゃんー!ゆっくりしないではやく出てきてねー?」 我が子を探す親ゆっくりの目の前に飛び込んできたのは、信じられない光景だった。 子まりさは、藪の鋭く尖った枝にあんよから頭まで串刺しにされた状態で、息絶えていた。 「「まりさとれいむのかわいいおちびちゃんがなんで死んじゃってるのぉおおおおおおおおお!?」」 夕焼け空に親ゆっくりの慟哭だけが響いていた。 実りの秋。 人間もゆっくり達もその恵みを享受しようと野山を駆け巡る。 子ゆっくりがいなくなった今、まりさとれいむは二人揃って、冬篭りに備え狩りに勤しんでいる。 さすがにこの時期に子ゆっくりを作る事は、冬篭りの失敗に繋がる事を、二人は理解していた。 なにより、自分達のゆっくりプレイスに、いつでもどこでも人間が現れる事も 二人に子作りを断念させた大きな要因だった。 子ゆっくりが殺されたあの日以来、二人は人間と極力接触しないようにしている。 にんげんはちっともゆっくりしていない。 だが、にんげんの恐ろしさを、この二匹もようやく理解し始めていた。 おうちにしていた洞のある木は、狩りにでかけている最中 人間達に、周りの木々と共に切り倒してしまった。 きのこがいっぱい生えている森の中では、あの奇妙な群れのゆっくりが人間と一緒に きのこ狩りに勤しんでいた。 こっそりとゆっくりたちの中に紛れ込んできのこを取ろうとしても すぐに人間につまみだされてしまう。 どんぐりが実る山林も、人間達によって木ごときりたおされ 倒れた木の枝についたどんぐりは、奇妙な群れのゆっくりたちが丁寧に摘み取り 人間達に差し出していた。 ここに来た時は、家族でゆっくりできると思っていたのに 子は失い、住処は奪われ、ごはんも満足に取る事ができない。 まりさ達は、草原の丘の麓に穴を掘りそこを新しい住処にしていた。 草原に生えているあまりおいしくない枯れ草を、主食として生きながらえていた。 草原を吹く風が冷たくなってきている。もうすぐ冬がやってくる。 おいしくない枯れ草とはいえ、冬篭りのために必要な量はなんとか確保できそうだ。 二人は巣の中で、 次の春になったらたくさんあかちゃんをつくってゆっくりしよう。 おいしいものをいっぱい食べよう。 巣の中で希望に満ちた春を思い描いていた。 雪が当たり一面を白く塗り替えていく。 まだ見ぬ春を夢見てゆっくり達は巣の中で、春を待ち続けた。 冬も終わりを迎えようとしていた。 風に春の予感を感じさせるものの、まだ肌寒い時期である。 群れのゆっくりたちは、通常はドスの住居兼集会所である 大きな洞穴の中で越冬の最中であった。 ドスと200を超えるゆっくりたちが思い思いに春を待ちゆっくりしていた。 越冬も終盤とも言えるこの時期にあっても、まだ貯蔵した食料は十二分に残っている。 この事からも、この群れの越冬対策の優秀さが伺える。 そこへ一人の男が尋ねてきた。 年は還暦間近ではあるものの、山野を歩く足並みは精強そのものだ。 「お邪魔するよ。ドスはいるかい?」 「ゆゆっ!にんげんさんいらっしゃい!ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 ドスの声にあわせて群れのゆっくりが男に挨拶を返す。 「はい。ゆっくりゆっくり。」 ドスと側近達が男の前に歩みでて、人間に軽く会釈すると 男はよっこいしょと、ドスとゆっくり達の前に腰を下ろした。 「にんげんさんが今年の「やくいんさん」なんだね。まだ寒いのにわざわざありがとう!やくいんさん。」 ドスは更に男に頭を下げ礼を言った。 「まあ役員っていっても、村のなかで順番がまわってきただけさね。 こりゃ俺達とお前さん達との約束だからな。俺の祖父さんの頃から続く約束だ。お互いしっかり約束は守らなきゃな。」 「やくいんさん、今年ももうそんな時期になったってことだね?」 「ああ。そうだ。日時は1週間後だ。お前さん達はいつもどおりやってくれればいい。 今年はちと多いか?200くらいいるのかい?」 「ドスをいれて235のゆっくりがいるよ。去年より20くらいおおいかな。」 「そうか。まあ多すぎず少なすぎず、うまく越冬もできそうだってとこだな。」 「うん!そうだね。これもにんげんさんたちのおかげだよ!ゆっくりありがとう!!」 「「「「ゆっくりありがとう!!」」」」 「いやいや。お前さん達の努力の成果だよ。じゃあ1週間後またくるからな。 しっかりと群れのゆっくり達にも話を・・・特に新参とこどもたちにはちゃんと教えておけよ?」 「わかったよ、やくいんさん!1週間後にまたあおうね!!」 男が立ち去った後。 ドスは全てのゆっくり達を前に語りはじめた。 「みんなゆっくりよく聞いてねね!いまからいうことは絶対に忘れちゃいけないことだよ! まえからずっと掟としてみんなにいってきたけど それが正しいことだっていうのを、今度にんげんさんたちが教えてくれるよ。」 「これはドスやみんなのおかあさんの、おかあさんの、そのまたおかあさんの・・・ ずーっとずーっとむかしからの、むれの掟だよ!!ぜったいにわすれちゃいけないよ!!」 「「「「ゆっくりりかいしたよ!!!」」」」 期日までの7日間。ドスは群れに、大人はこどもに、古参は新参に。 なんどもおなじことを繰り返し語り続けていた。 俗にいう餡子脳。それに絶対に刻み込むために必要な事なのだ。 「よし。ここでいいぞ。ここなら一望できるし安全だ。」 1週間後。男はゆっくり達と小高い丘の上に立っていた。 眼下には、ススキをはじめとする枯れ草が風にたなびく草原が広がっていた。 ドスをはじめ群れの全てのゆっくりが、ここに集まっている。 まだまだ風も冷たく、ぐずる子ゆっくりもいるようだが 親ゆっくりが必死になだめている。 これから起こる事。 それを愛するわが子にもしっかりとみせておくために。 「はじまったな」 男がそういうとゆっくり達も一斉に草原に目をやった。 草原の端のほうから白い煙があがっている。 煙の下からちろちろと赤い炎も見え隠れしている。 「いいか。これが「野焼き」だ。よく見ておくんだぞ。」 野焼き。 地方によっては火入れとも呼ばれる。 1年に一度、春先に草原の枯れ草を焼却し、春の新芽がしっかりと生えてくるように 草原を整備するのが目的だ。 これを行わないと草原は荒れ、野草などの収穫量も落ちる。 最終的には草原は、鬱蒼とした森林へと姿を代えてしまうのだ。 豊かな恵みを維持するために一年に一度の野焼きは必要不可欠なのだ。 端から上がった炎は少しづつその勢いを増し草原を覆いはじめた。 人間からみてもなかなかに壮大な眺めである。 数百ヘクタールという広大な草原が火に覆われ燃えていくのだ。 ドスや昨年の野焼きを見たことがあるゆっくりたちは じっとその様子を見つめていた。 新参や子ゆっくりはただ呆然とその光景を眺めることしかできない。 話で聞くのと、実際に目の当たりにするのとでは訳が違う。 火の勢いに恐ろしーしーを漏らす子ゆっくりも多数いる。 しかし、眼をそらす事は、ドスによって禁じられている。 草原を燃やしつくす炎の恐ろしさ。 それを実行する人間の力。 そして人間の力によって、ゆっくりプレイスが管理維持されているということを しっかりとその眼に焼き付ける必要があるのだ。 火が順調に草原に燃え広がる頃。 燃える草原の中から、ゆっくり達の悲鳴が聞こえてきた。 「あつぃいいいいいいいいいいいい!!どうして草さんがもえてるんだぜぇえええええ??!」 「なんだかポカポカしてきたよ。やっと春さんが来たんだね!! れいむはしんぐるまざーだから春さんも早めに来てくれたんだね!!遅いくらいだよ! 遅すぎておちびちゃんだけじゃお腹いっぱいにならなっかったよ。ゆゆゆ!・・・・あついぃいいいいいいいいいいいいいい!! どうしてかわいいれいむのおりぼんさんが燃えてるのぉおおおおお!!?」 「ありすのとかいはなおうちがどうして燃えてるのぉおおおおおおおおおおお!!? ま・・・まりさはどこ!?おちびちゃんは・・・?」 「おかぁあしゃあああああああん!どこなのぉおおおおおおかわいいまりしゃを助けてねぇえええええ!」 各々、草原の中の巣で越冬をしていたゆっくりにとって まさに降って沸いたのような大惨事であった。 ゆっくりの体に火が付き、ゆっくりが暴れ周り、それがまた周辺の枯れ草に飛び火する。 その火がまたゆっくりに飛び火する。 ゆっくりにとって阿鼻叫喚の灼熱地獄がそこにはあった。 成体・子・種類、一切の区別無くゆっくりは燃えあがり、黒い炭へとかわっていく。 まりさ一家の巣の近くにも火の手はせまってきた。 「ゆぅぅん?なんだかあったかいんだぜ?春さんが来たのかだぜ?」 まだ寝ぼけ眼のまりさであったが、外から聞こえてくるゆっくり達の悲鳴に なにか恐ろしい事が起きている事にきづいた。 「ゆっ!?れいむ!れいむ起きるんだぜ!なんだか外でゆっくりできない事がおきてるみたいなんだぜ!!」 「ゆーぅーん。れいむまだ眠たいよ。まだ春さんには早いでしょう?ゆっくりしてればいいんだよ。 ゆゆ?なんだかあったかいね?もう春さんが来たの?まりさ?」 「外にでてみないとわからないんだぜ・・・でもなにかとても嫌な予感がするんだぜ・・・」 「なんだか外が騒がしいね。結界さんを外して外の様子を・・・ゆゆっ!」 草原を覆いつくす炎は、ついにまりさたちの巣の入り口に施してある結界 ・・・燃えやすい木の枝や枯れ草で作られた簡易バリケードにも燃え広がっていた。 「「なんで結界さんが燃えてるのぉおおおおおおおおお!?」」 炎は容赦なく燃え広がっていく。同時にその熱量が巣の中に充満し、二人を襲った。 「ゆがぁああああああ。熱いぃいいいいいいいいい!!」 「まりさぁあああああ!早くなんとかしてよぉおおおおおお。」 このままでは二人ともゆっくりと焼饅頭になるだけだ。 外になんとかしてでなければ! まりさはありったけの勇気を振り絞って、結界に体当たりをして活路を見出そうとする。 「ゆがぁああああぁあああ!結界さん早くそこをどくんだぜえええええ!!ゆぎゃああああああ熱いぃいいいいい!!」 まりさの渾身の体当たりは、燃えて脆くなっていた結界をあっさりと吹き飛ばした。 しかし結界から巻き上がった火の粉が体に燃え移り、耐え難い熱さに絶叫するまりさ。 「まりさのすてきなおぼうしさんがぁあああああああ!」 火の手は、ゆっくりにとって大切なお飾りにも燃え移る。 「れいむは今のうちににげるよ!お飾りがもえてるまりさはそこでゆっくり死んでね!」 「どうしてそんなこというのぉおおおおおおおお!?」 あっさりと番を見限り一人だけで逃げようとするれいむ。 しかし炎はそんなれいむに罰を与えるかのように襲い掛かる。 燃え盛るススキの束がれいむの頭上に倒れ掛かってきたのだ。 「ゆぎゃわぁあああああ熱いぃいいいいいい!!まりさぁああああたすけてえええええええ!!」 「れ、れいむぅううう!?」 勢いをました炎はれいむをあっというまに包み込み、その断末魔さえも、燃え盛る炎の中に消えていく。 転がりまわり、なんとか体と帽子についた炎をかき消したまりさではあったが 周囲を炎の壁にはさまれ、帽子も天辺から半分以上燃えてしまい、絶望と迫り来る死にただただ恐怖するばかりであった。 燃え尽きただの炭クズになってしまった番を前に、涙を流すだけのまりさ。 ここでまりさもれいむみたいに燃えて死んでしまうのだと、あきらめかけたその時。 れいむに倒れ掛かったススキがあった場所が、燃え尽き炭だけになっているではないか。 その後ろも炎が散見されるものの、ぎりぎりゆっくり一匹が通れるだけの スペースができあがっている。 まりさは走った。 炎が迫ってないとはいえ、足元の灰のなかではまだ小さな火がくすぶり、まりさのあんよをこがす。 降りかかる火の粉がその饅頭肌に無数の火傷をつくる。 ただ炎から逃れるために、ガムシャラに走り続けるまりさ。 炎の塊が、まりさの右目にふり落ち、目玉はその熱量で爆ぜた。 いつもであれば耐え難い苦痛も、炎の恐怖の前にかき消される。 木の枝が、石が、急勾配の上り坂が、下り坂が、まりさの体を傷つける。 それでもまりさは走り続けた。 炎から逃れ、小高い丘にまりさはたどり着いていた。 しかし、体のいたるところが焼け爛れ、傷からはあんこが漏れ出し あんよは這いずるのがやっとなほどに焼け焦げていた。 炎からは逃れられたものの、明らかに致命傷である。 しかしあの燃え盛る炎からの脱出はまりさの心を安堵させた。 「ドスー!こっちに大怪我をしているまりさがいるよー!!」 ゆっくりの声が聞こえる。 火傷と極度の疲労でよくききとれない。 「とりあえずこっちへ運んで!ぱちゅりーは手当ての準備を!」 「むきゅ!わかったわ!」 大勢のゆっくりたちがまりさを丘の頂上まで運び上げる。 治療のために、群れのぱちゅりーたちがまりさを取り囲む。 「むきゅう・・・ドス・・・このまりさはもう・・・」 「助からないの?」 「これだけの火傷に加えて、あんこさんもかなりの量がでてしまっているわ。 人間さんにもらったオレンジジュースをかけても回復しない・・・ 痛みを和らげる効果はあるけれど・・・そこまでよ。」 「そう・・・・」 まりさはオレンジジュースのおかげで、痛みが少し和らいでいた。 しかし全身を包む脱力感が自分の命がもう長くない事を悟らせていた。 「どうして・・・・ どうしてまりさだけが・・・・こんな目に・・・・・ ドス達はゆっくりしているのに・・・・どうして・・・・」 まりさは一つになった眼から大粒の涙をながしながら、絶望を口にする。 そんなまりさにドスは語りかける。 「それはね・・・まりさ達がにんげんさんと仲良くしてこなかったからだよ」 「う・・・嘘なんだぜ・・・にんげんなんかと一緒にいたって仲良く・・・できるわけないんだぜ」 ドスは大きく顔を横に振った。 「違うんだよ。まりさ。ここのゆっくりプレイスはね。ゆっくりがここに来た時よりも ずーっとずーっと昔から、理想のゆっくりプレイスにするために にんげんさん達が努力して作りあげてきたんだよ。」 「・・・・・・・」 「まりさ。見えるかな?この下の草原が。」 春に青々とおいしい草を茂らせ、これ以上はないと思えたゆっくりプレイスだった草原は 炎が燃え盛り、燃え尽きた枯れ草は炭色になって草原を覆い尽くしていた。 「ど・・・・どう・・・してこんな・・・ことを」 「これは野焼きっていってね。春さんが来る前に枯れ草さんを燃やしてしまって灰にするんだよ。」 「そして春になれば灰を栄養にして、またおいしい草さんが一杯はえてくるんだよ。」 「春になれば群れのみんなで山菜取りのお手伝いをするんだよ。草原も草原に生えてくるものも 全てにんげんさんの持ち物だからね。ゆっくりはお手伝いをしてはじめて報酬を受け取れるんだよ。」 「・・・・・・うそ」 「嘘じゃないよ。それに草原だけじゃないよ。山や川もにんげんさんが、しっかり手入れをしてくれるおかげで おいしい食べ物がいっぱい生えてくるんだよ。」 「いらなくなった木や雑草を刈り取ったり 川の水を畑に流したりしておいしいお野菜さんをいっぱい作るんだよ。」 「群れのゆっくりはにんげんさんと、いつも仲良く一緒にお仕事をしてるんだよ。」 「・・・・・・・・・」 まりさは何も言えなかった。ドスの言う事は素直には信じられない。 だけど・・・目の前に広がる光景・・・ どこまでもどこまでも広がる草原を、人間が焼き尽くしていく。 その圧倒的な炎の力。そしてそれを操る人間達の力。 目の前に広がる覆り様のない現実。 それを死の間際にまざまざとみせつけられて、ようやく人間とゆっくりの力の違いを理解する事ができた。 「まりさは・・・・・どう・・・して・・・・・・・」 まりさは息を引き取った。 最後に何を思ったのだろうか。 人間との力の違いを知らなかった己を呪ったのか。 理不尽な世の中に憤りを感じて黄泉へと旅立ったのか。 それはだれにもわからない。 「ドス・・・」 心配そうに側近のぱちゅりーが声をかける 「残念だけど、これが現実なんだよ。ゆっくりだけの楽園なんて決して存在しないんだよ。」 「にんげんさん。動物さん。昆虫さん。ゆっくり。それぞれ生き方は違うけれど 一緒にゆっくりできる方法を考えずに生きていけるほど、甘くはないんだよ。」 「自分勝手に生きようとすれば、その時はゆっくりできるかもしれない。 でも最後に、そのツケを払わされるのは自分なんだよ・・・この草原のまりさみたいにね。」 村の役員である男は一部始終をじっとみつめていた。 やはりこのドスは賢い。そしてこの群れのゆっくりたちも ドスがいるかぎり人間に害を為すようなことはしないだろう。 自分の祖父さん達の世代は、本当に良い掟を作ってくれた。 ゆっくりを生かすつつ、人間は利を得る。 簡単なようでこれを実行に移すのは至難の業だ。 だが今までこうやってうまくやってこれたのは、祖父さん達の努力と このゆっくりたちの先祖の努力の賜物だろう。 両者共に尊敬に値する。 しかし、群れのゆっくり達はきづいているのだろうか? この賢いドスは、薄々感づいてはいるとは思うが。 群れ以外のゆっくりが、可能な限り草原で越冬する事を選択し 野焼きによって春になる前に一網打尽にできるよう 人間達が行動していることに。 群れに属さないゆっくりが、この草原以外で越冬できないようにするために 山や川、雑木林など、時期をあわせて刈り入れなどの農作業を行い 群れ以外のゆっくりの行動範囲をこの草原に囲い込むようにしていることに。 管理された群れは、すっきり制限などの掟によっていつも一定量に保たれている。 しかし、人間にとって群れ以外のゆっくりは不要だ。 ただ漠然と生きているだけのやつらに、なんの対処も施さなければ 増えるだけ増えて、この村の山野を荒地にかえてしまうだろう。 この国で人間の所有物ではない土地など存在しない。 1?たりとて存在しない。 個人の所有でなければ、国や市町村の共有地として登録されている。 人の出入りが疎らな秘境と呼ばれる場所でさえ例外ではない。 この国には、最初から「ゆっくりだけのゆっくりプレイス」など存在しないのだ。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 面白かった。ちゃんとした知恵は生きていくのに必須だね。 -- 2012-03-26 00 40 55 面白かったけど、ドスが代替わりするときは注意が必要だな。 -- 2012-01-02 15 12 51 素晴らしい! -- 2011-08-09 18 03 09 良い作品だ。他の生き物との共生を学んだゆっくりの将来は明るいな。 自分の事しか考えないゲス共はざまぁww まぁこの方法が上手く行くのは、管理し易い島国ならではだろうけどもね。 大陸とかだと、他の地域からわんさか来るし、人間が居ない場所とかあるしなぁ。 -- 2010-10-16 20 43 42 このSSはゆっくり達にとっての1つの理想郷だな 人間と友好的な関係を結べればゆっくりできるのにゲス共はわざわざ滅亡するんだから馬鹿だね -- 2010-08-09 23 50 50 人ゆ共生がずっと続くといいなぁ。 -- 2010-07-19 06 53 23 面白かった -- 2010-06-08 22 06 22 良い作品。 -- 2010-05-17 23 29 21 うーん納得 -- 2010-03-15 15 03 02
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生物ゆっくり うんうん乱舞 俺設定多め ゆっくりが群れを成して住む森の中。 日中天高く昇る陽が森の木々に光を注ぐ。 その光を浴びる樹齢60年はあろうかという大木の根元にぽかりと開けられた穴。 その中から森のざわめきに混じるような、調子はずれの歌声が。 「ゆ~ん♪ゆ~ん♪ゆっくりしていってね~♪」 この穴の主、ゆっくりれいむの歌がその正体だ。 このれいむが昼間から暢気に引きこもっているのには訳がある。 このれいむはゆっくりまりさの子を宿した為、無理をして子供の生育に影響を与えないようにと、まりさに言い包められたからである 今は胎教としてなのか暇を持て余してなのかは分からないが、一匹でゆっくりと歌っている。 「おうたがおわったらおひるねでゆっくりするよ…」 そして歌い終わると独り言なのか胎教なのか分からない呟きを残し、れいむはまぶたをそっと閉じた。 「…?…!?」 れいむの眠りは雑音で妨げられる。 しかしそれを不快には思ってはいない。 「ゆゆん…まりさのおかえりだね…」 まりさはいつも家に入る前にれいむの事を呼ぶのが慣習になっていた。 バリケードを施された巣の奥ではまりさの呼びかけは雑音にしかならないので、今回の雑音も当然まりさが来たものだと思っている。 仰向けに寝ていたれいむは底部を器用によじる事で身を起こし、巣のバリケードまで這って行く。 しかし 「まり…」 と呼びかけようとしたところでれいむは口を噤む。 表から聞こえる声が、愛しのまりさのそれではないと思えたからだ。 さらには同類であるゆっくりの声にも似ていない、聞いたことのない異質のもの。 一人身ならば、持ち前の好奇心で積極的にコンタクトを図るのだが、子を宿したれいむは慎重さを身につけていた。 (まりさじゃないならゆっくりさせないよ…) 物音を立てずにそっと外の様子を窺うように聞き耳を立てていると、突然ばさがさっと乱暴にバリケードがはがされる。 「ゆうううん!?」 「お、当たり!」 「リーチ一発じゃん!」 れいむの眼前に飛び込んできたもの、それは二人の人間だった。 「れいむ一匹だけか?妊娠していたら番待ちするんだがな」 その言動からゆっくりを捕らえる事を目的としているのは明らかだ。 そんな人間の邪な目的を察してか、 「ゆっくりできないよ!」 さっと踵を返して巣の奥に素早く引き篭もる。 「お、結構素早い」 「あれつかうか」 「だな」 れいむが敏感に危険を察しても余裕のある人間達。 ゆっくりの巣の出口が一つしかない事も、その巣の深さも熟知している口ぶりだ。 人間が手にした一つの道具。 野生動物を絡め取る時に使う、長柄の先に鉄製のワイヤーの輪が付いた道具だ、 その輪をれいむへ被せようと手探りだけで棒を動かす。 「ゆっくりできないひもがきたよ!ゆっくりしないででていってね!」 頼まれてもいないのに現状を実況してくれるれいむ。 そのおかげで人間は巣を覗き込まなくても手探りだけで捕まえることが出来る。 「ゆゆぅ!ひもさんはゆっくりはなれてね!れいむのおりぼんさわらないでね!すりすりしないでね!」 これでれいむが輪にかかったことを確信した人間は、手元の紐をグイッと引き絞る。 するとれいむにかかった輪が、孫悟空の緊箍児のように締め付けた。 「ゆい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 強烈な痛みで苦悶の声を上げるれいむ。 これもまた人間側には都合のいい合図になり、手にした棒を手繰り寄せる。 強烈な力で引き寄せられ、徐々に近づく人間達の下卑た笑みを目にしたれいむは、気が動転したのか妙な事を口走る。 「うんうんするよおおおおっ!かわいいれいむがうんうんするよおおお!」 わざわざ排泄の合図をすると、本当に宣言通りにれいむの顎下から餡子がひり出されてきた。 その様を見て顔をしかめる人間達。 「うわ…汚物かよ…」 「あちゃ…森の中なら大丈夫だと思ったんだけどなぁ」 「どうする?」 「いいよ、このまま捕まえるさ。後のことは帰ってからにしようぜ」 一旦れいむを引きずり出す手を止めていた人間だが、気を取り直すと再びその手を動かし始める。 しかしその動きは手を止める前に比べると少し遅い。 れいむの醜態に気が乗らなくなったのだ。 「うんうんしてすっきりしたよ!もっとうんうんするよ!」 しつこいアピールにすっかり興醒めした人間は、用意したずた袋へ乱暴にれいむを放り込む。 「うんべっ!?」 「おいおーい、あまり雑にあつかうなよぉ」 「いいんだよー!グリーンだよー!」 「あっひゃっひゃっひゃ!つまんね」 「…」ぼすっ 「ゆぎょお!」 部活帰りのサッカー少年のように袋に入れたれいむを蹴りながら、二人の人間は山を降りていった。 主の片割れを失った巣の中に、一つ残されたれいむのうんうん。 ところがうんうんと思われたそれが突然ぶるぶると動き出すと、中から一匹のゆっくりまりさが出てきたのである。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇえ!」 それもれいむのうんうんを貪りながら。 れいむは人間に捕まった時に一つ決心をしていた。 「れいむはもうおしまいだよ!まりさはゆっくりがんばってね…でもあかちゃんはゆっくりさせるよ!」 自分の事はどうなっても良い、しかし子供だけは何とか助けたいと必死に知恵を絞った結果、とんでもないことを思いつく。 「うんうんのなかにあかちゃんをかくすよ!うんうんならにんげんさんもほしがらないよ!」 思ったことをその場ですぐに実行出来てしまうのは、流石と言うべきか呆れると言うべきか。 この無茶苦茶な適応力があったからこそゆっくり達は過酷な環境で生きてこられたのだろう。 それはともかくれいむの思惑はまんまと成功し、れいむとまりさの一粒種は人間の魔手から逃れることが出来たのである。 そしてこのれいむが計算づくだったのかどうかは分からないが、もう一つ赤まりさにとって良い事が。 それはまりさを包むうんうんだ。 ご存知の通りゆっくりのうんうんの正体は餡子。 目の前でうんうんとして排出されれば忌避するのだが、赤ゆっくりとしてれいむの体内で眠っていたまりさはうんうんとして排出された事など知りもしない。 それにうんうんとして排出はされたが、したくもないのに出したうんうんは、れいむの体の一部を無理やりひり出したもの。 正確にはうんうんと呼ぶべき代物ではないのかも知れない。 ナマコが緊急時に肛門から内蔵を吐き出すのに近い行為だろう。 何はともあれ、れいむの番のまりさが帰るまでの間、この赤まりさが食べ物に困る事態は避けられたのである。 「おなきゃいっぱいだから、まりしゃはおねむだよ…」 そして空腹を大量の餡子で満たした赤まりさは、暫くの間すやすやと安らかに眠っていた。 れいむが誘拐されてから数刻後、番であるまりさが帽子の中に食料を抱えて帰還してきた。 「れいむのまりさがかえったよ!…おおおおおっ!おうちがたいへんだよおお!」 乱暴に散らかされたバリーケードを見て最悪の事態を想像し、一瞬で顔を青ざめさせるまりさ。 「れいむうううううう!」 愛するれいむの安否を確かめるために巣に飛び込むと、一匹の小さなまりさを見つける。 「ゆゆっ!?なんでれいむじゃなくて、ちっちゃいまりさがまりさのおうちでゆっくりしているの!?」 れいむが必死の思いで託した赤まりさだとは知る由も無いまりさ。 お家に余所者が紛れ込んだと思うのは当然だろう。 「ゆ…ゆゆぅ…」 凄い剣幕で問いかけるまりさに言葉を詰まらす赤まりさ。 まりさの問うた「おうち」が何であるかを理解していないのも一因だが、初めて見るゆっくりから詰問されたのだから怖気づいても仕方が無い。 まりさはそんな煮え切らない態度の赤まりさに強い敵意を持ってしまう。 れいむが居なくなった隙にこの赤まりさが乗っ取ったのと思い始めたからだ。 勝手にお家を乗っ取る不届きなゆっくりは、暴力で追い出されることも多いのだが、しかしまりさも鬼ではない。 赤子であるのはそのサイズを見れば明らかなので、大人の威厳を持って追い出そうと圧力を掛けるのだ。 「ここはまりさとれいむのおうちなんだよ!ちっちゃいまりさはじぶんのおうちにかえってね!」 赤まりさから見れば巨人ともいえるサイズをぷくーと膨らませる事で更に大きく見せるまりさ。 「にゅぅえええええ!まりしゃのおかあしゃんはどこいっちゃったにょおお!?おとうしゃんはどきょなにょおお!?」 しかし赤まりさはその姿に怯むのではなく、保護者を求めてを嘆きだした。 生まれてすぐにあまあまを口にして忘れていたのだろうが、目の前に大人のゆっくりが現れた事で、自分が未だ母にも父にも対面していなかった事を思い出したのだ。 「ゆっうーっ!まりさがゆっくりできないから、ちびまりさはゆっくりでていってね!」 噛み合わない会話に痺れを切らしたまりさが体当りで赤まりさを押し出そうとした時だった。 「…れいむ!?…れいむのにおいがするよ!」 居ない筈のれいむの存在を匂いで感じ取ったまりさは体当りを中断する。 れいむが一日中篭っていたのだから、巣の中でれいむの匂いがするのは当然なのだが、まりさは目の前の小さなゆっくりからより強い匂いを感じ取ったのだ。 「…このちびちゃんかられいむのにおいがするよ…」 れいむから生まれたばかりの赤まりさ。 うんうんに包まれた生まれといえど、餡から皮までれいむから分け与えられた物なのだから、れいむの要素を強く引き継ぐのも当然だろう。 そしてまりさは赤まりさが自身の分身である事に気付くと同時に、れいむが帰らぬ存在になってしまった事に気付いてしまう。 悲しみに押しつぶされそうになったまりさだが、目の前の赤まりさかられいむの最後の願いを強く感じ取ると気を強く持ち直した。 「…おちびちゃんのおかあさんはもういないよ…でもおとうさんはまりさだからゆっくりしていってね!」 「ゆゆぅっ!?まりしゃのおとーしゃんはまりしゃなの!?」 「そうだよ!だからいっしょにゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!」 こうして二匹のゆっくりは、奇跡的な邂逅を遂げたのだ。 れいむを失う悲劇に見舞われたまりさ親子だが、これからはれいむの分までゆっくりするだろう。 と思われたが… 「にゅぅええええ!にぎゃいよおおおお!」 「おちびちゃん、これはおいしいごはんだよ?むーしゃむーしゃしようね!?」 「むーちゃむ…おえっ!に゛がい゛い゛い゛い゛い゛!むーちゃむーちゃしたくないよぉ!!!」 今しがた親まりさが持ち帰った虫や草を口にした赤まりさは、味の不快感に我慢が出来ずに一つ残らず吐き出してしまった。 「ゆうううん!?おはなさんはむーしゃむーしゃできるでしょお?」 「むー…え゛え゛え゛え゛え゛…ゆっきゅりできにゃいよぉ…」 この赤まりさが普通のゆっくりが食べる物を受け付けなくなったのも理由がある。 答えは単純、生まれてすぐに上質のあまあまをたらふく口にしてしまったから。 結果赤まりさの舌は肥えた物になり、森の恵みだけでは満足できない体になってしまった。 れいむの機転は一見赤まりさを庇護したかに見えたが、結局赤まりさを不幸な環境に産み落としただけだった。 「ゆっ!?ゆぎょ!?おごっ!おびょぼぼぼぼ…」 「ゆううううう!おちびちゃん!しっかりしてぇ!?」 「…もっちょ…ゆっきゅり…ちちゃかっちゃよ…エレッ」 れいむが無理して産んだ未熟な体だった事も一因だろうが、体に合わなくなった物を無理して食べてしまった所為で、一日と経たずに幼い命は失われてしまった。 「れいむもおちびちゃんもいなくなっちゃったよ…」 完全に独りぼっちになったまりさ。 ひとり巣の中で悲しみに暮れていると、まりさヘ向かって声を掛ける者が現れた。 「お、もう新しいのが入っているな」 「これだけ広いと他のゆっくりが放っておかないんだろうな」 「…ゆぅ?」 おわり 一部のヤスデは卵を糞に包んで産むと知って思いついた。 このSSに感想をつける
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生物ゆっくり うんうん乱舞 俺設定多め ゆっくりが群れを成して住む森の中。 日中天高く昇る陽が森の木々に光を注ぐ。 その光を浴びる樹齢60年はあろうかという大木の根元にぽかりと開けられた穴。 その中から森のざわめきに混じるような、調子はずれの歌声が。 「ゆ~ん♪ゆ~ん♪ゆっくりしていってね~♪」 この穴の主、ゆっくりれいむの歌がその正体だ。 このれいむが昼間から暢気に引きこもっているのには訳がある。 このれいむはゆっくりまりさの子を宿した為、無理をして子供の生育に影響を与えないようにと、まりさに言い包められたからである 今は胎教としてなのか暇を持て余してなのかは分からないが、一匹でゆっくりと歌っている。 「おうたがおわったらおひるねでゆっくりするよ…」 そして歌い終わると独り言なのか胎教なのか分からない呟きを残し、れいむはまぶたをそっと閉じた。 「…?…!?」 れいむの眠りは雑音で妨げられる。 しかしそれを不快には思ってはいない。 「ゆゆん…まりさのおかえりだね…」 まりさはいつも家に入る前にれいむの事を呼ぶのが慣習になっていた。 バリケードを施された巣の奥ではまりさの呼びかけは雑音にしかならないので、今回の雑音も当然まりさが来たものだと思っている。 仰向けに寝ていたれいむは底部を器用によじる事で身を起こし、巣のバリケードまで這って行く。 しかし 「まり…」 と呼びかけようとしたところでれいむは口を噤む。 表から聞こえる声が、愛しのまりさのそれではないと思えたからだ。 さらには同類であるゆっくりの声にも似ていない、聞いたことのない異質のもの。 一人身ならば、持ち前の好奇心で積極的にコンタクトを図るのだが、子を宿したれいむは慎重さを身につけていた。 (まりさじゃないならゆっくりさせないよ…) 物音を立てずにそっと外の様子を窺うように聞き耳を立てていると、突然ばさがさっと乱暴にバリケードがはがされる。 「ゆうううん!?」 「お、当たり!」 「リーチ一発じゃん!」 れいむの眼前に飛び込んできたもの、それは二人の人間だった。 「れいむ一匹だけか?妊娠していたら番待ちするんだがな」 その言動からゆっくりを捕らえる事を目的としているのは明らかだ。 そんな人間の邪な目的を察してか、 「ゆっくりできないよ!」 さっと踵を返して巣の奥に素早く引き篭もる。 「お、結構素早い」 「あれつかうか」 「だな」 れいむが敏感に危険を察しても余裕のある人間達。 ゆっくりの巣の出口が一つしかない事も、その巣の深さも熟知している口ぶりだ。 人間が手にした一つの道具。 野生動物を絡め取る時に使う、長柄の先に鉄製のワイヤーの輪が付いた道具だ、 その輪をれいむへ被せようと手探りだけで棒を動かす。 「ゆっくりできないひもがきたよ!ゆっくりしないででていってね!」 頼まれてもいないのに現状を実況してくれるれいむ。 そのおかげで人間は巣を覗き込まなくても手探りだけで捕まえることが出来る。 「ゆゆぅ!ひもさんはゆっくりはなれてね!れいむのおりぼんさわらないでね!すりすりしないでね!」 これでれいむが輪にかかったことを確信した人間は、手元の紐をグイッと引き絞る。 するとれいむにかかった輪が、孫悟空の緊箍児のように締め付けた。 「ゆい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 強烈な痛みで苦悶の声を上げるれいむ。 これもまた人間側には都合のいい合図になり、手にした棒を手繰り寄せる。 強烈な力で引き寄せられ、徐々に近づく人間達の下卑た笑みを目にしたれいむは、気が動転したのか妙な事を口走る。 「うんうんするよおおおおっ!かわいいれいむがうんうんするよおおお!」 わざわざ排泄の合図をすると、本当に宣言通りにれいむの顎下から餡子がひり出されてきた。 その様を見て顔をしかめる人間達。 「うわ…汚物かよ…」 「あちゃ…森の中なら大丈夫だと思ったんだけどなぁ」 「どうする?」 「いいよ、このまま捕まえるさ。後のことは帰ってからにしようぜ」 一旦れいむを引きずり出す手を止めていた人間だが、気を取り直すと再びその手を動かし始める。 しかしその動きは手を止める前に比べると少し遅い。 れいむの醜態に気が乗らなくなったのだ。 「うんうんしてすっきりしたよ!もっとうんうんするよ!」 しつこいアピールにすっかり興醒めした人間は、用意したずた袋へ乱暴にれいむを放り込む。 「うんべっ!?」 「おいおーい、あまり雑にあつかうなよぉ」 「いいんだよー!グリーンだよー!」 「あっひゃっひゃっひゃ!つまんね」 「…」ぼすっ 「ゆぎょお!」 部活帰りのサッカー少年のように袋に入れたれいむを蹴りながら、二人の人間は山を降りていった。 主の片割れを失った巣の中に、一つ残されたれいむのうんうん。 ところがうんうんと思われたそれが突然ぶるぶると動き出すと、中から一匹のゆっくりまりさが出てきたのである。 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇえ!」 それもれいむのうんうんを貪りながら。 れいむは人間に捕まった時に一つ決心をしていた。 「れいむはもうおしまいだよ!まりさはゆっくりがんばってね…でもあかちゃんはゆっくりさせるよ!」 自分の事はどうなっても良い、しかし子供だけは何とか助けたいと必死に知恵を絞った結果、とんでもないことを思いつく。 「うんうんのなかにあかちゃんをかくすよ!うんうんならにんげんさんもほしがらないよ!」 思ったことをその場ですぐに実行出来てしまうのは、流石と言うべきか呆れると言うべきか。 この無茶苦茶な適応力があったからこそゆっくり達は過酷な環境で生きてこられたのだろう。 それはともかくれいむの思惑はまんまと成功し、れいむとまりさの一粒種は人間の魔手から逃れることが出来たのである。 そしてこのれいむが計算づくだったのかどうかは分からないが、もう一つ赤まりさにとって良い事が。 それはまりさを包むうんうんだ。 ご存知の通りゆっくりのうんうんの正体は餡子。 目の前でうんうんとして排出されれば忌避するのだが、赤ゆっくりとしてれいむの体内で眠っていたまりさはうんうんとして排出された事など知りもしない。 それにうんうんとして排出はされたが、したくもないのに出したうんうんは、れいむの体の一部を無理やりひり出したもの。 正確にはうんうんと呼ぶべき代物ではないのかも知れない。 ナマコが緊急時に肛門から内蔵を吐き出すのに近い行為だろう。 何はともあれ、れいむの番のまりさが帰るまでの間、この赤まりさが食べ物に困る事態は避けられたのである。 「おなきゃいっぱいだから、まりしゃはおねむだよ…」 そして空腹を大量の餡子で満たした赤まりさは、暫くの間すやすやと安らかに眠っていた。 れいむが誘拐されてから数刻後、番であるまりさが帽子の中に食料を抱えて帰還してきた。 「れいむのまりさがかえったよ!…おおおおおっ!おうちがたいへんだよおお!」 乱暴に散らかされたバリーケードを見て最悪の事態を想像し、一瞬で顔を青ざめさせるまりさ。 「れいむうううううう!」 愛するれいむの安否を確かめるために巣に飛び込むと、一匹の小さなまりさを見つける。 「ゆゆっ!?なんでれいむじゃなくて、ちっちゃいまりさがまりさのおうちでゆっくりしているの!?」 れいむが必死の思いで託した赤まりさだとは知る由も無いまりさ。 お家に余所者が紛れ込んだと思うのは当然だろう。 「ゆ…ゆゆぅ…」 凄い剣幕で問いかけるまりさに言葉を詰まらす赤まりさ。 まりさの問うた「おうち」が何であるかを理解していないのも一因だが、初めて見るゆっくりから詰問されたのだから怖気づいても仕方が無い。 まりさはそんな煮え切らない態度の赤まりさに強い敵意を持ってしまう。 れいむが居なくなった隙にこの赤まりさが乗っ取ったのと思い始めたからだ。 勝手にお家を乗っ取る不届きなゆっくりは、暴力で追い出されることも多いのだが、しかしまりさも鬼ではない。 赤子であるのはそのサイズを見れば明らかなので、大人の威厳を持って追い出そうと圧力を掛けるのだ。 「ここはまりさとれいむのおうちなんだよ!ちっちゃいまりさはじぶんのおうちにかえってね!」 赤まりさから見れば巨人ともいえるサイズをぷくーと膨らませる事で更に大きく見せるまりさ。 「にゅぅえええええ!まりしゃのおかあしゃんはどこいっちゃったにょおお!?おとうしゃんはどきょなにょおお!?」 しかし赤まりさはその姿に怯むのではなく、保護者を求めてを嘆きだした。 生まれてすぐにあまあまを口にして忘れていたのだろうが、目の前に大人のゆっくりが現れた事で、自分が未だ母にも父にも対面していなかった事を思い出したのだ。 「ゆっうーっ!まりさがゆっくりできないから、ちびまりさはゆっくりでていってね!」 噛み合わない会話に痺れを切らしたまりさが体当りで赤まりさを押し出そうとした時だった。 「…れいむ!?…れいむのにおいがするよ!」 居ない筈のれいむの存在を匂いで感じ取ったまりさは体当りを中断する。 れいむが一日中篭っていたのだから、巣の中でれいむの匂いがするのは当然なのだが、まりさは目の前の小さなゆっくりからより強い匂いを感じ取ったのだ。 「…このちびちゃんかられいむのにおいがするよ…」 れいむから生まれたばかりの赤まりさ。 うんうんに包まれた生まれといえど、餡から皮までれいむから分け与えられた物なのだから、れいむの要素を強く引き継ぐのも当然だろう。 そしてまりさは赤まりさが自身の分身である事に気付くと同時に、れいむが帰らぬ存在になってしまった事に気付いてしまう。 悲しみに押しつぶされそうになったまりさだが、目の前の赤まりさかられいむの最後の願いを強く感じ取ると気を強く持ち直した。 「…おちびちゃんのおかあさんはもういないよ…でもおとうさんはまりさだからゆっくりしていってね!」 「ゆゆぅっ!?まりしゃのおとーしゃんはまりしゃなの!?」 「そうだよ!だからいっしょにゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしちぇいっちぇにぇ!」 こうして二匹のゆっくりは、奇跡的な邂逅を遂げたのだ。 れいむを失う悲劇に見舞われたまりさ親子だが、これからはれいむの分までゆっくりするだろう。 と思われたが… 「にゅぅええええ!にぎゃいよおおおお!」 「おちびちゃん、これはおいしいごはんだよ?むーしゃむーしゃしようね!?」 「むーちゃむ…おえっ!に゛がい゛い゛い゛い゛い゛!むーちゃむーちゃしたくないよぉ!!!」 今しがた親まりさが持ち帰った虫や草を口にした赤まりさは、味の不快感に我慢が出来ずに一つ残らず吐き出してしまった。 「ゆうううん!?おはなさんはむーしゃむーしゃできるでしょお?」 「むー…え゛え゛え゛え゛え゛…ゆっきゅりできにゃいよぉ…」 この赤まりさが普通のゆっくりが食べる物を受け付けなくなったのも理由がある。 答えは単純、生まれてすぐに上質のあまあまをたらふく口にしてしまったから。 結果赤まりさの舌は肥えた物になり、森の恵みだけでは満足できない体になってしまった。 れいむの機転は一見赤まりさを庇護したかに見えたが、結局赤まりさを不幸な環境に産み落としただけだった。 「ゆっ!?ゆぎょ!?おごっ!おびょぼぼぼぼ…」 「ゆううううう!おちびちゃん!しっかりしてぇ!?」 「…もっちょ…ゆっきゅり…ちちゃかっちゃよ…エレッ」 れいむが無理して産んだ未熟な体だった事も一因だろうが、体に合わなくなった物を無理して食べてしまった所為で、一日と経たずに幼い命は失われてしまった。 「れいむもおちびちゃんもいなくなっちゃったよ…」 完全に独りぼっちになったまりさ。 ひとり巣の中で悲しみに暮れていると、まりさヘ向かって声を掛ける者が現れた。 「お、もう新しいのが入っているな」 「これだけ広いと他のゆっくりが放っておかないんだろうな」 「…ゆぅ?」 おわり 一部のヤスデは卵を糞に包んで産むと知って思いついた。 このSSに感想をつける
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残酷な夜にれいむの叫びは鬼意山に届かない 21KB 虐待 理不尽 群れ 飼いゆ 現代 虐待人間 小ネタ少々 *SS処女作だった前回に続いて、2作目です *『ふたば系ゆっくりいじめ 542 れいむのゆっくりを鬼意山にささぐ』の続きものです *一応、前作を読まなくても大丈夫ですが、登場人物・登場ゆん物の把握のために読んでくれると助かります *基本的に、イラッ → ヒャッハー → ゆんやぁ です 作・もっちもちあき ある田舎の山奥に、ゆっくりの群れがあった。 長は、ぱちゅりー。全体で赤ゆを含めると100匹を超える群れだ。 この山周辺のゆっくりは、ほとんどがこの群れの一員であった。 この群れは、とてもゆっくりしていると言っていい。 冬も終わり、越冬に成功したゆっくり達が、そろそろ元気に動き回る頃だ。 彼女らは紆余曲折の末、このゆっくりプレイスを手に入れた。 彼女らの群れの絶対の掟、それは”人間と決して接触しないこと”だ。 愛であきは、飼いゆっくりである金バッチまりさとありすの番を連れて、自分の田舎に来ていた。 金バッチ番は子供を亡くし、冬の間あまり元気がなかったので、元気が出るようにと休みに連れて来ていた。 冬はゆっくりには寒すぎるので、暖かくなってきたこの日に連れて来たという訳だ。 ちなみに、子供が欲しいと必死にせがむので、また1匹生むことを許可した。 今は前回の反省もあり、金バッチ取得をさせる為、ゆっくりスクールに行っていていない。 「俺の田舎は、いいところだぞ。ゆっくりしていこうな」 「「ゆっくりしていってね、めであきおにいさん!」」 山あいの小さな温泉街が、愛であきの田舎である。 「愛であきー、虐ねえさんが来てるわよ~」 愛であきの母親が、愛であきを呼ぶ。 虐ねえさんとは、愛であきの幼なじみで婚約者だ。只今、絶賛遠距離恋愛中(笑) 「愛であき、久しぶりじゃない」 「ああ、悪いな。なかなか来れなくてさ」 虐ねえさんは、ちらりと足元の2匹のゆっくりに目をやる。 (キモ…) その視線に気づいたのか、愛であきが 「こいつらは俺の飼いゆっくりのまりさとありすだ」 「「ゆっくりしていってね、おねえさん!」」 しかし、返事は無い。 (へんじをかえさないなんて、ゆっくりできないくそばばあなんだぜ) 金まりさは心で思う。しかし、顔には出さない。 「ねえ、大丈夫なの?ゆっくりなんて害饅頭持ち込んで…」 (いまこいつ、すげえしつれいなことをほざいたのぜ) と思っても、決して口には出さない金まりさ。 「なあ、ゆっくりの事を害饅頭って言うのいい加減やめてくれないか?」 愛であきが悲しそうに言う。 「実際そうじゃない。ていうか、それは大丈夫なの?」 「金バッチだから平気だよ。飼いゆっくりとして厳しい訓練を受けているんだ。虐ねえの思っているような事は無いよ」 はー、と虐ねえさんがため息をつく。 「こいつらが元気がないから、環境を変えて元気づけようと思って…」 「ちょっと、愛であき!まさか、貴方はその害饅頭の為に来たの?!もう、信じらんない!」 「い、いや、あの全部が全部そうって訳じゃ…」 「だいたい都会はおかしいのよ!そんな害饅頭を飼うなんてどうかしてるわ!」 「この町は観光地だからね…」 「愛であきも、愛であきよ!この町がそいつら害饅頭のせいで大ピンチになったの知ってるでしょ!」 こうなると虐ねえは長い。 愛であきは、なんとか虐ねえをなだめつつ話を逸らして、この場を離れる。 ただ、虐ねえの言う通り、実際に街中をこいつら連れて歩いていたら、白い目で見られることは必至だ。 だから、ちょっと山奥へピクニックに行く予定だ。 「ねえ、まりさたちはおねえさんにきらわれちゃったの?」 (あんな、くそばばあは、かおもみたくないのぜ) 「ありすも、さみしいわ」 (めであきおにいさんいがいは、いなかものでゆっくりできないのよぉー) 2匹が、悲しそうに愛であきに語りかける(実際はただ不貞腐れているだけだが) 「あいつはいいやつなんだ。ただ、昔ちょっとな。それより、あしたはピクニックだ。あまあまサンドイッチさんもあるぞ」 「「あまあまさんどいっちさん!!」」 なぜ、この町ではゆっくりが害饅頭なのか? この町は温泉と、近くの山の紅葉などで観光地として賑わっていた。 山には野生のゆっくりがいて、人間に「あまあまちょうだいね」などと言い近づいてくるようになった。 中には、実際にあまあまをあげる人も多く、味をしめたゆっくりがゲス化したり、 温泉街に下りてきて、野良として観光客を不快にさせる事件が相次いだ。 かってに旅館や土産物屋にあがりこんだりしたが、観光客の手前、目の前で潰すわけにもいかず大問題となった。 ゆっくりの後始末で無駄な経費がかかるうえに、観光客も激減し、温泉街は未曾有の危機に見舞われた。 そこで、温泉街側は町の人間総出で、ゆっくりの駆除にあたった。 そのかいあってか、ゆっくりは山の奥へと移動し、温泉街には近づかなくなった。 しばらくは、山で観光客が被害に遭わないようにパトロールもしたため、 人間のいる場所からは、ゆっくりの姿は無くなった。 愛であきは上京し、一番悲惨な時期には温泉街にもういなかったので、ゆっくりに対する認識が町の人とは違ったのだ。 ゆっくり達は、人間に見つかり次第にゲスかどうかの判断も無く、事務的にどんどん駆除されていったので、 人間を心底恐れるようになり、山の奥へ奥へと行き、群れを作って暮らすようになった。 そして、長のぱちゅりーは、人間の町の方へ近づくことを禁じた。 人間に近づくと、ゆっくりできなくなる。それは、この山のゆっくりなら誰もが知っていた。 「ゆっ、ゆっ、おちびちゃんたち、ゆっくりまってるんだよー」 群れのちぇんは狩りに出ていた。妻と子供のために、木の実や虫を捕っていたのだ。 「ゆゆ?なんなのかなー?」 ちぇんは、自分以外の声が聞こえてきた気がして、立ち止まる。 「ここは俺が昔、良く遊んだ場所で、人は滅多にこないんだ。思いっきり、遊んでいいんだぞ」 「ゆっくり、たくさんあそぶよ!」 「たのしみだわ」 野生ちぇんは、人間の姿に怯える。 (なんでここに、にんげんさん!?) しかし、野生ちぇんは人間以上に信じられないものを目にする。 (にんげんさんと、ゆっくりがいっしょにいるんだよー…。わからないよー…) 人間とゆっくりが仲良く遊ぶ姿。それは衝撃的だった。 野生ちぇんだけではなく、この群れのゆっくりは、人間に見つかったら必ず駆除されると思っていたからだ。 ぴょんぴょんと跳ねて、蝶を追いかける金まりさ。 ちぇんは、草むらに隠れながら近づくと、 「ゆっくりしていってね」 と小声で声をかける。 「ゆっくりしていってね!」 反射的にでかい声で挨拶を返す、金まりさ。 「わわ、こえがおおきいよー!」 慌てる野生ちぇん。案の定、その声に気付いた人間がこちらにやってくる。 (にんげんさんがきちゃうんだよー…) 逃げようとするも、見つかってしまう。 「お、野生のゆっくりか。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!」 金まりさも、愛であきに続いて、再び挨拶をする。 「ゆっくりしていってね!」 習性から反射的に返事をしてしまい、逃げそびれる。 しかし、ゆっくりしていってねと挨拶されたことや、ゆっくりもいることで警戒が薄れる。 (どういうことなのかなー??) どうせ逃げられないので。疑問を聞いてみることにした。 「なんで、にんげんさんとまりさは、いっしょにいるの?」 「まりさは、めであきおにいさんのかいゆっくりだからだよ。しかも、きんばっちさんなんだよ」 (おどろいたか、げすめ。きたならしい、やせいのゆっくりが、はなしかけるんじゃないのぜ) 笑顔でご挨拶して、心で軽蔑する金まりさ。 「きんばっちさん??かいゆっくりって、にんげんさんとくらしてるのかなー?」 しかし、ちぇんは飼いゆっくりの概念が無いので、金バッチの意味を知らない。 「そうだよ!まりさはめであきおにいさんと、ゆっくりくらしているんだよ!きんばっちさんは、ゆうしゅうなゆっくりのあかしなんだよ!」 (きんばっちさんもしらないなんて、むちにもほどがあるのぜ。おお、みじめみじめ) 罵倒したい気持ちをぐっと堪えて、丁寧に説明する金まりさ。 「にんげんさんとまりさは、いっしょにくらしてるんだねー。わかるよー」 愛であきは、黙って2匹の交流を見ていた。 おそらく、温泉街の人間に駆除されたゆっくりが、人間が来ない、この辺りで暮らすようになったのだろう。 そっとしておこう。餌をやったりしたら、逆に良くない。 きっと、彼らは安住のゆっくりプレイスを見つけたのだろう。 しばらくして、ちぇんが去っていくと金まりさと金ありすと、あまあまサンドイッチさんを食べ始めた。 「「む~しゃむ~しゃ…し、しあわせぇ~~~~!」」 愛であきは、ここへ来て良かったと思った。 その後、実家に寄り、婚約者と過ごした。 ただ、ちぇんのことは温泉街では誰にも話さなかった。 そう、”温泉街では”…。 ちぇんは、長のぱちゅりーに今日あったことを報告していた。 「むきゅ!しんじられないわ!」 「ほんとなんだよー、わかってねー」 群れのゆっくり達もざわつく。 皆、一様に飼いゆっくりと、ゆっくりと暮らす人間さんに興味津々だ。 「とにかく、にんげんさんにちかづくのはだめよ。ただ、かいゆっくりをつれたにんげんさんなら、おーけーとします」 群れの絶対の掟が少し変更される。 破滅へと向かって…。 鬼意山は、最近退屈だった。 飼いゆっくりの銅れいむの子れいむ達も成体ゆっくりサイズになりつつあった。 今は分かりづらいので、手製の1から3のバッチを付けて、子ゆっくりを識別している。 あの一件以来、虐待鬼意山として目覚めつつあったが、 気軽に潰せる野良も少なく、他人のゆ虐動画を見るくらいしか楽しみがなかった。 (買ってまで、やるのも違う気がするしなあ…。俺の寿命がストレスでマッハだっつうの) 飼っているれいむ達にしても、愛着がある訳では無いが、行儀も良く、今すぐ潰す理由も無いし、 ここまで育てている(金をかけている)以上、何かに使えるときにとっておこうと思っていた。 (にしても面白いこと無いかなあ…、ん?) 「よお、愛であき」 愛であきが出社してきた。 「どうだった、田舎は?」 「行ってよかった。楽しかったよ」 こいつは、自分のゆっくりの為に、旅行に行って来たらしい。あんな、金ゲスの為に。 「婚約者とお楽しみだったんだろ」 「はは、やめてくれよ」 対して興味の無い、旅行の土産話を聞かされるが、 「野生のちぇんを見たんだ」 という話で、聞き流そうかと思ったが、ふと考える。 (野生?群れでもあるのか…) 面白そうじゃんか。久しぶりに楽しめそうだ、くくく。 「いいなあ。俺もれいむ達と行ってこようかな?」 「いい所だし、きっとお前のれいむも喜んでくれるよ」 俺は、しごとが終わって帰宅すると、れいむに言った。 「おい、れいむ。週末はピクニックに行くぞ」 「ぴくにっくさん!おにいさん、ありがとう!おちびちゃんたちもたのしみだね!」 「おにいさん!おりがとう!」 「れいむ、ぴくにっくさんはじめてだよ!」 「おかーさんや、おねーちゃんたちとゆっくりぴくにっくさん!」 すっかり、赤ちゃん言葉の抜けきった子ゆ達も喜ぶ。もう、傍目には”おちびちゃん”では無い。 (れいむのだいすきなおにいさん!) (れいむのあいするおにいさん!) (やっぱり、れいむたちのことをこころから、あいしてくれているんだね!) れいむは幸せだ。 愛するおちびちゃんたちも、すくすくと成長し、成ゆになった。 愛するおにいさんは照れ屋さんだから、すーりすーりしてくれないけれども…。 俺は銅れいむ一家とピクニックへ来ていた。 もちろん、こいつらを喜ばし愛でる為などでは無い。 (久しぶりの、ハイパーヒャッハータイムを楽しむぞ) 愛であきの実家の町は、ゆっくり被害で大のゆっくり嫌いである。 そこから、逃げてきたゆっくりのいる場所なら、人も来ないだろう。 誰の目も気にすることなく、色々なゆ虐を楽しめる。 俺は、野生のゆっくりを探そうと思っていると、 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「ゆっくりしていってね!」」」」 知らぬゆっくりの声と、それに挨拶を返す、れいむ達の声がした。 よく見ると、まりさ種とちぇん種だ。 「ふたりは、ふーふさん?」 次女れいむが聞く。 「ちがうのぜ、ちぇんとまりさのきょうだいなのぜ」 「わかるよー。れいむたちは、かいゆっくりなんだねー。まえにもみたよー」 どうやらこいつが愛であきの見たという、ちぇんらしい。 野生の2匹はこちらに興味津々らしく、ぺらぺら話しかけてくる。 次女れいむも、普段別のゆっくりと話すことが無いので、お話に夢中だ。 三女れいむは、銅れいむの陰に隠れ、知らないゆっくりに怯え気味で、 長女は一定の距離を保つようにしており、 銅れいむは、これ以上かかわっていいのか、俺の判断が気になるようで、こっちをチラチラ見ている。 話を横で聞いていると、人間と関わらないように100匹くらいの群れで暮らしているようだ。 (100匹か、潰し応えがありそうだぜ) 群れに行く方法を考えていると、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。 「まりさたちは、あめさんがふりそうだからそろそろもどるのぜ」 「もういっちゃうの?」 次女れいむが名残惜しそうに言う。 「もう、もどらないと。あめさんにふられたらゆっくりできないんだよー。わかってねー」 そこで、俺は声をかける。 「せっかくだから、群れを見せてくれないか?」 「「ゆ?」」 野生の2匹は驚いてこちらを向く。 「ちょっとだけだからさ!俺はあまあまも持ってるぞ」 ちぇんが目を輝かせる。 「ゆっくりできるにんげんさんだし、ちょっとなら、いいんだよー」 とりあえず全員で、まずは車へ移動すると、 「さて…。れいむ、お前らは車で待ってろ」 「ゆっくりりかいしたよ、おにいさん」 銅れいむが、ぴょんと跳ねて車に乗る。続いて、三女れいむ、長女れいむも車に乗る。しかし、 「おにいさん、れいむもつれていってね!」 次女れいむが、連れて行けといいだした。 「はあ?」 「おちびちゃん、なにいってるの?」 「もう、れいむはおちびちゃんじゃないよ。それに…」 と言って、野生まりさの方を見る。 「れいむ、むれをみたいよ。それに、まりさともうすこしいっしょにいたいよ」 次女れいむは、まりさに興味があるようだ。 「まりさも、れいむみたいなびゆっくりと、もうすこしいっしょにいられればうれしいのぜ」 野生まりさも、まんざらではないらしい。 「はやくもどらないと、あめさんがこわいんだよー」 ちぇんが出発を促す。 「仕方ないな。れいむ、ここで大人しく待ってるんだぞ」 「う、うん。おにいさん、おちびちゃん、ゆっくりまってるよ」 銅れいむと長女・三女れいむを車に残し、群れに向かった。 「ここがむれなんだよー」 (びっくりするほどユートピア!!) 俺は、心の中で舌舐めずりをする。 集会所と称した洞窟に、長のぱちゅりーと、ゆっくりした人間さん(笑)を一目見ようと、群れのゆっくりがほとんどつめかけていた。 「むきゅ、そのこがにんげんさんのかいゆっくりね」 次女れいむを見て、長のぱちゅりーが言う。 「れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」と群れのゆっくりどもが答える。洞窟に反響して、やかましい。 しばらく、俺は群れのゆっくりどもに質問攻めに遭う。ウザい…。適当に返事をする。 「ゆ!みんなきいてね!おにいさんもだよ!」 突然、次女れいむが大声を出す。 「れいむはまりさとけっこんするよ!!」 は?突然何言い出してんだこいつ?? 「ゆゆ~ん、てれるのぜ」 キモいから照れんな。 「おにいさん、おかあさんがおにいさんをすきなように、れいむはまりさがすきだよ」 「それは、俺の飼いゆっくりをやめて、そいつと暮らすということか?」 まさか、このまりさも飼えなんて言わないだろうな…。 「さびしいけれど、ゆっくりじりつするよ」 「れいむはまりさが、ぜったいしあわせにするのぜ」 飼えと言わないのはいいんだが、それにしても…、あああ…、キモいキモい…。 「れいむはおかあさんに、おわかれをいいにいくよ」 「まりさも、あいさつにいくのぜ」 かってに盛り上がる2匹。 「むきゅ、れいむもこれから、むれのいちいんね」 「めでたいんだよー」 群れの連中も、かってに盛り上がる。 俺のストレスゲージがマックスだ。 2匹は「ゆんゆん♪」と、親れいむへ挨拶に出かけた。 それを冷めた目で見送ると、 「さて…、群れの諸君。約束(俺の中で)の時間だ」 「やくそくのあまあまだね。わかるよー」 俺は持っていたビニール袋から、プラスチック容器を取り出す。 そして、服を脱ぎ、下着、靴まで脱ぎ、全裸になると、それを容器を出して空になったビニールに入れる。 (これでよし) 服を汚さない為だ。 「それが、あまあま?」 と、ゆっくりどもが容器を見つめる。 「これか?これは、俺の大好きなローションさんだよ!」 洞窟の入口付近にローションをぶちまける。これで、こいつらは逃げられない。 「俺は、ローションプレイが大好きなんだよ。まあ、今日は違うプレイだがな、くくく…」 全裸の俺は身体にも余ったローションを塗りたくる。 気持ちを切り替える一種の儀式さ。 さあ、ゆ虐の時間だ!!!!! 「イッツ、ヒャッハータイム!!!」 俺は長のぱちゅりーを一気に蹴り飛ばす。 「むきゅゅう”う”!!!えれれえれえれ…」 悲鳴を上げる間もなく、キックで破裂して、壁で爆散する。 そこに集まっている群れのゆっくりたち(50匹は軽く超える)が、 何が起こったのか分からないのか、ポカーンとしている。 「俺は、森の賢者ならぬ、森の妖精。歪みねえな」 ケツ毛をなびかせながら、俺は呟く。 「ゆ?おにいさんは、ゆっくりできるおにいさんだよね?」 と、硬直した顔で1匹話しかけてくる。 「ゆっくりできましぇーん!」 話しかけてきた奴を、足の親指を目玉に突き刺すように蹴り飛ばす。 「ゆぎゃあああああ!!!!!」 目ん玉が潰れ、のたうちまわる。すかさず踏みつぶす。 グシャ!! 群れ中、大パニックに。ようやく事態を把握したか、餡子脳どもが。 「どぼじで、どうくつさんからでれないのお”お”ー」 ツルツルとローションが滑り、逃げようにも、ゆっくりどもは逃げられない。 「こっちへこないでね!ぷくーするよ!」 涙目で一匹のまりさが俺を威嚇(笑)する。 後ろの、にんっしんしたれいむを庇っているらしい。 ふと、次女れいむと糞まりさを思い出す。 いい感じで、ムカついてきたよー。 「やめてね!れいむはにんっしんしてるんだよ!ゆっくりできないじじいはちかづかないでね!」 震えながら、俺を罵倒するれいむ。もみあげをピコピコさせてやがる。 あーー、これ”くる”わ。 「ゆっきゅりうまれりゅよ!」 「ゆ、かわいいれいむのあかちゃん、ゆっくりしていってね!」 れいむの腹から、クソかわいくねえ饅頭が顔を出す。 「ゆっきゅり!ゆっきゅりうまれりゅ…」 「うまれねえよ!」 半分顔を出した赤ゆの顔を掴むと、手首までまむまむに突っ込み、握りつぶした。 そのまま、腕でれいむの身体を貫通する。 「ゆあああああああああああ!!!!!!」 まりさが番と生まれたばかりの我が子のなれの果てを見て絶叫する。 「れいぶぅぅ!!!じじいはゆっくりせずにじねぇ!」 飛びかかってくる、まりさ。 それを、なんなくキャッチすると膝を顔面につきたてる。 ベキボキと歯が砕け、顔面が陥没する。 そのまま勢いよく、壁に叩きつける。べシャッとグチャグチャに潰れる。 近くにいた、ありすに 「このれいぱーめ!せいっさいしてやんよ!」 震え、涙を流しながら、ありすがいやいやとかぶりを振る。 「ゆぅ…、やめて、やめてね…。ありすは、れいぱーじゃないのよぅ…」 「れいぱーは、くぱぁの刑だ!!」 俺は、ありすの口の両端を掴むと、 「くぱぁ!!!」 と叫び、思い切り引き裂いた。 声にならない叫び声をあげると、カスタードをまきちらし弾け飛ぶ。 俺は、近くのゆっくりを捕まえては、蹴り、潰し、あまぎる。 逃げまどう、ゆっくりども。しかし、入口のローションでツルツルになり、逃げられなくなる。 「お前らの逃げ場、ねえから!」 「おちびちゃん、ほんとにいいんだね」 「れいむは、まりさといっしょに、ゆっくりいきていくよ」 次女れいむは母である銅れいむの所で、最後のお別れをしていた。 「おねえちゃん、しあわせになってね」 三女が涙目で、次女に別れを告げる。 「ゆっくりできるばしょをみつけた、れいむがうらやましいよ」 長女も祝福する。 「おちびちゃんは、おかあさんのほこりだよ」 銅れいむが言うと 「もう、おちびちゃんじゃないよ」 「おかあさんにとっては、いつまでもおちびちゃんだよ」 「れいむはぜったい、しあわせになるね」 2匹は最後のすーりすーりをする。 「そろそろ、もどるのぜ」 番となる、まりさが声をかける。 姿が見えなくなるまで、銅れいむは我が子を見送っていた。 (おちびちゃんも、あいするひとをみつけたんだね。おにいさんをあいするれいむのように) ぽつぽつと雨が降ってきた。 「ゆ、ふってきちゃったのぜ」 「どうしよう、まりさ」 「あまやどるのぜ」 2匹は岩場の陰で雨やどることにした。 (どうしてこんなことになったのかなー) (ゆっくりをつれたにんげんさんは、ゆっくりしてるんじゃなかったのかなー) (わからないよー) ちぇんは雨の中、疾走する。そして、鬼意山の車にたどり着く。 「どうしたの?あめさんがふってるよ」 銅れいむはドアをあける。 「ふざけるなぁー!!!」 ちぇんは、三女れいむにのしかかる。 「いやぁぁぁー!!!おかーさん、たすけてね!!たすけてね!!」 「ゆっくりしないで、やめてあげてね!」 銅れいむは驚き、ちぇんに懇願する。 「おまえらのせいで…、おまえらのせいで、ゆるさないんだよー!」 ちぇんは、いきり勃ったぺにぺにを三女れいむにつきたてる。 ぬぷぬぷぬぷ 「あぁぁ…、れいむのばーじんさんが…」 三女れいむが、さめざめと泣く。 「すっきりーーー!!!」 「すっきりしたくないーーー!!!」 2匹はそれぞれ反対の事を叫ぶと、ちぇんはぺにぺにを抜き、ドアを開け、飛び出した。 外はまだ雨が降っているが、目の前の俺の車から、ちぇんが出てきた。 「よお、ちぇん」 俺が声をかけると、 「おにいさんのいうとおり、バッチさん無しれいむをれいぷしたよ。だから、おちびちゃんをかえしてね」 俺は、ちぇんの番を潰し、ガキをゆん質に捕っていたのだ。 「ごくろーさん。ああ、お前のガキを返すよ」 無残に潰れた物言わぬ生ゴミを、ちぇんの前に投げ捨てる。 「ゆんやぁぁぁぁぁ!!!おちびちゃーん!!!」 ちぇんが絶望に染まる。 「じゃあな」 わめいていたちぇんを、踏みつぶした。 俺は、車のトランクから身体を洗うものを取り出し、きれいにしてから服を着る。 ドアを開けると、ゆんゆん泣く三女れいむと、すーりすーりして慰める銅れいむと長女れいむがいた。 俺に気付くと、銅れいむが近寄ってくる。 「ゆうう、おちびちゃんがちぇんにきょうせいすっきりーさせられちゃったよ…」 「あいつらはゲスの群れだったんだよ」 「ゆ!?だとするとおちびちゃんがあぶないよ!」 「もう潰されちゃったんだ」 俺は面倒なので、適当に嘘を答える。 「「「ゆぎゃあぁぁぁ!!!そんなあ”ぁ”−」」」 れいむたちが泣きわめく。 (どうして??おちびちゃんはしあわせになるっていってのに…。まりさも、げすだったの?) 俺は車を出し、ゆんゆん泣き続けるれいむたちとその場を離れた。 雨がやみ、群れへ戻った次女れいむと番のまりさ。 集会場は大惨事だった。数多のゆっくりが、無残に潰されていた。 「どぼぢでぇぇぇ!!!」 まりさは仲間たちのなれの果てを見て、絶叫する。 次女れいむは、まりさに 「ゆ!ここはあぶないよ。にげよう、まりさ」 「なんでなんだぜ…」 そのとき、今まで忘れていた子ゆの時のことを、次女れいむは思いだす。 嬉々として、自分の姉妹を虐める、鬼意山の姿を。 「もう、むれもおわりなのぜ…」 「まりさといっしょなら、れいむはどこへでもいくよ!」 2匹はそのまま山を温泉街とは別の方向へと逃げて行った。 俺は今夜の宿をとってある温泉街へとやってきた。 宿へ行く前に温泉街の自治会へ行く。 自分の飼いゆっくりが、山の奥の群れに襲われたことを報告した。 茎が頭に生えたれいむを見せると、町の人はびっくりして、山にいるゆっくりに憎しみを向けた。 温泉街の客の持ち物を傷つける。それは、温泉街にとっての敵対行為。 ゆっくりが元々、大嫌いな町である。 その後、大規模な掃討作戦が行われ、山のゆっくりは全滅することになる。 銅れいむは、おにいさんがせっかく連れてきてきてくれたピクニックさんで、起きた惨劇について考えていた。 (じりつしようとした、おちびちゃんはげすにつぶされたよ…) (かわいいすえっこのおちびちゃんも、ちぇんにむりやりばーじんさんをうばわれたよ…) (おにいさん、さみしいよ…。きょうだけは、すーりすーりしてほしいよ…) おちびちゃんたちは、泣きつかれた三女と、慰めよりそっていた長女が一緒にすーやすーやしていた。 地酒さんを飲みながら、ご飯さんを食べるおにいさんの膝に乗る。 「おにいさん、おねがいだよ…。きょうだけは、れいむあまえたいよ。わがままをゆるしてね…」 おにいさんは何も言わず、れいむを膝の上に乗せてくれた。 (ありがとう。やさしいゆっくりした、れいむのあいするおにいさん。だいすきだよ) 俺は、あくびをしながら、膝に乗る銅れいむを見る。 俺は今日、たくさん楽しんだので機嫌がいい。 1匹無駄にしたが、あの茎の実ゆどもは、どうしてやろうか、くくく…。 三女れいむの茎を見ながら、笑いをこぼした。 第2作目終わり 続きものになる予定です これからも、よろしくお願いします 挿絵 byM1 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ゲスな群れっていうのは強ち間違いではないよね。 (全ゆんではないが)前科があるゆっくりが集まった群れなんだし。 ただ鬼意山はHENTAIさんでもあったwww -- 2018-02-10 19 57 41 一番下の人と同じこの鬼意惨とはうまい酒が飲めそうだ -- 2016-08-30 13 28 58 サイコー -- 2014-06-16 23 38 50 ↓人間舐めてるっての追加で -- 2011-05-11 11 36 06 やっぱり金の二匹が気になるな…… 飼い主居ないと態度悪いのには金とか どうもすっきりしない -- 2011-05-11 11 33 53 善良虐待や理不尽虐待は大好きだがこれはつまらん 続きものにする為にゲス金まりさや銅れいむなどをレギュラーキャラにして 優遇してるんだろうけど レギュラーキャラゆっくりと他のゆっくりの扱いの差があからさま過ぎて 他のゆっくりを潰される為だけに登場した雑キャラとしか見れず いまいちQNQN出来ない もちろん潰される為だけに登場させてるんだろうけど 優遇されるレギュラーキャラのせいで雑キャラぶりが際立ってしまってるよ 潰されるゆっくりにももう少しキャラ付けするか、 優遇キャラをなくせばそんな事感じないんだけどね -- 2011-02-17 20 41 25 善良なゆっくりには理不尽な最後がよく似合うね♪鬼意惨GJ! -- 2011-01-10 04 14 02 また元凶は愛でお兄さんだったのが笑えるww -- 2010-10-17 16 13 53 おにいさん頭弱くて良いなw -- 2010-09-20 07 56 01 れいむがあたかも自分はお兄さんと愛し合ってるみたいに思い上がってるのがうざいな。 -- 2010-09-14 18 12 29 すっきりー!! -- 2010-08-30 16 19 57 屑饅頭はもっと苦しんで死ぬべき 鬼意山は優しすぎるぜ -- 2010-08-29 16 24 10 「うまれねえよ!」で笑ったw -- 2010-08-28 00 54 28 善良なゆっくり達を悪いお兄さんが蹂躙するのはとても良いことだよ -- 2010-08-16 16 20 28 このお兄さんが最悪すぎてゆっくりできる -- 2010-08-15 18 11 16 この鬼意山好きだわww 続きみたい -- 2010-07-26 15 46 04 くくく… -- 2010-07-18 14 09 56 飼いゆが飼い主に恋してるみたいなのはキモい -- 2010-07-18 14 08 12 ゆっくりが善良だと、相対的に人間のゲス性が際立つのでなんかイヤ。 -- 2010-07-07 07 29 37 フッフッフッ -- 2010-06-29 18 49 57
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ゆっくりいじめ系1914 楽園~まりさの場合(外伝)より続く ※俺設定注意 presented by [498] 「な に を し て い る の っ ! ?」 突然の怒鳴り声に驚いて目を覚ます11匹の姉妹達。目を開けると、藁と羽毛の寝床から憤怒の形相でこちらを睨み付けるれいむの姿が見えた。 少々騒いだところで目を覚ますれいむではない、だがこのときれいむは悪い夢を見ていた、最愛のまりさがレイパーありすに犯される夢、あのときと同じシチュエーションの夢を見ていたのだ。悪夢にうなされ目を覚ましてみると、そこに居る筈の子れいむが見当たらない。 寝ぼけて布団から出て行ったのだろうか?あの子は体が弱い、柔らかい布団の中で寝かせてあげないと体に障る。辺りを見回して我が子の姿を探すれいむ、それは意外な場所で見つかった。姉妹全員が固まって眠るその中心、長女と三女の子ありすに挟まれ、子れいむは安らかな寝息を立てていた。 端から見れば仲睦まじい姉妹の触れ合いだが、れいむに限りそうは見えなかった。ふと、子ありすが子れいむ側に寝返りを打つ、丁度『すーりすーり』をしているような体勢だ。 瞬間、れいむに電流走る。 直前まで見ていた夢も影響し、れいむにはそれが、子ありすが子れいむを犯し殺そうとしているように見えた、子ありすが『あのありす』と重なって見えてしまったのだ。焼付いたイメージはもう離れない、我が子が危ない、れいむはゆっくりらしからぬ大声を上げた。 姉妹達は焦っていた、いつもは起きる事のない時間にれいむが目覚めてしまったからだ、しかも姉妹達の真ん中には子れいむが居る。 10匹の姉妹達は子れいむとの接触をれいむから禁じられていた、子れいむと自分達とで受ける『おべんきょう』の内容が違うから、というのがその理由だったが、実際はれいむによる忌み子と我が子の隔離が目的だった。 無断で一緒にお昼寝していたとなればお仕置きは必至。怯える姉妹達の中、最初に口を開いたのは子れいむだった。 「ゆ…おとーしゃん、おこらにゃいでね!けほっ、けほっ……れいむがしらにゃいうちにおねーちゃんのとこでねてたの!」 「お…おちびちゃん……?」 「きっちょねぼけてころがっていったんだよ!けほっ…でもれいみゅあんよがいたくなっちゃったから、おとーしゃんのとこにもどれなき ゃったの!だきゃらおねーちゃんたちにおねがいちていっちょにおねむちてたの!」 「………………」 咳き込みながら必至に姉達を弁護する子れいむに、姉妹達は心配しながらも安堵の表情を浮かべる。止むを得ない理由があるなられいむも怒らないだろう……ちょっと残念だが、揃ってお昼寝は暫く控えなければ……。だがれいむから返ってきた言葉は姉妹達の予想を斜め上行くものだった。 「そう…それじゃあしかたないね!」 「ゆぅ…ゆぅ……、そうだよ、おねーちゃんたちはわるくないよ!だかりゃ……」 「あのくそがきどもに、そういえっておどされたんだよね?わかったよ…… いまたすけてあげるからねえええええぇぇぇっ!!!」 「ゆ、ゆううぅぅっ!!?」×11 硬い筈の、動かすだけで痛い筈の底部無理やり伸縮させ、尺取虫のような挙動で姉妹達へ猛然と向かっていくれいむ、水分の無くなってひび割れているいる箇所からは、少量だが餡子が漏れていた。 れいむに見竦められ、動く事の出来ない姉妹達。しかしあと少しで届く、というところで、ドアを開いて『あの男』が乱入してきた。 バンッ! 「ゆ!?」 今度は全員で驚いて見せるゆっくり一家、振り向くとそこに箱に入ったまりさを抱える鬼畏惨の姿があった。 「ゆ、ゆっくりじゃましないでね!おにいさん!れいむはいまからおちびちゃんをたすけるんだ……か…ら?」 「お…おかあしゃあああああんっ!!」×11 「ゆ、ゆ〜?れいむもおちびちゃんたちもどうしたの?」 まりさを見つけて焦るれいむ。不味い、非常に不味い……別にこの糞餓鬼共にどう思われようと知った事ではないが、まりさに『おべんきょう』や体罰の事を知られてしまうのはよろしくない……最悪のタイミングだ、どうしたものか……れいむが姉妹とまりさを見比べてあたふたとしている。そんな心の動きを察したのか、鬼畏惨がれいむに近づいて耳打ちをする。 「れいむ、安心して良いよ、まりさは今来たばかりだ、ここで起こった事は知らないし、僕から言う事も無い。」 そう言うと鬼畏惨は突然部屋の端から透明な板を引っ張り出してきて、何やら組み立て始めた。 姉妹達はと言うと、透明な箱に閉じ込められているまりさに向かって一斉に泣きつき始めた。事態がよく呑み込めないまりさと、姉妹達が告げ口するのではないかと気が気でないれいむ。暫くやいのやいのと騒いでいた一家だったが、いきなり鬼畏惨がれいむを掴んで放り投げた。 「ゆゆ!?おそらをとんでるみtゆべしっ!」 投げられた先は、先程から鬼畏惨が作っていた透明な板で出来た囲いの中だった。囲いの大きさは2m四方、高さは人間の腰ぐらいまである、跳ねる事の出来ないれいむでは脱出可能な高さではない。 次に鬼畏惨は、まりさに泣きつく姉妹達を子れいむを除き、まりさを入れたのより若干大きいサイズの透明な箱の中に詰めていく。 「ゆぎゅっ、しぇまいよぅ…」 「ゆっ、まりしゃ、ありしゅのうえではねにゃいでね!」 「ありしゅおさにゃいでええ!まりさのぽんぽんいちゃーよぉっ!」 「ゆえーん!くりゅしいよー!!」 「おかーしゃんたちけてえええ!」 「ゆうう!おにーさん、おちびちゃんたちをだしてあげてね!くるしんでるよ!」 「心配しなくても直ぐに出してあげるさ。」 鬼畏惨は箱詰めの姉妹達を抱えると、囲いの中のれいむの目の前に置いた。箱が隔てているとはいえ、目と鼻の先にれいむが居る状況にガタガタと震える姉妹達。まりさの手前、なんとか取り繕おうとして姉妹達に作り笑いを浮かべてみせるれいむだったが、その引き攣った笑い顔は姉妹達に更に恐怖を与えた。 「れいむ、子供達はひとまず置いといて、ちょっとコレを見てくれないか?」 「ゆ?」 あらかじめ用意して置いたビデオデッキとモニタをれいむに見える位置に配置する鬼畏惨。 「これはまりさの『おつとめ』様子を記録したものだ。」 「ゆ、『おつとめ』…の?」 ポケットからテープを取り出し、ビデオデッキにセット、再生。画面に映し出されたのは、笑顔で食事をするまりさとありすだった。『むーしゃ、むーしゃ、しあわせ〜♪』と見るからに美味しそうなご馳走を仲良く頬張る二匹。え…?あのありすは……なんでまりさと……?どうして…?そんなれいむの想いをよそに映像は流れ続ける。 まりさの頬に付いたハチミツを舐め取るありす。 それに頬を赤らめて俯くまりさ。 ソファの上ですーりすーりする二匹。 そのまま寄り添って寝てしまう二匹。 起きたら笑顔で挨拶、そして語らう二匹。 『ねえまりさ、あのれいむのこと、すき?』 『そんなわけないよ!』 『そう…じゃあありすのことは?』 『ゆうん♪だいすきにきまってるよお♪せかいでいちばんあいしてるよ♪』 そんな会話を最後に映像は途切れた。最後の方は音声の繋ぎ合わせなのだが、れいむにそんな事分かる訳もなく、歯を食いしばり、涙を流しながら震えていた。 まりさは口をパクパクさせて青ざめていた。何か言おうとするが、焦りと緊張で上手く言葉にできずオロオロするばかり。姉妹達はまりさとれいむの異様な雰囲気になにかゆっくり出来ないものを感じ、押し黙っていた。 そんな中、沈黙を破ったのはれいむだった。 「どおおおしてえええええ!?どおしてれいぱーありすとまりさがなかよくしてるのおおおおお!?」 「ゆっ!?れ、れいむ、それは……」 「うらぎったね!れいむのきもちをうらぎったね!?れいむはまりさがまいにち『おつとめ』がんばってるってしんじてたから、れいむもがんばっておちびちゃんのおせわしてたのにっ!!なのにっ!!まりさは!まいにち!あんな!ゆっくりしたおへやで!おいしそうなごちそうたべながら!れいぱーありすとうわきしてたんだ!!!うああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 「ち、ちがうよ!!れいむ、まりさはうわきなんて……」 「じゃあさっきのはなんなのおおおおお!!?」 二匹の様子を見て少々不満そうな鬼畏惨。 上々な出来だが、れいむの姉妹達へのヘイトがいまいち足りない、どうしたものか……。ふと、足元に変な感触を感じ見下ろしてみると、鬼畏惨に擦り寄ってくる子れいむの姿があった。 「ゆぅ…ゆぅ……おにーしゃん、おねーちゃんたちをこっちにもどしてね。あそこにいたらゆっくりできにゃいよ。」 姉妹達を心配して、れいむから遠ざけるよう鬼畏惨にお願いする子れいむ。 そうだ、コレがあったじゃないか。鬼畏惨は子れいむを掴みあげると、他のゆっくりから見えないように、子れいむの後頭部から中枢餡子を狙って注射器で微量のカプサイシンを注入する。 「ぴぎょ!よよよよよよよよよよよよよ!!」 少量とはいえ、中枢餡子を辛味に蝕まれた所為で変な声を上げ始める子れいむ。鬼畏惨はそんな子れいむを囲いの中、れいむの真後ろに置いた。 「よし。 おーいれいむ、ちょっとこっちみてくれないか?」 「ゆ!?おにーさんはだまっててね!いまれいむはまりさと……」 「れいむの『おちびちゃん』が大変な事になってるんだ。」 「ゆ、おちびちゃん!?」 れいむが振り向くと、そこには顔を真っ青にして白目を剥き、小刻みに震えながら餡子を吐く我が子の姿があった。 「お……お、おちびちゃん!?どうしたの!?」 「お、お、お、おと…しゃん……なん…か……びり…びり…すりゅよ………ごふっ。」 「しっかりしてね!おとーさんがぺーろぺーろしてあげるからねっ!!!」 「ぴ……ぎゅ………」 「あああああんこさんでてきちゃだめえええええ!!もどってね!あんこさんゆっくりおちびちゃんのおくちにもどってねええええ!?」 我が子の吐いた餡子をどうにかして口から戻そうとするれいむだったが、子れいむの吐く餡子によってそれを阻まれる。ゆっくり、ゆっくりと体内の餡子を失っていき、気が付けば子れいむは床に顔だけ張り付いたような姿になっていた。平べったい顔から浮き出た二つの眼球がれいむの方を向く、れいむにはそれが『おとーしゃん、たちけてね…』と訴えているように見えた。一分後、子れいむは残った中枢餡子を吐き出し、苦悶の表情のまま絶命した。 れいむは物言わぬ皮となった我が子を見つめ、顔の穴という穴から体液を流し続けていた。なんでれいむのおちびちゃんがこんな目に遭わなきゃならないの……っ!? そんな悲しみに暮れるれいむに囁く鬼一匹。 「やあれいむ、なんで君の子供が死んだのか分かるかい?」 「ゆ゛あ゛…あ゛、あ゛……わがらないぃ、わがらないよお゛お゛お゛……どぼぢでえ?どぼぢででいぶのおぢびぢゃんがああああ………せっがくうばれだのにいぃ……はじめてのあがちゃんだったのにいぃ………。」 「ふむ、れいむの子は体が弱かったよね?だから元気になるよう、れいむはれいむに他の姉妹より多くごはんをあげてたよね。」 「ゆ゛!れ、れいむ…そんなことしてたの!?」 「だ、だって!!おちびちゃんはからだがよわかったんだよ!?ごはんはほかのこよりいっぱいあげなきゃだめでしょおおお!?」 「そのごはんを食べてなかった、としたら?」 「……ゆ?」 れいむは鬼畏惨を見て首をかしげる。そんな筈は無い、最初の方こそ残してはいたが、寝て起きるとおちびちゃんにあげたごはんは全部無くなっていたのだ、食べてないなんて筈が…。 困惑するれいむに、鬼畏惨は姉妹達を指差しながら言った。 「君が子供にあげたごはん、君が寝てる間にあの姉妹が食べてたみたいなんだよね、殆ど全部。」 「ゆ、ゆゆうぅぅ〜!?」×10 確かに姉妹達は子れいむの餌を食べた。しかしそれは子れいむが言い出した事であり、更に言うならその餌は元々姉妹達が食べる筈のものだったのだ。仮にそうでなかったとしても、れいむは子れいむが食べ切れなかった分は捨てていたので、その捨てる筈だった物を姉妹達は口にしていたのだ。どっちにしても、姉妹達が子れいむの餌を食べた事は咎められような事ではないし、まして子れいむの死因になどなりはしないのだ。 だがれいむはそう思わなかった。 子れいむは体が弱い、だから大量のごはんが必要、それを姉妹達が食べた、だから子れいむは姉妹達の所為で死んだ。 れいむの頭の中ではそんな論理展開がなされていた。 子れいむの死を自分達の所為にされて固まっている姉妹達をれいむが睨み付ける。その顔は、先程姉妹達に向かって行ったときものとは比べ物にならない程、憎悪で歪んでいた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!お゛ま゛え゛だぢはごろずっ!!い゛っびぎの゛ごら゛ずごろ゛じでや゛る゛!!!」 「いやああああ!」 「きょわいよおおお!」 「おきゃあしゃあああん!」 「ぴいいい!?ゆっくちちていってね!ゆっくちちていってね!ゆっくちちていってねえええ!?」 「たちけてえええ!」 「ゆーっ!ゆーっ!れいむやめてね!!まりさのおちびちゃんたちだよっ!おねがいだからやめてねえっ!!?」 「うるざいっ!!れ゛いぷまのこどもも゛!うらぎりぼの゛のばりざも!みんなゆっぐぢでぎなぐじでや゛る゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「どぼぢでそんなごどいうのおおおおおおお!?」 姉妹達を踏み殺そう、喰い殺そうと透明な箱に体を打ちつけ続けるれいむ。姉妹達は相変わらず泣き叫んでいるが、まりさは透明な箱で姉妹達が守られている事に気づくと、今度は鬼畏惨に姉妹達を助けるよう懇願しだした。 「おにいさん!まりさのおちびちゃんたちをたすけてあげてね!」 「…………」 「あのままじゃれいむにゆっくりできなくされちゃうよ!おねがいだからたすけてね!」 「………そうだな、今は大丈夫でも、あのままじゃ箱が壊れたとき子供達が危ないね。」 嘘だ。あの加工所製の透明な箱は、例え鬼畏惨が力の限り蹴ったとしても壊れはしない、まして底部が不自由なゆっくりの体当たりなど効く筈もない。だがそこはゆっくり補正、鬼畏惨の言葉も加わった事で、まりさの目には鬼気迫るれいむの攻撃で今にも箱が壊れそうになってるように見えた。 「ゆうううっ…!おねがいしますっ!どうかこどもたちをたすけてくださいいいいいっ!!」 「…………」 「とってもいいこたちなんですっ!すごくやさしくて!あたまもよくて!おうたもじょうずで!ゆっくりしたこたちなんですううう!!!おねがいしますっ!なんでもしますっ!あのこたちをたすけてあげてえええええ!!!」 「っん素晴らしいっ!!その言葉を待っていた!!」 「ひゅぐっ!?」 「まりさ、今君は『何でもする』と言ったね?」 「ゆ、い、いったよ!おちびちゃんたちをたすけるためならなんでもするよ!ほんとだよっ!!」 「わかった、実は子供達を助けるにあたって、ひとつ選択をしもらいたいんだ。 ああ、『えらぶ』って事だよ」 「『えらぶ』んだね?ゆっくりりかいしたよ!で、まりさはなにをえらべばいいの!?ゆっくりしないでおしえてね!!」 「簡単さ、『れいむを殺して子供達を助ける』か『子供達を見殺しにしてれいむを生かす』か……さあ、ゆっくりえらんでいってね!」 「……ゆ?………ゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!?」 一拍置いて言葉の意味を理解するまりさ。鬼畏惨は更に追い討ちをかけるように言葉を続ける。 「ああ、そのままにしておいても子供達も何匹か生き残るだろうけど、それじゃツマンナイからさ、まりさがどっちも選ばなかったら頃合を見て全員潰すから。」 「いやああああ!!!おねがいだからたすけてあげでえええ!!!」 「うん、だからどっちを?」 「そんなのえらべないいいいいい!!!」 「じゃあみんな潰すけど、いいんだね?」 「ぞれはだめええええ!!!たすけてあげでええええ!!!」 「堂々巡りだな……じゃ、選びやすいようにしてあげるよ。」 そう言うと鬼畏惨は囲いの中に入って行き、姉妹達が入っている箱を、蓋を開けてれいむの前でひっくり返した。 顔から地面に落ちたり、他の姉妹が上に乗っかったりして、大半が動けないでいる。そんな姉妹の中で、頭から落ちて逆さまになったまま動けない子ありすにれいむが近づいていく。 「だめえええ!!おちびちゃんにげてえええ!!」 「ゆっきゅ?」 「ゆっくりしんでねえええぇぇぇっ!!!」 底部が上を向いてる子ありすをれいむが噛み千切る、丁度、口の真ん中から下半分を失うような形だ。上顎だけピクピクと動かし、目はキョロキョロと周りを見回している、暫くして自分の体が半分無くなった事に気づき、痛みと恐怖で涙を滲ませる子ありす。れいむは半分になった子ありすを咥えると、囲いの隅に放り投げた。 「とどめなんかさしてあげないよ!!れいぱーありすはそこでずうううぅぅぅっと!くるしみながらしんでねっ!!!」 「ゆああああん!ありしゅううううう!!」 「まりじゃのいもうとがあああああ!!!」 「おかあしゃあああん!たちけてねええええ!」 「まりしゃはしにたくにゃいよ!ゆっくちにげりゅよ!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でいぶや゛べでね゛え゛え゛え゛!!!ばりざの゛ごどもごろざな゛いでえ゛え゛え゛え゛!!!」 そして始まる小さな逃走劇。底部が不自由なれいむの移動速度では、全力で逃げる子ゆっくりを捕まえる事はまず出来ない。だがそれも広い空間での事だ、2m四方の囲いの中では大回りに移動する事が出来ない。姉妹達は迫り来る恐怖から全員で固まって逃げていた、こうなると、壁を背にしたとき壁側の子ゆっくりは初動が遅れる事になる、そして遅れた者の中から次の死者が出るのだ。 二匹目の犠牲者も子ありすだった。れいむはここでもありすを重点的に狙っていた。 この子ありすはれいむに押さえつけられ、身動きを封じられた。 「やめちぇえええ!!ありしゅのあんよだべにゃいでえええええ!!!」 まず押さえつけずに済むよう、底部を食いちぎる。 「いぢゃあ゛あ゛よ゛お゛お゛お゛!!!ありじゅのおべ、おべ、おべべがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 次に舌で両目を抉り、眼球がカスタードに繋がった状態で咀嚼する。 「んぐぉ!?ん…!ん…!んばばばば!!!」 最後に口内を口の部分ごと食いちぎる。 目を抉られ、口を縦長に食いちぎられた所為で、子ありすはまるで絵画『叫び』のような見た目になっていた。 三匹目は子まりさ。子ありすを捕まえようとしたのだが、先頭集団に居る子ありすを捕まえるのは困難だった為、近くでのそのそと動いていた姉妹の中で末っ子の子まりさに標的を変えたのだ。 「まりさににてるからってちょうしにのらないでねっ!!おまえもれいぱーのこだよっ!しんでもれいむにわびつづけてねっ!!!」 「あよ、あんよ゛!あんよはやめぢぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 子ありすと同じように動きを封じるれいむ。 「までぃじゃのおぼうぢがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?がえぢでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 子まりさの帽子を目の前で引き裂いていき、『おまえにはもうひつようないよ』と冷たく言い放つ。 「おぶぉっ!やべちぇええええ!!まりじゃのきれいなかみもってがないでえ゛え゛え゛え゛!!!」 今度は上から圧し掛かり、髪の毛を頭皮ごと引き千切る。 「ゆおおおお!?まりじゃのおはだが!!おべべがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 引き千切った頭皮から、まるでリンゴの皮を剥くように螺旋を描いて子まりさの皮を剥ぐ。瞼を失った眼球がぽろりと落ちて、れいむに踏み潰された。 最初の子ありすとは逆に、口の部分だけ残し餡塊となった子まりさ。わずかな大気の動きだけでも激痛なのだろう、しきりに痛みを訴えている。 四匹目の犠牲者が出たところで鬼畏惨が泣き喚くまりさに声をかけた。 「どうする?まりさ。」 「ゆああぁぁ……おちびちゃぁん…れいぶぅ……どぼぢてええぇぇ……?」 「やれやれ、まだ決められないのかい?最初にも言ったけど、決められないなら全員潰すよ?」 「ゆぃぃっ!?それはだめえええええ!!!」 「……まあ僕としては、子供達を残す方をお勧めするけどね。考えてもみなよ、仮にれいむを生かしたとして、まりさにどんな得があるっていうんだい? ま り さ の 子 を 殺 す よ う な ゆ っ く り な ん だ よ ?」 「……っ!?」 実際のところ、最初にれいむの手に掛かった子ありす以外はまだ生きていた。と言っても回復は絶望的で、中枢餡子のおかげで辛うじて意識が保っていられるという状態であり、とても『生きている』とは言い難い状態だった。 おちびちゃん……まりさのかわいいおちびちゃん………望んだすっきりじゃなかったけど、それでも大切に育ててきたまりさの子供達………。一緒にゆっくり出来る時間は少なかった、だからこれからすーりすーりもぺーろぺーろも沢山してあげるつもりだった………。けどもう4人も殺されちゃった…………。どうして?まりさはただみんなでゆっくr「おー、五匹目。喰っとる、喰っとる。」 「ゆ゛!?あ……あ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「まりさが早く選ばないからだぞ〜?……ゆっくりした結果がこれだよ!ってやつだね。」 まりさが囲いの方を見ると、子まりさがれいむに丸ごと噛み潰されている最中だった。れいむの口の中で必至に助けを乞う子まりさ、れいむは姉妹達に見せ付けるように、ゆっくりと歯で圧力を加えていく。みちみちと皮の裂ける音が聞こえ、圧迫された餡子が子まりさの目から口からまむまむから少しずつ溢れてくる、そして張力の限界を迎えた顔が、音を立てて口から一文字に裂け、押し出される形で子まりさの中身が外へひり出された。 もうゆっくりしている暇など無い!まりさの心は決まった。 「……おにいざんっ!ばりさはおちびぢゃんだちをえらぶよっっ!!!」 「決まったか。確認するけど、子供達を助けるんだよね?」 「そうだよ゛っ!!まりざはまりざがうんだおぢびちゃんたちをまもる゛よっ!!」 「わかった、それじゃあ子供達を助けるとしよう。」 鬼畏惨が囲いへ向かうと、れいむが6匹目を捕まえようとしているところだった。鬼畏惨はれいむを掴み上げ、殺戮ショーを強制中止させる。 「じゃまするなああああああ!!!ころさせろおおおおおおおお!!!」 「おお狂気狂気、お楽しみのところ悪いんだけど終了な、しゅーりょー。」 「ゆっ…ぐ……?」 「ゆぅ、たすかっちゃの?」 「ゆ!もうだいじょーぶだよ!」 「ゆっきゅいできるよ!」 「ゆえぇぇ……でもいもうちょがあぁ…おねーちゃんがああぁぁ……」 姉妹達の死に涙を流す子供達、殺戮が終わっても残るのは地獄だった。子供達の事はひとまず捨て置き、掴んだれいむをまりさの入った箱に叩きつける鬼畏惨。 「ゆべっ!」 「ゆひいぃっ!れいむう!?」 透明な箱の外側に張り付いたれいむに小さく悲鳴を漏らすまりさ、憎悪に歪んだその顔は、『楽園』に来た頃のれいむとは完全に別のものへと変わっていた。 鬼畏惨はれいむを箱から引っぺがすと、箱のまりさと向き合うように押さえつける。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!はなせえええ!!あいつらぜんぶゆっくりできなくしてやるううううう!!!」 「ああ、あ……れい……む……」 「さあまりさ、良く見ておくんだよ? 君が『選んだ事』を、ね」 to be continued...⇒
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ゆっくりいじめ系1914 楽園~まりさの場合(外伝)?より続く ※俺設定注意 presented by [498] 「な に を し て い る の っ ! ?」 突然の怒鳴り声に驚いて目を覚ます11匹の姉妹達。目を開けると、藁と羽毛の寝床から憤怒の形相でこちらを睨み付けるれいむの姿が見えた。 少々騒いだところで目を覚ますれいむではない、だがこのときれいむは悪い夢を見ていた、最愛のまりさがレイパーありすに犯される夢、あのときと同じシチュエーションの夢を見ていたのだ。悪夢にうなされ目を覚ましてみると、そこに居る筈の子れいむが見当たらない。 寝ぼけて布団から出て行ったのだろうか?あの子は体が弱い、柔らかい布団の中で寝かせてあげないと体に障る。辺りを見回して我が子の姿を探すれいむ、それは意外な場所で見つかった。姉妹全員が固まって眠るその中心、長女と三女の子ありすに挟まれ、子れいむは安らかな寝息を立てていた。 端から見れば仲睦まじい姉妹の触れ合いだが、れいむに限りそうは見えなかった。ふと、子ありすが子れいむ側に寝返りを打つ、丁度『すーりすーり』をしているような体勢だ。 瞬間、れいむに電流走る。 直前まで見ていた夢も影響し、れいむにはそれが、子ありすが子れいむを犯し殺そうとしているように見えた、子ありすが『あのありす』と重なって見えてしまったのだ。焼付いたイメージはもう離れない、我が子が危ない、れいむはゆっくりらしからぬ大声を上げた。 姉妹達は焦っていた、いつもは起きる事のない時間にれいむが目覚めてしまったからだ、しかも姉妹達の真ん中には子れいむが居る。 10匹の姉妹達は子れいむとの接触をれいむから禁じられていた、子れいむと自分達とで受ける『おべんきょう』の内容が違うから、というのがその理由だったが、実際はれいむによる忌み子と我が子の隔離が目的だった。 無断で一緒にお昼寝していたとなればお仕置きは必至。怯える姉妹達の中、最初に口を開いたのは子れいむだった。 「ゆ…おとーしゃん、おこらにゃいでね!けほっ、けほっ……れいむがしらにゃいうちにおねーちゃんのとこでねてたの!」 「お…おちびちゃん……?」 「きっちょねぼけてころがっていったんだよ!けほっ…でもれいみゅあんよがいたくなっちゃったから、おとーしゃんのとこにもどれなき ゃったの!だきゃらおねーちゃんたちにおねがいちていっちょにおねむちてたの!」 「………………」 咳き込みながら必至に姉達を弁護する子れいむに、姉妹達は心配しながらも安堵の表情を浮かべる。止むを得ない理由があるなられいむも怒らないだろう……ちょっと残念だが、揃ってお昼寝は暫く控えなければ……。だがれいむから返ってきた言葉は姉妹達の予想を斜め上行くものだった。 「そう…それじゃあしかたないね!」 「ゆぅ…ゆぅ……、そうだよ、おねーちゃんたちはわるくないよ!だかりゃ……」 「あのくそがきどもに、そういえっておどされたんだよね?わかったよ…… いまたすけてあげるからねえええええぇぇぇっ!!!」 「ゆ、ゆううぅぅっ!!?」×11 硬い筈の、動かすだけで痛い筈の底部無理やり伸縮させ、尺取虫のような挙動で姉妹達へ猛然と向かっていくれいむ、水分の無くなってひび割れているいる箇所からは、少量だが餡子が漏れていた。 れいむに見竦められ、動く事の出来ない姉妹達。しかしあと少しで届く、というところで、ドアを開いて『あの男』が乱入してきた。 バンッ! 「ゆ!?」 今度は全員で驚いて見せるゆっくり一家、振り向くとそこに箱に入ったまりさを抱える鬼畏惨の姿があった。 「ゆ、ゆっくりじゃましないでね!おにいさん!れいむはいまからおちびちゃんをたすけるんだ……か…ら?」 「お…おかあしゃあああああんっ!!」×11 「ゆ、ゆ〜?れいむもおちびちゃんたちもどうしたの?」 まりさを見つけて焦るれいむ。不味い、非常に不味い……別にこの糞餓鬼共にどう思われようと知った事ではないが、まりさに『おべんきょう』や体罰の事を知られてしまうのはよろしくない……最悪のタイミングだ、どうしたものか……れいむが姉妹とまりさを見比べてあたふたとしている。そんな心の動きを察したのか、鬼畏惨がれいむに近づいて耳打ちをする。 「れいむ、安心して良いよ、まりさは今来たばかりだ、ここで起こった事は知らないし、僕から言う事も無い。」 そう言うと鬼畏惨は突然部屋の端から透明な板を引っ張り出してきて、何やら組み立て始めた。 姉妹達はと言うと、透明な箱に閉じ込められているまりさに向かって一斉に泣きつき始めた。事態がよく呑み込めないまりさと、姉妹達が告げ口するのではないかと気が気でないれいむ。暫くやいのやいのと騒いでいた一家だったが、いきなり鬼畏惨がれいむを掴んで放り投げた。 「ゆゆ!?おそらをとんでるみtゆべしっ!」 投げられた先は、先程から鬼畏惨が作っていた透明な板で出来た囲いの中だった。囲いの大きさは2m四方、高さは人間の腰ぐらいまである、跳ねる事の出来ないれいむでは脱出可能な高さではない。 次に鬼畏惨は、まりさに泣きつく姉妹達を子れいむを除き、まりさを入れたのより若干大きいサイズの透明な箱の中に詰めていく。 「ゆぎゅっ、しぇまいよぅ…」 「ゆっ、まりしゃ、ありしゅのうえではねにゃいでね!」 「ありしゅおさにゃいでええ!まりさのぽんぽんいちゃーよぉっ!」 「ゆえーん!くりゅしいよー!!」 「おかーしゃんたちけてえええ!」 「ゆうう!おにーさん、おちびちゃんたちをだしてあげてね!くるしんでるよ!」 「心配しなくても直ぐに出してあげるさ。」 鬼畏惨は箱詰めの姉妹達を抱えると、囲いの中のれいむの目の前に置いた。箱が隔てているとはいえ、目と鼻の先にれいむが居る状況にガタガタと震える姉妹達。まりさの手前、なんとか取り繕おうとして姉妹達に作り笑いを浮かべてみせるれいむだったが、その引き攣った笑い顔は姉妹達に更に恐怖を与えた。 「れいむ、子供達はひとまず置いといて、ちょっとコレを見てくれないか?」 「ゆ?」 あらかじめ用意して置いたビデオデッキとモニタをれいむに見える位置に配置する鬼畏惨。 「これはまりさの『おつとめ』様子を記録したものだ。」 「ゆ、『おつとめ』…の?」 ポケットからテープを取り出し、ビデオデッキにセット、再生。画面に映し出されたのは、笑顔で食事をするまりさとありすだった。『むーしゃ、むーしゃ、しあわせ〜♪』と見るからに美味しそうなご馳走を仲良く頬張る二匹。え…?あのありすは……なんでまりさと……?どうして…?そんなれいむの想いをよそに映像は流れ続ける。 まりさの頬に付いたハチミツを舐め取るありす。 それに頬を赤らめて俯くまりさ。 ソファの上ですーりすーりする二匹。 そのまま寄り添って寝てしまう二匹。 起きたら笑顔で挨拶、そして語らう二匹。 『ねえまりさ、あのれいむのこと、すき?』 『そんなわけないよ!』 『そう…じゃあありすのことは?』 『ゆうん♪だいすきにきまってるよお♪せかいでいちばんあいしてるよ♪』 そんな会話を最後に映像は途切れた。最後の方は音声の繋ぎ合わせなのだが、れいむにそんな事分かる訳もなく、歯を食いしばり、涙を流しながら震えていた。 まりさは口をパクパクさせて青ざめていた。何か言おうとするが、焦りと緊張で上手く言葉にできずオロオロするばかり。姉妹達はまりさとれいむの異様な雰囲気になにかゆっくり出来ないものを感じ、押し黙っていた。 そんな中、沈黙を破ったのはれいむだった。 「どおおおしてえええええ!?どおしてれいぱーありすとまりさがなかよくしてるのおおおおお!?」 「ゆっ!?れ、れいむ、それは……」 「うらぎったね!れいむのきもちをうらぎったね!?れいむはまりさがまいにち『おつとめ』がんばってるってしんじてたから、れいむもがんばっておちびちゃんのおせわしてたのにっ!!なのにっ!!まりさは!まいにち!あんな!ゆっくりしたおへやで!おいしそうなごちそうたべながら!れいぱーありすとうわきしてたんだ!!!うああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」 「ち、ちがうよ!!れいむ、まりさはうわきなんて……」 「じゃあさっきのはなんなのおおおおお!!?」 二匹の様子を見て少々不満そうな鬼畏惨。 上々な出来だが、れいむの姉妹達へのヘイトがいまいち足りない、どうしたものか……。ふと、足元に変な感触を感じ見下ろしてみると、鬼畏惨に擦り寄ってくる子れいむの姿があった。 「ゆぅ…ゆぅ……おにーしゃん、おねーちゃんたちをこっちにもどしてね。あそこにいたらゆっくりできにゃいよ。」 姉妹達を心配して、れいむから遠ざけるよう鬼畏惨にお願いする子れいむ。 そうだ、コレがあったじゃないか。鬼畏惨は子れいむを掴みあげると、他のゆっくりから見えないように、子れいむの後頭部から中枢餡子を狙って注射器で微量のカプサイシンを注入する。 「ぴぎょ!よよよよよよよよよよよよよ!!」 少量とはいえ、中枢餡子を辛味に蝕まれた所為で変な声を上げ始める子れいむ。鬼畏惨はそんな子れいむを囲いの中、れいむの真後ろに置いた。 「よし。 おーいれいむ、ちょっとこっちみてくれないか?」 「ゆ!?おにーさんはだまっててね!いまれいむはまりさと……」 「れいむの『おちびちゃん』が大変な事になってるんだ。」 「ゆ、おちびちゃん!?」 れいむが振り向くと、そこには顔を真っ青にして白目を剥き、小刻みに震えながら餡子を吐く我が子の姿があった。 「お……お、おちびちゃん!?どうしたの!?」 「お、お、お、おと…しゃん……なん…か……びり…びり…すりゅよ………ごふっ。」 「しっかりしてね!おとーさんがぺーろぺーろしてあげるからねっ!!!」 「ぴ……ぎゅ………」 「あああああんこさんでてきちゃだめえええええ!!もどってね!あんこさんゆっくりおちびちゃんのおくちにもどってねええええ!?」 我が子の吐いた餡子をどうにかして口から戻そうとするれいむだったが、子れいむの吐く餡子によってそれを阻まれる。ゆっくり、ゆっくりと体内の餡子を失っていき、気が付けば子れいむは床に顔だけ張り付いたような姿になっていた。平べったい顔から浮き出た二つの眼球がれいむの方を向く、れいむにはそれが『おとーしゃん、たちけてね…』と訴えているように見えた。一分後、子れいむは残った中枢餡子を吐き出し、苦悶の表情のまま絶命した。 れいむは物言わぬ皮となった我が子を見つめ、顔の穴という穴から体液を流し続けていた。なんでれいむのおちびちゃんがこんな目に遭わなきゃならないの……っ!? そんな悲しみに暮れるれいむに囁く鬼一匹。 「やあれいむ、なんで君の子供が死んだのか分かるかい?」 「ゆ゛あ゛…あ゛、あ゛……わがらないぃ、わがらないよお゛お゛お゛……どぼぢでえ?どぼぢででいぶのおぢびぢゃんがああああ………せっがくうばれだのにいぃ……はじめてのあがちゃんだったのにいぃ………。」 「ふむ、れいむの子は体が弱かったよね?だから元気になるよう、れいむはれいむに他の姉妹より多くごはんをあげてたよね。」 「ゆ゛!れ、れいむ…そんなことしてたの!?」 「だ、だって!!おちびちゃんはからだがよわかったんだよ!?ごはんはほかのこよりいっぱいあげなきゃだめでしょおおお!?」 「そのごはんを食べてなかった、としたら?」 「……ゆ?」 れいむは鬼畏惨を見て首をかしげる。そんな筈は無い、最初の方こそ残してはいたが、寝て起きるとおちびちゃんにあげたごはんは全部無くなっていたのだ、食べてないなんて筈が…。 困惑するれいむに、鬼畏惨は姉妹達を指差しながら言った。 「君が子供にあげたごはん、君が寝てる間にあの姉妹が食べてたみたいなんだよね、殆ど全部。」 「ゆ、ゆゆうぅぅ〜!?」×10 確かに姉妹達は子れいむの餌を食べた。しかしそれは子れいむが言い出した事であり、更に言うならその餌は元々姉妹達が食べる筈のものだったのだ。仮にそうでなかったとしても、れいむは子れいむが食べ切れなかった分は捨てていたので、その捨てる筈だった物を姉妹達は口にしていたのだ。どっちにしても、姉妹達が子れいむの餌を食べた事は咎められような事ではないし、まして子れいむの死因になどなりはしないのだ。 だがれいむはそう思わなかった。 子れいむは体が弱い、だから大量のごはんが必要、それを姉妹達が食べた、だから子れいむは姉妹達の所為で死んだ。 れいむの頭の中ではそんな論理展開がなされていた。 子れいむの死を自分達の所為にされて固まっている姉妹達をれいむが睨み付ける。その顔は、先程姉妹達に向かって行ったときものとは比べ物にならない程、憎悪で歪んでいた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!お゛ま゛え゛だぢはごろずっ!!い゛っびぎの゛ごら゛ずごろ゛じでや゛る゛!!!」 「いやああああ!」 「きょわいよおおお!」 「おきゃあしゃあああん!」 「ぴいいい!?ゆっくちちていってね!ゆっくちちていってね!ゆっくちちていってねえええ!?」 「たちけてえええ!」 「ゆーっ!ゆーっ!れいむやめてね!!まりさのおちびちゃんたちだよっ!おねがいだからやめてねえっ!!?」 「うるざいっ!!れ゛いぷまのこどもも゛!うらぎりぼの゛のばりざも!みんなゆっぐぢでぎなぐじでや゛る゛う゛う゛う゛う゛!!!」 「どぼぢでそんなごどいうのおおおおおおお!?」 姉妹達を踏み殺そう、喰い殺そうと透明な箱に体を打ちつけ続けるれいむ。姉妹達は相変わらず泣き叫んでいるが、まりさは透明な箱で姉妹達が守られている事に気づくと、今度は鬼畏惨に姉妹達を助けるよう懇願しだした。 「おにいさん!まりさのおちびちゃんたちをたすけてあげてね!」 「…………」 「あのままじゃれいむにゆっくりできなくされちゃうよ!おねがいだからたすけてね!」 「………そうだな、今は大丈夫でも、あのままじゃ箱が壊れたとき子供達が危ないね。」 嘘だ。あの加工所製の透明な箱は、例え鬼畏惨が力の限り蹴ったとしても壊れはしない、まして底部が不自由なゆっくりの体当たりなど効く筈もない。だがそこはゆっくり補正、鬼畏惨の言葉も加わった事で、まりさの目には鬼気迫るれいむの攻撃で今にも箱が壊れそうになってるように見えた。 「ゆうううっ…!おねがいしますっ!どうかこどもたちをたすけてくださいいいいいっ!!」 「…………」 「とってもいいこたちなんですっ!すごくやさしくて!あたまもよくて!おうたもじょうずで!ゆっくりしたこたちなんですううう!!!おねがいしますっ!なんでもしますっ!あのこたちをたすけてあげてえええええ!!!」 「っん素晴らしいっ!!その言葉を待っていた!!」 「ひゅぐっ!?」 「まりさ、今君は『何でもする』と言ったね?」 「ゆ、い、いったよ!おちびちゃんたちをたすけるためならなんでもするよ!ほんとだよっ!!」 「わかった、実は子供達を助けるにあたって、ひとつ選択をしもらいたいんだ。 ああ、『えらぶ』って事だよ」 「『えらぶ』んだね?ゆっくりりかいしたよ!で、まりさはなにをえらべばいいの!?ゆっくりしないでおしえてね!!」 「簡単さ、『れいむを殺して子供達を助ける』か『子供達を見殺しにしてれいむを生かす』か……さあ、ゆっくりえらんでいってね!」 「……ゆ?………ゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!?」 一拍置いて言葉の意味を理解するまりさ。鬼畏惨は更に追い討ちをかけるように言葉を続ける。 「ああ、そのままにしておいても子供達も何匹か生き残るだろうけど、それじゃツマンナイからさ、まりさがどっちも選ばなかったら頃合を見て全員潰すから。」 「いやああああ!!!おねがいだからたすけてあげでえええ!!!」 「うん、だからどっちを?」 「そんなのえらべないいいいいい!!!」 「じゃあみんな潰すけど、いいんだね?」 「ぞれはだめええええ!!!たすけてあげでええええ!!!」 「堂々巡りだな……じゃ、選びやすいようにしてあげるよ。」 そう言うと鬼畏惨は囲いの中に入って行き、姉妹達が入っている箱を、蓋を開けてれいむの前でひっくり返した。 顔から地面に落ちたり、他の姉妹が上に乗っかったりして、大半が動けないでいる。そんな姉妹の中で、頭から落ちて逆さまになったまま動けない子ありすにれいむが近づいていく。 「だめえええ!!おちびちゃんにげてえええ!!」 「ゆっきゅ?」 「ゆっくりしんでねえええぇぇぇっ!!!」 底部が上を向いてる子ありすをれいむが噛み千切る、丁度、口の真ん中から下半分を失うような形だ。上顎だけピクピクと動かし、目はキョロキョロと周りを見回している、暫くして自分の体が半分無くなった事に気づき、痛みと恐怖で涙を滲ませる子ありす。れいむは半分になった子ありすを咥えると、囲いの隅に放り投げた。 「とどめなんかさしてあげないよ!!れいぱーありすはそこでずうううぅぅぅっと!くるしみながらしんでねっ!!!」 「ゆああああん!ありしゅううううう!!」 「まりじゃのいもうとがあああああ!!!」 「おかあしゃあああん!たちけてねええええ!」 「まりしゃはしにたくにゃいよ!ゆっくちにげりゅよ!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でいぶや゛べでね゛え゛え゛え゛!!!ばりざの゛ごどもごろざな゛いでえ゛え゛え゛え゛!!!」 そして始まる小さな逃走劇。底部が不自由なれいむの移動速度では、全力で逃げる子ゆっくりを捕まえる事はまず出来ない。だがそれも広い空間での事だ、2m四方の囲いの中では大回りに移動する事が出来ない。姉妹達は迫り来る恐怖から全員で固まって逃げていた、こうなると、壁を背にしたとき壁側の子ゆっくりは初動が遅れる事になる、そして遅れた者の中から次の死者が出るのだ。 二匹目の犠牲者も子ありすだった。れいむはここでもありすを重点的に狙っていた。 この子ありすはれいむに押さえつけられ、身動きを封じられた。 「やめちぇえええ!!ありしゅのあんよだべにゃいでえええええ!!!」 まず押さえつけずに済むよう、底部を食いちぎる。 「いぢゃあ゛あ゛よ゛お゛お゛お゛!!!ありじゅのおべ、おべ、おべべがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 次に舌で両目を抉り、眼球がカスタードに繋がった状態で咀嚼する。 「んぐぉ!?ん…!ん…!んばばばば!!!」 最後に口内を口の部分ごと食いちぎる。 目を抉られ、口を縦長に食いちぎられた所為で、子ありすはまるで絵画『叫び』のような見た目になっていた。 三匹目は子まりさ。子ありすを捕まえようとしたのだが、先頭集団に居る子ありすを捕まえるのは困難だった為、近くでのそのそと動いていた姉妹の中で末っ子の子まりさに標的を変えたのだ。 「まりさににてるからってちょうしにのらないでねっ!!おまえもれいぱーのこだよっ!しんでもれいむにわびつづけてねっ!!!」 「あよ、あんよ゛!あんよはやめぢぇえ゛え゛え゛え゛!!!」 子ありすと同じように動きを封じるれいむ。 「までぃじゃのおぼうぢがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?がえぢでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 子まりさの帽子を目の前で引き裂いていき、『おまえにはもうひつようないよ』と冷たく言い放つ。 「おぶぉっ!やべちぇええええ!!まりじゃのきれいなかみもってがないでえ゛え゛え゛え゛!!!」 今度は上から圧し掛かり、髪の毛を頭皮ごと引き千切る。 「ゆおおおお!?まりじゃのおはだが!!おべべがあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 引き千切った頭皮から、まるでリンゴの皮を剥くように螺旋を描いて子まりさの皮を剥ぐ。瞼を失った眼球がぽろりと落ちて、れいむに踏み潰された。 最初の子ありすとは逆に、口の部分だけ残し餡塊となった子まりさ。わずかな大気の動きだけでも激痛なのだろう、しきりに痛みを訴えている。 四匹目の犠牲者が出たところで鬼畏惨が泣き喚くまりさに声をかけた。 「どうする?まりさ。」 「ゆああぁぁ……おちびちゃぁん…れいぶぅ……どぼぢてええぇぇ……?」 「やれやれ、まだ決められないのかい?最初にも言ったけど、決められないなら全員潰すよ?」 「ゆぃぃっ!?それはだめえええええ!!!」 「……まあ僕としては、子供達を残す方をお勧めするけどね。考えてもみなよ、仮にれいむを生かしたとして、まりさにどんな得があるっていうんだい? ま り さ の 子 を 殺 す よ う な ゆ っ く り な ん だ よ ?」 「……っ!?」 実際のところ、最初にれいむの手に掛かった子ありす以外はまだ生きていた。と言っても回復は絶望的で、中枢餡子のおかげで辛うじて意識が保っていられるという状態であり、とても『生きている』とは言い難い状態だった。 おちびちゃん……まりさのかわいいおちびちゃん………望んだすっきりじゃなかったけど、それでも大切に育ててきたまりさの子供達………。一緒にゆっくり出来る時間は少なかった、だからこれからすーりすーりもぺーろぺーろも沢山してあげるつもりだった………。けどもう4人も殺されちゃった…………。どうして?まりさはただみんなでゆっくr「おー、五匹目。喰っとる、喰っとる。」 「ゆ゛!?あ……あ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」 「まりさが早く選ばないからだぞ〜?……ゆっくりした結果がこれだよ!ってやつだね。」 まりさが囲いの方を見ると、子まりさがれいむに丸ごと噛み潰されている最中だった。れいむの口の中で必至に助けを乞う子まりさ、れいむは姉妹達に見せ付けるように、ゆっくりと歯で圧力を加えていく。みちみちと皮の裂ける音が聞こえ、圧迫された餡子が子まりさの目から口からまむまむから少しずつ溢れてくる、そして張力の限界を迎えた顔が、音を立てて口から一文字に裂け、押し出される形で子まりさの中身が外へひり出された。 もうゆっくりしている暇など無い!まりさの心は決まった。 「……おにいざんっ!ばりさはおちびぢゃんだちをえらぶよっっ!!!」 「決まったか。確認するけど、子供達を助けるんだよね?」 「そうだよ゛っ!!まりざはまりざがうんだおぢびちゃんたちをまもる゛よっ!!」 「わかった、それじゃあ子供達を助けるとしよう。」 鬼畏惨が囲いへ向かうと、れいむが6匹目を捕まえようとしているところだった。鬼畏惨はれいむを掴み上げ、殺戮ショーを強制中止させる。 「じゃまするなああああああ!!!ころさせろおおおおおおおお!!!」 「おお狂気狂気、お楽しみのところ悪いんだけど終了な、しゅーりょー。」 「ゆっ…ぐ……?」 「ゆぅ、たすかっちゃの?」 「ゆ!もうだいじょーぶだよ!」 「ゆっきゅいできるよ!」 「ゆえぇぇ……でもいもうちょがあぁ…おねーちゃんがああぁぁ……」 姉妹達の死に涙を流す子供達、殺戮が終わっても残るのは地獄だった。子供達の事はひとまず捨て置き、掴んだれいむをまりさの入った箱に叩きつける鬼畏惨。 「ゆべっ!」 「ゆひいぃっ!れいむう!?」 透明な箱の外側に張り付いたれいむに小さく悲鳴を漏らすまりさ、憎悪に歪んだその顔は、『楽園』に来た頃のれいむとは完全に別のものへと変わっていた。 鬼畏惨はれいむを箱から引っぺがすと、箱のまりさと向き合うように押さえつける。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!はなせえええ!!あいつらぜんぶゆっくりできなくしてやるううううう!!!」 「ああ、あ……れい……む……」 「さあまりさ、良く見ておくんだよ? 君が『選んだ事』を、ね」 to be continued...⇒
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無題(r014) N女学生寮 コンコン 唯「ん~こんなじかんにだぁれぇ~」ファ 澪『わ、私だけど……今、いいかな……?』 唯「みおちゃん?どうぞーあいてるよぉ」 澪「お、おじゃまします」ガチャ 唯「こんな時間にどうしたのぉ?」 澪「……」 唯「みおちゃん?」 澪「……ゆい!」ダキッ 唯「ふぉぉ!?み、みおちゃん!?」 澪「ゆぃ……ゆいぃ……」グス 唯「!!みおちゃん、泣いてるの?」 澪「うぅ……ゆぃ……」 唯「……みおちゃん、わたしにはどうしてみおちゃんが泣いてるのかはわからないけど」ギュ 唯「こうしてることでみおちゃんの気が晴れるなら、いくらでも泣いていいからね」ナデナデ 澪「ゆいぃ……」ギュー * 唯「落ち着いた?」ナデナデ 澪「うん、だいぶ」 唯「そっか、よかった」ナデナデ 澪「あの、ゆい?」 唯「どうしたの?」ナデナデ 澪「もう放してくれても大丈夫だけど……」 唯「だぁめ、みおちゃんは良い子さんだからね、いま放しちゃったまた溜め込んじゃうでしょー」ナデナデ 澪「そんなこと……あるかも……」 唯「それにね、みおちゃんはもっと甘えてもいいんだよ?」 澪「え?」 唯「いつもみんなを引っ張ろうと頑張ってるもんね。たまにはめいっぱい誰かに甘えてもいいんだよ?」 澪「そう、かな」 唯「そうだよ、きっと他のメンバーも同じことを言ってくれると思うなぁ」 澪「……そっか」ギュ 唯「うん、そうだよ」ナデナデ 澪「それじゃあ、さ。今からゆいに……あ、甘えても、いいかな」/// 唯「もちろんだよ!なんでもいってごらんなさい!」 澪「今日は朝まで一緒にいてくれないか?」/// 唯「もちろん!それじゃあ一緒に寝よう!ほら、おいでよみおちゃん」ポフポフ 澪「し、しつれいします……」ゴソゴソ 唯「みおちゃんと一緒の布団で寝るのは初めてだねぇ」 澪「そうだな、あんまり同じ布団に入る機会なんてないからな」 唯「そだねー特にみおちゃんはいつも断るしー」 澪「う、だってみんなが一緒じゃ恥ずかしいし……」 唯「一緒じゃなければいいの?」パァ 澪「へ?や、それは、その……」/// 唯「」ワクワク 澪「うぅ……えい!」ギュ 唯「ほわぁ!?」 澪「た……たまに、なら……」/// 唯「ふふ、やっぱりみおちゃんはかわいいなぁ」ギュー 澪「なっ!?」/// 唯「それじゃあ、みおちゃんが寂しくないように毎日一緒に寝てあげよう!」フンス 澪「ま、毎日は困る!」 唯「えーどうしてー?」 澪「こんなのが毎日続いてさ、その、はまっちゃったら一人で寝れなくなるじゃないか」/// 唯「みおちゃん」キューン 澪「は、はずかしぃ」///プシュー 唯「ねぇみおちゃん」 澪「?」 唯「さっきわたしさ、みおちゃんは甘えていいって言ったよね?」 澪「うん、それがどうかしたの?」 唯「もしね、甘えるならわたしだけに甘えて来てくれたら嬉しいなぁって」 澪「え、どうして?」 唯「だって、その、いまのみおちゃんはとってもかわいいんだもん。わたし以外の人には見せたくないなぁって」テヘヘ 澪「ゆい……まったく、ゆいはそんなことかんがえてたのか」クス 唯「そんなことじゃないよー、大事なことだもん」 澪「心配しなくてもさ、こんな情けない姿、見せられるのはゆいだけだよ」ギュ 唯「みおちゃん……」 澪「なんだ、ゆい?」/// 唯「……顔、まっかだよ?」 澪「し、しょうがないだろ!すっごく、恥ずかしかったんだからな」ギュ 唯「ふふ、ありがとね、みおちゃん」ギュ 澪「ん、ゆいの、ためだからな」ファ… 唯「あれ、みおちゃん眠い?」 澪「ちょっと、な。ねぇゆい、私が起きるまでぎゅってしておいてくれる?」 唯「もちろんだよ」ギュ 澪「ふふ、よかった。わたし、ゆいにぎゅってされてるとすごく落ち着くなぁ」スリスリ 唯「わたしも、みおちゃんとぎゅってしてるととってもしあわせだよ」ナデナデ 澪「そっか、うれしいなぁ」 唯「ふふ、それじゃあ明日も学校だし、もう寝ようか」 澪「うん、おやすみぃ、ゆぃ」スースー 唯「おやすみ、みおちゃん」 END +あとがき 甘えるみおちゃんとかっこ唯テーマにして書いたつもりです。 でもあんまりそんなかんじがしなくて、最後のあたりは私のいつもの唯澪が出てきてしまいました。 かっこ唯の要素もあんまりないっぽいし……すこし反省。 ちなみに澪ちゃんがどうして泣いてたのかはご想像にお任せします(おい 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 初出:7- 838 自分の大きなミスから溝が生まれ、散り散り -- (名無しさん) 2012-11-15 16 49 04 となってしまったが、唯だけはそばにいてくれたみたいな夢を見たから -- (名無しさん) 2012-11-15 16 50 27 名前 コメント すべてのコメントを見る 戻る TOP
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焼きクマの大量発生!!! 名前 コメント 一護が大量発生したwww やっぱ一護は何度みても飽きねぇな!! -- 一護 (2011-01-26 21 14 25) 自分で言うなぁ!!www -- 天空龍 (2011-01-29 17 57 32) 一護は人気者www -- 一護 (2011-01-29 19 36 57) ↑じゃないよ -- 天空龍 (2011-02-27 22 10 59) 一護のオレンジは好きだ!! -- 真白 (2011-03-20 19 23 23) 名前 コメント こぐま軍×3vs一護 小熊軍とか雑魚の集団にすぎないww -- 新生愛上尾 (2011-03-15 15 24 05) 名前 コメント 喧嘩×4 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。