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・舞台はバイト ・現代社会 ・死ぬゆっくりあり 投稿2回目です、稚拙な文章ですが暖かい目でみまもってくださいまし。 作者 ゴマサボテン 2日目 昨日は大変だったぜ、あのれいむ親子を返した後から急に客足が増えたんだ、おかげで俺の身長に会わないレジ台のせいで 少し腰を痛めてしまった、だがこの程度でヘコたれてはいられん!俺には迫り来るゆっくりの恐怖から店と商品を守るため、 今日も元気に出勤するのである! では、今日も俺の仕事風景を見ていって貰おう。 朝9時00分 起床 おはよう。ん?なんと、今日はいつもより1時間長く寝てしまったようだ、それだけ昨日は疲れたというわけか、俺ってば 働き者ね。でもこれでは朝の体操もゆっくり朝御飯も食えんではないか、だが今はそれをしている暇は残念ながら無いな。 さっさと着替えて仕事に行かねば、この際、朝御飯も抜きだ!仕事をするに当たって朝御飯を欠かすのは致命的だが今日は 仕方ない、それにゆっくり朝御飯を食えないのであれば食べる意味が無い、俺は食事はゆっくり楽しむ派なのだ。 というわけで俺の愛車に乗り、いざ出勤。 ぬう、朝御飯を抜かした所為か、非常に頭の回転が悪い。窓からチラリと見えたビルとビルの間にいる1匹のでいぶは多分 見間違いだろう。でいぶがあんな所に居るわけがない、今の時間なら民家に朝御飯をたかりに行っている筈だ。でも足元 にあった菓子の袋には見覚えがあるような無いような…無いな、俺はあんなでいぶは知らぬ存ぜぬ。 それよりも朝御飯はやっぱりコンビニらへんで確保しておこうかな…店の古株第2位が「朝御飯食わずに来ましたー。」じゃ なんか格好が付かない気がする…。 やっぱり買おう、丁度すぐそこにコンビニでいぶんいれぶんが在るじゃないか。あれでいいや。 俺はノロノロと愛車を駐車場に停めると、すぐに店に入った。 店に入ると、ドアの左右両側にでいぶが鎮座していて、非常に耳障りな声で「ゆっくりおかいものしていってね!たくさんで いいよ!」と挨拶をしてくれた。俺もその挨拶に答えるべく、でいぶの横の箱にある道具の内、木製(樫)の三叉フォークで でいぶの腹付近に勢い良く深々と刺していく。すると「ゆっぐりやべでねええええ!!!」と返事を返してくれた。 このでいぶは礼儀がなっているな、と関心しつつ奥に進む。、とりあえず安く腹持ちの良さげな食べ物を探す。 「お!これなんてうまそうだな、1個買うかな」 俺は目に留まった商品に手を伸ばした、その時。 ドンッと何かに押され、商品を手にすることはできず、体勢を 崩してしまった。誰だ?当たったんなら一言ぐらい謝ってもいいんじゃないか?と思いつつ当たられた方を向いた、ら。 「じゃまだよ!でいぶのめのまえにとびだしてこないでね!このくそどれい!ここはでいぶのみちなんだよ!ゆっくりしない でさっさとどいてね!ぐずはきらいだよ!」 「・・・・・・」 (ああ、コイツじゃ謝らないわけだ。でいぶだもんな、謝ったらそれこそ天変地異の前触れか何かだわ…。 しかしこんなんで良く全国展開できるよな…まぁ店に許可を貰えばでいぶを虐待できるしその点が結構集客効果があるのかも) 「ゆゆ!でいぶをじゃまずるなああああ!!さっさとどけええええ!!!」 でいぶは無視されたことで怒り狂い、忘我状態になっている。 「うるせえ、今の俺はお前なんかに構っている時間は無い!」 俺は勢い良く殴りつける。体勢が体勢なのでさほど強くはないがゆっくり相手には効果抜群のようだ。 でいぶは後ろ側に倒れてしまい、起き上がれないようだ。もがいてはいるがやはりムリのようだ。 「ゆがあああ!!!でいぶのびゅーてぃふるなおかおになにをするんだあああああ!!じね!じね!」 「黙って寝てろ。ド饅頭が」 今度こそパンと牛乳(500ml)を取ってレジに向かう。2個で350円、400円出し、釣銭を貰う。 釣銭を貰うとすぐに駐車場に出、愛車のドアを開けようとしたその時である。 「ゆゆゆゆゆゆーーーーー!!!」 「うおっ!?なんだ!?」 急に大きなでいぶがゆっくりとは思えぬスピードで運転席に滑り込み、イスの上でふんぞりがえった。 (なんだ!?この店はでいぶを放し飼いしているのか?いや、さすがに此処まではしないはずだ。交通事故にも繋がるし…いやまて、このでいぶ少し汚くないか?店の奴はもっと奇麗だった。…じゃあ野良か。) 「ゆぶぅ~、やっとはいれたよ!おにいさん!ここはいまからでいぶのゆっくりぷれいすにするよ!ゆっくりあきらめてね!このぴかぴかしたのりものはでいぶのものだよ!どうしてもっていうならでいぶのどれいにしてあげてもいいよ!こうえいにおもってね!」 なんと滑り込んだと思ったら今度は『お家宣言』をした、しかも奴隷にしてやるから光栄に思えとな。会話をするのも面倒だ。手早く行こう。 自分のお家(無論違う)で寛いでいるでいぶの頭をムンズと掴む、まずは外に放り出す。 「ゆゆ!なにす、おそらをとんでるみたい!ゆびゅぼ!」でいぶの所為で汚れた座席を拭く。 「いだいよ!でいぶをゆっくりさせないぐずどれいはしねえ!」 次に行うのはこのでいぶが野良かどうかの確認だ。お飾りを調べればバッヂが有るか否か解ため、すぐに調べる。 さっさと調べてしまおう、そう思い手を伸ばす俺、だが。 「ゆゆ!でいぶにはちゃんとばっぢさんはあるよ!だからおりぼんさんをしらべてもむだだよ!」 「信用できるか、調べさせてもらうぞ」 「ばっぢさんはあるっていっでるでしょおお!!?ばかなの?しぬのぉぉぉ!?」 あーうるせえェ。しかもきめー。 「ゆっふっふ!さっきからでいぶをみないのはこわいからだね!?このにんげんさんはでいぶにおそれをなしたんだよ!!そうだ!もっとこのにんげんさんをこわいこわいさせておどろかせるよ!!でいぶったらてんっさい!!」 そういうとでいぶはその気持ち悪い体をブルブルさせはじめた、まるでなにかのモンスターのようである。 「のーびのーび!やい!にんげんさん!でいぶがこわかったらあまあまさんをおいていってね!たくさんでいいよ!さっさとしないとこのすぃーといっしょにせいっさいするよ!!!」 それを聞いた俺はここでやっとでいぶに対して若干の恐れを感じた、別にでいぶ自身に恐れを感じたわけではない、でいぶが言った事に対してである。 でいぶは『このすぃーごとせいっさいするよ』と言った、これを人間の言葉に置き換えると『この車ごと攻撃するよ』と言っているのである。自身はともかく愛車にあの汚らしいでいぶが体当たりを仕掛けてくるのだ、車は壊れはしないだろうが凹んだりしてしまうだろう。 なにより愛車にゆっくりが触ること自体許せないが。 (仕方ない、何かやるか…確か3年物のクッキーがあったよな、あれでいいだろう) 「おそいよ!でもおかしはでいぶがぜんぶたべてあげるからかんしゃしてね!あまあまさん、そこでゆっくりまっててね!!!」 いうやいなやでいぶとは思えぬ速度で駆け寄ってゆくでいぶ、それを一瞥した俺はすぐにエンジンをかけ、エアコンをつけてすぐにギアを入れる、が少し気になった事が頭の中に出来た。 さっきのでいぶは本当に俺の愛車に触れていないだろうか?いや、触れていないでくれよ…俺は仕事前にはキレたくないんだ…。 俺は車から出て、ドアを見る。現実は非情なものだとそこでつくづく感じた。 そこにははっきりとでいぶの腹の形の汚れが付着していた。恐らく、体を伸ばしている状態の時に体を車に寄りかかるようにしていたのであろう、確かにあの状態では筋肉の無いゆっくりでは寄りかかっていたほうが楽なのは事実だ。事実なのだが…。 「ああああーーー!!どぼじでよごれでるのおおおお!?おにいさんの車を汚すゲスはせいっさいするよ!!」 「ゆゆっ!!なんだかゆっくりできないこえがきこえるよ!きっときのせいだね!」 「しね!俺の車を汚したゆっくりはしね!制裁だああああ!!!」 「びゅぶぶ!!なんだかゆっくりできないおにいさんがくるよ!でいぶのうたごえをきいてゆっくりしていってね!ゆゆ~♪ゆ~ゆゆ~んゆゆゆ~ん♪」 このでいぶは恐らく頭が残念なのだろう、猛スピードで迫って来る俺に『おうた』を聞かせてゆっくりさせようとしている。 無論そんなことで減速するはずのない俺はでいぶに迫り、あと30cmのところまで来ていた。 「ゆゆ~ん♪ すぃーさんゆっくりし…どぼじでゆっくりしでないのおおお!?ゆっぐりしていってよおおおお!!!」 「死ね!でいぶ!」 俺はそう叫ぶと一気に踏み込み、でいぶを蹴り飛ばした。 「ぶびょぼぼぼおっ!?びゅびゅ!?でいぶおぞらをどんでるみだいいいい!!ぶべあああ!! なんで…でいぶ、なにもわるいごとじて…な…いのに…どぼじで…」 でいぶは顔面からキレイに着地した所為で顔が半分崩壊していたが、なんとか言葉を紡いでいられた。 車はぶつかった時点で停止しており、俺はすぐに降りてでいぶのもとへ駆け寄った。 決して快方するわけではない、止めを刺すためである。 でいぶの許に近づき、その体を思いっきり蹴っ飛ばす、何度も、何度も。 「ゆぐっ!やべで、でいぶっ!げらないっ!で、ゆぎっ!ぶでっ!……」 蹴れば蹴るほど顔の損傷が激しくなる、歯が折れ顔が醜く歪み傷口から餡子が漏れしまいには目が飛び出てしまった。 それでもなお、でいぶは言葉を発し続ける。 「なんで…でいぶ、なにもわるいごと…じでないのに、なんで……?」 「それはなぁ、俺の車を汚しやがったからだ、あとお前の顔と存在がウザイ。それだけだ。」 「…!???でいぶのおがおはきれいでゆっぐりでぎるんだよ…でいぶはすぃーさんに『しるし』をつけていたんだよ…そのすぃーさんはでいぶのものだがらおにいざんのものじゃな…びゅぼっ!?」 「うるさい、死ね」 これで,でいぶの処理は終了だ。ふと気付き、時計を見た。時計は既に開店時間5分前を指していた。 「遅刻だ…ゆっくりせいっさいした結果がこれだよ!」 朝10時36分 店の従業員専用駐車場に到着 もう店は始まってしまっている。俺は足早に事務所に行き、出勤登録を済ませる。これまで遅刻は1年に2回ほどだった俺が久しぶりに遅刻してしまうとは…どれもこれもあのでいぶのせいだ。 まぁ過ぎたことは仕方がない、さて、今日の仕事は確か…ゆっくりれいむのゆっくり饅頭とちゅーちゅーまりさスパークリングの発注と、ありすのンホオオオカスタード煎餅の品出しが初めの仕事だったか。さっさとやって仕事の遅れを取り戻さないといかんな。 「よっこいせ…今日もどうせゆっくり来るんだろうな…あー今日は勘弁願いたいなー」 そういっても湧いてくるのがゆっくりだ、奴らはどこからでも湧いてくる…森や谷や排水溝や側溝や公園の茂みなどから色々なゆっくりが 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」「ゆっくりしていってね!」 と言いながら湧いてくるのだから…。 お兄さんが落胆しているそのとき、店先では…… 「ゆゆ~おちびちゃん!あそこのおみせにはすごくゆっくりできるあまあまさんがあるんだぜ!あそこをまりさたちのおうちにすればまいにちあまあまを食べてゆっくりできるんだぜ!」 「あみゃあみゃしゃん!?ちゃべちゃい!あみゃあみゃさんちゃべちゃいよ!ゆゆ~」 「あまあまさんはゆっくちできるんだじぇ!ゆっくち~!」 「ゆゆゆ~まりさぁ、はやくあそこで『おうちせんっげん!』してれいむたちのゆっくりぷれいすにしようよ~」 「きまってるんだぜ!みんなであのおみせをせいっあつ!するんだぜぇえええ!」 「「「「えいえいゆー!」」」」 ゆっくりである。 この一家はスタンダードなれいむとまりさの番で、子れいむと子まりさのごくごく一般的な一家である。 この一家、実は前はこの店の裏方、つまり廃棄物集積場の近くに住んでおり、親まりさが度々この集積場から廃棄物となったお菓子を失敬してきていたのである。ちなみにこの一家がゲスっぽいのはこの集積場にはあの究極甘菓子(ゲス・でいぶ用の菓子)も大量に廃棄されているため、これも少し食ってしまっているためである。 決して究極甘菓子の売れ行きが悪いためではない、決してない。 そんな一家が今、店に突入しようとしていた。 店先 この店のドアは自動ドアなので、ゆっくりでも簡単に入れてしまう欠点がある。ならドアを手動にすれば良いじゃないかと言う意見もあるが、この店では割と数を買っていく客が多く、手動ではかなり出入りが面倒であるため、少し前から自動にしているのだ。 それをカバーするために人工芝を敷いているが、今それは洗濯中で、今はまさに絶好の侵略のチャンスなのである。 そしてあのゆっくり一家が店に侵入を果たした所に俺は到着したのだ。 「ついたんだぜええ!ここはまりさたちのゆっくりぷれいすにするんだぜええ!」 「「あみゃあみゃ~~~!!!」」 「まりさ!おうちせんっげん!をしようよ!ゆゆ~!!」 「それじゃあおうちせんっげん!するんだぜ!」 「ここをまりさ(れいむ)のゆっくりぷれいすにするよ!ゆっくりしていってね!!!」 これを見ていた他の店員及び客は唖然として何も言えなかった、俺は奴らの調子付く姿が見たくて何も言わなかったが。 俺達が何も言わなかったことを良いことに、一家はすぐに調子に乗り始めた。 さぁ、どんどん調子に乗ってくれ、そうすれば色々な理由で苦しめられるのだからな…。 「ゆっ!ここにいるにんげんさんはさっさとでていくんだぜ!それともみんなまりさのどれいになりたいのかぜ!?そうならしかたないのぜ、かんっだい!なまりさはにんげんさんをどれいにしてあげるのぜ!こうえいにおもうんだぜ!!!」 「ゆゆ~!?このにんげんしゃんたちまりしゃたちのどれいさんなの?ゆわーい!まりしゃおうしゃまなのじぇえええ!!」 「じゃあじゃあれいみゅはおうじょしゃましゃんだよ!ゆふふふ~ん!」 「まりさ!どれいもいいけどれいむははやくおちびちゃんとむーしゃむーしゃしたいよ!」 「そういえばまりさはおなかすいたんだぜ!さっそくむーしゃむーしゃしたいんだぜ!おちびちゃんたち、ゆっくりついてくるんだぜ!」 「「ゆっくちりかいしたよ!!」」 なんと、一家はお家宣言したら今度は人間(店員・客)を奴隷視し始めやがった、それにこの店の商品を食べるとかほざきやがったし。 まぁいい、ここは俺に良い考えがある、搾り取れるれるものは何をしてでも搾り取ってやる。それが俺の信条だ。 一家は入り口付近から子供用の甘いお菓子のあるコーナーに進んでいった、客は我が物顔で練り歩くゆっくりを見て関わるのが嫌なのかすぐに離れていく、その光景はまるでかのモーゼの奇跡のような光景だ。 やがて一家はお菓子コーナーに到着し、棚に綺麗に並ぶお菓子を見てまるで海賊が金銀財宝の山を見るような眼でお菓子の棚を見ていた。 そこにはチョコレート、ガム、キャラメル、餅菓子、アメや、金平糖や黒糖麩菓子などの昔懐かしのお菓子までがズラリと並んでいる。 その光景はゆっくりでなく、子供でもウットリするような光景であることは想像に難くない。俺だって昔は「この棚のお菓子を全部一遍に買ってみたい!」と思ったものだ。こういうのは皆さんもあると思う。 「ゆゆ~…ここまでのあまあまのやまはまりさのゆんせいでもみたことがないのぜ…いまはもうこれだけのあまあまがまりさたちのものなんだぜ…まりさのものなんだぜ…」 「ゆゆ~…おいちしょうにゃあまあましゃんがたっくさんだよぉ~…ゆっくち~…」 「おいしそうなんだじぇ~…これがぜんぶまりしゃたちだけのものなんだじぇ~…」 「これだけあればいっしょうゆっくりできるよぉ~むーしゃむーしゃしてぇ、すっきりーしてぇ、すーりすーりしてぇ、おちびちゃんとゆっくりすることができるんだよぉ~…」 「もうがまんできないんだぜえええ!!まりさのっ!すーぱー!むーしゃむーしゃたいむ!!はっじまっるのぜえええええ!!!」 ついにまりさが行動を起こした、一目散に棚に並べてあるお菓子(麦チョコ)の袋を取り、袋を破って中身を食い始めた。 その姿はまるで猛獣が獲物に食い掛るようだ、しかし食い方が汚い。お決まりの言葉はもちろん、一々食う時の言葉が汚く、下品だ。 まるで乞食が久しぶりの食事に必死に、他のものに奪われないように一気に食べるかのような食い方だ。 「はふっ!ほふっはふっはふっ!!むーしゃむーしゃぁあああああ!!!ししししあわせぇえええええ!こえまじぱねぇ!めっちゃうめ!ぱねぇ!はふっ!しあわせぇえええ!!!」 「おちょーしゃんじゅりゅいいいいい!!れいみゅもむーしゃむーしゃすりゅうううう!!」 「まりしゃもするんだじぇえええ!たっくさんむーしゃむーしゃすりゅんだじぇええ!!」 「れいむもむーしゃむーしゃするよおおおお!!すーぱーむーしゃむーしゃたいむぅううううう!!!」 まりさに始まり、それに即発されたのかほかのゆっくりも本能のままにお菓子を取りこじ開けて中身を貪る。中身が尽きたら次のお菓子。 その次も尽きた他のお菓子と、ただただ食べ続けた、人間でも一部のものしか食わないような量を食べまくった。 まりさとれいむは一心不乱にて手近な物を、時には袋の中に半身を入れ、ベロで舐め回すということもやっている。 子れいむと子まりさは棚下のストックボックスを姉妹で協力して開けてそれぞれ1つの箱に1匹ずつ入って行き、中の商品を手当たり次第に食い荒らして行く。 「むーしゃむーしゃぁああ!!むーしゃむーしゃぁああ!!ししししあわしぇええええ!!!」 「こんなにあまあまなもの、たべがことがないんだじぇええ!!しあわしぇえええええ!!!」 もうそのお菓子コーナーはとんでもないことになっていた。お菓子の袋は散乱し、恍惚の表情でお菓子を食べ漁るれいむとまりさ、ストックボックスからは子れいむと子まりさの「しあわせー」の声…もはや混沌としていた。 だがそんな混沌とした時間も終わりを告げることになった。一家の腹は膨れ、4匹ともでいぶのように下あご部分は醜く膨れ、顔はぶくぶくに太っていた。誰が見ても食いすぎである。そしてデブである。 腹が膨れて食欲が失せたのか、一家の言動はある程度沈静化してきた。 「ゆふ~ん、たっくさんたべたらうんうんしたくなってきたんだぜ!んんん…そろそろでちゃいそうなんだぜ!」 「れいみゅもたべしゅぎちゃったよぉ~、ゆゆっ!うんうんしちゃい!れいみゅうんうんすりゅよ!」 「まりしゃもうんうんするのじぇ!したいのじぇ!」 「ゆっぷ…れいむのすーぱーうんうんたいむ!はっじまっるよぉ~!!!」 「「「「すっきりー!!!!」」」」 「ゆふぅ~、たっくさんすっきりー!したんだぜ…!?くさいいいいい!くさいんだぜええええ!」 「くちゃいいいい!ゆっくちできにゃいいいいい!」 「くさいんだじぇええええ!!ゆっくちさせないうんうんさんははやくどこかにいくんだぜええええ!!」 「く、くさいいいい!!!!ゆっくりできないいいいいい!!だれかどうにかしてえええええ!!!!」 ザマミロwwww、自分で排出した癖に自分で処理できないのか、哀れなものだ。 しかしどうするか…このまま見ておくのも良いが客の評判もあるしな、だがもう少し放置しておきたい… 「くさいいいい!!おいどれい!はやくこのくさくさなうんうんさんをどかすんだぜえええ!!いのちがおしかったらはやくするんだぜえええ!」 「くしゃいい…ゆっぐぢでぎないいい…」 「まりしゃはおこてるんだじぇ!はやくどかさないとぷくーするのじぇ!ぷくぅうぅううう!!!」 「ゆっくり…できない…」 やっぱりいいや☆ もう我慢ならない、早々に地獄に落としてやろう。そのためには、まずは裏に持っていく準備をしないとな。 確か事務所に大型の透明ケース(加工所製)があったな、それを取って来よう、マッハで。 俺はまるで緑のマスクを着けた男のように事務所に消えた。 「おいどれい!どこにいくんだぁあああ!さっさとこれをどけろおおおおお!!!」 「ゆ、ゆぅ…」 「ゆっ…ぐじ」 「……」 なんか後ろで饅頭が騒いでるが無視☆ 俺が店先に着いた頃には既に一家の子れいむと子まりさは瀕死の状態だった、口からはとめどなく餡子を吐き、眼は虚ろ、言動も少なく、「ゆっくち…ゆっくちちたい…」しか言わなくなっていた。うんうんの臭いだけでここまで衰弱するとはかなりこの一家の子ゆっくりは甘やかさせれて居るようだ、普通の家族ならば子ゆっくり位になれば自分のうんうんは自分で処理させるのが普通なのだがこの一家は親が甘やかしすぎたのが原因で、自らはうんうんのある場所から1歩も動かずにずっとこの場所に居たようだ。 それとも、この店はもう奴らのゆっくりぷれいすというのが奴らの中では決まっているからここにいる俺らが奴らの奴隷で、汚物は奴隷に処理させるのが当然と言う事になっているのかも知れない。現にまりさは奴隷に自分の汚物を片付けさせようとしている点からも否定できないものである。 ま、今はそんなことよりも一家を箱に詰めるほうが優先事項である。 俺は手際よく一家を箱に詰める作業を開始する。 「ゆぎぎぎぎ!ゆん!まりさにきたないてでさわるんじゃないんだぜ!はなす…おそらをとんでるみたい!ゆべっ!」 「ゆ…おしょらをとんじぇるみちゃぎゅべぇ!…いじゃぃぃぃぃ」 「ゆわーい…おしょらを…とんじぇるんだじぇぇ…」 「おそらをとんでるみたべっ!でいぶのびはださんがぁあああ」 さっきまで臭い臭いと騒いでいたくせに頭を掴んで箱に入れようとすると途端に表情を変えて喜び顔になる。すぐに箱の中に乱暴に入れられるためそう長くは続かないが。 ちなみに今日の俺はれいむ種には良い思い出が無いため、まりさより扱いは雑である。 一家を箱に入れ終わり、奴らの体力(特に子ゆっくり)を回復させるために持ってきた廃棄予定のオレンジジュースの2?ボトルを用意するべく箱に蓋をして回りのお客様の邪魔にならないように気を配る。 「おそいのぜ!!どれいはさっさとまりささまをこのせまくてゆっくりできないはこからだすんだぜ!いまならはんごろしでゆるしてやるんだぜえええええ!!」 「れいむおこってるんだよ!ぷっくううううう!」 「もうゆりゅさないんだじぇ!くそどれいはさっさとしぬんだぜ!そしてまりさたちをゆっくりさせるんだじぇ!」 「ゆっくりできないくそどれいはさっさとしんでね!それとあまあまをもってきてね!たっくさんでいいよ!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり、ところでお前らうんうんさんのせいで疲れているだろ?あまあまなジュースを飲まないか?」 「そういえばまりさはつかれているのぜ!さっさよこすんだぜ!くそどれいにしてはきがきくね!とくべつにそこにあるうんうんさんをたくさんたべてもいいよ!こうえいにおもってね!」 「あみゃいじゅーすしゃん!?のみちゃーいい!」 「さっさとよこすんじぇえええええ!」 「ゆっくりしないでゆっくりはやくちょうだいね!おちびちゃんはつかれているんだよ!くそどれいはつかれてるおちびちゃんをゆっくりさせるぎむがあるんだよ!さっさとしてぶぶぶ!?」 俺は手に持ったジュースのボトルをれいむが喋り終わる前に傾け、ジュースを中にぶちまけた。 トトトトト、と音を立ててジュースが中に入り箱の中はゆっくりのオレンジジュース風呂のように見える。 するとどうだろう、一家は口から勢い良く溜まったジュースをゾゾゾゾゾと飲み始めた。キモイ。 「ごーくごーくしあわせー!」 「「しあわしぇー!」 「ぞぞぞぞ!しあわせ!ぞぞぞぞぞ!」 俺は確かに2?のジュースを入れたはずなんだが…なんて勢いだ。もう飲みやがった。 仕方ない、追加だ!追加! 「たりないよ!もっとちょうdごーくごーく!しあわせえええ!」 「れいみゅへぶんじょうたいいいいい!」 「ま、まりしゃもへぶんじょうたいい!」 「ゆゆ~ん!おちびちゃん!へぶんじょうたいなんておげひんでしょ…へぶんじょうたいいいい!」 あ、へぶんじょうたいになりやがった、これならもう次の行動を起こしても良いだろう。 まずは、こいつらが食い散らかした商品の請求だ。金をもっているか甚だ不明だが搾り取れるだけ搾り取るか。 そのためにはまずあのレジに行かにゃいかんな。 こいつらが正気に戻らない内にこっそり行こう、こっそり。 俺は昨日も使っゆっくり専用レジ、通称ゆレジの準備を始める。 「まーずーは、ゆっくりレジにカギ挿してコード入れて元金チェックして手ェ洗って身嗜み整えてっと、さてと準備も終わったしそろそろ起こすか」 野良相手に手洗いまでする必要は無いのだがそれを店員としての心がけを忘れたら店員失格である。いかに癪に障る野良ゆっくり相手でも此処ばっかりは手を抜けない。 「まァコイツが金を持ってるとは到底思えないが無いとも言えないしな、起こすしかないか…ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」 さすがゆっくり、ヘブン状態でも本能には逆らえないようだ。全員で返事を返してきた。 さて、これまで食い散らかした分の勘定をしてもらうとしよう。 だが相手は俺たちを奴隷と認知しているゆっくりだ、機嫌を損ねて無駄に時間を掛けたり払ってもらえなかったりしたら面倒だ。癪だが下手に出よう。 「ご主人様、急では御座いますがご主人様とご家族の方々がお召し上がりになったお食事の御代を払って頂きたいのです」 「げらげら!なにをいうかとおもえばそんなくだらないことなのかぜ!?まりさたちのゆっくりぷれいすでどんなにあまあまをむーしゃむーしゃしようがまりさたいのかってなんだぜ!どれいごときがでかいくちをたたくんじゃないんだぜ! 「げらげらげらげら!どりぇいごときがなにをいっているの?まりしゃたちはどれいたちのごしゅじんしゃまなんだじぇ!ごしゅじんしゃまにようきゅうをするんじゃないのぜ!げらげらげらげら!」 「ゆぷぷぷぷぷ!にゃにいっているにょ?ばかなの?しぬの?」 「おちびちゃん、そんなおげひんなことばをつかっちゃゆっくりできないでしょ?ゆぷぷ…」 こいつらめ…俺が下手に出たと思ったら急に態度変えやがった…我慢だ、我慢だぞ俺! 「ご主人様、お食事をした後は御代をお払いになるのがゆっくり紳士なのです、ご理解頂けましたでしょうか?」 「ゆ、ゆん!そ、そんなことはしっているんだぜ!さっきはわざといってみただけなんだぜ!ゆゆっ!れいむ!おちびちゃんたち!たくさんむーしゃむーしゃしたおだいはおとーさんがぜんぶはらうんだぜ!」 「「おちょーしゃんかっこいい~!!」」 「ゆゆ~ん、かっこいいよぉまりさぁ」 やっと金を払う気になったようだ、今作った理由で簡単に騙せてしまった、さらに家族の前で大見得を張ってしまったまりさはもう逃げ場は無いだろう。まぁちゃんと金を払えば俺は何もしないのだが。 「有難う御座います、ご主人様。では御代の方が合計で13,460円で御座います」 「ゆふふ~ん、そんっなのらっくしょうなんだぜ!まりささまにはちゃんときゃっしゅさんがあるんだぜ!なにもかんがえずにただくっていただけじゃないんだぜ!」 「「しゃすがおとーしゃん!しゅごーい!」」 「さすがまりさだね!れいむにはもうまりさしかみえないよ!」 なんだと!?こいつら金を持ってきていたのか?それに額は10,000を超えているんだぞ!?一体どこから…? だがそう思ったのは杞憂だったようだ、実際に奴等が持ってきたのは… 「ゆふふん!まりさのきゃっしゅさんをうけとるのぜ!」 チャリーン チャリン キィン 王冠 ビンの蓋に使われている 王冠 だった。 「………………?」 「なにをゆっくりしているんだぜ!さっさとするんだぜ!」 「オキャクサマ、コレ…ハ?」 「きゃっしゅさんなんだぜ!」 ………ダメだ、コイツはこの王冠を完全に金だと思ってる。これは…面倒な事に…なった。ハァ…。 こうなったら、体で返してもらおうか 「お客s「まりさのきゃっしゅさんはとってもゆっくりできるんだよ!これをみたらどれいはれいむたちにあまあまさんをよこさないといけないんだよ!あまあまさんはたくさんでいいよ!はやくしてね!もってきたらどれいはしんでね!そのあとにここをかたづけてほしいよ!」 「れいむのいうとおりなんだぜ!さっさとまりさたちにあまあまをもってくるんだぜ!」 「「しゃっしゃともってこい!くそじじい!!」」 こいつらもうどうしてやろうか…おっ!そうだ!確か今日は食品の廃棄処理がシフトに組んであったな、よし、こいつらに処理させよう。 ゆっくりが処理してくれればエコで金が掛からないし…それでいくか。 今そう考えている間にもゆっくり達はゆんやーゆんやー騒いでいる、あまあまはまだか、どれいはしね等散々な言葉を言っている。 俺はそれを無視し例の透明箱を用意し、レジに備え付けの軍手をはめる。 「あまあま!あまあまをもってくるんだぜ!ゆゆ!?おそらをとんでるみたい!」 「「ゆんやぁー!ゆんや…ゆぴっ!おそらをとんでるみたい!」」 「おちびちゃんにきたないてでさわらないでね!あとれいむにあまあまちょうだいね!たくさんdおそらをとんでるみたい!」 全部捕まえて箱に入れる、これが只の饅頭なら楽なのだが相手は動く不思議饅頭ゆっくり。捕まるまいとその汚い尻をブリブリ振って逃げようとするので大分厄介だ。丸々と肥えたゆっくりを捕まえて持ち上げるのは結構腰に来るのだから本当にツライ。 やっとの思いで箱に詰めると台車に乗せて裏ルートで事務所に行く。この裏ルートはゆっくり用レジの部屋から事務所の地下に繋がっていて、丁度店のフロアの下を通る形で行き来できるように設計されている。この裏ルートはここの店員全員が知っており、この部屋以外にもあらゆるところに隠されている扉に入ればこの裏ルートに入れるのだ。 そして今、俺は台車にゆっくり一家を乗せて道を進んでいる。無駄にでかいこの店だから裏ルートの行程も結構あるが道は狭くなく、意外と広く作られている、万が一ゆっくりが脱走を図っても柔軟に人間が動けるように作られている。 「ゆふ~ん、このすいーさんはゆっくりできるんだぜ!でもがらがらうるさいんだぜ!おいどれい!もっとしずかにまりさたちをおはこびするんだぜ!」 「申し訳御座いませんお客様、このすいーは当店で最高級の物で御座います。最高にゆっくりできるゆっくりはこの揺れを楽しむ物なんですよ?」 「ゆう?それならしかたないんだぜ!そういえばなんだかゆっくりできるきがするんだぜ!ゆっくり~!」 「このごろごろさんたのしいね!いままりしゃはかぜしゃんになっているんだじぇ!」 「ゆっくち!ゆっくち!すぃーさんはゆっくちできるよ!ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆ~ん、おちびちゃんがゆっくりしているよぉ~、どれいさんにしてはいいものをつかうね!もっとおちびちゃんをゆっくりさせるんだよ!これはとてもこうえいなことだからありがたくおもってね!」 ガラガラガラガロゴロガロゴロゴロガロ… ゆっくりたちの吐き出す騒音を聞きつつ台車を押してゆくと事務所の地下に着いた。ここで台車から箱を降ろして腰に力を入れてしっかりと持ち上げる。あぁ腰が…。 「ゆゆ!?なんですぃーさんとまるのぜ!?おいくそどれい!さっさとずぃーさんをうごかすんだぜ!」 「もっとすぃーさんでかぜしゃんになりたいんだじぇ!」 「ゆっくち~、ゆ?ゆゆゆっくち?ゆっくち!?」 「おちびちゃんがゆっくりしてないよ!どれいさんははやくおちびちゃんをゆっくりさせてね!ぷんぷん!」 「今からあまあまのある所にお連れ致しますので、ここで少々お待ち下さいませ。お食事の用意をして来ますので…」 「ふん!それならしかたないんだぜ!でもさっさとするんだぜ!まりさはおなかぺーこぺーこなんだぜ!がしすんぜんなんだぜ!」 「失礼致します…」 (何とかあの空間から脱することが出来た、さてと、言った通りに用意をするか。) 別に食事の用意をするって言っても皿に盛って出すわけじゃない。廃棄処分になった菓子を置いている倉庫の一角に菓子をばら撒いておくだけだ。羊羹、ポップコーン、パチパチする綿菓子、ガム、ポテトチップス、ドライフルーツ、砂糖、蜂蜜、煎餅etc etc…。 とにかくありったけの廃棄処分品をばら撒いた。これで準備は終了だ。 「お客様、お食事のご用意が出来ましたのでお連れ致します。」 「おそいんだぜ!おちびちゃんがおなかぺーこぺーこでがししちゃうんだぜ!」 「「おにゃかしゅいたああああああああああああ!!!!」」 「おちびちゃん!もうすぐでたくさんむーしゃむーしゃできるからがまんだよ!ゆっくり!ゆっくり!」 (よいしょっと…ゴミムシ共が…そんなに暴れられたら俺の腰が永遠にゆっくりしちゃうってのに…) 一家は悪態をつきながらも夢のむーしゃむーしゃし放題に心を躍らせていた。無理もない。だって心置きなくあまあまを貪れるのだから。 自分達はお客様、お客様は神様、神様は大事にしなくてはならないのだから。 「到着しましたお客様、ささ、思う存分お食べください。不甲斐ない私めからの謝罪の気持ちです…」 倉庫前に着くや否や俺は持っていた箱を静かに下ろし、両手で丁寧に1匹ずつ取り出した。 全部下ろすと一家は目の前にあるあまあまの山に眼を輝かせた。 「ゆはあああああ!つっいにまりさは!ここまでっ!のぼりつめったんだぜえええええ!!」 「ゆ、ゆゆぅ~!ゆ~!ゆっ!」 「しゅごいんだじぇ!これじぇんぶまりしゃのものなんだじぇ!」 「よかったね!おちびちゃん!これでいっしょうっゆっくりできるよ!」 「では私はこれで失礼致します。何かご不満等御座いましたら御呼び下さい、すぐに参りますので…」 「はふっ!ほふっ!ほふはふっ!ぱねぇ!これまじぱねぇ!」 「むーしゃあ!むーしゃあ!ししししししあわせええええええ!!」 「うまいんだじぇ!このあまあまうまいんだじぇええ!!むーじゃああ!むーじゃあ!!」 「むーしゃむーしゃしあわせー!おちびちゃん!そんなにいそがなくてもあまあまさんはにげないよ!もっとゆっくりたべるんだよ!」 「がまんできないよ!れいみゅはがまんできないよ!じゃからいっぱいたびぇるよ!むーしゃあ!むーしゃあ!しあわせええええ!!! へぶんじょうたいいいいいい!!!」 「ままままりしゃもおおお!!へぶんじょうたいいいい!!!」 「はふっ!おちびちゃん!そのことばはおげひんだぜ!しゅくじょはもっとじょうひんにたべるものなんだぜ!おとうさんをみならうんだぜ!はふっほふっべーろべーろ…しあわせえええええ!!!」 「ゆふ~ぅ、ゆんっ!あそこにもあまあまがあるのじぇ!あれはまりしゃがみつけたからまりしゃしかたべちゃいけないんだじぇ!」 まりしゃはひたすら貪り食っているあまあまの山の向こうにあまあまがあるのを目ざとく見つけ、腹に相当食い物が溜まっているはずなのに割と俊敏に跳ねて行き、菓子の袋を破き始めた。 「ゆ!ゆふっ!やっとあいたよ!でもまりしゃのちょうぱわーのまえにはいみがなかったね!しゃっしょくたべるよ!うめっ!これまじうめっ!はふっ!まじうめぇ!」 (あ、思い出した。あれって確か死臭煎餅だったな。おお哀れ哀れ。) 「はふっ!はふ…?うげええええええええええ!!これどくはいっちぇるうううううう!!それにくじゃいいいいい!!ゆっぐりできないいいいいいい!!うげげげげげげげげえええええええ!!!えれえれえれえれえれえれえれ!!」 まりしゃは死臭煎餅に気付き、これまで食った物と餡子を吐き出してしまった。それに自分の口から漂う死臭の所為でまったくゆっくりできなくなってしまっている。 「うげべええええ!!だずげでえええ!!ゆぐりでぎいないいいいい!!おどおじゃんん!!」 「しぃ~はぁ~!しぃ~はぁ~!んん?なんだかゆっくりできないにおいといっしょにおちびちゃんのこえがきこえるのぜ!?なにかあったのかぜおちびちゃ…ぐぎゃあああああ!!!ぐざいいいいいいい!!」 まりしゃはどうにか助かろうと親まりさを呼ぼうとするが、まりしゃの口から出るあまりの死臭のひどさに1歩も近づけないでいた まりしゃを助けたい、でも死臭の所為で近づけない。近づいては逃げを繰り返していたが、さっき奴隷が何かあったら呼ぶようにといっていたのをやっと思いだし、大声で呼んだ。 「くそどれいいいいいい!!さっさとごいいいいいい!!まりさのおちびちゃんにどくをもったなああああああ!!せいっさいしてやるううううううううう!!!!」 「御呼びでsy」 「しらをきったってむだだよ!おちびちゃんのあまあまにどくをもってころそうとしたね!まりさたちはおきゃくさまだよ!おきゃくさまはかみさまなんだよ!かみさまにはせいいっぱいつくさないといけないんだよ!」 「もっもっも、みゅ?なんのしゃわぎ?ゆわあああああ!!まりしゃおねえちゃああああん!!どぼじでえ!ゆっくちじでえ!」 「ゆ?おちびちゃん…?ど、どぼじでえ!?どぼじであんこさんはいちゃってるのおおお!?はいたらゆっくりできなくなるでじょおお! いまぺーろぺーろしてあげるからゆっくりよくなってね!ぺーろ…ぐじゃいいいいいい!!」 「い…いえ、私は毒を盛ってなど「うそをついたってむだだよ!まりさのかわいいおちびちゃんをころそうとしたやつはゲスだよ!ゲスはゆっくりできないよ!だからころすよ!ゲスはころしてももんだいないんだよ!さっさとどげざしてまりさにころされてね!しんだらあまあまをもってきてね!たっくさんでいいよ!そしておちびちゃんをなおしてあげてね!」いない…」 「えれえれえれ…ゆべええええ…ゆっ…ぐりじだい…」 「おねえしゃああああん!!」 「おちびちゃん!ゆっくり!ゆっくりだよ!」 「ゆっ………ぼっじょ…ゆっ…ぐじ……った………」 「おじびじゃああああああああん!!!」 「おにぇしゃん……?ゆっくち?ゆっくちしていってね…?」 「ゆがあああああああああああ!!おじびじゃああああああああああん!もうゆるさないよ!ないてあやまってももうおそいよ!まりさがじきじきにおちびちゃんのかたきをとるよ!しねええええええええ!!!」 まりしゃが死に、そのショックでさっきまでの傲慢な態度を一変させたまりさが襲い掛かってきた!…といっても足にポスポス当たるだけだ。それに、先程まで食べまくっていた所為で殆ど勢いが無く、ほぼ何も感じない。 「しね!おちびちゃんをえいえんにゆっくりさせたゲスどれいはしね! ゆふぅ…ゆふぅ…なんでからがおもいんだぜえええええ!?」 「なんでこうげきをやめちゃうのおおおお!?それじゃゲスどれいがしなないでしょおおおお!!」 「おねえしゃあああああん!おにぇえええええしゃああああああああああん!」 (あーもう面倒になってきたな、そろそろ終わりにするか。あ、でも道具が無ェな…お、そうだ!倉庫に閉じ込めておくか。そうすれば中の廃棄食品も片付くし楽になる。これぞ一石二鳥ってカァ!?そうと決まればさっさとやっちまおう、まだ俺には仕事があるんだからな) 「ゆふぅ…もういちどちょうせんするんだぜ…つぎのいちげきでしとめるんだぜ、そうすればかたきがとれるんだぜ…」 「ひっぐ…ぐっ…おねええちゃああん…」 「まりさ!がんばってかたきをうってね!ゲスどれいはもうまんっしんっそういだよ!がんばってね!がんばってね!」 (そういえばこのれいむも相当なゲスだよな…子が死んだってのに自分じゃ仇を討とうともしねェ…まりしゃも不憫だな(笑)) 「これで…さいごなんだぜ…ゆっ!おちびちゃんのかたきぃ「よっとどっこらせい」おそらをとんでるみたい!」 俺に最後の攻撃を加えようとしたまりさを俺はサッと掴みあげる。汚い体を持ち上げるのは抵抗があったが…まァ仕方が無い しっかし、持ち上げられた瞬間に「おそらをとんでるみたい!」って…敵討ち(笑)はどうしたんだ?もうやめたのかァ? ま、いいや。まりさはまだ持ち上げた瞬間の顔で「ゆゆ~ん!まりさはたかいんだぜぇ~…」なんて言ってるし騒ぎ出す前に倉庫にぶち込むか、その後は残りの2つだ。 「せぇーい、よっ!(ポーイ)」 「まりさはあらぶるわしになったんだぜえええ!!!」 ポスッ 「次はれいむを、「おそらをとんでるみた」セイッ!」 「ゆゆ~ん!れいむははくちょうさんにぃ~」ポスッ 「最後はれいみゅ、「おそらを(ry」むん!」 「ゆゆ~ん!れいみゅは(ry」 ポスッ 「そしてまりしゃの亡骸を入れてさっさとドアを閉め…る!鍵をかける!ポーズを決めるッ! ハイ終わり!」 俺はさっさと一家(まりしゃの亡骸も)を倉庫にいれて鍵を閉めた。 これで奴らは一生ここから出ることはできない、まぁあるとすれば死んだ時ぐらいかな? それに死臭のする亡骸も入れたわけだし、周りにあまあまはあるのに愛する子供から香る死臭でゆっくりできないであまあまを食べて死んでいく様は是非ともDVDにしたいが残念ながら今回は出来ない。また次回になりそうだ。 なんか、あっさり終わってしまったが仕事もあるしな。このぐらいでやっとか。さーてと、仕事に戻るかァ~。 あー腰痛ェ。 完
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「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!・・・」 赤ちゃんゆっくり、通称赤ゆっくりの声が畑一面に響く。 見渡せば同じように食事をしているゆっくりは3匹4匹では済まない。 その中に二周りほど大きなゆっくりが二匹いた。この畑にいるゆっくり達の両親だ。 片方がれいむ、もう一方がまりさという典型的なその夫婦も子供達同様に畑の中で食事をしてしあわせ、しあわせと連呼している。 しかし彼らが食べているの畑の主役である野菜ではない。その成長の邪魔をする細かな雑草をぷちぷちと食しているのだ。 「むーちゃ、むーちゃ・・・ちあわ・・」 幸せを連呼するゆっくりの数が時間の経過とともに減っていく。その順番は年の若い順のゆっくりからだという事は 減っていく口調から容易に判断することができた。 「みんなどうしたの・・・?おいしい草さんを食べれてるんだからゆっくりしあわせ~って言おうね?」 「ゆゅう・・・もうやじゃぁ!!」 心なしか焦りながら子供達に話しかけた親れいむの言葉にさからい、一匹の赤れいむが顔を上げて泣きはじめた。 「こんにゃのおいちくないよ!れいみゅあしょこのやしゃいさんが食べちゃい!」 「だ、だめだよおちびちゃん!そんなことがお兄さんに聞こえたら・・・」 親れいむの視線が赤れいむの頭頂へとゆっくり動く。 そこには一本の透明な線が毛のように赤れいむから生えていた。 よく見れば他のゆっくり達からも不自然にその線は生えており、スーッと伸びたその先は畑の脇に座っている人間の手に握られている。 「おちびちゃん、お願いだからせめて静かにしてね!今お父さんがおいしそうな草さんを探してあげるからね!」 「ゆぅぅ!だからくささんは嫌なの!たべちゃくないの!」 父親役であるまりさも赤れいむの我がままの制止に加わるが泣き止む様子はない。 「ゆぅぅぅぅ!!!おやちゃいがたべたいよぉぉぉ!!!」 「静かに!静かにしておちびちゃん!ね!お・・・」 その時、親れいむの体に淡い闇がかぶさった。 向かい合っている相方の顔が恐怖に引きつっているのを見てれいむの頬を冷や汗が伝う。 恐る恐る静かに後を振り向くれいむ。そこには先程まで座ってゆっくりしていた人間がずんと立っていた。 「野菜が食べたいって?」 「ち、違うんですお兄さん!この子はちょっと疲れてへんなことを言ってるだけなんです!」 「別に草さんがまずいなんて思ってないです!いつもたべれてむしゃむしゃしあわせ~♪」 ニコニコと笑いながらどれだけ自分達が毎日の暮らしに充実しているかを少ない語彙で力説する二匹の親ゆっくり。 だがそんなこともおかまい無しに赤れいむは我がままを止めない。 「おにゃかちゅいた!おにゃかちゅいた!おにゃかちゅいたぁ~!」 「だからそれなら草さんたちを食べればいいでしょおちびちゃん!いいかげんおかーさん怒るよ!」 焦りが限界を超え始めた親れいむはとうとう赤れいむをしかりだした。 だがそこはまだ子供、そう簡単に親の言うことを聞くなら苦労はしない。 「いやぁ!おやしゃい~!!!」 「まあまあ待て。そんなに無理して食べさせることもないだろう?」 「ゆっ・・・!?」 意外な人間の言葉、そもそもここの畑の雑草を食べる様に命じたのは彼だ。 今更食べなくていい等と都合のいいことを彼が言うことはないことを親ゆっくり達は知っていた。 「ゆっ!おにーちゃん、もうれいむ草さんをたべにゃくていいの!?」 対して無知な赤れいむは喜々とした表情で人間を見つめる。まるで野菜を食べていいと言われたかのようだ。 「ああ、いいよ。」 「ゆゆーん!ありがちょぉおにーしゃん!」 「だってまだ一匹減っても八匹もいるしね」 そう言うと人間はゆっくり達から伸びているその透明な線の束から一本だけを選び始めた。 「・・・ま、まっでええええ!!おにーさんまっでええええええ!!!」 「やめてくだざいいいい!!まだ赤ちゃんなんですぅぅぅ!!!」 その途端、親ゆっくり達は泣き叫びながら人間にすり寄り始めた。 当の人間は素知らぬ顔で線を選ぶことを止めない。 「おおこれだ。さておちびちゃん本当に草さんを食べたくないんだね?」 「ゆゅ!あんにゃゆっくりできないたべものは嫌いだよ!」 「そうかそうか・・・」 「嘘!うそでずおにぃざん!!このこは草さんだいすきですからぁ!!!むしゃむしゃしあわせですがらぁ!!」 「しょんなことにゃいよおかーしゃん!あんなまじゅくてちあわせじゃないたべものなんてれいみゅはもう食べないよ!」 「どうじでそんなごどいうのぉぉぉ!!!」 親ゆっくり達は赤れいむの発言を撤回しようと必死だが赤れいむは頑に雑草はもう食べないと言い張っている。 すると人間はそのゆっくり達の会話に飽きたのか、選んだその線を持つ手に力を加えて思いっきり引っ張った。 「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」 親ゆっくりの叫びが同調し畑の隅遠くまで満遍なく響き渡る。 そのコンマ数秒後、叫び声とは違う乾いた音が響く。 「おちびちゃんがあああああああああああ!!!」 「ゆゅゅ!びっくりさせないでよおかーしゃん!」 「あ゛あ゛あ゛・・・ゆっ?おちびちゃん?」 「どうちたのおかーしゃん達!れいみゅびっくりしたよ!ぷんぷん!」 親れいむの足下には突然の叫び声に驚いた赤れいむが頬をぱんぱんに膨らませている。 親ゆっくり達も驚いている。 なぜなら今死んだはずの自分の子供が五体満足でその場にいたのだから。 だが親ゆっくり達は確かに聞いていた。あの忌々しいボンッという聞き慣れてしまった爆発音を。 「ん!?間違ったかな・・・」 「おねえちゃあああああああん!!!」 自分の子供の悲鳴を聞いた親ゆっくり達はゆっくりらしかぬ動きでバッとその方向へ振り向いた。 先程まで雑草をむさぼっていた子まりさがいたその場所には 子まりさの帽子に泣きつく赤まりさと 濃い茶色で塗りつぶされた地面しか存在しなかった。 「まりざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「おちびちゃんがあああああああああ!!!」 再び泣き叫び始める親ゆっくりの異常な様子に近くにいた赤れいむも流石に身の危険を感じ始めた。 「すまんなぁおちびちゃん。お前を爆発させるつもりがどうやら姉ちゃんを爆発させちまったらしい。」 「ゆ・・ゆ・・・?ばくはちゅ・・・?」 「そうだ、おっきな音がしたろ。あれはお前の姉ちゃんが体の中からふっとんで死んじまった音だ。」 「し、死んだ?おねえちゃんが・・・?」 「ああ、そうだ・・・すまんなお前を爆発させる線はこれだ。次は間違えないからな。安心しろ。」 そう言ってにこやかに微笑む人間の顔にはまるで罪悪感は見えない。 ようやく雑草を食べないことが身の危険へとつながることを理解した赤れいむは目に涙をためて 体をゆっくりと左右に振り始めた。 「いやじゃぁ・・・いやじゃぁ・・・ちにたくないぃ・・・」 「だいじょうぶ、もう草さんなんて食べなくていいんだからな。なぁに、お前が減ってもまだ七匹もいる。 俺の畑のことは心配するな。」 「いやじゃぁぁぁ!!!ちにたくないぃぃぃ!!!ゆっくりちたいよぉぉぉぉぉ!!!」 淡々と死の宣告をする人間との会話に我慢ができなくなった赤れいむは気が触れたかの様に猛烈な勢いで頭を揺らした。 「仕方ないだろ、おまえが草さんを食べたくないっていうんだから。」 「ゆぁぁぁ!!たべる!たべるから!ゆっくり!ゆっくりくささんをちゃべるよ!」 言うや否や赤れいむは周りの数少ない雑草に顔面をあてて食らいつき始めた。 その勢いは草よりもむしろ土を食してる割合の方が多い。 「・・むぐっ!むぐむぐむぐ!・・・はふっはふっ!」 「うーんやっぱりいいよ。」 「むぐっ!?」 一瞬、もう許してくれるのかと思い赤れいむは人間の方へと顔を上げようとした。 「そんなおいしくなさそうに食べるなんて可哀想だからね・・・しあわせじゃないおちびちゃんの姿は見ていられない。 さよならおちびちゃん。」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!むーしゃ!!!むーしゃ!!!ちあわちぇー!!!ちあわちぇー!!おいちー!!! ゆっきゅりできるよ!!!!しゅっごいゆっきゅりできるよ!!!!むちゃむちゃむちゃむちゃ!!!!ちあわちぇー!!!!」 最早赤れいむに雑草や野菜や土の区別等ついていない。 ただ目の前にある物をかぶりつきしあわせと連呼しているだけである。 「うっみぇ!!!!しゅっげうっみぇ!!!ぱにゃい!!!みゃじぱにゃい!!!!ちあわちぇちあわちぇ!!!」 「おーよかった!いやーここの草さんも俺の畑からできてるものだからねー。まずいわけがないとは思っていたんだよ。 それだけおいしいって言ってくれるならまだ大丈夫だね!いやーよかった。」 「ちあ、ちあわちぇ!!!ちあわちあわちぇ!!おいちおいちーよー!!!」 遠ざかっていく人間の姿に安堵したのか、今まで食べる等考えもしなかったその茶色のじゃりじゃりに 赤れいむは尋常ではない吐き気を催した。 「・・んぶ!おがぁ!おあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 一生命体から肥料へと変わっていく赤れいむ。その勢いは止まることなく一分も立たずに赤れいむは意識を遠のかせていった。 「もっちょ・・ちあわせになりた・・・きゃったよぉ・・・」 その5分後、子まりさの屍を弔い終わり戻ってきた親ゆっくり達はまたしても声をからす程に泣き叫ぶことになった。 ―夕方 「おーし、もう上がっていいぞごくろうさーん。」 『・・・・・・・・・・』 「みんなゆっくりしてないのか・・・」 『おにーさん!!とってもゆっくりできたよ!!あしたもゆっくりしようね!!!』 「そうかそうか!それじゃあ小屋へ戻ろうな。」 『ゆっくりもどるよ!』 「逃げたらだめだぞー。森の木にその線が引っかかってお前たちの中の爆弾ピンが外れたらボンッってなるからなー」 『ゆっくりにげないよ!』 「ご飯は・・・いらないか。お腹いっぱいだもんな。」 『ゆ、ゆっくりお腹いっぱいだよ!』 「そうだよなーよし、今日はもう寝なさい。明日も頑張ってもらうからな。」 『・・・ゆっくり・・・がんばるよ・・・!』 一家はここの畑に来たのは単なる社会科見学の一環だった。 人間の恐ろしさ、その野菜をとることの罪深さ、それを教える為に出向いただけだった。 そんなことは安全な巣の中でやるべきだったことを親ゆっくり達は今も後悔している。 彼らが捕まって一週間、爆弾の除去という人間との約束が果たされるその日まであともう一週間であった。 このSSに感想を付ける
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ユイ「仮新入部員のユイっていいます!ヨロシクおねがいしまっす♪」 唯「あ、私と同じ名前なんだ~」 律「しかもギターだろ?」 ユイ「唯先輩のギターに憧れて入部したんすよ!」 唯「え~♪この子いい子だよお~♪」 律「…」 澪「でもユイだとごっちゃになるな…なんて呼べばいいんだろ…」 ユイ「ユイにゃんはユイにゃんでいいですよ!」 律「今なんて…?」 ユイ「♥ユイ☆にゃん♥」 梓(後輩ポジション、ギター、愛称…被ってる…早く消さねば…) 澪「仮って事は?」 ユイ「ハイ!まだ仮入部の見学って事です!皆さんの活動を見て判断しようかと…」 澪「なるほど、それじゃゆっくりしていってくれ」 ユイ「それじゃしつれいします!」 梓(シめたです…ここでいつもの体たらくっぷりを見せて入部する気をなくしてやるです…) 唯「ユイにゃんはギターどれぐらい弾けるの~?」 ユイ「たいした事ないですよ~」 梓「でしょうね、ギターの持ち方からしてセンスを感じられないです」 律「あずさ…?」 澪「それじゃ適当になんかやってもらおうかな」 梓(散々に扱き下ろして酷評して二度とけいおん部の敷居をまたげなくしてやるです) ジャカジャンジャンジャンジャン♪ !? ユイ「目覚めては繰り返す~♪」 ジャカジャカジャン 澪「これは…」ゴクリッ 唯「ひょえ~声が別人みたいだよ!?」 律「プロみたいだな!?」 澪「クオリティが高い、クオリティが!」 梓(これは一体!?) ユイ「見送った~手を振った~良かったねと~♪」 ジャーン パチパチパチ 唯「ゆ、ユイにゃん凄いよぉ!ぶっちゃけ凄すぎてトンちゃんとか窓から投げ捨てるレベル…」 律(これは凄い戦力になりそうだぞ…) 澪(ああ、絶対に手放してはならない…)ゴクリッ ユイ「ユイにゃんはストリートライヴとかやってますからね~」 梓(あわわ…これは本格的にヤバイです…) ユイ「先輩方の演奏も聞かせてほしいっす!」 梓(ここで下手な演奏でもしたら…) 澪『梓…1年もはやく入部しててそのレベルなんて情けないぞ…』 律『こりゃ梓を外してユイにゃんをリズムギター担当にさせるのもやむなしかもな』 唯『あずにゃんはあずぶーに格下げだね!ぶひぶひ!』 梓「ユイにゃんさんのギターは心に訴えるものがないです!」 ユイ「!?」 梓「そんなの間違わずに弾いてるだけじゃないですか!」フンス ユイ「…」ふるふる 唯「あずにゃんそれはちょっと…」 律「な、なあ落ち込むなよ、ユイにゃん」 澪「私は普通に上手いと思ってたぞ!作画のクオリティが高いし!」 ユイ「コォォラァァ!そんなあいまいな感性で渡井目を摘み取りにかかるな!!それでも先輩かぁ!」 梓(げっキレやがったです!!) 唯「ユイにゃんぎゅ~っ」 ユイ「!!」 澪「そんなんで収まるはず…」 ユイ「えへへ~」ほんわか 澪(収まったーっっ) 梓(クソッそこは私のポジションなのに…何から何まで憎たらしい…) 梓(そもそもこんなピンク色の髪ありえないです…) 梓(そしてジャンプのエロ漫画キャラみたいな痛いコスプレしっぽ…) 梓(どう考えてもけいおん部に相応しくない…) 梓(絶対に入部は許さないです、絶対にだ) 梓「私は認めません!HTTにユイさんが入るのは!」 唯「えーなんでなのー?」 律「普通に上手いしいいと思うんだけどなー」 梓「だめだめ!だめです!」 ユイ「負けるのが怖いんスかw」 梓「キー!!何が怖いもんですか!!」 ユイ「じゃあ勝負しましょうよ。」 ユイ「体育館でライブをやって人気投票どうっスか?」 梓「の、望むところです!!」 ユイ「じゃあ来週の金曜日に。」 梓「フフ、楽しみです・・・」 梓(先輩たちとの一体感で絶対に勝ってやるです。) 梓(私に勝負をしかけたことを後悔させてやるです!) 決闘当日 唯「うわーすごいお客さんたちだねー」 律「あれ?ユイはどこだ?」 唯「え?ここにいるよー」 律「お前じゃなくて・・・ユイは?」 澪「ユイなら裏でまだ練習してるぞ。」 梓(こんなギリギリまで練習wこれは勝ったも同然ですね。) 和「それではこれより生徒会公認のけいおん部VSユイさんの対決を行います!」 客「ワーワー!!」 和「まずは生徒会長の挨拶です。生徒会長、おねがいします。」 和「ありがとうございました。それではまずHTTから。」 唯「えーっと、こんにちは!放課後ティータイムです!」 唯「私たちは5人って少ないメンバーで頑張ってます!」 唯「それでは聞いてください!」 唯「GO!GO!MANIAC!!」 ジャンジャンジャンジャンジャン ジャカジャン 梓(すごい!いつも以上に5人の演奏がマッチしてる!) 梓(唯先輩の歌も絶好調だし) ジャーン 唯「ありがとー」 梓(フ、勝ったな・・・) 和「次は新入生のユイさんです!ユイさん、よろしくおねがいします!」 梓(一人でストリートライブやってるっていってたし結構ソロも慣れてるんだろうけど・・・) 梓(所詮は1人!私たち5人の敵じゃないです!) ゾロゾロ 梓(所詮は・・・って、え?ゾロゾロ?) ユイ「こんにちはー!ガルデモでーす!」 客「え?ガルデモ?」 客「なにそれ?」 ユイ「ガールズデッドモンスター、略してガルデモです!」 梓(まさか・・・4人でくるなんて・・・) ユイ「Alchemy!!」 ジャーン!! ユイ「ありがとー!」 和「ガルデモさんありがとうございました。それでは皆さん投票してください。」 梓(結構すごかった・・・これやばいんじゃない・・・?) 和「それでは結果発表です!」 梓(ゴクリ・・・) 和「それでは結果発表です!」 ジャカジャカジャジャカジャン!! 和「2票差でHTTの勝利です!!」 客「ワー!!」 梓(やった!でも危なかった。) 梓(でもこれでユイの件に関しては大丈夫です。) 客「アンコール!アンコール!」 唯「アンコールだってー」 律「梓、お前ボーカルやれよ」 梓「え?私がですか!?」 律「ああ。なんたって今日は梓が主役だからな。」 梓「先輩・・・」 客「アンコール!アンコール!」 紬「さぁ、早く行きましょう!」 梓「はい!」 梓「ふわふわタイム!」 君を見てると いつもハートドキドキ 梓(やっぱり私は先輩たちとこの5人で演奏するのが好きなんだ・・・) 梓(これからも私たち4人で・・・) 梓「ふわふわターイム!ふわふわターイム!」 梓(これがHTTなんだ・・・) ゴトン 唯「あず・・・にゃん・・・?」 部室! 唯「なんであずにゃんが消えちゃったの?」 律「わたしが知るかよ!」 澪「皆の前でいきなり消えるなんて・・・いったい何が・・・」 紬「ただ、彼女が満足してしまった。ただそれだけのことよ・・・」 おしまい。 戻る
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『ゴルフ場でゆっくりと』 21KB 虐待 不運 番い 子ゆ 自然界 現代 虐待人間 独自設定 21作目です。わいは鬼威惨や! ※ゆっくりに関する独自の言葉がいくつか出てきます ※作中に出てくる人物の行動はマナー的に推奨されません 「ゴルフ場でゆっくりと」 ゆっくりたちの朝はわりと遅い。 日が昇る前からせっせと鳥が鳴き、野良猫が生ゴミを虎視眈々と狙う中、 人々は、朝の短い時間を割と忙しく過ごしている。 「朝」と「忙しさ」は非常に縁が深く、「朝は忙しい」というのは人々の中ではもう定番なのだが、 一方でゆっくりたちは毎日、その時間は巣の中でゆっくりと眠っている。 ゆっくりは、本能的にゆっくりできないことをとても嫌うので、 朝の早い時間にせかせかするようなゆっくりは ゆっくりできないゆっくりとして仲間から敬遠されてしまう。 そのため朝ゆっくり(朝ゆっくり眠ること)はゆっくりたちにとって、とても重要なステータスなのだ。 この日はちょうど祝日、人々は貴重な休みの朝をゆったりと過ごす。 毎日が休日のようなゆっくりは、いつものように朝ゆっくりを堪能する。 午前10時を回ったころ、山の斜面にあるゆっくりの巣の中から 目を覚ました子ゆっくりたちの鳴き声が聞こえてきた。 「ゆゆん、おめめしゅっきりーーーー!!」 「れいみゅいっぱいしゅーやしゅーやしちゃよ」 「まりちゃはきょうもいっぱいゆっくちしゅりゅんだじぇ!!」 「おちびちゃんたちおそとにでてきてね」 一家は巣の中から出て、恒例の体操を始める。 「いちにー」 「ゆんゆん」 「にーにー」 「ゆんゆん」 「もっとおげんきに!」 「ゆん!ゆん!」 「おさげをぴこぴこ」 「ゆんゆんゆん」 「のーびのーびみーんなーで」 「ゆん!ゆん!ゆん!」 「おちびちゃんたちすっきりできたかなぁーー?」 「「「しゅっきりーーーー!!」」」 親れいむ、親まりさ、子ゆっくり8匹、計10匹の家族は 体操を終えてすっきりしたところで、ぞろぞろと巣の中に戻っていった。 「ゆゆ、のーびのーびしちゃらおにゃきゃがしゅいちゃよ」 「「「おにゃきゃしゅいちゃーーーーーー!!」」」 「さあおちびちゃんたちみんなでごはんさんをいっしょにむしゃむしゃしようね」 「「「ゆっくちーーーーー」」」 「あさごはんしゃん!!」 「ごはんさんはたべきれないくらいあるからみんなでなかよくむーしゃむーしゃするんだぜ」 「ゆわーーーい」 「ごはんしゃんいっぱいたべりゅよ!!」 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇーーーー!!」 一家は遅めの朝食を取り始める。 人間の世界でいうと、夜型の生活スタイルに近いのだが、 ゆっくりたちにとっては、これが最も理想的な朝の過ごし方らしい。 「ゆぷぅ、おにゃきゃいっぱいだよ~」 「おにゃきゃいっぱいになったからしゅーやしゅーやしゅりゅよ」 食事を終えると、子ゆっくりたちは小一時間ほど二度寝をする。 子ゆっくりたちが大人しく寝ている間に、親ゆっくりは朝の狩りに出かける。 そして親ゆっくりが狩りから帰ってきた後、今度は一家揃ってお散歩に出かける。 「ゆっくりおさんぽだよ!!」 このゆっくり一家は、この場所に移り住んできてまだ間がないため、 毎日のお散歩でいろいろな場所を歩き回っている。 そして今まで散歩中に、餌場や水場など生活に必要な場所をいくつも発見している。 この日ゆっくり一家は、辺り一面が芝生に覆われた場所を発見することができた。 そこは、人工的に芝生が植えられたゴルフ場であった。 「ここはじめんがとてもふかふかさんでゆっくりできるよ!!」 そこをゴルフ場とは認識していないものの ゆっくり一家は、芝生のたくさん生えたゴルフ場でゆっくりとすることにした。 「ゆっくちーー!れいみゅはこ~りょこ~りょしゅるよ!!」 「ゆゆっ、まりちゃもいっしょにこ~りょこ~りょしゅりゅじぇ!!」 「ゆゆ!きょうしょうだよ!!」 「ゆふふ、れいむがいちばんはやいよ」 「ゆっふん、まりさのほうがはやいんだぜ!!」 「ゆ・・・まっちぇよぉおお~~れいみゅをおいていかにゃいでにぇ!!」 ゆっくり一家は芝生の上でころころ競争を始めた。 快調な出足を見せた親まりさ 一方で、姉妹でも一番下の子れいむが一匹、出遅れてその場に取り残されてしまった。 「ゆわあああん、れいみゅはひちょりぼっちだよぉおおおお!!!」 子れいむの泣き声を聞いたゆっくり一家は、ふと後ろを振り返る。 「ゆ!?なかないでねおちびちゃん、おかーさんがいっしょにゆっくりしてあげるよ」 「まったくしょうがないんだぜ。おちびちゃんにはやくなるこつをおしえてあげるんだぜ」 「まりちゃもいっしょにゆっくちしてあげりゅよ!!」 「ゆゆっ、みんにゃといっしょなられいみゅさびちくにゃいよ!!」 「そうだよおちびちゃん、みんなでいっしょにゆっくりしようね!!」 心地よい午後の風がそよそよと流れる。 気温はゆっくりたちにとって適温で、直射日光が適度にゆっくりたちの体を温めてくれる。 底部に優しく触れる芝生は、ゆっくちたちにとって本当に心地が良いらしく、 とてもゆっくりできる環境がゆっくりたちを至福の世界へ誘う。 「ゆう、にゃんだきゃとてもねむたくにゃってきたよ・・・」 眠気がピークに達したゆっくり一家は、みんないっしょに芝生の上でお昼寝することにした。 「む~にゃむ~にゃ」 「ゆっくち・・・・す~やす~や」 「すぴーっ、ゆゆっ、すぴーっ、ゆゆっ」 不安や心配事とは全く無縁のゆっくりたち、みんな芝生の上で気持ちよさそうに眠っている。 空は雲ひとつない青空 鳥の黒い影が青いキャンパスを飛び交う 地面には青々とした芝生が生い茂り 山の高嶺から見降ろすと まるで緑の綺麗な空に黒い星がポツリポツリと浮かんでいるよう その黒い星は赤く光ったり黄色く光ったりしてコントラストを作り 緑の空を、汚くよごしている ゆっくり一家が昼寝を始めてから30分後、事件は起きた。 「ゆっ、しーしーがしちゃいよ」 尿意を催した一番下の子れいむが目を覚ました。 「そりょ~り、そりょ~りゆべっ、ゆっ、ゆぴーーーたすけちぇえええ!!!」 子ゆっくりの悲鳴で2匹の親ゆっくりは目を覚ました。 「ゆ!おちびちゃんのゆっくりできないこえがするよ。おちびちゃんはどこにいるの?」 「たすけちぇえええきょっちだよおおおおお」 「あっちのほうだぜ」 親れいむと親まりさは、声のする方向へ急ぎ足で向かっていく。 他の子ゆっくりたちは、姉妹の悲鳴が聞こえてもまだ昼寝を続けている。 「たすけちぇえええ」 「ゆんしょ、ゆんしょ、ゆゆっ、このあなさんからきこえてくるよ!!」 助けを求める子ゆっくりは、グリーン上のカップの中にいた。 カップの穴は直径、深さともに10cmほど、カップの中心には旗が立っていて、 子ゆっくりはちょうど旗とカップの隙間に挟まっていた。 子ゆっくりはカップの中で泣きながら、必死にのーびのーびを繰り返しているのだが、 子ゆっくりのゆん力(ゆっくりしたいという望みから出る底力)では外に出ることができないようだ。 「いまたすけてあげるんだぜ」 子ゆっくりを助けようと、親まりさは自ゆんの頭についたおさげを穴の中に垂らす。 穴の中にいる子ゆっくりは、上から垂らされたおさげにしがみつこうと口をパクパク動かす。 しかし残念ながら、まりさのおさげは子ゆっくりのところまで届かないようだ。 「ゆっくちできにゃいよおおおおお」 「おちびちゃんがんばってね。あとすこしだよ!!」 「ゆうう、なにかほかにいいほうほうが・・・ゆゆっあんなところにきのえださんがあるんだぜ」 「れいむはきのえださんをとってくるよ!!」 親れいむはグリーンから離れて木の枝と呼ぶ物体に近づき、それを口にくわえて運ぼうとする。 「ゆんしょゆんしょ・・・ゆっ、うごかないよ」 「ゆっくちしちゃいよぉおおおおお!!!!」 「おちびちゃんあとすこしだよ、あとすこしでたすかるからね。れいむはやくするんだぜ」 「うごけぇええええ・・・ゆぅゆぅ・・・・どぼぢでえ゛だざんはうごいでぐれ゛な゛いのお゛お゛お゛お゛」 親れいむが運ぼうとしている物はOBの杭だった。 地面にしっかりと埋まっているので、一匹のゆっくりが引っ張った程度ではびくともしない。 それにOBの杭は大きすぎて、子ゆっくりを助けるには見当違い、ということがれいむには分からない。 遠くから見ると、OBの杭が枝ほどの大きさに見えたので、 OBの杭は枝ほどの大きさだ、という先入観がれいむの頭の中を支配しているのだ。 「れいむはやくするんだぜ!!!・・ゆゆ!?あっちにもえださんがあるんだぜ」 れいむのいる反対方向に、まりさは別の枝のようなものを発見した。 「まりさがあれをとってくるんだぜ」 「おきゃーしゃんいきゃにゃいで。れいみゅひちょりぼっちだよぉおおおおお」 目的の物に向かってぴょんぴょんと跳ねていく親まりさ、 気が付くとツルツルした芝は少し深くなり、道も下り坂になってきている。 「ゆん、ゆん、ゆん、ゆゆ?こーろこーろするんだぜ」 「ゆゆ?まりさどこにいったの??」 「おきゃーしゃーーーーん」 下り坂はますます急になり、親まりさは前のめりになって転がり始める。 「こーろこーろゆぶっ、・・・・ゆゆ、ゆぺ、ゆぺっなんだかさらさらするんだぜ」 親まりさは、グリーン傍にあるバンカーに落ちてしまったようだ。 「えださんはどこいったんだぜ?ゆゆ、あんなところにあるんだぜ」 親まりさが枝と呼ぶものは、バンカーの砂を平らにする長さ2mほどのトンボだった。 その肝心のトンボはバンカーの外に置いてある。 やはりゆっくりは餡子脳、2匹とも全く見当違いな物を持っていこうとしている。 トンボを持っていこうとするにも、とりあえず親まりさはバンカーから外に出なければならない。しかし、 「ゆっ、ゆっ、ゆ?」 バンカーの縁はあり地獄の巣のようになっていて 親まりさが外に出ようとすると砂が崩れて、再びバンカーの中へ戻されてしまう。 コロコロ 「ゆぺっ、ゆぺっ、ゆうううんおそとにでられないんだぜ」 するとそこへ、まりさを探していたれいむが姿を現した。 「ゆゆ、まりさをみつけたよ・・ゆ、こーろこーろするよ!!」 コロコロ、ドスン 「ゆぺっ、すながおめめにはいったよぉおおおおお」 親ゆっくりは2匹揃ってバンカーにはまってしまった。 「れいむそんなことよりここからでておちびちゃんをたすけるんだぜ」 「ゆああああんおめめがいちゃくてみえないよぉおおおおおお」 「しかたないんだぜ。まりさがおめめをぺーろぺーろしてあげるんだぜ」 砂のついた舌で、れいむの目を舐め始めるまりさ。 「ゆ、ゆ、ゆ!?よけいにおめめがいちゃいよぉおおおおおおお!!」 「わがままいうなだぜ。それよりおちびちゃんをたすけないといけないんだぜ」 「・・・ゆ?おきゃーしゃんちゃちのおこえがしゅるよ」 「おきゃーしゃんはどこにいりゅの?」 近くで眠っていた子ゆっくり全ゆんが目を覚ました。 「ゆ!?おちびちゃんはこっちにきちゃだめなんだぜ!!!」 「ゆゆ!おきゃーしゃんちゃちあしょんでりゅみちゃいだよ」 「まりちゃもいっしょにあしょぶんだじぇ!!!」 「ゆわーーーいこーりょこーりょしゅるよ!!」 7匹の子ゆっくりが、親ゆっくりのいるバンカーの中へ転がりこんでいった。 「こーりょこーりょゆべ、いちゃいよぉおおおおおおしゅにゃがおめめにはいちゃよぉおおおおお」 「ゆぶ、おくちがむじゅむじゅしゅるよ」 「きょきょはにゃんだかゆっくちできにゃいにょじぇ」 「ゆぴーーーーおきゃーしゃんはやくたすけちぇええええええ」 「おちびちゃんたちおちつくんだぜ」 「おめめがいちゃいよぉおおおお」 「れいむもとにかくおちつくんだぜ」 ゆっくり一家はもう大パニックである。 ゆっくりできないストレスからわんわん泣き始める子ゆっくりたち、 その泣き声につられるように、目に砂が入ったれいむも大声で泣き始める。 まりさは何とかこの状況を打開しようと試みるも、バンカーの外へ出ることができないでいた。 それから数分後、ふぁーーーという変な声と共に、ゆっくり一家のいるバンカーに何かが飛んできた。 「ゆゆ?これはいったいなんなのぜ??」 一家がパニックに陥っている中、まりさだけが飛んできたものを冷静に観察していた。 しかしまりさには、白くて丸いそれが何なのか分からなかった。 さらに数分すると人の声が聞こえてきた。 「ったくもうやってらんね。隣のホールに打ち込んだのこれで何回目だろ・・・・ん?」 ゆっくり一家の前にやってきたのは、ゴルフをプレー中のおにいさんだった。 その顔は、あからさまに苛立ちの表情をしている。 「ゆ!ゆっくりしていってね!!」 「ああ、ゆっくりどもがバンカーにはまってら」 「おにいさんはゆっくりできるにんげんさんなのぜ?」 「いや全然ゆっくりしてねぇよ。」 「ゆ!?ゆっくりしていってね!!おにいさん、まりさたちをたすけてほしいんだぜ!!!」 「れいむはおめめがいたいよ」 「ゆわああんまりちゃもおめめがいちゃいいちゃいだよぉおおお」 「なるほどなるほど」 おにいさんはニヤッと笑みを浮かべた。 「おーーーい、俺ギブアップ!!それからここ最終ホールだから、俺はちょっと寄り道してから帰るわーーー」 「ゆゆ?」 「さてと、おや?あっちにも一匹いるみたいだな。このホールは人がいないようだし」 「そうなんだぜ、あっちのおちびちゃんもたすけてほしいんだぜ」 「あっちに行くことは行くが、ところでなんでてめえに指図されないといけないんだ?」 「ゆ!?」 「まあいい、連れてきてやるからそこで待ってろ」 「ゆ!おにいさんありがとうなんだぜ!!!」 カップの中でぴーぴー泣いている子れいむを拾い上げると、 おにいさんはすぐにゆっくり一家のもとへ戻ってきた。 「ゆゆ、おしょらをとんでりゅみちゃい!!」 「おにいさん、おちびちゃんをたすけてくれてありがとうなんだぜ!!!」 「なぁに、礼には及ばないさ。さて」 おにいさんは子れいむを少し強く握り始める。 「ゆびゃあああああああ」 「ゆっ、おちびちゃんがいたがってるんだぜ。はやくおちびちゃんをはなしてね!!!」 「だからなんでお前に指図されないといけないんだ?」 「ゆ!?」 子れいむを握る感触を存分に楽しむおにいさん。 一方で子れいむは、握られる度に大きな悲鳴をあげている。 「ゆげあああああああああああ」 「はやくやめてあげてね!!」 「いやだ」 「ゆっ、お゛にいさんはどうじでそんなごどする゛の?」 「一回ウィニングボール投げるの真似してみたかったんだよなぁ、そーーーれっ」 おにいさんが投げた子れいむは、見事な放物線を描きながら その先にある池にポチャンと落ちた。 いくら落ちたのが池とはいえ、かなり高いところから落ちたので 着水した瞬間に子れいむは破裂していることだろう。 「おちびちゃんになんてことするのぉおおおおおお」 「なにがあったのまりさ?」 「あのおにいしゃんはゆっくちできにゃいよ」 「ゆっくちにげりゅよ!!」 「ゆゆ?まりちゃをおいていきゃにゃいでにぇ!!」 子ゆっくりたちはバンカーの砂の上をもぞもぞと動き、足をとられながも逃げようとする。 だが、そもそもバンカーから出られないからおにいさんに助けを求めたのだから、 そんなゆっくりたちがおにいさんから逃げられる訳がない。 「さて次は、特に丸っこいコイツがいいな」 「ゆゆ!おしょらをとんでるみたいだじぇ!!」 一番丸々と太った子まりさがバンカーの外に出された。 「ゆ!おちびちゃんがおそとにでられたんだぜ。おにいさんありがとうなんだぜ!!」 「しーーーーっ!ショット前はお静かに」 「ゆゆ?おにいしゃんゆっくちしちぇ」 ビュン 「びゅっ」 「ナイスショット!」 「ゆ?おちびちゃんどこにいったんだぜ?」 ゆっくりたちが認識できないくらいの速さで、子まりさの体は四散した。 お兄さんの握ったクラブのフェース(ボールを打つ部分)には、小さな小麦粉の皮がペタっとくっついていた。 「おちびちゃんは星になったのさ」 散った餡子は無数の黒い塊となり、流星群のように地面へ降り注いでいく。 「ゆ、なにかとんできたよ。ぺーろぺーろ、ゆゆっ、これはあまあまさんだよ!!」 「あまあましゃん?」 「ぺーりょぺーりょ、し、しあわしぇええええ」 子ゆっくりたちは、今まで味わったことの無い至高のあまあまの味に魅了され、 口の中をむずむずさせながらも、砂の上に散在する餡子を夢中で舐め始めた。 「おにいさんがあまあまさんをくれたんだね!おにいさんありがとうなんだぜ」 「本当にどこまでもめでたいやつらだ。さて今度はパットの練習でもしようかな」 バンカーの中にいる子れいむを一匹ひょいっと持ち上げ、グリーンの上に置く。 おにいさんは今度はパターを持ち、ラインを読むフリをする。 「このグリーンは順目だからフックして・・・ああよく知らないけどまあいいや」 「おにいしゃんもっちょあまあましゃんちょうだいにぇ!!」 「よっと」 「ゆびゃ、ゆぴいいいいいちゃいよぉおおおこーりょこーりょしゅりゅよ!いちゃいよぉおおおこーりょこーりょ」 「にぎやかなやつだ。おお、でもいいとこいった。入るか入るか!!ああ惜しい、あと少し左だったか」 ゆっくりなど、グリーン上をどれくらいの速度で転がるか想像もつかないのに おにいさんは一発でその感覚を捉えることができた。 ゆっくりを使ったボールでなら、おにいさんはプロゴルファーを目指せるかもしれない。 ただ、パター以外で打つと簡単にボールが潰れてしまうのが残念な点だ。 「おちびちゃんのひめいがきこえるよ」 「次は親ゆっくりと子ゆっくりのコラボでいくか」 バンカーの中にいる親れいむと子れいむを持ち上げ、 親れいむの頭に木製のティーを刺してから、芝の上に置く。 「ゆぎゃっ、なんだかちくっとしたよ」 そしてティーの上に子れいむを乗せる。 「ゆわーい!れいみゅはおきゃーしゃんにたきゃたきゃいしてもらっちぇるよ!!!」 「ゆぎぎいちゃい。ゆぎゃ、おちびちゃんうごかないでね!!おちびちゃんがうごいたらいたいいたいになるんだよ!!!」 「ゆ?れいみゅはどこもいちゃくにゃいよ?」 「おちびちゃんじゃなくてゆぎゃっ、だからうごかないでっていってるでしょ!!」 「茶番はそのくらいにして、お静かに」 「たきゃいたきゃーーーぶっ」 「ゆげえええええええ」 「あらら、大きくダフッたな。失敗失敗」 おにいさんが振ったドライバーは 子れいむを消滅させ、さらにはティーごと親れいむの顔の一部を吹き飛ばした。 親れいむの顔は、頭から額そして眉間にかけてドライバーの形に沿ってえぐれている。 えぐれた部分からは、体内の中枢餡がちらりと姿を見せている。 「れ、れいむーーーーーー!!」 「ゆがあああああああいちゃあああああああいいいいいいい」 目に砂が入ったときとは比較にならないほどの痛みが親れいむを襲う。 「まあああああありいいいいいざああああああああ」 「れいむしっかりするんだぜ!!まりさがたすけてあげるんだぜ!!」 「いじゃあああああああいいいいいい」 しかしバンカーから抜け出すことのできないまりさには、れいむに対して何をしてあげることもできない。 まりさはただ、苦しみ続けるれいむの姿を見届けるしかなかった。 「無力だな」 「ゆ!?」 「お前は自ゆんの家族を一匹たりとも救うことができない」 「そんなことないよ!れいむはまりさがたすけてあげるんだぜ!!!」 「そうか、じゃあお前に何ができるか見せてもらおう」 バンカーの中にいる4匹、グリーン上のカップ傍にいる1匹、計5匹の子ゆっくりを芝生の上に並べる。 最初は8匹いた子ゆっくりだったが、3匹おにいさんが殺したのであとは5匹しか残っていない。 「ゆ?おにいしゃんあまあましゃんくれりゅにょ?」 「とっととあまあましゃんよこちてにぇ!」 「あまあましゃんくれにゃいとぷきゅーしゅりゅよ!」 「おにーしゃんはゆっくちできにゃいにんげんしゃんだよ、みんなにげりゅよ!!!」 「にゃにいっちぇるのじぇ、おにーしゃんはみんにゃにあまあましゃんをくれりゅんだじぇ」 パターで叩かれた一匹だけは、おにいさんに痛いことをされたのを覚えているようだが、 それ以外の子ゆっくりはあまあまがもらえると期待し、体を伸び縮みさせながらそわそわしている。 「さあ、お前の大事な大事な子ゆっくり。早くしないと減っていくぞ。ひと~つ」 パシュ 「ゆゆ!あまあましゃん!!!」 「あまあましゃんがおしょらからふってきちゃよ!!!」 「あまあましゃんおいちいいい!!!」 「やっぱりおにーしゃんはゆっくちしちぇりゅのじぇ!!」 「まりさのおちびちゃんがあああああああ」 おにいさんは、今度はゆったりとクラブを振ったので 子ゆっくりがクラブに潰されてしまったことを、まりさははっきりと理解できた。 しかし依然として、子ゆっくりたちは空から降るあまあまに夢中になっている。 「おにいさんこれいじょうはやめてね、ゆっくりできないよ!!!」 「やめて欲しいなら力で何とかしてみろよ」 「ゆううう・・・おにいさんゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「むだむだ、俺に説得は通用しない。ふた~つ」 ザシュ 「どうじでおにいさんはゆっくりしないの?もっとゆっくりしてよぉおおおおおお」 最初は強気だったまりさのだぜ口調は、もうすでに哀願の口調になっている。 しかしどんなに口調が変わろうとも、おにいさんの心は動かない。 「またあまあましゃんがふってきちゃよ!!」 「あまあましゃんがいっぱいでとちぇもゆっくちできりゅね!!」 「ゆぷぅ、れいみゅはもうおなきゃいっぱいだよ」 「み~っつ」 「ゆあああああああああああああああ」 ブシュ 「あまあましゃん♪あまあましゃん♪」 「おきゃーしゃんもこっちにきていっしょにあまあましゃんたべようよ」 「どぼぢでお゛に゛いざんはごんな゛ひどい゛ごどずるの゛?」 「なぜって?それは・・・・・・」 「おにいさんはゆっくりはんせいっしてね!!」 「おまえらがゆっくりだからだ」 「ゆ!?」 「よ~っつ」 ゴシュ 「あまあましゃんたべほうだいぢゃよ!!」 「おねがいだからやめてね。まりさたちはただゆっくりしたいだけなんだよ」 「そうかもな」 「そうだよ!!だからこれいじょうまりさたちにひどいことするのはやめてね!!!」 「だが、俺もお前らを虐めてゆっくりしたいだけなんだよ」 「ゆゆ!?それじゃまりさたちはゆっくりできないよ!!」 「別にいいじゃないか。お前らがゆっくりできなくても、「俺」はゆっくりできるんだから」 「どぼぢでぞんな゛ごどいうのぉお゛お゛お゛ま゛りさたちだっていぎでるんだよ!!!」 「お前らが生きてるだと、はは」 「どうじでわらうのぉお゛お゛お゛」 「だっておまえら」 「ゆっくりだっていきてるんだよぉおおおおおおおおお」 「大半がもう死んでるじゃん」 「ゆ!?」 「そしてお前もすぐに死ぬ。はい、いつ~つ」 ボシュ 「さて残りはお前と、放っておいても死ぬあいつだけだ。あ、そういえばさっき、あいつを助けるって言ってたな」 「ゆ!そういえばれいむ!?れいむだいじょうぶ??」 「ば・・・・でぃ・・・・・・・っざ・・・・・・・」 「この状態で助けられるんだろ?お前の力で何とかしてみろよ。 ちなみに言っとくが、俺は物理的にこいつを助けることはできない。どちらにしろ助けようとも思わないが」 おにいさんはまりさの体をひょいっと持ち上げ、重症を負ったれいむの前に置いてやる。 「れいむ、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「も・・・・・っど・・・・・・ゆっぐじ・・・・・じだがっだ・・・・・よ」 「ぺーろぺーろ、ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 「・・・・・・・」 「ゆっくりしていってね!!!れいむはゆっくりしていってね!!!ゆっくりしていってね!!」 まりさの訴えかけも虚しく、れいむはその後何も喋らなくなってしまった。 「やっぱり口先だけだったようだな。出来もしないのに大言を吐くんじゃねぇよ、ほら」 おにいさんは手に持ったアイアンを4、5度れいむに叩きつける。 するとれいむの姿は見るも無残な、ピラピラした皮の破片になってしまった。 「れいむうううううううううう!!!」 「ついでにお前も」 「ゆぎゃ、いだいよぉおおおおおおおお」 「そりゃアイアンで頬を殴ったら痛いだろうな」 「やめてよゆっくりできないよ」 「その言葉は聞き飽きた。もっと別の悲鳴を聞かせてくれ」 「おにいさんゆっくりしてね!!それからまりさをゆっくりさせてね!!」 「だめだこれからお前は死ぬんだ」 「いやじゃあああああゆっくりしたいよおおゆぶっ、うがあああああああああ」 おにいさんの振ったアイアンのフェースは、まりさの左頬から斜め下へ入り、 底面を削って右頬から真横へと抜けていった。 中枢餡は損傷を免れたものの、 シャフト(棒のところ)の部分はまりさの下顎を根こそぎ剥がしていった。 「次はどんな悲鳴を聞かせてくれるんだ?んん?ほら」 「びゅ、びゅえええええええええ」 2度目のアイアンはまりさの顔面に斜めから入り、 左眼球と上顎を真っ二つに裂いた。 「痛いか~?痛いのか~~~??」 「ゆううううううううう」 3、4度目のアイアンはわざと空振りさせ、 5度目のアイアンはまりさの頭の帽子に直撃し、帽子は数mほど前方に飛んでいった。 「さて最後はとっておきだ。この特大ドライバーで盛大に葬ってやろう」 「ゆああああああああああああああああ」 「派手に散れ」 ドシュッ ビルの屋上から地面へスイカを落としたように まりさの餡子は周りに激しく飛び散った。 小さな餡子の粒は、時間差で地面に落下していく。 表面の皮はドライバーのヘッドに絡みつき、 その皮には少量の餡子の残骸がへばりついていた。 ほんの30分前までは、平和に眠るゆっくり一家が10匹ほどこの場所にいたのだが、 この時点でゆっくりの形を留めた物はもう、ゆっくり一家の遺留品である10ヶのお飾りしか残されていない。 ゴルフ場でゆっくりと戯れたおにいさんは できる限り餡子の塊とゆっくりのお飾りを回収して、緑の上の汚れをクリーンにした後、 +10という数字をスコア用紙に書き込んでその場を後にした 鉄籠あき過去の作品 ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/1213.html
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2951.html
『ゆっくりまりさのサプライズ 前編』 29KB 愛で 思いやり 愛情 自業自得 差別・格差 育児 番い 飼いゆ 赤ゆ ゲス 都会 現代 愛護人間 うんしー まりさのゆん生転落劇その1 CAUTION!!CAUTION!!CAUTION!! ※人間がゆっくりを虐待しません ※前編のみ愛護人間注意 ※書いた人:おおかみねこあき CAUTION!!CAUTION!!CAUTION!! 『ゆっくりまりさのサプライズ』 誕生日と言えば誰にでも訪れる年に一度のイベントだ。 無邪気な子供ならばプレゼントやケーキに胸を弾ませるところだろうが、 20代の半ばも過ぎれば特段面白い事が起こる訳でもないし期待することもない、 そんな僕の出生の日を出汁にして一杯引っ掛けようと提案したのは付き合いの長い幼馴染の友人だった。 仕事を早々と切り上げ、友人と合流し飲み屋を何件もハシゴして自宅に戻る頃には日付が変わる一歩手前の深夜、 少々遅くなってしまった事を後悔しつつ僕は足早に玄関の扉を開けると、 「おにーさんっ!おたんじょうびおめでとう!!」 開かれた扉から、すぐさま飛び込んできた聞き覚えのある甲高い声、 思わずおののいて一歩後ずさってしまうがその声の主が僕の飼いゆっくりであるまりさだと気付いてホッと胸を撫で下ろした。 まさか飼いゆっくりであるまりさに誕生日を祝う言葉が贈られるとは思いもせず、 驚きと感嘆を覚え、主人想いなまりさを撫でてやろうと僕は壁の照明スイッチを押した。 そこには――。 「ゆゆっ!あかるくなったよ!!ゆ!じじい、きょうかられいむがごしゅじんさまだよ! こんなにかわいいれいむをかいゆっくりにできるじじいはかんしゃしてごほうしするんだよ!! あまあまもたくさんよういするんだよ!!」 「れいみゅにもあみゃあみゃしゃんをちょうだいにぇ!きゃわいくっちぇごめんにぇ!!」 「ゆぅ、なんだかまりしゃねみゅいよ……すーやすーやしちゃいよ……」 想像を絶する光景が広がっていた。 ニコニコと夏の向日葵を彷彿とさせる明るい笑顔のまりさの横に、憎たらしく貧相な捻くれ顔をこちらに向ける成体のれいむ、 腹の部分がどっぷりと膨れ妙なくびれを外輪に現しているその風貌と、汚らしい言葉使いから察するに所謂『でいぶ』と認定される種であるのが分かる。 そして2匹の前にプチトマトより一回り大きな赤ゆっくりサイズのまりさとれいむがそれぞれ1匹づつ、 元気に跳ね回っているれいむとうつらうつらと重い瞼を必死に起こして佇んでいるまりさが並んでいた。 僕はいつの間にか我が家に上がり込んでいるゆっくりたちの姿とその分かり易すぎる経緯を想像して言葉を失った。 「おにーさん、しょうかいするよ!まりさのおよめさんのれいむとおちびちゃんだよ!!」 僕の内部で渦巻く懸念など露知らずまりさは嬉しそうにでいぶと子供達を紹介し始めた。 「きょうはおにーさんのたんじょうびだから、まりさはおにーさんのためにゆっくりできるおちびちゃんをつくったよ! おにーさんみてみて!ゆぅーん、おちびちゃんはとってもゆっくりできるよ!!」 しかめっ面の僕とは対照的に赤ゆっくりと頬を擦り合わせ、幸せそうにすーりすーりして顔をにやつかせるまりさ。 (そうか、そうだったのか……ここのところ毎日ご飯を食べ終わった後に外出していたがこういう事だったのか……) はぁーと大きく溜め息をついて、最近のまりさの様子を思い返した。 誕生日の話題を出したのは約一ヶ月くらい前のことだったか、その時のまりさは何か言ってなかっただろうか、そうだあれは確か。 『まりさとってもいいことをおもいついたけどおにーさんにはひみつだよ!ゆふふ、たのしみにしててね!』 あれはフラグだったのか、選りにも選って誕生日という特別な日にこんな気持ちにさせてくれるとは。 がっくりと項垂れた僕はまりさの家族とやらに視線を落として舌打ちすると、靴を乱暴に脱ぎ捨て大股でゆっくりたちを跨ぎ台所に向かった。 残されたまりさは称賛や賛美の言葉を仄かに期待していたのか無反応な僕を見て不思議そうに小首を傾げて唸り、 不愉快を上塗りした表情のまま足音重く響かせ背を向ける僕の姿を追ってトコトコと足早に付いてくる。 「ゆぅ……おにーさん?……どうしたの?まりさのおちびちゃんをみてね、とってもゆっくりできるよ……」 僕が怒っているのに気付いたのだろう、まりさは上目遣いに様子を伺いながら引き攣った笑顔を浮かべている。 帰宅が遅くなったお詫びにまりさと翌日に食べようと思いコンビニで購入した、エクレアとチーズケーキの入った袋をテーブルに乱暴に置き捨て、 棚に置かれたコップを手に取り水道の蛇口を捻る、水を張ったそれを片手で持ったまま居間に入るとソファーに体重の全てを預けた。 キュッと喉を絞って水を飲み干し酔いを醒まさせる、ふと視線を横にやれば台所と居間を繋ぐ境のガラス戸から僅かに顔を覗かせたまりさが佇立している。 「どれいとのつらあわせもおわったかられいむはすーやすーやするよ!くそどれいはあしたかられいむをゆっくりさせるんだよ!!」 「ゆーん、まりしゃもうねむいよ……しゅーやしゅーやしゅるよ……」 空気を読んでいない、ある意味で最もゆっくりらしいでいぶと赤ゆっくりたちは勝手に僕の愛用の座布団の上を陣取ると、3秒で鼾をかき始めた。 あまりの傍若無人っぷりに捻り潰したくなる衝動をぐっと堪えて僕は未だに押し黙ったままガラス戸の向こうで立ち尽くすまりさを手招きして呼び寄せた。 「お、おにーさん?……」 恐る恐る近寄ってきたまりさを僕はひょいと掴み挙げると、居間のローテーブルに乗せた。 普段からローテーブルには乗り上げてはいけないと教え込んでいるので、まりさは不安げにきょろきょろと辺りを見回して落ち着かない様子だ。 僕はジッとまりさの寒天の瞳を凝視して、率直になるべく平静を装うよう心掛けて尋ねた。 「どうして子供なんか作ったの?」 「ゆっ?おにーさんきいてね!おにーさんのたんじょうびにあわせたさぷらいずさんだったんだよ! まりさはこのひのためにがんばってれいむとすっきりー!しておちびちゃんをつくったんだよ! でもおにーさんなんだかぷんぷんしてるよ……おにーさん、どうしてなの?」 無垢で穢れを知らない円らな瞳が僕を注視してうるうると湿り気を帯びる。 想像通りの回答を聞かされて泣きたいのはこっちの方だと内心で悪態も吐きながらも、僕はまりさを叱り付ける気になれなかった。 それには訳がある、まりさとの付き合いは長くまりさがどういう性格なのか良く分かっているからだ。 まりさはサプライズだと言ったがその言葉に恐らく偽りはない、僕との信頼関係は厚く本意で喜ばせたいと思ったのだろう。 お帽子の銀バッジが示す通り知性は他の個体と比べれば良く素行も大人しい性格なのだが、まりさは致命的に要領が悪い、 張り切れば張り切るほど空回りするタイプであり、今回の一件も、 『他ゆんとのすっきりは駄目』という約束を『僕を喜ばせたい』一心から、優先順位が切り替わってしまった事で生まれた結果なのだろう。 思い込んだら前しか見ない純粋さこそがまりさの一番のチャームポイントであるが、今度ばかりは挽回できる失敗という訳にいかない。 とにかく先々の事を考えなければならない、いや、まずはまりさと話を進めるのが先決か。 「僕が怒っているのはまりさが約束を破ったからだよ、まりさ、僕は野良ゆっくりとすっきりーしちゃ駄目だって何度も教えたよね?」 「ゆぅ……まりさもいけないとおもったんだよ!でもおにーさんをいちばんゆっくりさせるにはおちびちゃんしかないとおもったんだよ!」 まりさにとっては苦肉の策だったようだ、過ぎた愛情が愚行を促したかと思えば可愛いものだが……。 「……まりささえ居てくれれば僕は十分ゆっくりできるよ、他のゆっくりなんて必要ないんだよ」 「どおじでっ!?おにーさんっ、どうしてそんなこというの?まりさのおちびちゃんはとってもゆっくりできるんだよ!」 「どうして……か、そうだなぁ……前にやってたCMを見た時、まりさは自分の子供が欲しいって言ったよね、その時に僕が言った言葉は覚えてる?」 ちょっと前に携帯電話のCMにマスコットキャラクターとしてゆっくりの一家が起用されていた時期があった、 まりさと一緒にそれを見ていた時、まりさは切望する眼差しで番と子供が欲しいと願い出た事があり、 そんなまりさに僕は育児の大変さを諭し、人間とゆっくりの関係を説いた上で内に抱いた期待を手放すよう促したのだ。 「いいかい、人間にとって多過ぎるゆっくりは毒なんだ、まりさ1匹分のゆっくりなら人間はとってもゆっくりできるけれど それ以上のゆっくりは僕ら人間を病気にしてしまうかもしれないんだよ」 これはゆっくりを飼う人間側の世話の大変さを訴えた比喩である、 衣食住の用意にそれなりに金銭面で負担が掛かる事をまりさが理解できる様に説明するよりも、この方が手っ取り早く刷り込むのが容易なのだ。 僕の言う病気の例えは、ゆっくりの世話に掛かる肉体及び精神面の負担の重さを大袈裟に訴えたものである。 無論世の中にはゆっくりの一家を丸々飼うだけの余裕がある人々も居るだろうが、 あくまで僕の尺度で説明しなければ都合よく考えてしまう餡子脳が良い方へ良い方へと解釈してしまうので省略せざるを得ない。 「そんなことないよ!おちびちゃんがいればおにーさんはきっといっぱいゆっくりできるよ!」 それでもまりさは自分の意見を曲げようとしない、僕は半ば呆れながらも違う切り口でまりさを説き伏せる。 「仮にゆっくりできたとしてもだ、まりさとれいむとおちびちゃんを僕はどう養っていけばいい?」 「ゆっ……やしなう?」 「そうだよ、まりさは知っているね。僕がお外で仕事……じゃなくて狩りをするのが下手なんだ、 どんなに頑張っても、どんなにゆっくり出来てもまりさのご飯を用意するのが精一杯なんだよ」 「じゃ、じゃぁ、おちびちゃんのごはんさんは?」 「当然用意できない」 「それじゃあゆっくりできないよ!!」 声を荒げて泣きべそを掻くまりさ、実際には生活を切り詰めさえすればまりさも子供達も含めた餌の用意ができない訳ではない、 意地悪な諭し方ではあったがまりさに事の重大さを理解してもらう為にあえてそう突っ撥ねたのだ。 「そう、だから僕は何度も言ったんだよ。野良ゆっくりとすっきりーしちゃ駄目だって……まりさ、分かってくれたかい?」 「ゆぐっ……ゆぐっ……おにーざんっ……まりざっ、わるいごどしじゃっだの?……」 目元から頬、あんよを掛けて一筋の砂糖水を垂れさせながらまりさは漸く仕出かした事の重さを見知したようだ。 泣き崩れて唇を噛んでいるまりさを見ていると、僕はどうしても感情に任せて怒声を張り上げる事ができなかった。 もう彼是1年程の付き合いになるまりさに情を見出すのは当たり前だ。 身勝手な行動だったとは言え罵倒して潰すなんて真似は当然できかねない。 「とにかく今日はもう晩い、僕が解決策を考えておくからまりさは休みなさい」 「おにーざんっ……ごめんなざいっ……まりざはっ……!」 「分かった分かった、大丈夫だから心配しなくていいよ」 そっとまりさを持ち上げローテーブルから床に置いてやると、僕は立ち上がり居間の電気を消して部屋を出て行く、 どっと疲れが滲み出し、風呂に入るのも省いて僕は寝室に入りベットに横たわった。 思考は未だにフル回転している、これからの事を考えると目まぐるしく色々な予測が過ぎっていく。 (……はぁ、なんて誕生日だったんだ……もう疲れ果てたよ……) 僕の憂鬱と同調するかの様に、夜は闇は徐々に更けていった――。 ――――――――――――――――― 「ゆびぇえ”ぇえ”え”え”え”んっ!!おちょーじゃん、うんうんしゃんとっち”ぇよぉおおお!!!」 翌朝は最悪の目覚めだった。 寝室にまで響く赤れいむの泣き声に僕はまどろんだ夢の中から強制的に引き起こされた。 上着は脱いだもののシャツとズボンはそのままで眠ってしまった為、締め付けられた感覚が強く妙に身体が重い。 上瞼の筋肉に動け動けと何度も命令をする傍ら、起き上がった僕はボリボリと後頭部を掻き毟りながら居間に入室する、そこには。 「お、おにーさんっ!まりさのおちびちゃんがたいへんなんだよっ!」 「ゆっくちしないじぇとっちぇよぉおお!!!うんうんしゃんがくちゃいよぉおおお!!!!」 視線を落とせば、カーペットの上で赤れいむがうんうん塗れになっていた。 近くに捻り出したうんうんの粕が散乱していることから、上手く用を足せず身体にうんうんを引っ付けてしまったのが伺える。 赤れいむの横にはオロオロと困惑した顔で右往左往するまりさが僕に救済を求める視線を送っている。 一方もう片方の親であるでいぶはこの騒音にも関わらず未だに座布団の上で涎を垂らして熟睡していた。 「……うんうんか……どうしたの?うんうんの処理は親の務めだよ……」 「まりさはなんどもおしえてるのに、おちびちゃんはてっしゅさんをつかってくれないんだよ!」 まりさの言葉を聞いて僕の眉が無意識にぴくりと動いた。 テッシュ?そんなものが赤ゆっくりに使いこなせる筈がない、一体どういうつもりなんだ。 「おちびちゃん、まりさをみならってね!ゆかにしいたてぃっしゅさんをおしりにあわせてすーりすーりするんだよ!」 「そんなことじぇきないにきまっちぇるでしょぉおおお!!ゆっぐりじないでうんうんしゃんとっちぇよぉおおお!!!!」 「もんくをいわないでね!まりさのいうとおりにしてね!!」 赤れいむの喚き声に半ば激昂気味にまりさは床に敷いたティッシュを押し当てようとしている。 そんな乱暴な姿のまりさを見て僕は慌てて押し止めた。 「ちょっと待ったッ!まりさストップッ!!赤ゆっくりはティッシュなんて使えないよ!」 「ゆっ!?そうなの?じ、じゃあどうすればいいの?おにーさん……」 「親の舌でうんうんを舐めて取り除いてあげるんだよ。まさかとは思うけど……まりさ、知らないの?」 「うんうんさんをなめるなんてきいたことないよ!そんなきたないことできるわけないよ!!」 僕は愕然とした、まりさにはまるで親として本来持つべき知識がなかったのだ。 飼いゆっくりとしてよく教育された成果とも取るべきかもしれないが、まりさの餡子には育児のカテゴリーが欠如しているらしい。 よくもまぁこんな状態で子作りを決心をしたものだ、無計画にも程があると、胃に僅かな痛みを感じながら僕はまりさに問い質す。 「いいかい、まりさがおちびちゃんだった頃、誰がうんうんを処理してくれたのかゆっくり思い出してごらん」 「ゆっ……ゆぅー……」 珍しく額に皺を寄せ餡子の中に詰まった思い出探しをするまりさ、その顔が徐々に青くなっていくと唇を震わせながらまりさは顔を上げた。 「ゆっ!!ま、まりさのおかーさんも、まりさの、まりさの……うんうんさんをなめ……なめてたよっ……」 「そういうことだよ。分かったられいむの身体を優しく舐めてあげるんだよ」 顔面蒼白で眉をくの字に折り曲げてまりさは僕と赤れいむを交互に見渡すと、 新聞紙をくしゃっと丸めたように表情を歪ませ、まりさは唐突にあろう事かわんわんと泣き始めた。 「まっ、まりざにはでぎないよぉお!!!うんうんざんをなめるなんでいやだよぉおおお!!!!」 「ゆべぇええええぇえぇええん、ゆっきゅりしないじぇれいみょのうんうんざんをなめちぇよぉおおお!! れいみゅをゆっきゅりさせないぐじゅおやはゆっきゅりしないじぇちねぇ!!!」 まりさの駄々に僕はげんなりと溜め息を吐いて首を垂れる。 同様に赤れいむのストレスは臨界点近くにまで到達しているらしく、そのシグナルとなる親に対する暴言が飛び始めている。 僕はティッシュを右手に持つと空いた左手で赤れいむを持ち上げ丁寧に体中を拭き取ってやった。 ようやくうんうん地獄から脱した赤れいむは徐々に落ち着きを取り戻し、さっきまでの表情を一変させ暢気な阿呆面を小麦粉の表面に浮かび上がらせた。 「ゆっきゅりしゅっきりー!!」 「……はぁ、これで一つ選択肢が消えたか」 僕は今後のまりさとでいぶ、そしてその子供達の行く末を幾つかの選択肢として案を講じていた。 その一つが家族を纏めて飼いゆっくりにする事、昨日はまりさに辛く当たったが飼い主である僕も、 野良ゆっくりとすっきりするのは駄目だとまりさにしっかり教育を施せなかった非に当たる部分があるのではと思い直し、 金銭的に少々厳しくなるものの飼い主の責任を履行すべく、まとめて引き取る道を選択肢に加えたのである。 しかし親としての自覚が欠如したまりさの潔癖具合を見てそれが無理だと確信してしまった。 僕は仕事があり日中は家を空けているので、その間、赤ゆっくりたちの世話はまりさとでいぶに任せるしかない、 だが親であるでいぶの体たらくは無論のこと、まりさもうんうんの処理を碌にこなせない様であれば、 僅かなハプニングで命を落としかねない貧弱な赤ゆっくりの面倒を見るなど到底不可能な話だ。 不幸な結果に終わるのが目に見えている以上、この選択肢は除外するしかないようだ。 「さて、どうしたものか……」 ソファーに腰を下ろし思案を巡らせていると、寝ていた赤まりさも起きたようで赤れいむと一緒になって姉妹は遊び始めた。 僕は目覚めのコーヒーを啜りながら、はしゃぎ回っている赤ゆっくりを横目に他の選択肢を模索していく、 既に幾つか案を搾り出したがどれもこれもパッとしないものばかりだ。 最初に考えた案は『平時でも面倒が見れる人に飼ってもらう』ことだった。 しかし銀バッジゆっくりでも手頃な値段で買える時代に、野良のでいぶとその子供を育てようなんて物好きは滅多にいないだろう、 携帯電話のアドレス帳と睨めっこしても該当しそうな知人や友人が到底見つかるとは思えないので却下する他なかった。 次に考えた案は『家族全員を森に連れて放つ』ことだった。 元々でいぶは野良のゆっくりであるし、赤ゆっくりもまだ舌を肥えていない、飼いゆっくりとしての生活に慣れきったまりさには辛いかもしれないが、 森住まいの野生ゆっくりが作る群れの一員に加えてもらえば、他のゆっくりの手を借り子育ても狩りによる食料確保も難しい話ではなくなるだろう。 これが一番妥当かと思えたが残念ながら穴があった、どうも最近の法改正でゆっくりを自然に帰す事が軽犯罪にあたるようになったらしく、 理由は諸説あるが、森のあちこちに巣を作って荒らし尽くす無法者っぷりが目に余り、その絶対数を増やさせない為の措置としてのようだ。 近年、自然保護団体が富士の樹海の入り口に立てた自殺志願者向けの看板『東京で死ね!森を汚すな!』と一緒になって 『ゆっくりは潰して持ち帰れ!森を汚すな!』と殴り書きされた文字が並んで立っているほど問題は深刻化しているらしい。 法律に触れて前科者になるのも然る事ながら、人様に不快な思いをさせる訳にはいかないのでこの選択肢も除外するしかなかった。 そしてたった今考えた案は『でいぶを加工所送りにして新しい親ゆっくりを買う』ことだ。 飼う事を前提にして、どちらも子育てに不向きとあらばいっその事、 でいぶを加工所で処分してもらい、育児に積極的なゆっくりをまりさの新しい番にさせるという我ながら胆略的な発想から生み出した案だ。 僕が幾ら愛で派のお兄さんとは言え、このでいぶにまで愛着を持つ程のお人好しではない、 口も悪くゲス化しており尚且つ『でいぶ』とダブル役満状態のこれよりも、 温厚なゆっくりありすか母性の強いゆっくりれいむを新たに新調すれば赤ゆっくりたちの未来は開けたものになるだろう。 だがよくよく考えてみれば、少なくとも赤ゆっくりたちにとって、どんなにでいぶだろうと産みの親に変わりはない訳で、 子供達の為とは言え都合で親を取り替えるのは聊か横暴が過ぎるのではないかと、どうしても思い悩んでしまう。 「うーん……」 僅かに額が熱気を帯びるくらい思索にふけていた僕は、呑み干したコーヒーのカップをローテーブルに置いて溜め息をついた。 ふと横を見れば赤ゆっくりの姉妹に混じってまりさも一緒にピンポン玉を追い掛けている。 「ゆびぇええん、おちょーしゃんばっかりじゅるいよぉおお!!」 「れいみゅにもぴんぽんしゃんちょうだいよぉおおお!!!」 「まりさのかれいなどりぶるをみてね!ゆっくりしゅーとするよ!!」 泣きじゃくって必死にピンポン玉を追い掛けている赤まりさと赤れいむを他所に、まりさは一匹でボールを独占し転がしている。 そのまりさの顔は心底楽しそうに笑っているものの赤ゆっくりに対して手加減をしピンポン玉を渡してやる気配りの無さが、まりさの心持の無さを如実に現していた。 飼っている当時は気にもしなかったが親になり子を持ったまりさを傍目から見ていると、まりさは随分と幼稚な姿をしているんだと感じ取れてしまう。 本当にどうして子供なんて作ってしまったのか、目を伏せて肘で頭を支えながら僕は項垂れた。 (そういえばいつだったかテレビのドキュメンタリー番組で飼いゆっくりをどうしても手放さないといけなくなった飼い主の話をやっていたっけ。 こんな風に彼が悩み抜いて出した結論はなんだったか、あっ、そうか。) 僕はノートパソコンを取り出すと該当のページを開いて要項を閲覧していく、流すように読んでは今の現状と照らし合わせ僕は大きく頷いた。 これなら家族を引き離す事無く当面の問題は片付くだろう、まりさには少々辛い思いをさせてしまうかもしれないが……。 「まりさ、ちょっと話があるんだが」 「ゆっ!おにーさん?どうしたの?」 なるべく丁寧にまりさにも納得出来るように僕は一つの案を提示した――。 ――――――――――――――――― まりさを買う時に付属した透明な箱にでいぶと赤ゆっくりたちを入れ、3匹を押し込んだ箱を抱えた僕と足元に寄り添うまりさは玄関の前に立っていた。 透明な箱に入ったでいぶは揉み上げをピコピコと上下させ、たっぷりと蓄えた顎や頬の肉を盛大に歪ませ、憎たらしくこちらに向けて何か訴えている。 赤ゆっくりたちは『お空を飛んでるみたい』とでも言っているのだろうか、姉妹で顔を合わせて楽しそうに笑っていた。 「まりさ、そろそろ行くよ」 「ゆー……」 一方まりさは玄関の前で立ち尽くし我が家を惜しむ様に見上げては、その瞳を潤ませていた。 無理もない、もうここに戻ってくる事はないのだから、だがいつまでもこうしては居られない。 僕はまりさの視線に合わせる為に膝を折ると、目尻に涙を溜め込んだまりさと眼を合わせた。 「名残惜しいのは分かるけど、もう出発しないと……ね。まりさ?」 「……わかってるよ……」 庭の花壇に咲き誇るパンジーとビオラの花々がまりさの視線の先にあった。 それは夏の中頃に僕とまりさとで植えたものだ、今では立派に黄と紫の色々が風に靡いて揺れている。 まりさは最後にもう一度だけ家屋を見渡しくるりと振り返った。 「さぁ行こうか」 「……ゆぅ」 でいぶと赤ゆっくりを詰めた透明な箱を持ち、リュックサックを背負い僕は歩みを進める。 まりさも僕の背中を追い、力なく跳ねて後に続く。 (本当にこれでよかったのだろうか……) 目的の場所を目指して進む僕は拭いきれない気持ちを抱え込んだまま徐に空を見上げる、雲が遥か高くに浮かんだ秋の景色が見える。 僕は最終確認の意を込めて再び自問を繰り返す。 ただ単純に物を考えれば以前の生活に戻す事を優先し、赤ゆっくりとでいぶ共々加工所に引き取ってもらえば良い話だった、 だがまりさは僕の誕生日を祝って赤ゆっくりを作ったと言った、偶然ではなく必然としてこの世に生を受けた赤ゆっくりたちを 僕らの都合だけで処分するのはどうしても納得できない、心情や感情の問題ならば非情になりきれない飼い主である僕の責任かもしれないけれど。 正直言ってまりさを手放すのは惜しい、だがそれ以上にまりさの子供達を無為に殺してしまうのがもっと惜しい。 やはり何度思い直してもこれ以上に最善の策は浮かばない、赤ゆっくりには親の存在が絶対に必要だし、 まりさの幸せだけを考え家族を引き離す訳にもいかないし、『まりさと家族』の為にはこれしか方法がない。 ふぅっと息を吐いて視線を元に戻す、暫く無言のまま僕とまりさは歩き続けるとついに目的の場所に辿り付いた。 簡素な金網で囲われた緑地、中央に真新しい噴水が建っているここは近所の森林公園だった。 奥をぐいぐいと進んでいくと、開けた広場を見つける、そこには大勢のゆっくりが袋に空き缶を詰め込んでいる最中だった。 「あら、にんげんのおにーさん。こんにちわ、ゆっくりしていってね!」 1匹のゆっくりありすが僕に気付くと、軽く会釈して微笑んだ。 彼女のカチューシャには薄汚れた『街バッジ』が装着されている。 「こんにちわありす、いつもご苦労様。唐突にすまないけどここの長を呼んで来てくれないかい?」 「わかったわ、ちょっとまっててね」 ありすは僕の足元から顔を半分だけ覗かせたまりさを一瞥して、広場の中心に走っていった。 暫く待っていると、輪の中から数匹のゆっくりが現われて僕の前に姿を現す、 その中から街バッジと連なって長と描かれたバッジを帽子に付けたゆっくりぱちゅりーがおずおずと一歩前に踏み出した。 「むきゅー、ぱちゅりーがここのおさよ。おにーさん、なにかごようかしら?」 「悪いんだけど、まりさと……まりさの家族をここの仲間に加えてもらえないかな?」 僕が最終的に導き出した打開案は、まりさとでいぶ、赤ゆっくりたちを近くの街ゆっくりの一員にしてもらう事だった。 ここのゆっくりたちは役割を分担して仕事に従事しているので、何か困っても周りのゆっくりに手助けしてもらえるだろうし、 NPO法人が彼らを援助しており衣食住の不安は無く、街に巣食う野良ゆっくりとして見做されず処分されない等の利点があった。 定員に余裕がある事が大前提ではあるものの、銅バッジなら当ゆんと番まで、銀なら番と子供2匹まで、 金なら番と子供4匹まで、プラチナなら無条件という家族単位で条件が科せられるが、 幸いにもまりさは銀バッジで赤ゆっくりも2匹と条件をクリアしているので問題なかった。 「まずはばっじさんをみせてほしいわ」 流石は長というだけあって、ぱちゅりーはルールに順ずるべくバッジの提示を求めた。 僕は予めまりさの帽子から抜いておいた銀バッジを取り出すと、手の平にそれを載せてぱちゅりーに見せつけた。 「むきゅー、たしかにぎんばっじさんだわ。わかったわ、ちょうどおへやのあきもあるからだいじょうぶよ」 「そうか、すまないね……ほら、まりさ。これからここでお世話になるんだからご挨拶しないとね」 「ゆっ!?……」 足元に隠れていたまりさがおっかなびっくりに前に出る、広場の中心にいたゆっくりたちも野次馬心からか僕達を囲う様に続々と集まってきていた。 大勢のゆっくりの視線を浴びて、まりさは不安げに声を絞り出した。 「まっ、まりさは、まりさだよ……ゆ、ゆっくりよろしくね……」 まりさの覚束ない挨拶が終わるのを見計らい、僕は持っていた透明な箱の蓋を開けて中のでいぶと子供達を外に放ってやった。 どてんと顔面から着地したでいぶは顔を真っ赤にしてわなわなと震え上がりながら僕に向かって体当たりしてくる。 「くそどれいっ!!れいむをこんなうすぎたないところにつれてきてなんのつもりなの?ゆっくりしないでれいむをおうちにもどすんだよ!!」 僕はすかさずデコピンを額に食らわせると、でいぶが「ゆぎぃっ!!」と軽い悲鳴を挙げてのた打ち回った、 手加減はしたつもりだが、まるでサッカー選手のオーバーアクションのようにでいぶは痛みを訴えた。 「ゆぎいぃいい!!きゃわいいでいぶのびーてぃふるなおかおになにずるのぉおお!?ばいしょうせいきゅうするよ!!けーさつさんにつきだすよぉおお!!!」 「もう一発、てゐッ」 「ゆびぃいい!!!」 何度か押問答を繰り返しようやく静かになったところで、僕はでいぶの頭を軽くこついて街ゆっくりたちの方を向けさせた。 「お前を飼ってやることは出来ないけど、ここでの生活は保証されるんだから大人しく街ゆっくりにしてもらいなさい そもそも野良のお前が街ゆっくりにさせてもらうのはかなりの幸運なんだぞ、そこんとこ理解したら親としての責務をしっかり果たすんだよ」 「……く、くそどれいのぶんざいで……」 「まだデコピンが足りないかい?」 「ゆ、ゆひっ!?でこぴんさんはゆっくりできないよ!れいむはゆっくりりかいしたからやめてね!」 僕とでいぶのやり取りを見て顔を引き攣らせている街ゆっくりの面々に気にも留めず、でいぶは大柄な態度で前に出るとぶっきらぼうな挨拶を投げた。 「れいむはれいむだよ!うすぎたないところでれいむはふまんだけど、しょうがないからゆっくりさせてもらうよ!!」 続いて赤れいむと赤まりさも定型文の挨拶を済ませると、僕は改めて長ぱちゅりーに頭を下げた。 「すまないね、見ての通りまりさは僕との約束を破って子供を作ってしまってね…… 如何せん子供の世話も碌に出来なくて仕方なくここに連れて来たんだけど、どうにか面倒を見てやってくれないかい?」 「むきゅー、あんしんしておにーさん、ぱちゅりーがいちゆんまえのまちゆっくりにしてみせるわ!」 「ありがとう、感謝するよ……それからお詫びと言ってはなんだけど良かったらこれも使ってくれないか?」 背負っていたリュックを地面に置きジッパーを開いて僕は中身を取り出した。 長ぱちゅりーの前に並べたのはまりさのお遊戯道具や冬の衣類、餌皿に余ったお徳用ゆっくりフードなどだ。 次々と出てくる贅沢品の数々に街ゆっくりたちは感嘆の声を漏らし生唾を飲んでは食い入る様に見つめていた。 「これで全部かな、どれもまりさのお古なんだけどこの群れで活用してくれれば嬉しいよ」 「す、すごいわ!このぴんぽんだまさんはおちびちゃんたちのきょうゆうのゆうぐにできるわ! なんてことなのっ、すぃーまであるのね!これであきかんあつめもらくになるわ!!ふわふわさんもたくさんよ!! おにーさん、こんなにたくさんのものをもらっちゃっていいのかしら!?」 興奮気味に息巻く長ぱちゅりーを他所に僕は僅かに表情を曇らせると困ったように小さく微笑んで頷いた。 「ああ構わないよ」 今回の一件がこの結果に収まった以上もう僕はゆっくりを飼うつもりはない、言い換えれば飼い主としての資格がなくなったとものだと自覚している。 残しておいても処分が決まっている物ならばこうして有効活用してもらった方がいいだろう。 「さっそくむれのみんなにはこばせるわ!みんなーあつまってちょうだい!」 「まって!!まってよぉおお!!」 唐突に声を荒げたのはまりさだった、物凄い勢いでピンポン玉を長ぱちゅりーから奪うとスィーに乗せ、背に隠すように立ちはだかった。 「これはまりさのぴんぽんさんだよ!!まりさのすぃーさんもわたさないよ!! ぜんぶぜんぶまりさのものなのにどうしてこんなことするの!?ひどいよぉおおお!!」 「む、むきゅー……」 困惑する長ぱちゅりーを尻目に、周囲のゆっくりから自分の宝物を引き離そうと あれだけ駄目だと教えたぷくーっをして警戒するまりさ、僕は溜め息混じりにまりさをひょいっと持ち上げると顔を合わせた。 まりさの寒天の眼には砂糖水の涙が溜まっていて、それが滴り落ちないように堪え唇を歪めてプルプルと震えている。 「……まりさ、駄々を捏ねて僕を困らせないでくれ。もうまりさは特別じゃないんだ、これからは皆で助け合って生きていかなくちゃいけないんだよ……」 「そんなのしらないよ!!まりさのたからものはまりさのものだよ!!どおじでっ……どおじでっこんな……ゆぅううっ……」 「まりさ……」 「もうまりざはいやだよっ!!こうえんさんになんかすみたくないよぉお!!おにーさんといっしょがいいよぉおおお!! こんなところじゃぜんっぜんっゆっくりできないよぉおお!!なんでまりざがこんなめにあわなくちゃいけないのぉおおお!? もうおちびちゃんなんかいらないからまりさをおうちにかえしてよぉおおお!!!」 まりさの言葉に辺りは沈黙し、でいぶの横で笑っていた赤ゆっくりたちが表情を失くしてまりさを見上げた。 おちびちゃんなんかいらないから――。 その言葉が僕の鼓膜を刺激し発言の意味と重さを脳が理解した後、大きく右手を翳して僕は無意識にまりさの頬を叩いた。 パァンッ――。 周囲に乾いた音が響く、頬を赤くしたまりさはずれた視線を元に戻すと僕をまじまじと見つめて押し黙った。 あまりにも無責任なその態度に僕は嘗て一度たりとも出さなかった掌の手をまりさにぶつけてしまった。 嫌な感触が右手に残る、それでも僕はまりさを諭すため言葉を紡ぐ。 「まりさが親にならなかったら誰があの子たちを守るんだ!?自分の幸せの為ならまりさはあの子たちを見殺しにするのか!? もうまりさはあの子たちの親なんだぞ!!いい加減に自覚しないかッ!大人になれまりさ……いつまでも子供のままじゃいけないんだよ……」 「……ぶった……ぶったよっ!!おにーざんがまりざをぶったよぉっ!!おにーざんなんがだいっぎらいだよぉおおお!! ゆぶえぇえええんっ!!おにーざんなんがしんじゃえばいいんだよぉおおお!!!ゆうぇえ”え”え”え”んっ!!!!ゆぐぅっう!!!!」 「……」 「もうおにーざんのおがおなんがみたぐないよ!!おにーざんはまりさのことがきらいなったんだよ!! かいぬじのくぜにっ!!ひきょうものだよっ!!!おにーざんはひきょうものだよぉおお!!!!ゆぅううううっ……!!」 まりさの訴えに対して僕には反論の余地がなかった、幾ら言い訳を重ねたとして、こうして捨てる事実に変わりはない。 卑怯とは的を得た言葉だ、僕は僕自身の責任を放棄してまりさに厄介ごとの全てを押し付けようとしているのだから。 高まった感情が急激に冷やされていく感覚を覚えながら、泣き喚いて顔中に皺を寄せたまりさをそっと地面に置いた、 察した長ぱちゅりーが僕の顔色を伺いながら近寄って来る。 「にんげんのおにーさん……」 「とんだ醜態を晒してしまったようだ、すまなかったね……まりさの事、くれぐれも頼むよ。 飼いゆっくり生活が長くて精神的には幼いけど根はいい子なんだ、色々迷惑を掛けるかもしれないが大目に見てやって欲しい、 僕の不手際をこうして押し付けて本当に申し訳ないけれど……」 「ぱちゅりーにはわかるわ、おにーさんはとってもいいにんげんさんだわ……どうかきにやまないでゆっくりしてほしいわ」 「そうかい?……お世辞でも嬉しいよ……さて、もう行くよ。これ以上ここに居ても別れが辛くなるだけだからね」 僕は立ち上がると、まだ泣き止まないまりさを見下ろした。 帽子の鍔で顔を隠していて表情は伺えないが、頬から顎下に掛けて砂糖水の涙が筋をなぞって落ちているのだけはしっかりと視認できる。 「まりさ、今まで楽しかったよ……沢山の思い出をありがとうね……」 「ゆぐっ……ゆぐぅ……」 まりさは答えない、こんな別れ方をするつもりはなかったがまりさがこちらを見てくれないのでは仕方がない。 沈んだ気持ちのまま僕は身体を公園の出入り口に向けると、すっかり重くなった足を動かして歩き始めた。 街ゆっくりたちとの距離が20メートルほど離れたところで、唐突に甲高い声が上がった。 「まってッ!!やっぱりおにーざんとわがれだぐないよっ!!まりざをゆるじでっ!!おにーざんっ!!!おにーぃいざんっ!!!」 聴こえてきたのはまりさの擦り切れた声、思わず足が止まりそうになった。 (今止まったら駄目だッ……僕一人じゃ赤ゆっくりの面倒は見切れない……こうする事が一番正しいんだ、足を緩めるなッ!!) 「まってよぉおお!!おにーざんっまりざを、まりざをすてないでよぉおお!!いいこにするからっ!!おにぃいいざんんっ!!!」 まりさの声が僅かに近く感じる、追って来ているのだろう、僕は距離を詰められないように小走りに公園を出て行く。 まだまりさの泣き声が聴こえる、僕は目を細め俯くも決して振り返らず家路を目指して歩を進める、 もう二度とゆっくりを飼わないと心に誓いながら……。 ※中編に続きます
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ゆっくり生長していってね!! 男がゆっくりの入った透明箱を眺めている。 ゆっくりはれいむ種で、その頭には木の芽のようなものがわずかに出ている。もうすぐ子供ができる証拠だ。 「もうすぐあかちゃんがうまれるよ、はやくあいたいね」 男は無表情に握り飯を頬張る。 部屋の中には数え切れないほどの食料がある。男とれいむが一月は暮らせそうな量だ。 「おにいさん!れいむはおなかすいたよ! かわいいれいむとあかちゃんのためにいっぱいごはんちょうだいね!」 男は答えない。 「どうしてむしするの?ばかなの?しぬの?」 ゆっくりの挑発的な口調もどこ吹く風と、男は書架から本を取り出し読み始める。 「はやくごはんちょうだい!あかちゃんがゆっくりできないよ!れいむもぷんぷんだよ!」 ゆっくりは膨らんで威嚇したり、飛び跳ねたりするが男は気にする様子もない。 「おながずいだぁぁぁ!!!ごはんをくれないおにーざんはゆっぐりじねぇぇぇぇ!!」 無反応。 それからしばらくして、とうとうれいむは疲れ果てて動けなくなった。 「どうじてむしずるのおおおおお!!!???ごはんちょうだいぃぃぃ!!!!」 しかし、やはり要求は通らなかった。 部屋の時計が10時を少し回ったとき、男は書き物をしていた手を止めて、手近な食料を箱に放り込んだ。 「おそいよ!あんまりおそいと、おなかとせなかがゆっくりできなくなっちゃうよ! だけどれいむはやさしいおかあさんになるんだから、きげんをなおしてたべてあげるね! むーしゃ、むーしゃ……しあわしぇぇぇぇぇぇ……!! だけど、ちょっとすくないよ!あかちゃんのぶんもむーしゃむーしゃさせてね!」 男は「さて、寝るか」と口の中で呟くと、寝床の支度をしてすぐに就寝した。 「いじわるしないでもっとちょうだいね!そしたらゆっくりしてもいいよ!」 「えいようがだいじなんだよ!わかってるの!!おにーざん!!ねちゃだめぇぇぇ!!!!」 男が明かりを消したので周囲は暗い。しかし、そこらじゅうにある食べ物の匂いがれいむを眠らせなかった。 「おなかすいたよ……ばかなおにいさんのせいでごはんがすくなくてごめんね……」 「あかちゃん、ゆっくりそだってね……」 「おなかすいた……」 れいむはまんじりともせず朝を迎えた。 「ん……おおっ……」 男が大きく伸びをするのと同時にれいむは挨拶をした。 「ゆ…ゆっくりしていってね!」 昨日は自分の言葉が乱暴すぎたのかもしれない、と思ったれいむなりの譲歩だった。 きちんとゆっくりさせれば、人間が自分のようなかわいらしいゆっくりにご飯をくれないわけがないという 打算も働いている。色々と間違えた打算だが。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね! それで……ゆっくりしたら、れいむにあさごはんちょうだいね!」 男は昨日読みかけにした本の続きを読み始め、れいむのことなど気にかける様子もない。 「おにいざああああんんん!!!! じぶんばっがりゆっぐりじてずるいよぉぉぉぉぉ!!!!!」 ふと、れいむは自分の頭上を見上げた。 視界の端でたよりなく揺れる”ゆ木(ぼく)”は、少し貧弱になってしまったように思える。 まだ実は膨らみ始めたばかりだが、これでは先が思いやられる。れいむは半狂乱になって叫んだ。 「おにーざんんんん!!!!おねがい!ごばんをぢょうだいぃぃぃぃぃ!!!!」 結局その日も、夜の10時まで食料を与えられることはなかった。そして次の日も、そのまた次の日も…… 食事は夜10時に一度、決まった量を与えられるきりだった。 * * * * 四日後。 「おかしいよ……?あかちゃん……うまれないよ……?」 ひょろひょろと背ばかりが伸びた”ゆ木”には小さな実が二つ付いている。 だが、本来なら今頃はゆっくりとしたあかちゃんとして言葉を発しているはずのそれは何も言ってくれない。 「あかちゃん……?れいむににてとってもかわいい、れいむのはじめてのあかちゃん……?」 このままでは大切なあかちゃんが死んでしまう。 「おにいざあああんんんん!!!」 「どぼじてごはんたぐさんぐれないのおおおおお!!??」 * * * * それからさらに数日。 れいむのゆ木は、なよなよとしなって顔の前へ垂れてくるようになった。 まだ喋ることのできない、ゆ木の先端の二つのつぼみ。それを見るたび、れいむの心は不安に張り裂けそうになる。 * * * * ちょうど二週間目の朝だった。 「ゆ……ゆっくちちていってね……」 「おきゃあしゃん……?」 気づくと二つのつぼみだったものには目と口が出来ていて、小さな、とても小さな声でれいむへと話しかけている。 れいむは感激した。 「ゆゆぅぅぅーーーーーん!!!!れいむのあかちゃぁぁぁんんんん!!!! ゆっくちしていってねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」 * * * * 十六日目。 二匹の子れいむはいまだゆ木から切り離していない。 なぜかお兄さんが食事をわずかしか与えてくれない現状では、切り離すのは危険と親れいむが判断したのだ。 「おきゃあしゃん……ごはんさえあれば、れいみゅたちじぶんでゆっくちできるよ……?」 「ごはんもっとたべたい……おきゃあしゃん……もっとたくさんちょうだいね…」 「おにいさんが……おにいさんがわるいんだよ…… さあ、きょうもゆっくりしようね!」 わが子を励ますため、箱の真ん中で歌を歌う親れいむ。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~♪」 「ゆ……ゆ……」 「ゆ……ゆ……」 子供たちも歌うが元気がない。 れいむは不憫でならなかった。 本当ならば、今頃は元気なゆっくりとした子として生まれてきて、みんなでとてもゆっくりしているはずなのに。 ちびちゃん達だって、自分で飛んだり跳ねたりして、ゆっくりしたいだろうに。 「おかあさんも、つらいんだよ……ほんとは、ちびちゃんたちをゆっくりさせてあげたいんだよ……」 その日の昼過ぎ。 「ゆ……!」 「ゆ……!」 二匹の子れいむは体をゆすり、自分でゆ木から落ちようとし始めた。 「おちびちゃんたち!だめだよ!ゆっくりできなくなるよ!!」 「おきゃあしゃん!れいむはじめんでゆっきゅりしたいんだよ!」 「おきゃあしゃんがゆっきゅりさせてくれにゃいなら、じぶんでゆっきゅりしゅるよ!」 「どぼじてぞんなごどいうのぉぉぉぉぉ!!??」 親れいむは沸き上がる感情のままに跳ねる、その衝撃がまずかった。 萎えたゆ木に負荷がかかり、子れいむ達はついに切り離される。 「ゆゆっ!もうしゅぐおちゆよ!」 「これからはじぶんでゆっきゅりーしゅるよー!!」 夢にまで見た”親とのすーりすーり”や”自分ひとりでのゆっくり”への期待がふくらむ。 「おちゆよー!!」 「ゆっきゅりー!!」 ぷちん。ころころころ…… 「おっ……おぢびぢゃああああんんんん!!??」 れいむは地面に転がったわが子へと駆け寄る。 どうか無事でいてほしい。れいむの餡子はその思いで埋め尽くされた。 「おちび……ちゃん……?ゆっくり……して……いってね……?」 二匹の子れいむは、もう動かなかった。 「おちびちゃん……」 やはり弱すぎたのだ。ゆ木からの栄養が断たれたその瞬間、二匹はすでに物言わぬ饅頭となっていた。 「ゆああああああんんん!!!!!おぢびぢゃああああんんんん!!!!」 泣いているれいむの元へ男がやってくるが、悲しみに打ちひしがれるれいむは気づかない。 男はれいむの額の細長いゆ木に手をかけると、ぶちんと引き抜いた。 「ゆ……」 わずかな痛みと喪失感を額に感じ、我にかえるれいむ。 「おにいさん!それはあかちゃんのたべるはずだったものだよ!かえしてね!!」 こんな状況を作り出したお兄さんへの恨みよりも、わが子の遺品を持っていかれることに抗議の声を上げる。 男はやはり聞きもせず、通常の倍ほどの長さのあるゆ木を丁寧に戸棚にしまうと、れいむの元へ再びやってくる。 「じゃあな。……悪く思うな」 「ゆ?………ゅぅ?」 れいむは男の手で二つに割られた。断末魔を上げる暇もなかった。 男はそれをごみ入れに投げ捨てると、両の耳から、この二週間着けっぱなしだった耳栓を引き抜いた。 「あー、耳かゆかった……」 * * * * このようにして作られた、にんっしんゆっくりのひょろ長いゆ木は滋味に富み歯ごたえも良いので珍重される。 子の栄養がゆ木に逆流するためとも、あるいは単に生長期間が長いためとも言われているが、真相は定かでない。 恵まれぬ子が、生まれて初めて母親と一緒にむーちゃ♪むーちゃ♪するはずだったゆ木。 そこに懸けられた思い――生への渇望や期待が、その味わいをもたらすのかもしれない。 おしまい。 書いた人:”ゆ虐の友”従業員 このSSに感想を付ける
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『いのちはたいせつ 中篇』 35KB 虐待 日常模様 引越し 家出 共食い 番い 飼いゆ 野良ゆ 姉妹 子ゆ ゲス ペットショップ 愛護人間 虐待人間 独自設定 うんしー 続きです 中編です。 先に前編をお読みになるようお願いします 11 「どごおおおおおおおおおおおお!? がばいいでいぶのおじびじゃんどごにいっだのおおおおお!?」 朝日がようやく顔を出し、うっすらと明るくなり始めた早朝 親れいむの鳴き声でにおねーさんは飛び起きた 「ど、どうしたの? れいむちゃん落ち着いてね!?」 「なんなのれいむ・・・おちびちゃんがおきちゃ・・・ゆわああああああああ! おちびちゃんがいなぐなっでるううううううううううううう!!!!」 「ええっ!?」 れいむの額からはおちびちゃんがたわわに実った茎がなくなっていた 昨日の夜寝る前までは確かに生えていたのに、いまは根っこから引き抜かれて跡形もなくなっている 「ゆんやあああああああ! れいむのおじびじゃああああああああああん!」 「どういうことなの!? まりさなんにもわかんないよ!! おねーさんおじえでよおおおおおおお!!!」 「私に聞かれてもわからないよぉ! ねえぱちゅりー何か知って・・・あ」 ぱちゅりーの住んでいるゆっくりハウスをみると、中にはおちびちゃんの実った茎が牛乳瓶に挿してあった 実ゆっくり達は安らかな笑みを浮かべてゆっくりと眠っている どうやら命に別条はないようだ 「ねぇ! ぱちゅりー! これはいったいどういうことなの!?」 「むきゅわわわわぁ・・・ おねーさんゆっくりおはよう」 「欠伸なんかしてないで答えてよ! これはどういうことなの!?」 「むきゅん、そうせかさないでほしいわ。 いまからちゃんとせつめいしてあげるから・・・ おねーさんはあんこがおやからおちびちゃんにうけつがれるのはしっているかしら」 「・・・知ってる。 図書館で借りた本にそう書いてあった」 「ならはなしがはやいわ おやからうけつがれたあんこはおやの“きおく”がはいっているの その“きおく”をうけつぐと、おやとおなじようなせいかくのゆっくりにそだつわ あのれいむとまりさは、もはやかんっぜん!にげすかしてしまっているわ そんなおやからあんこをうけついだりしたら、うまれたじてんでげすになっちゃうのよ そうなったらもうどんなにべんきょうしてもむだ・・・ じぶんかってにかんがえて、わがままばっかりいう、げすなゆっくりにしかそだたないわ だから、おやからあんこをうけつがない“くりーん”なじょうたいでおちびちゃんをそだてるひつようがあったの」 「だからってなんで茎を引き抜いたりしたの? おちびちゃんが死んじゃったら元も子もないでしょう?」 「むきゅー。 おねえさんはべんきょうぶそくね・・・ひつようなちしきがまるでたりていないわ」 「・・・・・・ギリッ!」 「くきさんはね、べつにおやのひたいにはえてなくてもいいのよ くきさんのねっこがあまあまにつながっていればおちびちゃんはちゃんとそだつの おねーさんにかってきてもらったがむしろっぷさんをたっぷりすっておちびちゃんたちはごきげんよ!」 「へーそーなんだー・・・ でもお母さんから切り離されたらゆっくりできないんじゃないかなぁ! ねぇ、そうおもわないのかなぁ!!」 「・・・おねーさん? どうかしたの? ちょっとおかしいわよ?」 おねーさんは両手の拳をギリりと握りしめて歯を食いしばっていた 両目でぱちゅりーの瞳を射抜くように見つめ、わなわなと身体が震えている 一目見ればそれは怒りを抑えているという様子だと解るだろうが、ぱちゅりーも所詮はゆっくりなのかそのことに気付いていなかった 「おなかさんがいたいの? はやくといれにいったほうがいいとおもうわぁ・・・」 「べつにトイレに行きたいわけじゃありませんから」 「ならどうしたっていうの? まさか、といれにまにあわなかったとか・・・」 「そういうわけではありません。 心配しないでも結構です」 「・・・むきゅん? おねーさん、おしゃべりのしかたがへんよ?」 「いつも通りなのでどこもおかしくありません」 「・・・そう、ならいいけど」 おねーさんは怒っていた 見下したような態度で話すぱちゅりーに論破され怒りが沸点に達してしまった 勿論ぱちゅりーには見下すとかその気はなかったが、プライドを酷く傷つけられたおねーさんにはそう思えたのだ 今まで積み重ねてきた不満がぶり返して苛立ちばかりがつのってゆく 「その子たちの世話は全部任せますのでよろしくお願いします 私がやってもどうせゲス化させてしまいますからね」 「むきゃ! さっきからなんなのかしらそのたいどは まるでしらないひとにはなすみたいなしゃべりかたをしているわ」 「さっきも言いましたけど別に何でもないです。 気にしないでください」 「・・・もういいわ。 ぱちぇはすきにやるからごはんとうんうんのおせわだけしてちょーだい」 冷たい態度をとるおねーさんに愛想を尽かしたぱちゅりー 二人の間には深い溝ができてしまった 12 「それじゃあおちびちゃんたち! ふくっしょう!してちょうだいね!」 「「まりしゃはにんげんしゃんのいうこちょをききましゅ!」」 「「れいみゅはにんげんしゃんをゆっくちさせましゅ!」」 新たに生まれた四匹の赤ゆっくりがぱちゅりーの授業を受けている 同じ言葉を復唱させるぱちゅりー式の勉強法だ 柵を隔ててその隣では・・・ 「お外に勝手に出たら人間さんのすぃーに轢かれてゆっくりできなくなるんだよぉ! ゆっくり理解できたかなー?」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 「もういいのじぇ! そんなことよりはやきゅあみゃあみゃほしいのじぇ!」 おねーさんが自作の紙芝居で先に生まれた姉達に授業をしている 中には話を聞いていないのもいたが、おおむね上手くいっているようだ こうして二つに分けられて教育を受ける赤ゆっくり達 どちらの授業もそれなりの効果があり、姉グループも妹グループも少しずつおねーさんの言うことを聞くようになっていた 一部を除いては・・・ 「きょうはみんなじぇぼーりゅしゃんぢぇあしょぶんだじぇ! いっしょにあしょびたいこはこっちにくりゅんだじぇ!」 「ゆわーい! まりしゃも! まりしゃもぼーりゅしゃんであしょぶー!」 「れいみゅもー!! れいみゅもにゃかまにいれちぇー!」 「あ、ちょっとまってよ! 遊ぶのは勉強がおわってからでしょ!?」 いつものように授業をはじめようとすると、例の癇癪まりさが勝手にボールを持ち出して遊び始めたのだ 慌てて止めに入るがちょこまかと動きまわってなかなか捕まえられない そのすきに他の赤ゆっくりも遊びだしてしまい、姉グループは完全に授業崩壊を起こしてしまう 「いくのじぇー! ぱしゅぱしゅ! こっちへぼーりゅをよこしゅのじぇー!」 「ゆっくちりかいしちゃよ! ゆっくちいいい!」 「ちょっと! お願いだから言うこときいて! ねぇ、ってばぁ!」 ボール遊びに夢中になっている赤ゆ達にはおねーさんの言葉は通じない 元気いっぱいに跳ねまわっている様子は本来あるべき姿を取り戻したかのようだ なかでも癇癪まりさは生き生きとボールを蹴って他の赤ゆを先導している 「みんにゃまりしゃのかちゅやくをみちぇるのじぇ! しょーれ! ちょりぷりゅうりゅちょらぐれーちょまぎゅなみゅしゅーぱーしゅーとっ!!!」 ぽーん 緩やかな放物線を描いて飛んでいくボール その先には・・・ 「むぎゃん! ちょっと! いまぼーるさんをきったのはどこのだれかしら!?」 ボールはぱちゅりーの顔面に直撃した 顔にはまあるくボールの後がくっきりと残っている 「ゆわーい! ぱちゅりーのくしょびゃびゃあをしぇいっしゃい!したのじぇ~!」 「ゆわぁ! まりしゃしゅごいにぇ! まりしゃもまりしゃみちゃいになりちゃいよ!」 「れいみゅも! れいみゅもびゃびゃあにしぇいっしゃいしちゃい!」 歓声を上げる姉グループのメンバーに調子に乗っておどける癇癪まりさ ぱちゅりーがキッと睨みつけるとバカにした顔で一斉に舌を出した 「びりょびりょびりょびりょびゃ~! くやちかっちゃらここまじぇくるのじぇ~!」 「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃ! まりしゃこわ~い! ぱちゅりーしぇんしぇいがおこっちゃうよ~」 「ゆぷぷぷぷ! にぇえにぇえ、れいみゅをしぇいっしゃいすりゅにょ? やれりゅもんにゃらやっちぇみりょー!」 「さすがはまりさのおちびちゃんだね! とってもゆっくりしてるよー!」 「おちびちゃん! もっとだよ! あのばかぱちゅりーをせいっさいしてみんなをゆっくりさせてね!」 親ゆっくりが褒めるてさらに調子に乗る癇癪まりさ ぱちゅりーの方へ歩み寄り、お尻を向けて左右に振った 「ほーりぇほりぇ! まりしゃのあんよをぺんぺんしちぇみりょー!」 にくったらしく挑発する癇癪まりさ おねーさんが守ってくれると勘違いでもしているかのような大胆な行動だ しかし、それが単なる妄想に過ぎなかったことに気づかされることになる ぶすり! 「ゆぅ・・・? なにがおこっちゃのじぇ? あんよしゃんが・・・ゆぴいいいいいいいいい! までぃじゃのっ! までぃじゃのがぼじぎゃのよぼにゃあんよじゃんがああああああああああ!!!」 「むっきゅん! これですこしははんっせい!してくれるかしら?」 痛みに耐えかねて泣きながらのた打ち回る癇癪まりさ あんよにはつまようじが深々と刺さっている 言うまでもなく、それを突き刺したのはぱちゅりーである おねーさんは何もしないでその光景をじっと見ていた 「おねーさん! どんなきょういくしているのかわからないけど じゅぎょうのじゃまをするようなことはさせないでちょうだい!」 「・・・・・・ごめんなさい」 ぱちゅりーが怒鳴っても、おねーさんは無表情に謝るだけだった 13 「ゆんやあああああああ! いじゃいのじぇええええええええ!」 「だいじょうぶだよおちびちゃん! きっとよくなるからね! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ! ゆぎぎぎぎ・・・それにしてもあのげすぱちゅりー・・・ かわいいおちびちゃんをこんなめにあわせるなんて、れいむゆるせないよ!」 「ぺーろぺろ! まりさもだよ! いつかせいっさいしてぜんごろしにしてやる!」 「おどおおおじゃああん!? おぎゃあああじゃあああん!? べーろべろずるんだじぇ!? まりじゃまだいぢゃいのじぇ!!」 「ご、ごめんねおちびちゃん! ぺーろぺろ!」 「ぺーろぺろ! ぺーろぺろ!」 ゆっくりハウスの中では親ゆっくりが癇癪まりさの足を治そうと必死にぺーろぺろしている 傷はさほど深くないのだが、あんまりにも痛そうに騒ぐため可哀そうに思えてしまうのだ 「いじゃいいいい・・・ いじゃいいいよおおおおおお・・・ ゆ? どぼじでべーろべろやめじゃうのおおおおおおおおおおお!?」 「ごめんねおちびちゃん・・・ もうまりさはげんっかい!だよ・・・」 「れいむもべろさんがかろうしすんっぜん!だよ・・・ ゆっくりりかいしてね」 「ゆぎぎぎぎ・・・ これもじぇんぶあのげしゅぱちゅりーのしぇいなんだじぇ! ぜったいいちゅかふくっしゅう!してやるのじぇ!」 以前からぱちゅりーを快く思っていなかった癇癪まりさ 制裁しようにも親ゆっくりは当てにならず、おねーさんは何もしてくれなかった 抑えようのない憎しみがやり場をさがして迷走する 「じぐじょおおおおおお! どうじゅれびゃふぐじゅうでぎるのじぇえええ!」 小さな中枢餡をフル稼働して復讐する手立てを考える 考えあぐねた果てに恐ろしい結論へと達してしまった 「ゆっふっふ。 いいこちょをおもいちゅいたのじぇ・・・」 不気味に笑う癇癪まりさ 彼女が復讐のターゲットに選んだのはぱちゅりーではなくその教え子だった 砂糖水で育った妹達は両親の餡子を受け継がなかったものの 一応親であるためれいむとまりさにはよくなついたが、ぱちゅりーの息がかかった妹達を両親はどこかやっかみがっていた これを制裁して無きものにすればぱちゅりーへの復讐が果たせるうえに、家族の中の邪魔者も始末で来て一石二鳥 両親もおねーさんもきっと褒めてくれるだろう 英雄として両親から褒められる光景を頭の中に浮かべながら爪楊枝を咥えた 「ゆぴー・・・ ゆぴー・・・」 「まりしゃ・・・ がんびゃりゅ・・・ ゆぴー」 「れいみゅにょ・・・ れいみゅにょあみゃあみゃ・・・」 「ゆぴー・・・ もうちゃべらりぇにゃいよ・・・」 安らかに寝息を立てて眠っている妹達に忍び寄る そんなアホずらでいられるのも今のうちだ 癇癪まりさは一番近くにいた赤まりさのあんよをひと思いに突き刺した 「ゆぴぃ? ・・・ゆ、ゆんやあああああああああああああああああ!」 「みちゃか! まりしゃはちゅよいのじぇ! さいっきょうなのじぇ!」 「どびょちちゃにょ・・・? ゆ? まりしゃおねーしゃん!? なにやっちぇりゅにょおおおおおおおお!?」 「おまえもしぇいっさい!しちぇやりゅのじぇ! ぷーすぷす!」 「ゆびいいいいいいいいい! れいみゅにょあんよしゃんがああああああああああああ!」 「やめちぇえええええええええ! ぼびょじじぇごんにゃこちょすりゅにょおおおおおおおおお!?」 「まりしゃおねーしゃん! ゆっくちしてよおおおおお! ゆっくちゆっくちいいいいい!」 「ぢゃまりぇぢゃまりぇ! おまえちゃちのしぇいじぇまりしゃはいちゃいいちゃいしちゃんのじぇ! しょのむくいはうけちぇもりゃうのじぇ! ぷーすぷす! ぷーすぷす!」 「「ゆんやああああああああああ!!」」 泣き叫びながらうねうねと蠢く妹達 何とか攻撃から逃れようと逃げ回っているが、あんよをぷーすぷすされているので這ってしか動けない お家の中を追い立てられ逃げ場を失った妹達は角に集まって震えている 「ゆっふっふ! これぢぇもうにげりゃれないんだじぇ!」 「「「「ゆんやあああああああ!」」」」 「お、おちびちゃん!? なにやってるの!?」 「やめてあげてね! いもうとたちがこわがってるよ!」 ようやく事態に気付いた親達が慌てて止めに入る 癇癪まりさは咥えていた爪楊枝を放そうとしない むしろ待っていたと言わんばかりに両親の方へと駆け寄ってゆき、涙を浮かべて訴えた 「こいちゅりゃはおちょーしゃんちょおきゃーしゃんをえいえんにゆっくりさせようちょしちぇちゃのじぇ! ぱちゅりーにせんっのう!されていいなりになっちぇしまっちゃのじぇ!」 「ゆゆ!? それはほんとうなの!?」 「ほんっとう!なんだじぇ! しんっじちゅ!は、いちゅもひとちゅなのじぇ!」 「ならしかたないね! せいっさい!もやむなしだね!」 「「「「どびょじぢぇじょんにゃごじょいうにょおおおおおおおお!?」」」」 いったんは疑ったものの、自信満々に言う姉の言うことをあっさりと信じてしまう親まりさ 親れいむもそれに迎合して庇うようなことは一切しなかった そんな両親を見て絶望する妹達 全てが癇癪まりさの計画通りに動いたというわけだ ぱちゅりーを除いて・・・ 「あなたたちいったいなにをしてるの!?」 「ゆん!? かってにひとのおうちにはいってこないでね! ふほうしんっにゅう!でこくそするよ!」 「かわいいれいむのおちびちゃんになんのよう!? ゆっくりしないででていってね!」 親ゆっくり達がぱちゅりーを中に入れまいと立ちふさがったが強引にそれを突破 目の前では今まさに癇癪まりさによって妹達の処刑が始まろうとしていた 「ばかなことはよしなさい! このゆっくりごろし!」 「ゆぴいいいいいいいいい!? いじゃいのじぇええええええええ!」 癇癪まりさをもみあげで引っ叩き、妹達から無理やり引き離す 助けられた妹達は一斉にぱちゅりーへと泣きついた 「ゆええええええん! こわかっちゃよおおおおおお!」 「しぇんしぇええええええ! ありがちょおおおおおおおお!」 「いいのよ、せんせいがまもってあげるからあんしんしてね・・・」 優しく声をかけてなだめる様子は本当の親子であるかのようだった 14 「おねーさん!? おねええええさああああん!!」 「え、なに!? どうしたの?」 「どうしたのじゃないでしょおおおおおおおおお!?」 「とりあえず落ち着いて頂戴! 落ち着いてゆっくり話してね」 興奮するぱちゅりーの背後には四匹の赤ゆが震えながら寄り添っている ぱちゅりーが指導を担当していた妹グループの赤ゆ達だ 「おねーさんのぐるーぷのわるがきまりさがこのこのこたちをさつっがい!しようとしたのよ!」 「ええ!? それ、ほんとうなの!?」 「ほんとうかどうか、あのばかおやたちにきいてみるといいわ!」 ゆっくりハウスのでは頬を赤くはらして泣き叫ぶ癇癪まりさを両親がぺーろぺろしてあやしている 他の兄弟達は頬を膨らませてぱちゅりーに向かって威嚇行為をとっており その場は軽くパニックを引き起こしていた 「ねぇ、あなた達・・・ ぱちゅりーの言ってることって本当なの?」 「ゆううううううううう!? なにいってるの!? おちびちゃんはせんっのう!されてげすになったおちびちゃんから まりさたちをまもってくれようとしたんだよ!?」 「そうだよ!!! このおちびちゃんは“えいゆん”だよ!? とくべつなおちびちゃんなんだよ!?」 「はやぎゅぞのぐじょばじゅりーをじぇいじゃいじろおおおおおおおおおおお!! いましゅぐでいいのじぇえええええええええええええええええええええええ!!」 両親と癇癪まりさの言っていることを聞く限り、妹達を癇癪まりさが殺そうとしたのは事実のようだ 妹グループの怯えようを見れば、どちらが先に手を出したかは一目瞭然だ 「・・・むきゅん。 これでわかったでしょう わかったらはやく“ぎむ”をはたしてちょうだい・・・」 「・・・・義務?」 「そう・・・ そのげすまりさをつぶして“ぎむ”をはたすのよ」 「・・・・・・つ・・・ぶ・・・す?」 「そうよ、まさかことばのいみがりかいできないのかしら? ころすってことよ」 「・・・・・・なに言ってるの?」 ゲス化したとはいえ、おちびちゃんである癇癪まりさを潰せと、さも当たり前のようにのたまうぱちゅりー おねーさんは眉間にしわを寄せる 「なにってるの?じゃないでしょう!? げすかしたのならとうっぜん!そのむくいはうけるべきよ!」 「報い?当然? 一体何を言ってるの?」 「ほんっとう!におねーさんはあんこのうなのね! いいわ、できないならぱちぇがやるだけよ!」 爪楊枝を口に咥えるぽちゅりー そのまま泣き叫ぶ癇癪まりさの方を向いて、吹き矢を吹くような要領で爪楊枝を飛ばす 爪楊枝は癇癪まりさの眉間に音もなく深々と刺さった 「ゆわあああああああ! おじびじゃあああああああああん!」 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおおお!?」 「ゆ? にゃんにゃのじぇこりぇ・・・?」 大騒ぎする両親とは対照的に、何が起こったか判らず落ち着いている癇癪まりさ 当たり所が良かったのか絶命するには至らなかったようだ 「なんてことするの!? 正気なの!?」 「むきゅん! ぱちぇはしょうきよ! って・・・ なにをしようとしているの!? やめなさい!!」 「ゆ・・・ゆんやああああああああああ!? まりしゃのおかおににゃんちぇこちょしちゃのじぇえええええええええええ!?」 ぱちぇりーを無視して癇癪まりさの額に刺さった爪楊枝を引き抜く 額から異物を取り除かれた癇癪まりさは、自分が何をされたのかに気付いて喚きはじめる 「おねーさん!! そんなことしてないではやくそいつをつぶしなさい! どうなってもしらないわよ!?」 「ねぇ、ぱちゅりー。 どうしてそんなこと言うの?」 「どうしてって・・・とうぜんでしょ? わるいことをしたらそのばつをうけるのはにんげんさんでもいっしょでしょうに・・・」 「うん、そうだよ。 でも謝って反省すれば許してあげてもいいんじゃないかなぁ?」 「あやまる?ゆるす? おねえさんはあまあますぎてへどがでるわ! このげすちびはかぞくをころしてじぶんがゆっくりしようとしたのよ!? あやまってゆるされるようなれべるじゃないわ! さっさとつぶすべきよ!」 「ねぇ、ぱちゅりー? どうしてそんなに簡単に殺すなんて言えるの? 同じゆっくりでしょ? みんな一生懸命生きてるんだよ? かけがえのない命なんだよ?」 「そいつはそのかけがえのないいのちをふみにじろうとしたのよ!? おねーさんがいくらべんごしてもそのつみはきえないわ!!!」 「ごめんね、ぱちゅりー。 私はあなたに何を言われてもその子を殺す気はないから・・・」 「・・・そう、それがおねーさんのだしたけつろんなのね わかったわ、それならぱちぇにもかんがえがあるわ!」 ぱちゅりーはそう言って妹グループのおちびちゃんを全て頭の上に乗せると、玄関の方へと跳ねて行った 「ぱちぇはこのこたちとここをでていくわ。 あとはおすきにどうぞ、ぶりーだーのおねーさん」 「・・・ここを出て行ってご飯はどうするの? 寝る場所は? 捕食種だってでるよ?」 「どうぞくごろしをかばうおねーさんといっしょにいるよりははるかにあんぜんだわ」 「・・・・・・そう」 「ぱちぇからのさいごのおねがいよ、このとびらさんをあけてちょうだい」 「うん、これでいい?」 「ありがとう。 おねーさん、ゆっくりさようなら」 ドアを開けると、ぱちゅりーはそのまま飛び出して行ってしまった おねーさんは姿が見えなくなるまで見送ったが、ぱちゅりーが振り返ることはなかった 15 「すみません・・・虹川というゆう医はいますか?」 「虹川先生はただいま診察中でして・・・」 「妹が訪ねてきたと伝えてもらっていもいいですか? 緊急で話したいことがあって・・・」 「・・・わかりました、おかけになってお待ちください」 おねーさんは兄が務めているゆっくりクリニックへとやって来ていた ぱちゅりーが家出したことを伝えるためだ 兄は大学を出てゆっくり専門の医者であるゆう医になった おねーさんと同様、彼もまたゆっくりが好きでたまらない愛で派の人間だったのだ そんな兄が誇らしくもあり羨ましくもあった ゆっくりに携わる仕事に就くのはおねーさんにとって夢であり、先にそれを果たしてしまった兄に少しでも早く追いつきたかった 「・・・何の用だ。 今は勤務中だ、手短にすませろ」 診察を終えた兄が診察室に顔を出した 白衣を着てメガネをかけたまじめそうな風貌 普段のふざけた態度とはかけ離れたまじめで落ち着いた雰囲気 ぱちゅりーを家に連れてきた時とは、まるで別人のようだ 「ぱちゅりーが・・・ ぱちゅりーが家出しちゃったんだ・・・」 「なんだ、そんなことか それなら加工所に問い合わせてバッチのナンバーを照合してもらえ。 控えは一緒に渡してあっただろ?」 「そうじゃなくて・・・ぱちゅりーとは喧嘩しちゃって・・・」 「だからなんだ。 あれの飼い主はお前だ、歯向かったなら従わせろ」 「・・・できないよ。 私なんかよりずっとゆっくりのこと知ってて、プライド高くて・・・」 「できないじゃない、やるんだ それくらいできないでブリーダーになんてなれるはず無いだろ」 「どうすればいいの? 皆言うこと聞かないし、勉強させてもすぐ忘れるし・・・ もう、何をどうすればいいかわからないよ・・・」 「都合のいい時だけ人を頼るのはやめろ お前一人でやると言ったんだから最後まで責任を持て、義務を果たせ」 「・・・責任? ・・・義務?」 「次の診察があるからもう行く 今後、職場に私用で押し掛けるのはやめろ。 迷惑だ」 「あ、ちょっと! まってよ!まって・・・」 兄は何も答えずに行ってしまった (なんで人前だとそんなに冷たいの? どうして他人みたいな態度をとるの?) その背中に無言で問いかけるものの、答えは当然返って来ない 16 おねーさんの家を出て行って数日後 ぱちゅりー達は近くの公園で寝泊まりしていた 穴があいたり崩れかけたりしている野良ゆの段ボールハウスが並ぶ中、一つだけま新しいお家がある 段ボールの上に雨よけのビニールシートが被せられ、地面に枝でしっかりと固定されている ゆっくりが作ったとは思えないような立派なつくりだ その中から、ぱちゅりーがひょこりと顔を出す 「むきゅん、おそとにでてもだいじょうぶそうね」 そう言ってぱちゅりーがお外に出ると四匹の赤ゆっくりがずーりずりと後に続く お家を出た当日は不安で泣きやまなかったものの、ようやく外の世界に慣れ始めてきている 厳しい授業の甲斐あってか、素直に言うことを聞いて勝手な行動をとるものは一匹もいなかった 「それじゃあ、おちびちゃんたち! きょうもごみひろいをするわよ!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 ぱちゅりーは公園のゴミ拾いや雑草の除去などボランティア活動に精を出している 野良となった今、このおちびちゃん達を飼いゆっくりにするには人間を頼るほかない だが、通りすがりの人間におちびちゃんを飼いゆっくりにしてほしいとせがんでも良い結果は得られないだろう ならば人間が目を引くような行動をして注目を集めるしかない 一見賢そうな行動に思えるがそれ以外に方法が無いのだ 選択肢のないぱちゅりーのとった苦肉の策である 「おちびちゃんたち! みんなできょうりょくしてこのあきかんさんをはこんでね!」 「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」 公園の遊歩道の脇には空き缶が何個も捨てられている それを一つずつ運んで山積みにするのだ 非力なゆっくり、それも赤ゆっくりからしたら想像を絶する重労働である 「もうまりしゃはへちょへちょだよ・・・」 「もうぢゃめ・・・れいみゅうごけにゃい・・・」 「いったんきゅうけいにしましょう! いまぱちゅりーがごはんをよういするからまっててちょうだい!」 赤ゆ達は空き缶を運んで二~三十センチほど進むと直ぐにばててしまう ぱちゅりーは無理をさせずにこまめに休憩をとり、その間に雑草を引っこ抜いて口に含む 何度か咀嚼して柔らかくなったものを休憩中の赤ゆ達に与えるのだ 「ぺっぺ! さあ、たんとめしあがれ!」 「「「「むーちゃむーちゃ・・・ それなりー・・・」」」」 微妙な表情で雑草を食べる赤ゆ達 雑草はそれほどおいしい物ではない、だが食べれないわけではない 残念そうに食べてはいるものの文句を言わずに完食した 「ぱちゅりー! ゆっくりしていってね!」 「むきゅん? まりさ? ゆっくりしていってね!」 この公園の群れの長であるまりさが話しかけてきた ぱちゅりーがこの公園に住むことを快く受け入れてくれた善良なまりさだ 「きょうもせいがでるね! はやくかいぬしさんがみつかるといいね!」 「そうね・・・でもげんじつはそんなにあまくないわぁ・・・」 「だいじょうぶだよ! ぱちゅりーみたいなかしこくてゆうっかん!なゆっくりならすぐにかってもらえるよ」 「ぱちぇがかってもらってもいみがないのよ・・・ このこたちのかいぬしがみつかるまでのらをつづけるつもりよ・・・」 「ぱちゅりーはやさしいんだね・・・ さすがは“えいゆん”だよ」 「むきゃ! ぱちぇは“えいゆん”でもなんでもないわ! はずかしいからそのはなしはやめてちょうだい!」 ぱちゅりーがこの公園にやってきた初めの晩 野生のれみりゃが群れを襲撃した 泣いて逃げ惑うだけで抵抗しようともしない野良ゆ達が次々と餌食になっていく中 ぱちゅりーは全く動じずに細かい枝を口で飛ばしてれみりゃを返り討ちにしたのだ といっても、偶々目玉に当たって驚いたれみりゃが逃げ出しただけなのだが・・・ 「まりしゃもおおきくにゃっちゃら、ぱちゅりーしぇんしぇいみちゃいに“えいゆん”になりゅよ!」 「れいみゅもがんばっちぇしぇんしぇーになりゅ! しぇんしぇーになっちぇゆっくちすりゅう!」 「もう、あなたたちったら・・・」 叶いもしないような将来の夢を語りだした赤ゆ達を、ぱちゅりーは呆れながらも何処かゆっくりした表情で見ていた 「ゆふふふふ。 ぱちゅりーはおちびちゃんたちがだーいすきなんだね まりさのかわりにむれのおさをやってほしいくらいだよ!」 「むぎゃん! またそんなことをいって・・・ ぱちぇにはにがおもすぎるわ・・・」 「ゆぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」 「「ゆん!?」」 長まりさと話していると、公園の静寂を悲鳴が切り裂いた その声は転んでけがをしたとか言うレベルではなく、もっと悲惨なことが起きたことを知らせている 「まりさはようすをみてくるよ! ぱちゅりーはおちびちゃんとおうちへひなんしてね!」 「ゆ、ゆっくりりかいしたわ!」 長まりさの言った通り、おちびちゃんを連れてお家に向かうぱちゅりー お家に到着しておちびちゃんを中に入れるとすぐにまりさの元へと向かう わざわざ助けにいく義理などないのだが、数日間とはいえ生活を共にしたことでぱちゅりーには連帯感が生まれていた 「うぎゃああああああああ! やべろおおおおおおおおおおお! おじびじゃんぼつぶずなああああああああああああああああ!」 群れの中心部から長まりさが叫ぶ声が聞こえた 三人の人間が長まりさのお家を踏みつぶしたり蹴ったりして遊んでいる そのうちの一人が長まりさのおさげを掴んでぶらぶらとゆすっていた 17 「すみません・・・ちょっといいですか?」 「はい、なんでしょうか?」 おねーさんは近くのゆっくりショップに来ていた 手に抱えているケースの中には癇癪まりさを除く四匹の赤ゆっくり達が入っている 赤ゆっくりとはいっても子ゆっくり手前まで成長しておりテニスボールより少し小さいくらいの大きさだ 「この子たちを買い取ってほしいんですけど・・・」 「あ、はい。 もしかしてブリーダーの方ですか?」 「ええっと・・・一応・・・」 「はい! ではいまからこの子たちの評価をさせていただきますのでしばらくお待ちください!」 金髪にピアスをした店員はさわやかに微笑んで赤ゆっくりの入ったケースを持って行った おねーさんは椅子に座って腰掛けて足をぶらぶらさせながら店内を見渡す ケースの中には金や銀バッチをつけたゆっくりが入っていて、値札には十万・二十万と言った値が付けられている 一方柵の中に放し飼いになってる銅バッチのゆっくりには一匹あたり五千円とかなり値に開きがある この違いはしつけの違いなのだろうか? それとも血統がいいのか? そんなことをおねーさんんが考えていると、奥からさっきの金髪ピアスの店員と小太りでバーコード禿げの中年男性が出てきた 中年男性の付けた緑色のエプロンには店長と書かれたネームプレートが付けられている 「どーも。 わたくしがこの店で店長を務めさせていただいている山田というものです」 「あ、どうも。 私は虹川っていいます」 「虹川さん・・・結論から申し上げてあなたの育てたゆっくりをこちらで買い取ることはできません」 「・・・・・・なぜですか?」 「わかりませんかね。 まぁ、解らないから質問してるんでしょうね・・・」 「はぐらかさないではっきり言ってもらえますか? 腑に落ちません」 山田はやれやれと言った感じでかぶりを振り、おねーさんの目を見て言った 「・・・腐った生ごみの受け取りを拒否するのに理由が必要ですか?」 「生ごみ? どういうことですか!?」 「どういうこともなにもないですよ。 あんなゲス化したのを持ってこられてもこちらとしてはいい迷惑なんですよ というより、あれは庭飼い用なのに室内で飼育してゲス化したようですがどうしてそんなことをしたんですか?」 「・・・それは」 「理由なんてありませんよね? どうせそちらの方が元気そうだからなんてどうしようもない理由で選んだんでしょう あなたはまだスタートラインにすら立つことのできないレベルだということなんですよ」 「ブリーダーの資格ならちゃんととりましたけど!? よかったら認定証みせましょうか!?」 「必要ありません。 そもそも資格なんて適当に勉強すれば誰だって受かりますからね あなたに足りないのは知識うんぬんではなく、ゆっくりに教育を施すだけの能力が無いということなんですよ 要は大人になり切れていない子供のままだっていうことです」 「・・・・・・・」 「私の方から言えるのはそれくらいです。 では」 そう言って山田と名乗った男は店の奥に行ってしまった 残されたおねーさんに金髪の店員が優しく声をかける 「しかたないよ、失敗は誰にでもあるからゆっくり頑張ってくださいね」 「・・・・・ありがとうございます」 「よかったら一匹当たり千円で引き取りますけどどうですか?」 「え!? いいんですか?! ええっと・・・いま領収書を用意しますね!」 「ああ、違うんです。 そう言うことじゃなくて・・・引き取るっていうのは千円で処分しますよってことなんですよ」 「しょ・・・ぶん・・・」 「うん、ゆっくりは特殊外来種生物として国から指定されているでしょ? だから一度登録したら処分するには色々手続きが必要なんですよ 潰して生ごみとして捨てることもできなくはないんだけど、最近色々五月蠅くなってきてね・・・ それを代わりに代行する手数料ってことで本当は三千円かかるんだけどおまけして千円ってことで」 「どうして・・・どうして処分するんですか?」 「どうしてって・・・ゲス化したら飼ってても意味ないでしょ? あ、もしかしてまだ認定受けてなかった? だったら早めに処分しておいた方がいいよ! もし成体まで育っちゃったらバッチつけなくちゃいけないし、付けないまま飼っててもそれはそれで罰金だからね」 「・・・どうして どうして簡単に処分なんて言えるんですか!? ゆっくりが大好きなんですよね!? だからこういう仕事してるんですよねぇ!? じゃあなんでそんなに簡単に処分なんて言えるんですか!? ねぇなんで!!」 おねーさんは涙を浮かべて店員に詰め寄る 店員は頭を掻いて目をそらした 「ははは、確かに処分なんて可哀そうなことできないって、そう考えていた時期が俺にもありました でも結局それってただのエゴなんだよね。 可哀そうだからとか言ってたら商売にならないって 気持ちは分からなくもないけど、そんなこと言ってたら金バッチのゆっくりなんて育てられないよ ブリーダーを目指すんならもっと現実を見なよ・・・」 「・・・でも、生きてるんですよ? かけがえのない命なんですよ? それを処分するなんて・・・・」 「ったくもーめんどくせーなあああああああああああああああああああ!!!!」 丁寧に受け答えしていた金髪の店員は態度を豹変させた 眉を吊り上げて威嚇するような目つきで睨みつけてくる 「なにが命だよ!? さっきから聞いてたら綺麗事ばっかりぬかしやがって!!! 大体ゲス化させてそいつらのゆん生台無しにしたのてめーだろうがよおおおおおおお!!! 自分がしたこと棚に上げて偉そうに御託並べてんじゃねーぞゴラァ!!!!!」 「・・・・・あの、その、すみません!」 「今更あやまってんじゃねーよ!!! もうそいつらには加工所で死ぬかお前に殺されるかしか選択肢がねーんだよ!! よくもまぁぬけぬけと“かけがえのない命”だなんてぬかせるな!? っばーーーーかぁ!!!」 「・・・・・うぅぅ ごべんばばいいいいいいいい!!」 「泣いて謝るくらいなら死ね! 腹切って死ね!」 「おい、お前なんてこというんだ・・・」 山田が戻って来て金髪の店員を落ち着かせる まだ何か言おうとしていたが、頭をひっぱたいて黙らせていた 「わるかったな、こいつは一度こうなると手がつけられないんだ。 すまん」 「ばだじごぞごべんばばいいいいいいいいいい!!」 「ああ、もう泣くな泣くな・・・ 悪かったよホントに」 「うわあああああああああああああん!!!」 おねーさんは泣いた 今までため込んでいたものを全て吐きだすかのように、泣いた 18 「やべべぐばばびいいいいいいい! どっでぼゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでずうううううううう!」 「ちゅぶれりゅううううううううう! じんじゃうううううううううう!」 「ぴゃぴゃああああああああ! ちゃしゅけちぇええええええ!」 顔面を涙でぐしゃぐしゃにした長まりさが必死に懇願している 番であるありすは既に潰されており、地面にはカスタードのシミができていた 人間は長まりさの子供の子まりさと子ありすを足蹴にして、今にも潰してしまいそうだ 「こんなゴミ饅頭のどこがかわいいんだよw」 「なんにもできねーくせに粋がってんなよ! 下等生物のくせに何言ってんだよ! なぁ?」 「だなだな!」 人間達は学生服をだらしなく着ていて、みすぼらしい身なりをしている どうやら近くの学校の生徒が授業をサボっているようだ 「むきゅぅ・・・ どうしたらいいの・・・? ぱちぇにはわからないわ・・・」 ぱちゅりーは賢かったので止めに入って行っても無駄なことは理解していた 木の陰から隠れて様子を窺っていたのだが、その木は姿を隠すにはあまりにも細すぎた 「ぱちゅりいいいいいい!? までぃざどまでぃざのおじびじゃんだじぼだずげでねええええええええ!?」 「むぎゃ! よけいなことを・・・」 「おん? あそこに一匹隠れてるな」 長まりさのせいで見つかってしまったい、人間がのそのそと近寄ってくる 追い詰められたぱちゅりーは最後の手に出た 「まちなさい! このきんばっちさんがめにはいらないのかしら!?」 「あん? なんだこいつ・・・いっちょまえにバッチなんか付けてやがる」 「どうせ捨てられたんだろw 潰しちまってもだいぢょーぶw」 「むぎゃん! なんてむちなのかしら! ・・・いいわ、つぶしなさい! そのかわり、ごじつおくられてくるせいきゅうしょにめをしろくろさせるといいわ!」 「はー・・・ 饅頭にしては頭が回るみたいだな。 こいつの言ってることほんとかもしんねーぞ」 「まじかーw じゃあ、この金髪饅頭共潰したらけーるかw」 「だなだな」 危機が回避されてホッとしたのもつかの間 長まりさが信じられないことを言った 「まっでね!? ぞのばじゅりーにはばっぢざんのづいでないおじびじゃんがいるんだよ! までぃざのおじびじゃんじゃなぐでぞっじのおじびじゃんをつぶじでね!?」 「むぎゃあああああああああ! どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおおおおおお!?」 「ほ~ で、そのおちびちゃんはどこにいるんだか教えてくれよ」 「あっじのじまじまのじーどざんのやねのおうじだよ! でぎだばっがりのぎでいなおうじだよ!」 「・・・んじゃ、そっちいきますか」 「だなだな」 「むぎゃあああああああああ! ごのうらぎりぼのおおおおおおおおお!」 「わるくおもわないでね! のらのせかいはひじょうなものなんだよ!」 長まりさは人間におさげを掴まれたまま、へらへらと笑っている 既に生き残ったつもりでいるようだ 「にんげんさん! やくそくどおりおちびちゃんをたすけてあげてね! すぐでいいよ!」 「やくそくぅ? 何言ってんだてめぇ・・・」 「ゆ? だってぱちゅりーのおうちをおしえたらゆるしてくれるんでしょ? うそはよくないよ!」 「そもそもてめーとそんな取引をしたつもりはねぇ。 おい、やっちまえ」 「だなだな!」 リーダー格の人間が合図をすると、おちびちゃんを踏みつけていた人間が少しずつ体重をかけ始める 既に息絶え絶えの子まりさと子ありすは尋常ではない悲鳴をあげた 「おどうじゃあああああああああ! おどじゃ! だじゅげでええええええええええ! まりじゃじぬ! じんじゃ!う! ぐるじ! じぬうううううううううううう! ゆぎぃ! ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」 「びゃびゃああああああああああああああ! だじゅげぢぇえええええええええええ! あでぃじゅじにぢゃぐにゃい! もっどゆっぐぢ!もっどもっど!ゆっぐぢいいいいい! ゆぎゃああああああああ! ぎゅごごごおご! ごべべべおげええええええええ!」 頬が張り裂けんばかりに膨れ上がり、両目は今にも飛び出しそうな勢いでせり出している 一文字に結んだ口からは中身が歯と歯の間から漏れ始めた 「おでがいでず! どっでもゆっぐぢぢだおぢびじゃんなんでず! がげがえのないいのぢなんでず! だっだびどづのいのぢだんでずうううう!」 「でたwかけがえのない命w お前らが言うと薄っぺらく聞こえるんだよなーw」 「一ついいこと教えてやるよ。 かけがえのない命だなんてもともと人間にとっちゃぁ無意味な言葉なんだよ」 「どぼじででずがああああ!!! までぃざにばわがりばぜん!」 「それはなぁ・・・ お前らみたいなアホとバカが自己満のために使う言葉だからだよ」 「どぼいうごどでずがあああああああああああ!?」 「犬や猫が虐待されれば可哀そうって言うくせに、保健所でガス室送りにするし 花を踏みつぶしたら怒られるけど、雑草を引っこ抜きゃあ褒められる 命は大切だって言っておきながら蚊やゴキブリは平気で殺す 自殺するなって言う割には、いじめは止めねーリストラはする ここまで矛盾してんのに“かけがえのない命”なんてキリッって言える奴はただのバカかアホだろ? ようするにお前らみたいな奴が人間にもいるってことだ そーゆー奴らが使うような言葉だから、薄っぺらくしか聞こえねえってわけだ」 「おおーw すげえな、ちょっと俺感動しちゃったよw」 「そうか? 適当に言っただけだぞ?」 「ぞれがばでぃざだじどがんげいあるんでずがあああああああ!?」 「いや、ねーよ。 もういいだろそいつら潰しちまえ」 「だなだな!」 「おどじゃ! おどうじゃああああああああ! までぃじゃじにだぐにゃよおおおお! ぐるじ! ぐるじいいいい! ゆぴょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ゆぎゅおおおおおぎゅうおおおおゆぎょおおおおおおおおおおお『ブチぃ!』・・・」 「やぢゃやぢゃ! ありじゅばじばばぜになっぢぇ! ゆっぐぢ!じゅりゅんぢゃもん! ゆっぐじ! ゆっぐじいいいいいい! あでぃじゅはゆっぐじいいいいいいいいい! おごおおお! げっぇげっぇえっ! あでぃ!じゅ! ぢょがいは『ブチョ!』・・・」 破裂寸前の子まりさと子ありすはさらに圧力をかけられてあっけなく爆ぜた 地べたには餡子とカスタードの小さな花が新たに花開いた 「ああああああああああああああああああああああああああああああああ!!! までぃざのおじびじゃん! おじびじゃんがああああああああああああああ!!! どっでぼゆっぐぢぢでだのにいいいい! どぼじでごろしちゃったのおおおおお!?」 「うるせーな! そいつさっさと黙らせようぜ!」 「だなだな!」 「はいよーw 死ね!このウジ虫w」 「やめでね!? までぃざをごろざないでね!? までぃざはあだらじいおよべざんどおじびじゃんづぐっでゆっぐぢ『ベシャア!』ゆっぐ・・・じ・・・」 長まりさを掴んでいた人間は勢いよく近くの看板に叩きつけた 勢い余っておさげがちぎれてしまい長まりさの顔面がぴたりと張り付く その身体はピクリともせずにずるずるとずり落ちていって、看板には餡子のラインが縦に引かれた 「はぁーすっきりした! じゃあ早速つぎいこーぜ!」 「だなだな!」 「むきゃん! まちなさいあなたたち!」 ぱちゅりーは人間の後を必死に追う 何もできないと知りながら 後編へ続く
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多数の設定をお借り 俺設定 すっきり注意 一応どこでもない世界ってことで ―――――――――――――――――――――――――――――― みせあいっこ ―――――――――――――――――――――――――――――― やぁ、僕は子供大好きお兄さん! 今日も子供の喜ぶ顔を見るために大量のお菓子を用意した。 これでまた「お兄さん大好き♪」なんて言われたらもうハートがキュンキュン☆ 早く里に行って子供たちの声が聞きたいなー。 そんなわけでお兄さんはものすっごく急いでいるんだ。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「「「「ゆっちゅりしていってね!!」」」 チィ、前方にゆっくり共を確認。親れいむ1親まりさ1赤れいむ2赤まりさ3。 俺は子供大好きお兄さんでも「人間の」子供大好きお兄さんであって、 ゆっくりなんかに与える笑顔も愛情もない。 「ゆっくり無勢が、死にたくなかったら俺の前からとっとと失せろ」 「ゆゆ?そんなことよりれいむのおちびちゃんをみてね!!」 「まりさのおちびちゃんをみておどろくなだぜ!!」 俺の発言をスルーして赤ちゃんを見ろだと指図してくる糞饅頭。 何か裏があると思いとりあえず従うことに。 ジー・・・ 「ゆーゆー」 「しゅーりしゅーり」 「ゆ~♪」 。 このまま眺めていると俺のストレスがバーストして四肢が餡子にまみれることになるのだが? 「見たぞ、これがなんだ?」 「れいむのおちびちゃんをみてにんげんさんはとってもゆっくりできたでしょ!! つぎはにんげんさんがれいむたちをゆっくりさせるばんだよ!!」 「くんくん・・・にんげんさんからあまあまのにおいがするんだぜ!! とっととそれをまりささまによこすんだぜ!!」 「「「よこちぇー!!」」」」 やれやれ、俺は呆れた。 「あかちゃんをみてゆっくりしたよねおかしよこせ」暴論にもほどがある。 第一お前らの赤ちゃんを見てもゆっくりの何一つも得ていないし、 かえってイライラをチャージさせてくれた。 しかし今まで出会ったゆっくりの、 「にんげんさん!かわいいれいむにあまあまをちょうだいね!!」 と開口一番に要求するのと違い、 赤ちゃんを見せた→おかしをくれ と段階を踏んでいる。 ほう、奴らも知恵をつけたのか。経験が生きている証拠だ。 ならば遊び相手になってやろう。 おもむろに背負っている袋の中からお菓子を赤ゆっくりの数だけ出して地面に置く。 「はなしがはやくてゆっくりできるにんげんさんだね!」 「こんどはまりささまがゆっくりするばんなんだぜ!」 「「「ゆ♪ゆ♪」」」 「これがゆっくりさせてくれたお礼のお菓子だ」 「「「「ゆわーい!」」」」 「みんなでゆっくりたべようね!!」 「まりしゃはおにゃかがぺこぺこなんだじぇ!」 「おちびちゃんまってね!みんなでむしゃむしゃしないとゆっくりできないよ!!」 「しょんにゃのきゃんけいないんだじぇ!!むー「鬼意結界!!」ぶげぼばっ!!!」 一足先にお菓子に口をつけようとした赤まりさを軽いチョップで弾き飛ばした。 吹き飛んだ赤まりさは何があったか分からずにきょとんとしている。 「おちびちゃんをしつけてくれてありがとうにんげんさん!これでゆっくりできるよ!!」 「むーし「鬼意二重結界!!」じゃばどばぁっ!!」 いざお菓子を食べんとす親れいむにクロスチョップをかます。 親れいむは天空に飛ばされながら空中を1、2、3、4、5・・・たくさん回転して地上に落下した。 「ゆべっ!えれえれえれ~」 「れいむ、だいじょうぶなんだぜ?」 空中旅行を楽しんで来た親れいむが草原に餡子をぶちまけた。 何が起こったかわからない親子にそろそろルール説明をしてやる。 「誰がお菓子を食べていいと言った?」 「どういうこと?」 「ゆっくりせつめいするんだぜ!!」 「お前らは赤ちゃんを見せて俺をゆっくりさせた、間違いないな?」 「そうだよ!とってもゆっくりできたでしょ!」 「そのみかえりにあまあまをよこすのはとうぜんなんだぜ!」 「だから俺もお菓子を見せてお前たちをゆっくりさせる、おあいこだ」 「「「「ゆ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛?!!」」」」 「なにいってんの?あまあまはむーしゃむーしゃしないとゆっくりできないんだよ!!」 「本当は俺も赤ちゃんをむーしゃむーしゃしないとゆっくりできないのだがな」 「おぢびぢゃんはむじゃむじゃずるものじゃないでしょおおおおおぉぉぉぉ??!」 「そうか、本当なら俺も赤ちゃんをむしゃむしゃしたいところなんだが、 せっかくお前たちはかわいい赤ちゃんを見せて俺をゆっくりさせてくれた。 見返りにお菓子を見せてゆっくりさせてやろうというのがお兄さんの粋な計らいだ」 もちろん赤ゆっくりを見てゆっくりできる要素なんて ひ と つ もないんだけどな。 あ、潰せばゆっくりできるか。 「ならまりささまにとっておきのさくがあるんだぜ!」 とっておきの策?ゆっくりがか。 森の賢者ぱちゅりーなら考えられるが森の脳筋まりさが策だと? 最高にむきゃきゃきゃって感じだぜ。 「まりさごときに何ができるんだぁ?ああん?」 「じじいみてろよ!!これがまりささまちからなんだぜ!!」 そう叫ぶと親まりさは小刻みに震え始めた。 「ゆふぅ・・・ゆふぅ・・・」まりさの体から粘液が湧き出る。 「ゆふぅゆふぅ・・・ゆふぅゆふぅ・・・」顔が紅潮し、目がとろんとしていく様子は見ていて気分の良いものでない。 「れいぶ・・・れいぶ・・・れいぶうううううぅぅぅぅ!!!」 「まりさ、どうしたの?おかしいよ?」 「れいぶうううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!」 「いや、いまのまりさはゆっくりできないよ!こっちにこないやあ!」 明らかに親れいむが引いている。 このお菓子見てるだけに耐えきれなくて元から狂ってる頭に拍車がかかったか? と、親まりさが親れいむに飛びかかった。 「れいぶがわいいぜれいぶうううぅぅぅぅぅぅ!!」 「ばりさもがわいいよおおおおおぉぉぉぉぉ!!」 そう叫びながらお互いに体を揺らし濡らし揺らし濡らし。 。 親共は粘液で草原の緑をねっとり湿らせて、 見ているだけで吐き気がする性交をおっぱじめた。 その横で赤ちゃんどもが、 「ゆっちゅりー」「ゆ♪ゆ♪」「ゆゆゆー」と何とものんきな声。 餡子脳には羞恥心というものがないのか?それともその行為を見せることがゆっくりに繋がるのか? それよりもこいつらは親の痴態を見て何とも感じないのか? とにかく某妖精とはベクトルが大きく異なるバカということは認識できた。 「いぐぜええええぇぇぇぇぇ!!ばりさいっぢゃうぜええええぇぇぇぇぇ!!!」 「ぎでええええぇぇぇぇ!!れいぶおがじぐなっぢゃうううううぅぅぅぅぅ!!!」 「「んほおおぉぉぉぉぉぉぉ!!ずっぎりいいいぃぃぃーー!!!!」」 フィニッシュを迎えたゆっくり親子。 やりきった後のヘブン状態の顔は、 この場にいるすべてのゆっくりにゆっくりとは何かという哲学の問いの一つの答えとなろう。ゆっくり限定を強調するぞ。 親まりさに犯された親れいむの額からニョキニョキと茎が生えてきた。 きめぇ、きもすぎる。だからゆっくりは嫌いなんだド畜生。 「ゆー♪」「ゆー♪」「ゆー♪」「ゆー♪」 「ゆゆ!ゆっくりとしたあかちゃんがはえてきたよ!!」 「れいみゅのいもうとだね!」 「まりしゃおねえちゃんがんばるよ!!」 「にやり」 その様子に不敵な笑みを浮かべる親まりさ。 「じじい!あたらしいあかちゃんをみてゆっくりしたのはまりささまにおみとおしなんだぜ! そのゆっくりをあまあまでかんげんするんだぜ!!」 「れいむはあたらしいあかちゃんのためにおいしいものをたくさんむしゃむしゃしなきゃいけないんだよ!! じじいはとっととあまあまをよこしてね!!」 そういうことか・・・。 いや、饅頭がこのような発想をするとは・・。 あかちゃんをみせたゆっくり=おかしをみるゆっくり から、 あかちゃんをみせたゆっくり+あたらしいあかちゃんをみせたゆっくり>おかしをみるゆっくり にして、 あかちゃんをみせたゆっくり+あたらしいあかちゃんをみせたゆっくり=おかしをたべるゆっくり と一気に形成逆転てわけか。 ただ、まりさ。 敵の戦力を確認しなかったのは浅はかだったな。 あいにくだが俺は「大量の」お菓子を持ってきているんだ。 生まれてきた赤ちゃんの分だけお菓子を追加。 「ならそっちもたくさんのお菓子を見て存分にゆっくりしてくれ」 「どぼじでまだあまあまがあるんだぜええええぇぇぇ?!」 「ぼうみるだげはいやだああああぁぁぁぁ!!」 「ゆゆ?」 「れいむ、どうしたんだぜ」 「ひとりのゆっくりはよわくても、みんなあつまればすっごくつよいんだよ!!」 「だかられいむはむれのなかまをしょうしゅうするよ!!」 いや、確かに増えれば強くなるけど。 でもな、ゆっくり一人一人のポテンシャルが絶望的。 0に0をたしても0ということをこいつらはゆっくり理解するべき。 と親れいむがピコピコしたもみあげを口にくわえてふっーと息を吹きかけた。 「しょうしゅうだよ!!!」 「ゆー♪」 「とちぇもゆっちゅりしたおとしゃんだだね!」 「いやされるんだぜぇ・・・」 ?何も聞こえない。 「じじいにこのおとのよさがわかってたまるかなんだぜ!」 ああ、ゆっくりにしか聞こえない犬笛ならぬゆっくり笛ってか。 ドドドドド・・・ 「みんなー!あつまってね!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 。 とあっという間にゆっくりが増えた。 「これがれいむのちからだなんだよ!ゆっへん!!」 えーと、このれいむを助けに来たゆっくるは・・・。 金髪の都会派淑女 ありす 「とかいはね!」 ナイトキャップの賢者 ぱちゅりー 「むきゅきゅ!」 きゃべつ帽子の猫耳尻尾 ちぇん 「わかるよー!」 黒いリボンの卑猥語生産機 みょん 「ちーんぽ!!」 「よくきてくれたね!みんな!!」 「とかいはたるものなかまのぴんちにかけつけるのはとうぜんよ!!」 「あのじじいがな・・・」 「おかしをひとりじめしてるんだねーわかるよー」 「ちーんぽ!!まら!まら!ちーんぽ!!!」 言うが早くお菓子の山に突進してくるみょん。 「ちーーーんーーーぽ「鬼意四重結界!!」まらべにっ!!」 先ほどのクロスチョップとは趣向を変えて、立ちはだかり自分の体ほどのバリアを形成。 それに触れたみょんを向こうの木の根元まで容赦なく吹きとばす。 「まら・・・まら・・・べにず・・・」 「みょんしっかりして!!」 「こんなことするなんてなんていなかものなの!!」 「あまあまのひとりじめにともだちをきづつけるなんてにんげんさんはおになんだねーわかるよー」 「むきゅ!どういうことかせつめいしてもらうわ!!」 鬼意説明中・・・。 「おかしさんはむしゃむしゃしないとゆっくりできないのをしらないなんて! いなかもののあたまはどうなっているのかしら!!」 「むきゅ、たしかににんげんさんのいいぶんもわかるけど・・・」 「どうしてそんなひどいことするのーわからないよー」 「ちーんぽ!!まら!!」 「ところでみんな、れんらくのとおりにおちびちゃんはつれてきた?」 「「「つれてきたわ(よー)!!」」」 「ちーんぽ!!」 あのゆっくり笛に伝言とかそんな機能があるとは。 そんな機能より「少ない食事で満足できる」とかもっと実用的なアビリティをつけた方がいいと思う。 「さぁ!にんげんさん!!たくさんのおちびちゃんをみてもーっとゆっくりしてね!! そしてとっととあまあまをよこしてね!!」 「ときゃいはー」 「むきゅーきゅー」 「わきゃるよー」 「ぺーに♪ぺーに♪」 。 ここで疑問。なぜ赤ゆっくりは俺をゆっくりさせられない? 一つ、赤ちゃん言葉で「わたしかわいいから」アピールがうざい。 二つ、小さいから狙いをつけにくい、ちょこまかと目ざわり。 三つ、「ゆー♪」とかのいちいち出す鳴き声。 四つ、ゆっくりだから。 赤ちゃんがちっこくて丸いのは本来動物の生理的な部分に訴えて赤ちゃんが襲われないようにするとかなのに、 なぜか赤ゆっくりではその逆の嗜虐心をくすぐることに成功している。 ああ、饅頭のくせにしゃべるからか・・・。 「あ、ちなみにまだまだお菓子あるよ もっと並べとくからゆっくり見ていってね!!!」 「どぼじでまだあるんだぜえええええぇぇぇぇぇ?!!」 「それだけもってるならありすたちにわたしなさいよおおおおぉぉぉ!!!」 「ごうよくなんだねーわかるよー」 「まら!まら!ちーーーーーーーーーーんぽ!!!」 「ちなみにこのお菓子子供たちにあげる物だからお前たちには一個もやらねぇよバーカ!!」 「ゆゆ?だったらおちびちゃん」 「饅頭(小)は俺の中では子供なんかじゃねぇよ!!」 「どぼじでぞんなこというのおおおおぉぉぉぉぉ??!」 にしても親が必死に説得を試みているのに、 赤ちゃんどもは「しゅーりしゅーり」とか「ちょうちょしゃんみゃってね!」とか「まら!」とか。 こいつらは生まれた時から空気というものが読めないんだな!ぶふぇ!! 「むきゅ!あかちゃんならふやせばいいのよ!!」 「それはさっきまりささまがおもいついたんだぜ!!」 「れいむのすっごくゆっくりとしたあかちゃんたちだよ!!」 二つ返事で赤ちゃん作れるようなお前らとは一生わかりあえそうにないわ。再確認。 「いまからあかちゃんをつくってあまあまをたっくさんもらうよ!!!」 「「「「ゆーゆーおー!!」」」」「ちーんぽ!!」 声をそろえたらすぐに小刻みに震えだすゆっくり。 だんだんと顔が火照る姿を見ているとこっちにぱちゅりーが来た。 「むきゅ、にんげんさんこれをつけてて」 「こいつは?」 「めかくしとみみせんよ」 ごそごそとナイトキャップから出されたのは、 どう見てもドングリと葉っぱ。なんの冗談だ? 「いや、だからなに?」 「むきゅ。ぱちゅはおかあさんに「すっきりはむやみにみせるものじゃない」っていわれたの」 発見!饅頭にも羞恥心はある!! 「ほぅ、その心をゆっくりが持つとは珍しい。ありがたく使わせてもらうよ」 「むきゅ、おわったらぱちゅがとんとんってやるからおぼえといて」 そう言うとぱちゅりーは「んほぉ」とか「ゆひぃ」とか聞こえる乱交パーティに消えて行った。 え、ドングリとか葉っぱとか使うわけないから。 眠るときに周りの様子が気になるタイプだから耳栓とアイマスクは常備してるので。 でもゆっくりにしてはよく出来てるな。あの紫もやし。 ―――――――――――――――――――――――――――――― トン、トン、トン・・・・。 背中を叩くその衝撃に耳栓とアイマスクを外す。 耳栓とアイマスクをつけて横になっていたら知らない間に寝ていたようだ。 「むきゅ、おまたせ。ぱちゅたちのかわいいあかちゃんをゆっくりみていってね」 んあー、そう言えば、赤ちゃんを見せてお菓子ゲットチャレンジの途中だったか。 ふあー。 「れいむのゆっくりしたあかちゃんがふえたよ!!ゆっくりみていってね!!!」 「まりささまのあかちゃんをとくべつにおがまさせてやるんだぜ!!!」 「いなかものはとかいはのあかちゃんをみれることをこうえいにおもいなさい!!」 「ちぇんのあかちゃんをみてゆっくりしているんだねーわかるよー」 「ちんーぽ!!ちーんぽ!!」 「むきゅ」 見ると親ゆっくりすべての額から茎が伸びていた。親れいむにいたっては2本ある。 そこに生っている丸っこいのはすべて赤ちゃんだろうか。 「ゆー」「ゆー」「ぺにー」とこいつら茎に生った瞬間から言語能力爆裂とは。 でたらめにもほどがある。 「さあ、じじいはかんねんしてあまあまをよこしてね!!!」 てかな、俺が寝ている間にお菓子を持ち去って逃げるってこともできたはずなのにさ、 人が目を離している隙にも必死に子作りとかお前たちは一体なんだ? あの紫もやしもエチケットにはうるさかったがこういうことに頭は回らないとか。 ずいぶんと遠回り、なんていうか、もう、バカ。 「はいはいゆっくりゆっくり」 「お菓子追加でもっとゆっくりゆっくりっと」 「おがじいいでしょおおおおおぉぉぉぉ??!」 「にんげんさんがそんなにあまあまをもってるわけないいぃぃぃぃ!!」 だから最初に敵の戦力を確認しないそっちが悪いんだって。 「もうぱちゅのさくはつきたわ」 「このままではまけてしまうんだぜ!」 「わからないよー!」 「ちーんぽ?!」 「ゆっくりしたいよおおおおぉぉぉぉ!!」 「さくは・・・あるわ」 「「「「なんだって!?」」」」「まらら!?」 「あたしの「とかいはりみったー」をはずせば・・・いいのよ」 「そ、そんなことしたら」 「わかってる」 「ありすはどうなるんだぜ」 「きっと・・・みんなのことがわからなくなって・・・」 「どうなのー」 「じぶんがすっきりすることしかかんがえられなくなって」 「ちーんぽ?」 「みんなをころしてしまうかもしれない・・・」 「「「「ええ?それはゆっくりできないよ!!!」」」」「ちーんぽぽ!!」 いまいち話が分からなくなってきた。 てか「とかいはりみったー」って何だよ。 「むきゅ、にんげんさんにもせつめいがひつようみたいね」 「そうしてくれると助かるな」 もやし説明中・・・。 「とかいはりみったー」とは、本来レイパーになる運命のありすが自らのレイパー化を防ぐための心の枷。 ありす種の持つ「とかいは」理論を強固にすることで、「とかいは」のかけらもないレイプを深層的に防止できる。 利点は、まず第一に色に狂って友達をすっきり殺しをしてしまうことがなくなること。 欠点は、レイパー時のまりさより強くちぇんよりも早い身体能力をも封印してしまうこと。 一旦これを外したら、今まで抑えてきた性欲が一気に放出されて、 周りのゆっくりはまたたくまに体中から根を生やして黒ずんでしまう。 。 そうか、そういうことか・・・。 いらないな。それ。 動物たるもの本能的に生きて欲しいものなのに、 理性で本能を抑えるととか高尚でお前何様?な話だよ。 あ、饅頭だから別にいいや。 「とにかくあかちゃんをふやしたらかちなんでしょ。 だったらあたしの「とかいはりみったー」をはずしたらあかちゃんがたくさんうまれるわ」 「でも、でもれいむもっとゆっくりしたい!」 「まりさもだぜ!」 「むきゅ!ありす、すこしゆっくりして」 「わからないよー?」 「ち-んぽ!」 「みんなはあまあまがほしくないの?」 「「「「・・・・・・・」」」」 「ならやるしかない」 「ありす・・・。」 いや、死んじゃったらお菓子食えないでしょ。 「みょん。」 「ちーんぽ!」 「あなたはこまったときにすぐかけつけてくれるりっぱなないとだったわ。」 「まら・・・」 「れみりゃがおそってきたときも、ぼうでいちげきでたおしてくれた。とってもつよかった」 「まらまら・・・ちーんぽ」 え、何? 「ちぇん。」 「ありす・・・」 「あなたはなかまのなかでいちばんあしがはやかった。かけっこだといつもいちばん」 「わかるよー」 「そのすばやさでのかりではまいかいたくさんのたべものさんをとってきてくれて、 それでまいにちみんなでむしゃむしゃ。とってもしあわせだったわ」 「ありす・・・わからないよー・・・」 これは、 「ぱちゅりー。」 「ありす、ゆっくりして」 「あなたはいちばんかしこくて、たべもののことやしぜんのこと、たくさんおしえてもらった」 「むきゅ、なにを。これからもいっぱいおしえるよ」 「あたしのおちびちゃんがびょうきになったとき、ぱちぇのくすりですぐよくなったわ。 とってもくれーばーよ」 「・・・・・・・」 あのー、 「れいむ。」 「ゆゆ?」 「あなたはいちばんのべびーしったーよ。あなたにあずけたあかちゃんはいつもえがおだった」 「れいむはこそだてがじょうずだからね!」 「おうたもすっごくじょうずだった。れいむのおうたはきっと、あたしたちだけじゃなくてさ、 むしさんもはなさんもとりさんも、みーんなゆっくりさせて・・・。」 「おうたはとくいだから・・・ね・・・」 なんというか、 「まりさ。」 「ありす、ゆっくりかんがえなおすんだぜ!」 「じつはあなたのことがだれよりもすきだった。おはだもおぼうしもおめめもおくちもぜーんぶいとおしくて」 「!!!でもまりさにはれいむが」 「わかってる。でもさいごにつたいの。まりさ、あなたのことがだーいすきよ」 「さいごってなんなんだぜ?これからもゆっくりして」 「まりさ」 「ありす・・・」 「つぎのゆんせいはまりさといっしょにゆっくりしたいな」 「・・・・・・・」 全体的にありすの遠い眼とそれ以外のありすの言葉を反芻して、 「そういうことあったなー」という顔が印象的だった茶番。 一部の問題発言はもはや気にならない。 何この最終回みたいな展開。だとしたら俺がラスボス? てかこのありす。ただ性欲を抑えきれないだけじゃね? ほら、さっきしてたのでレイパーの感覚を思い出しちゃったとか。 「みんな、おわかれね!」 「ゆすん・・・ゆすん・・・」 「ほら、おわかれなのにないちゃだめでしょ。とかいはじゃないわ」 そして、 「みんな、いままでありがとう」 ありすの制御は、 「あたしは、とかいはをすてます。れいぱーになります。みんなの、ゆっくりのために」 外れることになる。 「とかいはりみったー!かいじょ!!」 ピカー! ありすから光が暴発した。まるで地上に太陽が降りてきたような明るさ。 「まりさ・・・ずっと・・・」 「ありすううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅー!!!!!!」 暑苦しいギャラリーをバックにして徐々にその光がおさまってくる。 そして、光の中心にいたありすの代わりにいるのは、 「んほおおおおおおおぉぉぉぉ!!!ゆっくりたちがたいりょうねええええぇぇぇぇ!!! みんなにとかいはのあいをたっぷりあたえてあげるわああああぁぁぁぁぁ!!!」 髪は逆立ち、肌は汚らしい粘液をまとい、口をだらしなく開けて、目を血走らて、 「理性」というものをかなぐりすてたありすの本能がそこにはあった。 すっきりは正義すっきりは快感すっきりは崇高すっきりは万能 すっきりは愛情すっきりは感情すっきりは義務すっきりは奇跡 すっきりは・・・。 すべての事象をすっきりでしか表現できないクリーチャー。 「やっぱりこわいいいぃぃぃぃぃ!!」 「ちょくしできないんだぜえええぇぇぇぇ!!」 「これはひどいわ・・・」 「わからないよおおおぉぉぉぉぉ!!」 「まらまらまらまら・・・」 ここから予想される展開。 みんなありすにおそわれる→すっきり→まだまだいくよー→すっきり→まだまだいくよ→すっきり→まだまだ(ry 別にゆっくりの性交を見るのが趣味ではないのでもう耳栓アイマスクでもう一眠り。 放置してもよかったけど、このまま逃げるとこっちが負けたような感じがするし。 「じゃ、みんなおやすみー!」 「「「「にんげんさんたすけて!!!」」」」「べにずうううぅぅぅぅ!!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「「「「「ゆっちゅりしちぇいっちぇね!!!」」」」」 「だぁ!うるさいっ!!」 俺は大量のゆっくりのあいさつで目が覚めた。 どうやらこれだけいると高級耳栓でさえも防げないらしい。 周りは予想通り犯しつくされて黒ずんでいる親たちの姿。 全身にびっしりと茎を生やしてまりものようだ。 なんか赤ちゃんまで犯されてもれなくまっくろくろすけ。 あれ、横で親ありすも倒れている。すっきりしすぎた結果がこれだよ! で今目の前にいるのは茎から落ちる落ちるありす種の赤ゆっくりの山、山、山。 軽く見積もって100体はゆうに超える。 さて、帰ろうか。お菓子お菓子・・・っと。 お菓子・・・? 今思い出した。ゆっくりはお菓子が欲しくて赤ちゃんを作ってたんだ。 ならばこれが奴らの最終ラウンド。 袋の中に残っているお菓子は・・・あと130個程度。 負けた・・・か。 饅頭ごときに敗れるとは思いもしなかったが、命を捨ててまでお菓子に身を捧げたゆっくりはある意味かっこいい。 「俺の餞別だ、あの世でゆっくりしていってね」 そう突拍子もない発想を思いつき散って行ったゆっくりを思い出しながら、 赤ありす軍団に向かって袋の中身をぶちまける。 「おぼだいよおおおぉぉぉぉ!!」 「ぎゅうぎゅうにゃんちぇときゃいはじゃにゃいいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!」 「おしゃないでね!!!ぜっちゃいにおしゃにゃいでにぇ!!」 「つぶれちゃうううううううぅぅぅぅぅ!!!」 空には太陽の代わりに星がまたたいていた。 今日は遅いし、もう家帰るか。 キラッ 俺に向かって星が光ったような気がした。 きっとお空でゆっくりしてるんだな・・・。 そんな彼らのゆっくりを思い浮かべ 「ヒャッハー!我慢できぇね!!!明日から虐待だぁ!!」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「「「「「もっちょゆっちゅりしちゃかっちゃよ・・・」」」」」 明日にときめいてるお兄さんの後ろに、 赤ありす軍団はお菓子の重みで一匹残らず潰れていた。 終 ―――――――――――――――――――――――――――――― みせるだけってネタあった気もするんですけれども うーん・・・。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ このSSに感想をつける
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律「じゃあなんでダイエットしてるんだ?」 唯「確かに!」 澪「違う、私が目標にしてるのは“キープ”だ!」 律唯「キープ?」 澪「ああ」 律「…どういうこと?」 澪「ほら、食事をするとその分増えるだろ?」 唯「うん」 澪「だから、その分減らしてるんだ」 律「え?食べると増えるから食べるの減らす??は?」 唯「むずかしくてわかんないよー」 澪「大体、毎日ケーキとか甘い物食べて、太らないわけないだろ?」 唯「私は太らな…澪「唯は別だけどな!!!!」 律「まあ、確かに…」 唯「でも、りっちゃん体型変わらなくない?」 律「そうか?」 唯「うん、1年の時から何にも変わってないよ」 律「それはいろいろと失礼だ」ペシ 唯「あたっ」 澪「まあ、それは律がドラムだからってのが大きいだろ」 唯「なんで?」 律「ドラムは全身使うからな」 唯「あ、そっかあ!消費量が多いんだね?」 澪「そういうこと」 律「でもさー」 澪「ん?」 律「この前澪、太ったっつって半ベソかいてたよな」 唯「そうなの!?」 律「どうでもいいんじゃなかったのか?」 澪「うっ……それは、やっぱり……」ゴニョゴニョ 律「は?」 唯「ごめん澪ちゃん、聞こえなかったよ~」アセアセ 澪「だから…その……なるべくなら…す、すっきりしてた方が……かわいい、かと……」ゴニョゴニョ 律「それも含まれてんのか」 澪「あ、当たり前だろ///」 唯「澪ちゃんか~わいい~♪」 律「ま、とりあえず澪が言うダイエットは趣味みたいなものか」 唯「女子高生の定番だね!」 澪「お前らも女子高生だろ」 唯「えー、私はいいよー」 唯「気にする生活より、気にしない生活の方が楽しいもん!」 律「ああ、確かにそれ言えてるな」 澪「そうか…?」 唯「今を楽しまなきゃもったいないよ!」 律「大人になってからでもダイエットできるしな」 唯「うんうん!」 澪「……」 唯「無理に我慢して万が一次の日事故とかで死んじゃったら、もう二度と食べられないしね!」 律「あ~確かに」 澪「ああ…」 唯「澪ちゃんも無理しない方がいいよ!」 律「そうそう!」 澪「…そっか…じゃあ……」 ??「ダメよ、澪ちゃん!!!!」 唯「はっ!!この声は!!」 律「ムギ!!!」 紬「ダメよ澪ちゃん、誘惑に負けちゃ!」 澪「ムギ…?」 紬「それに、りっちゃんも唯ちゃんも、何にもわかってないわね!」プンスカ 唯「あれ、ムギちゃん怒ってる…」ヒソヒソ 律「何かまずいこと言ったか?」ヒソヒソ 紬「聞こえてるわよ!!」ビシッ 唯律「ひいっ」 紬「澪ちゃんを誘惑しないの!」 唯「え…なんで?」 紬「唯ちゃんは異常な体質の持ち主だし、りっちゃんはドラムもそうだけどよく動いてるから消費できてるだけなのよ」 律「そうなの?」 紬「そうなの!」 唯「で、どうしてダメなの?」 紬「傷つくのは澪ちゃんだからよ」 澪「私…?」 紬「澪ちゃんが気にしないで食べるようになったらどうなる?」 律「え?…まあ、ちょっとは太るんじゃないか?」 澪「えっ」 唯「まあそうだよね~」 澪「えっ」 紬「でしょ?」 唯律「うん」 澪「えっ」 紬「どうしたの澪ちゃん?」 澪「え、だって律も唯も私が太ることを前提としてる…」 唯「だって、そりゃ食べたら太るでしょ」 律「まあな」 澪「そんな…」ガーン 紬「ほらね、澪ちゃん。二人はこんな調子なの」 澪「……」 律「だって澪、太るとかどうでもいいって言ったじゃん」 澪「……うん」 紬「!?」 唯「だから私たちもいい道に誘ったんだよ~」 紬「……」 唯「…ムギちゃんはダイエットしてる?」 紬「当たり前じゃない」 唯「なんで?」 紬「太った身体なんて見苦しいしすぐ疲れるし嫌なことばかりだもの」 唯「そっかぁ~」 律「ふーん、じゃあ澪は?」 澪「私か?」 澪「……うーん」 律「そうなると思った」 澪「やっぱり、趣味程度のものなのか…」 紬「…でも、澪ちゃん、ホントに傷つかない?」 澪「え?」 紬「だって、今まで目標にしてたものがいきなりなくなるのよ?」 紬「で、食べすぎたり運動しなさすぎたりして太ったら、ショックなんじゃないの?」 澪「確かに…それもあるかも」 紬「澪ちゃんが気にしないって言うならいいけど、ちょっと心配で……」 律「ムギ?」 唯「どうしたのムギちゃん?」 澪「ムギ…?」 紬「ごめんね、ちょっと目にゴミが……」ポロポロ 唯「大丈夫?」 紬「大丈夫…」ゴシゴシ 律「ムギ」 紬「なあに…?」 律「ストレートに聞くけど…、昔なんかあったのか?」 紬「…え…?」 律「…いや、間違ってたらごめん。でも、そうなのかなってさ」 唯「ムギちゃん、とっても悲しそうな顔してるよ…?」 紬「……なんでも、ないよ…?」ニコッ 律「…ムギ」 紬「……」 律「…ん、ごめんな、間違ってたみたい」ヨシヨシ 律「変なこと言って悪かったな」 律「けどさ、もしなんかあるなら、ちゃんと言ってくれよ?」 唯「そうだよ!」 唯「私達信用してくれてないみたいで、悲しくなっちゃうもん!」 澪「ああ」 澪「私達もムギのこと信頼してるからさ」 紬「みんな……」 紬「ごめんね、ありがとう…」ポロポロ 律「あー、泣くなってムギー!」ヨシヨシ 唯「大丈夫だよー」ダキッ 紬「…りっちゃんが聞いたこと…当たりなの」 唯「…?」 紬「私、小さい頃からたくさん食べさせられてて…」 紬「でも、お家から出させてもらえなかったから、運動もあまりできなかったの」 律「わぁ……」 紬「子供だから基礎代謝はいいとはいえ、当然、私はそこらの小学生より太っていたわ」 紬「だから小学校では避けられてた」 紬「もちろん、私立小とはいえ、私の家のこともあったからなんだけど…」 紬「寂しかった」 澪「ムギ…」 紬「中学生になるとき、ダイエットして、痩せて、新しい私立の中学校に通ったの」 紬「そうしたらすぐ友達ができたの」 紬「だから、それからはずっとダイエットしてるわ」 律「そうだったのか……」 唯「ムギちゃん、辛かったねえ……」ウルウル 紬「ありがとう唯ちゃん。でも、今はとても嬉しい」 紬「みんなが私の過去まで受け止めてくれるなんて…」 紬「友達って、やっぱり素敵ね♪」ニコッ 澪「ああ」ニコッ 澪「私達が言ってたことなんて、どうでもよくなってきたよ」 律「確かにな」ハハ 澪「やっぱり、私は太ったって痩せたってどっちでもいいよ」 澪「どんな姿の私でも、みんなが“私”として受け入れてくれるってわかったから」 澪「仲間って最高だな!」 終わり。 戻る
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2011年、2月20日、24時間配信凸企画中にオープンクエスチョンについて石炭さんと話していた際に寝惚けた丫戊个堂が突然言い出した名言(風の台詞)である。 石炭「オープンクエスチョンってウミガメのスープでしちゃいけないタイプの質問形式のことですか?」 ↓ あぼ「いや、焼いていいんだよ、この場合」 何を言っているのかわからないかもしれないが、私にもわからない。丫戊个堂自身ですら意味はわからないだろう。