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岩壁の間を走る道を、ギアッチョ達は「桟橋」へと急いでいた。迷うことなく 駆け行く彼らを、二つの月が煌々と照らしている。ギアッチョは前を走るルイズに 眼を遣った。さっきから何度も心配そうに後ろを振り返っている。売り言葉に 買い言葉で出ては来たものの、やはりキュルケ達が心配なのだろう。宿屋の 辺りから薄っすらと黒煙が上がっているとなれば尚更だ。 ついて来たのは彼女らの勝手だ。キュルケに聞こえるような場所で任務の ことを口走ってしまったことを責められればこちらの落ち度だったと言わざるを 得ないが、それでもついて来たのは彼女達の勝手だ。しかし、ならばあの場で 逃げ帰るのもまた彼女達の勝手だったはずだ。極秘の任務だと言われたから には、決して誰にもそれを明かさない覚悟がルイズにはある。だからキュルケ 達は結局何も知らなかったし、何も聞いてはいなかった。彼女達は遊び半分で ここまで来た。ただそれだけのはずだ。命を賭けてまで敵の足止めをする 理由も責任も、砂の一粒程もありはしないはずなのだ。 ――どうして・・・そこまでするのよ・・・! 「バカじゃないの!?」とルイズは怒鳴りたかった。今すぐ宿に引き返して、 あの三人を学院まで追い返したかった。 ――どうしてそこまでするのよ・・・! ルイズは我知らず繰り返す。彼女達と自分は、同じ学年でただ最近少し縁が あるというだけの関係だ。自分の為に命を張れるような関係であるはずがない。 彼女達と自分は、友達でも何でもないのだから。 そう考えて、ルイズの心はズキンと痛んだ。友達でも何でもないという、つい 数日前まで当たり前だった事実が彼女の心に突き刺さる。 その痛みに顔を歪めて、彼女はようやく自分の気持ちに気がついた。自分は 彼女達の輪に入りたかったのだと。彼女達と、笑い合いたかったのだと。 キュルケ達と楽しげに笑う自分の姿が一瞬脳裏をよぎり――それが彼女の 孤独を残酷なまでに浮き彫りにする。そんな自分がどうしようもなくみじめで 悲しくて、ルイズは唇を噛んでただ俯いた。 「おーい旦那ァ ちょいといいかね?」 ギアッチョの腰で、デルフリンガーがガチャガチャと音を立てる。 ギアッチョは先頭を走るワルドの背中に視線を合わせたまま、口だけで 「何だ」と返事をした。 「いやね、さっきの決闘でずーっと引っかかってたことがあったんだが そいつを今ようやく思い出してよ」 デルフリンガーはそこでギアッチョの反応を見るように言葉を切る。ギアッチョの 無言を先を続けろという意味に受け取って、デルフは言葉を継いだ。 「俺、どうやら魔法を吸収する能力があるみてーなんだわ」 軽い口調で告げられたそれに、ギアッチョはピクリと眉を上げる。 「・・・てめー、そりゃあかなり珍しい能力なんじゃあねーのか」 この世界には、魔法を利用して特殊な力を持たせたマジック・アイテムなるものが 氾濫している。しかし魔法を吸収するアイテムというものは、ギアッチョは寡聞に して知らない。そんなものがあれば貴族連中はこぞってそれを求めている だろう。少なくとも、あの土くれのフーケならば奪ってでも手に入れるはずだ。 先の戦いで、彼女がそれを使ったという話はない。ということは、そんなアイテムは この世に存在しないか――そうでなくとも相当な珍品である可能性が高い。 「へっへ ちったぁ見直したかい?旦那」 「・・・・・・まーな つーかよォォ~~、てめーは一体何なんだ?」 嫌々といった表情で返事をするギアッチョに人間で言う首をすくめるような動作を して、デルフリンガーは答える。 「いやー、実を言うとそこんところがちょいと曖昧でね 何千年も生きてりゃあ そりゃ記憶も風化するってなもんでよ」 何千年、という言葉にギアッチョはデルフに眼を落とす。彼の出自に興味が 沸いたが、しかしそれは直後後方から迫り来た足音と殺気に掻き消された。 ギアッチョはデルフリンガーに手をかけるとぐるんと背後を振り向き、そのまま 殺気を発した人物を確認もせずに魔剣を薙ぎ払った。 「――ッ!」 背後に迫っていた黒い影はまるで体重を感じさせない動作で斬撃を跳び避け、 そのままギアッチョの頭上を跳び越えてルイズに迫る。気配を感じてルイズが 振り向いた時には、彼女の身体は既に影に捕えられていた。 「きゃあッ!?な、何なのよ!」 ルイズの身体を片腕で乱暴に抱えて影は笑う。二つの月に照らされたその 顔を、白い仮面が覆っていた。 「ナメた真似してくれるじゃあねーか!」 そう吼えると共にギアッチョは先ほどの攻撃を巻き戻すような形で背後の 白仮面に斬りかかるが、 「・・・てめー」 デルフリンガーの切っ先は、ルイズの喉元一サントで停止した。 「ギアッチョ!」 ルイズが叫んだその瞬間、彼女を盾にした仮面の男が突き出した黒塗りの 杖によってギアッチョの身体は数メイルを吹っ飛んだ。 「チッ 野郎・・・」 前傾姿勢で着地したままウインド・ブレイクの風圧で尚も数十サントを 押し下げられ、ギアッチョは色をなくした眼で毒づいた。 「イル・フル・デラ・ソル・・・」 仮面の男はルイズの身体をきつく掴み、素早くルーンを唱える。一瞬の うちにフライの魔法を完成させ、仮面の男はこの場を離脱しようとするが、 背後の異変に気付いたワルドが既に彼に杖を向けていた。ワルドを 振り返った男が防御の姿勢を取るより早く、ルイズだけを見事に避けて 空気の槌が仮面の男を宙に打ち上げる。 「がはッ!」 「大丈夫かいルイズ!すまない、気付くのが遅れたよ」 ルイズに駆け寄って、ワルドは安心させるように彼女を抱きしめた。 レビテーションで何とか体勢を立て直した仮面の男にギアッチョが肉薄する。 「いけすかねぇ仮面を叩っ斬ってやるぜ てめーの顔面ごとよォォー!」 男に息つく暇も与えず唐竹割りにデルフリンガーを振り下ろす。どうやら かなり戦い慣れているらしい仮面の男は後ろに跳んであっさりそれを かわすが、ギアッチョは「ガンダールヴ」の力によって常人では有り得ない 速度で斬撃のラッシュを続ける。横薙ぎに首を狙い返す刀で袈裟に斬り下ろし、 心臓を狙って刺突を繰り出しそのまま回転してまた首を薙ぐ。太刀筋は 素人でもそれが全て急所を狙ってくるとなれば気を抜くわけにはいかない。 その上、ラッシュの折々に腹や顎等を狙って手や足が飛んで来る。 そっちのほうには多少の心得があると見えて、一瞬でも気を緩めれば そのまま真っ二つにされてしまいかねなかった。 仮面の男はチッと舌打ちする。手の内を見せてしまうことになるが、一気に 決めてしまわねば数十秒後に倒れ伏しているのは自分かも知れない。 ギアッチョの怒涛の連打の間隙を突いて杖を突き出し、バッと跳び上がって ウインド・ブレイクを放つ。今度は読んでいたようでギアッチョは一メイルほど 押されながらも吹き飛ばずに留まったが、仮面の男は逆に己の魔法の 反動を利用して四メイル程後ろに跳び退っていた。そしてそのまま間髪 入れず次の呪文を唱える。ギアッチョが駆け出す頃には既に仮面の男は その杖を振っていた。ギアッチョは男の周囲の空気がどんどん冷えていくの にも構わず突っ込むが、 「や、やべぇ!旦那!俺を突き出せッ!!」 魔法の正体に気付いたデルフが叫んだ瞬間、 バチィッ!! 激しい音と共に男の周囲の空気が爆ぜ――男の周囲とギアッチョを繋いで、 一筋の閃光が走った。 「ぐおあああああああッ!!」 左腕を中心に全身に雷撃を受け、左腕が燃え尽きたかのような痛みに ギアッチョは痛苦の声を抑え切れなかった。常人ならば気絶してもおかしくは ない痛みをなんとかこらえ、ふらつきながらも己のプライドを杖にして立ち続ける。 「ギアッチョ!!」 ワルドの腕をほどいてルイズがギアッチョに駆け寄る。ワルドは少し首をすくめて、 仮面の男に向き直った。猛獣のようにその身体をかがめると、一瞬にして男に 躍りかかる。ギアッチョに対抗するかの如く、ワルドは急所目掛けて己の杖で無数の 突きを繰り出した。防戦一方の仮面の男にフッと笑いかけると、決闘の時と同じく 前触れのないエア・ハンマーで敵を打ちのめす。 「ぐあッ・・・!」 肺から空気を吐き出して男は虚空を舞ったが、しかし吹っ飛んだことでワルドから 距離を取れたという事実に仮面の下の口はニヤリとつり上がった。既に詠唱を 完了していたフライを発動させ、彼は瞬く間に闇夜へ消え去った。 「ギアッチョ!大丈夫!?」 ギアッチョの身を案じるルイズを苦痛に歪む眼で一瞥して彼は口を開く。 「うるせーぞ・・・黙ってろ、声が頭に響く」 眩暈すら起こす痛みに右手で頭を押さえながら、ギアッチョは努めて平静な 口調でそう言った。 「で、でも・・・」 「とっとと向こうへ行きな・・・婚約者様が見てるぜ」 「行けるわけないじゃない!手当てをしないと・・・!」 ワルドはしばらくその場に佇んで彼らを見ていたが、ギアッチョから離れる様子の ないルイズに首を振って、やがて諦めたようにやって来た。 「ライトニング・クラウド・・・あの男、相当な術者のようだな しかし腕で済んでよかった 何故だか分からないが、君はかなり運がいい あれは本来ならば命を軽く奪う呪文のはずだよ」 「ふむ・・・ひょっとすると、この剣が電撃を和らげたのか?」 ワルドはあっさりと原因を看破するが、相棒の心を慮ってかデルフリンガーは 一言「知らん、忘れた」と答えた。 「インテリジェンスソードか?珍しい代物だな・・・」 「ワルド・・・そこまでにして ライトニング・クラウドの威力から考えれば運が よかったけど、これだって気絶しかねない大怪我だわ 手当てをしてあげて!」 嘆願するような声で言うルイズに、ワルドは困った顔を向ける。 「ルイズ・・・それは出来ない」 「どうして!?」 「いつ敵に追いつかれるか分かったものじゃない こんなところで悠長に治療を している暇はないんだ」 「そんな・・・!」 「そいつの言うことは正しい・・・先に進むぜ」 ワルドを説得しようとするルイズにストップをかけたのはギアッチョだった。 「この程度でくたばるほどヤワな人生は送っちゃいねー」 「でも・・・!」と食い下がるルイズから眼を離して、ギアッチョは先頭に立って歩き 始めた。ワルドは優しくルイズの髪を撫でて促す。 「さ、行こう 桟橋はすぐそこだ」 「・・・・・・分かったわ」 ギアッチョの背中に固い意思を見て、ルイズは渋々それを承諾した。 「・・・これが桟橋だと・・・?」 丘に作られた長い階段を登り切った果てに現れたものを眼にして、流石の ギアッチョも驚愕を隠せなかった。 それは山ほどもあろうかという大樹だった。視界に収まりきらない程の 巨大な幹から、無数の枝が四方八方に伸びている。その枝一つ取っても 普通の樹を何十本も束ね合わせたような大きさである。一体どれ程の 高さなのかは闇夜に溶けて伺えないが、天を衝くという言葉に相応しい 威容であろうことは容易に想像がついた。 ――まるでゲルマンの神話だな・・・ アスガルド・ミッドガルド・アールヴヘイム・・・幾層もの世界を貫きそびえる 神話の大樹の末端がこれだと言われれば、今のギアッチョはあっさり 信じたかもしれない。それ程までに巨大な老樹であった。 ギアッチョはその枝に吊るされた船に眼を向ける。上空高く浮かんでいる それを見た感想は、「メローネにホルマジオ辺りがやってるゲームに あんなのあったな」だった。船に乗るのに丘の上へ登る時点で薄っすらと 予想がついていた上にこんな壮大な樹を見せられた後である。どうでも いいとまではいかないが、全く驚く気にはなれなかった。 しかしあれに乗るとなると興味は沸いてくる。 「空飛ぶ船に乗るのは初めてだな」 と呟くギアッチョに、彼を心配して隣についていたルイズが不思議な顔をする。 「ギアッチョの世界にもあるんでしょ?空飛ぶ船・・・ええと、ひこうきだっけ」 「船の形と原理じゃ空は飛べねー 船と飛行機は全く別の代物だ」 「へぇ・・・」 わたしもいつか乗ってみたいと言いかけて、ルイズは慌てて口をつぐんだ。 ギアッチョの郷愁を無意味に呼び起こすべきじゃないと心中すぐにそう 考えたが、それが自分への言い訳であることは痛い程解っていた。 結論を出されたくないだけなのだ、自分は。イタリアへ帰るという結論を 出されることを激しく恐れている自分を、ルイズは否定出来なかった。 ギアッチョをイタリアへ送り返す方法は、未だに探している。しかし本を 一冊調べ終える度に落胆と共に彼女に生じる感情は、もはや疑念の 余地もなく「安堵」であった。ギアッチョを帰らせてやりたいという気持ちと 自分の使い魔でいて欲しいという気持ち、二つの感情がせめぎあって ルイズはもうどうにも動けなくなってしまいそうだった。そんな時に一瞬 いっそ一緒にイタリアへ行けないだろうか等と考えてしまい、少女の 悩みは更に混迷を増してしまった。 ルイズはぶんぶんと首を振る。考えるな。何も考えなければ、悩むことも ない。ルイズはそうして、無理に己を抑えつける。 「ルイズ?大丈夫かい?」 己の感情と躍起になって戦っていたルイズは、ワルドの声で我に返った。 「えっ、あ・・・ごめんなさい 何?ワルド」 ワルドは苦笑して言い直す。 「今偵察を終えて来たんだがね どうやら敵はまだ近くには来ていないらしい それで、僕は先に行って船長と交渉してこようと思う 使い魔君はその怪我 では満足に走れないだろうからね」 その提案にルイズが頷くと、ワルドは大樹の根元に作られた空洞へと 走って行った。ギアッチョは不服そうに舌打ちする。 「余計な真似しやがって・・・走るぐらいいくらでも出来るっつーんだよ」 「気遣ってくれたんだから正直に受け取りなさいよ」 そう言ってルイズはギアッチョの前に出た。 「ほら、階段を登るわよ 暗いんだから落っこちないでよね」 ギアッチョは不機嫌そうな顔をルイズに向けると、溜息をついて歩き出した。 空洞の中には幾つもの階段が並んでいた。それぞれが異なる枝に通じて いるらしく、一つ一つに違った文字の書かれたプレートが貼られている。 それらを物珍しげに眺めながら、ギアッチョはルイズに続いて階段を 登り始めた。上を見上げてみるが、階段の終わりは勿論見えない。 前を行くルイズに、ギアッチョは時間潰しに問い掛けた。 「すっかり忘れてたがよォォ~~ おめーあの時何を言うつもりだったんだ?」 ギアッチョからは見えなかったが、その言葉にルイズの顔は真っ赤に茹で 上がった。先の騒動で、バルコニーでのことなどルイズはすっかり忘れて いたのだった。しかも、冷静に考えてみれば自分はあの時一体どうする つもりだったのだろうか。よりにもよってギアッチョに一体何を言おうと したのかと考えて、ルイズの頭は爆発しそうに熱くなった。 「・・・ああ?どうかしたのかオイ」 いきなり動きがギクシャクし始めたルイズに、ギアッチョは怪訝そうに 声を掛ける。 「なっ、ななな何でもないわよ!あ、あああれは一時の気の迷いというか・・・ と、とにかく何でもないんだから!」 ルイズはしどろもどろで否定するが、何でもなくないのは明白だった。 しかしギアッチョは、「そうか」と言ったきり何も聞こうとはしない。ルイズが 焦るとどもるということはギアッチョも知っているので、まぁ聞かれたく ないなら別にいいと考えたのだった。 それっきり二人して黙り込み、気まずい空気の中を彼女達は上へ上へと 登り続ける。ようやく階段に終わりが見え始めた頃、ルイズはぽつりと言った。 「・・・ねぇ ギアッチョは、してないのよね・・・結婚」 ギアッチョに問われて、ルイズは結婚の話を思い出していたらしい。 ルイズの言葉に、ギアッチョは呆れたように答える。 「オレが結婚するよーな年齢に見えるってェのか?ええ?オイ」 「・・・貴族の間じゃわたしぐらいの歳で結婚することは珍しくないわ」 ルイズは当たり前のように答えるが、しかしその口調にはどこか悲しげな 響きが含まれていた。 要するに結婚したくないということなのだろうか?それならワルドにはっきり そう言えばいいではないか。ギアッチョはそんな疑問ををそのままルイズに ぶつけるが、ルイズはふるふると首を振って前を向いたままそれに答える。 「そんなこと父さまも母さまも許すわけがないわ」 王族に連なる血統を持つヴァリエール家は、それが故に厳格この上ない 教育方針を敷いていた。 「ワルドとの結婚は父さまが決めたことなの 他の人と結婚するなんて 言ったら、わたしは勘当されたって文句は言えないわ」 「・・・つまりこういうことか?俺が奴を暗殺――」 「ダ、ダメに決まってるでしょバカッ!」 チッと舌打ちするギアッチョにばっと向き直って、ルイズは眼をつり上げる。 「暗殺とかそういうのはダメだって言ってるでしょ!? いい?この世界にいる限りあんたはわたしの使い魔なんだからね! 勝手に殺したり奪ったりするのは絶っ対に禁止!分かった!?」 「細かいことを気にするヤローだな」 「細かくないっ!」 大声でまくしたてて、ルイズははぁはぁと肩で息をする。それからはっと 何かを思いついたような顔になって、彼女はギアッチョに背中を向けた。 「あ、ああ後一つ忘れてたわ!この世界にいる限り、わたしを置いて どど、どこかに行くなんて許さないんだからね!」 早口にそれだけ言うと、ルイズはギアッチョを置いて階段を駆け上がって 行ってしまった。 「・・・どこかに行くなってよォォー 自分でどっか行っちまったじゃあねーか 全くガキの言うことはわからねーな ええ?オンボロ」 「・・・・・・・・・いや・・・」 がしがしと頭を掻いてルイズが走って行った出口を見つめてそう言う ギアッチョに、デルフはどう答えていいものかついに思いつかなかった。
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「式神」ともいう。 本来は魔力によって作り出した魔法生物や従えた魔物などを指す。 現代においては魔法技術の発達により、工学的な技術を用いた「機械の使い魔」の製造も可能になっている。 中でもコンピュータとしての機能を持つものを「自律型PC」と呼称する。 与謝之香織は使い魔作りの名人として知られている。
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ミーム ドンペン 出典作品 その他 分類 キャラクター 主な発端 SNS 面白さ 5 そっくり度 6 公式巡回度 7 全国に 238 ディスカウントストア『ドン・キホーテ』のマスコットキャラクター。並びに、デデデ大王の愛称。 元ネタ 1998年にドンキのお店を手伝うことに なったペンギン。 その日から「ドンペン」として、 ドンキ人生(ペン生)が始まった。 南極生まれ東京育ちのペンギン。 ─公式プロフィールより 誕生日は9月8日。男の子。身長、体重、スリーサイズは全て98cm(kg)。性格はいつも全力。趣味はダイビング、魚釣り、TikTok。 また彼がカービィキャラと関連づけられる理由でもある、「ミッドナイトブルーの体」と「ナイトキャップ」を持つ。 他にもマスコットキャラとして、桃色の「ドンコ」がいる。 ミーム 「青い体のペンギン」「赤い帽子」という特徴がカービィのキャラである デデデ大王 と完全に一致してしまい、そのまま「ドンペン」がデデデ大王の愛称として定着してしまった。 同義語に「激 安 の 殿 堂」があり、こちらの元ネタはドン・キホーテのキャッチコピー「激安の殿堂」。なお、現在では「驚安の殿堂」に変わっている。 まさかの公式・巡回済み ドン・キホーテ公式Twitterが 2019年1月21日のツイート で、唐突に「スマブラ20周年! さてここでクイズです。 #あなたが裏で呼ばれているあだ名」としてアンケートを取り始める。しかし選択肢は「デ」「デデ」「デデデ」と、明らかに狙われたものであり、まさかの公式巡回済みとして話題になった。 それを皮切りに、 2019年3月22日 など、ドンキ公式は度々「デデデ」ツイートをするようになる。ドンペンの誕生日である 2019年9月8日 には、タカラトミーまでもがドンペンをネタにした。 2022年12月16日 には、突如マスコットキャラが「ド情ちゃん」に差し替えられるという発表がされ大騒動に。これは当時社長の吉田直樹氏にも知らされておらず、結局その日の内に無かったことにされた…が、この日ちょうど同タイミングに、星のカービィ公式Twitterから アニメ版『星のカービィ』HDリマスター の詳細が発表され、予約が開始。クセの強すぎるアニメ版デデデ大王?と絡めてネタにされ、「アニメ収録のためにドンペンは辞職した」「これからはデデデを何と呼べばいいんだ」などと言われることになった。そして早くもその5日後の 2022年12月21日 にはカービィのグッズを紹介するツイートをしており、デデデネタを擦られる羽目になっている。 タグ一覧 その他 キャラクター デデデ大王 愛称
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確認された使い魔 姿が確認された使い魔(ペット)を羅列します。 ノッカー系(キュー) トレント系 ケットシー系 ゴブリン系 プッチバット系 スライム系(ウーズ) グリフォン系 サボテン系 インプ系 スナコスリ系 ワイバーン系 ハーピー系 マンドレイク系 フローター系 ポケットドラゴン系 キノコ系(ポルカファンガス) ニワトリ系 ハナオドリ系 クマ系 カメ系 雪だるま系
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使い魔 色 画像 レベル 攻撃力 HP 速度 能力 黒 3 3 3 普通 ■使用効果 ■両者の魔力と魔力増加量を3にする 両者をブーストする気まぐれカード。どちらに味方するかはプレイヤー次第。 両者の魔力と魔力増加量を3にする。 基本的には自分の魔力をブーストするために使うカード。 2ターン目に使えば、次のターンは「使い魔が待機所で、使用できる魔力が6」という状況になる。 エルフと違って魔力も増えるので、使った直後も動きやすいのが利点。 魔力が6あればほとんどのカードを次のターンに使うことができる。 5ターン目以前と以降では少々価値が変わることも頭にいれておこう。 5ターン目以前に使えば魔力増加量を増やすことにもなり、重いカードを扱うのが楽になる。 このあたりはエルフと似た感じの流れである。 5ターン目以降になると通常なら魔力を3にする能力となる。 後述するが、主に相手の貯めた魔力を潰したり、相手のエルフで増えた魔力増加量をリセットする目的。 また、ダークエルフに魔力増加量を減らされた場合にリセット出来る。 5ターン目以前にも可能だが、5ターン目以降なら相手へのメリットが気にならなくなる。 魔力ブーストの効果はかなりのものであるが、 相手も同じだけ恩恵を受けることを忘れてはいけない。 特に使った直後は反撃のための魔力を与えてしまい、その結果痛い目を見ることも。 イニ無しでクジラされたり、森神でカウンターされたりすると一気に不利になってしまう。 気付かないうちに使い魔のせいで相手を有利にしていることもしばしば。 ウィッチとは異なるタイプのデメリットと言える。 相手にも同じ効果を与えるのでアドバンテージを得るには、魔力ブーストの効果を活かすことが不可欠。 そのためには重いカードの採用がほぼ必須となる。 しかしながら、デッキを重くしすぎると使い魔が来なかった時に困ったことになってしまう。 ウィッチやサモナーで別の流れを作るなど、勝率を上げるにはデッキの配分を工夫する必要があるだろう。 相手が軽いカードを中心としたデッキの場合は、カードパワーで主導権を握れる。 クジラで妨害したり、リッチや白虎で行動をロックしたりすればなお有利に戦うことができる。 戦場が混沌の影響下の場合は挙動が少々ややこしい。 「魔力と魔力増加量を3にする」とあるが、実際にはそれぞれ3になるように増減処理している。 そのため、現在値が3未満の場合は現在値より下がり、3を超える場合は上昇することになる。 例えば、混沌下で魔力2ならば魔力1になり、魔力増加量4なら魔力増加量5になる。 魔力を溜めて朱雀や青龍で逆転を狙うようなデッキが相手の場合、それを妨害する方向にも使える。 相手がドルイドやエルフで得ようとした魔力アドバンテージをかき消すような役割が可能。 豊富な魔力で少しずつ相手を追い詰める遅延型のデッキに対しては、有効な対抗策となりうる。 他に、魔力ロックから逃れたり、魔力減少効果をかわしたりといった使い方もある。 狙えるかは微妙だが、相手の使用効果などの暴発を誘うこともできなくはない。 マグマ男やデュラハンなどの使用効果や魔界樹の勝利効果などがその例。 逆にこれらのカードを採用する際は、相手の使い魔に注意するようにしたい。 関連項目 魔力・魔力増加量関連 消費魔力関連 意見所 名前 コメント
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デルフリンガーを忘れたのは仕方ない!後悔している時間は無い! とにかく今は相手が攻撃してくる前に攻撃できる態勢を整えなければならない! デルフリンガーを構えようとした左手を素早く懐に忍ばせ銃を掴む。相手が完璧に視認出来ている以上杖を振る前に銃で相手を撃つのは可能なはずだ。 「貴しゃま、ぼくにょヴェルダンデににゃにをしゅりゅんだ!」 何を言っているのか全くわからん!黙ってろ! ギーシュが杖を構えようとする。しかしそれより一瞬早く杖を抜いた相手はギーシュの杖を吹き飛ばす。 やはり敵か!?射殺しようと銃を取り出そうとした瞬間、 「僕は敵じゃない」 相手のその声に一瞬動くが止まってしまう。 「姫殿下より、きみたちに同行することを命じられてね。きみたちだけではやはり心もとないらしい。しかしお忍びの任務であるゆえ、一部隊つけるわけにもいかぬ。 そこで僕が指名されたってワケだ」 相手は帽子をとり一礼しながら、 「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」 そう宣言した。 王女の増援だったのか。危うく殺すところだった。初めから言っていればいいものを、しかも心もとないだと?なら初めから頼むな! しかし本当に王女の増援かどうか怪しいな。王女はギーシュの尾行に気づかなかった位に間抜けだからな。安心は出来ない。ゆえに懐から手を出すことはしない。 「すまない。婚約者がモグラに襲われているのを見て見ぬ振りはできなくてね」 ワルドは首を振りながらギーシュに言った。それにしてギーシュの顔を見ても顔色一つ変えないとは、なかなかだな。 しかし婚約者?誰の?モグラに襲われていた?まさか…… 「ワルドさま……」 いつの間にか立ち上がっていたルイズは震える声でワルドに声をかける。 「久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」 マジィ!?まさか婚約者ってルイズのことか!? ワルドは笑みを浮かべるとルイズに駆け寄り抱き上げる。 「お久しぶりでございます」 「相変わらず軽いなきみは!まるで羽のようだね!」 「……お恥ずかしいですわ」 マジみたいだ。何だか会話がかみ合ってない気がしたが……しかしルイズの婚約者ということはトリステインの貴族か。なら問題ないか。 銃を離し懐に忍ばしていた手を出す。 ルイズの家は結構家柄は良かったはずだ。それの婚約者ということはワルドも位が高い貴族なのだろう。 それに女王陛下の魔法衛士隊のなんとか隊長とも言ってたはずだ。よくわからないが女王直属の兵隊の隊長ということだろう。 しかも魔法って付くぐらいだから魔法が使える兵隊の隊長ということになる。 多分クラスは『スクウェア』だろう。隊長をしているくらいだから教師と同じ『トライアングル』ではないはずだ。 やばい!これじゃアルビオンでルイズ(ならびにギーシュ)を殺すっていう計画が恐ろしく困難になるじゃないか!チクショウ! どうして幸福になろうと努力すると困難が出てくるんだ! 「彼らを、紹介してくれたまえ」 ワルドはルイズを地面に下ろし帽子を深く被りながら言った。 「あ、あの……可哀想なのがギーシュ・ド・グラモンで、変な格好なのが使い魔のヨシカゲです」 へ、変な格好……そりゃこっちの人間からしたら変な格好だろうからな納得しよう。 そしてちらりとギーシュを見やる。ギーシュは倒れていた。前のめりに倒れていた。倒れ付していた。そして微かな嗚咽が聞こえていた。 本当に可哀想な奴だ。さすがにショックが大きかったのだろう。 さすがのワルドもこれには引いているようだ。ルイズもしまった!という風な顔をしている。 「きき、きみがルイズの使い魔かい?ひひ、人とは思わなかったな」 嗚咽交じりの沈黙から早く逃れるためかワルドが話しかけてくる。そりゃ耐えられないだろうな、この空気は。 「ぼ、ぼくの婚約者がお世話になっているよ」 無理やり笑いながら話しかけてくるその姿はやけに頼もしく見える。ワルドはギーシュ空間を一人で打ち破ろうとしているのだ。 やはり只者ではない。 「初めまして、ヨシカゲです」 そう言って頭を下げる。すまないワルド、これが私に出来る最大限の支援だ。 しかしそこで会話が終わってしまう。また嗚咽交じりの沈黙が始まった……
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登録日:2012/01/09 Mon 06 05 54 更新日:2023/02/24 Fri 06 10 36NEW! 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 KEI LORDofVERMILION LoV アフロディーテ 使い魔 神族 菅谷弥生 超絶号令 LORD of VERMILIONに登場する使い魔の一体。 CV:菅谷弥生 【LoV1】 まずはこのカードの特殊を見てくれ こいつをどう思う? 味方の施設が全て封印される代わりに範囲内の味方全ての攻撃力、防御力、移動速度が大幅に上がる。 ただし、効果終了後に自身は死滅する。 アレス「うはwww先輩じゃないっすかwwちっーーすwwww」 ミカエル「アウェイクもアディションも無い時代に流石っすwww俺らみたいにハズレア扱いっすかwww」 流行しました アレ・ミカ「え?」 OK まずはカードスペックを見てみよう。 ■種族:神族 ■レアリティ:R ■コスト:20 ■HP:430 ■速度:4 ■攻撃属性:炎 ■弱点属性:闇 ■ATK:45(複数) ■DEF:45 ■スキル:― ■特殊技:女神の献身 味方の施設が全て封印される代わりに範囲内の味方全ての攻撃力、防御力、移動速度が大幅に上がる。 ただし、効果終了後に自身は死滅する。 特殊技により効果を消すことはできない。 特殊技ゲージの溜まりが非常に遅い。 ■Illust:KEI 【DATA】 ■身長:もう少しあると…… ■体重:もういらないデス! ■好きな鳥:はとぽっぽ ■好きな花:バラ ■好きな星:金星 ■別名:泡の女神 生命の海原より 泡のように生まれいで。 儚く消えゆく時の子らよ その命果つるまで 恋し愛して 新たな泡を紡ぎ出し 無限の闇空を いつかその輝きで満たしておくれ 汝ら小さなうたかたこそが この世界を 銀河を 鮮やかに彩るものたちなのだから 「うたかたのための幻想曲」より抜粋 ではアレス(2速、複数、条件 ゲート内の使い魔1体を生け贄+効果後死滅)、 ミカエル(4速、単数、条件 アルカナストーンが減る+効果後死滅) と比較してみよう。 ATK,DEF+40 SPEED+2 5.5C アレス・ミカエルの最大時の上昇量とほぼ同じ。 4速 アレスと異なる点 これにより特殊が溜まるまで逃げる事が容易になる。 また、追いかけてエクセレントを取る事もできる。 複数 ミカエルと異なる点 号令の効果時間は限られる。 一度に多くの敵を葬るのに複数は相性がいい。 他種族でも同等のステータスアップ 両方と異なる点 客将を呼んで使う事も可能 20コストなので自身を客将として他種族に出張させることが可能。 そして最大の特徴は アフロディーテが死滅すると味方施設の封印は解除される つまりデメリットは アフロディーテの死滅のみ さらに当初は 特殊使用前に相手に封印された味方施設の封印も解除する という素敵仕様。 効果中は施設が封印されるとはいえ、 戦闘時に必要なのはサーチのみ。疑似アウェイクである。 使い方は アルカナ運送+敵殲滅 4速韋駄天で相手を逃がさず狩る の2択 流石に開発も事態を重く見たのか、Ver1.32の修正にて 5.5C→4.5C 発動前に封印された施設は復活しない の修正を受け強カードの座に落ち着いた、強カードの座に。 このアフロディーテの反省からアレス・ミカエルは誕生した。 特殊とスペックがかみ合ってないのは仕方ないね。 と思いきやRe2.1にて旧アフロディーテと同じ特殊のエリスが登場した。 4C 4速 15コスト 複数攻撃 ATKDEF+40 あれ? 最強じゃね? しかしバグにより封印解除時敵封印施設と同じ施設が解除されないので使用率は奮っていない まあバグが修正されたら使われるのは明白な強さだけど…あ、ミカエルさんいたんすか? LoV1よりも強力な号令がインフレしているRe2の環境では考えられないが、死滅特殊を持つアフロディーテは流行したのだ。 一時代を築いたアフロディーテもLoV2になりリニューアルして帰ってきた。 ■種族:神族 ■レアリティ:R ■コスト:10 ■HP:450→410 ■ATK:20→30 ■DEF:40 ■移動速度:4 ■攻撃属性:炎 ■弱点属性:闇 ■FS:Wゲート サーチ ■SS:- ■特殊技:ローゼンシュベルト 範囲内の敵1体に炎属性の大ダメージを与える。 さらに、敵サーチアイを封印中は威力が上がる ■Illust:KEI 【DATA】 ■身長:もう少しあると…… ■体重:もういらないデス! ■好きな鳥:はとぽっぽ ■好きな樹:花梨 ■好きな季節:春 ■別名:愛の女神 この世界 混沌が始まり ならば世界 混沌に返すべき 「何度も 神とても 産み増えるもの 留められないの」 泡の如き 貧弱な命 何の価値もない 消え去るべき 「弱くとも その命を 繋ぐこと それが美よ」 いずれ世界 虚無に堕ち 形失い 沈む深淵に 「無形の闇を 満たすもの しかと知れ 無形の愛と」 「混沌の使者とのセッション」より抜粋 SPアフロディーテ ■Illust:KEI SPラクシュミーとイラストが繋がる 【DATA】(SP) ■身長:もう少しあると…… ■体重:もういらないデス! ■出自:泡 ■別名:キュプリス ■好きな花:薔薇 ■好きな星:金星 愛というものをよきものとして捉えることに異論がある。 それこそがすべての悩み、問題の根幹にあるのではないか。 愛の神よ、諸悪の根源は汝ではないのか?! 「すべての物事の始まりは、愛よ。 愛を否定したら、何も始まらないわ。 そもそも。善悪で物事を捉えること自体、不毛だわ。 愛は、愛よ。それ以外の何者でもないわ」 LoV1の超絶号令とは打って変わって今回はシンプルで使い勝手のいい炎ピンダメ(ATK180、サーチ封印時240) ちなみに威力は海種のメガロドンと同じ さらにFSにWゲート、サーチを持つ、全種族の10コストの使い魔の中でもトップクラスの性能を持つ その性能の高さから、不死のジャンヌ・ダルクと共に客将候補に挙げられる事も多い LoV Re2への大型バージョンアップに伴い多くのカードがエラッタされた。 そんな中アフロディーテのFSはそのままだった。一方鮫はWシールドを剥奪された。 同じ威力の10コストピンダメにも関わらず。 どこで差が付いた。 メガロドン「…………」 ちなみにLoV Re2.1の稼働に伴いエラッタされ、シールドが付いた。よかったな鮫。 【余談】 アフロディーテはギリシャ神話のオリンポス十二神の一人に数えられる女神。 イラストはKEI氏の可愛い女の子である。 どのイラストも非常に魅力的。 しかし ギリシャ神話では夫のヘパイストスを差し置いて、 軍神アレスやアドーリスを始めとする様々な男に不倫する尻軽女もといビッチだったりする。 これから ヘパイストス「アフロディーテは俺の嫁!」 こっちに不倫した。 アレス「アフロディーテなら今俺の横で寝てるしw」 ヘパイストス「おいふざけんな雷弱点付加すっぞゴラァ」 ※アレスは生前はイケメソだったんです、生前は。 旧アフロディーテとアレスの特殊が似ているのは不倫相手だったから…かもしれない。 エリスもアレスの妹である。やはり関係あるようだ。 ミカエル? 誰それ? 幼女プリキュアアコちゃんの母親とは同性同名の他人です。 神技! ローゼン冥殿! 範囲内の敵1体に尻属性の大ダメージを与える。 さらに、追記・修正中は威力が上がる。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント
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LoVとは スクウェアエニックスから稼動した、完全オリジナルとなるオンライン対戦型トレーディングカードゲーム。 RPGライクなゲームシステムを持ち、ファンタジーをベースにした世界観とストーリーが展開する、トレーディングカード型アーケードゲームです。 プレイヤーは自身の分身となるキャラクターを成長させ、武器・防具(兜・鎧・盾)の装備品により強化する事ができます。 プレイ後に排出される使い魔カードを組み合わせてデッキを構築し、使い魔のレベルを上げて戦力を上げる事ができるなどの要素を搭載しています。 1人でじっくりと楽しめる「ストーリーモード」、ネットワークを介して全国のプレイヤーと対戦するモード、店内限定のローカル対戦モードがあります。 ゲームで使用するカードのイラストには、人気イラストレーター・天野喜孝氏やスクウェアエニックス作品などで有名な方々が参加しています。 メーカー:スクウェアエニックス ジャンル:対戦型カードアクション 操作方法:レバー+2ボタン+カード 発売日 : 08 6/17 使用基盤:Type2 X2 ゲームを始める際に必要なもの ゲーム料金:1プレイ料金:300円 → 200円(コンテニュー) (1プレイにつき1枚の使い魔カード提供。コンテニューした際、ゲーム終了後に2枚まとめて使い魔カードが排出されます) スターターパック 1セット500円 NESYSカード:1枚 プレイヤーカード:1枚 使い魔カード:4枚(魔種ケルベロス・海種クラーケン・海種マーメイド・不死ゴースト) カードスリーブ:6枚 取扱説明書:1枚 カードスリーブパック 1箱300円 カードスリーブ:45枚+3枚(同種のカードゲームにて販売されているものが200円で30枚であるのに対し、3枚お得。) NESYSカードパック 1箱300円 NESYSカード:1枚 コメント *編集が苦手な方はこちらへ情報提供お願いします け -- (ここ) 2008-11-18 16 49 37 test版カード、旧テキストカード、AOUスターターカード、バインダー付属PCカードは、LOVやってるだけじゃ手に入らないみたい。 -- (名無しさん) 2008-11-30 13 47 28 コンティニューしましたらカードは2枚排出されますよ。 -- (名無しさん) 2008-12-04 13 08 43 プレイヤー名変更できるようにならんのかなー -- (名無しさん) 2008-12-20 19 55 15 近くにないんですけど・・・ -- (名無しさん) 2009-01-29 20 55 51 バハムートなどバージョン1.3以外のカードはいまでも出るんでしょうか?? -- (名無しさん) 2009-05-24 19 06 31 ↑でてますよ。 -- (名無しさん) 2009-06-13 09 46 06 今ってスターターパック買えるんですか? それとも2になるまで買えないでしょうか? -- (名無しさん) 2009-10-11 11 45 57 ↑1のスターターだよね?買えるよ。俺もつい最近始めた。ディドゥーン -- (名無しさん) 2009-10-11 22 58 36 アジルス目当てにRe2始めました。なう~ -- (AGRS) 2011-08-04 07 04 48 名前 コメント すべてのコメントを見る
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後年に『アルビオン戦役』と呼ばれることになる戦争は、こうして突如として終了した。トリステイン側の勝利である。神聖アルビオン帝国は滅亡する運びとなった。 だが、トリステインにとってこの勝利はとても苦いものとなっていた。実質ガリアの突然の介入がなければ、自分が敗北していたかもしれないのだ。 そのような流れから、旧アルビオン領の支配権をめぐる国際会議に、トリステインとゲルマニアに加え、本来同盟国ではないガリアが列席したのは当然といえた。 ハルケギニアの歴史上、この会議は難航する、と思われた。かつて第一回聖帝会議の折、サー・グレシュフルコに『会議は踊る』と酷評されたように、この三国が集う会議は決まって、内容が傍論にそれるのが通例となっていたからだ。 だが、予想外なことに、ガリアが折れた。 みな欲深い要求をしてくると予想していたが、当の『無能王』ジョゼフは、 「会議よりも今日の晩のメニューが気になる」 と、軍事上重要な拠点の割譲のほかは、ほとんど要求を行なってこなかった。 戦争の第一人者であるガリアがこのような様子であるから、戦争に少ししかかかわらなかったゲルマニアは、要求すること事態ためらわれたのだった。 結果、アンリエッタの常態とは思えぬ働きぶりもあって、アルビオンの領土は、大半をトリステインが管轄する運びとなったのだった。 とにかく戦争は終わった。誰もが、突如として訪れた平和の予感に胸をときめかせた。 だが、ガリアの王女、イザベラだけは不満であった。 わざわざアルビオンにまで出向いて功績を挙げたのに、当のジョゼフには何の評価も得られなかったのだ。自分なりにガリアのことを思っての行動だっただけに、余計堪えた。だが国際会議で、すでにガリアの功績は王の発言により半ば隠されてしまっている。また、彼女の行動を知る者は会議に参加しなかった。 結果、彼女はガリアの首都、リュティスに与えられた自分の城で怒鳴り散らすしかなかった。 「全く忌々しいね! なんで親父はあのヒス女王を勝たせるまねなんざしたんだい! それにアルビオンの領土の大半をくれてやっちまってさ!」 手に持ったワイングラスから、血のように赤いワインが零れ落ちる。零れ落ちたそれは、真紅のじゅうたんを汚らしく染め上げるのだった。 「さすがに、無能王と呼ばれるだけのことはあるね。あんなに良い手ごまがそろっていて、アルビオンひとつ自分のものにできないなんてさ!」 侍従に当り散らしていたイザベラであったが、そのとき、ガリア王からの手紙に目を通し、ほくそ笑んだ。 「だが、今度の仕事は面白そうだね……親父もたまにはいいことを考えるじゃないか」 イザベラは手紙の書かれた羊皮紙をくるくると丸め、それを持ってきた使者に話しかけた。 「あんた、ビダーシャルとかいったね。あんた、アレかい? 野蛮なエルフなのかい?」 「野蛮なのは君達蛮族のほうであろう。だが、私がエルフであることは否定するつもりはない」 「気に入らないねえ。まあいい、この依頼、北花壇警護騎士団が引き受けたよ」 「久しぶりだねえ、ガーゴイル」 「任務は何?」 相変わらず無愛想な従姉妹に、イザベラは憤怒の表情を見せかけた。が、我慢する。 あの娘にぎゃふんといわせる任務なんだよ。ここは冷静にならなくちゃ。 「おや、つれないねえ。今度は大物だよ。いつもの冒険ごっことはわけが違う。くれぐれも心してかかりな」 イザベラは思わずほくそ笑んだ。 「相手は、伝説のガンダールヴだ。そいつを殺りな」 いつもは全くの無表情で通すシャルロットは、このときほんの少しだけ表情を動かした。 「トリステインの?」 「そう、あんたもよく知る二人組さ。それ以外に誰がいるってんだい? あんた馬鹿じゃないのかい?」 そうは行っては見たものの、目の前のシャルロットが馬鹿ではないことはイザベラが百も承知していた。 ガーゴイル! あんたも同じだ、私の親父と。私の取り巻きの貴族連中と。内心では私のことを見下してさッ! さぞ面白いでしょうね、ガーゴイル。正当な血族である完璧な父親に愛されて。何一つ馬鹿にされることなく育ったお前に、私の、無能の父親に人形扱いされてきた、今までの私の気持ちがわかるもんかい! でも、この任務でちょっとは私の気持ちが分かるでしょうよ! 「もし、任務を果たしたら、あんたの母親」 いつまでたっても無言を貫き通すシャルロットに堪えられなくなって、イザベラは自分から話しかけることにした。 「母様?」食いついてきた。よしよし。 「解毒剤、報酬に上乗せしてやるよ」 今度こそシャルロットの瞳が揺れ動く。 戦争も終わり、学徒兵が帰ってきたこともあって、トリステイン魔法学校はいつもの喧騒を取戻していた。 中庭では生徒達が自分の使い魔とコミュニケーションをとり、図書館では、露伴がタバサをアシスタントに漫画の原稿を描いている。 だが、露伴の見るところ、タバサの様子がおかしい。時々手を止めては、露伴の顔を伺うようなまねをしている。今も、台詞を考えているような顔をしながら、露伴の手元をチラチラと見ているようであった 「どうした、タバサ。調子でも悪いのか?」 タバサはフルフルとかぶりを振った。違うらしい。だが、彼女は決心した風に、 「相談がある」 「なんだい? 僕に相談? ブチャラティかコルベールのほうが適任じゃないか?」 露伴は驚いた。 自分は他人の相談に乗るようなタチじゃない。 だが、タバサは、 「露伴でないと駄目」 とのことらしい。 「しかたないなあ、で、どんな悩みなんだ?」 「具体的にはいえない。けど、大切なものが二つあって、今もってるひとつを手放す代わりに、なくしたはずのもうひとつの大事なものをとり戻せるかも知れないとしたら、どっちを選ぶ?」 どういうことだ? 「えらく抽象的だなぁ」 「……ごめんなさい」 露伴はとりあえず漫画を描く手を止め、タバサの顔に向き直った。 「まあ、あやまるようなことじゅあない。そのなくしたものってのは、それ以外に取戻す方法はないのかい?」 「ほぼ絶望的」 「手放すほうは、手放すと見せかけてとっておくことは?」 「無理」 まるで謎賭けのようだ。それともタバサはこの露伴に何か隠しているのか? 「う~ん。なんともいえないけど、セオリーどおりに行けば、僕は両方取れる機会を待つね」 「そんな機会がなかったとしたら?」 「ないとしても、僕のキャラクターには、自分から何か大事な者を手放すような真似はさせない。手放すとしても、対価を確実に得られると確証してからだな。そういうのが取引の基本だと僕は思う」 「そう……ありがとう」 タバサは弱弱しく、だが、何かを決心した風にうなずいた。 「で、結局何がいいたいんだ?」 「露伴、私の母様のこと、覚えてる?」 露伴は思い出した。以前、タバサの母親を『ヘブンズ・ドアー』で診察したのだった。何者かに毒でやられたタバサの母親をしかし、露伴は治すことができなかったのだ。露伴はその事実を、苦い思い出とともに記憶の奥底にしまってある。 「ああ」 「もし、仮に、私に何かあったら、母様をお願い」 「……ああ、いいとも。だが、なぜ急に?」 そこまで言ったとき、タバサが急に活気づいた風に原稿に顔を埋めたのだった。 「そんなことより、この原稿、今日中に台詞を入れないと」 「? そうだったな。今日は急いで早めに仕事を終わらすとするか」 露伴は、なんとなく、タバサの頭をなでてみた。 なんとなく、タバサの顔が赤くなったような気がした。 タバサの姿が学院から消えたのは、その翌日のことである。 一人の学生が寮から消え去ったわけだが、トリステイン魔法学院は動かなかった。 タバサの部屋はきれいに整頓されていたし、何より、タバサは前にもそうやって学院を抜け出して授業を受けなかったことが多々あるからであった。 だが、露伴には一抹の不安がある。 なぜタバサはあの日、自分の母親のことを言い出したのだろうか? しかも頼む、などと。まるで、これから自分の身に異変でもあるかのように? 「ひょっとして、何かの事件に巻き込まれたんじゃないだろうな?」 今日、露伴は図書館のなか、たった一人で仕事をしていた。だが、どうにも仕事がはかどらない。タバサの行方が気になるのであった。 「そんなに気になるのかい、あの娘っ子が」一人のはずの部屋に、露伴以外の声が響き渡る。 「いたのか。つーか、あったのか。デルフリンガー」 「おめー、久しぶりに発言したってのにその扱いかよ!」 「僕としたことが。刃物を出しっぱなしにしてるとは。危ない危ない」 「ちょ、ちょっと棒読みくさいぞその台詞! やめて! ちょっとは話させて!」 「分かったよ、で、何のようだ?」 「いや、うら若き恋の予感がしてだな。それで」 パチン。露伴は勢いよく剣を柄に収めた。 「……」 少しばかり剣を抜き出してみる。 「ごめんなさいごめんなさいもう生意気言いません許してくださいだからもう少し喋らせて」 「で、なんのようだ?」 「兎も角、あの娘っ子は『かあさまを頼む』って言ったんだろう。じゃあ、その『かあさま』の様子を見に行ってみないか?」 「それはいい案だな」 「だろ。ナイスだろ? だから」 パチン。 露伴は矢も盾もたまらず図書館を飛び出した。 「露伴、君はタバサがガリアの王族だったことを知っていたのか?」 「何でそんなこと黙っていたのよ!」 さらりと何気なく質問するブチャラティと、激高するルイズ。その表情は静と動、対照的だった。 「ああ、知っていたさ。ルイズ、君達は今までそんなこと聞かなかったじゃないか。そんなことに答える義理も義務もないね」 彼らは馬に乗り、トリステインとガリアの国境を越えて、タバサの実家にいた。無論ルイズは授業をサボってのことである。先生方が頭を抱える様子が目に浮かぶようだ。 タバサの家に、唯一残った老執事が屋敷を案内する。その間に、露伴は大体のことを話して聞かせた。 タバサは、実はガリア王国の王族であったのだ。その秘密は、一行の中では、露伴だけが知っていた。彼女の実の父親は、現ガリア国王ジョゼフの兄シャルルであり、魔法の才能では王族随一。血統の点でも次期国王にもっともふさわしい存在であるといっても良かった。しかし、それを隠すように、トリステインに留学していたのにはわけがある。 「それは、タバサの家の執事から話すべきだ。僕が説明することじゃない」 露伴がうなずくと、タバサの老執事は涙を浮かべながら露伴の話を受け継いだ。 「はい、そもそも先代王の御世にこの悲劇は始まったのでございます」 「そういえば、タバサの家の紋章、王族だけど、不名誉印が記されていたわ。王家に反逆でもしたの?」ルイズは言った。彼女の言うとおりなら、タバサが人目を忍んでトリステインに留学していたのも分かる。 「反逆など! とんでもございません! シャルロット様。学院ではタバサ様と御名乗りにおらられていましたが、父君であるシャルル様は、今の無能王と比べてとても王家の才能に富んでおられる方でした。ですが、それをねたんだ無能王に、なんと痛ましいことか! 毒殺されてしまわれたのでございます!」 「もっとも、物的証拠はないがな」露伴が補足する。 「ですが、状況的証拠は有り余るほどございます。その直後、なんと言うことか、あの非道な無能王は、シャルロット様をもその手にかけようとなさったのでございます」 「タバサが?」ルイズが驚く。彼女にそんな過去があったとは。 「ええ、ある祝いの席で、君側の奸が、シャルロット様の杯に心を狂わせる毒を仕込んだのでございます。それを察知した母君が、とっさに身代わりになってその毒を飲み干してしまわれたのです」 露伴は、その光景を、タバサの視点で見聞き、知っていた。その光景がフラッシュバックとなり、露伴の心に再現される。 「私がこの杯を飲み干せば、王様、私達親子に反逆の心などないことがお分かりになりましょう。どうかシャルロットにはお慈悲を」 そういって、タバサの母はタバサから杯を奪い取り、一気に飲み干したのだった。 「その日から、母君は心を狂わされてしまわれました。その日からシャルロット様のお命を狙うものは消えましたが、なんと言う代償。なんと言う悲劇!」 老執事は感極まっておいおいと泣き出した。 「その日からシャルロット様は変わりました。以前は明るく活発な方でしたのに、暗く、誰とも打ち解けなくなってしまいました。そのようなシャルロット様に対し、あの無能王は、王家の影の仕事をシャルロット様に課すようになったのでございます」 あるときは吸血鬼退治、違法賭博の潜入捜査。ルイズには、とても同年代の人間がやれるような仕事とは思えない言葉が、老執事の口から次々と飛び出して行った。 「そして、先日も無理な依頼が無能王から課せられました」 「どんな内容だったんだ?」 「それは、露伴様。あなたを殺す任務です」 「何だって?」 「何ですって」 これには、誰も彼もが驚いた。 「はい、紛れもない事実でございます」 老執事が淡々と述べる。 「ひょっとすると、その依頼を無事成し遂げられたのであれば、母君を治す治療薬が得られるかもしれない、ともおっしゃっておりました」 「何だと……あの日の会話はそういうことだったのか」 露伴に、図書館でタバサとの会話が思い出される。手放す大事なものと、取戻せるかもしれないもの……くそっ、そういうことか! 「タバサのかあさまはどういう状態なの?」 ルイズの言葉に、老執事ははっとなった様子であった。 「ご案内いたします」 その部屋は、一見語句普通の寝室であった。 薄紅色のベッドに、女性が座っている。だが。 「誰じゃ、そなたらは! また私達親子をいたぶりに来たのか」 その女性は、老執事に案内されたルイズたちが部屋に入ってくるとたんに立ち上がり、薄汚れた人形を抱き、立ち上がった。野良猫のように威嚇をしている。 「シャルロット様の母君でございます。あの日から、この方は人形のほうをシャルロット様と勘違いしているのでございます」 「出てゆけ! でないとただではおかぬぞ。いとしのシャルロットには手を出させぬ!」 「……学院では、シャルロット様は、『タバサ』と御名乗りになっていたとか……実は、シャルロット様があの人形を母君に差し上げたときに名づけた名が、『タバサ』なのでございます」 「……」 「誰か! 誰かいないのかえ!」 沈黙が、女性の騒音の中に紡ぎ出された。 「僕がタバサに殺されていたら、彼女は正常に戻っていたのか……」 「いえ、露伴様。畏れながら私はそうは思いません。なぜならその提案を行なったのは、今まで迫害の限りを尽くしてきた無能王だからです。あの男が、シャルロット様を操る重要な『カード』を簡単に手放すとは思いません」 「なるほど、ジョゼフ王とは、人を物扱いするような人間なのか」 ブチャラティがつぶやく。彼の顔には静かな怒りの表情が見て取れた。 「はい。かの無能王は自分以外の人間を同じ人とみなしてはおりません」 「でも、こんなことって……」ルイズがしゃくりあげる。 「あの時、シャルロット様が屋敷にお帰りになった日のことでございます」 次の部屋に案内された一行は、先ほどとは違った意味で絶句した。 見たところ、部屋中の壁紙が無残に切り裂かれている。柱も何本か折れているようであった。 「先日、シャルロット様は母君をトリステインに連れて行こうとしておりました。すでにそのとき、ガリア王家に反逆しようと決めておられたのでしょうな。ゆるぎない決意の心を私は感じました」 老執事は続ける。 「ですが、そのとき一人のエルフがガリア王家から派遣されてきていたのです」 「エルフ?」ルイズが素っ頓狂な声を上げる。この世界でエルフといえば、ルイズたち人間の天敵ではないか。 「無能王はすでにシャルロット様の行動を見切っていたのでしょう。そして、シャルロット様とエルフはこの部屋で戦い……シャルロット様はお敗れになったのでございます」 「これが、その惨状か……相手は相当のてだれのようだな」 ブチャラティは部屋にできた傷をなでながら言った。そういわれると、その傷一つ一つが生々しい。 「ええ、いつか言ったでしょ。エルフは先住魔法を使うの」 「で、タバサはつかまったのか。どこに連れて行かれたか分かるか?」 「おそらくアーハンブラ城でございます。あのエルフは、私にここからアーハンブラ城まで、どのくらいかかるか聞いてきましたから」 「タバサは無事なのか?」 「はい。エルフは不思議な術を使ったので。シャルロット様は敗れはしましたが、無傷のご様子でした」 「そうか……」 「露伴、彼女を救いに行かないのか?」 「もちろん、いくさ。だが、君達には関係のないことだ」 「何言ってるの?私の使い魔の問題は私自身の問題よ!」 「それに、アルビオンであったガリアの王族の者――イザベラと言ったか――彼女の存在も気になるしな。俺も同行したい」 「ふたりとも……ふん。勝手にしろ。僕は警告したからな」 「おお! 皆様救出していただけるのですか!」 老執事はありがたい、といい、また泣き出したのであった。 アーハンブラ城は、砂漠の、ガリアとエルフとの国境地帯に建つ交易城砦都市である。 もともとはエルフが建造した城であるため、ハルケギニアの建築様式とは異なった、美しい幾何学模様の城壁があることで有名でもある。 ルイズたちが到着したとき、この時期には交易商人くらいしかいないと思われた。この町はオアシスに隣接する形で存在しているのだが、そのオアシスに、ガリア兵が三百人ほど駐留しているのが遠目にも見えた。 「どうするの?」 「決まっているだろ? ただの兵士なら問題ない」 ブチャラティは言い放つ。 「強行突破だ」 「ええ?」 ルイズが逡巡している間に、二人の使い魔はどんどん先に進んでいく。 「ブチャラティ、この兵士達は任せた」 「ああ」 「ちょっと待ちなさいよ」ルイズがあわててついていく。 「あ、何だ?」 城内の門扉に建っていた歩哨は、近づいてくる一人の男に気がついた。 「立ち止まれ、ここに入ってはいけない」 槍を構え、お決まりの言葉を口にする。 だが。 「ヘブンズ・ドアー!」 瞬間。 歩哨の意識は途絶えた。 「おい、あの男。様子が変だぞ」 オアシスの駐屯地で待機していた兵士が、一人の男と少女の接近に気がつく。 その男の瞳には、決意の炎が宿っている。 「何だ? やる気か?」 男は兵士の一団に近づき、 「き、消えた?」 跡形もなく姿を消した。 一団の男が急にうずくまる。 「どうした?」 「き、気分が……」 別の男は、その男の背中から、何者カの腕が飛び出していることに気がついた。 「お前、おかしいぞ。その、腕に見える物は一体何なんだ?」 「え?」 そのとき、接近してくる少女が目をそらしたことに誰も気がつかない。 「げぇ!」 背中から、先ほどの男が『生えた』。 その兵士は音も言わずにばらばらになった。 そして、彼の腕は、分離してまた別の兵士の腹に食い込み…… 「開け、ジッパー!」 混沌が、兵士達を襲った。 アーハンブラ城につれてこられたタバサは、ふと、外の兵士が騒いでいるような気がした。 もしかしたら、誰かが私を助けに来てくれたのだろうか? おとぎ話の『イーヴァルディの勇者』のように。私は、漫画『ブルーライトの少女』のように華麗に助け出されるのか? そんなはずはない。 かあさまがお倒れになってから、私はいつも孤独だった。 私はこれからも孤独であり続けるだろう。 いや、これからはそんな気遣いも無用か。 私はこれから狂うのだ。ビダーシャルと名乗るエルフの作る薬によって。 私の心は、かあさまと同様に。 それが、ガリアの考え出した刑。無能王の考えた娯楽。 「薬は、いつできるの?」 タバサは、一緒の部屋にいたエルフに、感情なく話しかけた。私ではこのエルフにはかなわない。たとえ今杖があっても、この男に勝利することはできない。 「もうすぐだ。だが、お前は怖いと感じたことはないのか?」 ビダーシャルは、何か作業を行なっていたが、その手を止め、タバサに顔を向ける。 「あなたには無関係のこと」 「そうだったな。私もそれほどには興味がない」 それはまさしく本音らしく、彼の表情にいっぺんの曇りもない。 だが、 「あの王との約束だが、その前に厄介が増えそうだな」 ビダーシャルは薬を作る手を止め、部屋を出て行く。 一体どういうことであろうか? タバサはため息をひとつ、ついた。 「かあさま……」 ビダーシャルが次の部屋に続くドアを開けると、 「見つけたぞ……ここか」タバサにとって信じられない男の声がした。 まさか、あのめんどくさがりの男が、ここまで? 「露伴……」 岸辺露伴は、そのドアを開けた。 果たして、目的の少女はそこにいた。耳の端が妙に長い、ルックスもイケメンの青年とともに。 「みつけたぞ……」 露伴のタバサを見る視線はしかし、その青年の体によって阻まれる。 「私はビダーシャル。お前達に告ぐ」 「なんだと?」 「すぐにここから立ち去れ。私は戦いを好まぬ」 「ならば、タバサを返すんだな、小僧」 ビダーシャルはまゆをピクリと動かせる。 「あの子か。それは無理だ。私は王と『ここで守る』と約束してしまったのだ」 「ならば戦うしかないだろう。僕とお前とは相容れない」 露伴はデルフリンガーをもって突撃した。先住魔法だかなんだか知らんが、先制攻撃してしまえば何も問題ない! 「『ヘブンズ・ドアー』!『先住魔法が使えない』」 露伴は確かに書き込んだ。だが、 「ふう、あくまでも戦う気か」 ビダーシャルの顔が『本』のページになる。だが、それも一瞬のこと。見る間に元の顔に戻っていった。 「ふむ。君は面白い技を使うようだな。だが、無駄だ」 露伴は思わず自分の顔を触ると、なんと自分の顔のほうが本になってしまっている。 「なるほど、その人の記憶を本にする能力か。どうやら魔法ではないようだな。どちらかといえば、我々の大いなる力に近い」 「何だとッ?!」 「お前の顔に書かれているぞ。『先住魔法が使えない』だと……なるほど、そういう使い方もできるのか」 ビダーシャルはあくまで冷静に言った。 ようやく本化が収まった露伴は、改めてビダーシャルを見やる。開幕以来、彼は一歩たりとも彼は動かなかったようである。 「一体何が起こっているんだ?」 「アレは『反射』だ。あらゆる攻撃、魔法を跳ね返しちまうえげつねえ先住魔法さ」デルフリンガーが言う。 「『反射』?」 「ああ、戦いが嫌いなんて抜かすエルフがよく使う厄介な魔法さ」 「戦いが嫌、か」露伴はつぶやく。 ビダーシャルが両手を挙げる。 とたんに周囲の石壁が無数の礫となって襲い掛かってくる。 露伴は剣で受け止めたが、なにぶん礫の数が多い。大半が受けきれず。露伴に切り傷や打撲傷となって痕を残していった。思わず倒れる。 「蛮人よ。無駄な抵抗はやめろ。我はこの城を形作る石の精霊と契約をなしている。この地の精霊はすべて我の味方だ。お前では決して勝てぬ」 露伴はゆっくりと立ち上がった。 「この戦いはお前の意思か?」 「違うな。これはお前が仕掛けたもの。我は戦いは嫌いだ」 「嫌いだと……フフフ」 「どうした。おかしくなったか? それとも引く気になったのか」 「断る。僕は漫画家だ。僕は人に読んで面白いと思ってもらうために、十六歳のころから漫画を描いてきた。決して人にちやほやされるためでじゃあない。それは僕自身の意思で行なってきたことだ……そして、僕は自分の意思でここに来た。状況に流されているだけの貴様がッ! 気安くこの僕に意見するんじゃない!」 「もはや語る言葉はない……か」 ビダーシャルはそういうと、新たな呪文を唱え始めた。 今度は石の床がめくりあがり、巨大なこぶしに変化した。 「所詮私に勝てないものの世迷言か」 「違うな。僕にとっての強敵はお前なんかじゃない。もっとも強い敵は自分自身さ。いいかい、もっともむずかしい事は! 自分を乗り越える事さ! ぼくは自分をこれから乗り越える!」 「『ヘブンズ・ドアー』!」 「無駄だ」 ビダーシャルの言ったとおり、反射で防がれた能力は、ビダーシャルではなく露伴の顔を本にし……彼の体を中に浮かせた。 「何ッ?」 ビダーシャルの体に衝撃が走る。高速で飛んできた露伴と正面衝突したのだ。 その速度は異常であった。たまらずにうめき声を上げる。肋骨が何本か折れたるほどの衝撃である。 「ぐぅ!!!」吹っ飛ばされ、全身打撲だらけでしりもちをつくビダーシャル。あるいはしりもちだけですんで幸運だったかもしれない。 「ど、どうだ。時速六十キロ……」衝撃を受けたのは露伴も同様のようで、彼の声も絶え絶えになっている。 「『時速六十キロで敵と衝突する』と書いた……これなら、反射で跳ね返されてもその行為自体が無意味だ……!」 「なぜ、ここまでして戦うのだ……?」 「貴様とは、魂の動機が違うんだ! 僕はこの戦いに明確な意思を持って望んでいる!」 彼の言うとおりだった。ビダーシャルはしりもちをついていたが、露伴は同程度以上の傷を受けたというのに、まだ両の足で立ち上がっている。 露伴は片足を引きずりながら、ビダーシャルに近づいていった。 「あえて言い換えるぞ……! 僕は上、お前は下だ……!」 「うぉおっ! この気力はっ! そこまでこの子が大事かッ!」 ビダーシャルは思わず後ずさった。だが、露伴は歩みを止めない。 「もういっぱあああああつッ!」 「『ヘブンズ・ドアー』!」 強烈な衝撃が、再び両者を襲う。 「ぐぉおおッ!」 ビダーシャルは初めてこの男に脅威を覚えた。 もし、この衝撃があと一発でも加えられたのなら、自分はどうなるか分からんッ! やつはもう一度体当たりをするだけの体力はあるのか? ビダーシャルが露伴を見やると、露伴は仰向けに倒れ、息も絶え絶えになっていた。露伴の肺が破れたのか、彼の呼吸音にヒューヒューという不吉な音が漏れ出でている。 もうあの男が動くことはない。 そう思った矢先に。 「もう……いっぱあああつ……」 露伴は這いずり回って、ビダーシャルに接近してきたのだった。 「何……だと?」ビダーシャルは全身に驚愕を覚えた。 「覚悟はいいか? 僕は……できてる……」 「ここは引くしかないか……」露伴に接近しないように、ビダーシャルは片手を挙げた。 指にはさんであった風石の力が作動する。彼は露伴と距離をとった。だが、それはタバサと距離を置くことも意味する。彼は護衛の任務を放棄する事を決断した。 風の彼方にビダーシャルの姿が消える。エルフは撤退したのだ。 「露伴!」 倒れた露伴の下に、タバサは思わず駆け寄る。 「ゴホッ」露伴は血を吐いた。 「急いで治療の魔法を!」そうタバサは思ったが、あいにく杖がない。 何かないか探していると、露伴が、 「君に……謝らなくちゃいけないことが……」 「なに?」思わず涙がこぼれそうになる。 「実は、僕が君とであったときに、僕は君を本にしていたんだ……」 「……」 「僕はその時点で君の不幸を知っていた……でも、僕はそれを知らん振りして君に接してきた……」 「……」 「許してもらおうとか、そういうことを思ってきたわけじゃない……でも、そのことは、君に知っておいてほしかったんだ……」 「……」 「……」 「……バカ……」タバサは涙目で、にっこりと微笑んだ。 こつん。 タバサのおでこを露伴のおでこにくっつける。 「……本当に……バカ……」 「……」 「……」 「それはいいが、できれば治癒の魔法をかけてほしいな」 はっとしたタバサは、近くに木の棒があるのを発見し、あわててそれを手に取った。 「自分の杖じゃないから、うまくいかないかもしれない」 「かまわないよ」露伴は、ニッと、笑った。 急造の杖から癒しの光が輝きだす。 「痛いッ!」思わずもだえる露伴。しかし、タバサがそれを押さえつける。 「我慢して。男の子でしょ」 城の外にいた護衛兵三百人を相手にしていたブチャラティとルイズは、ようやくその任務を終わらせた。いそいで露伴と合流しようと走って行った。が、ひたすら走るルイズと比べて、ブチャラティは、途中でであった兵士を相手にしなければいけなかった。 自然と、ルイズがかなり先行する形となった! 「あの部屋ね!」 ルイズが先ほどまで爆音をとどろかせていた部屋に飛び込む。おそらくそこで露伴はエルフと戦っているのだろう。音がないのを考えると、すでに決着がついているかもしれない。まさか、露伴が負けるような――? 「大丈夫? 露伴! 今助けに――」 露伴は果たしてそこにいた。仰向けに横たわって、タバサに抱きかかえられている。タバサはちょうど背を向けているので、ルイズには気づかないようだ。 だが、問題は二人の言動である。 「ああ! タバサ! もっとやさしく!!!」 「……なに、あれ……」 ルイズには、二人、というか、タバサが露伴に何をしているのか、角度の関係でよく見えない。 「そこはダメ! ダメ! ダメ! ダメッ!」 「……こう?」 「ああ! やさしくして、やさしく!」 「……」 「服を脱がせないでッ! 感じる!」 「難しい……」 「うああああ ダメ、もうダメ~ッ!」 「!!! !! !」 その地に、廊下をブチャラティが走ってきている。 「どうだルイズ。いたか、二人は?」 「え? い……そっその……あの……」 「どうしたっ!」 「アレッ! 急に目にごみが入った! 見えないわ!二人なのかよく分からないわ!」見てない。私はなぁーんにも見てないッ!
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次の日、ルイズとその一行は、日の出三十分前に宿屋のカウンターでチェックアウトをしていた。 この間も、ブチャラティは外の様子を油断なく観察している。 日の出よりも前なので、あたりはあまり明るくないが、宿屋の外を走る街道には人っ子一人いない事くらいはブチャラティの肉眼でも確認できた。 また朝も早いこともあり、宿屋の受付付近にはルイズたちと番頭しかいない。 「そういえば、キュルケたちはどこにいるのかしら? てっきり私達に付きまとうと思ったのに」 宿の手続きをしているルイズが、番頭にキュルケたちのことを聞いてみた。 番頭が言うには、昨晩一番良い部屋に泊まった二人組は、ルイズたちよりも早くに宿をでていったらしい。 「で、その二人はどこに行ったの?」 「さ、さあ。そこまでは……私どもにはわかりかねます」 番頭は恐縮した様子で頭を下げた。この男は、どうやらメイジという人種と話すのが苦手らしい。ところどころにドモリ癖もあるようだ。 「あきらめて学院に帰ったのかしら?」 ルイズは奇妙に思った。 私の知っているキュルケなら、この任務の『秘密』に興味を持って、どこまでもしつこくついてくると思ったのに。急な用事でもできたのかしら? 「さ、そのような些末なことは気にせずに出発しようじゃないか」 一瞬だけルイズの脳裏に浮んだ疑問は、ワルドの快活な言葉によって忘却のかなたに押しやられた。 夜明け前の街道を、一行は桟橋に向けて歩いていく。 町の人々は、ほとんどがまだ眠っていっるようだ。道行く人間は今のところ見当たらない。 動くものは、道の向こう側から一匹、赤い首輪をした三毛猫が歩いてくるのが見られる程度である。 日の出にはまだ早いが、うっすらと日の明かりが空を照らし、東の空にはやや明るさが見え始めている。 道の両側にたつ家の壁が、やや青みを持った色を一行の視界に映し出している。 「この調子なら、順調に船に乗ることができそうだな…………うん?」 ブチャラティが話の途中で口を閉じ、前方に注意を向けた。 どうやら埠頭へ続く塔の中に、なにやら気配を感じているようだ。 「ワルド、露伴。あたりを警戒してくれ。どうも塔の内部がおかしい。どうも静か過ぎる。誰かが潜んでいるようだ」 声をかけられた二人は無言でうなずくと、塔の入り口、門の両面に忍び寄り建物の内部を盗み見た。一見、何の異常もないように思える。 「特に異常は見られないようだが?」 小声で話しかけた露伴であったが、その言葉はワルドに否定された。 「いや、ブチャラティの言うとおり、この塔の内部の静けさはは異常だ。おそらく塔の内部には『サイレント』の魔法がかけられているに違いないよ」 そういいながら彼は自分の杖を引き抜き、戦闘行動が可能な体制に入っていた。 さすがは魔法衛士隊の隊長らしく、自身の背後にも警戒を怠ってはいないようだ。 「まさか、アルビオンの叛乱軍の妨害かしら?」 ルイズはそういってみたが、同時にその仮定に疑問を抱いてもいた。 私が姫様から任務を引き受けたのは僅かに二日前。貴族派がそれをかぎつけ、何らかの妨害工作を画策しようとしたとしても、あまりにも手際がよすぎる。 もしかして……姫様の周りに裏切り者が……? 「その可能性が一番高いが……どちらにせよこの塔を上らなければ船には乗れない。突っ込むぞ!」 ブチャラティの号令によって、各々周辺を警戒しながら塔の中に進入していった。 ……なんだ。なにもないじゃあないか 露伴がそう思った瞬間。 彼はブチャラティの体当たりによって突き飛ばされた。 床に身を横たえる形となった露伴が見ると、かつて自分が立っていた場所に、高さ五メイルはあろう岩の塊が突き刺さっている。 ルイズが上を見上げ、指差した。同時に何か言っているが、サイレントの静寂の中では一行は何も聞くことはできない。 だが彼女の指差す方向、塔の出口付近に女性らしい人影がいることは全員が理解できていた。 ワルドが杖を振りかざすと、その人影の周りに無数のつむじ風が舞い上がった。 その瞬間、突如として周りの音が戻ってきた。あたりに風の轟音が響き渡る。 「チィ! 『風』系統のメイジかッ! ここじゃあ分が悪いね」 女の声が、階段の上から響き渡った。 「その声は……ミスロングビル。いや、『土くれのフーケ』!」 「そのとおりさ! 私は『あんた』に対しては攻撃できるみたいね、ロハン! あんた達から味わった屈辱。今から晴らさせてもらうよ!」 露伴の叫びに、律儀にも返答しながらフーケらしい女は杖を振りかぶった。 「いい腕だ。しかし、遅いな」 彼女の魔法は、最後まで唱えられることはなかった。 ワルドの唱えた魔法『エア・カッター』が、彼女の体を再度引き裂いたのだ。 「くッ! 後は任せたッ! 仮面の旦那ッ!」 彼女はそういうが早いか、『土くれのフーケ』は塔の出口から逃げ出していった。 「撃退したのはよかったが……いったい彼女は何がしたかったんだ?」 「たぶん、僕が彼女に仕掛けた『天国の扉』の限定能力が知りたかったのだろうさ」 ルイズはほっと一息をつき、階段を上り始めた。が、なにか自分の様子がおかしい。 何かの乗り物に乗っているような…… いえ……私の体が浮いてる? 「「ルイズッ!」」 そう叫んだ彼女の使い魔達が階段を駆け上っているが、その速度よりも中央の吹き抜けを浮遊していくルイズの身体の速度のほうが圧倒的に早い。 彼女の体はあっという間に塔の出口まで上りあがってしまった。 塔の出口、ルイズが見下ろす位置に白い仮面をかぶった男が彼女に杖を向けている。 ルイズの身体がその男に吸い寄せられるように泳いでゆく。 彼女は精一杯もがいたが、『レビテーション』の魔法はその程度で破れるようなものではない。 捕らわれてしまうわ! ルイズがそう思ったそのとき、彼女の身体全体を、白い衣服が優しく包み込んだ。 正確には、ワルドの二つの腕だ。 彼は『フライ』の魔法を使い、彼女にかけられている『レビテーション』の魔法を振り切れるほどの速度でルイズに抱きつき、仮面の男の魔法を破ったのだ。 「大丈夫かい?」 そうやさしく微笑んだ男の、次の行動は、誰にとっても意外なものであった。 自分にかけていた『フライ』の魔法を解いたのだ。 重力にとらわれゆく二人。 両名の肉体が、とも奈落に落ちていった。 「きゃあぁぁぁ!」 ルイズが恐ろしさのあまり出した声が、塔の薄暗い中空に飲まれていく。 仮面の男にとっても、ワルドのその行動は意外だったようだ。 彼はあわてて自身に『フライ』をかけ、二人の後を追った。 ワルドは完全に落ち着いていた。 なぜならこの状況こそが、彼の望んだ状況であったからだ。 「大丈夫だ、ルイズ。君は僕が守る」 ワルドは抱きかかえたままルイズに、やさしく語りかけた。 彼の吐く白い息がルイズの頬にかかっている。 ワルドは後を追って降下する仮面の男に対し、『ウインディ・アイシクル』を唱えた。 その瞬間、塔内の水蒸気が一本の槍となり、仮面の男に向かって飛んでいく。 仮面の男は魔法で飛行している。そのため槍を魔法で防ぐことはできない。 男はワルドの予想通りの回避行動をとった。 「ブチャラティ、ロハン! ルイズは任せろ! 君達は男の相手をを頼む!」 すなわち、二人の使い魔が上っている、壁面の階段へ身を寄せたのだ。 「ああ、まかされたよ……」 仮面の男のすぐそばにまで到達した露伴がつぶやく。 ワルドは、『仮面の男』がちょうど二人のいる辺りに移動するよう、氷の槍を発射するタイミングを合わせていた。 『ヘブンズ・ドアー』!!! 露伴が、逃げるそぶりを見せた男の前に自分のスタンド像を出現させた。 その像を見た仮面の男は意識を失い、『本』になる。ハズであった。 「何ッ?」 彼にしては珍しく、露伴の口から驚愕の言葉が漏れ出でている。 それもそのはず、仮面の男は何の変化もなく平然とその場に立っていたのだ。 露伴が驚愕していたのは時間にして一瞬。 だが、戦闘の途中では十二分すぎるほどの時間だった。 具体的に言うと、仮面の男がひとつの魔法を唱えられる程度の時間である。 「オレを構えろ! 露伴!」 剣の叫びもむなしく、空気の塊が露伴の身体を横殴りに薙ぎ払う。 露伴はまるでボクサーに殴られでもしたように、なすすべもなく吹っ飛んだ。 その体の先には、奈落。はるか下には塔の入り口と、小さな地面しかない。 「露伴! これにつかまれ!」 反対側の階段を上っていたブチャラティが自分の腕をジッパーで切り離し、中に放り投げた。 露伴は自分の中にかろうじて残っていた意識で、それにつかまる。 その様子を尻目に、仮面の男は悠々とその場を飛行して逃げ出してしまった。 「二人とも大丈夫?」 露伴を奈落から引き上げている中、ブチャラティの背中に息切れしかかったルイズの声がかけられた。 彼女はワルドと二人で階段を上ってきたようだ。 「大丈夫だ。男は逃げたし、俺達は二人とも無事だよ」 「それにしてもあの男、相当やるようだな。スクウェアクラスのメイジかも知れん。 ならば、君達二人はルイズを守りきれないかもしれないな」 感慨深げにそうつぶやいたワルドの言葉は、ルイズの胸にいやに鮮明に残ったのだった。 その後は、皆無事に『マリー・ガラント』号に乗り込むことができた。 船長は今しがた起こった戦闘騒ぎにはまったく気がついてはいないようであった。 「ちょうどいい時間に来なすったね。いつでも出向できやすぜ」 露伴たちは船の甲板、船首に向かった。船長に、そこからの眺めがいいと教えられたからだ。 船首の無効から、昇り行く赤い太陽が見える。日の出だ。同時に、猛烈な熱風が船体の下から吹きあがった。 「野郎共、出航だ! もやいを解け! 帆を張れ! 風力嚢、ベント開け! 機関、微速前進! アップトリム五度!」 船長の矢つぎばやの指令に、船員たちが機敏に作業を開始する。同時に、各部署から伝令管を通して報告の返答が寄せられる。 船体がふわりと羽毛のように浮き上がった。ルイズたちは思わず近くの縁につかまっていた。 「すごいな。思ったよりも軽快に動く物なんだな」 露伴が感嘆している。しかもこの男、この瞬間も船員の作業の様子を取材していた。 「さて、諸君。アルビオンまでもう一息だね」 ワルドが船長に聞いた所よると、この船は港町ロサイスまで行くとの事。 「その後はどうするの?」 ルイズは聞いた。それはそうだろう。彼女達は、ウェールズがアルビオンのどこにいるか皆目見当がつかないのだ。 「大丈夫さ。僕のルイズ。ロサイスはアルビオンでも有数の軍港だ。そこなら、最新の戦況を聞くことができるだろう。聞き込みをすれば、簡単に王子の居場所を特定できるさ」 ワルドの励ましをうけ、ルイズはちょっとだけ気が楽になった。 ルイズは浮かんだ船から身を乗り出し、ラ・ロシェールの町を見下ろしてみた。 日の光に反射した町並みが金色の色をなしており、とても美しい。 彼女はこのとき、確かに平安の心を抱いていた。 「みて、ブチャラティ。あの町がもうあんなに小さくなっているわ」 「そうだな。こうやって見ると、地上で見て回ったときよりもきれいだ。 それに、朝日がとても美しい」 二人は船首で寄り添い、つかの間の安らぎを満喫していた。 少なくとも、この瞬間までは。 「あんにゃろ! 私を思いっきり攻撃しやがったわよ!」 土くれのフーケは激怒していた。 今回の作戦の目的はたった一つ。あのワルドとか言う男に手柄を立てさせる事。 ワルドの行動に対し、ルイズたちに信頼と安心感を植えつけることだ。だから、予定では、フーケは彼の魔法攻撃によって驚いた振りをし、そのまま退散する計画であった。しかしワルドはフーケを容赦なく攻撃してきていた。 フーケは胸糞悪く先ほどの戦闘を回想した。 もしも自分の防御魔法がうまく発動しなければ、私は悪くすれば致命傷を負っていただろう。 彼女は隣に立つ仮面の男に、ワルドとか言う男に対する不満をぶちまけた。 彼女は心底あの男のことが気に入らないようである。 「まったく、あの野郎はいったい何なんだろうね。それにありゃきっとムッツリスケベに違いないさ」 「どうしてそう思う?」 『土くれ』の傍らに立つ仮面が執拗そうに聞いてくる。なぜか不機嫌そうだ。 彼のこめかみの血管が、ピクピクとうごめいている。 「だってさ。ルイズの信頼を勝ち取るためにこんなチンケな策を弄するあたり、 小物臭がプンプンするじゃないかい。 それにアイツは始終ルイズに色目を使っていたよ。まったく、見苦しいったらありゃしないね」 「ほ、ほう。そうか」 「どうしたのさ、そんなに怒って? まるであんたが侮辱されたみたいだよ?」 「私は怒ってなどいない!」 だが、それが嘘であるらしいことは誰の目にも明白であった。 「ところで、私はこれでお役御免かい? そうだとうれしいけどねえ」 話を変えたフーケに対し仮面の男は憎憎しげに頭を振った。 「いや、君はアルビオンに渡れ。貴族派の首領、クロムウェル殿に会ってもらう。 『土くれ』の仕事はまだまだ終わっていないぞ」 「そうかい。人使いの荒いお人だねえ。ま、給金がそれなりにもらえればそれでいいけどねえ」 ため息をつくフーケに対し、仮面の男は怒りの感情を抑えながらはき捨てるように命令を下した。 「ああ、私は今決めたよ。お前にはとことん働いてもらうことにした」