約 2,674,185 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1355.html
岩壁の間を走る道を、ギアッチョ達は「桟橋」へと急いでいた。迷うことなく 駆け行く彼らを、二つの月が煌々と照らしている。ギアッチョは前を走るルイズに 眼を遣った。さっきから何度も心配そうに後ろを振り返っている。売り言葉に 買い言葉で出ては来たものの、やはりキュルケ達が心配なのだろう。宿屋の 辺りから薄っすらと黒煙が上がっているとなれば尚更だ。 ついて来たのは彼女らの勝手だ。キュルケに聞こえるような場所で任務の ことを口走ってしまったことを責められればこちらの落ち度だったと言わざるを 得ないが、それでもついて来たのは彼女達の勝手だ。しかし、ならばあの場で 逃げ帰るのもまた彼女達の勝手だったはずだ。極秘の任務だと言われたから には、決して誰にもそれを明かさない覚悟がルイズにはある。だからキュルケ 達は結局何も知らなかったし、何も聞いてはいなかった。彼女達は遊び半分で ここまで来た。ただそれだけのはずだ。命を賭けてまで敵の足止めをする 理由も責任も、砂の一粒程もありはしないはずなのだ。 ――どうして・・・そこまでするのよ・・・! 「バカじゃないの!?」とルイズは怒鳴りたかった。今すぐ宿に引き返して、 あの三人を学院まで追い返したかった。 ――どうしてそこまでするのよ・・・! ルイズは我知らず繰り返す。彼女達と自分は、同じ学年でただ最近少し縁が あるというだけの関係だ。自分の為に命を張れるような関係であるはずがない。 彼女達と自分は、友達でも何でもないのだから。 そう考えて、ルイズの心はズキンと痛んだ。友達でも何でもないという、つい 数日前まで当たり前だった事実が彼女の心に突き刺さる。 その痛みに顔を歪めて、彼女はようやく自分の気持ちに気がついた。自分は 彼女達の輪に入りたかったのだと。彼女達と、笑い合いたかったのだと。 キュルケ達と楽しげに笑う自分の姿が一瞬脳裏をよぎり――それが彼女の 孤独を残酷なまでに浮き彫りにする。そんな自分がどうしようもなくみじめで 悲しくて、ルイズは唇を噛んでただ俯いた。 「おーい旦那ァ ちょいといいかね?」 ギアッチョの腰で、デルフリンガーがガチャガチャと音を立てる。 ギアッチョは先頭を走るワルドの背中に視線を合わせたまま、口だけで 「何だ」と返事をした。 「いやね、さっきの決闘でずーっと引っかかってたことがあったんだが そいつを今ようやく思い出してよ」 デルフリンガーはそこでギアッチョの反応を見るように言葉を切る。ギアッチョの 無言を先を続けろという意味に受け取って、デルフは言葉を継いだ。 「俺、どうやら魔法を吸収する能力があるみてーなんだわ」 軽い口調で告げられたそれに、ギアッチョはピクリと眉を上げる。 「・・・てめー、そりゃあかなり珍しい能力なんじゃあねーのか」 この世界には、魔法を利用して特殊な力を持たせたマジック・アイテムなるものが 氾濫している。しかし魔法を吸収するアイテムというものは、ギアッチョは寡聞に して知らない。そんなものがあれば貴族連中はこぞってそれを求めている だろう。少なくとも、あの土くれのフーケならば奪ってでも手に入れるはずだ。 先の戦いで、彼女がそれを使ったという話はない。ということは、そんなアイテムは この世に存在しないか――そうでなくとも相当な珍品である可能性が高い。 「へっへ ちったぁ見直したかい?旦那」 「・・・・・・まーな つーかよォォ~~、てめーは一体何なんだ?」 嫌々といった表情で返事をするギアッチョに人間で言う首をすくめるような動作を して、デルフリンガーは答える。 「いやー、実を言うとそこんところがちょいと曖昧でね 何千年も生きてりゃあ そりゃ記憶も風化するってなもんでよ」 何千年、という言葉にギアッチョはデルフに眼を落とす。彼の出自に興味が 沸いたが、しかしそれは直後後方から迫り来た足音と殺気に掻き消された。 ギアッチョはデルフリンガーに手をかけるとぐるんと背後を振り向き、そのまま 殺気を発した人物を確認もせずに魔剣を薙ぎ払った。 「――ッ!」 背後に迫っていた黒い影はまるで体重を感じさせない動作で斬撃を跳び避け、 そのままギアッチョの頭上を跳び越えてルイズに迫る。気配を感じてルイズが 振り向いた時には、彼女の身体は既に影に捕えられていた。 「きゃあッ!?な、何なのよ!」 ルイズの身体を片腕で乱暴に抱えて影は笑う。二つの月に照らされたその 顔を、白い仮面が覆っていた。 「ナメた真似してくれるじゃあねーか!」 そう吼えると共にギアッチョは先ほどの攻撃を巻き戻すような形で背後の 白仮面に斬りかかるが、 「・・・てめー」 デルフリンガーの切っ先は、ルイズの喉元一サントで停止した。 「ギアッチョ!」 ルイズが叫んだその瞬間、彼女を盾にした仮面の男が突き出した黒塗りの 杖によってギアッチョの身体は数メイルを吹っ飛んだ。 「チッ 野郎・・・」 前傾姿勢で着地したままウインド・ブレイクの風圧で尚も数十サントを 押し下げられ、ギアッチョは色をなくした眼で毒づいた。 「イル・フル・デラ・ソル・・・」 仮面の男はルイズの身体をきつく掴み、素早くルーンを唱える。一瞬の うちにフライの魔法を完成させ、仮面の男はこの場を離脱しようとするが、 背後の異変に気付いたワルドが既に彼に杖を向けていた。ワルドを 振り返った男が防御の姿勢を取るより早く、ルイズだけを見事に避けて 空気の槌が仮面の男を宙に打ち上げる。 「がはッ!」 「大丈夫かいルイズ!すまない、気付くのが遅れたよ」 ルイズに駆け寄って、ワルドは安心させるように彼女を抱きしめた。 レビテーションで何とか体勢を立て直した仮面の男にギアッチョが肉薄する。 「いけすかねぇ仮面を叩っ斬ってやるぜ てめーの顔面ごとよォォー!」 男に息つく暇も与えず唐竹割りにデルフリンガーを振り下ろす。どうやら かなり戦い慣れているらしい仮面の男は後ろに跳んであっさりそれを かわすが、ギアッチョは「ガンダールヴ」の力によって常人では有り得ない 速度で斬撃のラッシュを続ける。横薙ぎに首を狙い返す刀で袈裟に斬り下ろし、 心臓を狙って刺突を繰り出しそのまま回転してまた首を薙ぐ。太刀筋は 素人でもそれが全て急所を狙ってくるとなれば気を抜くわけにはいかない。 その上、ラッシュの折々に腹や顎等を狙って手や足が飛んで来る。 そっちのほうには多少の心得があると見えて、一瞬でも気を緩めれば そのまま真っ二つにされてしまいかねなかった。 仮面の男はチッと舌打ちする。手の内を見せてしまうことになるが、一気に 決めてしまわねば数十秒後に倒れ伏しているのは自分かも知れない。 ギアッチョの怒涛の連打の間隙を突いて杖を突き出し、バッと跳び上がって ウインド・ブレイクを放つ。今度は読んでいたようでギアッチョは一メイルほど 押されながらも吹き飛ばずに留まったが、仮面の男は逆に己の魔法の 反動を利用して四メイル程後ろに跳び退っていた。そしてそのまま間髪 入れず次の呪文を唱える。ギアッチョが駆け出す頃には既に仮面の男は その杖を振っていた。ギアッチョは男の周囲の空気がどんどん冷えていくの にも構わず突っ込むが、 「や、やべぇ!旦那!俺を突き出せッ!!」 魔法の正体に気付いたデルフが叫んだ瞬間、 バチィッ!! 激しい音と共に男の周囲の空気が爆ぜ――男の周囲とギアッチョを繋いで、 一筋の閃光が走った。 「ぐおあああああああッ!!」 左腕を中心に全身に雷撃を受け、左腕が燃え尽きたかのような痛みに ギアッチョは痛苦の声を抑え切れなかった。常人ならば気絶してもおかしくは ない痛みをなんとかこらえ、ふらつきながらも己のプライドを杖にして立ち続ける。 「ギアッチョ!!」 ワルドの腕をほどいてルイズがギアッチョに駆け寄る。ワルドは少し首をすくめて、 仮面の男に向き直った。猛獣のようにその身体をかがめると、一瞬にして男に 躍りかかる。ギアッチョに対抗するかの如く、ワルドは急所目掛けて己の杖で無数の 突きを繰り出した。防戦一方の仮面の男にフッと笑いかけると、決闘の時と同じく 前触れのないエア・ハンマーで敵を打ちのめす。 「ぐあッ・・・!」 肺から空気を吐き出して男は虚空を舞ったが、しかし吹っ飛んだことでワルドから 距離を取れたという事実に仮面の下の口はニヤリとつり上がった。既に詠唱を 完了していたフライを発動させ、彼は瞬く間に闇夜へ消え去った。 「ギアッチョ!大丈夫!?」 ギアッチョの身を案じるルイズを苦痛に歪む眼で一瞥して彼は口を開く。 「うるせーぞ・・・黙ってろ、声が頭に響く」 眩暈すら起こす痛みに右手で頭を押さえながら、ギアッチョは努めて平静な 口調でそう言った。 「で、でも・・・」 「とっとと向こうへ行きな・・・婚約者様が見てるぜ」 「行けるわけないじゃない!手当てをしないと・・・!」 ワルドはしばらくその場に佇んで彼らを見ていたが、ギアッチョから離れる様子の ないルイズに首を振って、やがて諦めたようにやって来た。 「ライトニング・クラウド・・・あの男、相当な術者のようだな しかし腕で済んでよかった 何故だか分からないが、君はかなり運がいい あれは本来ならば命を軽く奪う呪文のはずだよ」 「ふむ・・・ひょっとすると、この剣が電撃を和らげたのか?」 ワルドはあっさりと原因を看破するが、相棒の心を慮ってかデルフリンガーは 一言「知らん、忘れた」と答えた。 「インテリジェンスソードか?珍しい代物だな・・・」 「ワルド・・・そこまでにして ライトニング・クラウドの威力から考えれば運が よかったけど、これだって気絶しかねない大怪我だわ 手当てをしてあげて!」 嘆願するような声で言うルイズに、ワルドは困った顔を向ける。 「ルイズ・・・それは出来ない」 「どうして!?」 「いつ敵に追いつかれるか分かったものじゃない こんなところで悠長に治療を している暇はないんだ」 「そんな・・・!」 「そいつの言うことは正しい・・・先に進むぜ」 ワルドを説得しようとするルイズにストップをかけたのはギアッチョだった。 「この程度でくたばるほどヤワな人生は送っちゃいねー」 「でも・・・!」と食い下がるルイズから眼を離して、ギアッチョは先頭に立って歩き 始めた。ワルドは優しくルイズの髪を撫でて促す。 「さ、行こう 桟橋はすぐそこだ」 「・・・・・・分かったわ」 ギアッチョの背中に固い意思を見て、ルイズは渋々それを承諾した。 「・・・これが桟橋だと・・・?」 丘に作られた長い階段を登り切った果てに現れたものを眼にして、流石の ギアッチョも驚愕を隠せなかった。 それは山ほどもあろうかという大樹だった。視界に収まりきらない程の 巨大な幹から、無数の枝が四方八方に伸びている。その枝一つ取っても 普通の樹を何十本も束ね合わせたような大きさである。一体どれ程の 高さなのかは闇夜に溶けて伺えないが、天を衝くという言葉に相応しい 威容であろうことは容易に想像がついた。 ――まるでゲルマンの神話だな・・・ アスガルド・ミッドガルド・アールヴヘイム・・・幾層もの世界を貫きそびえる 神話の大樹の末端がこれだと言われれば、今のギアッチョはあっさり 信じたかもしれない。それ程までに巨大な老樹であった。 ギアッチョはその枝に吊るされた船に眼を向ける。上空高く浮かんでいる それを見た感想は、「メローネにホルマジオ辺りがやってるゲームに あんなのあったな」だった。船に乗るのに丘の上へ登る時点で薄っすらと 予想がついていた上にこんな壮大な樹を見せられた後である。どうでも いいとまではいかないが、全く驚く気にはなれなかった。 しかしあれに乗るとなると興味は沸いてくる。 「空飛ぶ船に乗るのは初めてだな」 と呟くギアッチョに、彼を心配して隣についていたルイズが不思議な顔をする。 「ギアッチョの世界にもあるんでしょ?空飛ぶ船・・・ええと、ひこうきだっけ」 「船の形と原理じゃ空は飛べねー 船と飛行機は全く別の代物だ」 「へぇ・・・」 わたしもいつか乗ってみたいと言いかけて、ルイズは慌てて口をつぐんだ。 ギアッチョの郷愁を無意味に呼び起こすべきじゃないと心中すぐにそう 考えたが、それが自分への言い訳であることは痛い程解っていた。 結論を出されたくないだけなのだ、自分は。イタリアへ帰るという結論を 出されることを激しく恐れている自分を、ルイズは否定出来なかった。 ギアッチョをイタリアへ送り返す方法は、未だに探している。しかし本を 一冊調べ終える度に落胆と共に彼女に生じる感情は、もはや疑念の 余地もなく「安堵」であった。ギアッチョを帰らせてやりたいという気持ちと 自分の使い魔でいて欲しいという気持ち、二つの感情がせめぎあって ルイズはもうどうにも動けなくなってしまいそうだった。そんな時に一瞬 いっそ一緒にイタリアへ行けないだろうか等と考えてしまい、少女の 悩みは更に混迷を増してしまった。 ルイズはぶんぶんと首を振る。考えるな。何も考えなければ、悩むことも ない。ルイズはそうして、無理に己を抑えつける。 「ルイズ?大丈夫かい?」 己の感情と躍起になって戦っていたルイズは、ワルドの声で我に返った。 「えっ、あ・・・ごめんなさい 何?ワルド」 ワルドは苦笑して言い直す。 「今偵察を終えて来たんだがね どうやら敵はまだ近くには来ていないらしい それで、僕は先に行って船長と交渉してこようと思う 使い魔君はその怪我 では満足に走れないだろうからね」 その提案にルイズが頷くと、ワルドは大樹の根元に作られた空洞へと 走って行った。ギアッチョは不服そうに舌打ちする。 「余計な真似しやがって・・・走るぐらいいくらでも出来るっつーんだよ」 「気遣ってくれたんだから正直に受け取りなさいよ」 そう言ってルイズはギアッチョの前に出た。 「ほら、階段を登るわよ 暗いんだから落っこちないでよね」 ギアッチョは不機嫌そうな顔をルイズに向けると、溜息をついて歩き出した。 空洞の中には幾つもの階段が並んでいた。それぞれが異なる枝に通じて いるらしく、一つ一つに違った文字の書かれたプレートが貼られている。 それらを物珍しげに眺めながら、ギアッチョはルイズに続いて階段を 登り始めた。上を見上げてみるが、階段の終わりは勿論見えない。 前を行くルイズに、ギアッチョは時間潰しに問い掛けた。 「すっかり忘れてたがよォォ~~ おめーあの時何を言うつもりだったんだ?」 ギアッチョからは見えなかったが、その言葉にルイズの顔は真っ赤に茹で 上がった。先の騒動で、バルコニーでのことなどルイズはすっかり忘れて いたのだった。しかも、冷静に考えてみれば自分はあの時一体どうする つもりだったのだろうか。よりにもよってギアッチョに一体何を言おうと したのかと考えて、ルイズの頭は爆発しそうに熱くなった。 「・・・ああ?どうかしたのかオイ」 いきなり動きがギクシャクし始めたルイズに、ギアッチョは怪訝そうに 声を掛ける。 「なっ、ななな何でもないわよ!あ、あああれは一時の気の迷いというか・・・ と、とにかく何でもないんだから!」 ルイズはしどろもどろで否定するが、何でもなくないのは明白だった。 しかしギアッチョは、「そうか」と言ったきり何も聞こうとはしない。ルイズが 焦るとどもるということはギアッチョも知っているので、まぁ聞かれたく ないなら別にいいと考えたのだった。 それっきり二人して黙り込み、気まずい空気の中を彼女達は上へ上へと 登り続ける。ようやく階段に終わりが見え始めた頃、ルイズはぽつりと言った。 「・・・ねぇ ギアッチョは、してないのよね・・・結婚」 ギアッチョに問われて、ルイズは結婚の話を思い出していたらしい。 ルイズの言葉に、ギアッチョは呆れたように答える。 「オレが結婚するよーな年齢に見えるってェのか?ええ?オイ」 「・・・貴族の間じゃわたしぐらいの歳で結婚することは珍しくないわ」 ルイズは当たり前のように答えるが、しかしその口調にはどこか悲しげな 響きが含まれていた。 要するに結婚したくないということなのだろうか?それならワルドにはっきり そう言えばいいではないか。ギアッチョはそんな疑問ををそのままルイズに ぶつけるが、ルイズはふるふると首を振って前を向いたままそれに答える。 「そんなこと父さまも母さまも許すわけがないわ」 王族に連なる血統を持つヴァリエール家は、それが故に厳格この上ない 教育方針を敷いていた。 「ワルドとの結婚は父さまが決めたことなの 他の人と結婚するなんて 言ったら、わたしは勘当されたって文句は言えないわ」 「・・・つまりこういうことか?俺が奴を暗殺――」 「ダ、ダメに決まってるでしょバカッ!」 チッと舌打ちするギアッチョにばっと向き直って、ルイズは眼をつり上げる。 「暗殺とかそういうのはダメだって言ってるでしょ!? いい?この世界にいる限りあんたはわたしの使い魔なんだからね! 勝手に殺したり奪ったりするのは絶っ対に禁止!分かった!?」 「細かいことを気にするヤローだな」 「細かくないっ!」 大声でまくしたてて、ルイズははぁはぁと肩で息をする。それからはっと 何かを思いついたような顔になって、彼女はギアッチョに背中を向けた。 「あ、ああ後一つ忘れてたわ!この世界にいる限り、わたしを置いて どど、どこかに行くなんて許さないんだからね!」 早口にそれだけ言うと、ルイズはギアッチョを置いて階段を駆け上がって 行ってしまった。 「・・・どこかに行くなってよォォー 自分でどっか行っちまったじゃあねーか 全くガキの言うことはわからねーな ええ?オンボロ」 「・・・・・・・・・いや・・・」 がしがしと頭を掻いてルイズが走って行った出口を見つめてそう言う ギアッチョに、デルフはどう答えていいものかついに思いつかなかった。
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/11163.html
ホーテンス 名前:Hortense デビュー:『ドナルドの駅長さん』(1937年) 概要 ドナルドダックが駅長を務める駅に届いていたダチョウ。ドナルドを気に入りつきまとう。 エピソード ドナルドの駅長さん 駅長のドナルドダックはホームに出て荷物を受け取りに来たところ、おかしな箱が届いていた。その箱の中にはなんとダチョウが入っていたのだ。ドナルドを気に入ったダチョウのホーテンスはしつこくつきまとう。ドナルドを吹っ飛ばしたホーテンスはその隙に風船やラジオを食べ、暴走を始める。 登場作品 1930年代 1937年 ドナルドの駅長さん 声 ピント・コルヴィグ(1937年)
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2430.html
後年に『アルビオン戦役』と呼ばれることになる戦争は、こうして突如として終了した。トリステイン側の勝利である。神聖アルビオン帝国は滅亡する運びとなった。 だが、トリステインにとってこの勝利はとても苦いものとなっていた。実質ガリアの突然の介入がなければ、自分が敗北していたかもしれないのだ。 そのような流れから、旧アルビオン領の支配権をめぐる国際会議に、トリステインとゲルマニアに加え、本来同盟国ではないガリアが列席したのは当然といえた。 ハルケギニアの歴史上、この会議は難航する、と思われた。かつて第一回聖帝会議の折、サー・グレシュフルコに『会議は踊る』と酷評されたように、この三国が集う会議は決まって、内容が傍論にそれるのが通例となっていたからだ。 だが、予想外なことに、ガリアが折れた。 みな欲深い要求をしてくると予想していたが、当の『無能王』ジョゼフは、 「会議よりも今日の晩のメニューが気になる」 と、軍事上重要な拠点の割譲のほかは、ほとんど要求を行なってこなかった。 戦争の第一人者であるガリアがこのような様子であるから、戦争に少ししかかかわらなかったゲルマニアは、要求すること事態ためらわれたのだった。 結果、アンリエッタの常態とは思えぬ働きぶりもあって、アルビオンの領土は、大半をトリステインが管轄する運びとなったのだった。 とにかく戦争は終わった。誰もが、突如として訪れた平和の予感に胸をときめかせた。 だが、ガリアの王女、イザベラだけは不満であった。 わざわざアルビオンにまで出向いて功績を挙げたのに、当のジョゼフには何の評価も得られなかったのだ。自分なりにガリアのことを思っての行動だっただけに、余計堪えた。だが国際会議で、すでにガリアの功績は王の発言により半ば隠されてしまっている。また、彼女の行動を知る者は会議に参加しなかった。 結果、彼女はガリアの首都、リュティスに与えられた自分の城で怒鳴り散らすしかなかった。 「全く忌々しいね! なんで親父はあのヒス女王を勝たせるまねなんざしたんだい! それにアルビオンの領土の大半をくれてやっちまってさ!」 手に持ったワイングラスから、血のように赤いワインが零れ落ちる。零れ落ちたそれは、真紅のじゅうたんを汚らしく染め上げるのだった。 「さすがに、無能王と呼ばれるだけのことはあるね。あんなに良い手ごまがそろっていて、アルビオンひとつ自分のものにできないなんてさ!」 侍従に当り散らしていたイザベラであったが、そのとき、ガリア王からの手紙に目を通し、ほくそ笑んだ。 「だが、今度の仕事は面白そうだね……親父もたまにはいいことを考えるじゃないか」 イザベラは手紙の書かれた羊皮紙をくるくると丸め、それを持ってきた使者に話しかけた。 「あんた、ビダーシャルとかいったね。あんた、アレかい? 野蛮なエルフなのかい?」 「野蛮なのは君達蛮族のほうであろう。だが、私がエルフであることは否定するつもりはない」 「気に入らないねえ。まあいい、この依頼、北花壇警護騎士団が引き受けたよ」 「久しぶりだねえ、ガーゴイル」 「任務は何?」 相変わらず無愛想な従姉妹に、イザベラは憤怒の表情を見せかけた。が、我慢する。 あの娘にぎゃふんといわせる任務なんだよ。ここは冷静にならなくちゃ。 「おや、つれないねえ。今度は大物だよ。いつもの冒険ごっことはわけが違う。くれぐれも心してかかりな」 イザベラは思わずほくそ笑んだ。 「相手は、伝説のガンダールヴだ。そいつを殺りな」 いつもは全くの無表情で通すシャルロットは、このときほんの少しだけ表情を動かした。 「トリステインの?」 「そう、あんたもよく知る二人組さ。それ以外に誰がいるってんだい? あんた馬鹿じゃないのかい?」 そうは行っては見たものの、目の前のシャルロットが馬鹿ではないことはイザベラが百も承知していた。 ガーゴイル! あんたも同じだ、私の親父と。私の取り巻きの貴族連中と。内心では私のことを見下してさッ! さぞ面白いでしょうね、ガーゴイル。正当な血族である完璧な父親に愛されて。何一つ馬鹿にされることなく育ったお前に、私の、無能の父親に人形扱いされてきた、今までの私の気持ちがわかるもんかい! でも、この任務でちょっとは私の気持ちが分かるでしょうよ! 「もし、任務を果たしたら、あんたの母親」 いつまでたっても無言を貫き通すシャルロットに堪えられなくなって、イザベラは自分から話しかけることにした。 「母様?」食いついてきた。よしよし。 「解毒剤、報酬に上乗せしてやるよ」 今度こそシャルロットの瞳が揺れ動く。 戦争も終わり、学徒兵が帰ってきたこともあって、トリステイン魔法学校はいつもの喧騒を取戻していた。 中庭では生徒達が自分の使い魔とコミュニケーションをとり、図書館では、露伴がタバサをアシスタントに漫画の原稿を描いている。 だが、露伴の見るところ、タバサの様子がおかしい。時々手を止めては、露伴の顔を伺うようなまねをしている。今も、台詞を考えているような顔をしながら、露伴の手元をチラチラと見ているようであった 「どうした、タバサ。調子でも悪いのか?」 タバサはフルフルとかぶりを振った。違うらしい。だが、彼女は決心した風に、 「相談がある」 「なんだい? 僕に相談? ブチャラティかコルベールのほうが適任じゃないか?」 露伴は驚いた。 自分は他人の相談に乗るようなタチじゃない。 だが、タバサは、 「露伴でないと駄目」 とのことらしい。 「しかたないなあ、で、どんな悩みなんだ?」 「具体的にはいえない。けど、大切なものが二つあって、今もってるひとつを手放す代わりに、なくしたはずのもうひとつの大事なものをとり戻せるかも知れないとしたら、どっちを選ぶ?」 どういうことだ? 「えらく抽象的だなぁ」 「……ごめんなさい」 露伴はとりあえず漫画を描く手を止め、タバサの顔に向き直った。 「まあ、あやまるようなことじゅあない。そのなくしたものってのは、それ以外に取戻す方法はないのかい?」 「ほぼ絶望的」 「手放すほうは、手放すと見せかけてとっておくことは?」 「無理」 まるで謎賭けのようだ。それともタバサはこの露伴に何か隠しているのか? 「う~ん。なんともいえないけど、セオリーどおりに行けば、僕は両方取れる機会を待つね」 「そんな機会がなかったとしたら?」 「ないとしても、僕のキャラクターには、自分から何か大事な者を手放すような真似はさせない。手放すとしても、対価を確実に得られると確証してからだな。そういうのが取引の基本だと僕は思う」 「そう……ありがとう」 タバサは弱弱しく、だが、何かを決心した風にうなずいた。 「で、結局何がいいたいんだ?」 「露伴、私の母様のこと、覚えてる?」 露伴は思い出した。以前、タバサの母親を『ヘブンズ・ドアー』で診察したのだった。何者かに毒でやられたタバサの母親をしかし、露伴は治すことができなかったのだ。露伴はその事実を、苦い思い出とともに記憶の奥底にしまってある。 「ああ」 「もし、仮に、私に何かあったら、母様をお願い」 「……ああ、いいとも。だが、なぜ急に?」 そこまで言ったとき、タバサが急に活気づいた風に原稿に顔を埋めたのだった。 「そんなことより、この原稿、今日中に台詞を入れないと」 「? そうだったな。今日は急いで早めに仕事を終わらすとするか」 露伴は、なんとなく、タバサの頭をなでてみた。 なんとなく、タバサの顔が赤くなったような気がした。 タバサの姿が学院から消えたのは、その翌日のことである。 一人の学生が寮から消え去ったわけだが、トリステイン魔法学院は動かなかった。 タバサの部屋はきれいに整頓されていたし、何より、タバサは前にもそうやって学院を抜け出して授業を受けなかったことが多々あるからであった。 だが、露伴には一抹の不安がある。 なぜタバサはあの日、自分の母親のことを言い出したのだろうか? しかも頼む、などと。まるで、これから自分の身に異変でもあるかのように? 「ひょっとして、何かの事件に巻き込まれたんじゃないだろうな?」 今日、露伴は図書館のなか、たった一人で仕事をしていた。だが、どうにも仕事がはかどらない。タバサの行方が気になるのであった。 「そんなに気になるのかい、あの娘っ子が」一人のはずの部屋に、露伴以外の声が響き渡る。 「いたのか。つーか、あったのか。デルフリンガー」 「おめー、久しぶりに発言したってのにその扱いかよ!」 「僕としたことが。刃物を出しっぱなしにしてるとは。危ない危ない」 「ちょ、ちょっと棒読みくさいぞその台詞! やめて! ちょっとは話させて!」 「分かったよ、で、何のようだ?」 「いや、うら若き恋の予感がしてだな。それで」 パチン。露伴は勢いよく剣を柄に収めた。 「……」 少しばかり剣を抜き出してみる。 「ごめんなさいごめんなさいもう生意気言いません許してくださいだからもう少し喋らせて」 「で、なんのようだ?」 「兎も角、あの娘っ子は『かあさまを頼む』って言ったんだろう。じゃあ、その『かあさま』の様子を見に行ってみないか?」 「それはいい案だな」 「だろ。ナイスだろ? だから」 パチン。 露伴は矢も盾もたまらず図書館を飛び出した。 「露伴、君はタバサがガリアの王族だったことを知っていたのか?」 「何でそんなこと黙っていたのよ!」 さらりと何気なく質問するブチャラティと、激高するルイズ。その表情は静と動、対照的だった。 「ああ、知っていたさ。ルイズ、君達は今までそんなこと聞かなかったじゃないか。そんなことに答える義理も義務もないね」 彼らは馬に乗り、トリステインとガリアの国境を越えて、タバサの実家にいた。無論ルイズは授業をサボってのことである。先生方が頭を抱える様子が目に浮かぶようだ。 タバサの家に、唯一残った老執事が屋敷を案内する。その間に、露伴は大体のことを話して聞かせた。 タバサは、実はガリア王国の王族であったのだ。その秘密は、一行の中では、露伴だけが知っていた。彼女の実の父親は、現ガリア国王ジョゼフの兄シャルルであり、魔法の才能では王族随一。血統の点でも次期国王にもっともふさわしい存在であるといっても良かった。しかし、それを隠すように、トリステインに留学していたのにはわけがある。 「それは、タバサの家の執事から話すべきだ。僕が説明することじゃない」 露伴がうなずくと、タバサの老執事は涙を浮かべながら露伴の話を受け継いだ。 「はい、そもそも先代王の御世にこの悲劇は始まったのでございます」 「そういえば、タバサの家の紋章、王族だけど、不名誉印が記されていたわ。王家に反逆でもしたの?」ルイズは言った。彼女の言うとおりなら、タバサが人目を忍んでトリステインに留学していたのも分かる。 「反逆など! とんでもございません! シャルロット様。学院ではタバサ様と御名乗りにおらられていましたが、父君であるシャルル様は、今の無能王と比べてとても王家の才能に富んでおられる方でした。ですが、それをねたんだ無能王に、なんと痛ましいことか! 毒殺されてしまわれたのでございます!」 「もっとも、物的証拠はないがな」露伴が補足する。 「ですが、状況的証拠は有り余るほどございます。その直後、なんと言うことか、あの非道な無能王は、シャルロット様をもその手にかけようとなさったのでございます」 「タバサが?」ルイズが驚く。彼女にそんな過去があったとは。 「ええ、ある祝いの席で、君側の奸が、シャルロット様の杯に心を狂わせる毒を仕込んだのでございます。それを察知した母君が、とっさに身代わりになってその毒を飲み干してしまわれたのです」 露伴は、その光景を、タバサの視点で見聞き、知っていた。その光景がフラッシュバックとなり、露伴の心に再現される。 「私がこの杯を飲み干せば、王様、私達親子に反逆の心などないことがお分かりになりましょう。どうかシャルロットにはお慈悲を」 そういって、タバサの母はタバサから杯を奪い取り、一気に飲み干したのだった。 「その日から、母君は心を狂わされてしまわれました。その日からシャルロット様のお命を狙うものは消えましたが、なんと言う代償。なんと言う悲劇!」 老執事は感極まっておいおいと泣き出した。 「その日からシャルロット様は変わりました。以前は明るく活発な方でしたのに、暗く、誰とも打ち解けなくなってしまいました。そのようなシャルロット様に対し、あの無能王は、王家の影の仕事をシャルロット様に課すようになったのでございます」 あるときは吸血鬼退治、違法賭博の潜入捜査。ルイズには、とても同年代の人間がやれるような仕事とは思えない言葉が、老執事の口から次々と飛び出して行った。 「そして、先日も無理な依頼が無能王から課せられました」 「どんな内容だったんだ?」 「それは、露伴様。あなたを殺す任務です」 「何だって?」 「何ですって」 これには、誰も彼もが驚いた。 「はい、紛れもない事実でございます」 老執事が淡々と述べる。 「ひょっとすると、その依頼を無事成し遂げられたのであれば、母君を治す治療薬が得られるかもしれない、ともおっしゃっておりました」 「何だと……あの日の会話はそういうことだったのか」 露伴に、図書館でタバサとの会話が思い出される。手放す大事なものと、取戻せるかもしれないもの……くそっ、そういうことか! 「タバサのかあさまはどういう状態なの?」 ルイズの言葉に、老執事ははっとなった様子であった。 「ご案内いたします」 その部屋は、一見語句普通の寝室であった。 薄紅色のベッドに、女性が座っている。だが。 「誰じゃ、そなたらは! また私達親子をいたぶりに来たのか」 その女性は、老執事に案内されたルイズたちが部屋に入ってくるとたんに立ち上がり、薄汚れた人形を抱き、立ち上がった。野良猫のように威嚇をしている。 「シャルロット様の母君でございます。あの日から、この方は人形のほうをシャルロット様と勘違いしているのでございます」 「出てゆけ! でないとただではおかぬぞ。いとしのシャルロットには手を出させぬ!」 「……学院では、シャルロット様は、『タバサ』と御名乗りになっていたとか……実は、シャルロット様があの人形を母君に差し上げたときに名づけた名が、『タバサ』なのでございます」 「……」 「誰か! 誰かいないのかえ!」 沈黙が、女性の騒音の中に紡ぎ出された。 「僕がタバサに殺されていたら、彼女は正常に戻っていたのか……」 「いえ、露伴様。畏れながら私はそうは思いません。なぜならその提案を行なったのは、今まで迫害の限りを尽くしてきた無能王だからです。あの男が、シャルロット様を操る重要な『カード』を簡単に手放すとは思いません」 「なるほど、ジョゼフ王とは、人を物扱いするような人間なのか」 ブチャラティがつぶやく。彼の顔には静かな怒りの表情が見て取れた。 「はい。かの無能王は自分以外の人間を同じ人とみなしてはおりません」 「でも、こんなことって……」ルイズがしゃくりあげる。 「あの時、シャルロット様が屋敷にお帰りになった日のことでございます」 次の部屋に案内された一行は、先ほどとは違った意味で絶句した。 見たところ、部屋中の壁紙が無残に切り裂かれている。柱も何本か折れているようであった。 「先日、シャルロット様は母君をトリステインに連れて行こうとしておりました。すでにそのとき、ガリア王家に反逆しようと決めておられたのでしょうな。ゆるぎない決意の心を私は感じました」 老執事は続ける。 「ですが、そのとき一人のエルフがガリア王家から派遣されてきていたのです」 「エルフ?」ルイズが素っ頓狂な声を上げる。この世界でエルフといえば、ルイズたち人間の天敵ではないか。 「無能王はすでにシャルロット様の行動を見切っていたのでしょう。そして、シャルロット様とエルフはこの部屋で戦い……シャルロット様はお敗れになったのでございます」 「これが、その惨状か……相手は相当のてだれのようだな」 ブチャラティは部屋にできた傷をなでながら言った。そういわれると、その傷一つ一つが生々しい。 「ええ、いつか言ったでしょ。エルフは先住魔法を使うの」 「で、タバサはつかまったのか。どこに連れて行かれたか分かるか?」 「おそらくアーハンブラ城でございます。あのエルフは、私にここからアーハンブラ城まで、どのくらいかかるか聞いてきましたから」 「タバサは無事なのか?」 「はい。エルフは不思議な術を使ったので。シャルロット様は敗れはしましたが、無傷のご様子でした」 「そうか……」 「露伴、彼女を救いに行かないのか?」 「もちろん、いくさ。だが、君達には関係のないことだ」 「何言ってるの?私の使い魔の問題は私自身の問題よ!」 「それに、アルビオンであったガリアの王族の者――イザベラと言ったか――彼女の存在も気になるしな。俺も同行したい」 「ふたりとも……ふん。勝手にしろ。僕は警告したからな」 「おお! 皆様救出していただけるのですか!」 老執事はありがたい、といい、また泣き出したのであった。 アーハンブラ城は、砂漠の、ガリアとエルフとの国境地帯に建つ交易城砦都市である。 もともとはエルフが建造した城であるため、ハルケギニアの建築様式とは異なった、美しい幾何学模様の城壁があることで有名でもある。 ルイズたちが到着したとき、この時期には交易商人くらいしかいないと思われた。この町はオアシスに隣接する形で存在しているのだが、そのオアシスに、ガリア兵が三百人ほど駐留しているのが遠目にも見えた。 「どうするの?」 「決まっているだろ? ただの兵士なら問題ない」 ブチャラティは言い放つ。 「強行突破だ」 「ええ?」 ルイズが逡巡している間に、二人の使い魔はどんどん先に進んでいく。 「ブチャラティ、この兵士達は任せた」 「ああ」 「ちょっと待ちなさいよ」ルイズがあわててついていく。 「あ、何だ?」 城内の門扉に建っていた歩哨は、近づいてくる一人の男に気がついた。 「立ち止まれ、ここに入ってはいけない」 槍を構え、お決まりの言葉を口にする。 だが。 「ヘブンズ・ドアー!」 瞬間。 歩哨の意識は途絶えた。 「おい、あの男。様子が変だぞ」 オアシスの駐屯地で待機していた兵士が、一人の男と少女の接近に気がつく。 その男の瞳には、決意の炎が宿っている。 「何だ? やる気か?」 男は兵士の一団に近づき、 「き、消えた?」 跡形もなく姿を消した。 一団の男が急にうずくまる。 「どうした?」 「き、気分が……」 別の男は、その男の背中から、何者カの腕が飛び出していることに気がついた。 「お前、おかしいぞ。その、腕に見える物は一体何なんだ?」 「え?」 そのとき、接近してくる少女が目をそらしたことに誰も気がつかない。 「げぇ!」 背中から、先ほどの男が『生えた』。 その兵士は音も言わずにばらばらになった。 そして、彼の腕は、分離してまた別の兵士の腹に食い込み…… 「開け、ジッパー!」 混沌が、兵士達を襲った。 アーハンブラ城につれてこられたタバサは、ふと、外の兵士が騒いでいるような気がした。 もしかしたら、誰かが私を助けに来てくれたのだろうか? おとぎ話の『イーヴァルディの勇者』のように。私は、漫画『ブルーライトの少女』のように華麗に助け出されるのか? そんなはずはない。 かあさまがお倒れになってから、私はいつも孤独だった。 私はこれからも孤独であり続けるだろう。 いや、これからはそんな気遣いも無用か。 私はこれから狂うのだ。ビダーシャルと名乗るエルフの作る薬によって。 私の心は、かあさまと同様に。 それが、ガリアの考え出した刑。無能王の考えた娯楽。 「薬は、いつできるの?」 タバサは、一緒の部屋にいたエルフに、感情なく話しかけた。私ではこのエルフにはかなわない。たとえ今杖があっても、この男に勝利することはできない。 「もうすぐだ。だが、お前は怖いと感じたことはないのか?」 ビダーシャルは、何か作業を行なっていたが、その手を止め、タバサに顔を向ける。 「あなたには無関係のこと」 「そうだったな。私もそれほどには興味がない」 それはまさしく本音らしく、彼の表情にいっぺんの曇りもない。 だが、 「あの王との約束だが、その前に厄介が増えそうだな」 ビダーシャルは薬を作る手を止め、部屋を出て行く。 一体どういうことであろうか? タバサはため息をひとつ、ついた。 「かあさま……」 ビダーシャルが次の部屋に続くドアを開けると、 「見つけたぞ……ここか」タバサにとって信じられない男の声がした。 まさか、あのめんどくさがりの男が、ここまで? 「露伴……」 岸辺露伴は、そのドアを開けた。 果たして、目的の少女はそこにいた。耳の端が妙に長い、ルックスもイケメンの青年とともに。 「みつけたぞ……」 露伴のタバサを見る視線はしかし、その青年の体によって阻まれる。 「私はビダーシャル。お前達に告ぐ」 「なんだと?」 「すぐにここから立ち去れ。私は戦いを好まぬ」 「ならば、タバサを返すんだな、小僧」 ビダーシャルはまゆをピクリと動かせる。 「あの子か。それは無理だ。私は王と『ここで守る』と約束してしまったのだ」 「ならば戦うしかないだろう。僕とお前とは相容れない」 露伴はデルフリンガーをもって突撃した。先住魔法だかなんだか知らんが、先制攻撃してしまえば何も問題ない! 「『ヘブンズ・ドアー』!『先住魔法が使えない』」 露伴は確かに書き込んだ。だが、 「ふう、あくまでも戦う気か」 ビダーシャルの顔が『本』のページになる。だが、それも一瞬のこと。見る間に元の顔に戻っていった。 「ふむ。君は面白い技を使うようだな。だが、無駄だ」 露伴は思わず自分の顔を触ると、なんと自分の顔のほうが本になってしまっている。 「なるほど、その人の記憶を本にする能力か。どうやら魔法ではないようだな。どちらかといえば、我々の大いなる力に近い」 「何だとッ?!」 「お前の顔に書かれているぞ。『先住魔法が使えない』だと……なるほど、そういう使い方もできるのか」 ビダーシャルはあくまで冷静に言った。 ようやく本化が収まった露伴は、改めてビダーシャルを見やる。開幕以来、彼は一歩たりとも彼は動かなかったようである。 「一体何が起こっているんだ?」 「アレは『反射』だ。あらゆる攻撃、魔法を跳ね返しちまうえげつねえ先住魔法さ」デルフリンガーが言う。 「『反射』?」 「ああ、戦いが嫌いなんて抜かすエルフがよく使う厄介な魔法さ」 「戦いが嫌、か」露伴はつぶやく。 ビダーシャルが両手を挙げる。 とたんに周囲の石壁が無数の礫となって襲い掛かってくる。 露伴は剣で受け止めたが、なにぶん礫の数が多い。大半が受けきれず。露伴に切り傷や打撲傷となって痕を残していった。思わず倒れる。 「蛮人よ。無駄な抵抗はやめろ。我はこの城を形作る石の精霊と契約をなしている。この地の精霊はすべて我の味方だ。お前では決して勝てぬ」 露伴はゆっくりと立ち上がった。 「この戦いはお前の意思か?」 「違うな。これはお前が仕掛けたもの。我は戦いは嫌いだ」 「嫌いだと……フフフ」 「どうした。おかしくなったか? それとも引く気になったのか」 「断る。僕は漫画家だ。僕は人に読んで面白いと思ってもらうために、十六歳のころから漫画を描いてきた。決して人にちやほやされるためでじゃあない。それは僕自身の意思で行なってきたことだ……そして、僕は自分の意思でここに来た。状況に流されているだけの貴様がッ! 気安くこの僕に意見するんじゃない!」 「もはや語る言葉はない……か」 ビダーシャルはそういうと、新たな呪文を唱え始めた。 今度は石の床がめくりあがり、巨大なこぶしに変化した。 「所詮私に勝てないものの世迷言か」 「違うな。僕にとっての強敵はお前なんかじゃない。もっとも強い敵は自分自身さ。いいかい、もっともむずかしい事は! 自分を乗り越える事さ! ぼくは自分をこれから乗り越える!」 「『ヘブンズ・ドアー』!」 「無駄だ」 ビダーシャルの言ったとおり、反射で防がれた能力は、ビダーシャルではなく露伴の顔を本にし……彼の体を中に浮かせた。 「何ッ?」 ビダーシャルの体に衝撃が走る。高速で飛んできた露伴と正面衝突したのだ。 その速度は異常であった。たまらずにうめき声を上げる。肋骨が何本か折れたるほどの衝撃である。 「ぐぅ!!!」吹っ飛ばされ、全身打撲だらけでしりもちをつくビダーシャル。あるいはしりもちだけですんで幸運だったかもしれない。 「ど、どうだ。時速六十キロ……」衝撃を受けたのは露伴も同様のようで、彼の声も絶え絶えになっている。 「『時速六十キロで敵と衝突する』と書いた……これなら、反射で跳ね返されてもその行為自体が無意味だ……!」 「なぜ、ここまでして戦うのだ……?」 「貴様とは、魂の動機が違うんだ! 僕はこの戦いに明確な意思を持って望んでいる!」 彼の言うとおりだった。ビダーシャルはしりもちをついていたが、露伴は同程度以上の傷を受けたというのに、まだ両の足で立ち上がっている。 露伴は片足を引きずりながら、ビダーシャルに近づいていった。 「あえて言い換えるぞ……! 僕は上、お前は下だ……!」 「うぉおっ! この気力はっ! そこまでこの子が大事かッ!」 ビダーシャルは思わず後ずさった。だが、露伴は歩みを止めない。 「もういっぱあああああつッ!」 「『ヘブンズ・ドアー』!」 強烈な衝撃が、再び両者を襲う。 「ぐぉおおッ!」 ビダーシャルは初めてこの男に脅威を覚えた。 もし、この衝撃があと一発でも加えられたのなら、自分はどうなるか分からんッ! やつはもう一度体当たりをするだけの体力はあるのか? ビダーシャルが露伴を見やると、露伴は仰向けに倒れ、息も絶え絶えになっていた。露伴の肺が破れたのか、彼の呼吸音にヒューヒューという不吉な音が漏れ出でている。 もうあの男が動くことはない。 そう思った矢先に。 「もう……いっぱあああつ……」 露伴は這いずり回って、ビダーシャルに接近してきたのだった。 「何……だと?」ビダーシャルは全身に驚愕を覚えた。 「覚悟はいいか? 僕は……できてる……」 「ここは引くしかないか……」露伴に接近しないように、ビダーシャルは片手を挙げた。 指にはさんであった風石の力が作動する。彼は露伴と距離をとった。だが、それはタバサと距離を置くことも意味する。彼は護衛の任務を放棄する事を決断した。 風の彼方にビダーシャルの姿が消える。エルフは撤退したのだ。 「露伴!」 倒れた露伴の下に、タバサは思わず駆け寄る。 「ゴホッ」露伴は血を吐いた。 「急いで治療の魔法を!」そうタバサは思ったが、あいにく杖がない。 何かないか探していると、露伴が、 「君に……謝らなくちゃいけないことが……」 「なに?」思わず涙がこぼれそうになる。 「実は、僕が君とであったときに、僕は君を本にしていたんだ……」 「……」 「僕はその時点で君の不幸を知っていた……でも、僕はそれを知らん振りして君に接してきた……」 「……」 「許してもらおうとか、そういうことを思ってきたわけじゃない……でも、そのことは、君に知っておいてほしかったんだ……」 「……」 「……」 「……バカ……」タバサは涙目で、にっこりと微笑んだ。 こつん。 タバサのおでこを露伴のおでこにくっつける。 「……本当に……バカ……」 「……」 「……」 「それはいいが、できれば治癒の魔法をかけてほしいな」 はっとしたタバサは、近くに木の棒があるのを発見し、あわててそれを手に取った。 「自分の杖じゃないから、うまくいかないかもしれない」 「かまわないよ」露伴は、ニッと、笑った。 急造の杖から癒しの光が輝きだす。 「痛いッ!」思わずもだえる露伴。しかし、タバサがそれを押さえつける。 「我慢して。男の子でしょ」 城の外にいた護衛兵三百人を相手にしていたブチャラティとルイズは、ようやくその任務を終わらせた。いそいで露伴と合流しようと走って行った。が、ひたすら走るルイズと比べて、ブチャラティは、途中でであった兵士を相手にしなければいけなかった。 自然と、ルイズがかなり先行する形となった! 「あの部屋ね!」 ルイズが先ほどまで爆音をとどろかせていた部屋に飛び込む。おそらくそこで露伴はエルフと戦っているのだろう。音がないのを考えると、すでに決着がついているかもしれない。まさか、露伴が負けるような――? 「大丈夫? 露伴! 今助けに――」 露伴は果たしてそこにいた。仰向けに横たわって、タバサに抱きかかえられている。タバサはちょうど背を向けているので、ルイズには気づかないようだ。 だが、問題は二人の言動である。 「ああ! タバサ! もっとやさしく!!!」 「……なに、あれ……」 ルイズには、二人、というか、タバサが露伴に何をしているのか、角度の関係でよく見えない。 「そこはダメ! ダメ! ダメ! ダメッ!」 「……こう?」 「ああ! やさしくして、やさしく!」 「……」 「服を脱がせないでッ! 感じる!」 「難しい……」 「うああああ ダメ、もうダメ~ッ!」 「!!! !! !」 その地に、廊下をブチャラティが走ってきている。 「どうだルイズ。いたか、二人は?」 「え? い……そっその……あの……」 「どうしたっ!」 「アレッ! 急に目にごみが入った! 見えないわ!二人なのかよく分からないわ!」見てない。私はなぁーんにも見てないッ!
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2001.html
サーレーの母の病気の原因は肺ガン。 治療にはSPW財団のガンの発育を抑える薬が要る。 それには莫大な金とSPWに顔利きが出来るぐらいの地位が無ければ買えなかった。 その薬が手に入るまで、サーレーの固定化で症状の悪化を防いでいた。 しかし、現在サーレーと母親との距離は遠い。 固定化の効果が切れるまで後大体3日。 この間に帰る必要が有った。 第三話 「使い魔サーレーと黒髪メイド」 ルイズ日記 ●月▼日 あ、有りのままに起こったことを書くわ! 今日私の召喚した使い魔なんだけど、最初逃げたり、生徒たちの総攻撃を止めまくったり すごいと思わせるようなことをやりまくったのに故郷に帰れないと知ってイキナリ取り乱したりとんでもなく凄かった! 何を言っているかわからないと思うけど、先住魔法や家庭の危機とかチャチな物では断じてないわ!!もっと凄い物の片鱗を味あったわ。 なんかお母さんが何とかって言ってたわね・・・。 わめき疲れて今は寝てるけど、こいつに何があってどんな理由で逃げようとしていたのかは聞くのは明日になりそう・・・。 俺は何をしていたんだろう。何か疲れて寝ていたんだけど。 て、床アア阿亜阿亜嗚呼!? ・・・大して驚くような事でもなかった。 それにしても此処は一体何処なんだ? サーレーはすっかり昨日起こったことを忘れていた・・・訳ではなかった。 「ああ、俺。あのクソ生意気な小娘に何かよびだされたんだったっけ。」 サーレーは身の回りの状況を把握する。 中々外装が豪華な部屋だ。 辺りの目ぼしい物を漁ってみることにした。 もしかしたらこの場所がどこか分かるかもしれない。 サーレーはルイズの寝ているベッドに近ずく。そして眠りこけているルイズの顔をそっと覗いた。 ネクリジェ姿でかわいらしい寝顔のルイズを見ていると幼いころの妹を思い出す。 「この寝顔だけ見てれば可愛いんだがな・・・。」 昨日のルイズの高飛車っぷリを思い出してみる。 やべえ、何かやる気萎えてくる。 ああいう高飛車な女、好きじゃねえんだよなー。 サーレーはそう思いながら身の回りを漁るのを再開する。 机の上に何やら本が見えた。ちょっと読んでみよう。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「なにこれェ!!こんな言語見たことも聞いたことも無いぞ!!」 でも、イタリア語通じてたよな・・・。 サーレーの頭に疑問が浮かぶ。 昨日まで言語は問題なく通じていた。多分、今でも通じるだろう。 しかし何か頭の奥底に違和感が残る。 この国は一体どこなのか。母にかけている固定化が自分のスタンドと繋がっている感じがしない。 ・・・・ 只考えていては仕方ない。何かしなければ。 サーレーには考えている余裕は無い。彼には帰るべき家と守るべき家族がいる。 こんな所で立ち止まっている場合じゃない。 サーレーは今度はクローゼットを開いて物色を開始する。 「・・・服ばっかりだな。」 しばらく物色していると何やら黒いひも状の布製品が見つかった。 「何だ、コリャ?」 この余計な発見でサーレーは後に地獄を味わうことになる。 「ふああ・・・。」 サーレーが起きてグッと伸びをするルイズに近ずいていく。 「よう。起きたか。」 サーレーがルイズの顔を覗く。 まだ眼がトロンとしていて眠そうだ。 「もしもーし・・・。」 返事なし。 今度は耳元で声をかけてみる。 「もしもーし。ボン・ジョルノ!!(おはようございます)」 反応なし。 しかたない・・・最終手段発動まで3!2!1! 「こんの・・・ぺちゃパイがアアアアア!!さっさとおきやが「誰がぺちゃパイじゃあああ!!」」 ・・・首の曲がる嫌な音がした。 「いてえ・・・。」 ルイズの回転膝回し蹴りで首が90度回転して変な方向に曲がった。 「だれがぺちゃパイよ!!この蜘蛛頭!!」 「誰が蜘蛛頭だ!!このチンくしゃ!!」 まさに売り言葉に買い言葉!馬鹿と傲慢、二大関わりたくない人種の共演! これぞまさに究極のシンフォニー(究極的に駄目な意味で。)!! とまあ、こんな感じで口喧嘩は進行していたのだが・・・・・。 ここに一人、乱入者が現れる。 「ちょっと!うるさいわよ、ヴァリエール!!」 そう!この状況で一番被害を受けているであろうキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーである!! 「な、何よ!ツェルプストー!勝手に入ってこないで!!」 「あんたらがウルサイから文句言いに来たんでしょう!!まったく・・・朝っぱらから何やってんのよ・・・。」 そこまで言うとキュルケは次にサーレーを一瞥した。 (昨日はトンデモナイ化け物に思えたけれど・・・案外人間味の有る奴なのね。) あのネボスケを起こしてやるなんて、案外いい奴なのかも・・・。結構イイ男だし・・・。 実は手がかりが見つからずルイズに直接聞こうとしていたという事は本人は知る由も無い。 「分かったわね!今度うるさくしたら、只じゃ置かないから!」 「うるさいわね!!わかったわよ!!」 ルイズがそういうか言わないかの間にキュルケはルイズの部屋を出て行った。 「あんた!たとえあんたがメイジだとしても人の悪口を耳元で叫ぶなんてどういう神経してんの!!」 ルイズが随分怒ってサーレーに怒鳴る。 「ああ、もう悪い。悪う御座いました。」 サーレーはそれを聞き流した。なにやら言い争っているのが馬鹿らしくなってきたのだ。 言い争いはこれぐらいで切り上げ、ようやく本題に入る。 「なあ、ルイズ。お前、前にここから俺が帰りたいと言った時無理だと言ったよな?一体なんでなんだ?」 「だって使い魔は主人を守る・・・。」「いや・・・その話は昨日の腐るほど聞いた・・・。」 そう・・・。」 ルイズはそこまで言うとチラリと自分の部屋の時計を確認する。 「時間が無いわね・・・。ねえ、あんた。洗濯言ってきてよ。」 「はあ!?何で俺が行かなきゃならないんだ!?」 ルイズがサーレーをジロリと睨む。 「あんたの仕事は私を守ることだけど何も無いときは何をするの?で、考えたんだけどしばらくは家事をやってもらいたいのよ。あんたは聞くところ魔法は使えるけど貴族じゃ無さそうだしね。」 サーレーは呆れてしばらくポカーンとしていた。 何せ自分の着た服や下着を初対面の人間、しかも男に洗えという。 デリカシーの無いにもほどがある。 「年頃の娘の言うことじゃないだろう・・・。」 「なんか言った?」 サーレーは肩をすくめた。 (まあ、暫くはここで世話になるんだからこの位やるか・・・。こんなチンクシャの下着なんか洗ってもやる気と希望もムンムン沸いて来ないんだよな!!・・・多分。) ほんの少しチョッとした邪念が入っているサーレーなのであった。 このサーレー、完璧に当初の計画を忘れている。 「はああ、っと。ここで洗濯すればいいとか言ってたな・・・。」 サーレーは巨大な洗濯物の山を持って水汲み場まで来ていた。 そこでサーレーは一つ重大なことに気が付く。 「あ、洗濯板と洗剤忘れた・・・。」 だめジャン俺!! な、状態のサーレーの視界に一人のメイド服の少女が飛び込んできた。 普段なら気にしないその少女も今のサーレーにとっては救いの神だった。 なぜなら彼女は洗濯をしていたのだ!! 洗濯板と石鹸を持って!! そして、サーレーは彼女から借りれば態々あの鬼ガキのところまで返らずに済む!! 横顔も可愛かったし、もしかしたら・・・・。うへへへへへへ・・・・。 邪念たっぷりなサーレーはメイド服の少女に近ずいていった。 「あのーすんません・・・。」 「きゃっ!」 少女が驚いて飛びのく。 「あ、すんません。ちょっと洗濯板と石鹸貸して貰っていいですかね?いやー最近来たもんでどこに何があんのか分からなくて・・。」 あ、この子。横顔もだけど正面も可愛い!! 「あ、貴方がミス・ヴァリエールに召喚された人ですね?」 「あれ、俺そんなに有名になってんの!?」 「ハイ。何でも奇妙な術でメイジの貴族の方々を相手に大暴れしたとか。」 ヤバイ・・・こんなところで目立っちまった!! 正直スタンド使いが目立つのはご法度だ。 能力を相手に示すことは本人にとって同時に弱点をさらけ出すこと。 まだ、奇妙な術程度の認識だから良い物のばれれば対策を立てられて終わりだ。 この前の戦闘で俺を眼の敵にしている奴は五万といる。 まあ、正直いって自業自得なんだが・・・。 「あのー・・・。どうしました?」 少女が悩んでいるサーレーを心配そうに見た。 「ん、ああ、スマン。洗剤と洗濯板だったよな。」 考えていてもしょうがない・・・。 そういう問題はそのときに考えよう。 サーレーの顔が焦った顔から普通の(堅気の人専用)顔に戻った。 その顔に戻ったのを見て少女は安心したのかニッコリとしてサーレーに顔を向けた。 何やら悪い物が洗い流された気がする。そんな感じの笑顔だった。 「私はシエスタって言います。はじめまして。」 「俺はサーレー。名前は故郷の言葉で塩だ。」 「変な名前ですね。塩って。あ、でも覚えやすくていいかも・・・。」 サーレーはその問いにへへっと笑った。 この二人の出会いが今日、トンデモナイ事件を引き起こすことはまだ誰も知らない・・・。 「ン出よ、シエスタ。」 「はい?何ですか?」 「なんで月が二つあるんだ?」 ・・・・・・・・・・・・・・ 「何イイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!」 まだまだサーレーは前途多難なようです・・・・。 ルイズ「ちょっと!私の出番!良いとこないじゃない!!」 今度こそルイズに出番がありますように・・・・。 TO BE CONTINUED
https://w.atwiki.jp/faitha/
オープン 一昨日は、浅草に新装オープンしたドン・キホーテへ母と行ってきました。 正直私はあの広い店内を1人で回るのはかなり無理があったので1階から2階までを回りました。 夜7時で会社帰りの方も訪れるのか、スーツ姿の人も大勢見られました。 私の目的は、この前買いそびれたカレーを買う事でした。 初めは食品コーナーを回りながら30円のオレオスティックをカゴに入れ、その後飲み物と目当てのカレーを購入しました。 そのカレーは秋葉原にありそうな萌えキャラが描かれたカレーで、「激辛黒ごまカレー」というものです。 約500円という値段に多少驚きましたがこんな凝ったデザインなら良いかなと思いカレーを買ってドン・キホーテを後にし、自宅へと帰宅しました。 パッケージが勿体無くてまだ食べていませんが近い内に食べてみたいと思います。 http //www.cheapestps3console.com/
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1941.html
次の日、ルイズとその一行は、日の出三十分前に宿屋のカウンターでチェックアウトをしていた。 この間も、ブチャラティは外の様子を油断なく観察している。 日の出よりも前なので、あたりはあまり明るくないが、宿屋の外を走る街道には人っ子一人いない事くらいはブチャラティの肉眼でも確認できた。 また朝も早いこともあり、宿屋の受付付近にはルイズたちと番頭しかいない。 「そういえば、キュルケたちはどこにいるのかしら? てっきり私達に付きまとうと思ったのに」 宿の手続きをしているルイズが、番頭にキュルケたちのことを聞いてみた。 番頭が言うには、昨晩一番良い部屋に泊まった二人組は、ルイズたちよりも早くに宿をでていったらしい。 「で、その二人はどこに行ったの?」 「さ、さあ。そこまでは……私どもにはわかりかねます」 番頭は恐縮した様子で頭を下げた。この男は、どうやらメイジという人種と話すのが苦手らしい。ところどころにドモリ癖もあるようだ。 「あきらめて学院に帰ったのかしら?」 ルイズは奇妙に思った。 私の知っているキュルケなら、この任務の『秘密』に興味を持って、どこまでもしつこくついてくると思ったのに。急な用事でもできたのかしら? 「さ、そのような些末なことは気にせずに出発しようじゃないか」 一瞬だけルイズの脳裏に浮んだ疑問は、ワルドの快活な言葉によって忘却のかなたに押しやられた。 夜明け前の街道を、一行は桟橋に向けて歩いていく。 町の人々は、ほとんどがまだ眠っていっるようだ。道行く人間は今のところ見当たらない。 動くものは、道の向こう側から一匹、赤い首輪をした三毛猫が歩いてくるのが見られる程度である。 日の出にはまだ早いが、うっすらと日の明かりが空を照らし、東の空にはやや明るさが見え始めている。 道の両側にたつ家の壁が、やや青みを持った色を一行の視界に映し出している。 「この調子なら、順調に船に乗ることができそうだな…………うん?」 ブチャラティが話の途中で口を閉じ、前方に注意を向けた。 どうやら埠頭へ続く塔の中に、なにやら気配を感じているようだ。 「ワルド、露伴。あたりを警戒してくれ。どうも塔の内部がおかしい。どうも静か過ぎる。誰かが潜んでいるようだ」 声をかけられた二人は無言でうなずくと、塔の入り口、門の両面に忍び寄り建物の内部を盗み見た。一見、何の異常もないように思える。 「特に異常は見られないようだが?」 小声で話しかけた露伴であったが、その言葉はワルドに否定された。 「いや、ブチャラティの言うとおり、この塔の内部の静けさはは異常だ。おそらく塔の内部には『サイレント』の魔法がかけられているに違いないよ」 そういいながら彼は自分の杖を引き抜き、戦闘行動が可能な体制に入っていた。 さすがは魔法衛士隊の隊長らしく、自身の背後にも警戒を怠ってはいないようだ。 「まさか、アルビオンの叛乱軍の妨害かしら?」 ルイズはそういってみたが、同時にその仮定に疑問を抱いてもいた。 私が姫様から任務を引き受けたのは僅かに二日前。貴族派がそれをかぎつけ、何らかの妨害工作を画策しようとしたとしても、あまりにも手際がよすぎる。 もしかして……姫様の周りに裏切り者が……? 「その可能性が一番高いが……どちらにせよこの塔を上らなければ船には乗れない。突っ込むぞ!」 ブチャラティの号令によって、各々周辺を警戒しながら塔の中に進入していった。 ……なんだ。なにもないじゃあないか 露伴がそう思った瞬間。 彼はブチャラティの体当たりによって突き飛ばされた。 床に身を横たえる形となった露伴が見ると、かつて自分が立っていた場所に、高さ五メイルはあろう岩の塊が突き刺さっている。 ルイズが上を見上げ、指差した。同時に何か言っているが、サイレントの静寂の中では一行は何も聞くことはできない。 だが彼女の指差す方向、塔の出口付近に女性らしい人影がいることは全員が理解できていた。 ワルドが杖を振りかざすと、その人影の周りに無数のつむじ風が舞い上がった。 その瞬間、突如として周りの音が戻ってきた。あたりに風の轟音が響き渡る。 「チィ! 『風』系統のメイジかッ! ここじゃあ分が悪いね」 女の声が、階段の上から響き渡った。 「その声は……ミスロングビル。いや、『土くれのフーケ』!」 「そのとおりさ! 私は『あんた』に対しては攻撃できるみたいね、ロハン! あんた達から味わった屈辱。今から晴らさせてもらうよ!」 露伴の叫びに、律儀にも返答しながらフーケらしい女は杖を振りかぶった。 「いい腕だ。しかし、遅いな」 彼女の魔法は、最後まで唱えられることはなかった。 ワルドの唱えた魔法『エア・カッター』が、彼女の体を再度引き裂いたのだ。 「くッ! 後は任せたッ! 仮面の旦那ッ!」 彼女はそういうが早いか、『土くれのフーケ』は塔の出口から逃げ出していった。 「撃退したのはよかったが……いったい彼女は何がしたかったんだ?」 「たぶん、僕が彼女に仕掛けた『天国の扉』の限定能力が知りたかったのだろうさ」 ルイズはほっと一息をつき、階段を上り始めた。が、なにか自分の様子がおかしい。 何かの乗り物に乗っているような…… いえ……私の体が浮いてる? 「「ルイズッ!」」 そう叫んだ彼女の使い魔達が階段を駆け上っているが、その速度よりも中央の吹き抜けを浮遊していくルイズの身体の速度のほうが圧倒的に早い。 彼女の体はあっという間に塔の出口まで上りあがってしまった。 塔の出口、ルイズが見下ろす位置に白い仮面をかぶった男が彼女に杖を向けている。 ルイズの身体がその男に吸い寄せられるように泳いでゆく。 彼女は精一杯もがいたが、『レビテーション』の魔法はその程度で破れるようなものではない。 捕らわれてしまうわ! ルイズがそう思ったそのとき、彼女の身体全体を、白い衣服が優しく包み込んだ。 正確には、ワルドの二つの腕だ。 彼は『フライ』の魔法を使い、彼女にかけられている『レビテーション』の魔法を振り切れるほどの速度でルイズに抱きつき、仮面の男の魔法を破ったのだ。 「大丈夫かい?」 そうやさしく微笑んだ男の、次の行動は、誰にとっても意外なものであった。 自分にかけていた『フライ』の魔法を解いたのだ。 重力にとらわれゆく二人。 両名の肉体が、とも奈落に落ちていった。 「きゃあぁぁぁ!」 ルイズが恐ろしさのあまり出した声が、塔の薄暗い中空に飲まれていく。 仮面の男にとっても、ワルドのその行動は意外だったようだ。 彼はあわてて自身に『フライ』をかけ、二人の後を追った。 ワルドは完全に落ち着いていた。 なぜならこの状況こそが、彼の望んだ状況であったからだ。 「大丈夫だ、ルイズ。君は僕が守る」 ワルドは抱きかかえたままルイズに、やさしく語りかけた。 彼の吐く白い息がルイズの頬にかかっている。 ワルドは後を追って降下する仮面の男に対し、『ウインディ・アイシクル』を唱えた。 その瞬間、塔内の水蒸気が一本の槍となり、仮面の男に向かって飛んでいく。 仮面の男は魔法で飛行している。そのため槍を魔法で防ぐことはできない。 男はワルドの予想通りの回避行動をとった。 「ブチャラティ、ロハン! ルイズは任せろ! 君達は男の相手をを頼む!」 すなわち、二人の使い魔が上っている、壁面の階段へ身を寄せたのだ。 「ああ、まかされたよ……」 仮面の男のすぐそばにまで到達した露伴がつぶやく。 ワルドは、『仮面の男』がちょうど二人のいる辺りに移動するよう、氷の槍を発射するタイミングを合わせていた。 『ヘブンズ・ドアー』!!! 露伴が、逃げるそぶりを見せた男の前に自分のスタンド像を出現させた。 その像を見た仮面の男は意識を失い、『本』になる。ハズであった。 「何ッ?」 彼にしては珍しく、露伴の口から驚愕の言葉が漏れ出でている。 それもそのはず、仮面の男は何の変化もなく平然とその場に立っていたのだ。 露伴が驚愕していたのは時間にして一瞬。 だが、戦闘の途中では十二分すぎるほどの時間だった。 具体的に言うと、仮面の男がひとつの魔法を唱えられる程度の時間である。 「オレを構えろ! 露伴!」 剣の叫びもむなしく、空気の塊が露伴の身体を横殴りに薙ぎ払う。 露伴はまるでボクサーに殴られでもしたように、なすすべもなく吹っ飛んだ。 その体の先には、奈落。はるか下には塔の入り口と、小さな地面しかない。 「露伴! これにつかまれ!」 反対側の階段を上っていたブチャラティが自分の腕をジッパーで切り離し、中に放り投げた。 露伴は自分の中にかろうじて残っていた意識で、それにつかまる。 その様子を尻目に、仮面の男は悠々とその場を飛行して逃げ出してしまった。 「二人とも大丈夫?」 露伴を奈落から引き上げている中、ブチャラティの背中に息切れしかかったルイズの声がかけられた。 彼女はワルドと二人で階段を上ってきたようだ。 「大丈夫だ。男は逃げたし、俺達は二人とも無事だよ」 「それにしてもあの男、相当やるようだな。スクウェアクラスのメイジかも知れん。 ならば、君達二人はルイズを守りきれないかもしれないな」 感慨深げにそうつぶやいたワルドの言葉は、ルイズの胸にいやに鮮明に残ったのだった。 その後は、皆無事に『マリー・ガラント』号に乗り込むことができた。 船長は今しがた起こった戦闘騒ぎにはまったく気がついてはいないようであった。 「ちょうどいい時間に来なすったね。いつでも出向できやすぜ」 露伴たちは船の甲板、船首に向かった。船長に、そこからの眺めがいいと教えられたからだ。 船首の無効から、昇り行く赤い太陽が見える。日の出だ。同時に、猛烈な熱風が船体の下から吹きあがった。 「野郎共、出航だ! もやいを解け! 帆を張れ! 風力嚢、ベント開け! 機関、微速前進! アップトリム五度!」 船長の矢つぎばやの指令に、船員たちが機敏に作業を開始する。同時に、各部署から伝令管を通して報告の返答が寄せられる。 船体がふわりと羽毛のように浮き上がった。ルイズたちは思わず近くの縁につかまっていた。 「すごいな。思ったよりも軽快に動く物なんだな」 露伴が感嘆している。しかもこの男、この瞬間も船員の作業の様子を取材していた。 「さて、諸君。アルビオンまでもう一息だね」 ワルドが船長に聞いた所よると、この船は港町ロサイスまで行くとの事。 「その後はどうするの?」 ルイズは聞いた。それはそうだろう。彼女達は、ウェールズがアルビオンのどこにいるか皆目見当がつかないのだ。 「大丈夫さ。僕のルイズ。ロサイスはアルビオンでも有数の軍港だ。そこなら、最新の戦況を聞くことができるだろう。聞き込みをすれば、簡単に王子の居場所を特定できるさ」 ワルドの励ましをうけ、ルイズはちょっとだけ気が楽になった。 ルイズは浮かんだ船から身を乗り出し、ラ・ロシェールの町を見下ろしてみた。 日の光に反射した町並みが金色の色をなしており、とても美しい。 彼女はこのとき、確かに平安の心を抱いていた。 「みて、ブチャラティ。あの町がもうあんなに小さくなっているわ」 「そうだな。こうやって見ると、地上で見て回ったときよりもきれいだ。 それに、朝日がとても美しい」 二人は船首で寄り添い、つかの間の安らぎを満喫していた。 少なくとも、この瞬間までは。 「あんにゃろ! 私を思いっきり攻撃しやがったわよ!」 土くれのフーケは激怒していた。 今回の作戦の目的はたった一つ。あのワルドとか言う男に手柄を立てさせる事。 ワルドの行動に対し、ルイズたちに信頼と安心感を植えつけることだ。だから、予定では、フーケは彼の魔法攻撃によって驚いた振りをし、そのまま退散する計画であった。しかしワルドはフーケを容赦なく攻撃してきていた。 フーケは胸糞悪く先ほどの戦闘を回想した。 もしも自分の防御魔法がうまく発動しなければ、私は悪くすれば致命傷を負っていただろう。 彼女は隣に立つ仮面の男に、ワルドとか言う男に対する不満をぶちまけた。 彼女は心底あの男のことが気に入らないようである。 「まったく、あの野郎はいったい何なんだろうね。それにありゃきっとムッツリスケベに違いないさ」 「どうしてそう思う?」 『土くれ』の傍らに立つ仮面が執拗そうに聞いてくる。なぜか不機嫌そうだ。 彼のこめかみの血管が、ピクピクとうごめいている。 「だってさ。ルイズの信頼を勝ち取るためにこんなチンケな策を弄するあたり、 小物臭がプンプンするじゃないかい。 それにアイツは始終ルイズに色目を使っていたよ。まったく、見苦しいったらありゃしないね」 「ほ、ほう。そうか」 「どうしたのさ、そんなに怒って? まるであんたが侮辱されたみたいだよ?」 「私は怒ってなどいない!」 だが、それが嘘であるらしいことは誰の目にも明白であった。 「ところで、私はこれでお役御免かい? そうだとうれしいけどねえ」 話を変えたフーケに対し仮面の男は憎憎しげに頭を振った。 「いや、君はアルビオンに渡れ。貴族派の首領、クロムウェル殿に会ってもらう。 『土くれ』の仕事はまだまだ終わっていないぞ」 「そうかい。人使いの荒いお人だねえ。ま、給金がそれなりにもらえればそれでいいけどねえ」 ため息をつくフーケに対し、仮面の男は怒りの感情を抑えながらはき捨てるように命令を下した。 「ああ、私は今決めたよ。お前にはとことん働いてもらうことにした」
https://w.atwiki.jp/occultfantasy/pages/1357.html
オカルト 概要 人間と一定の関係を続け、奉仕や世話をしたり、情報などを提供したりする霊。 使い魔を指す「Familiar」は「Familiaris(家人 召使い)」sというラテン語から(*1)。 『嵐―テムペスト』で風とかの精霊エアリエルさんとか、一応土の精霊キャリバンさんが出てきたが、4大元素精霊?も魔法使いなどによって使役される。 魔女はDemonとの契約により、悪魔的な者からインプとも呼ばれるこれを授けられるとされた。魔女たちは、体のどこかに使い魔用の乳を出す乳首があるとされ、魔女狩り、異端審問の際は、疣などをぷしってやって、痛みのない処がそれとされた。 中世からルネッサンス期において、イングランドとスコットランドでは、魔女が使い魔を持つということになっていて、これの取り締まりに異常な執着がみられる(*2)。 十二神将や式神、ジンのような、スピリチュアルなものをシャーマン的な存在が相手へ送る、という宗教観は、汎世界的にみられる。ソロモンの72の悪魔もソロモン王からいいようにこき使われている。 かの魔術師ジョン・ディー大先生は、精霊の入ったクリスタルによって、天使などの霊的なものとの交信をし、また、マディミという精霊を性的な下の世話までさせたという。 参考文献 ローズマリ・エレン=グィリー『魔女と魔術の事典』 ローズマリ・エレン=グィリー『悪魔と悪魔学の事典』
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1081.html
あの時、私達は間に合わなかった。ぎりぎりのところで、彼女の魂は天に昇っていった。 「ルイズ……?」 私は涙を流しながら彼女を呼んだ。 彼女の魂はこちらに振り向いて言った。 「なんで泣くの…?私達はあいつを倒せたじゃない…それに私が死ぬのは貴女のせいじゃない。私が二人を殺したからなの…だから…」 彼女の魂は満足そうだった。自分がやってしまったことを、私達に助けられつつも、退かずに自分で解決しようと出来たからだろうか。 「さよなら…。」 私達は昇り行くルイズの魂を止めれなかった。 「ようやく…会えたわね……」 私は今、彼女の墓の前にいる。 あの事件から数年が経った。たった数年だが、色々な事があった。 一番衝撃だったのはトリステインが滅ぼされた事だろう。 トリステインはレコン・キスタと対抗するためにアンエリッタ姫をゲルマニア皇帝と政略結婚させるつもりだったが、 式の直前にレコン・キスタが旧アルビオン王国皇太子ウェールズに送られたアンエリッタ姫の恋文を公開され、ご破算になってしまった。 その後、トリステインは単身でレコン・キスタに戦ったのだが敗北、王族と多数の貴族がギロチンにかけられた。ギロチンにかけられた王族や貴族の墓は凌辱された。 彼女の実家もそういった家の内の一つだった。 あの時に彼女は死んで、良かったのかもしれない。家族や友人が処刑されていき、市中にその首を曝されるのを見ずに済んだのだから… トリステインが滅亡する前に、私やタバサを含め、ほとんどの生徒や教師はバラバラになってトリステインから逃げ出した。 タバサとは手紙のやり取りをしていて、たまに会ったりする。叔父のガリア王の元、色々な命令を受けては危険な任務を遂行している。 コルベールとは長く連絡をとっていない。風の噂によればまだ何処かの魔法学院で教師をしつつ、研究を重ねているらしい。 トリステインの動乱が収まって国勢が落ち着いてから、私は一人、彼女の墓を探して旧トリステイン王国を訪れた。 そして見つけた。元トリステイン魔法学院の敷地跡の端にひっそりと作られ、皆から忘れ去られた小さな小さな墓を。 その墓石は誰にも見つからず、淋しく、苔むしていた。 「ずっと…ずっと…会いに来れなくてごめん……一人ぼっちで…淋しかったわよね…?」 そこに眠る桃色の髪の友人に、私は涙を流しながら、静かに黙祷を捧げた。 使い魔の鎮魂歌sotto voce-fin
https://w.atwiki.jp/wikionepiece/pages/15.html
巻七十二とは 2013年11月1日発売。 コミック72冊目。 前は巻七十一 次は巻七十三 タイトルは”ドレスローザの忘れ物” 第712話”ヴァイオレット” 第713話”ウソランド” 第714話”ルーシーとウーシー” 第715話”激戦区Cブロック” 第716話”首領チンジャオ” 第717話”ドレスローザの忘れ物” 第718話”お花畑のリク王軍” 第719話”開けチンジャオ” 第720話”囚人剣闘士” 第721話”レベッカと兵隊さん” を収録。 扉絵 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.30「『お逃げガブル!!』お言葉に甘えて」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.31「格上海賊スコッチからの大逃走!!」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.32「港へ出たら見捨てた部下達」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.33「死んだババーが言っていた『何があっても兄弟仲良く!』」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.34「維新軍ガブル隊長の祖母でこれから見せしめる!!」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.35「海岸に軍艦!!」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.36「生きていた隊長!ガブル見参!!」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.37「労働者を、ババーを、解放せよ!!」 カリブーの新世界でケヒヒヒヒVol.38「のみこめ支配者スコッチ!!」 主な展開 サンジが助けたヴァイオレットはドンキホーテファミリーの一員だったが、サンジを助ける。 グリーンビットでローとドフラミンゴ、藤虎が揃う。藤虎が能力で隕石を落とす。 トンタッタ王国で、ウソップはモンブラン・ノーランドの子孫だと嘘をついていた。 トンタッタ王国はコロシアムの地下にある「闇の工場」で働かされている仲間を助けに行く。 ウソップとロビンはトンタッタ王国とドンキホーテ・ドフラミンゴとの因縁は900年前の歴史にあることを知らされる。 サニー号ではドンキホーテファミリーのジョーラがナミ、ブルック、チョッパー、モモの助、サニー号を能力で芸術的にされた。 Bブロック勝者のバルトロメオはルフィにあこがれて海賊になった。 首領チンジャオはガープに頭を殴られたことで、頭の尖った部分が凹んだため恨んでいた。頭の尖った部分が一族の財宝を手にする唯一の鍵だったため。 ルフィに殴られることで首領チンジャオの頭は元に戻り、孫が率いる八宝水軍を麦わらの一味の傘下にすることを決意? フランキーは兵隊さんにドレスローザの秘密、おもちゃは元人間であること、などを教えられる。 フランキーが花畑の地下に着くと、そこでコロシアムの観戦をしていたゾロはサニー号へ向かう。 サンジと錦えもんが合流、カン十郎がとらえられているおもちゃの家へ向かうことに。表向きはおもちゃの家だが、工場であることをヴァイオレットに教えられる。 ルフィは囚人剣闘士のレベッカが先代リク国王の孫であることを知る。 Amazon.co.jp ウィジェット 謎 藤虎と共に世界徴兵で選抜された緑牛(りょくぎゅう)とは(第713話”ウソランド”) ローはドフラミンゴの部下と言えば藤虎からは免れたかもしれないが、なぜ麦わらの海賊団と同盟を結んだと言ったのか。藤虎に対して勝機があるのか リッキーとレベッカの関係 バルトロメオの持っているトランクの中身は(第714話”ルーシーとウーシー”) ムシムシの実(モデルカブトムシとモデルスズメバチ)は5つしかないと言われる飛行能力を持つ能力に含まれるのか おもちゃにさせられた理由 おもちゃになっていない人の記憶が変わってしまった理由、小人の記憶が変わっていない理由 ドレスローザの2つの法、0時消灯とおもちゃと人間がそれぞれの家に入れない理由 インペルダウンLEVEL6から脱獄したのは(第716話”首領チンジャオ”) 黒ひげとバージェスのでんでん虫を使った会話に青キジが出てきたが、関係は?(第720話”囚人剣闘士”)黒ひげがシリュウを引き合いに出していることから、青ひげは黒ひげ海賊団に加わった?加わる? 黒ひげとドフラミンゴは通じているのか トンタッタ族とドンキホーテ・ドフラミンゴとの900年前の歴史に遡る因縁(第718話”お花畑のリク王軍”) レベッカが闘技場に向かう時になぜ盾を捨てたのか、左手に持った小さいものは?花びら?(第720話”囚人剣闘士”)ちなみに(元)剣闘士リッキー、昔見た剣闘士が盾を持たない戦い方をする(巻七十一第707話”Bブロック”) 花畑は以前の王宮?(第718話”お花畑のリク王軍”と第721話”レベッカと兵隊さん”) 花畑がひまわり畑なのは伏線か
https://w.atwiki.jp/matomehameln/pages/31.html
ゼロの使い魔 【作品名】虚無と竜の契約者 【作者名】綾小路 【URL】 http //novel.syosetu.org/11746/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】現状 5話 15,546文字 【状態】連載中 【地雷条件又は注意事項】 多重クロス(ゼロ魔xDRAG-ON DRAGOON)。 【紹介理由・感想】 珍しいDOD。期待はしたが、期待通りに読めた。三人称視点。 ルイズに召喚されるまではテンプレだが、即「留年なぞ知るか」とカイムと空中デートに飛び立つアンヘルさんマジアンヘルさん。 どのエンドだったか忘れたが、アンヘルさん女神化エンド後らしい。 なんかその後サイトらしき少年も召喚されてるので、ゼロ魔組の不遇を嘆く必要も無さそう。 描写が少しばかり薄いのが唯一難点かと思ったが、ぽんぽんとオリジナル展開が続くので飽きなかった。これから期待。 【作品名】ゼロと底辺を結ぶ銀弦 【作者名】ゆにお 【URL】https //novel.syosetu.org/9366/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】 【あらすじ・概要・感想】 円環少女とのクロスオーバー、円環少女のやられ役筆頭ケイツが召喚される。 ゼロ魔の世界でやはり情けない様を晒しながら、平和な世界(元の環境に比べれば)に来れてどこか幸せそう。 円環少女を読んでないと判らないネタは多数、魔法認識の勘違いっぷりについ笑いを誘われる。 書き口は三人称で文章はひっそりとしながら押さえるところは押さえてゆく形、心情描写は少ない方。こなれていて安定している。 ゼロ魔の空気と円環少女の変態性が馴染んでおり、今後が楽しみな一品。 円環の空気に染められてルイズが変態になってしまわないか非常に心配であり楽しみでもある。 【作品名】ルイズちゃん奮闘記 【作者名】水泡 【URL】https //novel.syosetu.org/6239/ ①【あらすじ・概要】 息抜きにはまさにこの作品と呼べるようなライトな読み応えに 笑いどころ満載の短編集 ギャグ物だけど、こういうはっちゃけた作品も悪くない ②【あらすじ・概要】 原作後のルイズとサイトが、世界扉を使いサイトの世界にきたという短編コメディ サイトの実家で世話になりながら、ルイズにとっては現実世界の異文化に触れる過程が面白い 発想がピンクになりがちなルイズなので下ネタも多い 短編で1話が短いのと、外伝の1話が東方世界とクロスしているのでそれがマイナス、地雷要素になるかも オリキャラはサイトの友人で視点的な関係のため、気にはならないかも 【地雷要素又は注意事項】クロス、オリキャラ 【作品名】ゼロの使い魔~ダンブルドア異世界記~ 【作者名】ロベル・アクベル 【URL】https //novel.syosetu.org/91726/ 【あらすじ・概要】 ハリーポッター世界で死んだダンブルドアがサイトの代わりに召喚される話。 文章は三人称でしっかりと描写されている。 ダンブルドアらしさが十分に出ていてダンブルドア好きなら楽しめるだろう。 しかしよくあるテンプレオリ主をダンブルドアに置き換え上手く再構成したようなダンブルドア最強万能な描き方であるためにダンブルドアが嫌いな人は余り合わないかもしれない。 とはいえ、展開こそオリ主テンプレをなぞってはいるもののダンブルドアの考察なども取り込み、上手くテンプレ展開を料理している。 原作キャラを貶めることもなく、ダンブルドアとの絡みが楽しめる。 ああでも学園の教師は少し貶めぎみかも、そこは注意。 ダンブルドアとゼロ魔好きなら見といて損はないのではなかろうか。 【作品名】マッスルと使い魔 【作者名】今夜の山田 【URL】https //novel.syosetu.org/3000/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要】 インパクトがすげぇ(色々な意味で) 読んでると脳裏に北斗の拳が浮かぶのは仕方ないと思う。ただ設定的に一発屋な感じがして、エタりそうで怖い。 まだ一ヶ月も経ってないからこれは自分の予想だけど。 【作品名】それなりに楽しい脇役としての人生 【作者名】yuki01 【URL】https //novel.syosetu.org/1512/ 【あらすじ・概要】 ゼロ魔転生オリ主モノ。主人公は水系統のメイジ、学園に通う貴族。 文章はそれなりにしっかりしていてsideも使いでもない。 しかし転生してから成長していく描写から、 学園に通っている主人公へ移るのが唐突過ぎる。 そのせいでルイズ、タバサと親しげに話し始めた主人公が 悪い意味でテンプレオリ主になってしまっている。 タグに批評募集をつけるなど、向上心は伺えるので今後に期待 【作品名】ゼロと黄金の使い魔 【作者名】マッキ 【URL】https //novel.syosetu.org/4696/ 【あらすじ・概要】 Diesとのクロスでトゥルーエンド後の獣殿がルイズに召喚されるという内容。 幻想を否定したあのEND後ということでDiesファンにとっては賛否あるだろうけど自分は好き。 文章は読める、そこは問題ない。 話数はまだ3話だけど期待してる、超期待してる。 ただ、ゼロ魔の二次である以上仕方ないけど 獣殿が誰かの下につく……というのもファンにとっては好き嫌い別れるかも。 まあ、トゥルーEND後は普通に国に尽して職務を果たし 死んだらしいし気にならないと言えば気にならないかもしれない。 自分は特に気にならなかったし。 何にしてもこれからのストーリーに期待ということで一つ。 【作品名】混沌の使い魔 【作者名】Freccia 【URL】https //novel.syosetu.org/3592/ 【原作】ゼロの使い魔×真女神転生3 【あらすじ・概要】 オリ主最強系ハーレムではあったが召喚された使い魔がとんでもないものと学園や国にちゃんと認識されていたり ルイズの虚無疑惑が早期に出てきてエレ姉が早い段階で合流する独自展開入りの早さ、 エレ姉とマチルダという強気なお姉さんキャラの出番がとても多い俺得仕様 だんだん閑話が増えてきて本筋停滞気味なのが残念 【作品名】ZERO-OUT 【作者名】Yーミタカ 【URL】https //novel.syosetu.org/110061/ 【原作】 ゼロの使い魔 【長さ】長編 話数 4 連載中 【概要】 召喚に失敗したルイズがfallout世界に転移 ヒャッハー世界で弱ったりするも、サイト(転移者ではなくfallout世界線で生まれて育ったサイト)と出逢い、この世界では失われがちな人間として芯を表したりする 平均文字数が1万超えと文章量が多く、クロスのさせ方や話も良い感じで好き ルイズ転移物って少ないので期待。続きはよな 【地雷要素又は注意事項】 他作品クロス 【作品名】ゼロのヒカセン 【作者名】MKeepr 【URL】https //novel.syosetu.org/93582/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】長編 【状態】連載中 【概要・感想】 常FF14の光の戦士がガンダールヴとして召喚される系 既に英雄として名を馳せた存在なため素で強いが、加護がかち合いルーンの効果は完全には得られていない 単純な最強系ではないが、それ系には変わりないので読む際は注意 なおアルビオンの呪いにかかっているもよう 【地雷要素又は注意事項】クロス、濃密な原作展開、最強系? 【作品名】ルイズがチ◯コを召喚しました 【作者名】ななななな 【URL】http //novel.syosetu.org/55397/ 【原作】ゼロの使い魔 ①【地雷要素又は注意事項】下ネタ キャラ崩壊 【概要・感想】 既に話題に上がっているだろうが、ルイズが男性器を召喚してしまい止む無く契約をした結果… 全編コメディタッチで地の文でキャラ崩壊しまくっているためルイズはこうでなきゃ嫌だ!という方はブラバしてどうぞ ②【地雷要素又は注意事項】地の文が下品?うるせえ殺すぞ 【概要・感想】 タイトル通り、ルイズが自分の体に召喚してしまったお話 だいたいルイズのフランソワーズがヴァリエールする展開 基本ルイズ視点で描写されているが、召喚したモノのせいで若干壊れているのか口というか考えてる事が汚い、というか下品 地味に鬱展開ど真ん中であるが、時々挟む下ネタがそれらを緩和してくれている 地の文で突っ込むタイプの作品が苦手でなければ楽しめるかと 【作品名】衛士アニエスの平穏な休日 【作者名】琥珀堂 【URL】https //novel.syosetu.org/16131/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】 あらすじ詐欺 オリキャラ ①【あらすじ・概要・感想】 コンキリエ枢機卿の作者が書いた、あまり見ないアニエス主人公のSS。 あらすじでエロいのかと思わせておいて、冒頭で実は日常系ほのぼのと思わせておいて 最終的には密室殺人事件の解決をメインにすえた本格推理物。 サスペンスや冒険ミステリではなく、トリックをしっかり組み込んだパズラー寄り。 原作開始よりかなり前のようで、アニエスはトリスタニアで衛士(警察官?)の仕事を している。衛士隊でのアニエスの様子だとか、トリスタニアに暮らす人々の風俗などが ちらほら描写されていて面白い。 事件の捜査に行き詰まったアニエスに助言をするのが、オリキャラの按摩師の爺さん。 盲目でしわくちゃの枯れたジジイで、その性格は非常に穏やかなようだ。アニエスの 愚痴を聞いたりして、カラダだけでなく彼女の心のストレスも揉みほぐしてしまう。 見た目と年齢が非常に特殊なので、今後続編が書かれるとしても、テンプレオリ主の ようにチートパワーで無双したり、原作の女キャラとくっついたり、ましてハーレムを 作ったりするなんてことはないだろう。 一話しか書かれておらず、投稿からすでに半年が経過しているので、エタッた可能性が 高いが、同じ作者のコンキリエが二年近く間をあけて復活したので、油断できない。 アニエスのフトモモ揉みたい。 ②【地雷条件又は注意事項】オリキャラあり 【あらすじ・概要】 あらすじが、「衛士としてばりばり働くアニエスさんが、ふとしたことで知り合ったテクニシャンな男性に体を触られて、気持ち良くなっちゃうお話」 と一見コメディかと思うが、実際はあらすじ詐欺な作品 アニエスと按摩師の会話が中心で、アニエスが事件の概要を話して、按摩師が事件の謎を解く とある殺人事件の真相に迫る推理小説 ファンタジーでの殺人事件やハメではまずお目に掛かれない異色作で実に面白いと思う 作者がコンキリエや魔☆おぜうさんを書いた人 1話で完結してるので読みやすい 【作者名】だじる 【URL】http //novel.syosetu.org/4472/ 【原作】ゼロの使い魔 【長さ】6話 38,190文字 【状態】連載中 【地雷条件又は注意事項】 アンチ・ヘイトタグ有り。俺SUGEEE TUEEEかもしれない。 【紹介理由・感想】 1話がけっこう好みだったんでお気に入りに入れようかと思ったのに、2話で読む気がなくなった作品。 1話の印象は「SUGEE・TUEE臭が漂ってくるけど、それが主人公への期待に繋がる」という感覚だった。 ロマリアトップの二人と仲が良い、暗部かつ親友扱い。暗部の仕事の結果、国内外を誤魔化さなきゃいけなくなって国外(=学院)へ。 1話は三人称だったんだけど、2話から一人称が混ざる。 それでも2話序盤の語りまでは、雰囲気もあって悪くなかった。 ……なんでこの人、一人称になったらこんなに雰囲気崩れるんだろう…… と言っても、よくある最低系レベルまで崩れるわけじゃないから、読もうと思えば読めるんだろうけど、元の期待がちょっと高かったんでギブアップ。 多分合う人には普通に読めるんじゃないだろうか。 自分なりに判断してみる事をお勧めする。 【作品名】ただの使い魔には興味ありません!【習作】 【作者名】コタツムリ 【URL】https //novel.syosetu.org/10747/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要】 あんまり多くの人から読まれてないけどオススメしたい良作。 ゼロ魔なのにまさかの推理もの。展開が納得できるものだっただけに意外性で度肝を抜かれた。 原作時間軸のかなり序盤、というかフーケ編で終わる。 【作品名】ご主人様は思春期(氏家ト全風ゼロの使い魔) 【作者名】あぶさん 【URL】http //novel.syosetu.org/10391/ 【原作】ゼロの使い魔 タイトルそのまんま。ゼロ魔の登場人物が氏家風に改変されてる。 具体的に言うと下ネタ大好きっ子。ゼロ魔風ではないが氏家の作風は再現されてる。 個人的には大好きです。 【作品名】魔法少女ユエ~異世界探険記~ 【作者名】遁甲法 【URL】http //novel.syosetu.org/13153/ 【原作】ゼロの使い魔×ネギま 【長さ】長編 【状態】連載中(現在7話) ①【あらすじ・概要・感想】 ネギまの魔法使い綾瀬夕映(麻帆良卒業後)がゼロの使い魔の世界に来てしまって、魔法学院で学ぶという話。 ちなみに誰かの使い魔として召喚されたわけではない。風竜を追っかけてたら、その風竜ごとタバサの召喚魔法に巻き込まれたという設定。 ゼロ魔への来訪型クロスでは来訪者が不遇な扱いを受けていないSSが個人的に好みなのだけれど、 このSSも夕映(ユエ・ファランドール)がちゃんと魔法使いとしての待遇を受けているので、自分としては安心して読める。 それぞれのキャラの言動も無理がないので期待している。 今のところ会話場面が多く、バトル要素はあんまりない。ユエはゼロ魔世界の魔法を習っているが使えていない状態。 ユエがネギま世界の解析魔法を行使するときに出した可愛らしい物体にゼロ魔側の少女が抱き着くシーンが年相応でほっこりしたよ。仲良きことは善きこと哉。 【地雷条件又は注意事項】 ユエが魔法学院で学びたがるのはそんなに不自然じゃないが、オスマンが許可する場面が若干強引なノリに見えなくもない。 彼女の介入によるルイズの成長フラグ、カトレアの治療フラグ、タバサ母の治癒フラグがたっている(あくまでフラグなので今後どうなるか分からないが)。 自分はこういった介入者の活躍は(極端なご都合主義でなければ)好きなのだが、そういう流れ自体ありがちで飽きたって人や気になる人がいたら注意。 あと感想で視点について指摘を受けて、なんか試行錯誤中っぽい? ②【地雷条件又は注意事項】side表記はないが別キャラ視点あり 【あらすじ・概要・感想】 魔法先生ネギま!の綾瀬夕映がゼロ魔の世界に召喚される 10話時点で15万文字使ってるにも関わらず殆ど進んでない。無駄描写多すぎ。 キャラの漫才がクドすぎる。 展開を進める為に必要な会話を一々他キャラが遮って延々漫才を繰り返す。 一回ならまだしも漫才が終わって改めて話を仕切り直す際にも同じ様に漫才で遮って それが何回も続きまともに会話が発展しない。これは読んでて思わず顔を顰めた。 夕映の性格が鼻に付く。 ある種クロスの醍醐味でもある片方の作品のキャラや文明SUGEEEが漏れなく入るが 互いの世界の技術形態の違いや客観的に見て自らの魔法技能が発達してるのを自覚しつつ 周りに褒められると「私は普通に出来ますが何が凄いんでしょう?」とか一々言う。最新話でも言ってる。 総合的に見れば評価されるだけあって文章も破綻なく読めるし 作者が極端な地雷要素を避けて書いてる節があるからスコップへのダメージは少なかった。 無駄に長いと評した文量も人によっては読み応えがあると思えるんじゃないかな。 【作品名】ルイズの聖剣伝説 【作者名】駄文書きの道化 【URL】https //novel.syosetu.org/10430/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】 聖剣伝説LOMとのクロス、ルイズチート化、絶賛エタリ中 【あらすじ・概要・感想】 かつて理想郷の方で連載されていたゼロ魔と聖剣伝説LOMのクロス作品。 ルイズが召喚の儀の際に誤ってファ・ディール世界へと飛んでしまい、 本来の主人公の代わりに冒険をこなして一回り成長した上で、 物凄いおまけと共にハルケギニアへと帰還したところから話が始まるといった感じ。 俗に言う綺麗なルイズというやつで、自身の冒険の経験から来るハルケギニアとの認識の違いに悩みながらも 貴族としての自分の芯をしっかり持ちながら、あらゆる人たちを惹きつけていく。 綺麗になったギーシュやら吸血鬼すら救い上げる度量やら、マチルダと行動を共にするもう一人の泥棒なども見所か。 気になる点としては注意事項にもあるようにルイズが単純にチート能力持ちになっていること。 率直に言うとこれはタグによくある「○○とのクロス(能力だけ)」に近いものがあるので そういうのを苦手としている人にはキツいかもしれない。 そしてそれ以上に残念なのは、5月下旬を境に完全にエタってしまっているということか。 言っては悪いけど理想郷時代にも一度エタって作品削除した過去があるので 途中でも構わないから読んでみたいと思った人は早めに見に行っておいた方がいいかもしれない。 【作品名】【ネタ】アホの子ルイズちゃん 【作者名】花極四季 【URL】https //novel.syosetu.org/6144/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷条件又は注意事項】性格改変、エタリ中、申し訳程度の転移&憑依要素 【あらすじ・概要・感想】 所謂ゼロ魔のルイズ性格改変二次の一種なのだがこれまたとんでもねー方向に突き抜けている。 タイトル通りのアホの子天然ちょっと原黒でヴァリエール式体術と爆発魔法の合わせ技で只管に我が道を突き進むそんなルイズちゃん。 原作のツンケンよりも遥かに発想が柔軟で周囲には呆れられながらも一定の支持も得ている。 やりたい放題なルイズのストッパーとしてツッコミ兼オカン役なキュルケや色んな意味で空気のタバサ。 ある意味原作通りな扱いのギーシュや、良い意味悪い意味双方でアホの子ルイズに影響受けまくりなアンリエッタとかも面白い。 そして肝心のサイトがまさかの本人ではなく現実世界からの憑依者ということになっているのだが 前述したようにルイズの性格がアレすぎて大困惑なのでその手のマイナス要素はあまり感じられなくなっていたり。 寧ろ原作知識から来るメタネタというスパイスがより話を面白くしていると……言えなくもないか? 注意点としてはやはりサイトが憑依者であるということだろうか。 そういうのが根本からダメだという人もいるだろうし、あまり作中に影響していないのも確かだが じゃあ逆にその設定いらなかったんじゃとか気になってしまう人にも少々抵抗があるかもしれない。 面白いのは確かだが一話辺りの文字数が短く、原作を知っていること前提で話が進むので淡々としている感もある。 そして何よりこの手の作品にお約束のように、エタってしまっているということか。 【作品名】とある竜騎士のお話し 【作者名】魚の目 【URL】https //novel.syosetu.org/15982/ ①【あらすじ・概要】 ……主人公はテンプレ転生主人公で、近接戦闘全般と魔法、竜の扱いに長けるという香ばしい設定だが、そういったテンプレを長々説明せずダイジェストでさらっと流すのでそこまで気にならない。 物語はレコンキスタに操られた主人公がタルブでサイトのゼロ戦と激闘する所から始まる。 洗脳が解けてからはルイズとサイトの護衛として、ヤンデレッタに魔法で枷を嵌められながらも生徒として生活することに。 ゼロ魔オリ主でよくある美男子、説教、傲慢さなどはこの主人公からは感じられず、主人公もゼロの使い魔の原作知識は殆ど忘れてるため、よくある原作介入はせずに、あくまで転生した主人公がゼロの使い魔の世界で過ごす一人のメイジとして書かれているのが好印象。 惜しむらくは続きが気になるところで現在主人公の過去という外伝に走っているところ。 ②【地雷要素又は注意事項】オリ主 オリジナルスペル 転生 【あらすじ・概要・感想】 ゼロの使い魔の世界で平民の母と貴族の父の間の子に生まれ、母が死んで父方に引き取られる その後修業を重ね、異名をもつスクウェアメイジとなり、火竜を召喚して竜騎士になる オリジナルスペルに無双可能な戦闘能力、正にオリ主 ただし、アンドバリの指輪で操られてたり誓約で行動縛られたりと 精神的な攻撃を喰らうことが多い彼の未来はどっちだ 【作品名】ゼロの使い魔ちゃん 【作者名】402 【URL】https //novel.syosetu.org/958/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】 エタってる、原作キャラTS、百合 【あらすじ・概要・感想】 以前の記憶は以前の記憶と割り切ったはっちゃけ二週目ルイズが 女の子のサイトを召喚した事から始まるギャグストーリー、にじふぁんからの移転作らしい 百合要素はあくまでネタであり、別に属性が無い人でも気軽に読める娯楽作品 軽妙な言い回しや会話のテンポが良く読んでいて楽しめた 【作品名】ルイズと幻想郷 【作者名】ふぉふぉ殿 【URL】https //novel.syosetu.org/17055/ 【原作】ゼロの使い魔 【あらすじ・概要・感想】 ルイズ→幻想郷。逆ウルルン滞在記の雰囲気に近い。東方知ってる人はあわあわするルイズにニヨニヨできる 知らない人でも東方がたぶん和風な世界観なのでそれなりに楽しめそう 文章力、文字数ともに平均より下とは感じなかった。宗教上の理由により「「」」が許容できない人も少し我慢してみよう、ちょっとしか出てこないので。 初めてのことばかりで驚き、てんやわんやするルイズは不憫のようでしかし、 呼んでもねーのにやってくる数々のオリ主や他原作キャラのTUEEEEに驚かされててんやわんやされることに比べてほほえましいのだ。 チャレンジする価値はあると思われる。 不安なのはハルケゲニアに帰還した後のことも書く予定らしいのだが、それが蛇足になることだ。 このSSに限ったことではないが、「「…こんな!表現」」はエンタメとは直接関係ないと思うけど ちょっといいなと思っても玉に瑕で、あまり胸を張って誰かにおすすめできんのが残念。個人的なことだけど。 【作品名】雪風は赤い砂と共に 【作者名】火の丘 【URL】https //novel.syosetu.org/18249/ 【原作】ゼロの使い魔 【地雷要素又は注意事項】クロスオーバー、性格改変 【あらすじ・概要・感想】 最近ランキングから発見したもの。 ゼロ使のタバサがシルフィードでは無くNARUTOのサソリを召喚したら、という割りとありきたりなクロスオーバー。 まだ全三話と始まったばかりだが、情景や心理の描写が地の文ではっきりと表現されていて読むのにそう苦労しなかった。 ただ作者自身これが初投稿という事なので、これから先エタったり迷走したりするかもという不安はある。 良くも悪くもこれからに期待な作品。