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『ゆっくり最高』 7KB いじめ 小ネタ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「あれー?この辺だったと思うんだけどなぁ…どこにいったんだろう?」 草むらで身を屈めてボールを探す少年。 「おーい、なにやってんだよ!まだ見つからないのかー?」 友人達に急かされて、さらに慌てる少年。 だがこういう時程、なかなかボールは見つからない。 そんな少年の目に、ふと白くて丸い物が目に入った。 「あっ!あったあった!そっちに投げるぞー!」 「おせーよ!早くしろってー」 少年はボールを掴んで友人達の方に投げた。 ゆっわぁぁぁぁぁぁぁ!おそらをとんでるみたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 「へ?」 『え?』 聞こえるはずのない声に唖然とする少年達。 ボールを取るのも忘れて、飛んでくる物体を目で追いかける。 グチャ! 「ゆびゃ!」 「うわっ!きったねぇ!なんだこれ?ゆっくりか?」 足元で砕け散ったそれを見て、思わず声を上げる少年。 飛び散った破片から、黒髪のような物と赤いリボンのような物が確認できる。 「おいおい!ゆっくりじゃんこれ!こんなの投げるなよー!」 「あーごめんごめん!なんか、白っぽく見えたから」 「お前、目がおかしいってー!」 潰れたゆっくりを見て楽しそうに笑う少年達。 ボールを捜していた少年も、再び草むらを探し始める。 ゆわぁぁぁぁぁ?!おちびちゃぁぁぁぁぁん!どこいったのぉぉぉぉぉ?! いもーちょ!まりちゃのいもーちょ!どこいっちゃのじぇぇぇぇぇぇ!! 草むらの中からゆっくりの叫び声があがる。 その声を聞いた少年達は、一斉に草むらに集まってくる。 「なになに?まだいるのか?つかまえて遊ぼうぜ!」 「どこだゆっくりー!ゆっくりしていってねー!」 ゆゆ?!ゆっくりしていってね! ゆっくちしちぇいっちぇね!ゆっくちしちぇいっちぇね!! 少年達の叫びに釣られ、動きを止めてお決まりの挨拶をするゆっくり達。 おかげで自分達が居る位置を、わざわざ少年達に教える事になる。 「いたいた!でっかいのが居たぞー!」 「あっ、この黒帽子、ボール持ってやがる」 「ゆわぁぁぁい!おそらをとんで…ゆっぎゃぁぁぁぁ?!どぼじでここに、にんげんざんがいるのぉぉぉぉ?!」 「ゆびゃぁぁぁん!やめちぇよぉぉぉ!しょれはまりちゃの、たからものなのじぇー!どろぼーなのじぇ!どろぼーなのじぇぇぇ!!」 少年達に捕獲される親れいむと子まりさ。 子まりさと一緒にボールも見つかるが、子まりさはそれを自分の物だと主張する。 「ん?何言ってるのこいつ?たから?どろぼう?これは俺のだって。どろぼーってそりゃお前の事だって!」 「ゆぅぅぅ!なにいってるのじぇ!これはまりちゃがみつけた、まりちゃのおたからなのじぇ!ゆっくちおこりゅよ!ぷんぷんぷん!!」 お下げを激しく振り回し、少年達を睨みながら膨れ上がる子まりさ。 だが少年達は特に怒りもせず、当然怯えたりもしなかった。 子まりさはそれが面白くないのか、お下げで少年の指を叩き始める。 「どうなのじぇ?いちゃいのじぇ?こわいのじぇ?やめてほちかったら、ゆっくちあやまるのじぇ!そーしたらゆるしてやるのじぇ!!」 子まりさは得意そうに眉毛を吊り上げ、少年達を見下すような目で見つめる。 「そうか、お前が見つけたらお前の物なのか。なら、これは俺達が見つけたから俺達の物な!」 「ゆっぎぃぃぃぃ!はなぜぇぇぇ!!よごれたてでさわるなぁぁぁぁ!れいむは、こうきなゆっくりなんだよぉぉぉ!!」 「ゆぅぅぅ?!おかーしゃん??」 少年はそう言うと、親れいむを子まりさの目の前に持ってくる。 子まりさは少年が何を言っているのか理解できずに、目を丸くして親れいむを見つめる。 「じゃあ、こいつで遊ぼうか!サッカーでもする?」 「いいね!あ、そう言えば知ってるか?サッカーって、ゆっくりをみんなで蹴りあったのが始まりなんだって!」 「へー、知らなかったよ。ボクシングだって、ドスまりさをボコボコにしたのが始まりらしいし。ゆっくりって世の中に役に立ってるんじゃないの?」 「ゆっぷぅぅぅぅ!なにいってるのじぇ!ゆっくちはいだいなのじぇ!くそにんげんは、ゆっくちにかんしゃしゅるのじぇ!ほめたたえるのじぇ!!」 大笑いする少年達が面白くなかったのか、子まりさはぷんぷんと怒りながら少年達を怒鳴る。 少年達はそんな子まりさを面白そうに眺めると、子まりさと親リムを地面に置き、親れいむを足で踏みつけた。 「あぁ?なら感謝して遊ぼうぜ!ゆっくり最高ー!」 「ゆっぐぅぅぅぅ!くそにんげん!れいむを 『ドカッ!』 ゆっどぉぉぉぉん?!」 「おーい、そっちにいったぞー!ゆっくり最高ー!」 少年達はゆっくり最高と言いながら、親れいむを蹴り始める。 親れいむは蹴られる度に唸り声を上げて、コロコロと転がる。 子まりさはその様子を見て、何が始まったのか理解出来ずにしばらく固まる。 「ほら!もっと遠くまで吹っ飛べ!ゆっくりありがとう!」 「ゆぎぎ…げべっ…ごぼっ…ごぎぎがが… 『ボコッ!』 どっべぇぇぇぇ?!」 成体とはいえ所詮は巨大饅頭。 少年達に蹴り飛ばされて、地面に叩きつけられたせいで皮はボロボロ。 蹴られた所は真っ赤に腫れ上がり、歯も折れている。 髪の毛やリボンにも土がついて汚れが目立ち、口やあにゃるから餡子を漏らしている。 「ぼおやべって…でいぶがじんじゃう…でじょぉぉ!!」 「安心しろよ!死んだらゴミ箱に捨ててやるからさ!そら!ゆっくり万歳!!」 「がっびゃぁぁぁぁぁぁ?!…ゆげぼっ…ごぼっ…げしゅ…しゅー…しゅー…ぼおやだ…おうぢがえ…る………」 ポロポロと涙を零し、腫れ上がった目をお下げで擦りながら、傷ついた体を引きずるように動かす親れいむ。 だが少年達は親れいむの逃亡を許さず、踏みつけたり、カラーバットで殴りだす。 「やばっ!ごびゃ!ゆっべ!ごしゅ!ぼびゃ!ごじゃ!ぶぎゃ!げびょ!」 「やめりょぉぉぉぉ!やめるのじぇぇぇぇぇ!まりちゃのゆっくちしたおかーしゃんに、なにしてるのじぇぇぇぇぇぇ!!」 ようやく状況を理解したのか、子まりさが少年達を睨みながら大声で叫ぶ。 少年達もそれに気がつくと、ボロボロになった親れいむを持ち上げて子まりさの所まで持ってくる。 「ゆっびゃぁぁぁぁ?!おかーしゃぁぁぁぁ!どぼじでぇぇぇぇぇぇぇ?!なにごれぇぇぇぇぇぇぇ?!」 子まりさは瀕死の親れいむを見て、しーしーを漏らしながら泣き叫ぶ。 親れいむの両目は潰れて涙に混ざって餡子が漏れ出し、歯も全部折れてなくなっていた。 皮も髪の毛も土まみれで、まるで泥だんごの様な姿になっており、辛うじて残っていたボロ布のようなリボンが空しく風になびいていた。 「いやーゆっくりって偉大だな!こんな姿になっても、俺等と遊んでくれるなんてな!」 「ゆっくり楽しいー!ゆっくり最高ー!」 「ゆびぇぇぇぇん!なにいってるのじぇぇぇぇぇ!じぇんじぇんさいこうじゃないのじぇぇ!じぇんじぇんゆっくちしてないのじぇぇぇぇ!!」 楽しそうに笑う少年達とは対照的に、子まりさは顔をくしゃくしゃにして泣いている。 「なんだ?やっぱりゆっくりは最高じゃないのか?認めるのか?ゆっくりはゴミくずなのか?」 「なにいってるのじぇぇぇぇ!ゆっくりはさいこうなのじぇぇぇぇ!ゆっくちしてるのじぇぇぇぇぇ!!」 少年の問いかけに、悔しそうに口を歪めて反論する子まりさ。 その姿はしーしーに塗れ、涙で頬がふやけた情けないものだった。 「そうか?それなら、ゆっくり最高だろ?ほら、言えよ!」 「ゆっぐぅぅぅ!ゆっくちさいこーなのじぇ!ゆっくちさいこーなのじぇぇぇ!!」 少年達は親れいむと子まりさを持ち上げると、近くの公園のゴミ箱に親れいむを捨てに行った。 「ゆげびょ!…びゅ…びゅ…びゅ……びゅびゅ………」 「じゃあ、お前もここでお別れだな。ほら、ゆっくり最高ー!」 少年はそう言うと、子まりさを真上に放り投げた。 「おしょらをとんでる、まりちゃはさいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 天高く舞い上がった子まりさは、複雑な表情を浮かべて叫ぶ。 そしてそのままゴミ箱の中に、吸い込まれるように落ちていった。 グチャ! 「ゆっびぃ!…ゆぎぎ…ぎぎ…ゆっ…ち…さい……ちさいこ…ゆ…ち…いこー…」 餡子と片目を飛び散らせた子まりさは、苦痛に顔を歪めて泣きながら、何かをブツブツと呟いた。 少年達はそんな子まりさを気にする事無く、何処かに行ってしまう。 ゆっくちさいこー…ゆっくちさいこー……… 子まりさはガタガタと震えながら、途切れ途切れに何時までもそう呟いていた。 完 徒然あき
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『渾身(前編)』 26KB 虐待 家族崩壊 親子喧嘩 番い 野良ゆ 子ゆ 現代 虐待人間 主人公なりの意地 「渾身(前編)」 主人公の台詞は『 』、ゆっくりの台詞は「 」で表します。 鬼意山を辞めてからしばらく経った。自分の虐待の腕に何となく限界を感じていたことがその理由なのだが、 どうしても許せない、いや、鬼意山として耐えられないことができた。 「非ゆっくり症」 大雑把に言えば「ゆっくりが精神的に耐えられなくなり異常をきたす」症状だが、俺が鬼意山を辞める少し 前辺りからこれを発症するゆっくりが増えてきた。そのときの俺はこの症状のことを知らず、単に自分の腕 が悪いだけだと思っていた。そして俺は鬼意山を辞めた。 しかし違う。違うの「かも」しれない。あの頃の自分の技術が未熟だったことも当然あったのだろう。俺は 「ゆっ、ゆっ、ゆっ…」と言い始める奴等を見ては反省した。何がいけなかったのか?次はどうすべきか? それを何度も何度も繰り返した。それでも答は出てこなかった。そしてあの時の俺は、その答を自分の技量 不足と判断し、ゆ虐から退いた。 「非ゆっくり症」を知った今、その答はおかしいものだと思い始めた。もしかしたら、あの頃の俺が失敗し た理由は技量不足ではないのかもしれない。もし、失敗の原因がこの症状だったとしたら…、俺は負けたん だ。そう!ゆっくりに!!あのナマモノのデタラメに!!俺は負けたんだ!!あんなナマモノの… 悔しい、悔しい、悔しい、悔しい… だから俺は一度確かめ、取り戻さなくてはならない。奴等に負けたという烙印を消し去り、俺のちっぽけな プライドを取り戻さなくてはならない。 俺は公園に来た。昔よく野良ゆっくりを捕まえていた公園だ。定期的に一斉駆除は行われているが、御他聞に 漏れずゆっくりはどこからでも湧き出し、ここに住み着いている。さて標的は… 「すーやすーやだぜぇ…ゆぅ…」 「すーやすーや……ゆっくりぃ…」 「だじぇ…だじぇ…」 「しゅーや、しゅーや…」 相変わらずの無防備さだ。ターゲットはまりさとれいむ、ベーシックな番でいい。余計な考えはいらない。心地 よい秋の空の下、ダンボールから一家全員で昼寝をしている危機感ゼロのこの番。まりさ、れいむ、子まりさ、 子れいむ…計4匹。早速透明な箱(防音)を片手に回収しようとしたとき、 つい箱を落としてしまった 『うわっ、しまっ…』 親れ「ゆぅ? …うわぁっ!!にんげんさんだよっ!! まりさ、まりさ!おきてねっ!!」 親ま「うーん…なんなんだぜ… にっ!!にんげんさんだぁぁぁぁ!!おちび、おきるんだぜっ!ゆっくりしないで はうあくおきてねっ!!」 子ま・れ「「しゅーやしゅーや……ゆっ… ぴぎゃあああああああああ!!きょわいよぉおおおおおおおおおおお!!」」 『チッ!全部起きてしまった!!まさかこんな凡ミスをしてしまうなんて…』 親ま「なっ!!なんのようなんだぜっ!?まりさたちわるいことなにもしてないんだぜ!!」 親れ「そっ、そうだよっ!!れいむたちはなにもしてないよっ!!ここでつつましくくらしているへいぼんな かぞくなんだよ!!」 子「「きょわいよぉぉぉぉぉぉ!!たしゅけてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」 『…(どうしようか、ここはラムネで眠らせるしか…)』 親れ「みんな!、にんげんさんだよおおおおおおおおお!!またいっせいくじょされるよ!! はやくにげてえええええええええ!!」 『!!(マズイ!)』 親れ「はやくにg(グシャァッ 親ま「れっ……れいぶううううううううううううううううううううう!!」 子れ「おかあしゃあああああああああああああああああんん!!!!」 子ま「うわあああああああああああああああああ!!ゆっくりごろしだあああああああああああ!!」 …やっちまった…… 親ま「れ…れいむううううううううううううううううう!!どぼじでえええええ!? どぼじでごんなごどずるの……すーやすーや」 子「「おかーしゃ!!………しゅーやしゅーや」」 『急いでラムネをかけたのはいいけど、ハァ…、まさか箱を落とした音で起こしてしまうなんてなぁ… 技量不足か、悪運か…まぁいい。つれて帰ろう。』 少し出鼻をくじかれたが、俺は残りの3体を箱に入れて持ち帰った。 …………… ………… ……… … 準備は整った。ここは俺が昔使っていた虐待専用室。一般的なゆ虐道具は一通り取り揃えてある。 透明な箱、オレンジジュース、剣山、バット、釘、金槌、注射器、カッター、爪楊枝、趣味の置物などなど…、 防音対策もバッチリだ。ゆ虐を辞めてからはこの部屋にかけた金を思い出してはふしあわせーな思いを していたが、こうやって再開するとなった今、この部屋にかけた投資を思い出してしあわせーだ。 まだ眠っている饅頭2個をテーブルの上に置き、レッツ虐待、スタート。 『起きろ』 子れ「ゆぅ…ゆぅ…」 子ま「だじぇ…」 子ゆっくり共はテーブルの上でしあわせーそうに眠っている。 『起きろっ!』ドンッ!! 子「「ゆひぃぃぃ!!」」 子れ「ここはどこ?なんでれいみゅたちはここにいるの?」 子ま「わかんないんだじぇ!!ここはどこなんだじぇ!!」 子れ「おねえちゃん!! おとーさん、おかーさんはどこ!?」 子ま「どこなんだじぇ!?わかんないんだじぇぇ!!!」 『はーい、ちゅうも~く!』 子れ・ま「ゆっ!?」 やっと起きたこいつら。かれこれ4時間ぐらい眠っていた。ちょっとラムネかけすぎたか?まぁいい。 子れ「にんげんさん!?どおしてにんげんさんがいるの?れいむたち、おうちでしゅーやしゅーや してたんじゃないの?」 子ま「そういえばおとうしゃんとおかーしゃんがいないよ?おとうしゃん、おかーしゃん、 どこにいるの?ゆっくりしないででてきてね?」 『おい、お前らの母親は死んだ…、いや、殺されただろ? 俺に 』 子れ「しん… うわぁぁぁぁぁ!!ゆっくりごろしだぁぁ!!」 子ま「おもいだしたよ!このゆっくりごろしぃぃ!!よくもおかーしゃんをおおおおおおおおおおお!! しねぇぇぇぇぇ!! おかーさんをかえせぇぇぇぇぇ!!」 『……すまない。君達には本当に悪いことをしてしまった。箱を持って歩いていたら、まさか君達の母親を 踏み潰してしまうなんて…。本当に申し訳ない。俺にできることなら何でもしよう。さぁ、言ってくれ。』 子れ「あたりまえだよこのくずっ!!かわいいれいむたちのおかーさんをえいえんにゆっくさせるなんて… ぜったいにゆるされないよっ!!れいむはどげざっ!とあまあまをようきゅうするよっ!!」 (若干でいぶの気アリ…) 子ま「ゆっぐ…、このうらみはぜったいにはらすんだぜっ!!せいさいっ してやるんだぜぇぇ!!」 (相変わらずのバカか…) 『…本当に申し訳ない。君達の要求は何でも受け入れる。他には無いのか?』 子れ「はやくどげざっ!とあまあまだよっ!!れいむはぐずはきらいなんだよっ!!それからふかふかのべっどさん をよういしてねっ!!かわいいれいむのめいれいだよっ!!」 子ま「れいむ、ちょっとまつんだじぇっ!!そのまえにこのにんげんがまりさたちにいっしょうさからえないこと をからだにちょくせつわからせるんだじぇっ!!れいむのおねがいはそれからでもおそくはないんだじぇ!」 子れ「おねえちゃん!はやくこいつをせいっさい!してねっ!!かわいいいもうとのおねがいだよっ!!」 子ま「わかってるんだじぇれいむっ!まりしゃのかっこいいところをみせてあげるんだじぇっ!!」 子れ「ありがとうおねえちゃん!!れいむ、かわいくってごめ… 子ま「いくんだじぇっ!!かっこよくてごめっ… グシャッ 『勘違いするなよクソ饅頭共…』 子れ・ま「ゆっ…? ゆぅぅぅぅぅぅ!?」 俺はこいつらの散々な罵倒をエネルギーに換え、死なない程度に、けれど一気に掴み、締め上げる 『少しだけ我慢してみればコレだよ。いつになってもお前らの言うことは変わらない。土下座?あまあま? 制裁? …久しぶり過ぎて勢いを間違えそうだったよ。』 子れ・ま「はにゃしぇっ…!!うぷっ…ぷっ…ぷっ…」 『ふぅ。えーっと?左手の黒いゴミ、お前は土下座と食い物と寝床。右手の黄色いゴミ、お前はまず 俺に力の差を見せ付けるとか言ってたな?やってみろ。』 俺は右手のゴミを地面に叩きつけた。 子ま「ゆべっ!!…いちゃぁい…いちゃぁい…」 子れ「おっ…おね…いちゃ…」 『おい地べたのゴミ、つよーいまりしゃ()との力の差を見せ付けるんじゃなかったのか?それともおかーさん とかいう粗大ゴミにぺーロペーロしてもらいたいのか?さっさと制裁したらどうだ。』 子ま「ゆっ…ゆるさないんだじぇ、おかーしゃんをころしたごくあくにんのくせにおかーしゃんをばかにする なんて、じぇーったいにゆるさないんだじえええええ!!ゆぉぉぉぉぉぉぉ!!」 まぁテンプレながら、こんなので人類が死ぬわけが無く 子ま「ゆおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!くりゃええええええええええええええええ!! ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!…………なんでこのくしょにんげんはしにゃないのお おおおおおおおおお!?」 『早くしろゴミ。それが限界か?どううせ本気じゃないとか言うんだろ?優しい俺がお前に本気を出させて やるよ。ほら、左手のゴミを見てみろよ。膨らんだりしぼんだり、赤くなったり、面白いだろ?』 子れ「うっ……ゆっ…!、ゆふッ……うぷぷぷぷぷぷ… お…おね…しゃ…うっ!」 子ま「れ、れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!このひきょうものぉぉぉぉぉぉ!!ましりゃのいもうちょを はなすんだじぇぇぇぇぇぇ!!」 『早く倒さないと助けられませんヨー』 子ま「ゆおぉぉぉおぉぉぉ!!こうなったらまりしゃのきゅうきょくっ!おうぎ、まりしゃうるとらあたーっく!!!! ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆっ! ゆ ゆ ゆ ゆ ゆ………じぇ…じぇ…、はやくしにぇぇぇぇぇぇ!!」 『だから本気を出せといっているじゃないか。…そうだ、本気になれるようにお兄さんが手伝ってあげよう。 親切でごめんねっ!』 俺は爪楊枝を取り出し、黒いゴミの眼前に突きつけた。 子れ「ひっ…」 『黒ゴミ、あの黄色ゴミが本気を出すためには少し刺激が必要なようだ。だから君には刺激になってもらう 必要がある。ゆっくりがんばってね!』 子れ「なにいってるのぉぉぉぉ!!わけがわから…(ガリッ)あがッ(ガリガリ)あがががッ!!」 子れいむの体に爪楊枝で傷をつける。 まずは目の前でゆらゆら動かしてから、目の周りを集中的に削る。 子ま「れっ、れいみゅぅぅぅ!!やめるんだじぇぇぇぇ!!」 『やめろというならとめればいいじゃない(笑)』ガリガリ 子れ「あがっ!あぎゃっ!」 『やめられないとまらない~』 子ま「れいみゅぅぅぅぅぅ!! やべろぉぉぉぉぉぉ!!」 『うるさいなぁ。今いいとこなんだから邪魔すんなよ。』 俺は手の甲で強めに子まりさを弾いてから、目の周りの彫り作業を再開する。 子れ「いだっ!いだいっ!!おねえじゃ!!だずげっ!あぎゃっ!!」 『さーて次は頬だね~。どうしようかな?「黒ゴミ」って入れ墨してあげるね!!親切でごめんねっ!!』 子れ「れいみゅごみじゃないっ!いいいいいっ!おねえじゃっ!いだっ!」 子ま「れいみゅぅぅう!!いまだずげ…(パシンッ!!)あぎゃっ!!」 『黒、彫れたよ~。よかったねれいむちゃん!!次はゴだよっ!!』 子れ「あ゛ッ!あ゛あ゛っ!やべっ!やべでっ!!」 子ま「やべろぉぉぉぉ!! いじゃっ!!」 『ミ、いってみようか~』 子れ「あ゛ッ!あ゛ッ!あ゛ッ!」 子ま「ゆぅぅぅぅぅぅ!!あがぁぁぁぁぁぁぁ!! ゆべっ!」 『さーて、黒ゴミの出来上がりだ~。いい感じになってきたねぇ。 さぁ、次いこうか。』 その後あにゃる周辺、まむまむ周辺、歯茎等々に俺は爪楊枝を刺し続けた。まむまむ周辺辺りまでは 子まりさは体当たりを繰り返し、その度に跳ね返され続けたが、その後は「やべでぇぇぇぇぇぇぇ!!」と 叫ぶだけになり、最後の方には「ゆっ…ゆっ…」と妹の叫び声を聞きながら俯くだけになってしまった。 『よし、完成~。ほらゴミ、姉に立派になった自分の姿を見せてやれよ。』 子れ「ゆべぇ… ゆっ… ゆっ…」 子ま「れいぶぅぅぅぅぅぅ!!しっかりしてね!!ゆっくりだよ!ゆっくりぃぃぃぃ!!」 子れ「こ……く……」 子ま「がんばるんだよっ!!おねぇじゃんがあのにんげんっをいますぐせいさいするからねっ!」 『~♪』 子ま「ちょおしにのってぇぇぇぇぇぇ!!じぇったいにゆるしゃないんだじぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 子れ「ふざけ……な…」 子ま「どうしたの!?いませいっさいするところなんだよっ!!」 その時、子れいむが子まりさの尻に噛み付いた。 子ま「いじゃああ!!…ゆぐぅ…ゆっ……れいみゅ…?」 子れ「ふっ…ふざげるなごのぐぞあねぇぇぇぇぇぇぇぇ!! れいみ゛ゅがっ!れいみ゛ゅがじにぞうな いだみにおぞわれでるっていうのにっ!!おばえはっ!なんにもできながっだだろうがぁぁぁぁぁ ぁぁぁぁ!!」 子ま「ちがっ…ちがうんだよっ!!あれはあのくそにんげんがっ…!!」 子れ「なにがじがうんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!れいみ゛ゅのばーじんざんがうばわれだどぎ、 おばえはうづむいでいだだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!いいわげでぎるぶんざいじゃない でしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 子れいむはじりじりと子まりさに這いずりより、更に一撃を加えようとしている。子まりさは妹の剣幕に 押され、全く動くことができない。 子ま「れいみゅっ…まっで…」 子れ「れいみ゛ゅを…れいみ゛ゅをゆっぐりざぜないやづなんがおねえじゃんじゃないよっ!!ただのぐず だよっ!!の゛うな゛じだよっ!!ぞんなやづなんが、れいみ゛ゅのあばあばざんになるのがいぢばん なんだよっ!!ゆっぐりりがいじでね゛っ!!いだだぎば…『ハイしゅうりょ~う』 ゆ゛っ!!」 子れいむを踏みつけ動けない状態にする。 子ま「ゆっ…れいみゅぅぅぅぅぅ!!」 『お遊戯会は終わったかな?さて、もうお終いだ。黒ゴミには言葉通りゴミになってもらうから、 役立たずの黄色いゴミはその様子を目に焼き付けるんだよ?でもその前に、黒ゴミさん、最期に 言うことはありますか?』 子ま「れいみゅ!しっかりして!!ゆっくりだよっ!?ゆっくり!!」 『黒ゴミさん、さっさと言わないと何も言えないままに終わってしまうよ?何か言ったらどうだい?』 う゛っ…………おねえじゃ(ぐしゃっ 黄色いゴミに餡子色が追加されました。 『まぁゴミがしゃべること自体有り得ないんだからすぐに潰すけどね♪』 子ま「れ……れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!あ゛ぁ……あ゛ぁ……… れいみゅぅ……。どぼじでごんなごどにぃ…。れいみゅは、れいみゅはちょっとわがままだったけど まりしゃにとってはかわいいいもうちょだっだのにぃ…。いっしょにおうたをうたって…かけっこして… とってもゆっくちしてたのにぃ…。まりしゃは…、まりしゃはゆっくりするよ…。えいえんにゆっくりし たおかあしゃんとれいみゅのぶんまでゆっく ガシッ …ゆっ?」 『おい、俺を忘れたのか?何か言っていたようだが…お前はここから逃げることはできない。足りないんだよ。 お前にはまだまだ苦しんで貰う必要がある。苦しめ。苦しんで苦しんで、更に苦しんで、そして死ね。 お前はそのために生まれてきた。そのために俺に出会ったんだ。……頑張れよ?』 子ま「ゆっ…!おそら……ゆぎゃっ!! いじゃい…いじゃい…」 真下に叩きつけたから飛ぶはずは無いんだが、まぁいい、次の準備だ。俺は痛がる子まりさを持ち上げ、 オレンジジュースを入れたボウルに突っ込んでから部屋をでた。準備する間にコイツの傷も癒えるだろう。 ついでに色々と一時的に忘れてくれたらありがたいんだが。 『次だ。まだまだ付き合ってもらうよ?』 俺は黒帽子の粗大ゴミを部屋に投げ入れた。 ま「ゆべぇっ!なにするんだぜくそにんげん!!」 子ま「ゆっ!?おとうしゃん!?」 ま「おいくそにんげん!?おまえはまりさのどれいのはずなんだぜっ!どれいがじゅじんにはむかうなんて あってはならないことなんだぜっ!?これはしゅじんへのはんぎゃくっなんだぜ?いいのぜ?はんぎゃく しゃにはせいさいっなんだぜ?こうかいしてももうおそいんだぜ?」 『…』 ま「なんとかいったらどうだぜくそにんげん!!ひょっとして、まりささまのいかりにおそれてなにもいえない のかだぜ!?どんなにきょうふにうちふるえていたとしても、まりささまにさからったつみはきえないんだ ぜ。どれいはどれいのまま、そのみじめないっしょうをまりささまにささげていればいいんだぜ!!」 子ま「おちょーしゃん!いきてたんだにぇ!!」 ま「いくんだぜ…って、なんなんだぜおまえ?」 子ま「おちょーしゃん、まりしゃだよ!!おちょーしゃんのかわいいまりしゃだよっ!!このくそにんげんに さらわれた、おちょーしゃんのかわいいこどもだよっ!!」 ま「…ゆ?なんなんだぜこのおちび?まりさにこどもなんていないんだぜ。そんなことよりもいまはこの どれいをせいっさいそるのにいそがしいんだぜ」 子ま「おちょーしゃん!まりしゃのことわすれたの?きんじょでいちばんしゅんそくっ!なこどもで おちょーしゃんのじまんのむすこのまりしゃだよっ!!」 ま「なにをいっているんだぜ。とりあえずだまってるんだぜ。まりささまはがきにつきあっているじかんは ないんだぜ。」 子ま「ゆぅ!?なにいってるのおちょーしゃん!!まりしゃ、とってもこわかったんだよおおおおお!?この くそにんげんにさんざんいためつけられて、いもーちょのれいみゅは…れいみゅはっ…」 ま「…わけのわからないがきだぜ。くそにんげんをせいっさいっ!してからはなしはきいてやるから、 とりあえずだまってるんだぜ。」 その時、子まりさの雰囲気が変わった。 子ま「とりあえずなんてこちょないでしょおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?おかーしゃんも かわいいいもうちょもころされたっていうのに、どおしてそんなこというのおおおおおおお!? おちょーしゃんはそんなにはくじょうじゃないでしょおおおおおお!?」 ま「いいからとりあえずしずかにするんだz…」 子ま「ひどい!!ひどいよおおおおおおおおおお!?まりしゃがこんなにこわかったのにいいいいいい!!」 ま「わかったからあとではなしを…」 子ま「やじゃやじゃやじゃああああああああああ!!どうしてっ!?しんじらりぇないよおおお!? むれのみんなからそんけいっのまなざしでみられていたおちょおしゃんがああああ!!かわいい こどもにこんなしうちをしゅりゅなんてええええええええええええ!!」 ま「しずかに…」 子ま「ろのろくでなしいいいいいいいいいいいいいいいいい!!はくじょうものおおおおおおおおお!!」 ま「うるさ…」 子ま「ぐず!!のろま!!おちょーしゃんがしっかりしてないから、おかーしゃんがころされたんでしょおおお おおおおお!?いもうちょのれいみゅだってええ!!おちょーしゃんがもっとはやくきてくれたら ころされなかったのにいいいいいいいい!!にゃんでもっとはやくたすけてくりぇなかったのおおおお!!」 ま「…………」 子ま「こにょげす!くず!のろま!だめゆっくり!よわむし!ひきょうもの!ろくでなし!」 ま「うるさいんだぜ………………」 子ま「どうしぇくしょにんげんがつかれるのをまってからせいさいっ!しようとしてるんでしょおおおおお!? まっこうしょうぶでかてないくせになにがせいっさいだああああああああああああああああ!!」 ま「だまれええええええええええええええ!!」 子ま「ゆぎゃっ!!」 ま「まりささまのどこがよわむしなんだぜ!?のろまなんだぜ!?ひきょうものなんだぜええええええええ!? まりささまのいちげきをくらってふっとばされてるようなよわむしがっ!まりささまにぼうげんをはく なんてっ!ゆるされないことなんだぜえええええええええええええええ!?」 子「いちゃ…い…」 ま「こうなったらまりささまのつよさをくそにんげんにしらしめるために、まずおまえをせいっさいして やるんだぜええええ!!」 子「おちょうしゃ…やめ…」 ま「いのちごいしたっておそいのぜ!!まりささまのちからをそのみであじわうのぜえええええええええ!! ゆおおおおおおおおおおッ… まりさが子まりさに体当たりする直前、その体は真横に吹っ飛ばされた。 ま「ゆげっ…いじゃ…って、なにするんだこのくそにんげんんんんんん!?」 子ま「お…おちょうしゃ…」 俺は子まりさが死なない程度に、かつ復活しない程度にオレンジジュースをかけておく。 『可愛いクソ餓鬼をせいっさいするとか…、マジありえんわー引くわー。てか俺を制裁する予定じゃなかったの? さっさと制裁すればいいじゃないか?そんなことも考えられないの?バカなの?』 吹っ飛んだまりさの体を押さえつけ、俺はよくある挑発を始める。 ま「ゆぎぎ…はなせぇ!!きたないてでまりささまのからだにふれるなぁああ!!」 『そんなこと言ったって、制裁する時にお前から体当たりするじゃないか。自分から汚い奴の体に触れようと しているのに、何言ってるのお前?バカなの?バカだね?そうだろ?バーカ。』 ま「へりくつこねてるんじゃないのぜええええええ!!さっさとまりささまを…ゆぎゃっ!!」 『ねぇ、「ゆぎゃっ!」バカだろ?「ゆべっ!」ほら、「あがっ!」早く、「あべっ!」 せ「ゆ゛っ!」 い「ぐっ!」 さ「あ゛っ!」 い「あがっ!」 したら「ぎぎっ!」どうなの?「うぶぅっ!」』 一言ごとに脳天をぶん殴った。殴るごとに思い出すこの感触。懐かしい…、俺のノスタルジー直撃じゃないか。 そういえば昔はよくこいつらを殴って筋トレ代わりにしてたなぁ。でも鍛えすぎて、一撃で脳天から 地面まで貫通させてしまったこともあったっけ…。あの時は痛かったなぁ。しばらく手が動かせなくなって、 それでも『ゆ虐して痛めました』なんて言えないから、変な言い訳して怪しまれたこともあっt… あぁ忘れてた。チビ饅頭は何をしてる?……アホ面が口開けてこっち見てる…。まぁいいや。 ま「ゆべしっ!ゆっ…ゆゆっ…。この…くそにんげんん……」 まりさを再び子饅頭の前までふっとばす 『ほらほらぁ、早く制裁してくれよ。それとも…どうしぇくしょにんげんがつかれるのをまってから せいさいっ!しようとしてるのおおおおお!?まっこうしょうぶでかてないくせになにがせいっさい だああああああああああああああああ(笑)』 ま「ゆがぁぁ!!まねするんじゃないんだぜえええええええええええ!!ふいうちなんてするひきょうもの がなにをいってるんだああああああああああああああああ!!」 『不意打ちとか…、ガキの挑発にブチ切れして俺のこと忘れてたのはアナタなんですけどー(笑) そんなことも忘れて言い訳ですかー(棒)言い訳が無いと何もできないんですかー(棒)』 ま「うるさああああああああああああああああああああああああい!!!!このくずううううううううう!! もうおこったんだぜえええええええ!!!!」 ゆおおおおおおおおおお…うぶっ! ごのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…ぎっ! おおおおおおおおおおお…がっ!! じねえええええええええええええええええ…ひでぶっ! じぐじょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…あべしっ! ぎぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい…ひぃぃぃっ! くぞにんげんんんんんんんんん…やべっ! やべでっ…あぎゃっ! ごべんなざ…いじゃぁぁぁぁっ! もうやべ…いだいいいいいいい! おうじがえr…いじゃいいいいいいい! ひいい…あがっ! がっ! いじゃっ! ぐごぉっ! い… ……………………………… 『いい汗かいたなー。あれ?最強()のまりささん、何をしていらっしゃるんですか?もしかして、もうおしまい なんですか?まだ俺の練習に付き合ってくださいよぉー(笑)ほら、オレンジジュースかけてあげましゅから ねー、元気になってくださいねー(笑)…やっぱりオレンジジュースなんて、最強()のまりささまには必要 ありませんよねーですよねー』 ま「いじゃい…いじゃい……」 『ほらほら、奴隷に主人との実力差を見せるんだろ?早くしたらどうなんですかぁ?そ・れ・と・も、 奴隷に実力差を見せ付けられた恐怖で何もできなくなってるんですかぁ?うわぁ、無様だなぁ、信じられない なぁ、おお、ぶざまぶざま。』 ま「うるざ…い、このくそにんげん…」 昔どおりにゆっくりのよく分からないプライド()に傷をつけている。まぁ普通のゆっくりなら、この後に オレンジジュースをかけて復活させてまだ殴り続けるか、もっと精神的にくるような方法を試してみたり するんだが… とか考えていると、子饅頭がでかい方に這いずってきた。 子ま「ずーりずーり………おちょうしゃん……おちょうしゃんは…つよくてかっこいいまりしゃなんだじぇ… だから…にんげんなんかに…、こんなひきょうにゃやりかたをするやつにゃんかに…じぇったい… じぇったいにまきぇにゃいんだじぇ…!!」 ま「ゆぐっ…」 子ま「だきゃりゃ…だきゃりゃ、おちょうしゃんはまだたたきゃえるんだじぇ…ゆっくりなんだじぇ… ゆっくりしたおちょうしゃんならじぇったいにかちぇるんだじぇ…」 ま「ゆぎぎっ……!!」 子ま「さいっきょう!のおちょうしゃんならできるんだじぇ……くしょにんげんをやっつけたら、まりしゃと おやこふたりでゆっくりしゅるんだじぇ…。だいじょうぶなんだじぇ…かわいいじまんのまりしゃが ついてるんだじぇ、くしょにんげんにまけるはずがないんだじぇ…!!」 ま「ちが…おばえはまりざざまのこどm 『あー涙ぐましいなぁ。親子の絆って物はこんなにも深いのかぁ。こんなにボロボロになっても、父親という ものは絶対に、ぜーったいっ!!に勝てない相手にも挑もうとするのかー』 ま「っ!!ちが…」 子ま「おちょうしゃん、くしょにんげんのちょうはつなんかにのっちゃだめなんだじぇ……、でも…まりしゃは …まりしゃはおちょうしゃんならこのくしょにんげんにかてるとしんじてりゅんだじぇ…!!」 ま「ちがう…」 子ま「まりしゃのおうえんっ!があったら…、おちょうしゃんはひゃくゆんりき(注:百ゆん力)なんだじぇ… おやこのきずなを…このくしょにんげんにみしぇつけてやるんだじぇ…」 ま「ううぅっ…!!」 子ま「さしゅがまりしゃのおうえんっ!なんだじぇ…。まりしゃがいれば、おちょうしゃんはどんなこんなんっ にもたちむかえるんだじぇ…まりしゃ、すごくってごめn」 ま「ちがうっていってるんだぜええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」 子ま「ゆぎゃっ!!」 ま「ざっぎがらじぶんがっでにぐだぐだしゃべりやがってええええええええ!!おまえみだいなぶさいくな、 よわむじのくそがきが!どうしてこのまりざざまのこどもだっていうんだああああああああああ!! だまってやっていればすきがっでなごどいいやがってえええええええええええええ!!」 子ま「いじゃっ!やべでっ!おちょうしゃっ!!いじゃいっ!!」 ま「まだいうのかこのくそがきいいいいいいいいいいいいいいいい!!このよわむしっ!!くずっ!!のろまっ!! ぶさいくっ!!だめゆっくりっ!!」 子ま「おちょっ…おちょうしゃっ……!!」 ま「しづごいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!ゆっくりはやくじねええ えええええええええっ…ぐごべぇっ!?」 『親子喧嘩もたまにはいいものだと思うんだけどぉ、俺は今、そんな三文芝居を見るような気は無いんだよねー。 てか生ゴミが喋るって時点で気持ち悪いのに、そんなのが親子の絆がどうだとか……ホントに気持ち悪いわ。 ということで、ここで脇役には舞台から降りてもらいます。さぁ、準備はいいかな?』 今回は徐々に足の力を強めていき、子饅頭には粗大ゴミが苦しむ様をその目に焼き付けて貰う。 子ま「………!!お…おちょうしゃ…!!ゆっくり…」 ま「ぐごっ…ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ…ぎぎっ…おっ…」 子ま「おちょうしゃっ…ゆっ…ゆっぐ……」 ま「お…おばえ…なんが………ばり…ざ…ざば…の…こっ、こどぼじゃ…ないっ!ぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶ 黄色いゴミに更に餡子色が追加された。 お前なんか お前なんかまりささまの子供じゃない 子ま「お…おちょうしゃ…………どうじで…」 『お前は』 子ま「!?」 『あの粗大ゴミはお前を否定したまま死んだってわけだ。』 子ま「ちが…まりしゃは…」 俺はゆっくりと話しかける。 『それにしても、どうだった?二回目の餡子シャワーは? 「ゆっ!?」 『最初は何もできずに』、 「ゆゆっ!?」 『次は受け入れられずに。』 「……」 『死んだ奴は両方ともお前を憎み、否定しながら死んでいったわけだ。』 「やべで…」 『お前は頑張ったなぁ。まぁ結局、お前は何もできずにいただけなんだがな。』 「ちぎゃう…」 『最初はどうだった?お前が恐怖して何もできずにいる間にきょうだいを傷つけられた。』 「やべ…」 『お前は頑張ったとか必死に言い訳していたけど』 「やべでええええええええええ!!」 『何もできていなかったよな?』 「ちぎゃあああああああう!!」 『どうしてだ?下向いて震えていたじゃないか。』 「ちぎゃうちぎゃう!!」 『まぁお前が何度否定したところで、お前が何もできなかったから、お前の妹は死んだんだ。』 「おばえがごろじだんだりぉぉぉぉぉぉ!!」 『さて、次だ。』 「むじずるにゃああああ!!」 『お前は父親と感動の再会…フフッ……をした。』 「わりゃうなああああ!!」 『けれど違った。あの粗大ゴミはお前のことを自分の子供だとは言わなかった。』 「ごみじゃなあああああああいいい!!」 『ん?ゴミじゃないことだけ否定するのか?じゃあ、お前は子供じゃないんだな?』 「ちぎゃあああああう!!」 『まぁ、そんなこと俺にはどうでもいい。所詮家族ごっこだ。』 「まりしゃはおちょうしゃんのこどもだぁぁぁ!!」 『なら、何であのゴミはお前を子供だと認めなかったんだ?』 「ゆっ………!!」 『親子の絆はどこにあった?』 「……」 『ほら、どこにあった?』 「ゆっ…」 『繰り返してやろうか?かわいいじまんのまりしゃがついてるんだじぇ、くしょにんげんにまけるはずが ないんだじぇ』 「……………」 『まりしゃはおちょうしゃんならこのくしょにんげんにかてるとしんじてりゅんだじぇ…!!』 「………………………………………ゆっ」 『まりしゃのおうえんっ!があったら…、おちょうしゃんはひゃくゆんりきなんだじぇ』 「……………ゆっ……………ゆっ……………」 『おやこのきずなを…このくしょにんげんにみしぇつけてやるんだじぇ… まりしゃがいれば、おちょうしゃんはどんなこんなんっにもたちむかえるんだじぇ まりしゃ、すごくってごめんね!!』 「ゆっ…ゆっ…ゆっ…」 最後に、子まりさの耳元で呟く。 『お前なんか まりささまの 子供じゃない』 「………っ!!!!…y」 『させるかァッ!!!!』 「ぎぴょぉっ!?ぐぐぐっ…ぐるじっ……」 『まだだ。まだお前に逃げてもらっては困るんだ。今お前が逃げるというのは、俺にとっての敗北なんだよ。 だからお前にはもう少し付き合ってもらう。』 「う゛っ…なにい゛っで…ゆぴぃ!?」 俺は子まりさオレンジジュース入りの注射をし、傷を回復させながら部屋の中を移動する。 『ほら、お前に生きててよかったと思えることをしてやろう』 後編に続く。
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『れいむの過ち』 31KB 虐待 制裁 自業自得 飾り 飼いゆ ゲス 現代 虐待人間 ぺにまむ おさげあき 少しぬるめのれいむ虐待です おさげあき 25作目 「ただいまー」 男が買い物をを終えて帰宅した。 「……あれ?」 だが返事が無い。 いつもならおかえりなさい!と元気に返事してくれる相手がいるのだが…… 「おーい、れいむー、お前のためにお菓子やらおもちゃやら買ってきたぞー」 男は一人暮らしだが最近ショップで銀バッジのれいむを購入してから家の中が明るくなった。 ウザったい時もあるが話し相手になったり遊んだりするうちに自然と男も笑顔でいる事が多くなった。 賢いほうではないが最低限の飼いゆっくりとしてのルールは守れたしこれからも上手くやっていけるだろう。 そういえばおちびちゃんが欲しいと言っていた。 そのうちショップでつがいとなるゆっくりを買ってきてビックリさせてやろう。 うちのれいむならいい母親になるに違いない。 そんな未来を想像し笑みをこぼす男は部屋へと移動した。 「今日はおかえりなさいといってくれないのか?お昼寝中だった……か……?」 部屋へと入った男は信じられない光景を目の当たりにして体が硬直した。 「れいむぅぅぅぅぅ!すごいのぜぇぇぇぇぇ!れいむのまむまむすっごいのぜぇぇぇぇぇ!」 「まりさぁぁぁぁぁ!まりさのぺにぺにもさいっこうだよぉぉぉぉぉ!れいむとんじゃうぅぅぅぅぅ!」 その部屋では男が可愛がっていたれいむと薄汚い野良まりさが交尾をしていた。 「……なんだ……これは……」 一瞬思考が停止していた男が部屋を見渡す。 窓ガラスが割れて辺りに破片が散らばっていた。 おそらく野良まりさが石でガラスを割ったのだろう。 そして飼いゆっくりであるれいむをレイプして……いや、レイプじゃない。 「ゆっほぉぉぉぉぉ!もっとぉぉぉぉぉ!もっとれいむのまむまむをいじめてぇぇぇぇぇ!」 「れいむはとんだあばずれなのぜ!そんなあばずれまむまむはまりさのぺにぺにでせいっさい!なのぜぇぇぇぇぇ!」 「ゆほぉぉぉぉぉぉ!とんじゃうぅぅぅぅぅ!れいむ!おそらをとんじゃうぅぅぅぅぅ!」 二匹の話からするとれいむが自ら野良まりさを誘ったらしい。 信じられない事だが…… そして男の体が小刻みに震え始めた。 「ゆゆぅぅぅぅぅ!?おにいさん!?れいむ、まりさとすっきりー!しているところをおにいさんにみられてるよぉぉぉぉぉ!」 「ゆゆ!?くそどれいがかえってきたのぜ!?ちょうどいいのぜ!くそにんげんにまりさたちのしあわせー!をみせつけてやるのぜ!」 「おにいさぁぁぁぁぁん!れいむ!しあわせーでごめんねっ!」 「だすのぜえぇぇぇぇ!れいむのなかにだすのぜぇぇぇぇぇ!」 「だしてねぇぇぇぇぇ!たくさんれいむのなかにだしてねぇぇぇぇぇ!おちびちゃんのもとをだしてぇぇぇぇぇ!」 「はらむのぜぇぇぇぇぇ!さいっきょう!のまりさのおちびちゃんをはらむのぜぇぇぇぇぇ!」 「「すすすすすすっきりぃぃぃぃぃぃーーーーーー!!」」 二匹同時にビクンと痙攣すると早くもれいむの額から茎が生え始めた。 「ゆゆぅぅぅぅぅん♪れいむ……にんっしん!したんだね!」 「ゆふふ!これでまりさはれいむのだんなさまなのぜ!これでまりさもかいゆっくりなのぜ!」 「おい……これはどういうことだ?」 「「ゆゆ?」」 男がドスの効いた声で話しかける。 明らかに怒っているが幸せの絶頂に達している二匹には気づかない。 そんな二匹がドヤ顔で答えた。 「みてわからないのぜ?まりさがれいむとすっきりーしてれいむをにんっしん!させたのぜ!くそにんげんはめがくさってるのぜ?」 「まりさ!そんなこといっちゃだめだよ!たしかにさえないかおをしてるけどこれかられいむたちをゆっくりさせてくれるにんげんなんだから!」 「さいっきょう!のまりささまにはふさわしくないけどまりささまはかんっだい!だからおまえをどれいにしてやるのぜ!」 「まりさ!どれいじゃなくておにいさんだよ!まあやることはどれいとおなじだけどね!」 「……そんな事を聞いてるんじゃない、何故薄汚い野良ゆっくりとすっきりしたのかと聞いているんだ」 「まりささまはきたなくないのぜぇぇぇぇぇ!ゆっくりていせいしろぉぉぉぉぉ!」 「おにいさん!れいむのだんなさまをわるくいわないでね!いくらおにいさんでもれいむおこるよ!」 「質問に答えろ!!」 「ぶげぇぇぇぇぇぇ!?」 大切なペットだったれいむのゲスな台詞に我慢出来なかった男はあまりの怒りでれいむに蹴りをぶちこんだ。 れいむは豚のような悲鳴を上げながら壁へ叩きつけられ再び男の足元へ転がってきた。 「答えろ、何故禁止されていた野良とのすっきりをした?」 「いだいぃぃぃぃぃ!でいぶのすべすべのおはだがぁぁぁぁぁ!」 「答えろ!」 「ゆひぃ!」 今にも自分を殺しそうな男の表情にれいむはおそろしーしーを漏らしながらゆっくりと話し始めた。 れいむはおちびちゃんが欲しかった。 お兄さんはれいむがいい子にしていればいつか美ゆっくりを連れて来てくれると言ったがれいむは今すぐ欲しかった。 そんな時に偶然おうち宣言しようと庭に侵入してきた野良まりさを発見した。 れいむはチャンスだと思った。 野良とのすっきりーは禁止されているが既成事実を作ってしまえばきっとお兄さんも許してくれる。 だかられいむは野良まりさを誘惑した。 自分とすっきりーしておちびちゃんが出来れば何の不自由も無い楽な生活が送れると。 ゆっくりしてない野良の生活が嫌になっておうち宣言しようとしていたまりさにとってこの提案は願ってもない事だ。 窓には鍵が掛かっているのでまりさにお願いして窓を割ってもらい、そして今に至ると言う訳だ。 窓を割った事で怒られる可能性はあるが可愛いおちびちゃんを見せれば笑って許してくれるだろう。 自分に都合のいい餡子脳ここに極まれりである。 「と、いうわけだよ、だからこれからはおちびちゃんといっしょにゆっくりさせてね!それかられいむにひどいことしたことをあやまってね!」 「……」 「おにいさん!きいてるの!?れいむすごくいたかったんだよ!わるいことしたらあやまるのはとうっぜん!でしょ!?」 れいむの話を聞き終えた男は無言だった。 だがその表情は怒りに満ち溢れていた。 「悪い事したら謝るのは当然?だがお前は禁止されていた野良とのすっきりをした事を謝罪しなかったな、まずお前が謝るべきだと思うが?」 「なにいってるの?たしかにのらゆっくりとのすっきりーはきんしされてるけどそれはにんげんがきめたかってなりくつでしょ? ゆっくりにそれをおしつけないでね!ゆっくりはゆっくりすることがすべてなんだよ!りかいできる?りかいしたられいむにあやまってね!」 「飼いゆっくりとしてのルールを守るのは当然だ、それが嫌なら野良として生きていくしかないがお前は飼いゆっくりの生活を選んだんだぞ?」 「おにいさん!へりくついわないでね!にんげんはつごうがわるくなるとそうやっていいわけばかり!だからまりさにくそにんげんとかいわれるんだよ!」 何だこいつは。 こいつは本当に自分がこれまで可愛がっていたれいむなのか? 何故ここまで豹変した? ちょっと頭が足りないところはあったがそれでもこれまで上手くやってきた。 なのに何故? ゆっくりの生態にあまり詳しくない男には分からないだろうがこれがれいむの本性なのだ。 自分がゆっくりする事しか考えていない。 飼われ始めた当初は確かに比較的まともなゆっくりだったかもしれない。 だが男とのゆっくりした生活を送るうちに少しずつゲス化していったのだろう。 表面上は善良なゆっくりを装うという小賢しい事まで覚えて。 銀バッジとはいえ個体によってかなりばらつきがある。 キチンと飼育したとしてもゆっくりは些細な事であっさりゲス化したりするので素人は手を出さないほうがいいのだ。 「おい!くそどれい!まりさのれいむになんてことするんだぜ!?そんなげすはせいっさい!なのぜぇぇぇぇぇ!」 そしてさっきから男の足に向かって体当たりし続ける野良まりさ。 全く痛みはないので完全スルーしていたがもう限界だ。 「うるせぇよ!ゴミクズが!」 「ぶぎゅ!?」 男はまりさを足で踏みつけた。 それも手加減なしだ。 「ぶぎぃぃぃぃぃ!ぐぞにんげん!ばでぃざがらぞのぎだないあじをどげろぉぉぉぉぉ!ばでぃざがげがれるだろうがぁぁぁぁぁ!」 無様に尻をぶりんぶりんと振りながら唯一自由に動かせるおさげを使って男の足をぺちんぺちんと叩くまりさ。 醜い、醜すぎる。 何故こんなゴミクズがこの世に存在しているのだろうか。 こんなゴミは即刻処分しなければ。 男はこれ以上このゴミの声を聞きたくなかったので一気に足に力を入れてまりさを踏み潰した。 「ぶぎぃぃぃぃぃ!やべでぐだざいぃぃぃぃぃ!ばでぃざがわるがっだでずぅぅぅぅぅ!だがらいのぢだげば……ぶぎゅべぇ!?」 「ま、まりさぁぁぁぁぁ!?」 こうしてまりさの愚かで惨めで何の価値もないゆん生は幕を下ろした。 「ゆ……ゆふん!れいむはおちびちゃんさえできればまりさなんかようずみだからどうでもいいけどゆっくりごろしはみのがせないよ! だかられいむがじきじきにせいっさい!するからかくごしてね!ゆふふっ!れいむつよくってごめんねっ!」 れいむが無駄な体当たりを男に繰り返す。 だが当然痛みはない。 もはや男にれいむへの愛情はほとんど無くなっていた。 れいむの立場はもはやそこで潰れているゴミクズと同等にまで落ちぶれていた。 だが男は最後の願いを込めてれいむに語りかける。 「れいむに痛い事した事もまりさを殺した事も謝ろう、だかられいむも謝ってくれ、禁止されていた野良とすっきりした事を」 れいむにとっては最後のチャンスだった、ここで素直に謝ればあるいは…… だがそんなチャンスを無駄にするのはゆっくりの得意技である。 「なんでれいむがあやまらないといけないの?ばかなの?しぬの?あやまらないといけないのはおにいさんでしょ!? にんげんのきめたかってなるーるをれいむにおしつけないでね!にんげんはゆっくりをゆっくりさせないといけないんだよ!?ゆっくりりかいしてね!」 ゆっくりに人間のルールを押し付けるなと言っておきながら人間にはゆっくりのルールを押し付ける。 まさにゲス、まさに餡子脳、まさにゴミクズ。 れいむの言葉で男は完全にふっきれた。 「ああ、分かったよ、もういい、お前がそういう態度なら俺も感情のままに行動させてもらうわ」 「ゆゆ?やっとれいむのことばをりかいしたんだね!まずはあまあまでれいむをゆっくりさせてね!」 「は?何言ってんの?」 ボゴォ!!! 「ぶっぎゃぁぁぁぁぁ!?」 男はれいむの顔面に渾身の一撃を食らわせる。 男の拳でブサイクな顔がさらにブサイクになったれいむは歯を数本砕きながら床を転がった。 「ゆんぎぃぃぃぃぃ!でいぶのめがみのようなうつくしいかおがぁぁぁぁぁ!」 「女神?ゴミの間違いだろ?嘘つくなよ」 「ゆぎぃ!?あやまれぇぇぇぇぇ!でいぶはごみじゃないぃぃぃぃぃ!いますぐあやまれぇぇぇぇぇ!」 「何でゴミに謝らないといけないの?バカなの?死ぬの?ゴミはゴミらしく無様に地べたを這いずり回ってろ」 「このくそにんげんがぁぁぁぁぁ!ぜったいゆるさないぞぉぉぉぉぉ!」 ついにお兄さんからくそ人間へ呼び方が変わった。 だが男にはどうでもいい。 口だけのゴミに何を言われようと痛くも痒くも無い。 男はひたすられいむを痛めつけた。 茎に実った実ゆっくりに手を出さなかったのは男の最後の良心なのかもしれない。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁ!いだいいだいいだいいだいぃぃぃぃぃ!ぼうやべでぇぇぇぇぇ!」 痛めつけるたびにれいむは気持ちのいい悲鳴を聞かせてくれた。 次第に男の中にれいむへの憎しみ以外の感情が溢れてくる。 もっとれいむの悲鳴を聞きたい、苦しむ顔が見たいというドス黒い感情が。 「お前は殺さない、もっともっと苦しめてやる」 男はれいむを透明の箱に放り込んでから散らかった部屋の後片付けを始めた。 れいむがなにやら喚いていたが男が透明の箱を蹴って睨みをきかすとすぐ静かになった。 今すぐれいむに制裁を加えないのはもっとゆっくりについて情報を集めるためだ。 どうすればもっとゆっくりを苦しめられるか。 どうすればゆっくりは長持ちするのか。 そもそもゆっくりとはどういうものなのか。 ゆっくりについての知識を得ればもっと楽しめる。 男の顔には自然と笑みがこぼれていた。 こうして新たな虐待お兄さんが誕生した。 -数日後- 「よお、糞饅頭、元気か?」 「く、くそにんげん……はやくれいむをここからだしてね……くさくてゆっくりできないよ……!」 「しゃっしゃとれいみゅをゆっくちしゃしぇろ!くしょどれい!」 男が数日ぶりにれいむを透明の箱から出してやる。 その間、れいむには最低限の食べ物しか与えていないのでれいむは多少痩せていた。 しかし糞と小便の始末はしていなかったのでれいむは自らの糞尿にまみれ野良ゆっくり以上に汚らしい姿になっていた。 綺麗好きだったれいむには糞尿にまみれた生活はさぞ辛かっただろう。 そしてれいむには新たな家族が出来ていた。 野良まりさとの間に出来たおちびちゃんだ。 だがおかしい。 実ゆっくりは四匹いたはずだが赤れいむ一匹しか見当たらない。 だがれいむの背後に散らばっている小さい帽子と金髪の残骸を見て男はすぐ理解した。 「ははっ!やっぱお前はゲスだよ!自分の子供を殺すなんてな!」 「ち、ちがうよ!これは……その……」 「何が違うんだよ、どうせ自分に似たれいむ種以外はゲスだから制裁と称して処分したんだろ?」 「……!!」 何故分かった!?と言いたげな表情のれいむ。 「やっぱそうか」 「ち、ちがうよ!あのこたちはうまれたときにはもうえいえんにゆっくりしていたんだよ!れいむはわるくないよ!」 「本当にそうか?ならお前のおちびちゃんに聞いてみよう、れいみゅ、お前のお母さんの言ってる事は本当か?」 「ゆ!?しょれは……」 「おちびちゃん!いっちゃだめだよ!」 「ゆゆ?にゃんで?」 「いいからぜったいにいわないでね!くそにんげんのいうことなんかむしだよ!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 口止めするって事は男の言った事は事実なのだろう。 だが赤ゆっくりの口を割らせるなんて簡単だ。 「素直に言えばあまあまを沢山あげるぞ?」 「ゆゆ!?あみゃあみゃ!?いうよ!ゆっくちいうよ!れいみゅのできしょこにゃいのいもうちょはおきゃあしゃんがしぇいっしゃい!しちゃよ! ゆっくちできりゅのはれいみゅのようなきゃわいいゆっくちだけっておきゃあしゃんはいっちゃよ! ゆっくちごろしはゆっくちできにゃいけどげしゅはれいっがい!だからせいっしゃい!しちぇとうっじぇん!だよ!」 「どぼじでいっちゃうのぉぉぉぉぉ!?いっちゃだめっていったでしょぉぉぉぉぉ!?」 「ゆ?いわにゃいとあみゃあみゃむーちゃむーちゃできにゃいよ?れいみゅはゆっくちしちゃいんだよ! おきゃあしゃんはにゃんでれいみゅのじゃまをしゅるの?ゆっ!わかっちゃよ!れいみゅがあまりにきゃわいいからしっとしちぇるんだにぇ! れいみゅ、おきゃあしゃんよりきゃわいくっちぇごめんにぇ!」 「ふ……ふざけるなぁぁぁぁぁ!いちばんかわいいのはれいむだぁぁぁぁぁ!このげすちびがぁぁぁぁぁ!」 「ぶぎぇ!?」 れいむは怒りのあまり赤れいむを踏みつけた。 死なない程度に体重を掛けて。 「ぴゅぎぃぃぃぃぃ!きゃわいいれいみゅがちゅぶれりゅぅぅぅぅぅ!しゃっしゃとどけぇぇぇぇぇ!くしょばばあ!」 最初は死なない程度に痛めつけるつもりだったが自分を愚弄する言葉にあっさりキレたれいむ。 「おかあさんにひどいこというげすはせいっさい!だぁぁぁぁぁ!しねぇぇぇぇぇ!」 「ぶぢゅ!」 こうして赤れいむの短すぎるゆん生は幕を下ろした。 それをゆっくり鑑賞していた男がれいむに拍手を送る。 「さすがはれいむ!生まれたばかりのおちびちゃんを皆殺しにするなんてゲスの中のゲスだな!」 「ゆ!?ち、ちがうよ!これは……その……!つい……」 「生まれたばかりのおちびちゃんをつい殺しちゃうのか?おちびちゃんはその程度の存在なのか?」 「ゆぐぐぐぐぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 何も反論できないれいむ。 「とりあえず子殺しご苦労さん、これは餞別だ、受け取れ」 男はオレンジジュースをれいむに掛ける。 ここ数日でゆっくりについての知識はほとんど得たのでもうれいむはあっさり死ぬ事は無いだろう。 「んじゃ子殺しのゲスの制裁を始めよう!」 「や……やめっ……!」 「おらぁ!」 「ぶげぇ!!」 挨拶代わりとばかりにれいむに蹴りをぶちこむ。 相変わらずいい感触だ。 ゆっくりの体は殴ったり蹴ったりするためにあるのではないか? 男はそう思った。 「や、やべでぇぇぇぇぇ!れいむいたいのやだぁぁぁぁぁ!」 「蹴りは嫌か?なら次は足を焼こうか」 「ゆ?」 男が何を言ったのかれいむには理解出来なかった。 足を焼く? 誰の? 男はそんなれいむに構うことなくホットプレートを用意し油を引いてプレートを加熱していく。 「ゆわっ……あああ……」 ホットプレートから立ち上る湯気と熱気でれいむはようやく理解した。 これから自分はあの上に乗せられ足を焼かれるのだと。 「お、おにいさん……ゆるしてね……れいむをゆるしてね……」 男はその言葉を無視し震えるれいむを掴んだ。 「おそらをとんでるみたい!」 お決まりの言葉を発するれいむだったがその直後灼熱のホットプレートの上に落とされた。 「ぎゃぁぁぁぁぁ!!でいぶのすらりとのびだうづぐじいあんよぎゃぁぁぁぁぁ!!」 これまで味わった事の無い激痛に喉が潰れんばかりの絶叫を上げるれいむ。 「いだいいだいいだいいだいぃぃぃぃぃ!やべでぇぇぇぇぇ!いだいのやだぁぁぁぁぁぁ!あんよがぁぁぁぁぁ!でいぶのあんよがぁぁぁぁぁ!」 自分の誰よりも美しく神ですらも跪く黄金の足がジュージューと嫌な音を立てながら焼けていく感触は口では言い表せない。 ただ二度と自分の足が使い物にならないであろう事だけは理解出来た。 「ゆるじでぐだざいぃぃぃぃぃ!でいぶがわるがっだでずぅぅぅぅぅ!だがらゆるじでぇぇぇぇぇ!」 「何が悪かったのか言ってみろ」 「おぢびぢゃんごろじでずびばぜんでじだぁぁぁぁぁ!」 「後は?」 「ゆ!?ぞ、ぞれだげでじょぉぉぉぉぉ!?」 「肝心な事を忘れてるぞ、早く言え」 「じらないよぉぉぉぉぉ!でいぶなにもわるいごどじでないのにぃぃぃぃぃ!」 「結局口だけの謝罪か、何が悪かったのかそれすらも分からんほどお前の頭は腐っているようだな」 「あやばっだんだがらゆるずのはどうっぜん!でしょぉぉぉぉぉ!?ばやぐでいぶをだずげでねぇぇぇぇぇ!」 「だが断る」 「あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃぃ!でいぶじんじゃうぅぅぅぅぅ!」 男はれいむの頭をしっかり掴んでプレートに押し付けているのでれいむは一歩も動けない。 やがてれいむは足焼きの激痛に耐え切れずに気絶してしまった。 「でいぶのくせに根性無い奴だな、この程度で気絶してたらこの先大変だぞ?」 男はれいむの足が真っ黒になっている事を確認した後にオレンジジュースを掛けた。 万能のオレンジジュースでも火傷だけは治せない。 だがれいむの意識を覚醒させるには十分だ。 「ゆ……れいむ……どうなったの……?ゆめ……?れいむ……わるいゆめをみてたんだね……」 「残念だが夢じゃないぞ、ほれ」 男は鏡をれいむの前に持ってきてれいむ自身の姿を見せてあげた。 「……!?そんな……れいむの……れいむのびきゃくが……そんな……そんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」 真っ黒になった自分の足を見たれいむは絶叫を上げた。 「うごいてねっ!れいむのかもしかのようなあんよさんっ!ゆっくりしないでうごいてねっ!」 「その台詞はまりさ種の専売特許だろ?お前のようなゴミにはもったいない台詞だよ」 「どぼじでぇぇぇぇぇ!?どぼじでごんなひどいごどずるのぉぉぉぉぉ!?」 「散々説明しただろ?もう忘れたのか?さすがは餡子脳!まあれいむ種なんてゆっくりの中で最低最悪のゴミだしこれが普通か」 「れいむはさいこうのゆっくりだぁぁぁぁぁ!こそだてがじょうずでぼせいにみちあふれているんだぞぉぉぉぉぉ!」 「出たよ、母性(笑)の台詞が、そもそもまともなゆっくりなら誰でも持ってるものをさも自分だけの特徴のように語るとか笑えるわ」 「ふざけるなぁぁぁぁぁ!ぼせいはれいむだけしかもってないんだぞぉぉぉぉぉ!」 「さっき自分の子供を殺した事をもう忘れたのか?子殺しが母性に満ち溢れてるとか何のジョークだよ」 「だまれだまれだまれだまれぇぇぇぇぇ!それいじょうれいむをばかにするなぁぁぁぁぁ!」 「はいはい、好きなだけ叫んでろよ、さて……れいむ種虐待と言えば出産機能の破壊、次はそれをするか」 「や、やめろぉぉぉぉぉ!そんなことしたられいむは……!れいむはぁぁぁぁぁ!!」 男はれいむを持って体を振動させる。 「ゆゆぅぅぅぅぅ!?れいむにぺにぺにはえてきちゃったよぉぉぉぉぉ!?はずかしいよぉぉぉぉぉ!みないでねっ!みないでねっ!」 れいむは自分の勃起したぺにぺにを見られた恥ずかしさのあまりもみあげで目を隠す。 「キモッ!なんじゃこりゃ!こんなキモイナマモノがこの世に存在していいと思ってんのか!?キモすぎだろ!」 男は電動ドリルを用意し、高速回転する先端をれいむのぺにぺにへと近づける。 「ゆゆぅぅぅぅぅ!?それなんなのぉぉぉぉぉ!?ゆっくりできないぃぃぃぃぃ!」 「うん、ゆっくり出来ないね、だから何?お前にもうゆっくりなんて必要ないんだよ!」 ブチュブチュブチュ!!! 「ゆぎゃぎょごうえほれはおれあめおヴぇおぉぼねぃおうぇぎょ!?」 よく分からん奇声を発しながられいむのぺにぺには先端からドリルによって少しずつ弾き飛ばされていく。 自分の生殖器官を木っ端微塵に砕かれていく激痛、人間でも想像したくない痛みだがゆっくりにはお似合いの苦痛だろう。 やがてれいむのぺにぺにはすべて吹き飛び残るはまむまむだけだ。 「あっ……ぎゃっ……」 あまりの苦痛で意識が飛びそうになっているれいむにオレンジジュースをぶっかけ覚醒させる。 そして男はれいむに無慈悲に告げた。 「次はれいむのまむまむをこれでぐっちゃぐっちゃに潰すよ!ゆっくり理解してね!」 「やべでやべでやべでやべでぇぇぇぇぇ!まむまむだけはぁぁぁぁぁ!れいむのさーもんぴんくのまむまむだけはゆるしてぇぇぇぇぇ!」 「やめるわけないだろ?バカなの?死ぬの?」 そしてれいむのまむまむへと挿入される高速回転するドリル。 「ぶskfhじょいうyりおじゅASUrでいおあwr!!」 異界の言葉を発し、白目を剥いてビクビクと痙攣するれいむ。 あまりの激痛に意識を失うが苛烈な痛みですぐ現世に戻される。 普通ならショック死しているところだが男が随時オレンジジュースを掛けているので死ぬ事はない。 「あんまり深く挿入すると中枢餡を破壊しちゃうから加減しないとな」 適度な位置で念入りにれいむのまむまむをぐちゃぐちゃにした男はようやくドリルを引き抜いた。 「おー、こりゃ悲惨だ、俺がやったんだがこれは酷い」 「あっ……がぁ……」 「おーい、戻って来いよ、お前のまむまむが面白い事になってるぞ」 男がオレンジジュースを掛けてれいむを覚醒させると再び鏡を持ってきた。 「ほれ、お前のサーモンピンクのまむまむとやらはこんな事になっちゃったぞ?感想は?」 「!!!???」 自分のまむまむがモザイク必須のグロまむになってしまった事を理解したれいむはショックのあまり声も出ないようだ。 「ショックを受けてる所悪いがまだまだこれからだぞ?万が一再生してもつまらんからグロまむも念入りに焼くからな」 今度はハンダごてを持ってきた男。 それでれいむのグロまむを完全に破壊するつもりだ。 「もうやべでぇぇぇぇぇ!やべでぐだざいぃぃぃぃぃ!でいぶがわるがっだでずぅぅぅぅぅ! のらどがっでにずっぎりーじでずびばぜんでじだぁぁぁぁぁぁ!あやばりばずがらまむまむだげばぁぁぁぁぁ!」 「何だ、ちゃんと覚えてるじゃねーか、追い詰められなきゃ思い出せないのか?お前は」 「なんでぼじばず!だがらまむまむだげばぁぁぁぁぁ!」 「謝ったら許すと誰が言った?バカなの?死ぬの?ゆっくりまむまむを焼かれていってね!!」 「ぞ、ぞんなぁぁぁぁぁぁ!?」 ジュゥゥゥゥゥゥ!!! 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁ!でいぶのまむまむがぁぁぁぁぁ!やべでやべでやべでぇぇぇぇぇ!」 「上手に焼けました♪」 男がハンダごてをれいむの元まむまむから引き抜く。 こうしてれいむのまむまむとやらは形容しがたいグロイ物体へとレベルアップした。 ご丁寧にも再び鏡でれいむのレベルアップしたまむまむを見せてあげる男。 「れ……い……む……の……ま……む……ま……む……」 れいむの瞳から生気が失われていく。 れいむにとって子供を生むという事は何より大切だからだ。 このままでは廃ゆんになってしまう。 それでは面白くないのでれいむに僅かな希望を与えてあげる事にした。 「大丈夫だ、まむまむがダメになってもお前にはまだ額が残っている、すりすりすっきりーで植物型妊娠は可能だぞ?」 「ゆ……れいむ……まだ……おちびちゃん……つくれるの……?」 「ああ、まだおちびちゃんは作れるぞ」 「よかったよ……れいむは……まだゆっくりできるんだね……」 子供を作るのは自分がゆっくりするための手段でしかないのだろう。 だから母性(笑)などと言われているのだ。 男はこのれいむを見てそれを理解した。 だから男はまだ子供が作れるれいむに向かって非情な言葉を投げつける。 「だから額も焼いて完全におちびちゃんが作れない体になろうね!」 「……ゆ?」 「これからお前の額を焼くって言ったんだ、理解出来る?」 「……」 絶句するれいむ。 だがその直後に大絶叫を上げて暴れ始めた。 「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!でいぶおちびちゃんうめなくなるのやだぁぁぁぁぁ!でいぶはゆっくりするんだぁぁぁぁぁ!」 足が焼かれて一歩も動けないが体を無様に揺らして少しでも抵抗しようとするれいむ。 「そんなに子供を産めなくなるの嫌か?」 「いやにきまってるでしょぉぉぉぉぉぉ!?ゆっくりりかいしてねぇぇぇぇぇぇ!」 「なら選ばせてやろう」 「ゆゆ!?えらぶ?なにを?」 「リボン、もみあげ、髪の毛、額(出産機能)、この中から一つ選べ、選んだものは奪わないでおいてやる」 「え、えらばなかったものはどうなるの?」 「もちろん全て奪う、当然だろ?」 「い、いやだぁぁぁぁぁ!れいむにとってぜんぶたいせつなものだよぉぉぉぉぉ!えらべないよぉぉぉぉぉ!」 「選べないなら全部奪う、どうするんだ?」 「ゆるしてくださいぃぃぃぃぃ!おりぼんもかみのけももみあげさんもおちびちゃんもぜんぶたいせつなんですぅぅぅぅぅ!」 「選べないじゃない、選べと言ったんだ、お前の都合なんか関係ない」 「ゆるしてください!なんでもします!うんうんだってよろこんでたべます!しーしーものみます!だかられいむのたいせつなものだけは……!」 「選べないなら全部奪うだけだ」 「ゆぅぅぅぅぅぅ!ゆぅぅぅぅぅぅ!」 選べない、だけど選ばないと自分の大切なものを全て失う。 どうすればいい!?れいむは餡子脳をフル稼動させて考えた。 リボンはれいむ種にとってもっとも大切で自慢のお飾りだ。 もみあげも同じだ、れいむ種最大のチャームポイントで、ぴこぴこ動かして可愛い自分をアピールする最重要部分。 髪の毛もそうだ、まりさ種のように派手なだけで汚れが目立ちやすい金髪とはわけが違う。 サラサラの黒髪は全てのゆっくりを魅了する無敵のチャームポイントだ。 出産機能は言うまでもないだろう。 ダメだ、選べない、どれも自分には大切だ。 「そろそろ時間切れだぞ、答えを聞こうか」 「……えらべないよ」 「あっそ」 結局れいむの出した答えは選べないという事だった。 「んじゃ全部奪うとするか」 「……おにいさん」 「ん?」 男がれいむに手を伸ばした時、れいむが静かに口を開く。 「いくられいむがかわいいからってしっとはみぐるしいよ」 「は?何言ってんの?」 「れいむがあまりにかわいくてゆっくりしてるからおにいさんはしっとしてれいむにいじわるするんでしょ?」 「……」 「れいむ、さいこうにかわいくてゆっくりしててごめんねっ!」 ドヤ顔で宣言するれいむ。 それを聞いた男は…… 「ははははははは!こりゃ傑作だ!やっぱれいむはゴミだな!」 「ゆんぎぃぃぃぃぃ!なにがおかしいんだぁぁぁぁぁ!」 「人間に養ってもらわないと何も出来ない無能のゴミに嫉妬なんてするかよ」 「れいむはごみじゃないぃぃぃぃぃ!むのうとかいうなぁぁぁぁぁ!」 「みょんよりも武器の扱いが下手でちぇんよりも足が遅くぱちゅりーよりも頭が悪くありすよりもぶさいくでまりさよりも弱い すげーよな、ここまで何の特徴もない無能のゆっくりはれいむ種だけだぞ、いや、無能こそがれいむ種最大の特徴か?」 「れいむはぼせいにあふれてこそだてじょうずなんだぞぉぉぉぉぉ!」 「そんなすぐばれる嘘つくなよ、子供を自分がゆっくりするための道具としか見てないくせに」 「ちがうちがうちがうちがうぅぅぅぅぅ!れいむのあいじょうはすべてをつつみこむんだよぉぉぉぉぉ!」 「さっき俺の目の前で赤れいむをあっさり殺してたじゃねーか、赤まりさもゲスと決め付け処分するし。 それにまりさが殺された時、お前は言ったよな?おちびちゃんさえ出来ればまりさは用済みだと。 お前の愛情は全てを包み込むんじゃないのか?え?どうなんだよ」 「あ、あのおちびちゃんやまりさはれいっがい!だよ!あんなげすちびやきたないのらなんかれいむにはふさわしくないんだよ!」 「そうやって自分に都合が悪くなると例外にする、お前の母性や愛情とやらは例外だらけなんだな」 「ゆぐぐぐぐぐぐぐぐ!!」 痛い所を指摘され何も言い返せないれいむ。 ゆっくりの言葉は鳴き声で意味など無い。 それがよく分かる個体だ。 「んじゃお前の全てを奪ってやろう」 ブチン 「ゆ?」 まずはさっきかられいむの感情にあわせてぴこぴこと鬱陶しかったもみあげだ。 男はれいむが反応する前に素早く両方のもみあげを引きちぎる。 「れいむのだれよりもおしゃれでかわいくてふさふさでむてきのもみあげさんがぁぁぁぁぁ!?」 「次はその汚いリボンをバラバラにするよ!」 「やべでぇぇぇぇぇ!それだけはぁぁぁぁぁ!れいむのいちばんのじまんのおりぼんさんだけはぁぁぁぁぁ!」 「そおい!」 「あっ……あああああーーーーー!!そんなぁぁぁぁぁ!?れいむのおりぼんがぁぁぁぁぁ!?いのちよりたいせつなおりぼんがぁぁぁぁぁ!」 「汚物は消毒だぁ!」 「ゆんやぁぁぁぁぁ!?おりぼんさんがもえてるぅぅぅぅぅ!れいむのいのちがもえてるぅぅぅぅぅ!」 バラバラに引き裂いたリボンをホットプレートに落としチャッカマンで火をつけて燃やす。 自分の分身ともいうべきリボンを失ったれいむはもう二度とゆっくりする事は出来ないだろう。 「れいむの……おりぼん……おりぼん……」 「次は汚い髪の毛だ!」 「やべでぇぇぇぇぇ!ぼうやべでぇぇぇぇぇ!これいじょうでいぶがらゆっぐりをどらないでぇぇぇぇぇ!」 「いちいち手で引き抜くのは面倒だな、という事でチャッカマンで燃やそう」 「やべでやべでやべでぇぇぇぇぇ!」 「ファイアー!」 「ぎゃあぁぁぁぁぁ!あづいあづいあづいぃぃぃぃぃ!でいぶのがみのげざんがぼえでるぅぅぅぅぅ!なぐなっでいぐぅぅぅぅぅ!」 「大丈夫!もう完全にハゲ饅頭になったからね!ほら!」 「あああああああああああああああーーーーーーーー!!!」 鏡で自分の惨めな姿を見たれいむは大絶叫を上げる。 「んじゃ最後は額を焼いてフィニッシュだな」 「やべでぐだざいぃぃぃぃぃ!ぞれだげばぁぁぁぁぁ!でいぶおぢびぢゃんうめなぐなるのぜっだいやだぁぁぁぁぁ!」 「……どうしても嫌か?」 「いやだぁぁぁぁぁ!ぞれだげばゆるじでぇぇぇぇぇ!でいぶなんでぼじばずがらぁぁぁぁぁ!」 「何でもと言ったな?その言葉に嘘は無いな?」 「ありばぜん!ぼうでいぶにのごっだのばぞれじがないんでずぅぅぅぅぅ!」 「いいだろう、額だけは焼かないでおいてやる」 「……ゆ?ぼんど?」 「ああ、お前も十分反省しただろうしな、ここらで許してやるよ」 「あ、ありがどうございばずぅぅぅぅぅ!」 涙を流してひたすら男に土下座するれいむ。 「そういえばうんうんとしーしーまみれで体中汚れてたな、洗ってやるよ」 「お、おにいざん……ありがどう……」 男がれいむを持って立ち上がったが…… 「おっと!手が滑った!」 「ゆ?」 男が突然れいむを離した。 一瞬の浮遊感の後、れいむは真下にあった物へ顔面を叩き付けた。 「ゆんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!でいぶのおがおぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 真下にあった灼熱のホットプレートと熱烈なキスをしたれいむは大絶叫を上げる。 「あづいあづいあづいあづいあづいぃぃぃぃぃ!!でいぶのおがおがぁぁぁぁぁぁ!!」 「悪い悪い、つい手が滑っちゃったよ、ゆっくり許してね!それより助けてやらないとな」 必死に顔をホットプレートから離そうともがくれいむに男は手を差し伸べるが…… 「おっと!またしても手が滑ったぁ!」 「ぎゃぁぁぁぁぁ!おぢびぢゃんがぁぁぁぁぁ!でいぶおぢびぢゃんうべなぐなっでいぐぅぅぅぅぅ!」 つい手が滑った男はなんとれいむの額をプレートに強く押し付けてしまった。 額が嫌な音を立てて焦げていく激痛と二度とおちびちゃんが生めなくなった損失感でれいむは喉が潰れんばかりの悲鳴を上げた。 「ごめんごめん!手が滑ったんだ!ゆっくり許してね!」 「あっ……がっ……」 ようやく灼熱のホットプレートから助け出されたれいむ。 だがその顔は無残に焼けただれ片目が熱で破裂し額は真っ黒だ。 まるでゾンビのような顔になったれいむはピクピク痙攣するだけであった。 「おっ、生きてたか、まああっさり死んじゃつまらんからな、せいぜい長く生かしてやるよ」 笑いながら語る男の声をれいむは薄れゆく意識の中でぼんやりと聞いていた。 何故?その疑問がれいむの頭を支配する頃にはれいむの意識は闇へと沈んだ…… -それからしばらく経ったある日- 「よお、今日も楽しいビデオ観賞の時間だぞ」 「もう……やべで……みだぐない……なにもみだぐない……」 れいむはまだ生きていた。 出産機能を完全に破壊され生きる気力をほとんど失ったがまだかろうじて生きていた。 おたべなさいであっさり自殺するかと思われたがホットプレートとキスした時に舌も焼かれたらしく正確に発音出来なくなったらしい。 今はオレンジジュースの点滴を受けてかろうじて生き続けている状態だ。 そんな哀れなれいむに少しでもゆっくりしてもらおうと男が考えたのはビデオ観賞だ。 愛で派向けのDVDを手に入れて幸せなゆっくりの様子を見てもらおうという男の粋な計らいである。 れいむは見るのを拒否するかのように目を閉じるが男が無理やりまぶたを開けて観賞させる。 映像の中では美ゆっくりのれいむとまりさが幸せそうにすりすりしている。 そしてその二匹の周りにはこれまた可愛らしい子ゆっくりが元気に跳ね回っていた。 そんな時だ、一匹の子れいむが転んで泣き出してしまった。 他の子ゆっくり達がだいじょうぶ?ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!と心配そうに声を掛ける。 それでも泣き止まない子れいむだったが母れいむが優しくぺーろぺーろすると落ち着きを取り戻した。 ようやく泣き止んだ子れいむを父まりさが帽子に乗せてたかいたかいをする。 きゃっきゃとはしゃぐ子れいむとそれを微笑ましそうに見つめる母れいむと子ゆっくり達。 そして親子仲良く優しい飼い主の家に帰っていった所で映像は終わった。 「うわっ……いつ見てもすげー映像だよな、俺だったらお飾り奪ってハゲ饅頭にして子ゆっくりから一匹ずつ火の中に放り込むレベルだわ」 「……」 男が苦笑いする横ではれいむが残った片目から大粒の涙を流していた。 不幸のどん底にあるれいむからすれば他ゆんのゆっくりした幸せな生活を見せ付けられるのはかなりのストレスだろう。 それを見た男はいつもの言葉をれいむに送る。 「ねぇ、どんな気持ち?自分はゲスのおちびちゃんしか生めなくて、今どんな気持ち? 短い間とはいえつがいとなったまりさを用済みとあっさり捨てて、今どんな気持ち? お飾りを失い二度と子供を生めない体になって、今どんな気持ち?幸せなゆっくりの家族を見て、今どんな気持ち?」 れいむの心を抉る言葉を何度も言う男の顔はとても晴れやかだ。 「ぼう……やだ……ゆっぐりでぎない……みだぐない……みぜないで……」 「何言ってるんだ?ゆっくりはゆっくりさせないといけないんだろ?あんなにゆっくりした家族を見れてれいむもゆっくり出来るだろ?」 「ゆっぐりでぎない……ぜんぜんゆっぐりでぎない……」 「まあまあ遠慮するなよ、何度でも見せてやるからさ」 「ぼう……ゆるじでぐだざい……おにいざんをうらぎってずびばぜん……ぼうおにいざんにはざがらいばぜんがら……だがらゆるじで……」 「お前のおかげで俺はゆ虐の楽しさが分かったし今はそんなに怒ってないよ、でも……」 「ゆ!?」 「お前とは長く付き合いたいから出来る限り長生きさせてやるよ、だからこれからもよろしくな!」 「あ゛……あ゛……あ゛……」 れいむは理解した。 男はまだ許してくれてない事に。 そしてこの地獄がまだまだ続く事に。 れいむは後悔した。 一時の欲望のために男を裏切った事を。 最初の頃は確かにれいむは素直で善良なゆっくりだった。 だがゆっくりした生活を送るうちにもっとゆっくりしたいという尽きる事のない欲望がれいむを支配していった。 そしていつの間にかれいむはゲス化しどうすればもっとゆっくり出来るか、どうすれば男を上手く操れるかという事ばかり考えるようになった。 こんなゲスは制裁されても仕方ないとれいむは思った。 でも出来る事ならもう一度やり直したい。 そして今度こそ男とおちびちゃんと一緒に幸せな生活を…… だがもう遅い、遅すぎる。 ゲスはとにかく後悔するのが遅すぎるのだ。 「でいぶ……げずでごべんなざいぃぃぃぃぃぃ!!」 れいむの心からの謝罪だが男はいつもの台詞で締めくくる。 「はいはい、ゆっくりゆっくり」
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『子まりさ物語』 13KB 愛で いじめ ギャグ 小ネタ 子ゆ 自然界 人間なし 虐待人間 いつもの小ネタです。 ぽよむ♪ぽよむ♪ぽよむ♪ ゆゆゆん?ゆゆっ?!まりちゃはまりちゃだよ!ゆーっくちしていっちぇね♪ -子まりさ物語- 今日もまりさちゃんが、元気よく草原を跳ねています。 草さんも、お花さんも、太陽さんも、虫さんも、みんなまりさちゃんのお友達です。 ゆっくちー!ゆっくちー!みーんなおともだちなのじぇー!ゆっくちー! 友達に囲まれてニコニコご機嫌のまりさちゃん。 うれしくなって、得意ののーびのーびをしてみせます。 のーびのーびしゅるよ!みんなもいっちょにやろうにぇ!のーび!のーび!たいよーしゃんまで、のーびのーび! 小さな体を一生懸命伸ばして、太陽さんにご挨拶です。 ゆゆぅ?おとーしゃんは、どこにいったのじぇ?ゆーん? 朝のご挨拶が済んで、おうちに戻ったまりさちゃん。 ところがどうした事でしょう。 まりさちゃんの自慢のお父さんが、お家に居ません。 まりさちゃんは寂しくなって、お尻を可愛く振りながら泣き出してしまいます。 ゆびゃぁぁん!ゆびゃぁぁん!おとーしゃん、どこいったのじぇぇぇぇ!まりちゃ、さみちーのじぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁぁん!! まりさちゃんはポロポロと涙を流してお父さんを呼びます。 ですが、お父さんは答えてくれません。 まりさちゃんは小さな家の中を転げまわってゆんゆんと泣きました。 お父さんの臭いのする枯れ草のベットの上で、泣いていたまりさちゃんが起き上がりました。 ゆぅぅ…おとーしゃ………まりちゃ、おとーしゃんをさがしにいくのじぇ!! りりしく眉毛を吊り上げ、得意そうにのけぞって勇ましく宣言します。 これはまりさちゃんの決めポーズ、まりさちゃんの自信の表れなのです。 小さな帽子の中にお弁当のどんぐりを詰め込むと、小さな枝を咥えてお家を飛び出しました。 おとーしゃんは、きっとどこかで、まいごになってるのじぇ!まりちゃがむかえにいってあげるのじぇ!! 勇ましくまりさちゃんが跳ねだすと、草むらの中から蛙さんが現れました。 蛙さんもまりさちゃんと同じようにぴょんぴょんと跳ねます。 ゆゆぅ?かえるしゃん、まりちゃときょーしょーしゅるのじぇ?ゆっへん!まりちゃ、まけないのじぇ! 蛙さんの後を追って、まりさちゃんが跳ねます。 ぴょんぴょんぴょん!ゆんゆんゆん!ゆっくちゆっくち!まりちゃがいっとうしょー!しょーぶは、まりちゃのかちなのじぇ!かえるしゃん、まだまだなのじぇ! 蛙さんに勝ったまりさちゃんは、にっこりと微笑みます。 蛙さんとお別れすると、今度は芋虫さんが現れます。 いもむししゃん、ゆっくちしていっちぇね!まりちゃもずーりずーりするのじぇ! 今度は芋虫さんと一緒に、ずーりずーりと進みます。 まりさちゃんはとても楽しそうに笑っています。 ちょーちょしゃん、こんにちは!こーろぎしゃん、ゆっくちしてるのじぇ!おはなしゃん、ここはどこなのか、おしえてなのじぇ? 周りを見渡せば、まりさちゃんのお友達でいっぱいです。 みんながまりさちゃんの冒険を応援してくれています。 まりさちゃんは大きく深呼吸すると、体をブルブルと震わせました。 まりちゃ、みんなにいーっぱいげんきをもらったのじぇ!かならじゅ、おとーしゃんをみつけてかえってくるのじぇー! まりさちゃんは得意の決めポーズを取って、大空に向かって宣言すると再び元気良く跳ねだしました。 ゆわぁぁ!おおきなかわしゃんなのじぇー!おとーしゃんは、きーっとこのさきにいるのじぇ!そんなきがしゅるのじぇ!まりちゃがそーきめたのじぇ! まりさちゃんの目の前に、小川が広がります。 でもまりさちゃんにとっては、濁流渦巻く大河です。 まりさちゃんは帽子を川に浮かべると、颯爽とその上に乗り込みました。 ゆゆっ!まりちゃは、すいじょーまりちゃだよ!きゅーきょくの、ふぉーむちぇんじなのじぇ! オール代わりの枝を咥えて、得意顔で決めポーズをするまりさちゃん。 ところがオールを咥えながら喋っていたので、オールを川に落としてしまったのです。 ゆんやぁぁぁ?!どーしちぇ、おーるしゃんがなくなってるのじぇぇぇ!いじわりゅはやめちぇよぉぉ!まりちゃのだいぼーけんを、じゃましにゃいでよぉぉぉ!! 何という事でしょう。 まりさちゃんは、そのまま川の流れに乗って下流へと運ばれていきます。 ゆっびゃぁぁぁん!はやいのじぇぇぇ!こわいのじぇぇぇ!かわしゃんがいじめりゅのじぇぇぇ!! 意地悪な川さんが、まりさちゃんをどんどん下流に流していきます。 まりさちゃんは、帽子の上で体をグネグネ動かして必死にバランスを取って難を逃れます。 ところが小川の先は、大きな滝になっていたのです。 ゆゆぅ?!なにありぇ?おみじゅしゃんが、あそこでなくなってるのじぇ? これにはまりさちゃんもびっくりです。 まりさちゃんは、しばらく固まったように動かなくなりました。 ですが意地悪な川さんは、固まったままのまりさちゃんを待ってはくれません。 ごごごごごごごごご! ゆゆぅ?!ゆわぁぁぁぁい!おしょらなのじぇぇぇ!まりちゃは、つばしゃをてにいれたのじぇぇぇぇぇぇ!! 何という事でしょう。 まりさちゃんは、凄まじい勢いで落下する滝に落ちてしまいました。 ですが、まりさちゃんはちっとも怖がる様子を見せません。 流石、えいゆうのお父さんの自慢のまりさちゃんですね。 ゆっぴゅあ!ゆっぷっぷ!あーこわかったのじぇ!ききいっぱつだったのじぇ!でもまりちゃは、むてきのえーゆーだから、こんなのなんともないのじぇ!! 滝から無事生還したまりさちゃんは、勇ましく決めポーズをとります。 ゆわぁぁぁ!おはなしゃんがいっぱいなのじぇー!ここはとーってもすてきなばしょなのじぇ!ここをまりちゃの、ゆっくちぷれいしゅにしゅるのじぇ!! それは一面のお花畑。 蝶々さんをはじめとした虫さん、色とりどりのきのこさんもいっぱい生えています。 その素晴らしい光景に、まりさちゃんは思わず決めポーズをとってゆっくりぷれいす宣言してしまいました。 これで、もうこの場所はまりさちゃんだけのものです。 まりさちゃんはおめめをキラキラと輝かせながら、元気にぴょんぴょん飛び跳ねたり、コロコロ転げまわって遊びます。 するとお花畑の真ん中に、見覚えのある大きな帽子が見えます。 ゆゆぅ?!あのおぼーちは!かっこよくて、おーきくて、とーってもしゅてきなおぼーちは! まりさちゃんは嬉しさのあまり、ブルブルと震えてしまいました。 ゆわぁぁぁぁん!おとーしゃぁぁぁぁ!おとーしゃぁぁぁぁぁぁぁん!さがしたのじぇぇぇぇ!あいたかったのじぇぇぇぇぇ!! 思わず泣いてしまうまりさちゃん。 まりさちゃんは急いでお父さんの元に跳ねていきます。 お父さんは、そんなまりさちゃんを大きなお下げで優しく撫でます。 もー、かってにまいごになったら、だめなのじぇー!おとーしゃん、まりちゃのゆっくちぷれいしゅで、いっしょにゆっくちしゅるのじぇー!! それからまりさちゃんは、お父さんの取ってきたご飯を、まりさちゃんのゆっくりぷれいすで一緒に食べました。 むーちゃ、むーちゃ、しあわしぇぇぇぇぇ!おとーしゃんのごはんしゃんは、せかいいちなのじぇー!ゆっくちー!! まりさちゃんは最高のゆっくりぷれいすで、お父さんと一緒にとても幸せに暮らしたそうです。 おしまい。 -得点映像- 撮影風景より~ 「ゆゆっ!まりちゃはまりちゃなのじぇ!さいこうのあいどるしゃんなのじぇ!しぇかいのみんなが、まりちゃにみとれるのじぇー!!」 「カーット!…ったく、台本通りに喋れって言っただろう?!」 「ゆゆぅ?なにいってるのじぇ?!まりちゃにめーれしゅるのじぇ?!まりちゃをだれだとおってるのじぇ!まりちゃは、とっぷあいどるなのじぇー!!」 台本通りの台詞を喋らないまりさちゃんを、監督が注意します。 ところがまりさちゃんは不満そうにぷくーっと膨らむと、ぴょんぴょん飛び跳ねて監督を威嚇します。 「ヒャァ!なんだこのくそ饅頭は?!こんな腐ったアイドルはいらねぇ!アイドルは消毒されて引退だぁぁぁぁ!!」 ゴォォォォォォォ! 「ゆぎゃばばばぁぁぁぁ?!げっじゅ!ばじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」 まりさちゃんの態度に、演技指導担当のお兄さんが怒ってしまいました。 お兄さんはどこからか小型のバーナーを持ってくると、あっという間にまりさちゃんをBBQにしてしまいました。 まりさちゃんは真っ黒コゲになってしまい、代役に変わってもらう事になりました。 まりさちゃん、ちゃんと台本通りにやってくださいね。 「いやなのじゃー!どーしちぇ、ぴょんぴょんしないとだめなのじゃー?!まりしゃ、おひるねしたいのじゃー!!」 「おい!何が『じゃー』だ?!ついでに、『まりしゃ』じゃなくて、『まりちゃ』だって言ってるだろ?」 「うるしゃいのじゃー!まりしゃは、まりしゃなのじゃー!ぷんぷんなのじゃー!ぷんぷんしゅるのじゃー!」 このまりさちゃんも、台本通り動いてくれないようです。 まりさちゃん役に選ばれた子は、どの子もみんな気ままなので大変です。 「ひゃぁぁぁぁ!じゃーじゃーうるせぇぇぇ!!さっさと飛び跳ねろって言ってるだろぉぉぉ?!!」 ドカツ! 「ゆっびゃぁぁぁぁ!おちりがいたいのじゃぁぁぁ!やめるのじゃぁぁぁぁ!!」 またもや演技指導のお兄さんの、愛の指導が入りました。 まりさちゃんは、お尻を蹴られてゆんゆんと泣きながら跳ね回ります。 「ほらみろ!やれば出来るじゃねぇか!この根性無しが!ほら、もっと跳ねろ!おどれおどれ!」 パンパンパンパンパン! 「ゆっちゃい!ゆんやぁぁぁ!やめるのじゃぁぁぁ!がじゅ?!じょばばばばっ!」 演技指導に熱が入りすぎたお兄さん。 今度はエアガンを取り出して、まりさちゃんの足元を狙います。 まりさちゃんは慌てながらも、上手にぴょんぴょん飛び跳ねます。 ですがうっかり玉が当たってしまったので、さあ大変です。 動けなくなったまりさちゃんは、そのまま蜂の巣になってしまいました。 これにはスタッフ一同も苦笑い。 再起不能になったまりさちゃんは、代役に交代です。 「ゆえーんゆえーん、かなしいのじぇー」 「だめだだめだ!台詞が棒読みだろ?!ったく、使えねぇやつだな!よし、あれをもってこい!」 「ゆぅぅ?!なにこりぇぇぇぇぇぇ?!」 悲しみの演技が上手く出来ないまりさちゃん。 そこで演技指導のお兄さんは、秘密兵器を用意します。 まりさちゃんは、お兄さんが用意した秘密兵器を見てびっくりしました。 「あぁ?!見りゃわかるだろ?!お前の親だ!ゴミだよ!ちょっと叩いたら、惨めに潰れやがったんだよ!」 「ゆあぁぁ…ぁ…ぁ…ぞんな…ゆびゃぁぁぁぁぁん!ゆびゃぁぁぁぁん!おどーしゃぁぁぁぁぁ!どぼじでぇぇぇぇぇぇ!!」 「はははっ!そうだそうだ!その顔だ!その声だ!いい演技するじゃねぇか!もっと泣け!もっと叫べぇぇぇ!」 まりさちゃんは、全身を震わせてポロポロと涙を零しながら叫びました。 これにはお兄さんも監督も大満足。 迫真の演技でまりさちゃんは褒められました。 良かったですね、まりさちゃん。 「ゆわぁぁ!むししゃんがいっぱいなのじぇ!おはなしゃんもいーっぱいなのじぇ!みんなまりちゃに、むーちゃむーちゃしてほちくて、はえてきたのじぇ?!」 「何言ってやがる、この能無しめ!勝手に共演者食おうとしてるんじゃねえよ!」 「ゆっぷくぷー!これはまりちゃのごはんなのじぇ!そーきまってるのじぇ!そんなこともしらないのじぇ?!おまえはばかなのじぇー!!」 共演者の虫さんやお花さんを食べようとしたまりさちゃん。 さっそく注意されますが、まりさちゃんも負けてはいません。 お兄さんを睨みながら、膨らんで抗議します。 「ヒャア!我慢できねぇ!食われるのはてめぇだ!自然の厳しさを、その身で味わってこいや!!」 「ゆっしゃぁぁぁい?!まりちゃはおしょらのながれぼしぃぃ!! 『ドカッ!』 ゆじゃっぶ!」 何という事でしょう。 怒ったお兄さんが、まりさちゃんを捕まえてボールの様に投げてしまいました。 まりさちゃんは勢い良く飛んでいくと、スズメバチさんの巣にぶつかってしまいました。 「ゆびびっ!ぎぎぃ!ゆびゃぁぁぁん!まりちゃのおかおがいたのじぇぇぇ!すたーのかおに、きずがついたのじぇぇぇぇ!!」 ガチガチガチガチ!ブブブ… 巣にぶつかったまりさちゃんのほっぺが、真っ赤に腫れ上がってしまいました。 まりさちゃんは痛くて悲しくて、ゆんゆんと泣いてしまいます。 そんなまりさちゃんの周りに、怖くて強いスズメバチさんが沢山集まってきます。 「ゆびゃ!いちゃ!なにこりぇ?!やめちぇ!ゆぎぃ!ゆぎゃ!ちくちくいちゃいぃぃ!まりちゃをかまにゃいでよぉぉ!!」 スズメバチさんは容赦なく、まりさちゃんを刺し、噛み付きます。 まりさちゃんは痛みに転げまわりますが、スズメバチさんは一向に攻撃の手を休めません。 そればかりか強力なあごでまりさちゃんを噛み千切ると、そのまま起用にお団子を作り始めました。 「ゆびががぎぎぃぃ!だじゅげでぇぇぇ!までぃぢゃ、いだくでぢんじゃうのじぇぇぇぇぇ!!」 ボロボロになりながら必死に助けを求めるまりさちゃん。 ですが既にスタッフは避難しており、残されているのはカメラだけでした。 やがてまりさちゃんは大きく身震いすると、そのまま動かなくなりました。 思わぬハプニングで撮影は一時中止。 まるでネイチャードキュメンタリーのようになってしまいました。 この後まりさちゃんは、スズメバチさんが美味しく頂きました。 「ゆんやぁぁぁ!おみじゅしゃん、こわいのじぇぇぇぇ!まりちゃは、およげないのじぇぇぇぇ!!」 小川に浮かべられて泣き叫ぶまりさちゃん。 どうやらこのまりさちゃんは、水上まりさ経験がないようです。 「ゆっびぃぃぃ!こわいのじぇぇぇぇ!まりちゃ、おうちにかえ 『ドボンッ!』 ゆごぼげぇぇ?!」 お水が怖くなったまりさちゃんは、何処かに逃げようとお尻をブリブリと振りました。 ところがそのせいで大きくバランスを崩し、そのまま川の中に落ちてしまいました。 「またかよ…次のやつ用意しろ」 「ゆっぴぃぃぃ!まりちゃ、かわしゃんきらいなのじぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁ!!」 川に落ちらまりさちゃんはそのまま放置され、次のまりさちゃんがやってきます。 このまりさちゃんも、川を見た途端に泣き出してしまいます。 「ゆびゃぁぁぁん!おみじゅしゃん、あっちいっちぇよぉぉぉ!どーしちぇいじわりゅしゅるの 『ポチャン!』 ゆべげぼぼぉ?!」 帽子のお船に乗ったまりさちゃんは、おさげでお水を追い払おうとします。 ですが身を乗り出したと思ったら、そのまま川に落ちてしまいました。 まりさちゃんは苦しそうに顔をゆがめて、そのまま流れて行きました。 この様に、川での撮影は危険がいっぱいです。 ですが沢山のまりさちゃんが、命がけでがっばってくれまし。 「ゆっびゃぁぁぁぁぁ?!まりちゃ、おみじゅしゃんといっしょに、おしょらをぉぉぉぉぉ?!」 「ゆっぎょぉぉ?!まりちゃの、ゆっくちはつひこうなのじぇぇぇぇぇ?!」 「まりちゃはおしょらのぷりんせしゅぅぅぅぅ!!」 次々と滝から落下していくまりさちゃん達。 落ちる時の姿勢や表情がイマイチ決まらず、何度も撮影をやり直したシーンです。 「いやなのじぇぇぇ!こわいのじぇぇぇぇ!ゆんやぁぁぁぁ!!まりちゃは、おしょらをとぶためにうまれちぇきたのじぇぇぇぇ!!」 「おとーしゃぁぁぁ!たすけちぇよぉぉぉぉ!!ついにおしょらは、まりちゃをうけいれたのじぇぇぇぇぇ!!」 この危険な撮影に、勇敢な沢山のまりさちゃんが挑んでくれました。 なお、川と滝の撮影に出演したまりさちゃん達は、川のお魚さん達が美味しく頂きました。 -監督インタビュー- 最後まで見てくれてありがとう。 いやー、見た目以上にハードな作品だったよ。 主役のまりさも倒れたけど、スタッフもストレスで沢山倒れたよ。 僕も胃に穴が開きそうだったくらいだからね、ははは。 一番危険な撮影だったのは、本編じゃないけどスズメバチかな。 まりさが巣にぶち当たった時は、慌てて逃げたね。 偶然映像が取れてたのが本当奇跡だよ。 実はあの裏で、控えのまりさが5匹死んでいたんだ。 え?撮影で使ったまりさの数かい? さあ、100匹くらいはこちらからもって行ったんだけどね。 結局足りなくなって、現地調達する羽目になったんだ。 でも偶然近くにゆっくりの群があって助かったよ。 あぁ、ラストシーンかい? あれはあえて見ている人にいろんな風に解釈できるようにしたのさ。 現実でゆっくりぷれいすを手に入れたのか、天国のゆっくりぷれいすなのかは見ていた貴方が決めれば良い事さ。 演技指導の彼は、あれは死ぬ間際に見た幻だって喜んでたよ。 はははっ、そういう見方もあったんだね。 最後にもう一度、この作品を見てくれてありがとう。 END 徒然あき
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『鉢植えまりさ』 17KB いじめ 小ネタ 野良ゆ 子ゆ 虐待人間 いつもの小ネタです。 「ゆがが…だじで…ごべんなざ…ゆるじで……」 庭からガラガラ声が聞こえてくる。 どうやらアイツが、外その寒さで目を覚ましたらしい。 俺は如雨露に水を入れると、そこに少量の砂糖を入れてかき混ぜる。 「おい、朝飯だぞ!今日も一日、生きている事に感謝して味あわえ!」 「ゆぎぎ…ぼうやだ…おうじにがえじ……?!じゅぶぶぶぶ!づべだい!づべだい!ゆっびぃぃぃぃ!!」 俺は庭に出ると、早速声の主に如雨露の中の砂糖水をかける。 蛇口から出した水とはいえ、この季節の水は冷たい。 まりさはガタガタと震えながら、水を被らないように必死に体をグネグネと動かす。 だが、その半身はしっかりと植木鉢にねじ込まれている為、幾らもがいても水から逃れる事は出来なかった。 まりさはポロポロと涙をこぼし、悲しそうな目で俺を見つめる。 何故このまりさが鉢植えに入っているのか。 事の発端は一週間ほど前の事である。 「ゆっふっふ!どうなんだぜ!おとーさんは、さいきょうなんだぜ?つよいんだぜ!びくとりーなんだぜ!!」 「ゆわぁぁぁぁ!おとーしゃん、かっこいい!つよーい!しゅてきなのじぇぇぇぇ!!」 買い物から帰ってくると、庭から不快な声が聞こえて来た。 慌てて見に行ってみると、薄汚いゆっくりの親子が鉢植えをひっくり返しており、その上で得意そうに踏ん反り返っていた。 家の方は厳重に戸締りをしておいたので問題ななかったが、たまには日の光を当てようと思って外に出しておいた観葉植物が野良の親子に食べられていたのだった。 「ゆっぺっぺ!まずいのじぇー!くさいのじぇー!こんなの、たべられないのじぇー!!」 「ゆっがー!なんなんだぜ、このくささんはー!まりささまを、ばかしにているんだぜ?!ゆるせないんだぜ!!」 「許せんのはてめぇだよ!」 ドカッ! 「ゆっごぉぉぉぉぉん?!」 俺はえらそうに仰け反っていた親まりさの顔を、思いっきり蹴り飛ばした。 親まりさは勢い良く吹っ飛ぶと、物置の壁に頭を打ち付けて地面に落下する。 「ゆっがぁぁぁぁ!いだいぃぃぃぃ!までぃざのぷにぷにぽっべががぁぁぁ!あたまがいだいぃぃぃぃ!!」 「ゆわ……ぁ……おとーしゃ…?」 親まりさは顔を上げるとすぐに、情けない顔で大声を上げて泣き始める。 それを見ていた子まりさは、両目をまん丸に見開いて動けなくなる。 親まりさがあんなに吹っ飛んだのを見るのは、おそらく初めてだったのだろう。 「ゆぎぃぃ!ぐぞにんげんがぁぁぁ!!ゆるざない!ゆるざないんだぜぇぇぇぇ!!」 大きく身震いした親まりさはお下げで涙を拭うと、俺の方に向かって元気に跳ねてくる。 体当たりでも仕掛けてくるつもりなのだろうが、俺はそこにカウンターの蹴りを一発くれてやる。 「ゆがべっ?!」 「ゆひっ?!おとーしゃ………!!」 再び宙を舞った親まりさは顔面から地面に着地すると、そのままガタガタと痙攣して大人しくなる。 その様子を目で追っていた子まりさは、慌てて親まりさの元に跳ねていく。 そして泣きながら親まりさの体をぺろぺろと舐め始める。 「おとーしゃん!ゆっくち!ゆっくちしちぇよぉぉぉ!ゆびゃぁぁぁ! 『ポスッ!』 ゆっぴぃぃぃぃ!!」 俺はそんな子まりさを足で軽く蹴飛ばして退かし、親まりさのお下げを掴んで持ち上げる。 親まりさは白目を剥いて気絶していたが、俺がビンタを数発食らわせると意識を取り戻した。 「ゆうぅぅ…ぎぎ…ぎ…ぐぞにんげ…ん…のぐぜに…ゆがが…ぜいざいじ…でやる…ぜいざいじで…」 親まりさは両目をぐるぐる回して涙を流しながらも、俺を睨みつけながらそう呟いた。 「なるほど…『せいさい』ね…それならお前にも、『制裁』が必要だよな?」 そう、この親まりさの「せいさい」という言葉で思いついた。 こいつ等、野良親子に相応しい制裁を。 こうして出来上がったのがこの鉢植えまりさである。 死なない程度にぼこぼこに痛めつけた親まりさに、こいつ等が駄目にした鉢植えの代わりになってもらう事にしたのだが、それには一つ問題があった。 ゆっくりの鳴き声は非常に五月蝿いのだ。 そこで俺は、この親まりさの口の中をガスバーナーで焼く事にした。 親まりさはバーナーで口の中を焼かれると、白目を剥いて気絶してしまった。 親まりさはその時のショックで、髪の毛の一部が真っ白になる等面白い事が怒ったりもした。 だがそのおかげで、ゆっくりの特有である高くて大きな声は失われ、ガラガラに掠れた声でぼそぼそしか喋れなくなった親まりさ。 声を出すのも痛いらしいのだが、そこはゆっくり。 無駄に喋る、無駄に騒ぐ五月蝿い生物。 習性に従い、今の自分の置かれた状況や心情、俺に対する謝罪や後悔をあれこれと呟いては苦しんでいる。 こうして出来上がった口焼きまりさを、特注の植木鉢に無理やりねじ込んで鉢植えまりさの完成だ。 この植木鉢の方は特注で、加工所の知り合いに作ってもらった物を使っている。 透明な箱と同じ素材で出来ており、密閉すれば完全防音になるという特殊な物だ。 全体が透明になっており、中が見えるようになっているこの植木鉢。 中にはこの親まりさの子である、子まりさが入っている。 子まりさは俺を見る度に必死に口をパクパクと動かしているが、親まりさの蓋で密閉された空間からは音が一切聞こえてこない。 まあ、どうせろくな事を喋ってないだろからどうでも良い。 最近では必死に頭を下げるように体を動かし、涙を流しながら俺に何かを訴える。 親まりさには子まりさの声が聞えているらしく、親まりさは子まりさが涙目で叫んでいるのを聞いては一緒に涙を流している。 親まりさに砂糖水をかけ終わると、今度は二日に一度与えている餌をやる。 俺が「それ」を持ってくるのを見た親まりさは悲しそうな目で俺を見上げる そしてまるで子供が駄々をこねるかの様に、いやいやと身をよじる。 俺はそんな親まりさの口の中に数日分の生ゴミと、犬を飼っている友人から貰った犬の糞を詰め込んでいく。 口は開かぬように、無理やりガムテープで固定する。 ぶごー!ふぼー!ぶぶぶぶ!ぶごごご!ぶぼぉぉぉぉぉぉ! まるで調子の悪い掃除機が、必死に稼動しているかのような音を出す親まりさ。 両目からダラダラと涙を流し、ガタガタと振るえて顔をしかめる。 子まりさもそんな親まりさの様子に気が付いたらしく、涙目で親まりさの底部を眺めては何かを叫んでいるようだ。 俺は更に親まりさのこめかみ辺りに、コンポスト用ゆっくりに用いられる食欲増進剤を注射する。 親まりさは突然両目を見開くと、全身からダラダラと変な汗を流し始める。 続いて注射器の刺し痕に、植物用の肥料アンプルを差し込んでやる。 しばらくすると親まりさは、両目を血走らせてお下げをブンブンと振り回し始めた。 ゆっくりは食べた物を何でも餡子に変換してしまう、不可解な能力を持っている。 だがゆっくりが食べ物と認識している物と、そうでない物では変換速度に違いが現れる事が知られている。 コンポストゆっくりも、生ゴミを食料と認識するまでは、餡子の変換率が悪いのだ。 場合によっては食事をしているにも拘らず、無駄に体力をすり減らして最後には死んでしまう例もある。 そこで食欲増進剤と植物用肥料を組み合わせて使い、餡子の変換率を上げてやるのだ。 あえてオレンジジュースを使わないのは、こちらの方がゆっくりの反応が良いからだ。 肥料はオレンジジュースの様な、「あまあま」ではないらしい。 アンプルを親まりさの目の前でちらつかせるだけで、まるで注射を嫌がる子供の様な反応を見せてくれる。 アンプルが刺さっている間も両目をぐるぐる回したり、お下げを鞭の様に振り回したりして苦しんでいる。 それが面白くて肥料アンプルを使うようにしているのだ。 親まりさに生ゴミとアンプルを与えてから一時間ほど経った。 親まりさが居心地悪そうに、ウネウネと体をくねらせ始める。 鉢の中の子まりさも何かに気が付いたようで、慌てて鉢の淵に身を寄せる。 しばらくすると、親まりさの底部が一部隆起し始める。 すると子まりさは、狂ったように鉢の中を跳ね回り、俺の方を見て口をパクパクと動かす。 親まりさは苦しそうに顔をしかめ、何かを我慢するかのように力を入れ始める。 俺はそんな親まりさの緊張を解す為に、一言声をかけてやる。 「ゆっくりしていってね!」 その途端、親まりさはりりしく眉毛を吊り上げて、塞がれた口をモゴモゴと動かす。 ぼっぼぶぶごごごぉぉ!! 見事に緊張が解れて、満足そうに微笑む親まりさ。 そして何かを思い出したかのようにポロポロと涙をこぼす。 盛り上がった親まりさの底部からは、お汁粉のようなうんうんが子まりさのいる鉢の内部に押し寄せていた。 子まりさはうんうんまみれになりながら、苦しそうに顔をしかめる。 必死に吐き気を抑えようと口を硬く閉じるが、それも長くは持たない。 そして耐え切れなくなった子まりさは、泣きながら少量の餡子を吐き出すと、お汁粉うんうんに身を沈めるように横たわる。 親まりさのうんうんを浴びせられるのは今回で三度目なのだが、流石にまだまだ慣れないのだろう。 思わず噴き出してしまう俺を、親まりさは真っ赤な顔で悔しそうに睨み付ける。 「何だ?お前が悪いんだろ?子供にうんうんを浴びせるなんて、最低のクズゆっくりだな」 俺の言葉を聞いた親まりさは俺から目をそらし、恥ずかしそうな顔で唸り始める。 俺はそんな親まりさを無視して、一旦家の中に戻る。 これで餌の時間は終わり。 後は腹を空かせた子まりさが、餌のお汁子うんうんを食べるだけ。 まあ子まりさは、親まりさのうんうんしか食べる物がないので、定期的に親まりさに材料を食わせてやる必要があるのだ。 しばらく経ってから子まりさの様子を見に行ってみると、子まりさは泣きながら親まりさのお汁粉うんうんをペロペロと舐めていた。 その臭いや味、今の心情などの実況を、親まりさは聞かされているのだろう。 親まりさも子まりさ同様に、悲しそうな顔で涙を流している。 俺が鉢の中をワザとらしく覗き込むと、途端に顔を真っ赤にして悔しそうに俺を睨む子まりさ。 それでも腹が減っているらしく、顔をしかめながら親まりさのうんうんを舐める。 「この子まりさ凄いよ!流石うんうんまりさの子供だね!うんうんまりさのうんうんを全て食べるつもりだ!!」 俺の言葉を聞いて、悔しそうに涙ぐむ親まりさ。 俺を睨んで何か言いたそうに口をモゴモゴと動かしていたので、俺は口に貼っていたガムテープを剥がしてやった。 「ゆぐぅぅぅぅ!ゆぐぅぅぅぅ!ごのぐぞにんげんがぁぁぁ!!ゆぶざないんだぜぇぇ!ぜいざいじでやるぅぅ!ぜいざいじでやるぅぅ!!」 ガラガラな声を張り上げて、親まりさがお下げをブンブンと振り回す。 「仕方ないだろ、本当の事だ。お前等はゴミでうんうんなんだよ!証拠を見せてやろうか?」 俺はそう言うと捨てる予定だった生ゴミと、親まりさ用の犬のうんうんを再び口の中に放り込んでやる。 そして朝と同じようにガムテープで口を塞ぐ。 ぶぶぶぅぅぅん!ごごご!ぶっごぉぉぉぉぉぉ!! 親まりさは朝と同じように、両目を飛び出さんばかりに見開くと、唸りながら体を振るわせる。 俺はそんな親まりさの額一本のチューブを差すと、そのまま中身を搾り出して親まりさの体内に注入していく。 ぶっび?!ぶびぃぃぃ!ごぼぼぼぼぼ!ぼぼぼ!ごぼぉぉぉぉぉうううう!! 親まりさは全身から変な汗を滴らせると、むず痒そうにうねうねと体をくねらせる。 それから一分も経たない内に、チューブの刺さった額の周囲から二本の茎がにょろにょろと伸びてくる。 親まりさは驚きながらその様子をじっと見守るが、急に悲しそうに顔をしかめる。 実に覚えのない子が出来たのが悲しかったのだろうか。 しばらくすると、親まりさの顔色がだんだん悪くなる。 茎に自身の餡子を吸われ始めたのだろう。 親まりさは苦しそうに顔を歪めると、苦虫を潰したような顔で口の中の汚物を咀嚼し始める。 そしてしばらくすると、茎には小さな球体が実り始める。 球体には次第に髪や帽子が形成させていき、あっという間に幸せそうに眠る実ゆっくりが完成する。 俺が額に刺したのは、ゆっくりの精子餡、それもまりさ種の物だ。 れいむ種は自分そっくりの赤ゆを優先的に可愛がる傾向があるので、それに習いこの親まりさにも自分と同じ種族だけを実らせてやったのだ。 「あれれ?おとーしゃんなのに、妊娠したの?気持ち悪ぃ!れいぽぅされたのか?見境なしのゴミクソ饅頭だな!」 俺の言葉に反応し、顔を真っ赤にしながら俺を睨む親まりさ。 それとは対照的に、幸せそうに目を閉じて揺れている実ゆっくり達。 怒っていた親まりさだが、そんな幸せそうな実ゆっくりに気が付き急に笑顔になる。 「なんだ、それが可愛いのか?でも、良く考えてみろよ。それはお前が食べたゴミや犬のうんうんの栄養で大きくなったんだぞ?」 そう言われて急に目を丸くする親まりさ。 「言ってる意味がわからんか?だからそれは、ゴミとうんうんから出来た、正真正銘のゴミクソまりさなんだよ!わかったか?お前等はゴミとクソの塊なんだよ!」 親まりさは目を点にして思考停止する。 そして全てを理解し終えると、引きつった顔で涙を流す。 「ほら見てみろ。可愛いか、お前のゴミうんうんおちびは?」 俺は一匹の実まりさを軽く摘むと、その表情が良く見えるように親まりさの方に顔を向ける。 実まりさは両頬を指で押さえられているのが嫌なのか、少し顔をしかめて居心地悪そうに体を振るわせる。 親まりさはそんな実まりさの様子を見て、俺に目で何かを訴える。 「あぁ、そうか。やっぱり可愛くないのか。じゃあ、潰すぞ!」 プチッ! ほんの少し力をかけただけで、実まりさは餡子を飛び散らせて爆ぜた。 茎からは親まりさの涙のように、ポロポロと餡子が滴り落ちる。 ぶおぉぉぉ!ぶぉぉぉぉぉぉ!ぶおぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!! 親まりさは身を震わせながら、悲しそうな唸り声を上げる。 「なんだ、そんなにうれしかったのか?じゃあ、次ぎいってみるか?」 俺はもう一匹の実まりさを摘んで親まりさに見せると、その底部を鋏で切り落とした。 ぴー! 実まりさの悲鳴だろうか。 高い音が響くと切り取られた底部から餡が滴り始め、実まりさは顔をゆがめて小さな涙をポロポロとこぼす。 次第に顔色が悪くなっていき、ガタガタと震え始める実まりさ。 ぴーーーー!! そしてもう一度高い音を出すと、大きく震えて動かなくなる。 ぶごぉぉぉぉぉぉ!ごぼぉぉぉぉぉぉん!ごぼぼぉぉぉぉぉん!! 親まりさもそれに答えるように唸り声を上げると、涙を流しながら悔しそうに目を閉じる。 俺はそんな親まりさの片目を無理やり開けさせると、更にもう一匹の実まりさを指で摘む。 その瞬間親まりさはカッと両目を見開いて、憎しみを込めた目で俺を睨む。 だが睨むだけで何かが変る訳もない。 ぴっ! 俺は摘んだ実まりさを優しくもぎ取ると、手に乗せて親まりさに見せてやる。 実まりさは高い音を出すと、苦しそうな表情で涙をポロポロとこぼした。 そして小さく震えると、あっという間に黒く変色してしまう。 ぶっ!ぶぼおぉぉぉぉぉぉぉぉん!ごぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん! 俺は黒くなった実まりさを、親まりさの頬に押し当てそのまま潰す。 親まりさは身を震わせて、大きな唸り声を上げる。 少し五月蝿いと思った俺は、庭に置いてあるシャベルで親まりさの頭を殴る。 がびぃぃ?! 親まりさはショックで気絶すると、白目をむいて大人しくなった。 死んだかと思ったが、実まりさは何事もなかったかのように揺れているので問題ないだろう。 実まりさはまだまだいるので、もうしばらくこれで遊ぶ事が出来る。 「むにゃむにゃ…かわいーまりちゃが、せかいにしゅふくふくされちぇ、いまたんじょーしゅるのじぇ!」 茎に実った実まりさが、寝言のように誕生宣言をする。 目を瞑ったままではあるが、とても幸せそうに微笑むと、ふるふると自ら体を揺らし始める。 「ゆっくちみんなでおいわいしちぇね!まりちゃ、いまきぼーのせかいにたび 『ゴォォォォォォォォ!!』 ゆびゃぶ?!」 両目をカッと見開いて、得意そうに眉毛を吊り上げる実まりさ。 その瞬間にガスバーナーの炎を浴びて、一瞬で黒焦げになる。 自信たっぷりだったその表情は、白目を剥いて苦しそうに歯を食いしばったまま固まっている。 髪の毛もお下げも全て焼け落ち、燃えカスになった帽子も崩れ落ちるが、それも辛うじて実まりさは茎についていた。 だがすぐに風が茎を揺らし、実まりさの燃えカスを地面に落とす。 地面に落ちた実まりさの焦げた皮が崩れ落ちると、乾燥した餡子が顔を出す。 「ゆが…が…ぶごぉぉぉぉぉ!…おぉ……お…ぉ……」 一部始終を見ていた親まりさは、全身を震わせながらガラガラ声で叫ぶ。 鉢の中から様子をうかがっていた子まりさも、両目を見開いて涙をこぼす。 これが最後に残った実まりさの末路。 茎には生まれる前に死んでいった実まりさ達が連なったままになっている。 両目とあにゃる、まむまむに爪楊枝を刺されたまま死んでいる実まりさ。 七味唐辛子とコショウを振りかけられて、苦悶の表情のまま黒くなっている実まりさ。 口から精子餡を注入されて、額から細い茎を何本も生やしたまま黒くなった実まりさ。 それらが風に吹かれて揺れている。 「ぼうやだ…じにだい…ゆっぐじじだい…ゆっぐじ…ゆっぐじ…やだ…やだよぉぉ…ゆっぐじ…ゆっぐじぃぃぃ!!」 カラカラに乾いた虚ろな目で、俺を見てボソボソと呟く親まりさ。 子まりさにもその声が聞こえたのか、ブリブリと体をくねらせながら親まりさの底部を眺めて何かを叫んでいるようだ。 「そんな寂しこと言うなよ。そしたらこの子まりさはどうやって飯食うんだ?お前のうんうんが頼みだってのに」 「ぞんなの…ぼう、どうでもいいがら…までぃざをゆっぐじざぜでぇぇ…ゆっぐじざぜでよぉぉぉ…ゆっぐじじだいよぉぉぉ…」 枯れ果てたはずの涙が溢れ出し、唸るように俺に訴える親まりさ。 子まりさはそんな親まりさの叫びを聞いて、両目をまん丸に見開いて動かなくなる。 そして涙をポロポロと零すと、ガタガタと震えだした。 「わかった、じゃあ特別にゆっくりさせてやろう!」 俺はそう言うと、精子餡のチューブを親まりさのこめかみに突き刺し、そのまま中身を全て搾り出す。 そして実まりさの死体が連なる茎をへし折り、生ゴミや土と一緒に親まりさの口の中に放り込む。 口はしっかりとガムテープで閉じ、肥料アンプルを反対のこめかみに突き刺してしばらく放置する。 ぶぼぉぉぉぉ!うぶぉぉぉぉぉぉん!ごぼぉぉぉぉぉぉぉぉん!! あっという間に額に三本に茎が生え、急激に餡を吸われる苦痛に顔を歪める親まりさ。 この苦痛を少しでも和らげようとしているのか、口の中の物を大急ぎで咀嚼しだす。 死にたいと言っていたくせにこの様だ。 子まりさは親まりさが苦しんでいるのもまったく気する様子もなく、先程から顔を伏せるようにして泣いている。 親まりさが苦しみのあまりうんうんを漏らすが、それが頭に落ちてたのにも気が付かない。 今回の事がよほどショックだった様だ。 ふと親まりさに視線を戻すと、もうすでに額には小さな実まりさが実っている。 どの実まりさも、親まりさの苦労など知らぬといったような顔で、幸せそうに微笑みながら風に揺れている。 その様子を見ていた親まりさも、少し顔を綻ばせる。 俺はそんな実まりさ達に、クリスマス用に売られている電飾のLEDをあにゃるやまむまむ、口や目の中に押し込んでいく。 ぴー!ぴぴー!ぴっ!ぴっぴー! 実まりさは目を瞑りながらも苦しそうに顔をゆがめたり、ポロポロと涙をこぼして身を震わせたりする。 ぶおぉぉぉぉ!ごおぉぉぉん!ぶぼぼぼぼぼ!ぶぼぉぉぉぉ!! 親まりさは実まりさ達を眺めながら涙をこぼし、グネグネと体をくねらせて唸りだす。 子まりさの事はどうでも言っていたくせに、実まりさの事は気になるらしい。 俺は実まりさにLEDを詰め込み終わると、早速電気を通してみる。 LEDの電飾はその光で実まりさの薄皮を透かし、色とりどりの光を放って輝きだす。 これには親まりさも驚いたようで、涙を溢れさせながら目を白黒させている。 「な、綺麗だろ?とってもゆっくり出来るだろ?」 親まりさは光を放つ実まりさを見て、唖然とした表情のまま固まっていた。 ぴー!ぴー!ぴぴっ!ぴー! 夜の闇にキラキラと光りながら、小さな音を出す実まりさ達。 この冬の寒さにも負けず、元気に身を震わせて揺れる小さな命の光。 普通ならばこの寒さで実まりさは死んでいただろう。 だがLEDの出すわずかな熱と、自ら動く事で体温が奪われずにすんでいる。 その分体力の消費も激しいようだが、消費した分だけ親まりさから餡子をすっているから問題ないだろう。 念のため親まりさには生ゴミを追加しておいたが、親まりさは少し青い顔をしてガタガタと震えている。 寒さのせいか、餡を吸われているせいかはしらないが、そんな状態でも実まりさを眺めて涙をこぼす余裕はあるようだ。 その小さな光に子まりさも気が付いたようで、虚ろな目で実まりさを見上げては引きつった笑みを浮かべて体を揺らしている。 予想外の結果に満足した俺も、しばらくその光を眺めて楽しむ事にする。 このイルミネーションは実まりさが死ぬまで続けようと思う。 完 徒然あき
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注意書 *相変わらず駄文です。 *誤字脱字があるかも知れませんがご容赦を *一部のゆっくりが漢字を使います。 *人間がちょっとだけ酷い目にあいます *anko1826『殴る』の続きになります。 *3作目になります、生温かい目で見守ってください。 ピンポーン 「お姉さん、お客さんお客さん」 「ん?先輩っスね、きめぇ丸お出迎えお願いっス」 「おお、お迎えお迎え」 ドアの向こうから後輩とその飼いゆの声が聞こえてくる 前回のお家宣言被害の後、会社でそれをネタに雑談していると後輩がゆっくり用の忌避剤を分けてくれる言う そんな訳で会社の休みに後輩の家に訪れたのはいいのだが。 「おお、お兄さん、いらっしゃいいらっしゃ・・・」 「悪い、タオル貸してくれ」 「きめぇ丸?先輩?いつまで玄関に居るんっスか?」 「お姉さん、お兄さんが・・・・・」 「うわ、先輩なんでそんなに汚いんっスか」 「いや、それがな・・・・」 『蹴る』 忌避剤を貰う為に出掛ける用意をしていたのだが家を出るにはかなり時間に余裕が出来てしまった。 後輩の家までは自転車で20分ほど掛るのだが約束は10時、そして今は9時だ 準備が整ってしまったので今更家で時間を潰すのもアレなので自転車ではなく徒歩で向かうことにした。 徒歩でなら40~50分位は掛かるがたまには奴らの言う『ゆっくり』を体感するものいいだろう。 「そう言えば、あの時のゆっくりは群れで一番強いとか言ってたけどこの辺りにも本格的にゆっくりが入ってきたのか」 周囲を田んぼと畑、山に囲まれゆっくりが住み着くには十分な環境が揃っている事を再確認し これからのゆっくりへの対策を考えつつ、山の新緑を楽しみながら歩いていくと茂みから何かが飛び出してきた。 「ゆっへん、ここはまりささまのみちなのぜ!とおしてほしかったらあまあまをよこすのぜ!!」 「は?」 「ゆへへ、まりささまはむれでいちばんつよいのぜ!さからわないほうがいいのぜ」 目の前に現れたゆっくりまりさは定番の挨拶である『ゆっくりしていってね』すらなく山賊まがいの要求を突きつけてきたのだ。 ただ歩いているのにも飽きて来てた所に丁度いい、少し時間潰しに協力して貰おう。 「おい、ちょっと聞きたいことがあるんだが」 「ゆ?そんなことよりさっさとあまあまをだすんだぜ!」 「あぁ、質問に答えてくれたら考えてやる」 「はぁ?なにいってるのぜ!!いいからあまあまよこすのぜ!!!」 「そんな態度でいいのか?おまえはあまあまが欲しいんだろ?」 「そうなんだぜ、ここをとおりたかったらあまあまをよこすのぜ」 「俺はここを通らずに帰ってもいいんだぞ、そうすればお前にあまあまをやる必要も無いしな」 「そ、それはだめなんだぜ!まりさはあまあまがほしいのぜ」 「だったら質問に答えろ」 「いいから、ゆっくりいそいであまあまをだすのぜ」 「はぁ・・いいか?俺が帰ったらこんな田舎だ、次はいつ人が通るかわからないんだぞ」 「ゆ?」 「通ったとしても車かトラクターだ、そんなのの前に飛び出したら潰されて死ぬだろうな」 「ゆゆ!!」 「どうだ、質問に答えてくれる気にはなったか?」 「しかたないのぜ、こたえてやるからあまあまをよこすのぜ!たくさんでいいのぜ」 「いや、質問に答える方が先だ、わかったか?」 「ゆぎぎぎ、ゆっくりりかいしたのぜ」 なんとか質問ができる状態にはできた、まともな答えが返って来ないとは思うがその辺はどうでもいい 「まりさ、お前の居る群れってのはどのくらいのゆっくりが居るんだ?」 「たくさんなのぜ!」 「あー、そう言えばお前らって2までしか数えられないんだったな」 「ゆゆ?」 「聞き方を変えよう、お前の群れにはどんなゆっくりが居るんだ?」 「まりさにれいむ、ありすやぱちゅりー、ちぇんとみょんもいるのぜ」 この間の黒帽子がまりさで赤リボンがれいむなのは分かったがテレビ等ではこいつ等を一括りに『ゆっくり』としか呼ばないし 雑誌には載っていたがおぼろげにしか記憶をしていない、なので名前だけではさっぱりだ。 兎に角6種類のゆっくりが入り込んできたのは分かった、後輩にでも聞けば色々分かるだろう 「では、次の質問だ」 「ゆゆ!!まだしつもんさんがあるのぜ?」 「誰も一つだけとは言ってないだろ?」 「ゆ、じゃあゆっくりしないでしつもんさんをするのぜ」 「ゆっくりの癖に忙しい奴だな、まあいい、この辺りに他の群れはあるのか?」 「まりさたちのむれいがいのゆっくりはみたことないのぜ」 だと、この間のまりさはコイツの群れのゆっくりって事になるのか コイツのようなゲスが多い様なら早めに駆除した方がいいのだろうが・・・・正直面倒だ 「しつもんさんはおわりなのぜ?」 「ああ、もう聞く事は無いな」 「それならあまあまをよこすのぜ!!」 「え?やらないよ?」 「ゆがーん、どうしてなんだぜ!!しつもんさんにはこたえたのぜ!」 「ああ、質問に答えたらあまあまをやるかを考えてやるって言ったんだ」 「ゆ?」 「それで考えた結果、あげない事にしたんだよ」 「ゆゆゆ!!!もう、おこったのぜ!!うそつきはせいっさいするのぜ」 あまあまを貰えない事に怒ったまりさが足へ体当たりをし始めた。 相変わらずマッサージにすらならない体当たりを続けるまりさの帽子に手を伸ばしながら思う まだ時間潰しは始まったばかりだ、もう少しこのまりさには付き合って貰わなければ困ると 「ゆへへ、どうなのぜ、あまあまをだすきになったのぜ?」 「あまあまは無いが、いい物をやるよ」 「ゆ?いいもの?つぼさんなのぶべっ」 前回も同じ事を言ったような気がするが饅頭如きの為にわざわざ別の台詞を用意するなんて勿体無い まりさの顔面を蹴飛ばしながら帽子を奪う、ゆっくりは衝撃を与えた時の反動とリアクションが心地良い なので今回はまりさを使って石蹴りをしようと思う、道端に転がっている石を前方に蹴り出し、その石に向かって歩みを進める 誰しもが小さい時にやった事があるはずだ、ちなみに帽子を奪ったのにはキチンと理由があるそれは・・・ 「いだいいいいいい、もうおうちかえるうううう」 「おいおい、帰るのはいいが帽子はいいのか?」 「ゆゆ!!!まりさのすてきなおぼうしかえしてね!」 ゆっくりにとって帽子やリボン等のお飾りは命の次、いや命と同じくらいに大切なものらしい なんでもゆっくり同士はお飾りで固体を判別し、お飾りが無いものや壊れているものは迫害され酷い時は殺されてしまうそうだ 「かえしてね!まりさのおばふぇ!」 「まりさは群れで一番強いんだろ?取り返してみろよ」 「そうだよ!まりさはむげふっ」 「ほら、どうした?」 「まりさは、いちべへっ」 蹴り飛ばされては起き上がり帽子を求めて近寄る、そしてまた蹴り飛ばされ帽子を求めて這い寄る そう、帽子を奪ったのはゆっくりの習性を利用して逃げ出せなくする為だったのだ。 これで思う存分まりさを蹴り続けられる、楽しい散歩になりそうだ 「よっと」 「ゆべ」 目がつぶれた 「まりさのひかりかがやくすてきなおめめがああ!!」 「ほっと」 「ゆが」 歯が砕けた 「まりさのしろくかがやくすてきなはがああああああ!!」 「はっ」 「ふご」 髪の毛が一部剥げた 「まりさのおうごんにかがやくすてきなかみのけさんがあああああああ!!」 「いやいや、輝きすぎだろお前」 石蹴りならぬゆ蹴りを楽しみならが道を歩いてどれ位経っただろうか、すっかりまりさからの声が聞こえなくなっている。 「さて、そろそろあいつの家に着く頃だな」 「ど・・・・・で・・・・・・・・の」 「ん?何か言ったか?」 「どおしてこんなことするのおおおおおお!」 「おお、意外と元気だな」 ボロボロになりながら自分の身に起こった出来事に説明を求めるゆっくりのような何か 折角楽しませてもらったのだお礼に説明してやっても罰はあたりはしないだろう 「どうしてって、お前らボールみたいだろ?」 「まりさはボールさんじゃないでしょおおおおおおおおおおお」 「え?ボールじゃないの?」 「あたりまえでしょおおお、まりさはゆっくりでしょおおお!」 「それじゃ、ボールじゃないまりさはゆっくりしないで消えてね」 「ゆゆ!!どういうことなの!!!ちょうてんかいさんはゆっくりできなぶべらっ」 ボールは友達、友達ではないゴミには早々に御退場願おう 雑木林へまりさを蹴り飛ばし、靴に付いた汚れを返し損ねた帽子で拭き取り同じく雑木林に放り込む 運が良ければ元の持ち主の下に戻れるだろう 「帰りにもゆっくりに会えればいいな」 そんな淡い期待を胸に秘め、再び歩き始めようとしたその時だった まりさが消えた雑木林から何かが飛び出してきたのだ、先ほどのまりさが戻ってきたのかと目を向けると 「ゆ?にんげんさん、ゆっくりしていってね」 短い金髪に赤いカチューシャを着けたゆっくりが飛び出してきた。 雑誌で見た記憶では確かゆっくりありすという名前のゆっくりだと思うのだが、確信がもてない 「ありすはありすよ、にんげんさんはゆっくりできるにんげんさん?」 どうやら、ありすで良かったようだ。 「ん?ああ、さっきまでゆっくりしてたんだがな」 「ゆゆ!!それはたいへんだわ!ありすがきょうりょくしてあげるからゆっくりしましょう!」 先ほどのまりさとは違い善良なゆっくりのようだ。 お誘いを断るのはこのありすに対して失礼だろうが一応確認をした方がいいだろう 「本当に協力してくれるのか?」 「もちろんよ!とかいはなありすがゆっくりさせてあげるわ」 「そうか、ありがとう」 足元のありすを胸の高さまで持ち上げながら前方に人が居ないことを確認する。 「ゆ?にんげんさん、ありすはなにをすればいいのかしら?」 安全を確認できた後はありすをゆっくりしたスピードで前方やや低めに放り投げる 「ゆ~♪おそらを・・・」 放り投げたありすを追いながら着地地点の真横に左足を置く 「とんでる・・」 そして、落ちて来るありすを右足の甲で捕らえ 「みたぶべっ」 全力で振り抜く ところで水がパンパンに入った風船を全力で蹴飛ばすとどうなるかご存知だろうか。 答えは簡単だ、『破裂して水浸しになる』だ ならば、餡子よりも水分の多いカスタードがたっぷり詰まったありすを全力で蹴飛ばすと? バンッ!!! 「うお!!!」 そう、『破裂してカスタードまみれになる』のだ 「あ、ありえねぇー、コイツの中身って餡子じゃないのかよ・・・・」 全身をカスタードまみれにし自分の曖昧な記憶と勘違いを呪う 「はぁ・・・・あいつの家でタオルでも貸してもらおう・・・はぁ・・・」 先ほどまでの高揚感は何処かへ消え去り意気消沈しきったまま歩き、先ほど目的地に到着したのだ。 「おお、災難災難」 「先輩、少しゆっくりについて勉強した方がいいっスね」 「ああ、とりあえず先にタオルを貸してくれ、甘ったるくて仕方ない」 「おお、了解了解」 「濡れタオルの方がいいっスね、ゆっくり急ぐっス」 「いや、普通に急いでくれ」 ドタバタと家の中に戻っていく後輩と飼いゆ、それを見ながら思わず呟く 「はぁ、ゆっくりした結果がこれだよ・・・・」 あとがき 前回の予告通りにゆ虐SSの投稿になります。 我慢あき様、挿絵を描いて頂きありがとうございます。 これを励みに頑張ってゆ虐SSを書きたいと思います。 今まで書いた物 anko1826 『殴る』 anko1842 『伝える』
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『授かり物II』 0KB 愛で 小ネタ SSS うちのまりさとれいむが「そろそろ子供が欲しい」というので、一匹だけという約束で赤ありすを買ってきた。 れいむは満足そうだがまりさは微妙な表情…。いや、だって、お前ら毎年去勢してるし。 おまえらの子じゃほぼ必ずまりさ種かれいむ種じゃん。それじゃつまんないし、同じの何匹もいたら俺が混乱するし…。 by 4byte
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『声をきかせて』 21KB 小ネタ 野良ゆ ただ虐めるだけの話 注意! 何も悪いことをしていないゆっくりが酷い目にあいます。 でも死にません。 とある公園。青年はベンチに座って、缶コーヒーを飲んでいた。他に人影は無い。 ほとんど人の立ち寄らない場所にあり、ともすればただの空き地に見えるこの小さなこの公園は、青年のお気に入りの場所でもあった。 ふと、青年は何かを聞いた気がした。 何だろうと軽くあたりを見渡したが、あるのは公園の設備だけ。 前、後ろ、右、左。やはり何も無い。上を見て、最後に体を折ってベンチの下を覗き見る。 そこに音の主がいた。 一匹のゆっくりれいむだ。 髪の毛や表皮は綺麗だが、お飾りは薄汚れている。 バッジを付けていないところを見ると野良なのだろう。ここに住んでいるのだろうか。他にゆっくりは見当たらないようだ。 「ゆぴい……ゆぴい……」 れいむは目を閉じ、小さく体を上下させている。眠っているのだ。聞こえてきたのは寝息だった。 無防備な、あどけない寝顔に、青年はいたずら心を起こした。 足元に転がっている細い枝をつまみ。その尖った先を、れいむに近づける。 つん、と小麦粉のその柔らかい皮膚に触れると、れいむはぴくりと反応した。薄く目を開ける。 「……ゆっ? なんだかくすぐったいよ? れいむはまだおねむだから、じゃましないでね……。ゆぴい……ゆぴい……」 揉み上げを使って器用に枝を払い、また寝入ってしまった。 つん、つん、つん、と連続で突付いてみる。 「……ゆ~ん? じゃましないでね? じゃましないでね? れいむはおねむ……ねむ……」 さらに突付く。 「……ゆゆっ? やめてねっ? やめてねっ? ぷーすぷーすはゆっくりできないよ!」 れいむは大きな目をぱちくりさせながら涙声で叫ぶ。どうやら完全に目を覚ましたらしい。 枝から逃げようとベンチの下をずりずりと這うれいむ。そうはさせじと、青年はベンチに座ったままの姿勢で体を限界まで折り曲げ、手を伸ばす。 「えださん、ついてこないでねっ!? ついてこないでねっ!? いじわるしないでねっ! ゆっくりできないよっ!」 「……あれ?」 「やめてねっ! やめてねっ! れいむをゆっくりさせてねっ! ゆっくりしていってねっ!」 「……んん?」 「やめてっていってるのにいいいいいっ!? ゆんやああああああっ!!」 「……うーん?」 青年は妙な感覚を味わっていた。 れいむの涙声を、泣き声を、悲鳴を聞くと、妙に気分が昂ぶるのだ。実にいい気分だ。 どうしたんだろう。自分は特に虐待お兄さんというわけではないはずだ。 迷惑なゆっくりを潰したことくらい、もちろん数え切れないほどあるが、一度としてこんな気分になったことなどない。 枝を持つ指先にも、自然と力がこもった。 「ゆええええええん!! ゆえええええん!! ゆっぐりでぎないよおおおおおお!!」 背中をぞくぞくと、何かが駆け上がるような感覚。 そういえば、虐待趣味はある日突然目覚めるという。 ならば今日、たった今、自分は虐待お兄さんになってしまったのだろうか。 そんなことを考えながらも、手を休めることはしない。いや、できない。 青年はれいむを執拗に突付いた。 「ゆええええええん!! ゆええええええん!! ゆっぐりざぜでよおおおおお!!」 素晴らしい。なんと素晴らしい声なのだろう。快感で全身の毛が逆立つようだ。 いっそ枝などではなく、直接手を使ったらどうか。 柔らかい皮膚に爪を突き入れたら、れいむは、いったいどんな声を聞かせてくれるだろうか。 「もういやだああああああ!! れいむ、おうちかえるうううううう!!」 「……って、何してんだ俺は」 青年は枝を放り、立ち上がった。手のひらに汗をかいているのに気づく。 「ゆええええ……ゆっ? いじわるなえださんがいなくなったよ! ゆっくりできるよ! ゆっくりできるよ! ゆっくりしていってねっ!」 「ああ、やだやだ」 ゆっくり虐待だなんて、そんな後ろ暗い趣味は持たないほうがいい。 青年は足早に公園から立ち去った。 翌日。青年は昨日と同じ公園の同じベンチに座っていた。 「いだいっ! いだいよっ!! いだいよっ!!」 青年の足の下で、れいむの柔らかい小麦粉の体がぐねぐねと形をゆがめる。 足から逃れようと、できるだけ痛みを和らげようとしているらしい。 青年も足を前後左右に動かした。 「やめでねっ! れいむをふーみふーみしないでねっ!」顔面を涙でぐしょぐしょにしながら、れいむは叫ぶ。「ゆっぐりあんよをどげでねっ!? あんよをどげでねっ!?」 どんなに哀願されたところで、足をどけるつもりはない。しかし、どんどん哀願してもらいたい。 その惨めな声をもっと聞かせて欲しい。青年はそう思っていた。 「つぶれぢゃうっ! つぶれっ! づっ、づぶでどぅううううううっ!?」 「やっぱり、いい声してるわあ……」 れいむを踏みつけながら、ほう、と息を漏らし、青年は呟いた。持ってきた缶コーヒーを、ちびりとやる。 昨日の快感が、れいむの声が忘れられず、今日もまたこの公園に来てしまった。 ゆっくり虐待だなんて――そう思いながら公園を離れた青年だったが、どうしてもれいむの声が耳から離れなかった。 やはり自分は虐待趣味に目覚めてしまったのだろうか。 そう思って、昨日の帰り道、町中で見かけた野良ゆっくりを片っ端から蹴り飛ばしてみたが、特に気は晴れない。 ゲスっぽいゆっくり、善良そうなゆっくり、また、どんな種類のゆっくりでも駄目だ。同じれいむ種でも駄目。 善良そうなゆっくりの「どうじでこんなこどずるのおおおおおお!?」という泣き声を聞かされた時には、むしろ罪悪感さえ芽生えてしまった。 どうやら自分は虐待趣味に目覚めたわけではないらしい。少なくとも、その辺の野良を虐待したところで何も感じない。 しかし、この足元で必死に泣き喚くれいむが相手ならどうだ。 「おにいざんっ! どうじでこんなこどずるのおおおおおお!?」 昨日、あんなにも心を痛めた言葉なのに、このれいむの口から発せられたかと思うと、心が躍って仕方ない。 ベンチの下にいなかったらどうしよう――今日ここを訪れる前まではそんな不安もあった。 しかし、れいむは昨日と同じ場所で眠っていた。こんなにうれしい事はなかった。 もちろん、誰かの飼いゆっくりでないことは、本ゆんに確認済みだ。あとでトラブルになったら困る。 「ゆっぐりっ! ゆっぐりでぎないっ!! れいぶっ! いだぐでっ! ぐるじぐでっ! ゆっぐりでぎないよっ!! れいぶはっ!」 「ああ、いいなあ……」 青年はれいむから足をどけた。 れいむの声に飽きることはなかったが、れいむを踏むことには飽きてしまった。正直、ぶよぶよとした弾力が気持ち悪い。 「……ゆゆっ! おにいさんがあんよをどけてくれたよっ!? ゆっくりしないで、いまのうちににげるよ! そろーり! そろーり!」 ずりずりと青年から離れようとするれいむ。 もちろん逃がすつもりはない。青年は立ち上がった。 「そろーり! そろーり! おにいさんはついてこないでね! れいむはゆっくりにげるよ! おうちにかえるよ!」 おうちとはどこだろう。先ほどは「むこうにすんでるよ!」と言っていたが。 興味はあったが、今はそれどころではない。 こちらに向いているれいむの尻。ぷりんぷりんと左右に揺れるそれを、青年は爪先で蹴った。 「ゆっべえええ!?」 衝撃で前方に跳ね、そのまま突っ伏すれいむ。砂埃が舞った。 「いだいっ! いだいっ! おかおがっ! あにゃるが! おかおがっ! あにゃるがっ! ゆっぐりでぎないっ!」 ころんと体を起こし、空を拝んでじたばたしながら、揉み上げを激しく動かして顔をさするれいむ。 青年はれいむの向こうに回り、今度は頭頂部を蹴った。 れいむは仰向けのまま地面をすべり、そして止まった。また砂埃が舞う。 「いだいっ! いだいっ! おつむがっ! せなかがっ! おつむがっ! せなかがっ! ゆっぐりでぎないっ!」 揉み上げを左右交互に、せわしなく上下させるれいむ。頭と背中をさすっているつもりらしいが、揉み上げはそのどちらにも届いていない。 それから二度三度、れいむを軽く蹴る。 「いじゃっ! げらないでっ! もうやべでっ! ゆっぐりっ!」蹴るたびに律儀に声を上げてくれるれいむ。「ゆっぐっ! ゆっぐりっ! ゆっぐりじだいっ!」 「いいなあ……」 れいむの潰れたような悲鳴に恍惚となりながら、青年はれいむを蹴り続ける。 しかし、全力で蹴ることは決してしない。万が一にでも、その柔らかい皮膚を蹴破って、殺してしまうわけにはいかないからだ。 殺してしまっては、れいむの声を聞くことができなくなってしまう。それだけは絶対に避けなくてはいけなかった。 もっとも、全力を出すまでもなく、れいむは大声で泣き、騒いで、その声を聞かせてくれる。 「ゆぶぶっ! れいむしんじゃう! しんじゃうよっ! じにだぐないのにっ! れいむじにだぐないのにっ!」 軽く小突くだけでこれだ。 ゆっくりは極度の痛がりだというが、それは本当らしい。 「ゆひっ! ゆひいいいっ! いだいよっ! ゆっぐりでぎないよっ! ゆっぐりっ!」 「その調子、その調子……」 青年はれいむを持ち上げた。すっかり薄汚れたバレーボール大のそれは、青年の手の中でぴくぴくと小刻みに動いた。 その感触に、青年は顔をしかめる。 「もういやだあっ! ……おそらをとんでるみたいっ!」 恐怖に歪んだれいむの顔は、しかしすぐに晴れ晴れとしたものに変わった。 持ち上げられた楽しさが、痛みや恐怖に勝ったらしい。俗に「キリッ!」と表現される顔だ。 虐待お兄さんの嗜虐心を刺激する表情のひとつらしいが、青年にとってはどうでもよかった。それよりもっと声を聞かせて欲しい。 胸の高さから頭上へ。れいむをさらに高く持ち上げる。 「ゆわーい! れいむ、とりさんだよ! とりさんになったよ!」 はしゃぐれいむを、青年は地面に落とした。 「ゆぶえっ!? ……ゆんやあああああああっ! いだいよっ! いだいよおおおおおおおっ!」 火がついたように泣き叫ぶれいむを、もう一度持ち上げる。 涙は滝のように流れてはいるものの、歪んだ泣き顔はやはり一瞬でキリッ! と変わる。 「おぞらをとんでるみだいっ!?」 そのセリフを聞き終えた瞬間、地面に落とす。 「ゆぶえっ!?」 今度は片方の揉み上げをつかんで持ち上げる。 「おぞらを……はなじでっ! はなじでっ! もみあげざんがもげぢゃうよっ!! ゆっぐりじないではなじでねっ!」 「いいね、いいね……」 先ほどとは違ったセリフ。その必死な声に、青年の心が弾んだ。 青年の手の中で、れいむの揉み上げが、それ自体生き物のようにぐねぐねと動く。 おぞましい。言われた通り即座に離してやる。 「ゆべっ!? いだいい……もみあげざんっ!? ……よがっだ! もみあげざんはもげでないよっ! ゆっぐり! ゆっぐり!」 「あ……。揉み上げくらい、ちぎってやってもよかったのかな……」 生かさず殺さずを心がけようにも、もともと虐待お兄さんではない青年には、その力加減が難しかった。 たとえば揉み上げを切断したり、目を潰したりした場合、そのままショック死したりはしないのだろうか。あるいは、出血――出餡多量で死んだりはしないのだろうか。 ゆっくりの耐久力なんて考えたこともない。何せ今までは、家の周りやゴミ集積所で悪さを働くゆっくりを、ただ何も考えず潰してきただけだ。 そういえば、ゆっくりが怪我をした場合、小麦粉やオレンジジュースでの治療が可能と聞いたことがある。万一のために、それらを用意しておくべきだったか。 とにかく、殺してしまっては元も子もない。声が聞けなくなってしまう。 こんなに楽しいことなのに、手探りでやらなければならないのが悔しかった。 「ああ、くそ!」 「いだあっ!?」 青年は腹立ち紛れに、れいむを蹴った。 手元の缶コーヒーに目をやる。砂糖もミルクも多め。青年の好みだった。 「これじゃ駄目かな……」 言いながら缶を傾け、一滴二滴と、れいむの顔にコーヒーをたらしてやる。 「……ゆっ? ゆゆっ? ぺーろぺーろ! しあわ……ゆげえええっ!? これどくはいっでるううう!?」 さらなる悲鳴のバリエーションを引き出すことには成功したが、やはり缶コーヒーでの治療は無理らしい。「毒」ときた。 「ゆげえっ! ゆげえっ! にがにがっ! にがにがはゆっぐりでぎだいよぼおおおっ!」 「あ、あれ?」 苦しそうにのたうち回るれいむ。 ぎゅっと目を閉じ、半開きの口から舌を出し、毒の滴を払い落とすかのように、揉み上げでしきりに顔をこすっている。 ひょっとしてコーヒー――毒はまずかったのだろうか。 虫だろうと動物だろうと、毒を盛られれば死ぬ。人間だってそうだし、あの巨大な象でさえ、毒は文字通り致命的なのだ。 ならば、ゆっくりはどうなのだろう。いかにでたらめな生態とはいえ、やはり例外ではないのではないか。 「にがいいいいいいっ! ゆっぐりでぎだじいいいいっ!」 「こ、こりゃあ……」 まずい。これはいけない。青年は焦った。 野良ゆっくり一匹死なせたところで困ることはないが、このれいむだけは特別だ。他ならぬ自分のために殺すわけにはいかない。 「ゆげええっ!」 れいむが餡子を吐き出した。これは危険だ。 そうだ。公園の入り口に自動販売機があったはずだ。そこでオレンジジュースを買って―― そう思って入り口付近に目をやると、若い女が立っているのが見えた。 女は明らかに青年の方を見ている。 誰だろう。どうしてこっちを見ているのだろう。いつから見ているのだろう。 そして、自分はどう見えているのだろう。 青年は一瞬でそこまで考え、急に恥ずかしくなった。「ゆっ、ゆっ、ゆっ」と痙攣し始めたれいむから、ばっと体を離す。 昼日中から公共の場で、なんら悪いことをしていないゆっくりを虐める男。 おそらく虐待お兄さんとしても最低の部類だろう。それが今の自分。 自分は虐待お兄さんじゃないんです! でも、このれいむは特別なんです! 何ならちょっと、こいつを殴ってみてくださいよ! 青年はそう主張したい気持ちにも駆られたが、さすがに止めておいた。意味が無いし、かえって変態だと思われてしまう。 決まりが悪くなり、青年は女の脇をそそくさとすり抜け、逃げるように公園を出た。 小走りに公園を離れながら考える。 れいむはあのまま死んでしまうのだろうか? もうあの声を聞くことはできないのだろうか? もしそうなったとしても、仕方ないと諦めるしかない。悪いのは自分だ。 いや、そうわかっていても名残惜しい。 だから明日またこの公園を訪れてみようと、青年は思った。 もちろん、オレンジジュースを持ってだ。 去っていく青年の後姿を一瞥し、女は公園の中に足を踏み入れた。 バッグからオレンジジュースを取り出しながら、一目散にれいむの元へと向かう。 「ゆひっ……ゆひっ……ゆひっ……」 れいむは白目をむいて、仰向けに転がっていた。 黒い痣だらけの体。ところどころ付着した茶色の液体は、これはコーヒーだろう。 さっきの男がやったのだ。ひどいことをする。死んでしまったらどうするつもりだろう。 「もっど……ゆっぐじ……」 まずい。 女は慌ててれいむの体にオレンジジュースを注いだ。口の中にも、どばどばと流し込む。 「……じだっ……ゆ……ゆゆっ!? ゆゆゆっ!? ふっかつっ! だよ! ゆっくり! ゆっくり!」 いまにも「ぱあああっ!」という音が聞こえてきそうなくらい晴れやかな表情で、れいむは復活した。 女はホッと息を吐く。治療が間に合ったようだ。 「ゆっくり! ゆっくり! ゆっくり! ゆっくり!」 揉み上げをピコピコと上下させながら、ぴょんぴょんと飛び跳ねるれいむ。絶好調だ。 女はそれをニコニコと眺める。 「れいむ! ゆっくり! れいむはゆっくり! れいむはゆっくり! ゆゆゆ~ん……」体を前に曲げて、そして勢いよく起こす。「ゆっくりしていってねっ!」 体を逸らし、キリッ! と得意げな表情。 そのまま数秒。 プルプルと体が小刻みに動いているのは、これは自分に酔ってでもいるのだろうか。 やがて満足したらしいれいむが、女を見上げて言った。 「おねえさん、ありがとうね! ありがとうね! いじわるなおにいさんにいじめられて、れいむはゆっくりできなかったんだよ!」 「そう」 女は短く返す。元気になってくれたようで何よりだ。 「おねえさんはゆっくりしてるね! おれんじじゅーすさんもゆっくりしてるよ!」 「そう」 ボイスレコーダーを取り出し、スイッチを入れる。ゴム手袋をはめる。 「ゆふふっ! れいむといっしょにゆっくりしていってね! おねえさん! ぱっちんっ!」 言いながら、れいむは片目を閉じた。ウインクだ。 その瞬間、女はれいむの左頬を平手で打った。 ばちん、という乾いた音とともに、れいむの体が横にぶれる。 「ゆごっ!?」 続けて右頬にもビンタを張る。 「いだいよっ!?」 右、左、右、左。女はリズムよく、続けざまに引っぱたく。 れいむの垂れ流す涙で、よだれで、ゴム手袋が汚れる。素手じゃなくて良かった。 「ゆべっ! やべでっ!? ゆべっ! おねえざん、やべでっ!? ゆべっ! ゆっぐじでぎだびいっ!?」 「ああ、いいわあ……」恍惚となりながら、女は言った。「やっぱりこのれいむの声は、格別よね……」 「ほっぺがっ! いだいっ! ほっぺがっ! いだいっ!」 ひとしきりビンタによる泣き声を堪能した後、女は公園の隅に行き、伸び放題の雑草の中に転がっている石を数個拾ってきた。 元の場所に戻った時に「ぞろーり……ぞろーり……」と逃げようとしていたれいむの尻を蹴飛ばし、「あにゃるがっ!?」という悲鳴を引き出す。 「はいはい、お口をあーんしてねえ」 「あーんするよっ! ……あがっ! あげげげっ!? うっぐぎでぎがいぎがぐぐおっ!?」 女はれいむの口を無理やり開き、その中に石を詰め込む。 そして、ボイスレコーダーの電源を確かめてから、女はれいむの顔面を思い切り殴りつけた。 「うごごおおっ! いだぎいいいっ! いだぎいい! あがああああっ!」 歯が2、3本折れたようだが気にしない。あとでオレンジジュースをかけてやるだけだ。 「あがっ! あがっ! いがいごっ! ゆっぐぎでぎがいごっ! 」 「うーん……」 「ぐがっ! ぐぎえっ! がががっ!」 「あたた。こっちの手が痛くなっちゃたわ」 手をさすりながら女は言った。考えてみれば薄皮越しに石を殴っているようなものだ。 それに、石のせいでせっかくの声が聞き取りづらい。歯が折れているのも明らかにマイナス。これはちょっと失敗だったかも知れない。 れいむの口から石を取り出してやる。 「ひゃぎゃあ……れいむのまっひろにゃひゃぎゃあ……?」 しくしくと泣くれいむの歯茎に、オレンジジュースを注ぐ。それだけで折れてぼろぼろになった歯が、健康そのものの歯に生え変わった。 「……ゆゆっ? かいっふくっ! これでゆっくりできるよ! ゆっくりできるね! ゆっくびいいんっ!?」 再びビンタを見舞った。 石を含ませていた時とは打って変わって明瞭なその発声。女の体が痺れた。 うつ伏せに倒れたまま「ゆっぐ、ゆっぐ」とすすり泣くれいむを左手で押さえつけ、右手でもみ上げをつかむ。 ゴム手袋越しに伝わってくる、ぶよぶよした感触に、女は眉をひそめた。 「ゆっ? なにするの? やめてねっ! れいむのもみあげさんにさわらないでねっ!」れいむが慌てて顔を上げる。「はなしてねっ! もみあげさんから、おててをはなしてねっ!」 その必死で惨めな声に満足し、一気に揉み上げを引きちぎる。 「ゆんぎいっ!?」 たいした抵抗もなく、もみ上げはあっさりとれいむの体から離れた。次いでもう一本も引きちぎる。 「はいはい。大事な揉み上げがちぎれちゃったよ。派手に泣くよね? 泣くんでしょ?」 「ゆわああああああっ!? れいむのもみあげさんがああああああっ!?」 満足。 まさに女の希望通り、派手に泣き喚くれいむ。目は飛び出さんばかり、顎は外れんばかりだ。 ぷらぷらと弄んでいた揉み上げを無造作に放る。すぐにれいむが飛びついた。 「もみあげざんっ! もみあげざんっ! ゆっぐりじないでもとにもどってね! ゆえっ……! れいむがぺーろぺーろしてあげるよっ!」 揉み上げに取り縋るれいむを爪先で小突くと、「ゆべっ!」と転がりながらも、すぐに起き上がった。そして揉み上げに飛びつく。 「ゆえええええん! れいぶのだいじなもみあげざんっ! ゆっぐじじでいっでね! ゆっぐじじでいっでね! ぺーろぺーろ! ぺーろぺーろ!」 必死な声。悲痛な泣き声。たまらない。ぞくぞくする。 砂糖水のよだれでべとべとになるまで2本の揉み上げを舐めるれいむだったが、そんなことで何がどうなるわけでもない。 オレンジジュースで治してやるつもりではあるが、もちろんそれをれいむに伝えたりはしない。 やがてれいむは天を仰ぎ、そしてがっくりとうな垂れ、静かに涙を流し始めた。 「なおらないいい……もみあげざんがなおらだいよぼおお……。れいぶ、もうぴこぴこでぎだいいい……。ぴこぴこ……ぴこぴこおおお……」 女はボイスレコーダーをれいむの口元にあてた。 この『絶望』としか形容できない、暗く沈んだ声も実に沁みる。 「ああ、あんたを家に連れて帰れたらいいのに……」 女はうっとりとつぶやく。 それは、昨日もこの場所で、女の口から出た言葉だった。 女は昨日、この公園でれいむと出会った。正確には、公園の入り口でれいむを蹴飛ばした。それはただの不注意だった。 そして女は、れいむの「いたいっ!」という悲鳴に耳を奪われた。 身も心を蕩けさすような、なんと美しい悲鳴―― 次の「ゆえええん!」という泣き声を聞いた時には、無意識にれいむを公園に蹴りこんでいた。 もっと、もっとこのれいむの声を聞きたい! 泣かせたい! 幸運なことに野良だというこのれいむを、女は蹴って、殴って、引っ掻いた。枝を使って突付きもした。 「やべででっ! おねえざんやべででっ! れいぶ、ゆっぐじでぎだいよっ!」 そのたびに、れいむは素晴らしい声を聞かせてくれた。 夢中になってれいむに悲鳴を上げさせ続け、気が付くと帰宅しなくてはならない時間になっていた。 「もうやべで……ゆっぐりざぜで……」とぐったりするれいむを放置し、公園内の水道に向かう。 手に付いたれいむの体液を洗い流しながら、女は今になって吐き気を覚えた。 気持ち悪い。声はいいのに、その他の要素は醜悪としか言いようがない。 女は悩んだ。 れいむを家に連れて帰って、噂に名高い『透明な箱』に入れておけば、れいむは一日中声を聞かせてくれるだろう。 そう、「だしてね! だしてね! れいむをおうちにかえしてね! このはこさんはゆっくりできないよ!」といった具合に。 そのまま目の前にエサをちらつかせてやるのもいい。 きっと「ゆゆっ、おいしそうだね! れいむがゆっくりむーしゃむーしゃするよ! ……はござんがらでられないよおおおおっ!?」などと言ってくれるはずだ。 しかし、それはできない。家に連れてかえることはできない。 なぜなら、同居している家族の目があるからだ。 虐待趣味を持つ人間は、常に周りから白い目で見られる。 女は特に虐待お兄さんやお姉さんを軽蔑してはいなかったが、自分がそう見られるのは嫌だった。 事実、自分は虐待お姉さんなどではない。 ただ、このれいむが、このれいむの声が好きなだけで。このれいむの泣き声を、悲鳴を聞きたいだけで。 悩ましい。女は頭を抱えた。 とりあえず、明日またここに来るとしよう。声を聴きに。 そのためには、れいむに死んでもらうわけにはいかない。 女は公園の入り口でオレンジジュースを買い、れいむにかけてやった。 元気を取り戻して「ゆっくりー!」と跳ねるれいむを爪先で小突きながら、女はつぶやいた。 「ああ、あんたを家に連れて帰れたらいいのに……」 れいむの泣き声を聞いて、初老の紳士は頬をゆるめた。 「ゆっぐ、ゆっぐ……れいぶ、けがされちゃったよう……」 足元のれいむは突っ伏して泣いている。 体の下に差し込まれている揉み上げは、これは目元を押さえているのだろうか。 れいむの額からは茎が生え、4つの赤ゆっくりが生っている。 紳士がその辺で拾ってきたまりさ――今は紳士の足元で黒い染みになっている――にれいむをれいぽうさせ、身ごもらせたのだ。 「ゆえ、ゆえええ……どぼじでこんなこどにい……」 まりさにれいぽされている時の「やべでええええっ!? れいむ、まだばーじんさんなのおおおおおっ!」という悲鳴も素晴らしかったが、さめざめといった風情の今の泣き声もまた素晴らしい。 「しーくしーく……でもっ!」れいむが突然体を起こした。「このこたちにつみはないよっ!」 そして「キリッ!」としか形容できない表情で、誰にともなく高らかに宣言する。 「このこたちは……れいむのあかちゃんたちはっ! れいむがりっぱにそだててみせるよっ!」 紳士はおもむろに、れいむの額にぶら下がったれいむの子を、一つもいだ。 指に力を込めると、ぷちっという少し湿った音とともに、実ゆっくりは軽く潰れた。 「ゆ? ……ゆあああああああっ!? れいむのかわいいあかちゃんがあああああっ!?」裂けんばかりに目を、口を大きく開くれいむ。「なんでっ? なんでえええええええっ!?」 この世の終わりのようなれいむの絶叫を堪能してから、もう一つもぐ。 そして潰す。 「れいぶのあがぢゃっ……」 またもいで、潰す。 「みらいへのいさんがああああああっ!?」 最後の実ゆっくりに手をかけ、れいむの「やべっ……もう、やべでっ……」という声を聞きながら、紳士は考える。 ああ、こいつを家に持ち帰って、四六時中この声を聞いていられたら、どんなに楽しいだろうか。 妻がいなかったら。 もし彼女が熱烈な愛護派でなかったら。 このれいむと出会って数日、幾度となく考えたことだ。 今までそうだったように、今回もすぐに考えるのをやめる。考えてもどうにもならない。 とにかくこの公園にくれば、れいむの声が聞けるのだ。 そういえば、先ほど入れ違いに公園を出て行った、満ち足りた表情が妙に印象的なあの女も、このれいむのファンなのかもしれない。 はあ、と溜息を吐いて、紳士は手の中の実ゆっくりを潰した。 (了) 作:藪あき
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『3・小僧_後』 87KB 制裁 実験 同族殺し 加工場 独自設定 人間複数登場 *** *** *** *** 派手なビンタの音と共に、希少種のらんがクルクルと回った。 希少種だから大事にされたのか、怪我をしてるから優しくされたのか……どっちにして も、ズルイよなぁ。 派手なビンタの音は、先輩さんが自分の尻を左手で叩いた音だ。らんは、叩いたという より押しただけ……俺の時は、思いっきり殴り飛ばしたくせに。 歯を食いしばれと言われたから、多少の痛みは覚悟してた。 けど、宙を舞うとは思わなかったなぁ。 まだクラクラしてるし……俺、あの一発でパンチドランカーってヤツになっちゃったん じゃないだろうな? ゆっくり共は、間抜け面を揃えて先輩さんを見ている。間抜け面だけど、間違いなく怖 いものを見る、怯えた目をしていた。 何匹か、違う顔をしたヤツもいるけど…… 鋏を咥えて不意打ちを仕掛けてきたヤツ──ありすは、先輩さんが綺麗に決めたカウン ターのおかげで、鋏が喉の奥まで食い込んだのだろう。まだ呻き声を上げながら苦しんで いる。 その仲間らしいぱちゅりーは、むかつくくらい涼しい顔をしている。自分はもう関係な いとでも思っているんだろうか? そして、らんはキョトンとしていた。不思議そうな顔で、先輩さんのことを怖がっても いないようだ。 「学者。こいつ、持っていてくれ。どうせ、後で治療が必要だろ?」 そっと、らんのことを優しく持ち上げると、先輩さんは慎重な動きで学者さんに手渡し た。 俺のことは、一切の遠慮も無しに殴り飛ばしたのに。 でも、まぁ……らんは、他のゆっくりとは違うと、認めてやっても良いかもしれない。 長の責任というものを真面目に考えて、他のゆっくり達の罪を被ろうとしたんだから。 そんなゆっくりがいるなんて、広大なネットでもなかなかお目にかかれない。 仲間を見殺しにするゆっくりの話なら、いくらでも転がってる。 番いを、自分が産んだ子を、殺したゆっくりは……知っている。すぐそこにいる。 「小僧、大丈夫か?」 先輩さんが、心配そうな声で尋ねてきた。 「大丈夫か?」もないだろう……自分で殴り飛ばしたんじゃないか。後遺症が出たら、 どうするんだよ。 思ったけど言葉には出さず、ただ溜め息だけが漏れた。 自分でやっておいて、なんで今は本当に心配してるような声が出せるんだろう……心配 するんなら、最初から手加減してくれればいいじゃん。 「おい、聞こえてんのか、小僧?」 「聞こえてますよ。もぉ……小僧、小僧って……」 「だったら、続きだ。“最初の1匹目”は、どれだ?」 ここへ来るまでの簡単な打ち合わせでは、最初の1匹目だけは、他のゆっくり達が見て いる前で、潰す。一撃で弾け飛ばす。そのために、先輩さんがやる……って、ことだった。 さっきのらんは予定外だから、これからが1匹目と言うことなんだろう。 先輩さんが言っていた「小さい」って言葉の意味が、多少はわかってきた。 俺は仕事のこととか全体的な利益とか、いろんなことを無視して、ただ自分の感情だけ で、ゆっくりを潰した。 本当の目的も忘れて、ただその時の感情だけで。 俺自身だって、感情的になるのは良くないと思った。 学者さんも、後々役に立つデータが取れる形が良かったと言っていた。 多分、そういうことなんだと思う。 個人的な感情だけではなく、全体のことを考えられない俺は、小さいってことだろう。 一罰百戒。 先輩さんの飼いゆっくりを治療するために、献体が必要ってことらしい。でも、他人を 助けるために自分の体の一部を差し出すゆっくりなんて、いるわけがない。 だから、ツブして、採る。 どうせツブすんなら、ツブしても良いようなゆっくりを選んだ方が良い。どうしようも なく、ゲスなゆっくりはいるんだから。 ついでに、思いっきり残酷にツブして、その様子を他のゆっくり共に見聞きさせれば、 いい教育にもなる。 なんか、悪事を行えば即死刑……みたいな感じだけど。 それでゆっくり共が、ちょっとでもマシになるのなら、研究所としても悪くない話なの かもしれない。 しかもおまけに、俺が蹴り潰しちゃったヤツも、その中に含めてくれて、俺は無罪放免 っていうんだから、望むべくもない。 殴られたけど。痛かったけど。 人間だって、決まりを破れば罰を受ける。そのことをゆっくり達に見せるために。 その方が、ゆっくり達も文句を言えないだろう……って、先輩さんが言うこともわかる けど…… そこまで、ゆっくりのことを考えなくったって、いいと思うんだけどなぁ。 どうせ、一週間もすれば忘れちゃうヤツらなんだから、ゆっくりなんて。 「1匹目は、ありすを。鋏を咥えて攻撃してきたありすは、酷いことをしてはいけないと いう決まりを破った、現行犯ですから」 「ま、まってください! そのことは……それなら、もう、らんが……!」 学者さんに抱かれている らん が、口を挟んできた。気持ちはわからなくもないけど、 中心になった実行犯だぞ? それに…… 「今までのこともあるんだよ。他のゆっくりに、どれだけ酷いことを言ってきた? 俺達 ……人間にたいしてだって、山ほど悪態をついてきてるんだ」 「そ、それは……」 「あの、鋏咥えてうーうー言ってるヤツでいいんだな?」 「はい、お願いします」 いつも問題を起こす3匹の、主犯格であるまりさがいなければ、ありすもぱちゅりーも、 それほどじゃないかと思っていたが……今回のことでアウトだろう。 しかも、どうやって手に入れたのか、鋏という凶器まで使っての、不意打ちだ。 ゆっくりのくせに、たいした悪党ぶりだ。 バタバタと、ありすが逃げようとする。だが、喉の奥まで食い込んでいる鋏が痛むのか、 一度跳ねるたびにゴロゴロと痛みにのたうち、ほとんど進めていない。 「ぐげうっ!! い゛た゛っ! い゛た゛い゛じゃ゛な゛い゛の゛っ! さ゛っさ゛と゛ た゛す゛け゛な゛さ゛い゛よ゛!」 口から鋏を引っこ抜かれて、すぐさま文句を言っているようだ。自業自得だっていうのに、 ゆっくりってのは…… 「むきゃきゃきゃ! ざんねんね、ありす! しっぱいした あなたは、にんげんさんに おしおき されちゃうのよ! せいっさいっ! されるの! まりさを ころした にんげん さんや、おばかな らんのように、くるくる まわるといいわ!」 ぱちゅりーが、自分の手柄のように笑っている。ありすを嘲笑っている。 お前だって同罪だろう。失敗したというのなら、同じじゃないか。 まったく。これだから、ゆっくりってヤツらは…… 「どうして、ありすが おしおき されなくちゃ いけないの!? せいっさいっ! される のは、くそ いなかものの、くそ にんげんでしょ!?」 自分勝手にがなり立てているありすに、学者さんが淡々と告げる。 「決まりを破ったからだ。人間に酷いことをしてはいけないという、決まりを」 「そんなの しらないわよ! ひどいことをしたのは、おまえたち くそにんげんでしょう! ありすの まりさを かえしてよ!」 「その罰なら、もう済んでいる」 「しらないって いってるでしょ、くそ いなかもの! ありすの はなしをきいてるの!?」 「話を聞いてねぇのは、そっちだろ」 軽い調子で言い、先輩さんがありすを上へと高く放り上げた。 すぐに柔らかく体をしならせ、構える。ちょうど、バレーボールのサーブのように…… 「んほ……? すてき! おそらを とんでる みた」 ボンッ!! と、火薬でも爆発したかと思うような音を立てて、ふわりと落ちてきたありすが、弾け 飛んだ。 この人……先輩さんは、本当にゆっくりの飼い主なのか? まったく躊躇いなく、ゆっくりを殴った……というより、消し飛ばしたぞ? ていうか、 バレーボールよりも大きくて中身もある饅頭を、空中で粉々に弾けさせるって、どれだけ の力がいるんだ? 「汚ぇなぁ」 先輩さんが、ありすに叩き付け、ありすを消し飛ばした手を、二度三度と強く振る。 こびり付いていたクリームが、ピシャピシャと地面へ落ちた。 「小僧、次からは変わってくれ」 「あ、は、はい……!」 段取り通り……てか、本気で殴られてたら、俺の頭の吹っ飛んじゃってたのかな? 恐る恐る先輩さんの側に歩み寄ったところで、ようやく…… 「ゆぎゃぁああああああっ!!?」 「ぎほっ!! ぎぼぢわづいぃいいいいっ!!!」 「ぼんって! ありすがぼんっって!!!」 「おげぇええええええっ! ぅおっ! ぅおげぇえええ!」 ゆっくり達が、騒ぎ出した。 弾け飛んだありすの破片が顔にくっついたヤツもいたらしく、あちこちでげーげー吐い てるのがいる。 「ゆぼろろろろろろろろろろろろっ!」 「えぼろぶしゃぁあああああああっ!」 あ、貰いゲロも始まった。こっちまで気持ち悪くなりそうだ…… 「次」 「あの、ぱちゅりーを」 「はいよ」 「どぼじでぇぼろげぼろぉろろろろろろっ!!」 吐くなよ。どうしてじゃないだろ。ありすよりも、お前の方が首謀者なんじゃないのか? 「ばっ! ばっ……ぢぇ、はっ……! げぼぉえおおおっ!」 ぱちゅりーは、何か言おうとしながら、えれえれと何度もクリームを吐いている。それ を一向に気にせず先輩さんは、ぱちゅりーのもみあげを片方引っ掴んで、宙づりにした。 「ほれ」 「は、はい」 先輩さんのように、一撃で弾け飛ばすことは……無理だろうなぁ。 「や、やべっ……! やべなだいっ! ぱぢぇは……! けんじゃ なのよ! ぱちぇの ずのうは、ぜん ゆっくりの ざいさんで……!」 出来るだけ余計なことは言わず、淡々と進める。打ち合わせでは、そういう話だった。 特に先輩さんは、部外者でもあることだし、一切口を利かない……ということだったのに、 さっきから結構喋ってる。 だったら、俺もちょっとくらいは余計なことを喋っても良いよな? 「やめなさいって いってるでしょぉおおお!?」 「残念だったな、ぱちゅりー。失敗したお前は、人間さんにお仕置きされるんだ。制裁さ れるんだよ。まりさを蹴り殺した俺に、お馬鹿なお前は、殴り飛ばされるんだ」 「むぎゅあっ……!!」 吹っ飛べ、クソ饅頭! *** *** *** *** ──かんだいな れいむも、そろそろ がまんの げんかいだよ? ご馳走さんは、まだだろうか? お馬鹿なありすは、「きたない はなび」になった。 今、ぱちゅりーもそうなろうとしている。 人間さんが振り上げたそのお手々で、ぱちゅりーに“体当たり”した。 「ぶぎゅぅううううっ!? ぎゅう!? む゛っきゅ゛う゛う゛う゛っ!? は゛ちぇ゛の゛! は゛ちぇ゛の゛ ち゛て゛き゛な゛ も゛み゛あ゛げ゛さ゛ん゛がぁあああああ!」 ぱちゅりーは、「きたない はなび」にならずに済んだみたいだ。 でも、片方のもみあげさんが千切れてる。お顔の真ん中も、凹んでる。元々、どっこも 知的なんかじゃないけど、今は馬鹿そのものだ。 でも、そんなのどうだっていい。どうだっていいんだ。 気持ち悪いだけだし、ゆっくり出来ない。こんなのを見せられるよりも、早くご馳走を 食べてゆっくりしたい。 「ゆぇっ……! おぅえっ! ぅえぇええ!」 「ぅえっ! ぅえええええん! うえ、う、うげぇ!」 「えれえれえれえれえれ」 「おチビちゃんたち、がまんしてっ! えれえれ しすぎると、ゆっくり できなくなるよ! しんじゃうんだよ!」 汚いえれえれ塗れで死ぬなんて、そんなゆっくり出来ないクズは、れいむのおチビちゃ んにはいないはずだ。れいむのおチビちゃんには、もうクズなんていないはず。お母さん だって我慢してるんだから、当然、子供のおチビちゃん達も我慢しなくちゃ。 そう言うと、おチビちゃん達はみんな、えれえれを一生懸命に我慢し始めた。さすが、 れいむのおチビちゃん達、みんなお利口な良い子達だ。 「さくさく行くぞ。次は?」 「次は……」 悲鳴が上がる。 れいむが知ってるゆっくりが、知らないゆっくりが、知ってるような気もするけど思い 出せないゆっくりが、悪いゆっくりだと、罰を与えられている。 ありすとぱちゅりーは、クズだから当然だけど、他にも結構いたみたいだ。二人以外に、 もう、2……3……た、たくさん、ゆっくり達が罰を受けている。 ──もういいでしょ? れいむに、ごちそうさんをちょうだいよ。 「次……て、あと何匹だ? そろそろ飽きてきた」 ──れいむも、あきあきだよ。 「次で最後です」 やっと終わりそうだ。 ──にんげんさんって、あんがい ちょろいだけじゃなくて、けっこう ノロマなんだね。 「コイツらです」 人間さんの一人が、こっちを指さしている。どのゆっくりが、最後なの? 「ああ。さっきから、なんかブツブツ言ってたヤツか」 人間さんが、近づいてくる。 人間さんが、れいむのおつむに触れる。 ギュッと掴まれ、れいむの体がお空に浮かぶ。 ゆわ~い、お空を飛んでるみたいってそんなこと言えないよ!? 痛いよ!? もっと 優しくしてよ! 「な、なにっ!? なんなの!? こいつって、れいむのこと!? れいむ、わるいこと なんてしてないよ!」 「やりまくってるだろうがっ!!」 人間さんの一人がいきなり、凄く怒り出した。どうして? れいむは何も悪くないのに。 ──このにんげんさん、おばかだから れいむの よさに きづいてないのかな? 「……お前、さっきからチョイチョイ酷いことを言ってるぞ?」 怒鳴った人間さんとは別の、れいむのおつむを痛い感じで掴んでる人間さんが、変なこ とを言った。 「れ、れいむ、ひどいことなんて いってないよ?」 れいむは、いつだって良いことばかり言ってるんだ。だって酷いことを言うと、言った れいむもゆっくり出来なくなりそうだから。 酷いことじゃなかったとしても、たとえ本当のことでも、言っちゃうとゆっくり出来な くなりそうなこともある。 ──そういうのは、こっそり かんがえるだけにしてるから、いってないよね? 「考えるだけって……お前、声に出てるじゃねぇか」 「え……? ゆぇええええええっ!?」 れいむが? 考えていることを? 声に出してる? そんなはずはない。多分ないと思う。ないんじゃないかな。 ま、ちょっと覚悟はしたほうがいいの? 「で、でも! れいむ、わるいことしてないよ!? いいことなら、いっぱいしたよ!? にんげんさんに、おうたを うたってあげたりしたよ! せくしーぽーずも みせてあげた し……そ、そうだ! おにいさんたちにも、おうたを! うぅん! とびっきりの、せく しーぽーずを!」 「黙れよ! 聞きたくもないし、見たくもない!」 どうして? どうしてこの人間さんは、こんなに怒ってるの? 「もしかして、れいむの すばらしさに しっと してるのかな? きっと そうかも……」 「二度も番いを殺すことが、素晴らしいってのか!? 自分の子供を選り好みして、殺す ようなヤツに、どう嫉妬しろってんだ!」 「な……なに いってるの?」 「番いだよ! 結婚相手って言えばいいのか? 殺しただろうが! ありすを! ありす との間に出来たガキも殺して! その後知らんぷりして、まりさとくっついて! まりさ を死なせて! まりさとの間に出来た子供も、まりさ種のヤツは殺して!」 「わ、わけわからないこと、いわないでね! れいむのだんまさまは、まりさだけだよ!」 ありすなんて、知らない。だって、れいむの旦那様は、まりさだけだもの。 そのまりさは、病気で永遠にゆっくりしちゃっただけだ。 死んじゃったおチビちゃん達は、まりさに似たせいか病弱で、まりさを追いかけて天国 へ行ってしまったのだ。 この、ありすみたいな髪の毛の人間さんは、さっきからどうして変なことばかり良いな がら、わけのわからない怒り方をしてるの? 馬鹿なの? 死ぬの? れいむに酷いことをする、わけのわからないヤツなんて、クズでしょ? 人間さんの中 にも、クズがいるってことなの? クズなの? クズは死ぬよ? クズだから死ぬんだよ? 「……もういい」 れいむのおつむを掴んでいる人間さんが言った。 そうだよ、もういいよ。 もういいから、クズはゆっくりしないで、さっさと死んでね? もういいから、れいむにご馳走さんを食べさせてね? たくさんでいいよ? *** *** *** *** 「二度も番いを殺すことが、素晴らしいってのか!? 自分の子供を選り好みして、殺す ようなヤツに、どう嫉妬しろってんだ!」 最後の1匹だというれいむ種を相手にし始めた途端、アルバイトの彼──先輩は“小僧” という、あだ名にもなっていないあだ名を付けたらしい──が、怒りを剥き出しにして、 声を荒げ出した。 余程に問題のある個体なのだろうか? それとも、彼の怒りを買うようなことをし続け てきたのだろうか? 先ほどまでは、掴み上げたゆっくり達を面白そうに観察していた先輩が、今は静かな表 情で小僧くんをジッと見つめている。 「番いだよ! 結婚相手って言えばいいのか? 殺しただろうが! ありすを! ありす との間に出来たガキも殺して! その後知らんぷりして、まりさとくっついて! まりさ を死なせて! まりさとの間に出来た子供も、まりさ種のヤツは殺して!」 「わ、わけわからないこと、いわないでね! れいむのだんまさまは、まりさだけだよ!」 「証拠は、あるんですか?」 声をかけると、小僧くんがゆっくりとこちらを振り返った。その表情を、なんと言えば いいのか……なんとも表現しづらい、複雑な表情を浮かべている。 「証拠って、言えるほどのものは……ないですけど」 「ありすなんて、しらないよ! れいむの だんなさまは、まりさ だけだよ!」 「いただろうが! お前と子供を作って! ありすの方が孕んで! なのにお前は、自分 がお母さんになりたかったとか、わけのわからない文句を付けて、喧嘩して! 喧嘩した 次の日に、木の根元でお前が潰したんだろうが!」 調べれば、記録はあるだろう。 飼育されているゆっくりには、一匹一匹に識別タグが付けられている。ゆっくり達がお 飾りと呼ぶ、れいむ種ならば後頭部のリボン、ありす種なら頭のカチューシャ、まりさ種 なら大きなとんがり帽子に、バッジ型のものが取り付けられ、そのタグに記されたナンバ ーに従い、行動や生活の変化などを、データバンクに蓄積し続けている。 番いを得た、子をなした、死亡が確認されたなどの大きなことは、間違いなく記録され ているはずだ。 ゆっくり達の飼育スペースは、今私達がいる広間と、ここに繋がる複数の小部屋から成 り立っている。広間も小部屋も、ちょっとした室内庭園という風情で、草木に満たされて いる。足下も、床の上に厚く土を引いた上に、芝生を植えてあるのだ。そのため、淡い青 色に塗られた天井が、いくらか低く感じられた。 木々のおかげで、どの部屋にも隠れる場所がある。目に付かない場所や、観察用のカメ ラでも捉えられない場所も少なくない。 最初のありすは、胎生型の妊娠だったという。 身重で、あまり素速く動けなかっただろう ありす を、小部屋の目に付きにくい木の根 に連れて行き、何度も何度も体当たりをして、殺した。小僧くんが死体を観察した限りで は、そうとしか思えなかったそうだ。 目立った外傷はなく、一点に強い打撃を受けたような凹みは見あたらなかった。ただ、 何度も何度も繰り返された打撃によって、ありすの肌は荒れ、体型が歪んでいたという。 そして、小さなゆっくりを潰した残骸らしいものが、そのすぐ側にあったらしい。 「こいつとありすが喧嘩したのは、俺以外にも見てたヤツはいました。そのバイト仲間は、 れいむが謝ることで、仲直りしたみたいだって言ってて……なのに次の日、ありすの姿は 見えなくて、コイツはぶつけて怪我をしたとか言って、横っ面を張らしてて、治療までさ せて……ありすのことは、知らないの一点張りで」 状況証拠、と言ったところか。すぐに調べれば、確定できたかもしれない。 「ありすの死体は、すぐに発見されたんですか?」 「その次の、次の日だったと思います。ちょうど、金曜の清掃の時に見つかって……だか ら、こいつらが喧嘩した、三日後に発見されたってことになります」 誰もが、あまり気にしなかったという。 ゆっくりが、妊娠中の番いを、しかも自分の子供もろとも殺すというのは、確かに考え づらい。仲直りしたところを見た者がいるのなら、なおさらだろう。 「まりさの時は、餓死です。コイツが、まりさの分も全部食ったんですよ」 「まりさは、びょうきになっちゃって、えいえんにゆっくりしちゃっただけだよ!」 「嘘をつくなっ! まりさは、メシを食ってないって言ってたんだよ!」 週に一度、体調管理のためにも、調整した飼料をゆっくり達には食べさせている。それ 以外は、草木もあれば木の実もある。ゆっくり達が、自分で集めるのだ。 人間から貰える飼料を、ゆっくり達は「ご馳走」と呼んでいるらしい。その飼料の分配 も、人間側が干渉するのは群れ単位までで、そこから先はゆっくり達に任せている。 基本的には、ゆっくりが形成する社会に深く干渉しないようにと、アルバイト達は言わ れているらしい。それを破って、こっそりゆっくり達と遊ぶ者もいるようだが…… 小僧くんは、まりさに餌をねだられた。だが、自分でなんとかしろと突っぱねたらしい。 食料が不足している様子は、なかったからだ。同じ群れのどのゆっくりも、飢えてはいな かったのだから。 おかしいと思ったのは、まりさが飢えて死んだとき。 病気になって死んだと泣く、番いのれいむが、肥え太っていたから。 記録を確認すると、ありすの時のれいむと、同一の個体だと判明したから。 だが、結局は証拠不十分ながらも要観察という、先送りで終わった。 そもそも先輩が言い出すまで、決まりを破ったゆっくりに対する罰など、存在しなかっ たのだから、当然だろう。愛護寄りのアルバイト達だって、ゆっくりを可愛がったり、職 務外の行動として一緒に遊んでやったりはしても、トラブルを解決してやろうなどとは思 うまい。 研究員なら、実験体が不足しなければいいのだ。 その実験体として選ばれることが罰と言えなくもないが、選ばれる理由はもっと別の要 素だ。成長度合いであったり、体型であったり、種であったり。 「挙げ句の果てに、自分が産んだ子供を……! 選り好みして! 殺して! 食って!」 「しんじゃった おチビちゃんたちは、まりさに にてた だけだよ! だから、びょうき に なったんだよ! まりさをおいかけて、てんごく へ いっちゃったんだよ!」 「まりさ種はいらないから殺したんだろ! お前がそう言ってるのだって、俺は聞んだ!」 ゆっくりにも、育児ノイローゼと言うべき症状が出ることはある。その結果として、自 分で自分の子供を、殺してしまうこともある。 しかし、この場合は育児ノイローゼと言っていいものか。我が子の中でも、まりさ種だ けを、れいむは虐げ続けたという。差別し、面倒を見ることを放棄し、親のまりさの時と 同じように、飢えさせた。 赤ん坊達は、成体よりも早く餓死を迎える。小僧くんが問題を訴えるよりも早く、幼い まりさ種達は、その姿を消した。 清掃業務中に小僧くんは、れいむがガツガツと何かを食っているところを目撃し…… 『お前、確か……おい! なにを食ってるんだ!?』 『なっ……!? なにも? れいむ、なにも たべてないよ?』 『口の周りの、それ……餡子じゃ……』 『べろっ! ずべろろろ! ん? な、なんにもついてないよ? へ、へんなこと、 いわないでね?』 一昨日のことだという。 「子供は! お前らのオモチャじゃないんだ! 子供は! 親のためにあるんじゃない! 親のアクセサリーじゃない! 親が自慢するためにあるんじゃないんだ!」 「なに いってるの? おにいさんも、クズなの? れいむに ひどいことするのは、クズ だから?」 「クズは、お前らの方だ!」 「にんげんさんなのに、クズなの? クズは しぬよ? クズだから、しぬんだよ?」 「このっ……テメぇふっ!!」 「……もういい」 先輩が、れいむを殴ろうと駆け寄った小僧くんの、ちょうど鳩尾当たりを軽く突いた。 少しばかり息を詰まらせ、小僧くんの勢いが止まる。それでも、やらせてくれと泣きそう な声で、小僧くんは叫んだ。 「もう、たくさんだろ? 言いたくもねぇことは、言わなくていいさ」 「お……俺は、別に……!」 「小せぇって言ったことは、謝るよ」 「……え?」 「はやくしちぇよ、おにいしゃん! そいつ、はやく ころちてにぇ!」 「しょうだよ! しょんなクジュ、しゃっしゃと ころちちゃってにぇ!」 「こども ごろしの クジュは、ゆっくりしにゃいで しゃっしゃと ちんでにぇ!」 小さな声が、騒ぎ出した。今、先輩に掴み上げられている、れいむ種の子供……小僧く んの話によれば、選り好みによって選ばれた方の、れいむ種の子供達だ。 「なっ、なに いってるの、おチビちゃんたち! おかあさんに そんなことをいう こ は、 クズだよ! おかあさんは そんなクズ、そだてた おぼえはないよ! ゆっくりしないで、 さっさと あやまってね!」 「うるしゃい、クジュ! おにぇえちゃんを ころちたくしぇに!」 「いもうと も ころちたよ! おまえみたいなクジュ、おかあしゃん じゃ にゃいよ!」 「しぇーしぇーしゅるよ! これで、れいみゅたちは じゆうだよ!」 「なんとも聞き取りづれぇけど……どうやら、証人がいたらしいな」 「コイツらも、処分対象ですよ。親とよく似て、本性はこの通りです。親が見てないとこ ろだと、言いたい放題の、やりたい放題なんですから」 「にゃに? にゃんにゃの?」 「れいみゅたちの きゃわいしゃに、めろめろにゃの?」 「きゃわいい れいみゅたちが おにぇがいしてりゅんだよ?」 「「「しゃっしゃと そのクジュ、ころちぇって いってりゅでしょ?」」」 「「「きこえにゃいの? のろま にゃの? ばか にゃの? ちぬ の?」」」 ゆっくりからは、遺伝子らしいものがまだ見つかっていない。どうやって形質・性質を 伝えているかが、判然としないのだ。それでも、子は親に似る。 つくづく不思議の塊であり、まだまだ研究しなければならない課題が多い。 そう言うと、先輩はちょっと切なそうな顔をした。 「今回に関しちゃ、まったく似てない方がいくらか慰めにもなったんだろうがなぁ」 先輩はれいむを掴み上げたまま、空いている方の手で小僧くんの肩を、ポンポンと宥め るように叩いた。 「似るも似ないも、本人次第だ。気にすんなよ、小僧」 「え? あ、あの……」 「あれだろ? お前、本当はコイツを潰そうと思ってたんだろ?」 「あっ……! う、え、えっと……」 「でも、その前にクソ生意気なヤツが、奴隷だなんだとお前を怒らせたもんだから、つい やっちゃった、と」 「な、なんで……」 「お前の腹ん中にあるものは、小さくはないな。その点は、俺が間違ってた。だからこそ、 お前はコイツを殴っちゃ駄目だ」 なんの話か、私にはわからなかった。 それでも、先輩には気づけることがあったのだろう。 「お前の母ちゃんと、コイツは違う。殴っちまうと、一緒くたになっちまう。それだけは、 駄目だぜ」 小僧くんの肩が、大きく震えだした。 *** *** *** *** 「お待たせしました、先輩」 「終わったのか、学者?」 ついさっきも、聞いたようなやり取りだ。 ただ、学者さんは白衣を脱がないままで、帽子を被っていないゆっくりまりさを抱きか かえてもいる。 「学者さんのおかげで、おチビちゃんが二人とも助かりそうです!」 「そうかそうか。そいつは何よりだ」 先輩さんの飼いゆっくりの、母親の方だ。体が半分潰れた子供の、足りない餡を補うた め、自分の餡を提供したらしい。輸血みたいなもんかなぁ? 「未熟児でしたから不安だったのですが、よく耐えてくれました」 「確かに、体力が保つかは疑問だったな」 「それもありますが、痛みに対してです。母親が我慢するように声をかけると、本当に我 慢して……つくづく、先輩のゆっくりには驚かされます」 「俺のって言われても、俺自身は何も……って、痛み? 麻酔とか使わないのか?」 「ゆっくりには、麻酔が効かないんですよ。効能を教えれば、思い込みで眠ることもあり ますが、少しの痛みですぐに覚醒します」 ラムネが睡眠薬のように効くという話は、ネットでも有名だ。でも、それってただの思 い込みだったんだ? 学者さんに聞いてみると、試してみたことは何度もあるけど、すぐに起きてしまったの だとか。 「へぇ~。二酸化炭素に、効き目があるってわけでもねぇんだな」 「……え?」 「だから、二酸化炭素だよ。ほら、食品の保存なんかで、ガス充填ってやるだろ? 他に も、除酸素剤とか……知らねぇのか?」 「いえ、知っていますが……それじゃ、先輩の言うラムネとは、炭酸飲料水の方ですか?」 「なに言ってんだ、学者。ラムネって言ったらビンに入ってて、ビー玉みたいなのを落と し込んで、上手に飲むヤツだろうが」 学者さんが、二酸化炭素とか、酸化がどうの、活動がどうのと、ブツブツ言い始めた。 「……試してなかったのか?」 「ええ、我ながら、抜けていました。窒息するかどうかの実験で、密閉したことはありま すが、二酸化炭素を充填したことはありません」 「ゆっくりも、窒息死したりすんのか?」 「思い込みで、活動を停止することはあります。空気穴が空いていると思い込ませれば、 苦しみもしません」 「ホント、ゆっくりってのは、デタラメだな……」 「まりさも、デタラメですか?」 「デタラメだろうがよ」 「ゆ~~ぅ? ……よくわかんないです、ごめんなさい」 「そうか……まぁ本人には、よくわからんものだろうなぁ」 先輩さんの言うとおり、ゆっくりっていうのはデタラメな生き物だ。 さらに学者さんが言うとおり、先輩さんの飼いゆっくり親子は、ゆっくりとは思えない くらい、デタラメだ。 小さい赤ん坊達も、「大人しく待ってろ」って言っただけで、静かにしてたもんなぁ。 学者さんからまりさを受け取って、その子供達の側に置くと、さすがに親も子も嬉しそ うに言葉を交わしている。 赤ん坊達は、母親に大丈夫だったかとか、聞いているんだろうか? 母親のまりさは、 大丈夫だったとか、れいむは偉かった、ありすも偉かったとか、赤ん坊達にわかりやすく 説明してるみたいだ。 そして、ちょこちょこ動いて、体をすり寄せ合ったりしている。 これくらいは、可愛いもんだ。別に、うるさいとも思わない。なんか気を遣ってるのか、 こいつら小声で喋ってるし。 それに比べて、広場から持ってきた問題児のゆっくり共は…… ずっと騒いでいた。 個別のケージに入れられても。 くたびれて、グッタリするまで。 特に、あのれいむ親子が酷かった。親子で「死ね死ね死ね」と罵り合いだ。さらに他の ゆっくり達が、お前らのせいだなんだと、親も子も纏めて罵って…… 個別のケージに入れておかなきゃ、親も子も仲間も関係なく、殺し合いを始めるんじゃ ないかって勢いだった。 まぁ、そんな連中だから、このまま群れに置いておくのは、問題有りとしたんだけど。 「それでは、これから先輩の学習も兼ねて、ゆっくり達の処分を始めますが……構いませ んか?」 「俺の? 学習?」 「ええ。確認しますが、先輩はゆっくりのことを、どの程度知っていますか?」 「ろくに知らん。ネットでニュースなんかを読んだことがあるくらいだ」 「だからですよ。ゆっくりの親子を飼育するのなら、ある程度の知識が必要です」 「なるほど。そら、そうだ」 「どうすれば、死んでしまうか。どのようなことが、害となるか。当然、ゆっくりにとっ ては残酷なことが多いです」 「だろうな」 なるほど。 処罰するゆっくりをあの広間で潰さずに、この実験室まで持ってきた理由は、先輩さん にゆっくりのことを色々知ってもらうためだったのか。 これは思わぬところで、リアルゆ虐ショーが見られそうだ。しかも本職の研究員である、 学者さんがやるんだ。凄そうだぞ、これは。 でも先輩さんは、学者さんが何を言いたいのか、いまいちわかってないみたいだなぁ。 「あの、先輩さん。先輩さんの飼いゆっくりは、他の場所に移した方が良くないですか? たとえば、所長に見ててくれるように頼むとか」 休日だから、正規の所員もバイトも数が少ない。手が空いてるのは、俺か所長くらい…… でも、俺は是非見学したいので、ここに居続けたい。 「いいんじゃねぇのか? ゆっくりのことだから、こいつらも勉強した方が良いだろう?」 「はい! まりさ、ちゃんとお勉強したいです! おチビちゃん達にも、きちんとお勉強 させてあげたいです!」 「あの、そうじゃなくて……」 残酷なことが多いって、学者さんも言ったのに。言ってみれば、仲間の惨殺シーンを見 せつけるようなものになるってのに…… 「道徳の授業で、広島・長崎の悲劇を生々しく伝える写真やら、交通法規を破ったあげく の事故現場やら、戦場の死屍累々やら、死刑囚が刑を実行されるまでやら、いろいろ見せ られたぞ? それと似たようなもんだろ」 「ど……どんなスパルタ学校ですか?」 「日本の、ごく普通の公立小学校だけど? まぁ、田舎出身だけどさ」 田舎も都会もないと思う。年齢の差なのかな? 先輩さんが子供の頃は、そういうダイ ナミックな教育がされていたのかな? 「ナマで、ブクブクに膨れて腐乱した死体を見せられるよりマシだろ」 「見たことあるんですか!?」 「中学の時にな。臨海学校で、体育教師が偶然引き上げた。海は怖いと思ったもんさ」 デタラメだ。 先輩さん自身が言ってたとおり、どうやら本人は自分のデタラメさ加減がわかってない みたいだけど。 「はぁ……先輩がそういうのなら、いいでしょう。始めます」 「おう。教わろうじゃないか」 溜め息を一つついて、学者さんがケージを一つ選んで、中のゆっくりを机の上に取り出 した。 「むきゅぁあ! もうっ! きゅうくつ だったわ! さぁ、ゆっくりしないで さっさと この けんじゃ ぱちゅりーを ちりょうしなさい! そして、ゆっくりさせなさい!」 あの、ぱちゅりーだ。 俺が殴った拍子に千切れたから、左のもみあげがない。よく見れば、顔面もまだ凹んで いる。 学者さんに言われて、そのぱちゅりーが暴れないように、俺が抑え込む。 「らん……つったっけ? お前も、ちゃんと見てるんだぞ?」 「は……はい」 そう。あの、群れの長だった らん も、この実験室にいる。らんの群れは、このぱちゅ りーや、ありす・まりさ、さらには、れいむ親子も含まれていた。長がしっかりしてても、 ゲスは蔓延るんだなぁ。まぁ、ゲスがいる割合は、どの群れも同じくらいだったけど。 その らん は、先輩さんのまりさ親子と一緒に、ちょっと離れたところにある台の上で、 ションボリとしている。 背中の傷は、学者さんが手早く応急処置したけど……結構深かったみたいだし、休ませ た方がいいんじゃないかなぁ? ……って、なにゆっくりなんかを心配してんだろ、俺。 「先輩は、オレンジジュースが薬というような表現をしていましたが、正確には違います」 「あん? 薬じゃねぇのか? 学者が言ったんだろうが、オレンジジュースを使えって。 なければ、リンゴジュースでも良いとか」 「言いました。ですが、薬というわけでもないんです。正確ではない、と言ったでしょう」 ゆっくりの治療には、オレンジジュースを使う。なんでオレンジジュースなのかは、俺 にもさっぱりだけど、これはゆっくりのことを多少知っていれば、常識みたいなもんだ。 でも、薬じゃないってのは、どういうことだろう? 「オレンジジュースは、ゆっくりにとってのエネルギーを含み、その体を収縮させる成分 を含み、さらに……」 「すまん。もうちょっと、わかるように言ってくれるか?」 小さく溜め息をついて、学者さんが説明を再開する。 ゆっくりにとって、糖分こそが最低限必要となる栄養素である……ということは、俺も 知っている。先輩さんは、それも知らなかったみたいだけど…… 「一定量の砂糖水を注入し続けるだけで、食物を一切取らせなくても、かなりの延命を図 ることが出来ます」 「おさとう? あまあまのことね!? けんじゃ ぱちゅりーのために、その あまあまを もってきなさい!」 うるさい。そんな話をしてるんじゃないんだよ。 「人間の場合、点滴で使用される輸液は、ブドウ糖とアミノ酸をバランス良く含んだ上で、 ビタミンや微量元素を加えた物が基本です。さらに、脂質も配合した物もあります」 「ゆっくりの場合は、それが砂糖水だけで事足りるってことか」 「その通りです」 「まぁ、饅頭だからなぁ」 なんだか、俺が考えていたような展開とも、違うかもしれない。虐待ショーが始まると ばかり思ってたんだけど、なんか真面目に生物学してる感じだ。 「面白いのは、酸味です。ゆっくりは酸味に対して、収縮するという現象を見せます」 「酸っぱいものを食ったら、顔をしかめる……とかか?」 「それもあります。しかも、驚くほどの変化です」 話ながら、学者さんは何か液体を、スポイドに採っている。 「実際にやってみましょう。小僧くん、ゆっくりの口を上へ向けて、大きく開かせてくだ さい」 理科の教育番組みたいなノリだ。 って、学者さんまで、俺の呼び方が「小僧」で確定しちゃったよ……まぁ、いいけど。 言われたとおりに、ぱちゅりーを仰向けにして、口を大きく開かせる。スポイドから液 体を垂らしたら、すぐに手を離して良いらしい。 ぽたりと一滴……かと思ったら、ビュッと結構な量が注ぎ込まれた。 「んむぎゅぅうううううううっ!!!?」 「おお、すげーな」 「このように、口を中心に内側へ絞り込まれるほどの反応を示します」 「クシャおじさんみてぇだな」 先輩さんの言う「クシャおじさん」が、ピンと来なかった。 なんでも昔、それこそ「一回り小さくなるほど」に顔をクシャクシャにすることが可能 な人物が、テレビを賑わせたらしい。 今でも、懐かしのナントカと題した番組で、取り上げられることがあるとか。 「生憎と、見たことはありませんが……」 「それより、その液体はなんだ? どれくらい酸っぱいんだ?」 「酢酸です」 「ああ……うん……味見は、いいや。だいたい知ってる」 「この変化は、ゆっくりの全身で起こります」 「……全身?」 「ええ、振りかけた場合や、注射した時でも……小僧くん、離れて」 一歩、机から体を離すとすぐに、学者さんが酢酸のビンからスポイドで摂り、ビュッ、 ビュッ、と何度もぱちゅりーに浴びせかけた。 「ぎゅぅうううううっ!? ぎゅっ! むぎゅぎゅぎゅううううっ!!!」 ギチギチと、音が聞こえてきそうなくらい、ぱちゅりーの体が丸く縮こまる。痛いのか、 苦しいのか、きつく絞り込まれた口の奥から、くぐもった悲鳴を上げ続けている。 「我々が使う消毒液には、血管収縮作用のある成分も含まれています。ゆっくりの場合は、 酸味が、ちょうど同じような働きをするわけです」 「サバを酢でしめたりするが……それと関係あったりするのか?」 「さすがに、関係無いと思いますが……」 「どっちも喰いもんだろ?」 「魚肉と饅頭では大違いですよ」 「……そら、そうか」 「ぐむぎゅ……! ぐっ……!! ぐぐ……! っ…………!」 「この収縮反応のおかげで、傷を負ったゆっくりにオレンジジュースなどを適量ふりかけ れば、傷口が引き締まり、中身の流出を留められます。全身が引き締まれば中身が安定し、 若干の密度上昇を契機として中身が熱を発し始めもします。結果として、ゆっくりは活動 停止から遠ざかることが出来るのです」 「オレンジジュースだけでかぁ……あ、違うな。酸っぱいもので、か」 「もちろん、適量であることが前提です。酸味単体で言えば、僅かな量の違いで過剰な収 縮による内部圧縮を引き起こしたり、過剰発熱で感冒のような症状を引き起こします。酷 い場合は……」 「…………」 うっすらと、ぱちゅりーから湯気が上がっている。だが、うめき声も震えも、もう止ま っていた。 「このように、圧死することもあります」 「薬も過ぎれば毒だからな。にしても、妙なもんが傷薬になるもんだ」 傷薬と言っても、オレンジジュースには殺菌などの作用はほとんど見込めないらしい。 でも、ゆっくりにとっては、傷口を収縮させる作用と、栄養分と、覚醒作用をもたらす物 がバランス良く含まれた、総合治療薬と言っていいものだ……と、今まさにゆっくり1匹 が死んだのをガン無視して、学者さんは説明し、先輩さんは感心している。 らんと、先輩さんのまりさ親子は……と見ると、体を寄せ合ってガクガクと震えていた。 そりゃそうだろう…… 「栄養ってのは、糖分だよな? 覚醒作用ってのは? 熱量がどうのと言ってたやつか?」 「苦味ですよ」 「苦味? オレンジジュースは、苦くないだろ? 甘酸っぱくて……あと、飲み過ぎると 痰が絡む」 「それは、先輩が年を取っただけのことでは?」 「言われるほどオッサンじゃねぇよ。お前だって、たいして変わらねぇだろが」 学者さんに指示されて、死んだぱちゅりーはポリバケツに放り込み、次のゆっくり…… 講義のための、犠牲になるゆっくりを選ぶ。 「ありす種がいましたよね?」 「あ、はい。2匹います」 ありす種の1匹をケージからテーブルの上に出し、ぱちゅりーの時と同じように抑え込 む。 まだオレンジジュースの話の途中だから、きっとまた何か飲ませたり食わせたりするん だろう。仰向けにして、口を大きく開けさせると、学者さんが軽く頷いた。 「ごく僅かですが、オレンジジュースにも苦味成分は含まれてます。そのごく僅かな苦味 が、ゆっくり達にとっては、気付け薬であり、体機能の活性化もしてくれるんです」 別のビン──どうやら、インスタントコーヒーらしい──を取り出し、スプーンでサッ サッと顆粒をありすの口の中に放り込んでいく。 「おっ! おごっ! んほごぉおっ!」 「強すぎる苦味の場合は、ゆっくりの体内流動が活発化しすぎて、嘔吐を繰り返します。 眼球が弾け出すほど、激しい反応を示したケースもあります」 「ふごほっ! げごほごごがほっ! ほごほぉおおんっ!」 抑えていることに苦労するほど、ありすがガクガクと震え出す。驚くほどの力で口を閉 じようとするので、こっちもかなりの力を込めてこじ開けていないと、両手に思い切り噛 み跡を付けられそうだ。 「コーヒーを飲ませるのは、やばいわけだ」 「個体差はありますが、ブラックの缶コーヒー1本分も与えれば、体機能が暴走し、死に 至ることが多いです」 そう言いながら、あんたさっきからコーヒー何倍分の顆粒を入れてますか? 本気で、つらい。なんだよ、この力。抑えていられなくなりそうだ。 「先輩、抑えてください」 「はいよ」 学者さんが離れ、先輩さんがありすの髪の毛を引っ掴む。俺が手を離すと、髪を鷲掴み にしたまま、ありすを宙づりにした。 「んほぉおおああああぉおあおあおおおおおっ!!」 物凄い勢いで、ありすがぶるぶるガクガクと揺れる。人間なら、腰を振ってるってとこ ろか? “ぺにぺに”が勃ってるかは……よく見えない。ありすの体全体が、残像現象が 起こるくらいのスピードで揺れてるし。 「おほうっ!! おっぱぁあああっ!!」 パンッ! ポンッ! と、破裂音と共にありすの眼球が飛び出し、ころころとテーブル の上に転がり落ちた。 「あひゅぅうう! あふお! んほおぉおおお!!」 ビシュッ! と音を立てて、下半分──多分、“ぺにぺに”だろうなぁ、ありすだし── が、裂けたか弾けたか、小便のような軌跡を描いて中身のクリームが吹き出す。 「ごぼっ! ごばぼぼぼぼぼぼぼぼっ!! ごばごぼばぼぼべばばばばっ!!!」 そして、すぐに口からも大量の中身を吐き出し始めた。 「ごぼっ! ご……ぉぼおぉ……ぉ…………」 中身のほとんどを出し尽くし、テーブルにちょっとしたクリームの山を作ると、ありす は動かなくなった。 「ご覧の通りです。コーヒーの苦味は、少量でもバッドトリップを引き起こす場合が多い ですから、特に気をつけてください。アッパー系ですから、鎮めるのに苦労しますよ」 「なるほど、こりゃ酷いな。気をつけねぇと」 それどころじゃ無いと思うんだけど…… けど、缶コーヒーが、ゆっくりを騙して苦しめる定番の虐待アイテムな理由が、よくわ かった。 「大雑把ですが、ゆっくりにとっては甘味が栄養素、酸味が収縮作用の傷薬、苦味が活性 化をもたらす覚醒剤、辛味が致死毒と言ったところですか」 「……にしても、大雑把すぎるだろ」 「私もそう思いますが、実験や観察の結果、そういう答えしか出て来ていないんですよ」 「ふ~ん……」 汚そうにありすの死骸を、先輩はポリバケツに放り捨てた。 「うわぁあああっ!? なにいまの なにいまの なにいまのぉおおおお!?」 「いやだよぉおおお! れいむはっ! れいむは、あんなふうになりたくないぃいい!」 「とかいは じゃないわ! とかいは じゃないわ! とかいはじゃなばげろぼろろろ!」 「うぎゃああああ! ありすが はいたぁあ! となりで はいだばれろえろえろえろ!」 すぐ側においてあるケージから、騒がしい悲鳴が次々と起こり、貰いゲロの嵐も吹き荒 れだした。いくつものケージが、内側から汚されていく。そりゃそうだろう。すぐそこで、 体の全てを吐き出しながら死んでいく仲間の姿を見せられたんだから。 学者さんに言われて、テーブルの上の汚れ──元、ありすの中身──を、片付ける。 ちりとりをヘラのように使って、かき集めてポリバケツへ。最後は、使い捨てのペーパ ータオルで拭き清めて……っと。 そういえば、らん達は今のを見て吐いたりしてないだろうな? 見てみると、吐いてはいないようだが、赤ん坊のゆっくりが揃って気絶したみたいだ。 先輩さんの母親まりさが、「しっかりしてね」と繰り返しながら、何度も赤ん坊達を舐め 回している。 「オレンジジュースは、一番バランスが良いってわけだな? 甘味と、酸味と、苦味の。 だから怪我やなんかの時に、薬のように使うにはもってこい、と」 先輩さんと学者さんは、すぐ側のゲスゆっくり達の騒ぎも、らんや母親まりさの恐怖や 混乱も、綺麗に無視したまま、オレンジジュースの効能について話し続けている。 なんだかこの二人、虐待お兄さんってイメージからは遠いかもしれない。見て、恐怖す るゆっくりも、楽しみの一つだろうに。さっきから、さくさく死なせていってるし。 って、そもそも虐めることや潰すことを、楽しんでるわけでもないか。 それ以前に、生き物として扱ってすらいないというか……本当に先輩さんは、ゆっくり の飼い主なのか? ペットとして、扱うつもりがあるのかなぁ? 「無い時は、他の果汁100%ジュースでもなんとかなるし、三つの味を上手く組み合わ せれば、代用も効くってことか?」 「そういうことになります。もちろん味覚だけではなく、成分的な要素も疎かには出来ま せんが」 「まぁ、酢と砂糖とコーヒー混ぜても、オレンジジュースと同じにはならんだろうしな」 「ええ、なりませんでした」 「やってみたのか?」 「やりましたよ。一通りは」 結局のところ、酸味も苦味も、強すぎればゆっくりに死をもたらすということだよな。 それって、甘味も同じだっけ。 強すぎる甘味を与えると、味覚が破壊されるってのは有名だし。 それ以降は何を食べても、不味く感じる。苦味や酸味、辛味は感じられるのに、甘味だ けはかなり強いものじゃないと「味がない」としか感じないらしい。 結果として、待ってるのは餓死だ。これもわりと、よくやられてる虐待方法。 「レモンジュースは酸っぱすぎて、グレープフルーツだと、苦すぎるってところか?」 「その通りです。ブドウもやや苦味が強いようで、代替としてはリンゴがまだしもマシな 方と言ったところでしょうか。ほとんどの果物が、食物として量に気を遣った上での摂取 なら、なんの問題もありません。ですが、緊急時に対する効能を期待するのなら、あまり 相応しくありませんね」 「でも、レモンとか食わせたら、クシャおじさんみたいになるんだろ?」 「少量なら、しばらくすれば回復します。強制しなければ、致死量に達するはるか手前で、 ちゃんと吐き出します」 「ふ~ん……同じオレンジジュースでも、バレンシアオレンジと蜜柑じゃ、やっぱり違う のか?」 「違いますね。ベストは、蜜柑です」 次々と果物の名称が出てくるのを聞いているからか、ケージの中のゆっくり共が騒ぎ出 した。よこせ、出せ、食べさせろとうるさい。 「次は……そうだ。先輩が持ち込んだゆっくりは、強姦されて子を為したということです が……本当ですか?」 学者さんが、いくらか声を抑えて質問した。 内容からして、ゆっくり達……特に、先輩さんの母親まりさを気遣ったのだろうか? 「そうらしいぞ。れいむ種とありさ種の野良、二匹から同時に犯されたんだと」 先輩さんの方は、まるで気を遣ってない。聞こえたのか、母親まりさがビクッと震えた。 デリカシーも無さそうだなぁ、この人。 「……試してみましょう。三体ですから、先輩も手伝ってください」 「はいよ」 やるんだっ!? 学者さんも、結局はあんまり気を遣わないんだなぁ。 まず学者さんは、まりさ種が入っているケージを手に取って、ケージごと重量計に乗せ 重さを量り出した。何かのデータを採ってるのかな? 「“あの”れいむは、後回しで良いな?」 「あ……は、はい」 「先輩に任せます」 あの、れいむ。 虐め抜いて、殺してやりたいという気持ちもある。 でも…… 先輩さんが言った、「一緒くたにしてはいけない」という言葉が、その気持ちを押しの けている。 先輩さんは、どうして気付いたんだろう? 俺は、れいむをどうしたらいいんだろう? 「はっ、はなして! はなしなさい! なにをするつもりなの、このっいなかもの!!」 「やめてね! はなしてね! れいむ、なにもわるいことしてないよ!」 「てめぇら! さっさと はなさないと、どうなってもしらないんだぜ!」 先輩さんがまりさ種を、俺がありす種で、学者さんは例のとは別のれいむ種を、それぞれ テーブルの上に抑えつけた。 「くずな れいむは、あっちだよ! まちがってるよ!」 「らんぼうに しないで! あんまり らんぼうにされると、ありすの とかいは な かみが、 みだれるわ! それに、Mになったらどうするの! こうふんしてきたわよ!」 「ありすが へんなこと いいだしたよ! きもいよ! れいむを たすけて!」 「いま むてきの まりささまが たすけてやるんだぜ! こいつらを、ギッタギタにし…… あぁんっ! おぼうし かえしてぇ!」 先輩さんが、まりさ種の帽子を取り上げると、鷲掴みにした髪の毛だけで机へ仰向けに 押しつけた。自由に動く下半分をぷりんぷりんと振りながら、さっきまでの「だぜ」口調 が嘘みたいに女々しく泣き始めた。 「いやぁんっ! おぼうし! おぼうし、かえして! ゆっくりしないで、かえしてね!」 「んほぉおおおっ! まっ、まりさの おしり、とかいはで すてきに せくしーよぉおお! ありすのことを さそっているのねぇえええっ!?」 「ありす種とれいむ種。まずは、この2体を発情させます」 「あのっ、でも……! こ、コイツっ……もう、発情してるみたいです……!」 ありす種は、ぷりんぷりんと振り続けているまりさ種の尻をガン見したまま、口の下に あるちっこい“ぺにぺに”を精一杯に勃てて、暴れ始めている。抑えているのが難しいく らいの激しさだ。 「くっ……! このっ! ジッとしてろよっ!」 「はなしてぇえええっ! おにいさん、ごしょうだから、はなして! ありすはこれから、 まりさと とかいはな すっきり~! をしなくちゃいけないのよぉおおおお!」 「こちらもすぐに準備させます。しばらく耐えてください」 俺になのか、ありすになのか、どちらとも取れる言葉で学者さんが言い、れいむを…… なんと言ったら良いんだろう? 「ぶにぶに」し始めた。 れいむを頭の上から抑え付け、押す、戻す、押す、戻すの繰り返し。 「ゆぶっ? やべっ? やめてね? れいっ! れいむ、つぶれっ!? つぶれちゃう!」 「なにしてんだ、それ?」 「交尾の準備を、強制的に行っているんです。上下の振動で、餡を揺らすこと。ゆっくり の体全体が、上下に伸縮するような動きを与えること。実際の、交尾の動きと同一の刺激 を加え続けることで……」 「ゆはっ! ふはっ! はぁあああんっ! れいむっ、れいむ、ぽかぽかしてきたよぉ! この、れいむの せつなさ、だれか なんとかしてぇええんっ!」 「発情し始めるわけです」 「は~あ……AVも冷静な気持ちで客観的に見ると、出来損ないのギャグみたいだけど、 ゆっくりの発情ともなると、また一層冷めるやら萎えるやら……」 「なんの話ですか、先輩さん……」 「なんで真面目に見てたのか、自分で自分にうんざりしちゃったんだよ」 「これから、もっとうんざりするものを見ることになりますよ」 「あ~……ゆっくりの、レイプショーか。人間のでも見たくねぇよ」 不機嫌に言いながらも、やめろと言わないし、目を背けようとしない。 「もう少し、発情させた方が良いでしょうか。所謂“レイパー”の状態になるくらいには。 そのありす種も、適当に揺すってください」 「こっ、これをですか!? 揺するも何も、ちょっと油断すると逃げられそうで……!」 「にげるんじゃないの! にげるんじゃないのよ! まりさを しあわせ~ にしてあげる の! まりさと しあわせ~ になるの! まりさと すっきり~ するだけなのよほほぉお おおんっ!」 「ちょっと、貸してみろ」 先輩さんが手を伸ばしてきて、ありすの頭を鷲掴みにする。 恐る恐る手を離すと、ひょいとなんでもないように持ち上げた。ちょっと呆気にとられ たが、先輩さんに促され、交替して今度は俺がまりさの髪を掴んで抑えつける。 先輩さんが、両手でありすを持ち上げるようにして、上下に振り始め…… 「まりさと……ゆふあ!? ゆぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶぶっ!?」 うわなにそれ凄い先輩さんの腕がバイブみたいっ!! 「つくづく、どんな筋力をしてるんですか、先輩は……」 「菩薩掌とか出来るかもな」 「なんですか、それは?」 知ってるけど、スルーしておく。 「ゆふぉおおおおんっ! ふおっ! ゆほぉおおおおおおおおおおっ!!」 先輩さんが、腕の上下運動──というか、もうほとんど超振動──を止めると、ありす はすっかり出来上がっていた。 どろりと溶けて焦点の定まらない目。だらしなく開いたままの口からは間の抜けた声と 涎を垂れ流し続け、全身からもじっとりと粘液を出し始めている。 さっきまで小指の先ほどだった“ぺにぺに”が、親指一本分強の大きさにまで腫れ上が っている。 「うえ~……ぬるぬるして、気色悪ぃ……そういや、うちのチビもこんな感じに……」 「いやぁあああああああっ!? こわっ! こわいよぉおおおお!」 「おちつくんだ、まりさ! ここまでは こられないから! こわいなら、めを とじてろ。 おまえは、めを とじてても おこられないから」 先輩さんの母親まりさが、パニックを起こしかけ、らんが懸命にそれを宥めている。 そういえば、レイパーに襲われたことがあるって言ってたよな……思いっきりトラウマ を刺激したんじゃないの? 「こちらのれいむにも、お願いします」 「はいよ」 「あの……先輩さん? 先輩さんの、まりさが……」 「ああ。おい、また赤ん坊を踏んづけたりするなよ!?」 「は、はいぃいいいっ……!」 え? それだけ? 「ぬるつくから、さっきみたいに出来んな……」 「ああんっ! れ、れいむの せくしーぽいんと を、もしもし しちゃ らめぇええ!!」 「なにがセクシーポイントだよ。どこから尻かも、わからねぇ体のくせして」 「お、おしりはりわりわりわりわりわりわりっ! へっ、へっ……へれりれりりりり!」 ありすが出した粘液で汚れたせいで、先輩の手もぬるついて滑るらしい。ありすの時と は違い、れいむは上と下から抑えて、上下に揺らし……というか、超振動させ始めた。 ありすよりもさらに、変な声を上げている…… しばらく揺すられると、れいむもありすと同じくらい“ぺにぺに”を怒張させ、ギラギ ラした目つきでハァハァと荒い息を吐き続けるようになっていた。 「これくらいでいいか?」 「ええ。それじゃ、この2匹を放しますよ、小僧くん?」 「え……? あっ! は、はい!」 まりさの髪の毛をごっそりと掴み直し、両手でしっかりと抑える。 「いだいぃぃっ! なにするの? はなしてね! やめてね! おぼうしかえしてね!」 「んほぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! まりさまりさまりさまりさぁ!」 「れいむもぉおっ! れいむもまりさとりさとまりままりまりりまはぁああああんっ!」 「ゆぎゃぁああっ!? やめてやめてやめてよぉお! ぎぼぢわづいよぉおおおおぉ!」 レイパー並みに発情しきったれいむとありすが、ぷりんぷりん振られ続けていたまりさ の尻に体当たりして、激しく上下にずりずりと蠢き始めた。 「やべでぇええええ! まりさの まむまむ さけちゃううううっ! ひぎっ!? そこは ちがうの そこは あにゃる にゃああああっ!! にゃぎゃあああっ! まりさの からだ、 さけちゃうよぉおおおお!」 「んほぉおおおおっ! にけつ ぜめ ねぇ! すてきよぉ! とかいはよぉ! れいむの ぺにぺに の ごつごつ も つたわってくるわぁああ! たまらないわぁああああああっ! まりさの まむまむ さいこおぉおおおおお!」 「れいむ、きもちよくって どうにかなっちゃうぅうう! まりさの あにゃる、れいむの ぺにぺにを くわえて しめつけて はなさないのぉおお! いひぃんっ! いぃいいんっ! いい!いい!いい! いいっ! きもちいいよぉお!」 「うへぇ……考えていた以上に、見たくねぇ光景だな」 「先輩。先ほどのように、れいむ種とありす種の二匹を揺することは出来ますか?」 「二匹同時に、あの交尾の体制を維持したまま、やれってことか?」 「ええ。私がやっていたように、潰さない程度に上から押す形で」 「……触りたくねぇんだけどなぁ。まぁ、やってみるけど」 嫌そうに何度も躊躇いながら先輩さんが、ずるずる蠢いている二匹に手を伸ばしていく。 「いやだぁあっ! もうやだたすけてはなしてたすけてはたすけたしなけはなたれ……!」 「んほぉおっ! まりさぁあ! まりさ、さいこうよぉお! さいこう に せくし……?」 「きもちいぃんっ! れいむ、きもちよくてとけちゃうよぉお! まりさも、とけ……?」 「「んひほほほほほほほほほほほほほほほっ!?」」 「なになになになになにぃいいい!?」 「「すっきりぃいいいいっ!! いひっ!? すっきりぃ! すっきりぃ! すっきり! すっきり!すっぎり!すっきすきずぎずぎりぎりぎりぎりすぎぎぎぎぎぎぃいいっ!?」」 「だめぇえええっ! むりむりむりむりむりむり まりさ はれつしちゃう だしぢゃ だめ ずっぎり じぢゃ だめ しぬしぬひぬひりゅひんりゃうぅうううううっ!」 「「ずっぎりずっぎりぃいいっ! いやぁあずっぎりじだぐだいぃいいっ! じぬじぬじ ずっぎりぃずっぎりぃ!」」 先輩さんが揺すり初めてしばらくすると、ありすとれいむが絶頂し始める。 ずびゅずびゅ、びゅるびゅると、ゆっくり共の下半分辺りから粘液も飛び散り始めた。 しかも、その音と悲鳴が止まらずに、絶え間なく続いている。 強制連続絶頂……ってことなのかなぁ? うわぁ…… 先輩さんじゃないけど、ゆっくりのなんて、見ても嬉しいもんじゃないなぁ…… 「なぁ、いつまでやれば良いんだ? コイツらが動かなくなるまでか?」 「始まったようですから、もう結構ですよ」 「始まった? 何が?」 学者さんが先輩さんの問いに答えるより早く、まりさの額からぞわぞわと大量の芽が吹 き、伸び、茎となっていく。 「ずっ……ずっぎり、じずぎだのに……す゛っき゛り゛で゛き゛て゛な゛い゛の゛は゛ な゛ぜ゛ぇぇぇ……?」 「れ゛、れ゛い゛む゛……も゛う゛……す゛っき゛り゛は゛……こ゛、こ゛り゛ご゛り゛だ゛よ゛ぉ゛お゛……」 大量の茎の一本一本に、5~6個の小さな実が次々となっていく。全部で100以上は ありそうだ。いや、200近く行ってるかもしれない。 「やりすぎたか? まりさに聞いてたより、多そうだ」 「すぐ間引きます。どのくらいですか?」 「赤ん坊の数が、27って言ってたからな。7~8割は間引いて良いだろ」 テキパキと学者さんが、実のなり出した茎を手折っていく。 が、ピタリと手を止め、先輩さんに向き直った。 「……え? ま、まりさが言っていたんですか!?」 「そうだよ。それより、さっさと間引かないとならんのじゃないのか?」 え? ゆっくりが、27って? 3以上を数えることが困難な、ゆっくりが? 俺はもちろん、学者さんもぽかんとしてしまっている間に、先輩さんが茎を間引いてい く。 「いだいいだいいだいいだいっ! やべでぇええ! まりさ の あかちゃんがぁああ!」 「我慢しろ。こんなに大量だと、お前の方が死ぬことになるらしいんだから。それくらい、 俺だって知ってるぞ」 茎の数が5本になるまでむしり続けた先輩が手を止め、茎になる実を数える。そして、 こんなもんかと頷いた。 「残り、28個だ。誤差1だが、構わんか?」 「え? は、はい、構いません」 我に返った学者さんが、また重量計を出して、その上に茎の生えたまりさを置いた。 ついでに、れいむとありすが邪魔になったのかポリバケツへと放り捨てる。まだ生きて るみたいだったけど……まぁ、そのうち死んじゃうだろうな。 「はぁあああ……はぁあああ……ま、まりさのぉ……まりさの あかちゃん……」 「今みたいな状況で出来た子供でも、愛おしく思うんだな」 「ゆっくりの、特性の一つです。我が子を、ほとんど無条件に溺愛します」 「ふ~ん」 もう一つ重量計を持ってきて、今度はむしり取った茎の重さを量っている。 「なぁ、れいむ種が多くないか? ありす種はほとんど……いや、ゼロか?」 俺も、顔を近づけてよく観察してみる。確かに、小さな赤いゴミのようなものを後ろに 付けているか、黒いヘタのようなものを被っているかの、どちらかだ。 どの実も、目であろう切れ目はピタリと閉じているが、口はもう開けている。動かして もいないし、喋りもしないが、息はしているみたいだ。涎を垂らしてるのもいる。 「配合実験での統計から推測すれば、ありす種は劣性なんですよ」 「遺伝的な話だな? ありす種の特徴は、出にくいってわけだ?」 「基本四種……まりさ種、れいむ種、ぱちゅりー種、そしてありす種の中では、ですが。 あの、らん等の所謂『希少種』に対しては、ありす種の方が優性です。ただ、遺伝子に相 当するものが見つかっていないので、あくまで統計による推測ですし、希少種との交配実 験は、その回数自体が少ないため統計としては、あてになりません」 「最初はそんなもんだろ。なんだって、データの数をかき集めて、推測して、仮定して、 そんで実験だ調査だの繰り返しじゃねぇか」 「はい」 虐待っぽくもないし、飼い主らしくもない……とか思ってたけど、もしかしたら医学と かでやられてる動物実験って、こんな感じなのかなぁ? ただ、数字を見てるだけみたいな感じで…… でも…… なんか、ゆ虐のムービーとか、記事なんかを読んでるときは平気だったのに、自分で虐 待して、ゆっくりを死なせた時だって平気だったのに……今は、酷いことをしてるって気 が、凄くする。 「にしても、だったらなんであの一家は、三種類の赤ん坊が揃ってんだ?」 「推測からさらに推し進めた、予測のようなものでも構いませんか?」 「ああ」 「現在“交尾ならびに後継産特化型”……俗に“レイパー”と呼ばれているものは、あり す種のみが確認されています。ゆっくりの主要四種の中で、最も遺伝的に劣性であるため、 自分達の形質を伝えることに特化した、変異体なのではないかと考えています」 ありす種が、性欲の権化みたいなイメージがあったり、レイパーの印象が強いのには、 そんな事情があったのか…… って、あくまで学者さんの予測だから、実際のところはどうなのか、わからないか。 「あ~……そういや、まりさの言ってた数だと、ありす種が一番多かったな」 「その、まりさが言っていた……という点ですが」 「おう、俺も驚いたよ。ゆっくりってのは、3以上は数えられないんだろ? 何かで読ん だことがある」 だけどあの母親まりさは、それ以上をきちんと数えてて、先輩に話したらしい。 ありす種が14、れいむ種が10、まりさ種が3。二桁まで数えられただけじゃなく、 足し算も出来たってことなのかな? ……それって、犬やインコが計算する並に、芸として売り出せるレベルじゃないの!? 「ひ……ひ……あ、あかちゃ……やだ……しにたくない……でも あかちゃん……」 「なぁ……このまりさ、黒ずんできたぞ」 「ですが、実の方はまだ、未熟児とも言えません。かろうじて形質を現してはいますが、 先輩の連れてきた未熟児達の、半分ほどの大きさです」 「この調子だと、母親の方が死にそうだな……やっぱ、やりすぎて最初に大量に作りすぎ たせいか?」 「確かに、そうかもしれません。とりあえず、実を外してみますか?」 横向きに倒れ、体当たりされた衝撃で、赤ん坊達がボロボロと茎から落ちたのだと、母 親まりさは言っていたらしい。 「よし、小僧。叩け」 ごろりと、杜撰な手つきで実験体まりさを横向きにすると、先輩さんはそのまりさの尻 を指さした。 「ど、どのくらいの力で叩けばいいんですか?」 「ゆっくりの、体当たりくらい。俺には、どれくらいかわからん」 「はぁ……」 俺にだって、よくわかりませんよ、そんなの。 まぁ、それほど強くない気はする……適当に、べちべちと叩いていくことにした。 「ぁいっ……い、いた……あう、う、う……」 「実、落ちねぇな」 「母体の反応も、鈍いですね」 「……もうちょっと、強くしてみますか?」 「ええ。少しずつ、強めていってください」 バシン、バシンと、平手打ちを強めていく。ゴッ、と拳骨も混ぜてみる。 「う……あ……あ、あ……あ…………あ………………」 実験体のまりさが、みるみる黒ずんでいく。茎も実も、水気が抜けたようにシワシワに なって、くすんだ色に変わってきた。 「……駄目でしたね」 「失敗か?」 「はい。もっとも、再現できるとは、初めから思っていませんが」 「なんだよ、そりゃ」 学者さんが、また重量計に実験体まりさを乗せて、重さを量っている。 「ゆっくりが、次世代を出産する場合……特に今のような『植物型』と呼ばれる形の場合、 実を育てるために母体から提供されるものの5割が、水分です」 「水?」 「はい。糖分を初めとする栄養素がたっぷりと溶け込んだ、水です。それが、茎を通して 実に送られます。通常の出産の場合は太い茎が生え、その中に送る側と戻す側……動脈と 静脈に相当する二本の管が存在します」 でも、レイパーに襲われた時を初めとした緊急時には、細い茎が生え、中の管も一本な のだという。 「実が、目は開いていないまま、口だけは開けていたのを確認しましたか?」 「ああ、開けてたな」 俺も、確かに見た。息をしてるらしかったし、涎を垂らしているのも見た。 「茎内部に、戻すためのもう一本の管がない。当然、余剰の水分は別の方法で排出しなけ ればなりません。ですが、成体のように排尿のための器官は整っていませんし、仮に行お うとしても、脆すぎます」 「え? なんで、ちーちーじゃ……小便じゃ、駄目なんですか?」 「ああ、そっか。小僧、あれだ。水鉄砲が、もし泥細工だったら、どうなるかってことだ」 「……使えない?」 「いや、そうだけどよ」 小さな穴ほど、水は勢いよく飛ぶ。飛び出る際に、その勢いで泥を削り取る。噴出口は、 一度水を出しただけで、グズグズと広がってしまう……と、言うことらしい。 「だから、口を開くんです。熱を帯びて、蒸気として余剰水分を吐き出す。気化しきれず、 涎として垂れる場合も多いです。ここまでなら、メカニズムとしては良く出来ていると言 えるのですが」 「余剰水分を、気化させるための熱量を消費してるから、成長がままならないってか?」 「その通りです、先輩。結果として、通常の出産の何倍もの水分と養分を、母体は実に送 り続けることになります」 そして、母体は衰弱死。栄養も水分も送られなくなった実は、それでもメカニズムに従 って、栄養を消費して熱を発声させ、蒸気を吐いて……干涸らびて死ぬ。 「母体が黒ずんでいるのは、水分の枯渇と栄養素の喪失で、餡が硬化すると同時に、皮が 薄くなっているからです。ゆっくり達の言い方に倣えば『うんうんに変わって死んだ』と いう感じでしょうか」 「……わかった。野良には気をつけるよ」 「まだ3、4……5匹ほどいますから、試行を続けますか?」 「お前の実験なら、後にしてくれ。まずは、俺のお勉強だろ? 他に、知っておくべきこ とは?」 そうだった。元々、そのためにやってたんじゃないか。 「私の実験というのなら、先輩のゆっくりに興味がありますね」 「解剖でもする気かよ……」 「解剖でわかることがあるのか、疑問ですが……とりあえず先ほどの治療ついでに、多少 のサンプルは採取させていただきました」 「ちゃっかりしてるなぁ」 「彼らの健康状態に、影響のないレベルです。安心してください」 「その点は信用してるけどな。それより、俺の勉強は?」 「あとは、ゆっくりが体質上、どうしても脆いこと……水に耐性がないこと……」 「ああ。さすがにその辺のことは、なんとなくわかってるよ」 もう終わりか、結構あっさりだったな……という残念な気持ちと、やっと終わるのか、 というホッとする気持ちが、同時に胸に沸き上がってきた。 「本当に、大丈夫ですか? 先輩の『わかってる』は、あまりあてになりませんから」 「あのなぁ……ん? いや……一応、やらせてもらうか。面倒を見なくちゃならんゆっく り一家には、赤ん坊もいることだし」 「どれを、どのようにです?」 「どれもこれも、全部だよ。決まってるだろ。それだけの金を払ったんだから」 先輩さんが、ケージの中から一つを選んで、テーブルの上に置く。 あの、れいむだ。 だが、すぐに次のケージを選びに戻る。 「どのように、と言われてもなぁ……適当に、思いつつまま、かな?」 「適当、ですか」 「聞いて学ぶより、やって学ぶ。自分でいろいろやってみるさ」 それって、先輩さんが、自分で考えた方法で、ゆっくりを潰していく……ってことなの かな? 「さて、クズれいむ。一つ、質問があるんだけどよ」 「なんなの、クズにんげんさん。れいむは、クズなんかじゃないよ。まちがえないでね?」 先輩さんの表情が、一気に怖いものに変わった。 多分……多分だけど、笑ってるんじゃないかなぁ……とは、思う。 肉食系って、こういう顔にこそ似合う言葉かも知れない。 「テメェ、ガキはいるか?」 「がき? なんのことなの? クズだから、ちゃんと しゃべれないの?」 「子供だよ」 「なに いってるの? れいむは、ぴちぴちの“ばーじん”だよ? みて わからないの? いるわけ ないでしょ? そんなこともわからないなんて、ばかなの? しぬの?」 なんとなく、そう答えるだろうなぁと、予想してた。 だからなのだろうか。不思議と怒りが湧いてこなかった。 肉食獣っぽい笑顔のまま、先輩さんがクズれいむのケージに手をかける。「全部」って 言ってたけど、最初にクズれいむからやるんだろうか? 「ああ。見ただけじゃわからねぇな。馬鹿でいいから、テメェが嘘ついてないか、確かめ させてくれ」 *** *** *** *** 「ああ。見ただけじゃわからねぇな。馬鹿でいいから、テメェが嘘ついてないか、確かめ させてくれ」 どうやらこの人間さんは、本当にお馬鹿さんみたいだ。確かめるって、どうするつもり なんだろう? どうしようもないし、確かめる必要もないじゃないか。だって、れいむが 嘘をついていないことは、わかりきってるんだから。 箱さんの上が、ぱかっと言う。クズ人間さんが、そこかられいむを持ち上げて、箱さん の外へと出してくれた。 “えすこーと”は、もっと丁寧にしないと、持てないよ? でも、仕方ないよね。この 人間さん、クズでお馬鹿さんなんだから。 「ふぅ~。やっと、この せまい はこさん から だしてくれるんだね。それで、ごちそう さん は どこなの? ゆっくりしないで、れいむに ごちそうさんを たべさせてね?」 特別に、たくさんで許してあげよう。れいむはゆっくりとした、心の広いお利口さんだ から。 なのに、そんな素敵なれいむのことを、クズな人間さんはギュッと押さえて、離さない。 やめて欲しい。れいむにそんな趣味はないんだから。だから、れいむが美しいからって、 惚れちゃ駄目だよ。いくら、れいむが優しいからって、クズ人間さんと結婚してあげるほ ど、心は広くないよ。 「学者。なんか刃物ないか?」 「……これでいいですか?」 「おお、上等上等。よく切れそうだなぁ、これ」 なんだろう? 何をする気だろう? 押さえ付けられているせいで、よく見えない。 シュッ! 鋭い音がした。その音と一緒に、ぞわりと体に嫌な感じが広がった。すぐに、ズキズキ、 ズキンズキンと…… 「いだぁあああああっ!? いだいぃいいい! なにっ!? なんなの!?」 「……なぁ、学者。ところで、ゆっくりには処女膜とかあるのか?」 「確認されてはいません。そもそも、そういうことを切ってから聞きますか?」 「安心しろ。人間はもちろん、血が出る生き物相手にこんなことはしないって。せいぜい、 魚を三枚におろすくらいだ」 「そう願います」 痛みを訴え、助けるように言っても、クズ人間達は全然違うことを喋っている。なんだ か変なことばかり話している。 痛みは酷くなるばかりだが、おかげでどこが痛いかはなんとなくわかった。 まむまむから、あにゃるにかけて。れいむの可憐で秘密なお股さんが、ズッキンズッキ ンしてる。 まさか、これが初すっきりーの痛み? 初ちゅっちゅもまだなのに、クズ人間なんかに れいむの純潔は散されちゃったの? 「い゛た゛い゛の゛ぉ゛お゛お゛お゛!! い゛た゛い゛の゛よ゛ぉ゛お゛お゛! い゛た゛い゛の゛、と゛め゛て゛よ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛! な゛お゛し゛て゛ぇ゛え゛え゛! な゛お゛せ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!」 「絆創膏みたいなもんって、あるのか?」 「これで」 「用意が良いなぁ……って、これ、餃子の皮か?」 「違いますが、確かに似たようなものです。ゆっくりの皮に馴染みやすいように作られて いますから、傷を塞ぐ応急処置には便利です」 やっぱり、この人間達はクズだ。れいむがいくら言っても、ちっとも理解しない。れい むの言うことを聞かないなんて、クズ中のクズだ。 それとも、黙っていた方が良いだろうか? いつだって人間さん達は、れいむが黙って いるだけで、お利口だ、賢いと褒めてくれた。 いや、あの人間さん達は、ご馳走を持ってきてくれた、マシな人間さん達だ。 こいつらはクズだから、期待できない。 わかるまで、れいむがちゃんと教えてやらなくちゃ駄目だ。 あと、痛くて痛くて、黙って大人しくなんて、無理。 「た゛す゛け゛ろ゛ぉ゛! さ゛っさ゛と゛た゛す゛け゛ろ゛、こ゛の゛ク゛ズ゛っ! い゛た゛い゛って゛い゛って゛る゛で゛しょ゛お゛!? ど゛う゛し゛て゛わ゛か゛ら゛な゛い゛の゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!?」 ビタンッ! という音と共に、ズギギャギャンッ! という痛みが、れいむのお股から おつむの天辺までを貫いた。 「ひ゛ど゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛っ……! ク゛ズ゛は゛……ク゛ズ゛は゛し゛ぬ゛の゛よ゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛……し゛ね゛ぇ……! ク゛ズ゛は゛し゛ん゛じゃ゛え゛ぇ゛え゛!」 「……とりあえず、これで中身が溢れて死ぬとかは、無くなったか?」 「場所が場所ですから、動けばすぐに剥がれるでしょうね」 「んじゃ、治療しないとなぁ」 ふわりと、れいむの体が浮かぶ。 でも、お股が痛くて痛くて、お空を飛んでるみたいな気分に浸れない。これも、クズの せいだ。 れいむはなんて不幸なんだろう。 こんなクズでお馬鹿の相手をしなくちゃならないなんて、れいむほど不幸なヒロインは いないだろう。 でも、大丈夫。素敵な王子様が、きっと助けてくれる。 そして、れいむのばーじんを奪って、れいむに素敵な赤ちゃんをプレゼントしてくれる んだ。 今度は、賢くて大人しい ぱちゅりー がいいかな? 今度? 今度って何? 「ゆ……? にんげんさんたち、なんで さかさまなの? ばかなの? しぬの?」 気がつくと、人間さん達がひっくり返っていた。頭がしたで、あんよが上。ひょろりと 長い変な体だから、ちゃんと体を立てることも出来ないんだろうか? でも、人間さん達のことなんて、本当は知ったことじゃない。どうせクズだし。ご馳走 をくれないのなら、クズだし。 それよりも、れいむのお股がズキズキしっぱなしの方が、大問題だ。 さらに、れいむのおつむもなんだかギュってなってて……あれ? また、箱さんの中に いるの? ちょっと、何してるの、クズ人間さん。いくらクズでも、忘れちゃ駄目だよ。れいむを、 ちゃんとお外に出したでしょ? ほら、やり直して。 「クズれいむ。このチビに、見覚えはないか?」 「そんなおチビ、れいむは しらないよ」 まったく、この人間さんはやっぱりお馬鹿さんだ。そして、クズだ。自分がクズのくせ に、れいむにまでクズと付ける。 お馬鹿さんだから、知らないの? クズって言うのは、お前のことだよ。クズって言う のは、お名前にくっつけるだけじゃ、駄目なんだよ。 「クズ」と「さん」は、全然違うの。 そんなこともわからないなんて、やっぱり馬鹿だね。死ぬんだね。 「そのおチビまで、さかさまだね。なんで さかさまなの? ばかなの? しぬの?」 「しゃかしゃまは、おまえだよ! ばかにゃの? しにゅの?」 何を言ってるのだろう、このクズチビは。れいむは、お股が痛くて、おつむがギュって なって……あれ? おつむが、ギュって? あれ? れいむ、動けないよ? お股が痛い せいなの? 「こいつが、最後の一匹だ。他の二匹は、うちのゆっくりの治療に使わせてもらった」 「なんの はなし? わけのわからないことを、いわないでって いってるでしょ?」 「本当に、綺麗さっぱり忘れたのか? それとも、知らんぷりしてるだけか?」 「なんのこと? その、おチビのこと? だったら、れいむは しらないよ。ばかづら で さかさまに なってるなんて、おやも クズなんだろうね。しんだら?」 「おまえが ちね!! ちね クジュ!! おまえが おかあしゃんだよ! でも、おまえ なんか、おかあしゃんじゃ にゃいよ!」 そうだよ。お前なんかの、お母さんじゃないよ。そんな当たり前のことを、変な言い方 でわざわざ言わないで欲しい。 可哀想に、クズなんだね。クズだから、どうしようもないよね。馬鹿だね。死んでね。 「むきぃいいいいっ! ちね! ちねちねちね! クジュおやは、ちんじゃえ!」 「れいむと おんなじ れいむ と おもったら、なかみ は ぱちゅりーなの? 『むきゅー』 なんて、げひんな こえ を ださないでね? れいむたちの、ひんせい が うたがわれちゃ うよ」 「むっっきぃいいいいっ!! 『むきー』ってゆったんだよ! 『むきゅー』じゃないよ! ばばあだから、みみ も わりゅいの? ちね、クジュばばあ!」 れいむに向かって「婆ぁ」だなんて、なんて失礼なクズチビだろう。 まったく、親の顔が見てみたいよ。 あっ。 でも、親もきっとクズだから、とっくに死んでるのかな? だったら、可哀想な親無し クズチビだよ。可哀想だね? 可哀想だから、さっさと死のうね? 「学者、なんかボールとか……水槽でもいいや、ないか?」 「そのケージは、水槽タイプですよ。上蓋を閉めても、通気はしますが……密閉できた方 が良いですか?」 「いや、水漏れしないのなら、十分だ」 クズ人間共は、相変わらず変なことを言っている。 いいから、さっさと、うるさいクズチビをどけて、れいむのお股をなおして、れいむに ご馳走を持ってきてね。そろそろ、たくさんじゃゆっくり出来ない気分だよ。たくさんを たくさん持ってきてくれないと、駄目だからね? 「ごべんだざい!! ごべんだざい!! ごべんだざい!! までぃざ、いいごです!! ばでぃざばいいごだんでずぅううう!」 目の前のクズチビはそのまま、ほったらかし。さらに、うるさいクズまりさを持ってき た。本当に、クズ人間は何を考えてるんだろう? 「良い子だってのなら、役に立て」 「だぢまず! やぐにだぢまずがら! だがら、ばでぃざを……!」 「おにいしゃん! あにょクジュ、しゃっしゃと ころちて! ころちぇ!」 「はいはい。治療に必要なのは、まず甘味~♪ っと」 「ばでぃざを だずげっ……! えぎゅ!? えぅぎゅぅううううううっ!」 「ゆ……?」 まりさが、ねーじねじしている。 クズチビが、それを見上げてる。馬鹿だから、馬鹿面で見上げてる。 まりさが、もっとねーじねじしている。……してる? ……されてる? どんどん、ねーじねじしていく。 みちみち、びちびち、音がする。ゆっくり出来ない、音がする。 「ゆ……ぢゅぶっ!? ゆぎゃあああっ!? ぎぼぢばびゅびびびびっ!!」 まぁ、不思議。 まりさの餡子さんが下から上に、ぼとぼとしてる。みんな逆さまだから? 間抜けだね。 クズまりさがどうなろうが、その餡子さんがどうなろうが、れいむには関係ない。でも、 気持ち悪いことには変わりない。 れいむを嫌な気持ちにさせるなんて、本当にクズ人間だよ。 さっさと、それを片付けてね。お前はゆっくりしなくて良いよ。さっさと消えてよ。 クズチビが、餡子さん塗れになって、暴れてる。げーげーえろえろ、吐いている。汚い。 クズだから、汚い汚いえれえれ塗れになるのも、当然だろう。いい気味だ。クズ。 でも、やっぱり気持ち悪い。 さっさと、それを片付けろ。ゆっくりするな。さっさとしろ。れいむの言うことを聞け。 「だぢゅげっ……! えぶっ!! だぢゅげで……! だぢゅっ……ぐだだい……!」 ぐっちゃぐっちゃ、ぐっちゃぐっちゃと、クズまりさの餡子ごと、クズチビをかき回し ている。クズ人間が、かき回している。 吐きそうだ。気持ち悪い。 でも、れいむは淑女だから、えれえれなんてしない。 あと、えれえれすると、死んじゃったりするから、したくないし。 死んじゃうの、やだし。 けど、しそう。えれえれしそおぉおおおおえうぉおおっ!? ギリギリセーフ。さすが淑女れいむ、耐えられたよ。凄いよ。 でも、大ピンチだよ。可愛いれいむが、大ピンチなんだよ! クズ人間! さっさとその気持ち悪いのを、どこかにやってね! どれだけノロマなの!? 馬鹿なの!? 死ぬの!? うぅん、死ね! 「学者。コーヒーの粒、一粒だけくれ」 「一粒ですか?」 「ああ。……よっと、生きてるかぁ、チビ」 「ぶばぁああ! びゅはぁあああ! ぢぬ……! ぢんじゃう……!」 「おお、生きてたか。タフだなぁ」 「だみぇでしょぉおおおっ!! おにいしゃんも、クジュなにょ!? ちぎゃうでしょ! ぢぬのは、あのクジュでしょ!」 「はいはい……ほれ」 「ごっきゅん? ……にぎゃいぃいいいいいいいいっ!?」 気持ち悪いものの中から、気持ち悪いクズチビを引っ張り出すと、何かを食べさせた。 そんなクズチビより、れいむに食べさせてよ。そう思ったけど、クズチビが気持ち悪い声 で叫びだした。 うん、れいむはいらない。 やっぱり、こう言うときは黙ってお澄ましだね。 それで、れいむがお利口だってことに気がつくでしょう? そろそろクズ人間にも、れいむがお利口だってことが伝わったでしょう? さぁ、ご馳走を…… ぶびゅるぶびぶぶびっ! 汚い音を立てて、汚いクズチビが、上へと向けて、うんうんを拭いた。 汚い。 うんうんは、おトイレにするものなのに。クズだから、そんなことも知らないんだね。 しかも、うんうんが止まらない。 なんて、だらしない あにゃる だろう。 なんて、締まりの悪い あにゃる だろう。 クズのうんうんは、上に飛んで、上にある汚いモノに混じった。 「ゆびゃっ……!? あみゃっ? あみゃあみゃしゃんにゃの!? にゃんでもいいよ! にぎゃいのより、いいよ!! あみゃあみゃ! あみゃみゃみゃみゃみゃ!!」 クズチビが気持ち悪いものの中に、また落とされた。 それだけじゃなく、その気持ち悪いのを『あまあま』だとか言って、狂ったように顔を 埋めた。自分のうんうんも、そこにあるでしょ? わからないの? 狂ってるのかも知れない。しょうがないよね、クズだもん。 ぶばばばばっ! と凄い音を立てながら、クズチビは気持ち悪いのをかき回している。 気持ち悪いクズの考えることって、れいむには本当にわからないよ。 しょうがないよね、住む世界が違うんだね。 お口から、凄い勢いで気持ち悪いのを吸い込んでいる。 お尻から、凄い勢いでうんうんを吹き出している。 気持ち悪いクズは、本当にれいむの理解を超えている。 しょうがないよね、住む世界が違うんだね。 「あと~は、酸味と~♪ 学者、酢酸」 「はい」 気持ち悪いのの中に、また何か入れてる。どうせもう、気持ち悪いのは気持ち悪いまま なんだから、そんなの捨ててよ。そして、れいむにご馳走を持ってきて。 「治療薬~の、でっきあがり♪ っと。……れ~いむっ!」 「びぎゃぁああああああっ!?」 気持ち悪さの方が強くて忘れかけていたけど、れいむのお股は痛い痛いなんだよ!? それなのに……えっと、よくわからないけど、ビリッ! てなんか、痛いことをして! お前みたいなのを、クズって言うんだよ! ゆっくりしないで、さっさと死んでね! 「治療薬が出来たから、絆創膏はもう要らないだろ? たいして馴染んでなかったし」 「な゛に゛い゛って゛る゛の゛!? わ゛け゛わ゛か゛ん゛な゛い゛! ば゛か゛な゛の゛!? し゛ぬ゛の゛!?」 「なにを言ってるのか、さっぱり聞き取れんなぁ。まぁ、いいさ。ほれ、治療薬だぞ~。 遠慮せずにたっぷり浴びて、治ってみせてくれ」 正気だろうか、このクズ人間は。 びちゃびちゃと、れいむのあんよから、気持ち悪いのをかけてきた。この、れいむに! なんて酷いの! 気持ち悪いよ! 何これ、最悪! あっ!! 大変! 今、気がついた! れいむのあんよ、地面さんにくっついてないよ!? これじゃ、駆けっこもぴょんぴょんも出来ないよ? どうしてなの! さっさと直して! あれ? もしかして今のれいむ、逆さまなの? なるほど、そういうことなんだ。 さすがれいむ、そこらのクズと違って、ちゃんと気がつけちゃった♪ しかも、こんな状態で……こんな、こ、こんな…… 「ごんだど、ぎぼぢわづいでじょぉおおおっ!? だじじでんどぉおおおおっ!?」 「なに言ってるか、わからんって」 「グズじんげんば、ごでだだがべべっ! がほっ! えぼろげぼぼぼぼぼぼろろぼろ!」 えれえれしちゃったじゃないの! どうしてくれるの!? 死ぬの!? 死んでよ! れいむの餡子さんが、気持ち悪いのに混じっちゃったよ! えれえれば気持ち悪いけど、 この気持ち悪いのよりずっとマシなんだよ!? こんな気持ち悪いの塗れなんて、れいむの美貌が台無しでしょ! ほら! 顔の方にも流れてきた! お目々を開いていられなくてえろろろ! げふっ!げほっ! きもっ! 気持ち悪い! お口にまで入ってきだばべぶばぼろろろろろろろろろ! ズギンッ!! 「ゆべっ? ……びゅびゃぁあああっ!? ゆぎゃばばばばばばばっ!!」 痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い! お股が痛い! なにこれ! こんな状態で、まさか 誰かがれいむのばーじんを奪おうとしてるの!? それとも、れいむはいつの間にか、素敵なハニーと結ばれてて、可愛い赤ちゃんをお腹 に授かっていたの!? お腹から赤ちゃんが出てくるときは、とっても痛いって聞いてるよ! それなの!? でも、れいむはまだハニーと結ばれてないよ? 初すっきりーも、初チュッチュさえ、 まだなんだよ!? 痛いよ! それに! それだけじゃなくて! それに…… 気持ち悪い、声がするよ? 「ちねっ! ちねちねちね! れいみゅは、おくち にぎゃにぎゃ で、ちにしょうだよ! ちぬのは、おまえでしょ、クジュおや! こ ごろし の クジュ! あくみゃ!」 みちみち、ぶちぶちと、お股が痛い。お股が、裂ける。 ぎゅるぎゅる、ごりゅごりゅと、お腹が掻き回される。お腹の中を、何か上がってくる。 ご飯をくださいと、まりさによく似たおチビちゃん達の声が上がってくる。 お腹が空いたと、まりさの声が上がってくる。 潰さないでと、泣き叫ぶ声が上がってくる。 赤ちゃんだけはと頼んでくる、ありすの声が上がってくる。 悪意が、上がってくる。 「あぐっ……! あぐぎ!? あがっ! あがががっ!?」 あくいが、 あくがが、 あかぃが、 あかちゃんが、 赤ちゃんが、 れいむの赤ちゃんが、れいむを殺しながら、 れいむの中に、帰ってくる。 「で゛で゛げ゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛! じ゛ね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛! で゛ろ゛じ゛ね゛で゛ろ゛じ゛ね゛で゛ろ゛じ゛ね゛で゛ろ゛じ゛ね゛で゛ろ゛じ゛ね゛……」 *** *** *** *** 「も、もう……! もう、やめろ!! や、やめてくださいっ!!!」 「あん?」 突然響いた声に、先輩さんは声がした方へと顔を向けながら、ケージの蓋を閉めた。 クズれいむが入っていた、ケージ。狭い空間の中に、まりさの餡も入れられ、もう中の 様子がわからない。 だが、ガタガタと揺れているから、中にいるクズれいむは、まだ生きているのだろう。 さっきから、揺れがどんどん激しくなってきている。 蓋をしたケージに肘を置き、もたれ掛かるようにして先輩さんが軽く押さえる。それで も、まだ小さく震えていた。 最初に、クズれいむの股を、メスのような刃物で裂いた。ばーじんがどうとか、言って いたからだろう。 次に簡単な応急処置をしたクズれいむの前に、その子供のチビれいむのケージを置いた。 何を確認したかったのか、それとも単に口喧嘩をさせたかったのか、ハッキリした答え を出さないまま、次はまりさ種を持ってきた。 泣き叫び命乞いする、そのまりさを無視して……いや、無視より酷いか、聞いてるフリ だけして、捻り殺した。 中身を絞り出しながら、じわじわと死なせ、その中身はチビれいむのケージに流し込ん だ。 チビれいむにインスタントコーヒーの顆粒を一粒、飲み込ませた。 それだけで十分だったらしく、チビれいむは「強すぎる苦味による、体内流動の過剰活 発化」を起こしたらしい。嘔吐を繰り返すのではなく、下から……うんうんを吹き出すと いう形だったが。 チビれいむの中身が全て出てしまう前に、まりさの餡で満たされたケージに戻すと、チ ビれいむは、その餡をむさぼり食った。自分が出した、うんうんごと。 食わなければ、中身が空になって死んでいただろうけど……食っている間も、うんうん を吹き続けていた。中身が、すっかり入れ替わってるんじゃないだろうか? そして、最後に酢酸を足して、その全てを、クズれいむにぶっかけた。 ご丁寧に、裂いた股の応急処置を、引っぺがして。 治療薬だと言って。 甘味として、ゲスまりさの中身。苦味は、一粒のインスタントコーヒー入りの、チビれ いむ。そして、酸味の酢酸……たしかに、教わったとおりだけど。 そんなものを適当に混ぜたって、オレンジジュースにはならないって、自分でも言って たのに。 クズれいむが、どうなったのか、わからない。 チビれいむが、まだ食いながら うんうん を吹き出し続けているかも、わからない。 黒い餡子に満たされたケージが、微かに振動しているだけだ。 俺は、何かを言う切っ掛けも掴めないまま、ただ見ていた。 何を思う暇もないほど、先輩さんはテキパキと進めていった。 ついさっきまで、何も知らなかったらしいのに。 ついさっきまで、学者さんから淡々と学んでいただけなのに。 まるで虐待お兄さんそのものの様なことを、これからゆっくりの飼い主になろうとする 人が、鼻歌交じりでやってのけた。 「あ~……らん、つったっけ? なんだよ?」 「も、もう……やめてください」 「なんでだよ?」 「なんで……って……だ、だって、ひどいことだ! そんな、ひどいことは……!」 「そんな酷いことは?」 「…………」 らんは俯き、黙り込んでしまった。悲しそうな顔をしている。 カタカタと、まだ小さくケージが震えている。何かが、あの中でまだ生きているのか。 俺は……どうしたいんだろう? あの中の何かを、殺したいんだろうか? あの中に、何があるって言うんだろう? らんが、決意の籠もった眼差しで、先輩さんを見つめ直した。 「ら……らんを……! らんを、ころしてください! それで、さいごにしてください!」 「やなこった」 「えぇええええっ!? で、でも、らんは……!」 「嫌だって言ってるんだよ」 「で、でも! らんは、おさです! おさのせきにんを、はたせませんでした! だから!」 「馬鹿だなぁ、お前さんは。隣にいるまりさの方が、賢いぞ? 試しに、聞いてみろ」 「な、なにを?」 「お前が、死ぬべきかどうかだ」 「死んじゃ駄目ですっ!!!」 間髪入れず、まりさが叫んだ。 泣いている。 涙の理由は、ゆっくりが殺される様子に、怯え続けたからだろうか? 気絶した赤ん坊 が、心配だからだろうか? それとも、何か別の理由があるのかな? 「らんさんは、良いゆっくりです! 悪くないです! なのに、勝手に死んじゃったら、 悪いゆっくりです!」 「ま、まりさ……?」 「だとさ。確かに、死にたがるのは良くねぇな。人間もゆっくりも、それは同じか」 「で、でも……!」 「でも、お兄さんはもうやめた方が良いと思います」 「あん?」 「あうっ!? ご、ごめんなさい……怒りましたか? まりさ、お兄さんを怒らせちゃい ましたか?」 「怒ってねぇよ。怒ってねぇから、なんでか言ってみろ」 「だって……楽しくなさそうです。つらいことは、しない方がゆっくり出来ます」 クスクスと、含み笑いが聞こえた。学者さんが、ちょっとそっぽを向いて…… 嘘ぉおっ!? 学者さんが笑ってる!? 「なに笑ってんだよ」 「すみません、つい……」 舌打ちを一つついて、先輩さんが「どうすっかなぁ」と天井を眺めた。 釣られて、俺も天井を見る。 本当……どうしたらいいんだろ。 ……ホント、なにしてんだろ、俺。 「まぁ、もういいか。これで最後にして、やめるかな」 「はい! まりさも、それが良いと思います!」 「言っとくがな、まりさ。楽しくなくても、やらなくちゃいけないことはあるんだよ」 「わかります! えっとえっと……お仕事! お仕事ですよね? ……あれ? それが、 お兄さんのお仕事なんですか?」 「聞くなよ。違うよ。金を払ってやってるんだぞ。仕事のわけねぇだろ」 「ゆ……? …………ほ、本当だっ!? お仕事をすると、お金とかご飯とかが貰えて、 なのにお兄さんは逆でした! ……なんでですか?」 「だから、仕事以外にもいろいろあるんだよ」 「いろいろですか?」 「いろいろだ。やる必要があること、やらなくちゃいけないと思ったこと……」 そう言って、先輩さんは疲れたような溜め息をついた。 「必要だと思えば、俺は今みたいに容赦なくゆっくりを捻り潰すぞ。楽しかろうが、つま らなかろうが、関係無しに。もっと残酷なやり方だって、思い付くだろうな」 「き、気をつけます!」 「そうしろ。まぁ、やめて良いのなら、今回はそろそろやめるとするか」 「良いか、小僧?」 「え……?」 俺に聞かれても……なんて答えれば良いんだろう。そもそも、俺が答えるようなことな のかな? 別に、俺は先輩さんに何も頼んでない。代わりにやってくれなんて、一言も言ってない。 俺の母親と、クズれいむは違う。そんなこと、言われなくてもわかってる。 だから、一緒くたにしちゃ駄目だ。それだって、わかってる……つもりだ。 でも……やっぱり、どこかで重ねてたのかなぁ? 俺は、何をしたかったのかなぁ? クズれいむが、どうもおかしいと思った。問題のある個体は、連絡するようにと言われ ていたから、調べてもみた。 記録も見返して……調べるほど、ムカついた。 れいむをなんとかしないとと、思ってはいたんだ。 先輩さんが言ったように、潰そうと明確に考えていたわけじゃない。なんとかしないと、 他の実験体に悪影響が出ると、これでも割と仕事に対して、真面目に考えてはいたんだ。 けど、やっぱり潰してたのかなぁ? れいむを見つける前に、キレてまりさを蹴り潰し ちゃったんだから。 やっぱり、何かと……誰かと、重なって思えたのか……それとも誰かの代わりとして、 怒りをぶつけようとしたのかなぁ。 見れば、クズれいむのケージは、もうピクリともしていない。 結局、れいむは死んだ。俺は見ているだけで、あれよあれよという間に、俺が考えても いなかった死に様で。 やけに簡単なことのような感じで、先輩さんが片付けてしまった。 「質問を変えるか。気分はどうだよ、小僧?」 「え? えっと……」 問いかけてきた先輩さんは、こちらを向きもせずに、クズれいむのケージをポリバケツ の上でひっくり返した。 ザバーッと音を立て、ケージの中身がポリバケツに捨てられていく。 クズれいむや、チビれいむや、ゲスまりさだった何かが、ただのゴミとして捨てられた。 「なんて言うか……しんどいです」 「ん?」 「上手く言えないですけど……なんか、無駄に疲れたような……馬鹿馬鹿しいっていうか、 虚しいっていうか……」 俺は、何をやってるんだろう。 何をしたかったんだろう。 妹が、二人いる。一人は、父親も俺と同じ。もう一人は、母が再婚した義父との間の子。 母親に、クズと言われた。母親に、いらないと言われた。母親に、お前なんかいなけれ ばと言われた。 妹のことは、両方とも可愛がっている。だから、父親の血が原因じゃないだろう。 義父の方が、血も繋がってない俺を気遣ってくれた。 ただ母は、男の子供なんかいらなかったんだ。 可愛くないから。自分が望むように、着飾らせることが出来ないから。お人形のように、 扱えないから。 だったら、俺もいらない。母も、家も、家族丸ごといらない。そんな気分で、家を出る と告げた。 すると、俺にかける金のことで、母と義父が喧嘩した。初めての喧嘩だと、お前のせい だと、母に罵られた。 その落としどころが、学費は出す。家にいるのなら飯くらい食わせてやるが、出て行く なら自分で稼げ……というもの。 喜んで、家を出た。 こんな家に、居たくないと思ったから。 清々したと、そう思った。 家族なんか、必要ないと思っていたのだ。 でも……義父さん、何度も謝ってたな。自分は全然悪くないってのに。 妹達は、泣きそうな顔をしてたか。考えてみれば、お人形扱いされて楽しいわけがない よなぁ。 母さんは……どんな顔をしてただろう? さっぱり思い出せない。最後に、ちゃんと顔 を見たのはいつだったろう? 俺は…… 「…………うんざりです」 「そうかい。そいつは、なによりな返事だ」 先輩さんが、笑ってる。……多分だけど。 「そうだ。小僧が住んでるところって、ペットはOKか?」 「ぺ、ペット……ですか?」 「ああ。具体的に言うと、ゆっくりだ」 確か、OKだったと思う。でも、俺はゆっくりを飼いたいなんて思ってない。虐待のた めに、野良を部屋へと持ち帰ったことはあるけれど…… まぁ、当分はその虐待も、いらないなぁ。今日のでお腹いっぱいどころか、胸焼けしそ うな感じだし。 「OKだってのなら、問題ないな。らんは、小僧が面倒を見ろ」 「……ええっ!?」 らんを? なんで、俺が? 「先輩?」 「なんとなくな。それが一番良いような気がしたんだ」 「なんとなく……ですか。困りましたね」 そりゃ、困るよな。らんは研究所のゆっくりで、希少種だ。貴重なんだ。 その らん も、口を挟んでくる。 「で、でも、らんは おさだから……!」 「お前、群れの長はクビだよ。責任を果たせなかったんだから、当然だろ?」 「あ……そ、そう……ですね……」 そんなことを、勝手に決めて良いのかな? らんは研究所で飼育してるゆっくりなんだ。数少ない、貴重種の実験体だ。それを俺が 面倒を見るとか……しかも部外者の先輩さんが決めちゃうなんて、普通は絶対に駄目じゃ ないの? 「……先輩。希少種は、文字通り値段の桁が違いますよ?」 「おう、どんとこい。今のところ、懐は温かいんだ」 いいの!? 値段だけの問題じゃない気がするんですけど!? だいたい、俺の都合はどうなるんだよ。ゆっくりなんかを、飼う気はないのに。 それに、どっちかって言うと俺は虐待お兄さん寄りなんだから。愛で派みたいなこと、 出来るわけがないんだから。 「なんかの面倒を見て、世話をするってのは勉強になるぞ。それが、たとえゆっくりって いう、不思議饅頭でもな」 「で、でも……」 「騙されたと思って、やってみろ。俺もやってみるから」 「そんなぁ……」 駄目だ。先輩さんには、話が通じない。わけのわかんないことを言う人だってことは、 もう体験済みだ。さっさと諦めよう。 学者さんに助けを求めると、軽く肩をすくめて見せた。 「先輩の『なんとなく』には、従っておいた方が良いんです。これまでの統計ですが」 「いや、あの、でも! いろいろと、その……良くないでしょう!?」 「良いも悪いも、通用しません。止めようがありませんから」 「……は?」 「こういう人だから“先輩”なんです。受け入れてください」 「……わかったような、わかんないような」 ああ……駄目だ。学者さんも、わけのわかんないことを言う人だった。 学者さんに、らんを手渡される。床に放り出すわけにもいかず、押しつけられるままに らんを抱きかかえた。 「…………」 らんは、黙ったままだ。抱きかかえると、想像以上にフカフカもこもこしてる。 それに、震えている。 そりゃ、そうか。今の今まで、仲間達が殺されるところをさんざん見てたんだ。それを 止めようと、思い切って声を上げたら、先輩さんのあの怖い顔に睨まれて…… 「…………」 「ら……らんだって、嫌だろ? ここで、みんなと一緒の方が良いよな? な?」 こうなったら、らんが最後の頼みだ。嫌だと言え。言ってくれ! 頼むよ、お前のため でもあるんだから! 「らんは……なにも、できなかった……おさなのに、なにも……だから……」 責任感が強いのは立派だけど、そこまで気に病むことはないと思う。どの群れも、ゲス の数自体に大差はなかったんだ。 だから、らんは普通に長としての勤めを果たしていたって、言えるんじゃないのかな? 「らんには、なんにもなくて……おもいでも、なくて……かぞくも、いなくて……だから、 いまを……むれを……なのに、らんは……」 「…………」 家族は……俺には居ない。そういう気持ちでいた。 本当はちゃんと居るくせに、俺には居ないと決め込んで……こういうのも、中二病って いうのかなぁ? 本当に居なかったら……どうなんだろう? 「思い出が、無いって言ったか? 『いま』がどうとか……」 「らんは、なにも おぼえてないから……だから、いま だけで……」 綺麗さっぱり、忘れられれば楽かなぁと、思ったことはたくさんある。 忘れるのも吹っ切るのも、どうやら大変らしいってことも、わかってきた。 最初から無いのなら……どうなんだろう? 「やっぱり、らんも……らんも、ころしてください……」 「…………」 顔を上げて、先輩さんを見る。ニヤニヤと、笑っている。嫌味な感じはしないし、もう 怖いとは思わないけど、「ニヤニヤ」としか表現できない顔だ。 本当に、人相の悪い人だ。 人相の悪い先輩さんが、口を開く。 何か困ったことがあったら遠慮するなと、言ってくれた。 その代わり俺が困ったときは容赦なく頼るぞと、脅してきた。 溜め息をついて、それでも「喜んで」と答えて、らんを高く持ち上げた。 「ゆわ……!?」 「覚悟しておけよ、らん!」 「か、かくご?」 こうなりゃ、ヤケだ。受け入れてやる。先輩の言うとおり、やってやろうじゃないか。 騙されたつもりで、騙されてやるよ。 「俺は虐待お兄さんだ! 虐待お兄さんたる者、『死なせてくれ』なんて言うゆっくりは、 逆に死なせたりしないんだ!」 「え? え? ぎゃく? ぎゃく……なに?」 「それどころか、お前みたいなのは、散々に可愛がってやる! なんにもさせてやらない! 堕落した、ゆっくりらしいゆっくりになるまで、だだ甘に甘やかしてやるからな!」 「ま、まってくれ! あっ! まってください! らんには、よくわからない!」 「ははははっ! せいぜい混乱しろぉお!」 「虐待お兄さんは、クビですよ?」 「ああっ!! 嘘です、今の無し! クビだけは勘弁してください!!」 ─ 小僧、少しだけ前を向くのこと 了 ─
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『夢見るれいむ』 19KB いじめ 自業自得 野良ゆ 透明な箱 現代 虐待人間 暇つぶしにどうぞ ありがちな農家ネタだと思いますが、仕様です。過去SSあんまり読んでないんで。 その他ネタ被り、意味不明な箇所など書き捨て御免ということで。 それでも読んでみる方は暇つぶしにどうぞ。話のネタにしてくれたら幸いです。 夢見るれいむ 「こ、こ、ここは、れ、れいむの、れいむの、ゆっく、ゆっくり、ぷれ、ぷれ……」 れいむは怯えていた。上手く言葉が紡げない。 暖かな日差しの下だというのに、寒気が収まらない。 「おやさいさん」を一人占めしている「にんげんさん」は、れいむを黙って見下ろしている。 臆病なれいむは黙って佇む「にんげんさん」が恐ろしかった。早く逃げ出したい。 「こ、こここ、ここをれいみゅっ! ゆぇぇぇ、いじゃいよぉぉぉ!」 舌を噛んだ。ジワリと痛みが伝わってくる。涙があふれてしまう。 それでも、れいむは逃げ出すわけにもいかなかった。 突然、「にんげんさん」が動いたかと思うと、次の瞬間には宙に浮いていた。 「ゆ……おそらを、とんでるみたい!! ……ゆひゃぁぁぁぁぁぁっ!!」 その理由が「にんげんさん」に掴まれているからだ、とゆっくり理解した途端、 れいむは恐怖で悲鳴を上げてしまう。 おそろしーしーが「おやさいさん」に降りかかる。 抗えない力に、ただ身を震わすしかないれいむだった。 「そろーり、そろーり。まりささまのさくっせん! は、かんっぺき! なんだぜ!」 「とってもとかいはな、すにーきんぐみっしょんだわ! そろーり、そろーり」 まりさとありすは、低い姿勢で農道を這いずっていた。 自ら立てた作戦を大喜びで自画自賛するまりさ。 ありすも、作戦の成功は確実だ、といった余裕の笑みを浮かべていた。 「あとはれいむがじかんをかせげば、おやさいさんをもってすたこらさっさ、だぜ!」 「でも、れいむがにんげんさんをおこらせたらどうするの?」 「あんないなかもの、どうなってもいいわよ。まりさもそのつもりなんでしょ?」 「そうだぜ。れいむなんかどうなってもいいのぜ」 まりさとありすに悪びれる様子は無い。れいむは捨て石ということか。 「にんげんさんはつよいよ。れいむなんかあっというまにぺちゃんこだよ」 「うそつきれいむなんか、まりささまのあんよをわずらわせるほどでもないのぜ! くずにんげんにやられるのがおにあいなのぜ!」 「ねえ、まりさ。ところでさっきから、だれとはなしてるのかしら、わたしたち」 「ゆ……?」 2頭のあんよが止まった。その横を、ザッザッと通り過ぎる大きな姿。 「つまり、れいむがおうち宣言をしている間に、まりさとありすが野菜を頂く。 そういう作戦なわけだね」 「そうなのぜ! いわゆるぱーふぇくとなさくっせん! なのぜ! いずれくずにんげんもやっつけて、ゆっくりぷれいすもいたっだき! なのぜ!」 「ま、まりさ……! まりさってば!!」 まりさは、傍らの身がすくんだありすに窘められても、夢見る表情を崩さなかった。 目の前にれいむを鷲掴みにした「にんげんさん」が佇んでいても、表情を崩さなかった。 れいむは掴みあげられたまま、悲しくて言葉も出なかった。 「……つまり、れいむのお母さんは飼いゆだったけど、飼い主が引越しをするときに もう飼えないからと、この近くの雑木林に捨てられた、と」 「ゆぐっ。れいむがうまれてから、おかあさんにきいたよ。おかあさんはれいむを そだててくれたけど、もうずっとゆっくりしちゃったよ。ゆぇぇぇ」 れいむはおかあさんれいむの事を思い出して、悲しくて、涙を流した。 自分が入れられた透明な箱の外側では、「にんげんさん」が話を聞いてくれている。 「にんげんさん」はれいむを「なや」という殺風景なお家に連れてきても何もしなかった。 捕まった時はもうダメかと思ったが、少し落ち着いたれいむであった。 「それで、あのまりさとありすはお友達?」 「にんげんさん」がお顔を向ける。 その先には、まりさとありすが「なや」から逃げ出そうと、壁沿いを跳ね回っていた。 先程から、出口を探してグルグル跳ね回ってるが、閉め切られた「なや」からは出られない。 2頭の口には「がむてーぷさん」が貼られ、一言も喋れないようだった。 「まりさとありすは、いじわるなんだよ。いつもれいむのこと、いじめるんだよ。 ほかのみんなは、だれもたすけてくれないんだよ。ゆぇっ、ゆぇっ」 「それで今日は、まりさとありすに無理矢理オトリにされたわけか。大変だったなぁ」 「そ、そうだよ。ゆぐっ、ゆわぁぁぁぁぁぁん!! ゆわぁぁぁぁぁぁん!!」 耐えきれなかった。れいむは精一杯、泣いた。 自分の話をこんなに聞いてくれたのは、おかあさんれいむ以来だったから、泣いた。 今日までいじめられ続け、毎夜忍び泣き続けた分も、思い切り泣いた。 「少し落ち着け、な?」 「にんげんさん」は透明な箱の上から腕を伸ばし、れいむのおつむにそっと触れてきた。 身体をそっと揺られる様な感触に、「すーりすーり」と同じぐらい気持ちが落ち着く。 きっとおかあさんが言っていた、「なーでなーで」というものに違いないだろう。 れいむは懐かしさに似た安らぎに包まれていた。 「じゃあさ、こいつらには何をされたんだい? どうやっていじめられたんだい?」 気がつくと、「にんげんさん」はいつの間にかまりさとありすを抱えていた。 逃げ出そうと身をよじっているが、まるで効果が無いみたいだ。 「まりさはね、いつもれいむのことをつきとばすんだよ。とってもいたいんだよ」 「なるほど。ちょっと待ってな。れいむの言ってることは本当かい? まりさ」 「にんげんさん」がまりさの口に貼られた「がむてーぷさん」を剥がした。 剥がされる際のまりさの表情からして、あれはとても痛いものなんだろう。 「おい! くずにんげん! ゆっくりしないでまりささまをはなすんだぜ! おやさいさんとあまあまをもってきたらゆるしてやるのぜ! たくさnっっ!!」 「質問に答えろ」 まりさは「にんげんさん」におつむを掴まれたまま、お顔から地面さんにぶつけられた。 身体をプルプル震わせながら悲鳴を上げている。とっても痛いんだろう。 「くそじじい! よくもまりささまのすてきなおかおをきずものにしたのぜ! やっつけてやるのぜ! ゆっくりしないでまりささまをはなsっっ!!」 「質問に答えろ」 まりさのお顔は、また地面さんにぶつけられた。何度もぶつけられた。 れいむはこれじゃ質問に答えられないだろう、とも思った。 「……まりざは、れいむを、だぐざん、づぎどばじまじだ……」 何度も何度もお顔を地面さんにぶつけられたまりさは、泣きながら答えた。 前歯さんが何本か折れており、泣き顔に惨めさが際立つ。 「そっか。こんな感じか?」 「ゆげぇっ!?」 「にんげんさん」はまりさを地面さんに置くと、長いあんよで蹴り飛ばした。 あっ、と言う間に、まりさの身体は「なや」の壁さんにぶつかり、跳ね返ってくる。 まりさは「にんげんさん」のあんよまで戻ってくると、また蹴り飛ばされた。 「いやー、サッカーとか高校の部活以来だわー。重いけど気持ちいい跳ね方するわー」 「ゆぎぃっ!!」 「ゆべっ!!」 「いぢゃぃっ!!」 「やめ゛っっ!!」 何度も何度も蹴り飛ばされて、何度も何度も壁さんにぶつかって、何度も何度も餡子を吐いて、 悲鳴する上げられなくなるまで、まりさは何度も何度も蹴られ続けた。 「ふー、すっきりー。運動の後のビールごーくごーく、しあわせー!」 「にんげんさん」はまりさを踏んづけたまま、お酒さんを飲んで、とてもゆっくりしていた。 まりさはお目目をグルグル回して、餡子と泡を吹いて、とてもゆっくりしていなかった。 「それじゃあさ、このありすにはどんな意地悪されたんだい?」 そう言って、「にんげんさん」小脇に抱えていたありすを掴んで、れいむに向けてきた。 まりさの様を目の当たりにして、ありすは涙とおそろしーしーを流して震えている。 「がむてーぷさん」で口を塞がれているので、悲鳴を上げることも出来なかった。 「ありすはね、れいむのおりぼんのおかざりをやぶったりちぎったりしたんだよ」 「なるほど、れいむのリボンはボロボロだね。本当かな、ありす?」 ありすは「がむてーぷさん」を剥がされると、堰を切ったように喋り出す。 「れ、れいむはうそつきなのよ!! いなかもののくせにとかいはなかいゆっくりとか! とかいはなありすに、いたいいたいしないでぇぇぇ!!」 「だそうだが、どうなんだい、れいむ?」 「ありすはほんとうのことをいってよ! れいむのおりぼんをひっぱってちぎったりしたのに! なんどもなんども、ぢぎっだのにぃぃ!!」 「だそうだが、どうなんだい、ありす?」 「いなかもののれいむなんか、ぼろぼろのおかざりがとてもおにあいなんだから!! だからありすがこーでぃねいとしてあげたのよ! にんげんさんもそうおもうでしょ!!」 れいむは苛められたことを思い出して、とても悲しくなって、また泣いた。 悪びれもせず自らの行為を正当化するありすの言葉に、また泣いた。 「引っ張って、千切って、と」 「ゆぎゃぁぁぁっ!?」 ありすは「にんげんさん」にフリルの付いた赤いお飾りをむしり取られた。 髪の毛さんも沢山むしり取られて、ありすのおつむは痛々しく禿げていた。 目の前に大事なお飾りを投げ捨てられたありすは泣き叫ぶが、 「にんげんさん」に掴まれたままでは近づくこともできない。 「ゆあぁぁぁ! ありずのえれがんどでびゅーでぃーなおがざりざんがぁぁぁぁ!! もどっでぇぇ! ゆっぐりじないでもどっでぇぇっ!!」 聞く耳を持たない「にんげんさん」の長いあんよが、ありすのお飾りを踏みつぶした。 赤いお飾りは容易く砕け、3つに分かたれた。 「ありずのおがざりざんがぁぁぁ!! びりおんだらーのおがざりざんがぁぁぁ!!」 「何度も、何度もね、と」 泣き叫ぶありすに構わず、「にんげんさん」はありすのお飾りを何度も何度も踏みつぶす。 何度も何度も踏みつぶされたお飾りは、砂さんのように細かくバラバラになってしまった。 「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!! ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!! ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁっ!!」 ようやく「にんげんさん」から逃れたありすは、粉砕されたお飾りの傍らで悶え悲しんだ。 必死にぺーろぺーろするが、直る気配は無い。ありすは泣きながら無駄な行為を続けた。 「お、起きたか。ついでにお前のもどうだい?」 「ゆぴぃぃぃっ!?」 一連の光景を、息を殺して目の当たりにしていたまりさが、驚いて大声をあげた。 まりさに近づく「にんげんさん」のお手手には、大きな「はさみさん」が握られていた。 逃げようと身を捩るまりさだったが、散々痛めつけられて思うように動けないようだ。 「ま、まりさは、い、いやなのぜ。こ、こないでね。ゆっくりしないで、かえってね!」 「まあ、遠慮するな」 まりさ自慢の帽子のお飾りは、あっという間に「にんげんさん」に取られた。 そして、「はさみさん」でじょーきじょーきと切り刻まれていった。 「まりじゃのどぢぇもゆっぎゅりじだおがじゃりじゃんがぁぁぁっ!! やべでぇぇぇ!!」 まりさが必死で泣き叫んでも、やはり「にんげんさん」は相手にしない。 結局、まりさのお飾りは、たくさんの細かい端切れになってしまった。 「までぃざの、までいざのおがざりじゃんがぁぁっ! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ!!」 「ほかには何か意地悪されたかい?」 「まりさとありすはね、れいむのおさげさんをちぎっちゃったんだよ。すごくかなしいよ」 「れいむの赤いお飾りのお下げが無いのは、そういうことか。よーし」 お野菜さんを刈り採る「かまさん」を持つと、「にんげんさん」は2頭に歩み寄った。 まりさとありすは必死に逃げ回るが、閉じられた「なや」の中では逃げ場は無い。 すぐにまりさが捕まってしまった。 「も、もうやじゃぁぁっ! おうぢがえるぅぅっ!! ばなじぢぇぇぇっ!!」 「どこぞの国じゃ、鎌で散髪する床屋がある、ってね」 じょーりじょーり、じょーりじょーり、と「かまさん」がまりさの髪を乱暴に刈り採っていく。 抑えつけられたまりさから綺麗に波打つ金色の髪が、その髪が束ねられたお下げが、地面さんに落ちる。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛っ!? までぃざのずまーどなおざげざんが、がみのげざんがあ゛あ゛!!」 「おっと、動くなよぉ」 「ゆっびぃぃぃ!? いぢゃいよお゛お゛ぉっ!!」 あまりにまりさが悶えるので、おつむが傷ついてしまった。傷口から餡子が漏れる。 しばらくして、「にんげんさん」に開放されたまりさの髪は、まばらにしか残っていなかった。 「ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛あ゛っ!! ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーーん゛っ!」 「散髪の時に動くからだ。後でオレンジジュースもってきてやるよ。さてっと」 「にんげんさん」は「なや」の隅っこで震えているありすに向き直った。 ありすの声にならない悲鳴が、れいむには聞こえたような気がした。 「お待たせ~。いま都会派にカットしてあげるからねー」 「い、いやぁぁ!! おやざいざんをぬずもうどじだごどはあやまりまずっ! れいむをいじめだごどもあやまりまずっ! ゆ、ゆるじでぐだざい、おねがいじまずっ!!」 「んー、一部そういう問題でもないんだなぁ」 じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、じょーりじょーり、 「ごんなの、ぜんぜん、どがいばじゃないわ゛あ゛あ゛ぁぁ!! ゆ゛ん゛や゛あ゛ぁぁっ!!」 髪の毛を刈り採られたまりさとありすは向かい合わされ、お互いの姿で自らの様を確認した。 そして、泣いた。大事なものを永遠に失って、泣き叫び続けていた。 れいむはボーっと見ていた。いじめっ子のまりさとありすをやっつける「にんげんさん」を。 自然と、おかあさんれいむが寝物語に聞かせてくれたお話を思い出していた。 魔法の力を借りて、「おうじさま」と幸せになれる「おひめさま」のお話。 いつか、飼いゆっくりにしてくれる「おうじさま」の到来を、れいむはずっと夢見ていた。 もしかしたら、この「にんげんさん」は、れいむの「おうじさま」なのかも。 れいむは決意し、勇気を込めて、恐る恐る、言葉を放った。 「に、にんげんさん。れ、れいむを、にんげんさんの、かいゆっくりに、してください!」 「ああ、最初からそのつもりだよ」 あっけなく返ってきたその言葉を、れいむはゆっくりと理解しようとした。 そして、理解できた瞬間、涙が溢れた。生まれて初めて流す、歓喜がこもった涙だった。 「れいむ、かいゆっくりになって、おにいさんをいっぱいゆっくりさせるよ!」 「それじゃ、今この瞬間から、れいむは俺の飼いゆっくりだ。働いてくれよ!」 「うん! にんげんさんのために、たくさんおしごとするよ!!」 信じられない。まるで魔法をかけられた「おひめさま」のようだ。 今日までの絶望が、明日からの希望に変わったことを、れいむは涙を流して喜んだ。 「ちょっとトイレいってくるから、こいつら見ててね」 「うん。ゆっくりいってきてね!!!」 散々痛めつけられて息も絶え絶えなまりさとありすが、れいむのいる透明な箱に入れられた。 「にんげんさん」は急ぎあんよで「なや」の外に出て行ってしまう。 すぐにれいむは、今まで自分を苦しめてきたいじめっ子達を突き飛ばした。 「どーお? れいむかいゆっくりなんだよ。すごいでしょ。いっぱいほめていいよ」 立場は逆転したのだ。自分をいじめていた2頭を、見下した視線で睨みつけるれいむ。 まりさとありすは新たに加えられる痛みに、悲鳴を上げるばかりだ。 「ご、ごべんなざいぃぃっ! ゆるじでぐだざいぃぃっ!!」 「いままで、いじめで、ずみまぜんでじだぁぁっっ!!」 圧倒的な暴力で苦痛を与えられたうえ、自尊心を示すお飾りや髪の毛まで奪われたのだ。 まりさとれいむは抵抗どころか、哀れに泣き叫ぶしかできなかった。 「れいむがないても、やめなかったよね! れいむもやめないよ!!」 れいむは2頭を繰り返し突き飛ばした。無抵抗な相手を弄り、生まれて初めての体験に酔う。 まさに、魔法をかけられたかのように。 「いやー、おまたせー。って、何やってるの?」 「あ、ゆっくりおかえりなさい!! れいむ、せいっさい! してたんだよ!!」 れいむは帰ってきた「にんげんさん」に堂々と答える。 しかし、「にんげんさん」はおつむを傾けるだけで、喜ばなかった。 「それはれいむのお仕事じゃないよ。一緒に生活するんだから、優しくしてあげないと」 「どうして? こんなぶざまなげすゆっくり、かいゆっくりなんかできないよ。 ずっとゆっくりさせたほうが、れいむもにんげんさんもゆっくりできるよ!」 「うーん、それじゃ困るんだ」 次の瞬間、れいむの身体は宙に舞っていた。 「……おそらを、とんでるみたい!! ……ゆげぇっ!!」 いつの間にか、れいむは透明な箱から放り投げられ、地面さんに打ち捨てられていた。 痛い。何が起こったのか。れいむはゆっくり理解できなかった。 「ど、どうして、れいむは、かいゆっくりでしょ? まちがえちゃだめだよ」 「俺は何も間違えちゃいないよ。勘違いしてるのはれいむの方じゃないかなー?」 れいむは理解できなかった。自分は飼いゆっくりではなかったのか? 何故、「にんげんさん」は自分を放り投げたのか? 何故、まりさとありすを痛めつけた時のような表情をして近づいてくるのか? 何もかもが、ゆっくりできなかった。 「れいむはかいゆっくりでしょ!? ゆっくりさせてよ! そしたらにんげんさんもゆっくりできるんだよ!!」 「あー、れいむのお仕事はゆっくりすることじゃないんだ。 ゆっくりされると、俺がゆっくりできないんだよー」 「ゆ……!?」 れいむがゆっくりするとゆっくりできない? 「にんげんさん」の言葉は、れいむの理解を超越していた。 「ゆっくりのおかげで農作物の被害がバカにならなくてね。 この辺りじゃ、ゆっくりを家で飼ってるだけで村八分、いじめられちゃうよ」 「れいむはげすやのらとはちがうよ! れいむはゆっくりできるんだよ!! じゃあ、まりさとありすをどうしていじめたの!? れいむをたすけたんでしょ!?」 「力関係ははっきりさせないとね。ゆっくりは人間以下だって解らせないと。 あいつらがれいむにやった事を、あいつらの何倍もの力と効果で、あいつらに与えてやった。 自分の無力を理解すれば反抗する気なんか起きないから、ね。 だから次は――」 「つ、つぎは……?」 れいむはとてもゆっくりできない気配を、確かに感じていた。 聞くのが恐ろしかった。だが聞いてしまった。 「れいむを同じぐらい痛めつけないとね。そうすれば、みんな平等。仲良くできるよ」 あっ、と言う間にれいむは「にんげんさん」に鷲掴みにされた。 もう片方の手にはまりさとありすの髪の毛を刈り採った「かまさん」が握られていた。 「ゆんやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 魔法は解けた。 れいむ達が住んでいた雑木林と野菜畑の間に、れいむ達の「ゆっくりぷれいす」は建てられた。 「なや」にあった透明な箱に台座が組まれたもので、ちょっとお空を飛んでるみたいだった。 でも、れいむもまりさもありすも、あの日以来「ゆっくりぷれいす」から出ることは出来なかった。 ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ 「オラァッ! サボってんじゃねえぞ! 来てるだろうがよぉ!!」 「「「ゆぴゃぁぁぁぁっ!!!」」」 「ゆっくりぷれいす」が機嫌を損ねた「にんげんさん」に叩かれてグラグラと揺れる。 毎日ゆっくりできないせいか、暖かな陽気に誘われて3頭とも眠っていたようだ。 「ご、ごべんなざいぃぃっ!!」 「ず、ずびばぜんでじだぁぁっ!!」 「ゆ、ゆるじでぐだざいぃぃっ!!」 れいむ達は「にんげんさん」に怒られれば、反射的に泣いて謝るようになっていた。 身をもって刻まれた力の差は、ゆっくり本来の本能に取って代わっていたのだ。 「あそこだあそこぉ!! 早く仕事しろクソ袋共っ! またメシ抜かれてぇか!?」 指差されるまでもない。雑木林の木の陰に、ゆっくり達がこちらの様子を見ていた。 れいむ達は揃って雑木林の方を向くと、各々が精一杯叫んだ。 「おやざいはがっでにばえでぎまぜんっっ!! にんげんざんがだいじにぞざででいまずっっ!!」 「おやざいざんをぬずんだら、までぃざだぢみだいに、ぜいっざい! ざれまずっっ!!」 「だがら、ゆっぐりは、もりのぞどにでないで、おぐでゆっぐりじでぐだざいっっ!!」 様子を見ていたゆっくり達は、慌てて雑木林の奥に消えて行った。 畑に近づくゆっくり達を追い払う。これがれいむ達の「おしごと」なのだ。 「「「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁん゛!!」」」 「おしごと」を終えた後、れいむ達は決まって嗚咽を漏らす。 去っていくゆっくり達の後姿を見送りつつ、逃げ出したい。助けてほしいと心で訴える。 でも、れいむ達のあんよは傷つけられ、這いずることしかできない。追い付けない。 何より、お飾りも髪の毛も刈り採られた傷だらけのゆっくりなど、誰が助けるのか。 3頭はお互いの姿を見比べて、行く場所も帰る場所も無いことを解らされていた。 「よーしよし。御苦労さん。それじゃ、お前らもメシにしな、っと」 透明な箱に「おやさいさん」の端切れや腐りかけたカスが投げ込まれる。 食事を抜かれるよりはマシだ。ここから出られないれいむ達はそれを口にするしかない。 「「「むーしゃむーしゃ……。むーしゃむーしゃ……」」」 食事を抜かれるよりはマシだが、こう不味くては何の感想も湧いてこない。 傍らで「にんげんさん」は、お酒さんを飲んで、とてもゆっくりしていた。 夜になれば、毎夜のようにれみりゃ達捕食種がゆっくりぷれいすの周りを羽ばたく。 「うー☆うー!」 「「「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」 ゆっくりぷれいすは頑丈で、れみりゃ達は何をやっても入ってくることはできない。 そうと解ってても、自分達を食べようとする相手への恐怖には抗えなかった。 結局れいむ達が眠れるのは、れみりゃ達があきらめて帰ってから夜明けまでの間だけだ。 れいむは、しばらく降ってない雨が待ち遠しかった。 雨の日はゆっくり達もれみりゃ達も来ない。だから3頭はすーりすーりと身を寄せて眠ることができた。 おちびちゃんを作ることも出来なくされていたれいむ達にとって、 雨の日の「すーりすーり」ぐらいしか、ゆっくりできることは残って無かったから。 朝日が昇る。れいむは目が覚めた。 雑木林の方を見ると、「にんげんさん」が何かをばら撒いている。 「おといれ」から地面さんに落ちた、れいむ達のうんうんだろう。毎朝のことだ。 あれでは臭くて、そのうちゆっくり達は来なくなるに違いない。 そうしたら、「おしごと」が無くなったら、すこしはゆっくりできるのかな。 それとも、「おしごと」が無くなったら、れいむ達は永遠にゆっくりさせられるのかな。 れいむは、もう夢を見ることは無くなっていた。 もう現実しか見えなかった。 完