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『ゆうかと一緒.TXT』 10KB 虐待 制裁 野良ゆ 子ゆ ゲス 透明な箱 現代 虐待人間 独自設定 16作目 『ゆうかと一緒』 花壇の花が朝露に濡れていた。 それは日の光を受け、宝石のように輝いていた。 「綺麗だ」 おにいさんがとても愛おしそうに呟く。 「もちろんよ。ゆうかの花壇だもん」 おにいさんは笑って答える。 「ゆうかの方が綺麗だよ……」 「もう……」 一匹のちぇんが、れいむとまりさから暴行を受けていた。 「ああん?まりさ様に因縁つけるとは、命が惜しくないのぜ」 「因縁つけてなんかいないんだねー。わかってよー」 れいむとまりさの間で、ボールのようにもてあそばれるちぇん。 「やちぇえー」「ぷくー」 それを応援する子ゆっくりのまりさとれいむ。 「まりさ様の銀バッジを見てたんだぜ。野良の癖に生意気なんだぜ」 「あとかわいいれいむをイヤラシイ目で見ていたよ!」 ちぇんは、何度も体当たりをされる。 「そんなことないんだねー。れいむはブサイクなんだねー。自覚してねー」 「ゆらあ!」 れいむがちぇんを踏み潰した。 「ゆふー。まったくゲスなちぇんだったよ」 れいむが、なにやらやり遂げたような顔で言った。 このゆっくりの家族は正真正銘のゲスである。 ちなみにバッジをしているが飼いゆっくりではなく、野良である。 飼い主は無責任な人であり、この家族がゲス化するとバッジすらとることなくさっさと捨ててしまった。 自分の行動が引き起こす結果をまったく気にしていない。 おかげでこのゲス親子は、バッジの威を借りて野良に好き勝手なことをしている。 「おとうしゃん。はやくお散歩の続きしようにぇ」 子まりさがぴょこぴょこ跳ねながら声を上げる。 すぐにゲス家族は、自分達がなぶり殺しにしたちぇんのことを忘れて散歩を再開した。 「ゆ~ゆ~ゆっくり~。ゆ!ゆ!ゆ~!」 でたらめな歌を歌いながら。 まりさたちは、10分ほどお散歩を続けていると綺麗な花壇のある家を見つけた。 色とりどりの花が咲き乱れている。 人間ならその美しさに感動することだろうが、ゆっくりには美味しそうな食料にしか見えない。 「おなかちゅいたー。おはな食べたいー。」 子れいむが花壇を見て、あからさまにに催促する。 親れいむは、さっと家を見渡す。 人間はいない?今のうちに食べてしまえ。 そう思いゲス家族は、花壇へ向かって跳ねた。 しかし、家族のすぐ後ろには、おにいさんが無表情で立っていた。 おにいさんは、有無を言わさず親の2匹を蹴り飛ばすと、透明な箱の中にゲス家族を入れる。 「なにするだじじい!まりさ様は飼いゆっくりだぜぇ!どうなってもしらないのぜ!」 まりさが威勢よく大声を上げる。 おにいさんは、まりさの顔面に拳を打ち込みながら抑揚の無い声で答えた。 「花壇を荒らす奴は、ゆっくりだろうと人間だろうと許さない」 まりさ達は声が出なくなるまで殴られた。 おにいさんは何気なく庭の花壇を見た。 朝見たときと変わらず、たくさんの綺麗な花が咲いていた。 お兄さんは思わず涙が出てしまった。 「ゆうかの花壇は綺麗でしょ?」 「ああ、とても綺麗だ。前に野良に荒らされた花壇とは思えないよ」 「あの時は大変だったわ。お花は食い尽くされちゃうし、ゆうかも木の枝で刺されちゃったし」 「あの時は守ってやれなくてごめんな。でも、もうそんなことはさせない。俺が守る」 「期待してるわよ。ゆうかのナイト様」 おにいさんは、ほんのりと赤くなった。そして呟く。 「ずっと一緒だよ……ゆうか」 テーブルの上にはさまざま道具が並べられ、箱の中ではゲス家族が震えていた。 「どれからいくの?」 「うーん。基本通りちびからヤるか」 おにいさんは透明な箱から、子ゆっくりのまりさを取り出した。 「ゆうか、どうする?針を使うか?」 「いいえ、解剖しましょう。生きたまま体を解体するの」 帽子を脱がされた子まりさは、背中に接着剤を塗られ木の板に固定された。 「やめちぇね。やめちぇね」 子まりさは恐怖で体をぷるぷる震えさす。 冷たいカッターナイフの刃が子まりさの頭頂部に突き刺さる。 「ゆぴょおう!いじゃいぃぃ!」 刃は真っ直ぐに進み、子まりさのまむまむまで皮を切り裂いた。 そして、まむまむから左右にそれぞれやや斜めに切り裂く。 真上から見たら逆Yの字に子まりさの皮は切られた。 「ゆご!が!」 激痛で子まりさはまともに発音できない。 つぎに、皮がべりべりと?かれていく。 「ゆぎっぎぎぎぎぎ」 子まりさは、涙を流しながら苦痛のうめき声を上げる。 「次はおめめよ」 ピンセットが左の眼窩にねじ込まれる。 子まりさは痛みの為、ぷしゃとしーしーを漏らす。 ぐりぐりとピンセットが子まりさの眼球を抉り出す。 「ま、まりしゃの、お、めめぇ……。」 「さー次は右目よ。痛い?ねぇ痛い?」 「もう少しかき回してみるか」 右目の眼球にピンセットが突き刺さる。そのまま眼球ごとかき回す。 「ゆぎょうがふぉおうっっかけこ!やべっ、やべっ!」 子まりさが絶叫する。 おにいさんは、ピンセットをテーブルに置くとペンチを取り出した。 「次は歯を抜こう」 まりさに冷たく話しかける。 まりさは、これからされることを想像したくなかった。ここから逃げ出したかった。どうして強いお父さんが自分を助けてくれないのか解らなかった。どうして誰もかわいいまりさを助けてくれないの? まりさは助けを願った。 ペンチが歯を挟む。みしりと歯がきしむ。 みちみちとゆっくりと歯が引き抜かれる。 激痛。激痛。また激痛。歯が引き抜かれていく。 ゆっくりとしかし確実に、一定の間隔で歯が抜かれていく。 まりさは何も考えられない。 「次は舌だね」 「そうね。ウザイだけの声を出す舌ならいらないわよね」 ペンチが舌を挟み引き出してゆく。 「こ…こ…ゆ…」 限界まで舌を引き出すと、おにいさんは舌の根元をカッターナイフで切断する。ゆっくりと。 たっぷりと時間を掛けて舌が切りとられた。 「顎も外すか」 まりさの口が切り裂かれていく。そして下あごを含む下半身が切り取られてしまう。 「おにいさん、これは気持ちが悪いわ」 「ゆうか。ほんとはこういうのが好きなんだろ」 もうまりさは喋ることができない。それどころか、下半身がない。 まりさは生涯最高の痛みと喪失感を味わっていた。 「どうやって殺そうか?」 「そうね。後は庭に放置しとけばいいんじゃない。」 子まりさは中枢餡と顔の上半分しか残っていない状態で庭に置かれた。 子まりさが死ぬのはいつだろう。 すべてを失った子まりさが何を考えているかは誰も解らない。 「とてもゆっくりしたおちびちゃんがぁぁぁ!」 「どうぼじてこんなことするのぉぉ!」 「おねいちゃーん!」 子まりさが庭に出されると、家族が騒ぎさす。 子まりさが虐待されている間は、目の前の光景に怯えてしまい声を出すことができなかったのだ。 すでにこの家族は理解している。この人間は異常だと。 「クソ奴隷ぃ!助けに来いいいいいいいいい!」 飼い主に助けをもとめる親まりさ。 他力本願な、助けを呼ぶ声は誰にも届かない。 「つぎのおちびちゃんはどうするの?」 「ああ、こういうのはどうかな」 おにいさんは、子れいむを箱から取り出すと、あんよをライターで焼き出す。 「やめちぇー。あじゅいぃぃぃ!たちゅけてぇ!」 「あはは。助けなんてこないわよ」 涙としーしーがライタの火で蒸発し、じゅっじゅっと音を上げる。 子れいむのあんよは黒く焼け焦げた。美味しそうな匂いがする。 「あ、あんよが動かないよ、なおしてね!なおしちぇね!」 子れいむが上半身をぷるぷると震わせ泣き叫ぶ。 おにいさんが子れいむへ話しかける。 「れいむ、あんよを直して欲しいかい」 「ゆ!欲しいよ!」 「じゃあ、僕にれいむの『夢』を聞かせてくれるかな?その夢が素晴らしいものであれば助けてあげるよ」 おにいさんは少し楽しそうに言った。 「ゆ、ゆゆ!れいむはね、大きくなったらお母さんみたいな美ゆっくりになって、お父さんみたいなかっこいいまりさと結婚するよ。そして、いーぱいゆっくりして、いーぱいおちびちゃんをつくるよ!ゆっくりしてるでしょ?」 れいむは目を輝かせ、夢は適う、自分には素晴らしい未来が待っていると言わんばかりの表情で語った。 「クソだ」 「ゆ?」 「クソだよクソ!お前の夢はうんうんだっていったんだよ」 「どぼじてそんなこというにょおおおおおお!」 れいむが滝のように涙を流しながら抗議する。 「なぁゆうかどう思う?」 「吐き気がするわ」 「さて、死のうかれいむ。お前はここで死ぬ。大人になれないし、結婚もできない。ゆっくりもできない。むーしゃむーしゃもできないし、すっきりーして子供もつくれない。お前の人生はここで終る。」 おにいさんは淡々と話した。 れいむは震える声で言う。 「やめえちぇね」 「ダメだ」 「おうちに帰してね」 「ダメだ」 「ゆっくりしたいよ」 「ダメだ」 「もっとむーしゃむーしゃしたいよ」 「ダメだ」 「大きくなっておかあさんになりたいよ」 「ダメだ」 「可愛いおちびちゃんを生みたいよ」 「ダメだ」 「家族とすーりすーりしたいよ」 「ダメだ」 「生きたいよ」 「ダメだ」 「れいむいきたいよぉぉぉぉ!」 「死ぬんだよ」 おにいさんは、つまらなそうに答えると電動ドリルを取り出した。 「それで貫くの?おにいさん」 「いや、削り殺す」 激しく回転するドリルの刃が身動きの取れない子れいむを、少しづつ少しづつ削っていく。 「ゆぎい!ゆぎい!」 もみ上げがとれ、お飾りが削られてなくなっていく。 髪も、肌も、目も、肌も、何もかも削られていく。 「ゆごごごごごごごごごごごごごごご!」 子ゆっくりとは思えない唸り声をれいむは上げた。 餡子が飛び散る。 たっぷり30分かけて子れいむは、原形が解らなくなるまで破壊された。 「許してね!もう来ないから許してね!」 箱から取り出されたまりさが、泣きながら懇願する。 まりさは恐怖でありとあらゆる液体を漏らしていた。 なんでこうなった。まりさはゆっくりしていただけなのに。理不尽だ。こんなのが許されるはずがない。 まりさは震えながらそう考えた。 さらに考える。 ゆっくりしている自分が死ぬはずが無い。きっと奴隷が助けに来るはずだ!そうだ、来ない奴隷が悪い! まりさは怒った。 が、怒りの感情はすぐに絶望に変わる。 まりさの中に数本の針金が刺し入れられた。 自分の体の中を、得体の知れない金属の針が突き進む感覚にまりさは気分が悪くなる。 「いたい、いだい!なんなのこれぇ!」 まりさの体のいたるところに針金が突き刺さり、突き抜けまりさは身動きが取れなくなってしまう。 「ゆひぃ、ゆひぃ。もうやだ。おうち帰る!おうちに帰るう!」 「うざったいわね。アンタの帰るところなんて何処にもないの」 「土に還してやるよクソ饅頭」 おにいさんがガスバーナーで針金を炙りだした。 針金が赤く熱されていく。 じゅぅぅぅ……とまりさの体を貫く幾本もの針金が、まりさを焼く。 「ゆぎやぁぁぁぁぁぁぁ!やめてえぇ!言うことききます。なんでもします。たすけてね。今すぐ助けてね。助けろ。たしけろおおおおお!だれきゃぁあ!たちゅけてぇぇぇぇぇぇぇ!」 「美味しそうな匂いがするな。こいつら」 「ゆうか、お腹すいたわ」 「晩ごはんは、何にするかな」 「ゆ…ゆっ……ゆっ……」 おにいさんが、夕食のことを考えている最中にまりさは死んだ。 箱のれいむは目を逸らしていた。現実から逃げていた。 まりさは誰にも気にされずに死んだ。 おにいさんは、箱に入ったれいむを見つめる。 「最後の一匹だ。どうする。」 「おにいさんの好きにしていいわ」 おにいさんは、箱かられいむを取り出した。 れいむが体をうねらせて叫ぶ。 「いやだぁ!死にたくないいいいいいいいいいいい!助けて!たすけてぇ!」 おにいさんはあっさりと答えた。 「残念だね。そのお願いはきけないな」 「そうね、苦しんで死になさい」 おにいさんが金槌を手に持ち、振りかぶる。 れいむが怯える。そして 「なんでずっとぶつぶつ 一人 でお話してるのぉ!」 と叫んだ。 おにいさんは、れいむに向かって金槌を振り下ろした。 おしまい ※今回は実験作です。苦手な虐待を書きました。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 ただ、きちんとオチが落ちているか、描写に矛盾ができていないか若干不安があります。 感想いただけると嬉しいです。 ■TXTあきSS anko2679 野良のゆうかにゃん anko2681 夜の悩み anko2683 逆噴射てんこ anko2688 邪悪なさなえ anko2691 清く正しいなんとかです。 anko2693 さなえリターンズ anko2694 にとり相撲 anko2696 件名:こいしの躾について anko2702 継ぎ接ぎ帽子のまりさ anko2708 3年YU組けーね先生 anko2715 行動と責任 anko2719 双葉マンション anko2732 超合金さなえ anko2746 クリスマス合唱団 anko2752 まりさが可愛くて
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・人間が怪我をする描写があります。その中で不快だと感じる表現があるかもしれません。 ・本作品ではゆっくりを「生き物」としてとらえています。 ・善良なゆっくりが出てきます。 ・虐待成分は含まれていません。 ・人間を中心にしてストーリーが進みます。 以上の注意点を踏まえてご覧下さい 『生きる』 ~冬山の登山はとても危険~ 何度も聞いたことのある言葉だが、 今になって心に響いてくる。 正月に登山をしようなどと考えてしまったのがそもそもの間違いだった。 本来ならばいつもと変わらない寝正月を過ごす予定だったのだ。 元旦を迎えたときも朝からお酒を飲んでグータラしていた。 おせち料理、こたつ、テレビ番組、お酒、睡眠。 人間は快楽に堕ちていこうと思えばどこまでも堕ちていけるらしい。 ほとんど動かずに、一日の大半をこたつの中で過ごす。 ふと、正月太りの話題を思い出したので、洗面所にある体重計に乗ってみる。 「・・・・・なんと、3kg増えてる」 多忙な年末、忘年会シーズン、そして正月。 それだけのことが重なれば、逆に太らないほうがおかしい。 少しあせりを感じ、こたつの外で筋トレを始める。 筋トレで汗をかきはじめたころに、テレビでお酒のCMが流れる。 「一富士 二鷹 三なすび やっぱり富士が一番!!! 日本の銘酒 富士山(※実在の商品とは全く関係ありません)」 富士山かぁ。 その直後に駅伝のCMが流れる。 みんな、しんどそうな顔をして走っている。 ゴールした爽やかな顔が画面いっぱいに映る。 俺は家の中でこんなにゆっくりしてていいのか? そんなことをふと思った。 そしてとどめが来た 「あなたは今、生きていますか?日々の忙しさに追われ、疲れていませんか? 最初の1週間だけでもやってみましょう!! 体づくりはみなみやまスポーツジムへ(※実在の施設とは全く関係ありません)」 CMを見て何か奮い立つようなものがこみ上げ、無意識に支度を始めた。 朝4時に目覚ましをセットし、その日は早く寝る。 翌日、朝4時に起床する。意外と目覚めは心地よく、てきぱきと動くことができた。 登山に必要な荷物を車に積め込み、お気に入りの曲を聴きながらドライブする。 本当は富士山に行きたかったのだが、 ここから富士山までは距離があり、辿りつくだけで半日以上かかってしまう。 代わりに、車で一時間ほどの場所にある近場の山に向かう。 近場といっても標高は1千m近くあり、 油断できない難所がいくつか待ち構えている。 冬山は危険なので、入山禁止となっている場所もあるようだが、 この山はそういった規制が無いらしい。 そういったことも、油断を生む原因となってしまったのだろう。 正月の朝はとても寒く、車の中で吐く息が白い。 防寒具を何重にも着ているから寒さ対策はバッチリ。 リュックサックにはカイロがたくさん入っている。 朝5時過ぎ、山の登山口にたどりついた。 標高1千mを越えるといっても、1千mそのまま登る訳ではない。 だいたいどんな山でも、登山口までは車で登れるようになっているのだ。 さっそく車から降りてストレッチを始める。 体が温まってきたところでトランクの荷物を降ろす。 首にタオルを巻き、背にリュックサックを背負い、手にステッキを持つ。 普通の人は登山用のステッキなど持っていない。 学生時代、暇があればよく山に登っていたので、自分用のステッキを購入した。 仕事をするようになってからは暇がなく、もう何年も山に登っていない。 登山は本当に久しぶりだ。 さて、この山は以前にも何度か登ったことがある。 山頂までのルートや避難場所も把握しているし、コンパス、地図、携帯電話も所持している。 周りの景色がまだ暗いので、懐中電灯の明かりを照らしながら山頂への道のりを一歩踏み出す。 二歩、三歩と歩いていくと爽やかな充実感があふれてきた。 歩き始めたら、あとは頂上まで頑張って歩き続けるだけだ。 1時間歩いた。日ごろ運動していないので足が疲れてきたが、それでもまだまだ歩けそうだ。 この辺りから積もった雪が見られ始める。 まだ周囲は暗いので、雪に足を滑らさないよう注意して歩く。 山頂まではあと30分ほど。 山頂にたどりつくころには、天気も良いので日の出も見られるだろう。 初日の出を寝坊して見逃してしまったので、今日はその代わりだ。 太陽の昇る情景を思い浮かべ、黙々と歩き続ける。 何度目かの危険箇所にたどりついた。 ここはそれほど勾配はないのだが、山の斜面がとても急で、一歩踏み外せば数十m下まで転落してしまう。 この山で遭難者が出たという話は聞いたことが無いが、 いつ遭難者が出てもおかしくない場所である。 雪に足を滑らさないよう慎重に進む。 何とか進めたと一安心したその時、雪を突いていたステッキが深く埋まった。 このあたりは雪が深いと分かったのだが、少し油断してしまった。 前に出した足を地面につけた瞬間、足場の雪がズブっと埋まる。 重心がズレたことでバランスを崩し、体がフラフラし始めた。 体制を立て直そうと足を踏み出すが、その足場もズブっと落ち込む。 まるで田んぼの土を踏んでいるようだ。 手をバタバタとさせ、何かにつかまろうとしたが遅かった。 急な斜面に体が転倒し、そのままゴロゴロと転げ落ち始めた。 周りの薄暗い景色がグルグルと回り、体全体が痛み始める。 声をあげるが、ドスドスと何度も斜面にぶつかり、断片的にしか声が出ない。 どこまで転がるのだろう・・・・ 転落している間、これは死ぬかもしれないと何故か冷静に判断している自分がいた。 一方で声をあげる自分は冷静ではなく、うっ、うぉ、と可能な限り声を出している。 転がり続ける体がやっと止まった。 止まった後の静けさがやけに怖い。 転落した際に受けたダメージを確認する。 頭部: 腕で頭をガードしていたので無傷だった。 首、胸部、背部、腕、手: 打撲による痛みがあるが、無事に動く。 腹部、腰部、臀部: 外傷が少しあるが、体の内部が傷ついている感じは無い。大丈夫だ。 大腿部、膝部、足首: これがやばい ねんざしたように足首がジンジンと痛む。 膝がグワングワンと痛む。 両足大腿部がキリキリと痛む。 左足大腿部は大きな裂傷ができているようだ。ジクジクとした痛みがある。 腓腹部、いわゆるふくらはぎは筋肉が厚いので、あまりダメージを受けていないようだが、 両足全体がほとんど動かない。まだ分からないが、折れている可能性もある。 両足に激痛を伴うが、しかし命の危険にさらされるほどの怪我ではないことが分かった。 それは不幸中の幸いであったと思う。 とりあえず今、生きている。 暗かった空に太陽が登り始める。 本来なら山頂で日の出を見る予定だったが、こんなところで見ることになろうとは・・・ でも太陽が見られることは幸いだ。 明るいうちに誰かがここを通って、自分を発見してくれるかもしれない。 電話を使えたら良いのだが、携帯電話は圏外で通じない。 GPSは機能しているかもしれないが、自分の居場所が分かるだけだ。 ほかに使い方があるのかもしれないが、あまり良く分からない。もう少し調べておけばよかったな。 そして、自分が登山するということを周りの誰にも告げていない。 登山口付近に停車してある車に誰か違和感を抱いてくれればいいのだが・・・ のろし・・・はあげられる訳がないな。 まだこんな冗談が考えられるうちは良い。 冷静な判断ができる今のうちに、何とか助かる方法を考えよう。 低い位置にあった太陽が真上まで登って来た。未だ登山客は現れない。 転落してすぐの痛みは耐えがたいものだったが、なんとか耐えられるほどになっている。 だが、両足はやはり動かない。 転落してきた坂を腕だけで這い上がるという選択もあるが、 斜面が急なので、再び滑って転落する恐れがある。 自力で這いながら下山しようとするより、体力を温存して助けを待った方がよさそうだ。 上半身を使って風が当たらない場所に移動する。 一応、目立つ場所に赤いステッキの残骸を置いておいたので、 斜面の上から見えにくい場所に自分がいたとしても、通りすがった誰かがステッキに気づいてくれるだろう。 とにかく今は、体力を温存することを最優先にする。 そして幸い、リュックサックの中身は無事だったようで、 リュックに入っている飲料水と食料で体を満たす。 昼間といえど、冬の山なので非常に寒い。 足の痛みが慣れてきたのは寒さのおかげかもしれない。 だが寒さは人間の体力を奪い、命の灯をじわじわと弱めていく。 寒さもあまり良いものではないようだ。 使い捨てカイロがリュックにたくさん入っているので、それを取り出して使う。 必要以上にカイロを持ってきて良かったと、今になって思う。 荷物は必要最低限に、と言われるが、 必要以上の荷物が役に立つ場合もあるんだな。 いろいろなことを考えながら、登山客が近くを通るのをひたすら待ち続ける。 夕方になり、周りは再び暗くなってくる。今日はもう登山客は現れないだろう。 正月ということがここでマイナスに働く。 こんな寒い時期に登山する人はそうそういないだろう。 それに4日まで正月休みが続くので、捜索願いが出るのも当分先のことだ。 行き先も告げていないので、この山を捜索するのはもっと後になりそうだ。 でも大丈夫大丈夫、登山客は明日来るさ。 明日でなくても、明後日には来るさ。 明後日がダメでも一週間、一週間経てば絶対に誰かが助けてくれるさ。 それでも助けが来なければ、なんでもない人間が一人死ぬだけだ。 大好きな山でゆっくり死ねるんだから、それが本望かもしれない。 人間いざという時は、なるようにしかならないさ。 どんと構えるくらいじゃなくてどうする!! そう、心を強く持とうとする。 本心は体の奥底に押し込んでいる。 表面に出てこようとしても強引にねじ込んでねじ込んで、 その感覚が麻痺するようになるまで押さえ込んでやる ・・・・・・・・生きたい 夜を迎えた。 辺りは急に冷え、体が震え始める。 周りの落ち葉や枯れ草をまとい、必死に寒さをしのぐ。 救出まで長くて一週間と概算したが、どうやら一週間もは体が持たない。 もって3日だ。それまでに登山客が近くを通ってくれなければ・・・ いや、きっと来る。俺のような人が登山にくるはずだ。 もしかして元旦に見たテレビのCMは、登山客を増やすよう意図的に流されていたんじゃないか? なら登山客はきっとくる!きっとだ!! ・・・・・・??なんだ??? 普段はもっと冷静に物事を考えるんだが ・・・・もしかしたら、先はそう長くないかもしれない 遭難2日目の朝、運良く空は晴れている。 登ってきた太陽が体を温めてくれる。 昔から太陽は、信仰対象として世界中で人間に崇められてきたが、 その理由が今なら良く分かる気がする。 夜に奪われた体温が、太陽の熱によって補充されるような感覚だ。 いつまでも太陽にはお世話になりたいなぁ。これからもずっと・・・・ 昼になった。リュックの中の食料は底を尽きた。 周りの植物に水滴がついているので、水分だけはなんとか補えそうだ。 ただ、周りに薄っすらと積もっている雪だけは食べないようにする。 一見、雪を食べると水分補給ができ、食欲も満たされるだろうと思うが、 雪を食べてしまうと、冷たい雪が人間の内部から体温を奪う。後から徐々に効いてくる毒のようなものだ。 そんなもの、絶対に食べてたまるか。 雪は悪だ。決して近寄ってはいけない。 ひたすら登山客が来るのを待つが、誰一人やってくる気配はない。 静かな山奥に、風の吹く音と自分の呼吸音だけが聞こえてくる。 怪我の痛み、寒さ、空腹は耐えられないことはないが、 苦痛を感じ続けているのは確かだ。 早く楽になりたい。 もう、さすがに登山客が来てもいいだろう。 家にこもっている連中は何をぬくぬくとやっているんだ? 正月という休みにこそ、体を使う登山などするべきなんじゃないか? 最近、メタボ体型に困っている人が多いと言われてるが、 それは運動量が全然足りてないからじゃないか? 意識的に動こうと思えば、いくらでも体は動かせるはずだ。 それもせず、摂食して痩せようだとか、薬で痩せようだとか、 終いには脂肪吸引をするだとか。 過去の自分も含めてそういう連中は、はっきり言って自分に甘えてないだろうか? 俺がここから生きて帰れたら、必ず毎日運動をするだろう。 率先して力仕事を引き受けるだろう。 面倒な部屋の片付けもするし、時間があまり無くても、目新しいことを見つけるために毎晩、散歩をするだろう。 生きていれば、いくらでもそういうことはできるはずだ。 できない言い訳をしてはいけない。 言い訳は自分を甘やかす材料になるだけだ。 自分のためになると思うことをただ素直にやろうじゃないか。 それが・・・・・生きるってことじゃないのか? ・・・・やっぱりおかしい。 普段ならこんなこと考えもしないんだがな。 ・・・・・・・・・・やはり死ぬのか 夜になった。夜は格段に冷える。 まだカイロはたっぷりあるので、惜しみなく使う。 足の痛みはだんだん麻痺してきた。 もしかしたら、足はダメになってきてるのかもしれない。 それでもかまわない。足が無くても生きてる人はたくさんいる。 ただ生きてさえいれば。 生きてさえいれば・・・・・・・・ 遭難して3日目の朝。目を覚ましたにも関わらず、意識は朦朧としている。 もう既に肉体の限界に達しているようだ。 せめてなにか食料があれば・・・ 使えない足を食べるか?いやそれはまだ早い。もう少ししてからだ。 何か、神様からの試練を受けているようだ。 「誰か・・・・食べ物をくれ!!!」 無意味に叫んでみたが、誰も聞いている訳がない。 叫ぶと余計に腹が減ってきた。 何か食べればあと2日は持つかもしれない。いや持ちこたえてみせる。 何か食べ物がないだろうか、何か助かる方法がないだろうかと、できる限り意識を集中させる。 それから20分ほど経った。 何か声が聞こえた。 「!!!!!!!助けてくれ~~~!!!!!俺はここだ~~~!!!!誰かっ、ゴホっ、ゴホっ・・だれか!!」 力いっぱいの声をあげる。 出し惜しみはしない。 ここで素通りされたら、チャンスはもうあまり無い。 あるとすれば、同じ人が下山する時にもう一度近くを通るくらいだが、 そう長く待てる体力も残っていない。 一生懸命に叫ぶ。むせるが、死ぬ気で叫ぶ。 だが返事はない。 そして声はピタッと止んで、全く聞こえなくなってしまった。 「なんでだよ!!!なんでだよ!!!なんで・・・・なんで気がつかないんだよ!!バカヤロ~~~~~~!!!!」 「ゆ?どうしたのおにいさん?おにいさんはゆっくりできるにんげんさん?」 突然近くで声が聞こえた。だが、それは人間の声ではなかった。 ゆっくりの声だ。 愕然(がくぜん)とした。さっき聞こえた声と音質が似ている。 おそらく、さっきのもゆっくりの声だったのだろう。 「いいかげんにしろよ、人が生きるか死ぬかという瀬戸際で。」 「ゆ?おにいさんはゆっくりしてないの?」 「こんな状況でゆっくりできるわけないだろう。バカか。」 気のせいか、ゆっくりと話すことで少し不安が和らいできたようだ。 そのかわりゆっくりに対する怒りがこみ上げてくる。 「ゆ、ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!!!ゆっくりして・・・」 「少し黙れよ、殺すぞ。」 「ゆ?どぼぢでぞんな゛ごどい゛う゛のぉおおおおおおお!!れいむはおにいさんのことをしんぱいしてるんだよぉおおおお!!!」 「ゆっくりに心配されるくらいなら、死んだ方がましだ。」 「ゆ!しんじゃだめだよ!!ゆっくりしていってね!!!」 「誰が死ぬって言った。」 「ゆゆ!よかったよ!おにいさんはゆっくりしていってね!!!」 「はいはい・・・」 この時は全く気がつかなかった。 ゆっくりに遭遇したのは本当に偶然だったってことを。 何故なら寒いこの時期に、ゆっくりが巣穴から出てくることなど皆無に等しいのだから。 「にんげんさんのこえがしたから、おうちからとびだしてきたんだよ!! でもいりぐちにくささんをがんじょうにつめてたから、なかなかおそとにでられなかったんだよ!!!」 「そんなの知るか。お前が勝手に巣から出てきただけじゃないか。」 「ゆ!いりぐちにくささんをつめるのはたいへんなんだよ!!! れいむはくささんをつめるのにとってもくろうしたんだよ!!!」 「だから何だよ。同情して欲しいのか?同情して欲しいのは俺のほうだよ。あぁ、怒鳴ったら腹減った」 「ゆ?おにいさんはおなかがすいてるの?」 「そうだ、腹が減っている。だからお前を食べて・・・」 「れいむがえささんをわけてあげるよ!!!そこでゆっくりしていってね!!」 「餌って、ゆっくりの餌が食えるわけ・・・おい待てよ。」 れいむはその場を離れる。 俺は歩けないので、その後を追うことはできない。 10分くらい経っただろうか、れいむが戻ってきた。口には何かくわえている。 それが地面に落ちる。 良く見ると、それは一匹のコオロギだった。 とても昆虫など食える訳がない。 「ゆう、れいむのゆっくりできるえささんをもってきたよ!!ゆっくりたべてね!!!」 「だから、ゆっくりの餌が食べられるわけ無いって、さっき言おうとしたんだよ。人の話は最後まで聞けよ。」 「ゆ!そんなことないよ!!おにいさんもれいむのえささんをたべたらゆっくりできるよ!!!」 「人間は昆虫を食べないんだ。それはお前のものなんだからお前が食えよ。」 「ゆゆ、ならおにいさんはなにをたべるの?」 「別になんでもいいだろ・・・だがあえていうなら、そうだな。 野菜やら穀物やら、この辺にありそうなもので言ったら木の実だな。 まぁどうせないだろうから、俺のことはもう気にするな。うるさいから早く巣穴に閉じこもってろ。」 「ゆゆ!きのみさんならあるよ!!ゆっくりもってくるよ!!!」 「いやそれもお前のだから・・・・って、だから人の話を聞けよ。」 本当にゆっくりはバカだ。 俺に餌を与えたってなんのメリットも無いだろうに。 10分後、口に木の実をくわえたれいむが戻ってきた。 「きのみさんだよ!!これでおにいさんはゆっくりできるんだよ!!!」 「それはお前が食べろよ、冬が越せなくなるぞ。」 「これはおにいさんにたべてもらうんだよ!!じゃないとれいむはゆっくりできないんだよ!!!」 「どういうことだよ、ったく・・・・!?」 れいむの体が震えている。当然だ、この寒い中走り回っているのだから。 ゆっくりはあまり寒さに強くないらしい。 冬を越すための温かい巣穴がなければ、野生のゆっくりは生き残れないのだ。 「お前寒いだろ。早く巣穴に帰れよ。」 「ゆう、さむいけどおにいさんにえささんをたべてもらうまでかえらないんだよ!!」 「なんでそこまで俺にこだわるんだ?人間はゆっくりを殺すんだぞ。」 「でもおにいさんはれいむをころさないんだよ。だからおにいさんはゆっくりできるにんげんさんなんだよ。 そんなおにいさんはゆっくりしないとだめなんだよ!!」 「なんだよ、弱いくせに頑固だな。まぁいいや、これを持ってとっとと帰れ。」 れいむの前に使いかけのカイロを放ってやる。 「ゆ?なんなのこれ。ゆゆ!とてもあったかさんなんだよ!!れいむはとてもゆっくりできるよ!!」 「そうか、それを持って巣に帰れ。温かく無くなったら効き目はそれで終わりだ。枕にするなり捨てるなり好きにするといい。」 「ゆゆっ、おにいさんありがとう!!!かわりにおにいさんにはえささんをたべてほしいんだよ!!!ぶつぶつこうかんなんだよ!!」 「物々交換か・・・よし分かった。カイロと交換でその木の実をもらうことにする。」 「ゆ!これでれいむはゆっくりできるよ!!おにいさんゆっくりしていってね!!!」 れいむの心意気を買うことにした。 れいむが持ってきた、何か分からない木の実を口に入れる。 れいむからもらった木の実は甘酸っぱく、わずかに渋みがある。 特別、美味いというわけではない。これならさくらんぼのほうがはるかにおいしいだろう。 小さな木の実がたった2粒しかないので、腹が満たされることはない。 だが口の中で木の実が溶けていくと、不思議と元気が沸いてきた。 別に特別な木の実というわけでもない。 それに、腹いっぱい食べたというわけでもない。 なのに・・・・ 涙が出てきた 「ゆ?おにいさんどうしたの?どこかいたいいたいなの??」 「ん、ああ。足が動かないんだ。だからここから動けないんだよ。」 「ゆう!おにいさんのあんよをれいむがなおしてあげるよ!!!」 「そんなことできる訳ないだろ・・・この足は病院に行かないと治らないんだ。」 「ゆっふん!ゆっくりたちはいたいいたいがあるところをペーロペーロするとなおるんだよ!!れいむにまかせるんだよ!!!」 そんなことで動かない足が治るはずがない。 折れてるとしたら、物理的につなげあわせないと絶対に治らないのだ。 出血はおさまっているが、傷口は消毒して縫合しないとダメだ。 だがれいむは俺の左足に近づき、服が破けて露出した傷口をペロペロと舐め始める。 傷口は化膿して膨れあがっている。中で細菌が悪さをしているようだ。 大怪我を負っているから痛むはずなのだが、足の痛みが薄れてきている。 そして、膝より下の感覚が無くなっている。 残念だが、足の感覚や痛みが無くなるのはあまり良くない兆候だ。 「そんなことで足が治るんなら、俺はこんなところにいないよ。」 「やってみないとわからないんだよ!おにいさんにもきくかもしれないんだよ!!」 絶対に効く訳がない。 効果が無いといくら言っても話を聞かず、れいむはペロペロと傷口を舐め続ける。 もうやめろと、れいむの体をつかんで足から離そうとするが、 れいむは抵抗し、それでも必死にペロペロ舐め続ける。 れいむの表情が少し歪んでいる。 舌をヒーヒー言わせているから、もしかしたら傷口が苦いのかもしれない。 甘いものが好きなゆっくりにとって、人間の血液などとても舐められないのだろう。 しかしそれでもれいむは舌を止めない。 本当、無駄に頑固なやつだ・・・ 「もう・・やめろよ・・・・・無駄なんだからもうやるなよ。それよりも巣穴に戻ってゆっくりしてろ。」 舐めるのをやめさせようとれいむを少し強く引っ張るが、れいむはあきらめない。 目をギュっとつぶり、体を左右に振って抵抗する。 傷口に舌が届かなくなっても、ひたすらペロペロと舌を動かしている。 もう・・・・やめてくれよ・・・・・・・ 涙が止まらなくなるじゃないか・・・・・・・・・ 引っ張る力をゆるめると、れいむはほっとした顔で傷口を再び舐め始める。 必死に傷口を舐めるれいむに、後ろから温かいカイロをあててやった。 しばらくすると何故か安堵感が沸いてきて、れいむの体にカイロをあてたまま、俺はその場で眠ってしまった。 夕方になって目が覚めた。そのまま永眠してなくて本当に良かったと思う。 カイロはすでに冷たくなっている。 れいむは、カイロと俺の左足の間でスヤスヤと眠っている。傷口を舐め続けて疲れたんだろう。 別のカイロを取り出し、なるべく手でこすって温めた後でれいむにあててやる。 れいむが目を覚ましたらとっとと巣に帰るように言わないと、逆にれいむが死んでしまう。 歩いてれいむを巣へ返そうにも、足は動かない。そして足の痛みが強く出てきたようだ。両足がズキズキする。 腹も減っている。 最初れいむに会ったとき、俺はれいむを食べようと考えていた。 ゆっくりは中身が饅頭らしいので、成体ゆっくりの大きさなら何日もの食料になるだろう。 だが俺はれいむを食べなかった。いろいろとあり、れいむのことを大事に思うようになったからだ。 そしてこれからも、れいむを食べようとは思わない。 たとえ、俺が餓死することになったとしても。 ふと、れいむが寝言を言った。 「ゆぅ・・・おたべなさい・・・・ゆぴぃ・・・おにいさんは・・ゆっくりしないと・・・ゆぅ・・」 突然目がかすんできた。空腹が限界にきてるのだろう。 必死に視覚を保とうとするが、まぶたに力が入らなくなってきた。 何故だろう、無意識のうちに左手がれいむに近づいていく。そしてれいむの頬をつかみ、自分の口元に寄せる。 何だ?俺は何をしようとしてるんだ? れいむを・・・食べる? 俺の本心はそれを望んでいるのか? 「ゆぅ、ゆ、ゆゆ?おにいさんどうしたの?」 腹が減った れいむ、腹が減った。俺はお前を食べる 俺をゆるしてくれ 「おにいさんおなかがすいたんだね。れいむをたべるといいんだよ!!」 ・・・・・・れいむ だめだ、お前は生きろ・・・・・ 内容は覚えていないが、長い夢を見ていたようだ 気がつくと真っ白な世界にいた。 目が慣れていないのだろう、周りは白くぼやけている。 そして、刺激的な赤色が鮮やかに目に映る。 赤って、こんな色をしてたのか。 赤と言えば、れいむが赤いリボンをつけてたな。 ここは山の中・・・?? いや、だが寒さを全く感じない。やけにあたたかい。 ということは、俺はれいむと一緒に死んでしまったのか・・・・ そう考えていると赤色がパッと消え、今度は肌色が見えてきた。 「・・・・・・か・・・・・・・・き・・・つ・・・か・?」 なにか聞こえてくる。 天使の声か?それとも鬼の声か? 「気がついたか?なぁ、聞こえるか?気がついたなら返事をしてくれ。」 その声には聞き覚えがある。会社の同僚の声だ。何故そんな声が・・・? まさか、あいつも死んでしまったのか? なかなか良い奴だったのに、あいつはまだ死んではいけない奴だよ。 「お前も死んだのか・・・・」 「何言ってるんだよ!!俺は死んでないし、お前も死んでないんだよ!!」 「俺は死んでない・・・・???生きてるのか???」 「そうだ!!気をしっかり持て!!!」 意識がはっきりしてきた。目には天井と同僚の顔が映っている。 点滴類が見えるから、どうやらここは病院のベッドのようだ。 「ん・・・確か俺は山で遭難して、助けを待っていたはずだが・・・」 「だから助かったんだよ!!登山者がお前を発見してくれて、救助隊に救助されたんだよ!!」 「救助・・・ああ、俺は生きて帰ってきたのか!?・・・・・近くにれいむがいなかったか??」 「れいむ??まさかれいむという人と一緒に登山してたのか!?だが、れいむという人は現場で発見されていない。それが本当なら大変なことに・・・」 「いや違う、れいむは・・・」 「おや気がついたようですね。」 担当のお医者さんが様子を見に来てくれたようだ。 「あなたは救助されてから2日ほど眠り続けていました。」 「2日・・・今日は何日ですか?」 「今日は1月7日です。」 「1月7日・・・ということは気を失った次の日に助けられたのか。」 「ところで、あなたは医学に関しての知識をお持ちですか?」 「ええ、かじる程度ですが。」 「わかりました。容態について簡単にご説明します。 あなたが病院に運び込まれてきた際、意識不明の状態に陥っていましたが、 各検査を行った結果、命を落とす危険性は低いことが分かりました。 診察したところ左足大腿部に裂傷が見られ、出血はおさまっていたのですが患部の化膿が目立ちました。 ですが組織はまだ壊死しておらず、幸い足を切断せずに傷口の消毒、抗生剤の投与、傷口の縫合をするだけで済みました。 そして両足大腿骨に骨折が見られました。折れた骨が両足の腓骨神経を圧迫していましたが、 骨折箇所を手術して修復し、神経への圧迫も取り除かれ、両足の大腿骨と腓骨神経については問題ありません。 ですが退院してからも、機能が回復するまでリハビリを続けてください。 そのほかに左足首関節と膝蓋骨の脱臼、その他の箇所に打撲や擦過傷、凍傷が見られましたが、 既に処置を施しましたのでご心配はいりません。とりあえず今は絶対安静にしててくださいね。」 「分かりました。命を救っていただいて本当にありがとうございました。」 「いえいえ。」 左足大腿部・・・れいむが舐めてくれてた所か お医者さんが部屋を出てから同僚のほうを向きなおす。 「わざわざ付き添ってくれてありがとうな。」 「いやいや困ったときはお互い様だ。すでに会社の方には俺が連絡しておいたよ。絶対安静にしてろって社長がおっしゃってたぞ。」 「そうか分かった。多くの人に迷惑をかけて、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。」 「まぁ今は取りあえず安静にしとけよ。それより、さっき言ってたれいむって・・・」 「ああ、れいむは俺に付き添ってくれたゆっくりだ。あいつのおかげでいろいろと励まされたよ。」 「なんだ、ゆっくりのことだったのか。救助隊から聞いた話をしよう。 そばを通りかかった登山者がゆっくりの声を聞いて、それでお前の存在に気づき、すぐに救助を呼んでくれたそうだ。 救助隊が到着した時、お前の近くに一匹のゆっくりがいて、必死にカイロをあてていたそうだ。 そのゆっくり自身も、体に怪我を負っていたらしい。 隊員がゆっくりに対して「この人の飼いゆっくりか?」と聞いたけど、 違うと答えて、ゆっくりはそのまま去っていったそうだ。 それと、発見されたお前の口の周りには餡子がついていたそうだ。」 れいむが俺を助けてくれた!?それにれいむは生きてるのか・・・!? 2か月後、まだ完全には治っていないが、 足は何とか歩けるまでに回復していた。 山の雪も溶けて、登山も比較的安全にできるようになったので、 れいむと出合った場所へ向かった。 2時間くらいかけて安全な道を歩き、ようやく現場にたどりついた。 どこかこの近くにれいむの巣穴があるはずだ。 落ち葉をかきわけて巣穴を探す。 するとすぐに、ゆっくりの巣穴らしきものを発見した。 入り口には枯れ草が敷き詰められている。 さっと草を取り除き、巣穴の中に声をかける。 「ゆっくりしていってね!!!」 返事はない。 何度か声をかけるが返事は返ってこない。 寒気を覚えながら、巣穴の中に手を入れる。何かやわらかいものが手に触れた。 それを巣穴の外に取り出す。 中からゆっくりれいむが出てきた。お飾りのリボンに見覚えがある。 間違いない、俺を助けてくれたゆっくりれいむだ。 だが様子がおかしい。 外に取り出しても動く気配が全然ないのだ。 寝息もたててないように感じる。 そして、体が冷たい 「おい、れいむ起きろ。春が来たんだぞ。 れいむのおかげで助かった人間が戻ってきたぞ。・・・・返事をしろ!!!!」 れいむは動かない。目はつぶったままだ。 軽く頬をつねるが、全く反応しない。 再び巣穴の中に手を入れてみる。 すると中から使い捨てカイロが一つ出てきた。 同時に、ゆっくりの餌らしき物がたくさん出てきた。 餌が尽きた訳ではないようだ。ならば、深い冬眠についているだけなのか? 「何で目を覚まさないんだ!!早く起きろよ!!!」 何を言っても、いくら触れても、れいむは動かない。 恐らく冬眠などではない。生の気配が全く感じられないのだ。 実際に人が死んで間もないとき、 例え息をしていなくても、冷たくなっていても、 自分が何かすれば息を吹き返すんじゃないか、と錯覚してしまうことがある。 心臓マッサージを施しても動かない。 人工呼吸をしても、吹き込んだ息がシュハーと出てくるだけ。 自発的に動く気配を全然見せない。 そこで初めて、その人が死んだということを理解できる。 だが理解はできるが、納得はできない。 しばらくの間は、その人の死を納得できないだろう。 そう、俺はまだれいむの死を理解してないし、納得もしていない。 そもそも、まだれいむが死んだと決まった訳ではないのだ。 れいむを抱える手が震える。声が震える。心が震える。 斜面を転落している時に感じた不思議な冷静さとは全く異なる、 鋭利な動揺が出てきた。 れいむにも何か蘇生の可能性があることをしてやれないだろうか? いざという時のために用意しておいたオレンジジュースをリュックから取り出す。 ゆっくりはオレンジジュースを浴びることで、さまざまな状態から回復するそうだ。 オレンジジュースを遠慮無しにれいむにかけてやる。 口からもオレンジジュースを流し込んでやる。 「れいむ死ぬなよ!今度は、今度は俺がお前を助ける番だ。それでおあいこだ。 もしお前が死んだら俺がゆっくりできなくなるだろ。だから絶対に死ぬなよ!!!!!!」 れいむの体は動かない。 体にかけたオレンジジュースがれいむの頬を伝い、乾いた地面に浸透していく。 口に流し込んだオレンジジュースが、口からあふれて出てくる。 その光景を見て耐え切れなくなり、目から涙があふれてきた。 あふれた涙がこぼれ落ち、れいむの口の中に入っていく。 れいむが生きていれば、しおからい~~!!だとか、どこかいたいいたいなの?とか言ってくるだろう。 だがれいむは何もしゃべらない そこで初めて俺は理解した れいむは死んでしまった・・・・と 死因はよく分からない。 餌もまだたくさん残っていたし、 入り口もちゃんと閉じられていた。 瀕死の俺に自らの餡子を食べさせてくれたのだろうが、 そのせいで自分の餡子が不足したというわけでもないようだ。 傷口も無いし、体の大きさも正常だ。 れいむの死は理解したが、れいむの死は納得できなかった。 れいむはもしかすると、俺の左足の化膿した傷口を舐めたことで 細菌に感染して死んでしまったのではないだろうか。 だがそう考えると余計に、れいむの死が納得できなくなった。 れいむが死んでしまった以上、亡骸を無茶苦茶にするのは可哀想だ。 れいむの体を綺麗にしてやることにする。 れいむの顔についたオレンジジュースをタオルで拭いてやる。 れいむの髪についたほこりをとってやる。 れいむの、 れいむのあんよの汚れを丁寧にふいてやる。 俺にはこんなことしかできない。 れいむは れいむはゆっくりなのだ 最後くらいはゆっくりさせてやりたい 巣穴の中にれいむの亡骸を安置する。 線香代わりに、とってもあったかさんなカイロをれいむの足元に敷いてやった その場で天を仰ぐ。 今はれいむの死が納得できない。 一生懸命に俺を助けようとしていたれいむの顔が思い浮かび、涙がにじんでくる。 れいむに命を助けてもらったのに、俺はれいむの命を助けてやれなかった。 遭難したときは足が痛かったが、 今はひたすら胸が痛い。耐え切れないほど、心が痛い。 様々な痛みを感じる中で一つ、はっきりと分かったことがある。 死んだれいむは一生 俺の心の中で生き続ける 鉄籠あき 過去の作品 anko1922 鉄籠 anko1941 野良まりさたちの行く末 anko1951 ゆっくりの住む牧場 anko1968 正義感 anko1973 あんころ草 anko1993 50% anko2013 カウンセリング anko2024 カレーの作り方 anko2047 露店のゆっくり anko2059 ゆっくりおばさんの船旅 anko2085 赤ゆ合戦 anko2107 たこつぼ anko2120 線香台
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『餌』 2KB いじめ 小ネタ 赤ゆ 捕食種 特にひねりのない小ねたです 紙の箱の中でうごめくもの達。 どれも生まれて間もない赤ゆっくりだ。 彼女達は優越感に浸っていた。 自分達は選ばれたのだ、自分達は飼いゆっくりになれるのだ。 同じケースの中に居た赤ゆっくり。 大きなケースに入れられていたバッチをつけたゆっくり。 そいつらよりも先に、自分達は飼われる事になったのだ。 いっぱいゆっくりしよう。 いっぱいゆっくりさせて貰おう。 箱の中の赤ゆっくり達は、幸せな未来を信じていた。 箱から出された赤ゆっくり達は透明な箱に入れられた。 飼い主に向かって元気に挨拶をするもの。 飼い主に向かって奴隷宣言するもの。 早速おうち宣言するもの。 あまあま要求するもの。 だが、飼い主は赤ゆっくり達に見向きもしなかった。 挨拶を解されなくて泣くもの。 無視されて怒るもの。 くつろいでゆっくりするもの。 うんうん、しーしを垂れ流すもの。 そんな赤ゆっくり達を気にする事もなく、飼い主は何かに呼びかける。 うーっと鳴き声が聞えてきた。 黒い羽を持つゆっくりが、飼い主の周りを羽ばたいている。 異変に気がついた赤ゆっくりは泣き叫ぶ。 気がつかないもの達は思い思いにゆっくりしていたり、悪態をついたりしている。 やがて無視出来ない事が起こる。 一匹の赤れいむが、飼い主に摘み上げられた。 赤れいむは幸せそうな顔で叫ぶ。 おしょらをとんでるみちゃーい! そして本当に宙を舞った。 飼い主が赤れいむを放り投げる。 ガブッ! 何が起こったか分からない赤れいむ。 やがて痛みが全身を襲う。 狂ったように暴れるが、その牙からは逃れる事が出来ない。 揉み上げを千切れんばかりにピコピコと動かす。 涙と汗が滝の様に流れる。 それを舌で舐め、味を確認する羽つきのゆっくり。 赤れいむにかかっていた圧力がふっと消える。 牙が赤れいむから抜けると、その穴から餡があふれ出す。 生命の危機を本能的に感じる赤れいむ。 必死に叫ぶが、誰も助けに来ない。 舌の上でコロコロと、しばらく転がされる。 ガブッ! 赤れいむは噛み砕かれ、絶命した。 透明な箱の中でそれを見ていた赤ゆっくり達。 何が起こったのか分からず硬直するもの。 狂ったように泣き叫ぶもの。 必死に命乞いをするもの。 震えながら威嚇するもの。 自信の運命を悟るもの。 だが、飼い主は相変わらず、赤ゆっくり達を見ようとしない。 目の前の捕食種に笑いかけるだけだ。 完 徒然あき
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問334 以下の医薬品を適正に使用するために患者から情報収集する内容及びその理由の組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 次の問題
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『バHENTAIンデー』 15KB 愛で ギャグ 愛情 変態 日常模様 飼いゆ れいぱー ぺにまむ バレンネタ 神よ感謝します、この私にこんなHENTAIをくれたことを・・・ リア充?何言ってんのゆっくりとすっきりーしてるやつがリア充なわけない バHENTAIンデー 麦茶あき 二月十四日、この日何があるか世界中の人間は知っているはずだ。 そうバレンタインデーである。 女性が好きな異性にチョコをあげるというキリストだったかギリシャだったかよく調べていないがそんな風習。 最近では同性にチョコをあげたり逆チョコなんてものも流行りだしている。 特にこの日には公衆便所に行くことをお勧めしない。 え?何でかって?それ以上聞いてはいけない。 それはともかくかの有名なHENTAIお姉さんは相変わらずというか、 また性懲りもなくあるものを作っていた。 今日はバレンタインデー、チョコを使ってクイーンありすと特殊なすっきりーをしようと考えて・・・・ 「ふんふふーん♪ふんふふ~ん♪」 台所に立ちスーパーで買ってきた明○チョコを溶かしているお姉さん。 わざわざ板チョコを買いそれを溶かして自分なりのチョコを作ろうとしている。 また作っている最中にどんなチョコにするか、どんないやらしいチョコにしようかも考えていた。 ネットで恋人に送るバレンタインデーチョコ(18禁)を検索しながらどうしようか悩む。 「う~ん、全身チョコ塗はチョコが足りないし・・・いまいちインパクトがね~」 何を言っているこの女は。 「おかーさーん、さっきから甘い匂いするけど何作ってるのー?」 「んほーありすは知っているわ、これはチョコの匂いよ」 「え?チョコなんて作ってるの?」 飼いゆっくりの・・・ではなく子供のありすたちが甘い匂いに誘われて台所へやってきた。 やはりゆっくりなのか甘い匂いの誘惑が気になるようだ。 「あーダメダメ、今日は台所侵入禁止ー!!!」 「「「えー??!」」」 お姉さんに引き留められ台所を追い出される三匹のありすたち。 仕方なく自分たちの部屋で何かすることにした。 「それにしてもなにを作っているのかしら?」 「バレンなんとかってやつじゃない?ほら、人間さんたちの間で流行っている」 「んほ??!なにそれ詳しく聞きたいわ!!!」 三女ありすが教えろというので上海を使ってネット検索した。 上海人形は無線ワイヤレスLANがついており離れていてもインターネットに繋げれるのだ。 高性能すぎないかって?科学は常に進歩しているのです。 「えーと、女性が好きな男性にチョコを贈るイベントですって」 「まぁそーゆーことだったの」 「んほー!じゃあお母さんはお父さんにチョコをあげる準備をしているのねー!!!」 「・・・・・なんか嫌な予感しかしない」 大抵こういうイベントになんらかのHENTAI行為を仕掛けてくるお姉さん、 以前はフルコース、その後は飼い主の目の前で飼いゆっくりとのすっきりーをした常識に囚われないHENTAI。 今回も何かしでかすんじゃないかと次女ありすは頭を・・中身を悩ませていた。 「そぉー・・・・・いぅー・・・・ことー・・・・」 「「「お、お父さん??!」」」 いつの間にか後ろ父のクイーンありすがいた。 何故かやつれており涙目になっている。 「台所に入らせてすっきりーさせてくれないから嫌われたんじゃないかとてっきり・・・」 「って・・・台所にまですっきりーしないでよ!!!汚れるじゃない!!」 「何言っているのおちびちゃん!おちびちゃんが生まれる前は裸エプロンでお姉さんとすっきりーしまくっていたのよ!」 「自慢にならねぇ!!!?」 あのHENTAI、台所でのすっきりーはすでに経験済みだったわけだ。 しかもやりまくっていたらしくあの台所は何度カスタードで汚れたわけだろう。 あまり想像したくない次女ありすだったが長女、三女は脳内再生が完了していた。 「「んひょひょひょひょひょ・・・・・」」 「き、気持ち悪・・・」 想像してにやける姿が気持ち悪く次女ありすが引いてしまった。 「って妄想してにやけている場合じゃないわ、ようするにお父さんのためのチョコを作っているわけだから入らせたくないのね」 「作っているところ見られたらどんなチョコかわかっちゃうからね」 「でも暇だわ・・・甘い匂いに誘惑されて発情しそう・・・・んほっ!」 「何言っているのよおちびちゃんたち、ありすたちはやるべきことがあるでしょ」 「「「???」」」 「いい?チョコ作って甘い匂いが出てるってことはこの家に野良ゆっくりが引き寄せられてくるはずよ」 「「「!!!」」」 そう、チョコを作って甘い匂いが出ている今、野良ゆっくりがこの家にお家宣言をしてくる可能性がある。 というより絶対にある、ゆっくりは甘い匂いには敏感な生ものだからだ。 これは去年のバレンタインデーにも起こったことで千葉に住む俊子さん(仮名)が彼氏のためにチョコを作っている最中に野良ゆっくりが家に侵入して来たのだ。 甘い匂いに惹かれて食い地の張った野良ゆっくりたちは俊子さんを襲い包丁で怪我をする事件があった。 その後携帯でやってきた彼氏に野良ゆっくりを駆除してもらったが怪我が治るのに一か月はかかったという。 世間にも有名な事件でチョコを作る女性は今日に限り家を密閉にしているのだ。 お姉さんはその対策を全く取っていない。 「そうね、野良ゆっくりを撃退しないとチョコを作るどころじゃなくなるわ」 「ゆ?違うわよ」 「え?」 「向こうからやってくるんだから御持て成ししてあげないと!!!」 「「んほー!!!」」 「そっちかい!!!??」 さすがれいぱー、転んでもただでは起きない。 玄関外で陣を張るありすたち。 野良ゆっくりを撃退・・・ではなく御持て成しするため準備をしていた。 しかし二月とはいえまだ肌寒い季節、飼いゆっくり育ちの彼女たちは寒さに震えていた。 「さ、さ、さ、さむいぃぃぃ・・・・・」 「んほぉぉ・・・・まださむいわぁぁ・・・・・」 「あ~ストーブ持ってきてよかった」 次女ありすは寒さに耐えるため部屋からコンパクトストーブを持ってきていた。 コンセントを伸ばして廊下から繋いでいる。 他の姉妹が寒さに震える中次女ありすだけ暖かく待っていた。 「いもうとずるいわよ!!?ありすもあたためさせて!!!」 「ゆ?すっきりーでどうせ暖まるくせに何言ってるのかしら」 『マッタクダゼ』 「さ、さむさでぺにぺにさんがぁ~・・・・んほ?」 三女ありすが向こうから来る野良ゆっくりたちを捉えた。 どうやらお姉さんが作るチョコの匂いに引き寄せられてやってきたようだ。 「すぐちかくなんだぜ!もうすぐあまあまがたべれるおうちにつくんだぜ!!」 「むっきゅっきゅ、さすがまりさね!ものすごいきゅうかくだわ!」 「わかるよー!チョコレートさんのにおいがするんだよー!」 「イカくせえ!」 「はやくたべさせてね!さいしょはれいむなんだよ!!」 噂をすればなんとやら、もう来た。 まだ二月だというのに平気で外を歩いているところを見ると純野良ゆっくりみたいだ。 越冬の概念のない野良ゆっくりたちは寒さに耐える皮を持ち冬でも町を歩ける体になっている。 耐性には限度があるものの、この気温なら平気で外を歩いても大丈夫だった。 この野良ゆっくりたちは寒さでひもじい思いをしてきたので人間の家に上がりこみお家宣言し人間を奴隷にしようと考えていた。 理由は自分たちが寒い思いをして生き抜いてきたからゆっくりさせろという自分勝手な理由。 早速乗っ取ろうと手ごろな家を探していたところに甘々の匂いがする場所を発見したのでそこに決めたのだ。 そこはあのHENTAIお姉さんの家だった。 「ゆっへっへぇ~もしかしたらくそにんげんがまりさたちにあまあまをじゅんびしているかもだぜぇ~」 「むっきゅっきゅ、りっぱなどれいね。ぱちゅがこきつかってやろうかしら」 「「んほぉぉぉぉぉ・・・・・」」 「ゆ?いまなにかいったちぇん?」 「にゃー?ちぇんはなにもいってないよー?」 家の敷地内に入ろうとして前を見たらぺにぺにをギンギンに突き立てて勃起している長女ありすと三女ありすと上海ありす状態になっている次女ありすが戦闘態勢で待っていた。 「「「「(゜Д゜)・・・・・・・・・・・・・」」」」 「「んほおおおおおおおぉぉぉ!!!!まってたわよおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!」」 「「「「ゆぎゃあああああああああああ!!!れいぱーだああああああああああああああああああああああああああああ!!!!??」」」」 「ありすは違うわよ」 長女ありすと三女ありすが先頭にいたまりさを捕らえてまむまむとあにゃるにぺにぺにを挿入した。 速い、まずか二秒である。 「ゆぎゃああああああ!!!やめてええぇぇすっきりしたくないいいぃぃぃ!!!」 「な~にいってるのかしらぁぁ!!?じぶんだってぺにぺにをたててほかのゆっくりをおかしているんでしょおおお!!?」 「んほおおおお!!!ありすたちとおなじよおおおおおおおおおおおおお!!!」 「ちがうううううううううううううううう!!!!」 腰を突き立てパンパンと攻めたてる長女と三女。 同時挿入の気持ち良さ・・・ではなく気持ち悪さから自分から腰を動かしてしまうまりさ、 長女ありすは激しく攻めようと舌をまりさの口に入れて中を舐めまわした。 三女も負けじとまりさの金髪にしゃぶり付き興奮しながら腰を打った。 急に締め付けが良くなりそのまますっきりーしてしまう長女と三女、 注ぎ込まれる精子餡がまりさの中身を犯し生殖反応で茎が伸び始めた。 しかし中枢餡に精子餡がぶつかったらしく一発で黒ずんでしまうまりさであった。 「・・・・・・・・」 前回のスーパーマーケット事件といい、可哀そうなまりさ種だ。 「むきゅうううう!!!まりざあああああ・・・えれえれ・・」 「れ、れいむはゆっくりにげるよそろ~り、そろ~り・・・・・・」 「にがさないわよ~」 上からやってきた触手ぺにぺにで捕まったれいむ。 ジタバタともがくが普通サイズのゆっくりがドスサイズのクイーンに勝てるわけもなく、 クイーンの触手はれいむの口、まむまむ、あにゃるにぶち込まれてれいむを犯していく。 「ん゛ん゛ん゛ん゛!!!!」 ヌチュッ・・・ブチュウッ・・・!!! ぺにぺにのサイズはお姉さんとすっきりーするときに使うサイズではないもののれいむには少し大きすぎる。 口を喉まで攻められて嘔吐感がするが吐き出せない。 まむまむもあにゃるも蹂躙され中身を掻き回される。 全身を丸ごと犯されたれいむはクイーンの精子餡を中に大量に出され精子餡を口、まむまむ、あにゃる、目から噴出しながら黒ずんで死んだ。 すっきりーした影響か、黒ずんで死にながらビクンッビクンッと触手ぺにぺにに犯されながら痙攣していた。 「にゃががが・・・・・ちぇ、ちぇんはあんなしにかたはいやなんだよー!!!ゆっくりしないでにげるよー!!!」 誰だってそんな死に方したくありません(笑) ちぇんは足の速さを利用し仲間を置いて自分だけ逃げようとする。 ちなみにぱちゅりーは自滅した。 だがちぇんの足の速さを持ってしてもれいぱー化した三女ありすからは逃げ切れなかった。 れいぱー化すれば速度はふらん並みになるので逃げれるわけがない。 「んほおぉぉ・・・・あにゃるさんを見せてとうそうなんてさそっているのかしら~??」 「ち、ちがうよおおお!!ちぇんはらんしゃまとすっきりーするんだよおおおお!!!おまえなんかとすっきりーしたくないよぉぉ!!!」 「つんでれねぇぇ・・・・らんよりきもちよくしてあげるわぁぁ・・・・」 「にゃが?!ぬぐぅぅ!!!?」 ぺにぺにをまむまむに挿入するかと思いきや体勢を変えてちぇんの口の中にぺにぺにを入れた三女ありす。 そしてあにゃるを舌で舐め回しちぇんを気持ち良くする。 「んちゅう・・・・はむぅ・・・・える・・・んはぁ・・・・」 「ん゛ー!!!ん゛ー!!!??」 口の中ではぺにぺにを動かしてちぇんの舌の上をなぞる様に犯す三女ありす、 そのままぺにぺにを噛み切られそうも気がするが三女のぺにぺにが太すぎて噛み切ることなんてできなかった。 あにゃる、まむまむを舐め回して満足したところに口に思いっきり射精する三女。 ぺにぺにを抜いてやり精子餡を吐き出すちぇん。 「ゆげぇぇ・・・・げほっげほっ!!!」 「前戯は終わりよぉぉ・・・」 「??!」 あれは前戯だったようだ、恐るべし。 極太のぺにぺにをちぇんのあにゃるに挿入し尻尾を咥える。 「にゃがああ!!!?しっぽはだめえええええええ!!!」 「ここがいいのね??!いいわぁ、気持ち良くしてあげる!!!」 「にゃああああああああああああ!!!??」 あにゃるにぺにぺにを突き立てたまま尻尾をしゃぶり付く。 口の中で舌で舐め回しちぇんの背筋をゾワゾワさせながらレ○プする。 そんな中次女ありすとみょんは決闘をしていた。 「そうにゅう・・・・ごうかんしゅうだんぷれい・・・」 「ごめんなさいね、あなたのお仲間を私の姉妹と父が・・・」 「ひにん・・・ぜっちょう、しきゅうぜめ!!!」 「ええ、いいわよ・・・来なさい!!!」 みょんが木の枝で次女ありすを、次女ありすは上海の槍でみょんを突き刺そうと交差した。 わずか一閃、それだけで勝負が決まった。 「・・・ますたー・・・べー・・しょん・・」ガクッ パァンッ!!!! 倒れた瞬間体が破裂したみょん。 高速、いや音速の一撃がみょんの体ごと貫いたのだ。 違う出会いがあれば戦友として戦っていたかもしれなかったのにと次女ありすは心に噛みしめた。 そんな中ちぇんをすっきりーさせ絶頂する三女ありす。 折角のかっこいい場面が台無しである。 一先ず粗方野良ゆっくりたちを撃退したありすたち。 もう夕方になりそろそろ暗くなる。 町の捕食種たちが動く時間でもう野良ゆっくりはこないだろう。 各自家へ戻った。 「おっまたせぇー!!!チョコできたわよぉー!!!」 「「「ゆおぉぉーーーー!!!」」」 「・・・?どこに???」 テーブルの上にも台所にもチョコは置いてなかった。 できたというならそこらへんにあるはずだが・・・ 「どこ見てんのよ、ここよ、ここ」 「え?」 つんつんと腹に指を指すお姉さん。 何故腹に・・・・と考えた瞬間次女ありすは考えたくもなかった答えが浮かび上がった。 まさか・・・まさか・・・・・ 「なかに・・・・?!!」 「うん♪私の(スキマ送り)に♪」 「やりやがったなああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!??」 「ふっ、この発想はなかったわ・・・発想した自分が恐ろしくて体が震えているもの・・・」 「できねー!!そんな考えぜったいできねー!!!」 「ちょっとまってお姉さん、どうやってたべるのよ」 「そりゃあ舐めるしかないでしょ」 「ちょ・・・」 「さぁ、来て・・・私の(スキマ送り)をおかしなさーい!!!」 「「「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!奥まで舐め回してやるわああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!」 「さいあくだああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 例のごとく省略中・・・・・・・・ 「はぁ・・・・はぁ・・・・・・・やだぁ・・癖になりそう」 「なるなー!!!!」 犯り終えて床に仰向けになるHENTAI共。 今回はいつもより激しくHENTAIだった。 体に付いた精子餡を舐めとりながら起き上るお姉さん。 次女ありすと上海は精子餡の掃除だ。 「全く、またこんなによごして・・・」 「いやーごめん、ごめーん♪」 長女ありすと三女ありすはもうノックダウンだ。 野良ゆっくりとすっきりーしてしまったせいかいつもより多くはできなかったが、 クイーンありすは舐めプレイに興奮していつもの倍出しまくった。 さすがはクイーン、伊達じゃない。 「んほぉ・・・・・疲れた」 「もう・・・・だめ・・・・」 「ゆふぅー、おちびちゃんもまだまだね」 顔をテカらせるクイーンありす。 この様子だとまだいけるようだ、恐るべし。 「最悪だ、バレンタインデーなんて撲滅してやる・・・」 「まぁまぁ、みんなー!ハイこれ」 「「「「?」」」」 お姉さんは冷蔵庫からタッパーを取出し中から手作りチョコを出した。 チョコ一つ一つに名前が書かれており顔文字まで書いてあった。 「こっちが本家、頑張って作ったからねー」 「・・・・最初からこっち渡せばよかったじゃない」 「いいじゃないあんたたちだって私にチョコあげたし」 「別の意味でな!!!」 「んふ♪私からの愛情よ」 チョコには『大好き』という文字が書いてある。 次女ありすはそれを見て少し笑いチョコを食べ始めた。 「「「「むーしゃ、むーしゃ・・・しあわせー♪」」」」 「おいしーわーいつでも食べたいくらい」 「えー?やだぁー私が疲れるじゃないー」 「作るのに?」 「そうよ?板チョコ溶かして、ココアパウダーとか私の(スキマ送り)汁とか入れて形造って固めなきゃいけないの」 「・・・・は?」 今聞いてはならぬ言葉を耳にしたような・・・ 汁って・・・・まさか・・・ 「隠し味に入れておきましたー♪」 「ゆぎゃびばあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!??」 ペコちゃん顔をしててへっと笑うお姉さんと中身を吐き出す次女ありす。 その後次女ありすは生死を彷徨うことにならなかったり・・・・・ バレンタインデー撲滅委員会。 会員№004444444 次女ありす登録しました。 あとがき バレンタインデー滅びればいいのに 注意 みょんの卑猥語が理解できたあなたはかなりのHENTAIです、用心しましょう 今まで書いたやつ 加工所本部 前編・後編 れいむその後 まりさその後 14番れいむのその後 れみぃと野良豆ゆっくり 前編・後編 あいつらの違い れいむはいい飼いゆっくりさ 折れた「ぐんぐにる」 ドスれいむ 追われるれいむ ゆなら HENTAIお姉さんとクイーンありす 消費期限切れのお菓子を与えてみた HENTAIたちの無双劇 HENTAIフルコース 小舟のお家 ぷでぃんの真実 トンボを捕まえたかっただけなのに・・・ 昼寝中 ありす、家出する 前編・中編・後編 あいつらの成体 もち米らん 飼いゆっくりすっきりー死事件
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『れいむのバレンタイン』 43KB 愛で パロディ 愛情 戦闘 飼いゆ 野良ゆ ゲス 現代 バレンタインデーの出来事です かすがあきです。 注意 【anko4004 初詣の帰りに】の続きです。 「」はゆっくりの発言です。 『』は人間の発言です。 幸せなゆっくりが幸せなままです。 人間は虐待をしません。 人間の名前は適当です。 ゆっくりがチート気味です。 HENTAIさんっぽい人がでてきます。 無駄に長いです。 れいむのバレンタイン スーツの青年が出社用のカバンに新聞を入れる。 通勤途中に読む予定の新聞で、日付は2月14日だ。 『それじゃぁ、いってくるよ。』 青年が れいむの頭を撫でながら、優しい口調で言う。 「ゆん!いってらっしゃいだよ!おにーさん。きをつけてね。」 撫でられたのが嬉しい れいむは笑顔で言う。 『ああ。それじゃぁな。』 青年は出社の為、部屋からでていく。 独身者向けの部屋には、胴付き金バッチのれいむ1匹だけが残った。 1匹となった れいむはパジャマから洋服に着替える。 着替え終わった れいむは、2段ベットにへと向かい青年が使った枕から、枕カバーをとる。 「ゆーん。おにいさんの においがするよ。とっても ゆっくりできるよ。」 カバーを取る際、枕を抱きしめ、顔を埋める れいむ。これは れいむだけの秘密の日課である。 自分が使った枕からも枕カバーをとり、それらとパジャマを洗濯機にいれる。 乾燥機能付き洗濯機で洗濯を始めるれいむ。 洗濯機の音を聞きながら、れいむはク○イックルワイパーで部屋の掃除を始める。 掃除と洗濯はれいむの仕事なのだ。(但し、水が扱えないため、風呂とトイレは別。) 乾いた洗濯物をたたみ、所定の場所にしまう。 「ゆん!おせんたくさんが おわったよ。おへやも きれいきれいだよ。 ゆへへ…おにーさんが かえってきたら、また ほめて もらえるよ!ゆーん。とっても ゆっくりできるよ!」 誰もいない部屋で、控えめな胸をはるれいむ。その顔は充実している。 れいむは青年が用意してくれた昼食(本日はおにぎり)を、昼のワイドショーを見ながら頬張る。 「ゆっくり ごちそうさまだよ。おにーさん。とってもおいしかったよ。」 青年に感謝の言葉をいい、れいむは食器を洗い桶にいれる。 昼食後、れいむは愛用のポシェットとオレンジジュースをいれた水筒を肩からかけて、外にでる。 「ゆっくりいってきますよだよ。」 玄関に鍵をかけ、ゆっくりとした足取りで歩くれいむ。 『ママ~、れいみゅちゃんだ~。』 『ん?あら、ほんとうね。ゆうちゃんは れいむちゃんが好きね。』 『うん!れいみゅちゃん、ちゅきー。』 幼児がれいむを指差して母親に教える。 この親子は近所に住んでおり、れいむと顔見知りである。 「ゆっくり こんにちはだよ。」 れいむは大きくお辞儀をする。 『こんにちは、れいむちゃんも お散歩?』 「おかいものさんだよ。れいむ、どーしてもほしーものが あるんだ。」 『そうなんだ。あ、それって……』 れいむは親子と笑顔で話をする。 れいむがこの町の人間に受け入れられている証拠だ。 『それじゃぁね、れいむちゃん。素敵なのが買えるといいね。』 「ゆん!ありがとうだよ。」 『バイバイ!れいみゅちゃん!』 「ばいばいだよ。ゆうちゃん。」 親子とわかれ、れいむは住宅街にある1件の駄菓子屋へとはいる。 この駄菓子屋は れいむが散歩の途中に よく寄る店だ。 れいむは月に400円の小遣いをもらっており、そのお金を自由に使うことができる。 しかし、コンビニやスーパーは基本ゆっくりだけでの買い物を断っている。 結果 れいむがお金を使える場所は少なく、自動販売機か、この駄菓子屋だけなのだ。 「むきゅ。いらっしゃい、れいむ。」 店番をしてるぱちゅりーが言う。 「こんにちはだよ。ぱちゅりー。」 『おや、梶田さんとこの れいむちゃん。いらっしゃい。ひさしぶりだね。』 れいむを見て、どこの れいむかを判別する店主。 毎日多数のゆっくりを相手にしているからこそできる業だ。 「おばーさん。こんにちはだよ。おひさしぶりさんだよ。」 この駄菓子屋は夕方は小学生が、それ以外の時間は飼いゆっくりがよく買い物をする。 駄菓子なので、安価だが、月400円では毎日の買い食いは難しい。 それなりの節制や、食べたいものを厳選したり、 また、他の飼いゆっくりと、この駄菓子屋でする会話も れいむの楽しみである。 ここは ある程度の自由意志を許された、 飼いゆっくりたち中でも特に恵まれた数少ない ゆっくりたちの憩いの場所になっているのだ。 「おばーさん。おねがいさんが あるんだよ。」 『ん?なんだい?』 れいむは財布からお金をとりだす。れいむの全財産で、1125円ある。 「この きゃっしゅさんで かえる はんいで、 いっちばん おいしい ちょこれーとさんを うってほしいよ。」 『チョコレートかい?そんなにあれば、うちで売っているチョコレートならどれでも買えるけど…… 一番美味しいのね………あ、ひょっとして れいむちゃん、そのチョコレート、プレゼントするのかい?』 「ゆん………そ、そうだよ……きょうは ばれんたいんでーさん だから……」 れいむが頬を赤く染めて言う。 「むきゅ。おあいては、おにーさんかしら?」 「ゆ!ど、どうしてわかったの!!??」 れいむが ぱちゅりーにむかって叫ぶ。 「むっきゅきゅ。れいむを みていれば すぐにわかることよ。」 「ゆぅ………は、はずかしいよぉ……」 『ふふふ。れいむちゃんは可愛いわね。そうだ、ちょっと まっていてちょうだい。』 駄菓子屋の店主が電話をし、笑顔でれいむに話しかける。 『ちょっとまっててね。いま近所に住んでいる、孫娘にバレンタインデー用のチョコレートを買ってくるように言ったから。』 「ゆ?いいの?れいむ、きゃっしゅさん、これだけだよ?」 『大丈夫。ちゃんと予算は伝えてあるから。』 「ゆっくりありがとうだよ!」 『孫娘がくるまで、ゆっくりしていきなさい。そうそう、これは私からのプレゼント。ぱちゅりーもお食べ。』 店主は駄菓子を れいむと ぱちゅりーに渡す。 「ゆ!いいの?ありがとだよ!!」 「むきゅ。ありがとう、おばーさん。」 れいむは、ぱちゅりーと駄菓子を食べながら、お話をし、ゆっくりとした時間を過ごした。 ------------------------------------ 「ほんとうに ありがとだよ!!」 れいむは受け取ったチョコレートを抱きしめながら大きな声で言う。 『いえいえ、どういたしまして。それより、お兄さん、喜んでくれるといいね。』 「ゆん。だいじょうぶだよ。 おねーさんが かってきてくれた この ちょこれーとさんは とっても かわいくて ゆっくりしているよ。」 店主の孫娘は、れいむにわかりやすいように携帯で写真をとっており、どんなチョコレートかを見せてから渡した。 大きなハート型のチョコレートで、箱には可愛いラッピングを施された、バレンタインデーらしいチョコレートだ。 「おねーさん。これは おだいの きゃっしゅさんだよ。」 『はい。千円ね。ありがと。』 店主の孫娘はれいむから千円を受け取る。 『れいむちゃん、夕方から雪がふるみたいだから、気をつけてかえるんだよ。』 「むきゅ。れいむ、がんばってね。」 『れいむちゃん、またね。』 「ありがとうだよ。それじゃ、またくるよ!」 れいむは駄菓子屋に礼をいい、帰路につく。 「ゆぷぷ。この ちょこれーとさんを みたら、 おにーさん、きっと ゆっくりしてくれるよね。たっのしみだよー。」 大好きな飼い主のことを思い笑顔になる れいむ。 「ゆぅ……それにしても、さむいよ。かぜさん、ちょっとは ゆっくりしてほしいよ……」 れいむの心とは対照的に、気温は低い。 「ゆぅ………」 れいむは分かれ道で悩む。 右の道は家まで少し遠いが、人通りが多くて安全な道である。 左の道は家まで近いが、途中、空き地があり、また人通りのすくない道である。 れいむは少し悩んだ末、いつもとは違う、近道を選んだ。 いつもならば、遠回りで安全な道を選ぶが、寒いことと、雪が降るかもという考えからの選択である。 「ゆっくりしていってね!!!」 しばらく歩き、人のいない空き地で、れいむは声をかけられた。 「ゆん?」 金バッチの称号は伊達ではなく、れいむは無条件で返事をすことはなかった。 「げらげらげらげら。まったく、あいさつも かえせないとは、ゆっくりしてないのぜ。」 「ゆぷぷ。ゆっくりしてない れいむだね。でいぶ、おなじ れいむと してはずかしいよ。」 「ゆっくししてない どうつき れいむなんだねー。わかるよー。」 「あいさつも かえせないなんて、いなかものね。」 「むきゅ。あたまの たりなさそうな れいむね。これならかんたんよ。」 5匹の野良ゆっくりが挨拶を返さなかった れいむをバカにする。 「なんのよう?れいむ いそいでいるから、もういくよ。」 バカにされたことを不快に思いながらも、れいむは5匹にそう言い、立ち去ろうとする。 「まつのぜ!このげすが!」 「む!れいむ、げす じゃないよ!きんばっちさん だもん!」 ゲスと言われ、怒るれいむ。 「きんばっちさん?つまり くそにんげんの どれいってことだね。 そんな どれいは ゆっくりできないよ!でいぶと ちがって けだかく ないもんね!このげす!」 「れいむは げす なんだねー。わかるよー。」 「やだやだ、いなかもののうえ げす なのね。」 「むーー。みんな ひどいよ。どうして れいむのことを げす だなんて いうの?」 「むきゅ。それは れいむが げす だからよ。もりの けんじゃである ぱちぇが いうのだから まちがいないわ。 ゆっくりりかいしなさい。この げす。」 野良5匹にゲスだと言われ、泣きそうになる れいむ。 「むきゅ。げすの れいむに もりの けんじゃである ぱちぇが めいれいをするわ。 よくききなさい。あまあまさんを けんっじょうしなさい。」 「ゆ!だめだよ!これは おにーさんに あげる ちょこれーとさん なんだよ!ぜったいに だめだよ!」 甘味をもっていることを正直に話してしまう素直な れいむである。 「はぁああ!!??ばかなの?しぬの?いい、でいぶたちは すっごく ゆっくりしているんだよ。 れいむは げすで くそにんげんの どれいで ゆっくりしていないでしょ!? ゆっくりしてないくせに、ちょこれーとさんを ひとりじめする なんて げす だよ!せいっさいだよ!」 「いなかものの くせに、ちょこれーとさんを ひとりじめする なんて、ゆるせないわ!」 「せいさいなんだねー!わかれよー!」 「れいむ、さいっきょの まりささま あいてに かてると おもうのかぜ? さっさと ちょこれーとさんを おいていくのぜ。そうすれば、いのちだけは たすけてやるのぜ。」 「ゆ、ゆぅ………」 野良5匹に脅迫され、困る れいむ。 れいむは胴付きなので、野良ゆっくり相手に負けることはない。 過去にも、野良のゲスに襲われていた飼いゆっくりを力で助けたこともある。 また、SOSボタンをもっており、これを押して、セキュリー会社を呼ぶこともできる。 しかし、できることならば穏便に済ませたいと考え、どうするかを悩んでいるのだ。 悩んでいる間に、5匹に包囲される れいむ。 「さっさと わたすんだよー。わかれよー!」 「このいなかもの、ゆっくりせずに さっさと ちょこれーとさんを わたしなさい。さもないと……」 5匹は枝を咥え、臨戦態勢をとる。 「ゆ、ゆぅ……これは こまったよ…………なんとかして ちょこれーとさんを まもらないと……」 走って逃げることも考えたが、その衝撃でチョコレートがわれるかも知れないと考え、それもできない れいむ。 -チリン チリン!! 突然、ベルがなり響く。 驚いた6匹は、音のほうを見る。 「まちなさい!!」 そこには補助輪付き自転車に乗った、胴付き ゆっくりがいた。 そのゆっくりは、金髪で、黒いとんがり帽を被り、鞄を襷がけでもっている。 「ゆ!?なんなのぜ?おまえは?」 「かいゆっくりを きょうはくし、ちょこれーとさんを うばうのは やめなさい!」 まりさの質問を無視し、ゆっくりが叫ぶ。 「ゆぷぷ。まったく、これだから どうつきは ゆっくりしてないよ。 どうつきごときが、でいぶたちに めいっれい できると おもってるの?せいっさいするよ? それが いや だったら、さっさと あまあまを もっておいで。すぐでいいよ!」 「くちで いっても わからないか。そこの きんばっちさんの れいむ、すぐに たすけてあげるから あんっしんしてね!」 自転車を降りた ゆっくりが れいむに微笑みながら言う。 「ゆ?あ、ありがとうだよ……」 「むっきゅきゅ。 たかが どうつき まりさ ひとり ふえた ところで、ぱちぇたちの しょうりは ゆるがないわ。」 5匹の野良ゆっくりは厭らしい笑顔になる。 対照的に、れいむは少し困った顔をしている。 「ゆぅ…あ、あんまり ぼうりょくてきなことは ゆっくりできないよ…… ゆ!ゆゆ?あの ゆっくりが こしにつけているのって、たしか……」 胴付き ゆっくりの腰には、青いベルトがまきつけてある。 れいむは、このベルトに見覚えがあった。 毎週日曜日の朝、お兄さんと一緒に見ている特撮番組で主人公が使っているものと同じものだ。 ベルトには、オレンジ・青・黄・黒のスイッチが1つずつと、赤のスイッチが4つ、左側に大きなレバーがついている。 胴付きゆっくりは、赤いスイッチを1つずつ入れる。 -キュィーン…キュィーン…キュィーン…キュィーン! スイッチと連動して、電子音がなる。 全ての ゆっくりの注意が胴付きにあつまる。 -Three……Two……One…… ベルトから流れる電子音声の後、胴付きゆっくりはベルトについてあるレバーを動かしながら叫ぶ。 「へんしん!」 - ~~♪♪~~♪!! ベルトから流れる電子音のメロディー。 「むきゅ。なにも おきないわ。まったく この もりのけんじゃである ぱちぇを だまそうなんて、3ねん はやいわ。」 ぱちゅりーの言う通り、何も変化はなかった。 それも当然で、このベルトは玩具である。男の子に大人気の玩具で、昨年末まで品薄だったものだ。 何もおきないことに、5匹は笑いだした。 5匹の笑いを無視して、胴付きゆっくりは体を屈める。 「うちゅう………きたーーーーー!!!!!」 そして、叫びながら、一気に伸びる。その際、黒いとんがり帽子をとる。 笑顔の5匹が固まる。 帽子の中からあわられたのは、金バッチと赤いリボンがついた白い帽子だ。 胴付き ゆっくりは、右手を前に突き出し、叫ぶ。 「か○ん らいだー ふぉー○!たいまん はさせて もらうぜ!!」 「ふ、ふふ、ふらんだぁぁぁっぁああああ!!!」×5 5匹は笑顔から一気に恐怖に引きつった顔になり、叫ぶ。 「どぼじでぇぇええ!!どぼじで、ばりざが ふらんになるのぉおおおおお!!!」×5 5匹は恐怖と混乱で硬直しており、逃げることができない。 基本的にゆっくりは個体の識別をおかざりだけで行う。 ふらんが まりさの帽子をかぶっていれば、殆どの ゆっくりは まりさと勘違いをする。 野良5匹から見れば、 バカにしていた胴付きまりさが、一瞬で恐怖の胴付きふらんに変わったように見えるのだ。 ちなみに、れいむは、まりさではないことは気づいていたが、 まさか、ふらんだとは思っていなかったようで、少し驚いている。 フランは跳躍し、距離を一気につめる。 着地の際、左足でアリスを踏みつける。 「っぐっべぇぇえぇえ!!!!ど、どげ…で…いながも………」 -ッバッコォ!! アリスを踏んでいた足をどけ、アリスを蹴り上げる。 「っゆっべぇええ!!…………お、おそらとんでるーー!!??」 宙に舞い、自然落下するアリス。 -ッドン! 落下途中のアリスを拳で思い切り殴るフラン。 殴られたアリスは空き地に置かれた土管にぶつかり、絶命した。 「ふ、ふらん。いくらなんでも やりすぎだよ!」 フランに向かって叫ぶ れいむ。 れいむは、フランが金バッチをつけていること、自分を助けると言ってくれたことから、 危険がないことを認識しており、怯えることなく叫ぶことができた。 (とはいえ、相手は捕食種のため、少しだけ怖がっているが。) 「ゆ?なに いっているの?こいつらは れいむから たいせつなものを うばおうとしていた げすだよ。 のらで げすな やつは せいっさい しないと いけないんだよ!」 「で、でも、ゆっくりごろしは ゆっくり できないよ!」 「うーー!ふらんは ほしょくしゅ だから へいきなんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「ゆ、ゆぅ………」 フランの言葉にれいむは反論ができなくなった。 「に、にげるんだねー!わかるよーー!!」 アリスの死を見て、硬直が解けた ちぇんが叫び、駆け出す。 「にがすか!ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」×4 野良の4匹は立ち止まり、大きな声で返事をする。 教育を受けていない ゆっくりなので、本能には逆らう術を知らない。 その本能が死期を早めるものだとしても、決して逆らわず、返事をするのだ。 当然、ちぇんも立ち止まっている。 ふらんは、青いスイッチをいれる。 -Launcher On ~♪ 電子音が流れるが、玩具なので、実際には何もおきない。 代わりにフランは、鞄から水鉄砲を取り出し、屈んで撃つ。 本ゆんは、劇中のライダーのように、 足にセットされたランチャーからミサイルを撃っている気分である。 「!?つめたいんだよー!やめろよーー!!とけるんだよーー!! ゆ?ゆゆ?う、うごきがにぶいよー!!わからないよーー!!うごけないんだよー!!」 水で足がふやけたため、ちぇんの動きが鈍くなる。 「あたらしい すいっち!ためさせて もらうよ。」 歩きながら、鞄から橙色のスイッチをとりだし、ベルトにはめてある黒いスイッチと入れ替える。 -Hummer セットしたことを表す電子音が流れたあと、新しくつけた橙色のスイッチをいれる。 -Hummer On ~♪ 電子音が流れるが、やはり玩具なので、何もおきない。 代わりにフランは、鞄から小さな木槌を取り出し、左手でもつ。 「これが はんまーすいっちさん。いっくよ!」 「や、やめるんだよぉぉおおお!!わかれよぉぉおおお!! っゆっぎゅぶぬん…………」 そして、そのハンマーで動けなくなった ちぇんを思いっきり殴る。 汚いチョコレートを地面にばら撒きペチャンコになる ちぇん。 「…………む!っぎゅぅぅうう!! ゆっげぼぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!! ぶぼっ!ぶぼぇっ!えげぇぇぇ!えげぼげぇぇぇええええええ!!!」 突然現れたフラン。殺された仲間。仲間の死臭。 ゲロ袋の渾名は伊達ではなく、パチュリーは生クリームを吐き出す。 そして、絶命した。流石はゲロ袋だ。 「ば、ばりざぁぁああ!!な、なんどがじでぇぇえええ!!!」 「わわわわかっているのぜぜぜぜえぜ!! ま、まりさは さいっきょう なのぜ!ふらんなんで、ごわぐないのぜ!! まりさには、まだ ひっみつへいっきさんが あるのぜぇえぇええええ!!!!!」」 ガタガタ震えながらも、打開策があることを誇示する まりさ。 まりさは帽子から、カッターナイフを取り出し、舌で刃を露出させる。 「うー……やっかいなものをー」 カッターナイフを見たフランが立ち止まる。 バカと刃物は危険だと考えたのだ。 「ねぇ、ふらん。にんげんさんを よぼうか?」 れいむが尋ねると、フランは首をふる。 「うー。だいじょうぶだよ。こんなやつら、ふらん ひとりで かるく たおしてやるよ!」 「ゆっへん!!いっくら ふらんでも、この かったーないふさんの まえでは おちびも どうっぜんなのぜ!!」 「ゆーん!さっすが まりさだよ。さっすが でいぶの だーりんだよ!!」 「ゆへへ!!おい!そこの ふらんと、れいむ!! このかったーないふさんの さびに なりたくなければ、あまあまを おいていくのぜ!!」 フランの動きが止まったことで、勝利を確信した まりさがドヤ顔で命令をする。 「うー。ことわるよ。」 「ゆ?な、なにをいっているのぜぇぇええええ!!!このかったーないふさんが めに はいらないのかぜ!?」 フランは何もいわずに、オレンジ色と黄色のスイッチをいれる。 -Rocket On ~♪ Drill On ~♪ 当然なんの意味もないが、 フランの中では、右手にロケット、左足にドリルが装着されたことになっている。 「っとう!」 フランが宙に舞う。自力で飛行しているが、本ゆんは、右手のロケットで飛んでいる気分だ。 「ゆ!おそらを とぶとは ひきょうなのぜ!さっさと おりてくるのぜ! さいっきょうの まりささまが せいっさいしていやるのぜ!!」 「いいよ。おりてあげる。」 フランはベルトのレバーを引く。 -Rocket 、Drill 、Limit Break !!~♪ ベルトから流れる電子音。 「ライダーロケット ドリルキーーック!!!!」 フランは左足を伸ばし、肘をまげ、ポーズをつける。 正面からでは、カッターナイフが危ないので、背面にまわり、まりさの後頭部(?)めがけて急降下する。 「ゆ!ふらんがきえたのぜ!ゆっふん!! さいっきょうの まりささまに おそれを なしたに ちがいないのっぜぇぇぇええええええ!!??」 まりさは、背後からフランに足で押され、悲鳴をあげる。 「ど、どぼじでぇぇぇええ!!どぼじで かべざんがぁぁああ!!!??っぐっべぇぇええええええ!!!」 そして、カッターナイフを咥えたまま、ブロックベイに顔面から激突する。 口内にカッターナイフがはいり、刃が口内で突き刺さる。 「っゆっぎゃぁぁあああああ!!!ば、ばりざの おぐじがぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!! が、がっだーないぶざんを、とりだっぐっっぎゃあぁぁぁlぁぁ!!い、いざいいぃいいいいいいいい!!!!」 カッターナイフを取り出そうと舌を動かすが、その動作により刃が口内を傷つけ、激痛に襲われ悲鳴をあげる。 「うー!ゆっくりしね!ゆっくりしね!!!のらで げすな まりさは ゆっくりしね!!」 自分ではどうしようもない状態に陥ったまりさを、フランは踏みつける。 「ぶぶぶ!!???い、いざぃいいいいい!!!や、やべ、やべでぇぇぇえ!!げっぼ!!やべ!ぶっぼぉおおお!!!!」 フランの足がまりさを押さえつける度に、刃が口内を傷つけ、まりさは餡子と悲鳴をあげる。 「ゆべっ!だ、だずっげ!!ぼ、ぼっど……っがっぼ!!ゆっぐりじだ………がだ……」 カッターナイフが中枢餡を傷つけたことで、まりさは絶命した。 「うーー。りみっとぶれいくでも たおせないなんて、まだまだ ふらんは だめだよ。もっと れんしゅうしないと。」 フランはゆっくりと でいぶのほうの方を見る。 「うー、つぎは どの すいっちさんを つかおうかな?なやむよ。」 「ぐるなぁぁぁああああああ!!ふらんは ぐるなぁぁああああ!!」 でいぶはガタガタ震え、上と下から砂糖水を垂れ流しながら叫ぶ。 「うーー。やだ!ゆっくりしね!」 ふらんは笑顔で言う。 「ど、どぼじでぇぇぇぇええ!!!ぼ、ぼういっばい、ゆっぐりごろじ じで、ゆっぐり できだでしょぉおおお!!!」 「ほしょくしゅでも ないくせに、ゆっくりごろしで ゆっくり できる なんていう でいぶは げすだね。 そんな げすは ゆっくりしね!!」 「やべでぇぇええ!!!ぐるなぁぁああ!! で、でいぶは にんっしん しているんだよぉおおおお!!!やさしくしなくちゃいけないんだよぉおおおお!!! だ、だがら、だがらだがら、だずげでぇぇぇぇぇええええええええぇぇぇぇええええええええええええええええええ!!!」 でいぶは有らん限りの大声で命乞いをする。 ------------------------------------ 「うーー。ゆ?なんだ?れいむ、どうした?」 「ぐるなぁぁあ!!でいぶを ゆっぐりざぜろぉおお!!ゆ??」 れいむは、でいぶに背を向け、フランと でいぶの間に立つ。 「ふらん、もうやめてよ。でいぶ にんしん している そうだよ。 なんの つみも ない おちびちゃんまで えいえんに ゆっくりさせるのは さすがに かわいそすぎだよ!」 「そ、そうだよ!でいぶは にんっしん してるんだよ!やさしく しなくちゃ いけないんだよ!」 味方ができたことで、でいぶの顔が明るくなり、醜い笑顔になる。 「よくやったよ、どうつき。とくべつに ほめてやるよ!この でいぶさまの どれいにしてやるよ!かんしゃしてね!! あと、あまあまを ちょうだいね!すぐでいいよ!!」 「ゆ?ゆゆ??」 でいぶの発言を聞き、れいむが驚きの表情で固まる。 「うー。でいぶって、どうして こんなに ばか ばっかり なんだろう? れいむ、こんな やつを かばうこと なんてないよ。」 ふらんは でいぶのバカっぷりに思わず頭をおさえる。 「でいぶは ばかじゃないよ!!でいぶの あたまは すーぱこんぴゅーたけいさんのように かしこいんだよ!!」 「はいはい。そうですね そうですね。ほら、れいむ、そこをどいて。」 ふらんが れいむの両肩に両手をのせ、項垂れながら言う。 でいぶのバカさ加減に呆れているのだ。 「で、でも、ふらん。やっぱり、おちびちゃんが かわいそうだよ……」 「うぅ~~。いい、れいむ。こんな げすな おやだったら、 むしろ うまれてこないほうが おちびちゃんの しあわせだよ。」 「ゆ?ゆゆ??」 れいむは、フランの言っていることの意味が理解できないでいる。 「うー、いいから みてて。」 ふらんは、れいむの横を通り、でいぶの前で屈む。 「ゆががぁぁぁぁぁあ!!ふ、ふらん だぁぁぁあああ!!! ど、どれいぃいいいい!!!な、なにやっでるのぉおおおおお!!!ざっざど、だずげろぉおおお!!!」 でいぶが震えながら叫ぶ。 「うー、うるさい!さわいだら、ころすぞ!」 「っゆっぐ!!ぐぶ………ぐず……ぐび……」 フランがでいぶの頭を軽く叩く。 でいぶは涙を流し、震えながら揉み上げで口を必死で閉じる。 「でいぶ、たすかりたいのか?」 フランの質問に、でいぶは全力で何度も頷く。 「それは おちびちゃんのためか? つみのない おちびちゃんが うまれることもなく しぬのは かわいそうだから? おやこで みのがしてほしい?」 でいぶが先程と同じように頷く。 「しんぐるまざーはゆっくりできないぞ。 いまここで おまえと おなかのこども、しんだほうが みんな ゆっくりできるだろ?」 「ぞんなごどありばぜんん!!!!!! でいぶは、かわいいおちびちゃんざえ いれば、しんぐるまざーでぼ、ゆっぐりできばずぅうううう!!」 でいぶが涙を流しながら叫ぶ。 「うー、いいよ。みのがしてあげる。」 「ぼ、ぼんどうぅに!!??」 フランが笑顔で頷く。 「やったよ!さっすが でいぶだよ。ふらんを せっとくして たすかったよ! でいぶったら ほんっとうに こうしょうじょうずだよ。ろーじゃー・すみすも まっさおだよ! でいぶったら ゆうっしゅうで ごーめんねー!!」 どこが交渉だったのかは不明だが、自己肯定能力だけに長けている でいぶらしい発言だ。 助かったことで、恐怖心が一気になくなったのだろう、でいぶが笑顔になる。 「ところで、でいぶ。あまあま ほしいか?」 「ゆ!あまあま!?ほしいよ!ゆっくりしないで さっさと ちょうだいね。 でいぶさまに あまあまを けんっじょうする なんて、なかなか ゆうっしゅうな ふらんだね!ほめてやるよ!」 力関係を理解しているくせに、こういう態度をとれる でいぶを、ある意味尊敬しながら ふらんは続ける。 「うー、じぶんで だたいしたら あげるよ。」 「だたい?」 「そうだよ。おおきく とびはねて、おなかの おちびちゃんを ころすことだよ。 だたいがすめば、くっきーさんをあげるよ。」 れいむは呆れた顔をする。 「ふらん、そんな じょうけんさんじゃ、でいぶは くっきーさんを たべれないよ?」 あげる気がないなら言わなければいいのに、と思いながら ふらんに言う。 ふらんは でいぶのほうを指差す。 「ゆ??」 でいぶのほうを見ると、でいぶが宙に浮かんでいた。 通常の跳ね方では届かないぐらいの高さだ。そして、地面に腹部から激突する。 「ゆっびぃぃいいいい!!い、いだいよ、で、でぼ、まだ くそちびは しんでないよ! さっさと しんでね!でいぶの くっきーさんを じゃまする くそちびは さっさとしんでね!!」 「で、でいぶやめてよ。それいじょうしたら、おなかの おちびちゃんが しんじゃうよ!!」 堕胎をしようとする でいぶに対し、れいむが説得を試みる。 「うっるさいよ!!!じゃま するんじゃないよぉぉおおお!!!! でいぶは くっきーさんを たべて ゆっくりするんだよ!!! じゃまするなら、おまえも せいっさいだよ!!!」 でいぶはれいむを睨みながら叫ぶ。 「ゆ、ゆぅ………」 「れいむ、むだだよ。でいぶは おちびちゃんよりも くっきーさんのほうが だいじ なんだよ。」 でいぶの鬼気迫る迫力に圧倒された れいむの肩に手をおき、ふらんが言う。 「れいむ、よくきいてね。 じぶんのことを でいぶって いう やつは ぜったいに じぶん かってな げす なんだよ。 こんな げすの、しかも ぼしかていに うまれたら、おちびちゃんは ぜったいに ゆっくりできないよ。 ふこうな しを むかえるだけだよ。 うんよく いきのびても、こどもは あたらしい げすに なるだけだよ。 そして げすは ほかの ゆっくりを ゆっくりさせないよ。 げすは みんなを ふこうに するんだよ。 だから、こういう げすは ころすに かぎるんだよ。 ゆっくりりかいしてね!!」 ふらんの言葉を聞き、れいむは自分の母親である でいぶを思い出す。 確かにそうかもしれない。 幸い自分には優しい父親や姉妹がいてくれたから野良でも ゆっくりできた。 もし母親だけだったら、きっと野良生活を耐えられず すぐに死んだだろう。 母親である でいぶは、狩りや掃除といった生きるために必要なことは何もせず、 父である まりさに押し付けていたのだから。 優しい飼い主にめぐりあえたお陰で今は幸せな生活をしている。 これは、奇跡的だということも知っている。 もし でいぶを見逃したとしても、生まれてくる子供は不幸になるだけだろう。 自分のような奇跡はまず起きないのだから。 そう考えると、ふらんの言っていることが正しい気がしてきた。 「ゆっくりりかいしたよ………」 元気なく言うれいむ。 理解はできても、ゆっくりが、特に子供が死ぬのはイヤなのだ。 とはいえ、自分ではなにもできないことも理解している。 でいぶを、でいぶの子供を引き取ることなど、れいむには不可能なのだから。 そんなことをすれば、飼い主に迷惑をかけてしまう。 大好きなお兄さんを ゆっくりさせれないことは絶対にイヤなのだ。 「っゆっぎぃいいいいいいいいいいいい!!!」 でいぶは何度も飛び跳ねるが、なかなか堕胎ができない。ただ悲鳴をあげるだけだ。 「ゆ!そうだ!ゆぷぷ。さっすが でいぶだよ。いいことを おもいついたよ! こんくりーとの かべさんに おなかを ぶつければ、かんったんに だたいが できるよ!! でいぶったら、かしこくって ごーめんねーー!!!」 でいぶはブロック壁に向かって跳ねだす。助走をつけ、ブロック塀に腹部をおもいきり ぶつける。 「ゆっぎゃぁあぁぁあああああああ!!! い、いじゃいぃぃいいいいいいい!!!ゆっぎゃあぁぁああああ!!!!!!! じじっっじっぬぅううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!」 これまで以上の激痛に、でいぶは悲鳴をあげながら、のたうちまわる。 のたうちまわっている でいぶの腹部に黒ずみができた。胎児(胎饅?)が死んだ証拠だ。 「ゆばぁ~ゆばぁ~。ふ、ふらん!みで、で、でいぶ、だたいを じだよ! げすな ちびは しんだよ!さっさと くっきーさんを ちょうだいね!とくもりでいいよ!」」 でいぶが醜い笑顔で言う。 「やくそくだからね……はい、くっきーさん。」 ふらんはクッキーを地面に置く。 「むーしゃむーしゃ……しあわせー!!! もっとちょうだいね!すぐでいいよ!とくもりだよ! だたいして かわいそうな でいぶに たっくさんの あまあまを けんっじょうするのは、とうぜんの ぎむだよ!さっさとしてね!」 クッキーを貪り喰うでいぶを、ふらんは汚物を見るような目で見る。 「うー……。さて、でいぶ。せいっさいしようか。」 「ゆ?はぁぁあああああ!!なにいってるのぉおおお!!?? たすけてくれるんでしょぉおおおお!!!??」 「うん。だから たすけたでしょ? うまれてくる おちびちゃんの ために でいぶは たすけてあげたよ。 でも、もう おちびちゃんは いないからいいよね!」 「ゆ?」 「うー、おちびちゃんを ころしちゃうような げすを せいっさいするよ!ゆっくりりかいしてね!」 「りがいでぎるがぁぁああああ!!お、おい、どれぃいい!! ざっざど、だずげろぉおおおおお!!!」 でいぶが れいむに命令をする。 「やだよ。くっきーさんの ために、おちびちゃんを ころす げす なんて、れいむ だいっきらいだよ!」 「うっがぁぁあああ!!ぞ、ぞれはふらんがぁぁああああ!!」 「ほんっとうに おちびちゃんが だいじだったら、あんな じょうけんさんを のまないよ! ふらんからにげて、しんぐるまざーに なって、おちびちゃんを そだてる はずだよ。 でいぶは おちびちゃんよりも、くっきーさんの ほうが だいじなんでしょ!?」 れいむの目には涙が滲んでいる。産まれてくることができなかった子供のことを想っての涙だ。 「う、うるっざぁぁぁああいい!!いいがら、でいぶを だずげろっぉおおおお!! あまあま もっでごいぃいいいい!!ゆっぐりざぜろぉおおおおおおおおおおお!!! でいぶには ゆっぐりずる ぎむが あるんだぁぁぁぁああああああああああああああああ!!!」 喚くでいぶを無視して、ふらんが れいむに話しかける。 「でいぶを つぶけど、いいよね?」 れいむは黙って頷く。 「うー、でいぶ!!さぁ、おまえの つみを…かぞえろ」 ふらんは右腕を伸ばしながら言う。 「でいぶに づみなんで ないぃいいいいい!!! でいぶは いっつも ただじいんだよぉおおおおお!!! でいぶを ゆっぐり ざぜない やつが わるいんだぁぁぁあああああああ!!」 「ふらん、それ、ちがう らいだーさんだよ…」 フランの発言に、でいぶは怒鳴り、れいむは小さな声で言う。 ふらんは跳躍し、レバーを動かす。 -Rocket 、Drill 、Limit Break !!~♪ ベルトから流れる電子音。 「ライダーロケット ドリルキーーック!!!!」 フランはポーズをつけ、れいむを頭上から一気に踏みつける。 「っゆっぎゃぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!! ぼっど、ゆっぐじ……じだが………っだぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」 まりさの時と違い、でいぶは無事絶命した。 「うー!やったよ!りみっとぶれいくで たおせたよ!!」 必殺技が成功したことに喜ぶ ふらんに、れいむが青い顔をしながら頭を下げる。 「どうもありがとうだよ。ふらんの おかげで、ちょこれーとさんは ぶじだったよ。」 「うー。きにすること ないよ。ふらんも すきで やっていることだし。 それより、かおいろが わるいよ? やっぱり、めのまえで ゆっくりが しぬところを みるのは、きぶんが わるくなる?」 「ゆん。ちょっとだけ。でも、しょうがないよ。でいぶたちは げす だったんだから。」 れいむは、頑張って笑顔をつくり、こたえる。 「うー。でも やっぱりわるかったよ。さっさと れいむだけ にがせばよかったよ。」 ふらんは申し訳なさそうに言う。 そんな ふらんの態度を見て、れいむは怖いはずの ふらんに親近感を覚えた。 「きにしなくっていいよ、ほんとうに。」 「うー。れいむ、おまえ いい ゆっくりだな。 おまえ みたいな いい ゆっくりと であえて うれしいよ。 よし!ふらんと ともだちに なれ!」 「ゆん。いいよ。てれびさんで やっていた やつだね。」 特撮番組での友情の印、互いの拳を数回打ち合わる行為をする2匹。 「これでれいむたち、おともだちさんだね!おにーさんに はなすことが ふえてうれしいよ!」 「ふらんも、おねーさんに はなすことが ふえてうれしいよ。」 互いの顔を見ながら微笑む2匹である。 「ふらん、もうすぐ ゆきさんが ふってくる そうだよ。はやく かえろうよ。」 「うー。れいむは さきに かえっていて。ふらんは、そうじを してから かえるよ。」 「おそうじさん?」 ふらんは でいぶの死骸を指差す。 「ゆぅ………ゆん!れいむも おてつだいさんを するよ!」 「うー?いいのか?ゆっくりの しがいだぞ?」 「ちょっとだけ くさくて いや だけど、ふたりで すれば すぐに おわるよ。 ゆっくりしすぎて、ゆきさんが ふってきて、ふらんが かぜさんを ひいたら たいっへんだもん!」 「うー。ありがとうだよ、れいむ。」 「ゆん!」 2匹はゆっくりの死骸を、ふらん持参のゴミ袋に詰め、地面を同じくふらん持参の箒で軽く掃除をする。 【虐待の後は、する前よりも綺麗に!】 ふらんのポリシーである。 ちなみに、このゴミは ふらんが帰宅途中に ゆっくり専用のゴミ箱に捨てる予定である。 ふらんはゆっくりを食べるが、野良は汚く、またまずいので食べない。 ふらんは野良ゲスだけを趣味をかねて制裁しているだけなのだ。 「うー。ありがとうだよ。おかげで はやく かたづいたよ。」 「ううん。れいむこそ ありがとうだよ。たすけてくれて。」 「うー、またな。」 「ゆん!またね!」 2匹はそれぞれ帰路についた。 れいむが家についた時、空から雪が降ってきた。 「ゆぅ……ゆきさんがふってきたよ。ゆきさんはきれいだけど、ゆっくりできなくなるよ… おにーさん、ぶじにかえってこれるよね?」 れいむは、飼い主を心配しながら、家の中へと入った。 ------------------------------------ 夕方から降りはじめた雪は夜には止んだ。 少しだけ積もった雪だが、幸い電車は止まることも遅れることもなく、 俺はいつも通りの時間に無事帰宅することができた。 『ただいまー。』 「お、おかえりだよ、おにーさん!よかったよ、ぶじに かえってきてくれて!さむかった?」 れいむが笑顔で出迎えてくれた。 帰宅の際に、誰かに迎え入れてもらえるのは嬉しいものだ。 それが、黒髪で笑顔の女の子なのだから、嬉しさも倍増だ。 (欲を言えば、巫女装飾だとなお嬉しいが一昨日がそうだったので、まぁ、仕方が無い。) が、今日のれいむの笑顔はいつもと少し違う気がする。 なんだろう、どこかぎこちないような気がするが、雪で俺の心配をしていたせいだろうか? 『ああ、すっごく寒かったよ。ちょっとまってろよ、すぐに夕飯にするからな。』 「ゆ……ゆん!お、おにーさん、きょうの ばんごはんさんは なに?」 『おでんだよ。』 「ゆん!おでんさんは あたたかくて、ゆっくりできるよ!」 「むーしゃむーしゃ……ごっくん……しあわせー! むーしゃむーしゃ……」 胴付きで、金バッチのれいむは綺麗に箸でおでんを食べ、ちゃんと飲み込んでから味の感想を言う。 そして、再び食べ始めるれいむ。 おかしい。いつもならば、味の感想を言うし、 食事をしながら 今日起きたことを一生懸命話をしてくれる れいむが、今日はただ黙々と夕飯を食べている。 そんなに空腹だったのか?非常食(=おやつ)は冷蔵庫にも、戸棚にも常備してあるはずだが。 『れいむ、どこか具合が悪いのか?』 いつもと違うれいむに、不安になり聞いてみる。 一度ゆっくり専門の医者につれていったほうがいいだろうか。 「だ、だいじょうぶだよ。ちょっと つかれただけだから。し、しんぱいしなくていいよ!」 『そうか……でも、もしどこか痛かったりしたら、すぐに言えよ、いいな?』 「ゆん!ゆっくりりかいしたよ。しんぱいさせてごめんだよ……」 食後、れいむは俺の指示に従い、先に風呂にはいる。 なお、俺が後なのは、入浴後、そのまま風呂掃除をするからであって、 決してHENTAIであるからではない。 一緒にはいらないのは、れいむが羞恥心から嫌がっているからであって、 俺がHENTAIにならないためではない。 一緒に入ったって別に俺は平気だ。絶対に、多分、きっと…。 「ゆー。きもちよかったよー!」 カラスの行水を済ませた れいむが、脱衣場から出てくる。 『あれ?今日はその服で寝るの?』 れいむは胴つきになった際に一緒に生えた(?)巫女装飾(正確には少し形が違うが、俺的には許容範囲)を身に纏っていた。 常時この服を着てくれていると、嬉しいが、流石に洗濯や気温のことを考えると少し難しい。 「ゆん。おにーさんが いっちばん すきな ふくさんだよ。どう?ゆっくりできる?」 『ああ、ゆっくりできるよ。ありがとう。』 れいむの頭を撫でる。 シャンプーのいい香りが漂う。 部屋の中に、巫女装飾をまとった可愛い女の子がいる。 視覚と嗅覚と触覚からの情報で俺の鼓動が勝手に早くなる。 落ち着け、俺はHENTAIじゃない。 俺は深呼吸をし、落ち着かせてから、入浴をする。 パジャマに着替え、脱衣場からでると、れいむがコタツの前で正座をしていた。 『どうした?れいむ?』 「おにーさん。きょ、きょうは、ばれいんたいんでーさん、だよね?」 真っ赤な顔をした れいむが言う。 『ん?そうだな。ま、俺には縁のないイベントだがな。』 勤めている会社では義理チョコを禁止(環境型セクハラになるらしい)しているので、俺はチョコレートを1つも貰えなかった。 義理しか貰えないので、会社の判断は嬉しいが、何も貰えないのは、やっぱり寂しい気がする。 「ちがうよ!おにーさんにも えんが ある いべんとさんだよ! だだだって、れ、れいむが!!こ、こここっこれ!!」 れいみは目を閉じて、俺に可愛くラッピングされた箱を両手で差し出す。 『これって、チョコレート?』 「ゆ、ゆん……うけとってほしいよ。ほ、ほんめいちょこさんだよ!」 れいむが俺にチョコレート! 黒髪の巫女さんが俺にチョコレート! しかも、本命チョコレート!!! いかんいかん、落ち着け、落ち着け。 れいむは確かに可愛いが、ゆっくりで、ペットで、妹みたいなもんだ。 妹が兄に親愛のチョコレートを渡す。当然のことじゃないか。 高鳴る鼓動を無理矢理押さえつけ、俺はチョコレートを受け取る。 『ありがとう。嬉しいよ。』 「………ゆん!よかったよー!!おにーさんがうけとってくれたよ!!よろこんでくれたよ!!ゆっくりしてくれたよ!!」 れいむが抱きついてきた。 甘い香りと柔らかい感触が心地よい。って、当たり前だ、れいむは ゆっくりで、饅頭だ!甘くて柔らかいのは当然だ! 『れ、れいむ、苦しい……はなれろ。』 「ゆん!ごめんだよ。」 本当は苦しくなどないが、これ以上密着していると、一箇所が苦しくなるため、れいむをはなす。 『一緒に食べようか?』 「っゆ?その ちょこれーとさんは おにーさんのだよ。れいむは たべれないよ?」 『一緒に食べたほうが美味しいだろ? それに、俺はれいむと一緒に食べたいしな。そっちのほうが ゆっくりできるだろ?』 「ゆん!」 俺はお茶を淹れ、可愛いラッピングをされた箱を開ける。 中から、バレンタインらしく、ハート型の大きなチョコレートがでてきた。 チョコレートには【すき】と大きく書かれていて、ちょっと照れてしまう。 れいむのほうを見ると、真っ赤になって俯いている。 そんな可愛いれいむに対し、大きく深呼吸をして落ち着かせてから話しかける。 『あれ?れいむ、このチョコレート どこで買ったんだい?』 れいむだけで自由に買い物できる店は少ない。 というか、あの駄菓子屋しかないはずだ。 そして、駄菓子屋にこんなバレンタイン用のチョコがあるとは思えない。 どうやって手に入れたのか、少し気になる。(渡された時は、駄菓子屋で買った物に自分でラッピングしたと思った。) 「ゆ?そ、それはね、だがいしやさんの おばーさんの まごむすめさんの おねーさんが……」 れいむは一生懸命説明を始める。 なかなか要領をえないが、事情はわかった。 れいむのことは信じているが、不正をして手に入れた物ではないことの確認がとれて一安心した。 『そっか、よかったな。今度、一緒に駄菓子屋さんにお礼を言いにいこうな。』 「ゆん!」 『それにしても すごいな、れいむ。これ、高かっただろ?よくお金をもっていたな。』 「ゆぅ……おにーさんに よろこんで もらいたくて、がんばって ちょきんさんを したんだよ……」 『そっか、ありがとうな。』 れいむの小遣いは月400円だ。 千円のチョコらしいので、単純に3ヶ月は買い食いを我慢しないといけない。 よく我慢できたな。そう思うと、このチョコを食べるのがもったいない気になってきた。 「ゆぅ?おにーさん、はやく たべてほしーよ……」 頬を可愛く染めた れいむが言う。 チョコレートを半分に折り、れいむと分け合う。 『それじゃぁ、いただきます。…………うん!おいしいよ!』 「ほんとうに?」 『ああ、本当だ。れいむも食べてみろよ。』 「むーしゃむーしゃ……ごっくん……しあわせーー!!ゆん!ほんとうだね!とってもおいしいね! れいむが実に美味しそうにチョコを食べる。 不思議なもので、野良が行う【しあわせー】と違い、 れいむが行う【しあわせー】は見ているこちらまで幸せになってくる。 最近はあの顔が見たくて料理をしている自分がいる。 よし、明日の朝は れいむの好きな甘い卵焼きを作ろう。 そんなことを思いながら、チョコレートを食べる。 『やっぱり、バレンタインデーに食べるチョコは最高だな。』 「やったーー!!おにーさんをゆっくりさせることができたよ! よかったよ!ほんとうに よかったよ!!れいむ、すっごく うれしいよ!!」 ようやくいつもの笑顔のれいむになってくれた。 れいむは、いつもの笑顔で今日の出来事を、新しい友達であるふらんのことを、教えてくれた。 捕食種と友達になるとは、少し驚いたが、まぁ、先方も飼いゆっくりで金バッチ、それも胴付きなので、問題はないだろう。 楽しいおしゃべりを終え、歯を磨いていると、れいむが後ろから抱きついてきた。 早くなる鼓動を必死で押さえつけながら、 『どうした?』 と尋ねる。 「おにーさん。きょうは、ばれんたいんでーさんだよ。 だから、いっしょにねても……いい?」 『同じベットを使っているだろ?上と下で。』 「ゆぅ……おなじ べっとさんで、おなじ たかささんで ねむりたよ。だめ?」 ダメと言いたいが、れいむは一緒に寝るお願いだけは、異常に強情になので俺は早々に諦めた。 『わかったよ、特別だからな。』 「ゆん!ありがとうだよ、おにーさん!」 照明を、蛍光灯からナツメ球に切り替える。 一人暮らしの時は、部屋を真っ暗にしていたが、 れいむが怖がるので、常夜灯をつけながら寝ているのだ。 俺と れいむは一緒に2段ベットの1段目にはいる。 『おやすみ、れいむ。』 「ゆん。おやすみさんだよ、おにーさん。」 れいむはペット。れいむ妹同然。れいむは ゆっくり。れいむは饅頭。 心の中で必死に叫びながら、目を強く閉じる俺。 少しでも気を抜くと、HENTAIになってしまいそうで、怖い。 「おにーさん、もぅ、ねちゃった?」 『ん?まだだよ……』 「あのね、おにーさん、おねがいさんが あるんだよ。」 『な、なんだ?』 どうか俺の心を折るようなお願いでありませんように。 理性の神様(?)に強く祈りながら、れいむのお願いを聞く。 「あのね、きょう、れいむ、ふらんに おしえて もらったんだよ。 じぶんのことを でいぶって いう ゆっくりは ぜったいに げす なんだって。 れいむの おかーさんも、そうだったよ。」 『まぁ、そうだな。』 よかった、抱きしめてとか、ちゅっちゅしてとかいうお願いじゃなくて。 ガッカリ…って、違う、安堵しながら、俺は れいむの言葉に耳を傾ける。 「……れいむは おかーさんの むすめだよ。 でいぶの むすめの れいむだよ。いつか れいむも、れいむのことを でいぶって よぶかも しれないよ……」 元気のない声をだす れいむのほうに、俺は体を向ける。 「げすに なったらみんなに めいわくさんを かけちゃうよ。 ゆうちゃんや、ともだちの ゆっくりにも めいわくさんをかけちゃうよ。 おにーさんにも、きっと いっぱい いっぱい めいわくさんを かけちゃうよ。 そんなの やだよ。れいむ おにーさんに めいわくさんを かけたくないよ…… だから、おねがいさんだよ。もし、れいむが れいむのことを でいぶって よぶように なったら、 めいわくさんを かけるまえに、えいえんに ゆっくりさせてほしいよ。っゆ?」 俺はれいむの頭を撫でる。 『大丈夫だって。お前は でいぶになんてならによ。 チョコレートを買うために色々と我慢してきたんだろ? 誰かのために、何かを我慢することができる れいむは でいぶに ならないよ。』 「で、でぼ、れいぶは、おがーざんの むずめだよ……でいぶの むずめの れいぶなんだよ……」 れいむの声が涙まじりになってきた。 『大丈夫だって。第一、そういう心配ができるなら、お前は絶対に でいぶになんて ならないよ。安心しろ。』 「…………」 『昔、お前に言っただろ?新しいお前になれって。 お前は俺の言った通り、新しいお前になった。その証拠に、胴付きになった。 お前の母親である でいぶとの縁はもう きれるている。 毎日、洗濯と掃除をしてくれるおかげで、すっごく助かっていぜ。 新しいお前は、俺をゆっくりさせてくれる。誰かの為に、何をできるやつはゲスじゃない。 だから、お前は絶対にゲスになんてならない。 自分のことが信じられないのなら、俺の言うことを信じろ。な?』 「…………。 ゆっくりりかいしたよ。れいむは おにーさんの ことを、ゆっくり しんじるよ。 ごめんなさいだよ、へんなこと いっちゃって。」 れいむの声が元気になり、俺は安心する。 『気にするなって、家族だろ?』 「ゆん!おにーさん……」 『ん?』 「れいむ、しあわせさんだよ。 だいすきな おにーさんと いっしょに いれて、すっごく すっごく、ゆっくりできて、しあわせさんだよ。 ありがとさんだよ。ほんとうに ありがとさんだよ。れいむも おにーさんを ゆっくりさせてみせるよ! それと、おやすみさんだよ。」 そう言って、れいむは俺の腕にしがみついてきた。このまま寝るつもりなのだろう。 『ああ、おやすみ。俺も幸せだよ。お前がいてくれて。 おかげで ゆっくりできるよ。ありがとう、れいむ。』 俺はれいむの頭を撫でて、眠りにつく努力をすることにした。 ゆっくりは基本、愚かな生物(なまもの)だ。 都合のよいことだけを受け入れ、都合の悪いことはすぐに忘れる。 結果、まわりを不幸にする所謂ゲスに、れいむ種の場合は でいぶになる。 でいぶである母親のせいで、家族を失った れいむが でいぶになることを恐れるのはよく分かる。 だが、大丈夫だろう。 ゆっくりだけではなく、人間とも友達になれ、 俺の為に一生懸命できることをしようとする れいむならば、でいぶになることはないはずだ。 俺はそう信じている。だが、それでも れいむは怖いのだろう。 でいぶになることに恐怖をもっているだけで、すでに でいぶになる心配はないというのに。 そんな れいむを俺は可愛いと思う。 そして、れいむを、これからも大事にしていこうと改めて思う。 「……ゆぴぃ~~ゆぴぃ~~……おにぃーさん……だいすきだよぉ……」 れいむは でいぶになることはない。 そして、俺も絶対にHENTAIにはならない。 れいむにとって最高の飼い主になることを、 可愛い寝顔のれいむを眺めながら、誓う俺である。 あとがき 虐待成分が薄くてすいませんでした。 薄いどころか、何をしているのかを上手に説明できていなくて、本当に申し訳ありませんでした。 その上、ふらんの口調がよくわからず、ご不快なおもいをされた方、申し分けませんでした。 もっと文章を短く、わかりやすくかけるようになりたいです。 賢いれいむには幸せな生活を続けてほしいです。 でいぶは地獄に落ちろ。 過去作品 anko3893 穏やかな日常、或いは嵐の前の静けさ anko3901 穏やかな日常、少し増えた賑やかさ 前編 anko3902 穏やかな日常、少し増えた賑やかさ 後編 anko3903 孤独なぱちゅーが共に過ごすもの anko3904 名物 anko3907 こなさん anko3913 006受け入れた anko3917 ゆっくりによる経済 anko3928 音楽隊 anko3939 赤いリボンのサンタさん anko3951 新しいゆっくりプレイス anko3957 お空のゆっくりプレイス anko3963 安住の地 anko3967 おちびちゃんが欲しい 前編 anko3968 おちびちゃんが欲しい 後編 anko4004 初詣の帰りに anko4013 ゴミ箱の中のゴミ anko4034 チョコレートをください anko4036 子れいむを拾ったよ anko4045 たまには まりさを見逃そう
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『なんか来る来る』 8KB いじめ 小ネタ いたづら 自業自得 日常模様 野良ゆ 赤ゆ ゲス 都会 少しばかり短いと思いますが、どうぞ 『なんか来る来る』 「ゆ~ん、ゆゆ~ん」 成体の汚らしい野良ゆっくりのれいむが平日の歩道を歩いていた。 もちろん平日なので、人気は全くない、血気盛んな虐待鬼意惨達も流石に会社の奴隷や学校の囚人として活動する者も多く。 たまにすれ違う人達がれいむを見ても、ゴミを見る目つきをするだけで、手出しはしなかった。 そのれいむの後ろにれいむ同様に汚らしい赤ゆっくり達がキャイキャイ騒ぎながら、れいむの後を追う。 その馬鹿面はまさしくれいむのモノであり、その赤ゆっくり達がれいむの子供だということは言うまでもなかった。 何処で自慢の子供を披露してやろうか。 れいむはそう思い、道を行く。 平日の真昼間に、こんなことをするゆっくりは少ない。 大体、番のゆっくりが餌探しに奔走しているくらいなのだが。 諸事情により、このれいむは番が帰ってこなくなったため。 仕方がなく、本当に仕方がなく、在るはずのない重い腰を上げたのである。 番がいなくなってしまったれいむ。 番がいなくなり、稼ぎ頭がいなくなった場合、れいむ種は基本的にとある方向に向かうのである。 それは、しんぐるまざーという奴だ。 子供を出汁にし、何かとせびり。 悲劇を装い、何かと騒ぐ。 子供の為と称して、その実自分のことばかり。 所謂ゲス行為と呼ばれるのだが。 当のれいむはそんなこと気にしない、それどころがそれが正当だと信じる。 自分は大変だから、自分は可哀そうだから、自分はか弱いから。 だからだからだから。 それが正当だと言い張る。 そんな権利なんてないのに。 しんぐるまざーだと。 「はーーーーーっ……」 そこで一人の男が重いため息を吐きながら歩いているのがれいむの視界に入った。 スーツを着た男だ。 まだ新品なのか、そのスーツは汚れも擦り切れも見当たらない。 しかし、その男自体の発するくたびれた様子が、あまりにも大きく、スーツのキリッとした真新しさを打ち消すような陰鬱さだ。 れいむはその男に目をつけた。 そのゆっくりしていない様を見て、しめしめと思う。 れいむの頭の中で、餡子脳が穴だらけの自分の良い計画がはじき出す。 れいむの可愛いゆっくりできる子供を見せる、男はゆっくりする、男は泣いて喜びながられいむの奴隷になり、れいむは飼いゆっくりに、しあわせー。 完璧だ、れいむは自画自賛する。 褒める点が全く見当たらないところが流石としか言いようがない。 れいむはニタニタと小汚い笑いを浮かべながら、男が来るのを待った、 「おい、そこのにんげん!」 「あ?」 男はよほど疲れていたのか、れいむの声に反応した。 その男の目にも力はなく、くまも浮かんでいる、よほどお疲れの様だ。 そんな様子もお構いなしにれいむたちは声を張り上げる。 「れいむのおちびちゃんをみてゆっくりしていいから、あまあまちょうだいね! そしてれいむのどれいになってね! あとあまあまもちょうだいね!」 「しょうだよ! たくしゃんでいいよ!」 「ゆぷぷー! きゃわくってぎょめんにぇ! だからどれいになってもいいんだぜ!!」 「いましゅぎゅでいいよ!」 あまりにも一方的な言葉。 二回言ったのは、ボケたのではなく、とても重要だからだ。 なんて完璧すぎるんだろう、れいむは自分に酔いながら、男の快い返事を待つ。 しかし、れいむの計画の最大の誤算、ゴミを見て心が和む人間がいるわけがなかった。 男は疲れた目を更に荒ませる、そんな目で男はれいむに言う。 「……もうちょい、うしろにさがって」 「ゆ?」 「「「ゆゆ?」」」 「ほら、いいから」 何故かよくわからないが、突拍子の出来事に弱いゆっくりである。 頭に?を浮かべながら、男の言われるがままに後ろに下がる。 赤ゆっくり達も同様に、後ろに下がる。 「あ、ストップストップ、そのままそのまま」 「ゆ? ゆん」 ようやく男の気に入る位置についたようだ。 またそしてまた、れいむたちは騒ぎ始める。 「ゆっ! だからさっさとれいむたちをかいゆっくりにしてね、くそどれい!」 「まっちゃく! ゆっくちちにゃいでしゃっしゃとしてね!」 「おお、のろみゃのろみゃ、ゆっくちちてにゃいんだじぇ!」 「しゃっしゃとしてにぇ!」 男は右手をれいむたちを制するように、れいむたちに突きだし。 騒いでいるれいむたちを見ないで、遠くを見る。 「あー、もうちょいまって、あと少し、ほんの少し」 「なんなの! ゆっくりさせてあげないよ!」 「あー、来る来る、ゆっくりできる感じが来る」 「ゆぅ?」 訳がわからない。 れいむ達は本気でそう思う。 それ故に、ゆっくりらしく特に考えず聞いた。 「いったいなんなの! なにがゆっくりできるの!」 「えー、今からゆっくりできるっての、オレが、それともわからないの? ゆっくりなのにこのゆっくりできる感じがやってくるのが」 「ゆ!」 れいむは困惑する。 ゆっくりであるれいむ達がゆっくりできる感じがやってくることが分からないはずがない、とれいむ達は思う。 しかし、実際れいむ達には全くそんなもの感じられない。 それでも、これを認めたら、れいむ達はゆっくりがわからないゆっくり扱いされてしまう。 そんな事は許されない。 しかし、わからない。 浅はかな赤ゆっくり達は、どうすればいいかと思い、思いつく。 「ゅ、ゆぅ、れいみゅわきゃったよ! ゆっくちできりゅきゃんじがきゅるよ!」 「ま、まりちゃもきゃんじだよ! きゅるよ! きゅるぅぅぅ!!」 「ゆ? ゆ? ゆ? ゆー、れ、れーみゅもわきゃるよ! ほんちょだよ! うしょちゅいてにゃいよ!!」 嘘をつくことだ。 赤ゆっくり達が知ったかぶりをする。 しかしそこは、思い込みの強いゆっくり、さらに赤ゆっくり達である、自分で着いた嘘をすぐに本当だと思いこむ。 嘘をついて、少しゆっくりできなくなった、だからゆっくりできる方法が本能的に思い浮かぶ。 見下すことはゆっくりできる、程度の低いゆっくりがよくやるゆっくりする方法を赤ゆっくり達は本能的にやってのけた。 標的はもちろん、未だ理解していないれいむだ。 「ゆ? おきゃーしゃん、わきゃらないの?」 「ゆぷぷ、こーんにゃにゆっくちできりゅのがくるにょにわきゃらないにゃんできゃわいしょーなんだじぇ!」 「ほんとうだにぇ! おおきゃわいしょうきゃわいしょう」 れいむにはまだ分からない、なにが来るのか未だ分からない。 嘘をつくのはゆっくりできない。 しかし、馬鹿にされるのはもっとゆっくりできない。 れいむは良く消化できないまま、嘘をつく。 「わ、わかるにきまってるでしょぉっぉぉぉぉ!!! わかるよ! れいむにもゆっくりできるかんじがくるよぉぉお!!! びっぐうぇーぶさんだよぉぉお!! ゆほぉぉぉぉ!!!」 馬鹿である。 真なる馬鹿とは、何もわからないことではなく。 わからないモノを認めない、そしてそのことを改めないモノだろう。 「おー、わかってくれたか、ほら来る来る、もう来るぞ、今来るぞ」 「ゆ! ゆ! ゆ! ゆ!」 「ゆっ~~~~!!!」 「ゆっきゅりできりゅんだじぇ!」 「ゆぅ~~」 馬鹿は馬鹿らしく、とにかくその場に合わせるべく、テンションを上げるれいむ達。 「来た来た来たー」 「ゆー!」 「「「ゆぅーーーー!!!」」」 ゴウと、轟音とともに一陣の風が吹く。 その風に騒いでいたれいむ達が収まる。 そして男の声が聞こえる。 「はー、そこそこゆっくりできたわ、じゃな」 そう言うと、男は少しばかり足取りを軽くして、その場から立ち去った。 「???」 最後まで訳が分からない男だったとれいむは思う。 思わず男の後を追うことすら忘れてしまった。 消えない疑問をそのままに、れいむはこのわけのわからない感じを打ち消すべく、自分のかわいい子供たちを見ようとする。 「ゆぅ、まったくゆっくりしてないにんげんだね、おち……」 そこに見たモノは。 飛び散った餡子と、そこに残るタイヤの跡、そして、その餡子の上には紛れもない、れいむの子供であった証であるお飾りがポツンと残っていた。 「お゛、お゛、お゛ぢびぢゃぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁあっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」 そこに残ったのは、しんぐるまざーでも何でもない、ただの動く、ゴミ以下の存在だけだ。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛~、ごれじゃ、でいぶゆっぐりでぎないよぉぉぉぉ」 れいむを汚らしく涙を流しながら赤ゆっくり達の死骸に這いよる。 「おぢびぢゃんが、おぢびぢゃんだぢがいないど、でいぶ、でいぶじんぐるまざーじゃなぐなっぢゃうでじょぉぉぉぉ!!」 が、あくまで自分の為であった。 勝手に死んでしまった自分の子供にれいむは怒りをあらわにする。 「ゆぎぎぎぎぎっ! このげすっ! おやふこう! やくたたず!」 怒鳴るだけでは飽き足らす、れいむは死骸を踏み付ける。 既にほぼ平面になっている赤ゆっくりの死骸の餡子を撒き散らす。 何度も何度も踏みつけ。 「ゆふー! ゆふー! まったくげすなちびたちだったよ! こんどはもっとゆっくりできるおちびちゃんをうむよ!」 荒い息を吐きながら、最低の決意を口にする。 「ゆふぅ、ちょっとうごいたらつかれちゃったよ! ゆふぅー」 そう一息つき、隣を見ると。 「ゆ゛っ゛」 黒いタイヤが通過した。 最後にそこに残ったのは、シングルマザーでもなくなり、動かない、ゴミ以下以上にカスの様な存在だけだった。 anko1083 サンプル anko1097 暗く湿った穴の中 anko1308 すろーりぃな作戦 anko1394 投げた! anko1425 声 anko1477 さよなら生物 anko1503 山彦恋慕 anko1632 親の脛かじり anko1739 楽しい朝餉 anko1823 梅雨が来て、人が来て anko1879 飼い(仮)ゆっくり 子れいむ anko1890 一緒に遊ぼう anko2053 ゆっくり地獄鍋 anko2216 真夏のオアシス anko2291 一番ゆっくりしてるのは anko2313 エチケット糞袋 anko2471 甘い言葉 anko2574 戦い方を教えてみたり anko2771 シャボン玉とゆん生 20作目です。 では、最後まで見ていただけたら幸いです。 大きく振りかぶったあき 挿絵:○○あき
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9作目 希少種愛でです。 やまめあき(仮)様の『anko1294 益虫? 害虫?』と ぬちょぬちょあき様の『anko1399 キノコ狩りのゆっくり、スパイヤーマッ!』の やまめを参考にさせていただきました。 木漏れ日があふれる森の中を私を歩いている。 森の中から不快感を与えるゆっくりたちのおうたやら叫び声は聞こえず 風で木々の枝や葉がこすれる音や鳥の鳴き声しか聞こえてこない。 本来なら実に良いことだが今の私にはそれが少し残念であった。 なぜなら、今日私が森へ来たのは、前日に仕掛けたゆっくり用の罠を確認するためだ。 つまり、ゆっくりの叫び声が聞こえないということは、仕掛けた罠にゆっくりが かかっていない可能性が高いと言うことだからだ。 「ゆんやー!!」 おや、私が仕掛けた罠のある方向から不愉快な叫び声が聞こえる、十中八九ゆっくりだろう。 もしかしたら、私の仕掛けた罠に掛かったのかもしれない。 私は少し歩を早め叫び声のした方向へ向かった。 「ゆあー!!だれかれいむをたすけてーー!!」 森の中を進んだ私は大きな木が生えた開けた場所に出た。 そこには一匹のゆっくりれいむが動けないでいた。 しかし、私が仕掛けた罠に掛かって動けなくなったわけではないようだ。 「ゆゆ!にんげんさんいいところにきたよ!かわいいれいむがこまってるよ! ゆっくりしてないではやくれいむをたくすけてね!」 私の存在に気がついたれいむが助けを求めるがそれを無視してれいむの底部を観察する。 れいむの底部には白い鳥もちのようなものがくっ付いていた。 それが原因で動けないのだろう。 「これはいったい・・・」 「やーーーーやままままーーーー♪やままままーーーーやままままーーーーやまっ!! やままままーーー!」 「ゆっ!!」 「なんだ!?」 突如、近に生えていた大きな木の上から糸につり下がりながら逆さまの体制で オ○ラ座の怪人ぽい歌を歌いながらゆっくりやまめが降りてきた。 「やーまーめ♪やーまめー♪やーまーめだ~~~!」 「そうだな・・・」 「やーまーめ♪やーまめー♪やーまーめだ~~~!」 「ゆううう?」 「・・・・・」 「やーまーめ♪やーーまめーー♪やーまーめだ~~~~!!」 「しつこいな。」 「やっ!!まーーーーめってらかわゆすな~~~~!!」 「自画自賛!?」 「やーまーめ~~」 やまめの予想外な登場の仕方に私は唖然としてしまった。 れいむも自分が罠に掛かっているのも忘れて呆然としている。 「ゆっくりしていきたまえせいねんっ!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ああ、そうさせてもらうよ・・。」 私にあいさつをしてくるやまめ。 ついでにれいむがやまめのあいさつに反応している。 「とつぜんだがせいねん、そのれいむはせいねんのかぞくかね?」 「いいや、赤の他ゆんだ。」 「では、やまめがそのれいむをむーしゃむーしゃしてもいいのかね?」 「どうぞ、心ゆくまで食べちゃってください。」 「どうしてそうなるのーーー!!」 「スパイヤーマ!」 「ゆんやーーー!!!」 こうして私とやまめは出会い、れいむはむーしゃむーしゃされた。 突然だが、私はしばらくこのやまめを観察することにした。 理由は、捕食種であるやまめを観察していれば 何か新しい罠のアイディアを思いつくかもしれないと思ったからだ。 まあ、他にも理由はあるのだが・・・ とにかく、私はやまめの観察を始めた。 そうして、やまめを観察していて気づいたのだが、 やまめは狩りの方法が複数あるようで状況に応じてそれを使い分けているようだ。 以下、私が確認することができたやまめの狩りの方法を紹介しよう。 1.釣り上げ型 今、やまめが木の上から下を覗いている 「いい、おちびちゃんたち、いまからおとうさんのいうことをしっかりきいてね。」 「「しっかりきくよ!!」」 そこへ赤れいむと赤まりさの二匹を連れた親まりさが通りかかった。 「ユパイダーストリーム!!」 それを見るや、やまめは口から糸を吐き出し赤れいむをそれで釣り上げた。 「まず、おそとはおうちのなかとはちがってとっても ゆっくりできないところだよ。」 「ゆう~♪おちょらをちょんでりゅみちゃあい♪」 「ゆっ?おにぇえちゃん?」 「なさけようしゃのないゆっくり!スパイヤーマ!」 「ゆぴっ!」 「おにぇえちゃぁぁぁん!!」 「ゆっくりできないにんげんさんやどうぶつさんたちが・・・」 赤れいむを釣り上げたやまめは素早く赤れいむに噛みついた。 そうして赤れいむの体に麻痺毒を流し込み仮死状態にした後 防水性のある糸で赤れいむの全身を包み込み糸玉にした。 こうすることで梅雨や冬などの獲物が居ない時や まともに外に出られない時の保存食とするのだ。 ちなみに親まりさはそれに気がついていない。 それどころかすぐそばにいる私にも気づいていない。 「ゆわー!!おにぇえちゃんが!!」 「ユパイダーストリーム!!」 「ゆわー!!・・おちょらをちょんでりゅみちゃあい♪」 「スパイヤーマ!」 「ゆぽっ!」 「だから、つねにまわりにきをつけて・・・」 さらにやまめは赤まりさも捕まえ赤れいむと同じ処置を施す。 親まりさはまだ気がついていない。 「ゆっ?ゆわー!!にんげんさんだーー!!」 親まりさが私の存在に気づいた。 もっと先に気づくべきことがあると思うのだが・・・ 「おちびちゃんたちはまりさがまも・・・ どうしておちびちゃんたちがいないのぉぉぉ!?」 ようやく気づいたか。 「このくそじじいぃぃぃ!!おちびちゃんたちをかえせーーー!!」 あろう事か私が子供たちをどうかしたと思ったようだ。とんだ濡れ衣だ。 しかしこのまりさ、赤ゆ言葉すら抜けていない子供たちを 外に連れて出るとは警戒心があまりにもない。 現に、後ろから忍び寄っているやまめにまったく気づいていない。 「いうこときかないと、むれいちばんのかりのたつじんである まりさがせいっ「ヤーマ!」ゆぷっ!」 親まりさも子どもたちと同じ結果になった。 2.蜘蛛の巣型 名前からおおよその想像がつくと思うが この方法は木の枝と枝の間に蜘蛛の巣状に糸を張り虫や 飛行するゆっくりが掛かるのを待つというモノだ。 「うーうー!しね!!しね!!」 今、一匹のゆっくりふらんが糸に掛かっている。 そこへ、ふらんの頭上からやまめが糸につり下がりながら 逆さまの体制でふらんに近づいていく。 「スパイッヤッマ~♪スパイッヤッマ~♪」 「うーー!しね!!しね!!」 危険を察し罠から脱出しよう暴れるふらん。 しかし、逃げられなかった。 「マーベラー!」 「しねっ!!」 やまめがふらんに噛みつき、その後糸に包み込んだ。 こうしてふらんは糸玉になった。 3.ホイホイ型 最初に私がやまめに出会った際にれいむが掛かっていたのがこれだ。 その際、れいむの底部に鳥もちのようなものが付いていたのを覚えておいでだろうか。 実はあれ、やまめのうんうんなのだ。 しかし、普通のうんうんとは異なり粘着性がとても高く、 また、ゆっくりが好む臭いつまり甘い香りを発するのだ。 さっそくやまめが例のうんうんをしようとしている。 「うんうんするゆっくり!スパイ・・・」 おや、やまめが突然うんうんをするのをやめてしまった。 いったいどうしたのだろう? 「みないでくれせいめんっ!はずかしい・・・」 「おっと、これは失礼した。」 急いで私はやまめに背を向けた。 どうやら私に見られながらするのが恥ずかしかったようだ。 いつもの凛々しい姿とは違い顔を赤らめもじもじとしていた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ!とかいはなかおりがするわ!」 そうこうして、排出されたうんうんの臭いに誘われ一匹のゆっくりありすがやって来た。 ありすがうんうんを見つけ近づく。 「これからとかいはなかおりがするのね。なんだかおいしそうだわ。 とかいはなありすがむーしゃむーしゃしてあげるわね。 むーしゃ・・なにこれーーー!!」 ありすはうんうんを食べようとしたが粘着性の高い うんうんが張り付いてしまい動けなくなってしまった。 「なんなのこれーー!!はなれなさい!このいなかものーー!!」 「スパイッヤッマ~♪スパイッヤッマ~♪」 うんうんに悪態をつきながら脱出しようとするありす。 そのありすへ近づいていくやまめ。 ありすがやまめに気づく。 「ゆっ!ちょうどよかったわ!とかいはなありすをたすけてちょうだい!」 「なさけようしゃのないゆっくり!スパイヤーマ!」 「とかいはっ!!」 ありすは糸玉になった。 以上が私が目撃したやまめの狩りの方法だ。 もしかしたらまだ他にもあるのかもしれない。 そうして、いつものように私がやまめを観察していたある日の事・・・ 「くそにんげんはさっさとドスのむれのこたちをかえせ!」 「はっ?何の事だね?」 一匹のドスまりさが私にからんできた。 場所は私とやまめが出会った森の大きな木が生えた開けた場所(実はここの木の上ににやまめの巣がある)。 「とぼけてもむだだよ!!さいきんドスのむれのこたちがたくさん ここらへんでゆくえふめいになってるんだよ!! そして、おなじじきにいなくなったこたちがいたあたりをくそにんげんが うろついてるのをむれのほかのこたちがみてるんだよ! つまり、くそにんげんがみんなをゆーかいしたはんにんさんってことだよ!」 「ふ~~ん、ところで、他の群れの連中はどこ? ここにいるのは君だけみたいだけど。」 「みんなにはおうちでおるすばんしてもらってるよ! そんなことはどうでもいいからいなくなったこたちをさっさとかえせ!」 なるほど、話がだいたいわかった。 どうやら今までやまめが襲っていたゆっくりのほとんどは このドスの群れのものたちだったようだ。 「なにしてるの!!はやくしろ!!」 そして、仲間が次々いなくなっていくことを重く見たドスが消えた仲間達が 最後に目撃されたところを探しに来たというわけだ。 「むしするな!!このくそにんげん!!」 その際に、群れの誰かがいなくなった連中が最後にいたあたりに 人間つまり私がいたことを目撃したとでもドスに教えたのだろう。 「いいかげんにしろ!!このくそにんげん!! ドスをむしするくそにんげんにはドススパークだよ!! おぶつはしょうどくだよ!!!」 何やらドスがかってにキレている。 短気な奴だ。 それはそうとさっきからくそ人間くそ人間と鬱陶しい。 ・・・・さっさと殴り殺すか。 私がそう思っている間にドスがドススパークを撃とうとキノコを口に放り込む。 「ドススぐぎゅえ!!ゆぎゅうえぇぇぇ!!」」 ドススパークを撃とうとしたドスが突然餡子を吐き出し苦しみだした。 理由はだいたい予想がつく。 「どうじでドズスパーグが出ばいのぉぉぉ!!」 「ハッハッハッハ!どくキノコとすりかえておいたのさ!」 ドススパークが撃てないことに困惑するドス。 そこへ木の上からやまめが降りてくる。 「ゆあああ!!ドスのおぼうしとキノコさんがあぁぁ!! かえせえええ!!」 「きのこがりのゆっくり!スパイヤーマ!」 やまめの口にはドスの帽子とキノコが糸でひとまとめにくっつけられて咥えられていた。 実は、ドスと私が話をしている間にやまめがドスの帽子の中へ入り込み 帽子とキノコを糸にくっつけた後糸で帽子をつり上げ奪い取ったのだ。 その代わりにドスがドススパークを撃とうとした時に ドスの舌に直接毒キノコを渡したのだ。 そのことに気づかずドスは毒キノコを 口に放り込んでしまったため餡子を吐くこととなった。 ちゃんと確認すれば良いものを・・・ もちろんドスと向かい合って話をしていた私には丸わかりだった。 「さて、どうすかねドス?降参するかい? それとも見下していたくそ人間に背を向けて無様に逃げるかい?」 私はここぞとばかりにドスを挑発する。 「ゆがあぁぁぁ!!ちょうしにのるなくそにんげん!!」 案の定安い挑発に乗ってドスが私に突進してくる。 ・・・・掛かった。 「ゆっ!?ゆぎゃあああ!!」 突如、ドスの足下に穴が開きドスは叫び声を上げ穴に落ちた。 「ゆぎゃああ!!ドスのあんよさんがあああ!!」 さらにドスの足下には鋭く尖った木の枝がいくつも突き刺さる。 実はこの穴、私がこのドスのために事前に付くっておいたものだ。 何故、そのようなことができたかというとそもそも私がこの森にやってきた 目的がこのドスまりさを狩ることだったのだ。 実は私、ゆっくり研究所というところの研究員で、今度うちの研究所で 作られた改造ゆっくりを使ってこの森のゆっくりの群れを駆除することとなったのだ。 その際、ドスがいるとちょっと邪魔だというので 事前にドスは殺ってしまおうとなったのだ。 しかし、普通にドスを駆除すると他のゆっくりたちが 人間を恐れて群れを捨て逃げ出すかもしれないという可能性があり。 そのため、他のゆっくりたちにドスが人間にやられたと できるだけ分からないようにドスを駆除するため、 罠でゆっくりを駆除するのが得意な私に白羽の矢が立ったわけだ。 こうして、ドスを駆除することになった私はひとまず森に罠を張り その次の日にその罠を確認しにいったところでやまめに出会ったわけだ。 そして、やまめに出会った私はやまめを利用することを思いついた。 それは、やまめにドスの群れのゆっくりを襲わせドスをおびき寄せるというものだ。 好都合な事にやまめはあまり動き回らず、巣がある大きな木の周りを通る ゆっくりだけを狩っていたため、木の周囲に罠を仕掛けるだけですんだ。 もっとも最後はやまめの観察に夢中になっていたが・・・ 以上の理由で私は落とし穴を事前に用意することができたのである。 「ゆぐうああああ!!しね!!しね!!ドスにひどいことした やまめとくそにんげんはしねえええ!!」 ドスがまだ喚いている。 そんなドスに私は持ってきていた液体燃料を掛ける。 「ゆぐえ!なにこのおみずさんぬるぬるして くさいよおお!!」 そうして、同じく持ってきていたライターを点火する。 「このくそにんげえええんどすになにするつもりだ!!」 「何って、さっき君が言っていたじゃないか。」 「ゆっ!!」 「汚物は消毒だ。」 「すまなかった!せいねんっ!」 ドスを焼き饅頭にした後やまめが私に謝ってきた。 「どうしたんだい突然?」 「やまめがげいいんであやうくせいねんを きけんなめにあわせるところだった。」 「ああ、その事かい、気にしなくていいよ。」 私もやまめを利用していたしお互い様だ。 「それよりもやまめ、君に伝えておきたいことがあるんだ。」 「なんだねせいねん?まさか!!」 私が何か伝えようとしていることに何か気づいたのか やまめが驚愕し目を見開く。 「まっ、まってくれせいねんっ!!やまめはスパイヤーマで せいねんはにんげんさんだ!!しゅぞくがちがう!! ・・しかし、せいねんがそこまで・・・」 「まってくれやまめ、君は何か勘違いをしている。」 何故か、顔を真っ赤にして慌てふためき訳の分からないことを言うやまめ。 「よく聞いてくれやまめ、実は近いうちにこの森で ゆっくりの駆除が行われるんだ。」 「やっ!!」 「君は希少種だから駆除されることはないと思うが、 その代わり君は研究所に連れて行かれると思う。 私としては君にそんなところに行ってほしくない。 だから、もし君さえ良ければ私の飼いゆっくりになってくれないかい?」 「せいねん・・・」 見つめ合う私とやまめ。 しばらく見つめ合ったあとやまめが言った。 「わかったせいねん!これからよろしくたのむ!」 「ああ、よろしくやまめ。」 こうしてやまめは私と暮らすこととなった。 春の風が私たちの頬を優しくなでた。 完 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以前書いたもの anko1354 捨てゆを拾ってみた anko1358 焼き芋を買ってみた anko1366 ゆ虐戦隊!!ヒャハレンジャー!!! anko1377 みんなのうた 大きなドスまりさ anko1386 ごめんなさい anko1398 カスタードキムチ鍋 anko1405 ぜんこーしてみた anko1417 みんなのうた むらむら
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俺は銀バッチれいむを飼っている。 決して血統書付きでもないし、芸ができるわけでもないただのれいむだ。 でも赤ゆの頃から愛情をたっぷり注いでいるし、俺にとっては家族も同然だ。 その甲斐あってか実にゆっくりしたゆっくりに成長していた。 そんなある日の夕方。 いつものようにれいむを散歩させるため声をかける。 「おーい、れいむ散歩行くぞー」 「ゆっ、おにいさん!ゆっくりまってね!」 足早にれいむが駆け寄ってきた。 「ほら、これを見てごらん」 俺は足元に置いてある『それ』を指し示す。 「ゆ?おにいさんこれなあに?」 俺の足元にある物体に不思議そうな顔をするれいむ。 「ふっふっふ…最近めっきり暑くなっただろ? だからそんなれいむへプレゼントだ!」 俺の足元にあるこの物体。つい先日購入した『ゆっくりひんやりカートさん』という、 いわばゆっくり専用の冷房付き押し車だ。 元はスイカなどの保冷カートらしいが、それを着想に加工所で開発された新商品だ。 掃除機のような流線型の車体に、後部には空調とバッテリーのスペースがある。 また、頭部を覆うように作られた透明のフードと水筒に繋がった水分補給用のチューブ。 これなら時に70度を越す灼熱のアスファルトや突然のにわか雨に臆することなく、 心ゆくまで散歩を満喫できる。 ゆっくりにとってまさに夢のような商品だ。 さて、始めこそ訝しげな顔をしていたれいむだったが、 乗り込んでしばらくするとはじけるような笑顔で喜んでくれた。 「ゆわーい!これならあつあつさんもへいきだよう! おにいさんありがとう!」 すいーの要領で動き回るれいむ。 ああ可愛いよれいむ…。 そんなこんなでれいむがカートに慣れたところで、早速散歩に出発だ。 今年の夏は梅雨明けからいきなりの猛暑日を記録し、夕方でもうだるような暑さだ。 日陰や水分を確保できずに枯れ死んでいるゆっくりが街のあちこちで見かけられた。 そんな中俺のれいむはいたって元気にすいーを乗り回している。 「れいむー、あんまりお兄さんから離れちゃダメだぞー」 「ゆうう、わかってるよおにいさん!」 一応人間が手押しする為の手すりもあるが、台座と車輪さえあればなぜか自走するゆっくりだ。 あんまり離れないようにとだけ言って、ついて来させることにした。 総重量10キロオーバーを押すのも楽ではないし、飼い主にとって一石二鳥だ。 そんなこんなで、比較的大きな公園にやってきた。 行楽シーズンには結構な人がくるのだが、あまりに暑いからか人影はなかった。 一通り公園の散策路を一巡したが、聞こえてくるのはセミの忙しい鳴き声だけ。 そうしてしばらくすると、テニスコートが二つほど入りそうな広場に出た。 「ゆっ、おにいさん。れいむぐーるぐーるしたいよ!」 「おう。お兄さんはここで座ってるから、見えなくなるまで遠くに行っちゃダメだよ」 「ありがとうおにいさん!れいむぐーるぐーるするよ!」 眉をキリッと上げて広場をグルグル回りだした。 ふふっ、可愛いなあ。 しばらく様子を眺めていると、広場の反対側のベンチの前で停止した。 ちょっと心配なので様子を見に行く。 「れいむ?どうした?」 「ゆ?おにいさん。ゆっくりがれいむにたすけてっていってるよ」 ベンチの下に視線を向けると、成体のまりさとれいむ、子供のまりさとれいむがいた。 皆肌に艶がなく目の周りは黒くくすんでいる。明らかに脱水症状だ。 「ゆ…?にんげんさん?まりさだちをだすげでくだざいいい。 のどがからからでしんでじまいぞうなんでずううう…」 「れいむのかわいいおじびぢゃんがくるしんでるんでずううう… おねばいでずがらおみずをぐだざいいい…」 「ゆぎゅ…おみじゅ…おみじゅ…」 「あづいのじぇ…あづいのじぇえ…」 必死に救いを求める親に朦朧としているのか、 うわごとのように単調な台詞を繰り返す子ゆっくり。 子ゆっくりに至っては栄養状態に乏しいのか、まだ赤ゆ語が抜けていない。 これでは蟻の餌になるのは時間の問題だ。 しかし、夏になれば掃いて捨てるほど見かける光景。 いちいち手を貸す道理はない。 「はあ?バカかお前ら。お前らのようなクズがなんで人間様に物乞いしてるワケ? 黙ってさっさとくたばっちまえ」 「「「「どぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおっっ!!!!」」」」 お決まりのテンプレを返す泥饅頭たち。 「れいみゅおこっちゃよ!ぷきゅゅうしゅるよ!ぷきゅうううう!」 怒りに任せて子れいむがぷくーをした。 途端口の端が裂けた。水分が不足してカサカサになっていたのだろう。 「ゆっ?ゆぎゃあああああ!いじゃいいいいいっ!」 粘り気のあるしーしー垂れ流し号泣する子れいむ。 さすがの俺もその一連の流れにビキッた。 「ふざけんなこの自滅饅頭!餡子散らして死ね!」 足を上げて子れいむを踏み抜こうとしたその時。 「やめてね!おにいさん!」 俺のれいむが止めに入った。 「のらのゆっくりはゆっくりできないよ!でもそんなことするのはもっとゆっくりできないよ! おにいさんれいむたちをたすけてあげてね!れいむからもおねがいだよ!」 目をうるうるさせて助けを乞うれいむ。 …お前にそんな目されちゃ断れないじゃないか! 腹立たしいが野良たちに予備のオレンジジュースをぶっかけてやる。 子ゆっくりの傷も治り、たちまちのうちに一家に生気が蘇った。 「ありがとうございばず!おにいさん!」 「おちびちゃんたちいいいっ!よかったよおおおおおおっ!」 「あまあまー!しゃあわしぇー!」 「ゆっきゅりちゅめたいよっ!ゆっきゅりー!」 「ゆふふ、よかったねみんな」 優しい笑顔でほほえみ返す俺のれいむ。 やっぱりお前は天使だ、マジ天使…。 しかし、野良ゆっくりごときにいつまでも構ってる訳にはいかない。 可愛い俺のれいむが糞餡子脳で汚れるからな。 「ほら、れいむ。こいつらも元気になったみたいだし、そろそろ行こうか」 俺はれいむを促した。 「ゆっ、おにいさん。もうすこしまりさたちとあそびたいよ…」 うる目で催促するれいむ。 「いや…でもな…」 「……だめ?(超うる目)」 「むはぁっ!可愛いよ!可愛いよううっ!はううっ! 仕方ないなぁっ!ちょっとだけだぞちょっとだけえっ!」 れいむのエンジェルスマイルにすっかりやられてしまった。 俺もちょうど喉が乾いたので、そこから離れないように言いつけて、 少し離れたトイレと自販機のある休憩スペースに向かった。 「ゆふ、よかったね!」 銀れいむは一命を取り留めた一家に声をかける。 「おい!」 そこへまりさが切り出した。 「おまえがのってるすいーはなんなのぜ!」 「ゆ?これはおにいさんがくれたすいーだよ! あめさんにもあつあつさんもへっちゃらーなんだよっ!ごくごくさんもあるんだよ!」 「なにいってるのおおおおおおおっっ! なんでれいむなんかがそんなぜいたくしてるのおおおおおおおっっ! おかしいでしょおおおおおっ!」 「くしょごみ!まりしゃさまにすいーをよこすのじぇっ!」 「はやきゅすいーをよこちぇ!くしょれいみゅ!」 「ゆゆっ?どうしたのみんな?なんだかゆっくりしてないよ?」 いきなり手のひらを返したまりさ一家に戸惑う銀れいむ。 「うるさいのぜええええっ!これはにんげんにたすけられるえらばれたまりささまにふさわしんだぜえええっ! はやくおりるんだぜえええっ!」 涎を撒き散らし吠えるまりさ。 「そうよほおおおおおっ!れいむはしんぐるまざーなのよ!かわいそうなのよおおお!」 勝手に家族が死んだことになったれいむ。 「ばきゃなの!しにゅの?」 「ゆぴいいい!しーしーかけてやるのじぇっ!くじゅれいみゅ!」 負けじとばかりと子ゆっくりも罵声を浴びせ始めた。 「ゆゆっ!やめてね?みんなでなかよくしようね?おにいさんがみたらおこるよ?」 「うるさいのぜええええっ!ばやくおりろおおおおおおっ!」 ぽよんぽよんとまりさが体当たりを始めた。 残る家族もそれに続く。 「やめてね?やめてね?ゆうううう…」 カートに守られダメージこそゼロだが、一家の鬼のような形相で当たり狂う姿にすっかり怯えてしまったれいむ。 逃げ出すことも忘れてカートの中でうずくまってしまった。 ぶつかり、のしかかり、ゆすり、フードにへばりつき悪態をわめき散らす。 次第に家族全員がフードに密着した。 「「「「はああやああああくおおおりいいいろおおおおっっ!!!」」」」 おしくら饅頭状態で顔を醜く変形させ視界一杯にむき出しの敵意。 銀れいむはパニックになった。 「ゆっくり♯Ρ¢&=@ゝлふじこ!!」 制御不能となったすいーが凄まじい勢いで加速した。 同時に投げ足される野良一家。 「ゆべっ!くそれいむうううっ!なにするんだぜええええっ!」 「ゆがあっ!しんぐるまざーにはやさしくしないとだめでしょおおおおおっ!?」 「はやきゅあやまりぇ!くしょごみ!あとあまあまちょうぢゃいね!たくしゃんでいいよ!」 「びちぐしょでいぶはゆっきゅりしなゃいであやまりゅんだじぇっ!ゆ…?」 振り落とされ喚く一家に暴走した銀れいむが突っ込んできた。 「ゆゆ!とまりゅんだぶじょっ!」 「こっちぐるなあああっ!…おそらをっ!」 第一撃で子まりさは潰れ、親れいむはきりもみ回転しながら空中に餡子を四散させた。 「ゆああああああっ!ごっぢぐるなあああああっ!ばりざなんにもわるいごおそらをっ!」 ふらふらと不規則な暴走を続ける銀れいむ。次の犠牲者はまりさだった。 きりもみ回転をして公園の端のフェンス、その先は急な坂へとダイブしていった。 「ゆんやああああああっ!ゆんやああああああっ!」 残された子れいむは泣き叫びながら、フェンスへ向かって全力でダッシュした。 フェンスをくぐれば追ってこれない、子ゆっくりのとっさの判断としては非常に優秀だったが… フェンスを超えた辺りで餌食となった。 器用にも広場の隅…フェンスのわずかに切れている箇所からくぐり抜けた銀れいむが、 カーブを描きながら突っ込んできたのだ。 「ゆぐびぇっ!おしょらを…」 潰れながらもご丁寧に『おそらをとんでるみたい!』宣言する子れいむを道連れに、 カートに乗った銀れいむは半ば墜落するように急な坂を転がり落ちていった。 「………なんだこれは…」 数分後休憩を終えて戻ってきた俺の眼前には、なんとも理解しがたい光景があった。 先ほどれいむにせがまれて助けてやったゆっくり…のうち二匹が餡子を散乱させ潰れている。 よく見ると子供の方は車輪で潰されたような跡がある。 そしてそんなことより愛しの銀れいむがいない。 俺は必死になって探した。 公園の草むらやベンチの裏、フェンス越しの危険な坂も。 しかし日没まで探しても見つからずその日は泣く泣く家路についたのだった。 次の日もその次の日も。 俺は有給を全て消化しれいむの捜索に費やした。 30度半ばの酷暑も構わず全身汗まみれになりながら懸命に探した。 そして3日後坂の下の生い茂った雑木林でようやく見つけることができた。 無残にも原型をほとんど留めていない体、 そして蟻が群がっている中に俺のれいむの銀バッチがあった。 ひとしきり泣いた後カートも探したが、結局見つからなかった。 結局銀れいむはカートと共に命を散らしてしまったのだ。 あの時目を離さなければ…。 そう思うと自分の軽率さに胸を締め付けられる思いだ。。 しかし悔やんだ所で可愛い俺のれいむは帰ってこない。 どんな理由であろうと死なせてしまったのには、少なからず命を預っている飼い主に責任がある。 生き物を飼うということは、そういうことなのだ。 「ごめんね…れいむ…」 自宅の庭に作ったれいむの墓。 今日もそこに手を合わせる。 焼け付くような暑さにも構わず毎日毎日。 それが俺にできるれいむへの唯一の贖罪なのだから。 街を一望するようなロケーションにある市民公園。 その公園の坂の下には市有林があった。 年に数回市職員や委託を受けた加工所の職員が訪れるだけで、一般の出入りは全くない場所。 そこは都会に生きるゆっくりにとって、数少ないオアシスだった。 「ゆっくりーのひー♪まったりーのひー♪」 野良ゆにしてはお気楽な歌を歌い、まりさは日課の狩りに勤しんでいた。 「ゆっくりありすはれいぱーだー♪ぺにぺにびんび…ゆ?」 「…ゆんやあああああああっ!」 突如虚空から叫び声がする。 「ゆ?ゆ?ゆうううううっ!?」 まりさが見上げた視線の先には、白く光る物体が降ってきた。 「ゆうう…、なんなんだぜいったい…」 間一髪直撃をまぬがれたまりさ。 縮こまっていた体を起こし周りを観察する。 「ゆう?これは…」 まりさの視線の先には白く光るすいーが横たわっていた。 まりさはふらふらとすいーに近づいていった。 後にこのすいーを巡ってゆっくり同士の争いが起きたり起きなかったり。 だがそれはまた別のお話。 あとがき ふたばに出てたスイカの保冷器を見て触発された…ただそれだけですはい。 過去書いたもの anko1714 『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 前編 anko1715 『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編 anko1783 飼いゆでも anko1819 セミナー anko1866 自分の意思で
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『プッツン』 6KB 虐待 小ネタ 現代 マイルド 2作目です 注意 SS書き初心者です 小ネタです ちょっとHENTAI?具体的な行為の描写はありませんが…… 過去作 anko4470 ハロウィンの夜に ↑お読みくださったらお進みください↓ 『プッツン』 今日も今日とて、紅茶がうまい。 俺は家の縁側に腰掛け、加工所謹製セイユンティー(ひまわり風味)を茶請けの菓子と共にちびちび飲んでいる。 高濃度に凝縮された原液をお湯と1:2の割合で混ぜて飲むこの一品。 その甘酸っぱくもどことなく切ない味は、世を忍ぶ紳士たちに大評判であるらしい。 友人の薦めで飲んでみた俺も、すっかりこの味の虜になってしまった。 今では彼に頼って定期的に買い付けてもらっている。 あ、お菓子がなくなっt「ゆっくりしていってね!!」…… と。 一人きりのティータイムを愉しむ俺の耳に、なにかが聞こえた。 「ゆっくりしていってね!!」「いってね!!」 見れば、俺の視線の先にゆっくりれいむ・まりさのコンビがいた。 ナマクビどもは腹の底から滲み出るような邪悪な笑みを浮かべ、俺を見ていた。 「「ゆっくり!して!いってね!!」」 一音一音、その音を出すのが至上のゆっくりであるかのようにナマクビどもは叫んだ。 まったく、騒々しい。なんだってこいつらは俺にとっかかるんだ。 ロクに紅茶も飲めねえじゃねえか……。 額に青筋の立つのを感じつつも、俺は努めて冷静に応対しようとした。 「はいはい、わあったから黙れ」 反応が返ってきて饅頭どもは一瞬目を「キョトン」とさせた。 が、すぐに口元のうすら笑いをさらに醜悪にし、醜いアヒルの子を見るような目で俺を見た。 「ゆぷぷ、ようやくっ、ぷぷっ、へんじをしたね、へんたいさん!!」 「れいむたちにかまわず、ぷぷぷっ、つづけていいのよ?」 俺は茫然とした。 何がおかしくて出会いがしらに不思議饅頭どもからHENTAI認定されねばならんのだ。 はやる気持ちを右手に携えたセイユンティーで抑えつつ、とりあえず話を続けることにした。 「はあ?何言ってんだお前ら」 「ゆぷぷ……ふう。じぶんがやっていることもわからないんだね!」 「まりさ、きっとこのにんげんはへんたいのみちにみいられたあわれなおとこなんだよ! だかられいむたちでゆっくりみまもってあげようね!!」 「そうだねれいむ、そのほうがゆっくりできるのぜ!」 「「ねえぇ~~~!!」」 わけがわからない。 ええい、面倒くさい。さっさとお帰り願おう。 いつもなら俺の鋼の両腕でボコボコにしてやるんだが……。 今、俺はこのとてつもなくゆっくりした庭でゆっくりしたいんだ。 平常心を保て、俺。こいつらごときに俺の時間を乱されはしない。 「……なんだ?あまあまか?」 「ゆ!あまあま!?ほしいのぜ!!」 「へんたいのにんげんはさっさとれいむたちにあまあまをよこしてね!めがっもりでいいよ!!!」 勢いで言ってみたが、そういえば固形の菓子は食いきったんだっけ。 たしか残りが戸棚に……。 とりあえず俺は手近のあまあま、さっきまで飲んでいたセイユンティーを、 お菓子を入れていた皿に注ぎナマクビどもに差しだした。 「ほら、これでも飲んで待ってろ」 すると二体の饅頭はあからさまに嫌そうな顔をしだした。 「ゆゆ!!まりさにそういうしゅみはないのぜ!」 「なにやってんのおおこのくそじじいいいいいい!!!! それはあまあまじゃないでしょおおおおおおおお!!!??」 二体は後ずさりした。 「ハア?お前らこれは立派なあまあまだぞ。うめえぞ」 俺はそう言ってやった。 饅頭どもは、少しの間硬直し、途端にかわいそうなものでも見る目で俺を見つめ、それから大きな声で笑いはじめた。 「……ゆ、ゆっひゃっひゃひゃひゃひゃ!!!くそじじいのみかくはえいえんにゆっくりしてしまったのぜ!! あわれすぎてことばもでねえのぜ!! ひゃひゃっひゃっひゃひゃ!!!」 「ゆひーっゆひーっ!!くそじじいのつうっれつっ!なぎゃぐには、 さすがのれいむもほうっふくっぜっとうっ!!だよ!!!」 「れいむ、わ、わらいすぎてもいけないのぜ!! じじいは、もしかしたら、もしかしたら! し、しらないだけかもしれないのぜ!!」 「ええーっ!?し、しらないのぉー!!?? だって、おちびちゃんでもわかることなのに!!?? ゆっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!!」 俺はふつふつと心の奥から滾る何かを懸命に抑えていた。 おちつけ、おちつくんだ俺。 こんなおしゃべりクソ袋の戯言で怒るようじゃ、せっかくのティータイムが台無しになっちまう。 俺はこいつら如きに調子を乱したりはしないんだ。 絶対、絶対に……。 「まりさあ、それはないよお!!だって……」 「これがゆうかのしーしーだって、きづかないほうがおかしいよ!!!」 ……い、今、なんて? せ、セイユンティーが……、「ゆうかのしーしー」……? ・ ・・ ・・・ ――プッツン 「れいむ、さすがにいいすg「おどりゃあああああああああああああ!!!!!」 瞬間、俺は稲妻のごとく饅頭どもに駆けよる。 そして胸糞悪い帽子つき饅頭捕捉。その胴体を蹴り飛ばす。 力をつま先に集中。 当てるは鼻先。 狙うは生け垣。 俺の右足は、すこぶる調子が良かった。 「ぶべええええっまりさおぞらばびゃ」 ベッシャアアアアン、と植物の壁にぶち当たり、無数の葉や枝がその衝撃に拮抗。 結果、まりさの身体はバラバラに砕け、帽子のみが生け垣の手前に落ちた。 れいむは、ゆっくりにしてはめずらしく即座にまりさの惨状を認識したのか、すっと顔色が悪くなる。 「ゆ、ゆわわわあああああああまでぃざああああああああああ!!!」 まりさのもとに駆け付けようと、俺に背を向けぱすんぱすんと跳ねる。 俺はすぐにれいむの前方に回り込む。 「ゆゆあああ、じ、じじいいいい!!そこをd「俺はなあああ!!!!」 「ゆひいいいいっ!!!!」 突然の怒号にれいむは立ちすくんだ。 下部から液体がこぼれ出ている。 「俺はあ!!すっかり、忘れてたぜえええ!!!!」 頭から角が生えるんじゃないかというくらい顔面を歪ませ、憤怒の表情でれいむに拳を与えていく。 「数多の!!鬼意惨たちがッ!!」 ガスッ ガスッ 一撃、一撃。 その感触を味わい、その拳に確かに伝わる餡子の血潮を感じ、俺はまだまだ猛攻をやめない。 「その手に!!餡子を染めてきた!!先達たちがッッ!!」 「ぶべっ!!ばっ!!!がっ!!!ぎゃべ!!!!」 「俺にい!!教えてくれたことをおおおおお!!!」 バスン!!! 利き手である右手をれいむの左頬から振り抜いた。 俺の一番のフィニッシュブローだった。 その暴力はれいむに停止を許さない。 れいむもまた、先ほどのまりさと同じく、庭の生け垣目がけて一直線に飛んで行った。 「おぞばああああああがべえっっ!!!!!」 そして、これまたまりさと同じように鋭利な葉や武骨な枝によってその身が散開することとなった。 俺はフィニッシュを決めたフォームからしばらく動くことができなかった。 両手にはクソ饅頭どもの残骸。 体中から噴き出る汗。 視線の先には二つの餡子の花。 この庭には似つかわしくない。 そして、ふっと、緊張が解けたかのような感覚が全身を回る。 俺は、ゆっくりと、ゆっくりと右手を天に掲げる。 「ゆっくりを一目見たならばッ!!その時すでに行動は終わっているんだッ!」 その言葉は、俺の友人であり師匠である男の格言だった。 「……てか、このクッソきたねえ紅茶はあいつからの紹介だったな」 今度あのドHENTAI男に一撃くらわしてやろう。 俺は汚物を容れていた皿とティーカップを拾い上げ、即座にゴミ箱へ投げ捨てた。 蛇足 「ド直球」「スタンダード」「黄金の水」から着想を得て書きました 拙い文章ですが、読んで下さった皆様、ありがとうございます 真の紳士はセイユンティーを原液で飲むんですって、まあHENTAI 数多の先達の鬼意惨たちには頭の下がる思いです 良くも悪くも、何かコメント頂けたら幸いです