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LOG 1日目・1日目-2 2日目・2日目-2・2日目-3・2日目-4・2日目-5・2日目-6 報酬・Q A・報酬・Q A-2 ▼2日目-5 風の塔 <避難通路を進むと、係員による誘導のランプの光が見えた。その周りには他の避難者達の姿もある。> <避難者達は皆ざわざわと落ち着かないが、誘導する係員の姿もあり、全員が指示に従い風の塔内部から地上へ続く階段を上っていく。> KP(しこん):最後尾にいた皆さんも、階段を上るように指示されます。 宝条 豊(ミナカミ):「……よし、このまま、上って行けば……」 小鳩 アキ(二十日):「はあぁ……地上は安全、かな…」 鍵屋 怜(コトナ):「帰って、これたのか…?」 ハロルド(みちを):「真里亜、外に出られるよ」 <探索者達が階段を上っている最中、ふと横を見ると、地震でひび割れたのか外壁の一部がはがれ落ちていた。 はがれおちた場所には星を象った模様が刻まれているようだ。> 小鳩 アキ(二十日):「……??」星の模様見て KP(しこん):この模様に目星、アイデア、オカルトが振れます。 宝条 豊(ミナカミ):目星振ろうかな ハロルド(みちを):アイデアを。 鍵屋 怜(コトナ):アイディア振ってみようかな… 小鳩 アキ(二十日):じゃ目星いく 柏崎 真里亜(しこん):真里亜はオカルト振りましょう。 KP(しこん):では、皆さんどうぞ。 小鳩 アキ(二十日):そいえば唯一のオカルト持ちだったね… 宝条 豊(ミナカミ):1d100 =90 目星 Cthulhu :(1D100 =90) → 99 → 致命的失敗 小鳩 アキ(二十日):1d100 =80 目星 Cthulhu :(1D100 =80) → 2 → 決定的成功/スペシャル ハロルド(みちを):1d100 =85 アイデア Cthulhu :(1D100 =85) → 95 → 失敗 鍵屋 怜(コトナ):1d100 =55 アイディア Cthulhu :(1D100 =55) → 71 → 失敗 柏崎 真里亜(しこん):1d100 =30 オカルト Cthulhu :(1D100 =30) → 54 → 失敗 宝条 豊(ミナカミ):>>>オチた<<< ハロルド(みちを):くっそwwwwwww KP(しこん):おいオチ担当 小鳩 アキ(二十日):だから!!!オチを!!!!! 宝条 豊(ミナカミ):アキちゃん成功したからええねん 小鳩 アキ(二十日):そして2回目の目星クリティカル 鍵屋 怜(コトナ):ここでオチる宝条さん KP(しこん):ではアキちゃんの目星だけ成功ですね…うん…。 小鳩 アキ(二十日):アイデアも振れない…?(こじき) 宝条 豊(ミナカミ):スペシャルだし……ね? #チラッチラッ KP(しこん):いいですよ。>アイデア 小鳩 アキ(二十日):やった!オチで相殺されなかった!! 小鳩 アキ(二十日):1d100 =75 アイデア Cthulhu :(1D100 =75) → 90 → 失敗 KP(しこん):ワロタ ハロルド(みちを):oh… 鍵屋 怜(コトナ):oh… 小鳩 アキ(二十日):がッ…駄目ッッ…!! 鍵屋 怜(コトナ):しかたないよお… 宝条 豊(ミナカミ):くっそ 宝条で汚名返上してもいいです? ファンブルだしダメ? KP(しこん):宝条さんはファンブルなので…うん…(ほほえ) 宝条 豊(ミナカミ):はい(ほほえ) KP(しこん):代わりにハル君か先生、どちらか振り直ししていいですよ…? 鍵屋 怜(コトナ):じゃあ鍵屋がもう一回はどうかな??(チラッ 小鳩 アキ(二十日):KPのほほえ ハロルド(みちを):じゃあハロルドやる! ハロルド(みちを):どちらか、か。なら数値的に鍵屋先生に任せよう KP(しこん):>アイデア< ハロルド(みちを):アイデアならハロルドか 鍵屋 怜(コトナ):ハロルド君のがアイディア高いぞ!? どっちも振っちゃダメ?(チラッ #乞食 小鳩 アキ(二十日):なにげに一番高いからねハロルドさん KP(しこん):すいません片方だけで…(ほほえ) 鍵屋 怜(コトナ):でもどっちかならハロルドさんだよね!! ハロルド(みちを):1d100 =85 アイデア Cthulhu :(1D100 =85) → 7 → スペシャル ハロルド(みちを):おっ成功! 宝条 豊(ミナカミ):ヒューッ! KP(しこん):ファッ 小鳩 アキ(二十日):いい出目だーッ!! KP(しこん):では、先にアキちゃんの結果から。 鍵屋 怜(コトナ):おめおめ! KP(しこん):模様を観察したアキちゃんは【複雑なそれは何かの魔法陣のように感じられた。】 KP(しこん):そしてハル君。 ハロルド(みちを):はい! KP(しこん):【その印から不思議な力を感じるが、しかしそれが急速に力を失いつつあることに気付いた。】 鍵屋 怜(コトナ):おお…! KP(しこん):また、2人がクリティカルとスペシャルを出したのでオカルト結果も開示しましょう。 小鳩 アキ(二十日):すごいことに気づくなあ…っておお!やったぜ! 宝条 豊(ミナカミ):わぁいKPだいすき ハロルド(みちを):おお、ありがとうございます!やったね! 鍵屋 怜(コトナ):わあいわあい! 小鳩 アキ(二十日):「何あれ。魔法陣?」目を細めて見てます ハロルド(みちを):「…なんだか…力がある。けど…なくなっていってるみたいだ」 ぽつぽつ呟く 鍵屋 怜(コトナ):「…あれが、魔法陣?」とアキちゃんの言葉を聞きながら。 宝条 豊(ミナカミ):「魔法陣かぁ。オカルトやねぇ」 柏崎 真里亜(しこん):「安全祈願…なのかなぁ…」 KP(しこん):2人はその模様を、【おぞましくも邪悪な何かを封印しているものだと感じた。もし土産物…海産物を使ったものを持っている場合は、手荷物のおぞましさのあまりその場で捨てたくなるだろう。】 KP(しこん):(イカタコ案件ですね) ハロルド(みちを):竜宮そうめん捨てなくちゃ… 鍵屋 怜(コトナ):そうめんをゴミ箱へシューット! 宝条 豊(ミナカミ):超! エキサイティン! KP(しこん):ではそうめんをバトルドームのごとく捨てました。 鍵屋 怜(コトナ):吹いた ハロルド(みちを):「…これで何かをとじこめていた…かな」 小鳩 アキ(二十日):「……見てるとすっごく嫌な気分になるわ…あたしらが食わされたタコもあの魚類も地震も…思い出しちゃう、あれ見てると」 小鳩 アキ(二十日):竜宮そうめんとついでにストラップをゴミ箱にシュウゥーッ!超!エキサイティン!! 鍵屋 怜(コトナ):でもあの魔法陣が弱まってたらヤバくない?封印してるのに… 宝条 豊(ミナカミ):「ううっ……気持ち悪いなあもう、一週間ぐらいイカとタコ食べられへん……」 小鳩 アキ(二十日):うみほたる沈没かなあ… KP(しこん):それと宝条さんはファンブルなので、階段踏み外してアキちゃんにボディタッチしよう? KP(しこん):(我欲) ハロルド(みちを):きたっ!!!!!!! 宝条 豊(ミナカミ):やったー!1!!! 鍵屋 怜(コトナ):お?まさかこれは? 小鳩 アキ(二十日):KP!!!!??? KP(しこん):普通に滑り落ちて耐久下げてもいいですが、折角だしこう、ね!! 宝条 豊(ミナカミ):「あーまだ気持ち悪いの抜けへ……ってうおわっ!!」 階段踏み外してアキちゃんにボディタッチだヒャッハーーーーー!! 小鳩 アキ(二十日):「あたしもしばらく海山物はパスねぇーーええぇええ!!?」偽乳か!偽乳つかんだのかー!! 宝条 豊(ミナカミ):偽乳掴めた!? つかめたの!? KP(しこん):幸運どうぞ! KP(しこん):#こいつ 宝条 豊(ミナカミ):1d100 =70 幸運 Cthulhu :(1D100 =70) → 24 → 成功 小鳩 アキ(二十日):成功で殴られる幸運 #とは 宝条 豊(ミナカミ):やったでーーーーー!! ハロルド(みちを):やったぁ成功! 小鳩 アキ(二十日):「元気過ぎか!!!」拳振っていい? 鍵屋 怜(コトナ):「宝条なにやってんだテメェはよお!」 ハロルド(みちを):「!?」 目撃したぞ 柏崎 真里亜(しこん):「!!」 鍵屋 怜(コトナ):拳?拳??? KP(しこん):死なない程度にどうぞ! 小鳩 アキ(二十日):よっしゃ 宝条 豊(ミナカミ):「うおっわっ大丈夫大丈夫! モノホンには触ってへんから! ほら!」 デヘヘー 小鳩 アキ(二十日):「ニセモン言うな!!」 小鳩 アキ(二十日):1d100 =70 言ってない(こぶし) Cthulhu :(1D100 =70) → 2 → 決定的成功/スペシャル 小鳩 アキ(二十日):あっ 宝条 豊(ミナカミ):くっそwwwwwww KP(しこん):ワロタ ハロルド(みちを):あっ 鍵屋 怜(コトナ):「お前わざとか!?」 鍵屋 怜(コトナ):貫通するね… KP(しこん):1d3+1かな?(ほほえみ) 小鳩 アキ(二十日):ボ KP(しこん):貫通しないです>< 鍵屋 怜(コトナ):(知ってた)(でも言いたかった) 小鳩 アキ(二十日):さっき吐いてた宝条さんに腹パンするのかわいそうだから顎にするね>< ハロルド(みちを):ダメージ!ダメージ! 宝条 豊(ミナカミ):「わざとちゃうって! これは事故! わざとやったらもっと人目のない場所でなあ!」 宝条 豊(ミナカミ):脳震盪おこしちゃうよお 小鳩 アキ(二十日):1d3+1 無言で Cthulhu :(1D3+1) → 3[3]+1 → 4 鍵屋 怜(コトナ):アキちゃんの威力が凄すぎてもう鍵屋は見守ってるだけだね。 宝条 豊(ミナカミ):つよい 小鳩 アキ(二十日):>>最大<< KP(しこん):最大値ワロ 鍵屋 怜(コトナ):強いwwwwwwwwwwww ハロルド(みちを):最大wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww KP(しこん):では宝条さんに4のダメージです。 鍵屋 怜(コトナ):wwwwwwwwwwwwwwwwww 宝条 豊(ミナカミ):はい……減らしました……(満足げな顔) KP(しこん):ありがとうございました…KP幸せです…。 小鳩 アキ(二十日):「今度偽乳言ったら喋れなくするわよ」顎掴んで顔近づけてニッコリ 小鳩 アキ(二十日): ※ 言 っ て な い 宝条 豊(ミナカミ):「おぼふっ!」 顎殴られてぐったりしつつ 「はい……調子こいてすいませんでした……」 って謝ろう ハロルド(みちを):「…悪いけど同情できないよ、ホージョー」 軽蔑する目で KP(しこん):ではでは、皆さん階段を登り切りましょう。 風の塔/地上 <階段を登り切り、探索者達は地上に到着した。 風の塔内部から出ると、潮を含んだ風が探索者達を労わるようにそっと撫でた。> KP(しこん):暫く此処で待っていれば、救援のヘリが風の塔にやってきます。今の内に治療や精神分析などしていいですよ。 KP(しこん):夜の屋外ですが、手元が見える程度には明るいので、マイナス補正はかかりません。 ハロルド(みちを):とりあえず真里亜ちゃんを下ろして適当な所に座らせてあげよう。「よくがんばったね、真里亜。えらい」 柏崎 真里亜(しこん):「えへへ…ありがとう、ハル君」 宝条 豊(ミナカミ):「おーっ海の上やー! ヘリ来るまで夜の海の上とかロマンチックやなー!」 鍵屋 怜(コトナ):「宝条……」飽きれつつも、かなりのダメージを負った宝条さんが少し心配になります. 鍵屋 怜(コトナ):「小鳩も大丈夫か?」 小鳩 アキ(二十日):「助かった…はーっ」 小鳩 アキ(二十日):「見ての通り平気」さっき振るった拳を上げてニッと笑います「先生こそ。参っちゃってない?」 KP(しこん):ちなみに時刻ですが。 KP(しこん):夜の8時半くらいですね。 ハロルド(みちを):8時半ねぇ… 宝条 豊(ミナカミ):「マリちゃん大丈夫? 身体はもう動く?」 アキちゃんこわいからマリちゃんに声かけようねえ 小鳩 アキ(二十日):ロールおいしかったけど今更ながら4ダメも出しちゃってごめんね宝条さん…(怯えてるのカワイイ) 鍵屋 怜(コトナ):「…少し疲れた。」と正直に言いつつ「だが、それでもみんな無事でよかったよ。」 鍵屋 怜(コトナ):今のうちに精神分析しようかなあ。けっこうみんな削れてるよね。 柏崎 真里亜(しこん):「はい。まだちょっと痛いですが大丈夫ですぅ」 ハロルド(みちを):「おかげさまで。だから触らなくていいんだよ、ホージョー」 真里亜ちゃんに声かける宝条さんに肩ポンしとこ 宝条 豊(ミナカミ):「そっか。じゃあごめんやけどちょっとこれ、手当てしてもうてもええかな?」 鍵屋先生をチラッと見て 「アキちゃんと鍵屋センセの邪魔すんのもアレやし」 とマリちゃんに医学おねだり 宝条 豊(ミナカミ):ハル君バリア張られてるふええ ハロルド(みちを):今の偽乳タッチでな… 小鳩 アキ(二十日):バリアわろた 小鳩 アキ(二十日):「あははっ…今日は折角先生に羽を伸ばしてもらおうと思ったのに…上手くいかないね」 柏崎 真里亜(しこん):「怪我人は手当しないとですよぉ」 バリアを自分から超えて医学しますね。 宝条 豊(ミナカミ):やったーーーーーーマリちゃん天使やーーーーーーーー!! ハロルド(みちを):天使ゆえに、ちょっと面白くない顔。 柏崎 真里亜(しこん):1d100 =(70+10) 医学 応急キット補正 Cthulhu :(1D100 =80) → 99 → 致命的失敗 宝条 豊(ミナカミ):ワロタ 柏崎 真里亜(しこん):ごめん ハロルド(みちを):あ… 小鳩 アキ(二十日):天使のような ハロルド(みちを):どじっこなんだね!仕方ないね… 小鳩 アキ(二十日):宝条さんが関わる判定は必ずオチがつくシステム 宝条 豊(ミナカミ):女神超空気読んでる 鍵屋 怜(コトナ):「さっきまでのことは無しだ。予想外すぎるだろ。」と言いながら、一呼吸置いて「今日の観光、楽しかったよ。ありがとうな。」 鍵屋 怜(コトナ):ファンブルくっそ吹く 柏崎 真里亜(しこん):「あっ…!!」治療しようとしたらミスをして、自分の手を怪我しました。 KP(しこん):真里亜の耐久に-1です。 小鳩 アキ(二十日):宝条さんが削れるかと思ったら自分の手を…!天使…!!! 宝条 豊(ミナカミ):「わっわっ、マリちゃんいける?」 何故宝条が削れないのか KP(しこん):だって真里亜の技能失敗だし…。 柏崎 真里亜(しこん):「だ、大丈夫ですぅ……」 ハロルド(みちを):「真里亜、無理しちゃだめだよ」 慌ててやめさせますね! 「もう休んで、ね? ホージョーは元気だから。そうだよねホージョー?」 ハロルド(みちを):「ね」 宝条 豊(ミナカミ):「アッハイ僕は元気です」 ハロルド(みちを):「ホージョーは頑丈だよね。すごいよー」 肩ぽんぽん 小鳩 アキ(二十日):「あたしも先生のおかげで楽しかった。…かっこいいとこいっぱい見れたし思い返してみれば映画みたいで…ってのは不謹慎か。ごめん」 小鳩 アキ(二十日):「もう一日休みもらったら?せんせ」って言いつつ、そろそろみんなのとこ戻ろう!精神分析! KP(しこん):あと鍵屋先生が精神分析するのかな? 鍵屋 怜(コトナ):精神分析しよう! KP(しこん):誰に精神分析をしますか? 鍵屋 怜(コトナ):笑顔は一瞬だったと思います。アキちゃんの言葉を聞いて「そうだな。」と、いいつつみんなのところへ戻るよ! 小鳩 アキ(二十日):「さっきはごめんねー宝条くん」顎をツツツと撫でてあげよう「気が立っちゃっててついね。侘びは今度するわ」 小鳩 アキ(二十日):「また触ったら次はないけど」 宝条 豊(ミナカミ):「う、うん、侘び楽しみに……しとくわ……」 顎撫でられて嬉しいやら怖いやら 柏崎 真里亜(しこん):「仲良しさんですねぇ」 柏崎 真里亜(しこん):ほんわかオーラ出しながらアキちゃんと鍵屋先生に精神分析かけますね。 鍵屋 怜(コトナ):お願いします、わあい! 小鳩 アキ(二十日):「そ。飼い主だからね。スキンシップは大事なの」おねがいしまーす!! 柏崎 真里亜(しこん):1d100 =85 精神分析→鍵屋先生 Cthulhu :(1D100 =85) → 54 → 成功 柏崎 真里亜(しこん):1d100 =85 精神分析→アキちゃん Cthulhu :(1D100 =85) → 83 → 成功 ハロルド(みちを):宝条さんにだけダメなこの感じwww 小鳩 アキ(二十日):癒しパゥワー!! 柏崎 真里亜(しこん):1d3 SAN回復→先生 Cthulhu :(1D3) → 2 柏崎 真里亜(しこん):1d3 SAN回復→アキちゃん Cthulhu :(1D3) → 3 鍵屋 怜(コトナ):2人を癒してくれるマリアちゃんマジ天使 柏崎 真里亜(しこん):宝条さんにだけ成功しないのナンデ…? 小鳩 アキ(二十日):宝条さん…あなたの犠牲忘れない… しかも回復値もいいかんじだありがとう! ハロルド(みちを):ただし宝条テメーはダメだ 柏崎 真里亜(しこん):ではほんわかオーラを出しながら二人と対話しました。 小鳩 アキ(二十日):「真里亜ちゃんも無事でよかったー…!怪我人も助けたし立派だったわね」真里亜ちゃんを見ているだけでどんどん癒される~~~~ 小鳩 アキ(二十日):SAN67になりましたった! 柏崎 真里亜(しこん):「えへへ…皆さんが一緒だったお陰ですよぉ」 鍵屋 怜(コトナ):では鍵屋も振ろうかな。マリアちゃんと…鍵屋も2回振っていい感じですよね!? KP(しこん):どうぞ! ハロルド(みちを):「だいかつやくだったね」 にこにこ 鍵屋 怜(コトナ):「柏崎、ありがとうな。」といいつつ振りますー! 柏崎 真里亜(しこん):「ハル君や皆もかっこよかったよ」 といいつつドゾドゾ! 鍵屋 怜(コトナ):1d100 =76 精神分析→マリアちゃん Cthulhu :(1D100 =76) → 22 → 成功 鍵屋 怜(コトナ):1d100 =76 精神分析→アキちゃん Cthulhu :(1D100 =76) → 19 → 成功 KP(しこん):先生めっちゃいい数値じゃないですか… 小鳩 アキ(二十日):先生も…話してるだけで癒される…医者組しゅごい… 鍵屋 怜(コトナ):1d3 マリアちゃん Cthulhu :(1D3) → 1 鍵屋 怜(コトナ):1d3 アキちゃん Cthulhu :(1D3) → 1 鍵屋 怜(コトナ):ごめんね…(顔を覆う) ハロルド(みちを):ダブル1とは… 柏崎 真里亜(しこん):どんまい! 小鳩 アキ(二十日):いやありがとう先生!SANほぼ無傷くらいに回復しました! 柏崎 真里亜(しこん):では真里亜は58になりました。 小鳩 アキ(二十日):真里亜ちゃんがSAN50代で心配だけどこれでいくっきゃないな…! 鍵屋 怜(コトナ):「小鳩、お前もたまには休めよ。無茶ばっかしてると俺も心配だ。」 ハロルド(みちを):先生やさしいなぁ… 鍵屋 怜(コトナ):「柏崎にも本当に助けられた。…将来有望のいい看護師だな。」と会話している感じでしょうか。 小鳩 アキ(二十日):「んふふ、じゃあ一緒に休もっか。遠出はしばらくしたくないから、シロちゃん達とのんびりね」ごきげん 柏崎 真里亜(しこん):「ありがとうございます。えへへ…先パイみたいなお医者さんと一緒の所で働きたいですね」 ハロルド(みちを):【将来有望だってさ】 柏崎 真里亜(しこん):【うん。嬉しい】 小鳩 アキ(二十日):ああぁ^^~~~~~~~~~~~ #もえし 柏崎 真里亜(しこん):イ㌔ ハロルド(みちを):botくそwwwwww 小鳩 アキ(二十日):(かわいいやつらめ…)英語で通じ合う二人をみまもるスパイ 鍵屋 怜(コトナ):「そうだな。家でゆっくりするのもいいもんだ。」と返します。 宝条 豊(ミナカミ):「シロちゃん、鍵屋センセとアキちゃんのお土産貰ったらめっちゃ喜ぶんやろうなー、絶対可愛いわ、うん」 宝条 豊(ミナカミ):「そうなったら鍵屋センセの病院、ほんま可愛い子いっぱいおるから癒されまくるわぁ」 小鳩 アキ(二十日):「モフモフして喜ぶでしょうねー」 進もう! 小鳩 アキ(二十日):「真里亜ちゃんが看護師として来てくれたら大歓迎なんじゃない?せんせ。真里亜ちゃん居たら絶対癒されるもん」 鍵屋 怜(コトナ):「俺としては歓迎だが…、俺の病院は田舎だからな。なかなか若い奴が来たがらねえんだよな.」 KP(しこん):それでは、先に進みましょう。 宝条 豊(ミナカミ):おっおっ <やがて救急ヘリが到着した。そして救急隊と入れ違いに民間人がヘリに乗せられていく。> KP(しこん):ヘリに乗せられるのを待つ間に、皆さんは救急隊員の鮮やかなオレンジの制服とは異なる、【黒ずくめの装備で身を固めた男達】を目にします。 KP(しこん):その【黒ずくめの集団】は救急隊員達とは逆方向、風の塔の内部へと向かう様です。 KP(しこん):内部へ向かう扉は皆さんの近くにあるので、皆さんの方へ向かってるみたいですね。 KP(しこん):そして、皆さんの傍まで来ると、集団の一人が立ち止まりました。 ハロルド(みちを):「…?」 KP(しこん):男「……君達、此処に来るまでに腹部に違和感や痛みはなかったか?」 小鳩 アキ(二十日):(なにこいつら、怪し…) 宝条 豊(ミナカミ):「……?」 日頃の生活上のアレで黒ずくめこわいので警戒 鍵屋 怜(コトナ):(こいつら…救助隊じゃない…?) KP(しこん):男の袖には腕章があり、そこには風の塔の内部にあった模様と同じものが書かれています。 鍵屋 怜(コトナ):「あんたらは医者か?いったいなんなんだ?」 小鳩 アキ(二十日):「どういうこと?食中毒でもあったの?」そらっとぼけて聞いてみよう 小鳩 アキ(二十日):あわよくば言いくるめで情報聞き出し ハロルド(みちを):「あったのは地震だよ?」こっちも明言を避ける KP(しこん):男「いや…何もなければ、いいのだが」 鍵屋 怜(コトナ):「どうしたんだ?詳しく聞かせてくれ」 柏崎 真里亜(しこん):「えっと、そうですね。お腹痛くなったり、動けなくなったりしました」 と言っちゃいます。 小鳩 アキ(二十日):「あ」真里亜ちゃんの反応に 宝条 豊(ミナカミ):「マリちゃん」 KP(しこん):男「君達はあまり触れない方がいい内容だ」と鍵屋先生に言った後、「やはりそうか……」 ハロルド(みちを):「やはりってナニ?おじさんばっかり訊いてずるいよ。ボクらにも何かおしえてよ」 KP(しこん):少し考えた後、男は人数分の小さなお守り袋を渡します。「…この【お守り】を暫く持っておくといい。肌身離さずだ。これがあれば大丈夫だ。」 KP(しこん):男「すまない、知らない方がいい事もあるんだ。君達が此処で何か、信じ難い物の目撃や体験していたなら、早々と忘れた方が君達の為だ」 鍵屋 怜(コトナ):「お守り?」受け取って観察できますか? 宝条 豊(ミナカミ):「お守り……? はあ、ありがとうございます」 お守りなら危ない仕掛けもないだろう、という事で大人しく受け取ります 小鳩 アキ(二十日):「……解決方法を教えてくれたのは嬉しいわ。全然意味わからないけど」不審そうな目でお守り受け取ります ハロルド(みちを):「…?」受け取りつつキョトン KP(しこん):観察していいですよ。 KP(しこん):観察している間に男は風の塔を下っていくでしょう。 鍵屋 怜(コトナ):では観察します! KP(しこん):お守りは小さな布袋みたいです。触ってみると、中に何か硬い感触がします。 小鳩 アキ(二十日):「大量発生したタコとか、ここにあった魔法陣とか、あなたたちが何の団体かも……知らない方がいい事かしら?」 小鳩 アキ(二十日):あごめん下っていくの気づいてなかったwww その前にぽそっと発言してたってことで! 鍵屋 怜(コトナ):「…あの魔法陣。」さっきの服の紋章を思い出しながら「あれはなにかを封印している…、だが、力が弱まっている…。」独り言のように呟きます KP(しこん):中身を取り出してみますか? ハロルド(みちを):あ、見たい 宝条 豊(ミナカミ):見ようかな 小鳩 アキ(二十日):お守りの中身見てみますー 鍵屋 怜(コトナ):見てもいい? KP(しこん):いいですよ。 ハロルド(みちを):「何が入ってるんだろ」 では中身を取り出して見ます KP(しこん):袋から中身を取りだすと、中に入っていたのは白い石でした。 宝条 豊(ミナカミ):「白い石」 KP(しこん):その表面には先程の風の塔や男の腕章に書かれていた模様が刻まれています。 小鳩 アキ(二十日):「何から何までファンタジーだわ…」白い石をつまんで観察します ハロルド(みちを):「…何かを閉じ込めてた紋章と同じ… …なんとなくだけど、持ってていいもののような気がしない?」 宝条 豊(ミナカミ):「何か封印してる魔法陣と同じ模様やし、持ってて悪いもんちゃうやろうなあ」 鍵屋 怜(コトナ):(……。) 情報共有しなかったあのタコのことを思い出しています。(アレが消化されるまでの封印か?)掌で弄びながら KP(しこん):怪しすぎるからと投げ捨ててもいいですよ? 小鳩 アキ(二十日):それやるとSANがごっそり削れるんでしょう?/// KP(しこん):はい。 小鳩 アキ(二十日):ぶっちゃけすぎィ!! 宝条 豊(ミナカミ):捨てないよ/// ハロルド(みちを):大事に持っておくよ。お土産としてもね KP(しこん):時間がその、ね…///// 柏崎 真里亜(しこん):皆が持ってるなら真里亜も持ってます。 小鳩 アキ(二十日):「持ってて具合悪くなったら、あの黒い奴ら意地でも探し出して詳細吐かせる」納得してないけど、とりあえず石はお守りに仕舞います 持ち歩くよ! KP(しこん):じゃあ、全員所持になるかな? ハロルド(みちを):そうですね! 小鳩 アキ(二十日):はい! 宝条 豊(ミナカミ):所持ですね 鍵屋 怜(コトナ):所有しよう。 鍵屋 怜(コトナ):そのタコのことを思い出していたので「取りあえず持っておけ。」と皆に言いつつ「【ファンタジーは本当にあった】、か。成程ね。」と小説の一文を呟きます。 小鳩 アキ(二十日):ここで妹教わろた ハロルド(みちを):いい台詞だ、先生 KP(しこん):では、進みましょうか。 小鳩 アキ(二十日):「帰ったら神部先生に教えてあげよう」進みましょう 鍵屋 怜(コトナ):はい! <探索者達も救急ヘリに乗せられ、青い光に囲まれた風の塔から離れていった。> 【観光バス/8】
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(二日目)12時14分 第一二学区。 周囲には高層ビルが立ち並び、四車線の交通が可能な交差点の真ん中に彼女はいた。四ツ角にはそれぞれ歩道橋があり、中心くり抜いた四角形になっている。高層ビルと歩道の間には植林が立ち並んでいる。 七天七刀が舞う。 甲高い音を立てて、コンクリートの地面が抉れていく。六本の鉄線は、常人の目には映らない程の音速を超えた斬撃となり、『魔神』を襲った。 その斬撃を、『魔神』は音速を超えた速度で回避する。 神裂火織の眼前に、『魔神』は歪んだ笑みを浮かべて現れた。 彼女は反応する間もなく、豊満な胸囲がある胸元に、握りしめられた拳を叩きこまれた。 「――――ッ、ぶごっォオ!」 強烈な衝撃を受けた神裂火織は、五メートルほど吹き飛ばされ、息を整えながら距離を取った。 神裂は意識が薄れつつも、刀を構え、敵から視線を外さない。左手で口元に滴る血をに拭うと、両手で刀を握った。 「うおおおっ!!」 バスタードソードを握りしめた牛深が、大声を張り上げて、『魔神』の頭上にある歩道橋から飛び降りた。 腕力に思い切り力を入れて、一〇〇センチを超す刀剣を、迷いなく『魔神』の頭部に振り下ろす。 だが、 ガキィイン!という音がアスファルトとの衝突によって引き起こされた。長身の男性は、我が目を疑った。眼前に迫っていた『魔神』が視界から消えたのだ。 そして、足が地面に着く前に、彼は『魔神』との再会を果たす。 『魔神』の強烈なキックが、中年男の右頬を的確に捉えた。 剣を振り下ろした反動で猫背になった長身の体は、顔だけ左に仰け反るような格好でアスファルトに着地する。『魔神』の蹴りで意識が跳びかけた男は、体の条件反射ですぐさま立ち上がるが、バスタードソードは手から離れていた。 男は、『魔神』と正面を向き合いながらも、中枢線を晒すような無防備な状態になっていた。 ズンッ!と『魔神』を起点とした半径三メートルほどの円が、アスファルトに亀裂を刻んだ。常人を逸した『掌逓』をくらった長身の男は、約10ほどメートル吹き飛んだ。 枝々が折れる音と共に、植林に身を突っ込んだ男には、既に意識は無かった。 カラン、カラン…と、空しい金属音と共に、バスタードソードはひび割れたアスファルトに落ちた。 『魔神』は足でそれを蹴って、バスタードソードを手にする。 ヒュン!という音がなる亜音速の剣筋は、後ろに迫っていた老人の斧の根本を切断した。 斧の刃の部分だけが、宙を舞った。 一瞬の出来事で呆気にとられた諫早の顔面に、重い右ストレートが直撃する。 意識を失い、膝を着いて項垂れる老人の体躯に、『魔神』は容赦なく腹部に強烈なキックを突き刺した。 『魔神』は放射線を描いて、空を舞う老体を見上げた。 この間、僅か一〇秒足らず。 30メートル程の『魔神』の背後で、ダンッ!と地面を踏みしめる音が聞こえた。 一陣の風と共に、神裂火織は『魔神』との距離を一瞬にしてゼロにした。 『聖痕(スティグマ)』を発動し、斬撃が『魔神』を捉えた。 神裂の魔力が一気に跳ね上がる。 『魔神』はそれをバスタードソードで受け止めた。 ドバァン!と聖人の人間離れした攻撃力が『魔神』の生身を襲った。アスファルトの亀裂はさらに増し、生じた爆風が破片を巻き上げた。 二つの刃は火花を散らせ、ギィィイン!と大きな金属音ともに聖人と魔神は交差した。 一〇メートルほど距離に神裂火織は降り立った。 空中で数回転した刃が、聖人の傍に落ちた。 『魔神』は手元にある剣を見た。 バスタードソードは根本から折れていた。 「……ふむ」 何の感慨もない表情で、『魔神』は折れた剣を見つめていた。 そして、剣として役目を終えた物を『魔神』は捨て去った。無機質な音が鳴り響く。 だが、それは『魔神』だけでは無かった。カランッという音が同時になった。 七天七刀が地面に落ちる。 「ぐぅッ…!」 神裂は膝を折り、肩から血を流していた。 この間、僅か〇,一秒足らず。 右腕に深い切り傷を負った神裂は、腕にチカラが入らず、刀を落としてしまった。 それだけはない。神裂の発動した『聖痕(スティグマ)』は、『魔神』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』によって強制的にキャンセルされてしまった。 水が噴き出している間欠泉に、いきなり蓋をされてしまったようなもので、神裂の魔力が暴走し、彼女の意識は朦朧としていた。 血が流れ落ちる右腕を無視して、左手で七天七刀を握り、立ち上がった。 こうして意識を保つだけで、彼女は精一杯だった。 その様子を見た『魔神』は呆れた口調を返した。 「『魔王』との余興で、右の肺を潰してしまってな。呼吸が少々苦しいのだ。その余を息一つ乱せないとは、貴様らに殺す価値も見出せぬぞ」 ゆっくりとした歩調で、『魔神』は彼女に近づいてくる。 (…私たちは、ただ…遊ばれている、だけなのですか…いくつもの戦場を駆け抜け、腕を上げてきたというのにっ…!) 天草式は、すでに戦闘不能に追い込まれていた。 『魔神』は右手に宿る『幻想殺し(イマジンブレイカー)』と、体術しか我々に使っていない。だが、それでも翻弄され続けた。 仲間たちは死んでいないが、意識が奪われて倒れている者が半数以上、他も何らかの傷を受け、万全の状態ではない。のらりくらりと策略や攻撃を回避され、確実に的確な一撃を叩き込まれていく。 連携は一〇分も経たずにズタズタにされた。 『魔神』と単体でやりあえる魔術師は聖人である神裂火織しかいない。 しかし、すでに彼女も手傷を負っており、次の攻撃で確実に戦闘不能にされる。 (私たちは…こんなものだったのですか?……私たちは…彼の…足元にすら…及ばなかったのですか?…) 「――――ってください…」 誰かの声が、神裂の耳に届いた。 それは『魔神』の耳にも聞こえたらしく、彼女に近づく足を止めた。 声がした方角を二人は見た。 神裂の四〇メートル程の視線の先には、『海軍用船上槍(フリウリスピア)』に体を預け、必死に立ち上がる少女の姿があった。 着ていた白のジャケットは、所々が破け、黒い汚れが付いている。破れているハーフジーンズはさらに傷みが広がり、彼女の素足は、膝の擦り傷の血で濡れている。 中に着込んでいるネットの黒シャツは破け、ピンク色のブラジャーと、白い素肌の胸が晒されていた。 五和は左手で、顔に付いた汚れと汗を拭い、敵を目視する。 『魔神』を睨みつける五和の眼光は鋭さを増していた。 大きな声が木霊した。 「当麻さんの体から、さっさと出て行ってください!!」 その殺気を感じ取った『魔神』は、何の感情もなく、彼女を見た。 五和の周囲には、数人の天草式のメンバーが倒れていた。 『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を構え、五和は破れた靴を脱ぎ去った。素足でアスファルトに立つ彼女は、大きな深呼吸をした後、言葉を紡いだ。 “Cuando los brillos de fuego, exigiré el agua.…El agua me rodea y me protegerá―――” (我が光り輝く炎を求める刻、我は凍てつく水を求めるだろう――) 神裂はゾッとした。 五和が唱え始めた魔術は、天草式のものではない。 彼女が単体として使う魔術だった。 「――五和ッ!」 神裂の叫びも、彼女には届かなかった。彼女の頭にあるのは、『魔神』ただ一人。 魔術の魔力を感じとった天草式メンバーの一人が、負傷している体を起して、叫んだ。 「五和ちゃんっ!」 “Cuando el agua me exige, exijo el agua!!” (我が凍てつく水を求める刻、凍てつく水は我を求める!) 五和の素足に『水』が巻きつき、水面を滑るがごとく、滑らかな動きで『魔神』に突進していった。 彼女の魔術と同時に、ヒュン!という疾風の攻撃が『魔神』を襲う。 七教七刃。 鋼糸を張り巡らせ、七方向から同時に攻撃するという、彼女が編みだしたオリジナルの技。 速度はますます加速し、五和はさらに言葉を紡いだ。 “Cuando el fuego me exige, exijo el fuego―――” (清らかなる炎が我を求める刻、我は炎を求め――) 両手で『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を一回転させ、上半身を大きく捻った。「突き」の姿勢をなし、氷の上を滑るような動きで、『魔神』との距離を一気に縮めた。 七教七刃は『魔神』を攻撃したが、七つの線撃は『魔神』の足元で消滅した。七教七刃が生じた風が、『魔神』の黒髪を揺らす。 “La llama de la purga pasa por usted!” (清らかなる炎は、全てを浄化する!) ボワッ!と『海軍用船上槍(フリウリスピア)』の矛に炎を纏った槍は、ついに射程距離範囲に入った。 五和は、全身の回転モーメントを注ぎ込んだ一撃を『魔神』の左胸に放つ。 バギンッ! 『魔神』の右手に『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を捉えられ、『幻想殺し(イマジンブレイカー)』に、練りこまれた魔術の細工ごと、炎は打ち消された。 『魔神』はグイッと槍を翻し、五和のバランスを崩そうとした。 だが、既に彼女は『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を手放していた。 それだけではなかった。五和は『魔神』の視界から消え失せていた。 「っ!?」 『魔神』の目が初めて見開かれる。 そして、 “La llama de la purga pasa por usted!” (清らかなる炎は、全てを浄化する!) 五和は大声で、魔術を唱える。 炎を纏ったナイフを手に、五和は『魔神』の背後に回っていた。素早い動きで身を一回転させ、背中に隠し持っていたナイフを左手で握り、押し込むことを前提とした突きで、右手を柄に添える。 七天七刃と『海軍用船上槍(フリウリスピア)』の二重のフェイク。 完全に『魔神』の後ろを取った五和は、咆哮した。 腹の底から、絶叫する。 「当麻さんから、出て行けぇぇえエエッ!!」 掠れた彼女の声が、『魔神』の耳に届く。 五和は、上条当麻を愛していた。 一目惚れだった。 その恋は、内気な彼女を突き動かしてきた。昔も、そして今も。彼の力になりたいと願い、彼の為に強くなりたいと願い、人に見えない努力を積み重ねてきた。 「浄化の炎」は、邪悪なものを断ち切る魔術。 『魔神』は一瞬で身を翻し、彼女に振りかえった。 襲いかかる五和を見て、『魔神』は心の底から笑った。 炎を纏ったナイフは直進した。 ドスッ! という音が鳴り、五和のナイフは『魔神』の左胸に突き刺さった。 鮮血が顔に飛び散り、五和は驚愕した。 「―――えっ?!」 決死の手段だったとはいえ、自分の攻撃が当たるとは思っていなかった。 水を使う魔術は、かつて対峙したアックアの魔術を見よう見まねで編みだしたものであり、火の魔術はその術式の色彩を「赤」に変えたものである。 短剣から流れ落ちる『魔神』の血を見て、五和の喉は冷えあがった。 それは人間と同じ、赤い血。 人格は違うとはいえ、自分が愛する男の身体を傷つけたのだ。『魔神』の白いYシャツに、赤い血が徐々に広がっていく。 身を焦がしていた敵意は一瞬で消え去り、五和は凍りついた。肉を突き破った生々しい感覚と罪悪感から、身を引こうとした瞬間、 『魔神』は左手で、ドガッ!と五和の頭部を鷲掴みにした。 「うぐっ?!」 彼女は、軽い脳震盪に襲われた。 ナイフは衝撃で引き抜かれ、地に落ちる。 五和の意識が徐々にはっきりしてくる。 そして、眼前には愛しい男の顔が迫っていた。 「…良い目だ。気に入った」 『魔神』が微笑みを浮かべて、五和の顔を覗き込んでいた。 顔は、意中の男性とはいえ、精神はドラゴンに乗っ取られている。 恐怖に心を掬われた五和は、 「ッ!離せ!」 と、蹴りを叩き込もうとしたが、『魔神』右腕が腰に手を回され、胸から下の身体が密着した状態となって、五和の動きが封じられた。 五和は、『魔神』に抱きしめられていた。 彼女と『魔神』の顔の間は数センチの距離で、彼女の吐息が『魔神』の顔に当たるほど、接近していた。 五和はさらに驚く。 意中の男性の顔が、目の前にあるのだ。 戦闘中だというのに、五和の冷静な殺気は失われ、『魔神』は、不敵な笑顔を浮かべたまま告げた。 上条当麻には似つかわしくない、邪悪な笑顔と甘い囁きで。 「余の『僕(しもべ)』になれ。五和」 「――んッ?!」 五和の唇は唐突に奪われた。 熱い感覚が、彼女の口内にねじ込まれた。 ネチュ、という卑猥な水音が五和の思考を奪う。 乾いた唇を潤す、温かいキス。 右腕で彼女の身体は抱きしめられ、左手は彼女の顎を持ちあげ、顔を固定されていた。 五和はパニックに陥る。 彼女はキスをされている。 愛しい男の姿をした『魔神』に。 彼女はファーストキスは、唐突に奪われた。それも恋焦がれた男性の唇に奪われて、予期せぬ形で成しえてしまった。 奪われたのは彼女の唇だけではなく、口内まで蹂躙された。 クチャァ…と、粘着ある唾液を引き、二人の唇は離れた。 茫然自失としている五和の耳に、『魔神』の声が囁いた。 「上条当麻はお前と違う女を心底愛している。そなたに振り向くことなど、一度たりとも無い。そなたの一途な恋心が実を結ぶことなど、決して無いのだ」 「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――え?」 五和は、凍りついた。 そして、目の前が真っ暗になった。 見たこともない風景が映っていた。 自分と上条当麻が仲睦まじく、過ごしていた。 天草式の皆と、笑い合っている。 自分の手と上条当麻の手は指をからめ合って、繋がれていた。 一緒に映画館に出かけたり、 一緒にレストランに出かけたり、 皆に隠れてキスしたり、 二人で夜をベッドの上で過ごしたり、 他の女の子に好かれる上条当麻に嫉妬したり、 天草式のメンバーから二人の熱愛ぶりを冷やかされたり、 恋人となった上条当麻との日々が、目の前にあった。 それは自分が望んだ現実であり、その光景に心が満たされる。 しかし、その幻は一瞬で崩れ去った。 気づけば、五和は暗闇に一人佇んでいた。 (ここは…どこ?) 一筋の光があった。愛しい男の背を照らしていた。 あのツンツンとした髪型は、一日たりとも忘れたことは無い。 「!当麻さ…」 彼女の声はそこで途切れた。 周囲が徐々に明るくなるにつれて、彼が一人ではないことがわかった。 当麻の傍に他の女がいた。 他の女が手をつないでいた。 手を取り合いながら、彼女は当麻に微笑みかける。 彼も彼女に微笑みかける。 彼の笑顔は、自分と一緒にいた時よりも輝いて見えた。 なぜ、隣にいるのは自分ではない? こんなにも好きなのに。 誰よりも好きなのに。 彼の為に、誰よりも努力してきたのに。 彼の為に、可愛くなったのに。 彼の為だけに、尽くしてきたのに。 なんで、自分に振り向いてくれないのか。 五和は、叫んだ。 「…い、……いやああああああああ!!」 「―――――――――――――――――――――っ…―――あっ……」 気づけば、『上条当麻(ドラゴン)』は眼前にいた。 自分の瞳は、涙に濡れていた。 「それはお主が望んだ幻想。だが、それは有り得なかった現実ではない。お主と上条当麻が結ばれる運命は、確かに『在』ったのだ」 五和にはそれが、分かった。 先ほどのビジョンが真実であることが理解できた。 この世に「並行世界」というIFがあれば、自分と上条当麻が結ばれ、愛を語り合えた未来があったことは確かだった。 あのキスの感覚、抱擁された時の感覚。 愛の温もり。 芯から蕩けるような幸福の感情。 在ったことなのだ。 自分が、もうちょっと手を伸ばしていたなら、 もっと積極的に接していれば、 上条当麻と少しでも長く傍にいれば、 彼は私を見てくれた。 愛してくれた。 「……あ、ああ…ああ…あ、あああーっ……」 涙が止まらない。 感情が制御できない。 上条当麻が、御坂美琴を選んだことを知った時、自分は諦めると思ったのに。 あの時、彼を慕う人たちと一緒に思いっきり泣いたのに。 この涙は、まだ枯れていなかった。 彼女の涙を、『魔神』はそっと拭った。 愛しい男の顔が眼前にある。そして、甘い声が彼女の耳に囁かれた。 「『余』はお前を愛してやる。この身に抱かれることを光栄に思え」 もう一度、『魔神』は五和に唇を重ねた。 舌を入れ、彼女の口を再び蹂躙する。熱い感情が五和に湧き上がり、脳内を揺らすほど刺激する。 涙はそれでも止まらなかった。 だが、徐々に冷え切ったに生ぬるい温度が満たされていく。 何度も、彼女に濃厚なキスが襲ってくる。それを成すがままに五和は受けいれていた。 熱い。 温かい。 …欲しい。 手に入らなった愛情が欲しい。 彼女は、『魔神』の甘美な囁きに耳を傾けてしまった。 五和は自らの意思で、『魔神』の舌に、自分の舌を絡めた。 神裂火織は眼前で起こっている現象に絶句していた。 五和は『魔神』と唇を貪り合っていた。 だが、彼女が注目しているのはそれではない。 『魔神』の右肩から生えている巨大な『何か』だ。翼のような、腕のような…このようのものとは思えない、不思議な物質だった。 四本の長い指先のような先端から、一本の毛糸のようなものが出ており、それが五和の頭に繋がっていた。 五和は『魔神』に抱きしめられて、その異様な物体が見えていないだろう。 神裂火織は『それ』を『識』っていた。 この世全ての万物を操り、変換し、願望通りに物体を作りかえる神の領域の力を持つ腕。 かつて『神の右席』の『右方のフィアンマ』が所有していた、『ドラゴン』の一部。 『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』。 あの腕のせいで、『禁書目録(インデックス)』や自分たちがどのような被害をこうむったか、神裂の脳裏にまざまざと蘇った。 その事件は、「科学」と「魔術」との戦争の芽となり、「ドラゴン」が覚醒を始めることとなる事件だった。 彼女は力一杯に歯を食いしばり、唇を噛み切ってしまった。 「ドラゴンッ!!貴様、何をしているッ!!五和から離れろォォおおお!!!」 七天七刀を握り締め、神裂火織は何の考えもなしに突進した。 アスファルトは聖人の脚力で蹴り砕かれた。『聖痕(スティグマ)』を発動し、魔力を爆発させた。 石柱すら一刀両断する刃は、『魔神』を捉え、右腕の傷から血が飛び散ることも恐れず、両手で刀を握り、『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』の一指を斬り落とした。 『魔神』は五和から体を離すと、常人離れした脚力で跳び上がり、歩道橋の手すりに足を止めた。 斬り落とされた指と五和の頭に繋がっていた糸は霧散し、『魔神』の右肩から生え出ていた『竜王の鉤爪(ドラゴンクロー)』はゴキゴキという音と共に、『魔神』の身体に潜り込み、その姿を消した。 神裂の腕に、五和は倒れこんだ。 傍には、術式が打ち消されたナイフと『海軍用船上槍(フリウリスピア)』が転がっている。 神裂は射殺しかねない視線で、『魔神』を睨みつける。 「ドラゴンッ!!五和に何をしたあああああああああ?!」 左手で七天七刀を振りかざし、太陽を背に立っている『魔神』に吼えた。 Yシャツの左胸あたりが血で赤く染まっており、『魔神』は唇をそっと舌で舐める。 不敵な笑顔を取りつくろい、神裂火織の神経を逆なでする口調で、 「何を言っている?貴様も見ていたであろう?余は、五和を余のモノにすると決めただけだ」 「ふざけるなっ!お前はただの下種だっ!神を名乗る資格も無い!」 「ふはははははっ!余は神を殺すための神だ。それ以外の義務は無い。人を殺そうが犯そうが蹂躙しようが所有しようが、余の気まぐれだ。余はその人間が気に入った。それだけだぞ?聖人よ」 神裂火織の頭は激怒で沸騰した。 『竜王(ドラゴン)』は神でも、例外中の例外であり、神を殺す権限と能力を与えられている『怪物(カイブツ)』である。 人には災いや破壊を齎す神でもあるが、それは邪悪なものにしか適応されない。偉人を導き、絶大な力を宿し、世に平定を齎す象徴ともなる神でもあるのだ。 だが、強すぎるがために人に畏怖され、そして、肉体をバラバラにされ、人間に封印された。 よって、人間という『穢れ』と『強欲』を知った『竜王(ドラゴン)』は、ただのカイブツに成り果てていた。 その原因が人間であり、人間はその罪を忘れて、ただ『竜王(ドラゴン)』を恐れていたのだ。真に罪深き者は人間である。 だが、神裂火織は『識』らない。 『魔神』は怒りに身を焦がす聖人を見据え、笑いながら、 「聖人よ。貴様は何か勘違いをしていないか?」 「ッ!!どういうことだ?!」 『魔神』の言葉に嫌悪感すら覚える彼女に、冷静な思考はとうに失われている。 心にあるのは、『魔神』に対する憎悪と、仲間を想う情のみだ。 (ちっくしょうッ!これ以上仲間を失ってたまるか!建宮も、対馬も、香焼も死なせて、私はッ!皆を守るためにここにいるのにっ!私の為に天草式があるんじゃない!天草式のために私がいるんです!) 神裂は自分の弱さと激情に駆られ、瞳には涙すら貯めていた。 『魔神』は顔を歪ませる神裂を笑いながら見つめ、 告げた。 「五和は、自ら余のモノになることを受け入れたのだぞ?」 ドスッ… 鈍い音が響いた。 赤い血の斑点が、アスファルトを濡らし始めた。 数秒、神裂は反応が遅れた。 「か――――はっ…」 彼女は、目の前の現実が受け入れらず、途切れ途切れに声を吐いた。 なぜなら、 彼女の腹に、 五和が『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を突き刺さしていたからだ。 喉から込み上げた血を手で抑えながら、神裂は呟く。 「……五、和?………何…をっ?…」 「なに、余に籠絡されただけのことだ」 『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を神裂の腹部から引き抜いた五和は、立ち上がって無機質な瞳で彼女を見つめた。 大量の血が流れ出る腹部を抑え、神裂火織はアスファルトの上をのたうった。 「きゃあああああああああああああああああああ!!」 「プ、『女教皇(プリエステス)』様ぁああ!」 「五和ぁあ!お、お前何をッ?!」 他の天草式十字凄教のメンバーはその光景に目を疑った。 ある者は悲鳴を上げ、またある者は言葉を失ったまま、茫然としているだけだった。 『魔神』は高らかに声を上げる。 「ふはははははははははははっ!良い!実に素晴らしい!五和!なかなかに愉快な景色ぞ!誇るがよい!」 ぺたぺた、と五和は素足でアスファルトの上を歩き、『魔神』が立っている歩道橋の下まで近寄った。彼女は『海軍用船上槍(フリウリスピア)』を捨て、『魔神』を見上げた。 「ハイ…当麻、様」 無感情な五和の返答は、『魔神』をさらに悦ばせた。 「ふはっはっはっ!意識を嫉妬と欲望に流されながらもそれでもなお、上条当麻に恋焦がれるか!なんとも色欲に素直な人間か!だがそれで良い。それこそ人間のあるべき姿だ。気に入った! これは神の加護ぞ!心して身に受けるがよい!」 『魔神』の背中から白の翼が発現する。4メートルほどの大きな片翼が、五和の体を覆い尽くした。 翼の形をした『何か』は、外形を崩し、白い液体のような粘着性を持ったモノへと変貌した。グチャグチャと音を立てながら、五和を包み込んでいく。 フワリと、その『何か』地面から浮き上がり、『魔神』と同じ高さまでになると上昇を止めた。ボタボタと白い液体が垂れ落ちるが、みるみる硬化が始まり、楕円の繭のようなものが形成された。 全長は三メートルをで、幅は二メートルほどある。 歩道橋の手すりから『魔神』は離れ、ゆっくりと浮遊し、白い繭に近づいた。そして、『魔神』は右手を触れる。 パリンッ。 ガラスが割れたような音が鳴り、『魔神』の『幻想殺し(イマジンブレイカー)』が反応した。 白の繭に亀裂が走り、その隙間から強烈な光が漏れだした。 辺りは眩い光に包まれた。 太陽の光を浴びた羽が舞い降りる。 天草式十字凄教のメンバーは奇怪な現象に目を疑った。 「なんだ?…これ」 周囲が光に包まれ、五和や神裂火織の様子は分からない。ただ、無数の羽のような白い物体が空から降り注いでいることが分かった。傷ついた仲間に手を貸している者が多くいる中、一人がその羽のような物体を掴もうとして、 「熱っ?!これ、ただの羽じゃないぞ?!」 ジュウッ、と音を立てて掌に火傷を負った。 他の天草式のメンバーも被害を受けて、急ぎ早に物陰に避難した。 羽のような物体は、人間や植物には被害を及ぼすが、アスファルトや鉄で出来た信号や歩道橋には全く変化が見られなかった。まるで雪が解けるように霧散していく。その神秘的な光景に目を奪われつつ、天草式十字凄教のメンバーは『魔神』の方角に目をやった。彼は言葉を失った。 天使。 左胸のあたりを赤く血で濡らしたワイシャツを着て、両手を黒ズボンのポケットに入れている一人の『魔神』と、同じ高さに浮上している『天使』がいた。 白のローブを身に纏い、金色のラインが入った純白の甲冑を着ていた。銀色の金属ブーツが光沢を発していた。無機質な紫色の瞳を宿し、紫色の髪を靡かせている。 背中には大きい白の翼が生えていた。 天草式十字凄教のメンバーは息を飲んだ。 「………五、和?」 ガチャン!と白い繭は地面に落ちて、割れた。 空に浮かび、繭から生まれた『天使』は五和の容姿をした少女だった。 二重瞼が特徴的な瞳に、肩にかかる長さのショートヘアーをした容姿は、五和そのものだ。だが、彼女の表情に、感情は宿っていない。 『天使』は右腕を水平に突きだした。 彼女の周囲に散乱していた羽が急速に集まり、純白の槍を形成する。 少女の全身の二倍ほどある翼が動き出し、槍を天草式の人々に入る方角に向けた。 空気が戦慄する。 一帯を覆い尽くしている羽が、一斉に天草式のメンバーに襲いかかった。 「―――――――ッ!!?」 吹雪のように降り注ぐ白の無数の羽。 咄嗟に武器で身を防ごうとするが、間に合わない。 生物の肉体のみを焼き尽くす羽は容赦なく、彼らに向かっていった。 それは彼女も例外では無い。 交差点の中心で倒れていた神裂火織は、穴が開いた腹部を抑え、仰向けにその光景を見ていた。彼女は朝日に照らされる『天使』と『魔神』を見つめ、茫然としたまま死を悟った。
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0409:血塗れの死天使たちへ ◆kOZX7S8gY. 「――――――――――――――――――――…………………っ……」 息を呑んで、脚を動かして、耳を傾けて。 私――姉崎まもりは、走り続けていた。 『――ご機嫌いかがですかな、皆さん』 放送が始まっても、走り続けて。 『あなた方は実によく働いておられる。このゲームを企画した側としても、実に嬉しく思いますよ』 主催者の下らない戯言には興味ない。 私が知りたいのは、ただ一つ。 あの子の、生死だけ。 私は、死亡者が読み上げられるのを待った。 大阪へ向け、全力で疾走しながら。 『藍染惣右介』 一人目――私が殺したあの人だ。 『ウソップ』 二人目――知らない名前だった。 『小早川瀬那』 三人目―――――――――――――――――――――――― 「……………………………………………………………」 その瞬間、私の世界が止まった。 『大空翼、キン肉スグル、ウォーズマン、ブローノ・ブチャラティ、志々雄真実、ボンチュー、マミー』 その他の死亡者の名が読み上げられる。でも、聞こえない。 「…………………………………………………………………………………………………………………………え」 聞き間違いや幻聴ではない。 確かに、読み上げられた。 小早川、瀬那。 「こばやかわせな」 金魚みたいに口をパクパクさせているのが分かる。 止めようと思っても、止まらない。 「こばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせな」 私の口は、壊れてしまった。 同時に、思考も崩壊し始める。 走った。 今聞いた名を、振り払いたくて。 「こばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせな」 「こばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせな」 「こばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせなこばやかわせな」 音が反響して聞こえる。 ここはいったいどこなんだろう? 周囲の景色が目に入らない。 なのに、脚は止まらなくて。 脳では、あの子の名前が鳴り続けて。 気持ち、悪い。 「――――――――――」 ひょっとしたら、喉が潰れてしまったのかもしれない。 そうなるくらい、あの子の名前を呼び続けたのかもしれない。 言葉が出せなくて、何も喋れなくなって。 でも不思議。 脚は、大阪へ向かって一直線に進んでる。 変だよね? あの子は、もう死んじゃったのに―― ゴッ イタっ。 何かが、頭にぶつかった感触がした。 その衝撃に躓いて、私は盛大にすっ転ぶ。 唇に土の味が行き渡って、初めてそこがどこか認識する。 森だ。地面は雨に濡れたせいか、グチョグチョに滑っていた。 気持ち悪い。服や髪に泥が付いちゃった。 泥だらけになった身なりを気にしていると、ふいに頭部から発せられる激痛信号を察知した。 米神のあたりに手を触れてみる。 ドロリ、と、ヌメヌメした感触が。 あ、血だ。 それもいっぱい。 こんなに出血して、大丈夫かと不安になる。 でも、たしか米神とか額って、大袈裟に血が流れるものなのよね。 なら、見た目ほど酷くはないかも。 ん……でも、痛い。 何でこんな怪我をしているんだろう、私。 疑問に思って、足元に落ちていた血まみれの石を発見する。 私は立ち上がりながら、その石を摘み上げて監察。 ドロっとして、生暖かい。これ、私の血だ。 ああ、そっか。これが、私の米神に当たったんだ。 石は硬いから。どうりで、血も流れるはずだ。 ………… これ、ぶつけたの…………だぁれ? 女の子が、立っていた。 綺麗な顔立ちの、お人形さんみたいな女の子。 顔だけ見ればアイドルに思えなくもない……でも。 彼女の着ている服には、夥しい量の血液が付着していて。 木陰から顔を覗かせるその姿は、アイドルというよりも幽霊みたいで不気味だった。 「……あなたが、石、ぶつけたの?」 変だ。 喉が渇いているのか、うまく喋ることが出来ない。 「ねぇ、なんで? なんで、こんなことをするの?」 私はただ、大阪へ向かおうとしていただけ。 あの子を守るため、精一杯走っていただけ。 今回ばかりは、誰を殺そうとか、そういう考えは全部忘れていたのに。 「どうして……邪魔するの?」 女の子は、答えてくれない。 私の顔を、監察日記をつけるような熱心さで凝視したまま、いっこうに目を放さない。 私の顔に、何か変なものでも付いてるのかな。 分からない。分からなくていい。 知りたいのは、一つ。 あなたは、私の邪魔をするのかどうか―― ♪ 月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月月 『やったよ月! ミサの投げた石、あの女の頭に命中したよ!』 『ああ、よくやったぞミサ。彼女も相当なダメージを受けているようだ』 ライトライトライトライトライトライトライトライトライトライトライトライト 『でも……あの女、ひょっとしたらすごく強かったり……しないかな?』 『何も不安がることはないさ。僕の推理では、彼女はただの人間。ミサでも問題なく殺せる』 らいとらいとらいとらいとらいとらいとらいとらいとらいとらいとらいとらいと 『本当!? ミサでもやれるかな?』 『もちろんさ。さぁ、頑張って殺しておいで――僕のために』 LightLightLightLightLightLightLightLightLightLightLightLightLightLightLight 『うん! ミサ頑張るから……だから、月。ちゃんと傍で……見てて、くれるよね?』 ♪ 女の子が迫ってくる。 その細い腕に、先端の尖った棒を携えて。 私に向かって、ゆっくりと。 一歩、 二歩、 三歩、 危機感を感じていないわけではなかった。 ただ、頭がふらついて、どうにも足取りが重い。 一歩、 二歩、 三歩、 石をぶつけられた衝撃が、私の動きを鈍らせているようだった。 本当ならこのまま気絶したい気分……でも、彼女が迫ってくる。 一歩、 二歩、 三歩、 逃げなきゃ――そう思ったときにはもう、遅かった。 ぽすっ 優しく、彼女の身体が私に圧し掛かる。 軽い。全身を預けられているというのに、酷く軽い。 きっと食事もあまり取っていないんだろうな。 すぶり 私がどうでもいい心配している最中も、彼女の狂気は納まらなかった――そのことに、気づけなくて。 小さな水音と、腐ったような悪臭がして。そこから、腹部に痛みを感じた。 ぽたぽた 一瞬、ああ、また雨が降ってきたんだな。と錯覚した。 でも、空は曇っているだけで、何も落としてはいない。 雫の垂れるような音の正体は、私のお腹から滴る血だったんだ。 ぐりぐり 私のお腹の中で、彼女の握った槍が回転を始める。 ドライバーでネジを回すみたいに、中の色んなものをかき混ぜてしまう。 それを自覚すると、もうあとは痛みしか感じなかった。 痛い。やめて。痛いから。やめて。お願い。本当に。お願い。お願い。死んじゃう。 死んじゃうよぉ。死んじゃったら、死んじゃったら、死んじゃったら、死んじゃったら。 もう、あの子が守れなく―― 「…………こばやかわせな」 私は、枯れた喉から彼の名を搾り出した。 「小早川、瀬那」 あの子の、私が守ってあげなくちゃいけない、弱いあの子の名前を。 「セナ!」 掛け替えのない、存在を、守るため! 「あっ!?」 私は精一杯の力で彼女の身を引き剥がし、そのまま体当たりで吹き飛ばした。 べちょっ、という汚らしい音を鳴らし、彼女の身体は泥の中へと倒れこむ。 とりあえず窮地を脱した私は、腹部に突き刺さった槍を力任せに引っこ抜く。 私の血がべっとり付いた槍……見ているだけで気持ち悪い。 私はそのまま槍を握り締め、倒れたままの彼女に向かって投擲した。 「ッ痛い!」 へろへろな軌道で放られた槍は彼女の綺麗な生足を掠り、一筋の血線を残して地に転がる。 串刺しにするつもりで投げたものの、頭部と腹部から来る痛みのせいか、少し狙いを外してしまったようだ。 それでも効果は覿面。彼女は痛みに悶え、泥だらけの地面を転げ回る。 滑稽だった。そうだ。私の邪魔なんてするから、こういう目に遭うんだ。 私を殺そうとするなんて、そんな―― 「……小早川、セナ君は……死んだよ」 呟く。 「え?」 「放送、聞いてなかったの? 私、少し前まで彼と一緒だったの。セナくんは、パピヨンっていう蝶々仮面の変態に殺された」 え? 「あなた、ひょっとして姉崎まもりさんじゃない? セナくんの友達だっていう」 私は、彼女が何を言っているのか理解できなかった。 だけど脳は、必死に命令を下す。 ――武器を手に取れ。 ――あいつを殺せ。 そんな風に。 私が持っている唯一の武器である鉄パイプ。それを躊躇いもなく取り出したのは、本能が呼びかけていたからなんだと思う。 「逢いたかったんでしょ? でもざんねん。あいつはね、ミサが武器をあげたにも関わらず、Lを殺すことができなかった。 本当にざんねん。すっごい無駄死に。グズの上に、クソの役にも立たない。生きてる価値もない、どうしようもないダメ人間」 ああ、そっか。 私がずっと彼女に抱いていた嫌悪感の正体は、これだったんだ。 そのことに気づいた私は咄嗟に駆け出し、鉄パイプを強く握り締め、振り上げる。 私の行動に口を黙らせた彼女を目下に、腕に思い切り力を込め、振り下ろした。 ガスンッ 彼女はセナを知っている。 セナが死んだことも知っている。 知っておきながら、その死を嘲笑う。 なぁんだ。 セナを虐めていたのは、彼女だったんだ。 ガスンッ ガスンッ 振り下ろす、振り上げる、振り下ろす。 ガスンッ ガスンッ 何度も何度も、音が鳴り響く。 ガスンッ ガスンッ 「痛い……痛い……」 ガスンッ ガスンッ 彼女の言葉は、聞こえない。もう、聞かない。 ガスンッ ガスンッ 「痛い……ね、べぇ……ご、でぇ……本当に、いだい、ぐげっ、」 ガスンッ ガスンッ 「や、べて……ミサ、アイド、どぅだから……痛いの、や、だか、ら……」 ガスンッ ガスンッ さっきから口を動かして、何か言っている。 知るもんか。セナはもっと痛い思いをしたんだ。 ガスンッ! ガスンッ! よりいっそう力を込めたら、彼女は口を動かすのをやめた。 死んだ? ううん、まだ生きてる。単に抵抗するのをやめただけだ。 ガスンッッ!! ガスンッッ!! 「あべぇっ」 ――喉の奥底から、搾り出したような嗚咽が聞こえた。 ……死んだ? 死んだの、かな? まだ分からない。もっと叩かなきゃ。 私は、休まず鉄パイプを振り上げる。 「――――まもりちゃん!」 もう何度目か分からない殴打の最中、私の身体は何者かに体当たりされて、吹き飛ばされた。 泥だらけの地面の上、仰向けに倒れてしまった私はすかさず身を起こし、謎の襲撃者に対処しようと試みるが、 「もうやめて、まもりちゃん!」 ――上半身だけ起こしたところで、私の身体は、麗子さんの手によって羽交い絞めにされてしまった。 お互いに抱き合ったような状態で、二人の距離は完全にゼロ。 幸いにも手から鉄パイプは離れていなかったが、この密接した状態では殴るに殴れない。 鬱陶しいのに、引き剥がせない。 私は、セナを虐めたあの娘を粉々にしなきゃいけないのに。 「もういい! もういいのよまもりちゃん! あなたはもうこれ以上、罪を重ねる必要はないの!」 何が、もういいって言うの? セナが死んだから? ……認めない。私は、絶対に認めない。 「うるさい……私は……セナのために……あの女を殺……」 「バカ!」 全部言い切る前に、私の言葉は麗子さんの一喝によって掻き消された。 「あなたもう、十分頑張った! もうこれいじょう頑張る必要はないの! もう休んで、普通の女の子に戻っていいの!」 頑張った――――私が? そんな、だって私は、まだセナを守れてない。 「あなたが守りたかったセナちゃんは、もう死んでしまったのよ!」 「――!」 聞きたくなかった。 でも、耳が受け入れてしまった。 その言葉を。覆しようのない、その事実を。 「悲しい気持ちは分かる! 悔しいって思いも分かる! でも……でももうどうしようもないの! まもりちゃんが足掻く必要は、もうどこにもないの!!」 ――痛いよ、麗子さん。 そんな正面から正論をぶつけられたら、私、どうしていいか分からなくなっちゃうよ。 「う……」 私が守りたかった。 死なせたくなかった。 小早川瀬那。 生きてて、欲しかった。なのに。 「……っぐ」 どうして。 「ぐっ……うぇ」 ……どうして……セナが……死んで…… 「……どうして……セナが……死んで……」 あの子は、何も悪いことしてないのに…… 「あの子は、何も悪いことしてないのに……」 ……なんで、なんで殺されなきゃ…… 「……なんで、なんで殺されなきゃ……」 う、っぐぇ……うう……っ……~~ 「う、っぐぇ……うう……っ……~~」 「まもりちゃん……」 麗子さんの両腕が、私の血塗れの身体を優しく包み込む。 聖母さまみたいな印象を感じた。 どんな罪も洗い流してくれるような、そんな気さえしてしまう。 「ぅ――――――――――――ぁ――――――――」 「悲しさを、閉じ込めないで。あなたはもう、泣いていいから」 「ぅわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」 安心した私は、思い切り泣きじゃくった。 セナという掛け替えのない存在を失ってしまった悲しみに、ただただ打ちのめされて。 狂気も全部、悲しみで埋め尽くして。 泣いて泣いて泣いて、泣き続けた。 押し寄せてくる涙は、決壊したダムのように止め処なく。 麗子さんはただ黙って、私を優しく包みこんでくれた。 視界はとうに水没してしまい、麗子さんがどんな表情をしているのかさえ分からない。 ザッ もう一度、セナに会いたかった。 人殺しになった私を見て、軽蔑されてもいい。 それでも、もう一度セナに会いたかった。 ザザッ 私がついてるから、大丈夫。 私が守ってあげるから、大丈夫。 最後はヒル魔くんも生き返って、もう一度クリスマスボウルを目指せるからって。 ザザザッ 言ってあげたかった。 安心させてあげたかった。 今さら後悔しても仕方がないけど。 ドスッ 私は、セナに会い…………!? 「………………あ、れ?」 ヌルリとした感触が、手の平いっぱいに広がる。 同時に、腹部の辺りにも痛みを感じた。 そのせいか、涙でぐじょぐじょになっていた視界は一瞬で晴れ、目の前の光景を映し出す。 傍には、私を抱いたまま苦悶の表情を浮かべる麗子さん。 その奥には、どこかで見たセーラー服の女性が立っていて―― 「ぁ」 ――津村、斗貴子。 どうして、彼女がここに? ううん。それよりも。 どうして、麗子さんの背中にあんなものが―― ♪ 救いたかった。 殺し合いなんていう馬鹿げた呪縛から、あの子達を解き放ちたかった。 キルアちゃんも、リョーマちゃんも、星矢ちゃんも、まもりちゃんも。 こんな世界にいるべき人間じゃないから。 それが大人としての義務であり、警察官としての仕事だから。 こんなの、私の自己満足かもしれないけど。 でもやっぱり、何の力もない子供達が殺し合うっていうのは、間違ってると思う。 胸が痛い。 視線を落とすと、私の胸部を金属の刃が貫いているのが分かった。 その刃は深く貫通し、まもりちゃんの腹部にまで届いている。 いけない。まもりちゃんが不安そうな顔をしている。 笑わなきゃ。痛いけど、頑張って笑って、この子を安心させてあげなくちゃ。 「……大丈夫よ。まもりちゃん」 怯えないで。私は、平気だから。 「星矢ちゃんが、言ってたでしょ? ハーデスを倒せば、きっとみんな生き返る。セナちゃんとも、きっとまた会える」 そうよ。そうすれば、圭ちゃんや部長さんにも、また会える。 もちろんその時は、両ちゃんも一緒に。 また、亀有公園前派出所に戻れる。 今頑張れば、きっと日常を取り戻せるから。 だから、ねぇ、 笑いましょ?―――――― ザンッ ボトッ コロ…… コロ…… コロ………… ♪ 初めから、こうすればよかったんだ。 そもそも、『臓物をブチ撒ける』なんていうのは、憎きホムンクルスに苦痛を与えるための殺し方だ。 相手がなんの罪もない、ただの人間であるというならば――苦しめず、楽に逝かせてあげるのが、せめてもの情けだ。 こんな風に、『首から上』を斬り落とせば。 胴体と脳を完全に遮断してしまえば、痛みを感じることも死を実感することもなく、楽に死ねる。 もっと早く、このやり方に気づいていればよかった。 最初からこうしていれば、両津や星矢も苦しまなかっただろうに。 今、一時だけ、『すまない』と言っておこう―― 「麗子さん……首が……首が、ないよ…………?」 私には、まだ任務が残っている。 秋本麗子だけではない。彼女も殺さなくては。 バルキリースカートを振り上げる。 狙いは、首だ。 大丈夫、一瞬で楽になる。 だから、どうか、安心して―― ♪ ぴちゃ ぴちゃ 「麗子さん……首が……首が、ないよ…………?」 私に身を預け、力なく項垂れる麗子さん。 その頸部には、血の断面図が浮かび上がっていた。 ぴちゃ ぴちゃ 触れてみると、新鮮な水音が鳴って、手が真っ赤に染まった。 ぴちゃ ぴちゃ 何度触っても、それは変わらない。 いつまで経っても、頭の質感に辿り着けなくて。 ごぷ ごぷ 触りすぎたせいだろうか、断面図からは、湯水が湧き出るように血が溢れてきた。 本来なら脳に送られるべき血液が、全部体外に放出されてしまう。 ――そんな―― ――どうして、麗子さんが?―― ――どうして、どうして―― ――麗子さんが、殺された―― ――あの女に、津村斗貴子に―― 「――――――」 何も言わず、麗子さんの身体は、糸の切れたマリオネットみたいに崩れていく。 私は、その身を支えることができなくて。 麗子さんの死体は、ぐしょっ、と地面に投げだされた。 泥と、まだ暖かい血が頬に飛び散る。 実感した。 麗子さんは、死んだ。 どうしようもないくらい悲惨で容赦なく潰され徹底的に壊された上で死んだ。 それを実感したら、とてつもなく悲しくなって。 でも、それ以上に。 激怒した。 「ぁ――――――――――」 悲しみを閉じ込めて、立ち上がる。 鉄パイプを握りなおし、ありったけの力をこめる。 許せない。 許せない許せない許せない許せない。 許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない。 駆け出した。 何もかも、ぶっ壊したくて。 「な――!?」 麗子さんを殺したあの女を、粉々にしたかった。 「うおアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 声なんて、とうに枯れたと思ってた。 でもそれは、錯覚だったんだって気づく。 私はまだ、叫べる。怒ることが出来る。 津村斗貴子に向かって、死ねと叫べる。 「死んでくれ」 そう言ったのは、誰だったか。 え? 今の、私じゃない。 「――がふっ!」 決死の思いで突攻を試みた私の身体は、津村斗貴子の太腿に装着された四本の鎌によって、宙に投げ出された。 体重の軽い私は、空中で六回転半ほど回って、木に激突。その時の衝撃で、私の上に何枚か木の葉が舞い落ちる。 不思議と、痛みは感じなかった。 それほど大したダメージじゃないのか、打ち所が良かったのか。 とにかく、私はまだ生きてる。 今の内に、あの女を殺しに行かなきゃ。 「ぁ、れ」 おかしいな、身体が、動かない。 それに、手足がみんな、ありえない方向を向いている。 あれ、左肘のところ、骨が飛び出してる。 おかしい。こんなの、絶対におかしい。 だって、全然痛くないのに。 なのになんで、思うように動いてくれないの? 「苦しめたくなんか、ないんだ」 ピクリとも動かなくなった私に、津村斗貴子はゆっくりと歩み寄る。 「頼むから、抵抗しないでくれ」 嫌だ。抵抗する。お前を殺して、この悲しみを振り払うんだ。 「頼むから、大人しく死んでくれ」 私の眼前まで来て、彼女は、無表情だけど――どこか、悲しそうな瞳で訴えていた。 知るもんか。 私は、こいつを殺す。 麗子さんは、駄目っていうかも知れないけど。 それじゃあ、私の気が治まらないから。 だから、許してね。 「………………やー、はー…………………………」 ザクッ ドサッ ブシャァァァァ………………… ♪ 「……武装錬金、解除」 血に塗れたバルキリースカートを核鉄の形状に戻し、私は、終焉を迎えた現場を直視する。 血の海と形容するには十分な――地獄絵図が、その場に広がっていた。 私が自らの手で斬り落とした、二つの首と首なし死体。 それに、おそらくは姉崎まもりに撲殺されたのであろう、血塗れの少女の死体が一つ。 皮肉なことに、全員が私の顔見知りだった。 「本当に、無残だな……」 何を言う。 これは、私自身がやったことではないか。 人を殺すと、私が決めたことじゃないか。 今さら悲しんだり哀れんだりするのは、卑怯だ。 「……大丈夫。何を隠そう、私は人殺しの達人だ……」 こんなことを言ったらカズキ、キミは怒るのだろうな。 ……クソッ。 私は自分の頬を引っ叩き、俯きかけていた気持ちに気合を入れる。 ウジウジするのはもうやめだ。私にはまだ、やらなければならないことが残ってる。 カズキ。キミに怒鳴られる覚悟など、私はとっくに出来ている。 キミがなんと言おうと、私は進むぞ。 ――――東へ。 ♪ ………………………………………………………………勝った。 勝ったんだ。 もう、怖い人は行ってしまった。 でも、まだ生きてる。 生き延びた。 あの女は、二度もミサの名演技に騙されたわけだ。 「ふ…………ふふ」 立ち上がって、あたりの惨状を確認する。 ミサを袋叩きにしてくれたあの女は、津村斗貴子の手によって首チョンパされていた。 清々しい。なんていい気味なんだろう。 物言わなくなった首に歩み寄り、私は満面の笑みを披露する。 残念でした。あんなへろへろな攻撃じゃ、ミサは死にませーん。 結局は、津村斗貴子が現れて去るまで、ずっと死んだフリをしていたミサの一人勝ちってワケ。 悔しい? 死んじゃって悔しい? きっとあれだね。ミサに酷いことしたから、神様に罰を与えられたんだね。 あ、ひょっとして月かな? 月が、天国からデスノートでこいつを裁いてくれたのかな。 やっぱり、月はミサの王子様なんだ。月が付いていてくれれば、ミサはなんでもできる。 羨ましいでしょ。セナ君みたいな無能なガキじゃ、こんなことしてくれないでしょ。 戦うための力も、生き延びるための演技力も持っていないのに、ミサに歯向かうからこうなるんだ。 ホント、いい気味。 …………。 ……ねぇ、何か言いなさいよ。 「…………」 そのどんよりと曇った瞳が、ミサを馬鹿にしているようで。 なんだか、無性に腹が立った。 ミサを馬鹿にする奴は、許さない。 そんな奴には、キラの制裁が必要だ。 私は拾った槍を逆手に握り締め、頭の上まで振り上げた。 この女に、制裁を与えるために。 ミサのカワイイ顔をボコボコにしてくれたこの女に、もっと惨めな死を与えるために。 「ふんっ!」 首へ、振り下ろす。 ザクッ ザクッ 「死ね! 死ね! 死ね!」 ザクッ ザクッ 尖った槍の先端が、首の表皮や髪の毛を削り取っていく。 鮮血が飛び散り、ミサの服を赤色に染め上げる。 ザクッ ザクッ まだだ。 顔の皮が全部削り取れて、脳ミソが飛び出て頭蓋骨が見えるまで許してやるもんか。 ミサは、ひたすら熱心に槍を振り下ろし続けた。 邪魔する奴はいない。 月だけが、見守っていてくれる。 ミサは、最強なんだ。 しばらくして、ミサは手を休めた。 あの女の頭部はもはや原型を失い、グロテスクなだけの汚物と化していた。 ねぇ月、これ、ミサがやったんだよ。ミサが、月のためにやったの。 褒めてくれる? くれるよね。やりィ。 「あは……あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははぁっ!」 こんなに気持ちいいの、生まれて初めてだった。 今まで、もうこんなの嫌だ――って思ってたけど。 ここに来て初めて、殺し合いの世界っていうのも、 悪くない。そう感じるようになった。 「あれ」 急に、身体がフラついた。 私の身体は、そのまま泥だらけの地面に倒れこむ。 やだ、気持ち悪い。でも、眠い。 疲れちゃったのかな。ごめんね月。ちょっと休ませて……。 起きたらまた、月のために、たくさん殺すから―――― ♪ ひょっとしたら、この世界に神さまはちゃんといるのかもしれない。 それはもう完全無欠に立派で公平な人格者で、強い者にも弱い者にも、ただ公平に見守るだけ。 宇宙人とか魔王とか冥界の王とかがくだらない盤上の遊戯に勤しんでいても、 なんの力もない子供が己の力を誇示してばかりの醜い大人に惨殺されたとしても、 少ない希望を頼りに必死に生き残る道を模索するグループがバラバラに分解されたとしても、 決して手は出さずに、ただ黙って静観するだけなんだ。 あぁ、なんてありがたい神さまなんだろう。 死んじゃえ。 【大阪府/日中】 【津村斗貴子@武装練金】 [状態]:軽度疲労、左肋骨二本破砕(サクラの治療+核鉄効果により完治) 右拳が深く削れている 顔面に新たな傷、核鉄により常時ヒーリング 絶対に迷わない覚悟 [装備]:核鉄C@武装練金、リーダーバッチ@世紀末リーダー伝たけし [道具]:荷物一式(食料と水を四人分、一食分消費)、子供用の下着 [思考]1:さらに東へ。 2:クリリンを信じ、信念を貫く。跡を継ぎ、参加者を減らす。 3:ドラゴンボールを使った計画を実行。主催者が対策を打っていた場合、その対策を攻略する。 4:ドラゴンボールの情報はもう漏らさない。 5:ダイを倒す策を練る。 【兵庫県南東部/森林/午後】 【弥海砂@DEATHNOTE】 [状態]:気絶、重度の疲労、殴打による軽い脳震盪、全身各所に打撲、口内出血、右足に裂傷 精神崩壊、重度の殺人衝動、衣服が血と泥に塗れている [装備]:魔槍@ダイの大冒険 [道具]:荷物一式×3(一食分消費) [思考]1:会った人を殺す。 2:強い人に会ったら、逃げるか演技で取り入って、後で殺す。 3:ドラゴンボールで月を生き返らせてもらう。 4:自分が優勝し、主催者に月を生き返らせてもらう。 5:友情マンを殺し、月の仇を取る。 6:ピッコロを優勝させる。 【秋元・カトリーヌ・麗子@こち亀 死亡確認】 【姉崎まもり@アイシールド21 死亡確認】 【残り27人】 時系列順で読む Back 0408 明日の勇者 Next 投下順で読む Back 0408 明日の勇者 Next 0410 暴走列島~信頼~ 0395 善でも、悪でも 姉崎まもり 死亡 0407 彼女の功績はあまりに大きく、あまりに残酷 秋本麗子 死亡 0407 彼女の功績はあまりに大きく、あまりに残酷 津村斗貴子 0414 一人で出来るもん 0405 カーニバル 弥海砂 0412 アマネミサと異常な愛情
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福岡か・・・・・ なにがあるんだ? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ああ、明太子でもどうですか? -- 市民A あぁ!それいいな! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ここら辺だったら0系さんがいると思いますので、彼に聞いたらどうですか?私は明太子が有名であることしか・・・・ -- 300X(ひらお) 豚骨ラーメンでもええばい -- 市民B そうだな!そうするぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 今日も福岡は大盛況のようだな・・・ -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) とんこつラーメンねぇ・・・・ 私はまるきんしか知りません。 -- 300X(ひらお) まぁいいぜ!とりあえずまるきんとやらに行こうぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 今回はお宝はないか・・・・? -- ディエンド(ひらお) どうだい、西鉄電車のレールというのは? -- 市民C たいしたお宝だな・・・・ でももっとお宝らしいのはないのか・・・? -- ディエンド(ひらお) そうめん、それなんだ? -- 300X(ひらお) これか・・・・ これはなぁ・・・・ レールだ。 -- 焼き鳥そうめん(ひらお) まぁいい。その西鉄のレールとやらはどこにあるのかね? -- ディエンド(ひらお) うん、私の家にあるよ。100年前、ちょうど創立当時のレールだけど -- 市民C いやそれはわかる。何のレールだ。 -- 300X(ひらお) 俺も知らないぜ!でもなぁ、取っておきの情報を教えてやるぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それは? -- 300X(ひらお) このレール、そこら辺の家からパクってきてやった!溶かして武器作るぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) おいいぃぃぃぃ!なにやってんだ!知らないよ!? もういい!帰る! -- 300X(ひらお) なんかあの変な鳥が何か怪しいことをやらかしてるみたいだ・・・ -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) >市民C そうか。でもあのレールってあれじゃないか?(そうめんを指す) -- ディエンド(ひらお) でも錆びてるな・・・・ まぁいいか このレールを今からピストルの材料にするぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) あのレールは僕のものだ。(kamen ride...... zero!) -- ディエンド(ひらお) あれはまさか・・・0系新幹線・・・でもなぜここに? -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) ここはどこだ・・・・? まぁいい!そうめん!貴様の相手はこの私だ! -- ディエンドに召還された0系(ひらお) させるか!ブラスター! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) そんな低性能な銃で勝てると思うのか?(軽々かわすが、光線は稲葉の方へ) -- ディエンド(ひらお) 危ない!(素早くかわす) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) あの女が邪魔くせぇな・・・・ 何者だ・・・・・? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 女・・・そんなのいたっけ・・・ -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) すみませんでした。ってかテメェ誰だ? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ああ、俺は稲葉、テニスプレイヤーだ。 -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) へっ!ただのテニスプレイヤーか!ニートテニスプレイヤーとでも呼ばせてもらおうか! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ニートだと?貴様!俺はれっきとしたプロプレイヤーだ!バカにしやがって! -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) お前がか?プッ。。。笑えるじゃねぇか。。。。ププッ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) うるせぇっ!(いきなり蹴りをかます) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) おぉwww弱い蹴りですねwwww(実はかなり痛い) ププッ!(HP9/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) まだだ!喰らえ!(ラケットでリフレクターを狙う) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) リ、リフレクターが・・・・!許せんっ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それっ!(更に距離をおいてそこから硬球で210km/hのサーブをそうめんに放つ) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) 時速210km!ファーン! -- ディエンドに召還された0系ひかり1号(ひらお) くそ・・・・!(HP8/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) (さらにラケットをバールのようなものに持ち替えて)えい!これでも喰らえ! -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) ダメだ・・・・ さっきの蹴りで動けん・・・・!(HP7/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) (ジェリコのラッパ)目標、焼き鳥そうめん、爆弾投下! -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) うわああぁぁぁぁ!(HP6/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それっ!(さらに一撃) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) (attack ride..... blast) ハッ!(稲葉に) -- ディエンド(ひらお) ぎゃぁっ!(HP178/200) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) 喰らえ!37mm砲!(37mm砲をそうめん、ディエンドに放つ) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) 楽勝(かわす) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 稲葉善斗。君はバトロイ甲子園の初代覇者だったな。君が優勝時に使ったラケット。それはたいしたお宝だ。こっちによこしたまえ。 -- ディエンド(ひらお) うん、こんなものより、今は新品のブランドラケットを使ってるから・・・・(あっさりと渡す) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) くそっ!自慢の37mmが!ならば!(旋回して右翼でそうめんを斬る) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) な、なんだって~!(働いた意味がないという精神的ダメージで消失) (HP0/100) -- ディエンドに召還された0系ひかり1号(ひらお) 代金はこれで十分だろ。(なにかのサインが書かれたテニスボースを渡す) -- ディエンド(ひらお) じゃあな。(attack ride....imvisible) (どこかへ消える) -- ディエンド(ひらお) クソ!ディエンドが・・・・(HP5/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) せーの!(再びサーブ攻撃) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) まだ敗れるものか・・・・!(ギリギリ避ける) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それっ!(爆弾投下) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) そ・・・・そうめん・・・・(HP4/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それっ!バリア取って無敵!(そうめんに体当たり) -- スーパー正男(石坂線の鬼神) あぶねぇ!クソ髭親父が! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) まだだ!喰らえ!(しっぽで攻撃) -- スーパー正男(石坂線の鬼神) 百烈チョップだ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) どうかな(尚バリア状態中) -- スーパー正男(石坂線の鬼神) ぐっ、糞髭親父め・・・・(HP3/10) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) わーっ!助けてーっ!(ソニックからいつの間にか福岡に逃げてきた) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 俺らどれほどの距離走ったんだ・・・・ そ、そうめんじゃないか! -- 253系成田(ひらお) お、銅鑼衛門殿に253系!助けてくれ!今襲われてるんだ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ひどいダメージだね・・・うーん、なにかないかなにかないかなにかないかぁ〜!(ポケットをあさる銅鑼衛門) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 銅鑼衛門殿が道具を探している間は私がお相手しよう。 -- 253系成田(ひらお) 衛生兵カバン!そして、本物電子遊技機! -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) おぉ!なんだそれは!? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) まず衛生兵カバンで君を回復させる。そして本物電子遊技機はあの平面戦士のまねが出来る優れもの -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) すげぇ!(HP10/10)本物電子遊技機でどんなまねができるんだ? オイルパニックとか?それともカクカク素早く動けるとか? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) まず、対象となる人物を設定して(本物電子遊技機のスクリーンに稲葉を合わせて釦を押す)、で、場所を設定して(そこらへんの公園に画面を写して釦を押す)、で最後に開始の釦を押せば始め。 -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) うわぁっ!なんかに洗脳された! -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) すげー!銅鑼衛門殿だぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) (頭上からスパナだのハンマーだの落ちてくる)うわぁっ!な、なんだ!これは! -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) これはヘルメットですな。落ちてくる工具を避けつつ家に進むゲーム。スマブラではダッシュAですね。 -- 解説のゲームウォッチ(ひらお) ふふふふふ・・・(稲葉を次々と工具に当てるようにする) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) いいぞいいぞ!! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) うわぁっ!やっ!やめろ!(HP84/200) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) ざwwwまwwwwwあwwww -- 鳥 ぎゃぁ・・・あ・・・・(HP20/200、戦闘不能) -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) ざまぁwwwww!!!さて、次は・・・・ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) どうしますか?ディエンドは帰ったし、誰もいない・・・・ 武器の調達でもしますか? -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 次はあの糞髭親父だ!(スーパー正男をロックオン) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) さすが!我々とは格が違う! -- 253系成田(ひらお) うわっ!体が動かん!うわぁーっ!上からなにか落ちてくる!ぎゃあーっ! -- スーパー正男(石坂線の鬼神) マリオのやろうもこれぐらいきれいにやられるのかな・・・・ -- 鳥 さあ、でも幻想郷育ちのマリオならそういうわけにはいかないはずだ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) そうだよな・・・・・ みすちーとメディスンに先に機械自体を壊されてしまったり、奪われて利用された場合には・・・・ -- 253系成田(ひらお) 凡退王子:耐性ありそう。 糞播磨人:脆そう。 PAD:絶対ひっかからない。 ファッキンバード:やられそう 空気新幹線:耐えられそう 脆弱新幹線:穴を開けられる 本物電子遊技機の効果は多分そのくらいか。 -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) なるほどな。でも初代が敵に回ったときはどうするんだ?あとディエンドも召還されて破壊されたらなぁ・・・・ -- 焼き鳥そうめん(ひらお) そういうときはひみつ道具で極力対応してやるよ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) うわぁーーーっ!!(HP10/1890、戦闘不能) -- スーパー正男(石坂線の鬼神) ぎゃはははははw後はあの変なおっさんだけか。まずあいつを飛行機から降ろすぞ・・・ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) うめぇwww あぁ!頼むぜ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 俺はミサイルで援護するぞ。 -- 253系成田(ひらお) 喰らえ!(空気三式弾をルーデルに放つ) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) ぎゃぁぁぁぁーーっ!!(スツーカ撃墜) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) 落ちたぜ!後は例の装置を・・・・・ -- 焼き鳥そうめん(ひらお) よし!(本物電子遊技機でルーデルをロックオン) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) うわぁっ!動かん!変な妖術かこれは!ぎゃぁーーーっ!!(ボコボコボコボコ) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) ざまぁwwww さすが銅鑼衛門殿! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ダメかぁ・・・・ガーデルマンが・・・・来い・・・・(HP30/898) -- ハンス・ウルリッヒ・ルーデル(石坂線の鬼神) ハハハハハハ!これで我々の勝利だな! -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 喰らえ!!(前ビで銅鑼衛門を攻撃) -- チーフ(Mr・H) 英雄とは常に後から登場するものと俗世間の人々は言います。 そろそろ観念していただきましょうかね,流しそうめんさん(キラーン☆) と,その前に・・・酷くやられたようですね,このまま叩きのめされてはいけませんから,傷を治して差し上げましょう(ハンスにヒールを掛ける) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) あーーーー!! あたしの大好きなイケメン3羽がらすになんて事してくれるのよ!! もう許さないっ・・・レイズデッド! ヒールレインLv3!(稲葉と正男に戦闘不能から復帰と体力完全回復の効果) このヘタレ軍人青狸はネズミにかまれて顔面蒼白にでもなってなさい! 盟約の元,我に従い,かの青狸カラクリに最高の恐怖を! ワイトゥーン・イム! チュチュネズミファミリー!!(※ネズミたちの動きは大津の守護神さんに任せます!!) -- 蒼崎蒼牙(剣聖・聖良紅牙) 今回は福岡か!博多ラーメン食べたいわ! では一旦orz -- 夏川 岩子(大津の守護神) 回復に回復をかけられ、そうめんのHPは1上昇した!(HP11/11) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 焼き鳥そうめんよ喰らえ!100000ボルト! ではorz -- 超ピカチュー(バトロイ族) サンダー!カレーみたいなもんだぜ!!(ポピー パチモンポケモン超ピカチューの100000万ボルト) -- カービィ(なっしー) サンダーカレーって何?! -- 夏川 岩子(大津の守護神) ははははははっ!結局あの糞鼠は出てこなかったじゃないか! -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 大笑いー!!サンダーみたいなもんだぜ!!(ポピー 銅鑼衛門の大笑い) -- カービィ(なっしー) とりあえず夏川は消えろ!(空気三式弾を夏川に浴びせる) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) リフレクター!そんなもん跳ね返してやる!(10万ボルトを反射) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) コラッターーーーーー!!!(50000匹以上のコラッタが代わりに現れ銅鑼衛門を埋めた/爆) -- コラッタ隊(剣聖・聖良紅牙) させるか!俺が相手だ!(コラッタ隊の前に現れる) -- 253系成田(ひらお) パチリーーーー!!!(253系成田にほぼ同数のパチリスがたかって放電) -- パチリス隊(剣聖・聖良紅牙) トラップ発動!ネズミ捕り!この場にいるネズミは消滅! -- ルイージ(魔理沙) ルイージGJ!これであの似非糞電気鼠も消滅だ! -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) リフレクター!そんなもん跳ね返してやる!(放電を反射) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) へっ!マリオに一度殺されたが、30秒で復活したのだ!銅鑼衛門!マリオはこれないはずだ!ここでたたみかけようぜ! -- ルイージ(魔理沙) あぁ。行くぞ。 -- 253系成田(ひらお) どうやらあの糞似非髭親父と庭球野郎が帰っちゃったし・・・あと寝返り独逸人も・・・ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) それは・・・どうでしょうか? 残念ですが用意したネズミ捕りでは数が間に合わなかったようですよ?(なんと後続隊が後を絶たずに現れてきた!!!) ついでです,パチリス達の活力充填ついでに受けなさい,天罰の雷! 天光満つる所に我はあり,黄泉の門開くところに汝有り・・・出でよ,神の雷!! インディグネイション!!(超巨大な雷がパチリス達共々253系に直撃落下) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) すまねぇ・・・・・ 500系のように電気吸収はできないんだ・・・・ じゃあな・・・・ (HP0/8000) -- 253系成田(ひらお) 雷うめぇ!!!全部俺のところに電気よこい!(雷は回復) -- ルイージ(魔理沙) 異世界のマリオ・・・・か・・・・ (kamen ride.... doctor!) -- ディエンド(ひらお) だったらこっちはどうだ! グレイヴ! アースクェイク! ストーンザッパー!! スパイアクレイ!! グランヴァニッシュ!!(ルイージに向かって地属性技5連発) -- 剣聖・影刃黒牙(剣聖・聖良紅牙) (私は実況だったあいつじゃないぞ。)どうした?怪我人か? -- ディエンドに召還された922形DT(ひらお) パチリーーーー!!!(インディグネイションで全快,今度はそうめんに向かって突撃!! -- パチリス隊(剣聖・聖良紅牙) リフレクt・・・・・ クソ!(あまりの威力に壊れる) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ぱぁぁぁちりぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!(全員でかみなり>焼き鳥そうめん) -- パチリス隊(剣聖・聖良紅牙) ここが福岡か・・・・ 雷!?(でも吸収) -- 500系のぞみ(ひらお) ギャース!(HP10/11)させるか!ブラスター二丁だ!(パチリス隊を撃つ) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) よくわからないけど、まぁいいや・・・・・ 時速260km!(922形に) -- 500系のぞみ(ひらお) クソ・・・・・・!(HP0/100) -- ディエンドに召還された922形DT(ひらお) んん?なんか嫌な予感がする・・・・ -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) リルル!! るりるり~~~!!(ねずみ取りにかからなかったマリル達が笑顔で大波を引き連れて襲いかかってきた!!) -- マリル隊(剣聖・聖良紅牙) コートの中にはぁ〜魔物が住ーむのぉー、頼れる仲間はぁー、皆目が死んでるぅー!!バレエにかけた青春〜でも、皆目が死んでるぅー!!(何故か本人並みうまい) -- カービィ(なっしー) ラッタだっちゅ~~の!!(マリルと一緒にラッタまで波に乗ってきた!!/※ラッタは秘伝マシンによりなみのりを覚えられます。) -- 波乗りラッタ隊(剣聖・聖良紅牙) 当たるか!(空高く飛んで避ける) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 桃太郎印の吉備団子!(そこらのポケモン群の口に入れる) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 団子よりポケモンフード,だっちゅ~の!!(見向きもしてくれない・・・ていうか,食べそうになっても吐き出してそのまま波乗り!!) -- 波乗りラッタ隊(剣聖・聖良紅牙) そして空からロケットランチャー!(ラッタ隊に) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 空気三式弾!(ラッタに放つ) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) させませんっ! 黒牙「喰らえっ,複合晶術!!」 『○ース・ウィンド・○ンド・フoイヤー!!』(地・火・風属性の晶術やらエナジーやらがロケットランチャーを貫通したり撃墜したりしつつ銅鑼衛門とそうめんに襲いかかった!) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) くそぉーっ!そうめん、何かいいものないか? -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) 仕方ない!貫通効果のあるスナイパーライフルだ!受け取れ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) そんなものじゃ意味無いけど・・・仕方がない!喰らえ!(ラッタ隊の一匹を試射) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) そんな代物お前にゃ宝の持ち腐れだよ(スキル:武器を盗む) ほらほら,かわせるものならかわしてみろよぉ!!(装備→乱射) -- 剣聖・影刃黒牙(剣聖・聖良紅牙) 一匹だけじゃ意味無いっちゅ~~の!!(しかし当たったのは後ろに仲間が続いていない端の方だったようだ) -- 波乗りラッタ隊(剣聖・聖良紅牙) ダメだ!うーん、なにかないかなにかないかなにかないか〜(必死にポケットをあさる) -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) ナニィ!んじゃデビルランチャーだ!喰らえ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) (ウソ800使用)・・・俺達の攻撃,当たるわけ無いもんな~…ww 逆に奴らの攻撃に当たっておだぶつだもんなぁ~~ww(当然嘘つき) -- 剣聖・影刃黒牙(剣聖・聖良紅牙) (ソノウソホント使用)うん!ラッタの攻撃当たらないよ―――!逆にラッタの方がオダブツになるよ―――!! -- カビえもん(なっしー) ちょwwwなんという嫌がらせwwwwwwwww -- たみ☆ふる巫女(なっしー) (カビえもんに気付いた!)そーですねー!!当たっちゃいますねー…銅鑼にw(そのウソホントの効果に相乗してウソの対象と内容を変えた!!) -- 剣聖・影刃黒牙(剣聖・聖良紅牙) ※黒牙は意外と単純明解な考え方をしていますが,実は発想の転換もなかなか凄いのです。 さすが悠牙と同じ公爵様ですね~。 と言うわけで,ソノウソホントとウソ800の効果が相乗して…結果的に標的は銅鑼衛門になりましたとさ。 -- 影ナレ(剣聖・聖良紅牙) ハイハイ、嘘はやめようねー!(嘘と虚実を無くす程度の能力)名符「たった一つの真実」!(嘘による効果が無くなった!) -- 嘘駄目の会会長(なっしー) 時速300km!・・・・・ ? ????? どうなってんだ? -- 500系のぞみ(ひらお) とりあえず真実の為に銅鑼衛門勢に僕は付くよ -- 嘘駄目の会会長(なっしー) ちぇっ…つまんないの…嘘駄目の会会長のせいで飽きたー -- たみ☆ふる巫女(なっしー) そんな会ありましたっけ? まぁいいでしょう。 突撃を続けてください,ネズミーズのみなさんw(号令と共にコラッタ隊・ラッタ隊・パチリス隊・マリル隊が全員で突撃開始!!) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) そうかい・・・・ 今回は持久戦になりそうだな・・・・ (ポインターなどを整備) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 弾幕で対抗だ!!光実『真実を照らす光』!! -- 嘘駄目の会会長(次回から会長に略)(なっしー) ところで・・・・ 私はどちらにつけばいいのだ?狩りに来たんだが・・・・・ -- 500系のぞみ(ひらお) 500系、君は真実を隠そうとする人(紅牙)達に着くのかい?それは後ろめたいと思わないのかい? -- 会長(なっしー) ???? まぁよくわからねぇ。とりあえずアンタの援護をするぜ! -- 500系のぞみ(ひらお) 真実と虚偽は紙一重・・・ゆえに,事象をまたいでしまえば当たりませんよ(ネズミーズは弾幕が当たらない事象を通り抜けて突撃続行!!) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) ネズミーズ覚悟しろ!スマートボムだ! -- 焼き鳥そうめん(ひらお) それで、誰を狙えばいいんだ!? -- 500系のぞみ(ひらお) ネズミ達とネズミを率いてる者達です、そうですか、ならば次はこれです、心眼『嘘を見抜く閃光』(ネズミ達に大量のレーザーが降り注ぐ) -- 会長(なっしー) 了解!時速300km!(陽光皇牙に) -- 500系のぞみ(ひらお) さっき思いついたばっかでネタが定まってないからこっちも一種の戦争になってるんスけど -- なっしー(本人) まぁいいじゃないですか。新入りが来てどうなることやら。 -- 実況のYS-11(ひらお) ぎゃぁぁーーっ!ネ、ネズミがいたーーっ!! -- 銅鑼衛門(石坂線の鬼神) (ヘリで上空から眺めながら)おっと銅鑼衛門が逃げ出してしまった! -- 久野誠(石坂線の鬼神) な・・・なんてこった・・・・ -- 焼き鳥そうめん(ひらお) もう無理、消えろ駄目会長 -- なっしー(本人) え!?(キエマスター) -- 会長(なっしー) 消えた・・・・ どっちの味方をすればいいんだ・・・・? -- 500系のぞみ(ひらお) 焼き鳥そうめんは我がチュチュが倒すでチュ! 喰らえチュチュネズミソング! -- チュチュネズミ(大津の守護神) ぐはぁ!(HP9/11) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 焼き鳥そうめんにダメージを与えることに成功したでチュ! -- チュチュネズミ(大津の守護神) とどめは俺が取るぜ! 超9000倍ギャーリック砲!くらえそうめん! -- ベジータ(大津の守護神) たかが鼠が・・・・!歌相手じゃ「数千倍の五感」の意味がないっ! (HP8/11) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) 俺の超9000倍ギャーリック砲がきいてねえか!ならば喰らえ超100000000倍トリプルギャーリック砲! 喰らえそうめん! -- ベジータ(大津の守護神) ちんけな攻撃じゃ焼き鳥そうめんは倒せないのか! -- チュチュネズミ(大津の守護神) 余裕!(軽々かわす) (注:今回のそうめんはかなり硬いです。1攻撃=1ダメージ。) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ではあと8回攻撃を命中させればいいと言うことになるんですね。 それならば・・・ちょっと痛いでしょうけれど,我慢してくださいね~(メガトンハンマーぶん回し) それっ!!(目標:焼き鳥そうめんの後頭部~尾羽!) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) 当たるかよ!(軽々かわす) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) あっ(ぶん回しすぎて焼き鳥そうめんの死角からハンマーが飛んできた!) -- 剣聖・陽光皇牙(剣聖・聖良紅牙) そうか・・・奴は五感が優れた分普通の人にとっての騒音が数倍の威力になってるんだな!! それならっ!!(D-BR PVの音楽を大音量の巨大スピーカーでエンドレスに流す) -- 剣聖・影刃黒牙(剣聖・聖良紅牙) ギャアアアアアア!(HP6/11) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) でかい音なら任せてくれぃ! みんな耳塞げよぉ!!(ラウドサウンズ発動,想像を絶するぐらいの爆音でどこから持ってきたのかドラムセットをぶっ叩きまくる。 しかもメチャクチャ格好いいソロばっかり) -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) ヤバイ・・・・!(HP4/11) -- 焼き鳥そうめん(ひらお) よっしゃあ効いてるZE! 此処は全員でトドメ刺すぞ! 5人『最 大 必 殺!!』 ラウドサウンズ・セッション!!(5人で『迷子の狼』を大音量で演奏。 聞きたい人はSilversecondでシルフェイド学院物語FAEをDLして聴こう) -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) 耳栓で余裕。 -- 焼き鳥そうめん(ひらお) オラオラまだまだボルテージの上昇と音量の上昇は止まってねぇぜ?? むしろ俺のラウドサウンズは音波そのものが生命を持ち相手に襲いかかるんだ! 耳栓してても,その内破壊されちまうぜ!(もう普通の人が聴いてたら鼓膜が破れるような音量を超過してます!!) -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) クソゥ!(HP1/11) -- 焼き鳥そうめん?(ひらお) さぁー決めちゃうよー!! 今回は音波によるトドメだから今までよりメチャクチャ新鮮な肉が取れそうだよー!!(脳震盪が起きちゃうぐらいまで音量アップ!!!) -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) ファイヤー!そうめんみたいなもんだぜ! 12匹目撃破 決定打:大音量 -- 焼き鳥そうめん(ひらお) ふぃー・・・(演奏終了) 空牙「インプレイスエンド!」(強烈な冷気で冷凍保存) これで明日の朝には調理できるだろ。 さて,寝るかw -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) ????? なにがあったんだ・・・・ 帰るか・・・・ -- 500系のぞみ(ひらお) 何ーー!手柄を紅牙に取られた!紅牙よ俺にもそうめんくれよ!そうめん狩り俺も手伝ったんやしくれよ! さて帰るか! -- ベジータ(大津の守護神) フリーザー!!カレー見たいなもんだぜ!! 3回ポピー ポピー 空牙のインプレイスエンド 500系の????? ベジータの何ーー! -- カービィ(なっしー) 500系の????は疑問の????かと。何ーーは驚きじゃない? -- 実況のYS-11(ひらお) 何ーー!フリーザだとーー!何でここに現れたんだ!まあもう俺には今は関係ない! 俺は寝るZZ orz -- ベジータ(大津の守護神) 意味わかんねぇよ! -- 実況のYS-11(ひらお) 俺の書き込みの何処が意味わかんないんだよ! -- ベジータ(大津の守護神) はははw、お前カービィのフリーザーとかいうわざとドラゴンボールの悪役と勘違いしてるんじゃねぇの? -- 稲葉善斗(石坂線の鬼神) ああ!わりぃわりぃ!フリーザというのはカービィの技だったのか!てっきり俺達を葬り去ろうとしたあのフリーザと勘違いしてしまったぜ! -- ベジータ(大津の守護神) (…誰一人そうめんの台詞のパロディだって気付いてねぇ―――!!) -- ナレーション 今そうめんの台詞のパロディに気がついたぜ! -- ベジータ(大津の守護神) ・・・カービィ,今更だが「フリーザー」だと伝説の鳥ポケモンになっちまう。 正確には「フリーズ」だぞ? -- ナックルジョー(剣聖・聖良紅牙) ※全角の「・」3回で台詞を始めたいときは「・・・」の前に半角スペースを入れると出来るみたいですよ -- 影ナレ(剣聖・聖良紅牙) ニードラー!らーめんみたいなもんだぜ!! ポピー4回 ポピー ナックルジョーのツッコミ いや、フリーザーで良いんだ、冷麦の台詞を見れば理解できる -- カービィ じゃあ俺も・・・クラッシャアアアァァァ!! 西山製麺の美味い麺みたいなもんだぜ(マテ -- 剣聖・聖良紅牙(ご本人) ファイターッ!来来亭のラーメンみたいなもんだぜ! -- 無線の声から真北(石坂線の鬼神) シュアーーー!天下一品のラーメンみたいなもんだぜ! -- 浦本 光三(大津の守護神) ジャイアァァァン!!ガキ大将らーめんみたいなもんだぜ! 5回ポピー ポピー 皆のノリの良さ -- カービィ(なっしー) 1度ガキ大将ラーメンのお味を見てみたいわ! -- ベジータ(大津の守護神) ベジータよ!ガキ大将ラーメン食えるものなら食ってみろ! -- 浦本 光三(大津の守護神) 浦本よ!ガキ大将ラーメンは何としても食ってやる! -- ベジータ(大津の守護神) 浦本とベジータよ!ガキ大将ラーメンの為に喧嘩するな! -- 神谷 康孝(大津の守護神)
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第28話「鳥籠の守護者《スクールディフェンサー》 中編」 11月1日 一七六支部でのATTとのやり取り、加賀美、葉原の説得を終え、綺羅川は稜と狐月が搬送された病院へと向かった。その足取りは妙に落ち着いていた。 ATTの蒲田から命に別条は無いと聞かされて安心しているのもあるが、それ以前に“回数を重ね過ぎて慣れてしまった”ことが彼の落ち着き様の主な要因だろう。 稜が何度も世話になっている病院。彼がケガをする度に綺羅川は病院に出向し、事情を聴く。そのため、この病院に行くのは慣れていて、医師や看護師の間では顔パスが利いてしまう。顔を合わせる度に「また神谷くんがケガをしたんですね?」とほぼ確定事項のように聞かれる。 最近は同じく生徒が大ケガして何度も入院するという“どう見ても幼女にしか見えない年上の教師”とも知り合いになり、談話室で互いの苦労を語りあったりする。 彼が1階ロビーに入ると、既に看護師が彼を待ちうけていた。 「神谷くんなら、今丁度、2回の手術室でオペが終わったところです。第4診察室で先生がお待ちですので、詳細はそちらで」 「あ…ああ」 迅速な対応はありがたいが、ここまで完璧にこなされると逆に気味の悪さを感じた。 エレベーターに乗って言われた診察室に向かい、レントゲンを見せられながら稜と狐月の手術を担当した医師から詳しい話を聞いた。 今回も顔馴染みのカエル顔の先生が治療を担当してくれた。綺羅川からすれば、神の様な存在。本当に彼には頭が上がらない。 冥土返しが言うには、狐月は腹部の打撲と脳震盪でそれほど重いものではなく、稜の方は全身の打撲、それによって肋骨が折れていた。折れた肋骨が心臓や肺に刺さらなかったのは奇跡だろう。それと全身を切り刻まれた跡があり、相手がどのような武器を使ったのかは分からず、本人達が目覚めないことには真相は闇の中だそうだ。 とりあえず、命に別条は無く、後遺症の心配も無い。2、3日ほど安静にしていれば問題は無いと冥土返しは語った。 「はぁ~。とりあえず、一安心か」 綺羅川は心の底から安堵し、通路にある診察室前のベンチに腰かける。 「後は始末書とか、外の親御さんへの説明とか、理事会への召喚とか…まぁ、俺の仕事か。なんかもう慣れちまったなぁ~。いや、慣れちゃいけないんだけどさ」 綺羅川は独り言を言いながら、これからする仕事を整理し、学校に戻ろうとベンチから立ち上がった。「ん~」と声を出しながら身体を上下に伸ばしてリラックスする。そして、「よし」という掛け声と共に彼は踏ん切りを付けた。 「先生?」 綺羅川を呼ぶ聞き覚えのある―――というかほぼ毎日聞く女子の声に彼が振り向いた。 綺羅川の視線の先にいたのは稜の恋人、風川正美だった。 「午前中しか授業は無いのにそれを抜け出すなんて風川は悪い生徒だなぁ」 綺羅川は少し憎らしい表現を交えながらそう言った。彼なりに彼女の緊張を解してやろうと考えたのだろう。だが、むしろ彼女を緊張させてもらった。 風川はオドオドとした態度で目を泳がせながら、「あっ。いや、その…すみません」と雫を零す様な声で答えた。 「冗談だよ。俺も授業は全部自習にして仕事も全部他の先生に押し付けてきたからな。お互い様だ」 その言葉で風川も緊張がほぐれた。 「あの…それで稜は!?」 「大丈夫だよ。命に別条は無いし、2,3日したら動けるようになるってさ」 「そっかぁ…。良かった~」 力が抜けて風川が腰から崩れ落ちる。綺羅川は慌てて彼女を支える。 「落ち着いたなら休憩室に行こうか。ちょっとした長話もあるし」 病院の談話室、温かな雰囲気を醸し出す展望レストランのような場所で綺羅川と風川は向かい合って座り、小さなテーブルを囲んでいた。 テーブルの上には綺羅川の奢りで紙コップのジュースとコーヒーが1つずつ。 「神谷がケガするのはいつものことなんだが、まさか今日は授業を抜け出してやって来るとは思わなかったよ。お前は神谷と真逆の手のかからない優等生だと思ってたから」 「すみません…。酷いケガって葉原さんからメールを貰ったので…」 「いや、だから謝らなくて良いって。俺だって娘が大ケガしたって聞いたら、仕事全部放り投げて病院に飛んでいく」 風川はその言葉に真顔で「え?娘さんいたんですか?」と返した。 正直言って、彼女の反応に傷付いた。 娘がいることを直接風川に言った事は無いが、まさか娘がいるとまったく思われていなかったことに傷ついた。自分はそんなに甲斐性のない大人に見えるのかと。 「あの…ちなみに奥さんは…」 「別居、離婚調停、娘の親権を巡って裁判中」 綺羅川の頭の高度が徐々に落ちて行き、ついにはテーブルに突っ伏せた。明るさと元気が特徴の彼の全身から負のオーラ、負け犬オーラ、人生負け組オーラが溢れ出る。エリート校の教師とは思えないあまりにも惨めな姿だった。 風川は彼の心を傷つけ、更に傷口に塩を塗ってしまう結果となった。 「ええええ…えっと、そそそそその、す、すみません。な、何か悪いこと聞いてしまって…」 「うん。良いよ…。娘が味方であることが唯一の救いだ。でも離婚は現実、あいつとの幸せな日々は幻想、俺があいつのことをちゃんと理解してやれなかったのが悪いんだ」 「あの…先生…」 あまりにも惨めな姿を見ていられず、風川は何とかして綺羅川を励まそうとする。このまま延々と不幸話を語られるのは彼女にとっても綺羅川にとっても良いことではない。 「風川、お前は神谷のことをちゃんと理解しているか?」 「!?」 突然だった。いつものふざけたような態度は何処へ行ったのか、真面目なトーンの声で綺羅川は風川に語りかけた。 「その…実ははっきりと答えられないんです。たまに彼が何を考えて、何を見ているのか分からなくなる時があります。それに…ちょっと怖いんです。目の前に私がいるのに、私じゃない何かを見ている様な目が…」 「じゃあ、お前が分かる範囲で神谷を語ってみろ」 「稜は正義感が強くて、そのためならどんな無茶もします。私がどんなに心配しても素知らぬ顔で何度も戦って傷つきます。あと、ぶっきらぼうだけど実は優しくて、クールぶってるけど心の中では色んな感情が燃え滾っていて、我慢でき無くて…自分を抑えて“自分とは違う何か”であろうと無理をしているような…そんな感じがします」 風川が稜の理解している部分を挙げる度に彼女の手が震え、甲に涙がポタポタと落ちる。 「なんか…悲しいです。“自分”があるのに、それを否定するような生き方が…」 風川には1年以上前の記憶が無い。親の顔も友の顔も覚えていない。自分がどこで生まれたのか、その生誕は祝福されたのか、それとも恨まれたのか。それすらも分からない。 何よりも自分が何なのか一番理解できなかった。 だから、彼女は稜が羨ましかった。彼には自分には無い記憶がある。親がいる。友がいる。“自分”がある。そして、それを否定するような彼の生き方が悲しかった。 「お前、あいつの研修時代のことは知ってるか?」 「いいえ。稜も加賀美先輩もその話題になるとすぐに逃げるので…」 「そっか…あいつの過去を知らないで、そこまであいつを理解できているなら、お前はかなり察しが良いよ。それにしてもあの馬鹿野郎。風川に話してなかったのか」 「あの…どういうことですか?」 「まぁ、とりあえず涙拭け」 綺羅川がスッとハンカチを出し、正美はそれで涙を拭う。 風川は涙を拭い終え、綺羅川も深呼吸して落ち付いた。 「風川。落ち付いて聞いて欲しい」 綺羅川の真面目な問い掛けに正美は首を縦に振る。 「お前と同じように俺もあいつは自分を否定していると考えている。本当は自分の正義や感情のままに生きたいのにそれが出来ない。誰もあいつのことを否定しないのにあいつが勝手に自分のことを否定している。どうしてだか分かるか?」 「もしかして…“過去”のことですか?」 「ああ。あいつは重大な過去を背負っている。人生を左右させ、あいつの人格形成にも大きく影響した重い過去だ。俺と加賀美は何年もあいつをその重荷から解放させようと努力した。だが、駄目だった。まだ足りない“何か”があるんだ。もしかしたら、その“何か”はお前が持っているんじゃないかと思っている」 「私が……?」 「ああ。いきなりな話で悪いと思っている。俺の考え通りだったら、神谷の人生を左右する重大な責任をお前に追わせることになってしまう。本当は、こういうのも教師の仕事なんだろうけどさ。けど、あいつのお前を見る目を見てると、どう考えてもこれに至ってしまう。だから、お前には酷な話かもしれないが、しっかり聞いて欲しい。 “あいつがお前に弱音を吐いた時。それはあいつが今まで保って来た精神の平衡が崩れた時だ。その時のお前の選択があいつの全てを決める。” 正美は押し黙った。なんて答えれば良いのか分からなかった。 「恐いのなら逃げても良い」 それから沈黙が空間を支配する。綺羅川は答えを待っていた。 彼としては逃げて欲しくなかった。しかし、彼女にも逃げる権利がある。一人の人生を左右する重い選択をする責任を押し付けるのは教師として、一個人として良い気分ではなかった。 「―――――――――せん」 「ん?」 「逃げたくありません。私が助けを求めた時、稜は逃げずに戦ってくれました。それなのに稜が助けを求めた時に私が逃げてどうするんですか?」 綺羅川に向けられた強い眼差し、それは15歳の少女とは思えない力強さと決意を秘めていた。神谷稜の危うい強さとは違う。心の芯からの強さ。 「…後悔しないな?」 「逃げた方が後悔します」 綺羅川は安堵して、大きく息を吐いた。 「なんか湿っぽい雰囲気になったな。ちょっと神谷関連で面白い話でもするか」 「面白い話?」 「ああ。面白い話だ。お前、固地債鬼って知ってるか?」 突然、今までの話とは無関係の固地の名前が出たことに風川は困惑した。 「あ…えっと、風紀委員の“悪鬼”でしたよね?稜や加賀美先輩からちょっと話を聞いたことがあります」 「そうか。実は固地とはちょっとした知り合いなんだ。映倫と国鳥ヶ原の風紀委員の行動範囲がちょくちょく被っていて、向こうの風紀委員とエンカウントすることが多い。そういった関係で映倫と国鳥ヶ原の風紀委員同士、けっこう知り合いが多くてな。俺もそれ関連で固地と知り合いになった」 「は…はぁ…」 「“悪鬼”なんて異名が轟くぐらいだからな。どんな奴か興味本位で話かけてみたんだが、意外と面白い奴だった。毒と棘と嫌味を交えながら事の本質をズバリと問答無用に言い捨てる。年下とは思えないくらいにあいつの心眼は凄まじかったな。そんでだ。ちょっと自然に話の流れに乗って、『神谷稜ってどう思うよ?』って聞いたら、あいつ、俺の期待以上にズバズバと神谷のことを言いまくりやがった」 「それで…その固地さんは稜のことを何と…?」 風川は緊張した面持ちで続きを催促する。固地のことは2人から聞いているが、良い噂は聞いたことが無い。そのため、どんな罵詈雑言が彼の口から飛んだのか恐ろしかったのだ。 『風紀委員をヒーローごっこだと思っている勘違い野郎。自分も他人も騙し続ける偽善者』 「そんな!酷いです!」 風川は憤慨し、テーブルを叩いた。 「落ち着けって。言っただろ?あいつは毒と棘と嫌味を交えて言葉を発するって」 「それでも酷すぎます!その後は!?フォローか何かあったんですか?」 「いや、『俺が語るのはここまでだ。担任なんだからこれ以上は言わなくても分かるだろ?』って…」 「先生のアホ――――――!!」 「しーっ!しーっ!ここ病院!病院だから!」 周囲から視線が集まる。さすがに騒ぎ過ぎたことを風川も理解して、まわりに「すみません」と言いながら静かに着席した。 「あいつもガキだから間違えることもあるが、ここまで酷評するのは確実性に絶対の自信があるからだ。参考のつもりで頭の片隅に置いといてくれ」 「ちょっと腑に落ちませんが…分かりました」 一度叫んで色んなものを発散したのか、彼女は少し明るくなっていた。頬を膨らませて怒りを表現するその様は可愛いの一言に尽きる。 「それと、もう一つ長話がある」 綺羅川はそう言うと、足元に置いていたカバンから大きな茶封筒を取り出した。 「ブラックウィザード残党の事件、あの“自称”二代目リーダーの事件の後、警備員が逮捕した残党や自称二代目に事情聴取したんだが、どうもブラックウィザードの連中の証言が怪しくてな。学校で探偵を雇って、お前の過去を色々と調べてもらった。その調査結果が昨日の夜に届いたんだ」 「えっと…その…怪しいってのは?」 「お前、自分の経歴がどうなっているかは分かるか?」 「ええっと、はい。『置き去りで10年前に太陽の園に預けられて、1年前に事故で脳を損傷して記憶喪失、その後、能力の強度が急上昇して研究所を転々とするも “研究価値なし”と見なされ、ブラックウィザードに売り払われた』ってことぐらいは…」 「ああ。チャイルドデバッカーが映倫に提出した書類、身体検査《システムスキャン》の履歴、学園都市のデータベースでもそれは裏付けがされていたんだが、どうもこの探偵の調べだと『データベースと人間の証言に矛盾が存在する』らしい」 「矛盾…ですか」 「ああ。これはお前に関することだからな。お前が目を通すべきだ」 そう言って、綺羅川は茶封筒からクリップで留められた書類の束を渡した。 風川はそれを受け取った。とりあえず、既に分かり切っている調査の趣旨、調査の概要については省略する。 調査報告 まず、端的に結果を述べるとすれば、現在の映倫中学が把握している風川正美の経歴は全て虚偽である。また、本当の彼女の経歴についても真相は闇の中であり、情報封鎖、隠蔽工作の精度・規模からして、大企業レベルの組織がバックにあると考えられる。 まず、彼女の経歴で最も古い「太陽の園」への在籍について述べる。データベースや職員の証言では『風川正美は存在していた』ということになっていたが、独自の調査でそれが嘘であることが判明した。証言した職員たちは風川正美の映倫中学編入直前に大量の支援金を受け取っていたことが判明。風川正美はいたと証言する為に渡されたお金であることは明白である。 その支援金の出所を辿った結果、学園都市内の14社の実在しないダミー企業、海外の3つの実在する金融機関を通して送金されたところまでは分かったが、それ以前は高度なマネーロンダリングによって辿れなくなり、調査は不可能となった。 また、同じ世代であろう太陽の園出身の学生達に尋ねたところ、全員が口を揃えて風川正美の存在を否定した。 次に彼女の記憶喪失の切っ掛けとされる1年前の無能力者狩りとスキルアウトの抗争について述べる。調査の結果、記憶喪失となった抗争は実際に起こっており、当時のニュースでも巻き込まれた少女が重傷を負ったとされている。しかし、抗争に参加していたスキルアウトチームの証言によると、少女を重傷に追い込んだのは発火能力者であり、少女は全身に火傷を負って搬送された。風川正美の経歴のそれとは全く異なり、無論、彼女の身体に火傷の跡など存在しなかった。 記憶喪失の切っ掛けとなった事件が嘘となると、その後の能力の急激なレベルの上昇についても事実である可能性が低くなる。 ここまで彼女の経歴が全てが虚偽であることが証明されてしまった。 その後の彼女の記憶にもある入院生活、研究所のたらい回し、ブラックウィザードの所属における彼女の証言は裏を取ることができ、記憶のあるうちの彼女の証言は信頼できるものだと判明した。 彼女が転々とした研究施設を彼女の記憶を基に調査した結果、複数の施設が候補として挙げられた。(施設の詳細については添付されているリストを参照) これらの研究施設では風川正美を引き取った履歴、彼女に対して行ったAIM拡散力場計測データなどが意図的に消されていたが、専門の業者の手ですぐに復元ができた。 (復元データは添付されているUSBメモリを参照) 1年前より後の隠蔽工作は1年より前の隠蔽工作より著しくレベルが下がっており、最初に述べた大きな組織は1年前の記憶喪失以降は関与していないと考えられる。 (省略) 以上 調査報告 探偵稼業《シェリングフォード》 「これって…要するに…」 「ああ。お前の過去は再び闇の中だ。しかも、あの探偵稼業をお手上げときたものだ…」 自分の過去の全てが偽りだったことに風川は落胆する。それは表情ですぐに分かった。 「朝、校長と話をしてな。この事実をお前に言うか、例え偽りでもお前に“過去(ルーツ)”を与えたままでいるべきかで話し合った。俺はお前なら残酷な真実でも受け入れてくれると信じて、校長もそれに納得してくれた」 「先生。それは買い被り過ぎですよ…」 「いや、買い被りじゃない」 綺羅川の炎が滾る眼差しが風川に向けられる。 「風川。お前は強い子だ。神谷のことから逃げようとしなかったし、記憶喪失で自分が何者でどうしてここにいるのか、わけが分からないまま俺や神谷、他のみんなを信じてくれた。他人を信じて委ねるってのも、けっこう勇気がいるんだぞ」 「…やっぱり、先生は買い被り過ぎだと思います。でも、ありがとうございます」 少し流れは無理やりだったが、綺羅川は彼女を励まし、その笑顔を取り戻させる。 「お前の過去についてだが、学校でも人脈を駆使して頑張ってみるさ。常盤台の方にもコネがあるからな」 「え?あるんですか?」 ガタンッ! 風川の反応に綺羅川が思わず椅子からずり落ちた。 「お前なぁ…俺は一応、映倫の教師だぞ…。エリート校の教師だぞ…。あと、娘も常盤台だぞ…」 「ああ…。お母さんに似たんですね」 「お前は俺に恨みでもあるのかぁー!?」 「ごめんなさぁーい!」 その後、2人は駆け付けた看護師に怒られ(綺羅川は助走をつけて殴られた)、正座させられたのは言うまでも無い。 * * * * 夜の第五学区の裏通り。 スキルアウトの溜まり場、喧嘩通りと呼ばれる黒い噂の絶えない路地裏に警備員が集まっていた。専用の車が数台止まり、事件現場に黄色のテープを張って人が通れないようにする。 現場を見て、警備員たちは唖然としていた。 そこにあったものは何もかもが捻じ曲げられ、壁や地面も波のようにうねり、表面のコンクリートやアスファルトが剥がれ、かさぶたの様に捲れ上がる。外部から何かしらの力で無理やり壁や地面を捲ったため、壁の中を通るパイプや壁や地面のコンクリート片が辺りに飛び散っている。 複数の警備員やロボットが現場検証を行い、証拠になりそうなものを回収する。 その光景を眺める2人の男女の警備員。 「酷ぇな。どんな武器を使ったらこんなことが出来るんだ?」 そう男に尋ねる女の警備員は片手に持った袋からビーフジャーキーを出して、口に頬張りながら尋ねた。 170センチと日本人女性としてはやや高めの背丈に黒髪短髪、色黒っぽい肌と、その容姿は快活な印象を持たせる。その印象通り、彼女は筋肉質な体型だ。余談だが、胸もそこそこ大きい。 上下に赤いジャージ を着ており、持っているアイテム(ビーフジャーキーの袋)のせいか、部屋着のまま飛び出して来た感が拭えない。 彼女の名は唐茶話菖蒲《カラサワ ショウブ》 第五学区にある風輪学園高等部の教師兼警備員である。 「さぁ…これは銃器でどうこう出来るものではないでありますな。能力、念動力者だと考えて間違いないでありますな」 尋ねられた男は軍隊口調で答える。 唐茶話より少し高い背丈。ずんぐりむっくりとした肥満体型を警備員の制服で無理やり押し込めている。坊主頭でいつも肌は滴る汗で嫌にテカテカしており、“さえないオタク”を絵に描いたような男だ。 彼の名は酉無沢雄《トリナシ タクオ》 同じ第五学区にある成瀬台高校の教師であり、警備員。そして学園都市防空隊の隊員でもある。 2人は警備員としては今日は非番だったのだが、唐茶話は現場が自宅に近いから、酉無は彼の学校の生徒が巻き込まれたということで学校で残業中のところを呼び出された。 「唐茶話殿。不機嫌でありますな?」 「当たり前だろ!こっちは同期と楽しく飲んでたのに電話一本で問答無用に呼び出されたんだよ!?」 「それは…災難でありますな」 「ああ。災難だ。本当に災難だよ。…あ、憐を店に置いてきてしまったけど…まぁ、ほどほどに抑えていたから大丈夫か」 (唐茶話先生の基準で考えると、同期の方は歩くのがやっとの泥酔状態でありましょうな…) 「――――で、これの捜査は私らが担当することになるのか」 「そうでありましょうな。ブラックウィザード絡みなら、第七学区からの増援も考えられるでありますが、犯人の目的が分からないことにはどうしようもないであります。“ブラックウィザード残党だけ”ならともかく、一緒に我が校の界刺まで狙う目的が分からないでありますから。何か犯人に繋がる手掛かりでも…」 そう思って酉無は周囲を見渡した。現場検証に入った警備員が一か所に集まっていた。 「どうしたでありますか?」 酉無が尋ねると、現場検証をしていた警備員の一人が袋を持って来た。現場に散らばるコンクリート片の一つが密封されている。 「ただの破片じゃないか」 「自分にもそう見えるであります」 「いえ、こっち側を見て下さい」 鑑識の警備員が破片をひっくり返した。反対側にくっきりと残っていた複数の婉曲した黒い線。それを見た途端、2人はこれが靴の足跡の一部であることが分かった。 「捲れ上がったアスファルト一部が外部から与えられた圧力で液状化して、靴に付着。それが破片を踏んで跡が残っていたみたいです。同じものが他にも複数発見されていますので、靴の照合は1日もあれば可能です」 「案外、事件解決は早い様だな」 「靴を照合できれば、販売店、売買履歴を辿れば1週間もかからないでありますからな。それに形からして、これはメンズのミリタリーブーツでありますな。種類によっては3日以内に犯人を特定できる可能性もあるでありますな」 「問題は、犯人特定後だな。お前のところの生徒って確か光学操作系のレベル4だろ?しかもかなり修羅場慣れした奴だと聞いてるぞ。そいつを倒した超危険人物を私達で捕らえられると思うか?」 「やるしかないでありますよ。場合によっては、駆動鎧や大型駆動兵器の導入、広域催涙ガスの使用も視野に入れなければならないであります」 「はぁ~。やっぱり面倒な事件だな」 唐茶話が大きく溜息をついた時だった。 「―――――おやおや、随分とキナ臭い話をしているねぇ?」 背後から聞こえたしゃがれた女性の声に2人は驚き、そして振り向いた。 紫色の和服に身を包み、白髪まじりの黒髪で穏和な表情を浮かべている、そんなおばあちゃん一歩手前の女性がいた。 鎖部桜子《クサリベ サクラコ》 彼女も警備員の一人であり、数多くの不良生徒を更生させた功績から「学園都市の祖母」と呼ばれる女性だ。 「鎖部殿でありますか。ご無沙汰しているであります」 「右に同じく」 2人が直立し、鎖部に敬礼する。教師からも敬意の眼差しを持たれる彼女は教師たちから「学園都市の母」とも見られている。 「鎖部先生がなぜここに?」 「ゲーセン行くついでに、2人にちょっとした悪い報せを伝えにね」 「悪い報せでありますか…」 「そう。被害者の成瀬台の生徒のえ~っと…名前は何だったかしら?」 「界刺です。界刺得世」 「そう。その界刺くんなんだけどね。事件に巻き込まれる前、軍隊蟻のリーダーと接触していたわ。会話の内容は分からないけど、仲が良さそうにも喧嘩してそうにも見えたらしいわ」 「軍隊蟻のリーダー、長点上機学園の樫閑恋嬢か。これで捜査の幅が狭まって楽になったな。軍隊蟻の線で調べれば…」 「いえ、その逆でありますな」 解決がすぐ目の前に見えた喜びをガッツポーズにして表す唐茶話を酉無は否定した。 唐茶話は「は?」と目を丸くし、握った拳を解いた。 「軍隊蟻は警備員の上層部と癒着関係であります。もしこの事件の真相が彼らにとって都合の悪いものだとすれば、すぐにウチの上層部を通して圧力をかける可能性が高いであります」 「いやいや待て。軍隊蟻はスキルアウトだろ?学生のチンピラ集団がどうして警備員の上層部とズブズブの関係になれるんだよ?」 「軍隊蟻は以前、寅栄瀧麻がリーダーだった時代から一部の風紀委員・警備員とは癒着関係であります。軍隊蟻は元々、他のスキルアウトチームとの抗争をメインとして活動していた組織であり、窃盗や人的被害の出る犯罪には非常に消極的な組織であります。リーダーの寅栄の人望もあってか個人レベルで治安維持組織とはコネがあり、時には規則や時間の関係で動きが制限される彼らの代わりに動くことで黙認してもらう、いわば共生関係であったとも言えるであります」 「いや、だとしても上層部は流石に無理だろ。コネですら難しいぞ」 「そうでありますな。寅栄がリーダーだった頃なら接触することすら無かったでありますが、樫閑がリーダーとなった6月以降は話は別であります。元々、長点上機は在学中の生徒を企業や研究所に派遣しており、樫閑もその才能から夏休みの間は軍需関係の企業や研究所に派遣されていたと考えられるであります。その中には警備員に装備を提供している企業もあり、そこから警備員の上層部にコネを作ったと考えられるであります。後は彼女の口八丁でしょうな。何を交渉材料にしたのかは分からないでありますが…」 「はぁ~。よく分からねえが、軍隊蟻はお偉いさんと仲良しってことなのか。じゃあ、犯人が軍隊蟻でないことを祈るしかねえな」 罰が悪い思いをした表情を浮かべながら、唐茶話は袋をひっくり返して残りのビーフジャーキーを一機に頬張る。 「けどまぁ…軍隊蟻だったら、それはそれで引き下がるわけにはいかない。ちょっとばかし、大人の恐ろしさってのも教えないとな」 袋を握りつぶし、決意を見せた唐茶話を見て酉無は少し安堵した。 「ところで鎖部殿。界刺と樫閑が接触したとは、どこからの情報でありますか?」 「亀の甲より年の功じゃよ」 そう笑みを浮かべながら、鎖部はゲーム用の指貫グローブを装着して去っていった。 * * * * 翌日 11月2日 昼下がりの一七六支部。昨日の事件が嘘だったかのように支部の中は静かで、通常業務へと戻っていた。 今、支部にいるのは加賀美だけで、彼女も支部のパソコンでニュースをしながらコーヒーを啜っているだけだった。ほぼ留守番・電話番のようなものである。 先日まで多忙な日々を送っていたため、今日は支部のメンバーの半分近くが休暇を取り、残ったメンバーは神谷と斑の穴埋めでパトロールに、鏡星はパトロールついでに2人のお見舞いに行くそうだ。 「成瀬台の風紀委員も大変だなぁ~」 ――――と独り言を呟きながらマウスをスクロールして記事の続きを読む。 事件の記事は昨晩のブラックウィザード残党と界刺の一件だ。被害者についての情報はあまり語られておらず、ブラックウィザード残党はスキルアウト、界刺のことについては一切触れられていなかった。 (……あれ?この事件も警備員が主導となって捜査…まさか、またATT?いや、でも手口は稜と狐月のそれとは違うみたいだし…) 加賀美がニュースサイトと睨めっこしていると、デスク脇に置いていた彼女のケータイが鳴る。 出る前に誰からの着信か確認する。 (正美ちゃん?…どうしたんだろう?) 風川から電話が来るとすれば、十中八九は稜のことである。 「加賀美よ。どうしたの?」 加賀美が電話に出た。すぐに聞こえたのは啜り泣く風川の声だった。 「ひっぐ…加賀美さん…稜が…稜が…」 「どうしたの?落ち着いて」 そうは言っているが、加賀美も椅子から飛び上がりそうな気持だった。風川がここまで涙を流すほど、酷いことが稜に起きたということだ。 「稜が…稜が病院を抜け出しちゃいましたぁぁぁぁぁ」 最後のセリフを言い切って、正美はもう何も話せないぐらいに慟哭した。 その声を電話口で聞かされた加賀美は凍りついた。同時に心の中で怒りの炎が燃え滾る。 「あんの馬鹿野郎ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」 それは神谷稜の愚行への憤怒、それが彼への罵倒の言葉と共に支部内に響き渡った。
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散り行く者への子守唄 ◆Wf0eUCE.vg 不死の少女を消し去り、世界を一色に染め上げた光が消える。 同時に、紅蓮を放った白銀の竜はその役目を終え静かにその姿を隠した。 そして、残ったのは戦場の名残。 目に映るのは、削り穿たれた大地。 鼻をつくのは、焼け焦げた風の匂い。 耳を打つのは、先の乱戦が嘘のような静寂。 そして、その中心には力なく横たわる赤毛の少女一人。 残された者たちが見守る中、少女が今静かにその息を引き取ろうとしていた。 その光景に、取り残された者たちは語るべき言葉を持たず。 ただ心中で失われしモノたちに想いを馳せる。 鴇羽舞衣は自らの手で奪ったモノ、失われたモノの重みを噛み締め。 スパイク・スピーゲルは何もできなかった、自身の不甲斐なさに歯噛みし。 小早川ゆたかは度重なる喪失に心揺れながらも、強い決意でそれを堪えた。 誰も動かず、時が止まってしまったように沈黙する世界。 それを打ち破り動き始めたのは、横たわる赤毛の少女と最後に言葉を交わした金色の王だった。 ギルガメッシュは横たわる結城奈緒が完全にこと切れたのを見届けると、それまで向けていた視線を少女から外し周囲に向けた。 そして辺りをぐるりと一瞥し何かに気づいたのか、紅蓮の相貌を僅かに細める。 「ん? 王ドロボウの姿が見えんな。それに、あの小娘が持っていた我の財も見当たらん。 ヤツめ……まったく、手間をかける。 王ドロボウはともかく我の財はこの手に納めておかなければならん。致し方あるまい、迎えに出るか」 言って、心から面倒だと言わんばかりの態度で溜息を一つ。 そのままギルガメッシュは何の未練もない足取りで、歩を前へと進めた。 ■鴇羽舞衣―――――――――想い 「――――ま、待って」 だが、ギルガメッシュが踏み出した直後、その背後に静止の声がかけられる。 少女の呼びかけに動きを止めた王は振り返りもせず、声の方向に視線だけで応えた。 王の双眸に捕らえられたのは、巨竜を召喚せしめ、不死者を殺した少女、鴇羽舞衣の姿だった。 茜色の髪をした少女を射抜くのは驚くほど冷たい真紅の瞳。 その瞳に捉えられただけで、全身が凍てついてしまいそう。 「奈緒ちゃんを……このままにしておくつもり?」 極寒の視線にも負けず舞衣はハッキリとそう告げた。 その舞衣が見つめる先には、先の戦いにおいて力尽き物言わず力なく横たわる少女。 舞衣にとっては同じHiMEという運命を背負わされた戦友でもある。 野晒しのまま、自身の生み出した血だまりに沈む姿はあまりにも哀れだ。 「そうだが、それがどうした?」 事も無げに放たれたその答え。 舞衣を見つめる瞳と同じくにべもない。 あまりに冷たいその答えを聞き、舞衣は信じられないようなモノを見る目で男を詰めた。 舞衣は奈緒とギルガメッシュがどんな関係だったのかは知らない。 けれど、ギルガメッシュについて語っていた奈緒からは温かみのようなものが確かに感じられた。 だというのに、この男の態度からはそういった感情が一切見て取れない。 そう思えば、自然と奥底から怒りのような感情が湧きあがってきた。 「それがどうしたって……あなたねえッ! あなたこそ、どういうつもりよ! こんな状態のまま奈緒ちゃんを放っておくだなんて。 あなたは……奈緒ちゃんの事、大事に思ってたんじゃないの?」 怒りとともに、そうであってくれという願いをこめた問いかけ。 だが、それを受けたギルガメッシュの反応は冷ややかだ。 「奈緒は我の家臣として悪くない働きをした。その功績も価値もこの我がしかと認めよう。 だが、それがどうしたというのだ? いかな価値があろうとも、死んでしまえばそれまでだろう?」 怒りにも似た舞衣の感情は届かない。 ギルガメッシュは傍らに横たわる奈緒を見向きもしない。 金色の王は少女の死に対してあまりにも淡泊だ。 「……ちがうわ、それまでなんかじゃない」 「何が違う。 死には等しく価値はない。無価値なものに送る手向けもあるまい? 女。貴様が喚いたところで何が変わるわけもあるまい?」 「確かに何も変わらないかもしれない。 でも何も変わらなくても、いなくなってしまった人たちのために、できることがあるはずよ」 何もできないなんて悲しいことがあるはずがない。 散っていった彼らのために、何かできることがあるはずだ。 舞衣はそう信じている。 「は。ならばどうする? 泣くか? 嘆くか? いっそ死ぬか? それに何の意味がある。たとえ七日七晩涙に暮れようとも死者は蘇りなどせん。 死者への弔いなど時間の無駄だ、捨て置け」 ギルガメッシュは破顔しながら、舞衣の言葉否定する。 「ちがう! 無駄なんかじゃない!」 そんな英雄王の言葉を打ち消すように舞衣は叫んだ。 死んでしまったら無価値だなんてそんな価値観はどうあっても受け入れられない。 その人がいなくなってしまえば、想いも消え去ってしまうというのか? 死んでしまえば想いも死んでしまうのか? それはちがう。 「―――そうだ。無意味なんかじゃない。 例えあなたの言うとおり、死が無意味なものだったとしても、残されたものは無意味じゃない。 その人がいなくなっても、その人と過ごした想いは残る。 だから、その想いのために、できることはあるはずよ」 万感の思いを籠めて舞衣は告げる。 例え何があったとしても。 その人と過ごし、抱いた想いは決して消えない。 悲しみはどうしようもなく胸に残る。 けれど、同時にその人への想いも強く胸に残る。 例え、死に意味はなくとも、その人が残したものには意味がある。 なつきや会長、奈緒ちゃん達と共に風華で過ごした思い出は消えない。 一時ではあったがシモンたちと出会い感じた想いも消えない。 そして彼を想ったこの心は、今だってこんなにも熱くこの胸に燃えているのだから。 この想いを無駄になんかできるはずがない。 互いの視線が交わる。 舞衣は死者を尊ぶべきものと訴え。 ギルガメッシュは死者を無価値と断じた。 絶望的なまでの認識の違い。 互いの主張は交わらない。 「――――いや、そいつの言うとおりさ、舞衣」 平行線をたどる主張の応酬に、斜め横から声が割り込んだ。 向けた視線の先に立っていたのは宇宙を駆ける賞金稼ぎ、スパイク・スピーゲル。 色違いの瞳で向けられた四つの瞳を見返しながら、まるで夢でも見るような声でスパイクは言った。 「死んじまった女のために、出来る事なんてないさ――――」 ■スパイク・スピーゲル――――醒めない夢 言い争う二人の間に割って入ったスパイクから告げられた言葉は、以外にも舞衣を否定し、ギルガメッシュを肯定する言葉だった。 「どれだけ弔ったって、死んじまった奴のためになんかなりゃしねえさ。 あるのは生き残ったやつの自己満足だけだ」 スパイクはレッドドラゴンに所属していたころから、死んでいく人間なんて腐るほど見てきた。 組織を抜け賞金稼ぎになってからも、ここに来てからもそれは同じだ。 欲望のまま死ぬ人間がいた。 理想のために死ぬ人間もいた。 愛のために死んだ人間もいた。 夢を見たまま死んでいった人間もいた。 どいつもこいつもみな、自分勝手な理由で死んでった。 死んじまった以上、そいつらが報われることはない。 「けどな、だからこそ必要なんだ。 生きてるやつが死んじまったやつに踏ん切りをつけるためにな。 弔いってのはそういうもんだ、あんたは違うのか、ギルガメッシュ?」 死んだ人間を忘れないために。 あるいは、死んだ人間を忘れるために。 弔いとは、そのために必要な儀式だ。 過去と死者のためではなく、未来と生者のために。 「愚問だな。死者への弔い? 過去との決別? 笑わせる。 たとえ何があろうとも、それはすべて己が行動の果ての結果にすぎん。 まったく、貴様らのような雑種どもは、そのようなものに縋らねば前にも進めぬとは、愚かしいな」 スパイクを見下すようにギルガメッシュは告げる。 平等なる王は、死者も生者も等しく嘲笑っていた。 「……じゃあなにか? お前にとって、これまでのことも、今奈緒が死んだのも、ただの結果だってのか?」 「当然だ。どのような結末であれ受け入れられずして何が王か」 堂々とギルガメッシュは断言する。 あまりにも迷いのないその態度に、スパイクは苛立ちを隠せず、奥歯をギリと噛み締める。 「……浮かばれねえな。 確かに奈緒は、生意気で、跳ねっ返りのクソガキだったさ。 けどな、テメェみたいなやつに追いつこうとしてあいつは逝っちまった。 俺には、それが気に喰わねえ」 そう言って、スパイクは怒りと苛立ちの混じった目でギルガメッシュを睨み付ける。 対するギルガメッシュは告げられた言葉を噛み締めた後、氷を張り付けたような無表情を崩して、初めて人間らしい感情を露わにした。 「ク――――ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!」 高らかに轟く嘲笑の声。 それは愉悦。 心の底から愉しげに、ギルガメッシュは一人愉悦に浸っていた。 「この我と並ぶ!? なるほどそうか! アレもずいぶんと身の程をわきまえぬ願いを持ったものだ! ならば、この結末も当然の末路であったということか!」 周囲の状況も一切意に介さず、礼節も尊厳も弁えぬ態度でギルガメッシュは笑いを上げる。 そのあまりに突然な態度の変化に、スパイクは訝しむというより理解できないといった表情でギルガメッシュを見据えた。 「……何がおかしいってんだ?」 ただ己のためだけに笑い続けるギルガメッシュは、割り込んだ疑問の声に、初めてそこにいることに気づいたような態度で視線を向けた。 「よいか、人にはそれぞれ身の程というものが存在する。 この我に並び立とうなど身の程知らずも甚だしい、愚者の所業だ。 それを弁えず、己が領分を越える願いを持てば滅びは必然であろう?」 まるで、死んで当然だったと言わんばかりの傲慢な言に、 思わずスパイクはギルガメッシュに迫り、その肩に掴み掛かる。 だが、眼前に迫ったところで、掴み掛かるべき片腕がないことを思い出した。 それで激昂した頭が冷えたのか、スパイクは大きく舌を打ちながらも、後方に引き下がった。 「お前は大事なもんがなにも見えてねえ、夢の中で踊ってる裸の王様さ。 夢なら一人で見な、ギルガメッシュ」 そして離れ際、スパイクはギルガメッシュを睨み付けながら吐き捨てるようにそう告げた。 それに対し、ギルガメッシュが返すのは同じく吐き捨てるような笑み。 「は。何を言うか。 夢を見ているのは貴様のほうではないのか?」 全てを見透かすような真紅の瞳が互い違いの色をした瞳を見据える。 自分の心中を指されたような言葉にスパイクは息を呑む。 だが、それも一瞬。 すぐさま落ち着きを取り戻し、どこか達観したような声でギルガメッシュに告げる。 「――――そうさ、俺はずっと醒めない夢でも観ているつもりだったんだ」 いや、その声は目の前のギルガメッシュに語られたものではなかった。 遠くどこかに思いを馳せるように、夢でも見るようにスパイクは言葉を紡ぐ。 「事故で片目を失ったあの日から俺は、失った目で過去を見て、もう一方で現在を見てた。 目に見えてるものだけが現実じゃない、そう思ってた」 ふと夢から覚めても、また夢の中。 玉葱を剥き続けるようにどこまでも夢。 いつまでも現実に辿り着かない。 事故で片目を失ったあの日からずっと、そんな醒めない夢を見続けていた。 だから、殺し合いなんて馬鹿げた事態も。 紙使いなんていう訳のわからん能力を使う女も。 この世の終わりみたいに暴れまわる巨大ロボットだってそうさ。 不思議なことなんて何もない。 夢を見てるんだ、醒めない夢を。 そう思って、怠慢に目の前の事態を受け入れながら他人事のように生きてきた。 本当の俺は死んじまって、今の自分は死んじまった自分が見てる長い夢みたいなもんだと。 ずっと、そう思ってたんだ。 「けど――――夢は、いつの間にか醒めちまってた」 あるドラ猫がいた。 その猫は好きでもない飼い主達に飼われながら、100万回死に100万回生き返って100万回生きた。 猫は死ぬのが怖くなかった。 あるとき、猫は自由な野良猫だった。 そいつは一匹の美しい白猫に出会った。 白猫と一緒に幸せに暮らし、猫は初めて生きたいと思った。 やがて月日が経ち、白猫は歳をとって死んじまった。 ドラ猫は100万回泣いて、そして死んだ。 猫はもう、生き返らなかった。 意味のない夢は終わりだ。 醒めない夢の終わりに、残ったのは現実だけだ。 みな死んだ。 リードマンも。 カレンも。 ヴァッシュも。 Dボゥイも。 シータも。 ニアも。 かがみも。 奈緒も。 ジェットも。 エドも。 ビシャスも。 「もう夢なんて見ちゃいねえさ。 俺が今、見てるのは現実だ」 死んじまった猫はもう生き返らない。 片腕がもげちまったこの傷も。 みんな死んじまったのも。 どれもこれも現実だ。 戻ることはない、一度きりの現実だ。 一度きりだから明日を願う。 過去と現在を見つめていた瞳は未来を見たいと願っていた。 言いたいことを言い切ったのかスパイクは大きく息を吐く。 そしてギルガメッシュに背を向け、そのまま横たわる結城奈緒の元まで近づいていった。 「――――さて。とりあえず穴でも掘るか、手伝えよ舞衣」 ■小早川ゆたか―――――――悲しみを越えて スパイクと舞衣は黙々と穴を掘っていた。 そんな二人の姿を興味なさ気にギルガメッシュは見送る。 そして、体力的な面を考慮してか、スパイクに声をかけられることのなかった少女、小早川ゆたか。 結果二人取り残される形になった。 「あなたは――――」 それまで沈黙を保っていた少女が声を上げた。 墓穴を掘る二人を見つめ立ち尽くすギルガメッシュの様を見て、思わず疑問が口をついていた。 「――――あなたはそれで、悲しくないんですか?」 そのままでは辛いのではないかと、少女は王に問うた。 「なにを言うかと思えば。馬鹿らしい。 そんな下らん感情は我の中にあるはずもなかろう」 王は涙を流すどころか、悲しむ素振りすら見せない。 それはおそらく強がりや虚勢の類ではないのだろう。 ギルガメッシュはあらゆる負の感情とは一切無縁だった。 だが、目の前で親しい人間が死んでしまって。 それが、悲しくないはずがない。 「わたしは、とても悲しいです」 少なくともゆたかは悲しい。 思い出すだけで、また胸にポッカリ空洞が空いたような虚しさが到来する。 先輩と後輩の間柄とはいえ、ともに日常を過ごしたかがみが目の前で消失したのは酷く堪えた。 小早川ゆたかが過ごしてきた世界は、平和な世界だった。 変わらぬ日常で、昨日と明日のわずかな変化を楽しみながら生きる平和な世界。 もちろん世界に争いがなかった訳じゃない。 小さな争いは絶えなかったし、遠い異国の地では人々は戦争に明け暮れていた殺し合い。 救いの手が行き届かないまま、病気で死に絶える人も多くいる。 それはゆたかだって知っている。 いや、彼女だけじゃない、誰だって知っていることだ。 だがそれも、彼女達にとっては遠く彼岸の出来事だ。 紙面や映像で知ったことを実感することもないまま、理解したつもりになっていた。 人は死ぬ。 誰だって誰かが死ねば悲しい。 それが親しい人間ならば尚更だ。 そんな、当り前のことすら知らなかったんだ。 言葉だけでわかってるつもりになっていただけだ。 ここに来るまで、そんなことすら知らなかったんだ。 たくさんの人が死んでしまった。 姉のように慕っている人がいた。 頼れる力を持っている人がいた。 強く憧れを抱いている人がいた。 全てが喪われ、弱い自分は今にも泣いてしまいそうで。 だけど、どれだけ悲しくとも、泣くことは許されなかった。 立ち止まることなど許されるはずもなかった。 なぜなら彼女の手もまた、悲しみを生み出してしまった。 彼女はそれに報いなければならない。 失ってしまったものは戻らない。 彼らの代わりは誰も成せない。 彼女にはそんな力もない。 だけどせめて、最大限自分できることはやらなくてはならなかった。 立ち止まるわけにはいかない。 歯を食いしばり、涙を堪えて、ただひたすらに前に進む。 それが彼女にできる精一杯の誠意だった。 「ふん。人を降ろしつまらぬ罪罰に迷うか。 よいか小娘。そんなものは捨ててしまえ、その手の苦しみは見ていて楽しくもない。 幼童ならばそれらしく、我の威光に目を輝かしていればよい」 その様子をつまらなさげに見ていたギルガメッシュは、ゆたかの強がりを一言に切り捨てる。 彼の言うとおり強がりをやめて、背負っていたものを彼に任せれば楽になれる。 それは本当なのかも知れない。 ギルガメッシュはひたすらに強く、その強さは一切の歪みを見せない。 おそらく、彼は彼女のみならず、この世全ての悪すらたやすく背負ってしまうだろう。 それでも、 「いいえ、捨てません。 私も、私にできることをしたいと思います」 この会場において最弱である少女は、最強である王に告げた。 それでも譲れぬ咎がある。 楽じゃなくても、やらなくてはならないことだ。 これまでどおり、おっかなびっくりやっていくしかないのだろう。 ゆたかはギルガメッシュに一礼して、スパイクたちの元に駆け寄っていった。 そして、最後に少し振り返る。 少女の目に映るのは独り立ち尽くす黄金の王。 何事にも動じないその強さは、憧れるといえば憧れるし。 大切な人の死を悲しむことすらできない強さは、悲しいといえば悲しかった。 ■ギルガメッシュ―――――――朋友(とも)へ 三名との問答を終え、取り残されたギルガメッシュは呆れたように大きくため息をついた。 たいした道具もなく人一人埋めるとなれば、それ相応に時間もかかろう。 結論として、これ以上は時間の無駄と悟ったのか。 ギルガメッシュはスパイク達を置き去りにして、一人王の財宝を持つジンの元に向かおうと早々に踵を返した。 度重なる問答にも、一切その価値観を動かすことなかったギルガメッシュ。 その心中は常人には理解しがたい。 だが、もとよりギルガメッシュは彼らの理解など必要としていないし、全てに秀でた王は他者など必要としなかった。 この舞台で多くのモノが失われた。 それは英雄王とて例外ではないだろう。 言峰綺礼。 聖杯戦争における契約者。 愉悦を知らぬ哀れな迷い子であったが、戯れに愉悦を説いてみればなかなかに面白い男となった。 十年の付き合いになるがそれなりに退屈はしない男だった。 だが、散り際などこんなものだろうと思うところもない。 衝撃のアルベルト。 戯れとはいえ彼の英雄王に地を舐めさせた男も逝った。 もう借りを返すことが叶わないというのは些かながら口惜しい。 真なる英雄王の力を見せるに相応しい男であると思ったが、死んでしまったのなら所詮それまでの男か。 藤野静留。 ヴァッシュ・ザ・スタンピード。 この場にて家臣の契りを交わした二人も散った。 散り行く者達。 彼を残して去り行く人々。 些細なことだ。 どれもこれも一瞥するにも値しない。 別段珍しいことでもないのだ、たいした感傷もない。 王道とは孤高の道だ。 王とはすなわち超越者である。 超越者であるが故に、誰も王に並び歩むことは叶わない。 超越者であるが故に、誰も王を理解することは叶わない。 そして、神の子として生まれ、覇道を約束された彼は生まれながらにして孤高であった。 孤高とは孤独であるということ。 王は常に独り、誰にも理解されぬままその王道を歩み続けていた。 ――――だが、ただ一人例外がいた。 彼を理解し、彼と並び、彼と歩んだ朋友は後にも先にもただ一人。 泥より作られて人と成った身でありながら、神の子の隣に並び立とうと背を伸ばした愚かなる道化者。 だが身の程を弁えぬその傲岸は、当然ながら天上の神々の怒りに触れ、男は神罰によって命を落とす。 泣き濡れながら息絶える彼の末期を、英雄王は今も忘れない。 なぜ泣くのか、とあのとき問うた。我の傍らに身を置いた愚かさを、今になって悔いるのか、と。 そうではない――と、彼は答えた。 『この僕の亡き後に、誰が君を理解するのだ? 誰が君と共に歩むのだ? 朋友(とも)よ……これより始まる君の孤独を偲べば、僕は泣かずにはいられない……』 そうして男が息を引き取るのを看取ったとき、唯我独尊の王は理解した。 ――人の身にあって人を超えようとしたこの男の生き様は、王が蔵に蓄える財の全てと比してもなお、貴く眩いものだった、と。 そしてまた、彼に並び立とうとして死に行った者が一人。 ヒトの領分を超えた悲願に手を伸ばす儚くも眩しき愚か者。 その破滅を愛してやれるのは天上天下にただ一人、このギルガメッシュをおいて他にない。 そんな人間が再び現れたことが、ギルガメッシュにとってたまらなく愉快だった。 王はまたしても貴きモノを喪った。 だからといって、それを悔やむつもりは毛頭ない。 なぜなら、王が己が道を疑ったのならば嘘になる。 悔やんでしまったのならば、王を信じその道をたどった従者は何のために散っていったというのか? ならば、王の成すべきことは変わらず、己が王道を突き進みその果てに螺旋王を誅す。これに尽きる。 結果、何が失われようと、何が救われようともそれは英雄王の興味の外だ。 見上げれば太陽は時期頂点に達しようとしていた。 大地を恨めしげに照らす太陽の傍らには朧気に霞む月。 僅かに肥大したその姿を認め、英雄王が舌を打ち踏み出そうとした足を止める。 いささか無駄話に時間をとられすぎたようだ。 定期放送の時間がすぐそこまで迫っていた。 終わりは近い。 まだ為すべき事は多い。 弔いなどに無駄な時間を割いている暇はない。 一刻も早く目的を果たし勝利せねばならない。 王は悔やまず。 王は退かず。 王は媚びず。 王は省みない。 それが英雄王の王道だ。 英雄王の顔に皮肉気な笑みが浮かぶ。 そして、天から流れてくる声。 ギルガメッシュはすべてを聞き逃さぬようその声に耳を傾けた。 【C-6/市街地/二日目/昼(放送直前)】 【ギルガメッシュ@Fate/stay night】 [状態]:疲労(大)、全身に裂傷(中)、身体の各部に打撲、黄金鎧型バリアジャケット [装備]:乖離剣エア@Fate/stay night、マッハキャリバー@魔法少女リリカルなのはStrikerS、 [道具]:支給品一式、クロちゃんマスク(大人用)@サイボーグクロちゃん 、黄金の鎧の欠片@Fate/stay night [思考] 基本思考:打倒、螺旋王ロージェノム。月を目指す。【天の鎖】の入手。【王の財宝】の再入手。 0:ひとまず足を止め放送を聴く。 1:王の財宝回収のためにジンと合流する。 2:菫川ねねねに『王の物語』を綴らせる。 3:“螺旋王へ至る道”を模索。 4:頭脳派の生存者、 異世界の情報、宝具、それらに順ずる道具を集める(エレメント、フォーグラーに興味)。 5:目障りな雑種は叩き切る(特にドモンに不快感) 6:全ての財を手に入れた後、会場をエアの接触射撃で破壊する。 7:月に何かがあると推測。次に月が昇った時、そこに辿り着くべく動く。 【備考】 ※螺旋状のアイテムである偽・螺旋剣に何か価値を見出したようですが、エアを手に入れたのでもう割とどうでもいいようです。 ※ヴァッシュ、静留、ジンたちと情報交換しました。 ※ギルガメッシュのバリアジャケットは、1stがネイキッドギル状態、2ndがクロちゃんスーツ(大人用)、3rdが黄金の鎧です。 2ndを展開する意志はなくなりました。強敵に会った時にのみネイキッドのバリアジャケットを展開しようと考えています。 ※会場は『世界の殻』『防護結界』『転移結界(確率変動を発生させる結界)』の三層構造になっていると推測しました。 ※会場の形状は天の方向に伸びるドリル状であり、ドーム状の防護結界がその内部を覆っていると推測しました。 ※会場のループについて認識済み。 会場端のワープは、人間以外にも大出力攻撃を転移させる模様です。 ※マッハキャリバーによるウイングロード展開を習得。カタパルト代わりに使用可能(ちょっと飽きた)。 ※マッハキャリバーから詳細名簿の情報を少し聞いたようです (少なくともガッシュ、ヴィラル、シャマル、スカー、ねねねについて大まかに知ってます)。 【スパイク・スピーゲル@カウボーイビバップ】 [状態]:疲労(大)、心労、左腕から手の先が欠損(止血の応急手当はしましたが、再び出血する可能性があります) 左肩にナイフの刺突痕、左大腿部に斬撃痕(移動に支障なし) 、腹部に痛み [装備]:ジェリコ941改(残弾0/16)@カウボーイビバップ [道具]:支給品一式×4(内一つの食料:アンパン×5、メモ×2欠損)ブタモグラの極上チャーシュー(残り500g程) スコップ、ライター、ブラッディアイ(残量100%)@カウボーイビバップ、風水羅盤@カウボーイビバップ ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書@トライガン、防弾チョッキ(耐久力減少、血糊付着)@現実 日出処の戦士の剣@王ドロボウJING、UZI(9mmパラベラム弾・弾数0)@現実、レーダー(破損)@アニロワオリジナル ウォンのチョコ詰め合わせ(半分消費)@機動武闘伝Gガンダム、高遠遙一の奇術道具一式@金田一少年の事件簿 水上オートバイ、薬局で入手した薬品等数種類(風邪薬、睡眠薬、消毒薬、包帯等) テッカマンエビルのクリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード 、ナイヴズの銃@トライガン(外部は破損、使用に問題なし)(残弾3/6) デリンジャー(残弾2/2)@トライガン、デリンジャーの予備銃弾7 [思考] 1:奈緒を弔う 2:ウルフウッドを探す(見つけたあとどうするかは保留) 3:カミナを探し、その後、図書館を目指す。 4:ルルーシュにニアの伝言を伝える。 5:テッククリスタルは入手したが、かがみが持ってたことに疑問。対処法は状況次第。 6:全部が終わったら死んだ仲間たちの墓を立てて、そこに酒をかける。 [備考] ※ルルーシュが催眠能力の持ち主で、それを使ってマタタビを殺したのではないか、と考え始めています。 (周囲を納得させられる根拠がないため、今のところはジン以外には話すつもりはありません) ※清麿メモの内容について把握しました。 会場のループについても認識しています。 ※ドモン、Dボゥイ(これまでの顛末とラダムも含む)、ヴァッシュ、ウルフウッドと情報交換を行いました。 ※シータの情報は『ウルフウッドに襲われるまで』と『ロボットに出会ってから』の間が抜けています。 【鴇羽舞衣@舞-HiME】 [状態]:背中にダメージ、全身に擦り傷、顔面各所に引っ掻き傷、引っ張られた頬、首輪なし、全身に軽い切り傷 疲労(大)、バリアジャケット [装備]:薄手のシーツ、ストラーダ@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]:支給品一式、釘バット、X装置、ゲイボルク@Fate/stay night [思考]:皆でここから脱出 0:奈緒のために墓を作る 1:何としてでも皆を守る [備考] ※螺旋力覚醒 ※失った高次物質化能力を取り戻しました。 ※舞衣のバリアジャケットは《炎綬の紅玉》鴇羽舞衣@舞-乙HiME。飛行可能。 【小早川ゆたか@らき☆すた】 [状態]:発熱(中)、疲労(極大)、心労(中)、軽い脳震盪、左腕骨折、罪悪感、螺旋力覚醒 [装備]:エクスカリバー@Fate/stay night、フリードリヒ@魔法少女リリカルなのはStrikerS [道具]:支給品一式 、ガッシュの魔本@金色のガッシュベル!! [思考] 基本-みんなで帰る 1:スパイクと舞衣を手伝う 2:舞衣がDボゥイを好きなのかどうか気になる [備考] ※自分が螺旋力に覚醒したのではないかと疑っています。 ※再び螺旋力が表に出てきました。 ※ねねねと清麿が生きていることに気がつきました。明智の死を乗り越えました。 ※舞衣との会話を通じて、少し罪悪感が晴れました。 時系列順に読む Back Soul Gain Next 第六回、あるいは“ゼロ”の放送 投下順に読む Back Soul Gain Next 第六回、あるいは“ゼロ”の放送 275 柊かがみの憂鬱 Ⅳ ギルガメッシュ 281 十人十色 275 柊かがみの憂鬱 Ⅳ スパイク・スピーゲル 281 十人十色 275 柊かがみの憂鬱 Ⅳ 鴇羽舞衣 281 十人十色 275 柊かがみの憂鬱 Ⅳ 小早川ゆたか 281 十人十色
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「あー、混乱する」 休息所として勝手に利用させてもらっていた家からようやく出た途端にこう呟いたのは、他でもない立香であった。 無理もなかろう。黒幕の正体、セイバーの真名、それらに迫る話をしていたさなかに、佐々木小次郎が行方不明という報が上がったのだから。 とはいえ、だからといってここで歩みを止めていては解決する問題も解決しない。 故に立香は英霊と共に歩を進め続けるのだが、 「セイバーの真名が絞られたのはいいよ、凄い収穫だ。ただなぁ……やっぱりヨーゼフ・メンゲレ? あれが困る」 どうしても、愚痴だけは止められなかった。 『すまないね、立香君。やはり開示する情報量が多すぎたな。こちらも〝小出しに小出しに〟とは思ったんだが、いざ本番となると、口がね』 「いや、それはいいんだ。ただまぁ俺みたいな普通怪獣からしてみりゃ、メンゲレの話だけでもかなり頭を使っちゃう感じなんだよなぁ。 だってのに、そこにきて今度は小次郎が行方不明とか……間が悪すぎるんだよ! 甘いもの欲しいなー! 飴ちゃん持ってくるべきだったー!」 立香は頭をがしがしと掻きながら、まだまだ口を開き続ける。 「そもそも〝行方不明〟っていうのが怖いんだよなぁ。なんかまた敵の術中にはまっちゃいましたって感じでさぁ。 例えばほら、アガルタで〝登場人物の一人〟にされたりとか、平行世界で〝英霊剣豪〟にされたりとか……色々あったじゃん、色々と。 ああ、オルレアンではバーサーク・サーヴァントってのもあったよなぁ。やっぱり霊基とか弄られて敵に回ってくんのかなぁ。あぁー、超不安」 『おいマスター。大将はうじうじすんなって言ったばかりだよな?』 するとトサカに来たのだろう。再びモードレッドが通信に乱入してきた。 「分かってるって、モードレッド。だけどやっぱ過去の事件が頭によぎるのだけは止められないっていう話でもあるわけよ、実際。 だからむしろここは、何が来ても驚かないよう今までを振り返って今の内に愚痴ってストレス発散する、って手段に出た俺を褒めて欲しいね」 『相変わらず、口から生まれたみたいな奴だな、お前は……』 『ですがモードレッドさん。実際に先輩のメンタル値は安定してきています。手段はどうあれ、結果が出せるのなら……』 『あー、はいはい。分かった分かった。にしてもマジな話、よくこれで人理修復出来たもんだって改めて思うぜ』 「安心してくれモードレッド。割と自分でもそう思ってる」 『何一つ安心出来ねぇ……』 ともあれ、また本気で叱りに来たわけでもなかったのだろう。 彼女は大きな溜息をつくと、立香に『せめて戦うときくらいは格好良く立ってろよ。それが義務だ』と言い残し、再びマイクから離れていく。 だが立香はへこまない。むしろ愚痴ることに加え、こうした他愛のない会話を交わしたおかげで、かなり不安が取り除かれていると感じていた。 確かな手応えを感じ、最後に残ったひとしずく分の不安を吹き飛ばすようにその場で大きく伸びをすると、 「よっし、じゃあ……本格的に、世界を救うとするか!」 後ろを歩くケツァル・コアトルと燕青へと振り返り、先程まで纏っていたうじうじした雰囲気を脱ぎ捨てて高らかに言った。 ケツァル・コアトルは「ええ」と優しく答え、燕青は「その意気だ、マスター」と愉快げに口角を上げる。 怖れを全て取り除けたわけではない。だがしつこいようだが、ここで歩みを止めていてはどうにもならない。故に立香は進むのだ。 『しかし水を差すようですまないが、ここから動くとなるとどこへ向かうべきかが重要になってくるな』 「ああ、そこなんだよな」 だがここで、ダ・ヴィンチが口を開く。内容は至ってシンプルであり、なおかつ真っ先に考えるべきことであった。 そもそも立香達はまだ敵の根城を突き止めていないのだ。このまま適当に進んだところで、当然だが事態は進展しない。 故に、考える必要がある。読んで字の如く〝方向性〟をだ。 「ちなみにダ・ヴィンチちゃん、俺らってさ……今どこにいんの?」 『ああ、失念していたよ。君達の現在地はコロンビア。南米大陸の北部だな。加えてその町自体も、コロンビアの中でも北に位置している様だ』 立香の質問に、ダ・ヴィンチは素早く解答する。 するとここで燕青が「ほうほう、成程ねぇ」と、したり顔で話し始めた。 「マスター、姐さん。この大陸はかなり広い。にも関わらず、俺達は到着してすぐ……それこそまさに〝息つく間もなく〟戦う羽目になった。 しかもあの武装した子ど……ホムンクルスだけじゃなく、二騎ものサーヴァントとも出会うおまけつきだ。これが何を意味するか、解るか?」 探偵の推理ショーじみた言葉に、立香は「いや……?」と顎に手を当てる。 一応、考えてはみるのだがさすがにすぐには思いつかない。結局、立香は両手を挙げて素直に「降参」と宣言した。 一方でケツァル・コアトルとダ・ヴィンチは察しが付いたようで、各々で〝なるほど〟という旨の相づちを打つ。 そうした光景を一通り眺めて満足したらしい燕青は、片手の人差し指を立てて「いいかぁ?」とウィンクすると、 「俺達は大陸の端っこにいる。それも北に位置する国の更に北部にだ。だってのに俺達はあろうことか〝サーヴァントと〟交戦した。 サーヴァントは敵さんにとっては最高戦力であるはずだ。なのにそんな大事な連中が、なんと同時に二騎も出てきたっていうじゃないか! それならもう自然と相手の狙いは絞られる! そう、敵さんは〝戦力を北に集中させてる〟のさ。恐らくは北アメリカの占領を考えてな!」 実に大胆な話をぶちかましてきた。 「って、待て待て待て燕青。じゃあむしろ、ここが本拠地に近いから二騎もサーヴァントが来たって可能性も高いんじゃないか? しかも数が多いのはサーヴァントだけじゃない。ホムンクルスだってそうだった。まるで津波みたいに押し寄せてきてたじゃんか」 ほぼ反射的とも言える勢いで立香は反論する。 「確かにそう考えるのも悪くはないな。だがそうなると〝出てきたサーヴァントは二騎だった〟という事実が奇妙に映ってくる。 ほぉら、考えてもみろよマスター。もしも俺達が本当に本拠地近くに来ちまってたとしたら、敵さんには戦力をケチる理由が全くない。 梁山泊のやり方が異常だって言われりゃそれまでだが、少なくとも俺が敵さんの立場だったら、迷わず〝ありったけの戦力で潰す〟な!」 だが燕青の話は途切れなかった。 「ええ、燕青の言う通り! たった二騎……本拠地を護らせるために出撃させる数としては、あからさまに少なすぎマース!」 「更に付け加えようか。百歩譲ってあの二騎が〝俺達カルデア組に対する斥候だった〟と考えた場合、今度は新しい違和感が生まれてくる。 もうマスターも気付いてるだろう。そう……ホムンクルスの数だ。斥候役として動かすにはあまりにも多すぎる。はっきり言ってお粗末だ」 「た、確かに……」 「だから俺達がやるべきことは〝南下〟だ。そうすればいずれ本拠地も見つかるだろうし、同時に敵さんは北米攻略を企む場合じゃなくなる。 俺達が黒幕目指して移動するだけで、相手の予定が乱れちまうわけだな。そうなれば一石二鳥。この状況下では、かなり有効的だと思うがね」 それどころか説得力が増したと感じ、立香は圧倒されてしまう。 「故に我が主……どうか、ご検討いただければ」 そういうわけで、そのまま従者ムーヴに移った燕青に対し、立香は「じゃあそうしようか」と迷わず答えた。 だがそれは同時に、ある一つの悩み事を発生させる返事でもあった。 ずばり、移動手段である。 「でもどうするよ? さすがに南米大陸を徒歩で縦断コースだけはマジで勘弁したいんだけど?」 「あら? でも私、聞いたわよ。マスターは英霊達と共に、あの北米を横断して悪を討ったって!」 「あれは〝結果的にそうなっちゃった〟だけで、望んでやったわけじゃないんだよなぁ……」 「北米横断! ひえぇ、事実は小説よりもなんとやら、か」 「お前それ荊軻さんへの持ちネタだろ。雑に使うな雑に」 大きな溜息を零した立香は「まぁ、現代だから車くらいはありそうなのが救いか」と辺りへと視線を向ける。 だがすぐさま視界に自動車が入るほど、特異点は甘くない。 「仕方ない。探すか」 「だがマスター。見つかったとして、誰が運転するんだ?」 「何言ってんだ燕青。そこに騎乗スキルEX持ちの素敵なお姉さんがいるじゃんか」 「あぁ……でも姐さんの騎乗って言われると、リング上でカウント取ってもらうイメージしかないんだが」 「大丈夫よ、燕青。アーサー王がバイクに乗る時代だもの。だったら神様が車の一台や二台運転したところで何も問題ありまセーン!」 「理論武装してるぅ」 というわけで三人は、車探しのために町の中を注意深く徘徊するのであった。 ◇ ◇ ◇ 「マスター、姐さん、来てくれ! 良さそうなのが見つかったぞ!」 「マジで!? どれどれ……おぉー、燕青やるぅ!」 「だろぉ? あからさまに頑丈そうなのに加えて荷台付き。色も悪目立ちしない黒ときた。なかなかの上物だと思うがね?」 「ええ、いいわね。機構もシンプルそうだし、大陸縦断には丁度よさそう……だけど、鍵はあるのかしら?」 「ああ。車の近くに落ちてたからその心配はない……問題があるとすれば〝どうして近場に落ちてたのか〟ってところなんだが」 「……燕青。その鍵、差し込む部分の色が絵の具で塗ったみたいに赤黒いけど、人がいない町でそんなになってるってことは、つまり……」 「まぁ想像通りだろう。恐らく、こいつの元の持ち主が逃げようとしたところで運悪く敵さんが……」 「二人とも、それ以上の追求はやめましょう。解りきったことをわざわざ口にすることなんてないわ」 「……そうだな。悪かったよ、ケツァ姉」 「はい。じゃあそういうわけで……ごめんなさい、元の持ち主さん……車、お借りするわ。どうか私達を見守っていて……」 といった会話を交わしてケツァル・コアトルがハンドルを握ってから、どれほど時間が経っただろうか。 立香一行は燕青が提案した通り、ありがたくレンタルさせてもらった自動車で南下を続けていた。 運転席には勿論ケツァル・コアトルが、そして助手席には立香が座り、燕青は荷台で腰掛けたまま辺りを警戒している。 鍵の問題が解決した理由も〝アレ〟だったせいだろう。随分と重苦しい雰囲気が充ち満ちた移動だな、と立香は感じていた。 おかげで、視界に入っては消え去っていく建物に対しても何の感慨もわかない。 「誰かこの車のトリビア教えてくれー」 というわけで、精神的な負担を軽減するために立香はカルデアへと通信を飛ばした。 その声にすぐさま応えたのはマシュであった。 『先輩方が乗っている車についてですか?』 「まぁ、暇つぶしにな。トヨタのマークがあったから、作った会社はそりゃトヨタなんだろうなってのは解るんだけども」 『なるほど。退屈を吹き飛ばせるかどうかは、この私にかかっているわけですね……では……』 「え、もう語れんの? 早くね?」 『モニタリングしていますからね。移動手段に用いたもののデータも、念のため把握しておくのがスタッフの務めです』 毎度毎度凄ぇな……立香は素直に感心する。 そして頑丈そうなビルが視界を横切った直後、マシュによるトリビア披露タイムが始まった。 『まずその自動車の名は〝ハイラックス〟です。先輩が仰る通り、というよりもエンブレムが示す通り、トヨタ自動車が開発しました。 名の由来は英語で〝高級な〟や〝優れた〟といった意味のHighに、更に〝贅沢な〟や〝豪華な〟という意味のLuxuryを合わせた造語です』 「ハイラックス……そんな名前だったのか、こいつ」 「あら、動物の名前じゃないのね?」 ケツァル・コアトルも雰囲気に耐えきれなかったのだろう。 彼女もマシュの話に相づちを打った。 『元々の設計思想が〝乗用車と肩を並べられる程の豪華なピックアップトラックを目指す〟というものでしたからね。 ですがこのハイラックスを知った人々が注目したのは、豪華さだけではなく……燕青さんも仰っていた〝頑丈さ〟でした。 道路事情の悪い発展途上国や、険しい道を進まざるを得ない趣味を持つ方々から歓迎されていた事実がそれを証明しています』 「へぇ。それじゃ燕青の見立ては間違ってなかったのか」 『また、BBCで放送されているイギリスの自動車番組〝Top Gear〟では、この車がどこまで頑丈なのかを試す回がありました。 身体を張る実験車となったのは、イギリス向け仕様の四代目ハイラックスの中古車です。皆さんが乗ってらっしゃるものと近いですね。 そんな中古車に対し、まずは〝階段を下らせて木に激突させる〟というジャブを放ったのを皮切りに、番組は悪ふざけを続けていきます。 車体を海中に五時間沈め、解体用の鉄球をぶつけ、小屋に体当たりさせ、最後には高層ビルの屋上に放置し、そのビルを爆破解体させました』 「うっそだろオイ」 笑いをこらえきれないのか、ハンドルを握るケツァル・コアトルの両肩が震えている。 だがそんなことはお構いなしというように、マシュは言葉を続けた。 『結果、車がどうなったかというと……なんと、その場で基本的な工具による修理を行っただけでエンジンがかかりました! それどころか自走してスタジオに到着するという偉業までも達成し、出演者達から大きな拍手を受けるというおまけつきです!』 「マジかよ! 中古車でそれって……おいおい、どうなってんだこの車」 『ですがその頑丈さ故に、軍隊やテロリストに重宝される……という、いかんともしがたい問題も生まれてしまっています。 事実〝チャド内戦〟ではハイラックスなどのピックアップトラックを、政府軍と反政府軍の両者が戦闘車両として改造し、争いました。 そのため、チャド内戦には〝トヨタ戦争〟という、関係者の皆さんにとっては不愉快の極みであろう呼び名を付けられてしまっています』 「長所と短所は表裏一体、ってわけか」 『ええ。また、世を騒がせているイスラム過激派組織〝ISIS〟もハイラックスを使用していますね。 その為、アメリカのテロ対策局が米国トヨタに対し、自動車の入手経路に関する説明を求めたこともあります』 「そりゃそうもなるか……まぁでも、そういう戦いで使われるほど丈夫な車を手に入れられたってわけだから、俺達は運がいいんだな」 突然真面目な話になったので、ケツァル・コアトルの肩の震えが止まる。 このままでは暗い話が続きそうだ。そう考えた立香は前向きに相づちを打つのだが、 『ええ。ですから道中は幾分か安心出来るとは思います……と、そういった具合でこの話は締めたかったのですが……』 「……マシュ?」 『敵性反応を多数確認……その内の一つはサーヴァントです!』 「なんだと!?」 「ああ、もう! 災難の連続ね!」 ケツァル・コアトルは急ブレーキで強引に車を停止させると、すぐさま外へと飛び出した。 続いて荷台から跳躍した燕青が車の真正面に着地して構えを取ると、立香も自分なりに辺りを警戒しながら助手席から降りる。 「敵性、って言ってたな……小次郎じゃありませんように小次郎じゃありませんように小次郎じゃありませんように小次郎じゃありませんように」 彼は念仏を唱えるかの如く、小次郎が敵として襲来する未来を勝手に想像して怖れるのだが、果たしてそれは杞憂であった。 ケツァル・コアトルが持つ豪華絢爛な盾が、迫り来る一本の矢を見事に防いだからである。 この時点で立香達は同時に「なるほど、アーチャー!」と叫ぶ。すると微かに「そうだよーっ」と返事が聞こえてきた。 高い声だ。恐らく相手は声変わり前の少年、またはいたいけな少女の姿をしているのだろう。 「バルベルデのアーチャー……とかでいいかな。うん、それでいいやっ」 やってきたのは前者であった。 例によって男女一組のホムンクルスを連れているが、アーチャーを名乗る少年の身長は彼らとそう変わらない。 遂にホムンクルスだけに留まらず、子どものサーヴァントまで登場ですかい……と、立香は辟易した。 だが気分を害されるのはここからだ。今度はアーチャーの背後から現れた複数のホムンクルスが、即座に立香達の周囲を取り囲んだ。 彼らの装備はマチェットに軽機関銃と、相変わらずの少年兵スタイルである。 「相変わらず、ゴージャスなお迎えだな……」 なお、二人一組のホムンクルスの方には動きがない。 装備こそ他と同じだが、セイバーとアヴェンジャーについていた者達と同じく〝マスター業に専念する〟腹づもりなのだろう。 どうもこの辺りの役割分担は徹底されているようだ。ならば、こちらもそうするだけである。 「燕青。長引くと面倒だ。マスターを処理しよう。いけるか?」 「当然いけるよぉ。そもそも、丁度そう進言しようと思ってたところだ」 「そうなると、私がマスターを護るわけね。解ったわ」 「ごめんな、ケツァ姉。またつらい思いをさせるけども……」 「またそんなことを言ってると、今度こそモードレッドに蹴られちゃうわよ」 「……だな。なら二人とも、頼んだ」 非常に簡易的かつ単純な作戦――作戦というにもお粗末な感はあるが――を立てた立香は、邪魔にならないよう立ち位置を修正する。 そうこうしている内に、ホムンクルス達はじりじりと距離を詰めだし、アーチャーは血液のように赤い弓を屋根の上で構える。 その所作はとても美しく見えた。いや……今回の場合、所作だけを褒めるのはとんでもない間違いだろう。 そもそもこのアーチャーの風貌自体が、とてつもなく美しいのだ。同じ男性から見ても〝素直に色気を感じる〟と立香が評価する程に、である。 褐色の髪は絹のようにさらさらだと遠目でも解るし、その青い瞳でじっと見つめられれば、うっかりすると釘付けにされてしまうかもしれない。 同性愛者じゃなかったはずなんだけどな……と、立香は心中で呟き自嘲した。戦闘中にこんなことを考えてしまう自分の救えなさも含めてだ。 「じゃあマスター、姐さん。お先ぃ」 などと考えている間に、まずは燕青が予定通りにアーチャーの背後に立つホムンクルスへと肉薄する。 どちらがマスターなのかは判別出来ていないが、あの燕青のことだ。目ざとく察知し、即座に処理するに違いない。 そうなると問題は立香自身とケツァル・コアトル、ということになる。 出来る限り受け身の態勢は避けたいところだが、それは諦めた方がいいだろう。 ケツァル・コアトルの心情を考えれば、後手に回ってしまうのは必至だろうからだ。 「……ごめんなさいね」 と思っていたが、ここで意外や意外……最も近くにいたホムンクルスに対し、ケツァル・コアトルは自分から間合いを詰めた。 そして相手を一撃で仕留めるやいなや、周囲の敵をも倒していったのだ。反撃させる暇も与えずに、である。 驚きのあまり硬直する立香だが、いかんいかんとすぐに正気に返る。戦闘中に呆けるなど、あってはならない。愚の骨頂だ。 「嬉しい誤算、ってやつか……」 誰の耳にも入らないよう、立香はぼそりと呟く。 まさかあのケツァル・コアトルが、自ら子どもを倒しにかかるとは思わなかった。 ここにきて完全に割り切った、ということなのだろうか? 「……いや、楽観視は危ないな」 しかしよくよく思い出してみれば、先程ケツァル・コアトルは突撃の際、ホムンクルスに〝ごめんなさいね〟と一言添えていた。 やはり何かしら無理はしているということなのだろう。割り切ったのではなく、深く考えないように努めているだけなのかもしれない。 だとしたら、長期戦は危険だ。このまま長引くとケツァル・コアトルのストレスは許容範囲を超え、いずれ思わぬ痛手をくらうことは必至である。 やはりマスターを狙う作戦は正解だったな……と、立香は声に出さずに心中で独りごち、燕青へと視線を向ける。 「成程ぉ。マスターなのは、そっちか!」 早くも燕青は狙うべき相手を見定めたらしい。彼は地を蹴って跳躍すると、アーチャーの後ろに控える少女へと迷わず肉薄した。 当然〝そうはさせない〟とでも言うようにアーチャーが割って入るが、接近戦の鬼である燕青の前ではまさに読んで字の如く無力。 燕青は屋根の上に辿り着いた瞬間に勢いを付けて回し蹴りを放ち、弓を構えようとしていたアーチャーをあっという間にダウンさせた。 そして得物に手を伸ばした少女の腕を力強く掴むと、 「劇終だ」 マチェットを奪い取り、そのまま彼女の首を切断した。 「そしてアンコールもさせない」 更に燕青は血に塗れたマチェットの刃先を、やっとこさ立ち上がったアーチャーに向ける。 クラススキル〝単独行動〟を警戒しての行動だろう。さすがは燕青、抜かりはない。 「さぁ死ね! 我が主のために! 太阳姐のために! 他でもない、この俺の手で!」 起き上がった相手に向かって、燕青は容赦も躊躇もなくマチェットを振りかぶった。 終わりだ。ケツァル・コアトルの守りが固いこともあって、立香は燕青の勝利を確信する。 ならば後は、うっかり自分が死なないように立ち回るだけのこと。 立香は自衛に集中するため、燕青から視線を外そうとした。 だが、その瞬間……彼は理解に苦しむ光景を目にすることとなる。 「……燕青?」 なんと、王手をかけていたはずの燕青が、何故か動きを止めてしまったのである。 まさか何かしらのスキルを打ち込まれたのでは……という不安が立香を襲う。 だが本当に訳が分からなくなる事態が発生するのはこれからだった。 「はぁ!?」 事態を目撃した立香は、まるで逆ギレでもしたかのようにガラの悪い声を上げてしまう。 だがこのような反応をしてしまうのも致し方ないだろう。 何故なら……あの燕青が〝アーチャーの回し蹴りをノーガードで受けてしまった〟のだから! 「おい、燕青! 燕青っ!?」 アーチャーが意趣返しを放ったのは、まだ理解出来る。 だが燕青が防御も回避も出来ずに攻撃を受け、挙句に〝建物を挟んだ向こう側へと吹き飛ばされる〟というのは、理解不能極まりなかった。 立香は「くそっ!」と叫ぶと、アーチャーを注視したままカルデアに通信を飛ばす。 隙が生まれるリスクは承知している。だがマシュやダ・ヴィンチにすがりたいという思いは止められなかったのだ。 「誰か答えてくれ! あの男の子、マジでアーチャーなのか!? あいつ嘘ついてねぇだろうな!?」 『先輩! 厄介なことに嘘はつかれてません! あの子はアーチャーのサーヴァントです!』 「燕青はどうなった!?」 『死んではいないが動きがない! 軽い脳震盪を起こしていると見た!』 「ああもう! 何が何だか!」 そして予想通り、事態は更に悪化していく。 一時的にでも邪魔者を消し去ったアーチャーが、立香に向けて弓を構えたのだ。 「……って、ちょっ、待て待てアーチャー! 一旦タイム!」 「ごめんね、それ無理っ! というわけで……」 否、ただ構えているだけではない。 「……宝具、発動」 アーチャーは、こちらを確実に仕留める気であった。 宝具の開帳を宣言した彼は、まずは矢を持たずに弦を弾く。 すると突如として、絵にも描けないほどに美しい真っ赤な花弁が無数に発生した。 色からして桜ではないものの……〝花吹雪〟と表現しても差し支えはしないだろう。 そんな美麗な花弁は小さな渦を描きながらアーチャーの手元へと集い、粘土のようにくっつき合ってゆく。 やがて完成したのは、先が尖った細長い棒状のもの。そう、真紅の矢であった。 「『血風を貴女に(セサス・アイマ・アネモス)』」 果たして宝具は、容赦なく放たれる。 本能的に死を察知したためか、立香は急激に時間の進みが遅くなる感覚に襲われた。 幾多もの花弁によって作り出された矢が、その身を散らしながら迫り来る。 当たったら死ぬのは確実なので、絶対に避けなくてはならない。頭では解っている。だが出来なかった。 当然だ。本当に時間の進みが遅くなったわけではないのだから。 「マスターっ!」 すると、全てを察したのであろうケツァル・コアトルが視界の外から現れ、立香の眼前に立ちはだかった。 花弁の矢はケツァル・コアトルの胸に突き刺さり、背中から顔を覗かせ……やがて矢の形を失うとただの花弁へと戻る。 おかげで立香は死ななかった。立香の命を断つかと思われた矢は、女神の身によって確かに阻まれたのだ。 だが、 「うん。やっぱり、お姉さんならそうするって思ったよっ!」 「……まさか」 「これで用心棒は全滅。キャスターさんが言ってた〝将を射んと欲すればうんぬんかんぬん〟は、大成功だね!」 ケツァル・コアトルを宝具で排除する。それこそが本当の目的だったらしい。 恐ろしきかな、バルベルデのアーチャー。立香達は見事、彼の掌の上で踊らされてしまったのだった。 「それじゃ、今度こそこれでお終い。入れ墨のお兄さんの言葉を借りるなら……」 今度はごく普通の矢を手にしたアーチャーが、構えていた弓を引き絞る。 それを見た立香は焦るあまりに、眼前でうつぶせに倒れているケツァル・コアトルの身を揺すった。 だが反応はない。彼女は虚ろな目を開いたまま、倒れ伏すのみだ。 奇妙なことにその身体には風穴が空いておらず、出血すらしていないというのに。 「げきしゅー、だねっ!」 立香が戸惑う中、勝利を確信したらしいアーチャーは無邪気な声音でそう宣言した。 「いいや、幕引きはさせん!」 するとその直後、アーチャーの背後へと跳躍した燕青が相手の顔面をぶん殴り、攻撃を中断させた! まるで〝ヒーローは遅れてやってくる〟という法則をその身で示したかのようである。 「ぎゃあっ!」 回避に失敗したアーチャーは落下こそしなかったが、代わりに明後日の方向へと矢を飛ばしてしまう。 またも命を拾った立香は、燕青が無事だったこともあって「よっしゃ!」と喜びの声を上げた。 と、そこまではよかったのだが、再び立香の表情は曇る。またもケツァル・コアトルがやられている以上、未だに戦況は不安定なのだ。 「退くぞマスター!」 「だよな! 了解!」 燕青も同じことを考えていたようで、急いで撤退の準備を始めた。 まずはケツァル・コアトルが倒しきれなかった少年兵スタイルのホムンクルス達を処理するため、牙を剥く。 幸いにも敵の数は少なかったので、倒しきるまでさほど時間はかからなかった。 「マスター! 運転手はアンタだ!」 「マジで!? 無免許だぞ俺!」 「俺だって騎乗スキルないんだ! なら戦えない方が運転して、戦える方が追っ手を警戒するしかないだろう!?」 「ロジカルです!」 続いて燕青は意識不明のケツァル・コアトルを回収して跳躍し、車の荷台に乗るとすぐさま寝かせ、自身は戦闘態勢に入る。 こうなったらやぶれかぶれだ。立香は「揺れるぞ!」と言いながら運転席に滑り込み、刺さったままのキーを回す。 そして両親の見よう見まねでまずはバック走行にチャレンジ。見事に成功させると、そのまま勢いよくハンドルを切った。 すると荷台の最後部が建物にぶつかったらしい。宣言通り、車全体が大きく揺れた。 「どわっ!? 大丈夫か!?」 「俺も姐さんも心配ない!」 『それより急げ、立香君! 狙撃されるぞ!』 「ああ!」 不安に苛まれながらも、拙いなりに車の向きを変える。 これでようやく前を見て進めるようになったので、立香はギアを変えて思い切りアクセルを踏んだ。 オートマチック車だったのが幸いし、スピードは勝手に上がっていく。 しばらくしてからバックミラーへと視線を移すと、アーチャーは見えなくなっていた。 単に遠いから見えなくなったのか、それとも身を隠しつつ追ってきているのか、念のために確認を取る。当然、カルデアにだ。 「アーチャーはどうなった? こっちからは見えなくなったけど」 『先輩の進行方向とは真逆の方角に移動し、程なくしてロストしました。狙撃を諦め、撤退したと考えて間違いないでしょう』 「そっかぁ……解った。ありがとな」 答えを聞いて安心した立香は一旦ブレーキを踏んで停止させると、安堵の溜息をつきながらシートベルトを装着した。 「無免許運転に衝突事故、シートベルトは無着用……ああ、前科持ちになっちまった!」 そして嘆く。 大忙しだ。 『まぁ、不可抗力だ。見なかったことにしておくよ。そもそもサーヴァントだって無免許だしね』 「確かにそうだけどもよ……あーあ、俺も無頼漢デビューか……」 『だがマシュはちゃんと教習所に通いたまえよ?』 『はい、ダ・ヴィンチちゃん。平和を取り戻したら、そのときにでも……』 「あー、ところで二人とも。ここら辺に敵性反応ってある?」 『ないね』 「了解」 ダ・ヴィンチの返答に感謝し、立香は再びアクセルを踏む。 そして「燕青。ちょっと向こうに丈夫そうなビルがあるよな? あそこに停めるぞ」と言いながら速度を上げた。 唐突な提案だったが、燕青は気にしていない様子で「あぁ、それは助かる」と返答すると、 「積もる話もあるからな」 と、極めて真剣な声音で付け加えた。 「……やっぱりな」 立香も、短く答える。 相手を責めるつもりは毛頭無いのだが、自然と声は低くなっていた。 BACK TOP NEXT 第4節:りつかクンは助けられてしまった! 南米瞋恚大戦 ダス・ドゥリッテス・ライヒ 第6節:欧州より愛を込めて
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Elebits part28-156~170 156 :Elebits:2007/02/05(月) 19 53 31 ID BUpESzXh0 ・エレビッツ世界の特徴 遥か昔、巨大な雷と共に現れた不思議な生き物、 エレビッツが全てのエネルギーを賄っている為、 化石燃料や核に依存しない文明社会となっている。 ・エレビッツとは 形状や色、特性などによって数種に分類されるが、 共通の性質として実体化したマテリアル体、 形状に囚われず機器に同化して動かす事の出来る エネルギー体、そしてその中間である発電体に変化し、 生活の様々に利用されつつ人類と共存している生命体。 ちなみに単体を指す場合は「エレビット」と呼称する。 ・キャプチャーガン キャプチャーレーザーという光線を発する銃器の形をした道具。 主な用途はエレビッツの捕獲だが、 レーザーを当て続けた物体を「つかむ」事が可能。 またエレビッツを捕獲しエネルギーを蓄えると 動かせる重量が大きくなったり、機器に電力を与え稼動させたり もできる。精密機器らしく、壊れ易いのが欠点。 ・登場人物 【カイ】 主人公。エレビッツ研究者を両親に持つ10歳の少年。 研究に明け暮れる両親に余り構ってもらえず、 寂しさを募らせる内、いつしか両親を自分から 引き離す元凶としてエレビッツを嫌うようになった。 【エド】 カイの父親。世界的なエレビッツ研究者として有名。 キャプチャーガンを発明したのも彼である。 かなりのエレビッツ愛好家でもある。 【アナ】 カイの母親。エドと共にキャプチャーガンを製品化させ、 やはり世界的に高い評価を受けるエレビッツ研究者。 絵本を書く事が趣味。カイの相手をしてやれない事を 気に病んではいるらしい。 ある嵐の夜、空を引き裂くような落雷が起きた。 それと同時に停電で部屋が真っ暗になり、 街中に何か異変が起きているようだ。 エドとアナは異変の原因を探る為に出かけてしまい、 取り残されたカイは不機嫌になる。 気晴らしに好きなテレビ番組を見ようとするが、テレビもつかない。 カイはそこで、テレビを見られるのもエレビッツのおかげだという エドの言葉を思い出し、今テレビが見られないのは 落雷後様子のおかしいエレビッツのせいだと決め付けてしまう。 そしてカイはエドに内緒でキャプチャーガンを持ち出し、 今までの恨みを晴らすべく、家にいるエレビッツを一匹残らず 捕まえてやろうと行動を開始するのだった。 157 :Elebits:2007/02/05(月) 19 54 09 ID BUpESzXh0 まず手始めに、自らの城である子供部屋を一掃しようとするカイ。 机や棚の上で大人しく眠っているエレビッツ達を容赦なく 光線で捕らえていくカイ。次第にキャプチャーガンのパワーも増し、 テレビやパソコン、玩具などを起動させ、中に潜むエレビッツ(※)を 追い出しまた捕らえる。 この繰り返しにより、ただでさえ余りきちんと片付いているとは 言えない子供部屋に、混沌の嵐が吹き荒れる事になったのであった。 子供部屋のある二階の廊下や物入れ、トイレの便器から吹き出した エレビッツも律儀にキャプチャーしつつ、カイが狙いを付けたのは、 両親の部屋であった。エレビッツ研究者にエレビッツが沢山いると 思ったのか、何か大人の世界を垣間見られるのを期待したのかは 知る所ではないが、ずかずかと寝室に踏み込むカイ。 ベッドをひっくり返しても、一般的な家具調度品しか見当たらないのだが、 確かにエレビッツは沢山いた。主にエドの趣味であろうプレイヤーや ラジオなどの電化製品が多い為だ。更に寝室からドア一つ開ければ そこは書斎。エドとアナの研究資料が色々とある、 まあ言わば聖域とも言える部屋なのだが、今のカイにそのような事を 慮る余裕などあるはずも無い。今、この時から惨劇は起こる…。 ※電化製品を稼動させると、エレビッツが大量に出てくるという ゲームシステムになっているのです。 158 :Elebits:2007/02/05(月) 19 55 04 ID BUpESzXh0 眼前には夢のような光景が繰り広げられていた。但し悪夢だが。 ガラスの像が砕け散り、トロフィーが舞い上がる。 棚にある全ての資料や本ばかりか、壁に掛けられた絵や 怪しげな仮面までもが床に散乱し、机でパイ生地のように潰された エレビッツに放たれるキャプチャーガンの閃光が空を裂く。 最早カイはエレビッツを狩り出す為に手段を選ばなくなっていた。 普段は怒られるので触らない仕事用PCを勝手に起動させ、 何のデータが入っているのかも分からないディスクを 躊躇いも無くシュレッダーに投入する。 それらも用済み次第投げ捨てられ、部屋の隅で無残な姿を晒している。 部屋の中で竜巻が舞い踊ったが如き惨状の中、エレビッツの姿も 殆ど無くなった事で、ふと我に返ったカイ。 「ずいぶん散らかしちゃった」などとのん気に考えていると、 エドから電話がかかってきた。 話の内容は、世界で何かが起こっていて、そのせいでエレビッツに 異変が起きているらしいという、意味があるのか無いのか分からない ものだったが、それよりもカイを落胆させたのは、念の為キャプチャーガンを 携帯するようにと告げた直後、エドが一方的に電話を切ってしまった事だった。 自分が心配ではないのか、やはりエレビッツの方が大事なのか。 嬉しいはずの父親からの電話で、逆に憂鬱な気分になったカイの耳に 階下からの物音が響いてきた。 「一階にもエレビッツがいるんだな?」 エレビッツへの恨みを増したカイは家中のエレビッツを根絶やしにすべく、 階段を下るのだった。 159 :Elebits:2007/02/05(月) 19 55 36 ID BUpESzXh0 一息ついて気が静まったのか(※)、キッチンとリビングでは なるべく物を壊さず静かにエレビッツを捕まえるカイ。 さすがに一階には家電製品が多く、その分エレビッツも沢山いるが、 慣れてきたのかキッチンでは捕獲の片手間にトーストを焼きコーヒーを入れ、 チキンをオーブンで程よく調理した上、おやつのポップコーンまで作って、 今後の夜間活動に対する準備もばっちりである。 ただ気になるのは、リビングに変な気配が漂っている事だ。 エレビッツの様子も今までとは違う感じだ。 カイが自分の事を棚に上げ、何かに怯えているみたいだ、 などと考えていると、突然これまでに見た事も無いエレビットが現れた。 ガラス質の蒼い体色と、目にも止まらぬ素早い動き。 敏捷さで知られるブルーエレビッツを髣髴とさせるが、 体も大きく能力は桁違いだ。その上分身までして、 カイを挑発するように、それぞれが疾風の如く飛び回る。 ブルーとは違うのだよ、ブルーとは! こんな代物を放ってはおけない。 カイはこれまでに蓄えたキャプチャーガンのエネルギーを開放し、 未知のエレビットに立ち向かう!後の事など考えない!それが男の子だ! ※本当は「物を壊すな」「大きな音を立てるな」などの ゲーム的な制限がかかっているだけだったりする。 160 :Elebits:2007/02/05(月) 19 56 07 ID BUpESzXh0 蒼いエレビットとカイの闘いは熾烈を極めた。 何しろ相手は俊敏だ。瞬きする間に位置を変え、物陰に潜む。 対抗するカイはキャプチャーガンのパワーを全開、 ピアノすら紙屑の如く宙に舞わせる威力をもって、 障害物(一般的に言う所の家具)を蹴散らし、蒼いエレビットを追う。 さっきまでの静けさはどこへやら。端から見れば凄まじい破壊行為 としか思えない光景がリビングに展開されていた。 蒼いエレビットの分身体は、キャプチャーレーザーを浴びると 外装がパリンと割れて半透明の中身(?)が露出する。 非常に視認し難いそれに再度レーザーを当ててやっと消滅されられるのだが、 最後の一体になると繰り返し分身し、しかも分身体の数がその度に増す。 但し分身する毎に体が小さくなる為、内包するエネルギーの減少は明らかだ。 つまり、いつかは分身する事ができなくなる。 死闘を繰り広げる事数分、最後の一体をレーザーが捉えた時、 もう分身は起こらなかった。カイの勝利である。 光の泡が散るように姿を消していくエレビット… そして蒼い光がキャプチャーガンに吸い込まれた後に残ったのは、 ごく普通の、一体のブルーエレビットだった。 脚が速く、人間が自分を探すのを楽しむという、ちょっと趣味の悪い エレビッツではあるものの、こんな風になってしまうなんて… 世界を包む異変を、漠然とではあるが感じ始めたカイであった。 161 :Elebits:2007/02/05(月) 19 56 38 ID BUpESzXh0 ブルーエレビット変異体の出現後、微妙に攻撃的になったエレビッツ達。 オモチャとは言え、大砲や戦車の中に入り込み、カイに対して反撃に 出るようになった。異変のせいなのか、カイの所業が腹に据えかねたのか…。 それはともかく、大事なキャプチャーガンを壊されてはたまらないので、 カイも負けじと次々にエレビッツを捕まえまくる。 そしていつしか、戦場(?)は戸外へ。更に街中へ…。 街へ出てみると、そこは人影も無く全ての建物が停電している為 暗く静まり返っている。自動車や信号、建設現場の重機なども エレビッツを動力源としているので、やはり状況は同じだ。 人目が無いのをいい事に、信号を勝手に点灯させたり ショップの看板を点けてみたり、消火栓を引っこ抜いてみたりするカイ。 そうして集めたエレビッツのパワーを使い、しまいには 組み上げたばかりの鉄骨を崩し、重機をひっくり返し、パトカーを放り投げる。 気が付けば、広場の時計台もどこかへ消えてしまっている。 見られていなければ、何をしてもいいという法は無い。 これはやはり、両親の放任教育がいけないのであろう。 カイはある意味被害者なのだ。 「その他の被害者」の事はこの際忘れるとして、 カイ自身はなんだか怖くなり、家に帰る事にした。 と言っても自らの行いに恐怖した訳ではなく、 単に嫌な予感がするというだけの話ではあるが。 だがその時、これまでに無かった大きな異変を、カイは目にする事になる。 162 :Elebits:2007/02/05(月) 19 57 28 ID BUpESzXh0 様々な物が浮いていた。地面に固定されている物以外は全て。 別にカイが先程放り投げた分がまだ落ちて来ていないとか、 そういう話ではなく、文字通り地球の重力から解き放たれているのだ。 チョコマカと走り回っていたエレビッツ達も、所在なさげにふわふわとしている。 これまでエレビッツへの恨みから周囲が見えなくなっていた(という問題だろうか…) カイだが、この異常現象を見てしまった今、自らが思っていたよりも 遥かに事態は大きなものだと感じていた。全部エレビッツのせいだという 見解自体は変わらないのだが、どうしたら良いものか… 「そうだ!パパの秘密のお部屋に行けば何かわかるかも!」 カイは書斎にエドの隠し部屋があるのを知っていた。 そこに行けば、エレビッツに関する秘密の情報が手に入ると考えたのだ。 意外と、子供に隠し事をするのは難しいものである。 …ところでカイ君、この無重力状態の中、平然と歩き回っているキミは一体… 書斎の隠し部屋は至極簡単に見付かった。何せ本棚のその部分だけに 「ここは開きますよ」と言わんばかりに段差が付いているからだ。 隠しているつもりなのか、そもそも隠す気があったのか、 単に扉に本を収納してデッドスペースを活用しているだけなのではないか。 などと色々考えてしまうが、ともかく隠し部屋の中に入ってみる。 そこでカイが目にしたのは、何に使うのか分からない怪しげな機械と 壁に貼られたエレビッツに関する資料だった。 機械の事は全く分からないので、せいぜい通電してエレビッツを 吐き出させるぐらいだが、資料の方はどうにか読める。 それによると、エドは最近発見された特殊なエレビットを研究していたようだ。 空を飛ぶエレビッツとして一般に知られるオレンジエレビッツ。 実はオレンジエレビッツは空気力学とは無関係に重力を 操って飛んでいるらしい、というのは研究によって分かっているが、 稀に力が暴走して変異し、周辺の重力にも影響を及ぼす程の能力を得る事があるという。 エドとアナは、この特殊なエレビットにスカイエレビットと言う呼び名を付けた。 ならば、この異常現象はそのスカイエレビットとやらの仕業だろう。 そう断定したカイは、さっさと捕まえて事態の収集を図ろうとするが、 肝心の相手がどこにいるかがさっぱり分からない。 結局もう一度、物が浮いている自宅から、物が浮いている街中へ スカイエレビットを探しに出て行かざるを得ないカイなのだった。 163 :Elebits:2007/02/05(月) 19 58 08 ID BUpESzXh0 スカイエレビットを求めて、「エレビッツ御殿」と呼ばれる 自宅を出て住宅地を進むカイ。相変わらず無重力状態が続いている。 浮いている物については、繁華街と比較して大物が少なく、 目立つのは乗用車ぐらいだが、その分エレビッツは捕まえ易い。 それよりもカイに取って幸運だったのは、この無重力状態が、 カイが暴れ回った痕跡を全て消してくれる事だった。 家中の物が散乱していても、トレーラーがひっくり返っていても、 建設中の鉄骨が倒壊していても、みんなエレビッツのせいなんだ! …という訳で、これまで同様に消火栓を抜きまくり、電話ボックスを 放り投げながら掃討を進めていくと、遠くに何やら羽ばたく物が見える。 前回行った、時計台のある公園の辺りだ。これはもしや…? 公園へ駆けつけると、そこには大きな耳を羽ばたかせ、 四つに分かれた尻尾をプロペラのようにクルクル回して飛ぶ オレンジ色のエレビットがいた。これがスカイエレビットに違いない。 さあ、物体を操るエキスパートはどちらなのか、対決だ! ふわふわ漂うスカイエレビットは、光るバリアでキャプチャーレーザーを 跳ね返し、周辺からオレンジエレビッツを吸い寄せ、そのエネルギーを黒い球体に 変えて飛ばし、攻撃してくる。先に闘った蒼いエレビットのような敏捷性は無いが、 このままでは手出しが出来ない。 と、良く見るとスカイエレビットには小型の分身体(?)が二体付いていて、 どうやらそれがバリアを形成しているようだ。ならば、とレーザーを分身体に 当てて掴み、地面にぶつけてみる。…効いている。これでバリアを消せれば! カイの思惑通り、二体の分身体を消滅させられたスカイエレビットは バリアを形成できなくなり、直接レーザーを当てる事が可能になった。 だが、これでカイが一方的に有利になった訳ではない。 追い詰められたスカイエレビットは頻繁に瞬間移動を行うようになり、 更に重力を操る力を利用して小型の竜巻を発生させ、 より激しい攻撃を仕掛けてくる。 こうなったらカイも必死だ。二連発、三連発と放たれる竜巻を かいくぐりながら、レーザーで掴んだスカイエレビットを振り回し、 公園の石畳へ力任せに叩き付ける。絵的には結構酷いが気にしてはいられない。 何度かばちんばちんやっている内に、さしものスカイエレビットも 限界に達したのだろう。蒼いエレビットと同様に幾筋かの光に分解され、 キャプチャーガンに吸収されていった。 …そしてまた、ありふれた一匹のオレンジエレビットが残った。 164 :Elebits:2007/02/05(月) 19 58 53 ID BUpESzXh0 家で遭遇した蒼いエレビットも、今回のスカイエレビットも、 正体は普通に人間と暮らしていたエレビッツだった。 それがどうして、姿形が変わるまでに暴走してしまったのか。 しかも、元に戻ったエレビットのキョトンとした様子から見て、 暴走中の記憶は無いのだろう。一体何が起こっているのか。 考え込んでいるカイの耳に、奇妙な声が響いてきた。 まるで誰かが泣いているような、そんな声。 と同時に、カイが散々苦労して灯して来た街の灯りが次々に消える。 更に、眼前に大量の、これまで見た事もない数のエレビッツが現れ、 一つの場所に向けて移動を始めた。もう大行進と言っていい程だ。 異変は、まだ終わっていなかったのだ。 カイは、エレビッツ達が向かっている方向に覚えがあった。 いつも窓から見ていた。家族三人で行きたかった。 でも、行けなかった場所…。 大きな観覧車が目印の、遊園地。 無数のエレビッツは、そこを目指して大行進をしていのだった。 集結するエレビッツを追って、とうとう遊園地に来てしまったカイ。 昼間は賑わい、人々の笑顔が絶えないであろうその場所も、 今は人の気配も無く、灯りも落ちて何やら不気味さを醸し出している。 カイに取っては、空からほの蒼く照らす月の光だけが頼りだ。 何気なくキャプチャーガンを月(※)に向けて撃ってみると… …掴めた。取りあえず忘れる事にしよう。 さて、遊園地には続々とエレビッツが集まっているようで、 自宅の周辺では見かけなかったイエローエレビッツも混じっている。 こいつらは普段大人しいものの、時折周囲のエレビッツを 取り込んでクマのような姿に巨大化する。そうなると性格が豹変し、 辺りの物を手当たり次第に投げ付けてくる。 その中にはベンチやコーヒーカップ(遊園地サイズ)も含まれており、 危険極まりない。 そんな巨大で重たい代物をバラ撒くばかりか、あまつさえ命ある者を狙って 投げ付けるとは、何と言う凶悪な所業!親の顔が見たい! まあ、彼らに取っては遊びの一環なのかも知れないが、 猛獣にじゃれ付かれる様なもので、迷惑な話である。 …そんなこんなで、深夜の遊園地を混沌に巻き込みつつ 物語は佳境に入ろうとしていたのであった。 ※作り物だと思いたいが…750tという数字が微妙。 ちなみにビューワで見ると球体なので、書き割りでない事は確か。 165 :Elebits:2007/02/05(月) 19 59 35 ID BUpESzXh0 望まぬ形で来てしまったとは言うものの、来る事は望んでいた遊園地である。 園内には夢の国に相応しい、数々のアトラクションが用意されている。 異変によって動力は落ちているものの、キャプチャーガンを使えば それらを稼動させる事も充分に可能である。 幸いエレビッツが大集結している為に、エネルギーには事欠かない。 やはりこうなるとカイも10歳の子供である。 エレビッツ捕獲よりも様々に用意された仕掛けで遊ぶ方に 気が行ってしまうのは仕方が無い。 スーパーライドやメリーゴーランドなどの乗り物系を 動かしてみたり、輪投げ、ボウリング、巨大スロット諸々を 堪能してしまった。 しかし、これはカイが子供だから許される(倫理的に、ではない)行為だろう。 夜中、誰も居ない遊園地で、一人アトラクションで遊ぶ姿… 10歳の少年ならばイタズラと冒険心で片付けられるが、 もしもカイが10年早く生まれていたら、それはそれは痛々しい… いや、そんな事はこの際どうでもよろしい。 問題は、巨大ツリーの辺りに漂う、圧倒的に妙な気配だ。 そろそろ現れるタイミングだとは思っていたが、三体目の変異体に違いない。 カイ君、遊んでいる場合ではないですぞ。 どこから湧いたか黄色い悪魔。 上から地響きを立てて落ちてきたそれは、色といい姿といい、 明らかにイエローエレビッツ…略してエロビッツが暴走したものだろう。 それと同時に巨大ツリー(勿論作り物)に実った卵だか果実だかが落ちて、 中から殻を被ったエロビッツが現れた。変異体はそれを吸収して 更に身体を巨大化させている。 …樹に生る?気にはなるが、もうエレビッツの理不尽な生態に 構っている暇は無い。今まさに変異体がクマまっしぐらに突進して来るからだ。 愛い奴だ。しっかと受け止めてしんぜよう…という訳にもいかない。 なんせカイは10歳の華奢な少年であり、何よりキャプチャーガンを 壊されてはたまったものではない。 ひらりと身をかわすと、変異体は勢い余って壁に激突して自爆。 脳震盪でも起こしたのかフラフラとしている。 こうなると、反射的にトリガーを引いてしまうのは戦場に生きてきた者の定めか。 キャプチャーレーザーで抱え上げた巨体を、どべしゃと地面に叩き付けると、 衝撃で、吸収されたエロビッツが数体バラバラと変異体から分離される。 …べ、別にアンタに敵意があった訳じゃないんだからね! ただ単に条件反射でやっちゃっただけなんだから! と言っても相手は敵意剥き出しで頭上にエネルギー弾とか溜めているし、 もう後の祭りである。所詮は修羅の道行きか……。 166 :Elebits:2007/02/05(月) 20 00 06 ID BUpESzXh0 例によってショワショワと縮んだ変異体は、これまで通り普通の イエローエレビッツに戻り、チョコチョコと四方に散っていった。 見事な大勝利であるが、カイの心は晴れやかにはならなかった。 これまでを見た限り、少なくともエレビッツ達に悪意は無い。 暴走してしまったエレビッツも、何か理由があって暴走したのかも知れない。 そう考えると、あれほど憎んでいたはずのエレビッツも何だか可哀想だ。 そんな感傷に浸っていると、突如カイの携帯電話が鳴り出した。 電話は両親からだった。家に戻ってみるとカイがいなくなっていたので、 慌てて電話をかけてきたらしい。まあ、家の中がアレだし心配しなかったら 本当の人非人なのだが、それは置いといて今のカイに取っては喜ばしい。 アナによると、先程の巨大な落雷から何者かが生まれ、 それがエレビッツの異変の原因になっている可能性があるという。 そう、まさに今カイがいるこの遊園地が落雷の場所にして、 異常の発生地点という事になるのだ。 何故家で待っていなかったのか、カイが今夜の出来事を頑張って (都合の悪い所はかいつまんで)説明すると、エドは叱りもせずに、 キャプチャーガンの横に付いているボタンを押してみろと言う。 言われるままにボタンを押すと、キャプチャーガンが眩い光を放つ。 なんと キャプチャーガンが パワーアップした! これで身を守れという事なのだろう。アナも二人ですぐに迎えに行くから 無理せずそこで待っていなさいと言う。その声は、とても優しく、とても嬉しかった。 涙が出そうになったが、カイは舌の先を噛んでそれを我慢した。 今泣いてはいられない。もう決めたのだ。待っていたら遅すぎる。 キャプチャーガンに宿った新たな力。 両親からの贈り物を手に、そして決意を胸に、カイは遊園地の奥へと走り出す。 エレビッツを捕まえる為ではなく、助け出す為に。 ※これ以降、ステージクリア条件の表記が、「つかまえろ!」から 「助けろ!」に変わります。芸コマですね。 167 :Elebits:2007/02/05(月) 20 00 54 ID BUpESzXh0 決意を新たにしたカイは、エレビッツを助けるべく、 物をひっくり返し投げ飛ばし、アトラクションや自販機を勝手に作動させ… …あれ? なんか今までとやっている事が変わらないような。 いや、そうではないのだ。今はもう、エレビッツを捕まえている訳ではない。 彼らをおかしくしている悪い奴の影響を受けないように、 「強制的に保護」しているのだ。そこら辺、お間違いの無い様に。 ところが、そんな親切も中々伝わらないようで、 エレビッツの抵抗も激しくなるばかりだ。 バリアを張って高速移動し、自ら光弾を撃って攻撃してくる グレイエレビッツの姿もグンと増え、それどころか生意気にも 狭い場所に砲台陣地を構築して、うっかり踏み込んだカイに 集中砲火を浴びせてくるなど、小癪な真似が目立つ。 しかし、それも既にカイに取っては僅かな足止めに過ぎない。 エドの助言によりこれまでに比べて強化されたキャプチャーガンを もってすれば、砲台を引っこ抜いて無力化するなど容易い事だ。 目指すは遊園地の中でも一際目立つ観覧車。 さっきから聞こえる鳴き声からして、そこに全ての元凶が 存在するのは間違いないだろう。もう一息だ。 それにしても、背後に広がる惨状はどうしたものか。 F5クラスの竜巻が直撃しても、これほどの被害をもたらすかどうか。 キャプチャーガンは研究機材としては、余りにも過剰な能力を持つ。 エドアナ夫妻は裏で軍需産【検閲により削除】 168 :Elebits:2007/02/05(月) 20 01 25 ID BUpESzXh0 遂にたどり着いた観覧車の下で、それは待っていた。 まぶしく光るオバケ(カイ曰く)が集まってきたエレビッツを 次々に吸い込んで巨大化していく。このまま放ってはおけない。 ただでさえ街中の機能が停止している今、何とかしなくては。 恐ろしげな声を上げるオバケ。カイにはそれがどこか悲しげにも聞こえる。 しかし躊躇っている暇は無い。これが最後の決戦だ! オバケ(仮)はどうやら吸い込んだエレビッツの能力を使えるようで、 ブルーのスピード、オレンジの飛行能力、グレイの攻撃能力… …レッドの気弱さは無いようだが、ともかく様々な戦法でカイを翻弄する。 当然レーザーを直接当てても効果が無いので、どうにかして隙を作らねば。 ところが待っていても一向に隙を見せてくれない。さあどうしよう。 と、周囲に何個か置かれている青銅製の花籠が目に留まった。 子供一人ではとても持ち上がりそうもない重量感ある一品だ。 しかし、カイの手にはパワーアップしたキャプチャーガンがある。 物は試しだ。花籠を掴んで、勢い良くオバケ(仮)をしばき倒す。 衝撃で吸収されたエレビッツがバラバラと飛び散った。 こうなれば、もうこちらのものだ。いくら相手が複数の力を使えるとは言え、 所詮は一度撃破してきた能力だ。…ふっ、所詮人真似では私は倒せんよ! という事でガンガンとオバケ(仮)を追い詰めていくカイだが、 最後の最後で思いもよらぬ事態が待ち構えていたのだった。 169 :Elebits:2007/02/05(月) 20 02 06 ID BUpESzXh0 カイの猛攻で後が無くなったオバケ(仮)は空中に浮かぶと、輝く光球と化した。 こうしたエネルギー体になる事で、エレビッツは機械と同化して操れるのだが… まさか観覧車を回してどうにかなるものでもあるまい、と思っていたら、 なんと柵で囲われた地面が二つに割れて、下から巨大な人型ロボットが せりあがって来た。これは遊園地のアトラクションなのだが、 強大なエネルギーを持つオバケ(仮)が同化したら… と思っている間に光球はロボットの胸部に吸い込まれてしまった。 そして…巨大ロボがずんずんとこちらに迫り始めた。 まさか、巨大ロボ戦う事になるとは。このシチュエーションにも驚きだが、 一体どうやってこんな代物を退治したものだろうか。 あれではレーザーは勿論、たかだか花籠をぶつけた程度では無力だろう。 何らかの手段を使い、オバケ(仮)とロボを切り離せば…。 考えろ。これまでの経験から、必ず答えは導き出せるはずだ。 その前にロボにやられなければ。 レーザーを直接当てても駄目。物をぶつけても駄目。 巨大ロボという強固な鎧の防御は、完璧に思えるが… …ん?確かに相手は巨大で頑丈かも知れないが、 所詮は遊園地のアトラクションでしかない。 よく見ると胸部のカバーは何本かのネジで固定されているに過ぎない。 もしかして…! ロボの右フックをかいくぐって、ネジの一本に狙いを定めトリガーを引く。 放たれたレーザーはカイの狙い通り、ネジの先端を掴む事ができた。 そこですかさず手首をぐりぐりっと捻ると、狙い通りネジの頭が飛び出してきた。 やった!キャプチャーガンの特性を見事に活用した超戦術だ! 最終決戦がネジ回しという、冗談のような絵面はともかく、 カバー周縁部の四本を引っこ抜いて、とうとう最後に残った真ん中の大きなネジを ……ぐるぐるぐるぐるぐる…… ばかんとカバーが外れると同時に、ロボが力無く膝を付き、 胸部から光球が吐き出された。遂に勝った。カイはエレビッツ達を助けたのだ。 170 :Elebits:2007/02/05(月) 20 02 38 ID BUpESzXh0 光球が弾け、無数の光の粒が舞い散る。その一つ一つが吸収されていたエレビッツ達だ。 そして…最後に残ったのは、たった一匹のエレビットだった。 これが、雷から生まれ、街全体を巻き込んだ大きな異変の原因だと言うのだろうか。 震えている、ただの小さなエレビット。 カイには理解できた。こいつは自分と同じなのだと。 生まれたばかりで仲間もおらず、たった一人で寂しくて怖くて… カイはもう、エレビッツを嫌いではなかった。 必要なくなったキャプチャーガンを置くと、カイは震えるエレビットを そっと手の平に乗せた。エレビットは何だか嬉しそうな様子を見せた。 そこへ大慌てで両親が駆けつけた。心配そうに声をかけるエドと、 一人にした事を謝りつつカイを抱きしめるアナ。 ちょっと痛かったが、それも今のカイにとっては優しく暖かいものだった。 元オバケのエレビットを見せると、二人は突如として研究者の顔に戻り、 あーだこーだと驚くやら専門用語を連発するやら、すっかり新種の エレビットに夢中になってしまった。 しかし、そんな両親を見てもカイは以前のような寂しさを全く感じなかった。 だって、もう一人ではないのだから。 気が付けば、もう夜が明けていた。 一夜の冒険ももう終わりだ。さあ家に帰ろう。家族“四人”で。 ---後日--- エドとアナによって「ゼロ・エレビット」と名付けられたエレビットは、 ゼロと呼ばれ、カイと仲良く暮らしている。 しかし、研究を申し出てもカイに断られてしまう為、 詳しい事はまだまだ不明だそうな…。 お し ま い
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【死国 格納庫】 高速艇を作り終えた直後の祐一郎、シュトロハイム、アドラーの三人も、WB組の別働隊である雷電と烈海王の襲来を受けていた。 「防御の上から切られ……ぐああああああああああああああッ!!!」 迫る雷電の白刃に対し、アドラーは防御の構えを取った。 しかし、アドラーの受けは通用せず、防御した腕ごと切断され、その直後に十数個の細切れになったアドラーは格納庫の床にばら蒔かれた。 【アドラー@エヌアイン完全世界 死亡確認】 「アドラー!?」 「よくも同志をォ!! おのれ雷デェェェェェン!!!」 祐一郎達の前に現れたのは、甲板で暴れている四人組とは別行動で潜入していた雷電と烈海王の二人だ。 「クッ、なぜここまで侵入できたんだ!?」 如何様な潜入ルートを通っても多数の監視カメラや、無数の高性能センサーによってすぐに艦の頭脳であるデューオに伝わるようになっている。 そのはずなのに、雷電達はそれらを全て素通りして誰にも悟られることなく格納庫までやってきたのは何故か? そんな祐一郎の質問に雷電は答える。 「これさ」 「ダンボール箱?!」 意外ッ! それはダンボールッ!! 「ダンボールを舐めてはいけない。 こいつのカモフラージュ率と俺の潜入技術が合わされば、全ての兵士は見張りもろくにできない無能になる。 ちなみにこのダンボールは元は精密機器が入っていた箱で、外部からの電波の干渉を受けない仕組みになっている。 となれば、高性能なセンサーも無意味というわけさ」 「そんな盲点があったとは……」 「祐一郎ーッ、そんなことはどうでもいい!! 今、必要なのは早いところアドラーを殺したこいつらをぶちのめすだけだ!! さっきから外も騒がしいしな!!」 紫外線照射装置を取り出し、唸り声と共に放とうとするシュトロハイム。 「喰らえェェェ!! 紫外線照――」 「遅えよ」 だが、紫外線が放たれるより早く、雷電の刀によってバラバラに解体されてしまった。 あと、数瞬避けるのが遅ければシュトロハイムも共に解体されていたところだ、 「なぁにいいいいいいいいいい!? た、太刀筋が前より鋭くなってやがる!! 貴様はいったい!?」 雷電の太刀捌きは以前よりも早くなり、威力もその分だけ増している。 よく見ると、雷電から血のように赤いオーラが放たれている。 目つきや太刀捌きも、まるで殺戮を楽しんでいるような雰囲気を醸し出していた。 「俺のもう一つの名前はジャック・ザ・リッパー。リベリアの白い悪魔とは俺のことだ」 その強さの正体は、リッパーモードと呼ばれる人斬りの本性を呼び覚ますことで攻撃力を高めた雷電のもう一つの素顔である。 今の雷電は分厚い装甲すらバターのように斬ることができ、その要領でアドラーを防御の上から切り裂いたのだ。 おそらくサイボーグであるシュトロハイムの装甲といえど、切り裂きジャックの刃を受け止められないだろう。 「切り裂きジャックだと!? 上等だッ!! ナチスドイツの軍人魂を見せてやるぜェェェ!!!」 しかし、それを知って怖気づくシュトロハイムではなく、強敵を前にして逃げる素振りを見せはしなかった。 一方、交戦状態に入ったシュトロハイム達の横では、祐一郎と烈海王が戦いを繰り広げていた。 先手は祐一郎。握力シュトロハイムの3倍の強烈なパンチが繰り出される。 ところが、烈海王の前にはスカスカとよけられてしまう。 「サイボーグパァァンチッ!! サイボーグパァァンチッ!!」 「威力はありそうだ……だが、技量が足りていないなッ!!」 「クッ、当たらない! まるで羽に打ち込んでいるみたいだ!」 中国武術の技量については、世界を探した所で彼に勝ちうる人間など見つかるか分からないと呼ばれるほどの烈海王。 そんな烈海王の前では、ただの威力のあるパンチなど避けることは容易い。 おまけに祐一郎さんは元々格闘技とは無縁のホワイトカラー。 技量面では雲泥の差があり、烈海王相手に技巧ではまず勝ち目のない相手であろう。 そうこうしている内に、祐一郎の顔に烈の拳がめり込んだ。 「ぐはぁッ!」 「貴様を放っておく、私は一向に構わんッッッ!!! ……わけがなかろうッ!!! 祐一郎、貴様は私が倒すッッッ!!!」 「これは強敵だな……だが、僕も息子と世界のためには引けないんでね!!」 お互いに譲れぬ正義のために、シュトロハイムと雷電、祐一郎と烈海王の死闘が始まる…… 【死国 甲板】 「砲台は全て破壊したな」 「そのようだ。これで市街地とWBへの援護はできまい」 「あとは私達が陽動に出ている分、烈さん達が内部を制圧してくれると良いんですが」 甲板の上で破壊の限りを尽くした四人。 彼らは別行動を取っている雷電達の陽動であり、暴れた分だけ拳王連合の目を甲板に向けさせ、手薄になった内部を雷電が制圧する作戦なのだ。 アルベルトに至っては拳王をおびき寄せる目的もあるのだが…… 「しかし、まさか美鈴の気功が効くとはな」 「ええ、生き物みたいに損傷を自力で治しているところを見て、もしやと思っていましたが、回路に気を流したら修復が収まりましたね」 「警備が厳重かと思えばダンボール一つで侵入できたり、色々と奇っ怪極まりない船だな……」 デューオの言っていた回路を狂わせる謎のエネルギーは美鈴の気功である。 祐一郎の技術が高度すぎて、もはや生き物と謙遜ない域にまで作られた戦艦・死国。 だが、美鈴はそれを逆手に取り、自身の気を操る程度の能力で、死国に気を流し込んで回路を狂わせたのだ。 一度、気を流し込まれたら最低ニ時間は復旧できないであろう。 「さて、お嬢様達も今頃元気に戦っ――」 「危ない! 美鈴!!」 「え゛」 ラーメンマンの警告も虚しく、紅美鈴の胴体に超高速で飛んできた野球ボールが直撃し、上半身と下半身に分断させた。 ちぎれ飛んだ上半身はそのまま海に落ち、美鈴の意識とともに沈んでいった…… 【紅美鈴@東方project 死亡確認】 「美鈴がやられた!?」 「貴様らは……!」 仲間が殺されたことを悲しむ暇もなく、ラーメンマン達が野球ボールが飛来した方向を見ると、そこには大量のデカオをバックにしたラオウ、平等院、MEIKOの三人がいた。 「MEIKOボールの味はどうだ? 餓鬼ども」 「敵は滅ぼす……」 「うぬら、この拳王たる俺の船に手を出したからにはそれなりの覚悟があるのだろうな?」 ある種作戦通りに、拳王軍を支える大戦力が三人の前に現れたのであった。 両者の間では今にも激戦が始まりそうな中、その前にアルベルトが質問を挟む。 「貴様が拳王と呼ばれる男、ラオウか」 「いかにもだ」 「ワシはかつて貴様達拳王軍と野球で勝負して滅ぼされた十傑衆チームの生き残り、衝撃のアルベルト!」 「十傑衆チームだと?」 「滅ぼされた十傑衆と首領であるビック・ファイア様のためにも、報復として貴様はワシの手で討つ!」 「面白い。うぬとは全力を持って戦ってやろうではないか!」 「ラーメンマン、ジョンス! 手出しは無用だぞ!」 拳王ラオウと衝撃のアルベルト。一つの対戦カードがまず決まり、二人は拳を構える。 「なら俺はこいつを倒す」 「亡くなったデュークのためにも、この船を沈めようとする輩は滅ぼす……!」 平等院鳳凰とジョンス。続いて二つ目の対戦カードが決まった。 「アタシはこの弁髪のクソ野郎を……ぐふお!?」 三つ目の対戦カードはMEIKOとラーメンマン……かと思いきや、MEIKOの体がガクリと揺れ、膝を着かせた。 緑間との戦闘で負った怪我がまだ治りきっておらず、そんな状態でMEIKOボールを投げたので肉体の負担がピークを迎えたのだ。 「MEIKOおばさん無理すんなよ」「ここは俺達に任せてくれ!」 「まておまえら、アタシはまだまだ戦えるわ! 邪魔するならぶっ殺すぞ」 MEIKOはデカオ軍団を押しのけてラーメンマンと戦おうとするが、ダメージを負いすぎた体では押しのけきれず、逆に取り押さえられてしまった。 そしてデカオ軍団はラーメンマンと対峙する。 「MEIKOおばさんの投球はヘルヘイムとの戦いまで取っておくべきだ」「そのためにも今回ばかりは俺達も戦うよ」 「なんだか、姿が全員そっくりで妙ちくりんな小僧達が出てきたが……よかろう。 美鈴の仇でもある拳王連合の所属である以上は、子供とて容赦はせんぞ」 「望むところだ!」「熱斗のためにも負けないぞ!」 三つ目の対戦カードが出来上がったところで、いよいよ死国の甲板にて大激戦が開始された! 【大阪 市街地南側】 死国で激闘が繰り広げらている中、市街地もまた戦いの渦中にあった。 砲撃から逃れるべく東西南北に散開した熱斗組の面子と、追撃するWB組の市街地攻撃班。 まず南側において、交戦が始まった。 「貴様は吸血鬼か!? 吸血鬼なら波紋使いとして見過ごすわけにはいかないな!!」 「こいつら見てると、よくわからない苛立ちを覚えるのは、このディオだー!」 「フフフ、貴方達となら楽しい弾幕ごっこができるかもね?」 「なぜかわかりませんが、あの喧しい奴から因縁的なものを感じます、お嬢様」 南側に逃れたダイアーとディオ、そんな彼らを追ってきたレミリアと咲夜。 波紋使いと吸血鬼、パロディとパロディ元の因縁の戦いが始まる! 【大阪 市街地西側】 西側に逃れたのはクロえもんと紫龍、そしてのび太のバスターガンダムだ。 「あの船はドラえもんを殺した奴の仲間だな?! だったら轟沈させてやるぞぉ!!」 クラウディウスに続くように急襲を仕掛けてきたWBは、あまりにも襲撃のタイミングが合いすぎていたため、のび太は先に討ったクラウディウスはWBの仲間であったと解釈し、勘違いの復讐心に囚われていた。 そして怒りのままにビームランチャーをWBに向けて撃ち放とうとするが、MSの足元からファイズ、ウィザード、オートバジンといった仮面ライダー達が射撃攻撃を加えてくる。 「こ、こいつら邪魔を……!」 攻撃はPS装甲で全て弾かれるが、それでも砲撃の妨害くらいにはなるのだ。 「ホワイトベースは撃たせないぞ!」 「……硬えな。フォンブラスターじゃラチがあかねえ。 クリムゾンスマッシュで一気に決める、苗木とオートバジンは援護しろ」 「はい! 乾さん!」 生半可な攻撃はPS装甲に守られたバスターに通用しないと見抜いた乾は、必殺技のライダーキックでバスターを粉砕しようとする。 しかし、そこへ紫龍が迫り、ファイズがライダーキックをバスターへ繰り出すより早く、小宇宙を燃焼させた必殺のアッパーカットを放とうとする。 「廬山昇龍覇!!」 「なに!?」 「乾さん!!」 技発動直前の膠着状態で動けないファイズに紫龍の一撃を避ける術はなかった。 苗木は反応の遅れによって迎撃が間に合わない。 乾巧、万事休すと誰もがこの時思った。 『!!!』 「オートバジン!?」 紫龍のアッパーが直撃する寸前でオートバジンが主人である乾を押しのけて庇った。 しかし、それによって代わりにオートバジンが技の直撃を受ける形になり、バラバラに吹っ飛んで大破炎上したのだった…… 【オートバジン@仮面ライダー555 大破炎上】 「オートバジンが!」 「俺を助けてくれたのか……すまねえ」 最後まで自分に尽くしてくれたバイクには、乾と言えど感謝の念を禁じ得なかった。 逆にオートバジンを破壊した紫龍には仮面越しに怒りの目を向けるのだった。 「チッ、機械人形に邪魔されたか。だが、次はこうはいかない。 あのガンダムに指一本触れさせないためにも、俺がお前達の相手になってやる」 「上等だ。今おまえが壊したバイクの分も、俺がおまえをやっつけてやるよ」 「乾さん、僕もお手伝いします!」 ダブルライダー(片や支給品)と聖闘士(支給品)の戦いは切って落とされた! 「よし、紫龍さんが邪魔者を引きつけてくれた。 このまま一気にあの船……って、警報が鳴ってるぞぉ!?」 仮面ライダー達が紫龍の相手をしている隙に、こっそりWBを墜とそうとするのび太。 だが、仮面ライダーに続いて第二の刺客がのび太の乗るバスターに急速接近していた。 「おまえの相手は僕だぁーーー!!」 それは出来杉の乗るデュエルガンダムだった。 バーニアを吹かして高速接近し、ビームサーベルを引き抜き、バスターを真っ二つにしようとする。 バスターはすんでのところで回避し、引き撃ちでビームランチャーをデュエルに放った。 ところが、ビームは見えない壁に阻まれるように弾かれてしまった。 「ビームが弾かれたぞぉ!?」 「ビームを弾くIフィールドだ! 物理攻撃を弾くPS装甲の弱点であるビームだってもう効かない! ビームも実弾も効かないなら、おまえの正確な射撃だって形無しさ!」 ※ミノフスキー粒子で通信機使用不可、外部スピーカー未使用のため、互いの声が聞こえません。 出来杉は苗木達が持ってきたパーツにIフィールド発生装置があったため、デュエルに組み込んだのだ。 それすなわち、デュエルは物理攻撃もビームも効かず、ほぼ絶対的な防御力を手にしたと同義である。 月が出てないのでサテライトキャノンも使用できず、状況はのび太にとって不利と言える。 それでもドラえもんを奪ったWBへの復讐心(勘違い)を抑えきれないのび太は戦いの道を選ぶ、 「こいつを倒さなきゃ、ドラえもんの仇の船を沈められない!! どこかに勝機はあるハズ、だから絶対こいつに勝つぞぉ!!」 だが激昂して周りが見えなくなっているのび太はまだ気づいていない。 ――バスターガンダムの残りのエネルギーと弾薬が半分を切っていることに。 「おい! なんで俺を狙うんだよ!」 「おまえと戦うと俺が生き残るって占いで出てたんだべ!」 隅っこの方ではクロえもんとビーストこと葉隠が、バットと剣を鍔迫り合う戦いが地味に繰り広げられていた。 【大阪 市街地北側】 新城と風魔、そしてサーベルタイガーの千早が遠くから死国とWB組の戦闘を伺っている。 「ホワイトベースは間に合ったか……任務完了だな」 『クラウディウスは残念だったな』 「まあ、最初から彼ではバスターに勝てないことは承知の上の作戦だった。 激昂したバスターのパイロット・野比のび太に無駄撃ちさせて、弾薬とエネルギーを削ぐのが目的だったしね。 これで死国とWBのパワーバランスは五分と五分になっただろう」 『つまりクラウディウスは最初から捨て駒だったのか?』 「いや、クラウディウスの死は、あくまで計算の一つとして考えていただけさ。 ロードビヤーキーの回避能力なら勝てはしなくても逃げられるとも思ったし、ああも一方的にやられる確率は低いと思っていたからね」 『死も計算のうちとは恐ろしい男だ。 だがベイダー卿やデウス隊長もその程度の被害は込みで作戦を我々に与えただろうし、戦果も十分だろう。 あとは大尉が上手くやっていればいいが……』 「市街地でWB組と戦列を共にしているところからして少なくとも正体はバレてないだろう。 それよりも、ここもそろそろ危険だ。帰還しよう」 デイパックからどこでもドアを取り出し、特務機関員達は九州ロボへ帰還しようする新城と風魔。 しかし、ドアを開けようとする寸前にヴァンガードカードが手裏剣のように飛来し、ドアに突き刺さった。 二人がカードが飛んできた方向を見ると、そこには熱斗組の一員である上条がいた。 見つかってしまい焦る新城。 (クソッ、見つかった! 最後の最後で気を抜いてしまったか?) 『遠くから我々を伺う者の気配が感じていたが、お前達は何者だ!』 「!! おまえの持っているそれは……シャロのデッキじゃないか!!」 『しまった!!』 なんとか一般人を装うなり、この場をやり過ごそうとした新城達だったが、風魔の懐からはみ出ていたシャロのデッキである「ロイヤルパラディンデッキ」を発見され、それがシャロ殺害の証拠となってしまい、会話でやり過ごすことは不可能になった。 「さっきシャロの死体を見た時、あるはずのデッキがなかった。 つまりデッキを盗んだ奴がシャロやエスパー伊東を殺した犯人ということだ。 おまえ達だな? 仲間を殺したのは!!」 「……くッ」 『新城、こうなっては仕方ない――抹殺あるのみだ』 上条とは交戦止むなし、と判断した新城は仮面ライダータイガに変身し、風魔は手裏剣を構え、千早は威嚇する。 『武器を手にとった……ということは犯人はこいつらで間違いないようだ』 「よくも仲間を! 絶対に許さねえぞ!」 『それよりも状況をよく見てみるんだな』 「僕達は千早とデストワイルダーを含めれば二人と二匹。 君は孤立無援でナビを入れても二人。数の上ではこちらが有利だ!」 「くっ……」 実際に数の上では新城達が有利であった。 上条は幻想殺しという全ての異能を打ち消す右手を持っているが、ならば物理攻撃主体で攻めればいいということ。 幻想殺し抜きでも異様な身体能力を持ってはいるが、虎を殴り殺せるほどのパワーまでは持っていないだろうし、少なくとも新城達では絶対に倒せない理不尽級の力は持っていない。 味方はシャドーマンしかおらず、上条もこれは自分に圧倒的不利な状況であると理解している。 ――何事も起こらねば。 「シャドーマン!! あれをやるぞ!!」 『あれとは……クロスフュージョンか!』 「あの姿になれば、こいつらに勝てるかもしれない。 いや、この俺ジョジョとシャドーマンで絶対に勝つ!!」 『この前まではともかく、我らは今や一心同体。承知した、いくぞお館様!』 「おう!」 クロスフュージョンの成功条件は「シンクロチップとナビと心を通わせること」。 上条とシャドーマンは、互いに信頼できる域に達しており、条件はすでにクリア済みだ。 そして上条はシンクロチップをPETにプラグインさせる。 「『クロスフュージョン!!』」 「なんだと!?」 『一体何が始まるというのだ!?』 新城と風魔が、上条の突然の行動に驚いた次の瞬間には、上条の姿は変貌していた。 その身にシャドーマンとよく似た、忍者の如きフォルムのアーマーが纏われる。 違いはマスクの部分に「幻 殺」の二文字が書かれていることくらいか。 そして、融合が完了して生まれた一人の忍は―― 「『ドーモ、マーダー=サン。イマジンスレイヤーです』 「イ、イマジンスレイヤー……?」 自身をイマジンスレイヤー(幻想殺し)と名乗り、丁寧にオジギをした。 呆気に取られる新城だったが、このオジギは戦う前に必ずやらないと大変シツレイに当たるという忍者の掟があるのだ。 『ドーモ、イマジンスレイヤー=サン。風魔小太郎です』 「君もやるのかい!?」 同じ忍者として風魔小太郎もついでにオジギした。 互いのオジギが終われば、いよいよ戦闘開始の合図である。 「『俺達を倒す。オヌシ達のそんな幻想はぶち殺すべし、マーダーに慈悲はない』」 どことない胡散臭さに反して、イマジンスレイヤーの放つオーラはかなりのものだ。 それは新城や風魔も察し、数のゴリ押しだけで勝てる相手ではないと感じさせ、身構えさせた。 イマジンスレイヤー、その実力はいかに? 【大阪 市街地東側】 熱斗、ロックマン、翔鶴の光三兄妹が逃れたのは街の東側である。 ここでもやはり、戦闘が勃発している。 それも実力者同士の衝突である。 『「お前達を熱くやっつけるぞオオオ!!」』 (決着をつけようぜ光熱斗! 俺が勝って、おまえの首をゆうかりんにプレゼントしてやるぜ!) 既にクロスフュージョン済みの修造とヒートマン、大尉とビーストマンが現れた! 「戦うしかない! クロスフュージョンでいくぞロックマン!!」 『うん!!』 クロスフュージョンした相手にはクロスフュージョンと言わんばかりに熱斗とロックマンは融合し、ロックマンのアーマーを纏った熱斗が現れた。 「『クロスフュージョン完了! さあ、どこからでもかかってこ……』」 息を巻いた熱斗だったが、次の瞬間、吐き気と頭痛と立ちくらみが熱斗を襲う。 さっきの頭に作った傷による出血が原因で肉体に悪影響が出ているのだ。 (『熱斗! やっぱりさっきの怪我がまずかったんじゃ……このままだと危険だ。クロスフュージョンを解除しよう』) (待ってくれ兄さん。 どちらにせよこいつらは俺達を逃がしちゃくれない! 戦わなくちゃ、俺達だけじゃなく翔鶴だって危ないんだ。 奴らに勝つにはクロスフュージョンの力がいる! だから融合を解除しないでくれ) (『熱斗……わかったよ』) いきなり押し黙ってしまった熱斗に、心配そうに声をかける翔鶴。 「どうしたのですか熱斗さん! 彩斗さん!」 「『いや、大丈夫だよ翔鶴さん。その辺の小石につまづいただけだ』」 「そう……なら良いんですが。 ともかく援護なら任せてください! 先程も言いましたが、大切な兄であるあなた達を死なせたくありません」 「『うん、援護は任せたよ翔鶴さん! 三人でこの場を切り抜けて、兄妹揃って生き残ろう!』」 「ハイ!」 気を取り直した熱斗がロックバスターを構え、その横で翔鶴は弓を構えた。 裏の王にして最強のネットバトラー、熱斗&ロックマン(彩斗)。 熱斗と彩斗の妹の艦娘、翔鶴。 太陽より熱き男、修造&ヒートマン。 クッソ不気味に暗躍する人狼、大尉&ビーストマン。 ネットバトラー達の、熱い大熱戦の火蓋は切って落とされた! こうして、様々な思惑のもとに二大勢力の死闘の幕が開かれた。 果たして勝利を手にするのは拳王連合とWB組のどちらか? どちらがより多くの屍を構築するか? 生き残るのは誰か? それは神のみぞ知る。 【二日目・8時30分/大阪市街地】 ※簡易状態表の左横のマーク(☆○●★)は所属している勢力を表しています ☆=拳王連合軍 ○=ホワイトベース組 ●=特務機関員 ★=その他 【東側】 ☆【光熱斗@ロックマンエグゼ】状態:頭部出血・ロックマンとクロスフュージョン中/思考:ロックマンと翔鶴と共に大尉と修造を倒す ☆【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】状態:HP減少(小)・熱斗とクロスフュージョン中/思考:熱斗と翔鶴と共に大尉と修造を倒す ☆【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】状態:損傷軽微/思考:熱斗とロックマンと共に大尉と修造を倒す ○【大尉@HELLSING】 状態:健康・ビーストマンとクロスフュージョン中/思考:熱斗と決着をつける ○【ビーストマン@ロックマエグゼ3】状態:健康・大尉とクロスフュージョン中/思考:ロックマン達を倒す ○【松岡修造@現実】 状態:健康・ヒートマンとクロスフュージョン中/思考:熱斗達を熱く倒す ○【ヒートマン@ロックマンエグゼ2】 状態:健康・修造とクロスフュージョン中/思考:ロックマン達を熱く倒す 【西側】 ☆【クロえもん@ドラベース ドラえもん超野球外伝】 状態:ダメージ(小)/思考:のび太を助ける、ビースト(葉隠)をどうにかしたい ☆【野比のび太@ドラえもん】状態:激昂・バスターガンダムに登場中・弾薬消費(中)/思考:デュエルガンダムを倒す、WBを轟沈させる ☆【龍星座の紫龍@聖闘士星矢】状態:ダメージ(小)・疲労(小)/思考:のび太を助ける、ファイズ(乾巧)ウィザード(苗木)を蹴散らす ※支給品扱い ○【出来杉英才@ドラえもん】状態:デュエルガンダムに搭乗中/思考:バスターガンダムを倒す ※デュエルガンダムにはIフィールド@機動戦士ガンダムが搭載されています ○【乾巧@仮面ライダー555】状態:健康、555に変身中/思考:紫龍・バスターガンダムを倒す ※支給品扱い ○【苗木誠@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:疲労(小)、ウィザードに変身中/思考:乾さんを援護する ○【葉隠康比呂@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:健康、ビーストに変身中/思考:占いで生き残るとでたのでクロえもんを狙うべ! 【北側】 ☆【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 状態:ダメージ(小)、怒り、シャドーマンとクロスフュージョン中/思考:怪しい男達(新城・風魔)を倒す ☆【シャドーマン@ロックマンエグゼ】 状態:ダメージ(小)・上条とクロスフュージョン中/思考:怪しい男達(新城・風魔)を倒す ●【新城直衛@皇国の守護者】 状態:健康、タイガに変身中/思考:上条を倒して本部に帰還する ●【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ】状態:健康/思考:上条を倒して本部に帰還する 【南側】 ☆【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】 状態:ダメージ(中)、焦り/思考:デューオがいない時に敵に狙われて焦るのはこのディオだー! ☆【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】状態:健康/思考:吸血鬼とメイド(レミリア・咲夜)を倒す ○【レミリア・スカーレット@東方project】 状態:健康/思考:ダイアー達を倒す ○【十六夜咲夜@東方project】 状態:健康/思考:ダイアー達を倒す、お嬢様は命に変えても守る 【上空(ホワイトベース艦内)】 ○【十神白夜@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】 状態:健康/思考:愚民達(味方)を指揮して拳王連合を倒す ※アイギス、ホライゾンに仕掛けられたウィルスに気づいていません ○【腐川冬子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】状態:健康/思考:白夜様に従い、操舵を頑張る ※支給品扱い ○【アイギス@ペルソナ3】 状態:ホワイトベースに接続・ウィルス感染中/思考:味方を援護する ○【ホライゾン・アリアダスト@境界線上のホライゾン】状態:ホワイトベースに接続・ウィルス感染中/思考:味方を援護する 【二日目・8時30分/大阪・死国】 【艦橋】 ☆【琴吹紬@けいおん!】 状態:左手骨折/思考:皆さんのためにも死国のシステム復旧を急ぐ ☆【川崎宗則@現実?】 状態:健康/思考:とりあえず悪魔将軍を応援する ☆【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】状態:健康/思考: 契約外なので戦闘はパス ☆【デューオ@ロックマンエグゼ4】 状態:HP満タン/思考:死国のシステム復旧を急ぐ ※美鈴に気功を流されたことによって死国の迎撃装置と自己修復装置が一時的に麻痺しています ※テラカオス・ディーヴァがカオスロワちゃんねるに書き込んだレスをまだ見ていません ☆【悪魔将軍@キン肉マン】 状態:ダメージ(小)/思考:暴走した春香と優を始末する ☆【ハクメン@BLAZBLUE】 状態:ダメージ(小)/思考:暴走した春香と優を始末する ★【高山春香@桜Trick】状態:テラカオス化進行、暴走/思考:優ちゃん以外を皆殺しにして、優ちゃんとイチャつく ★【園田優@桜Trick】状態:テラカオス化進行、暴走/思考:春香以外を皆殺しにして、春香とイチャつく ※テラカオス化進行によって百合力を戦闘力に変えられます。現在はキン肉マンに次ぐパワーを発揮できます。 【甲板】 ☆【ラオウ@北斗の拳】 状態:健康/思考:アルベルトを倒す ☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:健康/思考:ジョンスを滅ぼす ☆【MEIKO@VOCALOID】 状態:ダメージ(大)、戦闘続行不可/思考:戦いたいが……クソッ ☆【大山デカオ@ロックマンエグゼ】 状態:大量/思考:ラーメンマンを倒す ○【衝撃のアルベルト@ジャイアントロボ】状態:健康/思考: ラオウを討つ ○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:健康/思考:平等院を倒す ○【ラーメンマン@キン肉マン】状態:健康/思考:デカオを倒す 【格納庫】 ☆【光祐一郎@ロックマンエグゼ】 状態:ダメージ(小)/思考:烈海王を倒す、熱斗達が心配 ☆【ルドル・フォン・シュトロハイム@ジョジョの奇妙な冒険】 状態:紫外線照射装置破損/思考:同志を殺した雷電をこの手で殺す ○【烈海王@範馬刃牙】状態:健康/思考:祐一郎を倒す ○【雷電@METAL GEAR RISING】状態:リッパーモード解禁/思考:シュトロハイムを殺し、祐一郎も殺す ※リッパーモードを解禁したことにより攻撃力が大幅に上がっています 【大阪 近海】 WBの砲撃を喰らったシグナムは、生きていた。 流石は今まで幾多ものカオスロワを生き抜いてきただけであり、首輪さえなければメガ粒子砲の直撃も大したダメージにならず、軽い火傷と一時的な脳震盪による気絶だけで済んでいる。 しかし、爆発の衝撃で死国の外に這い出されてしまい、今は全裸で海面にぷかぷかと浮いている。 さらにレヴァンティン含む支給品も全て喪失。 PETも爆発のショックと海水による内部浸水で破壊されている。 無論、PET内部にいたネットナビであるカーネルが無事でいるわけもなく、今までミステリーデータで貯めた財産ごと消滅したのだった。 【カーネル@ロックマンエグゼ 消滅確認】 生き残ったシグナム自身もこのままでは、サメの餌になるか、ズガン師ルーファウスと同じく溺れて死ぬ運命が待っている。 強き者も死ぬときは死ぬ、それがカオスロワ故に。 しかし、ここで天の助けか悪魔の導きか、ユラユラと海面を漂うシグナムの前にワープゾーンが突如として現れた。 ワープゾーンはかつて美樹さやか達を大阪へと転送したものと同じものである。 行き着く先はどこか不明だが、ここに入らなければどのみち死が待っている。 そして、気絶したシグナムの裸体は吸い込まれるようにワープゾーンに入っていき、ワープゾーンもすぐ後に消滅するのだった。 シグナム――人知れずに戦線離脱。 【二日目・8時30分/不明】 ☆【シグナム@リリカルなのはシリーズ】 状態:気絶、ダメージ(小)、全裸、支給品喪失/思考:気絶中 ※出現したワープゾーン(4955話参照)に吸い込まれて、どこかへと飛ばされました
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登録日:2022/04/19 Tue 22 30 59 更新日:2024/06/24 Mon 18 49 59NEW! 所要時間:約 14 分で読めます ▽タグ一覧 エア相撲 スクネ スクネマン バキシリーズ バキ道 二代目 二代目野見宿禰 刃牙シリーズ 力士 古代相撲 四股 宿禰の杜 相撲 第二代野見宿禰 野見宿禰 骨掴み 宿禰とは何者なのか…!? 第二代野見宿禰(だいにだいのみのすくね)とは、バキシリーズ第五部『バキ道』から登場するキャラクター。「二代目野見宿禰」と呼称される場合もある。 ●目次 概要 人物 実力 劇中での戦いVSビスケット・オリバ VS路上の大関 VS範馬刃牙 VS零鵬 VS範馬勇次郎 VS零鵬(2回目) VSジャック・ハンマー 余談 概要 相撲をテーマにしている『バキ道』におけるメインキャラクターとして位置づけられる。 ただし、その存在自体は第四部『刃牙道』の最終話にて新シリーズへの予告的に示唆されていた。 角力の始祖とも呼ぶべき存在の野見宿禰の二代目を名乗り、古代相撲を受け継いでいる青年。 歴代宿禰が挑戦を続けた石炭の完全なダイヤモンド化に成功し、二代目の野見宿禰として認定された。 刃牙の世界では野見宿禰は世襲制で270代以上が続いているが、「宿禰」の名前を許されたのは初代含めて2名しかいない。 実際は「宿禰」は当時の朝廷に仕える者への官職名なので「宿禰」の称号を持つ役人はたくさんいたし、個人名として重要なのは「野見」の方である。 出雲にある宿禰の杜と呼ばれる山奥で暮らしていたが、相撲界で揉めた末に業界の改革を試みた貴乃花金竜山によって表社会へと連れ出される。 ただし、宿禰は金竜山の導きではなく「宿禰とは何者なのか」を知るために自分の意志で故郷から出たと自認している。 山奥から現代社会へと出てきた宿禰は、徳川光成の世話を受けながら地下闘士や現代相撲の力士と関わっていくことになる。 人物 体格は210cm・250kg強という巨漢で、力士故に脂肪と筋肉で身体は異様に盛り上がっている。 基本的には敬語で話して戦う相手にも低姿勢で忠告を行うなど、ぱっと見の雰囲気は礼儀正しく大人しい人間性に思える。 しかし、言動の節々には己への自信とそれ故に他者を見下す価値観も滲み出ており、悪意のあるような様子で他者を煽る行動を取ることも少なくない。 一方で対戦相手を全く見下しているという訳でもなく、それなりにリスペクトや優しさを見せることもあるのだが、何というか上述の性格もあってそういう部分は真に受けにくい印象を受ける。 他者に煽られても怒ることはない…が、刃牙に憐みのような言動をされた際にはそれまでの態度を一変して激昂して口調も変化していた。 ここから察するに煽られることは良いらしいが、憐みや情けと言う行動をされた場合は「力士への大罪」と捉えて許すことが出来ないと考えられる。 相手の骨を利用する戦闘スタイルもあってか、他者を身体的に破壊することに対しても一切躊躇がない。 ビスケット・オリバや大関への対応を見るに殺害に至りかねない行為は流石に避けているが、刃牙に対しては明確な殺意とも解釈できる感情を見せていた。 あえてフォローするならば、身体の破壊を試みた相手に関しては宿禰側も何らかの大きな痛手を負わされている(*1)ため、破壊行為は基本的に報復で行っていて楽しんでいる訳ではない…はず(*2)。 礼儀正しそうに見えて傲慢さを秘めているという性格は、ある意味「良くも悪くも色々な意味でスケールの小さくなった刃牙のような人間性」とも分析できる。 範馬勇次郎のことは認識していたが、山奥の生活が影響してなのか世間と比べると理解がやや遅れている一面も。 他者を葬ることを闇に沈めと表現するなど、言動にも厨二病独特なセンスがあるのも世間離れしていた影響なのだろうか…。 世間離れをした生活を送っていながらも女性に対する関心は強いらしく、作中では若い女性と恋愛関係を結んでいる。 周囲に見せつけるかのように手に彼女を持ち上げながらデートし、それを恥ずかしがる彼女の反応も楽しんでいる雰囲気だった。 自身を連れ出した金竜山に対しては恩を感じているようで、彼の相撲に対しても「綺麗な相撲」と高く評価している。 一方で、初代野見宿禰の墓が廃れていることを理由に、大相撲に対しては鉄槌を下そうと考えていた。(*3) 宿禰の名前を受け継いでいるのだが「我ひたぶるに力比べせん」という言葉を使うなど、宿禰に敗れた当麻蹴速をリスペクトしている節がある。 刃牙の蹴りを受けた際にも蹴速を思い出していたので、リスペクトすべき対象であると同時に強敵のイメージでもあるのかもしれない。 実力 力士を自負していることから相撲で戦うが、ルール無用の古代相撲がベースなので殴打や蹴り技も積極的に使う。 シリーズ最強クラスの握力を持ち、石炭を握力でダイヤモンドに変えるという『範馬刃牙』時点の勇次郎でも難しいパワーを見せている。 その握力を用いて敵対者の骨格を「廻し」に見立てて骨を直接掴んで投げる特技があり、これによって多くの戦士の骨を粉砕した。 握力の破壊力は重量に換算すると100トンにも及ぶとも評されている。 一方で渋川剛気の合気に関しては初見では突破できておらず、後に合気を怪力で突破した巨鯨との力関係は不明慮な部分もある。 巨体な身体に反して身動きも軽く、最早実質的に飛行していると言わんばかりの驚異的なジャンプ力を見せていた。 特に201kgの体重があるジャック・ハンマーに頸動脈を噛み付かれた状態かつ腕も殆ど機能していない中、足だけで大ジャンプするという力業も見せた。 「打たれると分かっている力士は倒れない」と本人が評するように、攻撃に対する耐久力に関しても非常に高い。 顔面への攻撃の直撃や鼓膜の破壊などのダメージを受けても、宿禰のポーカーフェイス寄りな性格も相まって全く通じている様子を見せない。 オリバやジャックのパンチも勢いを付けた額によって防ぐという芸当も見せており、オリバの拳を逆に粉砕するという硬さを発揮した。 また、「エア相撲」とでも呼べる刃牙のリアルシャドーの相撲版的な練習を行う習慣がある。 横綱・零鵬の存在を具体的に想像できるレベルのイメージ能力を持ち、「四股が足りない」とまで分析していた。 現実の人物だけではなく、一般的に考えられない巨大な力士を想像で作り出すことも可能。 エア相撲以外の日々のトレーニングは、四股という相撲においては基本中の基本の稽古…なのだが、これがまたとんでもない規格外。 四股は驚異的な開脚の長時間の維持と地響きを起こす威力を見せており、宿禰曰く「邪気を払って清めた大地で安心して生物が成長できる(要約)」という効果で徳川邸の池の鯉が異様に大きく成長するという事態を起こした。 また、摺り足に代わるトレーニングとして宿禰は腰を深く落とした状態で動かないという、站樁に近いような稽古も行っている。 劇中での戦い VSビスケット・オリバ 徳川邸でサンドバッグを破裂させている最中、宿禰の噂を聞いて刑務所から飛び出して来日したオリバが出現。 廻しを付けて力士の姿で臨戦態勢のオリバを見て、その筋肉質な身体を予想外にも酷評してオリバを煽る宿禰。 なんとも救いがたく――痩躯な力士もいたものだ 互いに挑発する中で相撲対決が始まるが、オリバのフルパワー突進や廻しを掴んだ持ち上げも封じ、逆に振り回すなどパワー面で優勢を見せる。 ちなみに、オリバのパワーを封じた理由は「逆三角形の肉体は三角形が重要な角力の相撲で通用しない」との理論らしい。 自身のアイデンティティを否定されたばかりか劣勢なオリバは、指摘を認めながらもフリーファイトを持ち出して屁理屈反論を展開。 その話を聞いてフリーファイトを承諾して仕切り直そうとした宿禰だったが、語っている最中に顔面に強襲的なパンチ。 どや顔で煽るオリバだったが、ダメージもなければ不意打ちに怒ることもなく、逆に謝罪を始める宿禰に対して不機嫌になるオリバ。 オリバの不機嫌にも動じない宿禰はぶちかましで突っ込み、金剛力士像の構えでパンチを放ったオリバの拳を額で粉砕。 宿禰は世界一の厚い筋肉を超えてオリバの肋骨を掴み、絶体絶命に持ち込んだことから決着を提案する。 それを拒否するオリバは最筋力姿勢でパワーを入れようとするが、異様な音と共に肋骨が人体が梯子から落ちた時のような勢いで完全粉砕して自爆。 骨を一気に失ったオリバの肉体を床に叩き付けた宿禰は、オリバの手当ての指示と同時に板の間でなかったら死んでいたと忠告。 オリバは宿禰に対して怒号を投げかけようとするが言葉を発する力も残っておらず、哀れにも肉体を僅かに震わせるだけだった。 VS路上の大関 夜の街の路上で名称不明の大関と対面し、多くの観衆が集まる中で大関が試合を承諾したことで戦闘開始。 コンクリートの地面でオリバを大きく上回るパワーのブチかましを大関に仕掛けられるが、それを耐え切ったことで精神的優位に立つ。 ブチかましを耐えた後に大関の肩甲骨を掴み、片手で持ち上げた後に肉体を投げ飛ばした。 地面がコンクリートのために絶命の危機に陥る大関だったが、宿禰は寸前で頭を支えてそれは回避させるのだった。 圧倒された末に命を救われる恩情を掛けられ、プライドを傷つけられ憤る大関の平手打ちを受ける宿禰だったが、「打たれるとワカってしまえば力士は倒れない」と諭す。 動揺して呆然としている大関を置いて立ち去ろうとする宿禰の目の前にお台場での一件から自身のファンを名乗る女性が現れると、夜の街に彼女を連れて行って姿を消した。 大関との騒動は後日、大日本相撲協会及び嵐川理事長に衝撃を与え、地下闘士と力士のチーム戦に発展することになる。 VS範馬刃牙 徳川によって地下闘技場に連れてこられた宿禰は、地下王者である刃牙と激突する。 宿禰は刃牙を「露払い」と煽りながらも、銃弾と表現してその強さを高く評価する様子を見せた。 胸を貸すポーズで煽る刃牙にブチかましで突進を試みる宿禰だったが、左ハイキックを顔面に受けたことで刃牙を「蹴速」と連想。 その強さに刃牙を兄弟子と認定して改めて謙虚な姿勢を見せて再度ブチかましを行い、今度は右ハイキックを受けながらも耐え切ってトランクスを掴んだことで柵まで押し切る。 しかし、実際にはハイキックが効いていたことで軽い脳震盪の症状を引き起こしており、その様子を刃牙に煽られてしまう。 挑発された宿禰は謙虚な態度を一転させて激怒し、「力士を哀れむ大罪」を闇で償わせよう(殺意?)として全力で投げ飛ばす。 その投げも刃牙に軽く対応されると、必殺技であるトリケラトプス拳を見せられるが、激突の末に背後に投げ飛ばされるも何とか対応した。 そこで徳川の介入で試合は終了となり、試合を観戦していた地下闘士メンバーを見た宿禰は全員を力士と認識した。 VS零鵬 地下戦士VS大日本相撲協会力士代表の試合では、大将戦として現代相撲の最高傑作・零鵬との対戦が決定する。試合前には金竜山への感謝の意を示した。 試合前に観客に向けて四股のパフォーマンスを披露し始めた零鵬を見ると、宿禰はそれを鼻で笑うかのような様子で足を180度以上に開いた四股を見せる。 その四股の迫力は力士チームの面子も眺めており、ベテランの猛剣ですらもその迫力には困惑する勢いだった。 試合前の会話ではエア相撲を理由に零鵬の四股の不足を指摘するが、笑われた末に「エアの四股」をやると煽り返されての試合開始となった。 金竜山から3分以上粘った末の長期戦という作戦プランを提示されるが、1分以内に終わらせるとして却下した。 両者立ち合いの構えで相撲勝負になるが、最初の激突では不意を突く零鵬の張り手が宿禰の頬にぶちかまされる。 そして、張り手の威力で一瞬動揺した隙に肘でカチ上げられてしまい、まわしを取られたことで不利な体勢になる。 最初の張り手で鼓膜を破壊されるという痛手を負った宿禰だったが、鼻を摘まんで耳から出血することで零鵬の目元付近に血を浴びせ、報復を宣告。 オリバを破壊した肋骨掴みによる「アバラ投げ」で返し、零鵬を地面に叩き付けて沈黙させることに成功した。 それでも意地で何とか立ち上がった零鵬の様子を見て、宿禰は試合前の決意に反して1分で終わらなかったことを理由に煽り半分な雰囲気で褒める。 そして、立ち上がった直後の零鵬に対して肩甲骨の下に手を入れて掴み、再度頭を地面に叩き付けることで完全に沈黙させて勝利した。 VS範馬勇次郎 横綱を撃破した後に勇次郎への興味を口にし、徳川から不意討ちもOKな相手だと聞いた宿禰はやる気を見せる。 徳川の手引きで地下闘技場にて異常性癖がカミングアウトされた勇次郎を待っていたが、いざ姿を見せた相手は異様に激怒しており、その姿にハブを思い出していた。 勇次郎に名前を名乗って拍手を持ち掛けるが、呼び出されたことに不機嫌な勇次郎に顔を掴まれて投げ飛ばされる。 立ち去ろうとする勇次郎に物言いの如く呼び止めて蹲踞の構えを取り、ぶちかましに見せかけた奇襲のキックを浴びせる。 柵まで勇次郎を蹴り飛ばすことに成功したが、消力を連想させるかのように攻撃を受け止めたことで全く効いていなかった。 唖然とする宿禰は勇次郎に反撃への備えを忠告されると、顔面に右ストレートを浴びてKO。 しかし、吹き飛ばされながらも立った姿勢を保つことに成功しながら気絶しており、それを見た勇次郎から再戦を認める言葉が出るのだった。 回復後に柵にもたれかかって呆然とした様子となり、「あんな生物がいたのか」と振り返るのだった。 VS零鵬(2回目) 勇次郎に完敗したことで、自身の上の存在を噛みしめながら大雨の中で帰路に付いていた宿禰。 そんな自身の元に変装した姿の零鵬が登場し、再戦の意図を読み取った宿禰は橋の下でリベンジマッチを受ける。 肋骨に大ダメージを受けている零鵬を見た宿禰はそれを指摘するも、怪我の内に入らないと強気な様子を見せる零鵬に対して止めた方が良いと言わんばかりにフォローする。 零鵬から四股に関する煽りをネタにした自虐入りの発言を返されると、宿禰はそれを根に持っていると解釈して嘲笑うかのような表情を見せた。 煽った瞬間に顔面にパンチを連続で浴びせられ、足に蹴り技を受けたことで姿勢を崩す。 更に追撃の左横蹴りを仕掛けられるも転がって回避し、零鵬が怪我をしながらもまだ動けることを評価しながらも、突進してくる零鵬の負傷した胸に強烈なキックをぶち込む。 零鵬の負傷していた肋骨の更なる破壊と胸骨の粉砕に成功し、酷く吐血しながら倒れる零鵬を背に「よく殴られる日だ……」と一日を振り返るのだった。 VSジャック・ハンマー お持ち帰りに成功した女性とデートを楽しんでいた最中、現れた加納典明から話を聞いてジャックと試合を組むことに。 その後、ジャックは徳川邸にて食事の最中に宿禰の四股の振動を聞き、試合前に両者は対面する。 ジャックの姿を見て零鵬以上と評価しながらも、奇襲をしない理由が人目が欲しいという理由だと聞いた途端にガッカリだと言い放って精神面を煽りまくる。 煽る最中に放たれたパンチに頭突きで防御した後に張り手を浴びせてダメージを与えるが、その瞬間に噛道によって左手の小指を奪われた上に食われたことで生涯の欠損が確定する。 力士の命綱の小指を試合前に奪ったジャックに激怒して試合中止を考える徳川だったが、ジャックの自論に応じて宿禰は試合開催を承諾。 試合当日の試合前、ジャックに噛み付けないと煽るが内心ではその技術力に高く感心し、強者との試合に喜びを見せる。 試合開始直後から突進を見せる宿禰だったが、左肩付近に噛み付かれて周辺の肉片を奪われてしまい、続けて放った右前蹴り上げも噛み付きのカウンターによって踵を損傷する。 肉片を奪われたことに怒りの様子を隠せない宿禰は、かつて自身が撃破したオリバの金剛力士像の構えを使って反撃を開始。 低空姿勢での突進を見せたかと思いきや、不意を突く右パンチと張り手でジャックに連続のダメージを与える。 続けて組みに向かった宿禰はジャックの骨を掴むが、対するジャックも肩口に噛み付いたことで両者一撃必殺の体制に突入。 先に宿禰が必殺技である肋骨を掴んでのアバラ投げを放とうとするが、事前に僧帽筋を嚙まれて破壊されていたことで対策をされて封じられてしまう。 必殺技に失敗しながらも何とかジャックを突き放すことには成功するが、直後に高速の動きでキックやジャブを連続で受けてしまった宿禰は完全に追い込まれていた。 それでも何とか立ち上がった宿禰はジャックと打撃の攻防戦を繰り広げ、その最中に出雲でのエア相撲を思い出して自身の準備不足を反省していた。 打撃の最中に挟まれる高速の噛み付きに押されている宿禰だったが、この期に及んで上から目線でジャックを認めながら噛み付き覚悟で組み付いた。 そして案の定頸動脈を噛み付かれる致命傷を負うが、噛み付かれながらも大ジャンプして空中からジャックを投げ飛ばして地面に叩き付ける。 ジャックが倒れたことで徳川から勝利判定を受けようとした瞬間、実際にはジャックに大きなダメージは入っておらず、逆に宿禰の出血についに限界がきて倒れてしまう。 こうして試合は宿禰の敗北が確定。担架で運ばれていく宿禰を見送ったジャックからは「最初に投げ技を受けていたら決着だった」と内心でリスペクトを受けていた。 しかし、実際のジャックは観客に派手なパフォーマンスを行う程度には体力が溢れており、内心の声とは言ってもリップサービスが含まれていた可能性は高い。 余談 零鵬戦の時期に急に肌が浅黒く描かれるようになるというデザインの変化が起きている。突如のデザイン変化に困惑する声は多かったが、これは零鵬とは力士同士の対戦になることからぱっと見の作画では区別が付きにくいために変えたとする説が出ている。ただし、零鵬戦後も肌が浅黒いデザインは引き続き採用されている。 第五部のキーパーソンのはずなのだが、前シリーズのキーパーソンだった宮本武蔵と比べると総合的な戦闘力では劣っていると見られる描写も多い。第五部は全体的に設定の派手さや表現が抑えられているデフレ気味な雰囲気もあるので、その影響を受けている部分も否定はできないが。刃牙との交戦も早かったことから、そもそも武蔵のような所謂「シリーズボス」というポジションで描かれていない節もある。 バキ道第18話「結髪」において、結髪をするだけで13ページを費やした(全20ページ)ことはネタにされている。 ジャック戦では金剛力士の構えを使いながら敗北したため、シリーズにおける「金剛は負けフラグ」という説を補強する結果になった。 Wiki篭り関 改めて「追記・修正」を… △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] こいつ登場当初はバチバチの泡影の影響を感じさせるスピリチュアルな求道者的キャラだと思ってたんだが、むしろ相撲編全体に漂う痛み分けというか、勝ち負けとはなんなのか?という問いの為に作られてる感もする。 -- 名無しさん (2022-04-19 22 38 56) 良くも悪くも青さが抜けきれてない印象を覚える。 -- 名無しさん (2022-04-20 00 28 15) かませ犬にされたオリバは泣いていい -- 名無しさん (2022-04-20 01 04 16) まさか一応の主人公に対して一応の章ボスなのにたった一度の無効試合で終わるとは思ってなかったわ -- 名無しさん (2022-04-20 02 20 15) アライjrの二の舞になりそう -- 名無しさん (2022-04-20 08 38 59) さては飽きたなコレ… -- 名無しさん (2022-04-20 12 34 32) ゆうえんちに出てきた龍金剛の方が強そう -- 名無しさん (2022-04-20 13 36 53) 初代の話に出てくる頃の相撲の原型は今の相撲とは全然違うというベタなネタを避けて(知らなかっただけかもだが)普通のスモトリにした結果、個性も引っ張り所も行き詰まった感じ。他にもスモトリ出して今さら相撲アゲされてもなーって感じだったし。 -- 名無しさん (2022-04-20 14 50 13) 噛ませ(ジャック)の噛ませ(宿禰)の噛ませにされたオリバが報われん -- 名無しさん (2022-04-21 00 50 30) 握力凄いもすでに花山という -- 名無しさん (2022-04-21 05 29 22) ↑途中になった。花山という人気キャラが既にいるし、アピールも手でダイヤが作れると言われてもふーんとしか。 -- 名無しさん (2022-04-21 05 31 11) 板垣先生に是非を問うな -- 名無しさん (2022-04-21 17 59 13) そもそも掴んで握りつぶせば終わるのに、なんでわざわざ投げようとするのか?「現代相撲とは違う、なんでもアリの古代相撲」と言ってるのに舐めプに走ってる謎 -- 名無しさん (2022-04-21 18 22 28) ↑それやると尚更花山薫になるし… -- 名無しさん (2022-04-21 20 38 40) 勇次郎の両刀の話が出てからの対戦だった為、これ勇次郎にわからされるんじゃだの宿禰はメスガキだった?とか言われてて草生えた -- 名無しさん (2022-04-21 20 40 51) ↑3殺傷力過剰すぎるからねそれやると。武蔵が舐めプしてたのと同じ理由、つまり作劇の都合 -- 名無しさん (2022-04-22 04 14 04) まぁひたすら強いこいつに既存ファイターが挑んでは返り討ち→刃牙戦で〆っていうピクル編以降味しめたワンパターンから脱却したのは良かったと思うよ。こいつが武蔵ポジじゃなかったからこそ久しぶりに渋川先生や独歩ちゃんの白星見れたんだし -- 名無しさん (2022-04-23 14 01 47) やはり「力士の命」である小指を失ってしまったのはネック過ぎる… -- 名無しさん (2022-04-23 14 50 33) ジャックに焦点が当たった現在、再登場したら酷い目に遭う確率が特大。アライjrが独歩や渋川にお礼参りされたように・・・ -- 名無しさん (2022-04-23 21 45 33) アライもジャックに負けてからがケチのつき始めだったな…… -- 名無しさん (2022-04-26 04 23 22) ……今週でケハヤの子孫が出て来たんだが(しかも勇次郎の噛ませになりそう)。マジにスクネの扱いどうなるんだろうね。飽きっぽい作者の寵愛も無くなった今、再登場あったら間違いなく酷い目にあうぞこれ -- 名無しさん (2022-04-28 22 25 22) 再登場してもマシな未来がない今、猿空間に消えたほうがいいと考えられる -- 名無しさん (2022-05-04 04 07 47) 初代野見宿禰の話になるのだが、今の相撲を行った最初の人物であり、刃牙ワールドでは現代にまで続く相撲界最強の漢なのだが…地味に、「墓(古墳)に土で出来た人形を守衛として置こう」と提案した人でもあるんだとか。つまり、古墳に埴輪を入れるという文化を作った人らしい。 -- 名無しさん (2022-05-13 16 45 50) ↑4 個人的な感想だが、当代蹴速が本格的に動き出す前に初代宿禰を蔑ろにしていた現代相撲界への粛正と箔付けをやりたかった感が強くなったな…結果的に箔付けの方は失敗していると言わざるをえないが。 -- 名無しさん (2022-05-24 16 59 02) ケハヤの子孫が勇次郎の噛ませになってて草。いやもう本当スクネもケハヤもこっからどうすんだよっていう -- 名無しさん (2022-05-24 18 20 35) 今まで出てきた敵よりずっと礼儀正しくてまともだと思うが、なんで魅力ないとか不快とか言われんのかね -- 名無しさん (2022-07-19 22 37 22) ↑ああいう慇懃無礼なキャラとかアライjr筆頭に結構いたけど……?魅力が無いのは、握力百トン(これも微妙)と相撲取り以外の要素が全くでなかったからだし -- 名無しさん (2022-07-19 22 47 46) ↑8 日本書紀の埴輪起源の伝説ね。ウィキペの「土師氏」「埴輪」「野見宿禰」も参照。考古学では3-4世紀までの焼き物が起源。 -- 名無しさん (2022-08-08 12 13 57) 垂仁を実在天皇と仮定すれば3-4世紀じゃね?ということなんだけど、そうすると人型埴輪発祥の5世紀に間に合わない。支配域の規模からしても、権力者の副葬品としての利用は大陸の影響だろう。 -- 名無しさん (2022-08-08 12 16 42) 蹴速のwikiは無いけど誰か作らんの? -- 名無しさん (2023-03-07 19 08 54) 次回作は宿禰の娘出てこないかな バキ「だってコイツ、宿禰の娘だもん」 -- 名無しさん (2023-04-07 17 44 51) 鳴り物入りで出てきたら最終的にジャックとバキの噛ませにされるっていうアライjrと全く同じ末路に… -- 名無しさん (2023-04-29 21 10 03) 負けちゃった… -- 名無しさん (2023-04-29 21 36 51) 勇次郎から評価されてライバルポジになったと思ったらジャックに噛まれ(直訳)かつて倒した強敵にもリベンジで負かされ主人公に惨敗…と完全にアライJrじゃん春成の2秒より健闘したとか無理に評価した方が良いのか? -- 名無しさん (2023-04-29 22 07 59) 春成より頑張れた理由がバキとのファーストコンタクトまでめちゃくちゃ時間かかってたせい(動きが信じられんくらい遅かったせい)だから下手すると春成より評価できねぇ…… -- 名無しさん (2023-04-30 13 24 26) まあ大相撲に鉄槌は下せたし(震え声 -- 名無しさん (2023-05-03 13 46 11) 正面からの殴り合いでオリバに勝った刃牙が「宿禰と真っ向勝負などできるはずもない(技術使えば秒殺可能)」って言ってるあたりパワーキャラとしては本当にトップクラスなんだろう -- 名無しさん (2023-05-13 23 11 35) 一般人よりノロノロで草 -- 名無しさん (2023-05-13 23 28 07) 多分見切り発車で出したんだろうな。 -- 名無しさん (2023-06-10 20 14 33) 宿禰は礼儀正しいって言っても相手より自分が上っていう前提の礼儀正しさみたいのがあるからな、だからすぐキレて粗暴になったりするしその落差で下手なチンピラより悪印象あるんだと思う -- 名無しさん (2023-10-15 19 49 30) 報告にあった違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-12-06 18 38 40) 報告にあった荒らしコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-12-24 05 42 22) 初代を生き写した無骨な益荒男がよかったって声も聞く………まあ武蔵みたいに途中で乱心してたかもしれんけど -- 名無しさん (2024-03-20 09 00 12) ↑4 元々バキシリーズって慇懃無礼なキャラがかなり多い漫画ではある -- 名無しさん (2024-05-06 20 38 58) 彼とけっくんは何で出てきたのか不明なキャラだった。 -- 名無しさん (2024-05-06 20 42 07) 唐突な加納典明登場wどんなコラボだよ -- 名無しさん (2024-06-24 18 13 44) 武蔵より盛られるかと思ったけどそんなことなかった。けっくん含めて -- 名無しさん (2024-06-24 18 20 28) ↑武蔵はピクルの後であってもネームバリューで良くも悪くも押し通せたんだろうけど、古代相撲は初代描いた時点で熱尽きたんだろうな………って感じ -- 名無しさん (2024-06-24 18 49 59) 名前 コメント