約 1,243 件
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/725.html
「ダブル武装錬……」 「させません」 鐶の口から伸びたキツツキの舌が核鉄に張り付き、凄まじい速度で手元へと回収した。 (この舌……! そうか、根来や千歳さんの核鉄を奪ったのはコレか。恐らく戦士長のもう一つ の核鉄はストレイトネット解除時に素手で奪っているだろうが) 鐶は核鉄をポシェットにしまった。斗貴子は核鉄の奪還も考えたがかぶりを振った。 (欲目をかくな。今は章印への攻撃を集中するのが先決) 「……そういえば、割符……あの人が持っているかと思いましたが」 「ああ。貴様らが狙う割符は私たちのうち誰かが持っている。だが易々とは奪わせない!」 銀成学園玄関前で雷光のごとき斬撃がぶつかり合った。 現在の状況 津村斗貴子 … 銀成学園にて鐶光と交戦中 中村剛太&早坂桜花&エンゼル御前 … 銀成学園へ移動中。 防人衛 … 戦闘不能(年齢吸収により26歳から0歳に退行) 根来忍 … 戦闘不能(年齢吸収により20歳から0歳に退行) 楯山千歳 … 「斗貴子ちゃんたちにはいわなかったけど、実は毒の羽根は掠っただけなんだよ」 救急車の中で医師の問診に対して千歳はそう答えた。、 防人と根来、そして千歳を収容した救急車は、サイレンを鳴り響かせながら街をゆく。 「あのコが羽根を投げる前にね、何とか気づけたの。あ、さっきまでの口の痺れとくしゃみはズ グロモリモズの毒だって。きっと、群衆を操っている時に羽根の細かな粒子が飛んで、私の口 に入ったんだね。他の人が気付かなかったのは、私ほど小さくなってなかったからかな?」 戦闘組織らしく、救急車に直接乗って駆け付けた医師は目を丸くしていた。 「そして毒があるなら、瞬間移動のせいでいつも遠くにいる私に羽根を投げて攻撃するのは読 んだから咄嗟に回避! でもそれに夢中で落ちて気絶しちゃったの……ダメだね私」 発熱と麻痺はけして軽くない千歳が、息も絶え絶えながら明瞭な分析を見せている。 「というコトで治療は点滴だけにして欲しいの。ちょっと回復さえすればまた戦える筈だから」 354 名前:永遠の扉 [sage] 投稿日:2008/09/27(土) 17 55 16 ID l0lo6/3RP 「そうはいうが、君は核鉄を失くしているじゃないか。元々直接戦闘には不向きな上に、体も小 さくなり、毒だって浴びている。落下による打撲だって軽くない。医師として再び君を戦場に送 るのは許可できない。行った所で無駄にやられるだけだ」 「それでもまだやれるコトはあるの。お願い」 千歳は鞄から夏みかんを取り出し、手を当てた。 「これを使えば一回だけ斗貴子ちゃんたちを助けれる筈なの。幸い、敵はもう私が戦闘不能だ って思ってるから、うまくやれば必ず虚をついて逆転できる」 夏みかんの皮と繊維が一気に割り開かれた。 「これをくれた戦士・根来の為にも、こんな私を褒めてくれた防人君の為にも……お願い」 甘酸っぱい匂いの中で見た意外な光景に、医師は言葉を失くした。 楯山千歳 … 戦闘継続可能 (私は……ブレミュの副長……。けど) 初戦を紙一重で制したのは、斗貴子。 うねる処刑鎌を浴びた鐶が運動場を吹き飛び、植え込みを散らしながら窓ガラスに衝突した。 (いつも中心にいるのは……小札さん) 破片をじゃりじゃりと踏みながら立ち上がろうとした所に斗貴子が肉薄し、章印が何度目かの 貫通を浴びた。場所はどうやら普通の教室らしい。机が規則正しく並び、後ろには半紙の群れ。 (…………さっきだって、戦う順番を決める時……みんなの……無銘くんの口に上るのは…… 三番手の小札さんばかり。次の私には……何も。リーダー曰くそれは実力への信頼……。でも) 「くるっぽーっ!!」 鐶は顔を真白なハトに変形させた。そしてひどく機械的な無表情の嘴から白く濁った液体を ドバドバと垂らした。斗貴子は非常に複雑なニュアンスで顔を引きつらせつつ後退した。する と、彼女の足が乗っていた辺りで床板が白煙を上げて溶けた。ハトの育雛は少々変わってお り、そ嚢に蓄えたタンパク質と脂肪満載の「ピジョンミルク」という物質を与えるのだ。(材料は カタツムリやミミズなど。本来ハトは草食性だが育雛期においては肉食を嗜むのだ) だがそういう離乳食じみたミルクも、ホムンクルスにかかれば強酸性の溶解液になるらしい。 (この体はたったそれだけの機能しか……ないのです) 「げっげっげ!」 ジャワガマグチヨタカの顔になった鐶は凄まじい声で喚きながら外へ出ようとあがいた。その 時、突如として全校放送のチャイムが鳴ったが、邪魔する斗貴子の周囲を飛び跳ねながら机 やイスをむさぼり食うのに忙しいので気にする余裕もない。 (強さと引き換えに五倍速で老いゆくだけで……決して私を救ってくれる体では……ないので す。クロムクレイドルトゥグレイヴは……ボロックナイフだけに……抗がん剤。特異体質の副作 用を抑えるために芽生えた武装錬金。私を蝕む年齢をせき止めるただ一つの手段……けど) 「ぐるげっ?」 爬虫類じみた顔が木片をむしゃりながら斗貴子を見ていると、裂帛の気合いがかかった。 (それは結局…………ただの誤魔化し。例えば私が……特異体質で小札さんに変身したとし ても、小札さんそのものにはなれないように……一人だけ歳をとるのに変わりはありません……) 「けーっ! けーっ! けーっ!」 耳を貫かれた異形の鳥が天井を仰いでもがいた。」 (年齢と姿形を無限に変えられても……私は零にだけはなれないのです。始まりからやり直し て普通に歳を重ねるコトも……無銘くんの一番好きな人になるコトも……できないのです。ま だ人間だった頃でさえ……どんなに頑張ってもお姉ちゃんに拒絶されていたように……私は ……こんな性格だから、小札さんのように……好かれるコトはないでしょう) 「はなせ、はなせ」 片言で喚く鐶の体がふわりと浮いて、処刑鎌に思い切り投げられた。 だがその途中で、がっちりと固定されていた頭から胴体がすっぽ抜けて、壁をブチ壊しつつ 廊下に出て行った。反動で鐶の生首は処刑鎌の刺さった部分から前後二枚にスライスされた。 (認められるのは……きっとこの体質と武装錬金の強さだけ……。それさえ私が老衰を迎え るその時……そう遠くない未来で……終わります) 「ぎょぼぎょぼぉ!」 自動回復が発動した。あまりの光景にさしもの斗貴子も立ちつくした。廊下の方からブリッジ した首なし胴体が四足獣のごとく走ってくる。しかも首の切断面からびゅっびゅと白濁したピジョ ンミルクを吐いてくる。斗貴子がそれを避けた隙にスライスされた鳥の頭から長い舌が伸びて 胴体に張り付き、再び回復の光が満ちた。分割されていた鳥の頭は、プラモデルの頭部パー ツのように固い音を立てて接合した。 「ガマグチさんちのツトムくん、この頃少し、変よー♪」 「ヤマグチだ!」 「それは……ウソ、です」 「ボケ倒すのもいい加減にしとけ! だいたい変なのはお前だ!」 またも首を百八十度逆にしながら呟く鐶に、斗貴子はツッコミがてら痛烈な一撃を見舞った。 「しまった思わず。クソ。章印を貫けば良かった」 廊下側の壁に叩きつけられた鐶は、瓦礫ごと教室の外へ輸出された。 (本当は……ホムンクルスになった時……ニワトリさんに私の自我を食べられていた方が… …楽、でした。でも、今は……まだ頼って貰えてる今だけは……戦わないと。……あれ?) 壁を突き破りながら廊下に出た鐶は、凄まじい破壊痕に首を傾げた。 「……いつの間にこんな所に? あ、フクロウさんで首を回転しないと。……ほうほう」 「つくづく化物だな貴様。しかも章印狙い以外は効果が薄い。痛みを感じた様子もない」 「痛みなら……感じてます。……化物でもありません」 「ウソも大概にしろ。まあいい。貴様がトチ狂っている間に生徒達は避難させた。これ以上、生 徒から年齢を吸収できないぞ!」 「……避難? どうやって」 「御前様だけを放送室に先行させたの、で、御前さまの頭についてるアンテナってマイクにも なるから、そこ経由で私の声を全校生徒へ伝えておいたわ」 桜花の横で不服そうに顔を背けた剛太が不満げにボソボソと呟いた。 「この学校どうなってんだ。元・信奉者が現役時代から生徒会長で、しかも信用されてるとか」 「普段の努力の賜物よ。優等生演じるのは大変だけど、いろいろ便利だから」 鐶の背後数メートルの位置に桜花と剛太が現れた。 「そしてわざわざ校内にお前を入れたのは、飛翔を防ぐためだ。私たちの奇襲を防ぐつもりだっ たのだろうが、室内戦となればお前も条件は同じ。……勝負だ」 「なるほど。ちなみに……私は頭部を鳥にした時だけちょっとおかしくなります。これも副作用……」 (ちょっとじゃないだろアレは!) (何が「ちなみに」なんだ?) 一同はツッコミたい衝動を抑えながら攻撃を開始した。 (……「不審者が乱入したから避難して下さい」? 確かあの声は) 誰もいない教室を見繕って手持無沙汰に過ごしていたヴィクトリアは思わず立ち上がった。 (あの声は早坂桜花。というコトはどうやら普通の人間相手じゃなさそうね) 窓際に寄って見下ろした校庭には、無数の胎児が蠢いている。 (ま、錬金の戦士に手を貸す義理なんて私にはないし、せいぜい頑張るコトね。辛い時に誰 からも手を差し伸べられないのは苦しいでしょうけど、それもせいぜい数時間。百年味わうの に比べたらまだまだアナタたちは幸せよ) 悪魔的微笑をたっぷり浮かべて不幸な戦士を嘲りつつ、携帯電話を取り出し千里にメール を送った。文面は簡潔。生徒会長の言葉通りすぐ避難する。外で待ってて。それだけだ。 (私はこのコさえ守れればそれでいいもの。誰が好き好んで錬金戦団に加担なんか) パチリと閉じる携帯電話の小気味よさとは裏腹に、薄く細めた眼にはひどい不快が浮かんで いる。そんな自分にもやもやとした胸のつかえを覚えながらも、ヴィクトリアは避難すべく歩き 出した。 (そうよ。パパやママや私をあんな目に合わせた戦団なんかに協力なんてしたくないわ。だい たい、アイツだっていってたじゃない) ──「元々これは俺達戦士の戦い──…君が手出しする必要はない」 ──「寄宿舎に帰るんだ。皆、君の帰りを待っている。俺も帰還を望んでいる。だから戻れ」 (そう、アイツだって──…) 階下から轟音が響き、校舎が軽く揺れた。 「…………」 ヴィクトリアはしばらく黙った。黙る間にも様々な破壊音が耳に鳴り響き、縛った髪がさざな みのように揺れ動いた。 しばらくするとヴィクトリアは、皮肉混じりの笑みで瞑目した。 「全く、アナタは本当にいつもいつも嫌なコトばかり炙り出してくれるわね。だから嫌い。錬金 の戦士の中でも信奉者の中でも特別に嫌い」 負けたとはいえ、きちんと戦いを選び何人かの敵を倒したであろう秋水だ。 それに比べてどうか。 (百年ずっと恨むばかりで何もしなかった『誰かさん』は。……みっともないわね) その誰かさんは秋水が戦っている間、陽の光をたっぷり浴びて「日常」とやらを甘受していた。 今も怨嗟に浸りかけ、直面する事態を無視しようとしていた。 「コレじゃただ地下から出ただけで、昔と同じじゃない。本当、嫌なコトに気づかせてくれるわ」 炙り出された軽い嫌気が、尖った瞳をすうっと細めた。 「……そうね。戦士は気に入らないけど、ホムンクルスを放置してあのコ(千里)を危険に晒す のはもっと気に入らないし、第一、私がつまらない疑いをかけられて苦しむ羽目になったのも きっといま暴れてる化物のせい。なら戦士を利用して意趣返しをしてやるべきじゃない」 あくまで協力ではなく利用。ヴィクトリアは冷たい目を極北の夜明けのように光らせた。 「それに、河合沙織とかいうコの件じゃ随分つまらないコトも口走ったし」 ──「そのね、沙織がいなくなってしまったから探して欲しいんだけど……頼んでもいいかな?」 ──「か、代わりに一つだけなんでもするから」 「色々不愉快だけど、鬱陶しい利子を戦団につけられる前に」 もう一度携帯電話を取り出すと、千里にメールを打った。 『ゴメン。ちょっと色々な人に借りてた物があるから、逃げる前に返してくるね』 「だあもう! 生徒は全部避難したんじゃねえのかよ!」 剛太は狼狽した。 廊下の彼方に飛んだ鐶を追撃していたら、ちょうど丁路になった部分から女生徒が走って きたのだ。折悪しくそこへ鐶が羽根を射出した。女生徒はその射線上に出ていた。 上記の剛太の叫びは、女生徒が羽根に怯え竦んだその瞬間に発せられたものであり、かつ、 彼が女生徒を体当たりで救うための掛け声でもあった。 「……あ、ありがとうございます」 一瞬だけ剛太に押し倒される形になった女生徒は、少し頬を赤くしながらおずおずと頭を下 げた。もっともその頃には剛太は立ち上がって背を向けていたので、二人とも相手の顔を碌に 見るコトはなかったが。 「礼なんていいからさっさと避難して! つか何でまだこんな所にいるんだ!」 「あ、あの! 人を探してたんです。金髪を両側で縛った制服姿の童顔の女のコを。名前は……」 「ハイハイ。見つけたらちゃんというから」 桜花の手を取ると剛太は取りつくしまもなく廊下の向こうへ駆けた。 「さっきのって、桜花先輩だよね? 廊下の向こうには津村先輩もいたし。どういうコトなの?」 女生徒─千里は、背後から響く轟音に時おりビクっと震えながら出口に向かい始めた。 「よく分からないけど津村先輩たちに任せた方がいいわね。私の出る幕じゃとてもとても」 世にも情けない顔で溜息をつく千里は、ふと別な話題を想起した。 「あのランニングシャツの男の子……一体誰なんだろう」 生まれて初めて密着した異性の体の感触を思い出すと、どぎまぎせざるを得ない。 見た感じ千里より年下に見えた。でも服はぶかぶかで、まるでお兄さんの服を無理して着て いるような感じだった。そこから見える肩や胸は鍛えてあるらしく、意外に逞しい。 それを思い出すと心なし上気した顔は、やがて眼鏡をうっすら曇らせるほどに火照りだした。 なお、この物語よりおよそ四ヶ月近く後、千里は剛太と再会を果たし、少し特別な感情を抱く コトになるが、この時のわずかな邂逅がどれほどの影響をもたらしたかは定かではない。 ドアはレールの上でひしゃげて傾き、教室と廊下を隔てる窓も無事な物の方が少ない。 「……本気で攻めているのに…………勝てません」 気息奄々と佇む戦士たちに鐶はやや戸惑いを浮かべた。 (以下は本来の年齢 → 現在の年齢) 斗貴子 18 → 13 桜花 18 → 12 剛太 17 → 12 (あと一回……深く斬りつければ確実に胎児にできるのに……。第一) 斗貴子は無銘に負けた。剛太は貴信に、桜花は小札に。 (私は……昔リーダーたちと敵対した時……無銘くんも貴信さんも小札さんも……圧倒しました。け れど、単純な実力の差で片付けられない何かが……あります。そもそも……校庭で) 生徒たちの年齢を吸収して胎児にしたのは、斗貴子を逆上させて倒しやすくするためでもある。 (なのに主導権を握れませんでした。話通りの性格なら……確実に逆上する筈なのに、どうして?) 「『なぜ翻弄できない?』 そんな顔をしているな」 翼の防御が貫かれ、章印に鋭い切っ先がめり込みかけた。 「それは戦士長が身を呈して糸口を掴ませてくれたからだ! おかげで私達は迷いなく攻められる!」 咄嗟に鐶はバルキリースカートを掴んで手近な壁へ斗貴子を叩きつける。が。 「これでも津村さんは冷静さを取り戻してるのよ。だから支援する私達も動きやすい」 腕の動きに合わせて二ダースほどの矢が鐶の全身に突き刺さった。むろん、章印にも。 「先輩舐めんな! 第一ここで負けたらあの出歯亀ニンジャに何いわれるか!」 だが入れ替わりに剛太の飛び蹴りが逆袈裟に顔を断ち割り、章印を破壊した。 (意志の力と連携が、実力以上の実力を? なんだか、ベタ……です。年齢もつでしょうか) 即座に回復した鐶は短剣を握る拳に力を込めた。 (……年齢の残量は……柄の部分に浮かんだデジタル数字で……分かります。数字が微妙 な凹凸を描くので…………握ってるだけで把握できます……) 斗貴子が壁を弾いて舞い戻ってきた。 そこから放たれる鋭く青い稜線を捌きながら、鐶は生唾をごくりと飲み込んだ。 (年齢の残量は……残り186年……!? うち62年は小札さん達から回収した分で、32年 は調整体さんから貰った分だから……さっき生徒さんたちから補充した年齢はもう……100 年未満……? そんな……。十代半ばの生徒さんをあれだけ斬りつけたのに……残りはたっ たの5~7人分ぐらいしか……!?) 鐶の肩とみぞおちに矢が刺さり、腹部に戦輪がめり込んだ。 その隙に斗貴子は叫びを上げながら、何度目かの章印貫通をした。 (これで残り年齢は174年。回復はまだ10回以上……けど、今のままではマズイ、です) 鐶の周囲にまたカラスが寄ってきた。それは根来の忍法による効果だ。鐶は少し勘案すると カラスに斬りつけ年齢を吸収し、そっと受け止めたヒナたちを廊下の隅に置いた。 「……踏みつぶさないで下さい。このコたちはただ寄ってきただけ……です」 ここは室内。他のカラスが寄ってくるまでしばし時間があるだろう。だがその「しばし」の間に 他の者へ化けたとしても、桜花が生徒を避難させた校舎では意味がない。 (考えさえすれば……変身能力にもまだ使い道があるかも知れませんが……それは『今まで』 と変わらない戦法……ココからはもう一段階上の力こそ……必要) まず最初に異変を感じたのは桜花である。 後方支援ゆえ遠巻きに戦いを見ていた桜花は、鐶が脇腹に手を当てるのを見た。 最初は痛みをかばっているのだろうと気にも留めなかったが、どうも様子が違う。 「引いて二人とも! もしかしたら新しい攻撃が来るかも!」 叫びと同時に無数の剣が斗貴子たちに降り注いだ。正確にいえば一メートルはあろうかという鋭い羽根。 剣の束を投げ捨てればこうなるのではないかと思えるほど、床をざんざんと貫いた。 咄嗟の回避に尻もちをついた剛太の足の間にも、銀と輝く羽根が唖然と厳然と突き立っている。 (さ、さっきまでいた場所に、何で突然こんなモノが。アイツがいわなきゃやられてたぞ……!) 「私が……唯一名前をつけた必殺技。カウンターシェイド。……早坂秋水さんを倒した技です」 呟く鐶であるが、ただ短剣を体の前で振っているだけである。 「ただの素振りじゃねェか。それにどんな効果が」 「ボサっとするな剛太!! 死にたいのか!」 叫びとともに斗貴子は剛太の首が掴んで後方へ引いた。 (すげェ。63キロある俺を片手で。さすが先輩。見た目にそぐわず力があるのがステキ) 剛太がホヤホヤと顔を緩める間にも、銀の刃は襲い来る。しかし斗貴子は理不尽に勃発す る地雷原の爆風のようなそれらを出現直前に察知し、間隙をすいすいとすり抜けていく。 剛太ならずとも「さすが」といわざるを得ない回避能力である。 鐶が短剣を振るうたび、先ほどの一メートル超の羽根がざくざくと空間に現れ出でる。 ただ降るのではない。真横に切っ先を向ける物もあれば斜め右下から斜め左上を衝くのも ある。その逆も然り。大きさこそ均等だが向きはバラバラだ。しかも羽根は密集する。不揃い な指向性の元に。剛太と斗貴子を追って現れる羽根の塊は、歪な花か花火のようである。 落ちた羽根がちょうど行く手にあった消火器を竹か大根のように斬り落とした。 真赤に尖る容器から垂れる白い消火溶剤を見た瞬間、剛太は斗貴子をほどいて着地した。 (俺なんか連れてちゃ先輩がやられる! どこまでも運んでほしかったけど!) だが羽根はまだまだ咲き乱れ、斗貴子と剛太はたたらを踏むように避けるので精一杯である。 (おそらくコレも年齢操作! まだ短い羽根かその元になる羽芽を毟り) 鐶がそれを投げた軌道上で剣を振るっているのを斗貴子は見た。 (あれは目標へ斬り飛ばすのもあるが、年齢を与えて羽根を巨大化させるのも兼ねている!) (だから遠距離攻撃は無理そうね。遠くに届く前に羽根が成長しちゃうから。でも、近づけない) 桜花は時おり数メートル先で開花する羽根の群れを矢で迎撃しながら切歯した。 (タネはもう……見抜かれているでしょう。しかしコレは囮に……すぎません) 鐶は身を捩るとポシェットのフタを開けた。 「できれば……コレは…………コレだけは……最後の一人に使いたかった……です」 「なんだなんだなんだ!? アイツのポシェットに入ってるのは」 「私の……基盤(ベース)は……あくまでニワトリ。ニワトリ型のホムンクルスです」 白いポシェットに黒く長い物体がだらりと垂れた。 「そしてニワトリは……鳳凰に進化できます」 「何をいってるんだアイツ。生物学的にありえねェだろそれ!」 剛太の叫びの中で、御前は気付いた。 「ポシェットに入ってるのってまさかソーセージ? にしちゃちょっと黒すぎるような」 「……これこそが『切り札』…………進化の鍵……です」 李隆編「まじない」にいう。 「黒魚(オオサンショウウオ)の腸に硫黄の粉末を詰め、秋なら鉄器に密封するコト五日間、冬 なら鉄器に密封するコト七日間。そうしてできた物体を、二~三日絶食させたニワトリに与え れば、鳳凰に進化する……そう、です。だから私は絶食……してました」 ──「ビ、……ビーフジャーキー、食べます? 私は……絶食中なので無理、ですが…………」 ──「沙織(※ 鐶変身中の方)のコトだけど、最近体調悪そうだったから心配で」 ──「あ、そういえば昨日の夜は食欲なかったというか何も食べてなかったよね……アレ? 朝か ──らだったかな? うーん。おとといもご飯やお菓子食べてなかったような気も。どうだろ?」 「……一気に説明したので……息、切れました。そして……」 鐶が腰を捻ると同時に、30センチメートル間隔で規則正しく捻られた長大なソーセージが宙 を舞い飛んだ。その間にも鐶の手は動き、飛びかかりかけた斗貴子や剛太を銀羽で制止した。 「鳳凰に進化すれば……今よりも遥かに……強くなります」 やがて黒魚の腸を器用に口でキャッチした鐶は、それを体内へと勢いよく吸い込んだ。 (……私は負けるワケにはいきません。それが無銘くんに認めて貰えるただ一つの手段だから) 「…………『振り向くな。涙を見せるな』…………です」 金色の火柱が鐶の体を覆い尽くした。
https://w.atwiki.jp/wiki9_alternative/pages/236.html
■戦術機/Tactical Surface Fighter■ 『戦術歩行戦闘機』の略称。光線属種の登場により、無力化された航空兵力の空洞を埋め、対BETA戦の最終局面、即ちハイヴ攻略用の決戦兵器として開発された"人類の刃"。しかし、その兵器特性である3次元機動と柔軟な任務適応能力──高い運動性や兵装の汎用性によって、設計時には予測もされなかった様々な評価を得るに至り、通常戦闘に於いても有効な対BETA兵器として運用されている。全高は18~30m超と機種により差異があり、世界各国ではそれぞれの国情や運用思想にあわせ、様々な仕様の機体が研究・開発されている。第1~第3までの世代が存在し、第1世代は重装甲による高防御性、第2世代は機動力の強化、第3世代は反応性の向上と段階に分けた特徴と発展が成されている。動力は本体、跳躍ユニットの二系統に分けられ、電磁伸縮炭素帯(カーボニック・アクチュエーター)が中心の本体側は燃料電池とマグネシウム電池によって賄われている。跳躍ユニットは、推進剤と呼ばれるジェット燃料を使用し、跳躍ユニット内部と主脚内部にある。尚、機体の関節部を保護している膜のようなモノはカーボニックアクチェーターの一種で、それ自体が靭帯としても機能することで戦術機駆動に密接に関わっている。 戦術機の装甲材は、「スターライト樹脂」で構成されており、鉄よりも強度が高く、耐熱性能も非常に高いものである (公式の実況プレイ生放送中に語られている)なお、オルタ2(仮称)と第5計画移民船団側ではそれぞれ独自の進化を遂げており、移民船団の戦術機は第六世代戦術機が存在していることが確認された(キマシナイトフィーバー) 日本帝国の戦術機 アメリカ合衆国の戦術機 ソビエト社会主義共和国連邦の戦術機 EU(欧州連合)EF-2000 タイフーン TyphoonESFP Experimental Surface Fighter Program F-5E/G/I IDS トーネード Tornade イギリスF-5E ADV トーネード Tornade フランスラファール Rafale F-5F ミラージュⅢ Mirage III ミラージュ2000 Mirage 2000 スウェーデン王国JAS-39 グリペン Gripen J-35/JA-35 ドラケン Draken JA-37 ビゲン/ヴィッゲン Viggen 西ドイツF-5E ADV トーネード Tornade F-16 ファルコン Falcon A-10 サンダーボルト Thunderbolt 東ドイツMiG-21 バラライカ БалалайкаMiG-21PF バラライカ MiG-23 チボラシュカ ЧебурашкаMiG-23改 チボラシュカ・ツヴァイ MiG-27 アリゲートル Алигатори MiG-31M フォックスハウンド Foxhound MiG-29OVT ファルクラム Ласточка 統一中華戦線殲撃8型 【ジャンジ はちがた】 (J-8) 殲撃10型 【ジャンジ じゅうがた】 (J-10/F-16C)殲撃10型 近接能力強化試験機 (J-10X) 殲撃11型 【ジャンジ じゅういちがた】 (J-11/Su-27SK) 殲撃20型 【ジャンジ にじゅうがた】 経国 【チンクォ】 (F-CK-1) イスラエルクフィル Kfir (F-5F) ラビ Lavi F-4E ファントム Phantom トルコ共和国F-16A ファイティング・ファルコン Fighting Falcon F-4E ファントム Phantom 中東連合F-14Ex スーパートムキャット Super Tomcat F-14 トムキャット Tomcat F-15 イーグル Eagle 大東亜連合F-18AX レイジングホーネット Raging Hornet アフリカ連合F-4E ファントム Phantom ミラージュ2000改 Mirage 2000 東欧州社会主義同盟MiG-29OVT ファルクラム/ラーストチカ Fulcrum/Ласточка オーストラリアF-18HMRV スマッシュホーネット Smash Hornet 国連F-14 AN3 マインドシーカー/ロークサヴァー Mindseeker/РокСова F-4SP スーパーファントム 所属不明XF-2000a テュフォーン Me101P フェンリル 人類統合体F-47 イシュクル ISHKUR 戦術機基本機動制御システムブロック図(XM3以前型) EU(欧州連合) BETAによって国土を追われたEU各国は、国力の衰退から独自の戦術機開発に難航していたが、EF-2000タイフーンの共同開発によって独自色を反映した機体の開発に成功した。その傾向はハイヴ攻略と平野部での密集戦を意識したもので、BETAの侵攻によって平坦になった国土の奪還を目指す長期戦略を窺わせる。また新構想――戦術機のみで構成された即時展開打撃部隊"オール・TSF・ドクトリン"を掲げている。 EF-2000 タイフーン Typhoon 欧州連合の次期主力第三世代戦術機。パレオロゴス作戦の失敗により、BETAの欧州西進が確実となった1978年、イギリス、西ドイツ、フランスを始めとするNATO加盟各国は、その主力戦術機であるF-4、或いはトーネードやミラージュといったF-5改修機の後継機となる新型戦術機の共同開発に合意し、1980年よりECTSF(European Combat Tactical Surface Fighter)計画の名称の元で開発が始まった。早急な前線戦力強化を謳い、1985年の実用化を目標に開始されたECTSF計画はパレオロゴス作戦で得られた戦訓───ハイヴへの長駆侵攻を可能とする侵攻能力、光線属腫からの攻撃回避とハイヴ内での密集近接格闘戦を主眼においた機動性、運動性の向上を重視しており、これらの要求仕様は奇しくも同時期に開発が着手されていた米国のF-15イーグルと同様であった。当初のスケジュールと要求仕様通りに完成していれば、F-15に勝るとも劣らない高性能第二世代機となったであろうECTSFだが、BETAによる欧州の蹂躙、主要参加国であったフランスが主機選定を理由に開発計画から脱退するなど、様々な要因によって開発は大幅に遅れた。F-15の成功に指をくわえて眺める形となった開発参加国では、ECTSF計画そのものの存在意義を疑う声が噴出し、ついには西ドイツも脱退を示唆するに至った。 米国による各国へのF-15売り込みが狙い済ましたように勢いを増す中、欧州大陸が陥落した後に実質的な開発国となっていた英国は、ECTSFを機動近接格闘戦能力をより強化した第三世代水準機として開発するという計画の大転換を決定、1994年には単独で技術実証機ESFP(Experimental Surface Fighter Program)を試作、欧州制圧前の古い要求仕様や設計思想に基づくF-15の導入を牽制すると共に、ESFPの高い実戦能力をデモンストレーションすることによって各国を計画に引き留めた。以降開発は順調に推移し、1998年には先行量産型EF-2000の試験部隊への引き渡しが、2000年5月には実戦部隊配備が開始されている。なお、ESFPの試作に於ける第三世代技術の確立には、欧州各国同様にハイヴ攻略、近接格闘戦を主眼とする日本帝国からの技術提供があったと言われているが、その真偽の程は明らかではない。頭部、両前腕部外縁、肩部装甲ブロック両端、膝部装甲ブロックから下腿部前縁、前足部及び踝部に至るまで、機体各所に固定武装であるスーパーカーボン製ブレードが装備されている。特に頭部、両肩部、両前腕部のそれは、近接攻撃以外にも空力的な補助機体制御装置としても機能する。また、頭部モジュール前縁にはメインセンサー保護用のショック・ボウが取り付けられている。多数のハイヴを抱え広大な平野部を持つソ連同様、ハイヴ攻略戦だけでなく密集近接格闘戦を想定した仕様である。西独軍仕様のG-36をイメージしてデザインされたGWS-9 突撃砲とハルバードタイプの長刀(BWS-8)、英国軍仕様の両刃直刀型長刀(BWS-3)、スペイン軍仕様の戦突型多目的増加装甲(スパイクシールド)など、武装バリエーションは多岐にわたる。伊軍仕様の近接戦装備はナイフとフォークの形をしているという与太話がある。他の第三世代機同様、跳躍ユニットの主翼にもスーパーカーボンが採用されている。2004年時点、日本帝国に一個中隊分の機体が無償供与されている。JFKハイヴ攻略戦にて少数参戦を確認。ドイツ仕様だったため、少数の生き残りである可能性のほうが高い(真っ白のタイフーンらしき機体も確認されている)。 EF-2000 ドイツ仕様 ESFP Experimental Surface Fighter Program 1994年に完成したECTSF技術実証機。ユーロファイタス社は、各国へのアピールを目的としたESFP運用部隊"レインダンス"中隊を編成し、英国政府支援の下で国連欧州方面軍へ派遣した。 F-5E/G/I IDS トーネード Tornade パラヴィア・インダストリアル社製第一世代戦術機。 F-5改修機。 英独伊の共同ライセンス生産機で、各国出資の下、西ドイツにパラヴィア・インダストリアル社が設立され量産が行われた、各国の要求に従って細部の仕様が異なる3機種が存在する。砲戦を主体とした運用が行われ、IDS(InterDictor-Strike):阻止攻撃型と呼ばれた。F-5からの最大の改修点として、STOL性、運動性に加え、最高速度も向上させるため、跳躍ユニットに可変翼機構を採用している。STOL性が重視された背景には英海軍での艦載機運用が想定されており、戦術機向けの改修が行われていない小型の航空母艦にも着艦可能であることが必要とされた事が挙げられる。 F-5E IDS英国軍仕様機。米軍のF-5E タイガーⅡとは別物 F-5G IDS西独軍仕様機。F-5G タイガーシャークとは別物 F-5I IDS伊国軍仕様機。 1976年、配備開始。 イギリス F-5E ADV トーネード Tornade パラヴィア・インダストリアル社製第二世代戦術機。トーネードIDSの強化改修型。実機のADVは防空(Air Defence Variant)型という意味だが、こちらはエリア防衛(Area Defence Variant)を意味する。イギリスのエリア防衛を念頭に兵装制御システムや前方赤外線監視装置の能力向上、近接固定兵装の追加等が行われている。 フランス ラファール Rafale ラファールはダッスオー社(仏)が開発した第三世代戦術機である。主機選定と機体仕様に関する意見対立、開発の大幅な遅延を嫌ったフランスは1985年にECTSF(European Combat Tactical Surface Fighter)計画から撤退、ミラージュ2000(第二世代)の後継たる次世代戦術機の単独開発に着手した。世界的な戦況悪化に伴いミラージュ系強化キットの開発が優先されるなど、一時的な停滞こそあったが、米軍規格や欧州共通仕様の大胆なオミットにより94年の試作機ロールアウトから4年で実戦部隊でも運用開始に漕ぎ着けるなど、開発は総じて順調であった。外観や基本装備など、あらゆる点でEF-2000 タイフーンとの類似が見て取れるが、ECTSF計画の新世代基礎技術研究や新世代機設計研究の成果を基に開発された両機が同様の態を成すのは当然の成り行きであろう。JAS-39グリペン(スウェーデン)を含め、このような欧州次世代機の類似については「水面下で日本帝国の技術提供を受けたため」とする風説もあるが、その真偽は定かではない。TDAにてフランス軍の主力機として登場。センサーを敷設したおかげでF-22Aとも互角の戦いをしていた。また、カナダ軍にも少数配備されているようである。1998年、配備開始。2000年の時点で100機余りがフランス陸軍で運用されており、その大半はスエズ運河防衛線に展開する海外派兵部隊の装備機である。跳躍ユニットは「S88」を搭載する。名称は、仏語で「疾風」「突風」の意味。 F-5F ミラージュⅢ Mirage III ミラージュⅢはダッスオー社(仏)によるF-5改良型ライセンス生産モデルである。電子兵装と通信機能に加え、近接戦能力が強化されている。欧州圏では最初期に導入開始されたF-5派生型で、イギリス、ドイツ、イタリアが導入したF-5E/G/I=トーネード、スウェーデンが導入したJ-35 ドラケンとは姉妹機である。ほぼ同時期に実戦配備されたこれらを軍関係者は"5シスターズ"と呼称する。急速なBETAの侵攻に対抗するべく緊急導入された経緯から、機体は基本仕様のままであるが、簡略化されていた通信・索敵機能の強化(F-4用センサーマストへの換装)等による頭部モジュール形状の変更や、近接格闘戦に備え膝部装甲ブロックに増設された戦突(アーマースパイク)など、小規模ながら改修が行われている。このような改修から得たデータは、後のミラージュ2000、トーネードADV等の開発にも反映されており、それに続く欧州製第三世代戦術機に共通する頭部モジュール形状や、上腕部・下腿部等へのブレードベーンの装備にも繋がっている。就役から四半世紀が過ぎた現在でも、欧州やアフリカ諸国を中心に準第二世代機相当へアップグレードされた改修型が運用されている。名称は仏語で「幻影」「蜃気楼」のこと。1976年、配備開始。 ミラージュ2000 Mirage 2000 仏・ダッスオー社製第二世代戦術機。軽量高出力を誇るF-5改修機。ミラージュⅢの後継機として開発され、F-5の基本設計を残しながらも軽量高出力の主機と高い噴射地表面滑走(サーフェイシング)能力が付与された。機体の大型化によって兵装積載量と連続稼働時間も増大している。輸出需要も見込んだ設計・仕様であるため、多任務汎用性と各性能のバランスが重視されている。1981年、配備開始。 スウェーデン王国 スウェーデンは自国の森林や渓谷での運用に適した小型の戦術機を独自に開発し、遮蔽物を利用する戦術思想を模索している。 JAS-39 グリペン Gripen JAS-39グリペンは、サーグ社(スウェーデン)が開発し、1996年より実戦配備が開始された第3世代戦術機である。他のヨーロッパ諸国と同様、F-5フリーダムファイター(米国)の改修、生産(J-35ドラケン)から始まったスウェーデンの戦術機開発は、一般的な欧州製戦術機とは多少異なる発展を遂げた。小国であり潤沢な資金のないスウェーデンは、独自の第3世代機開発に際し、理想主義的な性能追求よりも、コストパフォーマンスや信頼性を重視した軽量戦術機を求めていたのである。平野の多いヨーロッパ大陸に比して、山がちな地形であるスカンジナビア半島に国土を有するスウェーデンは、光線属腫対策としてその地形を利用することを前提としており、山間部での匍匐飛行を適正に行うための姿勢制御能力と、それを補佐するための地形追随レーダー類の能力向上が重視されている。また、攻撃性能に関しては重金属雲環境や戦域データリンク壊失を想定し、光学を始めとする各種センサー類によって直接、標的を補足(稜線からセンサーマストだけを露出)、稜線越しの曲射、あるいは一瞬機体を露出させ、打ち下ろしでの砲撃を精密に行うルックダウン・シュートダウンを持つ多任務対応能力が重視された。 これらの基本要求仕様は、J-35の後継機であるJA-37ヴィッゲン以降変わっていない。その背景には、スウェーデン国内にハイヴが存在しないことが大きく影響しており、「突入戦は諸外国に任せ、自国を奪還、防衛に徹する」という割り切りがその根底にある。要求仕様同様、開発計画も非常に合理的に割り切られており、第3世代技術は国内開発に拘らず、スウェーデン同様に山岳地形が多く歴史的な対露(ソ連)感情的にも近しい日本帝国の支援を受けたと目されている。この時期日本帝国はアメリカのG弾戦略に対抗する政治的プレゼンスを確立するため、水面下で積極的に欧州各国への第3世代技術転移を行ったとされている。欧州戦術機計画やラファール開発もその影響下にあり、欧州第3世代機の日本帝国製Type-97吹雪との形状類似は、決して偶然ではないと見るべきである。その一方で、ヨーロッパ各国で行われた技術研究、実践データも色濃く反映されており、前腕外縁部に装備された展開式スーパーカーボン製ブレードベーン、肩部装甲ブロックに配置されたブレードベーン、脚部の設計などに、EF-2000やラファールと同様に、欧州オリジナルトレンドデザインの影響下にあることが伺える。ペットネームのグリペンは、伝説上の動物「グリフォン」のスウェーデン語表記であり、空に地に、縦横無尽に戦うその姿から命名された。BETA大戦以前、スウェーデンにとって兵器輸出は貴重な外貨獲得手段の一つであったが、JA-37ヴィッゲンは自国運用に特化しすぎていたことから、主な市場であるアジア、中東、アフリカ諸国への売り込みには悉く失敗していた。一方、JAS-39は要求仕様こそ変わらないものの、第3世代能力の獲得と最新アビオニクスの装備によって自ずと多任務対応能力が拡大し、設計想定外の汎用性を獲得していることから、比較的安価で、整備性の高いマルチロール機として、各国への売り込みが開始されている。また、サーグ社はJAS-39の発展型として次世代アビオニクス研究と機体稼働時間の延長を図ったエンハンスド・グリペン計画を発表。2000年にプロミネンス計画の資金援助を受け、エンハンスド・グリペンの仕様を盛り込んだデモンストレーター機のグリペン・デモを製造し、アメリカ合衆国アラスカユーコン基地にて評価試験が行われている。 J-35/JA-35 ドラケン Draken スウェーデン王国軍第一世代戦術機。ミラージュⅢの独自改修機。ドラケンは瑞語でドラゴン(竜)のこと。実機の開発開始が1949年と、航空機由来の元ネタとして最も古い。メカ本で『当時、衛士に転換した空軍パイロットの発案により、名戦闘機ドラケンの名前を引き継ぐ形で国内名称が決定された。』とされたため、戦術機と航空機の両方が存在する稀有な機体となった。スウェーデンの地勢に特化して、NOE(匍匐飛行)能力が重視されている。1976年、配備開始。 JA-37 ビゲン/ヴィッゲン Viggen スウェーデン王国の純国産開発機。第二世代戦術機。ドラケンと同様にNOE(匍匐飛行)能力が重視され、自国での評価は高い。反面スウェーデンの地勢に特化した非常に特殊な戦術機となってしまったため、スウェーデン以外での運用は行われていない。ヴィッゲンは瑞語で雷(bolt)の意味。1986年、配備開始。 西ドイツ F-5E ADV トーネード Tornade 西ドイツ陸軍所属機。イギリスから供与。 F-16 ファルコン Falcon 西ドイツ陸軍所属機。アメリカから供与。 A-10 サンダーボルト Thunderbolt 西ドイツ陸軍所属機。アメリカから供与。 東ドイツ MiG-21 バラライカ Балалайка ※右イラストはマブラヴ・ディメンションズ(旧:マブラヴ・イモータルズ)版 MiG-21はワルシャワ条約機構各国でライセンス生産されているが、なかでも東ドイツで生産された機体は製造精度が極めて高く、ソ連のウラル以西後退や東ドイツ防衛戦までの短期間ではあるが、東欧諸国や開発国であるソ連自身向けの生産も一部行っていた。また、東ドイツ軍では、統一中華戦線から輸入した77式近接戦闘用長刀や多目的追加装甲"シェルツェン"も使用可能となっている。 MiG-21PF バラライカ 重金属雲下の電波障害に対応するため、大型センサーマストを装備し、通信・索敵能力を強化された機体。東ドイツで少数生産されており、第666戦術機中隊"黒の宣告"にも、指揮官機として配備運用されている。 MiG-23 チボラシュカ Чебурашка 東ドイツ陸軍所属機。ソ連から供与。本家ソ連では、機構の複雑化と前線の熟練整備兵不足によって作戦稼働率が低迷しており、その評価は芳しくなかったが、優秀な技術者を多数擁し、稼働率問題を解消した東ドイツでの評価は高かった。1980年代初頭においては、BETAと対決する国軍を差し置いて、秘密警察・情報機関である国家保安省(シュタージ)の実力部隊で、「もう一つの国家人民軍」とも呼ばれる武装警察軍へ優先配備されていた。特に西ドイツとの国境警備を担当している武装警察軍戦術機大隊"ヴェアヴォルフ(人狼)"などで運用され、亡命軍人狩りなどに従事した。 MiG-23改 チボラシュカ・ツヴァイ MiG-23戦地改修型(通称MiG-23改)は、東ドイツ武装警察軍"ヴェアヴォルフ大隊"のMiG-23をハイム中将旗下の反乱軍が鹵獲改修した第2世代機である。大破していた頭部モジュールをMiG-21PFのストックパーツに換装した簡易改修に止まっているが、より高性能なMiG-23のセンサーマストを元の基部に無理矢理移設したことで、その外見的印象はMiG-21、23の何れとも大きく異なるものとなっている。 MiG-23はミコヤム・グルビッチ設計局が設計したソ連初の純国産第2世代機である。置換対象となったMiG-21に対して運動性向上を目的に大幅軽量化されている。また、当時の戦術機先端技術トレンドである可変翼機構付きの跳躍ユニットを採用するなど、意欲的な設計が各所に盛り込まれているが、その機構は先行するアメリカ軍のF-14(グラナン)やF-5E(パラヴィア)の単純な模倣に止まっている。だが、その複雑な機構と制御系、それ以前に機体そのものが、当時のソ連の工業技術・生産能力を超えた要求仕様だったため開発計画は難航。その間に西側諸国は第3世代機の開発に移行し、正式採用された時点でその性能は既に陳腐化するに至った。とはいえ同機の配備がソ連軍戦線戦力の運動性底上げに大いに貢献したことは事実である。だが複雑な構造ゆえの低整備性から前線稼働率は約70%と低迷し、事態を憂慮したソ連軍は早々に抜本改良型(MiG-27)の開発を決定。以降MiG-23は、政治・軍事両面でソ連の影響下にあるワルシャワ条約機構諸国への輸出用に振り分けられ、戦略物資として活用された。同時に、東ドイツ軍の戦術機稼働率がMiG-21の時点で自軍のそれを遥かに上回っている事実に目を着けたソ連軍首脳部は、同国に対するMiG-23の設計機密を解除、改修・再設計を依頼。その結果完成した東ドイツ改修案を元に制式化されたMiG-23MLDは、傑作機MiG-27の開発テストベッドとなった。東ドイツに於けるMiG-23は、ソ連国家保安委員会と特に繋がりの深い東ドイツ国家保安省麾下の武装警察軍に配備され、国境警備や治安維持活動目的で運用された。頭部モジュール換装とセンサーマスト移設により、機体上部の空力特性が変化しており、OSの姿勢制御プログラムが参照する基礎データとの齟齬から、その機体挙動は突発的な不安定状況が頻発する。如何に前線改修機とはいえ、正規軍の正面装備に於いて本来そのような欠陥は容認されないが、敵OSの未来位置予測照準を攪乱する挙動は、対戦術機戦闘を前提とする反乱軍に歓迎され、機体制御技能の高い衛士の運用によって同軍の象徴的な機体に位置付けられた。機体色は武装警察軍専用色から第666中隊専用の迷彩に塗り替えられ、左肩部装甲ブロック前面には運用部隊の番号、左主腕外側にはその象徴である黒十字ラインの塗装が施されている。本機は元々、武装警察軍所属のリィズ・ホーエンシュタイン中尉の搭乗機であったが、第666戦術機中隊のテオドール・エーベルバッハ少尉によって撃墜、鹵獲された。改修を担当したのは第666戦術機中隊付き整備兵、オットー・シュラウス技術中尉。東ベルリン奪還作戦に合わせるため僅かな慣熟時間しか与えられなかったが、テオドール・エーベルバッハ少尉は持ち前の才能で機体特性を把握。東ベルリン奪還作戦時には最新鋭機であるMiG-27を敵に回し、互角以上の性能を発揮した。同機による戦闘は、その一部が東ドイツ国営放送によって中継され、多くの東ドイツ国民が目撃する事となった。 MiG-27 アリゲートル Алигатори 東ドイツ陸軍所属機。ソ連から供与。 MiG-31M フォックスハウンド Foxhound MiG-31を、西側技術を多量に導入して改修した機体。 MiG-29OVT ファルクラム Ласточка 独ソ共同改修機。 統一中華戦線 統一中華戦線は、戦術機の運用に於いて高い近接戦闘能力を重視している。中国はソ連やヨーロッパ以上に多数のハイヴが存在しており、大陸の奪還を目指す統一中華戦線は戦術機に密集戦に於ける制圧力を求めた。統一中華戦線の戦術機の特徴である頭部のラウンドモニターにも、近接戦に於いてセンサー機能の低下を防ごうとした運用思想が表れている。 殲撃8型 【ジャンジ はちがた】 (J-8) 統一中華戦線(配備当時は中華人民共和国軍)の主力第一世代戦術機。瑞鶴同様、F-4ファントムの派生機種。原型はソ連から供与されたMiG-21バラライカ。ソ連と同じく自国内にハイヴを抱える中国は、オールマイティなF-4よりも国状に合致したMiG-21の導入を進め、更に独自の改修を施した。ソ連製戦術機の特徴である、頭部メインセンサーを防御するワイヤーカッターをオミットし、ソ連以上に過酷な密集近接戦闘を想定した上で、頭部モジュールの装甲化とラウンドモニターを採用している。モニターの被破壊リスク低減を図ったこの中国独自の仕様は、実戦においても良好な評価を獲得し、以降中国機のアイデンティティとして定着した。中台が共同戦線を張って以降、その所属作戦機は西東両陣営の機体が入り乱れた状態であるが、西側開発機ベースである殲撃10型の頭部も、同様の改修が施されている。桜花作戦の際、世界各国の対ハイヴ陽動戦が劇中でも短く挿入される予定であったため、甲16号攻撃部隊として登場する予定であったが、カットされた。1975年、配備開始。 殲撃10型 【ジャンジ じゅうがた】 (J-10/F-16C) 殲撃8型の後継として、F-16Cファイティングファルコンをベースにイスラエルと統一中華戦線が共同開発した第二世代戦術機。比較的小型ではあるが、高い近接機動格闘戦能力を有する。また、整備性、量産性も高い優秀な機体。軍関係者の間では俗に"16'sファミリー"と呼ばれるF-16派生機の中では最も成功した機体である。前腕部外縁、膝部装甲ブロックから下腿部前縁にかけて、スーパーカーボン製のブレードがマウントされている。また、機体に取り付いた戦車級を爆砕・排除するための装備として、胸部ブロックと腰部装甲ブロック前面にリアクティヴアーマーが装備されている。頭部モジュールには、中国軍伝統の装甲ラウンドモニターが採用されている。肩部先端のバーニア部の形状は、殲撃10型特有の曲面主体のものとなっている。武装は、97式突撃銃をイメージしてデザインされた82式戦術突撃砲と、トップヘビー化によって打撃破壊力を強化した77式近接戦用長刀、バックラー型近接戦用増加装甲など統一中華戦線独自の兵装が存在し、制圧支援装備のミサイルコンテナも装備可能。1994年、配備開始。 殲撃10型 近接能力強化試験機 (J-10X) TEに登場。極限まで軽量化した機体と強化したロケットモーターによる高機動格闘戦に特化した機体で、プロミネンス計画において、統一中華戦線所属バオフェン(暴風)実験小隊による開発試験が行われている。 http //www.total-eclipse.jp/te/mechanics13.html 殲撃11型 【ジャンジ じゅういちがた】 (J-11/Su-27SK) 殲撃11型(J-11:統一中華戦線)は、Su-27をベースに中国戦術機技術研究院が独自改修した第2世代機である。人民解放軍ではソ連軍以上の密集近接戦を想定しているため、頭部モジュールには伝統の装甲ラウンドモニターを採用、メインセンサー損傷のリスクを低減している。また、重金属雲環境下での戦闘を重視していることから、戦域データリンク壊失を想定し、通信アンテナもローテク対応可能なハイブリッドタイプに換装されている。また、原型機稼働率の問題は、Su-27SK自体が開発元であるスフォーニ設計局によって改修済みであることから、導入時には既にクリアされていた。統一中華戦線の台湾国軍側では、F-18E/FとF-16Cという、機体規模が比較的類似する戦術機を運用している。一方、人民解放軍側では、大型の本格戦術機である殲撃11型と小型軽量の殲撃10型の併用により、アメリカのHi-LowMix構想により近い、効率的な運用体制を実現。大陸での間引き作戦などで有効な戦果をあげていることから、統合司令部内での影響力は日増しに拡大し、台湾国軍の次期主力機選定に大きな影響を与えている。 1986年、大陸での戦局悪化に伴い台湾国民党が中国共産党の受け入れを表明し、統一中華戦線が形成されると、新生"中国"軍は統合司令部の下に台湾、中国それぞれ独立した指揮系統を持つ、連合軍的編成となった。この非効率な体制は、なし崩しに台湾に取り込まれることを警戒した共産党政府の強硬な抵抗により実現したが、表向きには「BETA大戦集結までは中台間の問題を棚上げし、貴重な既存戦力を活かしながらも、東西兵装の混在による混乱を避けるための互恵処置」としてアナウンスされた。その枠組に従い、装備品の調達とその開発はそれぞれ独自に行なっていたが、1990年、アメリカが開発するG弾の完成が間近であるとの情報を掴んだ統一中華戦線は、大陸奪還が急務と確信、その先にある統一を見越した双方の思惑から、技術交流が解禁され共同開発が活性化した。戦術機開発技術の獲得と蓄積を急ぐ人民解放軍は、次期主力機としてSu-27SKをライセンス導入、開発中だった殲撃10型で得たイスラエル由来のアビオニクスや、独自装備への換装など、国情に合致する強化改修を行っていた。だが、原型機自体が稼働率の低さを理由にソ連国内で早々に生産を打ち切られたいわくつきの機体であること、更に、それをベースとした輸出用ダウングレードモデルであることから、軍首脳部はその基本性能に決して満足していなかった。従って、アビオニクスや素材工学など、台湾が持つ最新西側先端技術、その生産拠点に蓄積されたノウハウは正に「目の前にあるが手に入らない宝の山」であり、垂涎の的であった。自国の対BETA実戦証明データを台湾側が欲しているのを掴んでいた共産党首脳部は、その提供の引き換えに殲撃11型開発に不足しているアビオニクス類の技術提供を提案。同時に諜報活動も駆使しながら、密集近接戦では原型機を僅かに凌駕する程の性能を実現し、1996年、実戦部隊への配備が開始された。 殲撃20型 【ジャンジ にじゅうがた】 経国 【チンクォ】 (F-CK-1) 台湾の第二世代戦術機。LD1ではF-16改修機で形式番号もF-16CだったりK-FC-1だったりしたが、メカ本でF-18のライセンス生産型に変更された。台湾海峡を挟んでの間引き作戦を行うという同国の仕様要求に基づき、F-16より稼働時間の長さや汎用性の高さなどからF-18が選定された。脚部燃料タンクを大型化して推進剤搭載可能容量を増加させ、更に機体の軽量化により、航続距離の延長が図られている。 イスラエル クフィル Kfir (F-5F) イスラエル陸軍第一世代戦術機。ミラージュⅢの砂漠戦仕様機。主機の出力向上と軽量化により、第2世代戦術機に準じる性能を獲得している。中東の環境下での使用に合わせた砂漠戦仕様機で、跳躍ユニットや管制ユニット周りの防塵・放熱対策をはじめ、砂漠では検出不能となる振動センサーを補うために、赤外線センサーを熱砂内でも使用可能なレベルまで強化するなど、様々な改修が行われている。クフィルはヘブライ語で仔ライオンのこと。1976年、配備開始。 ラビ Lavi イスラエルがF-16をベースに独自開発した試作戦術機。アラブ諸国に先んじた自国領土の奪還を目指すイスラエルは、米国から供給される戦術機の性能に不満を抱き続け、遂には高度な近接格闘戦能力を有する機体の独自開発に踏み切った。しかし、当初6割の開発資金を提供していた米国が対BETA戦略の転換を理由に支援を打ち切り、資金不足によって開発計画は中止寸前に追い込まれた。そこに戦術機独自開発技術の確立を目指す統一中華戦線がF-16をベースとする共同開発を持ちかけ、1994年実戦配備が開始されるに至った。EF-2000に比べ、この共同開発が順調に推移した理由として、設計・運用思想の合致や地政学的な利害衝突要因の不在、互いに華僑やユダヤ系資本といった国際的な支援背景が存在した、などが挙げられる。実際のところ殲撃10型とラビとの仕様差はほとんど無く、頭部モジュールの設計、近接兵装の違いのみである。ラビはヘブライ語で若獅子のこと。 F-4E ファントム Phantom →F-4 ファントム トルコ共和国 F-16A ファイティング・ファルコン Fighting Falcon トルコ陸軍第94戦術機甲大隊所属機→F-16 ファイティング・ファルコン米国は、当初の想定よりも高い性能を示した本機を、F-4ファントムやF-5EタイガーⅡの代替として各国に提案した。欧州、中東、東南アジアの各国が導入を始めており、トルコ陸軍も91年から配備を開始している。 F-4E ファントム Phantom トルコ陸軍第66戦術機甲大隊所属機→F-4 ファントム1993年時点、実戦配備から20年余りが経過し仕様の古さが目立ってきている為、米国ではF-15、F-16といった第二世代機に主力機の座を譲っている。だが、独力での戦術機開発能力をもたない中東連合、アフリカ連合では、第二世代機の配備が遅れていることもあり、改良型のF-4Eを戦力の中核においている国も多い。 中東連合 F-14Ex スーパートムキャット Super Tomcat アズライール実験小隊の砂漠迷彩機F-14Exは、イラン陸軍とノースロック・グラナン社が共同開発中の準第三世代戦術機である。F-14を近接格闘戦性能強化型にアップグレードしている。F-14は最古の第二世代機でありながら大型機であるが故に多くの設計的余剰を担保しており、改修を重ねる事によって、最新型のD型はF-15Cと同等の総合性能を獲得するに至っている。実際に、繰り上げ退役が決定した時点に於いても、後継候補であるF-18 ホーネットと比して稼働時間、総合戦闘能力、その何れも勝っており、実戦経験が多い母艦戦闘団に属する衛士の信頼は非常に厚かった。一部の海軍首脳もそれは同様であり「継続運用の可能性を検討すべき」という声が至る所で挙っていた。その追い風ムードに乗るかのような形で、ノースロック・ゲラナン社は既存のF-14を改修のみで2.5世代にアップグレードする『スーパートムキャット計画』を海軍に提案した。だが、決して安くはない改修コストを巡って調整が難航し、そうこうしている問に完成した改修型F-18(F-18E/F スーパーホーネット)が予想以上に高い総合性能を示したため、同計画はお蔵入りとなった。八方ふさがりのノースロック・グラナンヘの救済措置として、米国政府はイランに対し売却したF-14の近接戦能力強化策として同計画を持ちかけ、後年『プロミネンス計画』の一環として実施にまで漕ぎ着けたのである。複座型で、前席にWSO(ウェポンシステムオフィーサー)、後席にパイロットが搭乗する。中-近距離戦主体に仕様変更され、各種センサー、レーダーなどの増設により頭部モジュールが大型化した。 前頭部レーダーカバーの容積率が増大、頭部モジュールの前後長も約20%ストレッチされている。肩部装甲ブロック側面のフェニックスランチャー専用ハードポイントは補助スラスターユニットに換装されている。なお、通常のミサイルコンテナ(MGM-140 ATACMS)は装備可能のようである。 ブルーフラッグ参加の指揮官機は重狙撃モデルのXWS-116支援突撃砲を装備していた。 F-14 トムキャット Tomcat →F-14 トムキャット 帝政イランが装備。 F-15 イーグル Eagle →F-15 イーグル アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアが装備。 大東亜連合 F-18AX レイジングホーネット Raging Hornet F-18AXレイジングホーネットは、第3世代機の独自開発を目指す大東亜連合が、2.5世代機であるF-18Eを強化改修した改修実験機である。1980年代、加盟各国による通常兵器の独自調達により、大東亜連合軍はその作戦立案に著しい支障を来たしていた。各国軍の装備性能格差、規模差違は主に兵站に悪影響を及ぼし、装備の多様化は補給物資の肥大と手順の煩雑化を喚び、拠出予算は各国の財政に重圧となってのしかかった。それはやがて「持つ者」と「持たざる者」間で、派遣規模や展開戦域の偏りとなって現れ、戦況の長期化伴って固定化していった。この状況は「応分のリスク分担と調整による平等性の維持」という連合憲章の根幹を揺るがし、加盟国各国軍の相互不信にまで発展、連合による共同作戦遂行そのものが危ぶまれる事態に発展した。「殲滅」から「ユーラシア封じ込め」に戦略転換した国連は、大東亜連合の内紛による東アジア・東南アジア戦線の軍事的空洞化懸念し、緊急展開部隊の派遣と追加経済援助を餌として調停に乗り出した。これを受けて加盟国首脳は連合本部のあるインドネシアで諸問題の解決に合意、段階的に装備調達の統合を進めるジャカルタ宣言を採択した。その混乱期、戦線を支え続けたのは各国の戦術機部隊であった。各国共にF-4、あるいはF-5を導入していたことで、統合運用に問題発生しなかった。だが、砲撃による面制圧や機甲部隊による支援がほとんど機能しない中での戦闘は熾烈を極め、損耗率は倍以上に跳ね上がった。加えて機体の老朽化も深刻な問題であったが、国連による余剰機の無償提供によって底支えされ、事なきを得た形となった。連合国は国連に対し根強い不信感を抱いていたが、新型機導入などできる国情ではなかったため、背に腹は替えられず派遣部隊への依存を高めていった。90年代後半にさしかかり、ようやくF-16やF-18などの第2世代への機種転換が開始されたが、他国では既に第3世代機が実戦投入され始めており、その現実的な差は連合首脳を焦燥させた。これに目をつけたボーニング社(米)の旧マクダエル・ドグラム派閥は、国連が主導するプロミネンス計画(先進戦術機技術開発計画)を通じ、独自の第3世代機開発を大東亜連合に提案。1996年、F-18/Fを原型機とするAAX計画(先進アジア次期戦術機計画)として基礎研究開発がスタートした。98年に実証試験機がロールアウト。アラスカのユーコン基地にて、大東亜連合直属のガルーダ試験小隊によって開発が行われ、2001年には量産試験が運用試験段階に入った。だが国連とは連携しつつも一定の距離を保つ大東亜連合本来の姿勢を鑑みれば、同機の完成後は独自の研究開発に移行する可能性が高い。大東亜連合各国の国情と運用目的を網羅するため、F-18AXは、他の第3世代機に対し比較的安価でありながら、中近距離機動砲撃戦性能と近接格闘戦能力が高次元で両立した多目的戦術機を目指し開発が進められている。主な改修点は、・新型センサー搭載による頭部モジュール形状の変更・アビオニクスの刷新・肩部装甲ブロックのスラスター大型化・腰部装甲ブロックへのベクターノズル増設となっている。なお、2機存在しており、それぞれF-18AX1(E型ベースの単座、陸軍運用想定機)と、F-18AX2(F型ベースの複座、海軍運用想定機)となっている。配備予定は2005年を予定。 アフリカ連合 F-4E ファントム Phantom →F-4 ファントム アメリカ本国ではすでに退役しているが、アフリカはBETAによる脅威が低いため、アメリカなどの他国の軍で退役したF-4を安価で購入し、主戦力として再利用するということも行われている。 エジプト陸軍の砂漠仕様機 ミラージュ2000改 Mirage 2000 ダッスオー社とアフリカ連合軍が共同開発中の強化改修型ミラージュ2000。同機を多く保有する北アフリカ諸国の要請により、国連が主導する先進戦術機開発(プロミネンス)計画にて開発が行われている。噴射地表面滑走による高速機動砲撃戦を重視し、近接戦能力の向上も図られている。同計画の比較評価演習(ブルーフラッグ)では、直進加速性能で統一中華戦線の殲撃10型を上回る能力を見せた。 東欧州社会主義同盟 MiG-29OVT ファルクラム/ラーストチカ Fulcrum/Ласточка →MiG-29OVT ファルクラム TEにて、東欧州社会主義同盟所属グラーフ実験小隊が装備。 オーストラリア F-18HMRV スマッシュホーネット Smash Hornet F-18HMRV(high Maneuver Research Vehicle)はF-18/Fをベースにオーストラリア軍とボーニングが共同開発している第2.5世代研究開発戦術機である。BETA支配地域との直接的な接点を持たないオーストラリアだが、南半球最大の経済大国に相応しい国際的影響力を維持するため、アメリカと密接な関係を構築しながら積極的な防衛力整備を進めている。戦術機甲戦力に関しても、国際影響力の観点から海軍の装備拡充が優先されており、機種選定に於いても陸軍仕様と海軍仕様が存在する機体を重視する傾向がある。だが自国の安全保障を、地政学的見地に立ったリスク管理とアメリカとの同盟関係重視の二本柱とし、国防の生命線を東南アジア及びオセアニアの死守としていることから、最新最強の高額兵器には決して手を出さず、経済的効率の追求に加え、将来的にもアメリカの脅威と見なされない範疇の戦力整備に勤めている。F-18Aに続き、F-18E/Fを導入開始したオーストラリア軍は、その主任務戦域のひとつである東南アジアの大東亜連合が進めるAAX計画の情報を入手した。東南アジア防衛は自国安全保障の生命線であり、同地域に於けるプレゼンスの低下は、リスク管理上絶対に看過できない事態であった。オーストラリア政府は同戦域の陸戦に於いてより強力な機動格闘戦能力を発揮できる機体を求め、AAX計画を進めるボーニングの旧マクダエル・ドグラム派閥に打診した。アメリカの対BETA戦略の大転換を機に戦術機需要の先細りが見込まれる中、立て続けに舞い込んだF-18強化策は同社の戦術機部門を大いに喜ばせ、彼らによる、より献身的で積極的な関与を保守した。1997年に要求仕様に基づく研究開発がアラスカの国連軍ユーコン基地(プロミネンス計画)で開始され、AAX計画に先んじて1999年には実証実験機が完成。続く2000年以降は量産試験機による運用試験が同基地にて継続している。オーストラリア軍がF-18HMRVに求めているものは決して少なくない。母艦などを拠点とした渡洋運用は当然のこと、強度を維持しながら軽量化した新素材装甲と、高効率な新跳躍ユニット主機の組み合わせによる省燃費と作戦行動半径の延伸。それに相応するセンサー類の探知範囲の拡大と通信性能の向上。これに加え、同軍の覚悟を示すのが、機動砲撃戦性能は据え置いてでも、近接格闘戦に於ける高い生存性と制圧能力の獲得を優先していることである。遥か遠くの巣から飛来して敵を粉々に打ち砕く――-スマッシュホーネットというペットネームはこの要求仕様に由来する。だが、AAX計画のF-18AXこそが同機が"打ち砕く"べき標的であることは、「調達コストは同時期開発のF-18強化型の何れよりも低くなる」というオーストラリア国防省の公式見解からも明白であろう。主な改修点は以下の通り・新型センサーマスト増設・アビオニクス刷新・跳躍ユニット主機の高効率化・軽量新素材装甲への換装である。配備は2003~2004年を予定している。余談だが大東亜連合の機体とこの機体は本来ゲームに登場予定だったが素材作成の都合上泣く泣くカットされた機体である。ちなみにTE漫画版の「トータルイクリプスライジング」では見開きなど登場している 国連 F-14 AN3 マインドシーカー/ロークサヴァー Mindseeker/РокСова F-14 AN3 マインドシーカー(露名:ロークサヴァー)は、オルタネイティヴ3計画総司令部のオーダーに従いノースロック・グラナン社(米)によって改修・強化された特殊偵察任務専用の複座型戦術機である。オルタネイティヴ3の主目的(人工ESP発現体によるBETAの思考探査)を実効支援するため、計画直属部隊A-01に於ける対ハイヴ強襲偵察機としてF-14Dをベースに開発された。90年に部隊運用が開始され、92年のインド・ボパールハイヴ攻略を目的とした「スワラージ作戦」に於いて初の実戦投入、以降95年のオルタネイティヴ4による計画接収まで世界各地の特殊偵察任務に従事していた。原型機となったF-14最大の特徴であるAIM-54 フェニックスミサイルの運用能力は軽量化と偵察任務専用機である事を理由にオミットされている。また、人工ESP発現体の対BETA思考リーディング支援、及び様々な研究データの採取・蓄積のため、頭部モジュールや両肩部装甲ブロック、両前腕部に多数の複合センサーポッドを装備している。F-14 AN3の管制ユニットは複座仕様であるが、機体の操縦・制御は全て後部の航法管制士官席で行い、前部の兵器管制士官席は特殊偵察要員(人工ESP発現体)専用に改装されている。これは人工ESP発現体が衛士特性に於いても秀でる事例が極めて稀であった事と、集中力を要するリーディング及びプロジェクションに専念させる事を目的とした配置である。また、これに搭乗する衛士たち全員が「化け物に頭の中を見られるのはごめんだ」と、前部に座ることを拒否したことも一因となっている。 対BETA諜報の切り札としてオルタネイティヴ3によって生み出された人工ESP発現体であったが、その特殊能力(リーディング及びプロジェクション)の有効範囲は理論値を大きく下回り、探査対象であるBETAとの距離を物理的に縮める必要が生じた。そこでオルタネイティヴ計画総司令部は「人工ESP発現体1名と多くの観測機器を搭載し、ハイヴ深層部の強攻偵察の後、収集データを無事に帰還させ得る複座機」という要求仕様を策定し、計画の進展に有効な戦略強襲偵察機の開発を求めた。これに対しソ連は最新鋭のMiG-31改修案を提示するが、ハイヴ突入能力と防御力以外にプラス評点が無い事、特に機動性と運動性の不足による生還予測が著しく低い事を理由に却下される。本来、オルタネイティヴ計画に必要な装備の提供はその招致国が担うのが原則だが、ソ連製戦術機の性能に失望した同計画総司令部は、国連を通じて独自に機種選定を開始、最終的にF-14の採用に至った。ソ連主導であるオルタネイティヴ3の実働任務機に、改修のベースとはいえ米国製のF-14が採用された事実は関係各国を動揺させた。この決定には極めて政治的な背景が存在するのではないかとする噂が絶えず、F-14 AN3の実戦運用と整備を担当したのがスフォーニ設計局の技術者であった事が(*1)その信憑性を裏打ちしているなどとまことしやかに言われた。それに対し国連軍総司令部と米国政府は連名で関係各国に公式見解を通達。「ソ連製戦術機の何れもが信頼性と総合性能の面でF-14に劣っているのは公然の事実である」とした上で、「今後この件に対して徒に疑惑を煽る事は反人類的な犯罪行為と見なされ、国連制裁決議の対象となるであろう」と警告し、力業で事態を収束させた。露名のロークサヴァーはミミズクの意(直訳すると岩フクロウ)。頭部モジュールの角状の突起がミミズクの羽角に似ていることからその名が付けられた。跳躍ユニットは多少の出力向上が図られているが、F-14Dとの差異はほとんどなく、むしろゴテゴテ付けられたセンサー類のため空力特性は悪化している。 F-4SP スーパーファントム MUV-LUV REGENERATIVE Vol.04に掲載された、桜花作戦後にボーニング社がF-4"ファントム"を全面改修した準2.5世代型戦術機。 F-4の全面改装構想は1980年代に『フェーネラル計画』として存在していたものの、米国の戦術機メーカーの主導権争いで立ち消えになってしまった。 だが2001年晩秋、オリジナルハイヴ攻略作戦(後の『桜花作戦』)が立案されたことにより状況は一変する。 国連上層部がシミュレーションを行った結果、総戦力の4割損失、特に戦術機戦力は第二世代以降の機体は5割強の損失と、各国の戦力が作戦以前のものに復帰するには最長12年もの歳月がかかることが判明した。 第2世代以降の戦術機生産が遅延ないし停止している間にも、残存するハイヴとBETAの駆逐は継続しなければならないというレポート結果は「After full bloom」と題して各国に共有された。 このレポートを受け、『プロミネンス計画』の主導者であるクラウス・ハルトウィック大佐は同計画で進められていたF-4改修計画『スーパーファントム研究構想』を国連信託計画としてボーニング社に依頼。 原型機からの改修点としては 頭部モジュールセンサーブレードの配置変更 肩部ユニットと腰部ユニットにサブスラスターの追加 肩部ユニットにブレードベーン設置、腕部ナイフシースの大型化 跳躍ユニット主機をF/A-18の物へ換装、フレーム剛性強化とカナード翼追加 となり、一度潰えたフェーネラル計画は、続くBETAとの戦いに備えるべく時を越えて再び蘇ることになる。 所属不明 XF-2000a テュフォーン アージュ公式冊子”exogularity 01”に掲載された第四世代戦術機。 作戦行動領域を1G~0G環境にまで拡大され、専用開発の長刀や突撃砲も用意されているほか、0G空間での活動では携行化された荷電粒子砲を搭載した追加ブースターユニットを装着する。 Me101P フェンリル テュフォーンと瓜二つな外見をした第四世代戦術機。 人類統合体 F-47 イシュクル ISHKUR F-47イシュクルは使節艦隊での運用を前提に開発された、第八世代戦術機である。第七世代機の定義は、Gジェネレーターの装備と、それに伴う10年無補給稼働、外装式荷電粒子砲の運用、重光線級の最大出力照射を15分以上無効とするラザフォード・フィールド展開能力であり、2031年に認定初号機が配備されて以来、戦術機の世代更新は永らく停滞していた。数々の内戦の影響から、新型機への要求仕様が内向きとなり、その間に開発された数々の新型機は定義能力の改良、あるいは上位機種への更新に留まっていた。だが、相次ぐ内戦の疲弊から各勢力に和平締結の機運が高まり、2043年に人類統合体が発足。翌年公表された珪素生命体(シリコニアン)接触計画を受け、派遣艦隊で長期運用するための専用機開発がスタートした。その3年後、トライアルに臨んだF-47実証試験機は0~3G環境下の戦闘運用に対応し、極超長距離荷電粒子砲の運用と完全循環型生命維持装置の搭載に加え、重力勾配航法と短距離空間跳躍の併用による単独惑星間展開能力を獲得。史上初の第八世代認定を受け、統合体宇宙軍の制式採用と共に、シュメールの雷神・イシュクルのペットネームを付与された。なお、完全循環型生命維持装置は、「人類が進化している可能性が非常に高いため、それに合わせた仕様である」とひとりオルタで判明している。また、第四世代機に付随する航宙ユニットを使用しなくても単独で惑星間展開が可能な仕様である。ストライクフロンティアにいち早く登場し、注目を集めている。 戦術機基本機動制御システムブロック図(XM3以前型) ※あくまで想像図であり戦術機の動作を私なりに解釈した結果です。
https://w.atwiki.jp/natsume_e/pages/67.html
32 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 01 34 ID MHvPvQh9 保守がわりに 3-7の続きです 『遠い約束・続』 抱きしめた夏目の肩はまだ小さく震えていて、先生はその背中を宥めるようにそっと撫でてやる。 あの時、追及すればレイコは話しただろうか。それを自ら避けたのはただ聞きたくなかったからだと、今になって先生は気づく。 そう、今更。 「詮無いことだ」 自分に言い聞かせる様に呟くと、夏目が袖で顔をこすりながら鼻声で礼を言った。 「…有り難う、先生」 「何がだ」 「嬉しいんだ。先生がレイコさんの傍にいて、それを大切に憶えていてくれたことが。とても嬉しかったんだ」 すすり上げながら微笑む目元が赤い。 「慣れるより忘れる方が難しいだけだ。私は……瞬きほどの短い間でもレイコに出会えて楽しかったのさ」 彼女の短い生と先生の時がつかの間重なったのは偶然か必然か──それが運命とよばれるのなら、人と妖、その異質なものの間にも運命は存在するのだろう。 ならば、時を隔ててなお人から妖へ、妖から人へと想いも届くだろうか。 「レイコは何を大層なと笑うだろうがな」 あいつは素直じゃないんだ、と先生は苦笑する。 「泣いてなどいたら鼻で笑われた挙げ句、沼辺りに蹴り落とされるぞ」 「…私の孫が情けないわね、ってかな」 「そうさ。しかも棒やなんかで突かれて沈んで、泣くのを忘れるまで上がれん。そういう奴だ」 レイコの優しさは少々たちが悪いんだ、と先生は冗談みたいに口にする。 夏目の泣き笑いも苦笑に変わった。 レイコに瓜二つでも、夏目は彼女がしなかった顔をする。余計なことにわざわざ首を突っ込んでは巻き込まれる。人の為に喜び、妖の為に泣く。誰も傷ついて欲しくないからと自分が傷つく。 だから傍にいるのだ。 彼女と同じく、優しく不器用な人の子の時を見届ける為に。強かった彼女の、揺らいでばかりで頼りない孫の傍らにいよう。 「優しいな、先生も」 ──優しいのね、斑── 二つの声が重なる。人の子、お前達の方がずっと優しいよ。 33 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 02 20 ID MHvPvQh9 「…今夜は良い月だな」 窓からのぞく月を見上げた先生はす、と振り向く。 記憶で形作られた娘の、さらさらと長い髪は月光を反射して銀色に煌めき、夏目を見つめる瞳も同じ月の色を映す。 「先生?」 「…礼を貰うか」 差し伸べた指で夏目の頬にそっと触れるとほんのりとあたたかい。 その意味を悟って夏目が穏やかに笑んだ。 「……また、前みたいになるのか?」 「素面だからな、このままだ」 「ええ?それって問題じゃないか」 「うるさい」 向かい合って戯れてはくすくすと笑う。 「夏目」 頬を撫でていた指をするりと滑らせ、夏目の首筋に両腕を絡めて身を預けると夏目はしっかり抱き留め、甘い香りの髪に顔を埋めた。先生を真似るようにゆっくりと背中を撫でる。 「先生、って呼ぶのはおかしいだろうか」 「構わんさ」 今はレイコでも斑でもないのだから、好きに呼べばいい。夏目の呼ぶ名が今の名になる。 「先生」 額と額を触れ合ってお互いをみつめた。まるで合わせ鏡の様に同じ顔。 先生は夏目に口づける。 始めはそっと合わせるだけで、互いの体温を感じるよう静かに長く。 どちらからともなく唇をついばみ、吸い、前歯の先端に舌を沿わせ、徐々に口づけは濃厚に変わる。滲む唾液を交ぜて舌を擦り合うと苦しさと心地好さで息が弾んだ。 夏目がさらに舌を絡めようとするのを遮り、思うままに唾液を舐めとる。 甘い。 それは、記憶の中の彼女を呼び起こす甘さ。 ──ふふ、お礼よ── ──綺麗ね、斑。この花よりあなたの方がずっと綺麗── 「先生」 気づくと、蘇った声に誘われいつの間にか唇を離していた。夏目の双眸が正面から先生を見つめている。 「先生、いいんだ。忘れる方が難しいんだろう?だから…いいよ」 構わないから、とも気にするな、とも夏目は言わなかった。ただ優しく、芯に強さの光を秘めた瞳でじっと見ている。 「今は先生がいいんだ。…おれが」 お前という奴は本当に、そう呟いた言葉は聞こえなかっただろう。 今夜は。今夜だけはお前達人の優しさに甘えさせて貰おう。 忘れていない彼女を、思い出す夜にさせて貰おう。 すまないな、夏目。詫びる言葉は却って気持ちを踏み躙るだけに思えて飲み込んだ。 それでも──お前は代わりではないよ夏目。勝手な言い草だが、ただ温もりを借りるだけにしたいのだ。 もう一度口づける。ここに、体が、想いが在るのを確かめるように強く。 34 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 03 19 ID MHvPvQh9 「は…」 体を離してつかの間見つめあった。 夏目が先生のスカーフをするりと解き、また唇を重ねた。今度は深く。 「…結ばないでくれよ」 「しないさ」 上衣の裾に手をかけ、両手を上げた先生の腰を横抱きにして脱がせると、露になった白い胸が体の動きに合わせて揺れる。はらはらと流れた髪の間から二つの隆起がのぞく。 スカートのファスナーを下ろし片足ずつ引き出す間も先生はされるがままだ。 夏目は上半身だけ裸になり、全裸の先生を優しく抱いて膝に乗せる。お互いの体温と鼓動を確かめるようにぴったりと肌を寄せ抱き合った。 温もりも心もこうして伝わるんだな、と夏目はそれを教えてくれた少女のことを少し想う。 自分にも伝えられるのだろうかと先生の頬をなぞり、髪にキスし、白く滑らかで華奢な肩を撫でた。とても真摯に、少女がしてくれた様に触れた。 柔らかな胸の先端を口に含みころころと舌先で転がし、軽く吸う。 「ん…」 艶麗で熟れた様な唇から吐息が漏れる。 細く華奢な腰に腕を回し、夏目はその舌触りを貪る。空いた方の手でゆっくりと乳房の感触を愉しみ、指の腹で軽く挟んだまま円を描くとぴくんと先生の体が震えた。それをきっかけに先端に指を宛てると、捏ねて摘んでくりくりと回す。 舌で指で触れているのは胸なのに、太ももの上で開かれた脚と腰が反応する。 乳房の稜線を下になぞり、滑らかな脇腹と脚の付け根をゆっくり経由して、焦らしたそこに到達した。 溢れた蜜を垂らして微かにひくつく襞にそっと指を差し入れる。ちゅくちゅくと淫らな音とともに蜜が流れ、指を絡めとろうと中が蠢く。 「…い、つの間に…やら手慣れた…な」 俯き加減で切なげに息を弾ませ、下肢を震わせる先生の声が甘く悦びを含んでいた。 答えずにぷくりとした突起に粘液に濡れた親指を滑らせ、上下にと撫でるとそこは一層膨れる。両肩に置かれた手に力が込められ、浮き上がりそうになる先生の腰を背に回した腕を下ろして押さえる。 差し入れた指で熱をもった内奥を探り、親指はそのまま何度も突起を嬲ると熱い蜜が手のひらを伝い零れた。 「んっ……ああっ」 こらえきれず白い喉を曝すように反らして先生が声をあげた。少し驚いて夏目が手を止めると、その手首を掴まれ押し倒される。 長い髪が裸の胸をくすぐり、甘い花の香りが漂った。下から見上げる先生の顔は、とろけるような瞳と上気した頬に妖艶な笑みを浮かべていた。 視線をずらせば白い乳房の中心に、自分が愛撫した為に濡れて固く尖った淡紅色の頂きが見える。 35 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 04 08 ID MHvPvQh9 「されるがままでは……もったいない」 先生は夏目の細い首筋から鎖骨の窪みまで丁寧に舌を這わせた。 体を震わせ、息をはいたところを狙ってまた唇を奪う。 項に腕が回り、唇を重ねたまま屹ち上がったものを宛がおうとする夏目の手にそっと手を添え、動きを押し留めた。 唇を離すと不思議そうな顔をしている。それが幼い子どもの様で無闇にいとおしくなり、先生は微笑んだ。 つ、と鳩尾をなぞって降りた両手で夏目のそれを支える。先端をちろりと舐めると夏目が声をあげた。 「…っ!先生っ」 「嫌か?」 指先で突くと透明な液体でつるつる滑り、その刺激に反応した夏目は身を捩る。 「いや、だって…」 「嫌じゃないなら構わんだろう」 「…その」 躊躇う様子についいつもの調子で返すと夏目が怯んだ。先生は心の中で苦笑する。 「私がしたいだけなんだ、お前が私に気を遣うな、夏目。嫌なら嫌、でいい」 「…嫌じゃないけれど」 恥ずかしい、と呟く姿がまた初な娘のようで微笑ましいやら情けないやら。 「妖に人の精気はこの上ないご馳走だ。礼に奢ったと思えばいいさ」 力を抜け、と髪を掻き分け安心させるように額と瞼に口づける。夏目がくすぐったそうに目を閉じるのを確認して唇から首筋、鎖骨、薄い胸、と舐めつつ股間へ降りていく。 まだ屹立していたものを指を絡めて掴むと、夏目が僅かに腰を揺らして上半身を起こす。 軽く開いた唇で挟みこむようにして口に含むとちゅぷ、とくぐもった水音がした。先端をちろちろと舐め、唾液を舌で塗りつけながら吸い上げる。ちゅく、ちゅくと浅く上下しただけで夏目の体はびくんと反応する。 反り返った裏側の筋に沿ってゆっくりと舌を這わせ、また先端に戻って窄めた口と舌先で小刻みに吸う。 流れて落ちる粘液を包むように形作った手のひらで擦りつけ、口の動きに合わせて上下に扱いた。 「…っん」 夏目自身をくわえたまま上目遣いに見ると、握った右手の甲で口元を押さえ目を閉じて眉間に皺を寄せている。既に限界なのかもしれない。 ちゅぱ、と口を外すと顎にまで唾液が滴りそうになるのを舐めとって、先生は言った。 「我慢するな、飲んでやるから」 「な…の、飲む、って」 夏目が目を見開く。初なのかそうでもないのかわからん奴だ。 「そういうものなんだ」 36 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 05 27 ID MHvPvQh9 くぷと柔らかい唇の間にまた夏目の自身は飲み込まれる。途端に襲う快感に体が震えた。 目をやった先、夏目の両足の間では髪が顔にかかるのも構わず、先生が屈み込んでいる。 自分と同じ顔、その紅い唇が艶々と濡れて蠢く官能的なさまに、また下半身が屹ち上がった。 口の中はぬるぬるとして温い舌がねっとりと絡みつき、唇を窄め吸って締めつけられては解放され、形に沿って根元から舐め上げられると気持ち好さに声も出ない。 喉の奥深くまで押しつけられ、狭く締まる粘膜がまとわりついたと思えばじゅるじゅると音を立ててひき上げられる。 キスをする様に先を吸われ、唾液でたっぷりと濡れた口の中に深くくわえ込まれ、唇も白い指先も激しく動いてそこを扱く。 すぐに限界は訪れ、放たれた精気は先生の喉に飲み込まれていった。 口の回りから手のひら、夏目の先端まで一滴残らず紅く卑猥な舌に舐めとられる。最後に唇を人差し指で拭う仕草も妖しく美しい。 「美味だったぞ」 「じゃあ次は…おれの番だな」 肩を引き寄せ抱きしめる。 「…無理せんでいいぞ、疲れてしまう」 夏目の体を労り、かつ夏目と少女の気持ちを慮っての言葉だろう。 ほらやっぱり先生も優しい、レイコさんのこと言えないじゃないかと夏目は思った。 「平気だ」 そっと押し倒してもう何度目かわからないキスをする。まだ屹ったままのものを片手で支え、空いた手で投げ出された手を握ろうとしたらするりと逃げられ、肩に誘導された。 何故、と見るとそれは少女にとっておけ、と言われ、その気遣いに夏目は返す言葉もない。 ならせめてこの妖に、レイコさんに及ばずとも温もりを伝えたい。自分に出来ることはそれくらいしかない。 そっと中に挿入る。夏目の愛撫から時間が経っていたがまだ中は十分に濡れていて、襞が不規則にひくつきながら絡んでくる。 少し動いただけで蜜は量を増し、繋がった部分から湿った音が響く。 先生が喘いだ。動きを早めると、ぬるぬると滑る中で時折きゅっと締めつけられる感覚が増える。 掬う様にして先生の体をまた抱きしめ、顔に貼りついて乱れた髪を耳にかけてやり背に流し指で梳いて、撫でた。何度も。 夏目は、貰ったあたたかさを伝えたかった。 37 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 10 46 ID MHvPvQh9 痺れるように続く快感と浅い呼吸の中、繋がったまま抱きしめられ髪を撫でられて、先生は気づいた。 これは──あの時、自分がレイコにしたことだ。 ただ彼女がいとおしくて抱きしめ、辛さを和らげてやりたくて髪を撫でた。 同じことを夏目は何も知らずに自分にしている。 その髪を撫でる手から、抱きしめられた腕から、密着した胸から、一つになった部分から、伝わってくるものがある。 あたたかいそれは、彼女と同じ温もり。 ああ、そうか。 傍らにいてやるのではないのだな。共に傍にいるのだ。 わかったよ、レイコ。夏目。 知らぬ間に閉じていた瞳を開くと途端に快感が押し寄せ、先生は絶え間なく喘ぐ。胸に直接感じる夏目の鼓動も耳朶にかかる息も荒い。 「…夏目、」 嬉しいでもない。有り難うでも足りない。その言葉にならない言葉は、想いとなってこのひたむきな人の子に届くだろうか。 「夏目」 先生は一層強く抱きしめられた腕の中で、夏目が果てるのを感じた。 「…眠ったか」 膝の上に片頬を預けて、夏目は安心したように静かな寝息をたてている。その寝顔にレイコの面影は見えない。 同じ顔でもやはりこの二人は違うのだ。 ふと、涼やかな風に前髪が揺らぎ先生は窓辺に首を巡らすが、カーテンはそよとも動いていない。 目を戻すと膝の上の夏目の髪がすっと撫でつけられた。一度、二度。眠ったままの夏目が微かにくすぐったそうな顔になる。 「……いるのか?」 妖の気配はない。軽やかな笑い声が小さく響く。 ──私の言った通りね、斑。 「顔くらい見せたらどうだ」 返事は無い。 「…レイコ?」 夜の帳から鈴の様な声が流れ出て、先生の耳元をそっと通りすぎた。 ──ありがとう。 夏目の髪にいつの間にか花が一輪指してある。 薄闇の中で淡くゆったりと薫るそれは、桔梗。 38 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 11 52 ID MHvPvQh9 思い出したのは封じられる数日前の情景だ。 秋も終わりかけの空は高く澄んで、ひんやりとし始めた風が敷き詰められた落ち葉をさらっていく。 かさかさ、と柔らかな絨毯を踏む音が日向を探して微睡んでいた私に近づいてくる。 普段なら藪から飛び出して来たり、木から突然昼寝中の背に飛び降りたりと唐突に現れるレイコが、その日はどういう訳か野の花など抱えのんびりと歩いて来た。 まだ暑い頃から暫く姿を見かけずにいたが、夏風邪にでもかかったかとさして気にも留めなかったのだ。人との間で何かあれば大概森に隠れ、ついでに妖をからかっていく様な奴だったから。 「こんにちは、斑」 「…久しぶりだとお前でも殊勝げに見えるものだな、レイコ」 そう、と微笑った頬にいくらか陰がある。顔が埋もれる程抱えていた野の花を一度に空へと放った。ぱらぱらと散るのは錦の花弁。野菊、萩、女郎花、桔梗に梅鉢草。 「はい、おみやげ」 「…みやげというならせめて束ねて渡せ」 「細かいわねえ。この方が花飾りみたいで綺麗じゃない。…綺麗ね、斑」 レイコは足元に落ちた桔梗を髪に指し、私の体に一輪ずつ花を飾ると指先から服から移り香が漂う。横目で見た肩が薄く、元から華奢だった体が一回り小さくなったようだった。 「この花よりあなたの方がずっと綺麗」 「当然だな。それより…考えてきたか」 「まだよ。結構難しいんだもの」 そう答えるとずり落ちるように私に寄りかかって座った。髪からも匂う花の香りの中に、僅かに嗅ぎ慣れないものを感じた気がして身を引く。 それがしばらく姿を見せなかった理由に思えたが、首を突っ込むのも躊躇われて開きかけた口を閉じた。 レイコはそんな私に構わず問いかける。 「ねえ。あの時どうして食べなかったの?」 「さあな…気紛れだ」 「そう。……やっぱり人も妖も同じね」 「何だ、藪から棒に」 「難しくて好きになれないってこと」 「ほう、何を今更。どうした、好きな奴でも出来たか?」 まさか。くすくすと笑うレイコは拾った落ち葉を指先で摘んで回している。ひらひら、くるくると紅葉の紅がひらめく。 しばらくお互いに黙ったままで、少しずつ陰っていく陽を眺めていた。寄りかかられ接触している一部分だけがじんわりと温かい。 私もレイコも、今日、こうするためだけにここに来たような気がした。 そうして私の体が日向から追いやられた頃、レイコが口を開いた。 「私、妖達の名を集め過ぎちゃったみたいなんだけれど」 「…いびり過ぎたの間違いだろう」 何を無邪気に、そう返すとレイコは心底楽しそうに笑った。 「ふふ、呼びきれないし返すのももったいないわよねえ」 「ふん、なら誰かにやればよかろう。妖は皆我先にと欲しがるぞ」 「そうね、誰がいいかしら。斑、いる?」 私はため息をついた。まだこいつは勝負するつもりなのか。もうお前に私の名は必要ないだろうに。 「勝負にはのらんぞ。妖が嫌なら…お前の子どもか孫にでもやったらどうだ」 残念、レイコは落ち葉に後ろ手をついて大げさに暮れかけた空を仰ぐ。何故か嬉しそうな顔だった。 「騙されないか、斑は。そうね……素敵なことを考えついたみたいよ私。二日待って頂戴」 突然服の落ち葉を払って立ち上がると、綺麗な声で歌うように言った。 「またね、斑」 さくさくと落ち葉を踏む軽い足音が少しずつ遠ざかっていく。私は何も言わず見送った。 わかってしまったからだ。 レイコがした事の意味が。先程自分が身を引いた訳が。 そしておそらく──もう彼女にもどうしようもない事なのだと。 39 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 16 09 ID MHvPvQh9 翌朝、目覚めた夏目は傍らに座る昨夜の姿のままの先生を見上げた。 「先生。おれ、夢でレイコさんに会ったよ」 「そうか」 「妖達に名を返してもいいのか聞いたんだ…レイコさんの大切な友人達だろうって」 先生が夏目の髪に手を伸ばしをゆっくりと撫でる。いとおしげに、静かに。 「レイコさん、笑ってたよ。それから、先生みたいに撫でてくれた。友人帳はもう夏目貴志のもので、そこに名のある妖達は貴方の友人なのだから、思うように使えばいいって」 「友人帳を遺してくれて有り難うって言ったら、良かったわ、斑がいるなら大丈夫よって。ずっと撫でてくれたんだ。夢なのに…すごく、暖かかった」 一気に喋った夏目は息をつき、しばらく逡巡するように瞳を揺らしてからぽつり、と問う。 「…レイコさんは先生が好きだったのかな」 「さあな」 先生はまだ髪を撫でてやりながら素っ気なく返す。夏目が彼女の想いを知る必要は、まだないのだ。 「約束、思い出したら言ってくれ。おれが代わりに出来ることならするから」 問いかけに手を離した先生は呆れた表情を浮かべ、軽く髪をかきあげる。 はあ、と大仰なため息をついてから夏目は思いっきりはたかれた。 「それを酔狂と言うのだ、阿呆が。人が妖に情けをかけてどうする。逆もまた然り、まったく何度言えば解るんだお前は」 「はは…ごめん。でも、でもさ先生。おれ…レイコさんの」 続けようとした言葉は先生の唇で遮られた。頤に指がかかり仰向いたところを掬うように重ねられる。 「お前を代わりにした覚えなど一度もないぞ」 離した唇を軽く舐めた先生は、少しは自分を大事にしてみろ、とまたため息をついた。 「それに…約束はもう果たされているさ」 ──だって、私の── 「何のつもりだ、これは」 体の要所に貼りついた紙切れで身動きのとれない私の目の前には、荒縄を携え札をくわえたレイコが立っている。今にも雨粒が落ちてきそうで辺りは暗く、風になぶられる長い髪と紅い唇がいやに目についた。 「約束を果たしに来たの」 「約束だと?…お前、友人帳はどうした」 「結界を張って隠したわ。私にはもう使えないから」 「どういうことだ」 「私ね、あの時斑に食べて欲しかったの。本当よ?でもあなた食べないんだもの」 レイコが困ったように笑う。その間も私の足元に描かれた図形が拡がっていく。 「私を…封じる気か」 「お願いね、斑。まもって欲しいものがあるの。いっそ私が妖だったら良かったのだけれど……でもあなたがいれば大丈夫だわ。きっとさみしくない」 「レイコ、待て。何を言っているんだ」 「その子がいいといったら友人帳はあなたにあげる。きっと逢えるわ、だから」 ざあっ。一段と強い風がとうとう雨を呼んできた。ぽつりと落ち始めた雨粒は瞬く間に土砂降りに変わり、殆ど葉の残っていない木々と地面、私の純白の毛並みを叩く。 数枚の呪符とスカートの裾が風に翻り、レイコは伸ばした指に挟んだ呪符に向かい、低い声で何事かを呟いてそして。 それはそれは綺麗に、大輪の花が開く様に笑った。 「ふふ、ごめんなさい。これが約束の『暇潰し』よ。きっと退屈する暇なんてないわ」 嵐を遮って足元から風が巻き起こる。体を包むまばゆい光の向こう側から、レイコの声が届いた。 「だって……私の孫だもの」 40 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 17 28 ID MHvPvQh9 「貴志くーん、ごはんよー 「はーい」 布団を押し入れにあげながら夏目が返事をした。先生は丸くなっていたお気に入りの座布団から立ち上がり、ぽてぽてと障子戸に向かう。 「ん?…あれ?」 背後で襖を閉めた夏目が戸惑ったような声を出した。 「先生、あのさ。…もしかしてなんだが」 先生が首だけで振り返ると、足を止めたままの夏目の瞳に微かに怯んだ色が浮かんでいた。 「おれ……まさか先生の孫じゃないよな?」 「お前は本っ当にどん臭いな」 「なっ…」 はああああ、と先生は空気が抜けて風船みたいに真っ平らになりそうな勢いでため息をつく。わざとだ。 「阿呆が。それくらい匂いでわかるわ!お前のような軟弱者に私の血が流れているわけがなかろう。どうしてお前はそう単純なのだ。もういっぺん言ってやる、この阿呆!」 「純粋に疑問に思ったから聞いたのに、阿呆とはなんだ!」 「阿呆だから阿呆と言ったまでだこの阿呆!」 「くっ…原因は先生の説明が足りないからだろう…このエセニャンコ!」 「言うに事欠いてエセとはなんだ失敬な!それ位言われぬまでも悟れ!鈍感モヤシ!」 「どっ…鈍感?!言ったなデリカシーゼロニャンコ!」 普段通りに言い返している風に見えても、夏目はまだ揺らいでいる。その気持ちは解り過ぎる程に解った。 不安の理由、それは───自分は人外なのか。 いわれのない悪意を向けられ疎まれ続け、やっと見つけた居場所が一瞬で崩れる様に感じたことだろう。ただでさえ不安定な夏目の世界が、さらに不確かなものへと変化してしまうのだから。 「…案ずるな、情けない奴だ」 敢えて素っ気ない口調で先生は続けた。慰めてやらずとも、お前はもう大丈夫だろう。そんな想いを込める。 「レイコにだって好いた男はいたさ。名も顔も知らんがな。……先に言っておくがお前が気にすることではない。くよくよ悩まれると鬱陶しくてならん」 「…ああ」 息をするのを忘れていたというように、夏目が深く息を吸った。 「でも、先生とならそんな繋がりがあっても良かったかな。…ちょっとだけ」 「こっちは願い下げだ。下らんことを言う暇があるなら少しは面倒に関わる悪い癖を何とかしろ、阿呆」 貴志くーん、遅刻するわよ、と塔子が階下から夏目を呼ぶ。 「ほれ、朝めしが冷めてしまう。行くぞ」 そうだな、いつか話す時も来るさ。 今のお前は、手にしたものを自分から離さずにいるので精一杯だろうから。 レイコの話を聞きたくなったらまた教えてやろう。 私はずっとお前の傍にいるのだからな。 レイコも言っていただろう?だから。 「大丈夫だ」 どんなことでも。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4277.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 二四四 君は食堂の裏手にある調理場を訪れる。 焼ける肉や湯気を立てるスープの、よい匂いが立ちこめている。 白い筒型の帽子をかぶり白衣をまとった料理人らの手によって、夕食の下ごしらえが進められているところだが、今はまだそれほど忙しくはないようだ。 調理場の片隅の椅子に腰掛けて、手の空いている何人かの料理人たちと談笑していた太った中年の男――料理長のマルトー――が君に気づき、人懐っこい笑顔を見せる。 「おお、どうした? 今日はなんの用だい? あんたなら、たとえ用がなくても大歓迎だがね。このあいだ聞かせてもらった、『ロガーンとトロール』は傑作だったぜ」 君は、とある珍しい果物を探しているのだとマルトーに告げ、ブリム苺の特徴を説明する。 ブリム苺は奇妙な果物で、普通は人間も動物も食べようとはしない――鼻をつくひどい匂いがするためだ。 だが天然の良薬であり、早めに口にすれば、悪性の流行り病すら抑える効き目がある。 君の説明にマルトーは首を傾げる。 「俺はハルケギニアで採れる果物なら、そこらの野苺から東方原産の珍種まで知りつくしているつもりだが、そんなものは聞いたことがねえなあ」 マルトーはブリム苺のことを周囲の料理人や給仕たちにも訊いてくれるが、皆そろってかぶりを振るばかりだ。 君はマルトーに礼を述べると、調理場を出ようとするが、そこで奉公人の少女、シエスタと鉢合わせる。 「まあ、ミス・ヴァリエールの使い魔さん! お久しぶりです、もうお帰りですか?」 少女はそう言って微笑みかける。 「ちょうどいい。シエスタ、ブリム苺ってのを知らねえか?」 マルトーが、君のかわりにシエスタに問いかけてくれる。 ブリム苺の特徴を聞いてすぐ、シエスタがはっとした表情で君を見る。 「それってもしかして、ブリュヌベリーのことですか?」 思わぬ答えに驚いた君は興奮し、彼女の両肩をつかむと、詳しい話を聞かせてくれと大声を出す。 「い、痛いです……お話ししますから……」 シエスタの弱々しい声を聞いて慌てて手を離し、自らの行いを詫びる。 シエスタは驚きさめやらぬ表情で言う。 「いえ、お気になさらないでください。……ええと、ブリュヌベリーはわたしの故郷、タルブの村のそばの草原に生っているんです。薬になるので、 うちの家ではしぼり汁を瓶に詰めて常に何本か保存しているんですよ。 わたしも子供のころ母に飲まされたことがあるんですが、ものすごい匂いと味でした。≪水≫の魔法で作られた薬ほどじゃないけど効き目は確かで、わたしも一晩で熱が下がっちゃいました。 ……でも、できれば二度と飲みたくないですけど」と。 話を聞く限り、ブリム苺とブリュヌベリーは同一のものと見てまず間違いなさそうだ。 君が、代金は払うのでそのブリュヌベリーの汁をいくつか譲ってはもらえぬかと尋ねると、シエスタは笑顔で 「はい、それじゃあ家に手紙を送りますね。ちょうど、そろそろ仕送りを出そうと思っていたところなんです」と答えるが、 それでは遅すぎる。 タルブまで直接薬を取りに行きたいので、簡単な紹介状を書いてはもらえぬかと言うと、シエスタは怪訝な表情をする。 「そんな……往復の旅費を使えば、もっといい薬が買えますよ? なにもわざわざ出向かなくても」 君は、とにかくその薬が急いで必要なのだと言う。 シエスタはしばらく考え込むが、やがて意を決したように 「それなら、わたしもお供します!」と叫ぶ。 「うちの家族はお人よしばかりですけど、いきなりよその人がやって来たら警戒して、薬を出し渋るかもしれません。たとえわたしの紹介状を見せても、信用してもらえるとは限らないし。 だから、わたしが直接、使い魔さんを家族と村のみんなに紹介します」 シエスタの言うことには一理あるが、彼女には彼女の仕事があるはずだ。 そのことを尋ねると、シエスタは 「大丈夫です。使い魔さんのお手伝いのためなら、いつでもお休みをいただけます。そうでしょ、マルトーさん?」と、 興味津々で君たちの話を聞いていた料理長に呼びかける。 マルトーは笑顔でうなずく。 「おう、行ってこいシエスタ。そこの旦那のお役に立ってきな」 シエスタはそばかす混じりの顔をほのかに紅潮させる。 「もう! いやですわマルトーさん、旦那様だなんて。あの、それで……出発はいつですか?」 シエスタの問いに、おそらく明朝になるだろうと答えると、調理場をあとにし図書館へと向かう。 このことを、早くルイズとタバサに伝えねば。一三九へ。 一三九 シエスタの故郷であるタルブの村の近辺にはブリム苺らしき植物が自生しており、彼女の家ではそのしぼり汁が薬として用いられている――君が調理場で得た情報を知らされたタバサは、 「明朝、門前で。シルフィードに乗って行く」と言ってすっくと立ち上がると、 そのまま図書室を出て行く。 本心では今すぐにでも出発し、難病に苦しむ家族を救うかもしれぬ薬を手に入れたいところだろうが、同行する君とシエスタのことを、彼女なりに気遣ってくれたのだろう。 平原が、森が、川が、丘が、眼下を過ぎ去ってゆく。 君たちは今、シルフィードの背に運ばれ、タルブへと向かっているのだ。 こうやって竜の背にまたがるのは二度めであり、慣れのおかげで墜落の恐怖も前回より薄れてはいるが、それでも気は抜けない。 同乗者のうちふたりと一匹――ルイズとシエスタ、そしてキュルケの≪使い魔≫である火狐――は魔法が使えぬため、うっかり転落すれば命はないのだから。 タバサの≪使い魔≫シルフィードの背中はそれほど広いわけではなく、少女ばかりとはいえ、人間が五人に獣が一匹も乗れば、もはや脚を伸ばす余地もない。 一行の中で最も大柄な人間である君は、少女たちの邪魔にならぬよう小さく縮こまっている。 本来タルブへ向かうべき顔ぶれは、シルフィードの主人であるタバサ、ブリム苺を知る君と、タルブの家族に君たちを紹介してくれるシエスタの三人だけで充分なはずなのだが、 どいうわけかルイズとキュルケまでついて来たのだ(キュルケは火狐まで連れている)。 ふたりに理由を問いただしたところ、キュルケは 「だって、おもしろそうじゃない。この前のあなたたちの旅には同行できなかったけど、今度の機会はのがさないわよ」と嫣然とした笑みを浮かべ、いっぽうルイズは 「使い魔が主人の眼の届かないところで変なことしないように、監視につくだけよ」とふてくされた口調で言う。 ふたりとも、学院の授業を無断で欠席することについては、なんら気のとがめるところはないらしい。 もっとも、順調にゆけば夕方にはタルブに到着するはずなので、村に一泊するだけですぐに戻ることができる――ルイズたちの欠席とシエスタの休暇は二日だけで終わるだろう。 背中にかかる重みをものともせず、シルフィードは力強くはばたく。 空飛ぶ竜の背に乗るなどという生まれて初めての経験に、最初は悲鳴を上げて騒いでいたシエスタだが、すぐに慣れたようで 「すごい……街道を見てください、荷馬車でいっぱいですよ!」などと、 眼下に広がる光景を楽しむ余裕さえ生まれている。 彼女の言葉にしたがっておそるおそる視線を下げた君は、ラ・ロシェールへと向かう街道に多くの馬車があるのを見出す。 その車列は隊商にしては規模が大きすぎる。 「戦の準備ね。あと三週間もすれば、アルビオン解放の軍がラ・ロシェールから飛び立つから」 ルイズが君のほうを向いてそう言うと、キュルケも 「ラ・ロシェールは、アルビオンに最も近くて最も大きな港だからね。今はトリステインとゲルマニアを中心とした、諸国連合艦隊の根拠地になってるはずよ」と説明する。 街道を進む何台もの馬車は、軍隊のための食糧や武器、そのほか雑多な物資を運んでいるのだろう。 アルビオンへの出征の日が近づけば、徒歩(かち)で行進する数千の兵がこれに加わるはずだ。 「戦……ですか」 シエスタが気落ちしたように呟く。 「始まったら、貴族の皆様だけではなく、平民の兵隊もいっぱい死んでしまうんですよね。それに、アルビオンの人たちも。本当に必要なんですか? まだ、アルビオンがトリステインに攻め込んできたわけでもないのに」 「当然でしょ! ≪レコン・キスタ≫の恥知らずな謀反人たちは、始祖の末裔たる王様を殺めて、今もウェールズ皇太子殿下や民衆を苦しめているのよ。 これはアルビオンを解放する、大儀ある戦いよ!」 ルイズに一喝されてシエスタは押し黙り、竜の背の上を気まずい空気が流れる。 「そんなに心配しなくても大丈夫よ」 キュルケが明るい声でシエスタに話しかける。 「連合軍の兵力は圧倒的、内乱でくたびれたアルビオン一国じゃどうにもならないわ。決着はあっさりついて、すぐに平和が戻ってくるわよ」 「それでも……わたしは戦はいやです。ミス・ツェルプストーは、その……失礼ですが、なんだか楽しそうですね」 「我がツェルプストー家はゲルマニア屈指の武門、戦で成り上がってきた家系。ツェルプストーに生まれたからには、たとえ女子供でも、戦いの炎を 恐れたり嫌ったりするわけにはいかないのよ……本心はどうあれ、ね」 「はあ、貴族の皆様も大変なんですね」 そんなやりとりを聞きながら、君はもう一度街道を見下ろす。 ラ・ロシェールに近づくにつれ、荷馬車の数は増えている。 君の故郷である≪旧世界≫は荒っぽい土地柄とはいえ、≪諸王の冠≫の貸与を軸として発足したフェンフリー同盟よって秩序がもたらされていたため (王冠を大魔法使いに盗まれたアナランドの恥は大変なものだ!)、本格的な戦は絶えてひさしい。 遥か空の彼方の『白の国』では、数万の軍勢同士が正面から衝突する、君には想像もつかぬ規模の大戦(おおいくさ)が始まろうとしているのだ。二〇へ。 二〇 陽が傾きだしたころ、ルイズが前方を指さして叫ぶ。 「見て! ラ・ロシェールの桟橋よ!」と。 その言葉に従って眼を凝らすと、彼方の山の上に小さく枯れ木が見える。 それはこの距離から見れば一インチにも満たぬ高さだが、実際は丘ほどもある、信じがたい高さの大木なのだ。 十日ほど前に見てきたばかりだが、何度見ても圧倒される巨大さだ。 さらに近づくにつれ、四方八方に張りだされた大木の枝に、いくつもの白い花めいたものがついているのを見出す――実際はそれは花ではなく、空飛ぶ船の帆だ。 これだけ離れていては区別がつかぬが、そのほとんどが戦のためにかき集められた軍艦と輸送船なのだろう。 無言でラ・ロシェールの桟橋を見つめていた君たちだが、意外な人物の意外な一声を耳にする。 「北西から風竜が二匹」 声を発したのは、道中ずっと沈黙を保っていたタバサだ。 彼女が杖の先で指し示したほうに眼をやると、二匹の翼をもつ生き物がこちらに向かって飛んでくるところだ。 相当な速さで空を翔けているようで、その姿はみるみるうちに大きくなる。 「こんな人里近いところを野生の竜が飛んでいるはずもないし、竜騎士かしら」とルイズが言うと、 キュルケは落ち着き払った口調で 「今、背中が光ったわ。鎧を着た人間を乗せてるわね。でも、こっちになんの用があるのかしら?」と疑問を口にする。 悠然とした貴族の少女たちとは対照的に、シエスタだけは 「だ、大丈夫ですよね? なにもしてきませんよね? わ、わたしたち、なにも悪いことしてませんものね!?」と、 おどおどした様子を見せる。 そのまま相手が近づいてくるのを待つか(三〇六へ)、タバサに逃げるよう指示を出すか(二一四へ)? 三〇六 近づいてくるにつれ、二匹の竜とその乗り手たちの姿がはっきりと見えるようになる。 青い鱗をもつ竜――風竜と呼ばれる、飛ぶことに優れた種らしい――はシルフィードに似ているが、ずっと大柄でがっしりした体格のため、ごつごつした印象を与える。 その背中にまたがり手綱をつかむのは、鎖帷子と青いマントをまとった騎士だ。 腰にはワルドが使っていたものと同種の、刺突剣に似た誂(あつら)えの杖を差している。 ふたりともサレット兜をかぶっているので、面貌であらわになっているのは口元だけだ。 二騎の竜騎兵は、君たちの乗ったシルフィードの左右に並ぶと、そのまま速度を合わせて飛ぶ。 右側の竜に乗る騎士が片手を挙げ、掌を下に向けると腕を上下に振る。 地面に下りろという指示のようだ。 「な、なにもしてないのに……すぐに解放してもらえますよね!?」 シエスタがおびえた声を出す。 「心配ないわ、こっちは≪トライアングル≫がふたりにダーリンも居るし。闘えばまず勝てるから」 「え、ええっ!?」 キュルケの冗談を真に受け、頓狂な声を上げる。 シルフィードは広々とした草原に舞い降り、竜騎兵の片方がそれに続く。 もう一騎の竜騎兵は君たちの頭上を旋回し、周囲を警戒している。 シルフィードから降り立った君たち五人と一匹に、騎士が近づいてくる。 「我々はラ・ロシェール鎮守府(ちんじゅふ)防空隊だ」 威丈高に騎士は言うが、その声は若々しい少年のものだ。 おそらく、ルイズやキュルケと同年代だろう。 「その格好は、魔法学院の生徒と下僕か? ラ・ロシェールにいったいなんの用だ? あそこは今、諸国連合艦隊の根拠地だ。怪しい奴らを近づけるなとの命令が出ている。 きさまたちの姓名と目的を話してもらおうか」 騎士のぶっきらぼうな詰問に、ルイズの表情がみるみる険しくなる。 ルイズは怒鳴ろうと口を開くが、キュルケのほうが先に動く。 「ゲルマニア貴族、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。彼女がミス・タバサで、こっちがミス・ヴァリエール。 行き先はラ・ロシェールじゃなくて、その先のタルブ。これでいいかしら?」 そう言って、騎士に流し目を送る。 「ゲルマニアのフォン・ツェルプストーにヴァリエール……まさか、ラ・ヴァリエール公爵の?」 「三女よ。そちらも名乗っていただけるかしら、騎士さま?」 ヴァリエールの名を聞いて騎士が動揺したのを見て、ルイズは余裕を取り戻す。 若き騎士は慌てて兜を脱ぐと一礼し、 「失礼いたしました、トリステイン空軍竜騎士、ルネ・フォンクと申します。空からラ・ロシェールに近づくものは、すべて誰何するように言い渡されておりまして……」と弁解する。 あらわになった顔を見てみれば、小太りで人のよさそうな少年だ。 キュルケは微笑む。 「気にしないで、あなたは立派に任務を果たしているだけなんだから。それにしても、ずいぶん厳重な警戒ね。アルビオンが先手を打って出てくることなんて、まずないでしょうに」 「我々が恐れているのは艦隊より間諜です。船に火を放たれたりして、闘いの前に損害を出すことは避けたいですからね。アルビオンは三日前にハルケギニアの諸国と完全に断交して貿易商を追放、 港を封鎖したため、今では商船の一隻もやってきませんが。 封鎖は徹底したもので、噂によると一羽の伝書鳩でさえ撃ち落されてしまうとか……」 思わぬところでキュルケのような美人と出会って気が緩んだのか、ルネという名の少年騎士は聞かれていないことまでぺらぺらと喋り続ける。 「クロムウェルはなにを考えているのかしら」 ルネと別れ、ふたたびタルブへと向かうべく飛び上がったシルフィードの上で、ルイズは思案にふける。 「いくらアルビオンが過去に一度も侵略を受けたことのない難攻不落の大陸だからって、ハルケギニアのすべての国を敵にまわしちゃったらおしまいよ。 最強と言われてる艦隊と竜騎兵だって、内乱で数が減ったはずだし、なにより食糧が不足しているはずだわ。 それなのに、外交も貿易もやめて浮遊大陸に閉じこもるなんて。こっちがなにもしなくても、日干しになっちゃうわ」 そう言って溜息をつく。 「アルビオン全体を巻き添えに死ぬつもりかしらね」 キュルケのなにげないひとことに、ルイズが息を呑む。 「まさか、そんな……」 「そもそも、ハルケギニアを一つにまとめてエルフから聖地を奪回しようという考えが、正気の沙汰じゃないのよ。狂った王様……じゃなくて、クロムウェルの肩書きは議長だか総司令官だっけ? とにかく、頭のおかしい人間が支配する国ってのは悲惨よね。まともなことをしたら罰せられるんだから」 その言葉を聞いて、タバサがちらりと君たちのほうを見るが、すぐに正面に向き直る。 夕陽が山の稜線にかかろうとするころ、草原と森の境目に築かれた集落が見えてくる。 「タルブの村です! まさか、竜に乗って帰ってくることになるなんて! 父さんたち、腰を抜かさないといいけど」 喜色満面のシエスタが叫ぶ。一九三へ。 一九三 奉公に出た村娘が、三人の貴族の令嬢とともに竜に乗って村に帰って来たので、普段は静かであろうタルブの夕べは大変な騒ぎとなる。 広場には人だかりができ、村人たちは遠巻きに貴族の少女らの一挙一動を見守っている。 村人の大半は、貴族といえば尊大な官吏か医者くらいしか見たことがないらしく、ルイズたちを覗き見ては 「見てごらん、なんてお綺麗な。まるで妖精だよ」 「シエスタの奴、すごい方たちとお知り合いになったもんだな」などとささやきあっている。 ひどく恐縮した村長がルイズたちをもてなす一方、君とシエスタは用を済ませるべく彼女の生家へと向かう。 シエスタが生まれ育った家は、二階建ての大きな農家だ。 彼女の家族――いかにも農夫といった風情のがっしりした体格の父親、おとなしいが芯の強そうな母親、そして七人の弟や妹たち――が、驚きと喜びの入り混じった表情でシエスタを出迎える。 彼らは、シエスタのすぐ後ろに立つ君の存在に気づいて疑わしげな視線を浴びせてくるが、シエスタが 「わたしが奉公先でお世話になってる人よ。ずっと遠くの国から来た商人さんなんだって」と紹介すると、 たちまち相好を崩す。 君はシエスタの家族に挨拶して名を名乗り、自分たちはブリム苺(またはブリュヌベリー)の汁を買い取りに来たのだと告げる。 「ああ、あのひどい匂いのする薬か? ワインと一緒に何本か置いてあるはずだ。おい、あるだけ持ってきてくれ」 シエスタの父は少年のひとりに指示を出す。 「ちょっと待ってな。それにしても、あんなものが欲しくて学院から文字通り飛んで来るなんて、あんたらももの好きだね。貴族さまの気まぐれか?」と言うシエスタの父に君は、 その薬の原料となる果物はこの辺りでしか見つからぬ、大変珍しいものなのだと説明する。 「そういえば、じいさんが来るまでそんなものは誰も知らなかったって話を聞いたことがあるな……」 シエスタの父がひとりごちる。 ほどなく、シエスタの弟である少年が四本の瓶を抱えて戻ってくる。 君は断りを入れると、水薬の瓶のコルク栓を抜き、匂いを嗅ぐ。 臭い! この強烈な匂いは、間違いなくブリム苺のものだ! 君はブリム苺の汁が入った瓶を、三本買い取ることにする。 タバサの家族のために一本、ルイズの姉のために一本、自分用に一本――最後の一本は、もしもの時のために、この家に残しておいたほうがよいだろう。 思わぬ臨時収入(代金の金貨は、出発前にルイズとタバサが君に渡してくれた)を得て頬の緩みを隠し切れぬシエスタの父だが、急になにかを思い出したような顔をすると、 「……あれが読めるかも」と呟いて部屋を出てゆく。 数分後に戻ってきたシエスタの父は 「あんた、ずっと遠くの国から来たんだってな。もしかして、これが読めるんじゃないか? 私の祖父が書いたものなんだが、 『ハルケギニアの外の世界からの旅人が村を訪れたら、これを見せてみるように』って遺言を遺したんだ」と言って、 二つの羊皮紙の巻物を君に見せる。 片方の巻物を拡げてまじまじと見つめる。 見たこともない複雑な象形文字がびっしりと書き込まれているが、まったく解読できない。 通常、文章というものは左から右へ書かれるものだが、この未知の言語は行間の空白を見るに、上から下へと書き込まれているようだ。 ≪旧世界≫はもちろん、おそらくハルケギニア大陸にも、このような言語を操る文化は存在せぬだろう。 これを記したというシエスタの曾祖父は、ハルケギニアとはなにもかもが異なる遠い異国からやってきた旅人だったらしい。 途方にくれた君は、もう一方の巻物を手にとり――短い叫び声を上げる。 シエスタとその父がぎょっとした表情で君を見て、いったいどうしたのかと声をかけてくるが、君はなにも答えようとしない。 息は乱れ、額に汗の玉が浮かび、羊皮紙をつかむ指が小刻みに震える。 子供が書いたように稚拙な字だが、この巻物は西部アランシア語で記されている――≪タイタン≫の言語だ! 九〇へ。 九〇 君はシエスタたちの問いかけにも答えず、夢中で羊皮紙を読み進める。 大海の彼方に存在するアランシアの言語に堪能なわけではないが、それは根本的には≪旧世界≫と似通ったものであるため、 (≪旧世界≫、アランシア、クールの三大陸が、かつては一つの大陸であったことの証拠だといわれている)どうにか内容が理解できる。 書き手であるシエスタの曾祖父が、簡単な単語ばかり使い、諺や婉曲な言い回しをほとんど用いておらぬことも、君の理解の助けになる。 先に読んだ象形文字こそ、シエスタの曾祖父の母国語なのだろう。 彼は西アランシア語を、大人になってから不完全なかたちで習得したに違いない。 この文章を記したのは、ハチマン国の都コン・イチで生まれたササキ・タケオという人物だ。 彼はハチマンの貴族階級にあったようだが、身に覚えのない不名誉な罪をなすりつけられたため、海の向こうへの逃亡を強いられることとなった。 長く危険に満ちた航海のすえにアランシア西岸のブラックサンドにたどりついたササキは、そこで冒険者としての新たな生活を始める。 怪物と罠に満ちた廃墟や洞窟を探索し、隊商の護衛につき、邪悪な貴族の用心棒になったことさえあると記されている。 そうして十年ほどが経ったある日、ササキは巨大な地下迷宮の奥で罠にかかり、気がつくと別の迷宮のなかに倒れていた。 彼は次々に襲い来る怪物どもを退け、どうにか迷宮を抜け出したが、食糧を失い、剣は折れ、満身創痍のありさまだった。 夜空にかかる二つの月に驚いたササキだったが、とにかく人里を求めて足を進め、四日めになってようやくたどりついたのが、このタルブの村なのだ。 ササキは行き倒れの自分を助けてくれた女と結ばれ、そこで子を生した。 羊皮紙の最後にはこう記されている。 「我はこのタルブを安住の地となしたが、これを読む汝は、意せずしてこのハルケギニアの地に流れ着いた者やもしれぬ。汝もし野蛮なるアランシアに戻ることを望まば、東の洞穴を探るべし。 ≪門≫は洞穴の奥底に在り。我はその≪門≫をくぐりし者なり。されど心せよ、そこは幾多の妖怪変化が徘徊する死の穴ゆえ」と。 読み終えて、君はササキ――シエスタの曾祖父の書き遺した手記の内容を吟味する。 ハチマンやコン・イチという地名は聞いたこともないが、おそらく地図にも載っておらぬような辺境の隔絶した地域か、小さな島国なのだろう。 ブラックサンドは『盗賊都市』の別名をもつ危険な港町であり、遠く離れた≪旧世界≫においてもその悪名は知られている。 それよりなにより、手記の最後の記述が君の心をとらえて放さない。 このタルブの村のすぐそば(怪我人の足で四日かかるのなら、歩いて二日といったところだろう)に、≪タイタン≫へと通じる≪門≫があるとは! 危険を冒してでも、洞窟を調べてみる価値はあるだろうと君は考える。 アランシアから≪旧世界≫へと向かう船が半年に一隻しかなく、二ヶ月の航海に耐えねばならぬとしても、そして、王冠の奪回はもはや手遅れだとしても、 君は祖国のためにカーカバードに戻らねばならぬのだから。 君はシエスタとその父のほうに向き直り、羊皮紙の内容について話す。 父娘は、君とササキが同郷の生まれ(実際は、世界の反対側といってよいほど離れた場所に違いないのだが)だと聞いて、驚きを隠せない。 「じいさんは、自分は月が一つしかない国から来たってよく言ってたが……まさか、同じ国からの旅人がシエスタと知り合うなんてな」 シエスタの父はしみじみと感慨深げに言い、シエスタはうるんだ瞳で君を見つめ、 「うわあ、すごいです、運命的ですね!」と話しかけてくる。 彼女の態度に妙なものを感じ取った君は話題を変えることにし、ほかにササキの遺品はないのかと尋ねる。 「たしか、その巻物と一緒にしまいこんでいたはずだ。もっとも、役に立たないがらくたばかりだが」 シエスタの父はそう言うとふたたび部屋を離れ、ぼろ布に包んだ雑多な品々を持ってくる。 彼がテーブルの上に並べたのは、確かにがらくたにしか見えぬ物ばかりだが、そのうちのいくつかが君の興味を惹く。 君は、このなかのどれか一つを貰ってもよい。 刀身が鍔元から折れた剣・一六〇へ 十字型の鉄片・七四へ 木彫りの神像・二五へ 鎖篭手・二七一へ どれも必要ないと思ったなら、三二九へ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/terra-tech/pages/134.html
武器ブロック詳細(1ページ目)へ移動 BetterFuture ReticuleResearch Space Junkers ダメージ倍率表 BetterFuture [部分編集] Better Future 拡散レーザー 重量 0.9 HP 500 攻撃属性 Energy ダメージ 85 射程距離 10 最大ダメージ距離 2 攻撃範囲 90° 連射間隔 0.8 弾速 20 砲身旋回速度 100 射界 30° 仰俯角 +30°/-30° HEショットガンと同じく攻撃範囲が広いタイプ 攻撃属性がレーザーなので装甲板に対して強い 射程も長く、かなり扱いやすいショットガン マイクラのピストンみたいに使える -- 名無しさん (2022-04-15 20 12 10) 開閉ギミックがあるので射撃開始までに少しの間がある -- 名無しさん (2022-04-19 01 54 57) ドアになる -- 名無しさん (2023-03-18 18 24 59) 出てくることを出てくることを考えてテック作らないと -- 1ダース (2023-06-21 16 02 56) これで電車のドアが作れる。(敵がいないと閉まらない。) -- テラテック好き (2023-10-20 17 21 24) 弱いな -- 名無しさん (2024-04-14 00 11 22) ↑呉 名無しさん 正Switchおもろ! -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 12 47) これセンサーと組み合わせるといろいろできる -- 名無しさん (2024-07-23 11 14 05) 名前 コメント [部分編集] Better Future DOTレーザー 重量 0.9 HP 250 攻撃属性 Energy ダメージ 45 連射間隔 0.1 弾速 40 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 左22.5°/右30° 仰俯角 +30°/-25° 低速のレーザーを連射する 左右の射界に偏りがあり、反対側の敵は狙い難くなっている GSOレーザーと同じく弾速は遅め、十分接近しなければ当てるのは難しい 。。。。。。(^^).......... -- 名無しのゴンベ (2022-09-25 12 02 42) これ。。。いらなくね? -- テラテック好き (2023-10-21 11 26 26) 曲面装飾としてレーザーもだせる!っていう武器だと思う -- 名無しさん (2023-11-02 15 22 03) もはや装飾ブロック。攻撃はおまけみたいな性能。 -- 名無しさん (2023-12-30 21 40 25) あれ前につけたのに?上にレーザーが発射される???向きがわかりづらい -- 名無しさん (2024-05-15 14 15 20) これは大勢が経験した大事件だと思われる。 -- 名無しさん (2024-07-05 23 57 05) それな -- ヨシフ・スターリン (2024-07-29 14 51 56) 名前 コメント [部分編集] Better Future プラズマカッター"クロウ" 重量 3.6 HP 750 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 500 射程距離 20 砲身旋回速度 50 射界 30° 仰俯角 +30°/-30° 限定旋回砲塔付きのプラズマカッター 射程距離が長い分DPSは控えめ 目みたい -- 伊藤 歩 (2022-11-05 06 39 46) 目だなwwww -- 名無しさん (2023-09-10 16 54 04) ホバー機の下につけると… -- 名無しさん (2023-09-17 08 20 31) 地面を焼き尽くすレーザー -- 名無しさん (2023-11-02 15 22 21) 名前 コメント [部分編集] Better Future プラズマ火炎放射器 重量 1.8 HP 400 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 300 射程距離 15 砲身旋回速度 100 射界 30° 仰俯角 +20°/-15° Venture製より炎が伸び切るのに時間がかかるが、射程距離が長くダメージ量もそこそこ ブロックサイズも1ブロック幅と横に並べやすく、十分武器として使える性能 VENの火炎放射器と違い攻撃属性がプラズマなので岩も破壊できる。地面に当たった炎が地形に沿う性質を利用して床下に吹き付ければ一風変わったドリルとしても使える -- 名無しさん (2021-05-16 07 52 03) ベンチャーの物と暗出て -- 71yu (2023-02-22 23 11 35) ミスった 続きから...の物と比べて秒間ダメージが100上がってる 射程距離は+5 旋回速度は-100 射界などがかなり小さくなってる 攻撃力上げて攻撃できる範囲などを小さくしたかんじかな~ -- 71yu (2023-02-22 23 18 30) これいつの間にか炎属性になってたんだな。岩壊せなくなっちゃった… -- 名無しさん (2023-07-09 18 32 00) 説明が悪口なんだが -- 名無しさん (2023-08-17 14 48 22) たくさん並べられるので近距離で敵を炙るのに便利 あと炎がおしゃれ -- 名無しさん (2023-11-02 15 23 21) 名前 コメント [部分編集] Better Future レーザーライフル 重量 1 HP 500 攻撃属性 Energy ダメージ 150 連射間隔 0.28 弾速 40 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 30° 仰俯角 +25°/-25° BFの小型レーザーは総じて弾速が遅い GSOの低ランクの頃なら弾速40でも十分戦えたが、このランク帯では敵も自分も十分動き回る事が殆ど DOTレーザーと同じく当てる為には接近する必要がある 単発の威力は意外と強い -- 名無しさん (2021-11-02 12 04 03) 監視カメラ的なデザインは好き -- 名無しさん (2023-11-02 15 23 57) 説明悪口じゃん -- Switchおもろ! (2024-05-10 07 27 12) 名前 コメント [部分編集] Better Future 流線形アサルトレーザー 重量 1.8 HP 500 攻撃属性 Energy ダメージ 80 連射間隔 0.15 弾速 40 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 左22.5°/右30° 仰俯角 +30°/-25° DOTレーザーから火力が少し向上 どちらかといえば装飾用のブロック 流線形ブロック2(角)を使う代わりにこれを。 -- 名無しさん (2021-10-02 18 59 53) 曲面装飾であり武器でもある、という枠 -- 名無しさん (2023-11-02 15 24 26) 名前 コメント [部分編集] Better Future アサルトレーザー"トラップドア" 重量 1 HP 500 攻撃属性 Energy ダメージ 80 連射間隔 0.2 弾速 40 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 左25°/右30° 仰俯角 +25°/-25° BF製低弾速レーザーシリーズ 何故か右側だけ射界が広い 作成した時にDOTレーザーの設定をそのままコピーして修正し忘れたか? 通常ブロックの代わりになんとなく使っている -- 名無しさん (2023-01-18 19 55 08) 大量につけると起動音がうるさい -- 名無しさん (2023-03-04 08 47 59) それなりに火力を出し、敵の電力を減らすのに使える -- 名無しさん (2023-11-02 15 25 04) 名前 コメント [部分編集] Better Future FSレーザー 重量 3.6 HP 750 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 750 射程距離 50 砲身旋回速度 50 射界 360° 仰俯角 +15°/-15° 長射程のプラズマカッター 砲身の旋回が追いつく相手なら必中の武器 これで敵、粉々にしてたw -- 名無しさん (2021-09-20 20 15 22) FSレーザー最強説 -- 伊藤 歩 (2022-11-05 06 42 02) レンガ壊す時便利 -- 名無しさん (2022-11-26 08 47 22) 宇宙戦艦作るときに便利 -- 名無しさん (2023-10-23 07 58 43) 陸上機体で底面に着けても、ホバー機で側面に着けてもよい -- 名無しさん (2023-11-02 15 26 01) 装飾 攻撃 -- Switchおもろ! (2024-05-10 07 28 27) 名前 コメント [部分編集] Better Future スピードランスレーザー 重量 1.35 HP 750 攻撃属性 Energy ダメージ 80 連射間隔 0.05 弾速 40 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 左6.5°/右90° 仰俯角 +90°/-6.5° 弾速は遅いままだが流線型レーザーから火力が大きく上昇 左右上下の射界のクセが非常に強く、大きく開いてる方には90°の射界を確保している一方で、反対側の敵は全く攻撃できない 鬼弾幕武器 -- 名無しさん (2022-03-23 20 30 19) 弾幕isパワー -- 名無しさん (2022-08-22 22 46 12) これ積みまくって無双したい -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 44 51) 最初の画面でこれをつけまくった奴がいて、そいつが負けることが滅多にない(他が弱すぎて) -- 名無しさん (2022-12-16 08 50 45) キャンペーンで死ぬほど集まる。 -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 40 25) これを積んだBFの敵はすぐに爆発武器で吹き飛ばさないと自分の電力が溶ける -- 名無しさん (2023-11-02 15 26 43) まじでそれな 破壊にはMK3を -- ヨシフ・スターリン (2024-07-29 22 49 12) 名前 コメント [部分編集] Better Future ガトリングレーザー 重量 5.4 HP 1500 攻撃属性 Energy ダメージ 150 連射間隔 0.11 弾速 125 砲弾飛翔時間 2 精度 0.125 砲身旋回速度 100 射界 90° 仰俯角 +75°/-15° Ventureクロスファイアーライフル以上の弾速と直進する弾道のおかげで攻撃を当てやすい 前方180°の限定旋回なのがネックだが、高速で動く相手にもよく当たる扱いやすい武器 これ積みまくって無双したい -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 43 33) brrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr -- 名無しさん (2023-03-12 17 12 02) これってなんだかんだでグレード1でも手に入る(ミッションの敵が)から意外と使える!?dpsまあまあ高い。ブレるけど。 -- x+x=-x (2023-10-20 23 44 43) 射程が意外に広いので空いているスペースに仕込めば敵をゴリゴリ削る -- 名無しさん (2023-11-02 15 27 34) バッテリー削りマン -- 名無しさん (2023-11-05 10 56 10) これだけしか武装積んでない軽戦車なのにクッソでかいテックの近くにくっついて乱射して倒して、巨大テックキラーになった。重戦車キラーみたいな感じで? -- 軽戦車キカゼ改 (2023-11-23 19 03 37) 隙間埋めで結構載せたら敵溶けたwwww -- 名無しさん (2023-12-29 19 09 08) 弾が結構ばら撒けるから対空砲としても良い。大量につけると綺麗 -- とある人にあこがれている人 (2024-05-12 00 24 43) 名前 コメント [部分編集] Better Future サイバーディスクレーザー 重量 4 HP 2000 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 1500 射程距離 50 砲身旋回速度 25 射界 360° 仰俯角 +15°/-15° FSレーザーの二倍の火力だが、トラッキング速度が低下している点に注意 新しいバイオームで需要が爆上がり -- 名無しさん (2022-09-07 19 50 05) ↑RRに権利(?)を奪われた -- 名無しさん (2022-12-16 08 51 46) インラグ艦船再現するときにイオン砲に使うといい(おい別ゲー出すな)(確かにテラテックより未来感溢れるゲームだけど)(宣伝すな) -- 名無しさん (2023-03-27 22 12 12) さーて 敵を粉砕しますかねぇ... -- 100円玉 (2023-06-21 16 05 07) かさばるのでたくさんおけないのが残念 -- 名無しさん (2023-11-02 15 28 00) 敵テックを倒す時、無駄にブロックを破壊しないので、敵を資源に分解して売却する時なんかに便利 -- Switch勢の人 (2023-12-30 12 04 49) 早期警戒機のレーダーがわりにどうぞ。 -- 名無しさん (2024-07-09 23 14 27) 名前 コメント [部分編集] Better Future D級レーザー光線 重量 7.2 HP 1000 攻撃属性 Energy ダメージ 2750 連射間隔 2.5 弾速 80 砲弾飛翔時間 1.25 精度 0 砲身旋回速度 135 射界 40° 仰俯角 +40°/-40° 超高火力のレーザーを一発だけ発射するレーザー武器、昔のサイバーディスクレーザーのような性能 レーザーは装甲ブロックに対して1.5倍のダメージボーナスがあり、ボーナスを乗せるとダメージは4125になる 具体的な例を出すと、GSO製の装甲板は全て一撃、GCは耐久壁(大)のみ二発、HEは装甲板(大)以下なら全て一撃で破壊できる 装甲板以外にも装甲ブロックは存在し、例えばHEの斜めブロックのフォート装甲やラップ装甲、 GCの斜めブロックの1/2ブロックやGSOの装甲が付いている1/2ブロックなどがこれにあたる GEOの超大型無限軌道も装甲扱いです -- 名無しさん (2021-05-13 01 24 51) あと、全く反動がないことも戦艦砲に対する強みになる -- 名無しさん (2021-05-27 19 17 50) 無反動暗殺兵器 -- 名無しさん (2021-10-01 11 53 36) 戦艦法とは違い爆風などはない -- 名無しさん (2022-03-23 17 23 53) あっ 誤字(法ー>砲) -- 名無しさん (2022-03-23 17 25 03) 近未来の戦車に使えそう -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 39 28) BF戦車作ろー -- 名梨さん (2023-10-09 10 52 35) この武器 全ての操縦ブロックワンパン出来たはず -- 戦闘的なスズキ (2023-10-17 22 52 02) 性能は優秀だがもうちょっと派手だと良かった -- 名無しさん (2023-11-02 15 29 00) うーん、戦艦砲で良いね。 -- 名無しさん (2024-07-06 00 01 21) つける時発射方向見極めるのむずい -- 名無しさん (2024-07-21 16 42 24) 名前 コメント [部分編集] Better Future アークミサイルポッド 重量 8.24 ブースター推力 0.05 HP 400 ブースター燃焼時間 1.25 ダメージ 350 索敵距離 100 爆風ダメージ 75 索敵角度 145 爆風半径 4 旋回速度 200 最大ダメージ半径 2 連射間隔 0.111111112 弾倉弾数 9 弾倉装填速度 5 弾速 60 砲弾飛翔時間 1.75 精度 0 砲身旋回速度 20 射界 360° 仰俯角 +50°/+30° 誘導性能の高いミサイルを斜め上、三方向に、9発連続発射する 1秒で9発全て発射し、爆風半径も広いのでボレーダメージは良好 代わりに装填時間が長く、継続火力は控えめ 斜め上に発射するので迫撃砲のように稜線や障害物を挟んだ敵を攻撃できる 砲塔旋回速度が遅いが、ロックオンしていればどの方向に撃ってもまず当たるのであまり気にならない ミサイル武器共通のブロック耐久値が低い問題を抱えている。設置場所に注意 正面の敵にはあまり弾が当たらない -- 名無しさん (2021-08-05 09 11 43) 最初は興奮したが、実際あまり実用的ではない気がする。(BF機体をつくる際には使えるかも) -- 名無しさん (2021-08-30 17 48 26) 総合火力重量 -- 名無しさん (2021-11-09 12 33 37) 総合火力重量スペース共にBFの誘導ミサイルポッドに負ける -- 名無しさん (2021-11-09 12 34 32) BF...?HEじゃないの?? -- 名無しさん (2022-01-26 07 24 50) 敵をロックした状態で発射すると、発射した瞬間から誘導するので直進する -- 名無しさん (2022-05-03 11 57 33) AIに使わせるとミサイルの射線に入った時しか発射しない。しかし武装自体は敵のやや上を狙うので狙いが定まった状態では射線に入らない。そのため「通過する敵や狙っている途中は撃つが、止まった敵と正対すると撃たない」という不思議な動きをする。 -- 名無しさん (2022-09-20 21 11 45) BFは私のイメージで、レーザーとかプラズマとかしか作らないと思っていたんだ、ミサイルを作ったことを知ったときは私は驚いた、それと同時に少し裏切られたと感じたんだ。 -- 71yu (2023-02-22 23 26 58) ↑今の所、これ抜きでBFは武器の名前にレーザーかプラズマがあり、属性はEnergyかPlasmaになっている。 -- 71yu (2023-02-22 23 32 29) (のび太)助けて〜ードラエモーーーん、(ドラえもん)任せてこのBetter Future アークミサイルポッドでぶっ飛ばして粉々にするから..........30分後...........(ジャイアン)やいのび太もう一回ぶってやる、(のび太)Better Future アークミサイルポッド行けぇぇぇぇぇ、(Better Future アークミサイルポッド)ヒュウウウウウウボーー〜ーーん・(ジャイアン)なにぃ........ぎゃああああああああああああああああああああ -- 金帝 (2023-02-24 19 18 04) ドラえもん 完 -- 名無しさん (2023-03-11 23 04 55) ミサイルがのび太にもやってきて 完 ミサイル エラーかな -- ノリに乗ってくるやつ (2023-04-21 18 09 50) という夢を予知夢アメで見たのさ 〜完〜 -- 名無しさん (2023-08-22 12 59 50) 段差をつくらずたくさん並べても干渉しないのがよい。ホバー機にもべんり -- 名無しさん (2023-11-02 15 30 52) アーク?ARK?missile?うっ!頭が!… -- 名無しさん (2023-11-19 00 05 07) B.F.のミサイルだと…!? -- S.k. (2023-12-10 17 05 43) スイッチに欲しいなー -- 名無しさん (2024-03-25 20 03 21) スイッチにきて -- ねこ (2024-07-07 09 56 51) 連射間隔の数値どうなってんのw -- 九五式軽戦車ハ号 (2024-09-07 18 04 45) 名前 コメント ReticuleResearch [部分編集] Reticule Research 花火ランチャー 重量 1.8 HP 525 攻撃属性 Explosive ダメージ 205 爆風ダメージ 341 爆風半径 5 最大ダメージ半径 0.5 連射間隔 0.25 弾倉弾数 3 弾倉装填速度 5 弾速 30 砲弾飛翔時間 1 精度 0.1 砲身旋回速度 100 射界 360° 仰俯角 +0°/-0° 花火を三発打ち上げるパーティーグッズ 実はそこそこの爆風ダメージと爆風範囲があり意外と攻撃性能が高い が、攻撃に使うためにたくさん設置すると今度は花火の過剰なエフェクトによりFPSの低下を招く やはりパーティーグッズ ....というかただの花火 w -- 名無しさん (2021-08-30 17 49 20) いや使わんて -- 金帝 (2023-02-24 19 23 22) わー綺麗だなー -- 名無しさん (2023-03-21 14 35 39) コンタクトショットガンと一緒に使えばパーティーだ! -- スラッシュくん (2023-06-21 16 07 20) コンタクトショットガンと一緒に使えばパーティーだ! -- セミコロン (2023-06-21 16 08 09) ↑また反映されてないんで2回投稿してしまいました本当にすみません -- セミコロン (2023-06-21 16 08 56) レッツ、パーティーwwww -- 名無しさん (2023-09-02 16 00 09) 一言で言うと、「ゴミ」。 -- 名無しさん (2023-09-03 12 23 05) ホント要らねえ -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 20 41) 信号弾やチャフのつもりで積んでなりきってる -- 名無しさん (2023-11-02 15 32 00) いっぱいにつけるとまあまあ -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 07 23) エクストリーム・ゲーミング兵器の装飾その1 -- 名無しさん (2024-07-06 00 11 43) いらんなぁ -- 名無しさん (2024-07-21 16 43 26) 綺麗な花火ですね。 -- フロム脳 (2024-08-19 18 31 01) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research 超音波カッター 重量 0.75 HP 300 攻撃属性 Cutting 秒間ダメージ 250 衝突ダメージ係数 5 実体のないレーザーブレードのようなドリル 特徴らしい特徴はそれだけで、DPSはGSOミニドリル以下 これイマイチだよね -- 名無しさん (2021-09-01 02 51 30) ↑うん -- 名無しさん (2021-09-28 19 40 56) 車体上部につけると世紀末カーの完成だー -- 名無しさん (2021-11-07 18 56 14) せめてもう少し長さが欲しかった -- グラタン (2022-01-29 10 38 53) たしか相手の装甲を貫通できた...はず。(多分刃の部分にダメージの判定があるが接触の判定がない?) -- 71yu (2023-02-22 23 36 21) ↑試してみました そうです -- セミコロン (2023-06-21 16 09 48) イマイチ… -- 名無しさん (2023-09-02 15 56 02) もう少しデカければ...一気にブロックにダメージ与えたり 隠された操縦ブロックに直接ダメージを与えられるかもしれないな... -- 71yu (2023-09-05 23 04 37) これかろうじて装甲板1枚貫通するぐらいだぞ… -- 名無しさん (2023-11-06 03 08 12) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research ソニックブラスター 重量 25 HP 7000 攻撃属性 Cutting ダメージ 500 爆風ダメージ 15 爆風半径 2 最大ダメージ半径 1 連射間隔 0.2 弾倉弾数 0 弾倉装填速度 0 弾速 125 砲弾飛翔時間 2 精度 0 砲身旋回速度 75 射界 360° 仰俯角 +25°/-20° 爆風ダメージのある武器 ブロックサイズが大きいため設置場所は限られるが、弾速、DPS共に高い水準でまとまっている 攻撃属性はレーザーではなく切断 シールドに対して2倍のダメージボーナスを持ち装甲板へのダメージが半分になる 対空もある程度イケる -- 名無しさん (2022-03-23 17 22 18) 鬼弾幕武器 -- 名無しさん (2022-03-23 17 50 53) これかっこいいしtueeeeeeeeeeeee -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 47 26) これイイよねー -- 名無しさん (2023-09-02 15 55 38) drrrrrrrrrrrrr! wwww -- 名無しさん (2023-09-02 15 58 45) びゅん!びゅん!びゅん!wwww -- 名無しさん (2023-09-03 12 21 34) 占領するマスが多すぎる... -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 19 01) かさばるけど当てやすさはちゃんとある。水平射撃で特に圧倒的 -- 名無しさん (2023-11-02 15 32 48) ナイキのロゴを飛ばす武器() -- 名無しさん (2023-11-06 01 15 24) これCuttingなの!? -- 名無しさん (2024-01-04 13 32 29) ちょっとエイリアンっぽい -- 名無しさん (2024-01-28 12 51 19) 戦艦とかだとバーベットみたいなのの上に置けば大きさはあまり困らない -- とある人にあこがれている人 (2024-05-12 00 30 24) ビュ ビュ ビュ ビュ -- 名無しさん (2024-07-29 22 53 44) 斬撃の発射点が発射口よりかなり前に出ているので敵に密着すれば敵の内部に直接斬撃と爆風をお届けすることができる -- swichの人 (2024-08-21 14 45 36) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research タロンレーザー 重量 17.5 HP 3500 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 1250 射程距離 50 砲身旋回速度 25 射界 360° 仰俯角 +18°/-18° 殆どBFサイバーディスクレーザーのような武器だが、火力で若干劣っている 見た目で好きな方を選ぼう FSよりも安い -- 名無しさん (2021-09-28 19 40 30) スイッチにくれーーー! -- 名無しさん (2023-09-02 15 59 33) 欲しいなー -- 名無しさん (2023-09-03 15 06 48) これでアラーム作っている人いた -- 名無しさん (2023-10-08 09 17 15) BFと違い、仰角が割とあるので対応範囲が上に広くなっている -- 名無しさん (2023-11-02 15 33 26) 宇宙艦の主砲とかにしてもいい。特に見た目が -- とある人にあこがれている人 (2024-05-12 00 31 59) なんか…「ブルー●ーカイブ」のホドの頭部みたい -- NearCoffee (2024-09-18 12 01 26) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research ゼロポイントエナジーガン 重量 4 HP 1200 ダメージ 0 連射間隔 10 弾速 60 砲弾飛翔時間 10 精度 0.05 砲身旋回速度 10 射界 45° 仰俯角 +30°/-25° 着弾地点に無重力フィールドを発生させる特殊な武器 テックやブロックに当たった場合はそこにフィールドが張り付き、敵の動きを大きく阻害する ホバー機にとってはただの紫フィールド -- 名無しさん (2021-09-28 19 39 34) ↑語彙力無くてすいませんw -- 名無しさん (2021-10-05 18 03 54) 配置によってはたまに自分に当たる -- 名無しさん (2022-03-23 20 34 49) 直線運動エンジン下に出力すれば無敵 -- 名無しさん (2022-09-07 19 52 15) 名無しさんの気持ち分かる -- 伊藤 歩 (2022-11-05 06 06 25) コレとミサイル組み合わせれば大概片付く -- 名無しさん (2022-11-13 11 36 33) 重力エナジーガンとかあったら飛行機墜落できるのに -- 金帝 (2023-02-24 19 20 49) これを上手く自分に当てればバッテリー無しで反重力出来るぞ -- 名無しさん (2023-03-11 13 49 20) ただ制御が効かない() -- 名無しさん (2023-03-11 23 05 48) スラスター付ければ制御できる -- 名無しさん (2023-04-21 18 35 55) 金帝さん、MODにありますよ重力エナジーガン -- 名無しさん (2023-04-23 10 46 16) ↑そんな武器あるんだね~ -- 名無しさん (2023-09-02 15 56 42) バニラの武器の中では再装填にかかる時間が一番長い。 -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 41 50) これとリパルサーで飛行機フルボッコ☆ -- 名梨さん (2023-10-03 17 00 13) 対策してない大型機体に当てると哀れな姿で漂う -- 名無しさん (2023-11-02 15 34 46) コレエンジン下向きにつけて噴射すれば無効化できるよ -- 名無しさん (2023-11-06 03 04 37) 下向きホバーバグ(弱め)とスラスタ(適量) -- Switch勢の人 (2023-12-30 12 15 50) で対策可能 -- Switch勢の人 (2023-12-30 12 16 34) あと直線運動エンジン -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 02 49) これうまく使えば相手の弾道を変えることが出来るゾ -- 迫真空手部部長 (2024-07-31 23 04 03) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research ギガ・プラズマ 重量 35 HP 10000 攻撃属性 Plasma 秒間ダメージ 5000 射程距離 43 固定式の巨大なプラズマカッター 以前は起動に長い時間が必要だったが、アップデートで変更された 他のプラズマカッターと同じくバリアに弱く、装甲板に対してダメージボーナスを持つ 何かとRRの武器はクソ硬い -- 名無しさん (2022-02-21 10 17 15) 何かはまさかホークアイ -- 名無しさん (2022-03-09 09 16 05) 波動砲 -- 名無しさん (2022-04-20 18 26 28) めちゃくちゃ固いの初めて知った -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 50 11) これもレンガに強い -- 名無しさん (2022-11-26 11 50 06) 多分 めっちゃダメージを与えてるなー(感覚)って思う武器を聞かれたらこの武器は出てくるかな。 なんかめっちゃダメージ与える 強い -- 71yu (2023-03-07 23 08 18) ここの星ぶっ壊していいすか だめっす住んでるので わかったぶっ壊します ギガプラズマ999個でやりますー -- 名無しさん (2023-04-21 18 29 53) メキメキメキメキ バン! 星ぶっ壊したので なんでなんで星壊すんだよ (TT) うちの星にぶつかるかもだから でもここ979046837269475279Kmも離れてるよもういいよ完 -- 名無しさん (2023-04-21 18 34 41) 火力の化け物 -- 名無しさん (2023-09-02 15 55 17) 宇宙戦艦作るときに便利 -- 名無しさん (2023-10-23 08 02 39) 波動砲っ、撃てーいっ!!!!! -- 名無しさん (2023-10-25 16 50 28) 「ビームラムを使うのだな!?」 「そうだ!エネルギーは全て艦首に回す!!」 -- 名無しさん (2023-11-02 15 38 38) ギガだと?じゃあ火力的には戦艦砲はテラだね! -- 名無しさん (2023-11-19 00 13 51) 起動遅い、、、 -- Switch勢 (2023-11-20 15 43 56) 宇宙戦艦や◯と -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 06 11) これ裏技で重ねて配置するとぶっといビーム砲になって無双 -- 名無しさん (2024-07-21 16 45 23) コロニーレーザー作って遊ぼう -- 迫真空手部部長 (2024-07-31 23 05 17) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research ミサイルランチャー "ハイヴ" 重量 17.5 ブースター推力 0.05 HP 5000 ブースター燃焼時間 2 攻撃属性 Explosive 索敵距離 100 ダメージ 125 索敵角度 145 爆風ダメージ 50 旋回速度 200 爆風半径 2 最大ダメージ半径 1 連射間隔 0.08333 弾速 125 砲弾飛翔時間 2.5 精度 0.125 砲身旋回速度 50 射界 90° 仰俯角 +0°/-0° 小型ミサイルを連続発射するミサイルランチャー 起動までの時間が長いが、ミサイルランチャーの中ではDPSはかなり高い 斜め上に発射されるので迫撃砲のように稜線の向こうの敵を攻撃する事もできる 説明文によれば蜂を使って誘導しているらしい 作成材料のシードAIが何に使われているかは不明 起動速度が遅いため、AIには向かない 地面と水平に撃つと凄まじい射程を実感できる。カタログ上のDPSは高いけど精度がアレなので小型相手には注意 -- 名無しさん (2021-12-14 17 56 26) めっちゃ硬い -- 意外にも (2022-01-19 16 55 05) ロックオンしてると異様に曲がって敵を追いかける。その状態だと必中に近い -- 名無しさん (2022-11-13 03 34 07) brrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr -- 名無しさん (2023-03-11 23 06 12) ↑GAU-8 -- 名無しさん (2023-08-22 11 50 21) これは強い! -- 名無しさん (2023-09-02 15 54 53) スズメバチを発射してるって聞いてキモくてそっから使ってない -- 名無しさん (2023-09-13 05 26 17) Switchでこれ積上制限60ある ReticuleResearchが定説を破った! (巡航は54) -- 名梨さん (2023-10-04 19 45 15) 補足 武器系で一番高い積上制限 -- 名梨さん (2023-10-29 14 31 42) 対空にも対地掃射にも。 -- 名無しさん (2023-11-02 15 39 25) これ生物兵器連射してる設定らしいね… -- 名無しさん (2023-11-06 01 17 10) 起動遅過ぎて使ってない -- 名無し用無し (2023-11-20 15 39 34) よく見たらハチ模様の弾頭だった。 -- switchゲーマー (2024-02-07 11 22 39) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research テスラコイル 重量 30 HP 5000 攻撃属性 Explosive ダメージ 5000 爆風ダメージ攻撃属性 Energy 爆風ダメージ 2500 爆風半径 4 最大ダメージ半径 2 チャージ時間 5 発射後クールダウン 1 射程距離 50 消費電力 2500 攻撃に電力が必要な特殊兵器 一度の攻撃で電力を2500消費する 参考までにGSOバッテリーの容量は1500 攻撃範囲の中に敵がいるとゆっくりとチャージを開始し、高威力の放電で攻撃する チャージ中は敵を攻撃範囲内に入れ続ける必要がある 必中で爆風ダメージも桁違いに高いとても強力な武器だが、爆風ダメージは自身も食らう事に注意 RRRRRRRRRRRR -- 名無しさん (2021-09-28 19 36 05) ババババババババン!! -- 名無しさん (2021-09-28 19 37 55) BF製高機動ホバー撃墜に使える -- 名無しさん (2022-03-07 23 00 20) ガンッ!ガガガがガガガがガガガがガン!!!!バチバチ!!!!ベリッ!?ドカーーーーーーーーーーーーーン!!!???ドーーン!!パンッ........(戦闘中) -- 名無しさん (2022-09-25 12 27 51) スイッチにはないからくれーーーーーーーーーーーーーーーーー -- 伊藤 歩 (2022-11-05 06 44 40) 「電力無くなった電力会社行こ」ビビビビビビービシャー バキバキバキバキ -- 名無しさん (2023-04-21 18 26 15) 電力会社と繋がっていれば最強 -- 名無しさん (2023-04-21 18 26 56) 電気代がアホみたいになりそうだな() -- 名無しさん (2023-04-22 22 26 30) なお、自動攻撃する特性を生かして魚雷を作った人がいるとか。 -- 名無しさん (2023-07-29 11 31 22) スイッチ版にプリーーズ‼ -- 名無しさん (2023-09-02 15 57 34) 攻撃するときの電気(?)が通るところに味方テックがいると、フレンドリーファイアをしてしまう模様。 -- キャット君(犬派) (2023-09-21 16 17 46) 必中&自動射撃という珍しい武器 -- 名無しさん (2023-11-02 15 40 18) スイッチでやってるけれど、まずキャンペーンでRR社がないからなぁ… -- S.k. (2023-11-08 20 39 29) キャンペーンにRR社がほしい -- S.k. (2023-11-08 20 41 23) Switchに来てくれー(来なそう。悲しい) -- Switchでやってる人 (2023-11-25 20 26 04) 絶対運営さん、スイッチ版サボってるでしょ -- 名無しさん (2024-03-25 20 01 46) switch勢多すぎww -- modめっちゃ作る人 (2024-04-07 15 26 50) 電気食うなぁ -- 名無しさん (2024-07-21 16 46 44) PSもいるよ₍₍ ◝( ゚∀ ゚ )◟ ⁾⁾ -- 名無しさん (2024-07-28 14 26 08) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research 対空リパルサーキャノン 重量 30 HP 10000 攻撃属性 Energy ダメージ 10 爆風ダメージ 10 爆風半径 10 最大ダメージ半径 8 連射間隔 0.125 弾倉弾数 4 弾倉装填速度 0.5 弾速 325 砲弾飛翔時間 0.75 精度 0.1 砲身旋回速度 300 射界 45° 仰俯角 +90°/+35° 爆風のノックバックがとても強い砲弾を四発発射する 縦向きにしか設置できないが、コントロールキャブの向きを変えたり前傾姿勢のテックを作れば無理やり正面に攻撃する事もできる ホバー機や飛行機の姿勢を崩すのが主な用途で、ダメージは殆ど無い 地上の敵にも当てればコケる -- 名無しさん (2021-05-11 01 37 11) 爆風というか衝撃波というかダメージ判定広いから操縦ブロックにダメージ入って大型テックも普通にやれる -- 名無しさん (2021-07-10 20 31 12) 無理矢理横向きにしても撃てる時と撃てない時がある。少しでも下向きはダメなのか -- 名無しさん (2021-08-01 11 59 10) 自分に当たってしまうこともよくある。 -- 名無しさん (2021-08-23 10 19 45) Switch版だとうまく動かないかも(敵の方を向かない) -- 名無しさん (2022-03-23 17 20 22) 単発ダメージは小さいが、数撃てば大型機でも爆風でボコれる -- 名無しさん (2022-11-13 13 37 38) 敵の方をむかない。つかえねーなあ!! -- 名無しさん (2022-11-19 17 12 37) 相手が爆発物大量の空中要塞なら真価を発揮、自分が耐えれば勝てる -- 無 (2022-12-19 09 57 54) スイッチ でやってるけど これをつけたやつを敵にして飛行機で避けるの楽しもうとしたら 全く攻撃してこない ってことがあった -- 71yu (2023-03-07 23 13 03) それな() -- 名無しさん (2023-03-12 17 13 10) 屋根を作りました 当ててみました ぶっ飛んでいきました -- 名無しさん (2023-06-21 16 10 55) みんなぶっ飛べーーー‼‼wwwww -- 名無しさん (2023-09-02 16 01 44) スイッチでAIや敵がうまく使えない理由は 多分 射つ条件が キャノンの前に(照準ではない?)狙っている物がある時じゃないと撃たないからだと思う -- 71yu (2023-09-15 20 31 37) HPきっしょ -- 名無しさん (2023-10-03 17 01 14) すでに言われているように自爆に注意しないといけないが、最高のノックバック砲台になりうる -- 名無しさん (2023-11-02 15 41 41) スイッチだと変な動きするぜよ -- 名無しさん (2023-12-20 17 22 55) 空が火の海にな〜る -- Switchおもろ! (2024-05-10 07 31 51) これで撃たれたとて、気合と技量と根性で機体の体制を引き起こしは可能 -- 名無しさん (2024-07-06 00 16 27) 機体の端にすらすたーつければ元に戻せる -- 名無しさん (2024-07-06 14 33 35) swichで使うと意地でも敵の方を向かない -- swichの人 (2024-08-21 14 47 32) ↑きっと反抗期なんだよ -- 九五式軽戦車ハ号 (2024-09-07 18 01 17) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research 粘着爆弾ランチャー 重量 8 HP 2000 ダメージ 0 爆風ダメージ 250 爆風半径 8 最大ダメージ半径 4 連射間隔 5 弾速 50 砲弾飛翔時間 5 精度 0.125 砲身旋回速度 200 射界 360° 仰俯角 +55°/-20° シールドを貫通して攻撃できる唯一の榴弾砲 発射してから5秒後に爆発する粘着爆弾を発射する DPSは非常に低いが、シールドを無視して爆風ダメージでブロックの脱落を狙える PvPでもよく使われる隠れた強武器 謎にDPS標的で計測できない。(DPSを) -- 名無しさん (2021-08-23 10 18 07) 大量に積んで敵に打ち込むとめっちゃ爽快 -- 名無しさん (2021-08-25 21 04 15) 武器の性質上バッテリー容量がとてつもなく多い超大型テックに対するカウンターになる 小型~中型に対しては他の武器で普通に撃ったほうが早い -- 名無しさん (2021-08-27 13 59 24) ↑=戦艦砲 -- 名無しさん (2021-09-28 19 37 09) 外装が薄くてバッテリーが外側にあるならコレで機体をボンバーできる。 -- 塔を建てるテッカー (2022-11-13 11 13 14) シールド無視は強いですな -- 名無しさん (2023-09-02 15 58 17) くっつきダメージと爆発ダメージで2回ダメージ与えられる -- 名無しさん (2023-09-03 15 08 04) そもそもバリア無視はおかしい 爆発物防ぐのに -- 名無しさん (2023-09-03 15 08 35) いつも自分のテックに付いて爆発する -- 名無しさん (2023-09-19 06 32 17) 本当のDPSを知りたい... -- キャット君(犬派) (2023-10-10 16 22 43) グーはミサイル -- . (2023-11-25 14 14 03) チョキは粘着爆弾 -- . (2023-11-25 14 15 43) パーはその他 -- ベテラン? (2023-11-25 14 17 05) dps計ではかっても -- 名無しさん (2023-12-25 17 37 34) なんか正しくはかれん -- 名無しさん (2023-12-25 17 38 10) パーはfsレーザー -- Switchおもろ! (2024-05-10 07 33 32) 2024-W31 -- これVENの分離ボルトを使って爆弾くっついたブロックを飛ばすとめっちゃ強い (2024-07-23 11 23 05) ↑で列車砲作ってる人いた -- 九五式軽戦車ハ号 (2024-09-07 17 57 59) 名前 コメント [部分編集] Reticule Research 電子精密レイ 重量 1.25 HP 650 攻撃属性 Electric ダメージ 225 1.4.20の新バイオーム、荒野に生成されるスクラップの山を破壊するための専用のツール。 1.4.21ではスクラップを採掘する唯一の手段。このブロックの追加に伴い、BFサイバーディスクレーザーではスクラップを採掘できなくなっている。 武器として使う事は全く想定されていないような性能で、ドリルとしても使いにくい。HPも低いので衝突ダメージに注意。 足みたい -- 名無しさん (2023-03-18 18 28 38) クレヨン持って手になんか書いてるみたい -- 名無し (2023-06-22 11 25 28) なにこれww -- 名無しさん (2023-09-02 16 02 11) いるのか? -- 名無しさん (2023-09-03 12 22 11) ↑黙れ殺すぞ -- 名無しさん (2023-09-13 05 27 53) いつもお世話になっております。 -- 名無しさん (2023-09-30 21 17 55) 使ったことないですね -- 名無しさん (2023-10-01 11 14 37) 足 -- 名無しさん (2023-11-11 11 18 04) アーティスティックスイミング -- 名無しさん (2023-12-10 20 19 42) 使う所限定的すぎん? -- 名無しさん (2023-12-25 17 39 02) スクラップの山って再生するのか誰か教えてください -- 名無しさん (2024-01-16 17 38 46) tabunn再生しないよ 壊したのに出てきたら怖いでしょ -- 名無しさん (2024-01-17 16 01 43) ↑なぜか多分がローマ字になった -- 名無しさん (2024-01-17 16 02 18) 意外とコレが既存テックの改修でデザインにマッチする -- 427INTERCEPTOR (2024-03-15 02 26 17) 追記:どうやらスクラップの山は再生するようだ。実際に確認した -- 427INTERCEPTOR (2024-03-15 16 31 23) ナニコレ -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 10 24) 5月16日のアプデでSpace Junkersの武器に移動し見た目も変更されました -- 名無しさん (2024-05-18 20 47 11) なんでSwitchにないんだよ -- 名無しさん (2024-08-29 16 27 43) 名前 コメント Space Junkers [部分編集] Space Junkers Geode Rumbler 重量 1.5 HP 370 攻撃属性 Impact 秒間ダメージ 625 衝突ダメージ係数 3 ごく普通のドリル。 特に特筆すべき点はないが、強いて言えばGSO 削岩ドリルに様々な点で劣っている GSOドリルの劣化版であまり強くない -- 名無しさん (2024-02-22 16 27 50) swich勢置き去りを加速させてくる企業 -- swich勢 (2024-03-22 14 27 05) 削岩ドリルとスタッドレーザーの合成品 -- 名無しさん (2024-03-25 20 06 32) Switch勢さん分かりますww -- 名無しさん (2024-04-12 21 26 20) ドリルマニア大歓喜(?) -- 名無しさん (2024-05-14 17 15 51) Switch勢だけどすんごくわかります! -- 名無しさん (2024-07-29 22 59 48) これ1つで2952BBもする -- 名無しさん (2024-08-04 08 34 31) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Junkyard Rainmaker 重量 1.5 HP 400 攻撃属性 Bullet ダメージ 120 連射間隔 0.25 弾速 50 砲弾飛翔時間 10 精度(弾速) 0.1 精度(角度) 3.5 砲身旋回速度 200 射界 360° 仰俯角 +50°/-30° Vneture ヘイルファイヤーライフルとHawkeye 連発ライフルの中間を埋める様な性能 ヘイルファイヤーライフルより火力が高く、連発ライフルより砲身旋回速度が速い 弾速は連発ライフルと同じ50であり、ヘイルファイヤーライフルの90に劣る Rainmakerとか言いながら全然雨を作らない 名前詐欺武器 -- 名無しさん (2024-02-20 15 50 12) 外見はgsoマシンガン+連発ライフル。性能は連発ライフル+ヘイルファイアー -- 名無しさん (2024-03-21 14 20 17) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Scavenger's Harpoon 重量 3.25 HP 880 攻撃属性 Impact ダメージ 30 連射間隔 0.5 弾倉弾数 2 弾倉装填速度 3 弾速 65 砲弾飛翔時間 10 砲身旋回速度 50 射界 360° 仰俯角 +50°/-50° 独自カテゴリの特殊武器、ブロックや地面、オブジェクトに刺さる銛を発射する 銛には鎖がついており、刺さったブロックや敵を引っ張ったり、壁にぶら下がったりできる 敵のブロックに刺さった状態で勢いよく引っ張ると、刺さったブロックをもぎ取る事ができる 発射時の反動がかなり強く、刺さった後の鎖にも振り回されるため、ある程度重量のあるテックで使うのが望ましい ブロックをもぎ取る武器 反動がめちゃすごい -- 名無しさん (2024-02-22 16 28 34) 飛べる(反動で) -- 名無しさん (2024-04-12 21 24 52) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Rustic Cannon 重量 5 HP 2180 攻撃属性 Explosive ダメージ 500 爆風ダメージ 75 爆風半径 4 最大ダメージ半径 2 連射間隔 2 弾速 80 砲弾飛翔時間 10 精度(弾速) 0.45 精度(角度) 1.55 砲身旋回速度 85 射界 360° 仰俯角 +30°/-20° Venture 二連装速射砲を片方だけもぎ取ったような武器 弾速のブレがかなり大きく、大きく手前に落ちたり、敵の頭上を飛び越えて遥か先に着弾したりする 中型の榴弾砲の中では旋回速度が最も速く、HEゼウスレーザーキャノンすら超える 精度が低すぎる 慣性をつけると飛距離が3倍とかになることもある -- 名無しさん (2024-02-20 15 51 16) クソ当てづらい -- Switchおもろ! (2024-04-13 23 57 08) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Chainslicer 重量 6 HP 1080 攻撃属性 Cutting 秒間ダメージ 900 衝突ダメージ係数 1.5 見ての通りチェーンソー、攻撃属性はもちろん切断 刃が広いので扱いやすいが、HPがやや低め 音が完全にエンジン 本物ぽくしたいなら車とかに積もう -- 名無しさん (2024-02-22 16 25 58) エンギネ -- 名無しさん (2024-04-12 21 27 15) 素敵だ… -- 名無しさん (2024-08-19 18 37 15) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Patchwork Pyroblaster 重量 5.5 HP 950 攻撃属性 Fire 秒間ダメージ 400 固定式の大型の火炎放射器 炎がしょぼすぎ -- 名無しさん (2024-02-20 21 08 09) 固定式で大きいくせに、秒間ダメージがBetterFuture -- 名無しさん (2024-03-12 12 11 56) のものに劣る。 -- 名無しさん (2024-03-12 12 12 58) 間違えました「100しか変わらない」でした。 -- 名無しさん (2024-03-12 12 15 48) 名前 コメント [部分編集] Space Junkers Cog Jammer 重量 4 HP 1430 連射間隔 22 弾速 70 砲身旋回速度 30 射界 360° 仰俯角 +40°/-15° 消費電力 400 RRゼロポイントエナジーガンのような特殊武器、発射に電力が必要 着弾地点の地形やブロックに張り付き、20秒間バブルフィールドを発生させる フィールド内のブロックは敵味方問わず影響を受ける フィールド内のブロックは以下の影響を受ける武器の砲身旋回速度の低下 タイヤの回転数(速度)の低下 砲身旋回速度の低下はかなり重く、敵に直撃させれば攻撃が回避しやすくなる 逆に自身のブロックにくっついてしまうと大変な事になる。くっついた部分のブロックを戦闘中に取り外す事も考えよう ゼロポイントと一緒に使うことはお勧めできない -- 名無しさん (2024-02-20 15 52 26) 敵車両を撃破したあとに自車のSCUストレージを起動したらブロックに付いていたジャマーが引き寄せられてきて行動不能になった -- 名無しさん (2024-02-23 00 27 47) ナニコレ美味しいの?? -- Switchおもろ! (2024-05-11 21 38 45) 名前 コメント ダメージ倍率表 武器に設定されている攻撃属性と攻撃される側の材質で、ダメージ量が増減する どの属性がどの材質に対してどれくらいの倍率がかかるかは、以下の表の通り コイル -- 名無しさん (2021-07-23 13 35 36) 極厚バリアには大量の機関砲だな、 -- 名無しさん (2021-10-01 11 51 57) 実はバリアの材質には不具合があって、どれも材質がシールドじゃなくてスタンダードになってるバグが昔から修正されずに今も残ってる。だからバリアに対する実弾のダメージボーナスとかレーザーのペナルティは現状どれも機能してない。非公式MODでこの問題を修正するMODがあるにはあるが… -- 名無しさん (2021-10-01 19 35 50) 直ったら色々つけなければ -- 名無しさん (2022-03-29 19 43 43) ギガプラズマが強い理由 -- 名無しさん (2022-03-29 19 47 15) プラズマ最強ーーーーーーーーーー -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 54 34) 炎って岩にきかないんだ・・・・・・・・・ -- 伊藤 歩 (2022-11-04 13 57 13) 爆発には爆発をw -- 名無しさん (2022-12-16 08 53 20) プラズマは大体なんでも効くね -- 名梨さん (2023-08-14 13 51 13) Energyってたったのたったの16個しかないんだ -- 名梨さん (2023-08-14 13 52 54) 間違えた、17個 あと「たったの」が2個になってた -- 名梨さん (2023-08-14 13 54 07) ギガギガプラズマーーwwwww -- 名無しさん (2023-09-10 16 55 39) バリアフィールドがバグでスタンダードになっていたら、バリアの材質に当てはまるものってあるん? -- キャット君(犬派) (2023-10-10 16 35 34) BFのプロジェクターみたいなやつがそれっぽい 確認してないけど -- 名無しさん (2023-11-23 21 30 05) プラズマはバリアにはあまり効かないが、バグのせいでバリアのダメージボーナスが1倍になる。 -- 名無しさん (2023-12-05 16 10 44) このせいでプラズマはどんなものにも効くようになってしまっている。早く修正されることを願う。 -- 名無しさん (2023-12-05 16 11 14) バリアの発生機(あのちっこいやつ)の材質がバリア説 -- 名無師参 (2023-12-09 09 59 19) プラズマつっよ -- Switchおもろ! (2024-04-13 23 59 36) 標準とは (2回目) -- Switchおもろ! (2024-04-14 00 01 21) Native Optionsdeバリアの材質 -- 名無しさん (2024-04-29 14 44 38) ↑Native Optionsでバリアフィールド発生機の材質を確認してみたらshieldとなっていたので、恐らくバリアフィールド発生機に材質の倍率が付与されています。 -- 名無しさん (2024-04-29 14 47 06) 攻撃武器に標準ってあったか? -- とある人にあこがれている人 (2024-05-12 00 43 26) 圧縮ルクサイトブロックとかの属性が、岩だったんだけどさ、 もしかして火炎放射器に対しての最強の兵器作れる!と思たけど実験で試してみたら赤くなってダメージ食らってるんよね。でも赤く点滅しないし壊れるきがしないんよね。なんでやろ -- とある人にあこがれている人 (2024-05-12 00 55 05) ↑どゆこと? -- 名無しさん (2024-05-12 12 10 02) 圧縮系で炎を無効化出来るってこと? -- 名無しさん (2024-07-28 14 35 51) バリアに対するダメージバグ解消されたはず機銃の -- 名無しさん (2024-08-06 09 45 28) ↑*4 多分だが ダメージを与える判定をしているため赤く点滅するが あくまでもダメージの値が0なので壊れない...って感じかな? -- 71yu (2024-09-08 01 44 44) 名前 コメント 武器ブロック詳細(1ページ目)へ移動
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1459.html
今日の訪問者 - 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)1/3 平成20年7月28日 藤岡 信勝 PDFソース:http //www.jiyuu-shikan.org/pdf/ikensho.pdf 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)1/3第一 宮平秀幸の証言 第二 宮平秀幸と母・貞子の証言の食い違いについての分析 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)2/3 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)3/3 第一 宮平秀幸の証言 私は3年前の平成17年から沖縄戦集団自決の問題に関心を持ち、現地調査などを断続的に行ってきました。平成20年1月、東京の旅行社が企画したツアーの参加者の一人として座間味島を訪れ、屋外フィールドワークの途上、26日午前11時30分ころ、偶然に宮平秀幸と出会いました。(以下、人名はすべて敬称を省略いたします)。 その時、CS放送のチャンネル桜が即席のインタビューを行ない、30分ほどの発言の全体がノーカットで、2月16日に放映されました。そのビデオテープを本書状に添付いたします。 この中で宮平は、昭和20年3月25日夜、座間味島駐屯日本軍の第一戦隊本部の壕で、村の三役などの幹部が村民の集団自決用の武器・弾薬を所望したのに対し、それを断っただけでなく、自決するなと「命令」し、村長に命じて自決のため忠魂碑前に集まっていた住民を解散させるよう説得していたことを証言しました。 この証言の重大性に鑑み、私は同行の研究者やジャーナリストとともに、当日午後、急遽宮平とのインタビューの場を設定しました。さらにその後、詳細な証言とその裏付けを得るべく、2月11-12日、3月7-9日の2回にわたって座間味島を訪問し、宮平からの聞き取りを中心に関係者からの聞き取りを行いました。 3月10日には、那覇市の沖縄県庁記者クラブで行われた宮平の記者会見に同席しました。その時配布した文書は、私が宮平から聞き取った内容を文章化し、宮平の加筆修正を経て正文とし、宮平の署名捺印を得たもので、全文は次の通りです。以下、引用部分は、【 】で括ります。 【 証言・座間味島集団自決の「隊長命令」について 平成20 年3 月10 日 宮平 秀幸 印 ■本部壕前にて 昭和20年3月23日、アメリカ軍による空襲が始まりました。アメリカ軍は26 日に上陸するまでの三日三晩、ものすごい爆弾、ロケット弾、艦砲射撃による攻撃を仕掛けてきて、それこそ島の形が変わるような激しいものでした。 いよいよ明日は敵軍が上陸してくるという25日の夜、正確な時刻はわかりませんが、9時と10時の間ぐらいのときでした。野村正次郎村長、宮里盛秀助役、宮平正次郎収入役の村の三役と国民学校の玉城盛助校長が戦隊本部の壕に来ました。私の姉で役場の職員の宮平初枝と、同じく役場職員の宮平恵達もついてきていました。ただし村長は少し遅れて来たように思います。 これに戦隊長の梅澤裕少佐が対応されました。壕の入口にはアメリカ軍の火炎放射器で焼かれるのを防ぐため、水で濡らした毛布を吊していました。その陰で、私は話の一部始終を聞いていました。隊長とは2メートルぐらいしか離れていません。当時、私は15歳で、防衛隊員として戦隊本部付きの伝令要員をしていました。 助役は、「もう、明日はいよいよアメリカ軍が上陸すると思いますので、私たち住民はこのまま生き残ってしまうと鬼畜米英に獣のように扱われて、女も男も殺される。同じ死ぬぐらいなら、日本軍の手によって死んだ方がいい。それで、忠魂碑前に村の年寄りと子供を集めてありますから、自決するための爆弾を下さい」と言いました。すると梅澤隊長は、「何を言うか!戦うための武器弾薬もないのに、あなた方を自決させるような弾薬などありません」と断りました。助役はなおも「弾薬やダイナマイトがダメならば毒薬を下さい。手榴弾を下さい」と食い下がりました。 そこで梅澤隊長がさらに出した命令は、「俺の言うことが聞けないのか! よく聞けよ。われわれは国土を守り、国民の生命財産を守るための軍隊であって、住民を自決させるためにここに来たのではない。あなた方に頼まれても自決させるような命令は持っていない。あなた方は、畏れおおくも天皇陛下の赤子である。何で命を粗末にするのか。いずれ戦争は終わる。村を復興させるのはあなた方だ。夜が明ければ、敵の艦砲射撃が激しくなり、民間人の犠牲者が出る。早く村民を解散させなさい。今のうちに食糧のある者は食糧を持って山の方へ避難させなさい」というものでした。 村の三役たちは30分ぐらいも粘っていましたが、仕方なく帰っていきました。 ■忠魂碑前にて 帰り際に、助役が「おい、宮平君、あんたの家族も忠魂碑前で自決するといって集まってるんだよ」と言いました。私は家族のことが心配になり、村の三役の15メートルぐらいあとをついて歩いて忠魂碑前に来てしまいました。そこには老人と子供ばかり80人くらいの人がいました。私の家族は祖父母、母、姉、妹、弟の6人が、碑に向かって右側の窪地にかたまっていました。 母と姉の話では、午後8時ごろ私の家の壕に役場の伝令役の宮平恵達が来て、「ほいほい、誰かいるか。僕は恵達だが、軍の命令で集団自決するから、忠魂碑前に集まってくれ。軍が爆薬くれるというからアッという間に終わる。遅れたら自分たちで死ななければならないよ」と言ってきた。それで支度をして家族で忠魂碑前にやってきたとのことでした。私は、「お母さん、おじいちゃん、それは軍の命令じゃないからね。死ぬことないよ」と言いました。 村の三役たちがやってくると全員が総立ちになりました。三役たちは、忠魂碑の下で、何ごとかしばらく相談していました。私はそこから7~8メートル離れた井戸のそばのタブの木のところにいました。助役の声か収入役の声かわかりませんが、「村長、もうあともどりはできませんよ」と言うのが聞こえました。 やがて「こっちに来なさい」とあちこち隠れている人たちを呼んだので、皆村長のそばに集まって行きました。村長ひとりが忠魂碑の階段を上り切った一つ下の段に立って、「これから軍からの命令を伝える」と言いました。集まった人々は、いよいよ自決命令だと思っていたのです。すると村長は、「みなさん、ここで自決するために集まってもらったんだが、隊長にお願いして爆薬をもらおうとしたけれど、いくらお願いしても爆薬も毒薬も手榴弾ももらえない。 しかも死んではいけないと強く命令されている。とにかく解散させて、各壕や山の方に避難しなさい、一人でも生き延びなさいという命令だから、ただ今より解散する」と言いました。5分くらいの話でした。助役や収入役は、忠魂碑の下のところで、集まった人々と何ごとかを話していました。村長が解散命令を出したのは午後の11時ころです。時計は持っていませんでしたが、お月様が出ていたので、大体の時刻を判断しました。 村長の話が終わったあと、照明弾が落ち、続いて忠魂碑の裏山の稜線に艦砲射撃の弾が3発落ちました。村人は三々五々帰っていきました。うちの家族はどうするか、壕に帰るか、山の方に逃げるか、うちに宿泊している整備中隊の壕を訪ねるか、しばらくグズグズしているうちに、忠魂碑前には誰もいなくなってしまいました。 ■整備中隊壕の前にて そこで、家族7人で1時間以上歩いて大和馬( やまとんま) にある整備中隊の壕に行きました。整備中隊の内藤中隊長、池谷少尉、木崎軍曹、落合軍曹、藤江兵長の5人が出てきて、「このさなかに何しに来たの」と言いましたから、「軍から自決命令が出ているといって忠魂碑前に集まったけど、解散になった。それで、よく知っている兵隊さんに万一の時は殺してもらおうと思って参りました」と言いました。兵隊たちに殺してもらうというのは、母と姉の案を私が代弁したのです。すると「軍の命令なんか出ていないよ。死んではいけんぞ。死んで国のためにはならんよ。国のため、自分のために生き延びなさい。連合艦隊が逆上陸してきたら、万が一救われるチャンスもあるから、家族ひとりでも生き残りなさい」と言われました。「食べ物がないんです」と言ったら、「持っていけ」といわれて、軍が保管していた玄米、乾パン、乾燥梅干しをクツ下の形をした袋に詰め込めるだけ詰め込んで渡してくれました。 それからまた、1時間以上もかけて山を越え、戻ってきて第2中隊の壕のところまで来ると、爆撃が激しくなり進むことが出来ません。第2中隊の田村中尉が、しばらくここに避難しなさいといわれ、金平糖、ミカンの缶詰、黒糖アメをもらいました。そのころは、夜も白々と明けかけていました。この兵隊さんたちは、アメリカ軍上陸後、敵陣地に斬り込み、皆戦死してしまいました。( 以上) 】 第二 宮平秀幸と母・貞子の証言の食い違いについての分析 3月10日の記者会見の内容は、沖縄の2つのテレビ局がローカル・ニュースとして報道しましたが、地元の日刊紙、沖縄タイムスと琉球新報は完全に無視しました。3月11日、那覇市内のホテルで、沖縄タイムス編集委員・謝花直美の講演会があり、その場で私は重要な証言を報道しない同紙の編集姿勢を問いただしました。その際、謝花は『座間味村史(下巻)』に掲載された宮平秀幸の母・貞子の証言と秀幸の記者会見における証言が食い違うと指摘しました。 『座間味村史(下巻)』(1989年刊行、75-79ページ)には、「死んではいけない」というタイトルで貞子の証言が収録されています。証言者名は「宮平貞子(ウルンメーグワー当時四五歳)」としてあります。 私は宮平に電話し、村史にある貞子の証言を読んでみるよう依頼しました。全三巻からなる『座間味村史』は秀幸の家にもありましたが、実は母・貞子の証言をまともに読んだことはなかったということでした。一読して電話をしてきた秀幸は、第一声で「おばあ(貞子)は、とんでもないつくりごとを言っている」ともらしました。 そこで私は、宮平に電話で取材し、昭和20年3月25日の夜、宮平家の壕と忠魂碑の前で起こったことをさらに詳細に聞き出して記録するとともに、村史掲載の貞子の証言についてその誤りを指摘してもらい、文書にまとめました。これを宮平にチェックしてもらい、私の所属する民間の研究団体の通信として3月14日に公表しました。タイトルは、「証言・座間味島集団自決の『隊長命令』について(補足)」となっています。 以下、まず、宮平家の壕で起こったことについて、村史から貞子の証言を引用し、次いで秀幸の「補足文書」から対応する箇所を引用します。 □宮平家の壕にて(貞子) 【 夫が外地で兵隊にとられていたもんだから、当時は私が一家の中心になっていました。七○歳前後の舅と姑、それに二十三歳の長女、十五歳の三男、五歳の娘、三歳の息子の六人をひきつれて壕にかくれていたんですよ。それが三月二五日になって、ものすごい空襲と艦砲でしょう。特に夜になって、あまりに艦砲がひどいもんだからどうしようかと思っているときに、「お米の配給を取りにくるように伝令がきたので、行こう」と、前の壕の人が合図にきたんですよ。私の壕はシンジュの上のほうにあって、奥まっていたもんだから、ウチの所まで伝令は来てないんです。 お米を取りにきなさいと言われて出ていこうとしたら、とても歩けない。このままでは生きられないと思ってね、燃え続けている木々の間をぬって家族全員、移動をはじめました。後でわかったことですが、その頃、ほとんどの家族が忠魂碑前に行ったそうですが、私の家族の所には、さきほど言ったように、伝令が来なかったので、忠魂碑前に集まれというのがわからなかったわけです。もし、伝令を受けていたら、真先に行って玉砕していたかも知れません。それを知らなくて自由行動していたんです。 】 宮平貞子の証言『死んではいけない』全文(渡嘉敷村史) ■宮平家の壕にて( 秀幸) 【 昭和20年3月25日夜の出来事について、前回の証言を補足します。宮平家の壕はシンジュというところにありました。私は戦隊本部の壕で伝令の任務についていて、家族とは分かれていましたので、忠魂碑前に集まれという村からの指示を直接聞いたわけではありません。 忠魂碑前に行って家族と一緒になってから、母(貞子)と姉(千代)に聞いた話は次の通りでした。 夕方、村の役場の女子職員が伝令で来て、お米の配給を取りに来るように言いました。私の家の壕には木炭はありましたが、七輪はありませんでした。お米の配給をもらってもご飯を炊くことは出来ません。それでも、姉がお米をもらいに出かけようとしましたら、祖父が「千代、行くな。艦砲が激しいから、行ったら帰って来れなくなる。飢え死にしてもいいから行くな」と止めました。 そのうち、防衛隊の漁労班に行っていた長男の秀信が、玄米のごはんのお焦げを持って来ました。それをみんなで食べるか食べないかのうちに、午後8 時ころ、役場の伝令役の宮平恵達が壕のところに来ました。うしろには宮平ツルの姿も見えました。恵達が、「ほい、ほい、誰かいるか。僕は恵達だが」と声を掛けました。「はい」と母が返事をしました。祖父が「フカガリク[ 屋号] の恵達か?」と聞きました。恵達は、「はい、フカガリクの恵達です」と答えました。そして、「おじい、軍の命令で集団自決するから、忠魂碑前に集まってくれ。軍が殺してくれる。爆薬をくれるというから、アッという間に終わる。遅れたら自分たちで死ななければならないよ。遅れないように、ぐそうすがい[ あの世に旅立つ時に着けていく晴れ着] を着けて来てください」と言いました。 】 ■『座間味村史』掲載の宮平貞子( 母) の証言について( 秀幸) 【 『座間味村史(下) 』( 1989年刊行)に証言が掲載されている宮平貞子は私の母です。 母は、1993年8月に亡くなっています。私はこの母の証言をつい最近読みました。事実と違う、つくりごとが書かれているので驚きました。母のことを言いたくはありませんが、間違いは間違いとしてハッキリさせる必要があります。母の証言の明確な間違いは次の通りです。 千代姉がお米をもらいに行こうとして祖父に止められたのに、母の証言では家族全員でお米をもらいに出かけたことになっています。 恵達とツルが役場の伝令で来て、軍命だとして忠魂碑前に集まるように言ったのに、その伝令がなかったかのように書かれています。 家族は間違いなく忠魂碑前に行って、そこで長い時間過ごしているのに、忠魂碑前には行かなかったと書いています。 】 以下、この、母と息子の証言の食い違いについて、私の分析を述べます。 (1) 貞子の証言では、明示的にはっきり書いているわけでないが、家族構成を紹介したあと、役場の伝令の話になり、それから家族全員で出かける話につながるので、秀幸がシンジュの宮平家の壕に家族と一緒にいたように文脈上読めてしまう。しかし、秀幸は明日は米軍上陸かと思われる緊張した状況の中で、第一戦隊本部の伝令要員という役目で本部壕の中にいた。 のちに忠魂碑前で家族と合流し、それから長時間行動をともにすることになるのは確かだが、貞子の証言ではその前後関係が混乱している。 (2) 貞子の証言では、秀幸の指摘するとおり、「家族全員でお米をもらいに出かけた」と読める。「お米を取りにきなさいと言われて出ていこうとしたら、とても歩けない。このままでは生きられないと思ってね、燃え続けている木々の間をぬって家族全員、移動をはじめました」と書かれているからである。しかし、これは明らかに非合理的な行動である。秀幸の祖父母は足が悪く、うまく歩けない状態であった。その祖父母まで含めて、家族全員で米を取りに出かける必要はない。誰かが行けばよいのである。実際は秀幸のいうとおり、千代がお米をとりに出ようとして祖父にとめられたのであろう。 ただ、秀幸が詳細に語っている経過とつきあわせると、貞子の発言に言葉を補えば、合理的に解釈できなくもない。上の引用に次のように( )内の言葉を補って読むのである。 《 お米を取りにきなさいと言われて(千代が)出ていこうとしたら、とても歩けない。(そこで、米を取りに行くのはあきらめたが)このままでは生きられないと思ってね、燃え続けている木々の間をぬって家族全員、移動をはじめました 》 貞子はこのように言いたかったのであろう。村史編纂の担当者が、貞子の話をテープに取り、そこから文字に起こしたと思われるこの証言は、話し言葉における言葉足らずの不完全さを示すものとなっている。 (3) 秀幸証言と貞子証言が決定的に食い違うのは、家族が忠魂碑前に行ったかどうかである。この点について、貞子証言は他の箇所とは異なる、一種奇妙なトーンで語られている。 《 後でわかったことですが、その頃、ほとんどの家族が忠魂碑前に行ったそうですが、私の家族の所には、さきほど言ったように、伝令が来なかったので、忠魂碑前に集まれというのがわからなかったわけです。もし、伝令を受けていたら、真先に行って玉砕していたかも知れません。それを知らなくて自由行動していたんです 》 家族全員で壕を出たのなら、普通はその先の家族の行動や体験を語るのが自然な話の流れである。ところが、「後でわかったことですが」と、突然説明的に語調が変わり、ここでわざわざ忠魂碑前に行かなかったことについて、その理由を言い訳的に述べている。それは、そもそも役場の伝令が自分の家の壕には来なかったから、というものだ。米を取りに来るようにという伝令は、貞子の言うとおり、前の壕の住人から聞いたのかも知れないが、それにかこつけて、忠魂碑前に集合せよとの伝令まで来なかったというのはいかにも不自然だ。そんな重大なことを宮平の家族にだけ、伝令役の恵達が伝えなかったなどということは考えにくい。秀幸は、ほかならぬ貞子と千代の話をもとに、家族と伝令とのやりとりをヴィヴィッドに再現しているのである。 村の中で貞子の置かれた立場は次のようなものであったに違いない。秀幸の言う通り、家族全員で忠魂碑前に行ったなら、村長の解散命令を貞子は聞いたはずである。それは村にとってタブーであることを貞子はよくわきまえていたから、安全策をとって、そもそも忠魂碑前には行かなかったことにする。しかし、役場の連絡を受けていながら行かなかったとすれば、役場に反抗したことになる。そこで、貞子の家にはそもそも伝令がこなかったという言い訳を考えたのである。 しかし、そうすると貞子証言には別の矛盾が生じる。(千代が)米をとりに行こうとしたのだが、「出て行こうとしたらとても歩けない」ほど、米軍の攻撃は激しかった。(秀幸によれば)祖父が「千代、行くな。艦砲が激しいから、行ったら帰って来れなくなる。飢え死にしてもいいから行くな」と止めたほどだった。こういう状況なら、家族のとるべき行動は、壕の中でじっと身を潜めている以外にない。それなのに、貞子は、「このままでは生きられないと思って」、家族全員壕を出て、「燃え続けている木々の間をぬって」移動するという「自由行動」を始めたというのである。 これはあまりに不自然で説明がつかない。危険をおかしても足の悪い祖父母を伴って壕を出なければならない事情があったのだ。それは忠魂碑前に集合するという目的以外はありえない。 このように、貞子証言には内在的矛盾がある。貞子が「忠魂碑前に行かなかった」というのは、村のタブーをおかさないようにするために貞子が予防線を張った虚偽の証言であったと考えざるを得ない。 貞子証言の真偽を最終的に判定するには、壕を出た時の家族の服装を確かめればよい。家族が正装していたのなら、忠魂碑前に自決を覚悟で出かけたことになる。このとき、壕を出た家族の中に、6歳の昌子がいた。私は昌子に証言を依頼した。昌子は、当日のことを覚えていた。 7月15日、昌子は自身の体験をテープに録音し、私あてに郵送してくれた。 以下は、その中の主要部分を文字に起こしたものである。 ■壕を出てから忠魂碑の前で起こったこと(宮平昌子、当時6歳) 【 暗くなってから、私たちが入っている防空壕の前へ大人二人が来て、一人はおじさん、もう一人は女の人でした。「マカー(忠魂碑のある地名)の前へきれいな着物を着て早く来なさい」と呼んでいました。おじいさんとおばあさんも、私も弟もきれいな着物を着けて、お母さん、お姉さんの[聴取不能]着て、マカーの前へ行きました。マカーの前には人がいっぱい集まっていました。私と弟を、母と姉がおんぶして連れて行きました。おじいさん、おばあさんは杖をついて行きました。私たちはマカーの広場のそばの小さなみぞに座っていました。兄さんが来ました。「千代姉さん」と呼んでいました。兄さんはおじいさんとお母さんと話をしていました。少したってから、大人の人たちが集まるように大声でみんなを呼んでいました。大人が「解散、解散」と言っておりました。(以下、略) 】 忠魂碑前の出来事については、秀幸は、「補足文書」の中で、3月10日の記者会見時の文書よりもさらに詳細にわたって次のように述べています。 ■忠魂碑前にて(秀幸) 【 午後9時ごろ、祖父母、母、姉、妹、弟の6人の家族が連れ立って忠魂碑前まで歩いて行きました。家族は、忠魂碑に向かって右手の30メートルくらい離れた窪地に固まっておりました。宮里盛秀助役から、私の家族が自決するために忠魂碑前に集まっていると聞いた私は、心配になって忠魂碑前にやってきました。母や祖父母の姿はすぐに見えましたが、姉の千代の姿が見えなかったので、「千代姉さん、来てるのか?」と聞きましたら、姉は「はい。秀幸、あんたも元気か?」と言いましたから、「僕、無事だよ」と答えました。 母が「秀幸、こっちに来なさい」と呼ばれたので、私は「たった今、本部の壕からここに来たのは、村長、助役、収入役、校長、それから恵達だよ」と言いました。母は「何で早く自決をさせないの?」と聞きますので、私は声を潜めて、「今さっき、役場の三役が隊長に自決するから爆薬を下さいと言ったんだけど、隊長が断って、自決用の弾薬も何もない、自決してはいけないと命令したので、この役場の人たち、自決をやめるために帰って来たんだよ」と言いました。母と祖父は、こもごも、「軍の方から何も貰えないのに、『軍が忠魂碑の前で自決させるから』と言ってみんなを呼び出しておきながら、今あんたの話を聞いたら、自決は中止だというんだから」と、村の幹部について批判的な口調で言いました。そして、母は「どうしたらいいの?」とぼやきました。私は本部壕前のことを話してやりました。 そのうち、村長が「今から大事な話をするから、みんなこっちに寄って来なさい」と言いました。その内容は前回の証言で述べた通りですが、村長の解散命令を、母や私の家族はみんな自分の耳で聞いています。 】 このように、宮平秀幸と妹・昌子の証言は、忠魂碑前の出来事について、大筋において完全に符合します。宮平家の家族は間違いなく忠魂碑の前に来たのであり、母・貞子は村史の証言で明らかに虚偽を述べていたのです。ただし、昌子証言には村長の解散命令の言葉は出てきません。6歳の子供には村長の言葉は聞き取れなかったのでしょうが、極く自然なことと思われます。 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)2/3 藤岡意見書(大阪高裁提出資料)3/3 沖縄集団自決訴訟第2審
https://w.atwiki.jp/fro2018/pages/28.html
ジーザスが電話に出ているぜ。 欲しいものを言ってみな。 「ひ、っぎぃっ!? う、うああぁあああぁああぁあっ!?」 暗黒の中に、若い娘の悲痛な叫びが木霊した。 氷のように冷え切った、石造りの牢獄。 明り取りの窓は、そう呼ぶことさえ憚れるほどに小さく、空気は淀んで濁りきっていた。 腐敗した肉の臭い。汗と垢、脂の混ざった体臭。長く放置された糞尿。そして淫臭。 「い、いやあ……っ! もう、やめて……ッ! やめて、くださ――う、ぎいぃいぃい……ッ!?」 獄に繋がれているのは、一人の娘だ。 この世全ての悪意が煮詰まったその空間に、似つかわしくないとも、相応しいともいえる――白い花。 その柔らかな稜線は、彼女の肢体が陶磁の人形を思わせる完璧に近い美しさを持っていることを教えてくれる。 だが日にきらめいていただろう短い金髪も、宝石のように美しい碧眼も、今は光を失ってどんよりと沈んでいる。 戦傷によるものだろう首筋と太腿に残る醜い傷、一糸纏うことも許されず、重さと冷たさで彼女を苛む首枷と手枷、鎖。 明らかに、娘は虜の身であった。 「ひッあぁ!? わ、わかり……まし、たァッ! や、ァッ!? み、とめ、ます……ッ! 認め、ます、からぁ……っ!」 牢獄には、およそ人間の想像力の賜物である、おぞましい形状の器具がいくつも並んでいた。 そのいずれもが赤黒く汚れ、鉄錆を纏い、あるいは幾度となく熱されたことが伺える。 娘の白磁のような体に刻まれた痕の数を見れば、そのいずれもが使用された事は明白。 ならばその美しい容貌が整ったままなのは、奇跡などではなくどす黒い欲望によるもの。 男たちは哀れな娘を慰み者にするために、面白半分に彼女の顔を傷つけなかったのだ。 「わたし――悪い子です……ッ! 魔女です……魔女なんですぅっ!!」 まるで童女の如く啜り泣きながら、娘は自らの罪を告白する。 身悶え、悲鳴をあげ、哀願する度にその豊かな胸はふるりと震え、加虐者の目を楽しませた。 だから、その言葉に耳を貸す者はいない。 「だからどうか、どうか……もう許してください……ッ う、あぁ……っ おね、が……おねがい、します……っ」 ――そう、娘は決して許されることはなかった。 囚われてから一年もの長きに渡って尊厳を踏みにじられ、彼女の心は粉々に砕かれた。 やがてこの書類に名前を書けば解放してやると言われた娘は、大喜びしてその手にペンを取った。 そして彼女は無学故にそれと知らず自らの処刑執行書にサインをし、炎に包まれて焼かれて死んだ。 これはそういった、救われない、どこにでもあるような結末の物語だ―――――……。 暗闇の中、男はゆっくりと目を開き、ベッドから身を起こした。 深夜0時前。サイドテーブルに置かれた時計のデジタル表示が教えてくれる。 男の覚醒はいつだって唐突だった。電源を切るように眠りに落ち、電源をつけるように目覚める。 はたしてそれが戦争に行く前からそうなのか、行った後からなのかは、もう覚えてはいない。 「お前はいつだってそういう奴だったからな」 「――――――」 頭から血を流している髭面の友人の言葉を無視して、男はベッドから立ち上がろうとした。 と、その手が柔らかく暖かな感触に包まれる。 見れば傍らで眠っている娘の手が、彼の手に――まるで縋るように重ねられていた。 男の口元が僅かに緩む。 裸身にシーツだけをまとった娘は、傷つき、疲れ果て、ようやっと眠ることができたように思えた。 「――――――」 男は無骨な手でそっと娘の手を外すと、今度こそベッドから起き上がる。 闇に慣れた目で見回す彼の部屋は――ひところとは大きく変わっていた。 散乱していたピザの空き箱、散らばっていた新聞、放り出されたままの衣服――その全てが消え失せていた。 この娘が彼の元に来て以来、そうだ。荒れ果てていた空間は、徐々に落ち着きを取り戻しつつある。 「――――――」 掃除の行き届いた部屋を横断し、洗濯機の傍に置かれた籠から衣服を取り出す。 シャツにジーンズ、それから愛用のスタジアムジャケット。道具は車に放り込んであるから荷物は無い。 身支度を整えて仕事に向かう前に、男は娘の顔を見ようとベッドの方へ目を向けた。僅かな衣擦れの音。 「……行かれるのですね」 娘がベッドの上、シーツを巻きつけて身を起こしていた。力ない碧眼が、じっと男の方を見つめている。 カーテンの隙間から差し込むネオンの明かりに照らされ、娘の美しい体がぼんやりと浮かび上がった。 彼女の汗ばみ、先程まで乱れ、しかしそれを健気に耐えて隠そうとしていた白い肌には、薄く痕が浮かんでいる。 男はその一つ一つがどこにあるのかを確かめ、彼女以上に把握していた。 「――――――」 男が頷くと、娘は何かを堪えるようにぎゅっと唇を噛み締めた。 彼女はしばらくそうして俯いていたが、やがて意を決して顔を上げ、震える声で途切れ途切れに呟いた。 「……あの、信じて……頂けるかは、わからないのですが―――――」 男は頷いた。彼女の言葉を聞かない理由も、信じない理由も無かったからだ。 「キョートってのは良いとこだって言うぜ。オリエンタルだし、綺麗な女の子も多い。サクラも綺麗だって聞くしな」 髭面の友人がそう言ったのは、いつの事だったろう。 鈍い銀色に輝く愛車を走らせながら、男はぼんやりと思い返す。 あの頃は楽しかった――少なくとも良き上司と、良き仲間と、良き友に恵まれた。血まみれではあったけれど。 「――――――」 やがて男は目当ての建物にたどり着いた。大きく、清潔で、綺麗な、オフィスビル。 入り口に貼られたプレートを確かめる。この国ではこういった奴らは堂々とカンバンを掲げているので楽で良い。 男は助手席に放り出した荷物をあさり、バットを手にし、顔にゴム製のマスクをしっかりと被った。 愛車のガルウィングドアを開けて外に降り、肩を回すようにして体を解す。対して緊張することはない。いつもの事だ。 まるで友人の家でも訪れるかのようにぶらぶらとした足取りで、男は無造作に扉に近づき―――― 「ぎゃっ!?」 無言のままにドアを蹴破り、その向こうにいた連中へと扉を叩きつけた。 悲鳴を上げて吹き飛ぶのは、画一的な黒のスーツにサングラス、手には銃、カタギではない。ヤクザだ。 打ちのめされたヤクザどもが床に倒れるのを前に、男は手にしたバットをゆらりと構えながら、のんびりとその時を待った。 やがてヤクザ二人がよろよろと立ち上がろうとした瞬間、男は容赦なくバットを見舞う。 ――――入り口の扉の向こうには警備が二人います。奇襲を仕掛けて下さい。 「おぇッ!?」 「げぼッ……!?」 頭蓋骨ごと脳味噌を叩き潰す感触を二回ほど味わって、しっかりと息の根を止める。 きっと彼らは何が起きたかもわからなかったに違いない。それで良い。 血にまみれたバットを死体と共に床へ転がし、男はヤクザどもの手から零れ落ちた銃を拾い上げた。 抑制器がついた黒光りする拳銃。目立たないのは素晴らしい。ロシア製なのは頂けないけれど。 ――彼らの武器を回収してください。きっと役に立つはずです。 男はゆったりとリラックスした動きで死体を超えて、オフィスの奥へと入っていく。 ふとパーテーション越しに、歩き回っているスキンヘッドがちらりと見えた。ぴたりと狙いをつけて三連射。 「あが……ッ!?」 太ったヤクザがどさりと通路に倒れ込み、その体から血が滲むように広がっていくのが見える。まだ誰も気がついていない。 男はさらに音もなく突き進み、通路の角でぼんやりと立ち尽くした。ひたひたとした足音が近づいてくる。それを待つ。 「ギャウンッ!?」 出会い頭に黒い犬の頭を撃ち抜く。引き金を絞る度、ぷしゅ、ぷしゅと気の抜けた音がして弾が飛び、命を奪う。 それに誰も気づかない――気づかれないように動いているから、当然なのだけれども。 ――番犬の類が室内に放たれています。壁際をめぐるので、来るまで待ってから対処してください。 そうしてオフィスの廊下をうろつく連中を全て片付けた男は、ぶらりと奥の会議室へと向かった。 先ほどと同じように思い切りドアを蹴破ると、中のヤクザどもががたりと席を立つ。 そいつらにちらりと姿を見せ、男は扉の影へと引っ込んだ。 「な、なんだァ、あいつァ!?」 「どこのカチコミだ!?」 「構わねえ、やっちまえ……!」 ドタドタと音を立てて此方へと走ってくる一人目が扉から出てきた瞬間、男は無造作にそいつを撃ち殺した。 「アバッ!?」 胸から血飛沫を上げて崩れ落ちるそいつの手から、男はカタナを奪い取る。 「ンダ、ッテメ!!」 「ザッケンナゴラーッ!!」 続けて扉から飛び出し此方へカタナを振りかざすヤクザ二人。それへ素早く近づき、先手を取って首を叩き切る。 喉笛を切り裂かれたヤクザどもは声も上げられずに血を噴き出し、ほどなく血溜まりに沈んだ。 その死体へ一瞥もくれず、男は滑るように会議室へと足を踏み入れる。 「な、な……な、なあ……ッ!?」 部屋の奥には賢いのか臆病なのか、一人残っていたヤクザが慌てて此方に散弾銃を向けようとしている。 男は無言のままにカタナを振りかぶり、ひょうと鋭く投げつけた。 「うげえッ!?」 腹をカタナで貫かれたヤクザが、どたりと床へ倒れ込む。 這いずるように床の上で藻掻いているが、どうせそう遠くへは行けまい。 「な、なんで……なんで……お前……」 男が気安い足取りで最後のヤクザの元へ向かうと、急速に死へと近づきつつある瞳が男の方を向いたのがわかった。 ヤクザは血反吐を溢れさせる口をぱくぱくと開閉させ、恐怖に押しつぶされた声を、なんとか絞り出そうとする。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「なんで、ニワトリの顔、してるんだ……!?」 男は物も言わずにそいつの頭を掴むと、繰り返し床に叩きつけて仕留めた。頭が砕け、脳漿が飛び散る。 ――会議室には、きっと四人か五人は詰めているでしょう。一人ずつ誘い出して、片付けてください。 「―――――――」 これでフロアは制圧した。後は2階と3階。別に大したことではない。 男はヤクザの死体の傍から散弾銃を拾い上げ、ポンプをがしゃりと動かして初弾を装填し直した。 いつも通りにやれば、済むことだ。 男があの娘に出会ったのは、マイアミでのいつもの"仕事"の途中だった。 いつものように"間違い電話"の留守電、暗号で指示された邸宅へ踏み込み、ロシアン・マフィアどもを皆殺し。 しかしその日、片っ端からマフィアを始末して奥へ向かった男が見たのは、いつもと違った光景だ。 怪しげな機材に囲まれた、手術台の上――拘束されている、金髪の少女。 スナッフフィルムかなにかを撮影していたのだろうか。男にはわからなかった。これからもわからないままだろう。 少女はすでに事切れていて、男は何もすることもできなかったからだ。 ずたずたに切り刻まれ、その血で奇妙なマークが描かれたその中央に、少女は横たわって死んでいた。 だから――たぶん、それは気まぐれだったように思う。 青白く輝く銀の環。 少女の死体の傍に転がっていたそれに、彼は何の気もなく手を伸ばし、触れて、そして――。 「……もう、いやあ……やめて、ください。痛いの、も、や……なんです。しんじゃ……ぅ……やめて……助けて、ください……っ」 ――――そして、運命に出会った。 光が消えると共に現れたのは、男を縋るような瞳で見つめる、傷つき打ちひしがれた娘だったのだ。 男は彼女を救い出した。裸身を抱き上げ、愛車へ運び、散らかった自宅へと連れ帰った。 右手に浮かび上がった紋様も、脳裏に浮かぶ聖杯戦争も、そのときは瑣末ごとのように思えた。 少なくとも彼がマイアミからキョートへと飛んだのは……聖杯戦争のためではなく、娘のためだったからだ。 いったいぜんたい、他に何の理由があるというのだ? 「――――――」 前にもこんな事があったような既視感を覚えた男は、ゆっくりと首を横に振りながら、自分の殺戮の跡を辿った。 死体を踏み越え、血溜まりを蹴散らし、武器を投げ捨て、扉を開ける。 寒い夜だった。 オフィスビルを出た男はゆっくりと愛車に歩み寄り、ガルウィングドアを開けて中に潜り込んだ。 警察が来る気配はない。通報された様子も無い。いつも通りにやれば、追求されることもないのはわかっていた。 脱いだマスクを助手席へ放り投げると、返り血に濡れたニワトリがぱくぱくと嘴を開け閉めしてさえずった。 「他人を傷つけるのは好きか?」 男は答えないまま、無言でキーを回して車を走らせた。 答える必要は無かった。答えはもうわかっていたから。 だから聖杯はいらない。自分には必要ない。 必要なのは―――――あの娘に対する、わずかばかりの救済だけだった。 「あ、あ……っ」 自分の体に満たされていく確かな魔力に、娘はひざまずいて喘いだ。それは紛れもない罪の証だった。 娘の生は――望みは――いつだって、誰かの死によってしか叶えられないのだ。 「主よ、どうか……どうか、許してください……。お許しください……」 生まれ故郷の村が焼かれなければ、故郷を飛び出すことはできなかったろう。 敵兵を殺さなければ、故郷を救うことはできなかったろう。 味方を殺さなければ、勝利を勝ち取ることはできなかったろう。 娘はその罪の重さに啜り泣き、ベッドがまるで祭壇であるかのように両手を組んで、祈りを捧げる。 こんな自分が、聖女であるわけがない。だからこそあれほどに責め苛まれ、誰も助けてはくれなかったのだ。 魔女だ。悪魔の声に耳を貸し、それに惑わされ、多くの人々を死に追いやった、救いがたい魔女だ。 だから、そう――こんなに救われていて、良いわけはない。 血溜まりの中、傷ついた自分を救いあげてくれる人には、もう出会えた。 助けてと乞うた自分を、彼は確かに助けてくれたのだ。 それはまるで、奇跡のように。 彼は――彼女を救い出してくれた。 「――――主よ、この身を委ねます……っ」 だから、どうか、神様。 聖杯はいりません。私はもう救われました。 愚かで欲深く、ふしだらで浅ましい、こんな自分にはもう十分過ぎます。 必要なのは―――――彼に対する、わずかばかりの救済だけだった。 二人は受話器の前で待っている。 ――まだ電話はかかって来ない。 【クラス】 キャスター 【真名】 ジャネット・ドゥ・アルク 【ステータス】 筋力:B 耐久:A 敏捷:A 魔力:C 幸運:A 宝具:B+ 【属性】 秩序・善 【クラススキル】 陣地作成(真):B 魔術師の工房としてではなく、野戦において自らに有利な陣を敷くスキル。 このランクならば歴史に名を残す名将としての才を発揮できる。 ジャネットの布陣は、守勢より攻勢を好んだものである。 道具作成(真):C 魔術師の道具ではなく、ごくごく普通の日用品などの扱いに関するスキル。 このランクならば民家一つの家事全般を滞りなく行うことができる。 【保有スキル】 啓示(偽):A- "天からの声"ではなく、目標の達成に関する事象全てを直感的に予見する軍事的才能。 「カリスマ」「軍師の指揮」「軍師の忠言」「軍略」の複合スキルであり、それぞれBランクの習熟度を発揮できる。 兵を統率しその実力を大いに高め、彼女の助言は正確に的中し、対軍宝具の行使および対処に有利を得る。 ただしジャネット自身はこれを「魔術」系統のスキルだと誤認しているため、他者に理論だてて説明することができない。 信仰の加護:A 一つの宗教に殉じた者のみが持つスキル。 加護とはいっても最高存在からの恩恵ではなく、自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性。 ランクが高すぎると、人格に異変をきたす。 被虐体質:A+ 集団戦闘において、敵の標的になる確率が増してしまうスキル。 加えて攻撃側は攻めれば攻めるほど冷静さを欠き、このスキルを持つ者の事しか考えられなくなる。 このランクになると一国をも動かすほどの恐ろしい衝動を引き起こしてしまう。 【宝具】 『主よ、この身を委ねます(パース・クエ・デュ・ア・コマンド)』 ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:50 最大捕捉:9400人 ジャネットが戦場に立って旗を揮う限り、常に敵の損害は最大となり、味方の被害は最少となる。 わずか九日間でイングランドの包囲を打ち破り、オルレアン解放を成し遂げた才能の発露。 厳密には宝具ではなく的確なスキル運用であり、因果逆転のような「奇跡」を起こすことはできない。 よって最少の被害の中に、彼女自身を含む重大な要素が含まれる可能性は常に存在する。 ――――ある意味ではジャネットの宝具は、彼女が率いる「兵士」だと言える。 『供犠の聖女(ラ・ピュセル・ド・コンピエーニュ)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:50 最大捕捉:400人 自らが殿として最後まで踏みとどまって戦い続けることで、他の友軍全員を安全に戦場から離脱させる。 軍人ジャネット・ドゥ・アルクが最後に繰り広げてみせた壮絶な撤退戦、その極めて高度な再現。 厳密には宝具ではなくスキルを最大限に発揮した結果だが、それは固有結界にも似た「奇跡」を成し遂げる。 使用しても消滅することはないが、彼女個人の敗北は約束され、その後の運命は悲惨なものとなるだろう。 【weapon】 『百合の軍旗』 百合の花と天使の姿が描かれたジャネットの軍旗。 あくまで指揮を執るためのもので、武器としての使用には適さない。 『無銘・長剣』 何の変哲もない、ありふれた普通の鉄剣。 【マテリアル】 身長/体重:159cm・44kg 出典:史実 地域:フランス 属性:秩序・善・人 性別:女性 スリーサイズ:B85/W59/H86 ドンレミーの村娘、オルレアンの聖女、ルーアンの魔女、フランス王国の軍人ジャンヌ・ダルク。 13歳で「神の声」を聞き、17歳で旅立ち、18歳でフランスを救い、19歳で火刑に処されて死んだ少女。 その事績について、改めて詳しく述べる必要はあるまい。 だがしかし―――はたしてジャンヌ・ダルクが聞いた「神の声」とは、いった何だったのだろう。 精神的な病によるものか、傍付きの傭兵の入れ知恵か、あるいは本当に最高存在からの声があったのか。 ただひとつはっきりしているのは、ジャンヌ・ダルクが采配を振るっていた間フランス軍は勝ち続けたという一点のみ。 無学な農家の娘が絶望的な劣勢を覆し、さらに勝利を掴んでのけるなど、「奇跡」以外の何だというのか。 フランスが、イギリスが、民が、僧が、兵が、将が、貴族が、そして王さえもがそれを信じたのは当然だったろう。 なにせその娘本人すら、それは「奇跡」によるものだと心から信じてしまっていたのだから。 そして信じていたがゆえに裏切られた彼女は魔女裁判で心砕かれ、それは魔術なのだと認めてしまった。 ジャンヌ・ダルクとは死後に広まった名であり、彼女自身は「ドゥ・アルク家のジャネット」と呼ばれることを好んだという。 フランス軍の大敗を予見し、自ら指揮を執ってそれを覆し、劣勢となれば殿を務めて友軍を逃がした偉大な指揮官。 結局、彼女は、「奇跡」のような才能を持ちながら自らを聖女と思い込んだ、哀れで愚かな娘に過ぎなかった。 ――つまりジャネット・ドゥ・アルクは他でもない自らの意思で、どこかの誰かの明日のために立ち上がった娘だという事だ。 【外見】 肩ほどで髪を切って短髪にし、地味で薄汚れた甲冑をまとった、軍人としての装いのジャンヌ・ダルク。 ルーラーとアヴェンジャーの中間のような姿だが、その碧眼には輝きがなく、表情は弱々しく、どこか怯えている。 また首と右太腿に矢を受けた大きな傷跡がある他、全身には苛烈な拷問の痕がくまなく刻まれている。 【聖杯にかける願い】 マスターの救済を 【マスター】 Jacket@Hotline Miami 【人物背景】 北米マイアミ市でロシアンマフィアを次々と惨殺した「ニワトリ頭の殺人鬼」として知られる殺し屋。 かつては米国特殊部隊「GhostWolfs」の一員として対ロシア作戦で凄まじい戦果をあげた精鋭であったが、 親友の無惨な死によってPTSDを患って以降は、無為な日々を過ごすようになった若者に過ぎない。 しかしある日HotlineMiamiという伝言サービスから奇妙な「間違い電話」を受けたことで、その生活は一変。 電話に従って仕事をこなし、ロシアンマフィアを標的に殺戮を繰り返す殺人鬼としてマイアミを震撼させるようになる。 無関係な目撃者を殺害しただけで嘔吐し、スナッフフィルム撮影現場にいた女性Hookerを自宅へ匿うなど、 ロシアンマフィアへの過剰な攻撃性とは裏腹に、精神を病みかけながらもJacketは人間性を保ち続けていた。 JacketはHookerとの奇妙な同居生活の中で交流を重ねることによって、徐々に荒廃していた心を癒やしていく。 しかしその一方で、Jacketは死んだ友人や殺した犠牲者の幻覚を見始めるようになっていく。 彼らは死体となってJacketの周りに現れ、時には動物マスクの人物の姿を取ってJacketへ問いかける。 ――他人を傷つけるのは好きか? やがてJacketは自宅を突き止めた殺し屋にHookerを殺され、自身も撃たれて昏睡状態に陥ってしまう。 だが夢の中で自問自答したJacketは、二ヶ月後に現実へ覚醒、復讐を果たすため一直線に走り出す。 病院を脱走したJacketは警察署を強襲、警官を皆殺しにした上に殺し屋を絞め殺して、事件の捜査資料を入手する。 そしてJacketは全てに決着をつけるため、マイアミを支配するロシアンマフィアの本拠地へ一人乗り込んでいく。 ――たとえ真実が何もわからないとしても、その行いに無駄なことは何もないのだと信じて。 【能力・技能】 精神汚染 ソシオパス、後天的な社会病質者。恐怖を感じず、敵に対して感情移入せず、過剰な攻撃性を発揮する。 精神干渉を高確率でシャットアウトし、Jacketの戦闘行為を目撃した者は高確率で恐怖のBSを付与される。 また同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。 ジャネットは「信仰の加護」スキルによってJacketとの意思疎通を可能としている。 失語症 Jacketは過去のトラウマから声を発することができない。ジャネットとは念話によって意思疎通を行っている。 戦闘能力 元特殊部隊員としての極めて高度な戦闘能力。 格闘技、白兵武器、銃火器類の扱いに精通しており、隠密行動や潜入行動なども得意としている。 さらに背後組織の支援があったとはいえ、長期間に渡って警察やマフィアの追及を逃れ続けるだけの周到さも持っている。 非武装状態でマフィアの拠点に乗り込んで構成員を虐殺、重傷を負っていても警察署へ正面から突入して皆殺しなどの他、 ゲーム中では事実上たった一人でマイアミ市を支配するロシアンマフィアに壊滅的打撃を与えることに成功している。 続編ではJacketのフォロワーたちがマフィアの拠点に乗り込むも最終的に全滅、さらに警察にも活動を把握されており、 他にも単身でマフィアを蹴散らした男は頼ったドラックで破滅し、殺戮を繰り返した殺人鬼はその正体を掴まれるなど、 一対多を基本としている作中においてさえ、Jacketは異常なほどに強く優秀な人物であるという風に描かれている。 特筆すべきは「超人的な身体能力」の類は一切有しておらず、あくまで鍛えた軍人程度の身体能力しかないという点。 Jacketの戦果は高度な状況判断能力と的確な行動に由来しており、ある意味では「鍛えた軍人の強さ」の極限とも言える。 宝具 Jacketがジャネットと共に戦う兵士である限り、その戦闘行為全ては武器に関わらず宝具としての性質を帯びる。 【weapon】 Richard ニワトリのマスク。ゴム製。 他にも多数の動物マスクを所持しているが、Jacketの内的世界における彼の象徴である。 Bat 何の変哲もないバット。木製。 基本的に武器は全て現地調達だが、頻繁に入手できる代表的な武器。 Acado GT Jacketの愛車。ガルウィングドア、リアウィンドウシャッターを持つ銀のスポーツカー。 DMC-12デロリアンや1985年製トヨタ・スープラに似た外観をしている。 【方針】 ヤクザを殺して魂喰いを行い、キャスターの維持と強化を続ける。 他参加者に対してはマスター狙いの暗殺、奇襲、強襲を中心に。 【聖杯にかける願い】 キャスターの救済を 【参考資料】 Hotline Miami ノーデスプレイ ttps //www.youtube.com/watch?v=y65YBb2lPwE ストーリーを教えてもらうスレ暫定Wiki Hotline Miami ttps //www8.atwiki.jp/storyteller/pages/1934.html ゲームPayDay2 キャラクター追加DLC PV ttps //www.youtube.com/watch?v=-_5RKK1vBIw ttps //www.youtube.com/watch?v=kHeETQUd2W0 .
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2324.html
「君はコルベールセンセだね! こんなトコで奇遇ですなあ!」 馬に乗っていたコルベールが頭の上から名を呼ばれたのは、その日の昼前のことだった。 ラ・ロシェールを抜け、タルブ村へと続く街道を進んでいたコルベールの前に風竜が降り立ち、その背から見慣れた生徒達が降りてきた。 「そういう君はミスタ・ジョースター! それに……ミス・ヴァリエールにミス・ツェルプストーにミスタ・グラモン! どうしたんだね、こんなところで」 研究旅行という体で一週間ほど前からいなくなっていたことは知っていたが、パッと見でも明らかに研究旅行などと言う大層な旅をしているのではないのはすぐ判った。 メイド連れの上、学院の生徒ではないらしき青年も一人混ざっている。 「そろそろ学院に帰ろうってコトになったんじゃが、近くを通りかかったんでタルブのワインを買い付けようって話になってな。コルベールセンセもワインが目当てで?」 自分から研究旅行なんてうそっぱちですよと豪快にバラすジョセフの言に、ちょっとした苦笑を浮かべながらコルベールは首を横に振った。 「いや、私はちょっと興味深い話を見つけたのでね。『竜の羽衣』というマジックアイテムがタルブという村にあるらしいんだが、それがどんなものかこの目で確かめに来たんだ」 竜の羽衣、という単語を聞いたシエスタが、驚いて声を上げた。 「『竜の羽衣』ですか!?」 「あらシエスタ、あなた何か知ってるの?」 好奇心旺盛なキュルケが、興味津々でシエスタに振り向いた。 「……ええ、『竜の羽衣』は確かに私の村にありますけれど……マジックアイテムじゃないという話なんです。確かに空を飛んでタルブに来たのを村の人達が見てたらしいんですけれど… …それ以来、一度も空を飛んだことがないんです」 視線を彷徨わせながら選び選び言葉を続けるたどたどしさに、沸点がイマイチ低いルイズが眉間に皺を寄せ始めた。 「何よ、随分詳しいじゃない。で、その『竜の羽衣』って一体なんなのよ?」 「ええと、その……私達にもよく判らないんです。私のおじいちゃんがこれに乗っていたんですけれど……こうやって話すより、実際に見て頂いた方が……」 突然の告白に、その場にいた全員の視線が一瞬完全に沈黙する。その沈黙も数秒後、一斉に破られると同時に貴族達の視線がシエスタへ向けられた。 「ちょっと! それをどうしてもっと早く言わなかったの! 今までの苦労は一体何!」 「す、すいませんミス・ヴァリエール!」 「そうよ、そういう代物なら私のツテを使えばどうとでも好事家に高値で売り捌けるのに!」 「君は酷い女だな、ミス・ツェルプストー……」 「まあまあ、これからの話は実際に『竜の羽衣』を見てからでも遅くはないだろう?」 ルイズがブチ切れ、シエスタが謝り、キュルケが早速売り飛ばす算段を始め、ギーシュがあきれ、ウェールズが宥め、タバサは読書を続ける。 「若いっていいよなァー」 「たまには抑えてもらえると有難いんだが」 盛り上がりを見せる若者達の輪を、ジジイとハゲは温かい目で眺めていた。 さてタルブという村は、ハルケギニアに数多く点在するのどかな農村だ。名物はワイン、それもトリステインだけではなく近隣の国でも結構高値がつく上質なワインである。 その為、行商人だけではなく時折貴族が直々にワインを買い付けに来ることも珍しい事ではなかった。 だが、そんなタルブ村でも同じ日に六人の貴族の来訪を受けるのは非常な珍事だった。 しかも彼らがワインに目もくれず、村の近くの草原に建てられた寺院に安置されている『竜の羽衣』を見に行くというのは、かなり有り得ない出来事だった。 「――こいつは……」 寺院を目の当たりにしたジョセフは、身動きもせずにじっと寺院を見つめていた。 「どうしたのよジョセフ」 使い魔が普段見せない不審な様子を目敏く見つけたルイズが、不審げな視線でジョセフを見上げる。 「まあ……見たことのない建物ね。ゲルマニアにもない感じだわ」 キュルケもジョセフの横に立って寺院を一瞥したが、十七年の生涯の中でも目にしたことのない、不可思議な雰囲気の建物だった。 丸木で組み上げられた朱色の門、板と漆喰の壁を木の柱に組み合わせ、屋根は黒い陶器の様な板を何十枚も並べていた。入り口に掛けられた縄から白い紙で作られた飾りが垂れ下がり、中は木の板を敷き詰めた床だった。 「こいつぁ……神社じゃあないか。どうしてこんなところに……」 「ジンジャ?」 思わずジョセフが漏らした単語は、この場にいる誰も聞いた事のない言葉だった。ルイズが訝しげに問いかけるのにもジョセフが振り向かないので、とりあえずチョップを入れた。 「おぅっ、何すんじゃよルイズ!」 「ご主人様を無視するなんていい度胸ね! どうしたのよ一体、こんな妙ちくりんな建物がどうかしたの?」 「ああ……」 不機嫌さを隠さない主人の耳元に自分の唇を持っていくと、そっと耳打ちした。 「……わしの世界にある国の建物に、凄く似てるんじゃよ」 その言葉に目を見開くと、互いの帽子で自分達の顔を隠すように頭を寄せ、声を潜めた。 「……あんたの世界の?」 「ああ……似てるなんてモンじゃない。そのまんまだ」 内緒話を続ける二人を尻目に、キュルケ達は寺院の中へ入っていった。 「じゃあもしかして、『竜の羽衣』って……」 「わしの世界から来た何か、という可能性は非常に強い。それも多分……」 「おーい、二人ともまだ来ないのかい?」 まだ建物に入ろうともしない二人を、ギーシュが呼んだ。 「……とりあえず、見てみるわ。話はそこからよ」 「そうだな」 どちらからともなく頷き合うと、寺院へと足を踏み入れた。 先に入った五人のメイジ達の背の向こうに見えた『竜の羽衣』に、訝しげな顔を隠さないルイズの横で、ジョセフは驚きに目を見開いた。 気のない様子で眺めているキュルケとギーシュ、身を乗り出しがちに見ているのはタバサ、ウェールズ。そしてガブリ寄りで『竜の羽衣』に食いついているのはコルベールだった。道案内をしてきたシエスタは、貴族達から一歩引いたところでそっと控えている。 キュルケとギーシュは一目見ただけで『竜の羽衣』をインチキな代物と判断していた。 「……興味深い」 「ああ……この目で見るまでは信じていなかったが。これは空を飛べる代物と考えていいようだ。だがその為に成立させなければならない条件がかなり大掛かりになるようだが……?」 風のトライアングルメイジであるタバサとウェールズは、『竜の羽衣』が空を飛ぶ為にどういう条件が組み合わせられればよいか、という思考を巡らせていた。 その結果、二人は『これは空を飛べる』という答えには辿り着いた。だがその為に必要とする膨大な風をどう用意するか、という点に辿り着くことは出来ない。 二人が想定するだけの風を発生させるには風のスクウェアメイジが最低二人は必要だが、それなら自分の力で飛べばいいだけだ、という結論に達していた。 コルベールは持ち前の知的好奇心を著しく刺激され、思わず早足になって『竜の羽衣』の周囲を動き回っていた。これを形作るフォルムはハルケギニアの常識からは完全にかけ離れた代物だというのに、そのどれもが研究者としての本能を甚くときめかせた。 風を大きく受けられる頑丈な翼、前方に取り付けられた巨大な風車、奇妙な材質で作られた精巧な円の車輪。『竜の羽衣』を形成するパーツの一つ一つが高度な技術で作られていることに、息を呑む思いで見つめていた。 そんなメイジ達を視界に入れることすら忘れたジョセフは、思わず声を張り上げた。 「ゼロ戦か!?」 濃緑の塗装を施されたその機体は、まるでこの前建造されたばかりのような姿を保っていた。『固定化』の魔法の効果が申し分なく働いていたためである。 思わず駆け出したジョセフはメイジ達を押し退ける勢いで『竜の羽衣』……ゼロ戦に触れた。ゼロ戦を兵器と認識したガンダールヴのルーンが手袋の中で光り、目前にある機体の情報が、ジョセフの頭脳へ一気に押し寄せてきた。 「……は、ははははは……」 見えた答えに、ジョセフは込み上げてくる笑いを抑えようとはしない。 ジョセフ以外の面々は、突然の奇行に戸惑うしか出来なかった。 「ど……どうしたんだねジョジョ。こんな、カヌーに翼をつけただけのインチキな玩具がどうしたというんだ?」 ゼロ戦とジョセフに忙しなく視線を往復させながら、ギーシュが恐る恐るジョセフに問いかける。 「そうよダーリン、こんなものじゃ空を飛べないわ。翼だって羽ばたくようには出来ていないし……こんな小型のドラゴンほどもあるモノが空に浮かぶなんて有り得ないじゃない」 キュルケも戸惑いつつギーシュの言葉を続ける。彼女もまた、これが空を飛ぶだなんて頭から信じていなかった。 「ちょっとジョセフ、これがどうしたのよ!? 笑ってないで説明しなさいよ!」 ルイズもまたそれは同じようで、笑い続けるばかりのジョセフのシャツの裾を掴んでぐいぐいと揺らして問い詰める。 「はははははっ……まさかとは思ったが、こんな所でこんな代物に出くわすとはなッ……。長生きはしてみるモンじゃあないかッ……」 若い頃の夢はパイロットだったジョセフにとって、第二次世界大戦の名機の一つであるゼロ戦を知らないという事は有り得ない。 しかもそれが博物館に展示されているレプリカではなく、現役の姿そのままの完動品として目の前に現れた。飛行機マニア垂涎の代物を目前にし、ジョセフが歓喜してしまうのはむしろ自然なことであった。 普段の飄々とした彼とは大きくかけ離れた振る舞いに戸惑うメイジ達にも構わず、ジョセフは喜びを隠そうともせず大きく腕を広げて一同に振り返った。 「こいつは飛行機だ! しかもこいつ、動く! 動くぞッ! コイツに燃料さえ入れてやればナンボでも飛ぶんじゃぞッ!」 突然そんな事を言われても、ジョセフ以外にはその言葉の真偽を判断する術がない。だがコルベールはいち早く、メイジとしての理性ではなく、研究者としての感情に判断を委ねた。 「これが飛ぶのか! 本当に飛ぶんだね、ミスタ・ジョースター!」 「ああ! コイツの中にあるエンジンがプロペラを回す! プロペラが回ったらすげェ風が吹くから、その風を受けて飛んでくれるッ!」 「なんと! こんな巨大なモノを飛ばせるだけのエンジンだというのかね!? では燃料を早く用意しなければなるまい、一体どんな燃料が必要なんだね、万難辛苦排してでもこの炎蛇のコルベールが用意させてもらおう!」 「その燃料なんじゃが、もしかしたらセンセでも知らんようなモノかもしれん。ちょっと待ってくれよ……」 コックを開けたタンクの底には、ガソリンがほんの少し残っていた。固定化の魔法はタンクに少しだけ残っていたガソリンにも影響を及ぼしており、四十年以上の時間を経ても化学変化していなかったのである。 コルベールはタンクの底を指でなぞり、指先に付いたガソリンを嗅いだ。 「ふむ、嗅いだ事のない臭いだな。熱を加えなくてもこれほど臭いを感じるとは、随分と気化し易い性質のようだ。これを爆発燃焼させて動くとすれば……私の作ったエンジンなど比べ物にならない大きな力が出るか。なるほど、それなら『竜の羽衣』が飛んでも不思議ではない」 「コイツは石油を精製して作るんだが、ハルケギニアって石油ってあるんか?」 「石油?」 「ええとだな、地下から湧いてきて燃える黒い水、って代物に覚えは?」 若者をほったらかしてジジイとハゲだけが盛り上がる最中聞こえた言葉に、タバサがぼそりと呟いた。 「それなら聞いた事がある。ゲルマニアの北部で『燃える水』をランプの灯りとして使っていると聞いた」 両手を固く握り締めて、両腕を肘ごと後ろへ勢い良く振ってガッツポーズをするジョセフ。 「よしッ! ソイツを精製したらガソリンが出来る!」 「本当かね! ならばそのガソリンを用意すればこれが飛んでいる所を見れるというわけか……! いいだろう、それでどのくらいのガソリンが必要なのかね!?」 「コイツのタンクの容量から言うと……ええと、ワイン樽で五本はいるな」 「なんと! そんなに必要なのか! だが取り掛かってみる価値はある、実に面白い!」 そこからのジョセフとコルベールの行動は迅速だった。 まず『竜の羽衣』を譲り受ける為、シエスタの生家に向かう。 今は飛ばないとは言え、タルブ村の観光資源であり、飛んでいる所を目の当たりにした村の老人やらが手を合わせたりしているということだった。 が、シエスタがジョセフを「学院で世話になっていてよくしてくれている人」と紹介したところ、現在の持ち主であるシエスタの父親は二つ返事で了承したのだった。 続けて2トン弱ある機体を運搬する為に、竜騎士隊とドラゴンをギーシュの父のコネを使って用意した。運搬料として発生したかなりの金額は、コルベールが全額受け持ってくれた。 さて蚊帳の外にほったらかされた若者達はジジイとハゲが駆けずり回っている間、二人をほっといてワインの買い付けに向かっていた。 ひとまず竜の羽衣を譲り受ける算段がついたジョセフは、シエスタの案内で祖父の墓に参ることにした。自分と同じ地球からやってきた先輩に手を合わせよう、という殊勝な気持ちになるのは、ジョセフと言えどもおかしいことではない。 祖父の墓はジョセフの予想通り、日本由来の縦長の墓石であり、そこに刻まれていた墓碑銘は読めなかったものの、漢字とカタカナ混じりの字は日本語であることは明らかだった。 「おじいちゃんが、死ぬ前に自分で作った墓石なんです。異国の文字で書いてあるので、誰も銘が読めなくて……何と書いてあるんでしょうね」 「ふーむ。日本語は話せるが読めんのじゃよなぁ……。ニ、とルだけは読めるな……」 マンガ収集が趣味のジョセフだが、良質なマンガが多く出ている日本のマンガは英訳されるのを待っている。最新のマンガをいち早く読めるメリットと、「悪魔の言語」と称されるほど難解な言語を覚えるデメリットを比べたら、デメリットの方が圧倒的に大きかったのだ。 「ニホン語、ですか?」 「ああ、わしの娘が嫁いだ国で使われてる言葉だ。お前のお爺さんはそっちから飛んできて、こっちに来たと言うワケだな。その黒い髪と目は、お爺さん似なんじゃろ?」 「あ、はい。ご覧になってもらった通り、家族みんな目も髪も黒くて。遠くから見たらすぐに家族の誰かだって判るんですよ」 うふふ、とたおやかに微笑むシエスタが、遺品を包んだ布を解く。そこから現れたのは古ぼけたゴーグルだった。これもまた固定化の魔法を受けていて、少し使い古してはいるが十分に実用に耐えうる状態を保っていた。 「おじいちゃんの形見はこれだけなんです。十年前に亡くなったんですけど、日記も何も残さなかったみたいで……遺言とこのゴーグルだけ残したんです」 「遺言?」 「はい、あの墓石の銘を読める人が来たらその人に『竜の羽衣』を渡してくれって。銘は読めなくても、またあの『竜の羽衣』が飛べるかもしれないなら、お渡ししてもいいって父も言ってましたし」 「ふーん……あと十年ほど頑張って欲しかったがなァ。そしたら、せめて世間話も出来たかもしれんが……けどワシ、イギリス系アメリカ人じゃしなー。鬼畜米英とか言われてケンカになっとったかもしらんな」 またよく判らない単語が聞こえるのに、曖昧な笑みを浮かべるシエスタを見たジョセフは、(やっぱり日本人ってどこでもこういう感じになるんかなー)と内心感心していた。 「それで……お渡し出来る人には、こう告げてくれと言ったんです。なんとしてでも『竜の羽衣』を陛下にお返しして欲しい、って。どこの国の陛下なのか判らなかったんですけど……ジョセフさんの娘さんのいる国の陛下なんですね」 「ああ、今もその国の陛下は生きとるしな。じゃが早いトコ行かんと、ちょっと危ないかもしらんなァー」 ジョースター一行がDIO討伐の為日本を離れたのは、1988年の末の事だった。時折見るTVニュースに天皇陛下の病状が出ていたが、果たして年も明けて数ヶ月経った今、まだ今の天皇は生きているのか、それとも皇太子が皇位を継いでいるのか。 「とりあえず、地球とハルケギニアの時間の流れ方はそんなにズレちゃおらんと考えていいようだな……シエスタ、このゴーグルも貰っていいか」 「あ、はい!」 受け取ったゴーグルを試しに着けてみる。 全体的に小柄な日本人サイズのゴーグルは、欧米人でも大柄な部類に入るジョセフの頭には少々小さかったものの、何とか問題なく装着することが出来た。 「似合うか?」 「はい、よく似合ってますよ」 「よし、それなら問題ナシッ」 それからジョセフはシエスタに案内され、村の周辺を歩き回った。 ブドウ畑やワイナリーを見て回った後、シエスタが「私の一番のお気に入りなんです」と、嬉しそうな足取りでジョセフを連れて行ったのは、村の側にある草原だった。 なだらかで平坦で、とても広大な草原だった。確かに飛行機を着陸させるには申し分のない場所だ。青々とした草の上をそよ風が渡れば、心地よい葉ずれの音を響かせて草が波打つ様は壮観と言っていい。シエスタの一番のお気に入りというのも、頷ける光景だった。 「のどかでいいトコじゃなー……」 「はい、私の自慢の故郷です。ブドウもワインもこの草原も……」 それからしばし、二人は無言で草原を見つめていた。 (……スージーQにホリィに承太郎、ポルナレフ……みんな、元気だろうか) 普段は望郷の念は億尾にも出さないジョセフだが、それでもこうして地球に残してきた家族のことを忘れることはない。 今すぐ帰れなくとも、せめて自分は元気にやっていると一言伝えられればもう少し安心は出来るのだろうが、それすら難しいのだろう。 シエスタの祖父は太平洋戦争の最中、何らかの原因でハルケギニアに来てしまい――それから三十年、この地で生きて、没した。 では自分は、あと何年ハルケギニアで生きていられるのだろうか。今年で69歳の自分は、果たしてあと何年、まともに動くことが出来るのだろう。 基本楽観主義なジョセフではあるが、現実を見ないこととはイコールではない。老いると言う事がどう言う事か、自分の身や周囲の人間を見ているから十分に理解している。出会った時はチビのスリだったスモーキーも、今では立派にジョージア市長やってるジジイだ。 「なあシエスタ。もし、わしが今よりもっとジイサンになって、使い魔がロクに出来んようになったら……この村に住むのも悪くないかもなあ」 普段のジョセフには似合わない類の言葉を聞いてしまったシエスタは、思わず目を丸くしたのだが。 「三十年後に備えて、どっか良さそうなトコに家を用意しとくのもいいかもしれんな」 ニヤリと笑って言った言葉に、シエスタはさっき丸くした目を、困ったように細めた。 「あと三十年現役でいるおつもりなら、もうしばらくは大丈夫ですよ」 * その日の夕方。 一行はシエスタの実家に泊まることになった。 上物のワインを樽単位で買っていく貴族達が泊まるというので、村長やワイナリーの主人までもが挨拶に来たりする騒ぎであった。 シエスタを頭に八人の兄弟姉妹と両親が住む家はそれなりに広く、板敷きの床の上に布団を敷けばひとまずベッドに貴族全員を寝かせることは可能である。 固さはどうあれベッドで休めるのは有難い。それぞれ宛がわれた部屋で腰を落ち着けていると、夕食の準備が整うにはまだ少し早い頃合、ルイズとジョセフがいる部屋のドアがノックされた。 ルイズはベッドに寝転んだまま、横に寝転がっているジョセフの背を指でつついて、無言で(誰か来たわよ)と横着を決め込む。 「どちらさんかな?」 ジョセフも主人に倣って横着して、ベッドから起き上がらずに首だけドアに向ける。 「すまないが、二人とも話したいことがあるんだ。少し来てもらいたいんだが」 ドアの向こうからコルベールの声が聞こえてきた。 『竜の羽衣』を前にしていた時のはしゃぎっぷりとは異なる静かな口調の言葉に、ジョセフとルイズは枕元に置いていた帽子を被りつつ、ベッドから起き上がる。 「判りました、ミスタ・コルベール」 ベッドから降りたルイズとジョセフは扉を開け、コルベールに導かれるまま家を後にする。 三人は特に口を開かないまま、村の道を歩いていく。普段と違うコルベールの様子からして、あまり人気のある場所でしたくない類の話があるということは察していた。 やがてコルベールの足が止まったのは、昼間にジョセフがシエスタと来た草原に着いた頃だった。西の稜線に差し掛かった夕日に照らし出された草原は、濃い蜜柑色で彩られて昼間とは異なる雰囲気を醸し出す。 この美しさに感嘆の声を上げたのはルイズだけで、ルイズを挟む形で立つコルベールとジョセフは草原を見つめたまま無言を貫いていた。 「……で、センセ。話ってのはなんですかな?」 夕日の色が僅かに変わった頃、ジョセフがコルベールを見やる。 言葉を促されても、まだコルベールは躊躇うように視線を草原に向けていたが、やがて意を決すると二人に向き直った。 「――何故私が『竜の羽衣』の伝説に行き当たったか。まずそこから話させてもらいたいが……いいかね?」 「晩飯に間に合わせてくれれば文句はありませんわい」 「……そうか。では出来る限り、努力するとしよう」 一つ息を吐くと、コルベールはゆっくりと話し始めた。 「私は、ミスタ・ジョースターの言う異世界に関係のありそうな書物を探した。その中にあったのが、『竜の羽衣』の伝説だ。その真偽を確かめようと、このタルブ村にやってきて今に至る……ここまではいいね?」 訝しげな視線で自分を見ている二人が特に言葉を挟まないのを確認すると、コルベールは言葉を続ける。 「『竜の羽衣』はタルブ村に降り立ったのとは別にもう一つあった。そしてそのもう一つは空を飛んだまま、日蝕の作り出した輪の中に飛び去ったと記されていた」 「なんじゃと!? もしかして、そのもう一つの『竜の羽衣』は……」 「ああ。異世界から何らかの要因によってこちらに二つの『竜の羽衣』がやってきたが、片方は通ってきた道を戻って帰る事が出来たのだろう。だがもう一つ、こちらに降りてしまったのがタルブ村の『竜の羽衣』という事だな。 私も直接この目で見て、ミスタ・ジョースターの話を聞くまでは信じ切れていなかったが、どうやらそう考えることに疑いはないと見ていい」 まだ話の全容が理解できていなかったルイズだが、ここまで来ればコルベールが何を言いたいのかを察することは出来る。鳶色の両眼を大きく開けて、教師を見上げた。 「――もしかして、ミスタ・コルベール! 『竜の羽衣』があれば……ジョセフは、元の世界に帰る事が出来るんですか!?」 驚きの声を上げるルイズの視線から逃げるように、コルベールは顔を背けた。 「……ああ。私の仮説が正しければ……きっと日蝕が異世界とこちらの世界を繋ぐ扉の役割を果たしているのだろう。『竜の羽衣』がもう一度空を飛べれば、あるいは……」 唐突にコルベールが言葉を途切れさせた。 これから先、言わなければならない言葉を発するのは躊躇われた。 だが言わなければならない。 二人に言わず、何も知らない振りをしてやり過ごせばいいのかもしれない。そうするのが一番ベストだとは判っている。だが、それでも。 見つけてしまった真実を告げなければ、この二人に与えられた選択肢を一人で握り潰すことになってしまう。 知らず乾いていた喉を濡らすべく唾を飲み込むと、改めて二人を見つめた。 「……だが、幾つか重大な問題がある。ミス・ヴァリエール――使い魔の原則は知っているだろう?」 不意に告げられた言葉の意味を理解してしまったルイズは、言うべき言葉を見失った。 呆然と立つルイズに悲しげな目を向けながらも、教師は意を決して真実を続けた。 「一人のメイジが召喚できる使い魔は一体だけ。その契約が破棄されるのは、メイジか使い魔のどちらかが死に至った時のみ。これに一切の例外はない」 「ちょ、ちょっと待ってくれッ! それじゃあッ……」 ジョセフも、コルベールが何を言わんとしているか理解できた。 コルベールは何かを言おうとしたジョセフへ手を翳して制止すると、静かに言葉を紡ぐ。 「もしミスタ・ジョースターが元の世界に帰れば、ミス・ヴァリエールはミスタ・ジョースターが死ぬまで新たな使い魔を召喚することが出来ない。いや、もしかしたら召喚のゲートが開くかもしれない。 しかしその場合でも、ゲートが開かれるのはミスタ・ジョースターの前だろう。 そして、私が君達に言わなければならない事がもう一つ、ある」 突如残酷な選択肢を突き付けられた二人にとどめを差すような心持ちで、コルベールは静かに言葉を発した。 「私が先程計算したところ……次の日蝕は五日後の正午。その次の日蝕は……十年後、なんだ」 To Be Contined → 戻る
https://w.atwiki.jp/hnagashi/pages/19.html
いなべ警察署 0594-84-0110 アサケアルパインクラブ 遭難者情報あり 三重県山岳連盟 御池岳行方不明者捜索状況 2月11-12日 御池岳・藤原岳 捜索情報リンク集 御池岳・藤原岳 捜索情報リンク集 2 日付順リンク集 2月11日〜 日付順リンク集 3月18日〜 日付順リンク集 4月09日〜 リンク集 2 ★山と私的日記☆ 2012年02月19日 日曜日 藤原岳遭難事故続報 2012年02月16日 木曜日 三重・藤原岳で遭難か 名古屋の男性(三重県) ラテルネ瀧根の登山塾 2012年02月21日 捜索 2012年02月20日 捜索 ups and downs 2012年3月25日(日) 藤原岳 福寿草はドコですか? 2012年03月28日 2012/02/19(日) 御池岳 テーブルランドには青空を! 2012/03/03(土) 御池岳 再度テーブルランドへ! 2012年03月06日 2012年03月11日(日) 御池岳 鈴鹿は春の準備が進行中 2012年03月14日 つくだに日記 H24.04.09 藤原岳 ~今年も会えてよかった~ 2012/04/12 H24.04.06 藤原岳 ~久しぶりの山の会メンバーで~ 2012/04/10 H24.03.03 タテ谷 ~初めて捜索に参加して~ 2012/03/07 Parkinson's alpinist yucon's climbing struggle record (日記) 2012-07-06 雪山(結) (日記) 2012-05-04 雪山(その3) (日記) 2012-05-04 雪山(その2) (日記) 2012-05-01 雪山(その1) 2012-04-01 おやこ登山 ~久々の親子登山~ 2012-04-15 2012-03-10 鈴鹿山脈 御池岳遭難事故 2012-03-09 2012年の出来事 2012-03-04 ~気になること~ 何気ない日々 2012/03/11 藤原岳~白船峠 2012/02/26 藤原岳 くにやんのブログ 2012/03/18 プローブ(英語)=ゾンデ(ドイツ語) 2012/3/19(月) 2012/03/11 広大なる御池岳 2012/3/12(月) 2012/03/04 自分の為の勉強になった日曜日 2012/03/04(日) たくたくの悠々・・・ 2012年03月03日(土)丁字尾根・青のドリーネ 2012/3/5(月) おさないG山行記録 2012年04月08日 犬返谷から冷川岳・頭陀ヶ平 2012年03月16日 孫太尾根・丸山散策 2012年03月11日 藤原岳 2012年02月26日 雪の御池岳、彷徨 高所恐怖症の山歩き 2012-02-26モノトーンの幻想、御池岳・テーブルランド 段平の山登りと家庭菜園の日記 2012.02.24 御池岳 藤原簡易駐車場(白瀬峠)からピストン 鈴鹿の山歩き雑文集 2012.02.24 御池岳画像集 のじらぺーじ 8号。ブログ版 2012年02月20日 藤原岳遭難。 こつこつ登山日記 2012年04月29日 (日) 御池岳 4月29日(日曜日)昭和の日 2012年02月20日 (月) 遭難者 mixi 鈴鹿の山と谷を歩く トピック一覧 2012年02月20日 鈴鹿の山と谷を歩く トピック 2/12御池岳~藤原岳 遭難について 鈴鹿の山と谷を歩く トピック 藤原岳 鈴鹿の山と谷を歩く トピック 御池岳・鈴北岳 takaki's web ◇ 2012年04月29日 御池岳遭難・捜索活動終了 2012年05月01日 ◇ 2012年04月15日 鞍掛尾根周辺捜索活動 2012年02月20日 鈴鹿山脈冬季縦走1日目 奈良山岳会 2012/02/19(日)、20日(月)御池岳~藤原岳縦走 ガイドオフィス ムーントレック 2012.02.19(日) 御池岳スノートレッキング 波多野の登山ブログ 2012/02/19(日) 遭難者捜索 安城こもれび会ホームページ 2012年02月19日(日) アイゼンで登る 藤原岳 山岳同人・ローテルプラッツ 2012年03月25日 藤原岳-木和田尾 2012.02.12 藤原岳 山行記録 あかぼう 2012-02-18 藤原岳遭難 2012.02.11 御池岳リベンジ (登山日時を2/12より2/11に訂正しました。Eagleflight様、あかぼう様ありがとうございました。3/21 管理人) 名古屋山岳同志会 2012年02月11日 自主山行 藤原岳 メタボ男爵の山日記 2012年04月08日 鈴鹿の山 藤原孫太尾根 大人のどろんこ遊び? 2012/4/10(火) 2012年3月20日 鈴鹿の山 藤原岳頂上台地縦走 週間!福寿草便り?2012/3/20(火) 2012年03月11日 鈴鹿の山 藤原岳坂本谷 咲いた咲いた福寿草が咲いた♪ 2012/3/11(日) 2012年03月04日 鈴鹿の山 藤原岳 福寿草シーズン始まる! 山・海・酒幸彦 つれづれの記 2012年03月22日 H24. 3. 22 (木) 晴後曇、強風 花山策に 藤原岳 ///// 鈴鹿北部 ///// H24.02.28(火) 晴後曇 福寿草探索に 残雪の 藤原岳 ///// 鈴鹿北部 ///// H24.02.16(木) 曇後晴 山麓に節分草 雪の 藤原岳 ///// 鈴鹿北部 ///// My room 2012.03.08 「藤原岳・木和田尾」リベンジ 2012/3/10(土) 2012.03.01(木) 御池岳 アイゼン忘れて・・・ 2012/3/5(月) 午前 0 20 まなーもーどのブログ 2012.03.11 御池岳~鈴北岳、だいぶん時間はたっちゃいましたが 2012/3/25(日) 2012.03.11 とにかく遠い!登山口から御池岳まで 2012/3/15(木) 20120311 御池岳、まだまだ樹氷が楽しめました^^ 2012/3/12(月) 2012/02/11 冬の藤原岳2、白銀の世界&樹氷 2012/02/14(火) 2012/02/11 冬の藤原岳、雪壁 2012/02/13(月) 山で遊ぶ♪ 2012/02/12 藤原岳 2012/02/16(木) 登山奮戦記 2012年03月11日 福寿草 2012年02月12日 日曜日 藤原岳 KIKIの山行き 2012年02月13日 藤原岳・・・登山原点の山の別の姿 にょきりんの日記 2012/02/16 鈴鹿 雪の藤原岳登ってきました! 2012/02/17(金) 御池池守のブログ 2012/04/08 フクジュソウお花見登山 2012/4/8(日) 2012/02/16 藤原岳 2012/02/17(金) この先どうなる。。。 2012年04月01日 藤原岳 2012/4/1(日) 2012/03/04 藤原岳 2012/03/05(月) 2012/02/19 御池岳 2012/02/20(月) 臆崖道の山日記 2012/02/26 滋賀県側から御池岳往復 モノトーン・ミュージアム 2012/03/01(木) 酒とバイクと一人旅 2012/03/01 藤原岳登山2012年3月1日 2012/03/02(金) 花を求めて山登り 2012/03/04 藤原岳へ登山 2012/03/04(日) nekoyan日記 2012年02月18日N~19日 鈴鹿・鈴北岳 2012-03-06 茶里ーの日記 2012年03月03日 鈴鹿・藤原岳 author tyari_m 2012年03月05日 otwa971のブログ 2012年02月11日(土) 2012年2月 藤原岳 TDD掲示板 2012年02月19日(日) 藤原岳冬季山行 2012/02/22 京都山岳会 公式ウェブサイト 2012年2月11日(土)鈴鹿・御池岳 私の山と花日記 2012年04月01日(日) 寒さに震えるフクジュソウ 藤原岳・天狗岩 大貝戸~天狗岩~山口 2012年02月11日(土) 山頂はおとぎの国! 御池岳 時々X-S1 2012年02月19日 鈴北岳スノーハイク 4 2012年02月22日 2012年02月19日 鈴北岳スノーハイク 3 2012年02月21日 2012年02月19日 鈴北岳スノーハイク 2 2012年02月20日 2012年02月19日 鈴北岳スノーハイク 1 2012年02月19日 さぶの気ままな山旅 2012年04月01日(日)藤原岳 2012/04/01 2012年03月20日(火) 藤原岳・多志田山・丸山 2012/03/20 2012年03月07日(水) 藤原岳 2012/03/07 Picasa ウェブ アルバム sabu suzu さんのギャラリー 2012年03月07日(水) 鈴鹿の藤原岳 麻生知沙と申します 2012-03-09 御池にはまって 自然が大好き~山が恋人 藤原岳 三重県いなべ市 1144メートル 曇り 16/ 2012/3/11(日) つーさんのNatureDiary 2012年04月01日(日) 三度 御池岳へ(コグルミ谷から) 2012年 04月 09日 2012年03月11日(日) 鈴鹿山系 御池岳 2012年 03月 13日 瑶林瓊樹 2012/03/11 鈴鹿・御池岳(1,274m)へ 2012年 03月 12日 ジャッキー悟のe登山 2012年03月07日 藤原岳 登酔庵日誌 2/11 Forest of frost-coverd trees 2/11 Mt.Fujiwara Trek 山と素人絵日記 2012年02月11日 御池岳遭難 捜索隊の皆さんに敬意 2012/3/11(日) 駅からお山歩 鈴鹿編 2012年03月29日 藤原1128峰 12年03月29日(木)快晴 2012/4/1(日) 2012年03月03日(土)藤原岳袴腰雪原 晴れ 2012/3/4(日) choujisouのブログ 2012/03/08 山岳捜索 2012/03/08 50歳から楽しめること! 2012/03/18(日) 再び・・・藤原岳へ 2012/3/18(日) 2012年03月11日 藤原岳(鈴鹿山系) 2012/3/12(月) モムウ 2012年03月11日 早春の藤原岳 2012/3/13(火) レモンの旅日記3 2012年03月11日(日) 御池岳に福寿草を・・・ 2012年03月13日 kan*o1*45のブログ 2012.03.14 御池岳雪景色(2) 2012/3/14(水) 2012.03.14 御池岳雪景色(1) 2012/3/14(水) 2012.03.11 藤原岳、福寿草(2) 2012/3/11(日) 2012.03.11 藤原岳、福寿草(1) 2012/3/11(日) ヨレヨレ山便り II 2012年03月20日 2012 山野草・その2 - 2012.03.20 Tue 2012.03.14 子向井山(こむかいやま・647m) 鈴鹿は冬へ逆戻り noburin's blog 2012.03.10 御池岳登山 野の花・山の花 ◇ (日記) 御池岳周辺で行方不明のNさん、発見の情報! 2012/03/29 3月29日の藤原岳 2012/3/29(木) 2012/03/21 3月21日の御池岳・藤原岳方面 2012/3/21(水) 2012年03月18日 3月18日の茨川方面 鈴鹿樹林の回廊 2012年04月01日 御池岳捜索三回目 12.04.01(SUN) BUD PALMS★スタッフ日記 enjoy会☆藤原岳へ行く 2012年03月14日 I love nature ◇ 2012/04/01 藤原岳 2012年04月05日 2012/03/11 藤原岳 後編 2012年03月20日 2012/03/11 藤原岳 前編 2012年03月18日 山大好きの山ちゃん 2012年03月19日 ちょこっと山歩き・早春の藤原岳! 山とカヌーの休日 2012年03月18日 早春の藤原岳 2012.03 gaku ◇ 2012年04月05日 又~この所へ。。。 2012年4月 6日 (金) 2012年03月18日 春よ~来い。。 山歩き 山ごはん つれづれ 2012年03月16日? 雪の藤原岳 有楽フォト雑写雑感日記 2012年03月14日 藤原岳雪山登山・・・2012.03.17. 気ままな日記 2012年03月13日 福寿草と節分草の藤原岳へ スカイウォーカー気ままな山歩き 2012年03月18日(日)藤原岳、雨にもめげず花咲かす福寿草 2012/3/24(土) 2012年03月11日 樹氷の見納めは御池で 山に登りたいyama2のブログです 2012年03月11日 テーブルランド 2012/3/14(水) 2012年03月11日 【鈴鹿】 御池岳 ロコの山迷記 2012年03月10日 木和田尾から天狗岩・藤原岳 ちげの一人登山 2012年03月07日 藤原岳 その2 2012年03月07日 藤原岳 香抄寿庵徒然日記 2012年03月15日? 藤原岳で福寿草を見る! 2012年03月15日17 17 ルネオバの なんだかねぇ・・ 2012年03月21日(水) 必見!!藤原岳 福寿草情報・・なんて (^^ゞ 桃太郎の山歩記 2012年03月21日 藤原岳20120321 自然のいとなみ 2012年03月21日 藤原岳 2012.3.21.その3 2012年03月21日 藤原岳 2012.3.21.その2 2012年03月21日 藤原岳 2012.3.21. 行きたい所へ行こう 2012年03月20日 御池岳・・・・テーブルランドに行ってきました。 広大です。 ② 2012年03月20日 御池岳・・・・テーブルランドに行ってきました。 広大です。 ① ととぶろ VER.NAGOYA 2012年02月26日 藤原岳 8~9合目間で敗退 つれづれ山日記 biwaco mt.memory 2012年03月04日 Nさんを探して雨と競走の御池谷 りゅうちゃんの犬日記 2012年03月19日 藤原岳 福寿草咲いていました。 やまやのブログ 2012年03月11日 残雪期 T字尾根から御池岳 岳人?? 鈴鹿の山やまと美味しいものを 2012年02月11日 木和田尾コースー聖宝寺道周回 2012年02月11日 藤原岳登山 樹氷の風景 やま風に吹かれて・・・ 2012年03月20日 藤原岳 2012.3.20 お山歩日記 2012年03月20日 藤原岳 山賊の隠れ家 2012/03/25 福寿草を求め藤原岳 その2 2012/3/26(月) 2012/03/25 福寿草を求め藤原岳 2012/3/26(月) ハムのお気楽のほほん日記 20120325 藤原岳 2012年03月28日 トドクロちゃんと山登り 2012年04月01日 まだ降るか・・雪の藤原岳 2012年04月02日 鈴鹿山脈を歩く 2012年04月01日 福寿草の藤原岳 (三岐鉄道 登山大会)2012/4/1(日) La・Kunnでおでかけ 2012年04月01日 藤原岳の福寿草 2012年4月1日 (三岐鉄道主催の藤原岳登山) 山が呼んでいる\(^o^)/ 2012年4月01日 藤原岳の福寿草に会えたよ!2012/4/1(日) Rockkenの山歩き帳 2012年04月01日 御池岳─ルートファイト&雪洞訓練─ April 01, 2012 山・日々の戯言綴り 2012年03月30日 藤原岳 2012/03/30 Sundaysのブログ 2012年03月29日 わんこと山歩き 福寿草咲く藤原岳 2012/3/30(金) たけちよクラブ 2012年03月29日 鈴鹿・藤原岳へ行ってきました。 (4)天狗岩~下山 2012/4/2(月) 2012年03月29日 鈴鹿・藤原岳へ行ってきました。(3)山荘まで 2012/4/1(日) 2012年03月29日 鈴鹿 藤原岳へ行ってきました。 (2)8合目まで 2012/3/31(土) 2012年03月29日 鈴鹿 藤原岳へ行ってきました。 (1)プロローグ 2012/3/29(木) 好日山荘【お店】 2012年03月28日 福寿草の藤原岳 登山用品の専門店シャモニ【お店】 2012年04月07日 ☆季節外れの吹雪、藤原岳・・2012年4月7日 2012年03月28日 動画あり ★福寿草咲く藤原岳・・2012年3月28日 &山SKI・野伏ヶ岳3月18日 更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ◇ 2012年04月21日 神秘な池巡り 2012'4/21 御池岳 その2 2012/4/22(日) ◇ 2012年04月21日 神秘な池巡り 2012'04/21 御池岳その1 2012/4/22(日) ◇ 2012年04月08日 藤原岳~御池岳~鞍掛峠 201 2'4/8 その2 2012/4/11(水) ◇ 2012年04月08日 藤原岳~御池岳~鞍掛峠 2012'04/8 その1 2012/4/10(火) 2012年03月25日 御池岳 木和田尾~コグルミ谷 3/25 2012/3/28(水) seigoyの日記 2012年03月25日 極寒の藤原岳 鉄路の山旅(山編) 2012年03月25日 藤原岳(2012年3月25日) (山歩き(撤退・その他)) ミツルの山登り日記 2012年03月25日 藤原岳(孫太尾根) 三重県いなべ市藤原 2012/4/2(月) 京都トレッキング協会 なおちゃんのぶらぶら山歩き 2012年03月25日 藤原岳(三重県鈴鹿山系) 2012年03月27日 気ままに野山 2012年03月25日 藤原岳を時計回りに一筆書き (下):大貝戸道は泥んこ道、下山後は長い平坦路歩き 2012-03-29 2012年03月25日 藤原岳を時計回りに一筆書き (中):稜線に出る。雪の降る中を足を滑らせながら登る 2012-03-28 2012年03月25日 藤原岳を時計回りに一筆書き (上):車のアプローチは雨、山に入って吹雪、あとは泥んこ道 2012-03-27 山のブログ 2012年03月21日 藤原岳 福寿草 2012年3月25日 鈴鹿山系探検記 2012年03月20日 福寿草の開花・藤原岳 2012/4/1(日) 山駆けの日記 2012年03月29日 藤原岳とフクジュソウ 2012 2012/3/29(木) 山へ行きたい! 2012年03月25日 【鈴鹿】藤原岳…雪の中に福寿草 2012/3/27(火) Blue Sky, Blue Water 2012年03月25日 2012年3月の藤原岳は福寿草どころかまだまだ雪景色・・(後編) 2012/3/25(日) 2012年03月25日 2012年3月の藤原岳は福寿草どころかまだまだ雪景色・・(前編) 2012/3/25(日) のんびり歩こう 2012年03月25日 今年も藤原岳へ・・・福寿草に会いに行きました♪ 2012/3/25(日) ねじりはちまきおじさんのブログ 2012年03月24日 長靴登山隊が藤原岳を征服・・・福寿草を観賞 2012/3/25(日) ハセヤマさん 2012年04月01日 坂本谷20120401 2012年04月01日 坂本谷へ福寿草 2012年04月01日 2012年4月1日 木和田尾から坂本谷 2012/02/12 藤原岳ハセヤマさんの動画と画像 2012年03月20日 ハセヤマさんの画像 ハセヤマさんの動画 頑張らない山歩き 岳通信 2012年04月15日 4月15日…鈴北岳&御池岳 2012年04月14日 4月14日…鈴北岳&御池岳 2012年04月01日 4月1日…土倉岳から御池テーブルランド 2012年03月29日? 遠足尾根から孫太尾根周回 のんびり 楽しい 山歩き~♪ 2012年04月01日 土倉岳~御池岳~♪ 2012年04月01日 土倉岳~御池岳~♪ 日本300名山と鈴鹿の山 2012年04月15日(日) 鈴北岳(1182m)~御池岳(1243m) 2012年03月29日 頭陀ヶ平~藤原岳 2012年03月27日 藤原岳 2012年03月11日 冷川岳~御池岳 2012年03月07日 藤原岳(天狗岩) 2012年02月11日 藤原岳~頭陀ヶ平 山ちゃんのときどきホームページ 2012年03月20日 藤原岳 ブナの木陰で 2012年03月11日 孫太尾根~藤原岳 岡崎山岳会 2012年03月03日(土)御池岳 奥の平 2012年2月12日(日) 鈴北岳 途中撤退 多治見勤労者山岳会 2012年03月03日 雪の中の福寿草に逢いに「大貝戸~藤原岳 1128m」 山歯水明日記 2012年04月01日 土倉(はぜくら)岳登山 動画 (動画 YouTube)2012年03月18日 藤原岳山頂より cckoichi さん (動画)2012年03月11日 動画 藤原岳 2012年03月11日 zizouzyzさん (動画 YouTube)2012年03月10日 天狗岩から藤原岳方面 loco156x さん (動画 YouTube)2012年03月07日 藤原岳山頂 ipod touch よりビデオ撮影 dara1458 さん (動画 YouTube) 2012年02月19日【捜索】スキーで滋賀県側から御池谷を経て、鈴ヶ岳、御池谷登山道入り口、国道306 (sikisaikou) (動画 YouTube) 2012年02月11日 木和田尾~藤原岳 (umetaroua88) (動画) 2012年04月10日 自作登山紀行ムービーpart.2 三重県藤原岳.mov askldjfalksjdfjさん 新とらさんの山と花・東海・鈴鹿癒しの森 2012年03月27日 H24年3月27日鈴鹿/藤原岳・孫太尾根 2012年03月03日 H24年3月3日鈴鹿・藤原岳/袴腰1009.5m 2012年02月27日 H24年2月27日鈴鹿・藤原/木和田尾 趣味に生きよう! 2012年03月07日 平成24年3月7日 藤原岳・木和田尾の福寿草 風の便り 2012年04月10日 藤原岳 (1,171M) 聖宝寺道コース 通行止め 2012年04月09日 雪と福寿草の藤原岳 (1,174M) に登る 2012年04月08日 福寿草の咲く 藤原岳 (1,171M) に登る みむのいつでも夏休み日記 2012年04月07日 藤原岳 坂本谷コースにトライするも途中棄権 四季山遊 2012年04月08日 快晴の御池岳 比良雪稜会 山行記録等 2012年04月08日 快晴の御池岳 A Luckyの小屋 里山日記 2012年04月08日 藤原岳へ福寿草に会いに。 熊取のおっちゃんの徒然草 2012年04月07日 藤原岳 オフ会バースデー登山(4月7日) 旅と日常のあいだ 2012年04月06日~07日 鈴鹿 藤原岳 2012/4/6(金)~7(土) 気ままに野山 2012年04月02日 4/2日 藤原岳 木和田尾を途中まで (下):来た道を引き返す。 2012年04月02日 4/2日 藤原岳 木和田尾を途中まで (中):今回の最遠点まで行き、そこから引き返す 2012年04月02日 4/2日 藤原岳 木和田尾を途中まで (上):やっと雪の無い道になりました。 富士山発♪ ひとちが凸凹ライフ2 2012年04月01日 ここわ どこ? 2 (藤原岳) “山に癒されて・・・” 2012年04月01日 「藤原岳 1,120m」 夫婦でテクテク登山 大阪枚方より発信 2012年03月27日 平成24年3月27日(火) 孫太尾根から⑨藤原岳 1120m 表登山道(大貝戸道)下山 昭和ひとけた低山ひとり旅 2012年03月11日 藤原岳(1140m) sasayuriねっこ_2010 (春日井 峠の会?) 2012年03月25日 藤原岳 木和田尾根コ-ス 酒と涙と山と撫子 京都山岳会 2012年04月08日 お楽しみ満載♪ 西尾根から藤原岳 名古屋ありんこ山岳会 2012年04月01日 木和田尾~天狗岳、藤原岳 ふわく山の会 2012年02月11日 藤原岳 自然保護パトロール 楽しいことが好き 2012.04.01? 藤原岳?! ヒイラギの山歩き! 2012年04月15日 藤原岳(1140m) 思い込んだら吉日生活 2012年04月15日? 春の藤原岳と春はまだかの御池岳 わくわく山歩き♪ ときどき 猫 2012年04月15日 御池岳・鈴北岳・鈴ケ岳 制覇 日々是好日 2012年04月15日? 御池岳 やまびこ2000 2012年04月15日 関西の山登り「やまびこ2000」御池岳参加有難うございました shinoda9900の写真ブログ 2012年04月15日 藤原岳 福寿草 2012年04月01日 福寿草 2012 バドミントンクラブ TEAM ∞(無限大) 2012年04月15日 藤原岳登山♪ KITASUGI (京都洛中勤労者山岳会の若手メンバーのサイト) 2012年04月08日 御池岳 アイラブ・鮎・薔薇・クレマチス 2012年04月07日 福寿草~藤原岳 山歩きと写真 平成24年05月19日 慰霊登山も兼ねて御池岳・ボタンブチ・鈴北岳 2012/05/19 平成24年04月21日 藤原岳から御池岳の予定が:後で茨川へ 2012/04/21 2012/02/20 鈴鹿・御池岳での遭難情報 2012/02/20 ひょうたんTIME 2012年04月15日 【1236】御池岳 2/10-2/11 鈴鹿:藤原岳~御池岳 加藤(欣) 一般 ( 千種アルパインクラブ) 2/11 御池岳 野田様 岩倉山岳会 御池岳遭難 てっぱんや 鈴鹿で遭難者見つかる 「ひとりごと(37330) ☆【臨時掲載】御池岳遭難事故 発見されました 名古屋のリランの感じたこと! 筑波山(平成24年4月29日) 御池岳遭難のNさんが発見されたguhikazuki 御池岳遭難のニュース サマンサどら猫 mantora4718's blog 御池岳の遭難者発見! 投稿者:三重、津、山ねずみ 2012年4月29日日曜日 速報:三重・藤原岳で遭難した名古屋の男性が見つかったようです まうんてん らばー| 登山情報 Nさん捜索終了のお知らせ 風花漂流 2012/05/03 Thu. 遺体発見のニュース ぼさ~っとブログをやってます 御池岳の足跡 2012/05/21 御池岳~区切りの道~ 2012/06 捜索関連記事 ヤマケイオンライン News での呼び掛け 【情報提供求む】鈴鹿山系藤原岳、御池岳登山中に行方不明になった登山者および、御池岳付近で宿泊した2パーティを探しています。 2012年04月20日(金) 遭難者捜索に2カ月半、延べ800人が無償で協力 三重県山岳連盟 (文=矢島智子) (岳人2012年 7月号 (平成24年 6月15日発行・発売 第781号) P. 104-105) ふるさと山便り (東海) 金丸勝実さんより: 御池岳、行方不明者の捜索活動を終えて (『山と溪谷』 2012年 7月号 No. 927 発売:12年06月15日 P. 226) Last Update 2012-07-07 11 13 23 (Sat) hnagashi Last Modified 0000-00-00 00 00 00
https://w.atwiki.jp/gspink/pages/277.html
前 限界が近付いて来たのを感じた成歩堂は、上半身を起こし、 脚を斜めに流し正座を崩した格好の真宵の脚の間に、 自らの左脚を滑り込ませ、真宵を左膝に跨がらせた。 成歩堂の左膝が、真宵のそこが愛撫を中断した今も蜜を滴らせている事を伝える。 膝に感じる真宵の熱さと、それに比例した蜜が、更に成歩堂の欲情を煽った。 尚も股間で頭を動かしている真宵の乳房に手を伸ばし、乳首を擦る。 突然の刺激に驚いた真宵は、背中を弓なりに反らせて跳ね起きた。 「はぅぅ…っ!!」 それは成歩堂に胸を突き出し、柔らかな乳房を見せ付けているかのような姿だった。 攻守交代とばかりに乳房を揉みしだき、ツンと勃起した乳首にイタズラを加える。 「ああっ!あっあ…あっっあんっ!」 一度絶頂を経験したからか、真宵の反応は明らかに敏感になっていた。 そして乳首を良いようにされながら、微かに腰を前後に動かし 成歩堂の膝に自身のソコを擦り付けて、 自ら、より強い快感を求めるようになっていた。 成歩堂も膝を曲げて真宵に圧迫を加えながら 「真宵ちゃん、凄くエッチだよ…っ」 と堪らずに真宵を引き寄せ深く口づけした。 夢中でお互いの舌を絡め、唾液を交換する。 呼吸が苦しくなり真宵が離れると、真宵と成歩堂の間に透明の糸が繋がっていた。 「なるほど君…!」 真宵は初めての感覚に戸惑っていた。 自分の奥深くにある空洞を埋めて欲しい。 真宵の肉体がそう叫んでいた。 その狂おしい熱さと疼きをどうしたら良いのか分からず、成歩堂の胸にすがりつく。 同時に成歩堂も、真宵と一つになりたいと思った。 「真宵ちゃん…良いかな…?」 頬を紅潮させた真宵が頷く。 そっと真宵を押し倒し、脚の間に割って入る。 大きく膝を割り開脚させ、真宵を剥き出しにする。 そこに視線を感じると、真宵は堪らずに顔を背けた。 真宵のそこは赤く充血して透明の蜜を溢れさせ、真珠をプックリと屹立させている。 入り口をひくつかせて成歩堂を誘っていた。 成歩堂は真珠に怒張を押し付け、そのまま転がすように 数度谷間を上下に往復し蜜を広げた。 「あ…っ気持ち…い…っ」 無意識のうちに腰をくねらせる真宵を見ながら怒張を蕾に押し当てる。 そのまま少しだけ体重を掛けた。 ヌルリと亀頭がのめり込む。 まだ入り口と呼べる位置には到達していない。 表面に見える襞が拡がっただけである。 本番はこれからだ。 そのままゆっくり押し進めると、漸く抵抗を感じる位置に辿り着いた。 成歩堂の侵入を拒む蕾の襞を、円を描くように解しながら数㎜だけ進む。 「─ 痛い?」 真宵はかぶりを振る。 「優しくするから…。」 目を閉じている真宵の瞼に軽くキスをして言った。 「─ 行くよ。」 グッと体重を掛けた。 「──ッ!!」 真宵が苦悶の表情を浮かべる。 抵抗を感じる場所を途中まで拡げ、それ以上は進まないで一度止まる。 「真宵ちゃん、力を抜いてごらん。深呼吸して。」 「はあっはあっはあ…っ」 言われた通りに深呼吸して痛みと力を逃がそうとする真宵。 少しずつ、少しずつ先へ進める成歩堂。 2人とも汗だくだった。 痛みから逃れようと、ジリジリと上へずり上がる真宵を抱き締め、 少しでも苦痛を感じさせないようにと彼女の呼吸に合わせて身を沈めていく。 「く…っ!い…た…っ」 真宵の声が震えている。 眉根に皺を寄せて唇を噛み締めている彼女を見ると これ以上続けるのが気の毒になって来る。 「真宵ちゃん…やめよう?無理する事ないよ。」 「大…丈夫…」 「でも」 そう言い掛けた時、それまで硬く目を閉じていた真宵が成歩堂を見上げた。 「いや。止めないで…。」 その瞳には涙をいっぱい溜めていた。 今にも溢れ出んとする涙を堪えながら言う。 「止めるなんて、言わないで…!」 そして自らキスを求める。 やっと最奥まで辿り着いた時には 噛み締めていた真宵の唇から赤いものが滲んでいた。 それを指で拭ってやる。 「── 全部、入ったよ…」 「本当…?」 真宵の手を取ると、繋がった場所へと導く。 恐る恐る結合部に触れ、手探りで確かめる。 「一つになってるだろ?」 うんうんと二度頷くと同時に涙が溢れ出した。 「痛い?」 慌てて尋ねると、違うと首を振る。 「嬉しいの…。夢が叶った…!」 拳を両目に当てただただ涙を流す真宵が、健気で愛しくて仕方ない。 思いっきり抱き締めて唇を奪う。 「…動いて良い?」 「動くって?」 キョトンとしている真宵の様子を窺いながら、ゆっくり引き抜きゆっくり入れる。 5回ほど繰り返してみたが、やはり苦悶の表情を浮かべている。 もう少し潤いがあった方が、真宵の負担が少ないかもしれない。 左手で真宵の右の乳首を、唇と舌と歯で左の乳首を刺激する。 同時に右手を真珠に伸ばし親指で転がす。 押し込めたり、擦ったり、皮を剥いたり─。 いくら処女とは言え、中心に熱く硬い杭を打ち込まれた状態で、 敏感な場所を同時に攻められては一溜まりもなかった。 「ああああああっ!!」 思いっきり腰を浮かせ、成歩堂を締め付けて来る。 成歩堂を包む粘膜の襞が、妖しく蠢く。 怒張から全ての精を絞らんと奥へ奥へと誘うようだ。 更に性感帯への刺激に呼応してきゅっと締め付けが加わり、蜜が溢れ出す。 入り口の破瓜の傷を庇うように奥で小刻みに動かす。 腰を動かしながら問う。 「大丈夫?痛くない?」 「へーき。」 息を弾ませながら答える。 真宵は成歩堂の首に腕を絡め、より密着を求めた。 甘い吐息が成歩堂の耳をくすぐる。 静かな部屋に、二人の息遣いと淫らな水音が響く。 成歩堂は組み敷いている少女の顔を見やった。 頬と耳を紅潮させ、僅かに眉間に皺を寄せ、成歩堂のリズムに身を任せていた。 閉じた瞳の下に、睫毛が長い影を落としている。 小さく形の良い唇の隙間からは吐息と喘ぎが漏れる。 「はんっ…は…っ…はっ」 時々良い場所に当たると「あっ」と声をあげる。 どうやら奥のザラザラした部分が具合が良いらしい。 成歩堂はそこを捏ねるように亀頭を擦り付け重点的に攻める。 「あんっ」 真宵の声が高くなる。 痛くて仕方なかったソコがいつの間にか熱を帯び、 蜜を滴らせているのが自分でも分かる。 成歩堂のもので擦られている部分が甘く疼き、 下腹部から腰に気だるさをもたらしている。 加えて、成歩堂の身体に圧迫され擦れる真珠からも、電流のような疼きが下肢に走る。 足の裏にむず痒いような痺れを感じ、堪らず爪先を丸めてしまう。 それぞれの疼きがどんどん真宵を支配して行く。 吐息に喘ぎが混ざるようになり、その割合は確実に喘ぎが大きくなって来ている。 「あんっあっあんっあん…っはっあっ」 もう声を抑えられない。 杭が引き抜かれそうになる度にそれを逃がすまいと腰をあげ咥え込む。 さっきまで男を知らなかった少女は、破瓜を経て、 男のリズムに合わせて腰を振る淫らな女になっていた。 子宮が降りてきて、成歩堂の亀頭がコリコリしたものに当たる。 蜜がサラサラしたものに変わっている。 奥が広がって来て、そのどれもが真宵の絶頂が近い事を教えていた。 「うっあっあっあっあっくっあっあ…」 快感が全身に広がって行く。 声が止まらない。 このままどうにかなってしまうのではないかと成歩堂にしがみつく。 「あ…ッなるほど…く…んッ…!怖…ぁんッ…い。怖…い…っ!!」 「大丈夫、大丈夫だ。イッて良いんだよ」 腰の動きは止まる事がない。 「あっあっあっあっイ…ヤ…ッあッ」 言葉とは裏腹に、一時足りとも離すまいとでも言うように成歩堂の腰に脚を絡める。 「んあっああっああああ…ッ!!」 真宵が絶叫した。 同時に全身が硬直し、膣奥が欲情を奥へと絞り取るように痙攣と収縮を繰り返す。 「── ッ!!」 その動きに堪らず、成歩堂も精を吐き出した。 真宵はふわふわと雲の上を漂うような感覚の中で、 じんわりと胎内が熱いもので満たされるのを感じていた。 「──しばらく、このまま…。」 中で成歩堂がピクピクしているのを感じる。 愛しい人の絶頂を見届け、 息も絶え絶えに大きく波打つ背中を抱き締めると、真宵の意識は暗闇に墜ちていった。 **************************************** 気が付くと真宵は真っ暗な部屋で布団に包まっていた。 時計に目をやると、とうに日付は変わり、午前4時半を指していた。 隣では成歩堂が裸のまま、真宵を抱き締めるように寝息を立てていた。 真宵に布団を掛けたせいで、背中が半分以上布団から出ている。 冷えないように布団を掛け直してやり、じっと寝顔を見つめる。 起こさないように慎重に起き出し、装束を身に着ける。 下着を穿こうとしゃがみこんだ時だった。 ── コポッ 何かが内股を伝った。 それは、昨夜、成歩堂が真宵の中に吐き出した痕跡だった。 その痕跡を消したくなくて、そのまま下着を穿く。 成歩堂はそんな事とは知らずにスヤスヤと眠っている。 傍にしゃがみ込んで、そっと頬に手を添え、そして静かにキスをした。 「好きだよ、なるほど君。 ─ ずっと大好きだから。」 真宵が部屋を出て行った事を、成歩堂は気付かなかった。 なるほど君へ ありがとう。 一生の思い出になりました。 あたし、絶対忘れない。 本当にありがとう。 どうか、お元気で。 さようなら。 真宵 そっと玄関を閉めると、アパートの廊下を歩き出す。 下駄がカラカラと音を立てた。 昨日の公園を抜ける。 高台から夜明けの街を見下ろす。 紺からオレンジの光のグラデーションが、まだ眠る街を照らす。 6時前の電車に乗り込んだ。 故郷、倉院まではここから2時間。 3年間、時には幼い春美を連れて、何度も見た景色。 昨日までの自分とは少し違う。 車窓を流れる風景までが違って見えた。 **************************************** 成歩堂が真宵の書置きに気付いたのは午前10時を過ぎた頃だった。 真宵が寝ていたはずの場所は、とっくに温もりなどなかった。 何度も携帯に電話をするが、発信履歴に真宵の名前が増えるだけ。 昨日の公園、事務所、真宵お気に入りのラーメン屋。 思いつく場所を全て探したが、そのどこにも真宵の姿、真宵がいた痕跡はなかった。 実家である屋敷に何度も何度もリダイヤルし、 漸く連絡が取れたのは15時の事だった。 「── もしもし。」 幼い少女の声。すぐに春美だと分かる。 「もっもしもし!?僕だけど、春美ちゃん!?」 「そのお声はなるほどくんですね?」 「うん。ところで真宵ちゃん、そっちに帰ってるかな…?」 「──」 一瞬の沈黙。 「は…はい。今朝早くにお帰りに。」 「電話、替わってくれる?」 「あ…その…真宵さまはお帰りになってから、ずっとお部屋でお休みになってるんです。」 「そっか…。でもそっちに帰ってるんだよね?」 「はい。」 「分かった。ありがとうね、春美ちゃん。」 恐らく真宵から電話を取り次ぐなと言われているのだろう。 一瞬の沈黙と声の調子から察しがついた。 春美にとって、真宵の言葉は『絶対』だから、自分の意思は二の次になってしまうのだ。 ── 30分後。 成歩堂は倉院へ向かう電車内にいた。 どうにも真宵の態度に納得が行かない。 どうして泣くんだ。 どうして僕を避けるんだ。 どうして避ける癖にあんな事を…。 何か気に障る事を言ったのか? でも…それなら普段の彼女はその場で口に出す。 確かめずにはいられない。 成歩堂は倉院の里を目指す。 ─ 約2年ぶりの倉院の里。 山に囲まれた長閑な里の景色は変わらない。 日没まであと僅か。 山々は夕暮れ色に染まっている。 綾里屋敷の前まで来ると、門の前に人影が見えた。 道に長い影が伸びている。 小さな子供のようだ。 その影がこちらに気付き、止まった。 「春美ちゃん?」 鞠を抱えて目を真ん丸にして口を開けている。 「なるほどくんっ!!」 「…真宵ちゃんは…?」 途端に顔が曇る。 「…すみません。」 小さな声で謝る春美ちゃん。 「取り次がないように言われてるんだろう?」 可哀想に、小さな身体をますます小さくして、困った顔で俯いている。 「真宵さま、私には何も仰って下さらないのです。」 「やっぱり私ではお役に立てないのでしょうか」 とうとう「うわあああああん」と泣き始めてしまった。 頭を撫でて、言う。 「そんな事ないよ。多分君に心配させたくないと思ってるんだ。」 「そう…でしょうか」 「うん。きっと時期が来たらお話してくれるよ。」 「…」 「じゃあ、伝えてくれるかい?」 春美の目線まで腰を落とす。 「早く戻って来いって、言っておいてくれるかい?待ってるからって。」 今の真宵を追い詰めるのは逆効果だと思った。 「よろしく頼むよ、名いとこさん。」 春美に伝言を頼み、帰路に着く。 帰りの車窓からは、家々の灯りが見えるだけだった。 **************************************** それから。 1ヶ月経っても、2ヶ月経っても、真宵からの連絡はなかった。 真宵と春美のいない事務所はとても静かで、寂しい。 女の子がいるだけで場が華やぐというが、まんざら嘘でもないんだと感じる。 **************************************** 春が終わり、梅雨が過ぎ、猛暑が影を潜め、秋の気配が漂う9月の中頃。 事務所に思わぬ来客があった。 御剣と狩魔である。 「ここのところ真宵君を見ないようだが。」 来客用のソファに踏ん反り返った御剣が言う。 「ああ。突然倉院へ帰ってしまったんだ。」 「ほぅ。…で、キサマはそのまま?」 「いや…一度行ったんだけど門前払いだ。」 「何をしたんだ?」 「それが…分からない。」 パシーンッ そう答えた瞬間、狩魔冥の鞭が冴え渡った。 「いてぇッ!」 「相変わらずね、成歩堂龍一。今すぐ倉院へ行きなさい。」 「でも。」 「 今 す ぐ に 。」 今日の狩魔はいつも以上に迫力がある。 「な…なんなんだ、お前達」 やれやれ、といった仕草で冥が一通の封書を差し出す。 ピンクのうさぎが描かれた可愛い封筒。 宛名は冥。 差出人は ── 綾里春美 「真宵さんにあなたへの連絡を禁じられて、考えあぐねて私に手紙を送ってきたのよ。」 僕の手から封筒を取り上げる。 「どうしてあの子が怜侍じゃなく私に送ってきたのか、その空っぽの頭でよく考えることね。」 「どういう事だ…?」 「良いから行け。」 御剣も睨んでいる。 自分の事務所から追い出されてしまった。 倉院の里へ向かう電車で考える。 御剣ではなく、わざわざ狩魔冥に手紙を出した春美ちゃん。 あの中には何が書いてあったのだろうか。 答えは見つからないまま、気が付けば綾里屋敷の傍まで来ていた。 再会したら何と言おう。 気まずさを考えると自然と足取りも重くなる。 入るに入れず、門の外から中を窺う。 その時、背後から素っ頓狂な声が聞こえて飛び上がる。 「な…なるほど君!?」 振り返ると春美が立っていた。 学校帰りだろうか。同じくらいの年頃の女の子と一緒だ。 女の子はマジマジと警戒心いっぱいという顔で成歩堂を観察していたが、 春美の知り合いと分かると安心したように「また明日ね!」と走って帰って行った。 「久しぶりだね、春美ちゃん。ちょっと背が伸びたんじゃないか。」 嬉しそうに頬を紅潮させて飛び跳ねている。 「ええ、その通りなんです。3cmも伸びたんです!」 「そりゃ凄い。ちょっとお姉さんになったね。」 両手を頬に当て、仕切りに照れている春美。 葉桜院での矢張の説教が今頃になって役立った。 どう本題を切り出そうか考えていた時、屋敷の庭から声が聞こえてきた。 「はみちゃん?誰とお話してるの?」 「…!」 振り返るまでも無い。 紛れもなく真宵の声だった。 真宵もまた、背後で硬直しているのが気配で分かる。 意を決してゆっくり振り返る。 あの日の事を聞かなければ。 成歩堂の視界に、呆然と立っている真宵の姿が入った。 「真宵ちゃん…ッ!」 ── 半年ぶりに会った真宵は、大きなお腹を抱えていた。 『どうしてあの子が怜侍じゃなく私に送ってきたのか、その空っぽの頭でよく考えることね。』 冥の声が頭に響く。 狩魔検事が言ってたのはこういう事だったのか…! 27年間生きてきて、最大の自己嫌悪を味わっていた。 「ど…どうして…?」 うろたえている真宵。 傍で春美が俯いている。 「春美ちゃんは言いつけを守ったよ。」 頭を撫でる。 半年間、春美なりに辛かったのだろう。 いつかと同じように、うわああああんと声をあげて泣き出した。 真宵に呼びかける。 「…僕の子だね?」 「迷惑掛けないから…。二度と姿現さないから…!だから…っ!」 お腹を庇うように両手で抱える。 その顔は、半年前の夕景の中で涙を流す彼女と何も変わっていなかった。 「ちょっと待て、落ち着けよ。きちんと話そう。」 泣く幼子を宥めるように彼女の肩を抱き、背中をぽんぽんする。 春美に屋敷に通される。 真宵にはホットミルク。 成歩堂にはとびきり苦い緑茶が出された。 春美、無言の怒りである。 聞きたい事、言いたい事は沢山あるのに、何から聞けば良いのか頭が回らない。 沈黙が重い。 「…何でこんなに大事な事を話してくれなかったんだ?」 「…迷惑掛けちゃいけないと思ったから。」 「迷惑?どうして迷惑なの?」 答えない。 「そもそも…何でいきなり帰ってしまったんだ?」 「…僕はこんな性格だから、知らず知らずの内に傷つけていたかもしれない。」 「でも、原因が分からなければ謝ることも出来ないんだ。」 「邪魔」 「…はい?」 これは「帰れ」とストレートに言われているのだろうかと軽く眩暈を感じる。 だがそうではないようだった。 「邪魔…しちゃいけないと思ったの…。」 「なんの邪魔?」 真宵がかつて邪魔になった事などあっただろうか? 3年間の記憶を必死に手繰り寄せながら、真宵の言葉を待つ。 「葉桜院の事件であやめさんと再会したなるほど君を見て思ったの。」 「なるほど君の隣で二人を見守っていく勇気…あたしには無かったから。」 ポツポツと小さな声で話す真宵。 平然とした顔をしながら心で泣いていたというのか。 「あたしはまだ子供で…大人のあやめさんには敵うはずないもん。」 「だから、最後に抱いてもらおうと思ったの。」 ヘヘッと肩をすくめて笑う。 こんなに悲しい笑顔を成歩堂は見た事がなかった。 「初めては好きな人とって、決めてたんだ。…3年前から。」 「3年前…?」 「まだ分からない?」 呆れたように笑う真宵。 その笑顔は記憶よりずっと大人びていて、 成歩堂は一人だけ置いて行かれたような、 急に真宵が手の届かないところに行ってしまったような、妙な気持ちになった。 「ずっと、好きだった。」 にっこり微笑む。 「好きだから、なるほど君が他の人と…なんて見てられなかった。」 小首を傾げて言う。 「でも…最初から正々堂々と言っておけば良かった。あたしらしくなかったよね。」 腑抜けになっている成歩堂に、真宵が向き直る。 正座して背筋を伸ばし、真っ直ぐに成歩堂を見つめ、ふっと小さく息を吐いた。 「なるほど君だけを見てた。17の時から、なるほど君だけを…ずっと。」 瞳に宿る、確かな輝き。 「私、今すっごく幸せだから。だから笑ってなるほど君を送り出せる。」 よっこらせ、と立ち上がる真宵。 「こんな所にいないで、あやめさんの所へ行かなきゃ。面会時間終わっちゃうよ。」 重そうなお腹を抱えてトテトテと出口へ向かう真宵。 「── なんで僕の意思を無視するの…?」 漸く振り絞って出した声は掠れていた。 「ん?」 真宵が怪訝な顔で振り向く。 「に…妊娠なんて…一人で抱える問題じゃないだろ…っ!?」 真宵が困った顔をしている。 「僕は父親なのに…!」 「な…なるほど君…?」 おずおずと手を差し伸べ、顔を覗き込む。 泣いていた。 27歳の男が、20歳の女の子を前に、ポロポロと涙をこぼして。 「勘違いさせてしまった僕が悪いけど…っ」 「でもっ…僕はあやめちゃんの事を好きだなんて、一言も言ってない。」 ああ、格好悪い。 大の男が愛する者の前で号泣するなんて。 だが、今の成歩堂には溢れ出るものが止められない。 「あやめちゃんは昔の話だ。今は今じゃないのか…?」 「僕は…千尋さんの事件で出会ってから、ずっと一番近くで君を見て来たつもりだよ。」 「僕が真宵ちゃんを好きじゃいけないのか…?」 成歩堂が言葉に詰まる度に、真宵が優しい声音で「うん」と相槌を打つ。 7歳も年下の女の子に励まされて告白をするのは情けない。 でもそれが今の成歩堂の精一杯だった。 真宵が聖母のような笑みで成歩堂の涙を指で拭う。 どちらからともなく抱きしめ合い、唇を重ねる。 「身体…大丈夫?」 初めて成歩堂が顔をあげた。 「うん。もうつわりも無いし安定期だから。…ごめんね。あたし、一人で突っ走って。」 成歩堂がかぶりを振る。 「いや、こっちこそ…つわりだとか…一番辛い時期に傍にいてやれなくてごめん。」 「お腹、触っても良い…?」 成歩堂の右手を、真宵がお腹に導く。 その時 ── ぽこん… 「…分かった?」 成歩堂がコクコクと凄い速さで頷く。 「けけけけ蹴った…ッ」 興奮した面持ちで目を輝かせた。 「── お父さんよ。」 真宵がお腹をさすりながら話しかける。 自分の分身と、分身を宿す彼女。 それがこんなにも愛しいものだったのかと成歩堂は思う。 この世で最も尊い存在で、二人を守るためなら命すら惜しくないと思えた。 「真宵さま」 それまで遠慮して一人外で遊んでいた春美が庭から呼ぶ。 「なるほど君はお泊りになるのですよね!?」 身重の真宵に代わり、客間の準備などをしなくてはならないらしい。 「はみちゃん。一つ、お願いしても良いかな。」 「はい!なんでしょう!?真宵さまのためならこの春美、一肌でも二肌でも脱ぎますとも!」 期待に満ちた大きな栗色の瞳を輝かせて真宵を仰ぎ見る。 「…お姉ちゃんを、呼んで欲しいんだ。」 二つ返事で了承し仕度の為に駆けていく春美を見送り、真宵は空を見上げた。 黒く沈む山の稜線と、刻々と変わりゆく薄明時の空が、 半年前の夕焼けの公園と重なり、幼かった自分を懐かしく思った。 成歩堂と共に部屋に戻ると、春美の姿を借りた姉が、 窓の桟に手を付いて倉院の夕暮れを眺めていた。 小さな春美の装束では千尋の豊かな肉体を隠しきれるはずもなく、 変形したバックプリントのウサギパンツがほぼ丸見えなのはご愛嬌。 「やっぱり故郷は良いわね…。」 真宵達の気配に気付いていたのだろう。 千尋は外を眺めたまま、言った。 「あのね、お姉ちゃん…あたしね?」 「うん。」 「お母さんになるよ。」 「── うん。」 ゆっくりと振り向いた千尋は、今まで見た事のない程、穏やかな笑みを浮かべていた。 「大好きな人の赤ちゃん、産むよ。」 「─── うん。」 「ずーっとずーっと、好きだったの。」 泣きそうになりながら、真宵は打ち明ける。 ふっと千尋の顔が緩んだ。 「…知ってたわよ。妹の気持ちに気付かずにお姉ちゃんなんてやってられないわ。」 「ピンチの時に必ず助けてくれる男性を、好きになるなっていうのが無理だものね。」 とうとう真宵の涙腺が決壊し、くしゃくしゃの泣き顔で姉の腕に飛び込んだ。 「良かったわね、真宵。…おめでとう。」 頭をくしゃくしゃと撫でる。 「…あの小さかった真宵が、お母さん…か。」 幼かった頃を思い出していた。 かくれんぼをしていて壷を割り泣きじゃくる真宵。 日が暮れるまで自転車の練習に付き合った事もあったっけ。 どこに行くにも「おねえちゃん、おねえちゃん」と後を追ってきた真宵。 自分の後を歩いていると思っていた妹が、 いつしか自分に並び、そして追い越していく。 27歳で時を止められた自分が叶えられなかった事を、妹は叶えていく。 それは姉にとって喜ばしい事であり、同時に、ほんの少しだけ寂しい事でもあった。 「幸せになるのよ」 千尋は思いきり真宵を抱きしめ、そして、顔をあげて成歩堂を見つめて微笑んだ。 「なるほど君。…真宵をよろしくね。」 「── はい。」 根拠はないけど自信満々な時に見せるあの目で、千尋をまっすぐ見据えた。 「さて。そろそろ帰ろうかな。」 千尋が空を見上げた。 中秋の名月が、手を伸ばせば届きそうな場所に浮かんでいた。 「身体に気をつけてね。 ── クリスマスに逢いましょう。…また、ね。」 千尋の魂はキラキラと夜空へ吸い込まれるように還っていった。 「クリスマス?なんでだろ。パーティーに来るのかな。」 頻りに首を傾げている成歩堂の隣で、真宵だけが意味を理解していた。 今、妊娠7ヶ月。 予定日は、12月中旬。 ── お姉ちゃん、また会おうね。 そっとお腹に手を当てた。 ☆終わり☆