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稜線 山の屋根であり、峰から峰へと連続して続くラインのことをいいます。 中でも、その山のシルエットを形づくるようなものを『主稜線』といいます。 稜線のすぐ脇は、切り立った断崖絶壁となっていることが多く、滑落の危険があります。 稜線はルートの探査は楽ですが、風が強く吹く傾向にあり、風が強い日は非常に危険です。 そのような日は、ほとんど行動できないといっていいでしょう。 また、突風にあおられて滑落してしまうという危険もあります。 しかし、落石や雪崩は起きないので、ルート工作さえしっかり行えば、不慮の事故に巻き込まれることは少ないでしょう。 稜線には、その地形的な違いとして『ナイフリッジ』、『スノーリッジ』など、いくつかの種類があります。
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【検索用 ときのりょうせん 登録タグ CeVIO ONE と 廻転楕円体 曲 曲た】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:廻転楕円体 作曲:廻転楕円体 編曲:廻転楕円体 唄:ONE 曲紹介 曲名:『時の稜線』(ときのりょうせん) 廻転楕円体氏のデビュー作。 背景は本人によるものである。 歌詞 (KKBOXより転載) 永久に夢を見る 朽ち果てた時の影 零の欠片 燃え尽きた日々を今 消え逝く息吹よ 螺旋の錆びた響き 時間の逆説 涅槃の旋律 虚数の安息 生命の追憶 色褪せた祈り 消え逝く世界の 夢幻に溶けた光 響け今 時間の崩落 流転の明滅 この生命の途絶えし惑星 深き祈りの詩は潰える 鎖された時と 零の光さえ 消え逝く世界よ 螺旋の錆びた響き コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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稜線のグリフォーン SR 自然文明 (6) クリーチャー:グリフォーン 7000 ■このクリーチャーは、自分のマナゾーンから召喚してもよい。 ■W・ブレイカー ■このクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりにマナゾーンに置く。 作者:黒揚羽 フレーバーテキスト DMB-01 「メサイアの西線」気高く構える姿を見るだけで、空気は凍りつき、黎明は昏がりになる。 収録セット DMB-01 「メサイアの西線」 評価 クリーチャー名をテキスト内に入れるのはMTGっぽくてかっこいいけど、DMなので「このクリーチャー」とかで大丈夫だと思いますよ。 -- プラトン (2012-02-06 16 51 04) ◎プラトンさん わかりました。ご指摘、ありがとうございます -- 黒揚羽 (2012-02-08 02 22 00) 名前 コメント
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参加メンバー キャプテン NINJYA かん コースタイム ロープウェイ駅(09 45)-栂池自然園西端(10 20)-2100m(10 50-11 00)-稜線直下小尾根(12 40-13 10)-小蓮華山稜線(13 45-13 55)-栂池自然園西端(14 20)-ゴンドラ降り場(15 00) GPSトラック Report by かん 当初GWの予定は、双六岳周辺を滑りまくる予定であったが 直前に双六小屋の支配人が遭難死するという事故があり、急遽予定は中止になった。 さてそれではどうしようと相談したあげく、キャプテンとNINJYA氏の提案から 糸魚川のうさぎヒュッテをベースに、自転車 スキーを楽しもうということになった。 初日は私一人で新潟県の松之山・松代周辺のポタリング。 その後さぎヒュッテでキャプテンとNINJYA氏に合流し、ビール飲みながら歓談。 2日目まったりスキーツアー何処へ行こうかと、キャップとNINJYA氏と 相談したところ栂池から小蓮華稜線の行けるところまでということにした。 うさぎヒュッテから約1時間、8時過ぎ栂池のゴンドラ乗り場到着。 雪が少ないということなのだろうか、スキー客は例年よりかなり少ないようだ。 若干霞んでいるが、今日も天気は最高、ゴンドラとロープウェイを乗り継いで 9時40分頃ゆっくり歩き始めた。 目的地は小蓮華稜線下の2400m地点。その後はそこまで行って考えよう。 雪は腐ってズルズルするが、なんとかシールで12時半頃目的地付近へ到達。 ここから見ると、金山沢側の大斜面のひとつ尾根手前の沢が面白そう。 と言うわけで、もう少し上まで行って、その沢にドロップすることにした。 稜線直前2530m地点でキャップは久々のツアーで疲れたということで NINJYA氏共々ここからドロップ。 私はせっかくだからということで、最後はスキーを担いでツボ足で稜線まで。 稜線からの眺めは、雪倉岳、朝日岳方面まで360度の大展望。 いやあ、まったりしますねえ。稜線まであと50m程度、キャップたちもここまで来れば 良いのに、もったいないなあ。 しばしまったりした後2600mの稜線から、金山沢の手前の沢へキャップたちと 合流してからドロップ。 シュプールの無い快適斜面か?と思ったが、入るとすぐに足元からでろでろ~と ゆっくりゆっくり腐った雪が雪崩れていく。 腐った雪に難儀し転倒しながらも、適度な斜度が栂池まで続き楽しい滑りを堪能。 北アルプスの豪快な景色を見ながら滑るのは、やはりとっても楽しいものです。 栂池自然園にたどり着く頃には、足もヘロヘロとなったましたが 久々のアルペンロケーションの滑りに大満足。 ここからさらにロープウェイをパスして、ゴンドラ乗り場まで滑りました。 滑ったところは矢印の斜面。皆さん金山沢側を滑りますが、こちらのほうが 一気に滑り込めるので、栂池からの往復には良いようです。 帰りは、姫川温泉で汗を流した後、うさぎヒュッテへ戻りました。 3日目、キャプテンは用事があるということで、渋滞を避けて早々帰宅。 私はかねてから懸案事項、小川-長野線を自転車ポタリング。 4日目、早朝上田までNINJYA氏と同行し、その後渋滞も無くスムーズに帰宅しました。 遊びまくった4日間、同行してくださった、NINJYA氏とキャプテンに感謝です。
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ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ トイトブルグの森林戦 (4) ルキアニスは再び剣を抜き放った。 手にしていた鑓を地に突きたてる。 緩い地のうねりの、なだらかな頂きが、彼らの前にある。 そしてその頂きあたりの木々は、へし折られて、森の道へ倒れ、折り重なっている。彼らがそのようにして、道を阻んだのだ。 その森の道は、緩やかに下り降りていって、その先で、魔道の炎が渦巻いていた。 ルキアニスの放った、呪だった。 炎に巻かれて、敵の機装甲の一つが、崩折れる。その姿を取り残して、機装甲たちは退く。 「マルクス、左右から挟む」 『判った』 すぐの応えは、風水晶の光とともにこぼれる。 ルキアニスの右手、道を挟んだ森の際で、マルクス・ケイロニウスの白の三が、鑓を地に突き、剣を抜き放っていた。 彼の機の魔道の双眸が、ルキアニスを、彼の白の三を写したのが判った。 『行くぞ』 地を蹴った。木々の間を縫って、ゆるい稜線を飛び越える。道は使わなかった。跳ねるように木を避け、駆けながら、道の脇の森を駆けた。 土くれを跳ね上げ、木の根を踏み潰しながら、道をじわり退く敵の姿の脇に迫る。 彼らは、盾と剣とを構えていた。鑓はすでに投げ放って使い切っている。 「!」 ルキアニスは地を蹴った。 横っ飛びになって、敵の横合いから突っ込む。 掲げた盾を蹴りつけた。こらえる力を押し切って、蹴り倒す。 倒れた敵はそのままに、敵の守りの中に飛び込む。中の敵が振り向くより早く、切っ先を打ち込んだ。重い手ごたえが脇を貫く。蹴りのけて引き抜き振り返る。 すぐ隣で、マルクスも一機を貫き倒していた。 残りの敵は、盾を掲げて、おびえたように退く。 四機あった。 ルキアニスは一歩踏み出した、彼らは数歩、たたらを踏むように退く。彼らはすでに鑓を投じて失っており、残る剣では、彼らには遠い間合いだ。彼らには。 『やるぞ』 マルクスの声が響く。 斜め後ろの彼の機の姿は見えないけれど、彼が何をするのかはわかっていた。魔力を込めて、剣の切っ先を返し、下段に構える。 さらに切っ先を下ろし、地へと触れさせる。 『!』 魔力と共に剣を振り上げる。地を力が走る。下段からの剣筋が、そのまま地を走った。吹き上がる土くれが、筋となって敵の守りに叩きつける。 ルキアニスも地を蹴った。 崩れた守りの中に踊りこみ、突きを放つ。突き倒し、つづけて次の獲物へ切っ先を振るった。 振り返って、さらに次を求めたとき、すでにマルクスの機が、斬り倒していた。重い音を立てて、機装甲が倒れてゆく。 それで終わりだった。 吹き上がった土くれがぱらぱらと落ちる中、立っているのは、木々と二機の白の三だけだ。 『こちら先導、第二稜線前の敵を撃滅した。第二、第三稜線間に敵の姿、無し。ただし、経路は障害物によって閉塞されている』 『こちら前衛、第一稜線に展開。先導は第三稜線へ到達できるか』 「行こう」 ルキアニスは言った。 「次が来ると面倒だ」 『先導はこれより第三稜線へ向かう』 マルクスは続ける。 『鑓をとってくる』 「“敵”の前衛って、砲をもっていなかったよね?」 『編成上ではな。運用がどうなっているかはわからない』 第二稜線への緩い上りを、彼の機体は駆けてゆく。 道を封じる折り重なった木のところは、森へ踏み込んで回り込む。何事も無ければ、機装甲にとってはちょっとした邪魔物にすぎない。今マルクスがしているように、ちょっと避けてとおり、また戻ってくればいい。 稜線の上に守りがあれば、話は別になる。戦列を組んで戦えなくなる。木々の中で一機ずつの戦いになってしまう。 あるいは…… 「!」 二本の鑓を携えて戻ってくるマルクスを見ながら、思いを巡らせたとき、強い響きがした。 振り返った。第三稜線に白煙が舞い上がっている。森の道の中ほどで、一本の木が折れ、倒れてゆく。 「マルクス!」 『砲だ。森へ入れ』 「鑓を!」 彼の機が、ルキアニスへと鑓を投げ渡す。 そのとき、もう一度砲声が轟いた。向こうの稜線に白煙が巻き起こる。ふたたび、森の道の中ほどで、木が弾けた。かけらを飛ばしながら、ゆっくりと折れてゆく。 木を叩き折った何かが、森の中に飛び込むのが見えた。砲丸だ。それは森の中で別の木にあたり、それをへし折りながら、跳ね返されて、下生えに飛び込む。 『4ポンドってところかな』 「そんな感じだね」 『こちら先導、第三稜線に敵の砲二門を確認。4ポンド砲程度のようだ』 彼の報告のきらめきを感じながら、ルキアニスは、機を森の中へ踏み込ませてゆく。そうしながら、頭の中で数を数えていた。 それがXXほどになったとき、再び砲声がした。再装填の時間は、帝國の水準からして、それほど悪くは無い。 今度の砲丸は、森の道を飛びぬけたらしい、第二稜線の前に折り重なる、木々が砕けてかけらを飛ばす。 「砲が出てきたってことは、すぐ近くに援護の機装甲が来ているはずだよ。出てこられると面倒だ。あれを吹き飛ばして第三稜線を確保しよう」 『そうだな。先導より前衛隊長へ、機装甲支援を要請する。第三稜線確保は任せたい』 『前衛了解した』 「前衛へ、敵砲兵は第二稜線障害を砲撃破壊するつもりのようです。経路選択に気をつけて」 『了解』 応えは、苦笑交じりだった。 「じゃあ、やろう」 ルキアニスは、再び魔力を呼び起こした。身構え、腰の脇に引き寄せた手のひらの上に、それを集める。 それは熱となり、陽炎を生んで、さらに燃えるもの無くしても現れる魔道の炎となる。それは術式のままにうねる姿をとり、引き寄せた腕をめぐる。 「!」 拳を放つように、ルキアニスはそれを放った。 長く尾を引く炎の術は、蛇のようにうねりながら木々の間を縫って、第三稜線へと飛び去ってゆく。 砲声がした、すぐあとに炎が膨れ上がった。第三稜線の道が、赤々と燃え上がっている。さらに少したって、強く弾ける音がした。白い煙が大きく膨れ上がる。 突き破って何かが空に飛び去った。火薬樽のようだった。 「行こう」 『先導は第三稜線へ向かう』 ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ
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ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ トイトブルグの森林戦 (5) 森の道の先、緩やかな上りの先で、第三稜線の峠は白煙に覆われていた。 炎の魔道と、それによって弾けた火薬樽によるものだ。 「行こう」 ルキアニスは言った。 振り返って見やる先で、マルクスの白の三もうなずき返す。 二機の機装甲は、森の道を、白煙に向かって駆け上がった。 敵は多分、何がおきているのか把握できていない。それは、こちらもあまり変わらない。目の前の敵を、とりあえず叩き潰しているだけだ。そうすることで、敵はさらに状況がわかりづらくなる。 現に、敵の先導騎兵を追い返し、先導軽機装甲を倒し、その後詰も倒した。支援の軽砲も魔道で焼きつぶした。 そして、その軽砲が前進してきた、第三稜線へ向けて駆ける。そこが、しばらくのあいだ、戦いの要になるはずだからだ。 第三稜線の白い煙は、もう目の前に迫っていた。ルキアニスは足をゆるめ、鑓を構えた。緩い上りを一歩、また一歩とにじり出る。魔道を使えば、炎と煙を始末することもできる。けれど、始末したときに、敵が目の前にいました、砲に撃たれました、では話にならない。敵もこの道を進んでくる。いつかちあってもおかしくない。 『あわてるなよ』 マルクスの声が風水晶をきらめかせる。 『分かれる』 マルクスの言うことの意味は判っていた。森の道に踏みとどまって、真正面から敵を迎え討つのではなく、左右に開いて、森と木々を盾に使うという意味だ。 ルキアニスは一歩、森へと身を寄せた。森の道は、二機並んで駆けるには狭い。だからマルクス機は斜め後ろにいた。二機並んで歩くならば、なんとかなる。 盾を構えて二機で並べば、道を封じることはできる。そうやって押しぬけるのは、定石のようなものだ。 「道は危険と見たのかな?」 『かもな。だとしたら、散開して稜線だ』 その意味も判っていた。道を使わず、森の中に横隊を開いて、一斉に稜線を超えてくるということだ。 敵はどちらを選ぶだろう。 白煙が流れてくる。気配はある。 『先導より前衛へ、現在位置は?』 マルクスの問いかけがきらめく。 『第二稜線に進出した』 「道は、小隊に任せようよ。先に向こうを確かめる」 つまり、ルキアニスたちも道の左右の森へ踏み込んで、稜線へ迫るということだ。けれど森の中では、長鑓は揮えない。 『そうだな。先導より前衛へ、道の制圧は前衛に任せたい』 『前衛、了解。騎兵砲が第二稜線に前進した』 『先導了解。先導は森へ入る』 『前衛了解。無理はするな』 『もちろんです。ルキアニス、そっちへ行く』 マルクス機は、すばやい足取りで道を横切り、ルキアニスと同じ側に身を寄せた。 ルキアニスが鑓を構え、道を警戒する間、マルクスの白の三は、静かに膝をつき、地に手をついた。 土の魔道だった。魔道の波紋を緻密に読み取ることで、稜線の向こうにあるものを読み取ろうとしている。 『……かなり、いる気配がするぞ。道の左右に開いている』 「ならば稜線だね」 『だろうな』 マルクスの白の三は、身を起こし、剣を再び抜き放った。森の中に踏み込んでゆく。ルキアニスもまた、剣を抜き放ち、マルクスの背を追った。 彼の機は、注意深く道を選び、うかつに木々に触れ、揺らさぬように、音を立てぬように進んでいた。長鑓は身に寄せ、時には大きく傾けて枝の間をくぐらせる。ルキアニスも同じように動き、振舞った。 マルクスの白の三は、足を止め、森の中で稜線へと向き直った。 手振りで、後詰するよう示して、彼の機は、膝をつき、這う要領で稜線へとにじり進む。 緩やかな地のうねりの向こうを、そっと覗き見る動きをした。 彼は静かに身を低くし、手振りで備えろ、と示す。示した指の数は、五。 その数だけ、稜線の向こうにいるという意味だ。マルクスの白の三は、うつむき力を集める風だった。魔道の力だ。彼の機は、地に膝をつき身構え、一方の手を開き地面に当てる。もう一方の拳は、肩口まで引き寄せて、今にも放たんばかりだ。 彼は拳を振るった。地に拳を打ち込む。 地が揺れた。ずしん、と響くほどに。 錯覚ではなかった。緩やかな稜線の向こうで、木々がいっせいに大きく揺れた。そして、落ちてゆく。土くれを跳ね上げ、土煙をあげて、向こうの斜面が崩れ落ちてゆくのだ。 ルキアニスは膝をつき、稜線へとにじりよった。 そこはえぐられたように、黒土がむき出しになっていた。生えていた木も、土もはがれて、まぜこぜになって崩れ落ちていた。 土崩れはすぐに終わっていたけれど、剥がれ落ちた黒土の帯からは、機装甲の半身や、鉄の手足が覗いていた。土雪崩に巻き込まれてうずめられたものたちだった。 その向こうの森は、これまでよりすこし疎になっている。 見渡したとき、ルキアニスは、あの感じを思い出していた。この低い稜線の先の森に、敵の姿と、気配が満ちていた。 後ろ髪がぴりぴりと逆立ち、その逆立つ後ろ髪を引きずられて、心だけがどこかに引き込まれるようだ。 雨の中に震えた、あの丘の夜へ。 逃れることかなわず、追い込まれたあの刻の、あの丘へ。 トイトブルグの、あの丘の刻へ。 ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ
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ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ トイトブルグの森林戦 (3) 森が震える。 低い地のうねりの向こうから響く。 その稜線を前に、身を低くして、ルキアニスは鑓を構えた。 『来るぞ!』 マルクスの声が光になって響く。 駆ける気配が稜線の向こうに現れる。 そして、飛び出した。 森の暗がりの中に、差し込む光の中に、鉄のつわものの姿が浮かび上がる。 「!」 鑓を突き放った。 敵の構える盾の隙を、貫く。 重い手ごたえと共に、敵の姿は宙に一瞬、とどまった。 飛び出した勢いを、鑓の突きで阻まれて、突かれた首の付け根をから、押し返される。 それは背中から、稜線に倒れ落ちた。土くれと、枯葉が舞い飛ぶ。 そしてもう一機が、折り重なるように突き倒される。マルクスの戦果だ。 でもまだ一機がいるはず。 ルキアニス鑓を手放し、腰の剣に手をかける。 あせらない。己に言い聞かせて、鼓動一つ、待った。 地の響きがあった。稜線の向こうに、敵の姿が飛び出す。 飛び出すというより、止まることもできずに身をさらしていた。 ルキアニスは地を蹴った。 剣を抜きながら飛び出す。あわてた敵の鑓など、怖くない。軽く跳ねて穂先をくぐる。 耳のすぐ脇を、穂先の刃が抜けた。鑓の身頃と入れ違いに踏み込む。近い間合いに、剣振る余地も無い。 構わなかった。剣抜く動き、そのままで、驚く敵のその顔に、柄頭を叩き込む。 倒れる姿を追って、馬乗りになり、ルキアニスは刃を返した。大きく振り上げ、首の隙間から、切っ先を叩き込む。 重い手ごたえの奥に、抜けた感じもある。 ルキアニスは刃を引き抜いた。赤黒く濡れたそれを振って飛ばす。 『第一稜線、敵機装甲を始末した。先導は第二稜線へ進出する』 剣を鞘へ戻し、突き立ったままの鑓を引き抜き、ルキアニスは振り返った。 「こいつら、先導だね」 『騎兵の援護だろ。後続がいる』 「後続の後ろには本隊がいるはずだし」 『第二稜線は閉塞だな』 急ごう、と彼は言った。 『こいつらの後詰が来ちまう』 二人は、森の道を急いだ。 急ぐとはいえ、ただ駆けるだけじゃない。敵はもう目の前にいるし、先の遣り合いを、敵の騎兵は見ていたはずだ。 第二稜線の向こうで、待ち伏せされては意味が無いし、だからといって、第二稜線を敵に制されても仕方ない。 いくさ神だけが知る、機と会を共に掴んだものが、戦を制する。戦神がちらりと見せて誘うものが、秘所につながる下着なのか、そうではないものなのか、掴んでみるまで知る由も無い。 ゆるい下りのあとの、緩い上りを駆けた。 緩い地のうねりに過ぎない第二稜線を前に、地を踏みとまった。道の際の木に身を寄せる。鑓を構えながら、マルクスを待った。彼もすぐに逆の際の木に身を寄せる。 何度もやってきたことだ。見ただけで、息が合う。 『先導は第二稜線前に到達』 「行くよ」 ルキアニスは、構え、踏み出した。 一歩、そして一歩、と構えのままでにじり出る。 稜線の向こうを窺い、さらににじりでる。 敵の姿は無かった。道は先と変わらず緩やかにくだり伸びてゆく。その道を三騎ばかりの機影が駆け退いてゆく。 敵の騎兵だ。先のやりあいを見て退いたに違いない。 さらにその先に、駆け来る機装甲の姿もあった。 「機装甲だ。数が多い!」 『先導は第二稜線を確保した。第二、第三稜線間に敵機装甲発見。小隊規模以上』 マルクスは続けた。 『ルキアニス、ここは閉塞する』 「急がないと、乗り込まれちゃう」 鑓を地に立て、腰から山刀を抜いた。稜線を越えて、その向こうで手近な木に叩きつける。一つ、二つ、と刃を打ち付け、さらに力を込めて引く。 折り倒すのだ。べきべきと生木を折る音とともに、道に向けて折れ曲がる。ルキアニスは次の木に手をかけ山刀を振るった。マルクスも同じく山刀を振るった。 敵機装甲の駆ける響きが近づいてくる。 生木を折り、道に倒して、マルクスは言った。 『下がれ、ルキアニス』 「もうすこし!」 最後の一打を木に加えた。力を入れすぎて、断ち切れたそれは、滑り落ちるように地に落ち、さらに道へ向けて倒れてゆく。 そうやって、折り重なるように木を重ねて、道を封じる。 ルキアニスは振り向いた。 敵の機装甲は、緩い上りを駆け上がってくる。 彼らは、鑓を投げ放った。 木を切り、開けたところに降り落ちてくる。 ルキアニスは山刀を振るった。鑓を断ち切る。間近に一本が突き立つ。 ルキアニスはさらに山刀を振るって、投鑓を断ち切り、退いた。稜線を越えて、森の中に退く。森の木に鑓が突き立った。 『第二稜線を閉塞した。直前に小隊規模の機装甲』 「撃破しよう」 地に突き立てたままの鑓を手にもどして、ルキアニスは言った。 「呪を使う」 こちらは二機だったけれど、遅れをとる気はひとつも無かった。押し込まれたら厄介だけれど、そうでなければ、どうとでもなる。 「いくよ!」 ルキアニスは魔力を込めた。 体と重なって感じる白の三の中の、力の響くところを呼び起こす。 魔力を感じ、注ぐと、それはぎこちなくけれど強く力で応えて、返してくる。 それを導きだし、呪としてなして現わす。 高くさし上げた手を囲み、現れた揺らぎは、炎へと形を変え、燃え揺らぎながら自らをひねり、渦の形を成してゆく。 渦巻く炎の群れを成し、それを、放った。 炎の渦の群れは、切り倒された木々の上を飛びぬけ、敵の機装甲に降り注ぐ。掲げた盾に、あるいは装甲された肩に、渦炎が突き刺さり、はじけて炎を撒き散らす。 ルキアニスは剣を抜き放った。 敵機装甲は、炎に巻かれ、退く。 「マルクス、左右から挟む」 『判った』 彼も鑓を地に突き、剣を抜きつつ応じる。 道から左右の森へと踏み込む。ルキアニスは道の左、マルクス・ケイロニウスは道の右へ、踏み込み稜線へと踏み出す。 『行くぞ!』 地を蹴って飛び越え、木々を縫って、緩い下りを駆ける。 ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ
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ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ トイトブルグの森林戦 (2) 森の向こうで、音擲弾の鋭く高い音が、道の前で上がる。文字通り、駆け上ってゆく。 銃声も続いている。 まとめて轟く撃ち方は、まとまった敵を前にしているからだ。 暴発じゃない。敵襲の知らせだ。 「敵襲!警戒組は機乗!」 小隊先任のアルヴィヌス上騎の声が響く。 命じられるまでも無く、前衛の皆はいっせいに動いていた。 ルキアニスは、上騎に振り向いた。 「先導騎兵援護に出ます!」 「ちょっと待て」 上騎が引き止める。 「前衛隊長!」 機装甲第一小隊長でもあるヴィルヌス前衛隊長は、騎兵に何事かを命じていた。騎兵は後ろにまとめてつながれた馬のもとへと駆けてゆく。 ヴィルヌス小隊長は腰の図嚢を手にしながら、小走りにやってくる。彼のもとに、アルヴィヌス上騎と、ルキアニスとマルクスは駆け寄った。 「先に二つの稜線があるな」 地図を示しながら、小隊長は言った。先にした報告のことは、すでに地図に書き込まれている。 「丘に近い方を第一稜線、遠い方を第二稜線とする。第一稜線に騎兵砲を推進する。ここでは射程がとれないからな」 丘にもうっそうと木が茂っていて、丘周りの道はすぐ木にさえぎられて先が見えなくなる。 「じゃあ、俺たちは第二稜線へ」 「そうだ。必要なら閉塞しろ。その先に出られた方が良いが、無理はするな。アモニス、いいな?」 「無理はしません」 そこに別の声が割り込む。 「前方に騎影!味方斥候のもよう!」 見やる木々の向こうで、森の道沿いに騎馬が駆け戻ってくる。四つあった。見慣れた黒の軍装をつけている。携える鑓につけた小旗は独立第十三連隊のものだ。 「止めろ、こっちにつれて来い」 はい、と応じて、アルヴィヌス上騎が腰の銃を抜いた。撃鉄を上げ、銃口を上げ、無造作に引き金を引く。 「!」 低く太い銃声と、真っ白な煙があふれる。 丘をめぐる道を駆けていた機影は、あわてたように足を止めた、馬首を翻して、こちらに気づく。 彼らは再び鞭を振るって、こんどは丘を登り始める。木々の間を抜けてくると、ルキアニスたちの前にやってくる。 先頭の下士官が馬から飛び降りる。馬は荒い息を吐きながら、震えていた。 「十三連隊、先導斥候です」 「状況は?」 「地図はありますか。この先に三つ稜線があります」 「二つ目までは確認してある」 示される地図を見て、騎兵下士官は道をなぞった。丘と、第一稜線、そして第二稜線。さらにその先も。 「三つ目を越えると、長い下りになっています。森は疎になります。前進中に、騎兵集団と行き逢いました。離脱に失敗、追従を受けつつこの稜線まで後退したところで、味方騎兵の援護を受けました」 「規模は?」 「小隊以上に見えました」 「それ以外には?」 「わかりません」 「了解した」 ヴィルヌス小隊長は振り向いた。 「レオニダス、アモニス。第二稜線まで前進。敵は排除しろ。必要があれば林道は閉塞。可能なら第三稜線まで前進しても構わない。だが無理はするな」 「はい」 「伝令ここへ!中隊ならびに連隊へ報告」 ルキアニスは、マルクスを見あげた。 彼は自分の地図を見て、それから気づいてルキアニスを見た。 「無理はするなってさ」 「うん」 「大丈夫か?」 「何が?」 彼は少し困ったように笑みを浮かべて、けれどうなずいた。 「行こう。騎兵の連中が待っている」 白の三の背中をよじ登り、操縦席に滑り込んで、仮面をつける。目を閉じ、機装甲に己を重ねる。空であった機体に、魔力が這い回り、行き渡って満ちてゆくことを感じまた、それとともに己の手足の感応も、機体に合わせて満ち広がることを感じる。 何の違和感も無い。瞳を開けば、魔道の双眸の映し出すものが見える。 指図された騎兵が再び丘を下ってゆく様子も、小隊長やアルヴィヌス上騎がそれぞれ散ってゆくさまも。 手にした鑓を立て、身に引き寄せて、丘の斜面を下る。 木々の間を抜けて、森の道に出る。木々の間の、緩い下りの道を走りきり、続く上りを駆けた。 銃声が聞こえる。白く流れる発砲煙もみえた。 緩い上りの森の中ほどだった。さらにその先のゆるい稜線に、騎兵が見え隠れしている。帝國軍の軍装ではない。 『ルキアニス、道から敵騎兵を排除しろ。』 マルクスの声が風水晶に響く。 『騎兵分隊長、聞こえるか。遅れてすまなかった。路上から敵騎兵を排除する。射撃を継続して、森に潜ませないようにしてくれ。前衛小隊はこの位置まで前進する』 『射撃を継続する』 騎兵たちは、すでに馬を下りていた。馬番を残して、森に小さく、そして開いた列を作る。 それは、道の右側にも、左側にもだった。 分隊の兵の数は少ないから、そのままでは敵騎兵の支えきれない。 「前進する」 ルキアニスは踏み出した。 機装甲とはいえ、歩兵に絶対優位とは言い切れない。投擲爆雷を受けたり、大径銃で関節を壊されたりしたら、死なないにしても機装甲は動けなくなる。 だが、敵騎兵は踏みとどまろうとはしなかった。 進むルキアニスを前に、馬首を翻して、つぎつぎと退いてゆく。 「マルクス、第一稜線まで前進する」 ルキアニスは、さらに機装甲を進ませた。 銃声が途切れて、森の中にはつかの間の静けさが帰ってきていた。いや、地を踏む機装甲の歩みの音は変わらない。 地のうねりの頂を前に、ルキアニスは鑓を傾け、膝をつき、静かにその向こうをうかがった。 這い進む要領で、もう少し前へ。稜線から顔を出す。 「……」 木々の間を揺らぎながら下る道を、敵の騎兵たちが駆け戻ってゆく。彼らはやがて上る道を駆けてゆく。 そして、それはいた。 先の地のうねりの頂、第二稜線を越えて、人よりはるかに大きな、鉄の姿が歩んでくる。 何の感慨も無かったのが、逆に不思議だった。 吸い込まれる感じも無かったし、ぴりぴりするほど後ろ髪が逆立つ感じも無かった。わかっていた。いくさのなかにもう、居るからだ。 「マルクス、敵機装甲三機。軽機装甲だ。こっちに来るのを待って、始末する」 彼の応えはすこしだけ、遅れた。 『……そっちに行く』 ルキアニスは、あたりの木々に触れて揺らさぬように気をつけながら、道の左側へ身を寄せた。 マルクスの白の三は、稜線を前に、膝をつき、身を伏せ、這い進む動きで、しずかに頭を出し、向こうをうかがう。 『わかった。始末しよう。前衛へ、敵騎兵は撃退。第二稜線に敵軽機装甲三を発見。第一稜線へ向かいつつある。始末する』 ルキアニスは鑓を構えた。 「ぼくが行く。援護をお願い」 『無理はするなよ?』 「何のために、前衛に二人も古人を置いて、先導にあててるのさ?」 彼の苦笑が、風水晶に響く。 彼の木は、ひざをつき、手を地に当てて、うつむいていた。それが地の魔道を操る何事かであるのはわかっていた。 彼は、土魔道の使い手なのだから。 敵がいるとわかっている稜線を押しぬけるには、いくつかの策がある。 帝國軍のように、手持ちの砲に頼るところもあるし、そうでないところもある。こんなふうに森が密なところでは、砲もなかなか使えないのだけれど。 『備えろ』 マルクスの声が風水晶を光らせる。 もう、ルキアニスにも敵の進む響きが判るようになっていた。 それは不意に強まる。 『来るぞ!』 ルキアニスは鑓を構えた。地の響きが、稜線の向こうから飛び出してくる。 ケイレイの手慰み 森林の遭遇戦シリーズ
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ウェストフィールド LT重要度 :★★★★☆ TD脅威度 :★★★☆☆ SPG重要度:★★★★☆ ver8.7 マップ概要 マップを北西と南東に二分する大きな崖が特徴のマップ。 北西には森林地帯と稜線の合わさったシンプルながらも顔の出しにくい地形が広がっており、隣接するマップ中央には小さい町並みが並ぶ。 南東には障害物が一切無く、南端・東端の森林地帯と稜線だけが身を守る盾となります。 両エリアに挟まれた崖下にはわずかな民家と、中央の町に向けての森林地帯が続く。 崖下からのマップアクセスは最悪なので、とにかく崖上を制圧してから行動の幅を広げましょう。 このマップでは基本的に、重戦車と駆逐戦車は崖上(北西寄り)に配置され、中戦車は両方、軽戦車は崖下(南東寄り)に配置されます。 Jumboや3601H、スパパのような重量級MTは若干初動のポジショニングに手間取ることに留意しておきましょう。 マップの北西の森林・稜線地帯から解説していきます。 このエリアはC1-B4にかけて半月上の大きな小山を挟んでの撃ち合いが展開されます。 外周の1ライン側は稜線が多少なだらかになるものの、あまりにもきつい傾斜の為、どこかしら車体がはみ出がちになります。 このエリアの戦いは味方との相互連携が重要です。(ワイドパークの中央の競り合いが得意な方はそれをイメージしてください。) 両軍のTierも加味して、相手が押してこないであろう場所を予測し、あえてそこに晒しながら他所を撃つのがミソ。 またこのエリアには初期配置の都合、B2・A3とC1・C2の森林地帯に駆逐戦車が潜んでいることが多いです。 不用意に稜線を越えると計算以上のダメージを食らうので、リスクリターンはよく考えましょう。 ここに限ったことではありませんが、きつい稜線を乗り越える場合、車体下部の傾斜を殺して撃ち込まれるのでほぼ確実に貫通されます。 逆に、それらの地点に対して硬い砲塔だけを出して攻撃を誘うことで、カウンタースポットを狙うことも可能です。 北西は両軍共にArtyがよく通る(北側の方が若干稜線裏の相手も撃ちやすい)ので、こまめにスポットすることでかなりの圧を掛けられます。 兎角膠着しやすい戦場なので、常にArtyに気を配りながら、死角を作らないように布陣しましょう。 この前線を無理に動かすぐらいなら、後述の中央の町の戦いにシフトするほうがリスクは少ないでしょう。 ここには俯角がある程度取れる重戦車が向かうのがベター。 あまりここに主力を割きすぎると市街地を抑えきれず、側面攻撃をされるので注意! という訳で、中央の町の競り合いについて解説しましょう。 ここのエリアには小さい建物が乱立しており、シンプルながらも入り組んだ地形になっています。 性質上Artyは通りにくいので、重戦車や中戦車の上手な顔出しと死角警戒が重要! 町に入るまでの過程は南側のほうが若干早いものの、北側チームはC3・C4付近から、多少の茂みと稜線を使うことができます。 これにより、D3・D4から町に入ろうとする南側チームに先制攻撃をしやすいと言えます。 北側チームの場合は初動の先制攻撃と、稜線の睨み合いを避けて後から町に入る増援を削りこむのが重要です。 南側の場合は初動から一気に町に入り、先制攻撃を回避しつつ敵の侵入を迎撃しましょう。 この町はE6・F6まで続いており、とにかく広く展開することでクロスファイアを狙いやすい環境にすることができます。 崖下に配置された中戦車の一部はF7やG6を経由して、町の競り合いに参加するといいでしょう。 とにかく状況判断力とクロスファイアの読み合いが重要なマップ。 中戦車的な立ち回りが求められるので、練習あるのみ! 町を南北に分けるように通る小道の周辺にある石垣には注意しましょう。 視界は通るもののちょうど車体を隠してしまうぐらいの高さがあり、敵の側面に先制攻撃する際に失敗し、警戒されてしまいます。 自車が連射重視の車両の場合は、先にある程度壊してしまうのもアリ! もしもこのエリアを完全に制圧された場合、北西は側面攻撃を受け、南にも視界が広がってしまい、確実に負けます。 崖上に配置された主力の戦車の半数か、それ以上を送り込んでもいいでしょう。 南東エリアに目を向けてみましょう。 このエリアはKラインと0ラインにやや広めの森林地帯があるものの、頼れる障害物はなにもありません。 ここでは隠蔽率と視認距離が特に重要となり、被発見=即大破に繋がりがち。 なだらかな稜線と組み合わせて、上手く身を隠しましょう。 ここには無理に戦力を送り込まず、敵の中戦車を止められるぐらいがいればいいでしょう。 北側チームは基本的にE0、機動力次第でG0・H0辺りまで偵察できます。 南側の場合はマップの支配率はやや低く、J6・K6辺りが限界でしょう。 ここではとにかく敵を引き込み、発見することが重要です。 中央の町からはみ出した敵を撃てる場合は積極的に支援していきたいところですが、発砲補正によるカウンタースポットには注意! G7-8・H7-8の民家や、G6周辺から浸透してくる軽戦車・中戦車を撃ち漏らさないにしましょう。 崖下のエリアもややなだらかな斜面や民家が点在している為、一度撃ち漏らすとそのまま自軍自走砲まで走られてしまいます。 北側チームの高いマップ支配率に対向する為に、南側ではあえて南端を薄くし、早期にG7の茂みを取り0ラインを監視するのも有効。 とはいえ、中央の町に向けて登坂する中戦車に発見されやすいので、ここは駆け引きと第六感が重要! 幸い下り坂を背負う形となるので、発見されても逃げおおせることは多いでしょう。 まとめると、このマップは とにかく崖上を殲滅し、マップの支配率を高くすることが重要。 北西の稜線は味方との相互支援で心理の壁を上手く構築し、ハルダウンをより強固にしましょう。 中央の市街地を制圧することで、北西にも南東にも展開できます。 南東はあくまでも抑えで、慎重な視界取りを心掛けましょう。 というマップです。 以上を踏まえてマップ画像 赤丸は勝敗を決する主戦場と、そのアクセスです。 青丸は南東抑えの定石です。 紫丸は主に駆逐戦車が潜んでいるポジション、稜線を乗り越えると確実に撃ち込まれます。 緑丸はいつも通りのArtyポジション。北側のほうが斜めに北西を撃てるので、若干範囲が広いです。
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少女は夢を見ている それは凶悪な力を持つもの それは転移により突如この世界に現れた 使途と呼ばれる存在 これはその使途に立ち向かおうとする一人の男の人の夢 自身の生涯をかけて忌まわしき呪いを断ち切ろうとするその人の夢そのもの 何故ならこの人にとって自身の生とは その呪いの副産物とも呼べるものだから そしてもう一つ、強くなろうとあがく一人の女の人の夢 それは自身の信じる道を貫こうとする心の力 だけど今、その信念は揺らぎつつある 自身の敗北と、力のなさに対する絶望によって 今この人達の傍に互いの姿はない けれどこの人達は懸命に戦い続ける。 己の歩む道を その先にある「なにか」を追い求めるように・・・ <エルブンガード> 「・・・いくのか?」 目の前のいかついおっさん・・・ライナスは一本のタバコを吹かしながらそう呟いた。 「・・・ああ。」 俺は左手のレギュレーターを交換しながら、そう返答した。 カチャカチャ・・・ガチャン レギュレーターの交換が終わると、ふっと左手が軽くなったような感じを覚える。 天城の戦い重ねるたび、左手の呪いは強まり、徐々に痛みを増していった。 度重なる戦闘に加え、前回バカルの邪気を浴び続けたこともあるのだろう。 そのため、正直なところ、古いレギュレータは限界にきていた。 しかしこれでようやく再び戦地へと赴くことができる。 「くれぐれも気をつけなよ。お前さんの力は知っているが、まだ使途についての情報は少ない。 はっきり言ってどんな奴らかもわからないんだ。」 「・・・ああ、とりあえずそういうことにしといてやるよ。」 俺は知っていた。 この目の前の親父がただの鍛冶屋ではないことを。 かつて有名な剣士であったライナス。 力に負けて自分の親友を殺すしかなかったライナス。 そのときの心の傷は深く、 それゆえ剣を捨て、今は鍛冶屋に甘んじている。 そう、それはまるでかつての自分のようだ。 自身の制御できない恐るべき力によって起きた忌まわしき惨事。 あまりにも自分が未熟だったかもしれない。 またはどうしようもなかったことであったのかもしれない。 (けど、だからといって、納得のいくことじゃねえよ・・・な。) 俺は拳を軽く握った。 俺達が過去に起こした過ちは同じ類のものだ。 だが、俺とこのライナスのおっさんが選んだ道は違う。 (そう、違うんだ・・・) グッ、グッ・・・ 俺は左手を強く握っては開く。 その動作を数回繰り返した。 自分の意思に沿って動く左手を満足に見下ろした後、俺は右手で荷物袋を背負った。 「くれぐれも気をつけることだ。奴らの力は並じゃない。 純粋な戦闘力もそうだが、使途が使途たるゆえんは各々が持つその特殊な力にある。」 「関係ねえよ。何故なら俺は・・・」 俺は左手を眼前に持ってきてから思い切り握った。 「俺は既に使途の呪いをこの手に受けているんだからな。」 <ベヒーモス ~神殿外郭~> ザシュゥ!! 俺が振るう紅の刃が目の前の敵をなぎ払う。 皆等しく全身にフードを被っており、見た目は人間そのものではあるが、こいつらは人間じゃない。 ゆえに容赦はいらなかった。 「・・・どけよ。命が惜しくないならな。」 俺はワザとそういってやった。 こいつらは俺の言葉を理解しているとは到底思えなかったが、何故かそう言わずにはいられなかった。 ふしゅるるるる・・・ 当然俺の言葉に対しての返答は特にない。 GBL教団。 使途ロータスをまるで神がごとく敬うこの集団は元はれっきとした人間である。 だがロータスの力に影響されていくうちに、人が人ではなくなっていった。 今ではかろうじて人型は保っているものの、中身はただのモンスターと成り下がっている。 口元から異音を人語とは異なるただの異音だけを撒き散らしつつ、俺の前に立ちふさがる。 『ギャアアァァァ!!』 そして叫び声をあげつつ、一斉に俺の方へと襲いかかってきた。 「ふっ!」 俺は鋭くその場で回転しつつ、一番先頭の教徒に回し蹴りを放つ。 鈍い音をあげながらその衝撃により教徒は後方へと吹き飛ばされた。 だが周囲の教徒達は気にもとめない。 「おかまいなしってことかよ!」 俺は回転する勢いを利用しつつ右手で背中の剣を抜く。 そしてすれ違い様に襲い来る教徒達をためらうことなく切り捨てた。 ドサドサドサ 切り伏せた死体はそのまま地面へと落下したが、本来噴出すはずの血液は流れでない。 それどころか、その場に残ったのは赤い色のフードだけだった。 生命を絶たれた後のGBL教徒達は忽然とその場から姿を消した。 「ここにまた迷える子羊が一人・・・」 俺は咄嗟に声のしたほうへと向き直る。 すると俺の視線の先には黒と白のローブを羽織った二人のGBL教徒がいた。 「ふん、一応話しができる奴もいたんだな。テメエらがさしづめ親玉ってとこか?」 俺は唇の端を吊り上げつつ、右手に持った大剣を肩に担ぐ。 そしてそのまま威嚇するように睨み付けた。 「我らはロータス様に仕える使途。」 黒いフードの教徒がつぶやく。 「我らはロータス様の従う僕。」 続いて白いフードの教徒がつぶやく。 『さあ、祈りなさい。全ては偉大なる使途、ロータス様のために・・・!!』 そして二人が声をあわせてそう叫ぶなり、こちらに向かって走りよってきた。 どこから現れたのか、数体のタコの怪物がその脇を固めるようにうじゅうじゅとうごめく。 「話ができる状況じゃねえってことか!」 GBL教団の首領・・・さしづめ教主といったところか。 白いフードの教主は懐から鋭いナイフを抜き、俺に向かって切りつけてきた。 キンッ!! 俺はその動きを読み取り、右手の大剣で受け止める。 「キシャアァァ!!」 その後を追い討ちをかけるように今度は黒いフードの教主が俺の胸元に向かってナイフを突きつけてきた。 俺は咄嗟に右手の大剣を手離し、軽くなった自身の身体をバク転の要領で後方へと押しやる。 「教主が刃物なんざもってんじゃねえよ!」 そしてすぐさま意識を左手へと集中する。 すると赤黒い血が真紅の刀身へとその姿を変える。 そして俺は左手を目の前へと持ってくると、正眼に構えた。 「おお・・・呪われし力・・・」 「ああ・・・忌むべき穢れた力・・・」 俺の作り出した血剣を見て、白と黒の教主どもはそう呻く。 実際に使途の力に犯されているこいつらにはこの俺の力がどのようなものか理解できるのかもしれない。 フンッ 教主どもの呻きに対して俺は軽く鼻を鳴らした後、構えなおす。 「そうさ・・・テメエらを切り裂く・・・」 俺は思い切り地面を蹴って前方へと走る。 すると同時に教主達もこちらに向かって走った。 「闇の力・・・だ!!」 <ストームパス> 「ふー・・・やっぱり寒いわね・・・」 私は手袋した状態の両手をこすり合わせる。 正直なところ、こうしたところで対して暖かくはならなかったが、そこは気分というものだろう。 「まあ普通は、好き好んでこんな僻地にはこないよ、なぁ。」 その私の後ろをとにかく衣服という衣服をグルグル巻きにした、まるでダルマのような姿になっているダインがついてきていた。 「しかし、あなたのその格好・・・もうちょっとなんとかならなかったの?」 「ん?だって寒いじゃないか。」 ダインの返答に私は思わずふぅ、とため息をつく。 私は自身の修行のためにこの極寒の地を訪れた。 なんの因果かこの男、ダインはそれについてきた。 はっきりいって邪魔物でしかないこの男を私は幾度となく振り切ろうとした。 だがその旅にダインはその細い足のどこにあれほどの脚力を秘めているのか、苦もなく私の後をついてきた。 そして息を切らすのも決まって私が先である。 つまり振り切ることができなかったのだ。 (・・・完全に私の修行不足、だわ。) そう思い、私は再度ため息をついた。 その吐き出した息は一瞬のうちに凍りつき、真っ白く染まる。 「異邦人ヨ、何をしにこの地へ訪れタ?」 その私達の前に一人の屈強な男が立ちふさがる。 男はその名を「オルカ」といった。 「・・・師範の紹介でやってきました。突然の来訪には謝ります。 けれど、どうしても修行をお願いしたいのです!!」 私は雪の降り積もる地面に両手をつき、頭を垂れた。 その姿を見て一瞬ダインは迷ったようだったが、やがて軽く頭だけ下げた。 「話だけは聞いていル。だが、我々バントゥ族は余所者を仲間とは認めナイ。 帰るがヨイ。」 オルカははっきりとした口調でそう言った。 師範からバントゥ族のその厳格な性格を聞かされてはいた。 けれど私も簡単にあきらめるわけにはいかない。 「お願いします!!」 オルカはひたすら仁王立ちの状態だったが、やがてその近く一人の女性がやってきた。 「オルカ、話だけでも聞いてあげたらいいんじゃないカイ?」 私は咄嗟に顔をあげた。 「私はバレナ。私は異邦人だからといって差別したりはしないヨ。」 バレナと名乗った女性は屈強なオルカの前に立ち、私の話に対し、耳を傾けてくれた。 <ストームパス ~稜線~> 「やれやれ、どうして俺達がこんなことをしなくちゃならないのかねぇ・・・」 ダインがだるそうにしながらブツクサつぶやく。 格好は先ほどのダルマのままである。 その姿と言動は、どう考えても戦う意思のなさの現われである。 「ブツクサいうくらいならついてこなきゃいいじゃない。 元々私個人の用で来てるだけだし、そもそもなんでついてくるのよ?」 そう、私はそこが気になっていた。 このダインという男はどう考えても赤の他人である。 街中を面白がってついてくるだけならわかるが、こんな道と寒さの険しい雪山までついてくる理由は思い当たらない。 「つれないこというなぁ、そんなの決まってるだろ?」 そしてダインは人差し指をたて、チッチッチッ、といいながら小さく振った。 「レシエちゃんに惚れたからだよ。惚れた女の傍にいたいってのは至極自然な行為さ。なあ?」 「バッ・・・」 恥ずかしげもなくそういうダインに思わずこちらが赤面してしまう。 そしてダインはというと、ハッハッと高笑いをしていた。 「と、とにかく行くわよ!まず私達のことを認めてもらうためには、バントゥ族の戦士を倒して、その力を示さないといけないんだから。」 そう、バレナの提案は至極単純なものだった。 バントゥ族の掟として、勇士と認めてもらうためには、バントゥ族の戦士を倒して、その力を示せということだ。 道中、氷の鎧を身にまとう狼「アイスタイガー」や、氷の力を操るゴブリン「フラグシーガブ」などが私達の行く手をさえぎったが、 私が操る念の力によってたやすく倒すことができた。 どうやらここのモンスターは魔法攻撃に対する耐性を持ち合わせてはいないようである。 (アルドが私に投げかけたあの言葉・・・) 私は以前の天城での戦いを思い出していた。 私は光の城主、ジグハルトの力の前に敗れた。 それは私の力不足という面も大きかったが、一番の要因は、私の戦い方が向こう見ずであったことだ。 要するに観察力が不足していたのである。 (これならいける・・・) そもそも私は修行にこそ明け暮れてはいたものの、実践、特にモンスターに対する戦闘経験に乏しかった。 だけど、敵を観察するようになってからはモンスターの動き、弱点などがあきらかに見て取れるようになった。 「そう、モンスターは知能が発達してない分、動きが単調なんだわ。」 そこにさえ気づけば後は簡単だった。 それに応じて、どの敵に対してどのくらいの力で対処すればよいのか、力の配分も学ぶことができた。 そのため、以前のように、一気に気の力を消耗することで体力切れ、という事態に陥ることもなくなってきたのだ。 「ひゅ~、中々やるねぇ、レシエちゃん。」 私が戦っている姿を後ろから見て、ダインがそう感嘆の声をあげる。 その声には緊張感のカケラもなかった。 「・・・ふと思ったんだけど。」 私は周囲にモンスターの気配がなくなったことを確認したうえで、ダインに当然の疑問をぶつけてみた。 「あなたって戦いにおいて素人じゃないでしょ?どうして戦おうとしないの?」 私の動きにすんなりとついてくる脚力。 アルドの不意打ちに対して素早く反応する勘のよさ。 そして私の動きをはっきりと見てとる動体視力のよさ。 どう考えてもこの男が素人とは思えなかった。 「ジョーダン。だって俺、戦いって苦手だもん。それに・・・」 ダインのその言葉が本音とはとても思えなかったが、私はとりあえず頷いておく。 「それに?」 「これってレシエちゃんの修行の一環だろ?俺が手伝うってこと自体、そもそもお門違いなんじゃないのかな?」 「・・・まあ、そうなんだけどね。」 おちゃらけてこそいたが、ダインの言葉はまさしく正論である。 そのため、納得こそはいかなかったが、私はそれ以上追求することをやめた。 (まあ、そのうちわかることよね・・・とりあえず気にしないことにしよう。) いかにこの男といえ、自身に危険が迫ればその力を発揮するはずである。 なんだったら、わざとモンスターをけしかけてみてもいい。 「まあ、とりあえず・・・」 私はそういって、降り注ぐ雪によって悪くなった視界の先を見据えた。 その先には屈強そうなバントゥ族の男が一人腕組みしながら立っている。 「俺はバントゥ族の戦士『ラビナ』!異邦人ヨ!手合わせ願おうカ!!」 私は軽く息を吸って腰を落とす。 そして気を練りつつ、拳を軽く握って構えをとった。 「この人を倒すのが先決よ、ね!」 そして私はラビナの方を睨み付けつつ、油断なく構えをとった。 「チッ、どうやらここはハズレみてえだな。」 俺はズタズタに切り裂かれたモンスターの中で地面に伏せる教主の姿を見下ろした。 周囲には壁があるだけで、どうやらこの先に進む道はなさそうだ。 「く・・・くくく・・・く。」 そこに瀕死ながらも不気味に笑う黒い教主の声が響き渡る。 俺はその声にカチンときて、教主の首根っこをつかまえて締め上げた。 「ロータスはどこだ?素直に吐かなきゃこのままトドメを刺す・・・」 俺は自身の目に冷たい輝きを灯したまま、教主に問いかけた。 しかし教主は何やらブツブツつぶやいているだけである。 「・・・私達の魂はロータスさまと共に!ロータス様!私は今!あなたの元に参ります!!」 俺は軽くチッ、と舌打ちをした後、右手の剣をすっと前へと押し出した。 切っ先は音もなく狂信者の胸元へと吸い込まれていく。 そしてそのまま、GBL教主は果てた。 その場から立ち上がった俺はふと周囲を見る。 そこには血と埃の匂いが充満しており、もはや生き物の気配は感じられない。 GBL教徒の神殿の中に、一人俺は、立ち尽くしていた。 (一人・・・か。) そこでふと、やかましくも後をついて来る一人の女の姿を思い出す。 弱いくせに自身の正義を貫こうとする女。 そして守ろうとするものの前には、なんのためらいもなく自身の命すら差し出そうとする 愚かな女。 (・・・いいさ。俺は常に一人だ。俺にとって強さこそ正義。力なき者こそ悪なんだ。) 俺は左手に封印の鎖をかけた。 左手は多少の鈍い痛みを放ちつつも赤い硝煙を放っている。 どうやら度重なる戦闘で、この左手の力も増してきているようだ。 (呪いが強くなってるってことか、はたまた俺の寿命が迫っている、のか・・・) 俺のような鬼剣士にとって自身の鬼手は強靭な力をもたらす。 しかしその反動により、鬼剣士は例外なく短命であることも事実だ。 鬼剣士にとっての己の寿命。 それは強くなりすぎた鬼手の力に宿主がとって食われることを意味しているのだ。 (・・・) 俺はふと頭上を見上げた。 そこにはいくつかの雲が強風によってちぎられるように、いくつも枝分かれしていく。 そして俺は背中の鞘に剣をしまい、歩き出す。 (例え俺の歩く先には死しか待ち受けていないとしても・・・) 俺は自身の左拳を強く握り締めた。 (俺はこの歩みを止めるつもりはない・・・!) 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」 私は両肩を大きく上下させながら、荒く息をついた。 耐え切れなくなって両膝を地面につくと、そのすぐ傍にはバントゥ族の男が一人倒れ伏している。 どうやら完全に気を失っているようだった。 「お見事、レシエちゃんの大勝利!だな。」 その後ろでダインがパチパチと手を叩いた。 辛うじて勝利したとはいえ、私の疲労は相当なものだった。 本来なら反論の一つでも入れてやるところだが、今の私にそんな元気はなかった。 結果、チラリとダインの方を見た後、すぐに視線を戻す。 そして地面に膝をついた状態でがっくりと首を下げた。 (強い、ってなんなんだろう・・・) そのとき私の脳裏に一人の男の姿が浮かぶ。 懸命に戦い続ける男。 戦うことでしか、自身の存在意義を見出せない男 その男は以前言った。 「強さとは生きていくための力」だと だとしたら今の私はどうなんだろう。 自分を守る力すらロクに持たない私はただの「弱者」なのか? 強くなろうとすることは、懸命に生きようとただ足掻く行為でしかないのか? 弱者の他者を守ろうとする行為は、ただのおろかな行動でしかないというのか? (私の信じる道は・・・間違っているの?今あなたは何を想って戦い続けているの・・・?) 私は顔をあげた。 雪はわずかにその勢いを弱め、わずかながら、雲の隙間から青い空が覗いていた。 (ねえ・・・アルド・・・) そう、私の信じてきた「信念」は一人の強き男の言動の前に揺らぎつつあったのだ。 第7話へはこちら