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登録日:2021/06/19 Sat 22 51 21 更新日:2022/04/30 Sat 10 10 28NEW! 所要時間:約 28 分で読めます ▽タグ一覧 10人乗っても大丈夫!(タンクデサント的な意味で) 7人兄弟の棺桶 M3中戦車 つなぎ(注:アメリカ基準) アメリカ合衆国 アメリカ軍 イギリス ウサギさんチーム グラント ストップギャップ リー ルルベル 中戦車 兵器 北アフリカ戦線 多砲塔戦車 太平洋戦争 戦車 第二次世界大戦 踏み台 軍事 量産機 M3中戦車 リーとは、第二次大戦中にアメリカ合衆国が開発した戦車。 またイギリス仕様のバリエーションから、リーではなくグラントの名で呼ばれることもある。 もっともM4中戦車ことシャーマンもそうだが、このリーもアメリカ軍に与えられた呼称はあくまで「M3中戦車(Medium Tank, M3 )」で、リーにせよグラントにせよ、購入したイギリス側がつけた愛称である。 【どんな戦車?】 アメリカの戦争映画のイメージとか、某アニメの某長崎県の高校のイメージとか、パーシングの導入にまつわる豆知識とか、あるいは単純に知名度とかから「第二次大戦のアメリカ軍ってシャーマンばっかりだったのよね?」と思っている方もいるかもしれない。 しかしいかに大正義アメリカ軍とはいえ、シャーマンのような高性能傑作戦車を開戦と同時にPON!とお出しできたわけでは無論ない。 アメリカ軍がシャーマン天国へと至るまでにはそれなりの「過程」が挟まれており、そこで得られたデータとノウハウこそがシャーマンを作り上げたのだ。 このM3リーもそんなシャーマンツリーの1両で、型式番号からもわかる通りシャーマンの1つ前、直接的な前世代機にあたる存在。 というか駆動系全般、つまり車体の下半分はほぼそのままシャーマンに流用されたため、兄弟機と言っても差し支えないほど。 またシャーマンへの踏み台になっただけにとどまらず、さまざまな事情から「本命(シャーマン)ができるまでの一時しのぎ」としてそこそこの数(注:アメリカ基準)が生産され、連合各国(主にイギリス)で実戦投入されてもいる。 【性能】 「走」 優等生ポイント。 パワーソースには出力400馬力を誇るカーチス・ライト製星型9気筒ガソリンエンジン「R975-EC2」を搭載。 本体の重量26tに対してこのエンジンなので、重量当たりのエンジン出力は同クラスの戦車の中でも高い方。いい音でしょう?馬力が違いますよ そしてもともと航空機用に大量生産されたエンジンなので量産効果で単価も安く、信頼性も高い。 足回りはアメリカ戦車の伝統芸能である連成懸架式のVVSSサスペンションを採用。 これは今でも乗用車などで使われるコイルサスペンションの亜種で、なんというか非常に見た目からして「衝撃吸収装置(サスペンション!)」な雰囲気が出ている素敵な代物。 整備性と衝撃吸収力に優れ、乗り心地がよくて悪路にも強い反面、車高が少しかさみがちで重量限界もちょいと低め。 総じて機動性はかなりハイレベルと言えるが、履帯の設計がやや古臭く、幅が狭くて凹凸も平坦重点なのはちょっとマイナスポイント。 このせいで泥湿地や凍結した地面などにやや弱いのだが、パワフルなエンジンのおかげである程度はカバーできている。 またエンジンや足回りに限った話ではないが、工業大国アメリカ製なだけあって各部品の品質が凄まじく、しかも規格化が完璧で整備性にも充分に配慮されているため、兵器として重要な信頼性と耐久性が極めて高い。 「攻」 問題児ポイント。 M3リーの最大の特徴は、やはり「砲塔と車体の正面右側に1つづつ、合計2つの砲を搭載したスタイル」、いわゆる多砲塔式であることだろう(*1)。 主砲は車体右側ににょきっと生えている31口径75mm砲「M2」。 当時の75mm級戦車砲は、弾速が遅く榴弾をメイン武器とする短砲身砲が多かったが、この砲はそれよりも砲身が長くて弾速が速い、いわゆる中砲身砲。 榴弾を正確に射撃できるのはもちろん、徹甲弾を使えば600m/秒に迫る弾速を発揮し、距離1000mで約60mmの装甲を貫通できる強力な多用途砲だった。 これはだいたいT-34の主砲とほぼ同レベルであり、時代を考えると文句なしの最先端レベルと言える。 しかし半固定式なので射界(砲の向きを変えられる範囲)が左右に15度づつぐらいしかなく、実質的に車体ごと向き直らない限り撃てないという致命的な欠陥があった。 対戦車攻撃や陣地破壊に特化した駆逐戦車ならともかく、様々な任務に使われる中戦車としてはシャレにならんレベルで不便であり、使用した全て国の戦車兵から「めっちゃ使いにくいんだけどコレ!!!」とのお言葉をいただいているほど。 またこちらの主砲には車体が振動していても目標を狙える装置、いわゆる砲安定装置が試験的に搭載されていたのだが、これがまたあからさまに未完成で「砲が勝手に動いてあぶねーから外しとけ!」とすら言われるほどだった。というか殆どの車両で外されていたらしい。 そして動かない主砲の欠点をカバーするため、車体上にはきちんと回る副砲塔を……というコンセプトだったのだが、実はこちらにも問題があった。 副砲には53.5口径37mm対戦車砲「M5」が使われていたのだが、戦間期基準で作られた対戦車砲だったので貫通力が1000mで30mmにも届かず、ドイツ戦車に対してはあからさまに威力不足だったのである。 しかも砲が2つになったせいで車長の指揮が煩雑になって効率が低下した上、乗組員もかさむ(7人乗り!)など、ぶっちゃけ利点を探す方が難しい構造であり、本車があくまで「つなぎ」でしかなかった理由が察せられる。 ちなみに無駄に多いのは実は機関銃もで、普通の戦車がだいたい1~2挺程度なのに対し、キューポラ兼機銃搭に1、副砲の同軸に1、車体に2(連装タイプ)と合計4挺も搭載しており、やろうと思えば合計6基の火器によるド派手なフルバーストだって可能。 意味?ないよ? 「守」 一般人ポイント。 前から見える主装甲部は最低でも50mm以上で、時代を考えると標準かやや上のレベルだが、接合方法はまだリベット式。 一部には傾斜装甲が採用され実効70mm近くになる部分もあり、傾斜で敵弾を弾く効果もかなり期待できる。 側面装甲も最低38mm以上とかなり厚く、小口径の対戦車砲程度ならなかなか通さない。 とまあ単純な装甲防御力に関して言えば充分良好と言えるのだが、それ以外の部分にちと問題が多い。 まず最大の弱点といえるのが、その異様なまでの車高の高さ。 うすらでかい車体+砲塔+砲塔の上のキューポラ兼機銃搭を全て含め3.11mにも達するのだが、これはなんとティーガーIIの車高を越えるほど。 これほどまでに背が高くなると、露呈面積が増えて被弾しやすくなるのは無論のこと、身を隠せる遮蔽物も減ってしまうし、そもそも被発見率が高くなって先制攻撃も受けやすくなってしまう。 さらに砲塔の位置が高い+小さいせいで、低い位置にいる敵を攻撃しにくく、横から歩兵などに近づかれるとかなり早い段階で防御手段が無くなってしまう。 おまけにガソリンエンジン故の引火性の高さに加え、アメリカ戦車に共通する弾薬庫配置の微妙さも合わさり、被弾時の爆発炎上率がかなり高い。 トドメに脱出ハッチがでかくて重くて即座に開閉しづらいので緊急脱出が困難……といった感じで、せっかくの装甲を台無しにするような欠点がいたるところに見られる。 【開発経緯】 時はナチスドイツの電撃戦でフランスがさっくり敗北した1940年。 それまで参戦拒否路線だったアメリカ世論も、この頃になると「嫌だけど参戦もしょうがないかな……マジ嫌だけど…」って方向に傾きつつあった。 しかし肝心のアメリカ軍、特に陸軍は東西の枢軸国と同時に戦うには質・量ともに不足極まりなく、当然ながらその拡大を、しかも急速に進める必要が出てきた。 そしてその一環として、当時のアメリカ陸軍最強の戦車であった「M2中戦車」の更新計画が始まる。 このM2中戦車は前年に配備が始まったばかりの最新鋭戦車だったのだが、 ★・重量約19t ★・主砲は37mm対戦車砲 ★・装甲は大部分が6~20mm、最大で実効45mm程度 ★・エンジン出力340馬力、最大速度42km/h とチハたんに毛が生えた程度の性能でしかなかった。まあ設計のベースが5年前に開発された11t級の「M2軽戦車」で、流用・共有している部品も多かったので…… とにかくこれではフランス戦で活躍したドイツのIII号・IV号戦車と殴りあうには明らかに性能不足!と判断されたのである。 そのため次期主力戦車は「全体的に性能を底上げしつつ、あと主砲は75mm中砲身砲で!」となったのだが、これには一つ大きな問題があった。 当時のアメリカ製戦車の主砲は大半が機関砲どまりで、最大のものでも↑の37mm砲でしかなかったのだ。 なので一気にその2倍になる75mmクラスとなると砲塔設計のノウハウが全くない状態であり、開発部にも「ちょっと時間かかるかもだぜ」と返答されてしまったのである。 しかし状況が切迫していたため、アメリカ陸軍は75mm砲塔の開発を進めつつ、同時にそれが完成するまでの「つなぎ」の配備をとりあえず模索することにした。 そして「今すぐ作れて」「できれば75mm砲を、どんな形でもいいから搭載できる」戦車を探してみたところ、幸運にもちょうどよさそうなものがあった。 M2中戦車……の試作機であった「T5試作中戦車」の実験バリエーションの1つ「T5E2」がそれである。 これは「車体に据え付ければ大口径砲でも簡単に搭載できるんじゃね?」というコンセプトの元に開発された試作機で、車体の右側正面に75mm短砲身榴弾砲を搭載したタイプだった。 もっともこのT5E2は試作機と言うかほぼ実験機レベルの代物であり、また75mmの主砲もM3ではより反動の大きい中砲身砲になったため、構造からかなりの部分を作り直さねばならなかった。 しかし原型が既にあったため開発は速く、わずか半年後の1941年3月には試作機が完成、翌月には「M3中戦車」として即生産体制に入ることができたほどだった。 【活躍】 とはいえアメリカ軍的にはM3リーはあくまで「急場しのぎの間に合わせ(ストップギャップ)」でしかなく、そこまで大量に(注:アメリカ基準)生産する気はなかったのだが、2つのトラブルがその予定を狂わせることになった。 まず1つめは、1941年6月にイギリス軍から大量の注文が入ったこと。 バトル・オブ・ブリテンでなんとかドイツ軍を叩き返したイギリス軍は、いまだ激戦のさなかにあった北アフリカ戦線のため、陸上戦力の増強を開始していた。 しかし初戦の大敗で大量の兵器を失い、また航空機生産が最優先されていたこともあって、当時のイギリス本国にはとてもその余裕がなかった。 そのため「うちで作れないんならアメリカで作ってもらおう!」とアメリカに自国戦車(主にクルセーダーとマチルダII)のライセンス生産を依頼。 しかし「今更そんなガラクタ作ってられません製造ラインが非効率になるからダメです」と断られてしまったので、代わりに「すぐ作れる、一番強い戦車」であるM3リーを、一度に1650両も発注してきたのである。 そして2つ目は、同年12月の真珠湾攻撃だった。 先にも触れた通り、当時のアメリカ世論は自国の本格参戦については嫌がる向きも強かったのだが、この「卑劣な騙し討ち」には国民全員が激怒して世論が一変。 これによって急転直下で「アメリカ合衆国軍 総勢1600万名 参陣!」となったのだが、本命のシャーマンの生産・配備がまだだったので、当面の間M3リーでがんばることになってしまったのだ。 とまあそんなわけでがっつり実戦を経験することになったM3リーだが、その初陣となったのはやはりというか北アフリカ戦線、イギリス陸軍所属としての対ドイツ戦であった。 しかしアメリカ軍的には間に合わせに過ぎなかったM3リーだが、イギリス軍から見れば自国のポンコツ戦車群とはレベルが違う最強最新の戦車であり、いたるところで大活躍を見せた。 無論この時点で ★・固定主砲の使い勝手が悪すぎるんだけど! ★・副砲が威力ハンパすぎて使えねーんだけど! ★・背が高すぎてすぐ見つかるんだけど! ★・背の高さに比べて主砲の位置が低いから稜線射撃(*2)できねーんだけど! ★・スタビライザーがクソすぎるんだけど! ★・車内でお湯がわかせねーんだけど! などと欠点もボロボロ上がってきていたのだが、それでもその走攻守をハイレベルに兼ね備えた性能、そして抜群の信頼性と整備性がそうした欠点を補ってあまりあった。 とりわけ現場で歓迎されたのは主砲の75mm砲で、この存在だけで他の欠点を全て無視できるほどに評価された。 なぜなら当時のイギリス戦車群の主砲であった40mm砲(2ポンド砲)は、対戦車用の徹甲弾だけしか用意されておらず、火力陣地を破壊するための榴弾(着弾と同時に爆発する砲弾)が撃てないという致命的な欠陥があったため(*3)。 なので北アフリカにおけるイギリス戦車は、かのアハト・アハトをはじめとする対戦車砲陣地にそりゃもうボッコボコにされていたのだが、榴弾を撃てるM3リーの75mm砲ならこれにばっちり対応できたのである。 さらにイギリスの主力であったクルセーダー巡航戦車がそのクソみてェな信頼性のために次々と稼働不能になっていったのに対し、M3リーはサハラ砂漠の過酷な環境にも充分に耐え、常に高い稼働率を維持できた。 結果として北アフリカ戦線は英米VS独伊の戦いにおける一大ターニングポイントになるが、この戦いにおけるM3リーの戦果は正直文句のつけようがないレベルであり、イギリス軍をして「エジプト最後の希望」とまで言わしめたほど。 イギリスの自国戦車がカスすぎただけでは?とか言わないで とまあそんな感じで「つなぎ」としての役割を充分に果たしたM3リーの総生産数は、改良を重ねた各バージョンを合計して約6500両に及んだ。つなぎとはいったい・・・うごごごご 一方の極東では、M3リーの現役時期と北アフリカ戦線の期間がかぶっていたのであまり活躍の機会がなく、戦争後半に対ドイツ戦で型落ちした車両がいくらか投入された程度だった。 とはいえ、M3リーより1ランク弱い「M3軽戦車 スチュアート」にすら苦戦していた日本軍からすればまさしく驚異そのものであり、1944年から始まったインドシナ方面の反攻作戦では大いに活躍。 その75mm砲で日本軍の火力陣地その他をぶっ飛ばしまくり、連合軍の勝利に大きく貢献した。 最もスチュアートの時点で既に正攻法での対処が難しくなっていた日本軍にしてみれば、「マトモに戦っても勝てないから、側面を奇襲するしかねぇ!」という点ではM3リーもスチュアートと大して変わりはなかった。 むしろその車高のせいで日本軍も先制発見しやすく、射角が狭いせいで懐にも入りやすかったため、ほぼ無敵に近かったマチルダIIなどと異なり近接攻撃で撃破された記録もけっこう残ってたりする。 さらに一部はレンドリースでソ連にも供給されたが、既に強力なT-34を持っていたソ連軍でも、その圧倒的な信頼性の高さが大いに評価された。 ただ戦闘性能自体についてはT-34基準だとやはり難点もあり、装甲の薄さやガソリンエンジンの炎上率の高さ、そして2種類の砲の使い勝手の悪さについてはかなり問題視され、「7人入れる共同墓地」などといったありがたくない異名も頂戴している。 【改良】 シャーマンまでのつなぎとはいえ相当な数が生産されたため、途中からの改良点も結構多い。 型式番号から違う別バージョン(車体の上半分を一体成型の鋳造装甲にしたA1型とか、装甲を溶接にしたA2、A3型とか、エンジンを別のにしたA4、A5型とか)もあるが、基本的には無印のM3が主に製造され続け、 ★・主砲を長砲身化した41口径75mm砲「M3」に換装(シャーマンとお揃い) ★・車体側面ハッチの廃止、小型ハッチの追加 ★・操縦士用のペリスコープ(潜望鏡)を追加 ★・照準装置の改良 ★・履帯を凹凸が増した改良型に換装 などといった改修が順次加えられていった。 【派生型】 「グラント」 最も有名な派生型。 イギリス軍の注文にあわせて各部をちょっとだけ手直ししたタイプで、主な改修点は砲塔に集中している。 具体的には ★・車高をムダに稼いでいた車長用キューポラを、機銃含めまるっと撤去 ★・外形も饅頭みたいな丸っこいフォルムの鋳造式に ★・イギリス戦車の標準装備である2インチ擲弾発射機を前面に搭載 ★・車内の通信手席を撤去し、通信機を砲塔に移動 などなど、ほぼ作り直す勢いで全面改修されている。 通信機が砲塔に移動したのは、イギリス軍が車長に通信手を兼任させたがったためで、これによって乗員が1人へって6人になった。 イギリス軍が購入したM3中戦車は全てこのグラント仕様……になるはずだったが供給が追いつかず、通常のM3リーもかなりの数が配備されていた。 ちなみにイギリス軍の上層部は素のM3中戦車を「リー」、こちらのタイプを「グラント」と呼び分けたが、現場ではどっちも「グラント」と呼んでいたらしい。 M3中戦車は半分近くがイギリス軍配備=グラント呼ばわりされていたことを考えると、本来ならこの項目の名前も「M3中戦車 グラント」の方が正しい気もするのだが、知名度的にはなぜかリーの方が圧倒的に高い。 「リー・グラント」 急造版グラント。 イギリス向けのグラント仕様の砲塔の製造が追いつかなかったため、リー用の砲塔を無理やりグラントのそれに近づけた(キューポラを撤去しただけ)タイプを搭載している。 ちなみに現場ではこれも特に区別されず「グラント」でひとくくりにされていたという。ややこしい! 「ラム巡航戦車」 カナダがM3リーを元に自国開発した戦車。 イギリス連邦の一員としてWWIIに参戦したカナダだったが、激戦の北アフリカ戦線を救援しようにも、肝心の戦車戦力を調達できないでいた。 必死こいてた当時のイギリスはもちろん、自国の部隊拡充+イギリス向けの兵器生産で大わらわだったアメリカにも戦車を回す余裕はなく、結局自国での生産を決断せざるを得なくなる。 幸いカナダにはMLW社という巨大な機関車製造会社があったので製造はなんとかなりそうだったが、どうせなら単なるライセンス生産じゃなくて新型を作ろうぜ!ということになった。 そこでM3リーの基礎構造を利用しつつ、よりイギリスの戦術に併せた巡航戦車として大改修されたのがこのラム巡航戦車である。 戦車開発経験がまったくなかったカナダにしてはかなり完成度が高い戦車だが、これはMLWの親会社であったアメリカの戦車製造大手であるアルコ社の全面支援があったため(というか実質的にはそちらが設計・開発を担当した)。 ビジュアル的にはM3リーの面影はほぼないが、それもそのはずで、車体中央から上がほぼ丸ごと作り直されている。 具体的には ★・車体側の固定砲廃止 ★・砲塔は普通の戦車のように大型化して主砲を搭載 ★・砲塔上の車長用キューポラ兼機銃搭を分離、車体正面左側に移動 といった感じで砲関係を全面的に再配置しており、それに合わせる形で車体上部も完全な新型が用意されたのである。 この新型車体は鋳造による一体成型で、正面76mm、側面68mmとM3リーより分厚くなっており、傾斜もより巧妙になっているため、総合的な防御力はM3リーより高い。 またM3リー最大の欠陥だった固定砲をやめて全周旋回砲塔にしたことで攻撃面でも……と言いたいところだが、ここに致命的な欠陥があった。 搭載を予定だったイギリスの新型57mm砲(6ポンド砲)が調達できず、やむを得ず時代遅れな40mm砲を搭載するしかなかったのである。 このため攻撃面ではイギリスの従来型の巡航戦車と同じ!クソ以下!ということになってしまい、また部品生産を一部委託していたアメリカがシャーマンの生産に集中したがったため、結局生産は途中で打ち切られ、実戦を経験することもなかった。 「M7自走砲 プリースト」 M3リーの車体を流用して作られた自走砲。 大戦中のアメリカ軍が機甲部隊の火力支援用に開発した自走砲で、主砲には最新型の105mm榴弾砲「M101」を搭載。 M3リーの車体下半分をほぼそのまま利用している上、車体上部も軽量化されているため非常に軽快な機動性を誇る。 車体がうすらでかいのもM3リーゆずりだが、そのおかげで弾薬搭載スペースが大きく、搭載数は10cm級自走榴弾砲としては破格の69発にも及ぶ。 反面、星型エンジンの背の高さのせいで砲の後ろの床が盛り上がっているので、仰角(上向きの角度)がやや不足気味だった。 火力・機動性・信頼性・整備性とあらゆる面で水準以上の性能を誇ったハイスペック自走砲で、大戦中期以降、イギリス・アメリカの主力自走榴弾砲として大いに活躍した。 ちなみにある時期から車体に初期型シャーマンを使用するようになったが、前述のとおり両者の車体下半分はほぼ共通(転輪やサスの一部がちょっと違うぐらい)なので、特に区別はされなかった。 「M31 戦車回収車」 シャーマンの主力化に併せて開発された戦車回収車。 コスト削減のため通常のM3リーをほぼそのまま流用しているが、流石に武装は撤去されている。 写真を見ると主砲がきっちり残っているように見えるが、これは単なる威嚇用のダミーの棒で、実はこの部分はドアに改造されている。カワイイ。 当時としては世界最高レベルの潤沢な回収装備を持ち、砲を撤去された砲塔に最大13t級の持ち上げ力を持つクレーン、車体後方に30tの重量をけん引できるウィンチを搭載し、様々な状況に対応できる。 そのパワーを活かして大砲などのけん引に使われることも多く、後にはその用途に特化したM33牽引車も開発されている。 後にはシャーマンをベースとするM32戦車回収車も配備されたが、乗り降りの簡単さやクレーンの使い勝手などから現場ではこちらの方が評価が高かった。 【フィクションでの活躍】 映画 『サハラ戦車隊』 戦時中の1943年にアメリカで公開された、ハンフリー・ボガード主演の戦争映画。 撮影に当たってはアメリカ軍のバックアップを全面的に受けており、もちろん主人公が乗るM3も本物である。 主人公はアメリカ兵なので、このM3もアメリカ軍のリー仕様。M3中戦車の愛称が「グラント」より「リー」の方が知名度が高いのは、おそらくこの映画がきっかけだと思われる。 戦時中に国民の戦意高揚を狙って作られた戦争映画、いわゆる「プロパガンダ映画」で、今見ると所々でプロパガンダ要素が鼻につくのは否めない。 しかしスタッフやキャストはきちんとしており、脚本もどちらかというと人間描写に重点を置いていて、そのへんの粗製乱造された戦意高揚映画とは一味違う丁寧な作りである。 エル・アラメインの前哨戦で部隊が敗北、愛車「ルルベル号」と2人の部下と共に撤退中だった主人公ガン軍曹+撤退中に拾われたイギリス(スーダン人含む)・フランス兵、あとおまけのイタリア兵捕虜が主役サイドの面子。 しかし何はともあれ生き延びるための水を求めて戦車でさすらうことになり、やっと発見したと思ったら今度は同じく水を求めるドイツ軍機械化部隊(戦車なし)との戦いになり……というのが大筋。 大筋からわかる通りメインテーマは戦車というより「砂漠」と「水」で(*4)、主人公が乗り込むM3リーも「主役兵器」というよりは「舞台」に近い感じ。 なので戦車の描写はかなり薄味で、M3リーの大活躍!米国無双!マニア大歓喜!みたいなのを期待すると若干拍子抜けかも。 『デザート・ストーム』 サハラ戦車隊のリメイク映画。1995年公開。 かなり原作に忠実なタイプのリメイク作品で、変更は露骨なプロパガンダ要素を削ったり、不自然な描写などをいくらか改め、あと尺の都合で多少足りたり引いたりしている程度。 ただし戦車ファン的な意味での最大の相違点は、ストーリーよりもルルベル号ことM3中戦車にある。 オリジナルではアメリカの純正「M3リー」だったのだが、こちらでは簡易型グラントこと「リー・グラント」が使用されているのだ。 リー・グラントはイギリス軍の車両なので、アメリカ兵である主人公が乗るのはありえないのだが……まあカラーでM3の活躍が見れるからね!細かいコトなんかいいよね! 「1941」 『ジョーズ』で一躍名声をあげ、『未知との遭遇』でそれを確かなものとしたスピルバーグが、一点それを崖下に蹴り落とすことになった迷映画。 日本軍の真珠湾攻撃により太平洋戦争が始まったばかりの1941年。 いまだ戦果の影もないカリフォルニアの海岸近くに、旭日旗を掲げた潜水艦が、ひっそりと海中から現れた。 一方そのころ、アメリカ西海岸各都市の住人は「もしかして次はここに日本軍がやってくるのでは…?」という恐怖に怯えていたが…… ……と書くとなんだかマジメな戦争映画のようにも思えてくるが、その実は初手おっぱいポロリからのジョーズパロディという頭のう指数が下がるコンボから始まるドタバタ劇、いわゆるスラップスティックコメディである。 監督はスピルバーグ、脚本にBTFのロバート・ゼメキス、主演はダン・エイクロイドで、助演にジョン・ベルーシや某ベイダー役を断ったのを後悔してた三船敏郎など錚々たるメンツが揃った力作……のはずだったのだが、様々な事情(*5)から評価面ではイマイチな結果となった。 M3リーは(一応)主人公であるトリー軍曹の乗車「ルルベル号(*6)」として、(アメリカの)ペンキ工場を蹂躙したり、(アメリカの)乗用車を踏みつぶしたり、(アメリカの)兵士たちの頭上をM1917機関銃で掃射したりと活躍?する。 ちなみにこのM3リーは実車ではなく、シャーマンの車体上部をひっぺがしてM3リー風の外装をあつらえたものらしい……が、さすがはミリオタスピルバーグ、その完成度は文句なし。 アニメ 『ガールズ&パンツァー』 主人公サイドである大洗学園戦車道チーム、その中のUSA G.I さん……じゃなくてウサギさんチームの車両として登場。 ウサギさんチームは6人の1年生で構成された「下級生チーム」で、大洗における後輩枠&成長枠的存在。 最初は頼りない……どころか試合中に敵前逃亡という情けない初陣から始まるも、幾度もの試合を経て成長し、TVシリーズ最終戦となる黒森峰との戦いでははるか格上の重駆逐戦車に単騎で挑み、エレファント1輌撃破、ヤークトティーガー1輌と刺し違えるという大金星を挙げ大洗の勝利に大きく貢献するほどになった。 以降もこれに自信を付けた事で重戦車キラーを自称したり、調子に乗り過ぎて失敗したり、それを反省した末の奇天烈な作戦や堅実な支援攻撃で仲間の窮地を救ったりと、その賑やかさと目覚ましい成長具合で視聴者からも暖かく見守られている。 大洗唯一のアメリカ戦車の為かサンダース大付属の面々に可愛がられており、一時期大洗の戦車を預かった際特にM3リーは念入りにメンテされていた他、劇場版の共同戦線では彼女たちと小隊を組むことにもなった。 旧式戦車が多い大洗戦車道チームの中では性能的には結構上の車両だったりするのだが、前述のとおり乗員が未熟だったため最初は真価を発揮できておらず、M3ファンをやきもきさせたりしたとか。 また当初は乗員達の好みにより全身ショッキングピンクという凄まじい塗装だった事から戦車ファンを唖然とさせたが、この点も初戦を経て真面目に戦車に取り組む事を決意して以来元のグリーンカーキに塗装し直されている。 一応、ここまで濃くはないがピンク系統のカラーリングは「デザートピンク」と言って、実際の北アフリカ戦線でも使われたれっきとした砂漠迷彩ではある。 しかし当時の一年生チームには戦車や軍事の知識はほとんど無かったので、そこまで考えてピンクにしたとは考えにくい。また戦車道の試合は市街地か平原・森での戦いが主であり、砂漠地帯での試合は稀(*7)なので、どの道戦車道では大した迷彩効果は見込めないと考えられる。 乗員達が戦争映画を参考・研究材料にして作戦を立てていることもあって戦争映画のオマージュ・パロディに縁があり 重戦車を路地に誘いこんで後方から襲撃作戦→ 映画『戦略大作戦』の通称「戦略ティーガー」にペイント弾を撃っちゃうシーン エンストからのエンジンスタートスイッチ連打→ 映画『サハラ戦車隊』の冒頭シーン 砲撃による観覧車ンドラム、その名も「ミフネ作戦」→ 映画『1941』の日本潜水艦による砲撃シーン などなど、戦争映画ファンならニヤリとしちゃうシーンが多々あったりする。 ちなみに本来7人乗りのところを6人で動かしているため、通信手の宇津木優季が主砲装填手を兼任している一人二役状態。 しかし通信手席は主砲装填手の席、というか立ち位置とは対角線上の真逆なので、結構不便そうな配置ではある。 とはいえ互いに入り乱れての機動戦が多い戦車道の試合では、足を止めて主砲を連射できる機会もそんなに多くはなさそう(実際に本編でもあんまりない)なので、そこまで気にならないのかも? 史実でもM3リーを6人運用することは結構あったらしいが、その場合副砲装填手が主砲を兼任するか、操縦手が通信手を兼ねることが多く、ウサギさんチームの配置はかなり独特である。 まあメタ的なことを言えば、主砲装填手は一人ぽつんと離れた位置に立つので車内の集団キャラアップ時に困るからだと思われる。 ゲーム 『メタルサーガ ~砂塵の鎖~』 戦車と犬のRPGことメタルマックスシリーズには、PS2時代にサクセスから出た砂塵の鎖、通称MS1に登場する。 シャシーの名前は「ルルベル」で、まあ元ネタは明らかに↑の映画。入手先は例の博士から。 重量的には中の上といった所なのだが、実車の配置を参考にしたのか大砲2門、機関銃2門、SE2門という重装備が可能で、これ以上の火力を持つのはマウスぐらいしかなく、実用性は意外に高い。 『World of Tanks』 アメリカツリーのtier4戦車として登場。蔑称通称「リー先生」。 車両としての区分は「中戦車」で、これは状況に応じて偵察・戦線維持・迂回・包囲・浸透など様々な役割をスイッチしていく戦場の便利屋的な車種である。 にもかかわらずこのリー先生、(当然と言えば当然だが)主砲が固定式で回らないので、中戦車としてもっとも重要な「対応力」に致命的なまでに欠けている。 wotには固定式主砲の車両は数多いが、それらはほとんどの場合アタッカー職にあたる「駆逐戦車」で、砲塔が回らないというハンデを補うに充分な大火力を持っている。 ところがリー先生の火力は完全に中戦車レベルのそれなので、結果として「駆逐戦車と中戦車の悪いとこどり」とでも言うべきポンコツ戦車と化してしまったのだ。 そのくせ通常ツリー、つまりアメリカ戦車を進めるためには必須の位置にいたため、アメリカツリーを進めたい!という初心者がリー先生の激しい授業ならぬ苦行で挫折する光景はwotの風物詩だった。 ……とまあそんなwotの名物先生だったのだが、なぜかサービス開始から10年も経った今頃になって「こんなポンコツに初心者を乗せるのってちょっとまずくない?」ということにようやく気づいたのか、通常ツリーを外されて「コレクション車両」なるオマケ的位置に隔離された。 ちなみにイギリス所属としてグラントも登場するが、こちらはリー先生よりさらに劣るマジモンの産廃として多くのイギリス戦車兵の心を砕いてきたが、こちらも同じ時期にコレクションに隔離されている。やったぜ。 ※追記:修正はかわいいルルベル号に話しかけつつ、エンジンスタートスイッチをやさしく押し込みながらお願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] WoTのLee先生のコレクション送りは寂しいけど、初心者が心折れて引退するようなケースが少なくなかったんだろうな…でも実車が作られていないM4の初期案なんて挟むくらいなら史実で一時の主力中戦車を務めたM3の方が史実体験としては絶対いいはずだし副砲システムで返り咲きを狙いたいぞ!(37mmだけど) -- 名無しさん (2021-06-19 23 15 54) コンバットチョロQではどちらも序盤の雑魚戦車だが、リーは装甲がペラッペラで、グラントは中堅戦車並みに装甲が厚い。何故だろう? -- 名無しさん (2021-06-20 04 25 47) リー先生コレクション行きしたのか。これじゃウォーサンダーなら主砲副砲機関銃全部使えるぞ!ウォーサンダーやろうって言えないじゃん -- 名無しさん (2021-06-20 17 00 45) ルルベルは後の『ニューフロンティア』では学校跡地から発掘されるがどういうわけかショッキングピンクに塗装されている -- 名無しさん (2021-06-20 17 49 35) 大砲が2つついてるぞ~って昔から好きだった戦車 -- 名無しさん (2021-06-20 21 36 40) お湯がないやん!問題は結局解決したんだろうか…? -- 名無しさん (2021-06-21 10 47 48) ↑の方 コンバットチョロQやWTやMSNFをプレイ済の方は是非追記してくだち!- 名無しさん (2021-06-22 22 13 21) ↑2 イギリス戦車兵が車内でお茶を飲めるようになったのは結局センチュリオンからで、それまでは車外に出て一斗缶の上を切り取って作った即席コンロ、通称「ベンガジバーナー」を使ってお湯を沸かしてた。その最中に襲撃されてえらいことになることが結構あったので、センチュリオンから湯沸し器が搭載された。 -- 名無しさん (2021-06-22 22 17 56) 1941のM3リーはM4シャーマン改造だけど、見分けるポイントは操縦手の窓の位置。本来のM3は操縦手席が中央なので窓も中央だけど、これはM4ベースなので窓が向かって右側にある。ちなみに車内のセットは普通のM3ベースで作られてるので操縦手席は中央のまま。整合性は気にするな。 -- 名無しさん (2021-07-30 00 12 03) 名前の由来のリーって首が赤焼けした叛徒どもの首魁のリー?「失われた大義」とかいう歴史修正の起源になったあの? -- 名無しさん (2022-01-09 20 25 38) そうだよ。ちなみに命名はイギリス紳士だよ。イギリス紳士は紳士だから人権のために戦った北軍の将軍の名前をイギリス向けのM3に、奴隷制維持のために戦った南軍の将軍の名前をアメリカのM3につけたよ。いい根性してるよね・・・・ -- 名無しさん (2022-01-09 20 49 00) 名前 コメント
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※『ふたば系ゆっくりいじめ 411 明日に向って飛べ!』 の微妙な続編です。希少種はいろいろな意味で優遇されています ※現代設定(?)です ※独自設定があります ※ネタ被りがありましたらご容赦ください ※人間側の描写が多いです 「……それで、せっかくアメリカまで研修に行ったのに、皆から頼まれてたお土産を買うのを忘れちゃってて。 挙句、『俺が元気な体で帰ってきたことが何よりのお土産です』なんて言うもんだから、どつかれてたわ」 「あはは、そりゃそうっすよ」 2人の男が談笑している。 「そういうおにいさんも、わりとほんきでなぐってたわ」 いや、訂正しよう。2人と1匹だ。 彼らがいるのは、上空100メートルを飛行するヘリコプターの中。 窓の外では、山の稜線を朝日が照らすところだった。 操縦桿を握る男は森林管理署の署員で、先ほどから聞き役に徹している。 その隣に座り、同僚の笑い話をする男の膝の上にはゆっくりゆうかが抱かれていた。 「あいつはああ見えて頑丈だから、大丈夫なのよ」 そう言ってゆうかに微笑むと、男は眼下に広がる森を見渡した。 この地域一帯は自然遺産に登録されている国立公園だ。 1週間前から降り始めた雪が広大な森林を覆い、緑と白の対比が大地に美しいコントラストを描いていた。 彼の職業は、対ゆっくり専門の「自然保護官」であり、ゆうかは仕事の相棒である。 今日は森林管理署のヘリに同乗させてもらい、定期的に行う監視活動に従事していた。 「今日は付き合わせちゃって、ごめんなさいね」 「いいっすよ、どうせ俺も暇でしたし。 それに保護官の皆さんにはお世話になってますから」 同じ自然保護を仕事とする者同士、それぞれの機関は協力関係にある。 ゆっくりは森林地帯にその多くが生息し、希少な植物を食い荒らすこともあるため、森林管理署にとっても悩みの種であった。 この時期、野生のゆっくりの多くは冬眠、あるいは永眠している。 例外として活発に活動するのは、れてぃやちるのなど一部の希少種だけだ。 ついでに言えば野生動物もその多くが活動休止中。 つまりこの監視は形式だけで、特に神経を尖らせるような仕事でもないのだ。 とはいえ、雑談に興じつつも保護官とゆうかは地上への注意を怠らなかった。 「この地域のゆっくりたちは、まだ生態系を破壊するには至っていないのよね?」 「ええ、大人しいもんっすよ。このまま静かに暮らしてくれれば一番なんすけどね……」 異常はどこにも見当たらない。 まるで遊覧飛行をしているかのような、気楽な時間が続く。 1時間ほどで予定のコースを周り終え、帰還する旨を本部に連絡したとき、「あら?」と保護官が声を上げた。 地上に何か蠢くものが見えたような気がした。 「高度を下げてちょうだい!」 「えっ、はい」 指示されるまま、操縦士はヘリを地上から30メートルのあたりまで降下させる。 しかし、地上には動くものなど何も確認できなかった。 聞こえてくるのはヘリ自身が出す爆音と木々のざわめきだけ。 「何かいたんすか?」 操縦士の問いかけには答えず、保護官はあたりを見回す。 やはり、小動物の1匹さえ見えない。 ―普通に考えれば“あれ”が今の時期に現れるはずがないのよね……。 ―錯覚? でも……。 「だいじょうぶ? おにいさん」 ゆうかの声で我に返ると、保護官は操縦士に答えて言った。 「……ごめんなさい、見間違いだったみたいだわ……。戻りましょう」 そう言う保護官の顔はどこか晴れない。 心配したゆうかが声をかけようとした瞬間、 「あ、そういえば」 それまで相槌を打つだけだった操縦士が、唐突に喋りだした。 「俺、実は基地に恋人がいるんすよ」 「「……え?」」 突然の話題に驚く保護官とゆうか。 操縦士は彼らの怪訝な表情に気付いているのかいないのか、構わずに続ける。 「戻ったらプロポーズしようと」 「ちょ、ちょっと……」 「花束も買ってあったりして……」 「ちょっと! なんでいきなりそんな話始めるのよ?」 「え、いや、なんとなくしなきゃならない気がして……」 その時だった。 ヘリの後方の木々の間から一条の光線が放たれ、テイルローターを掠めた。 猛烈な火花を噴き上げ、破片を撒き散らしてテイルローターが吹き飛ぶ。 バランスを失ってたちまち制御不能に陥るヘリ。 自らの生み出す抗いがたい力に掴まれ、ゆっくりと旋転しながら降下し始めた。 操縦士がマイクに向かって叫ぶ。 「メイディ、メイディ、メイディ!! ブラックホークダウン! ブラックホークダウン!」 「これのどこがブラックホークよ?! ベルじゃない! 本部、こちらっ……!」 「アイムイジェクティン!」 「出来るわけないでしょっ!! 黙っててよ!!」 「ふたりともおちついてっ……!」 そんなやり取りの間にも、ヘリはどんどん高度を下げる。 回転翼が空しく大気を切り裂く。 地面はすぐそこまで迫ってきた。 保護官はゆうかを強く抱きしめ、衝撃に備える。 そして、 「きめぇ丸ーっ!!」 「ゆうかっ……!」 「おにいさっ……!」 ズズン……。 三者三様の悲鳴を飲み込む鈍い音と共に、ヘリは墜落した。 ◇ ◇ ◇ 人間が生み出した鋼鉄の鳥が身を捩るようにして苦しみ、咆哮を上げて落ちていく一部始終を見ていたものがいた。 先ほどヘリのテイルローターを破壊した怪光線、「ドススパーク」を撃ったドスまりさである。 「ゆふ、ゆふ、ゆふふふふ……」 ヘリの撃墜を確認すると、不気味に笑いながらドスまりさは森の中へと消えていった。 ◇ ◇ ◇ 俺の仕事は自然保護官だ。 今日は同僚と一緒にこの国立公園の監視にやってきたのだが、 ジャンケンに負けた俺はパートナーのゆっくり共々、管理署の施設でデスクワークをするハメになった。 ちなみに俺の横で報告書の資料を仕分けしているのが相棒の「かなこさま」である。 冬眠した「すわこさま」とその世話を頼まれてくれた「さなえさん」は家で留守番している。 「少し休憩するか……」 「そうだね、お兄さん!」 報告書の作成が一段落つき、背伸びする。 せっかく自然遺産にまで来たというのに、朝から活字ばかり見ている。 外の景色でも眺めようかと席を立ったとき、内線の電話が鳴った。 同僚の保護官とゆうか、それに操縦士の乗ったヘリが消息を絶ったとの報せを受け、俺たちは通信室に飛び込んだ。 数人の職員が慌しく動き回り、ヘリとの通信を試みていたが繋がる気配はない。 その内の1人から詳しく事情を訊くと、現在の状況はこんな感じらしい。 ―最後の通信内容から、機体に何らかのトラブルが発生したことは間違いなく、恐らくは墜落したものと思われる。 ―山向こうの天候が悪化しており、駐屯地から救難隊が到着するには何時間かかるか分からない。 ―そして管理署に常駐する職員は少なく、救難隊や自治体との通信の必要もあって捜索に乗り出すことは出来ない。 ならば、俺たちの出番だ。 「そんな、無茶ですよ! 何が起こったのかも分かっていないのに……!」 「だからこそだ。俺たちはこういった時の訓練も受けてるし、経験もある。 今は危険な野生動物はいないし、無茶もしない。頼む、行かせてくれ」 職員を説得し、俺たちは出発の準備を始めた。 俺は素早くライディングスーツに着替え、かなこさまにも耐寒・雪中装備を施す。 装備を整えた俺は、管理署のスノーモービルに跨り、かなこさまを後ろに乗せた。 予測されるヘリの遭難地点は、ここから6キロほど北上した所だった。 直径およそ500メートルの円の中のどこかに、同僚たちがいるはずだ。 「行くぞ!」 「いつでもいいよ、お兄さん!」 天候が変わらないうちに、なんとしても発見しなければならない。 俺たちは鬱蒼とした森の中へと入っていった。 ◇ ◇ ◇ 墜落したヘリの中で、最初に意識を取り戻したのはゆうかだった。 保護官の屈強な体に包まれ、奇跡的に軽傷で済んだのだ。 自分を守ってくれた保護官に、必死に呼びかける。 「おにいさんっ! しっかりしてっ! おにいさんっ……!」 ややあって、「う……」と目を開ける保護官。 だが次の瞬間、その顔は苦痛に歪む。 「……ッ! 足が折れてるみたいね……。ついてないわ……」 むしろその程度で済むことが凄いのだが。 隣を見ると操縦士が計器に頭を突っ込んで気絶していた。 保護官が体を揺すっても、目覚める気配はない。 もとより、引っこ抜けそうになかった。 異臭がするので、ゆうかが後方をチェックすると燃料が漏れていた。 しかし雪が積もっているので大事には至らないだろう。 実際のところ、墜落時の衝撃を吸収してくれたのも雪だった。 「……でもその雪が、今はネックなのよね……」 通信機器は完全に壊れ、人間2人は移動不可能。 唯一動けるゆうかは、雪の上を長時間跳ねることなど出来ない。 「助けが来るのを待つしかないわね……。でも……」 墜落の直前に見たあの光。あれは恐らくドススパークだ。やはり見間違いではなかったのだ。 どうしてこんな時期にドスまりさが活動しているのか、何故いきなり攻撃してきたのかは、皆目見当もつかない。 本部に報告できなかったことが悔やまれた。 保護官はゆうかを抱き上げる。 ドスまりさがこのヘリを発見しないこと、そして救難者たちがドスまりさに遭遇しないことを祈りつつ、 彼らは静まり返った森の中で、体力の消耗を抑えるしかなかった。 ◇ ◇ ◇ スノーモービルで森を突き進む俺とかなこさま。悪路を何とか突っ走る。 木々の間を斜めに差し込んでくる陽の光は、常緑樹の葉に濾過されて眩しさを感じさせない。 その光によって、森の中の空気はどこまでも透き通っているようだ。 出発してから5キロほどの地点だった。 何かしらの手がかりはないかと周囲に気を配っていたら、不意に横合いから白い物体が2個、飛び出してきた。 バレーボールくらいの大きさだ。 「うぉっ!」 轢きそうになったので、慌ててスノーモービルを停止させる。 よくよく目を凝らすと、雪にまみれた黒帽子のゆっくりまりさに猫耳二尾のゆっくりちぇんである。 まりさとちぇんは俺たちの姿を見るや否や、 「……! にんげんさんっ?! たっ……たったったすけてぇぇぇぇぇぇ!」 「わからないよぉぉぉぉぉぉぉ……!」 必死に助けを求めてきた。 俺たちは困惑するが、まりさたちはそれ以上に恐慌をきたしていた。 雪道を跳ね続けたせいで、体もふやけていた。 とりあえず携行していたタオルで包んでやると、何とか話せる状態まで落ち着いた。 俺はまりさに訊ねる。 「一体何があった? 冬篭りはどうしたんだ?」 「……まりさたちは……」 まりさは自分たちの身に起こった出来事を話し始めた。 ◇ ◇ ◇ まりさたちの群れはとてもゆっくりした群れだった。 賢く強いドスまりさの庇護の下、秋の早い段階から越冬のための食料も充分に集めることが出来た。 慢心して、新たに子供を作るゆっくりたちもいなかった。そして何よりみんな仲良しだった。 絵に描いたようなゆっくりプレイスで、まりさたちは冬の到来を迎えた。 「みんな、はるになるまでゆっくりしていってね!」 「むきゅ! まりさたちもゆっくりしていってね」 「は……はるになったら、げんきなかおをみせなさいよね!」 群れの全てのゆっくりが春に再会することを信じて疑わなかった。 みんな笑顔でそれぞれの巣穴へと入っていく。 まりさは番のゆっくりれいむと、子まりさと子れいむが1匹ずつの家族と一緒に巣穴に入り、入り口を塞いだ。 中は真っ暗だったが、子供たちの賑やかな笑い声と、れいむの歌声のおかげでとてもゆっくりできた。 「おちょーしゃん。はるしゃんはいちゅきゅりゅにょ?」 「まりしゃ、はやきゅありしゅたちとあしょびちゃいよ!」 「おちびちゃんたちがゆっくりしていたら、すぐにきてくれるからね!」 「そうだよ! それまで、おかあさんといっしょにおうたのれんしゅうをしようね!」 「ゆぅん、ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!」 「おうたはゆっきゅりできりゅね!」 暗闇に家族の明るい声が満ちて、楽しい時間が過ぎていった。 それは突然に起こった。 冬篭りを開始してだいぶ経った頃、眠っていた一家は親れいむの呻き声で目を覚ました。 「……? れいむ……? どうしたの……?」 「……ぐぅ……! ぎゅ……ぎょぉ……!」 母親のただならぬ様子を感じ取ったのか、隣で寝ていた子供たちがれいむに擦り寄った。 「おきゃーしゃん? どうしちゃにょ?」 「ぽんぽんいちゃいにょ? ゆっきゅりしちぇにぇ? しゅーりしゅーり」 懸命に呼びかける子供たち。 その優しさを嬉しく思いながらも、れいむを心配したまりさが口を開こうとしたときだった。 「おぐぉ」ミチリ。バリバリッ。「おきゃーしゃ……?」グチャッ。グッチャッグッチャッ。ゴキュ、グキュ。 「ゆう? れいみゅ? れいみゅどうし……?」ズグシュ。ズチュルズチュル。ジャク、ジュプ、ギチャ。 何かとてもゆっくりできない音がした。 「れいむ……? おちびちゃ……?」 言いかけてまりさは口を噤んだ。 凄まじい悪臭が漂ってきたのだ。ゆっくりの忌み嫌う死臭に似ていた。 そして、れいむたちがいたはずの所から、ズル…ズル…と“何か”が近づいてきた。 「なに……? どうしたの……? れいむ? おちびちゃん? へんじをしてね!」 悪臭を放ちながら近づいてくる“それ”は無言のまま、にじり寄ってくる。 視覚に頼ることが出来ない闇の中で、恐怖だけが膨らんでいく。 大自然に暮らすゆっくりの生存本能が、まりさに告げた。 逃げろ、と。 「う……うわぁあああああああああああああっ!!」 弾かれたように跳び、“それ”の脇を素早くすり抜け、まりさは入り口を塞ぐ「けっかい」をぶち破った。 久しぶりの陽の光に目が眩んだが、必死に巣穴から離れる。 家族を残してきたことに罪悪感がないわけではない。 それを上回る感情がまりさを突き動かしていた。 雪の冷たさなど感じなかった。一刻も早くこの場から逃げなくては。 まりさ以外にも悲鳴を上げるゆっくりがいた。 「わっからないよぉおおおおおおおおおっ!!」 「ちぇ……ちぇえええええん!」 ちぇんも同じく“何か”に襲われそうになり、巣穴から飛び出したところでまりさと合流した。 2匹はひたすらに逃げ続け、今に至る。 「ふむ……」 保護官としては極めて興味深い話だが……今の俺たちは捜索隊だ。優先すべきことがある。 俺はまりさたちに質問する。 「ところでお前たち、大きな音を出して空を飛んでいくものを見なかったか?」 ヘリの行方を掴む手がかりがあるとすれば、森に棲むゆっくりだ。 本当はれてぃなどを探していたのだが、こいつらも何か見ているかもしれない。 「みたんだよー! こっちにとんでいったんだよー!」 ちぇんが示す方向は、奇しくもちぇんたちの群れの巣がある方角と一致した。 結局、行くしかない、か。 俺はまりさとちぇんをそれぞれ腹と背中にくくりつけ、スノーモービルに乗り込んだ。 俺たちは再び森の中を疾走する。 「すごい! はやいよ、にんげんさん!」 「きもちいいよー!」 さっきまでの泣き顔が嘘のようにはしゃぐまりさとちぇん。 ゆっくりらしいといえばゆっくりらしいが、俺はそんな2匹のことをどこか微笑ましく思った。 仕事柄ゆっくりを駆除することが多いとはいえ、俺個人としては善良なゆっくりは嫌いではないのだ。 雪の上に500メートルほど轍をつけたところで、木々に囲まれた広場のような空間に到着した。 自然のカーテンが途切れ、太陽が直接俺たちの顔を照らす。 「「「「え……?」」」」 そこはゆっくりプレイスなどではなかった。 純白の雪は、餡子、カスタード、生クリームその他諸々で染め上げられ、散らばっているのは色とりどりの飾り。 そして、バラバラに引き裂かれ、原形も保っていないゆっくりの死骸がその隙間を埋め尽くす。 ざっと100匹はいたのだろうか。異様な臭気が漂ってくる。 僅かに残った頭髪や、瞳の色からおおよその種類が判別できるが、それに何の意味があるのか。 巣穴の悉くが破壊されており、中にいたゆっくりたちが引き摺り出されたようだった。 「う……うわぁあああああああああああああ!! みんなぁあああああああああああああああ!!」 「わからないよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」 悲痛な叫び声を上げるまりさとちぇん。 その瞳はいっぱいに見開かれ、止め処もなく涙が溢れ続ける。 「これは……」 「……」 俺も凄惨な光景に圧倒され、しばらく動くことが出来なかった。かなこさまも絶句している。 ようやっとスノーモービルのエンジンを切り、かなこさまを降ろした。 かなこさまの底部には、タイヤをキャタピラに換装した特別製のすぃーが装着されている。 かなこさま寒冷地仕様、通称「がんきゃなこ」だ。これなら雪も怖くない。 俺1人で2匹を抱えるのは無理なので、ちぇんをかなこさまに乗せる。 俺たちは広場に足を踏み入れた。 出来る限り死骸を踏まないように歩を進める。 2匹の泣き声が痛々しかった。 周囲を警戒しつつ、俺は考える。 捕食種はもちろん、熊なども今は冬眠中だ。 それ以外でこれだけの数を屠る存在は…。 駄目だ。考えても埒が明かない。 正体不明の“何か”がいるのは間違いない。俺はかなこさまのオンバシラを見る。 俺もライフルを持ってくるべきだったか。 広場の中央付近まで入ったところで、かなこさまが声を上げた。 「お兄さん! あそこで何か動いているよ!」 それはゆっくりぱちゅりーだった。 死骸の山に埋もれて、苦しそうに喘いでいる。 「ぱっ……ぱちゅりぃぃぃぃぃぃぃ!!」 俺の腕の中でまりさがもがき、スポンと抜け出した。 そのままぱちゅりーのもとへと跳ねていく。 「まりさ! 待つんだ!」 慌てて止めようとするも、俺の腕は虚空を切るだけだった。 まりさはぱちゅりーに擦り寄り、必死に呼びかける。 「ぱちゅりー! まりさだよ! ゆっくりしてね!」 「……むきゅ……、まり……さ……? ……にげ……て」 ぱちゅりーが言いかけたときだった。 巣穴の一つから、ゆっくりが這い出してきた。 それを見たまりさが叫ぶ。 「れ……れいむぅううううう!! ぶじだったんだね! よかったよぉお!!」 どうやらまりさの番のれいむらしい。 喜びの涙を流すまりさ。 だが、ちょっと待て。まりさの話が事実なられいむは…。 “れいむ”はまるで感情のない能面のような顔でまりさを見やると、「ゆ」とだけ呟いた。 緩慢な動作でぱちゅりーに向かって言う。 「たべのこしがかえってきたよ。ぱちゅりーにあげる」 ミチリ。バリバリッ。 ぱちゅりーが「むぎゅ」と短い悲鳴を上げると、その顔の中心からアルファベットの「X」を描くように亀裂が走った。 そこから一気にぱっくりと裂ける。まるで蕾の花がパッと咲いたように。 裂けた中からは触手?のようなものが2本伸びていた。 呆然とするまりさと俺たち。 “ぱちゅりー”はブジュル、ブジュルと白い液体を撒き散らしながら、とまりさに近づく。 「……! まりさ逃げ……!」 間に合わなかった。 「ぱ―」 それがまりさの最後の言葉になった。 “ぱちゅりー”はまりさの顔面に飛びつくと、ゴシャグシャ、という咀嚼音を響かせた。 「うわぁああああああああ! まりさぁあああああああああ!!」 「畜生ッ!!」 ちぇんが叫び声を上げると同時に、俺は駆け出していた。 全力で“ぱちゅりー”を蹴る。 予想以上に重い感触が伝わり、“ぱちゅりー”は放物線を描いて宙を飛んだ。 “ぱちゅりー”が離れると、まりさはピクンと痙攣して、仰向けに倒れた。 まりさの顔は跡形もなく消えて、黒い餡子が覗いていた。 「まりさぁああああああ……! どうしてぇえええええええええ?! わからないよぉおおおおおおおおお!!」 一方“ぱちゅりー”はドチャッ、と音を立ててゆっくりたちの死骸の上に落下する。 生クリームが飛び散った。 だがまだビクン、ビクンと震えている。 そして、“ぱちゅりー”の中から“それ”は現れた。 緑の髪に2本の触覚をもち、底部には簡略化された蜘蛛の足のようなものが生えている。 ゆっくりりぐる。 りぐるは成体でも体長が5センチに満たない極めて小さいゆっくりであり、 通常は他のゆっくりに寄生して、おこぼれに与ることで生きていくことで知られている。 その見返りとして、りぐるはゆっくりにとって害となる毒虫などを排除する。 いうなれば共生生物みたいなものだ。 だが、俺たちの前にいるこいつは何だ? 一体何の冗談だ? 宿主を変形させ、意のままに操り、ゆっくりを捕食する? おまけに体長は20センチ近くある。 突然変異にしたって変わりすぎだ。 「このぱちゅりーはもうつかいものにならないよ」 そう言いつつ、りぐるはぱちゅりーの皮を脱ぎ捨てた。 雪の上に敷かれた醜悪なモニュメントの仲間となるぱちゅりー。 「ひどいよぉおおおおおお……! わからないよぉおおおおおおおおお……!」 ちぇんが泣き叫ぶ。 そのとき別の巣穴からゆっくりが出てきた。ゆっくりありすだ。 ありすはやつれた顔で、何かを懇願していた。 「おねがい……。もぅ……ころしてぇぇぇぇぇぇ……」 直後、ありすの顔面が真っ二つに裂け、りぐるがズルリと出てきた。 「こわれちゃった」 そう言ってこちらにやって来る。 ……寄生され、操られても意識は残るのか。 俺はりぐるに訊いた。 「お前たちは、いつからこの群れに寄生したんだ?」 「りぐるたちはゆっくりしてるよ」 “れいむ”の中にいるりぐるも答える。 「そうだよ。りぐるたちはゆっくりしてるよ。 りぐるたちだけじゃなくて、みんなゆっくりしてるよ」 会話が噛み合わない。りぐるたちの目は焦点が合っていなかった。 俺の後ろにいるかなこさまたちに、その虚ろな視線を移す。 「おいしそうなゆっくりがいるね、ぱちゅりーだったりぐる」 「おいしそうだね、ありすだったりぐる」 「ゆっくりしようね、れいむのりぐる」 「「「みんなでいっしょにゆっくりしようね」」」 カサ……カサカサ……カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……。 3匹の声に呼応して、巣穴から一斉にゆっくりが出てきた。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇん……。 皆一様に生気のない顔をして、足を生やしていた。 その数は10匹。 初めからいた奴を合わせて、全部で13匹のゆっくりが俺たちを取り囲んだ。 りぐるたち―その殆どはりぐるが寄生したゆっくりたち―の目はみな、かなこさまとちぇんに注がれている。 俺はかなこさまに目で合図する。頷くかなこさま。 ガタガタと震えるちぇんに向かって叫んだ。 「ちぇん! かなこさまから離れるな!!」 叱咤すると、一番近くにいたれいむを蹴り飛ばす。 衝撃に耐え切れず飛び出すりぐる。 そこにかなこさまがオンバシラを撃ち込んだ。 パン、という発砲音と共に赤い火線がほとばしり、硬い飴玉がりぐるを砕く。 黄土色のゲルのようなものをぶち撒けてりぐるは絶命した。 仲間の死にも動揺した様子はなく、りぐるたちは無表情のまま群がってくる。 ゆっくりらしからぬ俊敏な動きで。 「ゆっくりしようよ」カサカサ「たすけて……」 「ゆっくりしてよ」カサカサ「やめてぇ……」 「ゆっくりぐる」カサカサ「いやぁぁ……」 微かに残ったゆっくりたちの意識が助けを求める。だがどうしようもない。 「クソッ!」 完全に狂っていた。 俺とかなこさまはりぐるたちを宿主ごとひたすらに蹴り、踏み潰し、撃つ。 グチャッ。カササ。パパパン。ブチュ。 広場に、湿った打撃音と乾いた発砲音が木霊した。 最後の1匹を仕留め、俺たちは周囲を見渡した。 どうやらもう残ってはいないようだ。 緊張を解いたとき、背後の茂みから何かが飛び出した。 「!! まだいたか!」 反射的に回し蹴りの体勢をとる。が、次の瞬間、 「おにいさん……! かなこ……! たすけにきてくれたのね!!」 それは俺たちを見て嬉しそうに言った。 同僚の相棒のゆうかだ。 片足を上げた微妙な姿勢で固まる俺。アホなことをやっている場合ではない。 俺はゆうかを抱き上げた。懸命に跳ねてきたのだろう、全身傷だらけだ。 再会を喜ぶのもそこそこに、応急処置をしつつ、ゆうかに何があったのかを詳しく訊ねた。 ゆうかは、ドススパークによってヘリが撃墜されたこと、同僚たちも負傷はしているが無事であること、 そしてオンバシラの発砲音を聞いてここまでやって来たことを話してくれた。 ヘリはここからそう遠くないところに落ちたらしい。 全員の生存が分かり、ひとまず安心するものの、悪い報せもあった。……ドスまりさ、か。 俺はちぇんに訊く。 「ちぇん、お前たちの群れのドスはどこで冬篭りしているんだ?」 「もりのなかの、どうくつだよー……」 泣き腫らした瞳は真っ赤だったが、ちぇんは気丈に答えてくれた。 「りぐるたちとはいつから一緒に暮らしていたんだ?」 「ちぇんたちのむれにりぐるなんていなかったよー。ちぇんははじめてみたんだよー……」 ちぇんは力無く体を横に振った。 最悪の可能性も考えていた方が良さそうだ。 俺はゆうかを抱え、ちぇんを乗せたかなこさまを連れて、同僚たちのもとへ向かった。 ◇ ◇ ◇ ヘリは数本の木を薙ぎ倒し、ローターを大地に突き立てる格好で墜落していた。 急いで駆け寄り、同僚たちの無事を確認する。 ゆうかとちぇんを機内に乗せて、かなこさまには見張りを頼んだ。 同僚は足を骨折していたが、命に別状はない。 俺たちの姿を見て、驚きと安堵のため息をついた。 「まさかとは思ったけど、やっぱりあなただったのね。…恩に着るわ。 かなこちゃんも、ゆうかも、本当にありがとう……」 「安心するのはまだ早いぞ。動けそうか?」 「そうしたいのは山々なんだけど、彼を動かせないのよ……」 そう言って同僚が指し示す操縦士は、計器類のパネルに頭をめり込ませいた。 「……本当に生きてるのか?」 「ええ、脈があるもの」 同僚が操縦士の腕を取り、俺も確かめた。なるほど、生きてる。 引っこ抜こうとするもビクともしない。……工具がないと駄目だな、これは。 とりあえず管理署を通じて救難隊に俺たちの現在位置と状況を伝える。 ドスまりさという単語を聞いて驚いていたが、あと1時間ほどで到着するとのことだった。 通信を終え、俺は同僚にりぐるたちのことを話した。 「……そうなると、あたしたちを攻撃してきたドスまりさも、 りぐるに寄生されている可能性が高いのね」 「恐らくな。今の俺たちじゃ対処できんから、救難隊が」 「お兄さんっ!」 かなこさまが叫んだ。 ヘリから飛び降り急いで駆けつける。 ヘリから10メートルほど離れた木立の中に、“それ”がいた。 粘液に濡れ、ヌラヌラと照り輝くドスまりさが俺たちを見つめていた。 ヘリの中の同僚も息を呑む。 「ゆうかたちを連れて逃げて……!」 「出来るかっ!」 そんなつもりなど毛頭ないし、第一この距離では逃げ切ることなど不可能だ。 俺はヘリを背にしてドスまりさと向き合った。 「ドスまりさ……いや、りぐるか? 立派な鎧を手に入れたな」 「なにをいってるの? どすはどすだよ。あんなむしけらといっしょにしないでね」 その声は怒気を含んでいたが、ドスまりさの目には確かに知性が感じられた。 ひょっとすると、りぐるに寄生されていないのだろうか? 僅かな希望を見出し、言葉を発しようとしたとき、ヘリからちぇんが飛び出した。 「どすぅううううううう!! あいたかったよぉおおおおおおおおお!! むれのみんながぁあああ……!」 歓声を上げながらドスまりさに跳ねていくちぇん。その顔は喜びでいっぱいだった。 ちぇんの姿を見た瞬間、ドスまりさは豹変した。 「ゆっがぁあああああああああああああああああああああああああああああああっ!! もういやだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」 半狂乱になりながら、ドスまりさはちぇんを跳ね飛ばした。 「にゃあぁっ?!」 大木に叩きつけられゴプッと餡子を吐き出し、そのまま動かなくなるちぇん。 一体何が起こっているのか分からないという表情だった。 巨体をくねらせ、ドスまりさは奇声を上げる。 「ゆひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇ! どすはじゆうだよ! むれのみんなのことなんかしらないよ! しるもんか! ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! だからもうどすはつらくないよ! かなしくないよ! ゆっくりできるよ! あああ! でもいるんだよ! たくさんたくさんいるんだよ! まだまだまだまだ、あっちにもこっちにも! たくさんたくさんたくさんたくさん、いるんだよ! みんながどすをよんでるんだよぉおおおおお! まっててねみんな! どすがたすけてあげるからね! まもってあげるからね! だれにもてだしなんかさせないよ! このもりにはいってくるやつはみんなどすがころしてあげるからね! だからみんなもさっさとしんでね! ゆぎょひょひょひょひょひょひょひょひょ! ゆ~♪ ゆっくり~♪ しんでいってね~♪ ゆぎゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 その言葉、その表情が、このドスまりさが正気ではないことを物語っていた。 ヘリを撃ち落したのも、ただ単に森に近づいたというのが理由だろう。 あの群れの惨状を見て発狂したのだろうか? どうして洞窟から出てきたのか、などと考えている余裕は無さそうだ。 ひとしきり叫んだあと、ドスまりさはゆっくりとこちらを向いた。 憤怒に満ちた目で俺たちを睨みつける。 その凄まじい形相に気圧されて、俺とかなこさまはジリジリと後退った。 背中がヘリにくっつく。 ドスまりさはその場から動かない。 そのとき俺はある臭いに気がついた。この臭いは……。 ドスまりさはゆっくりと口を開け、ドススパークを撃つ体勢に入った。 万事休す。 最早これまでかと覚悟したときだった。 ドスまりさは突如「ゆぐぇえええっ……!」と大量の餡子を吐き出した。 餡子にまみれて出てきたのは、りぐるの死骸だ。 体を支配するには至らなかったものの、体内を食い荒らしていたらしい。 冬篭りをしていたドスまりさが目覚め、狂うわけだ。 俺たちがこんな目に遭う原因となったりぐるに、最後の最後で助けられるとはな。 一瞬の隙に俺はしゃがんで、起死回生の一撃を握り締めた。 姿勢を立て直し、再度ドススパークの発射を試みるドスまりさ。 その口めがけて、俺は足下の雪を固めて作った雪玉を投げ入れた。 俺の意図を測りかね、ドスまりさは構わずドススパークを撃とうとした。 その刹那、ドスまりさの口から炎が噴出した。 ヘリの航空燃料がたっぷりと染み込んだ雪が、ドススパークによって引火したのだ。 「ひゅごぉおおおおおおっ……?!」 口内から溢れ出た炎はドスまりさの顔面をなめ、豊かな金髪と黒帽子に燃え移った。 俺はさらに雪玉を投げつける。あっという間に火達磨となるドスまりさ。 「今だ! かなこさま!」 「わかったよ!!」 焼け焦げて脆くなった表皮に、かなこさまのオンバシラが命中する。 ボロボロと分厚い皮が剥がれ落ち、膨張した目玉がバチュンと破裂する。体中から餡子が流れ出てきた。 オンバシラの連射により下半分の支えを失い、遂にドスまりさは倒れた。 「いひゃひゃひゃひゃ! ゆっくりぃいいいいいいいいいいいいい……!」 哄笑しながら崩壊していくドスまりさ。 その狂った笑い声は、ドスまりさが完全に燃え尽きるまで森の中に響き渡った。 ◇ ◇ ◇ 俺たちの頭上に、1機のヘリがホバリングしている。 UH-60J―ブラックホークを改修した救難ヘリコプターだ。 降下してくるヘリを見上げながら、俺は同僚に訊ねた。 「……どうしてりぐるたちはあんな変異を起こしたんだろうな」 「さあね、放射線でも浴びたんじゃない? ゴジラみたいに。 あるいは宇宙からやって来た生命体と融合したのかもね」 「……まあ、考えるのは学者の仕事か」 交換研修とやらで日本にやって来た各国のゆっくり研究者・専門家たちは仕事熱心だ。 彼らの嬉々とした顔を思い浮かべる。 救難ヘリからロープが降りてきた。 俺は腕の中で眠るちぇんを見る。 ドスまりさに吹っ飛ばされたちぇんは、俺が持ってきていたオレンジジュースで一命を取り留めた。 独りぼっちになってしまったちぇんをどうしたものか。 ゆっくりらんを飼っている知り合いに打診してみようか。 まあ、俺自身も家族が増えるのは問題ないか。 地上に降り立った救難隊が、同僚と操縦士を搬送するのを見ながら、俺はそんなことを考えた。 再び空を見上げると、いつの間にか雪が降り始めていた。 * * * * * * * * * 森の奥深く、未だ人が訪れたことのない場所に、ドスまりさが棲みかにしていた洞窟があった。 内部には、数万年の時をかけて成長した鍾乳石や石柱が連なっている。 その洞窟の奥でりぐるたちは生まれ、ドスまりさとその群れを襲った。 そしてそこからさらに奥深く、光すら届かない場所に“それ”はいた。 「うにゅん…」 青白く発光する“それ”は、楽しい夢でも見ているかのような笑顔で、静かに眠り続けていた。 (了) あとがき 最後までお付き合いいただきありがとうございます。 作者はジョン・カーペンターが大好きです。 やりたい放題やってしまいましたので、次があればまた違った話に挑戦したいと思います。 書いたもの 『ふたば系ゆっくりいじめ 392 お前たちに明日はない』 『ふたば系ゆっくりいじめ 411 明日に向って飛べ!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 430 幸せ』
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▼ 空が白んできた。 もう日の出までも遠くは無く、月は姿を潜め雲の稜線が濃くなっている。 それが眼下にあるという異様な光景。 だけどそれ以上の異様な光景が、亜佑美の頭上には広がっていた。 ずっと首を真上に向け、見守ることしか出来なかった地上の様子。 聖がつんくの魔法の射線に入った時は息が止まるかと思った。 聖が助かり、さゆみと合流した。 その次の瞬間地上から爆発的に伸び上がった植物達は、瞬く間に城の残骸を飲み込み 島を覆って大森林を作りあげた。 あまりにも巨大なその樹々の梢は、遥か天にいるはずだった亜佑美たちのすぐ側まで伸び上がり 青白い空の光を微かに受けて柔らかい緑を投げかけて来る。 つんくがそうであるように、さゆみもまた途轍もない魔道士なのだと ただそう思うことしか出来なかった。 こんな二人の戦いの場所に来て、自分は一体何をするつもりだったのか。 「亜佑美ちゃん、立てる?」 恐怖にへたりこんだままだった亜佑美に里保が声を掛けた。 言われて、亜佑美は自分が幾分落ち着いていることに気付き、一つ肯く。 その時見返した里保の表情が亜佑美を驚かせた。 決然とした、戦士然とした顔をしている。 大魔道士の魔法によって戦いのステージから強制的に退場させられた。 里保も亜佑美も、その立場は全く同じはずなのに。 亜佑美は立ち上がり、少し首を回した。 ずっと真上を見ていたから首が痛い。 だけど上を見ていないと、それはそれで目が回るような気がした。 亜佑美が立ち上がったのを確認して里保が小さく笑う。 それから衣梨奈に声を掛けた。 「えりぽん、飛べる?」 里保は先程も似たような質問をしていた。 上下が逆さまになったことで、感覚が滅茶苦茶に狂ってしまっている。 魔法なんか、使えるはずが無い。 だけど、衣梨奈の返答は亜佑美が予想していた物とは違っていた。 「うん、たぶん」 その言葉に驚いたのは亜佑美だけでは無かった。 遥も春菜も、驚き衣梨奈に視線を寄せる。 衣梨奈は小さく笑った。 「だいぶ慣れて来たけん」 呆気にとられる亜佑美の側で、里保が肯いた。 「うちも、慣れて来た。多分飛べる」 わけが分からなかった。 仮にこの状況に慣れて、飛べるとして、だから何だと言うのか。 成す術も無く『逆さま』にされて空に落された。 そんな相手に、『逆さま』のままもう一度立ち向かおうとでも言うのか。 「ウチ勘違いしてたみたい。道重さんはこれを狙ってたんだね」 里保はそう言ってみんなに示すようにもう一度地上を見上げた。 島を覆い尽くした大森林。 そこにはもはや欠片もつんくの魔力は残っていない。 島の全てが”大魔女”道重さゆみの領域になった。 これまでの圧倒的に不利な環境が、一気に逆転している。 「これを準備するために道重さんは時間を使った。 つまり道重さんはさっきの数分、回復はしてない」 「やね。いくら地の利が出来ても道重さんがへろへろなんは変わらん。助けんと」 里保と衣梨奈の中では既に了解が出来ているらしかった。 確かにこの状況を作り上げる為に魔力を使い、その為に時間稼ぎをさせたのだとすれば さゆみはまだ深いダメージを負っていることに変わりはない。 つんくの方は地の利を奪われたとはいってもまだ、余力があるだろう。 亜佑美は今一度、地上を見上げた。 もう森に隠されて、さゆみもつんくも、聖も香音もさくらもどこにいるのか分からない。 「でも、こんな状況で…」 亜佑美は思わず衣梨奈と里保の会話に割り込んだ。 さゆみがまだ危険なのは分かる。聖も香音も。 だけど、無茶としか思えなかった。 「うちらに出来ることなんかあるんですか…」 文字通り、二人の大魔道士は自分たちとは次元が違う。 言ってしまってから、亜佑美は情けなさに俯いた。 大魔道士に怖気づくのは今日何度目か。だけど気の持ちようだけでは埋められない差が そこには確かにあるのだ。 「あるよ」 里保の声にパッと顔を上げる。 その声は穏やかで、強がりにも聞こえない。 どうして、里保と自分がこんなにも違うのだろう。 「はっきり言って、うちにはそれが何なのか全然分かんないけどね」 里保はそう付け足して少し照れたように笑った。 「来るときさ、うち亜佑美ちゃんに偉そうなこと言ったよね」 「いえ…」 「うちも結局西の大魔道士には手も足も出なかった。 もう死ぬんだって何度も思った。思ったんだけど生きてた。道重さんがいたから」 衣梨奈が嬉しそうに笑う。 遥も春菜も優樹も、里保の言葉にじっと耳を傾けていた。 「道重さんに言われた。『一緒に戦って欲しい』って。 ふふ、それでね、なんかそれだけで、もうダメだって思ってたのなんて全部吹っ飛んじゃった。 道重さんが言うんだから、ウチにも出来ることがあるんだって、戦えるんだって思った。 我ながら単純だなって思うけどさ」 そこで初めて、亜佑美は里保が自分とまるで違う精神状態にいる理由を知った。 さゆみに頼られた。 大好きな人、絶対的な人からのたったの一言が、里保を変えたのだ。 「そんなん初めてのことやけんね。 えり達にも、ほら」 衣梨奈が嬉しそうに付け足し、指さす。 そこには遥か地上から伸び上がってきた大樹の枝。 亜佑美たちの固まっている岩のすぐ側まで来て、まるでステージに上る階段のように 逆さ向きの枝を順に張り出していた。 一度ステージから退場させられた子供たちを、再び舞台の上にエスコートするように。 「行かなきゃ。道重さんを助けなきゃ」 里保の呟きに衣梨奈が肯く。 それから里保は亜佑美に向け、柔らかい笑みを浮かべた。 「亜佑美ちゃん、一緒に戦ってくれる?」 亜佑美は、里保の言葉に、カッと身体が熱くなるのを感じた。 思えば道重邸を出るとき、里保は亜佑美を置いていこうとした。 自分が激昂してしまったのは どこかで里保との差を痛感していたからだ。 もちろん経験値の差は大きい。 だけど、隣に並ぶ資格も無いと烙印を押された気がして、堪らなく嫌だった。 今里保がかけた言葉は、魔法のようにそんな亜佑美のモヤモヤを吹き飛ばした。 里保が単純だというのなら、亜佑美だってかなり単純だ。 さっきまであれだけ怖気づいていたのに、たった一言で 戦える気がしてきているんだから。 「ずるいですよ。鞘師さん」 「え?」 里保が戸惑いの声をあげる。 だけど次の亜佑美の言葉に、里保は満面の笑みになった。 「上司なんだから、命令してください」 「わかった。亜佑美ちゃん、一緒に戦おう!」 「はい!」 春菜と遥は、それも命令じゃないと思ったけれどそっと心に仕舞っておいた。 「優樹ちゃんとどぅーとはるなんも、一緒に戦ってくれる?」 「もちろんです」 6人は意思を確かめ合い、再び森を見上げた。 「よし、行こうか」 衣梨奈が告げて、木に飛び移ろうとした時、慌てて春菜が声を出した。 「待ってください!」 視線が春菜に集まる。 まさかここに来て引き止めるつもりでも無いだろうに、一体なんだろうと。 「折角道重さんが、『私たちに有利な環境』を作ったくれましたが 一つ失われたものがあると思いませんか?」 久々に喋った春菜は少し緊張しているようにみえ 亜佑美にはそれが何だか可笑しかった。 「というと?」 「視界です。さっき鞘師さんが言ってたように、近づくのが危険ならば 基本的には離れて戦う戦法になりますよね?」 「うん」 「だけど相手の姿も、道重さんや譜久村さんたちの姿も見えない状況では 上手く狙えなかったり、誤爆の恐れも出てきてある意味戦いにくいと思うんです」 「確かに。それではるなんはどうするのがいいと?」 衣梨奈の問いに、黒猫は小さな胸を張った。 「私の魔法を、みんなに分けます。 少しじっとしてて下さい」 春菜が魔力を込め、里保と衣梨奈と優樹と遥、そして亜佑美の身体が淡い光に包まれる。 その光は5人の目に集まり、消えた。 「どうですか?」 何がどうなのか分からなかった亜佑美は、里保や衣梨奈達にならって森を見上げた。 すると、深い森の奥に、確かに見えている。 大魔道士つんくの姿、そしてさゆみ、聖、香音、さくらの姿が。 「凄い…」 「これで相手がどこにいても問題ありません。 道重さんの『森』とあわせて、かなりの好条件で戦えるはずです」 なるほど。春菜の魔法については亜佑美も、里保たちさえよくは知らなかった。 だけどこれほど有用な補助魔法を、一度に5人に分け与えることが出来る魔道士。 心強いことこの上ない。 「なるほど、はるなんはいつもこれで覗きしとったっちゃね」 衣梨奈の言葉に、笑いが起こる。 「そ、その話は今はとりあえず置いておきましょう。さ、行きますよ!」 春菜の言葉に、みな今一度気を引きしめなおし 『逆さま』のまま、さゆみの伸ばしてくれた階段を駆けあがった。 ▲ ▼ さくらは自分でも驚くくらい冷静に、じっと戦況を見守っていた。 聖や香音とは何かしら話したいこともある。 だけど戦いの最中、世間話をしているわけにもいかないことはお互いに感じていたのだろう。 チラチラと視線を送り合うにとどまっていた。 衣梨奈達とも、聖と香音ともキチンと話をするのは、勝負の決着がつくまでお預け。 さくらは一瞬にして生み出された大森林を一度見回し それから視線をさゆみに向けた。 相変わらず立ち上がることもままならず蹲っている。 回復するどころか、これだけの魔力を放出したのだから当然。 だがさゆみの表情には、どこか余裕さえ感じさせる笑みが戻っていた。 あまりにも途轍もない魔法で、一瞬思考が停止したのは事実だが 師と大魔女の戦いということに目を向け直した時、この森を生み出した意味がよくわからない。 確かに師の魔力が城の残骸に残っている状況では それを利用した伏兵に常に備えている必要があった。 その可能性を消したことは大きいだろう。 だけどこんな、島中を覆う森を生み出してしまう必要が本当にあったのだろうか。 多分この森には、師に直接攻撃を加えるだけの力が無い。 多少の足止め、それに目眩まし。 長い年月をかけて作ったものならばともかく、この森は大魔女の魔力と血だけを吸って一瞬で生み出されたものなのだ。 おそらく大魔女にとって感覚器官としての役割も持っているだろうから 師の動き、攻撃には今まで以上に対応もしやすいだろう。 しかし、それに構わず師が再び「黒い蛇の魔法」を放ったらどうするのだろう。 さくらは何となく、師が再びあの魔法を使うことは無いと考えていた。 聖から射線を逸らせた。きっと聖たちを巻き込んでまで勝ちにいくことはしないつもりなのだと。 どうして師がそんなルールを設けたのかは分からないけれど、気まぐれな師でも いちどそう決めたことを戦いの中で覆すことはないと思える。 でも道重さゆみも同じ認識をしているはずはない。 そんな楽観的な思考では到底師に勝つことは不可能だ。 さっき魔法を逸らしたのは、圧倒的有利な状況でわざわざ目的である被験体を失うこともない、 そういう判断だと考えて、再び撃たれることに対して何らかの対策を用意している。そのはずだ。 さゆみの目的が二人を取り返すことである以上、どうしたって師とさゆみでは聖と香音の存在の重さは違う。 何の備えもせず、再び「黒い蛇」を放たれ、身を挺して二人を庇うことになれば もう師の勝ちは揺るがないし、二人を守り切れず失ったとしてもそれは師の「勝ち」を意味するだろう。 さくらはそこでふと考えた。 もし自分の予想に反して、師がその魔法を使ったら自分は死ぬ。 師は別に自分を巻き込むことには頓着しないだろうし、さゆみにも自分まで守る理由は無いから。 何故か笑いがこみ上げてきた。 今は魔力が無い。 二人の戦いになんらの手出しも出来ないただの傍観者。 だからこそ今さくらは自分が何者でもないと感じていた。 道の端に転がる石ころのようなもの。 そんな何の力も無い自分が、大魔道士の戦いを見て 自分ならどう戦うか、西の大魔道士の魔法にどう対処するか、大魔女の魔法をどう切り返すかを考えている。 それが凄く滑稽で、笑える。 師は今の自分にいったいどういう評価を下しているのだろう。 衣梨奈に負けたことはともかく、今この瞬間、先生では無く大魔女の側にいることを。 魔力が無くても師の為に出来ることがあるだろうか。その勝利の為に。 それを考えようともせず、傍観している自分はやはり落第なのだろうか。 さくらは何となく、自分が「考えようともしない」理由に気付いていた。 この戦いの決着が自分にとって何を意味するのか分からない。 何かを得るのか、何かを失うのか。 師が勝った場合。大魔女が勝った場合。 ただその時、「何者でもない自分」が「何者か」になるのだと思った。 その時に生まれる小田さくらを想像することはまだ上手く出来ない。 だけどもし、師が勝った場合、その時のさくらには許されないことがある。 聖と、香音と、そして衣梨奈や里保と改めて語り、気持ちを伝え合うこと。 ”大魔女”が敗れた後では、それは決して叶わない。 さくらは決して積極的にでは無いながら、心のどこかで大魔女の勝利を願っている自分に気付いていた。 それはもう、純然たる師への裏切りであると分かっていながら。 つんくに対して恩義も敬意も勿論ある。 だけど衣梨奈達ともう一度話したいというエゴの為だけに、自分の心は師を裏切っていたのだ。 きっとその心はたちどころに師にも読まれることだろう。 自分が「何者か」になった時、その時は師に見限られる時。そんな予感がしてならなかった。 「黒い蛇」の追撃は無い。 さくらの予想通りかどうかは分からないが、師はまだその魔法を選ばず 今の消耗しているさゆみと接近戦で決着をつける為に森を進んでいるらしかった。 さて、大魔女は一体どう戦うつもりなのだろうか。 その時ふと背後に気配を感じた。 驚いて振り返ると同時に、声が届く。 「さくら…?道重、さん… 一体どうなってるの、この森」 「りっちゃん…?」 そこには、魔法を返され石に閉じ込められていたりえの姿があった。 さゆみはその接近に気付かなかったのだろうか。 いや、そんなはずは無い。 この森はさゆみの感覚器官でもあるはずだから。 りえの声を聞いても、さゆみは振り返ることはしなかった。 りえはうずくまるさゆみの背中、そしてさくらと側にいる聖、香音に視線を彷徨わせ 硬い表情の中に戸惑いを隠しきれないでいる。 見ていたさくらでさえ、ついていくのがやっとという戦いだから無理もない。 「りっちゃん、もう抜けられたんだ。流石だね」 さゆみは振り返らず、僅かに笑みを浮かべて言い放った。 りえがまた表情を強張らせ、ちらりとさくらの方を見る。 「さくらも、負けたんですね」 「私じゃないけどね。 どうするりっちゃん?今の私ならりっちゃんでも頑張れば勝てるかもしれないよ。 君の先生も迫って来てるしね」 さくらから見ても、さゆみの不敵な笑みが空恐ろしかった。 さくらは戦えないとしても、師とりえの挟撃という状況でそれほど余裕を見せられるものだろうか。 りえと一度戦っているならば尚更、侮れない魔道士であることは知っているはず。 だけどりえは一度眉根を寄せ険しい顔を作った後 ふと力を抜いて首を振った。 「残念ですが、『自分の魔法』から抜け出すために殆どの魔力を使ってしまって もう一度あなたと戦うことは出来そうもありません」 「そう?」 そこでさくらは漸くさゆみがりえに対処しようとしない理由を悟った。 魔力を失って、どうやら自分は他の魔道士の魔力に対してもかなり鈍感になっているらしい。 りえがもう戦えるだけの魔力を残していないこと、それがさゆみには分かっていたのだ。 「全部終わってからにならなかったのは不幸中の幸いです。 私も、さくらと一緒に見守らせてもらいます。あなたと、先生の決着を」 「そっか。じゃありっちゃんも見てて。 君の先生と、私たちの決着を」 さゆみがそう告げた時、視界の先、折り重なる木々の枝の遥か向こうに つんくの姿が見えた。 黒い鎌で辺りの枝を薙ぎ払いながら一歩一歩近づいてくる姿はなるほど さくらをしても恐ろしい威圧感に満ちていた。 さあ、決着の時。 未だ立ち上がる気配が無いさゆみが、一体どう戦おうというのか。 さくらが一つ息を呑む。 ふいに、また予想だにしていなかったことが起こった。 つんくの頭上に、突如として現れた火球。 巨大な火球が師に降り注ぎ爆散したのだ。 微かな視界の中で、師が直撃を避け木の枝に飛び移った姿が見えた。 続いて降り注ぐ氷の刃。 つんくには届いていない。 だけど、さゆみに辿り着く前に別の相手に対処する必要に迫られていた。 「あんたも弟子を取ってる癖に、知らなかったの? 子供の適応力はいつも私たちオトナの想像を超えるのよ」 さゆみが呟く。 それがつんくの愚痴に対する返答だと、さくらには何となく分かった。 ▲ ▼ その森は、里保たちにとって間違いなく「戦いやすい場所」だった。 足場が欲しいと思えば枝が張り出し、死角が欲しいと思えば木の葉が覆う。 さゆみが、全ての木の幹と枝と葉を戦況に合わせて仔細にコントロールしてるのだと思えば その凄まじい魔力に呆れるばかりだが、今はそれが頼もしかった。 さゆみと一緒に戦っている。そう思えた。 だけど状況は楽観出来るものではない。 里保と亜佑美が遠隔からつんくへの攻撃を試みる。 それらの攻撃を、つんくはいとも容易く躱してみせた。 つんくは勿論里保たちが戦いの舞台に戻ったことを認識している。 だけどそのことに動揺する様子は微塵も無かった。 いくら戦いやすい場をさゆみが作ってくれたとしても、相手が遥か格上の魔道士であることに変わりはない。 「全然当たる気がしない…。なんなんですか、あの動き…」 木の枝の上を跳ねながら、亜佑美が里保に漏らす。 つんくはさゆみに一直線に向かうのを中断し、こちらに意識を向けている。 いつ攻撃が来るのか、油断ならない状況。 だけど亜佑美の身体は、さっきに比べれば随分と自由に動いた。 里保が隣に居て、さゆみが包んでくれる中でみんなと一緒に戦う。 その状況が亜佑美に持てる以上の力を齎しているとさえ感じていた。 「あれでも道重さんの攻撃受けて大分鈍ってるはずなんだけどね」 里保の返答に亜佑美が苦笑する。 「聞かなきゃよかったです…」 『鞘師さん、やっぱり闇雲に攻めて勝てる相手じゃなさそうです! 何か作戦は無いですか?あ、全員テレパシーの魔法も付けといたので、動きながらでも相談できます』 二人の頭に春菜の声が響く。 森の中、固まって動くのはまずいと散っていたから テレパシーは有難い。 里保は注意深くつんくの動きを見ながら、亜佑美と共に一旦距離をとった。 やはり近付くのは危ない。 近接戦闘を得意とする衣梨奈や優樹でも、流石につんくと直接やりあっては無事では済まないだろう。 だけど亜佑美と里保、二人がかりの波状攻撃も何の手応えも無いとなれば こちらの魔力が先に尽きるだけだ。 そしてもう一つ厄介なことがある。 こちらが逆さまであること。 つんくが地に足を着けているということは、里保たちからすれば天井にぶら下がっているのと同じ。 常に地面の位置を気にしなければならず、自分たちにとって上から攻めることが出来ない。 仮に衣梨奈達が直接殴りに行くとすれば、特に地面の近さは問題になる。 さらに、その魔法をつんくがいつでも解除出来る点。 突然「逆さま」が元に戻ったら、その瞬間は間違いなく感覚が混乱し身体の制動を失うことになる。 攻撃を受けて避けようとしている時に、同時に解除されでもしたら終りだ。 「やっぱり接近して戦うのはまずい。 なんとか動きを止められればいいけど…。 あと、何とか大魔道士の足を地面から離したい」 不意に里保の横を影が掠めた。 「うわっ!」 背後で亜佑美の声。 里保が肝を冷やし振り返ると、亜佑美が突然揺れた木の枝から盛大に滑っていた。 そして間一髪、さっきまで亜佑美が居た場所につんくの「影の魔法」が突き刺さる。 「あゆみちゃん!大丈夫!?」 追撃が来るのを感じて、里保が一気に飛び亜佑美の身体を救い上げる。 「び、びっくりした…。道重さんに助けられました…」 更に距離を取り、再び木の枝へ。 自分たちからつんくは見えている。だけど相手からは折り重なる木の枝で見えないはずなのに つんくは真っ直ぐこちらに身体を向け、不敵な笑みを浮かべていた。 『あいつの足を地面から浮かせる。 ハルがやりますよ』 「どぅー?」 『ハルにとっても、もっと戦いやすい場所にしてやる』 視線を向けると、森の向こうに遥の姿が見えた。 既に魔力を練り始めている。 つんくはそちらにはまだ向いていない。 「ちょっと、大丈夫?どぅー、道重さんたち巻き込まないでよ?」 亜佑美が里保から身体を離し、心配そうに声を出した。 『大丈夫だって、多分。 えっと、下に引っ張って、上に落す。下に引っ張って、上に落す。…よし』 不意に水柱が上がる。 島を取り囲む海から、幾筋もの水柱が高々と上がり、里保達の視界の遥か下で 巨大な水の塊が浮かび上がる。 つんくもそれに気付いたらしい。 その視線が里保達からそれ、更に遠くにいる遥に向かっている。 「亜佑美ちゃん!」 「はい!」 里保達から注意がそれたこの機を逃すわけにはいかない。 里保の火球。亜佑美の氷の刃。 森の木々の間を縫って広範に、逃げ場も無い程に放つ。 だけどつんくはいとも容易くそれらを避けてしまった。 『落とします!』 遥の声。 里保達はそれを合図に、さらにつんくから距離を取った。 つんくと、さゆみ達の位置にも気を付けながら。 眼下に浮かんでいた巨大な水の塊が、一気に森に降り注ぐ。 地面が一気に水で溢れ、その水はさゆみや聖たちの居る場所を避けて森に巨大な水溜りを作った。 つんくが降り注ぐ水を一つ一つ丁寧に避け、木の枝に飛び乗る。 『里保、亜佑美ちゃん、離れて!』 続く衣梨奈の声。 里保達がつんくと衣梨奈の直線上から身を躱すと 恐ろしい速度で弾丸のような球が森を突っ切った。 つんくのいた辺りで、轟音と水しぶきを上げる。 続いて二発、三発。 土煙と水しぶきが高く立ち込め、空に舞う。 その飛沫がキラキラと光り、そこで里保達はもうすぐにでも太陽が顔を出しそうな程、辺りが白んでいることに気付いた。 里保と亜佑美、それに遥と衣梨奈。 可能な限りの遠隔攻撃をたっぷりとお見舞いした。 少しはダメージを与えられているだろうか。 そんな期待は、水しぶきの晴れた向こうで薄っすらと笑っているつんくの顔に裏切られた。 . 「先生が苦戦してる…?」 りえがポツリと漏らす。 森の向こうで起こっていることを全て把握できているわけでは無かった。 魔力も殆ど残っていないから、正確に魔力の動きも補足出来ないでいる。 それでも明らかに、師では無い相手方の魔法が次々と降り注いでいる様子が分かった。 「そうなのかな?」 さくらがりえの言葉に聞き返す。 さくらの目には、まだ師にはいくらか余裕があるように見えた。 そもそも本当に追い込まれた師の姿なんて見たことが無いから、どうなるのか想像もつかないけれど。 さゆみは二人の方にちらりと視線を向け それからまた戦況を見つめた。 「膠着状態、か。ちょっとこっちが分が悪いかな」 さくらとりえ、それに聖と香音もさゆみの顔を見る。 さゆみの表情から笑みは無くなっていた。 子供たちを守らなければならない。 今のところ、森をコントロールする以外にさゆみに出来ることは無かった。 だからそれに集中している。 それでも、地力の差が出始めていると感じていた。 闇雲に突撃するよりは、慎重に戦う方がいい。 だから今の子供たちの戦法は間違っていないが、現状つんくに決定打を与える方法が無い。 長引けば長引くだけ不利になる。 つんくの魔力が先に尽きるなんて、期待するだけ無駄なのだ。 何とか動きを止めることが出来れば。 今のつんくになら、子供たちの全力を叩きこむことが出来れば勝機はある。 強がってはいるが、さゆみの攻撃は実際かなりのダメージをつんくに与えたはずなのだ。 「もうすぐ、夜が明けるね…」 香音がぽつりと呟いた。 決着が、もうすぐつく。 何となく、そこにいる5人全員がそう感じていた。 さゆみが、よろよろと立ち上がる。 慌てて聖と香音がその身体を支えると さゆみはニコリと笑って「ありがとう」と告げた。 . 里保達は、まだつんくの攻撃を受けたわけでも無いのに 追い込まれていると感じていた。 安全に距離をとっての遠隔攻撃は、もはや絶対に当てられない。 闇雲に撃ち続けても、どんどん魔力を消費していくだけ。 一か八か、賭けに出るしかない。 その想いは、テレパシーを通さずとも全員に伝播していた。 つんくとの距離をさっきよりもぐっと近づけている。 ずっと魔力を練っていた優樹が、もはや巨大な魔力の塊のようになってつんくの周囲を駆け回った。 立体的に枝から枝へと跳ねまわり、つんくを牽制する。 実際、木々の枝が密集したこの場所で最も自由自在に動けるのは優樹だった。 だけど、踏み込むことが出来ない。 近付いた分だけ、皆つんくの恐ろしい魔力と威圧を感じていた。 里保も既に片手には刀を握っていた。 隙あらば斬りかかる。 だけどその隙が見つからない。 フォーメーションを組んでつんくの周りを飛び回る。 体力も少しずつ消耗しているのが分かった。 つんくは決して慌てず、様子を見ながら時折子供たちに攻撃を仕掛ける。 何とか躱しつつも、その度に肝を冷やし神経をすり減らすことになった。 「うわっ!」 「生田さん!」 衣梨奈の声、続く亜佑美の声に里保も慌ててそちらに駆け寄った。 見れば衣梨奈の脇腹から血が滲んでいる。 「えりぽん!?」 「大丈夫…掠っただけやけん…」 その言葉通り、大きな怪我では無いことが見て取れて 里保は取り合えず安堵の息を漏らした。 だけど、小さな傷が命取りになる。 今は回復している余裕も無い。 「えりぽん、かなり辛いんじゃろ? 動きがおかしい…」 「それ言ったら里保もやん。 もしかして、あいつの攻撃先に食らったと?」 「一発だけだよ。えりぽんもしかして、小田ちゃんとの勝負のダメージ残ってるんじゃないの?」 「え、そうなんですか…?」 「それはそれ、やけん」 衣梨奈が気丈に笑う。 だけど、明らかにこちらの限界が先に来てしまうことを その引きつった笑顔が物語っていた。 まだ一度もつんくに攻撃を当てられていない。 さゆみしか、つんくにダメージを与えられていないのだ。 「勝負…そいや、えりさくらちゃんと勝負したっちゃんね」 里保は今更何を、と思ったけれど 確かにもうそんなことはずっと前のことのようにも思えていた。 ほんの数十分前のことなのに。 「鞘師さん!生田さん!来ます!」 亜佑美の言葉に、一気に3人が散開する。 その場所にあった木の枝を黒い鎌状の影が薙ぎ払い巨木が音を立てて上に崩れた。 つんくの姿が、もう目と鼻の先にある。 里保達からみれば、蝙蝠のように木の枝にぶら下がっている黒い男。 あちらから見れば、里保達がそうなのだろうが。 3人が顔を見合わせる。 再び距離を取るか、覚悟を決めて斬りこむか。 「流石に俺も疲れたわ。 追いかけっこは終わりにせえへんか?」 つんくがニヤリと笑う。 里保は、ゴクリと一つ唾を飲み込んだ。 退くか、進むか。 3人が同じ決断をしなければ、誰かがやられる可能性がある。 いや、活路を開くとするならば、それは自分でなければならない。 もし二人が退いたとしても、自分がつんくの隙を作ればいいのだ。 そう思って踏み込んだ里保の肩を、ぐっと衣梨奈が掴んだ。 「試させて」 振り返った里保が見た衣梨奈の顔には、不敵な笑みが浮かんでいた。 まるで、いつか見たさゆみのような笑みが。 衣梨奈が声を発した。 里保にはそれだけ、分かった。 声の魔法。見たことも無い魔法。 ただ何か恐ろしい魔力の塊を発したのだと分かった。 それが真っ直ぐつんくの方に、向かわなかった。 流石のつんくも咄嗟に危機を察知したのだろう、消えるように元いた場所から飛び移っていた。 だけど別の場所で、予想だにしない場所で爆発が起こった。 凄まじい爆発。 周囲にあった樹々を吹き飛ばし、すっぽりと丸い空間を生み出してしまう、それほどの爆発。 その中心に、つんくが居た。 誰も、つんくも、衣梨奈自身さえ命中するとは思っていなかった。 だけど間違いなく直撃。 もしつんくでなければ粉々になっていたであろうダメージを与えたという手応え。 撃った衣梨奈が一番驚いていた。 予想だにしない軌道を描いてそれは飛んで行ったから。 さくらが使った時には真っ直ぐに向かって来たはずの『歌声の魔法』が。 土煙の晴れた中にいたつんくの顔には、笑みと共に確かに苦悶が同居していた。 里保達にとって初めてみる表情。 「お前…なんやねんその音程…ヘロヘロやないか。 さすがに、それを『歌声の魔法』とは認められへんで」 つんくが心底呆れたというように吐き捨てる。 そしてすぐに異変に気付いたらしかった。 自身の手首、そして足に太く強く、蜘蛛の糸が絡みついていることに。 「やっと、捕まえた」 つんくが里保を見上げ苦笑する。 その顎を、汗が伝っているようにも見えた。 更に蜘蛛の糸を伝うように、水溜りから氷が伸び上がり、つんくの手足をガッチリと絡めとった。 氷がキラキラと光りを照り返す。 いつの間にか朝日が昇っていた。 里保達からすれば斜め下から差し込む世にも奇妙で美しい光。 つんくがグッと四肢に力を込める。 拘束はどうやら長くは続かない。 だけど、一瞬でも動きを止められた。 この瞬間、決められる。 里保は完璧なタイミングで矢のように飛んでくる優樹の魔力を感じ 一度距離を取った。 ずっとこの時の為に狙っていた優樹の身体は最早火の玉のような魔力の塊になっていた。 その凄まじい体当たりが、完璧につんくの胴体を捉え、めり込んだ。 拘束していた氷と糸を引き千切り、つんくの身体が一直線に吹き飛ばされ 太い木の幹に直撃する。 そこに、最大級の里保の火炎、亜佑美の氷の刃、遥の水の弾丸、衣梨奈の球。 持てる全魔力を注いだ怒涛の追撃が、確かな手応えを持って降り注ぐ。 普通の魔道士が相手ならば、明らかにやりすぎという程の。 だけど相手は三大魔道士。 決めきれただろうか。 里保達は一様に肩で息をし、一点を見つめている。 さっき衣梨奈が吹き飛ばした空間の向こうから さくら達も見ていた。 これが決着なのかどうか。 怒涛の攻撃に抉られた大木の幹。 そこにつんくの姿は、あった。 倒れてはいない。 まだ、立っていた。 ダメージは、間違いなくある。 無いはずが無かった。 それでもつんくは、尚不敵な笑みを浮かべて立っていた。 「これはちょっと、アレやな。 お見事、ちゅう感じや」 つんくのその言葉に、ぞっと背筋が凍る。 その時里保達の視界に別の影が映った。 一瞬。 一瞬にしてそこに現れたさゆみが振り下ろした剣は 息をする間も無く、つんくの首を胴体から切り離した。 「ひっ」 誰からともなく声が漏れる。 人が死ぬ瞬間を、人の首が飛ぶ瞬間を子供たちは初めて見た。 それは遠目で見ていた聖たちも同じだった。 そして初めて、今まで自分達の側にいたはずのさゆみの姿が無いことにも気付いた。 つんくの首がゴロゴロと木の枝を転がる。 そしてその胴体は、ゆっくりと落ち、森の底を埋めていた水の中に沈んだ。 さゆみは氷のように冷たい目で転がる首を見やり、 追い打ちをかけるように剣を首目掛けて投げつけた。 子供たちが次の瞬間を予想し顔を顰める前で 異様なことが起こった。 首が『跳ねて』、さゆみの剣を避けたのだ。 近くの枝に止まった首にはいつの間にか、蜘蛛の足のような不気味な四肢が生えていた。 「私たちの勝ちね」 さゆみの言葉。 首だけになったつんくが相変わらず笑っている。 「アホ抜かせ。せいぜい痛み分けや」 脚の生えた喋る生首。 余りにも奇妙なその光景に、子供たちはただ口を開けて見守ることしか出来なかった。 ▲ ←本編31 本編33→
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第1 渡嘉敷島の巻(3) 6 知念朝睦 赤松隊元副官であり、赤松隊長の側近であった。赤松隊唯一の沖縄県出身者である。当初から《赤松命令説》を否定する証言をしている。本件訴訟に出頭した証人である。(Ⅰ) (1) 『ある神話の背景』【昭和48年5月発行】(甲B18) 「『(地下壕はございましたか?)ないですよ、ありません。』 知念氏はきっぱりと否定した。 『この本に出て来るような将校会議というのはありませんか』 『いやあ、ぜんぜんしていません。只、配備のための将校会議というのはありました。一中隊どこへ行け、二中隊どこへ行けという式のね。全部稜線に配置しておりましたんでね。』 知念朝睦氏は、あまりにもまちがった記事が多いのと、最近、老眼鏡をかけなければ字が読みにくくなったので、この頃は渡嘉敷島に関することは一切、読まないことにした、と私に笑いながら語った。 つけ加えれば、知念氏は少くとも昭和四十五年までには沖縄の報道関係者から一切のインタビューを受けたことがないという。それが、赤松氏来島の時に『知念は逃げかくれしている』という一部の噂になって流れたが、 『逃げかくれはしておりません。しかし何も聞いていないところへ、こちらから話を売り込みに行く気もありませんから、黙っておりました。 昨年春(昭和四十五年三月)赤松隊長が見えた時に、市役所の職員の山田義時という人から会いたい、という申し出でを受けました。何も知らないので、初めは会おうと思いましたが、その後、その山田氏が、赤松帰れという声明文などを空港で読み上げて、それで名前もわかりましたので、そんな人に会うのは不愉快だと思って断りました。しかしその時が面会を申し込まれた最初でした』」(甲B18p113,114) 「食糧の分配の問題ですが、これは住民が取りやすい豚だとか鶏だとかをとって、取りにくい牛は軍が食べる。これは村長の目の前でそういう協定をしたわけです。ところがそういうことは、全然、戦記にもありませんし、新聞にも出ません。」(甲B18p184) (2)『沖縄県史第10巻』【1974年3月発行】(乙9)p769~775 「西山陣地では電話も通ぜず各隊との連結は容易ではありません。かろうじて各隊が集結していた頃、西山陣地の後方では、村民の自決が行われていました。 十歳くらいの女の子と、兄弟らしい男の子が陣地に私を訪ねて来て、お母さんが自決したというのです。はじめて自決のことを聞きました。 この子らは阿波連から恩納川に行き、西山陣地近くで、この子が手榴弾を発火させ、母親に投げたところ、赤児と母親の間におち、死んでしまったということでした。その自決場所には、妻子を殺したという男が半狂乱に、私に、自分はどうしても死ねないので斬ってくれと、わめいていました。この男も、姉妹も元気に居ります。 どうして、こういうことがおきたのか。その動機は、おそらく、数日まえ阿嘉が全滅し、村民は自決したときいて、いずれ自分たちもあのようになるんだと、きめていたに違いありません。そこへ、米軍の追撃砲です。山の中をさまよい、わいわい騒いでいるところへ、どかんと飛んで来たのがそれです。 もう生きられる望みを断たれたと、思っていたのです。それが自決をさせたと思います。しかし私が問題にするのは、十歳の少女がどうして手榴弾を手に入れたか、ということです。 それにしても私が見た自決者の遺体は六、七体でした。記録に残る三二九体なら、それは、恩納川上流に累積していなければならないはずですが、そんなのは知りません。 赤松隊長は、村民に自決者があったという報告を受けて、早まったことをしてくれた、と大変悲しんでいました。 私は赤松の側近の一人ですから、赤松隊長から私を素どおりしてはいかなる下令も行われないはずです。集団自決の命令なんて私は聞いたことも、見たこともありません。 もっとも、今現存しているA氏が機関銃を借りに来ていました。村民を殺すためだというので赤松に追い返されていました。」(p772~773)。 (3) 証人調書 『沖縄県史第10巻』(乙9)はインタビューを受けて記載されたもので、その内容は正しいとはっきり証言している(知念調書p1~5)。特に《赤松命令説》が虚構であることについては反対尋問もふまえて明確に証言している。 「(〈乙9の〉中身についてどう思いますか、正しいか間違いかということを聞かれて)正しいです。」(知念調書p2) 「はい。自決命令はいただいておりません。」(知念調書p5) また、『沖縄県史第10巻』(乙9)p772・2行目以下のエピソードを更に具体的に証言している。 「(何のために陣地に来たというふうに言ってたんですか。)それは理由はわかりませんけども、きょうだい2人ですから、戦隊長の命によりまして、乾麺麭を上げてやりましたら、帰りました。」(知念調書・p2)。 「(知念さんは、その姉、弟に対して、何か言いましたか。)はい。これは言いました。とにかく絶対に死ぬなと、捕虜になってもいいから生きなさいと、死ぬのは兵隊さんだけだと、こう言っておりましたら帰りました。」(同p2) 「(乾麺麭というのは、だれからもらったんですか。)戦隊長は、たしか3つだと思いますがくれましたので、それを上げて陣地から帰しました。」(同p3) 「(姉弟に会って、その後に赤松戦隊長のところに言いに行ったわけですか。)はい。あのときは、もうそういうふうに子供たちが来たんですから、陣地の中へ来たんで隊長に報告いたしました。」(同p3) 「(その隊長に報告をしたら、乾麺麭を赤松戦隊長が、これを姉弟に渡せということでくれたということですか。)はい、そうです。」(同p3) 「(ほかにあなた自身がその女の子に対して上げたものはありますか。)たしか私は財布をやったと思います。」(同p3) 「(なぜあなたは財布を渡したんですか。)これはもう兵隊でございますし、死んだらその財布は何も必要なくなると。そういうことで、おまえら絶対生きなさいよと、生きたらこの金は使えるはずだから、必ずそれを持っていきなさいと言って渡しました。」(同p3) ※ 知念自らが、陣地に来た「きょうだい」に対して、「絶対に死ぬな」と言い、赤松隊長から貰った「乾麺麭」をやり、自らの財布もあげている。「きょうだい」の話は、『沖縄県史第10巻』(乙9)にも記載されている話である。証言も具体的であり、《赤松命令説》の虚構を強く裏付けるものである。 (4) 『沖縄戦ショーダウン』(1~13)【平成8年6月】(甲B44) 「知念朝睦さんに電話すると、『赤松さんは自決命令を出していない。私は副官として隊長の側にいて、隊長をよく知っている。尊敬している。嘘の報道をしている新聞や書物は読む気もしない。赤松さんが気の毒だ』という。これは全てを白紙に戻して調査せねばならない、と決意した。」(甲B44・3・6段目) (5) 小括 赤松大尉の元副官知念朝睦は、本件において最重要証人の一人である。 知念は、『沖縄県史第10巻』(乙9)に収録された自身の証言を正しいものとして、それを更に具体的に証言している。《赤松命令説》、『鉄の暴風』の虚構性はより明白となっている。 7 金城重明 当時16歳。兄は阿波連の区長もしていた「金城重英」である。「金城武徳」と同級生である。「山城盛時」、「金城重英」と共に、「集団自決」を体験している。本件訴訟に出頭した証人である。(Ⅴ) (1) 『生き残った沖縄県民100人の証言』【昭和46年11月発行】(甲B21) 「渡嘉敷島でのいわゆる集団自決について、直接の指揮系統は未だ明確ではなく、赤松大尉は直接には命令を下さなかったという説もあり、したがって、その点は、いまは別個にして、当時の記憶をたどってみたい。米軍が慶良間列島に上陸したのが二十年三月二十六日、翌二十七日に、私たちは阿波連の部落から渡嘉敷へ移動した。そのときはすでに、私たちは軍と行動をともにするという意識が徹底されていて、みな玉砕の覚悟をもっていた。防衛隊から配られた手榴弾を手にして、ひたすら日本軍の命令を待っていた。だいぶんたって、軍からやっと自決命令が下った。ところが、最後まで戦う覚悟のはずの日本軍の陣地からは一発の応射もない。米軍の攻撃は、しだいに私たちに迫ってくる。すでに意を決していた私たちは、手榴弾のセンを抜き爆死を試みた。だが、前日からの雨で湿気を受けていたせいか、ほとんどがじゅうぶん発火せず、手榴弾の犠牲者はほとんどなかったといってよいくらいだ。後から考えれば、この手榴弾の不発のために悲劇はいっそうつのった。こんどは身内同志の殺し合いが始まったのである。私は米軍の爆風に冒され、意識がもうろうとしていたが、明らかに死を実感したことだけは確かである。やがて意識がはっきりしてくると、私の眼前で阿波連の区長が木を一本折って妻や子供をなぐり殺している場面が眼に映ってくるではないか。そのときの驚きようは、とてもことばにならない。その情景を見ていたまわりの人たちも以心伝心で、つぎつぎと家族同志、木やカマを使って殺し合い、自らの頸部をカミソリで切り、あるいはクワで親しい者の頭をたたき割る・・・。 私も、兄といっしょになって夢中で母と妹もなぐり殺した。半ば放心状態だった。島民が肉親までも殺し、また自らも命を絶たなければならなかった理由は3つあると思う。(1)米軍に捕まると惨殺される。(2)皇民として捕虜になることは恥辱である。(3)天皇陛下のために死ぬ、ということであった。」 ※ 「直接の指揮系統は未だ明確ではなく、赤松大尉は直接には命令を下さなかったという説もあり、したがって、その点は、いまは別個にして、当時の記憶をたどってみたい。」として、結論を留保した記載をしている。《赤松命令》を直接経験していないことを意味する。《赤松命令説》とは異なる3つの理由を挙げている(前記(1)(2)(3))。 (2) 『ある神話の背景』(甲B18) 曽野綾子は、金城重明の証言については「正確を期すために」、同人の手記をそのまま掲載している。 「三月二十八日、自決場へ集結せしめられてから、死の命令が出るまでの数時間は極めて長く重苦しく感ぜられた。」(甲B18p154) 「いよいよ自決命令が出たので、配られた数少ない手榴弾で、身内の者同士が一かたまりになって自決を始めた」(甲B18p155) 「しかしデモーニッシュな死への至上命令が遂に内面を支配した。怪獣によって魔力が充電される様に、死ななければならないと言う意識がいよいよ支配的になって行く。十六歳と言う年齢の少年の敏感さと純粋さが、異常な方向へ向けられてしまったのである。」(甲B18p156) 「しかし渡嘉敷島での最後の生き残りであると信じた私共は、敵の惨殺に会う時がいよいよ決定的に刻一刻と迫ってくるのを重く感じた。それはまさに末期的死の意識なのである。この様な状況で生き延びることはなお恐ろしい絶望でしかなかった。残された道は死のみである事を、以前よりもひしひしと直感した。この様に集団自決が終りに近づくに連れて、死の集団の強い連帯を覚えた。すべてが一つの死の家族集団と化したのである。肉親を越えたより大きな死の家族集団が、渡嘉敷の集団自決場で、瞬間的に形成された。 この死の連帯感が、私をして他人の死を早める働きへと動かしめた重大な要因だったのだ。」(甲B18p161) 「生きることより恐ろしい状態が来た時には死を願う。私たちの場合は異常の状況ですから、生きることが、生き残ることが恐かった。」(甲B18p161) ※ 《赤松命令》は出て来ない。むしろ、「死の連帯感」を重大な要因としている。 (3) 『「集団自決」を心に刻んで』【1995年6月第1刷・1999年9月第3刷発行】(甲B42) 著者の金城重明は、何百人という集団自決が起こった原因として、 「『皇軍』との"共生共死"の思想こそが、非戦闘員を死に追い込んだ最大の要因だったのです。」(甲B42p50) としており、集団自決の最大の要因を、『共生共死』の思想に求め、赤松隊長の命令とはしていない。 自決の経緯についても記載されているが、次のとおり、金城自身は、自決命令を目撃(直接体験)しておらず、「軍の命令」については、「議論がある」としている。金城重明には《赤松命令説》を語る上での証人適格はないのである。 「三月二八日の朝を迎えました。どんより曇った空が、当日の暗い、悲惨な出来事を予告しているかのようでした。村長の指揮のもと、住民は一か所に終結しました。重大な出来事、すなわち、死が待っているであろう、ということは、だれにも明瞭に予感されていました。」 「私どもは、刻々と迫りくる命令を待ちました。軍から命令が出たらしいとの情報が伝えられました(この事実関係については議論がある)。また、すでに米軍は三百メートル近くまで迫っている、との知らせもあったようです。」(甲B42p52)。 ※ 当時の自決に至る金城重明の心理状態も記載されている。この心理状態の記述からは、集団自決の発生が赤松隊長の命令により強いられたものという事実はうかがえない。 「決して、われ先に死に赴く男性は、一人もおりませんでした。愛する者を放置しておくということは、彼らを、最も恐れていた『鬼畜米英』の手に委ねて惨殺させることを意味したからです。『集団自決』が進行するにつれ、『生き残る』ことへの恐怖心と焦燥感のボルテージが、極度に高まってくるのを強烈に感じました。『生き残ったらどうしよう』と"共死"の定めから取り残されることへの恐怖は頂点に達しました。私どもは死の虜になってしまっていたのです。当時の『教育』の凄まじさに身震いがします。」(甲B42p55)。「もし、軍隊や住民側から"自分たちはまだ生きているぞ"との情報を伝達してくれる者が一人でもいたら、『集団自決』は中途で断念されたに違いありません。しかし、あのような状況では、それを期待する方が無理だ、との反論が返ってくるだろうと思います。」(甲B42p56) 「また、同じ慶良間の阿嘉島の『集団自決』(三月二六日)の誤報が、渡嘉敷の悲劇の遠因になったことも否定できません」(甲B42p57) (4) 証人調書 金城重明の証人調書において、自己の体験しない事実・評価は、何ら証言としての価値がない。価値があるのは、それがどんなに悲劇的であろうとも、公的に語った「集団自決の実像」である。 (5) 小括 金城重明の証言で明らかになったことで重要なことは、大きく分けて二つである。一つは、金城重明は、《赤松命令説》を語る証人としての適格性がないこと、もう一つは、被告らが《赤松命令説》をすり替えて主張する《3月20日手榴弾交付説》において手榴弾を受け取るべきはずの人物が誰も手榴弾を受け取っていないことを新たに証言したことである。すなわち、《赤松命令説》、《3月20日手榴弾交付説》は何ら根拠がない虚構であることが明らかとなったのである。 8 山城盛治 渡嘉敷出身、当時14歳。「集団自決」の事実を正直に証言したものである。山城は、「金城重明」、その兄「金城重英」と共に「集団自決」の体験者である。(Ⅴ) (1)『渡嘉敷村史 資料編』【昭和62年3月発行】(甲B39)p399~406 「翌日の朝九時頃、“集合”と号令がかかって、集まったところで、宮城遥拝をして、手榴弾がみんなに配られ、僕のところに渡されたのは、不発弾だったのか、あんまり押しつけたら、ネジがバカになって、信管がボロッと抜けて、でも火薬を食べたら死ぬんじゃないかと思って、家族の手に、少しずつあけて、なめて見たが、死なないものだから、それで男の人のいるところでは、もう、これじゃだめだから、自分の家族は、自分で始末しよう、といった。 女世帯のところは、もう慌てて、頼むから、あなたの家族を殺したら、次は、私たちを殺してくれ、と、いって、あっちでも、こっちでも殺し合っているのを見ましたよ。 僕らは、叔父がいないものだから、親戚のおじーに頼んであったらしい。でも、おじーは、山の中を逃げまわるうちに、頭がちょっとおかしくなっていた。 そうこうしているうちに、米軍からも弾がボンボン射ちこまれてね。 私は一四歳だったけど、村の青年たちが、死ぬ前に、アメリカーを一人でも殺してから死のう、斬り込みに行こうと話し合ってね。 行く前に、心残りがないようにと、刃物、ほとんどが日本軍のゴボウ剣ですが、どこから持って来たかわからないですがね。 それで(ゴボウ剣で)子どもは、背中から刺し殺し、子どもは、肉がうすいもので、むこうがわまで突きとおるのです。 そして、女の人はですね、上半身裸にして、左のオッパイをこう(手つきを真似る)自分であげさせて、刺したのです。 私は、年が若いし、青年たちに比べて力もないから、女の人を後ろから支える役でしたよ。 私たちは三人一組でね、一人は今、大学の先生をしています、もう一人は、区長、字の世話係りですよ。 年よりはですね、首に縄を巻いて、木に吊すのです。動かなくなったら、降ろして、こう並べるのです」 (2) 小括 上記「大学の先生」とは「金城重明」、「区長」とは金城重明の実兄「金城重英」のことである。「集団自決」は多様な態様を含むものであるが、《赤松命令説》は、この多様な態様を全て説明できるものではない。このことからも《赤松命令説》の虚構性は明らかである。 9 小嶺園枝 渡嘉敷出身。当時30歳である。当時4人の子供の母親である。「集団自決」の体験者である。(Ⅳ) (1) 『渡嘉敷村史 資料編』【昭和62年3月発行】(甲B39)p372~381 「本部のそばの川なんか、水が溢れて、赤土がドドーッと流れて、そこを渡って、今、玉砕場といわれているところに行った。 私たちは死ぬつもりはないから、最後の最後まで立っていたけど、他の人たちは、心中して、家族みんな死ぬのもいるし、傷負って生きている人もいるし、むごいものでした。 うちは、子ども四人に夫婦の六人家族、一番上の兄夫婦は子どもがなくて、また、姉が南洋から子ども三人つれて引き揚げて帰っていたから、これだけ一か所にまとまって座っていたら、義兄が、防衛隊だったけど、隊長の目をぬすんで手榴弾を二個持ってきた。」(甲B39p374) 「始まったのは、日がくれる前ですよ、スバヒラ(周り)で手榴弾をボンボンする人、太刀(銃剣)やヤマナジ(ナタ)で家族殺すのもいるし、負傷した人たちは、アビャーアビャーして、“タシキティキリー、クルチキリー”(助けてくれー、殺してくれー)するものだから、ウワラヌフルモーから本部の兵隊に追っ払われて、今の第二玉砕場に兵隊に連れて行かれたのですよ。 その前だったかね、村長の米田さんが、本部から機関銃かりて生き残った人たちをやろうとして兵隊にとめられたのは、親も子も血ダラダラして、本部に行ったら、隊長にはおこられるし、もう一人の兵隊は、剣ふりまわして、怖くなってカーシーガーラに逃げていく人もいるし」(甲B39p375) (2) 小括 4人の子供を持つ母親の体験証言である。《赤松命令説》を何ら語っていない。自決後、「隊長にはおこられる」という証言をしている。「義兄が、防衛隊だったけど、隊長の目をぬすんで手榴弾を二個持ってきた。」(甲B39p374)として、防衛隊が手榴弾を赤松隊長の目をぬすんで入手していたことを明らかにする。《手榴弾交付=「命令」説》の根拠は、武器は厳重に管理されている筈であるから赤松隊長が同意を与えたに違いないとするものであるが、防衛隊の持ち出しが可能な戦況であったのであり、前提が破綻している。 10 小嶺幸信 渡嘉敷出身、当時14歳である。(Ⅴ) (1) 『渡嘉敷村史 資料編』【昭和62年3月発行】(甲B39)p385~389 「玉砕場」に行った経緯が証言されている。 「アメリカーが上陸するまでは、西側(部落の)壕にいたが、その夜(二六日)防衛隊が『敵が上陸して危険だから移動しろ』と、いう事で、一応南側の山に避難した。 シジミチ山で一晩過ごしました。そこから見える慶良間海峡には、軍艦がいっぱい並んでいるのが見えて、もうそこら辺りにも(敵は)入り込んでいると思って、また、部落に降りて北山に行った。 その日は、だいぶ雨が降って、母の両親は、もう年で山道は歩くこともできない状態で、じいさんばあさんに『あんたたちは、若いから、出来るだけ命を永らえるようにしなさいよ』と、いわれ、別れました。 その夜、北山の、今、玉砕場と呼ばれるている処についた。 僕らは、夜明前に着いたが、夜が明けてから村の人たちが、どんどん避難してきた。どこから命令があったか知らないけど、みんな集まって来るから、僕は、そこが安全な避難場所だとばかり思っていた。誰が音頭をとったか知らないが、"天皇陛下バンザイ"と三唱やった事を覚えている」(甲B39p386) (2) 冊子『わたしたちの渡嘉敷島《六年生の社会科郷土資料》』(渡嘉敷村教育委員会編)【1989年3月31日初版・2004年3月31日改訂版発行】(甲B48) p39に上記(1)と同様の記載がある。 (3) 小括 「僕は、そこが安全な避難場所だとばかり思っていた」と証言している。《集合「命令」説》の破綻が判る証言である。 11 連下政市 赤松大尉の元部下である。当時第二中隊の第二戦闘群の郡長、少尉。《赤松命令説》を否定する証言である。(Ⅰ) (1) 『週刊朝日「集団自決の島-沖縄・慶良間」』【1970(昭和45)年8月発行】(甲B20) 「真っ暗な夜、10時過ぎにもなっていたでしょうかぁ。3、40人もの住民がワンワン泣きながらやってきた。『もうカネもいらない。殺してくれ。兵隊さんと一緒に死にたい』と叫びながら、手にもった貯金通帳や国債やかつおぶしを投げつけるのです。その泣声を耳にして、米軍陣地から機関銃を撃ちこまれ、一人の兵士が戦死した。『あんた方がきては撃たれるし部隊も迷惑するから動いてくれ』といっても泣くばかりで、説得するのに2、30分もかかったのを覚えている。その時点では自決のことは知りませんでした」(甲B20p21) 連下元小隊長に宛てられた島民の手紙 「(集団自決後、敵の機銃陣地に切り込みにいく途中)、連下少尉殿、あなたの刀を貸してくれませんか・・・、子供等を処分整理してこないとうしろがみが引かれて、どうしても貴殿方と一緒に行動することは出来ません、といったら貴殿がおこられてバカをいうもんじゃない、人間はどんな目に逢おうと、或いはちりぢりばらばらに別れても生きるものは生かすことだ、人間は死ぬことはやすいが、死んでからは生かされるものではない、例え戦争といえどもそんなバカな考えをもってはいけないよとさとされたのでほんとに思いとどまったのでした」 この手紙を基に、中西記者は「必ずしも赤松隊と島の人々とが真向から対立していたとはいえないようだ。」とコメントしている(甲B20p21)。 (2) 『ある神話の背景』(甲B18) 連下少尉は、住民が陣地内になだれ込んだ時点の事実を目撃している。 「二十七日の夜、雨の中で(ということは闇夜であった)村の人たちが、興奮してやって来て、彼の目の前で貯金通帳やかつおぶしを『ほかして』ここへおいてくれ、とわめいていたのを目撃していた。 しかし、そこはまだ、穴一つ満足にない陣地であった。いや、陣地の予定地だったという方が正しい。いくら予定地であろうと、軍陣地内に民間人を入れるということはできない。 連下少尉は、当然これを断った。」(甲B18p127,128)。 連下少尉は、「集団自決」の「場所」についても証言している。赤松隊長の「ほんの数人」、『鉄の暴風』に書かれる「329人もの屍がるいるい」という状況を見たことがないというのを受けての証言である。 「私は一人見ました。一週間後に谷川の傍にいたんです。死体かと思ったら、生きていました。『兵隊さん』って、声をかけられました。こめかみのところに血痕が附着していましたが、一人でした。」(甲B18p131)、 「あちこちで自決されたのと違いますか」 という連下少尉の発言を受けて、赤松大尉は、「三百人以上もの方が固まって亡くなった光景というのが、どうしても実感としてわかない」と答えている(甲B18p132)。 (3) 小括 住民の手紙の文面から、集団自決後に、連下は、子供達を殺すと言っている住民に対し「バカなこというな」と言って止めている。「自決命令」が出ていたのであれば考えられない行動である。 12 富野稔 当時20歳、赤松隊長の部下、当時第二中隊長。元少尉。(Ⅰ) (1) 『ある神話の背景』(甲B18) 富野少尉は、自決の場所、自決当時の陣地になだれこんで来た住民を目撃している。 「(自決した方をみたか)滝壺の傍でなら、二十名ばかり見ました。」 「(非戦闘員の村民がいる場所として適当か)上陸地点は、大体、敵の上陸でき得るところが決まっています。つまり南の方から上って来る可能性がこの場合、強い。その場合、軍が南向きに布陣したら、その後北側に、住民を置くのは一応常道だと思います。」(甲B18p134) 「(自決の前夜、豪雨のときしていたこと)穴掘りです。道具がないから、ゴボウ剣で掘っていました。前にも申しました通り二中隊の連れていた兵は約六十名で軽機関銃一丁だけですが、これではそう長い間、保たないな、と思っていました。」(甲B18p134,135) 「住民の方が流れ込んできたのは(28日の)14時頃です。二中隊正面に、泣き叫びながら押し寄せました。アビ叫喚というのでしょうか。確実に弾着を連れながら、近寄って来ました。つまり、敵の弾を引きつれるようにして来たんです。《兵隊さん、殺して下さい》口々に言いながら陣地へ入って来るので、どうしようもありませんでした。まさに生き地獄でした」(甲B18p135) 富野元少尉は、「当時の風潮」についても証言している。 「私は防衛召集兵の人たちが、軍人として戦いの場にいながら、すぐ近くに家族をかかえていたのは大変だったと思います。今の考えの風潮にはないかもしれませんが、あの当時、日本人なら誰でも、心残りの原因になりそうな、或いは自分の足手まといになりそうな家族を排除して軍人として心おきなく雄々しく闘いたいという気持はあったでしょうし、家族の側にも、そういう気分があったと思うんです。つまり、あの当時としてはきわめて自然だった愛国心のために、自らの命を絶った、という面もあると思います。死ぬのが恐いから死んだということがあるでしょうか。 むしろ、私が不思議に思うのは、そうして国に殉じるという美しい心で死んだ人たちのことを、何故、戦後になって、あれは命令で強制されたものだ、というような言い方をして、その死の清らかさを自らおとしめてしまうのか。私にはそのことが理解できません。」(甲B18p167) (2) 小括 部隊の当日の状況を証言している。当時、《赤松命令説》が出せる戦況にないことが判る。「心残りの原因になりそうな、或いは自分の足手まといになりそうな家族を排除して軍人として心おきなく雄々しく闘いたいという気持」は、先述の連下少尉に宛てられた住民からの手紙にも、同様のことが記載されている。 13 太田正一 元赤松隊候補生。《赤松命令説》を否定する。(Ⅰ) (1) 『ある神話の背景』(甲B18) 「もし、本当に玉砕命令を出していたのなら、生き残って再び集った人をそのまま見逃しはしないでしょうね。命令は命令ですから、いったん出した命令は遂行しなければならないし、また、そうできる状態にあったと思うんです。」(甲B18p141,142) (2) 小括 「軍隊の命令」の性質について語っている。《赤松命令説》に従って命令が遂行された事実は見当たらない。むしろ、陣地内になだれこんだ住民を追い返したり、衛生兵を派遣して治療にあたらせる等《赤松命令説》と相反する事実が認められる。 14 若山正三 赤松隊長の元部下、軍曹。衛生兵として「集団自決」後の住民の治療にあたっている。(Ⅰ) (1) 『ある神話の背景』(甲B18) 赤松隊長の意向で村民の治療をしたことを語っている。これも《赤松命令説》が虚構であることを示す重要な事実である。 「村民の治療をなさったのは、若山さんのご一存ですか?」 「いや、軍医や隊長の意向でもありましたんでね。」 「若山さんが、こっそり行っておあげになったんじゃありませんか?」 「いやそんなことはないです。明らかに隊長と軍医に言われたからです」 「それを証言なさいますか?」 「それはまちがいないことです」(甲B18p121,122) (2) 小括 太田元候補生が言うように、もし《赤松命令説》が事実であるなら、村民の治療をするわけがない。この証言も《赤松命令説》が虚構であることを示す事実である。 15 皆本義博 元赤松隊、赤松隊長の部下である。原告側の証人となった。(Ⅰ) 法廷で、当時の戦況、赤松隊長とのやり取りを具体的に証言し、《赤松命令説》を完全に否定した。 16 照屋昇雄 戦後の琉球政府で軍人・軍属や遺族の援護業務に携わる。《赤松命令説》を完全否定する証言をしている。 (1)『産経新聞記事』(豊吉広英)【平成18年8月27日朝刊】(甲B35) 琉球政府関係者や渡嘉敷村村長、日本政府南方連絡事務所の担当者らと集団自決の犠牲者らに援護法を適用する方法を検討し、その方法として「軍による命令」という便法を案出し、玉井喜八村長が赤松元隊長に告げたところ、「隊長命令とする命令書を作ってくれ。そしたら判を押してサインする」と言って赤松元隊長が重い十字架を背負ったことを証言した(甲B35・1枚目、3枚目)。 「平成5年、渡嘉敷島北部の集団自決跡地に建てられた碑には、『軍命令』とは一切刻まれていない。渡嘉敷村の関係者が議論を重ねた末の文章だという。村歴史民俗資料館には、赤松元大尉が陸軍士官学校卒業時に受け取った恩賜の銀時計も飾られている。同村の担当者は、『命令』があったかどうかは、い・/div 原告最終準備書面・目次
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Template Coor title d? Template Battlebox? ノモンハン事件(のもんはんじけん)は、1939年5月から9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した日ソ両軍の国境紛争事件。 概要 満州国軍とモンゴル人民共和国軍の参加もあったが、実質的には両国の後ろ盾となった大日本帝国陸軍とソビエト連邦軍の主力の衝突が勝敗の帰趨を決した。当時の大日本帝国とソビエト連邦の公式的見方では、この衝突は一国境紛争に過ぎないというものであったが、モンゴル国のみは、人民共和国時代よりこの衝突を「戦争」と称している。以上の認識の相違を反映し、この戦争について、日本および満洲国は「ノモンハン事件」、ソ連は「ハルハ河の事件、出来事」と呼び、モンゴル人民共和国のみが「ハルハ河戦争(ハルヒン・ゴル戦争)」と称している。 この衝突に対して日本・満洲側が冠しているノモンハンという名称は、清朝が雍正十二年(1734年)に外蒙古(イルデン・ジャサク旗・エルヘムセグ・ジャサク旗)と、内蒙古(新バルガ旗)との境界上に設置したオボーの一つ「ノモンハン・ブルド・オボー」に由来する。このオボーは現在もモンゴル国のドルノド・アイマクと中国内モンゴル自治区北部のフルンブイル市との境界上に現存し、大興安嶺の西側モンゴル高原、フルンブイル市の中心都部ハイラル区の南方、ハルハ河東方にある。 いっぽうソ連・モンゴル側が冠している「ハルハ河」とは、戦場の中央部を流れる河川の名称である。綴りはモンゴル式では「Халхын гол」、ロシア式では「Халкин-Гол」ないし「Халхин-Гол」となる。 従来までは日本軍の無謀な作戦による大敗北と信じられてきたが、ソ連崩壊によりソ連側のノモンハン事件に関する秘密資料が明らかになり、実は死傷者数、破壊された装甲車両および航空機の数のすべてにおいてソ連側の被害の方が大きい事が明らかになった。これを受けて、軍事知識に乏しい人間の中には、日本軍の勝利であったと主張している者もいるが、戦闘の勝敗は損害の優劣だけで決まらないのは常識以前の話であり、ソ連軍の勝利であることに代わりがない点には注意を要する。 経緯 清朝が雍正十二年(1734年)に定めたハルハ東端部(外蒙古)とホロンバイル草原南部の新バルガ(内蒙古)との境界は、モンゴルの独立宣言(1913年)以後も、モンゴルと中国の歴代政権の間で踏襲されてきたが、1932年に成立した満洲国は、ホロンバイルの南方境界について、従来の境界から10-20キロほど南方に位置するハルハ河を新たな境界として主張、以後この地は国境紛争の係争地となった。 1939年にこの係争地でおきた両国の国境警備隊の交戦をきっかけに、日本軍とソ連軍がそれぞれ兵力を派遣し、交戦後にさらに兵力を増派して、大規模な戦闘に発展した。5月の第一次ノモンハン事件と7月から8月の第二次ノモンハン事件にわかれ、第二次でさらに局面の変転がある。第一次ノモンハン事件は両軍あわせて3500人規模の戦闘で、日本軍が敗北した。第二次ノモンハン事件では、両国それぞれ数万の軍隊を投入した。7月1日から日本軍はハルハ川西岸への越境渡河攻撃と東岸での戦車攻撃を実施したが、いずれも撃退された。このあと日本軍は12日まで夜襲の連続で東岸のソ連軍陣地に食い入ったが、断念した。7月23日に日本軍が再興した総攻撃は3日間で挫折した。その後戦線は膠着したが、8月20日にソ連軍が攻撃を開始して日本軍を包囲し、31日には日本軍をソ連が主張する国境線内から一掃した。 停戦交渉はソ連軍の8月攻勢の最中に行われ、9月16日に停戦協定が結ばれた。 開戦の背景 国境紛争 モンゴル側は1734年以来外蒙古と内蒙古の境界を為してきた、ハルハ河東方約20キロの低い稜線上の線を国境として主張したのに対し、1932年に成立した満州国はハルハ河をもって境界線として主張した。満州国、日本側の主張する国境であるハルハ河からモンゴル・ソ連側主張の国境線までは、草原と砂漠である。土地利用は遊牧のみであり、国境管理はほぼ不可能で、付近の遊牧民は自由に国境を越えていた。 本事件の係争地となった領域がはじめて具体的に行政区画されたのは、清代、雍正年間のことである。従前、この地はダヤン・ハーンの第七子ゲレンセジェの系統を引くチェチェン・ハン部の左翼前旗および中右翼旗など、ハルハ系の諸集団の牧地であった。1730年代、清朝が新附のモンゴル系、ツングース系の諸集団を旧バルガ、新バルガのふたつのホショー(旗)に組織し、隣接するホロンバイル草原に配置した。雍正十二年(1734年)、理藩院尚書ジャグドンによりハルハと、隣接する新バルガの牧地の境界が定められ、その境界線上にオボーが設置された。本事件においてモンゴル側が主張した国境は、この境界を踏襲したものである。 本事件の名称の由来となったノモンハンは、左翼前旗の始祖ペンバの孫チョブドンが受けたチベット仏教の僧侶としての位階の呼称に由来し、チョブドンの墓や、ハルハと新バルガとの境界に設置されたオボーのひとつなどにも、チョブドンの受けたこの「ノモンハン」の称号が冠せられている。 モンゴルは、1912年の辛亥革命を好機として、ジェプツンダンパ八世を君主に擁する政権を樹立した。ただしモンゴルの全域を制圧する力はなく、モンゴル北部(ハルハ四部プラスダリガンガ・ドルベト即ち外蒙古)のみを確保するにとどまり、モンゴルの南部(内蒙古)は中国の支配下にとどまることとなった。バルガの2旗が位置するホロンバイル草原は、地理的には外蒙古の東北方に位置するが、この分割の際には中国の勢力圏に組み込まれ、東部内蒙古の一部を構成することとなった。その後、モンゴルではジェプツンダンパ政権の崩壊と復活、1921年の人民革命党政権の成立、1924年の人民共和国への政体変更などがあったが、これらモンゴルの歴代政権と、内蒙古を手中におさめた中華民国歴代政権との間では、ハルハの東端と新バルガの境界について、問題が生ずることはなかった。 ところが旧東三省と東部内蒙古を領土として1932年に成立した満洲国は、新バルガの南方境界として、新たにハルハ河を主張、本事件の戦場域は、「国境紛争の係争地」となった。モンゴルと満洲国の国境画定交渉は断続的に行われたが、1935年以降途絶した。 満洲、モンゴルの両当事者とも、この係争を小競り合い以下の衝突にとどめるべく、話し合いによる解決を模索しようとしたが、両国の後ろ盾となっている日本、ソ連は、この時期それぞれ、極東方面において相手を叩く口実を探しており、「話し合いによる解決」を模索していた満州国・モンゴルの代表者たちをそれぞれソ連、日本に通じたスパイとして断罪、粛清したのち、大規模な軍事衝突への準備を推し進めてゆく。 「満ソ国境紛争処理要綱」 1938年に起こった張鼓峰事件は、満州とソ連の国境でおこった紛争だったが、関東軍・満州国軍ではなく日本の朝鮮軍が戦った。この事件でソ連側が多くを得たことに不満を感じた関東軍は、係争地を譲らないための方針を独自に作成した。それが「満ソ国境紛争処理要綱」である。 「満ソ国境紛争処理要綱」は辻政信参謀が起草し、1939年4月に植田謙吉関東軍司令官が示達した。要綱は、「国境線明確ならざる地域に於ては、防衛司令官に於て自主的に国境線を認定」し、「万一衝突せば、兵力の多寡、国境の如何にかかわらず必勝を期す」として、日本側主張の国境線を直接軍事力で維持する好戦的方針を示していた。この要領を東京の大本営は黙認し、政府は関知しなかった。 戦争の経過 第一次ノモンハン事件(5月11日-5月31日) 係争地では満州国軍とモンゴル軍がパトロールしており、たまに遭遇し交戦することがあった。5月11日、12日の交戦は特に大規模なものであったが、モンゴル軍、満州国軍がともに「敵が侵入してきたので損害を与えて撃退した」と述べているため、真相不明である。 第23師団長の小松原道太郎中将は、モンゴル軍を叩くために東八百蔵中佐の師団捜索隊と2個歩兵中隊、満州国軍騎兵からなる部隊(東支隊)を送り出した。5月15日に現地に到着した東支隊は、敵が既にいないことを知って引き上げた。しかし、支隊の帰還後になって、モンゴル軍は再びハルハ川を越えた。 この頃、上空では日本軍とソ連軍の空中戦が頻発し、日本機は自国主張の国境を越えてハルハ川西岸の陣地に攻撃を加えた。両軍とも、敵の越境攻撃が継続中であると考え、投入兵力を増やすことを決めた。 5月21日に小松原師団長は再度の攻撃を命令した。出動した兵力は、歩兵第64連隊第3大隊と連隊砲中隊の山砲3門、速射砲中隊の3門をあわせて1058人、前回に引き続いて出動する東捜索隊220人(九二式重装甲車1両を持つ)、輜重部隊340人、さらに満州国軍騎兵464人が協同し、総兵力2082人であった。指揮は歩兵第64連隊長山県武光大佐がとり、山県支隊と呼ばれた。 ソ連軍も部隊を送り込み、25日にハルハ川東岸に入った。その兵力は、第11戦車旅団に属する機械化狙撃大隊と偵察中隊からなり、装甲車としては強力な砲を装備するBA-6装甲車16両を持ち、兵力約1200人であった。これにモンゴル軍第6騎兵師団の約250人をあわせ、ソ連・モンゴル軍の総兵力は約1450人、装甲車39両、自走砲4門を含む砲14門、対戦車砲6門であった。歩兵・騎兵の数は少ないが、火砲と装甲車両で日本・満州国軍に勝っていた。ソ連軍の指揮官は機械化狙撃大隊長のブイコフ大佐で、歩兵の3個中隊のうち第2中隊を北に、第3中隊を南に置き、正面の東をモンゴル軍に守らせて、半円形に突出する防衛線を作った。西岸には第1中隊を控えさせ、砲兵を配した。 山県はソ連軍が刻々増強されつつあることを知っていたが、敵兵力を実際より少なく見積もり、包囲撃滅作戦を立てた。その作戦では、主力は山県が直率して北から進み、東と南には満州軍騎兵と小兵力の日本軍歩兵を配する。ハルハ川渡河点3か所のうち、北と南はそれぞれ両翼の日本軍部隊が制圧する。中央の橋を封鎖するために、東捜索隊が先行して敵中に入り、橋を扼する地点に陣地を築く。こうして完全に包囲されたソ連・モンゴル軍を破砕し、その後ハルハ川を越えて左岸(西岸)の陣地を掃討するというものであった。 先行する東捜索隊は、5月28日の早朝にほとんど抵抗を受けることなく突破に成功し、橋の1.7キロ手前に陣取った。これとともに後方陣地への航空攻撃、主力部隊の前進がはじまった。戦闘開始直後、ソ連・モンゴル軍は混乱して一歩退いた。攻撃をほとんど受けなかった正面と南の部隊も退却して兵力を抽出し、西岸から渡ってきた部隊とともに山県・東の部隊に立ち向かった。さらにこの日のうちにソ連の第36自動車化狙撃師団の第149連隊がタムスクから自動車輸送で到着しはじめた。日本軍主力の前進は第一線の陣地を突破したところで停止し、東支隊は孤立した。29日にソ連・モンゴル軍は東捜索隊への攻撃を強め、その日の夕方に全滅させた。東中佐は戦死した。日本軍主力は30日に小兵力の増援を受け取り、ソ連・モンゴル軍は次の戦闘に備えて防衛線を西岸に移した。以後は目立った戦闘は起きず、日本軍は捜索隊の遺体と生存者を収容して6月1日に引き上げた。ハルハ川東岸は再びソ連・モンゴル軍の制圧下に帰した。 この間、日本軍の戦闘機は終始空中戦で優勢を保ち、ソ連軍の航空機を数十機撃墜し、損失は軽微であった。また、日本の戦闘機と軽爆撃機はモンゴル領内の陣地と飛行場を攻撃した。なおモンゴル軍の航空機はわずかで、満州国軍は航空戦力を持たなかった。 第二次ノモンハン事件 日本軍による渡河攻撃と戦車攻撃 (7月1日-6日) ソ連政府は5月末の交戦を日本の侵略意図の表れとみなし、日本軍の次の攻撃はさらに大規模になると考えた。白ロシア軍管区副司令官のゲオルギー・ジューコフが第57軍団司令官に任命され、この方面の指揮をとることになった。このときジューコフは大規模な増援を要求し、容れられた。 6月17日から連日、増強されたソ連軍航空機が自国主張の国境を越えてカンジュル廟を攻撃し、爆撃は後方のアルシャンにも及んだ。これに対して関東軍は、戦車を中心に各種部隊を増強して反撃する計画を立てた。新たに加わったのは第1戦車団(戦車2個連隊)と歩兵第26連隊(第7師団)のほか砲兵や工兵を含む自動車化部隊の安岡支隊で、第1戦車団長の安岡正臣中将が率いた。作戦にはハルハ川を越えることが含まれていたが、大本営は越境攻撃までは知らされなかった。27日、日本軍はモンゴル領の後方基地タムスクに大規模な空襲を行った。大本営は越境空襲を事後に知らされて驚き、昭和天皇を動かして係争地を無理に防衛する必要はないとの大命を29日に発し、敵の根拠地に対する航空攻撃を禁じる参謀総長の指示を出した。その頃、攻撃のため国境付近に集結しはじめた日本軍に対し、ソ連軍は自国主張の国境を越える威力偵察部隊を送り出して交戦した。 集結を完了した日本軍は、7月1日に敵の背後を断って撃滅する意図をもって行動を起こした。当初の作戦では、ハルハ川に橋を架けて戦車を含む主力が西岸に渡り、敵の背後から包囲攻撃をかけることとされた。しかし、西岸攻撃のために工兵が用意できた橋は演習用の器材を使った貧弱なもので、戦車を渡すことができず、それどころか橋を越えた補給継続の見込みも薄かった。 そこで作戦が変更され、歩兵が西岸に渡って退路を遮断し、東岸に残った戦車が北から攻撃をかけて南下し、敵をハイラースティーン(ホルステン)川の岸に追い詰めて殲滅することを企図した。西岸攻撃には第23師団の第23歩兵団長小林恒一少将が師団所属の歩兵第71連隊と第72連隊をもってあたり、安岡支隊から引き抜いた自動車化部隊の歩兵第26連隊と砲兵隊、工兵隊が後続した。一方、東岸の安岡支隊の主力は戦車第3連隊と戦車第4連隊で、歩兵第28連隊の1個大隊と歩兵第64連隊主力、馬で牽引する野砲兵1個大隊、工兵1個連隊、満州国軍騎兵が属した。うち東を封じるのは満州国軍に任され、今回は南に兵力を送らなかった。総兵力は約1万5000人であった。 ソ連軍は、前回の戦闘と同様、歩兵戦力で日本軍に劣ったが砲と装甲車両の数で勝った。ソ連軍司令部は、ハルハ川東岸への日本軍の攻撃を予想して、第149自動車化狙撃連隊と第9機械化旅団を置いていた。さらに増援軍にハルハ川を渡河させて日本軍の側面を衝く作戦を立て、第7機械化旅団、第11戦車旅団、第24自動車化狙撃連隊が7月1日にタムスクを発った。 ソ連軍と日本軍はほぼ同じ進路で逆向きの渡河攻撃を計画したわけだが、日本軍が先んじて2日に渡河をはじめ、3日に橋を架けた。渡河に直面したのはモンゴル軍の騎兵第6師団であったが、抵抗らしい抵抗をしなかった。ソ連増援軍は3日に戦場に到着し、南に進んでいた日本軍と接触した。装甲部隊を前にして日本軍の行軍は止まった。午前中の戦闘でソ連軍戦車は果敢に突撃して大損害を出したが、午後には遠巻きにして砲撃を加えるようになり、日本兵の死傷ばかりが増えた。第23師団はその日の夕方に撤退を決め、4日から5日にかけて橋を渡って戻った。 ハルハ川東岸(右岸)では、日本軍が87両の装甲車両で攻撃をかけた。主に軽戦車からなる戦車第4連隊は、2日夜に装甲部隊による夜襲をかけた。(大規模装甲部隊による夜襲は世界初で、大変珍しい例である。)攻撃は成功をおさめたが、戦局に影響するほどのものではなかった。主に中戦車からなる戦車第3連隊は、翌3日に防御陣地に対する正面攻撃を行って壊滅し、連隊長吉丸大佐は戦車内で戦死した。ソ連軍は4日に反撃をはじめ、6日に日本軍は退却した。装甲部隊の急速な損耗を憂慮した関東軍司令部の判断によって安岡支隊は9日に解隊され、26日に戦車部隊は戦場から引き上げた。 この期間にはソ連軍の航空勢力が増大した。日本の航空偵察は、この戦闘中ずっと「敵軍が退却中である」という誤報を流しつづけ、上級司令部の判断を誤らせた。 7月の戦闘と戦線の膠着 渡河攻撃と戦車攻撃が失敗してから、第23師団はハルハ川右岸(東岸)に転じて7月7日に攻撃を再開した。第23師団の主力は安岡支隊への増援・交代の形で新たな戦場に到着し、北から南にハイラースティーン(ホルステン)川に向かって進んだ。別に岡本支隊がハイラースティーン(ホルステン)川の対岸を東から西に進んだ。守るソ連軍の中心は第149自動車化狙撃連隊で、砲兵と第11戦車旅団の支援を受けた。歩兵で日本軍が多く、戦車と砲でソ連軍が多いという戦力比はこの時期も変わらなかった。 このときの日本軍は、小規模な夜襲を全戦線で多数しかけて攻撃を進めた。夜には砲撃が衰え、戦車が最前線から引き上げるので、白兵戦を得意とする日本軍にとって有利であった。少ない兵力で何重もの縦深をとったソ連軍の防衛線は、各所で日本軍の進出を許したが、崩壊には至らず、両軍錯綜の状況が生まれた。平原で姿を暴露することを恐れた日本軍は、朝が近づくと進出地点から引き上げるのを常とした。昼になると攻守逆転し、ソ連の装甲部隊、砲、歩兵が日本の歩兵を攻撃した。ソ連軍は夜襲も実施したが、全体的には日本軍に押され、ゆっくりと陣地を侵食されていった。前線指揮官であるレミゾフ第149自動車化狙撃連隊長は8日に、ヤコブレフ第11戦車旅団長は11日に、戦死した。 しかし、当初きわめて楽観的だった関東軍にとって、この作戦の進捗は満足のいくものではなかった。ソ連軍の砲兵力を除く必要があると考えた関東軍は、内地からの増援と満州にあった砲兵戦力をあわせて、関東軍砲兵司令官内山英太郎少将の下に砲兵団を編成し、その砲撃でソ連軍砲兵を撃破することにした。砲兵戦力の到着を待つため、日本軍は夜襲による攻撃を12日に停止し、14日までに錯綜地から退いて戦線を整頓した。 砲兵支援下の総攻撃は、7月23日に始まった。内山少将率いる砲兵団は15センチ加農砲から7.5センチ野砲までの82門をもっていたが、このうち西岸のソ連軍砲兵陣地まで届く砲は46門に過ぎなかったうえに、充分な数の砲弾を準備することができなかった。更に、東岸より西岸の方が標高が高かったことが致命傷になった。ソ連側の砲兵は日本側の砲兵を見下ろすかたちで砲撃することができたのである。このため、次第に日本軍砲兵はソ連側の砲撃に圧倒された。またソ連軍は前回の攻撃の末期にあたる7月12日から歩兵の増援を受け取っており、総攻撃はわずかに前進しただけで頓挫した。日本軍は3日間の戦闘で攻勢をあきらめ、冬営に向けた陣地構築に入った。 日本軍は7月25日までに参加兵力の3分の1にあたる約5000人を失った。攻撃を停止した日本軍は、敵の砲撃を避けてハルハ川から離れ、ハイラースティーン(ホルステン)川両岸に西向きに布陣した。北に離れたフイ高地には渡河攻撃を断念したときから小部隊がおかれており、反対の南側の左翼では限定的な攻撃を行って翼を延伸した。ソ連軍も各所で小規模な攻撃を試みたが撃退され、8月20日まで戦線は膠着状態になった。 8月4日、日本軍はノモンハン戦の指揮のために新たに第6軍を創設し、荻洲立兵中将を司令官に任命した。これより先、ソ連は7月21日に第57狙撃軍団を第1軍集団に改組し、引き続きジューコフに指揮をとらせた。 ソ連軍の8月攻勢 日本軍が攻勢をとっていた頃から、ソ連軍は後方で兵力と物資の集積を進め、総攻撃を準備していた。だが日本軍は冬営のための物資輸送にも困難をきたしていたため、大きな増援ができなかった。防衛線についていた日本軍部隊は、北から、フイ高地を守備する第23師団捜索隊、ハイラースティーン(ホルステン)川の北にあるバルシャガル高地を守る歩兵3個連隊(歩兵26、63、72の各連隊)、ホルステン川の南にある第8国境守備隊と歩兵第71連隊であった。加えて、ノモンハンから約65キロ南に離れたハンダガヤに第7師団の歩兵第28連隊があった。その陣地は横一線に長く、兵力不足のため縦深がなかった。防衛線の左右には満州国軍の騎兵が展開して警戒にあたった。 攻撃側のソ連軍は歩兵と砲の数で倍近く、加えて戦車498両と装甲車346両を用意しており、日本側に対して全面的に優勢な兵力だった。ソ連軍の作戦は、中央は歩兵で攻撃して正面の日本軍を拘束し、両翼に装甲部隊を集めて突破し、敵を全面包囲しようとするものであった。シェフニコフ大佐が指揮する左翼の北方軍は、第82狙撃師団第601連隊と第7機械化旅団、第11戦車旅団からなり、フイ高地の捜索隊を攻撃して南東に進んだ。ペトロフ准将が指揮する中央軍は、歩兵4個連隊と1個機関銃旅団(第82狙撃師団の2個連隊と、第36自動車化狙撃師団の2個連隊、第5機関銃旅団)からなり、ハイラースティーン(ホルステン)の両岸で正面から攻撃をかけた。ポタポフ大佐が指揮する右翼の南方軍は、歩兵3個連隊と機械化旅団、戦車旅団各1個(第57狙撃師団の3個連隊と、第8機械化旅団、第6戦車旅団)からなり、日本の第71連隊を攻撃してハイラースティーン(ホルステン)に向けて北進した。北方軍の北にはモンゴル軍の第6騎兵師団、南方軍の南にはモンゴル軍の第8騎兵師団が付いて警戒にあたった。左右両翼でのソ連軍の優位は圧倒的で、中央でも火力の優勢を保っていた。 8月20日、爆撃と砲撃の後にソ連軍の前進が始まると、日本側右翼(北側)の満州国軍は直ちに敗走し、これによりフイ高地の師団捜索隊は孤立した。ジューコフは、フイ高地の攻略に手間取ったシェフニコフを21日に解任し、予備を投入して日本軍主力の背後へ進撃させた。捜索隊は24日夜に包囲を脱してソ連側主張の国境の外に退出した。21日には南翼でも南方軍の装甲部隊が日本軍の側面から背後を脅かす位置に進出した。 第6軍司令部は攻勢開始時に未だ後方のハイラルにあり、ようやく8月23日に司令部を戦場付近に進めた。荻洲軍司令官はソ連軍の攻勢を知ると、直ちに第28連隊をハンダガヤから呼び寄せ、これに前線から引き抜いた歩兵第26、72、71の諸連隊をあわせて左翼(南)で反撃(攻勢転位)する作戦を立てた。反撃の開始は8月24日で、ソ連軍の最右翼にある第57狙撃師団第80連隊が、南方軍の装甲部隊とともにこれを迎え撃った。反撃部隊の大部分は予定の日時に攻撃開始位置に到着できず、ばらばらに戦闘に参入し、砲爆撃の支援を欠いたまま正面攻撃を実施した。24日に第72連隊だけで攻撃を行った右翼隊は大損害を出して壊滅した。24、25の両日にわたる左翼隊の攻撃も挫折した。 反撃に兵力を抽出したため、日本軍の側面と背後はがら空きになった。北から回り込んだソ連軍左翼は23日には日本軍の後背に出て、26日にバルシャガル高地の背後にあった砲兵陣地を蹂躙した。南で反撃を退けたソ連軍右翼も、27日にノロ高地を支援する日本軍砲兵部隊を全滅させた。前線の日本軍諸部隊は、背後に敵をうけて大きく包囲され、個々の陣地も寸断されて小さく囲まれた。限界に達した日本軍部隊は、夜の間に各個に包囲を脱して東に退出した。すなわち26日夜にノロ高地の第8国境守備隊が後退し、ついで戦場外に退出した。29日夜にはバルシャガル高地の第64連隊が脱出した。小松原第23師団長は第64連隊救援のため自ら出撃したが、これも31日朝に後退したのを最後に日本軍は係争地から引き下がり、主要な戦闘は終了した。この作戦の間、ソ連陸軍は自国主張の国境線の内にとどまっため、退出した日本軍諸部隊はその線の外で再集結した。 停戦成立までの戦闘 ソ連軍は戦場となった係争地を確保し、陣地を築いた。日本軍はソ連・モンゴル側主張の国境線のすぐ外側に防衛の陣を敷いた。関東軍は兵力を増強して攻撃をかける計画を立てた。作戦は、一部兵力によって敵の退路を遮断し、夜襲によってソ連軍の陣地を突破することを目指した。しかしこの段階では、歩兵で勝っていた7月までと異なり、増強を計算に入れたとしても、あらゆる戦力要素が日本軍に不利になっていた。 東京の大本営は、関東軍の楽観的な報告により、8月26、27日まで戦闘が有利に進んでいると認識していた。が、急激な事態の悪化を知り、日本軍が引くことで事態を収拾することを決め、9月3日にノモンハンでの攻勢作戦を中止し係争地から兵力を離すように命じた。 他方、南方のハンダガヤ付近では、増援に来着した歩兵2個連隊を基幹とした片山支隊が8月末から攻撃に出た。この地区で日本軍に対したのはモンゴル軍の騎兵部隊で、9月8日と9日に夜襲を受けて敗走した。9月16日の停戦時に、ハルハ川右岸の係争地のうち主戦場となったノモンハン付近はソ連側が占めたが、ハンダガヤ付近は日本軍が占めていた。 ソ連軍の猛攻の過程で、日本軍の連隊長級の前線指揮官の多くが戦死し、生き残った連隊長の多くも、戦闘終了後に敗戦の責任を負わされて自殺に追い込まれ、自殺を拒否した須見第26連隊長は予備役に編入されるなど、敗戦後の処理も陰惨であった。その一方で独断専行を主導して惨敗を招いた辻政信・服部卓四郎ら関東軍の参謀は、一時的に左遷されたのみで、わずか2年後の太平洋戦争開戦時には陸軍の中央に返り咲いた。また、壊滅的打撃を受けた第23師団の小松原師団長も、事件の1年後に病死したが、これも実質的に自殺に近い状況だったと見られている。 航空戦 航空戦の主力となったのは日本軍は九七式戦闘機、ソ連軍はI-153とI-16であった。当初はソ連軍に比べて日本軍搭乗員の練度が圧倒的に上回っており、戦闘機の性能でも、複葉機のI-153に対しては圧倒的な優勢、I-16に対しても、一長一短はあるものの(I-16は武装と急降下速度に優れ、97式戦は旋回性能に優れる)、ほぼ互角であった。また、投入した航空機の数も、当初はほぼ互角であった。そのため、第一次ノモンハン事件の空中戦は、地上戦とは異なり、日本軍の圧倒的な勝利となった。 日本陸軍航空隊の搭乗員達の活躍は目覚しく、20機以上撃墜エースが23名おり、なかでもノモンハンエースの篠原弘道は3ヶ月で58機撃墜した。ノモンハンエースはほかに樫出勇、井上、西原五郎などいる。ただしこれらの記録には、かなり誤認戦果も含まれる。 その余勢を駆って、6月27日、関東軍は陸軍中央に独断で日本側の主張する国境線よりモンゴル側にあるソ連軍のタムスク飛行場を爆撃して、戦術的には大戦果を上げた。しかしこれは国境紛争を全面戦争に転化させかねない無謀な行為だったので、陸軍中央の怒りを買った。 第二次ノモンハン事件に入ると、ソ連軍は日本軍をはるかに上回る数の航空機を動員して、搭乗員の練度で優る日本軍航空部隊を数で圧倒するとともに、スペイン内戦に共和国側の義勇兵として参加してドイツ空軍と戦っていた戦闘経験豊富な搭乗員を派遣し、搭乗員の質でもある程度日本軍に対抗できるようになる。 ソ連側は戦術を変更し、旋回性能の優れた日本軍の九七式戦闘機に対し、操縦手背面に装甲を装備したI-16による一撃離脱戦法に徹するようになった。これにより日本軍は以前のように撃墜戦果を挙げられなくなったばかりか、損害が目立つようになった。 第一次と第二次を併せたソ連側損失は、日本側の主張では1252機。またソ連側がかつて主張していた損害は145機、後のソ連崩壊直前に訂正された数字では被撃墜207機+事故損失42機。一方、日本機の損害は記録によると大中破も合わせて157機(未帰還及び全損は64機、内97戦は51機で戦死は53名)だった。日本側の損耗率は60パーセントで、最後には九七式戦闘機の部隊が枯渇して、旧式な複葉機の九五式戦闘機が投入されるに至った。これらの戦訓から陸軍は航空機の地上戦で有効性と損耗の激しさを知り、一定以上の数を揃える必要性を痛感したという。なお、若手将校を多数失ったことは、陸軍戦闘機隊の崩壊さえ招きかねない事態と危惧され、兵卒からの進級を積極的に進め、さらに少年飛行兵の募集を強化するなど、海軍に先駆けて航空戦力の拡充を図る端緒となった。 なお、九七式戦闘機がソ連空軍機に対してその旋回性能が最後まで強力な切り札だったことから、陸軍航空隊では格闘戦重視の軽戦闘機が主流となったが、一方でソ連機を取り逃がした経験から速度や急降下性能の必要性も強く認識され、卓上では最後まで結論は出なかった。そのため旋回性能重視の一式戦と速度と武装重視の二式単戦の二つの戦闘機が実用化され、最後に四式戦で統合された。 陸軍中央では紛争の拡大は望んでいなかったため、戦場上空の制空権を激しく争った戦闘機に比べると爆撃機の活動は限定的であり、6月27日関東軍の独断で行われたタムスクのソ連航空基地への越境攻撃はあったものの、重爆撃機隊も含めて地上軍への対地協力を主として行った。紛争後半の8月21日、22日には中央の許可のもとにソ連航空基地群に対する攻撃が行われたが、既にソ連側が航空優勢となった状況では損害も多く、その後は再び爆撃機部隊の運用は対地協力に限定された。他方、ソ連軍の爆撃機による日本軍陣地、航空基地への爆撃は活発であり、7月以降に登場した高速双発爆撃機ツポレフSB-2、四発爆撃機ツポレフTBは日本軍の野戦高射砲の射程外の高空を飛来し、九七式戦闘機での要撃も容易ではなく大いに悩まされたが、その戦訓が太平洋戦争に活かされたとは言い難いようである。 戦局への影響という点で大きかったのは日本軍の航空偵察で、茫漠として高低差に乏しく目立つランドマークもないノモンハンの地形にあっては航空偵察による情報は重要であり、新鋭の九七式司令部偵察機を始め多数の偵察機が運用された。しかし、ソ連軍の偽装を見抜けずに、動静を見誤ってたびたびソ連軍の後退を伝える誤報を流すなどして、後方の司令部に実態と乖離した楽観を抱かせる原因ともなった。 停戦後の国境確定交渉 一方、ソビエト連邦の首都モスクワでは、日本の東郷茂徳駐ソ特命全権大使とソ連のヴャチェスラフ・モロトフ外務大臣との間で停戦交渉が進められていた。 だが、ソ連側の強硬な姿勢と、東郷が停戦協定を締結しても独断専行で事を進める関東軍が従うかどうかを憂慮して慎重に事を運んだ事もあって、両国の間においてようやく停戦協定が成立したのは9月15日の事であった。停戦協定では、とりあえずその時点での両軍の占領地を停戦ラインとし、最終的な国境線の確定はその後の両国間の外交交渉にゆだねられた。 交渉は11月から翌年6月までかかってやっと合意に達したが、結局は停戦ラインとほぼ同じであった。対立の対象となった地域のうち、主戦場となった北部から中央部ではほぼモンゴル・ソ連側の主張する国境線によって確定し、一方主戦場からは外れていたが9月に入って日本軍が駆け込みで攻勢をかけて占領地を確保した南部地域は日本・満洲国側の主張する国境線に近いラインで確定した。 後半は、ノモンハン事件-2参照 出典 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』_2008年11月30日 (日) 12 00。
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フォレスト・オブ・マッドネス 28KB 「フォレスト・オブ・マッドネス」 ※『ふたば系ゆっくりいじめ 411 明日に向って飛べ!』 の微妙な続編です。希少種はいろいろな意味で優遇されています ※現代設定(?)です ※独自設定があります ※ネタ被りがありましたらご容赦ください ※人間側の描写が多いです 「……それで、せっかくアメリカまで研修に行ったのに、皆から頼まれてたお土産を買うのを忘れちゃってて。 挙句、『俺が元気な体で帰ってきたことが何よりのお土産です』なんて言うもんだから、どつかれてたわ」 「あはは、そりゃそうっすよ」 2人の男が談笑している。 「そういうおにいさんも、わりとほんきでなぐってたわ」 いや、訂正しよう。2人と1匹だ。 彼らがいるのは、上空100メートルを飛行するヘリコプターの中。 窓の外では、山の稜線を朝日が照らすところだった。 操縦桿を握る男は森林管理署の署員で、先ほどから聞き役に徹している。 その隣に座り、同僚の笑い話をする男の膝の上にはゆっくりゆうかが抱かれていた。 「あいつはああ見えて頑丈だから、大丈夫なのよ」 そう言ってゆうかに微笑むと、男は眼下に広がる森を見渡した。 この地域一帯は自然遺産に登録されている国立公園だ。 1週間前から降り始めた雪が広大な森林を覆い、緑と白の対比が大地に美しいコントラストを描いていた。 彼の職業は、対ゆっくり専門の「自然保護官」であり、ゆうかは仕事の相棒である。 今日は森林管理署のヘリに同乗させてもらい、定期的に行う監視活動に従事していた。 「今日は付き合わせちゃって、ごめんなさいね」 「いいっすよ、どうせ俺も暇でしたし。 それに保護官の皆さんにはお世話になってますから」 同じ自然保護を仕事とする者同士、それぞれの機関は協力関係にある。 ゆっくりは森林地帯にその多くが生息し、希少な植物を食い荒らすこともあるため、森林管理署にとっても悩みの種であった。 この時期、野生のゆっくりの多くは冬眠、あるいは永眠している。 例外として活発に活動するのは、れてぃやちるのなど一部の希少種だけだ。 ついでに言えば野生動物もその多くが活動休止中。 つまりこの監視は形式だけで、特に神経を尖らせるような仕事でもないのだ。 とはいえ、雑談に興じつつも保護官とゆうかは地上への注意を怠らなかった。 「この地域のゆっくりたちは、まだ生態系を破壊するには至っていないのよね?」 「ええ、大人しいもんっすよ。このまま静かに暮らしてくれれば一番なんすけどね……」 異常はどこにも見当たらない。 まるで遊覧飛行をしているかのような、気楽な時間が続く。 1時間ほどで予定のコースを周り終え、帰還する旨を本部に連絡したとき、「あら?」と保護官が声を上げた。 地上に何か蠢くものが見えたような気がした。 「高度を下げてちょうだい!」 「えっ、はい」 指示されるまま、操縦士はヘリを地上から30メートルのあたりまで降下させる。 しかし、地上には動くものなど何も確認できなかった。 聞こえてくるのはヘリ自身が出す爆音と木々のざわめきだけ。 「何かいたんすか?」 操縦士の問いかけには答えず、保護官はあたりを見回す。 やはり、小動物の1匹さえ見えない。 ―普通に考えれば“あれ”が今の時期に現れるはずがないのよね……。 ―錯覚? でも……。 「だいじょうぶ? おにいさん」 ゆうかの声で我に返ると、保護官は操縦士に答えて言った。 「……ごめんなさい、見間違いだったみたいだわ……。戻りましょう」 そう言う保護官の顔はどこか晴れない。 心配したゆうかが声をかけようとした瞬間、 「あ、そういえば」 それまで相槌を打つだけだった操縦士が、唐突に喋りだした。 「俺、実は基地に恋人がいるんすよ」 「「……え?」」 突然の話題に驚く保護官とゆうか。 操縦士は彼らの怪訝な表情に気付いているのかいないのか、構わずに続ける。 「戻ったらプロポーズしようと」 「ちょ、ちょっと……」 「花束も買ってあったりして……」 「ちょっと! なんでいきなりそんな話始めるのよ?」 「え、いや、なんとなくしなきゃならない気がして……」 その時だった。 ヘリの後方の木々の間から一条の光線が放たれ、テイルローターを掠めた。 猛烈な火花を噴き上げ、破片を撒き散らしてテイルローターが吹き飛ぶ。 バランスを失ってたちまち制御不能に陥るヘリ。 自らの生み出す抗いがたい力に掴まれ、ゆっくりと旋転しながら降下し始めた。 操縦士がマイクに向かって叫ぶ。 「メイディ、メイディ、メイディ!! ブラックホークダウン! ブラックホークダウン!」 「これのどこがブラックホークよ?! ベルじゃない! 本部、こちらっ……!」 「アイムイジェクティン!」 「出来るわけないでしょっ!! 黙っててよ!!」 「ふたりともおちついてっ……!」 そんなやり取りの間にも、ヘリはどんどん高度を下げる。 回転翼が空しく大気を切り裂く。 地面はすぐそこまで迫ってきた。 保護官はゆうかを強く抱きしめ、衝撃に備える。 そして、 「きめぇ丸ーっ!!」 「ゆうかっ……!」 「おにいさっ……!」 ズズン……。 三者三様の悲鳴を飲み込む鈍い音と共に、ヘリは墜落した。 ◇ ◇ ◇ 人間が生み出した鋼鉄の鳥が身を捩るようにして苦しみ、咆哮を上げて落ちていく一部始終を見ていたものがいた。 先ほどヘリのテイルローターを破壊した怪光線、「ドススパーク」を撃ったドスまりさである。 「ゆふ、ゆふ、ゆふふふふ……」 ヘリの撃墜を確認すると、不気味に笑いながらドスまりさは森の中へと消えていった。 ◇ ◇ ◇ 俺の仕事は自然保護官だ。 今日は同僚と一緒にこの国立公園の監視にやってきたのだが、 ジャンケンに負けた俺はパートナーのゆっくり共々、管理署の施設でデスクワークをするハメになった。 ちなみに俺の横で報告書の資料を仕分けしているのが相棒の「かなこさま」である。 冬眠した「すわこさま」とその世話を頼まれてくれた「さなえさん」は家で留守番している。 「少し休憩するか……」 「そうだね、お兄さん!」 報告書の作成が一段落つき、背伸びする。 せっかく自然遺産にまで来たというのに、朝から活字ばかり見ている。 外の景色でも眺めようかと席を立ったとき、内線の電話が鳴った。 同僚の保護官とゆうか、それに操縦士の乗ったヘリが消息を絶ったとの報せを受け、俺たちは通信室に飛び込んだ。 数人の職員が慌しく動き回り、ヘリとの通信を試みていたが繋がる気配はない。 その内の1人から詳しく事情を訊くと、現在の状況はこんな感じらしい。 ―最後の通信内容から、機体に何らかのトラブルが発生したことは間違いなく、恐らくは墜落したものと思われる。 ―山向こうの天候が悪化しており、駐屯地から救難隊が到着するには何時間かかるか分からない。 ―そして管理署に常駐する職員は少なく、救難隊や自治体との通信の必要もあって捜索に乗り出すことは出来ない。 ならば、俺たちの出番だ。 「そんな、無茶ですよ! 何が起こったのかも分かっていないのに……!」 「だからこそだ。俺たちはこういった時の訓練も受けてるし、経験もある。 今は危険な野生動物はいないし、無茶もしない。頼む、行かせてくれ」 職員を説得し、俺たちは出発の準備を始めた。 俺は素早くライディングスーツに着替え、かなこさまにも耐寒・雪中装備を施す。 装備を整えた俺は、管理署のスノーモービルに跨り、かなこさまを後ろに乗せた。 予測されるヘリの遭難地点は、ここから6キロほど北上した所だった。 直径およそ500メートルの円の中のどこかに、同僚たちがいるはずだ。 「行くぞ!」 「いつでもいいよ、お兄さん!」 天候が変わらないうちに、なんとしても発見しなければならない。 俺たちは鬱蒼とした森の中へと入っていった。 ◇ ◇ ◇ 墜落したヘリの中で、最初に意識を取り戻したのはゆうかだった。 保護官の屈強な体に包まれ、奇跡的に軽傷で済んだのだ。 自分を守ってくれた保護官に、必死に呼びかける。 「おにいさんっ! しっかりしてっ! おにいさんっ……!」 ややあって、「う……」と目を開ける保護官。 だが次の瞬間、その顔は苦痛に歪む。 「……ッ! 足が折れてるみたいね……。ついてないわ……」 むしろその程度で済むことが凄いのだが。 隣を見ると操縦士が計器に頭を突っ込んで気絶していた。 保護官が体を揺すっても、目覚める気配はない。 もとより、引っこ抜けそうになかった。 異臭がするので、ゆうかが後方をチェックすると燃料が漏れていた。 しかし雪が積もっているので大事には至らないだろう。 実際のところ、墜落時の衝撃を吸収してくれたのも雪だった。 「……でもその雪が、今はネックなのよね……」 通信機器は完全に壊れ、人間2人は移動不可能。 唯一動けるゆうかは、雪の上を長時間跳ねることなど出来ない。 「助けが来るのを待つしかないわね……。でも……」 墜落の直前に見たあの光。あれは恐らくドススパークだ。やはり見間違いではなかったのだ。 どうしてこんな時期にドスまりさが活動しているのか、何故いきなり攻撃してきたのかは、皆目見当もつかない。 本部に報告できなかったことが悔やまれた。 保護官はゆうかを抱き上げる。 ドスまりさがこのヘリを発見しないこと、そして救難者たちがドスまりさに遭遇しないことを祈りつつ、 彼らは静まり返った森の中で、体力の消耗を抑えるしかなかった。 ◇ ◇ ◇ スノーモービルで森を突き進む俺とかなこさま。悪路を何とか突っ走る。 木々の間を斜めに差し込んでくる陽の光は、常緑樹の葉に濾過されて眩しさを感じさせない。 その光によって、森の中の空気はどこまでも透き通っているようだ。 出発してから5キロほどの地点だった。 何かしらの手がかりはないかと周囲に気を配っていたら、不意に横合いから白い物体が2個、飛び出してきた。 バレーボールくらいの大きさだ。 「うぉっ!」 轢きそうになったので、慌ててスノーモービルを停止させる。 よくよく目を凝らすと、雪にまみれた黒帽子のゆっくりまりさに猫耳二尾のゆっくりちぇんである。 まりさとちぇんは俺たちの姿を見るや否や、 「……! にんげんさんっ?! たっ……たったったすけてぇぇぇぇぇぇ!」 「わからないよぉぉぉぉぉぉぉ……!」 必死に助けを求めてきた。 俺たちは困惑するが、まりさたちはそれ以上に恐慌をきたしていた。 雪道を跳ね続けたせいで、体もふやけていた。 とりあえず携行していたタオルで包んでやると、何とか話せる状態まで落ち着いた。 俺はまりさに訊ねる。 「一体何があった? 冬篭りはどうしたんだ?」 「……まりさたちは……」 まりさは自分たちの身に起こった出来事を話し始めた。 ◇ ◇ ◇ まりさたちの群れはとてもゆっくりした群れだった。 賢く強いドスまりさの庇護の下、秋の早い段階から越冬のための食料も充分に集めることが出来た。 慢心して、新たに子供を作るゆっくりたちもいなかった。そして何よりみんな仲良しだった。 絵に描いたようなゆっくりプレイスで、まりさたちは冬の到来を迎えた。 「みんな、はるになるまでゆっくりしていってね!」 「むきゅ! まりさたちもゆっくりしていってね」 「は……はるになったら、げんきなかおをみせなさいよね!」 群れの全てのゆっくりが春に再会することを信じて疑わなかった。 みんな笑顔でそれぞれの巣穴へと入っていく。 まりさは番のゆっくりれいむと、子まりさと子れいむが1匹ずつの家族と一緒に巣穴に入り、入り口を塞いだ。 中は真っ暗だったが、子供たちの賑やかな笑い声と、れいむの歌声のおかげでとてもゆっくりできた。 「おちょーしゃん。はるしゃんはいちゅきゅりゅにょ?」 「まりしゃ、はやきゅありしゅたちとあしょびちゃいよ!」 「おちびちゃんたちがゆっくりしていたら、すぐにきてくれるからね!」 「そうだよ! それまで、おかあさんといっしょにおうたのれんしゅうをしようね!」 「ゆぅん、ゆっきゅりりきゃいしちゃよ!」 「おうたはゆっきゅりできりゅね!」 暗闇に家族の明るい声が満ちて、楽しい時間が過ぎていった。 それは突然に起こった。 冬篭りを開始してだいぶ経った頃、眠っていた一家は親れいむの呻き声で目を覚ました。 「……? れいむ……? どうしたの……?」 「……ぐぅ……! ぎゅ……ぎょぉ……!」 母親のただならぬ様子を感じ取ったのか、隣で寝ていた子供たちがれいむに擦り寄った。 「おきゃーしゃん? どうしちゃにょ?」 「ぽんぽんいちゃいにょ? ゆっきゅりしちぇにぇ? しゅーりしゅーり」 懸命に呼びかける子供たち。 その優しさを嬉しく思いながらも、れいむを心配したまりさが口を開こうとしたときだった。 「おぐぉ」ミチリ。バリバリッ。「おきゃーしゃ……?」グチャッ。グッチャッグッチャッ。ゴキュ、グキュ。 「ゆう? れいみゅ? れいみゅどうし……?」ズグシュ。ズチュルズチュル。ジャク、ジュプ、ギチャ。 何かとてもゆっくりできない音がした。 「れいむ……? おちびちゃ……?」 言いかけてまりさは口を噤んだ。 凄まじい悪臭が漂ってきたのだ。ゆっくりの忌み嫌う死臭に似ていた。 そして、れいむたちがいたはずの所から、ズル…ズル…と“何か”が近づいてきた。 「なに……? どうしたの……? れいむ? おちびちゃん? へんじをしてね!」 悪臭を放ちながら近づいてくる“それ”は無言のまま、にじり寄ってくる。 視覚に頼ることが出来ない闇の中で、恐怖だけが膨らんでいく。 大自然に暮らすゆっくりの生存本能が、まりさに告げた。 逃げろ、と。 「う……うわぁあああああああああああああっ!!」 弾かれたように跳び、“それ”の脇を素早くすり抜け、まりさは入り口を塞ぐ「けっかい」をぶち破った。 久しぶりの陽の光に目が眩んだが、必死に巣穴から離れる。 家族を残してきたことに罪悪感がないわけではない。 それを上回る感情がまりさを突き動かしていた。 雪の冷たさなど感じなかった。一刻も早くこの場から逃げなくては。 まりさ以外にも悲鳴を上げるゆっくりがいた。 「わっからないよぉおおおおおおおおおっ!!」 「ちぇ……ちぇえええええん!」 ちぇんも同じく“何か”に襲われそうになり、巣穴から飛び出したところでまりさと合流した。 2匹はひたすらに逃げ続け、今に至る。 「ふむ……」 保護官としては極めて興味深い話だが……今の俺たちは捜索隊だ。優先すべきことがある。 俺はまりさたちに質問する。 「ところでお前たち、大きな音を出して空を飛んでいくものを見なかったか?」 ヘリの行方を掴む手がかりがあるとすれば、森に棲むゆっくりだ。 本当はれてぃなどを探していたのだが、こいつらも何か見ているかもしれない。 「みたんだよー! こっちにとんでいったんだよー!」 ちぇんが示す方向は、奇しくもちぇんたちの群れの巣がある方角と一致した。 結局、行くしかない、か。 俺はまりさとちぇんをそれぞれ腹と背中にくくりつけ、スノーモービルに乗り込んだ。 俺たちは再び森の中を疾走する。 「すごい! はやいよ、にんげんさん!」 「きもちいいよー!」 さっきまでの泣き顔が嘘のようにはしゃぐまりさとちぇん。 ゆっくりらしいといえばゆっくりらしいが、俺はそんな2匹のことをどこか微笑ましく思った。 仕事柄ゆっくりを駆除することが多いとはいえ、俺個人としては善良なゆっくりは嫌いではないのだ。 雪の上に500メートルほど轍をつけたところで、木々に囲まれた広場のような空間に到着した。 自然のカーテンが途切れ、太陽が直接俺たちの顔を照らす。 「「「「え……?」」」」 そこはゆっくりプレイスなどではなかった。 純白の雪は、餡子、カスタード、生クリームその他諸々で染め上げられ、散らばっているのは色とりどりの飾り。 そして、バラバラに引き裂かれ、原形も保っていないゆっくりの死骸がその隙間を埋め尽くす。 ざっと100匹はいたのだろうか。異様な臭気が漂ってくる。 僅かに残った頭髪や、瞳の色からおおよその種類が判別できるが、それに何の意味があるのか。 巣穴の悉くが破壊されており、中にいたゆっくりたちが引き摺り出されたようだった。 「う……うわぁあああああああああああああ!! みんなぁあああああああああああああああ!!」 「わからないよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」 悲痛な叫び声を上げるまりさとちぇん。 その瞳はいっぱいに見開かれ、止め処もなく涙が溢れ続ける。 「これは……」 「……」 俺も凄惨な光景に圧倒され、しばらく動くことが出来なかった。かなこさまも絶句している。 ようやっとスノーモービルのエンジンを切り、かなこさまを降ろした。 かなこさまの底部には、タイヤをキャタピラに換装した特別製のすぃーが装着されている。 かなこさま寒冷地仕様、通称「がんきゃなこ」だ。これなら雪も怖くない。 俺1人で2匹を抱えるのは無理なので、ちぇんをかなこさまに乗せる。 俺たちは広場に足を踏み入れた。 出来る限り死骸を踏まないように歩を進める。 2匹の泣き声が痛々しかった。 周囲を警戒しつつ、俺は考える。 捕食種はもちろん、熊なども今は冬眠中だ。 それ以外でこれだけの数を屠る存在は…。 駄目だ。考えても埒が明かない。 正体不明の“何か”がいるのは間違いない。俺はかなこさまのオンバシラを見る。 俺もライフルを持ってくるべきだったか。 広場の中央付近まで入ったところで、かなこさまが声を上げた。 「お兄さん! あそこで何か動いているよ!」 それはゆっくりぱちゅりーだった。 死骸の山に埋もれて、苦しそうに喘いでいる。 「ぱっ……ぱちゅりぃぃぃぃぃぃぃ!!」 俺の腕の中でまりさがもがき、スポンと抜け出した。 そのままぱちゅりーのもとへと跳ねていく。 「まりさ! 待つんだ!」 慌てて止めようとするも、俺の腕は虚空を切るだけだった。 まりさはぱちゅりーに擦り寄り、必死に呼びかける。 「ぱちゅりー! まりさだよ! ゆっくりしてね!」 「……むきゅ……、まり……さ……? ……にげ……て」 ぱちゅりーが言いかけたときだった。 巣穴の一つから、ゆっくりが這い出してきた。 それを見たまりさが叫ぶ。 「れ……れいむぅううううう!! ぶじだったんだね! よかったよぉお!!」 どうやらまりさの番のれいむらしい。 喜びの涙を流すまりさ。 だが、ちょっと待て。まりさの話が事実なられいむは…。 “れいむ”はまるで感情のない能面のような顔でまりさを見やると、「ゆ」とだけ呟いた。 緩慢な動作でぱちゅりーに向かって言う。 「たべのこしがかえってきたよ。ぱちゅりーにあげる」 ミチリ。バリバリッ。 ぱちゅりーが「むぎゅ」と短い悲鳴を上げると、その顔の中心からアルファベットの「X」を描くように亀裂が走った。 そこから一気にぱっくりと裂ける。まるで蕾の花がパッと咲いたように。 裂けた中からは触手?のようなものが2本伸びていた。 呆然とするまりさと俺たち。 “ぱちゅりー”はブジュル、ブジュルと白い液体を撒き散らしながら、とまりさに近づく。 「……! まりさ逃げ……!」 間に合わなかった。 「ぱ―」 それがまりさの最後の言葉になった。 “ぱちゅりー”はまりさの顔面に飛びつくと、ゴシャグシャ、という咀嚼音を響かせた。 「うわぁああああああああ! まりさぁあああああああああ!!」 「畜生ッ!!」 ちぇんが叫び声を上げると同時に、俺は駆け出していた。 全力で“ぱちゅりー”を蹴る。 予想以上に重い感触が伝わり、“ぱちゅりー”は放物線を描いて宙を飛んだ。 “ぱちゅりー”が離れると、まりさはピクンと痙攣して、仰向けに倒れた。 まりさの顔は跡形もなく消えて、黒い餡子が覗いていた。 「まりさぁああああああ……! どうしてぇえええええええええ?! わからないよぉおおおおおおおおお!!」 一方“ぱちゅりー”はドチャッ、と音を立ててゆっくりたちの死骸の上に落下する。 生クリームが飛び散った。 だがまだビクン、ビクンと震えている。 そして、“ぱちゅりー”の中から“それ”は現れた。 緑の髪に2本の触覚をもち、底部には簡略化された蜘蛛の足のようなものが生えている。 ゆっくりりぐる。 りぐるは成体でも体長が5センチに満たない極めて小さいゆっくりであり、 通常は他のゆっくりに寄生して、おこぼれに与ることで生きていくことで知られている。 その見返りとして、りぐるはゆっくりにとって害となる毒虫などを排除する。 いうなれば共生生物みたいなものだ。 だが、俺たちの前にいるこいつは何だ? 一体何の冗談だ? 宿主を変形させ、意のままに操り、ゆっくりを捕食する? おまけに体長は20センチ近くある。 突然変異にしたって変わりすぎだ。 「このぱちゅりーはもうつかいものにならないよ」 そう言いつつ、りぐるはぱちゅりーの皮を脱ぎ捨てた。 雪の上に敷かれた醜悪なモニュメントの仲間となるぱちゅりー。 「ひどいよぉおおおおおお……! わからないよぉおおおおおおおおお……!」 ちぇんが泣き叫ぶ。 そのとき別の巣穴からゆっくりが出てきた。ゆっくりありすだ。 ありすはやつれた顔で、何かを懇願していた。 「おねがい……。もぅ……ころしてぇぇぇぇぇぇ……」 直後、ありすの顔面が真っ二つに裂け、りぐるがズルリと出てきた。 「こわれちゃった」 そう言ってこちらにやって来る。 ……寄生され、操られても意識は残るのか。 俺はりぐるに訊いた。 「お前たちは、いつからこの群れに寄生したんだ?」 「りぐるたちはゆっくりしてるよ」 “れいむ”の中にいるりぐるも答える。 「そうだよ。りぐるたちはゆっくりしてるよ。 りぐるたちだけじゃなくて、みんなゆっくりしてるよ」 会話が噛み合わない。りぐるたちの目は焦点が合っていなかった。 俺の後ろにいるかなこさまたちに、その虚ろな視線を移す。 「おいしそうなゆっくりがいるね、ぱちゅりーだったりぐる」 「おいしそうだね、ありすだったりぐる」 「ゆっくりしようね、れいむのりぐる」 「「「みんなでいっしょにゆっくりしようね」」」 カサ……カサカサ……カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ……。 3匹の声に呼応して、巣穴から一斉にゆっくりが出てきた。 れいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、みょん、ちぇん……。 皆一様に生気のない顔をして、足を生やしていた。 その数は10匹。 初めからいた奴を合わせて、全部で13匹のゆっくりが俺たちを取り囲んだ。 りぐるたち―その殆どはりぐるが寄生したゆっくりたち―の目はみな、かなこさまとちぇんに注がれている。 俺はかなこさまに目で合図する。頷くかなこさま。 ガタガタと震えるちぇんに向かって叫んだ。 「ちぇん! かなこさまから離れるな!!」 叱咤すると、一番近くにいたれいむを蹴り飛ばす。 衝撃に耐え切れず飛び出すりぐる。 そこにかなこさまがオンバシラを撃ち込んだ。 パン、という発砲音と共に赤い火線がほとばしり、硬い飴玉がりぐるを砕く。 黄土色のゲルのようなものをぶち撒けてりぐるは絶命した。 仲間の死にも動揺した様子はなく、りぐるたちは無表情のまま群がってくる。 ゆっくりらしからぬ俊敏な動きで。 「ゆっくりしようよ」カサカサ「たすけて……」 「ゆっくりしてよ」カサカサ「やめてぇ……」 「ゆっくりぐる」カサカサ「いやぁぁ……」 微かに残ったゆっくりたちの意識が助けを求める。だがどうしようもない。 「クソッ!」 完全に狂っていた。 俺とかなこさまはりぐるたちを宿主ごとひたすらに蹴り、踏み潰し、撃つ。 グチャッ。カササ。パパパン。ブチュ。 広場に、湿った打撃音と乾いた発砲音が木霊した。 最後の1匹を仕留め、俺たちは周囲を見渡した。 どうやらもう残ってはいないようだ。 緊張を解いたとき、背後の茂みから何かが飛び出した。 「!! まだいたか!」 反射的に回し蹴りの体勢をとる。が、次の瞬間、 「おにいさん……! かなこ……! たすけにきてくれたのね!!」 それは俺たちを見て嬉しそうに言った。 同僚の相棒のゆうかだ。 片足を上げた微妙な姿勢で固まる俺。アホなことをやっている場合ではない。 俺はゆうかを抱き上げた。懸命に跳ねてきたのだろう、全身傷だらけだ。 再会を喜ぶのもそこそこに、応急処置をしつつ、ゆうかに何があったのかを詳しく訊ねた。 ゆうかは、ドススパークによってヘリが撃墜されたこと、同僚たちも負傷はしているが無事であること、 そしてオンバシラの発砲音を聞いてここまでやって来たことを話してくれた。 ヘリはここからそう遠くないところに落ちたらしい。 全員の生存が分かり、ひとまず安心するものの、悪い報せもあった。……ドスまりさ、か。 俺はちぇんに訊く。 「ちぇん、お前たちの群れのドスはどこで冬篭りしているんだ?」 「もりのなかの、どうくつだよー……」 泣き腫らした瞳は真っ赤だったが、ちぇんは気丈に答えてくれた。 「りぐるたちとはいつから一緒に暮らしていたんだ?」 「ちぇんたちのむれにりぐるなんていなかったよー。ちぇんははじめてみたんだよー……」 ちぇんは力無く体を横に振った。 最悪の可能性も考えていた方が良さそうだ。 俺はゆうかを抱え、ちぇんを乗せたかなこさまを連れて、同僚たちのもとへ向かった。 ◇ ◇ ◇ ヘリは数本の木を薙ぎ倒し、ローターを大地に突き立てる格好で墜落していた。 急いで駆け寄り、同僚たちの無事を確認する。 ゆうかとちぇんを機内に乗せて、かなこさまには見張りを頼んだ。 同僚は足を骨折していたが、命に別状はない。 俺たちの姿を見て、驚きと安堵のため息をついた。 「まさかとは思ったけど、やっぱりあなただったのね。…恩に着るわ。 かなこちゃんも、ゆうかも、本当にありがとう……」 「安心するのはまだ早いぞ。動けそうか?」 「そうしたいのは山々なんだけど、彼を動かせないのよ……」 そう言って同僚が指し示す操縦士は、計器類のパネルに頭をめり込ませいた。 「……本当に生きてるのか?」 「ええ、脈があるもの」 同僚が操縦士の腕を取り、俺も確かめた。なるほど、生きてる。 引っこ抜こうとするもビクともしない。……工具がないと駄目だな、これは。 とりあえず管理署を通じて救難隊に俺たちの現在位置と状況を伝える。 ドスまりさという単語を聞いて驚いていたが、あと1時間ほどで到着するとのことだった。 通信を終え、俺は同僚にりぐるたちのことを話した。 「……そうなると、あたしたちを攻撃してきたドスまりさも、 りぐるに寄生されている可能性が高いのね」 「恐らくな。今の俺たちじゃ対処できんから、救難隊が」 「お兄さんっ!」 かなこさまが叫んだ。 ヘリから飛び降り急いで駆けつける。 ヘリから10メートルほど離れた木立の中に、“それ”がいた。 粘液に濡れ、ヌラヌラと照り輝くドスまりさが俺たちを見つめていた。 ヘリの中の同僚も息を呑む。 「ゆうかたちを連れて逃げて……!」 「出来るかっ!」 そんなつもりなど毛頭ないし、第一この距離では逃げ切ることなど不可能だ。 俺はヘリを背にしてドスまりさと向き合った。 「ドスまりさ……いや、りぐるか? 立派な鎧を手に入れたな」 「なにをいってるの? どすはどすだよ。あんなむしけらといっしょにしないでね」 その声は怒気を含んでいたが、ドスまりさの目には確かに知性が感じられた。 ひょっとすると、りぐるに寄生されていないのだろうか? 僅かな希望を見出し、言葉を発しようとしたとき、ヘリからちぇんが飛び出した。 「どすぅううううううう!! あいたかったよぉおおおおおおおおお!! むれのみんながぁあああ……!」 歓声を上げながらドスまりさに跳ねていくちぇん。その顔は喜びでいっぱいだった。 ちぇんの姿を見た瞬間、ドスまりさは豹変した。 「ゆっがぁあああああああああああああああああああああああああああああああっ!! もういやだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」 半狂乱になりながら、ドスまりさはちぇんを跳ね飛ばした。 「にゃあぁっ?!」 大木に叩きつけられゴプッと餡子を吐き出し、そのまま動かなくなるちぇん。 一体何が起こっているのか分からないという表情だった。 巨体をくねらせ、ドスまりさは奇声を上げる。 「ゆひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇひぇ! どすはじゆうだよ! むれのみんなのことなんかしらないよ! しるもんか! ゆひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! だからもうどすはつらくないよ! かなしくないよ! ゆっくりできるよ! あああ! でもいるんだよ! たくさんたくさんいるんだよ! まだまだまだまだ、あっちにもこっちにも! たくさんたくさんたくさんたくさん、いるんだよ! みんながどすをよんでるんだよぉおおおおお! まっててねみんな! どすがたすけてあげるからね! まもってあげるからね! だれにもてだしなんかさせないよ! このもりにはいってくるやつはみんなどすがころしてあげるからね! だからみんなもさっさとしんでね! ゆぎょひょひょひょひょひょひょひょひょ! ゆ~♪ ゆっくり~♪ しんでいってね~♪ ゆぎゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」 その言葉、その表情が、このドスまりさが正気ではないことを物語っていた。 ヘリを撃ち落したのも、ただ単に森に近づいたというのが理由だろう。 あの群れの惨状を見て発狂したのだろうか? どうして洞窟から出てきたのか、などと考えている余裕は無さそうだ。 ひとしきり叫んだあと、ドスまりさはゆっくりとこちらを向いた。 憤怒に満ちた目で俺たちを睨みつける。 その凄まじい形相に気圧されて、俺とかなこさまはジリジリと後退った。 背中がヘリにくっつく。 ドスまりさはその場から動かない。 そのとき俺はある臭いに気がついた。この臭いは……。 ドスまりさはゆっくりと口を開け、ドススパークを撃つ体勢に入った。 万事休す。 最早これまでかと覚悟したときだった。 ドスまりさは突如「ゆぐぇえええっ……!」と大量の餡子を吐き出した。 餡子にまみれて出てきたのは、りぐるの死骸だ。 体を支配するには至らなかったものの、体内を食い荒らしていたらしい。 冬篭りをしていたドスまりさが目覚め、狂うわけだ。 俺たちがこんな目に遭う原因となったりぐるに、最後の最後で助けられるとはな。 一瞬の隙に俺はしゃがんで、起死回生の一撃を握り締めた。 姿勢を立て直し、再度ドススパークの発射を試みるドスまりさ。 その口めがけて、俺は足下の雪を固めて作った雪玉を投げ入れた。 俺の意図を測りかね、ドスまりさは構わずドススパークを撃とうとした。 その刹那、ドスまりさの口から炎が噴出した。 ヘリの航空燃料がたっぷりと染み込んだ雪が、ドススパークによって引火したのだ。 「ひゅごぉおおおおおおっ……?!」 口内から溢れ出た炎はドスまりさの顔面をなめ、豊かな金髪と黒帽子に燃え移った。 俺はさらに雪玉を投げつける。あっという間に火達磨となるドスまりさ。 「今だ! かなこさま!」 「わかったよ!!」 焼け焦げて脆くなった表皮に、かなこさまのオンバシラが命中する。 ボロボロと分厚い皮が剥がれ落ち、膨張した目玉がバチュンと破裂する。体中から餡子が流れ出てきた。 オンバシラの連射により下半分の支えを失い、遂にドスまりさは倒れた。 「いひゃひゃひゃひゃ! ゆっくりぃいいいいいいいいいいいいい……!」 哄笑しながら崩壊していくドスまりさ。 その狂った笑い声は、ドスまりさが完全に燃え尽きるまで森の中に響き渡った。 ◇ ◇ ◇ 俺たちの頭上に、1機のヘリがホバリングしている。 UH-60J―ブラックホークを改修した救難ヘリコプターだ。 降下してくるヘリを見上げながら、俺は同僚に訊ねた。 「……どうしてりぐるたちはあんな変異を起こしたんだろうな」 「さあね、放射線でも浴びたんじゃない? ゴジラみたいに。 あるいは宇宙からやって来た生命体と融合したのかもね」 「……まあ、考えるのは学者の仕事か」 交換研修とやらで日本にやって来た各国のゆっくり研究者・専門家たちは仕事熱心だ。 彼らの嬉々とした顔を思い浮かべる。 救難ヘリからロープが降りてきた。 俺は腕の中で眠るちぇんを見る。 ドスまりさに吹っ飛ばされたちぇんは、俺が持ってきていたオレンジジュースで一命を取り留めた。 独りぼっちになってしまったちぇんをどうしたものか。 ゆっくりらんを飼っている知り合いに打診してみようか。 まあ、俺自身も家族が増えるのは問題ないか。 地上に降り立った救難隊が、同僚と操縦士を搬送するのを見ながら、俺はそんなことを考えた。 再び空を見上げると、いつの間にか雪が降り始めていた。 * * * * * * * * * 森の奥深く、未だ人が訪れたことのない場所に、ドスまりさが棲みかにしていた洞窟があった。 内部には、数万年の時をかけて成長した鍾乳石や石柱が連なっている。 その洞窟の奥でりぐるたちは生まれ、ドスまりさとその群れを襲った。 そしてそこからさらに奥深く、光すら届かない場所に“それ”はいた。 「うにゅん…」 青白く発光する“それ”は、楽しい夢でも見ているかのような笑顔で、静かに眠り続けていた。 (了) あとがき 最後までお付き合いいただきありがとうございます。 作者はジョン・カーペンターが大好きです。 やりたい放題やってしまいましたので、次があればまた違った話に挑戦したいと思います。 書いたもの 『ふたば系ゆっくりいじめ 392 お前たちに明日はない』 『ふたば系ゆっくりいじめ 411 明日に向って飛べ!』 『ふたば系ゆっくりいじめ 430 幸せ』 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る エイリアンかと思ったらりぐるでしたか(‐_‐) -- 2013-07-18 08 10 52 つまり同僚の言ってた通り、りぐるはうにゅーの放射能を浴びておかしくなったのか(´Д`) -- 2011-08-02 20 33 22 エイリアンかと思った!こえぇ…ゆっくりでホラー作品を読めるとは… 面白かったです -- 2010-10-11 17 31 05 面白ぇ。ゆっくりたちの特性を生かした良作に仕上がってる。 -- 2010-07-18 04 42 24
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ページ:1 2 3 4 お題 神経 開催期間 2005/04/04~2005/04/14 参加作品数 24 審査員 6人 本スレ 14の178-256 議論スレ 9の774-843 【チャンプ】 神経(園川):9点 【準チャンプ】 海岸へ走る猫:5点 痛覚神経(soft):5点 作品一覧 No. タイトル 作者 点数 181 ナヲ - - 184 はなつづれ - 1 185-186 シリピア - 2 187 無神経 - - 188-191 神経 園川 9 192 失語 - - 193 神経衰弱 - 1 194-195 催眠 - 3 196 はじまりのうた P 3 197-198 末梢サラリーマン - - 199 音 - - 201-203 世界がオワだなんて、そんな! Canopus - 204 儚く散ってゆく日々 - - 205-207 選択 ゼッケン 3 209,211-212 夢神経 ウノ 3 210,213-214 青のイマージュ MUJINA 3 215 カナシイソラ - - 216 かわいそうだからあんたを私は捨てれない - 2 221-222 海岸へ走る猫 リーフレイン 5 223-225 虚無 - - 226 痛覚神経 soft 5 227-228 交☆感日記 ヒゲルド 2 229-230 僕は一人。水平線で - - 231-232 幽霊が覚えてる 清掃局の者 3 【審査員】 園川 ◆nWfXpQxHHM 葉土 ◆Rain/1Ex.w Canopus ◆DYj1h.j3e. MUJINA ◆iXws.WGCLY ゼッケン ◆DgT0G2eW4I ななほし ◆lYiSp4aok. 【採点レス】 239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11 35 10 ID WoAUkFfY 3点 「海岸へ走る猫」 2点 青のイマージュ 1点 はじまりのうた 246 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w 投稿日:2005/04/13(水) 21 14 42 ID 1YfK0ynR 採点。 188-191 「神経」 3点 231-232 「幽霊が覚えてる」 2点 205-207 「選択」 1点 226 「はじまりのうた」 1点 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 3点 188-191 『神経』 2点 194-195 『催眠』 1点 184 『はなつづれ』 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【3点】 >226 痛覚神経 【2点】 >185-186 シリビア >227-228 交☆感日記 >221-222 海岸へ走る猫 >205-207 選択 【1点】 >188-191 神経 >193 神経衰弱 >194-195 催眠 >209,211-212 夢神経 >231-232 幽霊が覚えている 250 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I 投稿日:2005/04/14(木) 00 33 07 ID Xl5uprb3 188-191 :神経 に1点。 798 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/15(金) 11 48 20 ID vWpKpql+ 2点 209 :夢神経1/3 :2005/04/10(日) 00 39 03 ID jq2r9xlh 2点 216 :かわいそうだからあんたを私は捨てれない : 2点 226 :痛覚神経:2005/04/11(月) 17 53 14 ID 8CJw2XYM 1点 196 :はじまりのうた :2005/04/08(金) 06 46 42 ID yJgfq5MF 1点 210 :青のイマージュ 1/2:2005/04/10(日) 00 39 14 ID UIPYkJYL 1点 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 作品 ■▲▼ ナヲ その時 ソレは ぷつり と音をたてた きりきり きりきり ねじ上げられ ぎりぎり ぎりぎり テンションがかかり きゅるきゅる きゅるきゅる 中心から細っていったソレは いともたやすく いとも軽やかに その時 ソレは ぷつり と音をたてた 181 名前:ナヲ 投稿日:2005/04/04(月) 03 27 14 ID +yTWQKDK 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 181 ソレ 読者にどこを読ませたかったのか、作者に解説してもらいたいと思った。 無属性な文字列の印象とそれを成立させている叙述の過不足の無さには好感を持った。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 181 :ナヲ :2005/04/04(月) 03 27 14 ID +yTWQKDK そのときソレは、といったところで、お題に寄りかかってしまったかなぁ?? どうでしょうか?? 779 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 10 40 ID 1YfK0ynR 181 ソレ 題から考えて、ソレは「神経」だろなと思いました。 神経がぶち切れた瞬間。。 アキレス腱が切れたときみたいな描写でした。 とはいえ、この詩は対象を明記していないという推理の妙に 頼りすぎているんで、ちょっとあれだなあ。。。 787 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 04 00 ID KKxjl5L7 181 ソレ 一時間弱での投稿かあ、早いなあ。でもその瞬発力が言葉に出てないと思う。 一発勝負のアスリートタイプなら、獲物に食らいつくその野蛮な瞬間を見せて欲しい。 生肉を持って来い、レンジでチンしたできあいのトレイではなく。 【得点】 0点 ■▲▼ はなつづれ すみれのはなのつるがわたしのあしさきから たれはじめてそこからしずかにだいちにねをはり みずをすいあげはじめたのははるがずるずるとなつに ひっぱられていくようなべるべっとのなかで ようやくこしをあげたわたしのせぼねからはあさがおのつるが たれておりそれがわたしのせなかからくびへとはってさいごに あたまのてっぺんではなをつける ぼくのからだはようりょくたいでおおわれ みどりいろになりしだいにこうごうせいをし しぜんにとけこんでいく ぼくはだいちのなかへともぐりこんでいく ぼくのしんけいはときどきくわでえぐられ のうさくきでほりおこされむざんにきられてしまうが またふっかつする ぼくはとてもこっけいだ 184 名前:はなつづれ 投稿日:2005/04/05(火) 09 07 18 ID PxF9nfhI 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 184 はなつづれ 5行目の、読者を煙に巻く文脈の展開が気持ち悪くて良かった。 平仮名の必然性が唯一感じられた箇所。でも他は何を書きたかったのか分らなかった。 234 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01 30 49 ID kzQXx8hV 184 はなつづれ 第1連のつるのイメージは、けっこう幻想的でいいんじゃないか。「あけびのつる がからまり」とかどうたらこたか、という詩を昔読んだ気がするのを、いま突然 思い出した。3~4行目あたりは、作者の真骨頂、というところだろう。 第1連の「わたし」から、第2・3連の「ぼく」への一人称の変化は、人間が 植物に進化したことを示したいのだろう。こうした手法ではなく、文体や語調の 転換などで表現する描写力で勝負してもらいたかった、というのが正直な感想。 ひら仮名表記の必然性はあまり感じられなかった。 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 1点 184 『はなつづれ』 1連めのことば運びは魅力的で、植物が成長していく 早回しの画像のイメージを堪能しました。滑らかな文章ですが、それだけに 「すみれのつる」は目立つミスでしょう。最後の「こっけい」も、ぼくには腑 に落ちなかった。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 184 :はなつづれ :2005/04/05(火) 09 07 18 ID PxF9nfhI ぼくはとてもこっけいだ < シリアスなユーモワを感じた。 779 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 10 40 ID 1YfK0ynR 184 はなつづれ (微妙なんだけども、すみれは蔓ではないような。。) 前半は朝顔が這い上がっていく一本の樹(ようやく腰をあげたという記述から、 どうも春になるまで地を這っていて、それから上へと伸びていく何か。)ーわたしーが主体。 後半は語り手が変わって、朝顔そのものーぼくーが主体。作者はどっちかってと その寄生している朝顔に自分を重ね、神経系と根を重ねてあわせ、 その、なんというか徒労の多い労力(ぶちぶちと切られてしまうので)に自嘲を描いています。 読みながら、つい頭の中で漢字変換していました。たぶん平仮名でないほうが美しい。 平仮名であることで、なんとなく無色無個性な神経系がくもの巣を網を張るように伸びていく 不気味さみたいなものがかもし出されているんだけど、どうも、その効果は記述されている 内容の美しさによって逆に殺がれてしまっているような気がします。(特に前半) 前半主体と後半主体に分割した理由がいまひとつわかりにくい。両者は絡み合っているに もかかわらず、気持ちの上では自閉してしまっているので、前半と後半が乖離してしまっていて惜しいです。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 184 :はなつづれ アルジャーノンに花束を の主人公の最後の手紙を思い出しました。 植物になる作者さんの最後の独白という雰囲気を演出するために全文ひらがなということでしょうか。 で、この作者さんが手に入れたのは安らぎではなくて、「こっけい」なほどに残酷な生命力。 それは「えぐられ」ても「きられて」も「またふっかつする」神経によって安らぎはもはやないわけですね。 「ぼくのしんけいはときどきくわでえぐられ 」とくるんですけど、これが唐突なんですよね。 一連目の「わたしのせぼね」からたれている「あさがおのつる」は脊髄から延長された神経のイメージだと思うんですが、 それなら「はなをつける」感覚(たぶん耽美な)を作者さんは味わったはず。そういうのも書いてあれば、 二連目の後半でのしんけいという言葉の登場も違和感がなかったんじゃないかと。 あと、一人称は私の場合も作中で変えるんですけど、あとにつづく文章や雰囲気で。 全体としての統一から見るとやっぱまずいような気もするし、でも、その瞬間においては 換えないとしっくり来ないしで、難しいですよね。難しくないですか? 【得点】 1点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点 ■▲▼ シリピア これまでの人生で、たぶん12回ぐらい、<本当にヒドイこと>を、僕は女性に、 したんじゃないかな、と、思うんだけど、これはその中でもいちばんヒドイことだっ たんじゃないかな、と思う。 中学生のときに、太った女の子が、前の席に座っていたのさ。 よく笑う子で、ちびでおかっぱで、頭が良くて目がきれいで、明るくて人に優しくて、 あんまり美人じゃなかったけど僕はその子が好きだったんだな。僕らは仲良しで、いろん な話をしたのさ。 ある日、僕は画びょうを持っていて、なんとなく、面白いかなって思って、彼女の椅子 に置いてみたんだ。 そしたら彼女は、まるで気がつかずに座ってしまって、僕はびっくりして大笑いしたのさ。 彼女が振り返って不思議そうな顔をしたので、僕もちょっと不思議だったし、「立ってみ てよ」と言ったんだよ。そしたら僕の画びょうは、ちゃんと車襞スカートの上から彼女のお 尻の左側に刺さっていて、僕がちょっとつっついたら、コロンと床に落ちたのさ。 彼女はそれを見て「あれ?」って顔をして、その顔がゆっくり変わっていって、最後はちょっ とさびしそうな笑顔になったんだよ。 そのとき僕は、太った女の子のお尻は大体全部脂肪でできていて、そこには痛覚 を感じる神経の分布が少ないのかな、って思ったんだけど、本当はそうじゃないん だろうな。 本当は痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうなって、 今は思う。 185-186 名前:シリピア 投稿日:2005/04/06(水) 00 26 33 ID Ic1I2T0o 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 185 シリピア なんでもない散文に、 「痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうな」 という、ありきたりな認識の転回。 生活語の中に一点「車襞スカート」や「痛覚を感じる神経の分布」 という、いかにもな語彙の転調。多分それだけの作品。 234 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 01 30 49 ID kzQXx8hV 185-186 シリビア 読んだあと、この詩のことがしばらく頭から離れなかった。好きな女の子をいじめる、 ってのはよくあることじゃないか。でも、ちょっと度が過ぎたみたいだね。 第3連の「その笑顔がゆっくりと変わっていって、最後はさびしそうな笑顔になった」 というくだりが、最も印象的。簡潔だが的確に表現している。 こんな内容は詩よりも散文、エッセーにして書いたほうがよい、というのは読後に 予想された批判だ。でも、否と思う。随筆にすると、どうしても説明的な文章でさらに 水増しされてしまって、印象が薄くなる。やはり、ギュッと濃縮したポエムジュース として飲むほうが味わいが深くなるのではないか。それと、もうひとつ。簡単体、とで も言うのだろうか。余分な装飾を排した明瞭な文体は(ここらあたりも、詩らしくない、 と論難が加えられそうなところ)、私好み。 最後の2行は、グッと抑えて、書かないほうがよかったんじゃないの。書くにせよ、 画鋲に焦点を持っていくとか、安易に「心」を出さないでも、ほかに持っていきよう があったはずだ。 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【2点】 >185-186 シリビア……これも立派に詩、と呼んでよろしい。 何しろ山之口獏さんのような詩もあるんですから。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 185 :シリピア (1):2005/04/06(水) 00 26 33 ID Ic1I2T0o お話の世界に引き込まれて読んでしまった。有りそうな話だ。でも、 ありそうな話から飛び出してほしい。……読者のかってな期待が高まる。 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 185 シリピア ”あれって言う顔がゆっくり変わって最後はちょっとさびしそうな笑顔になった” っていうのがいいなあ。この女の子が実に良い子だというのが良くわかるし、 その変化を見逃さなかった本人も良い子だねえ。 とはいえ、美しく育ったかもしんない恋は死んでしまったやもしれない。。(ご冥福を祈ります) 詩としてはここで終わってしまったほが良かった。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 185-186 :シリピア あの、これ傷害罪だと思います。んで、「痛みってのは、神経とかじゃなくて心で感じるものなんだろうな」 なんてノンキな感想を述べてるし。反省してないなー、作者さん(実際は知らんけど)。 おおらかな時代の思い出話として読ませてもらいました。 【得点】 2点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:2点 ■▲▼ 無神経 ブローカ中枢に棲むキングコブラは 0,1ミリの氷の中で串刺しになりながら シンケイサイボウの歌いやまない シワシワの脊髄を凝視していた 脳から分泌された心地よいシナプスに 生々しいメロディーを合わせてみれば ニューロンみたいな私の舌先から 情報インパルスがニョロリと拡散し 喉が焦げ、胸が焼け、手脚もポキリと取れてしまい、 煙草の煙みたいなダルマよりもみみっちく まるで右脳だけになった私のカラダは ついには変態の キングコブラに食われてしまいました が、少なくとも キングコブラの悲しげな咆哮は リクツダラケの空の下で、今も断続的に響いてます ああ…、なんて無神経なウナリ声なんだろう 187 名前:無神経 投稿日:2005/04/06(水) 03 52 19 ID oA1Y9k+e 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 187 無神経 特定の専門語彙のなかでの詩的戯れ。最初は興が乗らなかったが、 3連目辺りから「出まかせ語法」とでも言いたいようないい加減さに笑わせられた。 勢いを損なわない程度にもう少し描写を丁寧にするといいかもしれない。 今のままだと名詞に振り回されすぎて読者の頭にスッと入ってこないと思う。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 187 :無神経:2005/04/06(水) 03 52 19 ID oA1Y9k+e ブローカー、キングコブラ、喉が焦げ、変態、リクツダラケ、無真剣な オヤジタイプの人のコトかなぁ??? 理屈っぽいは若年のヒトかなぁ?? 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 187 無神経 ”シナプス”の使い方が変だもんで読み手が(???)と思っているうちに詩が終わってしまった。 ”ニューロン”のイメージもしっくり合わない(涙。 788 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 07 ID KKxjl5L7 187 :無神経 タイトルで損してるような気がします。「ブローカ中枢に棲むキングコブラ」はかっこいいんですけどね。 音楽を司る右脳を食べちゃったら、そりゃ「無神経なウナリ声」しか発せなくなるとは思うんですけど、 解剖学的な正解に結末を簡単に落としすぎのような気がします。そこに行き着くにしても、 なんかもう少し、こう、解剖実習からもうちょっと離れた展開が欲しかったような気がするんです。 【得点】 0点 ■▲▼ 神経 1 試作 a 巨大な高架を支える橋脚の柱石に 落ちている赤いライターを 右折車線の窓外に見る (あっちの崖でさ) (うん) (あの山の、海に突き出してる・・・) 下校する高校生 ベビーカーを推す女を 田舎の道で フロントガラスの向こうに見る (一番大きい?) (そこらしいよ) (じゃあ、あれ嘘だったんだ) ガード下のうらびれた公園の脇に落ちる階段 その真裏の支柱を背に車を停め 買ってきたハンバーガーを食べる (多分) (あたし海いきたいなー、家やだ) (あの崖のカーブ、海に突き出した・・・急な) 夕暮れの空に カーステレオが鳴る ホルダーのシェイクに手をつける 空席のナビシートには目を遣らない (いこうよ) (海?) (うん) 夜 山麓を川沿いに抜ける国道を走る あの時と同じ景色 もう一度 海へ (行こうか) b 川? うん 川沿いなんだな (黎明の野に鬱勃する森の影 遠景の稜線に朝陽が留まる 静止した分暁の空) 暗いねぇ 夜の山だから んー (女は森へ その歩行に呼応し湧出する大理石が 彼女の蹠を受け止める 歩揺する長い黒髪は その一揺れに束と落ちる) やばい眠い、危ない 川がきれいだ (女を追う 大理石の経路には 瘢痕に蝕まれた肢体の残片が 縷々と連なり重なっている) 見えるの? ううん ん? (ウッドソールと大理石の衝突に 明滅する言葉らが、 足元に散る肉塊を整複していく) 見えないけど どっち きれい (歩一歩と 致命的な歩み) c 透明な色石の渥美の肌に とりどりの華辞が彫金される (ここはシルバーでなく イエローゴールドで) 削りだされていく浮文の肌に 恍惚と浅笑する女 (ジルコニアを埋めて 半貴石がいい 濁った石が好きなの) 肉体を失った言葉の幽霊が 逸遊する この際涯 (虚辞の海風がまた私の肌を磨く この石も あの風も 一体誰の言葉なのだろう) 圏点を打たれた黒髪が号してる シフォンの海 鉄の海畔 布と金属の海景 (でも、どうしよう) 2 君へ 脳神経を一本に抽象化できたとして、 その縦断面を観察する。そんな詩を書きたかった。 この抽象的脳神経は精神総体の隠喩であり、 読み手は、言語化された知覚、記憶、夢などの精神現象を、 この作に於いては意識から無意識のベクトルへ下降していく。 妄執。 試行は続く。 いつか、あの女との海へのドライブを、 記憶の捏造によって再開する為に。 そして君と、 意識の上に偽造した世界で再会する為に。 そう思っている。 188-191 名前:神経 投稿日:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 【コメント】 233 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/12(火) 00 44 16 ID gwDpg/77 188-191 神経 今回の投稿作品の中で一番の問題作から。最初は、どうということはない男女の会話に じわじわと詩語が忍び寄る。そのスリルとサスペンスを描いた異色作。と言ったら、映画の 宣伝文句みたい。「1.試作」の男女のドライブは、「2.君へ」の自己解説で「記憶の捏造」 とあるから、実景ではなく、一本の神経経路を走査するバーチャルなツールと考えてよいのだろう。 「ミクロの決死圏」を連想した。作中、何回も登場する「崖」も「意識から無意識」へと転落 する位相とでもいうところか。 ともかく、結露から言うと、「構成が凝り過ぎ」というのが率直な感想。この部分は、 ミステリーで言えば伏線にあたるところで、最後の詩的な種明かしにつながる、という トリッキーな構想が、推理小説好きにはたまらないのかもしれない。でも、小説嫌いが高じて 詩版にきた私としては、それが冗漫に感じられてならなかった。 そんな策を弄するより、もっと直球で勝負してくれ、と頼みたいところだ。 「透明な色石の渥美(?)の肌に/とりどりの華辞が彫金される」「削り出されていく 浮文(最初、間違えて「淫文」と読んでしまった。でも「淫文」のほうがいいかも)の 肌に/恍惚と浅笑する女」「虚辞の海風」など、剛速球をバンバン投げ込んでいるの だから、増すます「全部直球で」とサインを出したくなる。 それと、やっぱりもっと読者を信用しなくっちゃ。「2.君へ」の自己解説はないよ。 詩っつうのは、何も作者さんの意図が「正しい解釈」じゃないよ。読者に「誤読」する 自由を与えてくれ。もちろん、詩には「正しい解釈」などどこにも存在しない、という 前提の上で言っていることなんだけれど。 246 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w 投稿日:2005/04/13(水) 21 14 42 ID 1YfK0ynR 採点。 188-191 「神経」 3点 不満もあるんだけれども、やっぱり技巧的な挑戦、幻想的な美、 会話文のもたらす効果(耳元に聞こえてくる)という点でリードしてると思う。 247 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. 投稿日:2005/04/13(水) 23 04 16 ID z2OMdFxz 3点 188-191 『神経』 対話と情景描写がネガ、ポジと、反転を繰り返し、舞 台を変えながら展開される、一風かわったアバンチュール。実はぼくは、 『2.君へ』は必要だと思っている。ただ、『2.』の冒頭の2連が、ごっそり要 らないんじゃないかな、と思う。いや、これは凄い詩です。タイトルは、もう ちょっとステキにしたかった。 248 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY 投稿日:2005/04/13(水) 23 25 03 ID 9jZiJlaE 【1点】 >188-191 神経……妖刀で言葉を切り出す二字熟語の魔術師。 250 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I 投稿日:2005/04/14(木) 00 33 07 ID Xl5uprb3 188-191 :神経 に1点。 実験した部分は自分への不器用な言い訳、こういう詩を書きたかったといいつつ、 技巧的な試みも女への未練に収束する。 理屈っぽい男の女々しさがさらに喪失の痛切さを物語る。 という私の共感を除いても、情景の構成は群を抜いてると思う。 257 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/16(土) 00 33 15 ID EUvUl/Wj 神経を書きました。次回のお題は 「ドラマ」 でお願いします。期日は4/23午前0時まで。 審査期間は4/25午前0時までです。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh 出だし、「試作」が、引き込む好い一言。ちょと長すぎる……気もしないかなぁ? 結節で「再開」と、言うのちょっと、がっかりした感じ…… 781 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 13 45 ID 1YfK0ynR 188-192 神経 美しい。。。これは美しいです。入れ子細工のようになった2段構えの詩を、前段の入れ子を次段の地の文に 連携させることで、一本の流れを作り出している。 詩作 a で、現実描写の中に、( )に入った過去の追想が展開。 読者の現実を主人公の現実に重ね合わせた上で、共感世界へ誘う。 この現実部分の詩もなかなか見逃せない。”橋桁の柱石に落ちている赤いライター” 詩作b においては、追想の女性と幻想世界への旅が始まる。 今度は( )の中には象徴的詩文が入り、幻想性を一段高める。地の文には追想された幻想の女性。(詩作aの地の文) 単独の幻想詩としても価値がある( )内の詩文は、個人的に尊敬している吉岡実氏の 「サフラン」にも似て、研ぎ澄まされて美しい。( )内の幻想詩を取り出してみると、 森についた幻想の女は髪を束に落とすのを皮切りに、一歩づつ歩みを進めつつ、 その肢体をぐずぐずと落としてゆく。 ”瘢痕に蝕まれ””累々”と重なっていくその穢れた破片は 今度は言葉によって、美麗に石に刻みつけられていく。絢爛たる美が構築される。 (”渥美”は変換ミスですかいな?)幻想の女の満足げな笑いが耳にこびりついて離れない。 美麗かつ難解な単語を駆使した、毒のある豪華絢爛な美は作者の真骨頂だと思う。 (虚辞の海風・・・ からは、実は段が変わる。たぶんここからは 詩作c とでもして展開してもいいような気もした。( )の中は主人公の自省となる。地の文は 前段の幻想詩が記述されている。 幻想の美を展開したあとでその虚しさに言葉を失い、ここから何処へ行けばいいのかと途方にくれる 本人の姿が浮き彫りになっている。 個人的には、この部分はちと不満。詩作bの幻想詩が暴力的なぐらい美しいんだから、それに 拮抗する転落を用意して欲しい。“一体誰の言葉なのだろう”なんて疑問形で逃してしまわないでください。 MUJINAさんも書いていたけど。詩作2は邪魔。ただし、詩作1だけでは題からそれているとのそしりを 免れないのも確かであるので、 ”脳神経を一本に抽象化できたとして、その縦断面を観察する”(題にするならもっとブラッシュアップ) という題をつけときゃあ良かったんでない? 782 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 19 12 ID 1YfK0ynR あ。。ミスってる 詩作bの地の文は、詩作aの( )内追想部分。に訂正。(書き間違い。。ごめなさあい) 787 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 04 00 ID KKxjl5L7 本スレ233、MUJINAさんの「誤読する自由」にびびんと勇気付けられたところです。 書いた詩を読ませたり、書かれた詩を読むその両方で。 具象情報であるデオキシリボ核酸も誤読する自由を残したからこそ、 つなげかたしだいで恐竜が鳥になるという手品を見せてくれたし、 抽象情報である言葉もつなげかたしだいでは日記が詩になるという手品を見せてくれるかもしれませんね。 生命を土台に知性というものが誕生するならば、それはまず、 生命の永遠なる不完全性に耐える気力を備えていなければならない というわけで、 みなさんも不完全な読み手に耐えてくださいよ、不完全感想文誤読込み発射。 789 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 43 ID KKxjl5L7 188-191 :神経 う、泣けた。最後で。思い出ってつらいです。 うしろの種明かしに見せかけた部分は、失ったものを断ち切れない女々しさが理屈で言い訳しつつも抑えきれずに爆発してて、痛切。 未練を理屈っぽさでしか紛らわせ得ない男の不器用さがたまらん。純粋で切ない思いをさらに浮かび上がらせている。いま、 なんでもないようなことが幸せだったと思う~ なんでもない夜の事 2度とは戻れない夜~と熱唱したい気分。 会話音声をかぶせつつ淡々とした情景描写、そこで、 「ガード下のうらびれた公園の脇に落ちる階段 その真裏の支柱を背に車を停め 買ってきたハンバーガーを食べる」 という味気ない風景からちょっと画面を引いたら、 「空席のナビシートには目を遣らない」 で、もうすっかりしびれちゃって。 こむずかしい単語を使う理屈っぽい男というのも計算された演出なんじゃろうか。 すべてが創作だったら、すごすぎるよー。 なので、タイトルにも神経つかってください。 798 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/15(金) 11 48 20 ID vWpKpql+ 1点 188 :神経 1/4:2005/04/06(水) 13 35 08 ID OJU4Erzh なんか、架空の橋(嬌)脚の間に釣れ照ってくれる? オチはちょっと不満かなぁ 807 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM [sage] 投稿日:2005/04/16(土) 19 09 07 ID 0GlB9prJ 書き手として今回の感想を。 Canopusさんの言うようにすればMUJINAさんや葉土さん、 ななほしさんの批判をかわしつつゼッケンさんの読みを引き出せたでしょうね。 結局後半の冒頭2連のインパクトが強すぎたと言うことだと思います。 確かに、出発としては葉土さんの言うように、こじつける為だったんですけども。 語り手は「試作」を解説しましたが、「神経」は園川が解説するまでもなく、 構造としてはゼッケンさんの読まれた通りで、つまり男の姿を前景化させたかったんですね。 僕が壊してしまった意図をゼッケンさんが共感の力で復元してくれたようで、 不思議な気持ちとありがたさを感じました。 他の審査員の方もよく読んでもらったようで、ありがとうございます ちなみに、以前投稿した「隠喩の実在」という作品も同じような構造で書かれています。 今回やっと一通りのものが、推敲不足でかなりいい加減な部分もありますが、 (特に「ジルコニア」という石について完全に勘違いしてました)書けて、良かったです。 【得点】 9点(チャンプ作品) 葉土 ◆Rain/1Ex.w:3点 Canopus ◆DYj1h.j3e.:3点 MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点 ゼッケン ◆DgT0G2eW4I:1点 ななほし ◆lYiSp4aok.:1点 ■▲▼ 失語 いつも脳みその中身が ミルクよりも白濁している 常に眠くて誰にも会いたくない 脳神経が未発達で シナプスのつながりが悪いからきっと 人とウマく話すことができないんだ 情報が頭の中で錯綜して迷子になる この人と合う話題が思いつけない 結果沈黙でへらへら笑うだけ 昨日のことが思い出せない どうせいいことはないからいいんだけど お気に入りのテディベアがないのは きっと昨日何かしたからだった気がする 覚えてないけど 192 名前:失語 投稿日:2005/04/06(水) 16 28 44 ID v9pKB220 【コメント】 217 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/10(日) 19 30 27 ID aTfoXG3v 192 失語 「脳神経」や「シナプス」という語の使用に無理を感じた。 作品内部に必然性がない。「情報」や「錯綜」も、この作品の平易な語調には不似合いだと思った。 でも、最後の3行は、他者ばかりか自己からも自閉していく主人公の輪郭をきちっと捉えてとてもいいと思う。 きゅんときた。 239 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM 投稿日:2005/04/12(火) 11 35 10 ID WoAUkFfY その他にいいと思った作品として、 192 失語 199 音 205-207 選択 226 痛覚神経 を挙げておきます。 775 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2005/04/12(火) 00 42 17 ID TETQl2H4 192 :失語 :2005/04/06(水) 16 28 44 ID v9pKB220 失語の原因はあきらめか?? デディベァが呼びかけてるのか? 780 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2005/04/13(水) 10 11 59 ID 1YfK0ynR 192 失語 失語症ってなあ、大脳皮質の一部が損傷していて、言語と言語の示すイメージがくっつかないらしいです。 その損傷の程度がいろいろあって、①自発的な言葉が出てこない(本を音読したりはできる。)②自発的な 思考そのものにもイメージと言葉が合致しない。(誤って認識がなされる)③言葉そのもんがない。 おおまかにこの3段階に分かれていて、①の場合はまあ、リンクを新たに張りなおしていくことで、かなり回復可能。 ②の場合でも現象と認識をひとつづつ確認していくことで、回復していくらしいですね。 記述されている症状は、不安神経症に近いみたいで、これは大脳皮質の損傷ではなくて、神経内分泌物質の異常。 不安感が大きいため、正常な伝達が阻害されてしまう状態。薬物によってかなり好転します。 脳が萎縮していく場合もあって、(小脳萎縮症みたいなやつ)これが併発すると記憶障害とかも起こります。 なんてことを考えていました。読みながら。 789 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I [sage] 投稿日:2005/04/14(木) 05 05 43 ID KKxjl5L7 192 :失語 書いてる時間が多いと、話し言葉がうまく出ないってことないですか? 私ごとですが。 話せないので書く、覚えられないので創る。と、でも、まあ、孤独ではあります。 向こう岸で時間を共有しつつ楽しそうに話している人たちがうらやましいです。 833 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:2005/04/18(月) 13 53 13 ID ItsOmvDU 一言お礼だけさせてください 前回失語を書きました。評をくれた皆様ありがとうございます。 【得点】 0点 ページ:1 2 3 4 ページ先頭へ トップページ
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M101:崩れゆく街 ≪ 前 | M102:強行突入作戦 | 次 ≫ M103:旋風 ミッション概要 複数のマザーシップからテレポーションアンカーが射出されました。 アンカーは世界各地に落下。いたるところで混乱が広がっています。 我々のエリアでは、山岳地帯に集中的に落下。 怪物だけでなく、シールドベアラーまでが転送されてきました。 山岳部は敵の要塞となりつつあります。 ただちに攻撃部隊を編成。アンカーの破壊作戦を実施します。 マップ 海岸 快晴 マルチプレイ制限 EASY NORMAL HARD HARDEST INFERNO 武器レベル 25 48 75 99 アーマー限界 R/A:1384W:890F:1730 R/A:2858W:1811F:3573 R/A:5115W:3222F:6394 R/A:12301W:7713F:15377 出現する味方 出現数 備考 第一波 R:アサルトライフル┗R:アサルトライフル 6 R:ショットガン┗R:ショットガン 6 F:ブラストホール・スピア┗F:ブラストホール・スピア 6 グリムリーパー隊 第二波(味方4人以下) W:マグ・ブラスター┗W:マグ・ブラスター 5 W:パワーランス┗W:パワーランス 5x2 出現する敵 出現数 備考 第一波 シールドベアラー 4 固定タイプ グレイ(アサルト) 1 右手前の黒アリアンカー付近待機モード グレイ(レーザー) 1 右奥の黒アリアンカー付近待機モード 重装グレイ(ガトリング) 1 海岸の蜂アンカー付近待機モード 重装グレイ(ロケラン) 1 最奥 河川の蜘蛛アンカー付近待機モード アンカー 1 海岸 ┗蜂 15 アンカー 1 右手前 ┗黒アリ 10 アンカー 1 右奥 ┗黒アリ 15 アンカー 1 左 山頂 ┗赤アリ 12 アンカー 1 最奥 河川 ┗蜘蛛 17 第二波(アンカー3基破壊) 緑アリ 70 山岳地帯奥の海岸 緑小アリ 30 赤蜂(HARDEST以上) 5(6) 蜂アンカーが残っている場合に出現 金アリ(HARDEST以上) 5(6) 黒アリアンカーが残っている場合に出現 紫アリ(HARDEST以上) 5(6) 赤アリアンカーが残っている場合に出現 銀蜘蛛(HARDEST以上) 5(6) 蜘蛛アンカーが残っている場合に出現 第三波(敵残数が15体以下) 緑アリ 70 開始地点近くの海岸 緑小アリ 30 赤蜂(HARDEST以上) 5(6) 蜂アンカーが残っている場合に出現 金アリ(HARDEST以上) 5(6) 黒アリアンカーが残っている場合に出現 紫アリ(HARDEST以上) 5(6) 赤アリアンカーが残っている場合に出現 銀蜘蛛(HARDEST以上) 5(6) 蜘蛛アンカーが残っている場合に出現 コスモノーツの補正0.8倍 ()内はINFの値 ミッション全体コメント シールドベアラー、コスモノーツ(グレイ)に守られたテレポーションアンカーを破壊する。 シールドベアラーは全て固定タイプなので、近づいたり攻撃しても移動せず、バリアの範囲も変化しない。 途中、緑アリの増援が2度発生する。(1度目は山岳地帯奥の海岸、2度目は開始地点近くの海岸) このとき残ったアンカーからも増援が発生するが、HARDEST以上では金アリや銀蜘蛛などの変異種が湧く。 増援の出現条件は、1度目はアンカー3基破壊時で、2度目は敵残数が15体以下に減った時。 2度目の増援の前に、余裕があるなら残ったアンカーを全て破壊しておくと緑蟻以外は出現しないので、厄介な変異種の数を減らせる。 放っておくと、アサルトライフル隊は海岸、それ以外は山岳部手前の道路上に突撃していく。 グリムリーパー隊は高速で突進していくので徒歩では追いつけず、ローリングでギリギリ間に合うかどうか。しかも精鋭補正が無いため、合流しても放置してもすぐ溶ける。あまりアテにせずレンジャー隊を守る方が吉。 味方が4人以下(レーダー反応が4つ以下)になるとウイングダイバー15人が増援として現れる。開始位置から見てやや右後方、一段上のエリアから出現、そのまま上空へ飛んでから山岳へ進むため最初から合流するのは難しい。 どの部隊も放っておくと敵の波状攻撃で全滅してしまう。合流するのか、囮にするのかはハッキリ決めたほうが良い。 なお、開始時に蜂が防御スクリーンから飛び出す瞬間を攻撃すると、アンカー付近に居る重装コスモが反応する事がある。 反応する確率自体は半々ぐらいで基本的にはコスモの気分次第だが、上手く利用出来れば早い段階から防御スクリーンの外におびき出せる。 低体力等で事故要素を少しでも減らしたい時は試してみるのも良いだろう。 レンジャー INFERNO その1 【武器】スローターEZ MEX5エメロード 【補助装備】EXレーダー支援システム 【アーマー】4000は欲しい NPCレンジャー2部隊を加えて浜辺の蜂アンカーに進軍。グリムリーパーは無視で構わない。 蜂アンカーに向かいつつ蜂をメインにエメロードを撃つ。蜂の殲滅が済んだらグリムリーパー隊と交戦中の敵にでも撃ち込んでおこう。 蜂アンカー ベアラー破壊後、山岳向かって左奥にある赤蟻アンカーの破壊へ向かう。道中黒蟻アンカーが見えるが後回し。 レーダーに注意を払い、敵が湧いたら接近される前に出来るだけエメロードにて殲滅する。 赤蟻アンカーとその側にあるベアラーを破壊後、一端山岳を降りる。浜辺とベアラーのバリアの境目辺りから後回しにした黒蟻アンカーを撃って破壊。 3本目のアンカーが破壊されたことにより増援(緑蟻/酸緑蟻/銀蜘蛛/紫蟻/金蟻)。 ただちに浜辺へと移動し引き撃ちにて迎撃。NPCにタゲが行くのでエメロードで狙いやすい。銀蜘蛛と金蟻はスローターで優先して倒そう。 増援殲滅後に再度増援(内容は同じ)。先程と同様に浜辺にて引き撃ち対処。 殲滅後は再び山岳に進軍。残りのアンカーを破壊する。レーザーコスモノーツがいるので注意。 上手くやればウイングダイバーの出番も無くクリア可能。 その2 【武器】スローターEZ、スーパーアシッドガン、TZストークなど & リバースシューターX 【補助装備】探知機5型 【アーマー】腕次第 2000~ 開幕すぐにNPCのレンジャー部隊×2を回収したら、周囲の敵を減らしつつ重装グレイを撃破。グリムリーパーはどうせ溶けるので回収しなくてよい。 浜辺の蜂アンカーとシールドベアラーを破壊したら、残りの蜂を全滅させつつシールド内に突入し、手前の黒蟻アンカー付近にいるグレイを釣りだして撃破(黒蟻アンカーは破壊しないこと。 次は赤蟻アンカー(浜辺から見て最も左に位置するアンカー)に向かって山を登っていく。 この時、赤蟻を優先して撃破すること。自分が噛まれると放り出されて面倒だし、NPCが噛まれると、自分に敵の攻撃が集中しやすくなるだけでなく、リバシュを使った時に遙か彼方に飛んでいってしまう。 赤蟻アンカーが見えたらすぐに撃破し、そのすぐ奥に見えるベアラーも破壊。 この時点で、シールドをはさんで向こう側に残り2つのベアラーが見えるはずなので、周囲の敵が少なくなったタイミングを見計らってこれらを手前から順に破壊していく。 途中でレーザーグレイが攻撃してくるので、地形とNPCをうまく使いつつ処理。 赤蟻アンカー破壊からベアラー3基破壊するまでの間に、たいていはレンジャー部隊が残り4人以下になり、ウイングダイバー隊×3が援護に来る。 レンジャー部隊はここで見捨ててもいいので、ウイングダイバー隊を1人でも多く回収することを目指す。 (ベアラーを全破壊してもまだダイバー隊が来ていない場合、リバシュの使い過ぎかもしれない。リバシュは変異種との戦闘に備えてなるべく温存しておきたい。) まず山頂のダイバー隊×2を回収したら、残ったベアラーを破壊しつつ、急いで右奥の黒蟻アンカーのところにいるダイバー隊のところに向かう(この間、アンカーは破壊しないこと)。 ダイバー隊を回収できたら引き撃ちしつつ浜辺に移動。全てのNPCが砂浜に降りたのを確認してから、一番手前の黒蟻アンカーを破壊する。 アンカー破壊とともに現れる変異種の増援×2回を浜辺での引き撃ちで突破(2回目の緑蟻は海から来るので注意)し、あとは残党狩りしてミッションクリア。 補足 対変異種戦では金蟻を最優先して倒すこと。リバシュとダイバー隊が十分残っているならばそれほど問題はないはず。 スローターEZよりも、スーパーアシッドガンやTZストークのほうが小回りが利き、特に対緑蟻戦で有利か。スーパーアシッドガンは射程と弾速が最低でも☆8は欲しいところ。 その3 【武器】スローターEZ、MEX5エメロード 【補助装備】探知機5型 【アーマー】3000~ レンジャー隊と合流し、中央黒蟻と右奥黒蟻及びコスモノーツを撃破。 近場の敵を蹴散らしながら山にある3つのアンカーを破壊し、蜘蛛アンカーそばのロケラン重装を撃破。NPCが追いついたら蜘蛛アンカーを破壊する。 ※蜘蛛アンカー破壊前にダイバーが出現した場合、優先して回収する。 例の窪みのあたりで増援を迎え撃つ。回復は赤蜂が落とすのを出来るだけ拾いたいところ。 増援を片づけたら後は消化試合。 その4 【武器1】スローターEZ 【武器2】 MLRA-TF 【補助装備】EXレーダー支援システム 【AP】3000〜4000(運が良ければ2000でも可?) 物量には物量で対抗する作戦 時間はかかるが(個人的に)エメロード型より安定しており、ダイバー隊を出現させずにクリア可能。 レンジャー部隊と合流し、ミサイルを放ちつつ蜂アンカーへ向かう。 この時再度出現した蜂がグリムリーパーの方に向かうよう少し遠回りで移動する。(運が良ければ重装グレイもグリムリーパーへ向かいアンカーがガラ空きになる) 3度目の蜂が出現する前にアンカーとベアラーを破壊し、少しの間海岸で回復稼ぎ。 ある程度稼いだら隙を見て右手前の蟻アンカーへ向かい破壊、その後レーザーグレイと残りのベアラー3機を強引に破壊しに行く。(きちんと体力を回復してあげていれば仲間は耐えてくれるのでさほど気にしなくても良い、不安なら回復アイテムを現地調達してあげよう) ロケラン重装が流れ弾で反応した場合は(と言うよりほぼ確実に反応する)倒しつつ海岸へUターン、海岸につき次第赤蟻アンカーを破壊する。(スローターの射程距離が育っていれば砂浜からでもギリギリ届く) 緑蟻が出現したらミサイル引き撃ち、2〜3回ほど撃ち込めば8〜9割は倒せるので注意すべきなのは金蟻、銀蜘蛛はミサイルが当たると体制を崩すのでそこをスローターで撃ち遠くへぶっ飛ばしてあげよう。それでも味方の被弾は避けられないので稼いだ回復アイテムで回復してあげる。 2回目の緑蟻+変異種も同様 後は残りの蟻と蜘蛛アンカーを破壊して終了。 なお筆者のAPは4000中1930付近まで減ったので、運が良ければ2000でも突破出来るかも。 その5(inf縛り対応) 【武器】スローターEZ リバースシューターX 【補助装備】EF31ファイアーネレイド 【アーマー】1500〜1700程度 ネレイドで緑蟻を焼く作戦。 まず最初はレンジャー2部隊と合流し(グリム隊とは合流しない)、重装コスモと蜂アンカー、シールドベアラーを倒す。 次に右側手前の蟻アンカーとコスモを倒す。 そのまま山を登り、蟻アンカー近くのレーザーコスモを倒し、左奥と左側にあるベアラー2機を破壊する。 うまくいけばそのあたりでレンジャー隊が4人以下になり、ダイバー隊の増援がくる。レンジャーが5人以上残ってる場合、スローターでみねうちして増援を出す。 ダイバー隊が出たら左から順に回収していき、蟻アンカー付近の部隊を最後に回収する。 蟻アンカーの近くにヘリを要請して、ヘリが到着したら、蟻アンカーを破壊し、第二波を出す。(万全を期するなら、蟻アンカー破壊前に少し離れた場所に1,2台ヘリを要請しておくと、万一ヘリが壊れてもリカバリできる) 緑蟻が到着する前にヘリに乗って離陸し、ある程度の高さからブレイズガンを打っていれば緑蟻は殆ど殲滅できるはず(筆者は失念していて使っていないが、無誘導爆弾を自爆しない高さから打てばより早く殲滅できるかもしれない。但し爆弾投下時にダイバーによりヘリごと自爆するという運要素が絡む可能性があり?) 粗方片付いたらヘリを降りて新しくヘリを要請してから、周りの敵を殲滅する。 ヘリが来る頃に第三波の増援が来るはずなので、新しいヘリに乗り同じ要領で緑蟻を倒す。 増援が片付いたら、蜘蛛アンカー近くの重装コスモと蜘蛛アンカーを倒す。 最後に赤蟻アンカーが残るので、お好み応じて稼ぐなり即破壊するなりして、散らばったアイテムを回収後、残していた赤蟻アンカー付近のシールドベアラーを破壊してクリア。 ダイバーと合流してヘリにさえ乗れてしまえばそこそこ安定してクリアできるはず。 逆にそこまでが少しきついのでピンチになったらリバシュは惜しまず使おう。ヘリに乗る時点で3、4発程度残っていれば十分クリアできる。 ウイングダイバー INFERNO その1 【武器】パワーランスZA レイピア・ノヴァ 【コア】VMラッシュコアもしくはVZプラズマコア 【アーマー】500~(蜂にランスで勝てるだけあればよし) 蜂を叩き落としながら前進し、アンカー→ベアラー→後退しながら蜂→重装と処理。蜂を落としている間にたいていレンジャー隊が重装の気を引いてくれるので同時に相手取ろうとする必要もなくそこそこ余裕はある。 エネルギーを補給したら武器の都合蟻より危険となる蜘蛛アンカーに向かう。道すがら手前の黒蟻アンカー付近にいるライフル、奥の黒蟻アンカー付近にいるレーザーを処理。アンカー破壊は後回し。 蜘蛛アンカーに到着したら重装とアンカーを処理。順調に進めることができていればガラ空きで非常に楽。 このあたりでレンジャー隊が壊滅し、ダイバー隊が出現するので蜘蛛を優先的に減らしつつ山岳に来るのを待つ。十分暇があるようなら赤蟻アンカー方向からベアラー全てを処理して海岸側からの視界を確保しておく。 到着を確認したら手前の黒蟻アンカーを破壊。アンカーから出現する敵はNPCに押し付け、緑蟻出現方向に行きレイピアで応戦。 緑蟻を殲滅したら(できれば金蟻を排除しながら)奥の黒蟻アンカーを破壊。海岸に戻り、NPC全滅後向かってくる金蟻、黒蟻を倒していく。緑蟻出現まで赤蟻はなるべく保護。 敵数が減って緑蟻が出現したら先程と同じくレイピアで片付け、赤蟻アンカー含む残りを倒してクリア。 コアについては対グレイ、対緑蟻性能から基本的にVMラッシュコアを推奨するが、武器が充分に育っておらず消費が重いならVZプラズマコアで代用する。 その2 【武器1】ドラグーンランス・トライ 【武器2】スターダスト・キャノンF型 【アーマー】緑蟻にやられなければOK 開始地点から蜂アンカーに星屑砲を撃ち、出てきた蜂をある程度削る。 ドラランでアンカーを破壊、重装グレイはアンカーかベアラーを盾にドラランを当てて怯んだらひたすら撃つ。 赤蟻アンカーを素通りし山岳部のベアラー、蜘蛛アンカー前の重装グレイ、レーザーグレイの順に倒す。 レーザーグレイ傍の黒蟻アンカーを破壊しもう一方の黒蟻アンカーへ移動。 アサルトグレイを倒して黒蟻アンカーを破壊、破壊したら急いで山を登り緑蟻を星屑砲で撃つ。 近づかれたらダッシュで高度の低い方へ移動し空中から撃つ。 紫蟻と銀蜘蛛を引き撃ちで倒す、通常種を倒しすぎると緑蟻が来る可能性があるので極力避ける。 蜘蛛アンカーと赤蟻アンカーを破壊し、赤蟻アンカーの位置から緑蟻に先程と同じ方法で対処。 残りも引き撃ちで倒して海岸のベアラーを倒せば終わり。 その3 【武器】トリプルランスZD レイピア・ノヴァ 【コア】VZプラズマコア 【アーマー】1500程度 開幕3部隊と合流する。ダバ子の速度ならグリムリーパー隊にも追い着くのは簡単。 合流後、蜂をある程度引き付けてから部隊に押し付ける様にして蜂アンカーへ特効。 ランスで蜂アンカー→コスモノーツと破壊した後、レイピアでシールドベアラーと群がって来た蟻共を蹴散らす。 蜘蛛が到達する頃を見計らって、残党は仲間に任せ自分は正面蟻アンカーへ特攻し、上記同様に処理。 ここでも周辺の敵を蹴散らし続け、仲間と合流し黒蟻が周辺まで進軍して来るのを待つ。 黒蟻の頭上を飛び越え、仲間に押し付ける様にして右奥の黒蟻アンカーへ特効。 蟻アンカー→コスモノーツと破壊した後、急いで仲間と合流し緑蟻を迎え撃つ。 緑蟻はレイピアの引き撃ちで処理しつつ、スタート地点の方へ移動する。 暫くは引き撃ちで変異種狩りを続けるが、この時銀蜘蛛の不意打ちを食らわない様に注意しよう。 敵の残党数次第ではここで緑蟻増援第2波が来るので、レイピアの引き撃ちで処理。 遅れてやって来る変異種を狩ったら、後はウイニングラン。 赤蟻アンカー破壊→周辺の敵を殲滅→蜘蛛アンカー破壊→一端逃げて蜘蛛を殲滅→コスモノーツ撃破→残党狩り で終了。 海岸以外のシールドベアラー及びダイバー援軍は特に気にする必要は無い。 仲間部隊の方も緑蟻増援第1波を越えられれば、後は全滅していても問題無いだろう。 ダバ子電撃作戦 武器1 ★ライジン 武器2 ミラージュ15WR コア ビッグバン アーマー 2000~ 雷神様の前にはシールドは無いも同じです。ウチの電(ry 怪物はミラージュのビッグバン連射で薙ぎ払います。 移動は概ね徒歩で、味方と離れすぎないようにします。 開始直後からライジンをチャージして、正面の黒アリアンカーに三発撃ち込んで破壊します。 左、砂浜のアンカーからのハチがシールド外に出てくるので展開する前にミラージュで撃墜します。 周囲に回りこまれたら再出撃します。 ハチを殲滅したら次が出る前にハチアンカーをライジンで破壊します。 その後、走っていった味方をミラージュで援護し、怪物の数が減ったらコスモノーツ(重/軽)を ライジンで射殺します。 味方にとってはコスモノーツよりもクモ、黒アリの方が危険なので、多数寄って行ったら 怪物優先でミラージュで援護射撃します。 ここまで片付いたら、ミラージュで敵を牽制しながら正面のシールド内に突入した味方と合流を図ります。 ストーム3隊は勝手に突っ込んで何時の間にか居なくなりますが、味方は多い方が良いので、 隊長が倒れていたら合流できないので再出撃します。 突入した味方と合流後、砂浜に後退してハチアンカーに向かったレンジャー隊と合流します。 味方と合流したら、砂浜で迎撃しながら周囲のアイテムを拾って回復します。 回復したら広域シールドに突入します。 赤アリアンカーの山に近い場所に砂浜から上がっていく坂道があります。 そこから上がって赤アリアンカー側に寄って行くと、両側からシールドに守られている 広域シールドのベアラーが見えるので、ライジンを二、三発撃ち込んで破壊し、砂浜に戻ります。 また怪物を迎撃しながら、向かって右側のシールドから出てきた怪物を攻撃するようにして、 その山の向こう側にいるレーザーガン装備のコスモノーツを呼び出して片付けます。 このコスモノーツは味方と合流する際に反応する場合もあります。 変異種増援中に出てこられると非常に邪魔なので、それまでに始末できれば良いです。 迎撃しながら砂浜に降りて、開始位置の近くの坂付近まで移動します。 ここで暫く怪物を迎撃し、回復アイテムを生産、適宜回復、或る程度温存します。 準備が整ったら、赤アリアンカーをライジンで破壊します。 緑アリがミラージュの射程に入るまで若干時間があるのでクモ、黒アリを牽制します。 緑アリをロックできる距離に入ったら攻撃します。 なるべく水平に発射する事で、短時間で着弾し易くなります。味方の背中に当たらないように、 坂を使って少し高い位置に移動します。 緑アリを片付けた頃、ストーム3隊が金アリに制圧されているかも知れません。 ミラージュで攻撃しますが、撃ちすぎて緊急チャージに入ると大抵死にます。 金アリは銀クモが接近するまでに片付けられると思います。 銀クモはライジンで撃ちます。近いと一射でぶっ転がす事があります。 変異種を片付けた後は、敵を迎撃しながら回復を図ります。 この時、正面の山側から左側の緑アリが湧いてきた方の山に向かって砂浜を移動します。 怪物を駆除していると、二度目の変異種増援が発生します。 緑アリが波打ち際に湧くので、ミラージュ水平撃ちで一挙に殲滅を図ります。 以降一回目変異種増援と同様に、金アリ、銀クモ、その他を迎撃します。 変異種を乗り切ったら、開始位置右側マップ端付近の山から接近して黒アリアンカー、 及びシールドベアラーを破壊します。 続けて、山の向こう側のクモアンカー、重装ロケッターを片付けます。 アンカーを先に破壊する方が安全と思います。 稜線上に立って左右に移動しているとロケットは空に飛んでいくので、重装ロケッターは 或る程度無視できます。 最後、赤アリアンカーを防御していたシールドベアラーが残ります。 アイテムを拾い集めて、大勝利します。 速攻プラン 【武器】レイピア・ノヴァ、ライトニング・ボウGD 【コア】VMジェットコア 味方を囮にして速攻を狙うプラン。 始まったら必ずレンジャー隊とグリムリーパー隊と合流する。 合流したら蜂アンカーに移動し、アンカーとエイリアンを倒す。 中央に突撃し、蟻アンカー(と近くにいるエイリアン)を倒す。 緑蟻が出現したら、残ったアンカーを破壊してから緑蟻と雑魚を迎撃する。 二度目の緑蟻も撃退したら、残ったベアラーと敵を殲滅してクリア。 開幕でNPCと合流せずに蜂アンカーに直行すると、蜂から集中攻撃を受けるので注意。 VMジェットコアはブースト消費が多いので、敵中で緊急チャージに陥らないように気を付けよう。 エアレイダー INFERNO ヘリ作戦 【武器】ZEXR-GUN、なるべく長期火力の高いリムペットガン、トーチカ 【ビークル】N9エウロスΣ 前作とほぼ同じように攻略する。 危険なのは蜂とそのアンカー、ロケラン以外のコスモノーツ、金蟻。 特に飛行能力のある蜂は最初に狙える場所にいるため、味方と協力して最優先で壊しにいく。 ベアラー内部にアンカーがあるためにガンシップが使えず、重装の処理に手間取るがそこさえ突破すれば状況は変わる。 アンカーと重装を撃破したら、蜂をリムペで処理しつつヘリを海岸に呼び、来たらすぐ乗って2体目の重装のところのアンカーを壊す。 重装ロケランは無視し、次はレーザーコスモを不意打ちしてできればそのまま撃破し、近くのアンカーも破壊。 おそらくすでに来ているであろうダイバー隊を盾にしつつアサルトコスモを撃破、続いてアンカーも破壊。 あとは足元に溜まってくる蟻・緑蟻・残党の蜘蛛を反撃に注意しつつ殲滅。 赤アリアンカーだけは最後に〆で壊すためとっておく。 ちなみに、途中で余裕があれば海岸にヘリを呼びに行き、周囲に広めにZEXRを設置しておくと緑蟻対策が非常に楽になる。 レンジャーの攻略法のエアレイダー版 【武器】リムペット・チェーンガンZD(スナイプでも良い) ZEXR-GUN FZ-GUN MX 【ビークル】ニクス レッドガード 【アーマー】3000は欲しい NPCレンジャー2部隊を加えて浜辺の蜂アンカーに進軍。グリムリーパーは無視で構わない。 蜂アンカーに向かいつつZEXRにて迎撃。(1つは残す)。重装コスモノーツと対峙したら残ったZEXRを配置し、リムペットで殲滅。アンカー ベアラーを破壊。 しんどいのはここまで レッドガードに搭乗。山岳向かって左奥にある赤蟻アンカーの破壊へ向かう。道中黒蟻アンカーが見えるが後回し。 レッドガードの機動力を活かし、赤蟻アンカーまで一気に飛ぶ。(NPCは放置。余程手間取らない限り大丈夫。) 赤蟻アンカーとその側にあるベアラーを破壊後、一端山岳を降りる。新品のニクスに乗り換え、浜辺にタレット配置。浜辺とベアラーのバリアの境目辺りから後回しにした黒蟻アンカーを撃って破壊。 3本目のアンカーが破壊されたことにより増援(緑蟻/酸緑蟻/銀蜘蛛/紫蟻/金蟻)。 ただちに浜辺へと移動し敵が近づいてきたらタレット起動。タレットを抜けてきた敵はニクスのコンバットバーナーで焼く。 増援殲滅後に再度増援(内容は同じ)。先程と同様に対処。 殲滅後は再び山岳に進軍。残りのアンカーを破壊する。レーザーコスモノーツがいるので注意。 レンジャーよりはるかに楽。上手くやればウイングダイバーの出番も無くクリア可能。 空爆でシールドベアラーを破壊する、歩兵は下がれ! 【武器】戦闘爆撃機KM6 プランZ4、ZEXR-GUN、(自由枠) 【ビークル】ニクス レッドガード 【アーマー】ハチに多少刺されて大丈夫なくらい ここのシールドベアラーは防護範囲が広すぎるため爆撃機で内部を直接攻撃出来る。 Z4ならベアラ―、アンカー共に一撃、悪くても2回で破壊可能。 アクティブ敵が常時押し寄せるミッションなので、劇的に楽になるというほどではない。 まずは千鳥を撒きながらNPCを回収、ハチが飛んできたら起動してお帰り願う。 早々にニクスを要請出来るようになるので乗り込んでハチのアンカーと近くのベアラ―を破壊。 あとはベアラ―、アンカーを遠くから機銃掃射で破壊し、寄ってきた虫をニクスと千鳥で迎撃していけば勝てる。 グレイはニクスで適当に撃っておけば問題ない。 ↑空爆プランの安定版 【武器】戦闘爆撃機KM6 プランZ4、ZEXR-GUN、重爆撃機ウェスタDA 【ビークル】ニクス レッドガード 【アーマー】初期体力可 まずレンジャー2部隊を回収し、セントリーガンで蜂を掃除。次にウェスタを一番大きなシールド手前に要請する。 ニクスが呼べるまでKM6でシールドベアラーを狙い、ニクスに載れたら蜂アンカーを制圧。 レンジャー部隊と砂浜に陣取り、最初に要請した位置へウェスタを要請し続けながら、セントリーガンとニクスで迎撃。功績溜めたら残っているベアラー、赤蟻アンカーを破壊。 ウェスタを貼り直せたタイミングで目の前にある黒蟻アンカーをKM6で破壊(1回で壊れない場合は、ニクスで遠巻きから壊す)、緑蟻増援が湧くが、大半はウェスタのナパームラインで駆除されるので、漏れた分のみをニクスで処理。 以降は敵の数を減らしつつ功績を溜め、KM6でアンカー破壊を狙う。ウェスタは陣取っている真後ろへ要請し、次の緑蟻増援に備える。 2回目の緑蟻増援が処理出来たら、残ってる敵やアンカーへニクスで突撃し終了。 ウェスタで緑蟻の処理と、味方レンジャー部隊へのアシストをする事で、ウイングダイバーは登場する事なく終わる。 フェンサー INFERNO その1 【武器1】グレート・シールド ブラストホール・スピアMS 【武器2】マキシマムディスラプター マキシマムディスラプター 【補助装備】ディフレクト・セルAX ダッシュセル5 蜂のアンカーさえ壊せば後は地上の敵しかいないので盾を構えていればまず死なない。 開幕後左側後方から大回りして蜂をレンジャーに押し付けつつ蜂アンカーへ突撃しアンカーとベアラーを破壊したら後は消化試合。のんびり山登りを楽しもう。 その2 【武器1】グレート・シールド ブラストホール・スピアMS 【武器2】デクスター自動散弾銃ZG クエイク・ハーケンZD(またはジャックハンマーMA) 【補助装備】ディフレクト・セルAX マルチチャージャー4-3 上の攻略法は言うほど簡単ではなく、盾槍だけでは蜂や緑蟻の対処が結構難しいので、その点を重視した装備構成。 デクスターは蜂対策及びアンカーとシールドベアラーの速攻破壊用と、慣性ジャンプ用。 デクスターの密着射撃は高いDPSを誇るので、堅い固定目標を迅速に破壊できる。 幸いこのミッションのシールドベアラーは固定型のため接近しても移動しないので、容易に密着射撃を繰り返せる。 クエイク・ハーケンは完全に緑蟻専用の武器。 緑蟻以外の敵には、はっきりいってまるで役に立たないが、対緑蟻戦では抜群の安定度を誇る。 コツとしては敵に背中を向けて逃げ回りながら、レーダーの赤点が迫ったときに最大チャージの後方衝撃派攻撃を繰り出す。 このとき間違って中チャージの攻撃は出さないようにしたいが、ダメージ軽減効果はあるので多少失敗しても即死することはないだろう。 ダッシュだけで使用するよりも、慣性ジャンプで上昇中、または着地寸前の少し浮き上がった状態で使用する方がより安定する。 弾切れ時も、リロード速度の☆が上がっているなら、慣性ジャンプ中に十分リカバリーできるはず。 クエイク・ハーケンの代わりにジャックハンマーを使う場合は、デクスターと併用して同時発射で使用する。 引き撃ち慣性ジャンプで足を止めずに撃ちまくれば迫ってくる緑蟻を攻撃前に倒せるが、失敗して足が止まってしまうと一気に囲まれるので多少は慣れが必要。 ジャックハンマーは緑蟻以外にも、アンカーやシールドベアラー、コスモノーツ、銀蜘蛛の相手にも有効な武器なので、慣れた人はこちらの方が良いかもしれない。 具体的な攻略順としては、開始直後にレンジャーNPCを回収しつつ海岸の蜂アンカーに向かうのは他の攻略法と同じ。 このときあまり急ぎすぎると、蜂がシールドベアラーのバリア内にまでついてきて厄介なことになるので、デクスターで蜂の相手をしつつ、NPCにターゲットが向くのを待ってから突撃しよう。 蜂アンカーとシールドベアラーを破壊したら、近くの重装コスモノーツは一旦置いておいて、蜂の殲滅を優先する。 それが完了したら、海岸の残敵を掃討しつつ、ある程度回復を取ってNPCを立て直してから海岸近くの黒蟻アンカーに向かい破壊する。 このとき、海岸の回復は根こそぎ取らずにある程度残しておいた方が、後の増援出現後の戦いで楽になる。 アンカー3基破壊で敵増援が出現するので、それまでに残ったシールドベアラーを全て破壊しておく。 シールドベアラーはプレイヤー自身の戦いにはそれほど影響はないが、NPCの長持ち具合にはかなり差が出てくるので、早めに破壊しておくに越したことはない。 次は黒蟻アンカー近くにいる、レーザーコスモノーツを排除しておく。 こいつが残っていると、緑蟻やその他変異種の相手中に攻撃されてかなり厄介なことになってしまうので、確実に倒しておきたい。 いよいよ3基目のアンカーを破壊する段階。 フェンサーの敵ではない赤蟻アンカーを残しておくのは確定として、黒蟻アンカーと蜘蛛アンカーのどちらを先に破壊するかはお好みだが、 緑蟻との戦闘中に金蟻が混じっていると事故死する可能性が上がるので、ここは黒蟻アンカーを破壊するのが無難。 アンカー破壊で増援が出現したら、海岸に戻って武器2の緑蟻対策装備で迎撃する。 このとき、戦闘中に慣性ジャンプで勢いあまって海に落ちないように気をつけさえすれば、おそらく大丈夫だろう。 海岸に向かってきた緑蟻をほぼ倒し終わったら、余裕があれば2度目の増援が出現する前に残ったアンカーを破壊しに向かう。 NPCが全滅していない限りは、残った敵をひきつけてくれているはずなので、その間に蜘蛛アンカー、赤蟻アンカーの順番に急行して破壊する。 蜘蛛アンカーの近くにいる、重装ロケラン持ちコスモノーツは無視でいい。 アンカーを破壊し終わった頃に、2度目の増援が出現すると思われるので、再び海岸に戻って緑蟻を殲滅する。 もしも、アンカー破壊前に増援が出現してしまった場合も、多少面倒にはなるが海岸で迎撃すればなんとかなるだろう。 火炎放射メイン 【武器1】ヘルフレイムリボルバー×2 【武器2】デクスター自動散弾銃ZG ブラスト・ツインスピアM4 【補助装備1】砲口安定化装置S式 【補助装備2】VZスケルトン 【アーマー】3000程度あれば安定する ヘルフレイムリボルバーの強力な火力で、有無を言わさず焼き払う攻略方法。 気をつける点としては、ヘルフレイムリボルバーが同時にリロードに突入しないようにするぐらいで、操作テクニックはあまり必要ない。 ただし、ヘルフレイムリボルバーの性能が十分育っていることが前提なので、良品を持っていない場合は厳しい。 特に発射までの間と射程距離の☆の数は重要。 武器2のブラスト・ツインスピアは攻撃用ではなく、高速移動のためのチョイス。 まずは他の攻略法と同じく、開始直後にレンジャーNPCを回収しつつ海岸の蜂アンカーに向かう。 デクスターで蜂の相手をしつつ、NPCにターゲットが向くのを待ってから突撃しよう。 蜂アンカーを破壊して、残った蜂の殲滅にも成功すれば、後は敵に囲まれないようにしながらひたすらヘルフレイムリボルバーで敵を焼き払いながら前進するだけ。 厄介なレーザーコスモノーツも、先手を取れれば何もさせることなく蒸発させられる。 アンカーを破壊する順番はお好みだが、危険度の高い金蟻を避けるために黒蟻アンカーを先に破壊するのが無難。 変異種と緑蟻が出現しても、近づかれる前にヘルフレイムリボルバーで始末してしまえばさほどダメージを受けることはないが、完全に無傷で済ますのは難しいので、アーマーは3000程度あれば安定する。 速攻プラン 【武器1】ジャックハンマーMA、デクスター自動散弾銃ZG 【武器2】ヴィブロ・ローラーD9、クエイク・ハーケンZD 【補助装備】ダッシュセル5、アドブースター5 NPCを囮にして速攻を狙うプラン。 始まったら必ずレンジャー隊とグリムリーパー隊と合流する。 合流したら蜂アンカーに移動し、アンカーとエイリアンを倒す。 中央に突撃し、蟻アンカー(と近くにいるエイリアン)を倒す。 緑蟻が出現したら、残ったアンカーを破壊してから緑蟻と雑魚を迎撃する。 二度目の緑蟻も撃退したら、残ったベアラーと敵を殲滅してクリア。 ウィングダイバーの同プランと全く一緒。フェンサーならダイバーと同じことができる。 武器1で緑蟻以外の全てを相手にする。武器2は緑蟻用。 オンライン INFERNO ダイバーは速やかにアンカーとベアラーを破壊できる装備、アーマーは3000あれば可能。 他は敵をどうにかできるなら何でも可。 ダイバーが邪魔なベアラーを全て破壊すればミサイルや空爆が通し放題になる。 まず最優先で蜂アンカーを破壊する、この時ベアラーと重装グレイ(ガトリング)は無視して構わない。 破壊したらシールド圏外へ退避し蜂を殲滅、味方は出来る限りダイバーまわりの蜂を倒す。 ダイバーは基本グレイの攻撃に注意しベアラーを盾にするなどして回避優先、蜂は余裕があったら攻撃でいい。 ダイバーを狙うのをあきらめた海岸のグレイが味方に向かうので、味方がグレイを処理する。 山岳部のベアラーをすべて破壊、あとはフォボスやエメロードを心置きなくブチ込もう。 フェンサーは流石に自分で突撃した方が楽だが、ミサイルカーニバルに参加したいなら高高度強襲ミサイルを垂れ流そう。 破壊するアンカーは変異種が危険な黒蟻を優先する、蜘蛛は爆発物で転げまわり赤蟻は功績稼ぎになるが、金蟻を倒せるならどこからでもいい。 味方が減ったときに出てくるダイバー部隊はグレイ(レーザー)と重装グレイ(ロケラン)を起こして、破壊役のダイバーが焼かれる事があるので味方は出来る限り生き延びさせる事。 殲滅できればアイテムを回収して海岸に残ったベアラーを破壊で終了。 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なぜパキスタン軍部はタリバンを育てたのでしょうか? アフガニスタンで何故ソ連は負けたのか? アフガンには対空火器が十分になかったので旧ソ連は爆撃し放題だった? 現在アフガンにかなりの地雷原があるとニュースで知りましたが例えば米軍の絨毯爆撃などで、あるていどの地雷を誘爆することは可能なんでしょうか? タリバン軍はどういう組織なのでしょうか? タリバンは、どうすればアメリカを更なる恐怖に晒すことが出来るでしょうか? アメリカとタリバン政権の間の戦争も宣戦布告と言うのはしたんですか アフガニスタンに海兵隊が派兵されることになったようですが、特殊部隊が派兵されることとの違いなどを教えてくださるとうれしいです。 アフガニスタンでアメリカは無差別爆撃をやったんですか? パキスタン空軍のF-16が70年代にアフガンにてソ連、アフガン政府軍と行った空戦の結果を教えて下さい。 昔アメリカはアフガニスタンを支援していたと聞いたのですが、なぜ今は仲が悪いのでしょうか ソ連軍の二の舞になると考えられたアフガニスタンの地上戦をなぜアメリカは圧倒的な勝利で終わらせたのか? なんでタリバンって強いんだ? アフガンでタリバンが勢力盛り返してて、今(2008年8月)は米軍にとってイラクよりアフガンの方が厳しいとCBSでやってたけど、実際どうなん? なんでアフガンは叩いても叩いてもタリバンが盛り返して来るの? ISAFが撤退して、アメリカの支援で安定政権がアフガニスタンに出来る可能性は低いかな? ISAFが補給をタリバンに頼っているって? アフガニスタンのマスード将軍について、彼がどう凄いのか、易しく教えていただけないでしょうか 今の段階(2009年9月)でアメリカがアフガンから撤退してしまったら? タリバンに対する現在のアル・カーイダあるいはISIの影響力ってどれくらいあるの? タリバンが再びアフガンを支配する可能性は? アフガンの場合11月は年間で一番武力活動が不活発化するそうですが、何ゆえ真冬でなく11月なんでしょう? タリバンの目的はアフガン統一なのか? タリバンの中に本格的なイスラム法学者っているんですかね。 アフガンCIA基地で自爆した犯人は? タリバン政権が崩壊してもうずいぶんになりますが、いまだに活動できるだけの資金や武器を提供しているのは誰なんでしょう? ニュースでよくタリバンが小銃持って訓練しているのを見るけど食料の補給とかどうしてるのかな? アメリカがかつてタリバンを支援したというのは事実なの? アフガニスタンは結局今どうなってるんですか? なぜパキスタン軍部はタリバンを育てたのでしょうか? 世界地図を見れば判りますが、北にロシア(今はタジキスタン、ウズベキスタンだけどね)、 西にイラン、東にインドと中国が控えている地域です。 一応味方の中国はまだしも、イランのシーア派過激派の浸透と、タジキスタン、 ウズベキスタンと言った国々の影響力がこの国(アフガニスタン)に及ぶと、パキスタンの安全保障に 問題が生じます。 (特にホメイニによる帝政打倒が成功したイランに関しては脅威を抱いていた) このため、一番弱小な組織であるタリバンを支援し、パキスタンの衛星国として 一種の緩衝地帯を作ろうとしたものと思われます。 ただ、当初弱小と見られていたこの組織が、パキスタンの制御も受け付けない鬼っ子に育ち、 イスラムの中でも最左翼に属する過激派になるとは、パキスタン軍部も思いも寄らなかったでしょうが。 (11 名無しさん@眠い人 ◆ikaJHtf2*加筆) アフガニスタンで何故ソ連は負けたのか? ソ連軍の戦闘教義はもともと平原・丘陵地帯における正規軍を相手にした電撃戦・総力戦を、 前提としたもので、ゲリラやパルチザンの掃討作戦や山岳戦を想定していなかったために、 戦闘では苦戦を強いられることになってしまったんですにゃ。 そしてソ連が撤退した理由は戦争の経費に200億ドルもの大金が掛かって、 財政を圧迫し、占領経費も増大していったのも敗北の要因。 (結局このせいで冷戦継続が不可能になって3年後にソ連崩壊) 市民の死傷者を含めるとアフガニスタンは、 150万人という死者を出しながらもソ連軍の侵略戦争に打ち勝った功績は、 後世にまで伝えられるでしょう。 (ソ連軍のアフガニスタン侵攻 ぬこ ◆T3E65tDKhc) 戦争の経費他、ゲリラやパルチザンの掃討作戦や山岳戦を想定していなかったことと、 西側諸国の最新武器が非公式であるがアフガニスタン側に渡されたもの一理有る。 有名なのはスティンガー・ミサイルFIM-92A。 アメリカはCIAを通じて提供していた。 開発生産直後のデモンストレーション戦として当時のムジャーヒディーン、 =後のタリバン・アルカイダに大量供給されてソ連軍のMi-24等の重武装ヘリを 撃墜できたことからソ連軍に恐れられた。 ベトナムと似て誰がムジャヒディンなのか民間人と区別がつかない。 政府軍にも内通者がいるので手の内バレバレの中では数だけでは勝てない。 アフガニスタンの山岳道路でムジャーヒディーンはソ連軍補給部隊が来ると、 先頭と最後尾に居る装甲車を最初に攻撃、撃破する。 これで逃げ道を断ってから車列の中に居る装甲車を次々と撃破して行く。 ソ連部隊の兵士を皆殺しにしてから燃料以外の弾薬食料などを奪って行く。 逃げ延びない限り、必ず殺されるから山岳地帯を通る時はピリピリしてたと、 後のアフガニスタン撤退後に予備役になったソ連軍兵士が言ってた。 そのため、包囲されたときに、補給が一度でも途切れると志気は大きく下がるらしい (ソ連軍のアフガニスタン侵攻 20-26) アフガンには対空火器が十分になかったので旧ソ連は爆撃し放題だった? 初期にはTu16バジャーがソ連の基地から引っ切り無しに無差別絨毯爆撃。 ゲリラじゃなくて一般住民の死者が圧倒的だったようだ。 後半はTu22Mバックファイアが代わった。高度1万メートル以上の高高度爆撃なので アフガンの対空火器は届かずこれら戦略爆撃機は一機も失われていない。 ただ精密爆撃が出来なかったので無差別絨毯爆撃に終始した為ゲリラではない一般住民を 多数殺害する事になりソビエトに対するアフガン人の恨みを買うことになりかえってゲリラに 加わる住民が増えてしまった。 ドイツや日本を屈服させた無差別絨毯爆撃をそのままやったのだが一般人が多数死んだだけで 軍事的には失敗に終わった。 後に北部同盟に加わる兵士は遠くからこのソ連の空爆を見ていて、アメリカのタリバンへの空爆を 「ソ連の空爆に比べて大したことが無い」。とテレビで言っていた。 でも精密誘導爆撃とか理解している風ではなかったな。 ソ連空軍は町や村と言った人口密集地帯に無差別絨毯爆撃をしかけた。 たくさんアフガン人を殺したのはソ連の空爆だが成功したのはアメリカ空軍と言う謎。 ソ連空軍はボール爆弾・5トン爆弾・9トン爆弾・クラスター爆弾・サーモバック爆弾・ケント巡航ミサイル・ スカッドミサイル・フロッグミサイル・燃料気化爆弾・250kg地下貫通爆弾・500kg地下貫通爆弾 ありとあらゆる爆弾を落としたんだがな・・ (ソ連軍のアフガニスタン侵攻 73,96) 現在アフガンにかなりの地雷原があるとニュースで知りましたが例えば米軍の絨毯爆撃などで、あるていどの地雷を誘爆することは可能なんでしょうか? アフガンの地雷原を爆撃で一掃しようと思ったら、民間人を皆殺しにする覚悟で徹底的に爆弾をばらまかなくては。 (核爆弾で焦土にするのが確実…。) そんなことは、とてもとても…。 なお、一定エリアの地雷撤去なら、気化爆弾が使われます。 戦後、万という地雷処理を行なうのであれば、先にある程度破戒しておけば処理が楽なのでは?と考えたりしてみたのですが。 あるエリアに1発でも地雷がある可能性があるなら、ある意味そこは無数の地雷があるのと同じ、無防備で踏み込むことは できません。 最終的に地雷の完全撤去は、人手による地道な作業。 対人地雷はほんとうに非人道性な兵器です。 (11 らむ) タリバン軍はどういう組織なのでしょうか? タリバンは軍と言うより、同好会や宗教団体に近いものです。冬は家に帰っていたりします。 実は北部同盟も似たようなものだったりするのですが、ちょっとはプロらしいとこもあるそうです。 ただ、そのいい加減さがアメリカ軍にとっては最大の問題でしょう。 (11 561) タリバンは、どうすればアメリカを更なる恐怖に晒すことが出来るでしょうか? 申し訳有りませんが、タリバンは(よく言えば)被害者です。 アメリカをテロの対象にしているのは、アル・カイダの方で、これはタリバンとは別組織です。 其処の所をお間違えいただきませんようお願いいたします。 (13 眠い人 ◆ikaJHtf2) アメリカとタリバン政権の間の戦争も宣戦布告と言うのはしたんですか タリバンは国家として国際社会から承認されていないから、宣戦布告の必要なし。 (13 パウル☆カレル) そもそも最近は(て第二次世界大戦以降かな)、戦争自体が違法と見なされているので、 宣戦布告を行って19世紀的な戦争を行うこと自体が少なくなっています。 (13 820) アフガニスタンに海兵隊が派兵されることになったようですが、特殊部隊が派兵されることとの違いなどを教えてくださるとうれしいです。 特殊部隊はそれ自体は大した攻撃力は持っていません。 暗殺、小施設の破壊はできますが、しっかりした施設相手の攻撃や、 まともな部隊相手の正面戦闘は手に余りますし目的が違います。 現在は、北部同盟と米軍の連絡役や、海軍機への攻撃目標指示、情報収集、臨機目標の破壊などを行っているようです。 タリバンが潜伏していると思われる洞窟を端から爆破して埋めるとか、 こちらが確保した拠点を守るとか言う仕事になると、大きな火力を持って正規軍の方が適しており、 この場合は機動性からも、装備の可搬性からも、そもそも基本的な役割からも海兵隊の仕事となるわけです。 (15 930) アフガニスタンでアメリカは無差別爆撃をやったんですか? 一応、軍事目標だけを狙った“ピンポイント爆撃」です。 目標を外れたり、事前偵察が十分でなかった為に“誤爆”が起き、民間人 も被害に遭った事は、新聞報道などでも詳しく出ています。 (56 933) 余談ではあるが、 空爆に出たパイロットは、爆弾を持ったまま帰還する事を嫌います。 ですから、目標をロストしても、“軍事施設らしき”建物や場所に投下して帰ります。 それを、間違って民間施設を爆撃してしまったら、誤爆と報道する事も多々あるようです。 (56 934) その行為は誤爆以外の何物でもないと思うけど。 (56 935) パキスタン空軍のF-16が70年代にアフガンにてソ連、アフガン政府軍と行った空戦の結果を教えて下さい。 パキスタン側の資料によると、1986~89年の間に数度の戦闘をソ連/アフガン空軍と行なっており、 パキスタン空軍は出撃させたF-16により合計10機を撃墜したとしています。 (内訳:Su-22×4・Su-25×1・MiG-23MLD×2・An-24×1・An-26×2) (80 名無し軍曹) 昔アメリカはアフガニスタンを支援していたと聞いたのですが、なぜ今は仲が悪いのでしょうか アフガニスタン戦争当時はアメリカはビンラディンの指導する ゲリラ活動を背後から援助していたが、アルカイダは当時は存在しなかった。 クウェートもサウジアラビアも、西欧的基準では非民主主義国。 (115 953) 敵の敵は味方だったのよ (115 955) 中東に存在する国々のうち、完全な民主化を成し遂げてるのはイスラエルぐらいだよ。 サウジもクウェイトもヨルダンもシリアもエジプトもパレスティナ自治政府も湾岸諸国も独裁体制。 それでもいくつかの国では政治改革しようという動きがないでもないが… まあイスラム国家で完全な政教分離は難しいから、そのへん同情すべき点はあろうよ。 イランはかなりマシな方だが、宗教界が政治へ露骨に介入してくる(ので今ケンカしている)。 レバノンは宗派政治(各宗教ごとにポストが割り振られる)で、シリアが口を出してくる。 (115 イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME) 中東に存在する国々のうち、完全な民主化を成し遂げてるのはイスラエルぐらいだよ。 サウジもクウェイトもヨルダンもシリアもエジプトもパレスティナ自治政府も湾岸諸国も独裁体制。 それでもいくつかの国では政治改革しようという動きがないでもないが… まあイスラム国家で完全な政教分離は難しいから、そのへん同情すべき点はあろうよ。 イランはかなりマシな方だが、宗教界が政治へ露骨に介入してくる(ので今ケンカしている)。 レバノンは宗派政治(各宗教ごとにポストが割り振られる)で、シリアが口を出してくる。 (115 イスラエル国防相 ◆3RWR.afkME) まあ政治形態とその政治の善悪は本来無関係なんですけどね。 (115 960) ソ連軍の二の舞になると考えられたアフガニスタンの地上戦をなぜアメリカは圧倒的な勝利で終わらせたのか? 第1に、アメリカ軍が主体となって大量の兵力を送り込むのではなく、現地の反政府(当時は) 武装勢力の連合を支援する形にし、米軍は航空爆撃と特殊部隊を主体にし、地上軍は少数を送り込むに留めた 第2に、既存政権を崩壊させた後に新政権を樹立させ、一応傀儡政権のレベルを脱した新政権を発足させた 第3に、新政権発足後の国内治安の主体は現地の新政府軍を主力にし、米軍自体はあまり積極的に国内で 活動しない(航空攻撃と特殊部隊による活動はまた別) この三つが大きい。 ただし、今もアフガンはあまり安定はしていない。 新政権の統治がしっかりと及んでいるのは首都の周辺だけで、後は実質的に新政権に参加している各勢力の 自治領化してるし、相変わらずテロも多い。 (初心者スレ489 529) ソ連侵攻した時は、アメリカやパキスタンがアフガニスタンを支援したし、 ムジャヒディンが大勢集まった。 アメリカは、パキスタンのタリバン支援をやめさせたし、北部同盟等の反タリバン勢力を味方につけた。 支援の無いただの武装勢力は、正面から対抗することはできない。 今は、パキスタンのパシュトゥン人が住む地域に逃げ込んだりしながら、アフガニスタン国内に居る米軍等に抵抗しているみたいだ。 ゲリラ戦のカリスマ指揮官、チェ・ゲバラ曰く。 「ゲリラが正規軍に勝利するには聖域(正規軍が入り込めない地域)が必要だ」 戦力に劣るゲリラ軍はこの聖域に逃げ込んで再編成・訓練・兵員と武器補給を 行わなければならなかった訳だ。 ソ連侵攻時のアフガンでは隣国のパキスタン・イランが聖域だった。 アメリカ侵攻時はこの聖域が存在しなかった。 ヴェトナム戦争では中国・ラオスが聖域として機能していた。 この条件では米軍でさえ勝てなかったが、旧日本軍がヴェトナムを占領していた時には 日本軍はゲリラの活動を押さえ込んでいる。 日本軍は周辺地域を全部占領していたので聖域が無かったから。 (338 240,252) なんでタリバンって強いんだ? パキスタンという「聖域」があるから。オバマがイラク撤収したらアフガン転進・パキスタン攻撃とか言ってるのもこれを根絶するという意味があるんだろう。 (中東の軍事情勢スレ7 183) そりゃ、ムジャヒディンの昔から強いってのと、部族連合から横断的な軍閥が育っていき、 これが群雄割拠やってるところの上にタリバンが座っている構造が温存されているので。 つまり、アフガニスタンの軍閥社会をどうにかせんとタリバンは何度でも甦る。かりに タリバンが潰れたとしてもしばらくすれば、ケシ畑で潤う軍閥が登場するだろう。 場合によっては統一政権(イスラムの名を標榜するかもしれんが)になって、パキスタンと イランを不安定化させ、中央アジアの石油に大きな影響を与え、ロシア人を眠れなくするってのは 陰謀論ですね。ごめんなちゃい。 つか、地形的にもごりごり道路を通してる段階なのよ。んで、ゲリラが活動する一帯への 補給はヘリを使ってる場合があったりするような状態。 ゲリラというか、近代化が遅れてて、そこに尚武の気風なんかもあるもの。 (中東の軍事情勢スレ7 182) 182 タリバンはパキスタンの北西辺境自治州が本拠です アフガンの軍閥とは横のつながりはあるかもしれませんが その「上に座る」なんてありえないです 宗教的にもタリバンがイスラーム過激派のデオバンド神学、 アフガン南部は穏健はスンニーと異なります (今では少しはタリバンもソフトになったといわれていますが) (483 612) 612 あえて書きますと、 この日曜にあった米軍の基地に対する攻撃での下手人探しの報道を見る限り、 タリバンというのは総称であり、内実は様々な組織が入って攻撃部隊を送り出した模様です。 かつて、タリバンがカブールやカンダハルにて統治していたのは事実であり、 一方、アフガニスタン各地に長い内戦で軍閥が育っていることも事実です。 上に座るという言い方は不適切かもしれませんが、軍閥勢力を束ねた過去がある 組織であることは間違いないといえるでしょう。 (483 615) 615 タリバンというのは総称であり そこらへんの認識が私には疑問ですね 「アルカイダは総称である」という解説ならたびたびありますが、 タリバンに関して言えば、オマルという指導者が存在し、 アフガンの土着勢力とは異なる宗教的バックボーンや支持母体を持っています したがってこれが軍閥と連合部隊を組織したとしても まさにそれは連合以外の何物でもなく 連携した軍閥までタリバン呼ばわりすることは まさに米軍と同じ間違いを犯すことになります 軍閥勢力を束ねた過去がある これも疑問なのですが かつて国土の9割を支配していた頃のタリバンは アハメド=ラシッドの本によれば 軍閥を支配下に置いたのではなく 軍閥を各個撃破し、その残党を吸収してさらに自軍を拡大するものです たとえばドスタムやイスマイル・ハーンを従えさせ、 これを手駒として次の戦いに臨んだ、というのであるなら、 束ねたという表現でも問題ないでしょうが、 現実にはドスタムもイスマイル・ハーンも撃破され、 国外逃亡を余儀なくされているのです ちなみにその戦闘の過程では、まず買収して身内を裏切らせるという戦術を頻繁にとっています あなたはこれを拡大解釈するという誤認をしているのではないでしょうか? (483 618) タリバンが総称化している点について これは今回の哨所に対する攻撃の報道をみているとそう実感します。 かつてイラクでは攻撃があるたびにアルカイダの仕業となっており、ザカウィが 大きく取り上げられておりましたがそれに近い。 タリバンと軍閥の関係 タリバン統治下も今でも権力を握っている者がいたり、司令官が手勢を率いての 投降話などが今でもありますので、タリバンは軍閥を束ねた存在であったと思いますが。 大体、タリバンの国軍という存在が無ければ軍閥の寄り合い所帯ということにならない でしょうか。 (中東の軍事情勢7 706) 706 政権を握ってた頃のタリバンには最大で一万人ほどの中核となる集団があった。 パキスタンに難民として逃れ、マドラサで神学生として学んだパシュトゥンの若者がそれで、 この原理主義的かつ部族主義にまみれた若い暴力が、既存の軍閥を圧倒し、服属させる原動力になった。 ただし、パキスタン軍に訓練を受けたこの精鋭は1996年のマザリシャリフ攻撃でまさかの敗北を喫し、 戦死三千という大損害を出した。 タリバンが帰順した軍閥の兵力に頼るようになったのはここからで、 元々はあくまでパキスタン肝煎りのかいらい軍であって軍閥のまとめ役なんかじゃない。 またマザリシャリフ敗戦後にもマドラサ出身兵のタリバン志願は続いていて、 2001年の政権崩壊時にスピンバルダク経由でパキスタンに撤退した一万前後とも言われる残存勢力は こうした中核的タリバンだった可能性が高い。 で、マドラサが今も本来の意味でのタリバンの育成拠点であるのは去年の騒ぎでも明らかな訳で。 (中東の軍事情勢7 708) 708 タリバンの軍事指導者の多くは軍閥の人間 特に軍事部門のトップにいた人物はタリバン登場以前に既にパシュトゥン系の軍閥を糾合し、 内戦に明け暮れたマスード達を批判して一線を画する勢力を築いていた また今米軍に抵抗している主力も一般のパシュトゥン人達 パキスタン人やアラブ系は米軍の攻撃を受けると無謀な自殺的特攻か逃走かしか出来なかった クンドゥスでの無意味な篭城による壊滅や逆に南部での壊走ぶりを見ればその役立たずぶりが分かる (中東の軍事情勢7 709) アフガンでタリバンが勢力盛り返してて、今(2008年8月)は米軍にとってイラクよりアフガンの方が厳しいとCBSでやってたけど、実際どうなん? 先月騒いだだけで、パキスタン軍が停戦破棄してから急速に鎮圧されている イラクでもイラク政府が徐々に力をつけて首都周辺ではマフディ軍は駆逐されている イラクは現在、北部=クルド、西部=スンニ派(米と和解)、中部=政府軍が掌握 残るはマフディ軍が依然潜伏する南部だけ、状況は劇的に変動している (中東の軍事情勢スレ7 907) なんでアフガンは叩いても叩いてもタリバンが盛り返して来るの? 最近になって、叩き続けることが可能になったから報道でタリバンが盛んに取り上げられている。 そして、タリバンは定義がいろいろある。 広義の旧ムジャヒディン勢力を取り込んだパキスタンのクエッタあたりに根城があるタリバン アフガニスタンでソ連撤退後にパキスタンでISIの支援を受けて北部同盟やらウズベク人 勢力をカブールから駆逐したときの原動力となった難民キャンプの神学校で育ったタリバン パキスタン国内のタリバン 西部連邦直轄部族地域やらで活動している・・ などなど。 そもそも地域的にインドとパキスタンの対立、ソ連や中央アジア諸国の対応なども 絡んでいるし、パキスタン国内でのイスラム原理主義の台頭(首都のモスク占拠して 治安部隊と戦ったりしてた)、諸政党と軍部の関係なんかもあって、政治的に安定 していない上に、米国が容喙している。 ということでタリバンが活躍する余地があり、米国のイラクからアフガンへの重心変更で 取り上げられるようになってきたから。 (505 797) ISAFが撤退して、アメリカの支援で安定政権がアフガニスタンに出来る可能性は低いかな? ソ連は現地政権を残して撤退しましたが、数年は持ちました。 最後にはナジブラさんは国連事務所から拉致されて、街灯に吊るされてしまいましたが。 カブールをムジャヒディンが囲んでも攻め切れなかったことがあるくらいですし、 その後も意外と持ちこたえています。 ただし、ソ連の援助規模はどうなんでしょうね。今のアフガン政権の州知事などでも かつてソ連で訓練を受けた者がいるそうですし、それなりに大規模な援助を政権樹立 のためしていたような気が。 (イスラエル軍スレ7 825) 民生援助の規模でいうなら、9.11以降になってノコノコ乗り出したアメリカと 王政末期からナジブラ政権までがっちり食い込んでたソ連じゃ桁が違う。 まぁアメリカの場合ムジャヒディンへの兵器援助を加えればいい線行くけど…w。 サラン峠トンネルとかカンダハル~ヘラート間のハイウェイ建設など、国家的事業を ソ連はいくつも手がけてる。 つかアフガンの幹線道路網はかなりの割合でソ連が改修してる。 アフガンはタリバンが持ち直しているし、地勢が決定的にゲリラ有利だから 当分(最低5年)は手を引けないと思われ。 今現在ですら前線基地への補給をゲリラのアンブッシュ恐れて空輸に頼っているような状況だし。 (イスラエル軍スレ7 826) ISAFが補給をタリバンに頼っているって? ISAFの物資輸送の仕事は、委託先からさらに現地業者にまかされていて 現地業者は、タリバンに金を払ったり、護衛してもらったりしているんだそうです。 英軍関連の記事だと4分の1だけど。金払わないとパキスタン内で燃やされると。 以下TIMESより引用 Taleban tax allied supply convoys pay their enemies for safe passage “We estimate that approximately 25 per cent of the money we pay for security to get the fuel in goes into the pockets of the Taleban,” said one fuel importer. Another boss, whose company is subcontracted to supply to Western military bases, said that as much as a quarter of the value of a lorry s cargo went in paying Taleban commanders. The situation now was so extreme that a rival company, working south of the city of Ghazni, had Taleban fighters to escort their convoys. http //www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article5327683.ece (アフガニスタン情勢スレ3 472,485) アフガニスタンのマスード将軍について、彼がどう凄いのか、易しく教えていただけないでしょうか マスード派:ろくな武装無し。外国の援助もほとんど無し。 ソ連軍:曲がりなりにも軍事大国。武装はほぼ最新鋭、兵隊もいっぱい。 という極端な非対称のバランスの中で、彼の拠点であるパンジール峡谷は、 ソ連軍が10回にわたる攻勢をかけてなお陥落しませんでした。 どう凄いかというと…うーん、5人のサッカーチームで、相手が100人でもゴールを守りきるようなもん? 彼の強さはゲリラ指揮官としては破格といえるほどの戦略眼 (情報の重視、兵站への徹底的な攻撃、無駄な人員損失をできるだけ回避する)と、 そのカリスマ性、さらにはその人柄(例えば捕虜としてとらえたソ連兵への私刑を禁止していた、 当時の状況を考えるとはっきりいって異常)が彼を「英雄」にしたのだと思います。 (340 227) 今の段階(2009年9月)でアメリカがアフガンから撤退してしまったら? アフガン撤退を語る議論の中で、何故か印パ問題その他が放棄されがちになるのがものすごく気になる 仮にアメリカほかの諸国がアフガニスタンを事実上タリバンに与える事を承服した時、 パキスタンはアフガン・タリバンへの関与を欲しないのか インドはパキスタンの裏庭強化の動きを看過するのか タリバンと伝統的に友好的なカシミールゲリラがアフガンに拠点を設営する恐れは? タジク・ウズベク・イランはパシュトゥンによるアフガン支配(と、恐らく発生するだろう民族浄化)を看過するのか 中国はウイグル問題を刺激するアフガンの原理主義国家を容認できるのか そして何より、タリバンは周辺にイスラム革命の輸出を欲しないのか 控えめに見ても90年代のタリバンはタジク・キルギス・ウズベクの原理主義勢力を支援してきたし、 特にアルカイダに合流したUIAなんかは今でもアフガンに拠点を置いて活動してる 今ではウイグルの過激派との関係性も指摘されて久しい イランの麻薬組織との関連も深いし、チェチェン問題とのコミットも未だにはっきりしてない 正直火薬庫過ぎて、撤退論議するなら「タリバン化後」の議論もセットじゃないといけないと思うんだが (アフガニスタンスレ4 805) タリバンに対する現在のアル・カーイダあるいはISIの影響力ってどれくらいあるの? ドクタ・ナカムラのように地方パシュトゥーン人の土豪勢力と同一視していいの? パキスタンのタリバンのリーダーだったメスードの死後 外国籍のつまりアルカイダ系の外国人(アラビア語を話す奴ら)が推す側近と と地元出身者に声望の高いメスード族の側近の後継者争いが起こった─ でもとにかく 外国籍のアラブのやつらは重要な資金源として協力しているから 両者間には比較的安定した協力関係があるって印象 (アフガニスタンスレ4 833) タリバンが再びアフガンを支配する可能性は? 策源地のパシュトゥン人居住地域から駐留外国軍に散発的なテロを仕掛けるのには十分な兵力でも、 とてもアフガン全土の支配や統治までは手が回らないのがタリバンの現状ですが。 結局一進一退の攻防で戦術的な優位を確保できても、それを維持できない以上 かつてのようなアフガン支配は到底無理な話。 ISAFという組織が機能して、かつ有志連合軍に米国が兵力を提供する限りタリバンの 戦略的勝利は遠い夢だな。 時に有利に戦況を展開できても、長期的にはトライバルエリアに押し込められる方向に 進むのは動かしがたいな。 最近のゲリラは毛沢東やべトコンと違って、通常戦を仕掛ける軍隊への脱皮過程が不要。 平定する側の国内世論が倦み飽き、軍を撤退させるのを待つ消耗戦略をとり、その後の内戦に 勝利すればよい。 また、パキスタンが未だに武装勢力のいずれかを援助しているとも言われているところ。 (アフガニスタンスレ4 979,980) アフガンの場合11月は年間で一番武力活動が不活発化するそうですが、何ゆえ真冬でなく11月なんでしょう? ソ連・アフガン戦争の頃は、真冬は寒さと積雪の為、ソ連もアフガンも自然休戦状態に。雪解け後、状況再開。 あれから20年。地球温暖化でアフガンは真冬でも積極的な軍事行動を取れるようになったのかな? 前線から引き揚げた兵士が都市ゲリラ稼業に励むまでのただのタイムラグだと思う。 冬季作戦不可能なのは今も対ソ戦の頃も同じ。 稜線や峠越えの機動戦術がメインのゲリラにとって、いくら温暖化したとはいえこの時期の 作戦は自殺行為。 この時期にヒンズークシ山中で戦争するなんて、SAS山岳戦チームクラスの山岳戦の精鋭が ヒマラヤ冬山登山級の装備と支援で挑んで初めてどうにかなるレベルだと思う。 ただ山に入るだけで命がけだからなぁ今の時期のあの辺は。 (アフガニスタン情勢5 936) タリバンの目的はアフガン統一なのか? タリバンも何も「即時の全アフガンの統一」を必ずしも掲げている訳ではない。 タリバンはシャリア法の浸透と施行を通じた将来的なイスラム首長国の建設を目論んでいる訳だ。 パキスタンとアフガニスタンからのパシュトニスタン独立ってところがいいところですね。 まぁ、パキスタンがさすがにそれは阻むと思うが。 だいたい、タリバンのシャリアはその実、寛容で開明なイスラム本流とあいいれない部族の伝統を そのまま使っているだけでしょう。そもそもタリバンの中に本格的なイスラム法学者っているんですかね。 いや、いるんでしょうけど、宗教警察とかをコントロールしている連中にはいないんじゃないだろうか。 欧米の人権団体を待つまでも無く女子を家庭に閉じ込めたりするのにはカブールでもマザリシャリフでも 反対みたいですよ。 (アフガニスタンスレ6 24-26) タリバンの中に本格的なイスラム法学者っているんですかね。 全くおらんからここまで好き勝手やってるんですがw。 創始者のオマル師からしてパシュトニスタンのド田舎の村の宗教指導者だったのは有名。 イスラム法学者どころか文盲の連中も多いぞ初期のタリバンメンバーは。 今のイスラム法学の主流はカイロのアズハル大学関係者だけど、タリバン創立当初から 非常に関係は険悪で、9.11直後以外にも幾度となく非難声明が出ているな。 こいつらと同類視されたらシャレにならないというのが主流のイスラム法学者の感想。 タイの大寺院の高僧と麻原彰晃を同じ仏教理論者として扱う位の暴挙。 (アフガニスタンスレ6 28) アフガンCIA基地で自爆した犯人は? アルカイダの二重スパイだったとか? そのCIA基地で自爆した二重スパイ、 (名前:Humam Khalil Mohammed、ヨルダン人内科医)というのはCIAと仲良いヨルダンの諜報機関、 General Intelligence Directorateというのが信頼できる情報屋であるとの保証のもと、 アフガンのCIAに送り込んでいた人物…その職業的バックグラウンドからして、 医者のアイマン・ザワヒリの居場所を突き止めることを任務として送られてきた人物だと アルジャジーラも報じている イラクでは実際アブ・ザルカウィなどの居場所の特定と暗殺に多大な協力をしたのが ヨルダンの同諜報機関で、イラク開戦以来米国から多大な資金投与をうけている しかしそのHumam Khalil Mohammedは実際アルカイダのオンライン討論フォーラム上などでも 偽名で活発に反米的投稿をしていた人物だった… http //www.nytimes.com/2010/01/05/world/asia/05cia.html?hp そのkhostのCIA基地というのはアフガン・パキスタン国境地帯の アルカイダ関係の情報収集を目的に設置された基地で… ヨルダン諜報機関の保証があるとならばそのようなダブルエージェント をCIAは喉から手が出るほど欲していた、 (アフガニスタンスレ6 254,255) タリバン政権が崩壊してもうずいぶんになりますが、いまだに活動できるだけの資金や武器を提供しているのは誰なんでしょう? タリバーンの(というか、世界のイスラム原理主義系組織の)資金源である アラブの金持ち(その大半は湾岸産油国の石油利権者と王族)はそれらへの 資金協力を普通に続けている。 アフガンとパキスタンの間には「部族領域(トライバルエリア)」って言われる パキスタン政府の統治がちっとも及んでない地域があって、ここ経由なら武器でも なんでもノーチェック。 というかチェックする人間も組織もそもそも存在してない。 最近はパキスタン政府も完全な野放しにはしなくなって来ているが、それでも 「国境検問」なんてないも同然なので、素通りしてるのと同じ。 そもそもアメリカが全土制圧したはずのイラクだって周辺国から武器の流入がダダ漏れ だったりしてるわけで、あの辺の国でその手の「ルート」を経つことは現実には無理。 タリバンなど武装勢力はアフガン国内に支配地域をもち、道路や橋梁に検問所を設けて通行税を徴収している。 このほか、国内でのケシや大麻生産とその密輸などのあがりもあるし、パキスタンからアフガニスタンへの各種商品密輸 など運送業者との関係もあるとされる。 また、イラクであったのと同様に、ISAF各国軍と契約を結ぶ民間業者や請負者への恐喝、浸透などもあると思われる。 (610 820,821) ニュースでよくタリバンが小銃持って訓練しているのを見るけど食料の補給とかどうしてるのかな? ソ連侵攻時代と補給システムは大して変わってないだろうから当時のムジャヒディンのシステムで みると、食事はごく一部の大規模な兵站基地とか訓練キャンプ除いて基本アジトで管理責任者の 現地住民から提供。前線やアジト間の移動時には材料提供の上各自自炊。 野営や長行軍は極力避け、どの村にも基本的に1軒は確保してある中継基地に補給や 食事の提供、宿泊を頼るのが特徴だった。前線ギリギリまで中継基地伝いに前進して、 野営装備や食糧、水といった装備を最低限に抑えて身軽な活動ができるようにしていた。 実際急峻で寒冷な高地のアフガンで、装備ダルマ状態になると動くだけで手一杯になるんで アフガンゲリラの戦術は賢明。 アナコンダ作戦で屈強なSEAL隊員がカンダハル近郊の山岳地帯に25kgの荷物を背負って 展開したんだけど、30分でバテたそうな。 並木書房か朝日文庫の笹川氏の著書がソース。 (アフガニスタン7 588) アメリカがかつてタリバンを支援したというのは事実なの? アメリカはパキスタンのアフガン難民組織を、民間及びパキスタン政府(秘密警察)を通じて影に日向に支援し、 アフガンの対ソ戦の後方支援組織としようとしてたのよ。 タリバンはその中から生まれ育まれたので、アメリカにより直接的軍事援助は受けなかったけど、支援を受けたのは確かだ。 (689 390) アフガニスタンは結局今どうなってるんですか? アメリカが撤退しますが、デメリットとメリットを出来ればお答えしていただければ幸いです。 アフガニスタンにとって、という意味だろうか。だとしたらザックリと言うと メリット:少なくとも米軍の誤爆で市民が死ぬ事は無くなる。 「誰もが疲れ果てるまで内戦を始める自由」が手に入る。 デメリット:アルカイダ系等諸々の軍事勢力の伸長を止める力がない。 結果的にタリバン政権時代に戻る可能性もある。 米軍も見捨てたような土地で外資の投資も呼べず、貧乏なまま (俺初質スレ50505 617)
https://w.atwiki.jp/bfbc2/pages/63.html
裏技・小ネタ 裏技・小ネタについてまとめてあります。 ざくっと箇条書きで付け足してって頂いてOKです。まとめられそうなものは項目でくくってしまってください。 マルチプレイ(オンライン)の敵兵・味方へのセリフなんかも書いて頂いて構いません。多くなるようでしたら別途「セリフ集」みたいなのを作ると思います。 オフライン最終ミッションの歩哨をスルーする スカラー兵器のパーツに書かれた漢字 捕虜救出 バイクレース M11の迫撃砲地獄突破 ミッション12でプラットホームに上がる(多少の運要素在り) おかしな日本軍 BFBC2での世界情勢 味方NPCの考察 オンライン家の壁を静かに破壊する方法 SRのボルトアクション、SGのポンプアクションの短縮方法 リロードキャンセル UAVの使い方 木こり志望の貴方へ C4の使い方考察 軽戦車に乗って敵兵を粉砕せよ 大空の最強兵器・攻撃ヘリコプターを極めよう ヘリの撃ち落しかた諸々 AT4に関するアレコレ 40MMSGNを使ってみる 40MMSMKを使ってみる 狙撃考察 その他 オフライン [部分編集] 最終ミッションの歩哨をスルーする M13「AIRBONE」の開始直後、歩哨をナイフで殺し武器を奪うと奥にいる兵士がナイフでこちらに突進してくる。 普通だったら武器のリロードが終わり次第撃ち殺さなければ、そのままゲームオーバーになってしまうが、 全力疾走で手前の歩哨をナイフで殺したらそのまま奥にいる兵士のところまで、またダッシュ。 奥の兵士の手前に到着したら、右の壁に自分の体を寄せてしゃがみつつ、兵士の後ろに回りこむ。 すると、その兵士はこちらを無視して軍曹たちのほうへナイフで突進していく。兵士は軍曹たちをすり抜けてそのまま消える。 このままミッションを進めることができる。ただし、この兵士を無視するとUSAS-12を装備する場面まで軍曹たちは 武器がナイフのため、攻撃してくれないので注意。たいした問題ではないが…ちなみに手前の歩哨を無視して先に奥の兵士を ナイフで殺そうとすると、絶対にゲームオーバーになる。 スカラー兵器のパーツに書かれた漢字 M09「Sangre del Toro」の最後のイベントシーンで出てくる「旧日本軍が開発した」スカラー兵器の最後のパーツ。 「危機」と黄色い文字で書かれているが…本当は「危険(DANGER)」と書きたかったのではないだろうか。 「限られた」「爆発性」を思い出した古参兵も多いだろう。 捕虜救出 M10「No one gets left behind」フリンを救出に向かう道中で突撃兵の捕虜がつかまってるので救出可能。 マップに動かない青いマークがあるので位置がわかる。助けるとハスキーな声でお礼を述べ、拳銃で参戦してくれる。 バイクレースが始まるとどこへともなく去る。 バイクレース M10「No one gets left behind」中盤のバイクレースで1位になると、 ハガードが「作戦が終わったら一緒にNASCARに出ようぜ」的なことを言ってくれる。 ※NASCARはアメリカの有名なストックカーレース。 M11の迫撃砲地獄突破 難易度ハード時など、何回も死んでしまった者も多いのではないだろうか。 実は、後ろにある階段を上り、真下に見える家屋の屋上に飛び降りることができる。 そのまま屋上、小屋、ベランダなど隣接している民家づたいに楽々突破できる(大通りにしか迫撃は降って来ない) 最後もとの通りに戻る時、あまりにも高い所から飛び降りて自殺しないように ミッション12でプラットホームに上がる(多少の運要素在り) 港に降りていった先の操車場で、右手のプラットホームから敵の猛攻をうける。そこにいる敵を一掃した後、プラットホーム下に行き『銃座の真下辺り』をうろうろすると一瞬銃座が選択可能になる時がある。そこですかさずB(PS3は○)ボタンを押すと何故か銃座に取り付く事が出来る。成功したなら、再度B押しで銃座から離れるとそこはプラットホームの上(即死ゾーン)。素早く左の柱横に移動すればカウントも無くなるので、その位置から右に身を乗り出せば、先の方で湧く敵兵を真横から狙い撃てる。 因みに、このプラットホームは、その先の方までずっと上を進める(カウント半分位で次の安全地帯へ移動しながら)ので、補充物資の在る辺りのラッシュも上から楽に対処可能だ。 おかしな日本軍 M1「Operation Aurora」では唯一日本軍が登場しているが、設定が適当なためかおかしなことになっている。 まず、オーロラ作戦が実行されたのは日本海上の島と説明されているが、日本軍の塹壕内で見られる島の地図はどうみても太平洋の「硫黄島」である。ただし、何故か周囲には要塞島などが多く見られる。 ジープ(九十五式乗用車)に乗って逃走する際に使用できる機関銃は何故かアメリカ製のM1919重機関銃で、途中ででてくる戦車についているのもアメリカ製の機関銃。さらにこの戦車のフロントには敵性言語であるはずの英語で「FMBC」と謎の表記がある。また、逃走中に携行型のロケット砲を撃ってくる日本兵がいるが、日本軍は携行型のロケット砲など配備していないどころか開発もしてない。 日本軍が使用しているライフル「四式自動小銃」は頻繁に登場しているが、実際は試作段階な上に生産効率が悪くて実戦配備に間に合わなかった幻のライフル。さらに試作品が約100~200挺程度しか製造されなかった。 終盤で潜水艦のドックに入れるが、壁には「皇居」「上野」「東京」などと場違いな表示がある。また、停泊している潜水艦は「伊200」と書いてあるので、「伊二〇〇型潜水艦」であると推測できるが、外見はどうみてもアメリカ海軍のマッケレル級潜水艦である。ちなみに「伊二〇〇型」は製造が計画されたが、結局お蔵入りとなったため実際は一隻も建造されていない。 BFBC2での世界情勢 BFBC2ではロシア軍がアメリカに侵攻している。アメリカだけでなく、ヨーロッパや南米、アジアなども瞬く間に侵略している。 アジアは中国から赤い領域がのびているため、ロシアのみならず共産主義国が台頭した時代と考えられる。 なお、日本は全域が占領された模様。南米にはロシア兵が駐屯しているため、ロシア側が何らかの支援を行っていたと思われる。 アメリカは北のアラスカと、南のメキシコから侵略されている。ちなみにエピローグではカナダも制圧されて、本土に侵入を許している。 味方NPCの考察 味方NPC(軍曹達)は建物の倒壊に巻き込まれるとどこかにワープする(仕様。基本的にプレストンの後ろだったりするがたまにとんでもない所に飛ばされて帰って来れなくなる事も)。 上へ オンライン [部分編集] 家の壁を静かに破壊する方法 突撃兵が装備できる40㎜GLは安全装置が組み込まれているため近距離の目標に着弾しても爆発しないが、 爆発しなくても弾頭が家の壁に当たるだけで簡単に破壊できる。派手な爆発音もないので 静かに破壊可能。聞こえるのはポン、という40㎜GL発射音と壁が崩れる音だけである。 SRのボルトアクション、SGのポンプアクションの短縮方法 自分の近くにボルトアクションのSRが落ちていて自分もボルトアクションのSRがあるとできる撃つ→落ちているやつを拾う→拾ったやつで撃つ→また拾う→撃つ→拾うの繰り返し撃ってすぐに拾うからボルトアクションの時間が短縮される拾うとボルトアクションのモーションが必要なくなるからボルトアクションのSRを連射できる(但し、バレたら悪評の嵐) -SGのポンプアクション短縮は撃つ→すぐにハンドガンなどに持ち替える。→またすぐにSGに持ち替えて撃つ。マウスではやりやすいがパッドでは難しいかもしれない。 リロードキャンセル 弾薬のリロードは、基本的にマガジンを外す→マガジン装てん→コッキングという過程を踏んで行われるが、実はマガジン装てんモーションが終わった時点でリロード自体は済んでいる。(弾薬表示を見るとわかる)弾薬が追加された時点で武器交換ボタンを二回押すことで、後半のコッキングモーションをとばす事が可能である。ロケットランチャー等のガジェットではモーション、ボタン操作等々少し事情が異なるが、後半のモーションをキャンセルできるのは同様だ。 UAVの使い方 上空から敵をスポットしまくり 歩兵に狙われたら、その真上をすり鉢飛行するとよい。真上で動く標的は意外と狙いにくく、長く粘れる事もある。 乗物や建物、もしくは歩兵にミサイル攻撃爆発の範囲は小さめなので歩兵には効果薄。乗物や固定機銃を狙ったり、建物を壊して侵攻を助けるとよい。 ちなみにミサイルはUAVから発射されるのではなく、『別の航空機』が撃ったモノのため、一見何もない空から降ってくる。 V ELECTを付けてUAVらしく偵察活動移動するだけでマップが赤点だらけになるというシロモノ、何もする必要がない分撃墜される確率も少ない。しかも、これで付けたスポットは相手が倒れるまで有効のようだ。ただし、このスポット情報は味方とは共有されない。 UAVを壊されてもスポットは消えないので、スポット後はUAVを乗り捨ててすぐさま戦線に向かうのもいいだろう。 V OPTICをつけてズームつけて偵察。今回V ELECTでスポットができないためコッチのほうがいいかもしれない。スポットするときは中心の照準ではなくプレデターミサイルの照準を参考にするといい。 歩兵に体当たりしてローターで切り刻む正面から突撃するとすぐ壊されるので後ろから(特に偵察兵)忍び寄り地面にぶつけつつ相手に突っ込もう。(壁や地面にぶつかっても壊れない) ヘリに体当たりして操縦不能に陥れてやる。機銃が無い時でも体当たりしていれば操縦ミスで落ちていくぞ。 誰も乗っていないヘリをひっくり返し破壊できる。 V SMOKEを付けてスモーク弾で地上支援操作側から見ると地味だが、地上の兵士から見ればカオスそのもの、防衛側ではシャレにならない。 一度に3発バラ撒き、高い場所で撃てば広く、低い場所で撃てば集中してバラ撒ける。 V ALT Wを付けて機銃で攻撃スナイパー狩りに最適。接近する際は地形を利用して隠れながら飛ばないとあっさり落とされる。 敵のヘリとのドッグファイトにも使える。小さい上小回りが利くので圧倒的に有利。 木こり志望の貴方へ ラッシュの防御側では敵陣の木を切り倒すと有利に戦えます。以下木を切る手段を列挙。 ビークルで切る。もっとも早く木を効率よく切れるが、他の仕事を探したほうがいいかもしれない。移動ついでに切っておくといい。ほどほどに。 突撃兵の40mmGLで切る自力で弾を補充可能、遠くの木も狙える。 工兵のロケットで切る遠くの木を狙える。 偵察兵の砲撃指示器で切る在る程度遠方まで狙えるが、砲撃がばらけるため思ったようには伐採出来ない。再チャージまで時間が掛かる(前作にあった『バグ技』は封じられてます) 偵察兵の狙撃銃(要ボルトアクション)で切る弾数が多い上に遠くの木を狙える。距離によっては二発必要に。M95である必要はないがセミオートは不可。 C4で爆破する突撃兵なら自力で弾を補充可能。広範囲の木を一気に処理できるが接近する必要あり。禿山にすると向かってくる歩兵は簡単に狙い撃てるようになる上、スナイパーは稜線しか隠れる場所が無くなる。スナイパーには煙幕を打ち込んでやるとなお良し。 固定機銃5~6発程度で伐採できる。遠くの木も幹を狙えば倒せる。弾数は無限なので気にせずうちまくろう。敵をスポットしながら伐採できれば尚良し。砂の弾は正面から受ければきっと大丈夫だが、ロケランや戦車の主砲には負けるので注意が必要。 スラッグ弾を活用するショットガン装備時に選択できるスラッグ弾を使えば、中距離までなら一撃で伐採できる。突撃兵に持たせてやれば弾薬補充とC4でグンと伐採効率が上がるだろう。 C4の使い方考察 敵戦車にプレゼントする2つなら一撃で破壊可能。 四輪バイクに貼り付けてM-COMや敵戦車に突撃M-COM破壊にはSPECなしで12個必要。死亡するリスクが高い。戦車にも有効。(M-COMの耐久力が増したため、倍程度の個数が必要と思われます) M-COMを直接破壊爆薬を設置する前にC4も土産に設置しておこう。(爆薬が先だと敵兵が早く来てしまうので)敵兵が集まってきたときに火柱で歓迎してあげよう。M-COMへのダメージボーナスが増加したため、サイレンを鳴らさずにC4のみで特攻、爆破するのが流行っている。 自分の操縦するビークルに設置耐久力がなくなって乗り捨てたあとに奪われないように破壊。(奪われた後でもよい)四輪バイクと同じくM-COMに突撃してもいい。働き者の工兵を巻き込まないように注意。 ラジコン少年にプレゼント敵陣にとどまりラジコンの操作台にC4を設置。UAVが飛んでるのが見えたら、手元のスイッチをポチッと押してやる。屈辱度は高い。 自分で使った後に操作台を破壊しておけばマップ上でUAVが復活したかどうかわかりやすい。 地雷の代わりに使う。コンクエなどで自軍拠点の旗付近にしかけておこう。拠点のマークが点滅し始めたらC4のスイッチをポチッと押してみよう。 建物の破壊に使うロケット弾や戦車やグレネードランチャーのほうが安全だし手っ取り早い気がするが、C4ならば破壊キル(Demolition Man)を達成しやすいかもしれない。倒壊寸前の建物にC4を仕掛けて、スナイパーなどが潜むのを見計らって破壊してみよう。M-COMのある建物ならば、警報を鳴らして(爆薬設置して)敵兵が来てから倒壊させれば同時キルなどの惨劇が期待できる。味方を巻き込むことがあるので注意。 芋掘り・建物の上階への攻撃や外側からのあぶり出しに使う外側からの攻撃の場合上記にあるとおりロケットなどで遠くから吹き飛ばした方が早い上に高所に貼り付けるのは難易度が高いが、屈辱度はこちらの方が高い。また、敵からしてみれば設置音は心臓に悪い(ただし、慣れたプレーヤーに対してはあまり心理的効果は無い)。 軽戦車に乗って敵兵を粉砕せよ 軽戦車で無双せよBMD3、M3A3などの軽戦車は歩兵に対して最強の兵器である。特にいつも死んでばっかりで面白くない!って人はぜひ試してみよう。8人連続キルピンも取りやすい。 メインウェポンの機関砲が強いリロードに多少のタイムラグがあるものの、着弾すると爆発するので走っている兵士や物陰にいる兵士をしとめるのに最適。歩兵に対してなら重戦車より断然優れている。足元や背後の壁を狙うと爆発に巻き込める。 V ELECT(電子戦パッケージ)が非常に強い歩兵に対する攻撃力と、周囲の歩兵を探知するV ELECTを組み合わせると軽戦車が恐ろしい殺戮兵器と化す。壁の後ろを回りこむ歩兵も手に取るように探知して、顔を出した瞬間機関砲で粉砕することも容易い。地雷も探知可能。探知するとちゃんとセリフでしゃべってくれる。 立ち止まらない軽戦車や重戦車に乗ってもC4などですぐ死んでしまうという印象を持ってないだろうか。これは、単に走り回ってないためである。でも、走り回っても地形に引っかかってやられてしまうこともあるだろう。マップ上でどこが走行可能なのか熟知しておけばだいぶ死亡率は減るはずだ。また、戦車が破壊寸前になると逃げ出してしまう人もいる。もちろんそうしたほうがいい場合もあるが、一回死ぬまでに二人殺せばトータルで相手の倍はチケットを奪っているのである。奪われるくらいなら死ぬまで戦車で粘っても損はない。鉄の棺桶を乗りこなして敵兵を地獄の道連れにしてやろう。 副座席の機銃を活用せよ地味な印象がある戦車の機銃。しかし操縦主と連携をとればこれがとても強い。V ELECTこそ機能しないが、そこは戦場の経験と勘で敵が潜んでいそうなところを予測するといい。たいていロケットランチャーや双眼鏡を構えてる敵兵がいるはずだ。ただでさえ強力な軽戦車だが、これによりさらに死角がなくなる。そして何より、分隊でコンビを組めば修理や乗員アシスト、スポットアシストなどのポイントが非常においしいのである。敵戦車が来たときも降車してロケットランチャーで支援しつつ背後で修理すればまず負けない。操縦者は相方を置き去りにして走って行ってしまったり、降車して逃げ出したりしてしまわないようにしよう。 大空の最強兵器・攻撃ヘリコプターを極めよう ヘリに乗りたいですATACAMA DESERTではヘリが脅威である。自軍にヘリの熟練パイロットがいるならばこれほど心強いことはないが、そうでなければ悲惨な結果になるだろう。しかし他人に期待していては進歩がない。そこで、自らがヘリを乗りこなして敵に一泡吹かせてやろう。コツを掴めば戦闘が終わるまでずっと乗っていられるし、何より楽しい。なおこの項ではマップはATACAMA DESERT、クラスは工兵を使うことを前提にしている。ヘリを修理したり奪い合う際にも工兵が断然便利だ。 基本ヘリはピッチ操作によって機体が傾き、前進する。竹とんぼで遊んだことがある人にはわかりやすい。傾きすぎるとすぐ落ちるので注意。着陸するときは照準を目安に機体を水平に保ち、地面を見て速度が十分に落ちたのを確認したら、少しずつ出力を下げよう。傾きすぎていたり、速度がある程度あると墜落してしまう。着陸は自分で修理するために必要なので練習しよう。 ヘリの極意は、横移動に在り熟練パイロットの激しく横移動するヘリに手も足も出なかった経験はないだろうか。これは左スティックでのロールの応用である。まずは前進して勢いをつけ、右スティックで左右に機体を回せば横を向くが、何もしなければ方向転換するだけなので、このときにロールして横移動しよう。敵を正面に据えるように右スティックで調整すれば横移動の完成。上級者のように低空で鋭く回り続けて正確に射撃するのは難しいが、まずは遠めでゆるく回転して敵を狙い続けるのをマスターしよう。横移動に夢中になってマストなどの構造物に当たらないように注意。敵のヘリと戦うときも高度をとり、横移動しつつ攻撃を当てていこう。横移動が上手くできないと敵に背後を晒すことになる。敵ヘリとの戦闘では当然ながらガンナー(機銃手)がいたほうが圧倒的に有利。 また、工兵のロケランは真上が意外と狙いにくいため、敵群衆の真上を激しくスライド・ローリング飛行すると撃ち落とされにくくなる。ただしガンナー席は真下が狙えないため攻撃はできないが、味方のリスポーンポイントとして役に立つ。 敵のヘリを奪えATACAMA DESERTでは敵味方にそれぞれ一機ヘリが登場するが、二つを味方がとってしまえば、怖いのは機銃や対空砲くらいになるので、かなり快適になる。まず戦闘開始直後に両陣営のヘリが戦うことになるが、どっちが勝つかよくみておこう。敵のヘリが落ちたらすぐに敵陣営の裏にバイクなどでダッシュ。30秒くらいで復活するのですぐに奪ってしまおう。このとき生き残った味方のヘリは上空から支援するといい。飛び立つ前に破壊してしまうのも手だが、味方が奪ってくれたほうがはるかに楽になるので味方の車両が敵陣営にダッシュしてるのを見ておこう。ガンナーが飛び降りて奪ってもいい。開始直後に味方のヘリがやられてしまったら、敵にダメージがあるうちに対空砲などで何とか落とそう。あらかじめ援護射撃をしておくといい。逃げられてしまったら、味方陣営のヘリが復活するまで余裕があるので、敵に取られないようにしっかり警戒してまた最初からやり直し。当然、敵も同じことを考えているので敵が先に乗ってしまったらロケットランチャーで撃墜。ヘリを奪いにきた敵車両もランチャーで粉々にしよう。何度死んでもへこたれてはいけない。 見事に二機ともヘリを奪ったら大空が君を待っている。操作に失敗して落としてしまっては苦労が水の泡なので丁寧に扱おう。のんびり大空を満喫していると地上の猛者が弾丸を飛ばしてくるが、危なくなったらすぐに安全なところに着陸して修理しよう。敵の前哨基地を二機のヘリで集中砲火してもいいが…対戦相手がいなくなってしまっても困るので自己責任で。この項は決してリスキルを推奨するものではなく、いつもヘリに一方的に蹂躙されてる、ヘリに乗りたいけどすぐに死んで練習も出来ないという一般兵士の助けとなることを願ってのものです。 ヘリ撃墜Tips二機とも奪われたら当然、地上から撃墜しなくてはいけない。まず思い浮かぶのは対空砲だが、有効なのは確かだが移動できない上に防御力が皆無なので、数回死ぬ覚悟で撃ちまくること。戦車に乗ってる人も敵のヘリが二機いたらなるべく機銃で応戦しよう。ヘリパイロットとしてはあまり警戒してないのか、戦車の機銃は意外と有効である。カールグスタフが横滑りしてるヘリの側面から当たることがあるが、相手が上級者の場合はあまり確実ではない。これはかなわない、と思ったら無理に相手にせず拠点でも占拠しにいこう。ヘリとの戦いは地獄を楽しむ余裕が必要だ。 攻撃ヘリコプターの切り札・対戦車ミサイルアパッチやハヴォックは確かに強力な兵器だが、その火力の有効範囲は歩兵やソフトスキン車両に限られる。ガンナーの機関砲では戦車に致命傷を与える事は出来ないし、ロケット弾も元々面制圧用の火器という事もあり「点目標」を正確に狙い撃つ事は難しい。となると、やはり敵戦車との戦いは味方工兵や固定誘導ミサイルに任せるべきなのか…… というと、存外そんな事は無い。ビークル用特殊技能「V ALT W」をつけて乗り込む事で、攻撃ヘリコプターからトレーサーダーツ誘導式の対戦車ミサイルを発射する事が出来る。俗に「ヘルファイア」「シュトゥールム」と呼ばれるこれら対戦車ミサイルは装甲車両に文字通り絶大なダメージを与えるが、無誘導の状態ではフラフラと頼りなく飛んで行き、あさっての方向に着弾してしまう。この対戦車ミサイルを命中させる為のトレーサーダーツは、地上の兵士と連絡を取り合って撃って貰う他、ガンナーが「V ALT W」を装備する事でも機関砲弾と一緒に飛んでいく。元来、アパッチやハヴォックは「対戦車戦」を念頭に置かれて開発されたヘリコプターだ。地をはいずる鉄のガラクタを空からの一撃で粉砕してやろう。 ヘリ修理ヘリ修理は自軍陣地など安全な場所で行おう。ダメージを受けてしまったら、運転手以外の工兵はガンナー席でない乗員席に移って修理キットを使おう。実はヘリは乗りながら修理できる。 参考:この動画の1 52~ Q隊長、たっ耐久が! Aならば特攻あるのみ! いざとなったら大空の荒鷲も地に突撃する心構えが必要だ。先人がおっしゃる通り、ビークルが爆発したときのダメージは案外大きい。目標破壊に向かうのもいいし、地上を這いつくばる犬どもに向かって踏みつぶすor爆発に巻き込むのも爽快だ。私的な意見からすると特攻しやすい機体はやはり攻撃ヘリだった。爆発のダメージは設置式の武器,バギー,ジープなら一瞬で吹き飛ばす威力だ。爆発の殺傷距離は確実なものは機体からニメートル以内程度。気持ち的にはヘリの先端で押しつぶす要領で行くと巻き込みやすい。 最後となるが、特攻の際のマナー違反と思われるものを少し書きあげていきたい。一つ目は特攻目的でヘリに乗り込む輩がいることだ。大体そういう連中は機体の性能をフルに使いきっていない。それなら空戦のプロに任せるべきだ。最高のパイロットが乗ったヘリ一機は敵チーム全員と釣り合うのだから。二つ目は仲間が乗っている+耐久が満タン近いのに突っ込むヴァカ。これは言うまでもなく特攻に対する侮辱であり、荒鷲達全員のひんしゅくを買うものだろう。これはマナー違反とは違うのだろうが……時折ヘリにC4をふんだんに装飾して、目標へと特攻する猛者がいるのだが仲間が搭乗している場合は機体が突っ込ませても起爆しない。というか機体面積が大きいのでバギーと違ってC4の有効範囲になるのか甚だ疑問である……。 操縦席に乗った瞬間、スナイパーに狙撃されて離陸できないとき搭乗してすぐ別の席に乗り移ろう(UH60の場合は、F2~F5キーのいずれかを押す)。そしてまたF1キーで操縦席に戻ると、うまくいけば狙撃回避して飛び立てるだろう。 ヘリの撃ち落しかた諸々 固定機銃を使う陣地に設置されている機銃は360度旋回できるものとそうでないのがある。注意。HEAVY MGなら攻撃力アップ、連装対空砲ならリロード短縮のパッケージを装備するのが望ましい。遠距離で移動中のヘリは機首より少し前を撃つと当てやすい。キャノピー部分は若干装甲が薄いので可能なら狙っていきたい。 M95対物ライフルを使う機銃が付近に無い、もしくは盾つきで旋回しない場合はM95で撃退を試みる。クイックショットに自信があるなら問題ないが低倍率のスコープに変えておく。撃ち落すのは難しいが黒煙を吹く程度に痛めつけるのは容易。 RPG、AT4で一撃必殺を狙う。近距離で有効だがかなり慣れが必要。止まったところを狙うのが基本(エリアオーバー時の旋回など)だがヘリが移動中の場合は元から弾頭が低速なので相当先を狙わないとあたらない。移動しているヘリにAT4を当てるコツはヘリにマーカーを照射し続けるのではなく、ヘリの先を狙ってミサイルを引っ張る感じ。ドッグファイトの用量で頭上を通過したヘリの真後ろから狙うと当てやすい。トレーサー、ロケランが戦闘ヘリに当たらない、という人はズームせずに敵機が頭上を通過する直前に撃ってみよう。かなり当たりやすくなるハズ。ズームしないほうが位置関係を把握しやすく、首を振るのも早いため。 SR等で操縦士の打ち抜きを狙うヘリのキャノピーは銃弾が貫通する。SRやポンプスラッグガンで狙い撃ち、うまくいけばヘッドショットで落とせる……かも。ちなみにこんなテクニックでもkillポイント50+ヘッドショット10しか入りません。 AT4に関するアレコレ 射出後に再度トリガーを引くことでスコープから目を離すと同時に加速する。(誘導が切れるわけではない)※2010年12月リリースのパッチにより速度75で固定されたため、即座にリロードするスイッチでしかなくなった。 射出後、AT4以外の武装に切り替えることでそのまま直進させ、身を晒す時間を減らすことが出来る。ただし弾頭の飛翔中にAT4を構え直すと誘導が再開される。発射直後は視点が跳ね上がるため、軌道が若干上向きになる。 40MMSGNを使ってみる どや顔にぶち込め接近戦を得意とするはずの突撃兵。しかし衛生兵に至近の撃ち合いでいつも負けてはいないだろうか。それは40MMショットガンを使ってないからである。 利点グレネードランチャーだって必殺だし、壁も壊せるから強いのでは?と思いがちだが、対人としてなら40MMSGNのほうが強い。至近距離で数人一発で葬れるのに対し、GLは至近距離では爆発しない(一人しか倒せない)上に、中間距離でも爆風に上手く巻き込まないと効果が薄い。さらに40MMSGNは弾薬箱からの補給がARのランチャーの中では約2.5秒と最速である。(GLは10秒もかかる) 活用法問題となるのは切り替えの手間とリロードの遅さ。切り替えは、普段から40MMSGNにしておくことで解決できる。とっさにARを撃たなければならない場面のほうが意外と少ないので、支障は少ない。問題となるのはリロードだが、撃ち損じたらすぐに銃撃に切り替えてフォローしよう。たいてい瀕死なので簡単に倒せる。M-COM付近の攻防戦では無類の強さを発揮する。 最後にGLを含め、ARのガジェットを活用してる人は少ない。しかし40MMSGNを活用すれば赤ベレーに出会い頭に瞬殺されることは少なくなるはずだ。問題があるとすれば、この戦法が広まると敵の突撃兵が厄介な存在になるということであろう。 ちなみに・・・40MMSGNはXM8PとAUGに装着した場合にのみズームで集弾するようになる。(PC版CS版に共通する仕様) 40MMSMKを使ってみる Qた、隊長、敵の攻撃が熾烈で近づけません! Aならばスモークを使え!貴方はこのような状況にあったことは無いだろうか?コンクエスト・ラッシュ(共に特に歩兵中心のマップ)で効率的に防御陣地が構築されている(要するに敵の数が多くうかつに飛び出すとデスを重ねかけない。また程度は兎も角連携や統制が取れており、弁当や弾が複数個置かれ、敵を倒したとしてもすぐに蘇生されてしまう)時や、その逆に敵の猛攻を少しでも抑えつつ、後退する時など。例えば分隊ラッシュ以外では味方戦車・歩兵戦闘車・輸送ヘリ(ヘリの場合自分が乗っていなければスモークを当てるのは難しいが)が明らかにスポットされ、集中砲火に晒されていること。対スナイパーとして所位置に打ち込んでやるのも有効ではある(スポットも忘れずに)。このような状況でスモークを使うと有効である。 利点敵からのスポットを解除できる。敵の集団に打ち込むと、敵の動きを容易に撹乱できる。一見利点がないと思いがちだが、40MMSMKは弾薬箱からの補給がARのランチャーの中では約3秒と割と早めである。特に侵攻ルートが限られている時に最大限の効力を発揮する。 活用法問題となるのは火力低下。切り替えはともかく直撃させなければまずキルを取れないため40MMSGNに慣れたプレーヤーには戸惑う事もあるだろう。だが、足元や至近距離の敵に直接撃っても煙幕の効果が出るのはご存知だろうか。。M-COMの攻防戦及び侵攻ルートが限られている状況では無類の強さを発揮する。 最後にGLを含め、ARのガジェットを活用してる人は少ない。しかし40MMSMKを活用すればラッシュでM-COMに近づこうにも攻撃が激しすぎて無理!ということや陣地に立てこもる敵に蜂の巣にされることは少なくなるはずだ。 狙撃考察 芋と呼ばれないために…狙撃に憧れるけど、芋とは呼ばれたくない…そんな人のために、偵察兵でスナイパーライフルやモーションマインを活用しつつ、キルや高得点を稼げる方法を考察してみる。(長距離ボーナスは除く) 狙撃がもっとも活躍(貢献)できる場面とはスナイパーライフル(特にボルトアクション)は場面を選ぶ武器である。ラッシュのATKやコンクエストにおいて狙撃主体で戦うと、おそらく高得点を取るのは難しい。なぜなら敵が基本的に前進してこない、敵が潜んでる場所が特定しにくい、至近戦になりやすい場面を苦手とするためだ。そんな場面で待ち伏せしてたまたま数人射殺しても、スコアは三桁を超えない。これではまさしく芋と呼ばれても仕方がない。ここでは狙撃主体で活躍できると思われるラッシュのDEFで考察してみる。 狙撃の利点とは乱戦状態の動き回る標的にやたらに撃ち込んでも効果は薄い。それならばLMGで乱射したほうが効果があると思うときもあるのではないだろうか。狙撃の利点は当然だが遠距離の敵を一撃で倒せるところにある。しかしたまたま数人倒したところで自己満足に過ぎない。倒すなら敵がいやになるほど狙撃を決めまくって勝利したいところだ。その鍵は場所取りにある。 理想的な場所取りとは多少狙撃に自信があろうとも、動き回る敵を狙うのは効率が悪い。さらに敵があまり通らなかったり、物陰であまり見えなかったりしては意味がない。狙うなら一本道に近い地形の、敵が立ち止まって射撃しがちな物陰を、横から狙える場所だ。敵がどんなにスキルがあろうと、どうしてもそこで立ち止まらざるをえないという場所がある。そんな条件を満たす場所は多くはないが、もし狙えるなら逃す手はない。当然ばれたら反撃されるが、ツボにはまればあまり動く必要はない。敵の偵察兵が構える前に発見して狙撃すれば意外と持ちこたえる。死んだら場所を変えよう。スポットは癖にしておきたい。味方の助けになるほか、スポットしておけば敵が茂みや木の板に隠れても倒せることがある。 支援もちゃっかりやってポイントゲットある程度近づかないと届かないモーションマインは狙撃手としては使いにくいと思われがちだが、上記のように一本道の横から射撃してるのならば、もう一方の手薄な反対側(味方が銃撃してるど真ん中)に投げておく。これならば投げても無理なく届くし、黙っていてもアシストポイントが入ってくる。これならば十分にスコア上位に入ることは可能。このように堂々と芋りつつ、十分なキルも支援も出来る狙撃手を目指してみよう。 その他 数名で行動中に味方が倒されてしまった場合は周りに衛生兵の武器が落ちていないか探してみましょう。運良く見つけたら拾って倒された兵を蘇生してその後、元の武器を再度拾うことも出来ます。同様に突撃兵の武器を拾い弾薬箱を出した後、元の武器を再度拾い弾薬を補充することでもできます。偵察兵のキットを拾いモーションセンサーや迫撃砲要請双眼鏡を拝借してもらうのも手。また、どのキットでも出来る裏技として、グレネードが残っていた場合投げた後レンタルしたキットを返せばおk。 舟艇で殺害、車両で殺害、ヘリで殺害、などの戦績は、搭乗してさえいれば自分の装備で敵を殺害しても取得可能(副座席を使用) 偵察兵のブロンズスター獲得に苦労している人は、レッドドットサイトを装備して思い切って近接戦闘を仕掛けてみよう。ボルトアクションなら即死が狙え、オートマチックの場合も連射時に"サイトの"ブレが殆ど起こらない。 コンクエストモードでのベースレイプ(敵本拠地を攻撃する事)は、デリケートな問題が存在するようで、ベースレイプしたらバンすると公言しているサーバーも時々ある。覚えておきたい。 ラッシュでディフェンスの場合に、RPG切れなどで敵ビークルの破壊が難しい時、トレーサーダーツがあれば敵ビークルにトレーサーダーツを当て直ぐにやられよう。そして工兵に切り替えるなどして直ぐにビークルを狙えば、まだ自分のトレーサーダーツが刺さっているのでRPGなど誘導してくれる。オフェンス側では、あまり歓迎できない戦法だ。 落ちている武器を拾ってポイントが入った場合、拾った武器に対応した兵科にポイントが入るわけではなく、あくまでも出撃時に選択した兵科にポイントが入るようです。(突撃兵で出撃し衛生兵の武器を拾った場合、突撃兵の兵科にポイントが入ります) 地雷に対して衛生兵の蘇生キットを近距離で使用すると少々位置が変わる。繰り返すと気づかれずに道の隅に追いやるぐらいできる。未検証だが、この位置が変わった地雷を敵が踏むと何故か起爆した。一様、http //www.nicovideo.jp/watch/sm12185689 か http //www.youtube.com/watch?v=SABM0SLH0Xo LAGUNA ALTAで前哨基地に追い込まれてしまった場合、まともには脱出できないが、ロシア軍の場合後ろにあるコンクリートブロックの横から土手に登り、鉄橋に登ることが出来る。(しかし、Bに行こうとするとエリア外で死ぬ)米軍の場合も川に面する土手に登れる(脱出に使えるかどうかは微妙) ベトナムモードをプレイすると本編の装備がリセットされちゃって面倒だけど、オンスロでセットし直すしておくと本編で出遅れずに出撃できるという小ワザ トレーサーの速度は銃弾の三分の一。つまり、普段ヘリに対して機銃で見越し射撃している三倍の長さで見越し射撃すれば理屈の上では当たる。しかし数撃てば当たるのも事実なので、(ビークルマップで専用突撃銃を使う際は)突撃兵がトレーサーを担当するとよい。 軽車両(ハンヴィーなど)は運転席に乗っている時、メインウェポンボタン(PS3はL1、XBOXはL 、PCは キー)でクラクションを鳴らす事が出来る(音も車種ごとに異なる)。進路上にいる味方にどいて貰う時や味方に乗って貰いたい時に使うと良いかも知れない。当たり前だが敵陣に突入する時や特攻を行う際に鳴らすと確実に警戒される(これを逆手に取り、威嚇や陽動に使うのもあり)。 US工兵時にAT4・RU工兵時にRPGに切り替えると、背中に背負っているAT4・RPGを使用する(残念ながら、1人称視点で確認できないが3人称視点(他人から)では確認可能)。 ラッシュのディフェンダー側のM-COMに爆弾を設置されないテクニックとして、バギーなどの軽車両をM-COM間近に駐車する戦法が有効。爆弾設置と車両の乗るコマンドが同じEキー(PS3 ○ボタン・XBOX360 Bボタン)のため、アタッカーが爆弾設置しようとして間違えて車両に乗り込む事がある。ただしやり過ぎると反感を買うため控えめに。勿論アタッカー側でも利用可能(余談だが、BFBC1やBF3でも同じ事が出来る。しかし、CS機版BF4以降では操作が変わった為出来ない……)。 上へ