約 1,243 件
https://w.atwiki.jp/moedra/pages/212.html
「ん・・・」 チュンチュンと小鳥の囀る声が聞こえ、俺はゆっくりと目を開けてみた。 真っ暗だった外は何時の間にか明るくなっていて、燃え尽きた焚き火からは黒い煙が立ち昇っている。 どうやらあの後、快楽の余韻を楽しむようにドラゴンの腹にしがみついている内に眠ってしまっていたらしい。 体を押し包んだ柔らかな感触が、全裸で寝ていた俺の体をポカポカと暖めてくれていた。 ドラゴンの方もあのまま眠ってしまったらしく、ぐってりと仰向けになったまま満足げな寝顔を岩の地面の上に横たえている。 心から信用している者にしか見せないであろうその可愛げな寝姿に、俺はしばらくの間顔がにやけてしまうのを抑えながらじっと見入っていた。 その日の昼頃、俺はこのドラゴンにエルダという名前をつけた。 足の痛みはまだしばらくは消える様子がなく、当分の間はこの洞窟で暮らすことになると思って俺が彼女に名をつけることを提案したのだ。 エルダとはよく成熟したという意味の言葉からつけたのだが、ドラゴンは意外にもこの名前を気に入ったようで、俺が彼女の名を呼ぶと優しげな視線を向けながら応えてくれるようになった。 まあ、肝心のエルダの方は恥らっているのかそれとも人間を名前で呼ぶことに抵抗があるのか、1度として俺を名前で呼ぼうとはしなかったのだけれど。 エルダとの幸せな生活を始めてから3週間後、彼女は朝目を覚ました俺にそっと声をかけてきた。 「足の具合はどうだ・・・?」 そう言われて、つい最近まで痛んでいた足を恐る恐る動かしてみる。 だが今までのようなズキンとした鋭い痛みが走ることはなくなり、俺は大分体が軽くなったような気がした。 「ああ、随分よくなったよ。もう歩いても大丈夫だと思う」 「それはよかった・・・では、お前ともそろそろお別れなのだな」 「そうだな・・・俺、エルダに会えなくなると思うと寂しいよ」 それを聞くと、エルダは不意に俺から視線を外した。 「何を馬鹿なことを・・・竜殺しの名が聞いて呆れるぞ」 私はそれで精一杯の皮肉を言ったつもりだったが、視線を元に戻すと彼はただその顔に煮え切らぬ苦笑いを浮かべているだけだった。 どうやら、その言葉は彼の本心から出たものだったらしい。 私は気を取り直してどうしてよいかわからずに突っ立っている小さな人間にそっと顔を近づけると、その耳元に呟きにも似た言葉を囁いた。 「気が向いたら、またここを訪れるといい・・・お前なら、私はいつでも歓迎するぞ」 「ああ、そうするよ」 元気になった体を起こし、出立の準備を整えた若者が明るく返事を返す。 いよいよこの男と別れなければならないと思うと、私は不覚にも胸に微かな息苦しさを覚えた。 「じゃあ・・・いつかまた会おう、エルダ」 初めてこの洞窟にやってきた時と同じように鉄兜と剣のない腰巻を身に着けると、彼はそれだけを私に言い残して洞窟の外へと消えていった。 川に落ちてから大分流されてしまったのが幸いしたのか、意外にも岩山を抜けるのにそう時間はかからなかった。 そして突如目の前に開けた景色に、思わずじっと見とれてしまう。 小さな村を覆うようにして青々と広がる森の周囲を、壮大な山脈が取り囲んでいる。 正に秘境といった感じのその景観を、俺は岩山の中腹から見下ろしていた。 3週間ぶりに暖かい宿のベッドで寝られるかと思うと、エルダには悪いが少し気分が軽くなってしまう。 俺は逸る気持ちを抑えながら森へと続く坂道を一気に駆け下りると、村の方向へ向かって足早に歩き続けた。 「なんだ、大して険しい森でもないじゃないか」 上から見下ろした時には深い森のように感じたものの、実際には厚い葉を茂らせた木々が疎らに生えているといった程度の開けた森だったようで、木々の間からでもその村はすぐに見つかった。 ポツンポツンと点在する民家からは村人達がせわしなく行き来していて、意外と活気のある村のように見える。 俺はとりあえず村の隅にあった小さな民宿を見つけると、体を休めるために門戸を叩いた。 ガラッという音とともに入り口の扉が開き、シワの寄った老婆が姿を見せる。 「お客さんかね?」 「ああ、そうだ。何日か泊めてもらいたいんだが・・・」 「構わんよ。入りなされ」 俺の身なりを見てただの旅人ではないと思ったのか、老婆はジロジロと俺を見つめながらも家の中へと入れてくれた。 もっとも、俺の目には老婆がどこか微かな希望を求めているように見えたのだが。 「あんた、あの険しい岩山を越えてきなすったのかね?」 「まあそんなところだ。途中でいろいろとあったけれどね・・・」 俺を宿泊用の部屋に案内しながら、老婆が話を続ける。 「この村はちょっとした問題を抱えておってな・・・あまりお客さんに構ってやることができんでの・・・」 「問題って?」 「月に1度・・・どこかの山に棲んでいる恐ろしいドラゴンが、村から若い娘を生贄として取っていくのじゃ」 山に棲むドラゴン・・・? 俺は一瞬エルダのことを脳裏に思い浮かべたものの、すぐにそれを振り払った。 まさか、そんなことがあるはずがない。きっとこの辺りの山には他にもドラゴンが棲んでいるのだ。 「そのドラゴンっていうのは、一体どんな奴なんだ?」 「さあ・・・実の所、この村にはそのドラゴンの姿を見たという者はもういないのじゃ。何分古い話での・・・」 そうこうしているうちにようやく宿泊用の部屋に辿り着くと、俺は部屋の隅においてあった小さいながらも暖かそうなベッドに顔をほころばせた。 そのベッドにドスンと腰掛け、老婆に話の先を続けるように促す。 「続けてくれ。実は俺、ドラゴンを殺す仕事に就いているんだ。もしかしたら、村の役に立てるかもしれない」 「なんですと!?そ、それはありがたい」 驚きに見開かれた老婆の目を見つめながら、俺はそのドラゴンがエルダでないことを心の内で切に願っていた。 「それで、今度はいつ生贄を出すんだ?」 人里を荒らしているドラゴンといえば大抵が家畜や農作物を荒らしたり、生贄を要求する奴がほとんどだ。 これまでいくつも似たような依頼を受けてきた俺にしてみれば、こんな会話はもはや珍しいことではなかった。 「最後に出したのは3週間前、よく晴れた日の前夜でしたの・・・ですからもう、10日もありませんでな・・・」 3週間前のよく晴れた日といえば、俺があの岩山に登ってエルダと初めて遭った日じゃないか。 じゃあ俺を助けてくれたあの日、エルダはこの村の娘を・・・いや、違う・・・彼女じゃない・・・! 胸の内に去来するエルダに対する疑惑とそれを否定する心が、激しい葛藤を繰り広げていた。 「わかった・・・いつもはどうやってドラゴンに生贄を?」 「ドラゴンは月毎に住み処を変えているようで、毎年同じ月に同じ場所へと生贄を送っております」 なるほど・・・恐らくそのドラゴンは、長い間同じ所に棲まないことで人間達から突然襲われるのを避けているのだろう。 「それなら今月は・・・どこへ生贄をやることになってるんだ?」 「今月は確か・・・東の岩山の洞窟だったと記憶しております」 「そんな馬鹿な!」 それを聞いた瞬間、俺は老婆が驚くのも構わずに大声で叫んでいた。 「い、一体どうなされたのじゃ?」 「あ、いや・・・何でもない。村人達に剣を鍛えてもらってくれ。生贄を送る日、洞窟へは俺が代わりにいくよ」 俺がそう言うと、老婆は軽く頷いて部屋から出ていった。 まだ、エルダだと決まったわけじゃない。 きっと他のドラゴンが・・・そうだ、そうに決まってる・・・ 俺はベッドの上にゴロンと寝転がると、赤い鱗を纏ったエルダの顔を思い起こしていた。 宝石のように美しく輝く蒼い瞳、とても威厳と自尊心に染まりきったドラゴンとは思えぬ可愛げな寝姿・・・ そして何より俺に向けて注いでくれたあの心休まる優しさが、全て偽りだったとでもいうのだろうか・・・? そんなことを考えながら目を閉じているうちに、俺はいつしか深い眠りに落ちていった。 やきもきした気持ちで過ごした9日間は、俺の人生で最も長い一時となった。 次の生贄となる難を逃れた娘が俺へのお礼のために民宿を訪れ、鍛冶屋が新しい剣の試作品を持ってくる度に、俺は激しい不安とともに居た堪れない気持ちになっていった。 もし今夜あの洞窟でエルダと会ってしまったら・・・俺は、彼女を殺せるのだろうか・・・? それとも、やはり全く別のドラゴンが住み処を移動したエルダの代わりにあそこで待ち受けているのだろうか? 西へ西へと傾いていく太陽を見つめながら部屋のベッドに腰掛けていると、鍛冶屋がいよいよ叩き上がった剣を、もしかしたら愛する者を永遠の眠りにつけることになってしまうかもしれないその白刃を、俺のもとへと持ってきた。 「・・・本当に、あの岩山に行きなさるのかい?」 「ああ・・・誰かが・・・いや、これはきっと、俺が行かなければならないことなんだ・・・」 その言葉の意味を汲み取ることができなかったのか老婆が首を傾げたが、俺はそれ以上は何も言わずにそっと民宿を後にした。 村の広場で、大勢の村人達が俺の出発を大いに囃し立てている。 いつもなら笑顔の1つも見せて彼らに手でも振ってやるところなのだが、俺は終ぞそんな気分になることはできなかった。 「明日の朝になったら、私らぁ洞窟まで様子を見に行きますよ!」 「頑張ってくだされ!」 次々と浴びせられる声援に背を押されながら、俺は稜線の向こうに沈みかけた太陽を背負って森の小道を歩き始めていた。 長い森を抜けて岩山の中へと入る頃、すでに辺りには暗い闇が満ち始めていた。 そう言えば、俺はこの山の中を夜に歩いたことがない。 昼と夜の景色は、それが自然を色濃く残している場所ほど違って見えるものだ。 最後に通ってからまだ10日と経っていないはずの道が、まるで初めて来た道のようにその印象を変えている。 心に重くのしかかる不安と戦いながら、俺は真っ暗な山道を1歩1歩例の洞窟へ向かって進み続けた。 やがて山の奥にぽっかりと口を開けた洞窟が見えてくると、心臓がドクンドクンと激しく暴れ始める。 俺はドラゴンに会うことを恐れているのだろうか・・・? いや違う。俺はエルダに会うことを・・・会ってしまうことを心から恐れているのだ。 果たして、俺は腰から剣を抜くとそっと足音を殺して漆黒の闇に包まれた洞窟の中へと足を踏み入れた。 一面を覆った黒の中に、ポツンと輝く蒼い2つの光・・・ 「ああ、そんな・・・エルダ・・・どうして・・・・・・」 「お、お前は・・・」 闇の中で俺の姿を認めたのか、エルダが驚きを隠せないといった様子で声を漏らした。 だが俺が手にしていた真新しい剣へと視線を移すと、エルダの声が悲しげなものへと変わる。 「そうか・・・私を・・・殺しに来たのだな・・・」 カラァン・・・ 取り落とした剣が鳴り響く音とともに、深い絶望が俺の頭の中を塗り潰していた。 以前と変わらぬ穏やかな声、優しげな光を放つ2つの瞳・・・ だが彼女は、紛れもなく村の娘達を生贄としてその身の糧としていたのだ。 「だめだよ・・・俺・・・エルダとは戦えない・・・」 「私もだ・・・今更お前を殺すことなど、私にはできぬ・・・」 その言葉にまるで吸い寄せられるようにして、俺は静かに地面に蹲るエルダのもとへと近づいていった。 そしてゴツゴツとした鱗に覆われた大きな腕にすがるようにして、地面の上に崩れ落ちる。 「それなら、俺と一緒にどこかへ逃げよう・・・エルダ・・・」 「それはできぬ・・・この山々は数百年も前から私が治めている土地なのだ。それに・・・」 「頼むよ・・・明日の朝になれば、村人達が様子を見にここへやってくるんだ・・・」 だが俺のその言葉にも、エルダは特に表情を変えることはなかった。 そして静かに俺の耳元へと口を寄せ、まるでそよ風のように低い声でそっと囁く。 「では・・・明日の朝まで時間はあるのだな・・・?」 「え・・・?」 思わずそう聞き返しはしたものの、俺はぷっくりと膨れた腹を上にして地面に寝そべった彼女の様子に隠された意図を読み取った。 そして身につけていた鎧と兜を地面に脱ぎ捨て、プルプルと震えるあの柔らかな腹の上へと攀じ登る。 「これが・・・お前と過ごす最後の夜になるのだろうな・・・」 力なく発せられたエルダの声を耳にして、俺は自らの肉棒を花開いたエルダの中へと勢いよく突き入れていた。 1匹の竜と1人の人間の間に芽生えた愛を確かめ合うように、切ない悲しみを伴った行為は朝まで続いた。 やがて山の向こうから朝日が小さく顔を出し、洞窟の中にも薄明かりが差し込み始める。 「エルダ・・・俺・・・一体どうしたら・・・」 「私を殺すがいい・・・それしか、お互いに残された道はないのだろう?」 「無理だよ・・・俺にはそんなこと・・・」 だがエルダは半ば無理矢理に俺の体をその身から引き離すと、地面に落ちたままになっていた剣を指し示した。 「竜と竜殺しが愛し合うことなど、所詮は儚い夢だったのだ・・・さあ早く・・・その剣で私を貫くがいい」 洞窟に近づいてくる村人達の気配を感じ取ったのか、エルダが半ば焦燥を滲ませて声を絞り出す。 その声に操られるようにして、俺は力なく地面に落ちていた剣を拾い上げた。 「エ、エルダ・・・」 「さあ、やるのだ・・・お前に殺されるのならば、長かった生涯の幕引きとしては悪くない・・・」 そう言って、エルダが自らの腹を俺の前に曝け出す。 「早く、村の人間達が来る前に・・・さあ、やらぬか!」 「う、うぅ・・・うわああああああああっ!」 いよいよ進退窮まって、俺は大声で泣き喚きながら手にした剣を振り降ろしていた。 「おい、一体どうなったんだ・・・?」 「さあ・・・お前、様子見てこいよ」 「ば、馬鹿言うなよ」 すっかりと明るくなった快晴の空の下、洞窟の前では幾人もの村人達が集まっては外から洞窟の中の様子を恐る恐る窺っていた。 とそこへ、洞窟の暗がりの中からあの若者が姿を現す。 村人達の間に一瞬ざわめきが走り、1人の初老の男が若者に駆け寄った。 「あの・・・ド、ドラゴンは・・・?」 「・・・洞窟の中を見てくるといい・・・」 弱々しく呟かれたその一言に押され、若者に声をかけた男が洞窟の中へと入っていく。 そしてしばらくすると、彼は大声を上げて外にいた村人達へドラゴンの死を伝えていた。 「あ、ありがとうございますだ・・・あなたは村の恩人だ」 「どうかこれを・・・私達からの心からのお礼ですわ」 村長とともに生贄にならずに済んだ若い娘が現れると、彼女は金貨の詰まった袋を俺の前へと差し出した。 だが、この金を受け取るわけにはいかない。 俺は結局、愛する者の命を救うことができなかったのだから・・・ 「金は要らない・・・その代わり明日になったら、その金であのドラゴンの為に立派な墓を建ててやってくれ」 「え・・・?」 「それが仮にも数百年間この山々を治めてきた主への、せめてもの礼儀だ・・・」 それを聞いて、娘が戸惑いながらも大きく頷く。 「は、はい」 そうして終始何事もなかったかのように平然と振舞っていた俺だったが、村人達を率いて村へと戻る途中、俺はともすれば零れ落ちそうになる涙を必死で堪え続けていた。 その日の夜、村では盛大な祝いの宴が開かれていた。 ドラゴンという脅威の去った村人達が皆一様に浮かれ騒ぎ、憂いなき美酒の味に酔っている。 当然のように俺も幾度となく酔った村人達から酒を勧められはしたものの、俺はその度に苦笑いを浮かべながら彼らの杯を断った。 「悪い、ちょっと出てくるよ」 やがて酔いつぶれた男達が1人、また1人と深い眠りに落ちていったのを確認すると、俺は用足しだと偽って宴の席を抜け出した。 そのまま明るい笑い声の絶えない村を誰にも気付かれぬようにそっと離れ、闇に落ちた森の中へと入っていく。 そして昨日も通った暗い山道を歩き続けてしばらくすると、俺はいつしかエルダの棲んでいたあの洞窟の前に立っていた。 いつもと変わらぬ静かな洞窟の様子に胸を撫で下ろし、ぽっかりと口を開けたエルダの住み処へと足を踏み入れていく。 朧雲に隠れた月から投げかけられている淡い明かりが、洞窟の奥の壁に凭れるようにして息絶えているエルダの姿を浮かび上がらせた。 「エルダ・・・」 腹の真ん中に深々と突き刺さった剣が、今もそのままに残っている。 傷口から流れ出した血が深紅の模様を描いて腹の上を流れ落ち、岩の地面の上に静かに血溜まりを作っていた。 ドラゴンスレイヤーという職に就きながら初めて心を通わせられたドラゴンの無残な姿に、まるで胸が引き裂かれるかのような深い悲しみが込み上げてくる。 俺はエルダの亡骸から強引に視線を外すと、洞窟の隅にあった枯れ枝の山を崩し始めた。 枯れた細枝以外にも砂や枯れ葉とともに堆く積み上げられたその黒い山から、やがて1つの小さな白い球体が姿を見せる。 美しい乳白色に輝くそれを目にした瞬間、俺はエルダの最期を頭の中に思い起こしていた。 「う、うぅ・・・うわああああああああっ!」 ドシュッ! 「グ・・・ウグ・・・・・・」 勢いよく振り下ろされた俺の剣先は柔らかなエルダの腹をいとも容易く突き破ると、その奥に隠されていた彼女の命の源、力強い脈動に戦慄く心臓を真っ直ぐに刺し貫いていた。 苦しげな呻き声とともにエルダの巨大な口の端から鮮血が滴り落ち、彼女の蒼い瞳に悲しげな満足感が光を灯す。 「エ、エルダ・・・俺・・・」 堪え切れなくなった涙が俺の目からポロポロと零れ落ち、エルダの傷口から噴き出した赤い飛沫に混じって腹の上を流れ落ちていった。 「フ、フフ・・・何故、お前が泣くのだ・・・?お、大物を仕留めたのだぞ・・・少しはわ、笑うがいい・・・」 「ああ、許してくれエルダ・・・俺が・・・俺がこの手で、あんたを殺すことになるなんて・・・」 「お前は自分の役目を果たしたのだろう?そして、私は私の役目を終える・・・ただ、それだけのことだ・・・」 ブルブルと震えるエルダの手が持ち上げられ、傍らで泣きじゃくる俺の頭をそっと撫でていく。 「1つ・・・私の願いを聞いてくれぬか・・・?」 「ああ、もちろんだ・・・何でも言ってくれ」 もはや目を開けていることもできなくなったのか、2度と開くことのないエルダの蒼い瞳が瞼の裏へと姿を隠す。 そして彼女の口から、人間に対しての最初で最後の願い事が静かに囁かれ始めた。 「そこの壁の隅に・・・先日私が産み落としたばかりの卵が隠してある・・・」 「卵?」 「私と・・・お前との間に産まれた子だ」 続いて聞こえてきたエルダの言葉に、俺は自分の耳を疑った。 「お、俺の・・・俺とあんたの子供だって・・・?」 「そうだ・・・あの子を私の代わりに・・・お前に育てて欲しいのだ」 死に際の苦痛に顔を歪めながら、エルダがか細い声を絞り出す。 「そしてできるなら・・・あ、あの子にも、私と同じ名をつけてやってくれ・・・」 「ああ、わかった・・・わかったよ・・・きっと立派に育ててみせる」 「フフフ・・・そう・・・か・・・・・・礼を・・・いう・・・ぞ・・・」 その言葉を最後に彼女の体から魂の欠片が抜け出すと、静かに天という名の虚空へと消えていった。 「う、ううぅ・・・・・・エルダ・・・」 俺は洞窟の外に村人達のざわめきが聞こえ始めるまで、少しずつ冷たくなり始めたエルダの腹の上に突っ伏して泣き続けていた。 ゴソゴソと地面から掘り出した彼女の卵を手にすると、俺はエルダの亡骸へと切ない視線を戻した。 最後まで苦しげだった彼女の顔が、独りこちらに取り残された俺の胸を深々と抉っていく。 「エルダ・・・俺はドラゴンスレイヤーを辞めるよ。この子を無事に育てることが、これからの俺の生き甲斐だ」 そう言いながら、すっかり冷たくなったエルダのそばへヨロヨロと近づいていく。 「だからさ・・・せめて最後に・・・またあの笑顔を見せてくれよ・・・・・・」 不意にぶり返した悲しみの涙を抑えることができず、俺は彼女の大きな顎にそっと頬を擦りつけた。 そして乱暴に涙を拭い、洞窟の外へと重い足取りの先を向ける。 だがその瞬間、月を覆い隠していた黒雲の切れ間から銀色に輝く月光がサーッと降り注いだ。 その光が洞窟の壁に乱反射して、明るい煌きがエルダの顔を照らし出す。 突然のことに反射的に背後を振り返ってみると、さっきまで苦痛に歪められていたはずのエルダの顔にあの優しげな笑みが浮かべられていた。 「ありがとう、エルダ・・・」 その日を最後に、彼はドラゴンの卵を手にしたまま世の人々の前から姿を消した。 大いなる山の主たる赤い鱗を纏ったドラゴンは英雄の残した言葉通り村人達によって手厚く葬られ、その岩山の頂上には今もドラゴンを倒した一振りの剣が厳かに祭られている。 村の人々は突然に姿を消してしまった竜殺しの若者を必死になって探したものの、ついに最後までその足取りを掴むことはできなかったという。 だが愛する者の死という悲しみを乗り越えた元ドラゴンスレイヤーの若者は、無事に産声を上げた小さなエルダとともにきっと今もどこかで幸せな日々を送っているのに違いない。 完 感想 泣いた -- 名無し (2007-12-27 00 22 57) 心から泣いた -- 名無し (2009-11-16 17 47 53) 泣いた -- 名無し (2011-08-03 06 36 07) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ofrr/pages/32.html
FTE攻略 FTE攻略コンバットスイーブ抵抗勢力への反撃 ゴーストタウン CASR(戦闘捜索救難)サマリア人の偉業 一人の落伍者もなく ローリング・サンダー地獄のハイウェイ 突破作戦 ラスト・スタンド前戦の戦い 最大の防御 高地 (DLC) 防衛線 (DLC) コンバットスイーブ 敵軍が支配する市街地を攻撃する ゴールド取得のための条件 ゴールド取得の為のポイント獲得の為には敵の"武器の貯蓄場所"を3つ全て潰す必要がある。 その上で、ある程度タイムボーナスを残した状態でクリアしなければならないため時間はあまりかけられない。(タイムボーナスの目安は3.0~2.5くらい?)武器貯蓄区はプレイするたびに敵と同じく場所が変わるが当然ある程度のパターンは決まっているため、何度もプレイして場所を覚える事。(建物の1階や、民家の裏庭などに配置されている。近づかないと位置が表示されない。)武器貯蓄自体は何度か銃弾を当てないと破壊することができない。破壊時に爆発は起きるもののそれ自体のダメージは小さい(or無い)ようだが、味方が食らうと吹き飛び オレンジ色になる程度の変なダメージ判定なのでそこは一応留意しておくこと。 敵のテクニカルがmap内に必ず一台配置される。強力な機銃、そして車なのにその場所で動かず待機。mapに赤い車で表示されているので排除しやすく分かりやすい。ただし近距離装備縛りだと射撃が当たりにくい時があるのでその時は十分警戒しよう。 ヘリが一定時間ごとに敵の居場所を一人だけ教えてくれる。敵陣の中に弾薬補充箱も用意されているのでmapごとに調べてみる事。地雷や手りゅう弾も補充できる処もある。 大事なのは備蓄場所の把握、そしてキャンペーンでも言われた通り、敵が多いうちは"安易に表通りに出ない"こと。家の裏口から侵入するようにすれば死角から集中砲火される確率は減るだろう。しかし壁だらけで視認性が良くないのは同時に不利にもなるので、そこは臨機応変で。 慣れればタイムボーナスは3.2ぐらいは確保できるようになる為ゴールドはどの兵科でも安定して取れるようになるだろう。 得点へのペナルテイとしては"味方が死んだ"り、"プレイヤーが死亡"したり、"チームキル"してしまった場合など。あまりにもタイムに余裕が無い場合を除いてはこのペナルテイはそれほど得点に響かないが、味方AI死亡が-1000なのに対しチームキルが-4000と4倍なのでそこは気を付けよう。一応味方AIを開幕に殺して装備を奪うことは可能。 兵科別攻略 お勧めは、やはり万能のライフル兵。高倍率スコープ(もしくはサーマルスコープ)による狙撃と腰だめ状態の射撃で遠距離から近距離まで幅広く対応できる。最適なB-MODは突撃訓練。コンバットスイーブでは接近戦の比率が高い為腰だめ強化とM203増量の効果は非常に最適。(榴弾兵のグレネード弾薬パックスキルを完全に食っちゃっているが。) 次点では擲弾兵か。グレネード弾薬パックで携帯できる爆発物の量がかなり増えるがライフル兵でもアサルトライフル二丁持ちして突撃訓練MODを付ければ似た事が出来ちゃったりする.....。もしくはデフォルトで持っている重突撃装備で打たれ強さを強化しよう。しかし、擲弾兵は高倍率スコープを装備出来ない兵科なので遠距離から撃ってくる敵に対処する場合は家や障害物に隠れながら接近する事。M1014(ショットガン)とMP5(サブマシンガン)は威力が低すぎるので縛りプレイを除いて非推奨(特にM1014)。土の壁一つ挟んだ形での敵との戦闘になるのでC4による壁爆破は地味に便利だったりする。壁がなくなるので回り道する手間が省ける。 偵察兵だと体力が低すぎるので接近戦には細心の注意が必要。味方との連携を強く意識しよう。M16かM4のアンロックを待ちたい所。慣れれば、一対一の状況ならMEC(M1911ピストル)でも対処可能。弾丸一発で抵抗勢力を殺せる。ステルススキルは効果を実感できないが、偵察兵は体力回復速度を上げることは出来ても体力の上限を上げるスキルはないので気休め程度に付けておいてもいいだろう。(他に有益なスキルもなさそうだし)サイレンサーはデメリットをあまり痛感しないので基本付けてていい。銃声の五月蠅さがかなり緩和され同時に敵に気づかれにくくなる。 自動小銃兵の場合はLMGの最高倍率のスコープがせいぜいマークスマンスコープなので少し痛手。「接近戦では旋回速度が遅いM249はお勧めできない。」と軍曹からも言われるが実際には旋回速度が遅いだけで接近戦にはそれほど弱くない。発射レートも良く腰だめ射撃も悪くなく一発当てれば勝利なのでそこは一長一短と言う所か。 M249が装弾数200発でゴリ押しする接近戦向けとすれば、MK48が装弾数100で少し低いレートで中距離での単発狙撃向けと言えるかもしれない。 抵抗勢力への反撃 【概要】 攻略1) 夕焼けを正面に受けながら戦闘を行うことになる。そのため日差しがとても邪魔になり敵を視認しにくくするのでそこは要注意。 物陰に隠れて太陽を避けるかもしくは何故か銃のサイトを覗いた時だけ太陽の眩しさは一応防げる模様。 他のFTEと比べてコンバットスイーブは簡単な部類だがゴーストタウンのマップの方が太陽の日差しが無いので簡単。ゲームを始めてまだ慣れないうちはこのマップは後回しでもいい。 Tips "安全を確保せよ"とmapに表示されている場合、まだその区域に敵が残っているという事。なのでその指示が消えたら次のエリアに進もう。 武器貯蓄ポイントは敵が全くいない場所には配置されない。つまり近くに必ず物資を守っている敵達がいるはず。 何回かプレイしていると敵が複数固まっている地域がある事に気が付くはず。グレネードを投げ込む良い機会だ。ついでに武器の貯蓄も破壊できればなおよい。ただしかなりの敵が固まっているので油断して撃ち殺されないように注意。 ゴーストタウン 【概要】 攻略1)特に書くことは無し。初めてのFTEならこれから始めても良いだろう。抵抗勢力への反撃よりも簡単なMapなので、様々な兵科で試してみて経験値を上げていこう。 CASR(戦闘捜索救難) 適地で捕らえられたパイロットを救出する サマリア人の偉業 【概要】 攻略1) 一人の落伍者もなく 【概要】 攻略1) もたもたしているとパイロットが殺されるのでなるべく急いでパイロットの元へ向かう事。墜落したヘリは距離に応じてパイロットと合流する前か、もしくは合流した後で破壊しよう。墜落現場には敵がいるので基本的にランチャーで遠距離から破壊。榴弾兵の強化されたランチャーなら届きやすいが、ライフル兵科の場合はちと困りもの。弾速落下の把握具合は何度も練習して習得しよう。距離200mぐらいがランチャーが届きやすい。 敵はパイロットの方に注意が向いているので背後からの奇襲で楽に対処可能。前作と同じく合流するまでパイロットは不死身の様子。ただし間違えてもパイロットを撃たないように。クイックコマンドメニューのボタンは照準近くの敵を赤い丸で示すので、参考にするように。 問題はパイロットとの合流後の脱出。前後からPLAの大群が無限沸き且つ大急ぎで殺到してくる。その為急いで脱出地点に向かわなければならない。パイロットと合流すると付近に敵の高機動車が三台出現する。その高機動車を運よくこちらから先にすぐ見つけられれば先制攻撃で排除できる。車上部の機銃を最優先で排除する事。敵は優先的に機銃を使用する傾向がある。ちなみに機銃係を殺されると何故か敵車両はパニックを起こしたかのようにその場をぐるぐる回り始める。 脱出地点へ向かう時に敵の大群に殺される場合敵を迂回するようにマップから味方に指示するしかない。PLAは相当しつこくこちらを追ってくるのでマップを見てチェックすること。パイロット二人はMP5が武装なうえにプレイヤーの舞台よりも足が遅いので基本的に無能な存在。すぐ死ぬ上にパイロット二人の体力がいつの間にか減っていることが分からないのでマップ画面からチェックするなりクイックコマンドで調べて確認するなりでパイロット二人の体力の減少を随時チェックしておくこと。 以上の理由からコンバットスイープよりも難易度は高い。Lv20のライフル兵か擲弾兵を選択しよう。(榴弾兵の場合、最初に遭遇したPLAが落とすことがある"QBZ95 M"を拾おう。正確性は友軍の物に比べると低いもののそれでもマークスマンスコープなので役に立つはずだ。)AIチームにはサーマルスコープ付きのライフル兵を選択しよう。榴弾兵ならグレネードランチャーの落下が緩いので比較的楽に当てられる。 対処方法を理解していればLv1の榴弾兵でもクリアできるが敵の挟み撃ちを食らうとすぐ死ぬので基本的に運要素が強い。敵が遠い場合無視してゴールまで逃げよう。当然脱出地点にも敵の大群はしつこく追ってくるのでそのつもりで。その上脱出地点まで敵に来られると掃討するまで脱出ヘリが出発できない。 Tips 第一目標はヘリの操縦士、副操縦士の救助。第二目標は墜落したヘリの破壊 墜落したヘリはハンドグレネード、グレネードランチャー、C4爆弾のいずれかで破壊可能。グレネードランチャーなら離れた所からでも破壊できて便利 脱出地点近くにPLA兵士がいると、ヘリが着陸せず脱出できない 墜落したヘリを破壊しておけば、操縦士の一人が死亡してもゴールドの取得は可能 PLAの高機動車を運転することは出来ない PLAの対戦車兵、狙撃兵は登場しない PLAの兵士は無限湧きする ローリング・サンダー 移動中の車列を的の奇襲から守る 地獄のハイウェイ 【概要】 攻略1) 突破作戦 【概要】 攻略1) 地獄のハイウェイよりもMapが短く単純。 ローリングサンダーの基本は何回もやって敵配置を覚える事。 車両よりも先行して移動し敵と交戦していこう。護衛対象の後ろから抵抗勢力がやってくることは無いので、前に進み過ぎて警告を受けない限りは大丈夫。敵と交戦し始めたら、指示された通り車両を停止させるように指示を出すこと。 ポイントが時間とともに減っていくが、車両を全車両とも生存させていればゴールドには十分のポイントが入るはず。護衛対象のハンビーよりも戦闘で傷ついた味方の治療を優先しよう。 ハンビーの乗員が銃撃などで死ぬこともあるが、あくまで車が破壊されなければ大丈夫らしい。 ラスト・スタンド 人民解放軍の波状攻撃から定位置を守り抜く 敵軍の構成は、 歩兵:最初から登場し、遠距離からこちらに向けて行軍してくる。 グループで固まっているので、SMAWかM203等の爆破ででまとめて始末するのが良い。 いつの間にかかなり距離を詰められてたり、敵のグループの中には側面に回ってこようとする者もいる。 どうやらウェーブ4程になると開始地点からかなり距離を詰めて接近してくるようだ。 敵歩兵は最終的に”主要エリア”と呼ばれるアメリカ国旗が建てられている建物の中に侵入し、そこを陣取って待機する。 アナウンスの警告にもあるが、この状態が一分程経過すると「基地が敵に制圧された」ことになり、ミッション失敗になる模様。(バトルフィールドにある陣取りのルールの様な物だと思っていただければ) 他にはおそらく特殊部隊を除いて敵車両には主要エリアを確保する能力はない模様。つまり敵に最後まで追い詰められた場合、最優先事項は「基地に侵入した敵歩兵を排除する」と言う事になる。 輸送ヘリ:ウェーブ1-2くらいから登場。 こちらにのろのろやって来て、上空を飛んでいく。攻撃はしてこなず、対空兵器で破壊することで戦闘支援のボーナスを一つ得ることができる。やってくる方向と時間は固定。つまりはインベーダーゲームで言うUFOみたいな存在。 これとは別に波の開始前に来る三機の輸送ヘリは敵の歩兵を降ろす無敵仕様。ロックオン出来ても破壊できないのでそのつもりで。 特殊部隊:1-3くらいから登場。 輸送ヘリが防衛場所に近い所へとのろのろやって来て、特殊部隊を降ろしていく。このヘリはSMAWでも撃墜することが可能で、撃墜出来れば特殊部隊を始末する手間が省ける。 ヘリの着陸する場所は決まっているが、もし着陸を許してしまうと特殊部隊による側面攻撃を受けることになる。 殺す優先順位は歩兵より少し上。余裕があれば着陸する前にヘリごと撃墜しておこう。 高機動車:敵軍のハンヴィーのようなもの。 車上部の銃座からの攻撃は敵歩兵よりも正確性が少し高くダメージも大きい。車なので行軍速度も速い。 SMAWを撃ち込んだ方が速いが、かなり近づかれた場合は銃座要員を銃弾でヘッドショットする等状況に応じて臨機応変に対応するように。 対戦車地雷を使うほどではないと思うが特殊部隊よりだいぶ優先順位は上。出来るだけ早く排除しよう。 APCや戦車もそうなのだが、敵車両は防衛陣地前で止まったり道路に沿って移動してから特定の場所で待機する移動パターンなので敵車両自体に基地の制圧能力は無いと思われる。よって追い詰められた時は車両排除は後回しでもよいかもしれない。 榴弾兵の持つスキルの中にダメージ強化の徹甲弾があり、一応これは高機動車を破壊できる程の威力にまで上げる事が可能。 軽装甲車:ウェーブの3くらいから登場。 いわゆるAPC。戦車と高機動車の中間の様な速さで移動する。本来は兵員の輸送に使われる物だがこのミッション中では搭乗員を降ろす機能はない模様。ただ銃撃してくる機能があるだけ。 装甲が堅く側面や尻部分だとSMAW一発で破壊できるが、正面だと二発かかる。 こいつの撃つ機銃は一撃で戦闘不能状態にするくらいの高威力なので早急に排除しよう。 戦車:ウェーブ4くらいから登場。 何故か主砲は使用せず銃座しか使用しない。 ウェーブ4でも二台くらいしか登場せず、行軍スピードは遅いがSMAWを三発か四発くらい撃ち込まないと破壊できない。 敵戦車破壊に注意を奪われて他の敵の側面攻撃を食らわないように。 ウェーブ4の開始前に予め対戦車地雷を進軍ルート上に仕掛けておくと良いだろう。 個人的に東から戦車やAPCが来ることが多いと思う。(前戦の戦いMAPでの場合) 攻撃ヘリ:ウェーブ4の2から登場。 特定の方角(南西と南東?)から飛んできて旋回しながら基地にやかましい爆撃を浴びせてくる。ヘリの爆撃の制度は高くないものの視界が酷く揺れるのでかなり迷惑。なるべく優先して破壊しておきたいが.....。 他の車両と同じく開始と共にすぐ現れるわけでは無いのでいつの間にか基地上空をくるくる旋回している事も。 スティンガーで狙う時には建物の上に登ってからヘリが遠距離に居る時に殺るのが一番だが、もし近づかれるとスティンガーを構えているときはプレイヤー側の旋回速度が遅くなっているのもあってロックオンにかなり苦労することになる。 二機登場し、一機目が落とされると続いて二機目が登場する。 ゴールド取得のための条件 恐らく2-3くらいの波まで耐えきれば必要スコアになるだろう。射撃班全員脱出ボーナスはもちろん欲しい所だが、班員の脱出が一人でも遅れれば脱出ヘリに乗りそびれる可能性さえある。 前戦の戦い 【概要】コンバットスイーブの抵抗勢力への反撃のMapの流用。高所に陣取りそこから見下ろす形で人民解放軍から防衛することになる。時間帯が昼なのか今回は太陽が眩しいという事はない。 攻略1 Mapから見て敵軍が来る方向は南が主で、次いで南東の丘と南西の道路沿い、ウェーブ2からたまに東から高機動車や装甲車が来る。丘の上の防衛所から下を見下ろすとそこから近い所に三件くらいの民家がある。ここを敵に陣取られてからしばらくすると、AI兵が撃たれ始めてじわじわダメージを受けるので、AIが死にそうになったら必要に応じて”後に続け”などで撤退させよう。 (不具合) 私のPS3の調子が悪いだけかもしれませんが、ウェーブが3くらいに進み始めるとウェーブ終了後の合間の休憩時間にAIがいう事を聞かなくなる事が起こる。こちらからの"後に続け"指示でも返事はするがAIが動こうとしない。でも時間経過で元に戻る?ようだ。ウェーブが始まるころには元に戻るらしい。ちゃんと指示を出した時は、その指示をAIが守っているがどうか一応確認しておくこと。 スティンガー取得不可能バグ。南にある三つの建物のうち、真ん中の建物の階段にはスティンガーがある。ここもウェーブが進むうちになぜかスティンガーの取得が出来なくなる。読み込み不良かどうか不明。この場合、南東にある建物の二階のスティンガーを拾いに行こう。 【実績「ヘリに乗れ!」ソロで取得の為の箇条書き】 MAXまでLvを上げたライフル兵か榴弾兵を選択。 ライフル兵なら敵兵士排除役として、榴弾兵なら敵車両の破壊役の役目を果たす。 サーマルだと覗いた時に背景と同化して丘が見づらくなる部分があるので、このMapならスナイパースコープでよい。 榴弾兵ならM203が主力になるので、スキルであらかじめ強化しておくこと。上手く立ち回る事が出来ればアーマー強化は必要ない。 AIに三方向で待機させる。南西、南側の入り口、南西の機関銃陣地近く。配置したら敵のいる方向にプレイヤーへの目印の意味合いも兼ねて制圧射撃の指示。AIはスナイパースコープかサーマル仕様の装備のライフル兵を選択しておいて、スキル選択で防御力を強化させておくこと。 防衛する基地内の構造も箇条書きで良いので覚えておく。 視界の確保や通行の邪魔になる壁や門は、敵が殺到してくる前にSMAWであらかじめ破壊しておこう。ただし階段が付いている建物自体は一部分が欠けるだけでほとんど効果は無く、外の階段が崩れて屋上に上がれなくなる建物もあるので場所によっては辞めておくこと。(南東のスティンガーのある建物はSMAWを撃ちこんでも階段が崩れないようだ) 防衛箇所の南には屋上に上がれる小さな民家が三か所あり、基本的にここに陣取ることになる。東からの軽装甲車やヘリに対処するため(ちょうど抽出用の緑のスモークが炊いてある方角)、南東の建物の屋上が基本防衛ポイントになると思う。ここは階段上がって二階にスティンガーもあるのでさらに都合が良い。AIは屋上に上手く移動しずらいので地表階に移動させよう。 歩兵にはグレネードランチャーで、まだ遠い場所にいる高機動車や軽装甲車はSMAWを打ち込む。敵歩兵に圧倒され始めたら、残ったSMAWをふもとの敵グループに撃ち込もう。 特殊部隊を乗せたヘリは余裕があれば排除する。ヘリ相手にスティンガーを取りに行きたいが、入手場所がそこから遠い場合、SMAWで破壊できれば上出来。 軽装甲車排除まではあまり問題ないだろう。問題はウェーブ3後半に近づき始めた頃。 この頃から温存しておいた戦闘支援を使用したり、波の開始前に緑のスモーク地点に近づいて救出ヘリを呼んでおいて敵の攻撃を分散させたり(救出ヘリ自体は無敵だが、東からの敵が近づいてくると逃げて行ってしまう)、制圧射撃中の味方が死にそうになったら”後に続け”で一時撤退させよう。 最終的な防衛ポイントは国旗のある弾薬補充地点なので、ここを優先的に守るように。ここを守れれば状況の立て直しは可能。 失敗する主な要因としては、エリア内に入ってきた敵車両の排除に夢中になり過ぎて侵入してきた他の敵歩兵に殺される事。 グループで固まった敵歩兵を接近戦で排除するにはグレネードランチャーの壁当てが一番効率的だろう。 攻撃ヘリにも妨害されるので、可能なら早いうちに一機だけでもスティンガーで撃墜しておくこと。 対戦車地雷を仕掛けるタイミングはウェーブ4開始前だと思う。 どう見ても基地が敵に圧倒されている絶望的状況でも、70%くらいの敵を殺せば敵は撤退し始める。自分が死んでも誰か仲間が一人でも生き残ってくれれば復活回数が許す限りリスポーンできるので自分やAIが死んでも決して諦めないこと。 後最後に脱出ヘリに乗るときは4-4が終わった直後、味方も全員移動させてヘリを待とう。アナウンスで5-1が始まったことを確認したら全員でヘリに乗る。それより前に乗ってしまうと解除されない模様。 情報によると、5-1以降からはウェーブ4と大して変わらない敵軍構成になるらしい。 最大の防御 【概要】キャンペーン5章の前方作戦基地バイパー?のようなMap。夜間なので、視認性が酷く悪い。サーマルスコープが無いとお話にならない。それでも基地の頭上に輝く月が眩しく少し邪魔。防衛の網目を縫って敵にいつの間にか施設内に入られていることが多く、全体的にゴールドを取るだけでもかなりきつい。 攻略1ゴールド達成メイン、再現可能かは不明 自分 擲弾兵(B-MODを上級爆薬訓練、特殊をグレネード弾薬パック、M4A1 AとIRとフラグを必ず所持) AI2 偵察兵 AI3、4 自動小銃兵 まず偵察兵をエリア2のすぐ隣の監視堀?に建物防衛を指示(これで偵察兵がいくらかエリア2方面の敵を狙撃してくれる) 自動小銃兵に主要エリアの建物防衛を指示(よくスティンガーに引っかかってるけど移動指示は恐らく不要) サブ武器を捨ててロケット砲を持つ 基本的にウェーブの始まりは敵が来る方向にロケット砲を撃ち掃討 エリア1に侵入の無線が来たらすぐにメイン防衛目標の建物の屋上に避難し、グレポンで敵を片付ける 避難時に敵がとても近くにいる場合は敵を足止めするためにフラグを投げて避難 高機動車が来たら機銃を撃たれないようにグレポンを数発撃ち込む(中の乗員は死なないため注意) 挟み撃ちにされ危険な場合はどちらかのエリアに迫撃砲支援を使用(迫撃砲で逆に危険になる場合もあるため基本的に支援は使わないのが吉) 2-3完了まで進めたらIRを投擲(すぐに呼ぶため) チームが全員生きていればゴールド達成するはずです 高地 (DLC) 【概要】 攻略1) 防衛線 (DLC) 【概要】 攻略(防衛線2人クリア) 兵種は人 擲弾x2 AI 偵察x2でプレイヤーは対戦車地雷追加を付ける Tips 地雷は切らさないようにWaveの終了時に残弾を確認して、減っていたら自殺して補充すること 脱出用ヘリは常に呼んでおくと攻撃ヘリの攻撃が分散される 境界ははっきりしないが、防衛エリアの端の方?に地雷を設置するとWaveの終わりに消えるので注意 地雷での防衛陣地 エリア1: 坂の上の建物横に対戦車地雷をまとめて植えておく エリア1側から来る車両はすべてここで地雷を踏ませ破壊する エリア2: 司令部前の丘の下あたりに対戦車地雷を分散して植える 司令部前は軽装甲車と戦車で進路が違うが、脱出ヘリを呼んでおくと戦車は引っかかり進行が止まるので軽装甲車の進路を多めに配置すること 戦車にヘリが押されて進行路が空いてしまうこともある 兵士の配置 一人はエリア2丘のジャベリン箱横の振り向きで弾薬補充できる位置で丘を越えてくる車両とヘリに専念する 丘を越えてくる車両は出現後すぐに撃破できるように常にサーチしておくこと 全破壊は無理なので、ハンビーが出ている間はハンビーを優先して撃破する 軽装甲車と戦車になったら、軽装甲車は足が速くて地雷にすぐ到達するので後回とし戦車を優先して破壊する 脱出ヘリを呼んでおくと戦車とハンビーの進路上に着陸するので、引っかかって対処がしやすい 輸送ヘリ、攻撃ヘリは仕事をさせると厄介なので車両より優先して破壊する これにAIを1人[後に続く]で回復係として後方に付ける [移動]や[防衛]などの指示をするとうろついて危険なので注意すること 出血もAIに直してもらうとジャベの構えを解かなくて楽になる もう一人は真ん中の3つ集まった弾薬箱近くで対歩兵に専念する 弾薬箱があるのでグレネードを乱射し歩兵を一掃する 戦闘ヘリが出るようになったら出現を監視し、ジャベリン担当へ報告する 余裕があればジャベリンで撃破してもよい こちらをリーダーにして迫撃支援を有効に使えるようにするとエリア1の歩兵掃討が楽になる 残りのAIは上記弾薬箱の崖上にある岩より高い場所、エリア外ぎりぎりに配置しておく 広範囲を見渡せるので敵影確認と稜線にいる歩兵をかなり倒してくれる これでWave5-1まで到達してクリアでゴールドになります マジで
https://w.atwiki.jp/hnagashi/pages/25.html
捜索関連記事 遭難者捜索に2カ月半、延べ800人が無償で協力 三重県山岳連盟 (文=矢島智子) (岳人2012年 7月号 (平成24年 6月15日発行・発売 第781号) P. 104-105) ふるさと山便り (東海) 金丸勝実さんより: 御池岳、行方不明者の捜索活動を終えて (『山と溪谷』 2012年 7月号 No. 927 発売:12年06月15日 P. 226) 2月11-12日 遭難捜索済み地図 御池岳・藤原岳 捜索情報リンク集 御池岳・藤原岳 捜索情報リンク集 2 日付順リンク集 2月11日〜 日付順リンク集 3月18日〜 日付順リンク集 4月09日〜 藤原岳・御池岳 周辺情報 検索 Google "御池岳" 日付順› 1 週間以内 Google "藤原岳" 日付順› 1 週間以内 YAHOO Japan "御池岳" 一週間以内 YAHOO Japan "藤原岳" 一週間以内 捜索活動報告 遭難対策委員会 (2) 藤原岳-御池岳遭難捜索状況 4/28 遭難者発見 岳連関係者29名出動 4/29 搬送 東近江警察署11名 滋賀県警ヘリ 岳連関係者14名(本部6名) 5/12 遺留品捜索 13名 5/13 慰霊山行 遺留品捜索 23名(親族を含む) 延べ参加者数(山岳関係者)延べ723名(名簿記載者のみ)(病院関係者他多数) 5/16 病院関係者返礼に来県 (三重県山岳連盟 2012年度第2回(5月)理事会議事録 日時・場所 2012.5.25(金)19 00~20 15 鈴鹿市文化会館より転載 御池岳の足跡 2012/05/21 (ぼさ~っとブログをやってます) 05月13日 慰霊登山@御池岳(鈴鹿) No.670 (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 05月13日 行方不明者慰霊登山 下からの巻 (RINさんのへべれけワールド2) 05月12日 行方不明者慰霊登山 上からの巻 tohru、RINほか11名 (RINさんのへべれけワールド2) 05月08日(火) 御池岳 合掌:westkapp (ヤマレコ) (日記) 05月02日(水) 捜索活動を終えて (歩人倶楽部日記 ) (日記) 05月02日 御池岳・捜索活動の報道 ― (小屋番の山日記) (日記) 04月30日Nさん捜索終了のお知らせ (歩人倶楽部日記 ) (日記) 04月30日 「捜索終了のお知らせ」を転載 ― (小屋番の山日記) (日記) 04月30日 御池岳遭難 捜索の終結 (気弱なウルフの山のあしあと ) (日記) 4月30日 (月) 藤原岳遭難者発見? (グリーンアース山登りと日常) (日記) 御池岳周辺で行方不明のNさん、発見の情報! (野の花・山の花 ) (日記) 4月30日 (月) 藤原岳遭難者発見? (グリーンアース山登りと日常) (日記) 2012.4.30 終結 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) Nさん捜索終了のお知らせ 2月12日に消息を絶たれてから2ヶ月半を経過してしまいました。 この間多くの方々の献身的な捜索と、情報収集のおかげで昨日(4月28日12時半)ようやく所在確認に至りました。 本日、管轄の東近江警察署員と捜索隊員とで収容、搬送が終了しましたのでお知らせします。 本当なら心がけを頂いている方々に対し、昨日速報でお知らせするのが筋ではございましたが、 確認できた場所が浮き石落石の危険が非常に高い場所であったので、本日の収容完了まで伏せさせて頂きました。 お詫びいたします。 これまでの間、名簿に記載されただけでも600余名の方に参加者頂いています。 これほど多くの方々に協力頂いたこと、また、事故もなく継続できましたことを心からお礼申し上げます。 しばらく時間がかかりますが、いずれ関係下さった方に報告をさせて頂きたいと考えています。 末尾ですが、ありがとうございました。 平成24年4月29日 三重県山岳連盟遭難対策委員会 事務局 居村年男 (20120430 転載 管理人) 三重県山岳連盟を中心としたボランティア捜索隊員の方々を始め、捜索活動に携わられました全ての皆様に深く感謝致しますと共に、彼のご冥福をお祈り申し上げます。 (平成24年4月30日 捜索情報Wiki管理人 山口) (日記) 04月29日 日記 2012/5/1(火) (吉岡秀隆さん、時々道くさ ) 04月29日 御池岳遭難・捜索活動終了 2012年05月01日 (takaki's web) 04月29日 御池岳西南斜面 No.665 東近江警察署員11名+捜索隊 ~収容と搬出~ (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月28日 出合いと絆~ゴロ谷から御池岳西南斜面捜索・そしてそれから~ by とっちゃん(都津茶女) 2012年5月23日(水) (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月28日 御池岳西南斜面捜索 No.664 捜索隊11名 ~ファイナル~ (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月28日 御池岳捜索ファイナル(2012/4/28) (uttyのトレイル日記 ) 04月28日(土) 御池岳西南斜面捜索 by とっちゃん(都津茶女) (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月28日 御池岳 遭難者捜索5 ゴロ谷周辺 (晴山雨読記) 04月28日 行方不明者捜索ファイナル tohru,RIN、ほか9名(山頂支援隊) (RINさんのへべれけワールド2) (日記) 04月28日 御池岳・ゴロ谷捜索活動は終結 ― (小屋番の山日記) (日記) 04月28日 御池岳・ゴロ谷捜索隊の無事を祈る! ― (小屋番の山日記) 捜索活動への協力お願い (PDF版 ) (記録として、しばらく残しておきます (20120430 管理人)) 連休期間中下記のエリアで捜索活動を行っています。 このエリアは浮き石が多い地域ですので、期間中この地域への立ち入りを控えて頂きますようお願いします。 捜索隊員の安全確保のために、よろしくお願いします。 期間:4月28日(土) - 4月30日(日)。 5月3日(木) - 5月6日(日) 時間:午前8時 - 午後5時 捜索場所:御池川アザミ谷およびゴロ谷と御池岳山頂とに囲まれた一帯 (下図中 赤色表示の区域) (20120427 管理人) 04月27日 【鈴鹿】御池岳周辺の立入り自粛山域について<捜索本部 by zipp 2012年4月27日(金) 19 20 (やぶこぎネット ) 04月25日(水) 御池静寂の地(御池三山展望とイワウチワ満開):westkapp (ヤマレコ) (日記) 04月25日 御池岳・ゴロ谷の捜索情報続報 (小屋番の山日記) 04月24日 御池岳はやっと春の粧い 2012.4.26 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) 04月21日 冷川谷捜索@御池岳(鈴鹿) 2012年4月21日 No.663 隊長、精鋭11名 (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月21日 行方不明者捜索その10 (RINさんのへべれけワールド2) 04月21日(土) やっぱり気になる3・土倉谷 by グー(伊勢山上住人) 2012年4月22日(日) 12 07 (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月21日(土)(日帰り) 寒山:Toshi42 (ヤマレコ) 04月21日 神秘な池巡り 2012'4/21 御池岳 その2 2012/4/22(日) (更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ) 04月21日 神秘な池巡り 2012'04/21 御池岳その1 2012/4/22(日) (更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ) 04月20日(金)ヤマケイオンライン News での呼び掛け (ヤマケイオンライン News) 04月19日【鈴鹿】滝洞谷(沢登りじゃないよ)vol 1 by 通風山 (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月18日 御池岳 ゴロ谷から伊勢第二尾根でピーク1182mへ(御池橋→伊勢第二尾根出合→伊勢尾根→P1182→西ボタンブチ→ボタンブチ→天狗尾根→ゴロ谷→御池橋):westkapp (ヤマレコ) 04月18日 御池岳ゴロ谷捜索行異聞 ― (小屋番の山日記) (日記) 04月16日 情報提供を! ― (小屋番の山日記) 04月15日 【鈴鹿】春の御池で欧風ランチ。 by zipp 2012年4月19日(木) 23 07 (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月15日(日)(日帰り)鞍掛尾根東面:Toshi42 (ヤマレコ) 04月15日(日) ようやく春の賑わい 御池岳~鈴北岳 vol. 2 2012年04月19日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月15日(日)ようやく春の賑わい 御池岳~鈴北岳 vol. 1 2012年04月17日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月15日コグルミ谷 丸山周辺の捜索@御池岳(鈴鹿) No.662 隊長、うさぎ (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月15日 御池岳ゴロ谷捜索行 (小屋番の山日記) 04月15日(日)(日帰り)御池岳 鈴北岳 鞍掛峠より:mto033 (ヤマレコ) 04月15日(日)(日帰り)御池岳 小天狗の鼻みーつけた (鞍掛峠→鈴北岳→西ボタンブチ→天狗の鼻→御池岳→奥の平直降→真の谷→カタクリ峠→コグルミ谷→鞍掛トンネル:westkapp (ヤマレコ) 04月15日 鞍掛尾根周辺捜索活動 (takaki's web) 04月15日(SUN) 晴れ 単独 春のうららの御池岳 捜索Ⅳ by ハリマオ (やぶこぎネット 山のフォーラム) 遭難対策委員会 (2) 藤原岳-御池岳遭難捜索状況 2/13-2/19 いなべ警察署員、三重岳連、他の山岳団体、一般協力者合同で踏査による捜索 および県警ヘリによる捜索と情報収集を実施。未発見 2/20-3/31 三重岳連、他の山岳団体、一般協力者合同で踏査による捜索と情報収集を実施、未発見 4/01-4/10 三重岳連、他の山岳団体、一般協力者合同で想定ルート全体の見回り及び、水系毎にすべての支沢を含めた捜索方法および雪崩跡等へのゾンデ探 査を実施。現在未発見 延べ参加者数(山岳関係者) 延べ504名 (三重岳連 334名、JAC 東海他 66名、一般 104名) (三重県山岳連盟 2012年度第1回(4月)理事会議事録 2012.4.14(土) 9 00-9 45 大川学園より転載 (日記) 04月14日 御池岳・ゴロ谷捜索の情報 (小屋番の山日記) 04月14日 行方不明者捜索その9 4月14日(土)雨のち曇り tohru、RIN (RINさんのへべれけワールド2) 04月10日 暖かな日差しを浴びて 木和田尾~天狗岩 2012年04月12日 (気弱なウルフの山のあしあと ) (日記) 04月10日 再捜索が始まっている 2012年04月10日(火) (歩人倶楽部日記 ) (4/8まとめ) 04月08日 御池岳周辺の携帯電波状況測定まとめ 2012.4.11 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) 04月08日(日) 鞍掛峠ー焼尾山-河内谷遡上 (kimidori) (ヤマレコ) 04月08日 谷行かば by カッチャン 2012年4月10日(火) (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月08日今年 何度目の冬? 御池岳~鈴北岳 vol. 2 2012年04月10日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月08日(日) 今年 何度目の冬?… 御池岳~鈴北岳 vol. 1 2012年04月09日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月08日 御池谷左又捜索行 ― (小屋番の山日記) 04月08日 4/8 御池岳は冬に逆戻り その2 2012.4.9 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) 04月08日 4/8 御池岳は冬に逆戻り その1 2012.4.9 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) 04月08日【鈴鹿】鈴北岳北面を探る ネコマサノクラ・タヌクラを経て by わりばし (やぶこぎネット 山のフォーラム) 04月08日(日)(日帰り) 御池岳 白瀬峠-真の谷-御池南東支尾根-白瀬峠 mto033 (ヤマレコ) 04月08日 御池岳天狗尾根直登(御池橋→ゴロ谷→天狗尾根→天狗の鼻→ボタンブチ→伊勢尾根→御池橋:westkapp (ヤマレコ) 04月08日 藤原岳~御池岳~鞍掛峠 201 2'4/8 その2 2012/4/11(水) (更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ) 04月08日 藤原岳~御池岳~鞍掛峠 2012'04/8 その1 2012/4/10(火) (更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ) 04月08日 御池岳 青空に新雪! でももう4月だよ・・。 (晴山雨読記) 04月07日 頭蛇ケ平南斜面捜索@藤原岳(鈴鹿)No.660 とおる、りん、いわなっち、隊長 (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月07日 行方不明者捜索その8 隊長、いわなっち、tohru、RIN (RINさんのへべれけワールド2) 04月05日 又~この所へ。。。 2012年4月 6日 (金) (gaku ) 04月01日 御池岳 遭難者捜索その4 犬返し谷下降 (晴山雨読記) 04月01日 御池岳捜索三回目 12.04.01(SUN) (鈴鹿樹林の回廊 ) 04月01日 行方不明者捜索その7 (RINさんのへべれけワールド2) 04月01日 週末は いつも冬景色 カタクリ峠~藤原岳 vol. 2 2012年04月04日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月01日 週末は いつも冬景色 カタクリ峠~藤原岳 vol. 1 2012年04月02日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 04月01日 藤原岳(鈴鹿山系) 2012年4月1日 No.659 隊長、うさぎ (Photo Club(歩人倶楽部)の山歩き) 04月01日(日)(日帰り)《御池岳~真の谷~白船峠~コグルミ谷》 久々の親子登山 yucon (CL) その他1人 (ヤマレコ) 04月01日(日)(日帰り) 御池岳 木和田尾より冷川岳周辺2 メンバー:mto033 (ヤマレコ) 04月01日(日)(日帰り) 藤原岳「捜索6」 メンバー:kimidori (ヤマレコ) 04月01日 藤原岳 2012年04月05日 (I love nature ) ◇ 2012年04月08日 御池岳周辺の携帯電波状況測定まとめ (4/8まとめ) 2012.4.11 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) (日記) 2012年03月25日(日) Nさんのテン泊地は… (りゅう太の徒然日記 ) (日記) 2012年03月23日(金) Nさんの足取りを推測した捜索 (歩人倶楽部日記 ) 2/11の足跡(2012/3/21(水)(りゅう太さん) (Nさんらしき方の足跡か?テン泊地はここ? この報告を読まれての感想・コメントなどございましたら、 掲示板 へ書き込みをお願いします。) 画像処理した写真 1、2 御池岳遭難を考える 2 2012/3/20(火) 晴山雨読記 03月31日(土)(日帰り) 木和田尾根と丸尾の取り付き「捜索5」 (ハイキング / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:kimidori (ヤマレコ) 03月30日 藤原岳-カタクリ峠の縦走 (りゅう太) (御池岳・藤原岳 捜索情報 BBS (Res 70) 03月30日 福寿草を見に藤原岳へ 2012.4.5 (りゅう太の徒然日記(+鉄分少々)) 03月30日 晴れたら山へ 頭陀ヶ平~カタクリ峠 ( 手前まで ) 2012年03月30日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 03月30日(金)(日帰り) 鈴北岳「晴天の鞍掛道・捜索4」 (雪山ハイキング / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:kimidori (ヤマレコ) 03月29日(木)(日帰り) 治田峠「捜索の南限つぶし・捜索3」 (ハイキング / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:kimidori (ヤマレコ) 03月29日 【鈴鹿】藤原天狗岩から坂本谷右股右岸尾根へ 2012年03月30日(金) by 通風山 03月28日 丸尾P673周辺捜索 2012年03月28日(水) (歩人倶楽部日記 ) 03月28日(水)(日帰り) 鈴鹿御池岳 (御池橋→ゴロ谷→ボタンブチ直登)(雪山ハイキング / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:westkapp (ヤマレコ) 03月25日 行方不明者捜索その6 3月25日(日)曇り時々雪 隊長、うさぎ、じんじん、いわなっちくん、くまちゃん、RIN RINさんのへべれけワールド2 03月25日 木和田尾根、白瀬峠周辺の捜索(鈴鹿) No.657 参加者:じんじんさん、いわなっちくん、りんちゃん、くまさん、隊長、うさぎ 03月25日 御池岳「続・捜索」メンバー:kimidori 03月25日(日) 春まだ遠し 藤原岳~冷川岳 vol. 1 2012年03月26日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 03月25日(日) 春まだ遠し 藤原岳~冷川岳 vol. 2 2012年03月27日 (気弱なウルフの山のあしあと ) 03月25日(日)(日帰り) 御池岳 木和田尾より冷川岳周辺 (キャンプ等、その他 / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:mto033 (ヤマレコ) 03月25日 御池岳 木和田尾~コグルミ谷 3/25 2012/3/28(水) (更なる高嶺へ?カッキーの山登り! ) 03月24日 捜索の帰りに 寄り道にて 藤原岳 福寿草 2012/3/27(火) (フラワートレッキング ) 03月24日 季節外れの雪が降る中を… カタクリ峠 ( 手前まで )(J-ウルフ) 遭難対策委員会 (1) 遭難対策研修会 2/19 藤原岳御池岳行方不明者捜索に切り換え実施 三重岳連関係者 41 名を含め 67 名態勢で捜索を実施した (2) 藤原岳御池岳行方不明者捜索の進行状況 2/13-2/19 連日10名程度+いなべ警察署員とで捜索を実施 以後 2/25 2名、2/26 49名、2/28 4名、3/1 7名、3/3 34名、3/4 35名、 3/7 9名、3/8 8名、3/10 24名、3/11 42名、 と捜索を実施したが 3/17 現在手がかり無し、以後も土日祭日を中心に継続の方針 3/17 現在出動者延べ人数 344 名、以降 18 日(20 数名)・20 日(11 名)も捜索。 三重岳連関係者 232 名、JAC 東海支部 63 名、一般参加 49 名 (三重県山岳連盟 2011年度第12回(3月)理事会議事録 2012.3.22(水)19 00-20 20鈴鹿市文化会館より転載) 03月22日 御池岳(捜索) (kimidoriさん) 03月20日 藤原岳 春の使者の様子を窺いに H24.03.20 晴れ 2012/4/2(月) (晴山雨読記) 03月18日 【鈴鹿】リベンジ御池岳:はるかなるテーブルランド 2012/3/20(火) (シュークリームさん) 03月18日 コグルミ谷&かたくり峠周辺の捜索(鈴鹿)No.655 参加者:たろーさん、くまさん、りんちゃん、うっちー、隊長 03月18日 御池岳 遭難者捜索その3 カタクリ峠周辺 H24.03.18 曇り 2012/3/31(土) (晴山雨読記) 03月18日 某山で遭難しそうになるお話 2012/3/19(月) (りゅう太さん) 03月18日 プローブ(英語)=ゾンデ(ドイツ語) 2012/3/19(月) (くにやん) 03月18日 行方不明者捜索その5 (RINさん) 03月18日(日)早く山に春が来ないかと願う 木和田尾~カタクリ峠 (J-ウルフ) 03月18日(日)藤原岳、雨にもめげず花咲かす福寿草 2012/3/24(土) (スカイウォーカー気ままな山歩き ) 03月18日 御池岳不明者捜索4 (uttyのトレイル日記 ) 03月14日 (日帰り)御池谷から詰める 鈴北 御池岳 奥の平 (雪山ハイキング / 霊仙・伊吹・藤原) メンバー:gannchann (CL) その他メンバー1人 03月11日 竪穴と沢を巡って・・鈴北岳周辺捜索 2012/3/17(土) (とっちゃんさん) 03月11日 【鈴鹿】鈴北岳竪穴へ 2012/3/15(木) (通風山さん) 03月11日 広大なる御池岳 2012/3/12(月) (くにやん) 03月11日 雪解けが 始まった御池岳 捜索協力へ 2012/3/13(火) (がんちゃん) 03月11日 やっぱり気になる2・お藤の鼻筋(グーさん) 03月11日 カタクリ峠~冷川岳県境稜線の捜索(鈴鹿) No.654 参加者:じんじんさん、くまさん、とおるしゃん、りんちゃん、うっちー、隊長の6名 03月11日 御池岳不明者捜索3(uttyさん) 03月11日 宿題を片付けに御池岳へ (りゅう太さん) 03月10日【鈴鹿】3・10御池岳> by zipp 03月10日 御池橋~伊勢尾~鈴北岳 (シュークリームさん) 03月10日 行方不明者捜索その3 (tohru、RIN、ほか30名近く) 03月10日(土) そろそろ山も春仕度 カタクリ峠~藤原岳 vol. 2 (J-ウルフ) 03月10日 そろそろ山も春仕度 カタクリ峠~藤原岳 vol. 1 2012年03月10日 (J-ウルフ) 03月10日 《御池岳》~今季4度目~ (yucon) 03月10日 続続続・Nさんは御池岳~藤原岳の何処に? 2012年03月11日 (小屋番さん) 03月08日 山岳捜索 (choujisou) 03月04日 ローラー作戦<木和田尾下部南~東斜面> (とっちゃん(都津茶女)) 03月04日 藤原岳~御池 (がんちゃん) 03月04日 御池岳不明者捜索2 (uttyさん) 03月04日 藤原岳6合目付近から下の斜面 (くにやんさん) 03月04日 木和田尾根@御池岳(鈴鹿) No.653 参加者9名:はりまおさん、とっちゃん、utty、たろーさん、くまさん、隊長、他3人 03月04日 鞍掛橋-御池谷-左股-鞍掛尾根-ヒルコバ (biwacoさん) 03月04日 Nさんを探して雨と競走の御池谷 (biwacoさん) 03月04日 御池岳 遭難者捜索その2 木和田尾末端部東側 (たろーさん) 03月03日 御池岳 遭難者捜索その1 テーブルランド北東斜面 (たろーさん) 03月03日 タテ谷捜索@鈴北谷(鈴鹿)No.652 参加者:遭難対策委員長 I さんと奥さん、御在所クライミングスクールMガイドと精鋭2人、へべれけ隊のTさん、N師匠とつくだにさん、隊長の9人。 03月03日 タテ谷 ~初めて捜索に参加して~ (つくだにさん) 03月03日 コグルミ谷、奥の平、真の谷 (小屋番さん) 03月03日 丁字尾根、テーブルランド (たくたくさん) 03月03日【鈴鹿】ノタノ坂から三筋の滝往復 by あきたぬき 02月28日 真の谷(小屋番さん) 02月26日 T字尾根~御池岳テーブルランド(宮指路さん) 02月26日 犬帰し谷(隊長さん) 捜索ルート 02月26日 御池岳不明者捜索 (uttyさん) 02月26日 御池岳(りゅう太さん) 02月26日 御池岳(がんちゃん) 02月26日 滋賀県側から御池岳往復(臆崖道さん) 遭難対策委員会 (1) 遭難事故発生状況 (いなべ署 1/21-2/20) 2/12 藤原岳-御池岳、名古屋市在住男性44才、単独 行方不明 2/13-2/19 いなべ警察、東近江警察、三重岳連、愛知岳連、日本山岳会東海支部、他多数捜索参加 踏査捜索、ヘリ捜索、地上ビーコン探査、ヘリビーコン探査、情報収集、他 2/19 の捜索を持って合同捜索本部は解散 2/20 以降は岳連有志を中心に登山を兼ねて捜索を継続する 連絡他は遭対委員会事務局で行う (2) 遭難対策研修会 2/19 藤原御池捜索実施に切り換え (三重県山岳連盟 2011年度第11回(2月)理事会議事録 2012.2.22(水)19 00-20 15鈴鹿市文化会館 より転載) Last Update 2012-09-01 10 12 50 (Sat) hnagashi Last Modified 0000-00-00 00 00 00
https://w.atwiki.jp/textlib/pages/159.html
民主党ですがメシマズメイドロボです http //anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1234019080/ 987 名前:TFR ◆IBMOSAtBIg [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 30 32 ID ??? ッ " "~゛"/^l ツ" フ 979 模範的な専守防衛陸軍士官の人 ヾ ヾ. ボーイングがヘリに代わってOV-10の再生産を検討しているもさ。 ミ ´ ∀ `ミ ソースは下記もさ。解説をお願いしたいもさ。 彡 _ ミ 陸軍から見てヘリの将来性はいかに見られているもさか。 (~.,,._,,.,.,,_,,,.,.,,.,.,,,.,.~)⌒/⌒(^) ⌒ ⌒ http //www.flightglobal.com/articles/2009/02/01/321730/boeing-considers-restarting-ov-10-production-after-23-year.html 995 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 35 19 ID ??? 987 しかし何故新設計ではなく再生産・・・ あの程度の機体はあれで十分てことですかね? 996 名前:|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 36 06 ID ??? おおう、ブロンコですな。まあ次スレでw 997 名前:TFR ◆IBMOSAtBIg [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 37 01 ID ??? 995 大きくしても滑走路その他所要リソースが増してしまうもさね。 999ならみんなもさもさ。 998 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 37 50 ID ??? 丶`∀´ <1000! 999 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 38 01 ID ??? sen 1000 名前:∠(;-д-)ケイレイ@百貫文 ◆nbyvo04lz. [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 38 04 ID ??? 987 ARHが駄目だったもんだから、 何とかなりそうなリソースを総ざらえしたらブロンコが見つかった、という顛末だったりしてw ヘリ型UAVよりも、固定翼リモコン機のほうが先んじて運用されるようになったことと、 陸軍が構想する戦闘が、冷戦欧州正面のような、極端に流動性の高いものではなくなったから、 滑走路を継続して利用できる公算が高まったとか、 そんな素人電波をゆんゆんして、 おたべたんの電波発信を助けてみる みんす党ですがなおと http //anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1234076276/ 14 : ◆2Ys/AQ6eG2 :2009/02/08(日) 16 52 39 ID ??? OV-10再生産とは大変結構! 自営業でもどうよ? 19 名前:|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk [sage] 投稿日:2009/02/08(日) 16 54 01 ID ??? いちおつ さてブロンコですが、まず僕、 ヘリそのもののFEBA付近におけるサバイバビリティに 少なからず疑問がありまする。 だってあれ、止まってたら確実に墜とせるんだもん。 もはやMANPADSはいりませんし? で、生存可能な足、つまり低空機動性や速度、 また隠密性、静音性を併せ持ち、 それを活かすための脅威を先んじて見付けるセンサ これらを『ヘリ』というアレなプラットフォームに奢れる高級機、 もしくは特化機以外はぞう自由に使えないと思うのです。 で高級機ははっきり云って金が掛かりすぎるうえ、 固定翼並の戦術航空基地が必要なので そもそも陸軍による実用レヴェルでの オンステージが現実的ではありませぬ。 20 :∠(;-д-)ケイレイ@百貫文 ◆nbyvo04lz. :2009/02/08(日) 16 56 16 ID ??? 14 今のところ「可能と考える」と言うことらしいっすよ。 記事を読むと The company confirms that the OV-10 could be offered as either a light attack or intra-theatre light cargo aircraft for the US Air Force. 会社は、USエアForceのために軽い攻撃かイントラ劇場の軽い貨物輸送機のどちらかとしてOV-10を提供できたと確認します。 The international market is also driving interest in the slow-flying aircraft, which blends some of the observational capabilities of a helicopter with the range of a fixed-wing aircraft. また、国際市場は遅く飛ぶ航空機への関心を追い立てています。(航空機は固定翼機の範囲があるヘリコプターの観察の能力のいくつかを混合します)。 であるらしいから、低烈度戦場への輸送も考えているんじゃないかなあ、と。 ベトナム戦争当時には、けっこうな武勇伝があるそうだしw>ブロンコと特殊部隊 28 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 01 50 ID ??? >おたべ氏 電動ガンは構造上マガジン抜いても弾が2、3発残ることがあります。 残弾を確認する方法は只ひとつ、マガジン抜いて安全な方向に向けて撃つw あと薬室のダイヤルは弾道調整用、弾に回転をかける強さを調整してます。 29 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 01 58 ID ??? であるならば、野戦運用可能な特化機たるヘリ、 つまり高機動小型OH(ROH)やら、 これの改修によるネットワーククラスタ・ハブ機やら、 純然たるCHとしての高生存UH、 このへんが限界で、 某鏡餅やら某〇マンチみたいなスペックは、 純粋にヘリという形式のモノとしては 破綻してしまいます。 なら、そういうのは昔は無理だった センサと航法系でNOEする固定翼機に。 ではA10級をベースに? ノン、陸軍による野戦運用に耐えません。 それに大袈裟に過ぎる。 となると? 37 :TFR ◆IBMOSAtBIg :2009/02/08(日) 17 04 21 ID ??? ∬ ∬ /^l ―-y " ~"゙´ |・。。。∬ o0o゚゚ヽ * ´ ∀ `* ゙ミ .゚゚oo 24 。oO( (( ミ _ ____ __ _ シ )) ) O0o もさ、アニメで軌道エレベータを見たのは (~~)ヽ (´^ヽO, 久々もさね。 (⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~ /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~ 、、 ところで演説している地球連邦大統領の ゝー ′ " ``" ¨^^ ルックスが誰かに似ているような気がするもさもさ。 、i,, ``′ "" しかし相変わらず、真空中での爆発の描写が「大気と押し合ってゆらめく」もさね。 綺麗に球状に拡大しないといくないもさもさ。 25 スリランカだったと思うもさが、携帯SAMを持っている程度の相手にもプロペラ戦術機は 大損耗してしまうもさ。 ひとつの解決策が「損害を許容する」無人機への切り替えもさね。 40 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 05 49 ID ??? つーわけで僕ブロンコ萌えなんすよ、ぢつは。 ええ、LRも好きですが、何か? 45 :∠(;-д-)ケイレイ@百貫文 ◆nbyvo04lz. :2009/02/08(日) 17 06 52 ID ??? 37 イメージがバベルの塔的ですよねw 40 それでは、おたべたん、低烈度戦場における…と、書こうとしたら、 おやびんがすでにスリランカ戦例を>< 48 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 07 57 ID ??? 25 エンブラエルがスーパーツカノのカタログを持って様子を窺ってい(ry 52 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 12 11 ID ??? 29 >となると? 装甲されたHIGH-MACSが必要とされる時に垂直離陸、短時間滑空して 120mm砲、ロケットポッド、ATM、機関銃などの豊富な火力をもって支援を行うのですね!!11!! 90式(改)はブリキ缶だz(ry 53 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 12 16 ID ??? なので、 ヘリコプタにはネットワーククラスタ・ハブや OHとして頑張って頂きたい。 で、ある程度のAH任務はセンサなんぞを充実させた NOE運用可能な小型高機動固定翼機に 稜線越えミサイルやらロケットをもっさり積んで対応、と。 ガチのFEBAには先行してUAVブッ込む感じでね。 58 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 14 27 ID ??? 53 円盤積んだフロッグフットを! そうだね、低機動だろうね 59 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 15 13 ID ??? 発射後ロックorデータリンク型ミサイルは重要だけど、 それをヘリがデリバーする意味は無いよね、と。 61 :∠(;-д-)ケイレイ@百貫文 ◆nbyvo04lz. :2009/02/08(日) 17 16 24 ID ??? 58 あの文脈だと、A-10ではでかい(陸軍にとっては) F-16じゃ駄目(陸軍には) だから(陸軍には)危険な前線に突入できる高速UAVを、と読めた。 63 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 17 12 ID ??? このばやいJスターズ任務を行うP‐1とか、 ネットワーククラスタ・ハブ型ヘリがじうようでする。 68 :TFR ◆IBMOSAtBIg :2009/02/08(日) 17 17 58 ID ??? ∬ ∬ /^l ―-y " ~"゙´ |・。。。∬ ところで「貧乏姫」の国家は消滅したもさかな? o0o゚゚ヽ * ´ ∀ `* ゙ミ .゚゚oo あるいは共和制に移行して王族も一市民になったもさか? 。oO( (( ミ _ ____ __ _ シ )) ) O0o (~~)ヽ (´^ヽO, もさもさ。 (⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~ AH-64D導入の顛末は周知もさ。ではそれに代わるものは何か? /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~ 、、 ゝー ′ " ``" ¨^^ モサは、OH-1その他の観測によって特科火力を用いることが 、i,, ``′ "" 陸自のAH後継火力だと思うもさ。 69 :∠(;-д-)ケイレイ@百貫文 ◆nbyvo04lz. :2009/02/08(日) 17 18 25 ID ??? 63 地形が錯綜しているところで、側視レーダで戦場を統制できるんでしょうか>< あ、だからFOからのアップロードを受け取るハブヘリなのか。 75 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 21 48 ID ??? http //obiekt.seesaa.net/pages/user/m/article?article_id=110103945 stq=session%3A%3Ablog%3A%3Af71126230a62d0156943ed16ee61695d NOE(Nap-of-the-Earth)飛行とは地形追従飛行の事で、匍匐(ほふく)飛行と訳されます。 地形に沿って低高度を維持したまま飛ぶ航法で、回転翼機は固定翼機に比べて地形追従能力が高く、 より低い高度を飛ぶ事が出来ます。 そういうことかー 76 :舞鶴の質屋 ◆Wcnk3S8mG6 :2009/02/08(日) 17 21 55 ID ??? 高度で複雑な情報を双方向で遣り取りできる小型の装置が開発されたことによる。 兵器の進化と人間の命のコストが相殺できる環境になったのかなぁと思ったり… 80 :TFR ◆IBMOSAtBIg :2009/02/08(日) 17 22 43 ID ??? ∬ ∬ /^l ―-y " ~"゙´ |・。。。∬ 63 もさ、その一方でFHIが o0o゚゚ヽ * ´ ∀ `* ゙ミ .゚゚oo U-125系のコンパクトな戦場監視機を 。oO( (( ミ _ ____ __ _ シ )) ) O0o 提案したりするかもふさもさ。 (~~)ヽ (´^ヽO, (⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~ ところでアニメの話もさが、遠距離センシングできる /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~ 、、 澄んだ宇宙でもモビルスーツには軌道上兵器として価値があるもさかな? ゝー ′ " ``" ¨^^ 、i,, ``′ "" 数千km先から戦艦に撃たれて飛び散ることは無いもさかな? 89 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 25 38 ID ??? 68 でしょーな。 で、そこに加えて手前味噌に使える 高機動小型固定翼があると痒いトコに手が届くでし。 なにしろ特科は評定で挟叉してなんぼです。 『もっと早く!もっと便利に!1!』 過剰に変態なマルチプルミサイルやら ユーティリティに富んだ固定翼欲しさは、 そういう我が儘の現れです。 てかステルス性、生存性、センサを活かして 一部TK‐Xが火力効果観測をするかもね、と。 93 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 26 50 ID ??? http //enhancedshammer.blog.shinobi.jp/Date/20090111/1/ FEBA 主戦闘地域境界線(前線境界) そーなのかー 107 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 28 35 ID ??? 68 >AH-64D導入の顛末 いまだに詳しく知らないんだけど、この問題が纏められているページって無いですか? もしくは師匠が三行で説明とかw 126 :TFR ◆IBMOSAtBIg :2009/02/08(日) 17 31 18 ID ??? ∬ ∬ /^l ―-y " ~"゙´ |・。。。∬ 107 o0o゚゚ヽ * ´ ∀ `* ゙ミ .゚゚oo ・思っていたよりずっと高価で数が揃わない 。oO( (( ミ _ ____ __ _ シ )) ) O0o ・改修にも制限が多い (~~)ヽ (´^ヽO, ・AH懐疑派の声が強くなる (⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~ /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~ 、、 ゝー ′ " ``" ¨^^ 、i,, ``′ "" 129 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 31 34 ID ??? アパッチ導入するお でも導入費用がやたらと高くなっちゃたお 中止すればこれ以上金はかからないお! 130 :|日0TK@おっぱいマイスター ◆Y2ynCgeGhk :2009/02/08(日) 17 31 34 ID ??? 107 僕のレス前半部分嫁よ( ´・ω・`♯) 139 :扶桑萌萌委員会 ◆7gIjaxK1Ow :2009/02/08(日) 17 32 54 ID ??? 120 ハリアー搭乗員の育成がばかにならないお。 あと、確実に値段吹っかけられるお。 151 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 35 25 ID ??? 386 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/02/05(木) 05 58 46 ID ??? 前提として航空支援が欲しい、今すぐ欲しい、3分以内に欲しい、とっとときやがれといった要望に応えられるとかあるけどね 海兵隊のように自前で調達できて、しかも前進基地まで持てちゃうとこなら意味があるんだろうが・・ いっそあきつ丸のように陸自で空母もっちゃう?w 387 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2009/02/06(金) 05 13 27 ID ??? >いっそあきつ丸のように陸自で空母もっちゃう?w 陸自の所属だから「空母を保有するのは海軍というのが世界の常識であり、 これは陸自が保有するのですから空母ではありません。地上作戦用航空機を 運搬するための艦です。従いまして空母など外国を攻撃する兵器の類は 保有できないという内閣法制局の専守防衛の憲法解釈には違反してません」って 強弁してちゃっかり通してしまったりして。 162 :名無し三等兵:2009/02/08(日) 17 38 59 ID ??? 126 あーそういうことか。 なして金掛っちゃったんですか? 確か当初よりウン十億以上高くなっちゃったんでしたよね? 178 :TFR ◆IBMOSAtBIg :2009/02/08(日) 17 42 54 ID ??? ∬ ∬ /^l ―-y " ~"゙´ |・。。。∬ 162 もともと調達予定数が少なく量産効果が小さかったもさが、 o0o゚゚ヽ * ´ ∀ `* ゙ミ .゚゚oo そこへ日本向けローカライズ改修を載せたらさらに調達数が減ったもさ。 。oO( (( ミ _ ____ __ _ シ )) ) O0o 調達数が減ると量産効果がさらに低下し、以下略のスパイラルに陥ったもさね。 (~~)ヽ (´^ヽO, (⌒ヽ (⌒)(゙゙゙)~ /~゙゙ヾ⌒`ゝ-(~´`(⌒(⌒~ヽ~ ~~ 、、 ゝー ′ " ``" ¨^^ 、i,, ``′ ""
https://w.atwiki.jp/pipopipo555jp/pages/1002.html
1986.3 沖縄史料編集所紀要11 座間味島集団自決事件に関する隊長手記 大城将保 座間味島集団自決事件に関する隊長手記一、隊長命令説"について 二、手記「戦斗記録」 一、隊長命令説"について 沖縄戦下、座間味島(座間味村・慶良間諸島)で発生した住民の集団自決については、数多の戦記に記述が見られるが、「鉄の暴風』(沖縄タイムス社・一九五〇年)以来現在に至るまで、集団自決は隊長の命令によるものである、という見解が通説になっていた。 ところが、昭和六〇年七月三〇日付『神戸新聞』は、当時の海上挺進隊第一戦隊長(少佐)・梅澤裕氏はじめ関係者の談話を基に、「日本軍の命令はなかった」というサブタイトルをつけて、いわゆる"隊長命令説"に疑問を提示した。 筆者(大城)は、『沖縄県史』に"隊長命令説"に基づく解説記事を執筆した責任上、この新説を無視するわけにはいかず、直接梅澤氏に書簡および電話で連絡をとり、ご本人の意向を確かめたうえ、より詳細で正確な事実関係を把握すべく手記の執筆を要望したところ、早速同氏から次節に掲載する「戦斗記録」の原稿を寄せていただいた。 まず、同手記を紹介するにあたって、従来の"隊長命令説"の経緯を、筆者の関わる範囲内であらかじめ明らかにしておきたい。 "隊長命令説"には二種類の原資料が考えられる。 最も早いのは沖縄タイムス社『鉄の暴風』(一九五〇年)であるが、同書の記述では、「米軍上陸の前日、軍は忠魂碑前の広場に住民を集め、玉砕を命じた」(四一ぺージ)とあるのみで、具体的な命令内容はみられない。 ところが、山川泰邦『秘録・沖縄戦史』(一九五八年)には、「艦砲のあとは上陸だと、住民がおそれおののいているとき、梅沢少佐から突然、次のような命令が発せられた。『働き得るものは全員男女を問わず戦闘に参加し、老人子どもは、全員村の忠魂碑前で自決せよ』」(二二九ぺージ)とあり、はじめて命令内容が明記されている。 『沖縄県史』第8巻・沖縄戦通史(一九七二年)では同書を参考にして命令内容が引用されており、おなじく『沖縄県史』第10巻・沖縄戦記録2では「座間味村」の項で筆者(大城)が次のように「解説」を書いた。 「午後十時ごろ、梅沢隊長から軍命がもたらされた。『住民は男女を問わず軍の戦闘に協力し老人子供は村の忠魂碑前に集合、玉砕すべし』というものだった/役場の書記がこの命令を各壕をまわって伝えた」「ここでは、部隊長から自決命令が出されたことが多くの証言から確認できるのである」(六九八~六九九ぺージ)。 最新の出版物では『沖縄大百科事典』(沖縄タイムス杜・一九八三年)が「座間味島集団自決」の項で『沖縄県史』10巻の記述を引用している。 ところで、『沖縄県史』10巻の該記述は、下谷修久『沖縄戦秘録・悲劇の座間味島』(昭和四三年)に収録されている現地在住の宮城初枝氏の手記「血ぬられた座間味島・沖縄緒戦死闘の体験手記」を参考にして書いたものである。「午後十時頃梅沢隊長から次の軍命令がもたらされた/『住民は男女を問わず軍の戦闘に協力し、老人子供は村の忠魂碑前に集合、玉砕すべし』云々」(三八べージ)とある。この原資料には座間味村当局が琉球政府および日本政府に提出した『座間味戦記』(タイプ印刷、八ぺージ)と題する文書がある。「夕刻に至って梅沢部隊長よりの命に依って住民は男女を問はず若き者は全貫軍の戦斗に参加して最後まで闘い、又老人、子供は全員村の忠魂碑の前に於て玉砕する様にとの事であった」。宮城氏の手記はこの部分の引用である。 山川氏の記述も、おそらく座間味村から琉球政府に提出された援護関係文書に拠ったものと思われるが、要するに、"隊長命令説"は村当局の公式見解になっていたのである。 以上述べた通り、"隊長命令説"には二種の根拠資料が存在するのであるが、後者の場合は、隊長自ら自決現場に立ち会って命令を下したとは書いてない。そして、多くの住民証言から、役場の書記が「忠魂碑前に集合して玉砕するよう」伝達してまわった事実は確認されている。そこで、問題になるのは、村当局と軍との間に集団自決について事前の通達、ないし協議がなかったかどうか、ということである。この点について筆者は梅澤氏に電話で質問したのであるが、「そういうことはなかった」と否定した。ただし、軍には他に勤務隊、整備隊等の集団があって、もし、事前協議等があったとすれば他部隊の可能性も否定できないが、集団自決が村当局の自発的な方針によるものか、あるいは何らかの形で軍の意向がはたらいていたのか、村三役以下役場幹部のことごとくが組合壕で自決を遂げた後となっては、その真相を確かめるのは容易でない。 いずれにしても、従来の"隊長命令説"は現地住民の証言記録を資料として記述されてきたのである。これに対し、一方の当事者である梅澤氏から"異議申立て"がある以上、われわれはこれを真撃に受け止め、史実を解明する資料として役立てたいと考えるものである。以下に同氏の手記を掲載させていただき、筆者の当面の責をはたしたいと思う。 なお、手記は後半に「戦後の苦悩」と題をあらためて、戦後、同問題をめぐって氏の周辺で起きた事柄の経緯を述べているが、紙幅の関係と、また論点を明確にする上でも、「戦斗記録」のみに絞って、後半部は割愛させていただいた。 二、手記「戦斗記録」 (梅澤裕) 私は昭和十四年九月より戦争に参加し、大陸(北支)を転戦したが、最後は沖縄県慶良間の座間味島で死闘を演じた。そして二十一年一月負傷の身を米軍の手厚い取扱により病院船で浦賀に復員したのである。 元来軍人を志し正規教育を受け、任官後長期間戦陣に明け暮れた次第だが、此の戦争は不可解なりと感じ始めたのは太平洋戦争頃であった。騎兵戦車兵として大陸で行動したが、十九年一月何と船舶兵に転科させられ、宇品の船舶司令部に派遣され、船の運用を練習した。之は破局を迎えつつあった、南方の島伝いに軍需資材を急送する特殊艇の要員であったのだ。それが結局その船も資材難で出来ず、ベニヤのモーターボートを爆装し敵輸送船に体当りする特攻艇要員になった。瀬戸内で夜間の猛訓練の後十九年九月、海上挺進第一戦隊の長となり座間味に進駐したのだ。 私は既に戦争の前途は大体予見して居た。若し米軍上陸となれば国土内の戦争になり悲惨の極だろう。こんな特攻艇にどれ程の効果を期待出来るのか。その後比島戦が始まりその経過を見乍ら、統帥部はいつも決戦を呼号するが、果して決戦をやるのか、見殺しではないか等、若い将校や村民が案じられてならなかった。大陸で数多くの戦斗を経験して居たので戦争の悲惨は熟知して居た。中央はいつ迄こんな事をさせるのだと先が案じられた。果して大変な事になった。敵は大挙上陸、反撃も一瞬に吹き飛び、そして無残な村民の自決。これは戦争なんてものではない、奴等の言うジャップハンティング、即ち嬲り殺しの様なものだった。弾薬無く食糧なく数日を出ずして、蹌踉と唯山林をさ迷う部隊を見て、正に国敗れんとして、軍の崩壊せんとする地獄のさ中私は負傷し力尽きた。そして戦後になり何たる事、村民の自決は私の命令によるものとされ、爾来三十年間汚名に泣くこととなった。以下座間味進駐以後の経過を記述する。 一、座間味島進駐(19・9) 九月十日輸送船より上陸した。戦隊は私以下百数名、装備は艇百隻、武器は三十年式軍刀、拳銃(旧式輪動式)自動短銃約十挺、五十㎏爆雷二百五十個位。之を支援する基地隊は○少佐以下約八百名であった。島民は当時沖縄で最も愛国的な村民で誠心誠意の人達であった。皆一致団結して協力して戴いたので大いに感謝し私以下部隊は親睦に留意し非違行為は一件もなかった。 十九年十月十日沖縄大空襲あり、私は前日より首里の司令部に出頭して居た。空襲は米機のみ乱舞し那覇は壊滅した。 その後本鳥に配備されていた第九師団を比島に増強する問題が発生、結局台湾に足止めの愚挙があった。之が為基地隊長以下主カがその穴埋めの為本島に移動した。行く者は喜び残置された者はショックであったが運命は彼等が全滅の途を歩んだのだった。 私は残留約二百八十名を指揮下に入れた。不足労力を補う為朝鮮人軍夫百人が来援した。間もなく比島戦始まる。リンガエン上陸戦にて我等と同種戦隊が出撃したが殆ど不成功でこの秘部隊は米軍の知る処となる。※1 (当時この戦隊は全国に三十あり、ケラマは座間味、阿嘉、渡嘉敷に各一、本島に三ケその他は此島、内地にあつた)。私は比島の事で米軍は沖縄の戦隊を調査する。我企図は察知されるだろうと判断した。果してそれから米機の偵察が始まり写真撮影が行われたのだ。その後空襲が二、三回あり兵舎の学校も焼失、我々は村落内に舎営し分散した。之が為老人婦人達は若い兵を息子の様に大事にして戴き双方食い物を頒ち合い甘味品を分け合ったものである。空襲で優秀な鰹舟が煙を発したのを見て隊員は危険の中を飛び込み消し止めた。之も村民に対する感謝の気持の現れだった。舟はその後崖下に秘匿し戦後も活躍した由である。軍司令部は若い将兵を思ってか女傑の店主の引率する五人の可憐な朝鮮慰安婦を送って来た。若い将校は始めて青春を知ったのだ。 ※1 これは『戦史叢書』1968刊などを読んで知ったことであろう。1945年時の"判断材料"にはならない。 島の青年は殆ど出征して居り、若者は女性が主であり女子青年団が出来て軍属の様に働いて居た。此の頃夜間、山の上で燈火信号の如きものが散見された。沖縄人は米国へ出稼者が多い故スパイ活動ではないかと部下や村民間に噂が流れた。斥候を出して調べたが不明だった。疑わしき者ありとの報告もあったが証拠もなし、又考える処ありて私は押さえた※2 。之で良かった。他島は処刑の話が多い。 ※2 沖縄軍が「防諜」「防諜」と号令をかけている中で、極秘基地がそれでいいのか? 比島戦は終熄した。今度は沖縄だろう。大勢は極めて不利、部下、村民の運命如何にと案じつつ訓練に励んだ。之を推進する基地隊は三百名足らず。その装傭は機関銃一、軽機関銃数挺、擲弾筒二、後は小銃のみ、村民は約八百、老幼婦女子の他青壮年若干、之を指導する者は村長、助役、収入役等役場の幹部そして校長先生警察官等であった。敵上陸の一ケ月位前に指導者が集まり、敵の鬼畜の如き扱いを受けるより軍の足手まといにならぬ様、又食糧保全の為死のうと語し合った由、生残りの老人談がある(当時の郵便局長石川さん)。何という事だ。戦国の落城悲話の如き心情がケラマにあったのだ。 二、米軍上陸・死闘(20・3・23以降) 二十三日本島に先がけザマミに空襲始まる。直ちに戦斗配置につき壕に退避厳に秘匿し応射せず。折しもザマミには沖縄船舶団長大町茂大佐一行が視察の為来島し訓示の最中であった。当日夜一行は渡嘉敷の第三戦隊へ移られた。二十四日猛爆。二十五日は戦艦級以下海峡に侵入し来り爆撃と艦砲射撃で島は鳴動した。そして舟艇秘匿壕は落盤や直撃により使用不能となった。当夜より軍司令部からは敵の輸送船の位置が知らされて出撃するのが計画であったが、数百の島を取巻く艦船が無電妨害によりガーガーと雑音ばかりで受信不能、又出撃の基地そのものが襲撃されては特攻なぞ一片の夢と化した。よしんば出撃してもすぐ沖に取巻く装甲艦により瞬時に撃滅されてしまったであろう。 二十五日夜二十二時頃戦備に忙殺されて居た本部壕へ村の幹部が来訪して来た。助役宮里盛秀氏、収入役宮平正次郎氏、校長玉城政助氏、吏員宮平恵達氏及び女子青年団長宮平初枝さん(現在宮城姓)の五名。 その用件は次の通りであった。 いよいよ最後の時が来た。お別れの挨拶を申し上げます。 老幼婦女子は予ての決心の通り軍の足手纒いにならぬ様、又食糧を残す為自決します。 就きましては一思いに死ねる様、村民一同忠魂碑前に集合するから中で爆薬を破裂させて下さい。それが駄目なら手榴弾を下さい。役場に小銃が少しあるから実弾を下さい。以上聞き届けて下さい。 私は情然とした。今時この島の人々は戦国落城にも似た心底であったか。 私は答えた。 決して自決するでない。軍は陸戦の止むなきに至った。我々は持久戦により持ちこたえる。村民も壕を掘り食糧を運んであるではないか。壕や勝手知った山林で生き延びて下さい。共にがんばりましょう。※3 弾薬は渡せない。 ※3 宮城初枝氏はそうは聞いていない=『母の残したもの』 しかし、彼等は三十分程も動かず懇願し私はホトホト困った。折しも艦砲射撃が再開し忠魂碑近くに落下したので彼等は急いで帰って行った。 これで良かったとホッとしたが翌二十六日から三日位にわたり、先ず助役さんが率先自決し村民は壕に集められ次々と悲惨な最期を遂げた由である。 この五人も宮城初枝さんだけ生存し他は皆自決された。私は戦斗間村民が数多く亡くなったと報告を受けたがこんなことが行われたとは知らなかった。昭和三十三年頃マスコミの沖縄報道が盛になり始めて知った。 三、上陸戦(3・26) (1)二十六日九時頃より爆撃開始 西方沖合は舷々相接する輸送船群の為水平線は全部埋まって居た。見事という他なかった。夫より上陸用舟艇や水陸用戦車が泛水開始、そして整備調整か円運動を行う。果して敵はどの島に来るか、ああ遂に来るべきものが来た。運命や如何にと台地に立ちて待機した。 午前十時彼等は一斉に白波を蹴立ててザマミに向って来た。斯くして本島に先立つ事六日前我戦隊は沖縄の戦端を開いた。 この米軍はアンドリュー師団、ブルース少将の77師団の由でLST32、LIS40その他の輸送船一四を主体とする陣容であった。我隊は戦隊の他約二百八十名、機関銃一挺の水際反撃は何十門の戦車で一瞬ふっとび後退し、村を取囲むコの字状丘、台地に拠って抵抗した。奴等は我々をなめた様に散開し、中腰になって前進するのを斜射、側射で撃ちまくったらコロコロ倒れた。そしてすぐ退却し空地連絡してグラマンを呼ぷ、戦車が交代反撃してくる。之で一日が終った。 (2)夜戦 島一番の高台番所山に敵が上ったので夜九時頃本部基地隊の主力で夜襲を決心し突込んだが敵はすぐ後退し夜襲は中断した。然るに、離れて阿佐海岸に待機中の戦隊第一、第二中隊、といっても六十名がそのすぐ裏山に進入した敵の機関銃陣地に独断で斬込んだ。丁度十時頃我々主力が位置した番所山西方稜線から遥か東方に猛烈な敵の機関銃音が起こった。そして数分にして終った。この若武者等は出撃不能の無念、この裏山の機関銃陣地が翌朝より及ぼす影響を判断し叩こうとした。本部とは離れ、敵が中間各処に進入したので連絡困難、斯くして連絡とらざる儘独断斬込んだ。右の谷に沿い伊藤少尉の第一中隊、左山道に沿い阿部第二中隊、銃座を取囲み折重なって倒れて居た。敵陣地は一時奪取し奪った機銃で第二線を撃ったが逆襲でやられた。敵黒人射手は銃と鎖でつながれ、その脳天を阿部少尉の軍刀が二つに割り共に折重なって倒れて居た。生残る者四名。私は一瞬にして最も精鋭な現役部下の三分の二を失い落胆の極に達した。状況把握が遅かった。連絡報告さえあれば止められたものをと残念の至である。 (3)二十七日より月末頃迄 之より連日圧倒的に優勢な空、陸、海の包囲攻撃で逐次斃され、収容に由なく、弾薬尽き、加ふるに敵に降った村民より聞き出し、彼等は糧秣の秘匿壕を黄燐弾で焼き払ったので飢餓状態となった。村民は次々と投降したが止めなかった。しかし民間防衛隊、女子青年団はよく協カした。基地隊の朝鮮人軍夫百名は壕や陣地構築によく働いたが、敵上陸前夜動揺甚しとの報告を受けた。彼等なりに情報があった様で、日本の敗戦近しとして投降の徴がある、処刑すべきかとの報告があったが、日本人でもない彼等は既に戦力にはならぬ、処刑不可、追放せよと命じた。彼等はすぐ逃げて行った。前記慰安婦にも軍夫を放すから自由にせよと伝えた。既に日本兵と懇になった者もあり淋し相であった。すぐ米軍に行かず山林中を暫くさ迷った後四名が投降した由。一名が重傷の将校を看取ると云って離れず後二人で手榴弾で自決した。※4 ※4 このことが間違って伝わり、『鉄の暴風』初版の梅澤死亡説になったと思われる。 哀話ではないか。女傑の主人は本部と行動すると云い去らず将校軍服を着用して看護に炊事に大いに働いた。後私が負傷後はつき切りで看護してくれた。 古座間味海岸の戦隊壕の津村第三中隊は度々本部主力と合流せんと行動したが包囲を脱することが出来ず海岸よりの戦車の攻撃に潰滅した。津村少尉は本部違絡の途上重囲に陥り哀れ戦死した。 主力は敵の攻撃をかわして夜間行動し東の阿真山中へ又翌日は東北の阿佐山中へと食糧なき儘蹌踉として戦斗を続けた。 (4)私の負傷(4・12)と以後の状況 東北部阿佐山中へ圧迫された主力は軍用犬により発見包囲された。地隙により辛ふじて撃退したが私は左膝関節盲貫破片創を受けた。村民は更に後方に分散避難して居たが逐次投降して行った。防衛隊も離れた、女子青年団も負傷者が出たので降りて行った。私は止めなかった。 本部は私以下副官、当番兵、負傷兵及び前記女性が残った。軍医は散在する負傷兵の手当の為山中、林と衛生兵と共に廻り時々私の治療に来る。しかし薬材無く、米軍の落す衛生材料は貴重品であった。私はつくづく考えた。これは戦争ではない、奴等が云うジャツプハンティングだ。これ以上嬲り殺されてたまるか、皆を集めて命令した。「全員数名以下に分散し山林中に隠忍せよ、止むを得ざる場合の他反撃するな。死ぬな」。 この頃敵の掃討も漸やく納まったので情勢の推移を待つ事とした。敗残の部下達は何を食べて居たか。漂着する敵艦船群の食糧残滓、米軍糧秣集積所より奪うレーション、焼却された食糧壕の焼け米、それ等を芋の葉、蔓、大豆の葉で雑炊を作りすすって居た。 (5)六月上旬頃迄 私の傷は激痛が始まり化膿が進んだ。折からの梅雨で兵の作る雨除けも役立たず、連日ビショ濡れ、飢えと寒さで苦しんだ。加ふるに骨髄がやられ高熱が続き朦朧として過した。皆洗濯板のような胸になり夜が明けると横の負傷兵が冷たくなって居たりする。しかし私は助けられた。食糧は元気な兵が手に入れる度に細かく分けて届けてくれた。それを細かく切っては雑炊にする。その頃米粒は一日一人マッチ箱一つ分だった。又投降した防衛隊の学校の先生等が米軍給与等を持って度々夜間尋ねて呉れた。そして敵状、本島の戦況、米軍の内地空襲の状況をその写真と共に知ることが出来た。和平交渉が始まって居ることも判った。※5 座間味島では歩哨線を設けなかったのか? 昼間敵の揚陸艇が私の隠れて居るすぐ下の浜迄来て放送する。「隊長に告げます。戦争は終りつつある。日本は和平交渉に応じて居る。之以上の無駄な戦斗を止めよう。部下救出の途を考えなさい」と。そして賑やかな音楽をボリュームを上げてコーヒータイム、水兵が甲板に坐って何か食って居ると歩哨が報告する。彼等は村民から私の位置を聞き私の症状衰弱の様子を熟知して居たのだ。 (6)私の捕獲(救出)作戦 基地隊の兵に東大出の異色の学徒兵が居た。その名はI君。彼は始めからこの戦争は不可なりとし予て期する所があった。よく事態を把握して居たというぺきだろう※7。敵上陸後彼は一人で秘かに投降した。その後負傷収容された兵や防衛隊員そして米兵と協力して山林中に倒れる負傷兵、餓死迫る兵等を収容して廻った。そして又縷々反抗、狙撃され危険の為作業が進まない。その結果負傷衰弱して居る私他本部のものを捕えよく情勢を認識させ戦隊長自身に救出行動を起して貰おうと決した由である。I君は私に食糧を届けて呉れた防衛隊の人等と協力、或る早暁米軍と共に私等を急襲し、本部は私以下一瞬にして捕われた。すぐ舟艇で村の米軍本部に連れて行かれ連隊長たるハプターン中佐と会った。彼日く「戦はすぐ終る我々はもう敵同志ではない、これから貴官の部下を一緒に救出しよう」と云って握手する。そしてナイフでジュース缶を切り開き私に奨めるのだ。私の思考は大転回した。戦争は敗れたりと痛感した。そしてフランクな米指揮官の態度に感じ入った次第だ。ウエストポイント出の将校だった。 ※7 I中尉は渡嘉敷島にも投稿勧告にいったが、赤松大尉は会ったものの投降には応じなかった。また赤松大尉は、伊江島島民や渡嘉敷島民の少年2人のように投降勧告に来たことを理由にI中尉を斬ることはなかった。 それからすぐ手術、膿が溢れ出た。約一週間の医療生活で大分元気が出た。事態を把握した私は覚悟をきめ部下に告ぐ書を綴り救出作業を開始した。山中の部下達は私の指示書を読み逐次下山して集った。 この間の我が部下、村民の好意努力は申す迄もなく米軍将兵の好意好遇は終生忘却出来ぬ思い出である。私は部下米軍に後事を託し設備の良い本島の病院に移って行った。三回の手術で腐骨が除かれやっとギブスがとれ左足を切らず済んだ。コロンビア大の外科医マッコリイ少佐他看護兵、看護婦の敵味方を隔てぬ友愛精神には感謝の言葉もない。私他多くの負傷兵が焦土と化した内地に帰還したのは二十一年一月以降、私は病院船で浦賀に上陸した。 猶終戦の一ケ月程前私は再ぴ揚陸艇でザマミに連れて行かれハプターン中佐と会った。彼日く阿嘉島の野田少佐の戦隊が往来する米船を撃ってくるので損害が出て困る。彼の頼みは終戦を目前にし掃討作戦をすれば双方に犠牲が出るので私に一緒に阿嘉に行き情況を説明し反抗を止める様説得してくれとの事であった。私は喜んで応じた。担架で阿嘉島へ行き放送したら戦隊長以下奇麗な服でゾロゾロ降りて来た。そして私にすがって無事を喜び合った。斯くして第二戦隊は無事終戦を迎えた。阿嘉は上陸掃討戦が無かったから損害は少なかった。私は浦賀で入院加療をすすめられたが、振り切る様に家路を急いだ。母は八月終戦の二十九日に病で亡くなって居た。 以上により座間味島の「軍命令による集団自決」の通説は村当局が厚生省に対する援護申請の為作成した「座間味戦記」及び宮城初枝氏の「血ぬられた座間味島の手記」が諸説の根源となって居ることがわかる。現在宮城初枝氏は真相は梅沢氏の手記の通りであると言明して居る。(戦記終わり) ここまでが梅澤氏による手記である。原告弁護士徳永信一氏が正論9月号で、原告準備書面(2)(7)(8)で、最後の段落を「大城主任専門員は『現在宮城初枝氏は真相は梅沢氏の手記の通りであると言明している」と書き添えた」と主張するがこれはウソである。(『沖縄戦の真実と歪曲』大城将保p56)
https://w.atwiki.jp/hutarikiri/pages/42.html
467 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 09 38 ID CL87sYTN 彼女は、ずっと憧れだった。 美しい人。 その長い髪。スレンダーで高い身長。整った顔立ちに涼しげな表情。美しい声に、そして明晰な頭脳。 その全てが、俺にとっては眩しくて、憧れてた。 クールで、強くて、感情を表さないその知性的な瞳にはいつも強い意志が宿っていた。 そして、その姿があまりにも美しかったからだろうか。俺は、いつしか彼女と同じ道を歩くことを選んでいた。 まあ、同じ道を歩んだところで彼女がずっと自分より上の存在であることに変りは無かったんだけれども。 でも、それでも良かった。 ただ、同じ道を歩けるだけで。 だからずっと思っていたことがある。 もしも、自分が彼女の為に何らかの役に立つ事が出来る日が来るのなら、その時は自分の全身全霊を持ってこの身を彼女に捧げ ようと。 この身を以ってして、その美しい人が歩む黄金の道の、そのための一つの礎にしようと。 そう、誰に口にするでもなく、ただ独り、誓いを持っていた。 何時だって、どんな時だって、彼女の為になるのならば、この命さえ惜しく無い。そう思っていた。 ただ、まあ、一つ誤算だったのは、結構あっさりとその誓いを果たすべき機会がが来てしまったことなんだけれど。 468 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 10 44 ID CL87sYTN 「明良ーっ、資料の整理終わった?」 「いや、後ちょっと」 「そうか、それじゃあ俺は帰るからな」 「うぃーっす。山田お疲れー」 そうして研究室を出て行く山田を見送る。 この東明城大学の考古学科研究室には佐々木明良(ささきあきよし)俺1人になった訳だ。 時刻は午後十時を回っているし、まあ、皆帰って当然か。俺も帰りたいのだが……。 だが今日はまだ帰れない。今度の学会でうちの研究室の主任の絢華さん使う資料に矛盾点や問題が無いかの裏調べの作業が残っ ているんだから。 まあ、とは言ってもあと2時間もあれば帰れるだろうし、大した量じゃない。 はぁ、二時間……。帰りは0時過ぎるわけか。目薬さそ。 そうして手元の資料とネットに繋がりっ放しのパソコンから目を離して目薬をさす。ふーっ、疲れたー。癒されるー。 と、すぐ近くでコトリと言う音がした。 ふと音のほうを見ると、何故か資料の隣に丁度欲しいと思っていたコーヒーが置いてある。 「な、突然目の前にコーヒーが。み、ミラクル!」 「君は何を馬鹿なことを言ってるのよ」 「あ、絢華さん!」 そう、振り返るとそこには綺麗なお姉さんがいた。 469 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 11 53 ID CL87sYTN まあ、アホな事を言っていても始まらない。そう、この人こそ俺がこの道へ進むキッカケとなった憧れの人。 上園絢華(うえぞのあやか)さんだ。 そのすらりとした高い身長と整った顔立ち、 そしてその優秀な頭脳と行動力から考古学界では若手のホープとして齢25にして既に注目を集め始めている。 そしてついた二つ名が「東明城の女インディ・ジョーンズ」 女なんだからトゥームレイダーのララ・クラフトで良いような気もするんだけどなぁ。 まぁ、そんな絢華さんが居るからと言う理由だけでこの大学を目指した物の、 入試の時ですらギリギリの成績だった俺とは住む世界が違う、そんな人だ。 涼しげな瞳と、美しい長い髪を後ろに結んだその美しい姿から男女共に憧れる人の多い絢華さん。 美人で超優秀。当然チョーモテる。 モテるのだがその強い意志を秘めた瞳で片っ端から振っていくところから、 「東明城の浮沈艦」ともレズともアイアンメイデンとも噂されてる、そんな人だ。 まあ、そんなふうに身持ちの硬いところも憧れていた訳なんだけど。 「で、どう。資料の方の確認は終わった?」 「いえ、あと2時間もあれば終わりますけど。でも、今のところ特に問題も誤字脱字も無いですけど」 「そう。それなら良いけど。あんまり根を詰めすぎないでよ?」 「はは、大丈夫ですって。あ、コーヒー、ありがとうございます」 「うん。ああ、いいのよ。あ、それよりね、明良君。今週の日曜日、空いてる?」 「日曜日ですか? 空いてますけどどうかしたんですか?」 「ああ、それは良かったわ。実は付き合ってもらいたい場所があるんだけど」 「付き合ってもらいたいって……も、ももも勿論空いてますっ! でも、それで、それって……」 まさか、デートのお誘いって奴? 470 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 13 18 ID CL87sYTN 「はぁ~、いい天気。晴れてよかったわぁ。あ、ほらっ、明良君、目的地までまだあるんだからモタモタしないの!」 「うぃ~っす」 このクソ熱い夏の日に東明城山の登山道を長い後ろ髪を束ねて、 長袖のTシャツと長ズボンと言う探検ルックで身を包んだ絢華さんがかなりのハイペースで歩いていく。 そしてその後を必死で装備や資料を持って追いかける俺。 うん、まあこんなことだとは思って居たさ。デートとか、夢見すぎだよなぁ俺。 まあ、今回の用事は、言ってしまえばよく解からない建造物があると言うタレコミを地元の猟師の人からもらったので、 それの調査と言う名目のフィールドワークだ。 自然が豊かに残っていて、完全に文明の手が入り込んではいない東明城の山奥の方では今でもよく解からない遺跡モドキが見つかったりして、 そのたびに大学のほうに調査依頼が来るのだ。 まあ正確に言えば、調査依頼を出すように頼んでいるのはむしろ大学の方で、 それが研究資料としての価値を持つ可能性がある場合があるので通報するように大学から懇願しているのだが。 しかし、実際には見つかっても良くて遺跡モドキ。 普段はせいぜいただの穴や防空壕や廃墟などの物が多くて考古学的価値を持ったものが見つかることは稀なのだけど。 ただまあ、どんな些細な情報でも調査する事。 調査しないところに発見は無いというのが信条の綾香さんはいつも助手を伴って調査に出かけている。 あ、そう言えば今回は助手の人たちはどうしたんだろうか……。 「ねぇ、絢華さん。助手の方々はどうしたんですか? ほら、武田さんや片山さんたち」 ちなみに助手は何故か全員が女性である。まあそこからレズと言う噂が出てきたわけだが。 俺も絢華さんの助手になるのが夢なのだが、正直今まで一人も男性では登用されていないので諦めつつある。 「ん、あぁ、彼女たちは今休暇中で温泉に行ってるのよ。 まあゆっくり遊んでらっしゃいと言っちゃった手前呼び戻す訳にも行かないしね、そこで君に助手代理を頼んだわけ」 「はぁ、そうですか。それは光栄です」 「ふふふっ、なに言っちゃてるのよ。もう君とは十年以上の付き合いじゃない。いい加減敬語じゃなくてもいいのよ?」 「いいえ、立場的にもそう言うわけには行きませんし」 それに、俺は、十年以上前、俺が小学生で彼女がまだ中学生だった始めて出会った時。 うちの家族が彼女の家の隣に越してきて、そして彼女の家に挨拶に行った、その初めて会った瞬間から。 その時からずっと憧れていた相手だったのだから。 コレが恋と言う感情なのか愛と言う感情なのか知らない。 だが、この十年、俺は彼女以外の女性を女として見ていたことは無かった。 だから、どんな立場でも、そばに居たかった。 たとえ、俺自身が彼女に男として見られて居なくても。 471 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 14 56 ID CL87sYTN 「あ、そろそろね。この地蔵のあたりで登山道から山の中に北北西の方向へ入って100m先にあるそうよ」 「そうですか」 そうして登山道から山の中へ入っていく。 獣道を物ともしないで行く絢華さんを見ながらふと思う。やはり、この人は綺麗だ。 それは勿論容姿的な事だけではなく、いや、容姿もその綺麗な顔と涼しげな瞳、 スラリとしたモデル体型に、考古学をするには不向きであろう長く伸ばして後ろで束ねた黒髪。全てが美しいのだけど。 そうではなくて、その真摯に考古学を志すその姿。そして、その意志を通すだけの知識と解釈力と行動力と度量。 全てが、俺にとっては眩しい。だからだろうか。ふと思ってしまう。 俺は、いつまでこの美しい人の近くに居る事ができるのだろうかと。 「着いたわ。ここね」 そんな、絢華さんの声でふと現実に引き戻される。 着いた場所にある遺跡と言うのは。斜面に穴が空いているだけのお粗末な物だった。 「あの、コレはまた防空壕ってオチじゃ無いですか?」 「うーん、そうかも。正直望み薄ね、でも大学で私たちが作ったこの山の地図には、ここに防空壕があったって言う印は無い。 見落としかもしれないけどそうだったとしても地図に書き加える事ができるし。取りあえず調査しましょう」 「はい」 そうして、俺たちは穴に入っていった。 472 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 15 45 ID CL87sYTN 蛍光灯タイプのランタンで中を照らして調査する。あまり広くない空間だったが、特に珍しい物は無い。 「どうですか?」 「う……ん、そうね。何か妙な感じはするけど、普通の防空壕のような感じね。少し調べてみましょ」 そう言って軍手をして壁を擦ったりしている絢華さん。 俺も軍手をして、色々と調べてみる。が、特におかしな所は無いようだ。 「どうですか? 特に何も無いですけど」 「そうね……って、ちょっと待って!」 突然大声を上げる絢華さん。 「ちょっときて、ここを見て」 「なんですか……ってなっ、コレはっ!」 土一面の壁のそのある角。土のえぐれたその奥が石の壁にになっている。 それだけなら奥に大きな岩でも埋まってるのかとか説明も出来るのだが、 問題はそれがただの岩ではなく、規則正し石作りの壁、むしろ精緻な石垣のようにになっていると言うことだ。 「なんなんですかコレは!」 「ええ、ちょっと気になって壁の土を軽く手で掘ってみたの。そしたら硬い物にぶつかって。 何かと思ってそこを中心に回りも掘り続けたんだけどまさかこんな物が出てくるなんて」 「そうですね、コレは……」 「ええ、にわか作りの防空壕とは訳が違う。れっきとした遺跡ね、って、あれ……?」 そうして絢華さんは話しながらも掘っていた手を止めて足元を見る。 そうしてそのままその場所で軽くトントンと足踏みをする。 「う~ん、変ね」 「何がですか?」 「いや、ちょっとね、ここだけ妙に足場が柔らかいって言うか……なんか足踏みすると妙に響くのよね。空洞の上に立っているよ うな感じって言うか」 「はぁ、どんな感じですか?」 「う……ん。ちょっと見てくれる?」 「はい」 そうして、絢華さんが立っていた場所から離れたので、その「変な場所」へと歩いてみる。 と、その場所へと踏み出したその瞬間……! 「へっ! へぅうわああああああっ!!」 ズボリと踏み出した地面に穴が空き、大きくバランスを崩した俺はその穴へと吸い込まれるように墜ちて行ったのだった。 473 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/23(金) 03 17 49 ID CL87sYTN 「クッ、うううううぅぅぅぅぅっ!」 「へ? あ、絢華さん!?」 そう、その穴へと墜ちたはず……だったのだがその一歩手前で俺を引き止めている人が居た。 「ま、間に合ってよかった……」 「間に合ってって、あ、ああ、絢華さんが掴んでくれて……」 そう。絢華さんは穴に墜ちる瞬間の俺の右手を、驚異的な反射神経で掴んでくれていたのだ。 「ええ、引き上げるわよ。少し待ってて……って、クッ!」 と、そうは言ったものの、ただでさえ重いうえに装備と資料を持った男の俺を、女の絢華さんの細腕で持ち上げれるとは思えな い。 だがそんなことは構わずに離すまいと必死で俺の手を掴む絢華さん。だが、見上げるその顔には脂汗が浮かんでいる。 「んっ、んんんんんっ!」 「む、無理ですよ絢華さん。冷静に考えたら持ち上げれるわけ無いです!」 「でもっ、ここで諦める訳にはいかないでしょっ!」 「そうですけど……」 だが、そう言っている傍から俺だけではなく、俺を持つ絢華さんまで少しずつ穴に引き込まれていく。 「んっ、んんんんんっ! 手が、手が滑るわ、明良君、軍手取れないっ!?」 「無理言わんでください! やっぱり無理ですって、うっ、くっ、このままだと絢華さんも落ちますっ」 「でも、諦めるわけには行かないって言ってるでしょ!」 「そうですけど、二人とも落ちたら元も子もありませんし、ここはいったん俺を落として絢華さんが救援を呼んだほうが」 「くっ、馬鹿なこと言うんじゃないわよっ! そもそも深さがどれだけある穴なのかも解からないのに! もしも深さが10メートル以上あったら骨折じゃすまないわよ!」 「で、でも……」 そう言っているそばからズリズリと絢華さんと俺は穴の中へと滑っていく。 「もう無理ですっ、離して下さい!」 「駄目よっ、私がこんなところで君を諦める事ができるわけ……って、きゃああああああああぁぁぁぁっ!!」 「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」 そう、そこまでが限界だった。 結局、俺と絢華さんは仲良く底の知れぬ暗い穴へと落ちて行ったのだった。 485 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/26(月) 02 20 46 ID TSGHVqDs 夢を、夢を見ている。 今ではもう潰れてしまった駄菓子屋で買った60円のアイスを舐めながら、俺は小学校から帰っていた。 ああ、そうだったんだよな。俺は毎日買い食いするような悪ガキでさ、 よく高校帰りのセーラー服を着た絢華さんにはたしなめられたりしたんだよな。 でもそれだけでも、例え注意されるだけの事しか起きなくても、絢華さんと話せるだけでも幸せだった。 そう、そう言えばこの日も絢華さんにあった日だったよな。 アイスを舐めながらり家の前まで来たとき俺の目に留まったのは、 向かいの豪邸、ああ、絢華さんの自宅のことなんだけど、そこから出てくる私服を着た絢華さんだったんだ。 いつもなら会えば声を掛けてくれる絢華さんが、俺のことも目に留まらないほどに俯いて、そして暗い表情で歩いていた。 当時の俺は単純なバカだったけど、それでもそれが簡単に話しかけて良い状態じゃないことはわかった。 だけど、気になるものはなっったんだ。だから、その時の、夢の中の俺は……。 そのまま絢華さんをストーキングしていた。 絢華さんはまるで魂が抜けたかのようにフラフラと歩いていた。 そしてそのままフラフラと商店街や住宅地を抜けて、そして東明城山(ひがしあけしろやま)の散歩用の遊歩道を登り、 そして街が一望できる展望台まで来ていた。 そして、そこに生えた木に寄りかかり、ボーっとした表情で街を見下ろしていた。 その絢華さんが余りに寂しそうで、そのままだとどこかへ消えてしまいそうで、気づいた時に俺は……。 「絢華お姉ちゃん!」 声を掛けていた。 486 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/26(月) 02 22 05 ID TSGHVqDs 「あきよし……くん?」 「うん、そうだよ!」 木によっかかったままの絢華さんに不審がられない様に、そして少しでも絢華さんに元気を出して欲しくて出来るだけ明るい声で話す俺。 「どうして……ここに?」 「いや、それは……あの、その、な、なんとなくだよ!」 「なんとなく?」 「うんっ! だってさ……」 そう言い切って、絢華さんの隣まで来る。 「だってほら、ここからの眺めって良いよね。僕大好き! これを見るためならここまでの上り坂なんて何の苦にもならによ!」 まあ、眺めが好きなのは本当だった。 と、そんな俺を見て、絢華さんは寂しげに微笑んだ。 「そうね。ここからの眺めは……本当に素敵よね」 「うん!」 そうして二人で街を見る。夕方が近く、少し西日が目に痛い。 「ここって、この街で一番夕日が綺麗に見える所なのよね。いつ来ても誰も居ないから私だけしか気づいていないと思っていたんだけど……」 「あ……そうなんだ。ごめん」 「うふふ、何で謝るの? ほら、もうすぐ夕暮れよ、一緒に見ましょ」 「うん!」 そうして待ちに待ったその時を迎える。 するすると幕を下ろすように夕陽が落ちて行く。 これが、終日を表す証明。まるでもう今日のお芝居は終わりだとでも言うように落ちていく夕日。 そうしてその最高に美しい一瞬が来る。 稜線へ消えて行く夕陽に美しく照らし出される自分の住んでいるこの街。 487 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/26(月) 02 22 36 ID TSGHVqDs 「私ね」 突然絢華さんが口を開いた。 「うん?」 「私ね、私っ、この景色が何よりも好きなの。本当に……何よりも」 「そうなんだ」 「うん……。確かに、圧倒的な自然の絶景も好きだけど、私は人を近くに感じさせてくれるこの風景が最も好き。 ほら、見て。夕日に照らされたビルの隙間。大きく伸びる影と、その影でも動き続ける人々の営みがわかるでしょ。 そして、遠くに見える夕日を受けて黄金色に輝く海。 人間も、生活も、すべて自然の一部。そんな営みを魅せてくれるこの最高に美しい一瞬が何よりも好きなの……」 ふと、その声が僅かに涙声に思えて絢華さんの顔を見上げる。 でも、夕日に照らされた絢華さんの顔は何かを耐えるような顔でありながらも、涙は流していなかった。 そうして夕映えに照らされていた街は影の底に沈み、残るは薄明の時間になった。 薄明とは夕陽が沈んだ後の約三十分間、完全に暗くなるまでの時間。 そうして家の灯りがひとつ、またひとつと点いていき真っ暗になる頃には、一面星の海のような人のぬくもりが光っている。 「ねぇ、綺麗よね。本当に。 空にはまだ一番星が光り始めたくらいだけど、街には人の生活の光が、星のように輝いていて……」 「うん」 それは、本当に綺麗だった。 絢華さんにはああ言ったけど、本当はこの展望台に来たことは数えるほどにしかない。 でも、それがもったいなく思えるほどに、その人の温もりを持った星の海は美しかった。 「本当に……綺麗」 「うん」 「だから……だから好きなの……」 「う……ん?」 ふと気づく。絢華さんの声が、完全な涙声になっていることに。 そして、絢華さんの顔を確認しようと顔を上げたした瞬間。 「だから……だからっ、離れたくないよっ!」 そう、確認する隙も無く、絢華さんに抱きしめられていた。 488 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/26(月) 02 23 09 ID TSGHVqDs 「あ、ああああ絢華お姉ちゃんっ!?」 「嫌だよぉ……この街から離れたく無いよぉ……」 「ちょっ、ちょっと落ち着いてお姉ちゃん!」 俺は完全にてんぱって居た。良い匂いだとか柔らかいとか全て超越してただただてんぱってた。 何しろ、絶賛片思い中の高嶺の花が突然抱きついてきて泣いているのだから。 だが、そんな片思い小学生の思惑にも構わず絢華さんは抱きついたままポツリポツリと話し始める。 「私ね、この街を離れなくちゃいけないかもしれないの」 「こっ、この街をっ! 何でさっ!?」 「今日お父さんに言われたの。私来年大学受験なんだけどね……成績が良いから、この街には私の行く価値のある大学は無いって。 お父さんのツテで海外に優秀な大学があるから、そこの理工学部に行きなさいって……」 「かっ、海外ぃ?」 「うん……」 「でも、お姉ちゃんが嫌なら……」 「ううん、ダメだって。どうしてもこの街に残りたいのならちゃんとした理由が無きゃ認めないって……」 「理由って……お姉ちゃんこの街が好きなんでしょ?」 「うん、大好き……生まれ育ったこの街が、この街のみんなが、そしてこの街での生活が何よりも大好き」 この街のみんな、それは自分も含まれるのだろうかなどとアホな事を考えながらも俺は話を続ける。 「ならそれが十分理由になるじゃんかさ。お父さんにそれを話せば……」 「話したわ。でも、ダメだったの。この街で、この街でなくちゃ学べないことがあるのなら兎も角、 そうじゃないなら世界を広げるためにも、必ず海外に行けって」 「なんでそんな……」 「私を思って言ってくれてるのは解かるの。でも、きっとお父さんは私と同じ道を辿って欲しいんだと思う」 「同じ道?」 「お父さんも若いうちから海外に出て見聞を広めて、そしてあれだけの財を築いた人だから…… 私にも若いうちに色々な経験をさせたいんだと思うの」 「そうなんだ。そこまで考えてくれてるんなら……」 仕方ないかもね、と言いかけて、ある一つの考えが頭をよぎり止まる。 自分は片思いの人に、そんな普通の言葉しかかける事ができないのかと。 きっと、何らかのアドヴァイスをしたほうがこの人の為になることが出来るだろうと。 それは、恋を巧く進めたい小学生なりの知恵でもあり、そして、持っていた誓いでもあった。 489 名前: 魔窟の伝説 [sage] 投稿日: 2007/11/26(月) 02 24 55 ID TSGHVqDs 「ねぇ、逆に考えればこの街でしか学べない事があればいいんでしょ?」 「ん?」 気づけばそんなことを口走っている。 膝まづいたままの体勢で俺を抱きしめていた絢華さんが俺のほうを見る。 その綺麗な顔が涙に濡れていたのを見て、使命感に駆られ自分なりに思いついたことを話す。 「ならさ、この街を、東明城について調べるような分野に行けばいいじゃん」 「どういう、こと?」 「あのさ、社会の先生が行ってんだけどね、この山、東明城山」 そう言って、そのまま後ろを振り向く。 既に日が暮れた山は、真っ黒く、そして相変わらずも大きく聳え立っている。 「何でも三十年位前に遺跡が見つったんだって」 「ああ、白鳥断部残(しらとりだんべざん)古墳の事ね。一応街の名所旧跡の一つの」 「うん。それのこと。でね、この山の奥地にはまだ人の手の入ってないような場所もあるから 他にもそう言うものが見つかる可能性はゼロじゃないんだって」 「それは、そうだけど……」 「だからさ、そう言う遺跡の見つかって無いものを探したり、今在るこの町の遺跡についての勉強をすればいいんじゃないの?」 それは、本当に小学生の浅知恵だった。 何しろ受験まであと一年の時期に、今までの方向性とは全く違う勉強をして、新しい遺跡を発掘したり、 または新たに勉強を始めてそれに順ずるような部門へと進めとか言っているのだから。 いくら優秀とは言え、一介の女子高生が方向転換するには遅すぎる、茨の道だ。 だから、そのまま罵倒されても、笑い飛ばされてもおかしく無い話だった。 だが……。 「それも……そうね」 「へ?」 「なんで、何で気づかなかったんだろう……」 「絢華……お姉ちゃん?」 「私、吹っ切れるかも……ううん、考えてる暇は無いわ。吹っ切るのよ」 そう言うと、抱きついていた絢華さんは離れ、スックと立ち上がった。 温もりが離れていくのが少し寂しい 「あの、絢華……おねえ」 「ありがとう。明良君のお陰で自分の進む道がわかったわ。小学生に道しるべを立てられるとは思ってなかったけど…… ううん、それだけ君の発想が柔軟で私が未熟だったって事ね」 「な、何が?」 「私、頑張ってみるわね。あぁ、もう余り時間が無い。じゃあ、私は帰るわ。少しでも沢山勉強しないと」 「へ? あの、あや」 「じゃあ、またね。本当に……ありがとう!」 そのまま振り返ることなく真っ暗な遊歩道を走っていく絢華さん。と、蝉の大合唱に囲まれたまま取り残される俺。 後に東明城大学歴史学科に入学し、白鳥断部残古墳についての画期的な見地の論文発表や東明城山に眠る未知の遺跡の発見などで、 上園絢華の名が考古学界中に知れ渡る事になる、そのホンの数年前の、ある暑い夏の日の話である。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/739.html
四人、夜闇の中をひた走る。 山麓を東へ向けて、先頭は弘明だ。流石に山腹ほどでないとはいえ、それでも不規則な 地形と群生した木々のさなか。窮めて走破性が悪く見通しの効かぬ道程を、しかし弘明は 殆ど迷わず先導していく。 これもその能力のなせる技だった。 「戦闘系じゃないとは聞いてたが……意外だな」 「外見が外見なんでみんなそう言うんすよね」 鷹見弘明の異能。それは生体ソナーとでも言うべきものだ。ソナーといっても発する のは音波ではなく何かの感知伝導で、遮蔽物のある地上でも問題なく走査できる。死出蛍 の跋扈を逸早く察知したのもこの力だ。地形や周辺環境の把握半径は数百メートルから、 条件によっては数キロメートルにも及ぶ。 正確さは距離に反比例し、森のように障害が多い場所では精度の低下率が増すが、 それでも今のような状況では移動力への貢献は高かった。 「ヒナタ。アンタ腕、平気なんか?」 「……正直、痛ェ。加減間違えたかな」 肘と手首の中に疼痛がある。 阿酉は空圧。弘明は測的。そしてオレの異能は、"火力"に作用する性能強化。 威力の増加・射程の延伸・反動の軽減。この三つを行うことができるが、これらには 三すくみの関係があり、威力増加には反動の増加。反動軽減には射程の短縮。射程延伸に は威力の減少が、漏れなくマイナス面としてついてくる。 オレのように体格に恵まれない者が、榴弾銃などを容易に扱える理由がコレ。先ほどは 閃光弾を強化したことで炸裂する光を強め、死出蛍の囲いを脱出したというわけだ。直接 の攻撃力ではないが一応"威力"にあたるため、増した反動が腕を痛めた。 「でも、それだけの効果はあったろう、よ」 肩越しに後方を注意しながら、しんがりの先輩が言う。 「奴ら、お、追ってこない。あれだけ凄い、光だったんだ、倒しちまったん、じゃ、 ないのか? ……て、いうか、まだ来ると困る。お、俺マジ疲れてき……うっ」 「センパイ、ほんまに運動不足なんですな……ええ体格してはりますのに」 まったくだと、汗ぐっしょりの先輩を見て思う。身長とか羨ましくてしょうがない。 「で、先輩。まだ連絡つかないんですか? 本隊」 「ダ、ダメだ……な。はぁ、何度もやってるが繋がら、ねー。故障が、ないのは、か、 確認したんだけどっ、な……!」 実は閃光の撃ち上げを既に提案したのだが、却下になった。敵の察知を避けることと、 数発しかない残弾も温存したいという理由からだ。いくら異能で強化しても先の地ベタの 照明で本隊が気付くとは考え辛いので、連絡は無線に頼ることになったのだが。 「マジすか……弘明、敵の方はどうよ?」 「離れててうまく感じ取れない。だが、追って来ているように思える」 全員の顔に陰が差す。走ってさえなければ溜息が合唱していたところだろう。 「なんだってあんなに増えてんだ、あいつら。そんな餌もないハズなのに異常だぞ」 「火山帯だからかもしれない」 眉を顰めた三つの視線を背中に受け、弘明は首を振った。 「通常、その種にはない増殖や大型化が、火山湖などで発生する例がある。陸地でも水棲 ほどではないにしろ、地熱や土の含有成分の影響で、同様の変化をしばしば起こす」 弘明は遠くそれを眺めた。夜空の中に輪郭を聳えさせる、山の威影を。その頂上へと。 「浅間山は、火山だ」 「……じゃ、ありゃ火山帯の影響でバカっ増えした死出蛍だってのか? そんなこと あるのかよ!?」 「仮説だ。でも環境は無関係ではないだろう。火山帯では電磁波も異常をきたすから、 通信機が使えないのもきっとそのせいだ」 「そっ、そういう……ことか……」 舌打ちして通信機をしまう先輩。 「……お喋り、その辺にしといた方がええよ。お出ましや」 阿酉が顎をしゃくった先、斜め上空。流れる木々の隙間から全員が夜空に目をやる。 月明かりの下――夜気の海を泳いでいる蛟(みずち)があった。 『!?』 尾を棚引いて、光がうねりをあげている。何かとてつもなく巨大な発光体が、龍のよう に太く長い形を成して、夜空を悠然とたゆたっていた。 いや。印象としては、龍というより長魚だろうか。あまりにも強い輝きは、闇の中で 滲んでかえって存在の境界が得難い。細長いものが濁った泥川の上澄みを潜んでいくよう な、そんなおぼろげさも伴う夜光。 オレは思い返していた。そもそもの任務内容を。 ――目撃されたのは、宙を泳ぐ光条……! 「……奴ら、一個になりやがったのか」 もはや規模としても下級のラルヴァとは言い難い。蛍龍とでも言うべき集合体だ。 波打つ光の帯が、遥か向こうの空からこちらへ舳先を傾ける。オレの呟きに応じたかの 如く、鎌首を正確にこちら側へ向けて。 霞むほどの空間を隔て、あるはずのない奴の『目』とオレの視線が、瞬間、重なった ような気がした。 来る――空を滑るように――。 来た。 「どけっ!!」 一瞬だ。 文字通り光速で距離を無とした龍に、報いを成したのは召屋先輩だった。 景色が歪み、ひび割れる。ギリギリとくびきを捻るような音が続き、やがてガラスを そうするが如く空間を突き破って、何もない所から一体の巨影が姿を現した。 「これは……!?」 どこかから割り込んだというより、まさに湧いたという出現だ。 背の稜線を力強く波打たせる背筋が、堅牢な鎧を彷彿とさせる胴体。だがそれにも 増す強靭な筋肉を束ねるのは四肢だ。一本がナイフ程もある五指の爪で押さえ込むよう に地を掴み、自身の莫大な重量を支えてなお余りある膂力。それらを包む肌と体毛は、 漆黒という鋼鉄の色を持つ。 豊かに蓄えられてなびくたてがみに縁取られた顔は、獣王。 獅子だ。 身震いと共に発せられた黒獅子の咆哮は、阿酉の異能に勝る圧力で空を震わせた。 その痛みにオレ達が耳を庇う暇もなく、次の瞬間に獣は殴るように地を蹴って宙へと身 を飛ばしている。 龍への突撃だ。 砲撃のような跳躍は、己より遥かに大きなモノをも恐れない。 大きさに何倍もの差を持つ双魔の激突は、しかし凄まじい激震で蛍龍を拡散させた。 「召喚……これが」 変態はともかく、召喚は冗談ではない。それが召屋正行の異能。理屈はわからないが、 想起と仮構によって形成される、文字通り『何か』を喚び出す能力なのだという。 「充分戦えとるやないですか!」 年上に集中する敬意の視線。その中で得意げに唇の端を吊り上げる先輩。反面、何故か 困ったように眉尻も下げ、その妙な表情の理由を彼は、 「まあ……制御、できないんだけどな?」 『マジで!?』 微妙な半笑いの向こう、飛翔奔騰した獅子はあえなく光の群に絡め取られ、もがき 苦しみながらその体躯を縮めていった。 比喩ではない。死出蛍は接触した対象の生命を奪う。獣王はみるみる内に精彩を失い、 力を吸い取られて弱々しくしぼんでいく。 その様子をまた、苦渋とも安堵ともつかぬおかしな表情で先輩は眺めていた。 横顔にその意味を問うより早く、 「とにかく今のうちだ、行くぞ!」 そこから先は逃走の連続だった。 基本的に防御は先輩頼み。召喚という壁を用い、防ぎ漏らしは阿酉が全力で弾き、 どうしても避け切れない時だけオレが引き金を引いた。 不利のさなか。後続する先輩を見て、しかし、と感嘆する。 ――慣れてやがる。 非常事態に。そして異能にも。 見たところ召喚自体の消耗はないようだが、出力に具象的な発現を持つ異能は、集中に 相当なストレスがかかると聞く。自称運動不足の体も限界に近いハズだ。滝のように滴る 汗が、そのまま失われる体力の様子だった。 それでも彼はなお異能を行う。 巨光が伸び、襲い来る。 それを先輩が肩越しに睨みつけると、こちらとしては絶対の防御、死出蛍の群には 絶対の障害となる絶妙のタイミングを計らい、次々と新たなラルヴァが召喚される。 それは壁として敵を散らし、更に贄となって代価にオレ達へ時間を与えた。 途中、異能がバグったのか全裸際の黒面巨漢とか呼び出されたりしてたが、無事に 干からびてくれたのでまあそれは良しとしよう。 「そ、その先、だっ!!」 息も絶え絶えに叫ぶ先輩が、示す先は一つの窪地だ。 駆ける視界の先に折り重なる幹。その更に向こう、緩やかに窪んだ円形の空間が覗く。 周辺の傾斜から伸びた木枝が薄く上を覆っているが、風通しの良さそうな開けた場所だ。 微かな明かりと、その狭間に天幕も見える。 「ほ、本隊の設営地……あそこなら……ゴホッ」 「え、このまま行く!? 巻き込みますよ!?」 「連絡、でき、ないんじゃ……他にしようも、ね、ねえだろ! 今、ままっ、どうにも ならん……そ、それに、倒すなら……開けた場所が、いいんだろうっ!?」 「倒せるならの話スけどね――くそッ!!」 振り向きざま、背後に引き金を弾いた。払っても払っても追い縋り、今またその顎に こちらを銜え込もうとしていた大龍は、逆に閃光に鼻面を呑まれ幾度目かの霧散をする。 全力で走る皆はそれを確認すらしない。最後の距離を駆け抜け、オレ達は設営地へと 駆け込んだ。 果たしてそこには、 「――――?」 ◇ 夜の山から打ち下ろす、冷たい風を孕む空間だ。 薄く浅い椀のように滑らかに開けた、小さな窪地。 傾いだ樹木に囲まれた森のエアポケットには、夜の暗がりを遠慮がちに退ける照明の 点々と、そして夜闇に紛れるような黒緑の天幕、同じ色のテントらが、平たい場所を選び まばらに設置されていた。 それは営みの証として。しかしそこに人の姿は、 「誰も……いない……!?」 辺りを見回す。 気配がない。この一帯のどこにも、テントの中にすら、自分たち以外の誰かの匂いを 感じ取ることができない。どこへ行ったというのか、設備だけを置き去りにして。 なまじ色々と設えてある分、かえって静寂は森の中に増し寒々とオレ達を包み込んだ。 「……弘明、何か感じないか?」 「辺りには何も、誰もいないようだ。夜間行軍でもしてるのだろうか」 「ま、まさか……? そんな話、聞いてない、ぞ。俺は……ごっほ、ごほっ!」 もう召屋先輩は放っておくと嘔吐しそうな勢いだ。その背中をさするべく近寄った俺の 背後で、どさりと音が響いた。 振り向くと、地面にくずおれ、荒げた息に重たい胸を上下させる姿がある。 「おい、大丈夫か?」 「ゴメン……アタシも、もうあかんわ……」 無理もない。阿酉もほとんど異能を使いっぱなしでここまで来ている。体力の無い先輩 ほどバテてはいないが、相対的に見た消耗の総量なら彼以上だろう。 二人とももはや戦える状態ではない。防御の担いが一気に失われることになる。 しかし状況はそんな四人を待つことはない。 「日向」 「わかってる」 べっとりと背中を湿らせた先輩を気遣いながら、弘明の促しに空を仰いだ。 状況はオレ達を待つことはないのだ。 見上げた夜空に、月が二つ存在していた。 「……うんざりする」 目を凝らすが早いか、月の片方が正体を現す。 夜の月に連なりて、しかし静かに波打つ紛い物。それは光の塊だ。輝く巨大な光球が、 身震いじみた蠕動で表面を揺らし、夜気の中に浮かんでいる。距離も手伝い、その大きさ たるやもはや視覚の遠近調節が追いつかないほどだ。 見上げるオレ達の視線、その遠くで、光体が表情を変えた。不意にその微動を止めたか と思うと、球面の中心がするりと内側へ吸い込まれ、真円の凹みを形作る。発光する凝塊 のその虚の部分だけが、落ち窪んだように明るさを翳る。 暗い瞳。光の白眼。それは全体で一つの眼球のようにも見えた。 まるで夜空が瞼を持ち上げ、地上を、オレ達を眺め降ろしているかのような。 「龍から眼か。芸達者だな」 「言ってる場合かっての……!」 多数の召喚獣を食らったせいか、膨張を窮めた死出蛍の一塊は大きさに似つかわしく 動きが鈍い。ぶよぶよと不定形の動きで宙を浮標している。球形に戻ったのは恐らく統合 を保つためだろう。 ザックを漁って弾を取り出す。閃光弾の最後の一発。 装填し、俺は皆を置いて一人、ランチャーを抱えて窪地の真ん中へと躍り出た。 射撃姿勢を取ったオレの目と、オレを発見した目標の『視線』とが交差する。 奴はゆっくりとこちらへ進路をとった。 「どうする気だ、日向……!?」 「ぶっぱなす」 オレは再び得物へと魂源力を注ぎ始めた。今度は加減なしの全開で。なまなかな光では 奴を悪戯に拡散させるだけだ。乾坤一擲、やるなら全力でケリをつけるより、もはやこの ラルヴァを退ける手段はない。 急速注入により、瞬間的な飽和現象として銃器の表面が赤黒い火花を走らせる。それを 押さえ込んで、なお力を注ぎ込む。火花はやがて放電と化し、錆色にも似た鈍い赤の輝き が、榴弾銃を覆った。 熱と微細な振動を以って、グリップに手応えを返してくる――魂源力の臨界。 己が身の肥大を速度に載せ、徐々に迫り来る光の眼。複数時や龍体の時のような素早さ は見る影も無いが、それだけに切迫していく距離には凄みがある。 撃つのは標的が寸前まで近づいた時だ。 自分の異能でどこまで強化ができるか、やってみた事はない。武器の性質上、気軽に 試せることではないし、威力増加は対価として反動が増す。これだけの注力で行えば、 果たしてどれほどのものになるか。最悪、腕が千切れるかもしれない。 ――命に代えられるか。 視界の中、徐々に敵の輝影が大きくなっていく。それをただ待つ、炸裂の予感と自らに 破壊を得る覚悟を抱えて。 本当に月が降りてきたかのような眩さだ。迫り来る輝きを、しかし眉根を寄せることで 瞳の痛みに耐える。視界が光の一色に塗り潰される瞬間。その眩しさの中央へ。 引き金を――。 「国友待てッ!!」 「!?」 先輩が視界の隅で腕を振った。その意味が判断できず、だが伝播した危機感はオレを 硬直させる。指が痙攣し、引き損ねるトリガー。 それが全てを救った。 射撃中止の直後、射線を避けるように『眼』が真っ二つに分裂したのだ。 「なにッ!?」 粒子状になった光が舷を描いて左右に分かれていく。こちらの行おうとしていた攻撃に 対する、それは明らかな回避の所作だ。 ――こいつら、思惟性があるのか……!? それを考える暇は無い。回避はすぐさま反撃に転化し、巨大な鋏を閉じるが如く、一対 の光群は互いの切っ先にオレを挟み込もうと迫った。 風が吹く。 湧き起こる辻風はそよぐ間も惜しく、その回旋を瞬時で竜巻とした。オレの周囲を包む ように一瞬だけ展開した強力な旋風は、その一息で二つの光を圧し飛ばし、吹き散らす。 死に損なった、その安堵を置いてオレは向こうへ声を飛ばした。 「アカンとか言ってて何やってんだ!? 無茶すんなよ!」 『死に掛けといてよう言うわ、アホ』 唇からそう読むが、もう叫び返す気力もないのか、阿酉は崩れた姿勢のまま肩を揺らし ている。 「日向、余所見するな! 元に戻るぞ!!」 「余所見はしてねーけど……!」 四散しながら浮上し、上空に集っていく死出蛍の大群。それらは再び固まって元の 大きさと形を取り戻していく。 「――もう後がねえ。くそったれ」 その様を睨み返して、呟いた。 死出蛍に意志や思考の概念は確認されていない。だが炎への対処やこちらへの反応を 伺う限り、少なくともこの集合単位に関しては、それに近い指向性が散見される。 そういう習性を備えているということだ。 甘かった。こちらは人間。相手は怪物。漠然と本能に相対するような単純さで構えて いたが、相手がそこにああいう回避を盛り込めるのなら、まさに文字通り撃つ手がない。 ただ狙うだけでは当たらないだろう。 右手に提げた銃口は未だ臨界の赤を保ち、しかしそれ以上何もできずオレは唇を噛む。 と。右腕を後ろから支えるように、いつの間にか寄り添った弘明がオレの肩を抱いた。 「っ!? な、なんだよ?」 「支えなしでそんなものは撃てない。それに物見役が要る、奴を狙うための」 鋭利さを増した目つきの悪さで空を睨む弘明。 確かに弘明の異能なら奴の動きを捉えられる。だが……。 「分かったって当てられなきゃ意味ねーんだぞ!? 避けるんだから! あの大群じゃ 直撃以外だと拡散するだけだ、減りはしても全滅できない!!」 「わかってる。それはもう今夜、何度も見た」 「……阿酉は消耗してるし、逃げてる時みたいに後ろからせっつかれる攻められ方じゃ なけりゃ、先輩の召喚も盾に使えない。もう一度分裂して来られたら攻撃も防御も できずにアウトだろ……!?」 「策がある」 策? しゃくった顎の向こうを追う。息を整えた阿酉が膝立ちの姿勢で何事か会話していた。 その隣で先輩が指示しながら相槌を打っている。 小脇に抱えたドラゴンの仔は何だろう。 「来るぞ」 耳打ちに顔を跳ね上げた先、完全に『眼』の巨影を再生した死出蛍は、再びこちらへの 進撃を開始した。 今度は直進ではない。回避運動のつもりか、ハリボテがたわむように巨躯を右へ左へと 揺らしながら、徐々に距離をつめて来る。 光の残像に視界が滲む。不定形に揺れる形はそれだけで蜃気楼のような錯覚を何度も 引き起こした。その度にもう目前なのではないかと、肺が震え、力が篭もる。 「まだだ、日向。落ち着け」 「わかってる……」 銃床を肩に当て直し、手首を締める。血管が浮くほど強く握ったグリップから、 魂源力の赤い火花が散った。右肩の後ろに弘明が胸を密着させ、クッションを作ると共に 肘を支えてくれている。 オレの仕事はあともうこれを撃つだけか。 ならば待つ。フリップサイトの向こうに『眼』を見据えて、その機を。 「まだなのか!?」 逸るオレの指に、無言のまま静止の手が重ねられる。だが既に『眼』は、照準を通さず とも目視で射抜ける距離にまで及んだ。 標的が目前まで迫った瞬間。それでも弘明は手を離さない。 留める手を思わず振り払いかけた刹那、再び風が流れた。 「……!」 空気が不意に撹拌され、渦を巻いて空へ立ち上っていく。急速な集束は瞬間的な 気圧差を生じ、息を詰めるのと同時に死出蛍はその引力に球体を著しく波打たせた。 決死の隙を風に救われる。それは先の援護と全く同じ展開だ。 だが今回はここから先が存在した。思わず阿酉の方を振り向くより早く、飛び出して きた先輩の 「許せよ、ドラ吉!」 脇の仔が火を吐いた。 目一杯胸を握られた仔竜は、叫びと肺の空気とに釣られて火炎の吐息まで吐き出し、 その炎は渦高く舞う風に孕まれて紅蓮の柱と化した。 小さな羽トカゲから吹き出ていく、出力過多の大猛火。それはオレが焼夷弾で行った ことを、遥かそれ以上に及ぶ火力で再現する。夜空へ逆巻きに吹き荒んでいく風火柱は、 暴力的な熱波で死出蛍らを炙りやるものだ。 ――火事にでもなったらどうすんだ! 言い掛けた胸中を呑み込んだのは、弘明が天を示したがため。 火柱が火の粉を吹き散らして消え、最初何も見当たらなかったその向こう。しかし まるで指差す先に誘導されたかのように、煽られ散開の窮境を見た死出蛍が、そこへと 再三の集合を行っていく。 オレは慌てて照準をつけた。 膨れ上がっていく光の塊。狙うのは最も大きさを増した状態。かつ『眼』が完全に形を 回復する直前。全群が集結し、動作に移る前の間隙。 波打つ飛沫の様にも似た、凝縮してゆく光の乱舞。燦爛さを瞼に堪えながら、ただ一心 に銃口をその中心へと突き付け続ける。 限界まで密度を高めた光は身震いに一度身を膨らませ、爪弾かれてまとわり付く粒子を 無碍に払って、己が姿を安定させていく。 その一点が暗く落ち窪み、紛い物の瞳孔を成して完成する瞬間、 「日向!」 引き金を引いた。 猛烈な爆音に尾を引いて、輝く眼球に突き刺さる榴弾。 一瞬後の光の開花。 『――――』 夜空の黒を塗り返すほどの猛烈な閃光の奔流が、視界を白無に染め尽くす。 それが反動で気絶する瞬間、オレが見た最後の記憶だった。 ◇ 「なんやったんやろなあ、アレ……」 双葉学園の高等部棟。 昼休みに賑わう教室で、窓の外を眺めて眼鏡の女生徒が呟く。 「やっぱりヒロの言うとおり、火山やから増えとったんかな?」 気だるげに机に肘突く阿酉に対し、その隣に立つ弘明は深々と腕を組んだ。 「わからない。が、あそこが死出蛍の群生地になっていたことは確かなようだ。 阿酉も聞いたろう。アレ以外にもいたらしい」 「ハ……冗談やないよ、ホント」 息を吸い、嘆息と共に背もたれに体重をかけていく。 反り返った胸の上で双球が山を作るが、阿酉が横目でガンを飛ばすと乳を盗み見て いた男子諸兄の視線は散った。 「んーっ、はぁ……あんなに力を酷使したんは久々やった。疲れ過ぎて寝込むような 追試代限なんてもう二度とやりたないわ」 「ああ。まったくだ」 「な。ヒロもそうやろ? まあ、それでもアタシらよりか――」 示し合わせた二人の視線が、無遠慮にこちらへ注がれた。弘明は気の毒そうに眉根を 寄せ、阿酉のクソッたれは愉快そうに唇を歪めやがった。 「――アンタやなぁ、ヒナたん」 「おまえ、いつか、ぶっとばす」 腕さえ自由ならそうしていたかもしれない。それくらい苦々しい心境でオレの心は いま、満たされている。 浅間山の一件から一週間の時が過ぎていた。 窮余の一撃は無事に死出蛍を倒したそうだ。四人は残されていたキャンプで朝を 待ち、翌朝下山した。と言っても失神していたオレはついぞ目を覚まさず、気がついた のは弘明に背負われて担ぎ込まれた病院でだが。 覚悟してのこととはいえ、四人で唯一五体満足に済まなかったのがオレだ。最大強化 した榴弾銃の反動は凄まじく、右の鎖骨・尺骨のヒビ、肘の靭帯断裂ほか、数々の憂き目 は避けられなかった。今は手術前の一次退院中だが、病室に引っ込んどけば良かったと 後悔している。サポーターでガチガチの右腕など乳眼鏡に何度笑い飛ばされたか。 だが、これでもまだ軽く済んだ方かもしれない。全員生還の代価には安いと考えるべき だろう。そういうことにしておく。腹立つから。ちなみにオレの背後であの射撃を支えた ハズの弘明は、怪我といえば軽い打撲程度。体格のいい奴なんてみんな死ねばいいのに。 「……体格っちゃ、先輩の方は元気にしてんのかな」 「体格? 召屋先輩なら、日向のことを気遣っていたぞ。事後処理が忙しくて顔を 出せないそうだが」 「そっか」 ところで召屋先輩といえばあの仔竜。恐らく召喚の一つだったのだろうが、あれの扱い について彼が幼女に厳重注意を受けたと小耳に挟んだ。さっぱり意味がわからないが、 その不可解な話も忙しい内に入るのだろうか。 ともあれ。 弘明の説も参考意見として取り入れられつつ、しかし当局も浅間山の死出蛍異常増殖に ついて原因はわかっていないらしい。ベースに本隊の姿が見当たらなかったことに関して は――単純に、全滅していたからだそうだ。演習を終えて戻る際、やはり死出蛍に襲われ たのだろうと。 後日、専用に編成された学生部隊で、調査がてら浅間山の死出蛍は一掃された。 それでこの話はおしまいだ。 「だといいんだが」 呟いた弘明に、オレと阿酉は渋面を作った。 「締め際に要らんこと言いなや、ヒロ……」 「あ、いや。別にそういうつもりではないんだが。相棒がいるにせよ、先輩はいつも あんなことをやっているのかと。ふと思った」 「そういや、そんなこと言ってたっけ」 「ああ。だからもうあれほどのことはなければいいとな」 「他人事やないよ。お互いにやろ? ――なにしろ一度は駆り出されてしもたんやから」 項垂れる三人。 とりあえずは怪我を治すこと。そして双葉学園にいる以上、訓練を怠らないことか。 さしあたり、 「次の試験は、再試も追試も無しにしねーとな」 <了> トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/jp-summons/pages/618.html
ぐていのせんしゃ グラ・バルカス帝国の陸軍部隊が運用する中戦車。正式名称は2号戦車ハウンドIおよびII。IとIIで戦車砲の口径や細かな改良点で違いがある。 似た外見らしい大日本帝国陸軍所属 九七式中戦車 本写真は静岡県富士宮市の若獅子神社に安置されている元戦車第9連隊の車両。1976年夏にサイパン島で発見され、回収・帰還したもの。 ※出典:ウィキメディア・コモンズ(https //ja.wikipedia.org/wiki/ファイル Wakajishi_Jinja_20100821-05.jpg) 概要 日本国の旧陸軍が運用していた九七式中戦車に似た形状をしている。 黒と緑がかった色をしており、ムー国の歩兵が携帯する小型砲・機関砲・大砲を弾く装甲を持つ。 また、主砲として57mm砲(*1)または47mm砲(*2)を搭載している。 前世界最強の戦車であり帝国では絶対的な信頼を置かれている。 作中での活躍 グラ・バルカス帝国のアルー攻略に使用され、同市街を守るムー陸軍アルー防衛隊を全滅させている。書籍版ではこの時に22型105mmイレール砲によって一台損失している。 随時加筆お願いします 関連項目 兵器|グラ・バルカス帝国|シェイファー ※既存の[[コメント]]に返信する場合、返信したい[[コメント]]の左側にチェックを入れて下さい。 仮に全部パンターに変えても同じ運命だから意味がない同じ展開に持っくなら10個師団に増やして撃ち漏らしが出たにしたほうがいい - 名無しさん (2019-04-29 09 59 34) そもそも弾き返されたムーの大砲ってどのくらいの技術レベルなんだろうな。有坂砲(19世紀末)くらい? それとも38式野砲(20世紀初頭)くらい? - 名無しさん (2019-05-01 18 59 06) 榴弾しか無かった可能性が微レ在(まぁ第一次の戦車って榴弾で簡単に潰れるし、チハ15cm榴弾に耐えれるし。) - 名無しさん (2019-05-03 13 45 39) いいや、チハもM1897でも撃破可能なんですが… - 名無しさん (2019-08-02 22 46 22) 榴弾って知ってる?知らないかぁ - 名無しさん (2019-08-03 08 40 25) ペリリューのハ号が75mm徹鋼榴弾が過貫通するから75mm榴弾の遅動信管を撃ったってのは有るけど、チハがm1897の榴弾が貫通した事例って有った? - 名無しさん (2019-08-03 08 51 48) ムーの採用砲は、はっきり言って日露時代はピンキリです。ちょうど黒色火薬と無煙火薬のコルダイト、後座駐退機の開発が重なっていて、戊辰戦争レベルのアームストロング砲と第一次初期レベルの野砲が入り混じった状態かと。黒色火薬レベルの砲で榴弾なら、四号初期型の主砲よりもエネルギーは低くなりますし、弾殻が柔らかい榴弾なら弾かれるかと。ただ、三笠の副砲レベルなら充分貫通はできるのですが・・・陸は保守的なのか、それともカサミ級にしか配備できないほど、生産歩留まりが悪いのか・・・ - 名無しさん (2019-12-12 08 09 20) 三笠の副砲って152mmじゃん。何で75mm野砲の話に重砲クラスの話を始めるんだ? - 名無しさん (2019-12-12 18 01 09) 無色火薬を用いて、弾殻が硬くなったら"榴弾"でも貫通できると思ってるの?徹甲榴弾じゃないんだからさぁ - 名無しさん (2019-12-12 18 06 47) なんか酷く誤解招いたみたいですいません。。副砲については単に技術レベルの話です。陸上で無煙火薬かつ駐待機付野砲は第一次大戦で使用されるレベルなので、装甲を破壊できるぐらいの野砲はありそうという所感です。。弾殻の件は徹甲弾がないからって意味しかなかったです、はい。黒色火薬と無煙火薬は採用有無でだいぶ初速変わるので、使う使わないで変わると思いますね。あとは榴弾でも炸薬によってはだいぶ効果変わりそうです。 - 名無しさん (2019-12-12 20 24 15) そりゃ砲なら有るだろうよ、38式野砲やM1897野砲だって徹甲弾込めれば立派な対戦車砲よ。でもね装甲を貫く為の専用の弾が無けりゃ意味無いよ。実際にWW1にてマークIVに対峙したドイツ軍では、野砲では集中射撃するしかないから、専用の7.92mm徹甲弾か13mm徹甲弾が有効と報告しているのも有る。しかもFK96は徹甲弾を作った。 - 名無しさん (2019-12-12 22 28 39) いくら初速を上げても榴弾は榴弾だよ。それに炸薬減らして弾殻を厚くしたら、それはもう徹甲榴弾かベトン弾だよ。それとも炸薬を変えて爆発力を変えたら装甲を貫徹できると言うわけでも無いよ。結局表面で爆発するだけだから。炸薬でどうこうしたいならHEAT弾じゃないとね。 - 名無しさん (2019-12-12 22 33 05) 155mmHEより37mmAPのほうが威力高いとかあり得んわ、M4が12cm榴弾の直撃で撃破されたことあんのに - 名無しさん (2019-05-03 15 37 50) 貫通と爆発の区別ぐらい付けようや? - 名無しさん (2019-05-04 12 53 53) 37mmAPつっても、距離350mまで引き付けないといけないがな。距離500mで37mmAPに耐えると言う基準には一応満たしているし。 - 名無しさん (2019-05-05 11 50 13) Ref.C01001741100と言う資料では50kg爆弾(炸薬は7kgかな?)の至近弾では1~2時間戦列を離れる程度の損傷(これを撃破と言うのであればまぁ解らなくもないが)であり、バラバラにはならないと言うらしい。なお15cm榴弾の炸薬は大体6kg前後。(参考として75mm榴弾の炸薬は600~700g) - 名無しさん (2019-05-05 12 00 56) 大体弾が弾かれたって事は弾体強度が低い榴弾の信管が作動しなかったと言う事でな。口径が大きくても弾体強度低かったら弾かれる事位知ってるだろ?大きけりゃ良いんだったら何でチハ短砲身がm3軽戦車に苦戦したか説明付かんだろうが。 - 名無しさん (2019-05-05 12 05 28) チハ車が75mm砲弾いた事例は硫黄島で機動戦と稜線射撃中のチハに対するもので文字通りの戦車戦でトーチカや火点もないような滑走路なんかが中心。果たしてその中で態々榴弾を装填する間抜けが居るのだろうか?? - 名無しさん (2019-12-10 14 59 33) そもそも37mmはどこから来たんだ? - 名無しさん (2019-08-27 21 59 00) チハが耐えれたやバラバラになったのがデマっていうのは確証のない一説だからな、M3やM4が榴弾の至近弾でイカれたことだってあるのに - 名無しさん (2019-05-03 16 13 48) 特例で一次資料を否定するのは如何な物だと思うぞ。m4だって撃破されたと言ってもキャタピラぶっ飛んだだの弾薬に引火しただの乗務員戦死とかだろう - 名無しさん (2019-05-04 12 53 25) 自分の主張(と言うより前から言われてた通説)を絶対視して一次資料をデマと言い出すとは、いやぁ恐ろしいなぁ。そこまで榴弾耐える説をデマと言い張るんならソースだせば? - 名無しさん (2019-05-05 00 09 57) だから耐えられるのもあくまで一説だといってるんだよ、言い方悪かったかもしれないけどさ - 名無しさん (2019-05-05 00 22 29) 一次資料を確証の無い一説を言い切っているのだから、それを上回る資料を持っているとも聞き取れるが、是非ともご掲示願いたいものですな。 - 名無しさん (2019-05-05 11 48 39) 122mmHEで虎を撃破とか何度もあったらしいけどな、もしかしてHEなら戦艦クラスでもHEならチハで防げるとか思ちゃってる? - 名無しさん (2019-08-02 10 14 14) 至近弾と直撃の違いも解らないのか? - 名無しさん (2019-08-03 08 39 29) SU-152の152mm徹鋼榴弾がティーガーの装甲を叩き割ったっては有るけど、122mmのHEが貫通ってどこ情報? - 名無しさん (2019-08-03 08 49 07) 戦史調べりゃいくらでもあるし榴弾が重戦車に通用した理由も書いてあるだろうがよ、いつからチハは重戦車より頑丈になったんだ? - 名無しさん (2019-08-03 11 02 57) 貫通じゃなくて撃破って書いたんだけど…ゲームのやりすぎで貫通しないと撃破できないと思っちゃた? - 名無しさん (2019-08-03 11 05 40) 戦艦クラスが、重戦車並みの装甲がって言われたから勘違いされたんじゃないの? - 名無しさん (2019-08-03 15 14 43) 話の発端は榴弾の至近弾でバラバラになったかとの話でしょ?撃破がどうとかは何処から出てきたの?論点ずらしはいけないんじゃないかな? - 名無しさん (2019-08-03 15 24 46) 至近弾でバラバラにならないからって、直撃で撃破までハードル下げて、おまけにゲーム脳って決めつけるって相当ヤバイやろ。 - 名無しさん (2019-08-03 23 19 58) ティーガー殺ったのって152mm徹甲榴弾じゃん、榴弾じゃないじゃん。ソース出せっていってるのに戦史調べろとか………。 - 名無しさん (2019-12-10 18 56 10) いくらチハがショボそうに見えてもアイツ同世代の中でもかなり重防御な代物だからな?連合軍側からの評でも高品質であるといわれ意外にも質の良い鉄鋼を使っていたのと表面硬化装甲だからかも(M4との違い) - 名無しさん (2019-12-10 14 53 55) 良質な装甲を作れると言われているイギリスにも一目置かれてるし、ソ連が滷獲したのを検分して自国より優秀って言ってるぐらいだからな。海軍のクロム・モリブテン装甲の技術提供の賜物だな。ただし都合よく無視される模様、解せぬ。 - 名無しさん (2019-12-10 17 54 12) そうそう。チハができたぐらいの時の戦車の中ではまあまあな性能だった。 - 名無しさん (2020-03-02 00 55 49) 何しろコイツが出てきた時の戦車って殆ど軽戦車だし、中戦車だって4号か3号か、T-28かM2の様なチハより装甲が同じかもしくは劣る敵ばかりだもんな。 - 名無しさん (2020-03-02 07 27 02) チハたんは登場当時は正しく世界水準だった,問題はそのまま終戦まで後継に恵まれなかったに尽きる - 名無しさん (2020-03-02 22 50 08) 榴弾が戦車に効かないなら対戦車榴弾なんて物は存在しないっていう - 名無しさん (2019-08-02 13 06 19) 榴弾とHEATは構造が違うだろwwww - 名無しさん (2019-08-03 08 37 36) 粘着榴弾でT55は撃破できるけど彼らの考えだとチハには通用せんのだろうなww - 名無しさん (2019-08-02 16 49 56) まぁ、粘着榴弾が効果を発揮しない可能性は…(メソラシ)ムーは、近接砲撃は榴散弾って刷り込みで榴散弾使ったとか? - 名無しさん (2019-08-02 21 27 57) 目裏返ってそう - 名無しさん (2024-03-04 12 38 26) え?ムーは粘着榴弾を使用したって事?そんな記述何処にも無いけど。 - 名無しさん (2019-08-03 08 38 36) 相手を言い負かす為だけに、作品に登場してない兵器を出すのは良くないよ。 - 名無しさん (2019-08-06 09 46 45) ユグドでは多砲塔戦車は考えられていたのだろうか? - 名無しさん (2019-08-02 18 23 42) とりあえず正式名が欲しい。艦船の級名が星座、航空機は一等星だから…星団からとってM2戦車とかヒアデス戦車とか、なんか名前くれと思う - 名無しさん (2019-08-25 03 47 57) 遂にチハたんモドキに名前が……それなりに強そうなだけに地球大戦時戦車を考慮すると残念感が漂う……気がする - 笠三和大 (2020-02-28 10 46 36) 対歩兵戦車として考えれば十分以上に強力だぞ? リアル世界のチハだって主目的は歩兵の火力支援の為の対歩兵戦車で、同時期の同様の戦車と比べればかなり上位の性能だった。対戦車戦前提の重戦車と比べればそれは火力も装甲も下だけど、それは目的の違いだから比べる対象が違うよとしか。基礎工業力の差や資源の問題もあって、空のゼロと同じく後継型が難産だったからこれを主力とし続けなければならず苦戦を強いられたけど、それはまた別の話だし。 - 名無しさん (2020-05-05 01 18 17) 燃費が良かったり車幅が狭くて他の戦車が入れない所を移動できるのが強みだから 中国大陸の道路にドイツの猛獣軍団押し込んでもすぐに動けなくなる - 名無しさん (2021-11-26 17 11 56) 旗信号で通信してた戦車が同世代にいるなか、通信機を全車標準装備してるだけでも非常に先進的よ - 名無しさん (2020-05-05 23 53 51) これでも前世界じゃ最強だったしねぇ〜 - 名無しさん (2020-11-08 23 41 16) ユグドでは戦車戦はあんまり無かったのかな? - 名無しさん (2021-02-13 15 51 05) というか元の世界で戦車持ってたのグ帝しか無かった筈。 - 名無しさん (2022-07-23 12 05 18) シェイファーとかハウンドってどう言う基準で名付けられてるんだろう?星なのか? - 名無しさん (2020-02-29 09 44 46) ちょっと調べてみたが、大した意味はなさそう。漫画のシェイファー・ハウンド から辺りからじゃね。 - 名無しさん (2020-03-06 09 09 54) やっぱりあれシェイファー・ハウンドなのか?ハウンドはりょうけん座、シェイファーは牛飼い座だと期待してたんだけど。 - 名無しさん (2020-03-06 11 07 35) 満州国と堅洲国は別物だ。 - ムスカ大佐 (2020-12-01 19 42 05) オイ車とか来ないかな?グテイマウン作ってるしいけるでしょ。 - 名無しさん (2022-04-03 22 15 59) 技術的にはイケるだろうけど、コスト度外視(グマウも同様)、正規部隊壊滅、無視出来ない経済悪化の状態で造ろうとはならんでしょうな。 - 名無しさん (2022-07-23 12 15 08) 試験的に作ってある可能性もあるけど、ミ帝の戦闘機以上の相手がいたアンタレスでさえ後継機作りサボられる体たらくだからなぁ…… - 名無しさん (2022-07-23 12 20 28) チハと同じくリベットを多用しているならグ帝は溶接が欧州と比べて未熟ということになる チハ自体が変に凝りすぎて量産性が低い上(発動機や足回りの)信頼性も低い代物なのだが、そこは工業力でごり押してるのだろうか? - 名無しさん (2022-05-25 22 51 21) 見た目は日本軍だけど中身は違うって作者本人から明言されてるんだけど知らないの? - 名無しさん (2022-05-28 18 49 18) 確かに零戦の防弾など、日本と少し違う所もあるが大体は本家と一緒なんじゃなかった? そんなに違うの? - 名無しさん (2022-05-28 21 17 13) そりゃ殆ど同じだろうが、何でもかんでも一緒って訳じゃ無いでしょ、明言された訳でもなしに。アンタレスが零戦の上位互換なのだから、ハウンドも何かしら本家より性能良いだろ - 名無しさん (2022-05-28 23 55 39) チハと同世代はリベット多いんですけどね。 - 名無しさん (2022-09-25 23 39 39) なんかムーの榴弾砲には粘着榴弾が有るみたいなレス有るのですが、それは6巻の何ページ辺りなんですかね? - 名無しさん (2023-03-28 13 33 53) それガセネタじゃないです?6巻は何度か再読してますが、そんな情報どこにも無いような……(考察とか推測とかの場合は知りません) - 名無しさん (2023-03-28 19 53 00) なんか榴弾でもチハ撃破出来るってデマ流して言い負かされたかのが気に入らなかったのか粘着榴弾なら撃破出来るって主張する残念な子がココにいるだけで本編には一切関係ないですはい。 - 名無しさん (2024-02-14 19 27 44) 2kmの距離から75mm級野砲の榴弾でも30度傾斜の25mm装甲を貫通できるから、まあ倒せるけど素直に徹甲弾使った方がいいのはそう - 名無しさん (2024-03-09 00 38 17) その75mm級野砲とは?90式とかM1897とか何のデータを元に言ってるんです?あとそれを言うならチハの57mm砲だって350mで25mm、100mで30mmだけどM3の装甲を貫通したとは言われてないから理論値では? - 名無しさん (2024-03-10 11 21 29) 2kmで25mm貫通とか、T-34の高速徹甲弾に匹敵するんですがそれは……… - 名無しさん (2024-03-10 11 27 28) 2kmで30傾斜25mmとかドイツのpak40の徹甲弾に匹敵するんだが、AP-HEをHEと間違えてらっしゃる? - 名無しさん (2024-03-10 11 34 20) 「https //twitter.com/FHSWman/status/1298106351755726850」←ソ連が他の口径も含めて榴弾の装甲貫通実験したのが有名だね(榴弾は炸薬で割る関係上距離による貫通力低下は徹甲弾よりかはない傾向) - 名無しさん (2024-03-10 21 28 05) でもこれ……対コンクリート榴弾と言う、榴弾と言うより徹甲弾に近い弾丸なんだが………… - 名無しさん (2024-03-10 21 57 18) 122mm以上の口径砲はそうだけど、それ以下の107mmや76mmは只の榴弾で試験よ - 名無しさん (2024-03-10 22 01 24) それはそうと疑ってスマンかったわ…… - 名無しさん (2024-03-10 22 13 07) そう言えばソ連って、他国では100%貫通したら貫通した扱いだけど、75%貫通だったり一応一発でも貫通したら貫通扱いで、話し半分の数値って聞いたがそこはどうなんだろうか? - 名無しさん (2024-03-10 22 29 11) ソ連だとAP弾でも装甲破片が戦車内部で飛びちってた場合(どちらにせよ乗員は死ぬ)は貫通扱いになるね。ただ粘着榴弾しかり装甲剥離で殺傷するタイプの砲弾の貫通判定だと何処の国も同じ(車内に破片が飛び散ったか)だけどね。 - 名無しさん (2024-03-10 22 54 41) はぇー初めて知ったわソレ、つー事はソ連にとっては粘着榴弾も徹甲弾みたいな雰囲気なんかね? - 名無しさん (2024-03-10 23 09 58) 75mmM1897(M2A1榴弾砲架台)じゃ、M72AP(かの有名な無炸薬AP、初速619m/s)2000ヤード(1828.8m)で傾斜30°の25mmなんだが、距離2000mで30°傾斜25mm貫通の榴弾ぶっ放す野砲とかどんなバケモノなんだ………? - 名無しさん (2024-03-10 11 53 46) 上ではソ連野砲は榴弾で()25mm貫通らしいが - 名無しさん (2024-03-10 22 14 24) バグった 上ではソ連野砲は榴弾(680m/s)で25mm貫通らしいが、60m/s違うだけで榴弾に負ける貫徹力しかないアメリカ75mm砲って相当なヘボ砲弾か? - 名無しさん (2024-03-10 22 15 35) やっぱアメリカって大した事ねーんじゃねぇの?これだから硫黄島でチハごときに砲弾弾き返されるんじゃなかろうか? - 名無しさん (2024-03-10 22 26 55) そらAP弾は弾速が命だから長距離ではガクッと貫徹力が落ちるのはしょうがないでしょ - 名無しさん (2024-03-10 22 59 12) でもよシャンクス……ソ連榴弾砲より貫通力無いのはちょっと…… - 名無しさん (2024-03-10 23 08 05) ちなみに硫黄島で75mm弾き返したチハは状況的にめっちゃ至近距離やで(飛行場の取り合いのためクッソ近いし数回やり合ったのにここでは両軍ほぼ脱落無しだった…) - 名無しさん (2024-04-01 22 55 06) やっぱこの戦車が弾いてた75mm砲って、有坂砲じゃなくて初速510m/sの38式野砲か、上で提示された底部信管じゃなく瞬発信管の榴弾だったんじゃねぇの?んで14式10加に近いだろうイレール105mmにベトン弾でも撃ち込まれたか? - 名無しさん (2024-03-10 22 23 47) つまり一応は貫通はするんだな、75mm榴弾で。なんか時代は変わったみたいな心境だわ - 名無しさん (2024-03-10 23 22 29) 戦車内部の破片散るとかボルト外れるみたいなソ連式だとそうなりますね。でもやっぱ75mm野砲程度じゃ加害力は知れてるんでチハ相当の戦車には不適切なんよな榴弾。 - 名無しさん (2024-04-01 22 50 18) 中の戦車兵が死傷するレベルの装甲剥離が発生したら貫通扱いよ。それに装甲剥離が発生した場合、凡そ弾頭重量と同程度の破片が飛ぶから75mm級でも4~5kgの破片が車内に飛び散ることになるから、ケプラー装甲で内張りがない時代だと大惨事になる - 名無しさん (2024-04-02 22 05 34) あれ?じゃあこの理論で行くと、M3軽戦車の装甲を貫通出来なかったから装甲を破壊する方向で行ったと言われてるチハの57mm砲も、一応50mm装甲を貫通した分類になるんじゃね? - 名無しさん (2024-04-03 18 27 37) 「https //twitter.com/Berchilingen/status/1474719908537991168」M3の側面装甲(25mm)を300mmの距離から、小隊3両集中射で榴弾を当てると装甲板に穴を開けることには成功した実験結果はある。まあ一発で抜けん時点で貫通試験的に出来たとは言えんけどね - 名無しさん (2024-04-03 22 52 19) でも榴弾ぶつけてんだし、一発の時点で破片は発生してるだろうから300mで25mm貫通で良いんじゃない? - 名無しさん (2024-04-03 23 34 08) まぁ97式57mm砲の前の90式57mm砲の92式徹甲弾(349m/s)ですら350mで25mm貫通だし。開発者曰く420m/sに向上してるらしいし、この状況で一式徹甲弾使ったらまぁ40~50mmは行くんじゃないの? - 名無しさん (2024-04-04 07 16 59) あれ?でも日本軍って全弾貫通を貫通したとして諸元にして、6発中3発半貫通だが……みたいなのは別にしてなかったっけ?アメリカが戦後やった日本軍の奴も全弾貫通を諸元にしてるけど、これってアメリカ軍が日本軍に合わせたって事?広義的には貫通ではあるが、これを貫通として扱うかは各国によるみたいなモンじゃないの?まぁ、米英日独に上記の砲も含めて、榴弾の貫徹力の数値を計測してないから意味解らん事になってるだけかも知れないけどね - 名無しさん (2024-04-09 19 30 39) それとムーの野砲弾が弾かれたのを"外"からムー砲兵が見たのであって、これが装甲剥離起こしてるかはまぁ見えないんだから。破片がどうとか粘着榴弾がどうとかはスレチかも知れないんじゃない?それはそれとして、ソ連砲兵のデータ上げてたくれたのは大変有難いけどね - 名無しさん (2024-04-09 19 33 02) 名前 過去のコメント ここを編集 〔最終更新日:2020年03月02日〕
https://w.atwiki.jp/familiar/pages/3938.html
745 :壊れた人形1:2007/06/26(火) 19 47 16 ID v4JAJtpM 「は? 死んだ……?」 ―――何故驚いている? そう問いかけたくなるほど、自分の発したその声は動揺に満ちていた。 「あの人形が?」 ……いや、違う。 わたしが本当に自身へと問いかけたいのは、震えの大きさではない。 わたしが―――このガリア王国正当後継者である、このイザベラが、その結果に動揺したという事実。 斯くあるべき通りに表れたはずの結果を、斯くあるべき通りに受け取れなかったという、その事実だ。 「ひっく…………はい……」 「わたしを謀(たばか)るつもりなら、死さえ生ぬるく感じる責め苦を罰とする」 「ぇ……?」 「そうだね……この間、東の商人に聞いたやつでもいいね。何でも、東にはダルマって言う手足のない人形があるんだってさ。その名を取った罰らしいけど……ククク、お前もそうやって人形になってみるかい?」 「ひっ!? ち、違います! 嘘ではありません! 確かにシャルロットさま―――あ…い、いえ、七号さまは殉死なされたと!!」 侍女が涙ながらに訴えてくる、この報告。 その真偽なんて、疑うまでもなく判っている。 こいつは、あの人形の信者だ。 アイツが死んだなんてそんな事、冗談でだって言えやしない。 むしろ、その罰を受け入れる事で今の報告の内容を無かった事に出来るなら、こいつは喜んでその四肢を差し出すだろう。 アイツへの忠義心だけは、こいつのことを信用している。 だから、この事実は真偽の《真》。 疑う余地さえ無かったはずだ。 ……なのにどうして。 ―――わたしはそこに、《偽》を持ち込んだのか……。 「ふぅん……どうやら嘘じゃないみたいだねぇ。…………そう。とうとう死んだんだ? あの人形」 その言葉は確認でもなければ、事実を認める為のものでもなかった。 ただ、行為として、受けた報告を復唱しただけ。 唇から零れ落ちたその言葉はそのまま、胸(うち)に収まらなかったという結果の表れだ。 それは分かっている。 だからこそ、それが解らない。 「まぁ、今回は如何にあの人形と言っても、相手が悪かったからねぇ……。ははっ」 そう。今回の相手は……相手として最悪だった。 吸血鬼? エルフ? 何それ? ―――それくらいに。 746 :壊れた人形2:2007/06/26(火) 19 50 52 ID v4JAJtpM デスドラゴン。 最大、最強、最悪。三拍子揃った特級(スペシャルクラス)のドラゴンだ。 滅多に起こらないドラゴンの異種交配、ほぼ不発に終わるその結果に混ざって稀に生まれるドラゴン―――と、言われている。だが、本当の所などきっと誰も知らない。あれは、本来触れてはいけないものだから。 どんな竜狩刀(ドラゴンキラー)も、アレには刃が立たない。 どんな竜狩人(ドラゴンキラー)も、アレを倒す事は出来ない。 その鱗はあらゆる魔力をはじき、スクウェアメイジクラスの(人の)魔法は愚か、精霊のものだろうがエルフのものだろうが……たとえそれがヘクサゴン・スペルであろうとも無効化してしまう。 辛うじて通じる可能性を持っているのは虚無(おとぎ話)くらいのものだろう。 実質、殺す手段など無い相手なのだ。 人々のアレに対する認知は、生物ではない。 ただの天災だ。 降りかかれば身を竦め、過ぎ去るのを待つしかない。 目の前で人が飲み込まれようと、隣で夫が踏みつぶされようと、手繋ぐ友人が尾の先端でなぎ殺されようと。決して身動きしてはならない。ヤツが動く物に過敏な反応を示すのは、割と定説だ。 動く物の亡くなった街を去る……その禍々しくも雄大な背を幸運にも見ることの出来た者達は、口を揃えてこういうのだ。 『アレは正に死神……死そのもの(デスドラゴン)だ』―――と。 「は、あはは……流石にデスドラゴンが相手じゃ、あの不死身の人形も形無しだったって訳だね。おほ、おほほほ……」 ガリアの端の端、正直他国にくれてやって良いあんな場所に何の気まぐれなのか、らしからず住み着いたデスドラゴン。 その巣をあろう事か単身で強襲するという行動。 その結果としても、この報告は非常に妥当だった。 なのに……。 747 :壊れた人形3:2007/06/26(火) 19 57 06 ID v4JAJtpM 「ほほほ、ほほ…………」 予想していたはずだ。 デスドラゴンが住み着いたという話を聞いて、真っ先にこの方法(使い方)を思い付いて。その時にはもう。 躊躇なんてしなかった。 最強最悪の生物は、だがわたしには最高の道具で。 わたしはすぐさまプチ・トロワ(ここ)にアイツを喚び寄せた。 わたしは前回の失敗を活かし、相手の名は伏せた。 吸血鬼(前回)は失敗だった。アイツだって、知らされた瞬間は怖れおののいていたのかも知れないのだから。 今回は繕う準備など、させはしない。 そして、アイツが来る。いつもの面を引っ提げて。 ガーゴイル、七号、人形娘―――何でも良い。要は木偶、ただの人形、わたしの……わたしだけのおもちゃ。 わたしは、たっぷり恐怖をまぶしてから、とうとうアイツに言ってやった。 『今度のアンタの相手は―――』 その名を出した瞬間、吸血鬼の名を聞いても微動だにしなかったアイツの顔がピクリ…! 今までどんな事をしても、どんな事を命じても、わたしに人形を貫いてきたアイツの顔がピクリ……って!! それは、如何な驚愕か! それが、如何な驚愕か!! そうだ、確かに。 確かにあの瞬間は、天にも昇る愉悦を感じたはずなのに……。 748 :壊れた人形4:2007/06/26(火) 19 58 25 ID v4JAJtpM 「……」 何故こんなにも、この報告は空虚(むな)しいのか……。 「―――ちっ」 イライラする。 あるべきはずの悦びが来ない事。目の前で……いや、部屋中から聞こえる押し殺したすすり泣き。判断を間違えた自分。結果の内容も、わたしが今こう感じている事も。全て。腹立たしい……。 何故―――。 「―――…そうか。きっとそうね」 そうに違いない。 このイライラは多分。 肝心のモノを見てない所為だ。 「おい、お前」 「っ、はっ、はい!!」 ちっ…、いちいち過剰な反応を寄越すな。 本当に魔法で心を奪ってやろうか? わたしのでも、ただの人間相手なら十分好きに出来るのだから。 ……まぁいい。 「アイツを連れてこい」 「アイツ……?」 「このっ……あの人形娘の事に決まってるだろう! 話の流れで解るだろっ、馬鹿! いいからさっさとしなよ愚図!!」 「―――っ!」 水滴を残し走り去る侍女の姿を眺め、わたしは座深くに身を埋める。 声を荒らげようと、依然として気分は晴れない。気分に茨が絡みつく。 「ふん……」 ま、それも今の内だろう。 アイツの死に化粧でも嘲(わら)ってやれば、いつものわたしになれるはず……。 ――――― ――― ― 749 :壊れた人形5:2007/06/26(火) 19 59 44 ID v4JAJtpM 走り去った侍女が再び私の前に立ち準備が出来たと言ったのは、それから意外な程に早かった。 急いだのか、それとも……既にそんな事は終えていたのか。恐らく後者だろう。 「―――で、肝心のアイツは? 準備は出来たんだろ?」 報告の割に、アイツの棺が見あたらない。 「今は応接の間でお待ち頂いておりますが……」 その返答。 多分、ここへだと匂いや汚れの面で不適切だという配慮なんだろうが……。 「はぁ……おまえ、わたしの話を聞いてなかっただろう。わたしゃアイツを《連れてこい》と言ったんだ。……後瞬刻だけ待ってやる。今すぐココへ連れてこい」 そうだ。 いつだってわたしは、アイツに出向かせてきた。 最後の面会だとて、何故(なにゆえ)わざわざわたしから出向かねばならぬのか。そんな道理、あるはずがない。 再び慌ただしく踵を返す侍女。 その顔がとうとう仮面で隠せなくなってきているのを知りながら、だけど今日のわたしは、横暴に振る舞う事を止めない。いつもなら何か、プライドだとか飽きだとか気まぐれだとか……あるいは恐れだとか、そういうモノによって歯止めが掛かるはずなのに。 調子が狂っている。どこかおかしい。 こんなの、ずっと夢見てきた場面を迎えるにしての、正常な状態じゃない。 「あの人形、最後までわたしを待たせるのだから……本当に良い身分だね」 口を衝き出る冗談さえ、今日は冴えない。 あいつが来るまでの時間がイヤに長く感じる。これでは本当に、わたしがアイツを待ってやってるんじゃなく、アイツがわたしを待たせているみたいじゃないか。 間違えてはいけない。 捕らえているのは私。捕らわれているのがアイツだ。 750 :壊れた人形6:2007/06/26(火) 20 02 01 ID v4JAJtpM やがて、遣いやった侍女達が小さな……しかし遠目にも品の良い箱を、恭しく運んできた。 あつらえられたに違いない上等なその棺、運ぶより連れると称すべきだろうその様、明らかに一騎士に対するモノではなかったが、そこは見逃してやった。死してようやく血筋に見合う扱いをされるというのも、皮肉になるだろうから。 第一、今はそんな余計な事をして間を空けたくなかった。 疾うに、待つ事に飽いていた。 「お連れ……致しました。っ」 悲怒どちらによるもの……いや、両方か。体裁などもう欠片にしか残っていない態度、口調でそういって、侍女は退く。言葉こそ発しないが、まぁほぼ同じと言っていい体(てい)で他の侍女達も下がる。 侍女達が割れ、棺が顕れる。そこに続くは、跪いた侍女の頭(こうべ)で出来た道。傅(かしず)く先がどちらであるか……忌々しくもそれは頭の向きから瞭然。 必然、わたしの立場は逆の謁見者へ。 ……不快だ。 「お前達、頭を上げろ。人形が壊れただけだ、礼など尽くす必要は無い」 アイツに通ずる裂け目へと身を差し込みつつ、そう命令する。 勘違いしてもらっては困る。わたしはアイツの扱いを許したわけではない。あくまで、待つ事を嫌ったまでだ。 「……」 「……っ」 歯を食いしばり、わたしへの憎悪を懸命に噛み殺しながら首を伸ばす者。 諦めを纏って、うなだれた面を見せる者。 わたしが指摘するまでの僅かな間に全てを込めたと言わんばかりに、一種晴れ晴れしく顔を上げる者。 普段のわたしがそういった者にどう対応するか知らぬはずが無かろうに……その証拠に震えながら、それでも断固として祷を納めない者。 ……は。ならば好きにしろ。 この棺を開ければ、否応にも知るだろう。現実を。献身的とさえ言えるその真摯な想いに対する、世界の答えを。 それが、お前達への罰だ。 「蓋くらいは、わたしが外してやろうじゃないか」 わざわざ宣言して、わたしは棺に手を掛ける。高尚な装飾の中、それを阻害しない形と位置に取り付けられた取っ手を掴んだ。 751 :壊れた人形7:2007/06/26(火) 20 04 03 ID v4JAJtpM 果たして、その下から現れるのは如何なるモノか。 まぁ、人と思えるならまだ御の字だろう。こいつらは知らないだろうけれど、戦いで死ぬとはそういう事だ。最悪は……なんて表現が大袈裟なほど、人でなくなってしまう死に方だって多い。 死に化粧(つまり、死体の見栄えを整える行為だ)は、それを専職とする水の術者によって行われる。傷を消し、張りを持たせ、臭いを閉じこめ、中身を洗い……浄化する。 だが、当然それにも限界はある。小さな傷は隠せても、大きな傷は埋めきれない。欠損を復元する事は例え術者がスクウェアクラスだったとしても出来ないし、ましてや……そう、ましてや。 ―――単なる肉の塊を『人』に戻すなんて事、絶対に出来やしないのだ。 平民の焦がれる魔法。 それは、こいつらが思うほどに万能ではなかった。 わたしはゆっくりと蓋をずらしてゆく。 国お抱えの、最上級のその者達が施したのだろう。僅かたりとも嗅覚を刺激するモノは洩れてこない。 「……」 周りに悟られぬよう、密かに心を構える。 わたしとて知識としてそう知っているだけで、実としてそういったものを見た事は無い。 認めたくはないが、備えの有無しかわたしとこいつらの間に違いはない。 「……ふぅ」 ……よし。 侍女どもが固唾をのんで見守る中、わたしは更に腕へと力を満たし。 重苦しく光景を塞いでいた蓋を、棺から引き落とした。 城の採光の妙により、一段上の明度によって晒される、その中身。 「……は?」 釣られ出た、今日二度目となる、わたしにあるまじき間の抜けた声。 覚悟はしていた。 仮にアイツがどんな姿で現れようと、もう動揺しない自信はあった。 腕が無い、足が無い、頭が無い。骨が見える、臓が見える、脳が見える。 パーツのない人形、パーツが壊れた人形、そもそもこれは人形? そんな、悉くのアイツをわたしは確かに棺の中に見ていた。 見ておいたはずだった。 だが、これは。 この姿は……。 完全に予想外。 「……っ」 でも、同時に。 これ以上ないほどに。 納得。 「シャルロット……」 ―――貴女は、結局最後まで、私の『思い通り』から逆らうのね……。 752 :壊れた人形8:2007/06/26(火) 20 07 09 ID v4JAJtpM 「……この人形は、デスドラゴンと戦って死んだんじゃなかったのかい?」 ならば、この姿は相応しくない。 アイツとして、限りなくその姿がしっくり来たとしても。 囓られても、潰されても、薙ぎ払われても、切り裂かれても。 どのように殺されようともこんな事はあり得ないはずだ。 無くすことなく、欠けることなく、晒けも出さず―――。 ただ、眠るだけかのようにそこに存在するなんて姿は……。 「なんで、この人形は死んだんだい?」 問う。 この人形の任務には、基本的に何かしらの『目』を付けている。 まして今回の任務、その一部始終を見るように命じていた。その報告を、私へこの事を報せたこの侍女は知っているはずだった。 「はい……。確かに七号さまはデスドラゴンと戦い、そして命を落とされたそうです……ブレスで」 「デスドラゴンがブレス……? だけど、それにしちゃあ―――」 確かに、ドラゴンの中には吐息(ブレス)と呼ばれるものを吐く種がいる。火炎を、吹雪を、雷を、あるいは毒を……その息に纏わせて吐き出すことが出来る種だ。 だが、知られているブレス―――そのいずれにしても、人の身で晒されたなら生死の心配どころか、棺桶の心配すら要らない代物ばかりだ。 燃え尽き影しか残らないか、粉々に砕け欠片も残らないか、形にのみ人を残して炭となり果て崩れるか、腐りとろけて醜悪なスープとなるか……。 いずれにしろ、そんな死に方だ。 デスドラゴンがそういう種だったというのも初耳だが、その報告が本当なら、それはドラゴンのブレスに対する常識を覆すものでもあった。 「それは―――」 話によれば、この人形は驚く事にデスドラゴンに対し手傷を負わせたらしい。全身に満遍なく生えている無敵の鱗。しかし、それの無い部位を的確に捉え傷つけたのだ。 それが、目。 そして、それによって光を奪った後、今度は鱗の無い内側へと繋がる部分―――口腔内を貫こうとして……。 「監視(み)てきた方によれば、それは一筋の光であったと……」 反対に、胸を、乗っていた風竜ごと貫かれたらしい。 「……」 衣をずらす。白い、こいつの字(あざな)である雪風のごとき繊細に透き通った柔肌が。差し込む光に眩しく煌めく。 その慎ましやかささえ品の良さだと言わんばかりに美を主張するなだらかな稜線、その左の峰程近い所に、埋めきれなかったのだろう小さく孔(あと)。 たったそれだけが、コイツが死んだ証拠であるらしかった。 753 :壊れた人形9:2007/06/26(火) 20 14 30 ID v4JAJtpM 「光のブレスか……」 コイツを殺した後、逃げるように慌てて飛び去ったという話からして、恐らくそれはデスドラゴンにとっての憎しみや怒り、そして恐れの対象に行う必殺の手段だったのだろう。 だが、皮肉にも。こうして、死してなお美しいコイツの姿を見ていると。 未だかつて誰も見た事の無かったそれは、未だかつて誰も傷つける事の出来なかった自分にその証を刻み込んだコイツに対する、精一杯の敬意にしか感じ得なかった。 まったく……。 「あんたはつくづく、大したもんだねぇ」 コイツは。 ひとりでどんどん先に行く。 わたしなんて眼中にないと言うように、自身は誰にも縛れやしないとでも言いたげに、わたしを置き去りにどんどん先へと……。 「―――とでも、言うと思ったかい……?」 それが、許せない。 「…ぉ……ぃょ」 お前はわたしのモノだ。 わたしのおもちゃ、わたしの人形。 お前を好きにして良いのはわたしだけ、お前自身にだってその権利は無いんだ。 だから。 「……起きなさいよ」 わたしは許さない。 勝手に死ぬなんて事、許さない。 勝手に殺されるなんて事、絶対に許さない。 だからっ……! 「起きなさい、っ―――起きろシャルロットォォォォッ!!!」 「―――!」 「イザベラ様何をっ……!」 ずり下げた死に装束を手に巻き込んで、それごと引き起こす。 わたしの細腕でもってなお軽く感じるシャルロットが、くわんくわんと頭を揺らす。 そのまま起きろ、起きろ! 754 :壊れた人形10:2007/06/26(火) 20 17 36 ID v4JAJtpM 「死んで良いと誰が言った!? わたしはデスドラゴンを《倒して》こいと言ったんだ! 殺されてこいとは言ってない!!」 力の限り、思いっきり。起きろ、起きろ、起きろ。と。 起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ 起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろ起きろっ!! 「お、おやめ下さいイザベ……ラ……様?」 「っ!」 「え……?」 起きろ起きろ起きろ―――? あん? 気持ち悪い声を出すな。一体なんだと―――。 「……?」 何だ? お前ら……何故そんなに滲んでいる? いや、お前らだけじゃなく全部。 何が―――? 「イザベラ様……。泣いて、おられるのですか……?」 「はぁ?」 泣いてる? わたしが? なんでさ? そんなはず。 ……ぽたり。 あ? 「……え?」 手の甲に雫。拭った袖に出来た染み。 伸ばした指には言の証(しょう)。 「馬鹿な。嘘……っ」 わたしが……泣いてる? 言葉の否定。 視界は肯定。 違う。 思いで否定。 想いの否定。 これは違う。 「これは―――」 これはただの……。 そう、ただの―――。 ―――怒りの発露……っ!! 755 :壊れた人形11:2007/06/26(火) 20 19 05 ID v4JAJtpM 「勘違いをするなっ!」 わたしの許しもないのに勝手に壊れたコイツに対する、怒りの表れだ。 断じて。 断じて、コイツを喪った事に対する悲しみなんかじゃない!! 「くっ…!」 強引に、忌々しく溢れてくる感情を袖で拭い取る。 長く尾を引いた、その湿り気がまた、気にくわない。 「おいっ、お前!」 その感情のまま、むかつくアホ面を向けてくる侍女達の一人に投げつける。 「っ!? は、はいっ」 「今すぐ、ここに凍結の術を使える者を連れてこい。―――ああ、死に化粧を施した(これを準備した)奴でいい」 これほどの腕なら、その程度の事にしているだろう。 「ぇ……?」 「二度は言わない。良いか。今、すぐだ」 「ひ! 畏っ―――っただいま……!」 756 :壊れた人形12:2007/06/26(火) 20 20 53 ID v4JAJtpM 「ふん……」 駆け出す足音にむけ、鼻を鳴らす。 「……あの、イザベラ様?」 そんなわたしへ遠慮がちに訊ねて来る、声。 流し見る。 「なんだ」 「『凍結』とは……?」 「はん、物を知らないね。……まぁいい。凍結ってのはそのままさ。凍らせて、固めてしまう魔法さ」 わたしの説明に、しかしそいつは首をすくませた。 「い、いえ。そちらは以前教えて頂きました……。―――ただ」 コクリ…小さなノドを動かす。 「一体、どのような目的で使用されるのかと……」 どうやら、それが。 不機嫌なわたしに、それでもせずには居られなかった問いだったのだろう。 「ふっ。そんなの……ほほっ、決まっているだろう」 そう、決まっている。 わたしが、この場でああ言ったのだ。それがどのような意図によるものかなど、明らか。 だからこそ、こいつは話しかけてきたに違いないのだから。 「この人形に使うのさ」 棺の中静かに眠るアイツを目で指し、そう宣言する。 瞬間、わたしの内(なか)でストンと居場所を見つける、感情。 ああ、こうすれば良いんだ……という、納得。 757 :壊れた人形13:2007/06/26(火) 20 22 02 ID v4JAJtpM 「な、何故………」 心の安寧は、侍女の悪あがきさえ愉快に映す。 「簡単な事さ。だってまだ、コイツの役目は終わっちゃいないんだから。エモノを仕留める事も、わたしに尽くす事も……ね。ククッ」 もたらされ、込み上げる、笑い。 「ですが! シャルロット様は……! ―――ひっ!!」 名を呼ぼうとする行為を視線で切り捨て、わたしはもう一度笑う。 「ふふん、そんな事は知らないね。大体、壊れたなら直せば良いだけさ」 実の所、当てはある。 以前、アルビオンにて王家へ反旗を翻した貴族派(レコン・キスタ)。結果としてはお父さまにより壊滅させられたわけだが。その頭を務めていた男の術は、死者さえ蘇らすことが出来たという。 ガリア空軍の集中砲火に晒されたその男がよもや生きているとは考えられないが、それでも、その男と同じことが出来る者―――というだけの話ならば、居ないと断ずるに早い。 世界は広大く、時は永い。 その中で、コイツを直す術(すべ)を探す事が不可能だとは、言い切れないだろう。 「……もっとも、それより早く腐られちゃ堪ったもんじゃないからね」 だからこその『凍結』、と言うわけだ。 「ふん、理解は出来たかい?」 「―――っ」 返事は無く。……されど、その反応は十分に返答で。 「ふふふ……、おっほほほほほほほ―――」 わたしは見せつけるように三度(みたび)、肩を揺する。 そうだ、アイツは人形で。私のおもちゃ。 壊れたなら直してまた使えるようにするだけ。 所詮は道具。その行く末は主(わたし)が決める。 そしてわたしは、この程度の事でコイツを捨ててやるつもりは無い。 ああ。 これこそ、わたし。 それこそが、わたし達だ。 758 :壊れた人形14:2007/06/26(火) 20 22 58 ID v4JAJtpM 「おほ、おほほほっ……」 戦く者どもより視線を外し、再びアイツの棺を捕らえる。 派手でなく、華やかでもなく……それでも贅沢に上品な棺と、キーパーツ(心臓)を失い動かぬアイツ。 納めたまま、わたしは語りかける。 「ふん。まぁ、今暫しだけは休ませてやるさ」 わたしは心が広いんだ。 「だけどね……」 同時に、これで捨ててやるほど大雑把じゃあない。 意外と、物持ちは良い方なんだ。 だから。 「人形娘(オマエ)でなくなれるなんて思い違いは、しないことさ」 そう。 壊れて(死んで)みせたって、直して(還して)やる。 別にオマエへの情じゃない。わたしに湧く何かによるものでもない。 ただ、当然の権利としてそれを行使しているだけの事。 だって。 だから……。 「オマエはずっと、ずっと―――」 ふふ、逃がし(放し)やしないよ。 死など関係ない。 覚えておけ。 そして、目覚めと共に胸へと刻むが良い。 シャルロット……。 アンタは―――。 「―――わたしのモノだ」
https://w.atwiki.jp/natsume_e/pages/67.html
32 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 01 34 ID MHvPvQh9 保守がわりに 3-7の続きです 『遠い約束・続』 抱きしめた夏目の肩はまだ小さく震えていて、先生はその背中を宥めるようにそっと撫でてやる。 あの時、追及すればレイコは話しただろうか。それを自ら避けたのはただ聞きたくなかったからだと、今になって先生は気づく。 そう、今更。 「詮無いことだ」 自分に言い聞かせる様に呟くと、夏目が袖で顔をこすりながら鼻声で礼を言った。 「…有り難う、先生」 「何がだ」 「嬉しいんだ。先生がレイコさんの傍にいて、それを大切に憶えていてくれたことが。とても嬉しかったんだ」 すすり上げながら微笑む目元が赤い。 「慣れるより忘れる方が難しいだけだ。私は……瞬きほどの短い間でもレイコに出会えて楽しかったのさ」 彼女の短い生と先生の時がつかの間重なったのは偶然か必然か──それが運命とよばれるのなら、人と妖、その異質なものの間にも運命は存在するのだろう。 ならば、時を隔ててなお人から妖へ、妖から人へと想いも届くだろうか。 「レイコは何を大層なと笑うだろうがな」 あいつは素直じゃないんだ、と先生は苦笑する。 「泣いてなどいたら鼻で笑われた挙げ句、沼辺りに蹴り落とされるぞ」 「…私の孫が情けないわね、ってかな」 「そうさ。しかも棒やなんかで突かれて沈んで、泣くのを忘れるまで上がれん。そういう奴だ」 レイコの優しさは少々たちが悪いんだ、と先生は冗談みたいに口にする。 夏目の泣き笑いも苦笑に変わった。 レイコに瓜二つでも、夏目は彼女がしなかった顔をする。余計なことにわざわざ首を突っ込んでは巻き込まれる。人の為に喜び、妖の為に泣く。誰も傷ついて欲しくないからと自分が傷つく。 だから傍にいるのだ。 彼女と同じく、優しく不器用な人の子の時を見届ける為に。強かった彼女の、揺らいでばかりで頼りない孫の傍らにいよう。 「優しいな、先生も」 ──優しいのね、斑── 二つの声が重なる。人の子、お前達の方がずっと優しいよ。 33 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 02 20 ID MHvPvQh9 「…今夜は良い月だな」 窓からのぞく月を見上げた先生はす、と振り向く。 記憶で形作られた娘の、さらさらと長い髪は月光を反射して銀色に煌めき、夏目を見つめる瞳も同じ月の色を映す。 「先生?」 「…礼を貰うか」 差し伸べた指で夏目の頬にそっと触れるとほんのりとあたたかい。 その意味を悟って夏目が穏やかに笑んだ。 「……また、前みたいになるのか?」 「素面だからな、このままだ」 「ええ?それって問題じゃないか」 「うるさい」 向かい合って戯れてはくすくすと笑う。 「夏目」 頬を撫でていた指をするりと滑らせ、夏目の首筋に両腕を絡めて身を預けると夏目はしっかり抱き留め、甘い香りの髪に顔を埋めた。先生を真似るようにゆっくりと背中を撫でる。 「先生、って呼ぶのはおかしいだろうか」 「構わんさ」 今はレイコでも斑でもないのだから、好きに呼べばいい。夏目の呼ぶ名が今の名になる。 「先生」 額と額を触れ合ってお互いをみつめた。まるで合わせ鏡の様に同じ顔。 先生は夏目に口づける。 始めはそっと合わせるだけで、互いの体温を感じるよう静かに長く。 どちらからともなく唇をついばみ、吸い、前歯の先端に舌を沿わせ、徐々に口づけは濃厚に変わる。滲む唾液を交ぜて舌を擦り合うと苦しさと心地好さで息が弾んだ。 夏目がさらに舌を絡めようとするのを遮り、思うままに唾液を舐めとる。 甘い。 それは、記憶の中の彼女を呼び起こす甘さ。 ──ふふ、お礼よ── ──綺麗ね、斑。この花よりあなたの方がずっと綺麗── 「先生」 気づくと、蘇った声に誘われいつの間にか唇を離していた。夏目の双眸が正面から先生を見つめている。 「先生、いいんだ。忘れる方が難しいんだろう?だから…いいよ」 構わないから、とも気にするな、とも夏目は言わなかった。ただ優しく、芯に強さの光を秘めた瞳でじっと見ている。 「今は先生がいいんだ。…おれが」 お前という奴は本当に、そう呟いた言葉は聞こえなかっただろう。 今夜は。今夜だけはお前達人の優しさに甘えさせて貰おう。 忘れていない彼女を、思い出す夜にさせて貰おう。 すまないな、夏目。詫びる言葉は却って気持ちを踏み躙るだけに思えて飲み込んだ。 それでも──お前は代わりではないよ夏目。勝手な言い草だが、ただ温もりを借りるだけにしたいのだ。 もう一度口づける。ここに、体が、想いが在るのを確かめるように強く。 34 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 03 19 ID MHvPvQh9 「は…」 体を離してつかの間見つめあった。 夏目が先生のスカーフをするりと解き、また唇を重ねた。今度は深く。 「…結ばないでくれよ」 「しないさ」 上衣の裾に手をかけ、両手を上げた先生の腰を横抱きにして脱がせると、露になった白い胸が体の動きに合わせて揺れる。はらはらと流れた髪の間から二つの隆起がのぞく。 スカートのファスナーを下ろし片足ずつ引き出す間も先生はされるがままだ。 夏目は上半身だけ裸になり、全裸の先生を優しく抱いて膝に乗せる。お互いの体温と鼓動を確かめるようにぴったりと肌を寄せ抱き合った。 温もりも心もこうして伝わるんだな、と夏目はそれを教えてくれた少女のことを少し想う。 自分にも伝えられるのだろうかと先生の頬をなぞり、髪にキスし、白く滑らかで華奢な肩を撫でた。とても真摯に、少女がしてくれた様に触れた。 柔らかな胸の先端を口に含みころころと舌先で転がし、軽く吸う。 「ん…」 艶麗で熟れた様な唇から吐息が漏れる。 細く華奢な腰に腕を回し、夏目はその舌触りを貪る。空いた方の手でゆっくりと乳房の感触を愉しみ、指の腹で軽く挟んだまま円を描くとぴくんと先生の体が震えた。それをきっかけに先端に指を宛てると、捏ねて摘んでくりくりと回す。 舌で指で触れているのは胸なのに、太ももの上で開かれた脚と腰が反応する。 乳房の稜線を下になぞり、滑らかな脇腹と脚の付け根をゆっくり経由して、焦らしたそこに到達した。 溢れた蜜を垂らして微かにひくつく襞にそっと指を差し入れる。ちゅくちゅくと淫らな音とともに蜜が流れ、指を絡めとろうと中が蠢く。 「…い、つの間に…やら手慣れた…な」 俯き加減で切なげに息を弾ませ、下肢を震わせる先生の声が甘く悦びを含んでいた。 答えずにぷくりとした突起に粘液に濡れた親指を滑らせ、上下にと撫でるとそこは一層膨れる。両肩に置かれた手に力が込められ、浮き上がりそうになる先生の腰を背に回した腕を下ろして押さえる。 差し入れた指で熱をもった内奥を探り、親指はそのまま何度も突起を嬲ると熱い蜜が手のひらを伝い零れた。 「んっ……ああっ」 こらえきれず白い喉を曝すように反らして先生が声をあげた。少し驚いて夏目が手を止めると、その手首を掴まれ押し倒される。 長い髪が裸の胸をくすぐり、甘い花の香りが漂った。下から見上げる先生の顔は、とろけるような瞳と上気した頬に妖艶な笑みを浮かべていた。 視線をずらせば白い乳房の中心に、自分が愛撫した為に濡れて固く尖った淡紅色の頂きが見える。 35 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 04 08 ID MHvPvQh9 「されるがままでは……もったいない」 先生は夏目の細い首筋から鎖骨の窪みまで丁寧に舌を這わせた。 体を震わせ、息をはいたところを狙ってまた唇を奪う。 項に腕が回り、唇を重ねたまま屹ち上がったものを宛がおうとする夏目の手にそっと手を添え、動きを押し留めた。 唇を離すと不思議そうな顔をしている。それが幼い子どもの様で無闇にいとおしくなり、先生は微笑んだ。 つ、と鳩尾をなぞって降りた両手で夏目のそれを支える。先端をちろりと舐めると夏目が声をあげた。 「…っ!先生っ」 「嫌か?」 指先で突くと透明な液体でつるつる滑り、その刺激に反応した夏目は身を捩る。 「いや、だって…」 「嫌じゃないなら構わんだろう」 「…その」 躊躇う様子についいつもの調子で返すと夏目が怯んだ。先生は心の中で苦笑する。 「私がしたいだけなんだ、お前が私に気を遣うな、夏目。嫌なら嫌、でいい」 「…嫌じゃないけれど」 恥ずかしい、と呟く姿がまた初な娘のようで微笑ましいやら情けないやら。 「妖に人の精気はこの上ないご馳走だ。礼に奢ったと思えばいいさ」 力を抜け、と髪を掻き分け安心させるように額と瞼に口づける。夏目がくすぐったそうに目を閉じるのを確認して唇から首筋、鎖骨、薄い胸、と舐めつつ股間へ降りていく。 まだ屹立していたものを指を絡めて掴むと、夏目が僅かに腰を揺らして上半身を起こす。 軽く開いた唇で挟みこむようにして口に含むとちゅぷ、とくぐもった水音がした。先端をちろちろと舐め、唾液を舌で塗りつけながら吸い上げる。ちゅく、ちゅくと浅く上下しただけで夏目の体はびくんと反応する。 反り返った裏側の筋に沿ってゆっくりと舌を這わせ、また先端に戻って窄めた口と舌先で小刻みに吸う。 流れて落ちる粘液を包むように形作った手のひらで擦りつけ、口の動きに合わせて上下に扱いた。 「…っん」 夏目自身をくわえたまま上目遣いに見ると、握った右手の甲で口元を押さえ目を閉じて眉間に皺を寄せている。既に限界なのかもしれない。 ちゅぱ、と口を外すと顎にまで唾液が滴りそうになるのを舐めとって、先生は言った。 「我慢するな、飲んでやるから」 「な…の、飲む、って」 夏目が目を見開く。初なのかそうでもないのかわからん奴だ。 「そういうものなんだ」 36 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 05 27 ID MHvPvQh9 くぷと柔らかい唇の間にまた夏目の自身は飲み込まれる。途端に襲う快感に体が震えた。 目をやった先、夏目の両足の間では髪が顔にかかるのも構わず、先生が屈み込んでいる。 自分と同じ顔、その紅い唇が艶々と濡れて蠢く官能的なさまに、また下半身が屹ち上がった。 口の中はぬるぬるとして温い舌がねっとりと絡みつき、唇を窄め吸って締めつけられては解放され、形に沿って根元から舐め上げられると気持ち好さに声も出ない。 喉の奥深くまで押しつけられ、狭く締まる粘膜がまとわりついたと思えばじゅるじゅると音を立ててひき上げられる。 キスをする様に先を吸われ、唾液でたっぷりと濡れた口の中に深くくわえ込まれ、唇も白い指先も激しく動いてそこを扱く。 すぐに限界は訪れ、放たれた精気は先生の喉に飲み込まれていった。 口の回りから手のひら、夏目の先端まで一滴残らず紅く卑猥な舌に舐めとられる。最後に唇を人差し指で拭う仕草も妖しく美しい。 「美味だったぞ」 「じゃあ次は…おれの番だな」 肩を引き寄せ抱きしめる。 「…無理せんでいいぞ、疲れてしまう」 夏目の体を労り、かつ夏目と少女の気持ちを慮っての言葉だろう。 ほらやっぱり先生も優しい、レイコさんのこと言えないじゃないかと夏目は思った。 「平気だ」 そっと押し倒してもう何度目かわからないキスをする。まだ屹ったままのものを片手で支え、空いた手で投げ出された手を握ろうとしたらするりと逃げられ、肩に誘導された。 何故、と見るとそれは少女にとっておけ、と言われ、その気遣いに夏目は返す言葉もない。 ならせめてこの妖に、レイコさんに及ばずとも温もりを伝えたい。自分に出来ることはそれくらいしかない。 そっと中に挿入る。夏目の愛撫から時間が経っていたがまだ中は十分に濡れていて、襞が不規則にひくつきながら絡んでくる。 少し動いただけで蜜は量を増し、繋がった部分から湿った音が響く。 先生が喘いだ。動きを早めると、ぬるぬると滑る中で時折きゅっと締めつけられる感覚が増える。 掬う様にして先生の体をまた抱きしめ、顔に貼りついて乱れた髪を耳にかけてやり背に流し指で梳いて、撫でた。何度も。 夏目は、貰ったあたたかさを伝えたかった。 37 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 10 46 ID MHvPvQh9 痺れるように続く快感と浅い呼吸の中、繋がったまま抱きしめられ髪を撫でられて、先生は気づいた。 これは──あの時、自分がレイコにしたことだ。 ただ彼女がいとおしくて抱きしめ、辛さを和らげてやりたくて髪を撫でた。 同じことを夏目は何も知らずに自分にしている。 その髪を撫でる手から、抱きしめられた腕から、密着した胸から、一つになった部分から、伝わってくるものがある。 あたたかいそれは、彼女と同じ温もり。 ああ、そうか。 傍らにいてやるのではないのだな。共に傍にいるのだ。 わかったよ、レイコ。夏目。 知らぬ間に閉じていた瞳を開くと途端に快感が押し寄せ、先生は絶え間なく喘ぐ。胸に直接感じる夏目の鼓動も耳朶にかかる息も荒い。 「…夏目、」 嬉しいでもない。有り難うでも足りない。その言葉にならない言葉は、想いとなってこのひたむきな人の子に届くだろうか。 「夏目」 先生は一層強く抱きしめられた腕の中で、夏目が果てるのを感じた。 「…眠ったか」 膝の上に片頬を預けて、夏目は安心したように静かな寝息をたてている。その寝顔にレイコの面影は見えない。 同じ顔でもやはりこの二人は違うのだ。 ふと、涼やかな風に前髪が揺らぎ先生は窓辺に首を巡らすが、カーテンはそよとも動いていない。 目を戻すと膝の上の夏目の髪がすっと撫でつけられた。一度、二度。眠ったままの夏目が微かにくすぐったそうな顔になる。 「……いるのか?」 妖の気配はない。軽やかな笑い声が小さく響く。 ──私の言った通りね、斑。 「顔くらい見せたらどうだ」 返事は無い。 「…レイコ?」 夜の帳から鈴の様な声が流れ出て、先生の耳元をそっと通りすぎた。 ──ありがとう。 夏目の髪にいつの間にか花が一輪指してある。 薄闇の中で淡くゆったりと薫るそれは、桔梗。 38 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 11 52 ID MHvPvQh9 思い出したのは封じられる数日前の情景だ。 秋も終わりかけの空は高く澄んで、ひんやりとし始めた風が敷き詰められた落ち葉をさらっていく。 かさかさ、と柔らかな絨毯を踏む音が日向を探して微睡んでいた私に近づいてくる。 普段なら藪から飛び出して来たり、木から突然昼寝中の背に飛び降りたりと唐突に現れるレイコが、その日はどういう訳か野の花など抱えのんびりと歩いて来た。 まだ暑い頃から暫く姿を見かけずにいたが、夏風邪にでもかかったかとさして気にも留めなかったのだ。人との間で何かあれば大概森に隠れ、ついでに妖をからかっていく様な奴だったから。 「こんにちは、斑」 「…久しぶりだとお前でも殊勝げに見えるものだな、レイコ」 そう、と微笑った頬にいくらか陰がある。顔が埋もれる程抱えていた野の花を一度に空へと放った。ぱらぱらと散るのは錦の花弁。野菊、萩、女郎花、桔梗に梅鉢草。 「はい、おみやげ」 「…みやげというならせめて束ねて渡せ」 「細かいわねえ。この方が花飾りみたいで綺麗じゃない。…綺麗ね、斑」 レイコは足元に落ちた桔梗を髪に指し、私の体に一輪ずつ花を飾ると指先から服から移り香が漂う。横目で見た肩が薄く、元から華奢だった体が一回り小さくなったようだった。 「この花よりあなたの方がずっと綺麗」 「当然だな。それより…考えてきたか」 「まだよ。結構難しいんだもの」 そう答えるとずり落ちるように私に寄りかかって座った。髪からも匂う花の香りの中に、僅かに嗅ぎ慣れないものを感じた気がして身を引く。 それがしばらく姿を見せなかった理由に思えたが、首を突っ込むのも躊躇われて開きかけた口を閉じた。 レイコはそんな私に構わず問いかける。 「ねえ。あの時どうして食べなかったの?」 「さあな…気紛れだ」 「そう。……やっぱり人も妖も同じね」 「何だ、藪から棒に」 「難しくて好きになれないってこと」 「ほう、何を今更。どうした、好きな奴でも出来たか?」 まさか。くすくすと笑うレイコは拾った落ち葉を指先で摘んで回している。ひらひら、くるくると紅葉の紅がひらめく。 しばらくお互いに黙ったままで、少しずつ陰っていく陽を眺めていた。寄りかかられ接触している一部分だけがじんわりと温かい。 私もレイコも、今日、こうするためだけにここに来たような気がした。 そうして私の体が日向から追いやられた頃、レイコが口を開いた。 「私、妖達の名を集め過ぎちゃったみたいなんだけれど」 「…いびり過ぎたの間違いだろう」 何を無邪気に、そう返すとレイコは心底楽しそうに笑った。 「ふふ、呼びきれないし返すのももったいないわよねえ」 「ふん、なら誰かにやればよかろう。妖は皆我先にと欲しがるぞ」 「そうね、誰がいいかしら。斑、いる?」 私はため息をついた。まだこいつは勝負するつもりなのか。もうお前に私の名は必要ないだろうに。 「勝負にはのらんぞ。妖が嫌なら…お前の子どもか孫にでもやったらどうだ」 残念、レイコは落ち葉に後ろ手をついて大げさに暮れかけた空を仰ぐ。何故か嬉しそうな顔だった。 「騙されないか、斑は。そうね……素敵なことを考えついたみたいよ私。二日待って頂戴」 突然服の落ち葉を払って立ち上がると、綺麗な声で歌うように言った。 「またね、斑」 さくさくと落ち葉を踏む軽い足音が少しずつ遠ざかっていく。私は何も言わず見送った。 わかってしまったからだ。 レイコがした事の意味が。先程自分が身を引いた訳が。 そしておそらく──もう彼女にもどうしようもない事なのだと。 39 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 16 09 ID MHvPvQh9 翌朝、目覚めた夏目は傍らに座る昨夜の姿のままの先生を見上げた。 「先生。おれ、夢でレイコさんに会ったよ」 「そうか」 「妖達に名を返してもいいのか聞いたんだ…レイコさんの大切な友人達だろうって」 先生が夏目の髪に手を伸ばしをゆっくりと撫でる。いとおしげに、静かに。 「レイコさん、笑ってたよ。それから、先生みたいに撫でてくれた。友人帳はもう夏目貴志のもので、そこに名のある妖達は貴方の友人なのだから、思うように使えばいいって」 「友人帳を遺してくれて有り難うって言ったら、良かったわ、斑がいるなら大丈夫よって。ずっと撫でてくれたんだ。夢なのに…すごく、暖かかった」 一気に喋った夏目は息をつき、しばらく逡巡するように瞳を揺らしてからぽつり、と問う。 「…レイコさんは先生が好きだったのかな」 「さあな」 先生はまだ髪を撫でてやりながら素っ気なく返す。夏目が彼女の想いを知る必要は、まだないのだ。 「約束、思い出したら言ってくれ。おれが代わりに出来ることならするから」 問いかけに手を離した先生は呆れた表情を浮かべ、軽く髪をかきあげる。 はあ、と大仰なため息をついてから夏目は思いっきりはたかれた。 「それを酔狂と言うのだ、阿呆が。人が妖に情けをかけてどうする。逆もまた然り、まったく何度言えば解るんだお前は」 「はは…ごめん。でも、でもさ先生。おれ…レイコさんの」 続けようとした言葉は先生の唇で遮られた。頤に指がかかり仰向いたところを掬うように重ねられる。 「お前を代わりにした覚えなど一度もないぞ」 離した唇を軽く舐めた先生は、少しは自分を大事にしてみろ、とまたため息をついた。 「それに…約束はもう果たされているさ」 ──だって、私の── 「何のつもりだ、これは」 体の要所に貼りついた紙切れで身動きのとれない私の目の前には、荒縄を携え札をくわえたレイコが立っている。今にも雨粒が落ちてきそうで辺りは暗く、風になぶられる長い髪と紅い唇がいやに目についた。 「約束を果たしに来たの」 「約束だと?…お前、友人帳はどうした」 「結界を張って隠したわ。私にはもう使えないから」 「どういうことだ」 「私ね、あの時斑に食べて欲しかったの。本当よ?でもあなた食べないんだもの」 レイコが困ったように笑う。その間も私の足元に描かれた図形が拡がっていく。 「私を…封じる気か」 「お願いね、斑。まもって欲しいものがあるの。いっそ私が妖だったら良かったのだけれど……でもあなたがいれば大丈夫だわ。きっとさみしくない」 「レイコ、待て。何を言っているんだ」 「その子がいいといったら友人帳はあなたにあげる。きっと逢えるわ、だから」 ざあっ。一段と強い風がとうとう雨を呼んできた。ぽつりと落ち始めた雨粒は瞬く間に土砂降りに変わり、殆ど葉の残っていない木々と地面、私の純白の毛並みを叩く。 数枚の呪符とスカートの裾が風に翻り、レイコは伸ばした指に挟んだ呪符に向かい、低い声で何事かを呟いてそして。 それはそれは綺麗に、大輪の花が開く様に笑った。 「ふふ、ごめんなさい。これが約束の『暇潰し』よ。きっと退屈する暇なんてないわ」 嵐を遮って足元から風が巻き起こる。体を包むまばゆい光の向こう側から、レイコの声が届いた。 「だって……私の孫だもの」 40 :名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 18 17 28 ID MHvPvQh9 「貴志くーん、ごはんよー 「はーい」 布団を押し入れにあげながら夏目が返事をした。先生は丸くなっていたお気に入りの座布団から立ち上がり、ぽてぽてと障子戸に向かう。 「ん?…あれ?」 背後で襖を閉めた夏目が戸惑ったような声を出した。 「先生、あのさ。…もしかしてなんだが」 先生が首だけで振り返ると、足を止めたままの夏目の瞳に微かに怯んだ色が浮かんでいた。 「おれ……まさか先生の孫じゃないよな?」 「お前は本っ当にどん臭いな」 「なっ…」 はああああ、と先生は空気が抜けて風船みたいに真っ平らになりそうな勢いでため息をつく。わざとだ。 「阿呆が。それくらい匂いでわかるわ!お前のような軟弱者に私の血が流れているわけがなかろう。どうしてお前はそう単純なのだ。もういっぺん言ってやる、この阿呆!」 「純粋に疑問に思ったから聞いたのに、阿呆とはなんだ!」 「阿呆だから阿呆と言ったまでだこの阿呆!」 「くっ…原因は先生の説明が足りないからだろう…このエセニャンコ!」 「言うに事欠いてエセとはなんだ失敬な!それ位言われぬまでも悟れ!鈍感モヤシ!」 「どっ…鈍感?!言ったなデリカシーゼロニャンコ!」 普段通りに言い返している風に見えても、夏目はまだ揺らいでいる。その気持ちは解り過ぎる程に解った。 不安の理由、それは───自分は人外なのか。 いわれのない悪意を向けられ疎まれ続け、やっと見つけた居場所が一瞬で崩れる様に感じたことだろう。ただでさえ不安定な夏目の世界が、さらに不確かなものへと変化してしまうのだから。 「…案ずるな、情けない奴だ」 敢えて素っ気ない口調で先生は続けた。慰めてやらずとも、お前はもう大丈夫だろう。そんな想いを込める。 「レイコにだって好いた男はいたさ。名も顔も知らんがな。……先に言っておくがお前が気にすることではない。くよくよ悩まれると鬱陶しくてならん」 「…ああ」 息をするのを忘れていたというように、夏目が深く息を吸った。 「でも、先生とならそんな繋がりがあっても良かったかな。…ちょっとだけ」 「こっちは願い下げだ。下らんことを言う暇があるなら少しは面倒に関わる悪い癖を何とかしろ、阿呆」 貴志くーん、遅刻するわよ、と塔子が階下から夏目を呼ぶ。 「ほれ、朝めしが冷めてしまう。行くぞ」 そうだな、いつか話す時も来るさ。 今のお前は、手にしたものを自分から離さずにいるので精一杯だろうから。 レイコの話を聞きたくなったらまた教えてやろう。 私はずっとお前の傍にいるのだからな。 レイコも言っていただろう?だから。 「大丈夫だ」 どんなことでも。