約 592,757 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/254.html
ある男が居た。 まじめで、明るく皆から頼りにされる男だった。 そんな男は、洪水で氾濫しそうな川に土嚢を敷いている最中に川に流されて死んだ。 危険な箇所、誰も行きたくない箇所の作業での事故。 まさに、その男の生き様を象徴するような事故だった。 ……その男が残したレポートがある。 数冊にまとめられたそのレポートは、幻想郷に住まうある物体の観察を記したものだった。 その物体の種族名はゆっくり。 幻想郷で家・畑問わず荒らしまわっている害蟲である。 そのゆっくりについて書かれたレポートの、最初の観察を読んでみることにする。 今日から、ゆっくりについての観察したデータをまとめる事にする。。 記録などした事がないので、日記のようにまとめていこうと思う。 その日は長かった残暑もひと段落し、逆に暖房が欲しいほど冷えた10月の初め。 今日は近くの森からゆっくり霊夢の一家を家に連れてきた。 聞けば、何日か前に散歩から帰ると、魔理沙種に家を取られておりその日から何も食べていないらしい。 なるほど、近くの洞穴を見るとゆっくり魔理沙一家が元気よく過ごしていた。 これまた、ほのぼのする様な一家の光景だ。 「おじさんの家でゆっくりしないかい?」 籠から大きな肉まんを差し出しながら一家に提案した。 これだけで良い。 肉まんの足の先から羽に至るまで数分で食べつくしたゆっくり霊夢一家は、先程とは打って変わって、ワイワイと自分の後ろをついて来た。 「ゆっくりできるね!」 「おいしいものもたくさんたべれるね」 賑やかに後ろをついてくるゆっくり一家。 少ないが、食べ物を口に入れたことで少しは元気が出たのだろう。 「ここがおじさんの家だよ」 「ゆ! おおきいね!」 「おじさんのおうち、とってもおおきいね!」 ご機嫌を取ろうと、口々にお世辞の言葉を話すゆっくり達。 さすがに家のものを壊されちゃかなわないので、早々に庭の離れへと連れて行く。 離れは、和風建築の家には珍しく入り口は引き戸になっている。 その中は和風そのもの、違う点といえば珍しい石油ストーブが置いてあることだ。 珍しいものを見たからだろう、興味津々でその周りに集まるゆっくり一家。 「ゆゆっ! あったかい! おじさんこれあったかいよ」 「なつみたいだね!」 「それはストーブって言って、部屋を暖かくするものだよ。あんまり近づくと火傷するから気を付けてね」 放っておいて、そのままダイブしたら危ないので注意する。 直ぐに全員に伝わったらしく、はぁーいの大合唱が返ってきた。 「寒かっただろ、暫くここで過ごせばいいよ。外に出たかったら言ってくれれば何時でも出してあげるから」 「おじさんありがとう! ゆっくりするよ」 信用されたのか、あちらこちらに散らばっていたゆっくり達も、ゆっくりするよと声をかけてきた。 一家で散歩するなら、自分の畑に連れて行って取れたての野菜を食べさせるのも良いかもしれない。 きちんと、言って聞かせれば大丈夫だろう。 しかし翌日も、その翌日もゆっくり達は部屋から出てこなかった。 食事はきちんと与えているので、共食いの心配はない。 寧ろ最近は、食事の量を増やせといってきた。 快く応じる、どうせ野菜は一杯あるのだ。 ストーブも石油が切れないように心がける。 「おじさん! はやくいれてきてね!! ゆっくりできないよ!!」 「ゆっくりできないよ!」 お母さんゆっくりが偉そうに急かしてくるので急いで石油を入れる。 子供達が温まれないのを嘆いているのだ、無理に怒っても仕方が無い。 「ごめんね、遅れて。今火をつけるからね」 「おそいよ! もっとゆっくりはやくしてね!!!」 母親が強気に出ているのに気付いたのか、子供達も自分にタックルしてきた。 取り合えず、その場は謝って部屋を後にする。 一ヶ月と時間が過ぎて、綺麗な紅葉も地面に還ろうとしていた。 勿論、ずっと部屋に居るゆっくり達には、残念ながらその変化は感じられなかったようだ。 一緒に散歩に行こうと誘っても、ここでゆっくりしてるよと言って一緒にきてくれない。 母親に居たっては、途中で美味しいもの見つけてきてね、と言う始末だ。 しかし、初めに家でゆっくりしていいよ、と言ったのは自分なので悪くいう事は出来ないが、全く遠慮と言う言葉を知らないようだ。 それから更に一ヶ月あまり過ぎ、相変わらずゆっくり一家は離れに居座り続けた。 おそらく、ゆっくり達にとっては至宝の時間だったのだろうが、こちらもこの時期は色々と忙しい。 さすがに十数匹のゆっくりの面倒は見ることが出来ない。 残念だが巣に帰ってもらう事にするほか無いようだ。 「おじさんなにいってるの? ゆっくりたちのおうちはここだよ! はやくたべものもってきてね♪」 分かっていたことだが、ゆっくりの頭の中ではここが自分達の巣になっているらしい。 随分おめでたい頭をしてので、お母さんゆっくりにもう一度『お話を聞いて』貰ったら、今度は直ぐに嘘を認めた。 「ごめんなざい! ゆぐっりたべれだがらごごにいまじだ!」 誠心誠意謝ってくれた、あのゆっくりが自らの過ちを認めてくれたことは嬉しかった。 やはり話し合いと言うのは大事である、これはゆっくりにも共通しているようだ。 逆にこちらが恐縮してしまったので、離れる前に最後の食事として沢山のわたあめを持たせてあげた。 大きな袋に入れたので持てるかどうか不安だったが、子ゆっくりも全員きちんと口で挟んで運べるようで一安心。 「おじさん! こんなにありがとう!」 「おうちにかえってゆっくりたべるね!」 「さよなら!!」 「おじさんゆっくりしてね!!」 思い思いの言葉を話して別れを惜しむゆっくり達、全員が扉の前に集まったのを確認して扉を開けた。 ゆっくり出来たといっても狭い部屋だ、普段から広い外の世界を走り回っていたゆっくりは窮屈だったのだろう。 扉を開けたとたん勢いよく飛び出すゆっくり一家。 「ゆ! さむいよ」 「さむいよ! さっきまであったかかったのに!!」 「おじさん! へんだよ、きゅうにさむくなったよ!」 別に変な事は何もないんだけどなぁ。 「だって今は冬じゃぁないか。君達がこの部屋に住みだしたのは秋の初め頃だろ? 寒いだろうと思って今までストーブをつけていたのを忘れたのかい?」 ……どうやらそこまで馬鹿じゃないらしい。 俺が言ってから、少し時間がかかったが全員が理解したらしい。 おやおや、雪遊びでもしたいのかな? みんな元気よくガタガタとはしゃぎ回っている。 既に幻想郷は一面中銀世界だ、これだけ雪があればさぞかし楽しいだろう。 「それじゃあ、さよなら。気を付けて帰るんだよ」 楽しそうにしているゆっくり達家族の団欒に、踏み込むなんて無粋な真似はしないさ。 玄関の外まで案内したら、そう一声かけて門を閉じた。 ちょうどチラチラと雪も降り始めた、少し硬そうな雪なのであまり積もらないだろう。 目を閉じると、今までゆっくり達を過ごしていた日々が蘇った。 同時に何故一家を家に置いていたのかも思い出した。 参った、最近は忙しかったからすっかり失念していた。 イケナイ、イケナイ、善は急げだ。 幸い玄関先を確認すると一家はまだ近くにいたので、邪魔をしないように裏口から巣へ向かった。 ゆっくり一家の巣へまでは、これまで何度か足を運んでいるので簡単にたどり着いた。 さすがに冷えるのだろう、ゆっくり霊夢の巣の入り口には、以前来た時にはなかった大量の松葉と石で見事に塞がれていた。 時間が惜しいので乱暴に蹴り崩す、早くしないとゆっくり霊夢達が戻ってきてしまうかもしれない。 散らばったそれらを退かすと、中にはゆっくり団欒していた魔理沙一家。 皆一様に自分に視線を送っていた。 「おじさん、またきたの! ここはまりさたちのおうちなの! あとかられいむたちがうばおうとしたからおいかえしたの!!!」 またまた、お母さん魔理沙が突っかかってきた。 数匹の子魔理沙は随分と大人しいのだが、何時もこれが頑固に自分の家だと主張するので言い争いになっていた。 「もうすぐ霊夢たちが帰ってくるんだけど? やっぱりここを出て行かないのかい?」 「おじさんしつこいよ! ここh!」 時間が惜しい、やっぱり返事はいらないよ。 言葉の代わりに、お母さん魔理沙を外に引きずり出した。 「ゆゆ! おじさんなにするのゆっくりできないなら、すぐにゆっくりいりぐちをなおしてかえってね!!!」 「お菓子をくれようと思ったんだけど……」 「ゆっ! おかし! たべるたべる!! おじさんはやくちょうだい!!」 「わかったよ。おーい、君達にもあげるよ!」 「おじさん!! はやくちょうだい!!」 子供達を呼んでいる間中、お母さんゆっくりはずっとそんな事を言っている。 「わかったよ、口を大きく開けてね」 余りにも煩いので、先にお菓子をあげる事にした。 「!!!???」 涎を流しながら大きく開けている口へ勢いよく押し込める。 とても美味しかったのか、楽しく跳ね回っている親は放っておいて、子供達にもキンキンに冷えたアイスキャンディーを数本、口に押し込んだ。 やはり、親と同様に元気一杯跳ね回る。 ほのぼのとした雰囲気だったが、時間が迫っているのを思い出し、約束通り一家には他所へ移ってもらう事にする。 霊夢達に返してもらうよ、と一声かけて次々と裏側の崖へ落としていく。 この深い谷の下なら、洞窟も沢山あるし雪が入り口を塞いでくれるから、中はとっても暖かくなっているだろう。 別に子ゆっくりはここに残しても大丈夫そうだったが、以前よんだSF超大作にこんな台詞があった。 「間違った指導者を選んだ者の末路だ」 そういうことなので一家全員で、新しい家を探してもらうことにした。 食べ物も与えたし、巣を探しているくらいの間は大丈夫だろう。 あぁ、そういえば霊夢達もストーブの効いた部屋で美味しそうに食べていたなぁ。 ゆっくり達にとっては、冬場の方がアイスを美味しく感じるのだろうか? 夏場にあげた事はないからなんとも言えないが。 等と考えている間に、辺りは薄暗くなってきた。 それにしたがって辺りから物音が消えていく、無音の中で深々と雪が降っているだけだ。 急いで散らかしてしまった石や松葉をかき集める、これは霊夢たちが使っていたのかもしれないから。 しかし、中の食べ物は魔理沙達のものだろう。 さすがのゆっくりと言えども、家をのっとったモノの食べ物は食べたくないだろう。 仕方がないので、全て俺が持って帰ってあげることにした。 ヤギの餌くらいにはなるから。 黙々と袋に詰めていると、日は更に傾いていた。 同時に訪れる、普通の黄昏時とは違う恐怖心。 これ以上ここにいるとこちらの身も危ない、なによりゆっくり達とかち合ったら折角の親子水入らずの邪魔をしてしまう。 手早く荷物をまとめて家路を急いだ。 門の前に着くと、既にそこにはゆっくりの姿はなかった。 巣に戻ったのだろう。 空き巣を心配して裏口を確認するが異常は無いようだ、きちんと鍵をかけていたので当たり前と言えば当たり前なのだが。 その後、食事をして風呂に入り、この記録を書いている。 この二ヶ月間、ゆっくり達を観察して分かった事は以上の通りだ。 明日からは、町外れの木の室に住んでいるゆっくりパチェリーについて観察してみようと思う。 仲良しの霊夢種と魔理沙種と共に越冬しているかもしれないが、それはそれで貴重な記録が取れるかもしれない。 三匹くらいなら十分に面倒を見ることも出来る。 なにより、一人には広すぎる我が家が賑わうのは喜ばしいことだ。 あまり役には立ちそうもないが、ゆっくりを愛する人がこの記録を読んでくれることを切に願う。 想幻210年12月31日 パタン。 今読んでいた本を一旦閉じで目線を上げる。 その先には、紅茶とお菓子をお盆に載せた赤髪が綺麗な司書。 「小悪魔ご苦労様。取り合えず休憩にするから、紅茶をもう一つ持ってきてくれる?」 「??」 対する司書―小悪魔はキョトンとしている。 もうボケたのか? また唐辛子が入ってると思っているのか? いやいや、今日は入れていない 二個いっぺんに飲み干す魔法でもあるのだろうか?。 「あなたも一緒に飲みましょう?」 合点がいった、要するに一緒に飲んだくれよう、と言うわけだ。 「今度は何を読んでいるんですか?」 自分用の特上の紅茶を入れて戻ってきた小悪魔が尋ねる。 パチュリーが自身で手に入れてきた本なので、まだ内容は知らないのだ。 「ゆっくりを可愛がっていた男が残した飼育データよ」 紅茶の違いに気付き、手を伸ばしながら答えるパチェリー。 「そんな本だったんですか? それを持ってくるの苦労したんですよ。パチュリー様と違って、力のない私は水の流れを変えるのだって大変なんですから」 それよりも早くカップを口に運びながら答える小悪魔。 「濡れるのはあなた一人で十分よ。それにこれ面白いのよ、あなたにも後で読ませてあげるわ」 「はぁ。……おかわりをお持ちしますね」 本気でサマーレッドを撃とうとしている事に気付き、急いで特上の葉で唐辛子入り紅茶を作りにいく小悪魔が答える。 外に出歩かず、ゆっくりを見たことがなかった二人は、アレ以来ゆっくりをいじめる事がブームになっていた。 「本当に興味深いわよ。この資料」 男の願いが叶い、その資料はとてもゆっくりを愛している魔女の大図書館に、大切に保管させるだろう。 おまけ編
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1239.html
序章 今、幻想卿にて注目を集めている「ゆっくり加工所」。野生のゆっくりのみならず、繁殖まで手がけ、人間、妖怪等を問わず好ま れる甘味を身近なものにした革命的な施設だ。 しかし、ある日そんなゆっくり加工所にて事件が起こる。 一人の新人作業員の管理ミスによって、ゆっくりをギュウギュウに詰め込んだ檻が開いてしまったのだ。 「ゆっくりーっ!!!」 今まで窮屈な檻の中に入れられていたゆっくり達は、歓喜の声をあげながら我先にと檻の外へ、そして、その部屋からいっせいに駆 け出す。通常、非常事の為に野生ゆっくり禁固室にて作業をする際は万が一のゆっくり脱出防止のため、禁固室そのものにも鍵をかけ る決まりなっているのだが、その新人は鍵をかけるどころか、ドアを半開きのまま作業をしていたようだ。(その新人は何でも上司が 脱税で捕まって職を失った元死神だとか---。いや、今はそんなことはどうでもいい) 加工所には緊急のブザーが鳴り響き、警備員や他の作業員がいっせいにゆっくりの回収に向かう。 とは言っても、ゆっくりの脱出はよくある話、ゆっくり達の体では、ドアノブすら満足に回せないのだから、どんどん捕らえられてし まう。 「やめて!おじさん!ゆっくりしたいよ!」 「おそとにでたいよ!ゆっくりさせてね!!!」 「ゆっくりさせてよー!!!」 ほとんどのゆっくりが捕らえられていく、しかしそんな中、命からがら別室へと逃げ込んだゆっくり達がいた…。 第一章 作業員、警備員の目をくぐり抜け、ゆっくり加工所の機械室と呼ばれる広い部屋に逃げ込んだのは、この四匹のゆっくりだ。 まずは、ゆっくりれいむ…ゆっくりまりさと並んで、最も数の多いゆっくりだ。かわいらしいのだが、どこか憎たらしい笑顔がポイ ントだ。 そして、頭に黒い帽子をかぶったゆっくりは、ゆっくりまりさだ。ゆっくりれいむと同じく、主に万人受けする餡子の原材料とな っている。 ゆっくりちぇん、「わかるよーわかるよー」が口癖の比較的すばしっこいゆっくりだ。 4匹目のゆっくりみょんは、顔立ちはゆっくりれいむによく似ているが、白い髪に飾り付きの黒いカチューシャがトレードマークで、 「ちーんぽっ!」などと、独特な鳴き声をあげる。 この4匹は、檻の中で何度も励ましあった仲で、硬い信頼で結ばれていた。 「みんなでおそとにでて、みんなでゆっくりしようね!!!」 4匹のゆっくりの、自由を手にするための冒険が今、幕を開けた。 機械室は、電球だけの薄暗い空間のうえ、蒸気のせいもあり視界が不鮮明となっているうえ、そこらじゅうに在る機器のせいで酷く 入り組んでいて非常に進みづらい。 そんな中、少しづつだが奥に進んでいく四匹のゆっくり達。ふと、ゆっくりちぇんが上を見上げると。 「ひかりだよ!わかるよ!でぐちがわかるよ!」 天井に近い壁の部分に、機械室の中に太陽の光を差しこませている穴がある。 「ほんとうだ!あそこまでいけばゆっくりできるよ!」 それは、まさにゆっくりたちにとっての希望の光だった。 その穴は、優に20mはあるだろう高さに位置していたが、幸い、作業員用の階段、足場、または、機械、そしてあたりに張り巡ら されたパイプの上を進んでいくことで、ゆっくり達は何とかあの光へたどり着くことができるであろうことを、認識した。 「いこう!」 「はやくみんなでゆっくりしようね!!!」 あの楽しかった森や草原へ帰ることができる…。ゆっくり達は希望に胸を膨らませ、階段を登っていく。4匹のゆっくり達はぴょん、 ぴょんと足場から足場へと軽快に進んでいく。外に出ることができるという期待感が、ゆっくり達の歩みを後押ししてくれているのだ ろう。 しかし、ゆっくり達はある足場で、立ち止まることになる。 「ゆっくりとべるかな?」 その足場は、次の足場であるパイプまでの距離が若干長く、ゆっくり達のジャンプ力では届くかどうかが微妙なところであった。 「ゆっくりとぶよ!!!」 声をあげたのは、ゆっくりちぇんだ。この4匹の中では一番ジャンプ力のあるゆっくりだ。 「ゆっくりがんばってね!!!」 「わかるよーとべるよー」 自信満々のゆっくりちぇん。 また、他の三匹がこんな切羽詰った状況で、しかもほんの30分前までは檻の中で絶望に打ちひしがれていたにもかかわらず、「ゆ っくり、ゆっくり」等と言ってられるのは、ゆっくり達の低い知能ゆえの性質だろうか。しかし、そんなゆっくり達の明るいムードは、 これから起きる光景を目のあたりにして砕けることになる。 ぴょん!と跳ぶゆっくりちぇん。その跳躍は、パイプへと着地するには十分だ。 見事、ぷにんと着地するゆっくりちぇん。 しかし、 「ゆううううううううううーーーーーーーーーっ!!!?」 着地した瞬間に悲鳴をあげる、ゆっくりちぇん。 「ゆっくり!?」 何がなんだか理解できない、ゆっくりれいむ、ゆっくりまりさ、ゆっくりみょん。 今までゆっくり達が足場にしていたパイプは、排水を送る為のパイプで、足場として何の不自由のないものだった。しかし、ゆっくり加工 所に通っているパイプはそれだけではない、そう、ゆっくりちぇんが着地したそのパイプは、工場内の機械から発する高熱を逃すための、 パイプだったのだ。そのため、パイプは常時超高温となっており、大抵の大人の人間ならば、見ただけでもそのパイプが危険なものだとわかるだろ う。 「ゆぐぐぐぐぐぐggggggーーーーーーーーっ!!!」 超高熱によって苦しみもがくゆっくりちぇん。もし、周りで見ている人間がいるなら、はやく別の足場に飛び移ればいいじゃないか、と思うかもし れない。だが、既に着地の瞬間の重みで、ゆっくりちぇんの体は、キンキンのパイプに焼きついてしまっていたのだ。 「はやくもどってね!!!はやくもどってね!!!」 尋常ではないゆっくりちぇんの叫び声に、3匹のゆっくりは声を張り上げる。 「わからないよ!!!わからないよおおおおお!!!」 絶望の雄叫び、何故自分がこんな目に遭うのか、ゆっくりちぇんは理解できない。 体の底を固定され、もがき苦しむだけのゆっくりちぇん。 後ろで見ている3匹のゆっくりからは、ゆっくりちぇんの凄まじい形相は見えてはいない。それが逆にゆっくり達に恐怖を与えている。 そして次の瞬間、何と、ゆっくりちぇんの体がブクブクと膨らんでいく。 「ゆヴヴヴヴヴヴうううううぶぶぶブブブブブブウbーーーーーーーーっ!!!!」 パイプの高熱によって、ゆっくりちぇんの体内のゆるい餡子が沸騰したのだ。ただ膨らむだけではない、体がボコボコと醜く膨張していく。 「ゆっくりしてね!!!ゆっくりしてね!!!」 目の前の光景が理解できず、混乱し、目に涙を浮かべながら叫ぶ3匹のゆっくり。 そして---。 バアアアアアアンッ!!! 爆発するゆっくりちぇんの体。 飛び散る餡子、皮………。 「ぢぇぇぇーーーーーーーーん゛!!!」 飛散した餡子がゆっくり達に襲い掛かる…が、幸い距離が離れていたため、わずかな火傷ですんだ。 悲しみを受けるゆっくり達。 「もっといっしょにゆっくりしたかったよ!!!」 友達を失った……。それだけではない、残されたゆっくり達はまた、戻って別のルートを行かなくてはならないのだ。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3083.html
その2より 「ほれ、今日からここがお前の部屋だ」 そう言って、男はれいむを木箱から取り出すと、乱暴に投げ捨てる。 虐待を終えた男は、れいむを密閉された木箱に詰めて、この部屋まで運んできた。 部屋は二畳半の小さな畳部屋だ。 憔悴しきったれいむは、まともに体を起こすことも出来ずに、床にうずくまったまま動けずにいた。 「今日の虐待はこれで終了だ。ゆっくり休むといい。ただし、今日は初日ということもあって手加減してやった。明日からは、もっと辛い目に逢ってもらう。精々気を強く持てよ」 全くもって虐待した男のセリフではないが、男は気にせず言葉をかける。 その後、れいむに背を向けドアに手をかけたところで、「そうそう忘れていた」と、首だけれいむの方に向きなおした。 「お前の絶叫が一番心地よかったよ。明日もその調子で頼むぜ!!」 またしても全くもって嬉しくない言葉をかけながら、男は笑いながら部屋を出ていった。 ドアを閉めて、カチャカチャと外から施錠する。 次第に足跡は遠ざかっていった。 れいむは男が去ると、力を振り絞って、ナメクジのように床を這い、部屋の隅に向かう。 そこにはドッグフードと水、ペラペラな毛布が置かれていた。れいむが死なないように、男が置いておいたものだ。 れいむはドッグフードに口を付ける。 安物のドッグフードであるが、普段ゆっくりが口にする虫や花とは比べることが出来ないほど美味であった。 しかし…… 「ゆっ……ゆげっ!! ゆがっ!!」 れいむはドッグフードを吐き出してしまう。 男の虐待で衰弱したれいむの体が、食べ物を受け付けないのだ。 それでもれいむは無理やりドッグフードを食べ続けた。 明日には今日以上の拷問が待っている。体を回復させるには、無理やりにでも食べなければならない。 ドッグフードを口に入れては、水を飲んで体内に流し込む行動を繰り返す。 れいむは泣いた。一体これで今日何度目だろう。 何で自分がこんな目に遭わなければならないのだ。今日何度そう考えただろう。 れいむは男がなぜこんなことをするのか分からなかった。 いくら呑気なれいむとは言え、今まで苛めや悪いゆっくりを見たことがないわけではない。 友達と喧嘩して苛められたこともあるし、苛めたこともある。 ゲスと言われる個体の暴力を目撃したこともある。 しかし、彼女たちにはそうする理由があった。 昔れいむは親れいむからリンゴを貰ったことがある。 ゆっくりにとって、リンゴなど滅多に食べられない嗜好品であった。 れいむはそれを友達と分け合ったが、我儘な子が多めに取ってしまい、大きさの違いからつい喧嘩になってしまった。 そしてその子は、ずるい・卑怯と罵られ、れいむを含む全員から苛められた。 その後、苛められたその子が均等に分けたことで、事態は収まった。 苛められたのは自業自得であり、苛めた方にも共感できる。 またある時、ゲスと言われる数体が群れを襲いに来た時があった。 何でも怠けていて冬場になっても食料を確保しておらず、どうしようもなく食料を奪いに来たらしい。 その時は、れいむの親のぱちゅりーの作戦が功を奏し、ゲスは一掃された。 怠けていたのは自分の責任であり、人の物を盗むなど腹立たしいことこの上ないが、これもある意味理解は出来る。 自業自得とは言え、食料がなければ冬は越せず、生きるか死ぬかの瀬戸際なのだ。向こうも必死だったのだろう。 取り分の多い子が苛められたのは、取り分を公平にするため。 ゲスが暴力を働いたのは、食料を確保するため。 群れがゲスを駆逐したのは、群れの食料を守るため。 このように苛めや暴力を見ないで育ってきたわけではない。 だがそれは、所謂手段であって、目的ではなかった。目的を果たすために、力で訴えたのだ。 れいむも、多くリンゴを取ったその子を、苛めたいと思って暴力を働いたわけではない。 それしか手がないからそうしたのだ。 しかし、男は違った。 特別な目的があって、れいむを苛めたわけではない。苛めそのものが手段であり、目的であった。 いや、強いて言うなら、ゆっくりを苛めることで感じられる満足感や充足感・カタルシスを得るためだろう。 可愛いから苛めたい、好きだからからかいたい。程度の差はあれど、人間誰しもが持つ普遍的な気持ちである。 しかし、ゆっくりにはこれがない。 可愛いから可愛がる、好きだから愛し合う。単純にして明快。ゆっくりにはこの考えしかない。 根底の価値観が、人間とゆっくりではそもそも違うのだ。 れいむには一生かかっても、男の考えが分かるはずがなかった。 れいむは、ドッグフードを無理やり体に詰め込むと、毛布にくるまった。 季節は秋。夜になれば、シンシンと冷たい空気が全身を襲う。 いくら薄っぺらいとは言え、人間の毛布はとても柔らかく温かい。全身をくるめば、正に天国のような心地よさだ。 しかし、それとは対照的に、れいむの心はとても寒かった。 何もしていないと、どうしても憂鬱な気分になってしまう。あの辛い虐待の時間を思い出してしまう。 もう早く寝てしまうに限る。 れいむは目を瞑り、意識が飛ぶまでいろいろなことを考え、あの辛い時間を忘れ去ろうとした。 今頃お母さん達はどうしているだろう? 元気かな? れいむのこと心配してるかな? 友達はみんな元気かな? いいお相手を見つけたかな? もしかして子供が出来たりした子もいるのかな? れいむも将来はまりさみたいなゆっくりと結婚したいな。 そういえば、まりさはどうしたのかな? ちゃんと生きてるんだよね? 一体どこにいるんだろう…… 「まりさ……」 ふとまりさの名前を呟くれいむ。 返事を期待したわけではない。そもそもこの部屋にはれいむ一匹しかおらず、返事が帰ってくるはずはない。 しかし、神様はたった辛く苦しいれいむに一つだけ加護を与える気になったのだろうか? 「……ゆっ? だれかまりさをよんだの?」 「!!!」 それは確かにまりさの声であった。 れいむはそれに気づくや、全身が痛いことも忘れて、毛布から飛び出した。 「ま、まりさなの? どこにいるの?」 大きな声でまりさに呼び掛ける。 しかし、東西南北どこを振り向いても、まりさの影も形も見当たらない。 「まりさ、かくれんぼしてないで、でてきてね!!」 「ゆぅ……そのこえはれいむだね!! どこにいるの?」 「ここだよ!! ゆっくりでてきてね!!」 「ここってどこなの? どこにもれいむはいないよ?」 「ここだってば!! わからないの?」 焦れたれいむは、まりさの声が聞こえる方に足を向ける。 しかし、そこにはだた部屋の壁がそびえ立っているだけであった。 こうなると、さすがにれいむも気が付いたのだろう。 その壁に向かって、言葉をかけてみる。 「もしかして、このかべのなかにいるの?」 「まりさはかべのなかにはいないよ!! おおきなおへやのなかにいるんだよ!!」 「ゆゆっ!! おおきなおへや?」 「そうだよ!! おへやだよ!!」 ようやくれいむは理解できた。 どうやら壁の向こうには大きな部屋があって、まりさはそこにいるらしい。 要するに壁伝いに会話を交わしていたということなのだろう。 「まりさ、ぶじだったんだね!! ゆっくりよかったよ!!」 れいむは壁に向かって、感情を爆発させた。 まりさがいる!! 例え姿が見えなくても、こうして壁越しに会話を交わせるだけで、不安に押しつぶされそうだった状況が、ガラリと一変した。 明日も今日のような虐待を受けることは変わっていないが、大好きなまりさを側に感じられるだけで、心の持ちようが変わるというものだ。 「れいむもぶじだったんだね!! ゆっくりあんしんしたよ!!」 「うん!!」 「でもありすはどうなったのかな?」 「ゆゆっ!?」 れいむは、ありすの名を出されるまで、すっかりありすの存在を忘れ去っていた。 薄情とは言うなかれ。まりさのことも、ついさっき思い出したばかりなのだ。 それだけ男の虐待が、れいむの餡子脳のウエイトを占めていたということである。 考えてみたら、自分の前にありすも虐待をされていたのだ。 元々ありす種に持っている感情や、さっきの泣いてばかりの姿を見たこともあって、未だあまりいい感情は持っていないが、それでも同じ虐待を受けた運命共同体である。 ほんの少し会った限りでは、れいむがありすに感じた感想は、行動力に乏しく、泣き虫といったものである。 れいむ自身も、さほど強くも勇敢でもないが、ありすに比べたらマシであろう。 少なくとも、男がまりさを虐待している最中、れいむは何とか部屋から出ようともがいていたが、ありすはひたすら泣いていただけであった。 このことから見ても、ありすがそれほど強いとは思えない。 そんなありすが、あの酷い虐待に耐えられたのであろうか? 心配である。 何のかんの言いつつ、ありすの心配をするあたり、結局のところ、れいむはお人よしなのであった。 「ありす、しんぱいだね……」 「ゆぅ……そうだね……」 二匹の間にしばし沈黙が流れる。 まりさも余程ありすのことが心配なのだろう。 自分も相当痛い目を見せられただろうにと、れいむは自分を差し置いて、まりさのやさしさに感心した。 と、そんなときであった。 カタッ 唐突に、れいむの背後から物音が聞こえてきた。 まりさが居る場所と真逆の方向である。 れいむは慌てて背後を振り返る。 この部屋にはれいむ以外誰もいなかったはずだが、今の音はいったい何だろう? キョロキョロと当たりを確認するも、思ったとおり、誰も存在しなかった。 「れいむ、いったいどうしたの?」 壁越しなのに、れいむの不審な行動が見えたのだろうか? まりさがれいむに問いかける。 「まりさ、いまおとがしなかった?」 「おと? ゆっくりきこえなかったよ?」 「ゆぅぅ……れいむのききまちがいかな?」 確かに何か音が聞こえたと思ったのだが、まりさには聞こえなかったらしい。 まりさの言葉に、れいむも聞き間違いかと思った瞬間、 ガタッ! さっきより一段と大きな音が、れいむの耳に入ってきた。 再び背後を振り向くも、やはり物陰一つ見当たらなかった。 不審に思うれいむでったが、今度は先ほどと状況が違った。 まりさから反応が返ってきたのである。 「ゆゆっ!! れいむ、まりさにもおとがきこえたよ!!」 「ゆっ!? やっぱり!!」 今の大きな音は、まりさの耳にもしっかり届いたらしい。 やはりさっきのはれいむの聞き間違いではなかったようだ。 「れいむ!! いまのおとはなんなの?」 「ゆー……わからないよ」 「もしかしておにいさんがまたきたのかな?」 「ゆっくりいやだよ!! もうきょうはいじめないっていってたよ!!」 「ゆっ、そうだったね!! それじゃあ、なんのおとだろう?」 「……ゆっくりれいむがしらべてみるよ!!」 音のした位置から見て、正反対の部屋にいるまりさには確認する術はない。 れいむは恐る恐るまりさのいる壁際から離れ、物音がしたほうに進んでいった。 「そろ〜りそろ〜り……」 キョロキョロ当たりを注意深く確認しながら、すり足でまりさと反対の方向に足を向ける。 しかし、狭い部屋の中にはやはり誰もいなく、すぐに対面の壁際に着いてしまう。 が、そこは、まりさの例もある。 もしかして、まりさ同様、この壁の向こうから音がしてきたのではないだろうか? そう考えたれいむは、壁に向かって声をかけてみた。 「そこにだれかいるの? いたら、ゆっくりへんじしてね!! ゆっくりおどろかすのはなしだよ!!」 れいむが言葉をかけると、その声に反応してか、再び物音が立った。 やはりそこに誰かるのは間違いなかった。 れいむの言葉に、しばらく返事は返ってこなかった。 それでもれいむは焦らず辛抱強く返事が返ってくるのを待っていた。 れいむ自身、恐怖があったので、あまり強く言えなかったこともある。 すると、ようやくれいむの言葉に返事が返ってきた。 「ゆぅぅ……そこにだれかいるの?」 それは余りに弱弱しい声であった。 しかしながら、れいむはその声に聞き覚えがあった。 「ゆゆっ!! もしかして、そこにいるのはありす!?」 「ゆっ!? このこえ、れいむなの!?」 それは数時間前に知り合い、すぐに別れることになってしまったありすの声その物であった。 向こうもどうやられいむの声だと気づいたのだろう。 弱弱しかった声が一変して、驚きを含む大声に変わった。 「ゆっ!? ありす? ありすのこえがきこえたよ!!」 「ゆゆゅ!! まりさなの? このこえは?」 まりさにも、今のれいむとありすの会話が聞こえたらしい。 どうやられいむの居る部屋を中心に、右側がまりさの部屋、左側がありすの部屋と、三つ連なっているようだ。 結界の外の世界とは違い壁に防音対策など施されているはずもなく、また二畳半というれいむの部屋の狭さから、まりさとありすが会話出来ても何ら不思議ではない。 「ほんとうにまりさとれいむなの!?」 「ゆっ!! ほんとうにれいむだよ!!」 「そうだよ!! まりさはここにいるよ!!」 「ゆゅ……ゆっ……ゆ、ゆあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!! まりさああああああぁぁぁぁぁ――――――!!! れいむうううぅぅぅぅ――――――――!!!!」 そこに二匹がいると知ったありすは、恥も外聞も関係なく、いきなり泣き出し始めた。 れいむは突然のありすの行動に驚き、「どうしたの!?」と聞きそうになって、ふと唇を結んだ。 そんなこと聞くまでもなく分かっている。 怖かったのだろう。 痛かったのだろう。 辛かったのだろう。 寂しかったのだろう。 すべて自分も体験したことだ。身を持って実感している。 ふと気付けば、れいむのありすに釣られて、目尻にも涙が溜まってくる。 まりさもそんなありすに何も言ってこない。 気持ちは痛いほど分かるのだろう。 もしかしたら、れいむのように釣られて泣きそうなのかもしれない。 数十分もの間、ありすは延々と泣き続けた。 その間、れりむとまりさは、一言も口を開かなかった。 「……みっともないところをみせたわね!! ちょっととかいはらしくなかったわね!!」 ありすは落ち着いたのか、ようやく泣き止んだ。 れいむも毛布で溜まった涙を拭き取る。 とにかくまりさに続いて、ありすが無事なことも確認できた。 恐怖はそうそう拭えないが、一匹でいるのと三匹でいるのでは、安心感が全然違うというものだ。 「そんなことないよ!! あんなひどいことされたら、ゆっくりしょうがないよ!!」 「そうだよ、まりさのいうとおりだよ!! れいむもいっぱいないたし、きにすることないよ!!」 「あ、ありがとう!! ま、まあ、とかいははせんさいだから、ちょっとくらいないてもしかたがないのよ!!」 こんな場合だというのに都会派を気取りたがるありすに、れいむは少しだけ呆れながらも、感心してしまう。 よくあんなに気を張っていて疲れないものだ。体力的にも相当キテいるだろうに。 まあ親ぱちゅりーの言っていたように、都会派どうこう言っても、こちらが気にしなければ別にどうということはないので、れいむとしてはどうでもいいことなのだが。 「ところで、れいむとありすはおにいさんにどんなことをされたの?」 まりさが質問してくる。 正直れいむは思い出したくもなかったが、明日も続くことだし、情報交換はしておいた方がいいと考えた。 うまく対策を立てられれば儲けものである。 「ゆぅぅ……れいむは、ほそいぼうをいっぱいあたまにさされたよ」 「ありすもれいむとおんなじよ」 今日男がれいむに加えた虐待は、虐待としては一般的でオーソドックスな針を使った虐待である。 裁縫針を一本一本頭に刺していくというただそれだけのことだが、侮るなかれ、その効果は絶大である。 ゆっくりは外面に対する衝撃には比較的強いが、内面に対する衝撃には呆れるほど弱い。 ゆっくりを知らない人はよく勘違いをするのだが、成体のゆっくりは饅頭というその体に反し、以外と頑丈に出来ている。 ゆっくりは成体になるにつれて、皮の厚さが増し、中の餡子やクリームが硬くなってくる。 そのためパサパサになって味が悪くなるのだが、それと引き換えに野外で活動するための頑丈な体が整ってくる。 人間の里のように整理された歩道などは、自然界にありはしない。 デコボコした山道を駆けたり、鋭い砂利の上を跳びはねたりするし、時には木や岩に体当たりをしたりするのだ。 無論状況によっては怪我をするし、体当たりをする場合でも、あまり力を入れてぶつかると自分の方が痛くなるのは、先程のれいむの壁への体当たりや、男に蹴られた場面を見れば分かるだろう。 しかし、人間が作る饅頭のような強度では、そもそも自然界で生活することなど不可能である。 ゆっくりは衝撃に強い(当社比)。これがゆっくりの事実である。 しかし、それはあくまで外面のことである。 如何に外面が強くなろうと、中まではそうはいかない。 体を鍛えに鍛えた人間が、歯の神経に触れられて痛みを我慢できないように、ゆっくりも内面までは強化・成長することは出来ない。 ゆっくりの餡子に神経があるのかは不明だが、少なくとも痛覚があることは間違いのない事実である。 結果、分厚い皮を通り越して餡子を直接刺激する針の虐待は、単純ではあるが、これでもかというほどれいむを苦しめる結果となったのである。 「まりさもおんなじだよ!! とってもいたかったよ!!」 「あしたもあんなことをされるのかしら……」 「ゆぅぅ……ゆっくりいやだよぉ……」 「いたくならないほうほうを、ゆっくりかんがえようね!!」 「でもきょうのはてかげんしたって、おにいさんがいってたよ!! あしたはきっともっとひどいことをされるよ!!」 「ゆっ!! そうだったね……」 「ゆぅ……」 対策を立てるつもりが、逆に落ち込んでしまうれいむ。 そもそも、万事が男の都合で動くのに、対策など立てようがないのだ。 せいぜい媚を売って軽減してもらうか、最悪自殺でもしない限り、この状況から抜け出せることはない。 とは言え、虐待する気満々の男に媚を売っても聞くはずはないし、ゆっくりにはそもそも自殺という概念が存在しない。 自分で自分を殺すということに、理解が及ばないのだ。 その後、結局有益な情報交換も出来ないまま、適当に男の悪口を言ったり、明日も頑張って耐えようと励ましあったりして、会話はお開きとなった。 れいむは、もう少し二匹と話をしていたかった。 言葉を交わしていないと、不安に押しつぶされそうになるのだ。 しかし、まりさもありすも、男の虐待によって、心身共に疲れ切っている。 れいむの我儘でこれ以上二匹を疲れさせるわけにはいかなかった。 男は虐待に飽きたら森に帰すと言ってくれた。 まりさやありすはその言葉に懐疑的であったし、れいむもいくら呑気者とはいえ、男にあれだけのことをされて、その言葉をホイホイと信じるほど愚かではなかった。 しかし、それでも今はその言葉にすがる以外、この苦境から出る術が無いのも事実である。 明日を、明後日を乗り越えるためにも、こんなところで無駄に体力を使ってはいられない。 れいむは再びドッグフードと水を体に詰め込む。明日に残る体力は、多ければ多いに越したことはない。 その後、毛布で全身を包み、固く目を瞑る。 明日行われるであろう男の虐待を否応なしに想像してしまうれいむだが、次第に体の疲れがそれを遠くに押しやった。 れいむは意識は、深い深い底に沈んでいった。 れいむが男に連れてこられて、一か月が経過した。 たかが一か月。しかしそれは、れいむの人生において、もっとも辛く、もっとも苦しく、そしてもっとも痛い一か月であった。 二日目にされた虐待は、辛い物地獄。 初めに唐辛子を無理やり口の中に詰め込まれた。 これもゆっくり虐待の定番の一つである。 「ゆぎゃああああぁぁぁぁぁぁ―――――――――!!!! いだいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――――!!!!!」 余りの痛みと熱さに、れいむは虐待部屋を駆け回る。 壁に体当たりをしたり、唇を噛んだりと、自分で痛みを作り出して、辛さを和らげる。 途中、自分でしておいてそんなれいむが気の毒に思ったのか、「れいむ、ほら水だ」と、男がボトルを渡してきた。 ゆっくりでも飲めるように、先にはストローが刺してあり、れいむはゆっくりに有るまじき速さで、それに食らいつく。 しかし…… 「ゆぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――――――――――――――!!!!!」 そもそも、虐待を楽しむ男が水など寄こすはずもないのだ。 しかし、朦朧とした頭でそんなことを考えることが出来るはずもなく、れいむは男が寄こしたタバスコを一気に飲み上げ、口から火を吐き出した。 その後、男は「おっと、落としちゃったよ」とワザとらしい口調で七味をれいむの目に掛けたり、注射器で直接れいむの体にワサビを注入したりと、れいむを弄んだ。 れいむにとっては一生にも匹敵する一時間が過ぎると、「もう終わりか」と、実に残念そうにれいむを木箱に詰めて、元の部屋に帰した。 ちなみに男はれいむをこの虐待部屋に連れてくる時や戻す時、決まってれいむを木箱の中に詰めて部屋を行き来する。 これは男がある意図を持ってしていることであるが、それはいずれ分かるので、ここでは説明を省かせて頂こう。 部屋に着くや、れいむは桶に張ってある水の中にダイブした。 汚れを防ぐために敷かれたブルーシートに、水が飛び散る。 本来の用途は飲料であるが、そんなことを気にしていられるはずもなく、れいむは体がふやける限界まで、水に浸り、飲み続けた。 地獄から一転、天国のような心地よさ。 しかし、れいむのこの行動はあまりにも軽率すぎた。 部屋には毎日桶一杯の水しか設置されていない。 一日過ごすだけなら、その一杯で十分であり、何ら支障はない。 ところが、れいむは考えなしに水を使いまくったおかげで、水が空になってしまったのだ。 少しずつ飲んでいれば一日くらい持ったかもしれないが、水がないおかげで、一日中口の中が痛く、その夜れいむは寝ることが出来なかった。 寝れなければ、体力を回復することも出来なく、後日、れいむはさらに酷い虐待を味わうこととなってしまった。 ある日の虐待は、一時間、ひたすらケツバットをされたこともあった。 前述の通り、ゆっくりは外面への衝撃には比較的強い耐性を持っている。 しかし、男の尻叩きの威力がハンパなかったことと、同じ個所を延々と叩きつけられたことによって、その耐性ももはや意味を持たなかった。 「やめでえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――――――!!!!!」 紐で縛られ、天井から吊るされたれいむは、目を真っ赤にしながら男に止めてと懇願する。 それで止めるかといえば、言うまでもなく…… 「さあ、ピッチャー振りかぶって投げた!!! カッキーン!!! これは大きいぞ!!! 入った、ホムーラン、ホムーラン!!!」 自分の実況に合わせて、盛大にバットを叩きつける。 叩きつけられた衝撃はとてつもなく、れいむはそのまま天井と熱烈なキスをかます。 「ゆぶっ!!!!!」 その後、振り子のように戻ってくるれいむを、「特打でも始めるかね」と、野球少年のように目を輝かせて、バットを振り始める。 「ゆぎゃ!! ゆびっ!! ゆがあぁ!! ゆっ!! ゆごっ……………」 何十何百とれいむを打ち続ける男。 その眼はまるで高校球児のように輝いている。 最近、腹が出てきたことも、男をやる気にさせる要因の一つだろう。 部屋にかけてあった鳩時計が時間を知らせると、「ふう、いい汗かいたぜ」と、実にさわやかにタオルで汗を拭い取った。 その後、いつも通り、れいむを箱に詰めて部屋に戻す。 れいむは、その日も余りの痛さに、長い夜を眠れず過ごすことになった。 またある日は、こんな虐待もあった。 れいむは、疲れていた。 虐待なんてされているのだから、疲れているのも無理はないが、ここ最近は眠れない日が続き、いよいよもって心身共に限界に来ていた次期であった。 そんなれいむの事情を知り、さすがにまずいと思い始めた男は、プログラムを変更し、れいむを休ませることにした。 と言っても、虐待を抜くわけではない。 「れいむ、今日は一切暴力はなしだ」 男がれいむに言った。 れいむは信じられなかった。 今まで十何回も自身を痛めつけてきた男の言葉だ。 何度も甘い言葉を吐いてはれいむを騙し、それを見て嘲笑う男の言葉だ。 どこに信じられる要素があるというのだろう。 しかし、男はそんなれいむの考えなどどうでもよく、淡々と虐待の作業を行っている。 用意が終わると、「これを見ろ」と、れいむに命令する。 反抗したいが、反抗すればそれだけキツイお仕置きが待っている。 もうすっかり慣れた物だ。 男が見ろと言った物に目を向けると、それは箱だった。大小二つの箱が、れいむの目の前に置かれている。 と言っても、最初にれいむが入っていた木箱ではない。 訳の分からないれいむに、男が説明をしてくる。 「これは“てれびじょん”、そしてこっちは“べーた”というものらしい。この二つを組み合わせることで、なんと絵を映し出すことが出来るという優れものだ。 最近、幻想郷に結構入ってきている物らしくてな。ここに来るってことは、外の世界で忘れられた物なんだが……こんな便利な物がどうして忘れられるのかねえ?」 男は不思議だと首をひねる。 その後、「まあいいや」と、男は箱に付いている凹凸を押したり、回したりした。 すると、突然箱の中に、ゆっくりが出現しだした。 「ゆゆっ!!」 れいむは驚き、箱を凝視する。 箱の中には白黒のゆっくりがおり、元気よく走りまわっていた。 ゆっくりに限らず、箱の中の木も草も花も空も、すべてが白黒であった。 「ど、どうして、はこのなかにゆっくりがいるの? なんて、みんないろがついていないの?」 「さっきも言った様に、これは絵を映し出す魔法の箱だ。このデカいカメラで撮ったものは、“てーぷ”に収められて、これで映し出すことが出来る。白黒なのは仕様だから気にするな」 「ゆぅぅ……」 男の説明は全くもって意味不明であった。 しかし、れいむにはそんなことはどうでもよかった。 久しぶりにゆっくりの姿を見れた。 まりさとありすとは、毎日のように言葉を交わすも、初日以来、一度も姿を見ていなかった。 それだけに、白黒とはいえ、箱の中で楽しそうに遊んでいる同胞たちの姿を見て、れいむの疲れ切った心と体は、久しぶりに潤いで満たされ始めた。 「どうだ、楽しそうだろう」 男がれいむに声をかけてくる。 れいむはと言えば、一瞬男が敵であることも忘れて、嬉しそうに反応する。 「ゆう!! たのしそうだよ!! れいむも、みんなといっしょにあそびたいよ!!」 久しぶりに浮かべるゆっくりした笑顔。 しかし、これは虐待の一環。 それが今日最初で最後の笑顔であった。 ザアアアアアアアァァァァァァァ―――――――――― 「ゆっ!?」 突然、箱に砂嵐が舞い降り、映像が見えなくなった。 れいむは男に問いただそうとした瞬間、すぐに砂嵐は収まった。 「ゆゆっ!! もとにもどっ……………………ゆゆゆゆゆっ!!!!!」 映し出されたそれを見て、れいむは目を疑った。 一瞬にして、笑顔が凍りつく。 そこに映された物は、阿鼻叫喚の地獄絵図であった。 『やめでええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――!!!!』 『なんでごんなごどずるのおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――――!!!!!』 『でいぶのあがぢゃんがあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――!!!!』 『まりちゃ、ちにだぐないよおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――!!!!!』 『おがあぢゃあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――ん!!!!!』 平和でのどかなゆっくり家族の映像が、一転して虐殺風景に早変わりする。 ある子れいむは、口に両手を入れられると、そのまま体を真っ二つに引き裂かれた。 ある子まりさは、サッカーボールの如く蹴られ、岩に激突し、餡子をは弾かせた。 ある赤れいむは、人間に体の半分を噛み千切られた。 ある赤まりさは、おろし金で体を削られた。 「な、な、な、なんでえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――!!!!!」 れいむも、テレビの中のゆっくりに負けず劣らずの大絶叫を上げる。 「なんでっていわれてもなあ……一時間、延々とゆっくりのゆっくり出来ない姿を見ることが、今日の虐待プラグラムだしな。最初に説明しただろ、今日は暴力は無しだって」 「だがらっで、なんでこんなのみぜるのおおおおおぉぉぉぉぉ―――――――――――――!!!!!」 「虐待の一貫なんだから、ゆっくりのゆっくりしている光景を見せるわけないだろ。それとも何か? いつもみたいに痛い虐待の方がいいのか?」 「ぞんなわげないでじょおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――――――――――――!!!!」 「なら素直に見なさい。これは『The☆虐待』というタイトルの、とても素敵な一本だぞ。虐待士やマニアが喉から手が出るほど欲しがる品だ。垂涎物だぞ。 お前の為に、わざわざ高い金出して買ったんだ。ありがたく思えよ」 「ぜんぜんうれじぐないよおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――!!!!!」 れいむはあまりの酷さに、目を背けようとするも、男に目蓋を安全ピンで括りつけられ、目が閉じないようにされてしまう。 ん? まばたき? いや、ゆっくりにまばたきは必要ないっしょ、ゆっくりだし。 「それじゃあ、一緒に見ような」 「やだああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!!!!」 男はテレビの前で胡坐を組み、その上にれいむを載せる。 そして、れいむの頭の上に優しく手を乗せた。決して固定しているわけではない。 その光景は、老人が孫をひ膝に乗せて一緒にテレビを見るという、極ありふれたシーンを彷彿をさせる。 「ゆぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――!!!!」 その夜、れいむはゆっくりの死に様を延々と繰り返す悪夢にうなされながらも、久しぶりに熟睡することができた。 その4?へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1246.html
「ゆっくりしていってねーゆっくりしていってねー」 別にゆっくりが言っているわけではない、ここはゆっくり加工所 牛や馬の厩舎のようなつくりの中で、ここ幻想郷で現れた謎のイキモノ ゆっくり種を加工するところだ ゆっくりたちは驚くことに「生きている饅頭」とでもいうもので 食事や生殖を行い、しかしその体はあんまん肉まんクリームまんなどの饅頭である 「「ゆっくりしていってね!」」 多重音声で答えるゆっくりたちに野菜クズや草などを与える ここはゆっくり霊夢、魔理沙、アリスなどを混成で育てるという場である 広さは10畳程度、地面は土でところどころに鶏を育てるような小屋がある 屋根と網で囲いがしてあるのは内部の逃走を防ぐ役割の他空から迫る捕食種のゆっくりレミリアに対する処置である 数人の男たちがそういういかにも動物の餌を振り撒きつつ、口にする言葉は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 念仏を唱えるように続けるとゆっくりたちがそれに続いて 「ゆっくりしていってね!」とつづけながら撒かれる餌に飛びつく 「うわっ」 そのうちのある男が足元に当たったものを見つけて飛びのく 金色の髪のゆっくりが地面に突っ伏している 「これはゆっくりアリスか、死んでるぞ」 持ち上げると、その顔は強張っており口からぼろぼろと土がこぼれる 「おおこわいこわい」 側に居たゆっくり霊夢と魔理沙が目を細め、体を寄せ合うと なんともうさんくさい表情でそんな言葉を吐く 「こいつどうしたんだ?」 普通、動物を飼ってる厩舎などでは死んだ動物の死因を突き止めるのは人間の仕事だが ゆっくり種の場合は他のゆっくりに聞けば返ってくる、その点は楽だ 「とかいはだから、ほどこしはうけないんだってー」 「あんたたちよくそんなのたべれるわね、とかいってたぜ」 「都会派?なんだそりゃ」 くだんのゆっくりアリスを持ち上げ見てみれば随分とほおがくぼんで髪などの色艶も悪い するとふたたび「おおこわいこわい」をはじめた2匹をぽんぽーんと蹴り飛ばし 年かさの男が近づいてきた。 2匹は「ぷんぷん」と怒ったが少し遠くに餌を投げるとすぐ忘れたように追っていった。 「ゆっくりは死んだやつあざけるのが腹がたつがやー」 少し年かさの男は訛っている 「アリズは外で知恵をづけっど、それにとらわれるんだなや、餌のえりごのみしやる」 「そうなんですか」 「動物のながには鳥とかのう、野性のもんをかおーとすっと、出される餌くわんとしんでしまうやつもおるけどのお、なんかそゆのとはちがうみたいやの」 訛りは幻想入りした日本語のため、分かりにくい部分もあるが 彼は元猟師、要するに習性か、プライドとでも言おうか、ゆっくりアリスは他のゆっくりたちより自分が特別でないと気が済まないという種であるらしい それでも孤立して暮らしていくには種として脆弱過ぎるため群れなどを利用するわけだが ある程度バラバラの群れを渡るようにして暮らせる野生ならともかく、いや野性でもそうなのかもしれないが 自分を精神的上位に置くという、そんなことを気取ってみても少なくともこの場では餌も居場所も一律のものが与えられている、群れはこの厩舎内のすべてのゆっくりでひとつで野性でもゆっくり種にどれだけの格差をつくりだせるものか、その結果現状を否定しつづけるうちに衰弱して死んでしまうようだ 「こいつら全部ココ生まれだぞ?どこから都会派なんて概念を知ったんだ?」 「つっても親は野性のもんやろ?親が教えたんかもしれん、そうでなくてもカラスはカーとなくげんどもな、ハハハ」 他方に餌をやりに行っていた、比較的がっちりした体型の男がゆっくりアリスを抱えて脇に挟んでと合計3匹ほど抱えて来る 「ありすはとかいはだもの、とくべつあつかいはなれてるわ、えすこーとはまかせるわ」 ゆっくりアリスはなんだか口々に若干甲高い声で喋っているが 解せず男は言う、ゆっくりは言葉は通じるが考えが狭く自分勝手で会話は疲れる 「どうします?アリス種はまた数を減らしてるみたいですよ、餌を食わない以外にどうも喧嘩を売って殺されたり、発情時の危険を知ってるらしい成体にやられるようですが」 「うーん、ここは自然から獲ってくるのではなく、できるだけ自然に近い味のゆっくりを人の手で育てられないかということでやってる厩舎だからなあ、だから種別もばらばらでやってるわけだし」 いわゆる地鶏ならぬ地ゆっくり(じゆっくり?)だろうか ふとゆっくりアリスを踏んだ男が見やると 用意した障害物の切り株や小屋の影に数匹の金色の影が隠れたのが見える ああ、と何か理解してがっちりした体型の男に抱えたアリスらを離すように目線を送り 答えてその持って来られたゆっくりアリスが放たれる 他のゆっくりが「うめ!めっちゃうめ!」などと餌に夢中なのに対して 「まあ、わたしはべつにどうでもいいんだけど、わたしのどこにそんなみりょくがあったのかしら、まったくわからないわ、ふふふ」 と誰ともなく自慢?をしているようだ もちろん食べるのに夢中で相手にしているゆっくりは居ない その3匹以外のゆっくりアリス以外は・・・ 餌も食べずじっとりとその3匹を見てる。苦渋の表情を浮かべたのは人間である 「同士打ちもするようだな、こりゃ」 「すみません」 がっちりした体型の男はその身を縮めてしまう ゆっくりアリスを踏んだ男はいいよと返しながらそのがっちりした男に向かって述懐する 「野性でもあの旺盛な繁殖能力でゆっくりアリスの数が少ないはずだ、ゆっくりアリスの群れの外からの視点が、いわゆる群れの思考の凝固を防いでいるようなところもあるんだろうが 脆弱なゆっくりなのにこんなに群れに馴染まない性質をもつとは頭が痛いな ゆっくりパチュリーなんざこんな実験段階の厩舎にまわってこないし こりゃあ、発情で全部ゆっくりアリスになるとかの状況の前にゆっくりアリスが死滅してしまうぞ・・・ゆっくりアリスだけ餌を特別にやるとか何か考えないと」 「さすが元学者さんはゆっくりに詳しいですね」 がっちりした体型の男が賞賛の言葉をかける、元学者という男は頬を掻くが じっとゆっくりアリスを観察しながら年かさの猟師の男が言う 「いや、それはあかんやろ」 「そうですか?」 「いくらゆっくりでも特別扱いしたら不満に思う、フリだけで本当は皆と同じものしか食わさないとしてもなあ 牛や鶏でもそうなんだから、ゆっくりがそうでないという保障もねえや そういうことばっかりめざいといような生ぎもんだしな あとゆっぐりありすはどうもこうやって飼ってる以上は増えないようだど?」 元学者の男は目を見張ってゆっくりアリスを見やる ちょうどまださっきの特別扱いされたと思っている3匹のゆっくりアリスが 誰にも聞かれてない自慢を、ほぼ涙目になりながら続けているおかげでほかのゆっくり種はともかく、ゆっくりアリスは全部動かずにじっとり目線を送り続けている、すばやく数を数える 「本当だ、減ってるけど増えてない、ゆっくりアリスは繁殖すると子が全部ゆっくりアリスになるとか5分5分じゃなくて半分以上の子がゆっくりアリスになるというけど」 「普通は動物っていったら取れる餌が多くなって増えすぎるもんだが ゆっぐりありすはどうも取れる餌が少なくなると、群れを圧倒するために増えるよだな なんともはや」 どうもゆっくりアリスは、自分のためだか意図せずか、自分で自分で命綱のはずの群れの生態バランスを崩しにかかりすらするらしい 元学者という男があきれたようにゆっくりアリスを見やる そろそろ、三匹のゆっくりアリスたちは無視を続けるほかのゆっくり種に偶然をよそおって体当たりし注目を向けさせようとしているようだ、返り打ちにあって踏みつけられた。 「なんでこいつら野性で生きていけるんだ」 思わずこぼした言葉にがっちりした男が身を縮めながら答える またゆっくりアリスが減らないかと気が気でないようだ 「たぶん人間の顔と言葉を持つからだと思います。熊とかでも歌いながら歩くと襲われないといいますし、で妖精や妖怪が避けるのは・・・」 男は大柄な体をさらに縮めて言葉を続ける 「たぶんその人間のなかでも特別な顔に似てるからではないかと・・・」 学者の男は肩をすくめる たいてい妖怪同士が繰り広げる弾幕勝負は死と隣り合わせの幻想郷の神秘、娯楽だが それに参加できる数少ない人間、その人間の顔をぎゅっと潰して中途半端に膨らませるとゆっくりたちの顔になる、どうも本人たちは不本意のようで口にするのも失礼なようだが それでゆっくりたちが生き残ってるというなら、毒蛙のふりをする無害な蛙や毒蛇のふりをする無害な蛇のようなものだろうか 「わしも猟師の仕事があがったりじゃけん、でかせぎにきとるんよ たいていの動物は人間の声で逃げるでの」 思考の海に沈みかけた元学者の男に別方向から声がかかる 「おーいまたやってるぞー」 男が瞬間で思考から戻り、顔を上げ声の元にいく 「ここはれいむのおうちだよ、じゃましないでね!」 「またやったか」 厩舎の端に餌やりの全員、総員6名がそろっている それほどの事件とは 「おまえら言っただろ、それはダメだって」 「あそこはダメになったからここにしたんだよ?ゆっくりでていってね」 主張によると場所を変えたからいいだろうということらしい そこには通称十分育ったお母さんゆっくりこと、ゆうに1m以上の大きさのゆっくり霊夢が半分ほど土に埋まって鎮座していた。 絵面はどうもユーモラスだが、またやらかしたこととはその掘った穴のことだ 「ここでは穴を掘るのはやめてくれと言っただろう」 「しらないよ!ぷんぷん、あかちゃんたちがゆっくりするためにひつようなんだよ、れい むのうちだよ!ゆっくりさせてね!」 「お前が産んだ子は加工されて居ないよ、それは未熟だから代理母を頼んだだけなのに」 「ゆ?わかんない、ここはれいむとあかちゃんたちのいえだよ!」 「ていうか3日前に来たやつだろコイツ、まあ大した母性本能だな」 話は平行線である 元学者の男だけが無言でその様子をみていた。 なんとそのゆっくり霊夢は今も土を食べて穴を掘っているのだ 「はぐはぐはぐ、むーしゃむーしゃ」 「掘るんじゃねえ!」 職員の全力の蹴りが飛ぶ そういえば食事をえり好みするくせに排泄をしないゆっくり種は、代わりにありえないほどの回復能力を持ち、形態としては単細胞生物や植物に近いと永遠亭の研究結果があるが 「ていうか、こいつら餌って土でもいいんじゃねーの?」 「いや、まあ一応は食料となるもの以外を食わせると回復力も味も落ちる一方なんだがな、そもそも普通は口にしようとしない」 さっきまで餌やりをしていた立場からすれば土などを食われてもということだ 土を穴を作るほど食うなどミミズのようである 「どうも子供が居ると一定の場所、巣を求める性質のようです。」 「熊とかといっしょだなや、しっかしそんなしょっちゅう穴も掘っとれんだろに」 「大きい固体ですからね、ココ育ちで経験は無いはずですが・・・本能でしょうか」 一人の男がボロ布を手に巻いて無造作に穴掘りを続けるゆっくり霊夢の下に手を突っ込む 「ゆっくりさせてねッ!!がじ!」 「あーこれだけ大きいと流石に噛まれると痛いねー」 そんなことを言いつつ何事も無く、口を取っ手か何かのように基点にして担ぎ上げると穴から出す。皆心得たもので数人で踏みつけて穴に戻るのを阻止する 「れ゛い゛む゛のおうちーーー!あかちゃんたちがーー!」 「「ままー」」 「あーはいはい、とりあえずもう穴はやめろよ何度やっても無駄だ」 足蹴だ、蹴飛ばすように足で穴からちび霊夢たちを蹴り出す。 「ぷんぷん、おにいさんはゆっくりできないよ、ゆるさないよ」 「あーはいはい、その頭で明日まで覚えてられるなら憶えてろよ、俺は今日はこれで上が りだ、メンバーかわんねえのに誰の顔も覚えたことなんてねえだろ」 「ひどいごとされると顔憶えるが恩義はすぐに忘れるみてーだなや、犬猫と逆や」 「回復能力が高く雑食だから恩義で懐くより利用に頭が向いてるんだろ」 ボロ布を巻いた男に声がかかる 「噛まれて平気なんですか?」 「あーどこまで大きくなってもこいつら噛む力は人間並みだから、普通そんなに噛む力が 強い動物は口がアゴから出てて噛むのを得意とする形状してるだろ、犬とかな こいつらは人間の言葉を話せる代わりにそのへんが弱いのよ、だから餌も食い散らかす 本来は虫とかの一口大の大きさのものを丸ごと食べるか、柔らかい草木をむしりとるよ うに食うんだ、それしか出来ないというのだろうがな」 「だが餌をいちいち一口大に切り刻んでというのは手間がかかる」 「動物が硬い獲物をぐうときは首をこっ、こうやって捻ってちぎるんだども、こいつら首ねえしなあ、顔が地面にめりごんじまう、ハハハ」 「ゆっくりが信条だから食事も楽しむようだしな、むーしゃむーしゃしあわせーってか」 「鼻がないから噛んでも長時間保てないとかも聞きます」 「とりあえず食事のことはいい、この穴だ」 皆はしげしげと穴を眺めた。 太い穴には小さな横穴が掘ってあって、そこに小さなゆっくりがおさまっていた。 小さなゆっくり霊夢が食べて掘ったらしい、このおうちとやらは完成すれば、入り口から直径一メートルの穴が続き奥で小さな分岐がいくつかある、キツネなど巣のようになったはずだ、聞くところに寄ればそういう動物の巣などを怒鳴って追い出し占有するとも聞く 動物だけじゃなく人間の家すらそれをするらしい とりあえずゆっくりを全部巣穴から放り出し、目の前の問題としてはこのゆっくりの巣穴は埋め戻しが困難なことだ、掘った土が無い 「野性だと口に含んで吐き出して掘るそうですが、それをしないのは餌が十分あるからでしょうね、捕食種も居ないから体力が落ちても襲われる心配がないというのもあるでしょう、どうしますか」 「あーあのへんな道具屋の一輪車とやらを買えばよかったー」 「結構手間ですよ、もう何回目でしょう・・・」 「やれやれ・・・」 ほおっておけば厩舎が崩れかねない、穴に落ちてごく小さな種が潰れて死んでも困る そもそも一定のテリトリーなどを許せば、排除行動も行うだろう 前提とした厩舎のつくりになってないという人間側のミスの問題もあるだろうが・・・ ずーんと暗い空気のなる人間をよそ目に一匹のゆっくり魔理沙が巣穴に飛び込んだ 「ここはまりさのおうちだよ!でていってね!」 「ちがう!れいむの!」 相撲取りが太ってると強いという論理でゆっくりの大きな個体は強い 体全体の押しつぶしや体当たりは、その個体より小さな個体はほぼ圧倒する その分大きくなるほど動きは鈍くなる、高く跳ねることはできないし小回りも効かない 足が無いからふんばりが効かず動物や人間などを押し倒すことなど不可能だ、よほど地面に伏せている、寝てるなどと身を低くしているところに押しつぶしを食らえばそれなりにダメージはあるだろうが しかしどこまで行っても体は饅頭で攻撃法もそれ以外無い、飛び跳ねる足音?も相当響く野性では動物はそれで存在自体を避けるようだ つまり、どんなに大きくてもやっぱり人間に足蹴にされて簡単に排除されてしまうわけだ 「いたいよ!せっかくまりさのおうちになったのに」 「あーおら!貴様自分で掘るのはダメでも他人の掘ったのを奪えばいいって腹だな」 「おにいさんがんばってね!れいむのおうちをまもって!」 「あー!!守らねーよ!ここは埋める!誰の家にもしねえ!」 「小屋もあるけど体が入らないのか、もっと大きな小屋が要るのかなあ」 「これ以上おっぎな家となるとぉ、牛が飼えるようになるぞハハハ」 「この場所では無理ですね、この大きさのゆっくり霊夢はまだ3匹くらい居る、元は交配用の処分物を幼児種の育成にもってきたのにどんどん大きくなって」 「餌がいいのかねえ、それとも運動が足りないのか」 「こいつら成長はしても肥え太るというのは聞きませんけどね」 ふと会話は止まり、視線はずっと無言の元学者の男に集まった。 彼はここの責任者だった。 「・・・」 元学者の男は考え、そして端的に言った。 「ここの育成は問題があるから最初からやり直す」 他の五人からはため息とともに嘆息の声が漏れた。 「そして自然のままに育てるという目的は果たされていないため、全部商品にならない 品質のため全処理を行う、撤収」 巣穴はなんと手近な小屋をひっくりかえして突っ込むというぞんざいな方法で埋められ 「れいむのおうちがー!」「まりさたちのおうちがー」などという被害の声を無視し 人間は全員が厩舎から出て行く 「ゆっくりしていってね!」 ゆっくりはさようならもそんな言葉だ 人間皆が哀れみの表情を浮かべているのに気づかない 夜はほどなくして訪れた。 厩舎の明り取りに程度しか開かないはずの天窓部分が全開に開き 人間の声がさっきの地ゆっくりたちの厩舎の天井からする 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 薄い天井を歩き回る人間の足音にいぶかしげに天井をみやるゆっくりも居るが 大抵は睡眠欲のほうが勝って眠りに入る、すっかり警戒心を失っているのだ それに人間でない子供のような舌足らずの声が返る 「う゛っう゛ー♪」 ここで俯瞰してゆっくり加工場全体を見てみよう 加工場は広く、その施設の中でも鉄の骨組みに編んだツタなどの網で数本の木を丸ごと包んだ、巨大な鳥かごのような施設がある その鳥かごは四方八方に腕のようにトンネルが厩舎の格施設の天井に繋がっているようだ。これが現代ならそのようなものを空調の配管などと答えるところだが空調などではない、そのトンネルは直径一メートルを越えた太さで金属の網製だからだ 「「う゛っう゛ー♪う゛っう゛ー♪」」 処理が開始される 捕食種ゆっくりレミリアが食べるのは他のゆっくり種 加工場では加工に回されないゆっくりをトンネルをつたってその厩舎に行って食べる 要するによほど特別に育てられてる種でないかぎり他ゆっくりの処分に使われてた。 これは工場部の逃走したゆっくりの駆除などにも使われているシステムだ やっと地ゆっくりたちが天井からやってくる天敵に気づく 「まりさはみないこだね?ゆっくりしていってね」 「なあにーれいむねむいー」 「とかいはのありすはりゅうこうにびんかんよ、と・ともだちになってあげてもいいわ」 「「ぎゃお~たべちゃうぞ~♪」」「「う゛っう゛~♪」」 ゆっくりたちは夜目が利かないらしく気づかないようだ もう天井を埋め尽くすほどゆっくりレミリアの大群が存在するのに よたよたぽとんと、とても他の鳥と比較するには無様な様子でゆっくりレミリアが降りる そこにゆっくり魔理沙が近づいた。 「しんがおか?ここはうまくはないがたべものもあるし、ゆっくりしていってね!」 「がぁお~♪う゛っう゛~♪いただきまーす」 「えさはにんげんがもってくるんだぜ?」 会話は成立せず、ゆっくり魔理沙のもちもちのほっぺは半分欠けた。 「むーしゃむーしゃ、う゛ーでりしゃーす♪」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛な゛なんでこんなことするのお゛ーーーー!?」 「おいっしーよ、まりさおいしー♪」 ここに至っても双方にコミニケーションは無かった。 再び牙か八重歯だかの見える口でゆっくりレミリアがゆっくり魔理沙の頬にかぶりつく 「や゛め゛でぇぇぇぇたべないでーーー!ゆっくりできないよお゛ーーー!」 振りほどくようにゆっくり魔理沙がその場で身を翻すと、伸びたほっぺがぶちんと切れた。 「まりざのほっべち゛ぎれ"たあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 ぽろぽろとみずみずしく光る餡子が落ち、すかさずゆっくりレミリアが舌で舐め取る 「もーぐもーぐ、しあわせー!う゛っう゛ー♪」 「まりさしあわせじゃないー!ゆっくり゛できない゛ーーーーーー!」 目の幅涙を流しながら訴えるゆっくり魔理沙の声は無視されて今度は帽子が奪われる ゆっくりレミリアには、いわゆるゆっくり種の特徴、飾りを食べ残す種も居るが 「むーしゃむーしゃ、おつなあじーう゛っう゛~♪」 このゆっくりレミリアは好き嫌いが無いらしい 「やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て、やめ゛て」 その後も会話は成立しなかった。 頭が欠け、目が片方欠け、口が半分になるころには声も出なくなり ゆっくり魔理沙はすべてゆっくりレミリアの食事となってゆっくりと腹?に収まった。 そんなことが厩舎の全域で起こっていた。 巨大なゆっくり霊夢は数匹のゆっくりレミリアにたかられ、バラバラ千切られ 逃げ回っていた小柄なゆっくり魔理沙はちょうどジャンプの頂点で噛みちぎられ落ち 口八丁でゆっくりレミリアに取り入ろうとしたゆっくりアリスは会話を解されず 「とかいはのありすにはあ゛りえないよー」などとのたうちまわりながら食われ 小屋に逃げ込んでも、小屋はこの処理を前提にして壁が丸ごとない構造 そもそもゆっくりが入れる小屋にゆっくりレミリアが入れない道理もなく 小屋に逃げたゆっくりは小屋で二人きりゆっくりと捕食されることになった。 厩舎の乱痴気騒ぎはそれだけでなく、必死で背中に子供を隠そうとするあまり押しつぶし殺してしまう母親や、危機に瀕して本能が目覚め、自滅必至の幼生種に交配を強要するゆっくりアリスや「うふうふふ」などと友か親かの死滅に現実逃避し笑い続けるゆっくり魔理沙など ゆっくり朝日が昇るころには全ての種が、文字通りゆっくり消えてなくなった。 「はい、う゛っう゛ーはい、う゛っう゛ー」 天井が叩かれるとゆっくりレミリアはよたよたと飛んで鳥かごの自身の厩舎に戻る 大抵のゆっくりレミリアは夜行性、太陽で消えてなくなるなどという種も居るが太陽は苦手で共通している、が苦手とするわりに遮光の程度は木陰に居る程度でかまわなかったり日傘があれば大丈夫だったりもするのでそのへんはゆっくりらしくぞんざいな作りである 「う゛っう゛~おなかいっぱーい♪」 「はいはい、おじょーさま巣に帰ってね、おねむの時間だよー」 ゆっくりレミリアの飼育員が処理に使った個体全ての帰還を数で確認し天井を閉じた 厩舎には大量の食べかけの饅頭のかけら、そして帽子やリボンなどの飾りが落ちている 朝出勤した別の職員が熊手などでそれもかき集め、他の捕食種ゆっくりゆゆこやゆっくりレティなどの食料とするのだ、そしてしばらくの時間が流れる 「ここがれいむのおうちなんだね」 「そうだよ、ここが新しいおうちだよ、ゆっくりしていってね」 「うんゆっくりしゅるよ、ゆっくりちていってね」 小さなゆっくり霊夢は手のひらからぴょんと飛び、その場所がひとめで気に入った。 母親が居ないという異常事態が依然存在するはずだがゆっくりブレインは忘却を選択 板張りの床に遊具、彼女にぴったりの大きさの小さなおうちに水のみ場 そこに同じくらいの大きさの黒い帽子のゆっくりが近づいてきた。 「ままーままーまりさのままはどこー」 「ゆゆ!あなたはゆっくりできるちと?」 どうも同じく幼いまま親から離されたゆっくり魔理沙のようだ 「ゆ?れいむいがいのゆっくり?ゆっくりちていってね!」 「ゆ?だれ?あ!ゆっくりちていってね!」 本能に刻み込まれたゆっくりしていってねは舌足らずでも通じあいきゃっきゃと騒ぐ 幼くストッパーの親も居ないゆっくりブレインには危機感の三文字は遠いことだ 「名づけるならば幼稚園方式、またの名を紅魔館方式」 腕組みしてつぶやく職員の横から次々に厩舎に放たれるゆっくり種は全部幼生体のみ 処分に対しては上の許可が下りたが厩舎は拡張が効かなかった。 そこで敵が居ない、餌が豊富という厩舎の状況を逆手に取って厩舎を広くできないならば小さなゆっくりたちを飼えばいいという考えである この第一陣以外に同じような幼生体ゆっくりを継ぎ足し継ぎ足し追加し成体になった個体からじゅんぐりに加工に回すという育成計画である 「ありしゅはありしゅだよ、ゆっくりしようね」 「いいよれいむとゆっくりしようね」 職員の一人がふとつぶやく 「これが牛とかならこんな簡単に処分というのは無いでしょうね」 「ゆっくりのサイクルの早さがあればこそだな、抱えるほどの大きさとなるとそれなりに 時間がかかるものだが茎式の出産では即座に喋れる個体が出来る」 「どうだか、外では狩りもせんと肉を食えるていうからのぉ・・・」 ふとある個体が彼女らにとってはとてもとても広い厩舎の端に、板の下に違和感を感じた。 「おにーしゃーんおにーしゃん、れいむのおうちのここへん」 「ここって?どう変なんだい?」 期せずしてその職員は数ヶ月前に同じ厩舎でゆっくりアリスを踏んだ元学者の男だった。 「おこえがしゅるのーへんだよーきょわくてゆっくりできないよー」 「はいはい、おい食事を与えて集めろ前に穴があった所だ、埋めたぞ?・・・それに声?」 さあ食事だよーと餌が撒かれる、餌やりの文句は 「ゆっくりしていってねーーゆっくりしていってねー」 「ここか」 数人の職員がその厩舎の端の板に集まり、がっちりした体型の一人が板に耳を当てる 「しますね、なんか声します。」 「あー?なんだなんだ一体、こりゃ恐怖物語の一説か?」 手早く板が外されると円形にそこだけ色の違う土が見える その色の違う土の一部がなんだかもこもこと動いてる 「ぷは!おそとだーすっきりー」 「すっきりー」 ゆっくりのあらゆる状態を見てきて慣れている職員でもぎょっとしたのはその土から出てきたゆっくり霊夢?が輪をかけて異常な姿をしていたかだ 「おじさんたちはごはんをもってきてくれるひとだね、れいむはおなかすいたよごはんもってきてね、れいむはゆっくりできないよ」 「れいむもこんなのばっかりたべてたからべつのものがたべたいよ、れいむのぶんもはやくもってきてね」 「泥団子だ」 職員のつぶやきが正解である、そこには赤いリボンを付けた黒髪の・・・ゆっくり霊夢型の泥団子が鎮座してゆっくり霊夢のように喋っていた。 「ぷんぷん、れいむはどろだんごじゃないよ、しつれいしちゃう」 「ゆ?」 片方の個体が片方の個体を太陽の下でしげしげと見やる、泥団子である 「よごれてるよ?れいむがきれいにしてあげるねぺーろぺーろ」 「あは、くすぐったいよ」 「あーなんだ汚れてる・・・だけだ・・・よな?」 舌まで砂色の片方のゆっくり霊夢が、もう片方のゆっくり霊夢を舐める さらさらと舐められたゆっくり霊夢からは砂が落ちて下からはもちもちの真っ白な饅頭皮ほっぺが・・・出てこなかった。舐めても舐めても泥の塊 「おおおおおかしいよ、れいむのかおおかしいよ?」 「ななななんんなのれいむのかおなんなの?」 「ちょ、ちょっと穴を見てください、あ?うあ!」 穴を覗き込むと相当深い、別の職員が底に手を突っ込むと肩まで入っている 最後のあ!はあちこちに支道があるようでそれを踏み抜いて職員がつまづいた声 そして掘った土は無い 「君たちいったいどうしたんだい?」 分からなければ本人?に聞いてみればいい、ゆっくり飼育の基本である そして聞いたところによると 夜に眠っているとう゛っう゛ーと唸るへんなのが来てお母さんがおうちで塞がっていたおうちに押し込んで土を食べて食べてといわれたので食べまくっているとそのうち静かになった。 どうやらあの処分の前の日に穴を掘った一メートル越えのゆっくり霊夢の子だったらしい ゆっくりレミリアから守って親が土の中に生かしたようだ 「余計なことを・・・」 「れいむたちどうなったの?」 「俺が聞きたいよ」 時間的にはその処分から1ヶ月が経っている 次の計画の実行のために厩舎には板が張られといろいろやってるうちにどうやら土の中という環境に馴染んだ固体になったようだ、話からすると土だけじゃなくミミズなども食べていたということらしいが子供の個体というのが環境の適応能力の柔軟性を持たせたのか これがホントの地(面の下で生きられる)ゆっくり 「まあ要らないな」 「れいむいらないこじゃないよ?!」 どっかの3姉妹の定型句か 「2匹居るのは好都合だ永遠亭行きだな」 「えいえんていってなあに?」 「ゆっくりできるところだよ、ああゆっくりできるだろうさ、死なない人間が相手だ」 「ここじゃないところでゆっくりできるんだね?ゆっくりしていってね」 無邪気に笑う、名づけるとすれば泥団子霊夢2匹は早々に退出される 「穴は板を張れば全然大丈夫です」 「なら予定通りに育成が始められるな」 加工場の本当の地ゆっくり育成はこれからである 泥団子霊夢が永遠亭でどうなるのかそれはまた別の話 byアンバランス このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1868.html
『孤独のゆっくり』 ※パロディネタを多く含みます ※劇中人物の独り言が多いのは仕様です 今にも泣き出しそうな曇天の空の下、一人繁華街を往くスーツ姿の男。 個人経営の輸入雑貨店を営む彼は、名を吉祥寺吾郎といった。 今日も今日とて顧客先を周り、得意先にヴェネチアグラスを納品したところだ。 一仕事終えた吾郎は、背広を肩にかけて煙草に火をつけた。 「……さて、今日は何を食おうか」 時間は既に15時を回ろうとしている。 予想外に仕事が長引き、吾郎はすっかり昼食をとるタイミングを逸してしまっていた。 「うーん、こんな時間に一人で牛丼ってのも間抜けだしな……」 駅前の大通りを歩きながら、吾郎は周囲の店に目を配る。 牛丼、カレー、ラーメン、パスタ、ハンバーガー……色とりどりの軒先が並んでいる。 けれど、どうにも吾郎の中でピンとくるものがない。 そうして、決めあぐねているうちに、吾郎は駅前の繁華街の端にまで来てしまう。 「しまった、アーケードはここで終わりなのか」 顎に手をやり、顔を渋める吾郎。 いま来た道をまた戻ると思うと、何となく気が重かった。 「まてよ……そういえば、このあたりにはアノ店があったよな」 吾郎は、数年前この街を訪れた時のことを思い返して、顔を少年のように輝かせた。 「うん、そうだ。こういう時は、"れみりゃ屋の肉まん"で決まりだ」 "れみりゃ屋" それは文字通り、れみりゃが子れみりゃを調理して出す、肉まん専門店だ。 駅の中心からは少し離れているが、その味はコンビニで売っているものの比ではない。 吾郎は、かつて一度だけ食べたその味を反芻して、口の中を涎であふれさせた。 「いかん、想像したらよだれが止まらん」 一刻も早く、あのジューシーな肉餡を頬ばりたい。 その思いだけで、吾郎は足早に道路を進んでいく。 15分後、吾郎は目的の場所へ到着した。 だが。 「あれ?」 そこに、肉まん屋は無かった。 親れみりゃが店頭で泣き笑いを浮かべて実演販売をしていた店は、 不況のあおりで既に閉店して久しく、代わりにどこにでもあるコンビニがテナントとして入っていた。 「ガーンだな……俺の胃袋は完全に"れみりゃ屋の肉まん"になっていたのに」 意気消沈する吾郎。 仕方なく、適当な店を探しながらあたりをつろつくが、中々店は見つからない。 さらに吾郎に追い打ちをかけるように、ポツポツと雨が降り出してきた。 「うわー、ついに降り始めちゃったぞ」 背広を傘代わりにして、小走りで雨宿りできる場所を探す吾郎。 すると、少し先に甘味屋らしい店が見えた。 時刻は間もなく夕方を迎えようとしている。 あの店で何かつまんで夕飯で仕切り直すのも良いかもしれないと、吾郎は考えた。 「ええーい、どこでもいい! ここにはいっちまえ!」 意を決して、吾郎はその店の暖簾をくぐる。 すると、予想外の声が吾郎を出迎えた。 「いらっしゃいだどぉー♪」 「うー、いらっしゃい」 「え?」 こぢんまりとした和風の店内にいたのは、 胴体有りのゆっくりれみりゃと、同じく胴体有りのゆっくりフランだった。 2匹はそろいのエプロンをしており、 れみりゃはカウンターの中に、フランはホールにお盆を持って立っている。 他に店員は見あたらない。この店は、この2匹のゆっくりがやっている店だった。 「ほぉ、ゆっくりがやっている甘味屋なのか」 普段ならば、ゆっくりが店をやっていること自体に疑問を感じるところだが、 今の吾郎は腹が空きすぎていてそれどころではなかった。 「ふーん、なかなかいい感じの店じゃないか」 カウンターの席に座って店内を見渡す吾郎。 内装はしかっりしていて、とてもゆっくりが用意したのものとは思えなかった。 カウンター内のキッチンにしても、れみりゃが料理しやすいよう特注のサイズになっている。 おそらく、この店のオーナー……ゆっくりに店をやらせると企画した人間がそろえたものなのだろうと、吾郎は合点をつけた。 「おや?」 壁にかかったメニューを眺めていると、吾郎はふと数枚の写真が飾られていることに気づいた。 そこには、何やら大勢のれみりゃと一人のメイドに祝福されている、1匹のれみりゃが写っていた。 「あ~ぅあぅ~♪ れみりゃのことがきになるのねぇ~ん♪」 吾郎が写真を眺めていると、カウンターのれみりゃがパタパタ飛んできて、 下膨れスマイルをぬぼぉーっと近づけてきた。 「あれは?」 「うっうー♪ なんとれみりゃは、おーわんぐらんぷりでゆうしょうしたんだっどぉー♪」 吾郎の横で、れみりゃはえっへんと胸を張る。 人間の目で区別は難しいが、目の前のれみりゃこそ、写真で祝福を受けているそれであった。 「おーわん?」 「おぜうさまわんぐらんぷりにきまってるんだどぉー♪ れみりゃってばおぜうさまこうほにえらばれちゃったんだどぉー♪」 幸せそうに微笑むれみりゃは、こぼれ落ちそうな大きな頬と下膨れを両手で押さえた。 それかられみりゃは、幸福感を体現するように、"うぁ☆うぁ☆"リズムを刻み始めた。 このままでは埒があかないと思った吾郎は、話題を切り替えることにする。 吾郎は、とにかく早く何かを胃に詰め込みたかった。 「なにかオススメは?」 「うぁ? うちはなんでも"あまあま☆でりしゃすぅ"なんだっどぉーぅ♪」 自慢げに答えて、れみりゃはカウンターの中へ戻っていく。 そして、箱の中から子ぶりの"ゆっくりれいむ"を取り出すと、それに竹串を突き通した。 「うっう~♪ すぴあ☆ざ☆ぐんぐにるぅ~♪」 それを数回繰り返して、大ぶりな串団子を作るれみりゃ。 れみりゃはそれを火のたかれた網の上に置き、ハケで黒いタレを塗っていく。 ゆっくりれいむの餡と、黒いタレが焦げて、店内に凄まじく甘い匂いが立ちこめた。 「れみりゃのつぐっだおまんじゅーおいしぃどぉ♪ たれがぷっでぃ~ん☆のおあじなんだどぉー♪」 楽しそうなれみりゃを余所に、吾郎は壁にかかったメニューに目を通す。 そこには、吾郎の心を引きつけるメニューが数点だけだが存在した。 れみりゃの焼いている団子を無視して、吾郎はそのメニューを読み上げる。 「えと……じゃあ、この煮込み肉まんを一つ」 煮込み肉まん。 いったいどんな料理なのかは吾郎にもわからなかったが、これも一つの縁だと思った。 けれど、れみりゃはその注文を聞いた数秒後、ゆっくり吾郎の期待を裏切るのだった。 「う~♪ ごめんごめんだどぉー♪ それらいげつからなんだどぉー♪」 「むむ……」 ならメニューにのせるなと、心中で毒づく吾郎。 「……うーん、いかんなどうにもタイミングがズレている」 それならばと、第二希望を口にする吾郎。 「それじゃあ、この煮込みあんまんを……」 が、またしてもれみりゃは下膨れスマイルを左右に傾けた。 「う~? ごめんねぇ~ん♪ それもらいげつからなんだどぉー♪」 れみりゃは申し訳ないとでも思ったのか、カウンターの上に登り、 そこで"のうさつ☆だんす"を踊りだした。 「おこっちゃいや~んだどぉ♪ おわびにれみりゃのしぇくしぃーなおしりみせてあげるどぉー♪」 れみりゃは吾郎に向かって尻を突き出し、それを左右にプリプリ振り出した。 その動作が、ただでさえ空腹でイラついていた吾郎に、さらなる油をそそいでしまう。 「!!」 次の瞬間。 吾郎は、椅子から立ち上がり、れみりゃの片腕にアームロックを決めていた。 「うっうぁぁーー!? いっだいどぉーーー!!」 ガッチリ極まった腕に激痛が走り、れみりゃは悲痛な叫びを上げる。 大の男が手加減無しで極めたアームロックに、れみりゃの肉まんボディーは悲鳴をあげた。 「ざぐやぁーーだじゅげでぇぇーーー!! れみりゃのきゃわいいおででがぁーーー!!」 れみりゃの叫びなどお構いなしに、吾郎は腕に力を入れる。 すると、吾郎のすぐ横までフランがやってきて、吾郎を静止した。 「うー、それいじょういけない……」 フランの静止に、ハッと我に返る吾郎。 が、時は既に遅く。 れみりゃの片腕は吾郎の腕力に耐えきれず、引きちぎれてしまう。 「ぶっでぃ~~っん!!」 肉汁があたりに飛散する中、 れみりゃは絶叫し、あまりの痛みにカウンターの上で号泣しながらのたうちまわった。 「いかんな……ついやってしまった……」 自らが握る、れみりゃの片腕に目をやりつつ、溜息をつく吾郎。 引きちぎってしまったれみりゃの腕はまだ温かく、切断面からはジューシィーな肉餡とホカホカの湯気が覗く。 「……ごくり」 湯気にのって、肉まんの匂いが吾郎の臭覚を刺激する。 吾郎は、我慢できずに、自らが握っている肉まんを口へと運んだ。 「ん! これはうまい! いかにも肉まんって感じの肉まんだ!」 「あああ~~っ、でびりゃのぉ~~~! でびりゃのぉおででがぁ~~~!!」 咀嚼を繰り返し、予想以上の美味に感嘆する吾郎。 その傍らでれみりゃが必死の叫びをあげていたが、今の吾郎にそれが届くことはない。 「そうそう! こういうのでいいんだよ!」 むしゃむしゃと肉まんにかぶりついていく吾郎。 そんな吾郎の服の端を、くぃくぃとフランが引っ張った。 「おかんじょう……ごひゃくえん」 「ん、そうか……支払いがまだだったな」 勝手に食べてしまっては客としてマナーが悪い。 吾郎はフランの言い値に従い、500円を手渡した。 それを受け取り、満足そうに頷くフラン。 一方、れみりゃはホカホカ湯気をたてる肩口をおさえながら立ちあがり、吾郎に食ってかかった。 「べんしょーだっどぉー! でびりゃにぶっでぃんよごずんだっどぉーー!!」 うるいさいなと、吾郎は感じた。 吾郎は食事を堪能しているのを邪魔されるのが我慢できないタチだった。 吾郎は肉まんを食べるのをいったん止めて、フランに頼んで残りを包んでもらうことにする。 そして、肉汁を口から飛ばすれみりゃと向かい合った。 「がえぜぇー! ぞれでびりゃのだどぉー! おぜうざまごうほのだいじなおがらだは、じんるいのたからなんだっどぉー!!」 吾郎は喚き散らすれみりゃの体を持ち上げ、それを店の床へ叩きつける。 れみりゃはわんわん泣いて痛がり、這ったまま頭を抱えてがたがたと震えだした。 「やべでぇー!! もうぶただいでぇーー!!!」 痛みで起きあがることができず、れみりゃは這いつくばりながら抗議の声をあげた。 「どうじで、でびりゃをいじめるんどぉー!? でびりゃはごーまかんのあるじだどぉー! えらいんだどぉーかわいいんだっどぉー!」 四肢をどたばた振り回して、れみりゃはだだをこねはじめる。 こうなってしまうと、なかなか収集はつきそうにない。吾郎は、怒りを通り越して疲れを感じた。 「ぶっでぃんぐれぇー! ぶっでぃーーん!! じゃなぎゃうっだえでやるどぉーー!!」 「うるさい……」 「ぶっひぃ~~~ん!?」 殴り飛ばされ、店の端へ転がっていく、れみりゃ。 れみりゃを制したのは、吾郎ではなくフランの拳だった。 「ぶぁぁーー! ふらんじゃーん! なんでだどぉーー!?」 「おねぇさま、しょせんおじょうさま……でもおきゃくさま、かみさま」 「うあぁぁーー! ふらんじゃんひどいどぉーー!!」 やれやれと、吾郎はため息をついた。 もうここにいても仕方ないなと思い、吾郎は包んで貰った肉まんを片手に店を出ることにする。 「俺はこの店には場違いだったみたいだな……」 * * * 雨はあがり、空には夕日が浮かんでいる。 吾郎は公園のベンチに座り、自販機で買ったチェリオを片手に"れみりゃの片腕の残り"を頬張っていた。 「うん、このわざとらしい肉まん味!」 吾郎の視界の先では、子供達が元気に遊んでいる。 どうやら、羽をもいだ胴体無しれみりゃをボール代わりにして、バスケットボールをしているようだ。 "うううう~~~~っ" "うぁぁぁーー! まんまぁーーー!" "さくやぁーー! たすけてぇーーー!" そんな子供達の元気な様子を目におさめつつ、 吾郎は少年時代の郷愁をスパイスにして、肉まんを堪能するのだった……。 「……肉まんの味って男の子って感じだよな」 おしまい。 ただいま書きかけのネタの在庫整理中だったりします。 『孤独のグルメ』はネタ抜きで面白いマンガだと思うんですけどねー。 by ティガれみりゃの人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1436.html
流れを読まずゆっくり阿求。 途中まで見たら、大体オチがわかる仕様になっております。 ここは永遠亭。机をはさみ、向かい合う永琳と阿求。心なしか、永琳の目には疲れが見える。 「私は考えた。どうすればAQN症候群を治せるのか・・・・。 ゆっちゅりーを育てさせれば、AQN症候群ゆっちゅりーを生み出すし、 東風谷早苗に相談したら、トラウマを植えつけられて神様が怒鳴り込んで来るし、 上白沢慧音に至っては、廃人になりかけて入院中。 そこで永遠亭の総力を結集して作ったのがこれ!」 机の上におかれたのは、1匹のゆっくり。 「あきゅー!」 「これを育てることが、今の貴方にできる善行y」 フォン、グシャ。 皆まで聞かず、阿求はゆっくり阿求にげんのうを振り下ろしていた。 「別に、自分のゆっくりだからといって、いいえ、自分のゆっくりだからこそ、殺し甲斐があると思いませんか?」 断じる阿求。 対するは笑みを浮かべる永琳。 「ふふふ・・・かかったわね」 げんのうの下で、むくむくと蠢く、ゆっくり阿求だった餡子の塊。 それが見る見るうちに、形作り、元のゆっくり阿求となった。 「あやー!」 「これは・・・!」 フォン、ボヨン。 再度げんのうを振り下ろす阿求・・・しかし、げんのうに伝わるのは、先ほどとは全く違う感触だった。 「これぞ、ゆっくり阿求の特性・・『⑨の試練』 ゆっくり阿求は9回殺さなければならない上に、一度食らった攻撃は二度と通じないのよ! ふふ、確認されている限り、鈍器による撲殺、針による刺殺、素手による殴殺・・・それぐらいかしら? 特殊な戦闘能力を持たない貴方には、これ以上ゆっくり阿求を殺し切ることは出来ないわ!!」 勝ち誇る永琳。 それを聞き、阿求は一言だけ呟いた。 「稗田家なめんな」 打潰す饅頭『ナインライブズゲンノウワークス』 背中を見せる程引き絞った特異な構え・・・それより繰り出される一閃九打の絶技によって、ゆっくり阿求はあっさり9回殺された。オーバーキルである。 あまりのショックに永琳は9日間寝込んだ。 月廚?ふぁて?なんのことです? このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4202.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』9 箱から出したものを並べていく俺に向かって、 赤れいむと赤まりさが不思議そうに聞く。 「ゆゆっ、ちょれはゆっきゅりできりゅもの?」 「ゆっくりはやきゅあちょびたい~!」 「ゆっくりできないものだよ」 鉄製の針、串、針金、バーナー、注射器、糸鋸、接着剤、 ナイフ、金槌、ドリル、ペンチ、漏斗、半田ごて、他もろもろ。 どれも親れいむ共にはここ数日で見慣れた品々だ。 「ゆぁあああああああ!!いやだぁあああああ!!!」 「おにぃざああああん!!おにいいいいいいざああああああああああん!!!」 ガラス箱の中で恐慌をきたしがなり立てはじめる親れいむ共を無視し、 俺はさっそく、赤れいむを取り上げて下顎を探る。 しーしー道を探り当てると、そこに長めの針金を突き入れた。 「ゆぴぎゃぁあああああーーーーーーーー」 聞き慣れた悲鳴。 少々大袈裟だとは思うが、赤ゆっくりの事、 それも甘やかされきって痛みなど感じたことのない個体なら妥当だろう。 「ゆっ!?にゃにちちぇるのおおおおお!!?」 うろたえる赤まりさもつまみ上げ、 赤れいむに突き立てた針金の反対側の先を、やはりしーしー道に突き立てる。 これで、二匹は向い合せに針金で繋げられた。 「びぎゃあああああああ!!いぢゃいいいいいいいい!!」 「ゆっぎゅりでぎにゃいいいいいいいいいーーーーっ!!」 「やべで!!やべで!!やべでぐだざいいいいい!!!」 「ぞのごだげはどぐべづなんでずうううううう!!! どうがどうがぞのごだげはぞのごだげはああああああ!!」 「でいぶをがわりにじでええええ!!おでがいいいーーーーーーっ」 子を殺すたびの親れいむの反応も最近マンネリ化していたが、 今回はまた活き活きした新鮮な反応を見せてくれている。 泣きじゃくり喚きながら、しきりにガラス壁に顔面から体当たりをしている。 バーナーを取り出し、二匹を繋げている針金を炙り始める。 「ゆぎゅっ!?」 だんだんと熱され、針金はやがて二匹のしーしー道内部、 そしてその奥の餡子を焼きはじめた。 「ゆぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょぎょおおおおお!!!」 「あぢゅっ、あぢゅっ、あああああぢゅううううういだいいだいいだいーーーっ」 特別敏感な器官を内部から焼かれる激痛に、 がくがくと痙攣しはじめる二匹の赤ゆっくり。 「いがあああああやべぢぇえええええーーーっ!!」 「ゆゆゆゆゆゆっぎゅりでぎだいいいいぃぃ!! ゆっぎゅりざぜでえええええででででべべべぢゅうううううう!!」 「だめなんだ。俺は君たちをゆっくりさせてあげられないんだよ」 俺は赤ゆっくり共に説明を始めた。 「にゃんでええええええ!!? ばやぎゅゆっぎゅりざじぇでえええええーーー!!」 「俺は君たちをゆっくりさせないのが仕事なんだ。 そして、君たちはこれから俺にさんざん苦しめられながら殺されることになる」 「ゆぎゅぐうううううう!!?いやぢゃああああああ!!! じにだぎゅにゃいいいい!!じにだぎゅないいいいいいいいいい!!!」 「お母さんたちが、こっちに来ていいって言ったんだ。 俺にお前たちを預けてくれると。 そして、俺はお前たちをゆっくりさせない。 取り消してもいいって俺は言ったんだけど、お母さんたちは取り消さなかったな。 よっぽど俺に預けたかったらしいね」 痛みにがくがくと震えながらも、話の内容は理解できたようだ。 すぐに赤ゆっくり共は、箱の中の親れいむ共を罵り始めた。 「ぐじょれいびゅううううううう!!れいびゅううううううう!! なんであじゅげだあああああああああああああああああああああ!!!」 「ゆぎゅごおおおおおおおばえらあああああああああ!! じね!!じね!!じね!!じね!!ゆっぐりぐるじんでじねえええええええ!!!」 自分がさっきまでさんざん出せと要求していたのも忘れ、 すさまじい憎悪に顔を歪める赤ゆっくり。 その表情はすでに赤ゆっくりの範疇を超えている。 「ぢがう!!ぢがうの!!ぢがうのおおおおお!! おがあざんはおにいざんがゆっぐりざぜでぐれるどおもっだのおおおお!!」 「あれは嘘だ」 親れいむの言い訳を切り捨てる。 「あのお母さんたちは、俺が毎日子ゆっくりを殺すのを見てきた。 俺が子ゆっくりをゆっくりさせないで殺す人間だと、 あのお母さんたちはようく、ようく知っていたんだ。 知っていながら、お母さんたちは俺に預けたんだ」 それは事実だった。 嘘のつけないゆっくり共は、痛いところを突かれて口をつぐむ。 正確にはゆっくりは嘘はつくのだが、後ろめたさが簡単に態度に現れ、 あきらかに挙動不審になるのでどう見ても丸わかりなのだ。 そんな親たちの様子を見てとり、赤ゆっくりはすっかり俺を信じたようだ。 「ゆぎゃがあああああああ!!ぐがああああああああ!!」 「ごろじゅ!!ごろじゅ!!ごろぢでやりゅ!! ごい!!ごろぢでやりゅがらごっぢへごいいいいいいぃ!!!」 針金をバーナーで炙るのをやめ、乱暴に針金を引き抜く。 「ぐぎゅっ!!」 「さあ、本番だ。ここからが苦しいぞ。 俺はやりたくないんだがやらなきゃいけない。 お母さんがお前たちを手放さなければ、俺は手が出せなかったんだがな」 動けないように、二匹の底面をバーナーで丹念に焼く。 「なんで俺なんかに預けたんだろうな」 「ゆぎゃびぎゃぎゃびびびびびぎゃぎょぎょばばばばばぎょあぐがああ!!」 「づいいいいいいいいいい!!!あぢゅうううううういいいいいいいい!!!」 赤れいむの方は底面だけでなく、体全体を丹念に焼く。 全身の皮が黒く焦げてひび割れ、ところ構わず火ぶくれができる。 口以外の顔面を念入りに焼くと、 瞼が閉じて癒着し、目が開かなくなった。 「お母さんが守ってくれれば今頃ゆっくりできたのにな」 「ぢいいいいいいいがあああああぐじょぐじょぐじょれいびゅううびいいいい」 リボンと髪も焼くと、すっかり黒い焼きまんじゅうのできあがりだ。 無事なのは悲鳴と呪詛を吐くための口だけだった。 赤まりさのほうは、全身にナイフで切れ目を入れていく。 「痛いか?まだまだこんなものじゃないんだよ」 「ゆびゅぅ!!がぃいい!!だいぃいいい!!びゅうあああ!!」 切れ目を入れるたびにこじって傷口を餡子が漏れない程度に開き、 その傷口にたっぷりと塩を塗りつける。 その度に赤まりさの体がびくんびくんと跳ねた。 「お母さんさえ俺に預けなければ、こんな目に逢わなかったのに」 「あぎゅううううううーーーーーっゆぅぐうううーーーーーっ」 その後、俺はたっぷりと赤ゆっくり共を痛めつけた。 まむまむを切除し、歯をペンチでねじり抜き、 スタンガンで電流を流し、爪楊枝で眼をえぐり出し、 紙やすりで中の餡子まで削り、内部に唐辛子を刷り込んだ。 その度に、俺は何度も何度も「お母さんが渡さなければ」と念を押した。 今、全身をずたずたにされた赤ゆっくり二匹の心は、 すべてが苦痛と母親への恨みのみに染め上げられていた。 「ぐじょでいびゅぐじょでいびゅぐじょでいびゅぐじょでいびゅ」 「ごろじでやりゅごろじでやりゅごろじでやりゅごろじでやりゅ」 黒く焼けただれて瞼のふさがった赤れいむは、 残った口で虚空に呪詛を吐き続け、 右眼をドリルでえぐり出された赤まりさは、 残った左眼でガラス箱の中の母親共を睨みつけている。 視線だけで殺してやると言わんばかりの形相だ。 「おぢびぢゃあああん……ごべんでぇぇ……ごべんでぇぇ……」 「おがあざんじらながっだのぉ……ゆっぐりざぜでぐれるどおぼっだどぉ」 「ごべんなじゃいいぃ……ゆぐじで……おがあじゃんをゆぐじでねぇ……」 「じにぇぇえええええ!! わりゅいどおぼうにゃらいばずぐじにぇぇえええええええ!!! れいびゅがぐりゅじんでりゅのににゃんでおばえらがいぎでりゅんだあああああ!!」 赤れいむの糾弾に、親れいむ共が口をつぐんで涙を流す。 「殺したいか?」 「ゆぐっ!!?」 俺は赤ゆっくりに聞いてやった。 「お母さんたちを殺したいのか?」 「ごりょじゅうううう!!ごりょじでやりゅうううう!!! までぃじゃをあっぢにうづじぇええええええ!!」 「あっちに移してやることはできない。もう戻してやれないんだ。 だが、殺すことはできるぞ」 「どうやっでええええ!?」 「呪い殺すんだ。呪う、ってわかるか? 殺してやる、絶対に殺してやる、と心の底から強く思い続けるんだ。 そうすれば、その憎しみの念は呪いという力になって相手を襲う。 たとえお前たちが死んでも、残された呪いが相手を苦しめて殺すんだ。 呪われた相手は、苦しんで苦しんで苦しみぬいて死ぬことになる。 憎しみが強ければ強いほど、相手の苦しみも大きくなるぞ。 さっきから、お母さんたちは必死に弁解してるだろう? あれは呪われるのが怖いからなんだ。 呪われないように、必死に自分たちは悪くないと思わせようとしているんだよ。 いいか、殺したければ、呪うんだ」 俺の話を聞き終えると、赤ゆっくり二匹が喉も避けよと声を張り上げ始めた。 「のりょう!!のりょう!!のりょっでやりゅうううううう!! じんでものりょいづづげぢぇやりゅううううううううううーーーーーーーー!!!」 「のりょっでやりゅがらにゃあああああ!!のりょいごろじでやりゅううううう!! ぐるじんでぐるじんでぐるじんで、のりょわれじぇぐりゅじんでじにぇえええええええええっ」 「あ……あ……あ……あ……」 互いに身を寄せ合いながら、がたがたがたと震えはじめる親れいむ共。 最愛の子供たちからこれほどの憎悪を受けることになり、その心中はいかばかりだろうか。 俺は仕上げにかかった。 二匹の赤ゆっくりを仰向けにし、口が一番上を向くようにすると、 ビーカーの底部に入れ、針金で固定する。 そして、ビーカー底部を覆う程度に、薄い黄色の液体を流し入れた。 硫酸である。 ある程度薄めてあるので、溶けていく速度は遅遅としたものだ。 つまりその分、苦痛は長引く。 処置を施してから、俺はいったん部屋を出た。 「ごりょじでやぐうううううう!!ごりょじでやぐうううううう!!のりょいごろじゅううううう!!」 「ぐぎゃあああああがああああああのりょうのりょうがあああのりょおおおおおびぃいいいーーーー」 赤れいむと赤まりさは何時間もかけて背面からゆっくりと溶け、それに伴う激痛に絶叫しつづけた。 悲鳴を呪詛に変え、中枢餡が溶けきるまで、上を向いた口で母親への殺意を吐きつづけた。 「ゆひぃいいいーーーーーっ!ゆぅひぃいいいいいーーーーーーーーー!!」 眼をぎゅっとつぶり、ガラス箱の隅で身を寄せ合って背を向けながら、 親れいむ共は悲しみとそれを超える恐怖に泣き続け震えていた。 二匹の赤ゆっくりの叫びが止み、その死を確認すると、 俺は監視室から出て再びれいむ共の部屋に入った。 「ひぃいいいいいぃぃ……ひぃいいいいいいぃぃ……」 赤ゆっくりの呪詛は止んでいたが、親れいむ共は隅に固まって震え続けていた。 俺が入ってきても反応はない。 「死んだか」 薄い硫酸のプールから二匹の赤ゆっくりの死骸を取り出す。 仰向けに固定されていた赤ゆっくり共は背面から溶け、 体の半分以上がなくなっていたが、苦悶と憎悪に満ちたデスマスクはきれいに残っていた。 さて、ここからが肝だ。 死骸から残りの餡子をかき出し、顔面の皮膚をきれいに取りだす。 細い革紐を取り出すと、デスマスクの上部をテープで紐につないだ。 そして、れいむ共が触れないように、ガラス箱の外側に革紐を張り付ける。 二匹のデスマスクが母親共を見守る形になった。 「ゆびぃいいいいいい!!」 親れいむ共が振り返り、俺がしたことに気づくと悲鳴をあげた。 「やべで!!やべでやべでやべでええええええ!!! ぞんなどごろにあがぢゃんばらだいでえええええええええええ!!!!」 「びいいいいーーーーーっ!!ゆびぃいいいいーーーーーーーっ!!!」 「これからは可愛い子供とずっと一緒だ。よかったな」 俺はそう言ってやり、部屋を後にした。 監視室かられいむ共の様子を観察する。 俺がいなくなってからも、れいむ共は我が子のデスマスクから離れるように、 反対側の壁に顔を押しつけて震え続けている。 あまりに恐ろしいものは、つい見てしまう。 それは人間もゆっくりも同じらしく、たまにデスマスクの方を見ては、 鋭い悲鳴をあげて背中を向けて泣きじゃくった。 見ると、親れいむ共の足元に液体が水たまりを作っている。 しーしーを漏らしているらしい。 夜になり、部屋の照明が落とされた。 赤ゆっくりのデスマスクがよく見えなくなったことで、いくぶんか安心できたのだろう、 深夜に入ってから寝息が聞こえてきた。 「ゆぴぃ………ゆぅ…ゆぴぃ……ぴぃ……」 「あかちゃん………ゆぴぃ……ごめんね……ごめんね……」 いい夢を見ているようだ。 二匹は眠りながら泣いている。 「のりょいごろじでやりゅがらにゃあああああああああああああああああ!!!!」 部屋中に轟いたその絶叫に、れいむ共は飛び上がった。 たちまち眠りから覚め、おどおどと周囲を見回す。 「ぐぞれいびゅぐぞれいびゅぐぞれいびゅぐぞれいびゅうううう!! なんじぇあじゅげだ!!なんじぇあじゅげだあああああああああああーーーーーーーーーーっ」 「じぇっだいにじぇっだいにのりょいごろじでやりゅううううーーーーーーっ!!! じにぇ!!じにぇ!!じにぇ!!ぐりゅじんでじにぇええええええええええええ!!!」 それは確かに、あの赤まりさと赤れいむの声だった。 「ゆぁ………ゆぁ………あ………あ………」 がたがたがたがたと震え出すれいむ共。 「おぢ……おぢびぢゃん………おねがい……おねがい………」 やがて、真っ暗な部屋の中で、小さな明かりが点った。 「ゆぐっ」 親れいむが見たそこには、光に照らされてあのデスマスクが闇に浮かび上がっていた。 「ゆひぃいいいいいいいいいいいいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」 長い長い悲鳴。 あのデスマスクが、二匹並んで自分たちを見つめている。 そしてあの絶叫が部屋中に響いている。 「のりょうのりょうのりょうのりょうのりょうのりょうのりょうのりょう」 「ゆがぎゃああああああだいいいいいだいいいいいいあああああがあああああああぐぞれいびゅぐぞれいびゅうううううぐううううううああああああいいいーーーっあんよがああああんよがああああれいびゅれいびゅじねええじねえええーーーーーーっ」 再びしーしーの音が響き始めていた。 「ゆるじでええええええ!!!ゆるじでええええええ!!! おがあざんをゆるじでえええええおでがいでずうううううううう!!!」 「ゆびぃいいいいいい!!ゆびぃいいいいいいいいい!! のろわだいでえええええーーーーっのろわだいでええええええええいやああああああーーーーーーーっ」 「おぢびぢゃああああああああああんんん!!!!おぢびぢゃああああああああああああああああんんんんん!!!!!」 親れいむは床に突っ伏して詫び続けた。 子れいむの一匹は、必死に逃げようとガラス壁に体当たりしていた。 一匹は、しーしーの水たまりの中で恐怖にのたうち回っていた。 人間にとっては単純すぎる仕掛けである。 あの赤ゆっくり共の死に際の絶叫をすべて録音しておき、 今こうして部屋に流しているわけだ。 あとは照明でデスマスクを照らし出してやるだけだ。 「ゆげぇええええええ!!!ゆぅげぇえええええええええ!!!」 一匹の子れいむが餡子を吐き出しはじめた。 凄まじい恐怖によるストレスが生命の根幹までを脅かし始めたようだ。 この処置の効果は予想以上だったらしい。 俺は慌てて注射器の準備をすると、手近の使用人と部屋に向かった。 吐いた餡子を口内に戻し、ガムテープで蓋をしてからオレンジジュースを注入する。 来てみればれいむ共全員が吐いていたので四匹とも同じように処置した。 このまま一晩中放置してもよかったが、俺は次の段階に移ることにした。 れいむ共の嘔吐が収まるまで待ち、美まりさ共の部屋に向かう。 デスマスクも取り除いておいた。 俺が赤ゆっくりを殺すのも、ひとまずはこれで終わりだ。 翌々日、れいむ共は再び出産していた。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!!」 「ゆっくりしていってね……」 また新たに生まれた十匹近くの赤ゆっくり共に返す挨拶は生彩がない。 このれいむ共は、いまでは出産に恐怖を感じているようだ。 産み落とした自分の子供にあれほど憎まれ、呪われた今、 この子たちからも憎まれるかもしれない、という恐怖が染みついている。 「ゆっきゅりおうちゃをうたっちぇにぇ!!」 「わかったよ……ゆゆ~ゆ~ゆっゆっゆ~♪」 「おきゃーしゃん!たきゃいたきゃいしちぇにぇ!!」 「おかあさんのあたまにのってね…」 いまや、れいむ共は子供の奴隷と化していた。 子の教育にトラウマを植え付けられたれいむ共は、 子供に憎まれることを病的に恐れ、子供たちのいいなりになっていた。 求められれば自分の餌を与え、どれだけ疲れても歌い続けた。 後編へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2072.html
U・k・k・u・r・i 「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」 ゆっくり! 「ゆっくりしていってね!!!」 U・k・k・u・r・i 「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」 ゆっくり! 「ゆっくりしていってね!!!」 3・2・1・・・ 「さん」「にぃ」「いち」 ファイアー! 「ゆっくりしていってね!!!」 中の 餡子が れいむ「ゆっくりしていってね!!!」 マットを汚す まりさ「ゆっくりしね!!!」 れいむ「ゆべっ」 今日の勝負は れいむ「どぼじでごんな゛ごどずる゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 並じゃないぜ まりさ「それはれいむがばかだからだぜ!!!」 ゲスの パワーに まりさ「ゆっへっへ、かくごするんだぜ」 負けたら最後 れいむ「だずげでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛」 おうちが 派手に まりさ「きょうからここはまりさのいえなんだぜ!!!」 荒らされる れいむ「も゛っどゆ゛っぐりじだがっだ・・・」 愛する ちぇん「わかるよー」 友の みょん「ちーんぽ」 まなざしが ありす「とかいはね!」 倒れるたび れいむ「ゆがっ」 傷つくたび れいむ「ゆべっ」 俺を強くする れいむ「ゆっくりおこったよ!!!」 Dive! れいむ「ゆっくりたいあたりをくらってね!!!」 ルール破りの まりさ「あたらないぜ」 れいむ「ゆぐっ」 Jump! れいむ「ゆっくりしたじきになってね!!!」 ゲスなゆっくり まりさ「おそすぎるぜ!ばかなの?しぬの?」 れいむ「ゆぎゃっ」 さぁ お遊びは れいむ「ゆっくりしたけっかがこれだよ・・・」 ここまでだ もこ 「もこたんインしたお!!!」 Attack! もこ 「これでもくらうお!!!」 ラスト5秒の まりさ「ゆぎゃっ!?」 fire! もこ 「もえるがいいお!!!」 ゆっくりファイター まりさ「も゛や゛ざな゛い゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!!」 俺は炎の れいむ「な゛ん゛ででい゛ぶま゛でも゛や゛ずの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 もこたんだ もこ 「ゆっくりインしたよ!!!」 U・k・k・u・r・i 「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」 ゆっくり! 「ゆっくりしていってね!!!」 M・O・K・T・A・N 「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」「ゆっ」 もこたん! もこ 「もっこもこ!!!」 3・2・1・・・ ちぇん「わからないよー」みょん「きょせいー!?」ありす「どがい゛はじゃな゛ぃ゛ぃ゛」 ファイアー! もこ 「ゆっくりもやしたよ!!!」れいむ「み゛ん゛な゛も゛え゛ぢゃっだよ゛ぉ゛!!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あとがき 筋肉マンのOPと饅頭タイプゆっくりのコラボ。 何故か頭の中に浮かんできました。 後から見直して何でこんな考えになったのかさっぱり分かりません… そのまんまつなげても「うっくり」「もくたん」になっているのは仕様です、多分。 過去に投下したもの 博麗神社にて。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/84.html
長い間手入れを怠っていたため、畑はすっかり雑草で覆われていた。 倉庫から背負い式の散布機を取り出し、除草剤を散布する。 ひとしきり散布を終えたところへ、草の中から小さな影が飛び出した。 「ゆっゆっゆっ!!なんだかむずむずするよ!」 影の正体は、紅白のゆっくりだった。 農薬によって泡を吹いて朽ちている個体はよく見かけたが、生きているものは珍しかった。 爆発的な繁殖力を持つゆっくりは田畑を群れで襲撃することが多い。 時には花壇さえ食い散らかしていくのだから、害虫より余程たちが悪い。 「おじさんたすけて!むずむずするよ!」 「これじゃゆっくりできないよ!」 散々、人の畑に入り浸っておきながらゆっくりしたいとは図々しい奴だ。 良い機会なので直々に懲らしめることにする。 「どれ、おじさんが診てあげよう。口を開けてごらん」 そう言いながら、散布機のエンジンをかけ直す。 「あ~~ん、ゆぐっ!?ぐぃ!?ぐぃぃぃ!!」 大きな口を開けたゆっくりの中に、むずむずの原因をたっぷり吹き付けてやる。 じたばたと暴れるゆっくりを押さえ付け、最後の一滴まで注ぎ込んでやった。 「さあ、おくすりを飲ませてあげたからもう大丈夫だよ」 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……?」 弱い除草剤では農薬ほどの毒性がないのは分かっているが むずむずするらしいので何か面白い効き目はあるに違いない。 「ゆっ!?あたまがもっとむずむずするよ!?」 ゆっくりに変化が現れ始めた。 じたばたと飛び跳ねる毎に、はらり、はらりと「頭髪」が抜け落ちていく。 「なにかおちてきたよ!」 自分の髪が抜けていることにも気付かないのか、ゆっくりは地面に落ちた髪を見て不思議そうな顔をする。 しばらくして、ついに赤い髪飾りが黒い尾を引いてぼとりと落ちた。 もはやゆっくりの頭部は色白の表皮が光沢を放つのみとなっていた。 「すっきりー!さっぱりー!」 「そうかい、それはよかったよ。気を付けてお帰り」 「おじさんいいひと!ゆっくりかえるよ!」 すっかり元気になったゆっくりは仲間の所へ帰って行った。 予想外に奇妙で興味深い結果が得られて満足したため、食後の農薬は勘弁してやった。 …… … 禿ゆっくりが森の木々の間を飛び跳ねながら進む。 妙に軽くなった体を嬉しく思いつつ、いつもの調子で大きな声で叫ぶ。 「ゆっくりかえったよ!」 するとどこに隠れていたのだろうか、たちまち10体の紅白や白黒のゆっくり達が現れ、声の主を探し始める。 「まりさー!こっちにいるよ!!」 しかし禿ゆっくりがいくら叫んでも、他のゆっくり達は戸惑うばかりだった。 「おーい!みあたらないよ!」 「れいむー!どこにいるの!」 禿ゆっくりには事態が飲み込めるはずもなかった。 「ゆっ!?れ、れいむだよ?!ここだよ!ゆっくりしようよ!」 「なんだこれ!へんなまんじゅう!」 「ほんとだ!おいしそう!」 髪を失ったゆっくりは――同属の目から見ても饅頭でしかなかった。 「ゆ、ゆっ!?ひどいよ!どうして!」 たちまち他のゆっくりの目の色が変わる。 「おーなかすいた♪」 「おーなかへった♪」 「たーべちゃーうぞー♪」 禿ゆっくりを包囲するように10体のゆっくり達が詰め寄って来た。 「ゆっ!?みんなやめてね!たべものじゃないよ!?」 どんなに叫んでも禿ゆっくりの声は届かなかった。 白黒のゆっくりが木の上からジャンプし、禿ゆっくりの真上に落ちる。 ブチュリ。 「ゆ゛っぐり゛い゛い゛い゛ーー!!?」 「ゆっくり しね!!」 下敷きになった禿ゆっくりから勢いよく飛び出した餡子が地面にぶち撒けられる。 「みんなでたべようね!」 「あまあま♪」「うまうま♪」 薄れていく意識の中で、禿ゆっくりはかつて仲間と一緒に食べたまんじゅうの味を思い出した。 しかし、まんじゅうの形だけはどうしても思い出すことが出来なかった。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2610.html
『最後のゆっくり』 5KB 制裁 観察 考証 不運 自業自得 駆除 独自設定 ジャンルがよくわかりません ※俺設定 ※直接的な虐待は一切なし。 ※矛盾があるかもしれないけど、軽く流して。 ※ゆっくりの言葉は少ないです。 ※あと、ゆっくりの言葉では漢字を使います。 最後のゆっくり ゆっくりが、人間たちの目の前に現れてから数十年が経った。 最初は、その可愛らしい姿に、人々は惹かれ、仲良くなった。 しかし、人間の価値観と、ゆっくりの価値観は、相容れぬものであり、 いつしか、仲違いすることが多くなった。 人間たちは、ゆっくりたちが”ゆっくりしたい”という欲望によって、 行動することにより、不快になったり、被害を受けたりすることに対して、 人間の方が、賢くて強いのだから、純粋無垢なゆっくりたちの無知さを寛容な心で許していた。 中には、そんな寛容な心を持ち合わせていない人間もいたが、ごくわずかであり、 調子に乗ったゆっくりたちを虐待するという行為は、別に責められはしないが、 褒められるような行為でもないので、世間ではあまり認識されなかった。 しかし、ゆっくりたちの”ゆっくりしたい”という欲望は、尽きることなく、常に高まっていき、 人間たちは、ゆっくりたちの要望に答えることもできなくなり、ゆっくりたちの無知さに、 ついに我慢できなくなった。 いつの頃からか、自然と、人間たちは、ゆっくりを、「人間の敵」と認識した。 そして、人間とゆっくりの戦争が始まった。 今まで、人間たちは、数多くの生物たちを絶滅させてきた。 この地球上で、他の生物を絶滅させるということに関して、人間たちは、どの生物よりも長けている。 地上最弱と言っても過言ではないゆっくりたちが、人間たちに抗う術などほとんどなかった。 唯一の武器、ドスまりさのドススパークすら、すでに人間たちは攻略する方法を知っていた。 最初から、ゆっくりたちに勝つ可能性などない。 だから、人間とゆっくりの”戦争”という言葉は間違いだ・・・。 一方的な虐殺だった。 しかも、人間たちは残酷である。ゆっくりたちを出来るだけ長く苦しめて殺した。 なぜ、そんなことをしたか。 最初は怨恨。ゆっくりたちに対して、積年の恨みを晴らすべく、想像を絶する壮絶な拷問を繰り返した。 しかし、次第に、そんな恨みもなくなり、いつしか、ゆっくりたちをいじめるのが、ただ楽しいからという、 そんな理由に変わっていった。 そんな中、ゆっくりたちにある変化が起きた。 ゆっくりは、にんっしん(妊娠)しなくなった。 すっきりー(性交)をどれだけ繰り返しても、赤ゆっくりが生まれない。 なぜならば、長年、人間たちに虐待され続けるゆっくりたちの餡子に、この世界は”ゆっくりできない”という認識が、 刻み込まれ、母体のゆっくりは潜在的に、 「こんなゆっくりできない世界におちびちゃんを生ませたくない!」 と思い出し、赤ゆっくりたちも、 「こんなゆっくりできない世界に生まれたくない!」 と思い出し、生まれることを拒否したからである。 無理矢理、人間たちのテクノロジーを使って、赤ゆっくりを作り出しても、 自我が目覚めた瞬間、一瞬にして破裂する。 それほど、ゆっくりたちは、この世界に絶望していたのだ。 この世界は、ゆっくりたちのが望む”ゆっくり”が存在していないのだ。 生き残ったほとんどのゆっくりたちが、自殺し始めた。 死ねばゆっくりできる。 死に行くゆっくりたちの表情は、 死ぬことへの恐怖や悔しさや、やっとゆっくりできるという安堵より、 この世に生まれてきたことへの後悔がにじみ出ていた。 「こんなことなら・・・生まれたくなかった・・・」 これがゆっくりたちの断末魔の叫びになった。 「もっとゆっくりしたかった」というゆっくりたち特有の最期の言葉すら、 言わなくなったのは、この世にゆっくりできるところがないということが、 わかっているかであろう。 自業自得といえども、 さすがの人間たちも、良心の呵責にやっと悩まされだして、ゆっくりたちに対して、再び寛容な心で許してやろうと、 思った矢先・・・それはすでに遅かったことに気づいた。 世界に現存するゆっくりは、たった1匹のゆっくりれいむだけだった。 このれいむも、例に漏れず、死にたがっていたが、 人間たちの献身的なフォローのおかげで、とりあえず、自殺願望は取り除くことはできた。 人間たちは、ゆっくりたちに対して、謝罪の気持ちをこめて、れいむに対して、出来る限りのことをした。 例え、横暴な要求であっても、どんな手段を使ってでも、れいむの望むものをすべて与えた。 しかし、番のゆっくりとれいむのかわいいおちびちゃん、それが唯一れいむに与えることが出来なかった。 過去にゆっくりたちから採取して保管してあった精子餡を、いくられいむに擦り付けても、にんっしんしなかった。 れいむ自身がいくらほしいほしいと願っても、れいむたちの先祖が代々受け継いできた、 この世界はゆっくりできないという潜在意識のせいで、赤ゆっくりたちは、生まれなかったのである。 世界のすべてを望めば手に入ることに、最初は冗長し、でいぶと化したれいむであったが、 どんなに願っても、番のゆっくりとおちびちゃんだけはできないことを悟ると、次第に何も望まなくなった。 「どんなにゆっくりできても・・・一人は嫌だよ・・・寂しいよ・・・少しくらいゆっくりできなくてもいいから・・・誰かれいむの隣にいてよ・・・」 人間が、れいむには、すべてを知る権利があると言い、なぜ、こんなことになったのか、今までの人間とゆっくりの経緯について説明した。 ゆっくりの中でも、あまり賢くないれいむ種であるから、様々なことを教えながら話すので、途方もない時間がかかってしまった。 れいむは、途中、何度も怒ったり、泣き狂ったり、身震いしたりしていが、次第に、 話を聞けば聞くほど、怖くなってきて、ある時から、哀しい表情を浮かべだした。 そして、すべてを聞いたれいむは、人間に問いた。 「れいむたちは1つくらいは悪いことをしたかもしれない・・・でも・・・ゆっくりしたかっただけだよ・・・ ゆっくりしたいって思うことは悪いことなの?じゃあ、どうして、れいむたちはゆっくりしたいって思うの? ゆっくりしたいって思わないければ、こんなことにならなかったの?教えてよ・・・」 誰もれいむの問いに、答えられなかった。 それから数年、最後のゆっくりれいむは、寿命を迎えて死んだ。 最期の言葉は、なかった。 終わり。 作者・ユグルイあき 追伸 ゆ虐SSのネタはたくさん思いつくんです。 ユグルイのストーリーも頭の中では、3~4部とかなり発展してるんです。 でも、どうも、書けない。 なんでだろうねw かわいくてごめんね☆