約 1,001,276 件
https://w.atwiki.jp/jujin/pages/1136.html
リオとキツネと打ち水と。 校舎の窓に映る白い雲を見上げ、キツネの女子高生・小野悠里は肩に掛かるビキニの紐をゆっくりと摘んだ。 悠里は黒色のビキニが隠れるようにブラウスを羽織り、裾を胸元で結んでおへそを見せていた。学校指定のスカートと 合わせて着ると、何でもない服さえも少年誌のグラビアぎりぎりの色気を醸し出し、リオをはじめとして見るもの全てを惑わせる。 学園でも一ニを競う豊かな胸がちらと見え隠れして、さりげなく悠里のスタイルのよさを見せ付けていた。 きょうは学園の打ち水まつりの初日。集まったのは風紀委員長のウサギのリオとキツネの小野悠里、そしてちらほら程度だけだった。 木の桶にひしゃくを片手に準備は万全。蒸し暑い校庭に水を撒いて、夏休みに勉学に励む生徒たちがちょっとでも涼しげに 思ってくれればと立ち上げられた風紀委員の企画。なにせ日頃から生徒指導に熱心な敵役の多い風紀委員だからか、それとも せっかくの夏休みだから勉強を忘れてしまいたかったのか、リオが思ったほど人は集まらなかった。無念にも企画倒れか。 「小野さんっ。学校だよ!」 「ふふっ。すぐ赤くなるリオちゃんって、かわいい」 「これは委員会の活動なんだから、わたしの言うことを聞いてくださいね!」 メガネを光らせながら注意を促すリオの襟元のボタンを悠里はそっと外す。 放課後お茶会とお友達の『まなべさん』や、とあるおねえさまと『くろこちゃん』はそんな着崩しはしません!と、 のど元までセリフを出しかけて、ぐぬうとリオは堪えた。周りの目がちょっとずきずきと突き刺さる。 (これだから、おっぱいキャラは!) 真面目のまー子のリオは、あまり悠里のことを咎めると周りから妬いているように見えると察し、ぎぎぎと歯軋りして黙認した。 それにこの企画は悠里から風紀委員長のリオに提案されたものだから、お願いごとは聞いておいてあげたいしと仕事はきちんとしたい。 しかし、横から見ると悠里の胸と比べてリオのものがおこちゃまに見えてしまう。片足のかかとを上げる仕草が色っぽい。 「リオちゃん。とりあえず、暑くなってきたから始めるよ」 「……うん」 空元気も元気のうち、リオはあまり乗り気でないものの、悠里やその他参加者を引き連れて校庭に出た。 空に浮かぶ白い雲がだんだん悠里に見えてきた。あれが耳、これが尻尾、それがおっぱい。地上をなぞるように見下ろす悠里の雲。 大空に夢をはせるなら絶好の青空。健全な青少年なら翼があれば、優しい悠里へと飛んでゆきたくなると考えたくなるだろう。 「ところで、わたしの夢。聞きたい?」 「小野さんの」 「ふふふ。わたしの夢は、かわいいお嫁さん。女の子の夢だよね」 つや消しした黒ビキニの少女が言うセリフか。と、リオは水を撒く手を止めた。 自分の夢はなんだろう。ついこの間、クラスの教師との進路についてのリーディングがあった。 正直、リオはまだ何も決めていなかった。誰もが夢を抱いていると言うのに、焦りだけがリオを責める。 「先生も……学生時代、委員長してたから因幡さんも教師とかどうかなあ」 「なんですか、泊瀬谷先生。教師は風紀委員長の成れの果てですか」 親身になって言ってくれたのに、ついついあたってしまった自分が恥ずかしい。 「リオちゃんはフリルが胸元に付いた水着が似合うかもね。色は明るい黄色とか」 「そ、そう?似合うかな」 そう言われて嫌な気になる女の子はいない。リオだって、女の子の端くれだ。 「水着のお披露目は女の子・夏のイベントだもんね」 「夏のイベント……」 # 夏のイベントと言えば『こみけ』を真っ先に浮かべるリオにとっては、悠里はラノベやアニメのキャラのようなものだった。 ベタだけど、これを入れなきゃ読み手は納得しない!海!すいか割り!めがねっこ!そして、びきにのおねーさん! リアルも二次元もあるんだよ。でもさ、本当はイベントに行きたかったのだ。近所のちょっと大きな街で開かれる『同人本即売会』。 随分前から狙っていた二次創作の薄い本。憧れのサークルがやって来るんだから、これは行くしかなかろう! だが、苦しいのだ。即売会と委員会の活動を天秤にかけると『委員長の事情』を選ばなければならない心苦しさがリオを締め付ける 。 『正しいことをしたければ偉くなれ』。でも、偉くなったら好きなことが出来なくなるのよ……。 学園のため、みんなのためにと自分の時間を割いて、怒られて、蔑まれて、そしてちょっと褒められて。委員長はやめられない。 薄い本がバタバタと群れを成して湾岸の埋立地の空を飛び去って、リオの元からだんだんと遠ざかってゆく。 「さよなら、わたしの夏……。サイン本、欲しかったよおお」 悔しさをぶつけようと自宅のソファーにて、たれ耳ウサギのぬいぐるみを後ろからハグしながらじたばたと暴れるリオ。 弟から「見たくも無いぱんつを見せるな」と叱責されると、リオはぬいぐるみを投げつけた。 # 「それっ」 悠里の撒くひしゃくの水はきらきらと輝きなら弧を描き、粒となり、乾ききった地面を潤した。虹が微かに浮かび上がる奇跡。 もう一度、ひしゃくに水を汲もうと俯くと、ブラウスがはだけてビキニのラインが隙間から見える。無防備のようで守りを意識した 彼女の姿にリオは思わず見とれた。ぱっと打ち付けるポーズは子供のように無邪気で、動きにあわせて左右にしなる悠里の胸と尻尾は、 ゆっくりと揺さぶられるほど大人の余裕のようなものを感じるではないか。僅かに零れた水滴がブラウスを濡らし、柔らかい毛並みが じっとりと透けて張り付いていた。通り過ぎる風がひんやりとする。二人のスカートを揺らしながら学園を涼しげに飾る。 参加者誰もが悠里の艶姿に見とれて、打ち水まつりは初日を終えた。 悠里と別れたリオは帰り道、同じく校門を潜る男子生徒の声を聞いた。 声変わり前の青臭く、恥ずかしくなる声。 「あしたもあの打ち水、やるのかなあ。タスク」 「わかんない」 「おめー、参加するだろ。ぜってー」 リオは初めて悠里の気持ちが分かったような気がした。 帰宅したリオはリビングに戻るとクーラーの恩恵を受けた。外の洗濯物を瞬時に乾かす夏の光線から逃れるひと時。 刺すぐらいの冷気はいくらなんでも寒すぎるから、温度を上げろとテレビを見ていた弟に命じる。「いいところなのに」とふて腐れて、 弟はクーラーのリモコンに手を伸ばすと、彼はテレビの画面に食いついた。どうやら夏のイベント『こみけ』の特集らしい。 画面には学校での悠里のような格好の子たちがポーズを取ってよい気分になっているところだった。ツイン逆三角の建物を背景に 戦利品両手一杯に夏を謳歌する人たちの映像は、リオにとってリビングを少々居心地悪くしてしまうのだった。 それよりもリオは悠里の方ががスタイルも考えもはるかに自分より大人なことが羨ましく思い、テレビどころではなかった。 「ほら、『ねーちゃん特集』だよ。嬉しいだろ」 「う、うん……」 「珍しいな。いつもなら『うるさい』ってキレるくせに」 とみに。外は明るいのにガラス戸に水滴がぶつかってきた。 だんだんと強く。水滴が創るレンズで快晴よりも余計に眩しい。 「ほら!ねーちゃん!雨、雨!洗濯物!」 「ところでさ、マオ。学校に水着のお姉さんがいたら……どうする」 何言ってるのと弟に呆れられる。 お天気雨。別名・キツネの嫁入り。 弟にせかされて、リオは雨振る青空の夏雲にに悠里の姿を見て洗濯物を取り込んだ。 おしまい。
https://w.atwiki.jp/visualize/pages/58.html
きなの旦那 一時的にめるが男キャラになってきなと結婚をしたが、現在は女キャラになっている とてもあほのこである メインキャラ める(99プリースト)統合前はmeru サブキャラ ジャムを持参(96ガーディアン)
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/10338.html
「全ては…黄金に支配される!!!」 『ONE PIECE』の劇場版『ONE PIECE FILM GOLD』に登場するキャラクターにして、同作の黒幕。 担当声優は 山路和弘 氏。 通称「黄金帝」「新世界の怪物」。 元海賊でありながら世界最大のエンターテインメント船上都市「グラン・テゾーロ」のオーナーを務める大富豪で、 世界の20%の通貨を掌握するとされており、海賊はもちろん海軍や世界政府まで金で動かす程の権力を有しているが、 同時に裏世界を仕切っている大手勢力の一角であり、王下七武海にして闇のブローカーであるドンキホーテ・ドフラミンゴとも通じていた。 後述の彼の悪魔の実はかつてドフラミンゴから強奪した物で、本編時点では利害関係から協力体制を敷いていたものの、 裏では互いに嫌い合っており、虎視眈々と寝首を掻くのを狙う関係同士であった。 自分を神と自称する傲慢な人物であり、グラン・テゾーロにあるギャンブル施設は「騙された者が敗者」という暗黙にして絶対の不文律があり、 イカサマをされても一切咎めることができない。 仮に嵌められカジノで大負けした場合、テゾーロの奴隷のような扱いとなり、 強制的にグラン・テゾーロの従業員としてこき使われる羽目になる。 一方でこの手の悪党には珍しく、自らステージに立ってショーを開催するなど、単なる金儲けの目的だけでなく、 真摯にエンターテイメントの興行に取り組む姿勢を見せている。 + ネタバレ 実は元・天竜人の奴隷という経歴の持ち主。 子供の頃は歌が大好きで会場の外から眺めたエンターテインメントショーに強い憧れを抱く少年であったが、 貧乏かつ毒親の生まれで、父の死後テゾーロの楽し気な歌が大嫌いな母から歌うことを禁止されたため、 12歳の時にグレて家を出奔し、ギャンブル・酒・ケンカなど荒んだ生活を送っていたが、 そんな中で人間屋にて会ったステラという少女に一目惚れし、彼女を買って救いたいと願う。 彼女の嫌いな悪事で金を稼ぐことはせずに、昼夜を問わずに真っ当な方法で働き続け、 仕事の合間を見てステラの元へ足を運び、「将来は大きなステージで歌う」という夢を語っていた。 しかし、三年後、もう少しで彼女を買い取る金が貯まるというタイミングで、町に現れた天竜人によってステラが買い取られてしまい、 これに怒ったテゾーロはSPに取り押さえられ、天竜人に歯向かった罪でマリージョアに連行されて奴隷に落とされたのである。 奴隷として暮らす中で絶望的な日々に追い打ちを掛けるようにある日「ステラが死んだ」という事実を聞いてしまい、 激しい怒りと「金があれば彼女を救えた」という後悔から徐々に金への執着心を高めていった。 やがて26歳の時に、本編でも言及されたフィッシャー・タイガーによるマリージョア襲撃事件が起こり、テゾーロも便乗して逃亡。 だが、魚人海賊団がそうであったようにマリージョアから逃げ出した奴隷が真っ当に生きていけるはずもなく、 身を隠しゴミを漁る逃亡生活のなかでテゾーロは金持ちや貴族に対する憎しみを募らせていき、 本編より12年前に、ドンキホーテ海賊団が主催したオークションの目玉商品がゴルゴルの実であると耳にし、 犯罪者達を唆し巧妙な策で人を動かして会場に火を放つことで、何百人もの死者を出しながらもその混乱に紛れてゴルゴルの実を入手。 この能力で実現した財力で海賊として名を上げるが、ゴルゴルの実の披露は客引きのみで売る気は無かったため激怒していたドフラミンゴに、 上記の事件の犯人と看破され何度も刺客を送り込まれるも、強力なダイスなどの部下も得ていたため次々とこれを返り討ちにし、 結局敵対するよりも商売仲間として利用した方が良いと判断したドフラミンゴが折れる形で協力関係を持ちかけ、 テゾーロはこれを承諾して世界政府や裏社会とのパイプを繋ぎ、本編のような地位に到ったのである。 しかし、同時に皮肉にも自分を虐げていた天竜人と何ら変わりない、貧困者を見下す傲慢な人物に成り果ててしまった。 協力関係なのにドフラミンゴと仲が悪いのは上記の経緯が経緯なため当然なのだが、同時に彼が元天竜人である事も知っていたためらしい。 一方で、自由になるきっかけを作ったフィッシャー・タイガーへの恩義から、グラン・テゾーロでは魚人への差別を禁止していた。 戦闘能力 超人系悪魔の実「ゴルゴルの実」の能力者であり、黄金を操ることができる。 資料によって効力の解釈が異なり、「触れた黄金を自在に操作できる」という特定の物を操作するモサモサの実のようなタイプ扱いと、 ドルドルの実やビスビスの実のような「黄金を身体から生成できる」タイプ扱いの場合がある。 劇中では黄金を生み出す描写は無いが、参考までに原作に登場したビスケットを創造する「ビスビスの実」の能力者であるシャーロット・クラッカーは、 一度に生成・操作する量には限界があり、喰われたり破壊されるなどしてからようやく再生成できる、 つまり一度に生成・操作する量にキャパシティ限界があるような表現だったため、 テゾーロも単にその日のキャパシティ限界は描写外で過ぎていたので劇中では生み出さなかった可能性もある。 いずれにせよ、操る黄金はロロノア・ゾロでも斬れない程の強度を誇る他、 船全体が黄金で出来たグラン・テゾーロを丸々操作できるほどの影響力を誇り、グラン・テゾーロは実質その全てが彼の武器に等しい。 おまけに能力は覚醒の域に到っており、テゾーロは操作している黄金と感覚を共有させることが可能で、 黄金のどこかで衝撃が加わればテゾーロは即座にそれを探知できる。 グラン・テゾーロ来訪時に歓待用として浴びせた金粉を増殖させて相手を彫像にしたり、 操る黄金で精巧な武器や鎧を生成できるなど、能力の規模だけでなく習熟度も高い。 ただし、海水を黄金が浴びてしまった場合、支配が及ばなくなるばかりか砕け散ってしまう欠点がある。 加えて、ギア2を使用したルフィやゾロと渡り合えるなど、基礎戦闘力も高い。 打撃でルフィにダメージを与えていたため覇気も取得している模様。 MUGENにおけるギルド・テゾーロ Kana*RS氏の製作したキャラが公開中。 『ONE PIECE 大海賊闘技場』のスプライトが使用されているが性能は別物で、 全画面攻撃や派手な黄金のオーラで攻撃する技を備えている。 AIも3段階で調節可能なものがデフォルトで搭載済み。 カラーによって性能に差があり、ランクは狂下位~狂最上位想定。 上記の他にCobraG6氏によるMUGEN1.0以降専用キャラも公開されており、こちらには並程度の強さを持つAIが搭載されている。 「金の無い奴は何も手にできない!支配されるしかないんだよ……!」 出場大会 三位一体 狂上位チームトーナメント らんらん式で仲間を集めてチーム戦大会
https://w.atwiki.jp/amaneo/pages/38.html
名呑町裏名呑1-11コーポ名呑101号室。 その丸コタツの中には三毛猫がいた。ヒゲを揺らし丸くなり、腹がゆっくりと膨らみ――戻る。と、そこへ足が突っ込んできた。一部の隙もなく真っ黒で上品な靴下だった。猫は面倒そうに片目を開いたが、また寝息をたてはじめた。 「あの。お話を聞いてくれるというのは」 足の持ち主、名呑中学の制服を着た少女は青ざめた顔で声をかける。マハカメリア宮は台所に向かいつつ、脂ぎった黒髪をゴムで後ろに束ねる。 「ああ、聞く聞く。でも君はアレだろう。家出少女ってやつ」 少女は黙った。こたつの中の足をもぞもぞと擦り合わせる。 「ああ、いやいや。別にそんなのを咎めるつもりはないんだ。つまりはその、家出した人間がとりあえず心配することを解消しようかってこと」 マハカメリア宮はボウルに小麦粉をぶちまけ、その四割ほどの塩水を入れて混ぜはじめた。 「何ですか、それって」 「うどん。お腹空いてるよね?」 次第に固まってきた生地を、打ち粉したラップに包んだ。 「頂いていいんですか」 「もう作り始めてるし。ああ、暇だったらそこらあたりの本でも読めばいい」 目をやった本棚には、少女がこれまで見たこともないようなものばかりだった。 「自殺サークル。完全自殺マニュアル。サルでもわかる遺書の書き方」 かぼそい声で背表紙を読み上げていく。マハカメリア宮は困ったように笑った。 「そこらのはみんなが置いてったやつよ。あんまり、こう、悩みを聞く場所には向いてないよね」 少女も少し笑った。ボサボサのマハカメリア宮とは対照的な、綺麗に切り揃えられた前髪と長い黒髪が揺れた。 「で。さあ聞こうじゃないか」 マハカメリア宮は生地をふみふみ大袈裟に両腕を広げた。 「私、男の子が苦手なんですけど、女の子も苦手で」 「僕は?」 一瞬、時間が止まったようだった。 「一人称は僕ですけど、あなたは女ですよね」 赤いちゃんちゃんこを着て、小太りで胸があるようにも見える。肌は白くてヒゲはないが、背は高い。男性にしては高めの声だが、女性にしてはハスキー過ぎた。長髪と眼鏡がより性別をわからなくさせていた。 「マハカメリア宮は常に『どちらでもない』んだ。彼でもなく彼女でもない。傍観者であり代弁者だ。話を聞き、話すだけ」 わかったようなわからないような答えだった。 「ええと、じゃあ」 少女は深呼吸した。 「クラスにとある男子がいて、その人はすごくモテるんです。優しいし、大人だから」 「大人、ね」 苦笑いしながら言う。少女は頷いた。続けて彼女が話そうとするのを止め、マハカメリア宮は朗々と語り出した。 「君は、別に好きでもなんでもないけどその男――多分悪くない男なのかな――に告白されて、それで他の女の子に嫉妬されてイジメで登校拒否で、家は体面に厳しくて理解してもらえず嫌でココに来た、とか?」 女の子は目を丸くした。 「すごい! なんでわかるんですか!」 「なんでって――」 パターン入ってるから、とマハカメリア宮は心中で呟いた。 「まあ、一応教祖やってんでね。スピリチュアルなものだと思って」 マハカメリア宮は、さきほどまでの彼女の発言と合わせて考えたのだった。 ――流行もあるけど、「長い黒髪の女の子」はたいてい頑固で真面目な性格だよ。変にやまとなでしこになろうと気取ってるような。精神的に早熟だから、小 中学男子のバカっぷりと無神経さに腹が立つことも多い。あとは何か性的ないやがらせでもされてると小中学生期だと完璧に男嫌いになる。まあそれもフィク ションに出る男は別だけど。妄想の男子が加速して一面的にしか捉えられなくなる。いろんな男がいるのを知らない耳年増。 それに付け加えて靴下が上品、アイロンがけされた制服。態度が礼儀正しいのは体面にうるさい家庭で育ったから。家出するのはたいてい家が落ち着く場所じゃなくなってるからだ。 というのは全部偏見に偏見を重ねただけだから、結果正解しても思考プロセスは最悪だから話さないでおくのが吉だよね。 「それで、どうすればいいんですか」 女の子は自然と声が大きくなっている。マハカメリア宮はラップから生地を取り出すと、打ち粉したまな板に平たく延ばして細く切っていく。 作業の片手間に答える。 「君は大人だから――まあ十四才くらいだろうけど――だいたい何をしたいかわかってるよね。ただ話して賛同をもらいたいだけで」 できた麺を沸騰した湯に放り込み、タイマーのスイッチを入れた。 「え? わかんないですどうすればいいんですか」 マハカメリア宮はずっこける。だからね、と彼女の目を見て話す。 「大事なのは、君が決めるってことなんだよ。彼が邪魔ならふればいい。女友達が面倒なら友達をやめればいい。学校や家が嫌ならどこぞへと逃げ出せばいい。人間は自由なのでございます」 女の子は俯いてじっと考えている。マハカメリア宮は黙って鍋で踊る麺の様子を眺め、薬味を作る。やがてタイマーが鳴り、女の子の顔が上がった。 「決まったかな」 どんぶりに熱い麺が盛られた。そこへかつおダシをぶっかけ、ネギとゴマとミョウガとショウガを刻んだものをふりかけ、最後に玉子を割り入れた。白身はすぐに半熟になる。 「おまたせ」 どんぶりから湯気が立ち昇り、マハカメリア宮の眼鏡は半分曇っている。 「いただきまあす」 「そうでなくて。どうすんだい」 かすれかけた猫マークのついた箸をしばらく動かして、言った。 「決めました。私、ここに住みます」 マハカメリア宮はまたずっこけた。女の子は玉子の絡んだ麺を啜り、頬を膨らませてもっちゃもっちゃと食べる。 「こういう時はね、前向きに困難を乗り越えるような返事をするもんなんだよ。そんなモラトリアムみたいな」 「大事なのは私の意志でしょ。私、何でもしますから。この汚い部屋の掃除でもゴミ出しでもこの汚い部屋の掃除でも何でも」 そんなにこの部屋は汚かったか。額を押さえてマハカメリア宮はため息を吐いた。 「あのね。君の何でもってどの程度の決意? 殴られたら急に去ったりケツ触られて警察に行ったりはするでしょ。ここにはいろんな人が来るんだから」 女の子は首を傾げた。 「マハカメリア宮はそんなことしないし、させないでしょ」 「そんな曇りなき眼で僕を見るなッ!」 困った様子で引き出しから紙を一枚取り出した。 「これ、入信届。よく読んでサインして。何をされても自己責任です、と。あと未成年者は親のハンコでも何でも使って同意証明。じゃないと未成年者略取で僕は逮捕だ」 「この釜揚げうどん、美味しいね」 マハカメリア宮はやれやれ、と頭を振る。 「女子中学生? やばいよやばいよロリだよ」 こうして、後の管理の鬼幹部となる蓮田ヒカリが入信したのだった。
https://w.atwiki.jp/bride/pages/108.html
零彗攻略 ガス山書き(2016.03.15) 立ち回り 米粒をくらわせてやれ! 零彗の射撃は作中屈指の燃費の良さとカバー範囲、弾数による強度とケズリ量、当てた時のゲージ上少量、隙の少なさと どこをとっても非の打ち所のない最強の米粒だ。 とりあえずCボタンを押すんだ。強いぞ! 【地上5C→(ジャンプ)→JC→(ジャンプ)→JC→下りJC→地上5C~・・・】の繰り返しがとりあえず今日勝ちたいムーブ。 相手がジャンプするようなら2Cで上に玉が出るので2Cも混ぜたりすればとにかく圧殺できる。 おれのBボタンをくらえ! 射撃が強いとはいえ、本作ではブライドダッシュによる射撃抜けなど対応策が多くあるのも本作の魅力のひとつ。 相手もダッシュBでの突進や、ジャンプしてからの前ダッシュで射撃の上を飛んでこられたりと射撃を抜けてくるようになってくるだろう。 そういう場合は待ってましたとBボタンを押すんだ。 このB攻撃も流石の主人公性能で横に長くかなり強いので相手のダッシュなどの前進行動を読んだら置いておけば咎めることができる。 例えば【C→(前ジャンプ)→JB】とすることで射撃と打撃が合わさり最強となるし。 射撃を見てから何かしようとしている相手に対して、前ステップ5Bや前ジャンプJBで横から押していくことも出来る。 また、B攻撃全般に【B→C】と射撃を入れ込むことによりヒット時はコンボに、ガード時は固めになる。結構大事なので意識していこう。 相手が上手いぞ・・・ 立ち回りが上手くて攻め込まれてしまったら無敵技のEX黒翼刃(623+AB)やガーキャン(ガード中6+AB)で追い返そう。 EX黒翼刃は完全無敵でカウンターヒットした時のダメージがとても高く、思わず悪い笑顔になる性能だ。 ガーキャンは発生が早く、ルシフェルが端まで吹っ飛ぶビンタを6発も出すという「それガーキャンじゃないでしょ」という性能だ。 総括 上記の通り高性能な射撃のCボタンを盾に、高性能な打撃のBボタンを組み合わせることによる制圧が非常に強い。 射撃を意識してる相手にはB打撃。打撃を意識している相手にはC射撃として出鼻をくじきつつ崩しの動きへ繋げていこう。 近づかれて厳しいようならEX黒翼刃、ガーキャンで切り返すという形だ。 崩し よっしゃ接近だ! こちらから相手を崩しに行こうという場合も射撃を盾に攻める。やはりこのキャラはとにかく米粒なのだ。 近づき方下記の4つ程を紹介しておく。【5C→A魔迅閃】、【J2C→3dC】の2つは零彗だけに許された特権で かなり通しやすい接近手段になっている。 そして、ここで大切なのは相手は触りの一手に対してリフレクトで押し返すことが出来るので近づいた後は 「リフレクトされる前提で前ステップで距離を詰めて択に行く」ということ。 ・【5C→A魔迅閃(移動のみ)】→前ステから択へ 零彗特権その1。 射撃の先頭と零彗が一緒に相手に到達するような距離で出すのがベスト。 魔迅閃の移動の隙を射撃がフォローしてくれる。遠中距離からとにかく簡単に近づけてしまう悪いムーブ。 ・空中から【ジャンプC→6ブライドダッシュ慣性JA】→前ステから択へ 相手の地上射撃の射線を外しつつ射撃を撃ち、それをダッシュで追いかける形のデモブラ基本形。 ダッシュを長押しして距離を調節してめくり気味に上から被さるようになるのが理想。その際は慣性J2Bでも可。 ・空中から【ジャンプ2C→(3ブライドダッシュ)→dC】→前ステから択へ 零彗特権その2。斬空波動拳。 J2Cヒット時は5Bからコンボに、J2Cガード時は3dCが連続ガードになるというとにかく押し付けがましい悪いムーブ。 相手の斜め上45度から弾を出せれば零彗の時間が始まる。 ・【前ステップB→5C→(6ダッシュキャンセル)dC】、【前ジャンプB】→前ステから択へ 立ち回りの項目でも書いたが、とにかく零彗戦は高性能な射撃に意識をさかなければならないため前ステップや 前ジャンプに対する反応が遅れがち。加えてB攻撃のリーチも長いため意外に前ステップやジャンプが通りやすかったりする。 ここからも上記の射撃始動の接近手段に派生できるので、こういう素直な行動を通せるようになると動きの幅が広がり成長が 実感できる思うポイントだ。 前ステから拓だ! 相手に近づいたら下段と中段と投げ、そのた諸々で択るんだ! 下段は【2B→5C→(ジャンプキャンセル)→JA→JA→JB→JC→(ジャンプキャンセル)→JA→J2B】 中段は【6B】 投げは【投げ→(ハイジャンプキャンセル)→JB→JC→(ジャンプキャンセル)→JA→J2B】 めくりは【前ジャンプJ2B→2A→5B→EX魔迅閃~・・・】 固めは【6dC→(ジャンプキャンセル)→J2B】 注意事項としては2Bの下段は小さいキャラにガードされると5Cが当たらず反撃を受けてしまうので【2B→A邪影連斬】という ガードされてもリスクのないコンボか【2B単発止め】にする必要がある。 ただしヒット時はちゃんとコンボが繋がるのでリターンを狙う時は覚悟して【2B→5C】を入れ込もう。 中段の6Bはカウンターヒット時のみバウンド誘発で5Bからコンボに行ける。 ガードされたときは着地時キャンセルA邪影連斬が暴れ潰しに。着地前に【6B→(6ダッシュキャンセル)→dC】で攻め継続になる。 6dCは通常ヒット時もダウン追い討ちになるので最初のうちは入れ込んでも十分強い行動になるはずだ。 こいつ、バクステするんじゃが・・・ 本作のバックステップは非常に優秀で長い打撃無敵と投げ無敵がついている。 だが射撃無敵が早くに切れるのでバックステップをケアする択としては【dC>ジャンプ】を重ねるのが有効だ。 ガードされても攻めを継続でき、dC着地前にすぐジャンプキャンセルして後ジャンプJ2Bと垂直ジャンプJ2Bで表裏択を迫れる。 もうひとつはバックステップ読みの前ジャンプ2B。 J2Bがバックステップの終わり際に当たり、バックステップしない場合はめくり攻撃になるなど両対応のような形に出来る。 最後 以上、これで君も零彗使いだ! 読むのめんどくせえ!本当にざっくり要点をまとめろ!っていうそこの君のために3点書いておこう。 「CとBを散らして主導権を握る」 「相手が困ったところにCを盾に接近」 「前ステでリフレクトをケアしながら投げと打撃で崩す」 当然3行では齟齬が出てくるので、なんとなくイメージできたら是非全文を読んで欲しい。 ゆくゆくはもっと詳しい状況別の話(叩きつけ復帰に対する攻めとか)を追記していければいいなと思っているので気長に待つのだぞ。
https://w.atwiki.jp/diktaion/pages/95.html
前へ … オデュッセイア … 次へ 第20歌 求婚者謀殺前夜のこと 眠れぬオデュッセウスの枕許にアテネが現れ、援助を約束する。翌朝、成功を祈るオデュッセウスにゼウスが吉兆を示す。豚飼エウマイオス、山羊飼メランティオス、牛飼ピロイティオスが屋敷にやってくる。テレマコスは求婚者にきびしく対応する。アテナは、宴会中の求婚者を錯乱状態に陥れる。テオクリュメノスは彼らに訪れる災厄について予言する。 内容 アテナ、オデュッセウスの枕許に立つ オデュッセウスが広間の前部屋に毛皮を敷いて横たわっていると、求婚者らと情を通じていた女たちが、笑いながら女部屋から出てきた。オデュッセウスは激しい怒りを覚えたが、じっと耐えた。そこへアテナが天上から降りて、枕許に立ち、「どうして眠らないのか」といった。オデュッセウスは、「私は求婚者どもにいかにして痛撃を与え、その後はどこへ難を避けようかと考えているのです」と答えた。アテナは、「あきれた頑固者じゃな、神である私が助けるというのに、頼りにしないとは。よいか、もし五十の部隊に囲まれても、そなたは勝つことができよう。さあ、今は眠るのが良かろう」といって彼に眠りを注いでやり、オリュンポス指して立ち去った。 オデュッセウス、幸先よい前兆をきく 夜が明け、オデュッセウスは目覚め、寝床を片付けて祈った。「ゼウスよ、屋敷の誰かに幸先よき言葉をいわせてください。戸外でも前兆を現してくださいますように」ゼウスは祈りをきき、遠くの雲間から雷を轟かせた。さらに、オデュッセウスは広間の近くで一人臼を挽く女に出会った。女はいった。「ゼウスよ、辛い苦役で私を悩ましてきたあの求婚者どもが、屋敷で宴会するのが今日で最後になりますように」オデュッセウスは女の言葉とゼウスの雷鳴を心嬉しく聞いた。 豚飼エウマイオス、屋敷へ現れる やがて屋敷内では、女中たちが起きてきて炉に火をおこした。エウリュクレイアは女中たちに屋敷の掃除を言いつけ働かせていた。そこへ豚飼エウマイオスが豚三頭を曳いて現れた。豚飼はオデュッセウスに、「求婚者らはおぬしを少しは大切にあつかったか」といった。オデュッセウスは、「あの者らは傍若無人に振る舞い、恥を知ることがない」といった。 山羊飼メランティオス、オデュッセウスを罵倒する そこへ山羊飼メランティオスが、数頭の山羊を曳いて現れた。彼はオデュッセウスを、「お前はまだここで物乞いして人々に迷惑をかけるのか。殴りあわないと、われらの決着はつかぬようだな」と罵倒した。オデュッセウスは、怒りに耐えて黙っていた。 牛飼ピロイティオス、オデュッセウスに忠実をしめす そこへ牛飼ピロイティオスが牝牛一頭と山羊数頭を曳いて来た。彼は豚飼に声をかけ、オデュッセウスにも手をさしのべて挨拶した。「ご老人、よくぞ来られた。おぬしを見た時、オデュッセウス王のことを思って、目は涙に濡れてしまった。あの方がわしに任せてくださった牛は、今では求婚者どもにみな食べられてしまう。わしは国を捨てて出て行くことも考えたが、今なお不運なご主人のことが忘れられぬ」オデュッセウスは、「牛飼よ、そなたは分別のある男だ。されば誓っていおう、オデュッセウス王は必ずおぬしがここにいる間に帰ってこられ、求婚者どもを討ち果たしてくれるだろう」といった。牛飼と豚飼は、そうなったらどんなによいか、と神々に祈願した。 [[クテシッポス]]、オデュッセウスを挑発する 求婚者たちは屋敷に入り、食事と酒をとりはじめていた。テレマコスはオデュッセウスを敷居の傍らに座らせ、食事と酒を分け与えると、求婚者らに向かって、「ここでは暴言や手荒な振る舞いは慎んでもらいたい」といった。一同はテレマコスの大胆な発言に驚いた。アンティノオスは、「腹に据えかねる発言だ。ゼウスの許しがあれば、とうにその口を封じてやったのだが」といったが、テレマコスは動じなかった。求婚者のクテシッポスという男は、オデュッセウスを見て、「この他国者は皆と同じ分け前をもらっているようだが、わしからも彼に引き出物を贈ってやろう」といって、牛の脚を投げつけた。オデュッセウスは首をひねってこれをかわした。テレマコスが、「クテシッポスよ、今のが当たっていたら、私がそなたを槍で貫いていたぞ。よいか、誰もこの屋敷内で不埒な振る舞いをしてはならぬ。私を殺そうというのなら、かかってくるがいい」というと、一同は静まり返った。 [[アゲラオス]]、テレマコスを説得にかかる 求婚者の一人アゲラオスがいった。「今のテレマコスの言い分はもっともである。彼には、わしから穏やかに話をしてみよう。さて、オデュッセウスの帰国が期待できる間は、そなたが求婚者を制止してもそれを咎める筋合いはなかった。しかし、今や彼が帰らぬことは明白じゃ。そこで母者に勧めてもらいたい、最も多額の結納を納めることができる男に嫁げとな。そうすれば、そなたも求婚者に悩まされることはなくなるわけだ」テレマコスは、「私は母の結婚を延ばすつもりはない。しかし気の進まぬ母を説き伏せて、屋敷から追い出すような恥知らずの振る舞いは私には出来ぬ」といった。 アテナ、求婚者を狂わせる そのとき、アテナは求婚者たちの心を狂わせた。彼らは高笑いが止まらず、血まみれの肉を喰い、目には涙を流し、胸には悲嘆の想いが迫ってきた。テオクリュメノスは、「ああ憐れな者どもよ。そなたらは暗黒に閉ざされているぞ。門も中庭も、暗黒の世界エレボスを指して急ぐ幽鬼の群れにあふれ、暗雲が辺り一面をおおっている」といった。求婚者たちは彼を嘲って笑い、エウリュマコスは、「この客は狂人じゃ。さあ若い者よ、こいつを集会場へ行かせてやれ」といった。テオクリュメノスは、「案内人など頼まぬ。私は自らの足で屋敷を出て行くが、それはそなたらに厄災が迫っているのが判るからだ」といって、屋敷を出てペイライオスの許へ行った。 求婚者、テレマコスをからかう 一方求婚者たちは、オデュッセウスを嘲笑しつつ、口々にいった。「テレマコスよ、そなたほど客運の悪い男もおるまい。この他国者は、パンや酒をせがみながら、仕事をする甲斐性もなく、腕力が強いわけでもない。もうひとりの男は、いきなり立ち上がって予言をはじめるという体たらくだ。この者たちを船に放り込んで、シケリア人の国へ売り飛ばしたらどうだ」テレマコスは彼らの言葉を気にもせず、父がいつ求婚者たちに手を下すかと見守っていた。 関連 人名 オデュッセウス 乞食に身をやつして、求婚者への復讐の時を待つ エウリュノメ 屋敷の侍女 アテナ オデュッセウスを励ますため枕許に立つ ゼウス オデュッセウスに吉兆を示す ペネロペ 予兆の夢をみる アルテミス オリュンポスの女神 パンダレオス ゼウスの秘宝、黄金の犬を盗み、妻とともに殺される アプロディテ オリュンポスの女神 ヘレ オリュンポスの女神 ハルピュイアイ 風魔 エリニュス 怨霊 臼を挽く女 オデュッセウスに吉兆の言葉をきかせる女 テレマコス 父とともに、求婚者への復讐の時を待つ エウリュクレイア 屋敷の女中頭。ペイセノルの子オプスの娘 エウマイオス 忠実な豚飼 メランティオス 傲慢な山羊飼 ピロイティオス 忠実な牛飼 アンピノモス 求婚者。唯一といっていい善人 アンティノオス 求婚者のリーダー格。エウペイテスの子 クテシッポス 求婚者。牛の脚をオデュッセウスに投げつける アゲラオス 求婚者。ダマストルの子。わりと穏健な人物 テオクリュメノス 予言者。求婚者の破滅を予言する エウリュマコス 求婚者のリーダー格。ポリュポスの子 ペイライオス テレマコスの友人 地名 オリュンポス 神々の住みか オケアノス 世界の果てに流れる河 サメ イタカ近辺の島 イタカ オデュッセウスの故郷 エレボス 暗黒の世界 前へ … オデュッセイア … 次へ
https://w.atwiki.jp/tohofight/pages/1901.html
神奈「どうせババァだよ私なんて……近頃の若い子の考えることなんてわかんないよ…… 早苗の考えることも最近わかんないし、諏訪子は諏訪子で私なんかほっといてどっか行っちゃうしさ。 やっぱり若さが足りないんだろうね……でも私だって、ねえ? ねえ、どう思う店主?」 ミス「そ、そうですね……思うに、そろそろお酒は控えたほうが……」 神奈「飲まなきゃやってられるかってんだぁ! だ、だいたいそんな皆してババァババァってさ…… そこまで言うことないじゃん……えぐっ、私だって……もっと信仰があればさ…… それにロリ化だってできなくはないんだよぉ、諏訪子が『キャラかぶりカッコ悪い』とか言うから、ひっく……」 ミス「(小声で)誰かー助けてー」 お空「呼ばれて飛び出てただいま参上!」 JS1「良い子の皆、東方ファイトの時間がやってきたぞ!」 ミス「た、助かりました! もうお酒も尽きそうなんですよ、1石くらいは買い置きしてたのに…… まさか『もうお酒出せません』なんて言えないし、早くどうにかしてください!」 お空「うにゅ、わかったよ、でも戦うのは私じゃないの! 行け、同胞たちよ!」 鴉ズ「カー!」 チアリーダーの格好をしているものの、指示を飛ばす様はどちらかというと悪の総司令官風味のお空、 その掛け声に応じて、地獄鴉たちが神奈子へと突進する。 神奈「どわっ!? なんだこりゃ、鴉の大群!?」 鴉ズ「カー、カー、カー!」 神奈「何、直訴しに来ただぁ!? 帰れ帰れ、わたしゃ大名でも明治政府でも無いよ!」 酒瓶片手に弾幕をぶっ放す神奈子。 ミス「あー!? 屋台が、屋台がー!?」 鴉ズ「カー!? カー、カー!」 ミス「ち、ちょっと避難させてもらうからね!? それでお客さんが切れても私のせいじゃないからよろしくー!」 慌てふためくミスティアと鴉たち。 酔ってるせいで弾幕が粗いが、それでも2ボスやモブキャラたちにとっては脅威である。 慌てて屋台ごと避難するミスティア。だが、鴉たちは避難しようとしない。 お空「ええい怯むなみんなー! どうしても叶えてほしいことがあるんじゃなかったのかー!」 鴉ズ「カ、カー!」 鴉たちは諦めない。一羽、また一羽と落とされつつも、神奈子へと肉薄していく。 神奈「ぬっ……道中ザコキャラ風情が、何をそんなに必死に…… いいだろう、一体何が望みだ。聞かせるが良い」 鴉ズ「カー、カー!」 神奈「何、自分たちも神の力が欲しい? 友達を仲間はずれにしたくない、だって?」 地獄鴉たちは思いの丈をぶつけた。 元は自分たちと同じ地獄鴉だったのに、今や神様鴉になってしまったお空。 そのせいかちょっと頭が悪くなり、無茶苦茶強くなってしまい、 いつしか、地獄鴉の輪から外れがちになってしまったという。 神奈「ううん、事情はわかった、しかし……八咫烏をそうほいほいと渡すわけにもだな…… お空は元々強かったから八咫烏を受け入れられたのであって、お前たちもそうなる保証も無いし、 それにそんないっぱい核融合の力があっても困るし、ただでさえ爆発オチ多いし、 変に事を荒立てて早苗たちに嫌われたくないし……」 酒の飲みすぎで泣き上戸になっていた神奈子、今度は弱気スパイラルに陥ってしまう。 JS1「よろしい、ならばこれを見るといい」 神奈「え?」 突如、JS1の手元の鏡がぺかー、っと光る。 そこに映るのは、今まで辿ってきた神奈子の生き様だ。 武神として、諏訪子と堂々と戦う姿があった。 外の世界で、諏訪子と手を取り合い信仰を広める姿があった。 幻想郷で、早苗に信仰の何たるかを説く姿があった。 東方ファイトで、諏訪子帽の侵略から幻想郷の危機を救った姿があった。 今まで生き抜いてきた、神奈子の激動の人生。 そこには、一切の偽りも翳りも無い、純粋な熱意があった―― JS1「自らの正義を疑ってはならない! 正義とは、常に正しくあらねばならない! ならば今ここで、貴女の行いを咎める理由がどこにある、なぜなら貴女は正しかったのだから!」 神奈「わ……私が正しかった!?」 JS1「そう、我ら正義の使者ジャッジメントシーズン! そこには閻魔も神も関係無い、純粋な正義の志があればいい! なればこそ、この地獄鴉たちの意気にどう応えるか……もう答えは出ているのだろう!?」 神奈「そうか、そうだったな……いいだろう地獄鴉たちよ、神の力、受け取るがいい!」 鴉ズ「カー!」 ジョインジョインオキュー! 元鴉ズ「キュー!」 お空「ああ! 鴉だったはずの皆が九官鳥のおキューちゃんに! これで皆一緒だね、やったぁ!」 JS77「待ちなさいお空、皆を地底に連れて帰ることはなりません」 お空「あれ? 神様が消えて、JSさんが二人になったよ?」 JS77「良いですか、こんなおキューちゃんの大群を地底に連れ帰って、もし何か間違いがあったらどうする? 核爆発的な意味で」 お空「う、うにゅ? でも、みんな一緒に帰らないと、また仲間外れに……」 JS77「話は最後まで聞きなさい。全員一緒で無ければいいのです。 地獄鴉のうち、半分は守矢神社に身を寄せなさい。 おキューちゃんたちは八咫烏を通じて繋がっている、勿論それは貴女もです。 つまり、貴女やおキューちゃんがもし核爆発的な間違いを起こそうとしても、 守矢神社側のおキューちゃんからそれに干渉して止めることができるようになるのです」 お空「う、うにゅ? えーと、繋がってるから仲間外れじゃない?」 JS77「それもそうだし、守矢神社側のおキューちゃんと地霊殿側のおキューちゃんを定期的に交替させれば問題ありません。 ちょうど、貴女が地霊殿と核融合研究センターとを交互に行き来しているように」 お空「そっか! これで皆一緒だ! ありがとう、JSさん!」 ……ほとぼりが冷めたかと思い、その場に戻ってきたミスティアはこう語る。 ミス「神様が落ち着いたかと思って戻ってきたらJSが二人いて、核融合鴉が核融合九官鳥に囲まれていた、 な、何を言ってるのかわからねーと思うが(ry」 混乱するミスティアを尻目に、おキューちゃんズは空と一緒に大喜び、 JS二人は満足げに、その様子を見守っていたという。 というわけでこの勝負、神奈子を説得したジャッジメント・シーズンの勝利! 後日談 早苗「か、神奈子様ぁ、本当にこの子たち大丈夫なんですか?」 神奈「大丈夫大丈夫、結構大人しいし可愛いもんだよ」 諏訪「いやいや……なんでこんなことになっちゃったの?」 神奈「まあなんでもいいじゃないか。ところでお前たち、今日の予定は?」 早苗「え? 今日はいつも通り、そのへんの妖怪を退治しに――」 神奈「ほう? 自ら信仰を減らすような真似を……?」(可愛がっていたおキューちゃんのうち一羽を早苗のほうに向ける) 早苗「ヒィッ!? い、いや勿論弾幕ごっこの範囲でですね、遊んであげた上で信仰を広めようと!」 神奈「そうか、それは良いことだ。頑張っておいで」 諏訪「ち、ちょっとちょっと、物騒な脅しかけないでよ。もし爆発したら神社が消し飛んじゃうじゃ――」 神奈「建物なんかよりも大事なものがあるって、諏訪子はソウ思ワナイカイ……?」 諏訪「(やばい、目がマジだ!?) そ、そそそそうだね!? わ、私も里にお買い物に行ってきまーす!」 何だか一部で、神奈子様への信仰が鰻上りだったそうです、主に畏れ的な意味で。 おキューちゃん コスプレ ジャッジメントシーズン ミスティア モブキャラ 同人ネタ 少数対多数戦 映姫 神奈子 空 鳥
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2322.html
廊下を駆ける。咎める者はいない。 通りかかる者も、呼び止める者も、誰もいない。 どこまでも、どこまで走っても誰とも出会わない。 ただ無機質な廊下と壁が果てしなく続く道。 そこを彼は息を切らせて走り続けた。 気付いていた、これは夢だと。 この世界に来てから何度目だろうか。 いや、本当はこちらが本当の世界で、 ルイズと過ごした日々が幻なのかもしれない。 悪夢から逃げるように走り続け、彼はそこに辿り着いた。 向かう側から差し込む陽の光。 あれほど巨大で存在感のあった隔壁は姿を消し、 代わりにその先へと続く道が視界一杯に広がっていた。 そこには皆いた。 投薬の繰り返しで身体が崩壊した者に、 過酷な環境実験に耐え切れずに死んだ者、 そして自分の代わりに焼き殺された最後の仲間。 そこにはドレスの実験で死んだ仲間達がいた。 日を背にした彼等の影が足元に映る。 彼等の一匹が小さく吠えた。 君はもう十分すぎるほどに戦った。 だから胸を張っていいんだ。 もう争う必要はない、一緒に行こうと。 涙が零れそうになった。 溢れた感情を抑えきれずに叫びたかった。 悲しみも嬉しさも全て吐き出してしまいたかった。 彼等は自分を受け入れてくれた。 憎しみに負けて破壊の限りを尽くす怪物に堕ちた自分を、 それでも彼等は仲間だと言ってくれた。 その感謝と歓喜は言葉では言い表せなかった。 このまま心安らかに仲間達と逝ければどれほど幸せだろう。 だけど、黙って首を横に振った。 まだやらなければいけない事が残っているから。 ルイズを守るという誓いはまだ果たされていないから。 誰に誓ったものじゃないけれど自分に誓ったから。 彼女が運命に負けないように、もう少しだけ力になりたいんだ。 爪を床に突き立ててあらん限りの力で吼える。 蒼い獣へと変貌し去っていく彼の姿を仲間達は見送った。 これでいい。何物に縛られる必要はない。 彼は自分の意思で自由に生きている、誰にも止められない。 自分たちがいくら望もうとも得られなかった物。 ならば彼等の行く末を見守ろう。 彼等はこの研究所から飛び出した一筋の希望なのだから。 「貴様と僕とでは覚悟が違うッ! 全てを捨てられる者こそが最も強いのだ!」 目の前のバオーに失望を覚えながらワルドは杖を押し込んだ。 彼が倒したかったのは、このバオーではない。 教会で見た真の恐怖と殺意を纏った怪物。 正に“世界を破滅させる存在”というべき姿だった。 だが今は違う。倒すべき敵にさえ情けをかけ挙句の果てにこの様だ。 彼の心を満たした充足感は薄れ、代わりに空虚な想いだけが込み上げる。 果たして、全てを賭して打ち倒す価値はあったのだろうか。 苛立ち紛れにワルドは押し込んだ杖をさらに抉り込む。 「………!」 ルイズも、タバサも、シルフィードも限界だった。 使い果たした体力がではない。 込み上げる怒りが既に限度を突破していた。 彼を嬲る姿を見せつけられて冷静でいられるはずがない。 タバサは精神力を使い果たし、ルイズの詠唱は時間が掛かりすぎる。 シルフィードは長時間の戦闘で体力が残されていない。 だけど彼女たちは一歩も引こうとはしない。 たとえここで敗れる事になろうと背は見せられない。 決意を込めた眼差しを向ける少女たちにワルドが向き直る。 満身創痍ではあったが、それでも彼女たちを倒すだけの力は十分に残されている。 身の程も弁えずに牙を剥く連中を片付けようと彼は杖を引き抜いた。 そして詠唱へと入ろうとした瞬間、彼の耳が何か異音のようなものを捉えた。 それは耳を澄まさねば聞こえないほど小さくか細い音。 音のする方へとワルドは視線を向ける。 そこには風竜へと爪を突き立てるバオーの姿があった。 否。突き立てるなどという勇ましいものではない。 力を失った爪頑強な鱗に阻まれて逆に指先から剥がれ落ちていく。 それでも爪をなくした手でバオーは風竜を引っ掻き続ける。 指先の通り抜けた跡に付いた血が赤い線となり風竜の鱗を彩る。 戦う力は失われている、だが彼の眼だけは力を失っていなかった。 “おまえの相手はルイズじゃない”その眼がそう強く叫んでいた。 「汚らわしいぞ! 貴様は負けたのだ!」 横薙ぎに払われた杖がバオーの額を裂く。 飛び散る血飛沫にも彼は目を逸らさなかった。 その視線に、さらに憎悪を募らせたワルドが杖を振るう。 「この僕の前でこれ以上の醜態を晒すな!」 まるで捨てられた子犬のように無力で哀れな姿。 なのに、それでも尚も足掻こうとする無様。 許せなかった。僕との闘いを侮辱しているかのように思えた。 潔く敗北を認めて死を迎えれば苦痛を味わう事もないというのに。 勝てる見込みもなくただ抗うだけ。 短い溜息をついてワルドは杖を構えた。 「……もういい。貴様はここで死ね」 どくん、とワルドの言葉に反応するように何かが脈動した。 だがワルドは気付かない。それはあまりにも微弱すぎる反応だった。 黙れ。おまえに何が分かる。 彼はまだ生きている、生きているからこそ足掻く。 何かが出来ると信じているから戦える。 それを否定する権利はおまえにも誰にもない。 ずっと彼の目を通して見てきた。 彼の耳を通して聞いていた。 彼の感情を通じて感じていた。 悲しみも憎しみも恐怖も勇気も優しさも、全てを。 それは研究所の中では知り得なかったもの。 何も知らなかった僕に、彼は生きる意味を教えてくれた。 辛くて、悲しくて、厳しくて、それでも価値のあるものだと。 自分が生きているからこそ何かを成せるのだと。 生まれてきた事に意味なんて無い。だからこそ誰もが意味を求める。 誰に作られたのか、何の為に生まれたのかなんて関係ない。 自身の意思で彼を守る為にこの命を使おう。 唯一、自分の為に泣いてくれた彼の為に。 穿たれた頭部の穴から何かが飛び出す。 それは1cmにも満たない小さな寄生虫。 彼の体から這い出た虫は一瞬にして風竜の傷口へと入り込む。 切り裂かれた皮膚の下、血管内を通り抜けて脳へと至る。 体内への異物の進入、その激痛に風竜が暴れ狂う。 「くっ! どうした!?」 突然、制御を失った騎竜にワルドは困惑の声を上げた。 構えた杖を下げて必死に振り落とされないようしがみ付く。 “寄生虫バオー”の麻酔作用開始! 脳内に入り込んだ“寄生虫バオー”は風竜の精神を麻酔し、その肉体を完全に支配した! 次第に落ち着きを取り戻していく風竜。 それを目にして安堵するワルドの前で異変は起こった。 瞳孔散大! 平滑筋弛緩! 異質な輝きを放つ黄金の瞳! 裂けた額からは竜には存在しない触覚器官! 「こ……これは!」 “寄生虫バオー”の分泌液は血管を伝って細胞組織を変化させ、 皮膚と鱗を特殊なプロテクターに変え、筋肉・骨格・腱に強力なパワーを与える! ワルドの足元にいるのは、もはや風竜ではない。 怪物に変貌した騎竜を前にワルドは驚愕するほかなかった。 言葉を失った彼の代わりに“それ”は咆哮を上げた。 「ウオオォォォォォム!!」 これがッ! これがッ!! これが“バオー”! “バオー武装現象”だッ! 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2270.html
アンリエッタ王女が馬車から降りると、 学院の前で待ちわびていた生徒達から歓声が上がった。 清楚なドレスに身を包みながらも少女は陰鬱な表情で俯く。 それは、その端麗な容姿さえも曇らせる。 たとえるならば萎れた花というべきか。 「なんだ、わたしの方が美人じゃないか」 盛り上がる群集の中、イザベラだけが冷めた目で彼女を見つめる。 不遜ともいえる勝利宣言を口にしても咎める者はいない。 傍らで固まっている男子生徒たちは二台の馬車を眺めながら、 まだ見ぬ姫の容姿について熱い議論を交わしている。 シャルロット姫について訊ねられたイザベラが正直に “自分とは正反対の性格だ”と答えると一同は騒然となった。 彼等の中で“万人を愛し人々に尊敬される素晴らしき姫”という、 聖女の如きシャルロット姫のイメージが紡がれていく。 “わたしがガリアの実権を握った暁には覚悟はできてるんだろうね” そこから自分に対する評価を理解したイザベラが殺意を滾らせる。 そんな彼女には気付かずマリコルヌが齎した、 “ティファニア姫の容姿の特徴”で男子生徒たちは更に盛り上がりを見せる。 大歓声を上げる彼等に向けられる奇異の目を避けようと イザベラがその場を離れようとした瞬間だった。 背筋に伝わる刃にも似た冷たい感覚。 咄嗟に彼女は振り返って辺りを見回した。 そして誰かが自分を見ている事に気付いた。 そこにあるのは好奇や不審といったものではない。 明確な憎悪と殺意。他人に怨まれるのは慣れている彼女でさえ血の気が引いた。 まるで杖を向けられたかのように目の前に迫った死が感じ取れる。 呼吸が荒い。空気を取り込む事にさえ緊張を強いられる。 必死に睨み返すわたしに、その男は不敵な笑みを浮かべ立ち去っていった。 遠ざかっていく騎士の背中を凝視するわたしにギーシュが問う。 「知り合いかい?」 「いや、ガリアならともかく余所の連中に怨まれる記憶はないね」 「……それは勿論、トリステインを除いてだよね?」 嫌みの混じったギーシュの声を無視し、 イザベラは男が紛れ込んだ一団を見やる。 そこは他国に比べ華に欠けるアルビオン王国の警護団。 アルビオンにだって他国に勝るとも劣らない竜騎士隊があったはず。 それなのに姫の護衛に付いて来たのは今一つ冴えない騎士やメイジの集まり。 よほど余裕がないのか、それを鼻で笑いながら彼女はガリアの馬車へと視線を向け直した。 イザベラに殺意をちらつかせて見せた騎士が戻る。 その彼に、中年の騎士が眼鏡の位置を直しながら訊ねた。 「何かあったのか?」 「大した事じゃねえよ。ちょっと知った顔があったんでな」 「顔見知りか? だとすると厄介だな」 「いや、向こうは俺の顔なんて知らねえはずさ。こっちが一方的に知ってるだけだ」 「そうか。だが目立つ行動は慎め」 「その必要はないだろう。もう時間だ」 顔を顰めた中年騎士に、男はほくそ笑みながら答える。 馬に積んだ荷を解き、中から布のような物を取り出す。 見れば何人かは彼と同様の行動を取っていた。 「だからこそだ。最後まで詰めを怠るな」 学院の塔の上で、彼は眼下に広がる光景に目を移した。 準備を始めたアルビオンの騎士たちの姿を確認すると、 彼は口語に近い呪文の調べを口にする。 薄っすらと掛かっていた靄が次第に濃密な霧へと変わっていく。 やるべき事を終えて彼は下らなそうに視線を外した。 (やはり人間は蛮族にすぎぬか) 己と異なる者を愛し、その間に子を儲け、そして我々との共存の道を望む。 私が出会った男は今までにはいなかった人間だった。 しかし男が解決の為に選んだのは、 他の野蛮な人間達と同様、同族同士で殺しあう道だった。 血を流さずに解決は出来ない、それが人間という種族の性なのか。 「ならば好きにするがいい。 その累が我々に及ばなければそれでいい」 そう呟いてビダーシャルは自らが作り出した霧の中へと姿を消した。 「な、何が起きたの?」 ルイズの困惑する声に答えられる者はいない。 一寸先も分からぬほど濃い霧が彼女たちの視界を覆う。 先程まで彼女を詰問していた衛兵たちも事態の異常さに戸惑うばかり。 それはイザベラたちがいる正門近くでも同じだった。 何とか声を掛け合い、生徒たちは互いの位置を確認しあう。 「我々は騎士ではない」 中年の騎士が部下たちに静かに告げた。 皆一様に荷に積んであった布で身体を覆い、 そこから鋭い眼だけを覗かせている。 杖を抜き、中には詠唱を始めている者もいる。 「我々は賊ではない」 近くで彼等を探す何も知らないアルビオン兵たちの声が響く。 それを無視して彼等はゆっくりと気取られぬように歩を進めた。 その向こう側でおぼろげに見える衛兵と思しき人影を彼は杖で示す。 「我々は人でなしだ」 次の瞬間、放たれた火球が衛兵を炎に包んだ。 悲鳴を上げる間もなく絶命した衛兵がその場に崩れ落ちる。 それを皮切りに彼等は行動を開始した。 「ミスタ・ギトー! ミセス・シュヴルーズ! 生徒たちを早く校舎の中へ! 急いで!」 濃厚な霧の中で幽かに浮かぶ赤。 最初にその異変に気付いたのはコルベールだった。 その光を眼にしたのは彼一人ではなかった。 だが、それが何かを即座に理解できたのは彼のみ。 凄まじい彼の剣幕に面食らいながらも彼等はコルベールの言葉に従った。 更に急かすコルベールを鬱陶しく感じながらも、 声で誘導しながら生徒たちの避難を始める。 あえてコルベールは状況を説明しない。 言えばパニックになるのは目に見えていた。 それでは生徒たち全員を助けるなど到底出来はしない。 漂ってくる臭いに必死に彼は吐き気を堪えた。 忘れるはずがない。忘れようがない。 アカデミーの実験部隊に所属してから幾度も嗅いだこの臭いを。 人が焼ける、とても嫌な臭いを。 「隊長! これは一体!?」 「慌てるな! 馬車を、シャルロット様をお守りするのだ!」 東薔薇騎士団の一人がカステルモールに問う。 それに冷静に答えを返し彼等は馬車を囲むように集う。 この状況が何者かによって作り出されたものなら、 その狙いは間違いなくこの場に集った重要人物に違いない。 そう判断して彼はシャルロットの身の安全を図る。 「シャルロット様、御安心を。 我ら東薔薇花壇警護騎士団、一命に代えても御身をお守りします」 馬車の中で不安に打ち震えているであろう少女に、 カステルモールは優しく、されど力強く語りかけた。 しかし、返答はなく車内からは気配らしきものさえ感じられない。 「御免!」 咄嗟に彼は鍵の掛かった馬車の扉をこじ開けた。 霧を通り抜けてくる僅かな明かりが暗い車内に差し込む。 そこにシャルロットの姿は無かった。 車内を眼にしたカステルモールの顔が蒼白に変わる。 確かに出発前には馬車に乗り込む姫の姿を目撃している。 (まさか馬車から降りて…!?) 最悪の事態を想定して彼は命令を変更する。 だが優先すべきはシャルロットを守る事、それだけは変わらない。 「東薔薇花壇警護騎士団、全軍散開! シャルロット様の保護を最優先とし状況の確認に当たれ!」 「はっ!」 カステルモールの命を受け、東薔薇騎士団が散らばっていく。 残された無人の馬車の中、カステルモールも気付けなかった小さな人形が転がっていた。 彼等は知らない。それがここまで守ってきたシャルロット王女そのものだという事を。
https://w.atwiki.jp/hosyoku/pages/293.html
真っ白な部屋の中にいた 何もない部屋には、俺だけがいた。 壁はあるが、天井はなく、見上げたら空があった その空に昇っていく男女の姿があった。 男の方がこっちを振り返る 「お前が跡継ぎか。少し驚くかもしれないが、悪いもんじゃないぜ。ま、後はよろしくな」 そう言い残すとふたたび空へ向き直し、見えなくなるまで昇って行った。 何の跡継ぎだ?ここで何を継ぐんだ? そして… 目を覚ます 不思議な夢だった。 見回すといつも通りの俺の部屋だった。 昨夜の騒乱の後を残す放り出されたクッションや飲みかけのグラスが目に留まる ああ、そうだ。昨日は… 「あたしのこと、本当に好きなの?」 恵美にそう言われて、俺は驚いた。 たしかに最近仕事が忙しくてあまり構ってやれていない。 しかし、そういうことを言ってるわけではないようだ 昨日はいつもより妙に積極的だった恵美は初めて俺の部屋へあがりこんだ。 そして、グラスを傾けた後、ふと目にとまった時計を見て 「終電、大丈夫か?送ってやろうか?」 それから一転、真っ赤になった恵美は取りつく島もないほどに怒り、あの一言を残して帰ってしまった。 何に怒っているのか? これから彼女に何か言うべきなのか? 謝るべきなのか?だとしたら何に? 起き抜けの頭が昨日の騒乱の収拾に動き出した頃、頭の中で、不思議な声が聞こえた 「何をしている。早くあそこへ行くんだ。時間はないぞ」 どこかで聞いたような声とともに、激しい頭痛が響く。 なぜか、それを皮切りに俺の意識に叫びかけるものがいた ココハオレノイルベキバショジャナイ そこからは、急だった。 何かにせかされるように俺は身一つで部屋を出て、駅へ向かった そこから向かったのは、行ったこともない町 そこで降りた俺は、フラフラと港へでて、船に乗った 船の行き先を見ることもなく。 船は島へつき、そのまま俺は山へ歩いて行った 途中、買ってあったドリンクを飲む 部屋を出てからずっと、妙にのどが渇くのだ そして、腹が減って仕方なかった 店の人が驚くほど買った弁当や菓子類が気が付いたらほとんどなくなっていた そして、焦点の定まらない目でたどりついたのは山頂の大きな建物 そこに入ると、誰もが俺を見咎めることなく建物へ招き入れた 嫌に丁寧に。 いや、崇めるような目線で。 俺は、招かれるまま部屋へ引き入れられた。 疲れた… 豪華な飾り付けがされた広い部屋に俺は倒れこんだ。 服はいつの間にか脱いでいたようだが、いつ服を脱いだかすら記憶になかった 俺の意識はそのまま眠りの海へ沈んでいった。 また、あの部屋にいた 俺はただ一人だった ここで、何をするのか? 腹が減っていた。 無性に腹が減って仕方なかった。 目が覚めた まず覚えたのが体の違和感だった。 手足の感覚がない 腹ばいをしている感覚 起き上がろうとしても起きられない 体をよじるようにして動いてみる ドシン! 大きな音が響く まるで重量物を壁にたたき付けたような そして、体の一部に衝撃が伝わる 俺の体が出した音なのか? わからないことだらけな中で、視界に入ったのは変な服を着た男だった 「お待ちしておりました。崇神様」 なんだ?崇神様って? 何かを尋ねようと口を動かすが、声にならない 「こちらへお越しになってから3日間お眠りになっておりました。 その間に先代様にも劣らぬ見事な崇神様になられたようでお喜び申し上げます。 さ、どうぞ。神々しいお姿をご確認ください」 差し出された鏡に映った姿を見た俺は気を失い、その場に倒れた。 そこに映っていたのは金色に輝く巨大な蛇そのものだった。 再び意識を取り戻す。 あの男はもういない。 俺は崇神様と称する巨大な蛇になってしまった。 この姿では外に出ることはできない。 出てしまっても人間扱いされるはずがない。 どうすればいいのだ? 混乱する俺の意識を支配するもう一つの感情 腹が減った 体が変化したせいか、それともこの体がもともと燃費が悪いせいなのかとにかく腹が減って仕方なかった しかし、頭に浮かぶのは今まで俺が食べてきたいろんな食べ物ではなかった その代わりに、もやもやした不思議な想念が浮かんでいた。 しかし、その想念を俺ののこっていた人間の理性が必死に阻んでいた 不思議な想念が浮かんでは消え、浮かんでは消える どれくらいそれを繰り返したろうか… あの男がやってきた 「これより、崇神様お就きの儀式がございます。申し訳ありませんがご足労願います」 そういってドアを開けて俺を導く。 特に何をするでもないし、何をすべきかすらわからない俺は、慣れない蛇の体を引きずりながら部屋を出た 長い廊下を通って、ドアの向こうには 大きな祭壇があった そして、眼下には多くの人の姿 彼らは不思議な祈りを俺に捧げている なんとなく、俺の位置が分かった 彼らの信仰する宗教の崇めるご神体というのが崇神様、つまり俺だということだ。 なぜ俺がそんなものになったのかはわからない。 もちろん、この後俺が何をするのかも ただ、ひたすら腹が減っていた。 わけのわからない儀式が俺を無視して祭壇の前で行われている。 儀式が進むたびに群集の興奮も上がっているようだ そして… 「これより崇神様に初めての生贄を召し上がっていただきます」 生贄? そういわれて、祭壇に運ばれたのは全裸の娘だった 娘は祭壇に乗せられる。 その姿を見た俺の意識に、あの想念が浮かんだ 「ウマソウ…食ベタイ」 娘を目にしてから、その想念は防ぎようもなく拡大していた その想念の拡大に混乱している俺の目の前で、さらに信じられない景色が進行していた 娘を数人の信者の男が輪姦していったのだ 恐怖に怯えつつも、娘は動くことも逃げることもなく男たちに犯されるままになっていた。 娘の股間から破瓜のそれと思しき出血が見える 娘は少しずつ恐怖の中に女性の快感を擦り込まれていく そして、全員に犯された後、残ったのは放心状態で股間から精液を垂れ流し、全身精液まみれにされた無残な姿だった。 信者たちは娘を祭壇から俺の目の前に移す 娘は、弱弱しい視線を俺に向ける ナントウマソウナ ムスメダ そう思った一瞬後のことだった 俺の口の中から大きな舌が伸び、娘を口の中へ飲み込んだ そして、娘の体は抵抗なく喉を通っていく。 俺は、あの娘を飲み込んだ? のど越しに、娘の弾力のある肉感、すべすべの肌の感覚、 そして、たれ流れた愛液からにじみ出る女性の臭い あの娘のすべてがのど越しに感じられた 小さな顔と頭はするすると喉を通っていき、その下にある二つの膨らみがのどを刺激する その刺激はいったん腹のくびれで弱まって、腰の尻の肉や太腿で再び強くなる 肉質の良い尻や太腿を俺の喉は感じていた 娘の体は、腹の中で留まった。 娘はもぞもぞと俺の腹の中で動く 動くたびに娘の柔らない体を感じていた。 その娘の動きが突然急なものになった。 それとともに、腹の奥に今まで味わったことのない味が広がった 濃縮した女性の味とでもいうような甘美な味だった そして、腹の中の娘の感触が、舌の上で溶ける砂糖菓子のように崩れていった 俺の腹の中で消化されている そう感じたころには、娘は動きを止めていた。 溶けていく娘の体が奥へ奥へと流し込まれる 俺の感覚は、それが顔の肉なのか太腿の肉なのか膣のなれの果てなのかがはっきりと識別していた あの娘を俺は食べてしまった。