約 1,001,277 件
https://w.atwiki.jp/zensensyu/pages/2923.html
地獄先生ぬ~べ~・エロい場面 280 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 15 28 33 ID oAVPdkpq0 地獄先生ぬ~べ~のエロイシーン入場!! ゆきめは生きていた! 料理の研鑽を積み、次は夜伽だ!!! 裸身!! ゆきめがぬ~べ~に迫るシーンだァ――――!!! (15巻) 読者サービスはすでに二話目で完成している!! 郷子がヌードモデルと勘違いして教室で脱いだァ――――!!! (1巻) 絡みつき次第 少女の身体を締めまくってやる!! ゲストキャラ代表 チャイドル桜井奈絵が蛇の痕のついた身体を見せるシーンだァッ!!! (3巻) 肌の重ね合いなら、既成事実がものを言う!! 全裸のショタぬ~べ~と水着のゆきめが風呂場のタイルで密着!!! (25巻) 真の読者サービスを知らしめたい! 温泉美人のろちゃん リンボーダンサーいずな 水芸郷子 地獄のすごろくだァ!!! (19巻) パン一姿は3段コマブチ抜きだがページをめくれば全裸だ!! 赤なめの巻冒頭 2ページ丸まる郷子の脱衣シーンだ!!! (7巻) 万引き対策は完璧だ!! お嬢様、篠崎愛の脱衣シーンだ!!!! (9巻) 探している恋人は木の中にいる!! 木登り幽霊が来たッ 美樹の豪快パンチラシーン!!! (6巻) ロリコンなら絶対に見とけ!! 幼女の絶ちション見せたる 園児の郷子の野外放尿シーンだ!!! (14巻) 男子の人気取りのため(なんでもあり)ならこいつらが怖い!! 郷子と美樹の教室内ストリップ騒動だ!!! (18巻) トイレの個室からパン一で脱出だ!! 放尿中に脅かされた郷子!!! (2巻) 恩返しがしたいから人間の下半身になったのだ!! 人魚の×××を見せてやる!! 速目のがばーーっとね!!! (8巻、10巻) 「今日はバックに挑戦しようか」「ええっ…いきなり怖いわ」とはよく言わせたもの!! スク水の小学生が 大開脚する!! 全編水着だらけの第四コースの幽霊の巻だ―――!!! (6巻) 小学生の身体検査こそが地上最強の代名詞だ!! まさかこの男がきてしまうとはッッ こなきジジイの5-3生徒へのセクハラ事件!!! (25巻) 胸を大きくしたいからここまでやったッ 効果一切不明!!!! 屈辱的なストレッチ ひなひなひなひな あおたのりこ~だ!!! (19巻) オレは羽衣ではない 一反木綿なのだ!! 御存知パンツはいてない 天女の羽衣の巻だ!!! (10巻) 入浴の読者サービス役はいつも郷子にある!! 私の×××に飛び込む奴はいないのか!! 広ミクロ化の巻だ!!! (29巻) デカァァァァァいッ説明不要!! 小5!!! Dカップ!!! 美樹のバストだ!!! (説明不要) 下着姿はカラーで拝めてナンボのモン!!! 獣姦未遂もあり!! 幽体引っ張りゲームの登場だ!!! (7巻) 鵺野先生はあたしもの! 邪魔するやつは思いきり殴り思いきり呪うだけ!! ロリ熟女! まみ先生の 裸マント(15巻) 郷子を除きに風呂場へきたッ!! 多彩なアングルからオールヌード満載 入浴中の郷子がろくろ組美樹に驚いて全裸で飛び出す!!!(4巻) 変態にさらなる磨きをかけ 濡れ女子と喪男による赤ちゃんプレイがきたァ!!! (16巻) 今の自分に衣服はないッッ!! 人体発火現象!! 全編いずなのヌード連発!(14巻) 第3の小学生ヒロインが今ズボンを脱ぐ!! 件の巻から のろちゃんのトイレシーンだ!!! (11巻) 妹の前なら、俺はいつでもいいお兄ちゃんだ!! 克也の背景にかわいい妹のイメージが なぜか一部裸で登場だ!!! (2巻) 中学以降の記憶はどーした 郷子の胸 未だAカップッ!? 今は美樹も3児のママ!! 郷子26歳バージョンの寝起き下着姿だ!!! (16巻) 特に理由はないッ 手術衣で下を履いてない当たりまえ!! 実年齢はバアさんなのはないしょだ!!! 服の下開禁! (元)美少女、高山君枝が転んで際どいマンチラがきてくれた―――!!! (5巻) たぬきが生み出した実現エクトプラズム!! 作中屈指のデンジャラス・シーン ぬ~べ~の欲望が具現化して律子先生をレイプだ!!! (6巻) エロシーンだったらこの回を外せない!! 超A級エロ回 お色気妖怪パウチの巻だ!!!(16巻) 超一流の妖怪の超一流の×××だ!! 生で拝んでオドロキやがれッ 眠鬼の初登場シーン!! 履いてない!! (28巻) 理想の妹はこの男が完成させた!! 服がキツくなるほど成長してしまった愛美!! 木村兄妹の近親相姦寸前だ!!! (21巻) エロき王者が帰ってきたッ どこへ行ってしまうンだッ ジャンプッッ 俺達はこんな話を待っていたッッッ 男子生徒が皆パンツになり、それを女子生徒が直接はいてしまうシーンだ――――――――ッ(28巻) 加えてエロシーンと捕らえるのは気が咎める女の子のヌードシーンを4箇所ピックアップしました! 妖怪として生まれた悲劇 女郎蜘蛛 糸美!! (14巻) 反魂の術で蘇った死人 杉田琴美!! (9巻) 念縛霊!てけてけ! (3巻) ……ッッ どーやら赤いチャンチャンコに郷子が襲われているようですが、乳首が露出次第ッ皆様にご紹介致しますッッ(6巻) ……最初は怖いシーンと半々にやっていくつもりだったのにいつのまにかエロいシーンだけになっていたッッッ!! 関連レス 284 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 16 03 48 ID VNnQSaLz0 どうしよう、全部思い出せる自分が怖い…… 285 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 19 37 50 ID gWteAThk0 いずなちゃん可愛かったよな。 286 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 20 00 47 ID 2LCq5TDX0 最終回あたりのぬーべーとゆきめの初夜を鬼の手がバッチシ見てたよーってシーンが良かった 287 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 20 00 49 ID raPZFlLd0 今いずなが主役の漫画がやってるんだっけか 288 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 20 48 42 ID vPuMoCG9O あかなめ出現→銭湯ヌードフィーバー はすごかった 289 名前:水先案名無い人 :2008/03/02(日) 22 56 30 ID B0KpWb3y0 発想に負けたぜw 288が入ってないのは自分も気になったが露骨過ぎたからあえてはずした? 290 名前:水先案名無い人 :2008/03/03(月) 01 13 59 ID undiQ9QH0 だって冒頭のシーンの方が ジャンプマーク貼ってなくてエロイんだもんw 291 名前:水先案名無い人 :2008/03/03(月) 01 17 28 ID Auw3FYE40 288 「自主規制」 でジャンプのマークがw 292 名前:水先案名無い人 :2008/03/04(火) 08 55 21 ID 35EXSYkB0 その点、ToLOVEるはやってくれたよなぁ~ 乳首の加筆とか コメント 名前
https://w.atwiki.jp/mgshokan/pages/37.html
肉体に与えられる苦痛は大したことはないと、ずっと思っていた。 今まで戦場で受けた傷は程度は違えどいつかは癒えるものばかりであったし、 軍人として拷問も含めた大抵の痛みには耐えられるよう昔から訓練をしていたからだ。 だが今回は少々趣きが異なっていた。 ヴォルギンの大きな手が肌を這うと、触られた場所がぞくりと粟立った。 着ていた服を力任せに裂かれ一糸纏わない生まれたままの姿で愛撫されているというの に情欲は微塵も湧かず、ただ男に対する嫌悪感と僅かな恐怖感のみが心の中にくすぶっ ていた。 黙ってそれを受け入れていると、男の手が膝の間に差し入れられ、そのまま大きく開いた。 立たせたままの膝には服の布地越しに男の硬くなったそれがずっと触れていたので、 男の意図は分かっていた。 堪えきれなくなった欲望を、すぐに満たそうという事なのだろう。 性急な行為を咎めるような視線で睨み上げると、男は女のそれに気付き、楽しそうに鼻で 笑ってみせた。 「なんだその目は……自分の立場を忘れたわけではないだろう?」 女はその言葉を聞き、観念したように黙ったまま目を閉じた。 脚の付け根を這っていた手が、ついにそこに触れた。 きっちりと合わせられていた粘膜を指先でなぞり上げ、太い指がその先端の敏感な尖り に無遠慮に触れる。 男に対する嫌悪感といきなり与えられた強い快感に、思わず体がびくりと跳ねた。 男はそれに気付き満足そうに笑うと、小動物をいたぶるかのように女を言葉でも辱め始め た。 「あんたも女という事か……ここがいいのか?」 指の腹が女の敏感な箇所に押し当てられ、芯の通り始めたそこを擦りあげる。 弄ばれて間を置かず、気持ちとは裏腹にそこは充血してだんだんと硬くなっていった。 愛した男がこの世を去ってから、こんな風に触れられたのは久しぶりだ。 性欲がないわけではなかったが、どんな抱かれ方をしてもいいと思えるほど深く愛した男 はすでにこの世を去っていたし、他にそんな相手もいなかったからだ。 彼女はよりきつく目を閉じて物理的な刺激しか感じない愛撫を受けながら、かつて同じよう に肌を触られた事をぼんやりと思い出していた。 「ジョイ、ゆっくりでいい……開いて」 彼はいつも優しい声で、抱かれ方も満足に知らない自分を導いてくれた。 彼とは戦場で他の隊員の目を盗み何度も抱き合ったが、初めて抱かれたのは補給所の 小さな小屋の中だった。 前線から戻り久しぶりに風呂に入り体を清め、皆が寝静まった深夜に会って、夢中でその 行為に耽った。 「見ないで……」 それだけ口にするのが精一杯だった。膝を大きく開かれ、彼の目の前に女の体の全てを 晒していると思うと恥ずかしく、自然と体が熱く火照った。 だが、嫌な気分ではなく、むしろ嬉しいような高揚感があった。 「大丈夫だ……怖い事は何もしないし、途中で嫌になったら拒否してくれて構わないから」 男は彼女が初めてである事に気づいていたようだった。言いながら太い指を躊躇いがちに そこに触れさせ、愛撫を始めた。 その指先はゆっくりと後ろから前へと移動し、合わせられていた唇を少しづつ解していった。 始めは薄く控えめな姿をしていたそこも触れられるうちにふっくらと艶かしい様子に変わり、 奥から溢れたシロップで蜜をかけられたタルトの上の果物のようにしっとりと濡れ、これ以上 ないくらい妖艶な姿へと変貌していった。 「ソロー、だめよ……」 弄られている場所が、まるで熱せられた鉄のようにどんどん熱くなっていくのが分かった。 彼が指を動かす度に触れられているもう一つの唇と彼の指との間に濡れた音が響き、恥 ずかしさに耐えられず無意識のうちにそんな言葉が漏れた。 「大丈夫だ……力を抜いて、俺に任せてくれ」 気遣うような声でそう言いながら、指を中に差し入れる。 挿入は彼女にとってそれほど苦痛ではなかった。むしろ触れられた場所が甘くとろける様 な興奮と快感があった。 中を確かめるようにそのままゆっくり旋回される感触に、我慢できずに焦れたような声を 上げたのは彼女の方だった。 「……ソロー、来て……」 彼女の中は、望み通りに男で一杯に満たされた。 一度では受け止めきれないその質量とひりつくような痛みに最初は圧倒されていたが、 強く突き上げられるうちにゆるゆると柔軟に受け止める事ができるようになっていった。 女としての初めての儀式に気づかないうちに涙が零れていたが、後悔はなかった。 「ベッドに肘をつけ……」 一度だけではヴォルギンは満足しなかった。 今夜は存分に楽しむつもりらしい。女は言われるまま獣が交わる姿勢を作って男に背中を 向け、諦めたように小さく溜息をついた。 「そうだ……よくできたな」 言葉の最後に、くくくと男の喉から笑い声が聞こえる。後ろから貫かれ、女は短い悲鳴を上げた。 これは陵辱ではない、責め苦だ。 男は生理的な欲望を満たす為ではなく、女を辱め、いたぶるのが目的のようだった。 「そうだ……素直に私を受け入れ楽しませるのなら、あの話は忘れてやる」 言いながら、男の手が乳房の上を這うように付けられた古傷をなぞってゆく。 それは子を産んだ際に彼女が受けた痛みの記憶そのものだった。 彼女は戦場で出産した。 好きな男の子であった為、それを失った悲しみは尋常ではなかった。 その子は「賢者達」と呼ばれる組織に奪われ、彼女を戒める為の人質になった。 偽装亡命としてこの国に渡り、遺産を奪取する為に合流した若者の姿を見て、彼女は全 てを理解した。 若者の姿には、昔愛した男の面影があった。 その若者こそが、彼女の愛する子だったのだ。 「まさかあのガキが、あんたの子だとはな……調べた時には驚いたぞ」 ヴォルギンは女を突き上げながら、優越感に浸るように語り始めた。 力によって女を痛めつけ屈服させて貫くだけでは飽き足らず、言葉でも辱めるつもりのようだ。 スパイとしてヴォルギンの愛人を演じているEVAの言葉を思い出す。 痛めつけて快楽を得る、最低の男だと。 「言うな……」 突き上げられる度に体が軋み、搾り出すような声でそう告げるのが精一杯だった。 「しかもあのガキがそれを知らないとは」 腰を抱き寄せられ、挿入の角度が変わった。 ヴォルギンの抱き方には、抱かれる女への配慮など一つもない。 硬いそれで中を乱暴に掻き回される苦しみと屈辱に、意識はゆっくりと遠のき、幸いな事に 苦痛も次第と薄れていった。 責め苦から開放されたのは、夜明けになってからだ。 疲労の為に重く感じる体をベッドから起こして窓の外を見ると、日の光がグレーがかった 雲に透け、美しい夜明けの景色が広がっている。 「大佐……約束は忘れるな」 乱暴に抱かれ痛む体をなんとか起こし、身支度を整えながらそう言葉を紡ぐのがやっと だった。 自分が母親であると若者に告げない条件のもと彼女はこの責め苦を受け入れる道を選 んだのだが、その約束が履行されるかはヴォルギンの心次第だ。 「分かっている……十分に楽しませてもらった事だしな」 下卑た笑いを唇の端に浮かべ、男は身支度をしている女の耳に軽く口付けをした。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/47021.html
登録日:2021/01/17 (日曜日) 21 58 00 更新日:2024/03/25 Mon 21 25 23 所要時間:約 3 分で読めます ▽タグ一覧 おかわりもいいぞ みんなのトラウマ エロガキ オリバー・ツイスト カレーライス 宇治田 救いがない 検索してはいけない 狂四郎2030 落ちこぼれ 【概要】 宇治田とは漫画「狂四郎2030」の登場人物。 左側頭部にじゃりっぱげがある少々太めの少年。 劇中では既に故人であり、出番も主人公廻狂四郎の回想に1話だけ出るモブキャラなのだが、 そのあまりにも衝撃的な最期が多くの読者にトラウマを植え付けたことで有名。 誰だか知らない人は「おかわりもいいぞ!」の元ネタだと言えば伝わりやすいか。 【出番】 狂四郎とその親友白鳥みつるがかつていた「関東厚生病院」。そこは表向きは児童福祉や障害者福祉を謳いつつ、裏では少年達を戦闘兵士にするために過酷な訓練を課していた。 そこで狂四郎と白鳥がトップクラスの成績を収める中、一番の落ちこぼれが宇治田であった。他の少年達よりも体力が劣る上に途中入院という立場が災いし、全ての項目で最下位だったのである。 施設内では成績優秀な者は優遇され、劣る者はあからさまなほどに冷遇されていた。他の少年達は多段ベッドで寝起きしていたのに対し、宇治田は薄い毛布1枚のみを与えられて床で寝かされていた。 だが一番過酷な差別は食事だった。ある日の食事は狂四郎と白鳥が「シチューとサラダ、コッペパン二個に山盛りのご飯、牛乳付き」なのに対して、宇治田は「小さなビスケットのような物が一枚だけ」という有様。周りの少年達からも「あれでは死ねと言われているようなもの」と言われていた。 そんな宇治田を見かねて、狂四郎と白鳥は自分達の食事を教官の目を盗んで分け与え、さらに自分達のベッドスペースに迎え入れてやる。礼などいらないという2人の優しさに対して宇治田は…… 「女の子のお○んこどうなってるかおせーてやろうか?」 お礼代わりにどこからか入手してきた(主にエロ方面の)知識を提供する。生まれ持ってのスケベ心か、あるいはそれまでその手の物に触れることなく育った反動故か、狂四郎も白鳥もこれを二つ返事で了承。 以降三人はギブアンドテイクの関係を築きつつ、過酷な日々の中で友情を育むようになる。どちらかというと狂四郎と白鳥が宇治田に貢いでいたように見えなくもないが ちなみにギャグにしか見えないこの場面だが 「知力も体力も優れている狂四郎や白鳥に対して、エロ知識という下らない“武器”で宇治田が優位に立つことがある」 「強者である狂四郎たちが弱者の宇治田を一方的に守るだけでなく、宇治田がエロ知識で狂四郎たちを従えている」 という描写であり、 本編のテーマとして重要なことをサラッと描いている 。 「えっ今日は全員カレーライス食っていいのか!!」 「ああ…しっかり食え」 そんなある日、訓練の成績に関係なく全員に平等にカレーライスが振る舞われた。それは普段成績の悪い宇治田も例外ではなく、初めて沢山食べられる喜びを噛みしめる宇治田。 だがそんな彼にさらなる衝撃が与えられる。 「おかわりもいいぞ!」 なんとおかわりまで自由。信じられないという表情をしながらも、宇治田はおずおずと皿を差し出す。 「遠慮するな 今までの分食え…」 だが教官は一切咎めることなく、快くおかわりに応じてくれた。嬉し涙を流しながらカレーを頬張る宇治田を見て、狂四郎と白鳥も思わず笑顔になるのであった。 衝撃のネタバレ注意。 ある程度少年達がカレーライスを食べたところで、何故か教官達は徐ろにガスマスクを装着する。そして食堂内に、声が響いた。 「ただ今より毒ガス訓練を開始する!!」 そう、これも非情な訓練の一つだった。合図と共に天井の空調から突如毒ガスが散布され、途端に少年達は悶絶しながら食べたばかりのカレーを嘔吐していく。 それは狂四郎と白鳥、そして宇治田も例外ではなく…… 「この感覚を体で覚えろ!今散布しているのは31%の嘔吐ガスだ。心配するな計算上死ぬ事はない!!」 「ただし…いやしく腹いっぱい食った奴ほど苦痛は続く!!」 そして訓練が終了し、換気が終わった後。他の少年達より体力が劣り、さらに人の倍以上カレーを食べていた宇治田は、食堂の床で嘔吐物にまみれた無惨な姿になって息絶えていた。 「まさか死ぬとはな…」 「計算以下の体力の落ちこぼれだ」 「いずれ消えていく運命だ…」 最期まで、スプーンは握りしめたまま…… そんな背景の中、成長していった狂四郎。真に恐るべきはこの凄惨な光景ですら施設内ではありふれた光景の一つでしかなかったことだろう。 【余談】 ネット上で見かけるパロディ絵はほとんどが「何かしら食べ物を美味そうに食べ、嬉しそうにおかわりする」シーンばかりで、 初見では何が面白いのか、何かまずいのか分からない人も多かったと思われる。そして元ネタを調べて心底後悔した人も 追記、修正はカレーライスを腹一杯食べてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] おかわりもいいぞとやったねたえちゃんはトラウマ -- 名無しさん (2021-01-17 22 16 12) そんな展開だったんだ。 -- 名無しさん (2021-01-17 22 23 47) 何が酷いって、有名なこの場面すら序の口に過ぎない事。なんとこの直後に狂四郎も白鳥もこの訓練所に感謝してしまうほどのやばい場面が来る -- 名無しさん (2021-01-17 22 46 15) ↑このシーンしか知らないけどそんなヤバい漫画なのか…… -- 名無しさん (2021-01-18 00 17 26) んめ んめ -- 名無しさん (2021-01-18 01 25 03) ↑2 ディストピア漫画だからね、全編ヤバいシーンだらけだ。 -- 名無しさん (2021-01-18 02 33 13) 教官も本当に死ぬとは思ってなかったようで、冷酷なことを言いつつもバツが悪そうな表情してたな… -- 名無しさん (2021-01-18 07 37 59) これ書いてる人エロギャグが有名だけどディストピアの凄惨な描写の方が得意なんじゃないかって思うくらいだからな -- 名無しさん (2021-01-18 13 09 43) ↑ターちゃんも根底のテーマはかなり重いからなぁ -- 名無しさん (2021-01-18 14 03 43) ↑6 外ではM型遺伝子だと分かった瞬間に市民からリンチくらって殺されるので、厚生病院の中はまだマシだったという -- 名無しさん (2021-01-18 14 57 40) 主人公は根っこに殺戮マシンを抱え、ヒロインは図らずもド淫乱、国策で人種(遺伝子)差別が蔓延してる上にディストピア。挙句総統すら軟禁状態。素敵な世界へようこそ! -- 名無しさん (2021-01-18 18 45 03) 今日は全員カレーライス食ってもいいのか! -- 名無しさん (2021-01-18 20 11 21) 非道なシーンではあるが、この訓練を受けた狂四郎や白鳥には毒ガスが効かないという重要な伏線であるんだよね -- 名無しさん (2021-01-19 16 11 48) 後の展開を考えると、ここで逝った方が宇治田にとって幸せだったようにも見えるな…苦しみながらの死だったけど、その前にひと時の喜びはあったし -- 名無しさん (2022-01-29 20 27 06) え!! おなじ日にステーキおかわりを!? -- 名無しさん (2022-09-19 12 22 35) 本編のテーマの縮図ときたか -- 名無しさん (2022-12-27 19 34 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/3853.html
24話:未完成過ぎる奴ら 武器屋には銃器や刃物が大量に陳列されていた。 店主には悪いが頂こう、と、武器屋に訪れた三人は思う。 「あんまり多く持って行っても嵩張るだけだから、厳選しないと……」 「そうだな……ああ、俺、馬だから武器持てねぇ」 「僕は……うーん」 アルジャーノンを除く二人は武器屋内を漁る。 かれんは今装備している自動小銃が重く嵩張るため、小型の銃器が欲しい所だった。 「これで良いか……」 銃の知識に疎い彼女が選んだのは旧式回転式拳銃エンフィールドNo.2。 旧式ではあるがこれはとある会社が再生産を行った物らしくそれ程古い物では無い。 使用するには十分だ。 回転式拳銃の方が自動拳銃より、扱いが簡単だと言う事は流石のかれんも知っていた。 予備の弾を少し多めに取っておく。 「ああ、僕はこれにしよう」 一方の凌河は刃物コーナーに目を行かせ、サバイバルナイフを手に入れていた。 既に拳銃を持っているが弾が切れた時のバックアップとして、と言う考えである。 と、ここで武器屋に訪れる者がまた現れる。 「誰!?」 かれんが声を上げエンフィールドNo.2を構える。 店に入ってきたのは自分と同世代と思われる少年と黒い人狼の男だった。 「待て、俺達はやり合うつもりなんか無い」 「武器を調達しに来ただけだ」 「本当?」 「お二人も殺し合いには乗っていないんですか、じゃあ」 「名を名乗れ!」 「……俺は唐橋圭輔」 「俺はバイロンだ、ああ、殺し合いには乗っていない」 「……私は戸賀崎かれん」 「僕は久木山凌河です」 「俺はアルジャーノン」 三人と二人は互いに軽く自己紹介を交わす。 「あの、久木山忠則と言う人を見ていませんか? 僕と同じ毛色の犬の男性なんですが、僕の父なんです」 ここでもやはり凌河は父の事を尋ねるが、またしても色良い返事は得られなかった。 二人共、返って来た答えは「存じない」。 またか、と、一向に父の手掛かりが得られない事に落ち込む凌河。 「……俺も人を捜しているんだ、深谷春那って言う虎の少女なんだけど」 圭輔もまた捜し人の事を三人に尋ねるが、こちらも凌河の時と同様だった。 特に有益な情報も得られなかった圭輔とバイロンの二人は、ここへやって来た目的に従い、新たな武装を探し始める。 そして、圭輔はワルサーMPL短機関銃と予備弾薬、バイロンはコルトトルーパー回転式拳銃と予備弾薬を入手する。 本来、フルオート短機関銃は圭輔の国では許可や適性検査を受けなければ入手出来ないのだが、 今は咎める店主や警官、役人もいない。 その後、二人は店を出て行った。 かれんが共に行動しないか提案したが、大人数で行動すると返って目立つと、圭輔とバイロンから断られてしまった。 「また会えると良いな」 「うん……」 「僕達は、僕達で行動しましょう……」 かれん、アルジャーノン、凌河の三人も、荷物を纏めて出発した。 【朝/C-3武器屋付近】 【戸賀崎かれん】 [状態]健康 [装備]エンフィールドNo.2(6/6) [持物]基本支給品一式、.380エンフィールド弾(24)、トカレフM1940自動小銃(10/10)、 トカレフM1940自動小銃の弾倉(3)、長ネギ(3)、鍋の蓋 [思考・行動] 0:仲間を集めてこの殺し合いから脱出する。 1:アルジャーノンさん、凌河君と行動。 [備考] ※久木山忠則、深谷春那の情報を得ました。 【アルジャーノン】 [状態]健康 [装備]無し [持物]基本支給品一式 [思考・行動] 0:殺し合いをする気は無いが、良い男がいたら掘りたい。 1:かれん、凌河と行動。 [備考] ※久木山忠則、深谷春那の情報を得ました。 【久木山凌河】 [状態]全身打撲、頭部より流血(歩ける位には治癒) [装備]シグザウエルP239(7/7) [持物]基本支給品一式、シグザウエルP239の弾倉(2)、ウィンチェスターM1912(4/5)、12ゲージショットシェル(10)、 馬のペ*ス型ディルド、サバイバルナイフ [思考・行動] 0:お父さんを捜す。 1:戸賀崎さん、アルジャーノンさんと行動。 [備考] ※滅多な事では死にませんが、頭部を破壊されるか身体を焼かれるかすると死にます。 ※深谷春那の情報を得ました。 【唐橋圭輔】 [状態]健康 [装備]ワルサーMPL(32/32) [持物]基本支給品一式、ワルサーMPLの弾倉(5)、コルトパイソン(6/6)、.357マグナム弾(24) [思考・行動] 0:殺し合いをする気は無いが自分の身を守るためなら武力行使は厭わない。 1:春那を捜す。バイロンと行動。 [備考] ※バイロンの知人、久木山忠則の情報を得ました。 ※かれん、アルジャーノン、凌河の三人とは別方向に進んでいます。 【バイロン】 [状態]健康 [装備]コルトトルーパー(6/6) [持物]基本支給品一式、.357マグナム弾(24)、鉄の杖、ISRBウェルロッドMk.I(5/5) [思考・行動] 0:殺し合いをする気は無いが襲い掛かる奴には容赦しない。 1:圭輔と行動。圭輔の知人を捜索。自分の知人は特に親しい訳でも無いので後回し。 [備考] ※知人はコーディ、アドレイド、クローイの三人です。 ※深谷春那、久木山忠則の情報を得ました。 ※かれん、アルジャーノン、凌河の三人とは別方向に進んでいます。 ≪調達品紹介≫ 【エンフィールドNo.2】 戸賀崎かれんが調達。 イギリスのRSAF(Royal Small Arms Factory:王室小火器工廠、或いはエンフィールド造兵廠) が製造したダブルアクションの中折れ式回転式拳銃。 ウェブリー&スコット社のウェブリーMkVIを基に1920年代末に開発され、1932年、 「No.2 Mk1」の名で当時のイギリス軍の制式拳銃として採用された。 【サバイバルナイフ】 久木山凌河が調達。 未開地で生き延びるのに役立つ、多くの工夫がこらされた多目的ナイフ。 【ワルサーMPL】 唐橋圭輔が調達。 カール・ワルサー社が1963年に公開した短機関銃。 同時期、同じ西ドイツ(当時)ではH K社のMP5が登場していたが、凝ったメカニズムを持つMP5と異なり、 MPLは構造もずっと単純であり、当時のワルサー社は、高性能だが高価でもあるMP5に対し、 資金の乏しい顧客に低価格路線で売り込んだ、が、余り成功しなかった。 【コルトトルーパー】 バイロンが調達。 コルト社が1953年に開発した、同社初の357マグナムリボルバー。 同社の傑作リボルバー・パイソンの陰に隠れ、影の薄い存在になってしまった。 前:賑わいを見せる錆塗れの遊戯場 次:全ては君を”救う”ために 前:可愛いは正義 戸賀崎かれん 次:You took the best parts of my life 前:可愛いは正義 アルジャーノン 次:You took the best parts of my life 前:可愛いは正義 久木山凌河 次:You took the best parts of my life 前:Promised land 唐橋圭輔 次:beautiful human life 前:Promised land バイロン 次:beautiful human life
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2253.html
「どうやら到着したようじゃな。あの『ガリアの問題児』が」 左右に開いた大きな窓からオールド・オスマンは眼下を見渡す。 塔の下には豪奢な装飾があしらわれた馬車とそれを守る護衛数人。 事前にあった通達どおりイザベラを乗せた馬車は無事学院に到着した。 もっともガリア王国が誇る花壇警護騎士団が護衛に付いているのだ。 何かがあるなどとは到底考えられない。 「ラ・ヴァリエール公爵の三女に、オレルアン王の姪か」 これだけの重要人物を二人も抱える場所は珍しいだろう。 肩に圧し掛かる責任の重さと共に、彼は大きな溜息をついた。 もし、彼女達の立場だけを考えるのなら望ましい限りだろう。 いずれ彼女達があるべき地位に就いた際、その恩師にもそれなりの見返りはある。 下手をすればオールド・オスマンを免責し、自分が学院長に成り代わろうとするかもしれない。 だが、そんな奇特な人間は今の所一人も出ていない。 当然だ。誰もやりたくない仕事を率先して代わる者はいない。 次代を担うべき少女達。 だが、その両者はどちらも負けず劣らずの問題児だった。 「何度も言うようですが仮にも王家の人間なのですから、 それに相応しい礼節と態度を持って……」 カステルモールの小言を右から左に聞き流す。 コイツが気にしているのは王家の面子だけ。 わたしが笑われようがどうしようが構わないと思ってる。 ようやく言っても無駄だと理解したのか、 カステルモールは部下を引き連れてシャルロットのいるガリアへと帰っていく。 その後姿を馬車の中からあくびをしつつ見送る。 完全にアイツの背中が視界から消えた頃、馬車の周りには田舎者が集まり始めた。 (さて、そろそろ出番か) カステルモールの言葉が耳元で残響する。 まるで呪いみたいにこびり付いた声を長い髪と共に振り払う。 (うるさいな、分かってるよ。王族らしい振る舞いだろう) ざわめく生徒達の前で大きな音を立てながら馬車の扉が蹴り開けられる。 青みがかった長い髪とドレスを翻しながら彼女は降り立つ。 そして開口一番。近くにいた桃みがかった髪の少女を指差し、 「そこのお前、わたしの部屋に案内おし。荷物を持ってな」 それは正しく絵に描いた暴君の如き振る舞いだった。 カツンと大理石を杖で小突いたような音が辺りに響く。 それは白の騎士が黒の城砦へと攻め入り打ち倒した音。 崩れた城砦が盤の上を転がり床へと滑り落ちる。 大理石で作られた駒と床が互いの存在を主張するように甲高い音を鳴り響かせる。 しかし盤面を挟んで睨み合う二人の耳には露の滴る音ほどにも聞こえない。 両者の実力は伯仲し、僅かな緩みでさえ勝負を決する域にある。 「今頃、魔法学院に着いているんだろうな。……心配ではないのか?」 「別に。お前とシャルロットのような関係に我々は当て嵌まらんのだろうな」 「それでも血の繋がった親子だ。いずれは自分の大切な者に気付く時がくる」 シャルルの言葉に揺らぐ素振りさえ見せずにジョゼフは敵陣に騎士を打ち返す。 その一手を熟慮しながらも迎え撃ちながらシャルルは続けた。 だがジョゼフから返って来るのは言葉ではなく黙々と打ち続ける手のみ。 失敗したか、とシャルルは自戒した。 彼の兄ジョゼフは感情の起伏に乏しい人物だった。 魔法の才がないと嘲りを受けようとも、 受け継いで当然の王位を弟に奪われた時も、 父である先王の死の際にも感情らしいものを見せる事はなかった。 恐らくは彼自身もそれを悩みとして抱えているのだろう。 土足で彼の心に踏み入った事を詫びながらシャルルは話題を切り替えた。 「厳しいな。この守りを抜くには城砦と騎士の力を併せ持つ駒が必要だ」 一見すると手薄に見えるジョゼフの守りを眺めてシャルルは呟く。 しかし冗談じみたその言葉にジョゼフは真面目な顔で返答した。 「そういえば今は“そういう物”を作っているな」 「……何だって?」 「言葉通り“城砦の力を持った騎士”だ」 ジョゼフの言葉に目をパチクリさせながらシャルルは聞き返す。 城砦の巨体と強度、騎士の動きを持つガーゴイル。 まるで悪い冗談のような代物をジョゼフは作り、しかも実用化寸前までこぎつけたと言う。 呆れるべきなのか、感心すべきなのか分からずに呆然とするシャルルの前で、 ジョゼフは顔を顰めながら口と駒を持った手を同時に動かす。 「後は強度の問題だ。いくら動きが速くともあの巨体だ。 砲火や魔法を集中されれば容易く打ち砕かれる。 それさえ解決できれば国境沿いの兵を大分減らせるのだがな。 そうなればその分、人も金も両用艦隊に回せる」 「……両用艦隊。それはアルビオンへの備えか?」 「相変わらず察しが良いなシャルル。その通りだ」 さも当然と言わんばかりにジョゼフは答えた。 王にも秘匿された軍備拡大。それは彼の範疇を超えた明らかな越権行為だった。 そして“騎士人形”の件も今聞かされるまではシャルルの耳には届いていなかった。 しかし、それを咎める事はせずシャルルはジョゼフへと問う。 「アルビオンは確かに軍事強国だ。 しかし一時期は荒れていた政情も落ち着きを取り戻している。 今更、他国を相手に暴発するとは思えんのだが」 「そうかもしれぬ。だが、そうでもないかもしれぬ」 そう言いながら彼は騎士を捨て駒に王への道を切り開く。 形勢を逆転させるその一手にシャルルの表情が凍った。 「一つだけ確かなのは、戦争には“待った”も“次局”もないという事だ」 決着が付いた盤とそれを睨むシャルルを残しジョゼフは席を立った。 グラン・トロワから去ろうとする彼を背後から呼び止めるシャルルの声。 それに応じて彼は足を止めた。 「成程。では初めからそのつもりだったのだな」 「……何の事だ?」 「とぼけるな。彼女の留学の事だ」 振り返った先でシャルルが怒りを滲ませる。 珍しい弟の姿に冷静なジョゼフも僅かに驚きを示した。 無言のままのジョゼフにシャルルが言う。 「トリステイン魔法学院に留学させれば、かの国と同盟を結ぶキッカケになるだろう。 正直、人質を提供したようで気が引けるが有効な手だ。 だが! 自分の娘まで駒として扱うなど決して許さん!」 ジョゼフに浮かんだ感情は困惑だけだった。 何故、弟は無関係な人間にまでそんな感情を向けられるのか。 それが理解できないと彼は呆然と立ち尽くすしかなかった。 「……すまない。少し感情的になりすぎたようだ。 この国の為を思えばこその行動を非難する謂れはない」 「いや、恐らくはお前が正しいのだろう。俺がそれを理解できないだけだ」 「………………」 ジョゼフの返答にシャルルは言葉を詰まらせた。 何を言うべきかも分からずに目を伏せて押し黙る。 しかし意を決して彼は口を開いた。 「それにまんざら悪い話でもない。 上手くすればトリステインと友好的な関係が築けるかも知れんしな」 「シャルル」 笑みを浮かべるシャルルに、ジョゼフが彼の名を小さく呼んで制す。 そして僅かな沈黙が舞い降りた後にジョゼフは告げた。 「それをアレに期待するのは酷というものだ」 同時刻、トリステイン王立魔法学院ではいつもより一際大きい砂煙が立ち昇っていた。
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/827.html
私は暑さに頭でもやられてしまったのだろうか。 それとも、時間を有り余すことに慣れていないせいなのか。 いずれにせよ、普段の自分では無いことは確かだった。 健康に悪いことは承知だが、クーラーの温度を一気に下げた。 鋭さすら感じる風が、頬を突いた。 少し、冷静さを取り戻せた気がする。 改めて、自分の所業と向き直した。 デフォルメされすぎているが、確かに彼を模っている。 その、苗木君の姿を。 「なんでこんな物を作ってしまったのかしら……」 こんな物、と言いつつも、それに親しみを感じてしまうのが苛立った。 あまりいい出来では無いぬいぐるみが、人畜無害の微笑みを張り付かせている。 そもそもとして、仕事が休みなのがいけない。 加えて、苗木君が休みでは無いのもいけない。 調子が狂うからと、自分も出勤しようとしたら、 半ば怒っているような形相で、咎める苗木君もいけない。 そして、それに気圧されてしまった私もいけない。 これだけ重なってしまったのだから、しょうがない。 そう自分を宥められる人間なら、もう少し楽に生きられている。 もやもやを苗木君にぶつけた。 とは言っても、もどきにすぎないぬいぐるみを抱き締めても、 気持ちが晴れるはずが無いのに。 ……はずが無いのに。 どうして、落ち着いてしまうのだろうか。 本当に、普段の自分からはかけ離れているようだ。 もう、思考を続けるのも嫌になった。 ベッドに身を投げて、意識を手放した。 「……切さん……霧……さん」 ぶつ切れの声が、耳に入った。 重たい瞼を上げると、ぼんやりとした輪郭が映った。 苗木君、だろうか。 いや、彼がここにいるはずがない。 今頃は、忙しさに追われて、夜まで身動きが取れないはずだ。 ということは、さっきのぬいぐるみだろうか。 全く、どうかしているらしい。 幻聴まで聞こえるなんて。 それにしても、随分離れているように見える。 胸に抱えていたはずなのに。 癪だが、もう一度引き寄せることにした。 「こんな冷えた部屋で寝てたら、風邪を引いちゃうよ。取りあえず一回外に……な、なにをしてるの?」 幻聴まで、私を気遣ってくるのは、らしいと言うのか何なのか。 まあ、悪い気はしなかった。 さっきよりも、気持ちが安らいでいる。 どうしてか、抱き締めると、しっかりとした感触が伝わって、 ……苗木君の匂いがした。 それに、風邪を引くなんて現実味が無い話だと思った。 こんなに暖かいのに。 心地よいまどろみの中で、頬を緩めた。 意識が戻ったのは、昼下がりを少し過ぎたあたりだった。 行き場の無い思いはすっかり消えてしまっている。 頭の中は澄み切っていて、普段より冴えていた。 こんなに寝覚めが良かったのはいつ以来だろうか。 意外と、このぬいぐるみも捨てたものではないらしい。 ……ぬいぐるみ? ……これが? ピグマリオン効果、というものだろうか。 彫刻に恋焦がれて、本物の人間のように接していたら、 本当に命が宿ったというあれだ。 ……いや、それは名称の元になっただけで、ただのフィクションだ。 無機物に当てはまる訳がない。 じゃあ、どういうことだ? どう見ても、等身大だった。 顔は埋めていて、分からないが、特徴的なくせっ毛が、ぴょこぴょこと忙しなく動いている。 肩と思わしきものを掴んで、仰向けに直した。 「苗木君、なの?」 「だ、誰に見えるの?」 苗木君に見える。 ……えっ? 数瞬置いて、澄み切った頭は平穏を失くした。 「……ごめんなさい。拘束してしまって」 「い、いや。別にそれはいいんだけどさ」 必死に平静を装っているが、目は合わせられなかった。 「どうして、ここにいるのかしら?」 「……哲学的、だね」 「いいから答えて」 足らないのは分かっているが、もう上手く言葉が出て来ない。 相当、参っているらしい。 誤魔化すように、苗木君を睨んだ。 ……またやってしまった。 「え、えっと。午前中で切り上げられたからさ、早めに帰って来られたんだ」 「……そう。幻聴じゃなかったのね」 「えっ?」 「いえ、なんでもないわ」 連絡の一つでも寄越して欲しいと思ったのは我儘だろうか。 ……いや、眠っていて対応出来ないのかもしれないが。 どちらにせよ、こんな醜態を晒す羽目になる可能性が少しは減ったと思う。 「あ、あのさ……これ、どうしたの?」 苗木君が向いた先にあったのは、苗木君だった。 いい加減、平静を装うのも辛くなってきた。 「寂しかったのよ……」 「えっ?」 「なんて言ったら、あなたは慰めてくれるのかしら?」 「だ、騙したね……」 別に、苗木君を騙してはいなかった。 騙したのは、自分の気持ちの方だ。 寂しかったに決まっている。 こんなおもちゃを作って、気を紛らわせているぐらいには。 本当に、慰めて欲しかったが、そんな弱味は見せたくない。 いくら苗木君の前でも、そこまで晒す勇気は出なかった。 「暇だったから、なんとなく作っただけよ。意外とかわいらしいでしょう?」 「自分のぬいぐるみをかわいいとは思えないよ……」 「それもそうね」 ごもっともな意見だった。 少し、可笑しくなって、気持ちが落ち着いて来た。 冷静になって苗木君の方を見ると、様子が変なのが分かった。 どこかそわそわとしていて、覚束なかった。 やっぱり、分かり易い。 それに気付かなかったあたり、事態の深刻さを物語っていた。 「苗木君、落ち着きが無いけど、何か隠しているの?」 「い、いや……なんでもないよ……」 「分かり易いあなたには隠し事なんて向いてないわ。 さっきも、『それは』いいんだけどって言っていたじゃない。 私に出来ることなら力になるから、教えてもらえないかしら?」 「ありがとう……嬉しいけどさ、本当に分かっているの?」 「……生意気な物言いね」 らしくないような問いだった。 少し、ムキになっているように見える。 「霧切さんの鋭さなら、そんなこと言わなくても分かると思うんだけど……」 「本当に、生意気ね。いいから、話してもらえない?」 「だからさ! 霧切さんは凄くかわいいんだから、 ずっと抱き付かれていたら落ち着かないのは当たり前だよ!」 「えっ?」 苗木君が言うには無理がある言葉だった。 だから、一瞬で彼の顔が真っ赤になったのはその証明で、 本音であることが痛い程に分かってしまった。 ……かわいい? ……私が? 意味を認識するまでには、数秒掛かった。 認識してから、顔に熱が集まるまでは、一秒も掛からなかった。 堪らなくなって、苗木君の胸に顔を埋めていた。 「き、霧切さん……?」 「何も、言わないで……」 どうせ、酷い顔をしているなんて、隠せてもいない。 それでも、気休め程度のことはしたかった。 苗木君は私の言った通りに、何も言わなかった。 ただ、軽く背中に手を回して、抱き留めてくれていた。 「……やっぱり、かわいいなんて、あなたが言うには無理があるセリフね」 「ボクが一番痛感したよ……」 「だから、私も、一つだけ無理を言いたいの。いいかしら」 「えっと、どうしたの?」 「……寂しかったわ。慰めて」
https://w.atwiki.jp/crackingeffect/pages/96.html
相模湾沖に幽けく揺蕩う魔界軍艦の存在は、既に都市伝説の一つとして鎌倉より全国に発信されている。 聖杯戦争とは民間人へ秘匿したまま行うのがセオリーであるが、最早鎌倉の聖杯戦争に道理などは存在しない。 紛争地域で銃器の所持を咎めるようなものだ。魔都に魔が跋扈していて何が悪いと、世間にはそう認知され始めている。 この一ヶ月間で、三桁を軽く越すほどの市民が死亡、行方不明となった。 原因の大半は不明。証拠を探れば探るほど、都市伝説という不確かなものの関与を疑わねばならなくなる。 否――それは果たして、本当に疑っているのか。望んでいる、の誤りではないのか。問うた所で答えは決して返らない。 両手足の指を足し合わせて尚足りない怪異の満ちた魔都鎌倉には、その中でも一際異質を極めた伝説が存在した。 伝説、という形容は少々不適切かもしれない。 屍食鬼を始めとした数多の怪異は、実在しなければ辻褄の合わない事柄が多すぎるとはいえ、あくまでまだ噂の範疇に留まっている。しかし、これより語るモノについては間違いなく実在が確認されているのだ。 誰もが知りながら目を背けている。それは、夢見る奴隷となった民草に残された最後の正気の名残なのか。ならばいずれ畏怖は期待へと変わろう。もっと面白いモノを見せろと、痴れた音色を奏で立てるに違いない。 されど、その彼らをして本能的に直感している。あれは近付いてはならないモノであると。 半端な心根であれの領海へ踏み入ろうものならば、あれは喜々として砲火を注いでくるだろうと。 そういう確信を、皆が直感的に得ていた。 ――海原の真ん中に憚ることもなく停泊し、微動だにせず其処へ在り続ける「ソレ」は、この時代に存在する筈のない威容を湛えている。漆黒の黒金は朝の陽射しすら吸い込み咀嚼する深みを帯びていた。 これは戦艦。名を伊吹。鋼鉄の暴力装置。百年前の戦にて駆られた殺戮の道具であり、棺桶とでも呼ぶべき代物である。 その背後に浮かぶ空は朱く燃え上がっている。それは錯覚ではなく、現実を浸食しつつある悪夢の片鱗に違いなかった。 伊吹の真下に広がる海は愉悦にせせら笑う魔王の貌であるかのごとく、さらなる絶望を与えてやろうと不気味にうねり、絶えることなく鳴動している。 何一つ、何一つとして、そこに希望的なものはない。 そこは正しく魔王の城。地獄の入口であり、蓋が開かれれば極大規模の災禍が解き放たれて全てを破滅へ導くだろう。 サーヴァント・ライダー。英霊でありながら、聖杯戦争の行方を一人で担うだけの力を秘めたる者。 今にも溢れ出さんとする混沌の戦火が立ち込める天を背景に、楽園の夢を求めた男が播磨外道を吟じている。 寄せ来る全てを平等に迎え入れんとばかりに仁王立ちし、彼方の陸地を見据えて宣戦している。 魔王とは待ち受けるもの。自ずから出向き、その力を振るうものではないと彼が心得ていたことがせめてもの幸いか。 地獄の釜は未だ開いていない。その蓋に手をかける者も現れていない。 そこへ誘う悪魔も不在であり、魔界戦艦伊吹に逐わすのは真実光の魔王と、彼を呼んだ男のみである。 「感じる、感じるぞ。おまえたちの賛歌が俺の耳には確かに届いている」 この時代は腐敗している。 痴愚の思想が根付き、ライダーが最も忌避する人種が溢れ返っている。 彼にしてみれば、まさしく地獄と呼ぶにも相応しい環境であった。 だからこそ、己が試練を課し、輝かせてやる必要があると大真面目にこの男は考え、そして実行へ移さんとしているのだ。 善悪関係なく困難に立ち向かう、そんな輝きを常に生み出せる天地。愛と勇気の人間賛歌に満たされた地平を。 その世界は艱難辛苦に満ちている。 雲を衝く大巨人が多頭の大蛇と争い、雷を握り締めた神霊が地の底からいずる不浄な魂に裁きを落とす。 大地震、大津波が全世界規模で発生し、天変地異と神話の戦争が絶えず吹き荒れる。 常に何かの脅威が起こり続ける為に、一瞬の気の緩みさえ許されない世界。 世界は夢で溢れ、あらゆる神話の英雄、怪物、神格――果てにはあらゆる者が思い描いた物語の登場人物が現実世界に出現し、それゆえ神話レベルの災害と試練が既存文明を粉々に破壊していく。 まさしく修羅道だ。そしてそんな世界こそが、このサーヴァントにとっての理想郷。 脅威、試練がなければ人は輝くことが出来ないのだから、俺がそれを齎してやろう。遠慮はするな受け取るがいい――これぞ全ての救い也。魂の劣化が決して起きず、自らの輝きであらゆる夢が掴み取れる世界。 それを――楽園(ぱらいぞ)という。 「さあ、さあ、さあ――来い。俺はいつだとて此処に在るぞ。おまえたちを待っているのだ。 聖なる杯が欲しいのだろう? ならば俺を斃せよ。 俺とて英霊(ヒト)だ、この心臓を貫けば容易く殺せる程度の存在に過ぎん。 おまえたちの賛歌で俺を納得させてみるがいい。それが叶ったならば、俺は喜んで豪笑と共に退場しようではないか」 地獄の歯車が回っている。 悪魔の不在という矛盾点を抱えたまま、鋼鉄の歯を噛み合わせて。 「さあ、先ずは作法通りの宣戦と行こうか」 伊吹の砲身が火を噴いた。 伸縮自在、物理法則など完全無視。 あらゆる道理より抜け出ている、百年前の軍艦どころか、百年後ですらありえないような―― しかし可能である。出来てしまうのだ。何故ならこれは夢であるから。 甘粕正彦という盧生が描き、紡ぎ上げる邯鄲の夢。夢幻である限り、そこに不可能は存在しない。 放たれた砲弾は業火の塊と化し、七里ヶ浜に着弾。 電鉄線を焼き尽くし、災禍の大火を引き起こした。 不運にもその地へ居合わせた者は、一人の例外もなく塵と消えたことだろう。 さあ、目を覚ますがいい。 そして直視しろ。己が立ち向かうべき者は此処にある。 これにて誰もが魔王の実在を知る。 これより誰もが魔王の威容を知覚する。 「きりやれんず きりすてれんず きりやれんず ――――おおおおォォッ、ぐろぉぉぉりあああああす!!!!」 地獄の釜は少しずつ、少しずつ――しかし確実に、開き始めていた。 いや。あるいは、全てが夢なのかもしれない。 【E-2/相良湾沖/1日目・午後】 【トワイス・H・ピースマン@Fate/EXTRA】 [令呪] 三画 [状態] 健康 [装備] なし [道具] なし [所持金] 不要 [思考・状況] 基本行動方針:勝ち抜く為に、今は待つ 1:しかし、この男は…… 【ライダー(甘粕正彦)@相州戦神館學園 八命陣】 [状態] 健康、高揚 [装備] 軍刀 [道具] 『戦艦伊吹』 [所持金] 不要 [思考・状況] 基本行動方針:魔王として君臨する 1:さあ、来い [備考] ※午後十二時三十分、D-1エリアが電鉄線と車両を巻き込んで半壊します。 BACK NEXT 008 メルトダウン・ラヴァーズ 投下順 010 穢れきった奇跡を背に 021 善悪の彼岸 時系列順 020 焦熱世界・月光の剣 BACK 登場キャラ NEXT 000 封神演義 トワイス・H・ピースマン 054 夢より怪、来たる ライダー(甘粕正彦) 042 楽園の華が咲く
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2075.html
4.一週間のうちの八日間 何年先から来たのかも分からない未来人によって振り回された長い一週間が終わった。その間の俺はといえば、心配事ばかりで他のことを考えている余裕なぞ毛ほどもなかった。そのおかげで俺の成績はガタ落ちなのに違いない。もともと悪いくせに、などというツッコミは無用だ。 あれから古泉とは多少は気まずかったが、一月が終わり、二週間が過ぎていくうちに、いつのまにかそんな空気はなくなり、SOS団の五人でいるときも、何かの弾みで二人になったときも、ごく普通に会話するようになっていた。 そう、「普通」に戻ったのだ。 でも、俺の心にはずっとあのときの古泉がひっかかっていた。お前はハルヒのことを本当に神様だと思っているのかと聞いたときの、その質問への答え。あのときの表情、あの瞳には、目の前にいないハルヒが映っているようだった。それを見た俺は何と言っていいのか分からず、ただ「そうか」とつぶやいただけだった。去年の春の踏み切りのときのように、俺はただ自分を情けなく思った。 考える暇がなかったとはいえ、潜在的な感情は抑えきれるものではないらしく、それから古泉と話したり、ボードゲームなんぞをやっているとき、決まって俺を言いようのないやるせなさが襲った。俺が何故お前のことでこんな思いをせねばならんのかと心の中で古泉に逆ギレしてみたりもしたが、それでもその思いは消えてくれない。 昼休み、何をするでもなくぶらりと部室に足を向けた。扉を開けると、長門と古泉がいた。反射的にあの日のことが思い出されたが、俺は頭を軽く振ることでそれを打ち消した。長門は定位置ではなく、古泉の横の椅子に腰を下ろしていた。いつも手に持っている本は、今は長門の手の中ではなく長机の上に置かれている。 「やあ、こんにちは」 古泉はそう言った瞬間に立ち上がり、次は体育なので先に失礼しますと言ってさっさと部屋を出て行ってしまった。俺に聞かれたら困るような話でもしていたんだろうか。何か異常事態が――いや、違うか。ハルヒがらみでなにかあれば、しかるべき時に言ってくるだろう。 俺はいつもの椅子には座らず、ポットのほうへ歩み寄り、急須と茶筒を取り出した。 「長門も飲むか?」 首をかしげたのが目に入った。俺は茶碗を二つ取り出す。 実はここ最近、こんなことがよくある。いや、こんなことというのは俺が茶を入れているとかそういうことではなく、古泉と長門のことだ。二人でなにやら会話している。人が入ってくると止める。これはどういうことなんだろう。まさか二人は付き合っ……それはないな。俺はあの渡り廊下のときの古泉の顔を思い出した。さてさて、茶も入ったことだし飲んで頭でも冷やすか。 俺は茶碗を両手に持ち、いつもの席に座った。長門に茶碗を渡すと、ありがとうと礼を言われた。 「なあ、さっき古泉と何を話してたんだ?」 長門はこくりと茶を一口飲んでから答えた。 「それは秘密」 「えっ」 「約束だから」 「プライベートな話なのか?」 「そう」 「そ、そうなのか……」 うむ、長門らしいような長門らしくないような答えだ。というか、やっぱり俺に聞かれたらまずい話をしていたんだな。いや、まあ古泉にだって長門にだってプライバシーというものはあるから深く詮索する気はまったくないが。それでもやっぱり意外な組み合わせであることには変わりないので、正直言ってものすごく気になる。それに意外といえば組み合わせもそうなのだが、長門が誰かと内緒話をしているという事実もなかなか信じがたいことじゃないか? 思わず腕組みして考えていると、長門が「聞きたいことがある」と話しかけてきた。顔を上げて茶碗を手に取った。 「何だ?」 「……あなたは、涼宮ハルヒに恋愛感情を抱いている?」 「ぶはっ」 な、何てことを聞いてくるんだ。一体誰にそんなことを吹き込まれたんだ? 古泉か。古泉なのか。まああいつが何を言っているのかは知らんが、ここは否定しておかないと。 「おぞましい事を言うな。そんなことはありえない」 「あなたは嘘をついている。私の発言を聞いてから心拍数が上昇しつづけている」 訳の分からんことをいきなり言うから、驚いただけだ。まったくどいつもこいつも、どうしたらそう見えるってんだ。俺には理解しかねるね。ああ、もうこれ以上この話題に身を置きたくない。 「そういうお前はどうなんだよ」 「何が」 「古泉のこと、好きだったりするのか?」 まあ多分そういうことはありえないんだろうが。俺の苦し紛れの言葉に、長門は少し首を傾けた。 「私は古泉一樹の話し相手をしている。彼は、そう……言うなれば『友人』」 俺はその、答えになってるんだかなってないんだかよく分からない言葉を聞いている間、ずっと長門の顔を見ていた。長門の言葉に嘘はないようだった。何故分かったかって? そりゃ一年近く付き合ってれば、嘘を言ってるかどうかぐらいは分かるようになるさ。それに俺には長門が嘘をつくなんて思えない。理由としてはそれで充分だ。 そして、そこでチャイムが鳴った。うわやべえ遅刻だ。と思ってはみたものの、わざわざ駆け足で教室に行くほど俺は優等生ではないので、長門と一緒に普通に廊下を歩いていった。 部室棟を抜けて教室に入った。言わずもがな授業は既に始まっているので、廊下はとても静かだ。九組の前を通ったとき、俺はまたやるせなくなって、思わず長門に話しかけた。 「古泉はお前と話しているときも、あのニヤケ面でいるのか」 長門はゆっくりと俺の顔を見上げた。 「話題による」 そうか。そうなのか。 古泉と長門が二人きりで話しているわけが、なんとなく分かったような気がした。俺と長門は、それっきり言葉を交わさずまた歩き始めた。九組を通り過ぎるときに、窓から中をすこしのぞいてみた。なんとなく古泉の姿を目で探した。だがほとんど一瞬のことだったので当たり前ではあるが、その姿を見つけることはできなかった。 俺が教室に戻って、咎める教師に向かってすいませんとか言いながら席につくと、ハルヒが「バカじゃないの」とでも言いたげな視線を投げかけてきた。俺が背を向けるといつものようにシャーペンで背中を突っつかれる。抗議しようとして後ろを向くと、ハルヒと目が合った。そしてさっきの長門の言葉を反射的に思い出してしまった。 『あなたは、涼宮ハルヒに――』 いや、ないから。ねーよ。ないって。ほんとに。などと心の中で反論しながら、思わず俺は固まっていた。するとハルヒが急に顔を赤らめ、眉根を寄せた。 「何よ、人の顔をじろじろ見て」 「別になんでもねえよ」 なぜだか自分の顔の温度も上がっているような気がする。くそ、ハルヒが顔を見られて赤くなるなんてらしくない態度を取るものだからつられてしまった。いいから前を向けと背中を押され、俺は黒板を見た。ぜんぜん頭に入ってこない。集中できない。 そのまま机に突っ伏した俺は、あの小さな手袋のことを思い出していた。
https://w.atwiki.jp/buttobasour/pages/93.html
桜井侑斗【CV 中村優一】(仮面ライダーゼロノス・桐矢京介) (※同一のセリフを各項目で聞く場合、耳にする頻度の高い項目にそのセリフを置き、同一のセリフを同ページ内に重複して書くことがないようにして下さい) 長くなってしまった項目は、場合によって折りたたむなどの措置をお願い致します。 タイトル画面 ブットバソウルの世界へようこそ! 説明 スキャン バトル チャンスタイム プレイ終了後 特定のキャラに対する反応 汎用セリフ シチュエーション不明 その他 別ページにあるクロスオーバー コメント欄 [部分編集] タイトル画面 タイトルコール「仮面ライダーブットバソウル! 最初に言っておく、一緒にするな! レベルが違う!」 放置時に流れる広告等 プレイ開始「ごめん、俺は忘れないから」 [部分編集] ブットバソウルの世界へようこそ! 自分について「ここがブットバソウルの世界か。」 「俺は桜井侑斗、仮面ライダーゼロノスだ」 ブットバソウルについて このシーンのみのセリフ 説明 ゲームシステムの説明 +... エントリー方法 攻略メダル プレイ前の注意 追加スキャンアイテム エナジーアイテムの効果 フルボトルの効果 当たりやすくなるコツ その他 各キャンペーンの説明 ゲーム開始 [部分編集] スキャン スキャン全般「このメダルでOKなら、ボタンを押せ」 「スキャン成功!」 エントリーメダル メダル「よし、相手の弱点と同じマークのメダルだ」 エナジーアイテム フルボトル バトル 敵の登場 ルーレット「マークボーナスルーレット!」 「よーし、言っただろ! 俺は強いし、運もあるってな!」 バトル開始「最初に言っておく!俺はかーなーりやる気だ」 ギャレン乱入「橘! 何で見てんだ! おい、橘! はっまさかお前、また裏切ったのか」 カットイン HIT数「おりゃ!おりゃ!おーりゃー!」 「すごいHIT数だな!どんだけぶっ飛ばすんだよ」 エナジーアイテム発動 決着勝ち「どうだ?最初に言ったとおり、俺はかーなーり強かっただろ?」 [部分編集] チャンスタイム チャンスタイム専用セリフ通常時「デカすぎだろこの岩!」 「なんだこれは。別の時間に移動したのか?」 ピンチ時「もしかして墜落してるのか?」 「やばくないか?」 特殊演出専用セリフ(デンライナーチャンス)「野上!頼んだぞ」 (テラーチャンス)「おい、なんだ!あのドロドロしたやつ」 「テラー……相当ヤバい相手だな」 (失敗)「なんだ!?これは……ダブルを応援する風都の人達の声か!?」 「よし、ダブル!お前が決めろ!」 (トライドロン登場チャンス)「あの車は……確か、トライドロン?」 (ウィザード登場チャンス)「最後の希望か……! あの時、デネブも言ってたっけな」 当選結果 超大当たり「さらに、激レアフルボトルゲット!」 プレイ終了後 [部分編集] 特定のキャラに対する反応 +仮面ライダー響鬼 ヒビキ/仮面ライダー響鬼「ヒビキさん!俺と勝負して下さい。何でもいい!俺はあなたを乗り越えたいんです!」 イブキ/仮面ライダー威吹鬼「イブキさん。天美さんなんかより僕を弟子にしてくれませんか?この際あなたでも構わない。結果的にヒビキさんを乗り越えられればそれでいいんだ!天美さんより優秀ですよ、俺は。お買い得だと思いますけど」 トドロキ/仮面ライダー轟鬼「トドロキさんですよね?あなたも鬼の一人だ。調べはついているんです。俺を弟子にしてください。必ず歴史に残るような凄い鬼になってみせます。お願いします、先生!」 ザンキ/仮面ライダー斬鬼「ザンキさんは、トドロキさんの師匠らしいですね。ザンキさんがいくら師匠として優秀な人でも、師弟関係としては俺とヒビキさんの方が上なんじゃないかな。なんなら勝負してもいいですよ。……あれ?ヒビキさん。何で睨んでるんです?」 シュキ/仮面ライダー朱鬼「トドロキさんの師匠のザンキさんの師匠の人……でもこの人、鬼を辞めさせられた人なんだろ?ヒビキさんの弟子の俺にはあんまり関係ないか」 アキラ/仮面ライダー天鬼「君は天美さんじゃないか。修行を辞めた君が、何で鬼になっているんだ?俺に隠れて修行していたのか?ズルいじゃないか!……え?別人だって?どういうことなんだ」 カブキ・ゴウキ・ショウキ・キラメキ・ハバタキ/仮面ライダー歌舞鬼・剛鬼・勝鬼・煌鬼・羽撃鬼「他の鬼の皆さんには悪いですけど、歴史に名を残すような一番強い鬼になるのは俺ですから。俺はヒビキさんの弟子ですからね。一番強くなるのは当然のことです。……何ですか?その疑いの眼差しは」 (関東十一鬼は同じセリフ?) +仮面ライダー電王 仮面ライダー電王 モモタロス/仮面ライダー電王ソードフォーム「モモタロス。消えるとか消えないとか関係なく今を守りたいっていうお前の気持ち、俺も分かる。ちなみに、今更だが言っておく。俺の方がクライマックスだからな!」 ウラタロス/仮面ライダー電王ロッドフォーム「おい、ウラタロス。最初から言ってるけどな、俺は僕ちゃんじゃねぇ!僕ちゃんって呼ぶなー!わかったか?」 リュウタロス/仮面ライダー電王ガンフォーム「リュウタロス。もう俺を倒そうとかすんなよ。カードも勿体ないしなぁ。わかったか!?お子様電王!そんなことより、野上の……頼んだぞ。言っとくが、答えは聞いてない!から」 野上良太郎/仮面ライダー電王クライマックスフォーム「野上、あのなあ。最初に行っておけばよかったんだけどな、その……てんこもりとかいうの……変だぞ」 +仮面ライダー555 仮面ライダー555 乾巧/仮面ライダーファイズ「俺達仮面ライダーには、命を懸けても守りたいものがある。それが、ただの悲劇なのか、ハッピーエンドなのか……決めるのは自分自身。そうだろう?乾!」 海堂直也/ライオトルーパー「海堂、この空を守ったのは誰なのか、ちゃんと覚えている」 +仮面ライダー剣 仮面ライダー剣 橘朔也/仮面ライダーギャレン「例え全てを失っても、最後に残ったもの……仲間だけは信じられる。そうだったよな?橘」 [部分編集] 汎用セリフ 喜び ツッコミ 驚き 悲しみや哀れみ 怒りや咎める口調 戸惑い・疑問 励まし 威勢がいい・挑発的 不特定多数に向けて 作中内での台詞や口癖「最初に言っておく、俺はかーなーり強い!」 その他 [部分編集] シチュエーション不明 [部分編集] その他 [部分編集] 別ページにあるクロスオーバー ブットバソウルの世界へようこそ! とにかくデネブと侑斗を中心とした話が多い。 何とかして侑斗に友達を作ろうとするデネブと、それを何とかして阻止したい侑斗。 詩島剛との再会、久しぶりに派手な名乗りを披露する剛と、もう二度とあんなことは。と言う侑斗。 ※3号・4号ネタ 各世界の相棒組を見て、「まるで侑斗と野上みたいだ〜」と言うデネブ。「俺と野上は、なんか、もっとこう……あれだ。ってなに言わせんだ!」 「俺の身体はボロボロだ!」と言う橘朔也と、治療を施すチェイス。見守る侑斗とデネブ。 戦闘員が準備中 ブットバソウルの世界のライダー達を、モモタロス達に重ね合わせて見る侑斗とデネブ。 京介と侑斗を間違えるデネブ。 ロード時間をマッハで飛ばせないかな〜とぼやく剛と、時の運行が乱れるからやめろ!と怒る侑斗。 ホットけない!チャンスタイム 何故かアタッシュケースから出てきた『ナオミのコーヒー』と、それを見つけたソウゴ・戦兎・万丈に、デネブと一緒にツッコミを入れている。 コメント欄 情報や誤載の指摘等、何かありましたらお気軽にどうぞ。 名前
https://w.atwiki.jp/revival/pages/753.html
「このタイミングで撤退命令だと、何を考えていやがるんだ! 俺たちはほぼ九割方勝っていたんだぞ! 」 「せっかく、せっかくあいつらをあそこまで追い詰めたのに!」 「上の連中は底なしの間抜けか? 間抜けでも構わないが、せめて俺たちの足を引っ張らないでくれよ……」 通信で散々文句を言っている部下たちの声は、イザークにも届いていた。上層部批判を本来ならば咎めるべきなのだろうが、釈然としない気持ちはイザークとて彼らと一緒である。 《おい、そろそろ教えてくれてもいいだろ……何があった?》 すぐ側を走る緑色のSBから、ディアッカが問いかける。彼も『撤退命令が出た』以上のことはまだ聞いていないのだ。 「詳細は分からんが、本隊がレジスタンスに急襲されたらしい。かなり慌てた様子だったな。敵の殲滅を目前にしている、とこちらの状況を説明したが、マルセイユ中将もジアード中将も異口同音に、とにかくすぐに合流しろ、と絶叫していた」 ディアッカのため息は、通信機越しでもはっきりと聞こえてきた。遠征軍の二大派閥であるマルセイユ派からもジアード派からも疎んじられ、ろくな扱いを受けていなかった自分たちが、いざとなると頼りにされるというのは、なんともやりきれない気持ちなのだろう。しかしそれよりも…… 《あれほど邪険にしていた俺達に、なりふり構わず助けを求めてきたか。情けないといううよりは、それほどまでに自軍は危機的な状況ということか》 イザークは無言の形でディアッカの言葉に同意した。マルセイユにしろジアードにしろ、遠征での軍功を喉から手が出るほど欲しているはずなのだ。にもかかわらず、恥も外聞も無くイザークたちに救援を求める時点で、よほど事態が切迫しているのだろう。 (この戦いは負けるかもしれないな) 考えてみれば兵力以外は、天の時、地の利、人の和のことごとく統一連合軍はレジスタンスたちに劣っていた。今後改めて体勢を立て直し、東ユーラシアに侵攻することになるにせよ、今回の遠征そのものは失敗する見込みが高いとイザークは考える。 そうなれば、失敗の責任の一端をイザークがとらされることもありえるだろう。たとえ自分自身がベストを尽くしたとしても、戦いは結果論でしか語られない。無様な負けをさらせば、処罰されるのは軍人として当然の扱いだ、そのことに不満は無い。 (ならば、せめて部下たちは無事に本国に連れて帰ってやりたい) イザークが撤退命令に素直に従った理由のひとつはそれである。リヴァイブの抵抗が思いのほか強く、合流が遅れた等いくらでも言い訳はできただろうし、個人的な軍功のみを求めるのならばそうしてリヴァイブ殲滅を優先するという選択肢もあっただろう。しかし、それでは命令違反の責を部下たちにも負わせることになりかねない。窮鼠猫を噛むのことわざもあるとおり、リヴァイブの最後の抵抗で自軍に被害が出ることも十分にありえる。 《いろいろと気苦労が絶えんね、お前さんも》 そんなイザークの思いを感じ取ってか、ディアッカが親友同士の気安い口調に戻って言った。イザークもそれにあわせて、憎まれ口で返す。 「だったら、少しは気苦労を分かち合え。お前は副官だろう」 《いやあ、俺みたいな軽い男はそんな責任なんて負えないから。やはり真面目なイザーク殿にお願いしないと》 「ぬかせ」 イザークは笑った。ディアッカとの気取らない会話のおかげで、少しは気持ちが晴れたようだった。 そしてふと、さきほどまでの戦闘に思いを馳せる。 (まさか、こんなところでシホと再開するとはな) ディアッカを除けば、ともに戦ってきた部下たちの中では一番印象に残る人間だった。優秀な部下でもあり、魅力的な女性でもあった。ラクス=クラインの治世に疑問を持ち、姿を消した後でも、その消息を気にかけてはいたのだが。自分の手で彼女に引導を渡さなかったことに、安堵しているのも正直な気持ちである。 (ただ、もはや会うこともないだろう) イザークはそれを限りにシホのことを考えるのはやめにした。 彼にはまだやらなければならないことがあるのだ。自軍を救援し、部下たちをこの負け戦から無事に連れて帰るという、大事な仕事が残っているのだから。 スレイプニールの艦内では、物言わぬ骸となった乗員がハンガーの脇に並べられている。粗末な毛布をかけられただけで放置されていた。手厚く葬ってやりたいのはやまやまだが、生きている者たちにはまだその余裕は生まれていなかった。 「……ひでえ」 シゲトはそれだけしか言えなかった。戻ってきたMSの惨状を目の当たりにして、パイロットに犠牲者が出なかったのは僥倖に過ぎないことを思い知らされる。 シンのダストガンダムは左腕を失い、腰部や脚部にもダメージが残ったままである。 大尉のシグナスは全身が細かい傷だらけ。中尉の方はライフルの砲身が熱でゆがんでしまっている。少尉の機体は両腕が破壊され、本格的な修理をしなければ自立歩行すら無理な状態だ。シホ機も装甲のところどころに焼け焦げが残り、シールドもボロボロだった。 しかし、満身創痍のMSを修理している余裕はリヴァイブにはない。苛烈な攻撃を受けたのはスレイプニールも同様だ。機関部への直接のダメージこそなかったものの、修理を施さなければ通常の運航もままならない状態なのである。 今この状況で、敵の攻撃を受ければ抵抗する術は無い。ともかく艦が動けるようにすることが最優先と、サイをはじめメカニック陣はスレイプニールの修理にかかりきりになっている。コニールたちもそれを手伝っている状態だ。犠牲者たちを弔い、生還したパイロットたちをねぎらうことすら誰もできなかった。 大尉と中尉と少尉は憮然とした表情のまま、ハンガーに座り込んでいる。 シホは満身創痍の愛機にもたれかかりながら、イザークへの複雑な感情を整理しきれず唇を噛んでいる。そのシホを何一つ援護できなかったヨーコとリュシーは自分たちの不甲斐なさを悔い、彼女たちの隊長の姿を遠めにおろおろと眺めるばかりだ。 そして、シンは、帰還後もコクピットから降りることなく、ずっとその中で押し黙ったままだ。 《シン、少しは休まんと、身体が持たないぞ》 レイが忠告するが、シンはじっと、暗転したモニターを見つめるままだ。そして呟く。 「俺は、何もできなかった」 《……どういうことだ? 》 「俺は、何もできなかった。無様に敵に翻弄されて、いいようにやられるばかりだった」 シンは拳を握り締める。こめられた力が震えとなって現れていた。 「第三特務隊を倒したときの力も出せなかった……あの力が出せていれば勝てていたかもしれないのに。皆が危機に陥っていたのに、皆を守らなければいけなかったのに! 」 強敵を前にしたとき、生命の危機に瀕したとき、幾度と無く彼を守り、敵を打ち破ってきた力。まさしく種子が弾けて中から無尽蔵の力が溢れ出すような感覚。それがとうとう、この戦いでは出てこなかった。 シンがその力を自由に出せるわけではない。今回の敗北はそもそも作戦の甘い見通しに起因しており、シン一人の責任というわけではないだろう。しかし彼は自分自身を責め続ける。 (俺は、仲間の仇を討つどころか、今この瞬間に、皆を守ることすらできないのか? ) シンの心を深い闇が占めつつあった。そんなシンにかける言葉をレイは見つけられなかった。 「そんな無茶な、こっちだってダメージが大きいんです! 少しはこちらの事情も斟酌してください……だめだ、聞く耳を持ってくれない! 」 ロマは通信機を叩きつけるようにして戻した。傍らのラドルがロマに尋ねる。 「ローゼンクロイツは何と? 」 ロマは現在の窮状を友軍に訴え、支援を要請した。しかしながら返答はあまりに過酷なものだった。 「……『当方に支援の余裕無し。現在、統一連合軍を相手に一斉攻撃を仕掛けている。リヴァイブもすぐに参加せよ』返事はそれでした」 ラドルは絶句した。支援が期待できないであろうことまでは予測もできたが、この状態でさらなる作戦への参加を命じられるとまではさすがに思わなかった。 「幾らなんでも無茶だ。スレイプニールだって動くのがやっとの状態なのに。ましてや戦闘に参加するなんて」 ラドルもロマの弱気な台詞に同調したかった。しかし、あえて表情を厳しくして言う。 「しかしここで参加要請を無視すれば、後でローゼンクロイツからそれを咎められるでしょう。苦しいのはどこも同じ、リヴァイブは自分たちが特別な存在とでも思っているのか、と」 ロマもラドルの指摘に頷かざるを得ない。散々ローゼンクロイツがリヴァイブを便利使いし、危険な任務に就かせて酷使し続けてきたという裏事情はあるにせよ。 「とりあえず艦は何とか動くまでには回復させます。クルーには無理をかけますが、できるだけ早く本隊に合流しましょう」 悲壮な決意を見せるラドル。ロマも覚悟を決めた。艦内に放送を流す。絶望的な気持ちをなるべく表に出さぬよう努めながら。 「ロマだ。各員は艦の修理に専念してくれ。終了しだい、リヴァイブはローゼンクロイツ本隊に合流する。繰り返す、艦の修理が終了しだい、我々はローゼンクロイツ本隊に合流する」