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120 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/03/29(火) 02 09 11.79 ID uH4czZPg0 俺の名前は高坂京介。ごくごく平凡な高校生だった。 だったというのは、この春、俺は高校を卒業し、大学生となるからだ。 そして今日は、大学で使う(予定)の電子辞書を買うために、幼馴染である田村麻奈実と近所の電気屋へ向かう予定だ。 ……いかんいかん、こんなこと話してる間に時刻は12時55分。約束の時間に遅れちまう。 俺は自室のベットから立ち上がり、下へ降りて行った。 『なんであんたが出てくんのよ!?』 電話でもしているのだろうか、リビングのほうから馬鹿でかい声が聞こえてくる。 声の主は高坂桐乃。俺の妹だ。 この妹には何度も何度も困らされてだな……いや、やめておこう。この話をすると文庫本7冊ぐらいはかかりそうだから。 そして今も、関わるとまずいことになりそうな予感でいっぱいだ。 ここは関わらぬのが得策っ!長年の経験がそう言っている! 「行ってきます」 俺はさっさと家を出た。 自宅から歩いて数分、田村屋へと到着し、俺は押しなれたインターホンを押す。 ピンポーン ドタドタと騒がしい足音が聞こえてきて扉があいた。 「ハイよっ!ってなんだアンちゃんか」 「ようロック、久しぶりだな。麻奈実はいるか?」 「オウいるぜ、ねぇちゃーん!!アンちゃんが来たぞぉい!!」 「今いくよぉ」 今度はパタパタと足音が聞こえてきて、俺の幼馴染でありお婆ちゃんでもある麻奈実が出てきた。 「少し早かったか?」 「そんなことないよぉ」 「そうか、じゃあとっとと行っちまうか」 「うん、そうしよっか」 俺たちは田村屋を後にし、電気屋へと向かった。 121 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/03/29(火) 02 10 50.43 ID uH4czZPg0 俺たちは三十分ほど歩き、電気屋についた。 運がいいことに、渡った信号はすべて青で、30分ほど早くつき、時刻は14時ちょうど。 「電子辞書は2階に売ってるみてぇだな」 俺は店内案内板を見て言った。 まぁアキバの電気屋を散々見た俺は、案内板など見なくてもどこに何があるのかなんて感覚でわかるけどなっ! ……なんか悲しくなってきた。 「どうしたの?京ちゃん」 「なんでもねぇよ」 電気屋のことを詳しく知りすぎてて悲しくなってました、なんていえるか!! 「はぁ~、電子辞書って言ってもいっぱい種類があるんだねぇ」 「まぁどれ選んでも大した違いはねぇだろ」 と言ったものの、どれを選んだらいいものか全くわからず、結局店員のお世話になったのは内緒だ。 時刻は14時45分。 俺は真っ黒の電子辞書、麻奈実は俺と同じ機種の真っ白の電子辞書を購入し、本日の予定はこれで終了だ。 一階へ降りる途中、さっきまで俺たちがいた電子辞書のコーナーに桐乃がいたような気がしたが……まぁ気のせいだろう。あいつがこんな小さな電気屋に来る訳もないしな。 「……キ……ア…………キィ!!」 店を出て数分歩いたところで誰かが俺を呼んだ気がした。 振り向く →振り向かない 気のせいだろうと俺は再び歩き出そうとした瞬間 「うぉっ!?」 俺は後ろから誰かに突き飛ばされた。慌てて後ろを振り向くと―― ドン!!! 脳まで響き渡る鈍い音が聞こえ、喉が一瞬にしてカラカラになる。 俺は目の前で起こった出来事を全く理解することができなかった。 「桐……乃?」 小さな声でゆっくりと呼びかけた。 なんだ?どういうことだ?目の前で妹が桐乃が車に轢かれた? 「桐乃!!」 俺は倒れている桐乃へ再び声をかける。今度は強く大きく。 返事は返ってこなかった…… 122 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/03/29(火) 02 12 34.19 ID uH4czZPg0 俺の妹が死んで一週間が経った。死因は交通事故、酔っ払い運転。 ……そう、分かっているのに実感が湧かない。「妹」が死んだという実感が。 いや分かりたくないだけなのかもしれない。 親父、お袋、麻奈実、黒猫、沙織、あやせ、みんな口をそろえてこう言う。 「お前は悪くない……悪いのは加害者だ」 「アンタは悪くないわ……」 「京ちゃんはわるくないよっ!」 「先輩…貴方は悪くないわ。自分を責めないで?」 「京介氏!京介氏は決して悪くございませぬ。どうか自分を責めないでください」 「お兄さんはっ……悪くないですから……」 なんでだ?俺があの時「振り向いて」いれば桐乃は……助かったのかもしれないのに。 俺がまた深い深い自己嫌悪に陥りそうになったとき―― Prrrrrr prrrrr prrrrrr 電話が鳴った。 「誰だよ……」 俺は誰からの着信かも確認せず、電話に出た。 『あっ、もしもしあやせ?たしか今日暇だったよね?』 聞き間違えか? いや聞き間違えるわけがねぇ! 「桐乃……なのか?」 『なんであんたが出てくんのよ!?』 「っ!?なんつー馬鹿でかい声をだしやがる!?鼓膜が破れるかと思ったわ!」 『うっさい!!あやせの携帯から、なんであんたが出てくんのよっ!!』 落ちつけ……俺がいま電話している相手は、死んだはずの桐乃。 ……どうなってやがる? 『早く答えなさいよっ!』 「ちょっと待て、これは俺の携帯だぞ?」 俺は現状に戸惑いながらも真面目な声で言った。 「今から俺の質問に答えてくれ」 『な、なんなの?』 「お前は今生きているのか?」 ……なんつーアホな質問だこれっ!? 『はぁ?何言ってんの。アンタ頭大丈夫?』 うぐっ、さすがに今回ばかりは否定できねぇぜ。 「じゃあ今日は何日だ?」 『チッ……いい加減にしてよね?』 「いいから。何日だ?」 『3月の20日だけど、それがなに?』 「マジかよ……」 俺は思わずそうつぶやいていた。 だって信じられるか?今日は27日だぜ? すなわちこの電話は過去から繋ってきたことになるんだぞ? そんなのアニメやマンガの話だろ? ……だけどこれは違う。現実だ。 『で?なんなの?どういうことなのか説明してくれる?』 「桐乃、黙って俺の話を聞いてくれないか?バカなこと言ってると思うだろうが嘘じゃない」 『……言ってみなさいよ』 「俺の今日の日付は27日なんだ……たぶんこの電話は過去から未来へと繋がっている」 『アンタ自分が何言ってんのか分かってんの?』 桐乃から呆れたような声が聞こえてくる。いや実際に呆れてるのだろう。 俺だって今自分で言ったことが信じきれてねぇ。 だけど―― 「ああ、分かっている。嘘じゃねえ。頼む信じてくれ」 『そんなの信じれるわけn「20日にオメェが死んじまったんだよ!!俺は今死んだはずの奴と今電話してんだよ!」 『何……言ってんの?え?アタシが死んだ?』 「…………」 『ちょっと?え?』 「交通事故で……俺をかばって……」 気づくと俺は泣いて桐乃に頼んでいた。 「頼むっ!今日1日家から出ないでくれ、そしたら未来が今が変わるかもしれねぇ。俺はお前に死んでほしくなんかねぇんだよ!」 ブツッ、ザザーー 電話が切れた―― 123 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/03/29(火) 02 15 07.20 ID uH4czZPg0 『もしもし桐乃?』 「えっあ、あやせ?」 『どうしたの?桐乃?』 「えっと……あっと……や、やっぱ後で話すね!」 『え?あ、うん』 ……夢だったのだろうか? 未来の兄貴に電話がつながって?アタシが死んで???? 冷静になり、兄貴の言ったことを考える…… アタシの兄貴は冗談であんなことを言う人間ではない。ましてや泣きながらなど。 つまり“あの”兄貴の言ったことは本当のことなの? 考えたところで答えが見つかるはずもなかった。 兄貴曰く、アタシは兄貴をかばって死んだらしい。 そこでひとつの疑問が頭の中に浮かび上がってきた。じゃあアタシが兄貴をかばわなかったら? 最悪の結末を考えてしまい、アタシはリビングを飛び出し、兄貴たちが向かった電気屋へ走っていった。 時刻は13時45分。 アタシの脚なら走って15分あればつくはずだった。 「なんでこんな時に限って信号が赤ばっかなのよ!?」 運が悪いことに、渡った信号はすべて赤。 30分ほど遅れて時刻は14時30分、ようやく電気屋へとついた。 兄貴たちが何を買いに来たのか知らないアタシは、まずは一階をしらみつぶしに探すことにしたけど全くみつからない。 この階にはいないのだろうか。アタシは二階を探すことにした。 時刻は14時45分。 エスカレーターに乗っている時間が惜しい。 アタシはエスカレーターを一気に駆け上がり、目についた電子辞書のコーナーへと向かった。 しかしここにも兄貴たちの姿はない、だんだん不安と焦りが募り、口から弱音がこぼれていた。 「ダメだ、見つからないよぉ」 アタシは頭をぶんぶんと振り、泣いてしまいそうになった自分を奮い立たせ、再び兄貴を探し始めた。 「あっ、あれ!」 二階の窓からふと外を見ると、兄貴らしき人物が地味子らしき人物と歩いている。 間違いない!アタシがあの二人とほかの誰かと見間違えるわけがない。 今まで何度も見てきたあの二人の後ろ姿……。絶対……絶対見間違えるわけがない。 アタシは店を飛び出し、二人のもとへ急いだ。 「はぁ……はぁ……はぁはぁっ……」 やっと……追い……ついたっ…… アタシはカラカラになった喉を振り絞り大声で叫んだ。 「アニキ……アニキィイィィイイ」 124 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県) 2011/03/29(火) 02 17 40.17 ID uH4czZPg0 桐乃が……俺を呼んだ気がした。 →振り向く 振り向かない っ!? なんだあの車!?こっちに突っ込んで来てやがる!? 俺は考えるよりも先に桐乃のもとへ向かい、桐乃を抱え、ハリウッドもびっくりな動きを繰り出し、突っ込んできた車から回避することに成功した。 「大丈夫か桐乃!?」 「だいじょうぶだよ……あんたは?」 「ああ、大丈夫だ」 少し腰をひねったけどなっ!慣れないことはするもんじゃねーな。 ……だけどもし俺が「振り向かなかった」ら考えただけでぞっとする。 だが、これだって相当な事故だろう。あ~あ、電子辞書がつぶれてやがる。 「きょうちゃん、桐乃ちゃんだいじょうぶ!?」 「ああ、俺も桐乃も怪我はねぇよ。お前は大丈夫か?」 「うん、だいじょうぶ」 この交通事故はどうやら運転手の酔っ払い運転が原因だったらしい。翌日の新聞に小さいながらも記事が載っていた。 事故の日の夜、俺は桐乃からこんな話を聞かされた。 「実はね……」 まったくアニメやマンガじゃねぇんだから、そんな話があるわけねぇだろ。 ……しかし、俺には桐乃が嘘を言っているようには不思議と聞こえなかった。 ~end~
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http //pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316537661/783-801 暗闇はやっぱり苦手…いつも、わたしの忘れた記憶を呼び起こさせる……… 『さようなら』とメールした後、それでもわたしは更に、闇を求めて目を閉じた。 「お母さん、わたしね………」 『あやせ、あなたは良い子でしょう、何で言う事が聞けないの? わたしはあなたをそんな子に育てた覚えはありません』 「………でも、わたし」 お母さんの悲しそうな顔、いけない 「ごめんなさい、ごめんなさい。お母さん、ごめんなさい」 お母さんを悲しませたらいけない、いけない 『あやせは本当に良い子ね、お母さんとても嬉しいわ』 おもちゃもいらない、お菓子もいらない、おねだりなんてしないもん 「バイエル、弾ける様になったの」 「先生がね、新垣さんは頑張り屋さんだって褒めてくれたの」 「お父さんがプレゼントしてくれたご本、もう全部読んだよ」 だから 今度、お父さんとお母さん……わたしを動物園に連れて行って…… 「お父さん、お仕事頑張ってください。ちゃんと、わたし、お留守番出来るから」 わがまま言わない……… 絶対、わたし……泣かない…… 『新垣さん、一緒に帰らない?』 「え?」 髪を染めてる女の子、不良だ!仲良くしちゃいけない 『あやせちゃんに一目置いてんだよね、あたしって。あん(た)あやせちゃんに 勝手に親近感抱いてるって言うかさ、ぶっちゃけ迷惑だった?』 …………… 『ほら、あやせ、こうすると美人度上がるっしょ?あやせは黒髪が綺麗だし、スタイル も良いから、絶対に似合うと思ったんだよね、ほんとバッチリ。それにさ、メイクだけじゃなくて、 服もピッタリじゃん。まぁその服あたしのだけどね、にゃはは』 「桐乃さん、有り難う」 『ちょっとぉ、どんだけ他人行儀、あんた?うちら、もう親友でしょ!』 「う、うん……あ、ありがとう、桐乃」 『って何で(驚)?せっかくメイクしたのにさ………。あ~じゃぁさ、ほら、ほら、 やり方教えてあげるから自分でやってみぃ、ね?』 本当に、本当に、ありがとう桐乃 「お母さん、わたし、モデルのお仕事したいの!」 お母さんの悲しそうな顔…… それでも……わたしは 「学業と両立させます。ちゃんと責任感を持って一生懸命に頑張るから。 だからお父さん、お母さん認めてください!」 『やったじゃん!あやせ。まぁこれからはライバルだから、敵同士…だかんね! な~んてね………冗談、冗談、心配いらないって、全部、あたしに任せとけって!』 ライバル……なんて、敵同士なんて絶対にならない、なる筈ないよ、桐乃 でも 『俺は高坂京介------そっちは?』 『あやせ、結婚してくれ』 『------冗談だと分かっててもさ、ほんとごめんな』 「-----いってらっしゃい、お兄さん」 さようなら、お兄さん 『あやせ、、、、これが本当のあたしなの』 「お兄さん、わたし、桐乃よりも可愛くないですか? 桐乃よりもわたし魅力ない、、、ですか? わたしなんかじゃ桐乃よりも…すき…になれないですか?」 『俺が見た中で、あやせのウエディングドレスが一番似合ってたし、一番綺麗だ』 『あんた、、、あたしの気持ち知ってる癖に、、何でこんな酷い事すんの? うちら、ずっと一番の友達だったのに!!絶交した時、京介が仲直りさせてくれた時、 約束したでしょ、それなのに、、、裏切ってさ、あたしの気持ち裏切って!!!』 『あやせちゃん、しっかり、きょうちゃんを捕まえててあげなさい。 わたしね、あやせちゃんなら、きょうちゃんと一緒に幸せになれると思ってるんだ。 きっとね、わたしって、きょうちゃんが黒猫さんとお付き合いした時に、あの時に 応援してしまったから、多分………あの時点で、もう』 『自分の心に言い訳しすぎて、その言い訳に結局、自分自身が説得されちゃった。 誰かを好きって気持ちにも賞味期限があるんだ、きっと。 だから、わたしはずっと勇気がなかった、情けないよね、め! だよ。 だから、あやせちゃんは、こんなお姉ちゃんになっちゃ、ダメだよぉ? だから、あやせちゃんは今の自分の気持ちを、ちゃんと大切にしてあげなさい』 『よし、じゃぁ付き合うか。何か照れくさいな……ってこれじゃダメだ! 俺の馬鹿!、馬鹿!、馬鹿!大切な事を忘れるなんて本当に、情けねぇ。 え?あ~こっちの事だよ、気にするなって。 別に、おまえにSMプレイを強要してるわけじゃねぇって、おい! 彼氏に向かって初めて言う台詞がそれかよ! あ?……い…き』 『なり、、お、おまえ…滅茶苦茶、大胆だな……全然嫌じゃねぇけど。 えっと………………何だっけ?あ、そうだ! 俺ら、付き合うって決めた以上は、俺はずっとおまえの彼氏でいるつもりだからな! でも俺は、自分で言うのもなんだが、ヘタレのシスコンで、致命的に鈍いときてる。 だ、だから自虐プレイじゃないんだって(汗) こんな俺だけどよ、あやせの為にもっと、ちゃんとした立派な彼氏になるから! あやせを必ず幸せにするから、だからさ……何だ…とにかく、これからよろしくな』 『あやせ好き、あやせ愛してる、俺はあやせのものだ』 『ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ』 『あやせ、これからはいつでも好きな時に来てくれて良いからさ。 いや違うな、俺がいつでも来て欲しいから渡すよ』 *** *** *** 「はぁはぁ」 俺は息をきらせて、走っていた。 ついさっき、俺が感傷的に、色々な事を追憶していた時に、加奈子から電話があったの だが……… 『京介、ひっさしぶり!じゃーん』 「よぉ、本当に久しぶりだな、元気してたか?」 『京介、誰か男紹介してくれよぉー。加奈子にはいつも超お世話になってんだろお? だから、少なくとも、おまえよりもイケメン限定で!』 「おいおい、いきなり何を言い出してるんだ、おまえ…訳分からん奴だな」 『ばっくれんなよ。ネタはちゃんと上がってるんだっつーの。 しかも、加奈子をダシに使いやがって、おまえらどんだけお盛んなんだョ(笑)』 加奈子は、俺とあやせが付き合った事を最初から知っている。 そして、一番最初に祝福してくれたのも加奈子だった。 こいつは案外(と言うと悪いが)良い奴で、今回の件で分かる通り、あやせとも仲が良いし、 桐乃ともちゃんと今まで通りに付き合ってるらしい。 加奈子が俺の存在をどういう形で捉えてるのかは分からないが…あやせがどれほど 加奈子のお陰で救われたのかは容易に想像出来る。 「へ?」 『おいおい、もうとぼけんなって。しっかし、あやせがねー意外過ぎるつーか、 イヤ、意外なのは京介の方か。イヤ、セクハラマネージャーだからむしろ当然だナ』 どうやら、加奈子の話を聞く限りでは、あやせは親に、今夜は加奈子の家に泊まると 言って嘘をつき、その口裏を加奈子に合わせて欲しいと頼んだ(命令した)らしい。 考えてみれば、あやせはまだ高校生なのだ。門限ってものがある。愚かにも、俺は 桐乃と喧嘩して、妹を家に残し、自分が頭を冷やしに外に出てきた感覚で考えていた。 「……………………まぁーな」 『ったく、頼んだ本人の携帯には繋がらないしよぉー。とにかくちゃんと誤魔化した かんな。京介が伝えとけよ。いちゃつきやがって、幸せを加奈子にもお裾分けしろっ』 「本当にいつも有り難うな。おまえにゃ、マジで感謝してっからよ」 どう考えても、そんな素敵な夜になるとは思えないのだが……加奈子に余計な心配を かけたくはないから、こう言うしかなかった。 何であやせの奴は、俺に『さようなら』とメールした癖に、門限の時間になっても、 帰宅しなかったんだ? あやせの携帯にかけたが、当然繋がらない。 『このままわたしを置き去りにして……………今、わたしを見捨てたら、 本当に、本当に、、わたしは何をするか分かりませんよ、お兄さん』 さっき、部屋であやせが言っていた言葉を思い出す。 俺が勝手に信じていただけで、あやせは本当に、俺に見捨てられたと思っていたのか? とにかく俺は急いで部屋に戻ると、ドアを開けたのだが………… 多少は、期待していた俺の希望は見事に裏切られ、部屋の照明は消えたままで、 辺りはしんと静まりかえっていた。 当然、あやせも、あやせの靴や大きなバックや歯ブラシなんかも……ここにあやせが 実存した事を本質的に証明するものは、何ひとつ残っていなかった。 俺がプレゼントしたチョーカーを除いては……。 あいつは本当に………親にも、加奈子にも嘘をついて何処かに行ってしまった。 俺は無意識に、そのチョーカーをポケットに突っ込むと、部屋を飛び出した。 あやせが行きそうな所を考えながら走り出したのだが全くと言って良いほど 検討がつかなかった。 あやせの知り合いに確認しようにも、そんな人物は誰一人、思い浮かばない。 俺はあやせの事が、性格云々じゃなくて………本当に何も分かってなかった。 分からないなんてレベルじゃない、あいつの事を何も知らなかったんだ。 加奈子に何度も連絡しようかどうか迷ったが、多分それは余計な心配をかけるだけで 何の解決にもならないと直感して辞めた。 あやせが言った通り、刹那的にでも抱いてやれば良かったんだ。 あいつに、ちゃんと捕まえててやるなんて偉そうな事を言って、結局心どころか あいつの身体さえ……掴み損ねて、あやせは消えた。 さっき誘惑してきた時のあやせが思い浮かぶ。 あの目も眩みそうな美貌で、理性さえ麻痺させる媚態に満ちたあやせの顔と あいつと喧嘩した時、他の男の話をして俺を嫉妬で狂わせようとした時の声が 頭の中で共鳴して、どんどん悪い事を、嫌な事を、最悪の事を考えそうになる。 俺はなるべく別の事を考えようとして、結局さっきの追憶の続きをはじめた。 麻奈実が学校を休んだ時、桐乃が突然留学してしまった時、黒猫が俺に 別れを告げて転校してしまった時……… 麻奈実の時は、桐乃に相談したんだった。 桐乃が留学した時は、黒猫が色々気を遣ってくれた。 黒猫が失踪した時は、麻奈実に相談しようとして結局、桐乃に助けられた。 俺はあいつらの為にいつも頑張ってきたつもりだったけど、実はあいつらに いつも助けられていたんだ。 俺は、誰にかけるのかも分からず、ポケットの中の携帯を掴もうとした………… 多分掴んでいれば、また泣き言を言った筈だ、いつもの様に………間違いなく。 でも携帯の代わりに俺が掴んだのは偶然にも、チョーカーだった。 無意識に、あやせが持って行ってしまった手錠の代わりに、右の手首にチョーカーを巻く。 俺は頭の中で何度も反芻する 麻奈実が居なくなった時、麻奈実を信じて自分で行動してたら? 桐乃が留学した時に、桐乃を信じて自分で行動してたら? 黒猫が失踪した時に、黒猫を信じて自分で行動してたら? チョーカーを眺めながら、あやせが握っていてくれた右手を思いっきり握りしめると 微かに温もりを感じる。 あいつは言った 『わたしは………自分から……居なくなったり……しない』 と……。 あやせが消えた今こそ、あいつを信じるんだ。もうあの時とは違う。 あやせの為に、追憶した過去の為にも……今度こそ、絶対に失うわけにはいかない。 それは奇跡や宿命なんて大げさなものではない………とても静かで、優しくて、 暖かい予感みたいなもの、俺があやせを好きになった理由そのものなのだ。 もう二度と戻らない(戻れない)"もしも"が、俺の中で本当に過去のものになった事を その瞬間に実感した。 その事実は俺をとても切なく、悲しい気持ちにさせたが、立ち止まってるつもりは もう無かった。 だから…………俺は静かに歩き出した。 *** *** *** どれくらい時間が経ったのだろう……わたしは目を閉じたまま眠っていた。 『おまえは何もしない、そして俺は必ず戻ってくるから…さ』 『さようなら』と自分でメールした癖に、京介さんの言葉が頭の中を何度も過ぎる そして、その思い出が強烈に、わたしの後ろ髪を引く。 悲しいと吠える癖に、構って貰うと尻尾を振ってしまう、まるで寂しがり屋の犬みたいに。 それが漠然と思い浮かんだ、自分のイメージ。京介さんに手錠をされてエッチな事を された時、チョーカーをプレゼントされた時から、、、あの時も全然嫌じゃなかった。 そして、わたしは………。 わたしがもっと素直で良い子なら、お兄さんは頭を撫でてくれたのかな? 「………ワ…………ン…」とかすれた小さな声を出して苦笑した。 "猫"なら、彼女はきまぐれだったのかな?と何の意味も無く、、ふと考える。 それにやっぱり猫の方が可愛い気がして、ちょっぴり嫉妬………したけど……… 今日一日……彼女と電話で話していた時の京介さんの顔が一番楽しそうだった。 そして、それはわたしが好きな京介さんの顔だった。 わたしは 幼い頃に、飼っていた青い小鳥の事を思い出す。 あの時、桐乃の手を強く掴んだ事を思い出す。 あの時、京介さんの腕を指が食い込むほど握りしめた事を思い出す。 好きという感情が抑えられない、失う事を恐れて自分から壊してしまいそうになる…… 小鳥を籠から出して逃がした様に、 桐乃の趣味を認めて自分の友情を押しつけるのを辞めたように、 だから、今度は、京介さんを自由にしてあげよう………… もう、こんなわたしの事なんて、どんなに嫌らわれて、拒否されて、振られても、 きっとわたしは京介さんに対して、感謝以外の感情は、何も残らないのだから。 だから、なるべく笑って、さよならしよう…わたしの大切な人をこれ以上傷つけない為に。 京介さんとの思い出があれば、沢山泣いても、きっといつかは笑顔になれるから……… でも……突然、眩しい光に照らされる。唖然としていた、わたしを大きな手が引き寄せる。 まるで、光そのものが強い意思を持っていると錯覚をするほど、優しくて、確かな温もりが わたしの身体を、優しく包み込んだ。 「……………やっと捕まえた」とクローゼットのドアの先から声が聞こえた。 『どうして………?』と言おうとしたが、強引に……今までに無いほど…強引に…… 抱き寄せられて、口を塞がれた。 ついさっき決心した事を言おうとしたけど、彼の本気の力で押さえつけられた わたしは何も出来なかった。 お互いの歯が何度かぶつかるほど激しく口唇を押しつけられる、わたしの舌が 何度も貪られる……唾液も、吐息も…わたしの全部が京介さんに吸い取られてしまう。 身体が熱くなって、意識が麻痺してきたわたしは、吸い取られた言葉の事も忘れて、 危うく、自分から京介さんを何度も求めようとしてしまった……。 どれくらいの時間が経ったのか、やっと押さえつけていた手を緩めてくれて、 唇を強引にわたしに押しつけるのも辞めてくれたのだけど(でも唇同士はふれたままで) 腰に手を回されて、半ば強引に京介さんの膝の上に座らされた。 だから京介さんの声は音と言うよりも、触れたままの、唇から振動で伝わる。 「俺はおまえの言いたいことが分かってるつもりだ。でもそれだけはダメだ。 その代わり、おまえがして欲しい事なら、"儀式"でも何でもしてやる! もうカッコつけるのは辞めた……からさ」 あんなに我が侭を言って、いつも困らせて…だからこんな風になる事を………… 期待なんてしてなかった、でも京介さんはわたしを見つけてくれた。 そして、ここまで言ってくれてるのに……こんなに求めてくれてるのに………… "でも"わたしは……。 「最初は、同情で付き合った癖に!本当のわたしの事はずっと、見て無かった癖にっ! さっきだって、わたしを見捨てた癖に!だからもう遅い、、全部、遅いんだから!!!」 まだ足りない、やっぱり足りない………いくら求めても、求めれば、求めるほど カラカラに渇いて、余計に欲しくなって…………際限がどうしてもない…………だから そう思った時、そう言おうとした時、わたしの渇いた心を、わたしの頬を雫が濡らした。 京介さんは何も言わず、音も立てず静かに泣いていた。 ただ、わたしに触れたままの唇が微かに震えだして、その震えは段々大きくなって ついには肩まで揺らしながら、号泣した。 男の人がこんな風に、人前で泣くなんて、信じられなかった。 沈黙した嗚咽は、わたしから完全に言葉を奪って、ただ彼を何とかし(てあげ)たい と思う動機と暖かい涙を、わたしに与えた。 同時に、わたしは京介さんのしょんぼりした背中が好きだった記憶が蘇る。 ヘタレでも、情けなくても、シスコンでも……鈍くても、エッチで浮気性でも それでも構わない…だから、わたしは別に、欲くて、求めてただけじゃない……… 不器用で歪な、"まごころ"だけど………あなたに、ずっと、ずっとあげたかった。 *** *** *** 俺は何で泣いてるんだろう?原因も分からず、ただ羞恥心もプライドも無く、 俺はあやせの前で、嗚咽していた。 桐乃の前で何度か泣いた事が微かに頭を過ぎったけれど、もうそれが理由で今のこの涙を 止める事は、どうしても出来なかった。 あやせは何も言わなかった。ずっと黙って、ただ俺の背中をさすってくれていた。 それでも泣きやまない俺に対して、彼女は…………… 「ちゅっ……ぺろ……レロ…むちゅ…ベロ……」 最初はキスされているのかと思ったが……そうじゃなかった。 あやせは、唇を押しつけると舌を出して、俺の頬を、頬に流れた涙の雫を舐めだした。 必死に、何度も、何度も、何度も…………滑稽な筈なのに、俺の胸は熱くなり…… ますます涙が止まらなくなったが、それでもあやせは、俺の頬が全部あやせの唾液に 変わるまで、決して辞めなかった。 俺はやっと「ありがとう」と言い、あやせの髪と頬を横から撫でた。 「京介さん、それ好き…だ、だから、もっと………してっ………く…ださい」 さっきは、桐乃にするみたいに頭を撫でる事をあれほど拒絶したのだが、今回は 何故か、ごく自然にあやせに触れる事が出来たし、彼女の嬉しそうな笑顔を見て…… 俺の変な拘りが、このあやせの笑顔を曇らせてたのかも知れないと反省した。 「俺はあやせとずっと一緒に居たい。もう理屈も理由もないんだ。だから……さ……」 「ねぇ、京介さん、何でわたしがクローゼットの中にいるって分かったんですか?」 「本当に何の理屈も理由もない。ただ居て欲しいと………信じただけだ。 まぁ………鈍い俺だから何度か回り道したし、おまえを随分待たせちゃったけどな」 「わたしを信じてたのに、さっきは何で泣いたの?結局、振られると思って悲しくなった んでしょ?本当に信頼してたら……」 「麻奈実がさ、さっき話してた赤城と付き合う事になりそうなんだ。 そして俺の妹とはちゃんと良い兄貴になるって話してきた。 黒猫とも、ちゃんとある約束している。 俺には本当にあやせしか居なくなった。 だから泣いたのかは分からないけどさ………こんな話って、やっぱ俺って情けないよな」 「そうですね、凄くみっともなくて、情けないから、ほっとけなくなっちゃいました…… ………わたし」 「実際、不安だったのかもな。おまえの言う様に、最初は、あやせが危なっかしくて 心配で付き合う事にした。そして、俺の勝手なイメージでおまえの事を見てた。 さっき、おまえを捜し回って、走り回ったけど、でも俺はあやせの事を何も 知らなかったって痛感させられた。 だからおまえに、見た目だけとか、身体だけでも良いって言われた時に……… 俺は何も言えなくて、ちゃんと反論も出来なくて、あやせを余計に傷つけた。 だからその事については謝るよ。変に誤魔化したり、カッコつけたりして、すまなかった」 「でもさっきは見捨てたわけじゃない、おまえを信じてたつもりだったんだ」 これだけの事を言う為に、本当に、随分遠回りしたが、やっと言えて良かった。 「そんなに、わたしを信じてるなら、わたしのコトがちゃんと分かってるって言うなら、 わたしが今して欲しいコ・ト・…当ててください。当ったら仲直りしましょう、ね?」 ウインクして、魅惑的な顔になったあやせが、挑発する様に俺にクイズを出した。 俺はさっきしたみたいに強引にキスする、もう自分が風邪だった事なんてすっかり 忘れていた。理屈も、理由も、クイズも関係なく……純粋にしたいから、した。 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレですね。 やっぱり……わたし達って相性悪いのかなぁ。残念です…ねぇ、京介さん?」」 こいつがずっと"京介さん"としか呼ばない事に違和感を感じた。 "儀式"なのかとも考えたが、俺に髪を撫でられている、あやせにはもうそんな気配は 微塵も感じられなかった。本当にただ、ただ美しい俺の彼女だった。 「んじゃ、また尻ぶった叩くか……アレはあやせのお気に入りだからな」 やっと余裕が出てきた俺は、何とか冗談を言ったつもりだったのだが…… 「それもして欲しいコトですけど、一番じゃないから………ハズレ」 冗談とも本気とも取れぬ態度に対して、いささか俺の理性は、失われ始めて…… やっぱりあやせの言う様に、俺らが変態なのは、間違いないのかも知れない。 変な性癖に目覚めないか心配した将来の不安は、既にリアルな懸念に変わっていた。 「もう本当に強情ですね、京介さんの、、が、わたしにずぅっと当たってるのにっ! それとも処女厨なのは…………冗談だった事が、実は的を射てましたか? はぁ~でも、良いんです……それでもわたしの気持ちは変わりませんから。 あなたがどんな変態でも、応える自信……わたしにはちゃんとありますからっ!」 こいつが何を言ってるのか皆目検討はつかないが、何か相当ヤバイ匂いがするのは 確実に分かった。 「あ、あのさ、、おまえがもう"儀式"を求めてないのは、何となく分かるんだけど それって結局どういう事だったのか、教えてくれないか? それが分からないと、ちゃんとクイズに答えられないと言うか……」 『…桐…………3つ……の……処女………………』と耳打ちされた。 「ははは……あ、あやせさん、そんなの、おかしいですよ!って言うかさ。 キ○ガイみたいなフリをするのは、もう良いからね!だ、だ、だから本当の事を言おうぜ。 俺ら、ちゃんとした恋人だろ?全く……冗談ばっかり、どっちが変態だよ、もう(戦慄)」 あやせは無言で、さっき隠れていたクローゼットから、最近よく持ち歩いている 大きなバックを取り出すと、おもむろに俺に中身を見せる。 ………メイド服、ブラウンのウッグ、眼鏡があった(様な気がするだけの事にしておく) 「もし、わたしが無理やり儀式実行したら、京介さんは、わたしの事が嫌いになって 逃げ出して、わたしの事を捨てましたか?正直に言ってくださいね? わたし……絶対に、もうどんな些細な嘘も、誤魔化しも、許すつもりないから……」 「一回全力で逃げ出して、それでもおまえがやるって言うなら付き合ってやったと思う。 あやせは困ったちゃんなのは分かってるけど、同情以外の感情があるのは今なら分かる。 ぶっちゃけおまえが、NTRの話しなくなったのは儀式とか言い出してからだもんな。 おまえと別れるくらいなら、おまえが他の男の話をするくらいなら、もう超変態で あやせと一緒に何処までも堕ちるやるさ」 半分は本気で、半分賭けで………俺はそう言った。 さっきみたいに、いくら諭してもダメなんだ、あやせを全部受け入れて、もしこいつが 傷つくなら、俺も一緒に痛みを感じてやる。 俺の彼女が堕天使で、地獄の案内人………だとしても、もう離れるつもりはない。 もう、絶対にあやせを一人にはしないって決めたんだ。 でも同時に、『とても静かで、優しくて、暖かい予感みたいなもの』を今なら 信じられる気がした。 「ふふ、京介さん……良いコ・ト・しましょう?もうしちゃいましょう……ねっ?」 そう言った時のあやせの笑顔は純真で、清純で、純粋でとても気高く感じられて、 本当に天使を見たら、こんな気分になるのかもなと俺は、不思議な感慨に耽った。 どうやら、何とか………賭けには勝てたらしい。 何でこいつは、あんな悪魔の発想する癖に……こんなに可愛く笑えるんだよ、全く。 「本当に、儀式はもう良いのか?」 「儀式ならもう終わりました。魔法ならちゃんと、京介さんにかけられちゃった…から」 こっちだって、ずっと魔法も、あやせ菌にもかかりっぱなしだったんだ。 でもあやせには伝わってなかった。だからこれからは、今からはもう照れは捨てて 全部あやせの望み通りにしてやろう。 誰かに聞かれて見られたら恥ずかしくて、死にたくなる様な事でも平気でやってやるさ。 「そっか…………分かった。で、おまえのお気に入りの手錠はどうする?」 あ~ついに、こいつとするんだなと考えると緊張で声は上ずるし、さっきは別れるか どうかの瀬戸際だったのに、今はあやせが目を潤ませて、頬を高揚させてる姿を見ると、 更に俺に胸や臀部を押しつけてる状況を鑑みると、自然の摂理で当然痛いほど硬くなる。 「もう!お兄さ…(ん)…あっ、京介さんは…本当に、何も分かってないんですねっ!」 そういう事か…全く、、、何でそんなに俺に魅惑の魔法を重ねがけしようとするんだ? 「可良いな、あやせは…良いんだぜ?おまえが癖で言ってしまう"お兄さん"のままでさ。 おまえしか見てないんだから………今更、何ズレた心配してるんだよ、ったく」 「……ご、ごめんなさい……で、でも、でも……………」 「手錠はプレイで使うなら良いけど(もう立派な変態だ)、今は必要ないで良いんだな? 心はちゃんと繋がってる。今は…身体は身体同士で繋がりたい、、、で合ってるか?」 恥ずかしそうに、ぎこちなく、でもしっかりとあやせはコクリと肯いた。 こんな最高に可愛い彼女が相手なんだから、今だけは、俺も全力で"男"にならなきゃな。 俺はキスしながら、あやせをお姫様だっこしてベットに運ぶ。 何でだろう、あやせの裸なら本当に何度も、何度も見た筈だが……… DVD事件の時は、自分で全裸になってたし(長時間クローゼットでそのままだった) あやせの部屋ではいきなり下半身を脱がせたのに、今は服を着たままのあやせを 目の前にしているだけで、今までと比べものにならないくらい興奮して、緊張して 完全硬直しちまった、やっぱ情けねぇ………。 自称"男"改め、単なる童貞小僧に成り下がった俺は、キョトンとした表情で見ていた あやせに 「ふふ、良いですよ…ほら…………ボク………お姉さんとエッチなお勉強しましょう? ほらぁ……こっちにおいで」 と誘われた。
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親バレ BLが親バレしたときの話。 ある日、妹たちの部屋に何気なく入る。 妹Aは布団の中に入っていて、妹Bは机に向かってギャグマンガ日和を読んでいた。 すると、妹Aがなにやら布団の中に何かを隠したではないか。 馬鹿なやつだ。そんなあからさまな素振りをしなければスルーしていたというのに。 俺「?今なに隠したんだ?」 妹A「な、なんでもない」 俺「BLか」 妹A「!?」 どうやらご名答らしい。 以前から俺が冗談半分で「おまえはBL読んでろ」と言ったり、 「どうせBLものだろ?」と本屋帰りの妹に言ったりすると、 「BL好きでもいいジャマイカ」とか言っていたんですがね。 つかそれ以前に「家の中でネット上のスラング使うなよ。」 って話ですがね。 まさか購入しているとは・・・ こいつはグレートにやばいぜ・・・ しかし取ろうとしても隠し通そうとします。 仕方なく居間へ退散。 時間はちょうど昼時。 飯に呼ばれた瞬間を見計らって部屋に入ろう。 なんて考えていたらタイミングよく母親が飯に呼ぶ。 うまく部屋に侵入できた。 俺「あいつ隠した?」 妹B「いや、そのまま」 というわけで物色開始 見つけた。 妹Aが所持しているマンガの実に1/10にあたる7~10冊のBLもののアンソロジーが出てきた。 しかも全部銀魂の土方×銀時もの。もちろんR18指定。 これはいいネタを見つけたと食事中の親に報告。 ええ性悪兄貴です。 母親はショックを隠せないようだ。 そりゃそうだ。まさか娘が男同士の恋愛を好きだなんて。 女のおまえには関係ないじゃん。って話だ。 そのとき妹はひたすら「大丈夫!版権ものだから!」と意味のわからない言い訳を繰り返していた。 妹Bも参戦しプチ家族会議 父は仕事なので俺、妹たち、母の四人だ。 とはいってもそんなに重苦しい雰囲気ではない。我が家は趣味に寛大なのだ。 母「それで、どんな本なの?」 妹A「男同士の恋愛を描いたマンガだよ。」 母「キスとかするの?」 妹A「・・・」 俺「もっとだよ。R18指定だもん。」 妹B「そうだよ!このまえ言ってたもん」 と過去の話をする妹B 妹Aは相変わらず布団の中。妹Bは勉強中 妹A「ねぇ」 妹B「ん?」 妹A「この本R18だからお前は見れないんだよ!まぁどうしてもって言うなら見せてやってもいいけど」 妹B「いや、いい。」 とどちらが年上かわからない会話を繰り広げていたらしい 母「馬鹿wwwwwwwwあんただって見れないでしょwwwwwwww」 と正論がとぶ。 妹A「で、でもお兄ちゃんだって部屋にフィギュアおいてんじゃん!」 母「あぁ、あの緑の髪の女の子とか?」 そうなのだ俺の部屋には緑の髪の女の子のフィギュアがある。 コンビニくじで当たるあれだ。 半裸状態の全長20~30センチほどのフィギュアがある部屋はお世辞にも正常とはいえない。 しかし、 母「あぁ、あれはいいんよ。正常だから。」 俺の場合は男と女の交わりが好きだから許可されているらしい。 我が家は母親まで価値観が狂ってきていた。 その後ディベートの結果 もう新しくBLものは買わない 父には秘密 今あるものは妹Bの見えないところに置く と決まった。 やや甘い気はするが、こうして妹は無事修羅場を脱出したとか。
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691 : ◆36m41V4qpU [sage saga]:2013/05/24(金) 22 52 41.47 ID 7ipQRA2L0 "僕のビアンカ" 俺様の名は高坂京介 人は俺のことをこう呼ぶ―――北関東のハイエナ ハイエナは狙った獲物は絶対に逃さない 「キャァー」 「うりゃ―――よし苺のパンツか」 狙った同級生の女子のスカートは必ずめくる それがハイエナの掟(お・き・て・) 「フフハハハ………これで後一人―――って痛ってぇ」 後頭部を思いっきり蹴られる俺様 「何すんだ!誰だっコラ?!」 「高坂 ―――アンタこそ何をやってる?」 「ゲッ………団子」 俺が『団子』と呼ぶ―――俺様の頭にケリをいれた不届きな奴 怖い物なしの俺にすれば唯一の天敵だった。 みたらし団子の様な髪の色に みたらし団子のような団子を頭の上に乗っけたような髪型に、 長い足に―――これ見よがしの短いスカート クラス委員で、クラスの中心にいつも居る、クラスのまとめ役 集団行動の群れた羊共のリーダー、否、猿山のメスボスザルなんだ。 要するに 一匹ハイエナである俺様はもちろん群れるのを好まない ――――独りで生きていけない権力に屈した羊共はもちろん俺様に 逆らったりしないのだが、この団子だけは別だった。 そして、クラスで俺様がスカートめくってないのもこの男女だけだった。 「誰が団子? 高坂、ちゃんと名前で呼ぶ」 「………………………………う、ぅるせぇ」 「えー?何か言った? 全然聞こえない」 「な、な、なんもねぇよ。 俺は先を急ぐからよ。アディオス―――あっ」 「待って ―――こっちの話は終わってない。高坂くん!」 団子は、威圧的に俺の名前を君付けした。 「こっちはねぇんだよ!」 「口で話出来ないなら、こっちで訊くしかない?」 『ボキボキ』と 団子は俺を威嚇するように首や拳の関節を鳴らした 「す、スカートめくって、本当にすいませんでした」 結局、団子に凄まれて――脅されて何度も何度も土下座をさせられた。 「も、もう大丈夫だから―――私はこれでっ」 最期にはスカートをめくられた当の女の子の方が恐縮していた。 「これに懲りたら少しは反省する 良(よ)い?高坂―――」 俺が土下座の格好ままで下から団子を見上げていた刹那 「―――甘いぜ、団子っ! 大将討ち取ったりっ―――ってあれ?」 記念すべきコンプリートのパンツは密かにこの小生意気な同級生と 決めていた俺様だったのだが、ヒラヒラしている短いスカートを いくら強くめくってもお目当てのパンツは見えなかった。 「こ・う・さ・か!!!」 鬼の形相の団子を放置して俺は一目山に走って逃げ出した。 逃げ足だけには自信があるつもりだった ―――しかし団子は簡単に追いつくと思いっきり俺を蹴り飛ばして 「アンタ、少しは足速いみたいだけど、わたしほどじゃない」 「く、くそ………なんで、いつも負けんだよ! それにスカートめくれねぇし」 「これからは覚えておくと良(よ)いよ! ―――これはキュロットスカートって言う そして、やっぱりアンタってバカ、バカ、バカ、バカ高坂!」 と言って 『バカ』のかけ声に合わせて何発も何発も俺の頭を踏み砕いた。 「………グハ」 「痛てて………あの男女覚えてろよ!」 「もうきょうちゃんって、ホントにおバカだね」 おっとりした口調で彼女が言った。 「痛いって………ちょっと手当するなら、もう少し優しくしてよ」 「そんなにパンツが見たいならさ、わたしがいくらでも見せてあげるのに♪」 「え?」 「ふふ、あっれ~?本気にしちゃった?」 彼女はショートカットの髪を振るわせながらニッコリと笑った。 そして彼女が振るえるように笑うと大きな胸も一緒に揺れた。 「そんな ふとましい太ももとか、そんなパンツとか別に見たくねぇって」 俺は何となく恥ずかしくなって軽口を叩く 「ぶーもうっ、きょうちゃん、ちょっと言葉が過ぎるぞ ぷんぷん 親しき仲にも礼儀ありだからねっ?」 怒ってるのか笑ってるのか分からない ―――俺が好きな優しい微笑みを浮かべながら、 幾分芝居がかった口調で(でも自然な表情で)頬を膨らませつつ 彼女は言った。 ―――本当にどんな時も全然変わらないなと思う。 こんな風に話しているだけで、俺は何となく落ちついた気分になれるんだ。 「はいはい」 「ところで、きょうちゃんって女の子のスカートめくって何が楽しいのー?」 「別に楽しくねぇよ、暇潰し」 「でも大人達に怒られるんだから、もう辞めた方が良いと思うよ」 「そういや、最近親父に殴られてないや」 「そのお団子ちゃんが一緒に謝ってくれてるから、めくられた当の女の子も 先生や親に言ってないのかも知れないね」 「そっか、だから 帰りのホームルームで問題になったり、親父に殴られたりはしてねぇんだ」 でもあの男女に殴られてるなら一緒じゃねぇかと俺様は思った。 「でも、もうしちゃダメだよ? 次にしたら、わたし本当に怒るから、分かりましたか? きょうちゃん」 「はい、はい」 同じ女は二度狙わないのはハイエナの掟だ。 そしてあの団子の野郎が例の絶対防御(キャロットスカート)を装備してる限り 俺の狩り(スカートめくり)が成功する確率は一㍉もない! この狩りは暇潰しで始めたんだし、(当然)誰に褒められるわけでもない でも何となく、このミッションがコンプリート出来なくて悔しい気持ちと ―――同時に、(エロい意味ではなく)何がなんでもやってやろうって ワクワク感が俺様の中に拡がった気がした。 そう―――ハイエナは狙った獲物は絶対に逃さないんだ。 「ねぇ、きょうちゃん………わたしのお部屋でゲームする?」 「するする、ドラクエやりたかったんだ」 『うかんだぞ! トンヌラというのはどうだろうかっ!?』 「うげぇ………どっかで見たことある顔だな、これ。 ってかさ、俺一人でやってても良いの?」 「うん♪ わたしはきょうちゃんが遊んでるの………見てるだけでも 楽しいから」 『あなた、だあれ? え?お父さんといっしょに旅してるの? わたしもお父さまといっしょに来たのよ。 海ってなんだか広くてこわいのね。』 『ちょっとあなた。 勝手に入ってこないでくれる? ここは私の部屋なの。 わかったら早く出て行って。』 『ねえ、 大人の話って長くなるから上にいかない? わたしはビアンカ。 わたしのことおぼえてる?』 『きまったわ! 今日からあなたはチロルよ!』 次の日、学校 「えっと、今日は運動会のリレーの選手を決めたいと思います」 自習の時間に団子が教壇の前に立って、何やら話している。 あの男女………今日はズボンかよ、くっそ 「誰か立候補する人はいる?他薦でももちろん良いよ」 運動会のリレーなんぞ俺様にはどうでも良いんだ。 本当に何が楽しいんだか。 あーあ、こいつらマジで下らねぇな。 『委員長が良いと思います』 と誰かが言った。 『確かに一番足速いし、賛成』 『俺も賛成』 クラスの羊共がこぞって団子を推薦している。 そりゃ、あの男女の足が速いのは俺様が一番知ってるさ。 「他に誰かいる?居ない?」 『おまえ、やれ』 『無理無理』 などクラスの男共は言い合っていた。 全く、群れたがる羊はひ弱なモヤシが多いらしい。 その後、団子がいくら問いかけても最期の一人の選手が決まらなかった。 俺は完全に興味を無くして窓から見える空を見ていた。 今頃、俺の妹は病室の窓から、この空を見てるのだろうか? 「―――が良いと思う」 少し眠くなりながら窓から教壇に目線を戻した時、 何やら大勢の視線を感じた。 教壇にいる団子は笑顔で、他のクラスの奴等は困惑気味に俺の顔を見ていた。 「わたしは高坂くんが良いと思います。どうかな?」 「は?」 「だから、わたしはリレーの選手に高坂くんを推薦してる。」 『………………』 さっきまでとうって変わって、クラスの中が気まずい雰囲気に包まれる。 そりゃ、俺様を前にすりゃ羊共は畏怖して、ビビるよな、当然だ。 「断る! なんで俺様が、この愚民共の為に走らなきゃいけねぇんだよ 参加者が居ないとか知るか、走る奴がいねぇなら棄権でも何でもしろよ」 『………………』 一瞬、氷の様にクラスの羊共の顔が固まったのが見えた。 俺は本当に良い気分だった。 何で俺がおまえらの為に何かしなきゃいけないんだよ。 知るか―――トロい奴が参加してボロ負けしちまえば良いんだ。 へへ………ざまぁみろ 『……………………………………』 「う~ん、困った―――困った」 その雰囲気の中、団子はただ一人だけ場違いな感じで 『困った』と言いつつも、ニコニコ笑顔を崩さずに続ける 「ちょっと………高坂くん、お話があるから来てください」 と言って 教壇から最後尾にある俺の席までステップでも踏んでるかの如く 飛んでやってくると、団子は俺の手を無理矢引っ張った。 そして俺は教室を出て、誰も居ない廊下に連れ出された。 「ちょ………おまえ」 「あれ? どうしたの………高坂、アンタ顔が赤い」 「う、うるせぇ!一体どういうつもりだよ!」 「いや、だからリレーの選手になってくんない? わたし達、困ってる。 アンタって逃げ足速いじゃん、今度はリレーでそれ使って欲しい」 「だからイヤだって言ってるよな?」 「冷たいこと言わない アンタ………女の子がこんなにお願いしてる」 「し、知らねぇし ………俺には、おまえらがどうなろう関係ねぇだろ」 教室の廊下側の窓からクラスの奴等が奇異の目で俺等を見ている。 俺は思いっきり睨み返してやった。 「関係ないわけない。 だって、高坂はうちのクラスなんだから」 「俺はおまえらとクラスメートになったつもりなんか………ねぇ」 そして―――それは俺だけじゃない お・ま・え・ら・だって、そう思ってるんだろ? 俺はおまえらが嫌いだ、だからおまえだってそれは同じだろう。 「出席番7 高坂京介くん 住所は千葉県―――で、 趣味はパズルと植物観賞。尊敬する人は………………」 「だぁぁ………何で俺のトップシークレットを知ってるんだよ?!」 「これくらいの情報はクラスメートなら当然知ってる」 「………………」 俺はクラスの奴等の情報なんて それどころか―――名前すらあやふやだった。 当然、相手だってそうだと思っていた。 「アンタにそのつもりないって言われても、わたしは困る。 ―――わたしは普通にクラスメートと思ってるし 何よりも実際、高坂はわたしと同じクラス。 アンタ、何をワケの分かんないこと言ってる?」 「………………う、うるせぇ、とにかく知るか」 俺は団子の言葉に動揺していた。 こんな風に一方的に関わってくる、こいつが相手だと どうしても、俺様のペースはかき乱されちまう。 「あー、逃げる?」 「は、はぁ? おまえ………何言ってる―――」 「だ・か・ら・わたしはアンタをクラスメートと思って頼んでる。 うんって早く言ってくんない?」 俺は思わず、団子から目を逸らした。 教室の奴等は俺に冷たい目を向け居た。 俺が、おまえら羊共と同じクラスなわけがねぇだろ。 そうだ、俺がこいつらの為に何かするなんて絶対お断りだ。 団子の野郎もきっと同じだ。 ―――こいつは優等生だから点数稼ぎで色々俺に構ってくるだけだ。 ただそれだけだ―――そうに決まってる。 「―――くれたら、良いぜ?」 どうせ、おまえもあいつらの仲間なんだろ? 「………?」 「おまえのパンツ、見せてくれたら 走ってやっても良いって言ってるんだよ!」 「………」 俺らのやり取りを見ていたクラスメートが一斉に騒ぎ始めた。 ―――知ってるさ、ワザとやってやったんだ。 おまえらがいくら騒いだって痛くも痒くもねぇさ。 「…………………ふぅん」 「おまえこそ逃げるのかよ?」 ほら、早く正体見せろよ? おまえは所詮、あいつらの中の一人に過ぎないって事をな 「アハハ………高坂ってやっぱり面白い」 団子の反応は ―――俺の予想と違う大きく違うものだった。 何で、おまえはあ・い・つ・ら・と一緒に、俺を糾弾しないんだよ? 「ふ、ふざけるな! 誤魔化してるんじゃねぇよ、無理なら無理って言え!」 俺は尚も諦めずに団子に迫った。 「いいよ。見せてあげる」 「え゛?」 「その代わり、高坂もパンツ見せる。良(よ)い?」 「はぁ? お、おまえ一体何を言って―――」 「―――だ・か・ら・ アンタが見せてくれるなら、わたしのも見せてあげるって言ってる」 「何でおまえが俺のパンツ見たがるんだよ?」 「高坂と同じ理由かもね?」 「う、うそつけ 俺がやらないからって脅してるんだな?」 「さぁ?どうでしょうね」 「おまえ、ふざけるなよ………やってやるさ」 「っ………!」 流石の団子もこの時ばかりは驚いた顔で、茫然と俺のパンツを見ていた。 ほら、どうだ!ふん、これで俺の勝ちだ クラスの奴等に笑われたのはシャクに障るが 団子の野郎が、大嘘吐きであいつらの仲間だって分かっただけでも 俺様の大勝利に違いなかった ―――その筈だった 「よし、うん分かった。 ほら………今度は、高坂よく見る」 団子はズボンのベルトを外すと、一番上に止めてあったボタンも外した。 「ちょっと………待っ」 「ほら注目―――」 「―――このバカ野郎! 何、本当にズボンを降ろそうとしてるんだよ!!!!!」 俺はとっさに団子に飛びついて、こいつが降ろそうとしていたズボンを ―――そのズボンを、降ろそうとしていたこいつの両手もろとも無理矢理 思いっきり上に引っ張り上げた。 こいつの一連の行為がズボンを降ろす振り(ふ・り・)で してなかったことは明らかだった。 何故なら、俺が団子の両手を握って引っ張りあげた時 その手の力のベクトルは確かに下の方向に向いていたからだ。 しかも教室の奴らには、角度的には見えてないかも知れないが、 俺には下着の生地の一部が色だけだが少しだけ見えていた。 「あれ? 見なくて良(よ)いの? アンタはちゃんと見せてくれたのに、わたしはちゃんと約束は守るつもり」 「バカ野郎!おまえは女だろ!」 「高坂、いつも女子のスカートめくってるじゃん」 「今はクラスのほとんどの男共も見てるんだぞ!」 「高坂………顔真っ赤かだ」 「う、うるせぇ」 「何で、アンタが照れてる? それにアンタが邪魔するから脱げなかったじゃん」 「と、とにかく………もういい」 「何が良(よ)い?」 「わ、分かったから ―――おまえの気持ちは分かったから、ズボン下げんなよ」 「高坂ってさ―――」 団子は俺に近づくと、ヒソヒソ話の要領で俺の耳元に―――……… 「―――実は優しい」 ………―――と言った。 「う、うるさい!うるさい!」 「別にうるさくはない。わたしは小声で言ってる」 「………」 俺は絶句して、もう何も言えなかった。 目を逸らして教室の方を見るとクラスの奴らも静まり返っていた。 「とにかく高坂には約束守って貰う」 「へ?」 「だって、アンタが見せなくても良いって言ったんだから 今更、ナシとかはナシ」 「………く」 「高坂はちゃんと走る、わたし達はリレーで勝つ。 うちの組が優勝する、結果めでたし――めでたし」 「………くそ」 「あと、リレーの選手は練習あるから、ちゃんと来る。 良(よ)い?」 「ちいっ」 「返事聞こえない」 「あーあー」 俺は両耳を両手で押さえて、奇声を上げた。 「返事」 『ボキボキ』と関節を鳴らして団子が問いかけた。 悔しいが、今はこいつの言う事の方が正論だった。 賭けをして負けたのに約束を反故にするのは、俺様の流儀に反する。 「ちぃ分かったよ!やりゃ良いんだろやりゃ」 「うんうん、期待してる。 他のクラスには速いの多いからね。 わたしはアンタの逃げ足だけが頼りです♪」 こいつが周りの状況・雰囲気・流れ、 そんなの完全無視で、ニコニコと笑ってるのを見ていると、 俺は腹立つより呆れて、それ以上何か言うのが面倒くさくなってしまった。 ―――本当にいつも、いつもそうだったんだ。 「ちくしょう、ちくしょう! あの団子のやろう、まんまと俺をハメやがって!」 「きょうちゃん、リレーの選手になったんだ、凄い凄い」 「マジで………最悪過ぎる」 「でもお団子ちゃん、結構な策士の女の子だね わたし、ちょっと会ってみたいかも?」 「単なる変わり者なんだ、あいつ ―――俺にいつもちょっかいかけやがって、マジで腹立つ」 「きょうちゃんのことが好きなの………かもね?♪」 「じょ、冗談キツ過ぎる」 「全然………冗談じゃないよ」 「何で分かるの?」 「女のカン………かな?」 「そのカン大外れだよ、絶対 大体、女のカンって………適当過ぎる」 「適当じゃないよ わたし、きょうちゃんの事なら何でも分かるもん」 「何で分かるの? ってそれも女のカンで、以下無限ループで―――」 「―――わたしはね、きょうちゃん好きだから♪」 「なっ………」 「これは将来、大惨事が起きるかもね お団子ちゃんと、わたしできょうちゃん取り合いかぁ ―――わたし、二人が付き合っても別れて欲しいとか言ったりして」 「ハァ まったく………何をワケの分からないことを言ってるんだよ」 「とにかく大会の時はわたし、応援しに来るね お団子ちゃんにも会ってみたいし、きょうちゃんの活躍も見たいし」 「こ、来なくて良いよ」 「お弁当作ってくるからね♪」 「何で、俺よりはしゃぐのさ?」 「あのね………きょうちゃん、よぉ~く覚えておきなさい 女の子はね、自分が好きな男の子が頑張る姿にはしゃぐ生き物なんだよ」 ―――そして、俺よりはしゃいでる女の子がもう一人居た。 「わぁーお兄ちゃん、 リレーに出るのすごぉい、すごぉい」 「ふふ、クラスの奴らがどうしてもってお願いしやがったからな」 「えぇー? そーなんだ………みんながおねがい したんだぁ! みんなに、たよりにされてるんだねー」 「俺ってさ頼られたら、断れないからな ―――まったく、北関東を守護するハイエナは苦労が多いぜ」 「キリちゃん、ぜぇ~たいっおうえんに行く♪」 「うん、でもその前に早く良くなれよ? そしたら、俺様の超絶スペシャルな活躍が見られるからな!」 「うん! はやく よくなって………ぜったいぃみにいく!」 「でもキリちゃんごめんな、 俺、その練習で放課後とかあんま来れなくなるかも」 「う、うん………………だいじょうぶだよ ―――でもぜったい、ぜったい一番になってね、お兄ちゃん♪」 「ああ、当日はキリちゃんの為に走ってやるからな」 「うん♪ぜったぁいやくそく!」 俺の妹は病気だ 物心ついた時から、ずっと入院していた。 だから両親は当然、俺の妹につきっきりで看病。 と言うよりも、家族の優先順位は常に妹の事で占められていた。 そして家族の中で、 ―――何故か一番妹に懐かれてる俺は(たかだか小学生だが) 何を犠牲にしても、妹に会って看病したり、あやしたり、話し相手になったりした。 そう………俺には、あの羊共の様に群れたり連むダチは居なかった。 あの通り、学校では一匹ハイエナだし―――俺は孤高の存在なんだ。 別に、弱っちぃクラスの羊共と連みたくなんて無いから それは別にどうでも良いが でもあの団子だけが突っ掛かってくるから、話がややこしくなってる。 俺は入院生活で辛い思いをしている妹が少しでも喜んでくれたら嬉しいだけ。 出来ればその笑顔のまま、病気を乗り越えて欲しいと思っているだけだ。 だから現実の学校での俺様と、妹に今話してる俺に、 ちょっとばかりギャップが有ったって別に何の問題も無いさ。 それに学校ではあんな俺でも 家に帰れば、俺のことをちゃんと待っててくれる人が居る。 だから不平なんてない―――不満なんて無い。 俺はこのままで良い―――絶対に変わるつもりなんて無かったんだ。 「ほら、きょうちゃん、お紅茶煎れたから。それにお菓子もどうぞ」 「うん、有り難う」 『こんな私でいいの? フローラさんみたいに女らしくないのに。』 『私は守ってもらうことしかできない女ですのよ。 それでも私を選んで下さるの?』 『なにしてるの?早く私を選びなさいよ。』 「結構、きょうちゃんゲーム結構先まで進んだね。 きょうちゃんの人生最大の選択かな?」 「何か、滅茶苦茶………選びづれぇな」 『なんとこの私が好きと申すか!? そ、それはいかん!もう1度考えてみなさい』 「ふふ………何回それやってるの? もう、きょうちゃんったら♪」 "しかし選んだ花嫁にプロポーズせずここを出てゆけば 皆をがっかりさせることになるだろう" ―――逃げ出したくても"ルーラ"は肝心な時には使えないって事 と合わせて 何となくこの言葉が、その後 俺の心の中にずっと引っかかった。 俺の学校での生活は相変わらず でも、前にもまして団子の奴が色々話しかけてきやがる。 ったく あの女、面倒くせぇったらありゃしねぇ。 いつもの様に、妹の見舞いを終えて帰ろうとしていると 何故か、団子が突き当たりの病室の前で困った顔をしていた。 俺は興味本位で、その様子をしばらく遠くから眺めていた。 団子が病室へ入っていった後、部屋から声が聞こえる。 「わし、薬とかいらんし飲まんからね」 「お爺さん………我が侭を言ったらいけませんよ。 これはお医者さまが―――」 「―――大体、医者なぞ病院なぞ来たくは無かったんじゃ」 どうやら、団子のじいさんが我が侭を言って、家族を困らせてるらしい。 何でだろう? 学校でいつもちょっかいをかけられていたから その意趣返しのつもりだったのか? それとも別の理由だったのか? 大好きな祖父母のことを思い出しながら 俺は本当に何の躊躇もなく、病室の入り口から団子に挨拶した。 「よっ! こんな所で会うなんて随分奇遇じゃねぇか?」 「誰じゃ、この小僧は?」 「こ、高坂――アンタ、ここで何してる?」 「何じゃ、わしの孫娘の友達か とにかく、わしの可愛い孫はおまえにはやらんぞ」 このじいさんは陽気なタイプのようだ。 こういうじじいの転がし方は、大体分かっている。 「お爺さん、そう言わず是非、僕にください 絶対に幸せにしますから」 「小僧、マジか?」 「嘘だよ、じいさん」 「クク………面白い坊主じゃな。茶でも飲んでくかい?」 「おう、玉露で良いよ」 全くの他人で初対面にかかわらず 俺とじいさんは、普通にうち解けて茶を飲んで世間話をした。 「じいさん、何だから知らねぇが薬は飲んだ方が良いと思う」 「だって苦いし不味いし、嫌じゃ」 子供か、このじじい 「じゃ、勝負しねぇか?じいさん 将棋やって、俺が勝ったら素直にじいさんは薬を飲む」 病室の机に置いてあった将棋盤を指差しながら、俺は言った。 「小僧が負けたら、どうするんじゃ? わし、薬飲まされるだけの勝負とか受けるつもりはないぞ」 「団子と―――じいさんの孫と結婚するのは 泣く泣く諦める」 「ほう………気に入った、よし勝負じゃ! でもわし強いからハンデをやろうかのう」 「そんなのいらないぜ」 「―――ふむ、その意気潔し!! 」 「いざ………尋常に」 「「お願いします」」 俺は自慢じゃないが、ガキにしては結構 将棋強い方だと思っていた。 でもこのじじい、とぼけてる割りに滅茶苦茶強い。 「ほらほら、どうした王手、飛車取りじゃぞ」 こんな所にノコノコやってきてボロ負けしちゃ 俺の格好つかねぇんだよ。 ………………………! まぁ………このじいさんなら洒落は分かるよな 「あっ、じいさん………窓、窓にUFO!!!」 「え?! 何処じゃ?何処にも見えんぞ」 ―――この隙に将棋盤をそっくりひっくり返して 「あれ?どうやら俺の勝ちみたいだぞ」 「あーわし負けとる」 「いや、良い勝負だったぜ」 俺は、団子と団子のおばあさんにウインクして、 じいさんに見えない様にピースサインを出した。 「わたしが優勢だった筈なんじゃが、何でかのう」 本当にボケてないだろうな? ………このじじい 「とにかく、約束守って貰うぜ」 「しょうがないのう」 じいさんは約束通り、薬を飲んでくれた。 「じいさん、早く良くなれよ」 「うむ、また遊びにおいで」 「高坂、あんがと うちのおじいちゃんって頑固だから、本当に助かった」 「俺は、年寄りあしらいはプロ級なんだぜ 暇なら、また茶でもご馳走になるわ んじゃ、帰るわ―――」 「―――あの高坂………」 「アディオス!」 「ちょっと待ってくれる?」 「な、何だよ?」 「アンタさ、お菓子好き?」 「おまえんち、菓子屋だったのかよ。 マジでイイよな、菓子食い放題でさ………羨ましいぜ」 その後、俺は何故かこいつに連れられて団子の家に案内された。 考えてみりゃ、俺って女の子の家なんて上がったことなかったな。 つーか、友達の家なんて随分行ったこと無かった。 「わたしの予想通りの高坂らしい発想 でもわたしは和菓子よりも、洋菓子の方が好き」 「おいおい………おまえ酷いな それでも和菓子屋の娘かよ?」 「ふふ だったらアンタ、ここの子になる?」 「毎日、菓子食えるなら結構良いな、それ」 「ふぅん 本当に美味しそうに食べてる お茶飲んで、お菓子食べてる姿がうちのおじいちゃんにそっくり」 「あんま嬉しくねぇな、それ ところで、物陰に隠れてるガキに、俺、睨まれてるんだけど?」 「あれはね………わたしの弟。こら、挨拶は?」 「逃げやがった。 おいおい、躾けと教育がなってねぇぞ………ここの家は」 「アンタがそれ言う?」 「そりゃ………そうだな」 『アハハハ』 『クク……フハハ』 その後、俺らは何が面白いのかも分からず ずっと二人でクスクス笑っていた。 俺がこんなに無邪気に笑ったのは―――……… "姉ちゃん"や妹と話してる時以外で、 ………―――俺がこんなに笑ったのは、どれくらい前だっただろう? 「高坂の妹って入院してるね?」 「何で知ってるんだよ?」 「だって、うちのおじいちゃんも入院してるから アンタって妹のお見舞いに何度も――何度も行ってる」 「おまえ 見てたのかよ………?」 「ちゃんとお兄ちゃんしてて偉い。 アンタが早退したり、学校来なかったりする原因って やっぱり―――」 ああ………そっか。 だからこいつは、そんな俺に同情してただけ だったのか。 何故だか、俺はさっき一緒に笑っていた自分が無性に恥ずかしくなった。 「別に、そんなんじゃねぇよ」 「わたし、高坂と走るの楽しみにしてる アンタがスカートめくって逃げるのを追っかけるよりは バトンを渡す方が絶対に良(よ)いよ。 うんうん♪」 「………あっそ」 「何? 高坂、どうかした?」 「俺、帰るから」 「ちょっと待って―――」 団子が何か言うのも聞かずに 俺はなるべく早く、この場から立ち去ろうと駆けて外に飛び出した。 俺は一体、これ以上………この親切なクラスメートに何を期待してたんだよ? こいつは他の奴らとは違う。 それで―――それだけで、もう充分じゃねぇか? 無性に姉ちゃんが恋しくなって、 俺は脇目もふらずに家路に向かって出鱈目に走った。 俺は思った。 ―――あのドアを開けたら、またいつもの俺に戻れるんだ 「ハァハァハァ………もうっ高坂! ―――だから、わたし ちょっと待ってって言ったでしょうに」 「な、な、何で、 おまえは………俺の家の目の前まで追っかけてくるんだよ?!」 「挨拶」 「あ、挨拶………?」 「忘れてる」 「え?」 「高坂、またね」 「お、おまえ………」 「高坂、リレー頑張ろう」 「………」 「返事」 「あ、ああ………やろうぜ!」 夕陽に照らされた、こいつの顔を見ていると 何故か、ポカポカと暖かくて懐かしい気分になって 俺は何の気も衒わず―――本当に素直な気持ちになって、そう答えていた。 「高坂、アディオス♪」 とニッコリ笑って団子がそう言ったかと思うと まるで背中から羽根でも生えてるみたいに 本当につむじ風の様に―――団子は俺の視界から消えていった。 気付くと俺は いつまでも――いつまでも、団子が見えなくなっても手を振っていた。 あーあ、俺って何………青春してんだか その時、俺の頭の中で 何故か、ゲームの場面が再生される。 『きまったわ! 今日からあなたはチロルよ!』 北関東のハイエナだろうが、"地獄の殺し屋"だろうが ―――こうなっちまったら、もう形無しだ。 「………………………ったくよ」 ―――本当に、最近の俺ってバカみたいだ 俺はそう自嘲しながら、もう暫くの間 ―――団子が居なくなった路地を、家のドアの前で ずっと――ずっと、見つめていた。 おわり
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OP 探索(ストーリーモード)千葉駅への道-1 フラッシュ 千葉駅への道-2 千葉駅への道-3 千葉駅への道-4 千葉駅への道-5 フラッシュ トップ 設定 探索(秋葉原) 沙織・バジーナ遭遇時成功 失敗 黒猫遭遇時成功 失敗 EDイベント終了後トップ コメント ※このページはネタバレを含みます。 ゲーム中で読みたい方は戻ることをおすすめします。 OP 場所:研究室 ウサミミ「クク、これで完成だ」 プレイヤー「……?」 ウサミミ「以前、異世界に通じたゲートを改良したものだ」 「今度はこちらから乗り込んでやろうと思ってな」 プレイヤー「……」 御坂美琴「あれ……えっとこのあたりだったはず……」 ウサミミ「ああ、ここだここだ。常盤台のお嬢様、よく来たな」 御坂美琴「あっ! ウサミミ! …私はただ、超能力者(レベル5)の測定がここで行われるって連絡が来たから……」 プレイヤー「……」 ウサミミ「クク、ああ。それで合っている。たしかに『測定』はここで行われる」 御坂美琴「え? それってどういう…」 ウサミミ「ゲート起動!」 ピッ プレイヤー「……!」 御坂美琴「ちょ、何よこれ…!吸い込、まれて…」 ウサミミ「クックック、さて。無事に辿り着くかな?」 場所:高坂家付近路地 高坂京介「おい、桐乃!少しくらい自分で持てっての!」 高坂桐乃「…はあ? あんた男でしょ? それくらい持っててよ」 高坂京介「へーへー。わーーぁったよ。持てばいいんだろ、持てば。 …ん?」 プレイヤー「!!」 ウサミミ「おっと、座標点が狂っていたかな……!?」 御坂美琴「ゎぁぁぁああああああああ、わわっ」 プレイヤー「……」 ウサミミ「……おい、いつまで上に乗っている?」 御坂美琴「ってて、しょうがないでしょ!…ていうか、アンタ!ちゃんと説明する気はあるんでしょうね!?」 高坂京介「……」 高坂桐乃「……」 高坂京介「…空から、女の子が…降ってきた?」 高坂桐乃「あ、あんたも見た……?」 高坂京介「ああ……。まさかこんなことが……」 高坂桐乃「も、萌えアニメみたいな展開でテンション上がるよね!!」 高坂京介「そっちかよ!?」 ウサミミ「さて…まずはゲート通過は成功したが……」 探索(ストーリーモード) 千葉駅への道-1 美琴「 」 ウサミミ「(ああ。お前たちの言うところの『別次元』、『異世界』といったところだ。……私が指定した世界とは別のようだがな)」 ?「(……)」 美琴「(げぇ……!? 軽々しくとんでもないことを……! アンタ、ちゃ、ちゃんと帰れるんでしょうね?)」 ウサミミ「(…ふむ。戻ることはできるが……ゲートは遙か上にあるからな。しかも今は停止しているようだ)」 美琴「(はぁ!?なんとかしなさいよ!どうせ、あのゲートもアンタが作ったんでしょう!?)」 フラッシュ 場所:高坂家付近路地 ウサミミ「(まあ待て。そもそも到達座標点が狂ってしまったことが問題なんだ。その解析をする。…………ふむ。どうやらあの物質が原因のようだな……)」 ウサミミは京介の持つ(持たされている)メルルのグッズを指さした。 プレイヤー「……?」 ウサミミ「(詳細は不明だが、あの『物質』とその『形状』が次元移動時のジャミングと同様の効果を出しているようだ)」 御坂美琴「(え? あの可愛らしい人形が……?)」 「(理由はよくわかんないけど……あれをどうにかすれば帰れるってワケね!)」 高坂桐乃「……てか、なんなのこの現実にはありえない気が強い子とウサミミな子!」 高坂京介「つーか、あの耳はなんだ?あんなんでよく出歩けるな」 御坂美琴「(~~!! ちょっと、どうにかごまかすわよ)」 ウサミミ「(ふふふ、楽しくなってきたじゃないか)」 千葉駅への道-2 桐乃「あのーお二人とも、こ、これってなんなんですか!? もしかして、二次元から飛び出てきたとか!?」 美琴「(ウサミミ女!合わせなさい)」 ウサミミ「(フン…。分かったよ)」 美琴「ええっとね! ちょ、ちょっと今は映画の撮影で!」 桐乃「えっ……映画? なんだ。ざーんねん」 京介「(…ウサギの付け耳に白衣に目の色が左右で違うな…カラーコンタクト、か?)」 千葉駅への道-3 美琴「ねぇ、あのさ! お、お願いがあるんだけど」 桐乃「はい、何か?」 ウサミミ「”その物体”について教えてくれないか?」 京介「ん? このフィギュアのことか……?」 桐乃「え?この子?この子はねっ!メルルっていうんだけど。…へへ、可愛いっしょ?」 美琴「へ、へぇー、メルルっていうんだぁ~? すごく可愛いんじゃないかしら!」 千葉駅への道-4 桐乃「うん! いいっしょ? あ! あたしは高坂桐乃。桐乃でいいよ」 美琴「私は御坂美琴!私のことも美琴でいいわ」 桐乃「じゃあ、美琴。メルルの良さをもっと教えてあげるから!」 美琴「ありがと! ちょっとこれ借りるね!」 美琴「(ほら、ウサミミ早く……!)」 ウサミミ「(ふむ……この物質で間違いないが……これだけでは足りないようだな。)」 「(この世界に存在する同じものをある程度同一区域に集め、アンチジャミングを施さなければならなそうだ)」 美琴「(ええ!?)」 千葉駅への道-5 桐乃「ねえ美琴、こっちの子も可愛いからよく見てみて!」 京介「うおっ! いきなり俺が持っている荷物に手を突っ込むな!」 ウサミミ「…で?お前は桐乃の彼氏か?」 京介「ち、ちがう! …俺は桐乃の兄で高坂京介だ。勘違いすんな…そういうお前は?」 ウサミミ「くくく……そうか。私のことはウサミミとでも呼ぶと良い」 京介「(ペンネーム…?しっかし、コイツの格好…黒猫みてーだな。あまり周りの空気を読まなそうだし……。め、めんどくせえ!)」 「う、うさみみか、りょーかい」 フラッシュ 場所:高坂家付近路地 御坂美琴「というワケで!」 高坂京介「はぁ~~、つまり、俺達はこれから、二人を連れて……」 高坂桐乃「アキバに行くわよ!」 高坂京介「なんだってまたメルルフィギュアを買いに行くんだよ」 高坂桐乃「いいじゃない。美琴がメルルに興味あるっていうから、あたしがいろいろ教えてあげるの」 「メールしといたし、文句ないでしょ」 沙織のメール『御坂美琴さん、ウサミミさん、他一名様ですね。お待ちしております』 ウサミミ「(礼儀正しいヤツのようだな)」 高坂京介「まあ、それならいいけどよ。あいつらも同志が増えた~とか言って喜びそうだしな」 高坂桐乃「そういうこと。それじゃあ、まずは駅に向かいましょ」 御坂美琴「な、なんとかなったわね」 ウサミミ「そうだな。…おい、お前」 プレイヤー「…?」 ウサミミ「お前は『メルル』を集めろ。それがゲートに必要なキーアイテムだ」 御坂美琴「じゃ、収集はアンタに任せるわね」 プレイヤー「……」 ウサミミ「なんだその顔は。少しはあの兄貴を見習ったらどうだ?おとなしく仕事をしていろ」 高坂京介「おーい、駅へ向かうぞ?」 高坂桐乃「美琴!早く行きましょ」 御坂美琴「今行くわ!」 ウサミミ「クク、まずはアキバとやらへ向かおうか」 場所:秋葉原 高坂京介「ふー、やっと着いたか」 高坂桐乃「オタクの聖地よ!」 御坂美琴「ここがアキバ……」 プレイヤー「……」 沙織・バジーナ「京介氏!きりりん氏!」 黒猫「…遅いわよ」 高坂京介「わりぃわりぃ、いろいろあってな…」 御坂美琴「うわっ!ウサミミ女の次はネコミミ女!?」 黒猫「……で?この失礼な小娘が、その原因かしら?」 高坂桐乃「まぁそーいうことかな。ちょっとみんなに『メルル好きは可愛い子が多い』ってことを証明しようかなって!」 黒猫「なによその相関関係がまったくまさそうな繋がりは。そういうのをステマというのよ?」 御坂美琴「か、可愛い!? な、なかなか良いこというじゃない、桐乃。へ? 顔が赤い? う、そ、そんなことないってば!」 黒猫「……なんというわかりやすいツンデレ属性なのかしら、この子は……これで特殊能力まで内包していたら完璧なのだけれど。ふふふ」 御坂美琴「の、能力ですって!? な、なんのことかしら!? 全く何を言っているかわからないわね!」 沙織・バジーナ「おやおや、さっそくお三方で仲良くなられて。拙者もまぜてくださらんか、ニンニン」 ウサミミ「なんだ?このふざけた話し方は…先ほどのメールの文面とは大違いだな…」 御坂美琴「に、ニンニン…?よ、よろしくね~…」 黒猫「……」 ウサミミ「……」 黒猫「フ…何のつもりかしらその耳は。何やらコメットくんを彷彿とさせるわね。イライラするわ」 高坂桐乃「あ、たしかにコメットくん! なんだ、ウサミミちゃんもメルル好きならはじめから言ってよね!」 ウサミミ「い、いやこの耳型デバイスは『量子のゆらぎ』を探知する特殊な装置を組み込んだ高度な――」 黒猫「あら、自分でそこまで“設定”を考えているなんて、感心だわ。ごめんなさい、コメットくんの真似などと言って。みなまで言わなくてもいいのよ?」 ウサミミ「…………う、あ……」 高坂桐乃「まさか……ウサミミちゃんも中二病邪気眼女??」 ウサミミ「ち、ちがう、そうじゃない。信じてくれ!」 黒猫「フフフ……隠さなくて良いのよ、これからも精進なさい、ウサミミとやら……」 高坂京介「(な、なんか異次元の存在同士がまったくかみ合わない会話をしてるみたいだぜ……)」 プレイヤー「……」 御坂美琴「ウサミミ女が…負けてる!? なんかちょっとすっとしたかも!」 沙織・バジーナ「楽しそうですなぁ」 御坂美琴「そ、そう見えるのね、あなたには……。それで、メールの件なんだけど…」 沙織・バジーナ「ふむふむ…できるだけ多くのメルルグッズが欲しいのでござるな?」 「それなら、ゲームセンターの景品を狙ってみてはどうでござるか?期間限定のレアアイテムですぞ」 「たしか、この付近にもあったはずですぞ。拙者と黒猫氏で手分けして探しておくのでござるよ」 高坂京介「(さすが、相変わらず良いヤツだぜ! 沙織は)」 黒猫「…仕方がないわね。将来の闇の眷属候補の願いとあってはむげにはできないわ」 ウサミミ「くっ……。ここは素直に言うことを聞いておくべきだ……。あ、ありがとね! 黒猫ちゃん」 高坂桐乃「じゃあ、美琴達はあたしが案内してあげる」 御坂美琴「うん、桐乃ありがとう! 沙織もありがとう!!」 高坂桐乃「いいっていいって!それじゃ、いきましょ!」 トップ 美琴「オタクの聖地で!」 桐乃「メルルを集めるわよ!」 京介「張り切ってんな~…」 ウサミミ「クク、お前にも手伝ってもらうぞ?」 設定 探索(秋葉原) 京介 「今度はこの辺りだな。」 「ここは何度来ても、すげぇところだよな。」 「結構人通りあるし、はぐれないように注意しろよ。」 「さてと、メルルグッズを探すとしようぜ」 「おい桐乃、あんまりはしゃぐなよ。」 「沙織も黒猫も、見た目は…まあアレだが、根はいいやつらなんだよ」 「美琴、だっけか? 桐乃に変な影響受けなきゃいいけど。」 「あのウサミミにこき使われてるみてーだな……」 「お前の連れのウサミミ。……あいつもアニメとか好きなのか?」 「こんなに集めるなんて、あのウサミミ、マニアじゃねーだろうな…」 桐乃 「この辺りにもメルルグッズの取扱店はたくさんあるから、案内してあげる!」 「美琴みたいな子がメルルの可愛さを理解してくれなんて、嬉しいな!」 「さあ、じゃんじゃんメルルを集めましょ!」 「ほらほら! 早くしないと置いてくかんね!」 「あ、見て見て! メルルのポスターがある!」 「うそ! あのゲーム、アニメ化すんの!? チェックしないと!」 「ねえ、あのウサミミってなんのコスプレ? アニメ? ゲーム?」 美琴 「なんか皆へのお土産になりそうなものはないかしら。」 「へえ、アニメグッズだけしかないって訳でもないのね。」 「それにしてもずいぶん人が多いわね。いつもこうなの?」 「ちょっ! 待って桐乃、置いてかないでよっ!」 「誰か来たみたいね」(遭遇時) ウサミミ 「さあ、メルルとやらを集めるんだ。」 「この辺りは一通り回っただろう。さあ、次の場所へ向かうぞ。」(エリアクリア時) 沙織・バジーナ遭遇時 沙織「おや、丁度良いところに。実は今、メルルグッズの入っているクレーンゲームを見つけたところでして」 桐乃「自分でプレイするか、代わりにプレイしてもらうか選んでね」 成功 沙織 「拙者は応援しているでござるよ」 「頑張ってくだされ!」 「フレー!フレー!」 「ささ、きりりん氏も応援するでござる」 「さすがでござるっ!」 「これはレアなグッズですぞ!」 桐乃 「レアものキターーーー! アンタ、なかなかやるじゃない!」 失敗 沙織 「拙者は応援しているでござるよ」 「頑張ってくだされ!」 「フレー!フレー!」 「ささ、きりりん氏も応援するでござる」 「ほほお、これは…よく見かけるグッズですな」 「気を落とさずに…次へ参りましょうぞ」 桐乃 「取れたみたいね。さあ、この調子でどんどんメルルを集めるわよ!」 黒猫遭遇時 成功 失敗 ED 場所:秋葉原 高坂桐乃「きゃはーっ!!め、めめメルルがこんなにたくさんっ!」 高坂京介「こりゃー、圧巻だな…」 プレイヤー「……!」 御坂美琴「ありがとう!みんなのおかげよ!」 沙織・バジーナ「いやいや、拙者も楽しめたでござるよ、ニンニン」 黒猫「……本当はマスケラグッズもたくさん集めたいところだけれど……今回はやめておこうかしら」 ウサミミ「よしよし。これでようやくゲートの修復ができそうだな」 プレイヤー「!!」 御坂美琴「ちょっと、コレ大丈夫なの!?」 高坂京介「な、なんだなんだ!?」 高坂桐乃「メルルが…光ってる!?」 沙織・バジーナ「ややっ、突然なにか現れましたぞ!」 黒猫「なっ! こ、これは『マスケラ』に登場する魔界への扉“アビスゲート”!? この秋葉原に存在していたなんて……」 ウサミミ「修復ついでに、座標位置も変更して地面近くに移動させた。よし、今回はこの辺で、『観測』終了といこう」 御坂美琴「おっと……! もう帰るのね、わかったわ。えっと……みんな、今日は本当に楽しかった。手伝ってくれてありがとう。また会えるといいわね!」 「ほらウサミミ! あんたもお礼を言うの!」 ウサミミ「は? なんで私まで」 御坂美琴「どんなにひねくれた人生過ごしてても、今回ばかりは『助かった』って思ってるでしょ。感謝は大事よ。ほら、さっさとする!」 ウサミミ「むう……わ、わかった。桐乃ちゃん、黒猫ちゃん。今日は……ありがとね!」 プレイヤー「……!」 高坂桐乃「き、消えた…!?」 黒猫「なにからなにまで、不思議な三人組だったわね……」 沙織・バジーナ「ははぁ~、これは恐れ入りましたぞ! イリュージョンというやつですな!」 高坂京介「(おいおい、今のをイリュージョンで片付ける気か!?…それにしても、あいつらとは本当にまたどこかで会いそうな気がするんだよな…)」 イベント終了後トップ 美琴「な、なんとか無事に帰ってこれたみたいね…」 コメント 名前 コメント
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145 名前:呼び方【SS】[sage] 投稿日:2011/05/25(水) 00 42 13.64 ID uiOJ5m5SO [1/2] あたしが兄貴のことを「京介」って呼ぶようになってからしばらく経つ。 最初は、兄貴に『彼氏のふり』をしてもらった、例のデートの時。 あの時は、あたしも舞い上がってたと言うか、単純にその呼び方のほうが恋人っぽいって思ってたけど、 その言葉を口にした途端に何とも言えない想いが込み上げてきて、あたしは顔を真っ赤にしていた。 それから、兄貴が『人生相談』をしてきた時。あの時の兄貴は、心底参ってたんだと思う。 いきなりあたしの目の前で泣くくらいだから。あたしは、そんな兄貴を何とかしたかった。 だから、兄貴に励ましの言葉を掛けて、兄貴を抱きしめて、そして 何故か兄貴をまた「京介」と呼んだ。 それから折に触れて、兄貴のことを「京介」と呼ぶ機会があった。 「あんた」って呼び方も相変わらずしてるし、正直自分でも「京介」と呼ぶことが今や特別なことなのか、 イマイチよくわからない。まあ、それくらいに兄貴を名前呼びするのが違和感なくなってきたんだけど… 最近、なんか物足りなくなった。だからちょっと呼び方を変えてみる。 どんな顔をするかな、あいつは…… ※※※ お父さんとお母さんが泊まりで出掛けてる今日。 「桐乃、頼まれてた物、買ってきたぞ」 「ありがとう、京介『さん』」 「ブホッ」 「どうしたのよ、京介さん?」 「……なんだよ、その呼び方は?」 「だって、『京介』って呼び捨てじゃ、妹として流石にまずいカナって思って。 敬意を込めて『さん付け』してみたんだけど」 「そりゃそうだが、何か違ってる気がするんだが」 「…わかった。じゃあ『さん付け』は止めにする。 ところで、今日はご飯を先にする?それともお風呂を先にする? 『あなた』?」 例によって再び兄貴は激しくむせた。 「今日のお前はおかしすぎるだろ。エロゲーのやりすぎか?それとも新しい小説のキャラ作りか?」 「…本心…だとしたら?」 「本心って、何だよ?」 思い付いたときは、ここまでするって想定してなかったけど、 でも、兄貴の呼び方を変えてみる、それだけじゃあたしの気持ちはもう、おさえきれなかった… 「京介のことを『さん付け 』とか、『あなた』って呼びたい気持ちが本心だって言ったら……」 「桐乃……」 「もう、前みたいに語尾に『かも』なんてつけないし、引っ掛けるつもりもないから。 あたしは、京介のことが、好き……」 初めて『京介』って呼んだ時みたいに、あたしは顔を真っ赤にしながら、精一杯の気持ちを伝えた。 しばしの沈黙のあと、兄貴は口を開いた。 「マジなのか……まったく、しょうがねーな。『俺の嫁』は」 「あ…アンタ、今何て言ったの?」 「何度でも言ってやるよ、桐乃。今日からお前は『俺の嫁』だ!反論は認めないからな」 「京介……」 「それから、さっきの質問だが、今日は先にお風呂にする。嫁さんと一緒にな」 想像力を越えた展開に、あたしは、ついお馴染みのフレーズを口にした。 「…キモッ、シスコン! …でも、あなたがそうしたいなら……いいよ、京介。 一緒にお風呂入ろ♪」 こうしてあたしと京介は、夫婦になった。なーんてね…… ※※※ 「おい、桐乃、朝だぞ早く起きろ」 「うーん、わかったあ」 ふふっ、いい夢見ちゃった。京介ったら素敵すぎ。 だから今日はまた、京介にこれまで言ったことのない呼び方をしてみる。 「おはよう、ダーリン」 -------------
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登録日:2022/03/26 Sat 19 30 40 更新日:2024/06/19 Wed 23 37 11NEW! 所要時間:約12分で読めます ▽タグ一覧 100カノ 100カノのやべー奴 おっぱい ほとばしる母性 アラサー キャラ崩壊←良い意味で キングオブモンスター ドスケベ ハジケリスト ハハリース ヒロイン ホルスタインの者 マザー・オブ・モンスター 上坂すみれ 仲間になったら強化された中ボス 君のことが大大大大大好きな100人の彼女 変態 巨乳 恋太郎ファミリー 未婚の未亡人 未婚の母 残念すぎる美人 母性愛の権化 母性魔 母親 淫乱 濃すぎるキャラクター性 爆乳 理事長 痴女 経産婦 花園家の恥晒し 花園羽々里 財閥会長 金持ちキャラ 錯乱母 髪も脳もピンク Before ああ かわいい羽香里 かわいいかわいい私の羽香里 あなたを不幸にする五股の蛆虫なんかには死んでも渡さない 大切な花に群がる害虫は 駆除するまでよ After 皆のおしめ替えたいわおしめ おしめーーーッッッ!!!! どうしてこうなった 花園(はなぞの) 羽々里(ははり)とは『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』のヒロインであり、愛城恋太郎の6人目の彼女。 CV:上坂すみれ(アニメ版) 概要 梳杉町に邸宅を構える資産家で、総合財閥を営む「花園家」の当主。初登場時29歳。誕生日は5月12日 (*1) 。 そして恋太郎ファミリー最初の彼女である花園羽香里の実の母親である。 外見 泣きぼくろがセクシーな、セレブ感溢れるグラマラス美女。 ウェーブのかかった桃色のロングヘアを先端は縦ロールに仕立て、白い花の髪飾りを多数散りばめている。 理事長として勤めている時は胸元の大きく開いたパンツスーツを着用し、髪をアップにまとめている。 年齢の割に若々しい顔立ちであり、高校の制服を着用した際は通りすがりの他校生に特に疑問なく学生と思われていた。 カップサイズは判明している中で彼女(ヒロイン)最大(*2)のIカップ。(恋太郎の頭もスッポリ収納可能。 唐音約60個分のビタミンπ(パイ)配合 唐音「殺すぞ」) 過去および敵(まだマトモ)だった頃の活躍 愛する男性が病で死の運命を背負い、彼の生きた証を残すべく13歳にして人工授精により羽香里を出産。 その後まもなく恋人は亡くなり、羽香里を育てることに人生の全てを費やす。 娘のことを心から愛し、その存在に幾度も救われながらも愛する人を失った穴が埋められることはなく、身を切るような後悔に苛まれ続けた。 そんな自分の、恋に盲目すぎる性分を受け継いだ娘が五股男(恋太郎)と付き合い始めたことを知り、どんな手を使ってでも引き裂くことを決意。 羽香里を屋敷に閉じ込め、恋太郎の物理的排除を仄めかせてまでも彼女に不毛な恋を諦めさせようと目論む。 ファミリー加入までの経緯 他の彼女たちと共に羽香里の救出に来た恋太郎と唐音を捕らえ、自らの過去と決意を語る。(*3) 花園親子の人生に本気で涙し、それでも羽香里に後悔などさせないと真っ直ぐに羽々里を見据える恋太郎。 その時、恋太郎が道中使用した楠莉製の赤外線が見える目薬(他のものが見えなくなる副作用付)が流れ落ち、 初めて羽々里と恋太郎が目を合わせ—— ビビーーーン!! アオリ「やりやがった!!マジかよ恋太郎マジかよ運命ッやりやがった!!」 恋太郎ちゃん 私と付き合ってちょうだいッッ!!!!♥♥♥♥♥ 運命の人であることが発覚。そして恋に盲目な性分ゆえその衝動に堪えられず即落ち。 それでもかろうじて気を取り直し、特注の嘘発見器で恋太郎の本性を暴こうとするも 誠実さのお化けのごとき五股男という現実に叩きのめされる。誠実さのお化けのごとき五股男とか言うパワーワード だがその後、自身の存在が恋太郎を不幸にすると思い詰めた羽香里が自死を選ぼうとする。 しかしそんな羽香里を命がけで救った恋太郎の姿を見て、遂に羽々里もその愛と誠意を思い知り、地に伏せて娘のことを託した。 一方の恋太郎も、自分のすべてをかけて羽香里のために生きてきた羽々里を想い、一目惚れ時の告白に応える形で母娘共々幸せにすることを誓った。 かくして恋太郎ファミリーに初の成人&既存彼女の親族であるヒロインが誕生した。 姉や妹より先に母親が来るのが100カノクオリティー 「か…彼女の母親…」 「実の母…」 「未亡人…」(*4) 【『混沌』…】 「親子丼…」 ちなみに羽々里が恋太郎の本気を目の当たりにするまでの過程で、運命の人による好感は一切事態の好転に寄与していない。 それだけ羽々里の母としての覚悟は硬く強かったということでもあり、“幸せに結ばれなければならない”運命の人が都合のいいものでないことがわかる。 その後は流れのまま、花園家でお泊りパーティーに突入。 彼女(ヒロイン)総出の入浴タイムからのパジャマパーティー、更に恋太郎を女装させる、当然のように(親子揃って)風呂を覗きにかかるなど、 シリーズ最大のシリアス展開を帳消しにする勢いで他の彼女(ヒロイン)らに馴染んでいく。 そしてその翌日、恋太郎らの通う学校を買収して理事長に就任した。コイツ、無敵か? 「会いたすぎて 学校買収しちゃった♡」 「おおおおおお おかおかおか おかかさま」 羽香里の父 CV:石田彰 羽々里のかつての恋人であり、中性的で儚げな容貌の少年。羽香里が生まれる直前に中学生という若さで亡くなる。 羽々里にとっては亡くなってからも、恋太郎に恋してからも心から愛し続けている相手。恋太郎もまたそのことを受け入れている。 生前から病に冒された自分では羽々里を一生幸せにすることはできないと覚悟しており、「羽々里を二度と一人ぼっちにしない人」にとっておかせるため、羽々里とはキスもしていない。 お泊りパーティーの夜、恋太郎の前に霊として姿を現し、恋太郎の覚悟を確かめると共に、自分というしがらみから羽々里を救ってくれた感謝を述べる。 そしてこれからも二人で羽々里と羽香里を見守って行こうと誓うも、「羽香里を生んでくれたこと」「自分が生まれる前に羽々里に幸せな時間をくれたこと」への感謝を述べる恋太郎のいい子っぷりに安心しすぎると共に妻と娘を残して死んだ後悔が消し飛ばされ、凄まじい勢いで成仏していった。 父「いや ごめん これもうマジで——」シュゥゥゥ… 恋太郎「お義父(とう)さああああああああああああん!!!!」 成仏後も空の上から見守っているようであり、 恋太郎ファミリーに触手プレイがしたくて世界を滅ぼしかけた羽々里を救おうとする恋太郎をサポートしたり、ガチで昇天しかけた恋太郎ファミリーの魂を天国の門でディフェンスしたりしている。 端的に言うといわゆるカヲル君的な容姿と雰囲気(ギャグの時以外は)のため「アニメ化したらCV石田彰」と一部でネタにされていたが、アニメ版では本当にCV石田彰になってしまった。 登場シーンもどこまで狙ったか定かでないがそれっぽい雰囲気の演出になっている。 余談:野澤先生からの呼び名は「ぱぱ里」。ちなみに楠莉父は「ぱぱ莉」。 ファミリー加入後(ハジけてから)の活躍 お花の蜜大学附属高等学校の理事長として務める傍ら、恋太郎ファミリーの一員として日々を楽しく欲望まみれで過ごしている。 思い付きや話の流れでイベントなどを提案しては、その圧倒的財力をもってあり得ないスピードで実現。人脈によりイベントへの参加券や施設の優待券を手にする機会も多く、いわゆるお金持ちキャラとしてストーリーを作る上で楠莉と双璧を成す便利枠。 身体能力は一般的な女性レベルで、ファミリーでは中の下(*5)程度。運動の絡むイベントでは胸部のエベレストが足を引っ張ることも少なくない。 ただし根性を入れると「命令」込で人外スペックを発揮する芽衣の全力投球を受け止められる底力も。母は強し、といったところか。 後述する趣味嗜好からの暴走・奇行で物語をカオスに彩り、20人超の彼女(ヒロイン)が追加された時点においてもファミリートップクラスのヤベー女。 ←おい訂正しろ殺すぞ! 作中キャラやナレーションから「ヤツ」「化け物」「違う生物」といった扱いを受けることもしばしば。 総じて、6人目の彼女にして多方面で型破りな側面を持っていたため「100カノの『彼女の制約』をぶっ壊した存在」「楠莉がブレーキを壊し、羽々里がアクセル全開にした」などと評される、ある種本作のターニングポイントとも言える怪人物。 ○性癖性格 一人称は「私(わたし)」。 とにかくかわいいものが大好き。ぬいぐるみなどまっとうな趣味もあるが、主な対象はファミリーメンバーを始めとした美女・美少女。 特にかわいいものを着せ替えすることに目がなく、しょっちゅう財力をフル活用してファミリーメンバーにコスプレをさせては恋太郎と共に身悶えている。更に感極まると魂が抜ける。 ただ愛でるだけに留まらず明確な劣情を催しており、セクハラじみた言動をしては鼻血やよだれを垂れ流し、無許可で写真を撮りまくるなどおよそヒロインの所業ではない。 更に厄介なのは、ファミリー加入で諸々のタガがはずれたためか、そうした姿勢にほとんど躊躇がないこと。 そもそも自分がヤベー奴という自覚が薄いのか、雑な扱いを受けると引っかかったり反論したりすることも多い。 育児に人生のすべてを費やしてきた影響か、母性が暴走しがち。そして劣情と母性が入り混じってカオスな様相を呈する。まさしく錯乱母(さくらんぼ) 自分をママと呼ばせたがり、相手を赤子のように甘やかしては授乳をしたがることもしばしば。実際に胸に吸い付かれようものなら飛び上がって歓喜しアヘ顔を晒す。 普段もまともに振る舞っていると見せかけて、涼しい顔で育児に関する雑誌や本を読んでいる。 上記のようなヤベー面が目立つものの、恋太郎とのまっとうなイチャイチャに関しては乙女な反応を見せる。(かつての恋人とはほとんどそういった触れ合いがなかったためか) また自身の年齢を気にしている節もあり、若返りやアンチエイジングにこだわりを見せる他、ファミリーで「自由になりたい自分」の姿になった時は「皆と同じように歳を取りたかった」と高校の制服を着用した。 羽香里「いや完全にそういう店だろ」 時おりツッコミに回ることもあり、真顔で正論を述べたり勢いよく叱責したりとマルチな対応を見せる。「おまいう」的な返しをされることも多いが。 良識ある保護者・親として、人様のお子さん(それが恋太郎の彼女であっても)にとってその子のためにならない・親御さんが心配になりかねないと判断した際には待ったをかけることも。普段の言動が言動なのでやはりツッコミ待ち扱いされるが。 理事長としては本人なりに真面目に勤めており、生徒は分け隔てなく大事に思い、ファミリーメンバーの所属する部活であっても贔屓はしない。 とはいえ、教師として見るからに問題のあるナディーを顔採用したり、私欲で学校行事を増やしたりとだいぶ職権濫用気味ではある。 今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡(タイトル) アニメ版、羽々里の即落ち後から解決編がメインとなる第11話では、嘘発見器で晒した恥が徒労にされてキレた唐音の台詞がアニメ向けにアレンジされた結果、 「ふざけんなてめー! 傷つけられた私の自尊心とここまでの尺を返せ!」 「知らないわよ。それならエンディングでもカットすればいいでしょう?」 「! 今回用の特殊エンディングを作っているというのに……!?」 「どういうネタバレよ」 というやり取りが行われた。 そしてシリアスからギャグへの急転によって視聴者がこのやり取りを忘れかけた頃、特殊EDは本当にあったのだが―― れんたろうちゃぁ~ん♡♡ れんたろうちゃぁ~ん♡♡♡ もうだめ! 可愛いメロメロどうにかしたくなっちゃう れろちゅ♡ (*6) 中の人の能力とイロモノ慣れを存分に活かした、原作羽々里を先取りしてそのままぶち込んだかのような壮絶な楽曲と、可愛らしいコスプレから狂気まで盛り盛りの映像が待ち受けており、原作識者でも心の準備をし切れないレベルともっぱらの評判となった。 サビ以降の母の痴態に苦虫を噛み潰したような表情で反応する娘が同情を誘う。 なお、特殊EDが用意された要因として、正規EDの映像が5人の彼女をフィーチャーしたものになっているので羽々里の加入以降に流すのは据わりが悪いという事情もあったかもしれない。 そんな事情で出てきていい代物ではない。 そしてこの歌は即日サブスク解禁でフルバージョンが配信されたのだが、僅か4分にも満たない曲の中で「れんたろうちゃん」というフレーズが34回も出るというトンデモねぇ代物となってしまっていた。 そのあまりのカオスさに同時期のアニメで中の人が歌っている電波ソング寄りなOPがまだマシに思われる現象が起きたり、一部で「2023年最後にして最狂で最凶の電波ソング」などと言われてしまっている。 恋太郎ファミリー内での人間関係 ファミリー内でも明確な年長者であるが、他メンバーからはあまり壁を感じられることもなく対等に接されている(芽衣は別として)。唐音や楠莉など「羽々里」と呼び捨てにしている者もいる。 暴走・奇行に対して辛辣な対応はされるものの、当然本気で嫌っている者はおらず、彼女の提案するコスプレやイベントもさほど抵抗なく受け入れられている。 イベントの賞品が恋太郎とのハグやチューという理由もあるが。 愛城 恋太郎 他メンバー同様に男として心底べた惚れしているだけでなく、かわいいものとして事あるごとに愛でようとする。 特に恋太郎の女装には鼻血とよだれを同時に垂れ流すほどに歓喜する。他の彼女も近いレベルで興奮しているが。 恋太郎も羽々里が幸せならばと恥を忍んで付き合っており、自ら幼児ファッションの写真を送ったりもした。羽々里「あばばば家宝」 「恋太郎ちゃんはかわいいところもとっても魅力的なのよ~~!!♥」 花園 羽香里 実の娘にして先輩彼女。心からの愛情を向けてはいるが、ガッツリ欲情もしている。 母「おう羽香里 俺とエッチしようぜ」 娘「ギャッ あっち行け」 羽香里は厳しくも優しく育ててくれた母として尊敬しており、ファミリー加入後の変わり果てた姿に関しては相当に思うところもあったが、赤子になる薬での体験で青春を子育てに費やした母の愛と覚悟を知った。 羽々里の奇行に対しては特に険しく苦々しい表情を浮かべ、周囲から同情される事もしばしばで、時に物理も含めた強烈なツッコミを入れる。 その一方で恋太郎とのイチャイチャやスケベ行為を目論む際は異様に息のあった連携を見せる。 普段はまっとうに仲の良い母娘であり、休日は一緒に家でくつろいだり、二人で出かけることもある。 「私は皆のママだけど…皆のママである前に羽香里のママなのよ…!」 院田 唐音 暴走・奇行のためにツッコミを入れられる頻度が高い。羽香里とのイチャコラには鼻血を吹くほどに興奮する。 一度「羽香里と同じ匂いがする」と羽々里にオチかけたことがあったが、羽香里に阻止された。 バストサイズに関しては母娘共々やっかまれている。 「ハイハーイ 唐音ちゃんのぺんぺん草見たーいッッ」 銘戸 芽衣 専属メイドにして後輩彼女。元々羽々里は捨てられていた彼女を拾って養子にしようとしたが、助けてもらった恩から仕える道を選んだ。 従者として友人として大切に思っているが、命すらあっさり天秤に……天秤に掛けさえしない行き過ぎた忠誠心に素で止めに入ったりと振り回されることもしばしば。 しっかり欲情もしているが、パワハラにならないかと控えていたのでギリギリ清い仲。 恋太郎の彼女となり、主従以外の関係性にもなったので一線を越えようとしたが芽衣が罪悪感で吐血してしまうので、基本的にそれ以上は控えている。 芽衣の命を救った際の羽々里はお世辞抜きにカッコいい。ただし助けた理由は「かわいかったから」。 「ちゅーしてい…?」 原賀 胡桃 単行本の表紙を共に飾った連番彼女ペア。(4巻)それ故かセクハラ絡みに行く頻度は特に高い。 大抵の場合は辛辣にツッコまれ、「変態ババア」「化物」呼ばわりされることもある。 それでも本心から嫌われてはおらず、食べ物を与えられ素直になった際には羽々里への好意を見せたこともある。 「ママのこと好き?」 「うん♥」 「結婚する?」 「しない♥」 須藤 育 やや方向性は異なるが性癖がヤベー奴同士かつ自重する気が全くないコンビ。 知与の加入回では欲望の赴くままにスパンキングプレイを始め、二人揃って存在ゔーッと認定された。 「ああああああプニプニなのにキュッと引き締まってなんて瑞々しいお尻…!!」 茂見 紅葉 感触フェチの不思議ちゃん。感触だけが目当てだが、そのグラマラスボディに合法的にセクハラできるwin-winの関係。 「よちよち なぐちゃめてあげまちょ♡」 「おお 偉大なる母(グレートマザー)…」 9巻描き下ろしネタバレ 描き下ろし漫画にて、紅葉が極度の柔らかい物好きになったのは、幼少期に当時10代後半の羽々里のたわわな胸を揉んだ事が原因だったと判明した。 薬膳 ヤク 楠莉の祖母だが、見た目は姉妹にしか見えないのじゃロリ。流石に加入時に苦言を漏らしている。 「大丈夫なの…!? 倫理的に」 「おめーが言うな」 ファミリーでは羽々里より唯一の、そして恐らく今後も最年長は揺るがない年上。 単行本9巻のおまけでは、ヤクが年上と知らなかった頃を思い出し本気で恥ずかしがる羽々里の姿が見られる。 「あなたみたいなちゃわいい子の来校なんかいつでも大歓迎よ」「ん〜ちゅっちゅ♡」 ↓ 「その節はどうも…」「失礼しました…」 後に膝枕された際、敬意を払うべき目上の方に甘やかされた事で行き場の分からない感情がバーストしてしまった。 目上への改まった態度といい、一応社会人・大人としての良識はあることが伺える。普段がアレだけど。 土呂瀞 騎士華 「ママとして甘やかしたい」羽々里と、「赤ちゃんになって甘えたい」騎士華というまさに「あーあ、出会っちまったか」なコンビ。 騎士華の加入回では彼女の甘えたい欲求を見抜き、実の娘を含めた全ファミリーメンバーの前で公開授乳をした。 「おっぱいちゅっちゅちていいのよーーッッ!!!!」 「え…!? いいの…!?」 「え…!? いいの…!?」(*7) その後もちょくちょくバブりバブられの関係を続けている。 猫成珠 猫になった元人間を自称する後輩彼女。 常時猫コスプレ・猫口調というストレートな可愛さ、猫ゆえにスキンシップに好意的、成人かつ学外の人間なのでセクハラもセーフなどの要素がツボにハマったためか、羽々里をしょっちゅうあびゃびゃ化させている。 一時期羽々里の誘いで花園家の飼い猫となり安穏な生活を満喫するが、他メンバーが勉強や仕事に勤しむ中怠惰に過ごす罪悪感と安楽さを手放せないことの板挟みに苦しむこととなった。その様子を盗撮ペットカメラで把握した羽々里は自身の過ちを知り、心を鬼にしてタマを捨てることを決意。 その甲斐あってタマは拾ったチラシのバイト募集に応募して社会復帰の道を開く。実は羽々里が自身の経営する工場から見繕っておいたものなのは秘密。 その後は気ままに遊びに行ける通い猫対等な友人としての関係を続けている。 「羽々里…大好きにゃん…っ」 「あびゃびゃべべぶぶぶぶ」(※真顔) ◆余談 名前の由来は「(羽香里の)母親」から。苗字の方は由来が不明だが、セレブらしく高貴かつ華やかなイメージ、或いは頭の中がお花畑という意味があると思われる。因みに「花園」姓は実在する名字なのであまりピンポイントでイジる、悪口を言う事は非推奨。恋太郎が殺しに来るぞ。 本項目での文字色ははっきりしたピンク色としているが、 作画の野澤先生が公開した公式イメージカラー一覧 では羽々里のそれは羽香里とまったく同じ色である。 当初は6番目の彼女を羽香里の姉、敵役として羽香里の母を登場させる構想だったのだが、新キャラ2人を登場させるとかなりのページを割く必要が出てきて他キャラの出番が減ってしまうという理由で、羽香里の母に彼女ポジションを兼任させることにした。……常識で考えれば、姉に敵役を兼任させそうなところに母親を選ぶ所が非凡と言える。ちなみに、当時から別の母親ヒロインの構想があったらしい アニメ版においては、設定上彼女の存在そのものがアニメ終盤の展開のネタバレになってしまう為か、公式サイト等では彼女に関する情報を先出ししないように細心の注意を払っていた節がある。その情報の秘匿振りたるや、矢鱈と多い関連グッズのシークレット枠、不自然な程情報が公開されない主題歌CDとBD/DVD、アニメOPの登場カットおよび本編に初登場後の公式サイトのキャラ紹介も敵対キャラとして告知(*8)、果てはキービジュアルにも描かれていない(ように見せかけている)(*9)という徹底ぶり。 CVを務めた上坂すみれ氏は、元々別の役のオーディションを受けていたが、制作サイドからのオファーで羽々里役に抜擢されたとの事。はっちゃけた後の言動を見据えての人選と思われるが、れっきとしたヒロイン役という事情を知らない原作未読者の中には「上坂すみれも母親役を演じるキャリアになったか……」と受け取った人も。なお原作及び演者について詳しい方は承知であろうが、13歳で出産した母親であるという特殊な点はさておくとして上坂氏の方が年齢が上である。 「皆の項目 追記したいわ追記 修正ーーーッッッ!!!!」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 1クールアニメ化ラスボス候補 -- 名無しさん (2022-03-26 20 20 02) ↑おい訂正しろアニメ化したら全部やるに決まってるだろ!!!!! -- 匿名 (2022-03-26 20 45 39) ↑ 落ち着け恋太郎ww -- 名無しさん (2022-03-26 20 52 11) この作品を方向付けたキャラと言っても過言ではない -- 名無しさん (2022-03-26 21 18 10) 項目の「まだまともだった頃」「5股男」のルビでクソ吹いた。 -- 名無しさん (2022-03-26 23 04 48) 「おしめ」とか言ってるのはまだマシな頃。いまや「おむちゅ」である。 -- 名無しさん (2022-03-27 02 27 40) 錯乱母www -- 名無しさん (2022-03-27 09 16 39) 元々の会社と学校の運営をやってるはずなのにずっと遊んでるように見えてしまう…多分すぐ終わらせられるほど有能なのだろう -- 名無しさん (2022-03-27 11 17 13) 誠実さのお化けみたいな五股男がこの世に存在するとは普通絶対に考えないのでしょうがいないよね -- 名無しさん (2022-03-27 12 02 18) 本人は母性淫乱ピンク、娘は腹黒淫乱ピンク、孫or第二子は何淫乱ピンクになるのか。 -- 名無しさん (2022-03-27 13 59 06) ファミリーメンバーの所属する部活にも贔屓はしないとこ好き -- 名無しさん (2022-03-27 14 30 49) 運命の人は騎士華ではないか?っという説が有力です。 -- 名無しさん (2022-03-27 17 44 25) ↑神に問い合わせたら恋太郎が運命の人って言ってました -- 名無しさん (2022-03-27 18 00 42) 「需要と供給が噛みあう」っていうのはこういうことなんだな、と騎士華回を見て思った -- 名無しさん (2022-03-27 18 04 15) 育といい騎士華といい妙に相性が良いファミリーが多いのが強い -- 名無しさん (2022-03-27 18 34 50) 作者か作画のどちらかの推しキャラだと思う。 -- 名無しさん (2022-03-27 18 36 18) 「敵」と書いて「まだマトモ」ってルビでダメだった -- 名無しさん (2022-03-28 11 49 14) 話作りにもキャラ同士の絡みにも使い勝手がよすぎるw -- 名無しさん (2022-05-04 13 15 09) 初登場の威厳ある雰囲気も命よりも大切な娘が5股男と付き合ってると知ってピリついてただけで普段は多少ブレーキ付いてても現在とそんなに変わらない性格だったのだろう -- 名無しさん (2022-06-20 20 03 09) なんて愛にあふれた酷い記事なんだww -- 名無しさん (2022-06-24 20 13 46) 愛々ちゃんが話を聞いたイメージで作ったあみぐるみのキャラがおむつなの笑うし、それにめっちゃ喜んでいるのも笑う。 -- 名無しさん (2022-07-02 23 32 05) アニメ版の新しいキービジュアルに羽々里だけいないようでよく見るといるっぽいからやっぱりアニメ版は彼女が登場する辺りまでかもしれない。 -- 名無しさん (2023-07-01 16 48 30) お話もシリアス・ギャグ半々だし最終回に良さそうよね 楽しみ -- 名無しさん (2023-08-10 11 05 48) 羽々里が登場したら声優は名だたる人が起用されそうだけどアニメが2期以降やったら彼女もレギュラー化するから常識が言うギャラのコスト問題がどうなるのか。 -- 名無しさん (2023-10-01 13 22 36) 羽香里を13歳で産んだのは別の理由だったけど赤ちゃんが3度の飯より好きなのは本当だった女 -- 名無しさん (2023-10-08 17 03 58) アニメのオープニングにも登場したけどまだマトモ、ここまでは。 -- 名無しさん (2023-10-15 23 20 36) ↑まともと言うか、まだ仮面被ってると言うか。 -- 名無しさん (2023-10-15 23 33 54) 1期ラスボスの姿か?これが... -- 名無しさん (2023-10-17 19 27 52) 花園家の恥さらしでおっぱいのでけー変態で化け物で存在ゔーッでクレイジーウーマンで母という名の異常者で奇人オブ奇人の女 -- 名無しさん (2023-10-22 06 36 52) 日常回で理事長として真面目に仕事してる光景があったがスペックは高いのだ ちょっと(?)色々とアレなだけで -- 名無しさん (2023-11-26 01 11 03) さて誰が演じることになるか。もし2期があった場合、その方は「ぴゃわわわわおっぱいちゅっちゅー!」とか「ママごっこママごっこ!」とか叫ぶことになるのだが大丈夫か? -- 名無しさん (2023-11-26 02 00 20) すみぺ予想してた人はいたんだろうか…。 -- 名無しさん (2023-12-03 22 56 00) ↑全然予想できんかった……ただ、かなり良さげ、楽しみ -- 名無しさん (2023-12-04 22 21 32) (^p^) ←この絵文字を偽りなく表現するやべぇやつ -- 名無しさん (2023-12-08 02 09 21) 2期の放送決まったらすみぺを解放しろとか言われるんだろうな… -- 名無しさん (2023-12-08 11 56 14) すみぺのヤンジャンインタ見たけど……マナカケンゴォ!!から愛城恋太郎ォ!!に変わっただけのカルミラじゃねーか!! -- 名無しさん (2023-12-11 00 14 21) 放課後デート回をアニメ化してくれ……頼むぞ…… -- 名無しさん (2023-12-11 00 42 07) ↑↑むしろ下手したらカルミラ姐さんがまだ常識人に見えるレベルw -- 名無しさん (2023-12-19 01 05 50) 「キービジュアルには5人の彼女しかいない」という話には注釈を入れておきます -- 名無しさん (2023-12-19 11 19 24) パパの声は石田彰だった。 -- 名無しさん (2023-12-24 22 58 13) 愛城恋太郎ォ!!→恋太郎ちゃああああああああああああああん♥♥♥♥♥♥♥ 破壊力あり過ぎたわ…‥ -- 名無しさん (2023-12-25 01 43 52) パパ里石田彰で再生してたけどマジで石田彰になるとは -- 名無しさん (2023-12-25 16 19 46) 名前 コメント
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864 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/27(月) 23 56 46.55 ID XWAytdby0 SS『高坂家の朝』 「兄貴!」 まだ夢と現実の境にいる俺の耳に、桐乃の声が聞こえてくる。 「ほら、いつまで寝てんのよ。もう朝でしょ?」 朝?ああ、朝か。 ・・・・・・・・・あれ? ああ、夢だな。夢に決まってる。 あの黒髪桐乃の夢なんだろうな。 「早く起きないと朝ごはん冷めちゃうでしょ?せっかく作ったのにぃ」 な、なんだと!? 慌てて飛び起きる。 「服も脱いで、洗濯するから」 俺の目の前にいたのは・・・ まぎれもなく、俺の妹。桐乃だった。 ライトブラウンに染めた髪。入念なメイク。俺を見下してるかのような表情。 どれをとっても、確かに桐乃だった。 「・・・お、おまえ、どうしたってんだよ!?」 「えっ?」 「だ、だってよ?おまえときたら、起こしに来もしねーし、朝飯も作んなきゃ、 洗濯もしなかったハズだろっ!?こんな世話女房みたいに朝から押しかけてくるとかっ!」 「あ、兄貴?」 「お、俺の妹って、こんなに可愛かったんだな・・・チクショウ・・・」 「泣く事っ、ないじゃん・・・」 あれ?気が付いたら涙がでてんじゃねーか。 俺、泣くくらい嬉しかったのか? 「それにしても、突然、なんでだよ?」 「だ、だって、あたし、ブラコンだって兄貴にバレちゃったじゃん。 それに、あんたもシスコンだって。」 「そ、そうだったよな」 「だから、あんたの世話。してあげるのが当然じゃん・・・」 「そ、そうか。そうだな、そうだよな!」 信じられるか?これが俺の妹だぜ? どーだ、羨ましいだろ? 超絶美人で文武両道。 しかも俺の一番じゃなきゃいけないってくらい、俺のことが大切な妹だ! こんな妹、エロゲーの世界にしかいないと思ってたぜ。 「そ、それでね。朝ごはん、ちょっと失敗しちゃったけど・・・食べてくれる?」 「当然じゃねーか!おまえの作るもんだったら、何だって食べられるぜ! それに、これからもっと上手くなるんだろ?」 「う、うん。ありがと、兄貴」 くぅぅぅ!か、可愛ぇぇぇぇぇ! やっぱ、妹っていいよな。 二次元の妹じゃこうはいかねーもんな! 「そ、それと・・・」 「なんだ?」 「兄貴を起こすの、ちょっと失敗しちゃったから・・・次はもっと頑張るね」 「お、おう!」 そ、そこで、何故、顔を赤らめますかっ!? つーか、『失敗した』!?何を!? こ、コレは、期待していいのか!? 「あと・・・これが一番大事なんだケド・・・」 「おう!何でも言ってくれ!」 「兄貴の服、洗濯するのに失敗しちゃって、兄貴のぱんつ、 たくさん無くしちゃいそうだけど・・・許してくれる?」 「え、えと?」 洗濯の失敗?なんだそれ? ・・・いや、なんでぱんつだけなくなるんだよ!? 「ね、兄貴・・・おねがい♪」 勿論、一も二もなく全力で許したぜ! 兄貴だもんな、当然だ! こうして、俺たちの朝は過ぎ去っていく。 どこにでもいる、普通の兄妹の朝だ。 こんな、可愛い妹がいて、俺は今、本当に幸せだ! End. -------------
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527 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/29(水) 20 26 18.26 ID HNBFGTJ2P [4/8] ここ最近、俺に日課になりつつことがある。 プシュッ、ゴクッゴクッ、ぷはぁ~。 「けっ、相変わらずうまくねえな。こんなもんが好きなやつの気が知れねえぜ」 所謂、寝る前の一杯というやつだ。 どうしてこんなものが俺の日課になりつつあるかといえば、それなりの理由がある。 ここ最近俺はひじょ~に寝つきが悪かった。 あることが頭をグルグルと渦巻いて、それが解決できずに朝まで悶々と悩み続けていたのだ。 しかもそれが連日だからタチが悪い。毎回同じことを考えて、結論が出ずに悩み続け、そうして気がつけば朝になっている。そんなことの繰り返す日々。 そしてそんなときに思いついたのがこれだった。 アルコールが入れば少しぐらい寝つきがよくなるんじゃないか。そんな安直な考えだったが、それがぴたりと嵌ってくれた。 親父がアルコールに強いだけに心配ではあったが、俺にはその遺伝子は受け継がれていなかったようだ。缶1本空ければ無理矢理にでも寝ることが出来る。それぐらい俺は酒に弱かった。 正直、警察官の息子が未成年での飲酒をすることに抵抗がないわけじゃない。でも背に腹は変えられないというだろう? 俺はそこまで追い詰められてたってことだ。 今じゃこれがないと眠りにつくことすら出来やしない。それぐらいに今俺がかかえている悩みは深刻なのだ。 「はっ、情けねえ話だな」 思わずポツリとぼやいてしまう。 こんなもんに逃げなきゃならんほど弱い自分に腹が立つ。 とん、とベッドに沿うように立つ壁に背を預けた。そうして自然と意識の向かう先は壁の向こう。 「あいつはもう寝ちまったか」 壁越しに聞こえる音に耳を澄ませるがたいした音は拾えない。時間も時間だし寝てても何も不思議はない。 ゴクリ、と缶チューハイをあおる。ジュースのような味の中に混じるアルコールが酷く不味かった。 「はぁ、俺は一体どうすればいいんだろうな」 白状しよう。俺が悩んでることってのは、他ならぬ妹の桐乃のことだ。 俺はこの夏、めでたく彼女が出来た。そして紆余曲折の末、夏の終わりに別れることとなった。―――彼女よりも、妹を選んで。 ああ、わかってるさ。それがどれだけおかしいってことはさ。 でも俺には耐えられなかったんだよ。桐乃が我慢して、苦しんで、影で泣いてるあいつの姿を考えると、それに耐えられなかった。 桐乃が我慢できるって言っても、俺が我慢できなかった。 妹の健気な思いやりを踏みにじって妹を選んじまった俺は、あいつに彼氏が出来るまでは俺も彼女をつくらない。そんな馬鹿な約束もしちまった。それが間違いだって言われても今更訂正する気もないけどな。 「大嫌い、か」 桐乃が元彼女と俺を復縁させようとした際、桐乃が言った言葉。 ずっとわかっていたはずだった。頭では理解していたはずだった。 けど、実際に言葉にされて、漸く実感した。そしてそのことに俺は思った以上にダメージを受けていた。 それこそ、桐乃に対する態度に出てしまうぐらいに。 俺にとっての一番でありたい。けれど俺のことが桐乃は大嫌いだという。 なんとも矛盾した話だ。大嫌いな相手の一番であって、あいつは何が嬉しいと言うんだろうか。 ああ、ああ、そうとも。今の俺にとって桐乃は何を差し置いても一番大事なやつだといえるだろうさ。じゃなけりゃ彼女をふってまで妹のことを選ぶわけがない。だけど、だけどだ。桐乃は俺のことが大嫌いなんだよ。 確かに俺は桐乃が大事だ。心配だ。大切にしたいと思ってる。出来れば仲良くしたいとも。 けれど、大嫌いなやつに仲良くしようと歩み寄られて、あいつは嬉しいと思うだろうか? 鬱陶しいと思わないだろうか? 大事だと思ってる相手に拒絶される。それが怖くて俺は桐乃に一歩引いた態度をとってしまっている。 これまでなら踏み込めた場所に踏み込めない。 今までの俺なら、そんなことを考えてても今まで通りの態度をとっていただろう。だからこそ、今の俺の状態がわからない。俺は何故、ここまで桐乃に拒まれることを恐れているのか。 それが俺の悩み。どうやっても答えの出ない螺旋階段。 グイッと喉に酒を流し込む。中身は半分を過ぎたぐらいまで減っていて、いい感じにほろ酔いになってきた。これならじきに寝れるだろう。 そんな時だった。何の前触れもなく部屋の戸が開いたのは。 きぃ、と音を立てて開いた戸の向こうには、もう寝ていただろうと思っていた桐乃の姿。 一瞬その姿に動揺するが、今更取り繕ったところで手遅れだと気付いた。ならもう普通に振舞うほかないか。 「よう。どうした、こんな深夜に」 「あんたに、いいたいことがあってきたんだケド……なにあんた、酒飲んでるの?」 「ん? おお、1本だけだよ1本だけ。別にいーじゃねーか。自分の金使ってんだしよ」 「そういう問題じゃないじゃん。何考えてんのあんた」 「うっせえよ。俺の勝手だ。んで? 話したいこととやらはなんだよ?」 いつも通りいつも通りと自分に念じながら桐乃に接する。 既に酒が入ってる状態でいつも通りもくそもないんだろうがそれそれこれはこれだ。 「チッ……あんたさ、最近あたしのこと避けてない?」 「んなわけねーだろ。何言ってんだ。俺はふつーだよ。フツーフツー」 バリバリ全開で怪しかった。酒が入ってるにしてもこれはあんまりだろう。 これじゃ桐乃のことをバカにできん。 「ウソ。絶対に避けてるじゃん。目をあわせようとしないし、合ってもすぐにそらすし。あたしが傍によるとちょっと遠ざかったりするし」 ……バレバレじゃん俺。なんてわかりやすい。今更ながら自分の迂闊さに頭が痛いぜ。 その程度のことにすら頭が回ってなかったとは。本当に重症だな。 「いいじゃねーか。いつものことだろ?」 「よくない! あたしはそんなあんたの態度にムカついてるの! 急にちょっかいかけてくるようになったかと思ったらいきなりあたしのこと避けだして……意味わかんない。 あんたは一体あたしに何がしたいのよ!?」 あーあー、うるせえなぁこいつはよぅ。こちとらお前のことで頭かかえてるってのに。 ホントに自分勝手なお姫様だよ。そこまで言うなら全部ぶちまけてやるよ。もうどうなってもしらねえぞ? アルコールが回りつつある頭は正常な判断が出来なくなりつつあるせいか、しらふならまずありえない選択肢を実行した。 「俺さ、結構傷ついてるんだぜ? お前に大嫌いって言われてさ」 いつだって桐乃に対する感情はぐちゃぐちゃで、まるで蓋をしたかのように頑なな俺の本音は、追い詰められて漸くその顔を覗かせる。そうして顔を見せる本音は、いつも俺が気付いてないことを俺自身に気付かせてくれる。 そんな本音をしまいこんだ箪笥が、酒が入ってるせいか、今は少しだけ開いてるようだった。 そしてやはり、俺の気付かない、気付けない想いが俺の口をついてでた。 「俺はさ、お前が好きなんだ」 目の前まできていた桐乃の瞳が見開かれた。 自分でも思ってもみなかった吐き出された言葉は、驚く程自然に心に収まった。 まるでぽっかりと開いていた穴がうまったように、足りなかったパズルのピースがはまったように。 酒で朦朧としている頭では、それがどういった意味での好きかはよくわからない。でもそれは確かな答えだった。 ああ、そうか。と不思議な納得が俺の心に浮かんだ。 だからか。だから俺は、あんなに桐乃に嫌われるのが怖かったのか。 もう嫌われてるのがわかってても、更に嫌われるのが怖くて、嫌いだといわれるのが怖くて。 「でもお前はさ、俺が嫌いなんだろ? 俺はお前が大事だ。心配だ。何よりも大切にしたい。でもな、そんなお前に嫌われてるって、きついんだぜ? 大事なお前だから、もっと仲良くなりたい。俺を好きになってほしい」 溢れた言葉はとどまる事を知らず、次々と信じられない言葉を紡いでいく。 頬に冷たいものが流れた気がした。 「けどさ、嫌われてるやつに何されたって、嬉しくねーじゃんか。むしろ傷つけるだけかもしれねー。 それじゃ俺は、どうしたらいいかわかんねーよ。お前に嫌われてる俺は、お前に何をしたらいい?」 最後に残った酒を一気に飲み込んだ。朦朧としていた意識が襲い掛かる睡魔に一気にあやふやになる。 それでも、俺の溢れる気持ちはやむことなく漏れていく。そして 「なあ、桐乃。俺はお前が何をして欲しいのか、さっぱりわからねえんだよ。 お前はどうしたら喜んでくれるんだ? どうしたら嬉しいんだ? どうしたら笑ってくれるんだ? 俺は――」 ――どうしたらお前に好いてもらえるんだ? 俺の意識は眠りに落ちた。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「京介?」 いきなりまくし立てるように言いたいことを言うだけ言った京介はかくんと頭を下げて押し黙ってしまった。 うなだれるように壁に背を預けて、俯いたたままの京介のそばに寄ってみると、その口からはスースーと寝息が聞こえていた。 もしかして寝ちゃったの? そんな京介の前に回り、足の間に身を収めるように座り込んだ。覗き込んだ顔には、一筋の涙の跡。 そのままトン、と頭をその胸に預けた。 「ばか」 トスン、と片手で京介の胸を打つ。 「バカ」 トスン、トスンと京介を起こさないように、繰り返し胸を叩く。 「ばかっ…!」 何が、『お前のことが好き』よ。何が、『好いてもらえるんだ?』よ。 あたしがどうしたら喜ぶ? 嬉しい ?笑える? そんなの――決まってるのに。 京介があたしにしてくれることが、そばにいてくれることが嬉しくないはずがない。喜ばないはずがない。 そんな簡単なことが、なんであんたはわかんないの? あたしの言葉ばっかりを真に受けて、どうしてその真意をわかろうとしてくれないの? 「嫌いよ」 言葉にしないとわかってくれないあんたが。 「嫌い」 言葉にしても伝わらないあんたが。 そして何より、こうやって全部京介のせいにして甘えてるあたしが―― 「大嫌いっ」 縋りつくように京介の服を掴んで、その胸に顔をうずめた。 本当に、あたしはバカだ。 兄貴の泣いてるのがイヤだと、あれほど強く言ったのに結局あたしが兄貴を泣かしてる。 あたしが素直じゃないせいで、京介を泣かせてしまっている。 バカで、ヘタレで、鈍感で、不器用で―――そして誰よりもあたしを大事に想ってくれてる京介。 「ごめんね」 いつも素直じゃなくて。無茶ばっかりを押し付けて。嘘ばっかりついて。 「ありがとう」 どんな時もあたしの味方でいてくれて。大切なものを守ってくれて。あたしを選んでくれて。 いつの間にか流れていた涙が、京介の服を濡らしていた。 それから十分ほどしてから、あたしは京介の部屋を後にした。 京介はあのままの体勢じゃ明日辛いだろうから、横にして布団をかぶせておいた。アレなら風邪を引くこともないはず。 それにしても、あたしはどうしたらいいんだろう。 まさかあの言葉が、あそこまで京介を傷つけると思ってなかった。わかりきっていると、そう思ってたから。 あの言葉に嘘はない。けれど、全てが本当だとも言えない。 これ以上京介を傷つけないためには、どうしたらいいんだろう。 『俺は、お前に何をしたらいい?』 ああ、そっか。簡単なことだった。 京介は、あたしがして欲しいことがわからないっていった。 わからないから、教えてほしいって、そう言ってた。 嫌いな自分が何をしてもあたしを傷つけるかもって、バカな心配をしてた。 だったら教えてあげればいいんだ。あたしが京介にして欲しいことを。 素直になるのはちょっと怖くて、くやしいけど、あたしも京介に傷ついてほしくないから。 少しだけ、素直になってみよう。きっと、意地を張って上手くいかないだろうケド、少しづつ。 そうと決まれば今日は早く寝てしまおう。 丁度明日はお休みだ。 京介を誘って二人で出かけて、うんと京介を引っ張りまわしてやろう。 そこでたっぷりと教えてやればいい。 あんたは何も気にせずあたしに接すればいいんだって。何も心配する必要はないんだって。 「あは。あいつ、どんな顔するかな?」 少しだけ、それが楽しみだ。もし気持ち悪そうな顔をしたらひっぱたいてやるから。 「おやすみ、京介」 壁越しにかけた声が、優しく闇に溶けていった。 END -------------
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時の流れは早いもの。月日は瞬く間に過ぎた。 春四月。 地元の志望校へ無事合格を果たした俺は、あと何日かで晴れて大学生になる。 新生活の節目を迎えようという今日、俺と加奈子は―― じつはケンカしてたりする。 いや、ケンカってほど大した事じゃない。あいつがちょっとヘソを曲げてるだけなんだが。 これがまた、微笑ましくも手強くて参ったもんだ。 「おっす、加奈子、お前のが早く来てるなんて珍しいな」 「……はよ」 これである。 可愛くねー!と言ってやりたい気持ちと、そんな不景気な面も可愛いなとからかってやりたい気持ちが相半ばする。 こうしてデートに繰り出すのも何回目だろう。 いちいち数えてられんくらいには二人一緒に居るのが馴染んできた。 いまの加奈子のご立腹がどれだけか正確には測れないが、今日も小洒落た格好で来てるところからすると、出掛けるのを楽しみにしてくれてはいるようだ。 もしかして拒否られるんじゃ…と、恐る恐るの内心をひた隠しに小さな手を取る。 僅かな静止。 のち、加奈子はチラと視線を寄越して普段通りに俺の手を握り返した。 自然と安堵の溜め息を漏らしていると、ご機嫌ナナメの姫君から叱責のお言葉。 「なに安心してんのよ。言っとくけど、加奈子まだ怒ってんだからね」 拗ねた様子にもかかわらず、俺たちは全くもっていつも通りの距離感で歩む。 申し合わせた訳でもないが、たまたま二人とも朝は抜いていたためカフェで軽食タイムに。 日曜であり、さらに春休みとあって、俺らと同年代の客が多く入っている。 「さてと、じゃぁ聞かせてもらおうじゃない。なんでこないだはアタシの誘い蹴ってあやせと街にいたワケ?」 「話せば長いことながらだな…」 「余計なボケはいらないから。」 「つれねぇやつー」 そんなシリアスにとるような中身でもないんだ。そう前置くと、無言で先を促された。 「前からの約束で買い物に行っただけだって。疚しいことはございません、だ」 「でも…」 ? 適当な言葉が浮かばないのか少し言い淀んで、加奈子は続ける。 「聞いてない。言ってくんなかった」 どうも、ただ買い物に行くだけなら何故一言断らなかったか、自分も一緒じゃ不都合だったのかと言いたいらしい。 やけにたどたどしく主張して、加奈子、怒ってるというより沈んでいる……んだろうか。 さすがに悪い事をしたと胸が痛む。 話さなかったのは、今日のために加奈子への贈り物を買いに行っていたから。 ただ俺のセンスだけでは不安でアドバイザーをあやせに頼んでいた、というのが事の顛末である。 恥ずかしながら事情を加奈子に打ち明けた。 あの程度でここまで凹まれるとは思いもよらなかったが、 怒らすならまだしも悲しませたとあっては俺の配慮が足りなかったと反省する他ない。 「というわけだ。スマン!」 思い切りよく頭を下げる。 馬鹿の一つ覚えと言うなかれ。いや言われても仕方無いが。 加奈子は幾らか溜飲を下げたようで、それでもまだ眉を八の字にしてツンツンしている。 「それにしたってさあ、加奈子本人をほっぽってあやせといくことなくない?」 「あぁ、悪かったよ。ホワイトデーの時みたく当人同士でって考えなくもなかったんだけどな…」 つい先日の回想が脳裏に浮かぶ。 あの日、俺がツッコミ役をしなきゃ、こいつはどんな「お返し」を用意してきたことか。 物思いに耽っていると、今度は正面の加奈子から盛大な溜め息。 「そ、そこまで責めんでも。勘弁してくれ、反省はしてる」 「……今のは別に、京介を責めてるとかじゃなくて……」 まだ何か言い切れない部分があったらしく、やりづらそうな顔でワシワシと頭を掻いている。 ついぞ見たことのない雰囲気。 このさき発せられる言葉に俺は姿勢を新たにする。 「前にもちょっと話したけど、アタシって自分で思ったより重い女かなぁ、…なんて、実感しちゃったり」 「んなことはないと思うぞ。前にも言ったけど」 「京介があやせと二人で買い物にいくだけで耐えらんない、短気な女だけど」 「まぁ、そういうものなんじゃねえの、一般的に。好いた惚れたってのは」 かく言う俺も、仮に加奈子が俺の知らないところで他の野郎と親しくしてたら取り乱すろうしな。間違いなく。 「でも、彼氏でもない男相手にだよ…?」 言わんとするところはわかるつもりだ。 だが、俺はそこに引け目を感じてほしくなかった。だから 「ok,ちょっと黙れ。こいつを受け取ってもらおう。せっかく買ってきたんだ」 カバンから小さな包みを取り出す。 プレゼントっつーにはやや大袈裟なぐらいの、あまり飾り気のない腕時計。 「俺のとペアなんだけどな。危うく男物の買っちまうとこだった。連れのお陰で寸前で回避したもんさ」 「連れとかー」 「おまえ今日は神経質すぎ。他意はねぇって。ホラ、着けて見せてくれ」 「うん」 加奈子が腕時計の包装を開ける間に、自分の腕に巻いたソレに一瞥をくれる。 『11 55am』 「わりと好みかも」 「そいつぁ良かった」 渡した時計に柔らかな笑みを浮かべる加奈子に、充足感が胸を満たす。 「でだ。さっきの、あやせのことだけどな」 「…うん」 「お前がそこまで抵抗あるなら、無断で二人で買い物とかは控えるから。安心しる」 「(しる…?)そんな言っちゃっていいの?」 「約束するよ」 「でも京介って、あやせのこと滅茶苦茶タイプって聞いてるけど。結構しつこくからんでたらしいじゃん」 誰が話したんだ、そんなん。まさか…あやせ本人か…? 「まぁ、確かにあやせたんはマジ天使だと今でも思ってるが」 「うへぇ……それ引くって、本気で。しかも結婚してくれとか言ったりもしたんでしょー」 い、一番聞かれてはならん人間の一人に伝わってたなんてな… いや気を取りなおせ。今はそれどこじゃない。 「撤回する、二度と言わない」 「ふーん。どうだか」 加奈子がヤレヤレの仕草で苦笑するので、満を持して俺は言う。 「結婚してくれなんていう相手は一人いれば充分だ。だろ?」 「ふぇ?」 「加奈子。俺の彼女になってほしい。結婚を前提に付き合わないか」 加奈子が固まった。 10秒が経ち、20,30……たっぷり一分以上オブジェのように硬化している。 そして時は動き出す。 「えぇと――エイプリルフール?」 「ん、今日は四月一日に違いないが、ネタでこうは言わないっつの」 それにだ 「だいいちエイプリルフールのドッキリが通用するのは正午までって決まってる」 告げると加奈子は素早くさっき腕に巻いたばかりの時計に目を走らせた。 「午後、だ」 「ああ」 我ながらなんちゅー滑稽なやり取りかと思う。 思うが、愛の告白なんてのは必ずしもロマンチックとは限らない。これくらいサバサバしててもいいだろう。 でないと俺自身あまりに恥ずくて耐えられんっ 「その、だいぶ待たせた……いつかの返事はもう決めてたが、やっぱしこういうのは俺から改めて言うべきかってな」 「ホントだよ、正直待ちくたびれて切なかったぞー」 「…泣くなって」 「ばか。こんなときくらい好きに泣かせろ」 泣き笑いの加奈子に、テーブル越しに小突かれる。そうこなくちゃな。 ちっと人目を集めすぎた、俺たちは飲み食いもそこそこに店を後にする。 「ついては今後の付き合いに関して話しとくことがある」 「あ、ん、なに」 ふわふわとした足取りで加奈子。こいつ大丈夫かぁ? 「これも言わないままにしててスマンが、大学通うのに家出ることにしたんだわ、俺」 「マジで?」 「マジです。この機に自立性を養うとかいう名目が半分、あと半分は言わなくてもわかってくれんだろ」 「え~と……」 「わかれよ、そんぐらいは。いつまでも親元で暮らしてちゃ逆に不自由もあるってこった。色々と、な?」 「色々と……!!……そっか、そういう…」 ようやく理解が及んだっぽい。慌てるさまがなんとも加奈子らしい 「お前のそんな鈍いとこも好きだぞ、うん」 「なにそれ微妙に喜べねー」 じゃれてくる加奈子を軽く制して、取り出したるは…… 「本日のプレゼント第二段だ。まだ引越しは済ませてねーけど、落ち着いたら遊び来いよ」 ありふれた形の、それでも特別な意味を持つ、銀色の鍵。 「ありがと……ぜってー行くから。もう毎日通うから」 「いや毎日はさすがに」 「え~~」 弾む足取りの加奈子をどうどうと宥めつつ、何となく通りの公園に寄った。 「とうとう恋人かぁ」 「そだな。つっても、ここしばらくの俺たちって実質付き合ってるようなもんだった気もするが」 「でも、だって『ようなもん』とじゃ大違いじゃん」 そりゃまあ。 「強いて言うと、もっと流れとか場所とかこだわるべきだったかもしれん。そこまで余裕がなかったわ」 「あの、プロポーズ?」 「プロポーズ、になるか。やっぱ」 「それ以外の何でもないって。心臓が飛び出るかと思ったもん」 まだ興奮冷めやらぬ様子で、加奈子は言う。 「京介。アタシのほうこそ改めてヨロシク。重い女だけど、そこは覚悟しろーってことで」 「まぁだ言ってんのか。重かないって……言ってる、だろ!!」 「うひゃっ」 あまりしつこいから、抱き上げてやる。 「どうよ、軽い軽い~」 「こらぁ、まーわーすーなー」 実のところ加奈子をどうこう言えないくらい浮かれていた俺は、所謂お姫様だっこのままグルグル…グルグルと… 二人揃って多幸感に笑いを張り上げ、 じきに回りすぎて気持ち悪くなって、また笑った。 俺をその気にさせたんだ、覚悟するのはお前のほうだ。 言ってやろうとしたんだが、ま、そのうち…