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特別編 side千里山 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ○月×日 今日から合宿、さすが名門千里山、2人1部屋とはすごい 練習施設も結構すごかった 夜、練習のことで少し聞きたいことができ、竜華さんと怜さんの部屋を訪ねた ノックをして返事をしたから普通にドアを開けると、2人とも裸Yシャツだった 怜さんのあちゃー、と言いたげな顔と、竜華さんのしまった!という顔が対照的だった 竜華さんが普段のようについ返事した、ということだろう というかなぜに裸Yシャツ?すばらだけど!!白い太ももとか!!大き目のYシャツだから見えそうで見えない下着とか!! この恰好が涼しくて寝やすいと怜さんが言っていた。ありがとうございます なんか竜華さんが真っ赤になって慌ててしまっていたので明日聞くことにした それにしても……良かった 帰り際、慌てる竜華さんからチラっと白い下着が見えたのが頭を離れない そういえば、見覚えがあるYシャツだったな…… この前Yシャツ2枚失くしたけど……いやまさかな 竜華「…………」ダラダラ 怜「…………」ピー セーラ「おう、竜華も何汗かいとるんや?怜も口笛なんか吹いて」 泉「先輩方……」 浩子「アカンですね……とりあえずブツを出してもらいましょうか」 竜華「ち、違うで!?」 浩子「ほう、何がどう違うのか話してください」 竜華「アレや……ほら、京太郎にみっともない恰好見せて恥ずかしいやん?」 セーラ「結構嬉しそうやでー。ここの部分、やけに筆圧があるわ」 竜華「え、ホンマ?えへへ……」 泉「いや照れてる場合ですか?どうやって盗ったんです?」 怜「泉、人聞きの悪いこと言うなぁ……ウチと竜華が京太郎のYシャツを盗る訳ないやろ?」 セーラ(これ認めたようなもんやないん?) 浩子(認めましたね) 竜華「そ、そーや!怜、言ってやり」 怜「借りただけや」ドヤァ 泉「アカンでしょう!?」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1393081814/ とある喫茶店 カランカラン 京太郎「えっと……、待ち合わせはこの喫茶店のはず」キョロキョロ 優希「おーい!おーい!ここに居るじぇ」ブンブン 京太郎「おっ優希!しばらくだな。全然変わってないな」 優希「美容院で10代に間違われたじょ。私もまだまだイケるって事だじぇ」 京太郎「しかし優希は変わらなくて安心したよ」 優希「実はちゃーんと育ってる」エッヘン 京太郎「身長が?少し高くなったか」 優希「見る目ないなぁ。胸だじぇ!む・ね!おもち!」 京太郎「……すまん、全くわからん」 優希「学生時代より2cmも大きくなったと言うのに……これだから男は」 京太郎「コホン。立ち話も何だし、座らせて貰うぜ。すいませーん、アイスティー下さい」 優希「私もおかわりするじょ。アイスティー二つで」 店員「はーい」 優希「犬……いや京太郎は何してるじぇ?」 京太郎「ん?俺?」ズズズ 優希「ちゃんと働いてるのか?まさかニート!?」 京太郎「んなわけねぇだろ。料理人やってるよ」 優希「ほぉー、京太郎にぴったりの仕事だじぇ」 京太郎「龍門渕さんの所だから待遇もめちゃくちゃいいよ。給料に不満はない」 優希「それは良かったじょ」 京太郎「給料は月30万も貰ってるんだぞ。年収は500万だ」 優希「ふーん、それってすごいのか?」 京太郎「20代じゃレアな方なんだよなぁ。まぁ優希にしたら年収500万とかゴミみたいなもんだろうけど」 優希「お金には不自由してないからなぁ。相方の給料がいっぱいあるし」 京太郎「俺の100倍くらいあるよな……。あぁ結婚おめでとう」 優希「およ?知ってたのか」 京太郎「そりゃ知ってるだろ。ニュースやりまくってたし」 優希「私、お嫁さんになったじぇ。今、中国語教室と栄養学を学んでるじょ」 京太郎「は?万年赤点だったお前がか?」 優希「その通り!お料理は意外と得意だけど、中国語は全然駄目。同じ言葉とは思えないじょ」 京太郎「頑張ってるんだな」 優希「おぅよ!なんて言ったって、プロ麻雀選手のお嫁さんだからなぁ」 優希「今、ブログとか書いてる。ハメブロで」 京太郎「へぇーどれどれ。おっ……料理の写真とか貼ってて、ちゃんと作ってるじゃん」 優希「冷凍食品は一切無し!栄養も考えて、色んな食材を使うじょ」 京太郎「緑が入ってるのはポイント高いな。おっ美味そう」 優希「ふふーん」ドヤッ 京太郎「しかし、優希の嫁はすごいよな。今、何連勝中だっけ?」 優希「確か15だったと思うじょ」 京太郎「日本記録?」 優希「今、並んだ所。次勝てば、日本記録だじぇ!」 京太郎「そっか。俺もプロ麻雀ニュースチェックするようにするわ」 優希「私の嫁の活躍しかと見るといい!で、話って何だ?」 京太郎「あぁ、今日呼び出したのはな。頼みたい事があったんだ」 優希「ほぅ、申してみよ」 京太郎「俺さ。いや、俺達さぁ……子供が欲しいんだよね……」 優希「子供か。iPS細胞の実用化に伴い、同性同士でも子供が作れるようになったじぇ」 京太郎「お前の所はまだ作らないの?」 優希「相方がまだいいって。来年はメジャー挑戦するし……。ちょっと先かな」 京太郎「男ってさ子宮がないんだよな」 優希「そうなのかぁ」サスサス 京太郎「iPSでの出産はかなりお金がかかって、俺達の貯金じゃ種作るくらいしか無理なんだ」 京太郎「それでな。代理出産して貰える女性を探してるんだ」 優希「!?」 京太郎「これが業者のを使うととんでもなくお金がかかって……」 優希「そうなのか」 京太郎「知り合いの女性に頼んでみたが、未婚のヤツが多くて断られてしまった」 京太郎「もうお前に断られたら、子供を諦めるしかない……」 優希「う、うーん」 京太郎「頼む!一生のお願いだ!優希の子宮を貸して欲しい!」ガバッ 優希「お、おいおい……こんな所で土下座なんて困るじょ」 京太郎「頼む!頼む!お前しか頼れる相手が居ないんだ!!!!!!!」 優希「えっと……」ポリポリ 京太郎「お願いします」 優希「私一人の一存では決められないじぇ」 優希「私個人的な意見としては、京太郎に大きな借りがある。別に代理出産くらいどうって事ないじぇ」 京太郎「それじゃあ!」パアァァァァァ 優希「しかし私の体はもはや私個人の物でもないんだじぇ。相方の意見も聞いて、賛成して貰えればいいけど」 京太郎「そうだよなぁ」ショボーン 優希「じゃあ家に帰って聞いてみるじょ」 京太郎「おぅ、また答えが決まったら教えてくれ」 優希「最後に一つ。京太郎が誰と付き合ってるか知らないが、子供が欲しいと思うくらいその人を愛しているのか?」 京太郎「もちろん。最後まで添い遂げるよ」 優希「なるほど……。犬もいい顔するようになったじぇ!」ニカッ 京太郎「今年中に結婚するんだ。お前も結婚式に来てくれよな?」 優希「あたぼうよ。咲ちゃん和ちゃん、久しぶりに三人揃って京太郎の結婚式を祝うじょ」 京太郎「咲も和もかなり忙しいからな。オフシーズンがいいか」 優希「和ちゃんは牌のお姉さんしてるから、365日働きまくりだし早めに連絡しておいた方がいいぞー」 京太郎「わかった」 優希「また連絡するじぇー」フリフリ 家 優希「はー、犬も結婚か。時が経つのは早いじょ」ポスン 優希「とりあえず晩御飯の支度して……あっ、明日の予告先鋒見とかないと」ポチッ テレビ『明日の試合の予告先鋒です。ハートビーツ大宮、原村和選手』 優希「和ちゃんだじぇ!」 テレビ『横浜ロードスターズ、江口セーラ選手』 テレビ『松山フロティーラ、白水哩選手』 優希「むむむっ流石、先鋒。みんな手強いじぇ」 ?「ただいまー」 優希「おかえりー。まだご飯出来てない」 咲「えーお腹すいたよぉ」ダキッ 後ろから抱きつく咲 優希「お菓子ならあるじょ。って、何か臭うような」クンクン 咲「ご、ごめん。調整用の雀荘探してたら、歩き回っていっぱい汗かいたから」 優希「臭い!先にお風呂入って」 咲「はーい。一緒に入ろ?」 優希「晩御飯の支度するから忙しいの!」 咲「お風呂上がったよー」 優希「……」パタパタ 咲「上がったー」 優希「あー忙し忙し」パタパタ 咲「優希ちゃん!お風呂上がりました!」 優希「あーもう!一回言えばいいじょ!わかってる!アニメでも見て待ってて」 咲「ちぇっ」 晩御飯 咲「明日の先鋒って誰かわかる?」モグモグ 優希「和ちゃん、ビビクンお姉さん、イケメンお姉さん」 咲「そっか。みんなエース級だね」モグモグ 咲「連勝止まっちゃうかなぁ」ズズズ 優希「あーーーーーー!!!!!!!」 咲「ど、どうしたの?」 優希「ブログ用の写メ撮るの忘れた!咲ちゃんが晩御飯急かすからだじぇ!」ポカポカ 咲「ご、ごめんなさ~い」 優希「それはそうと。久しぶりに犬に会った」 咲「京ちゃん?元気にしてた?」 優希「うん。料理人してるって。それでな、実は……」 優希は咲に代理出産の事を話した 咲「……なるほどね」 優希「……」 咲「優希ちゃんはどうしたい?」 優希「私は代理出産してやってもいいかなと思ってる」 優希「高校時代ずっとタコス作らせたり、パシリに使ったり……」 咲「うん。私も京ちゃんにはとっても感謝してるよ」 優希「子供が欲しいって気持ちもよーくわかる」 咲「京ちゃん子供欲しいのかぁ。なんだかんだで世話焼きさんだからなぁ。高校生の時から父性溢れてたね」 優希「多分、犬が頼めるのは私、咲ちゃん、和ちゃん、竹井先輩、染谷先輩くらいしか居ないと思う」 咲「私と和ちゃんは無理だね。試合があるし……」 優希「竹井先輩と染谷先輩には断られたっぽい」 咲「……そっか」 優希「もちろん咲ちゃんが嫌だと言うならこの件は断るじょ」 咲「……」 優希「咲ちゃんに決めて欲しい」 咲「……私はいいと思う」 優希「じょ!」 咲「私もプロじゃなかったら、代理くらいしてあげるんだけどね。今はチームが大事な時期だから……」 優希「それはわかってるじぇ。私も咲ちゃんを支えるために専業主婦になったし」 咲「優希ちゃんさえ良かったら。でも京ちゃんの次は私達の子供を産んでね///」 優希「うんっ!」 喫茶店 優希「引き受ける事にしたじぇ」 京太郎「ま、マジか!」 ハギヨシ「ありがとうございます!ありがとうございます!」ポロポロ 優希「おや、このお兄さんは……確か……」 京太郎「俺の交際相手のハギヨシさんだ。上司でもあるんだけどな」 優希「職場恋愛かー。いいなぁ」 京太郎「みんなには内緒にしてるけどな///」 優希「でも今すぐと言うわけではない。咲ちゃんと私が中国の生活に慣れてからにして欲しい」 京太郎「わかった。二、三年後って所だな」 ハギヨシ「早いものですね。宮永様がドラフト一位で入団されてはや六年」 京太郎「来年ポスティングか……。確かあの日は雪の降る日だった」 ~宮永咲、高校三年生回想~ 和『咲さん咲さん。今日はドラフトですよ!』 咲『えー今日だっけ?何にも考えて無かったよー』 京太郎『おいお前ら。すぐ体育館に移動だ』 優希『ドラフトの目玉が二人もうちには居るんだじぇ!お化粧しなきゃ駄目だじょー』 久『って事で私の出番ね!巷で有名なメイクアップアーティストと言えばこの私、竹井久』 まこ『ただのデパ地下の店員が何言うておるんじゃ』 咲『私、そんなに目立ちたくないですよ!』 和『咲さんと同じチームになれる事だけを願ってます』 はやり『ハートビーツ大宮の一位指名はねー☆原村和ちゃん!君に決めた☆』 京太郎『和が選ばれたぞ!』 久『とりあえず胴上げじゃない?』 まこ『よっこらしょ』ガシッ 優希『流石、私の親友!ドラ一位とはめでたい』ガシッ 和『まだ行くとは決めてませ……』 咲『ワッショイ』ポーイ 京太郎『ワッショイ』モミモミ 久・まこ・優希『ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ』ポーイ 和『いやあああああああ、降ろして下さい!』 京太郎『ドラ1位ってもう終わり?』 久『最後1雀団だけ残ってるわ』 まこ『あぁ最近出来た新しい弱小雀団か』 優希『咲ちゃんが選ばれなかったなんて意外だじぇ』 咲『私、全部断ったからね。大学行ってのんびり麻雀打つよ』 和『ええっ!?大学行くんですか!聞いて無いですよ』 テレビ『仙台ウェイクアップヤマカーンズ、一位指名宮永咲』 久『ちょっと!咲の名前が呼ばれたわよ!?』 咲『え?』 京太郎「あの時は誰もが断ると思ってたんだよなぁ」 ハギヨシ「宮永様なら大学出てからでも引く手数多ですからね」 京太郎「全く。麻雀チームって言っても戦力外になったプロばかりを集めたポンコツチームでしたからね」 優希「咲ちゃん曰く、小さくて目立たないチームの方が良かったらしい」 ハギヨシ「もう麻雀界を代表するエースですけどね」 京太郎「この上なく目立ってるぞ……咲」 優希「私は咲ちゃんのコネで親会社に普通のOLとして就職したじぇ」 咲『優希ちゃん!監督にまたブツブツ文句言われたよおぉぉぉぉぉ』ポロポロ 優希『プラマイゼロで切り抜けたんだろ?良かったと思うじぇ』ナデナデ 咲『三位じゃ意味ねぇだろこのバカって……ううぅぅぅぅぅ』ポロポロ 優希『あーもう私の胸で良かったら好きなだけ泣くじょ』ポンポン 咲『うわああああああああああああああああ』 優希「あの頃の咲ちゃんは負けるたんびに私の部屋に来て泣いてた」 京太郎「メンタル弱いんだなぁ」 優希「じゃあ、今日は咲ちゃんの試合見に行くからこの辺で帰るじょ」 京太郎「そうか。ありがとうな代理出産の件」 ハギヨシ「ホントに……。なんとお礼を申し上げていいか」 優希「……そ、そんなに感謝されると照れるじぇ///」 京太郎「ハギヨシさん。送ってやって下さい」 ハギヨシ「はい、ぜひ」 優希「気持ちはありがたいけど、今日は車だー」 駐車場 京太郎「ここでいいのか」 ハギヨシ「片岡様の車はどちらに」 優希「これ。後、もう宮永になった」 京太郎「か、カイエン!?」 ハギヨシ「これ改造されてますよ!身長低くても足が届くように」 優希「内装も色々とイジってるけど。まぁそれはいいじょ」 優希「ばいびー」カチッ、ガコッ ブロロロロロロ 京太郎「……」 ハギヨシ「……」 こうして数年後、優希は京ハギの子を産んだ 優希「くぎゅうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」 ポポポポポーン ハギヨシ「おお……これが私達の子」ウルウル 京太郎「男の子ですよ!」 咲「とっても凛々しい顔してるね。ハンサムな子になりそう」 終わる
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前話 京太郎「え? 今日、居ないんですか?」 『どうしても外せない私用でして。とは言え、居なくなると言っても一日空けるだけですよ。明日の午後には帰ります』 京太郎「そんな……久々にご指導いただけると思ってたのに……」 『なに、私から京太郎君に教えられることなんてもう殆どありませんでしょうに』 京太郎「でも……」 『……では、一つ頼まれてくれますか?』 京太郎「?」 『私の居ない間、皆様と共に仕事に勤しむこと。これだけです』 京太郎「えっ、そんな普通のことでいいんですか?」 『当たり前の事を当たり前に。執事の教えの基本でしょう?』 京太郎「あっ……」 『できますね? 京太郎くん』 京太郎「……はいっ! 任せてください!」 京太郎「ハギヨシさんの分まで俺、頑張ります!!」 ハギヨシ『ええ、良い返事です』 ハギヨシ『仕事の内容について、大方のことは国広君に言ってあります』 ハギヨシ『ですので、京太郎君にはお嬢様達が危険に晒されないよう注意して仕事に取り掛かっていただければ結構です』 京太郎「わかりましたっ」 ハギヨシ『……今日一日はあなたが私の代わりです。一人の執事として、気を引き締めてくださいね』 京太郎「……俺なんかがハギヨシさんの代わりになるだなんて思っちゃいませんけど……」 京太郎「俺なりに精一杯、ハギヨシさんに教えられたことを忠実に守っていくつもりです!」 ハギヨシ『ふふっ、それは心強い限りですね』 ハギヨシ『では京太郎君。お嬢様方のこと、頼みましたよ』 京太郎「はいッ!!」 ピッ 京太郎「ふぅ」 京太郎「…………」 京太郎「……はぁぁぁ~……」ガクリ ―8 00 旅館庭先 パチッ...パチッ.... 京太郎「……長電話してすいませんでした、玄さん」 玄「そんなに待ってないから大丈夫だよ~。 ……ん~、そろそろかな~」スッ 京太郎「……」 玄「……どうかしたの? なんか目に見えて落ち込んでるようだけど」 京太郎「ん……。今日行く予定の龍門渕なんですけど……会いたかった人が居ないようでして……」 玄「電話で喋ってた、ハギヨシさんって人?」 京太郎「はい。龍門渕専属のお手伝いさん。炊事、洗濯、掃除、その他何から何まで出来てしまう超万能な人でして」 玄「ほぉ」 京太郎「俺の雑用スキルもハギヨシさんから教わったものなんですよ。一時期龍門渕でバイトしてましてね」 玄「ほほぉ~」 京太郎「俺が一番尊敬する人なんです。 あの人程素晴らしい人、見たことがない」 京太郎「それだけに……はぁぁ……」ガクリ 玄「………」スッ 玄(……龍門渕高校。 その名前は、私でもよく知っている)ススッ 玄(県大会団体戦優勝の最有力候補と目されていた強豪私立校。前年度はメンバー全員が一年生でありながら優勝した実績を持つ)スッ 玄(今年度は惜しくも京太郎くんの所属する清澄高校に敗退。しかし、その実力はプロですら慄く程と聞く)ハムッ 玄(……それにしても……)モグッ 京太郎「はぁぁぁ……」 玄(……京太郎くんがこんなに落ち込む程会いたかったお手伝いさん……)モッキュモッキュ 玄(ハギヨシさん……かぁ……)モッキュモッキュ 玄( ……萩原ヨシエ? 萩原ヨシコさんかな?)モッキュモッキュ 玄(まぁなんにせよ……) ゴクンッ 玄「ふぅ」 玄(凄い【メイドさん】なんだろうなぁ……) 京太郎「……切り餅、一つ貰ってもいいですか?」 玄「あ、いいよいいよー。はいっ」スッ 京太郎「……しかしまぁ、よく七輪なんて持ってましたね玄さん」モグモグ 京太郎(泊まり先の庭で餅焼いてるかはこの際置いといて) 玄「えへへ。七輪はね、いっつも持ってるんだ」 京太郎「はぁ……。 何故に?」 玄「おねーちゃんが極度の寒がりだからねぇ~。出かけ先で凍えないようにしなきゃでしょ?」 京太郎「ですか」 京太郎「……カイロじゃダメなんですか?」 玄「カイロだと1パック使わなきゃでしょ?」 京太郎「はあ。ですか」 玄「ですッ」ドヤッ 京太郎「……最初七輪と一緒に練炭取り出したの見た時は死ぬ気なのかと思いましたよ」 玄「ちなみに、隙間風対策にガムテープも常備してるよっ」ドヤヤッ 京太郎「マジで死ぬ気かよ」 京太郎(さて、いつまでもクヨクヨしていられない。今日のことを考えなきゃな) 京太郎「というわけで玄さん。なんと今日のお仕事は龍門渕に泊まり込みです」 玄「えッ! ホントッ!?」 京太郎「そんで、仕事先がなんと龍門渕本邸だそうで」 玄「本邸……って、お家!?」 京太郎「龍門渕の部長さん……お嬢さんの祖父が龍門渕高校の理事長なんです。麻雀を打つ時は本邸で打っているんだとか」 玄「ほぇぇ……お嬢様だねぇ……」 京太郎「しかも宿泊費は全額あちらで負担してくれるそうです。ありがたい事この上ないですね」 玄「至れり尽くせり、ってやつだねっ」 京太郎「ちなみに、卓球台は無いそうです」 玄「……ウッ」ジワ... 京太郎「あっ……つ、次! 次行く所で必ず見つけますから!」 玄「グスッ……約束……だからね……?」 京太郎「は、はいッ」 京太郎「そういえば玄さん。和と知り合いでしたっけか」 玄「うんっ。 随分むか~しのことだけどね。……懐かしいなぁ」 京太郎「……清澄、寄ってきます? 寄るほどの時間はありますよ?」 玄「むっ。……む~……」 京太郎「和も昔と比べ随分成長してるでしょうし」 玄「むむっ」 京太郎「おもちも大きくなってますし」 玄「むむむむむっ!!!」 京太郎「ちなみに、これが今の和の写メです」ピッ 玄「ふぉ、ふぉおおおおおおおおお!!!!すっごぉおおおおおおおおお!!!」 玄「おおぉ……こんなに……素晴らしく実られて……オオオォ……」 京太郎「どうします?」 玄「むぅ……むむむむむむむむむむむ~~~~!!!」 玄「…………い……いいいい……」 玄「……行か……ない…………!」 京太郎「おぉ」 玄「全国大会で必ず会うって約束だもん……!」グッ 玄「そのために皆頑張ってきてるんだもん……!!ググッ 玄「今破るわけには……いけないもん……!!!」グググッ 京太郎「玄さん……」 京太郎「……」チラッ 玄「ふぉおおおおおおおおおお」 京太郎「……」サッ 玄「い……行かない……!」 京太郎「……」チラッ 玄「ふぁああああああああああ」 京太郎「……」サッ 玄「いい、行かないもん!」 京太郎(…………) チラッ ハウッ! サッ チラッ ウヒィ! サッ ――― ―― ― 玄「エグッ……グスッ……い゛、い゛がないも゛ん……グスッ」 京太郎「ご、ごめんなさい……どうか泣き止んで……」 玄「うぅ……うぁあああああん…………いかないったら行かないもぉぉぉぁぁああああんッ!」グスグス 京太郎「……やり過ぎた…………」 ― 9 00 玄「なんて泣いてたらもう時間」 京太郎「……すいませんでした」 玄「そんな謝らないで! むしろ泣いたおかげで吹っ切れた気がするし!」グッ 京太郎「おお、流石」 玄「炭捨てて七輪片付けてー。 これで綺麗サッパリ! 龍門渕に夢を持っていける!」 京太郎「………」 玄「頑張るぞー!!」オー 京太郎「……」 京太郎(玄さん……ペタンコばっかってこと知ったら悲しむかなぁ……) 京太郎「…………」 京太郎「龍門渕、ペタンコさんばっかなんですけどね」 玄「ゴハァッ」 玄「(´・ω・`)……」 京太郎「……そんなしょぼくれないでくださいよ……」 京太郎「…………あ、そうだ。 昨日淡にイタズラで送られてきたんですけど……これっ」スッ 玄「……?」 京太郎「弘世さんと渋谷さんの貴重なブルマシーンの写メ……」 玄「……」 京太郎「首筋見てくださいよ。汗で濡れててポイント高いですよね」 玄「…………」 京太郎「この二人が馬跳びしてるとこってのがまた最高ですよね。おもちがより強調されてますし」 玄「………………………」 玄「京太郎くん」 京太郎「はい」 京太郎「こちら、淡のメアドになります」スッ 玄「(`・ω・´)」シャキーン ―道中 ミーンミンミン 玄「……んあー……」 京太郎「……あー……」 玄「……あっついねぇ……」 京太郎「気温30度ですって……」 玄「うへぇ…………」 京太郎「しかしまぁ……こうも暑いと……」 玄「脱ぎたくなる」 京太郎「冷たい物が欲しい」 玄「利害が一致したね」キリッ 京太郎「どこがだ」 玄「んふふ……別に恥ずかしがらなくても……」グイッ 京太郎「おいこら脱ごうとするな」 玄「あーうー……」フラフラ 京太郎「……龍門渕までもうちょっとだから頑張ってください」 玄「大丈夫大丈夫……玄さんは滅多なことじゃへこたれないから……」 玄「……なんか……見る人みんな脱いでるように見えるけどぉ……」 京太郎「重症じゃないですか……」 玄「ホラ……あそこの人なんてハダカと一緒……」 京太郎「暑さでやられすぎですよ……そんなわけ……」チラッ 「~♪」 京太郎「……あれ?」 「あっ」 京太郎「おお!」 京太郎「国広さん!」 一「須賀くん! 久しぶりだねー!」 一「やだなぁ国広なんて。ハジメでいいってば!」 京太郎「そうですか? まぁ、お変わりないようでなによりです」 一「前会ってから3週間ちょっとだよ? そう変わんないってー」 京太郎「いや、そっちじゃなくて……(服装……前より薄着になってる……)」 一「あ、そういえば今日ウチにバイトしに来るんだっけ? 萩原さんから聞いたよ」 京太郎「ああ、そうでした。ちょうどいいですし、紹介しますね」 京太郎「こちら同じバイト仲間の松実玄さ……」クルッ 玄「すごいよぉ……おもちがお空にたくさぁんあるぅうぅぅ……」フラフラ 一「………」 京太郎「………」 玄「えっ……今日はおもち、食べてイイの……?」 一「……ウチ、行こうか」 京太郎「……お願いします」 玄「うえへへ……おかわりもいいんだぁ……」 ―龍門渕邸 一「ハイ、お水」スッ 京太郎「頂きます」 玄「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」 一「態々ここまでご苦労様。ゆっくり休んでてよ」 玄「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」 京太郎「どうも、恩に着ます」 玄「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」 一「とりあえず、ボクは皆を呼んでくるね。冷房寒かったら言ってねー」スッ 玄「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」 京太郎「はい、ありがとうございますッ」 玄「ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク」 玄「ブっはぁああ!!」 玄「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁ……」グッタリ 京太郎「玄さん。グダってる所悪いですけど、仕事はこれからですよ?」 玄「でもこの暑さじゃ誰でも弱るよぉ……」 京太郎「東京の満員電車の時はそうでもなかったじゃないですか」 玄「あーあれねー。 ……えへへへ……」 京太郎「?」 玄「……後ろから押される度にお姉さん達のおもちが当たってて……」ニヤニヤ 京太郎「……」 玄「あれは良かったなぁ……うえへへ……へへへへへ」ニヤニヤリ 京太郎「……今朝だって餅焼いてたじゃないですか」 玄「おもちの為ならしねる」キリッ 京太郎「 」 玄「る~る、る~る、るるるるる~♪」 京太郎(……案外この人すごいのかもしれない) 玄「ラヴィ!」 一「お待たせっ」 純「おーっ、久しぶりだな須賀ー」 智紀「……お久しぶり……」 京太郎「井上さんと沢村さん! お久しぶりですッ」 純「おうおう。 そんで、そっちがお連れさんね」 玄「奈良の阿知賀女子学院から来ました、松実玄ですっ。 よろしくお願いします!」 純「おう。龍門渕専属メイド、井上純。 よろしくッ」 智紀「同じく、沢村智紀」 玄「どーもどーもっ」 京太郎「天江さんと龍門渕さんは?」 一「衣はお昼寝中。透華は多分そろそろ……」 ...タッタッタッダッダッ! バンッ! 透華「お久しぶりですわ!同志須賀!!」 玄「えっ?」 京太郎「お久しぶりです。龍門渕さんも相変わらず、お変わりないそうで」 透華「世間話は結構! 積もる話もあることですし、さあこちらへ!」グイッ 京太郎「うおっ」 一「ちょ、ちょっと透華!」 透華「ハジメ! 後のことはお任せしましたわー! さあさあさあ!!」グイイ 京太郎「うおぉっ」 ホーホホホホッ ウォォォォォ 一「……全く……」 玄「……」 一「ごめんね松実さん。あんなんでも一応ボクらのリーダーなんだ。……もうちょっとシャキっとして欲しいけどさ……」 玄「…………」 玄(い、今あの人……京太郎くんのこと……『同志』って……) 一「……さて、透華から任されたもんだし。とりあえず軽く始めよっか」 純「なぁおいハジメ、いいのか? 須賀の奴あのまんまで」 一「大丈夫でしょ。透華のアレは今に始まったことじゃないし」 一「気の済むまでさせりゃいいでしょ。須賀くんも付き合える仲らしいし」 純「……イマイチオレには理解出来ねェわ……」 一「そんなのボクもだよ。それよりホラ、ジュン君は倉庫整理。行った行った」 純「あいあい。……あーめんどくせェー」 一「トモキーは階段の方お願い。キリいい所で休憩してね」 智紀「了解……」 一「さて、松実さん。松実さんはボクと……」 一「? 松実さん?」 玄「え? ……あ、すいません!聞いてませんでした!」 一「ううん、気にしないで。 松実さんはボクに着いて来てよ。邸内をグルっと案内してあげる」 玄「は、はい……」 玄(………) ――― ―― ― ガチャッ 一「んで、ここがボクら龍門渕麻雀部部員の麻雀部室っ」 玄「ふぉぉ……広いですねぇ……」 一「まぁ、広さくらいしか取り柄が無いんだけどね」テヘヘ 玄「……」 一「………」 一「そんなに気になる? 須賀くんのこと」 玄「うぇっ!? そ、そんなこと……!」 一「わかりやすいなぁ。 案内中もダンマリだったし」 玄「う、うぅ~……」 玄「あの……国広さん。龍門渕……お嬢さん? と京太郎くんはいったいどんな……」 一「あー……、そのー……。……退かないでもらえるといいんだけどさ……」 玄「?」 一「透華……好きなんだよ。 ……その……」 一「……女の子の胸が」 玄「!?」 玄(まさか……本当に同志!? 旅行先で!? こ、こんなことって……!) 玄(す、すばら……っ!)キラキラ 一「特に小さい胸が」 玄「じゃなああああい!!!」バンッ 一「」ビクッ 一「きゅ、急にどうしたのさ松実さん……」 玄「なんで選りに選ってペタンコさんなんですか!! 大っきいおもちの方がいいに決まってるじゃないですかぁ!」 一「……え。まさか松実さんもそっちの人……」 玄「ええ!好きですとも! 私も女の子の胸!大好きですとも!」 玄「でも私が好きなのは大きな胸です! おもちな胸です!ペタンコなんて邪道ですよ邪道!」 一「……」 玄「いいですか!? そもそもおもちというのは―――」 ――― ―― ― ―20分後。 玄「――以上。 全日本おもち同盟代表、松実玄」 玄「っと……いやぁ、すいません。少し熱くなっちゃいましたね……」テヘヘ 一「うん……まぁ、夏だもんね……」 玄「そうですね!夏ですもんね! あはははー!」 一「………」 玄「ハッ!」 玄「そ、それで!龍門渕さんのペタンコ好きと京太郎くんが連れ去られるのとどんな関係があるんですくぁ!」クワッ 一「あ、ああ……そういう話だったね」 一「須賀くんが三週間程前にウチに来たこと、知ってる?」 玄「あ、はい。京太郎くんから聞きました」 一「その時に透華がさ、なんの間違いがあったかしらないけど……須賀くんのことを貧乳好きだと思っちゃったらしくって……」 玄「 」 一「それ以来須賀くんに親近感が湧いちゃったみたいでさ。 一「今じゃ見ての通り、 『同志』 だってさ」 一「まぁ、須賀くん本人は否定してるみたいだけど。……当たり前か」 玄「 」 一「……松実さん? ……え、ちょっと……」 玄「 」 一「き、気を失ってる……」 ―龍門渕邸 透華の部屋 透華「同志っ同志っ。 このペタも素晴らしいと思いませんことっ?」 京太郎「ハハ……い、いいと思いますよ……」 透華「でしょう!この無乳! この板具合!! 最高ですわぁ!!!」 京太郎「……あの……龍門渕さん。前々から言おうと思ってたんですけど……俺、別に貧乳が好きってわけじゃ……」 透華「同志、言わずともわかっていますわ。健全な男子たるもの、女子の胸に興味を持つのは当然のこと」 透華「公言できるようなことでは無いことは百も承知ですわ」 京太郎「いや、だから……」 透華「ですが同志! 今はわたくしとアナタ二人! 何も恥ずることはありません!」 透華「さあ、語り合いましょう! 同志の会ってきたペタンコさん達のことを!! 包み隠さず!!!」 京太郎「…………」 透華「ね?」 京太郎「………」 京太郎「はい……」 透華「よろしい♪」 透華「それと同志! 『龍門渕』だなんて他人行儀に呼ばないでくださいな!」 透華「親愛を込めて、『透華』と呼んでくださいましっ」 京太郎「え、流石にそりゃ無理ですよ」 透華「んなっ!? な、なぜ!?」 京太郎「一つ上の人に対して呼び捨てするだなんて失礼なこと、俺にはできませんよ」 透華「わ、わたくしは許可してるんですのよ!?」 京太郎「すいません……それでも……」 京太郎(『目上の者に尽くせ』……それが『執事道』の心構え) 京太郎(……ハギヨシさんが教えてくれた、な……) 透華「ぐ、ぐぬぬぬぅ……。あ!なら『さん』付けでは!?」 京太郎「さん付けですか? それなら……まぁ」 透華「なら是非! 是非!」 京太郎「はぁ……ゴホンッ」 京太郎「透華さん」 透華「 」 京太郎「……? 透華さん?」 透華「ほぉぉぉ……」キュゥゥン 京太郎「……どうかしました?」 透華「い、いえ別に……。それより、もう一度……」 京太郎「はぁ。 透華さん」 透華「はぅぅぅ……」ホッコリ 京太郎「?」 透華「ま、まあ……改めて私達の熱い友情が確かめられたところで!」 透華「続いてはこの娘!」バンッ 京太郎「ええぇ……まだやるんすか……」 透華「当然! あと100人分はありますわ!」 京太郎「……」 透華「同志! ホラ、見てくださいこのペッタンコ! ペタンコ過ぎてむしろ抉れてますわ!!」 京太郎(うわ、こりゃひでぇ……)ボソッ 透華「な に か ?」 京太郎「あ、いや。素晴らしいペタンコですね」 透華「でしょう!!?」 京太郎「ええ。こんなペタンコさんを見つけられる透華さんは素晴らしい素質がありますよ」 透華「ホーホッホッホ!! そんなわかりきってること、皆まで言うなですわぁ!!」 京太郎「ははは」 京太郎「…………はぁ」 ―10 30 京太郎「あ゛ー……やっと解放された……」 一「ああ、来たきた。遅いよー須賀くん」 京太郎「すいません……透華さん、随分と熱くなってて……」 玄「……ッ」 京太郎「玄さん、お待たせしました。 ……玄さん?」 玄「ぎょ…………ッ」 玄「ぎょうだろうぐんのうらぎりものぉおおおお!!!」 グワシッ 京太郎「うわぁ、なんだなんだ」 玄「おっきいほうが!!おっぎいほうがずきっでいっだじゃないですかぁあああああ!!!」ポカポカポカ 京太郎「……は?」 一「あー……ハハハ……」 玄「うええええええええあああああああん!!!!」ポカポカポカ ガチャッ 純「ふーいっ、あっちぃあっちぃ。流石に一人じゃ辛いぜー……」 智紀「……ただいま」 一「ん、おつかれジュン君。トモキー」 玄「信じてたのにー!! うわぁああああああん!!!」ポカポカポカ 京太郎「何がなんやら……。どうどう……」 玄「ばかぁ! まな板ぁ! 腹筋割れぇ! 高身長の金髪イケメンー!!」ポカポカポカ 京太郎「貶してるのか褒めてるのかわかりませんって」 ギャー ギャー 純「……なんだありゃ」 一「んー……。……夫婦漫才?」 純「夫婦って言うよりは姉弟じゃねェ?」 智紀「……むしろ兄妹」 一・純「「納得」」 ―そんなこんなで 一「それじゃあ、本格的にお掃除にとりかかろうか」 一「須賀くんと松実さん二人にはこれからジュン君とトモキーのお手伝いをしてもらうよ」 玄・京太郎「「はいっ」」 一「須賀くんはジュン君と倉庫整理の続きをお願いね」 純「おうおう、気張って行こうぜ。須賀っ」 京太郎「はいっ。よろしくお願いします、井上さんっ」 一「松実さんはトモキーと一緒に階段のお掃除をお願いー」 智紀「……」コクリ 玄「よ、よろしくお願いしますっ」 京太郎「さて、それじゃやりますか」 純「と、言いたい所だが……ちょい待ち二人共。こっち来な」スッ 純「気合い入れさせてやんよ」ニヤリ 玄・京太郎「「?」」 ―更衣室 玄「ふわぁ……可愛い……」キラキラ 玄「うわぁ……うわぁ……!」フリッ フリッ 玄「ど、どうかな?京太郎くんっ! 変じゃないかなっ?」 京太郎「いいえ。とっても似合ってますよ」 京太郎「メイド服」 玄「ほんと!? わーい!」クルクル 玄「京太郎くんの執事服も似合ってますねぇ!」 京太郎「そうですか? 久々に着たんですけど……」 玄「馬子にも衣装って感じ!」 京太郎「なんだと」 玄「あ、ネクタイ曲がってるよ。 直してあーげるっ」スッ 京太郎「ん、どうも」 玄「…………」スッスッスッ 京太郎「…………」ジー 玄「………」スッスッ 京太郎「………」ジー 玄「……」スッ... 京太郎「……」ジー 玄「……あぅ……」 玄「きょ、京太郎くん……その……あんまり見ないでもらえると……」 玄「……なんか恥ずかしいよ……」 京太郎「? す、すいません」 玄「……うぅ……」ギュッ 京太郎「ぐっ……絞まってます絞まってますって……玄さん……っ」 玄「ああ! ご、ごめん!」 玄「これでよーし!」キュッ 京太郎「どうもありがとうござ……おいコラ。なんで蝶ネクタイにした」 玄「あはははは!! 似合うー!!」 京太郎「……」 ポコンッ 玄「あうっ」 純「おー、似合う似合う」 京太郎「前も着ましたしね。なんだかんだでしっくり来ます」 一「松実さんも似合ってるねー」 玄「ホントですかっ?」 一「うんうん」 一「特に、そのちょっと主張の強い胸の部分とか透華辺りから反感買いそうだねー」 玄「えっ!?」 一「あ、そうだ須賀くん。 コレ、萩原さんからプレゼントだよ」スッ 京太郎「こ、コレは……!! ハギヨシさんが、これを俺に!? いいんですか!?」 一「うんっ。これ読んでしっかり頑張れってさ」 京太郎「ハ……ハギヨシさん……ッ」ギュウッ 玄「……」 モヤッ 玄「……むぅ……」 一「今が11 00だから2時間くらいかな。 キリのいい所で上がってね。昼食を用意しておくよ」 京太郎「わかりました! よっーし、それじゃあちゃっちゃとやっちゃいましょう! 玄さん!」 玄「……」 京太郎「……玄さん?」 玄「……」プイッ 京太郎「……あれ?」 ― ―― ――― ―龍門渕邸 倉庫 京太郎「ぃよっと。 井上さーん! これはどっちですかー!?」 純「あー、確かそれは透華のナイチチブロマイド集だったなァ」 純「んー……じゃ、そこら一体のは全部外出しといてくれ! あとでオークションにでも出すわー!」 京太郎「はーい! わかりましたー!!」グッ ドスンッ 京太郎「ふぅ……」 京太郎「……」 玄『……』プイッ 京太郎「俺……なんかやっちまったかなぁ……」 京太郎「ハァァ……」 純「おーおー、随分暇そうじゃねえかよ須賀ァ」 京太郎「おわっ! すっ、すいません! 今――」 純「冗談だって。ある程度は終わってンだ、休憩しようぜ。ペプシは好きか?」スッ 京太郎「あ、どうも……」 プシュッ 純「……で?」 京太郎「え?」 純「え? じゃねェだろ。相方さんとなんかあったんだろ?」 京太郎「あぁ。……わかりますか、やっぱり」 純「こちとら万年脳内春なじゃじゃ馬お嬢のお守りやってるもんだからなァ。毎日顔色見て生きるのが染み付いちまってよ」 純「ま、その点須賀はアイツよか面倒じゃないからマシだけどな」 京太郎「いいんすかそんなこと言っちゃって……」 純「いいのいいの。そういう所も含めて透華だからな」 京太郎「透華さんのこと……なんでもわかってるって感じですね」 純「オレが透華を? ハハッ。馬鹿言うなよ、あんなじゃじゃ馬さっぱりわかんねえって」 京太郎「はあ」 純「……でもまぁ、ダチのわからねえことがあるってそう悪いことでもねえと思うぜ?」 純「わかった瞬間、その分嬉しくなるんだからよ」 京太郎「……」 京太郎「…………そんなもんすかね……」ボソッ 純「あー……なんか柄でもないこと言っちまったなっ……」タハハ 京太郎「……いや……そんなことないですよ。感動しました」 純「そ、そうか?」 京太郎「すげえカッコ良いですッ。正にアニキって感じでッ。男前ッスよ」 純「よ、止せよ……オレは女だっつーの……」 京太郎「純ニキッ」 純「ばっ!?そ、その呼び方は止めろッ! なんか嫌だッ!!」 ― ―― ――― ―龍門渕邸 西階段 サッサッサッ 玄「…………」 サッサッ 玄「………」 サッ... 玄「……」 玄「はぁぁぁぁぁぁぁ……」ズーン 玄(京太郎くんに嫌なことしちゃった……別に何も悪くないのに……) 玄「はぁぁぁぁぁぁぁ……」 智紀「……大丈夫?」 玄「んぁ……沢村さん……」 智紀「喧嘩?」 玄「いえいえとんでもない!私が一方的に避けちゃっただけで……ははっ」 玄「……はぁ……」 智紀「……」 智紀「黙っていたら何も意味がない。大事なのは、行動に起こすこと」 玄「えっ?」 智紀「……昔、引っ込み思案気味だった私に……透華が言ってくれた」 智紀「何か聞きたいことがあるのか。したいことがあるのか」 智紀「ならば言え、と。……黙っていたら解決しない、と」 玄「……」 智紀「……あなたはどうなの?」 玄(黙っていたら何も意味が無い……大事なのは……行動に起こすこと……) 玄「そう……ですよね……!」 玄「変にモヤモヤするくらいなら、しっかり聞いてサッパリした方がマシですね!」 智紀「……」 玄「ありがとうございます、沢村さん! なんだかスッキリしました!」 智紀「……そう……」 玄「ぃよーっし! 元気湧いてきました!」 玄「沢村さん! バケツの水、交換してきますね!!」 智紀「……」 智紀「……松実さん」 玄「はい?」 智紀「がんばれ」 玄「……」 玄「はい!!」ダッ ジャボジャボ 玄「んよっし。さー掃除掃除っ」グッ ガサッ 玄「ん?」 玄「………………」 玄「……気のせいか……」 玄「なんて言うと思ったか! そこぉッ!!」ガッ 「ひゃあ!!」 玄「フフッ……今朝食べた切り餅のお陰で今の私はちょっとしたおもちにすら敏感になっているのだ……!」グイグイ 「ひゃはあ!ふやあっ!!はなせぇ!!」ジタバタ 玄「おっ……もっ……」 玄「チィ!!!」グイッ! 衣「ふぇっ……」 玄「……えっ」 玄「子供?」 衣「こ、子供じゃない!ころもだ!」ジタバタ 玄「ころ……も?」 玄(ころも……ってまさか天江衣さん!? このちっちゃい子が!?) 玄(名前は聞いたことあったけど……まさかこんな絶壁な子だったなんて……) 玄「もっとボインでバインなダイナマイトさんかとおもってたのに……うぅ……」 衣「? よ、よく分からんがはーなーせー!!」ジタバタ 玄「わ、わあっ」 玄「あれ………」 衣「うーうーうー!!」 玄(でも……よく見たらこの子……) 衣「う?」 玄(……むっちゃ可愛い……!) ナデ... 衣「んっ……」 玄「……」 ナデナデ... 衣「や、やめっ……」 玄「…………」 ナデナデナデナデ! 衣「ひゃぁぁぁ……っ」 玄「……っ!」 ――― ―― ― 京太郎「っし……。これで全部っと」ドスッ 純「おーお疲れさん。ハジメが昼飯作って待ってる。行こうぜ」 京太郎「そっすね」 京太郎「……んっ?」 玄「うおおおおおおお!!! ころもッ!! ころもおおおおッ!!」ダッ 衣「ひゃあああああ!!! くるなぁああああああ!!!」トテトテッ 純・京太郎「「…………」」 \ \ 玄の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた \ \ \ _ヽ __ _ 外界との連絡を断ち切る契約の印だ。 ヽ/, /_ ヽ/、 ヽ_ // / __) l -,|__) 「京太郎くん……、私、どうして…… || | __)_ゝJ_)_ こんなこと……しちゃったのかな?」 \ ||.| ___)_(_)_ \| | ____ノ_(_)_ ) とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち ヾヽニニ/ー-- / 震える彼女の掌を濡らした。 |_|_t_|_♀__| 9 ∂ 「その答えを見つけるのは、あなた自身です。」 6 ∂ (9_∂ 玄は声をあげて泣いた。 純「……冗談は置いといて。なにしてんだアンタ」 玄「いやぁそのぉ……。大事なことは行動に起こすこと、とでも言いますか……」 純「は?」 衣「うー……うぅー……おとろしぃ……」ギュゥゥゥ 京太郎「よーしよしよし、怖かったですねー。もう大丈夫ですよ―」ナデナデ 衣「久しいな、キョータロー! 意気軒高そうで何より!」 京太郎「お久しぶりです。せっかくの再会がこんな形で申し訳ありません」 衣「だ、だいじょーぶ! 衣はおとなだからな! 些細なことに頓着するようなことはない!」ドヤッ 純「へーへー」 京太郎「こちら同じバイト仲間の松実玄さん」 玄「エヘヘエエヘヘヘヘッヘエヘヘエヘッヘエヘヘヘヘ」 衣「ひぃっ」ビクッ 京太郎「やめなさい」ポコンッ 玄「あうっ」 ―13 30 京太郎「あー腹減ったー」 衣「たー!」 玄「あれ……沢村さん、先にいる……」 智紀「……大事なことは……行動に起こすこと……」クゥゥ 純「素直に腹減ったって言えよ」 透華「みなご苦労様。昼食の用意ができてますわよ」 智紀「お疲れ様……」 衣「ハジメー。今日の昼餐はー?」 一「冷やし中華を作ったよ。味が薄くなる前に食べてね」 衣「わー!ハジメのひやしちゅーか! 大好きだっ!」 一「ふふっ。ありがと」 一「しかしまぁ、思ってたより時間がかかったようだね」 京太郎「ああ、それがですね――」 京太郎「――ってことでして」 一「ハハッ! それはいい! 透華と気が合うんじゃないかな?」 透華「な! ハジメ!こんな野蛮で無駄な脂肪ぶら下げた方と一緒にしないでくださる!?」 玄「むっ」 純「何言ってんだよ。ツルペタを見かけたらこれ見よがしに手をワキワキするお前が言えたことか」 透華「そ、それは……。あ、あのような脂肪の何処に価値があるというんですの? だらし無くぶら下げていて、みっともないですわ!」 玄「な、なんですとー! おもちは無駄なんかじゃありません! むしろ宝ですよ宝!! 訂正してください!!」 透華「なにをー!!」グワッ 玄「ですかー!!」グワッ ギャーギャー 智紀「……賑々しい」 京太郎「す、すいません。 今、黙らせますんで……」 一「大丈夫、任せて。透華、はいっ」スッ 透華「なんですのハジメ! 今ちょっと――」 一「冷やし中華だよ、透華」 透華「…………」 シーン.... 玄「えっ」 純「ああ、なるほど」 衣「目には目を。冷やし中華には冷やし透華を、か」 智紀「納得」 京太郎「なんて冷静で的確な判断力なんだっ」 玄「えっ」 透華「では、皆様。 頂きます」スッ 「「まーすっ」」スッ 玄「……」 玄「ま、まーす……」スッ 京太郎「さて。昼飯も終えたことですし、さっさと仕事終わらせちゃいましょうか」 玄「おー!」 ― ―― ――― 衣「キョータロー。なにか手伝うことあるかー?」 京太郎「ん。 それじゃあ窓にスプレーかけていってくれますか?」 衣「任せろー!」グッ 衣「……キョータロー……上の窓……届かなかった……」 京太郎「あ、そっか。 ……んじゃあ」スッ 衣「キョータロー!この窓は終わったぞ! 次の窓だ!」 衣「ん!」ギュッ 京太郎「はい。 よっと」グイッ 衣「はっはっはー! これならどんな高所でも届くぞー!」シュッシュッ 京太郎「たかーいたかーい」 玄「はひっ……はひっ……」 智紀「……」サッサッ 純「……あ゛ー……あっちぃ……」 一「暑いって言うと余計熱くなるよ、ジュン君」 純「んなこと言ったって暑いもんは暑い……」 純「……ていうか、約一名、この炎天下にも関わらず全身黒ずくめの格好してる奴がいるからよぉ……」ジッ 智紀「……?」サッサッ 一「ああ。 まぁ、確かに」 玄「はひぃ……あふいぃ……」 一「……」 一(あっ)ピコーンッ 一「……ねートモキー、流石に脱ぎなよ。暑いでしょー? ジュン君そっち掴んで」グッ 智紀「えっ。……そんな、別に……」 純「うるせえ脱げ。 見てるとこっちまで暑くなる。どうせ厚着してんのは知ってんだよ……!」グイッ 智紀「えっ、やっ……!」 玄「ちょ、ちょっと二人共……そんな無理矢理は……」 一「いいからいいからー。ほーら、ヌギヌギしようねトモキー」グイッ 智紀「やっ……だ、駄目っ……!」 ググググッ.... 純「オラオラオラオラ」グイッ 智紀「や……やぁ……っ!」 グイッ ブルンッ 玄「!!?」 智紀「あ、ああぁ……み、見ないで……////」 純「ちょっと薄着になっただけだろ? 恥ずかしがることねえよっ」 一「うんうん。ボクなんかそれでも薄着とは呼べないと思うし」 純「お前は異常」 智紀「あ……うぅ……」ギュゥ 純「さて、それじゃあ掃除の再開……」 玄「フィイイイバァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 ―別邸 衣の部屋 京太郎「ッ!」ガタッ 衣「? どうしたキョウタロー?」 京太郎「あ……いや。 すいません、なんでもないです」 京太郎(この反応……遂に見つけたのですね……玄さん……ッ)プシュー 衣「おぉスゴイスゴイ! 壁の落書きが瞬く間に颯と落ちるぞー!」キャッキャッ 玄「この世には3種類の人間がいる……」 玄「一つはおもちをお持ちの人、一つはおもちをお持ちでない人」 玄「そしてもう一人は……おもちをお持ちであると自覚してない人……!」 玄「……こんな……こんなサプライズがあっただなんて……」 玄「おもちの神よ……感謝します……ウッ……」 純「……奴さんなに泣いてんだ……」 一「トモキーの胸に感動してるんでしょ。透華だって衣に会った時こんなんだったらしいじゃん」 純「……あぁ……」 一「益々透華に似てるよ。扱いやすくていいね」 純「……つくづく思うが、お前ワルだなぁ」 一「ふふっ。手品好きは悪戯好きが多いんだよ♪ 知らなかった?」 ――― ―― ― ―17 00 大浴場 ガチャッ 玄「ふぉ、ふぉおおおおお……!!」 一「どうだい? 我が龍門渕自慢の大浴場は」 玄「なんて……なんて広い……!! まるで温泉!!!」 玄「こんな所、本当に入っていいんですか!?」 一「大浴場は透華や衣は勿論、来客の方やボクら使用人まで誰でも使っていいんだ」 一「松実さんは今日、(色んな意味で)よく働いてくれたからね。ここはボクらにとってのご褒美みたいなものなんだよ」 玄「うわぁっ、うわぁっ! すごいすごいすごいー!! ウチのより広いよこれー!!」ダッ 一「あっ、ちょっと。危ないって……」 ザプーンッ 玄「ふひょおおおおお!!! おんせんー!!!」ザパザパッ 玄「お風呂の中で泳ぐなんて夢みたーい!! わぁああい!!」ザパザパザパッ 一「………」 玄(むふ……むふふふ……) 玄(温泉規模の大浴場にまさかの『おもち持ち』発見!) 玄(かねてから夢だった『炎の湯煙おもち祭り』がついに……!!) 玄(さぁ……! さぁさぁカマン沢村さん!! 私と共にフィーバータイムへ……!) 一「あ、ちなみに。ジュン君とトモキーは夕食作るために先にあがったよ」 玄「モルスァッ!」ザパーンッ 玄「のぉぉぉぉぉぉぉ……」 ブクブクブク 一「……」 一(この人……ホント面白い……) 玄「ふひぃ……気持よかったぁ……」 一「でしょー」 玄「あ、男湯もあるんですね」 一「そっちはハギヨシさんとか男性の来客の方用。ちょうど今須賀くんが使ってるだろうね」 玄「ふ、ふーん……」 ヌッ 京太郎「あ、玄さん」 衣「善き哉……善き哉……」ホッコホッコ 京太郎「天江さん。牛乳とコーヒー牛乳、どっちがいいです?」 衣「牛乳!」 玄「え゛っ」 玄「ちょ、ちょっと京太郎くん! 今男湯から出て来なかった!?」 京太郎「えっ。 そうですけど……おかしいですか?」 玄「あ、いや……おかしくないか……」 衣「キョータロー。フタ取ってフタ」クイッ 京太郎「あ、はい。このフタ取りづらいですよね」 衣「楊枝でもあればいいんだが……」 玄「……ぃぃぃいいいいイヤイヤイヤイヤ!! おかしいでしょ!!? なんで天江さんと一緒に出てきてるの!!?」 一「?」 衣「?」 京太郎「?」キュポンッ 玄「なんで皆疑問形なのぉおおおおおおおお!!!」 玄「と、年頃の男の子と女の子が一緒にお風呂入るだなんて不健全だよぉ!!」 京太郎「背中流し合うだけですよ?」 衣「キョータローのシャンプー、心地いいんだぞ? 牛乳飲むか?」スッ 玄「知りませんよ!! 要りませんよ可愛いなぁ!!」 一「それじゃあまた明日ねー。おやすみー」 京太郎「はい、おやすみなさい」 透華「同志! 今日は一晩語り明かして……!」 衣「キョータロー。一緒に……」ギュウッ 京太郎「すいません。明日に備えるんで語り明かしも添い寝もできません」 透華「そう……ですの……」 衣「……ぶー……」 玄「……」 ―20 00 来賓室 玄「全くもう……京太郎くんは……もう……!」プンスカ 京太郎「まだ怒ってるんですか?」 玄「怒るよそりゃあ! いくら慣れてるからって、この歳で一緒にお風呂とか……! そ、添い寝とか……」 京太郎「さっきも言いましたけど……俺、天江さんのことは妹とかそういう風にしか見えないんで別に変な間違いはありませんって」 玄「じゃ、じゃあ……透華さんとはお風呂一緒に入れる?」 京太郎「入れませんよ勿論」 玄「井上さん」 京太郎「入れません」 玄「さ、沢村さん」 京太郎「とんでもない」 玄「……国広さん」 京太郎「んー……。ギリギリ無理ですね」 玄「じゃ、じゃあ……私……」 京太郎「ハハッ、ご冗談を」 玄「うぐ……だ、だよねー……」 玄「……あっ!」 玄「じゃ、じゃあハギヨシさんとは!?」 京太郎「ハギヨシさんと? 入れますけど……」 玄「!!?」 玄「やっぱり京太郎くんはハギヨシさんのことが……」ブツブツ 京太郎「……あの……なんか勘違いしてません?」 玄「な、何を?」 京太郎「ハギヨシさんのこと……」 玄「え?」 玄「は、ハギヨシさんは京太郎の一番尊敬する人なんでしょ?」 京太郎「はい」 玄「炊事、洗濯、掃除、その他何から何まで出来てしまう超万能な【メイドさん】だって……」 京太郎「ストップ。そこか」 玄「?」 京太郎「……あの」 京太郎「ハギヨシさんは男性ですよ?」 玄「えっ」 京太郎「俺の理想とする男性像なんです」 玄「 」 玄「本当にすいませんでした……」 京太郎「い、いえいえ。俺の方こそ紛らわしい言い方しちゃって……」 玄「……」 玄(そっかぁ……ハギヨシさんは執事さんだったんだ……通りで……) 玄「あ、そうだ京太郎くん。……お昼前のこと……ごめんね?」 京太郎「? 何のことですか?」 玄「ほら、その……京太郎くんのこと無視しちゃったこと……」 京太郎「あぁ。別に気にしてませんよ」 京太郎(嘘だけど……) 玄「そ、そう?」 玄(気にしてもらえないのはそれはそれでなんかなぁ……) 京太郎(でも気にしてくれてたってことは……心配してくれてたんだな) 玄(……でも心配してないってことはそれだけ私のこと信用してくれてるってことだよね……) 京太郎・玄(*1)ホッ 京太郎「ところで玄さん。掃除中におもち波を感じましたがあれは……」 玄「あっ、そうそう! 見つけたんだよ……この龍門渕に潜むおもちを……!」 京太郎「沢村さんでしょう?」 玄「あれ?知ってたの?」 京太郎「井上さんは薄着だから分かりますし、天江さんと国広さんは見た目からしてですし、透華さんはアレですし」 京太郎「残ってるのは外見だけじゃ判断できない沢村さんだけですからね」 玄「……ふふ、いい推理です……流石ですね……『同志』」 京太郎「ふっ……。沢村さんのおもち力は?」 玄「ざっと見たところ……おもち力70という所かな……」 京太郎「そんなに……!」 玄「明日にでもスカウターを通して正確に調査する方針です。なにか異議は」 京太郎「ありません」 玄「はい。では、以上をもって第……第六回のおもち談義を終了します!」 京太郎「お疲れ様でした。……ちなみに、第五回です」 玄「はぅっ」 ―翌日 11 00 サッサッサッ 京太郎「……こんなもんかな。 あまり掃除する機会のない屋根裏なのに、案外綺麗ですね」 一「そりゃね、出かける前に萩原さんがざっと掃除していったもの」 京太郎「ざっとでこのレベル、ですか……流石はハギヨシさん……」 玄「むっ……」 玄(っと。ハギヨシさんは男の人。 なんでもないなんでもない……) 智紀「ポカリ……」スッ 玄「あ、どうも」 純「あー……あちぃあちぃ。 んぐっんぐっ……」 衣「うぁー……」ダラー 京太郎「あ、天江さん。 上脱げてますよ」クイッ 衣「ぉー……感謝感激……」 玄「はぁ……しっかしまぁ……」 京太郎「こうも暑いと……」 玄・京太郎「「水浴びでもしたくなる」」 玄「おっ」 京太郎「意見が合いましたね」 玄「でも……合ったところでそんなこと……」 一「水浴び! いいね」 玄・京太郎「「えっ」」 智紀「……屋内プール……」 純「あ、そっかぁ。そういやそんなんあったな」 衣「ぷーる! 泳ぎたい!」 玄「……ブルジョワってすごいね……」 京太郎「普通忘れませんよね……屋内プールがあることなんか……」 ―屋内プール 京太郎「水着すら取り揃えている、ホント龍門渕ってすごい」 衣「キョータロー!」トテトテ ギュッ 京太郎「おお、天江さ……うわぁ」 衣「似合うかー?」 京太郎「ええ、まぁ。 容姿相応……ですよ」 京太郎(……スク水て) 純「あー。涼しいー!」 京太郎(おお、競泳水着……らしいなぁ……) 智紀「……恥ずかしい……」 京太郎(沢村さんのパレオ! こりゃ似合う!) 一「なーんでプールのこと忘れてたんだろうねぇ」 京太郎「す、スリングショット!?」 玄「水着着たの今年初めてかも……」 京太郎「あ、玄さん」 玄「きょ、京太郎くん! ど、どう?似合うかな?」 京太郎「ああ、赤ビキニですか。まさにピッタリですね」 玄「ほ……ホント?」 京太郎「ええ。とても似合ってますよ」 玄「……」 玄「ふへへ」 京太郎「俺のほうはどうですか? 所謂普通のショートボクサーですけど」 玄「ふむふむ……。……う゛っ」 ―― ――― ―――― 玄(きょ……京太郎くんの……!) 玄(マッパ!!!)パオーン ―――― ――― ―― 玄「……うぁ……」カァァ 京太郎「……?」 玄「……ッ」 プイッ 京太郎「あ、あれっ?」 透華「ちょ、ちょっとちょっとハジメ!! どうしてわたくしをプールに誘わないんです!!?」 一「ああ、来たんだ透華」 透華「わたくしだけ除け者扱いしないで頂けません!?」 一「いや、そういうつもりじゃなくて」 純「透華、お前泳げねえだろ」 透華「う゛っ……」 透華「う、海は泳ぐだけが楽しみじゃないですわ!!」 純「これプールだから」 透華「ぐぬぅ……」 玄「さーわーむーらーさんっ」ヌッ 智紀「ひっ……な、何……そのメガネ……」 玄「気にせず気にせず。 ……ところでぇ……むふっ……ひ、日焼け止めでも塗りましょうかぁ?」ワキワキワキワキ 智紀「え、遠慮する……。 ……いや……来ないで……!」 キャー 衣「旅?」チャポチャポ 京太郎「はい。玄さんと一緒に全国を回ってるんです」 衣「旅か……。衣も行ってみたい……」 京太郎「疲れますよ? 朝はやくに支度して、長い時間歩いて、長い時間電車に乗って、その間に一日の予定と泊まり先を決定して。てんてこ舞いです」 衣「それでも、キョータローとクロは続けているのだろう? それは何故だ?」 京太郎「んっ……。 ……そりゃまあ、やっぱ楽しいからですかね」 衣「……そっかぁ……楽しいのかぁ……」 衣「なあ……キョータロー……」 京太郎「はい?」 衣「……衣も……キョータローと一緒に……」 京太郎「……」 衣「……」 京太郎「……」 衣「すぅ……」 京太郎「疲れちゃったか。 ……よっと」グイッ 一「あれ? 衣は?」ズイッ 京太郎「うわっ……あ、はい。疲れて眠ってしまったようなので部屋の方に」 一「ん、ありがと」 純「おーい須賀ー! 100mで勝負しようぜー!」 智紀「……ッ……ッ」ブルブル 透華「ですから!!アナタはツルペタというものを最初から否定しているから!!」 玄「それはそちらもそうじゃないですか! 大体ツルペタっていうのは未成熟な証拠でして!!」 透華「なんですってぇ!!? 無駄に垂れ落ちる皮下脂肪の何がいいのやら!!!」 玄「ムキー!」 透華「ウキャー!」 京太郎「……」 京太郎「……ハハッ」 純「おーい!須賀ー!」 京太郎「あ、はーい! ただいまー!!」 ――― ―― ― ―15 00 京太郎「っと、もうこんな時間か。そろそろ御暇します、透華さん」 透華「えっ……ま、まだお昼ですわよ?」 京太郎「次の目的地が大阪なんですよ。そろそろ出ないと今日中にあっちに着きませんので」 透華「そう……ですか……。でしたら……ハジメッ」 一「うんっ。 二人共今日までお疲れ様っ。 はいっ、バイト代だよ」スッ ドスッ 玄・京太郎「「 」」 京太郎「……これ……バイト代ですか? 一桁違くありません?」 玄「何この厚み……私のおサイフより厚い……」 一「? ちゃんと萩原さんから受け取ったものだけど?」 京太郎「は、ハギヨシさん……」 京太郎(今日知った……あの人の唯一の弱点……) 京太郎(万能な執事に見えるハギヨシさんでも……) 京太郎(『金銭感覚が無い』……のか……っ!) 京太郎「くっ……!」ブルブル 透華「ど、どうなされましたの? もしかしてこれでは足りませんか!?」 玄「いやいやいや!! 逆です! 足り過ぎですよ!」 京太郎「……これの1/8で結構です……」スッ 純「あ? こんなんでいいのか? もっと持ってっていいんだぜ?」 智紀「……」コクリ 玄・京太郎(*2) 一「……結局、萩原さんとは会えなかったね」 京太郎「別にいいですよ。この旅が終わったら挨拶に来ますし」 透華「衣は? 起こさなくていいんですの?」 玄「寝てる子を起こすだなんて野暮なことしませんよ。寝る子は育つって言いますし」 純「同い年だけどな。アンタと」 京太郎「……それでは」 玄「皆さん!」 玄・京太郎「「お世話になりました!!」」 智紀「……お、お気をつけて……」 透華「今度こそ語り明かしましょう! 同志ー!!」 純「怪我すんなよー」 一「寒い格好して風邪引かないようにねー」 玄・京太郎「「さよーならー!!」」 ――― ―― ― 京太郎「奈良のお嬢様校、龍門渕……のお宅」 玄「広くて豪華で……色んな意味で圧倒されちゃったね」 京太郎「ホント。何度来ても新鮮でしょうねきっと」 玄「それにしても……今回は色々と勉強になったなぁ」 京太郎「何がですか?」 玄「…………」 玄「……京太郎くん」 玄「ちっちゃい胸も……意外と……悪くないかもね」 京太郎「ほぅ?」 京太郎「玄さん、あれだけツルペタは悪だーって言ってたじゃないですか」 玄「ん……ま、まぁね……」 京太郎(透華さんにあてられたか……) 京太郎「まぁ、視野が広がることはプラスにはなってもマイナスじゃないですからね。いいと思いますよ」 玄「そ、そう? あっ、でも私が本当に好きなのはおもちだよ! それだけは絶対変わらないからね!!」 京太郎「わかってますって。 さぁ、ちょうど電車も来ましたし。 行きましょう、玄さん」 玄「うん!」 衣「zzz……」 京太郎「……」 玄「……」 京太郎「………」 玄「………………」 玄・京太郎「「何故居る!?」」 京太郎「ちょ、玄さん! 指定席会ってますよね!?」 玄「ま、間違いないよ! 私たちの席……この子の真向かい……だよ……」 京太郎「ど、どうして天江さんがここに……。 あ、天江さん! 天江さん!」ユサユサ 衣「んぅ……。 ふぁ……?」 衣「あぁ……キョータロー……クロ……!」 京太郎「あ、天江さん……どうしてここに?」 衣「ん……あ……。 あの……」モジモジ 衣「キョータロー、クロ。これ……ハギヨシから……」スッ 玄「手紙……?」スッ ―松実さん、京太郎君へ 可愛い子には旅をさせよ。 ―ハギヨシ 玄「こ、これだけ!?」 衣「それと……これ……透華から」ズシッ 京太郎「こ……これ……俺達が貰うの拒否したバイト代……」ズシッ 京太郎「つ、つまり……」 玄「まさか……!」 衣「あぅ……その……」モジモジ 衣「こ……衣を旅に同伴させて!!」 衣「……くだ……さい……」モジモジ 京太郎「!!」ガビーン 玄「!!」キラキラ ――― ―― ― ――― 関東最後のバイト先、龍門渕を去ったおもちマイスター玄と弟子の京太郎――― ――― 新たな旅仲間。衣が増え、新鮮な気持ちで関西へ向かう ――― ――― 物語も次で半分に差し掛かろうという所。 この先3人に、一体どんなおもちが待っているのか――― ―― 続く 名前 コメント
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早朝 京太郎「………カピーが居なくなった。なんでだよカピー」 道中 霞「……死にそうな顔をしてるわよ、京君」 京太郎「えっ…霞さんか。そんなに酷い顔をしてますか?」 霞「ええ」 京太郎「カピーが何処かに行ったんです」 霞「カピーってペットの?」 京太郎「はい…」 霞「なら大丈夫よ」 京太郎「えっ?」 霞「あの方が京君を裏切ったりは絶対にしないわ」 京太郎「で、でも…」. 霞「シャキッとしなさい、須賀京太郎!私達と結納する男がそれ位で狼狽えてはダメ」 京太郎「…はい」 ギュ…霞に抱きしめられて 霞「良い子ね……大丈夫、大丈夫だから」 京太郎「すいません…」 霞「いいのよ。夫を支えるのも妻の役目だから」 女子決勝結果 一位 小瀬川白望 二位 エイスリン 三位 獅子原爽 四位 石戸霞 小瀬川白望と須賀京太郎はプロとのエキシビションマッチをします。 相手は小鍛冶健夜と戒能良子です。 女子個人優勝インタビュー アナウンサー「優勝おめでとうございます、小瀬川選手」 白望「ありがとうございます」 アナウンサー「ぶっちぎりの優勝でしたがどうでしたか?」 白望「…一歩間違ったら私が負けてた」 アナウンサー「えっ?」 白望「ぶっちぎりなんかじゃない…今回は運が良かっただけ」 アナウンサー「そうなんですか…辻垣内選手を破ってここまできた獅子原爽さんはどうでしたか?」 白望「強いと思う」 アナウンサー「プロとのエキシビションマッチについての意気込みをお願いします」 白望「私達が勝つ」 アナウンサー「私達?それはまさか…」 白望「そろそろダルいから…それじゃあ」 スタスタ アナウンサー「あっ!こ、小瀬川選手待ってください!」 京太郎「…シロに会いに行きたいが無理そうだな」 トントン… 「はい?」 後ろを向くと池田さんが居た。あれなんでこの人がここにいるんだろ? 「ちょっとだけ手伝って欲しい事があるんだし」 顔を下に向けたまま身体を震わしている…何か大変なコトが起きてるのか? 「俺で良かったら手伝うけど…」 「こっち」 池田さんが俺の手を握って急ぎ足で歩き出した。一体何が起こってるんだ? ーーーーー 「あの、こんな所に来てどうするんですか?」 倉庫室と書かれた部屋の前に池田さんは来ていた。 「中に用があるから」 池田さんはそう言ってドアを開けて電気のついていない部屋に入っていった 「待ってくださいよ」 俺も続いて中にはいる。部屋の中は暗くてなにもみえない。 バタン… 「えっ?」 ドアが閉まる。後ろを振り向くが真っ黒でなにも見えない。 ドン… 「っ…」 頭に強烈な痛みが走る…意識が徐々に薄れていく。 「大丈夫だし…」 池田さんがそう言って後ろから俺を抱きしめてくれたような気がした。 ーーーーーー 「あっ…気持ち良い」 嬌声に近い池田さんの声で目が覚めた…あれ目が見えない。それに足と手が縛られてる。下腹部に違和感がある。一定感覚で何かを打ち付けられている。 「池田さん?」 「な、なんだ…」 上擦った声で答えてくれる。 「一体何をしてるんですか?」 俺がそう言うと下腹部の違和感がキツくなった。キツく?あれてかこれってもしかして… 「華菜ちゃんの華菜ちゃんによる華菜ちゃんのための孕ませセックス」 セックス…まて、待ってくれ可笑しいだろ! 「な、何を…」 「な、何って…危険日ど真ん中の華菜ちゃんの中にもう五発も出してるのにそ…それは酷いにゃ…ほら…またこうやってビクビクしてるし…」 パンパンと音を大きく立てて池田さん…いや、池田がペースをあげている。やめてくれ、やめろよ! 「やめろよ、池田ァ!」 「嫌だし!華菜ちゃんをこんなにした責任を須賀は京太郎はとるべきだ!!それにもう華菜ちゃんは妊娠確定だし…ほら見てよ京太郎…こんなにも溢れてるんだよ?京太郎の精液で」 そう言って池田は腰を降り続ける。やばい、何かが込み上げてきている。 「ほら、またビューって出しなよ…華菜ちゃんのまんこに種付けしたいんだろ?」 「そんな事は…」 「あるよ…だってフェラで二回、淹れて五発も出したのにこんなにカチカチ…もう華菜ちゃんの中はこのチンポの形になっちゃってる」 「ならやめろよ!」 「嫌…言ったでしょ華菜ちゃんは我慢してきたんだ…だから今日は気が済むまで京太郎のチンポで気持ち良くなる」 「赤ん坊ができたらどうするんだ」 俺の言葉に池田さんの動きが止まる 「その時は私が育てる。京太郎にはかけない…そんな事よりも子宮が疼くんだ。もっともっと…ザーメンを寄越せって。三ヶ月だ…三ヶ月も待った。もうね…今の華菜ちゃんには京太郎のチンポさえ何もいらないんだ」 池田が身体を倒して俺の上に持たれかかってくる。 「だからさ京太郎…いや、ご主人…華菜ちゃんを抱いて欲しい…いや、抱いてください」 後日談 タレントA「今日の特集はあの伝説の麻雀選手須賀京太郎の素顔に迫りたいと思います」 タレントB「えっと…これって放送できる内容なのかな?」 タレントA「大丈夫です。飛ぶのはディレクターの首だけですから」 タレントB「は、はぁ…それにしても本人が亡くなって数年でこんな事を放送しなくても…」 タレントA「いや、私の祖母が言ってたんですよ。須賀京太郎に会った事があるけど別に世間で言われてるような人じゃなかったと」 タレントB「そうなんですか…まあ、彼が死んだ時に泣いた人の数からして悪い人では無いと思いますが」 タレントA「お嫁さん合計で30数人…一人は戸籍を絶対にいれないと言っていざ蓋を開けてみたら最初から戸籍を居れてたってツンデレ爺だから仕方ないですよ」 タレントB「ちょ、香ちゃんそれ以上言うと消されちゃうよ!」 タレントA「大丈夫、大丈夫…そうなったら須賀京太郎の孫の二代目すこやん事、須賀健夜プロに養ってもらうから」 タレントB「もう…私は香ちゃんを養える程のお金を稼いで無いよ」 タレントA「またまた…世界ランキング一位にしてグランドマスターの称号を持ってるすこやんがそんなわけないでしょ」 タレントB「私が一位になったのは偶々だよ。それより話がずれちゃってる」 タレントA「そうだった。もうすぐアラサーの須賀プロに話を変えられる所でした」 タレントB「まだ私は25だよ!」 タレントA「はいはい…とりあえず話を進めるとしましょう」 タレントB「流された!?」 タレントA「須賀京太郎の話の逸話は沢山ありますが…今日は唯一須賀の性を名乗る事のなかった池田華菜との話についてやっていきたいと思います」 タレントB「……ノーコメント」 タレントA「えー…って何時もならいう所ですが今日は内容が内容なのでそれは想定済みです。世間一般の認識では須賀京太郎と池田華菜との間に何があったかは発表されていません。ですが我々は一つの真相にたどり着きました」 タレントB「真相?」ゴゴゴゴ タレントA「…今回だけは圧力には屈しないよ、すこやん。須賀京太郎の最初の子供を産んだのは池田華菜です。彼女は17の時に当時は名門として有名だった風越女子を中退し、それからあの衝撃の会見までの十数年間消息をたっていました」 タレントA「その間に彼女はどうしていたかは知りません。ただ彼女の子供である池田京はこう語っています」 「母が犯した罪は父に葛藤と罪悪感しか残さなかった…それでも父は私を確かに愛してくれた」 タレントB「……」 タレントA「池田華菜が犯した罪についてはもう故人の過去を蒸し返すつもりはありません。私たちが今日、明らかにするのは須賀京太郎が池田華菜をどう想っていたかです」 タレントB「どう想ってたの?」 タレントA「結論から言うと彼は池田華菜を愛していました」 タレントB「…」 タレントA「年に一度、須賀京太郎は妻達や子供達に合わずに長野で一人で過ごすのが習慣でした」 タレントB「その時に会ってた?」 タレントA「その通り。これは信頼できる筋からの話だから間違いない」 タレントB「でもそれって池田華菜はずっと長野に居たの?」 タレントA「そうみたいね。須賀京太郎が住んでいた家に細々と暮らしていたらしいわ」 タレントB「…知らなかった」 タレントA「すこやんが知ってたらびっくりだよ。この事は須賀京太郎のお嫁さんと一部の人しか知らなかった事だから」 タレントB「…売女の事なんてどうでもいいよ」 タレントA「それがいけないんだよ、すこやん。須賀家の人間と世間は池田華菜の事を悪としか見ていない。須賀京太郎を強姦し、子供を勝手に生み、妹を見捨て、何も語らずに死んでいった。でもねそれはあくまで他人の視点なんだよすこやん」 タレントB「……」 タレントA「すこやんは何も知らないよね?」 タレントB「わ、私は…」 タレントA「一番苦しんだのはすこやん達じゃないんだよ。本人達が苦しんだ。一年しか会えない事に池田華菜は泣いていた。須賀京太郎は自分達のせいで不幸になった娘に最後まで後悔の念をもっていた。すこやんにその気持ちはわからないよね?」 タレントB「それはあの人が…」 タレントA「だからそれがエゴなんだよ。これがあの須賀京太郎の関わった事じゃなかったらこんな事態にはならなかった。その証拠にすこやん達は真相を聞かされなかった…誰が悪いじゃないんだ。間が悪かっただけだよ」 タレントB「…」 タレントA「紐解いていくよ。今日はその為にきてもらったんだから。すこやん達が知らない人生を」 プツン… 華菜「これなんだし…」 京太郎「俺と華菜の関係を世間にバラした時の反響の結果」 華菜「……………お世話になります」 健夜「うん、これからは華菜ちゃんには色々な事を覚えてもらうからね」ゴゴゴゴ 良子「イエス。京太郎を襲ったんです…覚悟してください。デスッた方がましだと思わせますんで」ゴゴゴゴ 華菜「…華菜ちゃん…死ぬかもしれない」 京太郎「大丈夫ですよ、人は死にませんから」 カン!! 夕方 京太郎「……気がついたら寝てた。何があったんだ?」 会場内 小蒔「京太郎様」 京太郎「あっ、姫様こんにちわ」 小蒔「あ、明後日は頑張ってください」 京太郎「はい…まあ、義姉さん達が相手なんで全力でいきます」ゴゴゴゴ… 小蒔「京太郎様なら大丈夫です」 京太郎「姫様達が応援してくれるなら百人力ですからね」 小蒔「そ、そうです!」 京太郎(姫様と会話してると和む) 小蒔「そ、それに霞ちゃんが言ってましたから」小声 京太郎「何を言ってたんですか?」 小蒔「えっ、あの…迎えにきてくれるって言ってました」 京太郎「あぅ…あの、ひ、姫様はいいんですか?」 小蒔「私は…その構いません。また皆で暮らせたらそれでいいんです」 京太郎「…」 小蒔「時間はやり直せません…関係も元には戻りません」 小蒔「ですが、私達は前に進めますから」 京太郎「…あと少しだけ待っていってください」 小蒔「はい。9年待ちましたから…また迎えにきてください」 京太郎「わかりました。あの場所で待っていてください」 小蒔「あそこですね…」 京太郎「ええ」 小蒔.京太郎「秘密の場所で」 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。知ってるだろ、シロ…須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 白望(これが…足りなかったピース) 就寝前 京太郎「なあ…シロなんで帰らないんだ?」 白望「ダルい…」ベッドでゴロゴロしていて 京太郎「まてまて、あれだぞ北海道の時とは違うんだぞ?」 白望「大丈夫…着替えはあるから」 京太郎「えっ?」 白望「胡桃も買収済み…」 京太郎「…まさか泊まるつもりじゃないよな?」 白望「その通り」 京太郎「………襲うぞ」 白望「できるなら…寧ろ歓迎する」 京太郎「…畜生、シロが肉食系女子だった」 白望「シャワー浴びてくるから…覗いてもいいよ」 京太郎「普通そこは逆だろ!」 白望「真っ赤…京太郎は初心だね」 京太郎「…もう寝るからな」 白望「おやすみ」 京太郎「ああ、おやすみ…全くシロは」ぶつぶつ 早朝 夜 コンコン 京太郎「はい、開いてますよ」 ガチャ… 白望「疲れた…」 京太郎「シロか?なんで部屋の番号が解った?」 白望「これが部屋に届いた…」カードを見せて 京太郎「…なんだそれ?」 白望「招待状」 京太郎「招待状?誰からの」 白望「カピーから」 京太郎「えっ?」 白望「明日の墓参りについていって良いって」 京太郎「……」 白望「…墓参りって何?」 京太郎「はぁ…姿を消してもお節介なんだなカピー。墓参りは墓参りだ。須賀大社には俺の両親の墓があるんだ」 白望「知らなかった…」 京太郎「言ってなかったからな」 白望「そこに行くの?」 京太郎「ああ…ケジメが必要だからな」 白望「怖いの?」 京太郎「…怖い。正直、あそこには行きたくない」 白望「それなら…」 京太郎「ダメだ。前に進むって決めたから」 白望「……」 スタスタ…ギュ… 京太郎「シロ?」 白望「やっと辿り着いた…」 京太郎「なにがだ?」 白望「なんでもない…明日、ついて行くから」 京太郎「それは構わないが…」 白望「ならいい。私は京太郎と居るって決めたから」 京太郎「…そうか」 白望「うん」 京太郎「……起きたくねぇ」 白望「おはよう」 京太郎「ああ、おはよう…えっ、起きてたのか?」 白望「うん…さっき起きた」 京太郎「なら二度寝を…」 白望「ダメだよ。決めたんでしょ」 京太郎「…はい、そうです」 白望「シャワー浴びてくるから…起きとくんだよ」 京太郎「はい」 スタスタ… 京太郎「はぁ…いつからシロとの立場が逆転したんだろ」ノソノソとベッドから出て 京太郎「……よし、準備するか」 10分後 白望「シャワー空いたよ」下着姿 京太郎「し、シロ!その姿はダメだろ!」 白望「…裸の方が良かった?」 京太郎「そういうことじゃなくて…ああもう、シロの馬鹿野郎」 スタスタ 白望「京太郎の前だけだよ」ボソ 白望「お墓参りか…記憶の中に無いって事は何かがあるのかな?」 白望「ダルいけど…少し嬉しいな」 昼1. 須賀大社 「……」 いざ着いてみると怖いよりも懐かしさが込み上げてきた。昔の思い出などほとんど覚えていないのに。 「ここ裏口だよ?」 白のワンピースを着たシロが俺にそう聞いてきた。正面から入らない事に疑問を抱いたのかな。 「ここでいいんだ…」 そう言ってシロの左手を少し強く握りながら目を瞑り鳥居をくぐる。右手にもつ花の重さに逃げ出したくなる。 「……」 ゆっくりと目を開けると目の前には鳥居は無く、後ろに存在していた。 「帰ってきたのか」 口から零れる。一歩踏み出せばもう進むしかない。 「京太郎?」 「ついて来てくれてありがとうな、シロ」 手を引きながら記憶を辿って歩いて行く。一歩踏み込む度に、涙がでるのをぐっと堪えた。 母と手を繋いで歩いた道 父の背中を追い走った道 その道をシロと二人で歩く。 「ここだ」 母屋があったその場所に小さなお墓があった。握る手が強くなる。ああ… 本当に両親は死んでしまっていたのか。 「……ここに母屋があったんだ」 気がついたらそう言っていた。 誰に向けられた言葉なのかは解らない…隣にいる白望に言っているのか自分に言い聞かしているのか…ただ言葉がでていく。 「俺とお母さんとお父さんと三人で暮らしてた…本当に幸せだった」 自分の中で止まっていた時がゆっくりと動き出す。頬を伝う涙が潤滑油になり時計の針は時を刻む。 「此処に来たくなかった。そうしたらいつの日か父さん達が迎えに来てくれる気がしたから。心の何処かで望んでいたんだ…父さん達が生きているって」 「……」 ありえない夢物語を信じていた。義姉さん達がどれだけ言っても俺は此処に来なかった。義姉さん達はトラウマのせいだと思っていたがそんな理由では無い。 事実を認めたく無かっただけ 来たら認めしかない 両親は自分のせいで死んで逝った事実を 「そんな事はありえないのにな。目の前で死んだのにそれを認めなかったんだ…親不孝だろ」 墓の前に歩いて行く。 墓石に刻まれた文字を見る。 俺はやっと帰ってきたようだ。 「ただいま」 その言葉と共に俺は泣き崩れた 「……」 彼が泣いていた。恥も外見も捨て、私が居る事も忘れて泣いていた。 私はこの彼を知らない。 彼がこんな事をしていたなんて知らなかった…いや、解っていたつもりで私は彼の事を何も知らなかった 娘に両親の事を聞かれても彼は笑っていた 娘が事実を知っても彼は笑って娘を許してた 私はそれで彼が納得したんだと思っていた。 だって彼は笑っていたんだから。 なのに目の前の彼は泣いている。 いつもの笑顔じゃなくて いつもの強い姿ではなくて 私の知っていた京太郎はそこには居なかった 目の前に居たのは一人で泣く事もできない本当の彼 「ごめん…」 手を彼に伸ばしても彼はその手をとってくれない。とれるはずもない…彼は泣いているんだから。 「ごめん、京太郎」 彼の姿が歪んで見える。辛かったはずなのに私は私の事だけを考えていた。 「本当にごめんなさい」 鉛みたいな足を動かして彼に近づく。近くに居た筈の彼が何よりも遠い。 「京太郎…!」 彼を背中から抱きしめる。護ってくれていた背中はこんなに小さかった…支える。支えないといけない 「京太郎」 私が京太郎を支るんだ 京太郎「みっともない所を見せたな…ごめん」 白望「いいよ…私もごめんね」 京太郎「なんでシロが謝るんだよ」 白望「白望」 京太郎「えっ?」 白望「シロじゃなくて白望って呼んで」 京太郎「どうしたんだ急に」 白望「…秘密」 京太郎「…白望」 白望「うん…京太郎」 京太郎「…恥ずかしいぞ」 白望「気のせい…それよりはやくお花を供えないと」 京太郎「…そうだな」 スッ… 京太郎「……」手を合わせて 白望「……」手を合わせて 一分後 京太郎「…ふぅ」 白望「……」 京太郎「行こうか」 白望「うん」 ギュ…手を握り 京太郎「なあ白望…」 白望「駄目…皆に言わないといけない」 京太郎「やっぱりそう思うか」 白望「うん」 京太郎「……義姉さんに勝った後だな」 白望「京太郎がそれでいいなら私は何も言わない」 スタスタ…鳥居まで来ていて 京太郎「…」振り返って 白望「…」京太郎を見ている 京太郎「………」何かを呟く スタスタ…鳥居をくぐって ??「強く生きなさい」 京太郎「えっ?」 白望「どうかしたの?」 京太郎「…いや、なんでもない。それより昼ご飯だ」 白望「……そうだね」 京太郎(ありがとう母さん) 夜1. 京太郎「……明日か」 最終決戦 義姉との決戦 京太郎「……よろしくお願いします」 白望「よろしくお願いします」 健夜「こっちこそよろしく」 良子「よろしくです」 健夜「……」京太郎をみていて 京太郎「どうかしたんですか?」 健夜「…なんか一皮剥けたね」 京太郎「なんで今、そんな事を言うんだよ」 健夜「良子ちゃんもそう思わない?」 良子「イエス…少し気に入りませんね」 健夜「そうだね…本気でいこうか」ゴゴゴゴゴ 京太郎「理不尽だな…」ゴゴゴゴゴ 京太郎ロン 良子「私が親ですね…最初から全力でいきますよ」 逢魔が時発動! 京太郎(義姉さん達は本気だ…でも勝つのは俺達だ) 複製者と添い遂げた者発動! 白望「私達に負けはない」 京太郎「そうだな、白望」 良子(能力を見極めさせてもらいます、京太郎!) ソロモンの渇望発動! 良子(ファック…私達が知らない内にどれだけの女と寝たんですか京太郎)ゴゴゴゴゴゴ 京太郎「っ!はやく和了しよう…命が危ない」 最善を引き当てる者発動! 氷神と添い遂げた者発動! 白望(……私をコピーしたのかな?) 健夜(ああ、あれは不味いかも) 京太郎(槍も弓も良子義姉さんか健夜義姉さんの能力で使えない…それでも、俺が勝つ!) 良子「立直」 コトン… 京太郎「ロン!」 良子「えっ?」 京太郎「国士無双、32000だ」 京太郎 57000 白望 25000 健夜 25000 良子 -7000 須賀京太郎が勝ちました。 卒業式 宮守校長「33 須賀京太郎!」 京太郎「はい!」 スタスタ… 宮守校長「卒業証書…」 保護者席 健夜「…京君があんな立派になるなんてね」ボロ泣き 良子「だ、駄目ですよ…ま、まだ、終わってないんですから」ボロ泣き 胡桃「うわぁ…お姉さん達ボロ泣きしてる」 豊音「し、仕方ないよ…私だって嬉しいもん」ボロ泣き 塞「はいはい、迷惑になるからって私達だけ出席したんだから落ち着いて」ハンカチを渡して エイスリン「それにしても京太郎…かっこ良くなったね」 白望「元からかっこいい」 エイスリン「それもそうだね」 トシ「あんた達全員トッププロや大学生なんだから静かになさい」ゴゴゴゴゴゴ 一同「は、はい」 ーーーーーーーーー 麻雀部部室 京太郎「ふぅ…」 コンコン… 京太郎「開いてますよ」 ガチャ… 白望「卒業おめでとう」 京太郎「ありがとう…なんかこの三年間がすごくはやかった」 白望「男子個人三連覇+エキシビションマッチ三連覇したらそうなる」 京太郎「今年のマッチ相手が白望だった時は焦ったがな」 白望「こっちもマホが宮守に行くと思ってなかったから…」 京太郎「そうだな…マホのコピー能力はやばいからな」 白望「うん…数が増え続けてる」 京太郎「マホ自身もプロ並に打てるからな…敵にはしたくないしな」 白望「うん…京太郎、カピーは?」 京太郎「…まだ帰ってきてない。そのうち帰ってくる気がするんだがな」 白望「……」 京太郎「これから大変な事になるからカピーの事で止まってはいられない」 白望「37人との結婚式…」 京太郎「あ、改めて数を言われると罪悪感が湧くな」 白望「ならやめればいい」 京太郎「それは無い」 白望「ヒモになるの?」 京太郎「うっ…ひ、ヒモじゃないぞ家事洗濯をだな」 白望「一部を除いて全員できる」 京太郎「正直に話すと麻雀プロでタイトルとかとりたい…でもな、生まれてくる子供達の事を考えたら俺は家にいるべきなんだと思う」 白望「…」 京太郎「お母さんがたくさん居てお父さんが一人…絶対に問題も起こる。その時に知らないままで子供が背負う事だけは避けたいんだ」 白望「京太郎らしいね」 京太郎「そうか?親として当たり前だろ…たぶん」 白望「…京太郎らしいよ。皆が待ってるからはやく来てね」 京太郎「ああ、すぐ行くよ」 バタン… 京太郎「ふぅ…明日から大変だな」 ??「パカパカ(自分で選んだ道なのだろ」 京太郎「そうだな…再来年には10人のお父さんだからな」 ??「パカパカ(ペースを考えろ。そのペースだと10年経つ頃には100人にはなるぞ」 京太郎「そ、そうだな…」 ??「パカパカ(私はまだ主には必要か?」 京太郎「当たり前だろ、カピー」 カピー「パカパカ(そうか」 京太郎「約束、まだ果たしてないだろ」 カピー「パカパカ(……そうだな」 京太郎「なら側にいてくれ」 カピー「パカパカ(……幸せか京太郎?」 京太郎「幸せだよ、**」 カピー「パカパカ(……その名で呼ぶな馬鹿息子が」 京太郎「……久しぶりにそう言われたな」 カピー「パカパカ(馬鹿は馬鹿だからな」 京太郎「それじゃあ行こうか」 カピー「パカパカ(抱っこしろ、抱っこ」 京太郎「はいはい…」 ギュ… カピー「パカパカ(朱に交われば赤くなるか…義姉達に似てきたな。」 京太郎「義姉さん達がどうしたんだ?」 カピー「パカパカ(なんでもない、はやくいくぞ」 京太郎「ちょっ、カピー!!」 T R U E E N D 後日談 小瀬川白望 高校卒業後、プロ入り。新人王等のタイトルをとる。二つ名は岩手の大魔王 鹿倉胡桃 高校卒業後、プロ入り。当初は期待されていなかったが小瀬川と渡り合う打ち手と判明するや否や世間に注文を浴びる。 辻垣内智葉 高校卒業後、大学に進学。当初はプロ入りが囁かれていたが本人が希望した為に東京大学に入学。インカレでその実力を発揮した。 ハオ慧宇 二年の時に女子個人優勝。三年も確実と言われていたが夢乃マホに敗れる。京太郎が大学進学を希望した事によりプロ入りを取り消し、京太郎と同じ大学に進学する。 獅子原爽 高校卒業後、大学に進学。プロ入りをすると思われていたが子供達の為にも学歴がいると判断して辻垣内と同じく東京大学に進学。インカレでは覇龍の二つ名で呼ばれていた。現在は法律の勉強をしている 松実宥 高校卒業後、松実旅館を継ぐ為に女将修行を始める。大学進学を周りに勧められるが妹の玄の事も考えて上記の事になった。 月に一度岩手に出現しているのを確認されているが真偽は確かめられていない。 小鍛冶健夜 須賀京太郎が高校一年の夏に告白するとそれを糧に世界タイトルを連覇していく。現在の目標は京太郎の赤ちゃんを身ごもり、育休をとること。 戒能良子 義姉の小鍛冶健夜と同じく世界タイトルに挑戦する。日本人の麻雀は狂っていると言われたのはこの義姉妹のせい。 姉帯豊音 高校卒業後、大学に進学。麻雀プロになろうかと考えたが保母さんになる事を決意。大学の勉強をしながらちゃっかり京太郎に家事洗濯を習っていたりする。インカレで暴れている。 エイスリン 高校卒業後、大学に芸術大学に進学。絵の才能とその筆から描かれる絵はダヴィンチの再来と言われた。 臼沢塞 高校卒業後、大学に進学。豊音と同じ教育学部に進学し、小学生の先生を目指している。 佐々野いちご トップアイドルを目指して世界に進出中。須賀京太郎が高校一年の時の冬に家に突撃し、別名血のクリスマスの切っ掛けを作る。 夢乃マホ 長野に帰るも宮守高校に入学する。宮永照、小瀬川白望の再来と言われる程に圧倒的な麻雀でインハイに旋風を起こす。腹黒キャラになりつつある。 末原恭子 高校卒業後、大学に進学。凡人の一手と呼ばれる書籍を発表し、ベストセラーになる。須賀京太郎の事を公私問わずにご主人様と呼ぶ為、後に大スキャンダルになる。 荒川憩 高校卒業後、大学に進学。医学部に進学し、医者の道を目指す。本人は須賀京太郎の計画を知っている為に目指している。後のドクターKは彼女のこと。 松実玄 高校卒業後、大学に進学。 経営学を学び、姉の助けになる為に努力している。インカレの三龍の一角。 瑞原はやり 28で芸能界を引退し、麻雀プロも引退して臨海のコーチになる。その理由は語られていないが裏取り引きがあったと言われている。 竹井久 高校卒業後、大学に進学。高校での功績から特待生で某有名私大に推薦入学。インカレでの打ち方とその容姿から悪女の二つ名が付けられる。 園城寺怜 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎との蟠りを無くし、将来の事を考えた時に自身の能力を活かした仕事をする為に経済学を学んでいる。ネリーとは悪友。 石戸霞 高校卒業後、鹿児島総本山神代の補佐になる。神代小蒔の補佐としてその手腕を活かす。仏の姫と鬼の霞と言われている。 天江衣 高校卒業後、大学に進学。須賀京太郎のアプローチに一番真剣に応えた人物。両親の後を継ぐ為に古典文学の研究者を目指している。 雀明華 高校卒業後、フランスに帰国。フランスのタイトルを全てとり須賀京太郎が20になると同時に日本で挙式をあげる。 江口セーラ 高校卒業後、麻雀プロになる。関西の期待のホープと呼ばれている。 ネリー 高校卒業後、大学に進学。臨海系列の株を買い占め、大学卒業後に理事長に就任。数年後に白糸台を蹴落として関東最強は臨海と呼ばれるまでにする。 東横桃子 高校卒業後、大学に進学。心理学を学び、カウンセラーの道を歩んでいる。 原村和 高校卒業後、大学に進学。父の仕事を継ぐ為に弁護士になる為に法学部に入学する。須賀京太郎が父親と一番揉めたのは和の父親であった。 国広一 高校卒業後、大学に進学。龍門渕透華の付き人をしながら国際学部に入学する。須賀京太郎が龍門渕家に天江衣をくださいと言いに来た時の龍門渕透華の行動にボロ泣きした。 福路美穂子 高校卒業後、大学に進学。岩手の大学に進学し、姉帯豊音と 親友になる。ただし二人揃って電子機器が苦手な為にいつも須賀京太郎に教えてもらっていた。 愛宕洋榎 高校卒業後、大学に進学。母の背中に憧れて居た事もあり高校の教員免許を取る為に勉強する。 愛宕絹恵 高校卒業後、大学に進学。姉の背中を追う事をやめ、自分の道を探し始める。園城寺怜と出逢い、活路を見い出す。 神代小蒔 高校卒業後、鹿児島総本山神代のトップにたつ。色々な人に支えられながら迎えの時を待っている。 狩宿巴 高校卒業後、大学に進学。東京大学に進学し、経済学を学んでいる。大学を卒業したら鹿児島に戻り地域発展に貢献するつもりでいる。 薄墨初美 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。神社の巫女をしながら色々な事を画策している。 滝見春 高校卒業後、神代小蒔の補佐になる。戒能良子からはプロになる事を勧められたがそれよりも地に足のついた生き方を選んだ。 宮永咲 高校卒業後、大学に進学。文学部に進学し、インカレでは長野の魔王と呼ばれている。須賀京太郎の幼馴染にして、須賀京太郎と一番距離があった存在。 妹尾佳織 高校卒業後、大学に進学。センターを剛運で満点をとり、姉帯豊音達がいる大学に進学。将来の夢は保母さん 三尋木咏 須賀京太郎に勝ったら結婚する賭け麻雀をして36連敗中。義姉二人にも同じ数だけ負けている。 清水谷竜華 高校卒業後、大学に進学。親友の園城寺怜の世話をしながら教員免許の勉強をしている。インカレでは巨龍と呼ばれている 後日談 最年少と最年長 マホ「す、凄いですはやりさん!」 はやり「これ位できて当たり前だよ☆」 マホ「マホまだこんなにもお料理できませんから凄いです!」 はやり「もうマホちゃんたら…でもあれだよ、いつかはマホちゃんもお料理できるようにならないとね☆」 マホ「はい!京お兄ちゃんの為に料理を作りたいです!」 はやり「そうだね☆マホちゃんは料理の才能があるから大丈夫だよ☆」 マホ「ほ、本当ですか!」 はやり「本当だよ☆」 マホ「マホ頑張ります!!」 はやり「その調子だよ☆!」 ーーーー 白望「親子みたい…」 京太郎「いいか白望、絶対にそれをはやりさんの前で言うなよ…殺されるぞ」 白望「解ってる」 はやり(後で二人ともお仕置きかな☆?) 後日談 智葉「今日は勝たしてもらうからなシロ」 白望「智葉でもそれは無理…勝って私が今日の晩御飯を決める」 爽「シロ、それはおかしいよ。一応、今からタイトル戦をするんだから」 慧宇「そうです。勝って今日の晩御飯を作ってもらおうなんて図々しいですよ」 白望「ハオは勝ったら抱いてもらうつもりだよね?」 智葉「ほぅ…」 爽「へぇ…」 慧宇「な、何言ってるんですか!そんな事あるわけないでしょ!」 白望「…顔真っ赤だよ」 慧宇「今日こそはその顔を顰めてさしあげます」ピキピキ 爽「私はハオの方が気になる」ゴゴゴゴゴ 智葉「同じく。少し盛った奴にはお灸を据えてやろう」ゴゴゴゴゴ 慧宇「計りましたね、シロ!」 白望「ダルい…今日の晩御飯はおでんがいいな」ボソ… 慧宇「シロー!」 爽「抜け駆けは駄目だと思う」ガシ 智葉「久しぶりに先輩として指導してやらないとな」ガシ 爽、智葉「覚悟してね(しろ)、ハオ」 慧宇「…ぜ、全部倒して私がご主人様とイチャイチャするんだ!」 カン! 後日談 ネリー「久しぶり、京太郎」 京太郎「そうだな。調子はどうなんだ?」 ネリー「少し疲れた。はやりさんが手伝ってくれるから大分とマシになったけど学校の経営って大変なんだよ?」 京太郎「それは仕方ない事だ。俺だって家で子供の世話をしてるけど毎日が嵐みたいだからな」 ネリー「そうだね…でも、可愛いから頑張れる」 京太郎「だな。俺の子供なんだなと思うと幸せだからな…」 ネリー「顔が緩んでる。そうなるのが京太郎のいいところだけど。それよりも今日は久しぶりのデートなんだから期待してる」 京太郎「任せろ。初デートに行ったグルジア料理の店を予約してあるからそこでディナーだな」 ネリー「もう、またあそこにしたの?」 京太郎「当たり前だろ。あそこは俺とネリーの思い出の場所なんだから。記念日のデートはあそこだ」 ネリー「もうすぐお互い30になるのに?」 京太郎「肉体が衰えても記憶は鮮明だからな」 ネリー「……もう、反則だよ京太郎」 京太郎「何がだ?」 ネリー「なんでもない。それよりも早く行こう」 ギュ…手を握り 京太郎「おう」 スタスタ… ネリー「ねぇ、京太郎」 京太郎「なんだ?」 ネリー「私さ…今日が一番危険な日なんだ」 京太郎「…」 ネリー「二人目が欲しいかなって…」 京太郎「……ホテルの予約もしてある」 ネリー「えっ?」 京太郎「帝都ホテルの最上階だ」 ネリー「……考える事は一緒みたいだね」 京太郎「そうみたいだな」 ネリー「愛してるよ、京太郎」 京太郎「俺の方こそ、愛してるぞネリー」 カン! 後日談 カピー「パカパカ(気がついたら大阪だと…」 洋榎「あれは……面白そうやな」 スタスタ…近づいていき カピー「パカパカ(なんだ?」 ガシ… 洋榎「うわ、ふさふさやな…とりあえず恭子にでも見せたろ」 カピー「パカパカ(離せ、小娘何をするつもりだ!」 洋榎「暴れたあかんて、たこ焼き食べさしたるから」 カピー「パカパカ(…本当か?」 洋榎「大人しくなった…あんた言葉が解るんか?」 カピー「パカパカ(当たり前だ」 洋榎「解るみたいやな…可愛いしはやく皆に見せたろ!」 スタスタ… ーーーーーーー 恭子「それでカピバラを拾ってきたんですか?」 洋榎「そうです」正座 恭子「飼い主が探してたらどうするんですか」 洋榎「そ、それは…」 絹恵「うわぁ…めっちゃ可愛い…」 漫「そうやね…甘いもの好きなんかな?」 カピー「パカパカ(菓子をくれるのはいいが私に触るな」ポリポリ 由子「カピバラは雑食なのよー」 恭子「適当な事を言わない!」 洋榎(足が痺れてきた…) 恭子「だいたい主将は」 洋榎(あかん、これ説教パターンや!) 絹恵「それにしても可愛いな」なでなで カピー「パカパカ(当たり前だ!」ポリポリ 漫「ポッキーもあるで」 カピー「パカパカ(痛い、ポッキーで突つくな」 由子「カピーはかわいいよー」 カピー「パカパカ(えっ?なぜお前が私の名前を知っている?」 由子「私は忘れなかっただけよー」 絹恵「何言うてるん?」 由子「秘密や」 漫「ああ、可愛いなホンマに」なでなで カン! 後日談 大沼「ぬるいな」 世界プロA「なにをいってるんだい、Mr大沼」 大沼「ぬるいと言っておるんじゃ…当たり前の麻雀、当たり前の捨て牌…世界とはこれ程つまらないものだったんじゃな」 世界プロB「不謹慎だな。最下位のお前が言っていい言葉じゃない」 世界プロC「そうです、貴方は残り3000しかないじゃないですか」 大沼「…だからぬるいと言ったんじゃよ」ゴッ… ざわ…ざわ… 大沼「わしがこれまでアガらなかったのは布石。最後の最期に和了する為のな」 世界プロA「な、何を言っている」 大沼「チリ一つすら残さない…ツモ」 バタバタ…牌が倒れていく 世界プロB「ありえない!」 大沼「四暗刻単騎、大四喜、字一色…五倍役満は八万オールじゃ」 世界プロC「……」あぜんとしていて 大沼「つまらん…実につまらない」 大沼「須賀…はやくプロにこい」 後日談 「なあ…結局儂だけが生き残った」 住み慣れた部屋で老人は隣に座る少女に尋ねた。 「…100歳まで生きた。寧ろ生きすぎだ」 見た目とは似つかない口調で少女は老人の問いに応える。 「100歳か…随分と長く生きたな」 「…そうだな」 何気ない会話をしながら二人の間にはゆっくりと時間がせまってきていた。 「色々な事があった…子供が産まれて…気がついたら孫が居て…一人、また一人と儂をおいて逝った」 老人は懐かしみながら昔を振り返る。 18歳の時に結婚して 19で子供が産まれて そこから先の人生は幸福だった。 風当たりは確かに強かった。 だが年が過ぎる度に家族が増えた。 いざこざや喧嘩もあった。だが最期には皆が笑っていた。 そして別れの時がやってくる。 「ごめんね、京君」 義姉達は最期まで泣いていた。 「……先に逝って待ってます」 初恋の人はそう言って笑ってくれた。 「…天国があるならまた暮らせますね」 最期までオカルトを信じなかった天使は最期にそう呟いた。 「先に逝く。一番遅れてこい」 最期まで気高い彼女が流した涙を俺は見た。 36人。 愛した家族が天国に旅立っていく。子供達もその後をおっていく。 一人なら辛かった。 一人なら泣いた。 一人なら死んだかもしれない。 でも側には彼女が居た。 「大丈夫…私が居る」 それが彼女の口癖。 誰かが逝く度に手を握り彼女はそう呟いた。 それでも…その彼女が逝く時がくる。 「……また逢おう」 彼女はそう言って永遠の眠りについた。その目が覚める事は無い。 「…逝くのか?」 少女が手を握ってくれる。出会って95年…一番長い付き合いだ。 「ああ…ありがとうな」 名前が出ない。この少女の名前が。 「馬鹿者…また会えるだろう」 手に水滴が落ちてくる。 「そうだな…またな…**」 ゆっくりと瞳を閉じる。静かな闇が訪れる。 そこには最愛の人達が居るのだろうか?居ないのなら…それでもいい。探すだけだけなのだから。 後日談 久「ここが京太郎の新しい家ね」 優希「相変わらずデカイ家だじぇ」 咲「ここが新しい京ちゃんの家」 まこ「のぉ…なんでわしらここにおるんじゃ?」 和「私にもわかりません」 久「さぁ、行くわよ」 ピンポーン… 優希「あの馬鹿犬、絶対驚くじぇ」 咲「…おかしくないよね」服装チェック まこ「茶菓子は…」 和「ここにありますよ、染谷先輩」 ガチャ… 久「遊びにきたわよ、須賀君!」 優希「久しぶりだな京太郎!」 咲「……」緊張し過ぎで固まり まこ「すまんの、京太郎」 和「お久しぶりです、須賀君」 ばーーーーん…扉が開き 白望「…誰?」 清澄一同「えっ、誰?」 カン! 後日談 良子「……塞は意外に腰にエロスを感じますね」 塞「ち、ちょっとやめてください、お義姉さん!」 健夜「待って塞ちゃん。まだ私を倒してないからそれは認められないよ」 塞「えっ、言いって言ったのは健夜お義姉さんですよ!」 健夜「…忘れてた」 胡桃(…もう少し私にもあれば)胸をペタペタと触り エイスリン「……」胡桃の肩を黙っておいて 白望「…だるい」勝ち誇っていて 豊音「みんな一緒で楽しいよー」 カピー「パカパカ(…私は主と入りたかったんだが」 トシ「…諦めな。見張っとかないとどうなるか解らない」 カピー「パカパカ(…それもそうか」 男湯 京太郎「……なんか寂しい」 カン! 後日談 胡桃「そこ野菜も食べる!」 エイスリン「チキングッド!」 塞「…あっ、それは狙ってた椎茸」 豊音「早い者勝ちだよー」 京太郎「はいはい、まだあるからそんな事で争わないでください」 塞「…ぶー」 京太郎「こっちの白菜も美味しいですよ?」 塞「…ならそっちにしとく」 京太郎「はい」 トントン…京太郎の肩が叩かれて 京太郎「…待ってくださいね、シロさん」 白望「……あーーん」 京太郎「解ってますよ、アーン」 パク…もぐもぐ 白望「美味しい…」 京太郎「ならよかったです」 胡桃「…ずるい」 京太郎「えっ?」 エイスリン「ワタシモ!」 豊音「わ、私も…」 塞「…あーん」 京太郎「…はぁ、仕方ないか」 カン!
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209 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 04 49.63 ID UtP8wYyTo [1/15] 【前回までのあらすじ】 清澄高校麻雀部による京太郎への童貞コール それは彼女達なりの愛情の裏返しであったが、恐ろしく鈍感な彼にその愛情は伝わらない 彼は誓った 童貞であることを恥じ、生まれ変わることを 童帝になり、世界を手に入れると 京太郎「我が名は(経験)ゼロ! 非童貞への反逆者である!」 一太「ゼロ!」 嫁田「ゼロ!!」 ハギヨシ「ゼロ! ゼロ!!」 京太郎「俺は手に入れた。この力――好感度を操るギアスを」 これを使い、俺は童貞を捨てる そして可愛い彼女と猿のようにヤりまくってやるんだ! 京太郎「うぉおおおおおおおお!! ヤるぞぉぉお!」 ハギヨシ「須賀君」 京太郎「はい」 ハギヨシ「……頑張りましょう」 京太郎「……はい」 212 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 11 22.23 ID UtP8wYyTo [2/15] 【エロの騎士団 本部】 京太郎「ようこそ、天江衣さん」 衣「……なんだここは?」キョロキョロ 京太郎「ここは我々のアジトですよ」 衣「アジト? そのアジトでなぜハギヨシが横たわっている?」 ハギヨシ「」ビクンビクン 京太郎「……そんなことより、私とお話でもしませんか?」 衣「断る。奇妙奇天烈な仮面を被った男め」じりっ 京太郎「これは失礼。しかし、正体を知られるわけにはいかないのでね」 衣「仮面の男、貴様は一体何者だ?」 京太郎「我が名はゼロ。童貞への反逆者である」 衣「どーてい?」 やはり童貞を知らないか 純粋無垢な少女を汚すのは気が引けるが…… 京太郎「天江衣さん、私はアナタを頂戴する 衣「は?」 京太郎「須賀京太郎が命じる……」 衣「お前きょうたろーか。清澄の」 京太郎「あ、やべ」 衣「どういうつもりだ? なぜハギヨシを!」 京太郎「ええい! とにかくこれでもくらえ!」キィィィン 衣「!!」 京太郎「俺とエッチしてください!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 ありったけのーゆーめをーかきあーつめー 224 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 18 38.73 ID UtP8wYyTo [3/15] 81 初恋の人 ぼふんっ 京太郎「……」 衣「えっち?」 京太郎「ダメだ、やれない」がくっ 衣「!」 京太郎「すみませんでした天江さん。俺はわけあって貴方を誘拐しました」 衣「わけ? 何があったのだ清澄の雑用よ」 京太郎「それは……」 言えない 貴方が、俺の初恋の人だなんて 俺に、童貞の俺にそんな資格は無いんだ 京太郎「嫁田!」 ざっ 嫁田「どうしたんだゼロ!!」 京太郎「天江さんを家までお送りしろ」 嫁田「え? いいのかよ?」 京太郎「やはりこんなことは間違っている。彼女では脱童貞は無理だ」 嫁田「俺はいいけど、副会長がなんて言うか」 京太郎「いいんだ。全て、もう」 衣「???」 京太郎「すみません天江さん」 衣「目を見れば分かる。お前は悪い奴じゃない」 京太郎「天江さん!」 衣「いつでも呼べば話してやろう。こんなかたちでなくても」 京太郎「……はい」 そうだ 童貞だって、こんな風に一歩ずつ進んでいけば きっといつか―― 嫁田「副会長のロリコンがうるさいぜ?」 京太郎「いいんだよ。ロリコンなんて、みんな死ねばいい」 衣「ロリコン?」 京太郎「ロリコンは敵なんですよ。特に天江さんは、ロリコンを皆殺しにすべきですね」キィィィィィン シパァァァァン 衣「……ロリコン、皆殺し」ブツブツブツブツ 231 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 22 46.84 ID UtP8wYyTo [4/15] 京太郎「じゃあ俺は次のターゲットを選ぶか」 嫁田「俺は送ってくるぜー」 衣「……ロリコン」 ダダダッ 一太「ひゃっほぉぉぉ! ころたんだぁぁぁ!!」 ハギヨシ「待ちなさい! 衣様に手出しはさせません!」 一太「うるせぇ! ロリコンを舐めるなイケメン!!」 衣「! ロリコン!!」ジャキンッ 一太「ころたーん!」 衣「死ね! 灰燼と化し輪廻の果てでも滅ぶがいい!!」グサッ 一太「おぐぇっ!?」ブシャァァァ 衣「あああああああ!」グサグサグサグサグサグサ 一太「」 ハギヨシ「ふぅ、これで解決ですね」 京太郎「遊んでないで次行きますよー」 さて、今度は誰にお願いしようかな ↓2 ちーさなーころにはー たーからのちずーがー 237 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 29 29.30 ID UtP8wYyTo [5/15] 数日後 【エロの騎士団 本部】 お菓子の山「」ごっちゃあああああ 京太郎「……なんだこれは?」 嫁田「ゼロ! 実は例のターゲットを連れてきたんだが……」 京太郎「なるほど。そういうことか」 ___ / . . . . . . . . . . .\ / . . . / . . . . . . . . . . .∧. / . l . /| | . .| . . . l . .l . . . | / .| .|/ 从Ν\l| .リ . . . | └┤| ┃ ┃l/ ) . . .| |人 -( ..ィ´ . . .八 |八{≧=┐{\|/l/ /{\「/∠ ∧ 〈_「ヽ襾/} }-┤ ├}.. }=/ { i┬| |/................`|| 照「むぐむぐ」 京太郎「(久しぶりに会ったけど、変わらないな)」 照「むぐ?」 京太郎「お会いできて光栄ですよ、宮永照さん」 照「京ちゃん?」 京太郎「ほわぁっ!?」 照「声で分かる」 京太郎「ぐっ……違う。我が名はゼロ!」 照「童貞なの?」 京太郎「ほわぁぁっ!?」 照「別に気にしないよ。むしろ好感」もぐもぐ なんだ、何を言っている!? この人は一体何が目的なんだ!? 照「お菓子食べる?」 京太郎「照さん、俺はもう子供じゃない。皮だって向けてる、ズルズルなんだ」 照「像さん?」 京太郎「毛だってボーボーで、アナタとお風呂に入っていた頃の俺じゃない」 照「京ちゃんの像さん可愛かったのに」 京太郎「今では立派なマンモスですよ」 239 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 37 00.87 ID UtP8wYyTo [6/15] 照「京ちゃんは何がしたいの?」 京太郎「俺はただ変わりたいだけですよ。以前までの惨めな俺から」 照「違う。京ちゃんは惨めなんかじゃない」 京太郎「!」 照「麻雀だって弱い。運動神経と顔くらいしか取り柄は無いけど」 京太郎「」 照「私は好きだよ」 京太郎「……黙れ」 照「咲も私も、京ちゃんのことを大切に……」 京太郎「黙れ! このお菓子ジャンキーが!!」 照「!」 京太郎「綺麗事で童貞が捨てられるのか!? 俺はハメハメ出来るのか!?」 照「それは……」 京太郎「例え貴方が認めても、世界は変わらない! 俺が童貞である限り!!」 照「……」 京太郎「俺は童貞を捨てる! どんなことをしても!!」スッ 照「……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「須賀京太郎が命じる」 照「私達がもっと」 京太郎「俺を脱童貞させろ!! 全力で!!」キィィィィン 照「京ちゃんに目を向けていれば――」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 みらいだけしんじてるー だれかがわらってもかまわない 250 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 42 43.30 ID UtP8wYyTo [7/15] 01 他人 ぼふんっ 照「……は?」 京太郎「え?」 照「アナタ誰?」 京太郎「あ、えっと」 照「初対面の人にそういうことを言うなんて」 京太郎「それは、えっと」 照「警察呼ぶよ?」 京太郎「すみませんでした! それだけは勘弁してください!」土下座 照「……気持ち悪い」 京太郎「っ!」 照「これだから童貞は……」ブツブツ プルルル 照「はいもしもし?」 菫『照か? ずっと探してるんだぞ?』 照「あ、ごめん。なんかキモイ童貞に捕まっちゃって」 菫『なんだと!? 早くそこから逃げろ! 童貞は見境が無いんだ!』 照「私もそう思う。じゃあ、また後でね」 ブツッ 京太郎「……」 照「……」 ,. .  ̄ ̄ ̄ . . .、 ,. ´ ` . 、 / \ .' \ \ \ / , , \ \ \ \ . .' / / ヽ ヽ ヽ ∨ ∧ / 〃 | | |、 |、_ | | . , ' | | { | \イ l´\ | , | . / | | | _,∧ | { \},.ィtr‐、 /}/ | ′ | { { ´「´ | 从 {\ \ ィ雹(_心 イ /⌒Y | | ' 从 ∧ { 从{ \` ー` 乂こソ | / ) } | / . イ \ { ,イ¨雹芯 /' ,..-_ノ | | ,' / | 从\ . 乂zリ / | | | | ー ´ | ∧ ' ム | | | | , | { ∧ _ , イ | | | |l | Ⅵ | | 个 .. < | | | 从 ! ∨ ∨ | { ≧=-r ´ /⌒| / / Ⅵ \ \} \ ヽ / ∧ _,/ /'/ ,.く \ } \> ,.イ /⌒\/ ,.- / /、 \ \ // ,' / / /イ- 、 \ ∧ /,イ / / //´ \ \∧ 照「童貞って可哀想だね」ぼそっ 京太郎「……」 257 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 48 25.35 ID UtP8wYyTo [8/15] 数日後 【清澄高校】 京太郎「……」 咲「あ、京ちゃん!」 京太郎「……」フラフラ 和「須賀君!」 京太郎「俺は、俺は……」 まこ「京太郎!」 京太郎「……童貞」 久「須賀君! いいロッカーが入ったんだけど!」 京太郎「俺は戦う」 優希「京太郎! ほれ! ぱんちら!」ぺろっ 京太郎「童貞を捨てるんだ……何をしても」ぶつぶつ 咲「京ちゃん……」 久「一体何があったのかしら?」 優希「分からないじぇ」 まこ「お前らのせいじゃろ」 和「全くです!! 須賀君に謝ってください!!」 京太郎「ふははははははははっ!! 俺は童貞だ!! 経験ゼロだ!!!」げらげらげら ↓2 きーみっのてっでー きーりさいってー! 262 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 22 57 08.33 ID UtP8wYyTo [9/15] 【公園のベンチ 雨】 ザァァァァ 京太郎「……」 バシャッ バシャバシャバシャ ?「……風邪を引きますよ」 京太郎「……?」 和「……ここにいたんですね」 京太郎「和か」 和「捜しましたよ」 京太郎「ハッ、こんな童貞をか?」 和「違います」 京太郎「?」 和「……童貞ではなく友達を、仲間を捜しに来たんです」 京太郎「……何の為に?」 和「それは、元気づけようと」 京太郎「元気づける? 俺をか?」 和「はい、そうです」 京太郎「……」 和「お願いです須賀君。元気を出してください、そして部活に」 京太郎「……」 和「須賀君?」 京太郎「俺は童貞だ。その事実は変わらない、俺が、童貞である限り……俺は童貞だ」 和「どうしてですか!? アナタは須賀京太郎! 私達の仲間じゃないですか!!」 京太郎「違う!! 俺は童貞だ! 練習もまともにさせてもらえない! ただの! 童貞だ!!」 和「っ!」 京太郎「俺を慰めると言ったな?」 和「は、はい」 京太郎「女なら出来ることがあるだろ?」ぐいっ 和「いやっ!!」パシッ 京太郎「っ」ジンジン 和「あっ……」 京太郎「くっ、クク……そうだよ。それでいい、和」 優しさなんか見せるな 優しさで童貞は捨てられない 同情で女は抱かれたりはしないのだから 267 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 23 03 31.47 ID UtP8wYyTo [10/15] 和「須賀君、これは!」 京太郎「もういい。俺はもう限界なんだ」ビンビンッ 和「ひっ!?」 雨に濡れて透けて制服 和の透けパイを間近で見せつけられて、我慢できる童貞がいるものか 京太郎「これで俺も悪魔になれる」 お前に使わせてもらう 悪の力を 俺を孤独にする王の力を 京太郎「須賀京太郎が命じる……」 好きだったよ和 お前のこと 和「待ってください須賀君! 他にきっと方法が!」 京太郎「俺と汗だくセックスをしろ! 激しく!」キィィィン 和「!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 むーちゅうでー はーやくー かーけーぬけてきーたー 283 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 23 13 52.90 ID UtP8wYyTo [11/15] 99 牝奴隷 ぼふんっ 京太郎「……」 和「あぅっ」どくんっ 京太郎「どうした和? 聞こえなかったのか?」 和「あぁ、はぁんぅっ」もじもじ 京太郎「俺とヤれ。お前の身体を俺が使ってやる」 和「は、はぃ」フラフラ ぎゅっ 和「須賀君……ハァッハァ」ギュゥゥ 京太郎「顔を向けろ」 和「はい……んむぐっ」 京太郎「んっ……」 和「んぁっんぐぅ、んんちゅ……ちゅっれろぉ」 京太郎「お前は俺のモノだ」 和「はぅっ」ドクン 京太郎「俺の下僕、俺の奴隷、俺の女だ」 和「はいっ。ゼロぉ……和はアナタのものです……」トロォーン 京太郎「和、ごめんな」ぎゅっ 和「須賀くぅん……京太郎さまぁ……ぜろぉ……」スリスリ 俺は手に入れた 恐らく、俺が望む中で最も欲したものを 悪魔の力を用いて 全てを 手に入れたんだ 京太郎「俺の部屋に行くぞ。そこで一日中……お前を抱く」グニュッ 和「んひぃっ」ゾクゾク 京太郎「意識を失っても、体が動かなくなっても、魂でお前を貪る」 和「あ、あぁ……あ、あっ」 京太郎「愛してるよ、和」 和「私も、ゼロ……」 ――お前の体を 289 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 23 24 06.23 ID UtP8wYyTo [12/15] 【五年後 世界大会 会場】 ガヤガヤガヤ 京太郎「……」 健夜「はぁ、はぁっ……これで」タンッ 京太郎「チェックメイト」バラッ 白白白白 発発発発 中中中中 東東東東 南 京太郎「大三元四槓子字一色四暗刻単騎待ち」 健夜「う、そ……」ガクッ 京太郎「……では点棒を」 健夜「無いよ。もう残ってない」 京太郎「ああ、そうでしたね。すみません」 健夜「あはは、初めて……負けちゃった」 恒子「し、試合しゅーりょー!! 勝利したのは無名の新人! 須賀京太郎だぁぁぁ!!」 京太郎「……」 恒子「では勝利者インタビューを! 日本人初の世界チャンピオンの須賀選手!」 京太郎「はい」 恒子「ズバリ! 勝利の秘訣は!?」 京太郎「さぁ、あえて言うなら――」 タタタッ マホ「京太郎さーん!」 京太郎「可愛い妻、ですかね」 マホ「優勝おめでとう!」だきっ 京太郎「ありがとうマホ。お前の為に頑張ったんだ」 マホ「えへへ」 恒子「おぉー! 見せつけてくれますねー! これ全国中継ですよ!」 京太郎「あはは、すみません」 健夜「ぐぎぎぎぎぎ」 292 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 23 29 41.64 ID UtP8wYyTo [13/15] 京太郎「じゃあ帰ろうかマホ」 マホ「はい!」 京太郎「結婚してもう一年か」 マホ「ふふ、色んなことがありましたね」 京太郎「ああ。色んなことが、な」 童貞だった俺は、童貞を捨て、女を得て、変わった 今まので弱さが嘘のように消え去り 俺はプロになり 初めての大会で優勝し、世界大会に出場出来るレベルになった 可愛い妻も出来た 全てが順調 なにもかもが トテトテトテ ドッ 京太郎「おっと、大丈夫かい?」 和「あ、すみません須賀君」 京太郎「和じゃないか。子供を抱えて走ったら危ないぞ」 和「すみません。急いでいて……」 和太郎「あぶあぶぅー」きゃっきゃ マホ「わぁ、大きくなったね」よしよし 京太郎「無事に育ってるな」 和「ええ。最近は夜泣きも収まって」 京太郎「そうか……じゃあ近いうちに遊びに行こうかな」 和「はい。是非来てください、この子も……喜びますから」 マホ「もう、私のことも忘れないでくださいー」ぎゅっ 京太郎「悪い、悪い」 和「ふふっ」 297 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/04(日) 23 44 23.31 ID UtP8wYyTo [14/15] 【数日後 長野のホテル】 和「……んぅっ、はぁんっ」 京太郎「全く、月に一度だけって約束しただろう」 和「ごめんなさい……でも、欲しくてぇ」ちゅっ 京太郎「欲しがりな豚だ。ん? ここをどうして欲しい?」グリッ 和「ふぁっ……もっとぉ くださいぃ」 京太郎「おねだりなんて百年早いよ和。お前はただの道具なんだからな」 パシィン 和「んぎぃぃぃっ」ガクガクガク 京太郎「……」 俺と和は不倫している というよりは、俺が和を使って性処理をしていると言った方が正しいが 京太郎「二人目が欲しいと言ったな? あ?」 和「はぁ、はぁっ」 京太郎「俺言ったよな? 一人目も嫌だって」 和「でもぉ、須賀君の子供欲しいんですぅ」 京太郎「全く、とんだ女だよお前は」 マホは何も知らない 俺に抱かれている時も、愛を囁かれている時も 俺はマホのことを想ってなどいないことを 和「ふふっ、あの子にこんなことが出来ますか?」グポォォオ 京太郎「ぐっ……」 和「んぶぅうっ……んぅずぅるるるるる」 俺にとって可愛い妻も 雀士としての名声も、偽りの幸せでしかない 俺はこの道具―― 道具にしてしまった女だけを愛している 例えそれが間違った方法で得た結果だとしても 京太郎「和……愛してる」 和「須賀くん……私も」 世界を 自分さえも変えてしまえそうな瞬間はいつもすぐそこにある 隠せない苛立ちと、立ち尽くす自分を見つめて 迷いながら 悩みながら 悔みながら 決めればいい 君がくれた言葉ひとつで 戸惑いは消え去り 空っぽだった 俺の心に光が差した 京太郎「(ありがとな咲、部長、優希。お前達のおかげで俺は真実に気づけた」 童貞であることは罪 俺は童貞を捨てて変わった 俺は――俺の名は 京太郎「我が名は(経験)サウザウンド!! 童帝だ!」 五週目 童貞のキョウタロー しゅーりょー 348 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 27 22.23 ID GocQnh7fo [4/20] 彼は清澄高校の麻雀部の雑用を任されていた その為、控え室に篭らずに会場中を駆け回ることが多い 当然、他の選手とすれ違うことも多く この大会において、彼の姿を目撃しなかった参加選手は一人とていない そう、それが一つ目の奇跡 そして二つ目の奇跡 それは―― 京太郎「部長も人使い荒いよなー」テクテク 穏乃「み、見て! 凄いかっこいい人いるよ!」 憧「え? どこど……かっこいい!!」 玄「すっごくタイプなのです!」 灼「は、ハルちゃんの次くらいにはいいかな」もじもじ 宥「あったかああああああああああああああああい!!」 洋榎「イケメンや!! イケメンがおるで!!」 豊音「ちょータイプだよー!」 菫「し、信じられん!」 淡「めっちゃイケてんじゃん!!」 怜「どくんや竜華! うちが声かける!!!」 竜華「うちや!! うちがあの人を誘ったる!!!」 姫子「こげなタイプな男、初めてみるばい!!」 哩「連れて帰りたかー」 煌「すばら!!」 由暉子「なんて神々しい方なのでしょうか」 爽「いいねーあの子。アイドルにしたいねー」 智葉「……」ぽっ ハオ「サトハ。どうにかアレを手に入れたい」 明華「心を鷲掴みされたようです」ぽわー 二つ目の奇跡 それは、全国大会に出場した全雀士の好みの男性のタイプがたまたま 京太郎「なんか視線感じるなぁ」 この須賀京太郎とピッタリ一致したのである 352 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 33 15.78 ID GocQnh7fo [5/20] 誰もが彼の正体を知りたがった 須賀京太郎、彼を手に入れたいと願った だが、現実は非情である 久「遅い!! 何してるの須賀君!!」 京太郎「す、すみません!!」 優希「この駄犬!!」 まこ「はようせんか」 和「急いでください」 咲「早く私をトイレに連れてってよ!!!!」 京太郎「あ、ああ」 彼は清澄高校のお手つき 誰もが諦めた 小蒔「あぁ、こんなにもお慕いしてるのに」 霞「口惜しいわ」ぎりっ 彼を手に入れたい 全国大会出場の女性雀士達が一斉にそう願った時 三つ目の奇跡が起きた 京太郎「ふー」 スタッフ「あ、あぶなーい!!」 京太郎「え?」 ドグシャッ 京太郎「」 久「え? 須賀君?」 まこ「なってこった!!」 優希「京太郎が殺されちゃった!」 咲「この人でなし!!!」 和「やってる場合ですか!!」 スタッフ「すみませんねー事故です」 須賀京太郎は嫉妬したスタッフが起こした事故によって昏睡状態 病院に運ばれた そして 京太郎「……ここはどこ? 俺は誰?」 彼は記憶を失ったのだ 356 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 41 12.46 ID GocQnh7fo [6/20] 【須賀クリニック 診察室】 京太郎「……須賀京太郎? それが俺の名前ですか?」 医者「はい、そうですよ」 京太郎「そう、ですか」 医者「何も思い出せないんですね?」 京太郎「はい。何一つ。だから早く家に帰って家族に会いたいんです」 医者「それは困りました。このままではアナタは孤独だ」 京太郎「え?」 医者「親御さんは今、カナダに旅行中なんですよ」 京太郎「え? そんな! じゃあ俺は!」 医者「そして不幸にも、アナタには友達が一人もいませんでした」 京太郎「」 医者「困りましたね。頼る人が一人もいません。しばらくここで入院してもらいましょう」 京太郎「……」 医者「でも大丈夫です。あなたにこれを差し上げますから」 京太郎「これは? なんですかこの機械?」 医者「これはアナタの記憶を呼び起こす道具ですよ」 京太郎「記憶を?」 医者「ええ、これを使えばアナタは記憶を取り戻せます」 京太郎「ありがとうございます」 医者「これを病室に置いておきますから、女性が訪ねてきたら押してください」 京太郎「女性? 男じゃダメなんですか?」 医者「別に構いませんけど、オススメしません」 京太郎「?」 医者「いえ、では……私は次の診察があるので」 ナース「尭太郎せんせー! 急患です!」 医者「分かりました。では須賀さん、お大事に」 京太郎「は、はい」 359 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 46 39.02 ID GocQnh7fo [7/20] 【京太郎の病室】 京太郎「……一人部屋か。寂しいな」 俺はどうすればいいんだろう このまま家族にも会えず、入院してるしかないなんて 京太郎「……」ぎゅっ 頼れるのはこの機械だけど 一体これをどう使えばいいんだろうか 京太郎「……」 【廊下】 医者2「俺は反対です。こんなことしてなんになるんですか?」 医者「お前には分からないさ。でもこれであの人の全てが明かされるんだ」 医者2「……」 医者「怒らないでください和太郎先生。さぁ、後は経過をみましょう」 須賀京太郎 彼は知らない 自分が持つスイッチの意味を そして、これから彼が記憶を失ったことを吉とし 我が物にしようとする者が現れることを 361 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 54 33.80 ID GocQnh7fo [8/20] 京太郎「……」 コンコン 京太郎「はい?」 久「失礼するわ」 京太郎「あ、えっと」 久「何も覚えていないんですってね」 京太郎「すみません。アナタみたいな美人を」 久「ふふ、嬉しいことを言ってくれるわ」 京太郎「……?」 久「なんでもないわ。ここ、座るわよ」ギシッ 京太郎「あの、アナタは一体俺のなんなんですか?」 久「私は……」 ピコーンピコーン 京太郎「!」 久「あら? その機械は……」 京太郎「これが何か知ってるんですか?」 久「さぁ? でも、押せと言わんばかりね」 京太郎「これが記憶を取り戻す鍵になるらしいです」 久「なら押すべきよ」 京太郎「……」 いいのか? この機械を押してしまって 久「……」 京太郎「では、押します」 これが俺の記憶を取り戻す鍵になるなら 俺は…… 京太郎「いきます!! ポチッとなぁぁ!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 けしてぇぇぇぇぇ! リライトしてぇぇぇぇぇ!!! 367 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 00 59 58.43 ID GocQnh7fo [9/20] 43 追跡者 ぼふんっ 京太郎「お、思い出した……アナタは!!」ガタッ 久「ええ、そうよ。私はアナタを追ってここまで来た」ジャキッ 京太郎「俺を、殺すつもりですか?」 久「いいえ。顔を見に来ただけよ。今のアナタには追いかける価値が無いもの」 京太郎「……」 久「逃げられるようになったらまた追ってあげるわ」 京太郎「どうして、どうして俺を見逃すんだ!!?」 久「……それは私がアナタを」 京太郎「え?」 久「……また会いましょう須賀君。貴方が全てを取り戻した時、私は再び貴方の前に」 ガラガラバタン 京太郎「……竹井久、一体何者なんだ?」 俺のなくした記憶と何か関係が? いや、それとも―― コンコン ガラガラ まこ「なんじゃ部長の奴、妙に悪い顔で帰りおって」 京太郎「!」 まこ「おう京太郎。元気そうじゃな」 京太郎「アナタは?」 まこ「わしか? わしは染谷まこじゃ」 京太郎「染谷まこ……うっ」ずきん ぴこーんぴこーん まこ「なんじゃその機械は?」 京太郎「そうだ。押さなきゃ。スイッチを」ふらふら 369 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 01 51.44 ID GocQnh7fo [10/20] まこ「大丈夫か? 今医者を呼ぶけぇ」 京太郎「貴方が何者なのか、この機械で確かめる」 それで記憶が戻るんだ 全てが、元に!! まこ「やめんか! 何を!!」 京太郎「うあああああああああ!! ポチッとなぁぁぁ!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 くたばってばっかいんなー ふんばってこーじゃなーい 374 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 06 57.28 ID GocQnh7fo [11/20] 21 姉 ぼふんっ まこ「わしはお前の姉じゃ!」 京太郎「あ、そうだ。まこ姉さん!」 まこ「やっと思い出しおったか」 京太郎「ごめん。気が動転していて」 まこ「いいんじゃ。それよりも、記憶喪失だなんて」 京太郎「でも具合はいいんだ。記憶だって、すぐにもどるよ」 まこ「そうか。ならええんじゃが」 京太郎「……」ズキズキ まこ「何か飲み物でも買ってくるけぇ。おとなしくしとるんじゃぞ」 京太郎「わかったよ姉さん」 まこ「じゃあな」 ガラガラバタン 京太郎「……姉さん? 俺に姉がいた? 本当に?」 何か嫌な予感がする 何か……大きな陰謀が渦巻いているような ヤッタゾ! ワシハアネヲヒイタンジャ!! ズルイジェ!! ワタシハドウナルノカナ?! ワタシナンテナゾノツイセキシャヨ! 京太郎「外が騒がしいな。姉さん無事だといいけど」 ガラガラ 京太郎「ん?」 優希「じゃじゃーん! 優希様だじぇー!」 京太郎「はい?」 優希「おい犬!! 次こそが本番だ!!」 京太郎「あの、病室を間違えてませんか?」 優希「いいから! ほれ! 機械を出すんだじょ!!」 ぴこーんぴこーん 京太郎「また反応してる」 377 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 09 39.34 ID GocQnh7fo [12/20] 京太郎「あの、君は一体?」 優希「押せ!! 押せ!!」ぐいぐい 京太郎「やめてくれ! やめろ、うわ!」 優希「これを押せば全て終わるんだじぇ!」 京太郎「一体何を言ってるんだ!!」 優希「やれえええ!!」 京太郎「うわぁぁぁぁ!! ポチッとなぁぁぁぁ!!」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 みあーげたよぞーらの ほしーたちーのひかーり 387 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 16 29.64 ID GocQnh7fo [13/20] 99 牝奴隷 ぼふんっ 優希「私は……お前の牝奴隷だじぇ……」トロォン 京太郎「な、何を言って」ズキッ 優希「京太郎ぉ……触ってぇ」 京太郎「そう、だ。俺は今までに何度もこの子と……うぅっ」ズキズキ 優希「もう我慢できなぁい ねぇ、シて欲しいじぇ」 京太郎「や、やめてくれ!! 今の俺は君の知る俺じゃない!!」どんっ 優希「きゃっ!」 京太郎「出てってくれ!!!」 優希「京太郎……私に飽きたのか?」しゅん 京太郎「違う、そういうことじゃなくて!!」 優希「……じゃあキスして」 京太郎「え?」 優希「一回でいいからぁ」 京太郎「そんなの! むぐっ!?」 優希「んちゅっ ちゅぅるう……んふっ じゅずぅるる」 京太郎「ぷはっ! やめてくれ!!」 優希「んふふ、また来るじぇ。そのときはいっぱいいっぱい可愛がって欲しいじょ」クスクス ガラガラ バタン 京太郎「はぁっはぁっ……なんだったんだ」 俺の奴隷? 馬鹿げてる でも、確かに記憶にある 以前の俺は一体なんだったんだ!! くそ!! くそぉ!!! コンコン 京太郎「またか!?」 ガラッ 和「失礼します」 京太郎「あ、アナタは!?」ドキッ 和「原村和です。お元気そうでよかった」 京太郎「えと、その、君は俺とどういう関係?」 和「さぁ、どうでしょうか」クスッ 京太郎「!」ドキイーン 390 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 22 08.74 ID GocQnh7fo [14/20] 京太郎「……」 なんて美人だ それにスタイルも 本当にこんな人と知り合いなのか? 和「ふふっ」 京太郎「!」 和「今何を想像しているか、顔を見ればわかりますよ」 京太郎「あ、いや! その!」 和「さて、私は一体何者でしょうか?」 京太郎「うっ」ズキッ ぴこーんぴこーん 和「押しますか?」 京太郎「!」 和「そのスイッチを押せば、きっと思い出せますよ」 京太郎「そうだ。押せば分かる……きっと」 和「押してください。それで楽になれます」 京太郎「ポチッと、な」 和「ふふふふ」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 いえっない いたみ かっなーしみできずっついたーきーみをー 396 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 29 21.54 ID GocQnh7fo [15/20] 56 中二病 ぼふんっ 京太郎「?」 和「思い出しましたか?」 京太郎「いや、何も」 和「そうですか。やはりリベラルシュタイナー機関のせいで」 京太郎「は?」 和「大丈夫です。私がすぐにエンジェリックパワーで直してあげますから」 京太郎「えんじぇりっく?」 和「覚えていないでしょうが、私と須賀君はあるチームの仲間でした」 京太郎「チーム?」 和「私はラグナロクハルピュイアの使徒であり、電子天使の称号を得たノドカエル」 京太郎「のどかえる?」 和「そしてアナタは漆黒の仮面の騎士、ナイトオブサウザウンドの称号を持つスガウェイン」 京太郎「すがうぇいん?」 和「ああぁ! 忘れてしまうなんて!」 京太郎「お、おう?」 和「でも安心してください。私の愛のエンジェリックパワーですぐに貴方のエターナルソウルを!」 ガラガラ まこ「何しとるんじゃ和?」 和「染谷先輩! 私は和ではありません! ノドカエルです!!」 まこ「あ、そういう結果になったんじゃな」 和「……残念ながら」 まこ「同情するぞ」 和「なら乗ってください」 まこ「ああ、そうじゃな」 京太郎「?」 まこ「いいからほれ、付いてこい」 和「ああそんな! スガウェイン!! スガウェイーン!!」ずるずる ガラガラ バタン 京太郎「……?」 399 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 36 13.65 ID GocQnh7fo [16/20] 京太郎「なんだったんだ今の中二病の人」 姉さんと知り合いだったのかな 京太郎「それにしても……」ズキズキ だんだんと頭痛が酷くなる 悪化していないか? これは――なんなんだ? ガラガラ 咲「あの」 京太郎「……君は?」 咲「よかった。起きてたんだね」 京太郎「……」ズキズキ 咲「私は宮永咲だよ。覚えてない?」 京太郎「……ごめん」 咲「そっか、そうだよね。ごめん」 ぴこーんぴこーん 京太郎「またか」 咲「あのね、京ちゃん」 京太郎「え?」 咲「私、ずっと言いたかったことあるんだ」 京太郎「??」 咲「このスイッチの力を使えば、言えるかな?」スッ 京太郎「お、おい君! やめろ! そのスイッチは押しちゃいけない!」 咲「卑怯でごめんね。こんな時にしか、言えないの」 スッ 咲「好きだよ、京ちゃん」 京太郎「!!」 咲「ポチッとな」 01他人 02苦手 03顔見知り 04友達 05親友 06幼馴染 07婚約者 08恋人 09セフレ 10元恋人 11親の仇 12先輩 13後輩 14同級生 15麻雀の師匠 16浮気相手 17探偵 18犯人 19記者 20従兄妹 21姉or妹 22ストーカー 23娘 24母親 25ペット 26ライバル 27空気 28ご主人様 29耳かき 30漫画家 31生霊 32女騎士 33殺人鬼 34恋敵 35オナペット 36お嬢様 37お姫様 38同僚 39メイド 40アラフォー 41侵略者 42ペロリスト 43追跡者 44捕食者 45芸人 46巫女 47ナース 48寄生虫 49不良 50トラウマ 51抱き枕 52椅子 53ボディガード 54強姦魔 55変態 56中二病 57お色気要員 58上司 59部下 60原付 61防寒具 62妖怪 63人質 64電波 65忍者 66メンヘラ 67ロッカー 68腐女子 69レズ 70博士 71馬 72壁 73携帯 74風呂用スポンジ 75孫の手 76露出狂 77淫魔 78ぷんすこ 79ツンデレ 80クーデレ 81初恋の人 82命の恩人 83ジュリエット 84傭兵 85歌手仲間 86ヤンデレ 87信者 88女王様 89カモ 90天使 91先生 92生徒 93ヒーロー 94アイドル 95神様 96ファン 97片想われ 98アベック 99牝奴隷 00妻 ↓2 だからー かれーなーいでー いちりんのはなー 407 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 43 26.62 ID GocQnh7fo [17/20] 94 アイドル ぼふんっ 京太郎「思い出した」 咲「え?」どきっ 京太郎「あのテレビに出ていた人ですよね!」 咲「テレビ?」 京太郎「アイドルの宮永咲ちゃん! うわ! 凄いなぁ!」 咲「……」ブルブル 京太郎「実物も可愛い! サインもらえますか?」 咲「う、うん」カキカキ 京太郎「やった! 宝物にします」 咲「よかったね」 京太郎「あれ? でもなんでアイドルの咲ちゃんがここに?」 咲「……さようなら」じわっ 京太郎「あれ? なんで泣いて」 咲「っ!!」 ダダッ! ガラガラバタン! 京太郎「咲ちゃーん! これからも応援してますからー!!」 うわー凄いなー 本物の咲ちゃんに会っちまったよ へへ、儲けたぜ 京太郎「……」ズキズキ アイドル、か でもなんでだろう あの子はもっと身近にいたような気がする 俺のすぐ傍に 京太郎「……さようなら、か」 俺は―― 411 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2015/01/05(月) 01 53 20.73 ID GocQnh7fo [18/20] 須賀京太郎が記憶喪失になったことは全国の女性雀士に知らされた 彼が入院し、一人部屋にいること ある科学装置の実験体となっていること そしてその装置の実験に、女性雀士のみが参加出来る 見返りは一人の少年との関係性 彼はその装置により、女性との関係をランダムに信じ込んでしまう 実験は単純 女性がその装置を用いて、少年と関係を築く 非人道的な実験 しかし、誰もこの実験に異論を唱える者はいなかった なぜなら彼女達は全員―― 京太郎「……病院の外に長蛇の列が出来てるな」 ナース「またお見舞いですよーぅ」 京太郎「またですか?」 ナース「人気者ですねー」 彼を狙っているのだから 未完
https://w.atwiki.jp/kyotaross/pages/5740.html
11 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 00 49 43.45 ID Oi0QrnuMo [5/25] <ぜんかいまでのあらすじ> 二度の逆レイプを経験し、身も心も磨り減った京太郎 彼は自らが不倫している愛宕雅枝と結ばれる為に……愛宕父への復讐を企てる 全てを奪い、絶望の底で愛宕父を自殺に追い込む 須賀京太郎 彼の野望は今、動き出したのであった <愛宕家> 絹恵「ふんふーん」 洋榎「あれ? どうしたん絹?」 絹恵「あっ! お姉ちゃん。 なんかしらんけどプレゼントが届いてなー」 洋榎「かぁーっ! 相変わらずモテる妹やでー」 絹恵「妬かんといてーな」クスクス 洋榎「差出人は誰や?」 絹恵「えーっと……」 洋榎「?」 絹恵「須賀……京太郎?」 洋榎「知らん名前やな。中身は?」 絹恵「えーっと……」ガサゴソ 洋榎「ん?」 絹恵「ビデオ……?」 洋榎「DVDやないんかいっ!」 絹恵「……?」 <宮永家> 浩子「送っといたでー」 京太郎「そうか。編集はしてあるのか?」 浩子「勿論やって」 京太郎「クク……さぁ、始めるぞ」 愛宕家を乗っ取る為に 14 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 00 58 24.97 ID Oi0QrnuMo [6/25] <おおさか> 京太郎「……来たな」 浩子「ん? 今回はお供無しかいな?」 京太郎「いらないよ。携帯も椅子も、雅枝と結ばれてからゆっくり決めるさ」 浩子「えっぐいなぁ。あの子ら、泣くで」 京太郎「俺は雅枝と共有した思い出だけを残したい。それ以外のものは邪魔なだけだ」 浩子「(うわーこわー)」ぞくっ 京太郎「それで? 手筈は?」 浩子「バッチリ」 京太郎「あぁ、上出来だ」 今回の作戦は実に面白い 愛宕姉妹を篭絡する為の、実に単純な作戦 京太郎「さて、来るかな?」 浩子「来るやろ。そういう性格や」 京太郎「……」 ザザッ ?「……あの」 京太郎「! 貴女は!」 雅枝とそっくりの顔付き、体型 あぁ、なんて美しいんだ あの男の血を全く感じさせないところが、最高に素晴らしい 絹恵「愛宕、絹恵です。浩子とおるっちゅうことは……?」 京太郎「はい。俺が須賀京太郎です」 浩子「久しぶりー」 絹恵「浩子! あれはどういうことや!」 京太郎「落ち着いてください。あれは、たまたま俺が撮影しただけなので」 絹恵「!」 京太郎「まさか、驚きましたよ。あの愛宕プロが……」 計画の第一歩 それは 京太郎「見知らぬ若い男と、浮気してるなんてね」 絹恵「っ!」ドキッ 弱みを、強みに変えること 20 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 01 07 13.58 ID Oi0QrnuMo [7/25] <喫茶店> 京太郎「あの時は偶然、通りかかりまして」 絹恵「……」 京太郎「話し声が聞こえて、そっと見てみたら」 浩子「おばちゃんが若い男と抱き合ってたっちゅうんや」 絹恵「っ!」ブルブル 俺が送りつけさせたビデオ それは勿論、俺と雅枝が抱きつき、キスをしていた映像だ 京太郎「(もっとも編集で俺が映らないように加工したけどな)」 そのお陰で誰が浮気相手かまでは分からない 皮肉なものだ 憎い浮気相手が目の前にいるのに、この子はそれに気づかずにいる 絹恵「か、顔を撮らへんかったのはなんで?」 京太郎「気が動転していたので……すみません」 絹恵「あ、いや! 悪いのはオカンやし……」 京太郎「一応隠さない方がいいかと思って、あんな方法しか思いつかなくて……ごめんなさい」 絹恵「謝らんといて! 須賀君は悪くないっ!」 あぁ、なんて優しいんだ絹恵 やっぱり貴女は……俺のモノにしたい 京太郎「ところで、洋榎さんはビデオを?」 浩子「見てへんやろ。見てたら今頃怒鳴り込んで来とる」 絹恵「せや。最初に私が見て……すぐにビデオを隠したんよ」 京太郎「そうでしたか」 絹恵「私、どうしたらええか分からんくて」じわっ 京太郎「泣かないでください。俺でよければ……力になります」 絹恵「す、須賀君」ぐすっ 浩子「(よぉー言うわーwwww)」 京太郎「それに俺、愛宕プロのファンで……」もじもじ 絹恵「?」 京太郎「その娘さんの絹恵さんのこと……ずっと大会で」カァァ 絹恵「ふぇっ!?」ドキッ 京太郎「あ、いや!! 忘れてください!! 不謹慎ですよね、こんな時に」ぎりっ 絹恵「え、ええよ! べ、別に嫌な、気はせぇへんし……」もじっ 浩子「(相変わらず免疫ないなぁ)」 22 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 01 14 24.49 ID Oi0QrnuMo [8/25] 京太郎「よかったらこれ、俺の電話番号とアドレスです」 絹恵「あっ」 京太郎「受け取って……くれます?」 絹恵「も、勿論……!」ぱしっ 京太郎「ありがとうございます。俺、用事でしばらく大阪にいるので……何かあればすぐに」 絹恵「分かった。ちゃんと連絡する」 京太郎「難しい問題ですけど、ゆっくり解決しましょう」 絹恵「せやな。私も、オカンにちょっとずつプレッシャーかけてみるわ」 京太郎「くれぐれも、お父さんには気づかれないように」 絹恵「っ!」 京太郎「もし離婚なんてなったら……大変ですから」 絹恵「で、でも教えんでええんかな? 一応……オカンが浮気したのが悪いわけやし」 京太郎「絹恵さんっ!!」 絹恵「!」ビクッ 京太郎「俺は……絹恵さんが、両親のことで傷つくのを見たくない」 絹恵「須賀、くん?」 京太郎「きっと二人が別れたら、絹恵さんは後悔します。だから!」 浩子「(ワロタ)」 京太郎「……」ぐすっ 絹恵「(須賀君、そないにうちのこと……)」ドキドキ 京太郎「あ、あはは……ダサいですよね。男のくせにメソメソと」 絹恵「ダサくなんてない! 須賀君はかっこええよ!」 京太郎「え?」 絹恵「あっ」カァァ 京太郎「あ、えと」もじもじ 絹恵「あぅぅ……」 浩子「すみませーん、このゲスゲスホットサンド一つ」 京太郎「では今日はこれで」 絹恵「う、うん」 京太郎「頑張りましょうね、絹恵さん」 絹恵「うん。よろしく、須賀君」 29 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 01 19 49.02 ID Oi0QrnuMo [9/25] <ホテル> 浩子「これからどうするん?」 京太郎「絹恵さんと接点は持った。後は……」 このまま話術を駆使して姉妹を丸め込むか 手っ取り早くスイッチを使うかどうか 京太郎「スイッチは危険性が高い。出来れば話術でケリをつけたいが」 浩子「ふーん? 色々考えてるんやなぁ」 京太郎「当たり前だ。俺にとって、愛宕家を手に入れることが悲願なんだ」 浩子「……なぁ、須賀」さわっ 京太郎「……?」 浩子「うちかて、愛宕の血を引いてること……忘れてへん?」 京太郎「分かってる。ちゃんと仕事をこなせば……見返りは用意する」 浩子「ふふっ、先払いも可能やで?」 京太郎「……しょうがない人だ」どんっ 浩子「きゃっ!?」ぼふっ 京太郎「最近雅枝と会えてないから、今日の俺は一段と激しいですよ」 浩子「んふっ、それ最高ぉ」ニヤリ 京太郎「魔女め」 代理品でも、何度も抱けば愛着が沸く せいぜい、お前も利用するだけ利用してやるさ 浩子、お前は優秀な右腕だ 容姿もどこか雅枝に似ている お前と、姉妹と、雅枝 みんなで――幸せになろう 73 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 01 43 32.05 ID Oi0QrnuMo [15/25] <ホテル> 京太郎「調べてきてくれたか?」 俺は浩子に愛宕家の情報を調べさせていた 従姉妹だからな、これくらいはお茶の子さいさいだろう 浩子「大丈夫。見てみ、この結果」 京太郎「これは……」 <愛宕絹恵> 【好感度】 洋榎(98) 父(21) <愛宕洋榎> 【好感度】 絹恵(38) 父(68) 京太郎「絹恵さんは随分と父が低くて、洋榎さんが高いな」 浩子「せや。なんでか分かる?」 京太郎「いや、どうしてだ?」 浩子「愛宕父なぁ……絹にセクハラしとうねん」 京太郎「なっ!?」 どういうことだ!? 実の娘に……セクハラ?」 浩子「ほら、雅枝おばちゃんが須賀に夢中で相手してくれへんやろ?」 京太郎「あ、ああ」 浩子「せやから、おばちゃんに似てる絹の風呂を覗いたり……胸触ったり」 京太郎「!!!!」 浩子「偶然を装ってるみたいやけどな。随分と色々やったみたいやで」 京太郎「っ……」ギリッ 浩子「幸いにも一線を超えてないみたいやけど……いずれ寝込み襲うんとちゃうか?」 京太郎「愛宕父ぃぃぃぃ!!!!」ガンガンッ!! 殺す!! 絶対に!! 奴だけは絶対に!! 浩子「ま、当然逃げる先は頼れる姉。姉にゾッコンなのもそのせいやな」 京太郎「がぁぁぁあっ!!」 80 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 01 54 50.84 ID Oi0QrnuMo [16/25] 京太郎「はぁっはぁっ……逆に、なんで洋榎さんは父の好感度が高い?」 こんな最低の屑に、どうして?」 浩子「あー、実は愛宕父、そっちには興味無いみたいでな」 京太郎「何?」 浩子「そもそも、ネキ自体を疎んどる様子で」 京太郎「??」 浩子「つまり、おばちゃんに似てない洋榎はいらないってことなんや」 京太郎「えっ……」 実の娘をいらない? 妻に似ていない、ただそれだけの理由で? 浩子「だから昔から絹、絹、絹。おじさんは絹ばっかり可愛がって、洋榎は……」 京太郎「それで、父親の愛情を求めてるのか」 浩子「絹への好感度が低いのもそれが原因やろなぁ」 京太郎「……」 浩子「昔からちやほやされて、綺麗だなんだ言われてモテる絹と」 京太郎「もういい」 浩子「面白い顔や言われて、父親からは疎まれる姉」 京太郎「もういいっ!!!」ダンッ!! 浩子「っ!」ビクッ 京太郎「もう、やめてくれ……」 あの男だ 愛宕父、お前さえいなければ……!! 京太郎「浩子、俺は甘く見ていた」 浩子「?」 京太郎「あの男を地獄に落とす。そのことだけを考えていたが……」 奴にはそれすら生ぬるい 京太郎「やるぞ浩子。俺が二人を幸せにする」 浩子「んー♪ ええゲス顔やなぁ」ぞくぞく 京太郎「……」 絹恵さんを父から奪うのは簡単だ 問題は姉の洋榎さん となると、まずは二人の仲を一時的に引き裂く それが一番手っ取り早い 京太郎「洋榎さんに会いに行く」 浩子「へぇ?」 京太郎「洋榎さんを俺に惚れさせ、そのあとで絹恵さんになびく」 浩子「!」 京太郎「そうすれば、洋榎さんは絹恵さんに対してどう思うか」 きっと、父親の件以上に怒るだろう 好きになった男を妹に取られる 今までの鬱憤が爆発してもおかしくない そしてそうなれば、絹恵さんから洋榎さんへの好感度も下がる 83 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 00 52.58 ID Oi0QrnuMo [17/25] <まちかど> 京太郎「(流石だ浩子……バッチリ、洋榎さんを見つけてくれた)」 / Λ ,. . .-.‐ …ー ‐ - . . 、 .Λ ,. '´ ` . 、 ', 〃 ヽハ. / .j 、 ヘ ヾ. / ,イ l V .', ハ Λ , ' / / ! .l ' , l ハ .ヽ' 、. / , .、 ,' l l l V .l、. l ヘ' 、 , .,' / ./\! l V .',/ ', l V l V ヘ .、. l / ,' V l _ V l ハ V L_ ! .l l / l;ハ Λ' ,. l ,l l ヾ, __ ヽマ ヘ_ヾ、_ } / ! / / /ハ l ヘ V .l ≫末宕丁 ` \ ヘ 洋宕末≪,/ ア、/ / .l ! .ハ. V!ヽ ト、 Λ. し ハl し } / /! .V Ⅵ ' . ハ ',l 入 lヽ ハ Vぅソ Vぅソ イ l、 .Λ ,j / ハ / /l l ! , l .l V ヘ }' , l ',. ,' ./ l l l l lノ ', l l } l l .l , ' l l ', _ _, -! l V l l ハ l l l V l ! ! ‘ 、  ̄ /, ' ' .,′ } / / ' } l l / ヾヘ l l ` 、 , イ / , / // 〃 , / ,' \ l l r>‐ ´ lTヘ , / / / ,' V .', / l } У V / 〃 _入 .ハ-ァ´ ゝ、 / / / Yー= - 、 γ´ ヽ .V λY 〃 } ヽ / l / }‘, / / ‘,. / l / l ‘, / / ‘, 洋榎「ふんふふーん! てーんかのおおさか! さいこうやーん」テクテク 京太郎「(ヒドイ歌だ)」 だけど一人なのは好都合 さて、どうしようか 京太郎「(策を弄するのも悪くないが、ストレートもいい)」 ↓2 1 普通に話しかける 2 不良を雇ってマッチポンプ 88 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 07 45.56 ID Oi0QrnuMo [18/25] 京太郎「(普通に話しかけるか)」 策に溺れる可能性もある なるべく懸念事項は減らしておきたいしな 京太郎「……」 洋榎「おっ! あんなとこに新しいたこ焼き屋があるやん!」 京太郎「あの」 洋榎「でもたっかいなぁ。1パック200円くらいにしてくれへんかな」 京太郎「あのー」 洋榎「よっしゃ! この洋榎様が値切ったるわ!」 京太郎「あのっ!!」 洋榎「なんややかましい!!」バキッ 京太郎「おわっ!?」 洋榎「あっ」 京太郎「い、いたた……」 洋榎「ご、ごめんな兄ちゃん。ちょっと考え事しとって」あせあせ 京太郎「い、いえ。大丈夫ですよ……愛宕洋榎さん」 洋榎「え?」 京太郎「……」 洋榎「なんで、うちの名前を?」 京太郎「それは……」 00~29 京太郎「前に大会でお世話になりましたから」 30~59 京太郎「有名ですよ」 60~89 京太郎「なんでやと思います?」 90~99 京太郎「俺、ファンなんですよ」 ゾロ目 京太郎「好きだから」 ↓2 ネッキネキにしてやんよ 98 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 12 54.26 ID Oi0QrnuMo [19/25] 京太郎「好きだから」 洋榎「ん?」 京太郎「俺、洋榎さんのことが好きなんです」 洋榎「あ、ん?」 京太郎「愛してるんです」 洋榎「あ、あー! そっか! そういうことか!」 (`ヽ ___ ヽj / / .\ ‐‐‐- ..〈 . . \ / ` .、 ヽ.. , ' ヽ ',. // .. .∧ i ,' / ィ ハ j ノ/ / |. . /| j.\ ヽ i ! //Y / ̄! ll .. l i i‐ 、ヽ. Yヽ l l. // | / ヽl ', .. ! .l/ .j 丿 i\\ l ( ( ∧' . i-=v. ヽ !-___ 丿イj 丿 j .) \i/ | .ノxxx , '' ̄ヽ | .|ヽ、 //i. 人U xxx | .!. ) )イ i. | l > 、~_っ _..ィフl .!// . ! i. l i /  ̄ フ ='' ¨ア ̄ ! !ー-、 l リ 洋榎「いやぁ、照れるなぁ」ぽりぽり 京太郎「いえいえ」 洋榎「……」 京太郎「……」 洋榎「って! お前誰やねん!?」 京太郎「ですよね」 洋榎「そ、そそそそれに好きってなんや! 告白か!?」 京太郎「それ以外に何があるんです?」 洋榎「じゅ、順序っちゅうもんがあるやろ!! 名前すら知らんのに!」 京太郎「須賀京太郎」 洋榎「ん?」 京太郎「須賀京太郎ですよ。これで名前、分かりましたね」にっこり 洋榎「お、おう! そうやな!」 京太郎「……」 洋榎「って! そういう問題じゃないわ! ボケェ!!」 103 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 20 35.92 ID Oi0QrnuMo [20/25] 洋榎「す、ストーカーか!? なんでうちのこと知っとるん?」 京太郎「あはは、知らないのも無理はないです。全国大会で少しだけなので」 洋榎「全国?」 京太郎「俺は清澄の生徒なんです。一応会場にも行ってたんですよ?」 洋榎「清澄!? なんや、お前清澄の奴やったんか」 京太郎「はい。その時は部長がお世話になりました」 洋榎「えらい相手やったなぁ。またもう一度打ちたいわ」 京太郎「あはは」 洋榎「って、それとこれとどう繋がるんや!?」 京太郎「?」 洋榎「全く、長野もんのギャグはおもんないわ!」ぷんぷん 京太郎「……ギャグ、か」シュン 洋榎「(コイツ、もしかして本気で……?)」 いや、そないなことあるわけない だって、いつも―― (絹恵さんを紹介してください!) (妹さんと似てないよねー、クスクス) (お前に近づいたら妹と接点あると思ったのによー、使えねぇ) (妹に負ける姉とか……ハァ) 洋榎「うちは……絹に」プルプル 京太郎「そうだ。折角だし、どこか行きません?」 洋榎「え?」 京太郎「ここで会ったのも何かの縁ですよ」 洋榎「どこかって、どこや?」 京太郎「それは……」 1 喫茶店 2 ゲーセン 3 バッティングセンター ↓2 111 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 29 38.48 ID Oi0QrnuMo [21/25] <愛宕絹恵> 【好感度】 京太郎(43) 洋榎(98) 父(21) <愛宕洋榎> 【好感度】 京太郎(50) 絹恵(38) 父(68) <喫茶店> 京太郎「コーヒーでいいですか?」 洋榎「お、おう?」 京太郎「?」 洋榎「(結局着いてきてもうた……)」 京太郎「いやぁー、こうして洋榎さんとデート出来るなんて嬉しいです」 洋榎「ふぁひっ!? デートォ!?」 京太郎「あれ? 違いますか?」 洋榎「で、でででデートちゃうわっ!」 京太郎「それは残念です」 洋榎「た、たまたま暇だっただけや! 舐めるんやないで!」 京太郎「すみません。俺、舞い上がっちゃって」 洋榎「(ふ、ふん! 本当は絹の方がよかったくせに)」ぷいっ 分かってるんや こいつもうちに近づいて、どうせ絹を…… 京太郎「何か怒ってます?」 洋榎「別に。それより、そろそろ本音を言わんかい」 京太郎「え?」 洋榎「うちより、絹の方とこうしたいんやろ? んー? どや?」 京太郎「どやって言われても」 洋榎「隠さんでええって! ほら、うちが仲取り持ってもええんやで?」 あれ? うち、何言うてんやろ? なんでや……? 洋榎「絹の方が可愛いし、スタイルええで! ほら、悪い話や……」 京太郎「……」 1 京太郎「……」バンッ!! 真剣に怒る 2 京太郎「ああ、いいですね。じゃあお願いします」 話に乗る 3 京太郎「俺は洋榎さんがいいんです」 とりあえずおだてる ↓2 122 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 36 24.37 ID Oi0QrnuMo [22/25] 洋榎「やっぱ男はみんな絹みたいな……」 京太郎「……」バンッ!! 洋榎「えっ!?」ビクッ な、なんやコイツ? 急に机叩いて…… 京太郎「本気で、言ってるんですか?」じわっ 洋榎「ぁっ……」 京太郎「幻滅しました。お代、払っておくので」ガタッ 洋榎「あ、ちょ! 待ちぃや! 何怒っとるん?!」 京太郎「……こんな人だなんて、思わなかった」ゴシゴシ 洋榎「あっ」ドキッ もしかして、コイツ 本当の、本当に―― 京太郎「……」ダッ 洋榎「ま、待っ――」 京太郎「さようなら」 洋榎「っ」 うち、なんて最悪な女なんやろ 一人でいじけて、勝手に被害妄想広げて 須賀君のこと、傷つけてもうた この人は絹やのうて ちゃんと、うちを見てくれようとしていたのに 洋榎「……あ、あはは」 カランカラーン 洋榎「ひとりぼっちや」 バカや、うち ごめんな須賀君……ごめんな 京太郎「……」クスッ 128 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 42 28.85 ID Oi0QrnuMo [23/25] <愛宕家> がちゃっ 洋榎「……」 絹恵「あ、お姉ちゃんおかえり!」 洋榎「絹……」 絹恵「ど、どうしたん? 目が赤いで!」おろおろ 洋榎「目にゴミが入っただけや」 絹恵「で、でも!」 洋榎「いいから放っておきぃ。うざいで」 絹恵「っ!」ビクッ 洋榎「……夜ご飯まで寝るわ」 絹恵「なにかあったん?」 洋榎「なんも無い」 絹恵「でも、どこかおかしいで」 洋榎「なんも無い言うとるやろ!!!」バンッ 絹恵「ひっ!」 洋榎「あっ……」 ダダダッ 愛宕父「洋榎! 何を騒いどる!」 洋榎「おとん……」 愛宕父「ああ、絹。何かされたんか?」 絹恵「なんもされてへんからあっち行きぃや! 鬱陶しい!!」 愛宕父「そ、そうか。それならええんやけど」ちらっ 洋榎「……」 愛宕父「チッ……」 洋榎「っ~~!!」ダダダッ バタァーン!! 絹恵「お姉ちゃん!!」 愛宕父「お腹空いたら出てくるやろ」 絹恵「ぐっ!」ギロッ 愛宕父「……それより絹、リビングで一緒にテレビでも観んか?」さわっ 絹恵「さ、触るな!!」ダダッ 愛宕父「……」 こそっ 浩子「……」 135 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 49 36.79 ID Oi0QrnuMo [24/25] <ホテル> 浩子「てな感じやな」 京太郎「ご苦労だった」 浩子「ほんま嫌になるでーあの男」 京太郎「そう言うな。すぐに消し去ってやるから」 浩子「ん、楽しみにしとるでー」 京太郎「……」 問題はここからだ 洋榎さんはこれで俺に興味を持ったはず 後は、俺が絹恵さんと関係を築いたところを見せつければ…… 京太郎「洋榎さんは絶望するかもしれない。でも、これは必要なことなんだ」 耐えてください洋榎さん 俺が必ず、あなたを幸せにしてみせますから だから―― 京太郎「今は――闇に沈んで貰いますよ」 嫉妬という、底なし沼の奥までね <愛宕絹恵> 【好感度】 京太郎(43) 洋榎(93) 父(16) <愛宕洋榎> 【好感度】 京太郎(55) 絹恵(33) 父(63) ぼふっ 洋榎「……須賀君。もう一度、会えへんかなぁ」 今度は、もっと素直に 洋榎「せめて、連絡先が分かれば……」 絹恵「……あ、須賀君からメール? かちかち 絹恵「明日、一緒に出かけませんか?」ドキッ 京太郎「……さぁ、ここからが本番だ」 浩子「ククク、ご馳走さんですー」ニヤリ 142 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 02 57 39.82 ID Oi0QrnuMo [25/25] 原作の愛宕父はいい父親ですし、そもそもネキは滅茶苦茶可愛いですよ そこんとこだけはハイ、ヨロシクゥ! ということで次回、愛宕家騒乱 後編 洋榎「ぶっ殺したるわ!」 絹恵「やってみぃや! ブゥゥゥスッ!!」 雅枝「はぁ、二人共くたばればええねん」 昼ドラ真っ青のドロドロ展開が待っているとか ※早く周回して綺麗になりたいものです 179 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 22 24 22.98 ID 1psX/iEio [1/13] <ぜんかいまでのあらすじ> 京太郎「お母さんの浮気問題、俺が力になりますよ」 絹恵「(須賀君はええ子や)」 浩子「(たまらんなぁ)」ククク 京太郎「見損ないました」 洋榎「(須賀君に嫌われてもうた……)」 絹恵「お姉ちゃん!」 洋榎「うっさい!!」 浩子「んでんで、お次はどうするん?」 京太郎「浩子にも協力して貰う」 浩子「ほーうほう」 <愛宕絹恵> 【好感度】 京太郎(43) 洋榎(93) 父(16) <愛宕洋榎> 【好感度】 京太郎(55) 絹恵(33) 父(63) 京太郎「とっととケリを着けよう」 180 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 22 30 39.20 ID 1psX/iEio [2/13] <愛宕家> 絹恵「……」そろぉー がちゃっ 洋榎「……絹?」 絹恵「!」びくっ 洋榎「こんな時間からどこ行くん?」 絹恵「お姉ちゃん! え、えっとやな……」 洋榎「……」 絹恵「(あかん。須賀君とのことを話したら、おかんのことバレてまうかもしれんし)」 洋榎「そないにおしゃれして、デートみたいやん?」 絹恵「ちゃ、ちゃうて。友達と遊びに行く約束してて」 洋榎「そっか。そんじゃ気ぃつけてな」 絹恵「うん。じゃあ、行ってくるで」 ガチャッ バタン 洋榎「……」 <ホテル> 京太郎「どうだ?」 浩子『やっぱり、嘘吐いて出て行ったようやな』 京太郎「そうか。それじゃあ手筈通りに」 浩子『ククク、後はうまくやりぃなー』 京太郎「ああ、頼む」ぴっ 嘘を吐いて家を出た絹恵さん それを信じている洋榎さん 京太郎「ごめんなさい洋榎さん、ごめんなさい」 すぐに、終わらせますから 182 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 22 41 21.66 ID 1psX/iEio [3/13] <愛宕家> 洋榎「(絹の奴、一体誰と出かけたんかな? 恭子とか?)」 それやったらうちに言うやろうし 他に心あたりなんて…… がちゃっ 浩子「お邪魔するでー」 洋榎「浩子!? なんや最近入り浸ってんなー」 浩子「そう邪険にせんといてぇな。落ち込んどる聞いて励ましに来たんやで?」 洋榎「いらんわ。いいからほっとき」 浩子「そう言わずに出かけへん? 美味しいたこ焼き屋の屋台見つけたんや」 洋榎「……ハァ。浩子はしつこいからなぁ」 浩子「返事は?」 洋榎「分かった分かった! 出かけるからちぃーっと待っとき!」 浩子「……」クスッ <喫茶店> カランカラーン 京太郎「あっ、絹恵さん」 絹恵「須賀君! 待たせてもうた?」 京太郎「いえ。俺も今来たとこですから」 絹恵「……」そわそわ 京太郎「絹恵さん?」 絹恵「あっ、いや! 男の人と待ち合わせなんて……初めてやから」 京太郎「……」 00~29 京太郎「へぇ、そうなんですか?」 30~59 京太郎「意外だなぁ」 60~89 京太郎「じゃあ俺が初めてなんですね」 90~99 京太郎「可愛いです」」 ゾロ目 京太郎「待ち合わせだけで、いいんですか?」 ↓2 キヌゥ! 190 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 22 46 27.81 ID 1psX/iEio [4/13] 京太郎「意外だなぁ」 絹恵「へ?」 京太郎「だって、絹恵さんはモテそうだから」 絹恵「そ、そないなこと……無いことも、無いけど」ウツムキ 京太郎「?」 絹恵「……誘われたことはある」 京太郎「じゃあどうして行かなかったんですか?」 絹恵「……それは」 京太郎「(洋榎さん絡みか? なら……)」 ここで揺さぶりをかけるべきか どうする? 絹恵「……」 1 京太郎「もしかして洋榎さん、ですか?」 2 京太郎「過去のことはいいですよ。それより、今が大事ですから」 ↓2 193 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 00 16.13 ID 1psX/iEio [5/13] 京太郎「もしかして洋榎さん、ですか?」 絹恵「!!」 京太郎「……図星、みたいですね」 絹恵「な、何を急に!!」 京太郎「すみません。雅枝さんの浮気相手を調べる為に……絹恵さん達の交友関係を」 絹恵「え?」 京太郎「若い男なら、お二人の友人の可能性もあるかと思って」 絹恵「そ、それはええけど……」 京太郎「そうしたら、過去に洋榎さんに近づいた男のほとんどが……後に」 絹恵「っ!」プルプル 京太郎「酷い連中だ。屑以下ですよ」 絹恵「……」 京太郎「絹恵さんはそれを知っているから、誘いに乗らなかったんでしょう?」 絹恵「あ、あはは……お見通しなんやね」 京太郎「……」 絹恵「私のせいでお姉ちゃんが傷つくのが嫌やった。それで……」 京太郎「優しいんですね」 同時に残酷でもあるけどな 早く相手を作っていれば、洋榎もここまでヤキモキしなかったかもしれない 俺にとっては好都合ではあるが 絹恵「私が優しい?」 京太郎「はい。お姉さんを想う絹恵さんの気持ち、俺は凄いと思います」 絹恵「……須賀君」 京太郎「でも、それで絹恵さんが辛い想いをするのは……なんか嫌だな」伏せ目 絹恵「っ」ドキッ 京太郎「そもそも、絹恵さんは絹恵さん。お姉さんは関係無いですよ」 絹恵「お姉ちゃんは関係ない?」 京太郎「そうです。洋榎さんに遠慮なんていらない」 絹恵「そ、そうやな。あはは、須賀君こそ優しいやん」 京太郎「いえ俺なんてとても」 絹恵「……」 京太郎「……」 絹恵「あっ、その」 京太郎「そ、そうだ! ちょっと気分転換でもしませんか?」 絹恵「気分転換?」 京太郎「はい。折角ですから場所を変えましょう」 1 ゲーセン 2 バッティングセンター 3 公園 ↓2 真ゲス 197 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 08 51.03 ID 1psX/iEio [6/13] 京太郎「公園にでも行きませんか?」 絹恵「公園?」 京太郎「はい。ちょっとしたデートですよ」 絹恵「で、デデデ!?」 京太郎「大王?」 絹恵「デートォ!?」ガターン! 京太郎「だ、大丈夫ですか!?」 絹恵「も、もぅ……冗談でも驚くからやめてぇな」 京太郎「……すみません」 絹恵「う、ううん! ええってええって!」 京太郎「は、はい」 絹恵「(うぅー……なんでこないにドキドキするんや)」ドキドキ 京太郎「……」 <公園> がやがや わいわい 京太郎「子供がいっぱいですね」 絹恵「せやなぁ……昔はよくここでお姉ちゃんと遊んだわ」 京太郎「へぇ……」ちらっ ぽてーん ぽーんぽーん 京太郎「あっ、ボール」 絹恵「ボール!!」キュピーン!! バゴォーン!! 京太郎「!」 絹恵「はぁっ!? やってもうた!?」 ありがとーございまーす すげぇきっくだったなー 絹恵「あ、あわわ」 京太郎「すごいですね」 絹恵「こ、これでも元キーパーやから」 京太郎「へぇ! 実は俺もスポーツやってたんですよ」 絹恵「え?」 ぽーん ぽーん 京太郎「また来た。よし、そら!」パシッ タタタッ 京太郎「よっと!」 ピョイーン 絹恵「なんて跳躍力!?」 京太郎「行くぞっ!!」 ポーヒー! デデーン ぎゃぁぁぁぁぁ! 京太郎「わりっ! 強く投げすぎた!」 絹恵「ぷっ、あはははっ!」 198 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 17 14.78 ID 1psX/iEio [7/13] 京太郎「絹恵さん?」 絹恵「やるやん。なんだか、勝負したくなってきたで」ウズウズ 京太郎「それじゃあゴールもありますし、やります?」ニッ 絹恵「へー、言うやん! よし、負けへんで!」ニッ がきんちょ「合体! 合体してるから安心!」 浩子「よくボール投げてくれたなー。はい、妖怪メダルや」 がきんちょ「わーい! わーい!」 浩子「さて、後はネキが戻ってくるのを待つだけやな……」 タタタッ 洋榎「浩子ー! 何を先に行っとるんやー!」 浩子「あ、遅いでー」 洋榎「勝手に行っといて何を……ん?」 浩子「(さーて、これからが本番ですー)」ククク 洋榎「? 何を見てる……ん、や?」 京太郎「よっしゃ! 俺の勝ちですね!」 絹恵「ああっ! ハンドボールってむずいなぁ!」 京太郎「じゃあ次はサッカーで!」 絹恵「望むところや!」 洋榎「絹……? 須賀、くん?」ドクン 浩子「……」ソーッ パシャッ 洋榎「なん、で……」 京太郎「(あれは浩子と洋榎。そろそろか)」チラッ さて、どうするかな 00~29 このまま遊び続ける 30~59 楽しく話しているのを見せつける 60~89 絹恵が京太郎に抱きついてくる 90~99 偶然を装いキス ゾロ目 絹恵の方から京太郎にキス ↓2 ネキィー! 生きろぉー! 208 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 25 19.40 ID 1psX/iEio [8/13] 京太郎「(タイミングを見計らって抱きつくか?)」 それを見れば洋榎さんも…… 絹恵「来い!」 京太郎「はぁっ!」どごーん 絹恵「甘いで!」ぱしぃっ! 京太郎「しまった!!」 絹恵「えへへ、やったぁ! 私の勝ちや!!」だきぃっ 京太郎「!?」 むにゅん 絹恵「どや! 私だってやるやろー!」ぎゅうう 京太郎「き、絹恵さん!」あせあせ 洋榎「……」 浩子「……」パシャシャシャシャ 洋榎「絹……」ギリッ 絹恵「ん? どうかしたん?」 京太郎「あ、あの……胸が」かぁぁっ 絹恵「あっ!」バッ 京太郎「す、すすすみません!」 絹恵「え、ええって! 私が、勝手にやったことやし!」かぁぁっ 京太郎「でも!」 絹恵「そ、それに」もじもじ 京太郎「それに?」 絹恵「須賀君になら……悪い気、せぇへんっていうか……//」モジモジ 京太郎「(素晴らしい。素晴らしいですよ絹恵さん)」 ここまで思い通りに動いてくれて 本当にありがとうございます 京太郎「……」クスッ 洋榎「……浩子、うち帰るわ」ふらふら 浩子「えー? 絹がデェートしとるのに放っておくん?」にやにや 洋榎「デートやないっ!!」 浩子「!?」ビクッ 洋榎「……友達や。絹も、そう言っとった」 浩子「友達ぃ? 男女の友情とか幻想やでー」(煽っていくスタイル) 洋榎「……」ブルブル 209 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 32 59.41 ID 1psX/iEio [9/13] <帰り道> 京太郎「すみません、今日はほとんど運動ばっかりで」てくてく 絹恵「ううん。私も久しぶりに動いて楽しかったわ」てくてく 京太郎「でも、そんなにおしゃれした格好だったのに」 絹恵「ああ、別にええんよ。あまりガラじゃないし」 京太郎「そんなことありません。絹恵さんは、綺麗ですから」 絹恵「そ、そう? ありがとな」ドキドキ 京太郎「……絹恵さん」 絹恵「?」 京太郎「辛いことが残っていますけど……俺、なんとか力になります」 絹恵「須賀君……」 京太郎「今日みたいに、何もかも忘れて……二人で楽しくなれたら」とおいめ 絹恵「っ」ドッキーン 京太郎「……それじゃあ、俺こっちなので」 絹恵「あっ……もう、お別れか」 京太郎「また誘いますよ。調査の方も、頑張りますから」 絹恵「う、うん」 京太郎「……では」 絹恵「バイバイ、須賀君」 夕暮れに消えていく須賀君を見て、私はどこか寂しく思う なんでやろ? 須賀君を見てるとまるで、仲のいい兄弟のような……父親のような 不思議と、そんな気がするんよ…… プルルル 京太郎「俺だ」ぴっ 浩子『万事順調です、どうぞー』 京太郎「こちらも問題無い。どうぞ」 浩子『ククク、今夜は荒れるでー』 京太郎「俺が仕組んだとはいえ、胸が痛い……」 214 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 40 44.10 ID 1psX/iEio [10/13] <愛宕家> がちゃっ 絹恵「ただいまー」 すたすた がちゃっ 絹恵「なんや誰もおらへんの?」かちっ パッ 洋榎「……」 / \. , ' \ \ //. / / .|, ヽ ヽ . //' / /| .| |‘,|`、 ',⊥_. /// . . /|_||l |_l_lノ|', . .|__ `丶、 (/| l {八「TT、 ! |/__|ハ | | ̄¨'' \ //| | l∧'笊丐 \ 、「苅「》 人′ ノ 〉 ( _.|八\ハ 乂 リ ー┘l イ 、 \ ___彡 ´  ̄ ̄/ /| |', ' | | 〉 / \、| 込、 ,、 . イ | | _/', | | ` .,_. イ|イハ| | ',. | |___/r} ノ V / ', ∧| / /ーn彡 /へ、 ', 絹恵「わっ!? お姉ちゃん!? なんで電気点けへんの?」 洋榎「帰り遅かったなー絹。どこに行っとったん?」 絹恵「え?」 洋榎「……」 絹恵「き、喫茶店やけど」 洋榎「ふぅーん? 喫茶店でそないに汚れるんかい」 絹恵「っ!」ドキッ 洋榎「女友達? おしゃれして出かけて、土だらけやん」 絹恵「さ、サッカーの時の友達やってん! せやから公園でちょっと」 洋榎「へぇ……サッカーの」 絹恵「(お姉ちゃんに須賀君のことは言われへん)」 おかんのことが勘付かれたら、間違いなくお姉ちゃんはおとんに言う そうなったら全て終わりや 絹恵「せや! ほら、知っとるやろ……チーム同じやったあの子や」 あとでメールでお願いすればええ なんとか誤魔化さんと 洋榎「チームメイト……」ギリッ 215 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 48 57.31 ID 1psX/iEio [11/13] 絹恵「そう! 今日は本当に楽し……」 パァンッ!! 絹恵「……えっ」ひりひり 洋榎「嘘つき」 絹恵「お、お姉ちゃん……ぶった?」 洋榎「なんぼでもぶったるわ!! このホラ吹き!!」ばしっ 絹恵「いたっ!?」 なんで? なんでバレてるん? 洋榎「見たんや!! うち、お前が男と一緒におるんのをな!」バシッバシッ! 絹恵「!?」 洋榎「姉に嘘吐いてデートかい!? いい身分やな!!」 絹恵「ち、ちゃう! これにはわけが!」 洋榎「訳も糞もあるか!! このっ!!!」 バキッ 絹恵「っ!」ボタタッ あかん、鼻血が出てもうた…… 口の中も…… 洋榎「絹ぅぅぅぅ!!」 ガチャッ! 愛宕父「洋榎!! 何をしとるんや!!」 洋榎「!!」ビクッ 愛宕父「絹から離れぇ!!」 ドゴォッ 洋榎「うがっ!?」ゴロゴロッ 絹恵「お、お姉ちゃん!!」 愛宕父「このっ! このっ!! 絹に! 何をするんや!!」ガンガンッ 洋榎「っ! やっ、やめっ! ひぐっ、いやぁ……」ドガッ バキッ グシャッ 絹恵「やめぇ!! 実の娘に何するんや!!」バッ! 愛宕父「っ!? 絹、これはお前を守る為に!」 絹恵「お前なんかに守られとうないわ!!」 洋榎「……」ピクピク 絹恵「お姉ちゃん……立てる?」 洋榎「っ……触るな」パシッ 絹恵「あっ」 愛宕父「洋榎!!!」 洋榎「……っ」ダダダッ 絹恵「……」じんじんじん 221 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 53 56.13 ID 1psX/iEio [12/13] 洋榎「っ!!」ダダッ ガチャッ 雅枝「ただいまって……どしたん洋榎? 怪我しとるん?」 洋榎「……」 バタンッ 雅枝「?」 絹恵「あっ」 雅枝「絹、何があったん?」 絹恵「……」ギロッ 雅枝「き、絹?」 絹恵「全部、全部おかんのせいや……」ボソッ 雅枝「!?」 絹恵「っ!!」ダダダッ 雅枝「絹っ!!」 絹恵「(嫌いや! オカンも! おとんも!!)」じわっ 須賀君、私もう……限界や 助けて須賀君、須賀君っ!! 絹恵「ひっく……ぐすっ、あぁぁぁっ……んっ!」 <愛宕絹恵> 【好感度】 京太郎(54) 洋榎(73) 父(06) <愛宕洋榎> 【好感度】 京太郎(55) 絹恵(13) 父(43) 228 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/10(水) 23 59 50.14 ID 1psX/iEio [13/13] <ホテル> 浩子「てな感じや」 京太郎「……最低だな、俺」 浩子「自覚あったんかい」 京太郎「……」 それでも、俺にはこの方法しかない あの男からみんなを解放する為に……これは必要なことなんだ 京太郎「浩子。そろそろ詰めだ」 浩子「!」 京太郎「洋榎さんはもうほぼこちらに傾いた。後は、絹恵さんだけだ」 浩子「使うんかルーレット?」 京太郎「それは最終手段だが……場合によってはな」 どうする? このまま―― 1 絹恵に機械を使う→結果によってはED 2 今度は絹恵に絶望をプレゼントする→姉妹仲ブレイク完了でED ↓1~7 多数ケツ 242 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 08 21.03 ID n2GN+6jSo [1/20] <愛宕家> 絹恵「……」 コンコン 雅枝「絹、いい加減に出てきぃや」 絹恵「出とうない」 雅枝「……ハァ」 バタンッ 絹恵「(須賀君……私にはもう、須賀君しかおらん)」カチカチ 件名『助けて』 本文 もうどうしたらいいか分からへん お願い、会って話を聞いて! 絹恵「須賀君っ……!」 なんで返事くれへんの? 須賀君……! 絹恵「早く、助けてやぁ……」ぐすっ 洋榎「……」 浩子「なんや喧嘩したんやって?」 洋榎「出てかんとコロスで」 浩子「おーこわ。折角ええ情報持ってきたちゅうのに」 洋榎「?」 浩子「絹の彼氏な、清澄の生徒やってん」 洋榎「(知っとるわ)」 浩子「それで、うちの学校のメンバーがそいつと知り合いでなー」にやにや 洋榎「!?」ガタッ 浩子「電話番号、聞いてきたんやけど」 洋榎「須賀君の……番号」どくんっ どくんっ 245 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 18 58.66 ID n2GN+6jSo [2/20] <公園> 洋榎「……」そわそわ 何やっとるんやろ、うち 浩子に頼んで須賀君を呼び出して…… 洋榎「服、変やないかな?」 髪型も、化粧も……体臭も気にしとる 洋榎「こ、恋する乙女やなし!!」ぶんぶんっ うちはただ須賀君に謝りだけや! それと、絹のことを問いただす それだけなんや…… 京太郎「……」ざっ 洋榎「あっ」ドクン 須賀君! きゅ、急に来る奴があるかい! 京太郎「……おはようございます」 洋榎「あ、ああ、おはよ」 京太郎「……」 洋榎「え、えっと」もじっ 京太郎「話が無いなら……俺は帰りますよ」くるっ 洋榎「ま、待ちぃや! うちは……!」 京太郎「……なんですか?」ギロッ 洋榎「っ!」ゾクッ この冷たい目 須賀君、本気で怒っとるんや なんで? あの日はあんなに優しく笑ってくれたのに…… うちのせい? うちが、須賀君を傷つけたから? うちが…… 洋榎「ご、ごめんなさいっ! うちが悪かった!」どげざっ! 京太郎「!?」 洋榎「須賀君のこと疑うて、変なこと言うてもうた!」 京太郎「やめてください!」 洋榎「で、でも!!」 京太郎「……」 00~29 許すと言う 30~59 頭を撫でる 60~89 抱きしめる 90~99 キスをする ゾロ目 ホテルへ直行 ↓2 ネキェ…… 256 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 29 20.82 ID n2GN+6jSo [3/20] 京太郎「もう、いいんです」ぽんっ 洋榎「えっ?」ドクンッ ナデナデ 京太郎「そんな顔しないでください。洋榎さんは、明るい顔がかわいいんですから」 洋榎「す、須賀君!」ドキッ 京太郎「俺も意地になってすみませんでした」 洋榎「そ、そないなことない! 悪いのはうちや!」ドキドキ 京太郎「あはは、じゃあどっちも悪いってことですね」 洋榎「せや! そういうことに……って、須賀君は悪くないって言うとるやん!」 京太郎「もう、洋榎さんも頑固ですね」ナデナデ 洋榎「それに! い、いつまでなでてるんや!?」カァァ 京太郎「あれ? 嫌ですか?」 洋榎「嫌や、無いけど……でも」ドキドキ うち、こんな風に頭撫でられたことあらへんから どうしてええのか、分からん おとんにも、こんなことされたこと無いのに 京太郎「俺も男ですから。かわいい女の子にこうしたいって思うのも無理ないんです」クスクス 洋榎「かか、からかっとるやろ! そうやな!?」かぁぁっ 京太郎「ふふっ、どうでしょう?」 洋榎「んぅ……」モジモジ 京太郎「ほら、立ってください。服が汚れます」 洋榎「あ、ありがとな」 京太郎「おしゃれな服ですね。似合ってますよ」 洋榎「そ、そうかな? うちにはちょっと派手な気が」 京太郎「そんなことないです。洋榎さんの魅力は、俺がよくわかってるんです」 洋榎「え?」 京太郎「だって、大会中ずっと……俺は」ジッ 洋榎「うぇっ!?」 京太郎「……」メソラシ 洋榎「(な、なんやぁぁぁ!! 今のはなんなんやぁぁぁ!)」どきどきどきどき 260 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 39 31.50 ID n2GN+6jSo [4/20] 京太郎「それより、どうして俺を呼び出したんですか?」 洋榎「え?」 京太郎「まさか、これだけじゃないですよね?」 洋榎「っ」びくっ そうや、あの事を確認せなあかん 昨日……どうして絹と一緒にいたのか 京太郎「?」 洋榎「き、昨日ことや」 京太郎「昨日、ですか?」 洋榎「絹と一緒におったろ? あれ、なんでや?」 京太郎「(いきなり本題か)」 洋榎「ぐ、偶然見たんや! それで……」 京太郎「ああ! 絹恵さんとは街で偶然会ったんです」 洋榎「え?」 京太郎「その前のことがあったので、洋榎さんのことを相談したんですよ」 洋榎「絹に……相談?」 京太郎「洋榎さんと喧嘩別れしちゃって……どうすれば仲直りできるかなって」 洋榎「!!」 うちと仲直り!? ちゅうことは……絹がうちに隠していたのは! 須賀君と仲直りさせる為?! 洋榎「(ごめん絹!! うち、勘違いで!!)」じわっ 京太郎「(なーんて考えてる顔してるなぁ)」 洋榎「(なんて謝ればええんや……)」 京太郎「(でもそこが罠なんですよ、洋榎さん)」 洋榎「(うち! 絹にもちゃんと謝るから――)」 京太郎「でも驚きましたよー」 洋榎「え?」 京太郎「だって、絹恵さんが……」 どくんっ 京太郎「洋榎さんは絶対に俺のことを許さないだろうって、言ってたもんですから」 洋榎「えっ……」 265 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 48 53.11 ID n2GN+6jSo [5/20] 絹が? そんなことを? 洋榎「ど、どういう……」 京太郎「洋榎さんはプライド高いから、俺みたいな奴に舐められたらキレるでーって」クスクス 洋榎「あ、あはは……そうかも、しれへんな」 京太郎「冗談のつもりで脅してたんですかね? もう、もしかして二人で仕組んだんですか?」 洋榎「……それで?」 京太郎「はい?」 洋榎「絹は他になんて言うとったん?」 京太郎「えっと……洋榎さんのことは忘れて、私と遊ばないかーって」 洋榎「!!」 京太郎「息抜きにサッカーしようってことで、この公園で」アハハ 洋榎「……」 京太郎「あれって、洋榎さんが怒ってないって分かってたからだったんですねー」 洋榎「そ、そうやろなぁ」ワナワナ 京太郎「でも、残念です」 洋榎「残念?」 京太郎「絹恵さんには言わないでくれますか?」 洋榎「……勿論や」プルプル 京太郎「洋榎さん、好きな人がいるんですよね?」 洋榎「…………は?」 京太郎「隠さなくていいですよ。もう、絹恵さんから聞いてますから」 洋榎「は?」 京太郎「俺、実は大会の時からずっと洋榎さんのこと好きで……」 洋榎「っ」ドキッ 京太郎「一昨日街で会ったのも、洋榎さんに告白する為だったんです」 洋榎「す、須賀君がうちを!?」ドキドキドキ 京太郎「だから、絹恵さんにも相談したんですけど……お姉ちゃんには心に決めた人がおるからって」 洋榎「……」ブチッ 京太郎「あはは、それがあったから俺も吹っ切れたんですけどね」シュン 洋榎「……」 京太郎「ショックでしたけど……俺! 応援してますから!」ニッ 272 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 00 57 41.84 ID n2GN+6jSo [6/20] そういうことやったんか 絹、お前は陰でいつもそうやって…… 毎度毎度!! うちの邪魔をして、嘲笑って!! 京太郎「洋榎さんのことは諦めましたから、今度は絹恵さんを狙ってみます!」 洋榎「……ちぃ」 京太郎「勝算あるんですよ! 昨日、絹恵さんは俺に好みのタイプだって!」 洋榎「待ちぃ」 京太郎「えへへ。俺、彼女とか出来たことないんですけど、頑張って……!」 洋榎「待ちぃっ!!!」 京太郎「っ!」 洋榎「……嘘や」 京太郎「え?」 洋榎「それは全部、嘘や」 京太郎「は……い?」 洋榎「全部絹の嘘!! うちにはそんな人おらん!」 京太郎「嘘? それって本当ですか?」 洋榎「せや! 絹の吐いた真っ赤な嘘や!」 京太郎「そんな……(さて、そろそろ頼むぞ浩子)」 絹恵「本当に!? 本当にここにおるん!?」 浩子「ああ、さっき泉から連絡あってな。この公園で須賀を見かけたゆうとったで」 絹恵「そっか。じゃあ行ってくるで!」 浩子「おー」 | . . .| . . . . . . . . . .| | l八{\ . . . . / ___ ∨ . . . . . . \ . . . . . . . . . . | | . . .l . | . . . . . . . .lノ } \_  ̄ ̄ ̄ ∨ . 、 . . . . .| . . . . . . . . . . | | . . .l . | . . . .. .//_' ´ ̄ ∨ . \ . . | . . . . . . . . . . | | . . .l l l\// ´ =芋 苧苧芋= ∨ . . . ┴ 、 . . . . . . . | | . . .l从  ̄ /〉 .| ( ) | } ∨ / ∨ . . . . / 八. . . . . . /..ベ 乂 ノ / }/ | . . . . / \ . . . . =彳 ( ハ. .==、 ¨¨´ / 八 . / \∧ 乂 } } .ー―― / . . ./ {\ . ¨¨´ノ ' )`ヽ 〈___/ . . . ′ \ .__ //ノ /「 . . . . . . . .| / ´ .イ . | . . . . . . . . | | __ -‐ , | .| . . . . . . . . | | . 、 `¨´ / .| .| . . . . . . . . 乂__ノ . / | .| . . . . . . . . . . . . . . . . . 个 ... / | . 乂 . . . . . . . . . . . . . . . 浩子「頑張りやー」ククク 絹恵「須賀君!! 助けて、須賀君!!」 この先に須賀君がいる! 須賀君、うちのこと! 絹恵「助け――!」 洋榎「絹はすぐに男を黙くらかして自分のモノにする! ヤラしい女なんや!!」 絹恵「……え?」ドクン 279 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 04 37.50 ID n2GN+6jSo [7/20] 絹恵「(お姉ちゃん……なんで、須賀君と?)」 洋榎「絹は嘘吐きで、いつもうちから男を奪う尻軽や!」 京太郎「え? とてもそんな風には……」 洋榎「騙されたらアカン! アイツの本性はクズやクズ!!」 絹恵「っ」ズキッ なんで? なんでそないなこというの? やめて、須賀君にだけは…… 京太郎「じゃ、じゃあ?」 洋榎「須賀君……うちと付き合いとうない?」 京太郎「え?」 洋榎「うちは、須賀君のこと好きやで」もじもじ 絹恵「!!」 京太郎「洋榎さん……でも」 洋榎「つべこべ言うな! うちと付き合うたらええねん!」グイッ 絹恵「あっ」 洋榎「んぅー!」 ちゅぅぅぅぅ 京太郎「……洋榎さん」 洋榎「アホ、こういう時は抱きしめんかい」ぎゅっ 京太郎「はいっ」 ギュゥゥゥ 絹恵「あっ、あぁ……あぁ」ガクガクガク ずるい お姉ちゃんばっかり どうして? 須賀君は私を助けてくれるはずやのに お姉ちゃんがなんで? 昨日、見たんやろ? 私が須賀君と一緒におるんのを なのに 奪うの? 私から、救いの手を なんも知らんくせに オカンの浮気も、この胸の苦しみも なんも 絹恵「ぁ、ぁあああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!」 284 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 13 00.92 ID n2GN+6jSo [8/20] 洋榎「!? 絹!?」 京太郎「絹恵さん!?」 絹恵「よくも!! よくもぉぉ!!」ダダッ バキッ 洋榎「っ!?」ドシャッ! 京太郎「洋榎さん!?」 絹恵「あぁぁぁぁ!!!」ドガッ! バキッ! 洋榎「ぶっ!? がっ!? がはぁっ!?」 京太郎「やめてください!!」ガシッ 絹恵「このっ! 泥棒!! 死ねっ! 死んでまえ!!」 洋榎「はぁ、はぁ……泥棒はどっちや」ギロッ 絹恵「ああぁぁぁっ!?」 洋榎「ふんっ、京太郎はもううちのもんや」ニヤッ 絹恵「っ!!」 洋榎「おー、こそこそするしか能の無い女は見苦しゅぅて困るわぁ」ペッ 絹恵「~~~~っ!!!」ジタバタッ! 京太郎「洋榎さん! 煽らないでください!」 絹恵「なんで! なんで須賀君のこと!! 須賀君は私の!」 洋榎「負け犬の遠吠えは心地ええなぁ? んー? どんな気持ちや?」クスクス 絹恵「お前ぇえええええええええっ!!」 京太郎「絹恵さんっ!!」 絹恵「っ!?!」 洋榎「なぁ、京太郎。このあと、いいとこにでも行かへん?」 京太郎「え?」ドキッ 洋榎「ええやろぉ……うちとスケベしようやぁ」さわさわ 絹恵「~~~~~~~~~~っ!!!!!」ギリギリギリ 洋榎「なんや? お前はその辺の男でも引っ掛けぇや。腐るほど相手おるやろ」 絹恵「ぐぁがあぁぁぁぁっ!!」ブンッ 洋榎「おっと!! 当たらへんわ! バァーカッ!!」 京太郎「(相変わらず口は強いな、洋榎さん)」ハァ 絹恵「殺す……殺したるぅ!!」 洋榎「はぁ~? 殺すぅ? 半端な覚悟で言うなや!!」 どごぉっ! 絹恵「おぶぇっ!? うぉぇぇっ!」げろげろ 洋榎「どや? さっきの借りは返したで」 京太郎「絹恵さん! こ、これで口を」 289 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 21 52.28 ID n2GN+6jSo [9/20] 洋榎「京太郎は優しいなぁ……でも、遠慮いらへんで」 京太郎「洋榎さん!」 洋榎「今まで、散々苦汁を飲まされてきたけど……」 絹恵「ぅぇっ……ぁぁぁ」ゼーゼー 洋榎「最後の最後で勝たせてもろうてすまへんなぁ!!」クスクス 絹恵「う、うぁぁぁぁんっ!! ぁぁぁぁぁあ!!」 京太郎「絹恵さん、このハンカチを」 洋榎「ほら、行くで京太郎。今日はうち……覚悟決めてるんよ」ギュッ 京太郎「……」 絹恵「行かないで……須賀くん……いやぁ」ぽろぽろ 京太郎「絹恵さん……」スッ さて、これが最後の仕上げだ 京太郎「全て聞きましたよ。絹恵さん、洋榎さんの彼氏を何度も奪ってるそうですね」ボソッ 絹恵「……えっ?」 京太郎「俺が初めてだなんて嘘吐いて……しかも、浮気ばっかりしてるとか」ヒソヒソ 絹恵「そ、そんなこと……」 京太郎「幻滅しました。貴女も、お母さんと同じなんですね」ヒソヒソ 絹恵「ち、ちゃう……それは!」 京太郎「さようなら」 洋榎「京太郎、行くでー」ダキッ 京太郎「はい。行きましょう」 絹恵「い、行かないで……私を、置いていかないで」 京太郎「ダメですよ、妹さんに暴力なんて」 洋榎「先に仕掛けたんはあっちや!」 京太郎「それでもです」 洋榎「もう、京太郎は優しいなぁ」 いちゃいちゃ 絹恵「須賀君――」 浩子「あぁ~~~!! 愉悦!!」ビクンビクンッ 298 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 30 30.54 ID n2GN+6jSo [10/20] <ホテル> 洋榎「はぁっはぁっ……こないに中で出して……んふふ、妊娠確実や」サスリサスリ 京太郎「本当によかったんですか? 俺なんかで」 洋榎「当たり前やん。もううちには京太郎だけしかおらんもん」ぎゅー 京太郎「洋榎さん……」 洋榎「何があっても京太郎、お前だけ。お前がいれば他はどうでもええから」ちゅっちゅぅぅ 京太郎「……」 洋榎「おとんはうちのこと見てくれへん。絹はアレやし、オカンも最近は様子が変やし」 京太郎「それなんだけど」 洋榎「?」 京太郎「もし、お母さんが浮気していたとしたらどうします?」 洋榎「……別に。あんなオトンに愛想尽かすのは当然やし」アホクサー 京太郎「そっか。じゃあその相手が俺だったら?」 洋榎「んー……嫉妬するやろなぁ」 京太郎「それだけ?」 洋榎「そんでもって、今よりもっともっと! 京太郎に抱きついたる!」 京太郎「別れないんですか?」 洋榎「アホ! 何があってもお前と別れたりせぇへん! うちにとって、お前が何よりも大事なんや!」 京太郎「そうですか。それを聞いて安心しました……」 洋榎「なんや、オカンに興味あるん?」ツンツン 京太郎「あはは、だって元は愛宕プロのファンですし」 洋榎「んふー♪ 京太郎が望むなら、オカンと三人でするんも悪くないなー」ニヤニヤ 京太郎「えぇ? そんなこと……(と、ここで息子を)」 ビィーン!! 洋榎「そう言って、ここは素直やなぁ?」クスクス 京太郎「あちゃー」 洋榎「ええで。オカンもあないなオトンの相手じゃ可哀想やし……一緒に協力して堕とそうや」ニカッ 京太郎「ふふっ……やっぱり最高です。貴女は」ちゅっ 本当に、ね あぁ、雅枝――これで、もうすぐお前と 304 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 40 16.72 ID n2GN+6jSo [11/20] <愛宕家> 絹恵「須賀君須賀君須賀君須賀君」ブツブツブツブツ ガリガリガリガリ 絹恵「好き、好きやで、好きなんや……守って」ブツブツブツブツ ポタッ ポタァッ…… 絹恵「赤い血アカイチ……マッカや……ふふ、あはははは」ゲラゲラ がちゃっ 浩子「……絹、この間の雅枝おばさんのことやけどなー」 絹恵「須賀君須賀君好き好き赤い血」ブツブツ ガリガリガリガリ 浩子「おばさん、新しい浮気相手を見つけたらしいで」 絹恵「……」ピタッ 浩子「しかもその相手がな……」 絹恵「……」 浩子「なんと、あの須賀京太郎なんやで」ニィッ 絹恵「は?」 浩子「須賀の奴、おばさんに直接話を付けに行って抱き込まれたらしゅうてな」 絹恵「は?は?は?は?は?は?は?は?は?は?」 浩子「ネキも最初は怒ってたらしいけど、おばさんと和解して三人でよろしくやってるみたいやで」 絹恵「お姉ちゃんとオカンが……須賀君と?」 浩子「せや。アカンなーこれじゃ、この家に残ったのはもう」 クスッ 浩子「絹と、おじさんだけや」クスクスクス 絹恵「い、いやあああああああああああああああああ!!」ガサガサガサッ!! ガシャッン!! ドガッ ゴロゴロッ!! 絹恵「嫌や!! あの男と二人なんて嫌!! 嫌やぁぁ!! 助けてぇ!! 浩子!!!」 浩子「そない言うたかて」 絹恵「あの男! 徐々にエスカレートしとるんよ!! 犯される!! もう、無理なんや!!」 浩子「孕まされたらええがな」ほじほじ 絹恵「浩子ぉ! 助けてよぉぉぉ!!」 浩子「せやったら……」 にっこり 浩子「ええ方法が、あるで」 絹恵「えっ……?」 310 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 50 32.30 ID n2GN+6jSo [12/20] ――数週間後 <ホテル> 雅枝「しっかし、驚いたわ」クスッ 京太郎「んー? どうしたんだ雅枝」ちゅっ 雅枝「んふふ、気づかん間に……この子ら二人堕とすなんてな」クスクス じゅっじゅぽっ ぐぽぉ 絹恵「んぶぅ……お姉ちゃん……ずるぃ、あぁんっ」ぺろぺろ 洋榎「あほぉ、最初に舐めてたんはうちや……んじゅっじゅずぅぅぅ」ジュゴゴゴゴォ 京太郎「ぐっ! いいぞ……二人共」ナデナデ 絹恵「えへへっ! ありがとうパパッ!」んべぇー 洋榎「絹ぅ、そのパパ言うのやめぇや。なんか萎えるで」ハァ 雅枝「一応は洋榎も娘なんやから、そこはちゃんとしとき」 洋榎「けっ、おばんが」 雅枝「洋榎!」 京太郎「雅枝、許してあげなよ」むにゅんっ 雅枝「んぁっ……もぅ、しょうがあらへんなぁ」ハァハァ 京太郎「洋榎も、いい子だから我慢しような」ナデナデ 洋榎「えへへ、京太郎大好きや!」チュゥゥ 絹恵「あっあっ! ずるいっ! 私も! キス! キスゥ!」チュッチュッチュッ 京太郎「絹はちょっと子供っぽくなっちゃったな」 絹恵「んへへ……パパ、だぁーいすき」ギュゥゥ 京太郎「これからゆっくりと元に戻してやらないとな」 雅枝「せやな。これは、私達の仕事やで」 洋榎「悪かったなぁ絹。うち、お前がそこまで京太郎のこと好きやったなんて知らへんかったから」 絹恵「ううん、お姉ちゃんもパパのこと好きやったんやから、仕方あらへん」 洋榎「同じ男を好きなもん同士! 仲ようせんとな」 絹恵「うんっ!」 京太郎「おいおい、姉妹仲いいのは嬉しいけど……口止まってるぞ」ビンッ 雅枝「しょうがない子達や。うちが、見本見せたる」クパァ ズリッ じゅぷぷぷっつ 雅枝「んひぃっ!? きたでぇぇ!!」パンパンッ 洋榎「うわー! オカンのえっぐぅー」 絹恵「使い込まれてるんやなぁ」 京太郎「違う。使い込んだんだよ……こんなふうにね」 パァァァンッ!! 雅枝「んほぉぉぉぉっ!?! それいぐぅぅっ!?」ブシャァァア!! 319 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 01 59 09.15 ID n2GN+6jSo [13/20] 雅枝「あひぃ……んぅぉぉぉっ」ガクッ 京太郎「ふぅ……さて、次はっと」 洋榎「はいはいはい! うちの番や!」 絹恵「ちゃう! 私の番!」 京太郎「喧嘩しない」 パンパン 浩子「こらー、これはビデオ撮影だってこと忘れてへん?」 京太郎「あ、そういやそうだったな」 絹恵「なんや浩子ーさっきから陰でこそこそ」 浩子「これは、あの男に送りつけるビデオやって言うたやろ」 絹恵「あれ? そうやった?」 洋榎「あんな奴どうでもええから忘れとったわ」 京太郎「そう言うな。洋榎に虐待した件で、今は拘留されてんだからさ」 雅枝「んっ……ふふ、しかもそれを理由に離婚も成立したし」 絹恵「まさに万々歳や」 洋榎「しかもあのアホ、会社クビになってもうたらしいで」 雅枝「なんやて!?」 京太郎「可哀想なのか?」 雅枝「ちゃう。養育費と慰謝料払ってもらわな困るやん」 京太郎「そっちかい」 雅枝「重要やで~!」 京太郎「さて、それじゃあそろそろメッセージでも送るか?」 絹恵「えぇ?」 雅枝「ええやん。もう二度と会うかもわからへんし」 ザザッ 絹恵「気持ち悪いおっさぁーん! 見てみぃ、うちの乳首、パパに弄られてこんなになっとるで」ビンビン 京太郎「味も最高だ」 絹恵「んぁっ……アソコも、こんなにグジョグジョにされて……もう孕む寸前や」 パンパン 絹恵「せいぜいこれ見て……んぎぃっ! 画面の前でシコっとれやブァーカ!」 ザザッ 洋榎「気持ち悪っ! はよ死んだらどうや? いや、死んだらめんどいから消えろボケ」 京太郎「汚い言葉を使わない」パンッ 洋榎「んぁっ! もぅ、これしゅきぃ……おちんちんきもちよすぎるんやぁぁ……」トロン パンパンパン 洋榎「せいぜい、ハァハァ、養育費と慰謝料、がんっばって、払うんや……なぁぁぁぁんっ!!」プシャァァ 327 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 02 08 19.95 ID n2GN+6jSo [14/20] ザザッ 浩子「イェーイ! おじさん見とる~~!」ピース 京太郎「調子に乗らない!」パンッ 浩子「いひっ! こないチンポでハメられたら、何もかもがどうでもええなぁ」ハァハァ 京太郎「そうか?」 浩子「あっ、あぁっ! もっとぉ……ふあぁぁぁ!!」ガクガク ザザッ 雅枝「ふふっ……見てる?」グチュグチュ 京太郎「いいぞ、締まる!」パンパン 雅枝「うちなぁ、ずっとずぅーっと! この子のモノやったんよぉ」ハァハァ 京太郎「中で出すぞ!」 ドビュルルル! 雅枝「ぁぁ~~っ♪ 気持ちぃぃ……んふっ、濃いのが沢山」ドロォォ 京太郎「まだまだ!」パンパン 雅枝「あんっ! お前には無理やろうけど、これが女に悦びを教えるっちゅうことや!」 京太郎「雅枝! 雅枝!!」パンパン 雅枝「んほぉぉぉ! 人妻だったのに! 高校生にチンポハメられてイってまうぅぅ!!」ブシャァァ ガクガクガク 雅枝「いひひぃ……んはぁぁ……これしゃいこぉ……」 京太郎「はぁ、はぁ……さて、最後に俺から」 ざざっ 京太郎「最後にいいもん見れただろ? 冥土の土産ってやつだ」 愛宕父「……!?」シコシコシコ 京太郎「お前が仕事をクビになったのは、俺が椅子に命じて圧力をかけたからだ」 愛宕父「!?」 京太郎「そして、慰謝料が払えないお前は確かホモビに出演したんだっけ」 愛宕父「!!?!?」シコシコシコ 京太郎「その相手……ポジ種持ってるそうだぞ」 愛宕父「!?!?!?!?!」 京太郎「じゃあな。せいぜい、心行くまで楽しんでイってくれ」 愛宕父「ああぁぁぁっ!!」 京太郎「愛宕家は、俺がしっかり守ってやる」 ブツッ 愛宕父「んあぁぁぁぁっ!!」ビュルルルルルルッ!! 336 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 02 15 40.23 ID n2GN+6jSo [15/20] こうして、俺の復讐は終わった 悪に身を染め、外道の限りを尽くした その結果、俺は大切なモノを手に入れたんだ―― ~~数年後~~ 京太郎「絹、洋榎! 大学の時間だぞ」 絹恵「はーいパパ!」 洋榎「って、京太郎も同じ大学やないか!」 京太郎「そりゃそうだ」 雅枝「朝から騒がしいで、昨日はあんなに激しかったのに」 洋榎「おかんが歳取っただけや」 絹恵「せやせや」 浩子「あまり言うと怒られるで」 雅枝「もう怒っとるわ!!」 京太郎「雅枝。朝飯が遅れるからあとで」ちゅっ 雅枝「もう、しょうがないなぁ」 京太郎「よいしょっと」 透華「んむむ! ですわ!」 雅枝「この椅子、長いこと使うとるのに丈夫やな」 エイスリン「むむむ」 京太郎「愛用品だからな」 洋榎「そういや京太郎、いい加減機種変してもええかな?」 京太郎「なんでだ? まだ咲が使えるだろ?」 咲「うんうん」 洋榎「えー? お古とか嫌やねん」 京太郎「絹は良いって言ってるぞ」 絹恵「うん!」 智紀「優秀だから。ぶいっ」 洋榎「こっちはぺったんこなんやで!」 咲「あ?」 洋榎「この携帯怖い」 京太郎「とにかく我慢だ」 洋榎「ちぇー! 絹、孫の手とって!」 絹恵「自分で取りぃな」 初美「そうですよー」 京太郎「横着しない」 洋榎「ぐぬぬ! うちばっかり!」 342 名前: ◆T4KM.qYCbQ[saga] 投稿日:2014/12/11(木) 02 21 24.76 ID n2GN+6jSo [16/20] ピンポーン 京太郎「はーい!」 淡「宅配便でーす! 娘一つー!! 婚姻届にサインくださーい」 誠子「娘二つ目ー……」 京太郎「間に合ってますんで」 淡「もぅぉぉぉ!!」 絹恵「素直に一緒に大学行こうって言えばええやん」 淡「むぅぅ! パパはパパだもん!」 絹恵「ちゃう! パパは私のパパや!」 京太郎「はいはい」 雅枝「それじゃあ行ってくるで」 京太郎「おう。仕事頑張ってな」 雅枝「うん。あのアホが自殺したせいで養育費も入らんし」 京太郎「俺も大学でたらすぐに働くから」 雅枝「期待せんで待っとくわ」クスクス 洋榎「それじゃあみんな行くで!」 絹恵「おー!」 咲「人数多いね」 がちゃっ まこ「京太郎ー飯もらいにきたでー」 京太郎「またですか」 まこ「なんじゃ、全員留守の間に家の警備をしとるだけじゃ」 京太郎「あ、はい」 がちゃっ 久「お邪魔するわよぉん」 洋榎「出たぁぁあ!! エロ女!!」 浩子「色々技を教えてくれるから助かっとるわ」 京太郎「……はぁ、騒がしいな」
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―― 人には『オーラ』と呼ばれるものがある。 ただ、それは漫画的な強さだったり、パワーアップしたりするもんじゃない。 それはただ相手が恋人がいるかどうかを見分ける程度のモノでしかないのだから。 フリーなら灰色 恋人がいるなら蒼、既婚者なら赤。 人によってその色は微妙に違うものの、目を凝らせばそれは誰にだって確認出来る。 ―― 一説によれば、それは高度に複雑化した社会を維持する為に人類が進化した証…らしいけれど。 どんな集団でも男女関係による不和には弱い。 こうして『オーラ』が確認出来るようになっても、バンドが女性関係で解散するのは日常茶飯事だった。 まぁ、そういう訳で…ぶっちゃけそれがなんの為にあるのか、ちゃんとした説明が出来る人は未だにいないらしい。 子どもの頃からそれが見えていた俺にとっては正直、あるからある…程度の認識しかなかったんだけれど。 「それは全てこの石版の所為だったんだよ!」バーン 京太郎「あぁ、うん」 京太郎「そうだね、プロテインだね」 …………久しぶりに帰って来た親父からのお土産。 それは表面に知らない文字が刻み込まれた妙な石版だった。 まぁ、それ自体は別に特に問題じゃない。 考古学者である親父が妙なものを持って帰ってくるのは別に今に始まった事じゃないからだ。 京太郎「まぁ、酒は程々にしておけよ」 「冷たいぞ、マイサン」 京太郎「…いや、だってなぁ…」 …確かに親父が持ってる石版には、『男女関係を人目で確認する事が出来る世界』と刻み込まれている。 だが、そんなものが果たして今の社会の変革の源になっているなんて到底、思う事が出来ない。 ぶっちゃけた話、誰かが悪戯で石版にそんな文字を彫り込んだって方がよっぽど信ぴょう性があるだろう。 「いやいや、これがホントマジヤバイんだって」 「まずこの石版の構成物質が分からない」 「地球上のどんな物質ともかけ離れててマジヤバイ」 「マジで宇宙から降ってきたとしか思えないって超ヤバくない?」 京太郎「うぜぇ」 とりあえず俺としてはギャル口調で話す親父の方がヤバイくらいウザイ。 幾ら酒が入っているとは言えテンションが高すぎじゃないだろうか。 或いは久しぶりに会った息子との会話に興奮しているとか…。 あぁ、うん、その辺はちょっと恥ずかしくなるから辞めよう。 京太郎「(…ただ、まぁ、親父がこういう事を言うって言うのは)」 親父は多少、おちゃらけた人間ではあるが、滅多に嘘を言わない。 ふざける事はあっても冗談すらあまり口にはしない親父の言葉はきっと本当なんだろう。 まぁ…だからと言って、宇宙から来た…なんて荒唐無稽な話を信じるつもりはないけれど。 宇宙から落ちてきた石版なんて、マジでファンタジーの世界だからなぁ。 京太郎「…で、そんなヤバイ石版をどうして持って帰って来たんだよ」 京太郎「それがマジなら国の研究所かなんかに突っ込んどくべきだろ」 「んー…そうなんだけどさ」 京太郎「けど?」 「…なんとなく直感的にそれがヤバイ気がした」 京太郎「あー…」 ……親父の直感は良くあたる。 正直、オカルトと呼べるレベルの的中率を誇ってるんだ。 その的中率の高さから有名な遺跡をバンバン発掘してる親父の勘は正直、馬鹿にできない。 少なくとも、その勘にこれまで何度か助けられてきた俺には笑う事など不可能だった。 「と言う訳で、京太郎」 「これはお前にやる」 京太郎「はい?」 …いや、あの、ちょっとまってくれ。 なんでそんなヤバイシロモノを息子に預けるんですかねぇ!? 親父がヤバイって言うってよっぽどの厄ネタだろう!! そんなもんを普通の高校生に預けようとするんじゃねぇよ!! 「まぁ、色々と言いたい事は分かる」 「だが、俺が持ってるとこの石版は否応なく目立つし…」 「何よりお前なら安心して預けられる」 …ただ、こうなった親父に何を言っても無意味だ。 おちゃらけてはいるものの、親父はかなり頑固だからなぁ。 それに…安心して預ける、なんて言われたら、ぶっちゃけ俺もその気になってしまうっていうか。 男としてこんな風に言われて悪い気はしない。 京太郎「…分かったよ」 京太郎「でも、あんまり期待しすぎるなよ」 「大丈夫だって。お前は俺の息子なんだ」 「やれば出来る奴だってのは俺が一番、良く知ってるよ」クシャクシャ 京太郎「あぁ…もう…」 …普段離れて過ごしてる癖に調子良いんだからなぁ。 ……まぁ、でも、こうして言われて、ちょっと嬉しくなっちゃう俺も俺だけど。 何だかんだ言いつつ、俺は世界的に有名なオヤジの事を尊敬してるんだ。 そんな親父にこうまで言われちゃ、胸の奥がくすぐったくなる。 「ま、ともかく、その管理はお前に一任する」 「適当に隠すなり使うなり好きにしてくれ」 京太郎「使うって…」 「漬物石なんてどうだ?」 京太郎「んなもんつくらねぇよ」 「でも、最近はラーメン作ってるんだろ?」 京太郎「なんちゃってラーメンだけどな」 …学校の先輩にラーメン好きな人がいるからな。 その人に付き合って色んなラーメン食べてる間に、自分でもちょっと作りたくなったってだけだ。 まぁ、作ると言ってもそこまで本格的なもんじゃなく、自分で小麦粉を打って、機械で麺にして貰うだけだけれど。 それを市販のスープにぶちこむだけでもかなり美味しいって事に最近、気づいた。 ってそれはさておき。 「まぁ、ラーメン作るときに作るなりなんなり適当に使ってくれりゃ良いさ」 京太郎「んな扱い雑で良いのかよ」 「だって、それどれだけ砕こうとしても砕けなかったし」 「割りと色んなアプローチをしてみたけど全部、無意味だったからな」 「データを取れるならとっときたい」 京太郎「だからって漬物石はないだろ」 ……まぁ、なんとなく親父の意図は分かった。 研究者である自分にはお手上げだったから、民間人の俺の発想力に期待してるって事なんだろう。 それに応えられるかどうかは分からないが…まぁ、俺だって別に忙しい訳じゃないし。 暇つぶしに色々とアプローチをしてみるのも良いかもしれない。 京太郎「ま、理由は分かったよ」 京太郎「何か変化があったら、メールか何かすれば良いか?」 「おう。よろしくな」 …さて、んじゃ、そろそろ時間もおそいし。 丁度、話も終わったから、良い子の俺としてはそろそろ休むとするか。 とりあえず…明日あたり冷水に浸してナマのカツオでぶったたいてみるのも良いかもしれない。 下手をすれば石版になってた魔物が実体化して仲間に…あれ?敵だったんだっけ? 京太郎「んしょっと…」 …にしてもマジ軽いな、コレ。 結構、デカサがあるのにらくらく持ち上げて階段も上れるわ。 その上、親父レベルが砕こうとしても砕けなかったって…夢の素材すぎる。 そりゃ親父も直感でヤバイと悟るわな。 こんな素材が一般化したらいろんな分野で革命が起こってもおかしくはないし。 京太郎「(さーって、それじゃあ…)」 …ってあれ、ベッドに置きっぱなしにしてたスマホにLINEが来てるわ。 もしかして、おっぱい美少女から愛の告白かな!!! …………あぁ、うん、そんな上手い話はないですよね。 高久田の奴に対する相談か…。 京太郎「(あいつ、結構モテるからなぁ…)」 190を超える高い身長に、どんな球技でも抜群に活躍してみせる。 ちょっと頭はお馬鹿だが、性格は良く、男気だってあるんだ。 まぁ、喧嘩は苦手だけれど、悪い事を見過ごせないあいつに救われた奴は山程いる。 だからこそ、そんな高久田を射止めようとする女の子は数多くて、その友人である俺にも相談が来るんだけれど。 京太郎「(…結構、心にクるんです)」 言っちゃ何だが、俺はあんまりモテない。 まぁ、お調子者キャラな上に、おっぱいフェチを全面に出したスケベキャラだから当然なんだけれど。 ただ、俺と馬鹿やってるはずの高久田がこうもモテると言うのは、たまーに理不尽なものを感じる。 それであいつに対する態度を変えたりしないが、彼女達の相談を受けるのが辛くなってくるくらいに。 京太郎「(…でも、この子たちも皆、困ってる訳だからなぁ…)」 相談されている身としてはあまり無碍には出来ない。 そもそも俺自身、女の子に頼ってもらうのは嫌じゃないからな。 だから、とりあえず毎回、真剣に相談には載ってるんだけれども。 京太郎「(…ぶっちゃけ、押し倒して一発ヤれば良いって言いたい)」 あいつは何だかんだでしっかりした奴だ。 逆レとは言え、ヤった相手の事を無碍にはしないだろう。 その心に愛がなくとも、相手の事を愛そうと努力するはずだ。 それを考えれば、『ガンガン行こうぜ!』がベストな気がするんだけれど…。 でも、相手はわざわざ親友の俺に告白してくるようなシャイガールだ。 押し倒せ、なんて指示に従えるはずがない。 京太郎「ふぅ……」ゴトン 京太郎「って…ん?」 ……あぁ、そうだ、この石版の事忘れてた。 俺にとっては未知の素材で出来た石版よりも旧友の恋愛事情の方が大事だからな。 にしても…うーん、石版…ねぇ。 ……さっきは親父にあぁ言ったけど…コレがもし本当に、人の『オーラ』を見る力に繋がっているなら… ―― 京太郎「(…例えば、女の子を積極的にさせる事だって出来るかもしれない)」 そうなったらあの鈍感王、高久田と言えど、気づくだろう。 自分が今までどれだけの美少女達から好意を寄せられていたのかを。 そうすれば俺もお役御免。 こうして女の子の相談に四苦八苦し、嫉妬する事もなくなるはずだ。 京太郎「(…ま、とりあえずアプローチだけしてみるか)」 ダメで元々だからな。 …でも、確かこの石版、どれだけ傷つけようとしても壊れないんだったっけ? うーん…じゃあ、流石に彫刻刀とかじゃ無理だよなぁ…。 …………仕方ない、とりあえずマジックで代用しよう。 京太郎「(女の子が男に対して積極的になりますように…っと)」 …………よし。 黒鉛っぽくてちょっとわかりにくいけどちゃんと書けたぞ。 後は……まぁ、とりあえず女の子の相談に戻るか。 折角、LINEで連絡貰ってるのに無視するのも可哀想な話だしな。 これでも一応、俺はフェミニストだし…ってえ? ―― パァァ 京太郎「(なんか石版が光って…!?)」 こ、これもしかしてヤバイ奴か!? もしかして俺やっちゃった!? 百均で売ってるようなマジックじゃなくてちゃんと筆で書けって事なのか!? いや、でも、流石にこの時間から墨をするのは面倒だって!! そもそも明日、学校で習字があるから持って帰って来て… ―― 京太郎「…あれ?」 …………収まった、のか? ふぅ…驚かせやがって。 …寿命が五年は縮まったぞ、多分。 光るなら光るって言ってから光って欲しいもんだ。 京太郎「(…にしても)」 …特に目立った変化はない…よな? うん、肌さわりとか重さとかはそのまんまだし…。 …強いて言えば…まぁ、そのなんだ。 俺がマジックで書いた文字がそのまま彫り込まれてるって事なんだけど。 京太郎「(…ま、まさかな)」 ……確かにそうかもしれないと俺は思ったよ? でも、まさか…百均のマジックでこんな不思議現象起きるなんて思ってなかったし…。 つーか…こうして文字が勝手に彫り込まれて訂正すら出来なくなってるって事は…。 本物?これ…マジで本物なの? 世界のルールとか思い通りにできちゃう系マジックアイテムなの? 京太郎「(…とりあえずこれはヤバイ)」 京太郎「(どう考えてもヤバ過ぎる)」 …とりあえず親父に報告しよう。 そうすればきっと確かな助言をくれるはずだ。 おちゃらけてる事は多いが、学者だけあって親父の知識量はかなりのものだし。 きっと的確な指示を俺にくれるはず…。 京太郎「(あ…れ…?)」クラァ …なんだ、この眠気は…。 ダメだ…今すぐ親父に言わなきゃいけないのに…。 明日の朝には…親父はまた海外に出て行って…いなくなるってのに…。 なんで、こんないきなり眠気が…あぁ…クソ…。 ダメ…だ…身体がもう…堕ち…… ―― チュンチュン 京太郎「うーん…うーん…」 京太郎「はやりさん…もう許して…」 京太郎「もう…出ない…ですから…」 京太郎「ぜ、前立腺は…ら…めぇ……」ハッ …………朝か。 チクショウ…折角、はやりんとセックス出来る夢を見れてたって言うのに…!! …まぁ、セックスって言うか、ほとんど奴隷みたいな扱いでしたけどね。 首輪つけられながら騎乗位で延々と犯され続けてたし。 ただ、その度におっぱいバルンバルンって揺れてたから、ご褒美でしかないんだよなぁ。 …流石に前立腺責めはやめて欲しかったけどさ、うん。 京太郎「(…ってそうじゃねぇ!?)」 ってもう朝じゃねぇか!! 今の時間…ってああああああっ!やっぱり!! 親父もう完全に出ちゃってるよ、コレ!! くっそ…!なんで昨日の俺はあそこで眠っちゃったんだよ!! 親父に直接アドバイス貰おうと思ったら、また数ヶ月は後になるってのに…!! 京太郎「…とりあえず起きるか」 部活にはもうちょっと時間があるけど…でも、あんまりノンビリしてられないしな。 もう来週からはインハイが始まるんだから、俺もしっかりしないといけないし。 まぁ…しっかりつってもほとんどマネージャーみたいなもんなんだけどさ。 一応、部員として指導はしてもらってるとは言え、それ以上に雑用やってる事の方が多い気が…。 京太郎「(…ってアレ?)」クン …なんだ、このいい匂い。 もしかして誰か料理してる? …いや、でも、親父はもうとっくに出てるし…。 母さんはそんな親父にベッタリだから一緒に出て行ったはずなんだけど…。 京太郎「(一体、誰が俺の家のキッチンに…)」ガチャ 明華「ふんふふんふんふーん♪」 京太郎「」バタン ……ん?んんんんん!? 見間違えかな…? なんか俺の家のキッチンに明華さんが立ってたんだけど。 い、いや、でも、そんなはずないよな。 彼女はこの家の住人じゃなくって、学校の寮で暮らしてる訳だし。 こんな朝早くに…しかも、俺の家に出没するはずがない。 京太郎「(…つまり、さっきのは俺の見間違え以外にあり得ない)」 京太郎「(ははは、俺ってばおっばかさんだなー)」 京太郎「(朝はちゃんと乳酸菌取らないと…)」ガチャ 明華「あ、京太郎君」ニコ …………最近の幻覚は凄いな。 まさか視覚だけじゃなくて聴覚にまで訴えてくるとは。 この海のリハクの目にも以下略ってレベルじゃない。 まるで本当に明華さんが目の前にいるみたいだ。 明華「おはようございます」 明華「今日はちょっと早いんですね」 明華「もしかして悪い夢でも見ましたか?」ジィ いやぁ、強いて言えば目の前のそれが悪い夢ですかね。 心配そうに見てくれているのは嬉しいんだけど…でも、所詮は幻覚な訳で。 ここまでハッキリと幻覚が見えるようになった自分の精神状態がちょっと怖い。 昨日、石版が光ったのも俺の錯覚なんじゃなかったのかってそう思うくらいだ。 明華「…ちょっと顔色が悪いですね」 明華「後でちょっとお薬を出しましょうか」 明華「とりあえず座って下さい」 明華「今、ミルクでも出しますから」 京太郎「あ、うん」 ……で、なんでその幻覚は勝手知ったる感じで我が家のリビングを動き回っているんだろう。 しかも、やたらと上機嫌な感じで冷蔵庫を開けちゃってるし…。 戸棚から普段、俺が使ってるコップだって一発で見分けてる。 …俺が創りだしたとは言え、俺の事バッチリ把握しすぎて若干、怖いくらいだ。 明華「はい。どうぞ」コトン 京太郎「あ、ありがとうな」 明華「いえいえ」 明華「あ、もうちょっとでハニートーストが出来るので待っていてくださいね」 明華「出来上がったら二人で朝ごはんにしましょう」ニコ いやぁ…やっぱり明華さんは、幻覚でも可愛いなぁ。 まさか朝からハニートーストまで作ってくれるなんて。 これは今日一日、とっても調子が良くなりそうだぞぅ。 ……これが幻覚でなければ、な。 京太郎「(と、とりあえず落ち着こう…)」 丁度、目の前に良く冷えた牛乳があるんだ。 これを喉に流し込んで、少しは頭を冷やそう。 ……うん、美味しい。 やっぱり牛乳は雪印に限るな。 他のミルクじゃあ、こうもコクのある甘さは出せないぜ…。 京太郎「(…ってあれ?幻覚が出したミルクが飲めるって事は…)」 …………もしかして、アレは明華さん本人? い、いや、ま、待て、待ってくれ。 お、俺は知ってるぞ。 こういう時は全部、自分でやってるのを全部、幻覚がやってると勘違いしてるんだって。 だ、だから、これは俺が準備した牛乳だったんだろう。 さっき慣れた様子で、冷蔵庫を開けていたのも、俺のコップを迷わずに選んでいたのもその所為で ―― 京太郎「(目を覚ませ…!)」 京太郎「(早く目を覚ませ、俺ええええええ!!)」ガンガン このまま幻覚と一緒にいると気がおかしくなってしまう…! いや、と言うか、幻覚を見るくらい、おかしくなっているんだけれども!! でも、これ以上、おかしくなると俺の精神状態がヤバイ!マッハでヤバイ!! 本気で幻覚と現実との境界線が曖昧になっちゃいそうで怖い!!! 明華「ちょ…何をやっているんですか!?」パッ 京太郎「う…」 …出来れば、幻覚の手を振り払ってしまいたい。 幻覚風情が邪魔をするなといってやりたかった。 だが、幾ら幻覚であっても、相手は明華さんなのだ。 日頃から俺と親しくしてくれて、俺を仲間に引きあわせてくれた彼女には大恩がある。 幾ら幻覚とは言え、そんな彼女に乱暴をしたくない。 明華「…もしかして何か辛い事でもあったんですか?」 明華「私で良ければ相談に乗りますよ」 明華「だから、そんな風に自分を痛めつけたりしないでください」 明華「私が…側にいますから」ギュ 京太郎「お、おうふ…」 ってそう躊躇ってる間に明華さんが俺の事を抱きしめて…。 や、やべぇ…明華さんのフランスおっぱいがムニムニって背中に張り付いてきている…。 前々から形と良い大きさと良い非の打ち所のないおっぱいだと思ってたけど…。 実際、こうしてそれを感じると…もう本当にマーヴェラスとしか言いようがない。 ありがとうと言うそんな言葉さえ口から出てしまいそうだ…。 明華「…落ち着きましたか?」 京太郎「…はい」 …まぁ、一部は全然、落ち着いてない訳だけれど。 その辺はほら、あんまり気にしてもしかたがないと言うか。 とりあえずまだ半勃ちレベルだからセーフだと俺としては主張したい。 ぶっちゃけあのまま抱きつかれっぱなしだったらやばかったけどな!! 明華「それで…どうしていきなりこんな事を…?」 京太郎「…そ、それはその…」 明華「…大丈夫ですよ。私は誰にも言いませんから」 …そりゃ幻覚だから…ってアレ? …………そう言えば、なんで俺、さっき明華さんのおっぱいを背中に感じていたんだ? そもそも俺は明華さんと知り合ったばっかりで…まだ手すら繋いだ記憶がないってのに。 それを飛び越しておっぱいの感触を再現するだなんて、幾ら妄想たくましい男子高校生でも出来るはずがないだろう。 だ、だったら、これは…もしかして…!! 京太郎「…明華さん?」 明華「はい」 京太郎「ほ、本物の明華さんなんですか?」 明華「え、私、偽物だったんですか?」 あ、この天然さは明華さんだわ。 このちょっとズレちゃってる感じは、本物の明華さんにしか出せない。 幾ら俺が彼女と親しくしているとは言え、こうまで見事に再現出来ないだろう。 …つーか、それはそれで新しい疑問が山程出てくるんですけれど!! 京太郎「いや、明華さんは本物だと思いますが…」 京太郎「で、でも、どうしてここに!?」 明華「なんでって…それはほら」 明華「乙女の秘密です」ニコ 乙女の秘密かー。 …うん、乙女の秘密ならしょうがないな。 …………って俺も言いたいけどさ! でも、それで済ませるにはあまりにもちょっと問題が多すぎるっていうか…。 明華「…あ、もしかして不法侵入じゃないかって疑ってますね?」 京太郎「…いや、今の流れで疑わない人はいないと思いますが」 明華「大丈夫ですよ、ほら」スッ …あ、アレは…俺の家の鍵? ってどうしてそんなものを明華さんが持ってるんだ? 確かに俺はそれなりに彼女と仲良くしてるけど…でも、合鍵を渡すほど親密な訳じゃないし。 勿論、いずれはそうなれたら良いな、とは思っていたけれど…。 明華「ちゃんとこうして鍵がありますから不法侵入じゃありません」 京太郎「…じゃあ、それはどうして入手したんですか?」 明華「乙女の秘密です」ニッコリ …一体、どうやって手に入れたんだ。 ホント、すっげえええ気になるけど…でも、このまま突っ込んでも明華さんは教えてはくれないだろうし。 とりあえず乙女の秘密って事で納得しておくのが一番なのかもしれない。 明華「お義父様とお義母様にはちゃんと京太郎君の事を任せたと直々に太鼓判ももらっていますから安心してくださいね」 京太郎「……一体、いつの間に…」 明華「今日の朝です」ニコ …いや、今日の朝って。 親父達は朝一発目の飛行機に乗る予定だったから、かなり早くに出てたはずなんだけど。 そんな親父達と鉢合わせ出来るレベルって…一体、何時から明華さんは起きてたんだ…。 正直、謎が謎を呼ぶ展開すぎると言うか…若干、ついていけない感があるけれども…。 京太郎「…で、目的は一体…」 明華「今日からまた京太郎君が一人になると聞きまして」 明華「防犯と食事の為に通い妻になろうかな、と」テレ 可愛い。 もう文句なしに可愛い。 正直、明華さんの通い妻とか土下座してでも迎え入れたいレベル。 …ただ、さっきから違和感が拭えないんだよなぁ。 勿論、目の前の彼女が本物である事を疑っている訳じゃないんだけれど… ―― 京太郎「(…明華さん、ここまでぶっ飛んでたか?)」 確かに天然入ってたし、俺の知る常識とはズレている人ではあった。 でも、ここまで強引と言うか、滅茶苦茶な事をやらかすタイプではなかったのである。 そんな彼女が朝からこうして通い妻になってくれている光景は…正直、現実とは思えない。 まだ夢でも見ているのではないかとそう思う自分が俺の中で大きかった。 明華「それよりほら、さっきハニートーストも出来上がりましたから朝ごはんにしましょう」 明華「一日の計は朝にあり…ですよ」 京太郎「…ですね」 まぁ、でも…ここでゴタゴタやってて時間を潰すのも勿体無い。 まだまだ時間はあるとは言え、こうしている今もハニートーストが冷めている訳で。 明華さんのお手製ともなれば、出来るだけ一番、美味しい時間に食べたい。 だからこそ、俺はその疑問を丸投げして、彼女と一緒に食卓について ―― 京太郎「(…おかしい)」 京太郎「(いや、と言うか…さっきからおかしいところがまったくないと言っても良いくらいだ)」 京太郎「(首輪は一応、ファッションとして認められてはいるけれど…)」 京太郎「(でも、そこから伸びた鎖を女の子が握ってるとなれば、そりゃもう明らかに異常事態な訳で)」 京太郎「(そんなカップルが俺の視界にはもう何人もいる訳で)」 京太郎「(でも、そんなカップルに対しツッコミが入るどころか羨ましそうに見てる女性が沢山いる訳で)」 明華「…良いですね、ああいうの」 明華「何時か…私もあんな風に人前で繋げるような人が欲しいです」ニコ 京太郎「(…それは勿論、明華さんも例外じゃない訳で)」 京太郎「(と言うか、俺は今、彼女と腕を組んでいる状態な訳で)」 京太郎「(その素敵なフランスっぱいが俺の胸にグイグイ来てる訳で)」 京太郎「(…これもうアカン奴ですわ)」 京太郎「(徹頭徹尾、おかしいところしかないですやん…)」 明華「京太郎君はどうですか?」 明華「あぁいうの憧れたりとかしません?」 京太郎「え、えっと…その…」 京太郎「(…ぶっちゃけ、人前で羞恥プレイはノーサンキューです)」 京太郎「(二人っきりならともかく、人に見られるなら俺は勿論、相手にもさせたくない)」 京太郎「(…でも、明華さんはそれに憧れてるんだよなぁ)」 京太郎「(正直、理解できないけど…でも…)」 京太郎「(こうして俺を見上げる彼女には共感に対する期待が浮かんでいて…)」 ネリー「おにーちゃーんっ」ダイブッ 京太郎「うぉ!?」ビックリ ネリー「朝から会えるなんて奇遇だね、お兄ちゃん」ニコリ 京太郎「ね、ネリー…」 京太郎「(…って、待て待て)」 京太郎「(なんで、ネリーの好感度がこんなに高いんだ?)」 京太郎「(確かに同じ一年生としてそれなりに仲良くはしていたし…)」 京太郎「(冗談で兄妹みたいなやりとりをする事はあったぞ)」 京太郎「(でも、ここまでガチな感じじゃなかったって言うか…)」 京太郎「(あくまでも軽口の一種って感じだったんだけれど…)」 京太郎「(…でも、今のネリーからはそんなのがまったく感じられない)」 京太郎「(マジで俺の事をお兄ちゃんだとそう思っているみたいに…)」 京太郎「(真っ直ぐな好意を向けてくれている)」 京太郎「(…これ、本当にネリーなのか?)」 京太郎「(あのちょっと小憎たらしいゼニゲバネリーがこんな風になるだなんて…信じられない)」 京太郎「(ちょっと漂白され過ぎじゃないですかねぇ…)」 明華「…ネリー。京太郎君が困っていますよ」 ネリー「…あ、明華、いたの?」 明華「最初からいましたよ」 明華「えぇ。京太郎君の家からずっと」 ネリー「…へー。そうなんだ」 ネリー「何?勝手にお兄ちゃんの家にあがりこんじゃった訳?」 ネリー「通報した方が良い?」 明華「大丈夫ですよ。ちゃんと許可は貰いましたから」 明華「…にしても」 ネリー「…何?」 明華「…いえ、普段、京太郎君の事をお兄ちゃんお兄ちゃんと言っているのに…」 明華「家にあがった事もない貴女がちょっと滑稽で」クス ネリー「…朝から男の家にあがりこむようなはしたない人には言われたくないなー」 明華「あら、日頃、お金にばっかり執着してる貴女が言っても説得力ないですよ?」ニコ 京太郎「(あ、アイエエエエエ)」 京太郎「(修羅場!?修羅場、ナンデ!?)」 京太郎「(ま、ままままま待ってくれ)」 京太郎「(二人はもっと仲が良かったはずだろ!!)」 京太郎「(まぁ、確かにお互いにライバル視してるところはあったけど…)」 京太郎「(でも、ここまで敵意をぶつけあうような事なんて今まで一度もなかったのに…)」 京太郎「(も、もしかして…昨日、何かあった?)」 京太郎「(俺の知らないところで大喧嘩でもしちゃったのか…!?)」 京太郎「お、落ち着いてくれよ、二人とも」 ネリー「…お兄ちゃんがそう言うのなら」ムス 明華「…このような形で注目を浴びては変な噂になってしまいますし」ギュ ネリー「…そう言ってお兄ちゃんの腕を離さないのはどうして?」 ネリー「変な噂になるのはダメなんじゃないの?」 明華「これは別に変な『噂』ではないですから」 ネリー「…へぇぇ」 ネリー「…じゃあ、私も別に良いよね」ギュ 京太郎「ね、ネリー…!?」 明華「…邪魔ですよ、ネリー」 明華「両手が塞がっては京太郎くんが歩きづらいではないですか」 ネリー「だったら、そっちが離せば?」 明華「…こっちの方が先約ですよ?」 ネリー「それだけ十分、堪能したでしょ?」 ネリー「次は私の番だと思わない?」 明華「まったく思いませんね」 ネリー「…ホント、明華って我が強いよね」 ネリー「そんなんじゃお兄ちゃんもうんざりすると思うな」 明華「守銭奴よりはマシだと思いますよ」 京太郎「(あばばばばばばばばば)」 ネリー「…ね、お兄ちゃんは私の方が良いでしょ?」 明華「ネリーだと身長が低すぎます」 明華「私くらいがベストな差だと思いませんか?」 京太郎「い、いや、えっとその…」 京太郎「(な、なんだ、コレは!)」 京太郎「(なんで俺はいきなり美少女二人から二択を迫られてるんだよ!!)」 京太郎「(昨日までは普通だったのに…)」 京太郎「(なんでいきなりこんな俺の事取り合うみたいな事を…)」 京太郎「(こんなに積極的な二人なんて今まで見た事が…)」 京太郎「(…ってアレ…積極的?)」 京太郎「(まさか…いや、でも…そんな…)」 京太郎「(確かにそう考えれば辻褄は合うけれど…でも…!!)」 ネリー「…ねぇ、お兄ちゃん」 明華「…京太郎君…」 京太郎「(って考え事に耽ってる余裕はない…!)」 京太郎「(でも…俺にどっちかなんて選べるのか?)」 京太郎「(そりゃ…俺としては、おっぱい大きい明華さんの方が好みではあるけれど…)」 京太郎「(でも、ネリーだって俺にとっては大事な友人なんだ)」 京太郎「(その上…今まで見たこともないくらい真っ直ぐに甘えてくれているコイツを…無碍にはしたくない)」 京太郎「(大体…こんな状況はじめてで…一体、どうすりゃ良いのかまったくわかんないし…)」 ???「待てィ」 京太郎「こ、この声は…!!」 ∫ ヘ⌒ヽフ∫ . (,,・ω・) 私デス (つ=||||____ ('⌒)\_/ 京太郎「メグさん!?」 ∫ ヘ⌒ヽフ∫ . (,,・ω・) どうヤラお困リのようデスね (つ=||||____ ('⌒)\_/ 京太郎「あ…いや、その…」 京太郎「(…正直、ここでメグさんに話しかけてもらえたのはありがたい)」 京太郎「(お陰で考える時間が増えたんだから)」 京太郎「(でも、それを表に出すのは真剣な二人にとっては失礼な話だし…)」 京太郎「(困っているとは言えない…よな)」 ∫ ヘ⌒ヽフ∫ . (,,・ω・) ……大丈夫です。京太郎の気持ちは分かっていますから (つ=||||____ ('⌒)\_/ 京太郎「…え?」 ∫ ヘ⌒ヽフ∫ . (,,・ω・) ココは一ツ私に任せてくだサイ (つ=||||____ ('⌒)\_/ メガン「…サテ」ズルルル ゴクゴク メガン「…ぷはぁ」マンゾクゲ メガン「やはりラーメンハ汁まで飲みキッテようやく完食デスね」 明華「……どういうつもりですか?」 ネリー「…言っとくけど、ここはお金貰っても譲らないから」ギュ メガン「そんな趣のナイ話をしたリしませんヨ」 メガン「私がするノハ昔話デス」 明華「…昔話?」 メガン「エェ。二人とも大岡裁キという話はご存知デスカ?」 ネリー「…知らない。何それ?」 明華「私も聞いたことありませんね…」 メガン「日本デハメジャーな話なんデスケドネ」 メガン「京太郎ハ知ってイルでしょう?」 京太郎「えぇ。まぁ」 ネリー「…で、それが何か?」 メガン「マァマァ、焦らナイデ」 メガン「ソノ話なんデスけどね」 メガン「早い話、一人の男の子ヲ二人の女性が取リ合ウと言うものなんデスが」 京太郎「(…大体合ってるようですっげええ違いますよ、メグさん…!)」 京太郎「(いや、空気読んで黙ってますけど!黙ってますけどね!!)」 メガン「ソノ話の結末は、先に男の子を離した方が男の子ヲ手に入れると言うものデシテ」 明華「…一体、何故?」 メガン「そうヤッテ両側から自分の方ヘ引きずり込マレテは、男の子ガ苦しい」 メガン「そう判断シ、断腸の思いで手放した女性に、男の子ハ懐イタのデス」 メガン「…マァ、これは昔話デスガ、今回にも適用出来ルと思いマセンか?」 ネリー「…っ」パッ 明華「っ!」パッ メガン「フフ。物分りの良い友人デ助かりマス」 京太郎「(…凄い)」 京太郎「(まさかアレほど頑固だった二人が俺の事をこうも簡単に手放すなんて)」 京太郎「(任せてくれとそう言っただけはある…)」 メガン「…サテ、京太郎」 京太郎「あ、はい」 メガン「無事にこの場を収めた私ニ何か言ウ事ハアリマセンか?」 京太郎「あ、えっと、ありがとうございます、メグさん」 メガン「…それダケデスカ?」ワクワク 京太郎「…今度、また家で自家製麺、ご馳走しますよ」 メガン「ほぅ、ソウですかそうデスカ」パァ メガン「イヤァ、京太郎がそう言ってくれてイルのに断るのも失礼デスシネ」 メガン「是非トモご馳走にナリに行かナケレバ」 京太郎「まったく、調子が良いんですから」 京太郎「つーか、ラーメンくらい何時でもごちそうしますよ」 京太郎「俺も嫌いじゃないですしね」 メガン「ソレはイケマセン」 メガン「京太郎は男の子ナンデスヨ」 メガン「ホイホイ女を家ニ招き入レタラ大変な事になってシマイマス」 京太郎「んな大げさな」 京太郎「俺だって男なんですから、そうそうそんな事態にはならないですって」 メガン「…ソウなら良いんですケドネ」チラッ 明華「……」メソラシ メガン「…マァ、何はともあれ、こうして四人揃った訳デスシ」 メガン「一緒に仲良く部活ニ行きマショウカ」ギュ 京太郎「ちょ、メグさん!?」 ネリー「……メガン?」 明華「……メガンさん?」 メガン「言っておきますが、私ガしたのは大岡裁キの話ダケデスカラ」 メガン「京太郎ヲ手放したのは二人デスヨ?」 ネリー「へー…そういう事するんだー…」 明華「……本当にアメリカ人は油断ならないですね」ゴゴゴ 京太郎「(あばばばばばばば)」 ~部室~ 京太郎「(どうしてこうなった…!)」 京太郎「(いや、ホント、どうしてこうなった!!)」 京太郎「(昨日までは普通だったのに、なんでこんなにギクシャクしてるんだよ!!)」 京太郎「(正直、ネリーたちに出会ってから学校まで、胃が痛くて仕方がないくらいだったわ!!)」 京太郎「(いや、そもそも、なんでネリーもメグさんもあそこにいるんだよ!!)」 京太郎「(俺の家から学校よりも、二人の住んでる寮から学校の方が遥かに近いはずなのに…)」 京太郎「(それをまるで偶然のように話しかけてくる事自体がまずおかしいだろ!!)」 京太郎「(まぁ、途中でそれに気づいても怖くて指摘出来なかったけどさ!)」 京太郎「(二人は修羅場で済んだが、三人揃うと今にも火が回りそうな火薬庫化しちゃうし!)」 京太郎「(俺の一言で完全に爆発するかと思えば、迂闊に口を開く事も出来ない…!)」 京太郎「(正直、ここまで生きた心地がしなかったわ…)」 京太郎「(まぁ、でも、こうして部室まで来れた訳だし…)」 京太郎「(後はそれぞれ練習やら何やらする必要がある訳だから…)」 京太郎「(このギスギス感とも解放されるはずだ)」 京太郎「(…つーか解放して欲しい、マジで)」 京太郎「(このままだったら俺の胃が死ぬ…!!)」ガチャ 智葉「…おはよう」ハァ ハオ「おはようございます」ジト 京太郎「おはようございます」 京太郎「(…あぁ、どうしてだろう)」 京太郎「(何時もなら胸にクる二人の視線が今は若干、心地良い)」 京太郎「(いや、まぁ…俺は決してマゾに目覚めた訳じゃないんだけど)」 京太郎「(でも、二人の態度は変わってないんだって思うと…)」 京太郎「(それだけでもう何か救われた気分だ…)」 智葉「…さて、それじゃ全員揃った訳だし、インハイに向けて練習していこうか」 ネリー「あ、私、お兄ちゃんの指導するから」 ハオ「…ネリー」 明華「…ネリーには任せておけませんね」 明華「そういうのは彼を麻雀部に連れてきた私の仕事です」 メガン「一ラーメンの恩ヲ忘レタつもりはありませんカラ」 メガン「ココは私が彼の指導ヲするべきデショウ」 京太郎「い、いや、そのお気持ちだけで十分です…」 ネリー「ダメだよ、お兄ちゃん」 明華「そうですよ。そんな風に遠慮なんてしないで」 メガン「気軽に頼ってクレテ良いンデスヨ」 智葉「…いい加減にしないか!」 京太郎「っ」ビクッ 智葉「三人とも分かっているのか?」 智葉「今はインハイ目前の大事な時期なんだ」 智葉「そんな貴重な時間をレギュラーでもない部員の世話に取られてどうする」 明華「…それは」 智葉「…ネリー。お前が日本にやってきたのは京太郎といる為か?」 ネリー「…違う…けど」 智葉「明華。国を離れてもついてきてくれた母親の献身は、京太郎を指導する為にあるのか?」 明華「…いいえ」 智葉「メグもメグだ。お前は龍門渕にリベンジを誓ったんじゃないのか」 智葉「それが敗退したからモチベーションが下がったと言っても…あまりにもたるみ過ぎている!」 智葉「色ボケも大概にしないか!!」 「「「……」」」シュン 京太郎「あ、あの…辻垣内さん、それくらいに…」 智葉「…お前もお前だ」ギロ 京太郎「ひぃ」ビク 智葉「そうやって三人を甘やかすから調子に乗るんだ」 智葉「結果、こうして三人が自分の練習にも身が入らなくなっているのが分かっているのか?」 智葉「それではマネージャーとしてインハイに連れて行く事なんて出来ないぞ」 ネリー「そ、そんなのダメっ!」 明華「そ、そうですよ!折角、彼は自分の大事な時期を蹴ってでも手伝ってくれているのに…」 ハオ「…その結果がこれでは彼が不要と言う意見が出てくるのも致し方無いでしょう」 ハオ「ちなみに…私も彼女と同じ意見です」 ハオ「彼が来てから部内の雰囲気も気持ちも一気に緩んでしまっています」 メガン「で、デスガ、それハ京太郎に悪意がある訳デハ…」 ハオ「例え悪意がなくても、結果がこれでは排除するしかなくなります」 ハオ「一応、私達は強豪臨海女子のレギュラーで…また部員全ては真剣に麻雀をしているのですから」 ハオ「その頂点に立つべき私達がこんな有様では自然と不満は彼に向かうでしょう」 智葉「…それが嫌ならちゃんと練習に励むんだな」 智葉「失った信用は行動でしか取り戻す事が出来ないんだから」 ネリー「…………はい」 智葉「…じゃあ、京太郎はこっちに来い」 京太郎「え?」 智葉「監督が個別で話があるそうだ」 京太郎「そ、それって…」 智葉「内容までは私も知らない」 智葉「だが、覚悟はしておいた方が良いかもしれんぞ」 京太郎「……はい」 京太郎「(…………ヤバイ)」 京太郎「(何がヤバイって辻垣内さんがここまで言うってのがヤバイ)」 京太郎「(基本的に厳しい風に見られがちだけど…彼女はそれだけじゃないんだから)」 京太郎「(忙しい合間をぬって学童に通う子ども達の麻雀を見たりととても優しい人なんだ)」 京太郎「(そんな彼女がこうまでハッキリ言うって事は…)」 京太郎「(俺は割りと…いや、かなり瀬戸際に立ってるって事なんだろう)」 京太郎「(正直…退部勧告くらいはあり得るよなぁ…)」ハァ 京太郎「…あ、監督」 アレクサンドラ「あ、須賀君。もう来てたんだ」 京太郎「はい。それで…お話があるという事ですが…」 アレクサンドラ「あー…うん。この辺りじゃ何だから、とりあえず二人きりで話せるところに行こうか」 京太郎「はい…」シュン アレクサンドラ「~っ」ゾクゥ アレクサンドラ「(あー…ホント、この子良い顔するわね)」 アレクサンドラ「(正直、年下過ぎて恋愛相手としてはダメだけど…)」 アレクサンドラ「(でも、一夜の過ちを犯しちゃう相手としては最高…)」 アレクサンドラ「(この可愛い顔が最初は戸惑っているのに…)」 アレクサンドラ「(どんどんと快楽に染まっていく光景で何回自分を慰めた事か…)」 アレクサンドラ「(ホント、この年頃にしては…ううん、この年頃だからこその色気がムンムン出て…)」 アレクサンドラ「(そりゃ恋のこの字も知らないような小娘達が狂っちゃうのも当然よねぇ…)」 アレクサンドラ「(まぁ…私も大人としてそういう子達の背中を押したい訳だけれど…)」 アレクサンドラ「はい。適当に座って」 京太郎「…はい」ストン アレクサンドラ「…で、時間も勿体無いから本題に入るけれども」 アレクサンドラ「まず最近の部の雰囲気がちょっと悪くなっているのには気づいてる?」 京太郎「…はい。ついさっき辻垣内さんにも言われました」 アレクサンドラ「そうなの…やっぱりあの子ってば優秀ね」 アレクサンドラ「まぁ、分かっているなら話は悪いわ」 アレクサンドラ「その原因…と言ったらちょっと可哀想だけれど」 アレクサンドラ「それは君にあるって事は聞いたかしら?」 京太郎「…はい」 アレクサンドラ「そっか」 アレクサンドラ「じゃあ…私も顧問としてそれを見過ごす訳にはいかないって事も…」 アレクサンドラ「勿論、分かってくれるわよね?」 京太郎「~っ…」グッ 京太郎「…………はい」 京太郎「…あ、あの」 アレクサンドラ「ん?」 京太郎「俺…やっぱり退部しなきゃいけないんでしょうか…?」 アレクサンドラ「え?」 京太郎「え?」 アレクサンドラ「………ぷっ」 アレクサンドラ「あぁ、なるほど…そ、そういう事…」クスクス 京太郎「え…?え…っ?」 アレクサンドラ「あはは。考えすぎよ」 アレクサンドラ「流石にこれだけで退部させるつもりはないわ」 アレクサンドラ「そもそも君がまったく悪くない訳だしね」 アレクサンドラ「悪いのは君に入れ込んで練習も手に付かないレギュラー達の方」 アレクサンドラ「見つけたのが私だから心も痛むけど…」 アレクサンドラ「退部させるとしたらあの子達の方ね」 京太郎「そ、そんな…!」 京太郎「お、お願いします!」ペコ アレクサンドラ「え?」 京太郎「明華さん達を辞めさせないで下さい!」 京太郎「皆…皆、本当は麻雀が大好きなんです!」 京太郎「今はちょっと…その、おかしくなっているだけで…!」 京太郎「きっとすぐに元に戻るはずですから…!」 京太郎「だから…お願いします!」 京太郎「俺が…代わりに何でもしますから!」 京太郎「退部でも何でもしますから…皆は辞めさせないで下さい」 アレクサンドラ「~~」キュン アレクサンドラ「(あー…この子ダメだわ)」 アレクサンドラ「(自分が何を言ってるのか分かってるのかしら…)」 アレクサンドラ「(一応、私はこれでも理性が強い方だから大丈夫だったけど…)」 アレクサンドラ「(トチ狂った監督だったら…今のでレイプされても仕方がないってのに)」 アレクサンドラ「(ホント、危なっかしいわねぇ…)」 アレクサンドラ「(ま、何はともあれ)」 アレクサンドラ「……その気持ちに偽りはない?」 京太郎「勿論です!」 アレクサンドラ「…そう。じゃあ、一つお願いがあるんだけれど」 京太郎「お願い…ですか?」 アレクサンドラ「えぇ。まぁ、そんなに難しい事じゃないわ」 アレクサンドラ「ただ、インハイが終わるまでだれとも恋仲になったりシないで欲しいってだけ」 京太郎「…え?」 アレクサンドラ「幾ら君が鈍くても気づいてるんでしょ?」 アレクサンドラ「うちのレギュラー三人は君に明確な好意を寄せている」 アレクサンドラ「それこそ練習が手につかないくらいにね」 京太郎「それは…」 アレクサンドラ「で、それだけ自分を見失ってるところに…」 アレクサンドラ「君がもし誰かと付き合ったりしたら…どうなっちゃうかしら?」 京太郎「……今まで以上に練習に手がつかなくなります」 アレクサンドラ「それだったらまだマシな方ね」 アレクサンドラ「私が見る限り、三人ともかなり入れ込んでいるみたいだから」 アレクサンドラ「下手をすればインハイ中に血の雨が降る事だって考えられるわ」 京太郎「幾ら何でもそんな事…」 アレクサンドラ「…ま、少なくとも私はそこまで計算してる」 アレクサンドラ「ただ、計算してると言っても、それによって発生する問題を解決出来る訳じゃないわ」 アレクサンドラ「君が誰を選んでも、間違いなく角が立ってしまうし」 アレクサンドラ「選ばれなかった子達のモチベーションに大きなダメージを与えてしまう」 アレクサンドラ「それは…絶対に避けられない事よ」 京太郎「……」 アレクサンドラ「だから、私に出来るのはその影響を最小限に食い止める事」 アレクサンドラ「インハイの最中に君が誰かを選んで…」 アレクサンドラ「彼女たちの成績が堕ちるのを防ぐ事しかしてあげられないの」 アレクサンドラ「例え、それが問題を先延ばしにするだけだって分かっていてもね」 京太郎「……監督」 アレクサンドラ「…ま、あくまでもこれはお願いだから強制じゃないわ」 アレクサンドラ「…でも、出来れば心に留めておいて欲しい」 アレクサンドラ「高校の三年間と言うのはプロを目指す少女たちにとってとても大事な時期だから」 アレクサンドラ「それを一年でも台無しにされてしまうのは言葉では語れないほど大きな損失」 アレクサンドラ「君が彼女たちの事を想っているのであれば…インハイの最中だけはやめてあげて」 京太郎「…分かりました」 アレクサンドラ「…ありがとうね」 アレクサンドラ「話は以上…それと」 アレクサンドラ「嫌な話をしちゃってごめんね」 京太郎「…いいえ」 京太郎「失礼……します」 京太郎「(監督の話は決して最悪なものじゃなかった)」 京太郎「(少なくとも俺が思ってたよりは遥かにマシなものだったし…)」 京太郎「(そういう意味では良かった…とそう思うべきなんだろう)」 京太郎「(だけど…それは決して監督の話が軽い訳じゃなくて…)」 京太郎「(寧ろ、俺の肩に彼女たちの人生が載ってるっていうとても重いものだった)」 京太郎「(…今までは困惑でほとんど自覚してなかったけれど…)」 京太郎「(でも…言われてみれば…その通りなんだ)」 京太郎「(俺の存在そのものが…今、彼女たちにとって害になってしまっている)」 京太郎「(けれど…ここで俺が下手に距離を取ろうとすると…彼女達は余計に心を乱すだろうし…)」 京太郎「(…本当にどうすれば良いんだ…)」ガチャ 智葉「…あ」 京太郎「…あれ?」 京太郎「(…なんで辻垣内さんが、俺達が会話してた部屋の前にいるんだ?)」 京太郎「(さっきまで彼女は部長として部員を纏めてたはずなのに…)」 智葉「…話は終わったか?」 京太郎「え、えぇ」 智葉「…そうか。じゃあ、こっちに来てくれ」 智葉「ジュースの一つでも奢ってやるから」 京太郎「え?」 智葉「…そこまで驚かなくても良いんじゃないか?」 京太郎「あ、いや…その…すみません」 京太郎「ただ…意外でして」 智葉「…そんなにか?」 京太郎「はい。だって、辻垣内さん、俺の事嫌いですよね?」 智葉「…なるほど。私はそんな風に思われていたのか」 京太郎「…え?違うんですか?」 智葉「…まぁ、違うというか…その、なんだ」 智葉「ともかく…来い」 智葉「あまり部室の近くで話したくはないからな」スタスタ 京太郎「あ、はい」スタスタ 京太郎「(…しかし、本当に今日はどうしたんだろう)」 京太郎「(何時もそれなりに仲良くしていると思ってた子達からアプローチを喰らって…)」 京太郎「(それだけでもビックリなのに、俺の事嫌ってると思ってた辻垣内さんに誘われるだなんて…)」 京太郎「(もう色々ありすぎて頭のなかがクラクラしそうだ…)」 智葉「…………それで、だ」 智葉「私が君を嫌っているという話だが」 京太郎「あ、その…」 智葉「…まぁ、好きとは言えないな」 京太郎「ぐふ」グサァ 智葉「考えても見て欲しいんだが…レギュラーとして活躍していた仲間が突然、マネージャー兼部員として連れてきたと思ったら…」 智葉「それがアレよアレよと言うまに部内の王子様扱いになって…こうまで関係が滅茶苦茶になっているんだ」 智葉「当然、好意的になど見れるはずがないだろう」 京太郎「ですよねー…」 智葉「…まぁ、とは言え、嫌っていた…とまではいかないな」 智葉「精々が苦手だったと言う程度だ」 智葉「ただ…それも多少は認識が変わってきたが」 京太郎「……変わった?」 智葉「…悪いとは思ったが、さっきの会話、盗み聞きさせて貰った」 京太郎「え?」 智葉「これでも一応、部長だからな」 智葉「部員の事は把握しておかなければいけないし…」 智葉「それに君は色々と重要なポジションにいるんだ」 智葉「その処遇がどうなるのかを気にするのは致し方無い事だと理解して欲しい」 京太郎「(あばばばばば)」 智葉「…それにもし君が悪い男であるならば」 智葉「友人として、そして仲間として」 智葉「殴ってでもあいつらの目を覚まさなければ…とそんな理由もあった」 京太郎「………って事は…」 智葉「あぁ、君が監督を前にどんな言葉を口にしたかもしっかり届いている」 智葉「…あいつらの為に何でもするとは…中々、言えたものじゃないな」ニコ 智葉「ましてや、その所為で迷惑を掛けられている身の上なのだから尚の事」 京太郎「か、からかわないでくださいよ…」 智葉「いや、別にからかっている訳じゃない」 智葉「私は本気で君の事を評価しているんだ」 智葉「見た目は軽いが…何とも一本芯の通った奴じゃないかとな」 京太郎「…ま、まぁ、評価してもらえるのはありがたいですけど…」カァ 智葉「ふふ。そう赤くなるな」 智葉「折角、格好良かったのが台無しじゃないか」 京太郎「誰の所為だと思ってるんですか…」 智葉「…まぁ、だからだ」 京太郎「え?」 智葉「今まで勝手な思い込みで君の事を避けていた分」 智葉「そしてあいつらの為にそこまで言ってくれた分」 智葉「それに部長として、友人として報いなければ、とそう思ったんだ」 京太郎「…だから、ジュースを奢ると?」 智葉「…不満か?」 京太郎「いいえ。滅相もないです」 京太郎「奢ってもらえるだけありがたいっすよ」 智葉「…よろしい」 智葉「ま、私としても何もそれだけで済ませようと本気で想っている訳じゃない」 智葉「これでも君が苦しい立場である事くらいは理解しているんだ」 智葉「辛い時は愚痴を吐く場所にもなるし、相談くらいには乗ってやる」 京太郎「…辻垣内さん」 智葉「…だから、その、なんだ」 智葉「……辛いとは思うが、一緒に、頑張っていこうな」 京太郎「……はい。ありがとうございます」 京太郎「(…正直な話)」 京太郎「(辻垣内さんの話は涙が出そうなほど有り難かった)」 京太郎「(こんな滅茶苦茶な世界でも、俺の事を評価してくれる人がいるんだって)」 京太郎「(味方になってくれる人がいるんだって…そう思えたから)」 京太郎「(まぁ、ようやく好感度が+に傾いてきたばかりで)」 京太郎「(あんまり頼り過ぎると困られちゃうだろうけどさ)」 京太郎「(…それに何より)」 京太郎「(究極的にこれは俺の問題なんだ)」 京太郎「(辻垣内さんは手助けをしてくれても…俺の代わりにはなってくれない)」 京太郎「(あくまでも応えを出すのは俺じゃなきゃいけないんだ)」 京太郎「(…それを思うと正直、ため息が出そうになるよな)」 京太郎「(しかも…その原因が俺にあるかもしれないとなれば…)」 京太郎「(ため息一つにも二重の意味が出そうになる)」フゥ 京太郎「(…まぁ、でも、今日は辻垣内さんのお陰で、一人でゆっくり帰れる訳だし)」 京太郎「(その平穏を噛み締めながら家へと戻ろう)」 巴「…あの」 京太郎「え?」 巴「大丈夫ですか?なんだか顔色が悪いですけど…」 京太郎「(…………これは一体、どういう事なんだろうか)」 京太郎「(どうして俺の目の前に巫女服を来た女の子がいるんだ?)」 京太郎「(もしかして…今、流行りのコスプレイヤー?)」 京太郎「(見た目普通そうな…と言うか、地味そうな顔立ちなのに…)」 京太郎「(ただ…不思議と似合ってる感じがするのはやはり彼女がベテランさんだからだろうか)」 巴「あ、あのー…」 京太郎「…あ、すみません」 京太郎「ちょっと悩み事があっただけですから大丈夫です」 巴「悩み事…ですか?」 京太郎「はい。まぁ…大した事ないと言えば、ないんですけどね」 巴「…その不躾ですが…」 巴「私でよろしければ相談相手になりましょうか?」 京太郎「え?」 巴「あ、い、何時もはこんな事しないんですよ?」 巴「ただ…貴方はどうやらかなり思い悩んでいるみたいですから」 巴「見たところ、これまでずっとため息を漏らしていますたし…」 巴「…その、なんというか、このまま見送ってしまうと死んでしまいそうで」 京太郎「…そこまでやばかったですか?」 巴「軽く死相が浮かんでいました」 京太郎「(あー…まぁ、確かに死にたい気分ではあったし…)」 京太郎「(このまま一人で部屋に戻ったら色々と思い悩んで潰れていたかもしれない…)」 京太郎「(こういうのを相談するのにうってつけな高久田とは全然、連絡がとれないしなぁ…)」 巴「まぁ、教会のシスターさんみたいにはいかないかもしれないですけれど…」 巴「でも、これでも一応、巫女ですから、少しはお力になれると思います」 京太郎「…巫女?」 巴「はい。…あ、こ、コレはコスプレとかじゃないんですよ?」 巴「ほ、本当に…本物の巫女です」 京太郎「(…あー、つまりは…)」 京太郎「あ、俺の幸せを祈らなくても結構です」ササ 巴「あ、怪しげな新興宗教と一緒にしないでください!」 巴「こっちはガチガチの神道です!!」 京太郎「…と言って、神道(新興宗教)とかじゃ…」 巴「…いい加減、怒りますよ?」 京太郎「すみません」 巴「…まったく、もう」 巴「……まぁ、確かに私、今、かなり怪しいですよね」 巴「通りすがりに男に話しかけるとか完全に不審者ですし…」ズーン 京太郎「(…あ、これ冷静になって自分の失態に気づいたパターンだな…)」 巴「…すみませんでした」ペコリ 京太郎「あ、いえ、気にしないでください」 京太郎「こっちも色々と無礼な事を言ってますし」 京太郎「それに…その、嬉しくない訳じゃありませんでしたから」 巴「え?」 京太郎「だって、ちょっぴり地味ですけど可愛い子に逆ナンされた訳ですし」 京太郎「男としちゃ当然、浮かれちゃいますって」 巴「…ち、違いますよ!」 巴「別に私、そんな不埒な気持ちで話しかけた訳じゃ…」 京太郎「はは。分かってますって」 京太郎「幸せを祈ろうとしてくれたんですよね」 巴「そ、それも違うって言ってるじゃないですかぁっ」 京太郎「…ん?」 巴「逆ナンって男性から女性にする事ではないんですか?」 京太郎「…え、いや、違いますよ」 京太郎「普通、男が女の子をナンパするものでしょ?」 巴「ど、どれだけ肉食系男子なんですか」 巴「…そんな風に女性にがっついてる男性とか見たことないですよ」 京太郎「いや、でも…」 巴「…分かりました。証拠を見せましょう」スッ 京太郎「…スマホ?」 巴「…今、巫女には似合わないとか思いました?」 京太郎「いや、最新機種でちょっとびっくりしました」 巴「…実は最近、買い換えたばっかりなんです」テレ 京太郎「(チョロい)」 巴「ほら」スッ 京太郎「えーっと…ネットのサイトですか」 京太郎「(えーっと…なになに…)」 京太郎「(逆ナンパとは男性が初対面の女性に対して、親交を深める目的で声を掛ける事柄である)」 京太郎「……………えぇぇぇぇ…」 巴「勿論、私はサイトを弄っていません」 巴「そんな暇なかったですし、そんな事をする必要もないですから」 巴「つまりは…私の方が正しいと言う事です」フンス 京太郎「………マジですか」 巴「…まだ認められませんか?」 京太郎「いや、認めますけど…認めますけど…でも…」 京太郎「(…やべぇ。ショックがでかすぎる)」 京太郎「(まさか…こんなところにまで影響が出てるなんて)」 京太郎「(これ…もう誤魔化せるレベルじゃねぇぞ)」 京太郎「(完全に世界そのものが作り変えられてるじゃないか…)」フラァ 巴「あ…っ」ガシ 巴「だ、大丈夫ですか?」 京太郎「…大丈夫です。ちょっと立ちくらみがしただけですから」 巴「でも…顔色、さっきより悪いですよ」 巴「…そんなにショックだったんですか?」 京太郎「まぁ…その、はい…」シュン 巴「え、えっと、誰にでも間違いはありますよ」 巴「それに…その…私のところにも、ちょっと…いや、かなり天然入っている人がいて」 巴「その人ももしかしたら同じ間違いをするかなって…」 京太郎「(て、天然扱いされてる…!?)」 京太郎「(…まぁ、当然ッチャ当然だよな)」 京太郎「(この人達は前の世界なんてまったく知らないんだし…)」 京太郎「(以前の常識に囚われてる俺が不思議ちゃんとしか思えないんだろう)」 巴「と、ともかく、元気を出してください」 巴「世の中、一回の間違いで全部が台無しになったりしませんから!」 京太郎「(……台無しになったんだよな)」 京太郎「(俺が…あの石版にあんな事書いてしまった所為で)」 京太郎「(面白半分でやった行為が…ここまで影響を与えてしまっている)」 京太郎「(…全部、俺の所為だ)」 京太郎「(だから…俺が何とかしなきゃいけない)」 京太郎「(俺が…世界を元に戻さなきゃ…)」グッ 京太郎「…ありがとうございます」 巴「も、もう大丈夫なんですか?」 巴「立ちくらみがした時はムリしないほうが良いですよ」 巴「何かしらの初期症状である可能性もありますし…」 京太郎「いいえ。大丈夫です」 京太郎「それより…俺はちょっとやる事が出来たので…」 京太郎「失礼させていただきます」ダッ 巴「あ…っ」 京太郎「ふぅ…ふぅ…」 京太郎「(…やっぱ学校からずっと家まで走って帰ってくるのは辛いな…)」 京太郎「(でも、俺は一刻もはやく皆を元に戻さなきゃいけないんだ)」 京太郎「(ソレしか責任を取る方法がない以上…多少、辛いからってヘタレちゃいられない…!)」 京太郎「(息を整えてる暇なんかないんだから…とっとと家の鍵開けて…)」ガチャ 雅枝「あ、京太郎、おかえり」 京太郎「…………え?」 京太郎「(な、なんで雅枝さんが俺の家に!?)」 京太郎「(しかも、スーツ姿の上にピンクのエプロンまで着て…)」 京太郎「(元々、黒スーツで大人の色気がムンムンになってる雅枝さんが…)」 京太郎「(エプロンを着こむ事によって人妻オーラを強くしてる…!)」 京太郎「(な、なんだ、この破壊力は…!)」 京太郎「(こんなの二次元でさえ滅多に見れるもんじゃないぞ…)」ゴクッ 雅枝「もぉ…あんまりジロジロ見られると恥ずかしいわぁ」 雅枝「一応、まだスタイルは崩れてへんつもりやけど…どーぅ?」チラッ 京太郎「雅枝さんは何時でもお美しいです」キリリ 雅枝「~っ♪」キュゥン 雅枝「あ、あはは…まったく…京太郎君はほんとに世辞が上手いなぁ」 京太郎「いや、世辞じゃないですって」 京太郎「雅枝さん、俺が会った時から全然、変わりませんし」 京太郎「俺にとっては何時でも憧れのお姉さんですよ!」 雅枝「…あこがれのお姉さん…ねぇ」 京太郎「あ、嫌でした?」 雅枝「んーん…嫌って言うか…」 雅枝「美しいとまで言われて…それ止まりなんはちょっとなぁって」チラッ 京太郎「え?」 雅枝「…言っとくけど、女にとって美しいは特別な事ばなんやで?」 雅枝「そんなん軽々しく言われて…あこがれのお姉さんはちょっと失礼やと思わへん?」 京太郎「じゃ、じゃあ、えっと…」 雅枝「……」ジィィ 京太郎「…………お母さん、娘さん達をボクに下さい!」キリリ 雅枝「んー、両方とも引き受けてくれるんやったらええよーって言ってあげたいんやけどねぇ」 雅枝「…私が望んでたのとちょっと違うからげーんてん」ニコ 京太郎「えー…じゃあ、何が正解だったんですか?」 雅枝「私と結婚してください…やったら満点やったね」クス 京太郎「い、いや、流石にそれは…」 雅枝「…アカンの?」ジ 京太郎「う」 雅枝「…やっぱちょっと古すぎるん?」 雅枝「私じゃ…もう高校生には相手されへんかなぁ…?」 京太郎「そ、そんな事ないっす!」 京太郎「雅枝さんは今でも現役バリバリっすよ!」 雅枝「ふふ…♪」 雅枝「…そう?まだまだイける?」 京太郎「全然、余裕でイけますって!」 京太郎「つーか、今がもう絶頂期って言うか!」 京太郎「色気ムンムンでヤバイっす!」 雅枝「京太郎君も興奮する?」 京太郎「ま、まぁ…その…そういう事も無きにしもあらずと言うか…」メソラシ 雅枝「……ヘタレ?」クス 京太郎「し、仕方ないじゃないですか」 京太郎「幾ら俺でもそれはハードル高いですって」 雅枝「ふふ…まぁ、それは分かっとるけどね」 雅枝「女としてはやっぱりストレートに言われてみたいなんや」 雅枝「男とは違って、女はやっぱり色々と鈍いもんやからねぇ」 雅枝「…まぁ、そういうヘタレなところもあの人っぽくてええけどね?」ポソ 京太郎「え?」 雅枝「んーん。何でもないっ」 雅枝「あ、それより…京太郎君、先に手ぇ洗っておいで」 雅枝「もう夕飯前やし、小腹空いとるやろ?」 雅枝「お菓子作っておいたから夕飯前にちょっと摘も?」 京太郎「マジっすか、やった!」 京太郎「雅枝さんのお菓子、マジ上手いから大好きっす!」 雅枝「ふふ。もう…そんなにはしゃいじゃって」 雅枝「京太郎君は『昔』っから変わっとらんなぁ」 京太郎「いや、これでも一応、背は伸びましたし…大人にはなりましたよ!」 雅枝「まーまだ結婚出来る年齢やないし、社会的にはまだまだ子どもやけどね」クス 京太郎「うぐ」 雅枝「ま、一年後をお楽しみにーって事やね」 雅枝「私も色々と今の間に準備しとくし」 京太郎「一年後…?」 雅枝「ほら、京太郎君、結婚出来る年になるやろ?」 京太郎「…え?男は18からなんじゃ…」 雅枝「18は女の子の方やで?」 京太郎「…あ、そ、そうですね」 京太郎「い、いやぁ…すっかり逆で覚えてましたよ」 雅枝「んふ。京太郎君はうっかりさんなんやから」 雅枝「ホント、私がついとらんとダメやね」 京太郎「あ、あはは…以後気をつけます」 京太郎「(…やっべ。石版の事、すっかり忘れてた)」 京太郎「(つーか、まさか家に雅枝さんがいるなんて欠片も思ってなかったし)」 京太郎「(そっちに意識が引っ張られてた訳なんだけど…)」 京太郎「と、ともかく、手を洗ってきますね!」 雅枝「はーい。しっかり洗わへんとあかんよ」 雅枝「ちゃんと後でチェックするからね」 京太郎「わ、分かってますって」 京太郎「(…とりあえず落ち着こう)」 京太郎「(えーっと…えーっと…まず俺がするべき事は…)」 京太郎「(石版をどうにかして元の世界に戻す事)」 京太郎「(…でも、それは雅枝さんがいるところじゃダメだ)」 京太郎「(別に雅枝さんの事を疑ってる訳じゃないけれど…)」 京太郎「(あの石版の事を知られたら…どうなるか分からないんだから)」 京太郎「(だから、とりあえず今は雅枝さんの方に集中して…)」 京太郎「(彼女が帰ってから石版の方に取り掛かろう)」 京太郎「ただいまー」 雅枝「おかえりー」 雅枝「ご飯にする?お風呂にする?」 雅枝「それとも…」チラッ 京太郎「お菓子でお願いします」 雅枝「はーい。それじゃ、先に京太郎君の手をチェックせえへんかったらあかんね」 京太郎「子どもじゃないんですからちゃんと綺麗にしてますって」ハイ 雅枝「んー…」ジィィィィ 雅枝「…………」パクッ 京太郎「ひあっ」ビクッ 雅枝「ん~♪」チュルチュル 京太郎「ふ…おぉぉ…っ」ブル 雅枝「…………ん。ちゃんと京太郎君の味やね?」 雅枝「おっけー。お菓子食べてえーよ」 京太郎「………いやいやいやいや」 雅枝「ん?」 京太郎「…いや、その、俺の指をいきなりしゃぶったのはともかくですね」 京太郎「俺の味って何なんですか?」 雅枝「んー…おいしくて幸せな味?」 京太郎「…美味しいんですか」 雅枝「ん。とっても」ニコ 京太郎「(…美味しいのかー)」 京太郎「(正直、さっきハンドソープで洗ったばっかりだからハンドソープの匂いくらいしかしないと思うんだけどな)」 京太郎「(…………まぁ、雅枝さんがそう言うのであれば、そうだと納得しておこう)」 京太郎「(下手に突っ込んだら藪蛇どころじゃ済まなさそうだし)」 京太郎「じゃ、じゃあ、俺はお菓子貰いますね」 雅枝「あ、ちょっと待って」 雅枝「こっちも一段落したから一緒に食べよ」 京太郎「あぁ、それじゃ俺、お茶とか準備します」 雅枝「ん。お願いね」 雅枝「…にしても」 京太郎「はい?」 雅枝「…こうやって一緒に準備しとると『昔』の事を思い出すわ」クス 京太郎「(…昔…か)」 京太郎「(それは多分、俺の事じゃないんだろうな)」 京太郎「(雅枝さんの目は今、すごく遠いところに向けられているんだから)」 京太郎「(多分、雅枝さんは旦那さんがいた頃を思い出しているんだろう)」 京太郎「(俺が生まれた年に癌になって死んだらしいから…)」 京太郎「(俺はその人の人となりをよく知らないけれども…)」 京太郎「(でも、雅枝さんは大恋愛の末にその人と結婚して…)」 京太郎「(そして未だに強く想っている事くらい知っているんだ)」 京太郎「(こんなに綺麗で魅力的な雅枝さんが未だに再婚する気配がないのも…)」 京太郎「(未だに死んだ旦那さんの事を愛しているからなんだろうな)」 雅枝「…はい。コレでオッケーっと」 京太郎「うっす。有り難く頂きます」 雅枝「ん。味わって食べてな」ニコ 京太郎「そりゃ雅枝さんのお菓子なんて味わって食べるしかないじゃないですか」モグモグ 京太郎「ってうめえええっ」 京太郎「やっぱ雅枝さんのケーキは最高っすよ」モグモグ 雅枝「ふふ。そう言ってくれると嬉しいわぁ」 雅枝「あ、でも、急いで食べ過ぎて口の端にシロップついとるよ」 京太郎「あ、マジですか」スッ 雅枝「あ、待って。私が取ってあげる」スッ 京太郎「あぁ、ありがとうございます」 雅枝「ん。どういたしまして」ペロ 京太郎「(…おうふ)」 京太郎「(…俺の口についてたシロップを雅枝さんが自分の指から舐めとって…)」 京太郎「(こ、これ、所謂、間接キスって奴なんじゃ…?)」 京太郎「(い、いや、深く考えるのはやめよう)」 京太郎「(今はそれよりも…)」 京太郎「そ、それで、雅枝さんはどうしてここに?」 雅枝「あれ?まだ言っとらへんかったっけ?」 京太郎「はい」 雅枝「そっか。ごめんね」 雅枝「本来ならば一番に言うはずやったんやけど…久しぶりに京太郎君と会えて嬉しくって」ニコ 京太郎「俺も同じ気持ちでしたから大丈夫ですよ」 雅枝「…そうなん?」 京太郎「え、えぇ」 雅枝「私に会えて嬉しかった?」ジィ 京太郎「勿論ですよ」 雅枝「…そっか。そっかー」ニコー 雅枝「ふふー…んふふふふふー♪」デレェ 雅枝「って、嬉しがっとる場合やないね」 雅枝「私がここにおる理由やけど…まぁ、端的に言えば監督役ってところかな」 京太郎「監督役?」 雅枝「そ」 雅枝「京太郎君のお父さん達がまた当分、この国に帰ってこられへんみたいやし」 雅枝「その間、京太郎君が清く正しく美しく生活出来るか心配やって」 京太郎「いや、別に親父達が長期で家を開けるのは今回が初めてじゃないんですが…」 雅枝「でも、去年と違って、高校生になったやん?」 雅枝「それに色々と女の子の知り合いも増えたみたいやし…」 京太郎「あー…まぁ、それは…」 雅枝「ま、だから、ご両親も色々と心配なんやって」 雅枝「だから、インハイで私が東京におる間は目を光らせておいてくれへんかって」 雅枝「そう言われた訳なんや」 雅枝「ま、これでも私は教員免許もっとる現役教師やしね」 雅枝「ご両親としても私に任せておいたら安心やってそう思ったんやろう」 京太郎「なるほど…」 京太郎「すみません、なんだかご迷惑をお掛けしたみたいで」 雅枝「んーん。気にせんでええよ」 雅枝「私としてもご両親のお話は渡りに船みたいなもんやったしね」 京太郎「え?」 雅枝「幾らうちんところが名門や言うても、最近は不景気でなぁ」 雅枝「合宿費用なんかも出し渋られるようになったんや」 雅枝「でも、折角のインハイで、下手なところに泊まらせて疲労を貯めるのも可哀想やし…」 雅枝「やっぱ出来るだけええホテルで過ごさせてやりたいやん?」 京太郎「まぁ…そうですね」 雅枝「と言う訳で、これから数週間、お世話になりまーす」ニコ 京太郎「…え?」 雅枝「いやぁ…出来るだけええホテルとろうと思ったらな」 雅枝「丁度、遠征費がぶっ飛んでもうて私が泊まる分がなくなってやね」 雅枝「だから、監督役として須賀くんところでお泊りさせて貰おうかなーって」 京太郎「えぇぇぇぇぇえぇ…」 雅枝「あ、安心してええよ」 雅枝「うちんとこの子が泊まっとるのはこのすぐ近くのホテルやさかい」 雅枝「こっちで寝泊まりしても、ちゃんと監督としての仕事は出来るからね」 京太郎「い、いや、そういう問題じゃないでしょう」 京太郎「つ、つーか…それ良いんですか?」 京太郎「色々と問題になったりしないんですか!?」 雅枝「大丈夫やって、これでも私は教師やから」 雅枝「生徒を襲ったりせえへんよ」 京太郎「…いや、俺の方が襲っちゃいそうなんですが」 雅枝「え?」 京太郎「い、いや、その…」カァァ 雅枝「……襲ってくれんの?」 京太郎「い、いえ…あの…い、今のは言葉の綾というか…」 雅枝「……ふーん?」ジィィ 京太郎「あ…ぅ…そ、その…」 京太郎「ま、雅枝さん、今日の晩ごはんは何ですか?」 雅枝「とりあえずオーソドックスにカレーのつもりやけど」 京太郎「そ、そうですか!カレー超楽しみっす!」 雅枝「うん。私も京太郎君に襲われるの超楽しみやわ」ニコ 京太郎「…すみません、勘弁してください」マッカ 雅枝「ふふ。やーよ」 雅枝「当分はこのネタでいじり倒したるからね♪」 京太郎「うぅぅぅ…っ」プシュゥ 雅枝「…まぁ、本気で嫌やって言うんやったら…」 雅枝「私も考えがあるけどね」クス 京太郎「か、考えって…」 雅枝「…京太郎君、一緒にお風呂入ろ?」 京太郎「は、はい!?」 雅枝「えーやんか」 雅枝「絹と良くドロンコになって帰って来た君をお風呂に入れたげたやろ?」 京太郎「その時とはもう年齢も何もかも違うんですけど!?」 雅枝「大丈夫大丈夫」 雅枝「昔っから私の気持ちは変わっとらんし」 京太郎「何も大丈夫感がないんですが!!」 雅枝「…じゃあ、一生、私の玩具になる?」 京太郎「…そっちの方がまだマシっす」 雅枝「残念やわぁー…?」クスクス 京太郎「(…アレから結局、石版に関してはほとんど何も手をつける事が出来なかった)」 京太郎「(雅枝さんってば、ずっと俺に付きっきりでまったく放してくれなかったしな)」 京太郎「(流石にトイレの中は入ってこなかったけど…)」 京太郎「(でも、風呂の中まで入ってこようとしていたくらいだし)」 京太郎「(何とか断ったけど…でも、危なかった…)」 京太郎「(雅枝さんにとっては俺はまだ子どもなのかもしれないけれど…)」 京太郎「(でも、俺は昨日も言った通り、もう大人で…)」 京太郎「(ハッキリと言えば勃起だって出来る年頃なんだから)」 京太郎「(雅枝さんほど魅力的な人と一緒に風呂なんて我慢出来るはずがない)」 京太郎「(絶対に勃起するし、その身体だってガン見するわ)」 京太郎「(どれだけ失礼だって分かっててもスケベ顔しちゃうっての)」 京太郎「(…まぁ、正直、惜しかった気持ちはあるけどさ、うん)」 京太郎「(…仕方ないじゃん、俺だって男なんだし)」 京太郎「(女の人の裸とか興味あって当然だ)」 京太郎「(ましてやそれが二十代にしか見えない若々しい美人さんなら尚更)」 京太郎「(…しかし、これがインハイ終わるまでの数週間続くのかぁ…)」 京太郎「(…俺、我慢出来るかな)」 京太郎「(正直、役得だとは思うんだけど…ソレ以上に刺激が強い)」 京太郎「(雅枝さん、どうしてかすっげぇ俺に対してスキンシップしてくるし…)」 京太郎「(昔っから知ってるから、自分の子みたいに思ってるんだろうけれども)」 京太郎「(年頃の男にはそれはキツイです、雅枝さん)」 京太郎「(ただでさえ、興奮しやすい年頃なのに、そんなにベタベタされたら…)」 京太郎「(血迷わないように堪えるのに必死になってしまう)」 京太郎「(…多分、これ毎日、自家発電して発散しないと耐えられないだろうなぁ)」 京太郎「(実際、昨日の夜だって、石版ほっといて部屋に戻ってオナニーしてた訳だし…)」 京太郎「(…ある意味、充実したオナニーライフが約束されてはいるんだけれども)」 京太郎「(ただ、相手が友達のお母さん…しかも、未だ旦那さんの事を強く思ってる雅枝さんとなれば)」 京太郎「(背徳感と申し訳無さがヤバイ)」 京太郎「(オナニーした後、軽く鬱になったくらいだし…)」 京太郎「(…ホント、これ俺耐えられるのかなぁ……)」 京太郎「(ま、それはさておき)」 京太郎「じゃ、そろそろ行って来ます」 雅枝「えー…もう…?」 京太郎「いやぁ…俺ももうちょっと雅枝さんと一緒にいたいんですけど」 京太郎「でも、そろそろ出ないと時間に間に合わないですし」 京太郎「…って言うか、雅枝さんの方は良いんですか?」 雅枝「私んとこは昨日、東京についたばっかりやから今日は休みやで」 雅枝「あんまり今詰めても本番で実力が発揮出来ひんだけやしな」 雅枝「部員の子らも今日は羽伸ばして遊んどるはずや」 京太郎「あぁ、なるほど」 雅枝「…ま、そうじゃなくてもギリギリまで京太郎君とおるつもりやけどね」 京太郎「それで焦って事故にあったりしないでくださいよ」 雅枝「心配してくれとるん?」 京太郎「当然じゃないですか」 雅枝「そっかぁ♪」デレー 京太郎「よいしょっと」コツンコツン 京太郎「(さて、靴もこうして履けた訳だし)」 京太郎「それじゃ、改めて行って来ます」ガチャ 雅枝「あ、京太郎君、ちょっと待って」トテトテ 京太郎「え?」 雅枝「…ちゅ?」 京太郎「…はぇ?」 雅枝「ふふ。行って来ますのチューや♪」 雅枝「今日も1日、頑張ってな」 京太郎「あ…ぅ…」カァァ 京太郎「い、行って来まぁす!」ダッ 雅枝「行ってらっしゃぁい♪」フリフリ 京太郎「(アイエエ!?ナンデ、ナンデ、行って来ますのチュー!?)」 京太郎「(いや、その、チューと言っても、頬にされただけなんだけどさ!!)」 京太郎「(だけなんだけど…その唇に感触が!!)」 京太郎「(雅枝さんのツヤツヤでプルプルの唇が俺の頬にいいいい!!)」 京太郎「(うぉおおお!うぉおお!うおおおおおおおお!!)」 ネリー「……お兄ちゃん?」 京太郎「ハッ」 京太郎「(って、おおおおおお落ち着け、京太郎)」 京太郎「(確かにさっきの出来事は色々と刺激が強かった)」 京太郎「(正直、走って色々と衝動を発散しなきゃ血迷いそうだったくらいだ)」 京太郎「(だが、それをネリーに勘付かれる訳にはいかない…!)」 京太郎「(どうしてかは知らないが…ネリーは俺の事を好いてくれているんだから)」 京太郎「(ここは何事もなかったかのように偶然出会ったネリーと…)」 京太郎「(いや、多分、俺と一緒に部活に行く為に待っててくれたであろうネリーと話さなければ…!)」 京太郎「や、やぁ、ネリー」 京太郎「今日もいい朝だな!」キラキラ ネリー「…………『京太郎』は随分とご機嫌だね」 京太郎「…え?」 京太郎「(…京太郎?)」 京太郎「(昨日は俺の事、ずっとお兄ちゃんってそう呼んでたはずなのに…)」 京太郎「(も、もしかして正気に戻ったのか…!?)」 京太郎「(自力で狂気から脱出を!?)」 ネリー「何か朝から良い事でもあった?」ジトー 京太郎「ぅ…」 京太郎「(…だけど、その分、すっげぇ不機嫌なんですが)」 京太郎「(なんか今にもハイライトさんがバイバイしそうな目でこっちを見上げてる)」 京太郎「(こ、これってもしかして…バレてる?)」 京太郎「(雅枝さんに行ってらっしゃいのチューされたのバレちゃってるのか…!?)」 京太郎「(い、いや、そんな事はないはずだ)」 京太郎「(ネリーが待っていたのは、昨日、俺と遭遇したのとほぼおなじ場所)」 京太郎「(俺の家からはそれなりに遠く出かけにされたチューに気づくはずがない)」 京太郎「(つまり…これはカマかけだ)」 京太郎「(すっとぼければ回避出来る…!)」 京太郎「その、今日は朝からいい夢を見てさ」 京太郎「調子も良いし、とってもさわやかな気分なんだよ」 ネリー「…………ふーん」 京太郎「…………」ダラダラ ネリー「…ね、それってさ」 ネリー「…その可愛い頬にキスされた夢?」 京太郎「…えっ!?」ビックリ ネリー「ふーん…やっぱりそうなんだ」 京太郎「あ、い、いや、違うぞ」 京太郎「年上未亡人に行って来ますのチューを頬にされる夢なんて見るはずないじゃないか」ハハハ ネリー「…へー。相手は年上なんだ」 ネリー「しかも、未亡人…そんな女が…お兄ちゃんにまとわり付いてるんだね」ゴゴゴ 京太郎「(あ、ダメだ、これ完全に墓穴掘ってる…!?)」 京太郎「(い、いや、 まだだ)」 京太郎「(ある程度、気づいていても…確信までは行っていないはず…!)」 京太郎「(少なくとも、証拠はないんだから、適当にごまかす事はまだワンチャン…!)」 京太郎「だ、だから、それは夢だって」 京太郎「何もネリーがそこまで不機嫌になるような事は…」 ネリー「…口紅」 京太郎「え?」 ネリー「頬についてるよ」 京太郎「…あ゛っ」 京太郎「(しまったああああああ!)」 京太郎「(そうだよ…雅枝さん朝から化粧してたじゃん!)」 京太郎「(口紅だって塗ってたじゃん!)」 京太郎「(それでキスされたら…そりゃ口紅だって残るわな!)」 京太郎「(バッチリ証拠掴まれてるんじゃないか、チクショウがあああ!)」 ネリー「…………何かまだ言い訳がある?」 ネリー「あるなら、その全部、論破してってあげるけど」 京太郎「じ、実は…お、俺は女装趣味の変態で…」 ネリー「それでどうやって自分の頬にキスマークつけるの?」 京太郎「うぐ」 ネリー「…………そんな支離滅裂な言い訳まで口にするなんて」 ネリー「…お兄ちゃんはそんなにその未亡人の事が好きなの?」 京太郎「い、いや、それは…」 ネリー「…お兄ちゃんは分かってないよ」 ネリー「年上って事は、つまりそれだけ劣化が早いって事なんだからね」 ネリー「お兄ちゃんよりも先に年老いて見難くなっていく女の事を一生面倒見なきゃいけないんだよ?」 ネリー「しかも、未亡人って事は一度、貞操を他の男に売り渡してるって事じゃない」 ネリー「そんな女と一生、一緒にいるなんて耐えられないでしょ」 ネリー「何時か絶対に嫌になっちゃう時が来る」 ネリー「それよりもさ」 ネリー「それよりも年下で子どもっぽい子の方がずっとずっと良いと思うな」 ネリー「年下だからお兄ちゃんよりも老けるのはおそいし」 ネリー「スタイルだって中々、崩れないよ」 ネリー「それに何より、お兄ちゃんに一途で…」 ネリー「その心も身体もお兄ちゃんだけ想っていて…」 ネリー「一生、面倒を見てあげる…そんな覚悟を決めてる女の子が」 ネリー「お兄ちゃんには一番だって思うな」ジィィ 京太郎「い、いや、そういうんじゃないって」 ネリー「…ホント?」 京太郎「ほんとほんと」 京太郎「と言うか、その人、友達のお母さんだから」 京太郎「どう転んでもネリーが心配してるような事にはならないって」 ネリー「…………でも、本当に心配要らない人が行ってらっしゃいのチューするなんて思えない」 京太郎「そ、そういうスキンシップが気軽な人なんだよ」 京太郎「昔っから面倒見てて貰ってたからお互い気心も知れてるし」 京太郎「自分の子どもくらいにしか思われてないよ」 ネリー「…………」 京太郎「(…ダメだ)」 京太郎「(これまったく信じてくれてないや)」 京太郎「(多分、このまま話してても泥沼なだけ)」 京太郎「(下手すれば…ネリーの逆鱗に触れて、直接行動に訴えさせるかもしれない)」 京太郎「(それを防ぐ為にも、ここは…)」 京太郎「そ、それよりもさ」 京太郎「このまま口紅つけて学校行くと大変な事になりそうだし…」 京太郎「ネリーが綺麗にしてくれないか?」 ネリー「え?」 京太郎「確か口紅落とすのにクレンジングオイルとか必要なんだろ?」 京太郎「俺、そういうの持ってないけど、ネリーなら持ってるんじゃないか?」 ネリー「…まぁ、それくらいは女の子の嗜みとして持ってるけど」 京太郎「じゃあ、頼む」 京太郎「俺じゃちょっと場所も分からないし」 京太郎「落とし方もさっぱりだからさ」 ネリー「……うん。分かった」 ネリー「それじゃ、そこのベンチに座ってくれる?」 ネリー「立ったままだとちょっと大変だから」 京太郎「了解」ストン ネリー「ちょっとまってね」ゴソゴソ ネリー「……うん。あった」 ネリー「じゃあ、行くよ」 京太郎「や、優しくしてね…?」 ネリー「お兄ちゃんに酷い事なんてしないもん」トントン ヌリヌリ 京太郎「どうだ?」 ネリー「…うん。ちゃんと取れてきてるよ」 ネリー「あんまりキツくキスされてた訳じゃないんだ…」 京太郎「だから、お遊びだって言ってるじゃないか」 ネリー「…普通、こんなのお遊びじゃしないよ」 ネリー「もし、本当に遊びだったら神経を疑う」 ネリー「…お兄ちゃんは私のなのに」 ネリー「私の大事なお兄ちゃんに…こんなもの残して…」ゴシゴシ 京太郎「ちょ、ね、ネリー、痛いって…」 ネリー「…あ、ごめん」ハッ ネリー「…とりあえず汚れちゃったからもう一個別のコットンで綺麗にするね」 京太郎「お、おう」 ネリー「……」ゴシゴシ ヌリヌリ 京太郎「終わったか?」 ネリー「…まだダメ」 ネリー「まだまだ…汚いままだから」 ネリー「もっともっと綺麗にしなきゃ…」 ネリー「その女の痕跡なんて欠片も残らないくらいに…」 ネリー「綺麗にしなきゃ…ダメなんだよ」ゴシゴシ 京太郎「そ、そうか…」 京太郎「(…うん。とりあえずだ)」 京太郎「(明らかにもう堕ちてるだろうとは思うんだけど)」 京太郎「(でも、ここで抵抗したら、間違いなくさっきの話題に火がついちゃうだろうし…)」 京太郎「(おとなしくされるがままになっておこう)」 ネリー「…よし。もうそろそろ大丈夫だと思う」 京太郎「そ、そっか。良かった…」 京太郎「(結局、アレから十回は拭かれたからな)」 京太郎「(正直、拭かれすぎてその部分だけ違和感がハンパない)」 京太郎「(そこだけやけに敏感なような…カピカピしてるような微妙な感じだ)」 京太郎「(でも、まぁ、ネリーはネリーで俺の事を思って綺麗にしてくれてた訳だし)」 京太郎「(とりあえずお礼を言わないと…)」 京太郎「あぁ、それとありが…」 ネリー「…ちゅ?」 京太郎「…え?」 ネリー「ふふ。最後の消毒…だよ♪」 ネリー「これでお兄ちゃんは何時も通り綺麗なお兄ちゃんに戻ったから…」 ネリー「安心…してね」ニッコリ 京太郎「お、おう…」 京太郎「(…それでネリーが唇つけてたらまた元通りなんじゃないかと思うけれど)」 京太郎「(でも、ネリーは今時めずらしいくらい化粧ッ気の少ない奴で)」 京太郎「(唇にもクリーム程度しか塗ってないんだ)」 京太郎「(雅枝さんと同じところにキスされても、跡が残ったりはしないだろう)」 京太郎「と、とりあえずありがとうな」 ネリー「ううん。気にしないで」 ネリー「それより…またこんな事があったら、すぐ私に言ってね」 ネリー「何時でも何処でも…お兄ちゃんの事消毒してあげるから」 京太郎「だ、大丈夫だって」 京太郎「こんなの早々ないはずだしさ」 ネリー「じゃあ、約束出来る?」 京太郎「あぁ。約束するよ」 ネリー「…………うん、じゃあ、許してあげる」ニコ 京太郎「(…それでネリーが唇つけてたらまた元通りなんじゃないかと思うけれど)」 京太郎「(でも、ネリーは今時めずらしいくらい化粧ッ気の少ない奴で)」 京太郎「(唇にもクリーム程度しか塗ってないんだ)」 京太郎「(雅枝さんと同じところにキスされても、跡が残ったりはしないだろう)」 京太郎「と、とりあえずありがとうな」 ネリー「ううん。気にしないで」 ネリー「それより…またこんな事があったら、すぐ私に言ってね」 ネリー「何時でも何処でも…お兄ちゃんの事消毒してあげるから」 京太郎「だ、大丈夫だって」 京太郎「こんなの早々ないはずだしさ」 ネリー「じゃあ、約束出来る?」 ネリー「また誰かに変な事されたらすぐに私に言うって」 京太郎「あぁ。約束するよ」 ネリー「…………うん、じゃあ、許してあげる」ニコ ネリー「(…………本当はその女の事を聞き出したいけど)」 ネリー「(でも、お兄ちゃんはその人の事が大分、大事みたいだから)」 ネリー「(きっと私が聞き出そうとしても教えてはくれないと思う)」 ネリー「(ただ、それならそれで調べる方法は幾らでもあるし)」 ネリー「(今は深く突っ込むのは許してあげよう)」 ネリー「(……でも、これは今だけだよ)」 ネリー「(また次に同じ事があったら、私ももう許してあげる事なんて出来ないし…)」 ネリー「(その上、もし…お兄ちゃんが約束を破ったりしたら…)」 ネリー「(…………私、絶対に我慢なんて出来ない)」 ネリー「(ううん、するつもりなんてまったくないから)」 ネリー「(例え、何をしてでも…お兄ちゃんの事を捕まえて見せる…)」 ネリー「(そんな覚悟はもう決まってるから…)」 ネリー「…それじゃ行こっか、お兄ちゃん」ニコ 京太郎「そうだな」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1348229345/ 優希「ほほう、犬のくせにあがるとはなかなか生意気だじぇ」 咲「珍しい、っていうか京ちゃんが打つの始めてだよね」 和「それもそうですね……とりあえず須賀君、点数計算できますか?」 京太郎「すまん、ちょっとそこまでは……」 優希「まったく、それぐらいとっとと覚えるんだじぇ」 咲「まぁ高校から麻雀始めたんだし、仕方ないよ……京ちゃん役はわかる?」 京太郎「ちょっとまってくれ、まずリーチで、全部3つそろえてるからトイトイで……」パタタタタ 京太郎手牌 東東東白白白発発発中中中北 ツモ:北 咲和優希「」 京太郎「あと東があるから場風だろ、三元牌が3つ全部あって、ドラが3つで……これぐらいか?」 咲「え、えーっと……これは、その」 和「そ、そんなオカルトありえません」ブツブツ 優希「な、なんて運だじぇ」 京太郎「あ、裏ドラ確認してなかったな・・・お、北ってことは東だから、3つ追加だ」 一同(確認しなくていいから……) 京太郎「これ、何点かわかるか……?」 咲「四暗刻で役満、だよ」 和「字一色で役満ですね」 優希「大三元で役満だじぇ」 京太郎「ま、まて、なんで全員別の役なんだ」 咲「えー、えーっとね京ちゃん」 和「一応役満の上にダブル役満などがあるのですが」 優希「大会じゃあダブル以上はないから、別にここまでやる必要はないじぇ!」 京太郎「うーん、そういうもんか?最初で結構綺麗だったからそろえたんだが」 咲「は、配牌はどうだったの?京ちゃん」 京太郎「ちょっとまってくれよ、たしか……こんなんだな」 4m5m6m1s2s3s東白白白発発発 ツモ:東 和「こ、これはちょっと……」 優希「おい犬、絶対明日死ぬじぇ、これ」 京太郎「そうか?ネト麻やっててもこんなんだったり、最初からリーチできたりするけど、おかしいのか?」 咲和優希(すごいおかしいよ(です)(じぇ)) 京太郎「うーん、そこそこ俺も打てるようになったと思うんだけどなぁ」 咲「あ、あはは、最近はじめたにしてはすごいできる方だと思うよ京ちゃん」 久「ごめーん、みんな遅れ……あら?どうかしたの?」ガチャ まこ「なんじゃ?痴話喧嘩……じゃなさそうじゃな」 和「え、えーっと、これは、その」 久「うーん、いったい何があったか教えてくれるかしら?」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 久(う、うわぁ) まこ(嘘ついとるようじゃないのう、これは……) 京太郎「やっぱりおかしいですかね?みんな今日はもうやめたほうがいいって言うし」 久「そ、そうね、実は今日ちょうど買出しに行って欲しかったのよ」 まこ「ほ、ほれ、はやくいってこんかい」 京太郎「???……ま、まぁいってきますね」ドヒューン 久「……さて」 まこ「どうしたものかのう」 久「みんなはどう思う?今の須賀君について……」 和「はっきり言っておかしいです、こんなオカルトありえません!」 咲「わ、私はうれしいかな?京ちゃんが強くなってくれて……強くなりすぎだけど」 優希「私は咲ちゃんに同意だじぇ」 まこ「とはいえ、ネット麻雀でも、というのが気にかかるのう」 久「……実はさっき渡したメモ帳、かってきてほしいもの5つも書いてないのよねぇ」 和「で、ではすぐ帰ってきますし、4人で打っておきましょう」 咲「……それで帰ってきたところで」 優希「……残りの一人がネト麻に誘う」 まこ「ま、そうなるのう」 久「それじゃあ私が誘うから、4人で打ってて頂戴」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「ただいま戻りましたー」ガチャ 久「おかりなさい、須賀君……無理に行かせちゃってごめんなさいね」 京太郎「あはは、大丈夫ですよ、調整とかで役に立てない分、こういうとこで役に立たないといけませんし」 久「今はもう4人で初めちゃってるし、そうね……」 京太郎「今は……東1局2本場、まだ始まったばかりですね」 久「そうねぇ、私が教えてもいいけど……あ、ネット麻雀なんてどう?」 京太郎「ネット麻雀ですか?いいですよ、家でもたまにやりますし」 咲(これで京ちゃんの発言の真偽がわかる……!) 優希(流石に京太郎の発言は嘘八百……!) 和(コンピュータにオカルトが通じると思う時点で麻雀部の面汚し……!) まこ(どこの四天王じゃ、まったく) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「お、またツモですね」 久「」 久(な、なにこれ、ダブリーがあたりまえだし、できなくても絶対リーチ一発) 久(危険牌きっても全部通ってるし……絶対おかしいわよ、これ) 久「……見ないうちに強くなってるじゃない、これなら上出来よ!」 京太郎「そ、そうですか?……でも、ほとんど部長が言ったことやってるだけですよ」 久(いやこんなこと教えた記憶ないわよ) 咲(さっきから京ちゃんずっと部長と話してる……なんか嫌だな) 咲「カン!カン!カン!カン!」 和優希まこ「」チーン 京太郎「お、あっちも終わったみたいですね」 久「それじゃあ混ざりましょ……」 咲「京ちゃん!ちょっと今日は早めにかえろ!」ガシッ 京太郎「え、わ、ちょ、引っ張るなって、咲!」 咲「それじゃあ部長、お疲れ様でした!」ズルズル 京太郎「お、お疲れ様です!」バタン 久(なんだったのあれ……まぁ、咲にはあとで言っておきましょ) まこ「して、さっきの結果じゃが……」 優希「そうだじぇ!終始無言だったけどいったいどうだったんだじぇ!」 和「ありえませんでしたよね!?というか絶対ありえません!」 久「……まぁ、これをみて欲しいわ」 今日の戦績 四人打ち 半荘戦 9回 1位100% 2位0% 3位0% 4位0% 役満7回 三倍満4回 倍満2回 跳満0回 満貫0回 まこ「……そろそろメガネを変えるべきじゃな」 優希「た、タコスが食べたいじぇ、先に帰らせてもらいたいじぇ」 和「」チーン 久「ほんっと、何食べたらこんなことできるのかしらねぇ」 まこ「それ以前に、この麻雀サイトがおかしいんじゃろ」 優希「一応ここ、国内最大のネット麻雀サイトだじぇ……」 和「す、すいません、今日は帰らせてもらいます、ね」 まこ「……も、もう今日は解散でええじゃろ?のぉ」 久「そうね……とりあえずお疲れ様、今日のことは忘れた方がいいわ」 優希「だじぇ……咲ちゃんにはどういっておくんだじぇ?」 まこ「自分の目で見た方が早いじゃろ、それ抜きでも言わんほうがええ」 久「確かにそうね……とにかく、このことはもう忘れましょう、覚えてても口外禁止よ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲(……そういえば急いで出てきたから京ちゃんの戦績見てないや) 京太郎「ん?どうした咲」 咲「あ、いや、ちょっとね……急いででてきたから京ちゃんの戦績見てないなって」 京太郎「そういえばそうだな……ま、見ても面白いものじゃないと思うぞ?」 咲「で、でも気になるのは気になるし」 京太郎「そっか……なら、家近いし寄ってくか?今までの分見せるぞ?」 咲「ほ、ほんと!?いく!絶対いく!すぐ行く!」 京太郎「お、おう……それじゃ行こうぜ」 咲(久しぶりに京ちゃんの家いくなぁ……ふふふ) 京太郎(やけに食いついてくるな……そんなに俺の麻雀っておかしいのか?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎「たっだいまー」 咲「お邪魔しまーす」 京太郎「部屋、わかるだろ?飲み物もっていくから先に行っといてくれ」 咲「はーい」 咲(ちょっとベッド下とタンスの裏でも探してみよ) 京太郎「お茶しかなかったけど、大丈夫か?」 咲「う、うん、大丈夫だよ!」 咲(結局何もなかった……一冊くらいあると思ったんだけどなぁ) 京太郎「よっと、立ち上がったか……ほら、これがお前の見たかったもんだぞ」 咲「どれどれ?」 今までの戦績 四人打ち 半荘戦 283回 1位93% 2位7% 3位0% 4位0% 役満245回 三倍満123回 倍満73回 跳満14回 満貫45回 咲「……なにこれ怖い」 京太郎「そ、そんな怖いか?」 咲(何これ、一回で役満一回にしても245/283、8割は超えてるよね) 咲「1位と2位にしか、なったことないんだね」 京太郎「ん?あーこれか、このライバルのアラサー鍛冶屋さんとやると絶対勝てなくてな、2位になるんだよ」 咲「そ、そうなんだ、あはは」 咲(おかしいよね、絶対おかしいよね、京ちゃんもだけどそのアラ……アラフォー鍛冶屋さんもおかしいよね) 咲(京ちゃん、いったいどうしちゃったの?こんな強いはずないのに……) 京太郎「ま、つってもどうせビギナーズラックとか言うのだろうしな、すぐ負け始めるって」 咲(半荘300回近くやってるのにまだビギナーとか言うの?) 咲(あとこのサイト東風戦が……あった、って500戦以上してるし……役満も400越えてる) 咲「これなら京ちゃんも全国大会までいけるんじゃないの?」 京太郎「そうかー?一応個人男子は魔境って聞くしなぁ」 咲「おかしいのは向渕高とか福本大付属とかだけだって!」 京太郎「まぁ、あそこは17年連続で全国決勝進出してるしなぁ」 咲「そうだよ!だから全国大会まではすぐいけるって!」 京太郎「できれば団体女子と一緒に全国一位!とかやりたいけどな、ははは」 咲「きっとできる、いや絶対できるよ、京ちゃん」 京太郎「よし、そうと決まればこれから毎日やるか、麻雀!」 京太郎「というわけで教えてくれ咲、いや咲先生」 咲「せ、先生って……私より強い人に教わった方がいいと思うよ?たとえばこのアラフォー鍛冶屋さんとか」 京太郎「そうだなぁ、一応チャット機能あるし……ちょうどアラフォーさんオンラインじゃん、聞いてみっか」 咲「そ、そうだね、まずはいろいろうまい人から聞いてみるといいよ!」 京太郎「じゃあまたなー」 咲「うん、また明日ねー」 京太郎(さて、咲を家まで送ったし、早く帰って麻雀すっかな) 京太郎(鍛冶屋さんとも連絡取れて練習時間指定してもらったし) 京太郎(でもなんでアラフォーって言ったらあそこまで否定してきたんだ?) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ SG.kyo:こんばんわー アラサー鍛冶屋:こんばんわ、結構早めにきたね SG.kyo:教えてもらう側なのに待たせたら悪いですからね アラサー鍛冶屋:それじゃはじめよっか、一応知り合いも呼んでるし SG.kyo:お、ちょっとそれは期待しちゃいますよ? アラサー鍛冶屋:ていっても人数足りないから1人CPUだけど、じゃあ4827番部屋で SG.kyo:わかりました 京太郎「鍛冶屋さんの知り合いか……どれだけ強いんだろうか」 SG.kyoさんが入室しました アラサー鍛冶屋:いらっしゃーい! こっこ:お、これがアラフォーの知り合いかー、はじめましてー SG.kyo:はじめましてー アラサー鍛冶屋:アラフォーじゃないよアラサーだよ! 京太郎「アラフォーを否定する鍛冶さんとこっこさん……うーんどっかで聞いた気が」 京太郎「ま、気のせいか」 アラサー鍛冶屋:ともかく、手始めに半荘1回やろっかー こっこ:確かにkyo君の実力わかんないしね SG.kyo:手加減しませんよー?……まぁ勝てないんですが 京太郎「さてと、鍛冶屋さんだけだと飛ばないけど、その知り合いがいるからなぁ」 京太郎「今日の目標は飛ばないこと……そうだ、毎日目標決めるか」 京太郎「そっちの方がモチベーションあがるだろうからな」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 数ヶ月後、東京 久「さて、みんな集まったわね……まさか本当に全国大会に出れるなんて、思ってもなかったわ」 京太郎「ほんと、俺が高校から麻雀始めたって知ったら会場の人どう思うんでしょうか」 まこ「どちらかというと長野の方からお前さんに負けた奴が殴りこみにくるじゃろうな」 咲「ここが会場……うー、緊張するなー」 和「もう、咲さんは大将なんですからね?もう少し胸を張って堂々としてもいいんですよ?」タユンタユン 咲(何これ、嫌味?)ツルペターン 優希(あわわわ会場に来て早速仲間割れおきそうな雰囲気だじぇ) 京太郎(そういえば俺の方は決勝まで注意した方がいいとことは当たらないな、結構ついてるかも) 京太郎「ツモ、16000オールです」 モブABC「」チーン 京太郎(よ、弱い、長野もそうだったけど、全国でもこんなのか?) ???(ククク……おもしれぇ) ???(生きのいいのがいるな) ???(……楽しみだな) 一方そのころ団体女子 咲「カン!カン!カン!カン!」 咲「さらにカン!もいっちょカン!おまけにカン!」 咲「ツモ!嶺上開花!麻雀って楽しいね!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 京太郎(一応全国なんだよなぁ……) 京太郎(これなら鍛冶屋さんとこっこさんの方が強い) 京太郎(結局鍛冶屋さんには一回も一位を取れなかったけど……) 京太郎(これは……いける!) 時は飛んで男子個人決勝 京太郎「ツモ……16000オールですね」パタッ 東東東白白白発発発中中中北 ツモ:北 ???*3「」チーン 京太郎(終わった……勝った、勝ったんだ、全国一位になったんだ) 京太郎(にしても親だから最初から飛ばしていこうと思ったけど、役満が2回で終わるとは思ってなかったな) 京太郎(あとは咲たちが勝つだけ……一応、応援に行くか) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 女子団体決勝 淡(これが照の妹……!) 淡「……」ゴッ 咲(ここで勝って、優勝して、お姉ちゃんと仲良くなって、京ちゃんと付き合う、だから) 咲「……」ゴッ 咲(絶対、絶対に負けられない!) 京太郎(うわー白糸の人強そうだな……同じ一年生とはいえ、大丈夫かな……咲) 咲(あ、京ちゃんだ、応援に来てくれたんだ……えへへ、ちゃんと見ててね) 淡(……笑った!?この状況で!?……いったいどれだけ自信があるのよ) 淡(けど、そうじゃなくちゃ……おもしろくない!) 京太郎「……いいなぁ、こっちは楽しそうで」 京太郎「なーんか歯ごたえなかったんだよなぁ……うーん」 ???「あのー、まさかとは思いますが、すいません」 京太郎「ん?なんでしょうか?」 健夜「SG.kyo君、だったりする、かな?」 京太郎「な、なぜその名前を……」 京太郎(って小鍛冶プロじゃん!初めて生で見た!) 京太郎(ってあれ……この人が俺のネト麻の名前知ってるってことは) 健夜「あーよかった、間違えてたらどうしようかと思ったよぅ」 京太郎「ていうことは……鍛冶屋さん、ですよね?まさか小鍛冶プロだったとは」 健夜「あはは、一応内緒にしておいてね?」 京太郎「偶然、といえば偶然ですけど、偶然じゃないといえば偶然じゃないですね」 健夜「よ、よくわかんないけど、これから少し暇だったりする?」 京太郎「ええ、暇ですけど……」 健夜「それじゃあ、今から麻雀やらない?他のプロも呼んでたりするよ?」 京太郎「いいんですか?自分じゃ勝てないでしょうが、是非やらせてください!」 健夜「それじゃいこっか、こっちだよー」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 咲「勝った、全国大会、優勝……」 咲(京ちゃん、途中から居なくなってたけど、ちゃんと別の場所で見ててくれたよね) 咲(早く会いに行こう、覚悟ができてる内に)タッタッ 京太郎「つ、強すぎですよ……プロってやっぱすごいですねー」 健夜「少なくとも一回も4位になってない上に、他のプロ飛ばした人が言う台詞じゃない気がするな」 京太郎「あはは、まぐれですよ、まぐれ」 咲(あれ?京ちゃん?……と、誰、あの女の人) 咲(それにプロって……ふーん、そうなんだふーん) 京太郎「って、ん?咲じゃないか」 咲「あ、京ちゃん!ここにいたんだ!」 京太郎「ああ、そうだけど、何かあったのか?」 咲「何かあった、じゃないよ!もう、みんな待ってるんだから、はやくいこ?」ズルズル 京太郎「わ、わかった、わかったから、引っ張るなって、す、健夜さん、今日はありがとうございましたー」 健夜「あ、うん、お疲れ様ー」 健夜(連絡先聞きそびれた……ま、お互いリアルであったし、ネト麻であったとき聞けばいいか) 数年後、国内無敗のアラフォーを負かせて新たに最強になったプロがいるとかいないとか カン!
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京太郎(高三の秋の頃…俺は宮永 咲に告白をした……) 京太郎(最初は…いや、告白する直前までは…ただの女友達だと思っていた) 京太郎(そして卒業後にプロ入りが決まったと聞いた瞬間、彼女が手の届かない遠くに往ってしまうと思った瞬間――――) 京太郎(俺は彼女の事が好きなんだ……と、初めて自覚した――――) 京太郎(インターハイ個人戦優勝。そして東京のプロチームに既に入団が決まっていると言う、華やかなプロフィール) 京太郎(そんな彼女が本当は物静かで読書好きの、優しく大人しい文学少女である事を俺は知っていた) 京太郎(そしてそんな彼女を俺は、何時からだろう…好きになっていた――――) 京太郎(告白した時、彼女は少し照れ臭そうに、そして少し寂しそうな顔をして―――) 京太郎(『今はそう言う事は考えられないから、もう少し待ってほしい』と返事をした) 京太郎(完全…ではないが、俺は振られたと思った) 京太郎(そりゃそうだプロ入りが決まっての大事な時期に、俺になんて構ってなんかいられない事なんて、考えなくても分かる事だ) 京太郎(それからの俺と咲は高校卒業まで普段通りに過ごした) 京太郎(そして卒業後。咲は予定通り東京のプロチームに入団) 京太郎(そして俺も彼女を追う様にいや…彼女を追って東京の大学に進学した) 京太郎(それから直接逢う事は無かったけど、それでも電話で話したり、メールのやり取りも結構交わしていた) 京太郎(だが、梅雨に入った頃の雨降りの日…に届いたメール) ――――今のままじゃ何もかも中途半端になっちゃう だから来年の四月に答えを出すから それまで考えさせて下さい だからそれまでの間、お互いに連絡しないで 見詰め直したいと思うんだ ゴメンね京ちゃん、本当にごめんなさい だからもしその間に京ちゃんに彼女さんが出来たとしても 私はそれでも構わないから ―――― 京太郎(今度こそ完全に振られたと思った。登り掛けた崖から、突き落とされる様な絶望感にも打ちのめされた) 京太郎(でも、その時の俺にはそれでも四月まで待つという選択肢しか考えられなかった) ――――それでも…それでも俺は彼女の事が……咲の事が好きだったから……。 九月。 大学の休憩広場。 京太郎(今日のマスコミ論の課題は真面目にやらんとな――――) ?「あのー済みません。もしかして清澄高校麻雀部だった須賀さんじゃないですか?原村和と同じチームだった?」 京太郎「え!?」びくっ ?「ああ済みません。驚かせちゃいました?」 京太郎「ん?いや…大丈夫だけど…確かに俺は須賀だけど、君は――――」 ?「やっぱり!私、和の友達で阿知賀女子の麻雀部だった新子 憧です。流石に覚えてないですよね……?」 京太郎「いや…覚えてると言うか、新子さんウチの麻雀部だろ?俺も一応そうなんだけど」 憧「えっ!?そうなんですか?全然気付かなかった……」 京太郎「まぁそうだろうな……俺は新聞部も掛け持ちしてて、そっちがメインだから麻雀部は殆んど幽霊だし……」 京太郎「それに…新子さんの事を知ったのも、俺は編集しただけの新聞部の女子麻雀部特集からだったし……」 憧「そうだったんですか……」 京太郎「でもよく俺だって分かったな…というか俺の事覚えてたな……清澄じゃモブみたいな感じだったんだけど」はは… 憧「そっ…そんなことないですよ!?それに女子の麻雀部で男の子って珍しかったですし……」 憧(それに…ちょっとカッコいいと思って…和にそれとなく聞いてたし……/////) 京太郎「それで俺に何か用なの?」 憧「え…!?////いや…あの…その……あっそうだ!ちょっと待ってて下さいね」たた… 京太郎「え?ああ…」 三分後。 憧「はいこれコーヒー。久し振りの再会ですし…私の奢りです」すっ… 京太郎「ああ…いいの?ありがとう……」すっ 憧「そうだっ…須賀さん。これから講義とかあります?」 京太郎「ああ…今日はもうないけど……」 憧「良かった。じゃあちょっと話しませんか?」にこ ―――――。 憧「――――こんな事があったんです」 京太郎「へぇそうなんだ。そんな事が有ったんだ……はは。新子さんの話してると時間忘れちゃうな」 憧「…………えへへ…そうですか?あっ!そうだ須賀さん。あの…それでちょっと、お願いがあるんですけど?」 京太郎「お願い?」ずず… 憧「あの須賀さん。いきなりなんですけど…今度の土・日どっちか空いてますか?」 京太郎「えっ?ああ…日曜の午後なら何とか……」 京太郎(あっ反射的に答えちまった……)はっ 憧「それでしたら…再会の記念に二人でちょっと出掛けちゃいませんか?」 京太郎「えっ!?いや……」 憧「ダメですか?」じ… 京太郎(うっ!?上目使いに見上げる仕草がかわいい……) 京太郎「ああ……いいよ」にこ 憧「ホントですか!?よかったぁ。じゃあ13時に新宿駅の西口で良いですか?」 京太郎「ああ。わかった」 憧「決まりですね。じゃあ私これから講義がありますからこれで……」すくっ すたすた…くる。 憧「あっそうだ!くれぐれもドタキャンはダメですからねー!!」たたっ…ふりふり 京太郎「はは…」ふりふり 京太郎(何か勢いに押された感じだけど。久し振りに女の子と話せて楽しかったな……) 京太郎(咲…言っとくけど、これは決して浮気なんかじゃないからな……って…別に彼女でも何でも無いか……)はぁ… 日曜日。 新宿駅西口。 京太郎(待たすのも何だから、15分前に来たけれど……ってもういる!?) 京太郎「あれ?もう来てたんだ…悪いちょっと待たせちゃったか?」 憧「今日は須賀君とデートだと思ったら…妙にそわそわしちゃって、30分も前に来ちゃった////」てへ 京太郎「えっ!?デ…デートって……」 憧「もう!」ぎゅう 京太郎(俺の腕に絡める様に抱きついて来た!?///////) 憧「男の子と女の子が、二人っきりでお出掛けするのをデートと言わずして、何をデートって言うの?/////」 京太郎「それは…確かに……」 憧「それに女の子同士でだって、デートって言うんだからね!!」 京太郎「そ…そうなのか……?」うーむ 憧「そうだよ。宥姉…って分かるよね?同じ大学の先輩だし…その宥姉も今頃は弘世さんとデートしてるんだから」 京太郎「松実先輩の事だろ?あのおもち姉妹のお姉さんの……」 京太郎「あの世代から、急に女子は強くなったからな。そりゃ知ってるよ」 憧「そうだよ。私も入ったし…これからウチの女子は黄金期に突入するからね!」 京太郎「そうだな……ま、男子は相変わらず弱いけどな……へーでもそうなのか…あの人が弘世さんとねぇ……」ふむ 憧「あっ。だからって記事にしちゃ駄目だかんね?」 京太郎「いやいや…プロって訳じゃないだろうし、流石に記事にする様な事でもないだろ」 憧「それもそうね…って、こんな事でダラダラ話しててもしょうがないから、早く行こっ!時間が勿体無いよっ!!」ぐいっ 京太郎「わわっ。分かったからそんなに引っ張んなって――――」 京太郎(案外マイペースな子だな……って、そういや咲もマイペースちゃあマイペースかな?ベクトルは違うけど……) ―――。 京太郎「で…取り敢えずどこに行くんだ?」 憧「えっ!?もしかして、女の子とデートだって言うのにノープランなの?」 京太郎「いや…だって……」 憧「そんなだから、京太郎君…そこそこイケメンなのに、女の子にモテないんだよ?」はぁ 京太郎「うるへい。じゃあ新子はもう決めてあるのかよ?」 憧「もっ勿論よっ!この新子の憧さんにおまかせあれ!!」ふんす 映画館前。 憧「初デートって言ったらやっぱり映画館だよねっ!ねっ!」 京太郎「……あれだけ大見栄切って、結局…映画って……流石にベタ過ぎないか?」 憧「そ…その辺はお互い様でしょっ!!」 京太郎「お互い様って……」 憧「しょ…しょうがないじゃない……私だって男の子とデートなんて…その…初めてなんだから……」ごにょごにょ 京太郎「ん?何か言ったか?」ふりふり 憧「何でもなーい。何でもなーい////////」 京太郎「?」 憧「とっ…取り敢えず何か観ようよ!!」 京太郎「ん…この『遠くの恋人(ヒト)より、近くの彼女(コ)!』って恋愛ものか?」 憧「ま…取り敢えず、これで良いんじゃない?そうと決まったら早く観るわよ!!」 京太郎「あ…ああ……分かった……」 ―――――。 再び映画館前。 京太郎(うーん…思ったより面白かったけど、何かもやもやするな……) 憧「その場で決めたのにしては、面白かったね」にこ 京太郎「う…ん。まーな……」 憧「ん?あんまり面白くなかった?」 京太郎「いや…そんな事は無いけど……何か引っかかるんだよ。よく分からんけど……」 憧「ふーん。私は特にそんな事は無かったけど……」 憧「遠距離恋愛に限界を感じた主人公が、近くに居る自分を慕ってくれる女の子の良さに気付くとことか……」 憧「その子の色んな処を知っていく内に、段々その子に惹かれていく過程が、特にリアルな感じで良かったと思う……」 京太郎「…………」 憧「最後に、主人公がその女の子と結ばれるシーンで、ちょっとうるってきちゃったし……」 京太郎「そうか…まぁとにかく新子が喜んでくれたのなら、俺も嬉しいよ」にこ 憧「――――!?//////」かぁぁ 京太郎「ん?どうしたんだ?顔が真っ赤だぞ。急な熱でも出たか?」 憧「なっ///何でもないわよっ!/////」あせあせ 京太郎「あっそれに。俺としては、ちょっとエッチな所があったのもよかったよな」 憧「――――//////!!」かぁぁ 京太郎「?」きょとん 憧「な…何よ?/////」どきどき 京太郎「もしかして新子って案外と純情可憐な乙女って感じなのか?」 憧「!?――――そ――――そんな事!!な――――/////」かぁ 京太郎「はは…意外だな…寧ろ何か援交とかでもしてそうなイメージ――――」はっ! 憧「!!?……………」ぷるぷる 京太郎「……あっ…い…今のは冗談だから!その…言葉のあやっていうか……」あせっ 憧「……ふーん。そーんなんだ…私って京太郎君に、そー思われてたんだ……」じとー 京太郎「あーごめん!つい冗談で適当な事を口走っただけだから!」 憧「……………知らないっ」ぷいっ 京太郎「うー……分かった。何でも言う事聞くから赦してくれ!」ぱんっ 憧「…………今…何でも言う事聞くって言ったよね?」ニヤリ 京太郎「うっ……い…言ったよ。俺に出来る事なら何だってしてやるよ!」 憧「ホントに?」 京太郎「おっ男に二言は無い!!」 京太郎(とは言ったものの…頼むから無茶な事は言わんでくれよ……)どきどき 憧「そっかぁ…どーしようっかなぁ……」 京太郎「い…今じゃなくてもいいからな、いつか思い付いたらd―――――」 憧「うんっ決めた」こく 京太郎「えっ?」 憧「まず…今から私の事を名前で呼ぶ事」 京太郎「名前ってあたらs――――」 憧「あ・こ」じっ… 京太郎「あこ……で良いのか?」 憧「うん」にこ 憧「後…もう一つ――――」 京太郎「一つじゃないのかよ!」 憧「とーぜんでしょ?あんな…デリカシーの欠片もない事を言ったんだから?」きっ 京太郎「……分かったよ…で、憧。あと一つって何だよ?」 憧「うん…じゃあ言うね」にこ 京太郎「…………」ごくり 憧「これから…私を飲みに連れてって――――――」にこ とある居酒屋。 憧「では。二人の再会を祝しまして」 憧・京太郎「「かんぱーい」」カチャン 京太郎「まぁインターハイの時にお互い見知った程度だし、再会って言う程、会ってはいない気もするけどな」はは… 憧「そうだね。でも私は一目見た時から、京太郎君の事が気になっていたんだけどな……」 京太郎「そうなのか?」 憧「うん////」にこ 京太郎「そっか…そう言われると悪い感じはしないな」へへ… 憧「ふふ…」 京太郎「まぁそれはいいとして、さっきはどんな無茶を言われるかと思ったけど、こんなんで本当に良かったのか?」 憧「もうっ。京太郎君は、私をどんな女の子だと思ってるのよ?」むぅ 憧「まぁ一度、男の子と…ううん…京太郎君とお酒を飲んでみたいって思っただけ」 憧「……『何でも』…てのは、ホントはただの理由付けでしかないよ」 京太郎「…………」ふむ… 憧「ん?どうしたの?」 京太郎「いや…何でもない!」どきっ 憧「あーその顔…またヘンな事考えてたんでしょ?もうっ私は君が思っている程、遊んでる訳じゃないんだからね?」ぷぅ 京太郎「いや…そんなんじゃないって。ただ…憧って俺の知ってる奴に、どことなく似てる様な気がしただけだよ」 憧「知り合いに、私に似てる人がいるの?」 京太郎「いや…何となくだけどな。でもソイツは、お前と違って結構…俺に無茶を言うような奴だったよ」はは… 憧「ふーん。そうなの……その子ってもしかして彼女とか?」じー 京太郎「えっ!?いやいや違うって。それはありえねーから」きっぱり 憧「ほんとーに?」 京太郎「ああ。胸張って言えるぜ……って…胸張る様な事でもないけどな……」はぁ 憧「そう……」ほっ 京太郎「でもソイツと比べてって訳じゃないけど、憧って俺が思ってたよりも、ずっと可愛い処があるんだな」にこ 憧「――――!!////私がその…か――カワイイって……な、ナニ当たり前の事を改めて言ってんのよっ!!//////」かぁぁ 京太郎「おいおい。当たり前って…やっぱちょっと似てんな」くい 憧「しょうがないでしょ?ホントの事なんだから」 京太郎「はいはい。そーですか」くい 憧「もうって……ん?京太郎君…日本酒なんて飲んでるの?」 京太郎「ん?ああ…それ程でもないんだけd――――」 店員「お待たせしましたー」コト 京太郎「おっきたきた」 憧「えっ?これって、もしかしていなり寿司?」 京太郎「そうだよ」 憧「へーこんなの居酒屋にあるんだ」 京太郎「まーはっきり言ってそんなには無いんだけどな。だからここにしたんだよ」 憧「そんなに好きなんだ?」 京太郎「まーそうだな……こうお猪口でくいってやって、一緒にいなり寿司を食べるのが好きなんだよ」 憧「へーそうなんだ。じゃあ――――」すっ 京太郎「あっ!?それ俺のお猪口……」 憧「…………/////」くい 憧「ふむ…あと――――」すっ 京太郎「あっ!?それは俺のおいなりさんだぞ!」 憧(こ…これが…京太郎君のおいなりさん……/////)ゴクリ… 憧「…………//////」ちゅっ…ぱく 憧「…………//////」はむはむころころ 京太郎(…………なんか…喰い方がいやらしーなオイっ///////)かぁ 憧「…………」ごっくん 憧「ン…オイシ……////」ニコ… 京太郎「――――――――///////」どきっ 憧「ん?どうしたの京太郎君?」 京太郎「なっなんでもねーよ!!」かぁ 京太郎(やべー…一瞬コイツのコトがちょっとエロ可愛く見えちまった……)どきどき 憧「ん?どうしたの?私の顔に何か付いてる?」 京太郎「いや…別に……そんな事より、憧はあんまり飲んだりはしないのか?」 憧「そんな事無いよ。大学の麻雀部の子とか、あと…しずとかかな?」 京太郎「しず?」 憧「高鴨 穏乃。私の同じ阿知賀出身の。覚えてるでしょ?和の友達だし」 京太郎「ああ。あのジャージの子だろ?」 憧「うん。あの子…私達と学校は違うけど、東京(こっち)に来てるから、よく女子会とかしてるよ」 憧「で、そう言う京太郎君はどうなの?」 京太郎「俺か?俺は専ら新聞部の奴等と男子会だよ。麻雀部じゃないのは申し訳ないけどな」 憧「ホントだよね」じとー 京太郎「はは……」あせっ ♪ピロピロリ―――― 憧「ん?電話?しずからだ…ってごめんね。マナーモードにし忘れてた」 京太郎「いいってそんな事。俺は気にしないから早く出てやれよ」 憧「ありがと」ピッ 憧「もしもし……しず?どうしたの?」 憧「…………えっ!?今、優希と家飲みしてるから来ないかって?」 京太郎(優希!?)びくっ 憧「ゴメンねしず。私…今デート中なんだ」どやっ 憧「えっ!?どの娘って…女の子とじゃないよ、男の子とデートしてるの///////」てれてれっ 京太郎「……………」くいっ 憧「誰とって?ふふん。和の清澄高校の麻雀部の部員だった、須賀 京太郎君だよ」 憧「しずも覚えてるでしょ?あの学ランの。そうその…今、その彼と居酒屋デート中なんだ」ふふん ?『なにー!!京太郎だと!?ちょっとしずちゃん電話を替わってくれだじぇ』がぁ! 憧(電話越しからでも声が聞こえる……) ?『憧ちゃん、久し振りだじぇ』 憧「優希?お久だね。えっ何言って……?わ、判ったわよ。兎に角、替わればいいんでしょ?」 憧(……そう言えば、優希は元清澄で、今はしずと同じ大学だったかな……) 憧「はいはい。今替わるから……はい、京太郎君。あなたの飼い主さんとやらが電話替わってくれって……」 京太郎「はぁ…やっぱりそうなるのか……はい。もしもs――――」 優希『こらー犬!お前、咲ちゃんというものがありながら、憧ちゃんとデートたぁどういうこった!!』がぁ!! 京太郎「声がでかい!もっと小さい声で喋れよ。あとデートって…あk…新子さんとは、たまたま同じ大学だったんだ」 京太郎「それで、再会した記念って事で、飲んでるだけだよ。それ以上の事は断じてない」きっぱり 憧(えっ……!?)ズキッ 京太郎「……はぁ?どういう事だって?だからそー言う事だよ」 京太郎「咲?……残念ながらアイツとは付き合えてはないよ」はぁ 京太郎「告白したけど保留っつーか…殆んど振られた状態だから……」がっくり 京太郎「―――ってンな事なんか聞くなよ!言ってるこっちが哀しくなるだろうが?」はぁ 優希『…………私は…京太郎の気持ちも、咲ちゃんの気持ちも知ってたから……身を引いたのに……』ぼそ… 京太郎「ん?何か言ったか?」 優希「――――!!/////なっなんでもないじぇ!/////もういいじょ。シズちゃんと替わるじぇ!」 穏乃『もしもし須賀さん。お久し振り…って言うか、二人でこうやってお話するのって、もしかして初めてかな?』 京太郎「ああ…そう言えばそうかな?」 優希『――――…・・――――…・・…――』ぎゃーぎゃー 京太郎「ん?今、そっちのタコス娘が、後ろで何か言ってないか?」 穏乃『……その…全く躾のなってない犬だじぇ…って喚きボヤいてる……』はは… 京太郎「まぁそんなこったろうと思った。まったく自称飼い主さんが、そう言ってりゃ世話ないぜ……」はぁ 穏乃『あはは…そうだね』 京太郎「それじゃ。新子さんと替わるから」 穏乃『うん――――あっ…あのっちょっと待って!』 京太郎「えっ!?何?」 穏乃『あの…須賀さん……憧の事、宜しくお願いします。あぁ見えてとっても優しくて、純粋な子ですから』ぺこり 京太郎「……………………あ、ああ……じゃあ替わるから……」すっ 憧「………………もしもし、しず。今日はゴメンね、今度必ず埋め合わせするから』 穏乃『うん。その時は玄さんも宥さんも呼んで、久し振りに皆で集まろうよ』 憧「うん。いいねそれ。あと灼も呼んじゃおうか?」 穏乃『はは…灼さんは吉野(じもと)だから、流石に無理だよ』 憧「まー確かにね……」 穏乃『じゃあ…お邪魔になっちゃうから、そろそろ切るね』 憧「うん」 穏乃『じゃあ…あっ!あと一つ』 憧「ん?何よ?」 穏乃『憧…これから大変だと思うけど…私はどんな事になっても憧の事、応援してるからね』 憧「…………うん。しず…ありがと……」 穏乃『うん…じゃあまたね。憧』 憧「またね。しず」ピッ 憧(………………………そうだよね…よしっ!!)ぐっ 憧「京太郎君!!」 京太郎「はい!!」びくっ 憧「今日は、めいっぱい飲むわよっ!!」 憧「うふふ…おしゃけオイシーね……////」くいっ 京太郎「はは…憧さんは御機嫌だな……」 憧「えへへ…憧ちゃんはごきげんだよー。ねえ…きょーろーは、わたひと飲んでて楽しい?」じ… 京太郎「お…おう……」 憧「あーその顔!そっか…京太郎は私と飲んでても、楽しくないのか……」しゅん 京太郎「そっそんなことねーから。楽しいから。俺もゴキゲンだぜっ!!」 憧「えへへ…ありがと……わたひもたのひーよ」にこ 京太郎(うーん。でも…こりゃ正直言って、かなり飲み過ぎてるな……) 京太郎(って…いつの間にか、カクテルから日本酒にシフトチェンジしてるし……)ぐび… 憧「だっ…だったりゃ、きょーたろーも…もっと飲みなひゃい!」ずいっ 京太郎「飲んでるよ。それより、お前は飲み過ぎなんj――――!!」 京太郎(……って…いつの間にか、呼び捨てにされてるし……) 憧「もーきょーたろー飲まないんなら!!」ばっ 京太郎「あっ!?俺のジョッキ!!」 憧「えへへ…いただきまーす/////」ごくごくごく 憧「えへへ…きょーたろーのナマすっごくオイシー//////」ぷはー 京太郎(うっ……!まずいな…こりゃ何とかしないと……取り敢えず店を出るか……) ――――――。 近くの公園。 京太郎「ほい。これお茶」すっ 憧「ありがとー」こくこく 京太郎「少しは落ち着いたか?」 憧「うんっ京太郎く―…きょーたろーは優ひーね/////」にこっ 京太郎「そっそんな事はねーよ」 京太郎(しかっし、まいったな…まだかなり酔ってるみたいだし……) 京太郎(送ってくっていっても、コイツの家、知らないしな…当たり前だけど……) 京太郎(俺の家って訳にはいかないし…最悪…優希の所……ってのは避けたいな。何言われるか判らんし……) 京太郎(さて…どうしたものか……)うーん 憧「ねぇ…きょうたろ…京太郎君……」 京太郎「ん?何?」 憧「京太郎君と宮永さんって…どんな関係なの?」 京太郎「えっ!?」どきっ 憧「さっきの電話…優希と話している時に聞こえた『咲』って…宮永さんの事なんでしょ?」 京太郎「それは……咲は俺と同じ清澄高校の時の同級生だったやつで…同じ麻雀部で―――――」 憧「そんな事聞いてるんじゃないの!!ねぇ宮永さんはアナタにとってどんな女性(ひと)なの?」じ… 京太郎(うっ……なんて思い詰めた目で俺を見るんだ……)たじ… 京太郎(――――って急に酔いが醒めたのか?いや…もしかして最初からそんなに酔って無かったのか?) 京太郎(いや…そんな事より……流石にこの場面で、ヘンにはぐらかす訳にはいかんわな……)すぅ… 京太郎「そうだな……俺と咲は―――――――」 憧「ふーん。そーなんだ……」 京太郎「ああ…そう言う事だ。だかr――――」 憧「京太郎君が苦労してウチの大学に入ったのも、新聞部に所属しているのも、全て宮永さんの所為なんだ」 京太郎「所為って…俺が勝手に決めた事だよ」 京太郎其れなりの大学に入って、新聞部で取材や編集の勉強をしているのも、いつか麻雀関係の記者になれば」 京太郎「プロで活躍してるアイツに形はどうあれ、少しでも近くに居られるかも知れないって思っただけだ」 憧「でも…その彼女は京太郎君を振る訳でも、付き合うでもなく放置して、自分はやりたい事をやっていると」ふん 京太郎「そんな言い方すんなよ。プロの世界ってやっぱ厳しいだろうし、中途半端な覚悟じゃと務まらないんだろ」 憧「だから努力すれば、頑張ればそんな彼女に近づいた気分になれるって思ったんだ?」 京太郎「―――――そんな言い方はないだろ」カチン 憧「ねぇ京太郎君。どうしてあの時、私が君に声をかけ、デートに誘ったか分かる?」 京太郎「…………」 憧「初めて…三年前のインハイで君を見た時から、ずっと気になってた」 憧「インハイが終わってからも…密かに和から君の事を、それとなしに聞いてもしてた……」 憧「……でも冷静に考えて、住んでる所も離れてるし、逢える機会も殆んど無いからって諦めてた……」 憧「でも…和から京太郎が同じ大学だって聞いた時に、これは運命だって本気で思ったんだ」 憧「だから、男子麻雀部を覗いたりして探してたけど…何時もいなくて、ずっと見付けられなかった」 京太郎「そこに関しては申し訳無いとは思ってる」 憧「だから初めて見つけた時は、本当に嬉しかった。でも、どきどきしてなかなか声を掛けられなかったけど……」 憧「でもあの時…それでも緊張を抑えて、意を決して…やっと話し掛ける事が出来た時は嬉しかったな……/////」にこ 京太郎「憧……」 京太郎(正直…ナニを言ったらいいのか分からない…それにこの流れ…ヤバい――――) 憧「……ねぇ京太郎君。私あなたの事がその…好きみたいなの……だから……私とつきあっt―――――」 京太郎「あっ憧っ!ちょっとまて!!」 京太郎(あ…あぶねぇ……今の憧…すっげえ可愛いし、このまま告白されたら受けちまいそうだった……)どきどき 憧「……やっぱりダメか……なら友達だったらいいよね?今は…それで良いから……」 京太郎「…………ああ…それなら……」 京太郎(……流石に断れんって言うか…憧、やっぱ凄く可愛いよな。普段も酔ってる時も、そして今も……) 京太郎(でも俺は…咲の事が好きなんだ……) 京太郎(たとえ今…逢えなくても、殆んど振られた状態でも…それでも、あいつの事を忘れるなんてこと出来ない……) 憧「でもね…京太郎君……」もごもご 京太郎「何だよ?言いたい事があるなら言ってくれよ」 憧「分かった。言うね……京太郎君は…本当にそれでいいの?」 京太郎「えっ!?」どきっ 憧「告白しても…まともな返事も貰えなくて……」 憧「その上、仕事に集中する為に他の事を考えたくないから、一年の間、返事を待っててくれなんて、どれだけ身勝手な子なの」 京太郎「憧!」 憧「ねえ…京太郎君…………もう…いいんじゃないかな……」 京太郎「!?」 憧「京太郎君は充分に待ったし、たくさん努力もしてる。でも、そこまで想われてる宮永さんは、自分の事ばっかり……」 憧「挙句の果てには、その女に振られるのかもしれない。だったら…もういいんじゃないかな?」 京太郎「いいって…何がだよ……」 京太郎(くっ…何だ…?俺の心が、だんだん不穏になっていく様な感じがする……) 憧「はっきり言うよ。もう…宮永さんの事は諦めた方がいいと思う」 京太郎「!!?」 憧「宮永さんと京太郎君がどんな関係を築いて来たのかは分からない。私とは一緒に居る時間が違い過ぎるから……」 憧「でも…その彼女はもう君と同じ場所に居ないんだよ。ううん。もう同じ場所に立つ事なんて出来ない」 京太郎「そっそんな事は――――」 憧「ううん。京太郎君は…宮永 咲という人に……心を縛り付けられている」 京太郎「…………」 憧「ごめんね…凄く意地悪な事を言っているのは…自分でも判ってる」 憧「でも、京太郎君がいくら望んでも、手を伸ばしても、今の彼女には届かない伝わらない」 憧「……でも」すっ ぎゅっ 京太郎「!?/////」 京太郎(俺の右掌を憧の両掌がぎゅっと包んで……) 憧「でも私なら…触れられる所に居る。温もりを感じられる……私は京太郎君のすぐ傍に居る……」 京太郎「憧……」 憧「今はまだ無理かもしれない。でもいつか…君を縛り付ける物を、私が取り払ってあげるからね」にこ 京太郎(あったかい…憧から伝わってくる温もりが心地いい……) 京太郎(本当に何かを解きほぐされていく様な…心地よく溶かされていく様な…そんな感じがする……) 京太郎「あ…憧……」どきどき 憧「京太郎君……」どきどき 京太郎「………………きょ……今日はもう遅いし、そろそろ帰ろう……」 憧「…………うん…そうだね」にこ 地下鉄駅前。 憧「うん。ここまでで良いよ。今日は付き合ってくれて本当にありがと。すっごく楽しかったよ」にこ 憧「また付きあってね。京太郎くn――――ううん。京太郎。じゃあまたね―――――」ふりふり たたっ 京太郎「…………言いたい事言って、行っちまったな……」はぁ 京太郎(でも……助かった…………)ほっ 京太郎(あのまま押し切られていたら、本当に危なかった。それ位に可愛いくて、そして…真摯だった……) 京太郎(何より…俺が今一番欲しいものをくれた気がした……) 京太郎(くっそ…また逢いたくなっちまったじゃねーか) 京太郎「遠くのヒトより近くのカノジョ」 京太郎「……………か……」 その頃。 とあるホテル。 先輩プロ「宮永。今日の対局は中々よかったぞ」 咲「ありがとうございます。先輩」ぺこり 先輩プロ「春頃まではどこか中途半端な感じだったが、最近は集中して打てているみたいだし、この調子で明日も頼むぞ」 咲「はい。これも先輩のアドバイスのおかげです」 先輩プロ「そうか。じゃあ今夜はゆっくり休めよ。おやすみ」 咲「お休みなさい」ぺこり ガチャ ばふっ 咲「疲れた……」ふー 咲(デビュー当時…私はプラマイゼロどころか、勝つ事すら全くできなかった……) 咲(勿論。プロの人達のレベルが高いのは判っていたし、プロになった気負いもあったと思う) 咲(でも…一番はやっぱり……) 咲(京ちゃんの事―――――) 咲(あの時…京ちゃんに告白された時……嬉しかった…私も京ちゃんの事が好きだったから……) 咲(でも……それ以上に戸惑いがあった。京ちゃんがまさか私に告白してくれるなんて、思いも寄らなかった……) 咲(でも私は……その時既にプロ入りが決まっていたから) 咲(もし…先に京ちゃんが告白してくれていたら、私はプロにはならなかったのかもしれない) 咲(でも…プロになるって決めて、チームと契約した以上、今更辞めるわけにはいかなかった……) 咲(それに。この時の私自身、プロの世界で自分の力を試したい。と言う想いも芽生え始めていたから――――) 咲(だから…素直に告白を受け入れる事は、あの時の私には…どうしても出来なかった……) 咲(でも…プロ入りして京ちゃんと離れ離れになって、気持ちがぐらぐらして…どうしていいか分からなくなって……) 咲(そこを先輩に見透かされて、先輩にこう言われて、私はそれを受け入れた) ――――中途半端な気持ちじゃプロは務まらない。少なくても一年は麻雀だけに集中した方が良いって……。 咲(本当に…本当に勝手だと思う…でも私は一方的に京ちゃんと、距離を置く事を選択した……) 咲(それから私は麻雀だけに集中する事になって、少しずつだけど勝てる様になった……) 咲(チームの一員としてとしてチームに必要とされるようになった。でもやっぱり――――) 咲「…………寂しいよ…京ちゃん……」じわ… 咲(……いくら勝っても活躍しても…忘れた頃にこみ上げて来る…寂しさと恋しさ……) 咲(私はやっぱり……京ちゃんの事が好きなんだ……) 咲「早く逢いたいよ…京ちゃん……」ぐすぐす… 咲(京ちゃん…もう彼女さんとか出来ちゃてるのかな……もう私の事なんて忘れちゃっているのかな……) 咲(…………だとしても…私に文句を言う資格は無い……) 咲(ホントは今すぐにでも、京ちゃんの元へ飛んで行きたい……) 咲(でも私が決意し、其れを勝手に京ちゃんに押し付けたんだから、それを自分から破る事なんて絶対に出来ない) 咲(プロの雀士として…一人の女としてそれだけは絶対に許されない。それに京ちゃんにだって当然…選ぶ権利はある) 咲(いくら優しい京ちゃんだって…こんな自分勝手な子の事なんて、とっくに愛想尽かしているに決まってるよね……) ――――でもそれでも私は……一縷の望みを信じて………… その時が来たら…きっと―――――。 京太郎(あれから俺は…憧と二人で遊びに行ったりする事が多くなった) 京太郎(どこに行くかとかは専ら憧が決めていたのだが、彼女はああ見えて、凄く気使いの出来る子なんだと思う) 京太郎(何だかんだで、どこに行くにも俺が愉しめて、尚且つ自分も愉しめる処を上手に選んでいた様に思うしな……) 京太郎(しっかりというか、ちゃっかりしているとでも言うのだろうか……?) 京太郎(でも。そんな所も可愛くて、健気で…そして俺の事を引っ張り上げてくれる様な感じで……) 京太郎(俺自身、そんな彼女に次第に惹かれて行くのを、否定する事が出来なくなっていた) 京太郎(そして…彼女によって俺の心の中の何かが、次第に解きほぐされていく心地よさと……) 京太郎(それと同時に何かを…少しづつ、忘れてしまっていく様な気持ちも感じていた……) 京太郎(そして。そんな日々を過ごしながら、桜の花咲く頃……俺は次第に現実問題になって突き詰められる事があった) 京太郎(言わずもがな…咲の事だ―――――) 京太郎(もうすぐ四月…咲との約束の月……) 京太郎(俺は……どうすりゃいいんだろうな……) 京太郎(憧は俺にちょっと不器用だけど…はっきりと分かる好意を俺に寄せてくれる……) 京太郎(容姿も言っては何だが、咲よりも良いと思うし、オシャレにも気を使っている) 京太郎(何よりも勝気なんだけど、時折見せる純情で照れ屋な処が堪らなく可愛い) 京太郎(頭も良くて、さり気なく俺に話も、行動も合わせてくれる……そんな女の子……) 京太郎(でも俺は……それでも…………) 京太郎(俺は悩みに悩んだ…こんなに悩み、二人を天秤に掛けている自分にこんなにも自己嫌悪もしたのも初めてだった) 京太郎(咲の返事が来るまでに、それまでに絶対に決めなければならない) 京太郎(返事待って決めるなんてのは、男として格好悪いし、何より二人に対して失礼極まりない話だろう) ――――そして俺は…考え悩み抜いた末。結論に達し覚悟を決める。 もう迷わない。どうなったとしても後悔しない。俺は――――――。 四月の初め頃。 学内のとある喫茶店。 京太郎「雨…か……」 京太郎(そう言えば咲からあのメールが送られてきたのも、こんな雨の日だったな……) 京太郎(しっかし…もう四月で桜も咲いてるってのに、未だ全然肌寒いな……)ぶる 京太郎「コーヒーを買ってと……ええっと…どこに……あそこか」たたっ 京太郎「お待たせ。自分から呼び出しておいて、俺の方が遅くなってしまってゴメンな」 憧「ううん…いいよそんな事」にこ 京太郎「はい。コーヒー…ってもう注文してたのか……しかも全然飲んでないみたいだし、要らなかったかな?」 憧「ううん。ありがとう。せっかく京太郎が、私の為に持って来てくれたんだもん。有り難く頂きます」こくこく… 京太郎「そんな大層なモノじゃないんだけどな」 憧「京太郎のくれたコーヒー……おいしい」にこ 京太郎「そっか…それならいいんだけどさ……」 憧「えへへ…でも京太郎から誘ってくれるなんて…珍しいね。でも…嬉しい」にこ… 京太郎(…………心なしか憧の表情が、何処か曇っている様な感じがする……) 京太郎「憧…いきなり呼び出して悪かったな。でも…どうしても今日言わなければならない事があるんだ……」 京太郎(そう…今日じゃないとダメなんだ『結果』が出てからじゃ遅いんだ)ぐっ 憧「……大事な…話なの?」 京太郎「ああ」こく 憧「…………そう。それだったら外に出ない?そこで話して……」 京太郎「外って…まだ雨が降ってるぞ。それにまだ肌寒いし……」 憧「どうしても…外で話したい気分なんだ。だめ…かな……?」 京太郎「……わかった…外に出よう」 憧「うん…ありがと」 京太郎「あっカップは俺が持ってくから……ん?」 ――――片付ける為に手に持った三つのカップ。その中で一つのカップだけが空になっていた……。 学内の広場。 京太郎(雨が降ってるのと講義棟から離れている所為か、殆んど人が居ないな……) 憧「…………」ふるふる 京太郎(……俺はここで今から目の前の、微かに震えながら傘を差している女の子に言わないといけないのか……)すぅ…はー 憧「それで……話って何なの……?」 京太郎(……くっ…やっぱりいざとなると言い辛いな…駄目だ!逃げるな!男ならはっきり言え!!)ぐぐっ 京太郎「…………憧……ゴメン。俺はやっぱり咲からの返事を待つ事にする。だからお前とは付き合えない」 憧「………………」 京太郎「お前が俺なんかに好意を寄せてくれるのは、ホントに嬉しいし、振るなんて罰当たりな事だって百も承知してる……」 京太郎「でも俺は…やっぱり咲の事が好きなんだ。例え振られる事になったとしても、それでも俺は―――――」 憧「…………わかってた……京太郎が宮永さんを択ぶ事くらい……わかってたんだ……」 憧「ほんのたまにだけど…宮永さんの事を話す時の京太郎の顔……とってもいい顔をしていたから……」 憧「…………私に向けては…一度も見せてくれなかった顔……」 京太郎「……憧…俺は――――」 憧「でも――――私は……それでも私は…京太郎の事が好きなの……」ぐっ 憧「初めて京太郎を見た時…カッコよくて…優しいそうな人だって思った。一目見た瞬間から、ずっと気になってた」 憧「初めてデートした時に…私はやっぱりこの人の事が好きなんだって、はっきりと分かった」 憧「それからデートする度にどんどん好きになっていくのも……抑え切れない位に実感していた」 憧「だけど…もしかしたら私は…宮永さんの代わりでしか無いのかもしれない。そう思う事もあった……」 憧「でも!そうだったとしても、京太郎は私を大事に思ってくれているって事は判っていたから……」 京太郎「憧……」 憧「ねえ…京太郎……どうしても私じゃ駄目なの?宮永さんじゃないとダメなの?」 京太郎「…………」 憧「……こんな事言っても、困らせるだけだってのは分かってる……」 憧「……でもお願い!お願いだから宮永さんなんかじゃなくて私を選んでよ!!!お願い…だから……」ふるふる 京太郎「憧…俺は憧みたいな可愛くて素敵な子に好きって言われて、本当に嬉しい」 京太郎(声に出しては言えないけど…もし咲が居なかったら。俺は手放しで喜んで憧と付き合っていたと思う) 憧「それなら!――――――」 京太郎「でも俺は…俺には咲しかいないって決めたんだ……」 京太郎「たとえ俺が咲に振られる事になったとしても…それでも今の俺には、咲以外考えられないんだ」 京太郎(俺は馬鹿だ…大馬鹿だ……憧の優しさと好意に甘えて、ずるずるとしてしまった結果がこれだ) 京太郎(そうだ。俺は結局…憧の想いに応えられずに、傷付ける事しか出来なかった……) 憧「でも!!宮永さんはここにはいないんだよ…彼女がいるのは私達と違う世界……」 憧「でも私はここにいる!二人で一緒に触れ合える。寄り添えられる。感じ合える……」 憧「私は…何時も京太郎の見える処にいるから!!だから―――――」 憧「見えない人の事なんて見ようとしないで、もっともっと目の前で見える私の事を見てよっ!!」 京太郎「憧……」 憧「だから……お願い…………」ふりふり… 京太郎(憧が…あの勝気な女の子が……外聞も無くいやいやして……) 京太郎(まるで…玩具を欲しがってせがむ子どもの様に……それも俺が…この子をそうさせちまったんだな……)くっ… 京太郎「ごめんな憧……もう俺は中途半端にしたくは無いんだ。だから―――――」 憧「どうしても…駄目なの…………?」 京太郎「ああ……」こく… 憧「分かった!!いい…もういいよ……ごめんね京太郎…我儘言ってホントにゴメンね……」ぽろ… 憧「分かっていたのに……本当に…分かっていたのに……」ぽろぽろ ばっ… 京太郎「!?」 京太郎(えっ!?傘を投げて…空を見上げてる……?) 京太郎「って!おいっそんな事してたら濡れちまうぞ!!」だっ 憧「来ないでっ!!いいから来ないでよ!!」 京太郎「憧…何を言っt―――――」 憧「…………う…うう…ああ…わぁぁん……うわぁぁぁぁぁ――――ん!」 京太郎「憧!!」 憧「泣いてなんてない!これは雨だから…泣いてなんてないんだからね!!」 憧「大丈夫だから。ただちょっと大声出したくなっただけだから!」 憧「だから…お願い…早く行って…早くどっか行ってよ!!」 京太郎(……憧…………そうか………) 憧(泪なんて見せたくない…心配なんかさせたくない。して貰いたくもない。コレは私のできる精一杯の矜持――――) 京太郎(……そうだな…情けないけど…俺がコイツにしてやれる事なんて、もう何一つも無いんだ)ふりふり 憧「うぁぁぁぁん……うわぁああああああ―――――ん!!」 京太郎「……分かったもう行くよ」ぺこり 京太郎(くそっ!俺に出来るのは……彼女の意を汲んで、とっとと立ち去る事しかねーのかよ!!)たたっ 京太郎(ごめんな…憧……) 憧「うわぁぁぁぁ―――――――あぁ…・・ぁ…・・……――――」 ――――俺は…走りながら彼女から離れる程に、彼女の嗚咽が雨音で掻き消されていくのを感じていた……。 憧「……ひっく…ひっく……」ぐすぐす 憧(……雨にぬれて寒い…でも…こんなびしょびしょじゃウチに帰れないよ……)ぶるぶる 憧(……振られちゃった……そうなる事は分かってたのに…それでもこんなに胸が苦しいなんて……)ぐすぐす 憧(初恋は実らないってよく聞くけど…ホントだったんだ……)ぐす… 憧(このタイミングで振ったって事は…もし宮永さんに振られても、私とは付き合ってはくれないんだろうな……) 憧(そんな事したら私に失礼なんて…いらない気遣いなんてして……) 憧(京太郎のバカ!京太郎なんて役満直撃されて跳んじまえっ!!) 憧(でも…それでもやっぱり……大好きだよぉ…胸が切ないよぉ苦しいよぉ…………)ひっくひっく ♪ヴヴヴ…ヴヴヴヴヴ…… 憧(でんわ?……しずからだ……) 憧(こんな時に電話なんて…………でも…しずの声が聞きたい……) ―――――こんな状態で話したくない…でもそんなプライド以上に、今の私は温もりが…より掛かれるものを欲しかった……。 ピッ 憧(………………もし…もし―――――) その日の夜。 京太郎「ただいまーって誰に言ってんだか……」 ぼふっ ごろん 京太郎「もういつ着てもおかしくは無いよな……」どきどき 京太郎(俺に出来る事は全てやった……と思う) 京太郎(……とは言っても、咲の返事とは何の関係も無い自己満足だけど……) 京太郎(それでも頑張った分だけ、アイツに少しでも近づける気がしたんだ……) 京太郎(何より…憧には悪い事したな……俺がこんなブレてなかったら、あんな思いはさせなかったのに……) 京太郎(もう…ああしてしまった以上、もし咲に振られたとしても、もう憧付き合うなんて事は出来ねーよな……)はぁ 京太郎(って…何女々し過ぎる事を考えてんだ!!全く恥ずかしくて申し訳なさ過ぎて、ンな事出来ねーに決まってるだろうが!!) 京太郎(…………くそっ!後は野となれ山となれってんだ。俺に出来る事なんてもうねーんだから!!) ♪ヴィヴィヴィヴィ…… 京太郎「メール!!」がばっ 京太郎「さ…咲からだ……」ゴクリ… ――――――――。 京太郎「………………もう見るのが怖くて一時間も見れてない……」どきどき 京太郎「これじゃただのヘタレだよ!!ええい見るぞ!!見てやるぞ!!!もうどうにでもなりやがれ!!!」 ドキドキドキドキドキドキ――――― ピッ… 京太郎「………………」じ……… 京太郎「………………うお――――」 京太郎「――――――――――――うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ―――――」ばばっ!! ――――――――メールを見た瞬間。俺は無意識に高々と両手を突き上げていた。 おしまい。 おまけ。 四月中頃。 大学のキャンパス内。 咲「へぇ。コレが京ちゃんの通ってる学校のキャンパスなんだぁ」 京太郎「結構広いだろ?もう少し早かったら、桜もまだ咲いてたんだけどな」 京太郎「前の雨で殆んど散っちゃったんだけど。ここの桜、満開の時は結構キレイなんだぜ」 咲「そうなんだ。じゃあ来年はお花見デートしようね////」にこ 京太郎「ああ。そうだな」にこ 京太郎「でも…正直…OKしてくれるとは思わなかったよ、ずっと待たされっぱなしだったしな」はは 咲「ごめんね…京ちゃん。私が勝手ばっかり言ってた所為で…私…ずっと京ちゃんの優しさに甘えてた……」しゅん 京太郎「確かに随分待たされたけど…まぁプロの世界は厳しいって事位は判るし、お前も色々考えての事だろうしな」 咲「京ちゃんは…ホント優しいね……」 京太郎「んなことねーよ」へへ… 咲(……ううんそんな事ない。京ちゃんはホントに優しいよ…こんな私をずっと待っててくれたんだもん……)じ… 京太郎「ん?どうしたじっと人の顔見て。何か付いてるか?」 咲「ううん。何でも無い。何でも無いよ」にこ 京太郎「そうか……」 咲「ねえ京ちゃん……私…今まで京ちゃんに何にもして上げられなかった分、これからは出来る限り一緒に居るからね」 京太郎「ソレは嬉しいんだけど…いいのか?試合とかで大変なんじゃ?」 咲「……私…この一年で分かった事があるんだ……」 咲「確かに京ちゃんと離れてた一年の間。麻雀だけに打ち込んで、ある程度の結果を出す事を出来た」 咲「でも…それだけじゃ駄目。ずっとずっと寂しかった…胸に穴がぽっかり空いた様な喪失感があった」 咲「だからこれからの私は、欲しい物は我慢しないで手に入れるって決めたの。勿論…全力でね」にこ 京太郎「うおっここに来ての欲張り屋さん発言。お前…この一年で随分変わったな……」 咲「うん。これが一年…プロの雀士としてやってきて、辿り着いた結論」 咲「麻雀も恋愛も手を抜かず、全力で頑張るって決めたんだ。だから覚悟してね京ちゃん」にこ 京太郎「…………草食系文学少女とは思えない発言だな……」 咲「ううん。私は根っこの部分は何にも変わってないよ……」 咲「ただ…京ちゃんも麻雀も大好きだって事を我慢しなくなっただけ」にこ 京太郎「そうか…じゃあこれからお付き合いよろしくお願いします。お手柔らかにお願いします。咲さん」ぺこり 咲「こちらこそよろしくお願いします。京太郎君」ぺこり 京太郎「あはは」 咲「えへへ…」 京太郎・咲「「あははははは」」 咲「でも…ホントに良かった……京ちゃんもう他の女の子とくっ付いちゃってるって思ってたから……」 京太郎「そんな事ねーよ。俺はこんなチャラチャラした見た目だけど、中身は一途な純情ボーイ何だからな?」 咲「ふふ…そうだね」にこにこ 京太郎「だから安心s――――」 京太郎「――――――!!!」ドキィッ!!! 咲「……ん?どうしたの?京ちゃn――――」 京太郎「……い…いや何でも……そっそうだ咲。あっちのキャンパスに行こうぜ!!」どきどき 咲「う…うん」 京太郎(こっここはすぐにでも離れt――――――) 憧「――――――あれ須賀君?偶然だね……それに宮永さん?」 京太郎「!!!?」びくぅ!! 穏乃「お久し振り須賀さん。それに宮永さんも」ぺこり 咲「…………京ちゃんこの人達、阿知賀女子だった人達だよね?和ちゃんの友達の」 京太郎「ああ。あk…新子はここの学生なんだ。だけど…新子はいいとして、どうして高鴨もいるんだ?」 穏乃「はは…それはね。実は…憧とはたまに、お互いの学校を案内し合ったりしてるんだ」 憧「それより…宮永さん…ううん宮永プロはどうして学校に?」 咲「私も…京ちゃんに学校を案内して貰ってたの。私…この人とお付き合いしてるんだ」じっ 憧「!?」 憧(今…こっちを見て……流石インハイチャンプのプロ雀士…鋭いわね……でもそれなら――――) 穏乃「へーそんなんですか……これはお邪魔でしたね。じゃあ憧…行k――――」 憧「そうだったんですか。でも私も須賀…ううん京太郎君とは随分仲良くさせて貰ってるんですよ」にこっ 咲・京太郎・穏乃「「「!?」」」 憧(言ってやった!言ってやった!!でもこれだけじゃ―――――) 憧「……でも宮永さん…いいえ宮永プロ」 咲「何ですか?」 憧「いえ…プロリーグで新人賞を獲った有名人が、こんな処で堂々と彼氏とデートなんてしていて大丈夫なんですか?」 京太郎「いや…それは……」 咲「私は仮に有名人だとしても、それは麻雀のプロであって、アイドルとかじゃないから、全然問題ないよ」 京太郎(いや…そんな事は……もし当事者が俺じゃなかったら、新聞部としては、とんでもなく美味しいネタなんだけどな) 京太郎(……って、もしかしてもうアイツらに撮られてんじゃねーだろうな……)きょろきょろ 咲「それに…撮られたとしても、別に私は困りませんから」ぎゅっ 憧「!!」ムッ 京太郎「おっおい咲!…そんなくっ付くと……」 憧「それは大層な事で…でも将来を嘱望されているプロとただの大学生では、住んでる世界が随分違うと思いますけど?」 咲「どういう事?」 憧「お互いの目線が違い過ぎると、釣り合いが取れてくなって、ずっとすれ違って―――――」 憧「いつか破綻するんじゃないか……って事ですよ?」ニヤリ 穏乃「あっ憧!?」おろおろ 京太郎「おっおい憧!何言って―――――」 咲「大丈夫だよ。新子さんが望む(おもう)様な事には、決してならないですから」きっぱり 憧「そう…だといいですね?じゃあ。行こっか?しず」ファサ……… 穏乃「う…うん!それじゃあまた。大変失礼しました!!」ぺこり 憧「あっそうだ―――――」ずいっ 京太郎(!?おっおい!顔が近い!!///////)どきっ 憧「またね。京太郎君……ううん京太郎――――」すっ… ちゅっ 京太郎「!!!??」 咲・穏乃「「!!?」」 憧「えへへ…今まで色々シテくれたお礼に、私のファーストキスあげる!!じゃあまたねー!!////////」たたっ 穏乃「ちょっ憧!!すっ済みませんでしたー!!」ふかぶかとおじぎ たたたっ―――― 咲「…………京ちゃん…唇にチュウ(これ)って、一体どういう事なのカナ?カナ?」ゴゴゴゴゴゴ―――― 京太郎「いっ…いや……これはその―――――///////」あたふた 咲「…………いいよ…今の私がとやかく言う資格なんて無いのは判ってるから……」ギリィ… 京太郎(言っている事と…お貌の表情(ようす)が全く違うのですけど……)おどおど 京太郎(いや…ここは男として、寧ろおどおどするんじゃなくて、こいつを安心させてやらないとな!!)ぐっ 京太郎「…………確かに、あれから色々あったけど。咲…これだけは、はっきりと言える」キリッ 京太郎「これまでも、これからも……たとえ、どんな事があったとしても、俺はお前だけだから」だきっ… 咲「……!!うん…私も京ちゃんだけだからね……」ぎゅっ… 咲「……でも。もしあの子…ううん…誰であろうと、私と京ちゃんの仲を邪魔する様な子がいたら…その時は―――――」 咲「全部纏めて私が――――――」 咲「ゴッ倒す!!!!」ゴッ!! 京太郎(…………誰もゴッ倒されない様に…誠心誠意、気を付けさせて頂きます……) 穏乃「もうっ憧ってば、彼女さんの前であんな事して、私、知らないよ?」 憧「こっ…これ位の事はさせて貰わないと。わ…私の気が済まないんだもん!!//////」まっかっか 穏乃「まったく…そんな真っ赤になってる癖に…良く言うよ」はぁ 憧「そっそんなことないわよっ//////!!それに…その内に、ホントに私が言ったみたいになるかもしれないじゃない?」 穏乃「まったく…立ち直りが早いと言うか…懲りないね、憧は……」はぁ 憧「あのねぇ…そうさせたのは、しず…アンタの所為なんだからね」 穏乃「私の所為?」きょとん 憧「そうだよ…あの時…私が京太郎に振られた時…あの時…直ぐに駆け付けてくれたじゃない」 穏乃「うん。あの時…何か胸騒ぎがして、憧に電話したら…あんな聞いた事もない声で出るんだもん。吃驚したよ」 憧「そしてら…ホントにすぐ来てくれて…それに着替えと、あったかい飲み物まで持って来てくれて……」 穏乃「いや…雨音はするのに、傘を差してる感じじゃなかったし……」 穏乃「それに…声も寒さに震えてる感じだったから、もしかしたら、ずぶ濡れ何じゃないかなって思って」 憧「あの時は本当に凄く嬉しかった。しずが…私の親友で居てくれて本当に良かったと思った」 穏乃「はは…そう面と向かって言われると照れちゃうな/////」てれっ 憧「それにあの時…私の話を聞いて、しずも一緒に泣いてくれて……」 穏乃「そっ…そうだったかな…はは……//////」 憧「あの時のしず…私にこう言ってくれたじゃない―――――」 憧「『悪い事があったとしても、その内いい事もあるから大丈夫』って……」 穏乃「確かに言ったけど……さっきみたいな事を言った訳じゃ―――――」 憧「ううんっ!京太郎の事だって、まだまだ勝負は下駄を履くまで分からないんだから!!」 穏乃「いや…もう履いてる様な……」 憧「前に京太郎と観た『遠くの恋人(ヒト)より、近くの彼女(コ)!』って映画みたいな結末にしてやるんだからね!!」 穏乃「人の話聞いてないし……」はぁ 憧「見ててよ…しず。いつか必ず捲土重来してやるんだから――――――」 憧「…………そう…まだまだ――――――」 憧「私の戦いは始まったばかり――――――」 憧「―――――なんだからね!!」にこっ 穏乃「…………うーん…正直に言って、憧にとっては不毛な戦いになると思うんだけどなー」はは… 穏乃(まっ…それでも私はいつでも憧の味方なんだけどね……) おまけのおしまい。
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《一つの影法師》 俺の彼女、野依理沙はスキンシップが好きだ。 口下手というのもあるからなのか、くっついたり、触りあったりというのが多い。 まぁ初めての彼女だから普通なんて知らないし、もしかしたらこれが普通なのかもしれないが…… もちろん嬉しいのだが弊害もある。 一つは、ちょっと興奮してしまうことだ。 理沙さんはスレンダーだが胸が無いというわけではない。限りなく無いに近いけど…… というか好きな人と密着してるという状況が欲を掻き立てる。 もう一つが――― 京太郎「熱い……」 理沙「!?」 京太郎「あ、いや、その……」 理沙「…………」スッ 京太郎(言っちまった……いやいや確かに熱いけど、嬉しいんだよな……) 京太郎(でもなんかこれ言ったらがっついてるように思われるかな。うーん……) 京太郎「あ、これ理沙さんに似合いそう。ほら」 理沙「」ウズウズ 京太郎「理沙さん?」 理沙「!」ハッ 理沙「い、いらない!」 京太郎(可愛いネックレスなんだけどなー) 京太郎(というかもしかしてくっつくのめっちゃ我慢してる?) 京太郎(理沙さんならあるな。黙って我慢しちゃうタイプだからな) 京太郎(……よし) 京太郎「理沙さん、散歩しよう。最近近くの川沿いにクレープ屋が来るんだけど、評判いいらしい」 理沙「行く!」 京太郎(よしよし、やっぱ理沙さんも女の子だもんな。美味しいクレープという魔力には勝てまい)フッフッフ 京太郎「お、いけるじゃん」 理沙「美味しい!」 京太郎「生クリームがくどくなくてペロッと食べれるな。こっちの味も食べてみる?」 理沙「……」コクリ 京太郎「ほい、あーん」 理沙「パク……こっちもいい!」 京太郎(やっぱ理沙さんの笑顔はいいなぁ) 理沙「京太郎!」アーン 京太郎「あーん……んー!ベリーの爽かな酸味がマッチしてる!」 理沙「! ついてる」フキフキ 京太郎「むぐ……ありがとう」 京太郎「そろそろ帰ろっか」 理沙「」コクリ 京太郎「はい」スッ 理沙「!?」 京太郎「腕組もうぜ」ニコ 理沙「」アセアセ 京太郎「確かにちょっと熱いけど……それ以上に嬉しいから」 京太郎「なんて」ボソ 理沙「……」オソルオソル ギュー 京太郎「見て」 理沙「?」 京太郎「影、一つになってる」 京太郎「結婚したけどさ、まだまだお互い知らないことってあると思うんだ」 京太郎「だからこれから先もこうやって寄り添って知っていけたらなって思う」 理沙「……離さない」ギュー 京太郎「俺も」ギュー 京太郎「あ、そういや理沙にプレゼント買ったんだ」 理沙「!! 何を?」 京太郎「帰ってからのお楽しみってことで」 理沙「けち!」 理沙「……!」コチョコチョコチョ 京太郎「あはははははは! ちょ!それやめ、あははははははは!!」 カン!