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ガチャッ 京太郎「買い出ししてきましたー」 優希「お、ご苦労様だじぇ!」 京太郎「こら、飛びつくな! ちゃんとタコスはあるから」 優希「いぇーい!」 まこ「いつもご苦労様じゃな」 京太郎「いえ。あ、染谷先輩に頼まれていた奴ですけど……」 まこ「ん? ああ、それは後ででええ」スタスタ 京太郎「? そうですか? じゃあ和、これ」 和「ありがとございます須賀君」 咲「私にはー?」グイグイ 京太郎「はいはい。これな」 久「須賀くぅーん」ニコニコ 京太郎「ありますってば」 久「わーい、大好きよ」 京太郎「もう、みんなして!」 キャッキャウフフ まこ「調子がええのぅ……」フフ 京太郎「(いつも思うけど、どうして――染谷先輩はいつも)」チラッ まこ「……」クスッ 京太郎「(最後尾、なんだろう)」 __ __ / \_/ \ / トヽV/; | \ ,. ―' !゙゙`´"'ツ }ヽ f',ィ / ノ /ノ ヽ }. レ 、 ,ィ'―- レ'-\ ノ | イィ / |fフヾi 、 , ィァ=、 } ヽ {. ノイ i ハ、|゙、 ノノート_ ! ノレ1、 } \ f'-‐{ K i |"-" ' "-"イノ レ| );ヽ ノ 从 、 \_ ー ‐ _ノ ノ人 ( ツ \へ、 rー-‐' |ノノ ノ'" ヾ ___ノi ノー-、_ r'" . . . . ト---/ . . . . . . .>=、_ / ト、 . . . . | / . . . .;.イ r==i .} / V| \ . レ' .___/ / レ' | i. / 〈/ ̄Τ`Tー-―"| / | \_ /f三ヽ、 __|二L__. ヽレ / ├==' 人'へ-√´ \ ヽ\ / | { ' '´ / ー-≠- 、 } 、 _,..ィ_´ V `ーr--イ | | くー- 、_ ノ | 〈 | ! ヽ 、_二 ̄ ノ | | ヽ } 〉 / ヽ | ソ 〈 |ー―------- -―'" 〉 フー--r―----r―‐r―く / / / | | i ヽ/ / / ノ |! i! \ 第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス!】 京太郎「お茶を淹れましたよー」 優希「いっちばーん!」ダッ 咲「ありがとう、京ちゃん」 京太郎「いいっていいって」コトッ 久「やっぱり須賀君がいると助かるわー」 京太郎「あっ、染谷先輩もどうぞ」 まこ「ん? あぁ、先に和にせぇ」 和「すみません」スッ 京太郎「……?」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「いえ、なんでもないです」 まこ「……」 京太郎「(染谷先輩はいつも、自分の番を最後にする)」 お茶を飲むのも、何かを貰う時も 全部一番最後 京太郎「(こういうの、なんていうんだっけ?)」 奥ゆかしいって言うのか、なんていうのか 京太郎「(なんだか気になる) これが、俺と染谷先輩の奇妙な関係の始まりだった 翌日 京太郎「ふんふ~ん」フキフキ ガチャッ まこ「お、ご苦労様じゃな」 京太郎「あ、染谷先輩。お疲れ様です」 まこ「……一人か?」 京太郎「はい。ちょっと早く来すぎちゃって」 まこ「そうか……っと、わしは少しトイレに行ってくるけぇ」 京太郎「え? あ、はい」 まこ「すまんのぅ」 バタン 京太郎「……」 うーん なんだろう、俺……避けられてるのかな 京太郎「いやいや、そんなことは無いって」 ガチャッ 咲「もー! 一人で先に行くなんて酷いよー」 京太郎「ああ、咲。おつかれさん」 咲「ううん。大丈夫、京ちゃんこそご苦労様」 京太郎「慣れてるからな。それより、染谷先輩のことなんだけどさ」 咲「染谷先輩?」 京太郎「俺、なんだか避けられるみたいでさ」 咲「えー!? それは無いと思うけど」 京太郎「そうか?」 咲「うん。絶対そんなこと無いよ!」ブンブン 京太郎「そっか、ならいいんだけど」 ならどうして、俺と二人きりになってくれないんだろう 男の人が苦手なのか? いやいや、染谷先輩に限ってそれは無いだろう 京太郎「うーん」 咲「?」 部活終わり 京太郎「お疲れ様でーす」 久「んっしょ。はぁー、終わったわねぇー」 咲「ねぇねぇ京ちゃん! 駅前のファミレスに行こうよ!」 京太郎「あそこか。まだオープンしてないんじゃなかったか?」 咲「あれ? そうだったっけ?」 優希「なら、私とタコスの屋台に行くじょ!」 和「いえ、それよりは私と……」 久「あら、モテモテね須賀君」 京太郎「あはは、そうですね」 まこ「……」 京太郎「そうだ! 染谷先輩も一緒にどうですか?」 まこ「ん? わしか? わしは……そうじゃな」チラッ 咲「?」 優希「どうかしたじぇ?」 まこ「あ、いや。家の手伝いがあるけぇ……すまんな」 和「そうですか。それは残念です」 京太郎「……(まただ)」 また、染谷先輩は一歩引いてしまう なんでだ? 俺といるのがそんなに嫌なんだろうか 久「そんなに忙しいの?」 まこ「かきいれ時じゃけぇの」 京太郎「……なら!」 まこ「?」 京太郎「俺、染谷先輩の店を手伝いますよ!」 久「!?」 優希「じぇ!?」 和「じょ!?」 咲「和ちゃんっ!?」ビックリ 京太郎「どうですか?」 まこ「ど、どうですかも何も……急にそんな」 久「あら? いいじゃない。仲間のピンチに力にならないとね」 まこ「部長!」 久「まこ。最近、少しおかしいわよ? 須賀君の好意、無駄にする気?」 まこ「……それは」 咲「私も手伝います! みんなで力を合わせなきゃ」 和「ええ。咲さんの言う通りです」 優希「全国大会前に、染谷先輩に倒れられちゃ困るじょ」 まこ「……すまんのぅ」ペコリ 京太郎「じゃあ、決まりですね」 まこ「ただし、ちゃんとバイト代は出すけぇの」 久「ふふ、最初からそのつもりよ」 優希「タコス代の足しにしてやるじぇー!」 咲「楽しみだね」 和「はい。それより須賀君の衣装についてなんですがやはりゼロのコスチュームは不可欠だと思います。なぜなら須賀君の声、身長、それらを総合するとゼロが一番似合っているからです。それにコードギアスは若者を中心に人気なアニメですから知名度も高いですし、お店の売り上げアップにもつながると私は確信しています。なので須賀君にはゼロのコスチューム以外ありえません。むしろ推奨されるべきではないでしょうか? いえ、推奨などという甘い言葉ではダメですね。確定です。それオンリーです。須賀君にはゼロの格好が義務付けられるべきではないですか? ですよね? そして私がカレンの格好をすることによって全てうまくいきます。きっとお店のファンの方々も満足いただけるかと。そしてつきましては私と須賀君の挙式をあげましょう。須賀君の年齢がネックですが、ゼロで姿を隠すことにより年齢の問題など全てクリアされます。いえ、彼風に言うなれば条件は全てクリアされた、とでも言うべきですね。ふふふふふふっ、須賀君。さっそくゼロのコスチュームに着替えてください!!」ペラペラペラ 咲「?」 優希「?」 久「?」 まこ「……」 京太郎「うん! そうだな!」 Roof-top 京太郎「いらっしゃいませ」 女生徒H「あ、あの! 私、こういうお店初めてで!」 京太郎「お一人様ですか? ではどうぞ、こちらへ」ニッコリ 女生徒H「ひゃ、ひゃひっ//」 京太郎「どうかしましたか?」 女生徒H「わっほい! きゃぁっ!」ドンガラガッシャーン 和「結局ルルーシュのコスプレに落ち着きましたか……でもこれはこれで」ムフフ 優希「のどちゃんのツモ番だじぇー」 和「分かってますよゆーき」スチャッ ゆみ「随分気合の入った格好だな、原村」 桃子「知ってるっすよ。それ、コードギアスとかいうロボットアニメの……」 和「ギアスはロボットアニメじゃありません!」クワッ 桃子「ひぇっ」 和「あれはギアスという力を使ってのうんたらかんたらほにゃらら!!」 久「(スパロボに出ておいて何を言ってるのかしら)」ウーンコノ ゆみ「次はでこちゃんの番だぞ」 優希「でこちゃん言うな! このスーパーアイドルの優希ちゃんが!」ギャーギャー 咲「みんな楽しそうだなぁ」 京太郎「いいんじゃないか? お店も繁盛してるし」 咲「うん。(でも京ちゃん目当ての女性客はいらないなぁ)」 ガヤガヤ 京太郎「ふぅー」 まこ「お疲れさん。少し休憩にせぇ」 京太郎「え? でも、染谷先輩も休憩入ってませんよね?」 まこ「わしゃ入らんでも大丈夫じゃけぇ」 京太郎「だって、今日は一度も」 まこ「それなら、みんなが入った後に入る。じゃから心配せんでも……」フラッ 京太郎「! 染谷先輩!?」ガシッ まこ「くっ……ちょっと、ふらついただけじゃ」 京太郎「全然ちょっとじゃありませんよ」ギュッ まこ「いいから。みんなには何も言うな」 京太郎「ダメです。休んでください」フニフニ まこ「京太郎」 京太郎「……」ジッ まこ「……分かった。休むから腕を離すんじゃ、いつまでも、その」カァッ 京太郎「へ?」モニモニ まこ「胸を、揉まれると……んっ、変な、感じじゃ……//」カァァ 京太郎「ほわぁっ?! すすす、すみません!?」サッ まこ「……別にええ。これぐらい、気にせんからのぅ」プイッ 京太郎「……」 久「あら? 二人共なにしてるの?」 まこ「!」 久「今から休憩? 私達はまだ対局があるから、二人は先に入ってていいわよ」 まこ「じゃ、じゃが」 京太郎「染谷先輩」グイッ まこ「!? きょ、京太郎!」 京太郎「じゃあ、行きますね」 久「ええ。ゆっくりしてきなさい」 休憩室 まこ「……」 京太郎「お茶です。どうぞ」 まこ「あぁ、すまんのぅ」 京太郎「やっと、ですね」クスッ まこ「?」ゴクゴク 京太郎「やっと――染谷先輩に、最初にお茶を受け取って貰えた」 まこ「っ!」ゴフッ 京太郎「うわぁっ!? 大丈夫ですか!?」 まこ「な、なんでもないけぇ」ゲホゲホ 京太郎「無理しないでくださいよ」 まこ「だ、誰のせいじゃと思うとるんじゃ」ギュッ 京太郎「え?」 まこ「……無理やり、わしを休憩させおって」ガシッ 京太郎「それは、だって……」 まこ「わしは最後で……ええんじゃ。いつだって、最後で」クンクン 京太郎「あの、それ……一体、どういうことなんですか?」 まこ「……京太郎には関係の無いことじゃ」スリスリ 京太郎「本当にそうですか?」 まこ「……」ギュゥー 京太郎「俺には、染谷先輩が無理をしてるように見えます」 まこ「わしが? とんだ節穴じゃな」ハムハム 京太郎「なら、答えてください」 まこ「……」グリグリ 京太郎「どうして、どうしてですか?」 まこ「っ」プルプル 京太郎「一体どうして!!!」 まこ「ふぁっ……んぅ」スリスリ 京太郎「さっきから俺の体を堪能してるんですか!?!!?」 まこ「はっ!? しまった?!」 京太郎「へ? 自制していた?」 まこ「ああ。誤解させていたようじゃな。逆じゃ、逆」ケラケラ 染谷先輩は笑いながら俺の肩を叩く どうやら、いつもの様子に戻ったらしい まこ「すまんのぅ、悪気は無かったんじゃが」 京太郎「どういう、ことなんですか?」 まこ「つまり、じゃな。わしは……その、京太郎のことが気になっておってのぅ」 京太郎「え?」 まこ「じゃが、わしはほら。この見た目じゃろ?」 京太郎「どの見た目ですか?」 まこ「……あー、わしはきっと、そういうところが好きなんじゃろう」 京太郎「えっ」ドキッ まこ「ま、京太郎がどう思おうが、わしはほら、世間一般的に人気が出るような顔じゃない」 京太郎「ええ!? そんなオカルトありえませんよ!」 まこ「言動に気をつけるんじゃぞ京太郎。今のわしはいつ、京太郎に襲いかかるか分からんけぇのぅ」 京太郎「」 まこ「まぁ、とにかく。わしは咲や和、優希や部長のように可愛らしい部類には含まれんらしい」 京太郎「……反論したいですが、一応続きを聞きます」 まこ「これはあくまで仮定の……話じゃが」 京太郎「はい」 まこ「お前に好きな女がいたとするじゃろ?」 京太郎「え、ええ」 まこ「その女の周りには、自分より格好良い男が沢山おる。そして、その男達の全員が女のことを好きなんじゃ」 京太郎「……それは、辛いですね」 まこ「そして、その男達はお前の大切な仲間じゃ。京太郎なら、どうする?」 京太郎「どうするもなにも……きっと、諦めて……みんなを応援するに……あっ」ドクン そこで気づく まさか、染谷先輩が言いたいことって…… まこ「……分かったじゃろう。わしが、最後尾にいる理由が」 まこ「外見も釣り合わん。中身も対して可愛くないわしより」 京太郎「……」 まこ「仲がいい、可愛らしい、スタイルがいい、色気ある、あいつらの方がいいじゃろう?」 京太郎「なんですか、それ……」 まこ「事実じゃ。それに、わしがお前にアタックするより、他の子と時間を使った方がええ」 京太郎「……」 まこ「わしはあの中で一番理性があると思うちょる。わし一人が犠牲になって、みんなのやる気が維持できるなら」 京太郎「そのために、染谷先輩だけが諦めるんですか?」 まこ「そうじゃ。わしがお前を我慢するだけで、みんなが大会で実力を発揮できる」 京太郎「……そもそも、みんなが俺を好きかどうかもわからないのに」 まこ「いずれ分かる。あいつらの、お前の気持ちは本物じゃからのぅ」 そう言って、染谷先輩は立ち上がる 俺の顔を見る瞳は、恐ろしいほどに無機質だった まこ「京太郎。お前は無防備過ぎるけぇ。近くにいる女はみんな、京太郎のことを好きになる」 京太郎「ありえませんよ、そんなの」 まこ「……今はそう思っちょろうが、すぐに分かるじゃろ」 京太郎「待ってください」 まこ「……なんじゃ?」 出ていこうとする染谷先輩の腕を掴む その腕は震えていて、冷たかった 京太郎「確かに染谷先輩のいうことには一理あると思います」 まこ「……」 京太郎「誰だって可愛い子の方がいいに決まってるし、スタイルがよければ嬉しいでしょう」 まこ「そうじゃ」 京太郎「一人が犠牲になることで、みんながやる気を出せるなら、それが正しいんでしょう」 まこ「そうじゃと言うちょろうが」 京太郎「でも、そんなの俺……嫌です」 まこ「……」 京太郎「だって、約束したじゃないですか。みんなで全国で優勝しようって」 まこ「じゃから、わしは……そのために」 京太郎「染谷先輩がいない」 まこ「っ!」 京太郎「そりゃ団体戦に染谷先輩はいます。活躍もするかもしれない」 まこ「当たり前じゃ。わしを誰だと……」 京太郎「だけど! 染谷先輩一人が辛い想いをして、苦しんで、耐えて、手に入れた勝利なんて!」 まこ「!」 京太郎「そんなの、絶対おかしいですよ……」グスッ まこ「……京太郎」スッ 京太郎「そ、染谷先輩」 まこ「わしはな、最初……見つめるだけで満たされてたんじゃ」 京太郎「……」 まこ「ひと目、京太郎に逢いたくて、声が聴きたくて」 京太郎「染谷先輩……」 まこ「じゃが、傍におっても京太郎の傍には常に誰かがおる」 京太郎「でも、それは」 まこ「わしだけの場所なんてない。それでも、みつめるよりは幸せだと……自分に嘘を吐こうとした」ジワッ 染谷先輩の柔らかな感触が、俺の体を包む まこ「情けないほどに、愛しちょるのに……やり場のない想いだけが残った」ギュッ 京太郎「……俺は」 まこ「臆病な素顔を隠す為に、無理に笑う事ばかりが上手くなったんじゃ」 背中に回された両手が、わなわなと震えている まこ「時が経てば忘れられる。そう、自分を慰めて、虚しいほど本気だと気付けんかった」 京太郎「そうですよ。本心を隠したって、苦しい思い出ばかりが溢れるだけですから」 まこ「あぁ……そうじゃな。こうしているだけで――わしの決心なぞ、吹き飛びそうじゃ」ギュゥゥ 京太郎「染谷先輩。俺、思うんです」 まこ「?」 京太郎「誰がお似合いだからとか、あの人が相応しいとか、理論付けて自分を納得させることは出来ても」 所詮、そんなものでは―― 京太郎「心にだけは、嘘を吐けない」 まこ「!」 京太郎「頭でいくら理解しても、納得しても。心は好きな人を求めてしまう」 まこ「……」ブルブル 京太郎「だから、自分の心が納得するまで……戦うしかないんです」 まこ「たたか、う?」 京太郎「俺はここにいます。傍に誰がいても、俺という存在はここにいます」 まこ「……あぁ、わしの腕の中じゃ」 京太郎「染谷先輩はずっと待ってたんでしょう!?自分が我慢しなくても済む、みんなの敵にまわらなくても済む……そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドって奴を。今まで待ち焦がれてたんでしょう?そんな展開を……何のためにここまで歯を食いしばってきたんですか!?自分のその手で大切な仲間を助けて見せるって誓ったんじゃないんですか?染谷先輩だってヒロインの方がいいでしょ!? 脇役なんかで満足しないでください、命を懸けて自分の気持ちを守りたいのなら! だったらそれは全然終わってません、始まってすらいない……ちょっとくらい長いプロローグで絶望しないでください!手を伸ばせば届くんです! いい加減に始めましょうよ、先輩!!!!」 /⌒ー‐‐/ ヽ / ∧ ∨ ィ ∧ _〃 !ー'ー∨ー! ∧ / ナ- L __ \ V〈 ィ─ 、 _ヽ` ハ 〉 X 〈 f j ヽ__/ .f j 〉ヽ ノレ|`' / 代 └' ノ ! └' }-、 L V〈 ヽ!  ̄ ̄ ` ー─'7ノ ト 〉 V ∧\ , -‐-、 / 、 j ヾ〉 ` \ヾー....._.......<レ' ∨′′ .-,,┘ 〈二_ まこ「長い、三行で」 京太郎「先輩 諦めないで 真矢みき」 まこ「あぁ、そういうことか」ポンッ 京太郎「……泣いてもいいですか」 まこ「冗談じゃ」クスクス 京太郎「じょ、冗談ですか」ショボン まこ「まぁのぅ。じゃが、京太郎の気持ちは伝わったけぇのう」ギュゥ 京太郎「そ、染谷先輩っ//」カァッ まこ「……ありがとうな。京太郎のお陰で、心が楽になった」 染谷先輩は俺から手を離して、背を向けた まこ「ほら、早く仕事に戻るんじゃ。みんなが待ってるけぇ」 京太郎「は、はい!」 俯いたその表情は見えないけど、俺には分かる まこ「(部長達もまごついておるようじゃし、ここいらで最前列に出るのも悪くないかのぅ)」ニッ きっと先輩は、今までに見たことがないくらい―― ___ __r¬ブ--ヘ、_r¬-、 /_厂、/ 、 ∨ /ヽ / 〈 、/ ト\ `´ \ / 厶y′ ドミミv彡l l l / ,√´ ‐-、_/ `^^゙l ヽl | / レ´ , ,≦ニミヽ | 〉 _ノ 〈イ ,イ〈了⌒」゙ ヽ z_=ヽ、 V! / 从i トヘヾ 辷ソ ;-、/7,ハVハ lハ l / 八 `‐' `ー,,-'′ ヽヒ'ソイ丿 ル′ レ'〈 ` ー、 ,、_ ` ,,ーl´イ ___ 丿 ン / lヽ 丶二7 八 \ / ̄`,二ユ`ー<レ'八、ィ」 \ イ ,ハノ. / / └、‐-\-‐´ `¬-、`-r< 八_ン′ 〕ヽ/ \__ \ r===ミr个、ゝイ --;¬─‐-、. 厶 { / r┘ーヘ、{{ /ソ小K´ ̄l|__/ l / ヘ / `¬ニソヘヾ=≠″| lヾ\_リ _i} -y | ! __ ハ、/ __ ,、 〉」 | |│|`´lヽヘ∠-‐- 〈  ̄〕,〈 /,∠ニヽ\ ̄`-Lj-Ll __」 V__,、--¬、 \ゝ、 /// ,⊆ニユ、  ̄`ヽ二_ j 〉  ̄`辷ス´ / ヾニ二ヽ\_ __r-─ヘ、_厂 { \ /7⌒ ̄ ̄/ \ \}__ ヽ l\ l レ ' ヽ 〉 \\ l \ / 〉__/ ヽ ヽ.〉 , --─-- 、 ヽ /\ / _,、--´ ̄ l. 〈 \∨ ヽ--ニ ̄ \ _ | ヽ 〈 l ̄ ̄`ー---‐′ まこ「……コンタクトと、ストレートパーマ……試してみる価値はありそうじゃな」クスクス 晴れやかな表情で、笑ってくれているって 第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス!】 カンッ
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740 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 02 20 28.14 ID kRHMwVoko [24/27] 母さん。 俺、駄目みたいです。 父さん。 アンタのコレクション返せないのが心残りです。 カピ。 お前ならきっと俺がいなくても平気だろう。 咲。 もしかすると出会うかも知れなかったけど、もうその機会は無さそうだ。 俺はこの後の極刑を考える。 やばい。 小蒔さんが隠せるとは思えない。 これを見たという事実。 それは何れ、何かしらの形でバレる。 絶対にバレるはずだ。 霞『あらあらあらあら』 初美『ぎるてぃ、ですよー』 巴『最低です…』 春『さらば』 あれ、ありえそうだよ? 心の中で涙を流す。 さぁ、一思いにやってくれ。 もはやその領域である。 しかし。 何故か。 妙な空白が、そこにはあった。 小蒔「………」フニョフニョ 京太郎「………何してるんです?」 小蒔「勝ちました!」 何に? そうは問わない。 さっきまで写真の巫女と自分の胸を比較してたのは俺も見えてる。 ただ、勝ちました。 その発言だけが意味不明なのだけど。 はて、何でだろうか? 827 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 09 05.51 ID 7+z1SiV1o [4/19] 【8月18日:朝】第二回戦試合当日 小蒔「おはようございます、京太郎君!」 京太郎「おはようございます、小蒔さん」 それぞれが手に朝食の載ったおぼんを手に、俺は小蒔さんと言葉を交わす。 今日は試合の日。 2回戦。 清澄、宮守、姫松。 その三校と永水が対戦する日だ。 すでに巫女服を身に纏い、いかにも臨戦態勢。 そういった風体の小蒔さんと向かいあうように俺は席に座る。 揃って、いただきます。 先ずは味噌汁を一口。 うん、良い出汁している。 最初は言葉無く、それぞれが食事を勧める。 半分ほど、皿の上の料理が無くなった頃だろうか? 俺はゆっくりと、話を切り出していた。 京太郎「今日、試合ですね」 小蒔「あ、はい。私の初戦です」 京太郎「応援しか出来ませんけど、その応援は精一杯やりますよ」 にこりと微笑む。 うん。 俺は応援くらいしか出来ない。 それ以外に力になれるだろうか、とも考えてみる。 ……いや、無理だな。 せいぜい、滝見さんの黒糖とか、小間使いがいいとこだ。 むしろ何もしない方がいいんじゃね?俺。 気を散らせるなんてのはしたくないし。 ――――おんぶ。 ――――すばらです! ………。 何かが、聞こえた。 俺は首を捻る。 なんというか。 懐かしい、声が聞こえたような気がした。 930 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 47 10.65 ID 7+z1SiV1o [13/19] その声の人たちは。 きっと、気にもしない。 片方は気だるげ。 もう片方は覚悟している。 それは俺程度で乱される集中力じゃない。 その人を構成する部品のようなものだ。 俺は小蒔さんを見る。 この人には、それがあるのかは不明だ。 麻雀の時だけは、この人は人じゃなくなる。 だからそれは小蒔さんの個じゃない。 彼女に降りてくる、“ソレ”のもの。 だから俺は思う。 小蒔さんが、不安定に見えるから。 大丈夫なのか。 俺の相手をしてペースを乱されないのか。 自分の打ち方を出来るのか。 そう、思うのだ。 京太郎「……小蒔さん」 小蒔「はい?」 京太郎「………」 言葉を考える。 この人に、どんな言葉がいいのか。 悩んで、悩んで。 よし、と呟いて。 俺は小蒔さんを、見た。 京太郎「今日の試合、見てますから」 小蒔「はい、そうでしょうけど……」 京太郎「ですから、小蒔さん」 貴方の全力。 俺に見せ付けてください。 貴女の、確固たる意思を。 姫様の病み度が2上昇しました 938 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 22 51 52.04 ID 7+z1SiV1o [15/19] 【8月18日:昼】第二回戦試合当日 小蒔「―――」プシュー 京太郎「oh God……」 ……朝の、アレ。 それから試合が始まり、今は中堅戦が始まったばかり。 俺は今も頭からポンコツ音を鳴らす小蒔さんを見る。 先鋒。 それは宮守に喰われた、という感じだった。 +700点。 マイナスよりはマシ。 そういった感じではあるが、あれだ。 なんというか、張り切ってただけあって、うん。 すっごく声がかけずらい。 途中まで自分のうち筋でやってるのは、俺でも分かった。 最後の最後で、降ろしてきた。 それも分かった。 ただ、その。 なんというか。 京太郎(めっちゃ落ち込んでる……よな?) やっぱり、落ち込んでる。 なんとなくだが、それが分かるような気がした。 ちらり。 俺に小蒔さんの視線が向けられる。 だが次の瞬間には、顔を俯けてしまった。 小蒔「……ちょっと、お手洗いに行ってきます……」 霞「……大丈夫、小蒔ちゃん?」 小蒔「大丈夫、です………」 ふらふら、ふらふら。 そんな足取りで行ってしまう。 そこで、俺に向けられる視線視線&視線。 ゆっくりと振り向けば、石戸さん、狩宿さん、薄墨さんの笑顔があった。 ………うわぁい! 巫女さんの笑顔だぁ!! 京太郎「俺もトイレ行ってきます!!!」 殺されてまう!! 助けて姫様!! 9 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 25 15.13 ID 7+z1SiV1o [1/3] ふらふら、ふらふら。 そんな覚束ない足取りで咲を行く後ろ姿を捉えた。 小蒔さん。 俺が声をかけようと口を開く。 そのまま吸い込んだ息を吐き出せば、声となって出ただろう。 でも、声はかけられなかった。 何故か。 それは、本当にトイレに入ってしまったから。 京太郎(………あれ、この状況はやばくね?) 女子トイレの前に居る男子。 いかん、アウトだ。 むしろアウトじゃなくても利用者の視線を受けただけで死んでしまいそうだ。 ええ、そうですよね。 女子大会ですもんね。 野郎が何の用だ、ってもんですよね。 俺はそそくさと離れようと足を反対に向ける。 ただ。 小さく。 聞こえた。 鼻を啜る音。 小さく、嗚咽を漏らす声が。 京太郎「――――」 泣いている、のか? 俺は足を止める。 耳を澄ますまでもない。 あの人は。 泣いていた。 俺は、動けない。 そこまで、思いつめていたのか。 そんな、自失。 それに襲われていて。 動けなかった。 19 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 36 34.80 ID 7+z1SiV1o [2/3] 小蒔「戻、らなきゃ……」グスッ ふらり。 そんな呟きと共に小蒔さんが出てくる。 俺は、そこに居た。 びくりと、小蒔さんが震える。 その表情にあるのは、恐れ。 まるで子供が親に置いていかれた時のような、不安による恐れ。 恐怖と警戒心とがごちゃ混ぜになった、怯えた猫のような姿だと俺は思った。 小蒔「あ、あぁ……」カタカタ 京太郎「小蒔さん……」 小蒔「い、いや……嫌ぁぁぁぁあああああああ!!」 京太郎「小蒔さん!?」 不意に。 そんな絶叫が、響いた。 聞く者を一瞬で不安にさせる。 そんな恐怖の篭った、叫び声だ。 身を腕で抱きしめる小蒔さん。 ガタガタと。 まるで冬山に薄着で放置されたような震えの仕方で怯えていた。 俺はどうするべきか分からず、固まるしか出来ない。 嫌ぁ、嫌ぁ!!と。 次の瞬間には。 俺に縋り付く、小蒔さんの姿。 俺の思考が、停止した。 小蒔「ごめ、んなさい……」 小蒔「ごめん、なさい……―――」 小蒔「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい―――」 小蒔「ちゃんとできなくて、ごめんなさい。なんでもするから、だから―――」 京太郎「え、へ、は?」 ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい 36 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/15(火) 23 48 43.66 ID 7+z1SiV1o [3/3] 壊れたオルゴールのように。 何度も小蒔さんは謝罪を繰り返す。 逆に俺が冷静を取り戻すほどに。 小蒔さんのその姿は、凄惨に満ちていた。 京太郎「小蒔、さん……」 小蒔「ひっ!」ビクッ 俺が声をかけるだけ。 それだけで、深く恐怖に沈んだ瞳から涙が零れる。 小蒔「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!京太郎様に、ちゃんと結果を見せるって―――!」 京太郎「小蒔さん!!」 小蒔「――――ッ!!!」 俺が肩を抱き、声を上げる。 声が、止まる。 涙も止まる。 がくり。 力が、急激に抜けた。 慌てて俺が小蒔さんを支える。 抱き上げた、その瞬間。 小さく。 かすれた声が、俺の耳だけに届いた。 小蒔「ごめ、んね――――京、ちゃん……」 京太郎「え?」 今、なんて? 俺はそれを問いかけようとして、それが出来ないことを知る。 小さく、泣きつかれた子供が眠ってしまうように。 寝息を立てて、小蒔さんは寝てしまっていた。 京太郎「………ああくそ、何なんだよ畜生…」 がしがしと、俺は頭をかく。 とりあえず落ち着いてくれたのだ、それでいいだろう。 しかし、今の問題は……。 警備員1「君、ちょっと来てくれるかな?」ニコッ 警備員2「大丈夫、抵抗しなければ何もしない」 …………ああっ、不幸だ。 52 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 02 47.65 ID j19jZCw/o [1/29] こってりと、警備本部で事情聴取を受けた俺は、目覚めた小蒔さんの鶴の一声で解放されることになった。 あのままだと、『少年A、全国大会出場選手に暴行か!?』という記事が作られかねなかった。 そう思うと非常に震える思いである。 しかし。 俺はちらりと、小蒔さんを見る。 何処か、さっきまでの雰囲気は無い。 落ち着いてる。 そんな感じだろうか。 理由を考えてみる。 だが、俺はそもそも女心なぞ分かりはしないのだ。 となると、あれだ。 こういう時は黙ってた方がいいだろう。 ……さっきまでの様子。 それを思えば、賢明な判断だろう。 小蒔「あ、あの……京太郎君」 京太郎「何ですか、小蒔さん」 小蒔「その、ね。ごめん、なさい……」 ごめん。 謝られると、どきんとする。 またあの状態になるんじゃないか。 そんな疑いが浮かぶ。 だけど、それはそんなに鬼気せまるものじゃなくて。 何処か、困ったような声だ。 小蒔「先鋒で、あんまり稼げませんでした……」 京太郎「いいじゃないですか、それくらい」 小蒔「へぅ…」 京太郎「石戸さんも、薄墨さんも、狩宿さんも滝見さんも居ます。皆を信じて、待ちましょうよ」 それとも信じれませんか、みんなが。 俺はそう問いかけると、小蒔さんはすぐに否定した。 なら悩んでも、しかたない。 後は、信じるだけだ。 俺に出来ることは、それくらいなんだから。 京太郎「さ、戻りますよー」 小蒔「……はい!京太郎君!」 変化ありませんでした。 54 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 03 45.39 ID j19jZCw/o [2/29] 【8月18日:夜】 ――――永水は、敗退した。 その事実が、俺たちに圧し掛かる。 惜しかった。 どの高校も予選通過できる。 それだけ可能性ある試合だった。 それは事実だ。 何処か和気藹々とした雰囲気。 負けたばかりの高校とは思えない。 そういう優しげな空気がそこにはあった。 それが今、ここにあるのはまだ小蒔さんや薄墨さんの個人戦がある。 それもあるし、何より。 皆の第一は、優勝でなく小蒔さんなのだ。 彼女に尽くす。 それが彼女たちの意義。 麻雀をする意味だ。 だけど、全てに対して真剣だったのは事実。 勝てなかった。 でも、良い試合だった。 それがあるからこそ、今こうしていれる。 俺は小さく息を吐く。 疲れというよりも、安堵だ。 今日は、色々とあった。 試合のことも、事情聴取されたことも。 それにあの豹変した小蒔さんのことも。 あれは、何だったか。 深く考えるべきじゃない。 俺はそう思いながら、また足を伸ばす。 その小蒔さん。 彼女は今、ここに居ない。 それも当然だろう。 俺は今、風呂場に居るのだから。 162 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 35 28.04 ID j19jZCw/o [11/29] 京太郎「あ~」 溶ける。 こういうのを極楽というんだろう。 時刻は深夜近い時間帯。 もう女子たちは風呂を使い終わった後で、俺の入浴時間になっている時間帯だ。 乳白色の湯。 なんともほどよい温度。 肌も艶々になるってもんである。 ……石戸さんのことを連想してませんよ? こほん。 しかし、こう広いと泳げそうな気もする。 貸し切るとそうしてみたくもなるが、何か空しくなってくるだけな気もするけれど。 というか空しい。 さっさと、上がってしまおう。 俺は湯から出て、脱衣所へ行く。 体を適当に拭い、半タオルで頭をガシガシと拭く。 そのまま足は俺の部屋の方角へ。 鍵を出し、ドアへとかける。 ガチャン。 鍵を開き、中へ。 俺は敷かれている布団へとダイブ。 ベッドとは違い、下が硬い畳でもはっきりと分かるふわふわ感。 うーんこの高級布団。 実に最高である。 そうそう、ここなんか特に柔らか―――「ぁ、ん……」 や、夜話やわやわやわああああああああああああ!!!?!? 181 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 45 39.85 ID j19jZCw/o [13/29] 跳躍。 直立。 点灯。 離脱。 一瞬でその動作を行った俺は部屋のドアまで引き下がる。 見れば、ぽっこりと膨らんだ俺の布団。 明らかに中に誰か居る。 それがはっきり分かる状態だ。 もぞり。 布団が動く。 ひょこっと。 掛け布団が少し退き、そこに居る人が見えた。 小蒔「京太郎、様……」 京太郎「こ、ここここまこままま……小蒔さん!?」 アンタ何してんの!? 俺が震える手で思わず指差す。 ぽやん、とした顔。 少し赤み掛かって、なんとも色めかしい。 ……って、いやいやいや。 落ち着け俺よ。 クールになるのだ。 我が頭脳をフル活用し、活路を見出すのだ。 1、ここは俺の部屋じゃない。 答えはNO、俺の荷物が置かれ、俺の持つ鍵で開いたこの部屋が俺の部屋じゃないということはない。 2、小蒔さんが部屋を間違えた。 答えはNO、そもそも間違えても入れないだろJK。 ぬおおおおおおお!と俺が頭を抱える。 意味が分からない! そんな叫びが俺の思考を圧迫する。 しかも何だ、京太郎様って。 俺って様つけられる人間じゃないことですのよ? そう思っていると、目の前には小蒔さんの姿。 考えすぎていて接近を感知してなかったらしい。 手が、伸ばされる。 俺の、頬に。 え、いや、いやいやいやいやいや!!! 191 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 00 57 22.51 ID j19jZCw/o [14/29] 京太郎「落ち着いて!落ち着いてください!!」 小蒔「大丈夫です、落ち着いてますよ?」 嘘だ! そう言えたらなんと幸せなんだろうか。 にこりと。 そう微笑む小蒔さん。 待て待て、待ってほしい。 いきなり過ぎる展開でしょう。 俺がそう思い、叫びたくなるのをぐっと堪える。 よし、落ち着け。 冷静になったな、須賀京太郎。 とにかく今は、石戸さんを呼ぶべきだ。 そうすれば……。 小蒔「京太郎、様……」 京太郎「はいはい、お酒でも飲んだんですか?今石戸さん呼びますから――――」 小蒔「罰を、お与え下さい……」 京太郎「………WHY?」 小蒔「京太郎様に勝利を捧げられなかった、私に罰を与えてください………」 ふらふら。 近寄る、小蒔さん。 ぎゅっと。 抱きついてくる。 やめてくださいしんでしまいます。 いや、何で俺が罰っしなきゃいけないんだ? 俺が引きついた顔で、小蒔さんを見る。 聞くしかない。 そうそう、話せば分かってくれるもんだ。 京太郎「小蒔さん、罰とかそんなの、俺たちは友達じゃないですか」 罰なんてやれない。 というかやりたくもない。 俺がそう、柔らかく伝える。 小蒔さんは、少し俯いていた。 そうそう、落ち着けば分かってくれる人だ。 206 名前: ◆VB1fdkUTPA[!red_res] 投稿日:2013/01/16(水) 01 14 03.90 ID j19jZCw/o [15/29] 京太郎様、子供は何人欲しいですか? 私は女の子が欲しいです。 きっと京太郎様に似て可愛い子になります。 男の子も、京太郎様に似てかっこいい子になるに決まってます。 名前も二人で考えて……いえ、京太郎様がお決めになるのでしたらそれに全て従いますよ? 小さくても、狭くてもいいです。 そんな家に住んで、家族で寄り添って生きていくんです。 素敵だと、思いませんか? あ、ワンちゃんとかもどうでしょう! 子供たちを守ってくれて、最後はその命の終わりで生命の大切さを教えてくれる。 とても偉大で、可愛いパートナーです。 あ、京太郎様はわんちゃんはお嫌いですか? なら、私が何でも京太郎様のお好きな動物の真似でもしますね。 京太郎様。 可愛がってくれますよね? だって、京太郎様ですから。 当然ですよね! あ、そうです。 京太郎様の好きな料理は何ですか? 京太郎様に食べさせて差し上げるものに妥協はしません。 でも、優しい京太郎様は不味くても「おいしい」って言ってくれますよね。 そんなの、私は納得できませんっ! これからずっと料理を作りますから、京太郎様に喜んで貰うために。 ああっ。 そうでした。 京太郎様にはまだ言ってませんでした。 私は貴方様と結ばれるなら家も出て行けます。 愛し合う二人は引き裂けません。 それは、九神様でも。 ……あ、京太郎様が婿入りしてくれるのなら、話は別ですよ? きっと霞ちゃんも、お父様もお母様もおじい様もおばあ様も歓迎してくれます。 そうだ、そうしましょう。 そうすれば、皆と一緒で毎日楽しいですよ! ……あ。 でも、浮気は駄目ですよ? 霞ちゃんも、初美ちゃんも、春ちゃんも巴ちゃんも可愛いですから。 私、そうなったらショックです……。 234 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 23 42.08 ID j19jZCw/o [16/29] ノンストップ。 そんなマシンガントークが俺に突き刺さる。 意味が、分からない。 ぐるぐると。 全ての言葉が俺の脳内で回っている。 すりすりと。 俺の胸元に擦り寄る小蒔さん。 まるで猫のように甘えてくるその姿。 気づけば俺はその頭を撫でている。 えーと。 うーんと。 ええっと。 京太郎「―――うん、そうですね!」 小蒔「~~~♡」 なんか悩むのも億劫だ。 もういいじゃないか。 可愛いし。 可愛いし。 大事なことなので2回言いました。 悪くないどころか、ここまで愛されるなんて滅多に無いだろ。 うんうん。 悪くない悪くない。 京太郎「助けて石戸さぁぁぁぁぁん!!!!!」 姫様がレベル4になりました 269 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 33 29.58 ID j19jZCw/o [20/29] 【8月19日:朝】 (⌒ 、 .. . ... . . . . . . .... .. . . . .. . . . .. .. .. .... . . . ... ( ヽ⌒ヽ 、 / / .. . . . .. . . . .. .... . ...( ) ... . . . . . . .. ___┐ / /ヽ `ヽ / |´ , へ , ⌒ヽ . .. . . . . . . .... . . . . . |___/ / . ... .. | | .. .... .. . . . . ( ' / ./ ヽノ ゝ `ヽ / .... . . . . . ... / . . . .. . . .. | . ...... .. .(⌒ ... .... . /... . . . . .. / | . . .... .... / / .... . . . . . .. | ... . . . . . . .... .. .... .. . . . .. / / . ..... . . . . . . .. ... | . .. ... . . チュン、チュンチュン.. ..... .. .. . . .. .. . . . . . ... ...... .. .... .. i / (⌒ 、 .. .... .. . . . .. . . ... , ⌒ヽ . . . . ... . .. .... .. . . . .. . .. ... ( ヽ⌒ヽ 、 ( Y⌒ ヽ 308 名前: ◆VB1fdkUTPA[!蒼_res] 投稿日:2013/01/16(水) 01 46 21.78 ID j19jZCw/o [22/29] 朝になった。 俺は抱きついたまま眠る、小蒔さんを見る。 何も無かったぞ。 一応言っておくけどさ。 一晩、抱き枕状態。 実に天国で、地獄の時間だった。 俺は今、幸せそうに眠る小蒔さんを見る。 冷静になった、俺。 昨日のアレは、何だったのだろうか。 それをふと考える。 いや、分かってる。 小蒔さんの好意。 それは、分かってる。 でも、こうまでなるのか。 それが俺には分からないのだ。 出会って、4ヶ月ほど。 世の中にはスピード結婚というのもあるので、一概にはいえない。 ただ、それにしたっておかしいじゃないか? 俺は何でかと考える。 こうまで、好意を持たれる。 まるで、それが根底にあったような。 小蒔「……ふぁ?」 京太郎「あ、起きました?」 その時。 短い声と共に、小蒔さんが起きる。 ぽけっとした顔。 昨日のことは何か悪い夢。 そんな反応でもしてくれないかと俺は思う。 ただ、俺と目があったその瞬間。 ふにゃりと、小蒔さんは笑っていた。 小蒔「えへへ……」 ………。 参ったなぁ……。 326 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 01 51 03.76 ID j19jZCw/o [24/29] 【8月19日:昼】 永水総動員。 それが先ほどまで、起こっていた。 見れば、狩宿さん、滝見さん、薄墨さん、石戸さんが息も絶え絶えという風体で座り込んでいる。 その周囲には、御札、破魔矢、塩、十字架(!?)などなど。 古今東西問わずの祓いを扱う道具が揃っていた。 そうだ。 先ほどまで、小蒔さんへと総動員で浄化の儀式が行われていたのだ。 結果は、言うまでもないだろう。 何も憑いていないのだから、変わりようが無い。 俺は隣に座る小蒔さんを見る。 なんというか、普段どおりである。 小蒔「もう、霞ちゃんってばひどいですっ!」 霞「ご、ごめんなさいね小蒔ちゃん………駄目ね、何も憑いてないみたい」 初美「きょうたろー、何したですかー?」 京太郎「何もしてません」 吐けば楽になるですよー。 そんなこと言ってくるこの人。 そらそうですよね。 いきなり自分たちの姫様がこんな風になってたら誰だって驚きますよね。 でも俺だって驚いてるんです。 小蒔「京太郎様、お散歩に出かけましょう!」 京太郎「え、いやあの……」 霞「……気をつけてね、小蒔ちゃん」ハァ 小蒔「はい!分かりました!」 京太郎「石戸さーん!?」 OKサインを出す石戸さん。 ただし、片目をぱちりと閉じられる。 任せたわよ。 そういう意味を俺は感じとり、頷く。 きっと、何か考えてくれるんだろう。 俺はそれを信じるだけ。 今は、それしかない……! 霞「はぁ……」 初美「……いいんですかー?」 霞「いいんじゃないかしら?」 春「姫様、大胆」ポリポリ 巴「なんというか、まぁ……」 感想をそれぞれ漏らす。 恋に燃える。 まさしく、そんな表現がぴったりと来る。 それが今の小蒔の状態だろう。 霞はぼんやりと、外を見る。 ちょうど、庭に出て行く京太郎と小蒔の姿がそこにはある。 傍から見れば、カップルに十分見える。 そんな(一方通行気味な)雰囲気がある。 霞は小さく息を吐く。 なんとも、とんでもない成長の仕方をしたものだと。 霞「須賀君、後は君次第なのかもね……」 これしか言えない。 ある意味、これは現実逃避であった。 411 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 21 42 47.69 ID BhheSlXYo [2/15] 【8月19日:夜】 夜となった。 明日は宮守高校のメンバーとの海水浴。 それに揃って出かけるらしい。 あの、白い人が居る高校だ。 俺はそれに幾らかの不安を覚えていた。 だが、そうも言えない。 それが今の状況だろう。 俺は、隣で丸まるように眠る小蒔さんを見る。 ……正確には、対処に追われて何もできなかった。 そう言うべきなんだろうけど。 小蒔「ん………」 京太郎「……はぁ」 すぅすぅ。 そう静かに寝息を立てる小蒔さんの頭を撫でる。 見れば、俺の着ている浴衣はしっかりと握られ、離れそうにない。 こうなると、どうしようもないのが俺が培った経験で分かる。 そう思っていると、部屋の扉をノックする音。 早い到着。 それを待ってました。 そんな気分で、俺は迎えた。 霞「あらあら、お楽しみ中かしら?」 京太郎「冗談でもそんなこと言わないでくださいよ……」 あらあら、と口元に手をやって笑む石戸さん。 なんとものんきな雰囲気である。 そのまま、石戸さんは小蒔さんを挟んだ反対に腰を落ち着ける。 視線は小蒔さんに。 何処までも優しげな顔をしている。 なんというか、母親みたいに。 母性あふれる、と言うべきだろうか? 霞「何か考えたかしら?」 京太郎「滅相もありません、マム!」 怖い。 433 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 22 19 48.13 ID BhheSlXYo [5/15] 霞「でも、小蒔ちゃんにも困ったわねぇ」 石戸さんがぼそりと。 何処か疲れたように呟く。 なんというか、お疲れ様です。 それくらいしか言葉が出ない。 そんな俺に向けられる視線。 ……なんでだろう。 凄く責められてる。 そんな気がするのは。 霞「とりあえずだけど、須賀君。小蒔ちゃんのことは君に任せることになるわ」 京太郎「やっぱりですか……」 霞「私たち総掛かりで駄目なら、鹿児島に戻って本家の皆様にお力を借りなきゃ駄目よ」 まぁ、何も憑いてないから無意味なんでしょうけど。 またため息をつく、石戸さん。 思案顔をして、俺を見る。 霞「……須賀君、そのうち私たちに姫様と同じく旦那様って呼ばれる気は無い?」 京太郎「意味が分かりません」 霞さんじゅうはっさいの従順度が1上昇しました 472 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 22 50 09.36 ID BhheSlXYo [9/15] 【8月20日】 宮守高校。 岩手県代表の、初出場チーム。 俺は岩手に行ったことはない。 ただ。 何故か、俺には景色が見覚えあった。 雪残る大地。 見慣れた、でも初めて見る学校。 笑いあう、5人の仲間と先生。 ああ。 そこに、俺は居る。 それを、俺は知っていた。 シロさん。 自然と名前が出る、その人。 白い髪を持った、眠たげな瞳の人。 そうだ。 俺は。 俺は……。 あの人を、俺は……。 京太郎「俺は………」 479 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 23 01 09.62 ID BhheSlXYo [10/15] 海。 それは何処か開放的な気分になる。 そういう場所だ。 俺は今、パラソルの下に居る。 日差しはそれなりに強い。 日焼け止めは、塗っておいたので問題ないだろうけど。 俺は少し、息を漏らす。 ああ。 なんというか、あれだ。 だるい。 実にそういう気分だろう。 俺は視線を、俺の周囲に向ける。 隣。 雑誌で顔を覆って寝転ぶ、シロさん。 俺のもう片方隣。 にこにこと、微笑む小蒔さん。 そして。 エイスリン「シロ!キョウタロ!コマキ!ジュース!」 京太郎「ありがとうございます、エイスリンさん」 小蒔「ありがとうございます」 シロ「置いておいて……」 エイスリン「アイスティーシカナカッタ!イイ?」 そして、エイスリンさん。 俺は小さく、息を吐く。 なんというか。 なんというか。 京太郎(空気、気のせいか重たいなぁ……) 506 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/16(水) 23 18 19.65 ID BhheSlXYo [13/15] 京太郎「シロさ……じゃなくて小瀬川さん、ジュース温くなっちゃいますよ」 シロ「シロでいいよ……ちょいタンマ、今起きるから…」 のそり。 そんな感じで起き上がる、シロさん。 エイスリンさんが「ハイ!」と手渡す。 それに、一瞬の空白。 見れば、「?」というような顔をするエイスリンさん。 シロさんは、じっと。 エイスリンさんを見ている。 しかし、それはもういいのだろう。 小さく礼を言うと、プルタブを開いていた。 喉が少し鳴る。 随分と喉が乾いていたようだ。 シロ「あー………」 ぽけっと。 小さく息を吐くシロさん。 何か溜め込んだ物を吐き出す。 そういう風にも見えた。 突然、シロさんが視線を俺に向ける。 そこにあるのは。 なんだろうか。 あるのは、少しの……。 シロさんが、ふと俺を見る。 考えが読めない。 そんな目だ。 いや、むしろ読めないからこそ。 その視線にあるものに気づけたのか。 シロさんは小さく欠伸。 眠たげに転がって、それから口を開いた。 シロ「ねえ、京太郎……ずっと昔にさ……何処かで、会わなかったっけ……?」 そんな気だるげな問いかけ。 ずっと昔。 そう、シロさんが聞く。 気づけば、小蒔さんも俺を見ていた。 空気は変わる。 何処か粘ついた、重たいコールタールのような。 そんな空気に。 視線を、隣に。 小蒔さんがそこには居る。 いや。 違う。 何かが、そこに居た。 シロさんと、目が合う。 シロさんに浮かぶのは、何だ。 俺に浮かんだ感情は、恐怖。 怖い。 恐ろしい。 この人は、小蒔さんなのか? そんな疑問。 そして、また感じたのは、懐かしさ。 まるで、ずっと昔。 何時からか知っていたような。 そんな、懐かしさ。 シロさんが小さく、笑った。 シロ「……別に、盗らないよ」 だるいし。 そんな言葉。 ふっと、空気が変わった。 545 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/01/17(木) 00 01 10.20 ID jwx27MTso [1/17] 京太郎「?」 エイスリン「??」 俺とエイスリンさん。 二人揃って頭上に疑問符を上げる。 だるい。 別に盗らない。 それだけで、空気は違う。 何処か静かな水面。 それを思わせるような感覚がある。 さっきまでが時化て荒れた海。 そう思えば、それくらいの落差はある。 シロさんが立ち上がる。 エイスリンさんに手を伸ばし、そのまま行く。 じゃあね。 そんな声。 それと共に、皆が遊ぶ方へと向かっていってしまった。 小蒔「むぅ……」 京太郎「………小蒔さん?」 小蒔「何でもありませんっ!」 何故か不機嫌な小蒔さん。 俺がそれに頭を捻ると、体を斜めに。 肩に頭を置いて、もたれかかる。 そういう形で、俺に寄りかかる。 京太郎「……あの?」 小蒔「京太郎様、このままにさせてください」 京太郎「……了解です」 静かな。 無言の時間が流れる。 なんというか。 うん。 京太郎(なんというか、流されてるなあ……俺) まあ、今はいいだろう。 空がこんなにも青いのだから。 今は、悩む必要は、無い。 【―――――】
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咲「はっきり言って幻滅した。幻滅したよ!」 京太郎「薬なんて飲ませやがって」 咲「これはもうあれだね」 京太郎「服を脱ぐな服を」 咲「京ちゃんなんてやるくらいしか」 京太郎「なんてってなんだよ。俺だってなあ長身で金髪で、主役張れるくらいには」 咲「京ちゃん、自己評価高すぎじゃない?」 京太郎「怒った、もう怒った」 咲「ほっぺひっぱらないで~」 京太郎「たく」 咲「でも実際京ちゃんの清澄での評価ってこんな感じじゃないかな?」 咲「あ、麻雀の力は無いも同然だから聞くまでもないよね」 京太郎「むぐぐ、言い返せねえ」 咲「容姿は70で結構褒められてるんじゃないかな」 京太郎「だろ?」 咲「役立ち度、貢献度は87で上出来だよ!」 京太郎「何で上からなんだよ。まあ頼られて嬉しいけどさ」 咲「でね、私の好感度は」 京太郎「咲の好感度なんてわかりきってるつーの(どうせなら和の好感度が知りたいぜ)」 咲「じゃあ和ちゃんはね」 咲「最悪かな」 21 和「見れなくはないですね」 35 咲「和ちゃん優し~」 京太郎「なんでだよ!」 咲「だって」 和「……ですね」 京太郎「寝てる俺を犯した癖に!」 咲「ええ、だってムラムラしたから」 京太郎「俺はオ○ホか!」 咲「あはは、女の子は入れられる側だよ」 和「咲さん、相手にしないで行きましょう」 咲「うん。じゃあね京ちゃん」 京太郎「……意味わかんねえ」 京太郎「やられたのに最悪って何だよ……やられた側なのに」 久「あら須賀君、シーツ掃除するの?」 京太郎「ええ、汚れていたので」 久「相変わらずありがと。助かってるわ。何かお礼でも出来たら良いのだけど」 京太郎「いえ、そうだ部長、俺のことどう思ってます?」 久「須賀君のこと? ルックスも良いし働き者だと思ってるわ。女子にもてるでしょ」 京太郎「部長はどう思います? 勿論男として」 久「……下1ね」 久「悪くは、ないと思うわ……」 34 F 京太郎「ならこっち見てくださいよ」 久「いえね、須賀君は確かに声も良いし顔も整っているのよ」 京太郎「なら」 久「でも好みって大事でしょ?」 京太郎「まあ俺も巨乳は好きですが」 久「それよ! 須賀君は私のタイプじゃないの!」 京太郎「……」 久「あ、私まこに呼ばれてたから」 京太郎「出てってやる! 絞るだけ絞るこんな部活、出てってやる!」 久「あ、外でるならあれよろしく」 京太郎「ちくしょー! スポドリとお茶2リットル、お茶受けいくつか、ですね。わかりましたよ!」 久「領収書は貰って…って、言われなくてもわかってるはずよね」 京太郎「領収書だってなんだって持ってきますよ!」 久「いってらっしゃ~い」 きょうたろうがきよすみからにげだした 鶴賀 京太郎「蒲原さーん!」 蒲原「須賀君じゃないか―」 ゆみ「なんだ蒲原、知り合いか?」 蒲原「清澄のマネージャーだぞ。前に少し話をしてな、ワハハ」 京太郎「部員です!」 蒲原「ごめんごめん」 ゆみ「で、清澄の者が何故。練習試合でもやるのか?」 京太郎「実は」 京太郎は事の顛末を話した。 蒲原「ぷ、ぷくく」 ゆみ「わ、笑っては失礼だろ…しかし、久らしいというか、くくっ」 蒲原「ゆみちんだって笑って……もうダメ、ワハハ! だってこんなギャグみたいなことが」 ゆみ「まあ確かにルックスや声は目を見張るものがあるが」 京太郎「そんなこと言ってどうせ……」 ゆみ「本当だとも」 蒲原「そうだぞー。そうだ、ついでに私たちの好感度も教えてあげよう!」 ゆみ「私は初対面なのだが」 蒲原「まあまあゆみちん」 ゆみ「はぁ……私は下1だ」 蒲原「私は下2だぞ」 蒲原「友達としてなら悪くないと思うな―」 59 D 京太郎「ありがとございます」 蒲原「なーゆみちん」 ゆみ(しかしよく見ると顔も整って背も高い。それに声も特に) 蒲原「風邪か―?」 ゆみ「ああ、私は」ドキドキ 京太郎「薬でしたらこれなら」 ゆみ「これは、頭痛薬?」 京太郎「優しさが半分入っているので、よく効くと思います。あ、でもあまりに酷い症状なら病院へ」 ゆみ(優しさが半分、残りの半分は) 京太郎「御身体には気をつけてくださいね。加治木先輩」ニコッ ゆみ「くっ、その笑顔反則だ……」 93 A 蒲原「ゆみちんもたまにはボケるんだなー」 モモ「先輩風邪っスか!?」ユラッ 京太郎「うわっ!」 モモ「人を見て声をあげるとか失礼っすね。まあ慣れてるっスけど」 京太郎「ごめんなさい」 ゆみ「ああ。病にかかってしまったらしい」 モモ「難病っすか!?」 ゆみ「ああ。そうだ、モモ……」 モモ「なんすか? 水っスか? ああ、でも今は」 蒲原「ユミちんが聞きたいのは彼のことだと思うぞ、モモ」 モモ「……誰?」 ゆみ「ぱっと見の印象で良い。彼をどう思う?」 京太郎(おっぱい大きいな……この娘) モモ「えっと……下1っス」 京太郎「先ほどはすみませんでした。初対面で悲鳴を」 モモ「え……と」 京太郎「モモ、さんでいいですか?」 モモ「好きに呼べばいいっす。影が薄いからあれくらい」 京太郎「そんなこと、モモさんほど魅力的な(胸を持った)女性、そういませんよ」 モモ「い、言ってて恥ずかしくないっすか!?」 蒲原「ワハハ、真っ赤で桃みたいだな―」 モモ「そ、それと私の名前はモモじゃなく、東横桃子っす!」 京太郎「じゃあ桃子さん、良ければ俺と友達になってくれませんか?」 モモ「と、友達!?」 蒲原「ちなみに同学年だぞ」 京太郎「友達ならきっと、貴女の事を忘れることは無いと思うので」 京太郎「よろしければ、有効の証に握手を」 モモ(ナンパっぽい男の癖に…) モモ「じゃあ」ギュッ 京太郎「今日から友達ですね」 モモ(どうしてこんなに胸が高鳴るんスか―!?) 80 A 京太郎「あ、買い出しの途中でした」 モモ「も、もう行くっスか?」 蒲原「なら送ってくぞ」 京太郎「ありがとうございます」 ゆみ(命か愛か……) モモ「なら私も!」 蒲原「モモは部活があるだろー」 モモ「くっ!」 蒲原「ゆみちんはどうする? 帰りにドライブとでも」 ゆみ「い、いや、遠慮しとこう(行きは天国、帰りは地獄では)」 京太郎、神原さんと共に清澄に戻りました。 京太郎「ただいま戻りましたー」 和「あ、お帰りなさい」 咲「戻ったんだ、お帰り京ちゃん」 京太郎「部長、買い出しの品です」 久「ありがと。随分遅かったのね」 京太郎「鶴賀学園に行ってまして」 久「犯罪はやめてね」 和「同意ですね」 京太郎「いやいや、歓迎されましたから!」 咲「そっか。よかったね」 京太郎「憐れむような目をやめろぉ!」 京太郎「染谷先輩に優希も何か言ってくださいよ!」 まこ「確かに言いすぎじゃな。京太郎なら歓迎されるんは妥当じゃろ」 70 B 優希「犬はよくやってる方だじぇー」 68 C 京太郎「ですよね!」 咲「優しいなぁ」 京太郎「咲が冷たいんだよ」 咲「抱いた癖に……」 まこ「なに!?」 優希「なんだと!?」 まこ「ま、大方寝たところをいつも通りやったんじゃろ?」 咲「あ、ばれました? 京ちゃんあそこは大きくて」 優希「~~///」 咲「恋愛感情抜きにするなら、結構良いですよ」 和「私は結構ですけど」 久「私も遠慮するわ」 咲「二人も試してみると良いですよ」 まこ「あ、あほ!」 優希「さ、咲ちゃんのスケベ!」 咲「酷い言われよう!?」 京太郎「事実だろ」 咲「もう!」プンプン まこ「あ、そうだ京太郎」 京太郎「ああ、手伝いなら良いですよ」 まこ「すまんのう。父がギックリになんてならんけりゃ」 京太郎「バイト代も出るし、結構楽しいんで」 まこ「そ、そりゃあよかった」 京太郎「今からですか?」 まこ「うむ」 久「買い出しも終わったし、行って良いわよ」 京太郎「じゃあ行ってきます」 久「行ってらっしゃい。頑張ってね~」 優希「わ、私も」 和「優希はここで打ちましょう」 咲「面子足りないもんね」 久「そうね」 優希「うう~」 ルーフトップ おっさん1「お、若旦那と出勤?」 まこ「あ、あほ! 後輩じゃ!」 おっさん2「顔赤いぞ。青春だねー」 まこ「酔っ払い追い出すぞ!」 京太郎「あはは、って」 まこ「京太郎どこへ」 京太郎「こらこら、子供はこんな場所に来ちゃいけないよ」 まこ「子供?」 京太郎「しかも日本酒なんて飲んで」 まこ「日本酒?」 京太郎「着物着て大人っぽく振る舞っても、お兄さんは見逃しません」 まこ「ば、京太郎! その人は」 咏「ん~? 絡んでくるなんて酔っ払い?わっかんねー?」クピッ 京太郎「飲むな!」 咏「あー返せよ―!」 京太郎「ダメです」 まこ「ああ、やっぱり」 京太郎「染谷先輩の知り合いですか?」 咏「くっそ、背伸びしても届かないねえ」 まこ「その人は」 咏「清澄の次鋒さんの知り合いかい?」 まこ「知り合いと言うか後輩でして。麻雀初心者の高校1年生なんです」 咏「ふーん」 咏「お兄ちゃん、うたをいじめるの?」 京太郎「上目づかいもダメ!」 咏「んだよー。ロリコンじゃねーのかよ」 京太郎「酷い変わりよう!」 まこ「京太郎、その人はプロ、大人じゃ」 京太郎「んなバカな」 咏「ほい免許証」 京太郎「ノーウェイ!!」 咏「お兄ちゃん酷いな―、お酒盗られておもわず泣いちゃうところだったね~」 京太郎「か、数々の御無礼お許しを」 咏「わっかんねー。けどやだ」 京太郎「申し訳ありませんでした!」ドゲザッ 咏(この兄ちゃん面白いな) 京太郎「なにとぞ、なにとぞ」 咏「んー、しゃあないねえ」 京太郎「じゃあ!」 咏「アレしたら許してやるよ」 78 B 咏「店員さーん、熱燗くださーい」 まこ「はいはいただいま!」 咏「ほらほら、手が止まってるねえ、次は苺食べたい。あー」 京太郎「は、はい。口を開けてください」 咏「もう開けてるっての。あー」 京太郎(何で俺が食べさせる必要が) 咏「ん~、誰かに食べさせてもらうパフェは美味いねえ」 京太郎「さいですか」 まこ「あ、あの……熱燗です」 咏「サンキュー。ほらほら、注いで注いで」 京太郎「は、はい!」 咏「こりゃ小鍛治プロが見たら発狂するね。知らんけど」 まこ「あまり後輩においたは」 咏「ただ座ってるだけだって。東北で言う充電ってやつ? んー、ちょうど良い温度。やるねえ」 まこ「ありがとうございます」 咏「ま、今日1日は我慢してな。あ、それとお姉さんコレ」 まこ「スマホ?」 咏「記念記念。ほら笑って」 京太郎「に、に~」 咏「ぎこちないねえ。ま、いいけど……に~」 まこ「はぁ……」 カシャッ 咏「よく撮れてる。上出来上出来。ご褒美にパフェのサクランボをあげよう」 まこ「どうも……美味しい」 咏「こんなサクランボより彼のチェリーが欲しいってか?」 まこ「な、なっ」 咏「かわいい反応だねえ」 まこ「勘違いしている所申し訳ないですが三尋木プロ。京太郎はチェリーじゃないんじゃ」 咏「え゛」 まこ「京太郎ならとっくのとうに捨ててるからのう……咲で」 咏「ふ、ふ~ん」 京太郎「こんな所で何を話しているんですか、貴女達は」 「「わ、わっかんねー?」」 京太郎「仲いいな!!」 その日三尋木プロのブログには一般、芸能、様々な人物からアクセス、コメントが殺到したという。 咏「ん~、なんでこんなにアクセスが来るのかわっかんねー」 針生「休暇になにをしているんですか!」 咏「まあまあえりちゃん。場所も住所も店名も隠したし平気平気」 針生「もう少しプロである自覚をですね」 咏「わっかんね~!」 針生「とぼけないでください!」 咏「別に恋愛禁止じゃないんだし、いいんじゃね? 知らんけど」 長野 京太郎「目線ずれてる」 まこ「確信犯じゃな、すまん」 京太郎「いえ、俺が悪いんで……あ、桃子とゆみさんから」 優希「なんて書いてあるんだ?」 京太郎「あのサービスは有料なのか、学割はあるのか、らしいです」 まこ「いっそ有料にするか?」 優希「チェキ1枚 5000円!」 まこ「……」 優希「……」 京太郎「……大人買いされたらどうするんですか」 「「すまん(じぇえ)」」 咲「京ちゃん自惚れすぎだって」 久「ねえ、それに私にもゆみからメールが」 和「好き者もいるんですね」 咲「ね~」 清澄 京太郎「咲、また寝てる時に」 咲「んふっ」 京太郎「やめろって」 咲「だって、なんか欲しくならない?」 京太郎「欲しい?」 咲「誰かが欲しがってる物とか、離したくないものってさ」 京太郎「俺はおもちゃかよ」 咲「ううん、京ちゃんは大事な友達だよ」 京太郎「はぁ、すんだらさっさとどいてくれよ」 咲「勿論。あ、ゴムはしてるから心配しないでね」 京太郎「当たり前だろ」 咲「ちえっ(こんなに上等な物持ってる友達を、簡単に離すわけないよね)」 咲「もうすっきりしたから起きていいよ」 京太郎「はいはい、そりゃよかったですね」 咲(八方美人となんて、付き合いたくは無いけどさ) 京太郎「昨日も洗濯したのに、またするとは」 久「須賀君、今日はどうするの?」 京太郎「部長、どうって?」 久「まこの手伝いする?」 京太郎「え、でも」 久「買いだしも昨日してくれたし、シーツも洗濯してくれているから平気よ」 京太郎「そうですね」 久「それとも麻雀でもする?」 和「まあ、先輩のお店でも出来ますが」 京太郎「じゃあ下3で」 雀荘 まこ「なんじゃ、また来たんか」 京太郎「ええ」 まこ「それは確かに助かるが」 京太郎「今日は前回の様なミスはありませんよ!」 健夜「あ、君が噂の男の子かな?」 まこ「今回は有名人じゃけえ」 京太郎「た、確かに」 健夜「探すの苦労しちゃったよ。咏ちゃんもなかなか教えてくれなくて」 京太郎「そ、それはご足労を」 健夜「ううん、全然平気。むしろここまで来るのが楽しみだったっていうか」 美穂子「お初にお目にかかります。小鍛治プロの噂はかねがね」 健夜「わ、私ってそこまで焦ってる!?」 美穂子「? 麻雀の実力についてのつもりだったんですが、私もしかして」 健夜「あ、うん。私も知ってるよ。福路さんだよね。個人戦凄かったから」 美穂子「ありがとうございます」 京太郎「あ、部長の」 美穂子「貴方が須賀君ね」 京太郎「はい」 美穂子「全国では買い出しお疲れ様でした」 京太郎「いえいえ」 健夜(もしかして彼女も彼を?) 89 A まこ(まさか久にスパイでも) 美穂子「誰かのために力になろうなんて、素敵だわ」ギュッ 90 A 京太郎「手、手を」 美穂子「この手にはきっと、優しさがこもっているのね」 京太郎「あ、あの」 美穂子「あ、ごめんなさい。つい」 京太郎「い、いえ」 美穂子「でも会えてよかった」 京太郎「会えてよかった?」 美穂子「今日はお手伝いに来たの」 まこ「手伝いなら京太郎で間に合ってるが」 美穂子「久が二人が困ってるって教えてくれてね、力になれたらって」 まこ「そりゃあ、あんたの腕はしっとるから助かるがのう」 京太郎「じゃあお願いします」 美穂子「はい♪」 健夜「なら私も」 京太郎「小鍛治プロは打っている方が宣伝になるので、どうかお願いします」 健夜「あ、はい」 まこ(確かに福路さんのおかげで色んなことが捗るが……) 美穂子「須賀君、これ3番さんにお願い」 京太郎「はーい!」 美穂子「須賀君、これノリ巻きなんだけど、小鍛治プロに運んで貰えるかしら」 京太郎「先輩の手作り……」 美穂子「ふふっ。須賀君の分も作って良いか染谷さんに確認をとってあるわ」 京太郎「やった! 先輩ありがとう!」 まこ「お、おう」 美穂子「後でお休憩のお時間に頂きましょう」 京太郎「ひゃっほー!」 まこ(なんか納得いかん!) 京太郎「小鍛治プロ、ノリ巻きです」 健夜「うわっ、凄い綺麗に巻いてある」 京太郎「福路さんの手作りですから」 健夜「いまどきの女子高生ってすごいなぁ、はむっ。うわっ」 京太郎「どうかされました?」 美穂子「なにか粗相でも」 健夜「ううん、お母さんが作ったのと同じくらい美味しくて」 美穂子「まあ♪」 京太郎「俺も早く食べたいなぁ」 まこ「仕事終わってからじゃな」 美穂子「ノリ巻きは逃げませんから」 健夜「…! 京太郎くん、はいあーん」 「「!?」」 京太郎「え、えっと、いいんすか?」 健夜「良い、良いよ!」 京太郎「なら失礼して、あむっ」 美穂子「どうですか?」 京太郎「美味しい。これなら毎日でも」 美穂子「なら明日からでも」 健夜「福路さん!」 美穂子「はい?」 健夜「料理教えて!」 美穂子「えっと・・・私なんかが」 健夜「お願い!」 美穂子「わ、わかりました」 まこ「そんなにうまいんか?」 京太郎「え? 美味しいですよ」 まこ「わしの卵焼きよりも?」 京太郎「染谷先輩の卵焼きも美味しいですよ」 まこ「わしはどっちが美味しいか聞きたいんじゃ」 美穂子「なら」 京太郎「どうしてこんなことに」 まこ「さ、食ってみい」 美穂子「ノリ巻きに卵焼き」 健夜「味比べだよ!」 京太郎「えっと仕事は」 まこ「もう店じまいじゃ」 美穂子「須賀君の好きな方を選んでくださいね」 まこ「世辞はいらんけえ」 京太郎「わ、わかりました」 健夜「私の作った卵焼きやノリ巻きもあるから(下手だけど……)」 京太郎「俺が好きなのは……」 京太郎「染谷先輩の卵焼き、出汁が効いててとっても美味しいです」 まこ「じゃろ?」 美穂子「確かに、どうやって作ったか教えてもらってもいいですか?」 まこ「企業秘密じゃ」 京太郎「でも」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「福路さんの海苔巻きのバランスには」 まこ「なんじゃと?」 京太郎「すんません。今回は福路さんの海苔巻の方が美味しいです」 美穂子「まあ」 まこ「くっ」 京太郎「本当に美味いっす」 美穂子「ふふっ。焦らないでも、京太郎くんさえよければ」 まこ「京太郎くんじゃと!?」 美穂子「だっていつまでも名字だと距離を感じるでしょ?」 まこ「そんならわしだって」 京太郎「えっと」 健夜「私も名前で呼んで構わないよ。距離感じちゃうし」 まこ(距離より年じゃろ) 京太郎「あはは、流石に大先輩の小鍛治プロを名前呼びなんて出来ませんよ」 健夜「だ、大先輩……」 美穂子「私はダメかしら?」 京太郎「えっと」 美穂子「京太郎くん」 京太郎「美穂子、先輩」 美穂子「嬉しいわ。これからよろしくお願いね京太郎くん」 京太郎「こちらこそ」 まこ(なんじゃなんじゃ! いきなり現れて人の領域荒らしおって!) 京太郎「あはは、なんだか今日は色々な人と仲良くなれた気がします」 美穂子「私もよ。ふふ」 健夜「また来るね」 美穂子「私もそろそろ。今日はお世話になりました」 京太郎「こちらこそごちそうさまでした」ペコリ 健夜「わ、私も次は美味しい料理作るから!」 京太郎「不格好でも、真剣に作ってくれた事はアレから十分に伝わりましたよ」 健夜「それでも! 次は負けないから!」 まこ(もう来るな) 京太郎(染谷先輩なんだか疲れてるなあ) 京太郎「染谷先輩、これ」 まこ「んん、ドリンクか」 京太郎「今日はお疲れさまでした」 まこ「ああ、疲れたわ」 まこ(こいつは鈍感じゃし、はぁ……わしなんで京太郎なんか好きに) 京太郎「いやー、今日は楽しかったな―」 まこ(でも諦めきれん、わな) まこ「次は負けん」ボソッ まこの好感度がB75→A80に上昇しました まこの父のギックリが完治したため、京太郎のアルバイトは終了しました。 京太郎「久々の学校、部活休み、どうするか」 透華 初対面 京太郎「ぶらぶらしよう」 京太郎「さて、するとは決めたがどうするか。懐はバイトであったかいけど」 京太郎「遠出する理由もないわな」 龍門渕方面 京太郎「そういや萩原さんってこのあたりなんだよな」 京太郎「挨拶でもしに行こうかな」 京太郎「確か龍門渕家の御屋敷で働いているとか」 ハギヨシ「呼びましたか?」 京太郎「うわっ。黒塗り!」 ハギヨシ「運転中に見知った顔が歩いていたので」 京太郎「あ、あの時はどうも。助かりました」 ハギヨシ「いえいえ。今日はどちらへ?」 京太郎「部活も休みだったんで、ちょっと散歩に」 「ハギヨシのご友人?」 ハギヨシ「ええ、全国の際に少々」 「この炎天下、外にいるのはかわいそうですわ。乗せてあげてもよろしくってよ」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、もしお時間があれば」 京太郎「えっと、じゃあお世話になります」 「この龍門渕家の優しさに感動なさい!」 京太郎「ありがとうございます」 ハギヨシ「しかし今日はどうして」 京太郎「本当にきまぐれですって」 透華「……」ジロジロ 京太郎「えっと、俺の顔に何か」 透華「別に。ハギヨシに相応しいかチェックしていただけですわ」プイッ 京太郎「あはは、確かに萩原さんは凄いですし俺なんかが」 ハギヨシ「そんなこ「そんなことはありえませんわ!」」 透華「貴方は私たちに相応しいと認めてあげても」チラッ A85 ハギヨシ「申し訳ありません。お嬢様は口下手なもので」 C63 気心知れた仲 透華「ハギヨシ!」 ハギヨシ「まあ須賀君はお気になさらずに」 透華「我が屋敷に着いても、御自宅のようにふるまってくださって結構ですわ」 京太郎「いや、でも……それにお土産も買ってないのに」 透華「(貴方が来るだけで十分。これ以上は)いりませんわ!」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、お気になさらずに」 京太郎「ありがとうございます」 透華「ところで須賀様はお食事はもう?」 京太郎「いえ、適当にハンバーガーでも」 透華「軽食なら……ハギヨシ!」 ハギヨシ「既に無線で連絡済みです」 透華「せっかくなので一緒に食べましょうか」 京太郎「?」 龍門渕家 京太郎「……いきなり着替えさせられたから何事かと思ったら」 透華「なにか?」 京太郎「なんで立食形式なんですか!!」 透華「客人に無礼な真似はできません事よ」 純「はーい、サンドイッチお待ち~」 歩「ハンバーガーならあちらのコーナーよりグリルで出来たてを」 京太郎「俺場違いじゃないですか? こういうの初めてで」 透華「ありえませんわ。それに須賀様、初めてなら私と共に」 京太郎「ええ、じゃあよろしくお願いします」 透華「ええ!」 智紀「透華ウキウキ」 衣「衣もエビフライ食べれて歓天喜地!」 純「あんなのがタイプなんだな」 智紀「ね…」 一「ほらほら、純君に智紀、サボらないで働く働く!」 純「へいへい」 透華「それで、須賀様は普段は何を?」 京太郎「まあ雑用ですね」 透華「まあ! 須賀様に雑用を!?」 京太郎「そんなに驚くことっすかね」 透華「原村ぁ……」 京太郎(めっちゃ怒ってる……アンテナびゅんびゅんだ) 京太郎「まあ俺が好きでやってるだけなんで」 透華「辛くないんですか? もし辛いのなら我が龍門渕が運営する高校へ」 京太郎「転校ってことですか?」 透華「ええ。私としましてはその方がよろしいかと」 京太郎「……」 京太郎「俺、清澄で1人だけ麻雀すっゲー弱いんですよ」 透華「まあ」 京太郎「一人だけ一回戦負けだし」 透華「それでも」 京太郎「けど部長に染谷先輩、優希に和、咲は俺を切り捨てることなく、先生たちに頼みこんでまで俺を全国に連れてってくれました」 透華「それは部員として当然ではなくて?」 京太郎「いえ、部費のことや性別の問題も旅費を考えれば、先生たちの発言は理にかなっています」 透華「確かに、女性陣の中に一人だけ普通の男が混ざっていれば、問題も想定されますわ。けど須賀様なら」 京太郎「そんな時、部長達は俺も大事な仲間だって先生たちに言ってくれたんです」 透華「……」 京太郎「だから俺、部長達を裏切ることはできません」 透華「須賀様は一途、律儀なのですね」 京太郎「そこまでとは」 透華「さしでがましい申し出、誠に申し訳ありませんでした」 京太郎「そ、そんな、頭をあげてください」 透華「ですがもし何かお困りならすぐ私に連絡を」 京太郎「あはは」 透華「必ずお役に立てるよう頑張りますわ。京太郎様」 京太郎「そんな、京太郎様?」 透華「ええ。何か問題でも?」 京太郎「名字で呼ばないんですか?」 透華「ええ。こちらの方が呼びやすいので」 京太郎(お金持って変わってるなあ) 透華(入婿として来た時のことも想定するのが、龍門渕家の女ですわ! オーホッホ!) 透華(京太郎様と結ばれた暁には、あのにっくき原村和の悔しがる顔が目に浮かぶ浮かぶ……浮かびまくりですわ!)ニヤニヤ 京太郎「あ、そういえば俺帰る方法」 ハギヨシ「お帰りの際は家まで私がお送りいたします」 京太郎「なにからなにまですみません」 ハギヨシ「いえいえ」 透華が京太郎様呼びを続けていたおかげで、一部の人々から次期婚約者候補として勘違いされました。 龍門渕家のイベント終了。 京太郎「ん~、今日も一日頑張ろう!」 学校 京太郎「咲、いつもの頼むよ」 咲「京ちゃんのエッチ」 京太郎「レディースランチのことだよ!」 咲「なんだ、それならそうって言ってよね」 京太郎「それくらいわかれよ……一応付き合い長いんだし」 咲「その言い方勘違いされるからやめて。はい、レディースランチ」 京太郎「サンキュー」 咲「じゃあ私行くから」 京太郎「おうありがとな」 久「相変わらず好きねー、レディースランチ」 京太郎「美味いんスよ」 久「美味しいといえば、美穂子に何したの?」 京太郎「何って?」 久「あれから美穂子、須賀君の話ばっかりするから」 京太郎「そうなんですか?」 久「てっきり須賀君が脅しでもしたのかなって。あ、これ美穂子から頼まれていた海苔巻よ」 京太郎「しませんよ!って、ありがとうございます」 久「実は一本貰っちゃった」 京太郎「4本残ってるんで別にいいですよ。それにしても美味いですよね。」 久「ええ、流石美穂子ね」 京太郎「ラッキー……また海苔巻食えるなんて」 久「あ、これ今日の買いだしメニューと財布ね」 京太郎「了解っす」 久「にしても美穂子が……あの美穂子がねえ」ブツブツ 部室 京太郎「買いだし終わりましたー」 久「おかえりー」 和「お疲れ様です」 咲「お疲れ様」 京太郎「ふー、疲れた」 優希「タコスいるか?」 京太郎「いや、いいや」 優希「そうか。ほしかったら言って良いんだじぇ。一口ならやろう!」 京太郎「はは、ありがとな」 まこ「そう言えば京太郎」 京太郎「先輩?」 まこ「最近客がな」 京太郎「何かあったんですか?」 久「それが面白いのよ。須賀君目当てのお客さん増えたんだって」 京太郎「俺?」 まこ「久……」 和「世も末ですね」 京太郎「失礼だよ! 俺だってルックスは整ってるし」 まこ「話は続けるが、ええか?」 京太郎「どうぞ」 まこ「勿論客の混乱を防ぐためにバイトはさせんが」 久「そのことなら私にも連絡来たわよ。靖子経由で」 まこ「なんじゃと?」 久「せっかくだしオーケーしたわ」 和「ええ」 京太郎「何か依頼ですか?」 咲「今度ここにプロが指導に来るんだよ。」 京太郎「へー、凄いな」 咲「でね、その条件が」 京太郎「ああ、俺がどっかでなんかしてくればいいのか」 和「そうです」 優希「嫌なら断っていいんだじょ?」 京太郎「別に俺は平気だけど」 まこ「無理してないか?」 咲「京ちゃんは元気が取り柄だから」 京太郎「ま、そんなところだな。で、誰が来るんですか?」 和「牌のお姉さんです」 京太郎「なに!?」 久「楽しみよね~」 京太郎「いいなぁ」 はやり「君が須賀君かな?」 まこ「ま、無事帰ってくるんじゃな……って」 はやり「はや?」 一同「えええ!?」 京太郎「……(本物!)」 はやり「…合格」ボソッ B70 京太郎「?」 はやり「瑞原はやり…じゅうはっさいです☆」 京太郎「初めまして」ペコリ 久「今回はお願いを聞いてくださり、ありがとうございます」 はやり「気にしないでね。後進の育成もプロの務めだから」 咲「じゃあ京ちゃん行ってらっしゃい」 はやり「何処へ?」 咲「え? 何処って北海道へ行くんじゃ」 はやり「行かないよ~。だってはやりもお仕事あるし、ね☆」 久「でもそれが条件のはずじゃ」 はやり「とりあえず一局打とうか」 まこ「は、はい!」 京太郎「じゃあ俺はお茶でも」 はやり「京太郎君はココ☆」 京太郎「対局席?」 はやり「半荘おーわり☆」 和「和了れない…」 はやり「でも降り方、牌効率はトップクラスじゃないかな」 和「ありがとうございます」 はやり「頭が固いのが難点、ちょっとオカルト混ぜられただけで振り込みやすくなるのは今後の課題だぞ☆」 和「ですが」 はやり「優希ちゃんは南場が弱いけど、集中力、糖分の問題なのかな?」 優希「うーん、でもチョコとかじゃ力でないじぇ」 咲「カン」 はやり「咲ちゃんは相変わらずかな?」 咲「お姉ちゃんとどっちが強いですか?」 はやり「うーん、どっちだろうね~」 咲「ところで瑞原プロ」 はやり「なにかな?」 咲「なんで京ちゃんの膝の上に?」 はやり「?」 咲「いや、疑問符出さないでください」 久「有珠山高校には連絡してきました」 はやり「ありがと。今度はやりもお詫びに指導しに行くね」 久「お願いします」 京太郎「あ、あの」モゾモゾ はやり「やん♪」 京太郎「ずっとこの体勢は」 はやり「でも咏ちゃんにやってたよね?」 京太郎「あ、あのブログ見たんですか!?」 はやり「プロの間では結構有名だぞ☆」 咲「京ちゃん顔真っ赤だよ」 まこ「そりゃあ憧れの女性が自分の膝に座ってれば」 和「それに須賀君の好きな巨乳…」 久「カチコチにもなるわね」 優希「私だって後3年くらいすれば」 はやり「はやりは小学生のころから結構あったぞ☆」 優希「ぐっ」ガーン はやり「はーい、メンバーチェンジだよ」 まこ「和、代わってくれんか?」 和「いいですよ」 優希「ちょっとやけ食いして脂肪つけてくる」 久「なら私が敵打ちをってね」 京太郎「あの」 はやり「次は京太郎君が打つ番だぞ☆」 京太郎「良いんですか!?」 はやり「はやりがしっかり指導してあげるから、ガンバ☆」 京太郎「はい!」 咲(京ちゃん人気者だなぁ……でも、お正月の賭け麻みたいに人が持ってる物を巻き上げるのって) 京太郎「よーし、やるぞー!」 はやり「えいえいお~」ぎゅっ まこ「後ろから抱きついた!?」 久「あすなろよ。あすなろ抱きよ!」 京太郎(胸が、胸が背中に) はやり「このほうが色々見やすいからね。深い意味は無いぞ☆」 まこ「京太郎」 咲「まさか…」 久「あはは」 京太郎「俺が……1位? や、やった!!」ガタッ 和「後ろから助言ありなんですから、当たり前です」 はやり「凄い凄い!」 京太郎「はやりさんのおかげです!」ギュッ! はやり「はやや。京太郎くんも良く頑張ったね」ギュゥッ! 京太郎「あはは、まぐれですよ」 はやり「ご褒美だぞ☆」チュッ 京太郎(き、キス) まこ「犯罪じゃ!」 はやり「ほっぺだからセーフだよ」 まこ「詭弁を…」 久「まぐれ、まぐれよね」 咲「私が京ちゃんに負けるはずないもん」 はやり「あはは」 まこ「何時まで抱きついとるんじゃ」 はやり「嫉妬かな? かわいい☆」 まこ「むかっ。離れんか!」 はやり「きゃっ」 京太郎「まさか俺が勝てるなんて」 はやり「素質はあるぞ☆」 まこ「京太郎と腕を組むな!」 はやり「やーん、怖い☆」 咲「もう一回」 まこ「じゃな」 久「和代わる?」 和「ええ。現実を教えてあげます」 咲「たった一回勝っただけで調子乗らないで」 京太郎「わかってるって。でも、牌のお姉さんってすごい」 はやり「今度はアドバイス少なめにするね」 咲「京ちゃんの癖に…」 まこ「(瑞原プロ)潰す」 京太郎「やぁってやるぜ!」 和「他人の力で…哀れですね」 はやり「京太郎君の対局結果は?」 対局終了 京太郎「みたかオラァ!!」 咲「お、おかしいよ! こんなの、おかしいよ!」 京太郎「1位だ!! 俺が、俺が1位だ!!」 和「悪夢ですね……」 京太郎「シャア!!」 はやり「凄い凄い!!」ギュッ 京太郎「はやりさん!」ギュゥ はやり「京太郎くん!!」チュッ 京太郎「勝った、勝ちました!!」 はやり「すごいすごい!」チュッ!チュッ! 京太郎「あはは、あははは!」 はやり「弟子になろ☆ はやりの弟子になろ!」ギュゥゥッ 好感度がB70からA80に上昇しました。 まこ「……」フラッ 久「あ、まこ」 まこ「便所じゃ……すぐ戻るけえ」 久「でも」 まこ「ちょっと一人で気張りたいだけじゃ……あはは」 和「あはは、嘘です。須賀君が」 久(咲達に良い牌が来れば九種九牌で流し、自身は次の配牌で確実に和了る。嫌な打ち方ね) はやり「やっぱり京太郎くんは」 咲「私もちょっと外の空気を吸いに行ってきます」 和「でしたら私も」 咲「ごめん、ちょっと一人になりたいから 和「咲さん……」 咲(お姉ちゃん……) 優希「どうしたんだじぇ? 犬がお祭り騒ぎって、なにキスしてるんだじぇ!!」 京太郎「あ、優希!」 優希「ななななにして」 京太郎「1位だ。俺が、俺が1位だ!」 優希「なにをわけのわからない事を」 久「須賀君が和、咲、まこを相手にトップで終わったのよ」 優希「じぇじぇじぇ!?」 京太郎「やったー!」 はやり「京太郎くんすごい! だから弟子になろ! はやりの弟子になろ!!」チュッ 優希「キスをやめろー!! 京太郎の口を塞ぐんじゃないじぇ!!」 京太郎「瑞原プロ、ありがとうございます!」 はやり「こちらこそごちそうさ、京太郎くんの才能にびっくりしたよ☆」 優希「は、牌のおねえさん! 決闘、決闘を申し込むじぇ!」 はやり「また今度ね」 はやりの好感度が80→90(ロックオン☆)に上昇しました。 その頃 咲「あ、お姉ちゃん、うん……」 咲「声が聞きたくなっちゃって」 咲「あはは、負けちゃった。2回も」 咲「ねえお姉ちゃん、本気出したのに、私負けちゃった……」 咲「それも京ちゃんと瑞原プロに」 咲「もう負けるつもりなかったのになぁ……」 咲「でも、あの時の京ちゃんはちょっと良い顔してたかな」 咲「次は負けないけどね」 女子トイレ まこ「うぐっ、くっ」 まこ「勝てるはずじゃった……いくら上手く打とうが、初心者は初心者」 まこ「全国での経験で初心者対策も出来ていたつもりじゃった……ぐすっ」 まこ「勝った京太郎を祝うつもりももちろんあったのに」 京太郎『シャア!!』 まこ「あんな笑顔、わしは今まで見たことがなかったんじゃ」 まこ「それに瑞原プロと……うっ、うっ…おええっ」 まこ「はぁ、はぁ」 まこ「京太郎……」グスッ まこ「わしは嫌な女じゃ……素直に京太郎を祝福出来ん女なんじゃ…うう」 数日後 京太郎「……手紙?」 京太郎「瑞原プロからだ」 京太郎「なになに」 京太郎「東京に来い?」 京太郎「……どうしよう」 京太郎「アレ、もう一通」 京太郎「三尋木プロだ」 京太郎「内容は横浜に、か」 京太郎「どうしよう」 京太郎「カピもいるし無理だよな。断ろっと」 京太郎「電話で良いか。電話番号書いてるし」 京太郎「ピポパっと」 京太郎「あ、瑞原プロでしょうか。須賀京太郎です」 京太郎「ええ、手紙届きました」 京太郎「返事の件ですが、やっぱり俺、清澄からは」 京太郎「いえ、はやりさんのことが嫌いなわけではありません。むしろ好意を抱いています」 京太郎「でも、やっぱり無理なんです。ここからは離れられなくて」 京太郎「泣かないでください。ええ、本当にごめんなさい」 京太郎「……心が折れそうだな。でもここは」 京太郎「三尋木プロのお電話で間違いないでしょうか?」 京太郎「ええ。俺です、須賀です本日は断りの」 京太郎「い、移籍金って何ですか!」 京太郎「あ、いえ。お金の問題ではなく」 京太郎「先ほどもはやりさ、瑞原プロにも断りを入れてきたんです」 京太郎「え、断って来たなら平気だろ? すみません」 京太郎「ごめんなさい。まだ高校生ですし。」 京太郎「転校しろ?」 京太郎「ごめんなさい。三尋木プロのご期待に添えなくて」 京太郎「よし、これでいいな」 後日休日 京太郎「……」 瑞原はやり『京太郎君へ 諦めないぞ☆』 三尋木咏『おにいちゃんへ。 わっかんねー。それとも私がそっちに住めってか? 知らんけど』 京太郎「二人から更なる手紙が」 丁重に断りました。
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198 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 08 52 ID WOTXHHfxO 恋愛ゲーってどうなんだ? やったら負けという気持ちと食わず嫌いは良くないという気持ち半々… 199 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 12 24 ID A/wJ5HMd0 198 合う人と合わない人が綺麗に分かれるジャンルだし、合わない人は無理に手を出さなくていいと思う。 200 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 14 37 ID rOEWrB2E0 恋愛ゲーはひとりでニヤニヤしながらプレイするのが楽しい ただ、これで無駄に時間を浪費した時の虚しさは他のゲームより大きい 201 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 19 23 ID shTk/fCV0 198 恋愛を題材にしたコミックや小説を読むのを躊躇うかい? つまりは、そういうこと。ゲームも同じ。 主人公=自分、よりも現在の主流は主人公=物語の登場人物って感じ。 202 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 39 54 ID 8xbrORQD0 恋愛ゲーは、半分ネタとして楽しめる人じゃないと辛いと思う。 ゲーオタの俺がこういうこと言っちゃマズイのかも知れないけど、 恋愛ゲー本気でのめりこんでるような人とは関わりたくないし、自分の周りにはいないと信じたい。 203 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 57 29 ID 9sIpuFr2O 198 最近、死滅しつつあるときメモみたいな育成ギャルゲーと、 サウンドノベルタイプで全然違うんで何とも言えんが、 前者ならゲーマーにはオススメできる。 後者は「気になるものをやってみて決めて」としか言えない。 どちらの要素もあるような違うような、バルドは大好き。 207 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 11 29 ID emG4LPh+0 ギャルゲはEver17やっとけ。 208 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 46 40 ID lxPEZ/750 P17nことプリズマティカリゼーションをですね(ry 209 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 56 45 ID qGB/g8no0 ヤンデレ祭りのネクストキングも忘れてもらっちゃ困るぜ 212 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 15 56 ID QzTOHonO0 PCだけど初ギャルゲーとしてリトルバスターズを遊んだら存外に面白かったり 227 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 12 23 46 ID HqAdIJFu0 ギャルゲが合うかどうかは、好きな漫画やらアニメやらで考えてみればわかるんじゃないかね 最近のハルヒだのらきすただの、あるいはハヤテとか色々。 女キャラがメインで進むストーリーに抵抗が無いなら、ジャンル自体に向いてないってことはないと思うよ 212の言ってるリトルバスターズなんて恋愛メインですら無いからなw 213 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 41 47 ID KAhRYzOC0 一月に乙女ゲーに吶喊予定な俺もいますが。 俺は面白ければなんでも良い雑食ゲーマーだから。 ・・・そういや今年ギャルゲーと呼ばれるジャンルをほとんど遊んでないな。 214 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 58 03 ID v/v52CGCO 最後に遊んだギャルゲーはPSの久遠の絆だったかな。 あれは面白かった。 215 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 09 11 08 ID qGSRx0sw0 ギャルゲーは縁がないね 絵や年代が似たようなのばかりだからなあ ケン月影の人妻ゲーならやってみたい 220 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 10 03 35 ID WgchsYi6O ときメモ2は発売当時に買って、後のEVSアペンドディスクも全部買ったが 本命を含む何人かが未クリアだ あの時ほどギャルゲー体力の衰えを感じたことはない 221 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 11 35 52 ID /8ejQ80s0 ときメモ2は子供時代のマップ移動がタルかったのが積み要因だったな。あれ以来ギャルゲーやってない。 EVSはある意味初音ミクの先祖なだけに惜しいシステムだった。 228 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 12 23 53 ID EyXi/MuR0 198 ADVゲームとして純粋にレベルの高いゲームもあるから、一括りにして敬遠するのはちと勿体無い。 ADVが好きなら、シナリオの評判が良いのを見繕ってプレイしてみると吉かも。 個人的には『Eve burst error』とかは震えたな。 純粋に恋愛シミュ系だったら・・・個人的には、『プリズムコート』が最高峰w 234 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 22 09 ID WPehdL+O0 228 ZERO ONE(SP)と同様にパロディだらけで、 名前からして推理小説家のパロディだったり、イベント名がアニメ・特撮の第●話のタイトルだったりするアレですね プリコーは恋愛SLGというかスポ根育成SLG+パロディ+恋愛ADVのようなw 名前ネタで興味湧いて十角館の殺人を買って読んだのは内緒w 富士通さん、2はでないんですか?(棒 251 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 17 08 21 ID EyXi/MuR0 234 確かに一口に恋愛SLGというとちょっと語弊があるかも。 初っ端のヒロインの自己紹介からして 「バレーは出来ないけど、きっと覚えます。だから、連れってってください!」 (返答の選択肢の一つが「馬鹿を言うなよ」) だったりと、古いパロディだらけだし。 でもADV部分もSLG部分も真面目に良い出来。 232 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 04 47 ID x9H3nhxu0 ギャルゲーだからと言って面白ゲームにめぐり合うチャンスを 棒に振るのはもったいないこと 233 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 19 20 ID KGogvxQU0 今はシステムに凝ったエロゲーも少なくなったような。 注意!以下のレスには「みつめてナイト(R含む)」のネタばれを含みます! +ネタばれを含むレスを見る ネタばれを含むレスを閉じる 253 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 17 24 00 ID q24agfGqO 俺はやった事無いけど、みつめてナイトは無印・Rともに友人がはまってて、よく話を聞いた。 ファンタジーな世界で戦争なんかが起きてるんだけど、ヒロインの一人が正体を隠した敵の将軍だったりするのは当たり前、 病弱ヒロインの飼ってた小鳥が死んだ時の選択肢で「お前も小鳥の所に行け」みたいのを選ぶと本当に自殺したりと、 名前から想像も出来ないくらい殺伐としてたとか。 あと、ヒロインにロリィとレズリーとかいうのがいた気がする。 やりすぎだろコナミw 255 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 13 14 ID 8gBjY6xT0 253 みつめてナイトは俺もおすすめ システムはまんまときメモで分かりやすいし 裏の設定が色々あるので TOのウォーレンレポートとかガンパレの諸々とか好きな人は会うと思う 注意!以下のレスには「みつめてナイト(R含む)」のネタばれを含みます! +ネタばれを含むレスを見る ネタばれを含むレスを閉じる 265 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 19 16 19 ID WPehdL+O0 253 Rはマスターアジア風味の師匠が良かったけど、無印の世界観ぶち壊しなので無印主義者にはオススメ出来ないw 無印は普通にオススメ出来るな ただ普通にイベントで死ぬ場合がある人が5人、生死不明が2人(病弱キャラ、確か未遂で終わったような)、 生死の狭間を彷徨った挙句主人公に見捨てられる人が1人、殺人未遂されたり誘拐されたりする人が1人 と実に殺伐としておりますが、無印・Rともにな(´・ω・`) 257 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 20 01 ID yi92fD7R0 コンシューマのADVならば アカイイトが好き…… 258 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 25 32 ID jWsmyW6GO どき魔女 異論は認めない 637 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/28(金) 23 57 48 ID 56x2qyJw0 198 ようやく規制解除になったんで激しく遅レスで申し訳ないが、恋愛ゲーっぽい要素もある 東京魔人學園と九龍妖魔學園激しくオススメ 後者はカレーも食べ放題だしな… 名前の挙がったゲームタイトル一覧(ギャルゲかどうかはさておく) アカイイト 九龍妖魔學園紀 久遠の絆 東京魔人學園 シリーズ どきどき魔女審判! ときめきメモリアル2 ネクストキング 恋の千年王国 プリズマティカリゼーション プリズムコート みつめてナイト みつめてナイトR 大冒険編 リトルバスターズ! EVE burst error Ever17 -the out of infinity- ZERO ONE (SP)
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414 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 20 26 39.08 ID Ca8CHG5So [4/33] 【8月21日:昼】準決勝当日 試合終了。 その後、俺はセーラさんと船久保先輩に言われ、泉と共に病院へと向かっていた。 怜さんは、ひどくはないそうだ。 体力を大きく消耗し、ひどい貧血を起こしていた。 一日検査入院すれば、問題なく帰れるそうだ。 そう思ってはいても、そう感じない人もいる。 ……部長とかだ。 竜華「嫌や!離してぇな!!」 京太郎「そういう訳にはいきませんよ…!」 泉「部長、私らで見ておきますから!」 竜華「う、うぅ……怜ぃ…!」 落ち着きがない。 そんな部長。 この人は、何所までも怜さんを重視している。 こうして錯乱するくらいに。 だから、そんな部長を落ち着かせる方法は一つだ。 ……利用するみたいで、気分が悪いけれど。 これしかないなら、利用するしかない。 京太郎「怜さんだって、部長を信じているんですから」 竜華「怜が……」 京太郎「きっと、大丈夫なのにそんな風に騒いでる部長を見たら、「りゅーかうるさい」とかって言いそうですよ……今寝てるみたいですし」 竜華「うっ……」 さぁさぁ、と。 俺は竜華さんの背中を押す。 名残惜しげに。 ちらりと、怜さんを見て。 部長は目元を引き締める。 これで大丈夫だ。 去っていく部長。 俺はその背中に小さく、頭を下げた。 465 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 21 47 30.01 ID Ca8CHG5So [12/33] 京太郎「さて、と……」 泉「ぁぅ…」 ちらりと。 俺は視線を泉に向ける。 ……なんでそんなにびくっと反応するんだろうか? そうは思ったが、すぐに考えを改める。 そうだ。 試合前の約束。 罰ゲーム、だったか……。 俺がそれを思い返して、再度泉を見る。 手を後ろにやってモジモジと、視線を逸らしてはこちらをちらちらと見ていた。 そんなに嫌なのか?罰ゲーム。 そう思いつつ、俺が腕を組む。 いや、別に罰ゲームなんかしなくてもいいんだ。 あれはあくまでも泉に発破をかける。 そのつもりの言葉。 こいつのことだ、きっと少しは勢いを持ってくれる。 そう思ったからこそ、俺は提案した。 だからいいか。 俺はそう結論を出して、泉へと向き直る。 京太郎「よし、泉」 泉「ひゃ、ひゃぃ……」 京太郎「何か飲むか?奢るぜ」 泉「……へ?」 ぎゅっと、目を閉じた泉がまた瞼を開く。 その顔は一言で言えば、呆然。 まるで何かが想定外。 そう言うかのような顔をしている。 呆然と、泉が口を開いた。 泉「あれ……京太郎、ウチを責めんの…?」 京太郎「ばっか、負けたからってお前を責めれるか。俺が試合に出たわけじゃねーのに」 泉「でも、約束したやん!」 そう、声を上げる泉。 ……こいつ、自分で罰ゲームしたいのか? お兄さんなんか心配ですよ? うーん。 俺は考える。 罰ゲーム。 そう言われても咄嗟には出ないもんだ。 俺の経験上の罰といえば、母親の尻叩きを思い出す。 あれは痛いと同時に屈辱的だ。 しかし、泉は女の子。 男の俺がやる訳にもいかないだろう。 そこで、泉の顔を見て俺は思いつく。 小難しそうな。 なんとも表現しにくい表情をしている。 よしっ、と俺。 びくん、と泉。 なんか変な反応だなぁ、と思いつつ。 俺はにやりと、笑みを浮かべた。 京太郎「よーし泉、目を瞑れ」 泉「は、はい……」 目を閉じ、待ちわびるような顔をする泉。 にこりと俺。 ワキワキと、手を動かした。 京太郎「小難しい顔してねーでこれでも喰らえっ!」 泉「ひっ―――ひゃ、ぁぁあああああああ!?」 くすぐり攻撃。 それを開始した瞬間、泉が体をくねらせる。 逃げるというよりは、その突然のことに体を耐えさせるように。 くねりと、泉が震えていた。 ………反応おかしくね? 泉「ひっ……ひん……ッぁ」 京太郎「あ、あのー……泉さーん…?」 くたっと。 俺の胸に顔を埋めてしな垂れる泉。 力が抜けてるなこれ……そうか、泉はくすぐりが嫌いだったのか。 こりゃ一つ勉強になったな。 501 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 22 10 50.65 ID Ca8CHG5So [17/33] . ′ | i ¨¨¨¨¨ ¨¨¨¨¨ / | い i.| .| , ゚. . . . . . . . . . . . . .゚ , | .. ..| |i イラッ |ハ | ′ . . . . . . . ' . . . . . . . ′ノ | || || | .\__j j_/ .. | || 「………」 || l .∧ / , l| リ 乂 个 .. ´  ̄ ` .. 个 ゚ リ \} .ト、 >... イ ./ \ い乂 .. .| > __ <│ j ./} /} /j/ `ー―ヘ ヽ}ィニ| |ニヽ ノ}ノ/_,イノ ィ __ -=ニニニニニノ ∨ニニ=- __ 506 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 22 12 12.98 ID Ca8CHG5So [18/33] 【8月21日:夜】準決勝当日 負けた。 千里山が。 負けた。 その結果を病室で見た時。 俺はどんな反応をしただろうか。 自然と手を握り込んでいただろうか。 それとも、静かに目を閉じていただろうか。 ただ。 一言。 残念そうな怜さんの呟き。 それだけが、耳に残っていた。 怜「そか……」 そんな、困ったような笑み。 それを忘れれず。 俺は泉と、夜の帰り道を歩いていた。 泉は、何も言わない。 いや、言えないのか。 怜さんを除けば、削られたのは泉が大きい。 それを気にしてるのだろうか。 気づけば、俺は泉の手を引いている。 そうでもしなきゃ、歩きそうにないから。 公園。 そこを抜けていき、視線を向ける。 視線の先にはホテル。 ようやく戻ってこれたと一息。 ただ、泉は。 足を止めて、ホテルを見る。 そこにあるのは、恐れだろうか。 やってしまった。 そう自分を責める顔。 それを見てしまうと、俺は何も言えない。 俺は泉へと振り返ると、ため息を吐いて声をかけた。 京太郎「ちょっと、何か飲むか?」 551 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 22 39 09.20 ID Ca8CHG5So [23/33] 京太郎「ほれ、レモンティーでいいか?」 泉「あ、うん……」 俺はキンキンに冷えたレモンティーの缶を泉に差出し、自分はコーヒーのプルタブを開く。 よく冷えてる。 それに少し甘めで、飲み口がいい。 カフェオレみたいだなと思いつつ、俺はベンチに腰掛ける泉の隣に座り込んだ。 会話は無い。 俺がコーヒーを啜る音。 それだけが響く。 そのまま、俺が一本飲み終えた頃。 少し考えるように「あー」と、声を発し。 ポンッと。 泉の頭に手をやった。 京太郎「お疲れ、泉」 泉「………京太郎…」 京太郎「お前は全力だったし、皆も全力だった……その結果に後悔してるようじゃ、きっと皆怒ると思うぜ」 知らんけど。 そう思っていると、肩に重みを感じる。 気づけば、缶一個分空いていた俺と泉の隙間は埋められ、泉は俺の肩に頭を寄せている。 ……なんというか、びっくり。 それが正しい感想か。 妙にしおらしい泉は俺の言葉に小さく、こくりと頷いて聞いている。 ……こういう顔は、苦手だ。 俺は少し迷い、覚悟を決めて泉の肩を抱き寄せる。 まぁ、今くらいは。 ……今くらいは、いいだろう。 568 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 22 43 39.09 ID Ca8CHG5So [25/33] 【8月22日:朝】 怜さんが今日、退院する。 まぁほぼ半日みたいなものなんだけど。 そう思いつつ、俺はセーラさん、清水谷部長と共に病院へと向かっていた。 一応、船久保先輩や泉も誘ったは誘った。 だけど船久保先輩は個人に出るセーラさん、竜華さんのためのデータを纏めていて手が空いていない。 泉は泉で、なんかベッドでコロコロと転がってたから無視してきた。 まぁ、あまり大勢で押しかけるのもな、と思う……病院だし、気を使うべきだ。 そうこうしている内に移動完了。 受付にいけば、その待合所にはすでに怜さんが眠たげに座っているのが目に入った。 竜華「怜!」 セーラ「よっ!元気そうで安心したで」 怜「竜華にセーラ、おはよーさん」 か、軽い。 俺は思わず引きつってしまう頬を笑みに変えて、怜さんに向き直る。 怜さんは俺を見て、少し目をぱちくり。 だが次の瞬間には、目をそっと逸らしていた。 京太郎「え、あの……怜さん?」 怜「……なんや、人が寝とるベッドの横で泉と乳繰り合っとった京太郎?」 竜華「え」 セーラ「へ?」 部長とセーラさん。 二人の視線が俺に向く…が、待ってほしい。 それは冤罪であると俺は声大きく言いたい! だがしかし、そんなものに効果はない。 昨日、帰ってきたときの姿を見られてる。 そこから結びつけて、何か拙い勘違いをされるのだけが心配なのだ。 だがしかし、思ったような反応はない。 見れば、部長は一人納得していて、怜さんはこちらをジト目で見据えてる。 セーラさんは……。 京太郎「……あの、怒ってます?」 セーラ「怒っとらんよ」 いや、見ても……。 セーラ「怒っとらん」 さいですか。 613 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 23 09 26.60 ID Ca8CHG5So [28/33] 【8月22日:昼】 怜「……」 京太郎「……」 何でこの人は怒ってるんだろう。 そう思うほど、愚かではない。 昨日の泉とのやり取り。 それが怜さんには不満なのだ。 それくらいは、分かる。 罰ゲームか。 それとも別の何かか。 考えれば考えるほど、これ、という答えが出てこない。 しかし、分かったことはある。 こうして今、怜さんと一緒に居る。 そうしていると、妙に機嫌よくなっているという事実だ。 小さく、ため息。 俺は少しの疲れをそれに乗せて吐き出す。 閉じていた瞼を開く。 開けば、見えたのは瞳。 目と鼻の先。 お互いの息が吹きかかる距離に、怜さんの顔があった。 フリーズ。 それと同時に俺は現状を理解する。 顔を下げようとした瞬間。 優しく。 振りほどこうとすれば解けるほど優しく。 怜さんの手が俺の顔を挟む。 それに固まって、俺は息を飲み込む。 いや、なんだこれ。 どういう状況なんだ。 怜さんはそのまま固まって、俺を見つめ続けている。 目を逸らそうにも逸らせない。 そんな雰囲気があった。 怜「……」 ちろり、と。 怜さんの赤い、小さな舌が唇を舐める。 ……妙な危機感を感じるぞ、何故か。 649 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 23 41 10.62 ID Ca8CHG5So [31/33] 怜「なぁ京太郎」 京太郎「な、なんでごぜーましょう?」 怜「京太郎は、ウチを助けてくれるんよね?」 不意に。 そう尋ねられて。 俺はその言葉の意味を考える。 助ける。 それには色んな意味がある。 困っていそうだから助ける。 仲間だから助ける。 ただ助けたいと思うから助ける。 好きだから助ける。 そんな、色々な意味がある。 この人の助ける。 その言葉は、何か不透明だ。 それを理解できるだけの空気。 そう呼べるものがある。 くすりっ。 普段の弱々しい様子からは考えれないほど、妖しい笑み。 いや、だからこそそう感じるのかも知れない。 そんな笑みを浮かべた怜さんが、すっぽりと俺の胸元に納まる。 ここまでされれば、流石に俺だって分かる。 助けてくれる? それが持つ、意味が。 えっと、どう答えるべきなんだろうか。 それに困る。 困っていると。 小さく、怜さんが笑った。 笑って、また体を寄せるだけだった。 654 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/12(火) 23 49 02.98 ID Ca8CHG5So [32/33] 【8月22日:夜】 怜さんを部屋に送り届ける。 俺の部屋で結構話しこんでいた。 そんな気がする。 そう思いつつ、俺は脚をレクリエーションルームに向けていた。 何をする、という訳でもない。 ただ、寝る前に部屋の消灯やらなんやらを確認しておこうと思っただけ。 まぁ、もう夜。 それも寝る時間にほどなく近い時間帯だ。 人が居るとは思えない。 そんな気持ちがあったのは事実だ。 しかし、音が聞こえた。 入って、見る。 そこには、カップを片手に試合映像を見ている船久保先輩の姿があった。 京太郎「せ、先輩?」 浩子「ああ、なんや須賀か」 園城寺先輩の相手?お疲れさん。 そう言って視線をまたテレビに戻す。 試合映像。 昨日の、千里山の試合か。 船久保先輩はそれを舐めるように見回し、そして小さく息を吐いていた。 そこにあるのは疲れ。 そして少しの諦め、であろうか。 浩子「……やっぱ、強いわ」 京太郎「そう、ですか……」 浩子「粒ぞろいやからな、白糸台は……こら来年も苦労するわ」 はぁ、と船久保先輩。 来年。 そうか、もうそれを考える必要があるのか。 俺は先輩の背中を見る。 3年生の意思。 それを継ぐのが、後輩の役目だと思う。 それならば、船久保先輩はそれに最も適している。 そう、俺は不意に思っていた。 685 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/13(水) 00 25 43.69 ID wexfKoodo [5/33] 【8月23日:朝】 怜さんの言葉。 助けれくれる? その問いかけ。 それに答えるのならば、Yes。 そう答えよう。 それが、そのままの意味ならば。 それ以外の意味。 そうとなると、何も言えない。 俺だって馬鹿じゃない。 あんな態度をとられれば、意識だってする。 怜さん。 弱々しいけれども一生懸命生きている。 まるで日光が差す量が少ない花のような人だ。 必死に。 生きようとする花。 それが怜さんだ。 そんなことを考えていると、不意に気配を感じた。 レクリエーションルーム。 そこには今、俺だけしかいない。 視線を向ける。 そこにいるのは、怜さん。 そして部長の何時ものコンビ。 怜さんがにこりと、俺に笑みを返す。 それに妙な気恥ずかしさを俺は感じる。 くそう、なんでか知らないけど、妙に意識してしまう。 そう思っていると、また視線を感じた。 こっそりと見れば、部長が俺を見ている。 妙にうさんくさいものを見る目で、だ。 竜華「……怪しい!」 怜「どないしたん、竜華」 竜華「二人とも、何か隠しとるやろ」 怜「なんも隠しとらへんよ、なぁ京太郎」 京太郎「え、ええ……何も、ええっ」 そこで振りますか、俺に。 そう思い、視線を怜さんに向ける。 またちろりと、舌を出しておどけられてしまった。 ……この人、あれすれば場を流せるとか思ってないか? 749 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/13(水) 00 48 20.28 ID wexfKoodo [10/33] 【8月23日:昼】 セーラ「なんや京太郎、えろう景気悪い顔しとるやん」 竜華「せやせや、朝からどないしてん?」 京太郎「あー……そんな顔してます?」 セーラ「一人頭抱えとったら嫌でも分かるわ」 時間が過ぎる。 空白の時間だ。 俺は疲れたような、そんな表情を浮かべていた。 朝も、昨日も。 怜さんの言葉がずっと残るのだ。 それをセーラさんにも部長にも、質問はそう出来る気はしない。 ただ、例え話だ。 これは、例え話。 京太郎「あの……すっごく異性に頼られるって、どうなんでしょう…」 セーラ「ん?」 京太郎「これは、例え話なんですけど……普段から仲良くて……例えば部長と怜さんくらいですよ?」 セーラ「そりゃ仲ええなー」 竜華「で、それがどないしてん?」 京太郎「部長と怜さんは、同性同士ですからそこまで。……そんな二人よりも片方が異性へと縋っている、ってのはどうなんでしょう」 そんな状態。 それを思い浮かべたのか、セーラさんが沈黙。 つまりは、あれだ。 溺愛されている、ということだ。 怜さんのそれは、そう思えるものだから。 竜華さんは自分のことだから理解は薄いかも知れない。 だけど、セーラさんはそういうのに慣れてないらしい。 顔を少し赤くして、そっぽを向いている。 それに小さく苦笑。 いきなりすぎた。 俺はすみませんと、頭を下げる。 京太郎「いや、変なこと言いました!忘れてください!」 竜華「ええん?」 セーラ「そ、そか…ならええんや」 竜華「……なしてセーラそない顔赤いん?」 セーラ「う、うっさい!」 967 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/13(水) 20 06 55.23 ID wexfKoodo [29/33] 【8月23日:夜】 京太郎「昼間は変なこと聞いちゃったな……」 風呂を上がり、未だにしっとりとする髪の毛をそのままに俺はレクリエーションルームへと向かっていた。 首にかけた半タオル。 それが少し垂れる水気を吸収していく。 こりゃしっかり拭いてから寝ないと寝癖に残る。 そんな短い思考が思い浮かんではすぐに消えた。 面倒だ。 朝になってシャワーでも浴びればそんな寝癖はすぐに取れる。 それに、寝汗も落ちるし一石二鳥じゃないか。 そんなことを思いつつ、俺はレクリエーションルームに。 入った時に気づいたが、ドライヤーの音が聞こえる。 序でに鼻歌も。 しかもこっちの音は聞こえていないらしく、止まる気配は無かった。 セーラ「ふんふんふふーん~♪」 京太郎「………セーラ、さん……?」 セーラ「どわあああああああああ!?」 ぽーんっ。 そんな感じで勢いよくドライヤーと櫛を上に放り投げるセーラさん。 だが待ってほしい。 ドライヤーは基本、コード式だ。 つまり投げたとしても限界がある。 ドライヤーは放り投げた持ち主へと帰るように落下。 俺が声を出して警告する前に、それはセーラさんへと襲い掛かる。 しかも、セーラさんは思い切り立ち上がっているのも原因だろう。 落下、直撃。 「ふぐっ!?」と。 妙に詰まった声がセーラさんから引き出されていた。 セーラ「う、うぅ……頭が割れてまいそうや……」 京太郎「す、すいません……手をどうぞ」 ぺたん、と地面に座り込んで頭を摩るセーラさん。 手を差し出すと、俺に手を伸ばして。 ぴくりと、止まった。 ………顔、赤くね? 19 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/13(水) 20 53 57.17 ID wexfKoodo [2/30] セーラ「み、見とった……?」 京太郎「えーと……はい」 セーラ「ぁああああ……」 がっくり。 そんな感じでうなだれるセーラさん。 それに焦る俺。 なんというか、あれだ。 京太郎「なんか、すいません……」 セーラ「あ、ああ、ええんよ、別に」 見られて困ることじゃない。 セーラさんがそう笑い、俺の手を握る。 ぐっと、引き上げる。 軽い。 それにやっぱりセーラさんも女の子なんだな、と思う。 ドライヤーとか、あの手鏡に櫛も。 気づけば、俺は小さく笑いながら声に出していた。 京太郎「セーラさんもやっぱり女の子ですね」 セーラ「あ、アホ!!」 怒られてしまった。 しょぼん。 32 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/13(水) 21 02 59.28 ID wexfKoodo [4/30] 【8月24日:朝】 ――――千里山高校三年、園城寺怜。 今こそ名門・千里山の新エースとして知られる彼女。 だが、それは幸福に満ちた人生ではなかったと言っていい。 生来の虚弱体質。 それ故に集中力欠如によるミスの誘発。 もし、健康な体だったら。 もし、普通に生きれれば。 そう思い、願わずばならなかったことは多々あった。 だが、それは。 ……それならば、自分はあの全国のステージに立てたのだろうか? その疑問があった。 一度死に瀕したことで手に入れた一巡先。 限界に挑戦して手にした二巡先。 皆がくれた三巡先。 それが無ければ、自分は泉にも及ばない。 それを理解している。 皮肉だ。 体が弱くなければ皆のために戦えず。 体が強ければ皆に並べない。 神様は二つを与えない。 それが良く分かるじゃないか。 思わず、笑ってしまいそうだった。 ああ。 届かない。 二者択一。 どっちかだけ。 「なら、ウチはどっちを選べばええの?」 そう問いかけても答えは出ない。 答えてはくれない。 そう……もし、それの答えとするのなら。 それは、ただ一つだ。 どちらの園城寺怜も必要としてくれる、確固とした存在。 それが園城寺怜に必要なのだ。 382 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/15(金) 22 13 44.91 ID oHVVCIIRo [4/14] 竜華「―――怜、どないしたん?」 京太郎「怜さん?」 怜「あっ―――」 意識が、遠のいていた。 思わず手の平を見つめ、安堵のため息を漏らす。 よかった。 まだ、自分はここにいる。 ここに居て、皆を理解できている。 そんな安心。 それを実感する。 ぎゅっと。 手を握る。 そして前を見た。 二人がこちらへと振り向いている。 清水谷竜華。 昔からの友達。 今までとても助けて貰った。 それに見返りなんてない、ある意味ではアガペー(無償の愛、隣人愛)に近しいものがある。 尽くして貰った。 ああ、それを疑うことはない。 今も心配そうにこちらを見つめているのが、それを肯定している。 それと同じように、こちらを見る京太郎。 その視線にあるのは同じく気遣いと優しさ。 出会って数ヶ月という短い期間。 でも、その献身を理解できるほどに尽くしてくれた。 思えば、あの春の出会いから。 京太郎は、優しい人だった。 ―――どくんどくんどくん。 聞こえてくる心臓の鼓動。 生きようと鼓動する音。 それが京太郎を思うと、早鐘を打った。 ―――どくんどくんどくん。 暖かい。 ほわほわとする。 この気持ちは、初めてだった。 竜華でも、セーラでも、船Qでも、泉でも。 誰からも感じなかった暖かさ。 389 名前: ◆VB1fdkUTPA[saga] 投稿日:2013/02/15(金) 22 25 38.66 ID oHVVCIIRo [5/14] 【話を戻そう】 【世の中は二者択一】 【両方を、という贅沢なんて通じないことが普通だ】 【園城寺怜】 【その少女は、笑う】 【選ばなければならない】 【その事実に笑う】 【即座に片方を切り捨てれる、自分に笑った】 【なんだ、悩むことなんて無いじゃないか】 【切れない絆を作れる方を選べば良い】 【簡単なことだ】 【怜は笑う】 【笑って、笑って、口を開いた】 【「――――ウチ、京太郎の赤ちゃん欲しいな…」】 [END:二者択一]
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六月某日 ナンパ男A「いやぁー、君かわいいねぇ……もろに俺のタイプだよ!」ニコニコ ナンパ男B「なに言ってるんだか、でも君がかわいいってのは同意するけどね!」 玄「あ、ありがとうございます……?」 玄(ど、どうしよう……夕飯の買い物に行くだけだったのに………変な人達に絡まれちゃったよぉ……!)アタフタ ナンパ男A「俺知ってるよー、君確か阿知賀の松実玄ちゃんだったよね?」 玄(え……、何でこの人私の名前知ってるの……?)ビクッ ナンパ男A「この前の麻雀の県予選で女子の部で大活躍だったよねぇ、俺そんとき会場にいたから試合見てたんだ」 ナンパ男B「それでこいつ君のファンになっちゃったらしくてさー、ダメもとで探してたんだけど、まさか本当に会えるとは思わなかったよ!」 玄「ふぇ……!?」 玄(な、なんかこの人達怖いよぉ……!?)ジワッ ナンパ男B「それでさぁ……せっかくこうして出会えたわけなので、俺たち玄ちゃんと一緒にお茶でも飲みたいなーって思ってるんだぁ」ニヤニヤ 玄(た……助けて……お姉ちゃん……)ガクガク ナンパ男A「良かったら一緒にどうかな?もちろんお金は俺たちが払うからさぁ」 玄(助けて………誰か………っ!!)キュッ 京太郎「おい、ちょっと待てよ!!」ザッ 玄「き、京太郎くん……?」グスッ ナンパ男A「あ?んだよテメェ?」 ナンパ男B「俺たち今大事な話してるんでー、外野はちょっと黙っててくんねぇかなー」 京太郎「へぇー、外野はどっちの方だか……」ハンッ ナンパ男A「んだとっ!?」カチン 京太郎「悪いけどさ」グイッ 玄「えっ……?」 京太郎「玄さんは、俺の彼女なんだよね」 玄「」ポスンッ 玄(え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!?!?!!?)ボンッ ナンパ男A「は……はぁぁぁ!!!?」ガーン ナンパ男B「ちょっ!?ありえないでしょ!!?」 京太郎「ありえないなんて酷いなぁ……ね、玄さん?」ニコッ 玄「え……は、はぅ……///」シュゥゥゥ 京太郎「……合わせて」ボソッ 玄「えっ……えっと……じ、実は………そうなのです……///」コクッ ナンパ男A「」(呆然) ナンパ男B「」(自失) 京太郎「さて、それじゃあ行きましょうか玄さん」ニギッ 玄「き、京太郎くん!て、手……!?」アワワワ 京太郎「やだなぁ……いつもしてる事じゃないですか!ほら、早く!!」スタスタ 玄「はぅ………は、はい……///」テクテク ナンパ男A「」 ナンパ男B「」 数分後 京太郎「……あの、すいませんでした………咄嗟の事とはいえあんな嘘ついちゃって」ピタッ 玄「へ………えっ?///」ビクッ 玄(あ……れ?もう私の家の近くだったんだ………) 玄(うぅ……きょ、京太郎くんの手ばっかり集中してたらいつの間に……!)カァァ 京太郎「や、やっぱり嫌ですよね?俺なんかで振りとはいえ恋人の真似事なんか………あれも結構危ない綱渡りでしたし……」ハハ… 玄「そ……そんな事ないよっ!」 玄「京太郎くんがいなかったら……私、どうなってたか分からなかったし……それに、…あのときは、本当に怖くて……」ブルッ 玄「けど、京太郎くんが助けてくれたからもう大丈夫だよ!」 玄「だ、だからね……その……」モジモジ 玄「あ……ありがとう、京太郎くん///」ニコッ 京太郎「ま、松実先輩……!」パァッ 玄「でも、京太郎くんはどうしてあの時あそこにいたの?」 京太郎「ああ、それは俺も玄さんと一緒で買い物に行こうと……あっ」 玄「ど、どうしたの?」 京太郎「……タイムセール、もう終わりの時間だった……」ズーン 玄「あぅ……ご、ごめんね?私のせいで……」シュン… 京太郎「ま、松実先輩が気にすることなんかじゃないですって!!タイムセールは終わっちゃいましたけどまたさっきの道戻れば良いだけの話ですし……!」ピリリリッ 京太郎「あ……ちょっとすみません、……もしもし!」ピッ 灼『京太郎……買い物に行くだけなのにちょっと遅くない……?』 京太郎「…………すんません」 カーン!!
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前話 次話 京太郎インタビューその5 全国大会の開会式を終えた、各県代表の女子麻雀部、その精鋭達。 彼女等の青春を賭けた戦いが、始まろうとしていた。 これは、その裏で陰ながら彼女達を支える一人へのインタビューである。 京太郎「なんですかその漫画の紹介文みたいなの」 テコ入れは必要かと思いまして。 京太郎「はぁ……」 今回もよろしくお願いします。SK君。 京太郎「よろしくお願いしまーす」 本日は全国大会の開会式でしたが、どうでしたか? 京太郎「モニター越しですけど、錚々たる陣営って感じでしたね。雑誌や動画にも出てる人達が一堂に会してるって、なんか現実感が無いですよ」 SK君も雑誌や動画に出られてますが? 京太郎「あはは。俺なんか話の内容ばっかで写真は隅っこで小さくですし、動画だってほんの少しの一部の人にウケてるだけでしょう?」 ……ちなみに動画をご覧になった事は? 京太郎「まぁ、アップが始まってすぐにちょっとだけ。やっぱ自分の動画の全部を繰り返し見るとか精神的にキツイですしね」 ……成程。 開会式では、S君はどうしていました? 京太郎「例に漏れず、咲の奴が迷子になってたので迎えに行きました」 やはりですか。 京太郎「探してる時に穏乃から「京太郎君とこの宮永さん見た! すごいプレッシャーだったね!」ってLINE来て、大体どの辺で見たか教えてもらって、見つけたのはボイラー室ですよ」 何故そんな所に迷い込むんでしょうね……。 京太郎「あいつほんとは迷子になってるんじゃなくて、魔王オーラ撒き散らしに行ってるんじゃないですかね……」 魔王オーラ。 京太郎「って本人に言ったら「そんなわけないでしょ!」ですって。「じゃあただポンコツなだけか」つったらムキーしだしたんで、あいつ自身ポンコツなのは認めてきてるんでしょう」 それはただ怒ってるだけでは……? 京太郎「そういえば、開会式中でなんですけど」 はい。 京太郎「咲を送り届けた後、会場で調理出来る場所に行ったんですよ」 そんな所があるんですか? 京太郎「はい。もちろん無断では使えないんですけど、俺が会場内で調理出来るよう部長が許可をもらってきてくれて」 部長さんにも心境の変化が訪れたんですか。 京太郎「? さぁ。でもこの前「S君に雑用任せちゃうのは避けられないけど、せめてちゃんとした場を用意してあげないと」ってブツブツしてたのは聞こえちゃいましたね。部長もちゃんと俺の事気に掛けてくれてんだなーって思いましたよ」 成程……。それで、そこで何かあったんですか? 京太郎「えーと、そこでちゃんと調理出来るか確かめる為に、一度使ってみようとお菓子を作ってたんですよね」 作れるんですか? 京太郎「ええ。やっぱ女子の差し入れは甘い物が評判良いとの事で、一通りは。で、作ってたら突如部屋の扉がバーンと開かれて「なんか美味しそうな匂いがした!」と言って誰かが現れまして」 誰か、というと、誰だったんですか? 京太郎「それがなんと、開会式中の筈の淡……白糸台の大将の大星淡だったんですよ」 淡? 京太郎「あー。まぁまた話してる内に、ですね」 S君は他人と距離を詰めるのが上手いですね。 京太郎「どうでしょう。今回は向こうがぐいぐい詰めてきた感じだし」 それで、何故選手の一人が? 京太郎「あいつが言うところによると「他のとこのくじ引きなんてつまんなーい。うちはシードだし、どこと当たろうとうちらに勝てるのなんていやしないしー♪」つって、抜け出してきたそうで」 王者だけあって、自信に満ち溢れてますね。 京太郎「というか、あいつは普通に自信家なんだと思いますね。悪意は無いと思いますよ。多分ね」 それで、その大星さんが調理室にやってきたと。 京太郎「はい。んで、俺を見つけるなりあんにゃろう「あ! 長野のパシリのS!」とか抜かしやがりまして」 本当に悪意は無いんですよね……? 京太郎「誰がパシリだって返したら「えー。でもパソコン山に運ばせるとかありえなくない? パシリじゃないなら……先輩が鬼?」とか言うので、じゃあパシリでいいよと」 ああ、天然で人を傷付けるタイプですね。 京太郎「初対面がそんな感じだったんで、他校の選手といえどあんま礼儀正しくするのもアホらしくなってきたから、放っといてお菓子作りに集中しようとしたら、近付いてきて「ねーねー、何作ってるのー?」と」 お母さんの料理中に尋ねてくる子供ですか。 京太郎「印象はその通りでしたね。で、作ってるお菓子を答えたら「マジ!? 作れんの!?」って目ぇキラッキラさせてるんですよね」 尊敬の眼差しを向けられたんですね。 京太郎「いえ、あの目は「作れるんならこの可愛い淡ちゃんにも寄越せ!」っていうタカリの目でしたね」 キラキラした瞳で何を訴えてるんですか。 京太郎「あんまり嫌味を感じないのが不思議でしたねー……。とはいえ、部費で買った食材だったのもあり、そのままくれてやるのも癪だったので、欲しけりゃ食材買ってこいやって言ったんですよ」 乱暴な言い方ですけど、まぁ当たり前ですね。 京太郎「ところが予想に反して「わかった! 何買ってくればいい!?」と」 何故そこだけ素直なんですか。 京太郎「いや、多分あいついつも素直ですよ。自分の感情に」 京太郎「それで必要な食材と量を言ったら、スマホにキッチリメモってダッシュで買いに行きまして、近くに買える所があったので割とすぐ戻ってきました」 パシリ根性全開じゃないですか。 京太郎「どっちかと言うとお菓子買ってきていいとお小遣い渡されて駄菓子屋に向かう小学生のノリでしたね。まぁそこまでさせといて断る訳にもいかんので、追加でお菓子を作ってやったんですよ」 好評でしたか? 京太郎「そうですね。持ち帰る分とはまた別にその場で食べる分も作って食べたら、若干オーバー気味に美味い美味いってリアクションしてましたから」 それが切っ掛けで仲良くなったと。 京太郎「あー、いえ。それもですけどそれじゃなくて、ですね」 ? 京太郎「食べてる時に向こうが「ねーアンタさ、ドラゴ○ボール語れるってホント?」と」 大星さんもですか。 京太郎「まぁ世界的な漫画ですしね。ファン度が俺や穏乃と同じくらいだった淡なんで、同士と分かればそこから仲良くなるのに時間はいりませんでしたよ」 意外といえば意外な所で共通点が出来るものですね。高鴨さんと大星さんも相性が良いのかもしれません。 京太郎「うーん……。どうでしょうね」 ? 何か引っ掛かるものでも? 京太郎「いえ、同じ作品が大好きなのはそうなんですけど、その中でも違いってのはやっぱりありますから」 というと? 京太郎「ドラゴン○ールはですね、主人公とライバルが合体する時があるんですけど、その合体にもバージョンが2つあるんですよ」 合体元が同じならどちらも同じでは? 京太郎「それもそうなんですけど、やっぱり違うっていう意見もあります。俺もそうですし。で、この合体でどっちが好きかと言えば、穏乃は断然ベジ○トで、淡は絶対ゴ○ータって言ってるんですよ」 はぁ…………。 京太郎「というのもあくまで一例で、作品内でどういうカテゴリなら何が好きかってので、この二人ほぼほぼ噛み合ってないんですよ」 同じ作品が好きでも、そこで喧嘩は起こる可能性は有り得ると。 京太郎「まぁどっちとも俺と解釈違いなとこはありましたけど、それで楽しく語り合えたので、大丈夫だと思いますけどね」 S君から見て、大星さんはどういう方でしたか? 京太郎「まーアホで口悪いからあんまり理解されないかもしれませんが、話してみれば天然で純粋な奴なのは分かりますよ」 すっかり悪友みたいな口振りですね。 京太郎「それと、注目して見るとあいつ意外と女子力高いんですよ」 というと? 京太郎「家庭的とはまた違うんですけど、爪先が綺麗だったり髪の手入れが行き届いてたり。あと振る舞いですね。他の女子だったら意識してやってる事を無意識にやってる感じで」 S君が見てきた他の女子よりも、女子力が高いと? 京太郎「いや、女子力単体でなら和……はちゃっとズレてる所ありますけど、福路さんとかの方が高いと見てるんですがね。淡はギャップってのも相まって結構目につくんですよ」 ギャップですか。 京太郎「あとLINEのコメントやスタンプの使い方がいちいち可愛くて、逆に腹立つんですよね」 どういう感情なんですかそれ。 白糸台といえば……踏み込んだ質問になるんですけど。 京太郎「はい?」 女子高校生麻雀の王者、宮永照さんと、そちらの清澄におられる宮永咲さん。同じ苗字ですが、もしかして親戚なのでしょうか? 京太郎「ああー……。一応姉妹みたいですよ」 姉妹。 京太郎「と言っても、諸々込み入った事情があるみたいで、踏み込んだ事は出てこないですけどね」 宮永照さんの方とは面識があるのでしょうか? 京太郎「いえ。俺と咲が会ったのって中学だってのは言ったと思いますけど、その頃にはもう別居しちゃってたみたいで」 出会った頃の宮永咲さんが他人と関わりたくなさそうにしていたのも、そこに関係していると? 京太郎「さぁ? ただあいつ、昔から家族の事については父親の事しか話そうとしないんですよね。それでもあいつポンコツだから、話の節々から母親も姉もいるらしい事は伺えたんですけど」 その姉が宮永照さんだと知ったのは、いつ頃ですか? 京太郎「高校からですね。しかもあいつ、俺より先に和に話してたんですよ? 今では部活のみんなに知れ渡ってますし、中学からの腐れ縁相手に薄情だと思いません?」 S君だからこそ知られたくなかったのかもしれませんが……。 京太郎「まぁ今ここでこうして話してる俺が言えた義理じゃないけど、咲にしろお姉さんにしろ、家族の事情ですし話したくない理由もあるんだと思うので、あまり聞かない方がいいかと」 ですが、友人の家族関係が不仲に思えるのは気になりませんか? 京太郎「ならないといえば嘘になりますが、地雷踏むのもなと思いますし、咲自身もこの大会を通してお姉さんと向き合おうとしてるんで、余計な茶々は入れない方がいいかなって」 見守ろうと決めていると。 京太郎「ま、あいつが何か助けてほしい事があるなら、出来る限りはしてやろうとは思います」 では、最後になにか一言。 京太郎「俺の持ちキャラはバーダ○クです」 前話 次話
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1347880416/ 京太郎「ほんっとキツキツですね!とてもアラサーとは思えませんよ!」パンパン はやり「あっ!あぁん!い、言わないでぇ!京太郎君のが大きすぎるのぉ!」 はやり「んんん…!あん!ふぁああ!ああぁ!中でこしゅれるぅ!」 京太郎「こんなにおっぱい揺らして!きっとテレビ見てる人もおっぱいばっかり見てるんでしょうねぇ!」モミモミ はやり「ふぅん!い、いまは京太郎君のだからぁ!京太郎君のものだけだからぁ!もっと強くしてぇ!」 京太郎「これじゃあ牌のお姉さんじゃなくてパイのお姉さんですよ!こんなおっぱいぶるんぶるん揺らして!」モミモミ はやり「やぁ!胸だけじゃやぁ!もっと突いてぇ・・・!」 京太郎「全くわがままなプロですね!お望みどおり激しくいきますよ!」パンパン 京太郎「くぅ!こんないやらしい体なのに、中はこんなキツキツなんて」パンパン 京太郎「そろそろ出しますよはやりさん!」 はやり「出してぇ!中でいっぱい…京太郎君の若い精子いっぱい出して欲しいのぉ!」 京太郎「出るっ!」 ビクンビクン はやり「きたよぉ!京太郎君の精子ぃ!私のなかにいっぱいきてるよぉ!」 はやり「あぁん!イク!私もイっちゃう!おちんぽに精子注ぎ込まれていっちゃうのぉぉ!」ビクンビクン はやり「イク!イク!イっちゃうのぉぉぉぉぉぉ!!」 京「うぅっ…搾り取られ…」ドクドク はやり「ああぁん…はぁ…はぁ…」 京太郎「はぁ…はぁ…」チラ はやり「はぁ…はぁ…白いの、いっぱぁい♥」 京太郎「はぁはぁ」ムクムク 京太郎「まだ満足できませんよ!」 ガバッ はやり「やん☆」 ギシギシパンパンパンパン 京太郎「うっ……」ドピュドピュルル はやり「ん……もっとぉ……」 京太郎「も、もう限界……」 京太郎「はぁ……はぁ……」 はやり「さっ、次いこっか☆」 京太郎「え」 はやり「ほらほらぁ、もっと締め付けちゃうよ♪」グイグイ 京太郎「あの、ちょ」 ムクムク はやり「わぁ☆やっぱり大きくなった☆」 はやり「それじゃあ続きしよっか♪」 京太郎「」 はやり「んっ・・・あっ・・・んん・・・」ギシギシ 京太郎「」 はやり「やだぁ京太郎君ったら☆、15発出したくらいでもう動かなくなっちゃうなんて」 はやり「おねえさんは悲しいゾ♪」 はやり「でもぉ♪ここはまぁだまだ固いままなんだよね・・・ふふっ☆」 はやり「んぅっ!またクるよぉ・・・」 はやり「いっぱい、いぃっっぱい出してね☆」 ドクンドクン はやり「やんっ!やっ、あったかいの・・・中で溜まってくる・・・」 数日後 はやり「はい、お薬の時間ですよ~☆」ザラザラ 京太郎「あ…あ…」ゴクゴク ムクムク はやり「はい、今日もちゃんとおっきくなってえらいねー☆」 はやり「じゃあ早速いれちゃうよぉ♪」 ヌプゥ はやり「んぅ、入ってきたぁ…」 はやり「んん、あぁん、んっ、ふぅぅん…」 はやり「ふふ…京太郎君はぁ、ずぅっと私と繋がってるの☆」 はやり「私のことキツいって言ったんだから」 はやり「一生キツキツの中を味あわせてあげるね☆」 終わる
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京太郎「うおおおおっ!!」ガバッ 京太郎「………」 京太郎「ゆ、夢か……」ホッ 京太郎(まさか死ぬ夢を見るなんてなぁ……生まれて初めてだ) 京太郎「まぁ、それはともかく背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」 京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」 京太郎「あの夢みてーにならないためにも、ちょっと動いてみるか」 京太郎(どうぜ近いうちには存在ごと抹消されちゃう身だ……存在感無いのは今も変わんないけど) 京太郎(ならせめて、この意識があるうちに好きな事やってみたい) 京太郎(例えば……)チラ 和「この牌譜………いや、こんなオカルトありえませんし」ブツブツ 京太郎(和か) 京太郎(都合よく二人きりだし、なんかセクハラでもしてみるか)ニヤニヤ 京太郎(よーし!) 京太郎「のーどか」 和「?」クルッ 和「はい、どうしましたか須賀くん?」 京太郎「とうっ!」ピラッ 和「きゃあっ!?」ガタン 京太郎「肌色か……んー、なんかイマイチだな」 和「すっ……!すすす須賀くんっっ!!」 京太郎「わかってるわかってる!そんな怒んなって!」 和「……そ」 京太郎「ん?」 和「そんなに私の下着が見たかったんですか?」 京太郎「……」 京太郎「まぁ、多少は」ボソッ 和「全く、本当高校生ですかあなたは?」 京太郎「返す言葉も無い」ハハ 和「須賀くんならこんなことしなくても見せてあげたのに……」ポッ 京太郎「……」 京太郎「えっ」 和「……」モジモジ 京太郎(こ、この反応は……!まさか……!) 京太郎「なぁ和」 和「はい?」 京太郎「お前もしかして俺の事好きなの?」 和「っ!!」 和「そんなオカルトありえません!!」カァー 京太郎(だよなー、まぁ分かってたけど) 和「でっ……出て行ってください!!」バシッ 京太郎「あいたっ!?」 和「今日は部長に須賀くんは休みと伝えておくので!」バシバシ 京太郎「わ、分かったから鞄で殴らないでくれって!いたっ!」ガチャ 和「…はぁ……はぁ……」 バタン 和「………」 和「ああ、やってしまいました……」ガックシ ――――― 京太郎「和でもあんな風に怒ることあるんだなぁ」 京太郎「次からはもうちょっとマイルドなセクハラでいこう」 京太郎(そういや……深夜のセクハラテレビで、下半身タイツの芸人がなんかやってたな……) 京太郎(確かあれは……そう!チンポビンタ!) 京太郎(あれ爆笑したなぁ。流石深夜番組って思ったぜ) 京太郎「………」 京太郎「待て、落ち着け俺。流石にこれはヤバイ」 京太郎「スカートめくりも大概だが同じ学校、同じ部活、それに和だから見逃してくれたんだぞ?」 京太郎「でもいくらなんでもこっちは………落ち着け」 ―――――――― ―――――― はやり「ふんふふーん☆今日もいい天気だなー☆」ルンルン 京太郎「そこの女性、ちょっと失礼」 はやり「はやっ?」クルッ 京太郎「せいっ!!」バシィン はやり「ぶっ!?」 ドサッ はやり「……?…え?え?」 京太郎「……」パオーン はやり「………」ヒリヒリ はやり「……」 はやり「はやああああああああああああああ!!!」 はやり「へ、変態さん!!変態さんがいるうううううううう!!」 京太郎「うるせぇ!」バシン はやり「へぶっ!?」 警察「おい!そこで何してる!!」 京太郎「チッ」 警察「お、おい!待て!!」 はやり「チンポこわい……チンポこわい………」ガタガタ 京太郎「へっ、警察なんかに捕まってたまるかよ」 京太郎「俺はまだまだこんな事じゃつかまんねーぜ」ニヒヒ 京太郎「………」 京太郎「……俺は何を言ってるんだ?……て言うか」 京太郎「うわああああああ!何てことしちまったんだああああ!!」 京太郎「絶対顔とか見られてるし、俺傍から見たらただの変態じゃねーか!」 京太郎「………はぁ」 京太郎「……よ、よし。いったん落ち着こう」 京太郎「まだそんなに大きなことはやってないし、日常に帰れる筈だ……」 ―松実館― 宥「よいしょ……よいしょっと!!」コトン 宥(……ふぅ、やっとお仕事終わったぁ。これであったかい炬燵に戻れる)ホクホク 「………」 宥「?」クルリ 宥「……気のせい、かな?」 京太郎「気のせいじゃありませんよ」 宥「ひっ!?だ、誰?」 京太郎「オラ!!こっちこいコラァ!!」ググッ 宥「い、いたいいい!髪の毛引っ張らないでぇ!!」 ―――――― 京太郎「はーい!あなたのために用意した超冷水風呂ですよ!」 宥「……!」ガクブル 京太郎「ほら、見てないで入ってください!」 宥「!?」 京太郎「そんな顔してもダメな物はダメですよー、ほら早く」 宥「っ!!」イヤイヤ 京太郎「いいから早く入れってんだよ!!」ゲシッ 宥「あうっ!!」バシャーン 宥「つ、冷たいい!冷たいよぅ!!」バシャバシャ 京太郎「ダメじゃないですかーちゃーんと肩までつからない、と!」ゲシッ 宥「~~~~!!」アップアップ 宥(洋服が水を吸って……!) 京太郎「あれ?もしかして泳げなかったんですか?」 京太郎「まぁ、見るからに運動音痴っぽいけど流石に風呂で溺れるってどうよ?」 宥「げほっ!げほっ!……ちが!」 京太郎「じゃあそんなあなたの為に俺が手伝いをしてあげましょう」 京太郎「ほら、まずは顔を水につける練習から!」 宥「んんーーー!!!んんん!!」バシャバシャ 京太郎「じゃあまずは10数えましょうか」 宥「―――――!!!」ジタバタ 京太郎「はい、いーち……にー」 玄「おねーちゃん!!」ガラッ 京太郎「!?」 玄「やっぱり……!おねーちゃんが変な人と昔のお風呂場にいるなんておかしいって思ったよ!」 京太郎「……あーあ、いいとこだったのに」 玄「おねーちゃんはどこ!?」 京太郎「ここ」クイッ 玄「おねーちゃん!!」ダッ 宥「………あ」 宥「く……ろ……ちゃん?」 玄「……っ!?」 玄「……おねーちゃんを」ギリッ 玄「おねーちゃんを離せええええええ!!」 京太郎「………」 玄「わあああああ!!」タッタッタッ 京太郎(こんなチビ女一人で何ができるんだよ) 京太郎(腹パン一発で……) 玄「うわ!?」ツルッ 京太郎「!?」 ベキイッ 京太郎「がっ……!」 玄「うう……あいたたた」 京太郎「ぐおおおおお!いっでぇぇぇーーーっ!!」バタバタ 玄「……へっ?」 京太郎「てっ……てめぇ!もう生きて返さぇねーぞ!!」 玄(な、なんだかよく分かんないけど今のうちに) 玄「おねーちゃん!」グイッ 宥「……」 玄(冷たい!……だけどまだ間に合う!)タッ ―――――――― ファンファン 京太郎(……!) 京太郎(や、やばい!警察が……けど、痛くて動けねぇ) 京太郎(このままじゃ捕まっちまう……!) ―――――――― ――――――― 久「あら和、どうしたのその髪型?」 和「あっ、変ですか?」 久「いいえ。とっても似合ってるわよ」 久「でもどうして急にイメチェンなんてしたのか気になっちゃって」 和「……その、何て言うか」 久「………」ニヤニヤ 和「い、言わなきゃダメなんですか!?」 久「はっはーん」ニヤリ 和「なんですかその笑いは……」 久「いやいや、須賀くんも素直じゃない娘に好かれて大変だなーって」 和「なっ……!」 和「部長!からかわないでください!!」 久「わお!和が怒った、逃げろ逃げろー」 TV『昨日、殺人未遂の疑いで長野県に住む少年が奈良の旅館で逮捕されました。年齢は15の男子高校生で、警察は……』 カン
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京太郎のことを聞いてみた 桃子「京さん?」 桃子「明るくて優しくて私のヒーローみたいな人っす!」 咲「京ちゃん?」 咲「んー、ドジな私のことよく見ていてくれてとっても頼りになる人だよ」 照「京太郎?」 照「麻雀はまだまだだけど、よく出来た弟みたいな感じ。婿に欲しい」 美穂子「京太郎くん・・・ですか」 美穂子「同じものを持つもの同士でとってもいい子です」 シロ「京太郎」 シロ「私の目標・・・・・・かな」 咏「京太郎?」 咏「あー私の自慢の弟子だね、知らんけどっ」 カンッ バレンタイン編 ~全員あるよ!~ 咲「京ちゃんっ」 京太郎「おう?」 咲「毎年のことだけど今年もチョコあげるねっ」ハイッ 京太郎「お、ありがとなっ」ヒョイ 咲「ちゃんと味わって食べてね?」 京太郎「おう」 京太郎「咲のチョコって毎年ちょっとずつ美味しくなっていくよな」 咲「練習してますから」エッヘン 京太郎「咲から初めて貰ったチョコなんてとてもじゃないけど食べれたものじゃなかったぞ」 咲「 」 照「はい」 京太郎「なんです?」 照「今日はバレンタインだからチョコのプレゼント」 京太郎「それはなんとなくわかるんですけど・・・」 京太郎「なんでポッキー?」 照「わかってない・・・わかってないよ京太郎」 照「それ一本出して」 京太郎「分かりました」トリダシ 照「そっちくわえて」 京太郎「こうでふか?」 照「うん」 照「パクッ」 照「ふぉっひーふぇーむふふぁーと(ポッキーゲームスタート)」 京太郎「!!!!??」 美穂子「京太郎くん」 京太郎「なんですー?」 美穂子「どうぞっ」サシダシ 京太郎「なんですかこれ・・・すっげー可愛い包装されてるんですけど・・・」 美穂子「あ、あの・・・今日バレンタインだから・・・頑張って作ってみたの//」 美穂子「だから、食べてくれるかな?///」ウワメヅカイ 京太郎「美穂子さんの作った物を食べないわけないじゃないですかっ!!」 美穂子「ほんと?///」 京太郎「もちろんですよっ」 美穂子「じゃあ・・・・私の作った味噌汁とか・・・毎日飲んでくれる・・・かしら・・・?////」 京太郎「 」 咏「ほれ京太郎」ポイッ 京太郎「おっとっと・・・」キャッチ 京太郎「・・・チョコですか?」 咏「正解~、わっかんねーけど」 京太郎「まさか師匠にもらえるとは思わなかったっすよ」 咏「大事な弟子のためだから」 咏「一年に一度くらいは飴をあげてもいいって思ってね」 京太郎「咏さんには毎日感謝してますよ?」 京太郎「俺の麻雀を強くしてくれて」 京太郎「なんか俺には勿体無いくらいすっげー師匠っす」 咏「・・・・・」ゲシゲシ 京太郎「いっ・・・脛はダメです・・・って」 咏「ふん、師匠に生意気言うからだぜ、知らんけどー」 咏(お前こそ私には勿体無いくらいの弟子だよバーカ) シロ「・・・・」 京太郎「・・・・・」 シロ「・・・・・・・」 京太郎「・・・・・・・・・・あの」 シロ「なに?」 京太郎「今日呼び出した意味は・・・?」 シロ「あぁ、忘れてた」 シロ「はいチョコ」 京太郎「あぁ・・・今日はバレンタインでしたね」 シロ「うん」 京太郎「すっげー綺麗に包装されてるところ申し訳ないんですけど・・・開けてもいいっすか?」 シロ「うん」 京太郎「開けますね」ガサガサ 京太郎「・・・・・・・」 シロ「・・・・・・・」 京太郎「これ自分で作ったんですか・・・・・?」 シロ「そうだけど」 シロ「だるいけど頑張った」エッヘン 京太郎(あの・・・・だからってチョコで俺の像を作らなくてもいいじゃないですか・・・・・) 京太郎「おいモモーもう入っていいか?」 <イイッスヨー 京太郎(モモの家に招待されてモモの部屋の前にたどり着いたら準備があるから待ってくれって言われたから待つこと早10分) 京太郎「はいるぞー」ガチャ 桃子「京さんっ♪」 京太郎「 」 桃子「あれ? 京さん?」 京太郎(モモがメイド服を着て出迎えてくれた) 京太郎(モモのたわわに実った胸に耐え切れないのか胸の部分のボタンは外されていてあと少しでさくらんぼがこんにちわするのでは・・・) 桃子「これ、どうっすか?」 京太郎「あ、あぁ・・・・似合ってるよ///」 京太郎(直視できないくらいにな) 桃子「ならよかったっす!」 桃子「ほら京さんはここに座って」ポンポン 桃子「ほら京さん」 桃子「あーんしてくださいっす」ニコッ 京太郎(あぁ・・・天国ってここにあったのか・・・)アーン 桃子「どうっすか?」 京太郎「・・・・美味い」 桃子「えへへー練習した甲斐があったっすよー」ニコニコ 桃子「まだまだあるんで沢山食べていってくださいっす」 桃子「ご主人様っ♪」 咏さんの弟子自慢 良子「えっと…この方はどちら様ですか…?」 理沙「誰?」プンスコ 京太郎(うわぁ…やっぱり美人さんだなぁ) 京太郎(そしてすばらなおもちですっ戒能プロ!) 咏「こいつは私の愛弟子だぜー、知らんけど」アッハッハ 京太郎「咏さんの弟子の須賀京太郎です。よろしくお願いしますっ」 良子(思ったよりイケメンなんですけど…どうやって知り合ったんでしょうか…) 良子「Nice to meet youです。須賀くん」 理沙「よろしくっ」プンスコ 京太郎「テレビとかでよく見てるんでお二方のことはよくご存知ですよ」ニコッ 理沙(かっこいいっ!) 良子「それはとても光栄です」 咏「こいつ、プロになりたいんだってさ、知らんけど」 京太郎「咏さんっ」 咏「別にいつかはばれる事だしいいじゃねーか」 咏「それに私の弟子だって言っておかないといけないし」ボソボソ 咏(前に京太郎のことあの二人に言ったらすごい勢いで食いついてきたし…) 咏(この二人ならそんなこと無いだろうし…知らんけど…) 京太郎「何ボソボソ言ってるんですか咏さん?」 咏「なんでもねーよ」 良子「それで私たちに紹介した意味は…?」 咏「プロになる前に紹介しとけばプロになったときに顔見知りが一人でも多い方がこいつも安心するだろうし」 理沙「なるほど!」プンスコ 咏「それにしてもこの京太郎、なかなかカッコいいだろ?」 良子「Yes。確かに一般的に見てもカッコいいと思いますよ」 理沙「同じく!」プンスコ 京太郎(なんか容姿を褒められるのとかあんまり慣れてないから恥ずかしいな…) 咏「プロを目指してるだけあって麻雀も中々強いし」 咏「それに家事だって万能なんだぜ、知らんけど」 咏「前に別のお弁当持ってきたことあったじゃん?」 良子「確かにあのお弁当はいつもの三尋木プロのお弁当とは違いましたね」 理沙「別物っ」プンスコ 咏「あのときのお弁当は弟子が私の為に作ってくれたんだぜ」 良子「なるほど…」 良子(カッコよくて家事も出来て麻雀も強い少年……) 理沙(優良物件!) 良子(三尋木プロには悪いですが…) 良子・理沙(先に奪う!)ゴッ 京太郎「」ビクッ 京太郎(今寒気がしたんだけど…なんなんだ…?) 翌日から戒能プロと野依プロがメールや遊びに行く約束をしてくるようになったのは別の話です。 京太郎「暑いっすね」 シロ「…うん」 京太郎「打ち水しときます」 シロ「………あー」 シロ「私がやる」 京太郎「!?」 京太郎「どうしたんです?! なにかよくないことでもあったんですか?!」 シロ「京太郎は私をなんだと思ってるの」 京太郎「全部俺任せ」 シロ「……そうだった」テヘッ 京太郎「それでいきなりどうしたんです?」 シロ「まぁ見てて」 京太郎「はぁ…」 シロ「よいしょっと…」パシャパシャ 京太郎「ホースなんで気をつけて下さいねー」 シロ「うん」パシャパシャ 京太郎「ってなんで俺にかけようとするんすか!?」 シロ「チッ……かからなかったか…」 京太郎「シロさんがそういうつもりなら俺もやり返しますよっ」パシャパシャ シロ「あー冷たくてだるくない」 京太郎「いやちょっとくらいはよけて下さいよ…」 シロ「だるいから」 京太郎「シロさん……っ!?」 シロ「なに」 京太郎(白ワンピだから水で透けて身体のラインがくっきり浮かび上がってるっ!) 京太郎(しかも胸の頂点にあるあの突起物は…まさかノーブラだと!?) シロ「…………あー」 シロ「京太郎」 京太郎「はい!?」 シロ「ここ大きくなってる」 京太郎「 」 シロ「しょうがないなぁ」 シロ「私が処理してあげるからじっとしてて」 カンッ 勝者は誰? 京太郎(なんとか上がって親でオーラスまで持ってくることが出来た) 京太郎(けど、倍満クラスをツモ上がりしないと逆転なんて出来ない点差) 京太郎(けど…プロ相手だけど…男として負けたくないっ!)ゴッ 咏(…この感覚、久々だねぇ) 良子(来る…京太郎くんの) 理沙(本気っ!) 京太郎「……」キュィィィン 咏(赤くなったねぇ) 良子(あの眼…) 理沙(両目!) 京太郎「リーチ」タンッ 咏「一巡目リーチとか当たったら事故だってーの、知らんけどー」タンッ 良子「イエス。最後の最後でとんでもないことになりそうです」 理沙「でも」 理沙「負けないっ!」タンッ 京太郎(くっ…せっかく親でダブリーしたのに…)タンッ 咏「こういう時は逃げるに限るのさ」タンッ 良子「それだと京太郎くんに勝てませんよ?」タンッ 理沙「むむむ」タンッ 咏「今回の目的は京太郎の力量を見るためだろ?」 咏「だからこれで分かったじゃねぇの? 知らんけど」 京太郎(俺がプロと対局したいって言ったから咏さんがこの二人を呼んでくれた) 京太郎(俺の力はこんなもんじゃないってことを示さないと…っ)ギリッ 咏(ありゃ…) 良子(身体が) 理沙(沈むっ!?) 京太郎(もっと深く…もっと強く…) 京太郎(海底牌……俺の引力に引かれやがれ…っ) 京太郎「ツモ!」 京太郎「面前ダブリー海底三暗刻」 京太郎(頼む…ドラ乗ってくれ……)ゴッ 京太郎「…ドラ……は……っ」 京太郎「乗ったっ! ドラ3で倍満…っす……」ガクッ 咏「お、おいっ。大丈夫かっ」 京太郎「はぁ…はぁ…」 良子「すごい熱…」ピトッ 理沙「救急車っ!」プンスコ 良子「大変です、息してません」ボウヨミ 咏「なんだって!?」 咏「し、仕方ない…弟子の面倒を見るのは師匠としての勤めだしな…わっかんねーけど…」 咏「私が人工呼吸するぜぃ」キリッ 理沙「させないっ」バッ 咏「…………チッ」 良子「ではオカルトに詳しい私が…」 理沙「ダメ」 咏「意味わかんねー」 良子「…………shit」 一同「ぐぬぬ……」 カピ「キュッ」トコトコ カピ(ご主人様っ)ペロペロ 一同「あーーーー!!!」 カピ(残念だったな、小娘ども) カピ(ご主人様は私が守る)キュキュ カンッ 脱衣麻雀編 照「京太郎」 京太郎「なんです?」 照「今日はちょっと変わったルールで麻雀をしよう」 京太郎「変わったルールですか…」 京太郎「紅孔雀とか…鳴きピンフありとかですか?」 照「違う」 京太郎「じゃあ、なんです?」 照「振り込んだら脱衣」 京太郎「はい?」 照「わからなかった?」 京太郎「いえ、そういうわけじゃないんですけど」 照「もう一度いうからちゃんと聞いてて」 京太郎「はぁ」 照「今日は脱衣麻雀をしよう」 京太郎「聞き間違いだと思って聞き直したらど真ん中ストレートで返されたよ!」 京太郎「いやいや脱衣麻雀って分かってます?」 照「分かってる」テルダケニ 京太郎「振り込んだら脱ぐんですよ?」 照「京太郎は私を脱がせたいの?」 京太郎「そういうこと言ってるんじゃねーからっ!」 照「…恥ずかしいけど京太郎ならいいよ?///」ポッ 京太郎「だからそういうことじゃねぇって言ってるじゃないですかっ!!」 照「うるさい」 京太郎「いやあの誰のせいだと思ってるんですか」 照「それはともかく」 咲「なーに座ってんの?」 桃子「なーに座ってんの?」 照「麻雀するから座ってんの?」 京太郎「なんでコール!?」 京太郎「そもそもそんなの何処で覚えたんだよっ」 照「さぁ覚悟を決めて」ゴッ 咲「麻雀って楽しいよねっ」ゴッ 桃子「ここからはステレスモモの独壇場っすよ!」ゴッ 京太郎(あっ………) 照「ロン」 京太郎「くっ……」ヌギヌギ 咲「まだ一枚目だから大丈夫だよ京ちゃん」 桃子「そうっすよ! まだ一枚目っす」 京太郎「なんか悪意があるような気がするんだけど気のせいだよな!?」 咲「ロンだよ京ちゃん」 京太郎「なんでその待ちしてんだよっ!」 京太郎「お前は部長みたいな悪待ちするタイプじゃないだろ?!」 照「そんなことより早く脱ぐ」 京太郎「………チッ」ヌギヌギ 桃子「靴下からっすか……先は長いっすね…」 京太郎「もう絶対振り込まない……」 桃子「ロンっすよ京さん」 京太郎「なんで俺なんだよっ!」 京太郎「もっと前に照さんが捨ててる牌じゃねぇかっ!」 照「弱い相手を狙い打ちするのは戦いの基本」 京太郎「ぐぬぬ………」 咲「脱がないの?」 京太郎「分かってるよ! 脱ぐっての!」ヌギヌギ 桃子「分かってたっすけど京さんって結構筋肉質な体してるっすよねぇ」マジマジ 照「同じく」マジマジ 咲「学園祭の準備の時も重たいものとか運んでたもんね」マジマジ 京太郎「そんなに見るなってばっ」 京太郎「一か八か、通らばリーチだっ!」タンッ 照「通らない」 咲「残念でしたー」 桃子「ロンっす」 京太郎「」 京太郎「あっ…トリロンは流局だからセーフだよなっ!!?」 照「なしとは言ってない」 咲「往生際が悪いよ京ちゃん」 桃子「さぁ三枚の衣服を脱ぐっすよ」 京太郎(三枚脱いだら全裸じゃねぇかっ…!?) 照「ほら早く」 咲「約束だもんね?」 桃子「逃がさないっすよ?」 京太郎「」 京太郎(もうお嫁にいけない……)シクシク 照「いいもの見れた」ホクホク 咲「だねー」ホクホク 桃子「またやりたいっすね」ホクホク 京太郎(もうやだ……)シクシク カンッ にゃんにゃんにゃんにゃんにゃん! 京太郎「なんでこうなった」 咲「え?」 照「なんでって」 シロ「京太郎が」 美穂子「猫が欲しいって」 咏「言ったからじゃね? 知らにゃいけどー」 シロ「嬉しくにゃいの?」ギュゥ 京太郎「うぐっ……(おもちがっぴったりくっ付いてきてるっ)」 美穂子「京太郎くん相手だからこういうことするんだから勘違いしないで欲しいですにゃんっ」ムギュ 京太郎「はあうっ…(左右からおもちがっ!!」 咲「……」ジー 照「……」ジー 咏「……」ジー 京太郎「ハッ!?」 京太郎「離れてくださいっ二人とも」 シロ「チッ」 美穂子「チッ」 京太郎「美穂子さんまで!?」 美穂子「にゃんっ」テヘペロ 京太郎「可愛いから許すっ」 照「京太郎」 京太郎「なんです?」 照「これ似合ってる?」ウワメヅカイ 京太郎「ぐっ…(可愛すぎるっ」 咲「だ、ダメだよっ」スリスリ 京太郎「……咲?」 咲「京ちゃんは皆の物にゃんんだからっ」スリスリ 咏「そんなに身体を擦り付けてたら説得力ねーぜ?」 咲「猫になりきってるからつい猫のマネしちゃったにゃんっ」テヘペロ 京太郎「あざとい」 咲「ガーン」 京太郎「更にあざといな」 咲「ガガーン」 京太郎「もう好きにしろよ…」 咲「えへへーそうするー」スリスリ シロ「そういう好きにしろって意味じゃないと思うけど…にゃん」ノソノソ 京太郎「そういいながら背中に上ろうとしない!」 シロ「えー」ヨジヨジ シロ「快適快適」 京太郎「人の話聞いてくれませんかねぇ!」 シロ「うんそれ無理」ニッコリ 京太郎「顔見えないのにすっげーいい笑顔してる気がするんですけどっ!!」 シロ「そんなことないし」 美穂子「……」オロオロ 美穂子「えいっ」ガシッ 京太郎「ちょっ…そこはっ」 美穂子「えっ……………あっ///」 京太郎(京ちゃんの目の前に美穂子さんの顔があるううううううううううう) 京太郎(こんなん我慢しろとか拷問じゃないかああああああああああああああ) 桃子「京さーん」ガチャッ 桃子「ってなんっすかこの状況!!?」 京太郎「…知らん」 桃子「そもそもその格好なんっすか」 京太郎「…知らん」 桃子「そんな猫耳スクール水着が似合う人なんてアラフォーだけっすよ!!!」 健夜「アラサーだよっ!!」バンッ 京太郎「……………健夜さんも猫耳スク水じゃないっすか……」 健夜「こ、これは……こーこちゃんが……勝手に……//////」 カンッ 京ちゃんはプロを目指すようです 京太郎「咲ー」 咲「なに?」 京太郎「俺さ、プロ目指してみようと思うんだ」 咲「えっ!?」 咲(これってそういうことなのかな!!?) ※咲は麻雀プロから推薦が来ています。 京太郎「そんなに驚くことか?」 咲「う、うん…。そのこと他の人に伝えたの…?」 京太郎「いや、まず彼女の咲に伝えようと思ってさ」 咲「!!?」 咲(やっぱりそういうことなんだよね!? 私と一緒にプロ行きたいって行ってるんだよね!!?) 京太郎「どうかしたか?」 咲「京ちゃん!」ガバッ 京太郎「お、おう」 咲「私、京ちゃんのためなら何でもするからね!」 京太郎「別になんの頼まねぇっての」 咲(私の力を頼らないでプロになって私の隣に行くって意味なんだね京ちゃん!!) 京太郎「あ、一つだけあったわ」 咲「なにかな?! なにかな?!」 京太郎「明日からお前の弁当作るからそれ食べて感想言ってくれよ」 咲「お安い御用過ぎるよ京ちゃん!!」 京太郎「じゃ、明日から頼んだぜ」 ちなみに、京ちゃんは麻雀ではなく料理のプロを目指してようですが、それが発覚した時の咲ちゃんは魔王が如く京ちゃんを調ky説得して麻雀プロを目指すようになったとさ、めでたしめでたし。 誕生日 モモ編 京太郎「モモ」 桃子「なんっすか?」 京太郎「今日の放課後時間あるか?」 桃子「もちろんっすよ」 モモは即答して胸を張る。 おお、最近また大きくなったんじゃないか? 桃子「京さんの頼みであれば例え火の中水の中っす」 京太郎「そんな危険な場所にはいかねぇっての」 桃子「例えばの話っすよ」 と言ってニヤニヤと笑うモモ。 京太郎「……なんだよ」 桃子「女の子のナイト様である京さんは女の子が危険になる場所には行かないっすもんねぇ……ってなんで髪の毛ぐしゃぐしゃするっすか!?」 ニヤニヤしてるのがうざかったので髪の毛をいじくり回してやった。 相変わらずサラサラだなこいつの髪の毛。 しばらく髪の毛をいじくり回していると観念したのかされるがままになった。 京太郎「ったく……人をからかうんじゃないってーの」 桃子「えへへ、こんなこと言えるのは京さんだけっすよ」 京太郎「はいはい、じゃあ放課後な」 桃子「了解っす」 さてと、準備に行きますか。 俺は急ぎ足で目的地に向かった。 京さんに誘われてから授業の内容が頭のなかに入らないっす。 これは責任とって結婚してもらわないといけないっすね。 そんなことを考えながらペンを回す。 いつもだったら失敗しないのに、今日に限ってはたくさん失敗したっす。 やっぱり京さんのあれのせいっす。早く婚姻届にサインするっす。 桃子「はぁ……」 授業時間がいつもより長く感じられる。 雲はゆっくり流れていて、それがまた時を引き延ばしているような気がする。 しばらくの間、外を眺めていると先生が持っている本を閉じる。 どうやらキリのいい範囲まで終ったようだ。 それを合図に日直が起立、と声をあげる。 クラス全員が立ち上がり、先生にお礼を言う。 何度も繰り返すこの行為に体が馴れてしまったようでその後も日直の号令で着席した。 そして来たのだ。 桃子(京さんに誘われた放課後が……) ついに来た。 待ち望んで止まないこの瞬間が。 横目で京太郎の姿を確認すると、彼はいそいそと教科書を鞄に詰め込んでいた。 全部詰め込み終えるた京さんと目が合う。 もちろん、私の準備も終わっている。 二人同時に立ち上がり、教室を出る。 桃子「どこに連れてってくれるっすか?」 我慢できずに聞いた。 京太郎「着いてからのお楽しみな」 振り向かずに答えてそのまま歩く京太郎の後ろをワクワク顔で付いていった。 桃子「ここって……部室の前っすよね?」 京太郎「ああ、そうだぜ」 桃子「部活だったら今日はないって話じゃ…」 京太郎「いいから入れって」 モモの背中を押して部室に入れる。 それと同時に、 ゆみ「誕生日おめでとう、モモ」 智美「おめでとうだぞ、モモ」 佳織「お誕生日おめでとう、桃子さん」 睦月「おめでとう、桃子」 クラッカーの弾ける音と共に先輩が声をかける。 モモはなにがおきているのかんからない表情で棒立ちのままだった。 ったく……仕方ない……。 モモの背中を後ろから出来るだけ強く、それでいて痛くない程度に叩いてやる。 京太郎「誕生日おめでとう」 俺のその声でモモはハッとなって周りを見渡す。 桃子「えっと……あの…あの……」 オロオロするばかりで要領をえないことを呟いているモモを通りすぎて先輩のいる位置に立つ。 ゆみ「水くさいじゃないかモモ」 ゆみ「京太郎くんがモモの誕生日を教えてくれなかったらこうして祝うことも出来なかったしな」 ゆみ「っと、喋りすぎたようだな」 智美「ユミちんは話が長いからなー」 ゆみ「年を取ると話が長くなってしまっていかんな」 智美「元々のユミちんの性格だと思うぞ」 ゆみ「なんだと!?」 佳織「どうどう」 睦月「先輩も部長も今日の主役は桃子なんですから」 先輩達がモモの気を引いている間に着替えないとな。 モモのいない間に何度か着たことあるけど……やっぱり馴れないな。 早着替えをして心の準備を整える。 桃子「あれ……京さんは?」 周りを見渡すモモ。 お前、気付くの早すぎるだろ……。 ゆみさんと部長が目を合わせて頷く。 ゆみ「では、その京太郎くんに登場してもらおう」 智美「せーのっ」 京太郎「お帰りなさいませ、お嬢様」 何度も練習した言葉と共に一礼。 頭を上げてモモの顔を見る。 桃子「…………」パクパク 口を金魚のごとくパクパクさせていた。 くっ……確かに似合わねぇとは思うが絶句されるのはちょっと辛いものがあるぜ。 モモ以外の皆に見せたときも同じ反応されたから余計に辛い。 そのくせ、俺にこういうことさせるんだから酷いと思う。 桃子「こ、これって…」 あわあわとこちらを指差して先輩の方を向く。 ゆみ「ああ、これは予選で戦った龍門渕からちょっと借りたものだ」 得意気に言うゆみさん。 桃子「な…なるほどっす」 納得するモモ。 京太郎「本日はお嬢様のご奉仕をさせていただきます」 ハギヨシー龍門渕の執事ーさんに教わった言葉を噛まずに言えた。 桃子「ご奉仕……」 桃子「って………」 桃子「………………………////」 真っ赤になって黙りんでしまった。 ああ、そうなるよな、実際俺もそんなこと女の子に言われたらそうなるさ。 でも、そういう意味じゃないからな。勘違いするな。 意味を把握したのかプルプルと震えた次の瞬間、 桃子「えぇぇぇぇぇぇ///////」 多分きっと、この時のモモの声は誰の声よりも響き渡っていたと思う。 帰り道 桃子「なーんだ、そういうことはしてくれないんっすね」 京太郎「当たり前だろっ!」 桃子「私だったら全然オッケーすよ?」 京太郎「そういうのはちゃんと順序を踏んでからじゃないと……ハッ!?」 桃子「……」ニヤニヤ 京太郎「」 桃子「順序を踏めば私とそういう関係になってくれるってことっすね」ニヤニヤ 京太郎「うっせーばーか///」 桃子「えへへー、京さんは分かりやすいっすねぇ」ニヤニヤ カンッ 弟子と買い物 京太郎「折角のオフを俺の買い物になんかに付き合わせて申し訳ないっす」 彼はそう言いながら頭を下げた。 咏「んなこと気にしなさんなってーの」 咏「好きで付き合ってるんだし、知らんけどー」 咏(まぁオフにやることなんてアラフォーと痛いお姉さんと麻雀するくらいだし) 咏(そんな生産性のないことやるより、未来ある若者と一緒にいた方がずっといい) 咏(それに私の弟子はわりと外見はいいと思うんだけどねぃ……師匠の贔屓目に見ても) 咏(こういう時のをカメラとかテレビとかに映れば外堀がいい感じに埋まっていくんだけど…) 咏(中々上手くいかないねぃ)ハァ 私が溜め息をつくと彼が振り返ってこちらを見た。 京太郎「どうかしましたか?」 咏「いんやなんでもないさ」 京太郎「もしかして退屈させちゃいました?」 やれやれ、気が利くようになったじゃないか。 咏「そんなことはないさ」 京太郎「そうだ、咏さん」 咏「ん?」 京太郎「ちょうどそこにプリクラがあるんで撮りますか」 彼が指を指した方向にはキラキラと光を放つプリクラ機があった。 京太郎「すっげーなぁ最近のプリクラって」 彼が珍しそうにプリクラ機のタッチ画面を弄っている。 私はというと……。 咏「……」 固まっていた。 ええまぁ入ってしまいましたよホイホイと。 まさかプロになってこういうことをする機会が訪れるとは思わなかった。 ましてやその相手が男性だとは夢にも思ってなかった。 悲しいことに、麻雀が強い女性は婚期が遅れると言うジンクスがあるのだ。 それを作ったのがアラフォーと牌のお姉さん。 結婚に関してはあまり興味がないのだが、ジンクスによってどれだけ遅れるか定かではなかった。 ゆえに、この年で男性とプリクラを撮れるとは露にも思わなかったのだ。 京太郎「咏さん、これでいいっすか?」 彼が振り返って聞いてくる。 咏「あ、ああ。いいと思うぜ……知らんけど……」 何をやってるか分からないのだから知らないのは当然だがつい口癖が出てしまう。 慌てて口を塞ぐ。 京太郎「ぷっ」 咏「な、なに笑ってるんだよっ」 師匠のことで笑うなんて許せない。 これは躾が必要だ。 そう思って彼に手を伸ばす。 「カメラの方を向いてね」 不意に私でも彼でもない声が聞こえてきた。 私はビックリして伸ばした手を縮める。 京太郎「変な顔で撮られちゃいますよ」 彼はそう言いながら私の横に並んだ。 不意に私の脳裏にある光景が過る。 パシャと機械的なシャッター音で現実に無理矢理連れ戻された。 京太郎「咏さん?」 咏「な、なんだ!?///」 多分私の顔はさっきの光景のせいで真っ赤になっているだろう。 京太郎「いや、ポーズ決めないから」 咏「あ、ああ……忘れた……」 咏「次はしっかりやるさ」 顔を軽く叩いて気合いを入れる。 しかしその気合いも無惨に砕けてしまうことになる。 「じゃあ仲の良い二人は抱きしめ合っちゃおう!」 Why? 今この機械はなんて言った? 抱きしめ合う? 無理無理無理。 出来るわけない。 さっきの頭に浮かんだ光景で意識しまくってるのに……。 最近のプリクラはそんなことを要求するのか。 京太郎「あはは…最近のプリクラは大胆なことさせるなぁ」 京太郎の方を向くと彼も動揺しているのか頬をポリポリ掻きながら照れ臭そうに苦笑いしていた。 京太郎「咏さん」 彼がこっちを向いた。 咏「お、おう」 京太郎「郷に入れば郷に従えってことで……やりましょう」 とキメ顔で彼が言った。 そんな彼を見て溜め息が出た。 咏(こんな機会なんて滅多にないし) 咏(だから浮かれて抱きしめても仕方ないよな、知らんけど) なんて心の中で言い訳して彼をジト目で見る。 きっと彼には私が渋々承諾したように見えているのだろう。 京太郎「失礼します」 彼はそう言って後ろから私を抱き締めてた。 そういえばドラマにこんなシーンとかあったっけ? ………。 ………………。 あ、これあすなろ抱きってやつだ。 咏「きょ、きょ京太郎っ!?///」 予想外の抱き付きだった。 嬉しいけど、なんかこれじゃない気がした。 嬉しいけど! 顔を真っ赤にしながらどうにか出来ないかとあたふたしたが抱きしめられていて上手く身動きがとれず、気がついた時には既に写真を撮られてた後だった。 「次は横の機械で写真をデコっちゃおう」 京太郎「じゃ行きますか」 そう言って彼は私から離れて箱の外に出た。 咏(あっ……) 京太郎が私から離れたせいで冷たい空気に触れて放心状態だった私を現実へと連れ戻す。 慌てて彼の後を追う。 京太郎「えっと……これをこうして…」 馴れた手つきで機械をタッチしていく。 咏(私が昔撮ったときにはこんなのなかったんだけどねぃ……) そんなことを思っているとやることが終わったのか、京太郎がこっちを見た。 京太郎「すぐ出てきますんでちょっと待ってましょうか」 訳もわからず彼の後を追う。 まるで生まれたばかりの雛鳥みたいだと思った。 自分で考えたことだがちょっと面白くて小さく笑ってしまう。 きっと今の姿を知り合いとかに見られたら滑稽なんだろうな、なんて考えていると。 健夜「あっ」 はやり「あっ」 出会ってしまった。 もっとも今出会いたくない二人組に。 溜め息を吐いて上を見上げる。 建物の中で空が見えないことなんてわかっていたがどうしてもそうしたくなった。 咏(神様はつくづく意地悪だ……わっかんねーけど) この時初めて神様をちょっとだけ恨んだ。 とまぁ出会ってしまったものは仕方ない。 なんでかわかんねーけどその出会いに抵抗したくなった。 だから私は京太郎の手を取ってアラフォーどもが現れた方向と逆方向に向かって走った。 咏(せっかくの時間をアラフォーに邪魔されてたまるかっての、知らんけど) 健夜「えと……咏ちゃん?」 はやり「男の子と一緒……?」 後ろからそんな声が聞こえたけど無視無視。 とりあえず、一刻も早くこの二人から離れないと…。 京太郎「えっ!咏さん!?」 京太郎も驚きながらしっかりと私の手を握って付いてきてくれてる。 だが、いつまでも走り続けられるほどの体力は私にはなかった。 しばらく走ったら息が切れて立ち止まってしまった。 京太郎「大丈夫ですか?」 京太郎が心配そうたこっちを見る。 私がなにも言わないでいる――正確には息が切れて喋れないのだが――と京太郎は近くのベンチに私を座らせた。 京太郎「ちょっと待っててくださいね」 そう言って京太郎は人混みに紛れてしまった。 一人っきりになった私は人混みを呆然と眺めることにした。 見るからにカップルだったり、親子だったり、友人同士だったり。 咏(私と京太郎だったらどう見えてるんだろうかねぃ……知らんけど……) 京太郎「咏さんっ」 咏「ひゃぅっ!?」 声をかけられて飛び退いた。 そりゃそうだろ……。 頬に冷たい物を押し付けられたら誰だってビックリする。 京太郎「すいません、ちょっとした茶目っ気出しちゃいました」 申し訳なさそうに頭に手を添える。 茶目っ気で師匠を驚かせる奴がどこにいるんだよ。 ジト目で抗議しながら、差し出されたジュースを手にとって蓋を上げる。 咏「ありがと」 そう言ってジュースを喉に入れる。 渇いた喉が潤っていく。 これがビールだったらもっといいんだけどねぃ……ま、昼間っから飲むのは主義じゃないし 京太郎「落ち着きました?」 咏「まぁね」 切れていた息も元通りになっていた。 京太郎「じゃ買い物しますか」 咏「あっ」 プリクラ撮ったりあの二人に出会ったり衝撃的なことがありすぎて目的を忘れていた。 プリクラ……あっ。 咏「そういやプリクラは……」 京太郎「もちろん回収済みっす」 そう言って二人でとってプリクラをペラペラと見せてくれた。 咏「流石私の弟子だ」 京太郎「とりあえじ半分こしますか」 咏「そう……だな」 京太郎がプリクラを綺麗に半分にする。 え、ハサミも使わずに出来るもんなの? 京太郎「最近のプリクラってハサミ使わなくても半分に出来るようになってるんっすよ」 咏「へぇ、便利になったもんだねぃ」 京太郎「前にプリクラ撮った時に教えてもらったんすけどね」 咏「む……」 なんだか胸がムカムカとした。 なんだろうこの気持ち……。 京太郎「はい、これが咏さんの分です」 そう言って京太郎がプリクラを手渡ししてくれる。 これ、さっきのあれのなんだよなぁ……。 京太郎「どうかしました?」 中々私が受け取らないからか京太郎は不思議そうに私を見る。 咏(ったく……人の気も知らないで……) プリクラを受け取って着物の袖に隠した。 咏(今見たら絶対に恥ずかしくて死んじまいってーのっ) 京太郎「じゃあ買い物に行きましょうか」 咏「おう」 咏「そういや買い物って何を買うんだ?」 京太郎「あれ?言ってませんでしたっけ?」 咏「聞いてない」 すると京太郎は少しニヤけた。 京太郎「今日は自分の牌を買いに来たんです」 京太郎は笑顔でそう言った。 あぁ、これはきっとロクでもないことが起きるってことなんだろうなぁ。 なんて他人事のように京太郎の言葉を聞いたのだった。 京太郎の後を着いていくこと数分。 あっという間に目的地に着いた。 健夜「やっほー」 はやり「ちゃお☆」 ですよねー。 男っ気のないこの二人がお洒落なところに居るわけもなく、こうやって自分達が語れるものの場所に集まるのはある意味必然的だった。 京太郎「どもっす」 こんなのに頭下げなくてもいいってーの。 はやり「咏ちゃん?」 咏「……どもっす。健夜さん」 健夜「今日はどうしたの?」 咏「…………」 どうしたものかねぃ……。 正直に話したって面白くないし、それに二人っきりのところを2回も邪魔されたんだ。 ちょっとくらい意地悪したっていいよな? 咏「こいつとデートだよ」 京太郎の腕に抱き付いてそう言ってやった。 先輩雀士の二人はビシッと音を立てる固まってしまった。 京太郎はどうしたらいいのか分からなくてオロオロしていた。 咏「というわけで、お二人方お元気で」 そのまま腕を引っ張って踵を返して歩き出す。 さっきしたのは逃げだけど、今したのは全く別物だ。 これは私なりの宣戦布告だよ。 覚悟してくれよな、京太郎。 健夜「えっと……なんかごめんね?」 はやり「邪魔するつもりはないんだぞ?」 京太郎「ははは……」 そういえば京太郎も麻雀バカだったっけ……知らんけど。 咏「どうせこんなことだと思ってたし! 知らんけど!」