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番外編 鹿児島IF バレンタイン 京太郎「…バレンタインでなんで俺がチョコレートを作ってるんだろ」 巴「それを私に聞かれても…」隣で手伝いをしていて 京太郎「そもそも巫女さんの立場的にバレンタインって大丈夫なんですか?」 巴「…大丈夫でしょ、多分」 京太郎「それならいいんですが…」 巴「…ねえ京太郎君、なんで私を誘ったの?」 京太郎「えっ?」 巴「だって普通、誘わないよ?」 京太郎「……言っても良いですが笑わないでくださいよ?」 巴「笑う?まあ、笑わないよ」 京太郎「…一緒に作ったら狩宿先輩の好みになるじゃないですか」 巴「そうだね」 京太郎「その…好きな人に渡すチョコレートがその人の苦手だったら嫌だったんです」 巴「えっ?」 京太郎「やっぱり気がついてなかったんですか」苦笑い 巴「私はてっきり姫様や春ちゃんが好きだと…」顔が真っ赤になっていく 京太郎「俺は狩宿先輩…巴さんの事が好きです」 巴「あぅ…でも私は皆みたいに胸ないよ?」 京太郎「おもちの大きさが全てじゃないです」 巴「姫様みたいに優しくないし…その」わたふた 京太郎「俺じゃ駄目ですか?」 巴「…ふ、不束者ですが、よ、よろしくお願いします」顔を下に向けて 京太郎「はい、よろしくお願いします」 カン!
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出会い 桃子「はぁ・・・・」 東横桃子は子供の頃から影が薄く人の気付かれる事が多くなかった。 勿論、両親もたまに桃子の姿を見失ってしまう事も少なくなく、桃子を完全に認識できる誰もいなかった。 ただ、一人の少年に出会うまでは…。 少年「お~い」 ふと、遠くでこちらに向かって声をかける少年がいた。 桃子は『どうせ私の後ろにいる友達に声をかけてるっす』と自虐的に心の中でそう思ってると 少年「お前に声かけてるんだけど・・・?」 桃子は声のする方を見ると目の前には金髪の少年がすぐ近くにいた。 影が薄く人に気付かれにくい桃子は何度も人とぶつかるような距離になることは多く、その全てにおいてぶつからない様に避けていた彼女にとって『気付かれている相手』と『ぶつかりそうな距離』になるなんて初めての体験だった。 桃子「あ・・・あの・・・私のこと見えるっすか?」 桃子は恐る恐る金髪の少年に聞いてみた。 少年「何を言ってるかわかんないけど・・・・・一人なら一緒に遊ぼうぜ」 少年はそう言いながら桃子に手を伸ばした。 人に無視され続けた少女にはその手は少年の髪の毛と相まってとても眩しく見えた。 少年「俺、須賀京太郎。お前は?」 桃子「・・・わ、私は東横桃子っす!」 それが桃子と彼との出会いであった。 小学生の頃 桃子「京太郎くん。話があるっす」 京太郎「んー?」 桃子「今私たちのクラスでは仲のいい友達とあだ名で呼び合うってのが流行ってるらしいっす」 京太郎「あーそういやそんなこと俺のクラスでもあったようななかったような・・・」 京太郎「でもまぁ気にすることないんじゃねー?」 京太郎「桃子は桃子だろ?」 桃子「そりゃそうっすけど・・・」ウワメヅカイ 桃子「私、もっと京太郎くんと仲良しになりたいっす」 京太郎「よ、呼びたかったら勝手に呼べばいいだろ・・・」マッカ 桃子「やったっす! じゃあじゃあ」ピョンピョン 桃子「京太郎くんのことを今日から京さんって呼ぶっす!」 桃子「これでまた仲良しの階段を上ったっすよ!」 桃子「あ、私ばっか喜んでる場合じゃないっすよね」エヘ 京太郎「あんなにはしゃいでたのにクラスの誰一人も気付かないって・・・」 桃子「昔はこの体質が嫌だったっすけど、今は京さんがいるからへっちゃらっす」ニヤニヤ 京太郎「何度も友達作れって言ったのに今だに俺だけとか・・・」メソラシ 桃子「そんなことどうでもいいことっすよ!」 桃子「今は京さんが私にあだ名をつけることが重要っす!」エッヘン 京太郎「んーそうだなぁ・・桃子だから・・・」 桃子「・・・・・」ワクワク 京太郎「じゃあ今日から桃子のことモモって呼ぶことにする」 桃子「おーなんかあだ名で呼ばれるとムズムズするっすね」 京太郎「モモも俺のこと京さん・・・だっけ? そう呼ぶみたいだしさ」 桃子「これで私たちもあだ名で呼び合う仲っすね!」テヲサシダシ 京太郎「そうだな。これからも仲良くしようぜ」テヲニギリ 桃子「もちろんっす。ずっと仲良しっすよ」ギュウ 桃子(どうか末永くこの時間が続きますように・・・♪) 小学中学年 京太郎「そういや来週から林間学校なんだけどさ」 桃子「勿論、京さんと班が一緒っすよ」 京太郎「先生が気を利かせて一緒の班にしたんだろ」 桃子「えへへーちょっと嬉しい気遣いっすね」テレテレ 京太郎「準備した?」 桃子「もちろんっす」エッヘン 桃子「トランプにUNOにジェンガに花札にオセロに」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え、まだたくさんあるっすよ?」 京太郎「それ全部やるつもり?」 桃子「もちろんっす!」 京太郎「トランプだけにしようぜ」 桃子「えーもっと京さんと色々遊びたいっすよー」 京太郎「いいから」 桃子「京さんが言うなら・・・」シブシブ 当日 バス内 京太郎「すぅ・・・すぅ・・・」 桃子「んぅ・・・きょーさん・・・」 先生「あらあら、移動で疲れて寄り添って寝てるのね」 桃子「・・・えへへ」 小学校中学年 フォークダンス 京太郎「おい」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「なんで俺がフォークダンス踊れないんだよっ?!」 京太郎「なんでモモと一緒に皆でフォークダンス踊ってるの見てないといけないんだよ?!」 桃子「練習でもそうだったっすけど、フォークダンス踊っても誰も私の手を握れないからっすね」キッパリ ※先生が気を利かせて二人を見学にさせたようです。 京太郎「でもさ、そんなことねーよ」テヲニギリ 京太郎「ほらな」 京太郎「モモの手、握れるじゃん」 桃子「京さん・・・//」ポッ 京太郎「ここで皆のフォークダンスを見てるのなんか悔しいからさ」 桃子「そうっすね・・・。そうっすね!」 京太郎「俺たちも踊ろうぜ」 桃子「私の踊りに付いてこれるっすか?」 京太郎「あったりまえだ。ずっとモモと練習してきたんだからな」 先生「あの二人、なんだか楽しそうでよかったわ」 小学高学年 修学旅行 桃子「今日は待ちに待った修学旅行っすね!」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「まさか同じ班になれるとは思ってなかったっす」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「京さん、私の話聞いてるっすか?」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子「同じ班の人が「須賀くんしか東横ちゃんとお似合い人いないと思うから」って言ってくれて」テレテレ 桃子「これで二人きりっすね」 京太郎「ああ、そうだな」 桃子(むむむー) 桃子「えいっ」ギュ 京太郎「くぁwせdrftgyふじこ」ビクッ 桃子「えへへー今日は思う存分楽しむっすよー」 京太郎「わかったわかったから抱きつくなって///」 桃子「はーい」ニコニコ 京太郎「ったく・・・向こうの水族館にみんな行くみたいだからそっち行くぞ?」 桃子「了解っす」 京太郎「ほれ」テヲダシ 桃子「はいっす」テヲニギリ 京太郎「迷子にならねーよーに離すんじゃねーぞ」 桃子「死んでも離さないっす!」 京太郎「縁起でもないこと言うんじゃねーよ」 桃子(京さんはいつも私の手を引いてくれるっす) 桃子(だから絶対何があってもこの手だけは離さないっすよ) 京太郎「ほら、皆待ってるぞ」スタスタ 桃子「京さん、ちょっと速いっすー」トテトテ 中学1年(春) 京太郎「・・・モモ」 桃子「グスッ・・・なんっすか京さん」 京太郎「そんなに泣くなって」 桃子「だって今日で京さんが・・・遠くに行っちゃうっす」グスグス 桃子「だからもう遊べなくなるって思ったらすっごく悲しくなって」 桃子「それにっそれにっ」 京太郎「携帯番号もメールアドレスも知ってるんだから心配すんなって」 桃子「毎日してくれるっすか?」 京太郎「おう、毎日してやる」 桃子「ん・・・うん・・・それなら我慢するっす」 京太郎「また会えるし長い休みになったら会いにくるから」 桃子「絶対・・・絶対っすよ?」 京太郎「おう! 男に二言はないぜ」ナデナデ 桃子「あぅ・・・わかったっす」 桃子「京さんに逢えるの楽しみに待ってるっす」 京太郎「いっぱい遊ぼうな」ナデナデ 桃子「はいっ!」 須賀母「ちなみに引っ越し先は県内だからすぐに遊びに来れるわよー」 京・桃「 」 ※ちなみに咲ちゃんに京太郎が出会うまで毎週のごとく二人で遊んでいたようですがまたそれは別のお話です ステルス少女とチョコレート 桃子「京さん。バレンタインチョコあげるっすよ」ワタシ 京太郎「おっマジか。サンキューモモ」ウケトリ 桃子「京さんは今日何個貰ったっすか?」 京太郎「・・・・・・・言わせんな恥ずかしい」 桃子「あははは、京さんカッコいいからもっと貰ってるかと思ったっすよ」 京太郎「幼馴染みのモモくらいだよ・・・・やっぱりこの髪の毛のせいなのかな・・・」 桃子「絶対ダメっすよ! 黒とかに染めたりしたら」ゴッ 京太郎「お、おう・・・モモがそこまで言うなら・・・変えないけどさ」ゾクゾク 桃子(京さんの髪色はいつも眩しくて綺麗っすからね) 京太郎「ん? 俺の髪の毛になんかついてる?」 桃子「なんにもついてないっすよ」 京太郎「そっか。ありがとなチョコ」ナデナデ 桃子「な、何するっすか?!//」マッカ 京太郎「チョコのお礼」ナデリナデリ 桃子「そんなことされたら髪の毛くしゃくしゃになっちゃうっすー///」 桃子(私のほうこそ京さんに沢山のもの貰ってるっすよ♪) 桃子(だからこれからもどんどんお返しするから覚悟するっすよ、京さん♪) スキンシップは突然に 桃子「きょーさん♪」ダキッ 京太郎「うわっ何するんだよ!」 京太郎(モモのおもちが背中にっ!) 桃子「お久しぶりっす」 京太郎「昨日ぶりじゃねーか//」アタフタ 桃子「10時間以上会えなかったっすよ?」 京太郎「分かったからそれより早く離れてくれ///」 京太郎(じゃないと俺の理性が) 桃子「いやっすね」ムギュゥ 京太郎(ふぉぉぉぉぉおもち最高ぅぅぅぅぅ!!!) 桃子(耳まで真っ赤になってるっす・・・あと一押しっす) 京太郎(鎮まれ俺のリー棒、ここでリーチ立てたら変質者扱いされるぅぅぅぅ) 京太郎「うぉぉぉぉぉぉ!!!」ブンブン 桃子「きゃっ」ハンシ 桃子「何するっすか!?」 京太郎「そりゃお前のほうだろうがっ」 桃子「だって寂しかったっすもん」ションボリ 京太郎「あー・・・俺も寂しかった・・・・・ぞ?」 桃子「えへへー」ニカー 桃子「以心伝心っすね!」 京太郎「そりゃ小学校からの付き合いだし」 桃子「これからもずっと一緒にいるっすよ」 京太郎「いやいや高校違うんだからずっとは無理だろ」 桃子「そりゃそうっすけど・・京さんと一秒でも長く傍に居たいっす」 京太郎「仕方ねぇな、モモが一人立ち出来るまで傍にいてやるよ」 桃子「嬉しいっす!」 桃子(私が一人立ち出来るようになったら、その時の隣は京さんだけっすよ♪) ステルス少女はお料理上手? 京太郎「おはようさんっ」 桃子「おはようっす、京さん! 逢いたかったっす」 京太郎「昨日夕飯作りに行ったろうが」 桃子「また作りに来てくれるっすか?」 京太郎「また今度な」 桃子「約束っすよ? 破っちゃイヤっすよ?」ウキウキ 京太郎「ほら早く行くぞ?」スタスタ 桃子「待ってくださいっす~」 京太郎「あー」フリカエリ 桃子「どうかしたっっすか?」コクビカシゲ 京太郎「別にモモが俺の家来て晩飯作ってくれてもいいんだぜ?」 桃子「・・・・・」ポカーン 京太郎「あーモモの料理上手いからたまには・・・な」ポリポリ 桃子「・・・・・・・」ウツムキ 桃子「・・・・・・・・・・」プルプル 京太郎「どうしたんだモモ?」 桃子「いよっしゃああああああああああっす!!!」ガッツポーズ 京太郎「・・・・・・っ」キーン 桃子(母から教えてもらった『男は胃袋から落とせ作戦』が実りつつあるっすね!) 桃子(このまま結婚までステレスモモの独壇場っすよ!) ラブレターとステルス少女 小学校編 京太郎「・・・・ん?」ポカン 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「いや、なんでもないわ」イソイソ 桃子「ならいいっすけど・・・」 桃子(なんだか怪しいっすね) 京太郎(初めてラブレター貰っちまった・・・!)ガッツポーズ 桃子(なんか嫌な予感がするっす) 京太郎「モモ、早く教室行こうぜ」テクテク 桃子「待ってくださいっすー京さんー」コバシリ 桃子(隠し事したって無駄っすよ!) 桃子(京さんの隠し事なんで全て暴いてやるっす) 京太郎「はぁ・・・結局断っちまった」 桃子「えへへ、嬉しいっすね」ニコニコ 京太郎「だって・・・モモ友達いないし」 京太郎「というか、そもそもモモが友達を作らないからでモモに友達の一人や二人がいたら俺だって告白だって受けてたっつーの」 桃子「京さんにこんなに考えてもらえるなんて私は世界一幸せっすね!」ニコニコ 京太郎(俺がラブレター貰ったって知ったら死にそうな顔してたくせによく言うぜ・・・) 京太郎「このことが知れ渡ったら他に告白してくれる子なんていないだろうしなぁ」 桃子「むー私がいるじゃないっすか!」 京太郎「モモは人から認識されないから一人で空気に話しかけてるみたいになるから」トオイメ 桃子「・・・・・・もうバレンタインも誕生日もクリスマスも初詣も一緒に過ごしてあげないっす」プイッ 京太郎「私めが悪うございました」ドゲザ 京太郎「この私と一緒に過ごしていただけないでしょうか?」フカブカ 桃子「もう~京さんは仕方ないっすね~」 桃子「私は優しいのでそんな京さんを見捨てないで一緒に過ごしてあげるっす」ニコニコ 京太郎「ははーありがたき幸せー」 桃子「くるしゅうないくるしゅうないっすよ」 桃子(こんな日が続くならずっと友達はいなくていいっす) 桃子(京さんが一緒にいてくれるならっす♪) ステルス少女と嶺上少女 桃子「むむむ」グルル 咲「ううう」アウアウ 桃子「京さん! これはどういうことっすか!?」 京太郎「えっと・・・これには深い訳があって・・・」ヒヤアセ 桃子「どうせ京さんのことだからこの子が教室で一人ぼっちになってるのを見てついつい話かけて仲良くなっちゃったんっすよね」 咲(この子もあだ名で呼んでる。なんか嫉妬しちゃうなぁ) 京太郎「・・・さすがモモだな、その通りご名答っす」アハハ 京太郎「とりあえずお互いのこと分からないしさ、自己紹介しよう。な?」 咲「えっと・・・あの、私は宮永咲って言います」 桃子「どうもっす。私は東横桃子っす」ジー 咲「京ちゃんとは同じ中学校で同じクラスです」 桃子(京ちゃん? むむーあだ名で呼ぶなんてライバル出現っすね) 咲「えっと、読書が趣味であんまり人と話すのが苦手だったんだけどね」 咲「ある日、そんな私に京ちゃんが話しかけてくれてそれをきっかけに仲良くなって今に至るというわけです」ニッコリ 桃子「私は小学校の時に京さんに一人でいるところを遊びに誘ってもらって以来ずっと仲良しさんっす」ニッコリ 桃子「もちろん何度もお互いの家に行ったり、お泊りもしたっす」 桃子「私と京さんとは幼馴染みだから当然っす」 咲「私は京ちゃんと一緒にお昼食べたり一緒に登下校してるもん」 桃子「・・・・」 咲「・・・・」 京太郎(・・・どうしてこうなった) 桃子「京さん!」ゴッ 咲「京ちゃん!」ゴッ 京太郎「はい! 何でございましょう?!」ガタガタ 桃子「今日は」ギュウ 咲「私と」ギュウ 京太郎「なぜ二人は俺の両手を掴んでるでしょうか・・?」ガタガタ 桃子「遊ぶっす!」 咲「遊ぶんだからね!」 ※この後色んな場所に連れ回されたようですがそれはまた別のお話 てるてるステルス 京太郎「ただいまー」 照「おかえり」 京太郎「・・・誰です?」 照「酷い・・・あんなに愛し合った仲なのに・・・」 京太郎「誰かが聞いたら誤解するようなこと言わないで下さい!」 桃子「・・・京さん?」ニッコリ 京太郎「誤解だあああああああああああ!!!」 桃子「もちろん京さんがそんなことしないって信じてるっす」 桃子(あんなに抱きついたりしても手の一つも出してこないっすもんねぇ) 桃子「で、この女性はどちらさまっすか?」 京太郎「咲のお姉さん。宮永照さんだよ」 桃子「あーなるほど。確かにそっくりな部分があるっすね」 照「なんか貶されてる気がするんだけど」 京太郎「き、気のせいじゃないっすかねぇ?」 照「京太郎、咲が今日休んだと思うんだけど何か持って行く物ある?」 京太郎「相変わらず律儀ですね」ガサゴソ 京太郎「はい、これですね」ワタシ 照「ありがと」ウケトリ 桃子「あ、照さん」 照「?」 桃子「私、東横桃子っす。咲ちゃんとは仲良くさせてもらってるっす」 照「咲から聞いてる。影の薄い女の子と友達になれたって」 照「でも咲は強いよ?」 桃子「もちろん負けないっすよ」 照「ふふ」 桃子「えへへ」 京太郎(俺の家なんだけどなぁ) ステルスと宮永姉妹と麻雀と 京太郎「」 桃子「ごめんなさいっす」 咲「ごめんね京ちゃん」ペコリ 照「今日もお菓子が美味しい」ポリポリ 京太郎「いやうん仕方ない初心者だし」 京太郎「それにしても皆すげー・・・こういう場合は強いでいいのか?」 桃子「そりゃそうっすよ」エッヘン 桃子(京さんと会えないから麻雀ばっかりしてたなんていえないっす///)イヤンイヤン 京太郎(モモがトリップしてる・・・話しかけないでおこう) 京太郎「そういや咲もすげー強いよな」 京太郎「なんつーかそこの違うとこの牌であがったりとか」 京太郎「照さんは南場?になったらずっとあがり続けてたり」 京太郎「咲があがらなかったら点数なくなってたぜ?」ナデナデ 咲「あぅぅ・・・///」プシュー 照「ちなみに私はまだ後三回の変身を残してる」 京太郎「勘弁してくださいマジで洒落にならないっす」ガタガタ 照「冗談」ポリポリ 京太郎「真顔で言われると冗談に聞こえないんですけど」 桃子「そういえば京さん」 京太郎(お、トリップ状態から帰ってきたのか) 京太郎「んー?」 桃子「携帯のアプリで麻雀出来るっすよ?」 京太郎「あるのは分かるけど、そういうのって沢山あってどれがいいかわからないんだよなぁ」ポチポチ 桃子「ちょっと見せるっす」ズイッ 京太郎(うぉぉ・・胸が肩に・・当たってる・・・モモのやつまた大きくなったか?///)マッカ 咲「京ちゃん鼻の下伸びてる」ジトー 照「やっぱり男の子だね」 京太郎(見られてるぅぅぅぅぅ////) 桃子「京さん、ちゃんと聞いてるっすか?」ギュウ 京太郎(さらに押し付けてきた!//) 京太郎「あ、ああ。ありがとなモモ//」 桃子「京さんのためだったら全然大丈夫っす」ハナレ 桃子「あと、麻雀で分からないことがあったら私に聞いて欲しいっす」 京太郎「ああ、頼らせてもらうぜ! 後でメールで送るからアプリで麻雀しようぜ」 桃子「もちろんっす。京さんの頼みであればたとえ火の中水の中っすよ」 京太郎「ありがてぇありがてぇ」ナムナム 咲「お姉ちゃん」 照「なに?」 咲「私も携帯欲しいんだけど」 照「じゃあ今度家族麻雀でお父さんから勝って買ってもらおう」 咲「ふふ、麻雀って楽しいよね」ゴッ 界「」ゾクッ 界「今なんか寒気が」 ※この後家族麻雀でボコボコにされた界さんがいらっしゃいますが本編とは関係ありません 海だ水着だステルスだ!~水着選び編~ 京太郎「夏と言えば海だよな!」 桃子「あー確かにっす」 京太郎「というわけで海に行こうぜ」 桃子「いいっすよ」 桃子「ただし、今から水着買いに行こうと思うんで京さんにも着いて来てもらうっす」ギュ 京太郎「ア、ハイ」 デパート~女性水着売場~ 桃子「京さ~ん」 京太郎「あのさ、ここにいるのすげー気まずいんだけど・・・」 桃子「逃げたら許さないっすからね!」 京太郎「逃げないから安心しろって」 桃子「私的にはこっちの黒のビキニとかもいいと思うっすけど京さんはどれがいいと思うっすか?」 京太郎「そうだなぁ・・・これとか?」 桃子(白のセパレートタイプっす。これを着て欲しいってことっすかね?) 桃子(ちょっと照れるっすね///) 桃子「京さんが着て欲しいなら・・・これにするっす///」 京太郎「おう、似合うと思うぜ///」 桃子「そうっすか///」 京太郎「ああ///」 桃子「じゃ、じゃあお会計に行って来るっす///」 京太郎「ちょっと待て」 桃子「え?」 京太郎「それ買ってやるよ」 桃子「いやそれは悪いっす。自分で払うっす」 京太郎「いいから。俺が海行きたくて俺がモモの水着も選んだんだからそれくらいさせて」 京太郎「たまには男をたたせてくれって」ニコッ 桃子「むぅ・・・じゃあ京さんの水着は私が払うっす!」 京太郎「あープレゼントみたいに?」 桃子「もちろんっす」 桃子「じゃなきゃその水着は私が払うっす」 京太郎「わかったわかった。じゃあそれでいいから」スタスタ 桃子「京さんに似合う水着選んどくっすー」テクテク 京太郎「さてと、お会計するか」 ※海水浴編に続きます お泊り会~小学校編~ 桃子「えへへー京さんと一緒のお布団っす」 京太郎「モモももっと近くにこいよ」 桃子「はいっす」 桃子「なんかこうしてると昔の私が嘘みたいっす」 京太郎「昔のモモのことはわかんねーけど、今のモモはすっげー楽しそうだぜ」 桃子「そりゃそうっすよ! だって最高の友達が出来たっすから!」 京太郎「俺もモモのこと最高の友達だと思ってるぜ」 桃子「仲良しさんっすね私たち」 京太郎「当たり前だろ」ナデナデ 桃子「えへへーっす」スリスリ お泊り会~中学校編~ 桃子「京さーん、なんで別の布団に入るんすかー」 京太郎「そりゃ昔みたいに同じ布団に入るなんて出来ないからな」 桃子「私は気にしないっすよー?」 京太郎「俺が気にするの!」 桃子「もーじゃあ、手だけでもいいんで握ってくださいっす」 京太郎「まぁ、それくらいなら」ギュウ 京太郎(やわらけぇ) 桃子「京さんと手を繋いでるとなんだか安心するっす」ニコニコ 桃子(本当は抱きつきたいっすけどね) 京太郎「モモはやっぱり寂しいか?」 桃子「そうっすね、学校行っても京さんがいないって思うと寂しいっす」 京太郎「いまさらだけどごめんな」 桃子「全然大丈夫っす。こうやって私のワガママでお泊りさせてくれるだけで」 京太郎「・・・・」 桃子「どうしたっすか?」 京太郎「悪い」モゾモゾ 桃子「こっちのお布団の方がいいっすか?」 京太郎「俺もちょっと寂しかったしな」ナデナデ 桃子「私、京さんの手で頭撫でられるの結構好きっすよ」 京太郎「そっか」ナデナデ 桃子「えへへー」ニコニコ
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須賀母「こちら、再婚相手の原村恵さん」 恵「よろしく」 京太郎「よろしくお願いします」 恵「ほら和、挨拶しなさい」 和「……初めまして、よろしくお願いします」 和(この人と、家族……?) 和(不良というのでしょうか?とにかく怖い……これから三日間この人と一緒なんて、私はどうすれば……っ) 和「……」 何だろう、睨まれてる? いや気のせいだよな……多分。 学年は同じって聞いたけどどう接するのが正しいんだ? ここは姉さん呼び、かな? 俺のが誕生日遅いだろうし向こうの方がしっかりしてそうだしな。 それじゃあ早速 京太郎「よろしくな、姉さん」 和「ひっ」 ……あれー?俺なんかまずいことしたかな。 き、きっと緊張してるだけですぐ仲良くなれる! と良いなぁ。 京太郎「とりあえず中に」 和「……はい」 和(どどどどうしましょう、男の人家に、しかも二人っきりで二泊なんてっ) 和(きっとこの不良にあんなことやこんなことをされてしまうんです、エロ同人みたいに!) 和(……いえ、いけません。気をしっかり持たなければ) 和(そう、強気な姿勢で居れば乗り切れるはずです) 和(不良なんかに絶対負けないんですから!) 京太郎「お茶とかは?」 和「いりません」 京太郎「お菓子とか余ってるんだけど、どうかな?」 和「結構です」 京太郎「さいですか……」 困った。 すっごい態度が冷たい。 どうしよう、泣きそう。 【午前】 どうすれば……そうだ!家事とかなら手伝ってくれるんじゃないか? そしてそこから距離を縮めていく! これだ! 京太郎「えっと、家事手伝ってもらってよろしいでしょうか?」 和(何故突然敬語……まあ家事くらいなら大丈夫でしょうか) 和「構いませんけど、何を?」 京太郎「お昼も近いから料理を」 和「わかりました」 和(早く終らせてしまいましょう) 姉さんの手際凄いなあ……っていうかやっぱり会話が無い。 どうしたもんかな。 ……あ、何か探し始めた? 和(えっと、お砂糖は何処に) 京太郎「ほい」 和「へ?」 京太郎「砂糖」 和「あっ、ありがとうございます」 京太郎「おう」 和(えーと、次は醤油が) 京太郎「はいよ」 和「あ、また……」 和(それからも何度か欲しいと思ったものを丁度いいタイミングで渡されました) 和(おかげで一人で作る時よりもかなり早く出来ました) 和(それに何だか息もピッタリ合っていたような……) 和(って、こんなことで気を許す訳にはいきませんっ) 京太郎「姉さんのご飯、美味かったな!」 和「そうですね」 京太郎「……」 和「……」 京太郎「昼からどうする?」 和「私は特に何も」 京太郎「それじゃあ」 【午後】 京太郎「なあ、姉さんって中学の時部活とかやってたのか?」 和「麻雀を」 京太郎「へー!麻雀かあ、人気だよな。大会とか出たりしたの?」 和「ええ、まあ」 京太郎「結果は?」 和「えと……い、インターミドルで、その、優勝を……」 京太郎「へ?」 和「ですからインターミドルで優勝しました」 京太郎「それって中学で一番ってこと!?」 和「そうなると思います……」 京太郎「姉さんすげーんだな!」 和「私なんてまだまだで……」 京太郎「そんなに強いなら俺にも教えてくれよ!」 和「構いませんが」 京太郎「よっしゃ、約束なっ」 和(最初は会話に乗らないつもりでしたが勢いに流されてしまいました) 和(それに彼、凄く楽しそうでこちらまで楽しくなってくるような) 和(実は悪い人じゃ無いんじゃ……) ちょっとは表情が柔らかくなったかな? 笑ったら凄く可愛いと思うんだよな、それに何より胸も大きい。 おっと、変なこと考えてる場合じゃねえ。 もう暗くなってきたし……。 【夜】 京太郎「晩御飯、用意したよ」 和「ありがとうございます」 京太郎「さ、食べてくれ」 和「……うん」 和(美味しい) 和(それに今日一日彼と過ごしてわかりました) 和(彼は悪い人なんかじゃ無い、と) 和(私は失礼な態度ばかりとってしまいました) 和(せめて、夕食の感想はしっかり言ってこれからはきちんと接しましょう) 京太郎「どうだ?」 和「美味しいです、京太郎くん」 京太郎「そっかそっか」 京太郎「それにしてもやっと笑ってくれたな」 和「笑って?」 京太郎「ああ、姉さんと会ってからずっと笑顔だけは見れてなかったからさ」 和「あ……」 京太郎「でも、予想通り姉さんの笑顔はすっげえ可愛いな!」 和「なっ、かわっ……!?」 京太郎「いやあ、食った食った」 和「ええ、美味しかったです」 京太郎「それじゃ俺はそろそろ寝るよ」 和「私も」 京太郎「姉さんは空き部屋に布団を用意したからそこで寝てくれ」 和「わかりました、ありがとうございます」 京太郎「どーいたしましてっ」 うん、最初はどうなるかと思ったけど姉さんも打ち解けてくれたみたいでよかったよかった。 それじゃそろそろ寝ようかな。明日も姉さんと一緒だし、もっと仲良くなれると良いな。 目覚まし時計に叩き起こされて体を起こす。 眠い。 けどあんまりだらしない姿を見せるのも。 いやでもやっぱり眠いし。 仕方がない、ここは。 【朝】 寝不足で呆けてても姉さんに悪いしな。 ここは寝よう、うん。 和「……くん、起きてください。京太郎くん」 京太郎「うん?」 和「おはようございます、朝ですよ」 京太郎「うーん、何故美少女が目の前に」 和「びしょっ、何言ってるんですかもうっ。寝惚けてないではやく起きなさいっ」 京太郎「って姉さん!?」 和「やっと起きましたか」 京太郎「は、はい」 寝起きにこの美少女の笑顔は反則だぜ。 しかも起こすことに必死なせいか顔が近いし大きな胸が俺の肩に。 和「それじゃあ私は朝食の準備をしていますから」 京太郎「ああ、すぐ行くよ」 最高の寝覚めだったな、うん。 京太郎「で、午前はどうする姉さん?」 和「京太郎くんにお任せしますよ」 京太郎「そうか、それじゃあ午前は」 【午前】 京太郎「折角の休みだしどこかへ遊びに行こうぜ」 和「いいですね」 京太郎「よっしゃ、それじゃあ決まりっ」 和「ところで何処に遊びに行くんですか?」 京太郎「どこって、そりゃあ……」 京太郎「遊園地に行こう!」 和「遊園地ですか、わかりました。それでは支度をしてきますね」 京太郎「おう」 京太郎「で、どれに乗る?」 和「そうですね、どれが良いでしょうか」 京太郎「絶叫系とかは?」 和「そう言ったアトラクションはあまり」 京太郎「じゃあそうだな、黄色い熊さんのアレとか?」 和「熊さんの……いいですね、それにしましょう」 京太郎「じゃあ並ぶか」 和「わぁ……見てください京太郎くん!プ○ーさんですよっ!」 京太郎「ああ、本当だな」 和「ああ、みんな可愛いです」 京太郎「姉さんこういうの好きなんだな」 和「はいっ」 京太郎「どうだった?」 和「すごく楽しかったです」 京太郎「そっか、姉さんが楽しそうで何よりだ」 和「是非また来ましょうねっ」 京太郎「そうだな」 和「さて、午後からはどうしますか?」 京太郎「うーん、そうだなぁ」 京太郎「よし決めた、午後は……」 【午後】 京太郎「午後は……」 和「午後は?」 京太郎「いや、今でいっか」 和「何がですか?」 京太郎「姉さん」 和「はい?」 京太郎「じゃーん!」 和「これ、遊園地の紙袋……?」 京太郎「俺から姉さんにプレゼント」 和「これはっ、プー○さんのぬいぐるみっ!?」 京太郎「さっき凄く欲しそうにしてたからさ」 和「でも、これ高かったんじゃ」 京太郎「姉さんの笑顔に比べたら安いもんってね」 和「よくそんな恥ずかしいセリフを……」 京太郎「そうかな?」 和「そうですよ」 和「でも、嬉しいです。大切にしますね」 京太郎「ああ、喜んでもらえりゃこっちもプレゼントした甲斐があったぜ」 和「ふふっ」 京太郎「ごきげんだな」 和「ええ、素敵なプレゼントを頂きましたから」 京太郎「そりゃあ良かった」 和「はい」 【夜】 和「あ、今夜の夕食は私に用意させてください」 京太郎「へ?俺がやるよ?」 和「いえ、作りたいんです。今日のプレゼントのお返しに」 京太郎「ん、じゃあ楽しみにしてるよ」 和「ええ、期待していてください」 和「出来ましたっ」 京太郎「おぉー、美味しそう」 和「さあ座ってください」 京太郎「おう、それじゃいただきます」 和「あっ、ちょっと待ってください」 京太郎「うん?」 和「あっ、あーん……」 京太郎「姉さん?一体何を」 和「は、早く口を開けてください。私も恥ずかしいんですからっ」 京太郎「いや恥ずかしいなら何で……」 和「料理だけではお返しには足りないかと思いまして、それに中学の友人が男の子はこうすれば喜ぶと……!」 京太郎「料理だけで十分うれしいからそれは気持ちだけってことで」 和「ダメですっ、それじゃあ私が納得できません」 京太郎「ええ……」 和「ほら、食べてください」 京太郎「わかったよ……あーん」 和「ど、どうでしょう?」 京太郎「うん、すっげえ美味しい!」 和「そうですか。それは、良かったです」 京太郎「ほら、姉さんも食べないと冷めちまうぞ?」 和「そうですね、それでは私もいただきます」 何故でしょうか。胸が苦しい。 この苦しさの原因はきっと……。 最初に会った時は怖い人だと思っていたのに今はこんな気持ちになるなんて、不思議ですね。 今夜は眠れそうにありませんね。 ああ、京太郎くん。あなたはすぐそこに居るんですよね。 まだ起きているでしょうか、それとも……。 いっそ彼の部屋に行ってこの思いを伝えてしまうというのも……。 でももう遅いですし明日の朝の方が良いでしょうか。 私は…… やっぱり我慢できません。もう彼の部屋に行きましょう。 眠っていたらその時は申し訳ありませんが起きてもらいましょう。 そう決意して京太郎くんの部屋の扉を開きます。 電気は点いておらず、寝息が聞こえてきます。 和「京太郎くん」 気持ちよさそうな寝顔。見ているだけで心が満たされるようです。 手を伸ばして頬に触れると彼の体温を感じます。 胸の鼓動が早くなって、今にも弾けてしまいそうです。 もうしばらく、このまま……。 ひんやりとした何かが肌に触れたような感触に俺は目を覚ました。 目を開けるとそこには綺麗なピンクの髪を下ろしフリフリの寝間着を着た大きな胸の少女が佇んでいた。 俺が起きたことを確認すると頬に触れていた手を引っ込めて少女は申し訳なさげに言葉を紡ぐ。 和「すみません、こんな時間に」 京太郎「いや……どうかしたか?」 和「はい、私胸が苦しくて眠れないんです」 京太郎「胸が?」 和「そうです、ほら」 そう言って姉さんは俺の手を掴むと自分の胸元で持って行き、左の胸に触れさせた。 京太郎「なっ、姉さん?」 和「わかりますか?胸がドキドキして、止まらないんです」 確かに姉さんの柔らかな胸を通して激しい心臓の鼓動が聞こえてくる。 和「こうなったのは、あなたのせいです」 京太郎「俺の?」 和「あなたが優しいから、私は恋してしまいました」 京太郎「恋って……」 和「好きです、京太郎くん」 京太郎「……」 和「京太郎くんはどう思いますか、私のこと……」 京太郎「俺は……いや、俺も好きだよ。姉さんのこと」 月明かりの中、そうして俺と姉さんは口付けを交わした。 ピンポイントで差し込んだ光が眩しい、どこかで鶏が鳴いている……ような気がする朝。 柔らかい。 それが起きて最初に感じたこと。 目を開けてみると昨夜そのまま俺の布団で寝た姉さんが俺に抱きついていた。 なんて、なんて幸せな状況なんだ……! 出来ることならこのまま再び眠りに落ちたい、けど母さん達が帰ってくるんだよな。 どうしようか……。 【朝】 ダメだ、この誘惑には勝てねえ。 二度寝しよう……。 体を強く揺さぶられて目を覚ます。 何事かと体を起こすと魂の抜けたような表情のお義父さんとニヤニヤしている母さんが居た。 驚いて横を見ると姉さんは顔を真っ赤にして俯いている。 もう一度向き直ると母さんが言った。 須賀母「ゆうべはおたのしみでしたね」 京太郎「誤解だあああああああああああ」 一緒に寝ただけでそういうことはしていないと一応の弁明を終えて朝食を取る。 どうにか生気を取り戻した恵さんと姉さんは一旦帰る支度を終え、あとは見送るだけだ。 和「京太郎くん」 京太郎「なんだ?」 和「これからもよろしくお願いしますねっ」 別れ際、姉さんはそう言うと俺の頬にキスをして去って行った。 姉さんと過ごす生活、凄く楽しみだな。 そんなことを思いながら背中を見送った。 そして後日引っ越した際、ふざけた母さんが俺と姉さんの寝室を同じ部屋にしやがったのはまた別のお話。 《原村和編 カンッ!》
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特別編 side姫松 ※日記発見から中身拝見までの流れは省略します ×月○日 今日は練習試合だった 強豪校を招いた練習試合で、結果次第ではレギュラーも、と言われていた 3年生だけでなく、2年生や1年生も積極的に試合に出た そこで、なんど漫先輩が全対局大爆発としか言えない結果だった もうこの人だけでいいんじゃね?って割とマジで思った 後、愛宕(貧)主将が漫さんより活躍できなかったと言っていじけてて面倒だった なのでこれ見よがしにたこ焼きを作って、主将以外の人に分けたら元気になった しかし、マジですごかったな漫さん これはもうレギュラー確定じゃね? ×月□日 今日も練習試合 みんなこの前大活躍した漫さんに期待していた が、今回は全対局不発 むしろマイナスばかりで終わっていた ここまでどうして差があるのか、末原先輩だけでなく監督まで首をひねっていた 後、愛宕(貧)主将は今回は誰よりも活躍したとはしゃいでいた うるさかったのでたこ焼きを分ける振りして自分で食べる、を繰り返してやった ちょいちょい引っかかるのでやり甲斐がある人だ しかし、漫さんのこの差はなんだろうか レギュラー、どうなる? 漫「うぅ……こんなん忘れて欲しいのに」 恭子「この日の牌譜しっかりあるで?」 由子「どれどれ……うわー、本当にこれどっちも漫ちゃんが打ったやつ?」 絹恵「ちょっと上がり下がりが激しい人……っちゅうても激しすぎですね」 洋榎「それより!京太郎のこの所業!!酷い思わん!?これはまた先輩としてびしっと言ってやらんとな!」 絹恵(そう言ってこの前返り討ちにされてとったのに) 由子(またおあずけ食らうのよー) 恭子(漫ちゃんもこんくらい分かりやすく結果出してくれたらなー) 漫(普通に打ってもここまで分かりやすくは無理です)
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ガチャッ 京太郎「買い出ししてきましたー」 優希「お、ご苦労様だじぇ!」 京太郎「こら、飛びつくな! ちゃんとタコスはあるから」 優希「いぇーい!」 まこ「いつもご苦労様じゃな」 京太郎「いえ。あ、染谷先輩に頼まれていた奴ですけど……」 まこ「ん? ああ、それは後ででええ」スタスタ 京太郎「? そうですか? じゃあ和、これ」 和「ありがとございます須賀君」 咲「私にはー?」グイグイ 京太郎「はいはい。これな」 久「須賀くぅーん」ニコニコ 京太郎「ありますってば」 久「わーい、大好きよ」 京太郎「もう、みんなして!」 キャッキャウフフ まこ「調子がええのぅ……」フフ 京太郎「(いつも思うけど、どうして――染谷先輩はいつも)」チラッ まこ「……」クスッ 京太郎「(最後尾、なんだろう)」 __ __ / \_/ \ / トヽV/; | \ ,. ―' !゙゙`´"'ツ }ヽ f',ィ / ノ /ノ ヽ }. レ 、 ,ィ'―- レ'-\ ノ | イィ / |fフヾi 、 , ィァ=、 } ヽ {. ノイ i ハ、|゙、 ノノート_ ! ノレ1、 } \ f'-‐{ K i |"-" ' "-"イノ レ| );ヽ ノ 从 、 \_ ー ‐ _ノ ノ人 ( ツ \へ、 rー-‐' |ノノ ノ'" ヾ ___ノi ノー-、_ r'" . . . . ト---/ . . . . . . .>=、_ / ト、 . . . . | / . . . .;.イ r==i .} / V| \ . レ' .___/ / レ' | i. / 〈/ ̄Τ`Tー-―"| / | \_ /f三ヽ、 __|二L__. ヽレ / ├==' 人'へ-√´ \ ヽ\ / | { ' '´ / ー-≠- 、 } 、 _,..ィ_´ V `ーr--イ | | くー- 、_ ノ | 〈 | ! ヽ 、_二 ̄ ノ | | ヽ } 〉 / ヽ | ソ 〈 |ー―------- -―'" 〉 フー--r―----r―‐r―く / / / | | i ヽ/ / / ノ |! i! \ 第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス!】 京太郎「お茶を淹れましたよー」 優希「いっちばーん!」ダッ 咲「ありがとう、京ちゃん」 京太郎「いいっていいって」コトッ 久「やっぱり須賀君がいると助かるわー」 京太郎「あっ、染谷先輩もどうぞ」 まこ「ん? あぁ、先に和にせぇ」 和「すみません」スッ 京太郎「……?」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「いえ、なんでもないです」 まこ「……」 京太郎「(染谷先輩はいつも、自分の番を最後にする)」 お茶を飲むのも、何かを貰う時も 全部一番最後 京太郎「(こういうの、なんていうんだっけ?)」 奥ゆかしいって言うのか、なんていうのか 京太郎「(なんだか気になる) これが、俺と染谷先輩の奇妙な関係の始まりだった 翌日 京太郎「ふんふ~ん」フキフキ ガチャッ まこ「お、ご苦労様じゃな」 京太郎「あ、染谷先輩。お疲れ様です」 まこ「……一人か?」 京太郎「はい。ちょっと早く来すぎちゃって」 まこ「そうか……っと、わしは少しトイレに行ってくるけぇ」 京太郎「え? あ、はい」 まこ「すまんのぅ」 バタン 京太郎「……」 うーん なんだろう、俺……避けられてるのかな 京太郎「いやいや、そんなことは無いって」 ガチャッ 咲「もー! 一人で先に行くなんて酷いよー」 京太郎「ああ、咲。おつかれさん」 咲「ううん。大丈夫、京ちゃんこそご苦労様」 京太郎「慣れてるからな。それより、染谷先輩のことなんだけどさ」 咲「染谷先輩?」 京太郎「俺、なんだか避けられるみたいでさ」 咲「えー!? それは無いと思うけど」 京太郎「そうか?」 咲「うん。絶対そんなこと無いよ!」ブンブン 京太郎「そっか、ならいいんだけど」 ならどうして、俺と二人きりになってくれないんだろう 男の人が苦手なのか? いやいや、染谷先輩に限ってそれは無いだろう 京太郎「うーん」 咲「?」 部活終わり 京太郎「お疲れ様でーす」 久「んっしょ。はぁー、終わったわねぇー」 咲「ねぇねぇ京ちゃん! 駅前のファミレスに行こうよ!」 京太郎「あそこか。まだオープンしてないんじゃなかったか?」 咲「あれ? そうだったっけ?」 優希「なら、私とタコスの屋台に行くじょ!」 和「いえ、それよりは私と……」 久「あら、モテモテね須賀君」 京太郎「あはは、そうですね」 まこ「……」 京太郎「そうだ! 染谷先輩も一緒にどうですか?」 まこ「ん? わしか? わしは……そうじゃな」チラッ 咲「?」 優希「どうかしたじぇ?」 まこ「あ、いや。家の手伝いがあるけぇ……すまんな」 和「そうですか。それは残念です」 京太郎「……(まただ)」 また、染谷先輩は一歩引いてしまう なんでだ? 俺といるのがそんなに嫌なんだろうか 久「そんなに忙しいの?」 まこ「かきいれ時じゃけぇの」 京太郎「……なら!」 まこ「?」 京太郎「俺、染谷先輩の店を手伝いますよ!」 久「!?」 優希「じぇ!?」 和「じょ!?」 咲「和ちゃんっ!?」ビックリ 京太郎「どうですか?」 まこ「ど、どうですかも何も……急にそんな」 久「あら? いいじゃない。仲間のピンチに力にならないとね」 まこ「部長!」 久「まこ。最近、少しおかしいわよ? 須賀君の好意、無駄にする気?」 まこ「……それは」 咲「私も手伝います! みんなで力を合わせなきゃ」 和「ええ。咲さんの言う通りです」 優希「全国大会前に、染谷先輩に倒れられちゃ困るじょ」 まこ「……すまんのぅ」ペコリ 京太郎「じゃあ、決まりですね」 まこ「ただし、ちゃんとバイト代は出すけぇの」 久「ふふ、最初からそのつもりよ」 優希「タコス代の足しにしてやるじぇー!」 咲「楽しみだね」 和「はい。それより須賀君の衣装についてなんですがやはりゼロのコスチュームは不可欠だと思います。なぜなら須賀君の声、身長、それらを総合するとゼロが一番似合っているからです。それにコードギアスは若者を中心に人気なアニメですから知名度も高いですし、お店の売り上げアップにもつながると私は確信しています。なので須賀君にはゼロのコスチューム以外ありえません。むしろ推奨されるべきではないでしょうか? いえ、推奨などという甘い言葉ではダメですね。確定です。それオンリーです。須賀君にはゼロの格好が義務付けられるべきではないですか? ですよね? そして私がカレンの格好をすることによって全てうまくいきます。きっとお店のファンの方々も満足いただけるかと。そしてつきましては私と須賀君の挙式をあげましょう。須賀君の年齢がネックですが、ゼロで姿を隠すことにより年齢の問題など全てクリアされます。いえ、彼風に言うなれば条件は全てクリアされた、とでも言うべきですね。ふふふふふふっ、須賀君。さっそくゼロのコスチュームに着替えてください!!」ペラペラペラ 咲「?」 優希「?」 久「?」 まこ「……」 京太郎「うん! そうだな!」 Roof-top 京太郎「いらっしゃいませ」 女生徒H「あ、あの! 私、こういうお店初めてで!」 京太郎「お一人様ですか? ではどうぞ、こちらへ」ニッコリ 女生徒H「ひゃ、ひゃひっ//」 京太郎「どうかしましたか?」 女生徒H「わっほい! きゃぁっ!」ドンガラガッシャーン 和「結局ルルーシュのコスプレに落ち着きましたか……でもこれはこれで」ムフフ 優希「のどちゃんのツモ番だじぇー」 和「分かってますよゆーき」スチャッ ゆみ「随分気合の入った格好だな、原村」 桃子「知ってるっすよ。それ、コードギアスとかいうロボットアニメの……」 和「ギアスはロボットアニメじゃありません!」クワッ 桃子「ひぇっ」 和「あれはギアスという力を使ってのうんたらかんたらほにゃらら!!」 久「(スパロボに出ておいて何を言ってるのかしら)」ウーンコノ ゆみ「次はでこちゃんの番だぞ」 優希「でこちゃん言うな! このスーパーアイドルの優希ちゃんが!」ギャーギャー 咲「みんな楽しそうだなぁ」 京太郎「いいんじゃないか? お店も繁盛してるし」 咲「うん。(でも京ちゃん目当ての女性客はいらないなぁ)」 ガヤガヤ 京太郎「ふぅー」 まこ「お疲れさん。少し休憩にせぇ」 京太郎「え? でも、染谷先輩も休憩入ってませんよね?」 まこ「わしゃ入らんでも大丈夫じゃけぇ」 京太郎「だって、今日は一度も」 まこ「それなら、みんなが入った後に入る。じゃから心配せんでも……」フラッ 京太郎「! 染谷先輩!?」ガシッ まこ「くっ……ちょっと、ふらついただけじゃ」 京太郎「全然ちょっとじゃありませんよ」ギュッ まこ「いいから。みんなには何も言うな」 京太郎「ダメです。休んでください」フニフニ まこ「京太郎」 京太郎「……」ジッ まこ「……分かった。休むから腕を離すんじゃ、いつまでも、その」カァッ 京太郎「へ?」モニモニ まこ「胸を、揉まれると……んっ、変な、感じじゃ……//」カァァ 京太郎「ほわぁっ?! すすす、すみません!?」サッ まこ「……別にええ。これぐらい、気にせんからのぅ」プイッ 京太郎「……」 久「あら? 二人共なにしてるの?」 まこ「!」 久「今から休憩? 私達はまだ対局があるから、二人は先に入ってていいわよ」 まこ「じゃ、じゃが」 京太郎「染谷先輩」グイッ まこ「!? きょ、京太郎!」 京太郎「じゃあ、行きますね」 久「ええ。ゆっくりしてきなさい」 休憩室 まこ「……」 京太郎「お茶です。どうぞ」 まこ「あぁ、すまんのぅ」 京太郎「やっと、ですね」クスッ まこ「?」ゴクゴク 京太郎「やっと――染谷先輩に、最初にお茶を受け取って貰えた」 まこ「っ!」ゴフッ 京太郎「うわぁっ!? 大丈夫ですか!?」 まこ「な、なんでもないけぇ」ゲホゲホ 京太郎「無理しないでくださいよ」 まこ「だ、誰のせいじゃと思うとるんじゃ」ギュッ 京太郎「え?」 まこ「……無理やり、わしを休憩させおって」ガシッ 京太郎「それは、だって……」 まこ「わしは最後で……ええんじゃ。いつだって、最後で」クンクン 京太郎「あの、それ……一体、どういうことなんですか?」 まこ「……京太郎には関係の無いことじゃ」スリスリ 京太郎「本当にそうですか?」 まこ「……」ギュゥー 京太郎「俺には、染谷先輩が無理をしてるように見えます」 まこ「わしが? とんだ節穴じゃな」ハムハム 京太郎「なら、答えてください」 まこ「……」グリグリ 京太郎「どうして、どうしてですか?」 まこ「っ」プルプル 京太郎「一体どうして!!!」 まこ「ふぁっ……んぅ」スリスリ 京太郎「さっきから俺の体を堪能してるんですか!?!!?」 まこ「はっ!? しまった?!」 京太郎「へ? 自制していた?」 まこ「ああ。誤解させていたようじゃな。逆じゃ、逆」ケラケラ 染谷先輩は笑いながら俺の肩を叩く どうやら、いつもの様子に戻ったらしい まこ「すまんのぅ、悪気は無かったんじゃが」 京太郎「どういう、ことなんですか?」 まこ「つまり、じゃな。わしは……その、京太郎のことが気になっておってのぅ」 京太郎「え?」 まこ「じゃが、わしはほら。この見た目じゃろ?」 京太郎「どの見た目ですか?」 まこ「……あー、わしはきっと、そういうところが好きなんじゃろう」 京太郎「えっ」ドキッ まこ「ま、京太郎がどう思おうが、わしはほら、世間一般的に人気が出るような顔じゃない」 京太郎「ええ!? そんなオカルトありえませんよ!」 まこ「言動に気をつけるんじゃぞ京太郎。今のわしはいつ、京太郎に襲いかかるか分からんけぇのぅ」 京太郎「」 まこ「まぁ、とにかく。わしは咲や和、優希や部長のように可愛らしい部類には含まれんらしい」 京太郎「……反論したいですが、一応続きを聞きます」 まこ「これはあくまで仮定の……話じゃが」 京太郎「はい」 まこ「お前に好きな女がいたとするじゃろ?」 京太郎「え、ええ」 まこ「その女の周りには、自分より格好良い男が沢山おる。そして、その男達の全員が女のことを好きなんじゃ」 京太郎「……それは、辛いですね」 まこ「そして、その男達はお前の大切な仲間じゃ。京太郎なら、どうする?」 京太郎「どうするもなにも……きっと、諦めて……みんなを応援するに……あっ」ドクン そこで気づく まさか、染谷先輩が言いたいことって…… まこ「……分かったじゃろう。わしが、最後尾にいる理由が」 まこ「外見も釣り合わん。中身も対して可愛くないわしより」 京太郎「……」 まこ「仲がいい、可愛らしい、スタイルがいい、色気ある、あいつらの方がいいじゃろう?」 京太郎「なんですか、それ……」 まこ「事実じゃ。それに、わしがお前にアタックするより、他の子と時間を使った方がええ」 京太郎「……」 まこ「わしはあの中で一番理性があると思うちょる。わし一人が犠牲になって、みんなのやる気が維持できるなら」 京太郎「そのために、染谷先輩だけが諦めるんですか?」 まこ「そうじゃ。わしがお前を我慢するだけで、みんなが大会で実力を発揮できる」 京太郎「……そもそも、みんなが俺を好きかどうかもわからないのに」 まこ「いずれ分かる。あいつらの、お前の気持ちは本物じゃからのぅ」 そう言って、染谷先輩は立ち上がる 俺の顔を見る瞳は、恐ろしいほどに無機質だった まこ「京太郎。お前は無防備過ぎるけぇ。近くにいる女はみんな、京太郎のことを好きになる」 京太郎「ありえませんよ、そんなの」 まこ「……今はそう思っちょろうが、すぐに分かるじゃろ」 京太郎「待ってください」 まこ「……なんじゃ?」 出ていこうとする染谷先輩の腕を掴む その腕は震えていて、冷たかった 京太郎「確かに染谷先輩のいうことには一理あると思います」 まこ「……」 京太郎「誰だって可愛い子の方がいいに決まってるし、スタイルがよければ嬉しいでしょう」 まこ「そうじゃ」 京太郎「一人が犠牲になることで、みんながやる気を出せるなら、それが正しいんでしょう」 まこ「そうじゃと言うちょろうが」 京太郎「でも、そんなの俺……嫌です」 まこ「……」 京太郎「だって、約束したじゃないですか。みんなで全国で優勝しようって」 まこ「じゃから、わしは……そのために」 京太郎「染谷先輩がいない」 まこ「っ!」 京太郎「そりゃ団体戦に染谷先輩はいます。活躍もするかもしれない」 まこ「当たり前じゃ。わしを誰だと……」 京太郎「だけど! 染谷先輩一人が辛い想いをして、苦しんで、耐えて、手に入れた勝利なんて!」 まこ「!」 京太郎「そんなの、絶対おかしいですよ……」グスッ まこ「……京太郎」スッ 京太郎「そ、染谷先輩」 まこ「わしはな、最初……見つめるだけで満たされてたんじゃ」 京太郎「……」 まこ「ひと目、京太郎に逢いたくて、声が聴きたくて」 京太郎「染谷先輩……」 まこ「じゃが、傍におっても京太郎の傍には常に誰かがおる」 京太郎「でも、それは」 まこ「わしだけの場所なんてない。それでも、みつめるよりは幸せだと……自分に嘘を吐こうとした」ジワッ 染谷先輩の柔らかな感触が、俺の体を包む まこ「情けないほどに、愛しちょるのに……やり場のない想いだけが残った」ギュッ 京太郎「……俺は」 まこ「臆病な素顔を隠す為に、無理に笑う事ばかりが上手くなったんじゃ」 背中に回された両手が、わなわなと震えている まこ「時が経てば忘れられる。そう、自分を慰めて、虚しいほど本気だと気付けんかった」 京太郎「そうですよ。本心を隠したって、苦しい思い出ばかりが溢れるだけですから」 まこ「あぁ……そうじゃな。こうしているだけで――わしの決心なぞ、吹き飛びそうじゃ」ギュゥゥ 京太郎「染谷先輩。俺、思うんです」 まこ「?」 京太郎「誰がお似合いだからとか、あの人が相応しいとか、理論付けて自分を納得させることは出来ても」 所詮、そんなものでは―― 京太郎「心にだけは、嘘を吐けない」 まこ「!」 京太郎「頭でいくら理解しても、納得しても。心は好きな人を求めてしまう」 まこ「……」ブルブル 京太郎「だから、自分の心が納得するまで……戦うしかないんです」 まこ「たたか、う?」 京太郎「俺はここにいます。傍に誰がいても、俺という存在はここにいます」 まこ「……あぁ、わしの腕の中じゃ」 京太郎「染谷先輩はずっと待ってたんでしょう!?自分が我慢しなくても済む、みんなの敵にまわらなくても済む……そんな誰もが笑って、誰もが望む最高なハッピーエンドって奴を。今まで待ち焦がれてたんでしょう?そんな展開を……何のためにここまで歯を食いしばってきたんですか!?自分のその手で大切な仲間を助けて見せるって誓ったんじゃないんですか?染谷先輩だってヒロインの方がいいでしょ!? 脇役なんかで満足しないでください、命を懸けて自分の気持ちを守りたいのなら! だったらそれは全然終わってません、始まってすらいない……ちょっとくらい長いプロローグで絶望しないでください!手を伸ばせば届くんです! いい加減に始めましょうよ、先輩!!!!」 /⌒ー‐‐/ ヽ / ∧ ∨ ィ ∧ _〃 !ー'ー∨ー! ∧ / ナ- L __ \ V〈 ィ─ 、 _ヽ` ハ 〉 X 〈 f j ヽ__/ .f j 〉ヽ ノレ|`' / 代 └' ノ ! └' }-、 L V〈 ヽ!  ̄ ̄ ` ー─'7ノ ト 〉 V ∧\ , -‐-、 / 、 j ヾ〉 ` \ヾー....._.......<レ' ∨′′ .-,,┘ 〈二_ まこ「長い、三行で」 京太郎「先輩 諦めないで 真矢みき」 まこ「あぁ、そういうことか」ポンッ 京太郎「……泣いてもいいですか」 まこ「冗談じゃ」クスクス 京太郎「じょ、冗談ですか」ショボン まこ「まぁのぅ。じゃが、京太郎の気持ちは伝わったけぇのう」ギュゥ 京太郎「そ、染谷先輩っ//」カァッ まこ「……ありがとうな。京太郎のお陰で、心が楽になった」 染谷先輩は俺から手を離して、背を向けた まこ「ほら、早く仕事に戻るんじゃ。みんなが待ってるけぇ」 京太郎「は、はい!」 俯いたその表情は見えないけど、俺には分かる まこ「(部長達もまごついておるようじゃし、ここいらで最前列に出るのも悪くないかのぅ)」ニッ きっと先輩は、今までに見たことがないくらい―― ___ __r¬ブ--ヘ、_r¬-、 /_厂、/ 、 ∨ /ヽ / 〈 、/ ト\ `´ \ / 厶y′ ドミミv彡l l l / ,√´ ‐-、_/ `^^゙l ヽl | / レ´ , ,≦ニミヽ | 〉 _ノ 〈イ ,イ〈了⌒」゙ ヽ z_=ヽ、 V! / 从i トヘヾ 辷ソ ;-、/7,ハVハ lハ l / 八 `‐' `ー,,-'′ ヽヒ'ソイ丿 ル′ レ'〈 ` ー、 ,、_ ` ,,ーl´イ ___ 丿 ン / lヽ 丶二7 八 \ / ̄`,二ユ`ー<レ'八、ィ」 \ イ ,ハノ. / / └、‐-\-‐´ `¬-、`-r< 八_ン′ 〕ヽ/ \__ \ r===ミr个、ゝイ --;¬─‐-、. 厶 { / r┘ーヘ、{{ /ソ小K´ ̄l|__/ l / ヘ / `¬ニソヘヾ=≠″| lヾ\_リ _i} -y | ! __ ハ、/ __ ,、 〉」 | |│|`´lヽヘ∠-‐- 〈  ̄〕,〈 /,∠ニヽ\ ̄`-Lj-Ll __」 V__,、--¬、 \ゝ、 /// ,⊆ニユ、  ̄`ヽ二_ j 〉  ̄`辷ス´ / ヾニ二ヽ\_ __r-─ヘ、_厂 { \ /7⌒ ̄ ̄/ \ \}__ ヽ l\ l レ ' ヽ 〉 \\ l \ / 〉__/ ヽ ヽ.〉 , --─-- 、 ヽ /\ / _,、--´ ̄ l. 〈 \∨ ヽ--ニ ̄ \ _ | ヽ 〈 l ̄ ̄`ー---‐′ まこ「……コンタクトと、ストレートパーマ……試してみる価値はありそうじゃな」クスクス 晴れやかな表情で、笑ってくれているって 第十章【いつだって最後尾 不思議なディスタンス!】 カンッ
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701 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 21 22 33.85 ID n26dABvCo 4月2日(火) 【早朝】 京太郎「さて今日も一日が始まるぞ」 京太郎「今日は授業は始まるし、放課後は麻雀部へ行かなきゃならないし忙しいな」 京太郎「その前に今朝はどうするか……」 705 1.咲を迎えに行く 2.弁当を作る(コンマ判定あり、成功すればステータス上昇。所持金を使い豪華にする事も可能) 3.早朝ランニングをする(【体力】+1、誰かと会うかはコンマ判定有り) 4.ニュースを見る(【知力】+1) 5.その他(内容併記) 712 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 21 34 10.17 ID n26dABvCo 早朝ランニングをする 京太郎「やっぱり健康のためにも早朝ランニングはかかせないな」ハッハッハッ 京太郎「麻雀には体力も必要だって言うし」 京太郎「しかし流石に人がたくさんいる学園都市でもこの時間帯はまばらだな」 京太郎「俺と同じように走ってる人もいるっぽいけど」 717 コンマ判定(ついでに会った場合のキャラ名も併記※咲キャラのみそれ以外は特に指定なし) 書いてなかった場合コンマは 717を適用し、内容は安価下 00~70 誰とも出会わずランニング終了 70~99 誰かと出会う 721 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 21 39 35.87 ID n26dABvCo 誰とも出会わなかった 京太郎「ふーランニング終了っと……」 京太郎「しかし一人で走るのも寂しいな。誰かと出会えたらいいんだけど」 【体力】が1上がった 【次回早朝ランニングを選んだ場合の出会い難易度が下がりました】 722 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 21 49 44.64 ID n26dABvCo 【午前パート】 京太郎「今日から授業とかダルい……」 京太郎「しかし一応学生だからやらなきゃな」 京太郎「さて今日の授業はっと……」 京太郎「 727か」 選択教科(何が上昇するかは 1の経験に基づく) 1.国語 【知力】上昇大 2.数学 【知力】上昇小 【デジタル】経験値小 3.英語 【知力】上昇小 【体力】上昇小 4.理科 【知力】上昇小 【精神力】上昇小 5.社会 【精神力】上昇大 6.体育 【体力】上昇大 7.サボる【オカルト】経験値中 734 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 21 58 37.47 ID n26dABvCo 国語 738 コンマ判定 01~30 眠ってしまい失敗 31~70 成功小【知力】+2 71~98 成功中【知力】+3 ぞろ目44以外 成功大【知力】+5 ぞろ目44 大失敗【知力】-1 747 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 08 51.29 ID n26dABvCo 大成功 京太郎「今日はすっきり頭も冴えて授業の内容が良く分かる気がする」 京太郎「やっぱり早朝ランニングの効果なのか?」 咏「なんだ須賀、今日は真面目だなー」 京太郎「今日はってまだ初日ですから」 咏「えーお前って授業中真っ先にグースカ寝てそーじゃん」ケラケラ 京太郎「咏ちゃん先生の中の俺のイメージってそうなんですね……」 咏「まぁ真面目に受けてくれるんなら、私も嬉しいぞ。しらんけど」 【知力】が5上がりました 748 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 14 45.20 ID n26dABvCo 【お昼休み】 京太郎「待ちに待った昼食ターイム」 京太郎「やっぱり真面目に受けると腹が減るよな、うん」 京太郎「さて今日はどうしようか」 753 1.購買部に行って買う 2.食堂に行って食べる(誰かと出会うかはコンマ判定有り) 3.2組に行ってみる 4.誰かを誘ってみる(現在誘えるのは南浦数絵のみ) 5.食べない 6.その他(内容併記) 758 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 24 34.46 ID n26dABvCo 誰かを誘ってみる 京太郎「せっかくだし誰かを誘ってみるか」 京太郎「と言ってもこの教室に知り合いは南浦さんしかいないんだけど」 京太郎「つーわけで」 京太郎「南浦さん」 数絵「ん?あぁ須賀君。どうしたの?」 京太郎「お昼まだなら一緒に食べないか?」 数絵「そうね…… 763」 数絵の承諾コンマ判定(女の子からの判定はコンマの1桁と2桁を逆転して判定します) 01~60 失敗 ごめんなさい。遠慮するわ 61~99 成功 いいわ。行きましょう ぞろ目44以外 成功判定と好感度+1 ぞろ目44 失敗判定と好感度-1 773 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 34 46.28 ID n26dABvCo 失敗 数絵「ごめんなさい。遠慮するわ」 京太郎「そうだよな。昨日知り合ったばかりのクラスメイトと一緒にと言うは抵抗あるか」 数絵「本当にごめんなさい」 京太郎「謝らなくてもいいって」 京太郎「ま、これから仲良くなれば良いんだからな」 数絵「……ありがとう」 774 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 41 48.84 ID n26dABvCo 【午後】 京太郎「さて午後の授業か」 京太郎「飯食うと眠い……」ウツラウツラ 京太郎「あー春の日差しがここちよい……」 京太郎「授業は 779か」 選択教科 1.国語 【知力】上昇大 2.数学 【知力】上昇小 【デジタル】経験値小 3.英語 【知力】上昇小 【体力】上昇小 4.理科 【知力】上昇小 【精神力】上昇小 5.社会 【精神力】上昇大 6.体育 【体力】上昇大 7.サボる【オカルト】経験値中 781 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 47 31.83 ID n26dABvCo サボる 京太郎「よしサボろう。こんな小春日和の気持ち良い日に授業なんて受けられないよなー」 京太郎「中庭……は人が来るし、屋上にするか」 786 コンマ判定 01~30 見つかってしまい失敗 31~70 成功小【オカルト】経験値極小 71~98 成功中【オカルト】経験値小 ぞろ目44以外 成功大【オカルト】経験値中 ぞろ目44 大失敗【知力】-1 787 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 51 57.74 ID n26dABvCo 成功小 京太郎「あーよく寝た」 京太郎「誰も来なかったし、ここは良いな」 京太郎「さて残りは頑張りますか」 【オカルト】経験値が極小上がりました 789 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 22 56 16.75 ID n26dABvCo 【放課後】 京太郎「さてもう放課後だ」 京太郎「今日は新入生は麻雀部に行かないといけないんだよな」 京太郎「遅れないように行かないと」 790 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 23 02 49.83 ID n26dABvCo 【麻雀部】 京太郎「ここが麻雀部かー」 京太郎「みんなもうけっこう集まってるみたいだな」 京太郎「しかし本当にここが部室なのか?」 京太郎「多目的ホールと同じくらいあるような気がするが」 京太郎「それに最新型全自動麻雀卓にパソコン、麻雀関連の書物を取り揃えた本棚」 京太郎「ドリンクコーナーに仮眠室、AVルームに大型プロジェクトスクリーン」 京太郎「流石麻雀学園都市、力の入れようが違うな……」 791 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 23 12 56.43 ID n26dABvCo ガヤガヤ 京太郎「ん?どうやら上級生が来たみたいだな」 久「みんな集まってるみたいね。感心感心」 ゆみ「今年はどんな奴が入ってきたのか楽しみだな」 久「そうね。去年は豊作だったし、今年もそうだと良いわね」 透華「あら、この中から誰が出てこようと関係ありませんわ」 透華「だって、この龍門渕透華以外に目立つような人物はいませんもの」 智美「そりゃまー透華みたいなのが毎年いると思えないぞー」ワハハ 透華「その通りですわ」オホホホホ 久「あれ褒めてるのかしら」 ゆみ「わからん。あの二人はある意味同レベルだからな……」 792 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 23 19 12.84 ID n26dABvCo 京太郎「あの人達って確か……生徒会長になんか変な副会長だよな」 京太郎「それに加治木先輩に蒲原先輩か。あの人達の誰かが部長なのかな?」 京太郎「生徒会長は忙しそうだし、副会長は変だから無いな」 京太郎「ここはどう考えても加治木先輩だな。しっかりしてそうだし」 久「えーそれじゃあ部長から挨拶があるから、皆聞いてね」 智美「皆よく来てくれたなー。私が部長の蒲原智美だぞー」ワハハ 京太郎「蒲原先輩かよ!!」 793 : ◆UNNCnfZIx6[saga]:2012/09/04(火) 23 30 05.49 ID n26dABvCo 透華「今さらですけど、やっぱりあの人が部長なのはあなたが生徒会長なのと同じくらい納得できませんわ」 久「そう言われてもねー」 ゆみ「まぁあいつはああ見えて統率力は有るからな」 ゆみ「お前も一年間見てきただろ?」 透華「それはそうですけれど……」 久「私なんて透華がいる生徒会だけで精一杯なのに、更に個性的な麻雀部を纏めるんだから頭が上がらないわよ」 透華「どういう意味ですのそれは!」 ゆみ「おいおい落ち着け」 ゆみ「まぁあいつが凄いのは事実だ。お前を含め去年入ってきた連中ともすぐに打ち解けたしな」 ゆみ「そう言うところが蒲原が部長になった理由だ」 ゆみ「ただ勉強の方はもう少し部長らしくしてほしいんだが……」タメイキ 久「あはははは」 <<前に戻る|4月へ|次に進む>>
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咲「はっきり言って幻滅した。幻滅したよ!」 京太郎「薬なんて飲ませやがって」 咲「これはもうあれだね」 京太郎「服を脱ぐな服を」 咲「京ちゃんなんてやるくらいしか」 京太郎「なんてってなんだよ。俺だってなあ長身で金髪で、主役張れるくらいには」 咲「京ちゃん、自己評価高すぎじゃない?」 京太郎「怒った、もう怒った」 咲「ほっぺひっぱらないで~」 京太郎「たく」 咲「でも実際京ちゃんの清澄での評価ってこんな感じじゃないかな?」 咲「あ、麻雀の力は無いも同然だから聞くまでもないよね」 京太郎「むぐぐ、言い返せねえ」 咲「容姿は70で結構褒められてるんじゃないかな」 京太郎「だろ?」 咲「役立ち度、貢献度は87で上出来だよ!」 京太郎「何で上からなんだよ。まあ頼られて嬉しいけどさ」 咲「でね、私の好感度は」 京太郎「咲の好感度なんてわかりきってるつーの(どうせなら和の好感度が知りたいぜ)」 咲「じゃあ和ちゃんはね」 咲「最悪かな」 21 和「見れなくはないですね」 35 咲「和ちゃん優し~」 京太郎「なんでだよ!」 咲「だって」 和「……ですね」 京太郎「寝てる俺を犯した癖に!」 咲「ええ、だってムラムラしたから」 京太郎「俺はオ○ホか!」 咲「あはは、女の子は入れられる側だよ」 和「咲さん、相手にしないで行きましょう」 咲「うん。じゃあね京ちゃん」 京太郎「……意味わかんねえ」 京太郎「やられたのに最悪って何だよ……やられた側なのに」 久「あら須賀君、シーツ掃除するの?」 京太郎「ええ、汚れていたので」 久「相変わらずありがと。助かってるわ。何かお礼でも出来たら良いのだけど」 京太郎「いえ、そうだ部長、俺のことどう思ってます?」 久「須賀君のこと? ルックスも良いし働き者だと思ってるわ。女子にもてるでしょ」 京太郎「部長はどう思います? 勿論男として」 久「……下1ね」 久「悪くは、ないと思うわ……」 34 F 京太郎「ならこっち見てくださいよ」 久「いえね、須賀君は確かに声も良いし顔も整っているのよ」 京太郎「なら」 久「でも好みって大事でしょ?」 京太郎「まあ俺も巨乳は好きですが」 久「それよ! 須賀君は私のタイプじゃないの!」 京太郎「……」 久「あ、私まこに呼ばれてたから」 京太郎「出てってやる! 絞るだけ絞るこんな部活、出てってやる!」 久「あ、外でるならあれよろしく」 京太郎「ちくしょー! スポドリとお茶2リットル、お茶受けいくつか、ですね。わかりましたよ!」 久「領収書は貰って…って、言われなくてもわかってるはずよね」 京太郎「領収書だってなんだって持ってきますよ!」 久「いってらっしゃ~い」 きょうたろうがきよすみからにげだした 鶴賀 京太郎「蒲原さーん!」 蒲原「須賀君じゃないか―」 ゆみ「なんだ蒲原、知り合いか?」 蒲原「清澄のマネージャーだぞ。前に少し話をしてな、ワハハ」 京太郎「部員です!」 蒲原「ごめんごめん」 ゆみ「で、清澄の者が何故。練習試合でもやるのか?」 京太郎「実は」 京太郎は事の顛末を話した。 蒲原「ぷ、ぷくく」 ゆみ「わ、笑っては失礼だろ…しかし、久らしいというか、くくっ」 蒲原「ゆみちんだって笑って……もうダメ、ワハハ! だってこんなギャグみたいなことが」 ゆみ「まあ確かにルックスや声は目を見張るものがあるが」 京太郎「そんなこと言ってどうせ……」 ゆみ「本当だとも」 蒲原「そうだぞー。そうだ、ついでに私たちの好感度も教えてあげよう!」 ゆみ「私は初対面なのだが」 蒲原「まあまあゆみちん」 ゆみ「はぁ……私は下1だ」 蒲原「私は下2だぞ」 蒲原「友達としてなら悪くないと思うな―」 59 D 京太郎「ありがとございます」 蒲原「なーゆみちん」 ゆみ(しかしよく見ると顔も整って背も高い。それに声も特に) 蒲原「風邪か―?」 ゆみ「ああ、私は」ドキドキ 京太郎「薬でしたらこれなら」 ゆみ「これは、頭痛薬?」 京太郎「優しさが半分入っているので、よく効くと思います。あ、でもあまりに酷い症状なら病院へ」 ゆみ(優しさが半分、残りの半分は) 京太郎「御身体には気をつけてくださいね。加治木先輩」ニコッ ゆみ「くっ、その笑顔反則だ……」 93 A 蒲原「ゆみちんもたまにはボケるんだなー」 モモ「先輩風邪っスか!?」ユラッ 京太郎「うわっ!」 モモ「人を見て声をあげるとか失礼っすね。まあ慣れてるっスけど」 京太郎「ごめんなさい」 ゆみ「ああ。病にかかってしまったらしい」 モモ「難病っすか!?」 ゆみ「ああ。そうだ、モモ……」 モモ「なんすか? 水っスか? ああ、でも今は」 蒲原「ユミちんが聞きたいのは彼のことだと思うぞ、モモ」 モモ「……誰?」 ゆみ「ぱっと見の印象で良い。彼をどう思う?」 京太郎(おっぱい大きいな……この娘) モモ「えっと……下1っス」 京太郎「先ほどはすみませんでした。初対面で悲鳴を」 モモ「え……と」 京太郎「モモ、さんでいいですか?」 モモ「好きに呼べばいいっす。影が薄いからあれくらい」 京太郎「そんなこと、モモさんほど魅力的な(胸を持った)女性、そういませんよ」 モモ「い、言ってて恥ずかしくないっすか!?」 蒲原「ワハハ、真っ赤で桃みたいだな―」 モモ「そ、それと私の名前はモモじゃなく、東横桃子っす!」 京太郎「じゃあ桃子さん、良ければ俺と友達になってくれませんか?」 モモ「と、友達!?」 蒲原「ちなみに同学年だぞ」 京太郎「友達ならきっと、貴女の事を忘れることは無いと思うので」 京太郎「よろしければ、有効の証に握手を」 モモ(ナンパっぽい男の癖に…) モモ「じゃあ」ギュッ 京太郎「今日から友達ですね」 モモ(どうしてこんなに胸が高鳴るんスか―!?) 80 A 京太郎「あ、買い出しの途中でした」 モモ「も、もう行くっスか?」 蒲原「なら送ってくぞ」 京太郎「ありがとうございます」 ゆみ(命か愛か……) モモ「なら私も!」 蒲原「モモは部活があるだろー」 モモ「くっ!」 蒲原「ゆみちんはどうする? 帰りにドライブとでも」 ゆみ「い、いや、遠慮しとこう(行きは天国、帰りは地獄では)」 京太郎、神原さんと共に清澄に戻りました。 京太郎「ただいま戻りましたー」 和「あ、お帰りなさい」 咲「戻ったんだ、お帰り京ちゃん」 京太郎「部長、買い出しの品です」 久「ありがと。随分遅かったのね」 京太郎「鶴賀学園に行ってまして」 久「犯罪はやめてね」 和「同意ですね」 京太郎「いやいや、歓迎されましたから!」 咲「そっか。よかったね」 京太郎「憐れむような目をやめろぉ!」 京太郎「染谷先輩に優希も何か言ってくださいよ!」 まこ「確かに言いすぎじゃな。京太郎なら歓迎されるんは妥当じゃろ」 70 B 優希「犬はよくやってる方だじぇー」 68 C 京太郎「ですよね!」 咲「優しいなぁ」 京太郎「咲が冷たいんだよ」 咲「抱いた癖に……」 まこ「なに!?」 優希「なんだと!?」 まこ「ま、大方寝たところをいつも通りやったんじゃろ?」 咲「あ、ばれました? 京ちゃんあそこは大きくて」 優希「~~///」 咲「恋愛感情抜きにするなら、結構良いですよ」 和「私は結構ですけど」 久「私も遠慮するわ」 咲「二人も試してみると良いですよ」 まこ「あ、あほ!」 優希「さ、咲ちゃんのスケベ!」 咲「酷い言われよう!?」 京太郎「事実だろ」 咲「もう!」プンプン まこ「あ、そうだ京太郎」 京太郎「ああ、手伝いなら良いですよ」 まこ「すまんのう。父がギックリになんてならんけりゃ」 京太郎「バイト代も出るし、結構楽しいんで」 まこ「そ、そりゃあよかった」 京太郎「今からですか?」 まこ「うむ」 久「買い出しも終わったし、行って良いわよ」 京太郎「じゃあ行ってきます」 久「行ってらっしゃい。頑張ってね~」 優希「わ、私も」 和「優希はここで打ちましょう」 咲「面子足りないもんね」 久「そうね」 優希「うう~」 ルーフトップ おっさん1「お、若旦那と出勤?」 まこ「あ、あほ! 後輩じゃ!」 おっさん2「顔赤いぞ。青春だねー」 まこ「酔っ払い追い出すぞ!」 京太郎「あはは、って」 まこ「京太郎どこへ」 京太郎「こらこら、子供はこんな場所に来ちゃいけないよ」 まこ「子供?」 京太郎「しかも日本酒なんて飲んで」 まこ「日本酒?」 京太郎「着物着て大人っぽく振る舞っても、お兄さんは見逃しません」 まこ「ば、京太郎! その人は」 咏「ん~? 絡んでくるなんて酔っ払い?わっかんねー?」クピッ 京太郎「飲むな!」 咏「あー返せよ―!」 京太郎「ダメです」 まこ「ああ、やっぱり」 京太郎「染谷先輩の知り合いですか?」 咏「くっそ、背伸びしても届かないねえ」 まこ「その人は」 咏「清澄の次鋒さんの知り合いかい?」 まこ「知り合いと言うか後輩でして。麻雀初心者の高校1年生なんです」 咏「ふーん」 咏「お兄ちゃん、うたをいじめるの?」 京太郎「上目づかいもダメ!」 咏「んだよー。ロリコンじゃねーのかよ」 京太郎「酷い変わりよう!」 まこ「京太郎、その人はプロ、大人じゃ」 京太郎「んなバカな」 咏「ほい免許証」 京太郎「ノーウェイ!!」 咏「お兄ちゃん酷いな―、お酒盗られておもわず泣いちゃうところだったね~」 京太郎「か、数々の御無礼お許しを」 咏「わっかんねー。けどやだ」 京太郎「申し訳ありませんでした!」ドゲザッ 咏(この兄ちゃん面白いな) 京太郎「なにとぞ、なにとぞ」 咏「んー、しゃあないねえ」 京太郎「じゃあ!」 咏「アレしたら許してやるよ」 78 B 咏「店員さーん、熱燗くださーい」 まこ「はいはいただいま!」 咏「ほらほら、手が止まってるねえ、次は苺食べたい。あー」 京太郎「は、はい。口を開けてください」 咏「もう開けてるっての。あー」 京太郎(何で俺が食べさせる必要が) 咏「ん~、誰かに食べさせてもらうパフェは美味いねえ」 京太郎「さいですか」 まこ「あ、あの……熱燗です」 咏「サンキュー。ほらほら、注いで注いで」 京太郎「は、はい!」 咏「こりゃ小鍛治プロが見たら発狂するね。知らんけど」 まこ「あまり後輩においたは」 咏「ただ座ってるだけだって。東北で言う充電ってやつ? んー、ちょうど良い温度。やるねえ」 まこ「ありがとうございます」 咏「ま、今日1日は我慢してな。あ、それとお姉さんコレ」 まこ「スマホ?」 咏「記念記念。ほら笑って」 京太郎「に、に~」 咏「ぎこちないねえ。ま、いいけど……に~」 まこ「はぁ……」 カシャッ 咏「よく撮れてる。上出来上出来。ご褒美にパフェのサクランボをあげよう」 まこ「どうも……美味しい」 咏「こんなサクランボより彼のチェリーが欲しいってか?」 まこ「な、なっ」 咏「かわいい反応だねえ」 まこ「勘違いしている所申し訳ないですが三尋木プロ。京太郎はチェリーじゃないんじゃ」 咏「え゛」 まこ「京太郎ならとっくのとうに捨ててるからのう……咲で」 咏「ふ、ふ~ん」 京太郎「こんな所で何を話しているんですか、貴女達は」 「「わ、わっかんねー?」」 京太郎「仲いいな!!」 その日三尋木プロのブログには一般、芸能、様々な人物からアクセス、コメントが殺到したという。 咏「ん~、なんでこんなにアクセスが来るのかわっかんねー」 針生「休暇になにをしているんですか!」 咏「まあまあえりちゃん。場所も住所も店名も隠したし平気平気」 針生「もう少しプロである自覚をですね」 咏「わっかんね~!」 針生「とぼけないでください!」 咏「別に恋愛禁止じゃないんだし、いいんじゃね? 知らんけど」 長野 京太郎「目線ずれてる」 まこ「確信犯じゃな、すまん」 京太郎「いえ、俺が悪いんで……あ、桃子とゆみさんから」 優希「なんて書いてあるんだ?」 京太郎「あのサービスは有料なのか、学割はあるのか、らしいです」 まこ「いっそ有料にするか?」 優希「チェキ1枚 5000円!」 まこ「……」 優希「……」 京太郎「……大人買いされたらどうするんですか」 「「すまん(じぇえ)」」 咲「京ちゃん自惚れすぎだって」 久「ねえ、それに私にもゆみからメールが」 和「好き者もいるんですね」 咲「ね~」 清澄 京太郎「咲、また寝てる時に」 咲「んふっ」 京太郎「やめろって」 咲「だって、なんか欲しくならない?」 京太郎「欲しい?」 咲「誰かが欲しがってる物とか、離したくないものってさ」 京太郎「俺はおもちゃかよ」 咲「ううん、京ちゃんは大事な友達だよ」 京太郎「はぁ、すんだらさっさとどいてくれよ」 咲「勿論。あ、ゴムはしてるから心配しないでね」 京太郎「当たり前だろ」 咲「ちえっ(こんなに上等な物持ってる友達を、簡単に離すわけないよね)」 咲「もうすっきりしたから起きていいよ」 京太郎「はいはい、そりゃよかったですね」 咲(八方美人となんて、付き合いたくは無いけどさ) 京太郎「昨日も洗濯したのに、またするとは」 久「須賀君、今日はどうするの?」 京太郎「部長、どうって?」 久「まこの手伝いする?」 京太郎「え、でも」 久「買いだしも昨日してくれたし、シーツも洗濯してくれているから平気よ」 京太郎「そうですね」 久「それとも麻雀でもする?」 和「まあ、先輩のお店でも出来ますが」 京太郎「じゃあ下3で」 雀荘 まこ「なんじゃ、また来たんか」 京太郎「ええ」 まこ「それは確かに助かるが」 京太郎「今日は前回の様なミスはありませんよ!」 健夜「あ、君が噂の男の子かな?」 まこ「今回は有名人じゃけえ」 京太郎「た、確かに」 健夜「探すの苦労しちゃったよ。咏ちゃんもなかなか教えてくれなくて」 京太郎「そ、それはご足労を」 健夜「ううん、全然平気。むしろここまで来るのが楽しみだったっていうか」 美穂子「お初にお目にかかります。小鍛治プロの噂はかねがね」 健夜「わ、私ってそこまで焦ってる!?」 美穂子「? 麻雀の実力についてのつもりだったんですが、私もしかして」 健夜「あ、うん。私も知ってるよ。福路さんだよね。個人戦凄かったから」 美穂子「ありがとうございます」 京太郎「あ、部長の」 美穂子「貴方が須賀君ね」 京太郎「はい」 美穂子「全国では買い出しお疲れ様でした」 京太郎「いえいえ」 健夜(もしかして彼女も彼を?) 89 A まこ(まさか久にスパイでも) 美穂子「誰かのために力になろうなんて、素敵だわ」ギュッ 90 A 京太郎「手、手を」 美穂子「この手にはきっと、優しさがこもっているのね」 京太郎「あ、あの」 美穂子「あ、ごめんなさい。つい」 京太郎「い、いえ」 美穂子「でも会えてよかった」 京太郎「会えてよかった?」 美穂子「今日はお手伝いに来たの」 まこ「手伝いなら京太郎で間に合ってるが」 美穂子「久が二人が困ってるって教えてくれてね、力になれたらって」 まこ「そりゃあ、あんたの腕はしっとるから助かるがのう」 京太郎「じゃあお願いします」 美穂子「はい♪」 健夜「なら私も」 京太郎「小鍛治プロは打っている方が宣伝になるので、どうかお願いします」 健夜「あ、はい」 まこ(確かに福路さんのおかげで色んなことが捗るが……) 美穂子「須賀君、これ3番さんにお願い」 京太郎「はーい!」 美穂子「須賀君、これノリ巻きなんだけど、小鍛治プロに運んで貰えるかしら」 京太郎「先輩の手作り……」 美穂子「ふふっ。須賀君の分も作って良いか染谷さんに確認をとってあるわ」 京太郎「やった! 先輩ありがとう!」 まこ「お、おう」 美穂子「後でお休憩のお時間に頂きましょう」 京太郎「ひゃっほー!」 まこ(なんか納得いかん!) 京太郎「小鍛治プロ、ノリ巻きです」 健夜「うわっ、凄い綺麗に巻いてある」 京太郎「福路さんの手作りですから」 健夜「いまどきの女子高生ってすごいなぁ、はむっ。うわっ」 京太郎「どうかされました?」 美穂子「なにか粗相でも」 健夜「ううん、お母さんが作ったのと同じくらい美味しくて」 美穂子「まあ♪」 京太郎「俺も早く食べたいなぁ」 まこ「仕事終わってからじゃな」 美穂子「ノリ巻きは逃げませんから」 健夜「…! 京太郎くん、はいあーん」 「「!?」」 京太郎「え、えっと、いいんすか?」 健夜「良い、良いよ!」 京太郎「なら失礼して、あむっ」 美穂子「どうですか?」 京太郎「美味しい。これなら毎日でも」 美穂子「なら明日からでも」 健夜「福路さん!」 美穂子「はい?」 健夜「料理教えて!」 美穂子「えっと・・・私なんかが」 健夜「お願い!」 美穂子「わ、わかりました」 まこ「そんなにうまいんか?」 京太郎「え? 美味しいですよ」 まこ「わしの卵焼きよりも?」 京太郎「染谷先輩の卵焼きも美味しいですよ」 まこ「わしはどっちが美味しいか聞きたいんじゃ」 美穂子「なら」 京太郎「どうしてこんなことに」 まこ「さ、食ってみい」 美穂子「ノリ巻きに卵焼き」 健夜「味比べだよ!」 京太郎「えっと仕事は」 まこ「もう店じまいじゃ」 美穂子「須賀君の好きな方を選んでくださいね」 まこ「世辞はいらんけえ」 京太郎「わ、わかりました」 健夜「私の作った卵焼きやノリ巻きもあるから(下手だけど……)」 京太郎「俺が好きなのは……」 京太郎「染谷先輩の卵焼き、出汁が効いててとっても美味しいです」 まこ「じゃろ?」 美穂子「確かに、どうやって作ったか教えてもらってもいいですか?」 まこ「企業秘密じゃ」 京太郎「でも」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「福路さんの海苔巻きのバランスには」 まこ「なんじゃと?」 京太郎「すんません。今回は福路さんの海苔巻の方が美味しいです」 美穂子「まあ」 まこ「くっ」 京太郎「本当に美味いっす」 美穂子「ふふっ。焦らないでも、京太郎くんさえよければ」 まこ「京太郎くんじゃと!?」 美穂子「だっていつまでも名字だと距離を感じるでしょ?」 まこ「そんならわしだって」 京太郎「えっと」 健夜「私も名前で呼んで構わないよ。距離感じちゃうし」 まこ(距離より年じゃろ) 京太郎「あはは、流石に大先輩の小鍛治プロを名前呼びなんて出来ませんよ」 健夜「だ、大先輩……」 美穂子「私はダメかしら?」 京太郎「えっと」 美穂子「京太郎くん」 京太郎「美穂子、先輩」 美穂子「嬉しいわ。これからよろしくお願いね京太郎くん」 京太郎「こちらこそ」 まこ(なんじゃなんじゃ! いきなり現れて人の領域荒らしおって!) 京太郎「あはは、なんだか今日は色々な人と仲良くなれた気がします」 美穂子「私もよ。ふふ」 健夜「また来るね」 美穂子「私もそろそろ。今日はお世話になりました」 京太郎「こちらこそごちそうさまでした」ペコリ 健夜「わ、私も次は美味しい料理作るから!」 京太郎「不格好でも、真剣に作ってくれた事はアレから十分に伝わりましたよ」 健夜「それでも! 次は負けないから!」 まこ(もう来るな) 京太郎(染谷先輩なんだか疲れてるなあ) 京太郎「染谷先輩、これ」 まこ「んん、ドリンクか」 京太郎「今日はお疲れさまでした」 まこ「ああ、疲れたわ」 まこ(こいつは鈍感じゃし、はぁ……わしなんで京太郎なんか好きに) 京太郎「いやー、今日は楽しかったな―」 まこ(でも諦めきれん、わな) まこ「次は負けん」ボソッ まこの好感度がB75→A80に上昇しました まこの父のギックリが完治したため、京太郎のアルバイトは終了しました。 京太郎「久々の学校、部活休み、どうするか」 透華 初対面 京太郎「ぶらぶらしよう」 京太郎「さて、するとは決めたがどうするか。懐はバイトであったかいけど」 京太郎「遠出する理由もないわな」 龍門渕方面 京太郎「そういや萩原さんってこのあたりなんだよな」 京太郎「挨拶でもしに行こうかな」 京太郎「確か龍門渕家の御屋敷で働いているとか」 ハギヨシ「呼びましたか?」 京太郎「うわっ。黒塗り!」 ハギヨシ「運転中に見知った顔が歩いていたので」 京太郎「あ、あの時はどうも。助かりました」 ハギヨシ「いえいえ。今日はどちらへ?」 京太郎「部活も休みだったんで、ちょっと散歩に」 「ハギヨシのご友人?」 ハギヨシ「ええ、全国の際に少々」 「この炎天下、外にいるのはかわいそうですわ。乗せてあげてもよろしくってよ」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、もしお時間があれば」 京太郎「えっと、じゃあお世話になります」 「この龍門渕家の優しさに感動なさい!」 京太郎「ありがとうございます」 ハギヨシ「しかし今日はどうして」 京太郎「本当にきまぐれですって」 透華「……」ジロジロ 京太郎「えっと、俺の顔に何か」 透華「別に。ハギヨシに相応しいかチェックしていただけですわ」プイッ 京太郎「あはは、確かに萩原さんは凄いですし俺なんかが」 ハギヨシ「そんなこ「そんなことはありえませんわ!」」 透華「貴方は私たちに相応しいと認めてあげても」チラッ A85 ハギヨシ「申し訳ありません。お嬢様は口下手なもので」 C63 気心知れた仲 透華「ハギヨシ!」 ハギヨシ「まあ須賀君はお気になさらずに」 透華「我が屋敷に着いても、御自宅のようにふるまってくださって結構ですわ」 京太郎「いや、でも……それにお土産も買ってないのに」 透華「(貴方が来るだけで十分。これ以上は)いりませんわ!」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、お気になさらずに」 京太郎「ありがとうございます」 透華「ところで須賀様はお食事はもう?」 京太郎「いえ、適当にハンバーガーでも」 透華「軽食なら……ハギヨシ!」 ハギヨシ「既に無線で連絡済みです」 透華「せっかくなので一緒に食べましょうか」 京太郎「?」 龍門渕家 京太郎「……いきなり着替えさせられたから何事かと思ったら」 透華「なにか?」 京太郎「なんで立食形式なんですか!!」 透華「客人に無礼な真似はできません事よ」 純「はーい、サンドイッチお待ち~」 歩「ハンバーガーならあちらのコーナーよりグリルで出来たてを」 京太郎「俺場違いじゃないですか? こういうの初めてで」 透華「ありえませんわ。それに須賀様、初めてなら私と共に」 京太郎「ええ、じゃあよろしくお願いします」 透華「ええ!」 智紀「透華ウキウキ」 衣「衣もエビフライ食べれて歓天喜地!」 純「あんなのがタイプなんだな」 智紀「ね…」 一「ほらほら、純君に智紀、サボらないで働く働く!」 純「へいへい」 透華「それで、須賀様は普段は何を?」 京太郎「まあ雑用ですね」 透華「まあ! 須賀様に雑用を!?」 京太郎「そんなに驚くことっすかね」 透華「原村ぁ……」 京太郎(めっちゃ怒ってる……アンテナびゅんびゅんだ) 京太郎「まあ俺が好きでやってるだけなんで」 透華「辛くないんですか? もし辛いのなら我が龍門渕が運営する高校へ」 京太郎「転校ってことですか?」 透華「ええ。私としましてはその方がよろしいかと」 京太郎「……」 京太郎「俺、清澄で1人だけ麻雀すっゲー弱いんですよ」 透華「まあ」 京太郎「一人だけ一回戦負けだし」 透華「それでも」 京太郎「けど部長に染谷先輩、優希に和、咲は俺を切り捨てることなく、先生たちに頼みこんでまで俺を全国に連れてってくれました」 透華「それは部員として当然ではなくて?」 京太郎「いえ、部費のことや性別の問題も旅費を考えれば、先生たちの発言は理にかなっています」 透華「確かに、女性陣の中に一人だけ普通の男が混ざっていれば、問題も想定されますわ。けど須賀様なら」 京太郎「そんな時、部長達は俺も大事な仲間だって先生たちに言ってくれたんです」 透華「……」 京太郎「だから俺、部長達を裏切ることはできません」 透華「須賀様は一途、律儀なのですね」 京太郎「そこまでとは」 透華「さしでがましい申し出、誠に申し訳ありませんでした」 京太郎「そ、そんな、頭をあげてください」 透華「ですがもし何かお困りならすぐ私に連絡を」 京太郎「あはは」 透華「必ずお役に立てるよう頑張りますわ。京太郎様」 京太郎「そんな、京太郎様?」 透華「ええ。何か問題でも?」 京太郎「名字で呼ばないんですか?」 透華「ええ。こちらの方が呼びやすいので」 京太郎(お金持って変わってるなあ) 透華(入婿として来た時のことも想定するのが、龍門渕家の女ですわ! オーホッホ!) 透華(京太郎様と結ばれた暁には、あのにっくき原村和の悔しがる顔が目に浮かぶ浮かぶ……浮かびまくりですわ!)ニヤニヤ 京太郎「あ、そういえば俺帰る方法」 ハギヨシ「お帰りの際は家まで私がお送りいたします」 京太郎「なにからなにまですみません」 ハギヨシ「いえいえ」 透華が京太郎様呼びを続けていたおかげで、一部の人々から次期婚約者候補として勘違いされました。 龍門渕家のイベント終了。 京太郎「ん~、今日も一日頑張ろう!」 学校 京太郎「咲、いつもの頼むよ」 咲「京ちゃんのエッチ」 京太郎「レディースランチのことだよ!」 咲「なんだ、それならそうって言ってよね」 京太郎「それくらいわかれよ……一応付き合い長いんだし」 咲「その言い方勘違いされるからやめて。はい、レディースランチ」 京太郎「サンキュー」 咲「じゃあ私行くから」 京太郎「おうありがとな」 久「相変わらず好きねー、レディースランチ」 京太郎「美味いんスよ」 久「美味しいといえば、美穂子に何したの?」 京太郎「何って?」 久「あれから美穂子、須賀君の話ばっかりするから」 京太郎「そうなんですか?」 久「てっきり須賀君が脅しでもしたのかなって。あ、これ美穂子から頼まれていた海苔巻よ」 京太郎「しませんよ!って、ありがとうございます」 久「実は一本貰っちゃった」 京太郎「4本残ってるんで別にいいですよ。それにしても美味いですよね。」 久「ええ、流石美穂子ね」 京太郎「ラッキー……また海苔巻食えるなんて」 久「あ、これ今日の買いだしメニューと財布ね」 京太郎「了解っす」 久「にしても美穂子が……あの美穂子がねえ」ブツブツ 部室 京太郎「買いだし終わりましたー」 久「おかえりー」 和「お疲れ様です」 咲「お疲れ様」 京太郎「ふー、疲れた」 優希「タコスいるか?」 京太郎「いや、いいや」 優希「そうか。ほしかったら言って良いんだじぇ。一口ならやろう!」 京太郎「はは、ありがとな」 まこ「そう言えば京太郎」 京太郎「先輩?」 まこ「最近客がな」 京太郎「何かあったんですか?」 久「それが面白いのよ。須賀君目当てのお客さん増えたんだって」 京太郎「俺?」 まこ「久……」 和「世も末ですね」 京太郎「失礼だよ! 俺だってルックスは整ってるし」 まこ「話は続けるが、ええか?」 京太郎「どうぞ」 まこ「勿論客の混乱を防ぐためにバイトはさせんが」 久「そのことなら私にも連絡来たわよ。靖子経由で」 まこ「なんじゃと?」 久「せっかくだしオーケーしたわ」 和「ええ」 京太郎「何か依頼ですか?」 咲「今度ここにプロが指導に来るんだよ。」 京太郎「へー、凄いな」 咲「でね、その条件が」 京太郎「ああ、俺がどっかでなんかしてくればいいのか」 和「そうです」 優希「嫌なら断っていいんだじょ?」 京太郎「別に俺は平気だけど」 まこ「無理してないか?」 咲「京ちゃんは元気が取り柄だから」 京太郎「ま、そんなところだな。で、誰が来るんですか?」 和「牌のお姉さんです」 京太郎「なに!?」 久「楽しみよね~」 京太郎「いいなぁ」 はやり「君が須賀君かな?」 まこ「ま、無事帰ってくるんじゃな……って」 はやり「はや?」 一同「えええ!?」 京太郎「……(本物!)」 はやり「…合格」ボソッ B70 京太郎「?」 はやり「瑞原はやり…じゅうはっさいです☆」 京太郎「初めまして」ペコリ 久「今回はお願いを聞いてくださり、ありがとうございます」 はやり「気にしないでね。後進の育成もプロの務めだから」 咲「じゃあ京ちゃん行ってらっしゃい」 はやり「何処へ?」 咲「え? 何処って北海道へ行くんじゃ」 はやり「行かないよ~。だってはやりもお仕事あるし、ね☆」 久「でもそれが条件のはずじゃ」 はやり「とりあえず一局打とうか」 まこ「は、はい!」 京太郎「じゃあ俺はお茶でも」 はやり「京太郎君はココ☆」 京太郎「対局席?」 はやり「半荘おーわり☆」 和「和了れない…」 はやり「でも降り方、牌効率はトップクラスじゃないかな」 和「ありがとうございます」 はやり「頭が固いのが難点、ちょっとオカルト混ぜられただけで振り込みやすくなるのは今後の課題だぞ☆」 和「ですが」 はやり「優希ちゃんは南場が弱いけど、集中力、糖分の問題なのかな?」 優希「うーん、でもチョコとかじゃ力でないじぇ」 咲「カン」 はやり「咲ちゃんは相変わらずかな?」 咲「お姉ちゃんとどっちが強いですか?」 はやり「うーん、どっちだろうね~」 咲「ところで瑞原プロ」 はやり「なにかな?」 咲「なんで京ちゃんの膝の上に?」 はやり「?」 咲「いや、疑問符出さないでください」 久「有珠山高校には連絡してきました」 はやり「ありがと。今度はやりもお詫びに指導しに行くね」 久「お願いします」 京太郎「あ、あの」モゾモゾ はやり「やん♪」 京太郎「ずっとこの体勢は」 はやり「でも咏ちゃんにやってたよね?」 京太郎「あ、あのブログ見たんですか!?」 はやり「プロの間では結構有名だぞ☆」 咲「京ちゃん顔真っ赤だよ」 まこ「そりゃあ憧れの女性が自分の膝に座ってれば」 和「それに須賀君の好きな巨乳…」 久「カチコチにもなるわね」 優希「私だって後3年くらいすれば」 はやり「はやりは小学生のころから結構あったぞ☆」 優希「ぐっ」ガーン はやり「はーい、メンバーチェンジだよ」 まこ「和、代わってくれんか?」 和「いいですよ」 優希「ちょっとやけ食いして脂肪つけてくる」 久「なら私が敵打ちをってね」 京太郎「あの」 はやり「次は京太郎君が打つ番だぞ☆」 京太郎「良いんですか!?」 はやり「はやりがしっかり指導してあげるから、ガンバ☆」 京太郎「はい!」 咲(京ちゃん人気者だなぁ……でも、お正月の賭け麻みたいに人が持ってる物を巻き上げるのって) 京太郎「よーし、やるぞー!」 はやり「えいえいお~」ぎゅっ まこ「後ろから抱きついた!?」 久「あすなろよ。あすなろ抱きよ!」 京太郎(胸が、胸が背中に) はやり「このほうが色々見やすいからね。深い意味は無いぞ☆」 まこ「京太郎」 咲「まさか…」 久「あはは」 京太郎「俺が……1位? や、やった!!」ガタッ 和「後ろから助言ありなんですから、当たり前です」 はやり「凄い凄い!」 京太郎「はやりさんのおかげです!」ギュッ! はやり「はやや。京太郎くんも良く頑張ったね」ギュゥッ! 京太郎「あはは、まぐれですよ」 はやり「ご褒美だぞ☆」チュッ 京太郎(き、キス) まこ「犯罪じゃ!」 はやり「ほっぺだからセーフだよ」 まこ「詭弁を…」 久「まぐれ、まぐれよね」 咲「私が京ちゃんに負けるはずないもん」 はやり「あはは」 まこ「何時まで抱きついとるんじゃ」 はやり「嫉妬かな? かわいい☆」 まこ「むかっ。離れんか!」 はやり「きゃっ」 京太郎「まさか俺が勝てるなんて」 はやり「素質はあるぞ☆」 まこ「京太郎と腕を組むな!」 はやり「やーん、怖い☆」 咲「もう一回」 まこ「じゃな」 久「和代わる?」 和「ええ。現実を教えてあげます」 咲「たった一回勝っただけで調子乗らないで」 京太郎「わかってるって。でも、牌のお姉さんってすごい」 はやり「今度はアドバイス少なめにするね」 咲「京ちゃんの癖に…」 まこ「(瑞原プロ)潰す」 京太郎「やぁってやるぜ!」 和「他人の力で…哀れですね」 はやり「京太郎君の対局結果は?」 対局終了 京太郎「みたかオラァ!!」 咲「お、おかしいよ! こんなの、おかしいよ!」 京太郎「1位だ!! 俺が、俺が1位だ!!」 和「悪夢ですね……」 京太郎「シャア!!」 はやり「凄い凄い!!」ギュッ 京太郎「はやりさん!」ギュゥ はやり「京太郎くん!!」チュッ 京太郎「勝った、勝ちました!!」 はやり「すごいすごい!」チュッ!チュッ! 京太郎「あはは、あははは!」 はやり「弟子になろ☆ はやりの弟子になろ!」ギュゥゥッ 好感度がB70からA80に上昇しました。 まこ「……」フラッ 久「あ、まこ」 まこ「便所じゃ……すぐ戻るけえ」 久「でも」 まこ「ちょっと一人で気張りたいだけじゃ……あはは」 和「あはは、嘘です。須賀君が」 久(咲達に良い牌が来れば九種九牌で流し、自身は次の配牌で確実に和了る。嫌な打ち方ね) はやり「やっぱり京太郎くんは」 咲「私もちょっと外の空気を吸いに行ってきます」 和「でしたら私も」 咲「ごめん、ちょっと一人になりたいから 和「咲さん……」 咲(お姉ちゃん……) 優希「どうしたんだじぇ? 犬がお祭り騒ぎって、なにキスしてるんだじぇ!!」 京太郎「あ、優希!」 優希「ななななにして」 京太郎「1位だ。俺が、俺が1位だ!」 優希「なにをわけのわからない事を」 久「須賀君が和、咲、まこを相手にトップで終わったのよ」 優希「じぇじぇじぇ!?」 京太郎「やったー!」 はやり「京太郎くんすごい! だから弟子になろ! はやりの弟子になろ!!」チュッ 優希「キスをやめろー!! 京太郎の口を塞ぐんじゃないじぇ!!」 京太郎「瑞原プロ、ありがとうございます!」 はやり「こちらこそごちそうさ、京太郎くんの才能にびっくりしたよ☆」 優希「は、牌のおねえさん! 決闘、決闘を申し込むじぇ!」 はやり「また今度ね」 はやりの好感度が80→90(ロックオン☆)に上昇しました。 その頃 咲「あ、お姉ちゃん、うん……」 咲「声が聞きたくなっちゃって」 咲「あはは、負けちゃった。2回も」 咲「ねえお姉ちゃん、本気出したのに、私負けちゃった……」 咲「それも京ちゃんと瑞原プロに」 咲「もう負けるつもりなかったのになぁ……」 咲「でも、あの時の京ちゃんはちょっと良い顔してたかな」 咲「次は負けないけどね」 女子トイレ まこ「うぐっ、くっ」 まこ「勝てるはずじゃった……いくら上手く打とうが、初心者は初心者」 まこ「全国での経験で初心者対策も出来ていたつもりじゃった……ぐすっ」 まこ「勝った京太郎を祝うつもりももちろんあったのに」 京太郎『シャア!!』 まこ「あんな笑顔、わしは今まで見たことがなかったんじゃ」 まこ「それに瑞原プロと……うっ、うっ…おええっ」 まこ「はぁ、はぁ」 まこ「京太郎……」グスッ まこ「わしは嫌な女じゃ……素直に京太郎を祝福出来ん女なんじゃ…うう」 数日後 京太郎「……手紙?」 京太郎「瑞原プロからだ」 京太郎「なになに」 京太郎「東京に来い?」 京太郎「……どうしよう」 京太郎「アレ、もう一通」 京太郎「三尋木プロだ」 京太郎「内容は横浜に、か」 京太郎「どうしよう」 京太郎「カピもいるし無理だよな。断ろっと」 京太郎「電話で良いか。電話番号書いてるし」 京太郎「ピポパっと」 京太郎「あ、瑞原プロでしょうか。須賀京太郎です」 京太郎「ええ、手紙届きました」 京太郎「返事の件ですが、やっぱり俺、清澄からは」 京太郎「いえ、はやりさんのことが嫌いなわけではありません。むしろ好意を抱いています」 京太郎「でも、やっぱり無理なんです。ここからは離れられなくて」 京太郎「泣かないでください。ええ、本当にごめんなさい」 京太郎「……心が折れそうだな。でもここは」 京太郎「三尋木プロのお電話で間違いないでしょうか?」 京太郎「ええ。俺です、須賀です本日は断りの」 京太郎「い、移籍金って何ですか!」 京太郎「あ、いえ。お金の問題ではなく」 京太郎「先ほどもはやりさ、瑞原プロにも断りを入れてきたんです」 京太郎「え、断って来たなら平気だろ? すみません」 京太郎「ごめんなさい。まだ高校生ですし。」 京太郎「転校しろ?」 京太郎「ごめんなさい。三尋木プロのご期待に添えなくて」 京太郎「よし、これでいいな」 後日休日 京太郎「……」 瑞原はやり『京太郎君へ 諦めないぞ☆』 三尋木咏『おにいちゃんへ。 わっかんねー。それとも私がそっちに住めってか? 知らんけど』 京太郎「二人から更なる手紙が」 丁重に断りました。
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198 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 08 52 ID WOTXHHfxO 恋愛ゲーってどうなんだ? やったら負けという気持ちと食わず嫌いは良くないという気持ち半々… 199 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 12 24 ID A/wJ5HMd0 198 合う人と合わない人が綺麗に分かれるジャンルだし、合わない人は無理に手を出さなくていいと思う。 200 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 14 37 ID rOEWrB2E0 恋愛ゲーはひとりでニヤニヤしながらプレイするのが楽しい ただ、これで無駄に時間を浪費した時の虚しさは他のゲームより大きい 201 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 19 23 ID shTk/fCV0 198 恋愛を題材にしたコミックや小説を読むのを躊躇うかい? つまりは、そういうこと。ゲームも同じ。 主人公=自分、よりも現在の主流は主人公=物語の登場人物って感じ。 202 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 39 54 ID 8xbrORQD0 恋愛ゲーは、半分ネタとして楽しめる人じゃないと辛いと思う。 ゲーオタの俺がこういうこと言っちゃマズイのかも知れないけど、 恋愛ゲー本気でのめりこんでるような人とは関わりたくないし、自分の周りにはいないと信じたい。 203 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 03 57 29 ID 9sIpuFr2O 198 最近、死滅しつつあるときメモみたいな育成ギャルゲーと、 サウンドノベルタイプで全然違うんで何とも言えんが、 前者ならゲーマーにはオススメできる。 後者は「気になるものをやってみて決めて」としか言えない。 どちらの要素もあるような違うような、バルドは大好き。 207 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 11 29 ID emG4LPh+0 ギャルゲはEver17やっとけ。 208 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 46 40 ID lxPEZ/750 P17nことプリズマティカリゼーションをですね(ry 209 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 07 56 45 ID qGB/g8no0 ヤンデレ祭りのネクストキングも忘れてもらっちゃ困るぜ 212 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 15 56 ID QzTOHonO0 PCだけど初ギャルゲーとしてリトルバスターズを遊んだら存外に面白かったり 227 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 12 23 46 ID HqAdIJFu0 ギャルゲが合うかどうかは、好きな漫画やらアニメやらで考えてみればわかるんじゃないかね 最近のハルヒだのらきすただの、あるいはハヤテとか色々。 女キャラがメインで進むストーリーに抵抗が無いなら、ジャンル自体に向いてないってことはないと思うよ 212の言ってるリトルバスターズなんて恋愛メインですら無いからなw 213 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 41 47 ID KAhRYzOC0 一月に乙女ゲーに吶喊予定な俺もいますが。 俺は面白ければなんでも良い雑食ゲーマーだから。 ・・・そういや今年ギャルゲーと呼ばれるジャンルをほとんど遊んでないな。 214 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 08 58 03 ID v/v52CGCO 最後に遊んだギャルゲーはPSの久遠の絆だったかな。 あれは面白かった。 215 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 09 11 08 ID qGSRx0sw0 ギャルゲーは縁がないね 絵や年代が似たようなのばかりだからなあ ケン月影の人妻ゲーならやってみたい 220 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 10 03 35 ID WgchsYi6O ときメモ2は発売当時に買って、後のEVSアペンドディスクも全部買ったが 本命を含む何人かが未クリアだ あの時ほどギャルゲー体力の衰えを感じたことはない 221 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 11 35 52 ID /8ejQ80s0 ときメモ2は子供時代のマップ移動がタルかったのが積み要因だったな。あれ以来ギャルゲーやってない。 EVSはある意味初音ミクの先祖なだけに惜しいシステムだった。 228 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 12 23 53 ID EyXi/MuR0 198 ADVゲームとして純粋にレベルの高いゲームもあるから、一括りにして敬遠するのはちと勿体無い。 ADVが好きなら、シナリオの評判が良いのを見繕ってプレイしてみると吉かも。 個人的には『Eve burst error』とかは震えたな。 純粋に恋愛シミュ系だったら・・・個人的には、『プリズムコート』が最高峰w 234 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 22 09 ID WPehdL+O0 228 ZERO ONE(SP)と同様にパロディだらけで、 名前からして推理小説家のパロディだったり、イベント名がアニメ・特撮の第●話のタイトルだったりするアレですね プリコーは恋愛SLGというかスポ根育成SLG+パロディ+恋愛ADVのようなw 名前ネタで興味湧いて十角館の殺人を買って読んだのは内緒w 富士通さん、2はでないんですか?(棒 251 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 17 08 21 ID EyXi/MuR0 234 確かに一口に恋愛SLGというとちょっと語弊があるかも。 初っ端のヒロインの自己紹介からして 「バレーは出来ないけど、きっと覚えます。だから、連れってってください!」 (返答の選択肢の一つが「馬鹿を言うなよ」) だったりと、古いパロディだらけだし。 でもADV部分もSLG部分も真面目に良い出来。 232 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 04 47 ID x9H3nhxu0 ギャルゲーだからと言って面白ゲームにめぐり合うチャンスを 棒に振るのはもったいないこと 233 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 15 19 20 ID KGogvxQU0 今はシステムに凝ったエロゲーも少なくなったような。 注意!以下のレスには「みつめてナイト(R含む)」のネタばれを含みます! +ネタばれを含むレスを見る ネタばれを含むレスを閉じる 253 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 17 24 00 ID q24agfGqO 俺はやった事無いけど、みつめてナイトは無印・Rともに友人がはまってて、よく話を聞いた。 ファンタジーな世界で戦争なんかが起きてるんだけど、ヒロインの一人が正体を隠した敵の将軍だったりするのは当たり前、 病弱ヒロインの飼ってた小鳥が死んだ時の選択肢で「お前も小鳥の所に行け」みたいのを選ぶと本当に自殺したりと、 名前から想像も出来ないくらい殺伐としてたとか。 あと、ヒロインにロリィとレズリーとかいうのがいた気がする。 やりすぎだろコナミw 255 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 13 14 ID 8gBjY6xT0 253 みつめてナイトは俺もおすすめ システムはまんまときメモで分かりやすいし 裏の設定が色々あるので TOのウォーレンレポートとかガンパレの諸々とか好きな人は会うと思う 注意!以下のレスには「みつめてナイト(R含む)」のネタばれを含みます! +ネタばれを含むレスを見る ネタばれを含むレスを閉じる 265 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 19 16 19 ID WPehdL+O0 253 Rはマスターアジア風味の師匠が良かったけど、無印の世界観ぶち壊しなので無印主義者にはオススメ出来ないw 無印は普通にオススメ出来るな ただ普通にイベントで死ぬ場合がある人が5人、生死不明が2人(病弱キャラ、確か未遂で終わったような)、 生死の狭間を彷徨った挙句主人公に見捨てられる人が1人、殺人未遂されたり誘拐されたりする人が1人 と実に殺伐としておりますが、無印・Rともにな(´・ω・`) 257 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 20 01 ID yi92fD7R0 コンシューマのADVならば アカイイトが好き…… 258 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/26(水) 18 25 32 ID jWsmyW6GO どき魔女 異論は認めない 637 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/28(金) 23 57 48 ID 56x2qyJw0 198 ようやく規制解除になったんで激しく遅レスで申し訳ないが、恋愛ゲーっぽい要素もある 東京魔人學園と九龍妖魔學園激しくオススメ 後者はカレーも食べ放題だしな… 名前の挙がったゲームタイトル一覧(ギャルゲかどうかはさておく) アカイイト 九龍妖魔學園紀 久遠の絆 東京魔人學園 シリーズ どきどき魔女審判! ときめきメモリアル2 ネクストキング 恋の千年王国 プリズマティカリゼーション プリズムコート みつめてナイト みつめてナイトR 大冒険編 リトルバスターズ! EVE burst error Ever17 -the out of infinity- ZERO ONE (SP)
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―麻雀部部室― 今日も部室にはお馴染みの6人。 てかこの光景、前も見たような気がするな。何故だろう。 美幸「今日は皆で裸でおしくらまんじゅうするよっ!」 ……はい? いや、おしくらまんじゅうっていうのはさ。 寒いときに皆で体を寄せ合い、体を温める為にすることだと思うんだけど。 冷静になって考えてほしい。 今は夏だ。 暑い暑い夏だ。 そんな時におしくらまんじゅうとは。 ちょっと常軌を逸しているな。 よし、ちょっと反論するか。 京太郎「あの……」 梢「いい案ですね、さっそくやりましょう」 澄子「夏に裸でおしくらまんじゅうですか、面白そうです」 友香「早くやるんでー!」 莉子「み、みんながやるなら……私も……」 おいおい、マジかよ。 美幸「みんな、ありがとー!」 美幸「で、須賀くんもやるよね、もちろん」 京太郎「え、俺は」 美幸「やるよね」 あの、笑顔なのはいいですけど。 目が笑っていないのは大丈夫なんですかね……。 京太郎「あ、はい、やります」 くそ、気迫に押されてしまった。 まあ、適当にやっておくか。 はい、お決まりのように6人全員全裸です。 なんか今更全裸になられてもねぇ。 最初は興奮してたのかもしれないけど。 もう今はあまり何も感じなくなったな。 いや、別に俺が男としての本能を失ったわけじゃないぞ。 ただ、あまりにも日常的だとありがたみが薄れるんだよなぁ……。 おっと、早速始めるようだな。 美幸「ようし、じゃあ須賀くんを中央に」 美幸「私たちがその周りを囲むよ!」 ほう、俺が真ん中なのか。 言われるがまま、5人に囲まれる。 何か嫌な感じだ。 美幸「それじゃあ始めるよ」 椿野先輩の合図と同時に5人が一気に体を寄せ合ってくる。 何だ、こう、意外と悪くないな。 椿野先輩のスタイルの良い体。 依藤先輩の汗に濡れた体。 古塚部長のイメージとは違う幼い体。 友香の豊満な体。この5人の中で唯一の巨乳だろう。 莉子のまだ幼さが残る体。 様々な体が俺の体に押し付けられてくる。 俺も皆も汗かきまくりっす。はい。 美幸「須賀くん、温かい?」 澄子「気持ちいいですよね?」 梢「もっと楽しみましょう?」 友香「京太郎……いい気持ち……」 莉子「す、須賀さんが喜んでいるのなら私も頑張りますっ」 ああ、いい気分だ。 でも。 次の瞬間、事態が一変する。 そこまで5人は程よい強さで押し合ってきた。 しかし、急にその強さが段違いに強くなった。 もはやこれはおしくらまんじゅうではない。 痛い、体が痛い。 京太郎「あ……あの……みなさん」 京太郎「いきなり……ど、どうしたんですか……」 言葉を発するのも苦しい。 美幸「ふふふ」 澄子「ふふっ」 梢「うふふ」 友香「ふふふ」 莉子「うふふ」 み、みんなどうしたんだ一体。 押してくる強さがどんどん増していく。 不味い、このままじゃ……。 つ、潰れる……。 グシャッ 気づくとそこはいつもの部室。 ……夢か。夢だったのか。 良かった。 ふと見上げると、心配そうな表情の椿野先輩。 美幸「大丈夫、須賀くん?」 美幸「すごいうなされてたけど、何か変な夢でも見てたの?」 京太郎「は、はい……まあそんなとこです」 美幸「どんな夢だったの?」 京太郎「え、いや……それはですね……」 美幸「?、まあいいんだけどさ」 美幸「それより早く帰ろうよーもー!」 美幸「須賀くんが起きるまでずっと待ってたんだからー!」 京太郎「あ、そうですね……帰りましょう」 カン!
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前話 次話 京太郎インタビューその5 全国大会の開会式を終えた、各県代表の女子麻雀部、その精鋭達。 彼女等の青春を賭けた戦いが、始まろうとしていた。 これは、その裏で陰ながら彼女達を支える一人へのインタビューである。 京太郎「なんですかその漫画の紹介文みたいなの」 テコ入れは必要かと思いまして。 京太郎「はぁ……」 今回もよろしくお願いします。SK君。 京太郎「よろしくお願いしまーす」 本日は全国大会の開会式でしたが、どうでしたか? 京太郎「モニター越しですけど、錚々たる陣営って感じでしたね。雑誌や動画にも出てる人達が一堂に会してるって、なんか現実感が無いですよ」 SK君も雑誌や動画に出られてますが? 京太郎「あはは。俺なんか話の内容ばっかで写真は隅っこで小さくですし、動画だってほんの少しの一部の人にウケてるだけでしょう?」 ……ちなみに動画をご覧になった事は? 京太郎「まぁ、アップが始まってすぐにちょっとだけ。やっぱ自分の動画の全部を繰り返し見るとか精神的にキツイですしね」 ……成程。 開会式では、S君はどうしていました? 京太郎「例に漏れず、咲の奴が迷子になってたので迎えに行きました」 やはりですか。 京太郎「探してる時に穏乃から「京太郎君とこの宮永さん見た! すごいプレッシャーだったね!」ってLINE来て、大体どの辺で見たか教えてもらって、見つけたのはボイラー室ですよ」 何故そんな所に迷い込むんでしょうね……。 京太郎「あいつほんとは迷子になってるんじゃなくて、魔王オーラ撒き散らしに行ってるんじゃないですかね……」 魔王オーラ。 京太郎「って本人に言ったら「そんなわけないでしょ!」ですって。「じゃあただポンコツなだけか」つったらムキーしだしたんで、あいつ自身ポンコツなのは認めてきてるんでしょう」 それはただ怒ってるだけでは……? 京太郎「そういえば、開会式中でなんですけど」 はい。 京太郎「咲を送り届けた後、会場で調理出来る場所に行ったんですよ」 そんな所があるんですか? 京太郎「はい。もちろん無断では使えないんですけど、俺が会場内で調理出来るよう部長が許可をもらってきてくれて」 部長さんにも心境の変化が訪れたんですか。 京太郎「? さぁ。でもこの前「S君に雑用任せちゃうのは避けられないけど、せめてちゃんとした場を用意してあげないと」ってブツブツしてたのは聞こえちゃいましたね。部長もちゃんと俺の事気に掛けてくれてんだなーって思いましたよ」 成程……。それで、そこで何かあったんですか? 京太郎「えーと、そこでちゃんと調理出来るか確かめる為に、一度使ってみようとお菓子を作ってたんですよね」 作れるんですか? 京太郎「ええ。やっぱ女子の差し入れは甘い物が評判良いとの事で、一通りは。で、作ってたら突如部屋の扉がバーンと開かれて「なんか美味しそうな匂いがした!」と言って誰かが現れまして」 誰か、というと、誰だったんですか? 京太郎「それがなんと、開会式中の筈の淡……白糸台の大将の大星淡だったんですよ」 淡? 京太郎「あー。まぁまた話してる内に、ですね」 S君は他人と距離を詰めるのが上手いですね。 京太郎「どうでしょう。今回は向こうがぐいぐい詰めてきた感じだし」 それで、何故選手の一人が? 京太郎「あいつが言うところによると「他のとこのくじ引きなんてつまんなーい。うちはシードだし、どこと当たろうとうちらに勝てるのなんていやしないしー♪」つって、抜け出してきたそうで」 王者だけあって、自信に満ち溢れてますね。 京太郎「というか、あいつは普通に自信家なんだと思いますね。悪意は無いと思いますよ。多分ね」 それで、その大星さんが調理室にやってきたと。 京太郎「はい。んで、俺を見つけるなりあんにゃろう「あ! 長野のパシリのS!」とか抜かしやがりまして」 本当に悪意は無いんですよね……? 京太郎「誰がパシリだって返したら「えー。でもパソコン山に運ばせるとかありえなくない? パシリじゃないなら……先輩が鬼?」とか言うので、じゃあパシリでいいよと」 ああ、天然で人を傷付けるタイプですね。 京太郎「初対面がそんな感じだったんで、他校の選手といえどあんま礼儀正しくするのもアホらしくなってきたから、放っといてお菓子作りに集中しようとしたら、近付いてきて「ねーねー、何作ってるのー?」と」 お母さんの料理中に尋ねてくる子供ですか。 京太郎「印象はその通りでしたね。で、作ってるお菓子を答えたら「マジ!? 作れんの!?」って目ぇキラッキラさせてるんですよね」 尊敬の眼差しを向けられたんですね。 京太郎「いえ、あの目は「作れるんならこの可愛い淡ちゃんにも寄越せ!」っていうタカリの目でしたね」 キラキラした瞳で何を訴えてるんですか。 京太郎「あんまり嫌味を感じないのが不思議でしたねー……。とはいえ、部費で買った食材だったのもあり、そのままくれてやるのも癪だったので、欲しけりゃ食材買ってこいやって言ったんですよ」 乱暴な言い方ですけど、まぁ当たり前ですね。 京太郎「ところが予想に反して「わかった! 何買ってくればいい!?」と」 何故そこだけ素直なんですか。 京太郎「いや、多分あいついつも素直ですよ。自分の感情に」 京太郎「それで必要な食材と量を言ったら、スマホにキッチリメモってダッシュで買いに行きまして、近くに買える所があったので割とすぐ戻ってきました」 パシリ根性全開じゃないですか。 京太郎「どっちかと言うとお菓子買ってきていいとお小遣い渡されて駄菓子屋に向かう小学生のノリでしたね。まぁそこまでさせといて断る訳にもいかんので、追加でお菓子を作ってやったんですよ」 好評でしたか? 京太郎「そうですね。持ち帰る分とはまた別にその場で食べる分も作って食べたら、若干オーバー気味に美味い美味いってリアクションしてましたから」 それが切っ掛けで仲良くなったと。 京太郎「あー、いえ。それもですけどそれじゃなくて、ですね」 ? 京太郎「食べてる時に向こうが「ねーアンタさ、ドラゴ○ボール語れるってホント?」と」 大星さんもですか。 京太郎「まぁ世界的な漫画ですしね。ファン度が俺や穏乃と同じくらいだった淡なんで、同士と分かればそこから仲良くなるのに時間はいりませんでしたよ」 意外といえば意外な所で共通点が出来るものですね。高鴨さんと大星さんも相性が良いのかもしれません。 京太郎「うーん……。どうでしょうね」 ? 何か引っ掛かるものでも? 京太郎「いえ、同じ作品が大好きなのはそうなんですけど、その中でも違いってのはやっぱりありますから」 というと? 京太郎「ドラゴン○ールはですね、主人公とライバルが合体する時があるんですけど、その合体にもバージョンが2つあるんですよ」 合体元が同じならどちらも同じでは? 京太郎「それもそうなんですけど、やっぱり違うっていう意見もあります。俺もそうですし。で、この合体でどっちが好きかと言えば、穏乃は断然ベジ○トで、淡は絶対ゴ○ータって言ってるんですよ」 はぁ…………。 京太郎「というのもあくまで一例で、作品内でどういうカテゴリなら何が好きかってので、この二人ほぼほぼ噛み合ってないんですよ」 同じ作品が好きでも、そこで喧嘩は起こる可能性は有り得ると。 京太郎「まぁどっちとも俺と解釈違いなとこはありましたけど、それで楽しく語り合えたので、大丈夫だと思いますけどね」 S君から見て、大星さんはどういう方でしたか? 京太郎「まーアホで口悪いからあんまり理解されないかもしれませんが、話してみれば天然で純粋な奴なのは分かりますよ」 すっかり悪友みたいな口振りですね。 京太郎「それと、注目して見るとあいつ意外と女子力高いんですよ」 というと? 京太郎「家庭的とはまた違うんですけど、爪先が綺麗だったり髪の手入れが行き届いてたり。あと振る舞いですね。他の女子だったら意識してやってる事を無意識にやってる感じで」 S君が見てきた他の女子よりも、女子力が高いと? 京太郎「いや、女子力単体でなら和……はちゃっとズレてる所ありますけど、福路さんとかの方が高いと見てるんですがね。淡はギャップってのも相まって結構目につくんですよ」 ギャップですか。 京太郎「あとLINEのコメントやスタンプの使い方がいちいち可愛くて、逆に腹立つんですよね」 どういう感情なんですかそれ。 白糸台といえば……踏み込んだ質問になるんですけど。 京太郎「はい?」 女子高校生麻雀の王者、宮永照さんと、そちらの清澄におられる宮永咲さん。同じ苗字ですが、もしかして親戚なのでしょうか? 京太郎「ああー……。一応姉妹みたいですよ」 姉妹。 京太郎「と言っても、諸々込み入った事情があるみたいで、踏み込んだ事は出てこないですけどね」 宮永照さんの方とは面識があるのでしょうか? 京太郎「いえ。俺と咲が会ったのって中学だってのは言ったと思いますけど、その頃にはもう別居しちゃってたみたいで」 出会った頃の宮永咲さんが他人と関わりたくなさそうにしていたのも、そこに関係していると? 京太郎「さぁ? ただあいつ、昔から家族の事については父親の事しか話そうとしないんですよね。それでもあいつポンコツだから、話の節々から母親も姉もいるらしい事は伺えたんですけど」 その姉が宮永照さんだと知ったのは、いつ頃ですか? 京太郎「高校からですね。しかもあいつ、俺より先に和に話してたんですよ? 今では部活のみんなに知れ渡ってますし、中学からの腐れ縁相手に薄情だと思いません?」 S君だからこそ知られたくなかったのかもしれませんが……。 京太郎「まぁ今ここでこうして話してる俺が言えた義理じゃないけど、咲にしろお姉さんにしろ、家族の事情ですし話したくない理由もあるんだと思うので、あまり聞かない方がいいかと」 ですが、友人の家族関係が不仲に思えるのは気になりませんか? 京太郎「ならないといえば嘘になりますが、地雷踏むのもなと思いますし、咲自身もこの大会を通してお姉さんと向き合おうとしてるんで、余計な茶々は入れない方がいいかなって」 見守ろうと決めていると。 京太郎「ま、あいつが何か助けてほしい事があるなら、出来る限りはしてやろうとは思います」 では、最後になにか一言。 京太郎「俺の持ちキャラはバーダ○クです」 前話 次話