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淡「…」 照「…と、言って別れたものの、その後私が京ちゃんに会う事は何年も無かったんだ」 誠子「どうして?」 照「咲が…妹が私と彼が会うのを良しとしなかったんだ。何度かこっそり病室に行こうとしても 、常にアイツが病室に居たし、彼の退院後は彼にベッタリになった」 照「…私は、アイツに責められるのが怖かった。京ちゃんが怪我したのは、紛れもなく私のせい だったから。だから、文句も言わなかった」 照「…いや。それも実は言い訳で、京ちゃんに会うのが怖かったのかも知れない。その証拠に、 公園に行くのを避けるようになった」 照「ついでに、進学校を白糸台に変えた。…まあ、これは私達姉妹の喧嘩が原因で元から危うか った両親の関係に亀裂が入って、別居が決まったって言うのも大きな原因ではあるんだけど」 照「次第に私もアイツとは険悪な関係になっていってね。妹とは、こっちに来るまでずっと険悪 なままだったよ」 照「…だから、アイツが突然一人で東京に来た時は、驚いた」 照「『今までごめん』って、謝られたんだ」 照「京ちゃんが、妹にもさっきと同じ話をしたらしいんだ。話すのは2人目だったらしい」 照「それがアイツに心境の変化を与えたそうだ」 照「…けど、今度は私の方が苛立ってしまって。京ちゃんが傍に居るからって余裕ぶってるのか この野郎って」 照「まるで、完全に妹に京ちゃんを取られてしまったような気になってしまったんだ」 照「…昔話はこんなとこかな」 淡「そんな話があったんだ…」 菫「なるほどね。そんなこんなで変な性格の歪み方はしたが、なんとかグレずに済んだ、と」 照「…」 菫「…ふう。少し疲れたな。照。それで、それが最近の挙動不審にどう繋がってるかだが」 照「ああ、それは…」 菫「長い話は却下だ。三行で話せ」 淡「エエエエエエエエエエエエ!!?」 菫「うるさいなぁ。何を驚いてるんだ淡は」 淡「いや、だって!さっきまでの話聞いて!ええ!?」 尭深「」カチカチ 淡「何スマフォ弄ってるんですか渋谷せんぱああああああああああああああああああい!!?」 誠子「それでさー。うん。うん。だから頼むよー。そっちだって悪い話じゃ…」 淡「いつの間に電話してるんですか亦野せんぱああああああああああああああああああい!!」 照「…」 淡「ああ!ほら!!宮永先輩黙りこくっちゃって…」 照「京ちゃんに会いに行った」 照「告られた」 照「テンパッて逃げた」 淡「本当に纏めちゃった!!」 菫「馬鹿だろお前」 淡「ひっでええええええええええええええええええええええええええ!!!」 照「…」ショボン 菫「…はぁ」 淡「ちょっと!!この人でなしども!!」 菫「なんださっきから五月蝿い淡。その人でなしてのは私達の事か」 淡「あったりまえです!!」 照「…」 淡「あのですねえ!この鬼畜ども!折角宮永先輩が勇気出してこんなヘヴィなはなししてくれた のに、なんですかこの態度!畜生ですか!」 菫「って言われてもなぁ…いや、馬鹿だろ。なんだこの救いようのない青臭いコミュ障の昔話は 。私なら恥ずかしくて墓の下まで持っていく」 淡「っきいいいいいいいいいいいいい!!」 菫「五月蝿いなぁ…」 淡「あああああああああああ!!」 菫「誠子」 誠子「アイアイサー」キュッ 淡「ゴフッ」 菫「もういいぞ。少しは血の気は収まったか?」 淡「血の気が引きました」 菫「よし。…で、誰に頼んだんだ」 誠子「ああ。最近内に良く取材に来る記者に」 淡「…は?」 誠子「スクープやるからって言ったら、今すぐ車で来ると」 淡「へ?」 菫「よし。尭深。清澄までの地図は」 尭深「バッチ」グー 菫「ん。それじゃあ、車来るまでに各自準備しておくように」 淡「…へ?」 菫「…照」 照「…」 菫「照!!」 照「」ビクッ 菫「お前も準備しろ。急げよ。これから清澄へ行くから」 照「…え」 菫「話は分かった。お前の凹んでる理由も分かった。ついでに解決法も分かった。だから解決に 行く」 照「ちょ…」 菫「拒否権は無いぞ。今までお前には3年間散々振り回されてきたんだ。最後の最後で渾身の力 で振り回してやる」 照「ま…」 菫「要は、お前がその『京ちゃん』に想いを伝え返せば全部解決なんだろう?簡単じゃ無いか」 照「ば、馬鹿言うな!そんな簡単な話しじゃ…」 菫「簡単ですぅー。お前が勝手にややこしくしてるだけじゃないか。テンパッて逃げてなければ 今頃ハッピーエンドだろ?浮かれたお前を私がぶん殴ってそれで終わってたはずだろ?なんでこ んな面倒な事にしてくれてるんだ。ふざけやがって」 照「む、無茶苦茶…」 菫「無茶苦茶なのはお前だ。『京ちゃん』の身になれ馬鹿。想い人に一世一代の懺悔したと思っ たらいつの間にか蒸発されて、数年後に奇跡的に出会って思い切って大告白したら逃げられて… 可哀想過ぎて泣きそうになったわ。アホか」 淡「言われてみれば…」 照「うぐ…」 菫「しかも、お前の話だと妹もその子が好きなんじゃないのか?よく今まで無事だったと思うよ 。運の良さだ・け・は!流石だと言っておいてやる。馬鹿」 淡「確かに奇跡ですよね」 照「おふ…」 誠子「先輩。車が来たみたいです」 菫「よし。それじゃあ行くか」 尭深「これ、カーナビです」スッ 菫「ありがとう。借りておくよ」 照「…」 菫「照」 照「はい」 菫「さっきの反論は」 照「ありません」 菫「ん。じゃあ行くぞ」 照「はい」 泡(あの宮永先輩が子羊のようだ…) 菫「じゃあ、誠子。尭深。明日の部活は任せた。私と照はサボりだ」 誠子「了解」 淡「…」 菫「…淡」 淡「は、はい!!」 菫「……お前も来るか?」 淡「…」 照「あの…菫。一応私がメイン…」 淡「…お願いします。私も連れて行って下さい。弘世先輩」 照「淡まで…」 菫「…ふ。いいだろう」 照「…」 菫「行くぞ。こんなのは、要は行動なんだ。さっさと行ってさっさと済ませるに限る。だろう? 照」 照「はい」 誠子「今から行けば、最短で明日の日の出前くらいまでには長野に到達するでしょう」 菫「よし。わかった。なら、現地に着いたら即効連絡して呼び出せ。連絡先は勿論知ってるんだ よな?」 照「さっき聞いたけど…日の出前に連絡って常識的にどうなの」 菫「お前が言うな」 淡「ばっさりだ…」 菫「さて…それでは諸君。…行くぞ!!」 照「…はい」 淡「…はい」 数時間前 長野→清澄の在来線の中 京太郎「…くー…くー…」 咲「…」 優希「…なあ、咲ちゃん」 咲「…なに?優希ちゃん」 優希「…私は、早く告白しちゃった方がいいと思うじぇ」 咲「え…」 優希「…ん。なんでもない」 咲「それってどういう…」 優希「まだ清澄まで時間あるよな?私は寝るじょ」 咲「あ…」 優希「おやすみ」 咲「…」 優希「…すー…すー…」 咲「…」 咲「…私…」 咲「私は…」 咲「…」 ガタン…ガタン…ガタン… 清澄駅ホーム 優希「さて…それじゃあ、私はさっさと帰るじょ。じゃあな、お前ら」 京太郎「…ん。おう…」 咲「うん…」 優希「…はぁ」 優希「じゃーーーあーーーなーーー!!」 京太郎「うおっ!?」ビクッ 咲「きゃっ!?」ビクッ 優希「ったく…な~に二人してテンション下げてるんだか」 咲「…」 京太郎「わ、悪い悪い…ああ、じゃあな。また明日…」 優希「…京太郎。もしかして」 京太郎「?」 優希「…ん。なんでもないじょ」 京太郎「?」 優希「咲ちゃん」 咲「…うん。また明日。ばいばい」 優希「…ん」 咲「…」 優希「…京太郎」 京太郎「なんだよ」 優希「もう暗いし、咲ちゃん一人で帰らすの、心配だじょ。お前、送ってってやれ」 咲「はっ…!?」 京太郎「…分かった」 優希「うっし!」 京太郎「お前はどうすんだよ」 優希「私のような強者はお前ごときの見送りは不要よ」 京太郎「なんだよそりゃ」 優希「ふっふっふ。…じゃあ、任せたじょ」 京太郎「…」 咲「ゆ、優希ちゃん…」 優希「咲ちゃん」 咲「…なに?」 優希「…」 咲「…」 優希「にひっ」 咲「あ…」 優希「じゃあね~~~~」タッタッタッタッタッ 咲「優希…ちゃん…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「あ、あの…京ちゃ…」 京太郎「行こうぜ。咲」 咲「…うん」 京太郎「…」スタスタ 咲「…」スタスタ 京太郎「…」スタスタ 咲「…」スタスタ 京太郎「…」 咲(…沈黙が、重い。京ちゃんと二人っきりで歩いて、家まで送って貰って…本来は凄く嬉しい はずなのに、居心地が悪いよ) 京太郎「…」 咲(…さっき電車の中で優希ちゃんに言われた言葉が頭に響いてるから?) 咲(…早く告白した方が良いって…そんな、いきなり言われても、私は…どうすれば) 京太郎「…」 咲(それに、京ちゃん、さっきから元気が無い) 咲(ううん。正確には、さっき長野駅のホームでトイレに行ってから。あれから帰ってきた時、 京ちゃん、目に見えて落ち込んでた) 咲「…」 京太郎「…咲」 咲(何かあったの?京ちゃん。電車の発車時間ギリギリに帰ってきて、電車に乗ったと思ったら すぐにふて寝みたいに眠っちゃって…ちょっと怖かったよ) 咲「…」 京太郎「咲?」 咲「あ…う、うん。なに?」 京太郎「お前んち、どっちだったっけって」 咲「え?」 京太郎「いや、お前んち行くの久しぶりだったから。ちょっと記憶曖昧で」 咲「あ、それは…」 咲「…あれ?」 咲「…わかんない」 京太郎「…お前に聞いた俺が馬鹿だった」 咲「むっ…」 京太郎「しっかし参ったなー」 咲「…う」 京太郎「どうすっかね」 咲「えっと…」 京太郎「仕方ねーなー。スマフォで確認すっか。住所は流石に覚えてるよな?」 咲「うん…って、馬鹿にしすぎ!」 京太郎「ははは…で、住所は?」 咲「あ、えっとね…」 咲「ん。この道見覚えあるよ。ここからなら大丈夫」 京太郎「そっか。じゃあもう地図は見なくて大丈夫か」 咲「けど、おかしいなぁ。いつも通ってる道のはずなのに…」 京太郎「それはあれだな。今がもう真っ暗だからだ」 咲「…」 京太郎「夜道は、いつもと違って見えるもんだ」 咲「…」 京太郎「ま、しかたねーよ」 咲「…なんか」 京太郎「ん?」 咲「なんか、優しいね。京ちゃん」 京太郎「…そうか?」 咲「うん。いつもなら絶対私の事からかい倒すのに」 京太郎「…」 咲「…なにかあったの?」 京太郎「…」 咲「その…さっき、の。長野駅で」 京太郎「んー…」 咲「…」 京太郎「まあ、な」 咲「…」 京太郎「…」 咲「…あの」 京太郎「…」 咲「…何があったか…聞いてもいい?」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…どうすっかなー」 咲「…」 京太郎「ん~…」 咲「…」 京太郎「…誰にも言うなよ?」 咲「…」 京太郎「…実は、さっきさ」 咲「…うん」 京太郎「ふられちった」 咲「え…」 京太郎「…さっき、電車の待ち時間に。照ちゃんに、さ。告白しに行ったんだわ」 咲「…」 京太郎「…好きです!っつってさ。そしたら、泣かれちゃった。で、ごめんね!って言われて、 そのまんま新幹線に乗ってっちまった」 咲「…」 京太郎「まさかあんだけ拒否られるとはなー。せめてお友達のままで…くらいだったらまだ良か ったんだけど…いや。これもやっぱヘコむか」 咲「…」 京太郎「以上」 咲「…」 京太郎「…昔から、ずっと好きだったんだ。諦めかけてたんだけど、まさかの偶然の再開で、テ ンション上げすぎちまったんかね」 京太郎「そりゃ冷静に考えて、昔ちょっと一緒に遊んだガキなんかに今更告られてもどーせいっ ちゅーねんって感じだわな」 咲「…なにそれ」 京太郎「…悪い。キモかったか?引いた?」 咲「…」 京太郎「…そりゃそうだよな」 咲「…」 京太郎「…っと。着いたんじゃね?確かここだろ。お前んち」 咲「…」 京太郎「…じゃ、俺は帰るから」 咲「…って」 京太郎「さって…と。それじゃあ、また明日な。咲」 咲「待って…」 京太郎「お、今日はそう言えばまだまだオリンピックやってるよな。よし、ダッサイふられ男は コンビニ寄って菓子でも買って、自棄食いしながら朝まで生観戦…」 咲「待って!!」 京太郎「…どうした?」 咲「…ちょっと、待ってて…!!」 京太郎「…はぁ」 咲「いい!?待っててね!絶対待っててね!!絶対絶対!黙って帰ったら駄目だからね!!」 京太郎「お、おう…」 咲「っ!!」ダッ バタン ダダダダダダ ドタン バタン ドタン バタン ゲシッ ウギャアアアアアアアア!! 京太郎「?」 バタン 咲「おまたせ!!」 京太郎「お、おう…」 咲「あ、あのね!?京ちゃん!」 京太郎「ああ」 咲「…きょ、今日、お父さんお仕事で帰って来れないんだって」 京太郎「え…?けど、お前んち電気点いて…」 咲「…消し忘れて出てっちゃったんだって。置き書きしてあった」 京太郎「いや、それはなんかおかしくな…」 咲「だ、だから!!!」 京太郎「はい」 咲「…せ、折角だから…わ、私。京ちゃんの自棄食いに付き合ってあげるよ」 京太郎「…」 咲「…うちでテレビ、一緒に見てかない?」 京太郎「咲…」 咲「…う、うち、さ。テレビ結構大きいし、お菓子も飲み物もいっぱいあるし、その、私の他に は誰も居ないから大声出しても迷惑にならないし…」 京太郎「…」 咲「え、えっと…あ、そうだ。それに、今から家に帰ってたら見逃しちゃう競技も、今から私の うちで見たらいっぱい見れるし…」 京太郎「…」 咲「…ど、どう…かな?」 京太郎「…」 咲「あ、か、勘違いしないでよ!あくまで京ちゃんの残念会の自棄食いに付き合ってあげるのが メインなんだからね!」 京太郎「…」 咲「…って、わけなんですが」 咲「い、いかがでしょうか…」 京太郎「…はは。ありがとうな。…それじゃあ、お言葉に、甘えちまおう…かな」 咲「…」 京太郎「…なんて」 咲「う、うん!!じゃあ、入って!」グイッ 京太郎「おっとっと…」 長野行きの車の中 淡「」ソワソワ 照「…淡?」 菫「…どうした淡」 淡「えっと…その…ま、まだ長野には着かないんでしょうかね」 照「いや…まだまだだけど」 菫「やっと首都高を出たところだぞ」 淡「うぐぐぐ…」 照「どうしたの?」 淡「えっと…その…お、お小水が…」 照「ああ」 菫「淡。どんまい」 淡「ええええ!?」 菫「我慢しろ。事態は一刻を争うんだ。…最悪、黙っててやるから」 淡「お、鬼!悪魔!人でなし!」 菫「くー…」 淡「うわああああああん!寝たふりしたこの人ーーー!」 照「菫…それは流石に淡が可哀想…」 記者「って言うか、私の車の中でおしっこなんか漏らさないでよ。記事にしちゃうわよ」 淡「そんなんされたら自[ピーーー]るぅううううううう!!」 菫「仕方ないな…記者さん。次のパーキング停まってあげて下さい」 照「お願いします」 記者「もとからそのつもりだわよ…っていうか、もう着くわよ」 淡「ほっ…」 記者「はい、到着。行ってこーい」 淡「ありがとうございますううううう!!」タタタタ 記者「ついでに、悪いけど私もちょっとコンビニ行ってくるわ。眠気覚まし買ってくる」スタスタ 照「…」 菫「お前も行ってこい」 照「えっ…」 菫「気分転換も必要だろ。ついでに適当に菓子でも買ってくればいい」 照「…」 菫「今からソワソワしても、仕方ないだろ?今の内にちょっとリラックスしておきなさい」 照「…うん。じゃあ、ちょっと行ってっくる」 菫「あ、ついでにコーヒー買ってきてくれ。UCCのブラックのな。財布は出すの面倒だからお前 の奢りでいいぞ」 照「…」 菫「なんだその顔。ほら、行け」シッシ 照「…はい」スタスタ コンビニ 照「…菫、最近酷くない?」 照「…えっと。お茶と、お菓子買ってこう。あとは、菫のはなんだっけ。…あれ?ミルク入りの コーヒーだっけ。…あれ」 照「まあいいや。このカフェオレにしよう。ミルクと砂糖たっぷりのほうが美味しいし」 照「淡にもなんか買っていってあげよう。コーラでいいかな」 照「…消臭ガム買ってこう」 照「えっと、あと、あぶらとり紙も」 照「…ん?」 照「…あ。折角長野に行くんだし、時間有ったら久しぶりに実家に寄ってもいいかな。みんなに 昔の話したら、すっきりしちゃった。咲とも仲直りしたい…」 照「…うん。それじゃあ、これを買っていこう」ヒョイヒョイヒョイ 照「あとは…」チラッ 照「…えっ?」 照「そ、そんな…」 照「なんでコレがここに…!!?」 車内 照「ただいま」 菫「おかえり」 照「はい、コーヒー」スッ 菫「サンキュ…って、これ、カフェオレ…はぁ。お前は…」 照「?」 菫「…まあいい。で?随分と大量に荷物を抱えているけど、どうしたんだ?適当に菓子でも…と は言ったが、車内で宴会でも始める気か」 照「ふふ…」 菫「…?久しぶりに笑ったな」 照「見ろ、菫」 菫「んあ」 照「奇跡だ」ガサガサ 菫「なにが…って」 照「じゃーん。東京ばな奈」 菫「…まあ、高速のコンビニって、たまに名物とか置いてるよな」 淡「すいませーん!おまたせしましたー」タッタッタ 記者「おらぁ!!気合入ったぁ!!」タッタッタ 照「2個はお土産。後は私が食べる」モックモック 淡「うわ…また東京ばな奈だ…」 菫「…見てるだけで胸焼けしそうだ。やっぱりブラックが良かったな」 記者「うおおおおおおお!!レッドブル8本効っくぅうううううう!こっから先はぶっとばすぞ おおおおおおお!!」 淡「え…」 記者「振り切るぜ!!!!」 淡「なにを…」 ギュルルルルル ブオオオオオオオオオオオオオオオオン!!! 宮永家 咲「…」 京太郎「…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「オリンピック、凄いね」 京太郎「ああ…」 咲「…お菓子、食べないの?」 京太郎「ん…まだいいや」 咲「そっか…」 京太郎「うん。もうちょっとテレビ見るのに集中する」 咲「…」 京太郎「…」 咲「……い」 京太郎「…咲?」 咲「…京ちゃんはズルイよ」 京太郎「…あ、ああ、悪い。お邪魔してる立場なのに、1番テレビ見やすい正面のソファに座っ ちまって」 咲「…」 京太郎「…あれ、そうじゃなくて?」 咲「…」 京太郎「咲?おーい」 咲「…ううん。その通り」 京太郎「ごめんごめん。今どけるから…」 咲「いいよ」 京太郎「え?」 咲「そのままでいい」 京太郎「…」 咲「…」スッ 京太郎「ちょ!?」 咲「…私が京ちゃんの隣に座るから」 京太郎「お、お前…!」ドキドキ 咲「」ピトッ 京太郎「あわわわわ」 咲「…ねえ」 京太郎「は、はい!?なんでしょう!!」 咲「…これって、今どっちが勝ってるの?」 京太郎「え?あ、テ、テレビか!?え、えっとな!これは…」 咲「…」 京太郎「それで、これは…こういうルールで…」 咲(…京ちゃん) 京太郎「で、これはこっちが…………で………」 咲(京ちゃん…) 京太郎「この大会のルールだと……で……………の場合は…」 咲(京ちゃん…!!) 咲(好き) 咲(大好き) 咲(大大大大大好きだよ) 京太郎「……だって…………ってルールで…俺の好きな………は……」 咲(愛してる) 咲(…けど、京ちゃん) 咲(私、私、私…!!) 咲「…」 咲(私は……っっっっっ!!) 咲「…ありがとう」ボソッ 京太郎「…へ?」 咲「…」 京太郎「…咲?」 咲「…」 咲(…私は、京ちゃんには告白しないよ) 咲「…」 京太郎「…寝ちまったのか?」 咲(好きだけど。愛してるけど。告白しないよ) 咲「…」 京太郎「…そっか。寝ちまったか…」 咲(うん。私は…眠ってしまったの) 京太郎「…」 咲「…」 咲(…京ちゃんの好きな人が、お姉ちゃんなのなら…) 咲(私は、京ちゃんに告白しないんだ) 咲(絶対に。絶対に告白してあげないんだ…) 咲(してあげないんだから…) 咲(…京ちゃんが、言っちゃったから悪いんだよ?) 咲(私が、それを知ってしまったから…) 咲(だから、告白しないんだよ) 咲(…京ちゃん、今私が身体を寄せた時に、ドキドキしてくれたでしょ?) 咲(…だから、告白してあげないんだよ) 京太郎「…咲」スッ 咲「…」 京太郎(…止めた。寝てる咲に何しようとしてんだ俺は。頭撫でるつもりか。さっきの今で。… 馬鹿野郎。これ以上屑になる気か俺は) 京太郎「…はぁ」 京太郎(…咲がもたれ掛かってるし。動けないな) 京太郎(…俺も、寝よう) 京太郎「…」 咲(…京ちゃんが、お姉ちゃんを好きだから悪いんだよ) 咲(京ちゃんが、お姉ちゃんに告白したから悪いんだよ) 咲(…京ちゃんの中の私が、お姉ちゃんに負けてたって、知ってしまったから) 咲(…だから、私は、告白しないんだ。私は京ちゃんに告白しないよ。京ちゃんが私に告白して くれるなら応えてあげるけど) 咲(…お姉ちゃんに、負けたまんまじゃ、応えてあげないんだから) 咲(京ちゃんは寂しんぼだから、もしかしたら今私が本気で告白したら、応えてくれるかもしれ ないけど) 咲(…けど、それをしたら、お姉ちゃんにも、優希ちゃんにも顔向けが出来ないから) 咲(…だから) 咲(…だから、ねえ京ちゃん) 咲(…私、馬鹿だよね) 咲(…だけど、決めたんだ) 咲(…京ちゃんを、本気で惚れさせてやるって。お姉ちゃんに勝って、京ちゃんの告白に『しょ うがないなー』言って応えてあげるって) 咲(それまで、京ちゃんの1番はお姉ちゃんで良いよ) 咲(けど、絶対に負けないから) 咲(…負け…) 咲(…怖いけど) 咲(不利かもしれないけど) 咲(今のままじゃ、お姉ちゃんがその気になったらあっという間に終わってしまうけど) 咲(…時間もないし、勝ち目も全然見えないないけど) 咲(…それでも、私はこんな不器用な戦い方をする自分を、誇りに思える。肯定できる。だから 、闘う) 咲(…) 咲(…私) 咲(…馬鹿だなぁ) 咲「…」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…」パチッ 京太郎「…すう…すう…」 咲「…京ちゃん?」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…寝たの?」 京太郎「…すう…すう…」 咲「…寝たんだね」 咲「…」 咲「…京ちゃん」 咲「…待っててね」 咲「それと」 咲「ごめん」 咲「…あとは」 咲「…ばーか」 咲「…」 咲「…」チュッ 咲「…」 咲「…ほっぺただけは、貰っておくよ」 咲「…」 咲「…」 咲「…」 咲・京太郎「「…すう…すう…」」 未明 清澄 記者「着いたぁああああああああああ!!…すみません。体力の限界ですので休ませて下さい」 菫「…着いた、か。ご苦労さまです。ふう。流石に田舎だけあって清々しい空気だ」ノビー 淡「うぐぅ…」フラフラ 照「ごふぅ…」フラフラ 菫「なんだお前ら。随分とフラフラじゃないか」 淡「だって…あの激しい運転…」ヨロヨロ 照「…」 菫「情けない…これからが本番だというのに…」 淡「化物ですか先輩の体力」 照「えう…」 菫「…照?」 照「うぷ…」 菫「…おい」 照「…ごぷ」 菫「おい!」 淡「ちょ!?まさか…!」 記者「ま、待って宮永さん!せめて車の外に…」 照「えろろろろろ…」ゴッポォォ 記者「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」 淡「うわぁ…」 菫「やっちまいやがった…」ハァ 照「ギボジワルイ」ウルウル 記者「」 淡「高速の車の中であんなに甘いもの食べるから…」 菫「…おい。大丈夫か?」 照「まずい。死ぬ」 菫「参ったな…流石にこんな状態のコイツにターゲットを会わせるわけにもいかないし…」 淡「どこか、休める場所とかありませんかね」 記者「」 淡「…記者さん、真っ白になってます。…すみません。せめて安らかに…」ナームー 菫「この辺はとんでも無い田舎だしな。休憩出来そうな場所あるか?ホテルとか、カフェとか、 マンガ喫茶とか」 照「…無い。間違いなく」フラフラ 菫「むむむ…」 淡「かと言って、宮永先輩のゲロまみれの車の中は…」 菫「却下だ」 照「その辺の道端でも大丈夫…」 菫「却下。虫が多い」 淡「じゃあ、どうしましょうか」 菫「…照」 照「なに…」 菫「…お前の家はどこだ」 照「…?」ポヘ? 菫「いや。お前の実家だよ。こんな時間に訪ねるのもアレだが、実家なら休憩くらい出来るだろ うが」 淡「あ、ナイスアイディア」 照「えー…」 菫「なんだ。嫌そうな顔だな」 照「なんか咲に顔合わせにくいっていうか…」 菫「お前、今更なぁ…」 照「むぅ…」 菫「兎に角だ。この辺は虫多いし、暑いし、私はいい加減一刻も早くクーラーの効いた室内に行 きたいんだよ」 淡「それが本音ですか」 照「菫、酷い」 菫「五月蝿い。いつまでも駄々捏ねてるとそのトコロテンのような頭をシェイクするぞ」 照「ごめんなさい」 淡(この人にだけは、本当に逆らわないようにしなければ…) 菫「分かったな?それじゃあ早く案内しろ。迷ったらシェイクだ」 照「はい」 淡「あの…」 菫「ん?」 淡「記者さんは…」 記者「」 菫「…記者さん」 記者「あ、は、はい…」 菫「今晩中には東京に戻りたいので、車の中綺麗にしておいて下さい」ニコッ 記者「…」 菫「ありがとうございます。では、よろしく。…さ、行くぞ、照」ズンズン 照「はい…」トボトボ 淡(哀れな…って) 淡「…」チラッ 記者「…」 淡「…えっと」 記者「…?」 淡「…よ、よろしくお願いします!」ペッコリン 記者「…」 淡「弘世先輩ー!宮永先輩ー!待ってくださいよー!」トテテテテ 宮永家 京太郎「…ん」パチッ 咲「あ、起きた?」 京太郎「咲…」 咲「おはよ」 京太郎「…おはよう。今何時?」 咲「まだ5時前だよ」 京太郎「なんだよ。ぜんっぜん寝てねーじゃん…」 咲「ふふ…狭いソファーの上に二人だったからね。無理な体勢でよく寝れなかったのかも」 京太郎「」ドキッ 咲「京ちゃん?」ズイッ 京太郎「あ、ああ…なんでもない」 咲「そっか」 京太郎「お、おう…あ、そういえば今日学校じゃん。授業道具取りに行かなきゃ…」 咲「まだ結構時間はあるよ?」 京太郎「そうだけど、風呂入ってねーしシャワーくらい浴びてきてーし」 咲「…うちの浴びてく?」 京太郎「はぁ!?」 咲「…ふふふ。なんちゃって」 京太郎「お前なぁ…」 咲「あはは!」 京太郎「んじゃ、行くぞ。お邪魔しました…」 咲「ちょっと待って」 京太郎「なんだよ」 咲「私、早起きしたから、朝ごはん作ってたの」 京太郎「…」 咲「ついでだから、食べてかない?」 京太郎「…いいの?」 咲「うん。あと、私はもう食べたし、これからシャワー浴びてくるから」 京太郎「…」 咲「私が上がってきたら、一緒に学校行こ?」 京太郎「…」 咲「京ちゃんが家でシャワー浴びてる時間くらい、外で待ってるから」 京太郎「咲…」 咲「それじゃあ、行ってくるね。あ、ご飯は炊飯器から好きなだけよそって良いよ!おかわりも ご自由に!」タタタタ 京太郎「…行っちまった」 京太郎「もう配膳されてるし」 京太郎「目玉焼きに、味噌汁に、肉じゃが?」 京太郎「…ま、いっか。折角だし、いただきますか」 京太郎「…」ゴソゴソ 京太郎「…」パクッ 京太郎「…ん」 京太郎「んまい」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…」モグモグ 京太郎「…ごちそうさまでした」ペッコリン 咲「ふう。いいお湯だった」スタスタ 京太郎「ぶふっ!」 咲「あれ、どうしたの?京ちゃん」 京太郎「…いや、なんでもないです」 咲「そう?」 京太郎「…」 京太郎(すでに制服だけど…湯上りだから髪濡れてて艶っぺー!?) 京太郎(くっそ…!なんなんだよ昨日から!このぉ…咲の癖にぃい…!) 咲「…ご飯、どうだった?」 京太郎「ん。美味かったよ。ごちそうさま」 咲「そう。良かった。お粗末さま」ニコッ 京太郎「…」 咲「洗い物は帰ったらするから、じゃあ、もう出ようか」 京太郎「ん?あ、ああ…そうだな」 道端 照「あれ…えっと…」キョロキョロ 菫「…」 淡「…」 照「えーっと…こっちがあれで、あっちがそれで…えっと…」 菫「…おい。ジモティ」 照「あれ…」ウロウロ 淡「宮永先輩って…」 照「あ、こ、この道!この道なんだか見覚えがある!」 菫「当たり前だ」 淡「…さっきもこの道通りましたよ」 照「…困った。道が変わってる」 菫「お前の生まれ故郷は不思議のダンジョンか」 淡「ああ。それなんか納得しました」 照「あれ?なんで?あれ?」 淡「迷ったんですね…」 菫「まさか本気で生まれ育った故郷で道に迷う奴が居るとは…」 照「あううう…あ、こ、こっち…かも…」 菫「おい、淡。コインランドリー探せ。コイツ一回乾燥機で回してやる」 淡「落ち着いて下さい弘世先輩」 照「しまったな…どうやって私はこの町で生きてきたんだろう」 菫「本当にな…」 照「…キボジワルヒ」 淡「またですか!?」 菫「ほら、道端行け。幸いこの辺田んぼばかりだ。お前の酸っぱいゲロも肥料になろう」 照「オボロロロロロロ…」 淡「…私、なんだか泣けてきました」サスサス 菫「それにしても…ふう。どうしたものか。このままじゃ我々はこのド田舎で遭難してしまうか もしれん」 淡「人様の街を…」 照「…はぁ。はぁ」 淡「…あ、もう大丈夫ですか?」 照「ん」 淡「…なんか、この人随分大人しくなりましたね」 菫「そうだな。麻雀部では威張り腐ってる癖にな」 照「…」 淡「…」 菫「ん?何か言いたそうな顔だな」 淡「いえ。何も」 菫「そうか」 淡(逆にこの人は何故こんなに理不尽なのだろうか) 照「…っ」ピクッ 菫「…ん?」 淡「どうしたんですか?宮永先輩」 照「…ねえ、何か聞こえない?人の声…」 淡「え?ん…言われてみれば確かに」 菫「おお、丁度いいじゃないか。道を尋ねられる」 淡「あ、確かに」 照「…」 菫「良かった、これで遭難を免れられるぞ。早く道を押しえて貰って宮永家に行こう。流石に歩 き疲れた」 照「…」 淡「そうですね。私もお腹すいちゃいましたし…シャワー借りられないでしょうか」 照「…」 菫「…照?」 照「…この声」 淡「…宮永先輩?」 照「…聞き覚えがある」 菫「は?何を…」 照「あっちだ…!」タッ 菫「あ。おい、照…!」 淡「えっ!?えっ!?えっ!?」 菫「淡!ぼさっとするな!追うぞ!」ダッ 淡「あ…は、はい!!」ダッ 咲「 」 京太郎「 」 咲「 」 京太郎「 」 淡「…そして、勢い良く走っていった割にコソコソ後ろをつけるんですね」コソコソ 照「…うん。あの子達が、妹の咲と、私の好きな人の須賀京太郎君」コソコソ 淡「良くあの遠距離で確認できましたね。今だって顔を確認出来るような距離じゃないのに」 照「二人は私の大切な人だもん」 淡「…そうですか」 菫「…何を話してるかは聞き取れないが随分親しげじゃないか。それにこんな時間に二人で歩い て…もう付き合ってるんじゃないのか?今は朝帰りに的な」 照「」ガーーーン 淡「弘世先輩!」 菫「いや、でもあれはどう見ても」 照「…」クスン 淡「ほらぁ。また凹んじゃったじゃないですかぁ…」 菫「面倒くさい…わかったわかった。まだ付き合ってない付き合ってない」 淡「…」 照「…そう、かな」 菫「ああ。大丈夫だ」 照「」ホッ 淡「信じた!?」 菫「しかし、それでもあの二人が随分仲良さそうなのは間違いないぞ」 照「あわわわわ」オロオロ 淡「面倒な人だなぁ…」 菫「どうする?照。まさかここで会うとは色々と手間が省けた感じではあるが…」 照「こ、心の準備まだ出来てないよ…」 菫「だよなぁ…」 照「ど、どどどどうしよう、ねえ、菫、淡…私…」 淡「それに、妹さんもいる前じゃ、ちょっと…」 照「そ、そうだよ。今は咲が居るし。駄目だよ。それにもし二人が本当に付き合ってたら私…」 菫「ったく…」ボリボリ 淡「…菫先輩?」 菫「…照。お前、そこでちょっと待ってろ」 照「…へ?」 菫「行くぞ。淡」 淡「へ?」 菫「私に考えがある。上手いことあの妹ちゃんをターゲットから引き離すぞ」 照「え?」 菫「照。私達がここまでするんだ。まさか私達の頑張りを無視してこのままウダウダしてるなん て情けない真似で終わるんじゃないだろうな」 淡「ちょ!?強引過ぎませんそれ!?」 菫「大丈夫、別に危害を加えるわけでは無いさ。ただちょっと照の告白までの時間稼ぎをさせて 貰うだけだ」 淡「なんか怖いですよ。言っておきますけど、私は不良の真似事なんて絶対にしませんからね」 菫「馬鹿言うな、私がそんな真似するわけないだろ。なあ?照。お前ならわかるだろ」 照「い、妹に手を出すなよ…!」 淡「ほら、信用されてない!」 菫「あれ…おかしいな」 照「い、幾ら菫だって、咲に危害を加えるなら私だって…」 淡「信頼ってなんなんでしょうか…」 菫「めんどくせえなぁ…」 淡「そういうのが悪いんですって!」 菫「ったく。兎に角、行くぞ。照。このままそこで縮こまってたらもうどうなっても知らんぞ。 どうしても妹が心配なら、告白の結末だけ着けてから来い」 淡「妹さん人質!?」 菫「今まで色んな事から逃げてばかりで、情けないと思わないのか」 照「…」 菫「いじめから逃げて、妹と向き合うことから逃げて、自分の気持から逃げて、挙句に好きな人 からの告白からすら逃げて。次は何から逃げる気だ?麻雀か?学校か?人生か?」 照「…」 菫「一個でも最後まで立ち向かって見ろよ。お前、確かに麻雀はバケモノだけど、このままじゃ 壁にぶつかったらそこで終わるぞ」 菫「…麻雀だけじゃなくてもさ。他になんにも取り柄の無いお前だけど、それでも逃げずに立ち 向かえばなんとか打ち勝てるものだって今までの人生には幾らでもあったはずなんだよ」 照「…」 菫「立ち向かえ。お前がさっき妹を私から守ろうとしたろ。そんな風に立ち向かえ。一人が怖い なら私達に頼れ。お前が望むなら、私達が幾らでも力になってやるから」 菫「お前、長野は敵ばかりで、友達が居なかったって言ってたよな?じゃあ、今はどうだ?私は ?淡は?誠子は?尭深?他の麻雀部やクラスの連中は?」 照「…」 菫「例えどれだけダメ人間のお前でも、友人の私達の力が有れば、お前、幾らでも強くなれるだ ろう?」 菫「だから、安心してぶつかってこい。戦うべき時に戦ってこい。勇気出してやりたい事、やる べき事やって、結果見届けて、自分の限界知ってこい」 菫「失敗したら笑ってやるから。一緒に泣いてやるから。成功したら一緒に喜んで笑ってやるか ら」 菫「…それで、私が困ってたら、お前が私を助けてくれればそれでいい」 照「…」 菫「逃げるな。たまには逃げてもいいけど、今だけは逃げるな。逃げるべき時は逃げていいから 。今だけは絶対に逃げるな」 照「…」 菫「…行くぞ。淡」スッ 淡「あ…」 照「…」 淡「…宮永先輩」 照「…」 淡「私も、戦ってきます」 照「…」 淡「だから、待ってます」 照「…」 淡「…っ!」タタタタタ 咲「それでね、京ちゃん…」 京太郎「…ん?」 咲「…京ちゃん?」 菫「おはよう、少年少女達」スタスタ 淡「えーっと…お、おはようございます」 咲「…?お、おはようございます…」 京太郎「…誰?」 菫「ああ、失礼。私は東京の白糸台高校というところの人間だよ。3年生にして麻雀部部長の弘 世菫だ」 淡「お、同じく1年の大星淡です」 京太郎「…はぁ」 咲「えっ。白糸台って…お姉ちゃんの…」 京太郎「へ?」 菫「その通り。宮永照はうちのエースだ」 京太郎「えっ」 菫「そう。宮永照。…私達は親しみを込めて『照ちゃん』と呼んでいるがね」ニヤリ 淡(嘘ばっかり…) 京太郎「えっ!?」 咲「…何の用…ですか?」 菫「ん?何。大したことじゃない。これは恥ずかしながら今まで知らなかった事だが、我等が絶 対的なエースに、なんと妹さんが居ると言うじゃないか」 菫「あの子は恥ずかしがり屋でなかなか自分の事を話さないから、まあ無理もないのだけれどね 」 咲「…」 菫「それで、今日は君をスカウトに来た」 咲「は…」 京太郎「はぁあああああああああああああああああ!?」 淡(この人、悪役やったら板につくなぁ…) 菫「おや、何を驚いているんだい?」 京太郎「ふ、ふっざけんじゃねぇよ!!」 菫「至って真剣だが」 京太郎「尚更悪い!!」 菫「クククク。おや、何故だい?」 京太郎「何故って…全国前にしたこの時期に、王者がチャレンジャーの戦力引き抜きに来るって 、どういう了見だってんだよ!」 菫「おや、と言うことは君達も全国に出るのか、初めて知ったよ。なにせ我々は王者なので、下 々の者には興味が無い」 京太郎「この野郎…!!馬鹿にしやがって」 淡(初出場校はダークホースになりやすいって、いっつも入念に調べまくってる癖に) 菫「そう言われてもね。本当にこの子の存在を知ったのは最近なんだ」 京太郎「それは残念だったな!行くぞ咲!」 咲「あ、う、うん…」 菫「いいのかい?」 咲「…え、えっと…ごめんなさい…」 京太郎「だとよ!悪いけどお引き取り願おうか!王者様!!」 菫「本当にいいのかい?」 咲「…?」 京太郎「咲!耳貸すな!早く行くぞ」 咲「う、うん…」 菫「君の姉から、君宛てにと言って預かっている物があるんだが」スッ 咲「えっ…」 淡(あ…宮永先輩がコンビニで買ったっていう、妹さんへのお土産が入った袋。いつの間に) 菫「実は私もまだ中身を検めてはいないんだが…君にどうしても渡して欲しいと言われているん だが」 咲「…」 京太郎「咲!」 菫「…私と、サシで話をしないか。丁度すぐそこに神社がある。そこで二人きり、ゆっくりとな 」 咲「…わかりました」 京太郎「咲!」 咲「大丈夫だよ。京ちゃん。この人、雑誌で見たことある。本当に白糸台の部長さんだ」 京太郎「けどよ…」 咲「…お姉ちゃんの名前を出したって言う事は、きっと本気でしたい話があるんだ。危ないこと されるとも思えない」 菫「懸命な判断だ」 淡「ひ、弘世部長…?」 菫「なんだ?淡」 淡「い、いや…なんですかこの状況。サシで話って…私が一緒に来た意味一瞬で無くなっちゃっ たじゃないですか。私どうすればいいんですか」ヒソヒソ 菫「さあね」 淡「絶句です」 菫「…お前、昨日から言いたい事あったんじゃないのか?コイツに」 淡「…へ?」 菫「お前、東京には小学生の時に転校してきたんだって?」 淡「…」 咲「…あの」 菫「…ああ、すまない。ちょっと打ち合わせをね」 京太郎「…咲」 咲「大丈夫だよ。…待ってて、京ちゃん」 京太郎「…わかったよ」 菫「こいつは人質だ。私がこの子に危害を加えたら、コイツをいじめ殺して良いぞ」 淡「ふえっ!?」 京太郎「誰がんな事するかよ!」 菫「ふふ。そうだったか失礼。それじゃあ行こうか」スッ 咲「はい」スッ 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」イライラ 淡「…」ダラダラ 京太郎「…」イライラ 淡(ど…) 淡(どどどど…) 京太郎「…」イライライラ 淡(どおおおおおおおおおおおおおおおしよおおおおおおおおおおおおおおおお!!!) 京太郎「…チッ」 淡「」ビクッ 京太郎「…あ?」 淡(なんか嫌な予感はしてたんです。確かにしてたんです。宮永先輩の話聴いてた時に、ちらっ と確かに思ってたんです!) 淡(ま、まさか…まさか…まさか…!って!うっすらと嫌な予感はしてたけど、だけど、だけど !顔見た後にああ、やっぱりって思ったけど!だけど!) 淡(まさか、宮永先輩が好きになるような人だし、なんだかんだ言って人畜無害そうな感じの人 だって思ったのに!信じたかったのに!) 淡(それでも一応なんか確かめなきゃいけないと変な使命感覚えてノコノコ付いてきたけど!) 淡(もうずっと前だし、名前も覚えてなかったし、顔もうろ覚えだったし!流石にトラウマ克服 したと思ってたのに!!) 淡(思い出してしまったぁあああああああ!!この人だ!!間違いない!!5年2組の須賀京太 郎だあぁあああああああああ!!!) 淡「」ガタガタ 京太郎「…おい」 淡「ひゃぃっ!!?」ビクッ 京太郎「…なんでそんなビビってんだよ」 淡「す、すみ、すみま、すみません…」ガタガタ 京太郎「…ん?」 淡(ひいいいいいい!) 京太郎「…アンタ、どっかで見たことあるような…」ジーッ 淡「そ、そうですか!?私アナタはじめて見ましたけど!お初にお目にかかると思いますけど! !けど!!」 京太郎「そうだっけ…まあ、確かにそうか。俺に東京の知り合いなんか居ないはずだし…」ブツフ ゙ツ 淡(そしてとっさに誤魔化してしまったぁあああああ!ああああ!だから嫌だったんです!弘世 先輩の鬼!悪魔!弘世菫!あの人が傍にいるならって一緒に飛び出したのに!) 淡(なんで私とコイツが二人きりになる状況作り出してくれちゃってるんですかぁああああああ あああああああ!!?しかも敢えて挑発しまくって印象と機嫌悪くした後に!!) 淡「あわわわ…」ボソッ 京太郎「…ん?」 淡「ひゅっ…」 京太郎「…」 淡(し、しまった…この口癖」。『あわわわ』って、昔からの癖なんだった。下手に使ったら思 い出されてしまう…) 京太郎「あわわわ…って…」 淡(手遅れ!?)ビックーーーン 京太郎「なあ、アンタ」 淡「は、はひ!?」 京太郎「悪い。さっき不意だったから、名前良く聞き取れなかったんだ。もう一回教えてくれる か」 淡「あわわわ…」 京太郎「そう、その口癖。なんか引っかかるっつーか…」 淡「…」 淡(うわああああん!どうしましょう宮永せんぱぁあああああい!!) 淡「あのぉ…」 京太郎「ああ」 淡「そのぉ…」 京太郎「…」 淡「あー…」 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」 淡「…」 京太郎「…」イライラ 淡(イライラしていらっしゃるぅううううううう!!) 淡(どうしようどうしようどうしようどうしよう) 淡(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい) 淡(嫌。コイツからのいじめが耐えがたくて、わざわざ長野から東京まで転校してきたのに。も う二度とコイツに会う事なんて無いと思ったのに) 淡(いじめられるのが嫌で、地味な外見が原因なのかもって悩んだ挙句に怖い外見になろうとア イツの髪の色真似て染髪までしたのに) 淡(それが…それが、なんでこんな状況になってるの!?) 京太郎「なあ。答えろよ。オイ」イライラ 淡(いやああああああああああああああああああ!!何にも変わってないじゃないコイツ!!) 京太郎「なあ…アンタ」 淡(宮永先輩!コイツ、やっぱり駄目ですって!外見は確かにちょっと丸くなった…ってか柔和 そうな顔にもなりましたけど、やっぱりコイツ悪い奴です!) 淡(正解です!告白に応えないで正解でしたよぉおおおお!宮永先輩がコイツ彼氏としてうちの 部室に連れてきたりしたら、私ストレスで死にますから!!) 京太郎「…」 淡(無言で睨むなぁ!!あああああもうっ!逃げたい!逃げたい!逃げたい!逃げたい!逃げた い!逃げたい!逃げたい!逃げ…) 淡「…逃げ?」ピタッ 京太郎「…?」 淡「…」 京太郎「…なぁ「大星淡です」」 京太郎「…へ」 淡「大星淡です。覚えてませんか?この名前」 京太郎「大星…淡…」 淡「はい。まあ、見た目はこの通り大分大人っぽくセクシーになってたので、外見で気付かれな いのは仕方ないかも知れませんが」 淡「…ってか、タメだし敬語使う必要ないよね。須賀京太郎」 京太郎「おお…ぼし…」 淡「思い出せないって言うなら自己申告すれば良いよ。その瞬間ぶん殴ってやる」 京太郎「…お前、まさか…」 淡「思い出した?」 京太郎「…俺が、昔いじめてた」 淡「正解。じゃあ、殴られても仕方ないって、自分でもわかってるよね?」 京太郎「は…」 淡「[ピーーー]!!」バキッ!! 京太郎「いってぇ!?」 淡「ふん。思わず禁止用語を使ってしまいましたが。まあ、これで私の怒りはわかりましたね? この糞野郎」 京太郎「…大星」 淡「ったく…宮永先輩には、今度プリンの王様プリン・ア・ラ・モード奢ってもらわなけりゃ気 が済みませんよ本当に」ブツブツ 京太郎「…あの」 淡「なんですか?この下郎」 京太郎「げろ…い、いや。その、待ってくれよ。お前には色々言いたい事も聞きたい事もあるん だ」 淡「私には聞きたい事も教えたい事もありませんが」 京太郎「…」 淡「…はぁ。なんですか?一個だけ聞いてあげます」 京太郎「…その、昔は、すみませんでした」 淡「はっ。別に今更貴方に謝罪されても私の心には響きません。自分の気を済ませたいなら、穴 掘ってその中でごめんなさいって繰り返してればいいんじゃないですか」 京太郎「それでも、言わせて欲しいんだ。…あの頃は俺が馬鹿だった。大星が嫌がってるのに、 くだらない理由でお前に嫌がらせ繰り返して」 淡「知りませんよ。いじめっ子の心境なんて聞きたくもありません」 京太郎「…」 淡「…けど、まあ、それでも貴方のお陰であるものもありましたし」ボソッ 京太郎「え?」 淡「…いくつか、教えてあげてもいいって思った事がありました。時間が無いので手短に」 京太郎「時間が無い…?」 淡「1つ。私は強くなりましたよ。貴方なんかよりずっと強く。もう負けません。いつだって相 手になってやります」 京太郎「…」 淡「2つ。けど、私が貴方を許す事はありません。少なくとも現時点では、よっぽどの奇跡が起 こらない限りは」 京太郎「…」 淡「3つ。でもまあ、私が自分より弱い奴を恐れる事はもう無いです。覚えておくといいですよ 。私の心は健全です」 淡「そしてもう1つなんですが…」 淡「…照ちゃんは、我々だけでは面倒見切れません。貴方のせいで無駄に元気なので、とっとと 保護義務を果たして下さい」 京太郎「へ?」 ドドドドドド 照「あわあああああああああああああああああ!!」バキイイイイッ 淡「ごふっ」 京太郎「」 淡「」ドサッ 照「京ちゃん!京ちゃん!?いきなり淡に殴られてたけど、大丈夫!?怪我は無い!?ちょっと 淡!何話してた知らないけど、いきなり殴る事ないじゃない!!」ギューッ 京太郎「へ?へ?へ?照ちゃん?へ?」 照「京ちゃん!京ちゃん!京ちゃん!痛くない!?大丈夫!?ねえ!ねえ!ねえ!ええええええ えええん!!」 京太郎「えーっと…」チラッ 淡「…ふん。なんですか、もう話す事はありません」サスサス 京太郎「…まいったな…」 淡「…。あー、そうだ。じゃあ、もう一個だけ教えてあげましょう。これ、実は今までで一番重 要な話かもしれないんですが」 淡「私はプリンが大好きです。以上。じゃあ、言いたい事言ったのでどっか行きます」ムクッ 京太郎「ちょ、待てって、大星!お前さっきから何言って」 淡「嫌です。…宮永先輩。先輩には良く分かんないかも知れませんけど、私は勇気を出しました 。なんか、今なら矢でも鉄砲でも来いって感じです」 照「淡?」 淡「勇気を出してみた先達としてアドバイスを言うとですね。勇気出すと、すっきりしますよ。 気持ちいいです。モヤモヤが晴れます」 淡「あとは、宮永先輩次第だと思いますんで。じゃあ、頑張ってください」 照「…」 淡「では」スタスタスタ 照「…」 京太郎「…」 淡「あ、ところで須賀京太郎。余計な事言ったらぶっ殺しますから。私には完璧超人なりのイメ ージってもんがあるんで」 淡「…ふんっ」スタスタ 京太郎「…なんも言うなってか」 照「京ちゃん?」 京太郎「…照ちゃん。はは。半日ぶり…くらい?」 照「…うん。そうだね」 京太郎「…まさか、こんな早く再会する事になるとはなぁ」 照「…」 京太郎「…何か、用だった?」 照「…うん」 京太郎「落し物したとか」 照「…ちょっと違う」 京太郎「じゃあ、間違えて誰かのもの持ってっちゃったとか」 照「それもハズレ」 京太郎「忘れ物?」 照「それも、あるかな。でもちょっとハズレ」 京太郎「…」 照「…正解は、迷子。道を間違えちゃったんで、正しい道の歩き直し。そのスタート地点まで、 歩いてる最中なの」 京太郎「…」 照「いっぱい、いっぱい、さ。私、迷っちゃったんだ」 京太郎「照ちゃん、方向音痴だしな」 照「本当だよ。だから、何回だって迷って、変な道行っちゃって。気付いたらいっつも暗い道だ ったり、険しい道だったり、寒い道だったり。心細くていっつも泣いていた」 照「…けど、昨日、今まで歩いて来た道をふと振り返って見て気付いたの。その度に誰かが私の 腕を引いてくれたから、今私はここに居る」 照「行き先もわからずに歩いてきたけど、それでもなんとか道を踏み外さずに引っ張ってもらっ て、ここに居る」 照「さっきの偉そうな奴とか、生意気そうな奴とか、他にも東京には殺し屋みたいな奴とか、お 茶ばっか飲んでる奴とか。後は、咲とか。他にもいっぱい。いっぱい手を引いてくれた」 照「…その中でも、京ちゃんは、私が1番怖い道を歩いてる時に、一緒に歩いてくれてたんだ。 矢が降ってきても、爆弾降ってきても、なんでも無い振りして、傷だらけになって」 照「私、お姉さんなのにいっつも子供みたいにベソかいて道を歩いてたんだ。誰かに手を引っ張 ってもらうまで蹲って。本当、頼りない子だったと思う」 照「…でも、それだけじゃ駄目なんだ」 照「私は方向音痴だから。この先もきっと誰かに手を引っ張って貰わなきゃ歩けない」 照「けど、この先はきっと、自分で行くべき場所を決めなきゃいけないんだ。暗い道を照らすの は、私がやらなきゃ駄目なんだ。歩くのは、自分の意志で歩かなきゃ駄目なんだ」 照「一緒に歩いてく人を支えてあげたい。擦れ違う人を励ましてあげたい。迷った人を照らして あげたい」 照「私を今まで支えてくれてきた人たちのように、今度は私が誰かを支えてあげたい。私が今此 処に在れるように、誰かが其処に在れるようにしてあげたい。その為に、迷子から抜け出したい 」 照「だから私は、戻ってきたの。この、君が居る街に」 照「…ねえ、君。名前、教えてくれるかな。私の名前は宮永照。東京の、白糸台高校に通う3年 生。特技は麻雀。宝物は、妹の宮永咲」 照「…君が、いじめっ子から助けてくれた子」 京太郎「…っ!!」 照「…受かった高校。教えたよ」 京太郎「…お、俺っ!!」 京太郎「…俺は…!」 京太郎「…俺は、須賀京太郎!!長野の、清澄高校に通う、1年生!!麻雀部員だけど、麻雀は 素人。ペットはカピバラ。好きな人は…!」 照「…」 京太郎「好きな人は…!!」 照「…うん」 京太郎「照ちゃんだよ!!!」 照「うん…!」 京太郎「…~~~~っ!!」 照「…やっと、迷子から抜け出せた」 照「やっと、追いついた」 照「やっと、捕まえた」 照「やっと、隣を歩ける」 照「やっと、声を届けられる」 照「ねえ、京ちゃん。じゃあ、忘れ物、返すね」 京太郎「…」 照「…これは昨日の忘れ物だけど…」 照「…『私も好きです』って」 照「『私はすぐ迷子になるので、どうか私が迷わないよう、あなたの手を繋いで下さい』って」 照「『その代わり、私はあなたが道を見失いように、照らし続けます』って」 照「『どうか、私と一緒に道を歩いてください』」 照「『あなたの横で歩かせてください』」 照「『大好きです』って、言い忘れた言葉を。初めて会ったその瞬間から暖めていた想いを乗せ て、あなたに渡します」 照「どうか、受け取ってください。京ちゃん、大好きだよ」 照「付き合おう」 照「…」 京太郎「…ありがとう」 京太郎「改めて…よろしくお願いします…!!」 照「…うんっ!!」 神社の階段のてっぺん 淡「…はぁ」スタスタ 菫「ああ、淡。ご苦労」 淡「ご苦労って…なんですかその、計画通り…!!みたいな顔。なんですか。私の事どこまで知 ってるんですか先輩は」 菫「いやあ、お前の親御さんからな?実は、入部に当たって、相談があったんだ。この部に不良 系は入部することは有り得ないんでしょうかって」 淡「は…」 菫「素晴らしい親御さんじゃないか。お前が小学校の頃いじめられて転校してるのを気にして、 色々手を尽くしてくれてたらしいぞ。お前、ちゃんと感謝しておけよ」 淡「」パクパク 菫「まあ、私も顧問の先生から聞いた話だが。そんな話を聞いたら私も少々気になってな。小学 校やらの経歴は全部調べた。いやあ、まさか照と同じ地域出身だとは。魔境かここは」 淡「あわわわ…」 菫「はっはっは」 咲「…はぁ」 淡「…あ、妹さん…良かった。〆られて無かった」 菫「誰がんな事するか。照の買ってきた土産を二人で食ってたんだ。特等席の神社の階段の上か ら観戦しながらな」 淡「何を買って…って、うわ。東京ばな奈」 咲「…うええええ…京ちゃぁん…」モックモック 淡「しかも泣きながらもすっごい食べてるし」 菫「好物らしい」 淡「はぁ…」 咲「うええええええ…」グスグスモグモグ 淡「なんか、悪いことした気になってくるなぁ」 菫「お前が彼を殴った時、この子も飛び出しそうになってたんだぞ」クスクス 淡「それは…うん。ごめんね」 咲「いいの。全部話はきいたから。私が口挟める問題じゃ無いと思うし…」シクシクモグモグ 淡「…良かったら元いじめられっ子同士仲良くしましょうか。私が元いじめられっ子っていうの は、トップシークレットだけど」 咲「うん…うん…」シクシク 菫「お、もう全部食ったのか」 咲「…うええええ…もっとありません?」チラッ 菫「中々したたかな…照よりしっかりものじゃないか?この子。だがすまん。もう無い」 咲「うえええええええええ…!!」 菫「…はぁ」 淡「…今度、長野代表で東京来るんだっけ?日持ちしないけどマジキチレベルの美味しさって噂 の東京ばな奈バウムブリュレ奢ってあげる」 咲「ううううう…ありがとうございますぅ…」シクシク 菫「…やれやれ」ナデナデ 淡「…あ」 菫「…む?」 咲「…ああぁ~!」 照「…ねえ、京ちゃん」 京太郎「…ん?何だ?照ちゃん」 照「…キス…しよ」 京太郎「…え」 照「…いや?」 京太郎「い、いやじゃない…ってか、その…むしろ嬉しいくらいだけど…その…」 照「?」 京太郎「は、恥ずかし…」 照「ふふ…」 京太郎「わ、笑うなよ!」 照「可愛い」 京太郎「うう…なんだこれ。いきなり照ちゃんが大人になったみたいだ」 照「何言ってるんだ。私は京ちゃんより、2つもお姉さんなんだぞ?ちゃん付けじゃなくて、照 さんって呼ぶべきだ」 京太郎「…照」 照「な!?」 照「なわわわわわ!?きょ、京ちゃん!?今、な、なんて…」 京太郎「付き合ってるんだし、呼び捨てでも良くねぇ?」 照「こ、この!馬鹿!」 京太郎「あははは!ごめんごめん。でもこんなんで動揺するようじゃまだまだだーね」 照「もうっ!もうっ!もうっ!」ポカポカ 京太郎「いって!あは!ごめんって!」 照「~~~~~っ!」 京太郎「で、えっと、なんだっけ。えーっと…」 照「…」 照「…キス…だよ」スッ 京太郎「…へ?」 照「キス」 チュッ 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…ぷは」 京太郎「…」カチコチ 照「…ふふふ。びっくりした?」 京太郎「…」 照「あー。これは完全に固まってるな。ふふふふふ」 京太郎「…」 照「どうだ。見たか。これが年上のお姉さんの実力だ。まいったか」 京太郎「…ハッ」 照「…ふふ。気付いた?京ちゃん」 京太郎「あ、あわわわわ」オロオロ 照「ふふふ。可愛いなぁ」 京太郎「て、照ちゃ…照ちゃん!」 京太郎「うわ…うわ…やっべえ…俺、今照ちゃんとキス…うわ…うっわ…やべ…うわ…顔あっつ …」 照「あはは。その反応、初キスだったかな?」 京太郎「な、なんだよ、その余裕っぽい反応!まさか照ちゃんコレが初じゃない!?」 照「いや、コレが初だよ」 京太郎「へ?」 照「…ふふふふ。顔アッツイ…駄目だ。もう立ってられない」チジコマリ 京太郎「…」 照「あうううう…恥ずかしい…」 京太郎「…えっと…」 照「マズイ。死ぬ。恥ずかしくて死ぬ。あう。あうううう…」キュー 京太郎(この生き物かわええ…) 照「と、ところで、京ちゃん?」クルッ 京太郎「あ、は、はい」 照「…は、初キス…どうだった?」 京太郎「どうって…」 照「その…き、気持ち良かったとか。男の子の唇って思ったより弾力有ってびっくりしたとか。 そういうの」 京太郎(そういう感想だったのか照ちゃんは) 京太郎「…あー。そうだなぁ」 照「うん。正直に言って」 京太郎「…まず、照ちゃんが近づいて来る度にどんどんいい匂いがして」 照「うん」 京太郎「すっげー胸がどきどきして」 照「うん」 京太郎「唇が触れた瞬間に、ものすごい柔らかい感触が唇を擽って」 照「うん」 京太郎「照ちゃんの体温を、今まで感じた事が無いくらい身近に感じられて、嬉しくなって」 照「…うんっ!」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…」 照「…京ちゃん?」 京太郎「…ほんのり、ゲロ臭かった」 照「…」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…ごめん」 終わりっ!!
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434 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 23 22 51.06 ID CpyivEwoo 【客室】 京太郎「――――はっ!?」 京太郎「あれ?小蒔さんは?」キョロキョロ 京太郎「おかしいな小蒔さんが居たような気がするんだが……」 京太郎「……寝ぼけてたんだろうか?」 437「大丈夫ですか?」 1.小蒔【選べません】 2.霞 3.初美 4.巴 5.春 6.明星 7.湧 8.小蒔父 438 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 23 40 53.96 ID CpyivEwoo 巴 巴「大丈夫ですか?」 京太郎「あ、狩宿さん」 巴「お水持って来ましたのでどうぞ」 京太郎「ありがとうございます」ゴクゴク 京太郎「――プハーッ!生き返るー!」 巴「ふふふ。それは良かったです」 京太郎「ってか俺、何時から寝てました?」 巴「すみません。私達が気付いた頃にはもう……」 巴「御当主様も普段は厳格な方なのですけど」 京太郎「良かったのか悪かったのか……」 京太郎「正直、良い印象を持たれてないと思ってましたから、もっとこう怒られるんじゃないかと思ってましたし」 巴「須賀君以外だったらそうでしょうね」 巴「御当主様も実際に会ってみて、人柄を判断されたからこそあのように砕けて接されたのでしょうし」 京太郎「それは嬉しいですけど、何か気恥ずかしいですね……///」 巴「ふふふ。そう言う謙虚な所も須賀君の良い所ですよ」ニコッ 442 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/22(火) 23 59 33.96 ID CpyivEwoo 京太郎「ん?あの……今何時ですか?」 巴「時間ですか?そろそろ日付が変わる頃かと」 京太郎「マジっすか!?帰らないと!」ガタッ 京太郎「――っ!」クラッ 巴「!」 巴「大丈夫ですか?……まだお酒が抜けてないようですね」 巴「もう少し寝てないといけませんよ?」 京太郎「ですが明日も学校ですし、帰らないと……」 巴「そちらに関しては安心してください」 巴「今日はこちらにお泊り頂いて、明日アパートの方にお送りいたしますから」 京太郎「いやいや!狩宿さん達にこれ以上ご迷惑は――」 巴「ちょっと良いですか」ズイッ 京太郎「は、はい?」 巴「ずっと気になってたんですけど、何故私だけ苗字呼びなのでしょうか?」 京太郎「え?」 巴「……同学年の春ちゃんはすぐに名前呼びと言うかあだ名で呼ぶのは分かります」 巴「ハッちゃんはまぁああ言う感じですし、すぐ仲良くなれるので自然でしょう」 巴「姫様も一緒にデートをなさるくらい随分仲良くなられたので、これも納得です」 巴「ですが霞さんもいつの間にか名前呼びになってるのはどう言う事でしょうか?」 巴「そして私はいつまで苗字で呼ばれるのでしょう?」 巴「……やっぱり私が地味で眼鏡で貧乳だからいけないのですね」シクシク 京太郎「どうしてそうなる」 445 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/23(水) 00 15 11.63 ID xCgDm88vo 京太郎「いやそれはたまたまで全く他意は……」 巴「いいんですよ。私なんてお払いでも脱がないし、水着も残念だし、何故か時々一人だけ制服だし……」 巴「地味ーで目立たないように隅っこに居ますからー」 京太郎「……はぁ」 京太郎「 448」 1.巴さん 2.巴ちゃん 3.巴 4.ともちゃん 5.トゥモエ 6.ともとも 7.その他(内容併記) 451 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/23(水) 00 29 30.44 ID xCgDm88vo 巴さん 京太郎「巴さん」 巴「はい♪」 京太郎「これでよろしいでしょうか?」 巴「そうですね。何だか無理矢理言わせたみたいなのが気になりますけど、満足です」 京太郎「……みたいじゃなくてそうじゃないですか」 巴「む。元はと言えば、私だけ仲間外れにした須賀君が悪い――」 京太郎「ちょっと待った」 巴「はい?」 京太郎「俺が巴さんを名前で呼んだんですから、巴さんも俺を名前で呼ぶべきかと」 巴「うっ……」 京太郎「まさか人には呼ばせといて、自分は呼べないなんて事有りませんよね?」ニヤニヤ 巴「も、勿論です!」 巴「え、えっと…… 454」ボソッ 1.京太郎くん 2.京太郎君 3.京ちゃん 4.京君 5.きょうちゃん 6.きょうくん 7.きょーちゃん 8.きょーくん 9.あなた 10.京太郎様 11.ご主人様 12.旦那様 13.ダーリン 14.その他(内容併記) 461 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/23(水) 00 41 12.02 ID xCgDm88vo ご主人様 巴「……ご主人様」ボソッ 京太郎「えっ!?」 巴「何なりとお申し付け下さい、ご主人様」フカブカ 巴「私はご主人様のものですから」ニコッ 京太郎「…… 464」 コンマ判定 01~30 もう。冗談が過ぎますよ 31~70 何か背中がこそばゆいんですけど 【好感度+0.5】 71~98 だったら一緒に添い寝して貰おうかなーなんて 【好感度+1】 ぞろ目44以外 【好感度+3】 ぞろ目44 破魔矢発動 468 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/23(水) 00 55 33.05 ID xCgDm88vo だったら一緒に添い寝して貰おうかなーなんて 京太郎「だったら一緒に添い寝して貰おうかなーなんて」 巴「分かりました」 京太郎「はい?」 巴「ご主人様が望むのであればなんなりと……」ヌギヌギ 京太郎「ってちょーっとまった!」 京太郎「何で脱ごうとしてるんですか!」 巴「それは勿論寝るためですが」 巴「流石に巫女服のまま寝ませんから」 京太郎「あ、そっか」 巴「納得して頂いてありがとうございます」ヌギヌギ 京太郎「ってちがーう!」 京太郎「……巴さん、そろそろ悪ふざけが過ぎますよ」 巴「む。流石京太郎君ですね」 巴「据え膳食わぬはなんとやらでそのままなし崩しのパターンかと思ったのですけど」 京太郎「いやいや、無理ですから」 巴「……やはり私に魅力が」 京太郎「どうでもいいですから早く着て下さい!」 京太郎(寧ろ魅力が有りすぎるから困るっつーの!) 469 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/23(水) 01 24 33.39 ID xCgDm88vo 京太郎「……満足されました?」グデッ 巴「はい。とっても♪」 京太郎「巴さんがこんな性格だなんて思いませんでしたよ」 巴「女の子には色んな一面が有りますから」 巴「私だけじゃなく霞さんやハッちゃん、春ちゃんや姫様だって、きっと京太郎君が知らない一面を持ってると思いますよ?」 京太郎「知りたいような知りたくないような……」 巴「ふふふ。京太郎君が私達と交流を続けていれば、いずれ知る事になるかもしれませんね?」 巴「まぁその時は既に、誰かともっと深い仲になってるかもしれませんが」 京太郎「そうでしょうかね?」 巴「なんでしたら私と深い仲になってみます?」ヌギヌギ 京太郎「やめてください!」 京太郎「……巴さん、脱ぎキャラになるつもりですか」 巴「あ、良いかもしれませんね」 京太郎「お願いですから止めて下さい」 巴「冗談です」 巴「それでは私は、皆さんに京太郎君が目覚めた事と明日の事をお伝えしないといけませんので失礼しますね」 巴「そうそう、よろしければ寝る前にお風呂をどうぞ」 京太郎「ありがとうございます」 巴「あ、お背中流しましょうか?」 京太郎「結構です!」 巴「ああ、ご主人様は添い寝をご所望でしたものね」 京太郎「それも良いですってば!」 巴「ふふふ。冗談です」 京太郎「……もう冗談は良いですから」ガクッ 巴「それではまた明日。おやすみなさい」 京太郎「おやすみなさい」 バタン 巴「……」 巴「…………はぁ」ドキドキ 巴(わ、私ってば何やってるんでしょう///) 巴(そう言うキャラじゃないのに……) 巴(……でも京太郎君の慌てた顔、可愛かったかも)ニヤニヤ 巴「…………ご主人様、か」ボソッ 巴「ふふふ♪」 【狩宿巴の好感度はこれ以上上がりませんが蓄積されます】 479 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 00 34 19.22 ID dFwTYxiCo 京太郎「なんか巴さんってあんな性格だったっけ?」 京太郎「名前呼びにしただけで変わりすぎなような……」 京太郎「でもまぁそれだけ親しくなったって事で良いのか?」 コンコン 京太郎「はーい」 482 1.小蒔【選べません】 2.霞 3.初美 4.巴 【選べません】 5.春 6.明星 7.湧 8.小蒔父 485 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 00 55 27.97 ID dFwTYxiCo 明星 明星「入ってもよろしいでしょうか?」 京太郎「ええっと……明星ちゃんだよね?どうぞ」 明星「ありがとうございます。失礼しますね」 明星「お兄様、ご気分は如何でしょうか?」 京太郎「あー……まぁまだちょっとクラクラするけど、さっき巴さんに水貰ったから大分マシかな」 明星「そうですか、それは良かったです」ニコッ 明星「あれ?今、お兄様、巴お姉様の事を名前で呼ばれました?」 京太郎「え?あ、あぁさっきちょっと話したときに今後は名前で呼ぼうと言う事になってね」 明星「なるほど……」 明星「ですから先ほど巴お姉様とすれ違われた時、嬉しそうだったのですね」 京太郎「そうなの?」 明星「はい。それは満面の笑みでした」 明星「巴お姉様、ご自分だけお兄様に名前で呼ばれておられない事をずっとお悩みになられておられたようですし……」 京太郎「え?そんな事で?」 明星「一人だけ名前で呼ばれていないと言うのもなかなか寂しいものだと思います」 明星「お兄様。特に女心は複雑ゆえ細心の注意を払わねばなりませんよ?」 京太郎「う……はい」 京太郎(なんで俺、中学生に説教されてるんだろ……) 487 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 01 07 59.51 ID dFwTYxiCo 京太郎「あの……明星ちゃん?」 明星「はい?」 京太郎「俺に用事があったんじゃ……」 明星「あ、はい。そうでした」 明星「お兄様のお着替えの方をご用意致しましたのでこちらの方に……」 京太郎「あぁありがとう……ってあれ?下着とかも有るんだけど……」 明星「そ、それは御当主様がまだご使用になられていない新品のものを一応ご用意させて頂きました///」 京太郎「そ、それはまた申し訳無い」 京太郎(汚れを知らない中学生の女の子に男物の下着を持って行かせるってどうなのよ!?) 京太郎(……でもちょっと恥ずかしそうな明星ちゃんが萌え――はっ!?) 京太郎(俺はロリコンじゃない!俺はロリコンじゃない!)ガンガン 明星「お、お兄様!?」 京太郎「だ、大丈夫。ちょっと煩悩……もとい頭をスッキリさせようかと思っただけだから心配しないで」 明星「は、はい」 490 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 01 25 37.77 ID dFwTYxiCo 京太郎(あ、でも良く考えれば明星ちゃん中3だし、俺は高一。ロリコンじゃないか) 京太郎(しかし、その下のマホだと何かアウトな気がしてくるからなぁ……) 京太郎「と言うか明星ちゃん、寝なくて良いの?」 京太郎「あんまり遅くまで起きてると怒られるんじゃ……」 明星「お兄様の所に届けたらすぐ寝るようにとは言われました」 京太郎「あ、やっぱり……」 明星「でもお兄様とお話ししたくて……ダメでしょうか?」ウワメヅカイ 京太郎(これでダメといえる男が居るだろうか、いや居ない) 京太郎「良いよ。でもあまり長くは話せないけどね」 明星「はい!」 京太郎「で、何について話そうか?」 明星「えっと……じゃあ 493で」 コンマ判定【コンマ反転】 01~30 麻雀の話 31~70 お兄様の話 【好感度+0.5】 71~98 コイバナ 【好感度+1】 ぞろ目44以外 【好感度+3】 ぞろ目44 破魔矢発動 496 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 01 49 16.07 ID dFwTYxiCo コイバナ 明星「ではお兄様の恋のお話を……」キラキラ 京太郎「え゛っ?」 明星「お兄様の事ですから、数々の浮世を流したと思われます」 京太郎「いや、あの全然……」 明星「本来はそう言った事を聞くのは大変失礼だと言うのは重々承知しております」 明星「ですが、よろしければお話できる範囲で構いませんのでお聞かせ願えればと……」 京太郎「だから、俺は……」 明星「……」キラキラ 京太郎「……」 京太郎(何か物凄く期待に満ちた目をされてるんだが……ど、どうしよう?) 499 1.真実を話そう 2.さも本当の事のように話す 3.逆に明星のコイバナを聞く 4.突如パラレルワールドの記憶が宿る 5.その他(内容併記) 500 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/24(木) 02 07 45.53 ID dFwTYxiCo 逆に明星のコイバナを聞く 京太郎「そ、そうだ!俺の話を聞く前に明星ちゃんのそう言う話って無いの?」 明星「えっ?私のですか?」 京太郎「そうそう。明星ちゃん、可愛いしモテたんじゃない?」 明星「そう言われましてもお兄様。私、ずっと女子校ですし……」 京太郎「あ、そうだった……」 明星「御当主様や父を除けば、男性の方と長くお話をするのはお兄様が初めてですので」 京太郎「で、でも他校の生徒とか……」 明星「セキュリティやガードが厳しいので、なかなかお会いする機会も御座いませんし」 明星「中には隠れてお付き合いされてる方もいらっしゃるとの話ですが、私にはとても……」 明星「ですからお兄様のお話をお聞かせ願えればと」 京太郎「そう言う訳だったのか……」 京太郎「でもごめん。俺もそういった経験は無くてさ」 明星「そうなのですか?」 明星「でも確か前回の大会でのお兄様のチームメートは全員恋人だとか、他にも複数居るとかそう言うお噂を聞いたのですが……」 京太郎「あ、あれはあくまで噂だから!根拠の無いデマだからね!?」 京太郎「信じちゃダメ!」 明星「やはりそうでしたか。私も少し変だとは思ったのですが、世間はそう言うものなのかと……」 京太郎「ないない。ハーレムなんて男として一番ダメだから」 京太郎「俺はそんな男には絶対ならないし!」 明星「ふんふむ。ご立派ですお兄様」 513 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/25(金) 00 42 17.74 ID NdpA5e60o 明星「ですがお兄様。例えば姫様と霞お姉様から同時に告白されたとします」 京太郎「それはない」キッパリ 明星「あくまで例えばです」 明星「その場合どちらをお選びになりますか?」 京太郎「えっ?い、いやぁそれはその時になってみないと分からないと言うか……」 明星「つまり、甲乙つけがたい訳ですよね?」 京太郎「まぁそうなるかなぁ」 明星「更にそこに初美お姉様や巴お姉様、春お姉さまが加わったら?」 京太郎「え?」 明星「更に更に私や湧ちゃんまでと言う事になれば、お兄様はどういたします?」 京太郎「そ、それは……」 京太郎「ってか明星ちゃん、俺をどうしたいんだ?」 明星「いえ単純に興味が有りまして……」 明星「身近な男性と言うとお兄様しかおられませんし、そう言うときはどうされるのか伺いたいと思いまして」 明星「……決して漫画に影響されたとかそう言う訳ではありませんから」ワクワク 京太郎(滅茶苦茶影響されてるじゃん!) 京太郎(と言うかどんな漫画読んでるんだよ明星ちゃん……) 516 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/25(金) 01 06 23.18 ID NdpA5e60o 京太郎「あのね明星ちゃん、現実は漫画じゃないんだからそんなの分からないよ」 明星「そうでしょうか?」 京太郎「実際そうなってみないと分からないだろうけど、そんな事は無いだろうしね」 京太郎「ま、ちょっと憧れるけどさ」アハハ 明星「……お兄様って鈍いですのね」ボソッ 京太郎「えっ?何か言った?」 明星「いえ、何も」 明星「……それでは私はこれで失礼させて頂きますね」 京太郎「あ、うん。おやすみ」 明星「おやすみなさいませお兄様」 明星「……」 明星「ふんふむ。お兄様は予想以上の鈍さと……」 明星「これはお姉様方も苦労致してるでしょうね」 明星「……しかし申し訳ありませんが、私としては非常に興味深いです」ワクワク 明星「これからどうなるのでしょうか……」 【石戸明星の好感度が上がりました】 <<前に戻る|7月へ|次に進む>>
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【プロ勢とのクリスマスパーティーでぼっち気味ののよりんの相手をする京太郎 それを見て、ぐぬぬのプロ勢】 京太郎「……やっぱり場違いだったんじゃなかろうか?」 俺はそう思いながら近くのオードブルに手を付けた 流石麻雀協会主催のクリスマスパーティーである。普通じゃ食べられない豪華なものが並べられているみたいだ ……よくわからないけど そもそも何故ただの学生である俺がこんな場違いのパーティーに居るのかと言うと クリスマスだと言うのに何の予定も無く一人寂しく家に篭もっていた俺に咏さんから突然誘いの電話がやってきたからである なんでも暇なら女子プロのクリスマスパーティーに連れて行ってやるとのことだった 渡りに船と二つ返事で頷いた俺だったが、咏さんは偉い人に挨拶まわりをしなければならないらしく、暫く待ってるように言われ、現在に至る訳である 京太郎(まぁその間に健夜さんや靖子さん、良子さんにはやりさんにも出会ったんだが) 京太郎(……と言うか咏さんってよく俺を誘うけど友人いないんだろうか) などと失礼なことを考えていた俺だったが、会場を見渡しているとある事に気付いた 京太郎「ところで隅の方で一人寂しく食べてるのってもしかしてーー」 京太郎「……理沙さん?」 理沙「京、ぐんっ!?」 京太郎「わ、わ、水です!はいこれ!」 理沙「……」ゴックン 理沙「……感謝!」 京太郎「いえ、俺がいきなり声をかけたのが悪いんですから」 理沙「っ、こんばんは!」 京太郎「こんばんは。理沙さんもいらっしゃってたんですね。って当たり前か」 理沙「一応プロだから!」プンプン 京太郎「ですよねー」 俺の失言に流石の理沙さんも怒っているようだ ……いつも怒ってるように見えるからあまり変わらないのは秘密だが 理沙「なんで此処に?」 京太郎「ああ、実は咏さんに連れてきて貰ったんですよ」 京太郎「最も咏さんはえらい人達に挨拶まわりをしなければならないらしく、ここで待ちぼうけを食らってるんですけどね」 理沙「大変!」 京太郎「ですね。大人になるとこういう事も大切なんでしょうけど」 理沙「仕方ない!」 京太郎「そう言えば理沙さんは終わったんですか?」 理沙「終わった!」 理沙「……私口下手だから」ションボリ 京太郎「そ、そうだ!理沙さんは他に何か食べたい物有ります?俺、取ってきますよ!」 そう言って理沙さんは肩を落とした。……きっとこういう人だし普段から色々苦労してるんだろうな そう思った俺は、せめてこの場は彼女の為に何かしてあげようと思ったのだった 一方その頃他のプロ達は―― 咏「あー毎年の事とはいえ、めんどくさいねぃ。ま、京太郎を誘う口実になったからいいけどねぃ」 咏「適当に切り上げてご飯でも奢ってやって、あとは……」 咏「うん、バッチリ。さぁて京太郎はどこかねぃ」 健夜「うーん。断れないとはいえ年々参加するのキツいな。周りは少しずつ結婚していくし……」 健夜「京太郎君、この後暇かなぁ。暇ならお洒落なレストランに連れて行ってあげようかな」 健夜「そして良いムードになったら……エヘヘ」 靖子「パーティーとか柄じゃないんだが、こればかりは外せないのがプロの面倒なところだね」 靖子「あとやっぱりオードブルぐらいじゃ駄目だな。京太郎でも誘ってカツ丼食べに行くか」 良子「やっと解放されました……」 良子「挨拶回りはベリーハードですね。そうですね……この疲れを癒す為にも、このあと京太郎を誘ってデートしましょうか」 良子「そうと決まれば善はハリーアップです」 はやり「んー疲れました。でもスポンサーの事もありますから無碍には出来ませんし……」 はやり「そう言えば京くんが居ましたね……。抜け出しちゃいましょうか☆」 はやり「京くんはどこかな?」 そして―― 全員『京(くん)太郎君』 全員『え!?』 理沙「あーん」 京太郎「はい。どうぞ」 理沙「……」パクッ 理沙「美味!」 京太郎「それは良かったですね」ニコッ 理沙「京くんもあーん」 京太郎「……」パクッ 京太郎「本当に美味しいですね」 理沙「うん!」 はやり「おかしいですね。はやりには二人がイチャついてるように見えます。やっぱり疲れてるのかな☆」ゴシゴシ 咏「ま、まぁ野依さんなら大丈夫さ」 健夜「そ、そうだよね」 良子「京太郎は面倒見がグッドですから」 靖子「……本当にそうなんだろうかね」 理沙「……」チラッ 理沙「……」ニヤリ 全員『!?』 全員『ぐぬぬ』 ……実はノーマークだった人が一番手ごわかったと言うのはよくある話である そしてこの後、女子プロによる麻雀史に伝説に残る聖夜の争奪戦が有ったとか無かったとか カン
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331 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 11 49.93 ID sokgWwjGo 【某月某日】 淡「キョータロー楽しかったね!」 京太郎「あぁ。遊園地も久しぶりに来ると新しい発見があるよな」 淡「新しいジェットコースターも有ったし」 京太郎「……あのジェットコースター、見えない恐怖で怖さ倍増って目隠しして乗ったら意味無い気がするが」 淡「えー。その割には私の手を握り締めてたけど?」 京太郎「してません!握ってきたのはお前だろ?」 淡「絶対違うって!キョータローから握って来たから、私も握り返したんだもん!」 京太郎「俺はお前から握ってきたから握り返してやったんだよ!」 淡「……」 京太郎「……」 京太郎「……なぁ。よく考えたらお互い見えないんだから、どっちが先とかじゃなくて実はほぼ同時だったりするんじゃ」 淡「んー……かもしれない」 京太郎「……」 淡「……」 京太郎「……ぷっ」 淡「あはは」 京太郎「全くつまんねー事で喧嘩なんかするもんじゃないな」 淡「そうそう。楽しかったから別に良いじゃん、ね?」 京太郎「だな」 332 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 31 47.98 ID sokgWwjGo 京太郎「さーて、んじゃまぁ帰るとするか。送るぞー」 淡「ちょ、ちょっと待った!」 京太郎「ん?なんだ?まだ遊び足りないのかー?」 京太郎「とは言えもう時間が無いしなぁ。今度にしろよな」 淡「違うってば!」 淡「あ、あのさ……ちょっと寄り道しない?」モジモジ 京太郎「俺は別に構わないが、お前寮の門限とか大丈夫なのか?」 淡「だいじょーぶだいじょうーぶ!テルーにはちゃんと伝えてあるし」 京太郎「……滅茶苦茶心配だな、おい」 【同時刻:D地区雀帝学園】 菫「ん?まだ淡は帰ってきてないのか?」 誠子「おでかけとか言ってましたけど、確かに遅いですね」 尭深「……大丈夫かな?」 菫「おい、照。何か聞いてないのか?」 照「……聞いてる」 照「よくわからないけど、今日は勝負の日だから遅くなるって」 菫「勝負の日?何かイベントでも有ったのか?」 誠子「さぁ?私は知りませんが」 照「上手く行ったらお城でお泊りとか何とか」 尭深「ブッ!?」 誠子「た、尭深!?ど、どうしたの!?」 菫「城?なんだそれは?」 照「分からない。けど一応頑張ってって言っておいた」 菫「まぁよく分からんが、勝負と言うなら勝って帰っくるのが一番だな」 誠子「そうですね。帰ってきたらお祝いしてやりましょう」 尭深(……そう言う意味じゃないと思います。と言うか淡ちゃん大胆過ぎるんじゃ……) 343 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/15(水) 23 53 54.18 ID sokgWwjGo 【展望台】 京太郎「で、寄り道する場所がここかよ」 京太郎「つーか真っ暗になっちまったし」 淡「いーのいーの!寧ろこれからなんだから」 京太郎「?」 淡「上見て上」 + ゚ . + . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。 . . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. . 。 。 *。, + 。. o ゚, 。*, o 。. ゚ o . 。 . . , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。 ゚ , , 。 . + ゚ 。 。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚ 。 . 。。 . .。 o .. 。 ゚ ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . . 。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. . . 。 . . . . . 。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。 , .。 ゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . . . 。 . . 。 。゚. 。* 。, ´。. ☆。。. ゚。+ 。 .。 . 。 . . 。 ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 . 。 . ゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . . , , .゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 . , ゚ ゚ 。, .゚。 + ☆。,゚. o。 。+ 。゚., . ゚ , 。 。 . . ゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚゚` .゚ .゚. ゚. . ゚ . ゚ . , . . . 。 ゚ . . . . , 。 . . , . 。 ゚ . 。 , . . , . . 京太郎「ほー……天の川か」 345 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 00 06 12.88 ID cPA0AnLZo 淡「綺麗でしょ?不思議とここだけはっきりと見えるんだよね」 京太郎「この辺りは高いし消光装置が有るんじゃねーの?」 淡「あれ?キョータロー来た事あるの?」 京太郎「ん?いや来た事無いんだが、何故か知ってる気がするんだよなぁ……」 淡「へんなのー」 淡「あ、ほらデネブだよ」 京太郎「お、本当だ。つーかお前よく知ってるな」 淡「バカにしないでよね?こう見えても星に関しては結構知ってるんだから」 淡「それであっちがアルタイルの彦星様」 淡「そしてアレがベガの織姫様だね」 京太郎「懐かしいな。長野に居た頃はよく空を見上げたっけ……」 351 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 00 33 33.82 ID cPA0AnLZo 淡「でもキョータローさ、こっちに来たの半年も経ってないじゃん」 京太郎「うむ。でもこっちに来てから空を見上げることが少なくなったからか、懐かしく感じるんだよなぁ」 淡「そっか。私は都会生まれの都会育ちだからかな?ここに来て星が見れることに感動してるんだよね」 京太郎「大星だけに?」 淡「大星だけに――って寒いよキョータロー」 京太郎「悪い悪い」 京太郎「でもさ、ここも悪くないが長野も良いぞ。高い建物が周りに一つもないから360度満点の星空でな」 京太郎「長野に帰った時、見せてやればよかったな」 淡「それは私も残念だったんだよねー」 京太郎「よし!また今度一緒に長野に帰るか」 京太郎「今度は星を眺めにさ」 淡「さんせー!今度はキョータローの家にお泊りしようよ」 京太郎「えー……親父はともかくお袋がなぁ」 淡「……許してくれないって?」 京太郎「いや逆逆。ぜーったい根掘り葉掘り聞いてきたり、面倒くさいと思う」 【同時刻:長野】 京母「クシュン!」 京母「……誰か噂してるのかしら?」 カピー「キューキューキュー!」 京母「それにしても京太郎は今頃何してるのかしらねー?」 京母「もしかしたら女の子と二人きりで夜空を眺めてたりとかしてたり……」 京母「……それは無いか。あの子誰に似たかそう言うのには疎いし」 カピー「キュルキュル」 京母「はいはい。そろそろご飯ね」 京母「ま、無事ならそれで良いし、可愛い彼女の一人でも出来たら良いんだけどねー」 京母「……それも無理か。あの子鈍感で奥手だから、咲ちゃんとも結局何も無かったし」 京母「あーあ、早く孫の顔が見たいなー」 京母「アンタもそう思うでしょ?」 カピー「キュルキュー!」 353 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 00 46 18.19 ID cPA0AnLZo 京太郎「……!」ブルッ 淡「どしたの?」 京太郎「いやなんか悪寒が……」 淡「だいじょーぶ?風邪でも引いたんじゃない?」 京太郎「多分、大丈夫だと思うけど」 京太郎「つーかお前、いやに優しいな」 淡「ひっどーい!ちゃんと心配してあげてるのに!」 京太郎「わるいわるい。確かに人の善意を疑うのは良くないよな、うん」 淡「そうそう。淡ちゃんが折角心配してあげてるんだから素直になりなさい」エッヘン 京太郎「……やっぱり前言撤回しようかな」 354 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 01 03 55.86 ID cPA0AnLZo 淡「あ、流れ星!」 京太郎「え!?何処だ!?」 淡「……」ギュッ 京太郎「うおー!何処だー!わからねー!」 淡「……もう消えちゃったよ?」 京太郎「くそっ、はえーな。ってかお前よく見つけられるな」 淡「私目が良いし、昔から流れ星見つけるの得意なんだよねー」 京太郎「俺はいつも誰かが見たのを見つけようと探すだけなんだよなぁ……」 京太郎「で、何を願ったんだ?」 淡「んーとね――」 淡「キョータローが私を好きになりますように――って」 359 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 01 20 43.75 ID cPA0AnLZo 京太郎「……は?」 淡「だってキョータローってば鈍感なんだもん。もう神頼みと言うか星頼みでもしないとやってられないしね」 京太郎「いやいやいやいやいや!」 淡「信じられないよねー。結構こっちからアピールしてるのに全部スルーだもん」 京太郎「……今考えると、あれとかそれとか全部そうだったのか」 淡「正直ここまで手ごたえが無いと、女としての魅力が無いんじゃないかって思っちゃうし」 京太郎「いやだって普通、友人だと思ってたヤツがそう言う事考えてたなんて思わねーだろ」 淡「あ、やっぱりそう思ってたんだ。傷付くなー」 京太郎「それは仕方な――ってかお前何でそんな淡々としてるんだ?」 淡「だって淡だし」 京太郎「そうだなお前淡だもんなー」 京太郎「ってそんな名前ネタ分かるか!!」 淡「ちょっ!そんな大きな声出さなくても良いじゃん」 361 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 01 39 29.31 ID cPA0AnLZo 淡「ま、とにかくそう言う事だからさ。返事ちょーだい♪」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ。割と動揺してるから」 淡「えー、男ならスパッと決断してよね」 京太郎「そんなこと言われても、突然だし……大体お前がさらっと何でも無いかのように言って来るから――」 淡「…………何でもない?」 淡「そんな訳無いじゃん!私がどれだけ緊張してると思ってるの!?」 京太郎「えっ!?」 淡「今だって心臓バクバクで死んじゃうかと思うくらいなんだから!」 京太郎「そ、それはすまん……」 淡「正直これだけストレートに言っても、伝わらないんじゃないかって心配してたし!」 京太郎「えっと……大丈夫です。ちゃんと伝わってますので」 淡「これで伝わらなかったら、本気でキョータローを耳鼻科に連れて行こうかと思ってたけどね!」 京太郎「えー……」 362 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 01 59 56.90 ID cPA0AnLZo 京太郎「大体だな。確かにお前は初対面から馴れ馴れしい感じだったけど、俺のどこが良かったんだ?」 京太郎「付き合いも短いし、好かれる要素なんて無かった気がするんだが……」 淡「んー確かに最初は興味だけだったからね」 淡「あのテルーの幼馴染ってどんなヤツだろーって」 淡「で、会ってみたら別にふつーのヤツだしさ。何でテルーはこんなヤツと未だに付き合いが有るんだろって思ってた」 京太郎「お前そんな事思ってたのか……」 淡「あくまで最初は!だからね?」 淡「まぁ私ってば自分で言うのもなんだけど、友達少ないし麻雀で認めてるのはテルーくらいだからさ」 淡「だからテルーを取られるんじゃないかとか思ってみたり?」 京太郎「あんなヤツならいくらでもやるけどな」 淡「ふふっ。でもさ、そう言う軽口を言い合える仲って良いよね」 淡「だからかな?キョータローと話してると、私もずっと昔から一緒に居たような気がして嬉しかったんだ」 京太郎「だから馴れ馴れしかったのか……」 淡「まぁね。勿論それだけじゃないけど」 364 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 02 15 22.63 ID cPA0AnLZo 淡「そうやって付き合っていくうちに、少しずつ少しずつ私の中で何かが芽生えてきて」 淡「でもさ、キョータローって最初は麻雀弱かったじゃん」 京太郎「そりゃまぁな、ほとんど素人同然だったし」 淡「私の他人への価値観って、基本的には麻雀が強いか下手かなんだよね」 淡「だから何か自分の価値観が壊されていくようで、怖かった」 淡「……まぁ結局キョータローはとんでもなく強かった訳だけど」 京太郎「いやいや、あれは偶然だって」 淡「ううん。私には分かるよ、キョータローは本当に強いって」 淡「将来的には世界一……ううん宇宙一になるんじゃないかな?」 京太郎「いや宇宙って……宇宙で麻雀なんかする訳ないだろ」 淡「えー……そうかな?キョータローなら出来そうな気がするけど」 367 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 02 36 19.88 ID cPA0AnLZo 京太郎「つーかお前、他人をそんな風に判断してたのか……」 淡「い、今は違うよ?高校に入って麻雀以外の楽しみとか知ったし、旅行に行った時だってアコって言う友達が増えたもん」 淡「麻雀は楽しいけどさ、それだけで人の価値を判断しちゃダメだって事ぐらい今は気付いてるし」 淡「それを気付かせてくれたのも、キョータローだと思う」 京太郎「そっか、えらいえらい」ナデナデ 淡「えへへ♪」 淡「――って今はそんな事は置いといて!」 淡「そんな訳で、多分私はこれが初恋だと思う」 淡「自分でも何か色々空回ってた部分も有るけどさ、それでもキョータローの事が好きになったの!」 淡「――側に居たい、誰にも渡したくない、ずっと一緒に居たい」 淡「この思いは誰にも負けない!」 淡「だけど、無理矢理キョータローを縛り付けたくもない」 淡「だからダメならダメってキッパリ言って欲しい。そしたらきっと明日からまた友達としてやっていけると思うから」 淡「……返事、聞かせて?」 京太郎「俺は―― 370」 ※承諾以外の台詞は安価下。なんか酷そうなのも安価下 告白ぐらいビシッとね 375 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 03 08 53.25 ID cPA0AnLZo 俺と100歳まで側にいてくれ 京太郎「俺と100歳まで側にいてくれ」 淡「100歳って私、シワシワのお婆ちゃんになっちゃうよ?」 京太郎「俺もシワシワのお爺さんだよ」 淡「私が先に死んじゃうかもよ?」 京太郎「だったらその分まで長生きして、天国で話をしてやる」 淡「そこは俺も一緒に死ぬとかじゃないの?」 京太郎「一緒に死んだらダメだろ。ちゃんと天寿を全うしてからじゃないとな」 淡「ふふっ。変なところで生真面目なんだからキョータローはさ」 淡「じゃあさ、子供は一杯作ろうね!私、アメフトできるくらい欲しいな」 京太郎「多すぎだろ!?」 淡「ま、それは冗談だけど、せめて家族で麻雀――」グスッ 京太郎「ど、どうした!?大丈夫か?」 淡「わ、分かんない。こんなに嬉しいのに、涙が出てくるんだもん」ヒック 京太郎「淡……」 淡「だって……キョータローが良いって言ってくれるなんて思わなかったし」グスン 京太郎「……まぁ確かにさ、最初はお前の事、また一人馴れ馴れしい妹が出来たような気分だった気がする」 京太郎「でもさ、短い付き合いだけどそうやって過ごしていくうちに、それだけじゃない自分が居てさ」 京太郎「俺も恋愛経験ゼロだからわかんねーんだけど、気が付くとふとお前の姿を追ってたり、何気ないしぐさでドキッとしたり……」 京太郎「そうやって気になってもやもやするのが恋なんじゃねーかなって」 京太郎「だけど、お前って誰にでも馴れ馴れしい感じだし、俺が特別って訳じゃないんだなって思ってさ」 京太郎「そう言う訳でなるべく考えないようにしてた訳」 淡「なーんだ、鈍感じゃなかったんだ」 京太郎「いや、鈍感なのは鈍感なんだと思う。結局今の今まで、お前の好意に気が付かなかった訳だし」 淡「だよねー。普通の人だったら即乗り換えるレベルだよ!」 京太郎「本当にすまん!」 376 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 03 18 01.98 ID cPA0AnLZo 京太郎「まぁ……そのお詫びって訳じゃないんだが――」ギュッ 淡「えっ?///」 京太郎「……淡」ジィッ 淡「……うん」 京太郎「お前の事が好きだ」 淡「私も!」ガバッ チュッ 378 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 03 19 16.59 ID cPA0AnLZo _, -──- .,_ '´ `丶、 / \ , / \. / . / ヽ ′ / / `、. .' / /, // /| | ` i . / 」_ ′/ | | i| . i. i | j/, /イ`メ、 | 小 || ト.! j .| ∨/ / |/ ヽ | ァT丁l | | ノ i| V j 抖竿ミ ノ ノ ,ノイjノ | i___ ____彡' , i| i| j 八| x x /ィ竿ミ 刈 | } ̄¨ え≠ / 八 i|/l | | x x / ノ | ′ / -‐ ' ハ 八 ト、 ヘ.__ ` 厶 イ ノ/ __,.斗‐=≠衣 ヽ八\ 丶.__ソ . イ(⌒ソ イく jア¨¨^\ \ \ >-=≦廴_ ア /ノヘ\ 斗ァ'′ \ \ ヾ. \___ ⌒ヾく<,_ `ヽ )ノ/圦 | 、\ ヽ 、∨tl `ヽ . ∨ V\ i { `| Vi \ ハ i } | } i } ∨,} }≧=- | 辻_V\`i} i } | /} iハ} 辻ノ ノ ¨〕V//リ iノ ////V〔 ¨〕 淡「キョータロー!だーいすき!」 381 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 03 21 34.01 ID cPA0AnLZo 【大星淡の好感度がMAXになりました】 【大星淡が恋人になりました】 【大星淡が覚醒しました 以後タッグ及びチーム戦において使用が可能になります】 大星淡(覚醒ver) 【基礎雀力】LV9 【オカルト】LV10 【結ばれし絆《天照大神》】 オカルトがカンストせず10以降もカウントされる。チーム内に《天照大神》が居る人数分オカルトレベル上昇 更に《豪運》以外の場の支配を受けない 【大いなる星を継ぐ者】 対戦相手の【基礎雀力】の合計値が22以上の場合、基礎雀力+3 オカルト+3 【天の光はすべて星】 【大いなる星を継ぐ者】発動時、聴牌時必ずダブルリーチとなる(その際-1000点)。和了コンマ+30 更に和了した場合、裏ドラが乗り、ドラの数は下一桁によって決まる その際の点数判定は下の特殊判定を用いる 1~4 ドラ4つ 5~8 ドラ8つ 9 0 ドラ12+三槓子で数え役満 【絶対無敵安全圏】 自分以外の聴牌判定に+30 和了コンマ-20 【リザベーション】【ハーベストタイム】等一部スキルは影響を受けない(支配系スキル) 【高嶺舞】 ※通常ルート以外でのみ開放 場の支配や自分に対するオカルトスキルを無効化する 【ディバインバスターA.C.S】 ※通常ルート以外でのみ開放 聴牌した場合、和了コンマ+20 点数コンマ+20 【みっくすJUICE】 ※通常ルート以外でのみ開放 宮永咲、宮永照、池田華菜がチームメイトに居る場合に発動 全員の全ての判定に+30 (聴牌判定は-30) 【獅子王焔武】 ※通常ルート以外でのみ開放 タッグ戦のみ発動。パートナーに須賀京太郎が居る場合 全ての判定に+20 (聴牌判定は-30) 【パワードスーツ】 ※通常ルート以外でのみ開放 【ストライクウィッチーズ】 【『霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)』】 382 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/01/16(木) 03 24 10.51 ID cPA0AnLZo 【大星淡を恋人とした為、ルート条件及び特殊スキル条件が一部公開されます】 《ラグナロクルート》 条件1.【天照大神+咲】を恋人にする 条件2.暗部ルートに1度でも入っている 条件3.小泉ジュンイチローと一度でも出会っている 《京太郎固有スキル》 条件1.【天照大神+咲】の誰かを恋人にする 条件2.園城寺怜の好感度を9以上にする 条件3.龍門淵透華の好感度を9以上にする 6月へ
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いろいろあって、長野駅前のデパート開店5分前 開店5分前 デパート正門前 京太郎「そろそろ開店だなー」 優希「楽しみだじぇ~」ワクワク 3分前 デパート隣コンビニトイレ内 咲「あううう…そろそろお店開いちゃうよぉ」 咲「…けど、緊張して、尿意が…」 咲「早く済ませなきゃ…」アセアセ 1分前 デパート裏口非常用ドア前 照「…ふん。所詮田舎のデパートか。見た目は立派でも、開店直前に入口に誰も居ないとは…」 照「第一、見窄らし過ぎる。設計者の神経を疑うな」 照「ふん。これだから田舎は嫌なんだ」 デパート、開店 照「京ちゃん、カッコよくなったね」京太郎「えっ!?」 真ルート デパート地下一階 タコス屋 店員「いらっしゃいませー」 優希「一番乗りだじぇー!」 京太郎「だから走るなって…おっ!マジで美味そうな匂い!」 優希「これは久々の大ヒットな予感がするじょ」 京太郎「メニューも色々あんな。ビーフにポーク、チキン、ラム、シーフード…豆、ミックス…etc.すげー…」 優希「素晴らしい!」 京太郎「テイクアウトもあるみたいだけど…」 優希「この場で食う!そしてお代わりも有りだよな?」 京太郎「…ま、いいんじゃないか?」 優希「うっは~♪」 優希「はむっ!はふはふ!」ムシャムシャ 京太郎「おっ!こりゃやべえ!超美味い!」ムシャムシャ 優希「ふふふふ。来て良かっただろー?」ムシャムシャ 京太郎「おう!」ムシャムシャ 同時刻 デパート一階 咲「地下一階、地下一階…あうう。地下への階段どこぉ?」ウロウロ もいっこ同時刻 同一階 照「まさかあれが非常口だったとは…。流石長野、わざわざ都会人向けに陰湿なトラップを用意してくれるじゃないか…」トボトボ 照「どれどれ…案内板によると、フードコーナーは地下一階か。…さっきエスカレーターを見たな」 咲「とにかく、早くエスカレーターでも、階段でも、エレベーターでもいいから、見つけなきゃ…」チョロチョロ 照「確か、あっちの方に…いや、こっちだったか…」キョロキョロ 咲「どこかなぁ…」ウロウロ 照「…む?ここはさっき見たぞ?おかしい。おのれ長野。デパート内に狐を飼って、客を惑わしてでもいるのか」グルグル 咲「あうっ!?」ドンッ 照「うわっ!?」ドンッ 咲「」ペタン 照「」ペタン 咲「いたたたた…」ジンジン 照「む…う…」サスサス 咲「あうう…誰かにぶつかっちゃった?」 照「くぅ…私とした事が、他者に迷惑をかけようとは…」 咲「はっ!あ、あのっ!すみません!私、余所見してて!お怪我ありませんか!?」ガバッ 照「む?いや、こちらこそ済まなかった。私も他の事に気を取られていてな。そちらこそお怪我は無いだ…」ムクッ 咲「えっ?」 照「ろ…う…?」 咲「…お、お姉ちゃん…?」 照「か…」 咲「え…?嘘…?な、なんでお姉ちゃんが長野に…」 照井「さ、咲!?なんで貴様がここに…」 咲「そんな…なんで…ただでさえ京ちゃんの事で大変なのに、こんなところでお姉ちゃんにまで会うだなんて…」フラフラ 照「むっ!京ちゃん!?」 咲「…私どうしたらいいのぉ…もう分けわかんないよぉ…」 照「おい咲!京ちゃんが大変とはどういう事だ!?答えろ!」 咲「…」 照「…」 咲「…ねえ、お姉ちゃん?」 照「なんだ?」 咲「…地下一階への階段…知らない?」 照「…一緒に探そうか」 地下一階 タコス屋店内 優希「ふい。ポークタコス。ご馳走様だじぇ」 京太郎「お前すげーなぁ。これでビーフとチキンとポーク完食か」 優希「こんな遠くまでなんて、滅多に来れんからな!目標は全メニュー制覇だじぇ!」 京太郎「マジか…」 優希「次はラムタコスだじぇ!京太郎はいいのか?」 京太郎「俺は今食ってる一個でいいかな…これ、ボリュームあるし。あとはコーヒー飲んでるわ」 優希「むう。そうか…」 京太郎「ラムタコスだったな?コーヒー頼むついでに頼んできてやるよ。待ってな」ガタッ 優希「おう!すまん!」 タコス屋前前 ザッ 咲「や、やっと着いた…」 照「ここに…ここに京ちゃんが…」ジーン 咲「…」ソワソワ 照「…」ウロウロ 咲「…」モゾモゾ 照「…」クルクル 咲「…ね、ねえお姉ちゃん」モジモジ 照「…な、なんだ?咲」キョロキョロ 咲「…行かないの?」 照「…お、お前こそ」 咲「…こ、怖いよ…」 照「…ふ、ふん。この臆病者め。情けない…」 咲「…」 照「相変わらずだな貴様は…方向音痴だし、鈍臭いし、泣き虫だし…」 咲「…」 照「ああ。格好悪い。情けない。無様だ。いっそ見ていて憐れだぞ」 咲「…お姉ちゃんだって迷子になりかけてた癖に」ボソッ 照「なにぃ!?」 咲「…」 照「おい、咲!貴様、姉に向かってなんだその口の利き方は!」 咲「ふんっ!お姉ちゃんに妹は居ないんじゃなかったの!?私にもお姉ちゃんなんか居ませんから!」 照「こいつ…!」 咲「べー!っだ!!」 照「あ、アッカンベー…だと!?この私に!?このちんちくりんが!」 咲「お姉ちゃんの方こそ、高3にもなってスタイルこっちに居る頃とあんまり変わってないじゃない!」 照「馬鹿を言うな!胸だって大きくなっているわ!その…3センチくらい」 咲「中学から3センチ!?」 照「う、五月蝿い五月蝿い!黙れこの無礼者!貴様に私を笑う権利など無いぞ!」 咲「なにさ!」 照「どうせ貴様も私と同じ宿命を負った、同孔の狢に過ぎんと言っている!」カッ! 咲「っ!」ビクッ 照「牢記しておくが良い!二年後、貴様が今吐いた言葉が、今度は貴様の喉を食い破らんと牙を剥くのだ!」 咲「くっ…」 照「ふはははは!己が言葉に羽根を切り裂かれる無様な貴様の姿が目に浮かぶわ!楽しみにさせて貰う!」 咲「ちゃ、ちゃんと牛乳、毎日飲んでるもん!」 照「甘い!それも既に私が通った道よ!」 咲「ううううー…」 照「諦めろ!運命とは…決して逆らえぬ、大河のうねりにも似たものよ!」 咲「あう…」ガクリ ※日本人は牛乳の吸収効率が悪いので、小魚等でカルシウムを採りましょう。また、同時に鉄分も 京太郎「すいませーん。追加注文したいんですけど…」 咲照「「!?」」 ヒュッ 京太郎「…ん?今、どっかで聞いた事有る声が聞こえたような…」キョロキョロ 店員「お客様ー?どうかされました?」 京太郎「…ああ、すみません。えっと、ラムタコスと、コーヒーを…」 店員「お待たせ致しました。はい、どうぞ」スッ 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「さって、と。優希のとこに戻るか」スタスタ 照「…何故隠れた。臆病者」コソコソ 咲「…お姉ちゃんこそ」コソコソ 照「…」 咲「…」 照「…京ちゃんは…行ったな」 咲「…うん」 照「…よし咲。まずは説明しろ。一体何故今日、京ちゃんが長野駅くんだりまで来ている。お前は何故京ちゃんと一緒じゃない?」 照「いや、そもそもお前は何故京ちゃんに気付かれる事を恐れている?京ちゃんのことで大変…とはどういう事だ?」 照「…納得のいく説明をして貰おう」 咲「…うん。わかった。…私もお姉ちゃんに聞きたい事いっぱいあるけど、取り敢えずは時間がないから…」 咲「…まずは、お店に入ろっか」 照「ふう…いい席を取れたな」コトン 照「多少姿の確認はし辛いが、ここなら見つかる可能性は低そうだし、会話の聞き取りも容易だしな。それに延長上にトイレや注文カウンターが無いのも大きい」 咲「…」 照「さあ、咲。そろそろ事情を説明して貰えないだろうか」 咲「…うん。わかった」 咲「…ねえ、お姉ちゃん。京ちゃんの席の向かい側に…女の子がいるの、わかるでしょ?」 照「…え?」 咲「…あの子、ね。片岡優希ちゃんって言うんだけど…私の麻雀部の友達でね?」 照「な…な、なななななな…」ガクガクガク 咲「…タコスが好きで…京ちゃんと仲が良くて…それで、最近調子が悪いからって、2人で気分転換に新しく出来たタコス屋…ここなんだけど、に遊びに行こうってなって…」 照「あ、あわわわわわ…」 照「…そ、それって、デートじゃないか!」 咲「うん…それで、私も居ても立ってもいられなくて…思わずこっそり様子を見に来ちゃって…だから、私はあの2人にばれたら凄く都合が悪いから…」 照「ば…馬鹿な…そんな…!嘘だ…!」 ブルブルブル 咲「嘘だったらどんなに良かったか…」ハァ 照「…ど、どんな奴なんだ?その、なんとか優希って奴は・・・」 先「明るくて、優しいいい子だよ。それに…見てみれば分かるけど、凄く可愛い子…見てみたら分かると思うけど」 照「ほ、本当だ…遠目からだけど、確かに可愛い」 照「…はは。私では、とても太刀打ち、出来ん…な…」ガクリ 咲「やっぱりお姉ちゃんも、そう思う?」ガクリ 照「…ああ。成りは小さいが、アイドル級の容姿じゃないか…」 咲「だよね…私達姉妹みたいな地味な子じゃ、太刀打ち出来ないよね…」 照「ううう…」ジワッ 咲「ううー…」クスン 京太郎「どーだ?優希。ラムタコスは」 優希「うむ!独特の風味の柔らかいラム肉がタコスのスパイシーなソースに不思議なほどマッチして、それをシャキシャキの野菜が引き締め、香ばしいトルティーヤが全てを包み込んで調和させてるじょ!」 京太郎「そ、そうか。美味いか…」 優希「私は今、最高に幸せだじょ~…」 京太郎「ははは…」 優希「京太郎。お前も一口食うか?」 京太郎「お?いいのか?」 優希「勿論だじぇ。メニュー制覇の道はまだまだ長いしのう」 京太郎「んじゃ、お言葉に甘えて」パクッ 京太郎「うん!美味い!」モグモグ 優希「えひひ~。だろだろ~?」パクッ 照「…」 咲「…」 照「…なあ、咲。アイツ、殺していいか?」ニコッ 咲「だ、駄目だよう!」ビクッ 照「ぎぎぎぎぎ!!な、なんだアイツ!!さり気なく京ちゃんにあ~んしやがって!」ギリギリギリ 照「し、しかも!間接キスだと!?まだ付き合ってもいないのに、なんて破廉恥な!なんだあのサノバビッチ(意味分かってない)!!」ワナワナワナ 咲「…」←昨日の朝こっそり間接キスした人 照「や、やはり許せん…!あんな変態女、京ちゃんには相応しくあるまい!引導を渡してくれる!」 咲「だ、だから駄目だよ!それに京ちゃんの目の前で優希ちゃんに悪さしたら、お姉ちゃんまで嫌われちゃうからね!」 照「ぐおぉお!?あ、あのタコス女め!そこまで計算済みとでも言うのか!」 照「なんという恐ろしい相手だ…!」 咲「いやいやいや。…あ、でも」 照「なんだ!」 咲「優希ちゃん、大会では先鋒務めてる…」 照「よし、団体戦頑張れ咲。勝ち進めばどこかで当たろう?清澄とは良い試合が出来そうだ」 咲「お姉ちゃん顔怖いよ!?」 優希「ふう。ご馳走様!ラムタコス完食だじぇ!」 京太郎「お粗末さん。次は何食べる?」 優希「シーフード!…けど、その前にちょっとお花を摘みに行ってくるじょ」 京太郎「ん?そうか?なら、俺はこのまま待ってるぜ」 優希「すぐ戻るっ!」ガタッ 京太郎「行ってらー」 京太郎「…」 京太郎「…コーヒーも地味にうまいなここ」ズズズ 照「…小娘が席を外した。…どうした?」 咲「…」モジモジ 照「…咲?」 咲「ご、ごめん、お姉ちゃん。私ちょっとおトイレに…」 照「ああ。行って来い」 咲「行ってきます…」ガタッ 照「ん」 照「…」 照「…」チラッ 京太郎「」ボケーッ 照「…今なら、京ちゃん一人だけか…」 照「…」ガタッ 照「…」スチャッ 照「…」ガタッ 照「…」スチャッ 照「うう…」ソワソワ 照「くっ…やっぱり…怖い…」 照「ねえ京ちゃん。京ちゃんは、私みたいな地味な女、覚えてくれてる?」 照「…忘れられてたりしたらどうしよう」 照「嫌そうな顔されたりしたら、どうしよう…」ジワッ 照「露骨に他人行儀な態度取られたりしたら…」 照「…だが、こうして悩んでいる間にも、時間は過ぎて行く…」 照「さっさと覚悟を決めろ!宮永照!さっきの小娘が戻って来ては、尚更声をかけにくくなるぞ!」 照「…ぐううう…!」 照「ううううう~っ!」 照「…ええいっ!南無三!」ガタッ 京太郎「ふぁ~あ。今日も早起きしたから、ちょっと眠みーや…」ゴシゴシ 「あの…京ちゃん」 京太郎「…優希が戻って来るまで、ちょっと寝ておこうかな…」 「京ちゃん…」 京太郎「…コーヒーって、あんま眠気覚ましになんねーのかな?」 「京ちゃんっ!」 京太郎「…ん?」クルッ 照「ああ…良かった。…気付いてくれた」ホッ 京太郎「……」ポカーーン 照「……」モジ… 京太郎「…」 照「…えへへ」 京太郎「…あれ」 照「…ひ…ひさし…ぶり…」 京太郎「………もしかし、て」 照「私のこと…お、覚えて…る?」 京太郎「…」 照「…」 京太郎「…照ちゃん?」 照「………ふふふ」 照「京ちゃーん?何度も言うけど、私は君の2つもお姉さんなんだぞ?尊敬の念を込めて『照さん』と呼ぶように」 照「…ふふふっ。なんてね。…うん。照だよ。大きくなったね。…けど、一目でわかった」 照「会いたかったよ。京ちゃん」 京太郎「照ちゃん…」 照「…ふ…ふふふ…懐かしいなぁ…そうやっていつも君は、私がどんなに訂正しようとしても『さん』付けしてくれないんだ。ああ…やっぱり京ちゃんだなぁ。変わってないなぁ…」 照「うう…」ジワッ 照「本当に…グスッ…懐かしいなぁ…」 京太郎「懐かしいって…そりゃあ俺の台詞だよ。今までどこに居たんだよ。急に居なくなって、連絡取ろうにも連絡先もさっぱりわからないし…」 京太郎「今、確か高校3年生だっけ?どこの高校なんだよ。長野駅で会ったって事は、この辺の学校なのか?」 照「ん。ああ…そっか。そうだよね」 京太郎「?」 照「その件に関しては、ごめんね。ちょっと込み合った事情が有って…引っ越したんだ。今は東京の高校に通ってる」 京太郎「そうだったのかよ」 照「だから、長野で会えたって言うのは、結構偶然…いや、半分くらい偶然…かな」 京太郎「半分?」 照(…実は、ね。京ちゃんに会いたいから、わざわざ東京から京ちゃんの家まで行く途中だったんだよ?) 照「…ん。なんでもない」 京太郎「…ん?あ、そう?」 照(…ふふ。そんな事、言える訳無い、よな…) 京太郎「いや~。それにしても、びっくりしたなー。まさかこんなとこで照ちゃんに会うなんて…」 照「うん。うん。私もびっくりだよ…」 京太郎「最初一目見たときは、一瞬誰かと思ったよ」 照「え?」 京太郎「だってさー。照ちゃんって、昔から背高くて結構美人だったじゃん?」 照「えっ!?」 京太郎「けど、やっぱ高校3年生にまでなると違うね。前よりずっと美人になった…気がする。なんつーの?大人っぽくなったっつーか」 照「えっ!?あっ?えっ!?なっ…」オロオロ 京太郎「ははは。そうやっておだてられるとすーぐアワアワしちゃうとこは昔のまんまだな!」 照「こ、こら京ちゃん、年上をからかうな!それに私の事は照『さん』!照さん!!と呼びなさい!怒るよ!」 京太郎「ごめんなさーい。照『ちゃん』!」 照「もうっ!直ってない!」 京太郎「あははは!」 照「…ふふ。まったく…京ちゃんめ」 照(…まったく、悪ガキめ。そうやってすぐ調子に乗って人の事からかって…いつまで昔のノリを持ち出すんだ。私達はもう高校生なんだぞ?分かっているのか君は…) 照(…でも、お陰で昔の事、ちょっと思い出せた) 照(長野にあまり良い思いでは無いけど…けど…楽しかった思い出も、長野にはいっぱい有ったんだよね。そうだろう?京ちゃん…) 照「…」 京太郎「…照ちゃん?」 照(…ちょっと仕返ししてやれ。私だって向こうでちょっと…いや、かなり成長したんだ。君を手玉に取るくらい訳無いんだぞってところ見せてやる) 照「…けど、さ」 京太郎「ん?」 照「そういう京ちゃんの方こそ、かなり変わったと私は思うよ」 京太郎「そう?」 照「うん。まず…」 照「…背は、沢山伸びたね」 照(昔は私より小さかったのに、今は頭一つ分くらい追い越されちゃった…) 京太郎「まあね。中3で一気に伸びたんだ。昔は照ちゃん見上げてたのに、今じゃ見下ろしてるんだもんな。なんか不思議な感じ」 照(優しそうな風貌は、ちっとも変わらないね) 照「筋肉も付いた?」 京太郎「まあ、そこそこかな。クラスでも運動は結構出来るほうだし」 照(胸板も厚くなって…男の子らしくなった) 照「…それに表情もちょっとキリッとして」 京太郎「ふふん。まあね?」 照「…男らしくなった」 京太郎「…えっ!?」 照(うん。やっぱりだ。君は私の思い描いてた通り) 照「…」ジーッ 京太郎「えと…照ちゃん?」 照「…」ジーッ 照(いや、それ以上に…) 京太郎「おーい、照ちゃーん?」 照「」ゴクリ 照(い、言うか言わまいか…) 照(…京ちゃん、カッコよくなったね) 照「…」モジモジ 照(け、けど、こんな事言ったら…なんか、告白みたいだし…その…) 京太郎「…あの……照、さん?」 照(…よし。この際だ、言おう。私は勇気を出すと決めたのだ) 照「…あ、あのね?京ちゃん」キッ 京太郎「おっと、どうした?照ちゃん」 照「えーっと、ね?」 京太郎「うん?」 照「きょ、きょきょきょきょ京ちゃん、さ」 京太郎「うん」 照「えーっと、ね?その…ね?」 京太郎「うん」 照「ひゃっ!ひょよひゅなっひゃ…」 京太郎「…うん?」 照「…」 照(…噛んだ) 照「…コホン」 京太郎「…」 京太郎(相変わらず良く噛むなー照ちゃん) 照「…京ちゃん、カッ「おっ待たせだじょー!!京太郎ー!!」ね」 照「…」 京太郎「おっ。優希。お帰り」 優希「うむっ!いやあ、なんか混んでて時間かかっちゃったじょ…って、おりょ?こちらのお姉さんどちら様だじょ?」 照「…」 照「」ズーーーーーーン 京太郎「ああ。この子、俺の古い友達の照ちゃん。昔よく遊んで貰ってたんだけど、しばらく疎遠になっててよ。お前がトイレ行ってる間に偶然再開したんだ」 優希「ほー。そうなのか。私は片岡優希だじょ!よろしく、照ちゃん!」 照「…」 優希「おりょ?返事が無い…っていうか、なんかあっちの世界へ行っちゃってるじぇ。大丈夫かや?」 京太郎「おいおい、優希。これでも照ちゃん、今年高3で俺らの2個上だぞ?ちゃんと尊称付けろよ。さんとか、先輩とか」 優希「なにー?そうだったのか!道理で大人っぽい人だと思ったじぇ!すみませんでしたじょ。照さん!」 照「」 京太郎「ん。よしよし。それでいい」 優希「…って言うか、お前はなんでちゃん付けなんだじょ!先輩のこと舐めてるのかー!?」 京太郎「俺は良いんだよ。付き合い長いから」 優希「そりゃあ不公平だじょー!いいか?親しき仲にも礼儀有りと言ってな?どんなに仲良しの人でも、調子に乗って接してると愛想尽かされちゃうんだじぇ」 京太郎「俺はその言葉をお前にそっくりそのままお返ししてやるよ。いや、マジで」 優希「…はぁ~ん?何が言いたいんだじぇ!?」 京太郎「お前のそのえぐれ胸に聞いてみろ!」 優希「何を~!?このっ!犬の癖にご主人様に歯向かうとは何事だじぇ!!」ギューッ 京太郎「いててて!こら優希!顔抓んな…」 照「」 優希「くのくの」ゲシゲシ 京太郎「あー。こら優希、いい加減に…ああ。もういいや。ところで照ちゃん?」 照「はっ!な、なんだ!?京ちゃん!」 京太郎「えーっと、照ちゃんは、もうタコス食った?何にも持ってないみたいだけど…」 照「…うん?なんでそんな事聞くの?」 京太郎「いやぁ。良かったら、積もる話も有るし、ちょっと話したいなーって。まだ食べて無かったら、一緒のテーブルで食べない?」 照「え…でも…二人の邪魔じゃない…か?」チラッ 優希「ん。おお、そりゃあ良いじぇ!私も照さんとお話してみたいじょ!ねーねー。一緒に食べよー?」 照「え…あ…う…」 京太郎「もしかしてもう食べ終わったところ?」 照「…」 照(…咲と座った席にラムタコス置いたまんま…) 照「…あー…」 照「…いや。まだ何も食べてない……」 照(…許せ、咲) 優希「じゃあ決まりだじぇー!ね!ね!照さんはどれ食べる?私は次シーフードにするじょ!」 照「あ。じゃあ、私はこのスパイシーソーセージミックスに…」 京太郎「オッケー。じゃあ、俺二人の分頼んで来るよ」ガタッ 照「…」 優希「うっきうっき~♪照さん、知ってる?ここのタコスすっごい美味しいんだじぇ~」 照「…あ、ああ…そう…か」 優希「そうなんだじぇ~」 照「ふ…ふーん…」 照(…気まずい) 優希「…私タコス好きでなー。清澄も、学食にタコスがあるから入学することにして~…」 照「…あ、ちょ、ちょっとスマン!」ガタッ 優希「おりょ?」 照「ちょ、ちょっとトイレ…」ソソクサ 優希「いってらっしゃ~い」 照(とりあえず、事情だけは説明しておかないと…)スタスタ 照「…あれ。まだ帰ってきていない」 照「あいつめ…また迷ってるのか」 照「…仕方ない。事情を説明した断り書きだけはメモ紙に書いて置いておくか」 照「」カキカキ 照「…よし」 照「…あんまり待たせてもいかんよな。早く戻ろう」スタスタスタ 2分後 咲「ただいまー。ちょっと迷っちゃった」スタスタ 咲「…あれ?お姉ちゃん?」キョトン 咲「入れ違いにおトイレ行っちゃったのかな…って、あれ?なんかメモ紙がある…」 『咲へ。すまん、諸事情があって京ちゃん達と食事を摂ることになった。牽いては新しいタコスを注文する事になったので、私の分のラムタコスはお前が食べて良いぞ』 咲「…」 咲「」チラッ 京太郎「お待たせー。二人ともー」 優希「おー!待ちわびてたじょ~!」 照「ありがとう、京ちゃん」 京太郎「どういたしまして。俺もなんかもう一個食いたくなったから頼んじまった」 優希「おう!お前もだんだんタコスの魅力に嵌ってきたか?」 京太郎「いや、別に…」 優希「まあ、素直じゃないわ!」 照「ふふふ。さあ。食べよう。美味しそうだ」 京太郎「そうだね。いただきます」 照「いただきます」 優希「いっただっきまーす!」 咲「…」チラッ 冷えたラムタコス×2 咲「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 咲「…え?」 咲「…は?」 咲「…」チラッ 優希「ねーねー照さんー!この後何か用事あるー?」 照「い、いや…別に大した用事は無いが…」 優希「じゃあじゃあ、私達と一緒に遊びに行こうじぇ!」 照「は?」 優希「お姉さん良い人っぽいし、もっと仲良くなりたいじょ!」 照「けど…」 京太郎「ああ、いいねぇ。優希ナイスアイディア!久しぶりに一緒に遊ぼうぜ?」 照「い、いいの…?」 京太郎「もちろん!」 優希「だじぇ!」 照「…じゃあ」 優希「よーし!なら、これ食べ終わったらゲーセン行くじょ!!」 京太郎「さんせーい」 優希「照さんゲーセン経験は有りか?」 照「うん。たまに後輩に付き合ってUFOキャッチャーするぐらいかな…あんまり上手じゃないけど」 優希「よっしゃ!なら京太郎!私達の腕を見せてやるじぇ!きっと照さんビックリするじょ!」 京太郎「よし来たー!」 照「…ふふふ。期待してるよ」 咲「…何これ」 その頃の白糸台 尭深「もぐもぐ」 誠子「あれ?尭深、何食べてるの?」 尭深「…ノドグロの干物。部室のコンロで焼いた」 誠子「道理で魚臭いと…って、あー。例の宮永先輩のお土産か。なんで東京駅行ってわざわざこんな変なもん土産にしたんだかあの人は。これで嫌がらせじゃなくて善意100%ってのが恐ろしい」 尭深「…初めて食べた」 誠子「だよなぁ…ってか、アンタもこんなのよくすぐ食う気になったな。あれか?もったいない精神ってやつか?」 尭深「そのつもりだったけど…」 誠子「お前、ほんと良い奴だなぁ…華の女子高生に見た事も聞いた事も無い変な魚の干物って…一応私も寮の冷蔵庫に入れてるけどさぁ」 尭深「…正直、めっちゃうまい」 誠子「あん?」 尭深「…あーん」ヒョイ 誠子「」パクッ 誠子「…もぐもぐ」 誠子「…うまっ!!?」 尭深「…ね?」 誠子「…うわっ。何コレマジヤバ。ちょっと、私も寮戻って持ってくる!」 尭深「ついでにご飯が欲しい」 誠子「心得た。10分で戻る!!」ダッ 尭深「…なんだかんだ、やっぱあの人は間違えない」 尭深「…かも」 尭深「…だったらいいな」 尭深「…ま、ちょっとは覚悟してる」 173 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga] 投稿日:2012/06/20(水) 02 02 33.12 ID jZIJXaJ1o 淡「ふいー…おはようございますぅ~…」トボトボ 菫「おはよう。どうした?淡。そんな疲れた顔して」 淡「いや…なんか、昨日宮永先輩にキャラメル貰った後なんですけど…」 菫「おう」 淡「普通に練習してたら、よくもあんな悪夢を見せてくれたなぁあああ!!っていきなり走ってきて」 菫「…おう」 淡「…コークスクリューきっちり食らいました」 菫「…淡。今日の帰りラーメン食いに行かないか?奢ってやろう」ホロリ 淡「ゴチです。私いつものトンコツラーメン屋がいいです。味玉も食べれたら立ち直れるかもしれません」 菫「わかったわかった。…というか、さすがに横暴すぎるな。しかも昨日一昨日と半休しておいて、今日は完全に休むと言ってきた。そろそろ叱っておこうか」 淡「まあ、いいんじゃないですか?普段なら毎日誰よりも早く来て、誰よりも遅くまで練習してるのは他ならぬ宮永先輩ですし。部活が休みの日も普段は絶対って言って良いくらい練習してますし」 菫「だが…」 淡「なんだかんだ言っても私達一年生にもきっちり指導してくれますし、厳しいけど、悪い先輩だとは口が裂けても言えません。あの人はやっぱり、エースですよ」 菫「…淡?」 淡「そりゃあ普段はボケボケで横暴なところも結構ありますけどね。それくらい抜けたところが無いと、逆に完璧超人過ぎて近寄りがたいです」 菫「…」 淡「コークスクリューだって、見た目は派手ですけど、思ったよりダメージ低いって言うか…あの人運動音痴で非力ですし?あれくらい、別にどうってことありませんよ。だからそう怒らないであげてください」 菫「…おい。淡」 淡「…はい?」 菫「何で懐柔された」 淡「…コークスクリューの後、東京プリンを箱で貰っちゃいましたんで♪」 菫「安いなぁ~。お前…」ハァ 淡「何言ってるんですか!東京プリンですよ!?世界最強のおやつプリン!その中でも私的にかなりグレードの高い奴です!!滅多に買えないし!!」 菫「あー。わかったわかった。お前、本当、照の後継者だよ色んな意味で」 淡「むきー!なんですかその言い草!!なには無くともその『いろんな意味で』だけは訂正してもらいます!!」 菫「はいはい。じゃあ今回はお前の顔と東京プリンに免じて不問だ不問」 淡「やった~!宮永先輩に貸しが出来たー!」 菫「いい性格してるよお前…」 淡「えへへ」 菫「…さて。それじゃあそろそろ練習に…ん?どうした?淡。そんな嬉しそうな顔して」 淡「くふふ…。いえ。大したことじゃ無いんですけど…ね?やっぱ、あの人にもたまにはお休みくらい取って貰わないと」 菫「…?」 淡「…たまにはお休みして貰わないと、あの人との差を一気に詰められないじゃないですか。…ね?」 淡「くふふふふ♪」 菫「…はっ」 菫「頼りにしてるよ。大将」 淡「はいっ♪」 タコスを食べ終わった3人は外に移動しました ゲーセン前 優希「着いたじぇ!ゲーセン!!」 京太郎「おう。流石長野駅だ。俺らの地元に比べて都会だなぁ。ゲーセンもでっけえ」 照「そ、そう…か、な?」モジモジ 京太郎「そうかな…って、俺らの地元にこんだけの規模のゲーセン無いよ?カラオケとボーリングが複合してるなんて、凄くないか?」 照「う…ん…まあ、確かにこんなに色々くっついてるのはあんまり無い…かな」モジモジ 優希「まあ、照さんは東京に住んでるんだもんな。この程度の規模のゲーセンいっぱい知ってるんのであろー」 京太郎「ああ、なるほどね」 照「な、なんかごめんね。いきなり盛り下げるようなこと言っちゃって…」シュン 京太郎「いやいや。気にすんなよ照ちゃん」 優希「うむ!それに、照さんあんまりゲーセン行かないんだろ?だったらここでも十分楽しめるじょ!」 照「ありがとう…ごめん…」 京太郎「そんなかしこまるなよ照ちゃん。照ちゃんが一番年上なんだぜ?」 照「あ…う…」モジモジ 優希「こら!京太郎!」ペチッ 京太郎「いてっ!何すんだよ優希!」 優希「女性に年齢の話をするとは何事だ!だからお前はアホ何だじぇ!」 京太郎「うぐぐぐ…」 照「あ、いや、私は気にしてないから…」オロオロ 優希「だめだじょ照さん!コイツはそうやって許してくとどんどん付け上がるタイプだじょ。いいか?犬のしつけは初めが肝心で…」 京太郎「俺は人間だ!!」 優希「ほら、これは駄目な例だじょ。甘やかした犬は自分のことを人間だと思い込んでしまうのだ。飼い主も犬も不幸になるパターンだじょ…なんとかこの関係を改善せねば」 京太郎「ぐぬぬぬぬぬ…ああ言えばこう言うタコスめ…」 優希「タコスを悪口の意味で使うでない!」ゲシッ 京太郎「痛いです!」 照「ぷっ…」 優希「っ!」 京太郎「!」 照「あははははは!」 優希「照さん…」 照「あはははははは!なにやってるんだ二人とも。子供みたいな喧嘩して。あはははは」 京太郎「はは…やっと笑ったか」 優希「よかったじょ」 照「ふふふふ…さあ、二人とも。いつまでもこんな往来で遊んでいてもキリがない。それにちょっと恥ずかしいしね。中に入ろうか」 京太郎「了解!」ダッ 優希「了解!」ダッ 照「ふふふふふ…そんなに走らないでもいいのに。子供みたいだ」スタスタ 咲「…」 咲「…」スタスタ ゲーセン内 京太郎「おおー!」 優希「すっげーじょー…」 照「本当だ。ゲームセンターって、こんなに活気があるんだね…」 優希「よっしゃ、それじゃあ、まず何するじょ!?照さん!」 照「えっ?」 京太郎「そうだな。折角だし、照ちゃんがやりたいやつを最初にやろーぜ」 照「そんな…悪いよ」 優希「何言ってるじょ!今回の主賓は照さんだじょ?一番最初のを決めるくらい、いいでしょー?」 京太郎「そうだな。あんまりゲーセン来ることも無いんだろ?だったら、楽しまなきゃ!」 照「けど…そもそも私、どんなのが有るのかさえ…よく知らないし」 優希「適当でいいから!」 京太郎「な!な!?」 照「う…そ、それじゃあ…」キョロキョロ 照「…じゃあ、あれやってみたい」スッ 優希「おお、あれは」 京太郎「なんだ?あれ」 優希「流石照さん。お目が高い」 照「え?」 照(えっ?そうなの?よくわからないから適当に指さしてみただけなのに…) 優希「なんだ。京太郎も知らんのか?あれ」 京太郎「わっかんねー。全てがわかんねー」 優希「あれはな、最近流行りの趣向を凝らした最新麻雀ゲームだじょ」 照「えっ?麻雀ゲーム?」 照(そんなのもあったんだ…) 京太郎「へー。結構面白そうだな。…だ、そうだけどどうする?照ちゃん」 照「…うん。そうだね。やってみようかな…」 照(…麻雀ゲームなら、いいとこ見せれるかも) 咲「…」コソコソ 照「…なんだこれ」 照(い、いっぱいボタンが有って、よくわからない…) 京太郎「うげ…なんだこりゃ。なんで麻雀ゲームなのにこんないくつもボタンがあるんだよ…それに、一番の謎はこのサンドバックだ。訳わっかんねー。全てがわかんねー…」 優希「うむ。これがこのゲームのハードなトコだじょ」 照「ハード?」 優希「そうなんだじぇ。この麻雀ゲームはな。まず最初にこのサンドバックをぶん殴って、それからこっちのいくつものボタンの中から正確なボタンを押して牌を捨てていかねばならんのだ」 照「…理由が分からない。どういう理屈?」 京太郎「わっかんねー。理由がさっぱりわかんねー」 優希「だと思ったじぇ。それを理解するためには、まずはこのゲームのストーリーを説明せねばなるまい」 照「ストーリー?」 京太郎「麻雀ゲームなのにんなもん有るのか」 優希「うむ。実はこれ、続編ものでな。私は前作で結構ハマったので知っているのだが…」 優希「これ、前作はいくつも有る高校の中の一つからチームを選んで、全国大会での優勝を目指すゲームだったんだじょ」 照「へえ」 京太郎「おお。なんかそれっぽい!」 優希「で、このゲームはその流れを汲んだ正当な続編だったのだが…冒頭のストーリーって言うのが存在するんだじぇ」 照「うん」 京太郎「どんなのだ?」 優希「見事全国大会を優勝した主人公の高校。しかし喜びも束の間、凱旋する主人公たちを待ち受けていたのは宇宙からの侵略者だった!」 照京太郎「「…はい?」」 優希「地球をかけた闘牌に数多の少女が傷付き倒れていく。…あ、前作は女子の大会が舞台だったんだじぇ。…その圧倒的な戦力差に、世界は絶望の淵に追いやられていった…」 照「訳がわからない。全てがわからない」 京太郎「俺もです。はい」 優希「だがその時一人の少年が立ち上がった!その名は○○○。…あ、主人公の名前は自由に付けれるじょ。面白そうだから以下京太郎な」 京太郎「おい」 優希「前作主人公の無念を果たすため、少女たちの仇を討つため。京太郎は単身、怪異ひしめく戦場へ乗り込んでいくのだった……」 優希「…っと、そこから第一ステージ開始なー」 京太郎「…で、それとなんでこの俺の身長よりでっかいサンドバックと阿呆みたいに沢山のボタンが必要になってくるんだよ」 優希「うむ。このサンドバックはな。敵のATフィールドだじぇ」 京太郎「わっかんねー以下略」 優希「敵は謎の宇宙勢力。そして闘牌方法は宇宙麻雀。敵の常套手段は、まず対戦相手の目の前にバリアを張って、牌に触れさせないことだったんだじぇ…」 優希「このサンドバックは、そのバリアを見立てたものだ。つまり、まずはこのバリアをぶん殴って破壊する」 照「取り敢えず、企画者の頭が宇宙レベルなのは分かった。じゃあ、この七色に輝くボタンは?」 優希「このボタンは、中和装置だじぇ…」 京太郎「なんでそこで中和という言葉が出るのかわっかん以下略」 優希「宇宙牌には幾つもの人体に有害な物質が素材として使われていて、牌に触るにはそれぞれを中和する7つのボタンでその物質を無害化しなくてはいけないのだ」 優希「これらの物質の中和方法を発見、技術化するまでに幾人もの若き闘牌少女達が犠牲になったんだじぇ…それは、今作主人公の恋人も…」 照「無駄にハードな設定」 京太郎「なんでそこまでして宇宙にこだわった」 優希「で、バリアの破壊と有害物質の中和を一巡毎にやってって、最終的に相手を飛ばした方の勝ちだじょ。ちなみに持ち時間有り」 優希「参考: 180」 京太郎「それ、もう麻雀ゲームの域を超えてるよな。どっちかって言うと、東京フレンドパーク的なノリだよな。もう」 照「自信がなくなってきた」 京太郎「前作やってるなら、お前ならいいとこいけるんじゃないか?優希」←自分じゃもういけると思ってない 優希「…実は前作は何度も全クリしてるのだが、今作はまだラスボスまで行けた事無いんだじょ…」 京太郎「マジか」 照「…取り敢えず、やってみる」チャリーン 京太郎(照ちゃん、チャレンジャーだ…) 優希(お手並み拝見だじぇ) 『まずは敵のバリアを破れ!サンドバックにパンチだ! 合計 100kg で打ち破れるぞ!』 照「100kg!?」 優希「照さんガンバだじょ!」 京太郎「照ちゃんガンバー!」 照「く…っ!うおおおおお!!」ペチッ 『20kg!』 照『ええっ!?』 京太郎「よわっ!」 照「このっ!」ペチッペチッ 『23kg!25kg! 合計68kg!』 優希「もう少しだじょ!頑張れ照さん!」 照「はああああああ!!」ペチッペチッ 『24kg!26kg! バリアが破れた!急いで牌を掴め!』 照「ぜえぜえ…っ!」ダッ 照「えっと…この牌は…黄色だから、黄色いボタンを押して…」アタフタ 照「これだ!」ポチッ 照「はぁはぁ」 ポイッポイッポイッ 『君の番だ!さあバリアを破るんだ!合計100kg!』 照「もう!?」 優希「走れ!照さん!」 照「うわああああああ!!」ダッ 照「やあ!」ペチッ 『18kg!』 照「じゅっ…!」 優希「頑張れ照さん!」 照「ぐぬぬ…おりゃあああああ!!」ペチペチペチペチ 『21kg!24kg!22kg!26kg!バリアが破れた!走って戻れ!』 照「ひいいいい!」ダッ 照「ぜえぜえ…つ、次は…こ、この緑の牌を捨てて…」ヨロヨロ 照「はぁはぁ…」ポチッ ポイッポイッポイッ 『君の番だ!さあバリアを破るんだ!合計100kg!』 照「」 優希「照さん!」 京太郎「照ちゃん!」 照「ぜひ…ぜひ…」フラフラ 京太郎「…おい優希」 優希「…なんだじょ?京太郎」 照「はぁ…はぁ…」ペチ…ペチ… 京太郎「これ、無理だろ」 『14kg!12kg!』 優希「うーむ…私は3面までは結構楽に行けたんだがなぁ」 照「ふぅー…ふぅー…」ペチ……ペチ…… 京太郎「化け物かお前は」 『8kg!8kg!合計42kg!どうした時間が無いぞ!』 照「ふ…ふ…はぁ…はぁ…ちょ、まって…」ペチ… 『2kg!逆に凄いな!合計44kg!』 優希「ちなみにこのゲーム、ネットで全国のスコアが見れるのだが、一番最初にこれクリアしたのは奈良のゲーセンの人らしいじょ。次が岩手。次は南大阪で、ここがハイスコア。 京太郎「そこにどんなモンスターが…」 『しまった!あと10秒で時間切れだ!急ぐんだ!』 優希「…まあ、南大阪の人は相方に殴る専門の人付けて、しかもキックまで使わせたって問題になってたが」 照「ぜえ…ぜえ…」フラフラ 京太郎「あの照ちゃん見てたら、俺は殴る専門は有りだと思う」 『7!6!5!』 優希「うむ。難易度調整が難しいので、公式でも最近はそれが推奨されてるじょ」 照「も…ダメ…だ…」バタリ 『2!1!ゲームオーバー!!』 京太郎「それを先に言ええええええええ!!」 照「はあ…はあ…はあ…はあ…」グッタリ 優希「おおう、見ろ京太郎。照さん、汗びっしょりで頬を上気させ、ぐったりしてるじょ。なんて艶っぽい…」 京太郎「うわああああ!?ちょ、照ちゃん!大丈夫か!!」 照「わ、私は…負けたのか…麻雀で…」ズーーン 京太郎「認めねー!俺はアレを麻雀とは認めねーぞおおおおお!!」 優希「…ちょっと休憩するじょ」 咲「…」ボスッ 咲「…」チャリーン 咲「…」ボスッ 店員(あの子、さっきからずっと無言でパンチングマシーンやり続けてる…) 休憩後 京太郎「…大丈夫か?照ちゃん」 照「ああ。すまない京ちゃん…」 優希「はい、これジュースだじょ」 照「ありがとう…」プシュッ 照「こくこくこく…ぷはあ…」 京太郎「それにしても、ありゃちょっと酷すぎるな。どうにもなんねーだろ」 照「…」 優希「そうだなー。照さんの体力考えたら、麻雀以前の問題っぽいしな」 京太郎「じゃあ、他のやりに行こうぜ、次は…」 照「やだ」 京太郎「…照ちゃん?」 照「もう一回アレやる」 優希「照さん…」 照(…この私がゲームとはいえ麻雀であんな無様を晒すなんて…) 照「リベンジする。もう一回やる」 優希「おおう。なんという闘争心」 京太郎「けど、本当にやめといたほうがいいんじゃないか?下手したら怪我するぞ照ちゃん」 照「ううー…やだ。復讐する」 優希(意外に駄々っ子だじぇ…) 京太郎「照ちゃん」 照「やだ」 京太郎「…」 京太郎「…はあ。仕方ない」 照「…京ちゃん?」 京太郎「わかったよ。じゃあ、俺がサンドバック殴り代行務めるから。照ちゃんは麻雀の方に専念してよ」 照「!!」 京太郎「それくらい良いだろ?このまま照ちゃんに殴るの任せたら、どっかで手首でも捻りかねねーし」 優希「そーだな。よし、行け!京太郎!日頃の修行の成果を今こそ見せるんだじぇ!!」 照「きょ、京ちゃん…!ありがとう!!」パァア 京太郎「よっしゃ。頑張ろうぜ。照ちゃん」 照「うん!」 照(おいおいおいおい!ちょっと待ってよ!) 照(こ、これって…まさか…!!) 照(初めての共同作業っていうやつじゃないか!?) 照(いいところ見せたいいいところ見せたいいいところ見せたいいいところ見せたいいいところ見せたい頑張るぞ頑張るぞ頑張るぞ頑張るぞ頑張るぞ!!) 咲「…」ベシドガバキメキョ グチャッ メリメリ ブチッ グチョグチョ ゴリッ ドーン ウーワ!ウーワ!ウーワ! KO!Player Win PERFECT!! 数十分後 京太郎「ぜえ…ぜえ…つ、疲れた…」 優希「うおおおお!すっごいじぇー!照さん!」ガバッ 照「うわっ!?ゆ、優希…ちゃん?」 優希「パンチのスコアはともかく、麻雀の方で稼いだ得点と全クリ速度のスコアがなんと全国一位だじょ!」 照「え…」 照(そうなんだ…?デジタルはあんまり得意じゃないし、ボタン覚えるのにいっぱいいっぱいで何度かミスもしたんだけど…) 優希「私は鼻が高いじょ。今私は、全国一位の人とこんな間近でお話してるんだじぇ?それも友人として!まさかこんな所にこんな逸材が居ただとは…」 照「は、ははは…」 照(私が宮永照だって、もしかしてこの子気付いてないのか?…麻雀部なのに) 照(…まあ、周りにバレてあんまり騒ぎになったら遊べなくなって嫌だしな。それに私が宮永照だと気付かれたら、今みたいに接してくれなく成るかもしれないし。こっちの方がいいや) 照「そんな。たまたまだよ。間違えて牌を選んだ時に、考えてたよりも上手く手が進んだりもして、運が良かったんだ」 優希「ええー?そんな感じだったかな?」 照「そうそう。それより、大変だったのは京ちゃんだ。よく頑張ってくれたね。ありがとう」 優希「ん!そうだったな。まさかラスボスはバリア破壊に一巡1,000kgも必要だったとは…」 京太郎「ふふふふふ…最後の5巡くらいは…光が…見えた…身体が急に軽くなって、楽しくなってきて…負ける気がしなかったぜ…」フラフラ 照「ゾーンに入ってたのか…」 優希「こっちも地味に凄いことになってたんだな…」 照「まあ、兎に角だ。私はもう満足したよ。京ちゃんの息が整ったら、他のゲームをしよう。みんなは何をしたい?」 京太郎「エアホッケー…今なら誰にも負ける気がしねえ…休んでからと言わず、今行こう。すぐ行こう」ヨロヨロ 優希「おおっ!?生意気な台詞を吐きおって。ならば叩きのめしてくれる!行くじょ!照さん!」 照「ああ。そうだな。私も、今の弱ってる京ちゃんになら勝てる気がするよ」 優希「照さん&私VS京太郎だじょ!勝負!!」 京太郎「望むところだ!!」 咲「…」 咲「…」 咲「…へえ」 咲「…エアホッケーか」 照「」 優希「」 京太郎「ふふん」 照「…参った。完敗だね」 優希「おのれ須賀京太郎…む、ねん…」ガクッ 京太郎「…あー。けど、流石に疲れたわ。ちょっと休憩がてらトイレ行ってきます」ヨロヨロ 照「ちょっと、本当に大丈夫かい?京ちゃん。フラフラだよ」 京太郎「なんとか」ヨロヨロ 照「…」 照「…あ、そ、それじゃあ…」 優希「おう、京太郎!それなら、私もちょうどお手洗い行きたくなってきたし、一緒に行ってやるじょ!!」 照「あ…」 京太郎「ああ。悪いな優希」 優希「おお。まあ、今回は特別だじょ。感謝して敬え」 京太郎「言い過ぎだ」クスッ 照「…」 優希「ん?どうしかしたか?照さん」 京太郎「そういえば、今照ちゃん、なんか言いかけてたような…」 照「あ…い、いや。なんでもないよ。私も少し疲れたんでね。君等がお手洗いに行くというのなら、私はここで少し休んでるよ」 優希「…そっか」 京太郎「わかったよ。それじゃあ、また後でな。照ちゃん」 照「うん…」 優希「…じゃあ、行こうか。京太郎」 京太郎「そうだな」 スタスタスタ 照「…はぁ」 照(優希ちゃん…可愛いな…) 照(明るいし、優しいし…私みたいな怪しくて口下手な女相手なのに、今日出会ってもうこんなに仲良くしてくれてる…) 照(それどころか、懐いてきてくれて…私なんかデートのお邪魔虫だっていうのに、あんなに嬉しそうに話しかけてきてくれて…一緒に居て凄く楽しい) 照(…京ちゃんを巡るライバルの筈なのに…) 照(…嫌いになれないよ。あんなに素敵な子) 照(今だって、私がうだうだやってる間に疲れた京ちゃんを気遣って一緒にお手洗いにまで行ってくれて…) 照(…二人、お似合いだな…仲も良いし、息もピッタリだし…本当は京ちゃんともっとくっついて居たい筈なのに…エアホッケーだってわざわざ私と一緒のチーム組んでくれて…) 照(それなのに、私は麻雀で京ちゃんと一緒に共同作業だーなんて、優希ちゃんの事も蔑ろにして浮かれてて…)ジワッ 照(…私なんかじゃ、相手にならないよ。可愛さも、性格も、気遣いも…) 照(…馬鹿だ、私。こんなんじゃ、年上として二人に申し訳が立たないよ) 照(…二人が戻ってきたら、帰ろう。急用が出来たって言って) 照(…もういいや。京ちゃんには、優希ちゃんが居るんだもん。…私なんか、もう京ちゃんには必要ない…ううん。京ちゃんの、邪魔だよね) 照(…もう、京ちゃんの事、諦めよう。忘れよう。私なんかがいつまでも京ちゃんに付きまとってたら、二人に迷惑だ…) 照「うう…」コツン 照「痛…」 照「…?なんだ?何か頭に当たった…のか?」 照「ん…これ…エアホッケーのパック…?」ヒョイ 照「どうしたんだろう。どこかから飛んできたよう…な…」クルッ 咲「…」ニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコニコニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコニコニコニコニコ 照「…」 咲「…」ニコニコニコニコニコニコニコニコ 照「…」 咲「何か、私に言うこと有るよね?」 照「…咲」 咲「どちら様ですか?ちなみに私、一人っ子ですけど」ニコニコニコニコニコニコ 照「…」 咲「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 照「…」ドドドドドドドドドドドドド 咲「…ところで、初めてお会いしたお姉さん?」 照「なんだ。初めてお会いした小娘」 咲「ここにエアーホッケーのパックがあります」 照「ああ。ここにも一枚ある。お前の仕業か」 咲「折角なので、私と遊びませんか?」ニコリ 照「…いいだろう」 咲「じゃあ、この台でやりましょうよ。ほら、こっちです」 照「ああ」スタスタ 咲「…」ドキドキ 照「…」ピタッ 咲「!?」 照「…ふん。バナナの皮、か」ヒョイッ 咲「…」ギリッ 照「…ゴミはゴミ箱に捨てないとな」ニヤッ 咲「!」 照「」ポイッ 咲「…」 照「…ふん。随分と狡(こす)い手を使う。雑魚が雑魚なりの知恵を絞って勝つ手段を考えたのだろうが…」 照「この程度の浅はかさでは、底が知れるというもの。今の貴様では私には勝てない」 咲「くっ…」 照「…だが、先に牙を剥いたのは貴様だ。いいだろう、後悔するがいい。私にアイスホッケーで勝負を挑んだことを」 咲「…」ギリギリ 照「…さあ。どっちが先攻だ?選ばせてやる。お前が決めろ」 咲「…そっちからどうぞ」 照「ふん。つまらん見栄を張る。素直に先攻を取っておけば多少は勝負になるやもしれんのに…な」 咲「ま、負けないもん!」 照「ふっ…吠え面をかけ…!!」ゴッ!!! 咲「っ!!!」 咲(くっ!こ、このプレッシャー…!凄い圧力…!)タジ… 照「くくく…どうした?咲。腰が引けているぞ!」 咲「ま、負ける…もんか…!」ゴッ!! 照「…ほう」 咲「ま、負けない…お姉ちゃんなんかに…絶対…!!」グググ 照「…ふん。多少は気概を示すか。…だが、その程度だ。矢張り私の敵では無い」 照「見せてやる。私の力を。そしてその圧倒的なまでの力量差に打ちひしがれるが良い!!」クワッ 咲(…来るっ!集中しろ、私!!)ググッ 照「…あ、京ちゃん」 咲「えっ!?」クルッ 照「今だ喰らえ!!」スカッ 咲「しまっ…」 咲「…た」 照「ふんっ!」スカッ 咲「…」 照「ふんっ!」スカッ 照「…」 咲「…」 照「あれ」 照「…」 照「…ふん。戯れは仕舞いだ。感謝するがいい。今、私がその気だったなら貴様は既に一度失点している」 咲「…相変わらず運動音痴だね、お姉ちゃん」 照「…お前には言われ」カチッ 照「たくない」 咲「あわわわ!会話してる時にいきなり始めないでよ!」スカッ ピシューン ヤッタネ!赤チームゴール! 咲「こ、この卑怯者!」 照「ふん、馬鹿め。咲、お前に良い格言を教えてやる。勝てば」 ピシューン ヤッタネ!青チームゴール! 照「…」 咲「官軍?」ニコッ 照「」ギリギリギリ 照「咲!お前、そうやって狡いてばかり使って…」 ピシューン ヤッタネ!青チームゴール! 照「」 咲「きゅふふふ。実はもう一個パックを隠し持ってたのでした」 照「」カチッ 咲「」スカッ ピシューン ヤッタネ!赤チームゴール! 咲「…」カチッ 照「…」スカッ ピシューン ヤッタネ!青チームゴール! 咲「」ゴゴゴゴゴゴ 照「」ドドドドドド カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン カチッ スカッ ピシューン 咲「ぜえぜえ…」 照「はあはあ…」 咲(マッチポイント…!) 照(くっ…まずい。ここを何とか凌がなくては…!) 咲「たあ!」カチッ 照「くっ…!」スカッ 照(しまった!外した…!) 咲(やった!勝っ…!!) カチッ シュー… ピシューン ヤッタネ!赤チームゴール! 咲「そ、そんな…」ガーーン 照(た、助かった…咲のパックの軌道が、ゴールから外れてたのか…しかもそれが跳ね返って咲のゴールに吸い込まれた) 照「ふふふ…どうやら、天は私に味方したらしいな」 咲「く…ぐぅ」 照「まあ、当然か。お前のような卑怯者に、天が!味方!する訳が…ないっ!」カチッ!! カチカチカチカチカチカチッ 咲「なっ!これは…!!」 咲(!!乱反射!!) 照「どうだ!!これが貴様に見切れるか、咲!!」 咲「あわわわ…」 照「ははは!残念だったな!貴様にしては頑張ったようだが、だが未熟!」 咲「」スカッ 咲「そんな!」 照「覚えておけ!真剣勝負ではこのように切り札は最後まで取っておく」 カチッ シュー… ピシューン ヤッタネ!青チームゴール! バンザーイ!青チームの勝ちー!! 照「」 咲「か、勝っ…た…」 照「そ、そんな…馬鹿…な…乱反射が…帰って来た…だと?」ガクッ 咲「勝った…勝ったよ…私…京ちゃん。私、お姉ちゃんに勝ったよ…!」ジワッ 照「この、私が…さ、咲に…?」ガクガクガク 咲「勝ったんだ!私が…!『あの』お姉ちゃんに…!真剣勝負で!」 ※隠し持ってたパックの差です 照「馬鹿な…あ、有り得ん…!!わ、私が…咲なんかに…!!」 咲「やったあああああああ!!お姉ちゃんに勝ったぁああああああああああああ!!」 照「くっそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」 本格熱血美少女麻雀ストーリー 咲-Saki-エアーホッケー編 episode of side-A 完!!! 咲「やーいやーい!お姉ちゃんのばーか!運動おんちー!私の事置いてけぼりになんかするからこんな目に合うんだよーだ!やーい!!」 照「おのれええええええええええ!!さきいいいいいいいいい!!お前、実の姉を馬鹿にするか!!許さない!!」 咲「あれあれぇ~?どこからか、負け犬の遠吠えが聞こえるなぁ~。どこだろうな~?しかも、妹が居ない人なのに姉名乗ってるな~。不思議だな~」 照「」ギリギリギリ 咲「あっれー?なんか、ここでうち拉がれてる人が居るけど、もしかしてこの人かな~?けど、違ったら悪いしな~。すみません。おなかでも痛いんですかー?」 照「おいっ!咲!!お前、なんだそれ!お前いつからそんなに性格悪くなった!!」 咲「さっきだよーだ」ツーン 照「ぐぐぐ…タ、タコス屋の件は悪かったから…」 咲「ホントだよ!結局あの後、私無理して二つもタコス食べたんだよ!?もうおなかきつくてきつくてしょうがなかったんだからね!?」ガルルルル 咲「しかも、トイレから帰ってふと見たら、みんなもう会計済ませてお店出てくところだったから急いで食べなきゃだったんで尚更おなかに響いたし!」 照「残してそのまま置いてくという発想はなかったのか…」 咲「そんなの食材になってくれた命や農家の人や作ってくれたお店の人に失礼じゃない!何言ってるのお姉ちゃん!!」ガオーーー!! 照「…そ、そうだな…私が悪かった…」 咲「本当だよまったく!!」 咲「ところで」 照「…なんだ」 咲「喉乾かない?」 照「…そうだな」 咲「だよね」 照「ああ」 咲「…」 照「…」 咲「…」 照「…咲?」 咲「喉乾いたよね」 照「…ああ」 咲「…」 照「…なんだ。何が言いたい」 咲「どっちが勝ったんだっけ?」ニコリ 照「」ギリギリギリ 咲「私オレンジジュースがいいなー♪」 照「ちょっと待ってろぉおおおおお!!!」ダッ 咲「…」 咲「…勝った。完全勝利。気持ちいいなぁ…」 咲「…」 咲「…はぁ。でも、私がここに居る事、京ちゃん達にばれたらメンドクサイよね…」 咲「もう帰ろうかな…」 京太郎「あれ?咲?」 優希「あれー?咲ちゃんだじぇ。なんでこんなところに?」 咲「」 京太郎「なんでお前がここに…部活はどうしたんだ?」 優希「謎だじぇ…」 咲「あー…え、えっとぉ…」 咲(し、しまったあああああ!お姉ちゃんとのエアホッケーに熱くなりすぎた!二人とも、もう帰ってきちゃったよぉおおおおお!!) 京太郎「しかもすっげー汗かいてるし…」 優希「エアホッケーでもしてたのか?」 咲「あー…えっと…その…う、うん!そうなの!」 咲「実はね?今日突然、東京に住んでる従姉妹がこっちに来る事になっちゃって!それでお父さんに言われて、従姉妹を長野駅まで迎えに来てたの!」 咲「それで、合流した後、家に行く前にちょっとゲームセンターで遊んで行こうってなって、さっきまで一緒に遊んでたの!」 優希「おお!そうだったのか!」 京太郎「しっかし、お前を迎えに寄越すとか随分とチャレンジャーだなお前の親父さん」 優希「確かに、ミイラ取りがミイラになる可能性がかなり…いやこういう場合は二次被害というのか?」 京太郎「それともか、お前の従姉妹がメダリスト級の方向音痴なのか」 咲「ううう…酷い言われようだ私…」 照「…くそっ!咲め。この私をパシリに使うなどと…後で覚えてろよ」ブツブツ 照「…あれ?京ちゃんと優希ちゃん…」 照「…げっ!咲の奴、二人に見つかったのか。あの馬鹿。…なんだか面倒な事になってきたな…」コソコソ 照「…何を話してるんだ?」 京太郎「それにしても、咲。お前、東京に従姉妹なんて居たのか。そりゃ初耳だ」 咲「う、うん…まあ…そ、そう…だ、ね…言ってなかったもんね…」 優希「どんな人なんだじょ?」 咲(うぐ…そ、そんなの設定考えてなかったよ…) 咲「…えーっとね。結構抜けてる人でね。私よりも方向音痴なんだ」 京太郎「ほえー。マジでお前より方向音痴か!」 咲「うん。それに、私より背は高いけど私より運動音痴で、2つも年上なのに胸の大きさもあんまり変わらなくて…」 京太郎「従姉妹相手とはいえ、お前が他人をそこまでdisるの初めて見た」 優希「私も。仲あんま良くないのか?」 京太郎「だったらエアホッケーなんかしないだろ」 優希「ああ。それもそうだな」 咲「あははは…」 京太郎「で、その従姉妹は今どこ行ってるんだよ?」 優希「そういえば、照さんもいないじょ」キョロキョロ 咲「あー…えっとねー…」シドロモドロ 京太郎「ん?」 優希「あれ~?照さーん!」 咲「…」 咲「え、えっとねぇ…い、従姉妹は…帰っちゃった」 京太郎「え?」 咲「と、東京の方でね。どうしても急用の用事が入っちゃったらしくて…あ、慌てて帰っちゃった」 京太郎「そうなのか」 優希「あらら。残念だったの、咲ちゃん」 咲「うん…」ズキッ 京太郎「…」 優希「…じゃあ、さ。咲ちゃん」 咲「え?」 優希「咲ちゃんも、一緒に遊ぼうじぇ」 咲「…え?」キョトン 咲「…え?え?え?」オロオロ 優希「あははは!なんでそんな慌ててるんだじぇ!なー?いいだろー?」 咲「け、けど…」 優希「いいじゃんいいじゃ~~ん!な?京太郎!」ギュッ 咲「きゃっ!ちょ、ちょっと、優希ちゃん…」 京太郎「ん。お前がいいんなら」 優希「あったりまえだじぇ!」 咲「…じゃ、じゃあ…私も…い、いい…かな…?」 優希「やったー!!」 京太郎「…そうだ、な」 照「…やあ、帰ってきていたのか。二人とも」スタスタ 京太郎「あ、照ちゃん」 優希「おお!照さん!どこ行ってたんだじょ?」 照「ん…いや、ちょっと喉が渇いたんでジュースを買いに行っていたんだよ」 優希「なんだそうだったのかー」 咲「…」 照「…」 照「…ねえ京ちゃん」 京太郎「ん?なんだ?照ちゃん」 照「…この子は誰?」 咲「…」 京太郎「ああ。そっか、悪い悪い。この子は咲。宮永咲。昔言ったことなかったっけ?中学で知り合った幼馴染の子って」 照「ああ。そう言えば聞いたことがあったね。例の子か。実際には会うのは初めてだけれど、『私の弟分の京ちゃんが』お世話になっているらしいね」 照「ハジメマシテ。照だ」 京太郎「咲。この人は照ちゃん。俺らとは2個上の同じ中学の先輩だよ。確か、当時、お前にも話した事あったよな?」 咲「…うん、覚えてるよ。こちらこそ『1年だけとはいえ』『私の幼馴染の京ちゃんが』お世話になったみたいで。ハジメマシテ。照さん」 照「…」 咲「…」 優希「ねえねえ照さん!これからは咲ちゃんとも一緒に遊びたいんだけど、いいかー?」 京太郎「そうなんだよ。咲とは偶然出会ったんだけど、急に用事が無くなっちまったらしくてさ。照ちゃんさえ良ければ、折角だし一緒にどうかな?」 照「そうだね。………いいよ。宮永さんさえ良いなら」 咲「…ありがとうございます。それじゃあ、ヨロシクオネガイシマス」 照「ああ。コチラコソヨロシク」 京太郎「?」 優希「?」 京太郎(…なんだ?この二人…すっげー重苦しい雰囲気…) 優希(なんか、不穏な感じがするじょ…) 照「…」 咲「…」 咲「…ふふ。嫌だなあ、照さん。年上の人にそんな呼び方されても、なんだかくすぐったいですよ。咲って呼んで下さい」 照「…ああそうだな、悪かった。これからは咲と呼ばせてもらうよ。君も、私が年上だからってそんなに畏まらなくてもいいよ。この二人だってざっくばらんに話しかけてきているだろう?タメ口でいい」 咲「…うん。それじゃあ、改めてよろしく。照さん」 照「いや、こちらこそ改めて宜しく、咲」 優希(あれ、馴染んだじょ?) 京太郎(気のせいだったか?…ってか、人見知りのこの二人がこんなに早く人と馴染むのも珍しいな) 照「さて、それじゃあこの後は何をしようか京ちゃん、優希ちゃん」 咲「私も、早く遊びたいな」 京太郎「あ…あー!そうだな。えーっと…な?優希」 優希「おう!」 咲照「「ん?どうしたの?」」 京太郎「こっち戻ってくる途中で、ボーリングの受付見つけてさ」 優希「ボーリングやりたい!」 咲「ボーリング…」 照「…ボーリング」 咲照「「ボーリングかぁ…」」 ボーリング場 京太郎「さて、着いた」 優希「さー!それじゃあ、第一球は私の番だじょ!京太郎ジュースかけて勝負!」 京太郎「おっしゃ!」 咲「…」 照「…」 京太郎「…って、どうした?二人とも。さっきからやけに静かだけど…」 咲「ううん」 照「なんでもない」 京太郎「そうか…?」 京太郎(やっぱ、この二人の人見知りが発動しちまったのかな…) 優希「よしゃー!ストラーイク!」 京太郎「げ!いきなりかよ!」 優希「次はお前だじょー」 京太郎「わかった!見てろくそー!」ダッ 咲「…」 照「…」 京太郎「くっそー。9本か…」ガックリ 優希「くくく。これは早くも私の勝ちっぽいかのう?」 京太郎「うっせ!まだ全然始まったばっかだろ!すぐ逆転してやるからな!」 優希「無駄無駄だじぇ。…ん。次は咲ちゃんだじょー」 咲「…あ、わ、私?」 優希「おう。頑張ってな!」 咲「うん。頑張ってみる。えっと、これで…」フラッ 咲「あわわわ」 照「…」 京太郎「おいおい、大丈夫か?」 優希「危なっかしいじょ…」 咲「だ、大丈夫だよ。…よーし」 咲「たあ!」コロッ コロコロ…コロコロ……コロ…フラ…ゴトン… 咲「…ガータ」ガックリ 京太郎「どんまいどんまい」 優希「次があるじょ!」 咲「よーし!それじゃあ、今度こそ……たあ!」 コロコロ…コロコロ……コロ…フラ…ゴトン… 咲「…あう」 咲「…ダメかぁ」フラフラ 京太郎「…ま、まあ、次があるさ」 優希「う、うむ。まだゲームは始まったばかりだじょ」 照「…さあ、次は私だね」スッ 咲「うーん…投げ方が違うのかなぁ…こう?それともこう…」ブツブツ 照「…ふふっ。無様だね、咲」ボソッ 咲「!?」 照「よく見ているといい。私の華麗な投球フォームを」ボソボソ 咲「な…」 京太郎「頑張れー!照ちゃん!」 優希「いいところ見せるじょ!」 照「ああ。今日はどうやら初心者も居るみたいだしね。ここはお手本を一つ見せてやろうじゃないか」ニヤッ 咲(むっ) 京太郎「おお。自信満々!」 優希「これは期待できるかー!?」 照「すー…はー…」 照「…行くぞ!」ガニガニ 咲(な!?何あの投球フォーム!?) 京太郎(あれ…球を指に入れずに両手で持って、がに股で移動を始めた) 優希(なんかすっごい中腰で、格好悪いじょ…) 咲(こんなの見たこと無い…まさか、東京で上手い人に教わった必殺技とか!?) 照「…たあ!」コロッ コロコロ…コロコロ……コロ…フラ…ゴトン… 照「…」 京太郎「…」 優希「…」 咲「…」ホッ 京太郎優希「「ど、どんまい…」」 咲(…そんなわけないか。第一、お姉ちゃんがそんなの使いこなせるはずないもんね…) 照「…も、もう1球」ガニガニ 照「…たあ!」コロン 咲(…どうせ外れるんでしょ)フフン コロコロ…コロコロ……コロ…フラ…フラ…カコ…ポト…ポト…ポト…ポト…ポト… 『第一投 -/⊿』 照「…ふっ!」 咲「」ガーーン!! 京太郎「おおー!!」 優希「おおー!!」 照「よし!」グッ 咲「そ、そんな…馬鹿な…」 照(やった…!初めてスペア取った…!ありがとう菫。この投球フォームを教えてくれて!) 照(白糸台麻雀部ボーリング大会に向けて、せめてスコア0は避けるようにって教わったこの投げ方、役に立ったよ!) 京太郎「照ちゃんいえ~!」スッ 照「…え?」 京太郎「ん!手!手!」スッスッ 照「あ、う、うん」スッ 京太郎「照ちゃんいえ~!」パチーン 照「!」 優希「あ~!いいないいな!私も私も!いえ~!」パチーン 照(し、しかも京ちゃんにハイタッチまでしてもらっちゃった!) 咲「ぐぬぬぬ」 照「さあ、次は優希ちゃんだね?」 優希「おう!頑張るじょ!」 照「…」チラッ 咲「…!」 照「ふふん」 咲「ぎぎぎぎ」 照「ふふふふ…どうだ、見たか咲、姉の威厳」ボソボソ 咲「ぐうう…ま、マグレだよ。あんなのマグレに決まってる…」ボソボソ 照「ほう?そう思うか。なら、面白い。ここは一つ賭けをしようじゃないか」ボソボソ 咲「賭け?」ボソボソ 照「ああ。賭けだ。そうだな。どうせ私が100%勝つ勝負だ。あんまり意地悪な条件を付けるのも可哀想だから、敗者は今日の晩御飯を勝者に奢ること。これでどうだ」ボソボソ 咲「…そんな事言って、実は勝てるか自信無いだけなんじゃないの?」ボソボソ 照「ほざけ。なんなら『京ちゃんの前で裸踊りをする』にしてやってもいいんだぞ」ボソボソ 咲「なっ!」 照(…言い過ぎた。咲お願い、断って) 咲「…分かった。私だって負けるつもりは無いけど、お姉ちゃんが可哀想だからさっきの条件でいいよ」ボソボソ 照「…ふふ。契約成立…だな」ボソボソ 咲「ふふふふ。お姉ちゃん、さっきの負け、もう忘れちゃったの?今や運動神経は私のほうが上なんだよ。ちょっとくらい技術を知ってたって、このゲームの間にコツを掴んで私が勝つ」ボソボソ 照「ふふふふ。愚か者め。あんなのどう見ても事故だ。また勝負すれば私が勝つ。ボーリングなら尚更さ」ボソボソ 咲照「「ふふふふふ」」 京太郎「なんだ。なんだかんだで仲良さそうじゃん。二人でヒソヒソ話し合って」 優希「良かったなぁ、京太郎」 30分後 優希「ふむ。187点。まあまあだじょ」 京太郎「くっそ。179点負けた…」 優希「ジュース奢れ」 京太郎「はいはい…」 咲「じゅ、18点…」ズーーン 照「ふふ…ふふふふふ…はははは…!…21点。勝った!」 照(け、結構危なかった) 照「さあ咲、約束だ。後で夕飯を奢ってもらおうじゃないか」ヒソヒソ 咲「ぐううう…分かった…」 照「ふふふふ…♪」 京太郎(照ちゃん嬉しそうだなー) 優希(咲ちゃん悔しそうだじょ) 京太郎「さあ、次はどうしようかね」 優希「んー…そうだなぁ…結構遊んだしなぁ」 咲「…」 照「…」 京太郎「…じゃあ、最後、締めにカラオケでも行くか!」 優希「おう!」 咲「!?」 照「!?」 カラオケボックス内 京太郎「さーて、と。何歌おうかなー」 優希「うーん…迷うじぇ」 照「」コソコソ 咲「」コソコソ 京太郎「ん?何コソコソしてるんだよ二人」 優希「挙動不審だじぇ…」 照「い、いや…だって…その…」モジモジ 咲「ひ、人前で歌うことってあんまり無いし、その…」モジモジ 照「は、恥ずかしいって言うか…」モジモジ 咲「自信ないって言うか…」モジモジ 優希「そうかー?けど、二人とも綺麗な声してるし、歌上手そうだけどなー」 京太郎「うんうん」 咲「あう…ま、まあ、歌うのは嫌いでは無いけど…」モジモジ 照「わ、私も…その…たまーーーーに後輩達に誘われて歌いに行くことはあるんだが、あんまり流行りの歌も知らないし…」モジモジ 咲照「「そ、それに…」」 咲照( (きょ、京ちゃんに歌聴かせるとか!!) ) 京太郎優希「「?」」 京太郎「…まあいいや。それじゃあ、誰から歌おうか?」 優希「そうだなー。やっぱ此処は咲ちゃ…」 咲「あっ!て、照さん!照さんがいいと思いまっす!!一番年上だし!!」 照「何!!?」 京太郎「あー。確かにそれもそうだなー」 優希「おー!咲ちゃんナイスアイディア!それなら文句無しだじょ!」 照「さ、咲!お前、なんてことを!」ヒソヒソ 咲「い、いいじゃん!お姉ちゃん歌上手いんだし!」ヒソヒソ 照「そ、そう意味じゃない!だいたいお前だって上手いだろうが!なんで私にそこで振るんだ!」ヒソヒソ 咲「だ、だっていきなりは恥ずかしいし…」ヒソヒソ 照「私だって恥ずかしいの!…兎に角、私は嫌だからね。お前が歌え!」ヒソヒソ 咲「やだ!…それに、もう遅いよお姉ちゃん」ヒソヒソ 照「…何?」ヒソ 咲「…あの二人の目を見て、果たしてお姉ちゃんは拒否できますか?」ヒソヒソ 京太郎優希「「」」キラキラ 照「う…」 照「…」 照「仕方ないな。じゃあ、私から行くよ」 京太郎優希「「待ってました!!」」 照(…とはいえ、本当に最近の歌はあまり良く知らないんだよな…どうしようか) 照「うーーん…」 照(…あ。思い出した) 照(…そう言えば、ちょっと前に淡が、私に物凄く相応しい歌があるからって…教えてくれた曲があったっけ) 照(綺麗な曲だったし、我ながら上手く歌えたし、よし。それじゃあ、これにしようかな) 照「うん。決めた」ピッピッ 京太郎「おお!」 優希「やた!」 咲「へー。どれどれ?なんて曲…」 咲「…テルーの唄?」 照「ゆう~やみせ~まるくものうえー」 優希「Oh…」 京太郎「照ちゃん、それは、まさかギャグのつもりなのか…それともガチか…」 照「いつもいちわでとんでいる~た~かはき~ぃっとかなしかろ~」 優希(しかもやたら上手いじぇ…) 咲(…マズい、すっごいくだらない事思いついちゃった…) 京太郎(これ…ツッコミ待ちなのだろうか、いや、しかし…) 京太郎咲優希( ( (…照ーの唄かぁ…) ) ) 昔の話 照が行ったカラオケボックス 尭深「いっらなーい!なにもー!すててしまおうー…」 菫「うん。いつ聴いても尭深のLOVE PHANTOMは最高だな」 淡「なんてイメージに合わない…」 誠子「あー。はい。はい。ポテト盛り合わせとアンチョビピザLお願いします。あとコーラ2つ!」 尭深「……ホット番茶と、抹茶パフェ」 誠子「あ、すみません。追加で注文。ホット番茶と、抹茶パフェも」 淡「あっ!宮永先輩!宮永先輩!」 照「ん。なんだ淡」 淡「私、次、宮永先輩のこの曲が聴いてみたいです!ぜひ歌って下さい!」 照「ん?テルーの唄…。確か、ジブリの何かの主題歌だったか?」 淡「いい歌ですよねー」ニヤニヤ 照「ああ…まあ、うろ覚えだが、そこそこいい曲だった気はする」 淡「私、この曲は宮永先輩の為にあるような曲だと思うんです!」 照「はあ?」 淡「お願いします!私、どうしても宮永先輩のこの曲が聴きたいんです!1回だけでも!是非!歌って下さい!そしてあわよくば持ち歌に!」 照「ああ…まあ、お前がそこまで言うなら歌ってみてもいいが…うろ覚えだぞ?期待するなよ」ピッピッ 淡「ありがとうございます!!」 菫「…おい、淡…」ヒソヒソ 淡「…照ーの唄…」ボソッ 淡「…くふふふ」プルプル 菫「…お前って奴は」ハァ しばらくして 咲「ポンッ!カンッ!チー!フリッ!テンッ!ツモ!♪」ピョンピョン 照(咲の奴め、随分と楽しそうに歌っているな) 優希「…な、京太郎。そろそろ…」ボソボソ 京太郎「…ん。わかった」ボソボソ 照「…ん?」 優希「ごめんだじょ、照さん。私らちょっと外すな」コソコソ 京太郎「ちょっとしたら戻るから、咲と二人で回しててくれな」コソコソ 照「え?ちょっと、二人とも、いったい何を…」 京太郎「じゃあ、また後でなー…」コソコソ バタン 照「…行っちゃった」 咲「脳異常野良知恵の大笑い!煩悩に猛悪ライフ!脳異常野良知恵の大笑い!煩悩に猛悪ライフ!♪」フリフリ 咲「北北北捨てりゃポンじゃ!エゲツ金亡者!北北北捨てりゃポンじゃ!エゲツ金亡者!♪」フリフリ 照「…」 照「…なん…だと…?」 照「…」 咲「燃え上がって!燃え上がって!アガって逝け!オレは何故っ!なっぜ行っく!♪」ピョンピョン 咲「それっはーオレっのかっげ!♪鳴り止まないオレーの風ー」ピョンピョン 咲「ろーん!ろーん!…くっぴゅ」 咲「…ふう!」 咲「あー楽しかった!…って、あれ?お姉ちゃんだけ?京ちゃんと優希ちゃんは?」 照「…」 咲「…ど、どうしたのそんな怖い顔して」 照「……咲」 咲「う、うん…」 照「…実は、な、さっきあの二人…その…」 咲「…え゙」 咲「ちょっ…ちょっと待ってよ、お姉ちゃん。それって…まさか…」 照「…ああ。有り得る…というか、可能性としてはほぼ100%と言ってもいいんじゃないのかこのシチュエーションは」 咲「そ、そんな…まさか…え…?」 咲「…」ゴクリ 咲「…すでに、二人はそういう関係だったってことなの?」 照「…」 咲「…お姉ちゃん!」 照「騒ぐな。…大きい声を出さないでも聞こえている」 咲「…」 照「…みんなでカラオケ中に、コソコソと抜け出す男女」 咲「…」 照「…しかも、普段からのあの仲の良さ」 咲「…」 照「役満だろ」 咲「やめてよ…そういう事言うの…」 照「…今頃二人は非常口を出たドアの影あたりで濃厚なキ…」 咲「やめてよ!!」 照「…」 咲「やめて…そういう事言うの…」 照「…しかし」 咲「まだ、そうだって決まった訳じゃない」 照「…」 咲「無い…筈…」グスッ 咲「う…うえ…えええ…無いもん。そんな…うう…うええ…」 照「咲…」 咲「やだ…やだよ。そんなの…京ちゃん…とられるのやだ…」ポロポロ 照「…咲」スッ 咲「…ええええ…ええええ…」シクシク 照「…私だって嫌だよ」ギュッ 咲「おねえ…ちゃ…」ポロポロ 照「…やださ…嫌だけど…」ナデナデ 照「しっしか…しかかか…仕方ないじゃないか…!」ジワッ 照「ヒッグ!」 咲「お姉ちゃん…」 照「うええ…」 咲「…」ギュッ 照「ええええええ…」 咲「う…」ジワッ 照「うえええええええええええええん!」ポロポロ 咲「ええええええええええええええん!」ポロポロ 二人で10分ほど泣いた後 照「」スッ 咲「…おね…え…ちゃん?」グスグス 咲「…どうしたの?…今持ったそれ…マイク…?」 照「…いつまでもこうしていても、仕方ない」 照「…悔しいけど、私達は負けたんだ」 照「…いや。そもそも、土俵にすら登ることが出来なかった。臆病だったから…弱虫だったから」 照「そうだろう?咲。お前も、今日こうやって京ちゃんの後をつけて来てたって言うことは、京ちゃんに気持ちを伝えるようなこと、今までして来なかったんだろう?」 咲「…」 照「だったら…私達に優希ちゃんの事を京ちゃんを奪った人なんて思う資格は無いし…そもそも、あんなに素敵な子相手に、そんな気持ちにすらなれない」 咲「…うん」コクン 照「だったら…私達に出来る事はもう、一つしか無いだろう?京ちゃんと、優希ちゃんが幸せになれるよう、祈るだけだ」 照「そのためには、私達がこんなところで泣いていちゃダメだ」 照「…歌おう。咲。思いっ切り歌って、気持ち吹っ切って…それで、二人が戻ってきた時、笑顔でおかえりって言ってあげれるように」 照「せめて、暗い感情をあの子にぶつけないで済むように…今は、思いっ切りこの気持ちを発散させよう」 咲「…うん、うん…そうだよね。お姉ちゃん…そうだね…歌おう」 照「…ああ」 咲「…それじゃあ、私から歌って…いい?」 照「…ああ。好きにすればいいさ」 咲「…じゃあ、これ歌うね…」ピッピッピ 『FUNKY MONKEY BABYS 告白』 照「ふふ…咲は、男性歌手の歌、好きだね…」 咲「君に伝えたいことがある♪胸に抱えたこの想いを♪」 照「麻雀部で行くと…みんな男性歌手の曲を歌わないから…なんだか新鮮だよ…」 咲「うまく言葉にできないけど♪どうか聞いて欲しい♪」 照「…」 咲「いつの間にか♪夜も眠れないぐらい♪君を想っていた♪」ジワッ 照「…」 咲「眠ったって♪夢の中で探すくらい♪想いが募っていたぁ…ヒック」 照「…ううう」グスッ 咲「き…みに全部伝えった…らヒック♪この関係壊ヒック…れ…いそうで♪」 照「ば、馬鹿、お前…咲…」 咲「でも友達のままじゃ辛くて! だから全部伝えたくて…グスッ」 照「こ、こんな歌…」 咲「いざ…みの目のまえに立つと… うう…ゆ、勇気…が!臆病風に吹かれっ!♪」 照「今歌うの、反則だよぉ…!!」 咲「散々予習したフレーズ… 胸から溢れ出して忘れる…うえ…」 照「私達…出来なかったんだよ…?」 咲「熱く…っなる鼓動が痛いぐらい… ほんとに僕らしくないっ!」 照「こ、こここ、こくはくっすら!出来なかったんだよ!?」 咲「…」チラッ 咲「もうカッコ悪くてもいいや とにかく 君に聞いて欲しいんだ!」 照「ああっ!咲!今こっち見たな!?こっち見ただろ!咲!」 咲「大好きだ! 大好きなんだ!」サッ 照「読めたぞ!お前、わざとこんな歌うたって私泣かせるつもりだろ!」 咲「それ以上の言葉を もっと上手に届けたいけど♪」 照「なんて性格の悪いやつだ!誰が泣いてっ!やるもんか!負けないぞ!お前なんかに負けないからな!」ジワ… 咲「どうしょうもなく 溢れ出す想いを伝えると♪」 照「だ、誰が、お前の歌なんかで…お、お前こそ、泣きそうだし…自爆すればいいんだ、ばか…」グスッ 咲「やっぱ大好きしか出てこない…」ジワッ 照「うええええええ…」 咲「ただ それヒックだけで でも それがすべて…」 照「うわあああああああああん!!」 咲「うえええええええええええん!!」 照「ばかああああああああああああああああああ!」 咲「ごめえええええええええええええええええええん!」 照「…」ピッピッピ 咲「…あの」 照「…」ギロッ 咲「すみません…」シュン 照「…」スクッ 咲「…」 咲(…お姉ちゃんはこんな時、何歌うんだろう…)チラッ 『西野カナ 会いたくて会いたくて』 咲「!!?」 照「会いたくて 会いたくて 震える♪君想うほど遠く感じて♪」 咲「しかもすっごい上手ッ!?」 照「もう一度聞かせて嘘でも♪あの日のように“好きだよ”って…♪」 照(菫がよく歌うんで覚えた) (中略) 照「I love you 本当は I m in love with you baby♪」 照「I love you But still I can t tell my words of love♪」 咲(こんなスイーツなお姉ちゃん見とうなかった…) 照「「幸せになってね」と君の前じゃ大人ぶってそんなこと心の中じゃ絶対に思わない♪」 咲(ああ、感情篭ってるなぁ…さっき言ってた事と思いっ切り矛盾してるけど) 照「Baby I know 誰より君の全てを知ってるのに でもどうしてもあの子じゃなきゃダメなの? So tell me why♪」 咲(重ッ!怖ッ!!それが本音じゃないよね!?お姉ちゃん!!) 照「会いたくて 会いたくて 震える♪君想うほど遠く感じて♪ もう一度二人戻れたら… 届かない想い my heart and feelings♪」 咲(ああ。でも、私、こんなにこの歌本気で聴いたの初めてかも。これがかの有名な『会いたくて震える』のフレーズかぁ…) 照「会いたいって願っても会えない 強く想うほど辛くなって♪」 咲(…まさかお姉ちゃんの境遇にここまでマッチした歌詞だったとは…世の中ってよくわかんない) 照「もう一度聞かせて嘘でも あの日のように“好きだよ”って…」ジワッ 咲(…けど、言われてないからね!?私の知ってる限り、お姉ちゃんそんな事京ちゃんに言われてないからね!?…言われてないよね!!?) 照「何度も愛してると言ってたのにどうして♪」 咲(そして話がどんどん怪しい方に…エアー付き合ってる状態…?) 照「抱きしめてやさしい声で名前を呼んで もう一度」 咲(お姉ちゃん…) 照「あ、あいたくて 会いたくて 震える…うううう…」メソメソ 咲(あ、自爆した…) さらに30分後 咲「…」ソワソワ 照「…」ソワソワ 咲照( (…い、いくらなんでも遅過ぎない(か)!!?) )ソワソワ 咲「…ね、ねえ…お姉ちゃん」ソワソワ 照「…言うな」ソワソワ 咲「け、けどこれって…まさか…」ソワソワ 照「言うんじゃない!」ソワソワ 咲「まけどこの遅さはまさかキスだけじゃ飽き足らずに」 照「そ!そそそそそそそそそそそそそそそそ!!」 咲「動揺しすぎ…」 照「そんなわけ有るか!」 照「だ、だだだだ、だってまだ二人、高校1年生だぞ!?そんな、いや、まさか…」 照「HaHaHa 何を言うんだい咲。冗談はよしておくれよ」ヤレヤレ 咲「お姉ちゃん、リアクションがアメリカ人みたいになってる…」 照「…だ、だってだって、そんな、京ちゃんと優希ちゃんがそんな…」 照「既に日も暮れ、ひと目もつかないカラオケボックス裏の非常口のドアの裏二人佇んでるだなんてそんな…」 照「邪魔者(わたしたち)に見つかる心配もなく、お互いやっとふたりきりに成れたねと、潤んだ瞳と上気した頬で京ちゃんを上目遣いに見やる優希ちゃんだなんてそんな…」 照「目が合った瞬間、京ちゃんが優希ちゃんの柔らかく形の良い唇に貪り付く。優希ちゃんそれに応えるように進んで京ちゃんの口内に舌を侵入させるとか…ありえないし」 照「じゅぶじゅぶといやらしい音を立てながら絡み合う濃厚なキスがしばらく続き、やがて京ちゃんの我慢の限界が訪れるとか…まさか二人に限って…」 照「舌を貪りながらも、するすると片手を優希ちゃんの服の中へ差し込む京ちゃん。抵抗しない優希ちゃんなんて想像も付かないし…」 照「ゆっくりと上着のボタンが下へ落ちてゆき、やがてブラも外れる。遂に優希ちゃんの白く幼い、剥き出しの上半身が夏の夜の蒸し暑く絡みつくような濃厚な闇に晒されるとか…考えるなよ?咲」 照「京ちゃん、興奮を抑えそっと膨らみかけの優希ちゃんの乳房へと手を伸ばす。優しい愛撫に思わず漏れる優希ちゃんの甘い声とか…はは。馬鹿らしい」 照「その声に遂に我慢できなくなった京ちゃん、一気に優希ちゃんの乳首にむしゃぶりつく…なんて、破廉恥な真似…」 照「過去何度も京ちゃんに吸い付かれてきた優希ちゃんの桜色の小さい『ソレ』は、その快楽を伴う刺激に飼いならされ、瞬時に意識を真っ白に飛ばす程の衝撃を優希ちゃんに与える…とか、まだそこまで進んでる筈ないし…」 照「それでも手を緩めること無く優希ちゃんを攻め続ける京ちゃん。段々優希ちゃんの喘ぎ声が大きくなってきてきたのでハンカチを渡す。優希ちゃん慣れた様子で、声を殺すために布を噛む…とかそもそも考えるのも二人に失礼だろ」ハァハァ 照「優希ちゃんがおもむろに京ちゃんのおしりポケットから財布を抜き出す。京ちゃん気付いてるけど無視。財布を開けて中身を確認する優希ちゃん…とか」ハァハァハァハァ 照「財布の中に手を入れ、中から一つの袋を取り出す。その薄い色の着いた半透明の袋から原色のゴムの何かを取り出した優希ちゃん、財布と開いた袋を、二人の脇に置く…とか」ハァハァハァハァハァハァ 照「そしてそのゴムを何度か手で揉んだ後に京ちゃんの下半身へと手を伸ばして…」ハァハァハァハァハァハァハァハァ 咲「いろんな意味でもうやめておねえちゃああああああああああああああああああああん!!!!」 照「はっ!」 咲「なんなの!?お姉ちゃん!なんなのもう!!なんでそんな一瞬で想像出来るの!!変態!!」 照「な、なんだと!?この無礼者!!もういっぺん言ってみろ!!」 咲「変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!」 照「うぐぐぐぐぐ…忌々しい!!なんて腹立つ妹だお前は!!お前の方が変態だ!」 咲「何を根拠に!!」 照「変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!」 咲「何さいきなり人の真似して!!」 照「…想像してみろ!今のを京ちゃんに言われたと!!」 咲「」キュン 照「ほら今キュンとした!変態!!」 咲「んなっ!そ、そういう発想があるってことは、お姉ちゃんだって考えてたんじゃないの!?変態!!」 照「!!」 咲照「「ぎぎぎぎぎぎ」」バチバチ 咲「…」 照「…」 咲照「「…はあ」」 咲「歌おうか」 照「ん」 咲「…何歌う?」 照「…『あれ』」 咲「ん」ピッピッピ 照「…ほら、咲。マイク」サッ 咲「ありがと」スッ 照「…」 咲「…」 チャラランランランラー♪ 照「…」 咲「…」 『石川さゆり 天城越え』 咲「かくしきれない~ うつーりーがぁが~♪」 照「いつしかあなたにぃ~しみぃついたー♪」 咲「だれかにとられるぅ~♪」 照「くぅ~らい~ならぁ~♪」 咲照「「あなたぉおおおお!殺してぇええ!いいですかぁああああ!!」」 優希「…」ガチャッ 咲照「「!?」」ビクッ 優希「…ふう」 咲「…あれ?優希ちゃん?」 照(…なんか元気ないぞ?) 優希「ん?なんだじょ?咲ちゃん!」コロッ 咲(あれ…?) 照「…優希ちゃん、京ちゃんは?」 優希「ああ。あいつなら、追い出したじょ。今頃ゲーセンでブラブラしてるんじゃないか」 咲照「「ええ!?」」 優希「あっ!今誰も歌ってないのか?じゃあ私が歌っていーい?」 咲「い、いいけど…」 照「優希ちゃん?追い出したって、その…どういう…」 優希「マイクマイク」スッ 咲「ゆ、優希ちゃ…」 優希「…」 照「…ねえ優希ちゃん。追い出したって…なんでそんな事したの?良かったら聞かせてくれないか」 咲「そ、そうだよ優希ちゃん!さっきまであんなに仲良さそうだったのに…」 優希「…」 照「黙っていられたら私達も困るよ。喧嘩したのか?さっき部屋に入ってきたとき元気無かったよな。だったら、何が原因だ?追い出したって、京ちゃんが悪い事としたのか?」 優希「…すううううううう~~~~…」 照「おい!優希ちゃん!いい加減に…」 優希「京太郎の馬鹿やろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」 咲「」キーーーン 照「」キーーーン 優希「…」 優希「…ふう。すっきりしたじょ」 咲「」 照「」 優希「ん。ごめんな。二人とも。私はもう平気だじょ。これから何があったか話す」 咲「」 照「」 優希「…って。…あれ~~~~?二人とも?どうしたの?」 優希「…」 優希「…おーい。咲ちゃん?照さん?」 咲「」 照「」 優希「…」 優希「…ハッ!こ、これは…!!」 優希「……二人とも、死んでるじょ……」 優希「あはははは!ごめんごめんだじょ!二人とも」 咲「…耳痛い」フラフラ 照「…頭痛い」フラフラ 優希「いや~。それにしても、まさかこんなでっかい声出るとは、私もびっくりだったじぇ…よっぽど堪えてたっぽいな」 咲「優希ちゃあああん…」 照「な、なんなのもう~…」 優希「ホント、ごめんな二人とも。八つ当たりっぽい事しちゃって。けど、許せ。今の私にはそれくらいする資格あってもいいと思うんだじょ」 照「何があったんだ本当、一体…」 優希「ん。私な、さっき京太郎に振られちゃった!」ニコッ 照「…え」 咲「えええ!?」 優希「咲ちゃんも知ってると思うけど、さっき私、照さんとエアホッケーした後でトイレ行ったろ。実はそこでもう京太郎には、後でカラオケ行こうって伝えてたんだがな」 優希「…あいつめ、多分薄々感付いてたんだろうな。平静に振舞ってはいたが、たまにちょっと様子が変だったりもしてたし」 咲「ちょ、ちょっと待って!?私も知ってると…って、優希ちゃん達、もしかして私が尾行してたの気付いてたの!?」 優希「私だけな。咲ちゃんタコス屋でトイレ探してうろうろしてたろ?すぐ分かったじょ。…京太郎は気付いて無いと思うよ。アイツ馬鹿だし」 咲「あう…」 照「馬鹿…」 優希「…私が声かけてカラオケ部屋出た後も、すっごい表情が硬かったんでな」 優希「その時点で私も、あ~。こりゃなんか駄目っぽいな~とは思ってたんだがな」 優希「…けど、もう今更引き下がるわけにも行かなかったし。当たって砕けろでアタックして、見事粉々になってみせてやったじょ」 優希「ふはは。いっそ清々しい気分だのう。須賀京太郎だけあって」 咲「ゆ、優希…ちゃん…」グスッ 優希「あはははは!ごめんな咲ちゃん。抜け駆けしちゃって。けど、こうでもしなきゃ咲ちゃんに勝てないと思ってたんだじょ」 咲「え…?」 優希「だって、そうだろ?咲ちゃんみたいな可愛い幼馴染…私が京太郎の立場だったら、絶対傍から手放さないじょ。死んでも嫁にする」 咲「な、ななな、何言ってるの、優希ちゃん!こんな時にからかわな、い…で…」 優希「…ふふ。ほんと、ごめんな」 優希「ごめん…ごめんね…咲ちゃん…友達なのに…こんな…裏切るような…抜け駆け…!」 咲「優希ちゃん…」 優希「うえ…」ジワッ 優希「うえええええええ…」ポロポロ 咲「あ…」 照「咲」 咲「…お姉ちゃん?」 照「抱きしめてやれ」 咲「…?」 照「友人だろ。抱きしめてやれ。…それとも、本当に裏切られたと思っているのか?」 咲「…そんな、まさか!!」 照「なら」 咲「うん。そうだね。優希ちゃんは、私の大切お友達。例え私達の間にどんな事があっても…きっと、いつまでも…」ギュッ 優希「うええええええええええええん!!ごめんな!ごめんな!本当にごめんな!咲ちゃん!咲ちゃん!咲ちゃん!!」ギューッ 咲「ううん…いいの。謝らないで。優希ちゃん、頑張ったんだもん。一生懸命、思いを伝えたんだもん」 咲「私より、優希ちゃんの方が強かっただけだから…抜け駆けなんて、死んでも思わないから…」 咲「だから…謝らないで…お願いだから…自分を責めないで…お願いだから…お願いだから…お願いだから…」 優希「えええええええええええええええええん!!えええええええええええええええええええええええええん!!!」 咲(…それに、本当に謝らなきゃいけないのは…私のほうだ) 咲(…ごめんね。優希ちゃん) 照「…」 優希「…ありがとうな。咲ちゃん」スッ 咲「ん。もう大丈夫?優希ちゃん」 優希「うん。…大丈夫」 照「優希ちゃん…」 優希「二人とも、もう気にしないで欲しいじょ。思いっ切り泣いたらすっきりした」 咲「けど…」 照「わかった」 咲「お姉ちゃん…?」 照「…」コクン 咲「…うん」 優希「…」 優希「ふう…それにしても、びっくりしたじぇ!」 咲「…ん?どうしたの?優希ちゃん」 優希「いやあ、まさか照さんが咲ちゃんのお姉ちゃんだったとは」 咲「hんvるいうぇgヴぁmrしいえfkjヴぇうい!!?」 照「ういrc7いhgx7いあえろあhヴぁshvdf!!?」 優希「うはははは!!二人とも面白い顔してるじょ」ケラケラ 咲「ななななななななな!」 照「なんでそれを!!?」 優希「だってなー。さっき、咲ちゃん照さんの事お姉ちゃんって…」 照「さきいいいいいいいいいい!!」 咲「ごめんなさあああああああああい!!」 優希「しかも、あの宮永照がお姉ちゃんとは。いやあ、血は争えないもんだじょ。どーりで麻雀させても強いわけだ」 照「いうぱmgsvww78j,おい、jcヴぃdfすmv8dfmkvlんd!!」 咲「いおjヴぃあdふぉvm8え9vへあ、かえ89rch,g8vfd!!」 優希「うむ。その顔が見たかった」 照「き、気付いてたの!!?」 優希「当然だじょ。普通、麻雀やってる女子高生で『あの』宮永照を知らないとか有り得ないじぇ」 照「あううう…」ヘナヘナ 優希「まあ、照さんが目立ちたくなさそうだったから黙ってたんだがな。…恥ずかしいところ見られたお返し」 照「ゆ、優希ちゃん…」 優希「わーはっはっは!」 咲「あ、あの…優希ちゃん?聞きたいがあるんだけど…」 優希「なーに?」 咲「その…私たちが姉妹って気付いたのは…いつ?」 優希「確信持ったのは咲ちゃんの発言だけど、前々からなーんか、二人、似てるところあるなーって思っていたじょ」 咲「そ、その話…誰かには、した?」 照「…!!そうだ!ねえ優希ちゃん。もし君がまだ京ちゃんにこの話を伝えてないのなら、お願いだから彼にはこの話は黙っていてくれないか!」 優希「ふむ…って事は、やっぱり京太郎も知らなかったのか?姉妹なのにお互いを初対面みたいに紹介してたし、なーんか複雑な事情あるっぽいじょ」 咲「そ、それは…その…」 照「えっと…その…」 優希「…ん。まあいいじょ。あんま込み入った話聞いてヘヴィーな問題に巻き込まれたくないし」 咲「ごめん…」 照「本当にごめんね、優希ちゃん…」 優希「よっし!それじゃあ、この話終わり!次は私の話を聞いてもらうじょ!」 咲「えっ」 照「は、話?」 優希「うむ。振られた時の話。…まあ、愚痴だと思ってくれればいいじょ」 咲「け、けど…」 照「そ、それは…」 優希「おお、渋い反応。だが問答無用だじぇ」 咲「ちょ、ちょっと待って!」ワタワタ 照「まだ心の準備が!」ワタワタ 咲(と、友達が好きな人に振られたときの話なんて!) 照(どう対処すればいいのかわからない!!) 優希「…」 優希「アイツな。好きな人が居るんだと」 咲「…!!」 照「…え?」 優希「ちなみに無理言って名前も聞きだしたじょ?せめてそれぐらい聞かないと納得できないって泣き落としてな。ふふふ、どこまで言っちゃおうっかなー♪」 咲「え…えええええええええ!!?」 照「ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ優希ちゃん!その辺の話詳しく!いややっぱり駄目!!言わないで!!」 優希「おーおー。この私が圧倒的にこの場を支配してる感じ。まさに愉悦」 咲「で、でもなんでそんな事聞いたの…?」 優希「ん~?だって、二人ともアイツの事、好きだろ」 咲照「「 」」 優希「うむ。今ならお遊びの練習試合とかやったら、この二人相手にでも揺さぶりで勝てそうだじぇ。三麻してみようか?」 咲「あ、あの…その…」モジモジ 照「なんでそれを…」モジモジ 優希「同じ立場だったからな。…むしろ、あれでわかんないくらいだと、流石に女子力低すぎだじょ」 咲「きょ、京ちゃんには…」 優希「ぬっふっふ。まだ伝えてないけど、どうしようかな~。…あ、あとな。あとな。好きな人とは別に、理想の女性像とかも聞いてきたんだが…」 照「あの…優希ちゃ…優希さん。様。お肩は凝っておりませんでしょうか…多少なりとも心得がございますが」キリッ 咲「あ、ずるい!…片岡先生。平日に手作りタコスは如何でしょうか?私、その、最近お料理に凝っておりまして…登校後のおやつにでも…」 照「ああ!咲!それ反則!」 咲「そんな事言ったって、お姉ちゃんが先に始めたんでしょ!」 照咲「「やいのやいの」」 優希(この二人って…なんていうか、そういう目で改めて見たら実に姉妹してるじょ…) 優希「…ま、でもやっぱやーめた!二人にはそういう事、おしえてあーげない!だじぇ」 咲照「「 」」 優希「だって、私が振られたばっかなのに、元ライバルにそんな事教えるのもなんかムカつくしな!わははは!」 咲「優希ちゃん…」 照「…」 優希「…あ、やっぱ一個だけ教えてあげよう。京太郎の理想の体型は、ボンキュッボンだそうだじょ。…渾身の力でもってぶん殴っておいたので安心するように」 咲「ありがとうございます」ペコリ 照「重ね重ねお世話になります」ペコリ 優希「んむ!」 咲「…」ペタペタ 照「…」ペタペタ 優希「…」ペタペタ 咲照優希「「「…はぁ」」」 優希「…一個だけ言っとくじょ」 咲「ん?」 優希「私、まだ完全に諦めてないから」 照「優希…ちゃん?」 優希「…だから、二人、どっちが勝つにしても、早いとこ京太郎モノにした方がいいんじゃないか。…私が追い上げる前に」 咲「…」 照「…」 優希「…ふふ。なんてな。私から言いたいことはそれだけだ!」 咲「…」 照「…」 プルルルルルルルル 優希「おっと!…はーい!もしもしー。こちら乙女の花園だじぇ。なんのようだ。…あ、はい。はい。あと5分。了解だじょ」 優希「…さあ、出ようじぇ。待て!させておいた犬もそろそろ、ソワソワし始める頃だ!!」 ゲーセンにて 京太郎「…」ボーッ 京太郎「…はぁ」ガクリ 京太郎「…なんなんだろうな~。俺ってば」 京太郎(普段は彼女欲しいだなんだ散々吹いといて、いざ告白されたらコレだ) 京太郎「あーあ!もったいないことしちまったなーッッッ!!」 京太郎「……だァッ!!!」 京太郎「…はぁ」 京太郎(優希、泣いてたな…) 京太郎(…けど…俺は…) 京太郎(…俺は) 京太郎「…」 京太郎(…昔から、好きだったんだ。今更、この気持ちを忘れられっかよ…!!) 京太郎(自惚れじゃ無く、友人として好かれてる自信はある。あとは、それ以上の気持ちをどんな風に相手に伝えられるか、それだけなんだ。…優希が俺に見せてくれたみたいに) 京太郎(アイツの気持ちに当てられちまったのかな。…もう俺も、我慢出来なくなっちまった。この気持ちを、相手にまっすぐ伝えたい) 京太郎(…それで、どうなるのかはわかんないけど…最悪、駄目だったら駄目だっただ。当たって砕けろってのも、案外格好良いもんだって分かったしな) 京太郎(…はは。悪いな、優希。俺、お前の気持ちまで自分の告白の出汁にしちまおうとしてる。…最悪な男だな) 京太郎(…だからお前に直接こんな事言えないけどさ。けど、心の中でだけは言っておくぜ。…ありがとな) 京太郎「…よっし!」 優希「おーい!京太郎ー!」 咲「ごめんね、京ちゃん!待たせちゃった!」 照「もう外は真っ暗だ。名残惜しいけど、そろそろ帰ろうか」 京太郎「おっ、優希。咲。照ちゃん」 優希「えー!まだ遊び足りないー!」 照「ワガママ言っちゃだめだよ、優希ちゃん。もう大分遅いしね」 咲「…そうだね。帰ろうか、優希ちゃん」 優希「むうー…」 京太郎「…そうだな。それじゃあ、そろそろ」 優希「やだー!せめて後30分!ね!お願いだじょ!」 照「優希ちゃん…」 京太郎「何がお前をそこまで駆り立てるんだよ」 優希「だって、まだUFOキャッチャーしてないじょ!!」 照「あ…」 京太郎「あっ。そういえば」 咲「え?え?え?」 優希「うむ、咲ちゃんは知らんかったか、私達な、さっき照ちゃんに、UFOキャッチャーで実力見せてやる約束してたんだじょ」 照「忘れてたよ」 京太郎「そういえばそうだったな。悪い悪い。じゃあ、それだけやったら解散にするか」 優希「おう!」 咲「あ…じゃ、じゃあ、私もやって…こう…かな…」 京太郎「当たり前だ。お前をこんな遅い時間に一人で帰らせてたまるか」 咲「えっ?」ドキッ 照「っ!」ズキッ 京太郎「明日の3面記事的な意味で」 優希「うむ。この時期に美少女女子高生行方不明事件とか、洒落にならないじょ」 咲「…」シュン 照「…」ホッ 優希「おっと、小銭が切れてたじょ。ちょっと両替してくる!」タタタタタ 照「…えっ?」 咲「あ、私も小銭無いや。ちょっと行って来るね」トテテテ 照「あっ…」 京太郎「おー。行って来い行って来い」 照「…」 照(えええええええええ!?ちょ…ちょっと待って!この状況、いきなり京ちゃんと二人っきり!!?咲あんた、なんであんな話した後ですぐに私を京ちゃんと二人に出来るの!) 京太郎「…さって、それじゃあ俺らは先に遊んでようか。な?照ちゃん!」 照「っ!あ、ああ、そ、そうだね!」 照(うええええええ!?) 京太郎「つっても、さっきから色々物色はしてたんだけどさー。俺的にどーもピンと来るものが無くって。照ちゃん、なんか欲しいもんある?」 照「え、え~っと…そ、そうだね!私もちょっと物色してみようかなっ!」 照(ひぎゃあああああああ!) 京太郎「んじゃあ、俺ももう一回、照ちゃんと一緒に見て回ろうかな。なんか見落としてた面白いもん有るかもしれないし」 照「そ、そう!?じゃあじゃあ、一緒に行こうか!うん!一緒に!」 照(ぬええええええええええ!なになに!?何なのこの状況!!) 京太郎「えーっと…どれどれ…」キョロキョロ 照「…」ソワソワ 京太郎「んー…やっぱあんま俺の欲しいものは無いかな~…」 照「…」キョドキョド 京太郎「照ちゃんは、なんか欲しいものある?」 照「うえっ!?」ビクッ 京太郎「欲しいもの」 照「えっ!えっ!あ、えっとえっと…」オロオロ 照「…あっ」 京太郎「ん?」 照「…あれ、可愛い」スッ 京太郎「あれって言うと…」 京太郎「でっかいバナナの頭にリボンが付いてる抱き枕…?…って、アレは…」 京太郎(東京ばな奈じゃねえか!!) 照(可愛い…) ※直径60cmくらいのぬいぐるみ素材。同様に、ハットを被ったイチゴも有ります 照「1回200円か。やってみる」チャリーンチャリーン 京太郎「あ、ああ…」 照「」ウイーン 照「…駄目だ」ショボン 京太郎(こりゃ難易度たっけーなー…) 照「…」チャリーンチャリーン 照「」ウイーン 照「…駄目」 照「…」イラッ 照「…500円で3回か」 照「」チャリーンチャリーン 京太郎「!?」 照「」ウイーンウイーンウイーンウイーンウイーンウイーン 照「…」イライラッ 照「…!ちょっと両替してくる!」 京太郎「待て待て待て!落ち着け照ちゃん!!」 照「けど…このまま引き下がれない!」 京太郎「熱くなったら負けだって!ここは俺に一回やらせてくれよ!」 照「!!」 京太郎「な!?」 照「うん…!」パアア 照(えっ!こ、これって…!まさか、ここで京ちゃんが取ってくれて、私へのプレゼントって展開では…!) 京太郎「よーっし。それじゃあ、俺の実力見てろよー?照ちゃん!」チャリーンチャリーン 京太郎「…あれっ」 京太郎「あ、あははは…まあ、こういうでっかいのは取るの難しいしな!流石に一回じゃ取れねーよ」 照「そ、そうだよね。うん。あはは…」 京太郎「…もう一回」チャリーンチャリーン 京太郎「」ウイーン 京太郎「…」イラッ 京太郎「…500円で3回か」チャリーンチャリーン 照「!?」 京太郎「」ウイーンウイーンウイーンウイーンウイーンウイーン 京太郎「…」ゴソゴソ 京太郎「…財布の中…小銭は100円だけか。ちょっと両替してくる」 照「ま、待って!京ちゃん!!」 京太郎「うおおおお!ここで引き下がって堪るか!男には絶対に負けられない戦いがあるんだ!!」 照「多分それ、この場面じゃないから!落ち着いてよ!熱くなったら負けだよ!」 京太郎「くっ!だからと言って!!」 照「この子は私が最初に目を付けたんだ。京ちゃんの小銭が尽きたのなら、次は私の番だよ」 京太郎「ぐう…」 照「京ちゃんはここに居て。そして私が帰ってくるまで、他の人にこれを取られないように見張ってて欲しいの」 京太郎「いや、それはマナー的に問題が…」 照「…じゃあ、取り敢えずここに居てくれればいいや」 京太郎「大丈夫?迷わない?」 照「大丈夫。そこに東京ばな奈が有るなら、私は迷わないよ」 京太郎「あ、そうですか…?」 照「じゃあ、行って来る」 京太郎「…」 京太郎「…何してよ」 5分後 優希「おっ!居た居た。京太郎!」 咲「京ちゃん!…あれ?おね…じゃなかった、照さんは?」 京太郎「あれ?さっき両替に行ったんだけど…会わなかったか?」 咲「…?うん」 優希「まさか、迷った?」 京太郎「うわ…やっぱ一人で行かせたの失敗だったか?…あと10分して来なかったら迎えに行こう」 優希「ところで、何してたのだ?」 京太郎「ああ、これな。照ちゃんが欲しいって言ってたんで、二人で頑張ってチャレンジしてたんだけど…」 優希「おお…東京ばな奈…そう言えば、今スカイツリー限定で豹柄のチョコバナナ味が売ってるらしいじょ(ステマ)」 京太郎「ああ、そういえば5月22日にスカイツリータウンの商業施設『東京ソラマチ』に新店舗オープンしたんだっけか(ステマ)」 咲「うわぁ。可愛い抱き枕…ちなみに去年の8月10日にはキャラメル味も出てるんだよっ!(ステマ)」 両替機械の前 照「…今後の新商品の展開も、目が離せないね(ステマ)」 優希「…おっ!咲ちゃんも欲しいのか?これ」 咲「うん。いいなぁ。可愛いなぁ。ちょっとやってみようかな」 京太郎(うーん…ま、いいか。まだ何個かあるみたいだし) 優希「じゃ、やってみるじょ。咲ちゃん」 咲「うん!」チャリーンチャリーン 咲「」ウイーン 咲「…」 咲「…500円で3回」チャリーンチャリーン 優希「!?」 京太郎「…」 咲「」ウイーンウイーンウイーンウイーンウイーンウイーン 咲「もういっか…」 優希「つ、次は私な!私!!」 優希「こ、こういうのにはコツがあるんだじょ…」チャリーンチャリーン 優希「」ウイーン 優希「…」 優希「…500円で3回」チャリーンチャリーン 咲「…」 京太郎「…」 優希「」ウイーンウイーンウイーンウイーンウイーンウイーン 優希「むきょおおおおおおおおおおおお!!」ドッカーン!! 優希「うおおおお!ここまできたら引き下がれないじぇ!女には絶対に負けられない戦いがあるんだじょ!!」 京太郎「お、落ち着け優希!!」 咲「そうだよ!優希ちゃん!熱くなったら負けだよ!今度こそ私が取るから!!」 京太郎「いや、待て咲!今度こそ俺が取って見せるから、ちょっと両替してくるまで待ってろ…」 優希「駄目だじょ!私がやるの~!」 やいのやいの 照「ただいま、京ちゃ…って、何やってるのみんなで…」 ※この後、話し合いの結果、一人ずつ順番で挑戦する事に決まりました そして、このキャッチャーに掛けた金額が総額5,000円に達そうかと言う頃… 京太郎(つ、疲れた…) 優希(もう誰でもいいから頼むから奴を倒してくれ…) 照(咲…頑張れ…) もうみんな、既に意地だけでチャレンジしていた 咲「…」ウイーン 咲「…」 ポロッ 咲「!!!」 京太郎「!!」 優希「!!」 照「!!」 咲照優希京太郎「「「「やった!!!!」」」」 咲「取ったぁああああああああああああああああああ!!!」 優希「おめでとう!!咲ちゃあああああん!!」 京太郎「やってくれたな!!ついにやってくれたな!!咲!!」 照「頑張った!よくやってくれた!!ありがとう!おめでとう!!」 咲「ありがとう!みんな!本当にありがとう!みんなのお陰だよ!みんなが支えてくれたから、私、ここまで頑張れた!だから、これはみんなで掴んだ勝利だよ!!」 咲照優希京太郎「「「「わああああああああああああああああああ!!!」」」」 咲「…で、これ…どうしようか?最初、おね…照さんが欲しかったんだったよね?」 照「…いや、これは咲だって欲しかったんだろう?なら、取ったのは咲なんだし、咲の物だ。取っておくといい」 咲「…ありがとう。大事にするね」ギュッ 優希(…しっかし、ふと我に返ってみると、これって凄い構図だじょ。直径60cmのでっかいバナナを愛おしそうに抱きしめる女子高生…) 京太郎(…いかんいかんこれいかん。考えるな俺。心を無にせよ) 照(…いいなぁ。咲。けど、もう一個これに挑戦するのは、流石の私もちょっと…なんだ、その…めげる) 京太郎「…」 照「…さあ、みんな。もうそろそろ電車が無くなるよ。いい加減帰ろうか」 咲「あ…そ、そうだね!」 京太郎「あ、やべ。結局1時間近くコイツにかかりっきりだった」 優希「むう…しまった。私としたことが」 照「それじゃあ、行こう。駅に」 京太郎「そうだなっ!」 咲「うん」 優希「じゃ、みんなで駅までいこー!」 照(…結局京ちゃんと二人でじっくりお話とかは出来なかったけど…まあ、いいか。楽しかったし) 照(…私だけ、違う電車か。ちょっとだけ、寂しいけど、ね) 電車ホーム 照「それじゃあ、私はこっちのホームだから」 優希「ありがとうな、照さん。楽しかったじょ」 照「私もだよ、優希ちゃん。友達になれて良かった」 優希「私も!ねえ、携帯の番号、交換したいじょ…」 照「ああ。私の方こそお願いしたいな」 京太郎「おっ!そう言えば、俺もいいかな?折角久しぶりに会えたんだし、これからもたまには連絡取り合おうぜ」 照「そうだね。私も京ちゃんの番号、知りたいな」 咲「あ…」 咲(…いいなぁ) 京太郎「咲は…ああ、携帯持ってないんだよな。家電の番号でも交換するか?」 咲「…ん。私はいいや…」 咲(…一応、知ってるし) 京太郎「?そうか…」 京太郎(そう簡単には打ち解けれなかったか。やっぱ咲は人見知りだなぁ) 照「はい、優希ちゃんとの赤外線交換終わり。…次、京ちゃん、いい?」 京太郎「おっと、んじゃ、お願いしますっと」 咲「…」 咲(…やっぱり、いいなぁ) 照「…じゃあね。みんな。また会おう」 照(全国の会場で…敵同士だけど…ね) 優希「…」ピポピポ 照「?」ブルルル 照(あれ、メール着信…)チラッ 『from 片岡 優希ちゃん 今度会うときは全国だじょ!負けないからな!』 照「…!」 優希「にひひ」ニコッ 照「…」クスッ 照「…」ピポピポ 優希「」ブルルル 優希「」チラッ 『from 照さん そう簡単に勝てると思うなよ?今年も優勝は私達白糸台だ』 優希「にひっ」ニコッ 照「…ふふ」 照「ばいばい!みんな!」 優希「…行っちゃったじょ」 京太郎「…ああ」 咲「…」 京太郎「…俺らもホーム行こうか」 優希「だな」 ローカル線・清澄行きホーム 優希「…って言ってもなー。お別れの挨拶してるうちに予定の電車行っちゃってたじょ」 京太郎「しまんねー。次は30分後か」 優希「退屈だじょ」 咲「うん…」 京太郎「…」 優希「…」 咲「…」 京太郎「…あ、悪い二人とも。ちょっとトイレ行って来る」 優希「おう」 咲「…うん」 京太郎「…」タタタタ 優希「…なあ、咲ちゃん」 咲「…うん?」 優希「照さんいい人だったな」 咲「…うん」 優希「美人だし」 咲「うん」 優希「優しいし」 咲「うん」 優希「自慢のお姉ちゃん?」 咲「…うん」 優希「…なんで喧嘩したの?」 咲「…」 優希「本当はあんなに仲良しなのに」 咲「…」 優希「なんか、二人とも無理して喧嘩してるような気がしたじょ」 咲「…気付いてたんだ。私たちが喧嘩してるって」 優希「私から言わせれば、喧嘩とも言えないと思うけどな。あんなの」 咲「…」 優希「…」 優希「…けど、まあ、やっぱりそれは私が口挟む問題じゃないか。いいじぇ?別になんにも言わないで」 咲「…ごめん」 優希「謝んないで。私がつらいじょ」 優希「でも、これだけは覚えておいてな」 咲「?」 優希「照さんがどんなにいい人でも」 優希「私はどっちかって言うと、咲ちゃん派だ」 新幹線ホーム 照「…あと10分…か」 照(ちょっと、名残惜しいかな。…ふふ。まさか、大嫌いな長野でこんなに楽しく過ごす事出来るなんて、ね) 照(ありがとう、優希ちゃん。京ちゃん。…それと、ごめんね。咲) 照(私、今日ここに来れて、本当に良かった。少しだけ、故郷の事、好きになれた) 照(本当に、良かったよ…良かった…良かった…) 照「…また、明日から頑張ろう」 照(そして、またいつか、みんなで遊ぼうね…) 照(…ふふ。今度は、東京だもんね。再開したら、菫や淡達の事、紹介できたらいいな…) プルルルルルル!! 『間も無く、東京行き、新幹線が到着します』 照「…」 京太郎「照ちゃん!!」 照「…え?」 京太郎「はぁはぁはぁ…っ!よ、良かった、間に合った…!」 照「ど、どうしたの?京ちゃん、そんな息切らして…それに、帰りの電車は…」 京太郎「へへ、一本乗り過ごしちゃって」 京太郎(…まあ、実は乗り過ごさなくてもなんだかんだ理由付けて俺だけ残るつもりではあったんだけど) 照「そうだったんだ…けど、なんでこっちに?」 京太郎「忘れ物」スッ 照「…え?何、これ…ハート型の…ストラップ?」 京太郎「さっき照ちゃんが両替しに行ったときにな。残った100円でなんとか取れそうなの取っといたんだ。照ちゃんにあげたくて」 照「え…け、けど…でもなんで…」 京太郎「…だって、あそこで帰って来た照ちゃんがばな奈取っちゃったら、俺格好悪すぎだろ!」 照「」パクパク 京太郎「…余計だった?」 照「…」 照「…ううん。凄く嬉しい。ありがとう」 京太郎「…ふう。良かった。喜んでくれてほっとした」 照「ありがとう…ありがとう…本当に嬉しい…」ギュッ 京太郎「…」 京太郎「あ~…あと、ね」 照「…?」 京太郎「あと…どうしても言っておきたい事があって…その…」 ガタンガタンガタン… 照「…京…ちゃん?」 京太郎「えーっと、だ。その…あー…」ポリポリ ガタンガタンガタン… 照「…」 京太郎「…」 ゴオオオオオオオオ… 京太郎「…俺、照ちゃんの事、好き…………なんだけど」 キイイイイイイイイイッ!!! 照「…………………………………」 照「…えっ」 京太郎「…だから、照ちゃんの事…………………………好き………………………………………………です」 照「…………………………………………………………」 照「…………………………………………え」 照「」パクパクパク 京太郎「…その…良かったら、俺と、お付き合い…して……欲しいかな…って…その…」 照「」パクパクパク 京太郎「…む、昔っから、さ。その…好き…だったんだ。実は」 照「」パクパクパク 京太郎「照ちゃん、その、今東京だしさ。…二つも年上だし、その、今更俺みたいな田舎のガキ、その、男として見てもらえないかも…と思ったんだけど」 京太郎「ご、ごめんな。いきなりこんな事言っちまって…迷惑かもしれないけど……ど、どうしても、我慢出来なくて…」 京太郎「もし良かったら…なんだけど…さ…返事…くれないか…?」 照「な、なん…で…?」 照(なんで京ちゃんが、私の事を!!?) 京太郎「…正直、もう二度と会えないと思ってた」 照「…」 京太郎「…照ちゃんがいきなり俺の目の前から居なくなって、もう何年も過ぎて…さ」 照「…」 京太郎「…正直、すっげー寂しかった。あと、ショックだった。あんなことあった後だし、やっぱ避けられちゃってんのかと思って…」 照「っ!!」 京太郎「自惚れかもしれないけど、照ちゃんの前では俺、結構格好いいところも見せられてたとか、その、傲慢で打算的な考えかもしれないけど、そういうのも考えちまってたし…」 照「そ、そんな事無い!!私、京ちゃんの事避けてなんか…!!避けてなんか…無い…」 京太郎「…ありがとう。その言葉だけで、俺、救われた気分だ」 照「…」 京太郎「…けど、さ。それだけじゃ我慢出来ないってのも…確かなんだ。照ちゃんの事…好きなんだ。大好きなんだ。大大大大好きなんだ」 照「きょ、京ちゃん…」 京太郎「その…どう…かな…東京の男みたいにおしゃれでも、スマートでも無いし、照ちゃんみたいな美人と、今更釣り合わねーかもしんねーけど…良かったら…」 京太郎「その…お、俺と、お付き合いしてください!!!」 京太郎「…ははは。情けねーな、俺。もっと言わなきゃいけない事いっぱいあるはずなのに、こんな事しか言えない…」 照「わ、私…私…その…!!」 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!) 照(嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!嬉しい…!) 照(嬉しい…!!!!!!) 照「わ、私…その…」 照(嬉しい!うれしい!嬉しい!!) 京太郎「…うん」 照(京ちゃんが私のこと…好きだったって…私の事好きだったって!!!) 照「そ、その…あの…」 照(うれしい!うれしい!うれしい!うれしい!うれしい!うれしい!うれしい!嬉しすぎて、死んじゃいそうだ!!) 京太郎「…うん」 照(私も!私も好きだよ!京ちゃん!!大好きだよ!!京ちゃん!!!!) 照「わたし、わた、わたし…わ…」 照(あとは、『うん』って!『うん』って言ったら、それだけで私達は両想いなんだ!!!) 照「えっと…あの…!その…!!」 照(『うん』って!!) 京太郎「…」 照「あの…わ、わたし…は…その…!」 照(『うんっ!!』) 京太郎「…」 照(『うんっ!!!!!!!!!!!!!』) 照「…」 照(あ、あれ…?) 照「えっと…!あ、あう…あ…あう…あ…あっ!うう…うう…!」ジワッ 照(な、何やってるの!?私!) 照「あ、あう…あうう…あ、あう…!ううー!」グスッ 照(な、なんで…?) 照「ううー!うううー!!」ポロポロポロ 照(なんで、一言、『うん』って、出てこないのぉ!?) 京太郎「…」 京太郎「…うん。悪い、照ちゃん。変な事言っちゃって。…今の、忘れて」 照「!!!」 京太郎「…そうだよな。いきなり昔の友達に会って、そんな、久しぶりに会って告白なんて…訳わかんねーよな…ごめんな…ほんとごめん、照ちゃん…」 照「あうっ…あっ!あっ!!」ポロポロポロ 照(ち、違うの京ちゃん!!) 照「そ、その…あの…」 照(わ、私!もっ!京ちゃんの事!!) プルルルルルルル 『東京行き、新幹線間も無く発車しまーーーす』 照「あっ!」 照(あっ!で、電車!けど、あっ!うわっ!!) 京太郎「っ!」 『ドア、閉まりまーす』 照(か、帰らなきゃ!) 照「京ちゃんごめんっ!!」ダッ 京太郎「あ…」 プシューッ 京太郎「 っ!! !! !!? !!!」 照「…っ!!!!」ダダダダダッ 京太郎「 !!!」 照「うわああああああああああああああああああああん!!!」 照「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」 照「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」 照「馬鹿!!馬鹿!!馬鹿!!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!私の馬鹿!!!!!」 照「ごめんね!!!ごめんね!!!ごめんね!!!ごめんね!!!ごめんね!!!ごめんね!!!ごめんね!!!」 照「ごめんね!!!京ちゃん!!!!!」 京太郎「待ってくれっ!!また!!また会えるよな!!?照ちゃん!!!」 京太郎「照ちゃん!!!」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「…」 京太郎「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 京太郎「…」 京太郎「…くそっ!!」 京太郎「…馬鹿野郎…!!」 京太郎「馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎馬鹿野郎!!!!」 京太郎「…………俺は…………馬鹿だ…………!!!」
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京ちゃん弁当 咲「いただきまーす」 和「あれ?」 和「いつもと咲さんのお弁当とは違いますね」 和「週1回でそうなっているような気がしますけど……」 優希「タコさんウィンターはもらった!」ヒョイ 和「ゆーき?」ニコッ 優希「」ガタガタブルブル 咲「あはは……別に大丈夫だよ?」 優希「咲ちゃんは天使じぇ!」モグモグ 和「もう……ゆーきったら……」 咲「んー……相変わらず美味しいなぁ」モグモグ 和「…………」ウズウズ 咲「……食べる?」 和「いえ、そんな……」フリフリ 咲「…………はい、あーん」 和「失礼します……///」アーン 咲「どう?」 和「……とっても美味しいです」 咲「そっか」ニコニコ 和「それで……このお弁当は誰が?」 咲「えっとね……」ガラガラッ 京太郎「おーいさきー?」 咲「どうしたの、京ちゃん?」 京太郎「俺、ちょっと用事出来たから先に帰って弁当洗っといてくれ」 咲「はーい」 京太郎「和も優希もまた明日な」ガラガラピシャ 優希「嵐の様に帰っていったじぇ……」 咲「ほんと、京ちゃんって自分勝手なんだから」プンスカ 咲「一緒に帰って、今日のおかずはどうだったとか」 咲「あれは好きだから入ってるといいとか」 咲「これは嫌いだから抜いて欲しいとか」 咲「でも京ちゃんは好き嫌いしないで食べろよ、とか言って」 咲「私も仕方ないから食べてあげるとか」 咲「色々言いたいことあったのに、もう!」 和「」チーン 咲「あれ? 和ちゃん?」 優希「色々と余計なこと考えてショートしたっぽい……?」 久「ねぇ、コーヒーってあったかしら?」 久「とびっきり濃いやつ」 まこ「奇遇じゃね、わしもそう思っとったところじゃ」 久「ねぇ」 まこ「ん?」 久「私も頼めば作ってもらえるかしら?」 まこ「そげなことしたら戦争になる」 久「デスヨネー」ハァ 京ちゃん弁当 白糸台編 照「ごはんっごはんっ」 菫「なぁ…なんでお昼の時間だけそんなにテンションが高いんだ…?」 照「?」 照「私はいつもこうだけど?」 菫(まるで好物を目の前に出された子供みたいな目をされてもな……) 誠子「まるで好物を目の前に出された子供みたいな目してますよ?」 照「む……そんなことない」 淡「玉子焼きもーらいっ!」ヒョイ 照「ダメ」ササッ 淡「えーいいじゃんー減るもんじゃないし」ブーブー 菫「いや減るだろ」 淡「細かいことはきにしなーい」 尭深「幸せそうに食べてますね……」 菫「ああ、確かに」 照「…………そんなに見られると食べにくい」ジトー 淡「私も照のお弁当食べーたーいー」ジタバタ 淡「チョココロネあげるからちょっとちょうだいっ」 照「…………んー」 淡「じゃあメロンパンもつける!」 淡「これでどう?」 照「…………1個だけなら」 淡「やったーっ!」 菫「まさか本当にあの照が淡にあげるとは……」 尭深「明日は雪ですね」ズズッ 誠子「あはは……まさか……ね?」 淡「じゃあこのハンバーグっ」ヒョイ 照「ちょっとまっ」ガタッ 淡「んーっおいしーっ!」モグモグ 照「」 菫「ちょっと保健室行ってくる」ガラッ 尭深「私も少し」ガラッ 誠子「お、おいてかないでっ」ガラッ 淡「美味しかったぁ……」マンゾクマンゾク 照「」 淡「テルーありがとねー」ガラッ 照「」 照「」 照「」 照「京ちゃん特製ハンバーグ……」シクシク 照「……モグモグ」シクシク 照「あ、これも美味しい」 照「モグモグ」ニコニコ 照「京太郎はきっといいお嫁さんになる」 照「モグモグ」 後日、お弁当のハンバーグを増やしてもらうポンコツ文学系少女(姉)の姿がみられますがまた別の話 京ちゃん弁当 風越編 咲「ねぇ京ちゃん」 京太郎「なんだ?」 咲「そのお弁当……どうしたの?」 京太郎「ん、これか?」 京太郎「話すとちょっと長くなるからはしょるけど」 京太郎「カクカクシカジカ」 京太郎「シカクイムーブってわけよ」 咲「えっと……部の、要は優希ちゃんのタコス作りのために料理を勉強しようと思って、福路さんに相談したところ、料理の作り方を教えてもらったけど、お礼もしないのは申し訳なくなり、京ちゃんがお弁当をつくって、それを福路さんに食べてもらおうと思って渡したら、福路さんも自分のお弁当を持ってきていて、二つは食べれないだろうと思って京ちゃんはお弁当を渡すのをやめようとしたところ、じゃあこっちは京ちゃんが食べてって福路さんのお弁当を渡されたってこと?」 京太郎「さっすが咲!」 咲「私じゃなかったら絶対にわからなかったからね!?」 咲「あんな説明の仕方するの京ちゃんくらいだよ!」 京太郎「よせやい」 咲「誉めてないから!」 池田「あれキャプテン?」 美穂子「?」 池田「いつもとお弁当が違うし」 美穂子「これのこと?」 池田「」コクコク 美穂子「ふふ、今日のはちょっと、ね?」 美穂子「さて、お手並み拝見といきしょうか」パカッ 美穂子「」 美穂子「」ソットジ 池田「どうしたんだし?」 美穂子「い、いえ……ちょっと……」 美穂子「お腹痛くなっちゃったから……」 美穂子(…………my angel mihokoって…………もう……京太郎くんのバカ……////) この後、自宅にてしっかり完食するキャプの姿がみられますが別の話です。 京ちゃん弁当 宮守編 シロ「モグモグ」 豊音「」 塞「」 胡桃「」 エイスリン「」 (*1)) シロ「……なに?」ジト 塞「いえ、なんだか当たり前のことなんだけど……なんか……ねぇ?」 豊音「」コクコク 胡桃「いつも誰かに食べさせてもらっていたから……ねぇ?」 エイスリン「」コクコク シロ「…………………………」 シロ「モグモグ」 塞「よく噛んで食べてる……」 シロ「…………モグモグ」 豊音「それにしてもシロが食べてるお弁当、ちょー美味しそうだよ」 エイスリン『空前絶後』バンッ 塞「どこで覚えたの……そんな言葉……」 胡桃「シロが自分で作るわけないし……誰のお弁当? それ」 シロ「………………」 シロ「……未来の旦那さんの」 ガタッガタッガタッガタッ! シロ「………………めんど……」 ダレナノヨソノミライノダンナサンッテ!? シロニコンヤクシャガイタナンテチョースゴイコトダヨ! ワタシノジュウデンセキガ…… フィアンセ!? シロスゴイ! シロ「………………あー……」 シロ(ごめん、京太郎) シロ(でも嘘じゃないから) シロ(待ってて) トシ「今日も賑やかだねぇ」 カンッ 京ちゃん弁当 プロ編 咏「お疲れぃ」 健夜「はぁ…………またロケ弁かぁ……」 はやり「……」ニッコリ 健夜「申し訳ございません」ペコペコ はやり「でも、女の子に優しい野菜とかのお弁当の方がよかったかも☆」 健夜「あれ? お弁当2つしかないけど……咏ちゃんの分は?」 咏「あたしのはいらないって前々から言ってあるし、知らんけど」 健夜「じゃあ、お昼どうするの?」 咏「もちろん抜かりなく持ってきてる」ガサゴソ 咏「じゃじゃーん、咏さん特製弁当」 健夜(え、もしかして自炊? 私お米炊いたこともないのに……あれ?もしかして負けてる?) はやり(冷凍食品使えば私だってお弁当くらい作れるぞ☆) 咏「相変わらずうまそうだなぁ」 健夜「……自分で作ってないの?」 咏「うん、弟子が私のために作ってくれたよ、知らんけど」 ピシピシッ 健夜「もーやだーやだー人生不公平すぎー」ジタバタ 健夜「咏ちゃんばっかりずーるーい私も男の子から手作りの物もらいたいー」ジタバタ 健夜「それでお前は俺のものだから、とかいーわーれーたーいー」ジタバタ はやり「ええわかってるわよ2(バキューン)歳になってまだこんなことして男の影すらなくてフラ◯デーにも一度も載ったことすらなくてでもきっと誰か麻雀が強い人が私を貰ってくれる人がいるって信じてここまでやってきたけど年を重ねるごとに周りの男性はみわないなくなって気づいたらいつのまにか私の知り合いは皆結婚してて子供もいて幸せな家庭を築いているってのに私っていったいなにやってきたんだろうね実家に帰る度にお母さんからお見合いの話とかされるけどどう考えても私の収入狙いの男とか人間やり直した方がいいんじゃないのあなたみたいな男もいたしそりゃアラサーババアを貰ってくれるひとなんているわけないけどやっぱりある程度は妥協できない部分もあるしまぁこんなこと言ってるから結婚出来ないんだろうねわかってるわかってるわよそんなのバカなの死ぬの出来ることなら学生時代に戻ってやり直したい」ブツブツ 咏「お……おう……」ドンビキ こんな状態になっても午後の仕事はしっかりこなすアラフォーの姿がみられますがこの別の話。 カンッ
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京太郎「花火大会だからウチに来い、って言われた時は何かと思いましたけど」 咏「うん」 京太郎「まさか咏さんのマンションから花火大会の会場がここまで綺麗に見えるとは」 咏「ふははー。こっからの景色が気に入って決めたんだぜぃ」 咏「毎年この時期は知り合いのプロとか呼んで見てたねー」 京太郎「へぇ……じゃあ今年も誰かくるんですか?」 咏「いんや、京太郎だけだよ?2人っきりで見たいしね」 京太郎「咏さん……」 咏「お、始まる始まる」 京太郎「おー……すげー……」 咏「うーん、今年も綺麗だねぃ。お、キャラものとかすげーな!」 京太郎「あー、アレってすげー難しいらしいですね」 咏「うわ、でけー!!去年とか比べ物になんねー!!」 京太郎「ほんと……綺麗ですね」 咏「こういう時って、『綺麗だね?』『君の方が綺麗だよ?』みたいに言う流れじゃね?」 京太郎「うーん……それもちょっと考えたんですけど、無いですね」 京太郎「だって咏さん、綺麗っていうより可愛い方ですから」 咏「か、可愛いって……おいおい、仮にも年上に可愛いはないんじゃねーの?」 京太郎「さっき花火で俺よりはしゃいでたのすごい可愛かったですよ?」 咏「……分っかんねー。そんなことやったっけー?」 京太郎「そうやって真っ赤になって誤魔化すのも可愛いですし……昨日の夜とか、あんなに可愛かったじゃないですか」 咏「!?」 京太郎「いやー、肌蹴た着物で隠そうとしながら…」 咏「ストップストップ!!それ以上は駄目だかんね!!」 京太郎「仕方ないですねー。じゃ、もう言いませんから…」 咏「……なんだい?」 京太郎「また可愛い咏さん、見せてもらえます?」 咏「……駄目だっつっても聞かないじゃん?」 咏「あ、こら!まだ返事してねって……ちょ、脱がすな……帯取ったら……ぁ」 カンッ!!
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341840024/ 京太郎「豊音さん、おかえりんこー」 姉帯「ただいまんこだよー」 京太郎「・・・・・・」 姉帯「どうしたのー?」 京太郎「・・・・・・」 姉帯「どーしたのー?」 京太郎「姉帯さん、まんこって何か知ってますか?」 姉帯「えーっとねー・・・」 姉帯「海に住んでて実は食べることもできるヌルヌルしたナメクジみたいなのー!」 京太郎「それはナマコ」 姉帯「社交ダンスでおなじみのこういうステップを踏むやつー」スッスッ 京太郎「それタンゴ」 姉帯「私の好きだった駄菓子屋はその名前の鳥がいつも鳴いてたよー・・・」 京太郎「それ閑古鳥」 姉帯「うちの周りは山以外みーんなそれだったよー」 京太郎「それたぶん田んぼ」 姉帯「あははははははははは!」 京太郎「元気ですね・・・」 姉帯「そんなことより食材買ってきたから料理作るよー」ガサッ 京太郎「お願いします」 姉帯「京ちゃんはテレビでも見ててよ」 姉帯「よーし頑張るよー!」グイッ トントントンシュンシュンシュン 京太郎「あ、いい匂いしてきましたね」 姉帯「美味しいの出来るよー」 テレビ「デュワッ!」 京太郎「あ、初代ウルトラマンの再放送やってますよ」 姉帯「えっちょー見たいよー」 京太郎「・・・ウルトラマンコスモス」 姉帯「あれ面白かったよー」トントン 京太郎「ウルトラ「マンコ!」スモス」 姉帯「発音変だよー」アハハ 京太郎「・・・」 京太郎「姉帯さんのマンコ」 姉帯「私の?私もマンコっていうの持ってるのー?」グツグツ 京太郎「・・・・・・」 姉帯「さっきからマンコマンコって京ちゃんおかしーよー」ジュージュー 京太郎「・・・いや何でもないです」 姉帯「もうすぐ出来るからねー」 京太郎「わーい」 テレビ「変身!」チャーチャーチャー 京太郎「でも初代のウルトラマン、ちょっとかっこ悪いですよね」ハハハ 姉帯「!!」ビクッ 姉帯「きょ、京ちゃん・・・」モジモジ 京太郎「はい?」 姉帯「ま・・・まんちょとか・・・Hなこと言ったら、だ、駄目なんだよー///」 京太郎「?」 ーーーーー ーーー ー 紅白鑑賞中・・・ 京太郎「赤組優勢な感じですねー」ジー 姉帯「まだARASHIが出てないからこれからだよー」ジー 京太郎「・・・」ジー 姉帯「・・・」ジー 京太郎「(みかん・・・)」スッ 姉帯「(みかん・・・)」スッ チョン 京太郎「あ」 姉帯「わっ!うわわわわっ!」バッ 京太郎「・・・」 姉帯「あ・・・」カー -------------------------------------------------------------- 花田「帰郷のついでに後輩が居る学校へ来ました」 花田「ご機嫌ようっすばらです」 ドア「ガチャ」 京太郎「おかえりんこ」 花田「ただいまん…!!」 京太郎「えっ…あっやべ」(咲かと思ったら知らない人だ) 花田「スバラァ…」カアア 京太郎「す、すみません。てっきり友人かと」ワタワタ 花田「い、いえ…お気になさらず」 京太郎「えーとそれで」 花田「!自己紹介がまだでしたねー、私は新道寺女子麻雀部の花田煌と申します」ペコリ 京太郎「清澄高校麻雀部の須賀京太郎です」 花田「こちらに片岡優希と原村和がいると聞いて帰郷ついでに後輩に会いに来たのですよ」スバラッ 京太郎「あー、生憎今は見な出払っていまして…よかったら待ちますか?」つイス 花田「すばらっ、ではお言葉に甘えさせて頂きますねぇ」チョコン 京太郎「お茶でよかったですか?」コト 花田「わ、お気遣いなく」 京太郎「先に部室の掃除終わらせますね」パタパタ 花田(部室に布団…?) 京太郎「ところで新道寺と言えば北九州最強の高校じゃないですか」(部長に言われて集めてた資料にあったような) 花田「すばらっ、何を隠そう私が先鋒です!」エヘン 京太郎「ええっ、エースじゃないですか」 花田「すばらです!清澄はインターハイ出場は女子のみですか?」 京太郎「いやあ、俺麻雀弱いんで一回戦で負けちゃいまして…いずれインターハイには出ますけどね!」 花田「その意気です」スバラッ ※時系列は、新道寺レギュラー発表から捨て駒発覚までの間 京太郎「その為にもまずは掃除ですね」 花田「なんと」 花田「お手伝いしましょう」 京太郎「いえ、お客様にそんな…」 花田「お客様に退屈させないのも、もてなす側の義務です」ニコリ 京太郎「うっ…モノは言い様ですね」 花田「すばらです!」 京太郎「あとはさっき買い出しに行って来た合宿用の備品を整理するだけですね。助かりました」 花田「じー」 京太郎「花田さん?」 花田「須賀さんはいつもお一人でこんな事を?」 京太郎「?ええまあ、男手は俺しか居ませんし」 京太郎「弱い分、せめて他の皆が麻雀に集中できるようにしないと」 花田「!!」 京太郎「なんて、柄にも無いんですけどね」 花田「すばらです…」 京太郎「花田さん?」 花田「…実は私「花田先輩だじぇ!」 花田「!!優希、お久しぶりですねぇ」ニコリ 久「あら?」 花田「お邪魔しています、新道寺女子麻雀部の花田です」スバラッ 優希「中学時代の先輩だじぇ!」 久「~で~なのよ、その時の須賀君たらもう」 花田「すばら!」 京太郎「その話はもう忘れましょうよ部長」 優希「諦めるじぇ、黒歴史は誰にでもあるんだじぇ!」 京太郎「とほほ」ガックシ 花田「!…もうこんな時間ですね、和とは会えませんでしたが(ワカメ喫茶でバイト中)楽しかったですよ」 優希「もう帰っちゃうのか?」 花田「明日の朝一で帰るつもりです」 優希「そうなのか…」 花田「優希、インターハイで待ってますよ」 優希「望むところだじぇ!」 久「清澄は強いわよー」アクシュ 花田「すばらっ、新道寺だって負っけませんよぉ」アクシュ 久「あはは、須賀君」 京太郎「はい?」 久「もう暗いし、花田さんを送ってあげてほしいんだけど」 花田「!!」 京太郎「いやあ、騒がしくてすみませんでした」テクテク 花田「なんの、私の友達にもお喋りな子がいまして」テクテク 花田「それに、モヤモヤが晴れた気がします」 京太郎「モヤモヤ?」 花田「実は私、先鋒を任されはしたものの新道寺の校内ランキングでは六位以下なんですよ」 花田「嬉しい反面、どうしてだろうと思ったものです」 京太郎「花田さん…」 花田「須賀さん、今日貴方に会えた事は偶然じゃない気がします」 京太郎「え?」 花田「例え強力な戦力じゃなくても、皆の為にできる事をやる」 花田「それはすばらなことです」 京太郎「!!」 花田「どんな理由でレギュラーに選ばれたとしても、私は私のできる事をしようと思います」 京太郎「花田さん」 花田「…?」 京太郎「清澄は…あいつらは必ず全国に行きます」 京太郎「花田さんも来てくださいね」 花田「勿論、東京でお会いしましょう」 ーーー 哩「それ故の方針転換…悔しかよ」 姫子「うわー花田が聞いたらまじへこむやろなぁ、レギュラーに選ばれてすげー喜びよったし…」 花田「…聞いてしまった、うわあショックぅ」ガックシ 花田(それでも…彼ならきっと…) 花田「なーんて事はないですねぇ!」パアア 花田(必要とされている、こんなすばらな事はない) おわり
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番外編 京太郎過去に飛ぶ カピー「パカパカ(すまないが主を今から過去に飛ばす)」 京太郎「はっ?」 カピー「パカパカ(いいからさっさといって来い。目標はモノクルの女の子を賭博麻雀から護る事。相手は雀神や死神とか呼ばれてるが小鍛冶健夜と三尋木咏を姉に持ち、インターハイ全試合を役満で勝った主ならどうにかなる)」 京太郎「だから…」 カピー「パカパカ(勝たないと未来が変わるからな。勝て、死ぬ気でな。宮守のガキと思い人との記憶も無くなるからな…さあいけ)」 ドス… 京太郎「俺何も言えて…ない…」 カピー「パカパカ(生きろ、主)」 ーーーーーーーー ??「起きて下さい…」 京太郎「…うぅ…あれここどこ?」 ??「気がつきましたか?」 京太郎「ええ…まあ…」 京太郎(あれ旧くさい制服だな) ??「良かった…倒れてたんで心配したんですよ?」 京太郎「は、はぁ…ご迷惑をかけました」 ??「全くです…私は今から大事な用事があるのに」小声 京太郎(大事な用事?) ??「これも何かの縁です、名前を聞いていいですか?」 京太郎「ああ、俺は………です」 ??「えっ?」 京太郎「だから………ですって…」 ??「…ふざけてるんですか?」 京太郎(名前がいえない…いや聞いてもらえないのか?なら) 京太郎「小鍛冶健夜(けんや)って言います」 ??「小鍛冶君?…私は熊倉トシです」 京太郎「えっ?」 トシ「聞こえませんでしたか?私の名前は…熊倉トシです」 京太郎「トシさん?」 京太郎(面影はある……あるけど、ありえない…いや、カピーならありえるのか。ありえないなんてありえない…帰ったらもふもふの刑だな) トシ「名前で呼ばないでください。馴れ馴れしいです」 京太郎「ご、ごめん。知り合いと名前が同じだからつい…」 トシ「そうなんですか…それじゃあ、私は用事があるので」 スタ…ギュ…京太郎がうでを掴んで 京太郎「麻雀を打ちに行くんですか?」 トシ「なんであなたがそれを…」 京太郎「俺もそこに着いて行っていいですか?」
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―清澄高校― 麻雀部 京太郎 「あのさ…やっぱりこういう事はやめた方が…」 咲 「自分のしてた事は棚にあげてそんな事言っちゃうんだ?」 京太郎 「…」 咲 「脱いでよ、そういう約束だったでしょ?」 京太郎 「で、でも…」 咲 「京ちゃん、私…怒るよ?」ゴッ 京太郎 「はい…。」ヌギヌギヌギ 咲 「口ではそんな事言ってるけどしっかり勃ってる…本当、京ちゃんってエッチだよね」ナデナデナデ 京太郎 「…ッ…くっ…う…!」 咲 「段々と熱くなってる…ふふっ、可愛いなぁ…」ナデナデナデ 京太郎 「…ッ!…はっ……はぁ……」 咲 「撫でてるだけじゃ物足りないよね?…今度は直接触ってあげるよ」ギュッ 京太郎 「はうっ…!…さ、咲の指が絡んで…ッ」 咲 「…我慢しちゃうと身体に悪いよ?早くその白くてベタベタしたのを出しちゃおうよ…ね?」シュコシュコシュコシュコ 京太郎 「―――ッ!…はぁ…あっ!……さ、咲ッ!」 ギュゥゥゥゥゥゥッ!! 京太郎 「…?…はっ…はぁっ………な、何で…」 咲 「まだイッたりしちゃ駄目だよ?」 京太郎 「た、頼む咲…ッ…イカせてくれ…イカせてくれ…ッ!」 咲 「だーめ…京ちゃんが泣いて懇願するまではおあずけなんだから…」チュプゥジュプジュプジュプジュプ 京太郎 「…はっ……あ……っ……!」 咲 「生臭くて本当やらしいなぁ…鼻の奥まで痺れそう…」カプッ 京太郎 「――――ッ…!…はぁ…っ……ん゛っ゛…!」 京太郎 (竿に纏わり付くみたいだ…くそっ咲のヤツ…) 咲 「もうイキたい…?おちんぽミルク出したい?」ジトー 京太郎 「はっ……はい…!もう我慢出来ないです…イカせて下さい…」ポロッポロッ 咲 「しょうがないなぁ…じゃあ指を離すからね…?」ジュポジュポジュポジュポ 京太郎 「――――ッ…はっ…!…さ、咲…ッ…う゛っ…あぁぁっ!」 ドクン!ビュクビュクドクドクドクドクドクッ! 咲 「――――ッ…はぁっ飲んじゃったよ…まだ喉にひっかかってる…ふふっ」 京太郎 「…ふっ…ふっ…」 咲 「まだ全然出来るよね?…京ちゃん次は私の膣内なんてどうかな?」ピラッ 京太郎 「…ッ…!」ビキッビキビキビキ 咲 「解ったからそんなにがっついちゃ駄目…椅子から降りちゃ駄目だよ?…京ちゃんは私の奴隷なんだから」ニッコリ 咲 「よいしょ…っと、こうして対面座位でするのって大好き…」ズリュッズリュッ 京太郎 「…はっ……!咲、我慢出来ねぇよ…早く膣内に…」 咲 「解ってるって…じゃあ腰を降ろすね」ヌプゥ!ズニュニュニュッ 京太郎 「…ッ…すげぇ狭い…キツくて気を抜いたらすぐに…ふっ…!」 咲 「…凄いね…奥まで挿っちゃったよ…あっ!」 京太郎 (奥に当たった…咲のってやっぱり浅いんだな…) 咲 「動くね…?…んっ…はぁ…っ!…京ちゃん……あぁっ…」ギュッ 京太郎 「さ、咲…ッ…!」 咲 「京ちゃん、ぎゅって抱きしめて…?」 京太郎 「あぁ…っ…ふっ…そのまま…そのまま続けてくれ…」ギュッ 咲 「―――ッ!…感じるよ、京ちゃんを…凄い…っ…!」パンパンパンパン 京太郎 「…っ…ん、俺も咲を……ッ!…やばい出ちまう…咲ッ!」 咲 「えへっ…今日もちゃんと膣内に出してくれなきゃ…私、口が滑っちゃうかもしれないな」パンパンパンパン 京太郎 「そ、そんな…っ……っ…あ…っ…で、出るっ…!」 ドクン!ドクドクドクドクドクッ! 咲 「―――ッ…あっ!………あんっ!」ビクンビクンビクン 京太郎 (また膣内に…だ、だしちまった…) 咲 「……んっ、京ちゃんの今日も凄いね?こんなに出したの初めなんじゃないかな…」ギュッ 京太郎 (ここんとこ毎日だもんな…身体、もつのかな…) 咲 「じゃあ私、シャワー浴びてくるね?待っててくれなきゃ知らないから…」チュポン 京太郎 「おうっ…!……わ、解ってるよ…」 … …… ……… 咲 「お待たせ、京ちゃん…いつものを早く見せてよ…ほら早くしてよ」 京太郎 「…二回も出したらすぐには…」 咲 「待ってるから…ほら、原村さんの体操服でするんでしょ?出しなよ…ちゃんと持って来てるよね?」 京太郎 「…」ガサガサ 咲 「あの時はびっくりしたなぁ…忘れ物を取りに戻ったら京ちゃんが匂いを嗅ぎながら…」 京太郎 「解ったから…解ったから口に出すのはやめてくれ…」 咲 「じゃあお願いね?原村さんじゃないけど見ててあげるから…」 京太郎 (…どうして、どうしてこうなっちまったんだ…)シュコシュコシュコシュコ 咲 「あれ?あの時みたいに名前を呼ばなきゃ駄目だよ、それと飛び散ったら大変だし私の下着に出してね」 京太郎 (さ、咲の生パン…?まだほんのり温かくて湿ってる…)ビキッビキビキビキ 咲 「京ちゃん、女の子なら誰でも良いの?見境ないなぁ…」クスクス 京太郎 「…っ、のどか…っ…はぁっ!…あ…っ……くっ…う!…ふっ…ふっ…」シュコシュコシュコシュコ 咲 「あはは…京ちゃん、原村さんの名前を出したら私の時と反応が全然違うね?」ニッコリ 京太郎 「……ッ…はっ…!」ゾクゾクッ 咲 「ほら、…京ちゃんこういうのが好きなんでしょ?」クスクス 京太郎 「うっ…あ……っ…!…の、のどか…っ!」 ドビュッ!ビュルルルルッ! 咲 「うわぁ…ベトベトだよ、これじゃもう使えないね」 京太郎 「俺が処分しておくら…」 咲 「本当?それならお願いするね…ふふっ…もしかしてそれも使っちゃうの?」 京太郎 「ば、…ちげーよ…おい咲、もう22時回ってるけど大丈夫なのか?」 咲 「それは大変だね、急いで帰らなきゃ門限に間に合わないよ」 京太郎 「送ってってやるよ」 咲 「そんなに気遣わなくても言ったりしないよ?…従順な間はね」 京太郎 「ちげーよ、ほら…帰るぞ」ギュッ 咲 「…うん!」パァァァァッ ―宮永宅― 京太郎 「また明日な…咲」 咲 「あんなにいっぱいしたのに明日もしたいんだ?…本当、京ちゃんってエッチだね」 京太郎 「そういう意味じゃねーって…なぁ、いつまで続けるんだ?」 咲 「それは卒業するまでは続けるよ?」 京太郎 「そ、そうか………じゃあな」 京太郎 (なんとかしてやめさせなきゃ…いや、嬉しいんだけど身体がもたねぇ…一周間で2キロも痩せたしな) 京太郎 (咲も咲で段々と可愛くなっていくし…くそっ…) ―翌日― 麻雀部 優希 「通らば―――リーチ!」 和 「通しません、ロン…7700」 咲 「おしかったね優希ちゃん」 優希 「じょー…」 京太郎 「頑張れよ優希、まだ東場は残ってるぞ」 咲 「京ちゃんはまだヤキトリだけどね…ふふっ」ズニッズニッ 京太郎 「くっ…!」ビクッ 京太郎 (咲のヤツ、麻雀打ってる時も脚で…) 和 「須賀さん…大丈夫なんですか?」ジィ 京太郎 「あぁ…図星を突かれてちょっとな…おうふっ!」 咲 「どうしたの京ちゃん?…制服に虫でも入ったの?」ズニュニュニュッ 京太郎 「あっ………あぁ…」ガタッガタッ 和 「…?」 優希 「…」ムスッ 久 「はい、ちょっと打つのは辞めてそのままの状態で聞いて」 和 「どうしたんです…?」 久 「もうすぐテスト期間で部活が停止になるからその間、勉強したいって人がいたら部室の鍵を貸し出そうと思ってね」 咲 「はいッ!…私、部室で勉強したいです!」 久 「じゃあ戸締まりお願いしておくわね?」 まこ 「咲じゃったら安心して任せられるのう」 咲 (京ちゃん、意味…解るよね?)ジッ 京太郎 「…」コクン 京太郎 (…死ぬかもしれんな) 優希 「咲ちゃん達、通しをしたじぇ!」 和 「み、宮永さん!」ガタッ 咲 「ち、違うよ…期間中は一緒に勉強しようねってお願いしただけだよ」 京太郎 「あぁ…そうだったな」 優希 「じゃあ私も一緒に…」 咲 「ごめんね?…京ちゃんと二人でしたいからまた今度ね」 優希 「…」 久 (なんだか面白そうな事になって来たじゃない) まこ 「また、悪い事考えとるじゃろ…」 … …… ……… 和 「宮永さんは帰らないんですか…?」 咲 「うん、もう少しゆっくりしてる」 和 「そうですか…じゃあ優希、帰りましょう」 優希 「犬、お前も着いてくるじょ!」 京太郎 「いや…俺は…」 咲 「ごめんね優希ちゃん、京ちゃんに残ってって頼んだのは私だから…」 優希 「なんだか最近、ずっーとだじょ…怪しいじぇ」 咲 「怪しいって…別に優希ちゃんには関係ないと思うけど」 優希 「…ッ」 和 「み、宮永さんも…」アセアセ 京太郎 「そういう訳だから…ごめんな優希」 和 「じゃあ帰りましょう優希…須賀さん、宮永さんをお願いしますね」 京太郎 「あぁ」 … …… ……… 咲 「京ちゃん…どうして私と残るって言ってくれなかったの?」 京太郎 「いや…それは…」 咲 「優希ちゃんが京ちゃんを好きだって気付いてて傷付けたくないから?」 京太郎 「そ、それは…」 咲 「ねぇ…今日もしようよ」 京太郎 「いや…今日はそんな気分じゃ…」 咲 「あ、良いんだ?…和ちゃんだけじゃないよね…部長のスパッツも使ってたの知ってるよ」 京太郎 「なっ…!」 咲 「和ちゃんの飲みかけのコーヒーのストローを舐めながら一人でしてたのもちゃんと知ってるよ?」 京太郎 「…咲、どうしてそこまで…」 咲 「それだけじゃないよ?」 咲「…一番驚いたのはエトペンに京ちゃんのおちんちんを擦り付けてたのは本当、びっくり…」 咲「あれから原村さんは何も知らずに抱いてたんだよね…ふふっ」 咲 「それを見て何を思ってたのかなぁ?…これでも私に逆らったり出来る…?」 京太郎 「…咲」 咲 「私のリコーダーも京ちゃん家に持って帰ったままだよね…知らないと思ってた?」 咲「小学生の時と中学生の時に一本ずつ…知ってたんだよ」ニッコリ 京太郎 「…咲には逆らいません」バッ 咲 「そんなに土下座したってやっちゃった事には変わりないんだから…京ちゃん、脚舐めてよ…」ススッ 京太郎 「…ッ」 咲 「手は使わずに靴下を脱がせてよ…言ってる意味解るよね?」 京太郎 「…あぁ」ハミッ するするするする 咲 「正解だよ…!…じゃあ指先から太股まで舐めて貰おうかな」 京太郎 「…ッ…咲…」レロォチュッパッチュパチュゥッ 咲 「ッ…はぁんっ…上手だよ京ちゃん…本当に犬みたいだね…ふふふ」 京太郎 「っ…はぁ…咲、もう良いか…?」 咲 「まだだよ?ゾクゾクしちゃうよ…ねぇ京ちゃん…」 京太郎 「でも…流石にそろそろ和や部長にバレるんじゃ…」チュチュッレロレロレロハミッ 咲 「んっ…!…はぁ…私とエッチした事がバレるのと京ちゃんが色々と悪戯してたのがバレるの…どっちが良い?」 京太郎 「…」 咲 「京ちゃんに選択権なんてないんだよ?…それくらいは解るよね?」ニッコリ 京太郎 「それにな?…ここんとこ毎日してるからちょっと辛いんだ…」 咲 「そんなのは京ちゃんの都合でしょ?私達の私物で性欲処理してたから私が付き合ってるんじゃない…」ジィ 京太郎 「…」 咲 「そうだ!今日は外でしようよ…優希ちゃんが使ってるパラソルの下で」 京太郎 「…外は流石に…それに優希のでするのはちょっと…」 咲 「…ふぅん」 京太郎 「…わ、解った…外でしよう」 咲 「流石は京ちゃんだね!」 京太郎 「その…今日はゴムを付けてしたいんだけど」 咲 「却下!駄目だよ…そんなの絶対駄目!」 … …… ……… ―テラス― 咲 「横になって…?」 京太郎 「…あ、…あぁ…」ドサッ 咲 「ふふっ…跨がるね?…京ちゃんは騎乗位と正常位どっちが好きなのかな…」 京太郎 「…そ、それは…」 咲 「ねぇ…答えてよ」 京太郎 「…騎乗位です」 咲 「だったらこのままで良いよね?…早くしたいけど濡らさなきゃいけないし…そうだ!」 京太郎 (ま、また何か嫌な予感が…) 咲 「京ちゃんの顔に跨がるからそのまま舐めてよ」 京太郎 「な…っ!」 咲 「顔面騎乗位だよ?…京ちゃん好きなんだよね?」 京太郎 「…っ」 咲 「…っしょと、…ほら押し付けるから舌を動かす!ほら!」グイッグイッ 京太郎 「―――ッ…うっ…咲…」チュウッチュルチュルチュルッ 咲 「あっ…!…膣内に…膣内に入ってくる…んっ…」グイッグイッ 京太郎 「ッ…はっ…!…んっ……」 咲 「凄いよ京ちゃん…っ…凄い…良いよ…!…んっ…!」 京太郎 (…凄いな、溢れて溢れて止まんねぇ…) 咲 「んっ…?…あ、京ちゃん凄くパンパンに腫れちゃって…我慢出来ないの?」 京太郎 「…ッ…流石にこうして続けてたらな…」 咲 「ふふっ…大丈夫、ちゃんと出してあげるから安心して?…いくよ…」ヌギヌギヌギ 京太郎 「…ッ…咲…?」 咲 「京ちゃんがずっと舐めてたからビショビショだよ…口、開けて?」 京太郎 「何をするつもりだ…」 咲 「京ちゃんが声を出さないように下着を口に詰めるの…ほら口を開けて?」 京太郎 「いや、それは…」 咲 「バラしちゃうよ…?」 京太郎 「開けます!開けますから…」カパッ 咲 「偉い偉い…よいしょっと………これで良いね」ズボッ 京太郎 「んっ!…んーっ!」 咲 「え?何?…聞こえないよ…聞こえてても京ちゃんの意見は却下だけどね」クチュクチュ 咲 「じゃあ膣内に挿れるよ?…すぐにイッたら駄目だからね?…あっ……んっ!」ズムニュッ 京太郎 「―――――ッ!んっ…!んんっー!」ビクンビクンビクン 咲 「あはっ…凄い反応…ずっと待ってたんだよね?…今日は好きなだけ出して良いよ…んっ!んっ…ん!」ズニュニュニュッズニュニュニュッ 京太郎 「…ッ!…はっ…んっー!」 京太郎 (なんでだろう…今日はなんだかいつも以上に…) 咲 「京ちゃん…!京ちゃん…!…はっ…あっ!……奥まで来てる…良いよ…あ…っ!…あぁぁっ!」 京太郎 「――――ッ…はっ…さ、咲ッ!!…い、イクっ!…で、出る………はっ…あっ…くっ!」 ドクン!ドクドクドクドクドクッ! 咲 「…凄い…!あったかくて…ジンジンする………えへへ…」ギュッ 京太郎 「咲…。………あっ…」ムクムクムクッ 咲 「また硬くなっちゃったね…」 咲 「…今日は本当に勃たなくなるまで付き合って貰うよ…?」チュポン 京太郎 「…うっ」 咲 「じゃあ…ちょっといつもとは違う事を…」ギュッ 京太郎 「…て、手コキか…?」 咲 「そうだけど…それに加えて…こうしちゃう」 咲 「京ちゃんって変態さんだよね?」 咲「…和ちゃんや私達の私物を使って何事もなかったみたいに部活に参加しちゃってさ…」シュコシュコシュコシュコ 京太郎 「!」ビキッビキビキビキ 咲 「ほら、ちょっと言われたくらいでこんなに…ねぇ…誰をオカズにしたのが一番良かった…?」シュコシュコシュコシュコ 京太郎 「そんなの言える訳……ッ…はぅ…!」 京太郎 (手の平で包むように握って擦るなんて…!) 咲 「部長…かなぁ?綺麗な人だもんね…あ、部長の髪止めでおちんちんの根本縛っちゃおうかな…」シュコスリッシュコシュコスリスリッ 咲 「それとも和ちゃん?…頻度は一番多かったよね…」 咲「座ってた椅子にほお擦りしながら一人でしてたなんて貪欲すぎだよ…あ、今ビクビクッて脈打った」シュコシュコシュコシュコスリッスリッ 京太郎 「…ッ…はっ…!」 咲 「特に縛ってもないし握ってもないのにイケないのが不思議?…京ちゃんの反応や具合はもう解ってるんだもん…ふふっ」 咲 「イカせるのもイカせないのも私の自由、…私のをオカズにしてどうだった?…答えてくれないと潰しちゃおうかな…」コロッコロッ 京太郎 「はっ……はっ…!…さ、咲でした時は凄い罪悪感があった…」 京太郎「でも一番良かったのも咲だ……ずっと一緒に居たお前を汚してしまって………ふぐっ…!…お、お前…指がケツに…」 咲 「まだお尻は開発してなかったよね?…調度良い機会だから…ふふっ…大丈夫だよ」ヌチュヌチュヌチュシュコシュコシュコシュコ 京太郎 「はっ…ぐっ…!…さ、咲…!…ひっ…あぁぁぁっ!」 ドクン!ビュルルッドクドクドクドクドクッ! 咲 「あんっ…もう髪がベタベタだよ…飛ばしすぎ!」デコピンッ 京太郎 「…ッ……はぁ……」 咲 「凄い汗だね京ちゃん…大丈夫?」フキフキ 京太郎 「………まぁな」 咲 「じゃあシャワーを浴びて来るね?…久しぶりに一緒に浴びようよ」ニッコリ 京太郎 「あぁ…」 … …… ……… 咲 「はぁ…サッパリした」 京太郎 「…そうだな、もうそろそろ帰らないとまずいんじゃないか?」 咲 「そうだね…明日は休みだし多少は無理出来ちゃうけど」 京太郎 「…」 咲 「そうだ!…京ちゃん、明日…私の家に来てよ!」 京太郎 「…へ?」 咲 「休みだし…いーっぱい出来るね」ニッコリ 京太郎 「いや…そんな流石に無理だって…」 咲 「…あ、私…携帯買って貰ってね…なんだか和ちゃんと電話したい気分だなぁ」チラッ 京太郎 「…行かせていただきます」 咲 「偉い偉い…素直にならなきゃね?」ナデナデ 咲 「明日は朝の6時に来てね?…鍵は開けておくから私が玄関に居なかったら中に入って起こす事!」 ―宮永宅― 明朝 京太郎 「って言われて来たけどお父さんはいないみたいだな」 京太郎 「案の定、咲は寝てるみたいだし…朝に弱いよなアイツ」 京太郎 「…さて、中に入って起こさなきゃ機嫌悪くなって何されるか解ったもんじゃねぇや」 京太郎 「…おじゃましまーす」ガチャッ 京太郎 「…物音一つしねーし…確か咲の部屋は二階だったよな」ギシッギシッ 京太郎 「お、…確かこっちがお姉さんの部屋でこっちが咲の部屋だったよな」 京太郎 「照さんか…………っとこんな事考えちまうから弱み握られるんだよな」 京太郎 「……………覗くくらいなら良いよな?」チラッ ―咲の部屋― 京太郎 「…」カチャッ 京太郎 (…覗いたりしたらまた弱み握られちまうからな…) 咲 「…うーん…はらむらさん…それカン!………役満……」ムニャムニャ 京太郎 「腹出して眠って風邪引くぞ…おい咲、起きろって…おい!」ユサッユサッ 咲 「う…うーん…………あ、おはよう京ちゃん…約束通り起こしてくれたんだね」ニコッ 京太郎 「そりゃ………咲に逆らったりした何されるか…」 咲 「良い心掛けだね、…顔洗ってくるから待っててね?」 バタン! 京太郎 「………さっきまで咲が寝て……ってバカか俺は!」 ガチャッ! 咲 「あ、そうそう…何か漁ったりしたら知らないからね?」 咲 「お待たせ京ちゃん…とりあえず簡単な物しかないけど食べてよ」 京太郎 「良いのか?悪いな…」モグモグ 咲 「夕飯の残りだけどね…美味しい?」 京太郎 「あぁ…イケるぜ…荷物も味が染みてて…」モグモグ 咲 「良かったぁ…ねぇ!これは?これはどうかな…」 京太郎 「卵焼きか…これは温かいしさっき作ったのか?」 咲 「そうだよ?食べてよ京ちゃん…ねぇ!」 京太郎 (なんか可愛い…) 京太郎 「…んっ!…美味しいな…混ぜたダシが調度良くて…」 咲 (そろそろ…そろそろ薬が効いてくるよね) 京太郎 「うまっ…い………」スースー 咲 「…作戦成功、まだまだこれからがお楽しみだよ京ちゃん」ニコッ … …… ……… 京太郎 (あれ…?確か咲と朝飯食ってて…それから…) 京太郎 「!!」ジタバタジタバタ 咲 「気が付いた…?…ふふっ」 京太郎 「咲…?何の真似か知らないけど目隠しと手足の紐を解いてくれないか?」 咲 「だーめ…ちゃんと楽しんでからじゃなきゃ…」 ナデナデナデナデナデナデ 京太郎 「―――ッ…!…朝から…するのか?」 咲 「そうだよ…?京ちゃんだって気付いてはずだよね…解ってて来たんでしょ?」 京太郎 「…ッ…はっ……」 咲 「そうそう…今、京ちゃんを虐めてるの…私じゃないんだよ」ニコッ 京太郎 「!」ガタガタガタ 京太郎 「…はっ、そんなまさか…っう…!」 咲 「ほら、私が京ちゃんのほっぺを撫でてても続いてるよね?」ペタペタ シュコシュコシュコシュコシュコシュコシュコシュコ 京太郎 「…ッ…!」 京太郎 (咲以外にされてるのか…?)ビクッビクッ 咲 「誰だろうね…京ちゃんが大好きな原村さんかな?」ニッコリ 咲 「それとも部長かな?…スパッツを手袋みたいにしてシコシコ擦ってるのかもね」ニッコリ 咲 「それとも優希ちゃんかな?好きで好きでたまらない京ちゃんと既成事実を作る為に…ふふっ」 咲 「もしかしたらお姉ちゃんかもね?…京ちゃんの初恋って私のお姉ちゃんだったもんね…ズルいなぁ…」 京太郎 (――――ッ…だ、誰なんだ…?) 咲 「目隠し…取って欲しい?」 京太郎 「…頼む…お願いします!」 咲 「じゃあ…今からその子が京ちゃんに跨がって始めるから膣内に出してあげて?…それからなら目隠し外してあげる」 京太郎 「そ、そんな事…」 咲 「その子は了承済みだよ?…それ以外に方法なんてないと思うけどなぁ…」 京太郎 「解った…!じゃ頼む…そうしてくれ…」 咲 「本当見境ないなぁ…じゃあ本番いっちゃおうか…」クスッ ズニュッ! 京太郎 「うわっ…!…あっ……す、すげぇ…なんだよコレ…」 咲 「京ちゃんの…誰だか解らない人の膣内に入っちゃったね?…どんな感じ?」 京太郎 「どうって…凄いとしか……ぶっ…う…!」 ズニュッズニュニュニュッズニュニュニュッ 咲 「そういう漠然とした感想じゃなくて……私とどっちが気持ちいい?」ポソッ 京太郎 「…ッ!!…はっ…そ、そんな事言える訳……ひっ……はぁ…」 咲 「言わないと京ちゃんの秘密…バラしちゃうよ?…勿論、正直に答えなきゃ駄目だからね」 京太郎 「…ッ…さ、咲……の方が……気持ちッ…良いっ…」 ジュプジュプジュプジュプジュプゥ 咲 「そっか…私の方が気持ち良いんだ?…ふふっ、負けじとスパート掛けてるね」 京太郎 「…ッ…!…すいません、……膣内に出します…本当すいません!…はっ……あぁっ…!」 ドクン!ドクドクドクドクドクッ! 咲 「ふふっ…どうだった…?」 京太郎 「…良かった…ただそれだけしか…」 咲 「約束は約束だもんね?…京ちゃんは誰に種付けしたのかな…ふふっ」シュルシュルシュルシュル 京太郎 (目が合ったらいの一番に謝らなきゃ…)ドクンドクン 和 「…おはようございます須賀くん」ニッコリ 京太郎 「の、和…!どうして…」ビッキーン 京太郎 「その…すまなかった…膣内に出したりして…」 和 「………ふふっ」 咲 「あははっ…嘘だよ京ちゃん、膣内に挿ってたなんて嘘」 京太郎 「…なっ!?」 和 「須賀さん、…これなんだか解りますか?」 京太郎 「…オ、オナホ…」 咲 「良かったね京ちゃん…でも京ちゃん的には微妙なのかな?」 和 「ふふっ…私としたかったんですか?」クスクスッ 京太郎 「…さ、咲…?…和…?」 咲 「京ちゃんは和ちゃんの事好きだもんね…したと思ったら本当はオナホだったんて肩透かしだよね」 和 「…だから泣いてるんですか…?」 京太郎 「…ッ…くそっ…」グスッグスッ 咲 「そんなに泣かなくても良いでしょ?」 京太郎 「…誰も関係ない人を巻き込んでなくて良かったから…安心したんだよ…」 咲 「京ちゃん、忘れてるみたいだけど…和ちゃんから手コキして貰ったんだよ?」 京太郎 「…ッ」 和 「ふふっ…須賀さん、私としてみますか…?」 京太郎 「…ッ!!!」ギシッギシッ 咲 「がっつきすぎだよ京ちゃん…和ちゃんはまだ『初めて』なんだか…」 和 「み、宮永さん…そんな事言ったら恥ずかしいです…///」 咲 「………あっ!」 咲 「和ちゃん、耳を貸して?」 和 「えっ…?…あ、そんな近付いたら…///」 咲 「――――して―――して―――するの、そしたら―――ってなるんじゃないかな」ニッコリ 和 「貴女は悪魔ですか…でも私的には大いにアリですね」 咲 「じゃあ京ちゃんは放置して二人でしよっか?」 和 「はい!」 和 「…宮永さん…///」 咲 「和ちゃん…///」 チュッチュッチュッパッチュルルッ 咲 「んっ…和ちゃんキス慣れしてないみたいだね?」 和 「…それは…///」 咲 「ふふっ…続きしたい…?」 和 「…それも良いですけど、…宮永さん耳を…」 咲 「え…?」 和 「―――を――――して―――してみては?」 咲 「ふふっ…和ちゃんって本当はかなりの変態さんだね」 和 「違います!…それに須賀くんも…」 京太郎 「…はっ…!…はっ…!…はっ!」 咲 「…しょうがないなぁ京ちゃんは」ニコッ 和 「ふふっ…次は私が相手をさせて貰いますね?」 京太郎 「の、和が…?…ッ…いやでも…」 和 「私の意思ですから…それに身近に『性欲異常者』が居ると落ち着いて麻雀が出来ませんし…」 京太郎 「…ッ!」 咲 「し、知ってたの…?京ちゃんが和ちゃんの私物を使ってたの…」 和 「気付きますよ…エトペンをずっと抱いてたら異変にくらい…」 咲 「あははっ…和ちゃん知ってたんだって…京ちゃんどうする?」 京太郎 「どうするって…」 和 「この状況下でも勃ったままですか…教育しなくてはいけませんね」 咲 「私も手伝うよ、和ちゃん!」 和 「少し怖いですけどね…宮永さん、痛みってどれくらいでした…?」 咲 「熱く熱した鉄棒でぐちゃぐちゃに掻き回されるくらい…かな」 和 「…ッ…素敵です」ゾクッ 咲 「の、和…ちゃん?」 和 「ゾクゾクします…須賀くん、…腰降ろしますね?」 京太郎 「はっ……!…あっ……!」 プニュッ!ニュルッニュルッ! 和 「――ッ…さ、流石にこたえますね…でももう少しで…」 ミチィッ!メチメチメチメチブチィッ! 和 「――いぎっ!……あ…っ…これで私も…」ブルブルッ 和 (宮永さんのベット…宮永さんのベットで破瓜を…これで私の証がずっと宮永さんの側に…)ゾクッゾクッ 和 「動きますね…?……はっ…あ…っ!…っ……ど、どうですか…?」 京太郎 「ッ…ふっ……イッて間が空いてないからかもしれないけど…敏感で…うっ…!」 咲 「京ちゃん…本当に気持ち良さそうだね…ふふっ」 和 「あっ…!…ひっ……今、良かったです…擦られてるようで…ひっ…んっ…!」 咲 「京ちゃん、私とどっちが気持ち良い?」 和 「…ッ…はっ…宮永さんですよね?…私、テクニックもないですから…あっ!」 咲 「京ちゃんは和ちゃんの事好きだもん…和ちゃんの方が…」 京太郎 「ッ…さ…咲の方が……うぅっ!…気持ち良い……あっ………あぁっ!」 ドクン!ドクドクドクドクドクッ 和 「―――ッ!…はぁ……最低ですね、私との行為の最中に他の人が気持ちいいと言って更には膣出しですか…」 咲 「それはあんまりだよ京ちゃん」 和 「教育ですね…よいしょっと…」ジュポッ 咲 「和ちゃん…?」 和 「須賀くん…口を開けて下さい」 京太郎 「…え?」 和 「…訴えますよ?」 京太郎 「……あーん」カパッ 和 「…んっ…はっ…」ヌチュヌチュヌチュ 咲 (あ、なるほど…京ちゃんが膣出しした精子を飲ませるんだ!) 京太郎 「んっ!…うぅっ…」 和 「吐いたりしてはいけませんよ?」 咲 「そうだよ…和ちゃんの言う通り飲んで?」 京太郎 「―――ッ………うぇっ…ぷ」 和 「…宮永さん、須賀くんを『飼う』のに私も混ぜてくれませんか?」 咲 「和ちゃんも一緒に?……なんだか楽しい事になりそうだね!」 京太郎 (俺は…これからどうなるんだ…?) 和 「須賀くん…楽しみですね、学校でも宮永さんと…ふふっ」 咲 「部長もなんだか怪しんでるフシがあるしいつバレるのかな」 和 「部長の事ですから須賀くんの悪行も気付いてるかもしれませんよ?」ゲシッゲシッ 京太郎 「はう…っ!」 咲 「京ちゃん、死んだ方がマシだって思うくらい楽しもうね」ニコッ 第一章・完