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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361979886/ 京太郎「お、メールだ」 差出人 天江衣さん 内容 明日、予定はあるか?ないのなら衣とお出かけしよう! 京太郎「ふむ、断る理由はないよな。いいですよ、と」ピッピッ 俺(ところでころたんって携帯もってる描写あったっけ) 京太郎「直接脳内に……だれだ今の」 京太郎「まぁいいや。さて、どこへ行くのかな?お、返信だ」 差出人 天江衣さん 内容 よかった!なら明日は松本城に行こう! 京太郎「松本駅で待ち合わせ、ね」 京太郎「松本城に似てるっていくなんて久しぶりだなぁ」 ー当日 月齢ー新月 ハギヨシ「あと少しで到着しますよ、衣様」 衣「うむ。たのしみだなー♪」 ハギヨシ「しかし、なぜ急に松本城へ?」 衣「てっぺんから外を見たくなったんだぞ」 ハギヨシ「さようですか……さ、つきました。松本駅です」 衣「おーついたか。京太郎は……いた!」 京太郎「お、衣さん、ハギヨシさん」 衣「またせたな!きょうたろー。うむ」 京太郎「……どうしました?」 衣「制服よりもかっこいいぞ!」 京太郎「あははー、気合いれてきちゃいました」 ハギヨシ「では、車に乗ってください。松本城までお送りしましょう」 衣「うん!」 -松本城- 京太郎「うぉー、久しぶりに見た」 ハギヨシ「では、おかえりの時間になられたらお電話ください、すぐ駆けつけます」 衣「うむ、ハギヨシごくろー!ではいくぞ!」 京太郎「はいはい」ほっこり 京太郎「ふう、結構回りましたね」 衣「くまなくみたな、歩き疲れたぞー」 京太郎「少し休みましょうか。飲み物買ってきますね、ベンチで待っててください」 衣「うむ、悪いな」 京太郎「衣さんは、無難にオレンジジュースで。お?どろり濃厚ピーチ味……妙な擬音だけどおいしそうだな」ピッガタン 京太郎「……ん?衣さんのベンチに誰かが」 京太郎「あれは……美穂子さん?」 ー ーー ーーー 美穂子「──と入っても一人じゃ誤解されたり危険だったり!」 衣「衣は子供じゃなからそんな心配はないし、第一一人じゃ!」 京太郎「こーろもさん」 衣「ひゃん!……って、きょうたろー!頬に冷たい缶をあてるなー!」 京太郎「ごめんなさい」 美穂子「……」 京太郎「で、どうして福路さんは俺を冷たい目でみているんですか?」 美穂子「須賀君、そういう趣味だったんですね」 京太郎「そういうしゅみ?」 美穂子「その、ロリ、コン……なにを言わせますか!」 京太郎「いやでも衣さんは年上だし、別にそういう関係じゃないし」 衣「そーだぞ!衣は子供じゃないし、京太郎は金石之交の仲だぞ!」 美穂子「は、はぁ、というよりお二人って知り合いだったのですね」 衣「いろいろ、あったのだ」 美穂子「……」ジトッ 京太郎「いやだからその目でみないでください」 美穂子「お二人で松本城見学に、ですか」 京太郎「ええ、誘われて。ていうか、美穂子さんがここに一人でいることの方があれですけど」 衣「なんで一人なんだー?」 美穂子「……暇に、なっちゃって」 京太郎(あんまり突っ込んじゃいけない感じだ) 美穂子(だって、断られちゃって暇だったんだもん)グスッ 衣「なんだ、振られたのか」 C「ちくわ大明神」 美穂子「」 京太郎「衣さん!言い過ぎです!」 衣「誰だいまの」 美穂子「そ、そんなこと言わなくたって」グスッ 京太郎「(あぁ最悪だ!図星だったんだ!)こ、衣さん、謝りましょう」 衣「あ、あぁ、だがいまのは」 京太郎「衣さんっ」 衣「え、あ、あぁ……すまない、言葉がすぎたようだ」 美穂子「いいです、べつに、グスッ」 衣「あ、あぁー、そうだ!衣たちと一緒に遊ぼう!」 美穂子「うぇ?」グスッ 衣「い、いやなことは楽しいことで忘れるのだ!ほら、いくぞ!」 美穂子「え、あ、ちょ」 京太郎「……引っ張られて行った……な」 京太郎「で、遊ぶと言ってもどうするんですか?」 衣「そうだなー、じゃあ、自然公園だ!自然公園に行こう!」 京太郎「つきました!何処かの自然公園!」 衣「どんな道をきたか覚えていないな」 美穂子「ま、まぁ、人も少ないしゆっくりできそうですね」 京太郎「ですねー。さて、とりあえず木陰に」 京太郎「今日は日差しが強いですねぇ」のびのび 衣「だなー」コロンッ 美穂子「!(ひ、膝まくら!)」 京太郎「あ、もう。動けないじゃないですか。」 衣「んふふー、ここが衣の墨俣城よー」コロコロ 美穂子「や、やっぱりお二人は」 京太郎「はい?」 美穂子「……いえ、なんでもないです」 京太郎「ー♪」ペラッ 衣「うにゅー」コロコロ 美穂子「……」 美穂子(私、なんでここにいるんだろう) 美穂子(都合があるのはわかる。私を嫌っていないことはわかる、でも) 美穂子(でも!こんな雰囲気の二人のそばで一人って拷問じゃあないですか!!) 美穂子(もう、帰りたい……)グスン ピシッ 衣「!!」ガバァッ 美穂子「え?」 衣「こんな時に目覚めたか、きょうたろー、否、須賀京太郎!!」 京太郎「寝起きを襲ってでも、俺は!!かあっっつ!!」ゴッ!!!! 美穂子「え?え??」 衣「いいだろう。このカード麻雀で勝負しよう。すまん、数合わせで入ってくれ」 美穂子「は?はい……(なにがなんだかわからない)」 京太郎「イチカァン!ニカァン!サンレンカァン!!」 美穂子(暗槓三連続!?) 衣「くっ、絶好調のようだな、まだ日も沈まぬうちに、気の早いやつよ!!」 京太郎「ツモォッ!!三暗刻三槓子!!」 美穂子(こ、こんなに強かったの!?大会でも名前を聞かなかったのに、何で!?) 衣「だが甘い!小細工を混ぜたアガリでは正に弄巧成拙よ!」 京太郎「リーチ!!」 衣「狙い撃ちだ!ロンッ!!」 京太郎「グゥアァ!!」 美穂子(な、なにがなにやらわからないけど、でも) 美穂子(置いてけぼりなんて、いやだ!なんで他人のイチャイチャに巻き込まれてその上置物にされなきゃいけないんですかっ!!) 美穂子「私も……私も混ぜてくださいよ!!」ギンッ 衣(目を開いたか!) 京太郎「俺は!負けたくなぃいいい!!」
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揺杏「学校どこよ? 私はあの有珠山なんだけど~wwwwww」 京太郎「清澄です」 揺杏「……え……!?」 京太郎「清澄高校です」 揺杏「……う、うわあ……ああ……ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」 京太郎「どうかしましたか?」 揺杏「ああ、あふゥッ……ひいいい……ガクガク(足が震える)」 京太郎「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっと麻雀が強いだけですから^^」 揺杏「ああ……あ……うんっ…ああ……ビクンビクン(小水を漏らす)」 京太郎「ちなみに俺は県予選初戦敗退です」 揺杏「あんっ!ああん……らめ……もうらめえ!ビクンビクン(絶頂する)」 揺杏「って夢見たんだよねー」アハハ 由暉子「重症ですね」 爽「うわー」 成香「あの、えっと……」 誓子「こうはなりたくないもんだねー」 揺杏「げっろー……」シュン 京太郎「でもそんな揺杏さん可愛いですよ」ニコッ 爽「!?」 由暉子「!?」 揺杏「!?!?!?」カァァァ 由暉子「あっふあぁ~~ん!!」ジョババ 爽「あふぅぅ~ん!!」ジョバジョバ 京太郎「」ビショヌレ 成香「えっと、えっと!」オロオロ 誓子「見ちゃダメだから、ね」サッ 揺杏「現実でやって受けるわけねーじゃん」ケラケラ カンッ
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1 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/27(金) 23 42 35.57 ID dsKkmcJio ・このスレは咲-saki-の空気雑用こと須賀京太郎を主人公にした安価SSスレです。空気って生きてく上で必須なものだから…(震え声) ・スレタイにあるように、舞台は岩手の宮守高校麻雀部です。このスレでは共学。 ・行動の成否判定はコンマで行います。 ・ぶっちゃけこの板の某スレに影響を受けまくってます。イッチが怒ってなくて良かった… ・主要なパラメーターに「好感度」と「麻雀力」があります。一定値を超えるとイベント発生。 ・またパラメーターはコンマの補正にも影響します。 ・主人公である須賀京太郎は、一日2回安価で行動することができます。 ・安価は基本自由ですが、あまりに無茶であったりする場合は下の安価を採用します。 ・基本行動として全体特訓と個別特訓が存在します。 ・前者は成功すると麻雀部員全員の麻雀力がアップ、後者は選択したキャラクターの好感度がアップし、さらに成功で京太郎と選んだキャラクターの麻雀力がアップします。 ・自由安価は内容次第で5段階の難易度に振り分けられます。 難易度 激高 (大失敗:00-19 失敗:20-79 成功:80-99) 難易度 高い (大失敗:00-09 失敗:10-49 成功:50-89 大成功:90-99) 難易度 普通 (失敗:00-29 成功:30-79 大成功:80-99) 難易度 低い (失敗:00-19 成功:20-79 大成功:80-99) 難易度 極低 (失敗:00-09 成功:10-79 成功:80-99) ・これに好感度や麻雀力の補正を加えてコンマ判定です。 ・ちなみに基本行動である「特訓」の難易度は「低い」、麻雀力によりプラス補正があります。 ・好感度、麻雀力はマスクデータです。 ・現在好感度はシロ=豊音>エイスリン>胡桃>塞 ・試合方法についても考えていますが、試合は相当先なのでその時に解説します。 SSWiki http //ss.vip2ch.com/jmp/1343400155 35 名前:前スレ 1000把握 ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 04 14.49 ID 5h4qjtxLo 「なんかいつも教えてもらってばかりで申し訳ないし、何かお手伝い出来ることはないですか?」 いつもの麻雀指導が終わり、休憩していると後輩が突然そう切り出した。 「俺、結構雑用には慣れてるんで、何でもいってください!」 雑用に慣れている…。妙に哀愁の漂うワードだ。 少し考える。特に今は困っていることはないが、ちょっとした頼みごとを思いついた。 「オテツダイハナイケド…」 「スガクンノカクエ ミタイ!」 60 名前:わざわざ岩手に訪ねてきてくれる咲さんは幼馴染の鑑[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 14 07.01 ID 5h4qjtxLo 京太郎side 京太郎(絵か…) 描きたいものはすんなり決まった。 京太郎「わかりました、描いてみます!」 エイスリン「アリガト!」 しばらくお互い無言でペンを走らせる。 (ちなみに今使っているペンはエイスリン先輩の耳に掛かっていたものである) 京太郎「で、出来た…」 完成した。正直自信はないが、全力は尽くした。 エイスリン「ミセテクレル?」 京太郎「はい!」 80 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 22 55.68 ID 5h4qjtxLo エイスリンside 後輩が差し出した絵を見る。 その絵は決して技術的に優れたものではなかったが、 対象への優しい思いが真っ直ぐに伝わるような絵で。 「コレ ワタシ?」 93 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 29 47.55 ID 5h4qjtxLo 京太郎side 「はい。「絵が見たい」って言われて最初に描きたいと思ったのが先輩の姿だったので」 先輩の顔が赤い。勝手にモチーフにしてしまったことを怒っているのだろうか。 「お気を悪くされたんならごめんなさい!」 「……!?」ブンブン 首を振るエイスリン先輩。よかった、怒ってはいないようだ。 先輩が絵をそっと抱える。 「スガクン」 「コレ チョーダイ?」 小首を傾げる先輩。断るはずもなく。 「え?は、はい、もちろん差し上げます!」 「アリガト!」 その先輩の笑顔は、今まで見た中で一番素敵な笑顔だった。 103 名前:遅筆ですまんな[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 31 50.44 ID 5h4qjtxLo エイスリンの好感度が上がった! 京太郎の麻雀力が上がった! エイスリンの麻雀力が上がった! エイスリンの好感度ランクが上がった! という話だったのさ! きょうはまだまだやるけどちょいタンマ。風呂入るー 117 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 36 57.30 ID 5h4qjtxLo 109 >いつもの麻雀指導が終わり、休憩していると後輩が突然そう切り出した。 ここ。わかりにくかったかな できるだけ 1000の要望には応えようと思ってるんだけど、色んな意見があるし風呂はいってる間多数決でも取るよー 咲さん来襲?はいかいいえで 119- 125 143 名前: 137 咲さん嫌われすg… ハッ![saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 45 40.20 ID 5h4qjtxLo まだ来なくていいって意見が多いみたいですね。了解です まぁ結局安価次第では来るんですけどね。何度も言うけど病ませないつもりではいるやで 京太郎「エイスリン先輩マジ天使(EMT)」 京太郎「さて、午後は何をしよう?」 152 158 名前:AMTだ…恥ずかしい…[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 00 48 24.21 ID 5h4qjtxLo 豊音先輩と特訓 難易度 低い (失敗:00-13 成功:14-73 大成功:74-99) 160 188 名前: 159 まぁまぁそう熱くなりなさんな 咲さんが可愛いのも確かだからな[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 01 12.98 ID 5h4qjtxLo 177 まぁあっちよりは遥かに甘いね。僕自身京太郎と宮守メンバーをいちゃいちゃさせたいという気持ちはあった 判定→大成功 姉帯「前回は指導失敗しちゃったからねー」 姉帯「今日はばっちりやっちゃうよー」 京太郎「よろしくお願いします!」 京太郎「牌は壊さない方針で行きましょう!」 姉帯「うぅ…。須賀君意地悪だよー」 ……… 姉帯「~~~♪」ハナウタ 京太郎「豊音先輩なんかご機嫌ですね?」 京太郎「何か良い事あったんですか?」 姉帯「んー?」 姉帯「須賀君とこうやって二人で特訓してるのってのがいいことかなー」 京太郎(なにそれ照れる) 191 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 06 32.04 ID 5h4qjtxLo 姉帯「村から出てあの4人と出会って友達になって」 姉帯「そして須賀君とこうして出会えて先輩になれて」 姉帯「これって私がずっと夢見てた世界なんだよー」 姉帯「まだまだ続けてたいから」 姉帯「IH、頑張らないとねー!」 京太郎「豊音先輩…」 京太郎「はい、頑張りましょう!」 豊音の好感度がグーンと上がった! 京太郎の麻雀力が上がった! 豊音の麻雀力が上がった! 205 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 12 16.20 ID 5h4qjtxLo 宮守の天使の多さに今頃気付くなんて… というわけで6日目終了。まだまだいくやでー 地区予選開始まであと8日 京太郎「昨日は天使にあったよ、それも二人同時にだ…」 京太郎「さて、今日は何をしようかな?」 211 214 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 14 32.87 ID 5h4qjtxLo シロとダラダラ 難易度 極低 (失敗:00-03 成功:04-73 成功:74-99) 216 240 名前:ちょいごめん電話[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 20 50.69 ID 5h4qjtxLo 判定のコンマは近くても大丈夫かと思ってたんだけど、どうなのかな? 判定→成功 京太郎「昨日は丸一日特訓してて疲れたなぁ」 京太郎「午前中はダラけるか…」 京太郎「ダラダラと言えばシロ先輩だよな!」 ……… 京太郎「というわけでシロ先輩、ダラダラしましょう!」 250 名前:結局焼き直しっぽくなっちまった[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 30 19.06 ID 5h4qjtxLo シロ(元気よく「ダラダラしましょう」って…) シロ(まぁいいか…) シロ「いいけど…」 京太郎「ありがとうございます!」 京太郎「あ、これ、俺が作って来たタコスです」 京太郎「良かったらどうぞ!」 京太郎「じゃあ俺、お茶淹れてきますね」タッタッタ シロ(全然ダラダラしてない…) シロ「……」 シロ「……」モグ シロ「美味しい…」 シロの好感度がグーンと上がった 257 名前:イッチ帰ってきとる[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 34 49.02 ID 5h4qjtxLo 京太郎「午前中は存分にダラダラ出来たな」 京太郎「シロ先輩のダラダラっぷりは流石だったぜ!」 京太郎「さて、午後は何をしようかな?」 258 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 35 27.92 ID 5h4qjtxLo すまん 268 287 名前:バランスよく上がるな。みんな天使だからな[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 37 40.28 ID 5h4qjtxLo 塞さんと特訓 難易度 低い (失敗:00-15 成功:16-75 大成功:76-99) 316 名前:思ってた倍のレスが付いて直下だったでござる。あぶねぇ[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 42 45.73 ID 5h4qjtxLo 判定→成功 塞「さぁ、今日も頑張ろう、須賀君!」 京太郎「よろしくお願いします!」 325 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 52 52.67 ID 5h4qjtxLo 京太郎「塞さんって特訓の時たまにモノクル付けてますけど、右目だけ視力が低かったりするんですか?」 塞「アハハ、違う違う。これはトシ先生に貰ったものでね」 塞「これを付けて見つめた相手の手を「塞ぐ」ことが出来るんだ」 京太郎「塞ぐ?」 塞「百聞は一見に如かず、やって見せよう!」 ……… 京太郎「ホントだ…全然テンパれない…」 京太郎(見つめられるとなんかドキドキするな) 塞「まぁ、全国クラスの化物相手だと体力の消耗が激しいから、乱用は出来ないけどね」フフ 塞「あ、そうそう、明日トシ先生が帰ってくるよ」 塞「さっき連絡があったんだ!」 京太郎「本当ですか?明日が待ち遠しいなぁ!」 塞の好感度が上がった! 京太郎の麻雀力が上がった! 塞の麻雀力が上がった! 329 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 55 02.53 ID 5h4qjtxLo またやっちまった! 325 一行目 塞さん→先輩でオナシャス! ああ、めげるわ… 334 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 01 58 02.07 ID 5h4qjtxLo 7日目終了。明日はついにトシ先生登場です。 強制イベントに付き、午前中は特訓withトシ先生で固定。 341 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 01 38.94 ID 5h4qjtxLo あと1回個人特訓大成功か、好感度上がりそうなイベント成功でランクアップやで 地区予選開始まであと7日 京太郎「さて、今日の午前中は全体特訓だったな」 京太郎「先輩たちに一矢報いれるように頑張ろう!」 347 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 11 28.85 ID 5h4qjtxLo 京太郎(ん、もう部室に誰かいるな) 京太郎「おはようございます!」 ???「おや?君が塞の言ってた新入部員かい?」 ???「麻雀部顧問の熊倉トシです、よろしくね」 京太郎「はい、長野から転校してきました、1年の須賀京太郎です。よろしくお願いします!」 トシ「ふふ、元気な子だね」 ……… 塞「あ、トシ先生、もう来てたんですか。おかえりなさい!」 胡桃「先生おかえりっ!」 トシ「ああ、ただいま、塞、胡桃」 トシ「丁度4人揃ったし、早速新入部員の腕を見せてもらおうかね…」 350 名前:京太郎の麻雀力伸びまくっとるから意外と難易度低い[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 14 31.00 ID 5h4qjtxLo 京太郎強化判定 大成功で… 難易度 高い (失敗:00-38 成功:39-78 大成功:79-99) 355 369 名前:まぁコンマはしゃーない 赦しの心が大切やで[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 18 33.29 ID 5h4qjtxLo 判定→失敗 京太郎「つ、強い…」 京太郎「ありがとうございました!」 京太郎(ほんとに教師かこの人?) トシ(ふむ…) トシ(潜在能力は感じるが、今の段階ではこんなものかね) 麻雀力変動なし 374 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 25 14.65 ID 5h4qjtxLo 姉帯「あー、熊倉先生だー」 姉帯「おかえりなさいー」 シロ「おかえりなさい……」 トシ「はい、ただいま、豊音、白望」 トシ「大会まで日もないし、特訓といこうかねぇ」 特訓 難易度 極低 (失敗:00-04 成功:05-74 大成功:75-99) トシ初回イベントに付き、難易度ダウン 377 382 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 28 27.80 ID 5h4qjtxLo 判定→成功 京太郎(おお、指導の一つ一つが的確でわかりやすいな) 京太郎(先輩達が強くなるのも納得だ) 京太郎(俺もこの人について行けばきっと…) 全体麻雀力が上がった! 383 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 32 10.81 ID 5h4qjtxLo トシ「さて、私はちょっと行かなきゃいけないところがあるからもう行くけれど」 トシ「みんな、その調子で頑張るんだよ」 トシ「須賀君もきっと強くなれるからね」 一同「ありがとうございました!」 京太郎「いやー、すごい人だったな」 京太郎「さて、午後は何をしようかな」 406 名前:まだ結構起きとるやないか(驚愕)[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 36 56.63 ID 5h4qjtxLo トシさんの「行くところ」がもしかしたら今後の伏線になるかもしれない(ならない可能性も結構ある)ので 申し訳ないですが安価は「全員でお茶会」に変更させて頂きます 全員でお茶会 難易度 普通 (失敗:00-18 成功:19-68 大成功:69-99) 411 419 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 39 28.34 ID 5h4qjtxLo 判定→成功 この成功で胡桃の好感度もランクアップです。また時間かかるだろうし丁度いいね という訳で今宵の地獄はここまでとしよう 明日は来れるかどうかわからないです。昼ごろにアナウンスします 質問とかあればどぞー 420 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] 投稿日:2012/07/28(土) 02 40 52.06 ID 3H9RAfejo 419 行動選択の【能力開発】は解禁ですか? 428 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 42 23.68 ID 5h4qjtxLo 420 おお、書き忘れてた。ありがとうございます トシ先生帰還により、以後京太郎のスキル開発が行えます 麻雀力で補正がかかるので、取得は後のほうが有利かも知れません 426 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage] 投稿日:2012/07/28(土) 02 41 43.84 ID kd9vS222o 白ちゃんが脱ぐのはまだですか? 436 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 45 30.85 ID 5h4qjtxLo 426 無理やり脱がせようとすればいいんじゃないかな… 難易度激高に加えて好感度によるマイナス補正が入りますが 438 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山口県)[sage] 投稿日:2012/07/28(土) 02 46 26.19 ID J3e7Fw0ro つまり好感度を上げまくってから勝負……今は落ち着いて上げる時期 440 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 48 46.39 ID 5h4qjtxLo 438 いえ、乱暴する系の安価は逆に好感度上がる前が勝負でした。まだ成功の可能性はありますけどね 失敗は逮捕でゲームオーバーです 441 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(茨城県)[sage] 投稿日:2012/07/28(土) 02 49 21.94 ID c1OPt7ce0 塞ちゃんの顔面騎乗ハプニングイベはまだ無理か… 442 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] 投稿日:2012/07/28(土) 02 49 22.65 ID uNgGLsjDO 乙 安価が終わるの早いな…明日こそは 445 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 02 52 37.25 ID 5h4qjtxLo 441 現状だと判定は「難」になりますかね 好感度ランクが上がれば「普通」かな? 442 とりあえず最近は+10程度を目安に出しています 472 名前: ◆Yt274QAsSB3/[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 10 26 47.48 ID 5h4qjtxLo 昨日見られなかったお気に入りのスレの更新見てたら、主人公がヒロインの絵を描いてた。ダダ被りやないかこれ… 信じてもらえないかもしれないけど、パクリじゃないよ、本当だよ!こんなことになるだなんて スクラン、GAどっちか好きならおすすめのスレです ←勝手に宣伝 【ハーレムの要望が多いのでエンディング絡みの情報を整理します】 ・好感度ランク1段階上昇→告白自動失敗。難易度「激高」判定 成功or大成功で好感度は上がる ・好感度ランク2段階上昇→告白難易度「高」。大失敗以外なら好感度は上がる ・好感度ランク3段階上昇(MAX)なら告白の難易度は「低」。ほぼ失敗しない。失敗でも好感度は上がる ・スレ終了時彼女がいると、好感度ランク、大会結果によってED分岐 ・彼女状態なら様々な判定にプラス補正がかかる ・スレ終了時、誰にも告白しておらず、好感度ランクMAXの娘が複数いる場合、各キャラに難易度「高」で判定、成功したキャラによるハーレムEDとなる ・但し5人全員3段階目は相当厳しい。個人戦で勝てば勝つほど全員の好感度にボーナスが入る仕様なので、勝ち進めばあるいは、といった感じ。ちな個人戦に関しては全国出場も結構ギリの難易度設定 っつ-ことに決めた!(設定厨で)すまんな 487 名前:清澄全員転入!そういうのもあるのか[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 12 30 59.48 ID 5h4qjtxLo 京太郎「ふぃー、疲れたー…」グッタリ 姉帯「あははー、須賀君頑張ってたもんねー」 塞「よし、午後はお茶でも飲みながらゆっくりしよっか」 シロ「賛成…」 京太郎(こういう時だけ反応早いなぁ!) 京太郎「シロ先輩のそういうブレないとこ、俺好きですよ」ハハ 姉帯(!?) シロ(好き…) 胡桃「……」 胡桃(シロ先輩、かあ) 京太郎「じゃあ俺、買い出し行ってきます!」 胡桃「あ、私も行くっ!」 京太郎「?」 京太郎「要るものがあるなら、言ってくれればついでに買ってきますけど」 胡桃「いいのいいの、行こっ!」 493 名前:とりあえず胡桃コミュ投下までやる。その後どうするかは考えとらん[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 12 40 24.39 ID 5h4qjtxLo 京太郎side コンビニ店内 京太郎「うーん…」 京太郎(ウォータースライダーの一件以来、鹿倉先輩と微妙に気まずいんだよな) 怒っているわけではなさそうだが、二人でいると妙に沈黙が多くなるのだ。 実際買い出しに来る途中は、ほとんど会話することが出来なかった。 京太郎(このままじゃ…いけないよなぁ) このまま疎遠になってしまうのは悲しい。 鹿倉先輩も、大好きな先輩たちの一人である。 京太郎「よし、正面からぶつかってみるか!」 497 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 12 56 44.83 ID 5h4qjtxLo 胡桃side コンビニ店内 胡桃「はぁ…」 溜息を付く。折角彼と二人きりになったというのに、ろくに話しも出来ないまま目的地に到達してしまった。 ちなみに現在は二手に別れて買い出し中である。 胡桃(このままじゃ…いけないよね…) 彼女としても後輩と元通り仲良くしたいのだ。だが、あれ以来、彼のことを妙に意識してしまう。 胡桃(だって、胸触られちゃったもんっ) …あるのかないのか分からないレベルの胸ではあるが。 胡桃(そりゃ須賀君も謝ってくれたけど) 胡桃(簡単に元通りってわけには行かないよっ!) 500 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 13 04 03.05 ID 5h4qjtxLo 京太郎side 帰り道 京太郎「鹿倉先輩!」 意を決して切り出す。 胡桃「な、何かなっ?」アセ 京太郎「俺、鹿倉先輩とこのままギクシャクしたままなのすっげー悲しいです」 こうなれば直球勝負だ。 京太郎「また前みたいに、俺と仲良くして下さい!お願いします!なんでもしますから!」 508 名前: 501 先に言われた![saga] 投稿日:2012/07/28(土) 13 16 22.59 ID 5h4qjtxLo 胡桃side 京太郎「また前みたいに、俺と仲良くして下さい!お願いします!なんでもしますから!」 勢い良く頭を下げる後輩。 そんなに自分と仲良くしたいのか。嬉しい。 意識して、彼を遠ざけていたのがバカバカしくなる。 胡桃「ん?今何でもするって言ったよね?」 京太郎「は、はい。出来る範囲で、ですけど」ハハハ… 胡桃「ふーん、どうしよっかな…」 悩むフリをしてみる。焦る後輩の顔が可愛い。 実際もう、してもらうことは決まっているのだ。 本当はずっと、シロやトヨネが羨ましかったのだ。 胡桃「じゃあ私のことはこれから…」 胡桃「胡桃先輩って呼ぶようにっ!」 545 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 20 11 20.24 ID 5h4qjtxLo このスレ立てたせいであのスレ見れないとか本末転倒だからなぁ 胸を揉んでしまい好感度が下がってしまったのは残念だが、切り替えて姉帯さんのお見舞いを狙っていく --- 部室 京太郎「ただいま戻りました!」 胡桃「ただいまっ!」 塞「おかえり、暑かったでしょ?」 姉帯「おかえりだよー」 シロ「おつかれ…」 京太郎「すぐにお茶の準備しちゃいますね?」 胡桃「こらこら、須賀君は休んでなさい」 胡桃「お茶は私が入れるから、みんなはお菓子の用意しておいてっ!」 姉帯「了解だよー」 京太郎「はい、ありがとうございます、胡桃先輩!」 塞(あれ?呼び方変わった?) 550 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 20 17 35.88 ID 5h4qjtxLo 塞(そう言えばシロはシロ先輩って呼ばれてるし) 塞(豊音も豊音先輩って呼ばれてるよね) 塞(エイスリンさんとも最近仲良さそうだし) 塞(あれ?あれ?) 京太郎「臼沢先輩、どうかしましたか?」 塞(やっぱり私だけ苗字呼び…) 塞(なーんか距離置かれちゃってるのかなぁ…) 塞(寂しいなぁ…) 全員の好感度が上がった! 胡桃の好感度ランクが上がった! 555 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 20 23 59.34 ID 5h4qjtxLo 塞さんは不憫かわいい。廊下で寝てる塞さんのシーンとかヤンガン切り抜くレベルでした そこそこ人いるっぽいし、次の日の午前安価だけ出して今日は終わります 地区予選開始まであと6日 京太郎「とうとう予選会まで1週間切ったな」 京太郎「個人戦まではもうちょっとあるけど、気合入れていこう!」 京太郎「さて、今日は何をしようかな?」 562 568 名前:やっぱ塞さん人気やん(歓喜)[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 20 27 39.73 ID 5h4qjtxLo 塞と特訓するぞ×3 難易度 低い (失敗:00-19 成功:20-79 大成功:80-99) 571 579 名前:やっぱ塞さん人気やん(歓喜)[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 20 29 08.11 ID 5h4qjtxLo 補正忘れてたアカン コンマ+5なので 判定→成功です これで塞さんもめでたくランクアップや! 今日のうちに安価出しといて良かった! 番外編 611 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 21 59 28.82 ID 5h4qjtxLo 京太郎「豊音先輩、ちょっと屈んで貰っていいですか?」 姉帯「いいけどー、どうかしたのー?」カガミッ 京太郎「………」 京太郎「すみません先輩!宇宙意志が俺に!先輩を撫でろと!囁いているんです!」ナデナデナデナデ 姉帯「うひゃあ!」 姉帯「ちょ、ちょっとー、須賀君!?何するのー!?」 姉帯「や、やめてよー」 京太郎「やめられないです!すみません!本当にすみません!」ナデナデナデナデ 姉帯「恥ずかしーよー…」 姉帯「うぅ…」 姉帯「須賀君の意地悪ー…」 姉帯(ああ、でも須賀君の手、あったかいなー) 姉帯(もうちょっとだけなら…いいかもー…) 640 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 23 28 26.60 ID 5h4qjtxLo エイスリン「……」カキカキ バッ なんか撫でてるっぽい絵 京太郎(うっ、さっきの見られてたのか…) 京太郎「いや、あれは、俺の意志じゃなくて宇宙意志がですね…」 エイスリン「……」キラキラ 京太郎(なんかすごく期待されてる!?) 京太郎「な、撫でてもいいんですか?」 エイスリン「……」コクコク 京太郎「じゃあ…行きます!」ナデナデナデナデ エイスリン「……♪」 657 名前: 638 ワイはイケメンシロをめぐる5角関係とか見たいんや[saga] 投稿日:2012/07/28(土) 23 51 44.19 ID 5h4qjtxLo なんかあっち大変なことになっとる。人気スレはつらいな… 644 胡桃「先輩を無理やり撫でるなんて、ダメなんだからねっ!」 京太郎「も、申し訳ありません先輩…。宇宙意志が…」 胡桃(宇宙意志!?) 胡桃(つ、疲れてるのかな須賀君…) 京太郎(ああ、哀れみの目がつらい…) 胡桃「じゃあ私が須賀君を撫でてあげるよ!」 胡桃「他の子を須賀君の毒牙にかけるわけには行かないからねっ!」 胡桃「……」セノビッ 胡桃「……須賀君届かないよっ!屈んで?」セノビッ 京太郎(……一生懸命背伸びする先輩可愛いなぁ!!!) 京太郎(もう我慢できん!)ガバッ ナデナデナデナデ 胡桃「ひゃー!」 胡桃「もう、だからダメだってばー!」 694 名前:書いてたら範囲安価のがしたあああああああああ[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 00 12 13.97 ID yAsHID5Io 650 塞「あのね、須賀君」 塞「別にああいう行為自体を否定するわけじゃないけど」 塞「部室内でああいうことするのは、やっぱり良くないと思うなぁ」 京太郎「……」 京太郎「先輩、ちょっと外に出ませんか?」 塞「へ?」 塞「う、うん、急にどうしたの?」ガチャ 京太郎「先輩!」ガシッ 京太郎「部室外なら良いって言いましたよね!」ナデナデナデナデ 塞「!?ちょ、違うよ!そういう意味じゃないよ!」 京太郎「すみません!先輩のこと、撫でたくて仕方ないんです!宇宙意志なんです!」 塞(え…) 塞(そ、そっか…フフ) 塞「しょ、しょうがないなぁ、ちょっとだけだからね…」 703 名前:スタメン発表の時間だあああああああああ[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 00 17 40.03 ID yAsHID5Io 京太郎「……」ナデナデナデナデ シロ「……」 京太郎「……」ナデナデナデナデ シロ「……」 京太郎「……」ナデナデナデナデ シロ「……」 京太郎「……」ナデナデナデナデ シロ(だるい……) シロ(でも、悪くない……) 755 名前:あのスレ見てなかったらホンマすまん[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 01 41 33.19 ID yAsHID5Io 京太郎「豊音先輩!」 京太郎「エースになったみたいですよ!おめでとうございます!」 姉帯「え、エース!?なんのエースなのかなー?」 京太郎「そりゃエースと言えば野球ですよ」 京太郎「豊音先輩、156km/hのストレートが投げれるんですね!」 京太郎「そんな特技があったなんて、流石先輩だなぁ!」 姉帯(ど、どういうことなのー!?) 姉帯「え、えーとー…」オロオロ エイスリン「……」カキカキ バッ 姉帯(あ、カンペだー、良かったよー)ホッ 姉帯(エイスリンさんありがとー!) 姉帯「んと、皆さん応援ありがとうございましたー!」 姉帯「エースとしての自覚を持って頑張るよー」ゴッ 京太郎(なんか威圧感が増したなぁ先輩) 758 名前:書いててよく分からなくなってきた…[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 01 56 51.50 ID yAsHID5Io トシさんの若い時の写真拝見 京太郎「へぇ、これが先生の小さい頃の写真ですか」 妙齢の、おそらく父親であろう男性に撫でられて目を細める少女の写真を眺める 京太郎「すごく可愛いですね!」 京太郎「あ、もちろん今もお綺麗ですけど」 実際、先生は〇〇歳だとは思えない程に若々しい。 トシ「フフ、須賀君はお世辞が上手いねぇ」 いたずらっぽく笑う先生に、思わずドキドキしてしまう。 トシ「しかし…私にもこんな頃があったんだねぇ」 トシ「こんなに気持ちよさそうに撫でられちゃって…」 先生が遠い目をする。 トシ「この歳になると、誰かに撫でられることなんてまず無いからねぇ…」 宇宙意志を感じた。 先生の側に行き、頭にゆっくりと手を伸ばす。 抵抗されたなら即座にやめるつもりであったが 先生は目を閉じて俺の手を受け入れた。 京太郎「……」ナデ ナデ トシ「ああ、須賀君の手は大きいね」 トシ「まるでお父さんみたいだよ…」 まるでこの写真のように、 先生はあどけなく可愛らしい表情を浮かべていた。 764 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 02 11 01.41 ID yAsHID5Io 咲「きょ、京ちゃん!?」 咲「恥ずかしいからやめてよっ」 咲「そ、そりゃ、嫌なんかじゃないけど・・」 咲「うぅ…わかったよぉ…」 咲「……」 咲「あ…」 咲「違うよ!ちょっと残念だなんて思ってないよ!」 咲「…あ♪」 久(なんだかすごい寝言を聞いちゃったわね…) 久(はぁ、須賀君ったら…) 823 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 14 56 01.11 ID yAsHID5Io エイスリン「キョウタロー…」 エイスリン「イッショニ オエカキ シヨ?」 彼の「右手」にペンを持たせ、上からそっと握る。 これからはずっと、彼と絵を描けるのだ。 嬉しくて仕方がない。 さぁ、共に夢を描こう。 エイスリン「キョウハ ナニ カコウ?」 エイスリン「……」 エイスリン「ウン アリガトウ…」クスクス 今日も明日も「彼」が 私以外を描くことはない。 972 名前:安価取ったのイッチかい![saga] 投稿日:2012/07/29(日) 22 45 00.37 ID yAsHID5Io 部室でラッキースケベ 胡桃 京太郎「遅くなりましたー!」 放課後、部室のドアを開けると胡桃先輩が着替えでいる最中だった。 京太郎(………) 京太郎(へぇ、一応ブラジャー付けてるのか) 白だった。 京太郎「あ、その下着よくお似合いですよ先輩!」 京太郎「じゃ、俺帰ります。お疲れ様でした!」 胡桃「こ、こら、逃げるな須賀君!トヨネ!捕まえてっ!」 姉帯「了解だよー!」 986 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 22 56 26.34 ID yAsHID5Io 姉帯「じゃー須賀君、あっちで先輩とお話しよーねー?」ニコ ストライドが違いすぎた。 京太郎「もう逃げませんから!片手で引き摺るのはやめてください!」 姉帯「んー?だめだよー」ズルズル ……… 胡桃「た、確かに鍵を閉めてなかった私も悪いけど!」 胡桃「ノックくらいするべきじゃないかなっ!」 京太郎「スミマセンほんとにスミマセン」 平謝りである。 こういう時「どうせなら豊音先輩の着替えが見たかった」などと余計なことを言うのは素人。プロは相手が馬鹿馬鹿しくなるまで謝り倒す。 なんてことを考えていたら胡桃先輩に蹴っ飛ばされた。 胡桃「今失礼なこと考えてたでしょっ!」 京太郎「…スミマセン」 992 名前:マゾ多すぎィ![saga] 投稿日:2012/07/29(日) 23 12 58.29 ID yAsHID5Io 972 放課後、部室のドアを開けると胡桃先輩が着替えでいる最中だった。 →部室のドアを開けると胡桃先輩が着替えている最中だった。 に修正で。夏休み設定忘れてるし誤字っとるし --- 胡桃「とにかく、須賀君には罰を与えるよ!」 京太郎「はい…」 観念して沙汰を待つ。 胡桃先輩はしばらく考えた後、 胡桃「じゃ、じゃあ、部活終わった後、前に行った喫茶店に付き合って!」 少し顔を赤らめて言った。どうやらまだ怒りは治まっていないようだ。 しかしだいぶ罰が軽いような? 京太郎「そんなことで良いんですか?」 京太郎「胡桃先輩と喫茶店とか、むしろこちらからお願いしたいくらいなんですが…」 995 名前:猿野かー。守備の不安もある程度解消されたしな。後はミートや[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 23 25 57.94 ID yAsHID5Io 胡桃「なっ!?」 姉帯「むぅー…」 絶句する胡桃先輩と少しむくれる豊音先輩。 何かおかしなことを言っただろうか? 京太郎「別に罰って形じゃなくても、先輩のお誘いならいつでもご一緒しますって」 京太郎「流石に毎日は金銭的にキツイですけどね」ハハ 胡桃「う、うん…」 顔を伏せてしまう先輩。 姉帯「わ、私も誘っていいかなー?」 996 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 23 38 42.15 ID yAsHID5Io 胡桃「!?」 姉帯「私も須賀君と喫茶店行きたいよー!」 嬉しいことを言ってくれる。 京太郎「じゃあ今日は3人で行きますか?」 胡桃「……」 胡桃「だ、ダメっ!」 京太郎「へ?」 胡桃「これは須賀君への罰なんだから、私と二人きりじゃないとダメだよっ!」 そういうものだったのか…。 何一つ罰になっていないとは思うが、着替えを覗いてしまったのは事実なので、反論し難い。 997 名前: ◆ttR5sQ5ZGLqG[saga] 投稿日:2012/07/29(日) 23 48 33.64 ID yAsHID5Io 胡桃「だからごめんねっ、トヨネ」 姉帯「うー、残念だよー」ションボリ しょげる豊音先輩も可愛い。 京太郎「じゃあ、明日の部活後空いてますか?豊音先輩」 京太郎「一緒に喫茶店行きましょうよ!」 姉帯「え?」 姉帯「いいのー?須賀君」 京太郎「もちろんです!」 姉帯「あはは、ちょーうれしーよー!」 ……… しかし、この時の俺はまだ知らなかった。 この会話がドアの外で残りの3人に聞かれていたということを。 そして、この日から5日連続で喫茶店に行く羽目になることを…。
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『他の子達は須賀くんが急に殴ってきたと言ってます』 『先生、京太郎が理由もなくそんなことするとは思えません』 『しかしですね、現に怪我をした子もいるわけですし……』 京太郎「……」 京太郎「手、いたいな……」 京太郎「母さん、まだかな」 「お待たせ~」 京太郎「べつに、まってないけど」 「さ、帰りましょうか。あ、手つないで帰る?」 京太郎「いいって!」 「京太郎、また喧嘩したんだって?」 京太郎「あいつらがムカつくこと言うから」 「喧嘩は否定しないと……しょうがないな」スッ 京太郎「――っ」ビクッ 「手、大丈夫か?」 京太郎「あ……うん」 「するな、とは言わないけどな、せめて怪我はするな。こっちも心配するからな」 京太郎「……」 「さて、そろそろ飯だな! 今日は何かな?」 京太郎「父さんがそんなんだから、おれも……」 京太郎「ごちそーさま」 「お粗末さま♪ 宿題は?」 京太郎「今日はないけど」 「それじゃあ、お母さんとお話ね」 京太郎「……今日のこと?」 「それもあるけど、最近元気なさそうだから……なにかあったの?」 京太郎「なんもない。いつも通り」 京太郎(そうだ、いつものことなんだ……) 「ウソでしょ、お母さんには話せない?」 京太郎「だから、なんもないって」 「本当に? もし悩んでることがあるなら――」 京太郎「うっさいな! なんでもないったらなんでもないから!」 京太郎「……もうねる、おやすみ」 「……まずいこと聞いちゃったかしら?」 「意地っ張りだからなぁ、男子ってのは」 「そう思うんならなにか言ってよ」 「悪い、俺はさっき話したから」 「もう……それで、明日だっけ?」 「ああ、少しは元気出してくれるといいんだけどな」 京太郎「いってきます」 「今日は学校終わったらまっすぐ帰ってきてね?」 京太郎「……わかった」 「絶対よ? 絶対だからね?」 京太郎「わかったって」 京太郎(なんて言ったけど……正直、学校行きたくないな……) 『見ろよこいつのあたま、ふりょーだふりょー!』 『やーい、まっきんきん!』 京太郎「……はぁ、サボろ」 京太郎「……」ボー 京太郎(サボるのはいいとして……なにすればいいんだろう?) 京太郎(うろうろしてたら、ほどーってのをされちゃうんだっけ) 京太郎(家にもどったら、またなんか言われるだろうし) 京太郎(というか、もう学校はじまってるな……家に電話されちゃってるかな) 京太郎「……はぁ」 「なにしてるの?」 京太郎「だれ、おまえ」 「こっちが聞いてるんでしょ」 京太郎「うっせーよ、ちかよんなよな」プイッ 「……えいっ」ゲシッ 京太郎「うわっ」ズシャ 京太郎「なにすんだよ!」 「こんな日なのにしんきくさい顔してるそっちがいけないんだから」 京太郎「わけわかんね……」 「あ、どこ行くのよ」 京太郎「……ふんっ」 「……とりゃっ」ドゲシッ 京太郎「うわっ」ズシャア 京太郎「さっきからなんなんだよ! なんでけるんだよ!」 「こっちの話を聞かないのがわるいんでしょ」 京太郎「てっめぇ……!」 「ぼうりょくふるうんだ。ふーん、先生に言っちゃおうかな」 京太郎「知るかよっ」ブン 「わっ、あぶなっ」 京太郎「ないたってゆるしてやんねーからな!」 「きゃっ、こわーい」タタッ 京太郎「まてよ、このっ」 京太郎「はぁ、はぁ……」 「ふぅ、ふぅ……」 京太郎「おまえ、足はやいな」 「そっちこそ……クラスじゃ一番だったのに」 京太郎「とにかく、もうにがさな――うわっ」グラッ 「わたしももうダメ……」ヘタッ 京太郎「……おまえもサボり?」 「そんなとこ。それより、おまえって言うのやめて」 京太郎「名前とか知らないし」 「そっか、そうだった」 「久、上埜久」 京太郎「うえの? 二組にそんなのがいたような……」 久「そゆこと。よろしくね、すがくん」 京太郎「……なんで名前知ってんのさ」 久「この前ケンカしてたでしょ。みんなふりょーだって言ってる」 京太郎「……」 久「ふりょーだからケンカするの?」 京太郎「ちがう、あいつらが……!」ギリッ 久「ふーん、じゃあかみそめてるからふりょーなの?」 京太郎「……そめてねーし。バカなやつらはしんじないけど」 久「ホント、バッカみたい。だってさ――」 久「そのかみ、お日さまにあたるとキラキラしてきれいじゃない」 京太郎「……は?」 久「それに外人さんみたいでかっこいいし」 京太郎「……アホくさ」 久「あ、まちなさいよ。わたしヒマなのに」 京太郎「ふん……ついてきたいなら好きにしろよ」 久「ツンデレってやつ?」 京太郎「わけわかんねーし」 京太郎「……」グゥ 久「……」グゥ 京太郎「おなかへった……」 久「……うん」 京太郎「いまごろお昼かな……」 久「うん……あ、そうだ」ゴソゴソ 久「これ、いっしょに食べない?」 京太郎「ポテチ?」 久「家出るときにこっそりもってきたの」 京太郎「学校におやつもってくとかいけないやつだな」 久「どうせサボるつもりだったからべつにいーの」 京太郎「そっか、サボってるんだった」 久「そうそう、じゃあ……」ググッ 久「あれ?」 京太郎「かせよ」ベリッ 久「……もうちょっとがんばったらあけれたのに」 京太郎「ぜったいパーンってなってたから」 久「やっぱりポテチはうすしおね」ポリポリ 京太郎「おれはのりしおの方が好きだな」ポリポリ 久「あれ、のりがつくのがなんてんね」 京太郎「いいじゃん、あとでなめればいいし」 久「うわ、男子ってへいきでそういうことするんだ」 京太郎「べつにいーだろ」 久「きたないからさわんないでよね」 京太郎「まだなめてねーし、ほら」 久「あぶらでべとべと!」 久「あーあ、せっかくのおたん生日なのにだいなし!」 京太郎「たん生日?」 久「お父さんは帰ってこれないって言うし……」 京太郎「それでサボったのか?」 久「……うん」 京太郎「ガキっぽいなー」 久「はぁ!? じゃあそっちはなんでサボってんのよっ」 京太郎「お、おれのことなんてどうでもいいだろっ」 久「ふこうへい! ぜったい話してもらうから!」 久「ふーん、それで学校行きたくないんだ」 京太郎「わ、わるいかよ」 久「ガキっぽい」 京太郎「う、うるせーな!」 久「ほかのやつらがね」 京太郎「……だよな!」 久「なにあせってんの?」 京太郎「なんでもねーから!」 『そのかみ、お日さまにあたるとキラキラしてきれいじゃない』 京太郎(……そういや、言ってたな) 京太郎(あんなこと言われたの、はじめてだ……) 久「どしたの?」 京太郎「なんでもねーって!」 京太郎「もう下校時間だな……」 久「あーあ、帰りづらいなぁ」 京太郎「ホントそれだよな」 久「もうちょっと遊んでる?」 京太郎「いいや、帰るよ。すぐ帰ってこいって言われたし」 久「へんなとこでりちぎなんだ」 京太郎「えっと……おまえ、なんて言ったっけ」 久「だからおまえって言わないでってば! 上埜久、ちゃんづけだけはやめてよね」 京太郎「じゃあそうだな……」 京太郎「うん、ひさちゃんだな」 京太郎「というわけでよろしく、ひさちゃん」 久「ちゃんづけやめてって言ったのに!」 京太郎「女子も気になるんだな。おれはいきなりよびすてにされたらカチンときたけど」 久「じゃあ、あんたはきょうたろうね」 京太郎「はぁ!? よびすてかよ!」 久「そっちだってワザとちゃんづけしたでしょ……っと」 久「じゃ、また明日学校でね。バイバーイ」 京太郎「……ふん、帰ろ」 「おかえりなさい」 京太郎「……ただいま」 「ちゃんと帰ってきたのね。えらいえらい」ナデナデ 京太郎「おこんないの? その、サボっちゃったのに……」 「たまには一人になりたいかなーってね。そーれーにぃ――」 「なんと、お母さんは妖しげな術で居場所をサーチできちゃうんだから!」 京太郎「……はぁ?」 「すごいでしょ」 京太郎「ウソくさ」 「ふーんだ、信じてもらえなくたっていいもーん」イジイジ 京太郎「とりあえず、ごめんなさい」 「だから、無事帰ってきただけで十分よ」ギュッ 京太郎「……うん」 「あ、でも先生は怒ってるかもしれないから気をつけてね」 京太郎「うっ……」 「……それで、明日は学校に行ける?」 京太郎「……」 『じゃ、また明日学校でね。バイバーイ』 京太郎「行くよ。バカでガキっぽいやつらの言うことなんか気にしない」 「そう、じゃあ大丈夫ね。……あ、好きな子でもできた?」 京太郎「……なんでそうなるのさ」 「母親の勘? うーん、これは当たっちゃったかな?」 京太郎「ちがうから。ぜんっぜんちがうから」 「ふふ、あーやーしーいー」ツンツン 京太郎「や、やめてよ……」 「ただいまー。お、帰ってたか」 「おかえりなさい♪」 「連れてきたぞ。家の中あったかくしといてくれたか?」 「もちろん」 京太郎「なにその大きなカゴ」 「これか? そうだな……新しい家族だよ」 京太郎「かぞく?」 「百聞は一見に如かず……ほら」 「キュッ!」 京太郎「ど、どうぶつ?」 「キュッキュッ」スリスリ 京太郎「うわ、なにこいつ」 「カピバラだな。ネズミの仲間だ」 京太郎「ネズミにしては大きすぎる……」 「まだ子供だからな、もっと大きくなるぞ」 京太郎「それに、なんだか、くっついてくるんだけど」 「一番人懐っこいのもらってきたからな。まぁ、遊んでやってくれ」 「あ、そうだ。名前つけなきゃね」 「京太郎、お前がつけてやれ」 京太郎「え、おれが?」 「キュッ、キュッキュッ」クイクイ 「ほら、催促されてるぞー?」 京太郎「わ、わかったよ……」 京太郎「カピバラだから……カピ、とか?」 「……ぷっ」 「……ふふっ」 京太郎「……なにさ」 「いやいや、安直だけどいいんじゃないか?」 「この子も気に入ったんじゃない?」 「キュッ!」 京太郎「そ、そうかな?」 「キュッキュッ!」スリスリ 京太郎「……これからよろしくな、カピ」 京太郎「あ~、やっぱ学校行きたくない……」 京太郎「でも行くって言っちゃったしなぁ」 京太郎「はぁ……」 『じゃ、また明日学校でね。バイバーイ』 京太郎「……まあ、わるいことばっかじゃないかな」 「あ、ぼーりょくま!」 「まっきんきんのすが!」 京太郎「……」 「学校出てきたのかよ」 「ずっと休んでりゃいいのにな」 京太郎「……ふん」スタスタ 「な、なんだよ、やんのか?」 「また先生に言いつけてやるからな!」 京太郎「バカなうえにガキっぽいのにつきあってる時間とかねーから」 京太郎「じゃーな」 久「あ、きょうたろうじゃん。いっしょに行かない?」 京太郎「じゃあどっちが先につくかしょうぶな」 久「えー? 朝から走りたくない」 京太郎「お先っ」ダッ 久「ちょっ、ひきょうもの!」ダッ
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207 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 08 32.04 ID NDoNzpb4o 【とある放課後】 菫「ふむ。今日の店はなかなかだったな」 京太郎「そうですね。素材の味を活かしつつ、ふわっと鼻を抜ける甘さ」 京太郎「それでいてしつこくなく、さっと溶けてしまう口どけ……」 京太郎「男でもペロリと食べられてしまう良いスイーツでした」 菫「ほう、お前もなかなか分かってきたな」 京太郎「そりゃまぁ暇さえあれば菫さんのスイーツ巡りに付き合わされてますからね」 京太郎「かなり違いが分かる男になりましたよ」 菫「そうか……」 京太郎「あれ?どうかしました?」 菫「あ、いや、よくよく考えれば無理矢理つき合わせて済まない事をしてるなと思ってな」 菫「そこまで分かるようになったと言う事は、それだけ私がつき合わせてしまったという事だし……」 菫「今更ながら本当に済まない」ペコリ 京太郎「あーもう!顔を上げてくださいよ」 京太郎「別に嫌で付き合ってるわけじゃないんですから」 菫「だが最初はそんなに好きじゃなかったはずだろ?」 京太郎「まぁ嫌いじゃないですけど、好んで食べるってほどじゃなかったのは確かですね」 京太郎「つーかおやつと言えばおやきでしたし」 菫「おやきか……まだ食べた事ないな」 京太郎「結構美味いっすよ?腹持ちも良いですし」 京太郎「まぁスイーツではない事は確かですけど」 菫「それぐらいは分かってる!」 京太郎「あはは。まぁ機会があれば食べさせてあげたいですね」 菫「それは楽しみ――いや、止めておこう」 208 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 10 57.84 ID NDoNzpb4o 京太郎「へ?」 京太郎「やっぱりスイーツ以外はダメっすか?」 菫「……そう言う訳じゃないんだ」 京太郎「でしたら何故?」 菫「…………なぁ京太郎。今日で終わりにしよう」 京太郎「は?」 京太郎「終わりって何がですか?」 菫「その……私に付き合ってスイーツを食べる事だ」 京太郎「どうしてです?」 京太郎「あ、もしかしてさっきの事ですか?嫌だなぁ、今はスイーツも好きっすよ」 京太郎「今まで食べてこなかった事を後悔してるくらいですし」 菫「それは私としても凄く嬉しいが、そう言う事じゃないんだ」 京太郎「じゃあ何が問題なんです?」 菫「あー……えっと、その……だな」モジモジ 京太郎「菫さん?」 菫「……コホン」 菫「つまりだ。こうして二人で出かける事だ」 209 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 17 20.40 ID NDoNzpb4o 京太郎「はい?」 菫「考えてみれば若い男女が付き合ってもいないのに、二人でスイーツ巡りなんておかしいだろ?」 菫「……それを頼んだ自分から言うのもおかしな話なんだが」 京太郎「まぁ……それは確かに」 京太郎「でもそれこそ今更ですけど……」 京太郎「あ、もしかして誰かに何か言われたんですか?」 菫「!」ギクッ 菫「そ、そ、そ、そんな事はない!」アセアセ 京太郎「……そうなんですね」 菫「……ああ」 菫「どうやら少し目立ってしまったようで、何度か見られてしまったらしい」 菫「まぁその時は誤魔化したんだがな」 京太郎「そりゃまぁ何時かはばれてしまう可能性は有りましたしね」 京太郎「ああ、だから止めようと」 210 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 21 25.74 ID NDoNzpb4o 菫「……それもある」 京太郎「?」 京太郎「他にも理由が?」 菫「……その見たと言う奴に京太郎と付き合ってるのかと言われてな」 菫「勿論それも誤魔化したんだが……」 京太郎「それもまぁ仕方ないっすね。男と女が二人いたら付き合ってるって思われるのが普通ですし」 京太郎「友人とか言っても信じてもらえないかも」 京太郎「でもまぁこっちには何もやましい事なんて――」 菫「……だからだよ」 京太郎「へっ?」 菫「だからこそお前と一緒に居るのは辛いんだ」グッ 菫「お前がそう言う目でしか私を見ていないから……」 京太郎「菫さん?何を言って――」 211 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 22 50.79 ID NDoNzpb4o .i. . . {. . !. . . .} .}! . .i} . . }i . . .', .ハ.!.; . . {. . i i . . .}! }i . .}i リ .}i . . . ,ハ{. . . .{.,i;;;;!};;;;;;;;}!;;} !;;_}ェz-チ} . . . i ハ.i.}. ',. ヽ乍示勿 ゞ=゙'チ. . . . .i}从.ヾ!',.',. ヾー ´ i . i . i;;;i゙ }.i. ;ヾ; .ゝヽ 丶 ハ;;i尤リ! i .}.ヾ,,ヽヾ、 ‐ - イ . ! .ii}i. i } . l . . . }> .. _. . '. {. . . i .i} ! ! i . !i'´`ヾー 、 . , '. ./、 . . . i.! !. { .i . { .. i≡ヾ .iノメ.ヾ、 i.i i,メi i ! i. .ゝ i./ . ヽ,冫i i//i .!/ヽ、 !ヾ、 ゝ、. }ゝ .i ノリ从ゝ、//i !///ヽ、! ヾ、 〈 .iノ. }. i }/////i//ヽ/、 i i/////ヽ ヾヤ三廾} i.}/////i///ハ/.ヽi i、 /////ヽ .ヾ≡=} i.!////冫///y 菫「……お前が好きなんだ」 212 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 23 57.58 ID NDoNzpb4o 京太郎「えっ?」 213 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 28 57.35 ID NDoNzpb4o 菫「最初に出会った時は別に何とも思っていなかったし、ああ照にも幼馴染とか居たんだなとか言う認識だったんだが……」 菫「その後はまぁ随分と私の人に見せたく無い部分を見られてしまったよ」 京太郎「あはは。最初は面食らいましたね」 京太郎「クールそうな菫さんがゲーセン通ってたり、スイーツ好きだったり……」 京太郎「でもそう言う事をしてる菫さんって普段以上に素敵だなって思いましたけど」 菫「……お前はバカでスケベですぐ調子に乗って――」 京太郎「うぐっ……」 菫「――だけど本当に良い奴で、一緒に居ると楽しくてドキドキして……」 菫「私が私で居られないような……自分がどうにかなってしまいそうな気持ちになるんだ」 京太郎「……」 214 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 31 03.88 ID NDoNzpb4o 菫「……お前は私の事を友人だと思ってくれている」 菫「その事自体はとても嬉しい」 菫「だけど、私も女だからお前に愛されたいと思ってしまう」 菫「苦しくて切なくて……」 菫「この気持ちを伝えることすら悩んでた」 菫「…………私は弱いから、お前に拒絶される事が凄く恐ろしい」 菫「――だからお前とこうして会うのはこれで最後にしようと思う」 菫「明日からはただの友人。お互い何も知らなかった、そう言う関係に戻らないか?」 京太郎「菫さん……」 菫「随分勝手で虫の良い話だとは思うが、そうしてくれるとありがたい」 菫「お前には本当に今まで迷惑をかけたが、これで――」 京太郎「菫さん!」 京太郎「 218」 告白の言葉をどうぞ ※ただし何か変なものは安価下。あと調理できそうに無い場合も申し訳ないですが安価下 225 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 00 59 20.42 ID NDoNzpb4o 嫌なら抵抗してください、と言い抱きしめる 京太郎「……嫌なら抵抗してください」ギュッ 菫「なっ!?」 京太郎「――菫さんは本当勝手ですね」 京太郎「自分が言いたい事だけ言って、勝手に結論を出して、勝手に決めて……」 京太郎「まったく、呆れて物も言えません」 菫「ぐっ……」 京太郎「だけど――」 京太郎「まぁそう言うところも菫さんらしいかなって思いましたけどね」ニッ 菫「……京太郎」 京太郎「それにしたって思い込みが激しすぎですが」 京太郎「……俺がどう思ってるかも聞かないで」 菫「それは……だってお前は私の事を友人だって……」 京太郎「確かにそう言いましたけど、それは菫さんが俺と同じ気持ちだなんて知らなかったから」 菫「えっ?」 京太郎「……すぅ」 京太郎「よし」 京太郎「あのですね。俺も菫さんの事――」 京太郎「好きですよ」 226 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01 14 07.85 ID NDoNzpb4o 菫「う、嘘だ!」 京太郎「嘘じゃないですよ」 菫「だってそんな素振り一度も見せなかったじゃないか!」 京太郎「いやだってそれは……」 京太郎「大体そんな事を言ったら、菫さんだってそんな素振り見せてましたか?」 菫「ううっ……」 京太郎「でしょう?本当に好きな人にはそんなの見せませんって」 菫「むっ……確かに」 京太郎「そう言う事です」 菫「だけど私のどこに君に好かれる要素が……」 京太郎「そうですね――」 京太郎「クールで冷静沈着で頼りがいがありそうで……」 菫「///」 京太郎「しかし蓋を開けてみれば、可愛いものとスイーツが好きで照に負けない残念さでしたね」 菫「お、おい!」 京太郎「だけどそう言うギャップも含めて可愛いと言うか、一緒に居たいと思うようになって……」 京太郎「気付いたら好きになってた……って所でしょうか?」 京太郎「……恥ずかしいですけど///」 菫「そ、そうか///」 京太郎「……///」 菫「……///」 228 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01 27 48.45 ID NDoNzpb4o 京太郎・菫「「あ、あの!!」」 京太郎・菫「「!?」」 京太郎「ど、どうぞ……」 菫「そ、そっちから……」 京太郎「じゃ、じゃあ……」コホン 京太郎「その……返事なんかを頂けるとありがたいのですが」 菫「そ、そうだな……」 菫「……」 京太郎「……」ゴクッ 菫「……なぁ。本当に言わなきゃダメか?」 京太郎「お願いします!」 菫「うぅ……何でこう言う時には素直に言えないのか」 菫「……あー、えっとそのだな」 菫「…………好き」ボソッ 京太郎「へっ?聞こえないっす」 菫「私も好きだと言ったんだバカ!///」 229 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01 33 02.42 ID NDoNzpb4o 京太郎「バカは酷くないですか?」 菫「バカバカバカ!お前は大バカヤロウだ!」ポカポカ 菫「だけど――」 菫「――好きだ」 京太郎「俺もですよ」 チュッ 230 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01 35 17.98 ID NDoNzpb4o ,r‐─===‐- _ / ´ `ヽ \ `ヽ . "/ . / / / .. / / / / |i | li } . //イ /⌒i | | |i l⌒|i } i .'/ ∨ ,,__|i_| 」_八_/i リ } |. 〔// 〔 ̄` =ミ、/ } . //| | ′ "" / リ ′ /_ | 从 / / / / / 〔 |_ /ハ t ァ /___ / _/ ' / / . ./ , |i ′ . / / ーr‐ ´/ ハ |i | / ' _.ノ〕 . //> | . 〔´ / ' / `ヽ ' 〃 / / ' \. / | ∧_/ / /⌒\/ | .′/ / / ヽ 菫「私は狙った相手は逃がさないからな。覚悟しろ」 231 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/08/16(土) 01 37 22.81 ID NDoNzpb4o 【弘世菫の好感度がMAXになりました】 【弘世菫が恋人になりました】 【弘世菫が覚醒しました 以後タッグ及びチーム戦において使用が可能になります】 弘世菫(覚醒ver) 【聴牌速度】(45/∞) 【和了速度】(45/∞) 【放銃補正】(39/∞) 【打点補正】(35/∞) 【防御補正】(41/∞) 【結ばれし絆《アカイイト》】 【聴牌速度】【和了速度】【放銃補正】【打点補正】【防御補正】がカンストしなくなる それに加え全ての補正が恋人ランク÷2[現在値:0]上昇する また恋人ランク5以上なら京太郎のスキル(教えてもらった、または自力で取得したもののみ)をコピーできる 更に恋人ランクMAXならこのスキルはあらゆるスキルに無効化されない 【シャープシュータースミレ】 聴牌した場合、和了コンマ+30 【打点補正】+20 【スーパーシャープシュート】 狙った相手を直撃できる、またツモをロンにして発動可能 聴牌判定後、使用の有無及び相手を指定する 放銃判定最低の相手以外を狙う場合、更に点数コンマが(狙う相手の放銃判定-最低放銃判定)÷2減る 7月へ
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(準決勝・実況席) 恒子「さぁ、準決勝先鋒戦前半戦もいよいよ大詰め、オーラスを迎えました! ここまで下馬評通り宮永選手の圧倒的リードで進んでおります」 恒子「対して新道寺、かなり大きなマイナスを背負っています。これは苦しいか!」 健夜「さすが宮永選手、だね。おととしよりも去年、去年よりも今年、着実に進化してる」 照『リーチ』 123s4567778p發發發 恒子「おぉっと! オーラスで駄目押しのダブリーが入った!」 健夜「しかも4面張。豪快なフィニッシュになりそうだね」 煌『……』 『煌手牌』 125m289s23369p東南 ツモ南 ドラ4s 健夜「うーん、これはもしかしたら新道寺の子から出ちゃうかもね。手なりで打つなら9筒が不要牌だし」 恒子「なるほどー。さすがプロ生活20年ともなればそれぐらいの予想はお手の物だね」 健夜「だからアラフォーじゃ……って、ずいぶん長考だね」 恒子「まぁねー。これだけ点数取られた状況でダブリーかかっちゃ無理もないか」 健夜「俯いて……ちょっと震えてる。大丈夫かな?」 煌『……』 煌『……』 煌『……』スゥ 健夜「ん? 深呼吸してる?」 恒子「出しちゃうのかな?」 煌『……』ギリッ 煌『ッ!』打5萬 恒子「ブッ!」 健夜「こ、これはずいぶんと思い切ったね」 恒子「す、すこやん。これはどういう打牌なのかな?」 健夜「うーん、おそらく123の三色とチャンタ、ピンズ一通とピンズの混一色を見た一打……かな?」 健夜「この格好から5萬周りを引いても高い手にはならないからね。 赤頼みも阿知賀の彼女がいる状況じゃ望み薄だし。だったら手役を作らなくちゃいけないとなると」 恒子「5萬切りってことかー。でも、この手牌から? まぁ、点数取り戻すために高い手狙うのはわかるけど、うーん」 健夜「そうだね。ダブリー入っている状況でやるにはなかなか勇気があるというか無謀だけど……成就、するかなぁ」 (新道寺控室) 姫子「は、花田ってあんな豪快な一手が打てる奴だっけ?」 美子「」ブンブン 仁美「驚いたわ」ポカーン 哩「(……そか。そうだな)」 哩「(花田、頑張れ。お前の意地、見しぇてやれ)」 (会場) 照「(随分脂っこいところを通してきた……。でも、この待ちだったらいずれ)」カチャッ 煌「……れ……ない」打8索 照「?(何か言ってる)」 煌「ま……ら……」打9索 煌「………れない」打2索 煌「……け………」打1萬 煌「………れ……」打2萬 照「(この子……危険牌を6枚も……!)」 煌「……」打5索 煌「……」打6萬 煌「……」打東 煌「……」打發 玄「(新道寺の人が突っ張ってくれてるから安牌には困らないけど……)」パシッ 怜「(あの宮永照のダブリーの前にここまで……)」パシッ 照「(引けない……嫌な、感じがする)」パシッ 煌「っ!」チャッ 煌「……9筒。暗カン」 照「(私の待ちの一つを……!)」 煌「……けられない」打中 照「えっ?」 煌「決勝に行って、会いたい子がいるんです。同じ舞台に立って、伝えたいことがあるんです」 煌「今更出て行って、私の言葉は届かないかもしれないけど。強くもない先輩ですけど。それでも、それでも」 煌「先輩として……かわいいかわいい後輩と」 煌「どうしても、話がしたいんです。そのために同じ所に立たなくちゃいけないんです」 煌「だから」 煌「だからっ!」 煌「だから、ここで、負けられないんです!」ギッ 煌「リーチっ!」打2筒 照「(追いつかれた!?)」 玄「(嘘……ダブリーを掻い潜った)」 怜「(ありえへん……)」 照「くっ……」ツモ5筒 照「(アガれない……! しかもこれはっ!)」パシッ 煌「ロンッ!」 『煌手牌』 3335567p南南南 カン9999 ドラ4s、中 煌「リーチ、一発、南、混一色、三暗刻……こんな場でも、乗るものですね。裏3で24,000」 (白糸台控室) 尭深「嘘……」カシャン 誠子「わっ、尭深! 湯呑湯呑!」 菫「……初めてだ」 淡「えっ?」 菫「あいつが、照が三倍満に打ち込んだのを初めて見た。そもそも跳萬以上に振り込むこと自体、いつ振りか」 淡「……新道寺の先鋒は実績もなくて、捨て駒だって話じゃなかった?」 菫「あぁ、そのはずだった。そのはずだったんだが……」 誠子「途中までの打牌も平々凡々だったのに」 菫「なんだ。いったい、あの選手に何があったんだ?」 (実況席) 恒子「」 健夜「こーこちゃん、しっかり」 恒子「はっ。あまりのことに思わず言葉を……」 健夜「危険牌12枚切って三倍満打ち取りだからね。しょうがないよ」 恒子「いや、出来過ぎでしょ」 健夜「うん、私だって普通に宮永選手がアガって終了だって思ってたもん」 恒子「でも結果として、あのチャンプが三倍満放銃とは……」 健夜「あの子の打牌にすごく強い意志を感じたよ。想いや意志で麻雀が勝てるなら苦労はしないけど、それでも」 健夜「それがなくちゃ、勝てないときもあるんだよね。本当にすごかったよ」 (会場) 煌「はぁ、はぁ、はぁ」 怜「(えらい消耗しとるな。あんな真似すりゃ無理もないか)」 玄「(負けられない……か)」 ――――決勝に行って、会いたい子がいるんです。同じ舞台に立って、伝えたいことがあるんです ――――どうしても、話がしたいんです。そのために同じ所に立たなくちゃいけないんです 玄「……私だってっ!」 照「?」 玄「私だって、負けられないのです。決勝に行って、会わなくちゃいけない人がいるんです」 玄「大切な、大切な友達で」 玄「そこまで長い付き合いじゃなかったかもしれないけど、それでも大切な友達で」 玄「だからっ、私だって!」 玄「絶対に、負けれないんです」ゴッ 煌「……」コクリ 怜「なんや、二人して熱くなって……」 怜「……ふふ」 怜「でもこういうの、嫌いやないで。こっちも……負けてられんなぁ」ゴッ 照「(この子たち……!)」 (観客席) 京太郎「……」 和「……」 優希「……」 京太郎「……優希」 優希「……なんだじぇ?」 京太郎「あの、新道寺の人って中学の時の先輩なんだって?」 優希「そうだじぇ」 京太郎「……いい先輩だな」 優希「うん……後輩思いで面倒見がよくて、世話になったものだじぇ」 京太郎「そうか……和」 和「……なんですか」 京太郎「あの阿知賀の人が……」 和「はい、昔の友人です」 京太郎「いい人だな」 和「はい、あんなに私のことを想ってくれてるなんて正直思ってもみなかったです」 京太郎「そうか、よかったな?」 和「……はい」 京太郎「……」 和「……」 優希「……」 京太郎「……決勝、何が何でも行かなくちゃな」 和「……ええ」 優希「……そうだな」 京太郎「……」 和「……」 優希「……」 3人「(どうしよう……)」 (会場某所) 照「……」 菫「お疲れ、照」 照「うん」 菫「何とか2着通過だったな。危なかった」 照「……ごめん」 菫「な、なぜ謝る?」 照「本当は私がもっと点数を叩きたかったけど……7,000点しか稼げなかった。前半戦のリードを大分食いつぶされたから」 菫「謝ることではないだろう、プラスはプラスだ。だけど、正直驚いた。照が準決勝でここまで手こずるとは」 照「その……」 菫「いや、別に攻めているわけじゃない。本当に驚いただけ」 照「……」 菫「……私は」 照「菫?」 菫「私は照とあの清澄の大将の関係はよく知らない」 照「っ」 菫「デリケートな話なんだろ? だから無理に聞き出そうとはしない。だけど……聞いてるんだろ? あの話」 照「……」コクリ 菫「で、これはさっき試合後に聞いたんだが、新道寺と阿知賀の2人はどうやら 清澄のメンバーと知り合いらしいな。……だから、会って話がしたいと」 照「……」 菫「本当になのか。本当だとしたら、どうしてそんなことになってしまったのか。 大切な友人だから、かわいい後輩だから、できるなら止めない。泣かせる話だな」 照「……何が言いたいの?」 菫「阿知賀は勝ったが新道寺は落ちた。私たちはあの子の願いを踏みつけて行くわけだ」 照「……菫」 菫「わかってる。別に後悔をしているわけではない。……だけど、踏みつけるのではなく、それを背負っていくことはできるはずだ」 照「せお、う?」 菫「きっと、話をして、できるなら止めたいんだかったんだろうな、あの子は」 照「多分」 菫「で、だ。……お前だって、話したい子がいるんじゃないか。あの話を聞いていたってことは何も感じなかったことはないと思うが」 照「……」 菫「……さっきの発言を撤回する。ちょっと踏み込んだことを言うぞ?」 照「えっ?」 菫「『妹』なんだろう?」 照「っ」 菫「『姉』として、『家族』として、できることができるんじゃないか? 止めてやることも、できるんじゃないか」 照「……」ウツムキ 菫「悪かった。ズケズケとプライベートなことに踏み込んだことは謝る。だけど、考えてみてほしいんだ。頼む」 照「……うん、わかった」 菫「そうか、よかった。……さっ、何か食べて帰るか?」 照「うん」コクリ 京太郎「今日こそは……」 我等が清澄高校の準決勝を翌日に控えた夕暮れ時、本日は部員一同ゆっくりと過ごすこととなった。 こんな状況なので人目を気にしているというのもあるが、最近はいろいろありすぎてみんな疲れ気味だ。 和などは最近は掲示板の内容に目を通しつつ怒ると言う大変不毛な行為を繰り返している。 見るのをやめればいいもののどうしても気になるそうな。 俺もホテルでゆっくりしていようと思ったが、どうしても行きたいところがあったのでこうして東京の街を歩いている。 京太郎「さて、今日は居るかな?」 財布の中の小銭を確かめながら、俺は目的地であるゲームセンターに足を踏み入れた。 入り口に設置されているクレーンゲームや大型筐体には目もくれず、 比較的奥に設置されている格闘ゲームのコーナーに足を向けた。 休み中なので俺と同じような高校生と思われる人間も多い。 その人ごみをかき分けながら、筐体の一つ一つに目を向ける。 京太郎「居たっ」 思わず口に出てしまう。 プレイヤーネームに『AwaAwa100』という表示。 筐体の向こう側でプレイしているため顔は見えないが、間違いなく彼女だ。 相変わらずのえげつない腕で、俺の目の前で対戦している少年が操作しているキャラクターを固め殺している。 京太郎「あの6Cを1発目から小パンで……」 考えてきた対策を軽く口に出して復習する。 まぁ、この状況で分かったと思うが俺はリベンジにやってきたわけである。 大会始まる前の期間にぶらりと寄ったゲーセン。 せっかく東京に来たんだからと軽い気持ちでよくやっている格ゲーをプレイしてきたときに乱入してきたのがこいつだ。 正直自分の腕はそこそこあると思っていたが、そんなプライドをメタメタのギッタギタにしてくれたのがこいつだ。 負けも負けたり20連敗。しかも対戦していたのが自分と同じぐらいの女の子とあっては凹みに凹んだ。 あれから何度か対戦を挑んでいるが今のところ全敗である。 しかし、この前対戦した時は惜しいところまで行ったのだ。 最終セットまでもつれこみ、大技が入ってコンボを完走すれば勝ちというところだった。 京太郎「まさか、残影牙拾いに失敗するとは……牙昇脚にしておけばよかったなぁ……」 あとちょっとで勝ちというところで痛恨のコンボミス。 そしてグチャグチャっとなったところであえなく敗北した。 思わずうがーっと叫んだところで、お互い顔ぐらいは知っている程度に対戦していたが 会話はしたことがないはずのあいつにこう言われたのだ。 ?『コンボミスをすることで勝ち確を逃すことができるwwwwwねーねーアレ落とすってどうなのwwwwww今どんな気持ちwwwww』 人は言った。格闘ゲームは人の性格を悪くする、と。 若干記憶が脚色されている気もするが、ファーストコンタクトがこれだからかわいい女の子といえども印象最悪である。 で、そう言われて顔真っ赤になった俺は懲りずにこうやってリベンジにやってたのだ。 ちょうど目の前の少年がパーフェクト勝ちをされ、肩を落として席を立った。 俺は入れ替わるように席に座ろうとして、気になっていたことを思い出し、筐体の向こう側を覗いてみた。 ?「~♪」 そこにはCPUを相手に楽しそうにコンボ練習をする姿。癪な話だがかなりの美少女、というやつだろう。 そうやって、改めて顔を見直して俺は確信した。 京太郎「(……やっぱり)」 3人で観戦したAブロックの準決勝。 観客席から見つめる画面の向こうに、俺をぼっこぼこにした奴が白糸台の大将として恐るべき実力を発揮する姿があった。 その立ち振る舞いは負けた俺を煽る姿とは一致せず、思わず呆気にとられたものだ。 京太郎「(白糸台の大将……大星淡、だったか。麻雀も強くて格ゲーも強いとかなんだよそれ)」 この世の不公平さを嘆きつつ、俺は100円を入れてカードを筐体に読み取らせた。 今日こそは勝ってやる。 こうやって負け続けるのは精神衛生的にも財布の中身的にも大変よろしくないからだ。 (対戦中) 京太郎「っつつつ」ガチャガチャ 淡「画面端ごあんなーい。固めるよー」ガチャガチャ 京太郎「あぶねっガードできた……」ガチャガチャ 淡「ふーん、大分頑張ってきたみたいだねー」ガチャガチャ 京太郎「ここで暴れてッ」ベシベシ 淡「あっ、やばっ」イタイニャス 京太郎「中段通った!」イキマスヨ、ジャヨクホウテンジン! 淡「立った! 立ったって!」ガチャガチャ 京太郎「よっしゃ! ここで蛇翼からODでっ!」コレカラガホンバンデスヨ! 淡「あーあ、さすがにこのセットは取られたかな」ガチャガチャ 京太郎「よし、これで蛟竜で締めれば……あっ」ガチャガチャ 淡「あ、繋がってない。んじゃ、美味しくいただきますっと」ニャスニャス 京太郎「あああああああああああああああああ! 保障高過ぎだろぉぉぉぉぉ!」ディストーションフィニッシュ! 京太郎「」 結論から言おう。 負けた。負けました。10連敗しました。 しかも何戦かは勝ちが見えてたのにお手手プルプルしてコマンド入力をミスるとかいうあまりにもアレな負け方。 ベッコベコに凹まされて現在は自販機コーナーのベンチで自棄コーヒー中である。 京太郎「ふぅ」 いつもよりコーヒーが苦く感じる。これが敗北の味というやつか。 完全に負け癖がついてしまった。家庭用が出たら練習しよう。 長野に帰る前に1度ぐらいは勝ちたいなぁ。 湯だった頭でそんな風に取り留めのないことを考えているときだった。 淡「ねーねー」 京太郎「俺?」 淡「そうに決まってるじゃん」 話しかけてきたのはあいつだった。 というかまともに話しかけられたのはこれが初めてだったからちょっと戸惑ってしまう。 そいつは探るような視線を俺に遠慮なく向けながら口を開いた。 淡「ねぇ、ちょっと聞きたいことあるんだけど、いい?」 京太郎「別に、いいけど」 淡「清澄の須賀京太郎って、あんた?」 考えてみれば当たり前の話だ。 相手も麻雀部員だ、例の噂を聞きつけていて居るのは当然だろう。 だが、あの噂が流れていることを知ってから他校の人間とこうやってまともに話すのは初めてなので、 内心めんどくさいことになったな、とちょっと焦る。 京太郎「……そうだけど」 淡「やっぱり? ネットの画像の通りだ。へー、ふーん」 そう言いながらジロジロと上から下まで品定めするように見てくる。 こいつ(いいよね、こいつならこいつ呼ばわりで)は礼儀というものを知らんのか。 このゆとりめ。いや、俺もゆとりだけど。 一方的に聞かれるのもしゃくなので、ちょっと反撃してやる。 京太郎「そういうそっちは、白糸台の大星淡さんだよな?」 淡「へぇ、私のこと知ってるんだ」 京太郎「準決勝、見てたしな。うちが決勝に行けば、当たる相手だし」 淡「なるほどねー。いやー、有名になるのも大変だー」 ケラケラと笑うこいつを見て驚きの表情一つも見せないことにげんなりする。 こいつ大物だわ。 それともただのバカなのか。 個人的な所感では間違いなく後者。 うん、確信。 京太郎「で、何の用だ?」 淡「あ、もしもしテルー? うん、そう、いまね……」 京太郎「聞けよ」 俺の問いには答えず目の前の珍種は気づけば俺を無視して電話を始めていた。 思わず乱暴な突込みが入ったけど、いいよね。同い年だし。 黙って帰ってもいい気がしたけど、それはそれでめんどくさいことになりそうだし、仕方なく電話が終わるのを待った。 淡「うん、それでね、大会が終わったらね……」 淡「それでね、たかみーが抹茶ケーキを……」 淡「ケーキといえば駅前のモールに……」 淡「そうそう、Aちゃんに彼氏が……」 淡「この前会ったんだけど、なんかすごい電波で……」 淡「哲っちゃん達者で打ってるかいってブツブツ言いながら体がプルプル震えてて……」 京太郎「お前何の話してるんだよ」 5分間我慢したんだけどもういいよね。 横で聞いてる限りどう考えても俺と関係する話をしているとは思えない。 付き合ってられんとばかりに踵を返そうとしたとき、そいつは俺の顔を見て『あっ、やっば忘れてた』って顔をした。 淡「あっ、やっば忘れてた」 京太郎「おい」 一点読みが通ったのにまったく気持ちよくない。 というか俺はこんなツッコミキャラだっただろうか。 部の皆といるときは結構ボケるほうだと思っていたのだが。 淡「うん、そう。噂の清澄の、うん、会いたいって言ってた」 淡「そうそう、そいつ。今ゲーセンに居るよ」 淡「あっ、ゲーセンに行ったことはスミレには黙っておいてね? また怒られるから」 淡「うん、それで、どうする……うん、うん」 淡「わかった、あそこだね。りょーかい」 俺を置き去りにすることたっぷり10分。 俺は途中で痺れを切らしクレーンゲームでぬいぐるみを3つ取ってで 『妹の彼氏を姉が寝取り泥沼になった姉妹に挟まれ精神崩壊する彼氏ごっこ』をして遊んでいた。 彼氏が追い詰められた挙句の自殺後、葬式帰りに二人が刃傷沙汰になるという佳境のシーンでこいつはようやく電話を切った。 即興のシナリオにしてはなかなかいい出来だと思う。 なんかの賞にでも応募してみようか。 淡「明日なんだけど、ちょっと時間ある?」 電話を切って一言目がこれ。 単刀直入である。突然すぎて色気も何もあったもんじゃない。 女の子の誘いだからもっとテンションが上がってもよさそうだが心はコールアングレの音が響く 中央アジアの草原のような穏やかさである。 こいつはあれだ、優希と同じカテゴリだ。 京太郎「うち、明日試合なんだが……?」 淡「自分が出るわけじゃないでしょ。それに開始前に時間は調整したから問題なし!」 京太郎「おい」 返事を聞く意味があったのだろうか。 あと、そろそろ殴っても文句は言われないだろうか。 淡「明日10時に会場最寄駅の横にある喫茶店で人が待ってるから。じゃ、よろしくっ!」 そう言ってそいつは振り返り帰ろうとする。 俺はそれを呆然と見送りかけたが肝心なことを聞いてないことに気づいてあわてて声を掛けた。 京太郎「ちょ、ちょっと待てよ。待ってるって、誰が!? 何で!?」 淡「んー?」 俺の呼び止めの声にそいつはくるりと踊るようにその場で回って、少し考え込むようなそぶりを見せる。 うーん、とちょっと考え込んでいるような声が漏れて聞こえてきた。 淡「何でかは私もよくわかんない。一度話がしたいーって言ってたのを聞いただけだから。あと、誰が、だけど」 そこまで言うと、不意ににやっという音が聞こえそうな感じで笑った。 その笑い方がなかなかにピッタリで、ちょっとというかかなり可愛くて、正直ドキッとした。 した後ですごく悔しくなった。謎の敗北感である。 淡「うちで一番有名な人、っていえばわかるでしょ?」 京太郎「それって……」 淡「じゃあね、絶対行ってよ! それともっと練習してきなよー。コンボミスりすぎっ!」 びしっと指を突き付け、そう言いながらあいつは去って行った。 俺はあまりに突然の事態に呆然とそれを見送るしかなかった。 京太郎「一番有名な、人」 そう言われると心当たりは一人しかいない。 しかし何故、という気持ちが大きい。 麻雀を始める前からおぼろげにその存在は知っていた。 だが、所詮はそのレベルの話であってお互い面識もないのに突然どうしてなのかが全く分からない。 意図が読めない。 行くべきなのだろうか。 部の皆には話すべきなのか。 そんな感じにもやもやしたものを抱えながら俺はホテルへ足を向けた。 淡「あ、そうそう」 京太郎「どわっ! なんだよ、いきなり戻ってくるな!」 淡「そのぬいぐるみ、かわいいね。ちょーだい!」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……」 京太郎「……ほら」 淡「え、本当にくれるの?」 京太郎「……暇つぶしで取っただけだし」 淡「やった、ありがとう! じゃーねっ!」 うん(困惑) うん(現状認識) うん(把握) なんだあいつは(戦慄) 新種の生命体と対話した次の日、俺は予定時間の15分ほど前に指定の店に着いていた。 部のメンバーはもうそろそろ会場入りしているころだろう。 俺はこのことを報告するか悩んだが、結局黙っていた。 ここに来ることを適当にごまかして、皆とは現地で合流する手はずになっている。 本来であればこんな状況だしちゃんと話すべきだと思ったんだが……。 京太郎「言えないよなぁ、やっぱり」 あの癖っ毛たくましいポンコツ娘の顔を思い浮かべると、どうしてもその気になれなかった。 そんな感じで、心にしこりを抱えながら水をすすっているとドアベルが小さく鳴った。 ちらりと視線を向ける 京太郎「(あぁ、やっぱり)」 まさか、という気持ちはあったが、やはり想像通りの人がそこにいた。 その人は店内をきょろきょろと見回し、俺の姿を見つけるとゆっくりと近づいてくる。 そして、少しの沈黙の後に口を開いた。 ?「須賀、京太郎君?」 京太郎「はい、そうです」 ?「はじめまして、宮永照と言います」 咲、やっぱりお前には言えないよ。 お前のお姉さんと会ってくるなんて。 咲に姉がいるのは知っていた。 それと同時に二人の間に簡単に口に出せないような『何か』があるのも知っていた。 そもそも離れて暮らしているのだ、いろいろあるんだろう。 中学の時、家族の話になったら咲が露骨に辛そうな顔をしていた時以来、咲に家族の話はしないようにしてきた。 友人とは言え、触れてはいけないところ、触れてほしくないところってのは誰にだってあるだろう。 そう、だからここに来ることを言えなかった。 照「来てくれてありがとう」 京太郎「いえ……」 俺の向かいの席に座る……この人を何と呼べばいいのだろう? 宮永さん? 当たり障りないが、咲のことを名前で呼んでるせいでなんとも変な感じだ。 照さんとか? いや、初対面で下の名前は馴れ馴れしすぎだろう。 チャンプ? お互いに恥ずかしすぎだろ。 あいつが言ってたテルー? 命を大切にしない奴はうんにゃらっていうあのセリフを思い出すな。 どう口火を切ればいいのかわからず俺は手元の水に口を付けた。 照「何か飲む?」 京太郎「あ……えと、はい」 照「コーヒーでいい?」 京太郎「大丈夫、です」 どうにも緊張する。 そもそも女の子と二人でお茶をするなんて初めて……いや、咲は例外ね。 いや、女の子っていうのも何か微妙だ。 相手は年上の人だし、見た目からも『女の子』というより『女性』と言ったほうがしっくりする。 水を持ってきた店員さんに対して穏やかに注文する姿はとても大人っぽく感じた。 年齢としては2歳しか違わないのに、不思議だ。 店員さんが去った後は再び気まずい空気が流れる。 斜向かいの席に座っているおばさんたちの楽しげな笑い声が妙に耳に入ってくる。 目の前の人も同じく落ち着かないような感じだったが、一口水を飲んでから口を開いた。 照「突然呼び出してごめんなさい」 京太郎「いえ、別に……」 照「その、私のこと、知ってる?」 唐突な問いだった。 どういう意図なのか、どう答えるべきなのか。 どんな回答を求めているのか、何を聞きたいのか。 いまいちわからなかったが俺は頷いた。 京太郎「あの、俺からもいいですか?」 照「うん」 その一言を口に出すのは結構勇気が必要だったが何とか絞り出す。 京太郎「咲の、お姉さんですよね?」 俺の問いに少しの沈黙ののち、小さく頷いた。 わかりきっていたことだったが、これで確信に変わった。 確かによく見ると顔立ちとか少し咲に似ている。 ただ、纏う雰囲気は大違いなせいかあまりピンとこない。 店員「お待たせしました」 そうこうしているとちょうどコーヒーが運ばれてくる。 コーヒーは嫌いではないが砂糖なしで飲むほど俺の味覚は子供から脱却できていない。 テーブルの上にあったスティックシュガーをひとつ取り、コーヒーに混ぜていく。 向かいではどこか憂いを帯びた感じでコーヒーにミルクを入れる咲のお姉さんがいた。 普段周りにいる女性陣が絶対にしないようなその表情はちょっとドキッとする。 照「」サラサラサラサラサラ 照「」ドバー スティックシュガーを5本、ミルクピッチャーに入っていた2人分のミルク全部をコーヒーに投入しているのはちょっと気になるけど。 別に俺は入れないので俺の分のミルクまで使っているのは構わないのだが、甘すぎないのだろうか。 いや、それ以前にあれをコーヒーと呼んでいいのだろうか。カフェオレ? そういえばカフェオレの定義ってなんだろう? 照「」カチャカチャ コーヒー(?)を混ぜている咲のお姉さんを見ているとふと昔を思い出した。 咲も中学生の時に「京ちゃんが思ってるより私は大人なんだから!」とか強がってブラックコーヒーを勢いよく飲んだ結果、 チョコレートファウンテンの如く口からコーヒーを垂れ流したことがあったな、と。 そんなことを考えていると、俺の視線に気づいたのか、少し顔を伏せたまま口を開いた。 照「今日、来てもらったのは、その……」 そこまで言ってまた口ごもる。 若干の沈黙ののち何か思い悩んだ表情で手元のコーヒーカップに手を伸ばした。 何かを流し込むかのように、咲のお姉さんはコーヒーに口を付けた。 照「熱っ!」 そして、思ったより熱かったのか慌てて口を離し 照「あっ」 勢い余って手まで離し 照「あちちちちちちち!」ガシャーン! そしてコーヒーは見事に咲のお姉さんの胸のあたりにぶちまけられた。 床に落ちてけたたましい音を立てて割れるコーヒーカップ。 散らばる破片 照「あっつ! あっちゅい!」バタバタ 胸元にこぼれたコーヒーが扱ったのか慌てて胸元をつまみ服を肌から離している。 てんやわんやとはまさにこのことか。 俺は一瞬ポカンとするが慌てて手元のおしぼりを差し出した。 お姉さんはそれを受け取り胸元のコーヒーのシミを必死にこすり始める。 こするんじゃなくて叩かないといけないんじゃと思っていると仕事の早い店員さんが颯爽と飛んできた。 店員「お客様、大丈夫ですかっ!」 照「すみません、大丈夫です……」 店員「すぐに掃除いたしますので!」 照「本当にすみません……」 俺は店員さんが持ってきてくれたおしぼりで机の上を拭きながら、しみ込んだコーヒーと格闘している咲のお姉さんを見てふと思った。 ――この人、間違いなく咲のお姉さんだわ。 ――血は争えん。 それと同時にこうも思った。 ――こぼれたのが水だったら着けている下着ぐらいは見えたかな。 ほら、思春期真っ盛りだし、これぐらいの下心は許してもらえるよね? 俺は机をおしぼりで拭きながらそんな自己弁護に走っていた。 15分後、落ち着きを取り戻した俺たちは再び向かい合って座っている。 咲のお姉さんの手元にはサービスで用意してくれた新しいコーヒーがある。 照「それで、来てもらった理由は……」 大変シリアスな面持ちをしているが、胸元に広がる大きなコーヒーのシミがぶち壊しにしている。 白糸台の制服が真っ白ということもあり、大変目立っているのが悲劇以外の何物でもない。 何とも微妙なテンションに陥っていた俺だが、次の一言にはさすがに衝撃を受けた。 照「どうしても、謝りたくて。ごめんなさい」 そう言った後、頭を下げられる。 初対面の女性にこうやって頭を下げられる経験などあるわけがない俺は 京太郎「いや、えっ、ちょっと、へっ?」 当然キョドるわけである。 さっきの騒ぎで微妙に店内の注目を浴びてることもあり焦る。 ほら、さっきはあれだけ騒がしかったおば様方がチラチラとこっちを見ながらヒソヒソ話をしている。 そんな俺の返事を待たず、頭を下げたまま畏まり、重い口調で喋り始めた。 照「須賀君が今どういう状況に置かれているか、っていうのは聞いています」 照「私は妹と長く離れて暮らしているから妹がそんなに荒れてるなんて知らなくて……」 照「昔は気弱だったあの子がどうしてそうなっちゃったかはわからないけど」 照「でも……私が、近くに居たら止められたかもしれない。だけど、それが、出来なくて……」 照「だから、ごめんなさい」 下げた頭をさらに深く下げ、年下の俺に妙に丁寧だが絞り出すような謝罪の声を出すお姉さん。 ここまで言われて俺はようやく理解した。 京太郎「(姉として、妹の行いを謝罪してくれてるってことでいいんだよな)」 京太郎「(……すごく仲が悪いとか、確執があるのかとか勘ぐってたけど、そうでもないのか?)」 そうだとしたらそれはそれで大変喜ばしいことなのだが、そもそも謝る原因が大きな誤解だというのが大問題である。とんだ謝り損だ。 どう訂正したものかと頭を悩ませているとお姉さんはとんでもない右ストレートを繰り出していた。 照「その、私にできることは何でもします。だから……」 ん? 何でもする。 何でもすると言いましたよこのお姉さん。 恐らくはお姉さんとしては、現在の問題を解決するために何でもするっていう意味だろうけど、言っちゃったよ。 性に目覚め、色を知り、一番肉に飢えているこの年代の男の子に何でもすると仰いましたよ。 食事のシーンに定評がある某漫画でも言ってたよね、『強くなりたければ喰らえ』って。 つまり、わかるな? 和が知ったら斬刑に処された後、諏訪大社に必勝祈願の贄として捧げられそうなことを考えること10秒。 俺は脳内に繰り広げられたR-18劇場を若干名残惜しさを残しながら幕を下ろした。 京太郎「頭を上げてください。その、誤解なんですよ!」 照「……えっ?」 頭を下げ続けていたお姉さんはようやく頭を上げてキョトーンとした顔で俺を見てくる。 俺自身、この状況を誰かに面と向かって釈明するのは初めてなので若干混乱していたが、これまでのあらましを話した。 あくまで誤解であり、別に俺自身は虐げられてはいないということ。 せいぜいほかの学校でも下っ端がやるようなことをやっているにすぎないこと。 まぁ、多少からかわれることはあるけど苛められているとか、そういうことはないこと。 ほかのメンバーも別に北○の拳の登場人物やヤクザみたいなそれではなく、いたって普通の女の子であること。 むしろ彼女たちのおかげで俺は楽しく過ごせていること。 たっぷり20分ほどかけて、俺自身なんて説明するべきか若干悩みながらも説いていった。 照「……なるほど、言われてみれば確かにおかしい」 京太郎「よかったです、わかってもらえて」 照「咲が悪魔合体をして人修羅になったとか、冷静に考えればありえない」 京太郎「長野はボルテクス界ではありませんし、アマラ経絡とも繋がっていません」 照「須賀君もオリジナルはもう死んでいて実は3人目だっていう噂もありえない」 京太郎「生憎と人造人間のパイロットでもなければ電光機関の使い手でもないです」 どっかで聞いた設定だが、大方騒ぎに便乗した愉快犯が書き込んだのだろう。 現在流れている噂の9割方がそうだけれども。 と言うより、何故明らかにおかしい噂を信じちゃったのだろうか。 照「でも、よかった」 京太郎「えっ?」 照「さっきの須賀君の話を聞いて思ったけど……咲、みんなで仲良く、楽しくやってるんだ」 京太郎「はい、それは保証します」 中学時代は殻にこもりがちだったアイツが最近は社交的になった。 笑った顔を見る機会だって増えた。 そう考えると麻雀部に誘った俺としても誇らしいものがあり、胸を張ってそう答えられた。 照「須賀君のおかげかな?」 京太郎「俺だけじゃないですよ。ほかのメンバーや、他校のライバルたちのおかげですよ」 照「それでも、ね。ありがとう、須賀君」ニコッ 京太郎「(うぉ……)」 あまり感情の起伏が大きくない人なのか、ほんの口元が笑ったぐらいだったけど、今日初めて見たその笑顔にちょっと落ちかけた。 危なかった、服に広がるコーヒーのシミがなければ即死だった。 照「」モグモグ 京太郎「えーっと、宮永さん?」 照「照でいい」モグモグ 京太郎「じゃあ……照さん」 照「何?」モグモグ 京太郎「ほっぺたにクリームが」 照「」ゴシゴシ 誤解も解け、ひと段落したタイミングで俺たちは現在ホットケーキをつついている。 クリームとブルーベリーソースがかかったそれはなかなかに美味である。 どうやらこの喫茶店の一押しメニューらしく、照さんが奢るから食べたいと訴えたため、相伴にあずかっている。 本当はさっさと会場に向かうべきなのだろうが……。 照「それにしても、そんな噂が広まってるとなると、やりにくくない?」モグモグ 京太郎「はい。遠巻きから見られて白い目で見られるし、対局している人たちは怯えてるし……」 1、2回戦の阿鼻叫喚っぷりを思い出すと思わずため息が出る。 出場メンバーでもない俺ですらこんな始末だから、女性陣の心労はいかほどか。 京太郎「最初は放っておけば沈静化すると思ってたんですけど、なかなか……。少なくともこの大会中は消えそうにないですね」 照「うーん」モグモグ 京太郎「弁解しようにもネットに否定意見書いたところでほかの多数意見に流されて終わりですし、 かと言って参加者全員に一人一人釈明するのは無理ですし」 照「なるほど」モグモグ 京太郎「いろいろ部内でも考えたんですけど正直お手上げ状態で」 照「」モグモグ 京太郎「それで……」 照「」モグモグ 京太郎「……」 照「」モグモグ 京太郎「……美味しいですか?」 照「うん」モグモグ 聞いているのかホットケーキに夢中なのかよくわからない照さんは一応返事を返してくれる。 白糸台のレギュラーというのはマイペースな人間しかなれないという決まりがあるのだろうか。 照「わかった」 俺が雀力と性格の因果関係について考えていると、ホットケーキを食べ終えて表情は変わらないけど 心なしか満足そうな照さんが口を開いた。 照「正直、私もどうすればいいかわからない。だから私も帰って皆に相談してみる」 京太郎「皆って……」 照「うちのメンバー。ちょうどこの後Bブロックの観戦とミーティングだし」 京太郎「おぉ……」 天下の白糸台のメンバーが解決案を考えてくれるというのか。なんと豪華な。 レギュラーの中の約1名は全くアテにならないが気になるけど、まぁ、それはそれだ。 京太郎「でも、いいんですか? こんな面倒なこと」 照「うちは準決勝終わったから少し時間がある。それに……」 京太郎「それに?」 照さんは少し思い悩むような表情を見せる。 俺は残り1切れになった最後のホットケーキを口に含んでコーヒーで流し込みながら、返答を待った。 照「私は、咲のお姉ちゃんだから。それじゃ理由にならない?」 京太郎「……いえ」 その一言が聞けただけで、少し胸のつかえが取れた気がした。 ここ最近微妙な話ばかり聞いていたので余計にうれしく感じる。 照「ただ、このことは咲には黙っておいて」 京太郎「それはいいですけど……。ただ、その、ちょっとお願いが」 照「?」 京太郎「二人の間に何があったかはわからないですけど……よかったら咲が東京にいる間に、会ってやってくれませんか?」 照「……」 京太郎「咲、口には出しませんけど寂しがってます」 照「……うん」 京太郎「大きなお世話ってのはわかってます。何様だっていうのもわかっています。だけど……お願いします」 照「……わかった」 頭を下げた俺に照さんが返事をしてくれるまでに少し間があったが、肯定の返事が聞けたことにほっと胸を撫で下ろした。 大きなお世話だったかもしれないし、これが火種でまた争うことになってしまうかもしれない。 だけど知らんぷりを決め込むよりはずっとずっとマシなはずだ。 渡りに船とばかりに勢いで言ってしまったが、後悔はない。 照「じゃあ、また私から連絡するから、番号だけ」 そう言って照さんは携帯を取り出す。 妹はいまだに持っていない携帯だが、さすがに都会人は格が違った。 それにしもて、全国に行ったら女の子の知り合い増えるかなーと若干妄想じみた期待をしていたが、まさか叶うとは思わなかった。 色っぽい何かではないけれども、まぁ、それはそれだ。 照「じゃあ、行こうか。そろそろ時間でしょ?」 京太郎「あ、そうですね。そろそろいかないと不味いです」 時間を確認すると大会開始までにもうあまり時間がなかった。 さすがにこれ以上遅れると部長に叱られてしまう。 照「ここは私が」 京太郎「悪いですよ、そんなの」 いくら友人のお姉さんとは言え、会ったばかりの人に奢られるのもどうなのだろう。 そう思い、伝票を持って立ち上がった照さんを慌てて追いかける。 すると照さんは振り返って若干ふんぞり返る感じで口を開いた。 照「いいから、先輩に任せて」フンス ちょっとドヤ顔というか偉そうな顔というか、その表情が俺に対して偉ぶるときの咲に本当にそっくりで思わず軽く笑ってしまう。 しかたない、ここはおとなしく奢られておこう。 恐らく妹と一緒で、ここでさらに抵抗するとヘソを曲げてしまうだろう。 そう結論付けて俺は照さんにご馳走様です、とだけ伝えた。 そう言うと照さんは満足そうに伝票をレジのお姉さんに差し出した。 店員「お会計2400円です」 照「」ポケットゴソゴソ 照「」カバンゴソゴソ 照「」ポケットパンパン 照「」カバンバサバサ 照「」 照「財布忘れた」 京太郎「……」 照「……」 京太郎「……払っときます」 照「……ごめんね」 京太郎「いいですよ、(妹さんで)慣れてますし」 あの妹にしてこの姉有。 1時間にも満たない逢瀬だったのに、俺内カテゴリにおける照さんのランクが『年上の綺麗な女性』からグーンと下がり 『ポンコツ』(現在のところ咲のみ該当)に落ちて行ったのが悲しい。 現実の非情さと財布へのダメージに俺は涙を禁じ得なかった。 (白糸台控室) 照「遅れてごめん」ガチャ 菫「遅いぞ、照……ん?」 淡「テルー、なんで冬服着てるの? 暑くない?」 照「暑い。けど、コーヒーこぼして制服の替えがなくなったから……」ダラダラ 菫「……昨日カレーこぼしたばっかりだろ」 尭深「一昨日はチョココロネのチョコレートこぼしてましたね」 誠子「つまり全部クリーニングに出したから着替えがなくなったってわけですか」 照「そういうこと」 尭深「(この人は社会に出てちゃんとやっていけるんでしょうか……)」 淡「そう言えば、清澄の須賀、だっけ? 会ってきたんでしょ? どうだった?」 菫「お、おい。聞いてないぞ。昨日の今日で会ってきたのか!?」 尭深「だ、大丈夫でしたか?」 照「うん、何も問題なかった。と言うか……」 (説明中) 誠子「つまり」 淡「すべて誤解だったってこと?」 照「そう」 誠子「現実的に考えておかしい噂もありましたけど、もろもろひっくるめて全て嘘っぱちだったってことですか」 照「そうらしい。ひどい扱いの目撃証言もあくまで仲間同士でのじゃれあいレベルで 須賀君も別に怒ってるとかそういう認識はなかった」 菫「そうだったのか……」 尭深「まぁ、冷静に考えれば現実的にありえない話が多かったですし……」 菫「(ん、と言うことは……)」 ――前話より―― 菫『わかってる。別に後悔をしているわけではない。……だけど、踏みつけるのではなく、それを背負っていくことはできるはずだ』 菫『……さっきの発言を撤回する。ちょっと踏み込んだことを言うぞ?」 菫『妹なんだろう?』 菫『姉として、家族として、できることがあるんじゃないか? 止めてやることも、できるんじゃないか』 ――回想終わり―― 菫「(あああああああああああああああああ!)」 菫「(は、恥ずかしいいいいいいいいいいいいいいい!)」 菫「(『妹なんだろう(キリッ』だってああああああああああああああああああああああ!)」 菫「(誰か私を殺せえええええええええええええええ!)」 誠子「先輩は何をもがいてるんだ?」 尭深「さぁ……?」 (5分後) 菫「で、だ。私たちに知恵を出してほしいと?」 照「うん」 誠子「でも、解決案って言われても……」 菫「部として付き合いのある、知り合いの記者に取り上げてもらうか? いや、面白おかしく扱われるのがオチか」 尭深「そう言う意味だと、下世話な雑誌とかにこの騒ぎが取り上げられると取り返しがつかないかも……」 菫「決勝で戦うかもしれない相手だ。できればそういうことは避けたいな」 誠子「やっぱり、一度広まった噂を鎮めるっていうのはなかなか……」 一同「うーん」 淡「へー、阿智賀の監督にプロ復帰の噂ねー。というか元プロだったんだ」パソコンカチカチ 誠子「皆で悩んでるってのに何やってんだ。ほれほれ」ムニムニ 淡「へいじぶぁんみるあいふぁにみへはだへだっへばー(掲示板見る合間に見てただけだってばー)」 照「何を見てたの?」 淡「麻雀関連のニュースに特化したサイト。飛ばしも多いけどなかなか面白いよ」 照「どれどれ……『小鍛冶健夜プロ、熱愛発覚』」カチカチ 尭深「ガセネタですね」 菫「即答はやめてさしあげろ」 照「『咲-saki-第12巻、本日2013年12月25日発売』」カチカチ 淡「皆買おうね!」 尭深「安易なメタネタはちょっと……」 照「『牌のお姉さん。WEBにて麻雀教室の生放送配信決定。新衣装お披露目に期待大』」カチカチ 誠子「荒れそうだなぁ……いろんな意味で」 菫「しかし、淡の言うとおり玉石混合だな。流石ネットと言ったところか」 尭深「あっ」ピコーン 淡「どうしたの? どっかのゲームみたいに頭の上にひらめきの電球マーク出してるけど」 誠子「抜刀ツバメ返し、最後までひらめけなかったなぁ……」トオイメ 菫「なんだその例え……。で、どうした?」 尭深「もしかしたら……この方法ならいけるかもしれません」 照「?」 尭深「かくかくしかじか」 (説明中) 菫「……おい、流石に不味いだろ」 淡「えー面白そうじゃん! 本人に断りを入れれば問題ないでしょ。そう、あれ、毒を持って毒を制す的な」 照「確かに、効果はありそうかも。部員全員を当たれば必要なものは揃えられそう」 誠子「元手もかからないし、まぁ、こっちの負担は少ないか」 菫「本当に上手くいくのか? 私は本人に会ったことないから何とも言えないが」 淡「大丈夫、あいつは何度か会ってるけど、性格上絶対うまくいくって! ね、テルー?」 照「……うん。それは、確かに」 淡「ねー、いいでしょ? 目立つところは私とテルーでやるし」 菫「しかし……」 照「菫」 菫「ん?」 照「お願い」ジッ 菫「うっ……」 照「」ジーッ 淡「」ジーッ 尭深「」ジーッ 誠子「」ジーッ 菫「あー……」 菫「まったく」ハァ 菫「わかった。わかったから、そんな目で見るな。私がまるで悪者じゃないか」 照「よかった、ありがとう菫」 淡「よし、決まりだね! じゃあ、さっそく準備準備ー」タタタッ 誠子「(不安があるとすれば淡が遊び半分だってことか)」 尭深「(大丈夫だよ、きっと、多分、おそらく)」 菫「うーん……」
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まとめwiki 京太郎「ここが麻雀学園都市か……」 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」 咲「2本場だね京ちゃん」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」いちご「3本場じゃよ京ちゃん」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」 ゆみ「4本場らしいぞ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」智美「5本場らしいぞー」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」衣「6本場だぞ、きょーたろー」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」憩「7本場やね、京ちん」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」小蒔「8本場ですね」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」霞「9本場みたいよ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」数絵「10本場よ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」咏「11本場だねい」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」和「12本場ですよ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」優希「13本場だじぇ!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」桃子「14本場っすよ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」やえ「15本場だな」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」灼「16本場だから」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」華菜「17本場だし!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」美穂子「じゅうはちほんばです」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」美春「19本場です」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」純代「20本場ですね」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」星夏「21本場だそうです」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」初美「22本場ですよー」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」巴「23本場ですね」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」春「……24本場」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」照「……京ちゃん、25本場だよ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」まこ「京太郎、26本場じゃな」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」梢「27本場ですよ、須賀さん」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」豊音「28本場だよ~」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」穏乃「京太郎、29本場だよ!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」憧「30本場ね、京太郎」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」エイスリン「31本場ダヨ!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」胡桃「32本場だよっ!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」マホ「33本場です、須賀先輩!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」佳織「えっと34本場……かな?」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」もこ「……35本場」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」晴絵「やぁ、36本場みたいだね」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」睦月「うむ……37本場だ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」はやり(28)「38本場だよ☆」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」淡「キョータロー39本場!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」菫「節目の40本場だな」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」尭深「……41本場です」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」誠子「42本場だね」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」洋榎「43さんころり~♪」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」恭子「44本場やな」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」漫「45本場やで」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」絹恵「46本場やでお姉ちゃん」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」由子「47本場なのよー」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」美幸「48本場なのよーもー」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」澄子「49本場になります」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」友香「50本場なのでー!」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」莉子「51本場だよね……?」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」初瀬「52本場だってさ」【安価】 【咲】京太郎「ここが麻雀学園都市か……」紀子「53本場じゃない?」【安価】 +参考URL 参考URL 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とうとう発足した須賀君の全裸を見ようの会 彼女らを待ち受けていたのはモラル、法律、そして学生にとって何よりも険しい校則の壁だった しかしここは学校、合法的に全裸になる場所がある…そう更衣室! こうして彼女達の、男子更衣室をめぐる物語は始まった ―劔谷高校男子更衣室― 美幸『えー、梢ちゃん聞こえてる?無線の調子は大丈夫?』 梢「聞こえてますよ……一応」 澄子『今、どこにいるんですか?』 梢「……今は男子更衣室のロッカーの中に居ます……」 梢「あの、暑くて汗が凄いんですけど……」 友香『我慢してください、入会のためですよ』 友香『そこからカメラで撮影できるんですか?』 梢「ええ、なんとか……いいところに穴が開いていたので」 莉子『無理しないでくださいね……』 梢「ありがとう、莉子は優しいですね」 梢「……」 梢「ううっ……」 梢(私は何故こんなことをしているのでしょう……) ~回想~ 美幸「えー」 美幸「梢ちゃん、あなたの裸に対する欲望、しかと伝わりました」 美幸「本来なら入会……と行きたいのですが1つ条件があります」 梢「条件?何ですか?」 美幸「それはね……ふふふ」ゲスガオ 澄子友香「ふふふ」ゲスガオ 美幸「須賀くんの全裸写真を撮影してくること!」 澄子友香「してくること!」 梢「え?え??」 莉子(うわぁ……) 美幸「これが出来たら入会を許可します!」 澄子友香「許可します!」 莉子(2人は黙ってた方がいいんじゃないかな……) 梢「え、でも盗撮は流石に不味いのでは……」 美幸「いいんだよ梢ちゃん!」 美幸「人の全裸を見るのには、犯罪行為しかないよ!」 澄子友香「犯罪!犯罪!」 美幸「モラル、法律、校則なんてお構いなし!」 美幸「私たちは欲望のまま行動する!」 澄子友香「煩悩解放!」 莉子(梢先輩……) 梢「で、でも……」 美幸「つべこべ言わずに行動しろっ!古塚梢っ!」 梢「ひっ……は、はいぃ」 莉子(鬼畜ですね……) 梢「で、私は具体的にどうすれば……」 美幸「えっと、須賀くんは今水泳の補習を受けてるの」 莉子「え、そうなんですか?」 友香「うん、いかんせん男子は1人だけだからね」 友香「水泳の授業、一緒に受けれないから強制的に補習なんだよ」 莉子(ちょっとかわいそうだね……) 澄子「部長には、須賀くんがプールから上がってくるまでに」 澄子「男子更衣室に隠れていただきます」 梢「か、隠れるって言ってもどこに隠れれば……」 美幸「そこは梢ちゃんのセンスに任せるよ」 美幸「で、後はこれ」 梢「カメラ、ですか……」 友香「それで京太郎の裸を取ってきてくださいね」 澄子「ばれずに帰還出来れば任務完了です、入会です」 莉子(普通に難しいと思うんだけど) 美幸「あ、あとこれを渡しておくよ」 梢「これは無線ですか……?」 友香「何か困ったことがあれば連絡してください」 莉子(何でそんなものがあるんだろう) 梢「は、はあ……」 美幸「以上、それでは行ってらっしゃい!」 澄子友香「行ってらっしゃい!」 梢「……行ってきますぅ……」 莉子(先輩、大丈夫かな…) ―再び劔谷高校男子更衣室― 梢(あ、暑い……) 梢(須賀くん、早く来てくださいよ……) ガチャ 梢(き、来た!)ドキドキ 京太郎「ふぅ~疲れた、ったくなんで俺だけ補習なんだよ」 梢(えっと……良く見えない……) 梢(……見えた) 梢(まだ、水着を着ているので撮影は出来ませんが) 梢(……こうみると中々いい体をしてますね、須賀くん) 梢(……) 梢(はっ、何を考えてるのでしょう私は) 梢(今は任務に集中しなければ……) 京太郎「早く着替えて部室に行かないと!」 ヌギヌギ 梢(どうやら水着を脱いだようですね……) 梢(……っ///) 梢(わ、私……男の人の大事なところを見るのは初めてですぅ……///) 梢(は、早く撮影しないと……///) カシャカシャ 梢(速く……早く……) カシャカシャ カシャカシャ カシャ 梢(ふう、これだけ撮れれば大丈夫でしょう) 梢(それにしても須賀くん、いつまで全裸でいるのでしょうか) 梢(……まあ、いいです) 梢(あとは須賀くんが更衣室から出てくれれば……)ゴト 梢(あ) 梢(モ、モップが倒れますっ!) ガシャーン 京太郎「ん?何だ今の音?こっちか?」 梢(不味いです不味いです不味いですっっ!!!) 梢(全裸の須賀くんがロッカーに近づいてきますっ!) 梢(このままでは見つかってしまいますっ!) 梢(ど、どうすれば!) スタスタ 京太郎「このロッカーか、開けてみるか」 梢(ああっ!もう駄目ですぅ!) 梢「神様……」 ガチャ カン!
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ホテル 憧「はー、今日の試合も疲れたわー」 憧「こんな時はゆっくり休むに限るわー」 憧「それにしても……なんでKちゃん抱いてると落ちつくのかしら」ギュッ 憧「……ま、いっか」 憧「……ふふっ」ギュー 憧「ん?シズからメール?……玄の部屋に来いって、そっちが来なさいっての。全く」 憧「……仕方ない、Kちゃん持っていこ」 ガチャ 京太郎「ん?どした憧?」 憧「ひゃっ!?きょ、京太郎!?なんでここに居るの!?」 京太郎「なんでって、ただ通っただけでたまたまなんだが……アレ?そのぬいぐるみ」 憧「ふきゅっ!?こ、これは……」 京太郎「……俺?ひょっとして寂しいから抱いていたとか?」 憧「あ……うぇ……」 京太郎「なーんてな。そんなこと」 憧「バカーーーーーーーーッ!!!」バキッ 京太郎「ぐふぉっ!!」バタッ 憧「きょ、京太郎なんか、全然好きじゃないんだからね!!」タッタッタッ 京太郎「さ、最後まで聞け……」ガクッ
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359734281/ 外では氷雨のように冷たい雨が降っている。 雨に濡れて弱った子猫の声が聞こえる。 ミーミーと、か細く弱い声で鳴いている。 その鳴く子猫を抱いた子供が父親に必死に頼み込んでいる。 厳格な父親に対して泣きそうな顔をしながら頼み込んでいる。 『あ、あのこの子を飼っちゃダメですか……』 『……家は飼えない事をわかっているだろう、元居た場所に返してきなさい……』 『で、でも、この子弱っていて放っておいたら死んじゃうかも……』 『…………元気になるまでの間だけだ、そのあとは飼ってくれる人を探そう。』 『はい! ありがとうございますお父さん!』 懐かしい夢だ、今は離れ離れになってしまったがあの子は元気だろうか。 顔を洗い、着替えて、財布と携帯とイニシャルが入ったハンカチを持って部屋をでる。 ホテルの食堂に着くとみんなが待っていた。 優希「犬ー!おそいじぇ!」プンスコ 京太郎「だー! 抱きつくな! あと犬じゃねぇっての!」アタフタ 和「そうですよゆーき、人を犬扱いしては失礼です。」 みんな各々食べたいものを注文をして持ってくる。 席に着いた面々が手を合わせてから食べていた。 優希「やっぱりタコスは出来たてが美味いじぇ~。」 京太郎「ああもう、口の周りに食べかす付いてんぞ。」 京太郎「待ってろ、今ハンカチで……あれ、どこにしまったかな……」 優希「ハンカチなら犬のポケットから出てあるじょ。」ヒョイ 「触んな!!」 優希「ヒッ!?」ビクッ 京太郎「あ……悪ぃ、それすごい大切な物なんだ。」 優希「まったくびっくりしたじぇ……そんなに大切なものってことは誰かに貰ったものなのか?」 京太郎「……ああ、すごく大切な人から貰ったんだ。」 彼は少し安堵したような顔をした後ハンカチをポケットにしまいました。 それを横目に見ながら食事をしていると私に声が掛けられます。 「和ー!」 京太郎「あ……」 和「あれ、穏乃……どうしたんですか?」 穏乃「和をさっき見掛けたから多分ここにいるだろうと思って。」 和「そうだったんですか。」 京太郎「…………」ジー 穏乃「ん? 君、どこかで会いましたっけ?」 京太郎「いえ……」 穏乃「んー? どっかで会ってる気がするんだけどなー……」 憧「ちょっと! シズ!」 京太郎「!?!?」ガタタン 優希「どうしたんだじょ? まるで突然天敵にあった小動物のような反応だじぇ。」 京太郎「い、いや、なんでもないよ?」 優希「声が上擦ってるじょ……」 京太郎「そうか?」オドオド 憧「えっと、どうかしたの?」 京太郎「ななんでもないです!」ジリジリ 憧「なんでもないって感じじゃないわよ……しかもあんたさっきから少しずつあたしから距離取ろうとしてるわよね?」 穏乃「……私の友達がなんかしたの?」 京太郎「アコは関係ないよ!?」 憧「あれ、あたし名乗ったっけ?」 京太郎「え、えっとインターハイの出場選手だから知っててもおかしくないでしょう?」 和「まぁ、確かにそうですが……それにしてもさっきから挙動がおかしいです。」 京太郎「そ、そうかな?」オドオド 和「……今の須賀君、初めて優希と会った時みたいな態度ですよ?」 優希「ああ、そういえばそうだじぇ。」 優希「犬と初めて会った時、鳩が豆鉄砲食らったような顔したあとやたらキョドってたじょ。」 京太郎「あ、いやだって、それは……」 憧「……ま、いいや。」 京太郎「あぶねぇ……」 それからしばらく穏乃や憧と食事をしながら会話をしていました。 須賀君がやたら憧にビクビクしていたように思います。 憧「そろそろあたしたちは行くわね。」 穏乃「じゃあね、和。」 和「ではまた。」 優希「あれ? 咲ちゃんがいないじょ……」 和「確か先ほどお手洗いに立って……」 京太郎「……まさか。」 優希「多分そのまさかだと思うじぇ……」 京太郎「……探しに行って来ます。」 和「私も行きます……」 溜め息混じりに席を立った須賀君に続き、私も咲さん捜索の為に付いていく。 お手洗いに続く道を歩く途中なにやら須賀君が行動を起こしていました。 須賀君は少ししゃがんで頻りに辺りを見回しています。 和「何をしているんですか?」 京太郎「ん? ちょっと咲の痕跡を探しているんだ。」 和「痕跡? そんなものがどこにあるんですか……」 和「それにしても咲さんは一体どこへ……」 京太郎「……こっちだ。」 和「わかるんですか?」 京太郎「ああ、咲はこっちを歩いていった。」 和「一体どうやって……」 京太郎「付き合い長いからな。」 須賀君が辺り見回しながら咲さん歩いた道を辿るように右へ、左へとうねうね曲がりながら進んでいく。 一体こんな事で咲さんが見つかるのでしょうか。 暫く歩くと見覚えのあるシルエットが見えました。 それはこちらに気付くと今にも泣きそうだった顔を明るくさせてこちらに駆け寄ってきました。 咲「京ちゃん! 和ちゃん!」 京太郎「また迷いやがって……世話掛けさせんなよ……」 咲「ごめんね……」 咲さんに悪態を吐きながら頭をぽんぽんと触る須賀君。 そんな素振り見せないですが、心配していたのを隠すようでした。 傍から見れば結構過保護な気がします。 そんな事に気付いたら不思議と口角があがっていました。 和「うふふ、でも見つかってよかったですね。」 咲「うんうん、ちょっと迷った程度で大騒ぎしすぎなんだよ京ちゃんは。」 京太郎「おう、言うねーさっきまで泣きそうな顔をしてたやつが。」 咲「さ、戻ろうか。」 京太郎「迷った奴が仕切るな。」ポンッ 咲「あいた。」 戻る途中、近道に公園を通ると先ほどまで一緒に居た憧が木の前で右往左往していました。 一体憧は何を…… 和「あれは……」 京太郎「げっ!?アコ!……」 憧「ん? 和たちか……『げっ』て、なによ失礼ね……」 咲「どうかしたんですか?」 憧「うん、ちょっと木の上に猫ちゃんがね……」 見上げると確かに木の上に子猫が居ました。 どうやら登ったいいけど降りられなくなったようです。 京太郎「……ん、ちょっと待ってろ。」 京太郎「よっと。」 彼はそういうと木の下に行き、屈んだと思ったら身体を伸ばし、ピョンと跳ねました。 跳躍したと思ったら彼は木に掴まりスイスイと登っていく。 子猫が居る枝まであっさり辿り着き、そして手を差し伸べ子猫に声を掛ける。 京太郎「おいで、怖くないよ。」 子猫「ニャン。」ピョン 憧「猫が素直ね……」 咲「京ちゃんは動物の気持ちがわかるんですよ、カピバラとかも飼ってるからかな?」 憧「へぇ~人は見かけによらないもんね。」 京太郎「よし、降りるぞ。」 枝に手を掛け、そこから着地して子猫を放してあげる。 彼の身軽さを見た憧が感心するように言葉を漏らしていました。 憧「あんたまるで忍者みたいね、木登りも上手いし。」 京太郎「山生まれの山育ちだからな。」 咲「お猿さんみたいだよね。」 京太郎「咲はいつも一言余計だ。」 子猫「にゃん♪」スリスリ 憧「あんたに感謝してるみたいね。」 咲「京ちゃん猫には好かれるよね、猫には。」 京太郎「『には』は余計だ。」 憧「いいな~あたしも動物に好かれたいわよ……」 京太郎「無理に近づかなきゃいいんじゃないですかね。」 憧「……あんた適当に言ってるでしょ?」 京太郎「いーえ、別に。」 憧「まぁいいわ、猫に好かれる秘訣は今度聞くもの。」 憧「それじゃあね、和。」 和「それでは。」 憧と別れたあと、咲さんを無事送り届けました。 そのあと須賀君に今までの不可解な行動について聞こうとしました、買出しがあると言われて上手く逃げられてしまいましたが。 私は子猫で思い出し、エトペンの身体の脇を見る、そこには動物の爪痕を縫ったあとがありました。 外に出て歩く少し気分を変えたくて。 エトペンを抱えたまま昔の事を思い出す。 奈良に居た時の事。 別れ際にとあるものを渡した事。 そんな事を考えていたら人とぶつかってしまいました。 ドンッ 「きゃ!? すみません……」 人とぶつかりふらついてしまう。 その際大事なエトペンを落としてしまった。 「あ、エトペンが……」 転がっていくエトペンを追いかけて拾いに行く。 転がるエトペンを漸く拾えました。 ですがそこは車道、ここで私は周りに碌な注意を払わず飛び出していたことに気付く。 車道に飛び出した私に向かってくる車。 注意を払わなかった代償は身を危険にすることで払ってしまうことになる。 『注意一秒、怪我一生』とはよく言ったものです。 徐々に迫る車に意識を向けた私の視点が傾く。 そしてその少し前には声と衝撃が…… 「のどか! 危ない!」 聞き覚えのある男の人の声が聞こえた瞬間、私の身体は突き飛ばされる。 振り返った時に見たその金色の頭髪が、私が先ほどまで居たところに立っていました。 勿論、その位置に向かって来る車も彼を狙うかのように…… 彼は車に視線を向けた瞬間硬直して動けていなかった。 車は無慈悲にも彼に食らい着こうとしている。 私はその刹那、恐怖で目を瞑ってしまった。 甲高いブレーキの音。 人のざわめき。 車のドアが開く音。 運転手のうろたえる声。 が、いつまで待っても、どこにも人を撥ねた音はしなかった。 「さっき男の子轢いてしまったと思ったのに……!」 「いないんだ、居ないんだよ! さっきの男の子が!」 私は恐る恐る目を開き確かめてみる。 確かに彼は居ませんでした。 ただ、およそ彼がそこに居たであろう場所には制服が落ちていました。 私は、その制服を手に取り、周りを探しました。 明らかに異様な状況にも関わらず、辺りに彼が居るのではないかと思って…… ですが、結論から言うと見つかりませんでした。 私は手に持った制服を見ながら考える。 ポケットには携帯と、財布と、彼の宝物のハンカチが入っていました。 彼の宝物という事が気になってハンカチを調べてみる。 そしてとあることに気付く。 和「これ、は……」 ハンカチにはN.Hと刺繍が入っていました。 これは昔、私があの子に渡したもの…… あの子とはもう数年会っていない。 彼はあの子となにか関わりがあったのでしょうか…… それに関して知っていそうな友人に聞いてみることにしてみました。 それは前に預かっていてくれた友人。 憧「あれ? 和、どうしたの?」 和「すいません、穏乃にどうしても聞きたいことが。」 穏乃「何でも聞いていいよ。」 和「……あの子……穏乃に預かってもらったひょうちゃんに関してです。」 憧「ひょうちゃん? 確か穏乃が預かっていたあのこだよね?」 憧「しかも穏乃が名付け親だったから結構懐いてた。」 和「そうです、そのひょうちゃんです。」 穏乃「……うん、わかった。」 穏乃「あの子を和から預かった日からひょうちゃんはずっと大人しかったんだ。」 穏乃「まさに借りてきた猫状態だったよ……」 穏乃「家のお店においても大人しいし、みんなから愛されてたんだ、みんなに撫でられて、お店の看板招き猫だって。」 穏乃「和から貰ったハンカチ、首に着けて凄く大事そうにしてた。」 穏乃「ひょうちゃんはよく店の窓から外を見てたよ、誰かが道を通るたびに視線をずらしてた。」 穏乃「今思えば和が来るのをずっと待ってたんだね……」 穏乃「気分転換に散歩とか連れて行ったけどよく辺りを気にしていた、というより匂いを嗅いでいたんだ。」 穏乃「それからひょうちゃんはさ、和が引っ越したあともちょくちょく和が居た家に行ってた。」 穏乃「なんどもなんども行くから、その度にかわいそう思えてさ……私、思わず言っちゃったんだ……」 穏乃「『そこにはもう、和はいないんだよ。』って……」 穏乃「それから少ししてひょうちゃんはいなくなった……」 穏乃「最初は散歩にでも行ったのかなって……お腹空いたら戻ってくるかなって……」 穏乃「でも……ひょうちゃんは帰ってこなかった……」 穏乃「私が……和はもういないって言ったから……探しに行っちゃったんだって思って。」 穏乃「きっと、私のせいだって……」 穏乃の声が震えていた、目尻には薄っすらと涙も…… 穏乃はあの子がいなくなったことが気懸かりだったんですね…… 穏乃「もしかしたら無事、和のところに行ったのかもって思ったけど……和の連絡先も知らなかったし……」 和「穏乃、ありがとう、話してくれて……」 穏乃「うん、今までちょっと言いづらくてさ……」 和「そう、ですか。」 穏乃「何でまた今になって?」 和「もしかしたらですが、ひょうちゃんと会えるかもしれないんです。」 憧「嘘!?」 穏乃「ホント!?」 和「もしかしたらですが……」 憧「あ~! あの子もっかいモフモフしたい~!」ワキワキ 穏乃「憧は動物好きだもんね。」 憧「部屋にはぬいぐるみや飼育本があるくらい好きよ。」 和「もし会えたなら憧も触れるかも知れませんね。」 憧「そのときはよろしくね。」 穏乃達と別れてホテルに戻りました。 そして、彼の部屋へと向かい、ドアをノックします。 中から返事を待つとドアが開きました。 彼は私を見ると少しほっとしたような顔をしていました。 京太郎「和……」 和「先ほどは助けていただいてありがとうございました。」 京太郎「いや……それは……」 和「聞きたい事があるので、中に入ってもいいですか?」 京太郎「……ああ。」 中に入ると荷物を整理している様子でした。 多分、服を漁っていたのでしょう。 彼は着ていた物を置いて事故現場から消えたのですから。 和「これをお返しします。」 京太郎「……こりゃ、どうも。」 和「ところでこのハンカチについてお聞きしたいのですが……」 京太郎「ああ、それがどうしたんだ?」 和「優希がこれに触った時、須賀君は大事な宝物だと言いましたよね?」 京太郎「ああ、そうだよ。」 和「実はこれ、私が奈良から引越しする際にある子に渡したものなんです。」 和「貴方が持っていたということは、貴方はひょうちゃんについて知ってますよね?」 京太郎「……もっと直接言ったらどうだ?」 和「……では単刀直入に言います。」 和「須賀君は、ひょうちゃんなんですよね?」 京太郎「……なんでそう思うんだ?」 京太郎「いつもの和なら『そんなオカルトありえません』って否定するだろ?」 和「……そうですね、でも貴方は嘘は吐かないと思います。」 京太郎「人は猫には化けないだろ。」 和「語るに落ちていますよ、『ひょうちゃんが猫』だなんて私は一言も言っていません。」 京太郎「……はぁ。」 京太郎「俺はもう和が知ってる『ひょうちゃん』じゃないぜ?」 京太郎「元の姿が可愛くなくても文句言うなよ。」 和「構いませんよ。」 私がそう言うと須賀君……いえ、"ひょうちゃん"はみるみるサイズを変えて猫に変わっていきました。 体長約90センチの身体に40~50センチはある長い尻尾。 まるでジャガーや豹のような短い毛の文様。 小さい頃の記憶とは違いますが間違いなく"ひょうちゃん"でした。 「びっくりした?」 和「驚いてはいますがそれよりも嬉しいです。」 和「昔はあれだけ小さくて弱々しかったのに……」 「そうか、やっぱり昔からのどかなんだな。」 和「? どういう意味ですか?」 「そのままの意味だよ、昔からその優しさは変わっていない。」 「昔から人間っていうのは匂いが変わらないな。」 和「もしかして憧のことですか?」 「ああ……うん、あいつは無茶苦茶にしてくるから苦手だ。」 和「うふふ、憧は動物が好きですからね。」 「それはわかってはいるんだけどな。」 「一体幾つの仲間が魔王アコの犠牲になったのやら……」 「まぁアコも成長して少しは大人しくなったのかな?」 和「……聞いても良いですか?」 「なんだ?」 和「その……ひょうちゃんが須賀君になった理由とか。」 「……俺さ、のどかが居なくなった日から探していたんだ。」 「家まで匂いを辿って。」 「その時はシズノも一緒にいたけどさ。」 「何度も行くとシズノが寂しそうに教えてくれたよ。」 「『のどかはもういない』って。」 和「ええ、知っています、聞きましたから。」 「でさ、俺さ、思っちまったんだ。」 「捨てられたんじゃないかって。」 和「!……」 「もしかしたら何かの間違いじゃないかとも思ったけど、仲間の猫も捨てられた奴がいたんだ。」 「家猫だったけど、もう飼えなくなったから捨てられたんだって……そいつは言ってた。」 「でも、俺は諦め切れなかった、認めたくなかった。」 「のどかに捨てられた事に、どうしても思い出を忘れられなかった。」 「のどかの匂いも、初めて抱いてもらった時の温かさも、忘れられなかった……」 「だから俺はのどかを追いかけたんだ、シズノや可愛がってもらった周りには申し訳なかったけど。」 「長かったよ、のどかを捜す旅路は……」 「烏や野生動物に襲われたりもした。」 「悪ガキにも追いかけられたこともあった。」 「宛てがわからない旅に疲れて、疲れきって、倒れて、 もう死ぬんだろうなって思ったときさ……俺を助けてくれた老夫婦がいたんだ。」 「倒れてから何時の間にか俺は人っぽいの身体になっていた、 そんな事どうでもよかったけど……須賀さん……俺を拾ってくれた人だが。」 「爺ちゃん婆ちゃんは必死に介抱してくれたんだ、どこの生き物かわからないような俺を。」 「優しい人たちで今でも感謝してるんだ。」 「介抱してもらったときに名乗ったんだけどさ、俺餓死寸前だったし、 なにより人の言葉を喋ったの初めてだったから上手く言えなかったんだ。」 「ちゃんとシズノが付けてくれた『豹太郎』って言う強そうな名前を貰ったのにな……」 「それから京太郎って名前になっちまったよ。」 「そのあと学校にも通わせてもらってさ。」 「咲にあったのもそこらからかな。」 「これが俺が人間っぽくなるまでのそして須賀を名乗る話だ。」 和「そうだったんですか……」 「助けてもらった爺ちゃんや婆ちゃんに恩返ししたかったから、のどかを捜すのを辞めて一緒に住んでたんだ。」 「でも、高校に入ってから懐かしい匂いがしてその匂いを辿っていくと麻雀部に行き着いたんだ。」 「ドアを開けると……のどかがいた。」 「嬉しかったよ、でも俺は名乗れなかった、昔とは違う姿だったから。」 「ついでに小さい頃のアコに似た女が居てびびったぜ?」 和「優希は確かに小さい頃の憧に似ていますからね。」 「まぁ匂いで違う人間だってわかったけど中々なぁ……」 和「そんなに憧が苦手だったんですか?」 「俺を捕まえて無茶苦茶撫でてくるじゃん……」 「禿げるかと思ったよ。」 「あいつは動物好きにも程があるよ。」 和「うふふ、そうですか、憧の猫可愛がり困ったものですね、憧にはちゃんと言っておきますよ。」 「なぁ、のどか。」 和「はい?」 「ちょっとだけ甘えて良いか?」 和「ええ。」 私はベッドに腰掛、ひょうちゃんは私の膝の上に乗ってくる。 撫でて上げるとゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らしています。 スリスリと頭を擦り付ける動作。 まるで昔に戻ったようでした。 「ありがとう、元気が出たよ。」 和「いえお安い御用ですよ。」 「あとさ……のどか、一応言っておきたかったんだけど……」 和「はい?」 「実はさ、前々からこの姿を見せたら俺、姿を消そうと思っていたんだ。」 和「そんな……」 「わかるだろ……俺はのどか達とは違う、人じゃない……かといってただの猫でもないんだ。」 「文字通り住む世界が違う。」 「……それじゃあな。」 和「ひょうちゃん!」 追えば彼は逃げるでしょう。 本気で逃げたら人の足では追いつけない。 それほどに私たちには隔たりがあり、埋められない溝がある。 それでも私は…… 追わなくては……今追わないと一生後悔すると思い、私は部屋を飛び出していた。 公園近くを猫が一匹、色々と思い悩みながらトボトボと歩いている。 (どうすっかな……爺ちゃん婆ちゃんにも会わないといけないし……) 「あ、猫ちゃん!」 (あ!? この声にこの匂いは!?) 憧「あんたあの子に似て可愛いわね~」ワキワキ 憧「ほれほれおいで~」 (猫じゃらしだと? へ、甘く見られたもんだぜ。) 憧「ほらほら~」 (散っていった多くの仲間の為にもこんな奴に屈してたまるか!) (絶対猫じゃらしなんかに負けたりしない!!)キッ 「にゃ~ん♪」 憧「やっぱりこれを使うとイチコロね~。」 (本能には勝てなかったよ……) (てかマタタビは反則だろ!) 憧「もしかして和が言ってたアレってこの子のことかしら?」 (!? まずい!) 憧「ちょっと和に連絡取るから大人しくしててね、猫ちゃん。」 (和に居場所バレるのはまずいって!) (何とか逃げないと……) 憧「うりうり~猫ちゃんは大人しくマタタビを嗅いでなさ~い。」 (くやしい…!でも…嗅いじゃう!)ビクンビクン 和「ありがとうございます。」 憧「いいのいいの、すっかりこっちも楽しませてもらっちゃったし。」ツヤツヤ (お婿にいけない身体にされてしまった……)シクシク 憧「で、やっぱりこの子ってひょうちゃんなの?」 和「ええ、ですから再び会えたのが嬉しいんです。」 和「それなのに逃げ出してしまって……」 和「でも、もう逃がしません。」 和「首に縄を付けてでも一緒に帰ります。」 憧「そう、ならまたあたしにも触らしてよね。」 和「うふふ、ええ構いません、ひょうちゃんが嫌がらない程度でしたら。」 憧「うん、和なら言ってくれると思った……あ、シズにも伝えなきゃ。」 和「きっと喜びます、穏乃もこの子も。」 憧「じゃあ、あたしシズに伝えてくるわね~。」タタタタッ 和「……もう、逃げないでくださいね?」 「でもさ、俺は人間でも猫でもないんだぜ?」 和「そんなのどうでもいいです。」 「……俺の意思は?」 和「そんなの知りません。」 「結構、のどかって頑固だよな……」 和「頑固で結構です。」 「ま、そのおかげで俺は生きてるんだけどさ……」 和「さぁ、帰りましょう、みんなが待ってます。」 和「あと人の姿格好で匂いを嗅がないでくださいよ? 怪しまれますから。」 「え、バレてた? さりげなくやってたつもりなんだけどな……」 和「気付く人は気付きますよ、猫だってバレないのが不思議です。」 「いやいや、目の前で変わらないかぎり大丈夫だろ。」 和「色々猫とバレ無いように特訓しないとですね。」 「麻雀の特訓の方が有意義だと思うんだけどなー……」 和「ほらほら~」 京太郎「…………」 優希「咲ちゃん、犬の奴、のどちゃんと何してるんだじぇ?」 咲「さぁ……猫じゃらしを目の前で揺らして何やってるんだろうね……」 京太郎「……んにゃー。」 優希・咲「え?」 和「ちょっ!?」 京太郎「す、すまん……何とか誤魔化してくれ……」ボソボソ 和「お、お前ネコかよー!?」 京太郎「ん、ンアーッ!」 和「無理矢理すぎませんか……」 京太郎「大丈夫、あの二人ならこれで誤魔化せると思う……そんな気がする……」 咲「京ちゃんがおかしい……」 優希「のどちゃんもおかしいじぇ……」 和「…………」 京太郎「……すまん。」 和「これからも頑張りましょう……」 京太郎「ああ、そうする……」 カンッ!