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272 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 04 37.03 ID lB8a/BASo 【午後】 京太郎「さて飯も食ったし午後の授業だな」 京太郎「しかし今日も春の日差しがここちよい……」 京太郎「授業は…… 276か」 選択教科(何が上昇するかは 1の経験に基づく) 1.国語 【知力】上昇大 2.数学 【知力】上昇小 【デジタル】経験値小 3.英語 【知力】上昇小 【体力】上昇小 4.理科 【知力】上昇小 【精神力】上昇小 5.社会 【精神力】上昇大 6.体育 【体力】上昇大 7.サボる【オカルト】経験値中 277 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 07 01.05 ID lB8a/BASo 数学 282 コンマ判定 01~30 眠ってしまい失敗 31~70 成功小【知力】+1 【デジタル】経験値極小 71~98 成功中【知力】+1 【デジタル】経験値小 ぞろ目44以外 成功大【知力】+3 【デジタル】経験値小 ぞろ目44 大失敗【知力】-1 293 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 11 54.46 ID lB8a/BASo 眠ってしまい失敗 京太郎「やっぱり駄目だ、数字の羅列見てると眠気が……」 京太郎「y=……xの、aが――」 京太郎「ぐぅ……」zzz 294 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 14 30.01 ID lB8a/BASo 【放課後】 京太郎「……」 京太郎「今日一日寝て食べて寝ての記憶しかない……」 京太郎「……」 京太郎「ま、こういう日もあるさ!うん」 京太郎「……」 京太郎「さて今日はバイトの面接の日だっけ……」 295 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 35 16.01 ID lB8a/BASo 【鷺森レーンへの移動中】 京太郎「B地区に来たのは良いが、何処だ鷺森レーン」 京太郎「もっと地図よく見ておくべきだった……」 京太郎「誰かに聞くか。丁度あそこに人がいるからあの人に聞こう」 京太郎「すみませーん」 やえ「ん?私に何か用か?」 京太郎「あのーお尋ねしますけど、鷺森レーンを知りませんか?」 やえ「鷺森レーン……あぁあのボウリング場のことかな?」 京太郎「ええそうです」 やえ「ああそれならもう少し言った先に看板がある。そこを通り過ぎればすぐそこだ」 京太郎「ありがとうございます」ペコリ やえ「いやいや迷えるものを助けるのも王者の務め」 やえ「ところでもしかしてその制服、君はA地区総合高校かな?」 京太郎「ええ。1年生ですけど」 やえ「そうか。私はD地区雀帝学園小走やえと言う」アクシュ 京太郎「えっと須賀京太郎です」アクシュ やえ「ふむ……」 京太郎「何か?」 やえ「いや何でもない。また会えたら良いなそれでは」 京太郎「はい。ありがとうございました」 【京太郎去った後】 やえ「……」手を見つめつつ やえ(麻雀学園都市の生徒で尚且つ1年生なのに彼にはマメが無かった……) やえ(恐らく相当打っているに違いない) やえ(これは今年のA地区総合高校は手ごわいかもしれんな) 【小走やえと出会いました】 298 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 45 25.57 ID lB8a/BASo 【鷺森レーン】 京太郎「さて着いたぞ」 京太郎「緊張してきたな……。怖いおっさんが店長だったりしたらどうしよう」 京太郎「……」ブルッ 京太郎「いや悩んでも仕方ない。ここは一発元気の良さを印象付けよう」 ガー 京太郎「たのもう!」 灼「お帰りはあちら……」 京太郎「はい。すみませんでした」 灼「?」 300 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 22 57 43.26 ID lB8a/BASo 【面接中】 灼「短期バイトの面接ならそう言って欲しいんだけど……」 京太郎「すみません……」 灼「まぁいいし。とりあえず面接するから」 京太郎「ええっと……もしかして君が?」 灼「そう。不満?」 京太郎「いやそう言う訳じゃないけど、見たところ同じくらいだし……」 灼「面接に関しては私に任されてるから。あとここ私の家だし」 京太郎「え?」 灼「鷺森灼、B地区女子学園2年生」 京太郎「あ、俺はA地区総合高校1年生須賀京太郎です」ペコリ 灼「須賀君ね……。何かアピールある?」 京太郎「アピールですか?……ええっと 305」 1.体力には自信が有ります 2.根性に自信が有ります 3.笑顔に自信があります(イケメンスマイル 4.おもちソムリエの資格持ってます 5.特に有りません 6.その他(内容併記) 319 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 23 03 46.85 ID lB8a/BASo おもちソムリエの資格持ってます 京太郎「おもちソムリエの資格持ってます」 灼「……ごめんなさい。不採用で」 京太郎「ま、待った!今度こそちゃんとアピールしますんで!」ドゲザ 灼「……もう一度だけだから」 京太郎「アピールは 324です」 1.体力には自信が有ります 2.根性に自信が有ります 3.笑顔に自信があります(イケメンスマイル 4.特に有りません 5.その他(内容併記) 327 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 23 13 29.55 ID lB8a/BASo 体力には自信があります 京太郎「体力には自信があります!」 灼「ちゃんと最初からそう言えばいいのに」タメイキ 京太郎「すみませんでした」 灼「男手が欲しいからバイト雇う事にしたんだし、体力が無いと困る」 灼「とりあえずその箱持ってみて」 京太郎「これですか?」 332 体力判定(難易度小):コンマ二桁 ※【体力】13のためコンマに+13されます 00~30 重い……(失敗) 31~70 ……ふぅ(成功) 71~99 おりゃ軽い軽い(大成功)【体力】+1 ぞろ目44以外 これ中身空ですか?(大成功)【体力】+3 ぞろ目44 駄目だ持ち上がらない……(大失敗)【体力】-1 337 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 23 20 51.24 ID lB8a/BASo 大成功 京太郎「おりゃ軽い軽い」 灼「……体力は結構有るか」 灼「分かった。採用する」 京太郎「え?良いんですか?」 灼「性格面にやや難ありだけど、悪い人みたいじゃないし体力は有るみたいだし」 京太郎「ありがとうございます」ペコリ 灼「……本当に何故最初からそれが出来ないの」タメイキ 京太郎「ははははは」ヒキツリ 【鷺森レーンのバイトが決まりました】 【鷺森灼】と出会いました 【体力】が+1されました 343 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 23 30 51.90 ID lB8a/BASo 【バイトについて】 バイトは2週間の短期バイトです。決まった場合1週間に3日は【放課後】にバイトに行く事になります バイトに行く日は自由ですが、1週間のうち3日に足りなくなりそうな場合(例:木曜日までバイトに行かなかった場合) 強制的に3日間バイトが入ります(約束が有る場合でもバイトが優先されます) バイト代は2週間勤めた後入ります。バイト代は2週間で2万円です 灼「で、今日はどうする?私は助かるけど」 京太郎「えーっと今日は…… 348」 1.是非お願いします 2.今日はちょっと…… 354 :◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/06(木) 23 41 41.53 ID lB8a/BASo 是非お願いします 京太郎「是非お願いします」 灼「ん、じゃあそこで着替えてきて従業員用のエプロンあるから」 京太郎「あ、はい」 着替え中 京太郎「着替えてきました」 灼「じゃあまずは――」 説明中 灼「――という訳。分かった?」 京太郎「ええっと……一応?」 灼「まぁ初日だし仕事をしながら覚えていくしかない」 京太郎「はい……」 ガー 灼「あ、お客さんが来た」 灼「いらっしゃいませ」 京太郎「あ、いらっしゃいませー」 359「こんにちわー」 自由安価(咲キャラのみ※B地区(風越、宮守、阿知賀)からグループで選ぶ) 370 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 00 13 11.80 ID vKkzb3olo ごめんグループつまり原作の学校で選んで欲しかったんだけど、説明不足ですまぬすまぬ と言う訳で池田を含む風越になるよ 華菜「こんにちわー」 灼「なんだ華菜か」 華菜「なんだとは失礼だし。せっかく皆で来てやったのに」 美穂子「こんにちは鷺森さん」 灼「こんにちはキャプテン」ペコリ 華菜「あたしとキャプテンで扱いが違うし……」 未春「仕方ないよキャプテンはキャプテンだから」 京太郎「ええっと鷺森さん、こちらの方々はお知り合いですか?」 灼「私の学校の麻雀部の人達」 美穂子「あら、鷺森さんこちらの方は?」 灼「さっき入った新人です」 美穂子「えっと麻雀部の部長をしてます、福路美穂子です」ペコリ 京太郎「これはご丁寧に。今日から入った須賀京太郎です」ペコリ 京太郎(すげー美人だな……) 京太郎(でも何かこの声を聞くと、熱さや寒気を感じるのは何故だろうか……) 376 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 00 27 52.56 ID vKkzb3olo 灼「今日はクロ達は?」 華菜「実家が忙しいから断られた。なので今日は華菜とキャプテンとみはるん、それに純代と文堂だけだし」 純代「こんにちは」 星夏「こんにちはです」 灼「いらっしゃい」 灼「5人ですね。シューズとボールはいつもので良いですよね?」 美穂子「ええ」 灼「それでは須賀君案内して、1番レーンだから」 京太郎「了解です」 377 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 00 42 17.56 ID vKkzb3olo 華菜「おう須賀案内しろだし」 京太郎(何故だろうこの人からは片岡と同じ匂いがする……) 未春「華菜ちゃん失礼だよ」 未春「ごめんなさい須賀さん」ペコペコ 京太郎「いえいえ慣れてますから」 京太郎(そしてこの人は凄く苦労してそうだ……) 【一番レーン】 京太郎「皆さん常連みたいですし、俺から改めて説明する必要は無いと思いますけど一応」 華菜「あー大丈夫だし。バッチグーだし」 華菜「……キャプテン以外は」 京太郎「え?」 美穂子「もう華菜ったら。私だってもう分かります」プンプン 華菜「キャプテンそう言うのは部室のパソコンを使えるようになってから言いましょうよ……」 京太郎「えーっと……もしかして福路さんって機械音痴?」 美穂子「恥ずかしながら家電は使えるのですけど、パソコンとか携帯とかはまったく……///」カァーッ 京太郎「それでよく最先端科学のこの街でやっていけますね……」 華菜「仕方ないし。キャプテンの家は未だ90年代の家電ばかりだし」 未春「逆に探してくるのが大変なんだよね……」 378 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 00 55 39.25 ID vKkzb3olo 京太郎「それじゃ俺は戻りますんで何かあったら呼んでください」 華菜「おうまたなー」 未春「ありがとうございました」 美穂子「お仕事頑張ってくださいね」ニコッ 京太郎「ありがとうございます」 京太郎(福路さんってやさしいな~) 【池田華菜と出会いました】 【福路美穂子と出会いました】 【吉留未春と出会いました】 【深堀純代と出会いました】 【文堂星夏と出会いました】 379 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 01 00 36.55 ID vKkzb3olo 【アパート】 京太郎「あー疲れた……」 京太郎「でもバイトも決まったし、頑張らないとな」 京太郎「あ、そう言えば霞さんに電話した方がいいのかな……」 京太郎「どうしようか」 374 明日の放課後行動安価 ※選んだ選択肢により明日の放課後パートの行動が決まります 1.お礼をしてもらう【霞に電話】 2.まぁいいか【放課後パート有り】 386 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 01 12 00.03 ID vKkzb3olo お礼をしてもらう 京太郎「そうだな。明日は特に予定ないしお礼して貰おうかな」 京太郎「でもお礼って何して貰えるんだろう」 京太郎「……二人とも凄いおもち持ってたし、例えば――」 【妄想中】 小蒔「須賀さんお礼に私と一緒に……」タプーン 霞「それとも私とお礼する?」ドタプーン 【妄想終了】 京太郎「グヘヘヘヘヘ」ヨダレ 京太郎「っていかんイカン。また煩悩にまみれてる……」 京太郎「……」 京太郎「……ちょっとトイレにいってくるか」 【弾道が上がった?】 387 : ◆UNNCnfZIx6 [saga]:2012/09/07(金) 01 26 25.75 ID vKkzb3olo 京太郎「……ふぅ」 京太郎「冷静に考えて、たった少し会っただけなのにそんな事あるわけ無いよな」 京太郎「せいぜいお茶を飲むくらいか……」 京太郎「とりあえず電話してみるか」 プルルルルル 霞「はい石戸です」 京太郎「石戸さんですか?俺です。須賀京太郎ですけど……」 霞「あ、須賀君。もう遅いわよ、忘れちゃったかと思ったわ」 京太郎「すみません。色々用事があって……」 霞「冗談♪1年生だし入学式とか学校の用事が有るわよね」 京太郎「ええそうなんです」 霞「で、今日電話してきたと言う事は大丈夫と言う事ね?」 京太郎「そう言うことです。何か申し訳ない気がしますけど……」 霞「お礼をするのはこっちなんだから謝る必要は無いわよ」 霞「それじゃあ明日なんだけど、C地区の霧島神社って知ってるかしら?」 京太郎「あーすみません。ちょっと……」 霞「そうよね……。じゃあ迎えに行くから待っててくれるかしら。A地区総合高校よね?」 京太郎「ええそうですけど」 霞「巫女服来た子が迎えに行くからその子に付いていってくれれば良いから」 京太郎「はぁ……」 霞「それじゃまた明日。期待して待っててね」 京太郎「はい、ではまた明日」 【放課後にお礼を受ける事になりました】 389 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2012/09/07(金) 01 32 09.54 ID vKkzb3olo 【現在のステータス】 【体力】14 【知力】6 【精神力】8 【基礎雀力】LV1 【デジタル】LV0 【オカルト】LV0 スキル:【ザ・ゼロ】和了時00の場合自動的に1位ツモ上がりとなり、更に打点は満貫固定となる 【所持金】¥10,000 <<前に戻る|4月へ|次に進む>>
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咲「はっきり言って幻滅した。幻滅したよ!」 京太郎「薬なんて飲ませやがって」 咲「これはもうあれだね」 京太郎「服を脱ぐな服を」 咲「京ちゃんなんてやるくらいしか」 京太郎「なんてってなんだよ。俺だってなあ長身で金髪で、主役張れるくらいには」 咲「京ちゃん、自己評価高すぎじゃない?」 京太郎「怒った、もう怒った」 咲「ほっぺひっぱらないで~」 京太郎「たく」 咲「でも実際京ちゃんの清澄での評価ってこんな感じじゃないかな?」 咲「あ、麻雀の力は無いも同然だから聞くまでもないよね」 京太郎「むぐぐ、言い返せねえ」 咲「容姿は70で結構褒められてるんじゃないかな」 京太郎「だろ?」 咲「役立ち度、貢献度は87で上出来だよ!」 京太郎「何で上からなんだよ。まあ頼られて嬉しいけどさ」 咲「でね、私の好感度は」 京太郎「咲の好感度なんてわかりきってるつーの(どうせなら和の好感度が知りたいぜ)」 咲「じゃあ和ちゃんはね」 咲「最悪かな」 21 和「見れなくはないですね」 35 咲「和ちゃん優し~」 京太郎「なんでだよ!」 咲「だって」 和「……ですね」 京太郎「寝てる俺を犯した癖に!」 咲「ええ、だってムラムラしたから」 京太郎「俺はオ○ホか!」 咲「あはは、女の子は入れられる側だよ」 和「咲さん、相手にしないで行きましょう」 咲「うん。じゃあね京ちゃん」 京太郎「……意味わかんねえ」 京太郎「やられたのに最悪って何だよ……やられた側なのに」 久「あら須賀君、シーツ掃除するの?」 京太郎「ええ、汚れていたので」 久「相変わらずありがと。助かってるわ。何かお礼でも出来たら良いのだけど」 京太郎「いえ、そうだ部長、俺のことどう思ってます?」 久「須賀君のこと? ルックスも良いし働き者だと思ってるわ。女子にもてるでしょ」 京太郎「部長はどう思います? 勿論男として」 久「……下1ね」 久「悪くは、ないと思うわ……」 34 F 京太郎「ならこっち見てくださいよ」 久「いえね、須賀君は確かに声も良いし顔も整っているのよ」 京太郎「なら」 久「でも好みって大事でしょ?」 京太郎「まあ俺も巨乳は好きですが」 久「それよ! 須賀君は私のタイプじゃないの!」 京太郎「……」 久「あ、私まこに呼ばれてたから」 京太郎「出てってやる! 絞るだけ絞るこんな部活、出てってやる!」 久「あ、外でるならあれよろしく」 京太郎「ちくしょー! スポドリとお茶2リットル、お茶受けいくつか、ですね。わかりましたよ!」 久「領収書は貰って…って、言われなくてもわかってるはずよね」 京太郎「領収書だってなんだって持ってきますよ!」 久「いってらっしゃ~い」 きょうたろうがきよすみからにげだした 鶴賀 京太郎「蒲原さーん!」 蒲原「須賀君じゃないか―」 ゆみ「なんだ蒲原、知り合いか?」 蒲原「清澄のマネージャーだぞ。前に少し話をしてな、ワハハ」 京太郎「部員です!」 蒲原「ごめんごめん」 ゆみ「で、清澄の者が何故。練習試合でもやるのか?」 京太郎「実は」 京太郎は事の顛末を話した。 蒲原「ぷ、ぷくく」 ゆみ「わ、笑っては失礼だろ…しかし、久らしいというか、くくっ」 蒲原「ゆみちんだって笑って……もうダメ、ワハハ! だってこんなギャグみたいなことが」 ゆみ「まあ確かにルックスや声は目を見張るものがあるが」 京太郎「そんなこと言ってどうせ……」 ゆみ「本当だとも」 蒲原「そうだぞー。そうだ、ついでに私たちの好感度も教えてあげよう!」 ゆみ「私は初対面なのだが」 蒲原「まあまあゆみちん」 ゆみ「はぁ……私は下1だ」 蒲原「私は下2だぞ」 蒲原「友達としてなら悪くないと思うな―」 59 D 京太郎「ありがとございます」 蒲原「なーゆみちん」 ゆみ(しかしよく見ると顔も整って背も高い。それに声も特に) 蒲原「風邪か―?」 ゆみ「ああ、私は」ドキドキ 京太郎「薬でしたらこれなら」 ゆみ「これは、頭痛薬?」 京太郎「優しさが半分入っているので、よく効くと思います。あ、でもあまりに酷い症状なら病院へ」 ゆみ(優しさが半分、残りの半分は) 京太郎「御身体には気をつけてくださいね。加治木先輩」ニコッ ゆみ「くっ、その笑顔反則だ……」 93 A 蒲原「ゆみちんもたまにはボケるんだなー」 モモ「先輩風邪っスか!?」ユラッ 京太郎「うわっ!」 モモ「人を見て声をあげるとか失礼っすね。まあ慣れてるっスけど」 京太郎「ごめんなさい」 ゆみ「ああ。病にかかってしまったらしい」 モモ「難病っすか!?」 ゆみ「ああ。そうだ、モモ……」 モモ「なんすか? 水っスか? ああ、でも今は」 蒲原「ユミちんが聞きたいのは彼のことだと思うぞ、モモ」 モモ「……誰?」 ゆみ「ぱっと見の印象で良い。彼をどう思う?」 京太郎(おっぱい大きいな……この娘) モモ「えっと……下1っス」 京太郎「先ほどはすみませんでした。初対面で悲鳴を」 モモ「え……と」 京太郎「モモ、さんでいいですか?」 モモ「好きに呼べばいいっす。影が薄いからあれくらい」 京太郎「そんなこと、モモさんほど魅力的な(胸を持った)女性、そういませんよ」 モモ「い、言ってて恥ずかしくないっすか!?」 蒲原「ワハハ、真っ赤で桃みたいだな―」 モモ「そ、それと私の名前はモモじゃなく、東横桃子っす!」 京太郎「じゃあ桃子さん、良ければ俺と友達になってくれませんか?」 モモ「と、友達!?」 蒲原「ちなみに同学年だぞ」 京太郎「友達ならきっと、貴女の事を忘れることは無いと思うので」 京太郎「よろしければ、有効の証に握手を」 モモ(ナンパっぽい男の癖に…) モモ「じゃあ」ギュッ 京太郎「今日から友達ですね」 モモ(どうしてこんなに胸が高鳴るんスか―!?) 80 A 京太郎「あ、買い出しの途中でした」 モモ「も、もう行くっスか?」 蒲原「なら送ってくぞ」 京太郎「ありがとうございます」 ゆみ(命か愛か……) モモ「なら私も!」 蒲原「モモは部活があるだろー」 モモ「くっ!」 蒲原「ゆみちんはどうする? 帰りにドライブとでも」 ゆみ「い、いや、遠慮しとこう(行きは天国、帰りは地獄では)」 京太郎、神原さんと共に清澄に戻りました。 京太郎「ただいま戻りましたー」 和「あ、お帰りなさい」 咲「戻ったんだ、お帰り京ちゃん」 京太郎「部長、買い出しの品です」 久「ありがと。随分遅かったのね」 京太郎「鶴賀学園に行ってまして」 久「犯罪はやめてね」 和「同意ですね」 京太郎「いやいや、歓迎されましたから!」 咲「そっか。よかったね」 京太郎「憐れむような目をやめろぉ!」 京太郎「染谷先輩に優希も何か言ってくださいよ!」 まこ「確かに言いすぎじゃな。京太郎なら歓迎されるんは妥当じゃろ」 70 B 優希「犬はよくやってる方だじぇー」 68 C 京太郎「ですよね!」 咲「優しいなぁ」 京太郎「咲が冷たいんだよ」 咲「抱いた癖に……」 まこ「なに!?」 優希「なんだと!?」 まこ「ま、大方寝たところをいつも通りやったんじゃろ?」 咲「あ、ばれました? 京ちゃんあそこは大きくて」 優希「~~///」 咲「恋愛感情抜きにするなら、結構良いですよ」 和「私は結構ですけど」 久「私も遠慮するわ」 咲「二人も試してみると良いですよ」 まこ「あ、あほ!」 優希「さ、咲ちゃんのスケベ!」 咲「酷い言われよう!?」 京太郎「事実だろ」 咲「もう!」プンプン まこ「あ、そうだ京太郎」 京太郎「ああ、手伝いなら良いですよ」 まこ「すまんのう。父がギックリになんてならんけりゃ」 京太郎「バイト代も出るし、結構楽しいんで」 まこ「そ、そりゃあよかった」 京太郎「今からですか?」 まこ「うむ」 久「買い出しも終わったし、行って良いわよ」 京太郎「じゃあ行ってきます」 久「行ってらっしゃい。頑張ってね~」 優希「わ、私も」 和「優希はここで打ちましょう」 咲「面子足りないもんね」 久「そうね」 優希「うう~」 ルーフトップ おっさん1「お、若旦那と出勤?」 まこ「あ、あほ! 後輩じゃ!」 おっさん2「顔赤いぞ。青春だねー」 まこ「酔っ払い追い出すぞ!」 京太郎「あはは、って」 まこ「京太郎どこへ」 京太郎「こらこら、子供はこんな場所に来ちゃいけないよ」 まこ「子供?」 京太郎「しかも日本酒なんて飲んで」 まこ「日本酒?」 京太郎「着物着て大人っぽく振る舞っても、お兄さんは見逃しません」 まこ「ば、京太郎! その人は」 咏「ん~? 絡んでくるなんて酔っ払い?わっかんねー?」クピッ 京太郎「飲むな!」 咏「あー返せよ―!」 京太郎「ダメです」 まこ「ああ、やっぱり」 京太郎「染谷先輩の知り合いですか?」 咏「くっそ、背伸びしても届かないねえ」 まこ「その人は」 咏「清澄の次鋒さんの知り合いかい?」 まこ「知り合いと言うか後輩でして。麻雀初心者の高校1年生なんです」 咏「ふーん」 咏「お兄ちゃん、うたをいじめるの?」 京太郎「上目づかいもダメ!」 咏「んだよー。ロリコンじゃねーのかよ」 京太郎「酷い変わりよう!」 まこ「京太郎、その人はプロ、大人じゃ」 京太郎「んなバカな」 咏「ほい免許証」 京太郎「ノーウェイ!!」 咏「お兄ちゃん酷いな―、お酒盗られておもわず泣いちゃうところだったね~」 京太郎「か、数々の御無礼お許しを」 咏「わっかんねー。けどやだ」 京太郎「申し訳ありませんでした!」ドゲザッ 咏(この兄ちゃん面白いな) 京太郎「なにとぞ、なにとぞ」 咏「んー、しゃあないねえ」 京太郎「じゃあ!」 咏「アレしたら許してやるよ」 78 B 咏「店員さーん、熱燗くださーい」 まこ「はいはいただいま!」 咏「ほらほら、手が止まってるねえ、次は苺食べたい。あー」 京太郎「は、はい。口を開けてください」 咏「もう開けてるっての。あー」 京太郎(何で俺が食べさせる必要が) 咏「ん~、誰かに食べさせてもらうパフェは美味いねえ」 京太郎「さいですか」 まこ「あ、あの……熱燗です」 咏「サンキュー。ほらほら、注いで注いで」 京太郎「は、はい!」 咏「こりゃ小鍛治プロが見たら発狂するね。知らんけど」 まこ「あまり後輩においたは」 咏「ただ座ってるだけだって。東北で言う充電ってやつ? んー、ちょうど良い温度。やるねえ」 まこ「ありがとうございます」 咏「ま、今日1日は我慢してな。あ、それとお姉さんコレ」 まこ「スマホ?」 咏「記念記念。ほら笑って」 京太郎「に、に~」 咏「ぎこちないねえ。ま、いいけど……に~」 まこ「はぁ……」 カシャッ 咏「よく撮れてる。上出来上出来。ご褒美にパフェのサクランボをあげよう」 まこ「どうも……美味しい」 咏「こんなサクランボより彼のチェリーが欲しいってか?」 まこ「な、なっ」 咏「かわいい反応だねえ」 まこ「勘違いしている所申し訳ないですが三尋木プロ。京太郎はチェリーじゃないんじゃ」 咏「え゛」 まこ「京太郎ならとっくのとうに捨ててるからのう……咲で」 咏「ふ、ふ~ん」 京太郎「こんな所で何を話しているんですか、貴女達は」 「「わ、わっかんねー?」」 京太郎「仲いいな!!」 その日三尋木プロのブログには一般、芸能、様々な人物からアクセス、コメントが殺到したという。 咏「ん~、なんでこんなにアクセスが来るのかわっかんねー」 針生「休暇になにをしているんですか!」 咏「まあまあえりちゃん。場所も住所も店名も隠したし平気平気」 針生「もう少しプロである自覚をですね」 咏「わっかんね~!」 針生「とぼけないでください!」 咏「別に恋愛禁止じゃないんだし、いいんじゃね? 知らんけど」 長野 京太郎「目線ずれてる」 まこ「確信犯じゃな、すまん」 京太郎「いえ、俺が悪いんで……あ、桃子とゆみさんから」 優希「なんて書いてあるんだ?」 京太郎「あのサービスは有料なのか、学割はあるのか、らしいです」 まこ「いっそ有料にするか?」 優希「チェキ1枚 5000円!」 まこ「……」 優希「……」 京太郎「……大人買いされたらどうするんですか」 「「すまん(じぇえ)」」 咲「京ちゃん自惚れすぎだって」 久「ねえ、それに私にもゆみからメールが」 和「好き者もいるんですね」 咲「ね~」 清澄 京太郎「咲、また寝てる時に」 咲「んふっ」 京太郎「やめろって」 咲「だって、なんか欲しくならない?」 京太郎「欲しい?」 咲「誰かが欲しがってる物とか、離したくないものってさ」 京太郎「俺はおもちゃかよ」 咲「ううん、京ちゃんは大事な友達だよ」 京太郎「はぁ、すんだらさっさとどいてくれよ」 咲「勿論。あ、ゴムはしてるから心配しないでね」 京太郎「当たり前だろ」 咲「ちえっ(こんなに上等な物持ってる友達を、簡単に離すわけないよね)」 咲「もうすっきりしたから起きていいよ」 京太郎「はいはい、そりゃよかったですね」 咲(八方美人となんて、付き合いたくは無いけどさ) 京太郎「昨日も洗濯したのに、またするとは」 久「須賀君、今日はどうするの?」 京太郎「部長、どうって?」 久「まこの手伝いする?」 京太郎「え、でも」 久「買いだしも昨日してくれたし、シーツも洗濯してくれているから平気よ」 京太郎「そうですね」 久「それとも麻雀でもする?」 和「まあ、先輩のお店でも出来ますが」 京太郎「じゃあ下3で」 雀荘 まこ「なんじゃ、また来たんか」 京太郎「ええ」 まこ「それは確かに助かるが」 京太郎「今日は前回の様なミスはありませんよ!」 健夜「あ、君が噂の男の子かな?」 まこ「今回は有名人じゃけえ」 京太郎「た、確かに」 健夜「探すの苦労しちゃったよ。咏ちゃんもなかなか教えてくれなくて」 京太郎「そ、それはご足労を」 健夜「ううん、全然平気。むしろここまで来るのが楽しみだったっていうか」 美穂子「お初にお目にかかります。小鍛治プロの噂はかねがね」 健夜「わ、私ってそこまで焦ってる!?」 美穂子「? 麻雀の実力についてのつもりだったんですが、私もしかして」 健夜「あ、うん。私も知ってるよ。福路さんだよね。個人戦凄かったから」 美穂子「ありがとうございます」 京太郎「あ、部長の」 美穂子「貴方が須賀君ね」 京太郎「はい」 美穂子「全国では買い出しお疲れ様でした」 京太郎「いえいえ」 健夜(もしかして彼女も彼を?) 89 A まこ(まさか久にスパイでも) 美穂子「誰かのために力になろうなんて、素敵だわ」ギュッ 90 A 京太郎「手、手を」 美穂子「この手にはきっと、優しさがこもっているのね」 京太郎「あ、あの」 美穂子「あ、ごめんなさい。つい」 京太郎「い、いえ」 美穂子「でも会えてよかった」 京太郎「会えてよかった?」 美穂子「今日はお手伝いに来たの」 まこ「手伝いなら京太郎で間に合ってるが」 美穂子「久が二人が困ってるって教えてくれてね、力になれたらって」 まこ「そりゃあ、あんたの腕はしっとるから助かるがのう」 京太郎「じゃあお願いします」 美穂子「はい♪」 健夜「なら私も」 京太郎「小鍛治プロは打っている方が宣伝になるので、どうかお願いします」 健夜「あ、はい」 まこ(確かに福路さんのおかげで色んなことが捗るが……) 美穂子「須賀君、これ3番さんにお願い」 京太郎「はーい!」 美穂子「須賀君、これノリ巻きなんだけど、小鍛治プロに運んで貰えるかしら」 京太郎「先輩の手作り……」 美穂子「ふふっ。須賀君の分も作って良いか染谷さんに確認をとってあるわ」 京太郎「やった! 先輩ありがとう!」 まこ「お、おう」 美穂子「後でお休憩のお時間に頂きましょう」 京太郎「ひゃっほー!」 まこ(なんか納得いかん!) 京太郎「小鍛治プロ、ノリ巻きです」 健夜「うわっ、凄い綺麗に巻いてある」 京太郎「福路さんの手作りですから」 健夜「いまどきの女子高生ってすごいなぁ、はむっ。うわっ」 京太郎「どうかされました?」 美穂子「なにか粗相でも」 健夜「ううん、お母さんが作ったのと同じくらい美味しくて」 美穂子「まあ♪」 京太郎「俺も早く食べたいなぁ」 まこ「仕事終わってからじゃな」 美穂子「ノリ巻きは逃げませんから」 健夜「…! 京太郎くん、はいあーん」 「「!?」」 京太郎「え、えっと、いいんすか?」 健夜「良い、良いよ!」 京太郎「なら失礼して、あむっ」 美穂子「どうですか?」 京太郎「美味しい。これなら毎日でも」 美穂子「なら明日からでも」 健夜「福路さん!」 美穂子「はい?」 健夜「料理教えて!」 美穂子「えっと・・・私なんかが」 健夜「お願い!」 美穂子「わ、わかりました」 まこ「そんなにうまいんか?」 京太郎「え? 美味しいですよ」 まこ「わしの卵焼きよりも?」 京太郎「染谷先輩の卵焼きも美味しいですよ」 まこ「わしはどっちが美味しいか聞きたいんじゃ」 美穂子「なら」 京太郎「どうしてこんなことに」 まこ「さ、食ってみい」 美穂子「ノリ巻きに卵焼き」 健夜「味比べだよ!」 京太郎「えっと仕事は」 まこ「もう店じまいじゃ」 美穂子「須賀君の好きな方を選んでくださいね」 まこ「世辞はいらんけえ」 京太郎「わ、わかりました」 健夜「私の作った卵焼きやノリ巻きもあるから(下手だけど……)」 京太郎「俺が好きなのは……」 京太郎「染谷先輩の卵焼き、出汁が効いててとっても美味しいです」 まこ「じゃろ?」 美穂子「確かに、どうやって作ったか教えてもらってもいいですか?」 まこ「企業秘密じゃ」 京太郎「でも」 まこ「なんじゃ?」 京太郎「福路さんの海苔巻きのバランスには」 まこ「なんじゃと?」 京太郎「すんません。今回は福路さんの海苔巻の方が美味しいです」 美穂子「まあ」 まこ「くっ」 京太郎「本当に美味いっす」 美穂子「ふふっ。焦らないでも、京太郎くんさえよければ」 まこ「京太郎くんじゃと!?」 美穂子「だっていつまでも名字だと距離を感じるでしょ?」 まこ「そんならわしだって」 京太郎「えっと」 健夜「私も名前で呼んで構わないよ。距離感じちゃうし」 まこ(距離より年じゃろ) 京太郎「あはは、流石に大先輩の小鍛治プロを名前呼びなんて出来ませんよ」 健夜「だ、大先輩……」 美穂子「私はダメかしら?」 京太郎「えっと」 美穂子「京太郎くん」 京太郎「美穂子、先輩」 美穂子「嬉しいわ。これからよろしくお願いね京太郎くん」 京太郎「こちらこそ」 まこ(なんじゃなんじゃ! いきなり現れて人の領域荒らしおって!) 京太郎「あはは、なんだか今日は色々な人と仲良くなれた気がします」 美穂子「私もよ。ふふ」 健夜「また来るね」 美穂子「私もそろそろ。今日はお世話になりました」 京太郎「こちらこそごちそうさまでした」ペコリ 健夜「わ、私も次は美味しい料理作るから!」 京太郎「不格好でも、真剣に作ってくれた事はアレから十分に伝わりましたよ」 健夜「それでも! 次は負けないから!」 まこ(もう来るな) 京太郎(染谷先輩なんだか疲れてるなあ) 京太郎「染谷先輩、これ」 まこ「んん、ドリンクか」 京太郎「今日はお疲れさまでした」 まこ「ああ、疲れたわ」 まこ(こいつは鈍感じゃし、はぁ……わしなんで京太郎なんか好きに) 京太郎「いやー、今日は楽しかったな―」 まこ(でも諦めきれん、わな) まこ「次は負けん」ボソッ まこの好感度がB75→A80に上昇しました まこの父のギックリが完治したため、京太郎のアルバイトは終了しました。 京太郎「久々の学校、部活休み、どうするか」 透華 初対面 京太郎「ぶらぶらしよう」 京太郎「さて、するとは決めたがどうするか。懐はバイトであったかいけど」 京太郎「遠出する理由もないわな」 龍門渕方面 京太郎「そういや萩原さんってこのあたりなんだよな」 京太郎「挨拶でもしに行こうかな」 京太郎「確か龍門渕家の御屋敷で働いているとか」 ハギヨシ「呼びましたか?」 京太郎「うわっ。黒塗り!」 ハギヨシ「運転中に見知った顔が歩いていたので」 京太郎「あ、あの時はどうも。助かりました」 ハギヨシ「いえいえ。今日はどちらへ?」 京太郎「部活も休みだったんで、ちょっと散歩に」 「ハギヨシのご友人?」 ハギヨシ「ええ、全国の際に少々」 「この炎天下、外にいるのはかわいそうですわ。乗せてあげてもよろしくってよ」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、もしお時間があれば」 京太郎「えっと、じゃあお世話になります」 「この龍門渕家の優しさに感動なさい!」 京太郎「ありがとうございます」 ハギヨシ「しかし今日はどうして」 京太郎「本当にきまぐれですって」 透華「……」ジロジロ 京太郎「えっと、俺の顔に何か」 透華「別に。ハギヨシに相応しいかチェックしていただけですわ」プイッ 京太郎「あはは、確かに萩原さんは凄いですし俺なんかが」 ハギヨシ「そんなこ「そんなことはありえませんわ!」」 透華「貴方は私たちに相応しいと認めてあげても」チラッ A85 ハギヨシ「申し訳ありません。お嬢様は口下手なもので」 C63 気心知れた仲 透華「ハギヨシ!」 ハギヨシ「まあ須賀君はお気になさらずに」 透華「我が屋敷に着いても、御自宅のようにふるまってくださって結構ですわ」 京太郎「いや、でも……それにお土産も買ってないのに」 透華「(貴方が来るだけで十分。これ以上は)いりませんわ!」 ハギヨシ「お嬢様もこう言っておられるので、お気になさらずに」 京太郎「ありがとうございます」 透華「ところで須賀様はお食事はもう?」 京太郎「いえ、適当にハンバーガーでも」 透華「軽食なら……ハギヨシ!」 ハギヨシ「既に無線で連絡済みです」 透華「せっかくなので一緒に食べましょうか」 京太郎「?」 龍門渕家 京太郎「……いきなり着替えさせられたから何事かと思ったら」 透華「なにか?」 京太郎「なんで立食形式なんですか!!」 透華「客人に無礼な真似はできません事よ」 純「はーい、サンドイッチお待ち~」 歩「ハンバーガーならあちらのコーナーよりグリルで出来たてを」 京太郎「俺場違いじゃないですか? こういうの初めてで」 透華「ありえませんわ。それに須賀様、初めてなら私と共に」 京太郎「ええ、じゃあよろしくお願いします」 透華「ええ!」 智紀「透華ウキウキ」 衣「衣もエビフライ食べれて歓天喜地!」 純「あんなのがタイプなんだな」 智紀「ね…」 一「ほらほら、純君に智紀、サボらないで働く働く!」 純「へいへい」 透華「それで、須賀様は普段は何を?」 京太郎「まあ雑用ですね」 透華「まあ! 須賀様に雑用を!?」 京太郎「そんなに驚くことっすかね」 透華「原村ぁ……」 京太郎(めっちゃ怒ってる……アンテナびゅんびゅんだ) 京太郎「まあ俺が好きでやってるだけなんで」 透華「辛くないんですか? もし辛いのなら我が龍門渕が運営する高校へ」 京太郎「転校ってことですか?」 透華「ええ。私としましてはその方がよろしいかと」 京太郎「……」 京太郎「俺、清澄で1人だけ麻雀すっゲー弱いんですよ」 透華「まあ」 京太郎「一人だけ一回戦負けだし」 透華「それでも」 京太郎「けど部長に染谷先輩、優希に和、咲は俺を切り捨てることなく、先生たちに頼みこんでまで俺を全国に連れてってくれました」 透華「それは部員として当然ではなくて?」 京太郎「いえ、部費のことや性別の問題も旅費を考えれば、先生たちの発言は理にかなっています」 透華「確かに、女性陣の中に一人だけ普通の男が混ざっていれば、問題も想定されますわ。けど須賀様なら」 京太郎「そんな時、部長達は俺も大事な仲間だって先生たちに言ってくれたんです」 透華「……」 京太郎「だから俺、部長達を裏切ることはできません」 透華「須賀様は一途、律儀なのですね」 京太郎「そこまでとは」 透華「さしでがましい申し出、誠に申し訳ありませんでした」 京太郎「そ、そんな、頭をあげてください」 透華「ですがもし何かお困りならすぐ私に連絡を」 京太郎「あはは」 透華「必ずお役に立てるよう頑張りますわ。京太郎様」 京太郎「そんな、京太郎様?」 透華「ええ。何か問題でも?」 京太郎「名字で呼ばないんですか?」 透華「ええ。こちらの方が呼びやすいので」 京太郎(お金持って変わってるなあ) 透華(入婿として来た時のことも想定するのが、龍門渕家の女ですわ! オーホッホ!) 透華(京太郎様と結ばれた暁には、あのにっくき原村和の悔しがる顔が目に浮かぶ浮かぶ……浮かびまくりですわ!)ニヤニヤ 京太郎「あ、そういえば俺帰る方法」 ハギヨシ「お帰りの際は家まで私がお送りいたします」 京太郎「なにからなにまですみません」 ハギヨシ「いえいえ」 透華が京太郎様呼びを続けていたおかげで、一部の人々から次期婚約者候補として勘違いされました。 龍門渕家のイベント終了。 京太郎「ん~、今日も一日頑張ろう!」 学校 京太郎「咲、いつもの頼むよ」 咲「京ちゃんのエッチ」 京太郎「レディースランチのことだよ!」 咲「なんだ、それならそうって言ってよね」 京太郎「それくらいわかれよ……一応付き合い長いんだし」 咲「その言い方勘違いされるからやめて。はい、レディースランチ」 京太郎「サンキュー」 咲「じゃあ私行くから」 京太郎「おうありがとな」 久「相変わらず好きねー、レディースランチ」 京太郎「美味いんスよ」 久「美味しいといえば、美穂子に何したの?」 京太郎「何って?」 久「あれから美穂子、須賀君の話ばっかりするから」 京太郎「そうなんですか?」 久「てっきり須賀君が脅しでもしたのかなって。あ、これ美穂子から頼まれていた海苔巻よ」 京太郎「しませんよ!って、ありがとうございます」 久「実は一本貰っちゃった」 京太郎「4本残ってるんで別にいいですよ。それにしても美味いですよね。」 久「ええ、流石美穂子ね」 京太郎「ラッキー……また海苔巻食えるなんて」 久「あ、これ今日の買いだしメニューと財布ね」 京太郎「了解っす」 久「にしても美穂子が……あの美穂子がねえ」ブツブツ 部室 京太郎「買いだし終わりましたー」 久「おかえりー」 和「お疲れ様です」 咲「お疲れ様」 京太郎「ふー、疲れた」 優希「タコスいるか?」 京太郎「いや、いいや」 優希「そうか。ほしかったら言って良いんだじぇ。一口ならやろう!」 京太郎「はは、ありがとな」 まこ「そう言えば京太郎」 京太郎「先輩?」 まこ「最近客がな」 京太郎「何かあったんですか?」 久「それが面白いのよ。須賀君目当てのお客さん増えたんだって」 京太郎「俺?」 まこ「久……」 和「世も末ですね」 京太郎「失礼だよ! 俺だってルックスは整ってるし」 まこ「話は続けるが、ええか?」 京太郎「どうぞ」 まこ「勿論客の混乱を防ぐためにバイトはさせんが」 久「そのことなら私にも連絡来たわよ。靖子経由で」 まこ「なんじゃと?」 久「せっかくだしオーケーしたわ」 和「ええ」 京太郎「何か依頼ですか?」 咲「今度ここにプロが指導に来るんだよ。」 京太郎「へー、凄いな」 咲「でね、その条件が」 京太郎「ああ、俺がどっかでなんかしてくればいいのか」 和「そうです」 優希「嫌なら断っていいんだじょ?」 京太郎「別に俺は平気だけど」 まこ「無理してないか?」 咲「京ちゃんは元気が取り柄だから」 京太郎「ま、そんなところだな。で、誰が来るんですか?」 和「牌のお姉さんです」 京太郎「なに!?」 久「楽しみよね~」 京太郎「いいなぁ」 はやり「君が須賀君かな?」 まこ「ま、無事帰ってくるんじゃな……って」 はやり「はや?」 一同「えええ!?」 京太郎「……(本物!)」 はやり「…合格」ボソッ B70 京太郎「?」 はやり「瑞原はやり…じゅうはっさいです☆」 京太郎「初めまして」ペコリ 久「今回はお願いを聞いてくださり、ありがとうございます」 はやり「気にしないでね。後進の育成もプロの務めだから」 咲「じゃあ京ちゃん行ってらっしゃい」 はやり「何処へ?」 咲「え? 何処って北海道へ行くんじゃ」 はやり「行かないよ~。だってはやりもお仕事あるし、ね☆」 久「でもそれが条件のはずじゃ」 はやり「とりあえず一局打とうか」 まこ「は、はい!」 京太郎「じゃあ俺はお茶でも」 はやり「京太郎君はココ☆」 京太郎「対局席?」 はやり「半荘おーわり☆」 和「和了れない…」 はやり「でも降り方、牌効率はトップクラスじゃないかな」 和「ありがとうございます」 はやり「頭が固いのが難点、ちょっとオカルト混ぜられただけで振り込みやすくなるのは今後の課題だぞ☆」 和「ですが」 はやり「優希ちゃんは南場が弱いけど、集中力、糖分の問題なのかな?」 優希「うーん、でもチョコとかじゃ力でないじぇ」 咲「カン」 はやり「咲ちゃんは相変わらずかな?」 咲「お姉ちゃんとどっちが強いですか?」 はやり「うーん、どっちだろうね~」 咲「ところで瑞原プロ」 はやり「なにかな?」 咲「なんで京ちゃんの膝の上に?」 はやり「?」 咲「いや、疑問符出さないでください」 久「有珠山高校には連絡してきました」 はやり「ありがと。今度はやりもお詫びに指導しに行くね」 久「お願いします」 京太郎「あ、あの」モゾモゾ はやり「やん♪」 京太郎「ずっとこの体勢は」 はやり「でも咏ちゃんにやってたよね?」 京太郎「あ、あのブログ見たんですか!?」 はやり「プロの間では結構有名だぞ☆」 咲「京ちゃん顔真っ赤だよ」 まこ「そりゃあ憧れの女性が自分の膝に座ってれば」 和「それに須賀君の好きな巨乳…」 久「カチコチにもなるわね」 優希「私だって後3年くらいすれば」 はやり「はやりは小学生のころから結構あったぞ☆」 優希「ぐっ」ガーン はやり「はーい、メンバーチェンジだよ」 まこ「和、代わってくれんか?」 和「いいですよ」 優希「ちょっとやけ食いして脂肪つけてくる」 久「なら私が敵打ちをってね」 京太郎「あの」 はやり「次は京太郎君が打つ番だぞ☆」 京太郎「良いんですか!?」 はやり「はやりがしっかり指導してあげるから、ガンバ☆」 京太郎「はい!」 咲(京ちゃん人気者だなぁ……でも、お正月の賭け麻みたいに人が持ってる物を巻き上げるのって) 京太郎「よーし、やるぞー!」 はやり「えいえいお~」ぎゅっ まこ「後ろから抱きついた!?」 久「あすなろよ。あすなろ抱きよ!」 京太郎(胸が、胸が背中に) はやり「このほうが色々見やすいからね。深い意味は無いぞ☆」 まこ「京太郎」 咲「まさか…」 久「あはは」 京太郎「俺が……1位? や、やった!!」ガタッ 和「後ろから助言ありなんですから、当たり前です」 はやり「凄い凄い!」 京太郎「はやりさんのおかげです!」ギュッ! はやり「はやや。京太郎くんも良く頑張ったね」ギュゥッ! 京太郎「あはは、まぐれですよ」 はやり「ご褒美だぞ☆」チュッ 京太郎(き、キス) まこ「犯罪じゃ!」 はやり「ほっぺだからセーフだよ」 まこ「詭弁を…」 久「まぐれ、まぐれよね」 咲「私が京ちゃんに負けるはずないもん」 はやり「あはは」 まこ「何時まで抱きついとるんじゃ」 はやり「嫉妬かな? かわいい☆」 まこ「むかっ。離れんか!」 はやり「きゃっ」 京太郎「まさか俺が勝てるなんて」 はやり「素質はあるぞ☆」 まこ「京太郎と腕を組むな!」 はやり「やーん、怖い☆」 咲「もう一回」 まこ「じゃな」 久「和代わる?」 和「ええ。現実を教えてあげます」 咲「たった一回勝っただけで調子乗らないで」 京太郎「わかってるって。でも、牌のお姉さんってすごい」 はやり「今度はアドバイス少なめにするね」 咲「京ちゃんの癖に…」 まこ「(瑞原プロ)潰す」 京太郎「やぁってやるぜ!」 和「他人の力で…哀れですね」 はやり「京太郎君の対局結果は?」 対局終了 京太郎「みたかオラァ!!」 咲「お、おかしいよ! こんなの、おかしいよ!」 京太郎「1位だ!! 俺が、俺が1位だ!!」 和「悪夢ですね……」 京太郎「シャア!!」 はやり「凄い凄い!!」ギュッ 京太郎「はやりさん!」ギュゥ はやり「京太郎くん!!」チュッ 京太郎「勝った、勝ちました!!」 はやり「すごいすごい!」チュッ!チュッ! 京太郎「あはは、あははは!」 はやり「弟子になろ☆ はやりの弟子になろ!」ギュゥゥッ 好感度がB70からA80に上昇しました。 まこ「……」フラッ 久「あ、まこ」 まこ「便所じゃ……すぐ戻るけえ」 久「でも」 まこ「ちょっと一人で気張りたいだけじゃ……あはは」 和「あはは、嘘です。須賀君が」 久(咲達に良い牌が来れば九種九牌で流し、自身は次の配牌で確実に和了る。嫌な打ち方ね) はやり「やっぱり京太郎くんは」 咲「私もちょっと外の空気を吸いに行ってきます」 和「でしたら私も」 咲「ごめん、ちょっと一人になりたいから 和「咲さん……」 咲(お姉ちゃん……) 優希「どうしたんだじぇ? 犬がお祭り騒ぎって、なにキスしてるんだじぇ!!」 京太郎「あ、優希!」 優希「ななななにして」 京太郎「1位だ。俺が、俺が1位だ!」 優希「なにをわけのわからない事を」 久「須賀君が和、咲、まこを相手にトップで終わったのよ」 優希「じぇじぇじぇ!?」 京太郎「やったー!」 はやり「京太郎くんすごい! だから弟子になろ! はやりの弟子になろ!!」チュッ 優希「キスをやめろー!! 京太郎の口を塞ぐんじゃないじぇ!!」 京太郎「瑞原プロ、ありがとうございます!」 はやり「こちらこそごちそうさ、京太郎くんの才能にびっくりしたよ☆」 優希「は、牌のおねえさん! 決闘、決闘を申し込むじぇ!」 はやり「また今度ね」 はやりの好感度が80→90(ロックオン☆)に上昇しました。 その頃 咲「あ、お姉ちゃん、うん……」 咲「声が聞きたくなっちゃって」 咲「あはは、負けちゃった。2回も」 咲「ねえお姉ちゃん、本気出したのに、私負けちゃった……」 咲「それも京ちゃんと瑞原プロに」 咲「もう負けるつもりなかったのになぁ……」 咲「でも、あの時の京ちゃんはちょっと良い顔してたかな」 咲「次は負けないけどね」 女子トイレ まこ「うぐっ、くっ」 まこ「勝てるはずじゃった……いくら上手く打とうが、初心者は初心者」 まこ「全国での経験で初心者対策も出来ていたつもりじゃった……ぐすっ」 まこ「勝った京太郎を祝うつもりももちろんあったのに」 京太郎『シャア!!』 まこ「あんな笑顔、わしは今まで見たことがなかったんじゃ」 まこ「それに瑞原プロと……うっ、うっ…おええっ」 まこ「はぁ、はぁ」 まこ「京太郎……」グスッ まこ「わしは嫌な女じゃ……素直に京太郎を祝福出来ん女なんじゃ…うう」 数日後 京太郎「……手紙?」 京太郎「瑞原プロからだ」 京太郎「なになに」 京太郎「東京に来い?」 京太郎「……どうしよう」 京太郎「アレ、もう一通」 京太郎「三尋木プロだ」 京太郎「内容は横浜に、か」 京太郎「どうしよう」 京太郎「カピもいるし無理だよな。断ろっと」 京太郎「電話で良いか。電話番号書いてるし」 京太郎「ピポパっと」 京太郎「あ、瑞原プロでしょうか。須賀京太郎です」 京太郎「ええ、手紙届きました」 京太郎「返事の件ですが、やっぱり俺、清澄からは」 京太郎「いえ、はやりさんのことが嫌いなわけではありません。むしろ好意を抱いています」 京太郎「でも、やっぱり無理なんです。ここからは離れられなくて」 京太郎「泣かないでください。ええ、本当にごめんなさい」 京太郎「……心が折れそうだな。でもここは」 京太郎「三尋木プロのお電話で間違いないでしょうか?」 京太郎「ええ。俺です、須賀です本日は断りの」 京太郎「い、移籍金って何ですか!」 京太郎「あ、いえ。お金の問題ではなく」 京太郎「先ほどもはやりさ、瑞原プロにも断りを入れてきたんです」 京太郎「え、断って来たなら平気だろ? すみません」 京太郎「ごめんなさい。まだ高校生ですし。」 京太郎「転校しろ?」 京太郎「ごめんなさい。三尋木プロのご期待に添えなくて」 京太郎「よし、これでいいな」 後日休日 京太郎「……」 瑞原はやり『京太郎君へ 諦めないぞ☆』 三尋木咏『おにいちゃんへ。 わっかんねー。それとも私がそっちに住めってか? 知らんけど』 京太郎「二人から更なる手紙が」 丁重に断りました。
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第十二章【新ジャンル!? メンヘラロリの名はマホっち】 アフター マホ「ふわぁ……疲れましたぁ」 京太郎「お疲れ様。まさか、本当に全員と打つなんてな」ナデナデ マホ「あ、須賀先輩っ!」パァァ 京太郎「何か収穫はあったか?」 マホ「はいっ! 色んな人の、色んな技術を学べました!」 京太郎「その成果、今度俺にも見せてくれよな?」 マホ「勿論ですっ!!」 マホ「んへへっ♪」チョロロロロ 京太郎「また最近犬の小便が……」 マホ「弾けろブリタニアァァァァ!!」パシャパシャパシャ!! 京太郎「また裸を撮られた」 マホ「あっあっあっ♪」ポヒュ^ポヒュー 京太郎「俺のリコーダー、無くなるの今日で三十四本目か……でもちゃんとお金は返してくれるんだよな」 マホ「ゼロ! ゼロ! ゼERO!!」 京太郎「最近、選挙でもやってったっけ?」 マホ「ちゃーんと出来ましたっ!!」ビシッ 優希「よくやったじょ」ニッコリ 和「これで一人前ですね」ニッコリ マホ「わーいっ!」 久「あんたたち……ちょっとこっちに来なさい」ゴゴゴゴゴゴ 厨二病でも恋がしたいッッッッッ!!!!
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『今から白糸台の控室に来れない? 何とかする方法を思いついた。PS.必ず1人で来て』 照さんからのメールを受け取ったのは夕暮れ時、ちょうど準決勝が終わるぐらいの時間帯だった。 無事に決勝進出を決めて喜びで沸き立つ控室の中で、俺はそのメールの内容に驚いていた。 京太郎「(朝に話したばかりなのにもう思いつくとはなぁ)」 俺たちがあれだけ悩んだというのにあっさり思いつくとは。 やはり王者は格が違った、と言うやつか。 ただ、引っかかるのは『1人で来て』と言う一文である。 京太郎「(……大丈夫なのか?)」 若干の怖さもあるが、正直俺たちではどうしようもないので縋るしかない。 せっかく決勝戦まで駒を進めたのだ。 何も憂いがない状態で試合に集中してもらいたい。行くしかないだろう。 なんとなく言いづらいのもあり、メンバーにはトイレに行くと言って俺は白糸台の部室を目指した。 朝方の行動も結構疑われこともある。 話を聞いたらさっさと戻らなきゃいかんな。 京太郎「ここ、だよな」 扉に張られた紙には『白糸台高校控室』と書かれている。 別に後ろめたいことをしているわけでもないのだが、ちょっと緊張する。 周りを見回しあたりに人気がないことを確認したのち、扉をノックした。 京太郎「清澄の須賀です」 照「どうぞ」 俺はその声に導かれるように控室の中に入った。 部屋の内装はあまり俺たちの部屋と変わらない。 ただ、うちと違いいろいろと物が多い どこかの差し入れと思われる花の鉢植えや、大きな段ボールなどがけっこう置かれている。 あそこの花とか確か胡蝶蘭だよな。結構なお値段するはずなのに。 流石名門校は違うな、と妙なところで感心した。 照「来てくれてありがとう」 淡「やっほー」 部屋の中には照さんと珍種が一匹。 こいつが白糸台の制服を着て控室にいるのは当たり前の話なのだが、やはりちょっとした驚きを感じる。 そして服と言えば照さんの服が見慣れぬ制服になって居る。 どう見てもあれ冬服だよな? 何とも言えない気持ちを味わいながら2人の向かいの席に座った。 京太郎「それで、解決する方法が見つかったって……」 照「うん。ただ、その前に」 そこで照さんは佇まいを直し、俺の目をじっと見てきた。 思わぬ行動にちょっとたじろいでしまう。 照「解決のために、須賀君にはちょっと頑張ってもらわなくちゃいけない。恥ずかしい思いもすると思う。それでも、聞く?」 真剣なその口調に俺は思わず気圧された。 頑張ってもらう、それはまぁいい。 だけど恥ずかしい思いってなんだ? いったい俺に何をさせようというんだろう、この人は。 記者会見でも開いて釈明させてくれるとでもいうのだろうか。 それとも俺になんかもう口では言えないぐらい酷いことでもさせて噂を上書きでもさせようっていうのか。 京太郎「えっ……と、俺はいったいどんなことをするんですか?」 照「ごめん。それは理由があって言えない」 京太郎「い、言えないって……」 照「わかってる。だから、こんな胡散臭い話には乗れないというのならそれは構わない」 俺の問いかけを一刀両断で切り捨てる照さん。 ますます脳内には疑問符が駆け巡る。 解決案は知りたいが、内容を知らされずお前ちょっと働けよと言われても正直困る。 まぁ、流石にからかってるとか清澄を貶めるようなことはしない人だと思うけど。 今日初めて会った人だけど個人的にはこの人を信用したい。友達のお姉さ 京太郎「……本当に、その案で解決できるんですか?」 照「うん、大丈夫。須賀君だから、きっと大丈夫」 どういうことだ? 俺だから大丈夫? 意味が分からん。 だが、その自信満々の素振りを見る限り確信があるのだろう。 照さんの顔を見ても動揺しているとかそういうことはなく、堂々としたものだ。 それでもやっぱり、胡散臭いものは胡散臭いし、怪しい。 それはどうあがいてもぬぐえない。 京太郎「(だけど、なぁ)」 きっとこの噂は決勝の時まで残っているだろう。 そうなるとまたいろいろとめんどくさいことになるだろう。 さっきも思ったが、せっかく決勝までこれたんだ。 苦労して必死に掴んだせっかくの決勝へのチケットなんだ。 変な噂でその勝負にケチをつけられるのはあんまりだ。 もし、照さんの言うとおり俺ならこの状況を覆せるというのなら 京太郎「わかりました。俺にできることならします。だからその方法を教えてください」 やるしかないだろう。 多少ワリを食うみたいだけれども、構うものか。 照「わかった」 そう言うと照さんは間を置き、チラチラと視線をさまよわせた後に口を開こうとした。 だが、それを遮るようにあいつがニヤッと笑いながらこちらに口を挟んできた。 淡「ねぇ、ほんとにいいのー?」 京太郎「なんだよ」 淡「だってさー。テルーからいろいろ話は聞いてるけど、噂って大半が嘘だけど一部事実も混ざってるんでしょ」 京太郎「そりゃまぁ、そうだけど」 少なくとも荷物持たせられて走らされたとか、炎天下の中買い出しに出かけたとかは事実だ。 だけど、俺自身はあまりそのことについて気にしてないし、自分から買って出た面だってある。 淡「なんだかなー。そっちは一生懸命部のために頑張ろうって言う気持ちがあるのはわかるんだけどさ」 そこまで言って底意地の悪そうな嫌な笑いを向けてくる。 淡「向こうはどう思ってるのかなー?」 京太郎「……何が言いたいんだよ」 妙に突っかかるような言い方をするのでさすがにカチンとくる。 思わず顔にも出てしまったがそんなことは気にも留めず続けた。 淡「だーかーらー。あんたの好意を向こうは利用してるんじゃないかって言ってるの」 京太郎「利用、って」 照「ちょっと……」 照さんが窘めるように口を挟んでくるが、気も止める素振りを見せない。 むしろより一層悪そうな顔を見せてくる。 淡「どう考えたって向こうは体よく利用してるだけだって。仲間だなんて思ってナイナイ」 淡「たぶん、最初は追い出すつもりでいろいろと押し付けてたけど思ったより使えるから置いといてるとかじゃない?」 淡「女の子ばっかりの中に男一人だからねー。そりゃいいように使われるかー」 何が楽しいのかケラケラと笑いだす。 それとは反対に俺の内心はひどく軋んでいた。 頭がカーッと熱くなってくる。 淡「絶対アイツら陰でバカにしてるよ。いい奴隷だ、とか、下心目的だ、とか」 淡「そんな連中のために体張ることないって。バカバカしいじゃん」 淡「だからさ、部も早いところ辞めるなりしたほうがいいんじゃない? 時間を無駄に使うのもったいないでしょ」 淡「このままだとずーっといいように使われるか、適当なところで放り出されるのがオチだよ?」 京太郎「……」 なんだこいつは。 皆のことをろくに知りもしなくせに。 俺たちがどんな思いでここまで来たのかそれをわからないくせに。 淡「それにしてもそういうことするかなー、普通」 淡「人の良さとか好意につけこむとか最低でしょ」 淡「そりゃ、麻雀の腕はすごいのかもしれないけど人間性はお察しかー」 淡「ついてないね、そんな奴らに出会っちゃったなんて」 淡「いやー本当に酷い連中」ケラケラ 京太郎「……」 ぶつりと、大切な何かが切れる音が聞こえた。 京太郎「……ざけんな」 淡「ん?」 京太郎「ふざけんじゃねーよ!」ガンッ 目の前の机に感情の赴くまま拳を叩きつけた。 2人はびくりと体をすくませていたがそれを気に留める余裕は俺にはなかった。 ここまで腹を立てたのはいつ振りだろうか。 もしかしたら初めてかもしれない。 それぐらい、こいつの言ったことは許せなかった。 京太郎「お前が何を知ってるっていうんだよ! 俺たちの何がわかるってんだよ!」 京太郎「何が利用してるだ! 何が奴隷だ! お前の勝手な思い込みで言いやがって!」 京太郎「そりゃ、男はたった一人だし、初心者だって俺だけだ。だけど、だけどな!」 京太郎「うちのメンバーは……うちの仲間は、そんな理由で人を見下すような、1人をいじめるようなそんな人間じゃねーよ!」 叩きつけた拳が痛む。 どうやらさっき机に叩き付けた際に痛めたらしいが、よっぽど興奮してたせいか今更気が付いた。 だが、それでも俺の苛立ちと怒りは収まらなかった。 京太郎「……大体、俺だって無償の好意で下働きしてるんじゃない。そんな聖人じゃねーよ」 京太郎「あのメンバーたちだから、俺だって頑張ろうって気になるんだ」 京太郎「たった4か月ぐらいだけど、あの部に入れて本当によかったって思える」 京太郎「一人しかいない、しかも男の初心者相手にあれこれ教えてくれて、気にかけてくれて」 京太郎「だから、俺だって部員として皆の、皆のためにしてるだけなんだ」 京太郎「皆に、勝ってほしいから。麻雀では協力できないからせめて他のところで……」 京太郎「頑張ろうって、思っただけなんだ」 入部してからここまでのことが蘇ってくる。 本当に、いろいろなことがあった。 そして、いろいろなことを得た。 言いようのない感情から体が震え、痛む拳をギュッと握る。 京太郎「部長は、俺のことをからかうし、言いように使ってくるけど、 それでも男一人の俺が気を遣わなくてもいいようにいろいろ考えてくれてる」 京太郎「染谷先輩だってちょっと飄々としてるところもあるけど、すごく面倒見がよくて、 練習がない日は雀荘に連れてってくれていろいろ教えてくれる」 京太郎「和だって、口じゃ厳しいことを言うことも多いけど、一番熱心に教えてくれる。俺が理解するまで何度でも付き合ってくれる」 京太郎「優希も、あいつは口じゃ憎たらしいことばっかり言ってくる。でも、いい奴だよ。ひた向きで、本当にいい友達だ」 京太郎「咲は一番長い付き合いだから、俺がちょっと悩んだり迷ったりしてるとすかさず声をかけてくる。普段はぼーっとしてるくせに」 京太郎「そんな、連中なんだ。お前の言ってるような人間じゃない!」 感情が高ぶりすぎたのか、ここまで言って涙が出そうだった。 別に悲しいことがあったわけではないのに。 とっさに顔を伏せる。 京太郎「皆で、ここまで6人で、一緒に悩んで、一緒に頑張って、一緒に喜んで……」 京太郎「本当に一歩ずつ、躓いたり、迷ったりもしたけど……皆で……皆で……」 京太郎「一生懸命、やってきたんだ。たった6人だけの小さな部活だけど、皆で協力し合って、必死に戦ってきたんだ」 京太郎「それで、ようやく、ようやくここまでやってこれたんだ」 京太郎「それを……」 京太郎「それをっ!」 京太郎「それを、馬鹿にするなっ!」 京太郎「皆を馬鹿にするなっ!」 京太郎「俺にとっての……」 京太郎「大切な、大切なっ」 京太郎「大切な仲間なんだ」 言いたいことを言いきった俺は顔を伏せたまま黙り込んだ。 感情のままに叫び続けたせいか若干呼吸が荒くなった。 照「……ごめん、淡が酷いことを言って」 照さんの謝罪の声が聞こえる。 正直照さんに謝られても腹の虫は収まらない。 だが、反論する気力も使い切ったので黙っていた。 照「須賀君の覚悟、よく分かったから……。これ、私たちが考えた解決方法。読んでみて」 そう言って照さんは机の上にふたつに折られたA4サイズの紙を差し出してきた。 思いがけないことがあったが、そもそも俺がここに来たのはこれが目的だった。 俺は少しの緊張を胸に、恐る恐る紙を手に取り、開いてみた。 そしてそこに書かれていた文字に目を通そうとしたが、それは一瞬で終わった。 『はずれ☆』 「へっ?」 女の子特有の丸っこい字で書かれたその一言の内容が理解できず俺は間抜けな声を漏らしてしまった。 先ほどまでの怒りはどこへやら、状況が理解できず顔を上げた。 するとそこには申し訳なさそうにする照さんと、満面の笑みで笑う大星。 その手にはいつの間に持っていたのだろう、段ボールで作ったであろう簡素なプラカードを持ち、そこにはこう書かれていた。 淡「ドッキリ大成功ーーーーーーーー!」 尭深「だ、だいせいこー!」バサッ 誠子「尭深、恥ずかしいのはわかるけど"う"をちゃんとつけて。いろいろとほら、まずい」バサッ 京太郎「うおぉっ!」ビクッ 大星の叫びと共に近くに置かれていた大きな段ボールのふたがいきなり開き、女の人が二人飛び出してきた。 1人はノートパソコン、もう1人はパソコンにつながっているWEBカメラを手に持っている。 素でビビった俺は情けない叫び声をあげつつ思わずのけ反った。 っていうか何、この状況? 菫「……案の定放心しているな」ガチャッ そんな状況で扉を開けて入ってきた人がまた一人。 と言うかこの人たち、確か白糸台のレギュラー陣だよな? 京太郎「……あ、へ、その、ドッキリ?」 照「ごめん、須賀君を怒らせたのは、わざと」 淡「いえーい!」 菫「お前は煽りすぎだっ」ベシッ 京太郎「わざ、と?」 照「うん。須賀君の、演技でもなんでもない心からの気持ちを聞きたかった。 須賀君がどれがけ部を大切に思っているのかっていうのを」 何故? Why? わざとって何? つーかどういう事よ? 何でそんなことをするのよ? 理解が追い付かない俺の脳みそはそろそろフリーズを起こしそうだった。 菫「まず、騙すようなことをしてしまったことを謝罪したい。人に訴えかける姿を撮るにはこういう手段を取らざる得なかった」 京太郎「な、なんでそんなことを?」 菫「当然の疑問だな。で、それについてもう一つ謝らなくちゃいけないんだが……」 そういうと髪の長いその人はちらりと段ボールから飛び出してきた人たちのほうを見て申し訳なさそうに告げた。 先ほども言ったがその手にはパソコンとWEBカメラ……待て待て待て! パソコンとWEBカメラ!? 菫「君が『俺にできることならします』って言った後からずっと、君の姿をUs○reamで生配信をさせて貰っていた」 淡「もちろん掲示板でもURL付で宣伝してるよ!」 京太郎「」 (そのころの清澄) まこ「鶴賀の部長が慌てて電話かけてきてこれを見ろとURL送ってきたから見てみたら……」パソコンカチカチ 咲「……京ちゃん」 優希「……ばーか」 久「まったくもう、何かこそこそとしてるなぁとは思っていたけどこんな事たくらんでたのね」クスクス 和「でも、どう見ても台本とかじゃなくて素ですよ、コレ。……まぁ、だからこそちょっと気恥ずかしいですけどね」 まこ「誰が考えた筋書きか知らんが……まったく。流石にここまでのものを見せられちゃそう悪く言うやつはおらんじゃろ」 久「あーあ、もうほんと。やってくれるわね。誰だかわからないけど、文句言わなくちゃ」 優希「そうだじぇ! うちの部員を騙した罪は重いじぇ!」 和「ですね。そもそも、肖像権の侵害ですよこれは!」 咲「(……言葉の割にはみんな嬉しそう)」 咲「(私もだけど)」クスッ (そのころの姫松) 恭子「これって、奴隷って噂されてた子、やな?」 洋榎「せや。……この子の言うとること、ホンマか?」 漫「嘘には、見えませんでした。……つまり」 恭子「全部デマやった言うことか。土下座し損やん……」 絹恵「あ、あははは……」 由子「」コーホー 洋榎「というかいつまでそれ着とるんや」 漫「気にいったん?」 由子「」ノーヨー (そのころの宮守女子) エイスリン「ヤッパリ、ウソ!」ニコニコ 胡桃「エイスリンさん、前はあんなに怯えてたのに随分変わったね?」 エイスリン「アノ人、優シカッタ!」 塞「そういえば試合後は普通に話しできてたね」 エイスリン「ウン」ニコニコ 胡桃「それにしても、嘘だったなら私は結構ひどい態度とっちゃったな……」 豊音「私、泣いて土下座しちゃった……恥ずかしい……」 白望「(そもそもなんでみんな最初っから信じてたんだろう)」 白望「ダルい」 (そのころの永水女子) 小蒔「あの……霞ちゃん?」 霞「」 巴「……ダメ、完全に魂が抜けてる」 初美「そりゃ、あれだけ啖呵切ったのにそれがそもそも勘違いだったとしたら」 春「恥ずかしさで立ち直れない……」ポリポリ 霞「」ガタガタ 小蒔「あぁ、霞ちゃんが! 霞ちゃんが!」 初美「これは立ち直るのにしばらく時間がかかりそうですよー」 霞「スミマセンスミマセンスミマセン」ガクガク (そのころの阿知賀) 憧「」 隠乃「」 玄「」 灼「あー……」 宥「えっと、いい子だね、この子」 憧「でも、それってつまり、全部ガセネタだったってことだよね?」 晴絵「さすがにこの子の叫びが嘘とは考えにくいね」 灼「それに、冷静に考えれば信憑性に欠ける話ばっかりだった」 隠乃「ネットって怖い……」 玄「うぅ、信じちゃったことに反省」 憧「(あああああああああああああ、噂にかこつけていやらしいこと考えたああああああああああああああああああああああああ)」ブンブン 晴絵「決勝近いのに、大丈夫かねこれ……」 (そのころの新道寺) 煌「あー! あー!」ジタバタジタバタ 仁美「花田、どうしたんです?」 美子「さっきからソファーに寝そべってクッション被ってじたばたしてますけど」 姫子「あー、さっきの生放送? あれで清澄の噂が嘘ってわかったやろ? それでいろいろ自己嫌悪とか恥ずかしさとかで死にたくなっちょるみたい」 哩「花田、しっかりしろ」 煌「うー」ギュッ 哩「ほら、クッションから手ば離せ。勘違いだったんはしゃあないちゃろう」 煌「はい……」オズオズ 哩「なぁ、花田。うちとしても敗退したことは悔しいが、今回の大会で収穫はあったと思っちる」 煌「えっ?」 哩「花田、チャンプから3倍満打ち取ったじゃろ? それに、後半はすさまじい追い上げみしぇたしな」 煌「あれは……なんというか、無我夢中で。あはは、たまたまです」 哩「ふむ?」 哩「(……少し叩いて鍛えれば、変わるかもしれんな)」 ――翌年度、恐るべき粘り強さと土壇場の火力の高さで全国に花田煌という名前を轟かすことになる ――かどうかは誰にもわからない 淡「と言うわけで配信はここまでー。見てくれた人ありがとー」フリフリ 照「これを見てくれた人なら、あの噂が根も葉もないものだっていうのは、わかってもらえると思う」 菫「彼らとて、必死に戦ってここまでやってきたんだ。つまらない噂で彼らの努力に 水を差すのはやめてあげてほしい。各自の良心に期待する」 淡「それじゃー、バイバイ!」 尭深「……はい、今配信を止めました。もう大丈夫です」カチカチ 誠子「ふぃー、肩こった。段ボールの中狭いから」 菫「やれやれ、こういうことはこれっきりにしたいな」 京太郎「あの……」 放心&置いてけぼりのダブルコンボの俺はしばらく口を閉ざしていたけど放送が止まったと聞いてようやく口を開いた。 この部屋へやってきて30分も経っていないのに怒涛の展開すぎるだろう。 照「改めて、ごめんね。騙すような真似をして」 京太郎「いえ、その、そんな」 正直怒るべきかどうなのか判断が付きかねていた。 恥ずかしい思いをするとは聞いていたが、まさか全世界に醜態を晒すことになるとは思いもしない。 菫「動揺するのはわかる。無茶苦茶な手段だしな。咎められても文句は言えないな」 尭深「ん……ただ、やっぱり結構な効果があったみたいですよ。掲示板見てるんですが結構な騒ぎになっています」 誠子「どれどれ。『感動した』『私は最初っから嘘だと信じていた』 『つーかそもそもこの話言い出したの誰よ』 ……手のひら返し早いなぁ」 尭深「結果的にウチがこの放送をしたことがある程度の説得力を持たせたみたいですね。 それでも悪く言ってる人はいますけど、少数派ですね」カチカチ 京太郎「そう、ですか。……それは、よかった」 いろいろ腑に落ちないものはあるがこの状況に一撃を加えてくれたことには感謝しなくちゃいけないだろう。 照さんの確認に「体張っても恥ずかしい思いをしてもいい」と返してしまった手前、強く出れないというのもある。 考えてみれば既に俺の名前、学校、顔写真までネットに出回っていたんだ。 それらは噂が沈静化したところで消えないわけでして。 今更ひとつ動画が増えても大して状況は変わるまい。 嫌な話だけど。 菫「しばらくは注目を浴びるかもしれないが、悪い感情は持たれないだろう」 照「本当に、上手くいってよかった」 それにしてもだ。 京太郎「その、もし俺が皆を悪く言われたときに何も言い返さなかったらどうしたんですか?」 照「そんなことは考えなかった」 京太郎「そんな無茶苦茶な……」 即答である。 おいおい、ちょっとそれはノープランすぎやしないか? そう口に出そうと思ったが照さんは自信を帯びた口調で続けた。 照「須賀君が喫茶店で私に対してあの噂が嘘だって説明してくれた時の必死さと 真剣さを見て、本当に仲のいい部だっていうことはわかったから」 照「絶対に反論してくるだろうって、確信していた」 淡「そーれーにー、あれだけ負けて顔真っ赤にしてる奴がそんなに 気の長い奴なわけないじゃーん。絶対ガチギレすると思ったよ」ケラケラ 今までパソコンをいじりまわしていた大星がにやにや笑いながら口を挟んできた。 相変わらず憎たらしい奴め。 反論できないけど。 しかし、大星はともかく照さんとは今日会ったばかりだっていうのに俺と言う人間がいろいろ見透かされてるのにちょっと驚く。 やはり麻雀強い人と言うのはどっかそういう感覚が鍛えられているのだろうか? まぁ、騙された感はあるし気恥ずかしさもあるけれど、結果が出たのならこれ以上どうこう言うこともあるまい。 ならば、言うことは一つだ。 京太郎「まぁ、その、すっごい無茶苦茶な手段ですし、これ訴えたら勝てるんじゃないかって気もしますけど」 尭深「(ぎくっ)」 京太郎「でも、効果はあったみたいですし……だからその、ありがとうございました。わざわざ俺たちのために」 菫「構わんさ。照の頼みだったし、何より決勝で戦う相手だ。盤外の事情で勝負に水を差すのは本意じゃない」 何この人男前。 これが王者の風格っていうやつですか。 全力を受け止めた上で叩き潰すとかいうそういう横綱相撲的な。 照「それに頑張ったのは須賀君だから。私たちは少し協力しただけ」 俺はただブチ切れて喚いていただけなのだが。 しかし、冷静に考えるとそんな姿をたくさんの人に見られたわけだ。 落ち着いてきて、今更ながらすごく恥ずかしくなってきた。 淡「ふふー、なかなかいいキレっぷりだったよ」 京太郎「こいつ……」 また何か突っかかってくるのかと思ったけどいきなり神妙な顔をしてこっちを見てくる。 思わずぎょっとして二の句が継げなくなってしまった。 淡「仲間をあんなふうに言われたら誰だって怒るよね。フリだったとはいえごめんね、酷いことを言って」 そう言って頭を下げてくる。 ……この卑怯者め、そう素直に謝れると何も言えないではないか。 こういうタイプの人間が殊勝に謝ってくると効果は絶大だとひしひしと感じた。 京太郎「いいよ、別に。もう気にしてねーし」 淡「うん、よかったぁ!」 結局あっさり許してしまう自分のチョロさに若干自己嫌悪を覚える。 俺はちょちょぎれそうになる涙をこらえながら、これから控室に戻るのにどういう顔をして戻ればいいのか頭を悩ませていた。
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. 京太郎「やっぱり初詣って混むんでしょうかね?」 郁乃「ん~着かへんことにはわからんわ~」 京太郎「ですよねー」 郁乃「それで、この振袖どや~?」 京太郎「似合ってると思いますよ、可愛いです」 郁乃「それじゃあいつも可愛くないみたいやん」プクーッ 京太郎「可愛いですよ、いつもの可愛さが100だとしたら今の郁乃さんの可愛さは150です」 京太郎「あとその膨らませたほっぺも可愛いので200ですね」 郁乃「そ、そんなに褒めても何も出ないで~」 京太郎「郁乃さんと初詣デートができるだけで十分ですよ」 郁乃「うぅ~……」ドン 郁乃「え?」 男「おいこらそこの嬢ちゃん、なにぶつかっとんねん」 男「嬢ちゃんがぶつかったおかげで右肩の骨外れてもうたわ」 男2「あ~こりゃ金払ってもらわんとな~」 男「せやな、とりあえず頭金として10万くらい貰おか」 郁乃「そ、そないに持っとらん……」 男「現ナマで払えない言うんやったら、体で払ってもらおか?」 郁乃「い、いやや」カタカタ 京太郎(この場面……見覚えが……) 男「ほな早くいこか」ガシッ 郁乃「嫌!嫌や!放して!」 京太郎「そこのおじさん、ちょっと待てよ」 男「あん?なんやこのガキ?」 男2「ひょっとしてこの嬢ちゃんの彼氏とちゃいます?」 京太郎「ああ、その通りだよ」 京太郎「ところでさ、おじさん、どうしてアンタ、郁乃さんを掴めるんだ?」 男「腕はものを掴むためにあるんやで?そないなこともわからんのか?」 京太郎「分かんねえな、だっておじさんさっき右肩の骨外れたって言ってたじゃん」 京太郎「どうしてその右腕で郁乃さんを掴めるんだ?」 男「なっ!」 京太郎「これで郁乃さんを掴む必要はないな、とっとと放してくれないか?」 男2「このガキ、さっきから何を!」 京太郎「俺にちょっかいは出せねえよ」 男「はっ、何を言うて」 ウーウーウー 男「る…ん……や?」 京太郎「薬物取引もしてるヤクザの幹部が、2人で何をしているんだ?」 男2「に、逃げましょう!」 男「憶えとれよ、このガキが!」 京太郎「行った……みたいっすね」 郁乃「こ、恐かった~」ヘナヘナ 京太郎「あのときと同じでしたからね」 郁乃「京太郎くんと初めて逢ったときのこと~?」 京太郎「また郁乃さんを助けられてよかったです」 郁乃「疲れたわ~もう帰らへん?」ブチッ 郁乃「あ、鼻緒が切れてもうた~」 京太郎「帰りましょうか、はい」シャガミ 郁乃「何してるん?」 京太郎「歩きづらいでしょうからおぶろうかと」 郁乃「そういうこと~ほな、お言葉に甘えて~」 京太郎「よ……っと、じゃあ帰りましょうか」 郁乃「ご~!」
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ダヴァン「やっぱり日本のラーメンは最高デス!」 京太郎「で、これで何軒目ですか?」 ダヴァン「……4軒目?」 京太郎「俺来たのさっきですよ!?」 ダヴァン「朝に1杯、10時のおやつ代わりに1杯、キョータローと行く前の腹ごなしに1杯デスネ!」 京太郎「そんな曇りなき笑顔で言われても……ラーメン3杯食ってんのに入るんですか?って今さら愚問でしたね」 ダヴァン「ラーメンはムゲン!!」 京太郎「はいはい。あ、来ましたよ」 ダヴァン「おおお……サイコーですね!!」 京太郎「じゃ、いただきまーす」 ダヴァン「やっぱりサイコーです!」 京太郎「今3分の2ってとこですか?」 ダヴァン「イエス!スープもしっかりね!スープ残す人多いけど、私はそんなことしまセン!」 京太郎「なるほど。あ、すいませーん替え玉お願いします」 ダヴァン「へ?」 京太郎「あ、どうも」 ダヴァン「キョ、キョ、キョータロー!!い、今のはホワッツ!?」 京太郎「混ざってる混ざってる。いや、替え玉ですよ?」 ダヴァン「替え玉……なんですかそれは!?」 京太郎「ひょっとして、スープ飲み干すから替え玉知らなかったんですか?」 ダヴァン「なんということだ……スープを残す人達には替え玉という新たな可能性があったトハ……」 ダヴァン「私にも替え玉を!」 京太郎「いや、麺残ってるじゃないですか。食ってしまってからいいましょうよ」 ダヴァン「なるほど!」ズルズルズル、ズズーッ ダヴァン「さあ!レッツ替え玉!!」 京太郎「……スープないじゃないですか」 ダヴァン「……あ」 ダヴァンが替え玉を注文できたのは7軒目だったとか
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久「須賀君、奈良まで遠征に行って来て頂戴」 京太郎「ええっ!?」1 久保「池田の調子はどうだ?」 福路「最低でも一週間は入院生活との事です」 久保「あの高さから落ちたのに随分と短いんだな…」 未春「打ち所がよかったみたいで 幸いにも右足の骨折だけで済んだのは奇跡だそうです」 久保「他には?」 文堂「一週間もたてば松葉杖で歩けるようにはなるそうです」 久保「そうか… 了解した 私は出張で大阪まで行かなくてはならない 情報が入りしだい連絡してくれ」 福・未・文「「「はい!」」」 久保(大会が近いというのに 何を馬鹿な事をやってるんだ あいつは…) ―――― ――― ―― 池田「きゃ~ぷ~て~ん! 見て下さい これ!」ドンッ 福路「? ………狸?」 池田「猫ですよ! ね~こ!」 福路「ええ~っ それ猫なの!?」 池田「どうゆうわけか 校内に侵入していたのを私が捕まえたんですよ」 文堂「良く捕まえましたね先輩」 池田「太りすぎてるから楽勝だったし」 にゃ~ にゃ~ にゃ~ 未春「随分と声が低い猫ちゃんですね…」 文堂「夢に出てきそう…(この鳴き声どっかで…)」 にゃ~ にゃ~ にゃ~ 池田「声もあれで 見た目もブサイクだけど… 慣れてくると可愛いく見えてくるよ」 福路「言われてみれば…」 未春「確かに… そんな感じがしてきますね」 池田「この猫 風越で飼えないかな?」 文堂「難しいんじゃないでしょうか?」 未春「そうですね… 難しいと思います」 池田「そっか… やっぱりそうだよね…」 福路「華菜? 生き物を飼うというのは大変な事なのよ?」 福路「毎日 世話をしたり 散歩に連れて行ったり 食事だって馬鹿にならないくらい大変なのよ?」 文堂「私の知り合いも犬を飼っていたんですが つい先日 亡くなったとかで… 凄く泣いていましたよ」 福路「犬や猫の方が人間より先に死ぬのは華菜だって知っているでしょ?」 福路「喜びがあれば必ず悲しみだってあるのよ? その猫ちゃんが死んじゃった時、華菜は泣かないでいられる?」 池田「多分… 泣いちゃうと思います…」 福路「華菜は優しいから…」 池田「キャプテン…」 未春「それでこの猫ちゃんどうしますか?」 池田「私が逃がしてくるし」ヨイショ 文堂「あっ!」 文堂「ちょっと待って下さい 思いだしましたよ! その猫、近所で飼ってる猫ですよ」 池田「何ぃ~!」 福路「近所って事は、この辺りで飼っている猫ちゃんなの?」 文堂「は、はい 最近 脱走したとかなんとかで 探しているそうです」 池田「それなら私が届けに行ってくるし!」 福路「華菜一人だと心配だから私も一緒に行くわ」 未春「せっかくなんで皆で行きましょうよ」 文堂「それなら私が事情を話してみますよ」 池田「皆 ありがとだし!」 にゃ~ にゃ~ にゃ~ 未春「とりあえず コーチが来る前に猫ちゃんを部室から移動させないと…」 ガラガラガラ 久保「福路 深掘はいr ………何やっているんだお前達…」 福路「な、何の事でしょうか?」 にゃ~ にゃ~ にゃ~ 池田「あっ こら! 静かにしろ!」 ぐぉ~ ぐぉ~ ぐぉ~ 久保「………何だ この… 地の底から聞こえる恐ろしい鳴き声は…」 未春「に、にゃ~ にゃ~ にゃ~」 池田「未春ん 猫の鳴きマネ上手だし」 久保「そんな可愛らしい鳴き声じゃなかっただろ… 福路 説明しろ」 福路「み、皆で猫の鳴きマネをしていたところなんですよ? コーチも一緒にどうですか? に、にゃ~」 池・未・文「「「(キャプテン可愛い~)」」」 久保「私が聞きたいのは、お前達の後ろで窓から外の木に飛び降りようとしている豚猫の事だ」 福・池・未・文「「「「えっ?」」」」 池田「にゃーーー!!! 何やってんだ あの豚猫は~! あんな巨体で木に跳び移ったら、木が耐え切れないし!」 福路「華菜! 」 池田「分かりしました!」タタッ 文堂「先輩 ゆっくりですよ? ゆっくり」 にゃ~ にゃ~ にゃ~ 池田「動くなよ? 絶対に動くんじゃないよ?」 ピョン 池田「(あんの豚猫~! 華菜ちゃんがあれ程 動くなって言ったのに~)」クッ ガシッ 福路「華菜! 」 久保「池田!」 池田「ふぅ~… ギリギリセーフだっt(えっ?… なんで… 私 空跳んで? 跳んで!?)落ちてる~~~!!!」 ドスンッ 池田「グヘッ(意識が………)」 未春「キャーーー!!!」 文堂「池田さんが!」 久保「誰もいい! 119番に連絡しろ! 福路! ほうけてないで着いてこい!」 福路「華菜! 華菜~!」 ―――― ――― ―― 池田「と 言った感じで学校から紐なしバンジーをして右足を骨折しちゃったんだ」 京太郎「どうして俺の部屋にいるんですか!?(てか良く生きてたな…) 絶対安静じゃないんですか華菜さんは!?」 池田「だって~ 部屋にいたってつまらないし~ 暇だし~」 京太郎「だからって何で俺の部屋に毎日 毎日来るんですか」 池田「来ちゃダメなの?」ウルウル 京太郎「うっ… 来ちゃダメなわけではないんですけど…」 池田「ハッ! ちょっと上目遣いをしたらいちころだったし」ボソッ 京太郎「聞こえてまいますよ」 池田「聞こえるように言ってるから問題ない♪」 池田「そ・れ・で 京太郎はどうして入院してるの? 見た感じ けっこう凄いけど… 車にでも轢かれたの?」 京太郎「あぁ… うん… まぁそんなところかな…」 ~~~回想~~~ 桃子「す~が~きぃ~ょ~う~た~ろ~」ギギギッ 京太郎「桃さん? 何ですかそのバット? えっ? ちょ!?」 桃子「死にさらせぇ~!!!」ブンッ 京太郎「ギャーーー!!!」 ―――― ――― ―― 京太郎「」ブルッ 京太郎「この世には絶対に逆らっちゃいけないルールがある事を初めて知りましたよ…」 池田「ふ~ん 良くわからないけど 京太郎も苦労してるんだな 私ほどじゃないけど」 京太郎「」ピクッ 京太郎「ほぅ… この俺に苦労バトルを挑んで来るとは笑止千万! 片腹痛いわ!」 池田「なにお~う それなら京太郎の苦労話を聞いてやろう 華菜ちゃんに参ったと言わせる事ができるかな? 半ミイラ君?」 京太郎「そこまで言われて黙っている京太郎ではないぜ! 聞くがいい 俺の壮絶なる高校生活を! 」 ―――― ――― ―― 池田「ま、参りました~」 京太郎「フッ 口ほどにもない」 池田「ね、ねぇ? 私が言うのもなんだけど… 行く高校 間違えたんじゃないの?」 京太郎「行く高校を間違えたんではなくて、入る部活を間違えたんですよ」 池田「清澄だっけ? 京太郎の高校? あそこ麻雀部あったんだ…」 京太郎「麻雀部は最初からあったんですけど… 部員がいなかっただけですよ」 池田「無いのと同じじゃん」 京太郎「まぁ 今年は部員が揃ってるから全国大会に向けて猛特訓中ですよ」 池田「全国大会ねぇ~ なぁ京太郎? 私も麻雀やってるだ」 京太郎「そうなんですか?」 池田「ちなみに私は風越のレギュラーだし」 京太郎「か、風越って 長野の全国大会常連高じゃないですか!? 華菜さん そこのレギュラーだなんて凄すぎますよ!」 池田「ちなみに去年は大将だった」ドヤッ 京太郎「華菜さん ヤ~ベェ! カッコ良すぎだ!」 池田「褒めたって何もでないし」テレテレ 池田「でもね…」 京太郎「えっ? いきなりシリアス?」 池田「ちょっとは空気読め!」バシッ 京太郎「痛!」 池田「ったく… 清澄が全国大会出場に向けて頑張ってるのはわかるけど それは絶対に無理だと思うよ」 京太郎「そりゃあ 華菜さん達みたく全国常連高校でもないですからねぇ~ 難しいでしょ」 池田「そうじゃないんだ…」 京太郎「? 違うんですか?」 池田「………昨年の全国大会、私は大将を任され卓についた その時に対戦した 天江衣って言う同じ一年生にに私は… 惨敗した」 京太郎「名門風越で大将を任されるほどの人が惨敗…」 池田「天江衣はありえないほどの怪物 天江だけじゃない 他のメンバーも曲者揃いだったし」 京太郎「風越を打ち負かすほどの強豪… 」 池田「さらに運が悪い事にメンバー全員が一年生なんだ」 京太郎「全員一年生!? 一年生だけで全国大会に出場したんですか!?」 池田「おそらく今年もそこが優勝候補だし」 京太郎(おいおい なんだよ そのチート連中は…) 池田「だから清澄が全国大会に出場するためには 私のいる風越と優勝候補の一つ龍門渕高校に勝たないといけないんだぞ?」 池田「普通に考えて全くの無名高 ましてや二ヶ月 三ヶ月でどうにかなるとは思えないし」 京太郎「それでも清澄は絶対に勝ちますよ」 池田「言うだけなら華菜ちゃんにだって言えるんだよ」 京太郎「………」 池田「まぁ… 全国大会出場に向けて せいぜい頑張るんだな そんじゃあ私はそろそろ戻るわ また明日 バイバ~イ」 ガチャ 京太郎(清澄が勝つ為には風越と風越を倒すほどの強豪 龍門渕に勝たなくちゃいけない………か 皆…相手はあまりにも強大だぞ…) ~~~病院(夜)~~~ ナース「包帯替えますね?」 京太郎「は~い よろしくお願いしま~す(生きてて良かった~)」 ナース「随分と良くなってきているので 明後日にでも退院できますね」 京太郎「本当ですか!?」 ナース「はい♪ 明日からは散歩ぐらいならしても大丈夫だそうですよ?」 京太郎「久しぶりに自由に歩ける~」 ナース「フフッ あまりはしゃぎ過ぎて怪我しないようにして下さいね?」 京太郎「は~い♪」 ナース「それではお休みなさい」 ガチャ 京太郎「退院できるのは嬉しいけど ナースに会えなくなるのは悲しいな…」 京太郎「それにしても 最初だけお見舞いに来て それっきりって… 」トホホ 京太郎「………寝よ…」 パチッ ~~~次の日~~~ 池田「お~い 京太郎~ 散歩できるようになったって聞いたけど 本当?」 京太郎「本当ですよ 散歩くらいなら 大丈夫だそうです」 池田「そうかそうか なら! 私も散歩したいから ついでに私の車椅子も押して~」 京太郎「(断ったところでこの人には意味ないしな… 仕方ないか…)はいはい」 池田「さっすがぁ~♪」 京太郎「はぁ~…」 池田「溜め息つくと幸せがにげるぞ?」 京太郎「(あんたのせいだよ! とは言えない俺なんだよな~)はぁ~…」 池田「また溜め息ついた! これで幸せポイントが残り4になったし」 京太郎「何ですか その幸せポイントって?」 池田「知りたいのか? 知りたいんだな? クックックッ なら華菜ちゃんが特別に教えてあげよう」 京太郎「(こんなにもウザいと思った上級生は初めてだよ…)お願いします」 池田「幸せポイントとは 書いて字のとおり 幸せを度を表すポイントだし」 池田「幸せポイントは10段階になっていて 溜め息を1回でもしたら-3点 ネガティブな事を考えたら-5点」 池田「と いった具合に点数を自分でつけて幸せポイントを-にならないように自分に幸せを呼びこむトレーニングみたいなものだし」 京太郎「いわゆるメンタルの強化みたいなものですか?」 池田「そう メンタルが弱い奴は麻雀を打ってもすぐに負けてしまう」 池田「何事にもポジティブに慣れる人こそ 幸せを引き寄せ 勝利を掴む事ができる…」 池田「去年の私はメンタルがまだ弱ったから負けちゃったんだ」 池田「でも、今度の大会には幸せ度MAXで挑むから 華菜ちゃん負けなしに違いないし!」 京太郎(強豪高の選手となると こういった事もちゃんと考えてんだな… 少し尊敬) 京太郎「幸せポイントを+にする為にはどうすればいいんですか?」 池田「簡単だし! 一日10回以上笑う+1点 ポジティブな考えをする+1点 常に強気でいる+1点」 池田「幸せポイントを下げるのは早いけど 上げるのは難しいんだ」 京太郎「なるほど…」 池田「だから 京太郎も失った幸せを自分で取り戻してみるんだな」 京太郎「こりゃ大変そうだ…」 池田「はい! 今! ネガティブな事考えた~ 現在のポイント-1点~」 京太郎「ええ~っ!? 今の無しにして下さいよ~」 池田「油断している京太郎が悪い」 京太郎「そ、そんな~」 池田「まだポイントが減らし足りないようだし」 京太郎「よっしゃー! 張り切ってポイント貯めて行こう!」ガシッ カラカラ カラカラ 池田「ちょ、急に押すなよ~」 ―――― ――― ―― 池田「おぉ~」キラキラ 池田「京太郎も見てみろよ~ 猫が発情してるぞ!」 京太郎「ブッ 何見てるんですか!?」 池田「ハハハッ 冗談だし」 京太郎「おいおい」 池田「それにしても今日は随分と天気が良くて気持ちいいし 今ごろは 皆 学校で授業を受けてる頃かな?」 京太郎「三時間目が始まった頃じゃないですか?」 池田「今日は私の嫌いな数学の授業が三時間もある日だから 怪我して良かったし」 京太郎「数学の授業が三時間もあるんですか!? 風越に行かなくて良かった~」 池田「いや 風越は女子高だから 試験受ける以前の問題だと思うよ? でも 京太郎が変装して試験を受ければ 意外にも…」 京太郎「気色悪い想像はやめて下さい」 池田「うげぇ~」 京太郎「想像して嫌な顔するのもやめてもらえませんか?」 池田「予想以上に気持ち悪かったし」 京太郎「はぁ~…」 池田「幸せポイントがまた-になったけど 増やす気あるの?」 京太郎「あんたのせいだよ」ビシッ 池田「痛! 先輩に対して何て事するんだ! 私の頭が悪くなったらどうする!」 京太郎「これ以上は悪くはならないと思いますよ?」 池田「なんだと!」グニッ 池田「~~~」 池田「にゃーーー!!! あ、足がぁー! 」 京太郎「無理に立とうとするからですよ」 池田「足がぁー! 足がぁー!」 京太郎「キブスで固定してあるからそこまで痛くないはずですよね?」 池田「わ、私の足は京太郎と違って繊細なんだ 一緒にされちゃ困るな」 京太郎「紐なしバンジーした人が繊細ねぇ…」 池田「文句あっか?」 京太郎「はいはい それじゃあ部屋に戻るとしますか」 池田「!? も、もう治っちゃたから もう少し散歩しようよ」 京太郎「本当に大丈夫なんですか?」 池田「私の骨密度は一般人の三倍はあるから大丈夫だし! 現に学校からの紐なしバンジーで足だけの骨折ですんでるのが証拠」 京太郎「確かにゴキブリ並の生命力ですもんね」 池田「車に轢かれて それだけの怪我ですんでる京太郎にだけは言われたくないし」 京太郎「(車に轢かれたんじゃないとは 今さら言えない… てか車に轢かれた事になってるし…)そ、そうですか? ハハハッ」 池田「? ? 」 ―――― ――― ―― 池田「お腹空いたからお昼ご飯食べに行こっか」 京太郎「この病院に食堂なんてありましたっけ?」 池田「病院内を探検してる時に見つけた 確か一階にあったと思うけど」 京太郎「それなら行ってみますか」 池田「go! go!」 京太郎「無駄に発音上手いな…」 ~~~食堂~~~ 京太郎「すみませ~ん 子供用の椅子ってありませんか~?」 おばちゃん「子供用の椅子ならそこにあるから勝手に持っていって構わないよ」 京太郎「ありがとうございます」 京太郎「華菜さん はい」 池田「…まさかとは思うけど 車椅子の私に、わざわざ降りて子供用の椅子に座れと?」 京太郎「えっ? 違うんですか?」 池田「確かに華菜ちゃんはちょっと小さいけど、子供用の椅子になんか座れるかぁー!」 京太郎「ハハハッ 冗談ですよ」 池田「ムッ」 京太郎「先ほどのお返しですよ」 池田「京太郎の癖に中々やるな…」 京太郎「どう致しまして」 池田「………」グゥ~ 京太郎「………」 池田「わ、私じゃないし」テレテレ 京太郎「いや あんたでしょ」ビシッ ―――― ――― ―― 池田「なぁなぁ 京太郎って兄弟とかいんの?」ヒョイ 京太郎「嫌いな物をこっちに入れないで下さいよ… 俺には兄弟はいませんけど 華菜さんには兄弟いるんですか?」 池田「ん? 私は保育園に通ってる妹が三人ほど」 京太郎「保育園に三人って もしかして 三つ子!? 」 池田「そだよ 緋菜・菜沙・城菜って言うんだ~ 私に似てとっも可愛いけど 襲うなよ?」ニヤリ 京太郎「襲いませんよ!」 池田「へぇ~ ロリコンじゃないんだ」 京太郎「ロリコンじゃないですよ! そ・れ・に 貧乳には興味ありません」 池田「」ピクッ 池田「へ、へぇ~ それはどうして?」 京太郎「巨乳こそ全人類の宝ですからね それと比べれば貧乳なんて ………フッ」 池田「おい 今 私の胸見て鼻で笑ったろ」 京太郎「神とは皮肉なものですね…」 池田「私は晩成型なんだ 後二、三年もしたらボイン ボインの巨乳だし」 京太郎「それはそれで恐いな…」 池田「へへっ 楽しみに待ってろよ 京太郎」 京太郎「あまり期待しないで待ってますよ」 池田「期待しろよ!」 ―――― ――― ―― 池田「あ~ お腹いっぱいだし」 京太郎「この後はどうしますか?」 池田「そうだな… よし! 京太郎を特別に私の部屋に招待してやるし」 京太郎「華菜さんの部屋にですか?」 池田「そそ 座ってないで 押して 」 京太郎「少しは休ませて下さいよ~」 池田「♪」 ~~~池田 病室~~~ 京太郎「なんで部屋に雀卓があるんですか!?」 池田「いわゆるVIPって奴だし(実は持って来てくれたんだけど…)」 京太郎「さすが名門私立… 入院中もトレーニングさせられるとは…」 池田「お見舞いに来てくれるチームの皆と一緒に打ってるけど せっかくだし 打ってみない?」 京太郎「別にいいですよ」 池田「おっ? そうこなくっちゃ♪」 ―――― ――― ―― 池田「ツモ! 国士無双! 32000!」 京太郎「本日 3回目の国士……だと……!?」 池田「ニャハハ 京太郎弱すぎ 手牌が単純すぎるから どんな役作ってるか想像できちゃうし」 池田「国士無双聴牌してるのに無警戒で和了牌捨ててくるわ 私が和了るのを何回見逃してやったか知ってるか?」 京太郎「本当に人間かあんた!?」 池田「私なんて天江衣と比べたら天と地ぐらいの差があるし」 京太郎「何なんですか その怪物… どんだけ強いんだよ…」 池田「どうしてかわかんないけど… 天江衣と打つと全然聴牌出来なくなるんだよ」 京太郎「聴牌出来なくなるって… ただの偶然なんじゃ」 池田「私だって最初は偶然だと思ってたけど… 何局もそれが続くから… 天江の親なんか恐ろしくて考えたくもない」 京太郎「仮に俺が天江衣って人と打ったらどうなりますかね?」 池田「東一局で役満に振込んで即終了だし 運がよければ流局までいけるかも」 京太郎「要するに 俺じゃお話にならないと言う事ですね」 池田「私に勝てないのに天江に勝てるわけがないだろ」 京太郎「ですよね~」 池田「もう何局か打ってやるから 私から和了ってみせろよ」 京太郎「は、はい」 ―――― ――― ―― 京太郎「ツモ! 8000!」 池田「………お前 馬鹿なんじゃないのか?」 京太郎「はい?」 池田「二人で打ってるからだと思ってたんだけどさ パターンが同じすぎ 字牌をポンして あと染め手 何回同じ事続けるんだし」 京太郎「い、いやぁ~ この方が和了 確率が高いような気がして」 池田「混一色で和了る確率は10%以下って事知ってるか? もっと効率よく打てよ」 池田「今は二人で打ってるけど四人だったら まずツモ和了しか出来ないぞ?」 京太郎「えっ? そうなんですか?」 池田「当たり前だし 相手が染め手なのにワザワザ振り込む馬鹿はいないだろ…」 京太郎「そういえばそうですね」 池田「効率よく打てないからいつまでたっても初心者なんだ」 京太郎「はい… おっしゃる通りです…」 池田「落ち込んでる暇があったら特訓だ 京太郎!」 京太郎「はい!」 ―――― ――― ―― 京太郎「ロン! 1000点!」 池田「なっ!?(私が京太郎に振り込んじゃったし) 京太郎「安手だったけど 和了れた~」 池田「た、たまたまだし もう一局だ!」 京太郎「望むところだ!」 ―――― ――― ―― 池田「おらっ! ツモ! 数え役満! 48000!」 池田「ロン! 5800!」 池田「ツモ! 7700!」 池田「ツモ! 四暗刻! 32000!」 池田「ロン! 3900!」 池田「ロn 「やめて! 俺のライフはもう0ですよ!」 池田「なんだもう終わりか?」 京太郎「これ以上は一方的な殺戮ショーになってしまうんで勘弁して下さい」 池田「仕方ないな~ わかったよ 今日はこれで終わりにしてやるし」 京太郎「あ、ありがとうございます!」 池田「明日も打ってやるから」 京太郎「あ~ それなんですけど…」 池田「? ん? どしたの?」 京太郎「実は俺 明日 退院なんですよ」 池田「えっ… 」 京太郎「華菜さんが入院する前から入院してたんで 俺の方が退院早いんですよ」 池田「そ、そっか 退院おめでと」 京太郎「ありがとうございます 華菜さんも早く治るといいですよね」 池田「う、うん…」 京太郎「? それじゃ 俺は戻るんで 華菜さんとの麻雀 楽しかったです ………失礼します」 ガチャ 池田(明日 退院なのか… 長かった様で短かった様な… ) 池田(あんなにも話をしたのは何年ぶりだろう? 中々面白い後輩だったな…)ウル 池田「!? いけない 」ゴシゴシ 池田「ポジティブ ポジティブっと… そろそろキャプテン達が来る時間だし 笑顔 笑顔っと」 ガチャ 池田(ほら来た~!) 久保「池田ァ~ 体調はどうだ?」 池田「にゃーーー!!! コ、コーチ! なんでここに!? 大阪にいるんじゃ…」 久保「お前が暇だろうと思って 知り合いに頼んで 特別に大阪の強豪から一人選手を借りて来たから 打ってもらえ」 池田「お、大阪からわざわざ長野にまで来てくれたんですか!?」 久保「あぁ そうだ… すまない… 入って来てくれ」 ガチャ ?「初めまして 大阪 千里山女子から来ました 園城寺怜です」 池田「」ブルッ 池田「池田華菜だし よ、よろしく(な、なんだこいつ… 天江衣ほどじゃないけど… 凄く嫌な感じがする…)」 園城寺「自己紹介も終わった事やし」 園城寺「………ほな 打ちましょうか?」ボワッ ~~~清澄部室~~~ 京太郎「ただいま戻りました! いやぁ~ 心配かけたみたいで ハハハッ」 シーン 京太郎「………あれ?」 京太郎「おっかしいな なんで誰もいないんだ? 休みの日は毎日 練習のはずなのに… ………ん? 手紙?」 京太郎「何々? 『須賀君へ 退院おめでとう 私達は藤田プロに誘われて プロの試合を見に行ってきます 留守番よろしくね♪』」 京太郎「なるほどね… わかりましたよ 」 京太郎「『追伸 今回は私のはやとちりで 須賀君に重傷を負わせてしまって 本当に反省してるわ… ごめんなさい』」 京太郎「『お詫びとはなんだけど、雀卓の下にある封筒の中を見て きっと貴方が喜ぶと思うから』」 京太郎「……雀卓の下?」 京太郎「ええっと これか」パサッ 京太郎「写真見たいだな… んん!? これは… まさか!?」 京太郎「和の中学生の頃の写真!?こっちは和の水着!?和の私服姿まである!ぶ、ぶちょ~ 俺 一生貴女に着いて行きます!」 ―――― ――― ―― 和「」ゾクッ 和「なんかここ 少し寒くありませんか?」 久「そうかしら? 普通だと思うけど?」 <これより試合を開始します> 優希「あぁー! 和ちゃん! 始まったじぇ!」 久(優希に無理言って頼んだ写真よ 大切にしなさい 須賀君) ―――― ――― ―― ガチャ 咲「京ちゃん大丈夫!?」 優希「京太郎 無事か!?」 京太郎「………」 久「あら? 練習はどうしたの?」 優希「練習なんてやってる場合じゃないじぇ!」 咲「そ、そうだよ! それどころじゃないよ!」 和「それで須賀君の容態は大丈夫なんでしょうか?」 久「ん? 一応 今のところは何も問題ないわ」 咲「よ、良かった~」 優希「心配して損したじぇ」ウル 久「あら優希? 泣いてるの?」 優希「な、泣いてなんかいないじぇ! 目にゴミが入っただけだじぇ!」 久「ホントに~?」 優希「ほ、本当だじぇ!」 咲「無事で何よりだよ…」 和「須賀君はどうゆう経緯で病院に?」 久「第一発見者のまこから聞いた話だと… 部室の中でボロ雑巾のようになって倒れてたそうよ」 和「ボロ雑巾… ですか…」 優希「わけがわからないじょ…」 久「医者の説明によると バットの様な物で複数回殴られた形跡があるらしいんだけど…」 咲「けど…?」 ガチャ 染谷「階段から転げ落ちたとしか言わんのじゃこいつは」 咲・優・和「「「えっ?」」」 久「あら? 盗み聞きは駄目よ?」 染谷「たまたま聞こえてきたんじゃ」 咲「そ、それってどうゆう──」 優希「──事なんだじぇ?」 染谷「部室の中で倒れとったのに階段から転げ落ちる事はないけんの」 久「おそらく須賀君は殴られた相手を知っていて 尚且つ 庇っていると言ったところかしら?」 優希「どうして庇ってるんだじぇ? そいつが原因で入院状態なのに…」 久「さぁ? そこまでは須賀君じゃないから知らないわ」 ナース「面会時間 終了です」 久「は~い それじゃ 今日はとりあえず帰って また明日、来ましょ?」 優希「わかったじぇ…」 染谷「来て早々帰らされるんかい」 和「宮永さん」 咲「う、うん また明日も来るからね 京ちゃん」 バタン 京太郎「………」 ~~~回想~~~ 桃子「待つッス! 須賀京太郎!」ブンッ 京太郎「うぉ! 危ね!」 桃子「よりによって先輩に手を出すとは… 万死に値するッス!」ブンッ 京太郎「ヒィ~ 誤解なんだって!」 桃子「」チッ 桃子「逃げてないで当たって欲しいッス!」ブンッ 京太郎「当たったら間違いなく死んじゃうから!」 桃子「木製のバットなんだから頭を狙わない限り死なないッスよ」ブンッ 京太郎(おもいっきり頭狙ってるよ!) 桃子「さて 追い詰めたッスよ? 覚悟は宜しいッスか?」 京太郎(ヤバいヤバいヤバい 殺される)チラ 桃子「観念するッス」 京太郎「(死ぬよりはマシだ!)おりゃ~!」ガバッ 桃子「!?」 桃子「ちょ! 何やってるッスか!?」 京太郎「フフッ これでもうバットを振り回す事も出来ないでしょう?」 桃子「な、何をするつもりッスか」 京太郎「桃さんには少しお仕置きが必要なようで」ニヤリ 桃子「」ビクッ 桃子「わ、私の初めては先輩にあげるつもりッス だから止めて欲しいッス!」 京太郎「いいや駄目だね 桃さんにはお仕置きが必要だ」 桃子「謝るッスから! それだけは御勘弁して欲しいッス!」 京太郎「問答無用!」 桃子(先輩… 私の初めてをあげられなくってごめんなs) 桃子「プッ アハハハハハハハ な、なにやって アハハハハハハハ るッス アハハハハハハハ か!?」 京太郎「ん? くすぐり攻撃だけど?」 桃子「(やっぱりこの人 馬鹿だ…)アハハハハハハハ やめるッス アハハハハハハハ 」 京太郎「やめたらお仕置きにならないよ」 ガチャ 久「いや~ 今日の授業は大変だったわ 皆が来るまで 一眠りでもs……… えっ?」 京太郎「」←絶賛くすぐり中 桃子「」←失神寸前 久「」 久「な、ななななな何やってんだお前は~~~!!!」 京太郎「ちょ! 部長! 誤解ですって! ほら桃さんからも言って下さいよ!」 桃子「ははははっ」ガクッ 京太郎「oh…」 久「まさか自分の部員が他校の生徒を強姦なんて…」 京太郎「未遂ですから!」 久「み、未遂って事は… やっぱり…」 京太郎(やっべぇ~ 日本語難しい~)ダラダラ 久「………わかったわ」 京太郎「えっ?」 久「須賀君にはキツ~イお仕置きが必要なようね…」 京太郎「な、何を…」 久「よりによって神聖な部室でことに及ぶとは… 万死に値するわ…」 京太郎「部長 何か勘違いしてますって! それとバットを降ろして下さい!」 久「」ブンッ 京太郎「ヒィ~」 京太郎「バットはまずい! バットはまずいですって!」 久「見たところ木製バットだから頭さえ狙わなければ死なないわ…」ブンッ 京太郎(あっれ~? おもいっきりフルスイングで頭 狙われてる気がするんだけど…) 久「そい!」 京太郎「ギャーーー!!!」 ~回想・華菜入院経緯~ 福路「華菜の馬鹿! なんであんな無茶な事したの! 」 池田「ご、ごめんなさい…」 福路「華菜に何かあったら私… 私…」 文堂「キャプテンだけじゃないんですよ? 部活のメンバー全員が心配したんですからね」 未春「華菜ちゃんはほんと、無茶ばっかりするね」 深掘「まったく…」 池田「皆、心配かけてごめんなさい」 未春「あのコーチでさえ 華菜ちゃんが学校から落ちたときは 凄く心配してたよ?」 池田「えっ? あのコーチが?」 福路「そうよ華菜 コーチだって 貴女の事が心配だったのよ?」 福路「現に一番最初に華菜のところに行って処置をしてくれたのもコーチなのよ?」 池田「コーチ…」 未春「コーチにお礼しなくちゃだね」 池田「うん… それでコーチは…」 福路「用事があって大阪まで行かなくちゃいけなくなったって言ってたわ」 池田「そうですか…」 福路「元気だして華菜♪ 毎日 お見舞いには来るから」 未春「私も行きます」 文堂「わ、私も…」 深掘「私も…」 池田「皆~… 私も早く、怪我を治して また皆と一緒に麻雀やりたいし」 福路「その事なんだけどね? コーチがこれを華菜の部屋に持って行けって… 深掘さん お願い」 深掘「了解」 ドスン 池田「じゃ、雀卓!? 学校から持ってきたの!?」 文堂「コーチが入院中でも練習しとけって言ってました」 池田「相変わらずハードなコーチだし…」 福路「頑張ってね 華菜? 私達も打ってあげるから ね? 皆?」 未・文・深「「「はい!」」」 池田「ありがとだし」ウル ~回想・馴れ初め~ 京太郎「身体痛って~ 全身打撲ってこんなにも痛いのかよ…」 京太郎「咲の差し入れの本を読む事すら出来ないとは… 部長め…」 ガチャ 京太郎(ん? 誰だ? 面会の時間はまだ先だったと思うけど… ) ?「かくまって!」バッ 京太郎(ええ~っ… 誰だよ!?) ?「ハァハァハァハァ」 京太郎「あの~?」 ?「シッ! 静かに!」 コツコツ コツコツ 京太郎「………」 ?「………」 ?「ふぅ~… なんとか撒いたみたいだな」 京太郎「それで貴女は誰なんですか?」 ?「私? 私は409号室の池田… 池田華菜だし お前の名前は?」 京太郎「(お前って…)清澄高校麻雀部一年 須賀京太郎です」 池田「(麻雀部…)なら私の方が先輩だな 私、二年生だし」 京太郎「…それで 一体何やってるんですか?」 池田「実は 注射が苦手で…」 京太郎「注射が嫌いでこの部屋まで車椅子で逃げて来たと?」 池田「まぁそんなところかな」 池田「そうだ! 暇だから 私の話相手になって! 病室の探検も飽きて来たことだし」 京太郎「それは全然構わないんですけど…」 池田「本当!? やった~♪ 午前中は暇で 暇でしょうがなかったんだ それじゃあ何から話をしよっかな~」 医者「では… 今から自分の身に起こるであろう事を思う存分と話すといい」 ガチャ 池田「………えっ?」 京太郎「なんと言うか…今日のこの時間は身体チェックの日なんですよ」 池田「おぃぃぃ!」 医者「お前達!」 ナースA「了解!」 ナースB「わかりました!」 ナースC「はい」 池田「ちょ! 」 医者「悪いけど京太郎君 少しの間 待って居てもらえないかな? やらなくてはならない相手がいるもので」 京太郎「あ! 全然構わないですよ」 池田「おい京太郎! 私を裏切る気かぁ~!」 京太郎「人聞きの悪い事言わないで下さいよ」 ナースB「さぁ 行きましょうね~」 池田「にゃーーー!!! 助けて~!」 医者「他の患者さんだっているんだから騒がないように あんまり騒ぐようなら… 家畜用のぶっとい注射に変えるぞ?」 池田「はい… 静かにするんで 家畜用は勘弁して下さい…」シュン 医者「まったく…」 ~池田華菜編・完~
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龍門渕家 京太郎「ふぁ~」 衣「む?なんだ京太郎、寝不足か?」 京太郎「ええ、最近どうも寝付けなくて」 衣「そういう時は、何か安心できるものが近くにあるといいぞ!」 京太郎「……安心できるもの?」 京太郎自室 咲「おじゃましまーす」 京太郎「おう、そこに座っててくれ」 咲「はーい。それにしても、帰り道でいきなり勉強教えてくれって言った時は、びっくりしたよ」 京太郎「なんだよ。そんなにおかしいか?」 咲「だって最近授業中寝てばっかだったし」 京太郎「寝不足だったんだよ。その寝不足がなくなったと思ったら小テストだ。しかも明日、そりゃ頼むっての」 咲「寝不足?眠れなかったの?」 京太郎「ああ。ま、ちょっとした快眠グッズでなんとかなったからいいけど。茶、取ってくる」 ガチャ 咲「……快眠グッズか、どんなだろ。探してみよっかな」 咲「ベッドの上……何も無い。ベッドの下……えっちな本とか。机の上……結構整理されてる」 咲「どこにもないなー……アレ?この箱なんだろ?」パカッ ガチャ 京太郎「咲ー、遅くなった……あ」 咲ちゃんぬいぐるみ 咲「これ……私?」 京太郎「そ、それは……」 咲「……京ちゃん、快眠グッズってこれ?」 京太郎「……そうだよ。眠れない時は安心できるものが近くにあるといい、って聞いて作ってもらったんだ」 京太郎「俺さ、お前と一緒にいる時は一番安心できるから……悪い、ぬいぐるみまで作って、気分悪かったよな」 京太郎「これ、処分するよ。お前も…」ギュッ 京太郎「さ、咲?おま、なんで抱きついて…」 咲「……ぬいぐるみじゃなくて、私本人だけど、安心できる?」 京太郎「え?」 咲「私は、京ちゃんと一緒だと安心できるし、ぬいぐるみ作ったっていうのは嬉しかったよ?」 京太郎「咲……」 咲「うん……ね、ぬいぐるみの私は安心できる?」 京太郎「え?そうだけど……なんだ?」 咲「……本人の方が、効果はあると思うけど、試してみる?」 カンッ!!
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初美「ふいー、本家の大掃除は大変ですー」 巴「ハッちゃん、そういいながらさっきまでサボってたでしょ」 春「サボりは駄目……」ポリポリ 巴「春ちゃんも黒糖食べない!」 霞「ほらほら、姫様が頑張っているんだから、私達もやらなきゃ駄目よ」 初美「はーい。今日は泊まりですかー」 霞「そうね、分家の方々も泊まっていくそうよ」 小蒔「はい。で、ここはみなさんが泊まるための部屋です」 巴「あ、姫様。アレ?京太郎くん一緒じゃなかったんですか?」 小蒔「外まで迎えに行って、さっきまで一緒だったんですけど……おばさん達が連れていっちゃいました」 霞「あぁ、京太郎くん人気者だからねぇ」 初美「じゃあその鞄は」 小蒔「京太郎くんのです。これだけはどこかに置いててくれ、って」 春「それが、京太郎の最後の言葉だった……」 初美「さようならです京太郎……3日くらいは忘れません……」 巴「いや京太郎くん死んでないからね?後ハッちゃん3日って短くない?」 霞「冗談もそれくらいにして、部屋の掃除やっちゃいましょう。小蒔ちゃんも、京太郎くんの荷物はその辺りにでも置いて」 小蒔「はい、わっ!?」ズルッ ドサッ 巴「ひ、姫様!?大丈夫ですか!?」 小蒔「は、はい……足がすべっちゃいました」 霞「あらあら、鞄の荷物も散らばっちゃって」 初美「早く集めてしまうですー」 春「ん……ん?ノート?」ペラッ 小蒔「どうしました?」 春「これ……」 4月×日 やっと引っ越しの片づけが終わった 日記も新しくしたことだし、改めて書いていこう 俺の高校進学と合わせるように、長野から鹿児島まで親父の仕事の都合で引っ越すことになった いきなりでびっくりはしたが、まぁ仕方ないか こっちにはかなり遠縁だが親戚も結構いるとのことだ 俺もガキの頃に何度か来たことがあるらしいが……全然覚えてねーわ まぁ会えるかも分からないし、、会ってもこれから仲良くなればいいだけか さすがに疲れたし、早く寝よう 霞「これは、京太郎くんの日記かしら」 巴「4月の、確かこっちに来たばかりの時ですね」 初美「これは……はるる!次です!!」 春「うん」ペラッ 小蒔「だ、駄目ですよ!!人様の日記を勝手に見るなんて!!」 巴「そ、そう!姫様の言う通り!」 春「……でも続き読みたそうにしてる」 初美「京太郎の意外な一面が見れるかもしれませんよー?」 巴「そ、それは……」 霞「初美ちゃん、正直私も見たいけどね?京太郎くんがいつ帰ってくるか分からないのよ?」 初美「うっ……」 春「……下手したら嫌われるかもしれない」 小蒔「…………」 巴「ですよね。じゃあこれくらいで……え?姫様?」 小蒔「zzz...zzz...」 初美「寝てる?」 霞「いや、これは……何か降ろしてる?」 小蒔「はっ!?い、一体……」 霞「小蒔ちゃん?どうしたの?」 小蒔「い、いえ……その、何か声が聞こえたんです」 巴「声、ですか?」 小蒔「え、えぇと……『小僧はまかせろ。それより続き』って」 春「…………」 初美「えー……」 巴「神様公認?」 霞「こんなことで降りてくるって……」 小蒔「?」キョトン 春「……とりあえず」プルルルルル 春「電話?……京太郎から?」ピッ 京太郎『おー、春か?』 春「そうだけど……どうしたの?」 京太郎『いや、今おばちゃん達に頼まれて買い物に行ってるんだが……商店街の福引で特賞の黒糖1年分が当たってな?』 春「黒糖1年分!!?」 京太郎『おう。もうめちゃくちゃ量があるんだよ。いるだろ?お前の家にも送るわ』 春「うん、うん!!」 京太郎『あー、それでちょっと帰ってくるの遅くなりそうだから、おばちゃん達に伝えといてくれ』 春「分かった、まかせて。京太郎も黒糖よろしく」 京太郎『おう。あ、欲しい人いるかも聞いといてくれ。量がやばいんだ。じゃ、後でな』ピッ 春「黒糖1年分……」 初美「はるるー?帰ってくるですー」 巴「……神様が言ったまかせろって、こういうこと?」 霞「みたいねぇ……もう読むしかないわね」 小蒔「い、いいんですか?」 霞「えぇ。ここは神様の好意に甘えましょ」 春「じゃあ……続きから……」 4月○日 今日は親戚の家に挨拶に行った といってもうちはそこの分家の、そこの遠縁で親戚と言えば親戚?、というレベルらしい ただ、本家の偉い人と親父が仲が良いらしく、親戚というより親父が昔の友達に挨拶に行ったという感じだ 本家の偉い人もそんな感じだった。なんかめっちゃ由緒正しそうな神社の人なのにすげぇフレンドリー 適当に親父達が話していると、巫女服のすばらなおもちの持ち主が来た なんでも偉い人、めんどくせぇおっちゃんでいいか。おっちゃんの娘さんらしい 名前は神代小蒔さん。ひとつ年上で、永水に通っているらしい なんか天然っぽいけど、可愛い娘だった 挨拶に来ただけらしく、自己紹介くらいですぐにどこかに行ってしまった 残念だ。もっと話してみたかったのに まぁ親父とおっちゃんが仲良さそうだし、また会う機会もあるか 初美「ほ、本家の姫様のお父さんをおっちゃん呼ばわりですかー!?」 巴「怖いもの知らずと言うか……すごいわね」 霞「そうよねぇ……小蒔ちゃん?どうしたの?」 小蒔「じ、実は……この時まだ男の人と話すことに慣れてなかったので、失礼なことをしたかもって思ってて……」 春「京太郎は気にしてない」 小蒔「ええ……安心しました」 4月△日 今日は入学式……だったけど 今年から共学の元女子校とか聞いてねーぞ!! 家からの近さと親父の勧めで選んだけど、男女比やべぇ つーか男子10人もいないんじゃねーの?浮くっつーか目立つわ でも女子のレベルは高い。親父ありがとう とりあえず入学式が終わった後クラスで自己紹介した 中高一貫なのか、女子はみんな知り合い同士って感じだった だからか、俺の隣の席の女子が黒糖ポリポリしてても誰も突っ込まなかった いいのか?つーか立派なおもちだ 放課後、クラスの数少ない男子と仲良くなり、今日はそこで帰った 明日から部活動の見学などできるらしいが、ほとんど女子の部みたいなここでどっかに入部できるのか? ただ、ハンドボール部は無さそうだった 春「……ファーストコンタクト」ポリポリ 小蒔「む、私の方が先です!」 春「……同級生と同じクラスは大きい」ドヤァ 初美「ずるいですよねー」 巴「こればっかりはねぇ」 霞「ところで一応授業中みたいなものよね?そんな時に黒糖はどういうことかしら?」 春「…………京太郎の勘違い?」 霞「一袋没収」 春「!?」 巴「いや、ショックみたいな顔しながら新しいの取り出さないで」 4月□日 今日は授業が終わった後、友達と各部活動を見学に行った ただ、体育会系の部はほとんどが女子の部のようで、男子の人数的にマネージャーのようになりそうで入部は難しそうだった でも、揺れるおもちや健康的なふともも等収穫はあった 適当に友達と別れた後、適当にふらふらしていると、眼鏡の真面目そうな人と、制服を着たちっこい子供?が何か部活の案内をしていた 少し気になったので声を掛けると、麻雀部らしい 麻雀のルールや役くらいは知っていたので、せっかくだからと見学しに部室まで行ってみた ただ、時間が遅かったのかあまり人はいなく、結局眼鏡の人と子供相手に三麻した さすがに勝てはしなかったが、なかなか面白かった 1局しかできなかったので、また明日来ると約束して帰った 名前聞いてないけど、明日聞けばいいか そういえばあの子供はなんなんだろう。それも明日聞こう 初美「…………」プルプル 霞「あらあら……」 小蒔「え、えっと……」 巴「あ、あはは。あの時こんなこと考えてたんだねー」 春「……1袋、いる?」ポン 初美「そんな同情いらないですー!!子供!?3年生の制服だったですよー!!」 小蒔「ほ、ほら!初美ちゃん若く見えるから……」 巴「姫様、それフォローになってないですよ」 霞「この時いなかったのが少し惜しいわね」 初美「京太郎ー!!」 4月●日 今日は友達に水泳部に見学いこうと誘われたが、昨日の約束通り、授業が終わってすぐ麻雀部の部室に行った 今日は人数がそれなりに揃っていて、もう入部を決めた人もいたようだった。隣の席の黒糖っ子もいた 見学者以外は自己紹介してくれた 昨日の眼鏡の人と、子供は、3年生だった。マジかよ、主に子供の方 眼鏡の人は狩宿巴さん、子供、いや、ちっこいのは薄墨初美さんというらしい 次に2年生の紹介だったが、その中に神代小蒔さんがいた 俺に気付いてくれたようだったが、さすがに会うのも2度目なので特にリアクションなどもなかった そして1年生、黒糖っ子は滝見春というらしい それからは実際に打ったり、色々話してくれたりだった なんと、永水の麻雀部は去年全国まで行ったらしい そんな強豪に男子1人入部ってのは難しいかな そう思って入部は止めようと決めかけた時だった 遅れていたという部長が部室に入ってきた それは、俺の妄想を遥かに超えたものだった 去年、麻雀のインターミドルにえらいおもちの美少女がいた。というかその娘のおもちのためだけにインターミドルの試合を見ていた それを余裕で凌ぎ、圧倒的な存在感を主張していた その人は、とんでもないおもちを持っていた 友よ。俺、水泳部の見学はもういいよ 俺は麻雀部への入部を決めた 初美「入部のきっかけはこれですかー!!」ガシッ 霞「ひゃっ!?ちょ、いきなり!?」 初美「これの!これのどこがいいですかー!!」モミモミモミモミ 霞「いい加減に、しなさいっ!!」ゴッ 初美「あいたっ!?うぅぅ……あんな脂肪……あんな脂肪……ちょっと分けて欲しいですー……」 小蒔「え、えと……霞ちゃんのおかげで、京太郎くんが入部した、ということですよね?」 巴「まぁ、そうとも言いますよね……」 春「……京太郎のすけべ」 霞「全くもう……」 4月◇日 麻雀部に入部して1日目 基本的なルールと役は知っていたので、まずは打たせてもらった 相手は黒糖、いや滝見と2年生の先輩と、部長である岩戸霞さんだった 結果は惨敗。トップは部長で、滝見は麻雀をやっていたのか2位だった とりあえず基本的なことを教わったり、1年生がやるべき雑用などを聞いたりした 先輩から言われたが、男子は俺1人だから、俺は力仕事が多いかもしれないとのことだ まぁ当然のことだろうし、別にいい 雑用も苦じゃないし、みんな優しいし、男子1人だがなんとかなりそうだ 他の男子のみんなも、結構バラバラの部にいるらしい 固まるかと思ったが、みんな自分の好みのところに行ったのだろう 既に夏場に写真の交換をすることは決まっている みんな、頑張ろう!! 小蒔「写真?みなさんの活躍のですか?」 巴「……きっと、そうですねー」 霞「男の子って……」 初美「下心みえみえですー」 春「……多分対象外」ポリポリ 初美「どういう意味ですかー!?」 4月18日 今日は休みだったが、親父が朝から釣りに出かけて、珍しく大物を釣ってきた なんかでかい魚だった 捌いて食うのかと思っていたら、親戚の娘さんが誕生日らしいので持っていけとのことだった かなり無理矢理、家から叩き出された。親戚の場所しか教えられなかった 仕方ないので魚をクーラーボックスに入れ、親戚の家まで行った その親戚の家に滝見って表札があったとこで、まさかと思った インターホンを鳴らすと滝見春が出てきた。黒糖片手に 無効も驚いていたが、こっちも驚いた どうやらうちの遠縁の親戚というのは、滝見の家だったらしい 滝見の母親……おばさん、でいいのか?にはなんか歓迎された 親戚と言っても、俺は今までほとんど会ってないようなものだし、魚置いてさっさと帰ろうと思った だが、おばさんから引き留められた。どうせだから上がっていかないかと 結局断りきれず、上がることになった。滝見は俺に無関心なのか、ずっと黒糖ポリポリしていた。そんなに美味いのか? 上がってから、まずクーラーボックスから魚を出すと、予想以上の大きさだったのか、おばさんは驚いていた 捌けるかしら?と言っていたので、俺が捌くか申し出た これにはおばさんも滝見も驚いていたが、長野に居た頃、とある執事に教わったことだ。すぐに捌いた おばさんは喜んでいたし、滝見も俺を見る目が変わったような気がした そういえば、親戚の娘って言ってたし、滝見の誕生日だったのか、と思い出し 「誕生日おめでとう。生臭いプレゼントで悪いけどな」そう言うと、滝見は一瞬きょとんとした後、ツボに入ったのか声を上げて笑い出した ちょっと笑いすぎだったので、切り身のはじっこを口に放り込んでやった。また驚いた顔をしたが、親指を立ててきた。美味かったらしい その後は簡単に切り分けて、他の分家の子が明日誕生日だから持って行ってあげて欲しいと頼まれ、持っていくことになった 滝見とは、別れ際に連絡先を交換した。後黒糖くれた 持っていった先は、中学生にしては中々将来性のある娘がいる家だった 岩戸、って部長と同じ苗字だったが、さすがに今度は部長はいなかった 巴「誕生日プレゼントが生魚って……」 小蒔「美味しそうですね!」 春「新鮮で美味しかった」グッ 霞「そういえば明星ちゃんも『かっこいいお兄ちゃんが魚持ってきた』って言ってたけど、これだったのね」 初美「というか京太郎魚まで捌けるんですねー。後誰ですかこのとある執事って」 4月▽日 最近春(本人が名前でいいと言った)とよく話すようになった 俺が神代さんと会ったことがあると聞いた時も少し驚いていた 春と話している内に色々と聞いた 神代さんの家が本家で、春、石戸霞さん、薄墨初美さん、狩宿巴さん、の家が分家で、「六女仙」と呼ばれているらしい また、中等部にも2人いるらしい そんな家の人とうちの親父がなんであんなに仲良いんだ 後、神職の家系だからか、不思議な力もあるらしい。それで去年は神代さんは全国で大暴れしたとか 麻雀で不思議な力……正直半信半疑だ なので、今日の部活で神代さんと対局してみた さすがに初心者の俺じゃ勝てなかったが、神代さんは3位だった すげー真面目で頑張り屋という感じだったけど、本当に不思議な力ってのはあるのか? 帰りに春にまた聞くと、多分近い内に見れる、らしい どういうものか知らないけど、少し楽しみだ 初美「あっ、これって……」 巴「確か……」 霞「ええ、確か4月に集まった時……」 春「……ちょっと悪いと思ってる」 小蒔「え、えっと……」 4月■日 今日は春に呼び出されて、とある神社に行った そこには春だけでなく、石戸霞さん、薄墨初美さん、狩宿巴さん、そして神代小蒔さんもいた なんでも、たまに全力を出さないといけないとかそういう理由らしい よく分からなかったが、前に言ってた不思議な力とやらが見れるならいいと思って、打ったんだ 打ったんだ…… 役満って、あんなに連続して直撃するんだな…… 何か強すぎたとか、一番強いの降りちゃったとか聞こえた気がするが、俺はその時始めてみた天和に驚きすぎて覚えてない うん、不思議な力とかオカルトとでも言わねーとどうしようもないな 疑ってごめんなさい 小蒔「なんというか……男性の方と打つことに緊張して……」 巴「いや、姫様は悪くないですよ」 霞「そうね、結構強い神様が降りるのは分かっていたしね」 初美「ただ……その中で一番強くてすごいのが降りちゃっただけですよねー……」 春「それを一身に受け切った京太郎をある意味尊敬する」 初美「全部京太郎に直撃でしたよねー……アレで麻雀辞めなかったのは本当にすごいですー」 霞「ある意味オカルトよね」 巴「本人が聞いたらどんな顔するんでしょうね」 小蒔「喜ぶんじゃないですか?京太郎さんなら」 4月◎日 今日部活に行くと、石戸さん、狩宿さん、薄墨さん、神代さんからえらく気遣われた 春もなんか一日気を遣ってる感じだった 昨日のアレのせいか? びっくりはしたが、不思議とそれで麻雀が嫌になったりとかは無かった むしろ慣れたような感じだ だが、みんな気を遣っているせいか、今日は打たせてもらえなかった 雑用等を詳しく教える、ということで、ずっと雑用をしていた 別に苦ではないし、嫌いじゃないからいいが、ひとつ終わらせる度に驚かれたのはなんでだ? 後、全自動卓のメンテナンスについて、最近覚えたので軽くやってみたが、余計なことだったか? 帰り道で春が更に気を遣ってか黒糖をくれたが、変なミスでもしたかな? 巴「いや、初めてなのに手慣れた様子で素早く雑用片づけたら驚くからね」 初美「調子の悪かった卓をいじりだして、すっごく良くなったのはびっくりですよー」 春「……他の1年の娘が、『もう京太郎くんだけでいいんじゃないかな?』って言ってた」 小蒔「すごいですよね。負けられません!」 霞「小蒔ちゃん、そこ張り合うところじゃないわよ」 4月☆日 昼休み、ふと昨日いじった全自動卓が気になって部室に行くと、髪を降ろした狩宿さんがいた 狩宿さんは昨日の牌譜が気になったらしい 俺も全自動卓が気になったと言うと、昼休み始まったばかりで雑用は駄目だと怒られた ちょうど俺も狩宿さんも昼がまだだったので、一緒に食べた 食べながら色々と話した こっちに来てからのこと、長野のこと、永水のこと、狩宿さん達『六女仙』のこと 聞くと、石戸さんや薄墨さんも神代さんのような不思議な力、オカルトとでも言うか、それがあるらしい 狩宿さんは今のところ目立ってそういうのがないから、今日のように牌譜を見たりしているらしい 俺は初心者だし、オカルトみたいなのより狩宿さんのがいいかもなー そう言ったら、今日の部活でまた基本的なことを教えようかということになった ありがたくお願いした そこで昼休みの予鈴が鳴った 慌てて狩宿さんは髪をポニーテールにして、部活で、と言って別れた しかし、髪を縛るってなんかいいな 部活で宣言通り基本を教わった まずは基本から頑張っていこう 霞「あら、巴ちゃんもやるのね」 春「こっそり2人っきりとは……」 巴「や、やましいこととかしてないからね!」 初美「そう言いながらー?」 巴「本当だから!」 小蒔「私も京太郎くんに教えれば!」 春「……姫様はむしろ教わる立場」 小蒔「あぅ……」 4月★日 久しぶりに咲から連絡があった なんでも麻雀部に入ったらしい 俺も実は入ったと言うと驚いていた てか咲の奴麻雀できたのな。ポンコツだから、牌倒したり凡ミスとかしてねーよな? 言ってくれれば1回くらい打ったのに ネト麻で、とも考えたが、咲じゃ無理か。今だに連絡は家の電話だし それから久しぶりに長話をした 咲の進学した清澄高校のこと、俺のいる永水のこと、同じ麻雀部の1年生のこと 長野の居たら、前みたいに咲と同じ学校に行っていたのかな 少しだけ考えたが、すぐにやめた また連絡することを約束して電話を切った なんというか、まだ一ヶ月くらいしか経ってないのにえらく懐かしくなったな 長期の休みに長野にでも行ってみるかな ……気が早いか 霞「清澄の大将……こんなところでも……」 春「なんて強敵……」 小蒔「で、でも今京太郎くんはこっちにいるんですし!!」 巴「心はあっちに、とか?」 初美「ちょ、怖いこと言わないで欲しいですー」 咲「っくしゅん」 久「あら?風邪?」 咲「いや、大丈夫です」 まこ「埃かなんかじゃろ。倉庫は掃除しとらんかったからなー」 優希「全く大掃除は大変だじぇ」 和「普段からしていれば、いえ、5人で精一杯でしたし、無理を言ってはいけませんね」 咲「うん……京ちゃんが居たらなぁ……」 久「結構聞く名前だけど……やっぱり元カレ?」 まこ「いやー、アレは片思いじゃろ」 咲「そ、そんなんじゃないですよ!!もう……」 5月×日 ゴールデンウィーク1日目 今日は福岡の新道寺女子との練習試合らしい なんでもあっちは合宿でこっちに来たらしく、去年すごかったうちと是非練習試合がしたい、とのことらしい 新道寺の部員とレギュラー候補という人達を見たが……胸はうちの圧勝だな 新道寺とうちで試合のような形で打った後、各自で打つことになった 女子校の新道寺と元女子校永水、その中でただ1人の男子の俺はやっぱり珍しいみたいで、新道寺の人達からやけに打とうと誘われた 新道寺の部長や、新道寺の2年生の人とも打った。案の定、ボッコボコにされたが 飛ばされた後、しばし休憩していると、新道寺の人が話しかけてきた その人も、さっき神代さんと薄墨さん相手に飛ぶ寸前までやられていた人なので、お互いボッコボコにされたからか少し話しやすかった 俺が長野からこっちに来たということを言うと、その人も中学まで長野に居たらしく、更に話が弾んだ それからしばらく話した後、2人で新道寺の部長とうちの部長がいる卓で打った。無論、俺は飛んだ 練習が終わった後、改めて自己紹介し、その人、花田煌さんと連絡先を交換した お互い前向きにやっていこう、と話して別れた 俺も花田さんに負けないくらい頑張ろう 霞「確か、この人相当精神が強い人よ」 初美「ですねー。インハイでもあの宮永照を2回凌いでますし」 巴「1回あれだけやられて、2回目もまた打てるってのはすごいよね」 小蒔「えぇ。同じ先鋒、もし当たることになっても負けません!」 春「……胸は姫様の圧勝」 小蒔「は、春ちゃん!!」 初美「……私、新道寺応援するかもです」 5月○日 咲から聞いたが、同じ麻雀部にやけにタコスを食い、タコスでパワーアップするというのがいるらしい 変なのもいるもんだ。しかしなんでタコス?メキシカンか? ふと気になって、タコスを作ってみた 何故か、やけに手際よく作れた。まるで、前に作ったことがあるみたいだった ちょっと多めに作ってしまったので、春に連絡して食べないか聞くと、ちょうど神代さん達も春の家にいるというので、持っていった 春の家には神代さん、石戸さん、薄墨さん、狩宿さん、それから前に会った中学生、石戸明星ちゃんに、こっちは初対面の十曽湧ちゃんと、結構大人数だった 神事か何かがあったらしく、ちょうど昼食をどうするかというところだったらしい タコスを食べたことないような人達に振る舞っていいのか少し悩んだが、今更無しとも言えずに食べてもらった 初めはみんな恐る恐るという感じだったが、一口食べると結構美味しかったらしく、持ってきた分はすぐになくなった 1人ひとつくらいしかなかったしな 中学生2人はむしろタコスが気に入ったらしく、また作ってと言われた 他のみんなも美味しかったと言ってくれた 試しに作ったタコスだが、持っていって良かった また作ってもいいかな 初美「あの時初めて食べましたけど、びっくりするくらい美味しかったですよねー」 巴「京太郎くんが料理上手だったのもさらにびっくりしたわね」 小蒔「ですね。あんなに美味しいから清澄の先鋒の人も食べてたんでしょうね」 霞「そうね。作ったきっかけはその人みたいだしね」 春「……次は黒糖で一品お願いしたい」 初美「しょっちゅう頼んでないですかー?」 5月△日 昨日、日記に書かなかった話だ タコスを持っていったとき、たまたま付いていたテレビでプロの試合をやっていた その時、トップだったのが戒能プロだった 戒能プロの変幻自在のプレイを見て、どうやったらあんなにできるんだ、とポツリとつぶやいた そして今日 春に呼び出されて春の家に行くと、戒能プロがいた 「ハロー。戒能良子です。ヨロシクー」 「……従兄弟の戒能良子さん。麻雀のプロだったりする」 1回開けた戸閉めたけど、俺は悪くないと思う 春曰く、たまたま近くに居たので呼んだらしい 昨日のタコスのお礼に、何かしたかったということだった ありがたいけど、せめて事前に言って心の準備をさせてくれ。マジで心臓に悪かった という訳で3人で打ったが、プロって次元が違うね 俺なんかじゃとてもじゃないけど敵わない 「キョータローくんはなかなかのものを感じます。まだまだビギナーなだけですね」そう言ってくれたのは少し嬉しかった 戒能プロはオフだったらしく、結局1日中3人で打っていた 途中で軽くつまむものに昨日作ったのと同じタコスを作ったら、戒能プロも驚いていた 本物のメキシカン顔負けとか言ってたけど、メキシカンのタコス食ったことあったのか? 初めはプロ相手で緊張していたけど、所々春の従姉妹だと分かるような部分があったりで、結構打ち解けられた 最終的には連絡先まで交換してもらった 「楽しい1日でした。タコスが実にデリシャスでした。是非またお会いしましょう。あ、春黒糖プリーズ」 そう言って春の黒糖を持って戒能プロは帰った 改めて考えてみると、テレビに映るようなトッププロと打ったのか……すごい1日だった でもフツーにメールしてくるからなんか実感がわかない 送ってくる写メが心霊写真っぽいのは……気のせいだろ 霞「そういえば良子さんも5月に来ていたわね」 初美「あの人には敵わないですよー」 巴「こっちのこと知り尽くしてるし、なんとかなるかもしれないの姫様くらいじゃない?」 小蒔「そ、そんなことないですよ!!良子さん相手なんて、無理ですよ!!」 春「姫様なら大丈夫、頑張って欲しい」 小蒔「春ちゃん……」 巴「……本音は?」 春「この時持っていかれた黒糖5袋の仇」キリッ 霞「はぁ……結局はそこなのね」 良子「♪~」 はやり「お、良子ちゃんご機嫌?」 良子「あ、はやりさん。ええ、そうですね」 良子「……高校生相手でも、逆光源氏プロジェクトって、ありですよね?」 はやり「……それ、ちょっと詳しく聞かせてくれない?」 5月□日 部室に行くと、謎の仮面?があった それがいきなり動き出すからビビったが、よく見ると、薄墨さんがそれを被っていただけだった 仮面はデカ過ぎ、薄墨さんは小さすぎてサイズあってねー だが、薄墨さんはどこかしょんぼりとしていた 話を聞くと、仮面?を綺麗にしていると、うっかり鼻の部分を折ってしまったらしい よく見ると古いものだからか、ところどころ傷や欠けているのが分かる むしろそのせいで不気味さも増している気もするが…… 割と思い入れのあるものだったらしいので、簡単な修理でよければできるかもしれないと言うと、薄墨さんは喜んで仮面?を俺にまかせてくれた 部活の方は今日は休むことにして、先生に聞いて廃材や工具などを借り、修理した 折れた鼻は付け替えた。そして欠けている部分を軽く削ったりして目立たなくしたり、塗装が剥がれかけている部分を塗り直したり、 薄墨さんの希望を聞いて装飾や色合いを変えたり、かなり思い切った修理になってしまった 最終的には、不気味さよりかなり迫力のあるようになってしまったが、薄墨さんが喜んでいるからいい……のか? 修理が終わった後、嬉しそうに仮面?を付けた薄墨さんが部室に行ったが、何人かの女子が悲鳴を上げて、ちょっとした騒ぎになった 石戸さんと狩宿さんにやりすぎと怒られた 帰りに、薄墨さんが今度お礼をするということで連絡先を交換した まぁ、喜んでもらったからいいとしよう でも、それ被って帰るのは新手の怪談になりかねないからやめた方がいいと思うので、全力で止めた 初美「いやー、おかげでアレ被って会場に行くとみんな驚くんですよー」 巴「そりゃね。見慣れてる私達でびっくりするくらい迫力あるのになってるんだし」 春「京太郎がやりすぎた」 霞「手先が器用だからって、あんな短時間でよくあそこまでやったものよね」 小蒔「ちょっと怖かったです……」 5月●日 今日は休みだったので、薄墨さんが仮面?修理のお礼ということで少し離れた街まで出かけた 初めていく街だったので色々案内してもらったが……薄墨さんは行く先々で子ども扱いされるのが不満だったらしい 薄墨さんが奢ろうとする前に、店の人は明らかに俺を見てくるし、服を見に言った時は 「お兄ちゃんと仲良いね。でもお嬢ちゃんにここはまだ早いかなー」と店員に言われていた 薄墨さんが無言で学生証を出す、さすがに謝ってきたが……ぶっちゃけ仕方ないだろう 喫茶店でも行った店の文句を言っていたが、頬膨らませて足プラプラしてて、どう見ても小学生です 不満そうにしていたので、これから薄墨先輩と呼びましょうか?と聞くと、少し考えて先輩は無しで初美でいいと言ってくれた 年上っぽく見られたいんじゃないのか?まぁそれが希望ならとこれからは初美さんと呼ぶことになった ついでに俺は京太郎と呼び捨てだった。いやいいけどね 帰り道、ほとんどの店で俺が払ったことが不満そうだったが、こういう時は男の俺が奢ると言ったら俯いて、分かりました、と言っていた その代わり学校の学食で奢ると初美さんは言っていたので、明日にでも学食で奢ってもらおう 霞「あら、初美ちゃんの初デートかしら?」 小蒔「で、デートですか!?」 初美「ち、違うですよー!?ちょっと出かけただけで……」 春「……それ、デート」 巴「完全にデートだね、ハッちゃん」 5月◇日 放課後、良子さん(本人がそう呼べとのことだった)から電話があった こっちにいるから、打たないかという誘いだった 当然プロの誘いを断る訳もなく、すぐに向かった ちなみに春は用事で無理だった 言われた場所に行くと 「ハロー。キョータロー、元気でした?」 「え?高校生の男の子!?ちょっと聞いてないよ!?あ……えと、小鍛治健夜です。一応、その、プロです」 元世界2位の小鍛治プロがいた なんで従姉妹だからって似たようなことしてんだよ!! 夢だと思って頬をつねるとか漫画みたいなことやっちまったよ!! 良子さんは「グッドリアクション」とか言って親指立てて満足気だったけど それから3人で打った アレだ、次元が違うとか、そういうレベルじゃない。なんだ、アレ。本当に同じルールでやったゲームか? 圧倒的すぎてやばかった。良子さんのおもちがなかったらやばかった。おもち見れたから持ちこたえたよ なんとか1回くらい和了ってやろうと思ったけど、無理ゲーすぎた 「やりすぎです。潰す気ですか。デッドエンドですか」 「人をデッドエンド扱いしないで!?というかデッド!?バッドエンドじゃないの!?」 そんな感じで良子さんが小鍛治プロに文句を言ったりしていたが、勉強にはなった……と思う 多分、うん。例え格上すぎる相手でも、大丈夫だ 「やっぱり見どころありますねー。いっそ個人レッスンでも始めます?手取り足取り」 「何言ってるの!?まだ学生だよ!?いや、見どころあるのは同感だけどね」 褒めてくれてるのかからかっているのかよく分からないが、一応喜んでおいた それからは一応アドバイス的なものを貰って別れた 別れ際、今後に期待できるから、またアドバイスできるようにと小鍛治プロが連絡先を交換してくれた その時は色々ありすぎて考えるひまなかったけど、改めて良子さんの時よりもっととんでもない人と連絡先交換したな…… 元世界2位よ?国内無敗よ?雲の上の人とかそういうレベルじゃないだろ ……これを書いてる今、良子さんからメールがあった 『小鍛治プロ、あんまり男性に慣れてないだけなので、フツーにフレンドリーにメールとか送っちゃってくださいね』 とりあえず、今日のお礼とか送っとこう 小蒔「あの小鍛治プロとですか!?やっぱり京太郎くんすごい人です!!」 春「こ、これは……知らなかった」 初美「フツー、麻雀初心者とトッププロが連絡先交換できますかねー」 霞「そこは京太郎くんだからよね。誰とでも仲良くなれるし」 巴「そういうところ、すっごいですよね」 健夜「えぇと……こ・ん・に・ち・わ……」 恒子「あー!すこやんが男とメールしてるー!!」 健夜「こ、こーこちゃん!?声!声が大きいよ!!」 恒子「ごめんごめーん。でもびっくりして、つい」 健夜「結構前から知ってるよね!?」 恒子「アラフォー、ついに高校生に手を出す?」 健夜「もおおお!そういうのじゃないよぉ!!」 5月▽日 今日は小鍛治プロ直々の個人レッスン……といっても小鍛治プロはこっちにいるわけではないので、ネト麻とス○イプを使ってだ パソコンとかできるのか少し疑問だったが、良子さんも一緒にやってくれるとのことだ 約束していた時間になると、早速かかってきた 『も、もしもーし?えと、小鍛治です』 小鍛治プロは慣れない感じで本当に聞こえているか恐る恐るという感じだったが、大丈夫だと伝えると安心したようだった じゃあ早速始めるか、という時だった 『こんばんわー!!呼ばれてないけど来ちゃいましたー!!』 『すこやーん!!よく分かんねーけど面白いことやるって良子ちゃんから聞いたぜぃ!!』 『抜け駆けして高校生に手ぇ出したって本当!?本当なら……紹介してねっ☆』 『……呼ばれた!!』 『え、ちょ、なんでみんな来てるの!?』 『ハハハ、大勢の方が楽しいですよねー』 『良子ちゃんー!?』 『それじゃー、噂のイケメン高校生を……あ!ちょ、すこやん切らな』 改めて聞こえた内容書いてみたけど、酷いな。後誰だイケメンっつったの。良子さんしかいないか 最後は無理矢理小鍛治プロが切ったらしい その後、結局はチャットしながらネト麻をした 何回も口調や打ち方が変わったので、おそらく押しかけてきた人達と交代しているんだろう つーかどっかで聞いたことあるような声ばっかだったな。それもかなりトッププロとかの 後で小鍛治さんはメールで謝ってきたけど、あんなに大勢にプロと打てたようなものだ。むしろお礼を言った でも、次は落ち着いてやりたいものだ 巴「なんかこの文章を見るだけでもすごいメンツがそろってるっぽいんですけど」 霞「そういうのでも引き寄せる体質でもあるのかしら」 小蒔「何か降ろしていたりするんでしょうか」 初美「ただの天然タラシじゃないですかー?」 春「でも増えすぎても困る……」 初美「ですねー」 5月■日 今日親父と口論になった 議題はナース服は白かピンクか 白衣の天使っつーくらいだから白だろ!! 親父は分かってねぇ!! 親父はピンクの方がエロいって言うがおっさんの理屈だ!! 結局は決着がつかないどころかどさくさに紛れて俺の秘蔵本をいくつかパクっていきやがった むかついたから夜中にこっそり取り返した 後、親父の秘蔵本のいくつかにお袋の顔の写真を張り付けてやった ランダムで親父が好きそうな女優に張り付けてやったから気付く瞬間のダメージは高いだろう ざまぁみやがれ 小蒔「ナース服の色……ですか?どうしてそこまで……後、この秘蔵本ってなんでしょう?大事な本ですか?」 巴「えーっと、ちょっとしたこだわりでしょう。秘蔵本っていうのは……まぁ、大事な本といえば大事な本ですよ」 霞「おじさんまで何やっているのかしら……」 初美「男の人って……」 春「……意味が分からないことで争う」 5月◎日 今日は1日空けてしまったから、2日分書くことにする 昨日の話だ 夕方、親父と殴り合いの喧嘩になった どうもベストタイミングで秘蔵本のがバレたらしい おまけに親父が最近はまってる女優にお袋の変顔だからダメージ倍増だろう 本片手に親父がいきなり部屋に来たのはびっくりしたが、全力で応戦してやった そしたら大きな音を立てすぎたのか、お袋まで部屋に来た 最初は止めようとしていたお袋だが、親父が持ってきた本を見て、修羅になった 俺と親父はお袋からフルボッコにされた後、仲良く家から叩き出された 流石にお袋に見つかったのは失敗だったとお互いに謝った後、財布も携帯も無い状態でどうするかという話になった 親父が仕方ないと言って神代さんの家に行くことになった 今日は多分家に入れてもらえないし、一晩くらいなら泊めてくれる、とのことだった 親父にとっては親友の家だが、俺にとってが先輩の家なんだが大丈夫か?と思っていたが、神代さんと本家の偉い人、要するにおっちゃんは普通に家に入れてくれた 昔からこんなことばっかりだ、と言っておっちゃんは笑っていた。親父、アンタ何やってきたんだ いきなり野郎2人も増えて申し訳なかったが、今日は用事があって、神代さんとおっちゃんの2人しかいなかったらしい 夕飯は神代さんが作る予定だったらしいが、泊めてもらうのだからと俺が手伝うことになった 親父とおっちゃんはすぐに飲みだしてた。まるで駄目なおっさん共め 台所で改めて神代さんにいきなり押しかけたことを謝ったが、たまにはこういう日があったもいいと普通に許してくれた 普段から思ってたけどマジでいい人だ……家から叩き出された原因絶対言えねー…… それから夕食を作った。神代さんは料理自体はできない訳ではないが、まだまだ練習中ということだった。実際まだ不慣れな手つきだった あんまり手を出すのもいけないと思い、別の料理を作っていたが、気付くと神代さんはこっちを見ていた どうも気になったらしい。まぁ普段いない人が台所にいる訳だし、気になるだろうな そう思っていたが、神代さんはおずおずと、俺に料理を教えて欲しいと言ってきた まぁ俺も色々教わってできるようになったし、そこからは神代さんに教えながら一緒に料理した 夕飯は和食中心のメニューにした。料理を並べていると、おっちゃんが驚いた顔をしていた そんな変なものや見慣れないものは作っていないはずだけどな 親父はなんか呆れた顔してたし、神代さんは色々教わったからか満足気な顔をしていた 夕飯、そしてその片付けまで終わり、風呂まで借りた後、夕飯後も飲んでるおっさん2人をほっといて寝ようかと思っていると、神代さんに呼ばれた 少し話さないかと、縁側に2人で座った それからは他愛のない話をした。神代さんはちょっとしたことでも反応してくれて可愛らしかった しばらく話していて、ふと神代さんは「……こんなに同年代の男の子と仲良くなったのは、初めてかもしれません」と言った 神代さんならきっといろんな人と仲良くなれる、だって優しくていい人だし。そう思ったしそう言った。 神代さんは笑って、「ありがとうございます」と言ってくれた 遅くなったし、寝ようというところで、これからは名前で呼ばないかという話になった 神代さんがいいと言うなら、と思って、小蒔さんと呼んだ 小蒔さんは京太郎くん、と少し照れたように呼んでくれた なんか照れ臭かったので、そのまま別れて、用意してくれた部屋でその日は寝た おっさん2人は俺が寝付く時もまだ飲んでいた 翌日、つまりは今日 休みで良かった。流石に一回家帰ってから学校行くのは間に合わない 飲んでたまま潰れたであろうおっさん2人は放置して、小蒔さんと朝食を作った あさりがあったのであさりの味噌汁と卵焼きにした。というか小蒔さんは何故かほとんど俺にまかせてくれていた そりゃ手伝ってはもらったけど、いいのか?なんか俺が作ってるとこ見ながらメモかなんか取ってたけど ちなみにおっさん2人にはあさりの味噌汁のごはんと卵入れて二日酔いに効くやつにした おっさんは「なんなんだよお前……ちくしょううちの親戚連中より美味い飯作りやがって」とか言ってた。酔っ払いの戯言だろう それからは片付て、ふらふらな親父引きずって帰ることになった 帰り際、小蒔さんと携帯番号を交換した。最近買ったらしい 帰ってから、親父はまたお袋に〆られていた。小蒔さんの家に迷惑かけるな、ということらしい ちなみに俺も反省のためかしばし正座だった 足、しんどい 霞「急に下の名前で呼び合うくらい仲良くなったと思ったら……泊まってたなんて」 小蒔「ち、違いますよ!?須賀のおじさんが仕方なく……」 初美「いやー、でもこれが原因ってのがちょっと……」 小蒔「?おじさんと京太郎くんがおばさんと喧嘩したんでしょう?ちょっと日記の最初の本がどうのというのはあんまりよく分かりませんでしたけど」 巴「あー……まぁそんな感じです」 春「でも京太郎とお泊りから料理……」 小蒔「そ、そういうことじゃなくて……その、料理は……京太郎くん上手ですし」 霞「上手ってレベルかしら?」 初美「別次元ですねー」 巴「あれで食べていけるんじゃない?」 春「……いつでもお嫁にいけるっておばさんが言ってた」 小蒔「少しでも上達したいですし……京太郎くんにも、食べてもらいたいです!」 霞「……みんなでお料理、練習しましょうか」 小蒔「いいですね!是非やりましょう!!」 霞(さすがに京太郎君があれだけ上手いとはいえ……) 巴(女として、このままってのは駄目ですしね) 初美(少しくらいは上達するですよー) 春(黒糖菓子練習しよ) 5月☆日 今日は、なんというか、小蒔さんの様子が変だった 朝は俺の家まで来て一緒に学校に行きましょう?と言ってきた 笑顔だったが、普段の安心するような可愛い笑顔でなく、妖艶という言葉が似合うような笑顔だった それだけならまだいいが、恰好もおかしかった 普段よりかなりスカートが短かった。普段見えない太ももとか見えてるし それと、登校中になんか腕を組んで明らかにこっちに寄ってくるし、やけに動く 落ち着いて考えることのできる今なら分かる。小蒔さんは今日、ノーブラだった!! あの服越しの柔らかさ、縦横無尽に揺れるおもち、明らかに付けていないっ!! 分かっていたらもっと堪能……いや、こっそり春や石戸さん辺りに伝えたのに 昼も、わざわざ俺の教室まで来て、外で一緒に食べよう、と誘ってきた それ自体は珍しいけど別にいい ただ、なんというか、エロかった こう、食べる時の動作ひとつひとつがやたらエロかった 今日に限ってお弁当に大き目のウィンナーなんか入ってるし うっかりお茶を自分の胸にこぼした時なんか、あきらかに狙ってるだろ!?と言いたくなるほどだった 部活の時もやたらと指導するという名目で背中に引っ付いてきたが、明らかに"あてている" 集中なんてできる訳がない!!なんか春に勝ったけど偶然だろう その辺りでさすがにおかしいと思ったのか、石戸さんと狩宿さんと初美さんと春に連れられてどこかへ行った 部活が終わる頃に戻ってきたが、いつもの小蒔さんだった やたら顔を赤くしていたが、すげー安心した 帰りに春と初美さんから叩かれたりしたけど、やっぱりいつもの小蒔さんが一番だ 初美「あー、確かうっかり寝ぼけて神様降ろした時でしたっけ?」 小蒔「は、はい……こう、ぼんやりとしか覚えてませんけど、すごく恥ずかしいことをしたというのは覚えています……」 霞「大変だったわよねー。神様も京太郎くん気に入っちゃって」 巴「祓うのすっごく大変でしたよね。神様の方が帰りたがらないなんて」 春「京太郎も危なかった……色々な意味で」 5月★日 今日は休みだったが、また良子さんに誘われて出かけた こっちにまた来たので食事でもどう?ということだった それはいいが、指定された場所があんまり聞かないところだった なんでも良子さん個人の知り合いがやっている店らしい 流石に俺でも分かる。またドッキリ的なことをやるのだろう。小鍛治プロに会ったなら、それ以上の人なんてそうそうに呼べるわけもない そう思って、指定された店に行ったんだ 「ハロー、お久しぶりです。あ、知り合いとか呼んじゃいました。テヘ」 「えっと、久しぶりだね。その、ごめんね?」 「よー、三尋木咏です。キミが噂の高校生?ほほー、こりゃ良子ちゃんとすこやんも夢中になる訳だねぃ」 「瑞原はやりです!はやりんって呼んでね☆」 「……野依理沙!!……よろしく!!」 「どーもー!福与恒子です!!いきなりごめんね?でも面白そうだからよろしく!!」 書きだしてみたけど、上から良子さん、小鍛治プロ、三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロ、福与アナだ うん、酷い。大人数とか予想できねーよ つーか有名なプロばっかりなんで鹿児島にいんの?暇なの?良子さんがすごいの?いやすごいけど!! 扉閉めようとしたら福与アナに思いっきり止められた テレビで小鍛治プロいじってる時の笑顔だった 親指立てる良子さんと、申し訳なさそうな小鍛治プロが対照的だったな 卓も置いてある店なので、軽くつまみながら打とうということになったが、自然と俺とプロ3人 なにこの状態。すごい状態なんだけど色々ビックリしすぎてついていけなかった まずは三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロとだった なんだろう、すっごいこっちの一挙一動見られてる感じだった 無論飛ばされた。トッププロ3人相手とか無茶すぎる 「んー、悪くはないねぃ。詳しいことはわっかんねーけど」 「うん、まだまだ初心者って感じが抜けきれないだけで充分素質はあるかな。じっくり色々学んでいけばいけるよ☆」 「……これから!!」 3人のプロそれぞれから評価はもらった。瑞原プロ、できれば最初の真面目な感じで続けて欲しかった。出してる麻雀の本とかすげー真面目感じで参考になるのに おもちはトップクラスだけどやっぱちょいきつい そこからは、普段の何倍も勉強になる時間だった プロ3人と打って、プロ2人が傍で見てくれるんだ。ただ、アナウンサーがちょくちょくからかってカオスな状況になったりしていたが 結局夕飯もそこで食べて、少しして帰った 帰り際、皆さんと連絡先を交換した。なんか、すごい勢いだった気がするけど…… しかしこっちに来て、プロに麻雀教えてもらって、プロとの連絡先まで知ることになるなんて 人生何が起こるかマジで分かんねーな 巴「三尋木プロ、瑞原プロ、野依プロ、福与アナの連絡先って……一体どうなってるの?」 小蒔「京太郎くんはすごいですね!!」 初美「姫様姫様、多分これそういうレベルじゃないですよー」 春「……狙われてる?」 霞「まさか……うん、だって良子さん以外一回りは離れてるし……ねぇ」 はやり「なるほどねぇ……でも京太郎くんは譲れないな☆」 良子「ハハハ、一番最初に目を付けたのは私ですよ?」 咏「えーいいじゃんいいじゃん。卒業したら私のマネージャーとして雇おっかなー」 理沙「それ……いい!!」 健夜「何勝手に決めようとしてるの!?」 恒子「おーっとこの男子高校生争奪戦にすこやんも参戦!?」 健夜「変なこと言わないでよ!!」 恒子「あ、でもうちの局にってのも悪くないかなー……」 健夜「恒子ちゃんまで!?」 5月28日 今日は初美さんの誕生日だった というのも部活前に春に聞いたんだが 誕生日だと聞いた瞬間、「へぇ、いくつの?」ノータイムでそう返してしまった 春も軽く笑っていたが、部室に入ってすぐ、扉越しに聞いてたっぽい初美さんから脛に蹴られた ちょっと涙目になった 周りも「分からなくもないけどお前が悪い」という感じだった 初美さんの機嫌を悪くしてしまったようだったので、急遽プレゼントを作った 石戸さんに少し部活を抜ける許可をもらい、春も共犯ということで黒糖を1袋もらった そこからは家庭科室に行き、料理部に少しだけ端っこの調理台と材料を借りた 小麦粉と卵とその他諸々、味付け用には春の黒糖、これだけあればすぐできる 簡単なドーナツ(黒糖味)が完成した 料理部の分も作って、すぐに麻雀部に戻った 戻った時もまだ初美先輩は機嫌が悪そうだったが、誕生日プレゼントといってドーナツを渡すと、驚きながらも喜んでくれた 多めに作ったので、部のみんなのも分けたが好評だった 一応、誕生日プレゼントは渡せたし、良かった良かった 春「アレは良かった。黒糖1袋渡した甲斐があった」 小蒔「すぐに作ってきたのがすごかったですね!」 巴「それでまた美味しいんですよね」 初美「私のために作ってくれたと思うとさらに美味しいですよねー」 霞「でも結局は好評すぎるから何回も作ってきてくれたわよね」 春「最高だった」 初美「むー……美味しかったけどそれは複雑ですー」 6月×日 今日は部活が終わって少し用があって残っていた 用もあらかた終わり、帰ろうかというタイミングで雨が降ってきた 鞄にいつも折り畳み傘を入れていて良かった、そう思って下駄箱まで行くと、石戸さんが居た 石戸さんも用があって残っていたらしいが、雨が降ってきて、傘も無くどうしようかというところだったらしい それを聞いて、折り畳み傘で、石戸さんが良ければ入っていきませんか?と提案した 小さい傘に2人は厳しいが、無いよりマシだろう 石戸さんは笑顔で了承してくれた 元々俺1人で使っても少し厳しい折り畳み傘、そこに2人はかなり密着しないといけない 要はアレだ。おもちやべぇ あのおもちをここまで間近に感じれるなんて!!今日はこの瞬間のためにあったのか!! しかし石戸さんを濡らす訳にもいかないので、傘のほとんどを石戸さんの方へやり、俺はかなり濡れてしまっていた だがいい。濡れて透けたおもちも見てみたいが、それをこんなところでやるのは流石に紳士じゃあない 何より男の俺が濡れないより、女の子が濡れない方がずっといいに決まってる 石戸さんと別れる時、石戸さんの家の方がまだ遠いと聞いて、傘を石戸さんに渡して俺は濡れて帰った 春「紳士……」 巴「何この去り方、かっこいい」 初美「目線が胸に無ければなおかっこよかったんでしょうねー」 霞「まぁ、そこは諦めてるわ。でも、背中から見て明らかに体の半分以上が濡れてるのが分かった時は結構かっこよく感じたわよ」 小蒔「素敵ですね」 6月○日 昨日濡れたせいか、今日は軽く熱が出てしまった おかげで学校も休むことになった 家に両親は居ないし、寝てれば治るとは言うが、1日寝てるのは暇だったので携帯で麻雀のアプリを軽くいじってた 寝たりアプリいじったりしていると、放課後の時間になったからか、春と石戸さんがお見舞いに来た 春は黒糖を置いて行った。予想はできたけど、本当に置いただけで帰りやがったあの黒糖っ娘め 石戸さんは昨日のお礼を言って、同時に自分のせいだと言っていた 気にしていないと言ったが、それでも無関係ではないということで、石戸さんが看病してくれることになった といっても熱は少しあるといったぐらいなので、寝てれば治るくらいだ。やってもらうほどのこともない それじゃあ、と石戸さんは言って部屋から出た しばらくしたらお粥の入った土鍋を持ってきてくれた 今日ほとんどまともなものを食べてないのがばれていたらしく、わざわざ作ってくれた 時間も中途半端だったので、とりあえず軽くもらったが、美味しかった お粥で美味しいって地味にすごくね?病人相手なのに 石戸さんは残りは夜にでも食べて欲しいということだった。無論食べた それからはゆっくりと話した。1日1人だったので、これが結構ありがたかった 何より近くにおもちがあるのだ。元気にもなる。無論健康面の方で しばらく話して、遅くなる前にと石戸さんは帰って行った 帰り際に、連絡先を交換した。それと何故か京太郎くんと呼ばれ、霞さんと呼ぶように言われた 少し迷ったが、試しに呼んだ時の笑顔でかなり可愛かったので霞さんと呼ぶことになった ま、いっか 初美「お見舞いですかー……私も行けばよかったですー」 巴「大人数で押しかける訳にもいかないでしょ」 小蒔「ところで、春ちゃんはなんですぐに帰ったんですか?」 春「……流石に私が居る前でお礼言ったりするのは恥ずかしそうだったから」 霞「感謝してるわ。おかげで連絡先も交換できたしね」 春(後プレッシャーすごかったし……それ抜きにしても2人きりがよさそうだったし……) 6月△日 今日は部の買い出しに狩宿さんと行った すこし分かりにくいとこにある店らしく、わざわざ一緒に行ってくれるらしい 必要な物をある程度買ったところで、学校に戻ろうかと言っていると、急に雨が降ってきた とりあえず買った物を濡らさないため、近くにあった喫茶店に入った 適当な席に座り、少し雨宿りすることになった 狩宿さんはこの喫茶店に何度か来たことがあるらしく、ケーキがおすすめだと言って注文していた まだ雨も止みそうに無かったので、俺も同じものを注文した そのケーキは確かに美味しかった。狩宿さんも少し機嫌よさそうに話してくれた たまたま見つけた店だが、結構いい店だった。近いものができないか家でケーキ作りをしてみたが、中々難しい、等 食べながら、ある程度なら再現できるかもしれないと言うと、狩宿さんは驚いたように本当か聞いてきた 以前長野で食べたとある執事の手作りケーキよりはハードルは低そうだし 今度一緒に作りますかと聞くと、狩宿さんは喜んでくれた とりあえずその時のためにと連絡先を交換した そんな話をしていると雨は上がっていた 狩宿さんは学校に戻りながらも嬉しそうにしていた テンションが高かったのか、俺のことを京太郎くんと呼んでいた そのことを言うと、俺も巴さんと呼んでいいとのことだった 最近年上を下の名前で呼ぶこと多いな。いいけど とりあえず、あのケーキの材料でも考えよう 霞「あらあら、2人っきりでサボり?」 巴「雨宿りですよ。ケーキは霞さんも食べたじゃないですか」 春「京太郎の黒糖ケーキは絶品」 初美「ですねー。でもアレのせいでお菓子作りが趣味の人が落ち込んだらしいですよー」 巴「あぁ……私もちょっと落ち込んだ」 小蒔「どうしてあんなになんでもできるんでしょうね」 春「なんか、執事の友達がいるらしい」 6月□日 今日は休みだったが、ちょっと面倒な宿題が出たのでウチで春と分担して進めていた ある程度進み、少し休憩していたところで咲から電話が来た 久しぶりだったので春にしばらく待ってくれるように言ってから話した 咲は最近麻雀部で合宿に行き、今度の大会に出るらしい 応援してるぞー。永水の次に、なんて冗談を言いながら話していると、春がまだかと少し大き目の声で聞いてきた 少し長電話しすぎたかと思っていると、咲も友達といるのか聞いてきた 友達っつーか遠い親戚。お前よりおもちの大きい。そう言うと咲は少し拗ねたようにそこまで大きくないでしょ、とか言ってきた まぁ大抵のおもちは咲より大きいしなー。Aあったっけ?とか言うと、春が、少し笑った 咲にも笑い声が聞こえたらしく、怒った声で笑うのは酷いとか言っていら まぁ咲の方が付き合いは長いし、とか適当に宥めて電話は切った 春は少し機嫌が悪そうだった。そして、やたらと咲のことを聞いてきた 別に、ただの幼馴染だと言うと少し何か考えているようだった なんだったんだ?春も咲も途中で少し機嫌悪くなったし アレか?女の子の日か? 初美「うわ、酷いですねー」 巴「そりゃ本来自分しか見ない日記だし、多少こういうことも書くでしょう」 春「……宮永咲……負けない」 霞「直接対戦したのは私だったけど、強かったわよ?」 春「……麻雀以外では」 巴「言い直した……」 春「京太郎は譲らない!」 小蒔「そ、それってどういうことですか!?」 霞「そうよ。譲れないのはみんな同じよ?」 初美「ですねー。こればっかりは駄目ですよー」 巴「当然です」 咲「っくしゅん」 咲「少し冷えるなぁ……1人でゴミ持ってくのは失敗だったかな」 咲「京ちゃんがいたらなぁ……なんか気付いたらやってそうだよね」 咲「ふぅ。京ちゃん、帰ってこないかなぁ……」 6月●日 「ハロー、ツーリングに行きましょう」 休みの日にいきなりそんなことを言うライダースーツ姿の良子さんが玄関前に立っていた 俺、バイク持ってないのにツーリング?そう疑問に思っていると 「カモン」単車に跨り後ろを指差す良子さん 男のやってみたいことのひとつだけど男女逆だしいきなりなんだろうか そう思いながら俺は後ろに乗った 「もっとくっついていいんですよ?」そう良子さんは言うが、年上の美人にくっつくとか正直たまりません おずおずと前に手を回したが「ん、へい、もっと上ね。触っても責任取ってくれるだけでオーケーですから」 いい笑顔で言われたからその辺りは触れないように全力で気を遣った 良子さんは結構なスピードで走っていた 後ろに乗ってる俺に気を遣ってるのか、カーブ等の時はどっちに身体を倒すとか丁寧に言ってくれた しばらく走ると、どこかの高台の上でバイクを止めた 良子さんはバイクから降り、俺の手を引いて高台の景色を見に行った 「んー、やっぱりここの景色はグッドですね。たまに見たくなるんですが、1人じゃアレなんで無理矢理攫っちゃいました」 悪戯っぽく笑う良子さんは普段のクールな美人な感じより、可愛い女の子みたいに見えた 確かに高台からの景色は綺麗で、俺もまた見たくなるような景色だった そこからしばらく、自販機の缶コーヒー片手に雑談した バイクの免許を取るかどうかとか、黒糖についてとか、この前本気出したすこやんがモンスターどころかマジもんのクリーチャーだったとか 俺の今度の試合についての話もした 「やっぱりまだまだですね。でも、麻雀は何が起こる分からない。誰だって勝つ可能性があるんですよ?」 そう言ってもらった 小蒔さんや初美さんなど、すごい人ばかり見てて少しビビってたが、気が楽になった 「グッドグッド。リラックスしていきましょう。では、帰りましょうか」 帰りは少しだけ、行きより抱き着いて帰った バイクの免許、取ろうかな 初美「なんというか、良子さん大人って感じですねー」 巴「余裕たっぷりだよね」 春「……京太郎がバイクに乗るようになったら後ろ乗せてもらお」 小蒔「いいですね!私も乗りたいです!!」 霞「あら、じゃあ私も乗ろうかしら?」 初美「あの3人の誰かが京太郎の後ろに乗ったら、間違いなく京太郎が事故起こしますよねー」 巴「うん、特に霞さんとか危ないよね」 6月◇日 学校帰り、少し騒がしいかと思っていると、どうやらどこかのテレビの取材があったらしい もう撮影自体は終わっているが、有名人がまだどこかでフラフラしていて騒がしいとか 別に気になる有名人もいないから適当に帰ろうかと思っていると、いきなり肩をつかまれた 「だーれだ?なんちゃってね!」振り返ると、福与アナだった どうやら撮影が終わってフラフラしている1人らしい 暇だから遊ばない?とか言っていたが、男子高校生と遊ぶアナウンサーってどうなんだ 時間はあったので、俺も春達に案内してもらった、少し離れたところのお土産屋に連れていった 色々置いてあったので福与アナも物珍しそうに店内を見て回っていた 俺もこっちに来てそこまで長い訳でもないので、色々見たりした あれは美味しいか、これはどうだ、これをすこやんに渡したらどんなリアクションをするか 色々話しながら、それなりに楽しんだ 結構な量のお土産を買った福与アナは、時間ということで別れた 別れ際、「キミも高校生雀士だよね?インハイで待ってるよ!!」と言ってくれた ラジオとかでアレなのに、結構嬉しいこと言ってくれるんだな 大会までもう少し、頑張ろう 霞「そういえばテレビの話をおばさま達がしてたわね」 巴「旅番組でしたっけ。こっちの美味しいものを食べていく」 春「美味しいものといえば黒糖」キリッ 初美「いや美味しいですけど、ていうかブレなさすぎですよー」 小蒔「どれも美味しいですしね」 6月▽日 大会も近かったので、部活が終わった後も少し居残りして練習していた みんな帰ったからネト麻でだが しばらくすると、帰ったと思った霞さんが来た 「1人より、誰かに教わった方がいいかと思ったんだけど、どうかしら?」そう言ってくれた 願ってもないことだ。それからは色々教わりながら打った しかし、霞さんもどんどん指導に熱が入っていくからか、どんどん後ろからパソコンの画面を乗り出して見るようになっていった すると、おもちが背中に当たる。霞さんのおもちはただでさえとんでもない大きさだ。それが当たらない訳が無い するとそれにより集中などできる訳もない。当然ミスする また乗り出して見ながら指導する。当たる。ミス。さらに密着 そう、無限ループだ 俺は、決してこの日を、この時背中で感じた感触を忘れない ありがとう……ありがとう霞さん 本当に……本当に……ありがとう……それしか言う言葉がみつからない…… 気付くと、目の前のネト麻での対局が終わっていた 結果は、なんと俺がトップだった 途中、背中の感触に集中しすぎて自分が打っているのかどうか分からないような感じだったが、そのせいか? 霞さんは驚いた顔でしばらく、スサノオだのマサカドだの呟いていた よくわからなかったが、別にいいか 霞「この時ね、確かに感じたのよ。姫様と同じように神様を降ろしたような、もっと別の"何か"を降ろしたような感覚が」 巴「遠縁の遠縁といえ、多少は同じような血と考えられますけど、ありえるんですか?」 春「祓う必要もなかったの?」 初美「勝手に降ろして、勝手に帰るとか……いやいや信じられないですよー?」 小蒔「そもそもそんなことをして、京太郎くんは大丈夫なんでしょうか?」 霞「これ以降こんなことは見てないけど……現に今大丈夫だからとしか言えないわ」
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龍門渕家 一「お帰りなさいませ、透華お嬢様」ペコリ 純「お帰りなさいませ。お荷物預かりいたします」ペコリ 透華「ただいま戻りましたわ」 京太郎「お邪魔します」 純「…お帰りなさいませ」 京太郎「少しお世話になります」 透華「堅苦しいことは抜きにして、前回も申し上げた通り京太郎様は我が家のように」 京太郎「そういうわけには」 透華「もし気になるようでしたら、人払いも検討しますが」 京太郎「平気です平気です!」 純「ま、メロメロな透華はその方が都合いいかもな」ボソッ 一「うーん、でもボクとしてはあまり」 透華「聞こえてましてよ」 純「やべっ」 一「今お飲み物ご用意しまーす!」 透華「まったく……」 京太郎「あはは、仲いいですね」 透華「当然ですわ。ですが、分別は弁えないと、龍門渕家当主として務まりませんわ!!」 京太郎「立派だなあ…」 透華「もっと褒めてくださってもよろしくてよ。例えば、こんな風に」ギュッ 京太郎「と、透華さん!?」 透華「いくら私といえども、重圧に耐えられない時だってありますわ」 京太郎「ま、まずいですって」 透華「京太郎様、私に少し温もりを///」 純「飲み物持ってきましたー」 京太郎「ほっ……」 純「こちらストレートのアップルジュースでございます」 京太郎「ありがとうございます」 純「コレが仕事ですので、お気になさらず」 京太郎「あ、ほら透華さん、飲みましょう」 透華「……もう」 純「須賀様、透華お嬢様には婚約者がおられますので、あまり不埒な真似は 控えていただきたく」 京太郎「す、すみません!」 純「いえ、どうやら知らなかったようなので、次から気をつけていただければ」 透華「じゅ、純!! 口が過ぎましてよ!!」 一「お嬢様、全てはお嬢様と当主様のためでございます」 透華「一!」 一「気持ちはわかりますが、次期当主としての振る舞いを」 国広一 E48 好感度は普通よりちょっと低め。デレデレな透華が心配。 京太郎「そういえば、萩原さんは」 透華「ハギヨシなら衣の傍にいますわ。それとどうして私から距離を?」 京太郎「衣? あ、離れているのは誤解されると迷惑かと」 衣「衣を呼んだか?」 京太郎「あ、衣さんって咲と対局してた」 衣「咲の知り合いか?」 京太郎「というか中学からの悪友? 友達?」 ハギヨシ「須賀様は清澄高校の生徒でございます」 衣「おお、ならば衣とも友達だ。友好の握手をしよう」 京太郎「よろしくお願いします」ギュ 衣「手が大きいな。衣の手がすっぽり納まってしまったぞ」 京太郎「あはは、ハンドボールやってたからかもしれません」 衣「ハンドボール?」 京太郎「えっと、サッカーの手バージョンですよ」 衣「おお、衣もキャッチボールなら出来るぞ!」 京太郎「へえ、女の子でキャッチボールって珍しいですね。あ、そうだやります?」 衣「望むところだ!」 透華「一、衣には何も言わないのかしら?」 一「衣様には婚約者はいらっしゃいませんので」 透華「ムキー!!」 京太郎「グローブってあります? あと柔らかいボールって」 ハギヨシ「あるにはあるのですが……」 京太郎「何か問題でも…あ、手に合うグラブが無いとか」 ハギヨシ「いえ、技術的な問題が」 智紀「キャッチボールはやめた方が良い…」 京太郎「えと、初めまして?」 透華「智紀、良い所に来ましたわ」 智紀「何か問題でも…」 透華「一と純が変ですわ!」 純「変って」 一「全てはお嬢様のためを思ってのことで」 衣「衣とキャッチボールするのは嫌なのか?」 京太郎「あ、いえ…そういうことじゃ」 ハギヨシ「須賀君は大阪から帰られたばかりで、疲れていらっしゃるので」 衣「そ、そうだったのか」 京太郎「あ、はい。すみません」 衣「ならえっと、麻雀、麻雀は」 京太郎「えっと、東風だけなら」 衣「よし、やろう!」 背伸びをして京太郎の手を握った衣を見て、透華は混乱した! 透華「あ、衣! お待ちなさい。京太郎様は私の」 衣 A89 この温もりは、父上、母上といた時のようだ 衣「トーカも混ざるのか?」 透華「当たり前ですわ! それより智紀、あの二人を叱りなさい」 智紀「……なぜ?」 透華「明らかにおかしいですわ!!」 純「お嬢様の尻が軽いと、龍門渕家のイメージ、尊厳に関ります。それに失礼ですがオレ、私としては彼はあまり」 透華「京太郎様の悪口は許しません事よ!! ほら智紀も私の味方を」 智紀「私は」 歩「あ、あの」 透華「歩も丁度良いですわ!」 歩「え、えっと、なにがでしょうか?」 一「あの金髪君のことだよ」 歩「あ、ああ」 純「智紀も思うだろ? あいつからはどうも変な流れって言うかなんつーか」 智紀「思わない…」 A89 歩「私も好青年で素敵だと思います」 B70 純「はぁ!?」 透華「ほら見なさい! 京太郎様は素晴らしいお方ですわ」 純「二人は味方だと思ったのになあ」 智紀「ただ、人目は気にするべき…」 透華「智紀!?」 歩「そ、そうですね。お嬢様には婚約者の方が」 透華「あんなもの形だ「ストップ」」 透華「一、何するんですの!!」 一「透華少し興奮していたから。それと、彼もう行っちゃったよ」 透華「はっ……お待ちになって―!!」 純「国広君はオレの味方じゃ」 一「もちろん。ボクは純くんの味方だし、彼のことはあまり好いてないよ」 純「だよな、なんであいつらあんなに」 衣の部屋 ハギヨシ「卓の準備はできていますよ」 衣「御苦労!」 京太郎「相手は衣さんと」 透華「負けませんわ!」 純(目覚まさせねーとまずいだろ) 京太郎「透華さんと純さんですね」 純「井上です」 京太郎「あ、すみません。下の名前で呼ぶことが多かったから」 純「随分なタラシでいらっしゃるようで」 京太郎「たらしって」 透華「純!!」 衣「衣の友を侮蔑するのは許さんぞ!」 透華「いやいや、あって数回の男にそこまでお熱ってほうがおかしいだろ」 京太郎「まあまあ、時間もないですし始めましょうよ。ね?」 透華「きょ、京太郎様がそうおっしゃられるなら」モジモジ 衣「うん!!」 純「けっ」 歩「あ、あの……どうして井上さんは須賀様を」 智紀「キャラかぶり?」 一「違うと思うよ(ああ透華、目がハートマークに……頑張れ純くん)」 純(オレの感がそう告げてるっつーか、絶対この男は不味いって) 歩「あれ、萩原さんは」キョロキョロ 透華(純、京太郎様をバカにしたこと、許しませんわ) 純(こいつのカッコ悪い所を見せれば二人も目覚ますだろ。おっしゃ!) 対局結果 京太郎 1位(ぞろ目あり) 純 2 透華 3 衣(ぞろ目もどき) 最下位の順になります。 京太郎「えっと、お疲れさまでした」1位 純「」 衣「こ、衣が海底まで辿りつかないなんて」 透華「」焼鳥 京太郎「あ、あの」 智紀「……強い」 一「じゅ、純くん、2位だよ。2位」 純「ツモや直撃避けただけじゃん……和了ったのも断幺のみだし」 京太郎「あ、あの、なんかすみません」 衣「見事、見事だ! 魔物と見間違う、イヤ、魔物を打ち滅ぼす神の御子」 京太郎「? 何だかよくわからないけど、大げさですよ」 衣「もう一回、もう一局」 京太郎「裾引っ張らないで欲しいです。あと、時間が」 衣「むむ、衣も流石に時は」 京太郎「また来るので」 衣「約束だぞ!」 京太郎「はい」 京太郎「じゃあ今日は失礼しますね」ペコリ ハギヨシ「須賀君!」 京太郎「あ、萩原さん」 衣「あ、ハギヨシ、京太郎は凄いぞ!」 ハギヨシ「大変なことになりました……」 京太郎「大変なこと?」 ハギヨシ「こちらに……あと、透華お嬢様と衣様。お呼びがかかりました」 透華「!」 衣「衣もか?」 ハギヨシ「はい。これは命令です」 京太郎「および? 命令?」 ハギヨシ「着いて来て下さると助かります」 京太郎「? まあハギヨシさんの頼みなら別に」 龍門渕家 父「……」ゴゴゴッ 透華「お父様……」 衣「衣も呼ぶとは、どういう風の吹きまわしか?」 ハギヨシ「旦那様は、彼について話があるそうです」 京太郎「」 ハギヨシ「失礼ながら、先ほどの対局を隠しモニターで見ていらっしゃったのです」 透華「まさか、京太郎様を処罰する気じゃ」 京太郎(ま、まさか不貞行為で……) 父「京太郎、様?」ゴッ 透華「い、いくら御父様とはいえ、許しませんわ!」 母「入婿の癖に、子供相手になにを格好付けてるのかしら?」 母「後は私が。貴方は下がっていなさい」 父「……」 透華「お母様!!」 ハギヨシ「透華お嬢様」 透華「ええい、ハギヨシ! ハギヨシが隠し撮りなどするから」 ハギヨシ「申し訳ありません」 母「さっさと本題に移りなさい、ハギヨシ」 父「後は頼んだ」 母「勿論」 透華「お父様! まだお話は」 ハギヨシ「ですが、旦那様は処罰する気ではありません」 衣「ほう、衣を恐れていた男とは思えなんだ」 母「勿論私も、処罰する気など毛頭ありませんわ」 ハギヨシ「本題に移らせていただきます」 京太郎「ほ、本題?」 ハギヨシ「須賀君の処遇についてです」 京太郎「お、俺の?」 ハギヨシ「少々素性を調べさせていただきました所、須賀君いえ、須賀様は名家出身だと」 透華「京太郎様が!?」 京太郎「名家ってそんな……爺さんの頃にはもう没落したし、今はちょっと土地あるくらいの」 ハギヨシ「謙遜は結構でございます」 ハギヨシ「そこで須賀様、須賀様のご両親に確認をとった結果」 京太郎「け、結果?(君呼びじゃなくなった)」 ハギヨシ「須賀様は」 母「本日をもって天江衣、貴女の婿とします」 京太郎「む、婿!?」 母「魔物には監視する男が必要、そうでしょう?」 京太郎「こ、困ります」 衣「京太郎は衣が嫌いなのか?」 京太郎「き、嫌いと言うことではなく」 透華「そ、そんなこと許しませんわ!」 母「透華には関係ないことよ」 透華「ありますわ!」 京太郎「透華さん?」 透華「きょ、京太郎様の意思も無しに」 母「龍門渕家はそれだけ力が強いことは、貴女もよく知ってるはずよ」 透華「っ……」 衣「衣は構わないぞ?」 透華「衣!!」 京太郎「えっと、俺はお互いを」 母「それはコレから知ればよろしくて?」 京太郎「それは……」 母「卒業までの2年とちょっと、仲を深めるには十分じゃないかしら?」 透華「こんなこと、私は、ぜぇったい認めませんわ! 京太郎様、こちらです」グイッ 京太郎「わっ」 透華(何もかも勝手すぎますわ)プンプン 京太郎「で、どこへ」 透華「京太郎様を駅までお送りしますわ」 母「……衣ちゃんは嬉しいわよねー」 衣「うん!(透華には悪いが、利用できる物は利用させてもらうぞ)」 母(衣ちゃんかわいいわ~) 天江衣の婿(暫定)になりました。 須賀家 京太郎「母さん!」 須賀母「あら、お帰り」 京太郎「何勝手に」 須賀母「別に良いじゃない。どうせあんた、誰が好きかなんて決められないんだから」 京太郎「は!?」 須賀母「彼女もいないんだし、ちょうど良いでしょ」 京太郎「勝手なことを」 須賀母「文句あるなら一人に絞りなさい」 京太郎「俺はもっと時間をかけてだな」 須賀母「なら衣ちゃんぴったりじゃない。ちっちゃくてかわいいし、あんたが結婚できるまでには2年以上あるじゃない」 京太郎「ふざけ……はぁ」 カピ「~~?」 京太郎「寝る……疲れた。おいで」 カピ「♪♪」トコトコ 深夜 京太郎「……はぁ」ナデナデ カピ「~~♪」 京太郎「俺はただ(おっぱいの大きい)一人の女性を好きになって」 京太郎「ゆっくりと時間をかけて仲良くなって…結婚。そしてその人のために汗水たらして働いて」 京太郎「幸せな家庭を持ちたかっただけなのにな……」 京太郎「それがどうして……」 龍門渕母『天江衣の婿よ』 京太郎「衣さんも嫌いじゃ無いけど、いきなり許嫁って。はぁ、なんでこんなことに」 カピ「~~?」スリスリ 京太郎「あ、ごめんな。こんな事愚痴る気なかったんだけど、誰かにしゃべりたくてな」 京太郎「悪い悪い。もう寝る。お前もケージに入って寝た方が良いぞ」 カピ「♪~♪」 京太郎「でも、いつかきっと(そんな女性に)」 京太郎「出会えるはず、だよな。その時こそ理想の女性を迎えれるように」 京太郎「相応しい男になって……うわっ」 京太郎「お前いきなりのしかかりするなんて、どこで覚えたんだ? ったくしょうがないな……今晩だけだぞ」 カピ「♪」 京太郎「嬉しそうな顔しやがってまったく、甘えん坊なんだから」ナデナデ 京太郎「お前だけは俺のこと、応援しててくれよ。おやすみ」 京太郎「……」zZZ カピ「……」zZZ ギィィィ 「…が…京…嫁…」ニヤッ 番外編 終わり プロ編 はやりの家にお呼ばれされた京太郎は、来て早々瑞原はやりと戒能良子プロと対局することになった。 結果は当然最下位。しかし 京太郎「お、お疲れさまでした」 はやり「お疲れ様☆」 良子「ありがとうございました」 京太郎「あはは、やっぱり勝てませんね。プロには」 良子「ノ―ノ―。君はすっごく興味深いですね。あの九種九牌は鍛えれば役満手にもっていけます」 京太郎「マジっすか!?」 良子「イエス」 京太郎「よーし」メラメラ はやり「久々に会えて嬉しいぞ☆」 京太郎「俺の方こそ、連絡できなくて」 はやり「調子はどう?」 京太郎「あはは、(襲われたり勝手に婚約者できたり)相変わらずってところですね」 良子「このメランコリーな顔、グッドですね」 はやり「でしょ! 京太郎君すっごくかわいくて~」 はやり「どの牌捨てるか悩むところとか、やっと決心して牌を捨てた後のため息とか」 はやり「和了った時にね、はやりの顔見てニコって、ニコって笑うの☆」 はやり「も―すっごく可愛い!!」 良子「そうですね」 はやり「もー、良子ちゃん聞いてるの?」 良子「聞いてます聞いてます。私としては、振り込んだ際のフェイスが」 はやり「それでね~」 良子「聞いてませんね、はやりさん」 京太郎「あ、あの」 はやり「なにかな?」 京太郎「せ、せめてそういう話は、俺のいない場所でしていただけると」 はやり「きゃ~、京太郎君顔真っ赤だね☆」 良子「照れているんでしょう。ベリーベリーキュートですね。よしよし」ナデナデ 京太郎「か、戒能プロ!?」 はやり「あー、良子ちゃんずるい! はやりもする!」ナデナデ 京太郎(なんだこれ……) 京太郎(久々に指導してくれるというから来てみたらいきなり自宅に招待され、私服のはやりさんに)チラッ 良子「癖になりそうですね」ナデナデ A85 京太郎(私服の戒能プロに撫でられる。しかも密着されてるから胸が、おもちが当たって……天国か!) はやり「京太郎君また強くなって、はやりも嬉しいぞ」ムギュッ 京太郎「は、はやりさん(う、腕にあたってます、あたってます)」 はやり(あててるんだぞ☆) 良子(イエス) 京太郎(直接脳内に?!) 京太郎「あ、あの、俺お茶淹れてきます!」 はやり「もう、はやりはお茶なんかより」 京太郎「あ、ティーポットとか茶葉は全部用意してあるのでご心配なく。台所お借りします」 良子「用意周到ですねー」 はやり「なんといっても、はやりの弟子(兼未来の旦那様)だからね」フンス 良子「Oh…」 はやり「引っ越してはくれないけど、家に来てくれるってことは愛されてるってことだよね」 良子「引っ越し?」 はやり「うん。京太郎君にはやりの家に住まない?って前に聞いたんだよ☆」 良子「がっつきすぎですよ、はやりさん」 はやり「若気の至り。はやりも若いからしょうがないよね!」 良子「そ、そうですねー」 はやり「それにしても、自分の家の台所に男の子がいるって素敵だな~」 良子「妄想が捲りますか?」 はやり「はやや~」ニコニコ 良子「トリップしてますね……しかたない」スクッ 京太郎「えっとやかんは」 良子「やかんはこの棚ですよ」 京太郎「あ、戒能プロ」 良子「良子で結構です」 京太郎「ありがとうございます。あ、座っていただいて」 良子「私もお客ですから、手伝い程度は」 京太郎「ありがとうございます」 良子「その、はやりさんとはどこまで?」 京太郎「どこまでとは?」 良子「その、あんなんでもガードの固いはやりさんが自宅に招くなんて、京太郎はもう肉体関係を?」 京太郎「ガード?」 良子「この業界って肉体関係だけを望む男も多いんですよ」 京太郎「肉体関係だけ……それはきついっすね」 良子「そんななかではやりさんは上手くゲスな男を避けてきたものの、君に対して妙な執着を」 京太郎「俺にって」 良子(まあ私としても君には興味が) 良子「とにかく、はやりさんは意外と初心です」 京太郎「う、ぶ?」 良子「そんな彼女との関係、差し支えなければプリーズテルミー」 京太郎「えっと、実はもう下3」 京太郎「実は、ご褒美だってはやりさんからキスを」 良子「リアリー!?」 京太郎「え、ええ。テンションあがってしちゃったんだと思うんですけど」 良子「そうですか……なら、私も先ほどの対局でのご褒美をあげなければなりませんね」 京太郎「よ、良子さん?」 良子「落ち着いて。私は20歳。ヤングです。ほら、肌も綺麗ですよ 京太郎「し、知ってます。か、顔近い、お、俺やかん見なきゃ」 良子「火を止めれば大丈夫。背伸びは少し辛いですが、京太郎の首に手をかければ、あら不思議」 京太郎「よ、良子さん、からかうのも」 良子「京太郎の顔が私に少しずつ、少しずつ近づいて(京太郎の唇をテイスティング)」 京太郎「か、戒能プロ」 良子「良子です。京太郎、私のご褒美を受け取って」 ガシッ 良子「くださ……」チラッ はやり「はやや?」ニコニコ 良子「じょ、ジョークですよ?」ニコッ はやり「★」 良子「そ、ソーリー」 はやり「お客さんは座っててね」 良子「お、おーけー」トボトボ はやり「京太郎くんもそこに座って」 京太郎「あ、すみませんお茶ならスグに」 はやり「座って!」 京太郎「す、座りました!」 チュッ はやり「キスしたいなら、はやりに言うこと///」 京太郎「は、はやりさん」 はやり「はやりとの約束、わかった?」 京太郎「は、はい!」 はやり「じゃあこの話はお終い。クッキー焼いてあるからお茶受けに食べよっか」 京太郎「お茶すぐ用意します!」 はやり「うん☆」 良子(結局自分がしたいだけじゃないですか……アンフェア、不公平です) 京太郎「はやりさんのクッキー美味しいですね」 はやり「京太郎君が来るから張りきっちゃったぞ☆」 良子「アップルティーもグッドですね」 京太郎「喜んでもらえて嬉しいです」 良子「京太郎、あーん」つクッキー 京太郎「良子さん?」 良子「私のクッキーは食べられませんか?」 はやり「はやりが作ったのに……それなら」 京太郎「はやりさん、クッキー口に咥えてどうし」 良子「なら私も。京太郎、食べたい方をどうぞ」 京太郎「ふ、二人とも、高校生をからかうなんて」 京太郎「って、この二人目が本気だ……」 京太郎「ま、まあ……」パクッ はやり「♪」 良子「京太郎」ジトッ 京太郎(初対面の人にそれは、ね……) 京太郎「これでいいですか?」 はやり「え~、全部食べてくれないの?」 京太郎「ホント恥ずかしいんで、勘弁してください」 はやり「う~」 京太郎「可愛い顔してもダメです」 はやり「か、かわいいって」 京太郎「はやりさんは美人なんだから、そんなことしてたら何時か襲われますよ」 はやり「京太郎君になら大歓迎だぞ」 京太郎「はぁ……」 良子「京太郎、私は嫌いですか?」 京太郎「良子さん、嫌いなわけないじゃないですか。ただ、会ったばっかりでその・・」 良子「なるほど…これならどうですか?」グイッ 京太郎「うわっ」 京太郎を自身の方へ引き寄せた良子は 良子「関西では流行っていると聞いたので」 京太郎「や、やわら……じゃなくて、膝枕!?」 良子「ふふっ、なんだか流行っている理由が分かる気がします」 はやり「よ、良子ちゃん、それはずるいよ!」 良子「はやりさんも御希望なら、後で膝貸しますよ」 はやり「そーじゃなくて!」 京太郎(すっゲーいい匂い、香水? よくわかんねーけどいい匂いだ)クンクン 良子「あっ、京太郎。あまり匂いを嗅ぐのはバッド、いえ……モア。モアです」 はやり「~~」 良子「苦虫でも噛みましたか?」 はやり「よしこちゃん、その顔すっごくムカムカする!」 良子「ソーリー。あまりに至福だったので」 はやり「京太郎くん!! 京太郎くんってば!!」 京太郎「は、はい!」 良子「あ、もうエンドですか」 はやり「そんなに大人の膝枕が良いの?」 京太郎「そ、そういうわけでは」 良子「やはり京太郎は私の事を」シクシク 京太郎「い、いえ、むしろファンだったり」 はやり「良子ちゃんも嘘泣き禁止!」 良子「おっと、ソーリー。ジョークです」 京太郎「な、なにがなんだか」 はやり「京太郎くんもあんまりフラフラしていると、はやりが監視するからね!」 京太郎「か、監視!?」 はやり「監視!!」 良子「はやりさん、犯罪はバッドですよ」 はやり「犯罪じゃないぞ★」 良子「Oh……(とてもバッドな顔をしてます)」 はやり「京太郎くんもはやりの弟子なら、師匠の言う事は絶対だよね? 絶対だよね?」 京太郎「は、はやりさん、こ、怖いです」 甘えん坊はやり 京太郎「ぶ、ぶどうです」 はやり「あーん、みずみずしくておいし~」 京太郎「お、おかわりは」 はやり「それより手が止まってるぞ」 京太郎「は、はい」ナデナデ 良子「はやりさん、私も彼に膝枕されたいのですが」 はやり「やだ~。京太郎くん、ぶどう欲しいな」 京太郎「ど、どうぞ」 はやり「京太郎くん皮もむいてくれるから好きだな」 京太郎「す、好き!?」 はやり「大好きだぞ」 京太郎「あ、ありがとうございます///」 はやり「じゃあ次ははやりがブドウを食べさせてあげるね」 良子「はやりさん、口にくわえられても食べづらいかと」 はやり「ひょうはほうふーん」 京太郎「じゃあ……」 ぶどうをとるには、唇を近づけ……るわけもなく、指で摘まんで口に運ぶ京太郎 はやり「あー、京太郎君ずるい!」 京太郎「だ、だって」 はやり「甘えさせてくれないなら罰ゲーム! 良子ちゃん、京太郎君を羽交い締めにして」 良子「イエッサ―」ガシッ 京太郎「は、はやりさん、良子さん!」 良子「そーりー。ていこうできません」 京太郎「棒読みじゃないですか!それに胸が」 はやり「きょうたろうく~ん」 京太郎「は、はやりさん……なにを」 ムギュッ はやり「京太郎君の体男らし~」スリスリ 京太郎「く、くすぐった、ひゅあっ」 良子「おや、耳が弱いようですね。あまがみでココまでとは」 はやり「京太郎君いい匂い~」チュッ 京太郎の胸にキスをするはやり、耳に息を吹きかける良子。 京太郎「は、はやりさん、やめ」 はやり「心臓ドキドキだね。はやりもだけど」 京太郎「は、はやりさん、まじやめ」 はやり「そうだ、京太郎くんこっちだぞ」 京太郎「は、はやりさん?」 はやり「あったかくなろ」 京太郎「あ、あったかく?」 良子「相変わらず広いですね」 はやり「お風呂が広いって素敵だよね」 良子「まあ、確かに」 京太郎「あ、あの俺もう」 はやり「もう、なに?」 良子「はやりさん宅のバスはあったかくて素敵ですよ?」 京太郎「そ、そうじゃなくて」 はやり「?」 良子「?」 京太郎「せめて水着くらい着てくださいよ!」 はやり「??」 良子「??」 京太郎「はてなを増やすな!!」 はやり「まあまあ、とりあえず体洗ってもらおうかな」 京太郎「うわ、ちょ、見えてますから」 はやり「眼福かな?」 京太郎「そ、それはもう、じゃなくて」ドキドキ はやり「はやりの背中、流してね」 京太郎「は、はい! じゃなくて」 はやり「時にははやりに流されるのも良いと思うな」 良子「なら私は京太郎の背中を」 京太郎「ふ、二人とも、だから前くらい隠して」 良子「本当にスタイル良いですね」サワッ 京太郎「ど、どこ触ってるんですか」 良子「言って良いんですか?」 はやり「あ、はやりは肌が弱いから手でお願いね」 京太郎「」 良子「どうしました?」 はやり「京太郎くん?」 京太郎「あ、あのですね」ムクムク 良子「京太郎、これは一体」 はやり「比較対象がないけど、大きいほう、だよね」 良子「興奮しましたか?」 京太郎「この状況で落ち着けって言う方が無理あるんですよ」 はやり「みゃ、脈打ってるね」ドキドキ 良子「い、いえす」ゴクッ 京太郎「あ、あの」 はやり「だ、大丈夫! 弟子のお世話も」 良子「大人の務めです。では」 京太郎「今日は失礼します!!」 はやり「あ、京太郎くん!」 良子「夜はこれから」 京太郎「ホントにお世話になりました!!」 はやり「待って」ガシッ 京太郎「理性が、理性がやばいんです。だから裸で腰に抱きつくのはやめ」 はやり「爆発しても良いんじゃないかな?」 良子「受け入れる準備はできてますよ?」 京太郎「ホント無理です、はやりさん達にそんな乱暴なこと、無理です」 はやり「はやりたちは別に、きゃっ」 ペチッ 京太郎「やべっ(はやりさんを引き離そうとしたら、はやりさんの顔に)」 はやり「い、いまのって…はややややや」 良子「それにそのような使い方があるとは」 京太郎「す、すんません!」 良子「でもそれは美味しそうですー」ニギッ 京太郎「触らないで! これ以上今刺激が……理性が崩壊したら、きっと」 はやり「京太郎くん」 京太郎「はやりさん」ギュッ はやり「はやや(だ、抱きしめられて)」 京太郎「今はこれで、許してください。けしてはやりさんを嫌いなわけじゃないんです」 はやり「///」 良子「残念ですね」 京太郎「良子さんも、本当にすみません」 良子「しかたないですね」ギュッ 京太郎「よ、よしこさ」 良子「私もハグで我慢しましょう」 京太郎「わかりました」ナデナデ 良子「んふふ」 はやり(やっぱり京太郎くん、今までの男の人とは違う……はやりのことをこんなに大事に)キュン 良子「……あれが入ったらきっと最高のエクスタシーが」 京太郎「本当にすみません! あと瑞原プロ、また麻雀のご指導お願いします!」 京太郎がはやり宅から出てしまいました。 「やめて!」 酔っ払い「いいじゃんいいじゃん」 京太郎「嫌だなあんな大人……誰も助けないのか」 京太郎「おっさん、おっさんってば」 酔っ払い「ん誰がおっさんだこら!」 京太郎「あんただよあんた。嫌がってんだろ」 酔っ払い「がきはだあってろ」 京太郎「コレ、ケータイ。わかるでしょ?ちょっと大人しくしてくれます? さっき電話したからもうすぐ来ると思うんで」 酔っ払い「げっ、ただ声かけただけじゃねーか」 京太郎「あ、ゆっくりしてけばどうです?」 酔っ払い「覚えてろ!」 京太郎「行っちゃった……」 酔っぱらいが逃げだした 京太郎「……あ、あの、大丈夫ですか?」 野依「だ、大丈夫!」 京太郎「そりゃよかった」 野依「き、君のおかげ!」 京太郎「いえいえ」 野依「それより通報!」 京太郎「あ、さっきの電話なら心配なく。タクシー会社に電話しただけなので」 野依「タクシー?」 京太郎「ええ、タクシーです。駅まで送ってもらおうと思って」 野依「くすっ」 京太郎「あはは、せっかく呼んだんで、自宅まで乗って行ったらどうですか? 変な男もいますから」 野依「君!!」 京太郎「俺は別のタクシー拾うので」 野依「時間は!」 京太郎「明日は休みなので、あるといえば」 野依「お礼!!」 京太郎「お礼って、そこまで言われるほど」 野依「気が済まない!!」 京太郎「……少しだけですよ」 野依「!」パァァァ 野依家 京太郎「結構綺麗なんですね」 野依「物が無いだけ!」 京太郎「そんなことは」 野依「お茶、ジュース」 京太郎「あ、お構いなく。水で良いですよ」 野依「名水!」 京太郎「あ、水道水のつもりだったけどミネラルウォーターもあるんですね」 野依「ある!」 京太郎「けどさっきナンパされてたのに、男連れ込むのって不味くないですか?」 野依「!」アタフタ 京太郎「今気付いたのか。天然なのかな」 野依「そ、それより名前!」 京太郎「俺ですか? 須賀京太郎です」 野依「野依理沙!」 京太郎「へー野依って珍しいですね、野依?」 野依「コレ名刺!」 京太郎「……もしかして、麻雀プロの」 野依「そう!」 京太郎「戒能プロといい、今日は妙に縁がある」 野依「?」 京太郎「ああ、気にしないでください。いただきます」 野依「おかわりもある!」 京太郎「流石に2リットルも飲めませんって」 野依「美味しい!」 京太郎「確かに美味しいですね」 野依「カッコいい」 京太郎「え?」 野依「なんでもない!」プンスコ B79 京太郎「そうですか」 野依「……」 京太郎「……」 野依「……」 京太郎「……」 (*1) 京太郎「あ、あの」 野依「なに!?」プンスコ 京太郎「お、俺そろそろ」 野依「美味しくない?」 京太郎「い、いえ。美味しいですよ。」 野依「も、もう少し!」 京太郎「いえ、これ以上いては迷惑でしょうし」 ギュッ 京太郎「服の裾?」 野依「迷惑じゃ、ない」フルフル 京太郎「でも」 野依「口下手な、だけ」 京太郎「ああ、なんとなくわかります」 野依「ホント!?」 京太郎「ち、近い」 野依「///」 京太郎「えっと、じゃあ」 野依「話しやすい」 京太郎「野依プロの話も聞きやすいですよ」 野依「そう言ってくれるの君だけ」 京太郎「そうですか? 案外他の皆さんも野依プロの事は信頼していると」 野依「ありがとう」ニコッ 京太郎「もっと自信持って、あ、今の顔!」 野依「な、なに!?」 京太郎「すっゲー可愛かった。年上の人に言うのもなんですけど、すっごく可愛かった」 野依「や、やめて。恥ずかしいから///」 京太郎「本当ですって、野依プロ。今の笑顔、本当に素敵でした」 野依「り、理沙。」 京太郎「理沙?」 野依「と、友達として理沙、でいい」 京太郎「じゃあ、理沙さん」 野依「!」ニコッ 京太郎「あ、また。その顔、その顔本当に可愛い!」 野依「きょ、京太郎のおかげだから、本当に」 京太郎「あはは、嬉しいなあ」 野依「き、記念!」 京太郎「ケータイ?」 野依「しゃ、写真撮ろ。友達同士で写真撮るのは普通、だから」 京太郎「良いですよ。じゃあ」 野依「ち、近寄らないとフレームに」 京太郎「じゃあ、これでいいかな?」 野依「う、うん!」 京太郎「いきますよ、はい」 野依「ちーず」 カシャッ 野依(良く撮れてる……嬉しい) 野依「れ、連絡先交換。写真送るから」 京太郎「ありがとうございます。俺も記念になります」 野依「ま、またね(壁紙にしなきゃ)」 京太郎「ええ。また会えたら」 野依「京太郎、ありがとう」 A80