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京太郎「えーとなになに。『あなたは21世紀の人々の中から抽選で選ばれました。無料で一品未来の道具を一つ差し上げます』」 京太郎「なんかすこぶる怪しいが……カタログの手が込んでて面白そうだし、注文してみるか」 京太郎「さて、何にしよう」 京太郎「このあらかじめ日記って面白そうだな」 京太郎「これにチェックつけてポストに投函と」 京太郎「さて、家に帰るか」 京ちゃんのおうち 京太郎「ただいまー」 母「おかえりなさい。荷物が届いてるわよ」 京太郎「ん?なにが届いて……って、これは未来デパートの品!」 京太郎「投函してすぐ届くなんて……本当にこれは未来の品かもしれないな」 京太郎「えーっと、How to use……」 【この日記に書かれたことは現実でも起こります。ただし書かれた未来は消しゴムで消す等しても取り消すことはできません】 京太郎「なるほど。カタログに書かれてた通りだな」 京太郎「とりあえず本物かどうか試すために、ウソ800と書いてみるか」 京太郎「そうだ。これを使えば他の秘密道具も手に入るかもしれない」 京太郎「他にも欲しい道具があったんだったな。ウソ800が送られてくる……と」 タッキュウビンデース 京太郎「流石未来デパート。早いな。これがウソ800か」 【これを飲むと言った事がウソになります】 京太郎「なるほど。本当に書いた事が起きるようだな」 京太郎「ん?なんか使い方以外にもう一通の手紙があるぞ」 『今回は記載していなかったため、一回のみ使える使い捨て品を差し上げますが。ですが過去の世界に秘密道具が氾濫してはいけないため、今後秘密道具を使い秘密道具を手に入れる事を禁止します』 京太郎「……未来の道具は未来人には通用しないのか……」 京太郎「まあ本物だって証明されたわけだしいいか」 京太郎「さて、未来日記と一緒に送られてきた使い捨てどこでもドアで、美少女のいる高校に行くか」 京太郎「有珠山にしようかな。あのユキっておもちの子が可愛かったし、その子を好きにできると思うと……むふふ」 京太郎「よし!どこでもドア~」ガチャ 北海道 京太郎「えーっと、ここが有珠山高校か」 警備員「君、ここでなにしてるのかな?」ガシッ 京太郎「おっと、だがこれは予想の範囲内だ。絶対遵守の力を得た俺に不可能はない!」 京太郎「あらかじめ日記~」 『有珠山高校前で警備員に引き止められるも、顔パスで入れる』 警備員「……君」 京太郎(お、効いてる効いてる) 警備員「なかなかいい身体してるね」 京太郎「……え」 警備員「俺は君のような男がタイプなんだ」 京太郎「え、いや、あの」 警備員「ちょっと休憩所までこないかい?」 京太郎「え、ちょっと……アッー!」 京太郎「なんとか隙をみつけてあらかじめ日記で菊紋は守ったぞ……」 京太郎「どうやら書いた事は本当に起こるが、書いた本人の望む通りに起こるってわけじゃないんだな」 京太郎「まあ本当に有珠山高校に入れたわけだし、麻雀部を探すか」 京太郎「えーっと麻雀部は」 成香「ヤックルトヤックルト~」 京太郎「おっと、あれは有珠山の先鋒の本内成香ちゃんだっけ」 成香「有珠山高校自販機のヤクルトは70円で2本~おっ得だよ~」 京太郎「ねえ君」 成香「ひ、ひぃぃぃ!誰ですか!?」 京太郎(やべ、警備員に捕まらないとしか書いてなかった) 『有珠山高校に入った須賀京太郎。誰にも不審に思われずに麻雀部室に行く』カキカキ 成香「あ、すいません。確か清澄高校の男の方でしたっけ」 京太郎「ああ、そうだよ。今日は麻雀部に用があって来たんだ」 成香「そうですか。麻雀部室はこっちですよ」 京太郎(よし!) 麻雀部室 成香「ただいまー」 揺杏「お帰り成香」 ユキ「この方はお客様ですか?」 爽「お、清澄高校の須賀京太郎君じゃん」 京太郎「どうも」 誓子「何の用できたの?」 京太郎(ふむふむ) 京太郎(小動物ちっくな成香さん、美人でしっかり者の誓子さん、スレンダーで美人、以外と家庭的な揺杏さん、おもちが最高でかわいいユキちゃん、アホっぽさが可愛い爽さん) 京太郎(どの子もいいな……さて、何をしようか) 京太郎(とりあえユキちゃんが自分からおもちを揉んでくださいと頼んでくるって書こうかな) 成香「爽ちゃん、ヤクルト買ってきましたよ。二人で分けましょう」 誓子「ありがとう成香」ナデナデ 成香「えへへ~」 京太郎(……いや、その前にこの二人を恋人同士にしてみよう) 京太郎(濃厚なレズ。前菜としては悪くない) 『誓子と成香が愛し合う』カキカキ 誓子「ねえ成香」 成香「はい?」 誓子「成香ってほんと可愛いわよね……食べちゃいたいくらい」ウットリ 成香「チカちゃん……私も、チカちゃんなら……いいですよ」 誓子「今なら二人きりだし……愛し合いましょう///」シュルル ユキ「私たちがいますよ」 成香「チカちゃん……///」ヌギヌギ 爽「あーだめだ。二人だけの世界に入ってる」 京太郎(おお!二人ともおもちは余りないが、美しい肢体をして……) 揺杏「成香とチカセンの裸を見るなー!!」ドゴッ 京太郎「へぶし!」 揺杏「ほら出て行け男子!」 京太郎(くっ……このアマ……あらかじめ日記で性奴隷に……いや、それよりユキちゃんのおもちを……) 京太郎(そうだ、準決勝戦でユキが着てたような服。あのスカートの短い恥ずかしい服をこいつに着せよう) 『揺杏がいつもユキが着てるような服を着る』カキカキ 京太郎(ククク……みてやるぜ、この女のあられもない露出を!) チカチャーンナルカーギシギシアンアン 揺杏「……ねえユキ」 ユキ「はい」 揺杏「あんたが着てる服今ない?なんかすごいその服着たいんだけど」 ユキ「ありますよ。どうぞ」スッ 揺杏「ありがと」ヌギヌギ 京太郎(ぶほっ!目の前で服を脱いで着替えるなんて……) 京太郎(おもちは無いけど、全体的に引き締まって美しい身体だ……) 京太郎(この後は、この身体を我が物に……!) 揺杏「着替え終わりっと」 京太郎(さてさて、どんな感じに……) ユキ「似合ってますよ、先輩。その堕天使の服」 京太郎(……はい?) 揺杏「いやー、胸がダボダボなのが寂しいな」 京太郎(えっ、なんでそんな某第1ドールみたいな服着てんの?ユキちゃんの露出高い改造制服は?) 爽「ユキはよくいつもこんな服を着て外に出れるな」 京太郎(そういう事かぁぁぁ!!サイズが合わなくて尻チラとかヘソチラとか期待してたのにぃぃぃ!!) 京太郎「うおぁぁぁぁ!!!」 ユキ「ひっ!この人、涙と涎と汗と鼻水でぐちゃぐちゃです!」 爽「顔から出るもの全部出てるな」 京太郎「くそっ!この悲しみはお前の身体で払ってもらうぞ!」 『揺杏が京太郎の性奴隷になる』カキカキ 揺杏「……」ポー ユキ「どうしたんですか先輩」 揺杏「なんか……凄く身体が疼く……」 揺杏「京太郎……なんか、切ないんだ……」 揺杏「あんたに、支配されたがってる……」 京太郎「俺の目の前で服を脱げ、揺杏」 揺杏「うん……」ハラリ 京太郎(ふ……ふはは!) 京太郎(あらかじめ日記、これがあれば俺は無敵だ!) 京太郎(さて、まずはこいつを調教するとしようか) キョウタロウ…ユアン… ヨカッタヨカッタナルカ…ダイスキデスヨチカチャン… 爽「なんだこの状況」 ユキ「私たちだけ取り残されましたね」 爽「そうだな……なんか疎外感を感じるな」 ユキ「……なんだかあの四人を見てると、私も……」 爽「そうか。じゃあ私と……するか?」 ユキ「先輩……」 爽「ユキ……」 爽(私の勝ちだ) . 『△月×日 私が作った未来デパートからの手紙が須賀京太郎の元に届き、あらかじめ日記を選んでポストに投函する その後家に帰った直後に、私が発送した最初の数ページだけあらかじめ日記にすり替えたただの日記が須賀京太郎の元に届く 須賀京太郎はそれを使い、成香と誓子、須賀京太郎と揺杏が愛し合うようにする』 爽(未来デパートに選ばれたのは須賀京太郎。あんたじゃなくて私なんだよ) 爽(あの手紙が送られてきてあらかじめ日記を手に入れた時、真っ先にユキを私のものにしたくなった) 爽(けど道具の力で人の心を手に入れるのは意味が無いし、つまらない) 爽(だから須賀京太郎を使って、そうなるような状況を作り出した) 爽(間接的に私とユキがくっつく状況を作る……それが私のゲーム!) ユキ「せんぱい……わたし、もう……」ハァハァ 爽「ユキ……愛してるよ」 十年後 揺杏「京太郎、朝ごはんができたよ。今日は京太郎の大好きな出し巻き卵を作ったんだ」 京太郎(……あの後、あらかじめ日記は使えなくなった) 揺杏「今日の味噌汁は自信作だから、味わって食べてちょーだい」 京太郎(結局俺が手に入れたのは、揺杏だけだった) 揺杏「ほら、あーん」 京太郎「あーん」 揺杏「美味しいかな?」 京太郎「ああ。美味しいよ、揺杏」 揺杏「へへ……良かった///」 京太郎(そして俺は揺杏と日々を過ごすうちに……揺杏の事を愛してしまった) 揺杏「あ、そうだ。チカセンが成香と結婚するんだってさ」 京太郎(それと同時に、心に一本のトゲが刺さったような気持ちが常に付きまとっている) 揺杏「その、そろそろ私たちも……ごめん、なんでもないや」 京太郎(俺の事を愛してくれる揺杏は……俺が秘密道具で無理矢理作り出した姿なんだ) 揺杏「なあ京太郎。桜も満開になってきたし、花見に行こう?お弁当を作る準備もできてるからさ」 京太郎(この揺杏の笑顔を見るたびに、彼女の心を無理矢理俺に向かせてしまった罪悪感が俺を蝕む) 京太郎「いいな。行こうか」 揺杏「やった!それじゃあ準備してくるよ」 京太郎「俺は部屋で着替えてくるよ」 京太郎の部屋 京太郎(揺杏……) 京太郎(こんな、作られた恋じゃなくて……俺だけの力で、揺杏に好きになって欲しかった) 京太郎(けれど、もうそれは叶わない……) 京太郎「えっと、ポロシャツは……」 バザバサ 京太郎「おっと、昔の荷物が落ちちまった」 京太郎「これは未来デパートの手紙とカタログか……」 京太郎「これさえなければ……もしかしたら揺杏と、普通の恋を……」 京太郎「ん?これは……」 [ウソ800] . 京太郎「これは……あらかじめ日記で手に入れたウソ800!」 京太郎「最初に手に入れてから、すっかり忘れてた……」 京太郎「これを飲んで言ったことが嘘になる……多分、あらかじめ日記の効力にも影響を!」 揺杏「京太郎、そろそろ着替え終わった?」ガチャ 京太郎「……なあ揺杏」 揺杏「ん?なんだ改まって」 京太郎「全てが無かった事になる前に……お前に言っておく」 揺杏「なんだよ急に」 京太郎「俺は例え未来の道具が無くったって、お前に出会う。そしてきっと、お前を好きになるし、お前に好きになってもらうようにする」 揺杏「……?」 京太郎「愛してるぞ、揺杏」 揺杏「それは、私もだけど……ほんとどうしたんだよ。花見は取りやめにして病院に行くか?」 京太郎「いや、いい」ゴクッ 京太郎「すぅ……」 京太郎「あらかじめ日記の効果は絶対だ!どんな事があっても覆せない!」 . 揺杏「京太郎……?」 京太郎(ああ……時空が歪んでいる。あらかじめ日記が存在しない世界に戻ろうとしてる) 京太郎「揺杏……?」 揺杏「んー?」 京太郎「花見、絶対に行こうな」 揺杏「……うん」 京太郎(世界が、変わっていく) 京太郎(揺杏……さよなら) 京太郎(いやーーーーーーまたな) . 先生『今年の修学旅行は北海道に行く』 咲『楽しみだね、京ちゃん』 優希『北海道のタコスはどんなのか楽しみだじぇ』 和『札幌のご当地エトペン……楽しみです』 京太郎『北海道かー。楽しみだな』 京太郎『咲め……また迷子になって』 京太郎『あの、すいません。この辺でこの写真の子を見かけませんでしたか?』 成香『ひっ!男の人に声をかけられました!』 爽『あ、この子はインハイで私と戦った宮永咲じゃん』 ユキ『まさか、迷子になってるんですか?』 揺杏『しゃーない。探してやんよ』 揺杏『見つけたら連絡するからさーーー携帯の番号教えてよ』 揺杏『京太郎は進路どうすんの?』メール 京太郎『まだ決めかねてますね……』メール 揺杏『ふーん。いく大学決めてないならさ、私と同じ大学に来ない?』メール 揺杏『ういー京太郎ー』 京太郎『揺杏さん酒臭い!サークルの飲み会に行ってきたんですか!?』 揺杏『なんだよー嫌そうな顔するなよー。私とあんたの仲だろー?』 …… …… 揺杏「ほら、おきなよ京太郎」 京太郎「ん……おはよう、揺杏」 揺杏「どうしたんだよ、こんな時間まで寝てるなんて珍しいじゃん」 京太郎「あー、なんか長い夢を見てた気がしてさ」 揺杏「んー。わけわかんねー」 京太郎「そんな事より、今日は天気もいいからーーーーーー」 京太郎「花見でも、行こうか」 Fin
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1343823046/ 京太郎「まいったな・・・」 京太郎「控え室の場所がわからなくなった」 京太郎「しかもウロウロしてたら現在地もわからなくなっちまったしな」 京太郎「このままじゃいつも馬鹿にしてる咲にまで笑われちまう・・・」 京太郎「くそっ、ここは一体どこなんだぁーーー!」 咏(なんだあの男子高校生) 咏(落ち着きがないっつうか、あわててるっつうか、、、知らんけど) 咏(・・・) 咏(なんか知らんけど困ってるっぽいし) 咏(いち社会人として助けてあげちゃいますかな) 咏「おーいそこの男子高校せーい」 京太郎「??」 京太郎「おれですか?」 咏「そだよ~」 京太郎「何か用でも?」 咏「う~ん用事っつうか」 咏「なんか困ってそうだったからさ~、知らんけど」 京太郎「あっ、そうだった」 京太郎「選手の控え室ってどこにあるかご存知ですか?」 咏「控え室ならあっちの棟だからむこうの渡り廊下渡ったらすぐだよ~、知らんけど」 京太郎(どっちだよ・・・) 京太郎「分かりました、ありがとうございます!」 タッタッタ 咏「いいことしたわ~」 ~~~~~~~~~ 京太郎「すいません遅れました」 タコス「犬め、一体どこに行ってたんだじぇ」 京太郎「いや、トイレが結構混んでてさ」 京太郎(迷子になってたなんて言えないよな・・・) 咲「みんな心配してたんだよ?」 京太郎「わるいわるい」 京太郎(にしてもさっきの人どっかで見たことあるような・・・) TV<カイセツハミヒロギプロデス! 京太郎(ん?・・・あっ!) 京太郎(さっきのって三尋木プロじゃねえか!!) 京太郎(そうとは知らずにあいさつもせずに帰ってきちゃったな・・・) 京太郎(あとでもっかいお礼いいに行くか) ~~~~~~~ 久「みんなご苦労さま、今日の試合はこれで終わりだから」 久「あとは自由行動でいいわよ~」 四人「はいっ」 京太郎(やっと自由行動か) 京太郎「咲」 咲「??」 京太郎「おれちょっと行ってくるとこあるからみんなにも言っといてくれ」 咲「うん、わかったよ!」 京太郎(たしかさっきはこのへんで会ったよな・・・) 京太郎(そんな都合よく見つかるわけないか・・・) 咏「」フラフラ 京太郎(いたっ!) 京太郎「三尋木プロ~!!」 咏「ん?」 咏「あぁ、さっきの男子高校生じゃん」 京太郎「はぁはぁ・・・やっと見つけた・・・」 咏「私のこと探してたの?・・・知らんけど」 京太郎「はい、さっきのお礼をもう一度言っておきたくて・・・」 咏「ええ、そんなのわざわざいいのに~」 京太郎「そういうわけにはいきません」 京太郎「というわけで、先程はありがとうございました!」 咏「フフフ・・・」 京太郎「??、なんかおかしかったですか??」 咏「いやぁ、なんか元気いっぱいで高校生っぽいな~って、知らんけど」 京太郎「高校生っぽいってそんな・・・」 京太郎「そんなこと言ったら、三尋木プロだって高校生顔負けの若々しさじゃないですか~」 咏「えっ?」 咏「そ、そうかな~・・・エヘヘ」/// 京太郎(照れてるとこ可愛いな・・・) 京太郎「はい、そこらへんの高校生よりよっぽど高校生らしいとおもいますよ?」 咏「大人をからかうのはよくないぞ~?」/// 京太郎「そんなつもりありませんよ!」 咏「そんなに褒めても何も出ないよ?」 京太郎「だからそんなつもりじゃないですって」 咏「そこまで言うかぁ・・・」 咏「むぅ・・・」 京太郎(急に静かになったな) 咏「ねぁ、きみ」 京太郎「??」 咏「お姉さんが晩御飯おごってあげようか?」 京太郎(おっ、何か出た・・・) 京太郎「そんな悪いですよ……」 咏「いいっていいって」 咏「なんか知らんけど私いまちょーご機嫌だし!」 京太郎「いや、でも……」 咏「いいからいいから、ほら行くよ?」 京太郎(ここまで言ってるんだし、まぁいっか……) 京太郎「分かりました」 咏「やた~!」 咏「んでいきたいところとかある?」 京太郎「おれ長野から来たばっかでどんな店あるか知らないんですよね……」 京太郎「三尋木プロはいい店しらないんですか?」 咏いや~まったくわかんね~」 京太郎(結構テキトーだな、この人) 京太郎「そ、そうですか……」 咏「う~ん、とりあえずそのへんのファミレスでもいこっか?」 京太郎「分かりました」 ~~~~~~ 店員<イラッシャイマセー 咏「何食べんの~?」 京太郎「う~ん、俺はこのミートドリアですかね~」 京太郎「三尋木プロは??」 咏「私このハンバーグっ!!」ニコッ 京太郎(案外かわいいの食べるんだな~……) 京太郎「かわいいのたべるんですね~」 咏「えっ?」/// 京太郎(しまった、おもっていたことがつい……) 咏「年上にむかってかわいいなんて失礼だぞ~?男子高校生」 京太郎「すいません、つい」 咏(高校生にかわいいっていわれた……)/// 京太郎(うぅ、気まずい……) 京太郎「あの」 咏「??」 京太郎「み、水くんできます、三尋木プロもいりますか?」 咏「あ、うん、お願いしちゃおっかな~」 京太郎「じゃぁ、ちょっといってきます」 咏(しかも気の利くイケメン男子高校生に……) ~~~~~~~~~ 店員<こちらハンバーグとミートドリアです。 咏「お、やっと来たね~」 京太郎「ですね」 咏「んじゃいっただきま~す」 咏「熱そうだね~」フーフー 京太郎(かわいい……) 咏「そいえばさ~」 京太郎「は、はい!」ビックンチョ 咏「どしたの?」 京太郎「いえなんでも……」 京太郎(かわいいな、とか思ってる時に話しかけられたからかなり焦った……) 咏「それで、まだ君の名前聞いてなかったよね?」 京太郎「あぁ、そうでしたっけ?」 京太郎「おれは清澄高校の須賀京太郎です」 咏「清澄か、今日試合見たけどすごかったよね」 咏「特にあの大将なんか特に……」 咏「槓して引いてくるの全部有効牌とかありえなくね?知らんけど」 京太郎「確かに咲はすごいですよね」 京太郎「咲にはいっつもやられっぱなしで……」 ~~~~~~~~~ 店員<アリガトーゴザイマシター 咏「ふ~おいしかった」 京太郎「おれもおなかいっぱいですよ」 咏「結構話せてよかったしね」 京太郎「はい」 咏「それでさ~」 京太郎「??」 咏「また誘ちゃっていいかな~、なんつって」 京太郎「もちらんいいに決まってるじゃないですか!!」 咏(やた!なんか知らんけどつぎも誘って良さそうだ) 京太郎「それじゃ時間遅いんで帰りましょうか」 咏「そだね」 京太郎「おうちまで送ってきますよ?」 咏「う~ん私はタクシーで帰るからいいや」 咏「それより京太郎くんは大丈夫なの?ホテルの場所とか知らんけど」 京太郎「ホテルならここから近いんで大丈夫です」 京太郎「じゃぁ、また今度」 咏(ん?) 咏(次も誘うって行った割には連絡先しらなくね?) 咏「ちょっと待ったー!」 京太郎「??」 咏「私また誘うって言った割には京太郎くんの連絡先しらなくね?」 京太郎「おっとそうでしたね」 京太郎「……はい、これ俺のアドレスと番号です」 咏「ありがと」 咏「んじゃ暇なときとかにまた連絡すっから」 京太郎「了解です、じゃあまた」 咏「ばいば~い」 咏(なんか知らんけど連絡先ゲット!!) ~~~翌日~~~ prrrrrrrr 咏「ん?だれだこんな時間に」 咏「……もしもし」 針生『もしもし、三尋木プロですよね?』 咏「えりちゃんじゃん、どしたの?」 針生『今日の試合なんですが、会場の配電に問題が生じたらしく延期になりました』 咏「じゃぁ私たちは?」 針生『当然今日はフリーってことになります』 咏「そっか、わかった、ありがとねえりちゃん♪」 針生『はい、ではこれで』 ガチャ 咏「」 咏「なんか知らんけど暇になった……」 咏(会場の都合でってことは清澄もオフになったってことだよね) 咏(……さっそく誘おうかな) ピッピッピ prrrrrrrrrrrrrr 京太郎『もしもし』 咏「あっ京太郎くん?おはよー」 京太郎『三尋木プロですか?』 咏「そだよ」 京太郎『おはよーございます、それでどうしました?』 咏「今日なんだけどさ」 咏「試合延期になったし多分暇だよね?知らんけど」 京太郎『まぁ暇ですけど……』 咏「それじゃさ、今日も二人でどっか行こうよ!」 京太郎『分かりましたじゃぁいつぐらいに会いますか?』 咏「そだね~、じゃぁお昼過ぎに会場近くの駅前で」 京太郎「了解です」 咏「またあとでね~」 ~~~~~~~~~ 京太郎(ちょっと早く着きすぎたかな?) 咏「お、京太郎くーん」フリフリ 咏「ごめんごめん、なんか知らんけど準備に時間かかっちゃって」 京太郎「そんなに待ってないんで大丈夫ですよ」 咏「なら良かった、じゃあ早速いこっか?」 京太郎「そういえば今日はどこに行くんですか?」 咏「うんとね、今日は新しい下駄買おうと思ってんだよね~」 京太郎「下駄ですか?」 咏「うん、それでその下駄を選んでもらおうと京太郎くんよんだんだよね」 京太郎「そういうことですか」 咏「そゆことそゆこと、じゃあさくっといっちゃおっか」 ~~~~~~~~ 店員<イラッシャイマセー 咏「うっわ、なんか知らんけどいっぱい下駄あるし」 京太郎「夏だから結構ふえてるんじゃないですか?」 咏「そういうことか……」 咏「どれにしたらいいかわっかんねー」 京太郎(あそこにあるのとかよさげだな……) 京太郎「あれなんかどうですか?」 咏「ん、おぉけっこういいね」 咏「とりあえず履いてみよっかな」 咏「店員さーん」 店員「どうなさいました?」 咏「これ履いてみたいんだけど」 店員「それではあちらの方におかけになってご試着になってください」 咏「ほーい」 咏「よいしょっと」 咏「どうかな?」 京太郎「浴衣にもあってますし」 京太郎「似合ってると思いますよ!」 咏「そ、そっか」/// 京太郎(照れてるところかわいいな) 咏「じゃ、じゃあこれにしよっかな」 京太郎「えぇ!?もう決めちゃうんですか?」 咏「だ、だってほら京太郎くんが似合ってっるって言ってくれたし……」ゴニョゴニョ 京太郎(かわいすぎるだろこれは……) 京太郎「まだそんなに店内見てないですし」 京太郎「もうちょっと見てからにしませんか?」 咏「う、うんそうしよっか……」 京太郎(とかいいつつ今の下駄右手にキープしちゃうんだよな~) 京太郎(そういうところもかわいいんだけども……) 京太郎「もうちょっと奥の方とか見てみますか」 咏「いいね!」 ~~~~~~~~ 店員<アリガトーゴザイマシター 京太郎「結局最初のやつ買っちゃいましたね」 咏「まぁ見て回るだけでも楽しかったしよくね?しらんけど」 京太郎「そですね」 ヒュ~~ドォ~ン 京太郎「?何の音です?」 咏「そいえば今日この近くで河川敷で祭りあるらしいよ、知らんけど」 京太郎「へぇ、ということは花火ですか、おもしろそうですね……」 咏(これは二人でお祭りに行くチャンスじゃね!?知らんけど) 咏「じゃあさ、今から行ってみる?」 京太郎「いいですね!」 咏(やった!) ~~~~~~~~ 京太郎「ついたはいいけど」 咏「人多くね?」 京太郎「これだけ多いと歩くのも大変そうだな……」 京太郎「すぐにはぐれちゃいそうですし」 咏「でもたこ焼き食べたいしなー……」 咏(あっ…) 咏(『手つなごっ!』とか言っちゃえばよくね?知らんけど) 咏「あ、あのさ」 京太郎「??」 咏「えっとはぐれちゃうって言うんならさ」 咏「うんと、その……」 京太郎「どうしたんですか?」 咏「だから、あの……て、手とかつなげばよくね?」/// 咏「知らんけど……」/// 京太郎(まじか……いいのか?) 京太郎(こんなにかわいらしい人の手を……)ゴクリ 咏「ダメ、かな……?」ウワメヅカイ 京太郎(これは反則だろっ!) 京太郎「ダメなわけないじゃないですか!」 京太郎「むしろこっちからお願いしたいくらいです!」 咏(良かった……嫌とか言われたらどうしようかと思った……) 咏「そっか、じゃぁ握るよ?知らんけど」 ギュッ 京太郎(おぉ、三尋木プロの手すごくちっさいのな……) 京太郎(それにすごく柔らかいし) 咏(京太郎君の手おっきいな、それになんか握っててすごく安心する感じ) 咏(男の人ってみんなこんなんなのかな、知らんけど) 京太郎「とりあえずたこ焼き買って人が少ない場所で花火見ましょうか」/// 咏「そ、そうしようか」/// ~~~~~~~~~~~ 京太郎「やっと買えた……」 咏「すっごい行列できてたね」 咏(その分いっぱい手つなげたから良かったんだけど……) 咏(でももちょっと手つないでたかったな) 咏(とか思ってみたり) 京太郎「あ、向こうに座れそうなところありますよ!」 咏「じゃあむこう行こっか?」 京太郎「ですね」 京太郎「やっと落ち着いて座れる」 咏「そだね」 ぐぅ~ 京太郎「あっ……す、すいません」 咏「ずっと立ったままだったしお腹すいたよね」 咏(あっ!そうだ) 咏「しょうがないからお姉さんのたこ焼きをわけてあげよう」フフン 京太郎「ありがとうございます!」 京太郎「!!」 咏「食べんの?ほれあーん」 京太郎(これは……) 咏「そっか、熱すぎるか」 咏「フーフー」 咏「はいどうぞ」ニコッ 京太郎(役得すぎる!!) パクッ 京太郎(おいしい……) 咏「どうかな?」 京太郎「すっごくおいしいです!」 咏「そ、そか……」/// 咏(引かれたりしてないよね、知らんけど) 京太郎「あ」 京太郎「そろそろ大きい花火うち上がるみたいですよ」 咏「お、いいね~」 ヒュ~~ドォ~~ん 京太郎「きれいですね~」 咏「えっ?!」 京太郎「だからあの花火、すっごいきれいだなあーって」 咏「そ、そだよね」 咏(一瞬私のことかと思った……) 咏(京太郎くんは暇だからこうして付き合ってくれてるだけで) 咏(私のことなんかなんとも思ってなさそうなのにね、知らんけど) 咏「はぁ」 ヒュ~~ドォ~~~ン ~~~~~帰り道~~~~~~ 京太郎「良かったですね、花火」 咏「うん」シュン 京太郎(なんか三尋木プロ元気ないな……) 咏「あのさ京太郎くん」 京太郎「?」 咏「ごめんね、この二日間連れ回したりしちゃって……」 咏「私に彼氏とかいたら京太郎くんを連れ回したりしなくてよかったんだけど」 京太郎「っ!」 京太郎「おれじゃダメでしたか?」 咏「え?」 京太郎「だから一緒にご飯食べたり花火見たりするのおれじゃダメでしたか?!」 咏「ぜんぜん、むしろ京太郎くんじゃないといやなくらい……」 京太郎「それなら」 京太郎「これからも今日や昨日みたいに三尋木プロと一緒にいさせてください!」 咏(これって告白ってことでいいんだよね……) 咏「京太郎くんっ!」 京太郎「はい!」 チュウ 京太郎「!!」 咏「ぷはぁ」 咏「それで京太郎くんが一緒にいてくれるのは嬉しいけど、だけど」 京太郎「だけど?」 咏「その……ちゃんと大切にしてくないとお姉さん怒っちゃうからね?知らんけど……」/// 京太郎「もちろん!絶対大切にします!」 咏「うん、よろしい!」/// 咏「そ、それじゃ私もう行くから!バイバイ」ダッ 京太郎「え?ちょっ……」 京太郎(すごいスピードで走っていった……) 京太郎(顔真っ赤だったな) 京太郎(にしても……彼女か……) 京太郎(なんか嬉しすぎて叫びそうだ、てか叫んじまうか……)スゥゥゥ 京太郎「よっしゃぁああああああああああ!」 カン!
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858 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 23 01.39 ID qQnWTDQ+o 【とある放課後】 京太郎「いやー今日は遊んだ遊んだ」 桃子「今日“も”の間違いじゃないっすか?」 京太郎「えー……俺ってそんなに遊んでるように見えるか?」 桃子「少なくとも遊んでないとは言えないっすね」ジトーッ 桃子「……色んな所で違う女の子と遊んでるのを見られてるらしいっすから」 京太郎「うぐっ……確かに、よく考えてみるとそうかもしれない」 桃子「端から見るとそりゃもうチャラい男っすよ」 京太郎「でもさー仕方ねーもん」 京太郎「世界に男はたくさんいるはずなのに、何故か俺の周りにだけ居ない気がするし」 桃子「いやいや、まさか。そんな訳ないっすよー」 京太郎「だよなぁ。中学の時はたくさん居たはずなんだけど」 京太郎「でもこっちに来てからまったく出来ないんだよな。不思議と」 京太郎「……まるで俺には男友達は必要ないと言わんばかりに」 桃子「……それ本当なら軽くホラーっすよ」 京太郎「俺、何か呪われてるんだろうか?」 862 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 37 04.32 ID qQnWTDQ+o 桃子「だとしたら嫉妬っすね。いつもかわいい女の子侍らしてるっすからね!」 桃子「私が男の子でも嫉妬してるっすよ」 桃子「このリア充死ね!とばかりに」 京太郎「やめてくれって。俺は別に普通に過ごしてるだけだし……多分」 京太郎「大体、そう言う事ならモモもこっち側だろ?」 京太郎「かわいいし、それなりに今はリア充だし」 桃子「なっ!?///」 桃子「……もう。そう言う事さらっと言うからきょーくんは卑怯っすよ」ボソッ 京太郎「ん?何か言ったか?」 桃子「何でもないっすよー!」 桃子「まぁ良いじゃないっすか。嫉妬されるくらいきょーくんが良い男って証っすよ」 京太郎「……そう言うものからは遠い存在だと思ってたんだがなぁ」 863 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 49 38.40 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――っと、もうこんな時間か」 京太郎「寮まで送ってくぞ」 桃子「あっ!ちょっとタンマっす!」 京太郎「ん?何だよ」 桃子「……最後に一ヶ所だけ行きたい所が有るんすけど、良いっすか?」 京太郎「まぁ俺は構わねーけど……」 京太郎「モモは大丈夫なのか?門限とか」 桃子「大丈夫っす。万が一遅れるかもしれないって伝えてあるっすから」 京太郎「それなら良いんだが……」 京太郎「それで行きたい所って何処なんだ?」 桃子「それは着くまで秘密っすよ♪」 864 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 56 39.88 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――それで……行きたい所が何で学校なんだよ」 京太郎「ってか、こんな時間じゃ中に入れね――」 桃子「こっちっすよー」ブンブン 京太郎「……なんで中に入ってるんだよ」 桃子「ステルスモモっすからね!」エッヘン 京太郎「ステルスって壁抜けも出来たっけ?」 桃子「じょーだんっす。あっちにセキュリティの甘いところがあるっすから、そこから入れるっすよ」 京太郎「……大丈夫かこの学校のセキュリティ」 865 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 12 07.17 ID qQnWTDQ+o 京太郎「しかしまぁ、夜の学校ってのは昼間と違って全然雰囲気違うよな」 桃子「人が居ないだけじゃなくて独特の雰囲気があるっすからねー」 京太郎「夜の学校と言えば、中学の時は学校の七不思議とか有ったなぁ」 桃子「あー有ったっすね」 京太郎「人体模型が動くとか、ピアノが勝手に鳴るとか、階段の段数が違うとか」 桃子「トイレの花子さんとか有名っすもんね」 京太郎「そうそう。男友達と肝試しで忍び込もうとしたのは良い思い出だな」 桃子「忍び込もうとした……って事は未遂っすか?」 京太郎「ああ。どうやら俺がばれない様に行動してたら、咲が不審に思ったらしく先生に見つかってアウトだ」 京太郎「……あの時は本当めちゃくちゃ怒られたよ」 桃子「それは……ご愁傷様っす」 京太郎「そう言えばこの学校と言うか、街には七不思議とか無いのかね?」 桃子「……あー噂話程度なら聞いた事あるっすよ?」 京太郎「マジで?」 桃子「確か――」 一、ツクヨミコモウェなる人物は虚数学区の住人。年をとらない。 二、最も不幸な少年の家には空から大飯食らいの白いシスターが落ちてくる。 三、学園都市最強の能力者はふたなりである。 四、悪者は不幸な少年に必ず負け、今後は正義の道を歩む。 五、とある学校の食堂にはメガネで巨乳の幽霊が出る。 六、清掃用ロボットに乗っているメイドさんにご飯を奢ると幸せになれる。 七、学園都市には同じ顔の人が一万人いた。 桃子「――みたいな?」 京太郎「不思議っつうか予言っぽいぞ、それ」 867 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 29 34.33 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――ってか、まぁそれは良いとしてだな」 京太郎「その……桃子さん、あのですね」 桃子「何っすか?」ムギュッ 京太郎「何故腕を組んでいらっしゃるのでしょうか?」 桃子「えっ?」 ....-―…―-.... / \ / \ / / ヽ / / / ヽ \ ., , / ! ヽ; , l | / / | ! | /| ハ | ! , / ト ! ハ 「! | ! /l/`lメ、!/! l | ! . / | ヽ ト|!,x≠ミヽハノ x=≠ミ, }/ / | ! / | |〃んハ んハ ヽ, | | | / | ∧ ゞ゚ ' ゙ ゚|!' ∧ | . l / /! ' 込、/l/l ' l/|!/..イ | ! ! | |/| / ! ! / |介ト . ⊂⊃ . イ | | | } l | |! !/| | |' | | | _!` ー ´ ト .// | / ハ ! .川 ト、 | _ ;斗≠. . ! |. . . ` ≠! /| / リ ヽ!. .´. . . ._. . . . . { /. . . . . . _. . . . .7==、 / |. . . . 厶}-――--r―…‐--ゝヽ. .// } | ヽ / -‐…r‐=彡ミ7''7¨ ‐- ∨ | | / -―、} ', /. . {ィ¬ } ト、 , /! ―‐y'. . ', /. . . .}厂¨ |ヽ } / / / { 厂ノ---Y--=フゝ丁 !| .} ,イ } .| / ヽ__,.ノ7 ニ=ミ---イ { .! /. ',! } / |' / 》-《 ', `¨ ヽ { 桃子「え、えーっとその……そ、そうっす!きょーくんが七不思議なんて言うから怖くなったんすよ!」 桃子「だからこれは仕方ない事っす!」 京太郎「そ、そっか。それなら仕方ないな///」 桃子「そ、そうっすよ!仕方ないっす!///」ギュッ 京太郎「……///」 桃子「……///」 868 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 43 06.16 ID qQnWTDQ+o 桃子「あっ!着いたっすよ!」 京太郎「ん?どれどれ――ってここ俺達の教室じゃねーか」 桃子「そうっすよー」 桃子「いやー夜に来るとここも雰囲気違うっすね」 京太郎「そうだなぁ。見慣れたはずなのにまったく知らないように感じるかも」 京太郎「俺の机は――」 京太郎「あぁここだここ。流石に自分の席は間違えねーな」 桃子「……きょーくん」 京太郎「ん?何だ?そろそろここに来た理由を教えて欲しいんだが……」 ______ ... ...、 , / / \ // / / . // / / / . r、 i/ / /!/i/i / /`i } Vヽ} / { /7/心i/ // / / / i 「`}} / / ヒ沙' }/ /ヽ/ / / !ノ|! / / ''' 、__厶イ / / / / { / / i ´ ん心ノ彡' / / / / / ヽ_ { 〃 ∧ 、_ ヒ沙' 厶イ / / / / r一' 八 ( { / ∧ /'' // / ィイ / )' 八 /i /´_介ト../_,// / / ヾノ'_ノ{_人/__// / / -‐ _ノ ⌒Y’ _/ / / / / / 厂 ̄厶ィ { /| // / / /´ ̄ ノ' { { /´ 八 /´ ゝ=〈 7、 ,-- 、 \  ̄ヽ} ヽ_ノ`i } / / 〉、__ ´ ノ__/ / } . . . .ヽノ / 〉 / . . . /-= }/ 、 { / /. . . }-=__/ ー‐┤ / / / / i .、 / ノ / / / 〈 /, , `ヽ _ノ / / / ∨// / r‐/ / 桃子「――私が何処に居るかわかるっすか?」 869 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 54 21.27 ID qQnWTDQ+o 京太郎「何言ってるのかわからねーけど、そこに居るだろ?」 桃子「……姿形も?」 京太郎「そりゃ明かりも月明かりぐらいだからはっきりじゃねーけど、それでもちゃんと見えてるぜ?」 京太郎「セミショートの綺麗な黒髪も、可愛い顔も、その……結構主張してる胸も///」 桃子「!///」 桃子「……もう!セクハラっすよ?///」 京太郎「わりいわりい」 桃子「はぁ……でも凄いっすねきょーくんは」 桃子「これでも精一杯ステルスしてるつもりなんすけどねー」 京太郎「そうなのか?」 桃子「普通ならこれで、私の事を普段認識してる人でも分からなくなるっすよ?」 桃子「……おっぱいさんとか例外もいるっすけど」 京太郎「ふむ……」 京太郎「でもまぁ一番最初ならともかく、今だったらどうなろうとモモを見つける自信はあるぞ?」 京太郎「モモは大切な友人だからな!」ニィッ 桃子「……大切な友人っすか」ズキッ 871 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 11 02.79 ID qQnWTDQ+o 京太郎「おう!こっちに来て結構友人は出来たけど、その中でもモモは結構気が合うと言うか……」 京太郎「男なら悪友とか親友になれたかもしれねーな」 ′ / / | l ! ! ! , | / | l l l ハ l ! ! ! ! | ;' | | | i i | | ! ! | | | | | ; | | | l l | | } ! | | | | | ; | | | l l | | リ / ! ! ! , ; l | | ト、 !ヽ!\ ト、! /イ ; ! ! ! i ; ; ! ! |ヽ|!/////ヾ/// |!/ | | | | | | | | | |! ' |!' | | | | '; ! ! ! ! !ヽ|! -- , ィ / ! ! ! >! ! ! ! !} .|!>、--x<} |厶イ! ! ム、... x< ヽト、 | |ハ.|! ィ . . ト .| |! / // ! ! i { l从 V´ ヽ. . | ヽ_! 厶イ | | | '; !、 .} !. . ', j _/ l / ! | '; .| > ' ', .|. . . ', ./ < | }! .|. '; Ⅵ ヽ Ⅵ. . . . V / _ _ | ! ;′ } l | \ { . . . ./ ./ ..| ! .} 桃子「……それは嫌っすよ」 京太郎「えっ?ああ、まぁ確かに悪友とかは感じ悪いか……」 桃子「そうじゃない。そうじゃないんすよ」 桃子「……私はもうきょーくんとは友達ではいられないっす」 京太郎「なっ!?」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺何か悪い事したか?」アセアセ 京太郎「モモの気に障ることをしていたとしたら謝る。すまなかった」ペコリ 桃子「きょーくんが謝る事はないっすよ。本当に謝るとしたらそれは――」 872 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 11 29.47 ID qQnWTDQ+o .....-―━━―-.. / \ / \ / . / / // / . / / / / 〃l / / / / ! / / / /l从八〃/ / / / / l | ′ ′ /7芹苅 )/ / /} / / / リ. | | | | | l 以炒゙//}/芹ミ / / /. | | | | | | `|~ ′ /炒゙厶イ i. | |l l | | | | ゛|゛ , ~´/ | | |. _|八从 | 込. | V_フ ゛゛.イ | | | / `丶 ̄>j八ト≧|、_.......-=≦ リ リ リ八 , ∨ { \ 〉介ミ / / // ∨  ̄У ヾ i iト、〉\/ / // / /〉 { o Vi| \ ∨ / // ; }/ `丶 》! / ∨ // | ∧ \} / ∨/ | , 八 |O }' | ′ \ | / , { ` l イ ,′ l∨ lO | ,′ \〉| | 、; 《 ´ ̄}/ | ∧ ∨ / ‘, ∧ ∨ / ', ∧ \ ,/ O∧ ∧ ∨ /. . ∨ \ {__ /. . . . .∨ /《 /. . . . . . . . .トミ /. . . . . . . .}_/. . . . .\ 桃子「――きょーくんを好きになった私っすよ」 873 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 21 35.05 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……は?」 桃子「あーあ。やっぱりその様子だと全然気付いてなかったっすねー」 桃子「予想通りっすけど、ちょっと悲しいっすね」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ。モモが俺の事を好きだって?」 桃子「そうっすよ」 桃子「まぁ自分でも自覚したのは最近っすから、きょーくんが気が付かないのも無理はないっすけど」 桃子「でもあえて言わせて貰うっす。このニブチン!」 京太郎「いや、だってさっきまで普通だったし……」 桃子「この際だから言っとくっすけど、普通の友人が腕組んだり、裸エプロンとワイシャツとかしないっすよ?///」 京太郎「い、言われて見ればそうだよなぁ……」 京太郎「あれ?と言う事はその頃から?」 桃子「……そうなるっすね」 京太郎「ぐっ……それは確かに鈍いと言われても仕方ない気がしてきた」 876 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 32 07.22 ID qQnWTDQ+o 京太郎「で、でもこっちも言わせて貰うとモモって俺と友人になった時すげー喜んでたし、その頃からスキンシップも結構合ったしさ」 京太郎「距離感がわからねーのかと思ってたし」 桃子「あー……それに関しては確かにこっちのせいでは有るっすね」 桃子「友人とかどれくらいの距離感で過ごせば良いのか全然分からなかったっすから」 京太郎「ってかさ、言いたく無いけどその恋とか言うのも友情とかそう言うのと誤認してるとか――」 __ 才´ `ヽ ,ィ´ ; ハ / / /ハ ハ j / l / l j l ! ! l l ハ ノ l l /l ! ! l l | l j | ヽ / ! jl '_,lハ ! !'; ! ;!ニ´l/! ! ', / / l ヘイ{r' ハ`lハlヘ{r' ハ`リl ヘ l !. ,、 /l ;' l ハ!乂ツ 乂ツl !ハ ヽ ';!r-,ヽ ! ハ! ノ ハ ' l !' l l ノ`ヽヽ∨ .______,,r ――ー-----r'ハ / / . ヽ (__,) ィ| !ハ!! l !ヾ ヽ} Vイ ヽ 、 - - - -―― 、 Vリ l . . . . ',> __ イ/! リ /ル' .,ィヽ lノ .{二 - ‐ ヽ  ̄ 二 ー lハ !. . . . .Vヽ _'/. . . . . ./ 、 \ / __,乂 ;_ _ _ へ _ ! ヽ. . . .V`-----'. . . . ./ ヽ \ ∧ ゝ'"  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ/' ハヽ. .V (__) /. . . / ヽ ヽ ヽ. ∧ ,イ ヘゝ _f、ー-_==辷 V \ ヘ ! .,ィ `ゝ- 二_´ ! ` . 、 }ヽ ハ l/ / ;ィ_´,ィ /--'! ` ー -、 ハ ', / ;ィ´ _ノ .l 'イ ヽ ゝ、 ヽ ハ 乂 / / ./; ィ ゝ `ヽ ! ノヽ、 ! ヽ! 7 / | | `ー! !--' / > _ _ _ ; イ ! ヽ / l | | | | / // V ! !O! ! l/ / 桃子「誓ってそれは無いっす!!」 877 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 44 05.74 ID qQnWTDQ+o 桃子「確かにそう言う経験がほとんど無くて、見つけて貰った嬉しさでゆみ先輩とか特別に思ってる人は居るっすよ」 桃子「……多分きょーくんと出会った最初の頃は、ゆみ先輩と同じような気持ちだったのは否定できないっす」 京太郎「だったらそれは俺が男だったからたまたま……」 桃子「確かに私は単純だから、例えば私を見つけたのが別の男子だとして、私がその人と仲良くなる事は有ったかもしれないと思うっす」 桃子「――だけど!」 桃子「好きになったのは、今ここに居るきょーくんっす!」 桃子「私を見つけて!私と遊んでくれて!私の胸にモヤモヤした感情を植えつけた!」 桃子「他の誰でもない、目の前に居るきょーくんなんすよ!」 _ ...... _ , ... ´ ` ..... ,.. ' ` .. /. .ヽ / ハ /. λ ハ .'. ハ .', .′. / _ .i__..i_ /.' i _ i ', ト / i .| i _. ..| i..---|. |. | |_i i....|  ̄ i i ' i_..i-‐. T |、 i i ! ! } i | .... i i. ト | i | ヽ | λ | | / | i |/ i i_,、. .|孑ヾ | ̄´ ト 、|` ー- _イ/ /| . .i ', ト、 |i`  ̄` `ヾ /. .|i' `''| i .i ヽ ト. ,ィ示元下 示=ミ|i | i .' i `小. |iゞ。== ' ゞ= .o.|}〉 .小 i i i ハ .|i .゚ . . . . . __ni ヽ_. . . . .|i゚.∧| i .′ ' ∧|i / /  ̄_ -─} .ii ′.| | .i /| トi . / ´ _ -─}ヽ.ii' | | .i i .| i |i / , - 二ハ . V | | _.| i_i _ _ | |/ / i | | __ / ヽ \|i  ̄フヽ / .' ̄ |/ {  ̄ 7 ヽ .' ', }i / ` ヽ. .,イ .i ヾ ´ / . i V / \/ . | __{ ヽ / i | V / } . . ..}. -‐ ´ \ \ {. | 桃子「……それが本当で、それだけが私の“真実”っす」 880 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 03 01 07.68 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……モモ」 桃子「……他の人から見たら錯覚だとか思い込みだと言われても仕方ないし、否定はできないっす」 桃子「でも好きって気持ちが“これだ”って明確な定義なんて無いはずっすよ?」 京太郎「……」 桃子「……私はきょーくんの側にもっと居たいっす」 桃子「もっとお喋りしたいっす」 桃子「もっと遊んで、もっと二人で思い出作りたいっす」 桃子「叶うならその先の――死ぬまでずっと一緒に居たいっす!」 桃子「……ダメっすか?」 881 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 03 07 55.28 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……モモ、俺は」 桃子「駄目なら駄目ってハッキリ言って欲しいっす」 桃子「でもその場合でも、わがままかもしれないっすけど友人で居て欲しいっす」 桃子「……すぐには無理だと思うっすけど」 桃子「だから……返事が欲しいっす」 京太郎「 901」 ※承諾以外の台詞は安価下。なんか酷そうなのも安価下 告白ぐらいビシッとね 902 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 45 53.95 ID qQnWTDQ+o 俺なんかで、いいんなら 京太郎「……俺なんかで、いいんなら」 桃子「きょーくんなんかじゃなくて、きょーくんが良いんす!」 桃子「……きょーくんじゃなきゃ駄目っすから」 京太郎「そっか……」 京太郎「正直、俺自身モモの事をモモが俺を思ってくれてるほど好きかどうかは分からない」 桃子「まぁそれは当然っすね。自分でも結構重い気がするっすから……」 京太郎「でも別にそれが嫌だとかそう言う訳じゃねーぞ?それぐらい思われてるって事は嬉しいし」 京太郎「……刺されるのとかは勘弁だが」 桃子「どうっすかねー。私嫉妬深いっすから、浮気とかしたら分かんないっすよ?」 京太郎「ははは……。まぁそうなったら俺も悪いけど」 京太郎「……まぁそう言う訳だから、俺とお前では“好き”に違いが有ると思う」 桃子「……」 京太郎「だけど、モモがそれでも良いと言うなら――」 京太郎「――これからよろしくな」 桃子「――はいっす!」 903 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 53 09.15 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……///」 桃子「……///」 京太郎「……あーなんか改まるとすっげー恥ずかしいな」 桃子「そ、そうっすね。まるで漫画か何かのようっす///」 桃子「……まさか自分がやる事になるとは思わなかったっすけど」 京太郎「よし!こうなったら、恥ずかしついでだ。何かやりたい事とかあるか?」 桃子「そうっすね……」 桃子「正面向いてかがんでくれるっすか?」 京太郎「ん?こうか――」 チュッ 904 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 54 02.07 ID qQnWTDQ+o -━━━━ 、 / \ /´{ / 、 | | 〃 / i } } } ハ _ ̄ ¨¨> 、 | 、 / / ∧ | | | | . / ) / ̄ ̄ \  ̄} \ / ′ / } /} } ハ ! | ! . / / / /──== { ハ=- 、 ′ | i { {⌒八{ }/ } V⌒}/}} | . / // /__── -、 ヽ ノ\ハ> / | |八ル{/ ノ〃 У /}从 /} . _ / } ___ / -、 } | `> / ∧ ム r=≠ミ r=≠ミ〃 | . <´/{ ̄ } (___ / ,/ -─━- _ ノ l| \ / 从人 {{゛゛゛ , ゛゛゛}}/{ 从}、ハ <´ / | _人 ___ / / }_/ ′ // 八.ノ {{ ___ }}ノ} / }/}/j} ´ | { \ { (/ }⌒\/ {/{/{\l/}}、 { } //}/} /// . . |_乂/⌒ ̄ \ \ 乂_ _ / Ⅵ八 . .}\{\ 、_ .ノイ l . ∨′ 、 V / ヽ_ノ  ̄ ̄ ̄/ ̄ \ . .{ |\ _ / } / .〃 ィニ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー’ }≠-. . .{\ /. . / |/⌒\,/ } } / ハ / .|. . .∨ 〈 八/ニニ{/ 0/ }/ .、_ _ _ _ _ } ム__ .| . . . { . . \. . .∧jニ/ /⌒ | } { | |. . . .| \. . ∨ / . .| | ‐─={ | ,. . . 乂 .\{/ ′ ′ | V __ . 、 ` ____ 人_____彡 /⌒¨¨¨V ∨ .\ { / 〃 、 ノ\ __ ノ、 _____ ,/⌒\ ./ \ / } ヽ 、 ∨ < / { . } } _ア ` <__}___人_ ア¨ ̄ 桃子「きょーくん。もう、ぜぇーったい離さないっすからね!」 905 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 54 39.81 ID qQnWTDQ+o 【東横桃子の好感度がMAXになりました】 【東横桃子が恋人になりました】 【東横桃子が覚醒しました 以後タッグ及びチーム戦において使用が可能になります】 906 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 56 23.73 ID qQnWTDQ+o 東横桃子(覚醒ver) 【聴牌速度】(33/∞) 【和了速度】(33/∞) 【放銃補正】(34/∞) 【打点補正】(31/∞) 【防御補正】(35/∞) 【結ばれし絆《アカイイト》】 【聴牌速度】【和了速度】【放銃補正】【打点補正】【防御補正】がカンストしなくなる それに加え全ての補正が恋人ランク÷2[現在値:0]上昇する また恋人ランク5以上なら京太郎のスキル(教えてもらった、または自力で取得したもののみ)をコピーできる 更に恋人ランクMAXならこのスキルはあらゆるスキルに無効化されない 【ハイステルス】 対局開始時から判定。京太郎とゆみ、またはスキル無効化する相手が居ない場合 毎局の聴牌時にコンマ30以上で発動 成功時全てのステータスに+25 相手に和了牌を振り込んでも無効となり、自分の次にコンマの低い相手が振り込む ただし振り込んだ相手がオカルト無効を持っていた場合は無効化される 対戦相手の【聴牌判定】の合計値に応じてコンマ判定は+全員の合計÷3される 【信頼の絆~縁~】 加治木ゆみ、もしくは須賀京太郎がチームに居る場合お互いの全てのステータスに+20 7月へ
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396 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 05 58.79 ID O1Ud6lz/o 【某月某日】 照「~~♪」 照「今日は限定プレミアムプリンを手に入れられた」 照「屋上でゆっくり本を読みながら食べよう――ん?」 京太郎「――」 モブ女「――」 照「……京ちゃんと誰?」 照「……」ササッ 京太郎「――君の気持ちは……分かった」 モブ女「ほんと!?」 京太郎「ああ……真剣に……」 照「う~ん、よく聞こえないけどあまり良い話じゃない予感がする」 照「もうちょっとだけ近くに……」コソコソ 397 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 12 17.27 ID O1Ud6lz/o モブ女「ありがとう!!」ダキッ 京太郎「!?///」 照「!?」 モブ女「ご、ごめん。嬉しかったからつい///」 京太郎「あ、いや喜ぶのは良いけどいきなりはビックリするって」 京太郎「幸い人目が無かったから良いものの……」 モブ女「めんごめんご!」 照「……」グッ モブ女「じゃ私、次教室移動だから」 モブ女「それじゃあね!須賀君!」 京太郎「ああ。遅れるなよー」 398 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 21 40.05 ID O1Ud6lz/o 京太郎「……さて、どうっすかなー」 照「――京ちゃん」 京太郎「うわっ!?て、照か」ドキドキ 京太郎「驚かせるなよ、まったく」 照「……さっきの子、誰?」 京太郎「ん?ああ、隣のクラスの子。って言うか見てたのかよ」 照「ふ~ん……可愛かったね」 京太郎「え?そうだな、結構モテるみたいだし」 照「胸も結構有ったし」 京太郎「へっ?」 京太郎「確かに大きいほうだと思うけど……」 照「どうだった?抱きつかれた感想は」 京太郎「そりゃ嬉しくない訳が無い……って何言わせるんだっつーの」 照「へぇ……そう」 京太郎(な、何だ今日のこいつ、滅茶苦茶こええ……)ゾクッ 401 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 30 04.10 ID O1Ud6lz/o 照「……ああいう子が好きなんだ」 京太郎「はい?いやまぁ嫌いか好きかと言われたら好きだけど……」 照「私より?」 京太郎「はぁ!?」 京太郎「と言うか、お前さっきから何が言いたいんだ?はっきりしろっつーの」 照「……」スッ 照「……京ちゃん」ギュッ 京太郎「なっ!?」 京太郎「お、おい!いきなり何を――」 照「……私は――」 照「――京ちゃんが他の子のものになるのは嫌」 402 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 34 58.14 ID O1Ud6lz/o 京太郎「……は?」 照「京ちゃんが側に居てくれないと嫌」 照「京ちゃんが笑ってくれないと嫌」 照「京ちゃんが優しくしてくれないと嫌」 京太郎「おまえ、何を言って――」 照「京ちゃんが名前を呼んでくれないと嫌」 照「京ちゃんが手を繋いでくれないと嫌」 照「京ちゃんが怒ってくれないと嫌」 京太郎「……」 407 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 47 12.94 ID O1Ud6lz/o 照「京ちゃんが年上扱いしてくれないのも嫌」 照「京ちゃんがおかしあんまり食べさせてくれないもの嫌」 照「京ちゃんがあまり構ってくれないのも嫌」 京太郎「何かずれてるぞ……」 照「何より――」 照「京ちゃんが遠くに行っちゃうのが嫌」ギュウッ 410 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 00 58 21.17 ID O1Ud6lz/o 京太郎「……あのさぁ。何で俺が遠くに行くことになるんだ?」 照「だって京ちゃんがあの子のものになったら、きっと私と疎遠になる」 照「そして気付いたら知らない間に結婚して、子供が居て……」グスッ 照「…………でも仕方ないよね。京ちゃんが選んだんだもの」 照「幾らでも機会があったのに、関係を変える事を恐れて行動を起こせなかった私には何も言う資格は無い」 照「京ちゃん、お幸せに――」 京太郎「はぁ……」 京太郎「ちょっと待て」グイッ 照「あうっ!?」 照「……痛い」 照「何で止めるの?負け犬な私に用はないはず」 京太郎「そりゃ止めるさ。だって――」 京太郎「――全部お前の勘違いだし」 照「……へっ?」キョトン 412 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 01 10 53.19 ID O1Ud6lz/o 照「う、嘘!だってさっき告白されて……」 京太郎「いや、だからそれがそもそもの間違いなんだって」 京太郎「俺は告白なんかされてねーし、あの子も告白なんかしてねーよ」 京太郎「……まぁ確かに呼び出された時はちょっと期待したけどな」 照「……じゃあ一体何を」 京太郎「これだよこれ」ポイッ 照「わっ!京ちゃん、いきなり投げないで……手紙?」 照「何これ」 京太郎「お前宛だよ。あの子からな」 照「……えっ?」 照「どういう事?」 京太郎「読んでみたらわかるんじゃねーの?」 照「……」ゴソゴソ 拝啓。宮永照様。いきなりこんな手紙を受け取られて困惑されている事だと思います 大変申し訳ありません。ですが、一目見たときからこの胸の高まりを抑えられず筆を取り、これを認めています 照「???」 (中略) チャンピオンとしての凛とした立ち振る舞いに私の心は鷲掴みにされてしまいました この気持ちをどう表現すれば良いのか、未だに言葉に出来ません 照「……」 最後になりましたがこれからも一ファンとして貴方様を思うことをお許し下さい 敬具 照「……何これ」 京太郎「いや読んだら分かると思うが、所謂ファンレターだな」 413 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 01 18 49.62 ID O1Ud6lz/o 京太郎「つまりだ。俺はあの子に頼まれたんだよ、お前に手紙を渡して欲しいってな」 照「どうして京ちゃんに?」 京太郎「俺がお前と幼馴染だって事をどっかで聞いたんだろう。どうしても渡して欲しいって言われてさ」 照「……だったら私に直接渡せば良いのに」 京太郎「本人を目の前にすると緊張して上手く出来ないとか何とからしい」 京太郎「そう言う訳で告白とかそう言う話では無いと言う事だ」 京太郎「……分かったか?」 照「……」 照「…………」 照「………………///」カァーッ 照「それじゃ全て私の早とちり?」 京太郎「うむ」 照「………………死のう」 京太郎「待て待て!こら!早まるんじゃなーい!!」アセアセ 414 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 01 32 31.97 ID O1Ud6lz/o 照「だ、だって!あんな事!あうぅ……///」 京太郎「なんだっけ?側に居てくれないと嫌だとか、笑ってくれないと嫌とか、優しくしてくれないと嫌とか……」 照「あうっ……や、やめて!///」 京太郎「名前を呼んでくれないと嫌だとか、手を繋いでくれないと嫌とか、起こってくれないと嫌とか……」 照「……///」 京太郎「ったく。子供かっての」 照「うぅ……だって……」 京太郎「まぁ確かに幼馴染としては親しくて兄妹みたいに育ったから、そう言う気持ちになるのは分からなくも無いが――」 照「それは違う」 京太郎「へっ?」 照「京ちゃんこそ勘違いしてる。私は――」 / . . / / i / / . / . . ; イ / . ! ! // .. _ / . / ; イ ;ィ // / / . ! /;/´ ̄ / . / ; -‐/T77i ̄ ; -‐' / 7ナー-、_ / レ ! | ´ / . ∠ イ ___! / /ノ!ナ| // ! /. ;ヘ! ァ"7 iヾ '´,;-ァ=! ;ィ、 / / ! /; イ {ヽ|.'{ b ! h レ i ' /イ !、 // / / | ! ` ゝ ン_ ,!'_ ;ン/ / i 、ヽ、 .!/ !/ / ヽ i , , , , , , , i / / iヽヽ / / / ゙、_| | | /_ノ . ゙、 \ヽ / // ;ハ _ _ ! i 、 、 . i ヽ! ∠./‐' / / 、  ̄ /v、 ヽ 丶 .. ! / / / _,ノ ` r 、 , イ、/ ' ! /\ .、 ! / /;/ `ヽ、__;ィ | ー-`〒´-‐ ' ´ | レ' ヽ;ハノ // _,..-'´ | || !丶,、 _,... -―' ´ | || | `ー-、 照「京ちゃんが好き」 415 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 01 43 34.75 ID O1Ud6lz/o 京太郎「……ここは俺も好きだぞ。妹みたいなもんだし」 京太郎「とか言う場面じゃないよなぁ」 照「当たり前」 京太郎「……はぁ。何時からだ?」 照「……分からない」 照「初めて会った時か、一緒に遊んでいるときか、それとも離れている間か、もしくは再開してからか――」 照「でも今の私の気持ちは唯一つ。京ちゃんの事を好きだって事」 京太郎「……そうか」 照「……うん」 照「京ちゃんが私の事を女の子として見てないのは知ってる」 照「それでも、ここまで来たら引き下がれないから……」 照「聞かせて欲しい。京ちゃんの答えを」ジィッ 京太郎「……」 京太郎「……そうだな。ここまで来たら言わないとな」 京太郎「 418」 告白の言葉をどうぞ ※ただし何か変なものは安価下。あと調理できそうに無い場合も申し訳ないですが安価下 421 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 02 09 22.04 ID O1Ud6lz/o 好きだぜ。俺も。もちろん女の子として 京太郎「好きだぜ。俺も。もちろん女の子として」 照「……嘘」 京太郎「あのなぁ。いくら俺でもこの場面で嘘はつかねーっての」 照「だって京ちゃん、私の事は只の世話のかかる幼馴染の姉としか……」 京太郎「それに関しては、極最近までそうだった事は否定しねーよ」 京太郎「でもこうやってこの町で再会して、お前にドキドキさせられた事も何回か有ったし」 京太郎「何と言うかお前も“女の子”なんだなって思ったよ、ホント」 照「そう……なんだ」 照「凄く……うん。嬉しい」 京太郎「そうやって思うと、何だかどんどんお前に惹かれてる俺が居たっつーか……」 京太郎「本当、人の心ってのはわからねーよ」 422 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 02 12 29.73 ID O1Ud6lz/o 京太郎「ま、そう言う訳だからさ。俺の返事はこう言う事何だが……どうする?」 照「もちろん決まってる――」ダッ チュッ 照「――恋人にしてください」 京太郎「――喜んで」 423 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 02 14 20.32 ID O1Ud6lz/o / .. .. . . | ! / . / / . ゙、 ! | ,.. '´. . .... . . . ..../ ......../ . ../ /| .... | ..| ! | . | / .... _/ . / / / /_,. ノ ! ;ハ | i i ! /'´--― '´/ . / ∠-‐/ ´ i ー/-|、 /! ! i |. レ'´ / . / / //  ̄ / /- ! / ! ∧ ゙、! / /;ィ^i , r==ミ、 ,!/,;ニ二レ、 i ノ i . ! // / |ヽ! ヾ p 。| b 。l メ ′ ;ィ ! l /イ . ; イ ! i  ̄ ̄ ´フ'"´ // ;ハ人  ̄/ / / / ヽ ! """ ; / /!. / / リ `、 i / | / λ _ i / / /,ノ / / 、 i ! / Y / 丶 `┴―' リ / ノ '"´ / ハ ト ! ヽ i | ;イ `>、 Vイ / ノ | ! ! i ` ! / | / ̄ ト、 `ー--‐' ´,.ノ i イ /-‐ ´ | ノ レ /  ̄Τ  ̄ ヽ、 _,,...-‐ i´ || |`ー-..、 照「私はずっと京ちゃんのもの。だから京ちゃんもずっと――私のものだから、ね」 425 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 02 15 33.40 ID O1Ud6lz/o 【宮永照の好感度がMAXになりました】 【宮永照が恋人になりました】 【宮永照が覚醒しました 以後タッグ及びチーム戦において使用が可能になります】 宮永照(覚醒ver) 【聴牌速度】(55/∞) 【和了速度】(55/∞) 【放銃補正】(55/∞) 【打点補正】(55/∞) 【防御補正】(55/∞) 【結ばれし絆《天照大神》】 全てのステータスがカンストせず50以降もカウントされる。チーム内に《天照大神》が居る人数分全てのステータスが5プラスされる 更に《豪運》以外の場の支配を受けない 【照魔鏡《合わせ鏡》】 東一局時和了しないかわりに対局中の相手のスキルの効果を半減し、和了コンマを半分にする 【連続和了・Χ】 和了時の点数が最低から1段階上になる代わりに、和了時のコンマ+40 更に連続で和了する度に固定で前回よりも点数が高くなり、+5ずつされる 止められた場合、リセットされまた最低からスタートする 【ダブルコークスクリューツモ】 連続和了の回数が5回に達した時に発動。発動した場合無条件にツモる 役満確定。 【天岩戸・陰 ≪閉≫ 】 照魔鏡を使用後使用可能。使用している間、対局している全てのキャラ(自分含む)のスキル(自己強化、デジタルの聴牌加算も含む)を使用不可能にする ※照魔鏡の効果も無効化される。また【牌に愛されし子《天》《大》《神》】 に対しては自己強化無効効果が半減する(スキルは使えない) 【天岩戸・陽 ≪開≫ 】 【天岩戸・陰 ≪閉≫ 】を使用後使用可能。【天岩戸≪閉≫】を使用していた局数によって効果が変わる 使用後は元に戻り、もう一度【天岩戸≪閉≫】を使用しなければ使えない またこのスキルに対してスキルは使用できない 1 聴牌判定EX 和了コンマ+80 倍満確定 2 聴牌判定EX 和了コンマ+90 三倍満確定 3 聴牌判定EX 和了コンマ+110 役満確定 【カグツチ】※通常ルート以外でのみ開放 1度だけ、どのタイミングでも流局にする 【超重炎皇斬】※通常ルート以外でのみ開放 須賀京太郎がメンバーに居る場合のみ発動。自分の持つスキルを全て使用不能にし、和了コンマ+100+恋人ランク×5 点数:役満 にする このスキルは全てのスキルの対象にならない 445 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/09/08(月) 23 35 48.25 ID O1Ud6lz/o 宮永照を恋人にした事により、一部のルートと固有スキルの条件が開放されました 《ラグナロクルート》 (済)条件1.【天照大神+咲】を恋人にする 条件2.暗部ルートに1度でも入っている 条件3.小泉ジュンイチローと一度でも出会っている 条件4.ジュンイチローと対局する際に、≪固有スキル≫を所持し更に使用する事 条件5.以上の条件を満たした上で《ラグナロクルート》へ進む事 《京太郎固有スキル》 (済)条件1.【天照大神+咲】の誰かを恋人にする 条件2.園城寺怜の好感度を9以上にする 条件3.龍門淵透華の好感度を9以上にする 条件4.園城寺怜を伴い、霧島神社へ赴く ≪スキル1取得≫ 条件5.≪スキル1≫を取得した状態で、高鴨穏乃、松実宥、松実玄と対局しこれを使用して勝利する 条件6.奈良の指定された場所へ行く ≪スキル2≫取得 7月へ
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特別編 勝った嬉しさからメールしてみました 小蒔「zzz...zzz...ん?なんですか?」ピリリリリ 小蒔「!?きょ、京太郎さんから!!え、えっと確かこうして……」 小蒔「できました!!へぇ、京太郎さんの初勝利!良かったですね!!」 小蒔「えっと……お・め・で・と・う・ご・ざ・い・ま・す、です!」 煌「ん?これはこれは京太郎くんからメール……」 煌「すばら!あの3人に勝つなんてすばらです京太郎くん!!」 姫子「花田ー?どがんしたとー?」 煌「姫子さん、このメール見てください!」 姫子「んー?京太郎からのメール……はぁ!?あの3人相手でトップ!?」 煌「そうです!!すばらですよね!!」 姫子(いやそれ以前にあの3人に勝つとか何があったのか気にならんと?普通じゃ勝てんメンツやろ) 煌「こうしてはいられません!!私ももっともっと練習です!!」 姫子「あ、あぁ、そうやね!私も付き合う!」 竜華「お、メール……おぉ!やるやん京太郎!!」 怜「どしたん?」膝枕中 竜華「いや、京太郎が初めてトップ取ったってメールが来たんよ。それも清澄の一年3人相手に」 怜「ほー、やるやん。京太郎もウチみたいになんか目覚めたんかな」 竜華「なんや、京太郎病弱キャラやないやん」 怜「普通は勝てん相手やしな。こう、一回死にかけて未来が見えるようになったり」 竜華「怜やあるまいし」 怜「何度か意識朦朧とした先に新しい境地に目覚めたり」 竜華「そんなしょっちゅう意識朦朧とせんやろー。あ、返事せんと」 怜「あ、ウチの分もー」 豊音「んー?あ、メールが来てるよー」 塞「豊音、勉強中だって」 白望「ダル……」 豊音「ちょっとだけだよー。あ、京太郎くんだー。えー!?ちょーすごいよー!!」 塞「もう、なんて書いてあったの?」 豊音「えっとねー、宮永さんと原村さんと、片岡さんと麻雀してトップだったんだってー!」 白望「……え?」 塞「……はい?京太郎って、そんなに上手かったっけ?」 豊音「でもー、勝ったのちょーすごいよー」 塞(いや、そんな普通の打ち方だったらまず原村和には勝てないって) 白望(京太郎なら……あのうるさいの相手じゃ東場で飛びそうだけど……) 塞・白望(どうやって勝ったんだろう……) 豊音「えへへー、おーめーでーとーうー、っと」 照「……京ちゃんからメール?」 照「……そっか、初めてトップだったんだ」 照「……おめでとう、京ちゃん」 照「でもあの3人相手か……成長したね、京ちゃん」 おまけ 洋榎「ん?なんやこんな遅くに……」 洋榎「ぬあっ!?」 洋榎「ぐぬぬぬぬ……性懲りもなくまたこんな写真を……」 洋榎「うっわ、うまそうなから揚げ……まだあるん!?」 洋榎「あああやめぇぇぇ……こんな時間に食うたらぁぁぁ……」 洋榎「あ?勝った?」 洋榎「へぇ、結構やるやん」 洋榎「ってまたぁ!?なんやから揚げ丼って!!ご飯はアカンやろご飯は!!」 洋榎「あああああああああ……食べたいぃぃぃぃ……」 雅枝「やかましい!!遅くに騒ぐなや!!後また夜に食う気か!?あんた食うても胸いかんやろ!!」
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尭深「何を用意したの?」 京太郎「羊羹です」 尭深「…ふむ」 京太郎「冬に食べるのも乙かと思いまして」 尭深「いい判断ね」 京太郎「それじゃ、邪魔が入らないうちに頂きましょうか」 尭深「ええ」 京太郎「お味の方はどうですか?」 尭深「うん、おいしい」 京太郎「冬だと温くならないからいいですよね」 尭深「だね」 京太郎「それに渋谷先輩のお茶があるから、尚更おいしく食べられます」 尭深「もう…褒めたって何も出ないよ?」 京太郎「お茶だけで充分すぎます」 尭深「…誰も来ないね」 京太郎「そりゃまだ冬休みですし」 尭深「まあいいか。いつもならこうはならないだろうし」 京太郎「普段は騒がしすぎますからね」 尭深「あの二人のせい?」 京太郎「ええ、あの二人のせい」 尭深「…でも、それが当たり前になってるから寂しさも感じちゃうんだよね」 京太郎「確かに」 尭深「…ねえ」 京太郎「何でしょう」 尭深「羊羹の量、少し多すぎじゃないかしら」 京太郎「…」 尭深「…」 京太郎「…てっきり二人が嗅ぎつけて来るものかと」 尭深「来てないけどね」 京太郎「…」 尭深「…どうするの?これじゃあ食べきれないわ」 京太郎「まだ時間はありますし大丈夫ですよ」 尭深「まあ、そうなんだけど」 京太郎「ただ…特にやることないからって、部室に来たのは間違いだったかもしれません」 尭深「人を呼んでおいてよく言う」 京太郎「先輩なら、きっと応えてくれるだろうと思ったんです」 尭深「どうして?」 京太郎「先輩ってあまり気難しくはないですし、一軍の中じゃ一番温厚な方です」 京太郎「それに…こうして静かな所で過ごすのは嫌いじゃないでしょう?」 尭深「否定はしない。けど、いつでもそうだとは思わないで」 京太郎「わかってますって」 尭深「あなたがそういう返事をするのは、当てに出来ない」 京太郎「酷い言い草ですね」 尭深「雑用は無理しない程度にって言っても聞かないし」 京太郎「世話好きというか物好きでして」 尭深「大して強くもないのに、いつもホラを吹いてばかりで」 京太郎「そうでもしないと負け続けられないでしょ?」 尭深「そもそも才能だってないし」 京太郎「知ってます」 尭深「それでも私達と打とうとするのだけは、ある意味才能だと思うわ」 京太郎「…どうも」 尭深「須賀君、あなたはいつまでここにいるつもり?」 京太郎「渋谷先輩が帰るまでは、ううん…家まで送っていきますよ」 尭深「…言い方を変えましょう。いつまでこの麻雀部にいるつもり?」 京太郎「知りません」 尭深「そんな答えじゃ納得いかないわ」 京太郎「他に言い様ないですから。俺、きっと周りのみんなほど麻雀は好きじゃないでしょうし」 尭深「…そう」 京太郎「ですが打ってて楽しいのは確かです。ただ、この先もそうだとは限らないってだけ」 尭深「そんなの、誰だってそうでしょう?」 京太郎「俺は他と違って、麻雀の楽しい所しか知りません」 尭深「…」 京太郎「だからこの先麻雀の嫌なところを思い知って、それでもなお麻雀を楽しめるのか…結局はこれから次第なんですよ」 尭深「…それで須賀君、あなたはどうしたいの?」 京太郎「残れるのなら残りたい。少なくとも、今はその程度です」 京太郎「それはそれでどうしようもありません。それが俺の今なんです」 尭深「なら、この先をどうするかを考えなくちゃいけないわ」 京太郎「えっとですね…恥ずかしながら俺一人じゃどうにか出来る気がしなくて」 尭深「そんなの当たり前でしょう。須賀君って、どうしようもなく無力なんだから」 京太郎「ズバリと言いますね」 尭深「だってそれが事実なんでしょ?」 京太郎「ええ」 尭深「だけど、自分の弱さを知っているだけまだいいわ。自分一人で何とかしようとするよりは、ずっといい」 京太郎「…」 尭深「私は、そんなあなたを放ってはおけない。だから支える。支えてあげるの」 京太郎「…」 京太郎「…本当にいいんですか」 尭深「そのつもりで私の問いに答えたんでしょ?」 京太郎「はい」 尭深「それに私なら、あなたの願いを聞いてくれるだろうと」 京太郎「…はい」 尭深「…ふふ、ダメな子だね。須賀君って」 京太郎「う…」 尭深「そうさせたのは私だし、あなたはただそれに乗っただけなんだけど」 京太郎「…どうせなら、俺が卒業するまで甘えられたらよかったんですけどね」 尭深「それは無理。流石に私も、須賀君のために留年なんてしようとは思わない」 尭深「私には私の人生があるし、あなたにはあなたの人生がある」 尭深「生憎私はこの羊羹のように甘いだけではない…つまりはそういう事よ」 京太郎「…それはそれで助かります。先輩が甘いだけなら、俺はますますあなたに依存してたでしょう」 京太郎「そうなったら俺の意志はありません。先輩の存在こそが、麻雀を打つ理由になってしまう」 京太郎「俺も一応男ですから…カッコ悪いままで終わるのって、嫌ですよ」 尭深「なら、いつかはカッコ良くなってくれるの?」 京太郎「ええ」 尭深「ホラじゃないよね?」 京太郎「これは誓いです。俺と…そして、あなたのための」 尭深「…」 京太郎「必ず、強くなってみせますから」 尭深「ええ…私待ってるわ。あなたがそうなってくれるのを、ずっと…ずっと待ってる」 尭深「どんなお菓子があるの…ってうわぁ…」 京太郎「煎餅、羊羹、団子に変化球としてショートケーキっす!」 尭深「うん…えっと…」 京太郎「どうしました、尭深さん?」 尭深「えっと…その、ね?…多すぎないかな?」 京太郎「正直それは俺も思ってました」 尭深「何でこんなに用意したの…というかどこからこんなに…」 京太郎「いつもこれぐらい用意してましたし何というか癖で…あとどこからかってのは企業秘密です」 尭深「…どうしても?」 京太郎「どうしてもです」 尭深「むぅ…」 京太郎(可愛い) 尭深「…まぁ確かにいつも宮永先輩や淡ちゃんがお菓子を用意した先から食べ尽くしていたからわからなくもないけど…」 尭深「さすがに二人でこれは多すぎると思う…」 京太郎「そーですねー…どうしましょうかこれ?」 尭深「うーん…お煎餅はまだ良いとして他のは袋から出しちゃってるから…」 尭深「やっぱり食べるしかないんじゃないかなぁ…」 京太郎「ですよねー…」 尭深「…まぁ、とはいっても全部二人分ずつだから頑張れば食べれそうかな」 尭深(問題はその後の体重とかとかなんだけど…) 京太郎「そうですね。形はどうあれ、せっかくのお菓子なんですから…味わって食べましょう!」 尭深「うん、それじゃあ…」 「「いただきます」」 ……… …… … 尭深「まずは…ショートケーキからにしようかな…」 京太郎「あ、それからいっちゃいます?」 尭深「え、うん…ダメだった?」 京太郎「いえいえ、ただ意外だなぁーって。尭深さんと言えば緑茶、緑茶と言えば和菓子みたいに思ってましたからね」 尭深「須賀君もそう思うんだ…変なのかなぁ…緑茶に洋菓子って」 京太郎「別に変じゃないですよ。俺がただそう思いこんでただけですし」 尭深「でも…みんなに言われちゃうと自分が変なのかなって…」 京太郎「気にすることないですって。悪い癖な訳じゃないんですから」 尭深「…うん、そうだね。私は私だもんね」 京太郎「それにーなんですか、そのままの尭深さんが好きだからーみたいな?」ポリポリ 尭深「はむっ…あ、これおいし…」 京太郎「まぁ聞いてませんよねー。知ってました」 尭深「え?何か言った?」はむはむ 京太郎「いえ、なんにも」 尭深「そう?」 京太郎「俺も食べよ…はむっ…む?」キュピーン 尭深「美味しいね、このケーキ。甘すぎないというか…そんなにしつこくないからお茶にぴったりで…」 京太郎「これは…砂糖の量か…?いやでも少なすぎると失敗するし…となると牛乳が…」ブツブツ 尭深「あ、始まっちゃった…」 尭深(料理が趣味なのは良いけど…何かを美味しいと思うとその味をコピーしようと真剣になっちゃうんだよね…たとえ会話中でも) 京太郎「とにかくここはもう一口食べてから気になった所を整理して…」ブツブツ 尭深「…」はむはむ 尭深(…ちょっと寂しい)シュン
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【白糸台麻雀部】 淡「ロンー!跳満12000点!!」 モブ「アイター、と、跳んだ……」 淡「アハハ!今回も私が一番ー!」 モブ「半荘五回連続トップとか……」 モブ「今日も絶好調ですね、大星さん」 淡「うん!なんか今日は流れが来てるね。テルーにだって負けないよ」 照「ふーん……じゃあ、やってみる?」 淡「いいよ、打とうか!えっと、それじゃあ残り二人は……」 モブ「もうやめて、私達のライフはゼロですよ!?」 モブ「いやぁー……宮永先輩と大星さんが同卓じゃ東場すら耐えられる自信がないぃぃ……!」 淡「跳んだっていいじゃない、麻雀だもの」(キリッ 照「確かに」 モブ「な、なにか話を反らさないと……」 モブ「そ、そうだ、コレよ!」 モブ「それは……!」 モブ「そ、そーいえば宮永先輩、大星さん、二人とももうこれは読みました?」 照「ウィークリー麻雀TODAY?」 淡「うん、読んだけど?」 モブ「じゃ、じゃあじゃあココ読みました?ココ!?」 モブ「長野の県予選で優勝した男の子の記事、なんかこーいうのって気になりますよねー」 照「…………」 淡「あー見た見た、その記事。面白いことしてるよね!」 モブ「ですよね、ですよね!麻雀強くなって女の子に振り向いてもらおう、って必死なとこ、何だかカワイイですよね」 モブ「こんな風に一途に思われてみたいなー、私も」 モブ「宮永先輩と大星さんはこの人、どう思います?」 照「(長野に住んでるのは、少し気になるけど)特に何も……」 淡「一途なのはいいけどー、会ったことない人にこんなこと言われても困るよねー。正直、ストーカーみたいじゃない?」 モブ「いやいや、そういう考え方もあるかもしれませんけど、女の子ならこういう一途な人に好きになってもらうのは一種のステータス、乙女の嗜みって奴ですよ!」 モブ「そうですよ。特に照先輩や大星さんは雑誌とかテレビで出たこともあるし、やっぱりこの人――須賀京太郎君の想い人の可能性は高いですって!」 照「…………そんなこと急に言われても、困る」 淡「わ、照ーもしかして照れてる~?」 照「照れてない、なんとも思ってないし」 淡「そーかそーかー!」 菫「――――あいつらは何の話をしているんだ?」 誠子「さあ……」 尭深「あそこだけ、世界が華やか」(ズズッ 菫「いやいや、私達も華やかだから」 誠子「女子高生っ……圧倒的女子高生の真っ只中だから……!」 尭深「…………女子高生らしさって、何だったっけ」(ズズッ 菫「ま、麻雀?」(目ソラシ 誠子「つ、釣り?」(目ソラシ 尭深「…………」(ズズッ 淡「じゃあねー、テルー!また明日~!」(フリフリッ 照「ん」(フリフリ… ――――そんでもって大星家 淡「ただいまー!」 大星母「おかーえりー。お弁当箱、洗うからさっさと出しちゃってー」 淡「ハーイ……あー、今日も楽しかった!テルーとは打てなかったけど……まあ、明日対局すればいいよね」(鞄ゴソゴソ 淡「あ、麻雀TODAY持って帰ってきちゃった……。まあいいか、部で買ってるやつだし、明日返せば問題ないよね」(ポイーッ 淡「お母さーん、私、部屋でネット麻雀してるからゴハンになったら呼んでねー」 大星母「はいはーい。呼ばれたらすぐ来れるように、東風戦にしとくのよー」 淡「え~……しょうがないなー、了解ー」(トタトタ 大星母「ホントに麻雀バカなんだから、あの子は……。アラ?なにこれ、ウィークリー麻雀TODAY……ああ、あの子とか、先輩の……是永ちゃん?だったかが載ったりしてる雑誌か」(×是永→○宮永 大星母「――――ふーん、よく分からないけど将棋とか囲碁みたいに定石があるのね、麻雀って」(パラパラ 大星母「あ、ここからはいろんな学校の生徒さんの特集記事か。フフ、澄まし顔で写ってるわね、あの子――――――――アラ?」 『心に秘めた熱き夢!届くか、少年雀士の想い!?長野県男子個人戦一位の心を射止めた少女はこの中にいる――――!!』 大星母「長野……須賀京太郎――――――――アラアラまあまあ♪」 大星母「淡ー、ちょっと淡~!」(オイデオイデ 淡「なーにー?私、いま忙しいんですけどー!」 大星母「今やってる対局終わったらでいいからこっちに来なさいー。オヤツにシュークリーム用意してたの、お母さん忘れてたのよー」 淡「シュークリームと聞いてっ」(シュパッ 大星母「現金な子ね、少し心配になるぐらい。ちょっとお茶も用意してくるから待っててねー」 淡「ハ~イ♪」(チョコン 大星母「はい、お待たせ」 淡「わーい、いただきまーす!」(モフモフ 大星母「……食べながらでいいんだけど淡、この子の記事ってもう読んだのかしら?」 淡「ウマウマ……んー?長野の男子個人戦優勝した人でしょ。なんか、好きな人に振り向いてもらいたいからガンバッター、っていうの」(マフマフ 大星母「そうそう、その子。お母さん、麻雀はよく分からないけど大会で一番になるのって、とっても大変なんでしょう?」(淡母がプロだとか元プロだか設定出たら終わるね、イッチ 淡「ん~、わっかんない。長野がどのくらいのレベルか知らないもん」(モキュモキュ 大星母「薄情な子ね~……まあしょうがないか、あなたアホの子だものね」 淡「アホじゃないよ!?ちょっと物忘れが激しかったりするだけだもん!!」 大星母「じゃあ鳥頭ね~」(ウフフ 淡「ぶー……なんでそんな意地悪なこと言うのよー」 大星母「だって、かわいそうじゃないこの子」(記事指差し 淡「………どーして?」 大星母「アラアラ、やっぱり完全に忘れ去ってるわね、この子ったら」 淡「もきゅ?」(二個目 大星母「ほら、あなたが小さかった時、長野に旅行にいったことがあるじゃない?」 淡「長野に旅行…………ん~、あったような、なかったような」(ンムム 大星母「まあ、小学校に入るか入らないかって頃だから、忘れてても仕方ないのかしらねー」 淡「あー…………そう言われると、なんか思い出してきたよーな。けっこー長い間、お泊まりしたっけ?」 大星母「そうそう、それよそれ。観光なんて一日で一通りやっちゃって、やることなくて暇だったから地元の散策するようになったじゃない。そこであなた、地元の子達の遊びに混ぜてもらったの、覚えてない?」 淡「――――それって、公園……?」(モグモグ 大星母「それよー。なんだ、あなたちゃんと昔のこと思い出せるんじゃない、お母さんビックリしちゃったわ」 淡「長野で……公園…………地元の子――――あれ?」 ――――おまえー、なにやってんのー? ――――みんな、わたしがしらない子だからまぜてあげないー、って…… ――――フーン……ちょっとこっちこいよ! ――――うきゃ……てーひっぱんないでよ……! ――――いいからいいから。オーイ、この子もまぜてイロオニやろーぜー! ――あー、すが君だー ――えー、その子しらない子じゃん。しらない子とあそんだらいけないんだよ ――――そんなの気にするヤツは「ちっちぇえな」って、このあいだ王様がいってたぜー ――王様がいってるならしょうがないね ――そーだね、王様のいうことはぜったいだもんね ――――ホラッ、みんないいってさ! ――――わ、わたしもいっしょにあそんでいいの? ――――だいじょーぶだって、ホラ、オニきめるからジャンケンするぞー! ――オー ――――お、おー ――――そういやおまえー、なまえなんつーの? ――――あ、あわい……おーほしあわい ――――フーン、オレはきょーたろうな、すがきょーたろう。よろしくなー 淡「――――――――アアァァァァァァァッ!?」 大星母「あら、ちゃーんと全部思い出したのかしら。この子のお陰であなた、遊びに混ぜてもらったのよねー。それから帰郷するまで毎日、公園に行ってついて回ってたんだから」(京太郎が関東から引っ越してても死ねるな、コレ 淡「え、ウソ……なに、ホントにこいつがアレなの、あのきょーたろう君!?」 大星母「長野で須賀って苗字は珍しかったはずだし、同じ子だと思うわよお母さんは」 淡「え、ええぇぇ~……」 大星母「それでホラ、明日東京に帰るからってみんなにバイバイしに行った時、あなた急に帰りたくないーって大泣きしだして~」(ニマニマ 淡「ちょっと、やめて思い出させないで……」(カァッ ――――ヤダヤダ、かえりたくないー!ムリならきょーたろうくんもつれてかえる~! ――――おまえどこのジャイアンだよ…… ――――だってー…… ――――ん~、しょーがねえなー。だったらおおきくなったら会いにいってやるよ、おれが ――――ホント……?とーきょーって、ここからずーっとずっととおくにあるんだよ? ――――まあ、なんとかなんだろー、タブンネ ――――それに、オウチがどこにあるかもしらないと迷子になっちゃうよ…… ――――ん~、そしたらさ、なんかゆーめいになっとけばいいんじゃないの? ――――わたしが……? ――――そうそう、それならどこにいてもわかりそうじゃん! ――――な、なにでゆーめいになったらいいのかな…… ――――そんなのしらねー、なんかかんがえてくれ。オレ、バカだからよくわかんねーもん ――――え、えぇ~……んっと、んーーーっと……そ、それじゃあ、マージャンは? ――――マージャンって、あのドンジャラのニセモノ? ――――ドンジャラがニセモノだよー……あれがつよいと、テレビにいっぱいうつれるし。わたし、じつはマージャンとくいなんだよ! ――――フーン、ドンジャラってマージャンのニセモノだったのか…… ――――ダ、ダメかな? ――――んー、まあいいんじゃねーの? ――――それじゃあ、やくそくしたからね!ウソついたら点棒100ぽん、のますからね! ――――おー、いいぜー。テンボーがなんなのかしらんけど 淡「……………………え、あれ?いろいろ思い出したのはいいんだけど、この流れでなんできょーたろう君が麻雀やってるわけ?」 大星母「ホントーにアホの子ねえ、あなた。ここにちゃんと書いてるじゃない……漫画ばかり読んでちゃダメよー?」 淡「ここって……」 だから、今言えるのは……自分もあんな風に真剣に、楽しそうに麻雀を打てるようになりたい……それだけです―――― 大星母「あなた、麻雀だけは一人前だもんねー。スゴイじゃない、自分の得意なことで男の子を必死にさせられるなんて♪」 淡「一人前どころか百人前だよ!」(フンゾリ 大星母「麻雀しか取り柄がないっていうのは、お母さんとしては心配なんだけど……まあ、しょーがないのかしら」 淡「アハハ、そっかー、きょーたろう君は私に会った時に恥ずかしくないよう麻雀強くなってるのか~!フッツーに会いに来てくれればいいのに、回りくどいことしてるな~、もう!」(ニヤニヤ 大星母「ついさっきまで、思い出を忘却の彼方に追いやってた子の言っていいことじゃないわねー」(ヤレヤレ 淡「よーし、なんかやる気出てきちゃったから私、もっ回ネット麻雀してくるね!さっき対局した【トーカ】っていうのが、ケッコー手強くてさ。最後まで振り込まないし、捲りにくるしで生意気だったの!」(プンスカ 大星母「ちゃんとご飯は食べにくるのよー」 淡「ハーイ!!」(ダダダッ 京太郎「――――ふえっくし!」 一「あれ、須賀くん風邪でもひいたの?」 純「っかしーな、ナントカは風邪ひかねーんじゃなかったっけ?」(ケラケラ 京太郎「酷いですねー……これはアレです、誰かが噂してるんですよ、噂」 衣「きっと、いつか相まみえる兵に違いないな!」 京太郎「だったら……望むところっ……」(ざわ… 衣「ククッ、その意気だぞ京たろー!」(ざわ…ざわ… 純「だからおめーら、そのざわ…ざわ…はやめろって」 透華「くーーーー、ムカツク、なんかムカツキますわ、さっきの相手!」 智紀「透華、どうかしたの?」 透華「どうもこうも!ネット麻雀で【あわあわ】とかいうのと対局したのですけど、最後他家を跳ばして私の四暗刻聴牌を台無しにしてくれましたのよ!?」 京太郎「あちゃあ、それは痛いですね」 透華「今度会ったらギャフンと言わせてやりますわ、ギャフンと!!」(ジタバタ 京太郎「ハハ、が、頑張ってください透華さん」 透華「ええ、もちろんですとも!だ、だからその時は応援よろしくですわ、京太郎!!」 京太郎「えー……俺が応援してもたいして変わりませんって」 一「須賀くん、そこは素直に任せてくださいって言うところだよ」 智紀「わかってない、乙女心」 衣「ダメダメだな、京たろーは!!」 純「おお、ダメダメだな。なんのことかよくわかんねーけど」 京太郎「皆ひどいっすね……」 ハギヨシ「――――皆さま、お食事の用意ができました」 京太郎「あ、もうそんな時間ですか?じゃあ、俺はそろそろお暇――」 ハギヨシ「もちろん、須賀様の分も用意してあります。どうか皆様と食事していってください」 透華「グッジョブですわ、ハギヨシ!!」 ハギヨシ「私、透華お嬢様の執事ですから」 そんでもって食事の時間―――― 一「そういえばさ、僕たちは小さい時から麻雀やってるわけだけど」(カチャカチャ 純「おー、なんだかんだで結構長いことやってるよな」(ガツガツ 智紀「私は……透華に外へ引っ張り出されてから」(チビチビ 一「ともきーはまあ、あれとして。須賀くんって高校になってから麻雀始めたんだよね、確か」 京太郎「ええ、そですね。周りで流行ってるのは知ってましたけど」(モグモグ 一「今時珍しいよねー。なんか切っ掛けでもあったの?こう、麻雀やってみようかなーって切っ掛け」 京太郎「んー……どうでしたかね」 京太郎(まさか、和が麻雀部に入るって優希と話してるの聞いて、同じ部なら近くでオモチを見れる――――なんて思った、とは言えねーな、言えねーよ) 京太郎「…………なんとなく、ですかね。麻雀でこう、新しい世界が開けるかも――みたいな?」 純「なんだよそりゃー」 一「男の子って、たまに変な理由で新しい趣味を見つけたりするよね~」 智紀「青春……?」 京太郎「そ、そこまで青臭いもんじゃないですけど……。そういえば俺、昔は麻雀ってドンジャラのパチモンだって思ってたんですよね」 衣「おお、絵合わせのゲームだな、知ってるぞ!」 透華「そ、それはさすがにどーかと思いますわ……」 京太郎「いや、まあ今思えばとんでもない勘違いなんですけど……そういや、誰だったっけ、ドンジャラが麻雀のニセモノだって教えてくれたの……?」 一「案外、将来の約束したかわいー女の子だったりして」(ケラケラ 透華「んな!ホントですの、京太郎!?」 京太郎「ハ、ハハ、そんな都合のいい思い出なんて……思い出…………ん?」 透一智純衣ハギ「――――――――え?」 京太郎「――――ナイデスヨ、タブン」 透一智純衣ハギ「そ、その間は何?」
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【兵どもの夢のあと……】 京太郎「……酷い目にあった」 京太郎(目が使えて五分か四分六分なのに、今打って勝てるわけねーだろ!) 京太郎(……マホのやつは、またコピーし始めるし) 京太郎(東一局で風牌ドラ4の親倍とか勘弁してくれよ……) 京太郎(再生怪人か、お前は……!) 目薬をさしながら、バックヤードに引っ込む。 戦いの後のキセルは美味い。禁煙したはずなのに。 あんまり吸うと、髪の毛に匂いが付きそうである。 それはまずい。人気商売である。 京太郎「しっかし……あれ」 京太郎「まあ、マジじゃないとしても……だ。相手は小学生だし」 京太郎「10年後が楽しみだな、うん」 京太郎「小鍛治プロと俺ぐらいの年齢差になるのかね、ありゃ」 一「――10年後って」 一「なーにーが、どうしたのかなぁ……?」 京太郎「いや、あの二人のおもちについて――」 京太郎「……げっ」 一「へー」 一「ふーん」 一「ほー」 京太郎「は、一さん……」 一「そっかそっか」 一「疲れてると思って、冷えピタと目薬と甘いものを持ってきてあげたのに」 一「当の京太郎くんは、女の子の品定めですか」 一「ボクよりもスタイルがよかったからねー……うんうん」 一「そうかい、君はそういう奴だったんだね」 一「いやー、心配して損したなぁ」 一「勝手に期待しちゃったから、応えようと張り切って疲れてないかなー……とか思ってたんだけど」 一「京太郎くんは、そんなこと考えてたんだね」 京太郎「いや……あの。その……」 京太郎「こ、これには……わけがありまして……」 一「どんな訳があったら、疲れてる頭を使って……」 一「女の子の品定めを始めるのかなー」 京太郎「……うっ」 京太郎「あ、あんまり苛めないでくださいよ……」 京太郎「人間は、弱いんですよ……?」 一「へー」 一「ふーん」 一「ほー」 京太郎「……」 一「……」 京太郎「……」 一「どうしたの? ほら、言い訳を続けていいよ?」 一「京太郎くんはちゃんと、事情があって“視る”人間だもんねー」 一「いやー、どんな事情があるのか気になるなぁ」 京太郎「……」 一「……」 京太郎「……ごめんなさい」 一「ん? 何が」 一「どうして謝るのかなぁ……?」 一「京太郎くんは、何か悪いことでもしたのかな?」 京太郎「……」 京太郎「ごめんなさい。冗談だったんです。出来心だったんです」 京太郎「すみません、俺には一さんしかいないんです」 一「……調子いいなぁ」 一「ま、今のは冗談だけどさ」 一「ボク以外に聞かれたら……うっかりしたら、大変なことになるよ?」 一「有名人なんだから、そのあたりには気をつけなきゃ」 京太郎「言われてみれば……」 京太郎「そっすね。了解っす」 一「うんうん、素直でよろしい」 一「……まあ」 一「――お疲れ様、京太郎くん」 京太郎「――どういたしましてっす、一さん」 一「やっぱり、君を信じてよかったよ」 一「オカルトスレイヤーが、犬死はしないってさ」 京太郎「正直これが、どっちかとの一対一だったり……」 京太郎「普通のタイトル戦みたいなものだったら、危なかったっすけどね」 あの二人のオカルトが食い合ったから。 だからこそ、初見の京太郎でも勝負になったのだ。 どちらか一人だけであったのなら――。 まさしく宮永照の言うように、京太郎は勝負の土台にも乗れずに敗北していただろう。 加えて言うなら、ハギヨシのアシストも大きい。 彼が前半は2位につけてくれていたからこそ、相手も攻めにいかねばならなかったのだろうし、 彼が幾度か確かめるように前に出てくれなければ、相手の能力の謎も解けなかった。 引きが京太郎よりもつよいから、何度か相手の攻撃を潰してくれたし……。 タッグ戦ではないと言ったものの、京太郎の思考を理解して合わせてくれた。 京太郎が牌を特定しやすいように、手牌を並べてくれたというのもある。 本当に、縁の下の力持ちだ。 さすが執事だ。 一「ハギヨシさんには、そう伝えておくよ」 一「『足を引っ張ってしまってはいなかったか、心配です』」 一「そんな風にちょっとへこんでたしね」 京太郎「あの人もへこむことあるんだ」 一「まあ、ボクはこのあたりにしようかな」 京太郎「そっすか?」 京太郎「俺はもっと、こうして一さんと話してたいんすけど……」 一「……まったく」 一「だから、そういうのは恋人相手だけにしなって」 京太郎「一さんがそうなってくれるなら俺、大歓迎っすよ?」 一「考えてあげてもいいけどね」 一「そうやって、ナチュラルに女の子を口説いたり……」 一「小学生のバストサイズの将来に、舌なめずりするような軽い男はちょっと……」 京太郎「まるで変態なみたいな言い方をするのは、やめて下さいよ!」 一「……むしろ、まさに変態じゃないの?」 京太郎「手厳しいっすよ……」 人為変態、須賀京太郎とか。 そんなフレーズを使われたらどうしよう。ちょっと悲しい。 一「あはは」 一「ま、ちょっとここで頭を冷やしてるといいと思うよ?」 京太郎「……そう言われると、なんか違う意味に聞こえるっすね」 一「……違う意味も含めて」 京太郎「だから、酷いって!」 一「冗談だってば、冗談」 一「君とボクの関係は、いつもこんなのじゃないか」 京太郎「そうっすけど……」 笑いながら、スポーツドリンクを京太郎に押し付けた一が席を立つ。 相変わらず、けしからん格好である。 胸がなくてもドキドキする。二重の意味で。 これでもしももうちょっと育ってたら、正直押し倒しててもおかしくない。 一「……あ」 一「ひとつ、言い忘れてたよ」 京太郎「……なんですか?」 一「打ってるときの京太郎くん――格好よかったよ?」 京太郎「――」 京太郎「お、俺はいつも格好いいっすよ!」 一「そういうところが、残念な男なんだよなー」 京太郎「残念って……」 そりゃ、確かに言われるさ。 話してみたらイメージと違ったとか。 テレビのあれ、素だったんですねとか。 黙って麻雀打ってれば、実はワイルド系のイケメンなのにとか。 正直いい人で終わりそうだよね、とか。 軽くて信用できない、とか。 「おもちについて、語り合おうよ!」とか。 「おねーちゃんのおもち、どう思うの?」とか。 「げっ」とか。 「馴れ馴れしくすんな、馬鹿」とか。 「京太郎、今日のご飯何……?」とか。 「京太郎、ベッドまで運んで……」とか。 「須賀プロ、あとで起こして」とか。 「須賀プロ、このおかしおいしい」とか。 思えば色々言われるところである。 一「ま、今日は色々発見があってよかったよ」 京太郎「……発見?」 一「そうそう」 一「やっぱり、生だとすごい迫力でテクニックがわかるなーってのと」 一「君はやっぱり、誰かの期待を裏切らないこと」 一「あとは……そうだね」 京太郎「……?」 一「今みたいに、相手からストレートに言われると意外にテンパることとかかな」 一「なるほどなー」 一「天然ジゴロなのか、わかっててそういうことやってる格好付けしいなのかはともかく……」 一「京太郎くんも、こーゆーのは苦手だったんだね」 一「こりゃ、使える」 京太郎「う……」 京太郎「一さん!」 一「じゃーねー」 そう笑いかけて、彼女は足早に去っていく。 なんとも、いたずらっぽい笑みだ。 こりゃ暫くは、ネタにされるだろうこと間違いなしだ。 京太郎(ったく……あの人は) 京太郎(あー、もう……これホントにネタにされるんだろうなぁ) 京太郎(心臓に悪いっつーか、なんつーかさぁ) 京太郎(……) 京太郎(そりゃ、あんないい笑顔されたら動揺してもしょうがないだろ!) 京太郎(あー、もう) 京太郎「……本当にあの人は」 京太郎「男相手にそういうことすると、危ないんだってば」 京太郎「俺みたいな紳士じゃなかったらどうするんだよ……」 京太郎「格好も格好だし……なんつーか」 京太郎「あー、もう」 京太郎「……あー、もう」 うだうだと、国広一の無防備さについて悩む。 もうちょっと危機感を持ってほしい。 あの格好にしてもそうだ。危ないんだってば、色々。 気さくな人だから、異性からも悪くは思われないだろうし……。 いや、最初が気さくかって言われたら別にそうでもなかったな。自分の場合。 瞼に冷えピタを押し当てて、あーでもないこうでもないと煩悶する。 そこに、声がかかった。 咲「――京ちゃん?」 頭を戻して、入り口を見る。 先ほど。麻雀で自分をぼこぼこにしてくれた宮永咲が、そこにいた。 京太郎「そういうお前は、宮永咲!」 咲「……あはは」 咲「ジョジョネタなら、乗らないよ?」 京太郎「乗れよ。わかってるなら」 京太郎「……って、お前は絵がアレだから無理なんだっけか」 咲「うん」 咲「絵よりも……ちょっと残酷なところかな」 京太郎「そうかー」 京太郎「……そうかぁ」 咲「お姉ちゃんには、『絵でジョジョを馬鹿にするなんて万死に値する』」 咲「『人間讃歌を描いたわけであって、グロは主体じゃない』」 咲「『読まないというのは人生の九割を損してる。これからその人生を終わらせてやる』」 咲「……なんて、言われたけど」 京太郎「あの人は……まったく」 咲「……京ちゃん」 京太郎「……おう」 咲「……お疲れさま」 京太郎「……おう」 咲「……」 京太郎「……」 穏やかな沈黙。 咲と居て会話がなくなると、いつもこうだった。 隣に腰かけて、空を眺める。 先ほどまで覗いていた積乱雲は、雨をバラ蒔いて消えてしまったらしい。 すっかりと、晴天が訪れていた。 どちらともなく、言葉を切り出す。 京太郎「……さっきの」 咲「え……?」 京太郎「さっきの約束、守ったぜ」 咲「約束?」 京太郎「お前に出番は回さないって奴だよ」 雨上がりのセミの声は、普段のそれほどうるさくない。 ちょうどいいBGMだった。 咲「……京ちゃんは、さ」 京太郎「うん?」 咲「昔から、どんなに適当でも……約束を破ったことは、ないもんね」 京太郎「……適当ゆーな、適当」 咲「あはは、事実でしょ?」 咲「次当たるとこやってきてないから写させてくれ、とか」 咲「教科書忘れたから貸してくれって言って、落書きして返してきたり」 京太郎「……あったなぁ」 咲「あの落書きのせいで私、怒られたんだよ?」 京太郎「つまらない授業が悪い」 京太郎「俺なら、もっと上手く教えられる」 咲「……なにそれ」 京太郎「教職のときに、研修で行ってな」 京太郎「大人気だったんだぜ? イケメンで、授業も分かりやすいって」 咲「イケメンって……自分で言う? 普通」 咲「そういうこと言ってるから……」 咲「『イケメンだけど残念で嫌味じゃないタレント』とか言われるんだよ」 京太郎「また残念呼ばわりかよ……」 京太郎「いいんだよ。嫌味じゃないんならさ」 咲「良くないよ!」 京太郎「うおっ」 京太郎「な、なんだよ……いきなり」 京太郎「驚かせんなって……」 咲「……ごめん」 咲「……」 京太郎「お、おう……」 急に黙って俯く咲に、調子を崩された気分だ。 今の会話のどこに、咲の琴線に触れる点があったのか。 些か、疑問であるが……。 京太郎「……なあ」 咲「……何、京ちゃん」 京太郎「お前に――大事な話がある」 京太郎「正直に……真面目に、ちゃんと答えてくれるか?」 咲「へっ」 咲(だだだだだだだだだだだ、大事な話!?) 咲(真面目に答えて!? 正直に!? ちゃんと!?) 咲(あ、私たち今……二人っきりだ) 咲(ど、どうしよう!? いきなり過ぎるよ、京ちゃん!?) 咲(うあ……。こんなことなら……もっとおめかししてくればよかったよ) 咲(変な匂い、しないよね?) 咲(ちゃんと香水付けてきたけど……もっといいのにすれば良かったかな?) 咲(京ちゃん、すっごい真面目な顔……) 咲(睫毛、長いなぁ……) 咲(やっぱり告白は男の人からしてほしいけど、私の想いも伝えたいっていうか――) 咲(……って、うんうんうんうん! そーいう話じゃないってば!) 咲(あう、なんだろう……) 咲(……何かな、京ちゃん) 京太郎「なあ――」 京太郎「この間のタイトル戦――どうして、あんなことしたんだ?」 咲「……」 京太郎「……」 咲「……」 京太郎「……」 京太郎「その顔……驚かないのな」 京太郎「シラを切る訳でも、話を反らす訳でもない」 京太郎「やっぱりあれは……お前の仕業だったのか」 咲「……そうだよ」 咲「私が、京ちゃんのアシストをしたのは事実」 咲「本当に、考え通りに行くなんて思ってはないし……」 咲「アシストしても、京ちゃんが和了がらなかったら……結局は何にもならなかったけど」 咲「助けたのは……助けようとしたのは、本当」 京太郎「……」 京太郎「誤魔化そうとか、嘘を吐こうとか……」 京太郎「否定しようとは、思わないのか?」 咲「しないよ」 咲「京ちゃんなら、気付くかもしれないって思ってたし……」 咲「さっきのアレを見て、京ちゃんなら絶対に気付くと思ったから」 咲「だから……京ちゃんに、嘘は吐かない」 京太郎「……ああ、そうだよな」 京太郎「あんときもお前は……嘘は言わなかった。嘘なんざ、言っちゃいなかった……!」 京太郎「だからって……開き直ってんじゃ、ねえよ!」 咲「……」 京太郎「答えろ……! なんで、あんなことをした……ッ!」 京太郎「言えよ、咲……!」 咲「……言いたく、ない」 京太郎「――ッ」 京太郎「……答えろよ」 京太郎「胸ぐら掴んどいてなんだけど、俺は今まで一度たりとも女に手は上げてねえ」 京太郎「ストーカー紛いのキチガイに襲われたときも……」 京太郎「路上でやってたハードな痴話喧嘩を止めに入ったときも……それは変わらない」 京太郎「だけど今……俺は、本気で怒ってる」 京太郎「こちとら、スタッフがプッツンしてる撮影のおかげで……大分鍛え上げてんだ」 京太郎「正直に言わないと……」 京太郎「お前をどうするか、自分でも分からねえんだよ……!」 咲「京ちゃんの気が紛れるなら……」 咲「……殴ってくれても、いいよ」 京太郎「……ッ」 咲「……」 咲「そう、言いたいけどさ……」 咲「京ちゃんの手は、麻雀をする手だもんね」 咲「京ちゃんの手は、誰かを助ける手だもんね」 咲「そんなこと……京ちゃんにさせたら、駄目だよね」 咲「だから……答えるよ」 咲「放して貰っても……いい?」 京太郎「……ああ」 咲「……」 咲「……あの頃の京ちゃん、全然笑わなくなってた」 咲「いっつもしかめっ面して、憔悴して麻雀打ってた……」 咲「麻雀の事が、嫌になってる……なりそうな感じだった」 咲「……家で打ってたときの、お姉ちゃんみたいに」 京太郎「……」 咲「それで……タレントの仕事の方が、増えてたでしょ?」 咲「そっちだと……麻雀だとしない顔をしてる」 咲「でもやっぱり、疲れてた」 咲「京ちゃんの打ち方なら……研究に研究して、だから」 咲「収録が終わってからも……研究してるんだと、思った」 咲「……私はね、京ちゃん」 咲「京ちゃんが……麻雀をやめちゃうんじゃないかって、思ってた」 咲「世間だとタレントだと思われ始めてて、京ちゃんもそっちに向かってた」 咲「……京ちゃん、麻雀を捨てちゃうんじゃないかと思った」 咲「和ちゃんから、京ちゃんが大学のときに……一度麻雀を諦めようとしてたって、聞いてた」 咲「だから……『まさか』って、思った」 咲「そうじゃないと、思いたかったけど……」 咲「あの日の京ちゃんを見て、ハッキリと思った」 咲「京ちゃんは全部をぶつけにきて――」 咲「――負けたら、やめようとしてるって」 咲「……私の、勝手な勘違いかな?」 咲「でもあの日の意気込みは……ただでさえ凄い、いつも以上だった」 咲「だから私は……」 咲「京ちゃんのアシストをしようと、思った」 咲「京ちゃんの覚悟に水を注すことになるし……」 咲「京ちゃんの力を、信じてないことになる」 咲「……それは、分かってた」 咲「私の自分勝手だっていうのも、分かってる」 咲「でも私は……京ちゃんにやめて欲しくなかった」 京太郎「……ッ」 京太郎「だから、タイトルの一つでもくれてやれば! それを与えてやれば!」 京太郎「首輪繋がれた犬とか、電極に繋がれた鰻みてえに……」 京太郎「俺が、麻雀プロでいると思って……それをやったっつーことか?」 京太郎「そういう、ことなのか……?」 咲「……」 咲「……ふたつ、違う」 咲「私は……少し手助けしただけで、勝ちとったのは京ちゃんがあそこまで頑張ったから」 咲「江口プロと……大星プロと戦ってて」 咲「場を支配することなんて、私には無理」 咲「きっと、お姉ちゃんでも無理」 咲「私の言葉が信じられなくても……お姉ちゃんの言葉なら、信じられるでしょ?」 咲「あれは、京ちゃんがあそこまで粘ったから起こった」 咲「私は……最後の最後で京ちゃんの作戦に気が付いて」 咲「それを少し手伝った以上のことは……してないよ」 咲「……」 咲「タイトルをとったから、京ちゃんは麻雀プロでいる」 咲「そうは……思ってないよ」 京太郎「……」 京太郎「なら……なんで」 咲「……ううん、ごめん。それも考えた」 咲「でも……もしかしたら」 咲「何も不思議な力を持ってないのに……運があるわけでもないのに……」 咲「高校生の頃から、ここまで強くなって……」 咲「あの場に立った京ちゃんなら、気付いてくれるんじゃないかって……思った」 咲「そうしたら、京ちゃんは……」 咲「きっと、私を許さないと――思った」 咲「私のことを、許さなかったら……」 咲「私のことを、恨んでくれてる間は……」 咲「私にリベンジするまで、京ちゃんは麻雀プロを続けてくれるんじゃないか――って」 咲「そんな風に、考えた」 咲「大学生のときは離れちゃったけどさ……」 咲「京ちゃんとは、付き合いが長いから……さ」 咲「一途で不器用なところがあるから……京ちゃんなら、私にリベンジしようとしてくると思った」 咲「そうしてくれてる間は……麻雀、続けてくれるんじゃないかなって」 咲「そう、思った」 咲「自分勝手だってのは、分かってる」 咲「きっと、京ちゃんのことを……凄く傷付けることになるって、分かってる」 咲「それでも……それでも、だよ?」 咲「私をこっちに連れ戻してくれた京ちゃんには……」 咲「麻雀の楽しさに気付くチャンスをくれて……」 咲「また、こっちの道に戻る機会をくれた……」 咲「そのあとの、高校での楽しい思い出のきっかけになってくれた……」 咲「そんな京ちゃんには……麻雀をやめて欲しく、なかったんだ」 咲「……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「……なにが、だよ」 咲「あのときの京ちゃんの実力を信じないで……」 咲「京ちゃんの気持ちに、水を注しちゃって……」 咲「ごめん、なさい」 京太郎(……確かに、こいつの言う通りだ) 京太郎(俺はあの場に、覚悟を背負って立った) 京太郎(凡人の俺でも、魔物を倒せることを証明するって) 京太郎(俺と同じような誰かを、勇気付けるって) 京太郎(所詮は俺じゃあ勝てやしないって評判を否定するために) 京太郎(そのために――自分の全力を) 京太郎(今までを、これからを……俺の人生、全部懸けて) 京太郎(賭けに、身を投じた) 京太郎(俺が、こっちに連れてきたお前なら……) 京太郎(あれぐらい強いお前なら、本当の全力――何もかもを懸けて戦えると、思って) 京太郎(ああ……お前の、言う通りだ) 京太郎(あのタイトルが取れなかったら……俺の全力のスタイルで及ばなかったのなら……) 京太郎(お前に、負けたんなら……) 京太郎(俺は、辞めてもいいって思ってたんだ) 京太郎(お前に負けたんなら……諦められるって、思ってた) 京太郎(……ああ) 京太郎(自分勝手って話をしたら、そもそも俺もなんだ) 京太郎(お前なら仕方ないって……咲を言い訳にして) 京太郎(それがお前に何を背負わせるかも考えないで……) 京太郎(俺は、お前と戦った) 京太郎(どっちが悪いって、話じゃない) 京太郎(俺がエゴを通そうとしたら――咲が傷付いて) 京太郎(咲がエゴを通したら――俺が、こうなった) 京太郎(……俺が、お前の立場なら) 京太郎(どうしたん、だろうな) 京太郎(わっかんねーな。わっかんねーよ) 京太郎(でも……お前みたいに、恨まれ続けるのに耐えられるかは) 京太郎(そういう選択を選べるかも……やっぱりわかんねーよ) 京太郎(強いて言うなら……) 京太郎(辞める覚悟みたいのを、こいつに見破られた) 京太郎(俺が一番、悪い) 京太郎(突き付けてるもんだもんな……言っちまえばさ) 京太郎(『勝たせてくれなきゃ、麻雀を辞める』って) 京太郎(そりゃあ、卑怯だよ) 京太郎(こんだけ一緒にいた奴が……自分の人生を、人質にしてるんだろ?) 京太郎(『覚悟』だなんて聞こえのいい言葉を使っちゃあいるが……) 京太郎(はたから見たら、スゲー卑劣な行為だ) 京太郎(自分のことだけで、『なんで全力でやってくれなかった』……なんて言うのは) 京太郎(てめえが邪悪だと気付いてない、もっともドス黒い悪だ) 京太郎(被害者面して、相手に拳銃の引き金を渡すなんてのは……) 京太郎(公正な勝負とは程遠い、もっとも卑劣な行為になる) 京太郎(どっちにも、思うところはあった) 京太郎(そこに優劣はないし、卑尊はない) 京太郎(でも、今回は……) 京太郎(俺のした行為が、もっとも卑劣で……唾棄すべき最低な行為であるのは確かだよ) 京太郎(つーか) 京太郎(他の二人がいるのに、個人的な事情を持ち込んだ俺がな……) 京太郎(江口プロも、大星プロも……) 京太郎(あの戦いの直後に……俺が辞めるなんて言い出したらさ) 京太郎(いい気は、しねーよな) 京太郎(……いや、大星あたりなら『弱いんだから当然でしょ』とか言いそう) 京太郎(まあ、そうだとしても……やっぱ駄目だ) 京太郎(そりゃあ、世の中にはそーいうプロもいるだろ) 京太郎(『ここで限界を悟りました』って、そーいうのはあり得るだろ) 京太郎(そりゃ、当人の事情だしな) 京太郎(でもきっと……その人たちは隠してる) 京太郎(自分の人生がかかってるほど大事なことを、他人に気付かせないように努力してる) 京太郎(大事なことなんだから、それぐらいして当然だよ) 京太郎(俺は、甘かった) 京太郎(ひょっとしたら心のどこかでは……) 京太郎(『辞めなくてもいいんだよ』って言われるのを期待してたのかもしんねー) 京太郎(それって、情けねーよな) 京太郎(女々しくて、ダサい) 京太郎(つーか、よ) 京太郎(思えば、さっきの女の子たちもおんなじパターンだった訳だろ?) 京太郎(向こうは、あっちが勝っちまったら辞めるつもりだったみてーだけどさ) 京太郎(やってること、咲と同じじゃねーかよ。俺) 京太郎(いや、ちょっとは違うけど……) 京太郎(……大分違うかもしんねーけど) 京太郎(大分違うけど) 京太郎(なんつーか、なぁ) 京太郎(……まあ) 京太郎(幼馴染みの女の子にそんな選択させて) 京太郎(それからずっとその事に怯えさせて) 京太郎(挙げ句、胸ぐら掴んだり脅したり声を荒らげたり) 京太郎(そんな俺が、一番ダサい) 京太郎「……咲」 咲「な、何……?」 咲「京ちゃんが顔を見せるなって言うなら、そう……するよ」 咲「今日は、京ちゃんに謝ろうと思って……だったから」 咲「見逃して、欲しいけど……」 京太郎「――すまんっ!」 咲「ふぇっ!?」 京太郎「俺が悪かった!」 京太郎「許せ……いや、許さんでいい!」 京太郎「殴れ! 俺を、殴れ!」 京太郎「思いっきり、一発入れろ! そうじゃなきゃ、お前に申し訳がたたねえ!」 咲「へ? え? あの……」 咲「一体、何が……」 京太郎「俺が、悪かった。全面的に俺が悪かった」 京太郎「お前の言う通り、俺はあのとき負けたら辞めようと思ってた」 京太郎「俺が卑怯だった。俺が女々しかった。俺が情けなかった」 京太郎「俺に、配慮が足りなかった……!」 咲「え……あ、あの……」 京太郎「悪かった」 京太郎「お前に、『俺を辞めさせるか』『俺に恨まれるか』を迫って悪かった」 京太郎「それなのに、悲劇のヒーロー気取って悪かった」 京太郎「そんな状況で……俺と会ったら辛いだろうお前にこんな仕事させて、悪かった」 京太郎「お前のことを怯えさせて悪かった。胸ぐら掴んだり、怒鳴ったりして悪かった」 京太郎「ずっとお前と居たのに、お前の気持ちを全然考えないで……本当に、本当に悪かった」 京太郎「許してくれだなんて、言えない」 京太郎「お前に何をされても、俺は言い返せない」 京太郎「ただ――悪かった」 京太郎「本当に、ごめんな……って」 京太郎「お前に、謝らせてくれ」 咲「そ、そんなこと言われても……」 京太郎「ああ、確かにそうだな」 京太郎「鍛えてるし……お前が俺を殴っても、逆に怪我するかもしれないもんな」 京太郎「悪かった」 咲「……う、うん」 京太郎「ちょっと壁に頭打ち付けてくる」 咲「そ、そういう話じゃないってばー!」 咲「それを言ったら、京ちゃんの覚悟の邪魔をした私が悪いんだよ!」 京太郎「いーや、邪魔されるようにバレた俺の方が悪いね!」 咲「だったら、知ってて邪魔した私が悪いよ!」 京太郎「邪魔を許した弱い俺が悪い!」 咲「うー」 咲「意地っ張り! 京ちゃんの格好つけ男!」 京太郎「うるせえ、この頑固者! なんでもかんでも背負い込みやがって!」 咲「格好つけしいで、普段は重くて軽い癖に! バカ京ちゃん!」 京太郎「格好つけて、意地が張れなきゃ男じゃねーんだよ!」 咲「その考え、古い! 似合わない!」 京太郎「温故知新って言うだろうが! 古いことの方が大事なこともあるんだよ!」 咲「京ちゃんらしいけどらしくないし、気障すぎ!」 京太郎「外見格好いいんだから、内面も格好よくしようとして何が悪い!」 咲「この、軽薄軟派男! スケコマシ!」 京太郎「はぁぁぁぁあ!? 俺は、硬派だっつーの!」 咲「そう思ってるのは、自分だけでしょ!」 京太郎「はぁ!? 俺は、麻雀一筋の硬派だってーの!」 咲「タレントもどきやってる癖に!」 京太郎「それでも心は麻雀のことばっかりだからな!?」 咲「この雀キチ!」 京太郎「麻雀プロなんだからそんなもんだろうが!」 咲「そんなんじゃ、瑞原プロとか小鍛治プロみたいに売れ残るよ!」 京太郎「はぁ!? 俺なら、その前に一人や二人見つけられるからな!」 咲「やっぱり軟派男!」 京太郎「うるせえ! 本の虫!」 京太郎「……なあ」 咲「……なに?」 京太郎「俺ら、なんの話をしてたんだっけ」 咲「……あー」 咲「うん」 京太郎「とりあえずは……だ」 京太郎「お互い悪かったってとこで、この件については手打ちで」 咲「私の方が悪いけどね」 京太郎「いや、普通にどう考えても俺だけどな」 咲「……」 京太郎「……」 咲「……やめよっか」 京太郎「平行線だしな……」 京太郎「それより問題は、だ」 咲「うん」 京太郎「同卓した江口プロと大星プロだよな」 咲「……関係ないことに、巻き込んじゃったしね」 京太郎「そうなんだよなぁ」 咲「……うん」 京太郎「あとは、番組のスポンサーに……プロデューサーだろ?」 咲「ファンと後援会の人たちにも、だね」 京太郎「改めて……公の場でやることじゃなかったよな」 京太郎「立派な社会人失格っつーか、なんつーか」 咲「そう……だよね」 咲「選手生命を賭けた戦いって……他にもやってる人がいるし、例もあるから」 咲「そういう意味だと、個人の事情を持ち込んでも大丈夫そうなんだけど……」 京太郎「却下」 咲「……理由は?」 京太郎「改めて思うと、格好悪いから。バレたのが一番だとしても」 咲「……格好つけ男」 京太郎「うっせ」 咲「うーん」 京太郎「とりあえず、同卓した二人には謝るべきだよな」 咲「そうかな」 咲「そう……だよね」 京太郎「そりゃ、間違いないだろ」 咲「うん。そうだね」 咲「スポンサーさんたちは?」 京太郎「我慢して貰う」 京太郎「つーか、あれはあれで視聴率良かっただろうしな」 咲「あー、うん」 咲「……劇的だったよね」 咲「最後の最後で、3位が1位を捲ったのって」 京太郎「お前の槓で、ドラついたんだけどな」 咲「それなしでも……京ちゃんは自力で1位走ってた大星プロから逆転してたでしよ?」 京太郎(確かに、そりゃそうだけどさ……) 京太郎「逆転1位と2位じゃ、大きな違いがあるっての」 咲「あー、うん」 咲「……ファンの人たちには?」 京太郎「真実話しても、余計な混乱招くことになるしな」 咲「……うん」 京太郎「ファンの人達には、希望を持ってて欲しい」 京太郎「だから……今回の――夢を壊すようなことは、アウト」 咲「そうなるよね」 京太郎「まあ、その分……普段からもっと気張ってサービスしないとな」 京太郎「それで代わりになるとは、思えないし……ケジメにもならないけど」 京太郎「それでも、それ以外を考え付かない」 咲「……うん」 京太郎「……あー」 京太郎「気が重い」 咲「……でも、仕方ないよね」 咲「それだけのこと、しちゃったんだし」 京太郎「……だよな」 咲「プロ失格だから、辞めろって言われたらどうする?」 京太郎「……あー」 京太郎「辞めたくねえよ……ねえけどさ」 京太郎「でもそんときゃ……仕方ないだろ」 優希「……やれやれ」 優希「京太郎……暫く見ない間に詰まらない男になったな」 京太郎「お前は……!」 咲「死んだはずの……!」 京太郎「片岡優希ッ!」 優希「Yes, I am !」 優希「……というか、勝手に殺すな!」 京太郎「すまん、ついノリで……」 咲「……ごめんね」 優希「まったく、このぽんこつ麻雀バカ二人は……」 京太郎「なんつーか……久しぶりだな」 京太郎「高校以来か? 元気にしてたか?」 優希「まあ、そこそこだな」 優希「……他に、言うことあるんじゃないか?」 京太郎「ああ、なんつーか」 京太郎「前もそうだったけど……もっと、美人になったな」 優希「ふふん」 京太郎(……高校の頃の憧に似てるって、うっかり口滑らしそうになった) 京太郎(……) 京太郎(……一部分を除いて) 京太郎(そこは……変わらずか) 京太郎(何ッ、で! だよッ! どうしてそこだけ置き去りにしたんだよ!) 京太郎「どうしたんだ、今日は」 優希「京太郎がこっちに顔出すって聞いたから、同窓会気分でな」 京太郎「そっか、なるほどな……」 京太郎「……口調、少し変わったか?」 優希「ん?」 優希「そりゃ、いい歳になったんだから……当然だって」 優希「今でも、気を抜くと出そうになるんだけどなー」 京太郎「そーゆーもんか」 優希「そーゆーもんです」 京太郎「……本当に、久しぶりだな」 優希「あの日以来だからな」 咲「あれ、そうなの?」 咲「てっきり京ちゃんとも連絡とってると思ったんだけど……」 優希「まあ、連絡先を知らなかったからなー」 優希「携帯一回ポシャっちゃから、仕方ないんだ」 咲「そうだったんだ……」 咲「言ってくれれば良かったのに」 優希「次からはそうさせて貰うじぇ!」 咲「……あ、今の懐かしい」 京太郎「な」 京太郎「結局高校三年間、そうだったから」 京太郎「こっち方がしっくりくるんだよなぁ……」 優希「そんなこと言われても困るからな」 優希「それにしても……」 優希「そういう京太郎は、随分と詰まらない男になったもんだな」 京太郎「オレェ?」 優希「お前以外にどこに京太郎がいるんだ?」 京太郎「ギャラリーの中にもしかしたら」 優希「片岡京太郎とかがか」 京太郎「……なんか殺人事件に遭遇しそうだな」 咲「やっぱり、京ちゃんは須賀が一番だよね」 京太郎「婿入りとかできねーなー」 咲「予定あるの?」 京太郎「いや、ないけど……」 京太郎「ひょっとしたら、どっかのお金持ちでスタイルよくて可愛いお嬢様が俺を見初めて」 京太郎「一緒に実家を継いでくれとか言うかもしれねーじゃん」 咲「ないない」 優希「そんなオカルトありえないじぇ」 京太郎「そこまで言うかぁ?」 咲「京ちゃんが役満あがるよりもないでしょ」 優希「どんだけ夢見がちなんだ」 咲「まずお金持ちのお嬢様って、それで大分絞られるよね?」 京太郎「搾られても……いや、ああ」 咲「そこから、京ちゃんにあってる年齢で……」 咲「しかも可愛くて、スタイルがいい人ってなるともっと限定されるでしょ?」 京太郎「されるな」 咲「これ、日本にどれぐらいいると思う?」 京太郎「国際結婚でも俺は構わないぞ」 咲「デンマークとかでも? イランとかでも? ソマリアでも?」 京太郎「そもそもソマリアにお金持ちいるのかね」 優希「さあ……」 咲「仮にそんな人がいるとしてもさ……」 咲「都合よく京ちゃんと知り合うことが、ないでしょ?」 京太郎「あー、全国飛び回ってるけど……」 京太郎「基本収録と麻雀だから……ないなあ」 優希「すれ違うことぐらいはあるかもしれないけどな」 咲「でもそこから、会話に発展しないでしょ?」 京太郎「……いや、声かけるかもしれない」 咲「……最低」 優希「……軟派男」 京太郎「いや、冗談だからな?」 京太郎「いつ誰に見られてるかもわからねープロだからしねーよ!」 咲「で、そんないい人がフリー」 咲「それで、京ちゃんのことを好きになってくれる……」 咲「これ、どんな確率か分かる?」 京太郎「わっかんねー。なんもかんもわっかんねー」 咲「まあつまり、天文学的数字だよね」 優希「夢見んなってことだじぇ」 京太郎「あー」 京太郎「あー」 京太郎「10年くらい待てば、チャンスあるんじゃ……?」 咲「……あ、駄目だ」 優希「お前は、結婚できないアラフォーか!」 京太郎「……で」 京太郎(優希の話、果たして咲に聞かれてもいいもんか) 京太郎(それがわからないから、ちょっとくだらない話をしてみた……心にもない話を) 京太郎(……) 京太郎(……ないからな? そんなこと思ってないからな?) 京太郎(いや、出会えたらラッキーだと思うけどさ) 京太郎(正直、いたら口説きたいぐらいだけどさ。うん) 京太郎(まあ、本気じゃないからな? ないぞ?) 京太郎(……) 京太郎(まあ、いいさ。いいよな) 京太郎(優希の反応を見る限り……咲が居ても、大丈夫な話題っぽいな) 京太郎「優希」 京太郎「さっきの話は、どういうことなんだ……?」 優希「……今さらシリアスな空気を出されても、シリアル並みにバッキバキだからな」 咲「そこらへん、本当に残念なイケメン枠だよね」 京太郎「真面目な空気ィ!」 京太郎「あと、残念なイケメンゆーな!」 京太郎「ホスト部とかの少女漫画なら、主人公とくっつくんだぞ!」 咲「そこらへんは、内面で俺物語を目指そうよ」 優希「京太郎だから仕方ないってもんだじぇ」 咲「京ちゃんだしね」 京太郎「なんで俺、こんなジョジョスレでのポルナレフみたいな扱い受けてるんだよ!?」 咲「京ちゃん」 京太郎「なんだよ」 咲「ポルナレフと一緒にしたら、ポルナレフさんに失礼だよ?」 京太郎「クソッ、なんて時代だ……!」 京太郎「あとお前やっぱりジョジョ読んでるじゃねーか!」 京太郎「……で、仕切り直して」 京太郎「詰まらない男になったっつーのは、どーいう意味だ?」 優希「そのままの意味だ」 優希「前に、言ったよな?」 優希「『私をフッたんだから、もっといい男になれ』って」 京太郎「……ッ」 京太郎「お、おま……! なんで、そのこと……っ」 咲「えっ、ど、どういうこと……!?」 優希「そこはどーでもいい」 京太郎「どーでもいいって、お前……」 優希「もう終わったことだし、別にもういい話だからな」 京太郎「う……」 咲(優希ちゃん、有無を言わせぬ勢いだ……京ちゃんがたじろぐくらいに) 優希「……で、だ」 優希「京太郎。なんだ、この様は」 京太郎「この様って……」 優希「……」 優希「さっきの話、聞かせて貰った」 優希「聞けば……」 優希「『進退をかけてタイトル戦に臨んだ』とか『辞めて欲しくなかったからアシストした』とか」 優希「『どっちが悪い』とか『皆に謝らなきゃいけない』とか」 優希「傍から聞いてりゃあ、ちゃんちゃらおかしいじぇ」 咲「……」 京太郎「……なにがだよ」 優希「どれだけお前ら自分勝手で、馬鹿で、ぽんこつなんだ?」 優希「いい歳した大人のすることじゃないもんだ」 京太郎「……ッ」 咲「……」 京太郎「……分かってる」 優希「いーや」 優希「なんにも分かってない。分かってないな」 優希「前から鈍感な奴だとは思ってたけど……」 優希「お前、どうしてそう大事な場面で間違えるんだ?」 優希「普段は気遣いのできる男とかよばれてかもしれないけど……」 優希「こんな有り様じゃ、それも怪しいな」 京太郎「……」 京太郎「……何が、だよ」 優希「第三者から言わせて貰うと」 優希「『進退懸けて戦おう』が『そのアシストをしよう』が、はっきり言ってどーでもいい」 咲「どうでもいいって……」 優希「事実だからな」 優希「そのあたりは、二人の中で決着つけたらいいんじゃないか?」 優希「聞くとしたら」 優希「別に打ち合わせとかしてないんだよな?」 咲「……うん」 京太郎「してるわけないだろ」 優希「咲ちゃんは、確実に京太郎のアシストをできるって初めから確信してたのか?」 咲「そんな訳ないよ……」 咲「最後で京ちゃんの作戦がわかったから、もし上手くいったらいいなって」 咲「それに乗っかっただけだよ」 優希「京太郎は……」 優希「大星プロをなんで狙ったんだ?」 京太郎「……そうだな」 京太郎「アイツがトップで、厄介で……」 京太郎「俺のスタイル的に……あの場で、一番狙いやすかったからだ」 優希「他の人間を狙わなかったのは?」 京太郎「できたならしたけど……状況によるからな」 優希「なるほどな」 優希「まあ、聞いても大してわからん」 優希「麻雀は心得てるけど、私はプロじゃないからな」 京太郎「……わからんのかよ」 優希「わからないもんは、わからない」 優希「だから、京太郎や咲ちゃんがどんな気持ちなのかも……知らない」 優希「どれだけ苦しいのか、辛いのかもな」 優希「ただ、今の話を聞く限りじゃあ……」 優希「二人とも、博打に勝った風にしか思えない」 優希「京太郎の読みが他の二人の上を行って……」 優希「咲ちゃんが、更に上手だったってな」 優希「辞める覚悟を見抜かれたことも全部含めて――」 優希「今回は、京太郎の負けってことだ」 優希「……ま、これは私の意見だから」 優希「普通に無視してくれていい」 京太郎「……」 咲「……」 優希「さっきも言ったみたいに、二人の問題だからな」 優希「……で」 優希「私が言いたいのは、こっからだ」 優希「随分と前置きが長くなったけど、こっからが本題だ」 優希「二人は……謝らなくちゃいけないって言ってたな?」 優希「なんでなんだ?」 咲「……それは」 京太郎「俺の……俺らの勝手な戦いに、巻き込んだから」 京太郎「そういう、個人的なことに付き合わせて迷惑をかけたからだ」 優希「ふむふむ」 優希「……京太郎」 優希「1つ聞くが……もしも、もしもだ」 優希「『絶対に許せないからタイトル返上しろ』って言われたら?」 京太郎「当然、返上する」 優希「じゃあ、『お前みたいのはプロと思えない。辞めろ』って言われたら?」 京太郎「……」 京太郎「……そんときは、仕方ない」 優希「……なるほどな」 優希「――バカか、お前」 京太郎「……」 優希「タイトル返上までは……まあ、まだ分かる。正直分からんが、分かる」 優希「その時点で、余計な迷惑をまたかけることになるけどな」 京太郎「……」 優希「まず1つ」 優希「一回人に迷惑かけてるのに、舌の根も乾かないうちに繰り返してどうすんだ?」 優希「とても、社会人の行動とは思えないじぇ」 京太郎「……」 優希「一度のミスはいいとしても、二度も同じことやるな」 優希「……で、次」 優希「言われたら辞めるのも考えるって言ってたな?」 京太郎「……ああ」 優希「やれやれだ。やれやれだじぇ」 優希「お前、そうやってまた――他人に引き金を預けるのか?」 優希「そりゃ、『許してくれなきゃ死ぬ』って言ってるようなモンだじょ」 京太郎「俺は……そんなつもりじゃねえ」 京太郎「けど、言われてみれば……そう、だよな」 優希「そんなつもりがなくても、そういう意味になる」 優希「咲ちゃんにそれをやっといて……」 優希「また、それを繰り返すのか? 反省したのに?」 優希「いいか、それは反省って言わない。おんなじことをやるなら反省にならない」 優希「麻雀プロがどれほどのものかはしらないけど――」 優希「――社会人、ナメんな」 優希「ここは結局、読みとしては咲ちゃんが勝ったし」 優希「結果としては京太郎が勝った」 優希「二人とも……自分の勘を信じて、博打に勝った。不確実だけど、結果は勝った」 優希「それでいいんだ」 京太郎「……いや」 咲「そんな、力こそがすべて……みたいな」 優希「力がすべてなんて、私は言わないじぇ」 優希「それ以外に、大事なものはたくさんある……」 優希「でも……競技プロなんだろ? 実力勝負なんだろ?」 優希「だったら、力が相当大事なのは言うまでもないだろ」 優希「私たちが経験したインターハイだってそうだったし……」 咲「……」 優希「普通の会社だって、そうだ」 優希「結果出せない奴の言葉よりも、結果出した奴の言葉の方が重いんだよ」 優希「そんで……」 優希「それよりも、もっと大事な事がある」 京太郎「……なんだよ」 咲「なに、かな……?」 優希「それはな――」 優希「――負けた奴を、それ以上惨めにすんな」 優希「いいか、お前らがしようとしてることを言うとこうだじぇ」 優希「『ぐだぐだ考えながら麻雀打ってたらアシスト決まって勝たしちゃいました。メンゴメンゴ』」 優希「だいぶ砕けて誇張した言い方だけど、こうなる」 優希「負けて、悔しいんだよ。ただでさえ悔しいんだよ」 優希「そこに……」 優希「『二人の間にはこんなことがありました』」 優希「『二人の世界で君たちのこと考えてませんでした』」 優希「『それなのに勝っちゃってごめんね』」 優希「『よく考えたら不公平だよね。君たちが可愛そうだ』」 優希「『こんなの公平な勝負じゃないし、結果はなしでやり直そっか』」 優希「『許せないならタイトル返すし、麻雀プロ辞めるよ』」 優希「なんて言われてみろ」 優希「どうなる? どう思う?」 優希「京太郎、お前ならどうだ?」 優希「咲ちゃんなら、どう思う?」 咲「許せない……けど」 京太郎「それ以上に、惨めな気持ちに……なる」 優希「だろ?」 優希「誰だってそー思う。私もそー思う」 優希「気遣いができるって言うなら……これぐらいは考えろ」 優希「『自分がやられて嫌なことを他人にはしない』」 優希「こんなの、小学生でも知ってるもんだ」 優希「大人なんだから、それ以上できなくてどうする」 咲「……はい」 京太郎「……ああ」 優希「咲ちゃんは、高校から直接麻雀プロって特殊な世界に行ったから仕方ない」 優希「でもな、京太郎」 優希「お前は大学出てるんだろ? サークルやゼミに入ってたんだろ? バイトしたことあるんだろ?」 優希「それぐらい、できなくてどうする」 京太郎「……仰有る通りです」 優希「……まあ」 優希「普段はできるんだろうし、それぐらいデリケートな問題なんだろうけど」 優希「ちょっと二人とも、麻雀の勝負に囚われすぎだじぇ」 優希「江口プロとはどーだか知らないが」 優希「大星プロとは、かなり仲良くしてるんだろ?」 京太郎「……いや」 京太郎「たまたま飯屋被るだけだし、ありゃあ嫌われてる。間違いなく」 優希「……アホか、京太郎」 優希「……」 優希「そんな関係でも、顔見知りなんだろ?」 優希「そんな相手から、言われてみろ」 優希「かなり腹立つし、それだけじゃ済まないじぇ」 優希「咲ちゃんがそんなことしてるって知ったときの、京太郎より酷い」 優希「リベンジ誓われてるって、大星プロは間違いなく気付いてない」 優希「その状態で言われてみろ。どれだけショックなことになると思う?」 京太郎「……あー」 京太郎「薄々感ずいてた俺より、酷い」 優希「だろ?」 優希「お前、それをやるのか? 自分自身が謝ってスッキリしたいからってやるのか?」 優希「そいつは、勝手がすぎるんじゃないか?」 京太郎「あー……」 京太郎「はい、確かにそうです」 優希「というわけで、二人は普通にしてりゃいいんだ」 優希「タイトル持ちとして、そんなオーラ出してりゃいいんだじぇ」 優希「そんで、次に戦えば結果も分かるだろ」 優希「そんときは今回みたいに下らないことをしないようにすること」 優希「ぶっちゃけ、それ以外どうしようもないじぇ」 京太郎「……」 咲「……」 優希「さて、言いたいことは言い切ったし……」 優希「辛気くさい話はこれで終わりだ!」 優希「折角集まったんだから、楽しく飲み明かそうじぇ!」 咲「うえぇ!?」 京太郎「酔っ払いの相手は勘弁してくれよ……」 京太郎「……あ」 京太郎「つーか、悪い。俺このあと収録」 優希「マジか」 京太郎「マジだ」 京太郎「週6で収録」 京太郎「……なんちゃって」 咲「……寒いよ」 優希「松実プロを凍死させる気か?」 京太郎「……ちょっとした、場を和ませるギャグじゃねーかよ」 咲「いくらなんでもつまらない」 優希「……つまらない男になったな。ギャグ的な意味で」 咲「そんなの誰も笑わないよ」 優希「間違いなく下らない行為だじぇ」 京太郎「そうかぁ……?」 京太郎「うーん」 京太郎「……松実プロには、今度聞いて見よう」 優希「殺す気か!」 咲「やめてあげて!」 京太郎「って、ことで悪いな」 優希「……まったく、本当だ」 咲「私は空いてるけど……京ちゃんは忙しいから」 京太郎「もう少し、絞ろうかなとも思ってるよ」 京太郎「それか、マネージャーでも雇おうかって」 咲「その方がいいんじゃないの?」 優希「残念だな。もう少しいい男だったら、仕事辞めて応募してやったのに」 京太郎「ハハ、言ってろよ」 京太郎「咲、照さんを呼んできて貰えるか?」 咲「あ、うん」 京太郎「迷うなよ?」 咲「流石にこの距離で迷わないよ!」 京太郎「ハハハ、どうかなー」 咲「迷わないから!」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……元気、だったか」 優希「……うーん」 優希「まあ、そこそこはなー」 優希「開幕スタートダッシュでトップとって」 優希「今は、いきなり部下持ちで困ってるけど」 京太郎「流石の速度だな」 京太郎「さっきの説教にも、貫禄があるわけだ」 優希「基本的に説教はしない方針だけどな」 優希「……よっぽどじゃない限りは」 京太郎「……よっぽどだったか」 優希「よっぽどだったな」 優希「思わず昔の口調が出ちゃったし……これで部下のお説教中に飛び出したらどうしてくれるんだ?」 京太郎「それで、会社に居づらくなったら……貰ってやるよ。責任持って」 優希「生憎、そこまで安くないじぇ……安くないよ」 優希「もっと男を磨かないと、お眼鏡にはかからないな」 京太郎「……手厳しいな」 優希「いい女は、男の趣味にも妥協しないんだって……覚えといた方が得だろ」 京太郎「なるほどな」 京太郎「……今日は教えに来たつもりだったけど、教えられたのは俺の方か」 優希「トッププロに説教できるなんて、いい気分だ」 京太郎「……そいつぁ、よかった」 京太郎「再開の土産にはなったか?」 優希「まあまあだな」 優希「京太郎が、いい男になってたら文句なしだったんだけど……」 京太郎「駄目か?」 優希「駄目だな」 京太郎「……精進するよ」 優希「そうしてくれ」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……お前は、さ」 優希「ん……?」 京太郎「そういうお前は、本当にいい女になったな」 京太郎「なんつーか、大人っぽいよ」 京太郎「色々、荒波に揉まれたんだろうなって風格がある」 優希「あー」 優希「まあ、そこは進んだ道の違いじゃないか?」 優希「私は京太郎みたいに、毎局毎局頭使って真剣勝負なんてできない」 優希「そういうときの目付きの鋭さとか、迫力とか気迫は比べ物にならないって」 京太郎「そんなもんか?」 優希「そんなもんだよ」 優希「……今の問題だってさ」 優希「今日、魔物級と戦って神経すり減らしてなかったら……」 優希「もうちょっと、いつもの京太郎らしく、気遣いできてたと思うし」 京太郎「そんなもんかね」 優希「私はそう思うって、だけだ」 京太郎「……つーか、見てたのか?」 優希「最初からじゃなかったけどな」 京太郎「マジかよ……全然気が付かなかった」 優希「それぐらい真剣に集中してたってことで、許してやる」 京太郎「……さんきゅ」 京太郎「あと、いつもの俺って……」 京太郎「まるで、見てきたように言うんだな?」 優希「……うっ」 優希「あー、テレビ番組の京太郎を見ていてだな」 優希「あ、これあのときの部長に対するのと同じだなー……とか」 優希「これ、素なんだろうなぁ……とか」 優希「そーいう程度だじょ」 京太郎「あー」 京太郎「俺……結構、テレビ出てるもんな」 優希「正直タレントかと思うくらいだ」 京太郎「……はあ」 京太郎「今日はちょっと、色々疲れたな」 京太郎「なんつーか……本当に長いこと何かをやってた気がする」 優希「それぐらい、密度が濃かったんだな」 京太郎「しばらくは、勘弁して欲しいぜ」 優希「あー」 京太郎「しかも……このあと、照さん連れて収録いかなきゃなんねーし」 優希「なにやるんだ?」 京太郎「……」 京太郎「『月曜いやでしょうもういいでしょう』×『○○ sキッチン』」 優希「……あー」 京太郎「正直俺、死ぬかもしれない」 優希「……頑張れ」 京太郎「……頑張る」 優希「……」 優希「……なあ」 京太郎「なんだ?」 優希「……」 優希「……いや、なんでもない」 京太郎「そっか」 優希「そうだよ」 京太郎「それじゃ……そろそろ行くな」 優希「……そっか」 優希「元気でな、京太郎」 京太郎「ああ、そっちこそ」 優希「……」 優希「……とりあえず、今日教えたことは頭の片隅にでも置いとくんだじぇ」 京太郎「ああ」 京太郎「……思えばあんときから、お前には教えられてばっかだな」 京太郎「……」 京太郎「……なあ」 優希「……なんだ?」 京太郎「最後に、言い残したことがあったんだけどな――」 京太郎「お前――フッたの後悔するぐらい、いい女だったぜ」 優希「――」 京太郎「あのときの約束通り、お前はいい女になってた」 京太郎「なんつーか、流石だよ」 京太郎「俺も、負けられないって思う。約束したしな」 京太郎「だから、俺もっと頑張るよ」 京太郎「お前が約束守ったんだ。俺が守らないでどうするって」 京太郎「今日みたいなことになっても、言われたことを思い返してみる」 京太郎「そんで、身なり正して歩き出すぜ」 優希「……」 京太郎「どっかの空の下で優希も頑張って仕事してるんだなって」 京太郎「そう思って、俺も仕事頑張るよ!」 京太郎「約束通りなら、次はお互いの結婚式かなんかか?」 京太郎「ま、流石にそれはちょっとつまらねーから……」 京太郎「機会があったら、清澄麻雀部で同窓会かなんかしようぜ?」 京太郎「これ、メアドな」 優希「あ、うん……」 京太郎「それじゃあ、行くわ」 京太郎「次会うときは……まあできれば、お互い恋人を連れてだな!」 京太郎「そうじゃなくても、連絡ぐらいとろうぜ」 京太郎「じゃ、またなー」 優希「……またな、京太郎」 優希「……はあ」 優希「相変わらず、こういうとこが鈍感なんだじぇ」 優希「まったく……」 __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ 【宮永咲の好感度が上昇しました!】 【宮永照の好感度が上昇しました!】 【片岡優希の好感度が上昇しました!】 【染谷まこの好感度が上昇しました!】
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「停学明けてから須賀のやつ、宮永に対して冷たくね?」 「怪我のこともあるし、落ち込むのはわかるけどあれは流石にな……」 「彼女にとる態度じゃないよな」 「彼女? 須賀と宮永って付き合ってたのか!?」 「あれだけ一緒にいれば誰だってそう思うべ」 「まじかー」 京太郎「……お前ら何の話してんの?」 「す、須賀っ?」 「い、いやなんでもないから、本当に」 「俺たちもう行くわ……じゃあ」 京太郎「……なんだっての。好き勝手言いやがって」 照「あ、いた。京ちゃん、一緒に帰ろ?」 京太郎「用事あるから」 照「最近そればっかり……でも、嘘だよね?」 京太郎「なにか証拠でも?」 照「うん。だって京ちゃんが嘘吐くとき、いつも鼻かくから」 京太郎「――ちっ、そういやそうだったな……で、それがお前に何の関係があるわけ?」 照「京ちゃんが心配だから……元気な京ちゃんに戻ってほしいから」 京太郎「あのさ……」 照「なに?」 京太郎「――京ちゃん京ちゃんってうるっせぇんだよっ!!」 京太郎「ハンドができなくなって落ち込んでる俺に優しくして満足か? そうだよな。これまでと立場が逆だもんな!」 京太郎「気持ちはわかるってか? だがあいにくとな、俺の気持ちが俺以外にわかるわけねぇんだよ!」 京太郎「どんだけ遠ざけてもひっついてきやがって……」ガシッ 照「京ちゃん、痛い……」 京太郎「前に言ったよな? 酷いことするかもしれないって。そうしたら俺から離れてくれるのか?」 照「……酷いことでもなんでも好きにして。でも――」 照「――私が京ちゃんから離れてくなんてありえない」 照「だって私には視えるから」 照「京ちゃんは私の手を引いてくれたときからちっとも変わってない。私の大好きな優しい京ちゃんのまま」 京太郎「こんなことされてるのによく言うよな」 照「お菓子、全部食べてくれた」 京太郎「は?」 照「食欲ないって言ってたのに、全部食べてくれた」 京太郎「……ああ、そうかよ」 京太郎「それなら、なにされても文句言うなよ……!」 照「――んむっ」 京太郎「やめろって言われても絶対やめねーからな」 照「いい……全部受け止めるから」 京太郎「はぁ、はぁ……」 照「ぅ、あ……」 京太郎「は、はは……だから言ったろ。近寄るなって」 照「京ちゃん……泣いてるの?」 京太郎「あ、れ……俺、なんで」 照「大丈夫、私がそばにいるから」 京太郎「――っ、離せよ!」 京太郎「なんだよ、なんなんだよ……!」 京太郎「自分がレイプされたってことわかってんのか!?」 京太郎「なのに、どうしてまだそんな……!」 照「京ちゃんがくれるものはみんな大事だから」 照「それが痛みでも苦しみでも……私は受け入れたい」 照「好き、京ちゃんが好き。京ちゃんがしたいならいつでも――」 京太郎「やめろ!」 京太郎「わかんねぇ、わけわかんねぇよ……」 京太郎「もう、ほっといてくれよ……」フラフラ 照「あ……行っちゃった」 照「ん……お腹の中、あったかい」 照「京ちゃん……」 京太郎(あれから、照ちゃんは姿を消した) 京太郎(行方を調べようと思えば出来たのかもしれないが、俺はそれをしなかった) 京太郎(理由はいくつかある。でも、その中で一番大きなものを選ぶとするなら――) 京太郎(怖かったんだ。自分のしたことへの後悔が渦巻いて) 京太郎(それは中学を出て、高校に入って、ただ無為に日々を過ごして、卒業を目前に控えた今でも変わらない) 京太郎「……ふぅ」 一太「何ため息ついてるんだい?」 京太郎「もうすぐ卒業だなって思うとさ」 一太「進学はしないんだろ?」 京太郎「もう勉強はこりごりだしな」 一太「そういえば君の彼女、県外の大学行くみたいだね」 京太郎「へぇ、そうなんだ」 一太「そうなんだって……知らなかったのか?」 京太郎「この前別れたし」 一太「はぁ? 今度は長続きしてると思ったのに」 京太郎「遠恋なんてめんどくさくてやってらんねーよ」 一太「まったく……君って本当に下衆野郎だな」 京太郎「その下衆野郎に付き合ってくれるお前は本当に物好きだな」 一太「そりゃまあ……一応は友達だし」 京太郎「お前……ほんとロリコンなのが玉に瑕だよな」 一太「違うっ!」 京太郎「ただいまー」 カピ「キュッ」 京太郎「なんだお前だけか。まぁ、まだ午前中だし買い物中か」 カピ「キュッ」 京太郎「……この前また別れちゃったよ。別に不満があったわけじゃないけど、なんとなくな」 カピ「キュッ?」 京太郎「一緒にいて楽しくないわけじゃない。けど、そいつと一緒にいる未来が浮かんでこないんだ」 京太郎(傍にいるのが、照ちゃんだったら……) 京太郎「……突き放したのも手放したのも俺なのにな」 カピ「キュ~」スリスリ 京太郎「悪い、ちょっとブルー入った」 カピ「――」ピクッ カピ「キュッ、キュッ」グイグイ 京太郎「なんだなんだ?」 カピ「キュッ!」 京太郎「玄関のドアを開けろってか?」 カピ「キュッ!」 京太郎「わかったわかった……ったく、なんだって――」ガチャ 「わ、ドアがいきなり開いた」 京太郎「……え?」 「久しぶり。四年くらいかな?」 京太郎「なんで、ここに……照ちゃん」 照「もちろん、京ちゃんに会いに」 京太郎「俺に……?」 照「ずっと、会いたかった……」ギュッ 京太郎「だって、俺は……」 照「それなら私が許す。でももし京ちゃんが自分を許せないなら――」 照「これからもずっと、私の傍にいて欲しい」 京太郎「……怖かったんだ」 京太郎「照ちゃんに酷いこと言って、酷いことして」 京太郎「それなのに、嫌われたら、憎まれてたらどうしようって」 京太郎「でも、やっぱり傍にいたい。傍に、いてほしいんだ」 京太郎「都合のいいことを言ってるのはわかってる……許さなくてもいい、憎んでてもいい。だから……一緒にいてくれ」 照「じゃあ……んっ」 京太郎「なんだ?」 照「仲直りのちゅー」 京太郎「それぐらいでいいなら――ん」 照「……京ちゃんの味」 京太郎「はは、なんだそりゃ」 「ママー、ねむいー」 京太郎「あれ、その子は?」 照「私の子供」 京太郎「……はぁ!?」 「そのひとだれー?」 照「この人はね……あなたのパパ」 つづ……かない
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郁乃「今日はごめんねー、部の備品買い込むんに男手ほしかったんよー」(アッチへひょこひょこ 京太郎「い、いえいえ、このぐらいだったら……ええ」 郁乃「やっぱり男の子がおると違うねー、頼りになるわー」(コッチへふららー 京太郎(せわしないっ……翻弄されている……!)(キョロ……キョロ…… 郁乃「えへへー……こーやって並んで歩いてるとー」(ダキー 京太郎「ちょっお……!?」 郁乃「なんやー、仲のええカップルー、って感じやねー」(腕組み 京太郎(二の腕に感じる……この感触、オ、オッパイかっ……!ていうか、なんだ……適度に押しては返す絶妙な力加減はっ……!?)(須賀に電流走る! 郁乃「どしたんー、須賀君。なんやー、歩き方ぎこちなくなってんでー?」(フニフニ 京太郎「い、いいえ、ソンナコトナイデスヨ?」 郁乃「ふーん、じゃあ買い出しは終わったし、今日はこのまんまデートしよなー♪」(キュムキュム 京太郎「ぁ、ヤメテ、それ以上はいけない……!」(ざわ……ざわ…… 京太郎(和や絹恵さんなんかと比べれば取るに足りない、世間的に見ればフツーのオモチだというのにこの威力……だと……!?ややややべえ、落ち着け……麻雀やってる時のリスペクト精神を使えば、たかがオモチの一つや二つ堪えられるっ……!)(ざわ……ざわ……! 郁乃「えー、あかんの?」(フニュー 京太郎「ダ、ダメじゃないけどダメなんですよ……わかってください、それぐらいっ……!」 郁乃「だからー…………あ・か・ん・の?」(囁き艶声 京太郎(ク、クリア・マインドッ…………リミットオーバーアクセルシンクロォォォォォーーーッ……!!)(京太郎、覚醒っ……! 郁乃「もー、つれへんわー…………もしかして、根腐れしとるー?」 京太郎「失敬な!?」(京太郎、愕然っ……! 洋榎「…………買い物してる時に見かけて、うち差し置いてなにおもろそーなことしてんやー、つっこんだろ思ったら……」(ウギギ 絹恵「お姉ちゃーん、これ以上デバガメしててもダメージ負うだけやってー、もう帰ろーよ」 洋榎「オッパイか、しょせん女の器量はオッパイで決まるってか!」 洋榎「うぅぅ……京太郎のアホーっ!」(ウェーン 絹恵「あぁ、お姉ちゃんがグリコの人みたいなカッコで走っていってしもた!?」 絹恵「お、追いかけなデバガメと、その前にメール、メール」(ペコペコポン 京太郎「うわっ……メ、メール?」 郁乃「えー、誰からー?」 京太郎「なにナチュラルに人の携帯覗きこんでるんすか!?」 郁乃「ええやんー、私と須賀君の仲やんー♪」 京太郎「姫松の監督(代行)と他校の生徒の間柄のはずですけど!」 京太郎「ええい、と、とりあえずメールの確認だけは…………?」 郁乃「うーん?」 絹恵『虫酸ダダダッシュ!(゜д゜)、ペッ』 京郁「???」 一度終われ