約 754,062 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1751.html
ラ・ロシェールの上空。 そこにはトリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号が停泊していた。 艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵は、ちらりと時計をみやる。 神聖アルビオン政府の艦隊を、国賓として迎えるためにトリステイン艦隊が出迎えているのだが、約束の時間を過ぎてもアルビオンの艦隊は姿を顕わさなかった。 ラ・ラメー伯爵は、国賓を迎えるため正装して居住まいを正しているが、その表情はどこか厳しいように見えた。 その隣に立っていた艦長のフェヴィスが、口ひげをいじりつつ、時計を見た。 「やつらは遅いではないか」 艦隊司令官のラ・ラメーは、不機嫌そうに呟きつつ、艦長の方を振り向いた。。 フェヴィスは鼻で笑うようにフンッと息を息をして、襟を正す。 「アルビオンの犬どもは、増長しているのでしょうな。おおかたにわか貴族達が着たこともない軍服に戸惑っておるのでしょう」 艦長は空軍戦力で勝るアルビオンが嫌いだったので、言葉にも刺が含まれていた。 しばらくすると、檣楼(しょうろう)に登った見張りの水兵が、大声で艦隊の接近を告げた。 「左上方より、艦隊!」 艦長と、艦隊司令は、ようやく姿を現したアルビオンの艦隊を一目見て、その規模に驚いた。 アルビオンの旗艦、『レキシントン』はまさに雲のような巨艦と言えた。 その後ろを追従する戦列艦も決して小さくはない、だが『レキシントン』と比べると、どうしても見劣りしてしまう。 「あれが『ロイヤル・ソヴリン』か……」 艦隊司令官は、あの巨大戦艦が『レキシントン』と名を変えていることを知っている。 しかし、それを建造したかつてのアルビオン王国に敬意を払い、古き名を呼んだ。 アルビオンからの話では、あの艦隊にアンリエッタ姫の結婚式へ出席する大使を乗せているはずだ。 「いや、この距離で見るのは初めてですが、あの先頭の艦は巨大ですな」 艦長の『戦場』という単語に眉をひそめつつ、艦隊司令官が呟く。 「戦場では会いたくないものだな」 艦隊司令官ラ・ラメーの背筋に、冷たいものが走る。 身体が震えるのを『武者震いだ』として思考の外に追いやりつつ、アルビオンの艦隊に接近し併走するように指示した。 かくして、彼の不安は現実のものとなる。 トリステインの王宮に、トリステイン艦隊が全滅したのを知らせる伝令が来たのはそれから間もない頃であった。 ほぼ同時にアルビオン政府からの急使が、トリステインへの宣戦布告文を届け、王宮は騒然となった。 アルビオン側の言い分では、トリステイン側が親善艦隊へ理由無き攻撃を行ったので、自衛のために宣戦を布告するとあった。 王宮には大臣や将軍たちが集められ、緊急の会議が開かれたが、会議は紛糾するばかりだった。 宣戦布告が事実であるか、アルビオンへ使者を送り確かめるべきであるといった意見や、ゲルマニアへに急使を派遣し軍事同盟に基づく共同戦線を張るべきだと主張する物もいた。 他にも様々な意見が飛び交うが、それは互いのプライドが会議を混乱させているに過ぎなかった。 バン、と扉が開かれ、マザリーニ枢機卿が会議室に入る。 「この大事なときに遅れてこられるとは何事か!」 誰が叫んだのか解らないが、遅れて会議室に現れたマザリーニ枢機卿を誰かが批難すると、他の者達もそれにつられてマザリーニを非難し始めた。 だが、マザリーニも慣れたもので、表情一つ変えることなく自席に座ると、重々しく口を開いた。 「アルビオンは我等が艦隊が先に攻撃したと告げた。しかしながら我が方は礼砲を発射したに過ぎない。偶然の事故が誤解を生んだのでしょう」 それならば、と、一人の大臣が起立した。 「アルビオンに会議の開催を打診しましょう、今ならまだ、誤解は解けるかもしれん!」それを聞いたマザリーニは頷いて言った。 「アルビオンに特使を派遣する。この交戦は双方の誤解が生んだ遺憾なるものであるとして、全面戦争に発達する前に……」 その時、突然会議室の扉が開かれた。 書簡を手にした伝令が、息を切らせながら会議室に飛び込んできたのだ。 「急報です!アルビオン艦隊は降下して占領行動に移りました!」 すかさずマザリーニが聞く。 「場所は!」 「ラ・ロシェール近郊!タルブの森です!」 マザリーニは心の中で「やはりか」と呟いた。 その頃、シエスタの生家では、幼い兄弟たちが不安げな表情で空を見つめていた。 ラ・ロシェールの方から聞こえてきた爆発音は、タルブ村を騒然とさせ、恐怖させた。 驚いて庭に出た者達は、空を見上げ、絶句した。 何隻もの船が燃え上がり、山肌や森の中へと落下していくのだ。 更にしばらくして、空から現れた雲のような巨大船が、森の中に向かって鎖の付いた錨を降ろすのが見えた。 森林の上空に停泊した船から、何匹ものドラゴンが飛び上がる。 「おとうさん!あれ、なに?」 シエスタの弟や妹たちが、父親にしがみつきながら、訪ねた。 「ありゃあ、アルビオンの艦隊じゃないか」 「いやだ……戦争かい?」 シエスタの母もまた、不安げな表情で空を見上げる。 「アルビオンとは不可侵条約を結んでいるはずだ。この前領主様からおふれがあったろう」 「その不可侵条約をアルビオンが破ったのよ!」 シエスタの両親が驚き、声の聞こえてきた方を振り向くと、そこには大剣を背負い、フードを深く被った女戦士らしき人物が立っていた。 「な、なんだって?」 慌ててシエスタの父が聞き返す。 「アルビオンのだまし討ちよ!すぐにタルブ領主の派遣した騎士に従って退避しなさい!」 言うが早いか、タルブ村と街道を繋ぐ小さい道から、タルブ村の領主を戦闘に少数の騎士団が姿を見せた。 「『ロイズ』殿!ルートは確保しましたぞ!」 タルブの領主が、フードを被った女性に馬上から声をかける。 「村人の避難が最優先よ、頼むわね」 「はっ!」 領主が馬上から敬礼したのを見届けると、ロイズと呼ばれた女性は、一目散に北の森の中へと駆けていった。 領主は村人へ向き直り、大声を張り上げた。 「村民は家族の数を確認せよ!急いで南の森に逃げるのだ!」 それを聞いて村人達は慌てて家族の居場所や数を確認しはじめた。 瞬く間に村人達は広場に集まる。 数人の騎士が村人を先導し、南の森へと避難していくのを確認すると、騎士の一人が領主に言った。 「アストン様、さきほどの女、”ロイズ”と言いましたか……彼女は何者なのでしょう」 「わからん……だが、女王陛下より賜ったと言われる書簡は確かに本物だった」 それを聞いた騎士は、ロイズと呼ばれた女性の姿を思い出し、眉をひそめた。 「しかし、あのようなみすぼらしい姿では」 だが、領主であるアストン伯は騎士の言葉を遮るように、こう言い放った。 「それに彼女の言うとおり、アルビオンが攻めてきたのだ。少しでも早く対処できたことを感謝するしかあるまい」 領主は一呼吸置いてから、腰に下げていたレイピア状の杖を手に持ち、高く掲げた。 「相手は竜騎士だ! 皆、心せよ!」 三十人に満たない平民混じりの騎士団が、蟷螂の斧と知りつつも、杖と剣を掲げた。 一足先に森の中に駆けていった”ロイズ”は、剣を右手に持ち、空を見上げて竜騎兵を見据えた。 『それよりよー、”ロイズ”って偽名じゃバレバレでねーの?”ルイズ”と一文字しか違わねー』 カチャカチャと鍔を鳴らしつつ、どこか楽しそうに剣が喋る。 「咄嗟に思いついちゃったのよ、仕方ないじゃない」 デルフリンガーの楽しそうな声とは裏腹に、ルイズは不機嫌だった。 空に浮かぶ船…『レキシントン』から飛び立ち、タルブ村へと向かったはずの竜騎士隊はあり得ない光景に困惑していた。 本隊上陸前のつゆ払いとして、タルブ村に竜で火を放つはずであったが、村があったはずの場所には、森が広がるばかり。 「どういうことだ、これは!」 竜騎士の一人が困惑し、声を上げる。 それを合図にしたかのように、森の中から一匹の竜が飛び出した。 「な……!」 竜騎士は、飛び出してきた竜の翼に殴られ、まるで血袋が破裂するかのように乗っていた竜ごと粉々に吹き飛んだ。 「なんだ!なんだあれは!」 「翼が、四枚、新種か!ガーゴイルか!」 他の竜騎士達も驚き、竜を操って距離を取ろうとする。 だが、四枚の翼を持った竜は成体の風竜を思わせる速度で接近し、まるでヘビのように騎士ごと竜に食らいついた。 「ひいいいいいい!」 異様な光景に悲鳴を上げた騎士が、竜を上昇させながら呪文を唱え、火球を作り出した。 直径2メイルほどの火球が、異形の竜に向けて放たれたが、異形の竜は口から炎のブレスを吐き出しそれを相殺した。 「ば、化け物!」 一方、森の中では、ルイズが予想外の苦戦を強いられていた。 脇腹には、エア・ニードルで突き刺さった杖がそのままぶら下がっている。 「はあっ、はぁ……」。 呼吸を整えようとしたとき、右手に持ったデルフリンガーが叫んだ。 『右から来る!』 「くっ」 慌ててバックステップで後ろに下がると、今まで立っていた場所を炎が襲い、地面を溶かした。 「WRYYYYYYYYYYY!!!」 ルイズは、奇声を発しながら手近な木を引き抜き、竜騎兵に投げつけた。 大きく羽ばたいて上空に避けようとした竜騎兵が、遮蔽物をなくし顕わになったルイズめがけてブレスを放とうとしたその時、異形の竜が竜騎兵ごと竜を噛み砕いた。 『間一髪だな』 「ええ…」 ルイズは力なく答えると、その場に膝を付いてしまった。 それを見た異形の竜は、自身の腹を割き、袋を作った。 まるでカンガルーの親が子供を袋に入れるのように、ルイズを腹の裂け目にしまいこむ。 地面に降り立つと、『イリュージョン』で作られたタルブ村の幻影から離れるため、アルビオン艦隊の居ない方向へと走り出す。 『嬢ちゃん、大丈夫か』 デルフリンガーがルイズを気遣って声をかける。 「つ か れた……」 『イリュージョンで、村の位置を1リーグ近くも誤魔化したんだぜ、疲れて当然だ』 「タルブ村…の人は……」 『ほとんど避難できてるはずだぜ、とにかく、時間稼ぎはできたはずだ』 「………すこし……ねむ…る…」 周囲の草を取り込み、背中を緑色の保護色で包んだ吸血竜が、ルイズを抱いたまま静かに走り去っていった。 時刻は昼に差し掛かる。 王宮の会議室には、さまざまな報告が矢次に飛び込んできていた。 「タルブ領主、アストン伯は交戦中!」 「偵察に向かった竜騎士隊、帰還せず!」 「未だアルビオンより、問い合わせの返答ありません!」 自国の土地が蹂躙されているというのに、不毛な議論を繰り返す名ばかりの会議を一瞥して、マザリーニは不快感に眉をひそめた。 「ゲルマニアに軍の派遣を要請しましょう!」 「しかし、今事を荒立てては……」 「竜騎士隊を送り、上空から攻撃させるべきです」 「残りの艦をかき集めろ!小さかろうが何だろうが、特攻には仕えるだろう!」 「アルビオンに攻撃したら、それこそ全面戦争となりまず!」 マザリーニは大臣達を黙らせたいと思っていたが、それができぬ訳があった。 マザリーニが鶴の一声を出せば、大臣や将軍達を黙らせることはできるが、今はまだその時ではないと我慢していた。 本心では、マザリーニも外交での解決を望んでいる、しかし、伝書フクロウによってもたらされた一枚の手紙を読んでから、開戦もやむを得ないだろうと考えはじめていた。 怒号飛び交う中、会議室の扉がバタンと開かれた。 また何の報告だろうかと、開け放たれた扉を見た大臣達は、扉の前に立っているのがアンリエッタだと気づき、絶句した。 そこには、白を基調とするドレスではなく、その身にフィットした鎧に身を包んだアンリエッタが立っていたのだ。 視線がアンリエッタへと集中する中、アンリエッタは、その小さい身体を震わせて言い放った。 「あなたがたは、恥ずかしくないのですか! 臣民が敵に侵されているというのに、騒ぐことしかできないのですか!」 怒号の飛び交っていた会議室が、嘘のように静まりかえる。 「よいですか! 礼砲で艦が撃沈されたなど、言いがかりも甚だしいではありませんか、もとより不可侵条約を破るつもりだったのでしょう」 「し、しかし我らは、不可侵条約を結んでおるのです、攻撃などしては……」 「その条約は紙より容易く破られました、いえ、もとより守るつもりなどなかったのでしょう。それらは虚をつくための口実に過ぎません」 「しかし……」 アンリエッタはテーブルを叩き、大声で叫ぶ。 「今、民の血が流されているのですよ! 民の血が流されるのを黙って見ているのが貴族ですか!王族ですか! 民の血税を吸うだけの吸血鬼に成り下がりましたか!」 暴言ともとれるその言葉に、不満を覚える者もあったが、誰もそれに対して異を唱えることはできなかった。 「あなたたちは敗戦を望んでいるのでしょう?敗戦後に責任を取らされぬ方法を既に模索している、命を長らえようと答えの出ぬ議論を繰り返しているという訳ですね?」 「姫殿下」 マザリーニがたしなめるフリをすると、アンリエッタは構わず言葉を続けた。 「ならばわたくしが率いましょう。あなたがたは、ここで会議を続けなさい」 アンリエッタが会議室を飛び出だそうとすると、何人もの貴族がギョッとしてアンリエッタを止めようとした。 「姫殿下! お輿入れ前の大事なお体ですぞ!」 そう言って一人の貴族がアンリエッタの前に立とうとしたが、横から差し出された剣状の杖に遮られてしまう。 見ると、廊下には既に魔放衛士隊が列を作っており、鎧を着込んだアンリエッタを護衛するかのように囲んだ。 アンリエッタは、グリフォン、マンティコア、ドラゴン等の魔法衛士隊を引き連れ、威風堂々と出陣した。 王宮の中庭に出たアンリエッタは、手はず通りに大声で叫んだ。 「わたしの馬を!」 王女の馬車に繋がれた聖獣ユニコーンが、馬車から外されて、アンリエッタの前に引かれてきた。 魔法衛士隊がアンリエッタの声に応じ、各自が自分の乗る幻獣を呼び寄せ、その上に跨った。 アンリエッタがひらりとユニコーンの上に跨ると、一人の魔法衛士がアンリエッタの脇に付き、それ以外の者達は後ろに並んだ。 「これより全軍の指揮をわたくしが執ります!!」 アンリエッタが声高らかに宣言すると、水晶のついた杖を高く掲げた。 魔法衛士隊の面々がアンリエッタに合わせ一斉に敬礼すると、アンリエッタはユニコーンの腹を叩いた。 ユニコーンが高々と前足を上げて走り出すと、グリフォンに乗った魔法衛士の一人がアンリエッタの隣に並ぶ。 その手には、アルビオンの象徴たる青い水晶の嵌められた杖を携えていた。 二人が先陣を切って走り出すと、幻獣に騎乗した魔法衛士隊が、「後れを取るな」などと口々に叫びながら続いていった。 城下に散らばったていたはずの各連隊は、まるでアンリエッタが出陣するのを知っていたかのように整列し、そして雄々しく出撃していった。 窓から中庭を見下ろし、その様子を見ていたマザリーニは、懐にしまったメモを握りしめて天を仰いだ。 メモは、トリステイン艦隊全滅の知らせよりもほんの一瞬早く、フクロウでマザリーニの元に届けられた伝書だった。 アルビオン艦隊よりも一足早く、ラ・ロシェールに到着したルイズからもたらされたそのメモには、人間を操り人形に変えてしまう『アンドバリの指輪』のことや、アルビオンが自作自演をしてでも戦争の口実を作るために策を巡らしていることが書かれていた。 もはや一刻の猶予もない、そう思ったアンリエッタとウェールズはすぐに戦いに赴く準備を始めた。 マザリーニは将軍や大臣達を集めて会議を開く前に、一足早くアニエスをタルブへと遣わせた。 アンリエッタが赴く前の下調べを頼んだのだ。 そしてマザリーニは会議に遅れて参加した。 トリステイン国内はいまだに戦争の準備を整えていない、その上ゲルマニアがこの戦争で我が身かわいさに兵力を出し惜しみすることは十二分に予測できていた。 マザリーニが外交によって戦争を回避しようとしたのは、決して命を惜しんだわけではない。 小を切って、大を生かす。 彼なりに国を憂いてのことだったが、その努力も泡沫のように消えてしまった。 ならばせめて、大臣、将軍、高級貴族達の目を覚まさせようと、わざと甲冑姿のアンリエッタが姿を現すまで時間稼ぎをしたのだ。 その甲斐あってか、会議室に残っていた貴族達も、一人、また一人と会議室を出て、従者に戦争の準備をするよう指示を下す姿が見えた。 マザリーニは一人ほくそ笑む。 お飾りとして育てられたはずのアンリエッタが、いつの間にか王族としての威厳を供えていたのだ。 ならば、これから自分が何をすべきかは決まっている。 マザリーニは会議室に入ってきた兵士に視線を向けた。 視線に気づいた兵士は、脇に抱えていたマザリーニ用の装束を見せた。 その場ですぐに戦の支度を整えると、急いで中庭へと移動し、今だまごついている大臣達に向けて叫んだ。 「おのおのがた! 馬へ! 姫殿下一人を行かせたとあっては、我ら末代までの恥ですぞ!」 その頃、秘薬を買いに城下町へと行っていた教師が戦争の話を聞きつけ、慌ててトリステイン魔法学院に報告した。 王宮からではなく、私事で城下町に出ていた教師から、戦争の開始を告げられ、オールド・オスマンはため息をついた。 「この様子では王宮は混乱の極みじゃろうなあ……」 現在、他の教師を王宮へと使わせ、戦争の開始が事実であるか確かめさせている。 オールド・オスマンは、アンリエッタの結婚式に出席するため、たまりに溜まった書類を片づけようとしている所だった。 書類が一段落したら、荷物を纏めようと思っていたのだが、アルビオンからの宣戦布告とあってはそれどころではないだろう。 魔法学院の宝物庫から、戦争に使えそうなマジックアイテムが持ち出されるのかと考えつつ、オスマンは水パイプを吹かした。 と、突然ノックもなしに学院長室の扉が開かれた。 「オールド・オスマン!大変です!」 珍しく血相を変えたロングビルを見て、オスマンはいつもの調子で答えた。 「戦争の知らせかの?それならもう届いておるよ」 「そうではありません!シエスタがタルブ村に向かいました!」 「何じゃと!?」 ロングビルの話では、魔法学院に出入りしている商人が、戦争の話を衛兵に伝えたらしい。 それを聞きつけた生徒から、シエスタの耳に届くまで時間はかからなかった。 「シエスタは馬で行ったのか!」 「はい、衛兵の使う馬を一頭奪って、一目散に」 「ミス・ロングビル、すぐにシエスタを追ってくれんか、他の生徒の使い魔の力を借りてもかまわん。他にも何人か教師を派遣する、戦場に着く前に取り押さえるんじゃ!」 「は、はい!」 オスマンの激しい剣幕に驚きつつ、ロングビルはシエスタの後を追うため、踵を返した。 「参ったことになったの…!」 オスマンは、モートソグニルを経由で、シエスタの後を追えそうな教師に連絡しつつ、遠見の鏡に向けて杖を振った。 アンリエッタ達がラ・ロシェールに到着した頃、アルビオンの船『レキシントン』はタルブ村にほど近い草原へと移動していた。 当初の予定では、タルブ村ごと森を焼き払い、前線基地をここに構築するはずだったのだ。 しかし、幾人もの竜騎兵が、奇妙な証言をしはじめたのだ。 『村があると思ったらそこは森だった』 『羽が六つ、首が二つある竜に仲間が食われた』 アルビオン艦隊総司令官のジョンストンは、それらの報告を一笑に伏していた。 しかし、降下したはずの竜騎兵が、異形の竜によって何人も落とされたと聞いて、ジョンストンの顔色は悪くなっていった。 慎重だと言えば聞こえは良いが、平たく言ってジョンストンは、臆病風に吹かれてしまったのだ。 結局、『レキシントン』に搭載された大砲が、かろうじてラ・ロシェールに届く距離に停泊することとなった。 ラ・ロシェールの街では、トリステイン軍がアルビオンの迎え撃つために陣形を整えていた。 タルブの草原に見える敵の軍勢は、『レコン・キスタ』の旗を掲げている。 それを見て、ユニコーンに跨ったアンリエッタは震えた。 戦場に立つのは生まれて初めてなのだ、仕方がないと言えば仕方がない。 だが、王族として威風堂々としていなければならぬと自分に言い聞かせ、眼を閉じて軽く祈りを捧げた。 アンリエッタが目を開くと、敵軍の上空に停泊する大艦隊が視界に入る。 アルビオン艦隊、その舷側に光る大砲、アンリエッタの恐怖はピークに達していた。 だが、アンリエッタの手に、一人の魔法衛士の手が重ねられた。 衛士は自分の杖をアンリエッタに見せる。 アンリエッタは、静かに頷いた。 「失礼致します。お二人の友人から、手紙が届いております」 そんな二人に声をかける男がいた。 振り向くと、枢機卿のマザリーニが立っており、ボロボロの羊皮紙を二人に差し出していた。 アンリエッタがその羊皮紙を手に取ると、ごくりと喉を鳴らした。 一瞬、ほんの一瞬だけ、アンリエッタの表情は泣き出しそうになった。 だが、アンリエッタは魔法衛士隊の姿をして自分と行動を共にしてくれるウェールズと、影ながらこの戦争を手伝ってくれるルイズの姿を思い出したのだ。 アンリエッタは、戦争の恐怖を見せぬ凛々しい表情で、マザリーニに言った。 「枢機卿、ルイズが活路を開いてくれます。私たちは『ヘクサゴン・スペル』の機会を待ちつつ前進します。指揮は貴方にお任せします」 マザリーニは、杖を掲げた。 「不肖、マザリーニ……承りましてございます」 「早く!もっと早く!」 トリステイン魔法学院から、ラ・ロシェールへ続く街道を、一頭の馬が疾走していた。 馬に乗っている少女の身体は、ぼんやりと輝いている。 シエスタは全身から波紋を流し、馬へと供給していた。 「もっと早く!」 馬は、限界を超えた力で走る。 波紋により限界を超えて走らされた馬は、汗と涙と涎と鼻水と糞便を垂れ流しながら、走る。 吸血鬼が、食屍鬼を使役するかのように、彼女は馬を走らせていた。 To Be Continued→ 戻る 目次へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6948.html
前ページ次ページゼロの花嫁 ゼロの花嫁19話「アルビオンへ」 マザリーニ枢機卿は、鳥の骨と呼ばれる程の骨ばった指を額に当て、深く嘆息する。 ため息の理由は近衛兵の報告。 女王として即位してから随分自覚が出てきたと喜んでいたアンリエッタ女王が、夜更けに城を抜け出したとの報告を受けたせいだ。 君主が、夜中に、ロクな護衛も付けず、近侍の者すら騙して、城を抜け出すなどと余りの情けなさに腰が砕けそうになる。 当然のごとく護衛を付けるが、女王には気付かれぬよう気をつける。 何のつもりかはわからぬが、どうせ公表出来ぬようなロクでもない事だろう。 近衛の優秀なメイジならば、アンリエッタが何をどうしようと完璧なまでに任務を遂行出来よう。 ワルドが引き抜こうとした者も何人か居たが、断固として拒否した連中だ。こういう時にこそ役立ってもらわねば。 数刻後、後を付けた者から報告を受けたマザリーニは、 部下の前だというのに執務机に突っ伏してしまいそうになるほどの絶望を味わう事になる。 オールドオスマンは大公夫人誘拐以来、常に臨戦態勢を解いていなかった。 出来れば教師達にもそうさせたかったのだが、いらぬ疑いを招く事にも繋がるので、 周囲への警戒には宝物庫のマジックアイテム等を用いていた。 そんなオールドオスマンの警戒網に、一台の馬車が引っかかる。 夜半過ぎにわざわざ学院に来る馬車、それも偽装しようとしてはあるが、城で使っているような高価な馬車である。 非公式の使者とも思ったが、馬車から出て来たのは小柄な者が一人のみ。 向かう先は学院生徒達の眠る宿舎となれば逢引か何かとも思えたが、あの高価すぎる馬車でというのは少々不自然だ。 顔が見えぬようフードを目深に被っているが、こちらはマジックアイテムだ。 遠見の魔法が使えるマジックアイテムで侵入者の顔を確認する。 「…………は?」 いやいやいやいや、無い。あれは無い。 マジックアイテムが壊れた。そうに違いない。 試しにと密かに目を付けていた新入生女子の部屋を映し出す。 寝室であどけない寝顔を晒していると思われた、清楚な雰囲気が愛くるしいその少女は、机に向かって一心不乱に筆を走らせていた。 鬼気迫るその表情からは、とても授業時の可憐さは想像出来ない。 机の前の壁に貼り付けられた「締め切り厳守」の張り紙が、何かなんていうか、もういいやって気にさせてくれた。 どちらも見なかった事にしたい映像だったが、いつまでも現実逃避してる余裕も無いので、再度映像を侵入者に向ける。 侵入者は、事もあろうに問題児筆頭、またお前かなルイズ・フランソワーズの部屋に入って行った。 そんな彼女が部屋に入るなり唱え始めた呪文。 「いかんっ!」 大慌てでマジックアイテムの効果を切る。ギリギリ間に合ったと思われる。 侵入者はディテクトマジックで周囲を探る魔法を感知しようとしていたのだが、 そんな用心深さも、覗きの達人オールドオスマンを捉える事は出来なかった。 仕方無くモートソグニルを派遣し、状況を把握させる。 あの馬鹿娘を放っておいたら、何されるかわかったものではないのだから。 考えうる最悪の組み合わせ。 オールドオスマンならばそう評したであろう、アンリエッタ女王とルイズの邂逅。 突然の訪問に驚くルイズを、アンリエッタは嬉しそうに抱き締める。 「お久しぶりルイズ。元気だった」 「じょ、女王陛下。一体どうして……」 「ふふ、城を抜け出して来ちゃった」 「そ、そのような事をしては……」 流石のルイズも動転してしまう。 アンリエッタはすっとルイズから体を離すと、ルイズの手を握ったままにこやかに笑う。 「堅苦しい口調は出来れば無しにして欲しいですわ。昔一緒に遊びまわったように、もっと楽にしてくれると私も嬉しいです」 畏れ多さもあったが、女王が望んでいた形を瞬時に察したルイズは、堅苦しさを少しだけ抜いた、親しげな口調で答える。 そうなれば年頃の女の子が二人である。 バックに花びらが飛び交うような微笑ましい会話が始まる。 思い出話に一しきり花を咲かせた後、ルイズは思い出したようにサンを紹介する。 「こちらが私の使い魔サンです。サン、こちらはトリステインを統べし女王、アンリエッタ様よ。ご挨拶なさい」 旧友が訪ねて来た程度にしか思っていなかった燦は、一瞬だけ小首をかしげる。 「女王? ……それって王様って事ちゃうん? つまりトリステインで一番えらい人って事で……」 「こ、こらっ、女王陛下の御前よ。きちっと挨拶なさいっ!」 慌てるルイズの様が燦に事の重要性を教えてくれた。 突如、燦は腰を曲げ、掌を上に向け、片手を前へと突き出す。 「おひけえなすって!」 余りの大声に、ルイズもアンリエッタも思わず硬直してしまう。 その隙間を縫うように燦の言葉が響く。 「さっそくのおひかえありがとうございます。手前の庭先で恐縮ですが仁義切らせてもらいます。 てめえ生国と発しますは瀬戸内です。海ばかりのつまらない土地ですが、 そんな土地でチンケなヤクザの子として生まれやした。実の親もヤクザ者、 筋金入りのバカヤロウですが渡世の皆様に助けられ、こうしてこの年まで生きながらえてこれました……」 延々語られる燦の流れるような口上に、二人は口をぽかーんと開いたままただただ聞き入っている。 「……どうぞ行末永く御別懇に願います!」 全部が終わった後、数秒の間をおいてアンリエッタは、こくんと頷いた。 「よ、よろしくお願いします」 思わずそんな返事をしてしまったアンリエッタと、もの凄い勢いで燦に掴みかかるルイズ。 「さささささささサン! い、いきなり女王様になんて真似すんのよ!?」 「え? だってルイズちゃんきちっと挨拶しろて……」 「今の挨拶!? 脅し文句じゃなくて!?」 妙に男前な顔になる燦。 「これがヤクザもんの仁義じゃき……見逃したってくれやルイズちゃん」 「いやもう見逃すも何も何処からつっこめばいいのよそれ!?」 喚くルイズだったが、アンリエッタはちょっと顔を引きつらせつつも、燦の挨拶を受け入れた。 「か、構いませんよ。その、ちょっとびっくりしましたけど……えっと色々と変わった使い魔なのですね」 こうしてしょっぱなからばっちり存在をアピールしきった燦は、以後ルイズの命令で黙っている事になるわけだが。 一しきり話した後、アンリエッタは口調をがらっと変え、この部屋に来た理由をルイズに語った。 アルビオン皇太子ウェールズの持つ手紙を回収して来て欲しいと、ルイズに頼みに来たのだ。 「王命として正式に命じる事も出来ぬ、そんな任務です。失敗は許されませんが、成功したとて何も報いる事は出来ません」 「わかりました。任務、必ずや果たして御覧に入れましょう」 即答である。 アンリエッタは、喉元まで出かかった言葉を堪える。 「ウェールズ様への身の証しとして、この水のルビーを持って行きなさい。その上でこの手紙を渡せば話は通じるはずです」 「はっ」 「ウェールズ様以外、トリステインはもちろん、アルビオン側でもこの件を知る者は居ません。それを忘れないように」 「了解しました」 「回収すべき手紙は決して明るみに出してはなりません。 もしトリステインへの帰還が困難となったならば、貴女の責任において手紙を処分しなさい」 注意事項をすべて聞き届けると、一つ気になった点をルイズは問う。 「アンリエッタ様、こちらにいらっしゃるのに護衛をお付けになりましたか?」 「いえ、秘事を知る者は少ないに越した事はありません」 それを聞くと、すっとルイズは立ち上がる。 「では出立の前に、アンリエッタ様を王城へとお送りしたいのですが、お許しいただけるでしょうか」 「必要ありません。貴女は任務の事だけ考えればよろしいのです」 「はっ、出過ぎた真似を致しました」 そうやっている二人は、とてもついさっきまで歓談に興じていたとは思えぬ緊張感に包まれている。 伝えるべき事を伝えると、アンリエッタは部屋を後にする。 ルイズは燦に命じ、キュルケとタバサを呼び、城まで女王に気付かれぬよう護衛を頼みに行かせる。 一人部屋に残ったルイズは、ベッドに腰掛けて任務の背景を想像する。 「わざわざ学院に出向くような真似までして私に、という事は……城に頼れる人物が居ないという事かしら」 思考にふけるルイズであったが、部屋のドアを叩く音で我に返る。 燦が居ないので仕方なく自分で扉を開くと、そこにオールドオスマンが居た。 「スマン。全部聞いた」 ルイズはわざとらしく肩をすくめて見せる。 「……だろうと思いました。オールドオスマンがアンリエッタ様の来訪を見落とすとは思えませんでしたし」 「なんじゃ怒らんのか」 「愛人の件以来、オールドオスマンとは一蓮托生と考えておりますので」 苦虫を噛み潰したような顔になるオールドオスマン。 「じゃったら、ほいほいとそんな任務受けるでない。ワシが見た所、それ相当ヤバイ件じゃぞ」 ルイズは素直に自分ではこの件の裏まで読めないと、オールドオスマンの知恵を頼る。 アルビオンが既に危機的状況に陥っている事、アンリエッタのゲルマニア皇帝との婚約、 ウェールズ皇太子のみしか知らぬ秘事、近しい者にすら明かせぬ事。 ここ最近の女王を取り巻く状況を並べ、オールドオスマンは手紙の中身はアンリエッタがウェールズへと送った恋文ではないかと推察する。 アルビオンの近況とアンリエッタの婚約はルイズも知らぬ事であった。 最近は宝物庫のマジックアイテムをこれでもかと濫用してるらしいオールドオスマンの耳の早さは、 最早大陸一と言っても過言では無いかもしれない。 「トリステイン貴族に断れる訳がありませんわ」 「そりゃまそーじゃがの。条件ぐらい付けぬか」 「……怒りますよ」 「言ってみただけじゃ。さて、どうしたものか……」 「どうもこうも無いでしょう。アルビオンに行って、手紙を受け取って戻って来る。それだけです」 試すようにオールドオスマンは問う。 「反乱軍と出くわしたら?」 「邪魔をするというのであれば、どいつもこいつも叩っ斬るまでですわ」 返答は予期していたのか、諦めたように大きく息を吐く。 「せめてキュルケとタバサは連れて行け。お主とサンのみではキツかろう」 ルイズは心外そうな顔をする。 「私とサンだけでも出来ないとは思いませんが、キュルケとタバサを置いて行った日には、私が二人に恨まれてしまいます」 失敗できぬ任務に赴く、そんな表情ではなく、売られたケンカでも買いに行くかのように、ルイズは不敵に笑って見せた。 タバサとキュルケが戻ると、王女の護衛には別の者が付いて居た事がわかる。 王女に見つからぬよう動いていた護衛は三人程であったが、いずれも腕利きのメイジであったと語る二人に、ルイズはアホな事を問う。 「で、張り倒して来たの?」 タバサは頭を垂れてキュルケの背中をぽんと叩く。キュルケが言えという意味だ。 「そうやって何でもかんでも力づくって癖直した方がいいわよ。トリステイン王宮近衛の連中張り倒してどうすんのよ」 ルイズはとても意外そうな顔をする。 「あら、案外王宮もしっかりしてるのね」 「当たり前よ。アンタ軍馬鹿にしてるでしょ」 「ちょっとだけね。じゃ、私達はアルビオンに行ってウェールズ皇太子に会うわよ」 「どういう話よ」 「ごめん、それ言えないの」 何よそれ、とぼやくキュルケを他所に、タバサは二つ返事で了承し、旅支度を整えるべく部屋に戻る。 「ふん、そういう秘密なお話だったらルイズだけで行けばいいのに」 「それでも良かったんだけどね。そういう訳にもいかないでしょ」 くすくすと笑いながら部屋を後にするキュルケ。 「そうすれば私も貴女に文句言えたのに」 「そうそう隙なんて見せてあげないわよ。ルートは考えておくわ」 ルイズは残るオールドオスマンに後事を頼む。 前後の正確な情報さえあれば、オールドオスマンならば随時適切な判断を下してくれよう。 オールドオスマンの、くれぐれも無茶は避けるようにとの言葉に、ルイズは大きく頭を下げた。 「すみません、多分無理です」 「素直な所以外評価出来んわ! タバサの言う事良く聞くんじゃぞ!」 こう言って悪ガキ四人衆、唯一の良心に縋る他無いオールドオスマンであった。 ワルドがマザリーニに呼び出されたのは夜も遅くの事であった。 緊急事態との事で取る物もとりあえず駆けつけたワルドは、これは戦況が悪化したアルビオンの件だと考えていた。 しかし、確かにアルビオンの件ではあったのだが、マザリーニが明かした話は、幾らなんでも予想の斜め下過ぎた。 開いた口が塞がらなくなるといったリアクションは、ワルドもマザリーニと同様であった。 「……今のアルビオンの状況を、知ってるからこそ回収すべき、と判断したんでしょうが……いやはや……」 ワルドの耳に入っている限りでは、一両日中にもロンディニウムの包囲は完了するらしい。 そこに今から飛び込めなどと、戦を知る者ならば決して出来ぬ命令である。 幾分か立ち直ったマザリーニは、ワルドを呼び出した本題に入る。 「女王陛下とて状況は理解出来ているはず。ならば、やらねばならぬ事でもあるのだろうが…… それをヴァリエール家の娘に頼む神経がわからん」 「他に頼れる者も居なかったのでしょう。王室の恥に類するような、そんな内容であると推測しますが」 嫌過ぎる予感に苛まれつつ、マザリーニはワルドに先を促す。 「おそらく、ゲルマニア皇帝との婚儀が絡んでおります。となれば、 対象がアルビオン国王ではなくウェールズ皇太子である事を考えますに……二人の間に何か個人的な密約があった、そう考えますが」 「歯に衣着せんでいい。あんの尻軽娘、よりにもよってウェールズ皇太子にちょっかい出しておったか」 老獪な男の思わぬ毒舌に、ワルドは苦笑する他無い。 「手紙との事ですが、恋文の類でしょうか。確かにそんなものが明るみに出た日には、婚約の話は立ち消えとなりますな」 「ふん、それでも誤魔化す手はある。それに私の知るウェールズ皇太子ならば、責任を持って処分してくださると思うのだが、 女王陛下に手を出していたという話を聞いた後では些か自信が持てぬ」 「まったくです。で、どうされますか」 「ワルドの所でこの任務に耐えうる者はおるか?」 「前線を突破してロンディニウム、ハヴィランド宮殿に潜入、手紙入手後包囲を抜けて帰還し、卿と女王陛下の前で処分。 ……私ぐらいですな、それが確実に為せると言い張れるのは」 マザリーニは苦虫を噛み潰したような顔だ。 「お主を行かせる訳にも行くまい。そもそもお主は当分ここから動けぬだろう」 「いえ、動くつもりです」 「何?」 実は、とワルドが語り出したのはアルビオン内乱への武力介入であった。 血を分けた兄弟国、救援に向かうに何ら不自然は無く、また敵は寄せ集めであるが故、頭を失えば脆い集団。 「足の速い連中を集めて奇襲を仕掛け、反乱軍首魁クロムウェルを討ちます。間を計らねばなりませんが」 マザリーニはふむ、と頷く。 「戦勝に沸き、油断しきった時……か」 「左様で。アルビオンの王族が絶えるやもしれませぬが、いずれ始祖の血を引く方が治める形にしなければなりませぬから……」 「トリステイン・アルビオン王国か。何処が文句を言う間も無く反乱軍を討ち滅ぼしてしまえば、確かにありえぬ話ではないが」 ワルドの考える最終形をマザリーニは読むが、手放しで賛成はしてないようで、渋面を崩さない。 幾らなんでも都合が良すぎる話だ。 「どの道、アルビオン反乱軍とは事を構える事になりましょう。 奇襲が失敗したのなら、そこで改めてゲルマニア、ガリアとの調整を行えばよろしいかと」 「二国に難癖付けられて国境の都市の一つや二つ持っていかれても、アルビオン丸々一国が手に入るのなら釣りがくるか……」 ガリア、ゲルマニアと比べ、トリステインはお家騒動が大人しい分身動きが軽いという利点を活かさねば、この局面は潜り抜けられぬ。 そう語るワルドの言葉に、マザリーニは異論を唱える。 「だとしても勝たねば意味が無い。アルビオンとトリステインではそれ程軍備に差があるとも思わんが」 「懐柔による内部からの混乱が、此度のアルビオン敗戦の主な原因と思われます。 公爵クラスがぼろぼろ裏切るような状況は、流石に我がトリステインでは考えられぬ話です」 「戦況は私の方でも調べさせていた。確かに、あの戦力差で破れるなど想像も付かなんだが…… にしてもアルビオンにそれ程隙があったとも思えぬ」 「理不尽を可能にする道具、ないし強力無比な魔法を用いている可能性もあります。 その場合武力ではなく搦め手に類する能力を持つと思われますので、となればやはり奇襲こそが最善と私は考えます」 マザリーニは考える。 もし反乱軍が勝利し、こちらに牙を剥いたとしても、他国と連携してアルビオンを包囲するやり方ならば被害は少ないはず。 しかし、その場合アルビオンからの攻撃はおそらく近場のトリステインに集中する。 それに対応するようにガリア、ゲルマニアも主力はトリステインに置く事になろう。 そうなれば、後々が面倒な事になる。 そも手紙の回収が出来なければ、ゲルマニアとの連携も厳しいという最悪の状況もありうる。 王都占領の混乱に合わせて奇襲し、ハヴィランド宮殿を灰にしてしまえば、手紙も何も無いだろう。 アルビオン侵攻の一番の難所、上陸作戦も今の状況ならばさして難しくもあるまい。 王軍、空海軍、近衛ならばすぐに動かせる。 諸侯軍には後々から参戦する形を取らせても、アルビオンの港を一つでも押さえていればどうとでも出来る。 しかし、卑怯との謗りは免れ得まい。 王家が滅びる直前まで手を貸さず、滅びきった後に漁夫の利とばかりに襲い掛かるなぞ、見栄えが悪い事甚だしい。 アルビオン王と皇太子が死んでいてくれれば、決戦に破れ包囲に至るまでが極端に短かった事を考えるに、 救援要請を受けたが間に合わなかったでも通るだろうが。 マザリーニは、そこではたと気付いて手を叩く。 「なるほど、奇襲は王と皇太子をお救いする手段、そう言い張るのも手か」 救い出せたのなら後は簡単だ。両者、ないしどちらかを立てていれば侵攻の口実にはなる。 いずれにしてもタイミングが重要だ。 トリステインの最精鋭を揃え、微妙な間合いを図る繊細な軍事行動。 「今すぐ動かせる部隊はどれだけいる?」 「千ですな。数だけならば二千は揃いますが、それはアルビオンの港を抑えるのに回すべきでしょう」 「諸侯に一言も無しで軍を動かす事になる」 「文句があるのならば諸侯軍抜きでアルビオンを倒す。そう言ってやればよろしい。 既に王軍、空海軍首脳には話を通してあります。トリステインの置かれた状況を説明しましたならば、 快く納得して下さいました。出来ればもう少し根回しの時間が欲しかったのですが、 こうなってしまった以上、致し方ありますまい」 人の悪そうな笑みでワルドを睨むマザリーニ。 「この悪党めが、トリステインの守りを奴等に押し付ける気か」 「戦場での遅参は冷や飯食いと相場が決まっております」 二人の話が早いのには訳がある。 二人共が共通の認識として、アルビオン反乱軍は遠からず敵となると見なしていた。 アルビオンの王家と繋がりの深いトリステインは、対外的にも反乱軍に対し良い顔をする事が難しい。 そもそも貴族の共和制などを掲げられては、王家を擁する国とどう仲良くやれというのか。 自国の諸侯が増長する前例となりかねぬこのような国を、トリステインもガリアもゲルマニアも結局は許す事が出来ぬであろう。 お互いそれが解っているのだから、後は武力を用いるか否かだけで、安定した交流など望むべくもないだろう。 位置的にも攻められにくく、強力な空軍を擁するアルビオンは、散発的な攻撃を得意とする。 嫌がらせのようなこんな攻撃を数多受ける事になるのは、おそらくトリステインであろう。 仮にロマリアを加えた四国で同盟を締結したとしても、これではトリステインのみ大きな被害を被る結果となろう。 そうさせぬ為に、トリステインはすぐにでも動く必要があったのだ。 幸い、と言っていいか、女王は年若く重要な判断が下せぬ為、言い方は悪いがコントロールする事も容易だ。 後でまた何やかやと言われるだろうが、今動かねばトリステインの利益を守る事が出来ぬ。 恐らく王軍、空海軍首脳がワルドの話に乗ったのも、そんな危機感あっての事だろう。 現状認識も出来ぬ愚か者は、蚊帳の外に居てもらうとしよう。 それを見定めるに、これは良い機会でもあるのだから。 ワルドの持ってきた話が大きすぎた為、ルイズの件は忘れさられそうになったが、そこはマザリーニとワルドだ。 護衛を選びルイズ達の後を追わせるという事で同意する。 手紙に関しては回収せねば後々厄介になる可能性は確かにある。 ルイズ達のルートでも試しておくに越した事は無かろう。ただ、秘密が漏れぬよう、最悪の場合に備えなければならない。 マザリーニがそんな作戦を遂行出来る人物は居るか、と問うと、ワルドは頷いた。 「一人、連中と繋がりのある人物に心当たりがあります。そちらは私にお任せ下さい」 シルフィードに跨り、ルイズ、キュルケ、タバサ、燦の四人は明け方の内に学院を出る。 ラ・ロシェールの街に着いたのは翌々日の昼過ぎの事である。 世界樹の枯れ木を用いた桟橋が特徴的な、空飛ぶ船の港町であるラ・ローシェルは、 アルビオンとトリステインを結ぶ重要な交通拠点である。 魔法を使い巨大な岩を切り出して作られた街並みといい、 見上げるでは済まぬ大きさを誇る世界樹に果実のごとく連なる多数の空飛ぶ船といい、燦には驚きの連続であった。 すぐにアルビオン行きの船を手配しようとするのだが、そこで一行は足止めを余儀なくされる。 何時もならすぐに見つかるはずのアルビオン行きの船であるが、わざわざ戦乱渦巻くアルビオンに向かおうという船がどれ程居るというのか。 定期便すら滞る始末では、ルイズ達に都合の良い船など見つかるはずもない。 この際輸送船でも何でもいいから、そう言っても出ないものは出ないのである。 まずキレたのはキュルケだ。 ガラの悪い船員達が積荷を船へと運んでいる所に赴き、いきなり魔法を唱えようとした所をタバサに止められた。 「キュルケ」 「何よ、積荷が燃えて無くなれば私達乗せる余裕ぐらい出来るでしょうに」 「積荷無しじゃそもそもアルビオンに行く理由が無くなる」 「むむ、確かに」 アホかと。 次に、といってもほぼ同時だが、キレたのはルイズである。 船長と思しき人物にすたすたと歩み寄る所を燦に止められる。 「ルイズちゃんイカンて!」 「何よ、船長なら船ぐらい飛ばせるでしょ。あいつ脅せば一発じゃない」 「あんな大きい船、人質の一人や二人じゃどうしようも無いて!」 「むう、それもそうだけど……」 バカかと。 チンピラ以外の何者でもない。 タバサは燦に言って、ルイズとキュルケの二人を宿に連れて行かせる。 強行軍で来ているのだ、ここで一休みするのも良い選択であるし、交渉はタバサに一任して三人は先に宿を取っておく事にした。 ここで一泊するつもりなど無かったのだが、シルフィードが疲れたときゅいきゅい騒ぐので、まあ一休み程度ならと宿の一角に陣取る三人。 今シルフィードに乗って出たとしても、アルビオンに辿り着く前に夜になってしまう。 夜間の飛行で空飛ぶアルビオンに辿り着くのは難しく、シルフィードの疲労もあり、 それ故船の手配を考えたのだが、その船が無いのは計算外であった。 不愉快そうなルイズとキュルケだったが、燦がアルビオンは戦争中なんだし、 少しみんなに話を聞いてから行くのはどうかと提案すると、あっさりと納得する。 確かにその通りであるが、機嫌まで一瞬で直ってしまったのは、二人共が燦にだだ甘なせいであろう。 宿を取るかどうかはタバサが来てから決めるとして、とりあえず宿の一階にある飲み屋兼食堂で遅めの昼食を取る。 ついでとばかりに、ウェイトレスをしている子にアルビオンの近況を聞いてみた。 王党派と称されるアルビオン王家の軍は、最後の決戦にも破れ、王都ロンディニウムに追い詰められているという話だ。 それを聞いた三人の反応は、 「それなら王都に行けばいいのね」 「良かった~、戦場出てたら何処行けばいいか、わからんかったかもしらんし」 「……目的地ぐらいはっきりさせてから出なさいよアンタ等」 ルイズとキュルケがアルビオンの不甲斐なさを口にすると、ウェイトレスも同感だったのか話に乗って来た。 「そうなんですよ。ボロ負けもいい所ですし……ウェールズ様もっとかっこいいと思ってたんだけどなぁ。ちょっと幻滅かも」 平民の感覚などこの程度である。 ちなみにルイズ達の服装は、学院の制服の上にフードを羽織った形だ。 頭まですっぽり隠せるようなものにしてあるのは、身を隠す必要が出るかもしれぬからである。今は食事中でもあり、素直に頭は出しているが。 不意に奥のテーブルから下卑た笑い声が響いてくる。 むさ苦しいとしか形容しようのない男達が数人、テーブルを囲みながら昼間っから酒を飲んでいるのだ。 それだけならば問題無かったのだろうが、ルイズ達の所にかかりっきりのウェイトレスに文句を言う段になり、ルイズが動いた。 フードを目深に被り直したのは外見でぐだぐだ言われぬように、そして中身が女の子とバレる前にさっさと開戦するつもりであると思われる。 キュルケはどうでもよさ気にワインを傾けている。 「サン、貴女も参加してさっさとカタ付けてきたら?」 「うーん、見た感じそんなでも無さそうだし、私混ざるとルイズちゃん嫌がるきに」 「そうなの?」 「口では言わんけど、基本的には自分でやりたいんだと思う。でも人数増えるようじゃったら私も行く。というかあいつら私も気に食わん」 「はいはい」 どんがらがっしゃーん。 開戦の合図。 殴り合いが始ってしまえば男も女も無い。 それ以前に大の大男を肩に担ぎ上げてぶん投げるなんて真似をしてるのだ。 これで女扱いしろって方が無茶だ。 外に駆け出して行った男が増援を呼ぶ段になると、燦も「何しとんじゃあああああ!!」などと怒鳴りながら参戦する。 店内はあっと言う間に阿鼻叫喚の坩堝と化し、店主がウェイトレスに警備を呼ぶよう指示する。 キュルケは、二人にだけ見えるように懐から杖を見せる。 「たかがケンカでしょ、放っときなさいって。大丈夫、これ以上騒ぎが大きくなるようだったら、私が出るから」 店のぶっ壊れた物は負けた方にでも私が払わせてやると言うと、二人はとりあえず納得する。 「それでも文句言うようなら、一切合財燃やし尽くして何もかも灰にしてやるわ」 即座に回れ右したウェイトレスは、後ろも見ずに警備詰め所へと走り去った。 「いい加減にしろ貴様等!」 腹の底から響くような迫力のある怒声に、店内は音を失う。 六人の男が伸びて地面に寝転がり、残る十人近くの男達も皆ヒドイ顔をしている。 「公共の場で昼間っから何を馬鹿な真似をしているか!」 服装から軍関係者と思われる者の出現に、男達は腐った顔をしながら引き上げだす。 捨て台詞をルイズ達と軍人らしき者に吐いて店を出ていく男達。 ルイズと燦は硬直したまま軍人を指差している。 キュルケは思わぬ乱入者に、グラスを掲げて挨拶した。 「あら、アニエスじゃない。久しぶりね、元気だった」 アニエスは余り表情を表に出さぬ、周囲にはそう思われているが、実はそうでもない。 直接の上司になったワルドは、アニエスの中々にバリエーションに富んだ表情を幾つか知っている。 今日はそれが一つ増えた日だった。 困りながら嫌がりつつ、それを表に出さぬよう表情を硬くしようとして失敗したので、笑顔を見せて誤魔化そうとした顔。 「は、はぁ、ヴァリエールの護衛……ですか」 明らかに乗り気ではないとわかる反応だ。 ワルドはその辺の機微に長けているので良くわかるが、他の連中には微細な変化としか取れぬだろうなと、頭の中で考える。 しかし、任務の内容を説明するにつれ、アニエスの困惑も消し飛んで行く。 王室の恥、それをアニエスのような成り立てシュバリエごときに話すなど、考えられぬ。 「死ぬ必要は無い。その前に引き返して来て欲しい。任務の重要性は先に言った通りだが、 それでも、帰ってきなさい。これが私からの命令だ」 「ここは死ねとお命じになる場面かと。これを見過ごしてはトリステインに大きな損失が出ます」 ワルドは真剣な表情のままだ。 「繰り返す。決して死んではならない。これ以上は危険と判断したのならルイズを斬れ。君の死に場所はこんな所ではない」 その判断を下せると見込んだからこその人選だ、そう言われてはアニエスにも返す言葉がない。 前ページ次ページゼロの花嫁
https://w.atwiki.jp/poppomemo/pages/165.html
開催期間 2024/1/1~ 2024年はパリオリンピック開催の年(多分これは偶然) あらすじ 「いずれ異世界より侵略者が来たときの為に、アスリート達のスポーツ能力を鍛え上げる」 サッカーは現在進行形で宇宙からの侵略者と戦うシナリオ。 元ネタは『イナズマイレブン』。 宇宙からの侵略者はスペースシップワールドから来た?→ティグレが『第三銀河を統一した』と言っているので、他の星にもスポーツがある? マップ ウィンタートライアスロン山 白銀飛翔→『スキージャンプ・ペア』? 実際にそういうシナリオが出ている。 ローグライク・サーキット ゲームのジャンル『ローグライク』と『ウィリアム・ローグ』の名前をかけた? レースの度にコースが変形する「不思議のサーキット機構」を搭載した、アスリートアース最新技術の粋が凝らされた「F1レースサーキット」です。 音速大乱闘→『F-ZERO』? 『F-ZERO』のキャラクター、キャプテン・ファルコンは『大乱闘!スマッシュブラザーズ』シリーズにも登場している。 スーパーショートカット→『マリオカート』? 古代デュエルバトル遺跡 古代バトリンピアよりも古い、人類黎明期の遺跡→カードデュエル・フォーミュラがいるとしたら朱鷺子よりも古い時代の人間? 敵キャラ ガチデビル&勇者リリリリ ガチデビルはデビルキングワールドの戦争『7th KING WAR』のラスボスにしてデビルキングワールドの1stキング。 勇者リリリリはデビルキングワールドの5thキング。『7th KING WAR』では立ち絵なし。 『7th KING WAR』における『KINGの宝珠』より『勇者リリリリ』の解説 5thKING『勇者リリリリ』の宝珠:宝珠自身が盾のオーラを放出しながら飛び回り、所有者を護る。 猟兵で再現するなら「堕天使+勇者+魔王」? 新生フィールド・オブ・ナイン 全員フォーミュラ・オブリビオンでありながら猟兵と敵対する気がない。 Mr.ホームラン→ガチデビルの力をバトル・オブ・オリンピア開催に使用。 デスリング総統→負けたら猟兵の支配下入りを明言。 キャンピーくん→キャンプしたいだけで戦闘の意志は全くない。 ウィリアム・ローグ→『アルカディア・エフェクトの後継者』を探している。 エル・ティグレ→負けたら猟兵の支配下に置かれる。 通常の場合、アスリートアースに現れるのがオブリビオンではなくダークリーガー(改心させることができる)であることと関係がある? Mr.ホームラン 『野球』のフォーミュラ・オブリビオン。 アポカリプス・ランページのフィールド・オブ・ナイン第3席でもある。 兄はフィールド・オブ・ナイン第1席『プレジデント』。 なお、兄の方は戦争の中で猟兵をオーバーロードに到達させようとしていた。この兄弟はさぁ・・・。 野球は1チームが9人→彼がフォーミュラ化できるのは最大8人? もし彼がアポヘル北米出身なら、どうやって世界移動した?→そこでキャンピーくんの出番? 『マザー・コンピュータ』の予兆より フィールド・オブ・ナインはあと3体眠っている。 「あと3体」のうち1体が彼であることは間違いないが、どのタイミングでアスリートアースに転移したのかが不明。 猟兵で再現するなら「人間(アポヘル)+野球選手+ストームブレイド」? デスリング総統 『プロレス』のフォーミュラ・オブリビオン。 四本の腕→第4席? UCがほぼ猟兵を『骸の海』送りにするもの。 キャンピーくん 『キャンプ』のフューミュラ・オブリビオン。 古代アスリートアースに存在した種族『マスコット』らしい。→現在のアスリートアースは種族が『人間』のみ。 立ち絵には星が5つ→第5席? 『獣人戦線』の『F.O.N.』と『アスリートアース』の『新生フィールド・オブ・ナイン』は別物? PBWアライアンスや出版部の世界にも行ける→36世界の外を知っている? 時宮朱鷺子 『トライアスロン』のフォーミュラ・オブリビオン。 『古代バトリンピア』時代の人間。 現代アスリートアースに『人間』しかいない理由、『マスコット』が消えた理由を知っている? オッドアイ。 輝きっぽい髪飾りが2個→第2席? 一番星→第1席? ウィリアム・ローグ 『モータースポーツ』のフォーミュラ・オブリビオン。 速さを追い求めた末に『アルカディア・エフェクト』を会得した。 本人が「死者には無用の長物」と言っている。 『虚神アルカディア』の予兆 そうだ。生命ある者の苦悩、欲望、憎悪を、吾にも見せてくれ。 『アルカディア・エフェクト』の日本語表記は『拒絶の雲海』。 帝竜『大空を覆うもの』予兆より わたしは ブルーアルカディアの雲海 大気の集合体 わたしこそが『拒絶の雲海』 この世界の空そのもの ウィリアムは猟兵でもオブリビオンでもない、ただの人間の身でブルーアルカディアに到達した? ミニゲーム『爆走!オリンピアロード』クリア時のパスワードが彼の名前。 彼に勝つと『アルカディア・エフェクトの後継者』なる称号を得られる。 猟兵で再現するなら「人間(アスリートアース)+グランプリレーサー+悪霊」? エル・ティグレ 『サッカー』のフォーミュラ・オブリビオン。 宇宙史上初めて第三銀河を統一した存在。→朱鷺子より古い時代を生きた? 彼女によると『アスリートアースはちんまい星』。 髪の毛の暗黒星雲に出てくる動物はジャガー、イルカ、オオハシ、ヘビ、アリクイ→すべて南米大陸に生息する動物。 『サッカー座』って何だよ(困惑) 猟兵で再現するなら「宇宙人+サッカー選手+シャーマン」? 宮本武蔵 『テニス』のフォーミュラ・オブリビオン。 サムライエンパイアで伝説の剣豪として伝えられている人物。 二刀流→第2席? 上様曰く「アスリートアース実装時から設定はあった」(オンライン新年会2024より) 猟兵で再現するなら「人間(サムエン)+テニスプレイヤー+剣豪」? 戦後 ジョブ『その他スポーツ』から通常ジョブに格上げされるものがあるらしい?(2024年1月東京オフ質疑応答より) マップに採用された『ウィンタースポーツ』、地味に人気の『ぐるぐるバット』『プラクト』あたりが有力?→『ぐるぐるバット』『プラクト』はMr.ホームラン戦で選手起用されている。 種族『マスコット』実装? 戦争後に種族が追加されたのは『魂人』(ダークセイヴァー)、『ガムゴム人』(キマイラフューチャー)。 『古代デュエル神族』の力をユーベルコード化できないか(グリモア持ち頼むこれで【Q】出して) 『アルカディア・エフェクトの後継者』についてのシナリオが出る? アスリートアースがある『第三銀河』以外にも宇宙がある?→キャンピーくんの力で他の銀河に行けないか?
https://w.atwiki.jp/manarai0079/pages/680.html
デラーズ紛争期 U.C.0081~U.C.0083 U.C.0081 03月28日 ジオン公国残党、小惑星基地アクシズに到着する。 U.C.0083 08月11日 ハマーン・カーン(当時16才)ミネバ・ザビの摂政に就任。デラーズ・フリートの方針を容認、支援約束。 09月18日 アナハイム・エレクトロニクス社、ガンダム試作2号機をロールアウト。 09月29日 アナハイム・エレクトロニクス社、ガンダム試作1号機をロールアウト。 10月04日 アナハイム・エレクトロニクス社、ガンダム試作3号機をロールアウト。 10月09日 アナベル・ガトー少佐が地球に降下する。 10月13日 デラーズ・フリート、星の屑作戦を発動する。 アナベル・ガトー少佐が連邦軍トリントン基地からガンダム試作2号機を強奪する。 15 00、アルビオン、トリントン基地に到着。「星の屑」作戦発動。 21 05、ガトー少佐、Mk82核弾頭ごとガンダム試作2号機を奪取。 21 46、連邦軍、残存MS小隊がガンダム試作2号機の追撃開始。 10月14日 連邦軍強襲揚陸艦アルビオンに、ガンダム試作2号機奪還命令が下る。連邦軍テストパイロットコウ・ウラキ少尉、アルビオンに配属される。 00 50、ガトー少佐の計略を、コウ・ウラキ少尉が操るガンダム試作1号機によって阻止。 06 20、バニング小隊、海岸線で交戦。ガンダム試作2号機はユーコンに回収され、アフリカ方面に脱出。 10 51、コーウェン中将からエイバー・シナプス艦長にガンダム試作2号機奪還命令が下る。 17 40、アルビオン、アフリカへ出航。 10月23日 アフリカのデラーズ・フリート、キンバライト基地攻防戦。 アナベル・ガトーが宇宙に帰還する。 キンバライト基地司令、ノイエン・ビッター少将戦死。 10月25日 元ジオン軍士官、シーマ・ガラハウ中佐がデラーズ・フリートに合流する。 10月31日 デラーズ・フリート、連邦軍に宣戦布告する。 11月05日 ガトー艦隊、ソロモン海作戦域に向け「茨の園」を出航。アルビオン、デラーズ・フリートの小部隊と遭遇し、砲撃戦を展開。 11月07日 ガトー艦隊、ソロモン海作戦域に到着、待機。 11月08日 シーマ艦隊と連邦軍バニング小隊が交戦。連邦軍、サウス・バニング大尉戦死。 14 52 連邦軍戦艦バーミンガムがシーマ艦隊と交戦。 15 16 シーマ艦隊、担当作戦区域へ移動。 15 27 サウス・バニング大尉戦死。アルファ・A・ベイトは大尉、コウ・ウラキは中尉に戦時昇進。 11月10日 アナベル・ガトー少佐、連邦軍観艦式に向けて、ガンダム試作2号機から核を発射。観艦式を行っていた艦艇の3分の2が大破および航行不能の損傷という大ダメージを被る。ガンダム試作1号機と2号機が交戦、両機とも大破する。シーマ艦隊が移送中のスペースコロニーを制圧、ジャックする。 00 00、デラーズ・フリート旗艦、グワデン艦隊を率いて「茨の園」。 02 23、アクシズ先遣艦隊、地球圏に旗艦。 13 00、一年戦争による中止以来、4年ぶりに連邦軍観艦式が挙行される。 14 31、観艦式がデラーズ・フリートに襲撃される。ガトー少佐ガンダム試作2号機、搭載のMk82核弾頭を使用。グリーン・ワイアット大将、戦死。連邦宇宙艦隊は旗艦以下、参加艦艇の2/3が航行不能以上の損傷 。 15 05、ガンダム試作1号機Fbとガンダム試作2号機が交戦。両機とも爆砕。 16 27、シーマ艦隊、移送中のコロニー2基のコロニージャックを敢行。 16 50、アルビオン、ラビアンローズに進路変更。 21 11、シーマ艦隊、コロニー2基のミラーのそれぞれ1枚を爆破。 21 26、2基のコロニーが激突。内、1基が月に落下を開始。 21 35、連邦軍の残存艦挺、コンペイ島を緊急発進。シーマ艦隊とコロニーを追撃開始。 11月11日 デラーズ・フリート、コロニー推進剤に点火。コロニーは地球へ降下を始める。 04 14、デラーズ・フリート本隊、シーマ艦隊と合流。コロニー護衛陣形をとる。 05 35、デラーズ・フリート、アクシズ先遣隊からアクシズ製MAノイエ・ジール受領。 05 57、アルビオン、ラビアンローズに接触。 08 51、連邦艦隊の先遣部隊とノイエ・ジールが交戦。 09 25、ガトー艦隊とアクシズ先遣隊、デラーズ・フリート本隊と合流。 10 40、デラーズ・フリート、月面の軌道間輸送レーザー(通称イグニッション・レーザー)を用いてコロニーの推進剤に点火。コロニーは地球落下軌道へコースを変更 。 12 12、アナハイム・エレクトロニクスのルセット・オデビー、コウ・ウラキ中尉をかばって死亡。 15 18、アルビオン、ガンダム試作3号機と共にラビアンローズを発進。 11月12日 ガンダム試作3号機とアルビオン、コロニー落下阻止に発進。コロニー落下阻止限界点を突破する。連邦軍、バスク・オム大佐によるソーラ・システムⅡ発動。敵味方問わず閃光に呑まれる。ガンダム試作3号機、ノイエ・ジール中破。 10 06、先行したガンダム試作3号機、デラーズ・フリートと交戦。 10 50、ガンダム試作3号機、ノイエ・ジールと交戦。 13 51、月軌道上の連邦追撃艦隊、補給完了。デラーズ・フリート追撃を再会。 17 15、シーマ少佐、グワデンのブリッジを占拠。 20 15、エギーユ・デラーズ中将戦死。 21 47、地球落下コースに入ったコロニーにソーラ・システムIIを照射するも阻止できず。落着阻止限界点を突破。 23 11、ガトー少佐、コロニーの最終軌道調整を完了。 11月13日 連邦軍の追撃艦隊、最後のデラーズ軍と抗戦。ガトー少佐戦死。デラーズ・フリート壊滅。 00 00、ソーラ・システムII、再び照射するが阻止できず。 00 13、南米ジャブロー上空をコロニーが通過。現地時間11月12日20時13分。 00 34、コロニー、北米大陸ウィンバーに落着。 01 05、アクシズ先遣隊、転進。 01 19、アナベル・ガトー少佐戦死。 11月16日 連邦軍、バスク・オム大佐による地球至上主義演説。 11月23日 一連のデラーズ紛争に絡んだ軍事裁判開廷。エイバー・シナプス大佐に極刑、コウ・ウラキ中尉に懲役2年の即時判決が下る。
https://w.atwiki.jp/daoine/pages/370.html
ガルガディア帝国(PixivファンタジアⅤ) エデリオン大陸北部・ガルガディア大陸を支配する帝国。 首都はヘルム、指導者は皇帝ガルディノス⇒エマノエル 勢力紹介時につけられた呼称は「偉大なる賢帝の進軍」 勢力色は青。 エデリオン大陸北部、賢帝ガルディノスが支配する最大の帝国。 近隣諸国を次々と併呑し領土の拡大を続ける巨大勢力であり 帝国に併呑された様々な国と種族が存在する。 エデリオン大陸全土に伝わる大陸信仰発祥の地であり 「魔法院」と「騎士教会」が強い力を持ち 有数である「騎士」の名を持つ者は様々な権限と名誉が与えられる。 また、大陸創世記から残る、古代種族や言語が存在する 最も古い歴史を持った大陸国である。 ■地名■ ガルガディア大陸 ‐ヘルム ‐グラオザントラント ‐ウングリュックの樹海 ‐マギア・バルト ‐賢者の山:ガルガディア東部にある山。 ‐氷河半島:ガルガディア北東にある半島。 ‐イーストゲート(英:East Gate):ガルガディア南東にある半島。 ‐ブラオツヴァイク大山脈 ‐ヴァイデン ‐ファングヘイム ‐鋼鉄牙原 ‐インペリアルゲート ‐エデリオン聖教領:ガルガディア南部にある領。 ‐エデリオン大聖堂:エデリオン聖教領にある大聖堂。 ‐アークサンドヒル ‐雷の塔 ‐黄金虫の森 ‐竜魚壁 ‐アルビオン ‐アルビオン岬:アルビオンにある岬。 ‐竜頭平原 ‐ボンド城 ‐クラーゲン ‐ネブラスカ ■人名■ ‐ガルディノス ‐エマノエル ‐大元帥ドワイト ‐ファルガンディア ‐ヴルモス ‐シスターセレス ‐カテリナ ‐古ガルガディア語 ‐エデリオン聖教 ~略歴~ ガルガディア帝国により北大陸が統一される。 エデリオン戦役初年金剛季、 トライガルド領ローエン公国へ侵攻し、 多くの魔法使いを喪うも、これを陥落せしめる。 エデリオン戦役初年翠玉季、 ローエン公国にてトライガルド、ザイランス両帝国を迎え撃つも敗退、 トライガルドにローエン公国を奪還される。 (⇒『月下平原の会戦』) エデリオン戦役初年橄欖季、 北西領アルビオンにトライガルドの侵攻を受ける。 続く真珠季にこれを撃退し、アルビオン防衛を成し遂げる。 (⇒『アルビオン侵攻』) 同季、ザイランス帝国領へ海上から侵攻するも撃退される。 (⇒『銀海の戦い』) エデリオン戦役初年紅水季、 トライガルド北西領ノールランドへ侵攻するも撃退される。 (⇒『ノールランドの戦い』) エデリオン戦役初年瑠璃季、 南部領アークサンドヒルに侵攻してきたザイランス帝国軍を迎え撃つも敗退する。 (⇒『アークサンドヒルの戦い』) エデリオン戦役初年柘榴季、 ガルガディア皇帝ガルディノスが崩御し、 第一皇子エマノエルがガルガディア皇帝を継承する。 続く一年あまりの間、トライガルド・ザイランス両帝国からの攻勢に耐え、 トライガルドにアルビオン、ザイランスにインペリアルゲートを陥とされるも 二帝国を倒す力を集め、その機を待ち続けた。 エデリオン戦役二年藍玉季、 西部・鋼鉄都市ファングヘイムに戦力を集結させ、 北西よりトライガルド、南部よりザイランスを鋼鉄牙原にて迎え撃つ。 続く金剛季にこれを撃退し、三帝国の最終決戦を制した。 (⇒『三帝決戦』) 三帝決戦後、ガルガディアは喪われた領土の奪還を続け、かつての勢いを取り戻していった。 アークサンドヒル奪還戦ではザイランス帝国軍から大打撃を被るも ザイランス皇帝ライネイス・ハンに矢傷を負わせ、奪還戦後、ライネイスは世を去る。 トライガルドとの戦いの最中、トライガルド内乱が勃発し、 ガルガディアは条件の下、一時的に皇帝派に加担し、内乱を治めることとなる。 この内乱で受けた傷によりトライガルド皇帝ルーカス二世が没し、 ガルガディア皇帝エマノエルが手厚く葬った。 皇帝エマノエルは先帝の意思を継ぎ大陸統一の為に戦い続けたが エデリオン大陸の統一はエマノエルの死後、後の世まで叶える事は出来なかった。 だが、三帝国の戦いの後、他国との関連を結び、 巨大な国家として大陸を維持した事は、後のエデリオン大陸に大きな影響を与えた。 エマノエルの死後、残された令状により帝国の時代は終わりを告げ 三つの国の協力による新たな国家の形が作られる事となる。 後の世はこの偉大なる皇帝の名を、先帝と同じ「賢帝」として歴史に刻んだ。 ■ エデリオン各国別紹介では、古ガルガディア語で「GARGADIA」と表記されている。 語源は不明。 語感だけならどこかの皇帝にそっくりだし多分語源も同じと思われるが というかただ単に真ん中の「ン」を抜いただけちゃうんかと マギア・バルトの賢者達の間ではもっぱらの噂である。 .
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4452.html
前ページ次ページ鮮血の使い魔 アンドバリの指輪を所持する可能性の高いクロムウェルは、西の浮遊大陸アルビオンにいる。 如何にしてそこへ行くか。 異世界であるハルケギニアを一人で旅するほど無謀ではない。 しかし正直に話してルイズが協力してくれるとも思えない。 今度フーケが来た時に協力を強要するか。 だが渡りに船とばかりに、フーケから情報を得た翌日、機が訪れた。 学院を視察しに来たトリステイン王女アンリエッタがその夜、 幼少の頃遊び相手であったルイズの部屋を密かに訪ねてきたのだ。 アンリエッタは唯一信頼できる友人であるルイズに頼み事をする。 アンリエッタは隣国ゲルマニアとトリステインと同盟を結ぶため ゲルマニアの皇帝と婚約をする事になってしまったのだ。 理由は、今アルビオンで反乱を起こしている貴族派が、 王党派を倒しアルビオンの実権を握った後、トリステインに攻め入るだろうため、 対抗するにはゲルマニアの戦力が必要、つまりトリステイン弱小国。 そこでアルビオンの皇太子ウェールズの持っている手紙が問題なのだ。 かつてアンリエッタがウェールズに送った手紙の内容が露見したら、 アンリエッタとゲルマニア皇帝の婚約が破棄されてしまう内容らしく、 そうなればトリステインは強大なアルビオンに一国で対抗せねばならない。 故にその手紙を何としても回収せねばならず、しかし信頼し頼れる者がいないため、 やむを得ず旧友であるルイズに頼むしかないとの事。 それをルイズが引き受けると、アンリエッタは手紙を返してもらう旨をしたためた手紙と、 餞別にと水のルビーという指輪をルイズに渡した。 当然、使い魔である言葉はルイズを守るためアルビオンへ同行する。 真の目的を秘したまま。 翌日の早朝、二人は旅支度を整える。 もちろん誠とチェーンソーの入った鞄も持って行く。 そして馬の用意もすませさあ出発というところで魔法衛士隊のワルドという男が現れた。 グリフォンに乗ったダンディな男で、彼は親同士が決めたルイズの婚約者だという。 ルイズも満更ではないらしく、ワルドと久々に再会できて嬉しいようだ。 そんなルイズを見て、言葉は、思う。 (裏切り者の私より、ルイズさんを愛してくれるワルドさんが側にいた方が……。 ……アルビオンに着いて、任務を終えたら、後はワルドさんに託せば……) グリフォンに乗ってきたワルドは、ルイズに一緒にグリフォンに乗るよう誘った。 だがルイズは、なぜか言葉がさみしそうな瞳をしているのに気づいて断る。 「コトノハ……えっと、この子、私の使い魔なんだけど、一人だけ馬っていうのは……」 「ふむ、そうか。三人乗りは少々きついし……」 「私はコトノハと一緒に馬で行くわ。せっかくのご厚意、ごめんなさいワルド様」 「……やむを得ないな、僕のグリフォンは低空で併走していこう」 三人の旅路は順調だった。 特に障害も無くその晩にはラ・ロシェールに到着し、上等な宿に泊まる。 アルビオン行きの船が出るまでまだ日があり足止めを余儀なくされ、 翌日の出航まで三人はラ・ロシェールでのんびりすごす事になった。 ワルドはルイズをデートに誘うなどして、数年振りに親交を深める。 言葉も誠とデートするなどして、以下省略。 大事の前なので、鞄から誠を出すなどといった行為はさすがに自重した言葉だった。 そんな言葉が、街外れへと歩いて行く。 正確には、ローブを着た女性の後を追っている。 人気の無い岩陰に入ると、ローブの女は岩に背中を預けて言葉を待っていた。 「声をかけようかと思ったけど、気づいてくれたようで助かったよ」 「新しい収穫はありましたか?」 「クロムウェルって男についてもう少し詳しく調べてみた。 ま、悪党としちゃ三流。欲望も単純で低俗で下劣。 頭もたいしてよくないから、接触さえできれば絡め取るのは簡単だろうね」 「私のような平民がクロムウェルに会う方法は何かありませんか?」 「そうさね、大きな手柄でも立てれば、王党派の重要人物の首とか持って行けば……。 おっと失礼、そんな事しちゃ、あんたのご主人様が黙っていないわね。 でも、結構いい案だと思うのよ。ふふっ、ご主人様を裏切る裏切らないは、あんたの自由」 「……他に方法は」 「そのデカい胸で誘惑するってのはどうだい? 珍しい黒髪に、貴族でもそうはいないレベルの容姿で、その胸。 それでオチない男は、よっぽど特殊な趣味をしてるだろうね。あっはっは。 まあ、今日のところはこんなもんでおいとまさせてもらうよ。 アルビオン行きの船には一応私も乗るつもりだから。じゃあね」 立ち去っていくフーケを見送って、言葉はその場に腰を下ろした。 「誠君……」 鞄を空け、チェーンソーの刃の隣に転がっている誠の頭を取り出す。 そして、豊かな胸の谷間で抱きしめて、誠の髪に顔をうずめる。 「誠君……絶対に生き返らせて……助けて上げます……。 だから、だから私を助けてください。誠君」 どうしてだろう。こんなに近くにいるのに、抱きしめているのに。 最愛の伊藤誠が、とても遠く感じる。 日が暮れて、テーブルには豪華なディナーが並んでいた。 「うわぁ、おいしそう」 ディナーを前にして誠はとびっきりの笑顔を浮かべてくれた。 場所は都内の高層ビルにある高級レストラン。 彼の活き活きとした笑顔が、なぜかどうしようもなく愛しい。 「さあ、遠慮せずどうぞ」 そう言われて、二人はさっそくナイフとフォークを手に取った。 誠は普段お目にかかれない料理に目の色を変えている。 静々とスープを飲む彼女とは大違いだ。 「まあまあね」 「これがまあまあ? お前、いったいいつもどんなもん食ってるんだよ」 「どんなのって、あんたも食堂には入った事はあるでしょう?」 「そういえばそうだった。そっちの方がおいしいのか?」 「まあね。でも、こっちも悪くないわ。さすがコトノハがお勧めする店ね」 笑い合う。 グラスを持って笑う、言葉。 ステーキを頬張りながら笑う、誠。 スープを上品に飲んで笑う、ルイズ。 ああ、そうなんだ。 これが、私の――。 瞼を開け、見慣れぬ天井に少々困惑し、ここがラ・ロシェールの宿だと思い出す言葉。 その、思い出すという思考の動きの間に、さっきまで見ていた夢の内容を忘却してしまう。 楽しい夢だった気がする。 という事は、多分、誠と一緒の夢だったのだろう。 誠と二人きりの夢だったのだろう。 すぐに忘れてしまうような夢だけど、言葉の身体に活力が湧いてくる。 ベッドから降りた言葉は寝巻きから制服に着替えると、 鞄から誠を取り出しおはようのキスをした。 窓の外では小鳥がさえずっている。清々しい朝の空気が、窓の隙間から流れてきた。 だから窓を開けて深呼吸。 今日はいよいよアルビオンに向けて出発する。 言葉にとっては驚きの空旅の始まりだ。 天に届くほどの大樹が桟橋となり、そこに停泊する空飛ぶ船に乗船する。 なぜ船が空を飛ぶのかさすがに気になった言葉は、 ルイズから風石という物の存在を聞かされ感心した。 船は飛ぶ。風の国アルビオンへ。 第11話 すぐに忘れてしまうような夢だけど 前ページ次ページ鮮血の使い魔
https://w.atwiki.jp/gods/pages/40759.html
ヒュペルビオス(3) ギリシャ神話に登場する人物。 関連: オイノプス(4) (父)
https://w.atwiki.jp/foodfon/pages/28.html
●マクロビオティック 穀類や野菜、海藻を中心に、タンパク源は魚介類と大豆製品などをとり、飲み物はコーヒー、アルコールは避けて刺激の弱いお茶を飲み、食材や調味料は、有機農産物、天然醸造のものを使います。また食べ物を陰陽(カラダを冷やすものと温めるもの)で判断して、調和をとって食べるのが特徴的です。 back Registration tag on this page eating habits nutrition vegetarianism
https://w.atwiki.jp/quizmagicianblackcat/pages/1500.html
神威の幻獣 アルビオン・イクシス 属性 雷 MAX Lv 70 Aスキル スターライトキュア 潜 在 能 力 攻撃力アップII 火属性ダメージ軽減I ランク S HP 1,936 Sスキル 神威の咆哮 (7) HPアップII 雷属性HPアップI コスト 35 攻撃 2,031 進化元 天翔の幻獣 アルビオン (A+) (5段階) (6段階) No.0516 種族 ? 編集 進化先 - (7段階) (8段階)
https://w.atwiki.jp/satosasara/pages/58.html
ホーム 著作者データベース検索サービス チェビオP検索 50音順 ラ行 §ラ行/50音順/チェビオP検索 ■呼称の頭文字のフリガナが「ラ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字ラ行ラ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「リ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字ラ行リ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「ル」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字ラ行ル」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「レ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字ラ行レ」をタグに含むページは1つもありません。 ■呼称の頭文字のフリガナが「ロ」から始まる作曲者 「チェビオP 頭文字ラ行ロ」をタグに含むページは1つもありません。